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2007/06/05 第166回国会 参議院 参議院会議録情報 第166回国会 財政金融委員会 第14号
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2007/06/05 第166回国会 参議院

参議院会議録情報 第166回国会 財政金融委員会 第14号

#1
第166回国会 財政金融委員会 第14号
平成十九年六月五日(火曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月三十一日
    辞任         補欠選任
     直嶋 正行君     大塚 耕平君
 六月四日
    辞任         補欠選任
     金田 勝年君     秋元  司君
     岸  信夫君     北岡 秀二君
     山下 英利君     野村 哲郎君
     池口 修次君     芝  博一君
 六月五日
    辞任         補欠選任
     北岡 秀二君     岸  信夫君
     尾立 源幸君     松下 新平君
     大塚 耕平君     前田 武志君
     平野 達男君     下田 敦子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         家西  悟君
    理 事
                沓掛 哲男君
                中川 雅治君
                野上浩太郎君
                大久保 勉君
                峰崎 直樹君
    委 員
                秋元  司君
                泉  信也君
                片山虎之助君
                岸  信夫君
                椎名 一保君
                田中 直紀君
                野村 哲郎君
                舛添 要一君
                尾立 源幸君
                芝  博一君
                下田 敦子君
                富岡由紀夫君
                広田  一君
                前田 武志君
                松下 新平君
                円 より子君
                西田 実仁君
                山口那津男君
                大門実紀史君
   国務大臣
       財務大臣     尾身 幸次君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        山本 有二君
   副大臣
       内閣府副大臣   大村 秀章君
       財務副大臣    富田 茂之君
       国土交通副大臣  望月 義夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤澤  進君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官
       兼行政改革推進
       本部事務局次長  大藤 俊行君
       内閣官房内閣審
       議官
       兼行政改革推進
       本部事務局次長  株丹 達也君
       内閣府大臣官房
       政府広報室長   高井 康行君
       金融庁検査局長  西原 政雄君
       総務大臣官房審
       議官       岡崎 浩巳君
       財務大臣官房長  杉本 和行君
       財務大臣官房総
       括審議官     勝 栄二郎君
       財務省理財局長  丹呉 泰健君
       国税庁次長    加藤 治彦君
       厚生労働大臣官
       房審議官     白石 順一君
       厚生労働省医政
       局長       松谷有希雄君
       国土交通省航空
       局長       鈴木 久泰君
   参考人
       日本政策投資銀
       行総裁      小村  武君
       日本政策投資銀
       行理事      多賀 啓二君
       日本銀行総裁   福井 俊彦君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○株式会社日本政策投資銀行法案(内閣提出、衆
 議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(家西悟君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、直嶋正行君、金田勝年君、山下英利君及び池口修次君が委員を辞任され、その補欠として大塚耕平君、秋元司君、野村哲郎君及び芝博一君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(家西悟君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 株式会社日本政策投資銀行法案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として財務大臣官房総括審議官勝栄二郎君外十一名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(家西悟君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(家西悟君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 株式会社日本政策投資銀行法案の審査のため、本日の委員会に参考人として日本政策投資銀行総裁小村武君外二名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(家西悟君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(家西悟君) 株式会社日本政策投資銀行法案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#8
○尾立源幸君 民主党・新緑風会の尾立でございます。
 今日は、政策投資銀行法案ということで三点ほど大きく分けまして、まずは民営化後のビジネスモデル、そして完全民営化の際の株式売却について、さらには投資銀行の融資先についてを大きく聞かせていただきたいと思います。細かい論点については先日、同僚議員からもたくさん緻密な質問ございましたので、私の方から大きなくくりで聞かせていただければと思っております。
 その前に、まずお手元に資料としてお配りをさせていただいております税源移譲に関するビラでございます。これはホームページからプリントアウトさせていただいたんですけれども、いろいろあちこちで最近見掛けるようになっております。電車のつり広告や新聞や、さらには、何か給与明細の中にまで入るというようなことも聞いておるんですけれども。
 御承知のとおり、この六月から住民税の税率が変わって住民税が増えると、これは皆さんに共通のことでございますが。ここで税率変更、税源移譲ということで負担が変わらないということを強調されているように思いますが、しかし一方で、確実に増税になるということもこれは予定されておるわけでございます。御承知のとおり、定率減税が廃止されております。この部分は、このビラの中の、皆さんぱっとごらんになってもどこに定率減税の影響で税金が増えるのかということは分からないと思います。ウォーリー君を探せじゃないですが、なかなか一目では分からないような作りになっております。実は、左の女性がこう手をやっておりますが、これですと。その下の四角の囲みの中に一番細い小さい字で、「ただし、平成十九年からの定率減税廃止に伴う税負担が生じます。」、こういうふうに虚偽にはならないようにちゃんと書いてあるわけでございますが、この広報の在り方はちょっとバランスが私は悪いのではないかと思っております。
 そこで、このバランスの悪い広報に一体幾らの国費、予算、税金が投入されているのか、国税庁、総務省、内閣府それぞれにお聞きしたいと思います。
#9
○政府参考人(加藤治彦君) 国税庁の広報につきましては、今先生の御指摘のものとは全く別のもので、源泉徴収義務者あての説明会のときに配付するパンフレットを作っております。これにつきましては、毎年、源泉徴収税額が変更になること等を踏まえまして定例的に行っておるわけでございますが、その際、今回の税源移譲による変化も含めて新しい税額表になりますというチラシを作ったわけでございます。ただ、このチラシが総額でこのチラシの制作費として約六百四十三万円掛けておりますが、これは全体としては税額表が変わりますということを含めたものでございますので、税源移譲だけを取り出したものではございません。そういう点を御留意の上で、この関係で約六百四十三万円の費用を計上しております。
#10
○政府参考人(岡崎浩巳君) お答え申し上げます。
 税源移譲に係る広報につきましては、総務省においてはこうした税源移譲のリーフレットの増し刷り経費などがございます。これまでに合計約六十六万円を支出しているところでございます。
#11
○政府参考人(高井康行君) お答え申し上げます。
 税源移譲に関する政府広報についてでございます。新聞、雑誌、インターネットの媒体に要しました費用の総額約一億六千万円でございます。ほかに、テレビ、ラジオを使っておりますけれども、テレビ、ラジオにつきましては、半年あるいは年間契約で実施しておりますので、五回分取り出すことはできませんので、これには積み上がり、この積算は入っておりません。
 以上でございます。
#12
○尾立源幸君 内閣府にお聞きしたいと思いますが、これからの予定も含めてトータルで幾ら、現在まででしょうけれども、これからのを含めまして幾らなのか、もう少し詳しく教えてください、テレビの予算をですね。
#13
○政府参考人(高井康行君) これからの広報につきましては、今計画をしているところでございます。雑誌、新聞、テレビ等について行う予定でございますけれども、ちょっと今のところ、予算はこれから決めますので、予算については御容赦願いたいと思います。
#14
○尾立源幸君 いや、おかしいじゃないですか。これ通告をしておりますし、もう六月のこれ問題ですから、既に出稿計画等は立ってなきゃもう間に合いませんよ。それで値段が決まってないというのはおかしいじゃないですか。
#15
○政府参考人(高井康行君) 今申し上げましたように、雑誌については十誌程度、新聞とテレビについても予定いたしています。
 それから、テレビにつきましては、先ほども申し上げましたように、年間契約いたしておりますので、一回当たりで出ないというのはございますけれども、雑誌については十回、それから新聞についても一回ぐらい予定、考えているところでございます。
#16
○尾立源幸君 だから、それで幾らなんだと聞いているんですよ。大体分かりますよね。
 それと、これはどなたがやれって決めたんですか。
#17
○政府参考人(高井康行君) まず、政府広報でございますけれども、政府広報室におきまして内閣官房の方と政府の重要施策について打合せをし、それから税源移譲につきましては総務省、国税庁と打合せをして決めていくという段取りでございます。
 それから、予算額でございますけれども、まだ具体的になっておりませんけれども、大体一億円余の金額になるかというふうに考えております。
#18
○尾立源幸君 じゃ、合計で三億ぐらいということですね。はい。
 それで、最終これ決定責任者というのはだれになるんですか、内閣府では。
#19
○政府参考人(高井康行君) 政府広報の場合は、予算執行は官房長官が決定いたします。
#20
○尾立源幸君 じゃ、塩崎官房長官がやれということだったわけですね、三億円使って。はい、分かりました。
 それでは、もう一点、この税源移譲の結果、他に負担が私生じてくるんじゃないかと思いますが、厚生労働省にお聞きしたいと思います。この税源移譲の結果、住民税が上がることによって何がどう変わるのか、御説明ください。
#21
○政府参考人(白石順一君) お答えいたします。
 六月から個人住民税の税率が変わるわけでございますけれども、大きなもので基本的には変わらないというのがまずお答えになるんですが、例えば介護保険料額の算定の際に指標とするもののうち、地方税に関するものは、課税されているか否かということと、それから地方税法上の合計所得金額が幾らかということでございますので、個人住民税率が変わることによる影響は介護保険に関してはございません。
 それから、国民健康保険料でございますけれども、十九年の四月一日現在で全国に一千八百二十七の保険者がございます。このうち千七百八十八、九八%の保険者においては、保険料の算定基礎といたしまして、基礎控除後の総所得金額を採用しておる関係で個人住民税額に連動いたしませんので、この関係の影響はないということでございます。そうすると、九八%、残り二%の十六の市町及び特別区、ここは個人住民税に連動した保険料の算定方式を採用されているごく限られた保険者というのはございますが、ここについては理論的には影響があり得るということになります。
 ただ、保険料として賦課すべき総額というのが決まっておりますので、総体としては負担増にはならない。個人住民税が増えますと、それに掛けます所得割率というのが下がって、トータルとしての保険料というのが決まるわけでございますので、そうすると、今申し上げましたごく限られた市町村の中でどの程度の所得分布があるかということでいろいろ影響の出方は異なるわけでございますけれども、中には所得割、今まで五%の方が一〇%になるということに伴って税率は上がるけれども、所得割率が下がるけれども、下がり切り方がどうなるかということで若干変動のある方がいらっしゃるということがあり得る。こういうことで、各保険者におきましては必要な措置をとるように私どもの方からも助言をいたしました結果、例えば特別区等々では激変緩和の措置を講じるというふうな形で対応していると、このように承知しております。
#22
○尾立源幸君 ありがとうございました。
 いろいろ難しいお話をされましたが、結局その二%の市町村の中において部分的に、特に低所得者の方々に対してこの保険料が上がるということがあるということでよろしいですね。
#23
○政府参考人(白石順一君) 理論的にはあり得るということで、例えば特別区、東京都の二十三区の場合は二百万円以下の税率一〇%ではなくて暫定的なより低い税率を適用する等々のことはございます。
#24
○尾立源幸君 結論として、皆さん聞いていただきたいんですが、国民健康保険料もこれによって負担が上がるわけです。これをしっかり言っていただかないと、何か理論的にはあり得るけれども云々と言われますと、じゃ実際はどうなのかと全部聞かなければなりませんが、上がるということでございます。その辺も政府広報でもきちっと言っておかないと、また窓口混乱いたしますよ。内閣府、この件はどうなんですか。内閣府、無視ですか。
#25
○政府参考人(高井康行君) 今御指摘いただきました、ちょっと我が方としてもどのように対応するか、検討いたしたいと思います。
#26
○尾立源幸君 今回、先ほどおっしゃったように、総務省、財務省、内閣府でやっていらっしゃるんですか。何で厚生労働省は入ってないんですか。
#27
○政府参考人(高井康行君) 今回の広報につきましては、税源移譲が地方分権、三位一体の一環であるということ、そして所得税と住民税を合わせると税負担額は変わらない、ただし定率減税の廃止の負担増はあるということをポイントといたしまして広報をしようということを考えたということでございます。
#28
○尾立源幸君 三億近いまたこれお金を使ってやるわけですよ。こういう部分的に抜け落ちているところがあると。これ、内閣府というのはこれはもうやっぱり全体を見ていただくところですよね。なぜ抜け落ちたんですかね。気付かなかったのか、必要がないと思ったのか、もう一度。
#29
○政府参考人(高井康行君) 先ほどの繰り返しになりまして恐縮でございますけれども、広報でございますのでポイントを設定いたしておるわけでございますけれども、所得税と住民税を合わせると税負担額は変わらないということを中心に広報していこうと考えたということでございます。
#30
○尾立源幸君 この住民税が上がることでいろいろ波及効果もございますので、もう少しその辺研究して、しっかり広報を打つときはやっていただきたいと、まず申し上げたいと思います。
 それでは、本論に入らせていただきたいと思います。
 まず、民営化後のビジネスモデルということで財務大臣にお聞きいたしたいんですが、この法案の一条の目的に、もうこれも何度も聞かれていることだと思いますが、長期の事業資金にかかわる投融資機能の根幹を維持するとございます。これは具体的にどのような事業に対する投融資を指しているのか、インフラ整備などを指しているのか、改めてお答えいただけませんでしょうか。
#31
○国務大臣(尾身幸次君) 新しい会社が行う長期の事業資金に係る投融資の提供先となる事業につきましては、鉄道事業者あるいはエネルギー事業者が行う伝統的なインフラ整備事業を始めとしてベンチャー企業育成事業や地域再生事業あるいは事業再生事業等における出資等、これまで日本政策投資銀行が投融資を行ってきた事業が想定されるというふうに考えております。
#32
○尾立源幸君 そこで、総裁にお聞きしたいんですが、今回の法案は基本的には完全民営化までのことでございますので、この目的が入っておるというのはよく分かるわけですけれども、私もずっと質疑を聞いておりまして、その後のことは新たな経営者と株主さんがお決めになることだみたいな御発言があったと思うんですけれども、総裁の意思としては、完全民営化後、経営者の今トップでございます、経営者の意向を受けて株主がそれをいいか悪いか判断していくというこれは構図だと思うんですけれども、意思として、今財務大臣がおっしゃったような長期の事業資金のやはり投融資というのはやっていくべきなのか、やりたいのか、やりたいのかですね、やろうと思っているのか、その辺、御意思を御確認させてください。
#33
○参考人(小村武君) 私どもの銀行は過去五十年間、長期的な視点に立って融資活動を行ってまいりました。昨今においては投資活動も行っております。そうした得意な分野において職員が能力を発揮できるように、そういう銀行でありたいと思っております。不得意な分野でなかなか勝負が難しいかなと、こう思っております。
#34
○尾立源幸君 そうすると、意思として、現経営者トップの意思としてはやはり完全民営化後も得意な分野でやっていきたいと、こういうお話かと思います。
 そうしたときに、現在と移行期間中は基本的には財政投融資資金、ここから低利、長期の資金調達をすることが可能という立て付けになっておりますが、完全民営化後についてはここは全く保証がございません。
 そこで、総裁としては、どのような資金調達方法が考えられるのか、財投からの借入れに代わる何かアイデアがございますか。
#35
○参考人(小村武君) 現在、財投からの借入れあるいは政府保証債、それから残りは私ども政府保証のない債券を発行して資金調達をしております。ただ、だんだんと財政資金というものあるいは政府保証が期待をできないとなると、自ら調達をしていかなきゃならぬ。その際に、債券だけでは、社債だけではやはり困難であろうと思います。
 今回この法案におきましても、金融債やあるいは大口の預金あるいは銀行借入れという方法を入れていただきました。こうした幾つもの選択肢の中からやはり一番フィットしたものあるいはその時代時代で有利なもの、そういうものを選んで資金調達をしていく。おっしゃるように資金調達が私どもの最大の課題であると思っております。
#36
○尾立源幸君 今るるおっしゃいました財投からの借入れや政府保証債等々と比べて、新たな調達手段と比べた場合に、総裁としては今、その利率ですよね、調達コストというのはどういうふうにお考えですか。
#37
○参考人(小村武君) 政府の保証がありますれば、やはりそれだけの私どもの格付が高く、しかも資金的にコストが低く調達できること、これは当然であります。したがいまして、今度は私どもの信用力だけでマーケットにそれを問うていかなければなりません。当然コストの上昇というものも覚悟しながらも、その中でも何が一番有利な調達方法であるか、こういうものを模索をしていきたいと、こう考えております。
#38
○尾立源幸君 例えば、原子力にかかわる投融資の実態を見てみますと、平成十八年三月時点で一兆五千六百五十九億円あります。貸付利率は十七年度平均で一%台半ば、貸付期間はおおむね十五年から二十年と、正に長期、低利の資金供給をインフラ事業を行っている企業に行っているわけでございます。
 先ほど申し上げましたように、これが可能なのは現在の財政投融資や政府保証債等々のおかげだと思うわけでございますが、この民営化後は政投銀自身の信用力で市場からこういったたぐいの資金調達をしていかなければならないわけですね。そうすると、今総裁おっしゃったように、必ず、必ずこれは、もう皆さんも御承知のとおり、調達コストは上昇するわけです。そうすると、このような条件で、一%台半ばというような条件で融資が私は不可能になるのではないかと、このように思うわけですが、総裁の御見解をお聞きします。
#39
○参考人(小村武君) 二つの意味で大変な困難が予想されると思います。
 一つは、私どもは今、収支相償の原則で運営をしております。もうける必要がないといいますか、収益を上げること自体が目的ではありません。ただ、完全民営化をした場合には収益を上げて株主の皆さんの信頼にこたえなきゃいけない、それが一つと、先生御指摘の調達金利においてこうしたものが可能であるかというと、非常にそういう意味では厳しいと思います。今、民間金融機関が先生御指摘のような小さいスプレッドで、長い期間のものを提供することはできません。私どもが民営化した場合にも同じようにできないわけであります。
 したがいまして、政策上、特に必要な場合に政府がどういう措置をとっていただけるかということによって対応が決まってまいると思います。
#40
○尾立源幸君 正に資金調達コストの上昇ということと長期事業資金の供給の両立というのは、私、これはもう総裁のお話からもありましたように、実質無理だというふうに思うんですね。
 そこで、財務大臣、ちょっと御質問、通告してないかもしれませんが、本当にこの二つのバランスが取れるのかということに対して、今議論をお聞きになって大臣はどのようにお考えですか。
#41
○国務大臣(尾身幸次君) この政策投資銀行の将来につきましては、いろんな経済状況の変化に応じて、基本的に、政府が主体となって民間の資金供給をするということから民間主体の資金供給に変えよう、そのことが小さな政府を実現をするし、経済の活性化、効率化に資するという考え方でこれを進めているところでございます。
 そういう意味で、今後私どもが、移行期間中の政策投資銀行につきましては債務保証等のことをやるわけでございますが、完全民営化された後は債務保証も行わないと、こういうことでございますから、長期の事業資金に係る投融資機能の根幹を維持するということについては政府としては期待感を示しております。しかしながら、それを現実に民間企業として行うのは完全民営化された後の銀行であると、こういうことになると考えております。
#42
○尾立源幸君 まあ、完全民営化後はある意味知らないよと、こういうことなんでしょうかね。
 そこで、ちょっと今回、何か二転三転しているような印象があるのは、平成十七年十一月二十九日に経済財政諮問会議の政策金融改革の基本方針の中で、政策投資銀行の在り方ということで、「大企業、中堅企業向け融資であり、国全体として資金不足であった高度成長期とは異なり、民間市場から貸付のみならず、社債や株式等様々な形態で資金の取り入れが可能であり、政策金融として行う必要がなくなっているため、撤退する。」と、こういうふうに明言されております。
 しかしながら、今回出てきた法案というのは、御承知のとおり、この一条に、長期の事業資金の供給については引き続きやるということで民営化が行われるわけなんですけれども、これは本来、財政諮問会議で決定したときには、長期事業資金の在り方というのは余り議論しないで、法案出すときになってこれをくっ付けたような私は印象があるわけですが、大臣、この辺りはいかがでしょうか。
#43
○副大臣(富田茂之君) 平成十七年秋の経済財政諮問会議におきまして、政策金融の見直し等について五回にわたり議論が行われました。その際に、先ほど先生の方から御指摘ありました十七年十一月二十九日の取りまとめで、確かに先生おっしゃったように、民間市場からの貸付けのみならず、社債や株式等様々な形態で資金の取り入れが可能であり、政策金融として行う必要がなくなっているため、撤退するというふうにされましたが、同時に、撤退に当たりましては、新金融技術開発機能を維持するためには多くの機能がそろっていることが望ましいこと等から、一体として完全民営化するというふうにもされたところでございます。
 そして、この審議の中で、日本政策投資銀行に関しましては、金融の非常に貴重なノウハウを持っているため、これを解体するのはもったいない等の意見がございました。こうした議論を経まして、行政改革推進法におきまして、日本政策投資銀行について、完全民営化に当たっては、長期の事業資金に係る投融資機能の根幹を維持されるよう、必要な措置を講ずるものとするとの文言が規定されたと、このような経緯でございます。
#44
○尾立源幸君 分かりました。
 それでは、この点でもう少し議論させていただきたいんですけれども、本来、総裁のお気持ち、ずっと底辺に流れているのと、財務省のお考えとはちょっとギャップがありまして、完全民営化後は。御承知のとおり、総裁は続けたいと、財務省は、まあ、もうそれは特別扱いはないんですよと、こういうようなお考えではないかと思うわけでございますけれども、また財務大臣にお聞きしたいと思います。
 じゃ、冷たく突き放した場合、長期の事業資金、インフラ等に関しては、これからもやはり公的な銀行なり金融機関なり民間なりが、いずれかがやはりこれ担っていかなきゃいけない部分ではあると私も思うわけなんですけれども、そうした場合に、特別扱いしないのであれば、政策投資銀行を含めた民間銀行に、例えば入札などで、あるプロジェクトに対してはこれだけのお金を長期で貸しますと、そのときに金利が到底採算に合わないと、民間がやるには、利子補給をその分いたしますよというような形で入札をして、財政投融資資金が使えるように、このようにする方法もあると思うんですけれども、財務大臣、こんな方法もあり得ると考えてよろしいんですか。
#45
○国務大臣(尾身幸次君) 先ほど申し上げましたように、平成十七年の閣議決定の行政改革の重要方針におきまして、政策金融は今後三つの分野を中心として行い、それ以外については撤退するという方針を決めたところでございます。三つの分野といいますのは、一つは中小零細企業、個人の資金調達支援、二つ目が国策上重要な海外資源確保あるいは国際競争力確保に不可欠な金融、三つ目が円借款と、こういうことでございます。
 そういうことで、これからのいわゆる長期の事業資金に係る投融資機能の根幹につきましては、基本的には政府はこれを支援する形では行わないということでありまして、これがひいては、むしろそういう面から、要するに政策ベースの支援というところからは撤退をして民間にゆだねると、そして最終的には完全民営化された新会社が民間企業として要望があったときに融資を行うことは、これは私どもとしては期待をする、こういうことになったわけでございます。
 ですから、長期のいわゆるプロジェクトについて、政策投資銀行の在り方として、その本来の業務としてこれを政策的に支援するということは行いません。しかしながら、何らかの形で政策的に支援をする必要があるものにつきましては、それを担当する役所がその必要性を認め、かつ、それに対する必要な助成措置的なものも手当てをしながら民間企業になった政策投資銀行にその役割を担わせるということも将来の問題としてはあり得るというふうに考えております。
#46
○尾立源幸君 分かりました。
 そうすると、基本的には大臣は、完全民営化後は国が今までのような形で関与をして融資をするということはないと、しかしながら個別政策判断で必要な場合には何らかの政策手当てをすると、こういうことでよろしいですよね。
 そこで問題なのは、完全民営化後は、政策投資銀行は今の現存する銀行と同じ一般銀行になるという理解でよろしいですか、大臣。
#47
○国務大臣(尾身幸次君) これは、今まで培ってきた政策投資銀行としてのノウハウ等の蓄積があるわけでございますから、そういう特色を生かして民間金融機関としてやっていかれるということを期待をしているわけでございます。
#48
○尾立源幸君 法律的に言って、いわゆる会社法の世界でございますが、特別立法になるのか一般的な会社法での銀行業を営む会社になるのか、どちらでしょうか。
#49
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 完全民営化後の政投、政策投資銀行ですけれども、これにつきましては、今、長期の事業資金を供給する役割がありますけれども、それを維持することが期待されていますということで、しかも収益を上げないといけないということでございます。
 したがいまして、一つのビジネスモデルに即して言いますと、リスクマネーを供給するという観点から、長期の事業資金を供給する観点からは出資業務、それ一つの大きな柱とする持ち株会社みたいなもののグループ経営ということが考えられるかと思います。そして、その場合には、所管する法律でございますけれども、それぞれの法律、例えば貸金業法とか銀行法とか、それぞれの法律に従って行動するかと思っています。
#50
○尾立源幸君 そうすると、一般の完全民営化された会社と、グループの中に特別なそういうインフラ、長期、低利の融資なり投資をするような会社をつくるというようなことですか、もう既に。
#51
