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2007/06/12 第166回国会 参議院 参議院会議録情報 第166回国会 財政金融委員会 第15号
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2007/06/12 第166回国会 参議院

参議院会議録情報 第166回国会 財政金融委員会 第15号

#1
第166回国会 財政金融委員会 第15号
平成十九年六月十二日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月五日
    辞任         補欠選任
     秋元  司君     金田 勝年君
     野村 哲郎君     山下 英利君
     芝  博一君     池口 修次君
 六月六日
    辞任         補欠選任
     岸  信夫君     小泉 顕雄君
     中川 雅治君     山東 昭子君
     下田 敦子君     平野 達男君
     前田 武志君     大塚 耕平君
     松下 新平君     尾立 源幸君
     峰崎 直樹君     島田智哉子君
 六月七日
    辞任         補欠選任
     小泉 顕雄君     岸  信夫君
     山東 昭子君     中川 雅治君
     尾立 源幸君     若林 秀樹君
     島田智哉子君     峰崎 直樹君
     広田  一君     北澤 俊美君
     円 より子君     千葉 景子君
 六月八日
    辞任         補欠選任
     北澤 俊美君     広田  一君
     千葉 景子君     円 より子君
     若林 秀樹君     尾立 源幸君
 六月十二日
    辞任         補欠選任
     大塚 耕平君     直嶋 正行君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         家西  悟君
    理 事
                沓掛 哲男君
                中川 雅治君
                野上浩太郎君
                大久保 勉君
                峰崎 直樹君
    委 員
                泉  信也君
                岸  信夫君
                椎名 一保君
                田中 直紀君
                舛添 要一君
                池口 修次君
                尾立 源幸君
                富岡由紀夫君
                直嶋 正行君
                広田  一君
                円 より子君
                西田 実仁君
                大門実紀史君
   国務大臣
       財務大臣     尾身 幸次君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        山本 有二君
   副大臣
       財務副大臣    富田 茂之君
   大臣政務官
       経済産業大臣政
       務官       松山 政司君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤澤  進君
   政府参考人
       金融庁総務企画
       局長       三國谷勝範君
       金融庁監督局長  佐藤 隆文君
       経済産業大臣官
       房審議官     谷 みどり君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○財政及び金融等に関する調査
 (大和都市管財事件に関する件)
 (三菱東京UFJ銀行の業務改善命令に関する
 件)
 (消費者金融の信用情報に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(家西悟君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(家西悟君) 御異議ないものと認めます。
 それでは、理事に中川雅治君及び峰崎直樹君を指名いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(家西悟君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として金融庁総務企画局長三國谷勝範君外二名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(家西悟君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(家西悟君) 財政及び金融等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#7
○峰崎直樹君 おはようございます。
 民主党・新緑風会の峰崎でございますが、今日は一般質疑ということで、この間大変大きな問題になっていることや、あるいはどうしても聞いておきたい点がございますので、それらの点について、是非大臣の方におかれては答弁をきちんとしていただきたいなと思います。
 そこで最初に、大和都市管財事件の判決が六月六日に出されました。今朝八時から私どもの財政金融部門でヒアリングをさせていただきましたので、改めてこれもなかなか問題が相当深刻だなというふうに思っているわけでありますが、まずこの判決を金融担当大臣どのように受け止めておられるのか、お聞きしたいと思います。
#8
○国務大臣(山本有二君) 六月六日に大阪地裁で言い渡された判決におきまして、国の主張が認められなかったことは遺憾でございます。
 今後の対応につきましては、判決内容を十分に精査しまして、関係当局とも協議の上で決めていく考えでございまして、現時点ではコメントは差し控えさせていただきます。
#9
○峰崎直樹君 遺憾であるというのは、国の立場からしたら、もちろんこれは被告ですから遺憾なのかもしれませんが。我々ずっと見ていますと、どうもこの大和管財にかかわるこの間のやり取りを今朝もお聞きして、私の率直な印象ですけれども、これは被害者のことを、本当にこういう事件で被害を受ける人のことを本当に真剣におもんぱかっていたというか思っていたというか、そういうことが非常に乏しいんではないかということが非常に私の第一印象でございます。
 そこで、事態をずっとこれは新聞等も報じられておりますし、今朝の部門会議で私どもの方からいろいろ質問した中で、この大和都市管財という会社は昭和六十三年、一九八八年十二月に抵当証券業の登録をして三年に一回ずつこれ登録を更新するという作業に入るわけですけれども。
 平成六年の九月に立入検査をしていますね。その立入検査の結果は、その翌年、平成七年ですから一九九五年の五月に検査結果を通知をして、そこで平成七年の八月ですね、一九九五年の八月に業務改善命令を検討と、こういうふうに今朝のこの部門会議で出された資料があるんですけれども、率直にお伺いしますが、業務改善命令を出したんですか、出さなかったんですか、お伺いしたいと思います。
#10
○国務大臣(山本有二君) あくまで五月に検査結果の通知が来まして検討したということでございまして、業務改善命令は出していないというように。ただ、九年の十月には業務改善命令を発出しております。
#11
○峰崎直樹君 今朝も実はこのやり取りについて事実関係を確かめました。
 九五年の八月二十一日、近畿財務局の会議室に大和都市管財の豊永社長をお呼びをして、財務局の金融第三課長が社長の目の前の机の上に業務改善命令書を置き、これから命令書を交付しますという形で前置きをして、ちゃんと近畿財務局長の印鑑を押したその業務改善命令を出したと。それで申し渡しをしている。その途中に、こんなものをこのままでは受け取らないとかといろいろ言って、相手側がその場から立ち去ったと言っています。
 そうすると、業務改善命令は印鑑をついて公文書としてもう既に出したというふうに私たちは受け止めているんですが、今お話ししていると、業務改善命令は出していないと言っているんです。この点は、どうしても私どもは、今朝いろんなお話を聞いていても、しどろもどろに今日も検査室長が答えてくださったんですが。これは大臣、弁護士さんをやられているんですが、これはそういう公文書でもう本人を呼んで申し渡しているということは、事実上これはその業務改善命令を、検討ではなくて業務改善命令を発したと、こういうふうに理解するのが普通素直な感覚じゃないでしょうか。どう思われましょうか。
#12
○国務大臣(山本有二君) 今回の訴訟におきまして、被告、国は、平成七年八月二十一日、近畿財務局でございますが、同社に対し業務改善命令書を交付しようとしたと。しかし、同社社長から資金繰り等にかかる追加的説明がなされたため、抵当証券購入者の利益を害する事実があるかどうか更なる実態把握が必要であるというように判断して、業務改善命令の発出を見合わせたというように主張しておりますので、被告、国の主張はそういうことでございます。
#13
○峰崎直樹君 今日、実はその裁判における資料を私もたった今入手をいたしました。
 これは、大和都市管財株式会社についてということで、四ページもので裁判のこれはいわゆる正式に証拠として採用されたものだと言われています。お願いがあるんですけれども、これ四枚もののこの数字ですけれども、こういういわゆる資料をこの委員会に提出をしていただけませんでしょうか。金融担当大臣どうでしょうか。
#14
○国務大臣(山本有二君) これはもう裁判の証拠採用の問題等を私どもが行政府として国会に提出するべき基準とは少し異なる次元での考えでございますので、検討させていただいてまた御報告したいと思っております。
#15
○峰崎直樹君 衆議院の方でもこの資料その他を出してもらいたいということで、今要請をしているようですけれども。検討というよりももうこれは利害関係者みんな持っていますから、当然のことながら。そのコピーが私のところに流れてきております。