○政府参考人(勝栄二郎君) 完全民営化後のビジネスモデルは移行期間中の会社の経営陣及び株主が勘案することになると思いますけれども、今申し上げましたのは、完全民営化後の会社は一つの会社ではなくして、一つ考えられますのは、グループ形態というものが考えられるんじゃないかということを申し上げました。
#52
○尾立源幸君 どうも総裁の意向と大臣の意向と違うと、それをつなぎ合わせるのが勝さんの今お話しになったようなのり代の部分かなというふうに聞こえるんですけれども。
 結局は、今のようなまるっきり民間の金融機関と、銀行と同じにしちゃうと、なぜ政策投資銀行にだけ特別な責務を負わせるのかということでイコールフッティングの観点から矛盾が出てきますわね。だから、勝さんがおっしゃったような政策目的にかなった子会社なり関連会社をつくって、そこにやらせようというわけですか。
#53
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 完全民営化後の会社は政策金融からは全く撤退しておりますので、その意味で、一部の会社が、子会社でも、政策金融的なものをやるということは想定されておりません。
#54
○尾立源幸君 いや、私が申し上げているのは、そうはいっても、大臣がおっしゃったのは、政策目的があって、やはり長期、低利みたいなものの資金を供給するなり投資をすることは必要だとおっしゃっている。
 そこで、じゃ、どこが受皿となって民間との間をつなぐんですかというふうに聞いたときに、勝さんは、子会社的なところが、今の政策投資銀行とは別のところがそういうツールとして使われるのではないだろうかと、こういうふうに私は理解したんですけれどもね。
#55
○国務大臣(尾身幸次君) 完全民営化された後の政策投資銀行はあくまで民間企業でございます。したがって、完全民営化された後の政策投資銀行が政策的な融資をやるということは想定をしていません。
 もし今後いろんな理由で政策的な融資をやる必要があるという判断がされる場合には、そのことを必要と考える担当の官庁がそれに必要な手当てを含めまして政策投資銀行を活用することもあり得る。その活用の仕方はまだ具体的には考えられていないわけでありまして、そのときには必要なある種の助成手段を講じて活用することもあり得る。しかし同時に、政策投資銀行は純粋民間会社になっているわけでありますから、この銀行だけをいわゆるひいきにして活用するわけにはいかないということであります。
 そのときにどういう手段になるかはその政策のニーズに応じて考えるわけでありますが、政策投資銀行固有の仕事としてそういう政策投融資を行うという考え方はなく、一般的なイコールフッティングの原則の下で、何らかの手当てを必要があればして、これを政策金融のためにある部分的にやっていただくことはあり得ると、こういう考え方でございます。そのときには必要な立法あるいは必要な予算措置等を講ずる必要があるかもしれないと、こういうことでございます。
#56
○尾立源幸君 長期、低利ですか、また投資を含めて、私はこれは必要な部分だと思っております、政策的に。ですので、それがどういう形で実行されるのかと。
 まあ、二つあると思うんですね。もう政策投資銀行を含めたすべての民間金融機関に、先ほど申し上げましたような、リスク、リターンに合った商売ができるように政策的に補助をするというやり方が一つでしょうし、もう一つは、勝さんがおっしゃったように、割と広く一般に民間にやらせるのではなく、政策投資銀行のグループ会社の一つにそういった機能を持たせられるような会社をつくって、そこを通してやるという二つの方法論があろうかと思いますが、いずれにしても、どちらかといいますと、今のお考えではグループ会社でやられるようなふうに私は理解をしております。
 そこで、そういう、どっちでもいいと言えばいいんですけれども、そもそも論で、この部分というのは民業圧迫や民間でできることをもう政府がやることはないだろうというところからが出発点なわけでございますから、本来この政策投資銀行の民営化をするというのではなく、民業圧迫になるような部分をやめて、長期、低利、正に政策的なものをやる専用銀行として残せば逆にすっきりしていたんじゃないかと私は思うわけです。今だと、民営化して、さらにまたその下に何か準政府機関のような銀行なり会社をつくるようなイメージに私はとらえられるわけでございます。財務大臣、いかがでしょうか。
#57
○国務大臣(尾身幸次君) どうもちょっと議論がややかみ合っていないかなという感じがいたしますが、政策投資銀行の一部を、将来政策的な子会社みたいなものを政策的なツールとして使うという考え方は今のところ政府は取っていないということは御理解いただきたいと思います。
#58
○尾立源幸君 勝さん。
#59
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 今大臣が申しましたように、何らかの形で政策金融を残すという考えはございません。今のグループ形態による経営と申し上げましたのは、純粋なる金融機関であれば、例えば子会社の五%ルール、保有の規制がございますので、出資を主たる業務の一つと据える場合には、やはり何らかの形のグループ経営体による経営が必要なんじゃないかということを思って申し上げた次第でございます。
#60
○尾立源幸君 いずれにいたしましても、私がなぜこんなにしつこく聞いているかというと、そもそも必要な、やはり民だけではできない分野があるわけですよね。そこをだれがどうやって担保していくのかということをお聞きしているわけなんですよ。ですので、ちょっと、何というんですかね、大臣も多分その部分は必要に応じてやるよということですし、総裁もまあそれは受けるよというようなことでしょうし、勝さんもやるよと。
 だから、皆さんやるということでいいんですよね。
#61
○国務大臣(尾身幸次君) いやいや、そういうことではございませんで、基本的に民営化にするということは、政策金融はこういう枠組みの下では撤退をしてやらないということを意味しているわけでありまして、政策金融をパブリックセクターで金融という形でやるということはやらないという基本的な民営化の考え方がございます。
 これは、公的部門の縮小と政府信用の圧縮によりまして簡素で効率的な政府を実現して、ひいては、それによって我が国経済の効率化、活性化に資すると、こういう考え方の下に、先ほど申しました三つの機能以外からは撤退をするという改革の方針を出しているわけでございます。
#62
○尾立源幸君 政策金融という言葉は使いませんが、個別政策的に判断をして必要な支援はするということなんで、私はこれ、政策金融だと思うんですけどね。
#63
○国務大臣(尾身幸次君) それは、政策投資銀行という枠の、従来の政策投資銀行的な枠の中での枠そのものを政策金融の用具に使うという考え方は取らないという考え方であります。
 したがって、将来、政策的に必要な金融があるということに認定、考えがなったときには、必要な対応を、立法措置も含め、予算措置も含め、やることもあり得ると、こういう考え方でございまして、政策金融がパブリックセクターからで、必要であるという考え方は取っていないということは御理解をいただきたいと思います。
#64
○尾立源幸君 はい、分かりました。
 ベースはやらないよということですね、ゼロベースで始めると。ただ、場合によっちゃやりますよという、今のは先祖返りしちゃうような気がするんですけれども。まあ、いずれにしても、二通りの方法論があるということを御理解をいただきたいと思います。
 そこで、民営化の際の株式売却について、ちょっと総裁にお伺いしたいと思います。
 今回、五―七年以内に株式を売却して完全民営化することになっておりますが、これが仮にですね、仮に上場して市場で売却するという話になりますと、それ相応の利益を出さなきゃいけないわけでございますが、今、メガバンクのROEは大体一五パーぐらいなんですけれども、そうすると、株主資本二兆円の、今、御行におかれましては、利益を年間三千億ぐらい出さなきゃいけないと。で、二〇〇六年の三月期どうだったかなと見ますと、九百二十六億円なんですね。
 こう考えると、上場を前提とした株式売却というのはかなりハードルが高いのかなと思うんですが、投資銀行の総裁、この辺はどうお考えですか。当然、横の調査もされているでしょうから。
#65
○参考人(小村武君) 御案内のように、現在は収支相償の原則で運営をしておりますから、ROEは御指摘のように低うございます。その残高をしばらくは背負っていきますから、急にはROEの上昇は望めませんが、究極的には民営化、完全民営化をいたしまして、株主の理解を得るためには、今、一般の金融機関並みのROEを達成しなければならないと、そう考えております。
#66
○尾立源幸君 そうすると、総裁は、あくまでも上場ねらいということでよろしいんですか。
#67
○参考人(小村武君) 上場するかどうかということとは別に、やはり株主の御理解を得るためにはそれだけの実績を持たなければならないということでございます。
#68
○尾立源幸君 仮に上場をじゃしないと、又はできないといった場合に、複数の取引先や地銀、いろんなところに持ってもらう、いろんな企業に持ってもらうことも考えられますが、これは大久保委員が既に指摘されたように、ガバナンス上良くない部分がございます。そういう意味で、一時国有化された銀行の受皿を選定するときのように売り先の選定基準というのを設定して公募で譲渡先を探すというふうなことも私は考えられるのではないかと思いますが、財務大臣、お考えをお聞かせください。
#69
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 先生お尋ねの選定基準を設定しまして公募することにつきましては、現在、移行期間中の政府保有株式の処分の方法につきましては、本法律成立後速やかに専門家や有識者から成る検討会で専門的かつ客観的な観点から検討することにいたしております。
 そのときには、一つは、円滑な処分とできるだけ高く売るという要請。またもう一つは、行革推進法又は行革推進本部での制度設計でうたわれましたように、完全民営化後も長期の事業資金に係る投融資機能の根幹を維持することを期待するということ。また、この行革推進法の参議院附帯決議におきまして、この機能、長期事業資金の供給、これを維持するために安定性のある株主構成とするという決議がありまして、それを踏まえて判断することになると思います。
 その場合に、いろんな検討事項があると考えておりますけれども、株式の処分の方法、それは一つは株主構成の問題そのものだと思いますけれども、上場するかどうか、非上場にするかということが一つの大きな論点になるかと考えております。
#70
○尾立源幸君 そこで、今、政策投資銀行の融資先、投資先を見てみますと、この前大門委員からもリスト開示されましたように、電力、鉄道、航空、通信など日本の正に重要な根本的な部分のインフラに多くの投融資を行っております。したがいまして、五十年の歴史とおっしゃいましたが、逆に言いますとそういった企業情報もたくさん蓄積されているわけですよね、政策投資銀行の中に。
 それで、お尋ねしたいのは、株式を譲渡する際、これは区別、差別するのはいけないのかもしれませんが、今いろいろ勝審議官おっしゃいましたが、いろいろ検討するんだとおっしゃいましたが、外資規制というのは安全保障上考えられているのかどうかお聞きしたいと思います。財務大臣。
#71
○副大臣(富田茂之君) 今、勝審議官の方から株式処分についてるる御説明させていただきましたけれども、本法案成立後速やかに専門家や有識者から成る検討会で専門的かつ客観的な観点から検討をしていただくことにしておりまして、今後検討をお願いする事項や人選について詰めてまいりたいと考えております。
 この検討会におきましては、今先生から御指摘のありました日本政策投資銀行が保有する融資先の企業情報という観点にも考慮しつつ、長期の事業資金に係る投融資機能の維持にふさわしい株主構成や株式の処分先等の様々な論点について、日本政策投資銀行や新会社におけるビジネスモデルの検討状況や株式の上場の可否等の諸事情を踏まえながら幅広く検討が行われることになるというふうに考えております。
#72
○尾立源幸君 総裁、ROEも高めていくということで、でき得るならば上場も当然経営者として資金調達をやはりするためにも必要だと私も思っておるんですが、上場した場合に、外資規制の掛けられる上場なんというのはあり得ませんよね。その辺どうですか。財務省。
#73
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 上場する場合には上場の基準があると思いますので、そこに外資規制があると聞いておりません。
#74
○尾立源幸君 それでは、今後の検討会の進捗状況にもよるんでしょうけれども、安全保障上これはやはり大事だという話になると上場はあきらめざるを得ないというようなことにもなりかねないということですね、勝審議官がいいんですかね。
#75
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 それを含めて、今後、検討会で議論をしていただきたいと思っています。
#76
○尾立源幸君 じゃ、富田副大臣もおっしゃったように、この安全保障という観点も入り得るということでよろしいんですね、財務副大臣。
#77
○副大臣(富田茂之君) 先ほど申しましたように、先生の御指摘のあった、日本政策投資銀行が保有する融資先の企業情報という観点も考慮しつつというふうに答弁させていただきましたけれども、当然それを考えて検討していただけることになると思います。
#78
○尾立源幸君 是非よろしくお願いいたします。
 それで、いずれにしても、この株式売却によって得られる利益というのは国益と国民益といいますか、国民の利益が最大になるように私は配慮をしていかなければいけないと思っています。
 そこで、政策投資銀行の融資実態、投資実態を見ますと、第三セクターに対する融資も全体の一割に上っておるわけでございます。貸付金残高十三兆円のうち、三セク融資は一兆三千億円でございます。しかしながら、ここで問題なのは、第三セクターの約半数は債務超過、債務超過懸念と言われております。これは二〇〇四年の帝国データバンク調べでございますが。そこで、実際にも、政策投資銀行が投融資を行った第三セクターも破綻処理が行われていますよね。例えばむつ小川原開発、アジア太平洋トレードセンターなど、債権放棄もしております。
 そこで、債務超過や債務超過が懸念される企業、第三セクターについて、私はいたずらに処理を遅らせて不良債権を抱え込む、さらには膨らませるということはあってはならないと思っております。挙げ句の果てに、こういったことが五年、七年の最後の最後に出てきて、二束三文でこの銀行を政府が売却しなきゃいけないと、こんな事態は私は避けるべきだと思っております。
 そこで、財務大臣、政策投資銀行の総裁に見解をお聞きしたいと思います。
#79
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 第三セクターへの貸付金等の債権につきましては、他の債権と同様に自己査定の上、リスクに応じて必要な貸倒引当金を適切に計上しております。また、その当該査定につきましては、監査法人による監査また金融庁の検査を受けておりまして、適切なリスク管理を行っているものと考えております。
 なお、第三セクターに対する貸出金の残高に占めますリスク管理債権の割合は約八%、これ平成十八年三月末ですけれども、となっていると聞いております。
#80
○参考人(小村武君) 私どもの銀行は、旧開発銀行と北東公庫を実質承継いたしまして発足をいたしました。その際に、過去の負の遺産を引き継いだことは確かであります。
 ただ、これは私どもの銀行だけでなしに他の民間金融機関も同様であったかと思いますが、私どもはその後、こうした第三セクター関係のものにつきましては精力的に整理をいたしました。現在、大変その不良債権比率も落としてまいりました。新銀行に引き継ぐときにも、更なる身をきれいにして引き継いでまいりたいと思います。
#81
○尾立源幸君 そこで、私ちょっと調べてみました。
 日本政策投資銀行の子会社、関連会社、出資会社等の状況ということで資料が、この調査室で作られたのがあるんですが、これは政策投資銀行出資比率二〇%超の出資先が一覧として載っておりますが、七十九社ございまして、残高が千五百八十九億円と、このように計算をいたしますとなりました。
 そこで、お聞きをしたんですけれども、これを時価評価されているんですかと言ったところ、いや、しておりませんと、こういう答えなんですが、いかがでしょうか。
#82
○参考人(多賀啓二君) お答えいたします。
 先ほどの先生の御質問は、私どもが毎年発行しております業務報告書に出ておるものについてということでございますが、これにつきましては一定のルールにのっとりまして、今おっしゃいました二〇%以上のものにということで記載をしておりますが、これはあくまで、もう御承知のとおりかと思いますが、私どもは法律に基づく資金供給業務の一環ということでやっているわけでございます。
 それで、個別の会社につきましては、もちろん会社の形にもよりますけれども、先ほどの小村の方からもお答えしましたように、正に私どもの財務の健全性の観点ということで、必要な融資先とか出資先につきましては、それ相応の引き当てなりなんなりという経理的な処理をしておりますので、そういうことで御理解をいただければいいと思います。
#83
○尾立源幸君 そうしたら、私がいただいた答えが間違っていたということでしょうかね。これは個別に企業情報なり投資先の財務状況を入手されて、それぞれ個別評価をされているということでよろしいんですか。
#84
○参考人(多賀啓二君) ここに記載しておりますのは個別の会社もございますし、一種の匿名組合出資のようなものもございますし、したがいまして私どもが私どもの基準で正に引き当て等の処理をきちんと、何といいますか、ルール上きちっとやれるものと、必ずしも匿名組合のようなものについてはなかなか全体像の問題もあって個別には処理をしない、処理といいますか、引き当ての形になってないとかいろいろございますので、全部かどうか分かりませんが、少なくとも私どもが私どものルールにのっとって引き当てをしなきゃいけない個別の会社については引き当てをしているというふうに御理解をいただければいいかと思います。
#85
○尾立源幸君 じゃ、その辺はこの財務の状況の附属明細表の中でございます引当金明細表の二百二十億と、例えば当期増加額、ここに反映がびしっとされているということでよろしいのでしょうか。そして、そういった引き当てをしなきゃいけないがために、昨年におきましては五百六十億の政府の出資が増えておりますけれども、そういう意味ですか。
#86
○参考人(多賀啓二君) ちょっと私が言葉足らずがございましたので更に正確に申し上げますと、基本的に私どもは今企業会計ルールにのっとった決算と特殊法人会計決算にのっとったルールと両方の決算をしているということでございますけれども、当然ながらこういう会社等につきましては、企業会計ベースの決算ではきちっと一定のルールにのっとって引き当てをしているという御理解でいいかと思います。
 一方で、正に特殊法人会計ではそういうルールがないものですから、そういう特殊法人会計ルールでは先生がおっしゃったような意味の処理はしてないと、こういう御理解を賜れば結構かと思います。
#87
○尾立源幸君 分かりました。
 それでは、最後に一点だけJALのこと、あと後半みっちり九十分、峰崎議員の方からお話があると思いますが、今回、まだ最終決定ではないのかもしれませんが、監査役を派遣するというふうに私は報道で知っておるんですけれども、この監査役派遣、私も申し上げましたアドバイザーなり取締役なりどうかと言ったら、それも考えるというふうにおっしゃったんですけれども、早速監査役の派遣をお決めになったのかどうかそれは分かりませんが、まずこの監査役派遣、どのぐらいの期間を想定しておられるんでしょうか。そして、私、結構なんですけれども、大株主として、大口融資先と、いいんですけれども、これは天下りのまた指定席になっては困るという問題もあります。総裁の今回の監査役派遣決定に関する考え方をお聞かせください。
#88
○参考人(小村武君) 監査役を派遣いたしましてきちっとJALの会計について監査をしてもらいたい、そういう能力のある者が今回御縁がありましてJALからの要請で参ることになりました。監査役の任期は御案内のように四年でございますから、その四年の任期中に役割をきちっと全うしてもらいたいと、こう考えております。
#89
○尾立源幸君 最後に一点、要請だけさせていただきたいと思います。
 今じゃんじゃんJALの方に貸付け等をやられておるわけですが、よもや、またこれ最終的に国民負担に、回収が可能じゃないということで国民の負担にならないようにしてもらいたいんです。というのも、財政投融資資金特別会計では、過去、繰上償還の補償金免除や、今は債権放棄というのはないわけでございますが、いろいろ負担をこちらにツケ回すようなことが起こっております。よもや政策投資銀行の方から、結果的に財政投融資資金返せないよ、返す条件を緩くしてくれよと、こんなことを言わないようにしていただきたいということを申し上げまして、ちょっと一言いただいて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
#90
○参考人(小村武君) 私どもの銀行は、これまで政策金融機関としては優等生でありました。財政投融資資金において決して御迷惑を掛けておりません。むしろ、発足以来、七千億弱の国庫納付をいたしております。一昨年も百六億国庫納付いたしましたですが、民間金融機関が十三年間もまだ法人税を納められていないときにきちんと私どもは国庫納付をさせていただいているということであります。
#91
○尾立源幸君 ありがとうございました。
#92
○西田実仁君 公明党の西田でございます。
 前回に引き続きまして、若干補充的にも質問をさせていただきたいと思います。
 先般、今いろいろ上場企業における決算短信等発表になっておりますけれども、この三月期の上場しております地銀の決算も発表になっておりました。全部で八十九行だと思いますが、この地銀の決算状況を見ますと、連結純当期利益で一五%マイナスになっていると。その本業の業純ですけれども、業務純益は伸び悩んでいて、不良債権比率がまだ四%と高止まりをしていると、こういう状況でございます。特に、不良債権比率に関しては、地銀の中でも二極化を示している。不良債権比率が二%台のところもあれば、五%以上のところもあるわけであります。こうした二極化している地方銀行の状況のその先には地域の中小企業があるわけでございまして、またいわゆる地元経済というものもそこにあるわけでございます。
 今日は、まずお聞きしたいのは、政策投資銀行の移行期間中の在り方という、法案自体がそのものですので、現在政投銀の方でお進めになっていらっしゃる地域金融機関との連携ということについて今後どうなさるお考えなのか、その方針をまずお聞きしたいと思います。
 今、政投銀の目的、平成十一年にできたときの、北東公庫と一緒になったときの目的としては地域経済の自立的発展と、こういうのが目的の一つにございました。地域再生ということに言い換えてもいいのかもしれません。そういう意味で、地域経済の自立ということに果たしてきている役割というのは私は大変大きいというふうに思います。
 今後、しからばその地域金融機関との連携という具体的なことで申し上げましたら、どうなっていくのか。現状として、政投銀としての地銀とのネットワークあるいは様々な業務協力協定、これ今現状としてはどうなっているのかからまずお聞かせいただけますか。
#93
○参考人(小村武君) 現在、私どもは、地銀等の七十行とMアンドAに関する協定を結んでおりますし、九十三の地銀、信金等とも包括的な業務協力協定を結んでおります。先生御指摘のように、私どもの銀行のフローベースで見ますと、約五〇%は地域再生、地域物であります。私どもとしましては、地銀との関係というのは将来においても大変重要な地位を占めると思います。
 ただ、今地域再生で行っている事業も、正直申し上げまして、すべてが採算に合う事業でもございません。そういう意味で、大変悩ましい選択をしなければならない場合はあろうかと思いますが、ただ、今地域銀行が抱えている問題等につきましては、私どもはやはり積極的に連携を進め、また、私どもの資金調達面においても地域銀行の御協力を仰ぐと、こういったギブ・アンド・テークのそういう関係が将来も続くものと考えております。
#94
○西田実仁君 すべてが採算に合わないというお話でございますけれども、(発言する者あり)すべてが採算に合っているわけではないとおっしゃいましたよね。どのぐらい採算に合わないものがあるんですか。
#95
○参考人(小村武君) 私どもの銀行は、地域の問題をとらえるときに、地域の一企業に対して協調融資をしましょうとかお客様の取り合いをするとか、そういうことはいたしておりません。地域全体を面的に見て、この地域をどうやって発展さしていくか、そういう面でアプローチをしております。
 したがいまして、すぐさまビジネスになるというものも、ないものも多うございます。いろんな調査研究をして、知事さんや市長さんあるいは地方銀行の方々に情報を提供していく、こうした仕事も多いという意味で、採算性だけ考えれば、必ずしも採算に合う事業だけをやっているわけではなしに、合わないことも今努めてやっているということでございます。
#96
○西田実仁君 今後、移行期間中でございますけれども、そうすると、今お話しいただいた地銀の七十行とMアンドAのネットワークを結んでおられる。また、九十三の地銀、信金等と包括的な業務協力協定も結んでおられる。こうした地域金融機関のいわゆるリレバン強化を側面から支援していこうというこれまで続けてこられた政策目標については今後もやはり続けられる限りは続けていきたいと、こういうふうに考えてよろしいんでしょうか。
#97
○参考人(小村武君) 例えば、PFIの事業等につきましては、私どもノウハウを持っております。地方におけるPFI事業については地銀と協力をしていく。あるいは、今、地方公共団体が財政難に陥っておりますが、この地方公益事業を民営化していこうという動きが多くの地域にございます。水道事業、ガス事業、あるいは鉄道事業から撤退をしていく、民営化する、その際にPPPという新しい金融手法がございます。こういった面において、地銀なり地方公共団体と協力をして地域の案件について取り組んでいく、こういう基本的方向は変わらないと思います。
   〔委員長退席、理事峰崎直樹君着席〕
#98
○西田実仁君 そうすると、そうしたリレバン強化を支援していくという姿勢には変わりないと、こういうことだろうと思います。しかし、先ほど総裁おっしゃったように、そうはいってもすべてが採算に合うわけではないので、もしそれを続けていこうと、すべてを続けていこうとするのであれば何らかの政策的な措置というものが必要になってくるだろうという、これも一連の御答弁の中であったとおりだと思うんですね。
 そうすると、例えば金融庁としては、こうした地域金融機関のリレバン強化ということに果たしてきた政投銀の役割というのがあると思いますけれども、今後、やはりそうしたことを期待し、またあるいは、場合によってはそうした支援も考えているということになるんでしょうか。金融庁、副大臣、お願いします。──済みません、じゃもう一度します。
 金融庁としては、ああ、ごめんなさい、質問通告していませんでしたか。地域金融機関の、じゃ、財務省の方に変えます。要するに、地域金融機関のリレバン強化ということを側面から支援していくという機能を今後も政投銀が移行期間中に持つと、持ち続けるということが必要であれば、これは先ほど来、大臣も御答弁されているように、別途予算措置なり法律を作るなりしてそうしたことが続けられるようにするということになると思うんですね。
 今の時点でこの地域金融機関のリレバン強化ということに何らかの措置が必要である、そうしたことが今法律の目的にもかなっていると、こうお考えでしょうか。
#99
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 地域向け融資という場合にいろんなパターンがあると存じます。例えば地域再生事業等が今行われていますけれども、そういうものを含めて、現在、政策投資銀行が行っています政策金融、これは長期、固定、低利でございます。
 今後は、来年十月以降ですけれども、長期、固定につきましては、債券市場の、社債市場の発達とかいろんな金融技術の高度化によって一般の民間金融機関も長期、固定については対応可能だと考えています。
 低利につきましては、これは政策金融そのものでございますので、それにつきましては、先ほど大臣が申しましたように、それぞれが所管する政策担当役所においてその必要性をよく吟味して、それで必要のある政策手段を具体的に検討していく必要があると考えております。
#100
○西田実仁君 ちょっと私、まだよく理解できていないんですけれども、いわゆる危機対応という業務と、それからそうではなくて、政策関与型の出融資ということとは、これは概念、中身としてはオーバーラップはするんでしょうか、しないんでしょうか。
#101
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 危機対応融資ということですけれども、これにつきまして、例えば阪神・淡路大震災とか新潟県中越地震といったような大規模災害、またBSEみたいな危機時において被災企業の復興が必要な資金、それ今現在、政策投資銀行は設備投資資金として供給しておると思っています。
 今後どうなるかということでございますけれども、先般成立しました日本政策金融公庫法におきまして、日本政策投資銀行は新会社となります平成二十年十月一日に株式会社商工組合中央金庫とともに危機対応業務を行う指定金融機関として指定を受けたものとみなすように措置されております。そして、それによりまして、平成二十年十月一日以降、日本政策投資銀行は災害等の危機時に日本政策金融公庫からの信用の供与等を受けまして、これまで同様、被災者等に資金の貸付け等を実施することになっております。
 これが危機対応でございまして、もう一つは、先生おっしゃいましたように、それ以外の政策分野におきまして、これにつきましては各政策を所管する役所におきまして検討しまして、政策的対応が必要かどうかということを吟味することになると考えております。
#102
○西田実仁君 分かりました。