 この資料は、新聞報道でしか私は分かりませんが、裁判の法廷で、当時大蔵省の中におられた、大蔵省の方ではないというふうに聞いておりますけれども、その方が法廷でいろいろ陳述をされたということで、大蔵省としては、これは手持ち資料にしてくださいと、あなたの手控えということにしてもらえませんかと持ち掛けられて断ったものだと、こういうふうに聞いておりますけれども、その中身かどうか後でこれをお示しして、私も今もらったものですから、中身ざっと一読したぐらいしか分かりませんので分かりませんが、是非明らかにしてもらいたいなと思っているわけであります。
 それで、なぜそのことをこだわるかというと、このいわゆる判決を見ると、平成九年の業務改善命令を出して以降の方々に対するある意味では賠償命令というのは出てきているんですけれども、私はどうもこの六年九月の立入検査をしたと。七年五月に検査結果を通知して、それを受けて業務改善命令を検討し、先ほどいろいろなことをおっしゃっていましたけれども、このやり取りをずっと記した記録を見ていると、これなかなかいろんな丁寧なことを、近畿財務局としてはいろんな調査をして進めて、そして最終的にどうも相手側がそのことを受けてくれないと、こういうふうに言っていますね。同社は、検査結果通知に対する回答期限、すなわち業務改善命令をしなさいよと言う前に、この検査結果を通知したときにいろいろ回答期限を設けて、最初は六月二十六日まで回答を出さなかった。具体的な改善計画の提出期限を七年の七月二十八日まで延期したけれども、結局提出しない。悪質ですよね、これは。
 したがって、同社の経営状況は、抵当証券購入者が被害を被る蓋然性が高く、購入者の利益を害する事実があると認められたことから、平成七年八月一日付けをもって業務改善命令、経営健全化計画の作成、実施、抵当証券の買戻しについての財源計画の作成、実施と発出のための弁明の機会の付与通知を行い、これが八月十五日付け弁明書を提出、平成七年八月二十一日付けで業務改善命令書を交付しようとしたと、こういう経過をたどっているわけですよね。
 ですから、もう先ほど、いや、資金繰りだどうだこうだじゃなくて、いろんなことを調査をして、これはもう業務改善命令を出さなきゃ駄目だということを判断して、呼んで、文書に局長の印鑑なんか多分ついているんでしょう、公文書ですから。それを手渡そうとしたわけですから、当然これは業務改善命令を発出したというふうに私はやはり判断はできるんじゃないんだろうかなというふうに思っていまして、この点、私どもからすると、ある意味では、経過を振り返ってみると、業務改善命令を検討というふうに皆さん方がおっしゃっていることは、これはやはり業務改善命令を発出したと、それを受け取らなかった。そして、脅し掛けられて、それをある意味ではちゅうちょしてしまったと、こういう実は問題がやはり背景にあるんではないんだろうかというふうに思うんですけれども。
 金融担当大臣、その間の人たちの損害賠償は認められていないんですよ、これ、この判決の中でも。だから、その点は私はやはり重要な過失が金融庁の側、当時でいえば大蔵省の側にあったんではないかというふうに思えてならないんですけれども、その点はどのように判断していますか。
#16
○国務大臣(山本有二君) 裁判における争点の重要なものの一つがその点でございます。
 今回の訴訟におきまして、被告、国は、当時の関係者の証言等によりましても、同社社長の同和関連団体に所属している旨の発言によりまして業務改善命令を撤回したというような事実はないというように主張したものと承知しております。その意味におきましては、業務改善命令を発出したことはないということだろうというように主張しているところでございますので、まさしくそれが争点であります。
 私からコメントをすることは差し控えさせていただきます。
#17
○峰崎直樹君 しかし、もう局長の印鑑まで押して業務改善命令を出して、そしてそれを読み上げて通知をしていたわけですから、それを、いや業務改善命令の公的な発出ではないと言うのは、どう見ても私たち普通の常識人から考えても、私は判断できないんじゃないんだろうかなというふうに思えてならないわけであります。
 このプロセスの中で、九五年それから九八年ですか、その当時の近畿財務局長と言われている方々は名前がもう大体明らかになっておりますけれども、しかし、この判決、これ上告されるのか、それとも更にこれを受けるのか、こういった点についてまだ私ども聞いておりませんけれども、最終的には法務省が判断をされるんだというふうに思いますが、実質的にはこれは金融庁、大蔵省だと思うんですが、当時の。これは金融担当大臣、やっぱりこれ、上告をされるんでしょうか。
#18
○国務大臣(山本有二君) 国の利害に関係のある訴訟についての法務大臣の権限等に関する法律に規定されているところでは、国を当事者とする訴訟につきましては、法務大臣が国を代表し、行政庁は法務大臣の指揮を受けるというように規定されております。したがいまして、法務関係当局と協議の上、これは控訴するかどうかについては決定したいと思うところでございます。
#19
○峰崎直樹君 大臣本人はこれは控訴しようとされているんでしょうか、それとも、これはもう判決は受け入れるべきだと、どちらなんでしょうか。
#20
○国務大臣(山本有二君) それも含めて検討対象でございますので、よく協議して決めていきたいというように思っております。
#21
○峰崎直樹君 もう既にこの被害に遭われた方々の年齢が七十代とか八十代とか、もう本当に大変老後を厳しい生活をされている方が多いというふうに聞いておりますので、いろいろ私ずっと、それほど十分この大和都市管財のことについて分かっているわけじゃありませんけれども、私どもからすると、これは控訴されないで国として損害賠償に応ずるべきじゃないかなというふうに思っておりますので、意見として申し上げさせていただきたいと思いますが。
 ところで、このような事件が起きた原因というのは一体どういうところにあるのか、金融庁としてはどういう点を反省されているのか、お聞きしたいと思います。
#22
○国務大臣(山本有二君) 本件は判決が確定していない控訴期間中の段階でございます。事件の原因等について、訴訟当事者である国としての見解を述べることは差し控えさせていただきたいと思います。
 なお、大和都市管財が会社整理に至った経緯を申し上げますと、近畿財務局は、抵当証券業規制法に基づきまして平成十二年十月より実施した検査等におきまして、同社が債務超過に陥っております。更新登録に必要な財産的基礎を満たしていないと認めましたことから、平成十三年四月に同社の更新登録を拒否いたしました。そして、大阪地裁に対して会社整理通告を行ったところでございます。
 そういうことでございまして、訴訟の争点には触れられないことを御理解いただきたいと思います。
#23
○峰崎直樹君 やがて、これは今日、法務部門でも仲間がこれについて質問をするということになっていますし、衆議院の方でも議論をされると聞いておりますので、事態の解明はまたしっかりと議論をさせていただきたいというふうに思っておりますけれども。
 さて、今日は一般質疑ということなんで、実は九〇年代半ばから金融ビッグバンと言われているものが始まったわけであります。これは九六年の、たしか亡くなられた総理大臣、ちょっと名前をど忘れいたしましたけれども、橋本龍太郎さんですね、橋本龍太郎大臣の下でフリー、フェア、グローバルと、こういう掛け声といいますか、三つの大きなキャッチフレーズというものに基づいて進められてきたわけであります。これ以降、一体、我々がずうっと見てみると、現段階、本当にフリー、フェア、グローバルという、この中でどういうふうに評価をしたらいいんだろうかなと。
 これは金融担当大臣、まず、このフリー、フェア、グローバル、これについて現段階でそれぞれこれはうまくいっているというふうに理解をされているんでしょうか。
#24
○国務大臣(山本有二君) 御指摘のフリー、フェア、グローバル三原則は、九六年、当時の橋本総理のイニシアチブで提唱されたビッグバン構想の中で掲げられたものでございます。フリーとは市場原理が働く自由な市場、フェアとは透明で信頼できる市場、グローバルとは国際的で時代を先取りする市場、それを意味していたというように理解しております。
 政府といたしましては、九六年以降、これらの三原則に基づきまして、金融・資本市場改革を着実に進めてきたところでございます。その結果、金融・資本市場の活性化や市場の透明性の向上等が図られてきたものと認識しているところでございます。
 グローバルな市場間競争がますます激化する中で、我が国金融・資本市場に対する信頼を確保するためには、自由、公正で国際的に魅力のある市場環境を整備する必要がございます。フリー、フェア、グローバルの三原則はこうした金融・資本市場改革の指針として今なおその意義を有するものと考えておりまして、現在、金融審議会の我が国金融・資本市場の国際化に関するスタディグループで進められております金融・資本市場の国際化に関する議論におきましても、この三原則は基本的に生かされているというように考えるところでございます。
#25
○峰崎直樹君 フリーというのはかなり進んだと。これは規制緩和も含めて、事前規制から事後チェック型へと変わったと。これは我々もどんどんどんどん進められてきたなと。今まではかなり事前に様々な規制を大蔵省を中心にして護送船団行政という形で進められてきたけれども、これが事後チェック型に変わりつつあるんだというふうに言ってフリーのところはどんどん何でも、むしろ本場のアメリカ以上にどんどん進んだのかもしれないと。
 問題はフェアなんですよ。フェアな点は、つまり公平さということが我が日本の市場で担保されているんだろうか。この点に関して、金融担当大臣は、この金融ビッグバンで、今フリー、フェア、グローバルというスローガンは評価されているとおっしゃっていましたけれども、フェアというところに関して本当にじゃきちんとされているんだろうかなと。この点はどのようにお考えになっているのか、お聞きしたいと思います。
#26
○国務大臣(山本有二君) フェアという問題といわゆる不正等に対しての我が国市場の規制というものは、大変相互関係重要でございます。
 平成四年に証券取引等監視委員会が発足いたしまして、正にこうしたフェアを実現するために今日まで鋭意努力を重ねてきたわけでございます。そしてまた、今後、証券業協会における自主規制あるいは証券取引所における自主規制法人というようなところの規制もまた市場のコントロール、フェアを実現するために努力をしていただけるものと思っておりますし、そうした意味におきまして、市場全体でこうしたフェアを実現するという、そういう環境は以前よりも徐々にではございますが着実に進んでいるという認識を持っておる次第でございます。
#27
○峰崎直樹君 私は、着実に前進しているというふうには思わないんです。相当これは根本的に手を入れないと、ますます我が日本の証券市場というか資本市場というのは、このフェアネスというのが失われたままずっと来ているんではないかなというふうに思えてならないわけです。
 何がそうかというと、要するに日本の今までの金融行政、関連でいえば、アメリカ型よりも大陸型の法体系を持ってきて、罪刑法定主義でもって、ある意味では問題があればそれを指摘していく、そしてそれを刑事罰を加えるというようなところは今まで進んできたわけであります。
 ところが、金融商品取引法を議論したときもそうでしたけれども、これは市場法になったんですよと。つまり、資本市場が毎日日々動いている、その毎日日々動いていることに対して、これは問題ではないかと思われるような事例がどんどん出てきたんじゃないのかと。例えばライブドア事件のときに、時間外取引、ToSTNeTを使ってあの取引をするときにまさかそれを大量取引を一気にやってしまうというふうには思えなかった。TOBルールを抜け駆けするような問題だ、あれを見抜けなかったと。いろいろ、あそこで指摘した株を分割する問題だとか、あるいはMSCBといったような、転換社債といったようなものも、これは問題あるんではないかな、株主全体の利益を守るためには問題があるんじゃないかと思いながらも、実はしかし、それ自体は法律に書いてないから違法ではないわなと、しかし後でこれを訂正していくという、その連続だったんだと思うんですよね。
 ということは、もう今までの法体系というものを事後チェック型に変えていくためには、抜本的にチェック機能、このフェア、公正、不公正な事態が蔓延し金融処分庁という本当に汚名を、汚名なのか本当にいい評価なのかは別にしても、次々と起きてくるという大きな背景の中には、そういう行政の大きな転換というか、そういうものに追い付いていないんじゃないんだろうかと。そこで私たちは、日本版SEC、最近はイギリスのFSAですか、そういうものを金融庁とは独立して設けなさいということをずっと言い続けてきたわけですよ。
 そこで、金融担当大臣、このちょうど中間時点ですから、SECについて、去年同じような議論をしたときに、前の金融担当大臣は、日本の証券等監視取引委員会はアメリカと同等の権限、これを、あるいはそれ以上の権限を持っていると、こういうふうに主張されて、この会場で私どもと意見が違っちゃったんです。
 山本大臣も、日本の証券等監視取引委員会は、この基本方針二〇〇七という中で見ていると、依然として日本版SECをつくろうとか、これは塩崎官房長官が前からおっしゃっていることですけれども、それは入っていません、この中には、素案の中には、少なくとも。つまり、この時期に、私は、二〇〇七の中には少なくとも日本版SECの検討とか、要するに金融庁と証券等監視取引委員会を離しなさいと、そして権限をしっかり強化しなさいと、こう我々は主張しているんですが、大前提として、与謝野前金融担当大臣は、いやいや、日本の金融機関はSECと差はないどころか日本の方が優れているところもあるんだと、こうおっしゃってそのことを認められなかったんですが、山本大臣も同じ認識なんでしょうか。
#28
○国務大臣(山本有二君) 世界各国、取引には、そこにそれぞれの国の商慣行やマインドというものがあります。それを全部共通化するということは極めて困難だろうというように思います。
 ただ、峰崎委員御指摘のように、もし日本におきまして市場監視ルールが世界各国、特に先進国、アメリカ、ヨーロッパの金融マーケットに比べてそれが劣るということになるならば、私ども、国際金融機能強化と言っても絵そらごとになるわけでございます。
 そこで、SECの事務方及びコックス委員長と、この件については定期協議を行うということにいたしました。その中身は、ルールを共通化していこうと。やはりそのときの心掛けなければならない点は、市場におけるその国その国の特徴は尊重しながらもルールを協調していく、ここは大事な点でございまして、もし市場に緩みあるいはレバレッジが効き過ぎるというようなことになりますれば資金の流入等々についてかなり不公平な流動性が生じていくということもありますので、共通化ということが何より大切なことだという認識を英国、米国、日本それぞれでいたしておるところでございます。
 その意味の中から申し上げますと、アメリカのSEC基準と日本の金融庁の、あるいは証券等監視委員会の基準がそれほど変わったものではないという私は認識に立って今やっておるわけでございます。
 ただ、SECが優れていることは、我が金融庁の職員の約十倍に近い人たちを擁しておりまして、そうした市場に対する監視機能はヒューマンインフラにおいてはまだまだ追い付いていないというところは謙虚に受け止めていく必要があろうというように思っております。
 今後、我が国は、現状に甘んずることなく発展あるいは研さん努力するという点において検討課題を掲げながらしっかりとした基準を設けていくという点においては、峰崎委員の御指摘のとおり、頑張っていきたいというように思っている次第でございます。
#29
○峰崎直樹君 二つの方面から今の点を。アメリカのSECに比べて、一つは、人的な能力は圧倒的に差がある、それは私もそうだと思います。これは今、証券等監視取引委員会も随分いろいろ努力されてきていますし、たしか相当人数も増えてきていますから、今その途上にあるということについては私も認めたいと思う。問題は権限なんです、一つは。もう一つは、金融庁の中にあるがゆえに、いや、ファイアウオールしいていると、情報の、いろんなことをおっしゃっても、実は私はそこに大きな問題があると思っているんです。つまり、金融行政というところと金融市場における監視という問題と、ここが二律背反を起こしやしないか、問題は起きないかということ、これは後でまた質問したいと思いますが、先に権限のところから行きましょう。
 刑事調査ということについての権限は、これは確かに日本は強制捜査や検察に刑事告発をできます。しかし、アメリカのSECは、捜査当局に証拠を送付して、強制捜査や刑事告発は残念ながらそのこと自体はできない。しかし、日本の証券等監視取引委員会はそこはできる。でも、捜査当局に証拠を送付をして、当局がやるということで、ここはどちらがやや優れているかといったら、もしかしたら、日本の方が強制的な捜査ができるということで、あるいは告発もできますので、これは非常に優れた点かもしれません。しかし、SECもこれはどんどんやっているんです、件数は非常に多いわけですから。この点は、私はやや日本の方が制度的には優れているかなと。
 問題は、検査や調査、行政検査やあるいは調査について、これは私、日興コーディアルのときも、証人の出頭や帳簿の提出などを求めるときに、これは、検査や調査の権限はどちらが強いかといったら、私は、日本よりもアメリカは、これは証人出頭や帳簿の提出を求める権限を持っていますから、これはアメリカの方が強いというふうに思うんですが、山本大臣、この点はどういうふうに思われますか。
#30
○国務大臣(山本有二君) 間々そういう御指摘はあるだろうというように思いますが、やはりそうした刑事事犯における市場との関連で考えていった場合に、どちらが優れているかどうかという点よりも、どちらがより真実にアクセスできる手法かという意味におきましては、私は必ずしも、質的にどちらがいいということの判断は極めて難しいように思っております。
 そこで、今回、私ども研究していかなければならないのは、やはり刑事事犯を見逃したというような、そんな判断を受けるようでは我々としましても口惜しい点でございますので、しっかりとした刑事事犯との連携を取ることができるべく、検察庁との連携を強化するような方針で事件の調査、そして進展というものをしっかりと見ていくというような体制を組んでいる所存でございますので、御理解をいただきたいと思っております。
#31
○峰崎直樹君 これ、具体的な事例で言いましょう。
 日興コーディアルのときに、日興コーディアルの〇五年三月期の決算のところは、例の日付をごまかしたとかそういうところの証拠が入って、五億円の課徴金をやったんです。〇六年の三月の、我々が、相手側が認めているのに、実はどうなっているんですかと言っても、なかなかこれについての判断は出てこない。これはまたいつか、また公認会計士法のところでやりたいと思いますが、それはなぜかというと、そういう調査や検査や、そういうことについての権限が本当に十分備わっているのかなと。この点が非常に私は、やはりもう気が付いたときには資料や証拠が隠滅されてしまっていたんじゃないのかと、こういうふうにもよく言われているわけであります。
 もう一つ、今の真実を確かめるというときに、これ、毎日証券市場が動いているわけですから、真実は何なのかというときにグレーが出てくるわけですよ。あれっ、こういうことを予測していないけれども何でこういう取引をするんだろうなと、これが一番問題なわけでしょう、日々起きるわけで。
 そのときに、自ら規則を制定するいわゆる権限を持っているSECというのは絶えず、いわゆる規則制定権という権限を持っているがゆえに、それについて、日本でいう証券取引法百五十七条や百五十八条、包括規定でもって実は取り締まって、日々ある意味ではその権限を行使をしていくと。日本ではそれが金融庁に、こういう規則を変えなきゃいけないんだけどなと思っても、それは金融庁に建議しないと法律は変えられない。そういうある意味では、日々生起する様々な問題における対応が、金融庁のやり方は旧大陸型のいわゆる企画立案、調査権限しか持っていないんですよ。
 だから、市場が動いていることに適応するための対応というのは、このアメリカの自ら規則を制定する権限というものを持って、もちろん行政に対する権限や刑事告発や、そういったことについての権限もしっかり持って、これをやらなかったら市場に対応できないんじゃないですか。その点は、我々が日本版SECあるいはFSAと言っているのは、それに対応できるような仕組みが今の日本の金融、数を幾ら増やしたって、ここは、私はこの制度がなかったらできないと思うんですが、これ大臣、どう考えられますか。
#32