 具体的にお聞きした方がいいと思いますので、例えば政投銀で進めてこられたベンチャー企業向けの知的財産権担保融資というのがいろいろ先駆的にやっておられたと承知しております。こうしたことは、今のお話ですと、決して危機対応ではなくて政策関与型の融資ということになるんだと思いますけれども、例えばこうしたことを今後も続けていくのかどうか。しかし、これは採算に合わないからやっぱり、例えばこれだったら経産省なら経産省が何らかの政策的な意味合いで続けるべきだということであれば何か予算措置をとって利子補給なりをするのか。そういう整理でいいんでしょうか、ちょっと確認ですけれども。
#103
○参考人(小村武君) ベンチャー向けは大変御指摘のように難しゅうございます。十分採算の合うベンチャー投資についてはそういう政策的な支援は必要ございません。ただ、もっと多くの日本の技術について幅広く今やっているようなものについて何か知恵を出せということでありましたらあるいはそういう事態になるかもしれません。これは確たる答弁を私もするだけの考えはまだございません。
   〔理事峰崎直樹君退席、委員長着席〕
#104
○西田実仁君 地域金融機関の話に戻しますと、その不良債権処理というのは、先ほど申し上げましたとおり二極化していますので、有力地銀のところは二%台になっているけれども、それ以外のところは五%以上という、かなり二極化の中で地銀の再編も起きつつあるというふうに思います。そうした地域金融機関の不良債権処理がまだ続くということが想定される中で、こうしたことへのかかわり、先ほど地域再生ファンドの話もされましたけれども、この辺についてはどうお考えでしょうか。
#105
○参考人(小村武君) 御指摘のように、地銀のレベルは確かに二極分離をしつつあります。その中にあって、私どもは非常に調子のいい地銀の皆さんとも新しいビジネスで協力関係を結ばなければならない、それから不幸にして大変な不良債権を持っている地方銀行に対してはその不良債権の処理のための支援をしていく、これはビジネスとして十分成り立つ分野であろうと思うんですが、私どもは、いろんなファンドを使うなり、自らその地銀との提携をしながらその処理をするなり、いろんな手法があると思いますが、そういった問題についても積極的に取り組んでまいりたいと、こう考えております。
#106
○西田実仁君 政策金融ということでずっとこの改革がなされているわけでありますけれども、次のテーマです、政策金融というのは必ずしも政策金融機関だけではなくて、政策金融類似業務を実施している独立行政法人というのが幾つもあろうと思います。この実態につきまして、まずお聞かせいただければと思います。
#107
○政府参考人(大藤俊行君) お答えいたします。
 先生御指摘の独立行政法人の行っております融資等業務でございます。これいろいろ多様でございまして、例えば日本学生支援機構の学生等に対する奨学金貸与でありますとか、福祉医療機構の医療関係施設の設置等に必要な資金の貸付けなど、多様でございますけれども、ちなみに、十六年度末の貸付残高は十兆一千七百三十六億円といったような規模になっているところでございます。
#108
○西田実仁君 こうした政策金融類似業務を実施している独法の今後の役割についてお聞きしたいと思います。
 政策金融機関の改革が行われていく中で今政投銀の議論をしているわけですが、この移行期間を経て完全民営化すればもちろん、移行期間中につきましてもいわゆる政策金融として行うものではないという答弁はずっと大臣からございました。そうすると、その政投銀が持っていたいわゆる政策金融的な役割というものはどんどん減らしていく、一方で、じゃその役割を担うのはそれぞれの個別の省庁の予算措置なり法的な措置、法律を作るなりして対応していくということです。
 こうしたいわゆる独法が行っている直接融資、政策金融類似業務ですけれども、ここが今後、政策金融機関が担ってきた政策的な金融を担っていく新たな担い手となっていくというふうなことがあり得るんでしょうか、それともどんどん縮小していくということになるんでしょうか。
#109
○政府参考人(大藤俊行君) お答えいたします。
 今回の政策投資銀行を含みます政策金融改革は、政策金融の民業補完という観点から、現行政策金融機関の担っている機能を抜本的に見直しまして、完全民営化、廃止される機関の機能を政策金融の外に切り出すとともに、必要最小限の業務を一つの新たな政策金融機関に担わせることとしたものであると承知しております。
 独立行政法人の行う融資等業務についても、このような政策金融改革の趣旨を踏まえまして、民間でできることは民間でという考え方に基づきまして、平成十八年度から平成二十年度までに中期目標が終了する全部で十四法人でございますけれども、十四法人の行う融資等業務を対象に、昨年横断的に見直しを行いまして、五十九の融資等業務のうち半数以上に及ぶ三十二の業務を廃止、縮小することとしたところでございます。
 また、その見直しに当たりましては、十八年度以降当面の独立行政法人の見直しの基本的方向についてというものを取りまとめてございますけれども、これに沿いまして、今回の政策金融改革で政策金融機関が撤退した業務につきまして、独立行政法人がその業務の安易な受皿にならないように徹底した検討を行ったところでございます。したがいまして、一般的に独立行政法人は、これまで政策金融機関が担いまして、今回の政策金融改革で政策金融から撤退した業務を代替する性格のものではないというふうに考えておるところでございます。
#110
○西田実仁君 そうすると、その受皿にはならないというお話でございました。しかし、やっぱりどうしても危機対応も含めて必要な場合には各省庁が予算措置なり法律を作るなりして対応すると、こういうことだと思うんですね。
 再三大臣からも、そうした担当の官庁が政投銀を活用するんであればそれなりの措置をすべきであると、することが想定されるというお話でした。そうすると、結局、でも最終的には財務省がそれをコントロールするんでしょうか。各省庁がそれぞれ、こうしたい、ああしたいといろいろ言ってきて、みんなが政投銀使いたいと言ったら、結局全く元の政策金融と変わらないぐらいになるのか、それとも、そうした政策的な金融あるいは危機対応も含めてですけど、総資産の中でこのぐらいだという上限みたいなものを、何らかの目安を設けていくのか、各省庁が言ったことがもう、まあそれは政府がという主語に法律ではなっていますので、だれかが多分コントロールするんだと思うんですけど、そこのところはどうでしょうか。
#111
○政府参考人(勝栄二郎君) これまで日本政策投資銀行が政策金融として行ってきました分野におきまして、引き続き政策金利での低利融資等の政策的誘導が必要であると判断される場合には、当該分野を所管する各府省がそれぞれの所掌事務に基づく新たな立法措置をとる必要があるものと考えております。
 仮に、先生おっしゃったような様々な分野における政策的誘導に係る措置を例えば一つに束ねる、束ねて対応するということは、逆に申しますと新たな政策金融を立ち上げることと同様なことになると思っております。したがいまして、財務省としてはそのような対応は考えておりません。
#112
○西田実仁君 しかし、どこかでそれをコントロールしないといけないんじゃないでしょうか。束ねて新しい機関をつくれと私は言っているわけじゃ全くありませんで、それぞれの各省庁がそれなりの予算措置なり立法措置をとろうとするときに、それをやはり最終的にどこがコントロールしていくのかということが、その機能として必要ではないかというふうに申し上げているんですが。
#113
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 まず、その政策的対応が必要かどうかにつきましては、各省庁が検討し判断するものだと思っています。また、それに基づきまして、仮に財政上の措置が必要だということであれば、当然ながら財政当局と相談することになると考えております。
#114
○西田実仁君 最終的には、そういう意味では財務省のところで予算措置のところはコントロールするということに当然なるんだと思います。
 その際に、先ほど内閣府の方からも御説明いただきましたけれども、いわゆる政策金融類似業務を実施している独法は今後安易な受皿にならないと、縮小していくんだというお話でございました。しかしながら、今残高としては十一兆円ぐらいあるわけでございまして、しかし、この独法が行っている直接融資に関して、金融庁としてはどのような監督体制になっているのかということについてお答えいただきたいと思います。
#115
○副大臣(大村秀章君) お答え申し上げます。
 金融庁は、預金の受入れ、そして決済の業務を行う銀行等の民間金融機関を預金者保護や信用秩序維持の観点から監督をしているものでございます。したがって、現在、そういう意味で預金者保護という観点から金融庁が監督している独立行政法人はありません。
 今後も、仮に政策投資銀行のこの政策金融類似業務を独立行政法人に継承させたとしても、その独立行政法人が預金の受入れとか決済業務といったものを行えないということであれば、預金者保護の観点とか信用秩序維持の観点から私ども金融庁としてこれを監督をしていく必要性はないというふうに考えております。
#116
○西田実仁君 分かりました。
 次に、出資先企業の扱いということで前回お聞きしたときに、ややちょっと私も聞き忘れたことがございましたので、お答えいただければと思います。
 出資比率が今、政投銀では二割以上、二〇%以上の会社は七十八社ほどあるという前回お話を申し上げました。その際に、移行期間中は五%ルールが適用されない出資業務を行う事業体みたいな形態を取ると一五%ルールは適用されないという、要するに、いろんな、どういう形を取っていくのかという、移行期間中の話として、金融機関グループ会社であれば一五%は掛かるけれども、ノンバンクのような形を取ればそれは一五%ルールは掛からないという話でした。
 しかし、それどちらを取るのか分からないわけでありまして、仮にというお話になりますけれども、銀行の持ち株会社グループ形態を取る場合に一五%ルールが適用されますよね。そうすると、残った五%なり一五%以上の出資分はどうするのかという御質問だったわけなんです。その点はいかがでございましょうか。
#117
○参考人(多賀啓二君) お答えいたします。
 先生の御指摘のとおりでございまして、銀行本体につきましては五%ルールというのがございますし、それから銀行持ち株会社ということでございますとグループについて一五%ルールが適用されるというのはおっしゃるとおりでございます。
 それで、私どもにつきましては、今先生の方で移行期間というお話がございましたけれども、移行期間につきましては特別な措置をいただいて、こういった五パーとか一五%とか、そういったルールの適用の除外になっているというふうに理解をしているところでございます。
 それでは、完全民営化後はどうするのかというのが先生の御質問の本旨だろうと思いますけれども、もちろん、今段階で、完全民営化時点でどういう形態になるのかというのはまだ全然決まっておりませんで、これからの話ではございますが、仮にもし銀行持ち株会社という形を取ればおっしゃるように一五%ルールの適用になりますけれども、例えばそういう形ではなくて、例えば事業持ち株会社というような形でございますとか、あるいはそういった銀行から離れて、ノンバンクの下に、例えば融資機能と投資機能を持つとか、そういう形を取れば先ほどの一五%のルールの適用の除外になるのではないかと、こういうふうに認識をしておりまして、そういうことも含めて今後業態を選択をしていきたいと、こういうふうに考えておるところでございます。
#118
○西田実仁君 そうすると、じゃ一五%ルールが適用されない形態をできる限り取ろうという、そういう御意思でしょうか。
#119
○参考人(多賀啓二君) 移行期間の間に私どものビジネスモデルがどういう形になっているかということにもよりますけれども、基本的にはなるべくそういうふうな制約を受けないような形の方が望ましいかもしれません。
 ただ、これは今後の検討課題ということでございます。
#120
○西田実仁君 では、財務省さんにお聞きしますけれども、仮に適用除外にならないような形態を取った場合という仮の話で恐縮ですが、その場合、その一五%を超えた分は国が承継をするというようなことも考えられるんでしょうか。
#121
○政府参考人(勝栄二郎君) ビジネスモデルに即しまして最適な業態を検討するということは今申しましたとおりでございます。その場合に、当然のことながら、出資業務を一つの重要な柱としてやる場合には、いろんなグループ形態の形があり得ると思っています。
 なお、先生がおっしゃいました円滑な遂行に必要でない資産を国に承継するということでございますけれども、現実に今想定していますのは、例えば使用していない不動産等が想定されております。今のような、先生おっしゃったような一五%以上のものについては今のところ想定していないと考えております。
#122
○西田実仁君 この新会社に組織替えするときに出資金の毀損が起きている場合どうするのかということについてお聞きしたいと思います。
 前の質問の御答弁では、新会社が承継します資産、負債の再評価に当たっては、途中飛びますが、特殊法人等の独法化に伴う承継資産及び負債の時価評価の方法につきまして、そういうものを参考にしながら云々と、こういう御答弁がございました。
 平成十四年の特殊法人が独法化される際に、政府出資を、資産と負債をネットで計上することによって実質的にいわゆる損切りをしたということをこれは指しているのかなというふうに思ったわけですけれども、そのような理解でよろしいんでしょうか。
#123
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 先生おっしゃいました不良債権でございますけれども、現在資産の大半を占めています貸付け等の債権ですけれども、これは現在、企業会計原則にのっとりまして、自己査定を行った上でリスクに応じて必要な貸倒引当金を適切に計上しております。
 また、監査法人による監査や金融庁の検査を受けておりまして、既に適正な評価がなされているものと承知しておりまして、仮に債権の償却を行う場合には、これまで積み上げてきました貸倒引当金の取崩し等により適切に対応を行うことができるのではないかと考えております。
 会社が将来にわたり業務を円滑に遂行する上で必要ないと認められる資産につきましては、先ほど申し上げましたように、使用していない不動産等を想定しておりまして、不良債権はそういう意味では想定しておりません。
#124
○西田実仁君 じゃ、そうした不良資産は国が承継することはないと、こういう御答弁でございましたので安心をしました。
 それでは、最後に附則の六十六条、六十七条の「検討」というところで若干確認をさせていただきたいと思います。
 この六十七条にございます、「政府は、会社の長期の事業資金に係る投融資機能を」「活用する場合には、他の事業者との間の適正な競争関係に留意しつつ、」とございまして、その上でお聞きしたいんですけれども、「対等な競争条件を確保するための措置」とは具体的にはどういうことを意味しているんでしょうか。
#125
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 先生おっしゃいました「対等な競争条件を確保するための措置」ということの具体的な中身でございますけれども、これにつきましては、移行期間中の新会社も含めて他の民間金融機関を活用する観点から検討を行う必要がありまして、今度「投融資機能の活用に必要な措置」というふうに書いてありますけれども、これを行います各省庁において検討が進められると考えております。
 そして、これらの措置についての具体的な例でございますけれども、例えば日本政策金融公庫法に基づきます危機対応スキームにおける指定金融機関制度のようなものが想定されるのではないかと考えております。
#126
○西田実仁君 そうしますと、この「必要な措置」の中には、例えば完全民営化の猶予とかいうようなことは全くないということで、一応確認です。
#127
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 そういうことは想定されていません。
#128
○西田実仁君 その上で、完全に民営化されたとしても、これは政府保証債とか財融資金が当然借入残があると思うんですね、五から七年たっても当然あると思います。こういうことを指して、これは対等な競争条件と言えないんじゃないかとかいう指摘が当然あると思うんです。
 だとすれば、例えば移行期間内に認められる政府保証債の返済期間等何らかのキャップを与えるべきではないか、あるいは財融資金の借入れもその対等な条件ということを考えればそれなりの上限等が必要ではないかという議論も出てくると思うんです。この辺はどういう考え方の整理なんでしょうか。
#129
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 移行期間中の会社でございますけれども、これにつきまして、出資と融資を併せて業務を行います。その意味で、例えば金融機関との比較でございますけれども、金融機関は預金受入れ又はその範囲が全く限定されていません。また、小口預金や決済預金も扱うことができます。その意味では、今後、移行期間中の政策投資銀行ですけれども、大口の譲渡性預金を扱うということで、全くイコールフッティングの観点からも違う業務を行うというふうに考えておりますので、その意味で対等な競争条件ではないということはなかなか言いにくいと思っております。
 もう一つは、上限を課すべきじゃないかということでございますけれども、この財政融資借入金また政府保証債の発行ですけれども、これはあくまでも自力で資金調達するまでの激変緩和措置でございますので、当然、その期間中に漸減していくものだと考えております。
#130
○西田実仁君 この移行期間中に資金調達がなかなか難しい、今の勝さんのお言葉をおかりすると、自立するまでの激変緩和、こういうことでそういう考え方の整理をしているということであることを理解いたしました。
 少し早いですけれども、終わりたいと思います。ありがとうございました。
#131
○峰崎直樹君 民主党・新緑風会の峰崎でございます。
 金融担当大臣がまだお見えになっておられないようで、副大臣はお見えになっているのかな。金融問題がかなり多くを占めますので、金融担当大臣、もう少ししたら来られるということでございますが、先に財務大臣等に中心になってお答えをいただきたいというふうに思います。
 そこで、先ほどまで私どもの尾立委員の方からいろいろと新しい政策投資銀行について中身は聞いてまいりましたけれども、この新しい政策投資銀行のガバナンスですね、最近はやり言葉でございますけれども、そのガバナンスというのは一体どんな工夫をしていく必要があるのかなと。これは移行過程、それからそれ以降のガバナンスについてどんな考え方をお持ちなのか、まず最初にちょっと抽象的な質問でございますが、政策投資銀行の総裁あるいは財務大臣にお聞きしたいと思います。
#132
○参考人(小村武君) 新しく生まれる銀行は株式会社法に基づく会社でございます。当然、会社法の適用は受けます。そういう意味におきまして、現在会社法で求められているコーポレートコンプライアンスなりガバナンスの規定等々が全面的に適用されます。監査役の役割というのは大変重要になってまいります。そういう意味で、実質的な私どもの経営、実質的な責任、こういうものは重くなると同時に、全額株主は国でございますから、財務大臣のチェックも受ける、両方からのチェックを受けるという、そういう性格になろうかと思います。
#133
○国務大臣(尾身幸次君) この移行期間中の新会社につきましては、会社法上の株式会社でございまして、会社法の手続等にのっとって株主総会や取締役会あるいは監査役会等を通じたガバナンスが機能するものと考えております。
 さらに、この法律案におきましては、会社の目的を実現し、また、その業務の健全かつ適切な運営を確保するために、事業計画の認可等、適切な政府の関与を行っていかなければならないと考えております。
#134
○峰崎直樹君 そうすると、移行過程は、今会社法がある、と同時に財務大臣のチェックを受けるということになりますと、当然今までと同じように財務省からこの新政策投資銀行に天下りと、こう称する言葉、余りいい言葉でないかもしれませんけれども。小村総裁もかつては財務省の事務次官をやっておられた方ですよね。
 そういういわゆるトップの、言ってみれば執行部といいますか、会社でいえば執行役員というんでしょうか、そういったものの在り方についての工夫は、何らかの形の改革というのは、今、今日は行革担当の方は大臣はお見えになっておりませんけれども、今、人材バンクとか称して天下りバンクじゃないかと、こういうふうに呼んでいるんですが、そういう中身については当然今そういった点についての改革は行うと、こういうことでよろしいんでしょうか。
#135
○国務大臣(尾身幸次君) これは、移行期間中の新会社につきましては株主総会あるいは取締役会でそのトップを決めると、こういうことになっているわけでございまして、私どもとしては、当分の間は株主でございます、そういう点を含めまして、正に適材適所という考え方でやっていきたいと考えております。
#136
○峰崎直樹君 いや、要するに安倍内閣の方針として、もう人材バンクをつくって、今までのような同一の公務に属した人が固定的に次のポストに就くということはあり得ないと、こういう方針は間違いなく実践をするということですね。
#137
○国務大臣(尾身幸次君) 政府といたしまして、この種の機関に対して一定のポストに就いていた者が自動的にそのポストに就くというような考え方は取らない、正に適材適所という考え方でいきたいと考えております。
#138
○峰崎直樹君 その適材適所というのがくせ者なんですよね、なかなか。そういう意味で、今うんとおっしゃっていましたし、経済財政諮問会議の議事録なんかを読むと、尾身財務大臣の発言を見ていると、これはどうも今までと同じようなことを継続されようとしているんじゃないかなと。かつての小泉さんだったら、そこで一発雷が落ちていたんじゃないかなと思うんですが、残念ながら、今の総理にはそんな度胸がないのか、ほとんど議論が十分尽くしてないような気がいたしますが。
 そこで、これ今日、行政改革担当の行革事務局から株丹さんお見えになっておりますが、最近、いや民間の人をやってもいいよということで、最近の事例でいいますと、私の方から言いますけれども、中小企業金融公庫というのがございます。これ今度統廃合されるんですけれども、ここに民間の人が天下ったんですよね。民間の人が天上がったというか、民間の方が総裁に就いたわけですよ。どこの会社だったか、株丹さん、御存じですか。
#139
○政府参考人(株丹達也君) 私、報道でしか承知しておりませんで、しかも記憶でございますので正しくないかもしれませんけれども、帝人の関係の方でいらっしゃったんではないかと存じます。
#140
○峰崎直樹君 全くそのとおりです。帝人の会社から中小企業金融公庫の総裁になられたんです。
 そうしたら、帝人のいわゆる役員名簿をずっと調べたら、ここにちゃんと通産省から、そこに、たしか監査役だったと思いますが、常勤の監査役の方がそこにちゃんと入っているんですよ。要するに、ぐるぐる回しやるんじゃないかと思うんですよ、民間といったって。
 それで、行政改革の事務局に是非、こういう実態はないかどうか。つまり、例えばかつて野村総合研究所だったでしょうか、あるいは野村総研から政府の公法人に天上がった方がおられると。そうすると、そこの会社に、その代わりに、上がってきたんだからおれのところを引き受けてくれよと。これは私、多分そういうやり方、今の公務員制度の中で、まあやむを得ないという言い方は私全然思っていませんけれども、必ず各省庁の官房は、天下り先を用意しなきゃいけないんだから、一つ取られたらその分どこか取り返そうと考えるんですよ。だから、それで民間のところに行っている事例というのがこれ見られるんじゃないかと思うんですが、こういう事例について今まで調べたことありますか、行革事務局。
#141
○政府参考人(株丹達也君) まず、公務員の再就職の関係につきましては、本省の課長、企画官相当職以上の再就職状況につきまして、基本的には各府省で再就職の状況の公表というのが行われてございます。これは内閣官房と総務省が総括をして行ってございます。
 行革事務局につきましては、私は公務員制度の改革担当でございますけれども、それも含めまして、民間出身の方が公益法人あるいは独立行政法人へ就職どういうふうにされているかということについては具体的には把握はしてございません。
 ただ、いわゆる天下りの問題についての御指摘に関しましては、ただいま政府案としまして国家公務員法の改正法案を国会に提出をさせていただいて御審議を賜っておる最中でございます。今回の改正の案では、各府省等が行います再就職のあっせんについては全面的に禁止をして、官民人材交流センターに一元化をするということとなってございまして、法案が成立いたしますれば、いわゆる押し付け的あっせんによる再就職というのはなくなっていくものというふうに思ってございます。
#142
○峰崎直樹君 だから、そういうあっせんはなくなる、お仕着せ的なものはなくなるだろうとおっしゃっているんですが、そう簡単に私はなくならないと思っているんですよ。その抜け道的にこういうやり方をする場合があるんではないか、あるいは、過去そういうやり方をしてきた例があるんではないかというふうに思えてならないわけです。
 是非、株丹さん、株丹さんのところにお願いをするということになるのか、それともこれは場合によったら、参議院にはその制度ありませんけれども、衆議院にあるいわゆる事前の調査ですね、立法の調査、あれは何調査といいますか、予備的調査、予備的調査を通じてそういう事例があるかどうかを調べなきゃいけないなというふうに思っておりますので、その点、是非そういったときには調査には協力していただきたいというふうに思います。
 株丹さん、もう結構でございます、忙しいようなので。
#143
○委員長(家西悟君) 株丹次長、どうぞ御退席いただいて結構でございます。
#144
○峰崎直樹君 そこで、これは財務大臣に一点お話を伺いたいわけでありますが、要するに、役所から下りていくことについての弊害もある、それから今申し上げたように、民間から上がればいいってもんじゃないと。そうすると、私はやっぱり、先ほど来、政策投資銀行の中には優秀な人材がおると思います。優秀な人材を内部から総裁を含めて登用していくということが、非常にこれは士気を高めていく上において重要なんじゃないかと思うんですよね。こういう点については、まず財務大臣、どうお考えなんでしょうか。
#145
○国務大臣(尾身幸次君) 内部からでも優秀な人材があれば大いに登用することは結構だと思っております。あるいは、外部からでも結構だと思っております。
 要は、組織とか何かにとらわれない本当に有為な人材を選定するということが一番大事でありまして、これからいずれ民間銀行としてやっていく以上は厳しい競争場裏にさらされるわけでありますから、その競争に勝ち抜いていけるような有為な人材がこの銀行のリーダーになることが一番適切であると考えております。
#146
○峰崎直樹君 総裁は、総裁を経験されてどのようにお考えですか。
#147
○参考人(小村武君) 私は任命される立場でありますが、ただいま財務大臣がおっしゃったとおりであると思います。
#148
○峰崎直樹君 もう三時になるかなと思ってもまだお見えにならないんで、それでは金融庁からどなたか後ろに座っていらっしゃいますか。だれもいない。大臣が来ないと、じゃ担当の方もおられないということなんだと思いますが、ちょっと時間的に先に進まないとどんどん進められないんで、ちょっと先に、分かりやすいところからお話を先にさせていただきたいと思います。
 それでは、政策投資銀行にまずお聞きしたいと思いますが、政策投資銀行がいわゆる運転資金というものを融資するということは可能なんでしょうか。
#149
○参考人(多賀啓二君) お答えいたします。
 私ども、現行法、政策投資銀行法に基づきまして融資につきましては一年未満の短期資金、いわゆる一般的には運転資金ということだと思いますが、これについては法律上できないということでございます。
 ただ、その先生の御趣旨は運転資金といっても一年を超えるようなものはどうかということかなと思いまして、そういうことで申し上げれば、基本的に私どもの融資対象というのは設備でございますので、いわゆる設備資金というふうに呼んでおりますけれども、告示に基づきまして、いわゆる非設備資金といますか、研究開発資金だとかそういった設備にある程度付随するものでございますが、こういうものについては融資対象にできるということでございます。
#150
○峰崎直樹君 ちょっとうっかりして、実はもう少し聞いておかなきゃいけなかったことがあるんで、先ほど勝総括審議官の方がいろいろと移行過程ではなくてその後の話をされていましたですね。そこで、移行過程は会社法で適用されるとか、あるいは財務大臣のチェックを受けるとあったんですが、新しい政策投資銀行、将来的に完全民営化された後はこれは銀行法の適用になるんでしょうかというふうに言うと、多分、先ほど持ち株会社みたいなことをおっしゃって、中には貸金業法の適用もある、中には銀行法の適用もあるという、そういうようなお話がございましたが、そういう将来的な、いわゆる持ち株会社形態だとか、下にどういうものをくっ付けたホールディングカンパニーにするとか、そういうことはもう既に決まっているんですか。
#151
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 結論から申し上げますとまだ決まっておりません。完全民営化後の具体的な業態につきましては新会社の経営陣が移行期間中に検討するビジネスモデルに即して最適な業態を判断していくものと考えております。
 政府としましては、完全民営化後の具体的な業態について云々する立場にはございませんけれども、その上であえて申し上げますと、長期の事業資金に係る投融資機能の根幹を維持しつつ収益力を増強する観点からは、例えば主として出資業務を行う事業体も含めた持ち株会社方式によるグループ形態も選択肢の一つではないかと考えております。
#152
○峰崎直樹君 そこはまだ決まってないと。これから有識者会議その他で将来的なものが決まると、こういう理解でございますね。分かりました。我々とすれば、完全民営化というふうに言われたときに、当然これ銀行だから銀行法の適用になるんだろうと、こう思っていたわけですけれども、それ以外の様々な仕事、機能に入るかもしれない、こういうことでいろんな将来の企業経営の在り方も変わってくると、こういう理解ですね。分かりました。