○国務大臣(山本有二君) いわゆる規則制定権あるなしという形で、機能の面、特に日本の証券等監視委員会とSECが比較されることはよくある話でございます。
 しかし、翻って考えてみたときに、金融庁及び証券監視委員会の基本的物の考え方といいますのは、まずは規制が強い部門、そして違反の違法性が高いところはやっぱりデュープロセスでなければならない。したがって、必ず罪刑法定主義的な、言わば規則がしっかりと、そして法的手続がしっかりとしていなきゃならぬ。ここをルールベースと呼ばせていただいて、ここはSEC基準とほぼイコールにさせていただいております。
 ところが、金融の世界は日々これ変動し、また発展するわけでございまして、新しいイノベーションが起こってまいります。特に、新しい金融商品というのは我々が想像も付かないような形で現れてくるわけでございまして、ここはやはりフェアなルール、つまりプリンシプルベースというイギリスのFSAの物の考え方の方がより優れているというように思っておりますので、そうした点も我が国では取り入れたいという願望を持っております。
 したがいまして、SECの規則制定権でフォローできない部分が必ず市場にはあるだろうという考え方の下に、FSAと協議しながら、そのいい点を我が国に取り入れたいという努力を今しているところでございます。
#33
○峰崎直樹君 いいところは是非本当に取り入れていただきたいと思うんです。
 今私が申し上げた規則制定権というのは、正に日々生起している市場の出来事に対してきちんと適応していくという、そのルールメーキングの能力を今の、じゃ証券等監視取引委員会に与えたらいいと思うんですよ。そこは金融庁の企画能力というものを外していった方がいいと思うんです。私たちは元々金融庁から外すべきだと思っているんですね、三条委員会か何かで。
 今度はそっちの方に行きますよ。何で私たちが言っているかというと、いわゆる金融行政というのは、例えば金融庁の場合は銀行、証券、あるいはまあノンバンクとか、正に証券関係、金融商品というのはもう多様に実はあるわけです。それに対して様々な規制もしながら、もちろん許認可の権限を持ちながら、調査をしたり検査をしたりされていることよく存じております。だけど、このとき、そういう金融行政とこのいわゆる証券等監視取引委員会、日々生起する動きのこの問題とが利益相反になることというのは生じないでしょうか。
 つまり、例えば財務大臣の立場からすれば、いや、金利を上げてほしくないなと。これは日銀との関係が今、それはいろんなことがあると思います。あるいは、金融市場の活性化が望ましいなと思っている、そのときに金融の犯罪というものが、問題が出てきたときに、この両方で、こちら側は金融をきちんと活性化するために何とか金融行政を、まあフェアな立場は立ちながらも、しかし政治の立場から、あるいは行政の立場からすると育成していきたいという考えを持っているかもしれない。それと実は証券等監視取引委員会でつかんだものの間のこのぶつかり合いというのは、私は、政治の現場において政治家が金融担当の一番、最高責任者に今いるとすれば、当然そことの間のファイアウオールをしっかり置かなきゃ私はまずいと思っているわけです。
 それは、金融庁の中においてやるんではなくて、そこから外して、いわゆる公正取引委員会のようなものに実はしていかないと。もう我々はそういう提案から、公取の中に、我々が、この証券等監視取引委員会をもう廃止してそっちへ移しなさいと、今ちょうど社会保険庁を国税庁に一体にしなさいと我々言っているのとよく似て、もうそこまで行政側とつながりを持ってやっている検査行政というのは我々はもっとやはり強力にすべきだと、そこはファイアウオールをしっかりやるためには三条委員会としてやはり独立をさせるべきだ、こういうふうに思っているんですよ。ですから、金融庁がもうそこまでやらないと言うんだったら、それはもう公正取引委員会と合体させた方が早いんじゃないかというふうに思ったりもするわけなんです。
 そこら辺り、そういう行政とこういう監視、取締り、こういったものが同じところにあっているのは、私はやはり問題が大きいんじゃないんだろうかというふうに思うんですが、その点どのように思っていらっしゃいますか。
#34
○国務大臣(山本有二君) 先生のおっしゃる意味、よく理解しているつもりでございます。
 極端な物の考え方ではありませんが、SEC基準も最近リラックスという言葉が使われておりますように、市場に対して強烈な、規制が強過ぎるのではないかというような逆にアメリカ市場における批判もございます。そういうような意味では日本に学べという声もSEC関連の中ではありまして、またニューヨーク証券市場のケチャムさんという自主規制法人の委員長等は、SECと関連して自主規制をやっていくという、そういうなだらかな横ぐし的な横断的な規制を望んでいるというようなことも言われております。
 つまり、そこにおける行政と言わば独立行政法人というような関係を望むのではなくて、市場との対話や市場との意見交換の中において初めて市場の健全性が担保されると、行政側の理解やルールだけで考えるべきではないのではないかという、そういう物の考え方を持っていらっしゃいます。
 他方、イギリスの証券の監視機能というのはメンバーシップ制、すなわちもし何らか非違行為をやるならばそうした市場から放てきされる、村八分になるというような物の考え方でございまして、ここには必ずしもルールはなくて、プリンシプル、すなわち何かフェアではないことを起こしたメンバーは除外というような、そんなソフトタッチの物の考え方でございます。
 そうした二国の様子を考えていきましたときに、我が国は、今のところ規則制定権は建議という形で実現しておりまして、これについて不満は証券等監視委員会にもございませんし、また今の金融庁の中で検査・監督が主体でございまして、その意味における利益相反も今のところは散見されないところでございますので、今のところ日本型ルールとして、また日本型監視機関として定着しつつございますので、もう少ししっかりとした様子を見させていただきまして、ここに完全に欠陥がある、ここに完全に条件不備があるということでありますれば、そうした議論にもまた積極的に乗り出さなきゃならぬ時期があるかもしれませんが、今のところは、三国比較いたしまして、むしろ日本の方のルールを学びたいという意見もあるぐらいでございますので、もう少し様子を見させていただきたいというように思っております。
#35
○峰崎直樹君 日興コーディアルの問題について議論したときも、私はやはり、どうしても証券等監視取引委員会、権能が弱いというところもちろんありますけれども、そこと証券行政、あるいは金融ビッグバンを進めている政治の側との、何か最後にはそこが徹底的にきちんと問題の指摘ができなかったところがあるんではないかなというふうに思えてならないわけです。
 この点は具体的に立証できているわけではありませんから問題をこれ以上追及できませんけれども、しかし今おっしゃられた日米英の良いところをどうやって学ぶかということは私はこれからも是非やっていただきたいと思うし、今申し上げたような懸念を本当に払拭するためには、やっぱりそれは三条委員会という形で行政、政治と独立して検査をしていく、あるいは調査をしていく、あるいは刑事告発をしていく、そういった権限をしっかりやはり持たせないといけないんじゃないかなということだけ申し上げて、これは基本方針二〇〇七のところに、私ずっと注目してみたわけでありますが、確かに金融・資本市場競争強力プランというものを作ってやっておかれるという中で、様々な準司法機能の強化による市場監視体制の整備というふうなところが多分その中身に入っているのかもしれませんが、それは私はやはりきちんと三条委員会その他をつくって進めていくべきだというふうに申し上げておきたいというふうに思いますし、またこれを議論するときがあれば、また議論をさせていただきたいなと思います。
 そこで、今コムスンという問題が社会的に起こっているわけでありますが、これ一部上場メーカーでございますし、いわゆるコムスングループという言ってみれば持ち株会社みたいな形になっているわけでありますね。こういう事件が起きて、株式会社の在り方として、一部上場メーカーとしてこういう問題については金融担当大臣、何かこれを問題を感じているということございますでしょうか。
#36
○国務大臣(山本有二君) お尋ねの件につきましては、当庁の所管外の事業を営む個別の企業に関する事柄でございます。金融庁としてのコメントは控えたいと思います。
 ただし、一般論として申し上げれば、企業経営に当たっては、関係法令等を遵守し、株主や顧客を始め様々なステークホルダーに対する十分な説明責任を果たすことがコーポレートガバナンスの観点から重要であると考えるところでございます。
#37
○峰崎直樹君 いや実は、我々、今公開株式会社法というのを大久保議員などを中心にしながら整理をしているところなんですけれども、このいわゆるグッドウィルというグループの持ち株会社、そして子会社の犯罪、それが起きたときに同じ子会社にいわゆる譲渡してしまうと。これ要するに、グッドウィル、子会社が犯した罪は親会社も当然これは負うんですよという責任が完全に欠けているんじゃないか、法的に。
 私は、前から言っているように、連結して決算をしますということは、連結納税、連結決算、ここまでは来たけれども、連結責任というのがないんですよ、日本のこの持ち株会社の中には。だからこういう問題が起きるんですよ。だから親子上場みたいなものがどんどんはびこるんですよ。資本市場の大きな問題点だと思いますけれどもね。
 だから、そういうことを直すためには、この企業結合法制、あるいは公開会社法という形で、こういうときの、子会社や孫会社で支配している会社で起きてくる問題点は責任は全部親会社が負いますよと、この責任をきちんとさせるための法制化が要るんじゃないですか。そのために私はコムスンの問題を取り上げたわけですよ。
 同じことじゃないですか。金融持ち株会社って、ほとんど金融持ち株会社になったんじゃないですか、今。大きな銀行はみんな。同じこと起きますよ。子会社で起きても親会社は、いやそれは子会社がやったことだ、子会社のもうけたものはおれのものだ、子会社に人事を配置する、それはおれの権限だと、そういういいとこ取りだけをやっているんじゃないですか。そういうことについての問題意識というのはないんですかということを聞いたわけです。
#38
○国務大臣(山本有二君) 上場会社等に対して、投資家保護等の観点から、一般の会社法制に加えてより高次の規律が求められるべきという御意見は、大変傾聴に値する意見であろうと思っております。
 しかしながら、現行の証券取引法を見ますと、情報開示等におきまして会社法とは異なる規定が既に設けられております。昨年成立いたしました金融商品取引法におきましても、コーポレートガバナンスの充実を図る観点から、上場会社の財務報告に係る内部統制の強化策等が講じられております。また、証券取引法に基づく証券取引所等の規制におきましては、適時開示やコーポレートガバナンスに関する規定の充実が図られているところでございます。
 こうした観点からして、新たに公開会社法を制定するということにつきましては、法制面を含め幅広い観点から検討をされる必要があろうというように思います。また、先生御指摘の持ち株会社と子会社の責任の面の観点、こうした点は特に上場会社におけるコーポレートガバナンスという点におきましての姿勢からもっと深く考え、また対策を講じていくという点は傾聴に値するものというように考えるところでございます。
#39
○峰崎直樹君 これは傾聴に値するじゃなくて、もう早くやってもらいたいんですよ。つまり、みんな民間委託、我々から見れば、官から民へとかおっしゃっているその民の中に、こんなにずっぽりと大きな問題を抱えた民が存在しているわけですよ。だから、これを早く成立してくださいと。恐らく責任まで全部、末端の子会社で行われていることの責任まで全部最終的に自分を負わなければならないとなったときに、今のように私はこのホールディング会社がたくさん出てくるということはないと思います。そこまで責任負えないよと、こうなるんですよ。だから、いいとこ取りだけやっているがゆえにこれ出てくるんで、経団連は反対でしょう、恐らく。だけれども、私はやはりこれをやらない限り、本当に民が我々が本当に信頼していい民にならない。そこで、大至急やっていただきたいということをお願いをしておきたいと思います。時間もありませんので、先に行きます。サミットの問題です。
 ハイリゲンダム・サミット終わりました。財務大臣、金融担当大臣にお聞きしますが、ヘッジファンドに関する宣言がこの文書の中に、経済宣言の中に組み込まれています。どのように受け止められているか、まず財務大臣、それから金融担当大臣にお聞きしたいと思います。
#40
○国務大臣(尾身幸次君) 今回のハイリゲンダム・サミットの成果文書におきましてヘッジファンドについて記述があるわけでございますが、これは先月財務大臣の間で合意されました方針がサミットレベルで確認されたものというふうに受け止めておりまして、この内容を歓迎しているところでございます。
 具体的に言いますと、一つは、このヘッジファンドの活動は自由経済メカニズムの促進に貢献しているというプラスの評価があり、その反面、潜在的にリスクは複雑化して大きな問題を引き起こす可能性がある。二つ目がそのために取引金融機関、いわゆるカウンターパーティーと言っておりますが、取引金融機関によるリスク管理や業界団体による実務慣行の見直しを通じて問題を未然に防止していくことが必要であるという点で、財務大臣会合で合意をされましたが、それが首脳レベルでも確認されたというところでございます。
 さらに、本年十月以降、各国の国際機関の金融の専門家の集まりであります金融安定化フォーラム、フィナンシャル・スタビリティー・フォーラム、FSFと言っておりますが、このFSFからその提言の履行の進捗に関して財務大臣が報告を受け、議論をしていくことへの首脳の期待も証明されております。
 我が国といたしましても、ヘッジファンドの活動を引き続き注視してまいりたいと考えております。
#41
○国務大臣(山本有二君) さきのサミット、またそれ以前のG8で尾身大臣に御活躍いただいたヘッジファンドの問題でございますが、このヘッジファンドにつきましては、金融システムの効率性に貢献している側面を踏まえた上で、その活動に伴う様々な潜在的リスクを警戒、注視していくことが重要であるという宣言であろうと思っております。
 今回のハイリゲンダム・サミット首脳宣言、こうした認識の下で業界や金融機関なども含めたヘッジファンド関係者がヘッジファンドに伴う様々なリスク等に対処する上で、それぞれ期待される役割について確認されたものというように受け止めております。
 金融庁といたしましては、ヘッジファンドを含むファンド一般につきまして、金融商品取引法によりファンド持分の販売、勧誘、投資運用、開示に関する規制を導入するということにしましたし、金融機関への検査・監督を通じまして適切なリスク管理の実現を図っていきたいというように思っております。この取組の方向性はサミット首脳宣言に示された考え方と一致しているというように考えております。今後とも海外当局や国際機関と連携しつつ、ヘッジファンドについて適切な対応を取ってまいりたいというように思っております。
#42
○峰崎直樹君 この受け止め方なんですけれども、十月に金融安定化フォーラムが秋にヘッジファンドに関する報告書を出すということが確認をされたわけですけれども、これは方向としては、ドイツのメルケル首相なんかが言っているように、これはやはり実は大陸の、ヨーロッパの金融資本というのは、そこは厳しくやはりかなり規制していかなきゃいかぬと。つまり、ヘッジファンドが果たしているかなり活発な利点もあるけれども、しかしそれ以上に問題は非常に大きいということをずっと指摘をしてきて、これで、秋にG8ですか、G8で進めるということなんですが、これからはヘッジファンドに対する今まで比較的自由にしかも、やりたい放題というふうな表現がいいかどうか別にして、今金融担当大臣がおっしゃられたような規制というのは、ややこれはグローバルスタンダードとして認められる方向になってきているのかどうか、これは財務大臣、どうなんですか、G8出られていて。
#43
○国務大臣(尾身幸次君) ヘッジファンドについての議論は、財務大臣会合におきましてはいろんなニュアンスの違いがございます。
 主としてドイツでございますが、やや規制を強化したいという感じが強かったわけでありますけれども、ほかの大部分の国はむしろ自由経済メカニズムの促進に貢献しているというプラスの面についての評価をしっかりとしておりまして、しかし潜在的なリスクはあると、それについては十分注視をしていこうと。こういうようなことで先ほどお話の出ましたハイリゲンダム・サミットにおきましてもそういう方向での文書になっていると理解をしております。
#44
○峰崎直樹君 どうも我々が気が付いてみたら、ヨーロッパの人たちのもっと規制を強くしろという声が私はどんどん広がってくるんじゃないんだろうかという気がしてならないわけです。これは秋のまたこのG8の会合で出される金融安定化フォーラムの報告書を我々は注意深くまた見ていかなきゃいけないと思いますが、もうこれはたしか二〇〇〇年に一回出しているんですね、報告書を。また、様々なこれはまた改革を加えられるだろうと思いますが、是非また中途で知りたいなというふうに思っております。
 そこで、もう一つサミットで、別に三角合併と書いてあるわけじゃないんですが、サミットのこの経済宣言をよく読んでみると、外国投資に関する規制は原則禁止と。要するに、安全保障上、どうしてもこれは規制を加えなきゃいけないもの以外は基本的には外国投資というのは原則的には規制は禁止ですよと、こういうふうに書かれているわけでありますが、いよいよ三角合併は五月一日から解禁はされてくるわけでありますけれども、この三角合併にこの問題、日本で税務の問題だとか税の扱いだとか、そういうことを通じて三角合併、非常に影響を与えていると言われていますが、財務大臣あるいは金融担当大臣、この三角合併に対する影響というのは、要するに日本のいわゆる三角合併に対する様々な対応策というものは、これからは余り、何というんでしょうか、外資に対して乗っ取られるとかなんとかという、そういうようなたぐいの話というのはできにくくなったという、サミット宣言をそういうふうに読むというふうに私たちは見ているんですけれども、そういう見方でよろしいんでしょうかね。
#45
○国務大臣(尾身幸次君) ハイリゲンダム・サミットの成果文書につきましては、投資の自由化について我々は外国投資に対する国家的規制を最小化することを引き続きコミットする。こうした規制は、主に国家安全保障に関連する極めて限定的な事例にのみ適用されるべきであるというふうにされているわけでございます。
 我が国の対内直接投資の規制は、OECDの資本自由化に関する規約に基づいて既に国の安全等に支障を来すおそれがある場合にのみ規制を行う仕組みとなっておりまして、今般のサミット合意によって我が国が更なる投資自由化を行うことになるというわけではないと理解をしております。
 本年五月より解禁された三角合併は、実体のない会社を利用したものを避けるために外国法人株主等の得る譲渡益について、合併会社が国内において事業実体を有する場合に限り非課税としたところでございまして、このような三角合併に関して今般のサミット合意を受けて、日本の企業を買収しようとする外国資本に対する規制に変更を加えることにはならないと考えております。
 いずれにいたしましても、今後とも引き続き開放的で透明性の高い投資制度の維持に努めてまいりたいと思っております。
#46
○峰崎直樹君 じゃ、先に金融担当大臣にちょっと。
#47
○国務大臣(山本有二君) 六月七日に採択されましたハイリゲンダム・サミット首脳宣言では、対内直接投資に関しましては国家的規制を最小化することに引き続きコミットする、こうした規制は主に国家安全保障に関連する極めて限定的な事例にのみ適用されるべきである旨合意したというように承知しております。我が国の対内直接投資規制は既に相当程度自由化されておりまして、今回のサミット首脳宣言が我が国の現行制度に与える影響は特段ないものと考えております。
 今の日本の規制につきましては、現在、経産省を中心に規制見直しが行われているというように思っておりますが、また、本年五月に解禁されました御指摘の三角合併は、内外を問わず合併に際しての対価の柔軟性を図ったものでございます。対内直接投資規制とは直接関係がございませんことから、今回のサミット首脳宣言が三角合併に特段の影響を与えることはないというように考えております。
 いずれにせよ、金融庁といたしましては、投資家保護の観点から、三角合併等を含む企業買収をめぐる取引の状況等につきまして引き続き注視してまいりたいというように思うところでございます。
#48