 それでは、先ほどの話に引き続いて、政策投資銀行に引き続きお聞きしたいと思いますが、JALに対して、今日はJALの問題について集中的に議論したいと思いますのでお答え願いたいと思うんですが、JALに対して三月末から今日まで政策投資銀行は幾ら融資をされたのか、この点、お答えいただければと思います。
#153
○参考人(小村武君) JAL全体についてJAL側から発表された数字はございますが、私どもが個々に幾らということは守秘義務の関係から御勘弁いただきたいと思いますが、全体的に申し上げまして、私どもが今行っている融資につきましては残高は増やさない方向でこのところ、この二年間等々運営をいたしております。したがいまして、追い貸しをしているということではございません。
#154
○峰崎直樹君 いや、追い貸しをしているとかしていないとかというんじゃなくて、たしかこれはJALの新聞発表でもそういう、社長さん自身が、融資をしていただいていると、資金繰りはめど付いたんだと、こうおっしゃっているわけですよ。
 私らがつかんでいる限りにおいては、三月三十日の日に日本政策投資銀行が百億、みずほコーポレート銀行が八十七億と。そして、四月の二日に日本政策投資銀行は三百億、三菱東京UFJ銀行が五十億、三井住友銀行が八億、合計三百五十八億。五月上旬以降になって、日本政策投資銀行が五十億、そして、これがまだ確定されているかどうか分かりませんが、みずほコーポレート銀行が六十三億、三菱東京UFJ銀行が三十九億、三井住友銀行が十四億と、こうやって日付を追って融資をしていただいているということを私どもは様々な情報媒体から知っているわけでありますが、日本政策投資銀行に関しては、この三月三十日、年度をまたいで四月の二日、五月の上旬以降と、こういう三つの段階に分けて、なおかつこれは、そういうことについては、答えられる、答えられない、どちらか答えられて、先ほどのお話聞いているとどうも中身を明確にすることは避けたいとおっしゃっているんですが、やっぱりそれは明らかにしていただけないんでしょうか。
#155
○参考人(小村武君) 個々の融資につきましては、その企業、当該企業が上場企業でありますればやはりマーケットに影響があるということで、私どもから発表しているということはございません。JAL自身が発表した限りにおいては、私どももそれについてコメントをいたすことはできますが、JAL自身がそういう発表を出されていないということであります。
 ただ、どういうふうな融資を行ったかと申し上げれば、私どもは、一度にということではなしに、年度をまたいだというところについては、私どもの銀行の予算の関係がございまして、政府系金融機関でございますから予算の制約がございます。その融資枠の関係で年度をまたいだということは確かでございます。
#156
○峰崎直樹君 先ほど残高は増やさないようにしているとおっしゃっていましたけれども、そうすると、いわゆるこういう形で融資をされる、まあ幾らかとか数字はもう、今私が言ったのが正確かどうか、それは確認しようがないんですが、そうすると、これはロールオーバーしていったと。要するに、向こうから返してもらって、そしてそれをまたその程度、いわゆる残高を増やさないということですから、融資をしたということは、当然それ以前の貸付けが返ってきて、それをロールオーバーしていったんだと。こういう理解なんでしょうか。
#157
○参考人(小村武君) 前回御融資いたしましたのは、九・一一のテロ、それからその後に続くSARS、これ世界的に航空会社が難局に立ち至りました。そのときの緊急融資でございます。これは、JALだけでなしにANAについても行いました。
 長くなりますが、私どもは従来、ANAについて御融資関係がございました。JALについてはJBICでございましたが、そのときに、緊急融資ということで私どもが代わりに受け持ったわけであります。その後、今回の分につきましては、JALにつきまして、再生中期プランを作ってもらわなきゃいけない、リストラをしてもらわなきゃいけない、そのために必要なものとして、退職金等々必要になってまいります。そういう対象事業を精査して融資をしたということでございます。
#158
○峰崎直樹君 まだちょっと金融担当大臣お見えにならないんで、先に進めていきたいと思いますが。
 国土交通省にお伺いします。
 日本航空の抱えている有利子負債の総額は幾らになっているでしょうか。
#159
○副大臣(望月義夫君) お答えさしていただきます。
 日本航空の発表の平成十八年度の決算資料によりますと、平成十九年三月末現在の有利子債務残高は一兆二百六十一億円となっております。
#160
○峰崎直樹君 一兆二百六十一億円ですね。これが日本航空の残高。前年に比べてどうなっているんですか。
#161
○副大臣(望月義夫君) 昨年と比べまして、昨年が一兆二千三百六十三億円と伺っておりまして、約二千億円の減ということを伺っております。
#162
○峰崎直樹君 それで、この減になった要因というのは一体どこにあるんでしょうか。
#163
○政府参考人(鈴木久泰君) 事実関係でございますので、お答えさせていただきます。
 JALは、昨年に公募増資をいたしまして、報道されている数字でございますが、千四百八十五億円の増資による資金を得まして、こういうものを活用してその有利子債務残高を減らしたというふうに承知しております。
#164
○峰崎直樹君 そうすると、公募増資をして、大変評判の悪い公募増資でございましたけれども、やってはいけない公募増資だと私は思いますけれども、それによって過去の借金を払ったと、これを減らしていったと、こういう理解であるということですね。
 ちょっと委員長、済みません。金融担当大臣、三時には私お見えになるということで、もうわざと回り回り回しているんですけど、これ以上ちょっと質問を続けるわけになかなかいかないんですよね。
#165
○委員長(家西悟君) 速記をいったん止めてください。
   〔速記中止〕
#166
○委員長(家西悟君) では、速記を起こしてください。
#167
○峰崎直樹君 山本大臣、本当に恐縮です。恐縮ですというか、ちょうど両方にまたがっていたものですから三時までは無理ということなんで、三時からお待ちしておりました。
 そこで、今日の一つの大きな中心はやっぱり破綻懸念債権という問題だというふうに思っております。
 そこで、金融担当大臣にまずお伺いしたいのは、破綻懸念債権というのはどういう状態をいうのかということについて明確に答えていただきたいと思います。
#168
○国務大臣(山本有二君) 破綻懸念先債権と申しますのは、現在経営破綻の状況にはないけれども経営難の状態にあり、経営改善計画等の進捗状況が芳しくなく、今後経営破綻に陥る可能性が大きいと認められる債務者に対する債権をいうものでございます。
#169
○峰崎直樹君 破綻懸念先債権になったときに、銀行はそういうものを自ら破綻懸念先債権だと認識した場合にはどの程度これについては引き当てをしなければいけないのか、この点についてどのように考えておりますか。
#170
○国務大臣(山本有二君) 各金融機関におきましては、自らの資産査定に基づいて抱えております信用リスクを把握し、商法、企業会計原則、公認会計士協会の実務指針等に基づきまして適切な償却、引き当てを行うことが必要でございます。
 このうち、破綻懸念先債権に対する引き当てにつきましては、債権額から担保の処分可能見込額及び保証による回収が可能と認められる額等を勘案し、原則として個別債務ごとに合理的と認められる予想損失額を見積もりまして、貸倒引当金を計上することとなると考えております。したがいまして、銀行としてどの程度引き当てをすべきかにつきましては個別債務者ごとに異なるものでございまして、破綻懸念先債権にどの程度の引き当てが必要かにつきましては一概には申し上げられないということになるわけでございます。
#171
○峰崎直樹君 一概には申し上げられないということなんですが、これ、先日、衆議院の議事録を拝見していましたら、小村総裁、政策投資銀行で破綻懸念先債権の債権としてどの程度引き当てているかということについて、平均値で八二%と、これで引き当てていると、こういうお話だったんですが、政策投資銀行が貸し付けている債権で破綻懸念先と言われているところに今までどの程度引き当てているかという点は八二%だというのは、これはもう一遍再確認したいと思うんですが、それは間違いございませんか。
#172
○参考人(小村武君) 衆議院で私ども、多賀理事がお答えいたしましたのは、結果としての数字であります。破綻懸念先についてどういう引き当てをするかというのは山本大臣がおっしゃったとおりであります。
#173
○峰崎直樹君 通常七割から八割程度は引き当てると、こういうふうに言われておりますわね。まあ八割程度が結果として引き当てていると。そうすると、破綻懸念先債権になっている、先ほど山本大臣の方から、いや担保を設定したり、いろんな条件が違うだろう。
 そこで、総裁、お聞きします。三月十九日、政策投資銀行は、四千億円の根抵当権設定の仮登録をしたというふうに、JALに対してですよ、これが報ぜられているんですが、これは本当なんでしょうか。
#174
○参考人(小村武君) 私ども主として設備性資金をお貸ししておりますので、原則として担保はいただいております。担保の設定はその契約の都度設定をいたしておりますが、ただ、登記についてはいつやるかということは、これまた別の問題でございます。
 今先生おっしゃった日付は恐らく最新時のものだろうと思います。担保の内容につきましては、例えば航空会社ですと機種の変動とか、変更等々がございますが、最新時の変更したものはその日付だというふうに御理解いただきたいと思います。
#175
○峰崎直樹君 三月十九日、最新時だと。その前は、いつこういう担保設定をされたのか、その金額は幾らだったのか。ちょっと私、事前に十分通知していなかったので分かりませんが、多賀理事で結構ですが、分かりますでしょうか。
#176
○参考人(多賀啓二君) 誠に申し訳ございませんけど、ちょっと事前にそういうお話を伺っていなかったものですから、ちょっと今手元に資料がございません。
#177
○峰崎直樹君 また、もしかすると公認会計士法のときにもお話を聞く機会をつくりたいなと思っておりますので、またそのときに教えていただければと思いますが。
 私どもどうも、三月十九日になって急に四千億の担保設定をされたと。どうもこの辺りに、JALに対してメガバンクが破綻懸念先にしたんだと。これは、私ども一番最初に聞いたのは、りそな銀行がそのJALに対する債権を破綻懸念先に落としたというふうに我々は最初、報道を通じて聞いたわけです。これはかなり前でございました。これは大変なことになったなというふうに思ったんですが、そのJALに対してメガバンクが破綻懸念先債権にしたというふうに、大体三月の終わりぐらいから四月の初め辺りにかけて一斉に報じられたわけでありますが、この点、金融担当大臣、お答えにくいかもしれませんが、できればお答えいただきたいと思います。
#178
○国務大臣(山本有二君) そのような報道がありましたことは承知しております。申し上げるまでもなく、個別金融機関の個別の貸出し内容、個別貸出先の債務者区分についてはコメントを差し控えさせていただいているわけでございまして、金融機関や取引先の権利、競争上の地位その他の正当な利益を害するおそれ、また金融機関や取引先を風評リスクにさらすおそれ等でございます。
 そんな意味で、お許しを願いたいと思います。
#179
○峰崎直樹君 恐らく政策投資銀行にお聞きしても、政策投資銀行はまだ金融庁の検査が入ってないから破綻懸念先債権に下ろすという形になってないのかもしれませんが、しかし、いずれにせよ、この報道を受けて以降、大変なばたばた大きな動きが生じてきておりまして、今日はそのことについて中心にしながらお話を伺おうと、こう思っているわけであります。
 そこで、JALが破綻懸念先債権であるかどうかということについては、金融担当大臣も、総裁も、恐らく言を左右に振ってお答えにならないだろうというふうに思いますが、今度はちょっと少し遠回りになりますけれども、JALは今年二月にJALグループ再生中期プラン、こういうものを打ち出したわけであります。このプランについてどのように評価をされているのか、政策投資銀行総裁、あるいは国土交通省、御意見をお伺いしたいと思います。
#180
○参考人(小村武君) 今年二月の再生中期プランにつきましては、これは私どもも厳しく注文を付けました。その結果、例えば人件費について五百億円の削減、主としてボーナスのカット、あるいはリストラ、人員削減等々でございますが、こうした努力をしてもらい、一定の評価をいたしております。
 ただ、これで十分だということではございません。この計画を着実に実施すれば想定以上の成果は得られると思っておりますが、更なる自己改革、自助努力、こういったものについて経営の効率化を私どもは求めてまいりたいと、その基本的な態度は変わっておりません。
#181
○副大臣(望月義夫君) お答えさせていただきたいと思います。
 本年二月六日に発表されました日本航空の新しい中期経営計画につきましては、これは民間企業である日本航空の経営に関するものでありまして、国土交通省として基本的にはコメントする立場にはないと考えておりますけれども、社内で議論を重ねるなどして取りまとめたもので、関係者も一定の評価を与えていると聞いております。
 それから、日本航空においては、中期経営計画を着実に実施することにより事業基盤の再構築と経営の安定化を図っていく意向でありまして、既に特別早期退職措置や臨時手当水準の大幅抑制など中期経営計画の実施に着手したところでございます。
 国土交通省といたしましても、日本航空が中期経営計画を着実に実施することを強く期待しております。
#182
○峰崎直樹君 総裁のお話を聞いても、今の国土交通省副大臣のお話を聞いても、どうもこの中期経営計画、もうこれかなり評価をされているという感じで受けたんですね。人件費の削減を含めてこれを着実に実施してもらいたい、これが実施できれば必ず大丈夫だと。
 お手元に今日は資料を用意いたしました。中期再生プランにおける連結営業利益の中期経営目標。年度ですね、FYと書いてあるのはフィナンシャルイヤー〇五、いわゆる二〇〇五年の年度についての実績は、御存じのように航空運送事業に限って言えば四百三十億の赤字、その他の事業を合わせても営業利益は二百六十八億の赤字でございました。
 これ今年の二月に。JALは去年もあれで作っていませんか、中期計画を。昨年三月の二日と聞いておりますけれども、抜本的構造改革なる中期経営計画を発表して、そのとき〇六年度の連結営業利益目標は幾らだったか。私の方から言います。百七十億だったんです。そうすると、今年二月に新しく作り直したこの〇六年(予定)と書いてある、もうこれは確定したのかもしれません、営業利益はマイナス七十億円。そしてその他の事業二百億円の利益があって、合わせて百三十億円と。去年の計画は百七十億円だったのがもう百三十億円と、こういうふうにもう達成ができなかったということで、新しくまた作り直しているわけですよ。
 しかも、このいわゆる達成できなかった新しい三月期の決算、この〇六年の三月期の決算については、事もあろうに五月二日のゴールデンウイークの谷間に発表されました。繰延税金資産の評価で赤字に転落をしております。政策投資銀行さん、この経過について、やや去年は、去年の計画はずさんだったと、今年のやつは大丈夫だよと、こういう保証できます。何度も何度も同じような計画を立てては、これはさいの河原の石積みというような感じで私見ているんですけれども、どう思われますか。
#183
○参考人(小村武君) 今般の中期再生プランにおきまして、営業利益目標が百七十億円から百三十億円に修正されたということは事実でございます。さらに、繰延税金資産等々のことがございまして、最終損益ベースでは百六十二億円の赤字でございますが、営業利益につきましては百三十億円と見ておったものが、二百二十九億円の黒字を計上いたしております。言わば上振れをしておりまして、営業ベースで見れば目標は達成されているということでございます。
#184
○峰崎直樹君 今、営業ベースで見たら達成されていると。この、しかし、中身が、今の、二百二十億とおっしゃいましたけれども、相当いろんなものを売却したり、あるいはあの厚生年金の代行の返上の問題だとか、本来の旅客業を営んでいるその日本航空が旅客業で赤字が出る体質になっているんでしょうか。このことが一番問題なんじゃないですか。その点、赤字になっているじゃないですか、黒字になっていないでしょう、旅客部門では。航空運送事業でその営業収入と営業費用で一体どのぐらいの営業利益が上がったのか、それをじゃ出してください。
#185
○参考人(小村武君) 営業利益ベースでの改善を私どもが求めているということで、先ほど申し上げました人件費の五百億円の削減とか、いろんな改革案について今回の計画に盛り込んでもらったということであります。
#186
○峰崎直樹君 いいですか、日本航空という会社は何をする会社なんですか。人々を運び、そしてまあ荷物も運びますわ。そういうことをやって初めてそれでどれだけの利益が上がっているかが最大の勝負なんでしょう。そこが赤字のままずっと続いているというのは変わらないんじゃないですか、今年も。
 国土交通省、どうですか。昨日、私の部屋へ来ていただいて、その点は黒字になっていないでしょうと言ったら、そのとおりですと認めたんじゃないですか。その点、どうですか。
#187
○政府参考人(鈴木久泰君) 日本航空におきましては今必死に経営改善努力を進めておるところでございますが、昨年度の決算においては残念ながら航空運送事業本体でまだ完全に黒字になるような域に達してないということはおっしゃるとおりでございます。
#188
○峰崎直樹君 もう必死になっていろんな資産を売却したり、資産を売却、まあ株式を売却したり、様々な努力をしているということは私ども分かります。だけれども、肝心の一番その本業がいつまでたっても黒字にならなかったら、これはいつかは駄目になってしまいますよね、これ。その意味で、この中期再生プラン、これを今日は検証してみたいと思っているんですよ。
 これ見ていただいて、お手元の表ございます。運送事業で営業収入、営業費用、営業利益と、こう書いてあります。この〇六年の営業利益のところのマイナス七十というのは、これは今年の〇六年の三月期の決算がまだ出ていないときの数字でございまして、まだ予定となっていますが、これは変わってまいりますね。これは全部本当は変えなきゃいけないと思うんですが。
 そこでこの中期プランで最終的には二〇一〇年までの間に営業利益を八百八十億円にしますと、こういう計画が出ているわけですよ。そのためには、私はその他の事業のことは余り今日は触れませんが、航空運送業の中で営業収入を増やし、営業費用をできる限りカットしていけば、これは営業利益が上がってくるのは間違いないわけです。
 そこで、中期再生プランのうち、営業収入がずっと、この一兆七千九百七十億円、これは少し上がってきていると思いますが、これが一兆八千百三十、一兆八千四百三十、一兆八千六百、一兆九千百二十と、毎年のようにウナギ登りに上がってきているんです。どれだけ上がっているかというと、この一兆七千九百七十億円から足しますと、〇六年の予定と書いてあるところに足しますと、千百五十億円営業収入が増えることになっているんですよ、この五年間の間に。
 千百五十億円はどうやって増やすんですかということで、中期再生プランのうち営業収入増加に寄与すると思われる項目と効果を引き出してまいりました。国際線で高収益路線へシフトする、七十億円。国内線、これも不採算路線の聖域なき見直し、六十億。国内線のファーストクラスの導入、四十億。ワンワールド加盟の効果、三十五億。国際線プレミアムエコノミーの導入、四十億。これ足してください。二百四十五億しかなりませんわ。これもう本当に実際問題、これだけ二百四十五億上がるのかなと。私も国内線乗っていますけど、ファーストクラスに乗れといったら、結構高いファーストクラスだったらなかなか乗りにくいなと、こう思ったりしますが、しかし、まあいずれにせよ、二百四十五億円の増収、これは効果だと最大で見ている。
 どうしてこれで千百五十億円になるのかなというふうによく調べてみると、実はその中で座席利用率の向上と旅客単価の向上というものを挙げているわけです。それぞれ〇六年の座席利用率が、国際線が六八%、国内線が六六%、これを二〇一〇年度、それぞれ七二と六九に上げると、こういうふうに言っているんですが、この計画は旅客単価が平均すると五%以上上がるということなんですけれども、この計画、つまりこのやり方でいけば一千百五十億円増加する、このことは妥当な目標だよと、こういうふうにお思いでしょうか。政策投資銀行総裁、国土交通副大臣、お答えください。
#189
○参考人(小村武君) 中期計画を着実に実施していただくということが私どもは何よりも大事だと思います。
 旅客運賃につきましては、既に、ANAも同じでございますが、JALも引上げを行いました。そういう意味では、たしか五%強でございましたでしょうか、足下一歩前進をいたしております。
 それから、中身につきましては、これからやはり旅客機を大型機から中型機へ変更していく、それによって、空気を運ぶことのない乗客率のいいものにしていくとか、あるいはコストカットをこれから人件費を中心にやっていただく、こういうことがこれから実績としてJALの経営者に私どもは求めていくということであります。
#190
○副大臣(望月義夫君) 日本航空の中期経営計画につきましては、先ほどからお話ししましたように、民間企業である日本航空の経営に関するものであり、国土交通省としては基本的にコメントする立場ではないと考えておりますけれども、その上で御指摘の座席使用料の向上について言いますと、今総裁の方からお話ございましたけれども、現在のボーイング747、ボーイング767からボーイング787や新型のボーイング737などの中・小型、中型機、小型航空機により運航の多頻度化を目指していることから、航空機一機当たりの座席の数が減少して、結果として燃費の向上、それから座席利用率が向上すると考えております。
 また、旅客単価の向上について言いますと、これは燃油高騰に対した運賃値上げが寄与していると、このように考えております。
 こうした増収計画そのものについて国土交通省としては基本的にはコメントする立場ではございません。これは民間の経営の問題でございますけれども、日本航空がこの計画を着実に実施して、そして着実に成果を上げることを強く期待しております。
#191
○峰崎直樹君 総裁及び国土交通省、今おっしゃったことはどこのエアラインもやっているんですよ。国際線も激しい競争をやっていますよ。だから、機種の切替えだって全日空の方が早く進んでいるんじゃないですか。
 だから、そういうふうに、いや、今度出されたJALの提案は今までのどこの航空会社もやっていない斬新なアイデア、正にイノベーションをやったと、これはすごいぞというのであればこれは伸びていきますよ、それは。そういうことはありますよ。だけど、これはどこの航空会社も、それぞれ考えて、もう既にANAもやっている、世界のエアラインもやっている。その中で世界でも競争していかなきゃいけない、国内でも競争していかなきゃいけない。そのときにJALだけが、固定されてこれから人口は余り伸びないかもしれない。先ほど、座席数の少ない便に切り替えれば、それはひょっとしたら、それは座席の占有率は上がるかもしれません。しかし、トータルとしての売上高というのがどうなっていくのかということもよく考えなきゃいけませんよね。それは、いろいろ販売戦略にも懸かってきますからそれは言いませんが。
 しかし、今おっしゃったことを聞いていても、それは何となく、我々からすれば、付け焼き刃というか、余り、これは本当に、破綻懸念先債権に落とされたような、あるいは落ちるかもしれないと言われるような、そういう企業のやるこれは再建計画ではないんじゃないかなというのは、ここのいわゆる売上げのところからも言えるんじゃないですか。
 そこで、もしこの会社はもう危ない、大変だとなったときに、通常、その取るべき方法というのは一体どういう方法があるのか。経営不振の再生中の赤字会社。そうでしょう。二〇〇二年でしたか、二〇〇三年からは、もう航空事業ではずっと一貫して赤字なんですよ、これまで。そういう赤字会社において再生計画を打ち立てるときはどういう原則で臨む必要があるんでしょうか。この点、総裁、どのように考えていらっしゃいますか。また、国土交通省もお聞かせください。
#192
○参考人(小村武君) 企業の経営は、やはり経営者自身が自助努力でこれをやっていかなければならないと思います。安易に金融団に頼むなり安易に他に助勢を求めるということをしてはならないと思います。そういう意味において、JALの経営者に対しては更なる効率化、合理化を求めていきたいと思っております。
 先生おっしゃるように、今、最先端を走った改革をしているわけではございません。あるいは一周遅れの改革かもしれません。
 ただ、世界の航空界は大型機から中型機へと移っております。これは、燃料代が大変高くなってきた、そういう意味において合理化はやはり喫緊の課題として求められている。これをまず遅れないようにきちんとやっていく。
 あるいは、人件費についていろいろ御批判がございます。こういうものも自ら組合と体を張って交渉していくなり、あるいは職員の皆さんも、こういう会社の状況を見極めて、きちっと自らの会社についての協力をするなり、あるいはお客様に対するサービスの向上によって需要を増やしていくと。その会社自身のこれからの真価が問われるものと考えております。
#193
○峰崎直樹君 国土交通省、本当はちょっと、ややもう時間が迫ってきたので。
 通常、政策投資銀行はメーンバンクというふうによく言われているんですよ、JALに対してメーンバンクだと。
 金融担当大臣、メーンバンクって、ちょっと定義付け、もし分かれば教えてほしいんですが。
#194
○国務大臣(山本有二君) いわゆるメーンバンクについて確たる定義があるわけではないんですが、一般論として申し上げれば、当該企業にとって主たる債権者である金融機関を指す場合が多いというように思っております。
#195
○峰崎直樹君 政策投資銀行は、自らは自分がJALに対してメーンバンクだという気持ちはお持ちですか。
#196
○参考人(小村武君) 私どもは、残高が大きいということについては、これは否定いたしません。
 ただ、私どもの銀行は、先ほど御指摘のありましたように、運転資金をお貸ししているわけではございません。預金を受け入れたり決済を受け持っておりませんので、日々の活動なり日々の財務の取引というものはございません。そういう意味ではメーンバンクではない。
 しかし、残高が大きいからおまえメーンバンクだろうと、こう言われたら、それは違いますとか、あえてそういうことを申し上げるのはいたしておりません。
#197
○峰崎直樹君 なぜそういう話を聞いたかというと、総裁、メーンバンクが、このJALは、株主というものが物すごく数が多いんですよ、百万人超えているんですよ。たしか一番個人で多い方が笹川さんという方ですね。笹川さんだったかな。笹川良一さんの息子さん、笹川さんとかっていって、衆議院議員を前やられた方でございます。(発言する者あり)あっ、糸山さんだ、糸山さんですね。笹川さんと親戚だという、ちょっとそっちの方があれだったんですが。非常に多い。だから、ある意味では日本の企業に特有な、この銀行がしっかりメーンバンクだよと。この資本を持っている人たちの集まりがあって、そこで株主総会がそういう人たちによってコントロールされているという、なかなかそういうものが利きにくい、そういう組織になっていると私は思うんです。
 そこで、本当に貸し込んでいる金額からいけば実質上メーンバンク的な役割を果たしているのが私は日本政策投資銀行だと思っているんですよ。その政策投資銀行が、今総裁が、私は中期経営計画に対して、いや、これはよくできている、まあよくできているとまで言わないけれども、この計画に従ってしっかりやってくれればいいですよというふうにおっしゃったんです。で、経営者が一生懸命努力することが重要だと。いや、それは精神論では構わないんですよ。
 私が先ほど、経営不振で再生中の赤字会社で再生計画を立てるときの原則というのは何なのかと言ったら、保守主義の原則と、こういうふうに通常は言われるんですよ。しかもそれは、このJALの社長さんがアナリストの説明会でこうおっしゃっているんですよ。過去の中期計画がことごとく未達に終わった中で、今回の中期経営計画は保守的に作った。再建のための最低条件だ。正にそのとおりですよ。保守主義で、とにかくこれだけを、これだけやっておけば、これだけの計画を立てておけば大丈夫だと、もしそれを上回れば、それはよしとしなきゃいけない、それはいい方へ展開していくんだと、こういうふうにしなきゃいけないんですよ。
 そこで、またお手元の資料に戻っていただきたいんですが、「航空運送事業の営業収入が伸びないと仮定を置いた場合の連結営業利益目標」というのを下に書かせていただきました。つまり、〇六年の予定、一兆七千九百七十億円、これは基本的には伸びないんだと、伸びないことを前提に置く、これが保守主義だと思うんですよ。いや、そんなことはないよ、峰崎さん、もう〇六年度営業収入、少し伸びたんだよというふうに言われれば、ああそれは結構と。しかし、また来年はどうなるか分かりませんよ、再来年もどうなるか分かりませんよと、これだけ激しい競争世界ですから。つまり、これから先、二〇一〇年に八百八十億の営業利益を上げようとすれば、まずは営業収入というのは本当に固く見積もらなきゃ駄目なんじゃないんですかということを前提に置かないと、この計画はちょっと何か変化が起きればすぐおかしくなっちゃう。また新しい経営計画の練り直しです。
 そういうふうにしないためには、こういう運送事業である以上は、運送事業における営業収入を固く見積もる、それをやったときに一体営業利益はどうなるのか。営業費用は計画どおりにしたとして、どういうことになりますか。ずうっとこれ赤字になっていくんですよ、〇七年を除いて。そして、合計をすると、営業利益はどれぐらいになるのかということを上との対比で見ていただくと分かるんですが、二〇一〇年には二百七十億円の赤字になっちゃう。こういうことなんです。保守主義に基づいてその経営計画を立てるというのは、このことを指すんじゃないでしょうかね。
 そして今度は、この会社は、有利子負債、さっき一兆二千幾らと、こういうふうにおっしゃっておりました。有利子負債、一兆二千幾ら、いろんなところから借りたやつはそうだろうと思うんですけどね。