○峰崎直樹君 財務大臣にお伺いするんですけれども、三角合併で実体のない企業、子会社をつくっていくということについては、それは株式譲渡の譲渡益を税を掛けるとか、いろいろな、それについて認めませんよと、税を通じてやられているんですけれども、問題は、その実体のあるないの根拠というのは、これはもう省令か何かで定められているんですか。こういう会社なら実体があるとか、こういう会社なら実体がないとかという、そこは何らかの基準みたいなものは設けていらっしゃるんですか。
#49
○国務大臣(尾身幸次君) これは主として経済産業省の所管になるかと思っておりますが、要するに、ペーパーカンパニーのようなものは実体がない、現にビジネスをやっている企業の場合には実体があると、こういう考え方だと思っております。
#50
○峰崎直樹君 そうすると、SPCだとか投資事業組合だとか、いろんなものがありますわね。事実上これペーパーカンパニーじゃないかと思うような会社というのはたくさんあるんですけれども、そういうものは駄目だということなんですか。
#51
○国務大臣(尾身幸次君) そのとおりだと考えております。
#52
○峰崎直樹君 これから、恐らく秋口ぐらいからどんどん増えてくるんじゃないかというふうに言われていますので、このサミットで本当にどういう約束事を我々はさせられたのかということについてはこれからもきちんと見ていかなきゃいけないのかなというふうに思っております。
 そこで、実は前回質問しそびれたところがありまして、ヘッジファンドに絡んで、最近、中国が外貨準備の中からヘッジファンドに投資をしている、その活用を進めていると、こういうことなんで、たしか五月八日の経済財政諮問会議を舞台にして塩崎官房長官の方から、日本のいわゆる外為特会の運用というのはもうちょっときちんと、国民にとって最大限の利益が上がるようにもう少し運用を考えたらどうだと、こういうような意見が出て、財務大臣が随分それに対して反論されているような事例がございました。
 こういうことに対して、財務大臣、改めて外為特会、相当、まあ確かに財源がたまっていることは間違いございませんが、その運用についてはどんなお考えを持っていらっしゃいますか。
#53
○国務大臣(尾身幸次君) ほかの国の外貨準備に関して私からコメントすることは必ずしも適切じゃないと考えておりますが、我が国の外貨準備の運用に当たりましては、安全性及び流動性に最大限留意しつつ、その範囲内で可能な限り収益性を追求する必要があるというふうに考えております。
 一般論として申し上げますと、個々の民間企業に対して出資する等のハイリスク・ハイリターンの運用を外貨準備において行うことについては、公的部門の果たすべき役割とか、あるいは外貨準備の安全性、流動性の確保の観点から見て、慎重であるべきであるというふうに考えているところでございます。外貨準備という資金の性格上、リスクテークをすることについては極めて慎重でなければならないというふうに私は考えておりますが、しかし外国の事例等については今後とも勉強をさしていただきたいとは思っております。
#54
○峰崎直樹君 金融担当大臣にも同じ質問をしていたんですけど、これは今日はちょっと時間もありませんのであれとして、この外為特会の、今、性格論でなかなかリスクをそんなに取るわけにいかないんだということなんですが、これは、言ってみれば、過去何十兆円も一年間の間に発行して、円高を阻止するためにということなんですが。今、大臣、大幅な円安なんでしょうか、百二十一円というのは。これ、百二十何円というのは、一見すると、いやいや、昔三百六十円だ、二百四十円だとかから見りゃ円高だと言えるかもしれないけど、実質的ないわゆる貿易のいろんな統計から判断すると、相当大幅な今円安になっているというふうに思います。
 そこで、私は、例えば円高になったときにはすぐ介入するんですよ。円安になったら、いや、今はもう市場に任せておいたら百二十一円でずっと停滞しているよと言うけれども、実際上はこれ大幅な円安に落ちていると。であるならば、逆に言えばこれ、我々がドル買いをしたんじゃなくて、今度は円買いをしていくという、逆にですね。為替介入という意味で私言っているんじゃなくて、これだけずっとためているけれども、やがてこれどう転んでいくか分からないけれども、その外為特会を正常化するという点で、あるいは我々の、大幅な円安になっていることは、日本の経済構造の体質を強くすることに関して私は円安がずっと続くというのはあんまりいいことでないと思っているんですよ。
 そういう意味では、少しずつ、それこそ、逆に、昔は円高だったんだからドルを買っていたけれども、今度は逆にある程度販売しておくというのは、日本の将来のことを考えていくと非常に重要なんじゃないかなと思うんですよ。そういった発想をお持ちになりませんでしたか。
#55
○国務大臣(尾身幸次君) 私どもとしては、為替レートの水準につきましては経済のファンダメンタルズを反映するべきであるというふうに考えておりまして、そしてもう一つは、現在の世界全体、日本も含めまして経済のファンダメンタルズは極めて順調である、順調な経済の成長を遂げているというふうに認識をしております。
 この為替レートがどうあるべきだということについては、先ほど申しましたように、ファンダメンタルズを反映すべきであるという基本的な考え方については申し上げておりますが、現在の為替レートの水準がどうかということについてはコメントを差し控えさしていただきたいと考えております。
#56
○峰崎直樹君 私は、これ輸出産業にとってみれば、これは本当に補助金を与えているようなものだと思いますよ、私は。今、日本の経済、昨日GDPの修正速報があったけれども、輸出でもっているんでしょう。いや、だから今の政策正しいと言っているんじゃないんですよ。内需主導型の日本経済に転換をしなきゃいかぬときに、こういうような円安をずっと放置していることが果たして正しいんですかということなんですよ。いや、それは今の水準が高い低いの評価は今おっしゃられたけれども、要するに、一九七三年のあのレートから比べてみて今の為替水準がどんな状況になっているのかという実質で見て我々は判断しなきゃいけないんですよ。
 日本の将来産業をどう強めていくかというときに、円安がずっと続いていくということについては、私は、これについては、やはりある程度の、それこそファンダメンタルズじゃないですけど、将来の日本経済を強くしていくという点についてはそうだし、日本の、我々のいわゆる所得がどんどんどんどん今GDPの一人当たり所得というのは落ちているんですよ。何で落ちているかと。これ、我々の円の価値がどんどんどんどん今実質為替レートで下げられているんですよ。
 どうも私はそこのところは、我々、この百二十一円、ああ、過ごしやすいなというふうに思っているのかもしらぬけれども、私はここのところは、よほどしっかり日本の経済構造をどう変えていくのか、私たちの内需主導型の経済にどうやって持っていくのか、国民生活をどう上げるかという観点からやっぱり考えてみる価値があるところだと思っているんです。
 そういう意味で、今の、財務大臣として具体的にこうします、ああしますとそう簡単に言えないのかもしれませんが、今の私は為替管理の在り方について大変危機感を持っているというふうに申し上げて、もしコメントがあればコメントをいただいて、コメントをしていただきたいと思うんですが、その上で私の質問は終わりたいと思います。
    ─────────────
#57
○委員長(家西悟君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、大塚耕平君が委員を辞任され、その補欠として直嶋正行君が選任されました。
    ─────────────
#58
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
 今日、三十分の一般調査のお時間いただきましたので、二つか三つほど時間のある限りお聞きしたいと思っております。
 全般的なテーマとしましては、利用者保護あるいは顧客保護ということについてお聞きしたいと思っております。
 最初に、クレジットのカードの過剰与信ということにつきまして、経済産業省の皆さんにお聞きしたいと思っております。先般、党内におきましてクレジット過剰与信のいわゆる被害者の方からのお話をお聞きしました。この方は六十四歳の女性で、精神症状を有する方でございました。五年半の間に百十四件のクレジット契約、個品割賦販売でございますけれども、総計七千四百万という大量の呉服を次々販売されたという方でありました。
 また、賃貸のアパートに住んでおられる母子家庭の親子に対しましてもお聞きしまして、この方々もいわゆる呉服などを中心として次々販売ということでございました。この母子家庭のケースを拝見しますと、今日はお手元には配っておりませんが、ある信販会社との契約書を見ますと、これ、借入れの残高が九百万もある。年収のところを見ると百万円以上に丸が付いておりまして、次の項目が二百万円以上ということですから、百万円以上二百万円未満という年収ですね。そういう御家庭、母子家庭でありながら融資決定は五百五十八万円という融資決定をしておられました。また同様に、この御家庭のお子様がいらっしゃいまして、この母子家庭のお子様への契約書も手元にございますが、これを見ると、税込み年収がゼロ万円と書いてあるんですよ。利用中、他社のローン残高は一件百五十万円と。つまり、無職のお子さんに対して、しかも他社に百五十万円のローン残高がありながら、ここでは二百五十八万円ぐらいの債務承認弁済契約申込書なるものを発付しているというようなことでございました。
 いわゆるこういう次々販売と言われるものにつきましては、高齢者の被害者が多いと言われておりますけれども、最近は主婦とか子供たちへも、若年層へも広がっているというふうに思っております。
 この割販法の三十八条では、割賦販売業者等は、共同して設立した信用情報機関を利用すること等により得た正確な信用情報に基づき、それにより購入者が支払うこととなる金が当該購入者の支払能力を超えると認められる割賦販売、ローン提携販売又は割賦購入あっせんを行わないよう努めなければならないという。要するに、支払能力を超えた割賦販売というものは避けなければならない、そして信用情報機関等を利用してどのぐらい支払能力があるかということも踏まえて契約を結ばなければならないと、こういうふうに法律では定められておりますが、今申し上げました事例は、決して非常に特殊な数少ない事例ではないというふうに私は思っておりまして、正直申し上げれば、こうした過剰与信が常態化しているということであれば、割販法三十八条の精神がこれは踏みにじられているんじゃないかと。もっと言えば、この割販法の三十八条は、いわゆるねばならないという訓示規定になっておりますけれども、これではなかなか効力が上がっていないんではないかというようなことも感じるわけでございます。
 今日、ここで何か結論を出すということではもちろんないと思いますし、政府内におきましても様々議論をしていることも承知しております。我々もこの議論を党内でもいろいろしているわけでございますけれども、こうした個品割賦における次々販売への対応ということで、今私が申し上げました、いろんな論点ございますけれども、特にこの過剰与信ということについて、今の実態を踏まえて、また法律の規定がそのとおりになっていないという実態も踏まえて、御所見をまず政務官にお聞きしたいと思います。
#59
○大臣政務官(松山政司君) お答えいたします。
 国民生活センターの集計でございますが、全国の消費生活センターに寄せられた消費者トラブルの相談件数に占める六十歳以上の比率が確かに近年増加をいたしております。特に訪問販売につきましては、平成十七年度の相談件数の約四五%は六十歳以上の高齢者によるものとなっております。
 また、訪問販売による売買契約を結んだ相談事例を支払方法別に見ますと、支払方法が判明している事例の約三分の二がクレジットによるものとなっております。さらに、その九割がクレジットカードではなく、商品の売買のたびにその支払について個別にクレジット契約を結ぶいわゆる個品割賦購入あっせんというものになっております。
 こうした高齢者等をターゲットとした悪質商法の被害が拡大している背景には、クレジットがあるために消費者が悪質な訪問販売業者の勧誘を断り切れずに契約を結んでしまうと、またさらに、クレジット事業者の与信審査が必ずしも十分ではないためにクレジット契約が安易に結ばれてしまうといった事情が指摘をされているところでございます。
#60
○西田実仁君 そういう中で、今申し上げました割販法の中身の話ですけれども、訓示規定になっていてなかなか効力が上がっていないんではないかというふうに私は問題意識として持っておりますが、この点はいかがでございましょうか。
#61
○大臣政務官(松山政司君) 割賦販売法の第三十八条でございますが、クレジット業界が共同して設立した個人信用情報機関を利用すること等によりまして得た正確な信用情報に基づきまして、購入者の支払能力を超えると認められる与信を行わないよう努めなければならない旨を規定したものでございますが、努力義務にとどまっているために、過剰与信防止のために必ずしも十分に機能しているとは言えないと認識をいたしております。
 そこで、現在、産業構造審議会におきまして、クレジット事業者に対する個人信用情報機関を利用した購入者の支払能力の調査義務付けなど、過剰与信防止のためのルールについてただいま議論を進めているところでございます。
#62
○西田実仁君 これから中間取りまとめ、また最終的な取りまとめと、議論は進んでくるんだろうと思いますけれども、今御指摘いただきましたように、この努力規定をどう変えていくのかということと絡めまして、いわゆる総量規制というか、そうした過剰与信が起きないように何らかの基準を設けてはどうかという意見もあろうと思います。
 しかし一方で、業界の方といたしましても、この四月から個品割賦販売における取扱いに関するガイドラインを設けていて、言わば自主規制をすることで適正な与信判断というものを行おうとしているということも承知しております。しかしながら、先ほど私が申し上げたような事例に顕著なように、何らかの、貸金業規制法の中でも議論がありましたけれども、そうした量の規制というものも必要ではないかという議論も依然として根強いと思っております。それは功罪があると思いますので、そうした総量規制、いわゆる過剰与信基準ということについての功罪、課題、こういうことがもし整理されておりましたら、お教え願えればと思います。
#63
○政府参考人(谷みどり君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、悪質商法による高齢者を始めとする次々販売等の被害には非常に深刻なものがあり、これを防止するために様々な形で取組を行う必要があると考えております。
 まず、第一義的には、この悪質な販売を行う販売者に対する特定商取引法に基づく規制、そしてこれと手を携えて割賦販売法に基づく規制を考える必要があると思っております。販売方法が不適正であるという場合、これは総額のいかんによらず、不適正なものとして処分ないし適切な対処を行う必要があると考えております。
 このような観点から、先生御指摘のとおり、様々な被害の実態があるということを踏まえまして、今後の方向につきまして鋭意消費者を守るという観点から検討してまいりたいと思っております。
#64
○西田実仁君 もちろん、割販法だけではなくて、特商法も含めてというお話でございました。
 今私がお聞きしたのは、過剰与信というところに絞って、幾つも論点ありますので、時間の限りもあるので、過剰与信をどう防いでいくのかという点のみ今日は取り上げております。その中で、そうした基準なり総量規制みたいなことが必要ではないかという議論が根強いことも事実だと思うんですね。ただ、その場合には、いろんな功罪があるだろうということも承知しているわけでございまして、もしそういう基準を設けるということについての功罪ということの観点から何かありましたら、追加でお願いしたいと思います。
#65
○政府参考人(谷みどり君) まず、一義的には販売方法によることと考えております。例えば、割賦購入あっせんというクレジットの形態を取る訪問販売、まあキャッチセールスなども含めてですが、こういった分野に対する規制をどう考えていくか、あるいはそういった場合の個人情報の例えば信用のチェックをどう考えていくか、先ほど先生が御指摘ありましたとおり、三十八条は努力規定でございますので、これが不十分ではないかという認識を私ども持っております。
#66
○西田実仁君 この悪質業者をいかに排除するのかということについて、次はお聞きしたいと思います。
 実際にこのクレジットという仕組みを利用して悪質業者がそれを利用しているということも随分見られるわけですね。じゃ、クレジット会社、信販会社が加盟店をきちっと管理すればいいじゃないか、いわゆるそういう悪質業者とかいかがわしい業者をしっかり排除すれば別にこういう問題にはなかなか結び付かないんではないかと、こういうことはもうずっと言われているわけなんですよ。
 しかし、近年、特にそういう意味では、そうした悪質業者が排除しようと思ってもどんどん入ってきてなかなか減っていかない、これは信販会社による加盟店の管理というのがなかなかうまくいかない何らかの背景があるんじゃないかと、こう思うわけですけれども、その点いかがでございましょうか。
#67
○政府参考人(谷みどり君) 先生御指摘のとおり、現在、加盟店の管理あるいは調査は十分ではないと考えております。この背景の大きな一つの要因として挙げられますのが、割賦販売の個品購入あっせんが全く参入自由であるということです。業界団体でいかにガイドラインを決めましても、また心ある事業者がそれを遵守しようといたしましても、参入が全く自由であるという中で、そのガイドラインを守らない事業者があちこちで散見されるということも事実でございます。この全く登録制さえしいていないという業態がこのままでいいかということも重要な論点であろうと考えております。
#68
○西田実仁君 この参入規制の問題も確かに重要な論点だと私も思います。
 加えて、いわゆる割販法三十条の四でいう抗弁、対抗の話でございますが、結局、未払金については支払の拒絶ができますけれども、既払い金については拒絶ができないということに相なりますと、そもそもそういう悪質業者が仮にいたとしても、できる限り既払い率を高めて危ないいかがわしい加盟店との取引は徐々に減らしていくことによって、未払金自体は信販業者の損害になりますけれども、既払い金についてははっきり言えば消費者にツケが回ると、こういう構造的な問題もあるんではないかと、こう思いますけれども、その点いかがでございましょうか。
#69
○政府参考人(谷みどり君) 先生御指摘のとおりでございまして、今販売業者がいかに悪質なことをし、例えば書面の不備、非常に、例えば十九歳を二十歳と偽ってクレジットを出させるなど様々な悪質な行為を行っておりますが、いかにこういう悪質行為が行われても、それは販売業者の出した書面でクレジット会社の瑕疵ではないというような議論をクレジット業者が行うという事例が散見されます。
   〔委員長退席、理事峰崎直樹君着席〕
 このような事例に対処するために、例えば書面の交付を販売業者だけしか今義務付けていないと、このようなことでは、せっかく裁判にまで持ち込みましても、消費者が勝訴できるような判決を得ることが極めて難しいという実態がございます。このような悪質商法に加担したようなクレジット会社に対して、消費者がいかにして正当な判決を得ることができるか、そのための立証をいかにしてクレジット業者に負わせるか、例えば書面交付義務その他のことをどう行えばより良い判決が得られるかということにつきまして、今法律の専門家あるいは法曹界の方々のお知恵を拝借し、現行の日本の法制度の中でどこまでいい制度をつくることができるか検討をしております。先生の御指摘も踏まえまして、一層力を入れてまいりたいと思っております。
#70
○西田実仁君 今御指摘なさったことは、いわゆる販売業者と信販業者ともに、これは共同責任規定というところまで発展する議論になるんでしょうか。
#71
○政府参考人(谷みどり君) 法律の専門家の先生方の間で様々な議論がございます。日本の民法を始めとする法体系の中で、今の共同責任論という立論がどこまで適切あるいは可能であるか、あるいはほかの立論によってより良い判決を得ることが可能になるか、この点は法律の議論がございます。
 私ども、専門家の御意見を承りながら前に進んでまいりたいと思っておりますが、法律家の専門的な御判断も重要であると思っております。
#72