 この会社には、ちょっと次のページ開けていただきたいんですが、「中期再生プランにおける有利子負債削減計画」というのが載っております。〇六年度は、社債・借入等で一兆五百二十億円、これ、削減計画でこれからどう減らすかということなんですが、リース債務、未認識債務、未認識債務というのはこれは退職給与の引き当て不足、そういったものに対する引き当てであります、で一兆七千二百二十億円です。我々が見たときには有利子負債はこれだけ借金がありますよと、これをずっと減らしていきたいと、こうおっしゃっているわけです。社債・借入等を減らしていく、そしてリース債務もこれをどんどん減らしていく、未認識債務も減らしていく。
 さて、そこで、このいわゆる日本航空というのはこれだけの借金を抱えているところなんですよ。じゃ、順調にこれ減っていくんだろうかねというときに、当然ながら、この一兆七千億円という借金を抱えているがゆえに、どのぐらいの利息が年間払わなきゃいけないのか、二百億円弱払っている。支払利息以外にも航空機材の処分損が毎年大体百億円ぐらい発生すると言われている。どうしても三百億円程度の営業外費用が発生するということになっているために、要するに営業利益が三百億円出るということは損益分岐点なんですよ、このJALにとってみれば、借金がありますから。
 それぐらいひどい状態になっているときに、どうやってコストカットをしていったらいいのかということが実は問われているときに、どうも、この二〇一〇年の事業年度の連結営業利益八百八十億円から逆算をして、どれだけのコスト削減を求めなきゃいけないのかということを割り返してみると、大体八百八十億円に三百億円の営業外費用があるということは、実際の利益に直すと五百八十億しか出てこない。本当に八百八十億円を、本当の利益を求めたいと思えば一千億を超える追加コストの削減が必要になってくるんですよ。ちょっと正確にはあれですが、一千百五十億円というふうに私たち見積もっている。これだけの追加コストがなければ、実は実質八百八十億円という純粋の利益というのは出てこないんですよ。
 今、日本航空の販売費及び一般管理費は連結で二千五百六十六億円なんです。二千五百六十六億円、販売費、一般管理費のうち一千百五十億円のコストカットをしなきゃいけない。これが実はその実態なんですよ。
 そうしたら、基本給一〇%カットだとか、五万人を超えている従業員の四千三百人のカットだとか、私も労働組合出身ですから、労働者の首切れとか労働者の賃金を下げろなんというのはなかなか言いづらいことですよ。しかし、今再生で、要するに破綻しようとする、おそれもあるかもしれないと言われるような企業の再建計画を立てるときに、今申し上げたようなレベルのカットの仕方で本当にこれ実現できるんだろうかと、できないんじゃないですかと。
 その意味で、もう一つ、実はこの退職金あるいは退職年金も含めてどのぐらいの、いわゆるこの方々が、労働者がもらえる、そこの従業員がもらえる金額になっているかというと、約一兆円ですよ、これ。そうすると、この間も何か部長クラスの人が辞めるときに八千八百万円の退職金をもらうというような話がちょっと新聞報道に出ていましたけれども、本当にこの会社は再建しようという気があるのかなと思えるような、そんな生ぬるい、いわゆる人件費カット、コストカット、こういう状態になっているんじゃないかと思うんですが。
 総裁、今私の話を聞いていて、いや、それは君ひどいよと、そんなことはできないよと、こうおっしゃられますかね。それとも、やっぱり破綻懸念になろうとする企業であればそれぐらいはしなきゃいけないねと、そして良くなったらボーナスを増やしたり、労働条件を上げるということだってあっていいじゃないかと、こういうふうに考えるのが普通、保守的な観点に立ったときの再建の在り方だというふうに思いませんか。総裁、どう思われますか。
#198
○参考人(小村武君) 今、先生から言われるようなことを私どもは実はJALに対しても厳しく言っております。私がJALに代わって先生に、いやいや、大丈夫ですというような立場ではございません。私どもも同じ立場でJALに対していろんな注文を付けております。
 そういう意味におきまして、私は、この再生中期プランで万々歳だということを毛頭にも申し上げておりません。これをまず着実に実施してもらって、更なる改革をしてもらいたい、その中身について、今種々私どもは注文を付けております。
 それから、この計画について、収入が将来とも一定で経費だけが増えていくと。これはどの企業においても将来、時系列を伸ばしていくと収支は合わなくなります。足下でも、先ほど申し上げましたように、運賃の改定が四・七%平均でもう四月から実施済みであります。
 そういう意味におきまして、この収入がずっとこれ一定だということではございませんので、着実にできるものからきちっとやっていく、これが今大事なことであって、先生のそういう厳しいお言葉は私も肝に銘じておりますし、私がまた帰りましてJALの人たちに対しても同じような趣旨で厳しく申し上げてまいりたいと、こう考えております。
#199
○峰崎直樹君 要するに運賃を上げたということで、その分はこれを、私まだその数字を入れておりませんから、その分は当然横ばいだとしてもそれを上積みしなきゃいけないから、これはちょっと厳し過ぎるのかもしれません。しかし、大前提として、破綻懸念先債権に落とされたかもしれない、落とされようとしている企業にとって、これぎりぎりの資金、後でキャッシュフローの動きを見ても、とにかくもうぎりぎりのところをずっと走っているわけですよ。こういうことの計画を何度も何度もさいの河原の石積みのごとく作ってはまた作り直し、また作っては作り直しという、その連続がJALだったんじゃないんですかと、もう赤字がずっとこのところ続きっ放しじゃないですかということを言っているわけですよね。
 そうすると、そこのところは安易に収入がずっと引き続き伸びていくというような前提で物事を組み立てていくと、これは相当大変なものになっていきますよと。本当に破綻懸念先に落っこっちゃうというか、もう既に落っこっているというふうに言われていますけれども、私は取り返しの付かないところがあるんじゃないだろうかというふうに思えてならないんですよ。
 だから、そういう観点でこの中期経営計画を承認をするという、もう認めているわけでしょう。その中期経営計画でこのとおりやればお金を出しましょうということになっているわけですよ。だから、これが、今のJALが新しい局面になってきて、後でまた申し上げますけれども、いろんなことでまた二千億から四千億の新しい資金を、資本を調達したいとか、あれあれ、どうなっているんだろうなと。もう中期経営計画は着実に実践しているんだったら、二千億や四千億の間のデット・エクイティー・スワップだとかいろいろ言われているものについて、こんなもの当然出てこないよねと。もし出てくるんだったら、こんなもの、中期経営計画というのは御破算になっちゃったんだろうかなと、こういうふうに我々は見えちゃうわけですよ。市場はそういう目で見ちゃうわけですよ。だから、この中期経営計画の大前提が余りにも甘過ぎるんではないんですかということを言っているわけですよ。
 そこで、お聞きします。JALはいまだに株主優待券を出しているんですよ。年間百億円に達するというふうに言われています。つまり、株主優待券というのは一単元株で、ちょっと今は変わりましたけれども、大体一枚出しているわけです。五〇%の割引です。この単元株のいわゆる株主優待券というのは五〇%割引で、当然のことながら、これが金券ショップで売られている。そうすると、大体平均五千円です。そうすると、今二百万株、二百万単元株掛け五千円です、百億円です。
 今、これだけ中期経営計画を立てているときに、百億円のいわゆるタコ配、これはタコ配じゃないですか。タコ配と言っておかしくないほどの私は配当だと思うんです。そういうものをやめさせられなきゃ、これどうにもならないんじゃないかというふうに思うんですよ。その点、総裁及び国土交通省も、JALのこういう状況の中で、ANAもやっているからJALもやっているなんていうんじゃなくて、これは相当やはり厳しくいかないと、このままずっと百億ずつ毎年出していけるような余裕この中にあるんですか、中期経営計画の中に。ないんじゃないんですか。その点についてどうですか、総裁。
#200
○参考人(小村武君) 株主優待券につきましては、これは株主と経営者との関係において成り立っておりまして、私ども債権者としての立場と株主との、経営者との立場、これはおのずから違ってくるんだろうと思いますが、私どもの債権者の立場でいろいろ意見は申し上げますが、経営者はその株主との間に立って総合的に判断を出されるものであろうかと思います。
 タコ足かどうかということは、これはいろいろ法的な面で詰めた上でのおやりになっているものでありまして、私が有権的解釈をするというわけにはまいりません。
#201
○副大臣(望月義夫君) 先生がおっしゃったように、日本航空では株主を対象に、所有株式数に応じて国内線の普通運賃の五〇%割引で搭乗できる株主優待割引券を発行しております。
 こうした株主優待制度は、一般的に他の企業が実施しているものと変わりがなく、株主への特典として提供しているのにすぎず、御指摘のような違法な配当には当たらないのではないかなと考えております。
#202
○峰崎直樹君 もう何度も言いませんけれども、黒字企業、つまり交通運輸事業の中で、本業で黒字を出している企業ならばまだしも、そこはずっと赤字続きで中期再生計画を毎年のように出している企業が、年間百億円にも及ぶ実質上の配当と同じものを、つまり売上げその分減っていくわけですから、半額券だから、そういう問題に手を着けないというのは、これはタコ足配当と言われてもしようがないんじゃないでしょうか。これ、金融担当大臣にタコ足配当とは何ぞやと聞こうと思ったんですが、これ該当しませんか。
#203
○国務大臣(山本有二君) なかなか個別の判断、個別の会社の経営判断に言及することは難しいものでございますし、一般論で申し上げれば、タコ足、自らの株主利益や債権者返済に充てる原資でもって無理やりな配当をするというようなことでありますと違法性が強くなってくるわけでありまして、簡単には申し上げられないというところでございます。
#204
○峰崎直樹君 この点は、私はどうしても、去年の十月にも同じような質問をしたことございますが、どうしてもこれは納得できないなと思います。
 時間がないので先に行きます。
 中期再生プランにおける今度は資金計画のところ、数字を見ていただきたいと思うわけであります。これは中期再生計画における資金計画で、昨年増資をいたしました。大変評判の悪い増資で、もう以降は増資はできない、ゼロ、ゼロ、ゼロ、ゼロと、こうなっています。新規調達、これが六百十億、それから九百八十億、で、ずっと伸びていく。資産売却ということで、持てるものをどんどん売って、最後、二〇一〇年ごろはもう四十億円ぐらいしか売るものがない。営業キャッシュフロー、これがいわゆる収入から入ってくるところの営業キャッシュフローですが、これが順調に伸びていく。こういう前提で合計して四千億から三千六百三十、四千億から三千億円近いキャッシュフローが必要になってきている。
 キャッシュアウトは何で必要になるかというと、設備投資、千八十、この年度はどうも借りられないためか、ちょっと少なくなっていますが、大体航空会社は飛行機を機材繰りをしていくために設備投資をしなきゃいけない、一千四百億円前後必要だということで、多分もうこれは発注しているんでしょう、恐らく。何年も前に発注しないと出てきませんから。そして、返済などということで、これがいわゆる資金返済に回る金ということになっているわけです。合計するとこれがやっぱり三千億台ということで、ネットでは、二〇〇七年はマイナス八十億だけれども、翌年は十億、そして翌年はマイナス九十と、こういうふうになっているわけでありますが、果たして本当にこういうふうに入ってくるんだろうかなと。
 先ほどの航空運送事業の営業収入が伸びないと。まあ、これはちょっときつ過ぎるというのは、先ほど私も多少ちょっときついなと、もう少し少なくしなきゃいけないわけですが、その数字をそのまま、前のページにあります営業収入のところを、マイナス二百六十八から最後マイナス二百七十になるまでをそこに入れて、営業利益の差額を取り出してみたところどうなるかというと、二〇一〇年には千百五十億円の営業利益の差額があって、そして中期、このプランの営業キャッシュフローからそれを引くと一体どういうことになるかというと、修正後の営業キャッシュフローは、二〇一〇年には千七十億円しか修正後ありませんよと。そうすると、その修正後のやつで次の、先ほどのキャッシュインのところを修正をいたしますとどういうことになるかというと、営業キャッシュフローが減りますから、キャッシュアウトは一定だとすれば、ネットはどんどんどんどんそのお金が足りなくなる。これが私が非常に保守的に見たときのこのいわゆる推計値なんです。
 どうでしょうか。こういうおそれというのは本当にこのJALの場合、今のような前提条件を置くと、多少ちょっと値上げ分が売上高として上がってきておりますので、ここまではひどくないかもしれないけれども、保守的に見るとこういうふうになるという、そういうおそれというのは十分にあるんじゃないんでしょうか。総裁、いかがでございましょうか。
#205
○参考人(小村武君) いずれにしても、前提の置き方だろうと思います。前提が、こういう前提でありましたらこういう計算になります。ですから、それがフィージビリティーがあるかどうか、あるいはJALの言っているのが正しいのか、その辺のところは、私どもは金融機関としてきちっと精査をして審査をしていくということであろうかと思います。
#206
○峰崎直樹君 だから、その前提が甘い前提に立っておられませんか、それを、甘い前提のものを中期経営計画として認めたんじゃないですかということを言っているわけです。ああこれは相当やはりきつく行かないと大変だなというふうに思っていただければ幸いなんですが。さて、もう事態はどんどん進んでいるんですよ。
 そこで、会計士法のときにまたこのあとはちょっとやりたいと思いますが、そこで、これで破綻懸念先債権に落とされたら、万が一ですよ、そうすると新しい融資というのはこれ原則としてなかなかやりませんよね。今までの三千億、破綻懸念先債権であれば、八〇%とすれば二千四百億積み増しをしなきゃいけない、更にまた一千億貸してくれと言ったら一千八百億のお金を用意しなきゃいけない。こういうところは恐らくもうだれも貸手がありませんよね。
 そこで、今ばたばたばたばた何が起こっているのかというと、連休明けからJALグループは株主総会を前にしていろいろ資金確保に向けて様々な努力を重ねているというのが報道されているわけです。これは一昨日、大久保委員も質問しましたけれども、二千五百億円の第三者割当て融資、これ優先株で議決権ありませんと。そのうち一千五百億円が政策投資銀行を含む金融機関、一千億を商社などの事業法人で引き受けさせて、一部を金融機関に返済する計画だと。その一部というのはDES、すなわちデット・エクイティー・スワップの組合わせでJALと政策投資銀行が内々に合意したんじゃないかというふうに言われている、そういう報道があるわけでありますが、政策投資銀行の総裁、どういうふうにこのことを思っていらっしゃいますか。
#207
○参考人(小村武君) 先般も御質問があったときにお答えいたしましたように、JAL自身がそれを否定をいたしております。そういう意味において、私どもが関知するところではございません。
 原則を申し上げれば、そうした資本政策をする前に、やはりJAL自身がきちっとした更なる計画、自助努力、そういったものをまず示してからでないとどの金融機関も理解は示さないということであります。
#208
○峰崎直樹君 財務大臣、よろしゅうございますか。今、政策投資銀行を含めて、どうもJALとの間で、要するに金融庁の検査がこれから政策投資銀行に入ってくる。そうすると、当然のことながら横ぐしが入って、他のメガバンクと同じようにこのいわゆる破綻懸念先債権に落とされる危険性がある。これだけは何としても避けたい。そのためにはここで資本増強をやらなきゃいけない。しかし、株主の公募増資はできない。もう去年、あれだけ評判悪かったから。そうすると、デット・エクイティー・スワップである程度資本増強していこうと。こういう発想というのは容易に出てくるおそれがあるんですよ。こういうものがどうも合意をされたんじゃないかというふうに言われていますが、そういうことは、財務大臣、どのように、もしそうだとしたら、そうでないことを祈っているんでしょうか、どういうふうに評価されていますか。
#209
○国務大臣(尾身幸次君) 私どもとしては個別の民間企業の経営に関与をすることができないという立場でございますし、また政策投資銀行は法律にのっとって、その責任において融資判断等をしているというふうに考えておりまして、私どもが融資審査等に関し関与をすることは適切でないと考えているわけでございます。したがいまして、今の御質問に対するお答えを、確たるものを申し上げるわけにいかないという立場を御理解いただきたいと思います。
#210
○峰崎直樹君 こういう動きがだんだん我々の情報にも入ってくるわけですよ。どうも某国会議員の秘書さんがメガバンクに、これをちゃんと受けるようにとか、そういう動きをしているとか、そういう情報も含めて、これはガセネタかどうかはまだ私もはっきりしません。
 ですから、だれがどういうふうに言っているということはつかめませんが、どうもそういう動きを、様々なルートを使って執拗にその実現を目指そうといううわさがあるわけでありますが、これは事実なんでしょうかと言っても、恐らく、多分、事実でないとおっしゃるでしょうけれども、総裁、そういう動きがある、あるいはそういう話を聞かれたことはございますか。イエス、ノーで結構です。
#211
○参考人(小村武君) 国会議員の秘書の方が動いているという話は私は初めて聞きました。
 いろいろこういう問題についてルーモアが立ってくると思いますが、確定した事実に基づいて御判断をいただきたいと思います。
#212
○峰崎直樹君 これは、仮に破綻懸念先債権となっているJALに対して、優先的地位にある債権を回収しないでこういう劣後する優先株に増資に応じる、こういうふうになると、一般論で結構ですが、株主代表訴訟や特別背任に当たると思うんですが、金融担当大臣、どう思われます。
#213
○国務大臣(山本有二君) 一般論として申し上げるところでございますが、経営状態が悪化している企業等に対して、金融機関等から自らの経営判断として資本支援等により再生支援等を行うことにつきましては、通常、そのことをもってのみ直ちに株主代表訴訟や特別背任といった法律上の問題が生じるということにはならないというように考えるところでございます。
 ただし、金融機関におきましては、そうした判断を行うに際しましては、当該金融機関におけるリスク管理等の観点から、支援等の適切性について慎重に検討する必要があることは申し上げるまでもございません。
 業績不振先に対する資本支援等につきまして、金融当局といたしましては、不良債権の健全債権化等の観点から、市場に評価される再建計画の策定など幾つかの監督上の着眼点を示しておりまして、各金融機関におきましてはこうした点を踏まえた対応を期待しているところでございます。
#214
○峰崎直樹君 いろいろ、我々からすれば、JALが破綻懸念先債権になっていく、これは大変だなというふうに思うんですけれども、逆に、これは非常にうがった見方になるかもしれません、もしかしたらおしかりを受けるかもしれないけれども、しかし、皆さんずっといろいろ経過をたどっていくと、今の情報が、先ほど総裁は否定をされました。二千五百億円の第三者割当て融資だとか、あるいはその他の様々な融資だとか、そういうものが行われるんじゃないか、あるいはこれはデット・エクイティー・スワップにするんじゃないかとか、いろんなことが言われているわけでありますけれども、これはとどのつまり、破綻懸念先債権になっていくということがはっきりしているから、何とかしてそれを回避しなければ自分のところに火の粉がかぶってくるぞと、それを何とかして早く阻止しようというのは、当然これは私、考え得る一つの方法として出るんだろうと思ったんですよ。
 それは否定をされましたけれども、しかし、こういうことを考えていると、これだけの二兆円近い、一兆七千億円余りの有利子負債を抱えている、なかなか赤字から脱却できないJALをずっとこれを抱え続けていこうというのは、基本的には政策投資銀行を民営化を遅らせるための手段としてやっているんじゃないのか。今、後ろの方でお笑いになったり、あるいはいやという首をひねった方おられますけれども、私は十分これ、先日、共産党の大門さんが、政策投資銀行の方は何か息沈んでいますねというような話をされていましたけれども、ある意味では、財務省としても、できれば政策投資銀行は完全に民営化されない方がいいかもしれない。あるいは政策投資銀行としてもそういうことの方が、今のようなスタイルの方がいいと思っている方がおられるかもしれない。そういう意味で、そういうことの戦略の一環としてやられているんじゃないのかと、こういう御指摘を受けることがあるんですけれども、この点、財務大臣と政策投資銀行の総裁、明確にこのことについてのお答えをお聞きしたいと思います。
#215
○国務大臣(尾身幸次君) 財務省といたしまして、先ほど申し上げましたように、個別の民間企業の経営に関与する立場にはなく、その点についてのお尋ねの件について、そのような事実は全くないと考えております。
 元々、政策投資銀行につきましては、既に行政改革推進法において完全民営化することとされており、その完全民営化を実現するための法律である株式会社日本政策投資銀行法案については、現在、ただいまこの委員会を含めまして、国会で御審議をいただいているところでございます。
 この政策投資銀行の完全民営化は、今般の政策金融改革の一環として必ず成し遂げなければならないと考えておりまして、所管大臣として今後とも全力で取り組んでまいる所存であります。
#216
○参考人(小村武君) 尊敬する峰崎先生からそういう質問を受けることは、私はもう大変残念であります。私どもはそういうけちな精神でやっているわけではございません。自ら民営化をして立派に生き残る、これが私どもの最大の課題であります。JALをネタに民営化を阻止するとか、そういう考え方、誠にだれ一人として持っていない。私どもの名誉のために、そういうルーモアが世の中に流されてこの国会でこういう質問を受けるということは大変残念なことであります。私は、職員に代わっても、こういうことに対しては大変憤りを感じております。JALはJALとして立派な会社にしていく、これは金融機関として、私どもだけでなしに、すべてメガバンク等々とこれは金融機関としての責務を果たしていく、これは当然のことでありますが、私どもの民営化と何ら関係はございません。
#217
○峰崎直樹君 そういう言葉を聞いて、是非そういう精神でやっていただきたいなというふうに思います。
 国土交通省、副大臣がお見えになっていますが、JALの問題については絶えず国土交通省内部でもこれどうするかという議論があったやに聞いております。今破綻懸念先債権に落ちたかもしれないと。私は、破綻懸念先債権にJALが格付をされ始めてきている、そういう中で、先ほどのキャッシュフローの流れ、あるいはこれからの経営の伸びを見たときに、本当にこれでやっていけるのかなと。どういう将来展望というものを国土交通省として、担当の官庁として考えておられるのか、もし何かあればこの機会に言ってください。
#218
○副大臣(望月義夫君) 先生の御質問でございます。
 民間の企業に関し、経営再建計画につきましては、国土交通省として口を挟むべき問題ではないと、そういうふうに思っておりますが、やはり我が国を代表する航空会社でございます。そして、我が国の安全、安心、公共交通として大変責任の重い会社でございますので、先生の御心配のように中期経営計画を着実に実施をすることを強く期待しておりますし、先ほど申しましたように日本を代表する航空会社としてしっかりとしてほしいと、こういうことを私個人としても思っております。
 以上です。
#219
○峰崎直樹君 そこで、今度は政投銀の方にまたもう一回移らせていただきたいと思いますが、金融担当大臣、クレジット・デフォルト・スワップという言葉が最近非常に出ておりますが、これ何なんですか。
#220
○国務大臣(山本有二君) クレジット・デフォルト・スワップというのは、企業などの信用リスクを売買するデリバティブ取引でございます。
 具体的に申し上げれば、プロテクションの買手、信用リスクを切り離したいものがプロテクションの売手、信用リスクを引き受けるものにプレミアムを支払いまして、対象とする企業などに支払不履行等の一定の事由が発生した場合に貸出金や社債の元本相当額の支払を受ける取引であると承知しております。
#221
○峰崎直樹君 そのクレジット・デフォルト・スワップの水準が政策投資銀行、昨年の三月、これはクレジット・デフォルト・スワップがゼロ円だったんですが、昨年九月、これ中間期ですけれども、一兆一千億円と急増しているんですけれども、これはなぜなんでしょうか。
#222
○参考人(多賀啓二君) 正にクレジット・デフォルト・スワップは、クレジット、正に信用取引の一つの手法ということでございますが、私ども、そもそもこの分野に、対象に利用しましたのは二〇〇二年度でございまして、このころは、先生御案内のとおり大変金融機関が不良債権処理に追われていたころでございまして、一種の金融機関の資本の健全性の維持だとか、そういう目的のために私どもが正にこのCDSを利用して対応したということが嚆矢でございました。
 ただ、それだけが目的ではなくて、日本では、こういったCDS市場の発達というような観点でいいますと非常に遅れておりまして、要は、そういった信用リスクを銀行だけが全部引き受けるんじゃなくて、一般の投資家も含めて、これはもちろん適正なプライスでということですが、一般の投資家も含めてリスクを分散をしていくというマーケットの創造は必要だろうということで、むしろ最近はそういう観点でCDSに取り組んでおります。
 先生先ほどおっしゃった、ゼロから急に増えたじゃないかということでございますけど、ゼロになったというのは、正にそのころ、当初の二〇〇二年度ごろの金融機関の非常に財務が不健全だった状態が非常に良くなってきまして、それですとんと落ちていったんゼロになったということでございます。
 ただ、一方、先ほど申しました金融市場の活性化というような観点で、新たなニーズが、これ金融機関等でございますけれども、出てまいりまして、それに対して私どもが対応して、結果的に一兆少しという金額が積み上がったという、これは自然の、ある意味自然の増減でございまして、といいますのは、この分野は、対象がもう百件、二百件出てくるという世界じゃございませんで、せいぜい数件とか一、二件とか、こういうことでございますので、非常にある年によって金額が増えたり減ったりとか、こういうことは当然に起こり得るというふうに御理解いただければと思います。
#223
○峰崎直樹君 金融機関が不良債権問題で、それが二〇〇二、三年でなくなってゼロになって、また増えてきていると、これは自然の流れなんだと、こうおっしゃったんですが、このいわゆる政策投資銀行が昨年九月期に一兆一千億円のCDSを持っておられると、その内訳、公表できますか。
#224
○参考人(多賀啓二君) 誠に申し訳ございませんが、ちょっとその点に、個別の、だれに対して幾らやっているかという点についてはちょっと公表しておりませんので、その点はちょっと御勘弁いただきたいと思います。
#225
○峰崎直樹君 これ、民間企業、民間銀行だったらこれは開示しなきゃいけないんでしょうか。金融担当大臣、分かります。
#226
○国務大臣(山本有二君) 個社名は開示をしないルールでございます。
#227
○峰崎直樹君 それぞれの、今格付と言いましたけれども、どのぐらいのベーシスポイントで動いているかというようなことだとか、そういうのは私も調べたことはございます。
 JALのベーシスポイント、結構高いんですね、これ。JALに貸している債権の確か二・五%、LIBORにプラス二・五ですから、相当高い金利で実はスワップをしているわけです。
 私は、これだけJALに対して大変危ないぞと、こう言われてきたら、当然、中小金融機関は、本当ならばそれはもう、その債権はもうどこかに譲りたいと、あるいは売却したい、引き取ってもらいたいと、こう思うかもしれない。しかし、どうもそうではなくて、このCDSを使って、要するに持ってはいるけれども、デフォルトするリスクは何%か払いながら持っているんじゃないか、それがどんどんどんどん政策投資銀行に集中しているんじゃないのかと、こんな思いを持っているんですが、これは杞憂なんでしょうか。
#228
○参考人(多賀啓二君) 先ほど申し上げましたように、CDSの中身については申し上げられませんが、これも我々のCDSの取組がどういう形でやっているかということで申し上げますと、先ほど話がありましたように、正にこれ、我々がプロテクションを売るという形で保証をするわけでございますけれども、私どもは、必ずこのCDSをやるときにはさらにその売ったプロテクションをもう一回買ってもらうというか、平たく言うと、再保証に出しておりますので、CDSにかかわる取引で私どもが全額すべて我々がそのリスクを引き受けるというふうなやり方は今までのところは取っておりません。
#229
○峰崎直樹君 多賀理事さん、今お話しになった、いわゆるCDSをプレミアムをもらって債権を保証すると。それをもう一回出すんですか。それは、何によってどういうふうにして出すんですか。
#230
○参考人(多賀啓二君) 必ずマーケットには売手と買手がおりますので、私どもが売手となって、さらにその債権を買いたいという人に買ってもらうと、こういうことでございます。
#231
○峰崎直樹君 そのJALのCDSのいわゆる価格は、先ほど申し上げたようにLIBORプラス今二・五ぐらいに上がっているんですね、パーセント。これは少し異常に高いんですよ。これぐらい高いのは、あとソフトバンクぐらいです、調べてみたら。何でこんなに高くなっているというふうに思われますか。
#232
○参考人(多賀啓二君) 個別の企業のそういったリスクプレミアムについて、私ども金融機関でございますのでコメントするということは、大変申し訳ありませんが、ちょっと御勘弁いただきたいと思います。
#233
○峰崎直樹君 もう時間が来たので終わらなきゃいけないんですけれども。
 ある意味では、いわゆるLIBORプラス二・五というのは、日本のいわゆる大企業のCDSの中では最も高い方の部類に入っちゃうわけですよ。つまり、それぐらい高いプレミアムでないと恐らく受け取ってもらえないと、こういう私実態にあると思うんですね。その意味で、やっぱりJAL債権に対して、JALは破綻懸念先債権になったんじゃないのかということをこういう面からも実は裏付けられちゃったんじゃないかなというふうに思えてならないわけであります。その意味で、是非その点、私どもはJALの問題については、そういうCDSのプレミアムを見ても、ああ、これは相当危ないなというふうに理解をしていくというのが当然だというふうに主張しておきたいと思います。
 ちょっとまだあと五分ぐらい次の質問者の間、空きましたので、そこで、じゃ金融担当大臣、この金融商品取引法という法律が通りました。その中で、このクレジット・デフォルト・スワップというのは株式同様金融商品だということになりますのでインサイダー取引規制の対象になると思うんですが、この点はどうでしょうか。
#234
○国務大臣(山本有二君) 金融商品取引法のインサイダー取引でございますが、上場会社等の特定有価証券等に係る売買、その他の有償の譲渡若しくは譲受け又はデリバティブ取引というように文言がございまして、これらを対象としております。いわゆるクレジット・デフォルト・スワップ取引は、この規制対象でございますデリバティブ取引の範囲の中に含まれておるわけでございますので、インサイダー取引規制の対象になるということでございます。
#235
○峰崎直樹君 よく分かりました。
 そこでもう一点、融資部門とそれからこのクレジット・デフォルト・スワップ、このトレーダー、もちろんトレーディング部門があるわけですけれども、このいわゆる部門はチャイニーズ・ウオールで隔てておかないとまずいんじゃないかというふうに思うんですが、その点はいかがでございましょうか。
#236
○国務大臣(山本有二君) 金融商品取引法におきましては、特定有価証券等に係るクレジット・デフォルト・スワップ取引はインサイダー取引の対象でございますが、当該規制によりまして、例えば金融機関の役職員が貸出先企業の重要事実の公表前に当該企業の債権等に係るCDSのトレーディングを行うことは禁止されることになります。市場の仲介者たる金融商品取引業者又はその役職員がインサイダー取引規制に違反することで、金融商品取引に対する利用者の信用を失墜するような事態があってはならないというように考えているところでございます。そのため、金融商品取引法の施行後、金融商品取引業者において当該規制が遵守されるよう必要な体制整備を図ることが重要であるというように考えております。
 どのような体制整備を行うかにつきましては各金融機関の判断によるものでございまして、当局はその体制の適否については事後的に検証するというような立場になっております。
#237
○峰崎直樹君 これで終わりたいと思うんですが、委員長、最後に参考人を実は招致しておきたいと思うんです。
 それは、今回の政策投資銀行法で本当は呼びたかったわけでありますけれども、今日の議論を聞いていて、いろいろとこういう討論をしておりまして、やはり政策投資銀行が事実上メーンバンク的になっている日本航空、やはりそれが一体どんな状態になっているのかというのは大変我々にとっても重要なことであり、まあ公認会計士法になるかと思いますけれども、これは会計法、公認会計士の皆さん方のゴーイングコンサーンだとかそういったことにも実は絡んでまいりますので、次期、日本航空の社長さんを参考人として呼んでいただきたいなということをお願いを申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
#238
○委員長(家西悟君) その件については、理事会で協議いたします。
    ─────────────
#239
○委員長(家西悟君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、尾立源幸君が委員を辞任され、その補欠として松下新平君が選任されました。
    ─────────────
#240
○富岡由紀夫君 民主党の富岡由紀夫でございます。よろしくお願いします。
 法案の審議に入る前に、日銀総裁にも今日お越しいただいておりまして、総裁の方から最初に質問をしてほしいという依頼があったものですから、ちょっと質問をさせていただきたいというふうに思います。
 まず、今日は昼食会をされたそうですが、有意義な昼食会だったんでしょうか。おいしいお食事をいただけたのかどうか、ちょっとお伺いしたいと思いますが。
#241
○参考人(福井俊彦君) プライベートではありませんで、公式の昼食会でございました。
#242
○富岡由紀夫君 私、本当は一時から質問だったんですけれども、その昼食会があるということで時間を変更してほしいという依頼を受けたんですが、国会よりそういう優先すべき昼食会というふうに理解した方がよろしいんでしょうか。
#243
○参考人(福井俊彦君) 国会に優先するというふうなものはございません。ただ、相手のあることですけれども、今日は商工会議所の会頭さんと中小企業の状況を教えていただくために昼、会議をしておりました。
#244
○富岡由紀夫君 今、中小企業というお話だったんで、先週いろいろと議論をさせていただきました。中小企業の実態についてどのように把握されているのか、会社の企業業績を、日本経済全体の業績をどういうふうに把握されているのか、ちょっとお伺いしたいと思います。
 先週お話しさせていただいたときに、景況判断をされるときに日銀短観を利用されているというお話がありまして、日銀短観の調査対象基準というのは資本金二千万円以上だというお話を伺いました。それで、二千万円以上の企業というのは日本全体二百五十数万社のうちのわずか八%から九%ぐらいの資本金の大きな上位企業でございまして、そこを調査して日本全体の景気の状況を推し測るのはいかがなものでしょうかという観点で質問をさせていただきましたところ、二千万円未満のところも調査されているというお話でございました。
 その具体的中身については、先週は具体的な手持ちの資料がないんで具体的にはお答えいただけなかったんですけれども、昨日は事前に通告しておりますので、その二千万円未満の企業についてどのような調査を行っているのか、お伺いしたいと思います。
#245
○参考人(福井俊彦君) 経済全体を把握いたしますために、いろいろなデータあるいはヒアリング調査等を通じまして、経済をいろいろな角度から眺めて最終的なマクロの判断をしているというところでございます。したがいまして、御指摘のとおり短観調査だけを頼りにしているわけではございません。
 私どもでは、短観調査を含め、そのほか、本支店におきますミクロのヒアリングなどを通じまして、御指摘の中小企業、零細企業を含め、業況がどうなっているか、あるいは企業金融、金融がきちんと付いているかどうかというふうなことにつきましても、できる限りきめ細かく把握するよう努力をいたしております。
 ヒアリングと申しますのは、その時々の経済情勢や問題意識に応じて視点は変わりますけれども、視点をむしろ変えながら各企業にいろんなお話をお伺いするということでございます。したがいまして、これは随時問題意識に応じてお話を聞くようにしているということでございます。
 資本金二千万円未満の企業につきましても、必要に応じ私どもの本支店のネットワークを通じて聞いております。全国三十二の支店を持っておりますし、規模は小さいんですが、十二の事務所を持っておりまして、それぞれ若干のスタッフ、調査のスタッフがおります。直接企業をお訪ねするなどしてお話を伺っているという状況でございます。
 これらの情報は、まとめて支店長会議等を通じて本店に報告されます。支店でそれぞれ分析を加えて報告してくるという形になっております。
 そのほか、本店の調査統計局には、こうした全国の支店からの情報を集約し分析するということのほかに、自ら、つまり本店の調査統計局自らもこれは関東各地の調査を担当する専担の部署を設けておりまして、支店と同じような活動を本店でもしているというところでございます。
 日本銀行では、これらの地域経済に関する情報は、最終的に全国をまとめまして四半期ごとに、地域経済報告、さくらレポートというニックネームを付けておりますが、そういう形で取りまとめ、公表もいたしております。
 これは日本銀行の中での情報収集活動でありますけれども、加えまして、政府あるいは中小企業金融公庫、国民生活金融公庫などの他の機関の調査結果も十分に拝借し、分析をしております。それから、私ども日本銀行の取引先金融機関、これは信用金庫を含め現在五百七十七金融機関がございますが、こうした対象先から得ている情報も大変貴重でございまして、分析上これを活用しているという状況でございます。
 現状認識は、日本経済全体としては緩やかに拡大しておりますけれども、企業の業種の違いあるいは企業規模の違いあるいは地域の違いによりまして回復の程度に依然ばらつきが存在していると、そういうふうに認識をいたしております。
#246
○富岡由紀夫君 ちょっと今日は突っ込んでお話しさせていただきたいと思うんですけれども。さくらレポートというお話がありました。先週、議論させて、質問させていただいたときに、その日のうちに日銀の御担当の方がお越しいただきまして、さくらレポートについて御説明いただきました。その詳細いただいたんですが、それを見ると、調査体制が全国の三十二支店、十二事務所、調査対象先というのは約四千社だということなんですけれども、その調査対象先は日銀短観の対象先がほとんどだという御説明いただきました。
 今言った日銀短観の基準、二千万円未満のところがどのぐらいあるのかというふうに聞いたら、ほとんどないということだったんですけれども、この点についてどうでしょうか。
#247
○参考人(福井俊彦君) 私はそういうふうに委員に御報告したというふうには聞いておりません。
   〔委員長退席、理事峰崎直樹君着席〕
 本店、支店の中小企業あるいは零細企業への調査対象というのは問題意識によって変わります。短観のように固定的な対象に対する調査ではないわけでございますけれども、短観調査先の範囲をかなり超えて調査をしているというのが実態でございます。
#248
○富岡由紀夫君 短観先だったら標本、何というんですか、対象先が二十二万社あって、そのうちの一万数千社から回答を得ているということで、調査の、何というんですか、信憑性をちゃんと裏付ける、そういったものが示されているわけなんですけれども、そのさくらレポートなり全国の支店長会議で報告される各支店の報告の内容の中で、今言った短観の基準に満たない二千万円未満の、何というんですか、企業に対して、どのぐらい調査して、そのうちどれぐらいから回答をいただいたとか、そういった具体的な数字というのはないんでしょうか。
#249
○参考人(福井俊彦君) 短観とヒアリング調査では全く性格が違っておりまして、短観というのは、まとめて一つの大きな統計と言えるような性格のものでございます。したがいまして、基本的には、毎回同じ企業を対象に同じ内容のことを聞き、これを過去から時系列で眺めて分析が可能になる、大きな経済の趨勢の変化を読み取ることができるという、一つの大きな集積した統計みたいなものでございます。
 それに比べましてヒアリングと申しますのは、個々の企業の経営の実態、経営者の考え方、そしてその皮膚感覚からくる経済情勢についての認識、そういうようなものを直接聞いているわけでありまして、集計不能なことでございます。したがいまして、これは対象先の数が問題なのではなくて、その時々の経済情勢とか先行きの状況いかんによって、どういう企業の経営者あるいは経営に従事しておられる方々から話を聞くのが意味があるかどうかということで対象先が刻々と変わり得る、そういう性格のものでございます。
#250
○富岡由紀夫君 そういった報告を受けて、発表される内容が実態に即していれば、実態に合っていれば私どもは納得いくんですけれども、実際、地元の中小企業、それこそ零細企業の皆さんと話してみると全く違うんですね。日銀の調査レポート、短観の発表内容等を見ますと非常に懸け離れているというのが実態なんです。だからこういう質問をさせていただいているんです。
 くしくもこの間、日銀の福井総裁がおっしゃいましたけれども、過去が景気がいいと言ったときも赤字企業は一杯あったというお話ありましたよね。それが本当に景気が良かったという判断がいいのか悪いのか、それはまた問題なんですけれども、昔の状況と今の状況は私は違うと思うんですね。昔は、大企業がある程度利益を上げていれば、その下請企業、中小企業もある程度利益の配分が行き渡ってそれなりに日本全体の景気が良かったという推察も可能だと思うんですけれども、今の状況というのは私は決してそうじゃないと。この間、先週申し上げましたけれども、下請企業とか中小企業をいじめてそこの利益を吸い上げるような形で大企業が利益を上げている状況だと。そこが私根本的に違うと思うんですね。だから、昔、大企業だけ調査して日本全体が景気がいいという推し測り方はそれはそれとして、今はそれじゃできないんじゃないかと、そういう問題意識から質問をさせていただいているということなんです。
 今言ったように、ある人に聞いて景気がいいという、肌身で感じていいというふうに聞いたというけど、私は全然違う受け止め方をしていますと。じゃ、どっちが正しいのか。ちゃんと、だれが正しい判断したらいいのか、しているのかどうかというのは、そこはやっぱりどういったところに、だれに、何社ぐらいに会って、どういう層の人たちに会ったということをやっぱりお示しいただかないと、たまたまいいところだけ選んで話を聞いたということじゃ、日本全体を景況判断するときに私は誤った判断ができてしまう可能性があると。それで、会った会ったといってもだれに会ったかも示されないのに、それを、何というんですか、まともに受けることは私はできないんだというふうに思っております。その点いかがでしょうか。
#251
○参考人(福井俊彦君) 多くの企業家に会ってすべての企業家がいいという判断をお示しになったということは一言も申し上げておりません。先ほども申し上げましたとおり、業種別、企業の規模別、地域別にばらつきがある、今なおばらつきがあるということを率直に申し上げておりますし、今回の景気の回復のプロセスというのは、これは展望レポートでも月々の御報告でもさくらレポートでも書いていると思いますけれども、やはりグローバル化の進展と連関を持った回復であり、国内的にも構造改革を進めながらの景気の回復ということでありますので、企業の景況感の持ち方、まずは収益への表れ方、そして景況感の持ち方は過去の景気回復局面とはかなり異なった様相があるということは率直に御報告申し上げているつもりでございます。
 したがいまして、マクロの分析だけでは不十分だという強い認識の下に細かい調査をしているというのが実態でございます。
#252
○富岡由紀夫君 よく日銀総裁、今日も先ほども言いましたけれども、中小企業というふうにおっしゃいますけれども、中小企業というのはどういう定義でお話しいただいているんでしょうか。
#253
○参考人(福井俊彦君) 短観のレベルは資本金で区切っておりますけれども、私ども、ミクロのヒアリング調査をいたします場合には別にそういう区切りを設けておりませんで、いわゆる資本金規模あるいは従業員規模から見てかなり小さいところ、零細企業、場合によっては個人企業まで含む概念でございます。
#254
○富岡由紀夫君 短観で示している中小企業というのはどういう基準でしょう。
#255
○参考人(福井俊彦君) 資本金一億円未満そして二千万以上だったと思います。
#256
○富岡由紀夫君 資本金二千万円以上一億円未満が中小企業というふうに呼んでいらっしゃるらしいんですけれども、それが本当に日本全体のさっき言ったように二百五十数万社の中でそこが中小企業というふうに呼んでいいのかどうか、私はちょっと、やや誤解を招く懸念があるなというふうに思っております。中小企業はいい、いいというふうに日銀の短観の中で報告されても、それは今言ったように、あくまでも資本金二千万円以上の中小企業の、基準の企業を指して言っているわけでございまして、それはさっきも言いましたように、日本全体からすると八%から九%ぐらいの上位、大きな、資本金の大きな企業だけを指しているわけでございますので、そこは誤解を招く可能性があるものですから、是非その辺の定義はしっかりとお示しいただいて、使い分けをしていただきたいなというふうに思います。
 ちなみに、資本金二千万円未満の企業は何というふうに呼んでいらっしゃるんでしょうか。
#257
○参考人(福井俊彦君) 繰り返し申し上げておりますけれども、短観上の概念でございます。私ども、通常は資本金規模で一線を引いたりいたしておりません。ヒアリング調査におきましては、もっと小さな規模、個人企業も含めて必要に応じ調査をいたしております。
 なお、まとめた統計という意味では、短観のほかに、先ほども申し上げましたとおり、中小企業金融公庫や国民生活金融公庫の企業動向調査の結果を同じように重要視しながら、これを拝借し、分析しております。
#258
○富岡由紀夫君 今お話しされました中小企業金融公庫の調査、国民金融公庫の調査結果というのは、調査対象はどういう基準で調査されていらっしゃるんですか。
#259
○参考人(福井俊彦君) 中小企業金融公庫の場合、私ども伺っております限りでは、中小企業金融公庫の取引先のうち一万三千三百二十三社というふうに伺っております。それから、国民生活金融公庫の方は、同じく取引先のうち一万六百十七社と伺っておりますけれども、例えばその属性としては、従業員規模としては四人以下という小さなところが六六・七%を占めている、それから個人企業が四七・五%を占めているというふうに伺っております。そこまでの分析を私どもはちょうだいして詳しく参考にさせていただいております。
#260
○富岡由紀夫君 そういうところをちゃんとウエート付けして日本全体のバランスを見て景況判断していただいた結果がこのいろんな展望レポートなり調査レポートとして出ているということでよろしいんでしょうか。
#261
○参考人(福井俊彦君) おっしゃるとおりでございます。
#262
○富岡由紀夫君 ありがとうございます。是非、正確な日本の経済の状況の把握、それに基づくいろんな金利政策をお願いしたいというふうに思っております。
 ちょっと、直近の話、今日はマーケットどうなったか分かりませんけれども、昨日はかなり短期、中期、長期も含めて金利が非常に急上昇したということで伺っているんですけれども、その原因として、まあ原因というか、その金利上昇の要因の一つとして、財務省が発表されました法人企業統計が非常に好調だったといったことを受けて金利が非常に上がっているわけでございますけれども、その中に日銀の早期利上げが非常に期待されているといった見方がされているという報道もされていますけれども、こういったやはり環境のことを考えると、そろそろ金利引上げの、何というんですか、環境は整ったというふうに考えてよろしいんでしょうか。
   〔理事峰崎直樹君退席、委員長着席〕
#263
○参考人(福井俊彦君) 一つの指標が出るたびにいろんな報道がなされますけれども、私どもはそういうふうに一つ一つの指標で次の政策判断に結び付けるということは一切いたしておりません。
 今後とも、出てくるあらゆるデータ、利用可能なものをすべて分析いたしまして、将来の経済、物価の姿を十分見極めた上でなければ、次の政策判断はできないというふうに思っております。
#264
○富岡由紀夫君 財務省が発表した統計ですので財務大臣にちょっとお伺いしたいんですけれども、設備投資が過去最高を記録したと、法人企業統計一―三月期の、これはバブルを超えて史上最高の金額になったということでございますけれども、これはどのように理解したらよろしいんでしょうか。非常に先行き明るいと見た方がいいのか、少し注意した方がいいというふうに見たらいいのか、どうでしょうか。
#265
○国務大臣(尾身幸次君) 今回の法人企業統計調査の結果を見ますと、製造業、非製造業、いずれにおきましても引き続き増収増益を維持しておりまして、設備投資につきましても増加しているわけでございます。今回の結果は、企業部門の好調さが続いているというこれまでの認識に沿ったものであると考えております。
 景気の先行きにつきましては、原油の価格やあるいは世界経済の動向が与える影響等には留意する必要があると考えておりますが、企業部門の好調さが家計部門へ波及し、国内の民間需要に支えられた回復が今後続くと見込まれております。
#266
○富岡由紀夫君 バブルのときは、過剰な設備、過剰な有利子負債とか過剰な雇用が問題になったわけでございますけれども、まだまだ設備とか、有利子負債は何か増えているという統計も出ておりますけれども、まだまだそういった状況は心配する必要はないというふうに考えてよろしいんでしょうか。
#267
○国務大臣(尾身幸次君) いわゆる設備、雇用、それから債務の三つの過剰が解消し、収益の改善あるいは設備投資の増加が全体として見られるというふうに考えております。
 先ほどの中小企業の景況につきましても、大企業に比べて厳しさは見られますけれども、全体として改善傾向にあると認識しております。
#268
○富岡由紀夫君 GDPも上方に見通しが修正されるということなんですけれども、福井総裁も同じような評価でいらっしゃるんでしょうか。
#269
○参考人(福井俊彦君) 一―三月の法人季報で見ます限り、設備投資は私どもがかねてから判断いたしておりますとおり堅調に推移しているということは言えると思いますが、GDP統計の改定につながるかどうかはもう少し数字を精査しないと分からないというふうに思います。
#270
○富岡由紀夫君 また、為替ですね、円ドル、円ユーロ、非常に円安が加速しているということでございますけれども、ちょっと私、どういうふうに理解したらいいのか整理をさせていただきたいんですけれども、よくこの委員会でも議論になりましたけれども、円キャリーというお話ありますね。日本円を、円を借りて海外のドルなりユーロなりにシフトして、金利差を利用して稼ぐというお話なんですけれども。
 普通、そういった円をドルに替えたりユーロに替えたりするときには、為替リスクがありますから、為替リスクをなくすためには為替ヘッジを掛けたりしますよね。そうすると、ヘッジを掛けるということは、先物予約をするということは、金利裁定が働いて内外の金利差というのはそこでなくなるわけなんですけれども、それにもかかわらず、金利差を利用して海外資産に、海外通貨に替えるということは、これはヘッジをしていない、オープンのやり方でやっているというふうに理解するわけですけれども、これは非常に、為替の観点からいうと非常にリスクのある私は取引だというふうに思っているんですが、それはなぜそういうことができるか。しばらく円高にはならないんじゃないかという見方が前提にあって、みんなそういうふうにやっているように思えるわけなんですけれども、なぜそうしたことが起きるのか。福井総裁はどのように見ていらっしゃるか、御見解をお伺いしたいと思います。
#271
○参考人(福井俊彦君) 世界全体として経済の動き、米国経済は調整が続いておりますけれども、それを含めて見ても世界経済全体として引き続き安定した高い成長が続きそうだと。それから、インフレにつきましても、国によりましてはインフレ圧力が多少懸念されるというところがありますけれども、過去に比べ全体としてインフレ期待は比較的うまくコントロールされているというのが共通の認識であります。
 こうしたことを背景にして世界の金融市場は比較的落ち着いた状況にあると、経済がいいという状況を認識しながら比較的落ち着いた状況にあると一般的に見られているわけですけれども、こういうときこそ、委員御指摘のとおり、もしかするとどこかでリスク感覚が甘くなって、偏ったリスクテークが行われていないかと、そういう潜在的リスクに十分注意しなければならないというのが私ども中央銀行の共通した、またこれ問題意識でございます。
 おっしゃいました円キャリートレード云々というふうな話も、そこだけを強調して言われる方もいらっしゃいますが、私どもはそれも含め、為替市場、債券市場、株式市場、あらゆる金融資本市場においてリスクが偏って取られていて、将来それが逆戻しの動きが激しく起こったときに、これは実体経済に悪い影響をもたらす可能性があると。そういうふうに、その可能性はそんなに高くなくとも、もし起これば、コストの高いリスクの存在ということについては十分注意を払っていくと、そういう構えになっております。
#272
○富岡由紀夫君 同じ質問を山本金融担当大臣にも、是非御意見、もしいただければと思うんですけれども。今の件について、もしあれば。
#273
○国務大臣(山本有二君) 為替のことで。
#274
○富岡由紀夫君 はい。
#275
○国務大臣(山本有二君) 全体としての世界の流動性について、IMFの高官が先ごろ金融庁にお見えになられまして、お伺いしますと、一九九〇年から二〇〇六年の間での世界の株式市場の時価総額は五倍になっている、言わばこの流動性の高まりというのは上げ底ではないのかというようなお話をこちら側から申し上げたところ、それは市場の拡大によるもの、すなわち東側から西側に参加した方々の市場拡大が定着したものというように語られておられました。そんなことを考えていきますと、世界、地球全体的なものを考えれば、安定的な成長を遂げているというように思います。
 しかしながら、日本だけで見ますと、人口の減少あるいは消費動向についての懸念等々ございますし、そういうような意味におきましての、非常に個別的な話でございますけれども、自動車の新車販売台数についてはかなり落ちております。国内輸出関連企業、特に自動車関連は好調とは申しますものの、国内市場におきます市場の縮小というものについては懸念があるだろうというように思っておりますし、今後、そういったことから考えまして、今の基調的な経済の指標というのはこのままなだらかに推移するだろうというように思っております。
#276
○富岡由紀夫君 今の為替の問題で、福井総裁もおっしゃっていましたけれども、今、円安なんですけど、あるきっかけによって急に円高に変わる可能性も十分あるというふうに思っているんですけれども、そういった危険性回避について、尾身財務大臣はどのようにお考えでしょうか。
#277
○国務大臣(尾身幸次君) 為替相場は経済のファンダメンタルズを反映するものであると、そしてマーケットで決まるべきものであるというふうに考えておりまして、現在、世界経済は全体としては順調な発展を遂げている状態にあるというふうに理解をしております。
 この個々の為替の具体的な水準については、私どもがコメントすることは適当でないと考えているわけであります。
#278
○富岡由紀夫君 今、円安だからまだいいんですけれども、海外のドルなりユーロにシフトした資産が、いったんだれかがきっかけで戻してくると、一気に円高が進む可能性が非常にあると私は思っているんですけれども、是非ちゃんと、そういったことのないように注意喚起しながらマーケットの方を注視していただきたいなというふうに思っております。まあ尾身財務大臣は余りコメントいただけなかったんですけれども、そういった為替の非常に持っている、はらんでいる危険な状況が、私はもっともっと注意を図るべきだというふうに思っております。
 最後に、その為替の今後の注意点について、福井総裁にお伺いしたいというふうに思っております。
#279
○参考人(福井俊彦君) 中央銀行の立場から申し上げますと、やはり現在好ましい状況にある経済、つまり物価安定の下での息の長い成長の持続と、これが各国中央銀行共通の目標になっております。政策はその視点でタイムリーに必要なことをきちんとやっていくと、これが市場の期待の安定を長くつなぎ止める最大のファクターだというふうに思っております。
#280
○富岡由紀夫君 日銀総裁には、質問は以上でございますので、御退席いただいて結構でございます。
#281
○委員長(家西悟君) 日銀総裁は御退席いただいて結構でございます。
#282
○富岡由紀夫君 この法案について、本題に入らさしていただきたいと思いますが、まず財務大臣にお伺いしたいんですけれども、民営化のメリットについて若干お伺いしたいと思います。
 いい悪いは別といたしまして、郵政民営化のときは、竹中大臣は、国民に対するサービスが向上するとか、あと法人税が納められて財政上いろんな貢献をするとか、そういう具体的な目に見えるものが民営化のメリットとして御説明いただいて、我々も、ああそうかということで理解したわけでございますけれども、今回の政投銀の民営化したときの、そういった具体的な目に見えるメリットというのはどういったものを想定したらよろしいんでしょうか、お伺いしたいと思います。
#283
○国務大臣(尾身幸次君) 我が国は、長い間言わば国家がある意味で中心となって設備投資を促進し、また産業を育ててきたというふうに私は考えております。そういう中で、開発銀行あるいはその後身の政策投資銀行は、いわゆる政策金融を中心として経済の発展に大きな貢献をしてきたわけであります。しかしながら、現在のいろんな社会経済情勢を総合的に見ると、むしろ民間でできることは民間にゆだねて簡素で効率的な政府を実現することが必要である、そして公的部門を縮小して、むしろ政府信用を圧縮することにより我が国経済の効率化、活性化を実現すると、こういう考え方に立って政策投資銀行の完全民営化を進めようというものであります。
 したがいまして、先般の十七年十二月の閣議決定によります行政改革の重要方針の中で、政策金融については三つのことに絞る。一つは中小零細企業、個人の資金調達支援、二つ目が国策上重要な海外資源確保、国際競争力確保に不可欠な金融、三つ目が円借款と、この三つに限定をいたしまして、この三つの機能に限定をして、それ以外の業務については撤退をするという方針を出したわけでございます。
 そういう状況の中で、全体としての我が国経済の効率化、活性化を図るために、この政策投資銀行の完全民営化が必要である、こういう考え方に立ってこれを進めようと考えているわけであります。
#284
○富岡由紀夫君 先ほどの尾立委員からの質問のときにもありましたけれども、経済財政諮問会議で議論されたときに、十一月二十九日のところでは撤退だということで示されたわけでございますけれども、実はその何日か、二週間ぐらい前ですか、十七年の十一月十四日のときの諮問会議に、当時の財務大臣でありました谷垣財務大臣が提出した、これ財務省の意見なんでしょうね、政策金融の機能の見直しと手法の転換というペーパーがありますけれども、それによると、撤退とは書いてないんですね。「政策投資銀行の分野における政策金融機能については、@地域・産業再生、環境にやさしい社会の実現、科学技術・知的財産立国など構造改革推進に直結する政策、Aインフラ政策及びBリスクの高い先端的金融手法の開拓、に限定し、これら以外からは、政策金融としては撤退。」。ということは、この@、A、Bについては残すという財務省は方針を出されていたわけですけれども、何でこれを二週間後にまた撤回されたのか、その辺の経緯を教えていただきたいと思います。
#285
○国務大臣(尾身幸次君) 私自身、その当時の当事者ではございませんので詳細な経緯については存じませんが、しかし、いろいろな議論の中で政府としてそういう決定を最終的にはした、先ほど私が申し上げましたような意思決定をしたということでございます。
#286
○富岡由紀夫君 だから、本当は政策金融は残したかったんだけれど、途中で議論して全部撤回したと。だけど今回法案見てみると、長期の基本的なところは残したいと、期待するということで、一転二転しているところがこの法案のちょっと分かりづらいところかなというふうに思っております。
 それで、先週木曜日、いろんな議論ありましたけれども、ちょっと再度御確認させていただきたいんですけれども、いわゆる政策金融としての長期、固定、低利、この三つの機能を示されたわけでございますけれども、勝参考人からもそういうお話をいただきましたけれども、これらの民間と政策投資銀行のすみ分けについて、再度ちょっと御確認したいと思いますが、尾身財務大臣、お願いしたいと思います。
#287
○国務大臣(尾身幸次君) この法律によりまして、移行期間としての政策投資銀行、それから完全民営化後の政策投資銀行と二段階に分かれているわけでございます。移行期間としての政策投資銀行については、既に約束をした長期、固定、低利の融資についてはこれを続けるということでありまして、そのために必要な政府保証等も行っていくという考え方でございます。そして、完全に株式を民間に渡した後の完全民営化後につきましては、正に民間企業としてやっていく。そして、長期の事業資金に係る投融資機能についてはその根幹が維持されるよう期待はする。しかし、期待はしますけれども、それはあくまで民間企業としてやっていくことを期待するわけであります。この移行期間中に株式の売却の方針等々によりまして完全民営化がなされたときに、そういう期待にこたえることができるような民間の企業体制をつくるということであります。
 ですから、そういう意味で、完全民営化された後の政策投資銀行は、いわゆる長期、固定、それからまた低利という政策金融からは撤退をするという考え方でおるところでございます。
 なお、政策的に金融を付ける必要があるということを今後何らかの理由で判断されました場合は、その政策を所管する部署、官庁が必要な支援体制を組みながら、場合によっては民間企業になった政策投資銀行を活用することも考えられるかもしれない。しかし、政策投資銀行の、民間企業となった政策投資銀行の在り方としては、その長期、固定の金融を行うような方向に行くであろうということは期待されておりますけれども、政策的にこれを支援をするという体制にはないと、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。
#288
○富岡由紀夫君 先週の議事録、今見ているわけなんですけれども、今の政策金融としての長期、固定、低利のうち、長期、固定というのは民間でもできるわけでありますが等々という御答弁を尾身大臣にいただきましたけれども、これをちょっと、その点のところをどういう意味なのか、改めてお伺いしたいと思います。
#289
○国務大臣(尾身幸次君) 長期、固定というのは、この政策投資銀行の今までやってきた実績から見ましていろんなノウハウがございます。したがいまして、民間銀行としてもそういう方向に行くことを期待をするということでございます。しかし、低利融資というのはあくまで政策的に、意図的に政策の手段として低利の融資をするということでございまして、そういう低利の融資をするようなバックグラウンドには、民間機関となりました政策投資銀行はそういうバックグラウンドは持たないと、こういう考え方でございます。
#290
○富岡由紀夫君 勝参考人にもそういった内容の御答弁が前回いただいているんですけど、改めてちょっとその長期、低利について、民間の担える分野についてちょっとお伺いしたいと思います。
#291
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 日本政策投資銀行が行ってきました長期、固定、低利の資金供給と融資機能のうち、その長期、固定という面につきましては、現在社債市場が充実していること、また金利スワップ等の金融技術の発達が目覚ましいことによりまして、民間金融による対応も可能だというふうに考えております。
 ただし、低利につきまして、いわゆる政策金融分野でございますので、移行期間中の政策投資銀行は既存の契約に基づくものの履行のほかはそういう低利の融資はできないと、困難だということになっております。
#292
○富岡由紀夫君 今改めて御説明いただきましたけれども、長期、固定は民間でも可能だというお話なんですけれども、そういう前提で何か議論されていたんですけど、私は民間銀行にいたんですけれども、本当かなというふうに思っています。
 長期というのはどのぐらいの長期を指していらっしゃるんですか。今政策投資銀行がやっている長期のことを指し示していらっしゃるのか。尾身財務大臣、長期というのはどういったことを、どのぐらいの長さのことを長期というふうに今言っていらっしゃるんでしょうか。
#293
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 今念頭にあります金融技術といいますのは、例えば金利スワップでございますけれども、金利スワップといいますのは、その異なる期間の金利の受け払いを交換するということでございますので、そういう市場というのは相当発達してきているかと思っています。
 したがって、その市場の規模にもよりますけれども、以前は非常に短期のものしかなかったと思うんですけれども、最近は非常に長いものも出てきているというふうに聞いております。
#294
○富岡由紀夫君 長期の期間というのは、尾身財務大臣、何年のことを、何年ぐらいのことを言って、今指して民間で可能だというふうにお考えなんでしょうか。
#295
○国務大臣(尾身幸次君) これにつきましては、政府参考人に答えていただきます。
#296
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 基本的には一年以上と考えております。
#297
○富岡由紀夫君 何年のことを言っているんですか、その長期というのは。政策投資銀行さんが言っている長期というのは、先ほどいろんな議論を見てみますと、十五年とか二十年とか、若しくはそれ以上ということも言われていますけれども、今のお話だと一年以上のことを全部いう、そういう話なんですか。そういう前提で今まで議論をされていたんですか。この政策投資銀行法案の議論の過程の中で、長期というのは一年以上というふうに考えているんですか。
#298
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 概念上は長期といいますのは一年以上と申し上げました。市場については五年ないし十年というのも発達しておると聞いております。
#299
○富岡由紀夫君 いや、聞いているのは、どういうふうに聞いているのか分かりませんけれども、技術的にはスワップを使えば幾らだってできますけれども、民間で本当にそれが可能かどうかというのは、期間のリスクを取れるかどうかということを考えて言わないと、民間金融機関ができるなんということは私は言うべきじゃないと思うんですけれども。
 金融庁にお伺いしたいんですけれども、民間金融機関が貸している長期の貸金というのは大体、貸金の期間というのは大体どのぐらいがメーンになっているのか、教えていただきたいと思います。住宅ローンとかそういうものは別として、一般の設備としてどういうふうになっているのか、教えていただきたいと思います。
#300
○政府参考人(西原政雄君) 金融機関における貸出金の期間の問題ですが、長期の場合というのはいわゆる設備資金という形になると思います。設備資金の場合には、一般にはその当該設備が一定の耐用年数を持っておりますが、その耐用年数内でもってそれを使用することによって収益が上がる、その収益でもって返還ができるものというような形での融資を考えております。
 したがいまして、その貸出し期間は様々なものになっているんですが、実際のところは大体三年程度の場合もあれば、物によっては十年を超えるものもあると、こういうのが実態でございます。
#301
○富岡由紀夫君 じゃ、十年を超えるものはどのぐらいの比率なんですか。メジャーである、メジャーな案件なんですか。
#302
○政府参考人(西原政雄君) 我々検査で、そういう実際にどのぐらいの割合そういうものに融資されているかという、割合をちょっと検査しているわけではないものですから、ちょっと実態の方はよく分かりません。
#303
○富岡由紀夫君 私は、実態を自分の体験も踏まえて今回民間金融機関にも聞きましたけれども、平均大体二年なんですね。これは、長期、短期を含めて二年と。半分ぐらいは短期ですから、長期だけにすると大体三年から長くて五年ぐらいだと。二、三年ですね、設備というのは。
 僕も経験ありますけれども、余り長い案件をやると金融庁が検査で指摘して怒られちゃうんですね。そんなリスクを取れるかということで厳しい指導を受けております。ですから、民間金融機関というのは、長期の貸金というのはそもそもできないんですね、やりたくたって。
 小村総裁、どういうふうに認識していらっしゃいますか。民間金融機関が政策投資銀行と同じ長さの資金が、一緒に例えば協調融資なんかでも打っているというふうに認識されているのか、どういうふうに見ていらっしゃいますか。
#304
○参考人(小村武君) 私ども、フィールドの立場で見ております。民間金融機関は、御存じのように比較的短いタームの預金を主として財源にされております。したがいまして、ALM管理上そんな長いものは出せない、せいぜい五年程度のものというのが長期で頑張って出される程度かなという感じはいたします。
#305
○富岡由紀夫君 そうなんですよね。大体三年とか五年ですよね。貸出しの権限、審査するときも金額の規模、担保がどういうの付いているかとか、そういうのもありますけれども、やっぱり期間も非常にその権限の中で縛りが非常に重くありまして、設備なんていうのは民間でそんな長く出せるものじゃないんですね。
 ですけど、何か知らないけど、この委員会で見ていたら、長期、固定は民間でできるけれども、低利だけはできないんで、そこだけは何か制度手当てをしなくちゃいけないという話だったんですけれども、そういうのを聞いていて何かおかしいというふうに総裁は感じなかったでしょうか。
#306
○参考人(小村武君) やはりフィールドを見ていただかないといかぬなというのが率直な感じです。金利だけでは、これは学者の議論として成り立ちましても、期間のリスクをどう取るか、そういった観点というのが金融の、先生もう専門家でありますから、大変重要な要素になってまいると思います。
#307
○富岡由紀夫君 そこだと思うんですよね。政策投資銀行さんが存在感を示されるのはその長期のリスクを、期間リスクを取れるんだぞというところが最大のやっぱりレーゾンデートルというか意義があったんだと思いますけれども、そこが何か民間でも全部できるんだと、ただ低利だけがどうのこうのという話だったんですけれども、そういった議論というのは非常に何か違った方向にちょっと行っていたような気がしてなりません。ですから、その辺のところをはっきりともっと総裁は、ちょっと違うんじゃないのと、勝さんちょっと違うよと、一年以上の貸金だけしか我々やっているんじゃないよということを是非言っていただきたいなと思います。
 尾身財務大臣、ちょっといらっしゃらなかったんですけれども、今、今回の議論している中で、長期の貸金というのは民間でできるという議論がありましたけれども、民間でできるのはせいぜい三年とか五年ぐらいが長さとしては限度でございますので、是非そういった認識を改めていただきたいと思います。本当に十年、十五年なんていうのは本当にレアなケースしかないというふうに思っておりますので、その辺のことを踏まえて、今後の政投銀に対する期待について改めてお伺いしたいと思います。
#308
○国務大臣(尾身幸次君) 長期だから民間でできない、短期だから民間でできるということでは必ずしもないと私は思っております。長期の資金調達をして、例えば社債というようなものによって資金調達をすればそういうものもできるわけでありまして、そういう意味で、民間企業になった政策投資銀行はその点について今までの得意分野である長期の事業資金に係る投融資機能を持つのを特徴とすることになろうかと。
 では、普通の民間銀行が長期の貸付けができないというのは、もし本当にそういうニーズがあれば、今のマーケットの中で私はそこにビジネスチャンスがあるわけでありますからできるのではないかと。
 したがいまして、民間機関になった政策投資銀行もそういうものが得意であるという特徴を生かしてやることができると思いますし、ほかの民間銀行も、もしそういう資金ニーズがあればそれに対応する資金供給をやれるような体制になることが、基本的にはこのマーケットメカニズムに基づいてやれるような体制になることが本当の何といいますか資本主義の原理ではないかと。原則論で恐縮でございますが、私はそのように考えております。
#309
○富岡由紀夫君 財務大臣いらっしゃらない間に議論された部分があるかもしれないので改めて申し上げますと、今、小村総裁もおっしゃっていたんですけれども、民間金融機関というのは、いわゆる政投銀さんがやっているような十年を超える、融資期間を超える長い貸金というのは、設備資金というのはできないんですね。せいぜい三年とか五年なんです。それを尾身大臣はできると言うんですけれども、いや、できないんです。さっき言ったスワップ使っていろんな、やって、物理的にはできるかもしれないですけれども、期間リスクを取れないんです、一般の民間金融機関は、そういう貸金というのはほとんどないんです。
 ですから、まずそこの認識を改めていただかないと、政策投資銀行さんのこれからの期待を、担っていただく期待をどういうふうに持っていくかというところもかなり方向性がずれてしまいますので、改めてちょっと御認識をお伺いしたいと思います。
 民間金融機関で、先ほど言いましたけれども、私が確認したところのある金融機関は大体三年とか、せいぜい長くて五年ですから、そういったことを前提に、この政投銀さんの役割というか、そういったものを私は議論する必要があろうかというふうに思います。
 できるというのは、何をもってしてできるというふうにおっしゃっていらっしゃるのか。
#310
○国務大臣(尾身幸次君) これは、私も専門家ではありません。しかし、もしそういう長期の資金ニーズがあれば、それに伴うリスクを何らかの方法で、例えばデリバティブのような形で担保することによって、長期の資金供給をするべきメカニズムも資本主義経済の中でできるはずだと私は思っております。
 それが、民間で長期ができないからパブリックセクターで長期の供給をしなければならないというのはちょっと問題が違うんじゃないかと。むしろ、それであれば銀行から借りないで社債で借りるとか、別の方法の資金調達も民間企業ができるわけでありますから、そういういろんな資金供給の方法が弾力的にできるようになる、それがいわゆるマーケットメカニズムの自由経済ではないかと考えております。
#311
○富岡由紀夫君 デリバティブで長期のリスクをヘッジするとはどういうことなんですか。よく分からないんですけれども、どういうふうに考えたらいいんですか。
#312
○国務大臣(尾身幸次君) 私も専門家ではありませんから、その表現についてはちょっと自信がありませんが、しかし民間企業が長期の資金を民間銀行から借りられないから政策投資銀行がこれを供給をする必要が政策的にあるということにはならないんで、これからの資金需要は、その需要の形態に応じて必要な、例えば社債を発行するとかいろんなやり方があって、そういういろんな総合的なやり方を立体的に組み立てるということによってマーケットメカニズムが働いていくと、そういう経済になるのではないかと、抽象的にはそういうふうに考えております。
#313
○富岡由紀夫君 小村総裁、どうですか、今の議論を聞いていて。政投銀の役割というか、今の長期の貸金についてどのようにお考えですか。
#314
○参考人(小村武君) 何が長期のものとして必要かという現場の目で見てみますと、原子力の問題あるいは鉄道、こういった長い投資のもので国民経済的にそれを負担していかなきゃいけないものというのは当然あります。私も、何でもかんでも長期のものが必要だということではないと思います。
 例えば、今の電機メーカー等々が液晶テレビを作るというときは、これはもう短期の、せいぜい三、四年の勝負の設備投資です。こういうものは私どもは対象にはいたしておりません。したがって、経済メカニズム、市場原理ではなかなか資金が集まりにくい、しかし政策的に必要だというものについて私どもが十五年物とか長いものを御提供してきたということでありまして、この期間リスクというのは民間金融機関はなかなか取り得ないところだと思います。
#315
○富岡由紀夫君 財務大臣、そういうことなんです。民間には取れないところだけを今政投銀さんはやっていらっしゃるということなんです。それが民間でもできるんだったら、期待すれば、今度、完全民営化した後も政投銀さんが長期の貸金が打てるということに逆に言うとなりますから、今言ったことを逆に言うと、民営化されて期待されてももうできないということを今おっしゃっていることになりますから、ですから、そこはちょっと非常にそもそも矛盾があるということなんです。だから、変な法案だなというふうにちょっと最初申し上げたわけなんです。
 民営化して、要するに前提が、民営化しても長期の貸金ができるという前提で議論されているから、民営化した後も長期の貸金を担っていただきたいという議論が成り立つわけなんですけれども、民営化すると長期の貸金というのはそもそももうなかなかできないんだという前提、実態の状況から見ますと、それに対して、できないのに、民営化した後それを期待するというのは非常に酷な話じゃないかなと私は思っているわけでございます。何かありますか、小村総裁。
#316
○参考人(小村武君) 私は、再三お答えしておりますように、私どもは民営化をして、民間銀行が取り得ないリスク、そういうものは私どもに取れといってもそれは無理だと思います。
 しかし、私どもは、そういう長期のものについての審査能力なりデータベースなりノウハウを持っていると。おまえを活用してやろうということであれば、それは制度的担保をいただかないとできないということであります。何も私どもだけ特典を与えろということは申し上げておりません。イコールフッティングの下にそういう制度的担保をやっていただく必要があると、こういうことをお答えしておるわけであります。
#317
○富岡由紀夫君 ちょっと観点を変えて質問させていただきますけれども、政策投資銀行しかできない役割というのは私はやっぱり長期の貸金だというふうに思うんですけれども、それはそれとして、必要性というか重要な意義は当然認めれるんですけれども。
 一方で、今日提出させていただきました資料をごらんいただきたいんですけれども、これは参議院の調査室さんが発行している「立法と調査」から援用させていただきましたけれども、著作者であります金子さんの御了解もいただいて資料として提出させていただいたわけですけれども、これを見ると、先ほど議論になりました日本航空なんかも入っていますね。あと上場廃止になった西武鉄道なんかも入っていますけれども、それ以外のところを見ると、これはまあ本当にビッグネームなんですね。ほとんど資金借入れなんか必要あるのかどうかと、必要であれば社債、さっき尾身大臣本当におっしゃいましたけれども、社債発行すれば幾らでも調達できるところばっかりなんですね。
 こういったところに対して融資することが、私は、それは必要あるのかないのかというふうに言いますと、必要ないんじゃないかなというふうに思います。先週、大門さんも、共産党の大門委員も言っていましたけれども、これは大企業に対する単なる補助金、補助金をただ出しているだけだというふうにこれは理解されてもしようがないのかなというふうに私も思っております。
 そもそも、こういうビッグネームの会社というのは格付もしっかりした格付持っておりまして、社債発行すれば低利で幾らでも資金調達ができると。だけど政策投資銀行さんから借りるというのは、それより有利な条件でやっていただいているからと、そういう判断がないとなかなかそういった調達にならないんじゃないかと私は思っているんですね。
 ですから、これだけは三兆四千ありますけれども、要は十二兆、三兆の貸出し資産のうちどのぐらいがこういう、何というんですか、言ってみると、大変失礼な言い方かもしれませんけれども、本来必要としないところに対して、資金の自己調達ができるところに対して補助金的に融資をしている部分がどれぐらいあって、そこは要らないよと、だけどそうじゃない、政策投資銀行さん以外からは調達できない、そんな長期の貸金は政策投資銀行さんがないと借入れできないといったところがどのぐらいあるのか、その辺の峻別というか、そういうものが私はなかなか見えてこないんでこの議論がなかなかスムーズによく理解できないというところがあるんじゃないかなと思っているんですね。
 竹中さんは本当に、こういうところを見て、これは要らないというふうにおっしゃったんだと思いますけれども、私もこれを見ると要らないというのは思いますけれども、だけど、さっき言った、一方でほかのところでは取り得ないような期間リスクを負ってでもやるところもあるという、その辺のバランスというか比率はどういうふうになっていらっしゃるのか、その辺の実態がよく説明していただいた機会がなかったものですから、ちょっと教えていただきたいなと。
 もう最後、この期に及んで何を言ってもしようがないのかもしれませんけど、お伺いしたいと思います。
#318
○参考人(小村武君) 私どもは会社が大きいなるがゆえに御融資をしていると、そういう関係は一切ございません。
 例えば、電力会社等々多いわけでありますが、これは過去の残債もございます、景気対策等々で。それはもう、最近におきまして通常の電力会社に対する融資というものはほとんどございません。あるのは原子力という問題について、あるいは電線の地中化ということ、こういった問題について、政策誘導をしないと電線の地中化なんというのはなかなか進まない、これを公共事業で、補助金でやるというよりも政策金融でやっていこうということでやっております。
 ただ、こうした分野においては、御指摘のように、電力会社は格付ははるかにいい格付で、社債の条件も非常によろしいわけでありまして、彼らのポートフォリオとしても我々の資金を頼りにしてどうこう経営を、計画を練るということはもうございません。したがって、時代の変遷に応じてそういう残高というのは変わってくるものと思います。
 私どもは、これから目指す政策目標というのは防災であり、環境であり、地域再生でありと、そういった面にだんだんフローベースでは移ってきているということで、これは何せ長期融資でございますから残っておりますが、電力会社と鉄道会社、この二つは非常に足の長いものでありますからどうしても額としてはこうした形で残っておりますが、例えば鉄道会社等々を見ますと、国土交通省は認可するのに四十年の償還期限の事業も認めております。こういったものについてやはり長期の資金というのは必要になるということでありまして、その結果、開かずの踏切対策とか通勤地獄対策をやり、利用者の負担をできるだけ軽減しようということでやってまいったということであります。
#319
○富岡由紀夫君 イメージ的でいいんですけども、政投銀さんから調達しないとやっていけないところに対する融資というか、政投銀さん以外からは調達できないような先に対する融資というのはこの十三兆のうちどのぐらいあるというふうにイメージ的に持ったらいいんでしょうか。
#320
○参考人(小村武君) 私どもの融資に当たりましては、財務大臣から中期経済計画というものを提出を求められております。それに基づいて投融資指針というものを作っております。一つ一つ政策目標、目的は何であるかということをきちんと分析をして、その結果、また運営評議員会という外部の言わば社外取締役の審査にも掛けております。したがいまして、政策金融機関である間は、その政策性、公益性というものを常に追求されるというわけでありまして、大企業だから手間が掛からないとか、そういうことで御融資をしているわけではありません。
 それから、スプレッドもこういうところは大変低うございます。そういう意味においては、ビジネスとしてこういうものがいつまでも可能かというと、民営化した暁にはなかなか難しいんではないかというふうに考えております。
#321
○富岡由紀夫君 この大企業融資というのは、これに出ているようなところは、この融資比率のほかのところは多分生保会社が中心になって融資されているんだと思いますけども、なかなかビジネスとしては非常に先行きが厳しいというのは本当におっしゃるとおりで、大変なことになると思うんですけども、それを新しいビジネスモデルをつくってやっていけというのは非常に酷なお話だと思いまして、本当に、大門さんじゃないけど、暗い気持ちになっちゃって同情したいというふうに思いますが。
 とはいっても、何だかんだ言っても、もうこういう法案が成立してしまうと、これやっていかないといけないということで、本当にこれからは大変だなというふうに思うんですが。
 ちょっと観点は変わるんですけども、小村総裁も財務省のOBなわけなんですけども、歴代の政投銀さんの総裁、副総裁、若しくは理事のお顔を拝見いたしますと、財務省さん若しくはいろんな省庁さん出身の人が非常に多くいらっしゃるわけなんですけども、政投銀さんに絡む財務省さんに関係するいわゆるOBの人というのはどのぐらいいるんですか、最近のところだけでもいいんですけども。天下りについてちょっとお伺いしたいと思います。
#322
○参考人(小村武君) 財務省出身は、私と山口副総裁、それに理事一名でございます。
#323
○富岡由紀夫君 過去五年ぐらいで見るとどのぐらいいらっしゃるんですか。事前に通告、財務省さんの方に逆にしていたんですけども、もしお答えいただけるのであれば教えていただきたいんですが。
#324
○政府参考人(杉本和行君) 過去五年ということで調べておりませんが、総裁に関して申し上げますと、小村総裁は平成十三年一月に着任されておりますので、過去五年では総裁は小村総裁お一人だと思っております。
 それから、山口副総裁に関しましては、副総裁御就任が平成十五年六月でございますので、約四年間でございますので、四年間はこの財務省関係の副総裁はお一人でございます。その前にお一人副総裁いらっしゃったと思います。
 理事に関しましては、竹内理事は十八年八月に就任されておりますので、その前の理事一名、これも財務省関係でおったと記憶しております。
#325
○富岡由紀夫君 ちょっと、じゃ、私の手元の資料でお話しさせていただきますと、例えば濱本さんという、過去、方がいらっしゃいますね。この方は、大蔵省に入って、政策投資銀行の副総裁なられて、その後、全国労働金庫協会理事長、労金連合会の理事長、その後、独立行政法人教員研修センター非常勤監事、で、ロッテに入られてなったということでございます。あと、石黒正大さんという方は、通産省に入って、政策投資銀行に行った後、東京ガスに行かれていると。松川さんという方は、国税庁ですか、に入られて、自動車保険料率算定会副理事長をやられた後、政策投資銀行さんの副総裁をやられたと。その後、日本酒類販売、国税庁に関係あるのかどうか私分かりませんけれども、に行かれていると。あと、稲川泰弘さんは、通産省の後、政策投資銀行の理事になられて、その後、通産省と関係あるのか分かりませんけれども、石川島播磨重工業の取締役をやられているということですね。山口さんも、政策投資銀行の理事やられた後、いったん退任されて、先ほどの損害保険料率算出機構、先ほどとはちょっと違うか、副理事長をやられて、また政策投資銀行の副総裁になられたというような経歴でございます。
 こういうのを見ますと、あと、及川耕造さん、これも通産省入られた後、野村総研顧問になった後、政投銀の理事になって、その後、経済産業研究所、独立行政法人の理事長になっているということで、いろいろ、もろもろ見ますと、政策投資銀行さんはその次のステップの足場に何かなっているんじゃないかというようなこれを見ると感じがするんですけれども、こういうのはいいことなんですか。これは適材適所というふうに考えるべきなんでしょうか。尾身財務大臣、いかがでしょうか。
#326
○国務大臣(尾身幸次君) ただいまお話がありましたいろんな方々が政策投資銀行に働いていたわけでございますが、私自身は個人的に知っている方もありますし、知らない方もあります。少なくとも、政策投資銀行の役員として一生懸命仕事をやっていただいていると認識しております。
#327
○富岡由紀夫君 今、行革、公務員制度改革で天下りを少し見直そうということでやっているわけなんですけれども、これはどういう前提でやっているんですか。天下りはいいものか悪いものなのか、どういう前提で今政府としては進めていらっしゃるんですか。
#328
○政府参考人(杉本和行君) 私どもの方からお答えするのがいいかどうか分かりませんが、権限と予算を背景にした押し付け的な再就職は、これはやめていこうという観点からいろいろ立法等がされていると存じております。
#329
○富岡由紀夫君 先週もお伺いしたときに、尾身財務大臣には適材適所、東証の今度の方もそういうふうに御説明いただいたわけですけれども、天下りと適材適所の境界、境というのはどういうふうに考えたらいいんですか。どこからどこまでが適材適所でどこからどこまでが天下りなのか、どういうふうに考えたらいいのかちょっと理解できないので、是非教えていただきたいと思います。
#330
○国務大臣(尾身幸次君) 私は、これは民間企業においても、いわゆる公益法人等につきましても、特殊法人についても、基本的には適材適所で行くべきであるというふうに考えております。したがいまして、公務員だから、ある種の役職をやったからこの役に就かなければならないという、自動的にそういう関係をつくるのは良くない。
 それから、今公務員法の改正を出しておりますが、今後のいわゆる天下りにつきましては人材バンクに一元化していくと、こういう法案を出しているわけでありまして、その考え方に沿っていきたい。
 民間の人でもいい人がいるし、それから、経歴がかつて公務員であってもいい人がいる、また良くない人もいる。いろいろいるわけでありますから、正に適材適所にしていかなければいけないと考えております。
#331
○富岡由紀夫君 天下りと適材適所の境目というのは今お答えいただいていないんですけれども。私は理解できないんですけれども、山本金融担当大臣はどうですか。じゃ、尾身財務大臣。
#332
○国務大臣(尾身幸次君) ですから、私は、先ほどのように、天下りを何らかの権限をもって押し付け的にやることはよくないし、今後は人材バンクに一元化してあっせんをするということに決まっておって、その原案を出しております、国会に。
 そういう中で、官から民へ、民から官へ、いずれの場合も本当にいい人材を使うべきであって、役人だからいいとか役人だから悪いとか、あるいは民間だからいいとか民間だから悪いとか、そういうふうに過去の経歴で決め付ける人材登用は基本的によくないと。基本的に、どこにいてもやっぱり本当に働ける、役に立つ人材を弾力的に使うべきである。
 そういう意味で、一言に言いますと適材適所であると考えております。
#333
○富岡由紀夫君 ちょっと時間がないので、最後、山本大臣の御意見をお伺いして、質問を終えたいと思いますが。
#334
○国務大臣(山本有二君) まずは法令違反がなく、またその職にある欠格事由がないということになりますれば、それは当該企業あるいは団体の独自の判断に任されるべきというように原則思います。
 ただ、社会の資源の観点という意味での人材の活用、そうしたことを考えたときに、公務員制度改革、この議論を踏まえた妥当性に付け加えることがあり得るとするならば、先ほどの杉本官房長のおっしゃる権限と予算を背景とした押し付け的な再就職は駄目だというのに加えて、能力、適性を買われてその要請により就職したかどうかということの判断を加える必要があるだろうというように思っております。
#335
○富岡由紀夫君 これで質問を終わります。
    ─────────────
#336
○委員長(家西悟君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、大塚耕平君及び平野達男君が委員を辞任され、その補欠として下田敦子君及び前田武志君が選任されました。
    ─────────────
#337
○大門実紀史君 大門でございます。
 いよいよ最後の質問でございますけれども、いまだによく分からない法案でございまして、何のために民営化するのか、民営化した後どうするのか、両面ともよく分からない法案だと思います。
 ちょっと角度を変えて、最後ですので、今後政投銀がやろうとしておられることに沿って質問したいと思います。お手元に資料をお配りいたしましたけれども、政投銀の医療分野への進出という点について質問いたします。
 この間、民間企業も医療分野への進出が大変著しいわけですけれども、政投銀もこういうファンドをつくって、三菱商事と一緒にファンド、MCというのは三菱商事でございますが、三菱商事と一緒にファンドをつくってやっていこうということですけれども、まず、このスキームについて、簡潔で結構でございますから、説明をしていただけますか。
#338
○参考人(多賀啓二君) 御説明いたします。
 先生御案内のとおりでございまして、最近の病院の経営状況ということでいいますと、診療報酬のマイナス改定等とかいろいろ影響がございまして、非常に難しい経営状況に陥っている病院も増えてきて、それが、地域の医療といいますか、そういう点で非常に悪い影響を与えているという事例もあるというふうに聞いております。
 私どもにつきましては、先ほど先生お話ありましたように、三菱商事とこの件について組みまして、それで、こういった病院についての事業再生でありますとかあるいは事業再構築、これを支援するということでヘルスケアファンドをつくったということでございますが、具体的なスキームで申し上げますと、先ほど先生のお配りになられましたあの資料にございますように、まずトリニティヘルスケアファンドというそのファンドに、これは投資家としては機関投資家が中心になりますが、二百億円を上限に資金を集めるということでございます。
 続きまして、その上に書いてございますのがマネジメント会社でございまして、これが私どもと三菱商事、これが出資をいたしまして、これが正にその運用のマネジメント、運用についての助言を行うということでございますが、具体的な運用としましては一応二通りやり方を考えておりまして、一つは地銀等の金融機関、これは地域の病院に融資をしているような事例が多いわけでございますけれども、こういった病院に対して融資をしているその地銀の債権を、これをそのファンドで買い取るということ。それからもう一つは、流動化の手法を使うわけでございますけれども、病院施設そのものの信託受益権ですね、これを購入するという中で、実際にそのファンド及びそのファンドのマネジメント会社がハンズオンで事業再生、事業再構築を支援していくと、こういうスキームでございます。
#339
○大門実紀史君 大変ちょっと見た感じ複雑なんですけど、要するに左の上の方は、金融機関と連携して、金融機関が持っている債権をこのファンドが割り引いて買うと。で、この病院を立て直してその債権を高く売るというスキームですね。下の方は、後でも触れますが、リースバック方式といいますか、不動産を買収すると。買い取って、代わりに医療法人は賃貸料を払うというようなスキームでございます。
 前提として、最近この民間企業の医療福祉分野への進出がすごいわけですけれども、特に最近はこういう資金提供と一体に経営コンサルもやるというのが特徴でございまして、こういう病院とか介護に投資する大型のファンド、ヘルスケアファンドというのが次々に今立ち上げられているところでございます。病院に特化したものを病院ファンドという言い方をするそうです。
 これは、このファンドだけではありませんが、いろんな民間企業が医療分野に進出するというのは営利主義を持ち込むんじゃないかということで、医療の専門家からも大変今心配な声が上がっております。要するに、日本は国民皆保険ですから、アメリカとは違いますから、そういう中で民間企業がどんどん医療に入ってくると、営利主義、医療のさたも金次第といいますか、そういう医療格差が生じるんじゃないかということが大変心配されています。実際、アメリカではもうそうなって、お金を持っている人、持っていない人の医療が違うということが生まれております。そういう方向に日本が行っているんではないかということで大変心配をされているところでございますし、逆に言えば、この三菱商事含めて業界の方は、このマーケットは三十兆円マーケットだというふうに豪語して、入ろうということで虎視たんたんとやっているところでございます。そういう中で、政投銀が三菱商事と一緒にこのファンドを立ち上げたということになるわけです。
 もちろん、この背景には病院の経営が大変苦しくなっているというのがあります。これは今日の本題ではありませんけれども、この間の診療報酬の引下げですね、これが、例えばもう簡潔に例をこちらから言いますと、小泉内閣になって診療報酬引下げが七・二五%もされております。〇二年の二・七%の引下げで、これは試算をしてみますと、平均的な病院、大体百六十四床ぐらいですけれども、年間一億円の収入減になると。大変な、さっき言った七・二五%にすると何億円というような収入減になっていますから、赤字の病院が物すごく増えています。
 例えば、これは全国公私病院連盟が行っている調査ですけれども、公立とかを除いた私的な病院でいきますと、二〇〇〇年当時は赤字の病院というのは全体の三二%だったんですけれども、〇六年にはもう四七%に増えていると。医療法人でいきますと、二〇〇〇年には二七・六%だったのが〇六年には四六%と、半分がもう赤字状態に陥っております。これは診療報酬の引下げが最大の原因で、しかも親切に診療をやればやるほど赤字になるというふうなことがあるわけです。
 本来ですと、資金が足りなければ独立行政法人の医療福祉機構が貸出しをするということになるわけですが、これも特殊法人改革で減らせということになっておりまして、貸付けについては二割ぐらい削るというような状況になっていますので、何もそんなに放漫経営じゃなくとも苦しい病院が増えて、資金はもう民間から借りるしかないと追い込まれているわけですね。そういうところにこういうところが、ファンドとかですね、いろんなものが今入ってきているということでございます。
 その点では、そもそも論ですけれども、こういう医療機関に民間の資金が入ってくるというのは、そもそも医療法では大変警戒をしてきました。病院というのは非営利でなければいけないというのが医療法で決められております。もうけを上げちゃいけないということになっておりますね。ですから、民間から資金を入れることに大変警戒をして注意をしてきたわけですけれども。
 ちょっとそもそも論でお聞きいたしますが、厚生労働省に、医療機関というのはなぜ非営利でなきゃいけないのかと、それはどうやって本来担保されるものなのかと。もう一つは、病院に対して民間企業が出資していいのかどうかと。この辺ちょっとまとめて簡潔に教えていただけますか。
#340
○政府参考人(松谷有希雄君) お答え申し上げます。
 医療法は国民の健康の保持に寄与するということをその立法の目的としておりますけれども、医療を行う主体が高い収益率や採算性を追求するということになりますれば、国民が必要とする医療サービスが適切に提供されなくなるおそれがあるため、その主体に非営利性を求めているところでございます。
 具体的には、医療法の第七条におきまして、営利を目的とする主体については病院、診療所又は助産所の開設の許可を与えないことができる旨を規定し、また、開設申請者が実質的に営利を目的とするものでないか否かを審査するに当たりましては、開設申請者からの説明聴取だけではなく、事実が判断できる資料の収集に努めるよう各都道府県に通知をしているところでございます。
 また、医療法人につきましては、その非営利性を担保する観点から、医療法第五十四条におきまして剰余金の配当をしてはならない旨を規定し、医療法人がこうした医療法の規定に反している疑いがある場合には、医療法の規定にのっとりまして、医療法人への立入検査、医療法人の役員の解任勧告、さらには医療法人の設立許可の取消しなどを行うということといたしているところでございます。
 出資ができるかどうかということについては、借入れ等は当然できるということになっておるところでございます。
#341
○大門実紀史君 今申されたことは、もう実態としては既に、これから政投銀と三菱商事やろうということですけれども、既にこの前の段階で、今現在既に、今申された、おっしゃったような原則はもう崩されているんじゃないかというふうに思います。
 分かりやすいのがセコムの例でございます。セコムというのは、九〇年代から病院経営のコンサルティングをやっておりましたけれども、この間、いろんな関連子会社立ち上げて、今十を超えると思いますが、十の病院と提携をしております。この提携という中身が、ぎりぎりこの医療法に引っ掛からないような形式だけ取ってはおりますけれども、私はもう事実上経営権を握っているところが幾つもあるというふうに見ておりますけれども。
 ちなみに、私この委員会でも取り上げたことあったかと思いますが、セコムの代表の飯田さんというのは、政府の有識者会議にも入って、規制緩和をどんどんやれと、あの例のオリックスの宮内さんと同じようにやってきた方でございます。
 そういう方の病院のことですけれども、つまり、今申されたように、株式会社に病院をすることはできないということとか、そういう投資はできないということがありますので、出資とは別の方法で資金提供をする、そういうことを考え付かれたと思います。先ほどあったリースバックがそうでございますけれども、具体的に言えば、九八年に経営危機に陥った千葉県船橋市の倉本記念病院というのがありますけれども、この土地と建物をセコムが買収をいたしました。その医療法人に貸し付けるという形ですね。で、賃貸料を取ると、これがリースバック方式でございます。
 病院にとっては、それそのものは悪いこととは言いません。病院にとっては、土地と建物を売却することによって、そのお金で借金が返せるということになりますね。ただ、家賃は払わなければいけないと、こうなります。お金を出した方から考えると、ただ家賃もらうだけでは、慈善事業じゃありませんから、その投資したものの利益が稼げないと。だから、その賃貸料の問題とかいろいろ疑問が出てくるわけですけれども。
 このリースバック方式というのは、一見出資とか何か、逃れていると、引っ掛からないということでいいことかなと思ったりしますけれども、ただ、先ほど言ったような危険性がありますが、こういう点でこのリースバック方式、政投銀もやろうとしておられますけれども、これが経営の非営利性とか自律性を担保するために、どういう点を厚生労働省としてチェックされていますか。
#342
○政府参考人(松谷有希雄君) お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたように、医療法におきましては医業を行う主体の非営利性が求められているわけでございまして、非営利法人である医療法人につきましては剰余金の配当の禁止が定められております。医療法人がこうした医療法の規定に反するような形で資金調達を行う場合には、医療法の規定にのっとり指導等を行うこととしているところでございます。
 具体的な事案が医療法の規定に反するか否かにつきましては、事案ごとに判断すべきでございまして、一概には申し上げられませんけれども、例えば今のリースバックの例で申しますと、賃料が周辺の賃料の実勢に比べて著しく高く設定されているような場合、また、賃料が医業収益に連動するような形で設定されている場合には剰余金の配当が行われているものと考えられることから、その旨を所轄庁である都道府県等に通知しているところでございます。
 先般の医療法改正におきましては、医療法人の運営の透明性を確保するという観点から、医療法人について毎事業年度の事業報告書等の作成を義務付けるとともに、当該事業報告書を都道府県におきまして閲覧に供するなどの改正を行ったところでございまして、今後ともこうした取組を通じまして、非営利法人たる医療法人の適切な運営を図っていきたいと考えております。
#343
○大門実紀史君 今おっしゃったように、この賃料、リースバックの家賃の中に特別のものを加えると、それは医療法五十四条ですか、剰余金の配当をしちゃいけないとなっていますけれども、それに反する行為になるということですが、幾らに決めるかそのものは明確な基準がないと。個別の判断ですよね。
 そこで、もう具体的にお聞きしますけれども、このセコムの病院は、その賃料を適切な水準に設定しているかどうか、これ、いかがですか。
#344
○政府参考人(松谷有希雄君) そのセコムの病院の具体的な状況、賃料等を私手元に今持っておりませんので、その答弁については今の段階では明確な答弁ができないということでございます。
#345
○大門実紀史君 セコムは民間企業でございます。利益を追求するのは当たり前、投資したお金で運用益稼ぐのも当たり前で、それは責められません、責められません。ただ、医療法がきちっと、病院に関しては非営利でなきゃいけないと、剰余金の分配をしちゃいけないと、こうなっているわけですね。それに違反しているかどうかで、本来私はそういうところがこういう医療に入ってくるべきじゃないと思いますけれども、それが問われるわけでございます。
 もう一つは、この医療法関係、あるいは厚労省の通知、通達によりますと、経営権を握っちゃいけないと、一言で言えばですね。経営権を握っちゃいけないということになっておりますけれども、セコムは病院に具体的に理事など役員を派遣しています。これは合法なんでしょうか。
#346
○政府参考人(松谷有希雄君) 先ほどからの御答弁で申し上げましたように、医療法におきまして、医業を行う主体につきましては非営利性が求められているわけでございまして、医療法人につきましては剰余金の配当の禁止が求められております。こうした医療法の規定に反して営利企業等が医療法人の経営を実質的に掌握しているような実態がある場合には、医療法の規定に従いまして指導等を行う必要があると考えております。
 営利企業等による実質的な関与に当たるかどうかということにつきましては、具体的な事案ごとに判断すべきでございまして、一概には申し上げられないわけでございますけれども、例えば医療法人の役員等を利害関係のある営利企業等の役員等が兼務している場合には医療機関の経営に影響を与えるものではないといったこと、また、第三者からの資金の提供がある場合には、当該第三者が医療機関の経営に関与するものではないといったようなことを都道府県において確認することが必要であると考えておりまして、その旨通知しているところでございます。
 先ほど申しましたように、先般の医療法改正におきまして、医療法人につきまして毎事業年度ごとの事業報告書等の作成を義務付けるとともに、当該報告書を都道府県において閲覧に供するといったような改正を行ったところでございまして、医療法人の運営の透明性の確保という観点から、今後ともこういった仕組みも活用しながら適切に指導していきたいと思っております。
#347
○大門実紀史君 今申されたようなことは、平成五年の段階の通知ですね。この段階では、こういうセコムのような企業の参入とかあるいはこのファンドとかを想定していなかった時代です。むしろ、民間の金融機関、銀行は、病院にお金を貸すときに気を付けなさいと。ただ、それ古い段階での、今の時代を想定していない通知でございます。ですから、それにそぐわない、こういうものを簡単に形の上でクリアする方法で実態として経営の実権を握るというようなことが今もう生じているわけです。
 具体的な話でいきますと、セコムはセコメディック病院というのをつくっております。これは、当初は名前をセコム病院にしたかったんです。これについては、厚生労働省もわざわざ通達を出されて、やめろというふうにされて、セコメディックという名前になったわけですね。これは英語で書けばセコムというのが出てきて、もう明らかにセコム系だと分かるわけですけれども、このとき厚労省は、何でわざわざ通達を出して、セコムの名前をセコム病院じゃなくてセコメディックに変えろというふうに通達まで出されたんでしょうか。
#348
○政府参考人(松谷有希雄君) 委員御指摘の通知は、平成十年に発出をいたしました「医療機関の非営利性の確認と名称について」という通知であるというふうに思われます。
 この通知は、個人等が開設する医療機関について、土地等を営利法人から賃借している場合など、開設者と営利法人との間に関係がある場合に、同営利法人の名称を同医療機関の名称の中に用いることは、同営利法人が同医療機関を経営しているかのような誤解を与えるおそれがあることから望ましくない旨を示したものでございます。
#349
○大門実紀史君 もう名前の問題じゃないんですね。名前で誤解与えるんじゃなくて、中身としてもうこの病院はセコムが経営権を握っているわけです。
 ちょっと想像してみてください。ただ土地と建物を貸している家主さんがですよ、家主の立場でどうして、病院の名前を変えろと、家主の名前にしろと、そんなこと要求できるわけございません。もう経営権を握っているから、病院としてセコム病院にしようということを決定したわけですよ。それを申請したら、地元の千葉県と厚労省と医師会に猛烈な反発を受けたと。ただ、名前をちょっといじっただけで、中身としてはもう明らかにセコムがやってはいけない病院の経営権を握っていると、これは明らかだというふうに思います。そうでなければ、こんなことは常識から考えてあり得ないわけですね。
 この際、先ほどからまだ確認をしていないとおっしゃっているわけですから、千葉県にこのセコム、セコメディック病院の実態について確認をしてほしいと思いますが、いかがですか。
#350
○政府参考人(松谷有希雄君) 医療法人また医療機関につきましては、医療法に基づいてその都度適切に指導をしているところでございまして、都道府県にはその旨お願いをしているところでございまして、引き続きその指導について各都道府県にお願いをしていきたいと考えております。
#351
○大門実紀史君 あなたね、私は今まで具体的に指摘しているんだよ、具体的な事案を。それを確認してくれと言っているのに、その何だ一般的な話は。ここまであなたたちが調べ切れていないことを調べて教えてあげているわけでしょう。千葉県を通じて確認するぐらい当たり前じゃないの。どうなんですか。
#352
○政府参考人(松谷有希雄君) 御指摘の医療機関についてどのようなことがあるかにつきましては、千葉県御当局に問い合わせをして調べてみたいと思います。
#353
○大門実紀史君 私はなぜ先にセコムの話をしたかといいますと、政投銀がこれからそういうところに踏み込まれようとしているんではないかと、数年後にこの委員会で私に、政投銀がやられた病院について同じような指摘をされるんではないかと。逆に言えば、この政投銀と三菱が一緒に入る病院というのは、名前も三菱DBJ病院とかですね、そんなことになる可能性だってあるわけですよね。だから申し上げているわけです。非常にセコムが分かりやすい例でございますので。
 三菱商事の戦略を資料で読みますと、もう明らかですね。一つは、銀行の債権を安く、この上のスキームですけれども、安く買って、立て直して後で高く売ると。これは正にもうファンドのやり方です。二つ目は、資金提供をすると、リースバックもそうですけれども。そして経営コンサルタント業務もやると。これセコムと同じパターンでございます。もう一つは、セコムもそうですけれども、三菱商事もヘルスケアの関連子会社を一杯持っています。それをこの病院に入れて、いろんな医薬品も含まれると思います、三菱商事の場合は。そういう自分たちの関連子会社をこの病院の中に入れていくと。もう一つは、三菱商事の方は、もう大体このヘルスケアファンドってみんなそうですけれども、出口戦略というのがありまして、これは病院や施設を組み込んだREITですね、不動産投資ですよ、REITで上場すると。これはもう常識です、こういうヘルスケアファンドの。そういうことになっております。
 そういうファンドが現在次々と立ち上げられているわけですけれども、私が思ったのは、三菱商事は別に単独でも自分たちだけでもファンドをつくれるはずです。なぜ政投銀が参加する、こういうことになったかというと、私以前カーライルのファンド問題取り上げたことありますけれども、これは今次々立ち上げられている、これは非常に、政投銀と三菱商事というのは、二百億の出資ですけれども、ファンド全体としては一千億の規模になるかもしれないと、非常に大きなファンドを想定されております。したがって、ほかのファンドと差別化するためには、やはり政投銀という信用付け、あるいは広告塔と言ってもいいかも分かりませんが、三菱商事は政投銀と一緒にやりたかったのはそういうところにあるんじゃないかなと私は思っております。
 いずれにせよ、政投銀のこれからの在り方で、四つのDNAの一つにパブリック何とかというのがございますよね、公的な役割を果たしていきたいというのがございましたけれども、このスキームが、三菱商事がその病院の経営権を握る、あるいは非営利原則がもう捨てられるというような病院にならないように政投銀として努力されるべきだと思いますけれども、最低限その辺だけはいかがでしょうか。
#354
○参考人(小村武君) 先生、御指摘のとおりだと思います。
 日本がこれだけの膨大な医療費が国民負担としてなっておりますが、現場の病院を見ますと、私も社会保障関係の仕事を長くやってまいりましたが、お医者さんは朝早くから夜遅くまで、看護婦さんもそういう勤務をなされている、しかしながら、経営そのものがうまくいかない、そういう病院が非常に多うございます。
 私どもは、これまでも幾つかの病院を再生してまいりました。そういう意味におきまして、ノウハウを持っております。信用力もあります。三菱商事もこの分野においては大変良心的な行動を起こしているということで、私どものこういうストラクチャーを組む能力等々、また三菱商事において、病院経営のノウハウ、例えば、必要もしない医薬品を大量に抱え込むというようなこともやりがちなところもあります。そういう、経営者そのものがやはり私は遅れている世界だと思いますので、そういう意味で、より前向きな、お役に立つ、そういう金融をやってまいりたいと思っております。
 御指摘ありがとうございました。
#355
○大門実紀史君 もうそろそろお集まりのようでございますので、最後の質問をしても大丈夫でしょうか。
 今、小村さんのお気持ちは、決意はよく分かるんですけれども、民間の世界はそんなに甘くはございません。
 一つだけ、この三菱商事とのスキームで心配なのは、先ほど最後に申し上げたREITを使って上場させて、もう正にファンドの一番まずいところじゃないかと思いますが、少なくとも政投銀がかかわるこのファンドについては、そのREITで上場させて、売り抜けると言ったら何ですけれども、そういうことではないと、その病院を地域のために本当に再建するために政投銀は力を尽くすんだと、そのREITの部分についてだけ、もう一回お聞かせいただけますか。
#356
○参考人(小村武君) いろんな再生の手法があると思います。私どもが対象とする病院が、家賃の負担とかそういう面において経営が成り立たないようにならないように、それはきちっとやっていくということで、具体的な手法については、御指摘の点も含めてこれから私どもが個別の案件を取り組む際には知恵を絞ってまいりたいと考えております。
#357
○大門実紀史君 じゃ、もうそろそろにしますが、とにかく大変民間というのは厳しい世界でございますので、そうおっしゃっていてもこれはただの不動産ファンドみたいになりかねない、成り下がる危険性があると、そういう法案であるということを申し上げて、早いですけれども、質問を終わります。
#358
○委員長(家西悟君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べください。
#359
○大門実紀史君 簡潔に反対討論を行います。
 反対する第一の理由は、本法案が政策金融の何たるかについてまともな検討もなく、先に民営化ありきのこれからどうなるか分からない中身のない法案であるからです。
 第二は、そのことによって政策投資銀行が従来行ってきた国民生活にとって重要な分野の長中期的融資が消滅する危険があること。特に、補助金と長期融資の政策手段の違い、費用対効果さえも検討されていなかったということは驚くべき稚拙さだと指摘しておかなければならないと思います。
 第三は、今回の民営化が、審議でも指摘のあったように、日本政策投資銀行の資産のたたき売りになりかねない、国民の損失を生む危険が高いことであります。
 以上の理由から本法案に反対をいたします。
 以上。
#360
○委員長(家西悟君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 株式会社日本政策投資銀行法案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#361
○委員長(家西悟君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、大久保勉君から発言を求められておりますので、これを許します。大久保勉君。
#362
○大久保勉君 私は、ただいま可決されました株式会社日本政策投資銀行法案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会及び公明党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    株式会社日本政策投資銀行法案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。
 一 新たなビジネスモデルの構築に当たっては、エネルギー、鉄道、地域インフラの整備等の既存の出融資対象事業に対して引き続き円滑なファイナンスを提供できるよう、平成二十年十月までに、所要の措置を講ずるとともに、企業再生、証券化、ファンド設立等、最新の金融技術を十分に取り入れた業務展開を図ること。また、極めて長期にわたる資金供給の必要性にも配意して、安定的な資金調達基盤の確立に努めること。
 一 日本政策投資銀行の長期的企業価値が将来毀損されることのないよう、株式の処分方法等の検討に際しては、処分相手先の選定、発行株式の種類等について、慎重な検討を行い、株主構成の安定性等への配慮に加え、株主による企業統治が十分に機能するよう配意すること。また、株式の処分は、株式市場等に与える影響にも十分配慮して行うこと。
 一 移行期及び完全民営化に当たって、移行期の新会社の業務の在り方や完全民営化機関への円滑な承継のために必要な措置等について、経済社会情勢の変化や我が国の金融、産業の競争力の向上にも十分に配慮して、柔軟な対応を行うこと。
 一 新たに指定金融機関として担うこととなる危機対応業務に関しては、現行の日本政策投資銀行が担っている危機対応機能を踏まえ、株式会社日本政策金融公庫と連携しつつ、危機に際しての円滑な資金供給に遺漏なきを期すこと。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#363
○委員長(家西悟君) ただいま大久保君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#364
○委員長(家西悟君) 多数と認めます。よって、大久保君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、尾身財務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。尾身財務大臣。
#365
○国務大臣(尾身幸次君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨を踏まえまして配意してまいりたいと存じます。
#366
○委員長(家西悟君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#367
○委員長(家西悟君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後六時二分散会
ソース: 国立国会図書館
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