○西田実仁君 このカードとかクレジットそのものは利便性が高いし、また今後ますます発展していくとは思うんですけれども、その前提として利用者の保護とか顧客保護ということがきちっとしたベースがないと安心して使えない、こういうことでありますので、今いろいろと政府の方でも議論をなさっておられるというお話です。さらに、今の論点も含めて、ほかにも幾つもあろうと思いますけれども、我々もまたその議論に少しでも貢献できるようにしていきたいと、こう思います。
 じゃ、もしあれだったら、政務官、もう結構です。
#73
○理事(峰崎直樹君) じゃ、退席してください。
#74
○西田実仁君 次に、お手元に配らせていただいたグラフは銀行カード被害についてです。ちょっとタイトルに不備がございますけれども、これは被害者団体の方々が作られたグラフでございまして、被害時期別補償された割合(部分補償含む)と書いてございますのは、何の被害かということが書いてありませんでしたが、盗難キャッシュカードの被害時期別補償された割合(部分補償を含む)ということでございます。
 二〇〇一年以前から直近に至るまでこの被害者団体のところに寄せられたケースを基にして金融機関全体での補償の割合と、中でも都銀、郵政公社を取り出しての補償の割合ということがここに載ってございます。全体としては二百三十件ほどの統計でございます。金融庁さんの方でもっと多くの統計を取っていることも承知しておりますけれども、そうした統計に表れない、声なき声も含めての統計でありますので、お手元に配らせていただきました。
 ここで今日お聞きしたいことは、かつてもお聞きしておりますけれども、この預金者保護法の附則の第二条のところには、過去被害についての最大限の配慮ということがうたわれております。
   〔理事峰崎直樹君退席、委員長着席〕
 しかし、ここを見ていただいて分かることは、預金者保護法施行以前の一つ一つ年度ごとの数字を正確に見るというよりも、全体としての傾向を是非見ていただきたいんです。それは、都銀、郵政系については補償割合が全体よりも高いという、逆に言うと、地域金融機関の補償割合が低いということになると思います。各年度ごとというよりも、全体の累計の数字を私自身も見ておりますと、金融庁さんが発表なさっている金融機関全体での補償の割合というのは大体三分の二ぐらいは補償している、盗難カードについて。しかし、補償してないのはやっぱり三分の一ぐらいあります。いろんな個々のケースで理由があるわけでございます。それが金融庁の数字です。今のお手元のグラフを類型化した数字を見てみますと、その内訳でございますけれども、補償している都銀、郵政公社の割合は五割を超えておりますが、一方で地域金融機関は三割強というふうになってございまして、すなわち、いわゆる法律の附則に定めている最大限の配慮という過去被害に対する補償については金融機関によってばらつきがあると、そして、とりわけ地域金融機関でのこうした法の精神に基づいた措置というものがまだまだ十分ではないケースが散見されるということでございます。
 是非、この地方銀行、信金等の地域金融機関の盗難カード補償状況を踏まえて、こうした法の精神がより徹底されるように、繰り返し要請いただいているとは思いますけれども、大臣から、この数字を見ながら、このばらつきをできる限りなくして、もちろん個々のケースでいろいろ事例はあると思いますけれども、この最大限の配慮というものが過去被害についても行われるようにしていただきたいと思いますが、御所見をお伺いしたいと思います。
#75
○国務大臣(山本有二君) 預金者保護法にはその施行前に発生した被害についての統一的な補償基準はございません。附則第二条におきまして、施行前の被害につきましては法律の趣旨に照らし最大限の配慮が行われるものとするとされております。各金融機関はこうした法の趣旨を踏まえてそれぞれの判断に基づいて法施行前に発生した被害に対応してきておりまして、これまでもある程度法施行前の被害への補償は行われていると承知しております。
 当庁といたしましては、各金融機関、関係団体に対しまして附則第二条の規定を踏まえた対応を取るよう繰り返し要請してきたところではございますが、引き続き、御指摘を踏まえまして、金融機関に対して適切な対応を求めていくつもりでございます。
#76
○西田実仁君 是非ともよろしくお願いしたいと思います。
 残りの時間は、昨日ですか、発付されました、業務改善命令が出されましたけれども、特に投信の窓販に関して初めて業務改善命令が出されまして、詳しい事情は、時間もありませんので、もう大体皆さんも御承知だと思いますから省きますけれども、この顧客保護という観点からすれば、かなり基本的な、そんな難しいことではなくて、物すごく基本の基本というか、発注ミスをしたりしたらそれを謝るだけでいいということは普通、常識的にもあり得ないわけでございまして、当然原状を回復するというのは当たり前のことだと思いますけれども、そういうことすら行われていなかったということからすると、同様のそうした不祥事というか、顧客の利益に反する行為がほかの取引にももしかしたらあるんではないかということすら思わせてしまうという観点からしますと、今回のこの投信窓販に関する証券事件以外のことも踏まえた指導なり監督ということについてどのように取り組んでいかれるのか、お聞きしたいと思います。
#77
○政府参考人(佐藤隆文君) 昨日発出いたしました行政処分でございますけれども、この投信に関するものについては不適切かつ公平性に欠ける顧客対応が多数判明したと。その背景といたしましては、経営管理の体制あるいは内部管理の体制、法令遵守の体制、こういったところに重大な問題が認められたということでございまして、銀行の社会的責任と公共的使命を踏まえて、同行が速やかに内部管理体制等の改善に全力を挙げて取り組んでいただくことが必要だと思います。
 ほかの金融機関を含めた全体の中でこういうことが広く起きているのではないかという点につきましては、現時点におきましてそのような実態を私どもは把握いたしておりませんけれども、今後、通常の検査・監督を通じてそういう事態がありましたら、同様に的確な対応を取っていきたいというふうに思っております。
#78
○西田実仁君 今回のこの証券事故に対する対応というのは、やはりその背景としていわゆる営業成績とのかかわりということもあるんじゃないかというふうに非常に思うわけですね。
 こうしたことを引き起こす要因、背景、これについてはどういうふうに認識し、それについてはどういう監督なり要請をしていかれるんでしょうか。
#79
○政府参考人(佐藤隆文君) 今般の三菱東京UFJ銀行の投資信託の販売におきましては、先ほど申しましたような行内の相互牽制体制あるいは内部管理体制に重大な問題が認められたということでございます。
 より具体的には四点ほどに集約させていただきますと、第一点といたしまして、営業店からの事務処理ミス報告を受けて対応を指示すべき本部の事務関係部署において、営業店を旧行別、旧東京三菱銀行、旧UFJ銀行と、こういう旧行別に担当する体制を取りながら担当者間で十分な連携が取られておりませんで、営業店によって顧客対応に差異が生じると、こういう実態がありましたが、これを見過ごしたということ、それから第二点といたしましては、コンプライアンスの関係部署におきまして事務処理ミス事案の対応を事務関係部署へ一任しておりまして、モニタリング体制が不十分であったこと、また第三点といたしましては、監査部門におきまして事務処理ミス事案に係る営業店の顧客対応の適切性を監査対象としていなかったことから、本件の実態を把握できなかったといったことがございました。また、第四点目といたしましては、旧UFJ銀行では過去に証券取引等監視委員会の検査を踏まえて適切な顧客対応が規定上明確に定められていたわけでございますけれども、合併後の新銀行におきまして、不備のある旧東京三菱銀行の規定を採用して、旧UFJ銀行の教訓が引き継がれなかったということがございました。御指摘いただきましたように、業績優先といったような風土が営業の現場であったといったことも、恐らく要因の一つであろうかと思います。
 このように、新銀行発足前後を通じまして、本部関係部署における相互牽制あるいは内部監査といった機能が十分発揮されなかったということでございますので、私どもからは業務改善命令を発出させていただき、こういったことを含めた全体としての経営管理体制、内部管理、コンプライアンス、ガバナンスを含めた全体としての経営管理体制の抜本的な改善に努めていただくようお願いしているということでございまして、そのための業務改善計画をお出しいただき、その改善計画の実施状況を今後フォローしていくということでございます。
#80
○西田実仁君 当該銀行は今年二月にも行政処分を受けているわけでございますので、それでしかも大変に大きな会社でございますし、今後そうしたきめ細かい改善、対応策の掌握等をしていただきながら、顧客が安心して取引できるように是非とも万全な体制をお願いしたいと思います。
 以上で終わります。
#81
○大門実紀史君 大門でございます。
 今日はサラ金の信用情報の扱いについて質問をいたします。
 質問に入る前に、この間の金融庁の多重債務対策の取組については大変敬意を表したいと、大変頑張っておられます。今度の十六日のシンポジウムを含めて、現場の方は大変喜んでおられますので、山本大臣の指導のたまものだというふうに思っておるところでございます。別に上げたり下げたりするつもりはございませんが、上げたまま質問をしていきたいと思うわけでございますけれども。
 現在、昨年の最高裁判決がありまして、また貸金業法の改正の流れがあって、利息制限法を超える利息の返還、過払い金の返還といいますけれども、その動きが強まっています。それを元本に充当して借金を減らすとか、もうむしろ借金は全部なくなって返してもらえる状態になるというようなことでございますけれども、こういう中、新たな問題が発生してまいりました。
 お手元に資料をお配りいたしましたけれども、全情連、全国信用情報センター連合会、これは全国三十三の信用情報機関の連合体でございますが、そこが利用者の信用情報の区分をいたしております。
 先ほど申し上げました過払い金返還をした人を、現行では、今の時点では債務整理に区分をしております。債務整理に区分されますと、ブラックリストといいますか、要注意の情報にリストアップをされます。したがって、そのために過払い金返還、これはもう当たり前の正当な権利ですけれども、したのが債務整理という区分になって、ほかのクレジットカードの与信を制限されたり、あるいはスーパーマーケットのポイントカードまでいろいろ制約されるというふうな事態になっておりまして、いろいろ不利益が生じております。
 これが今問題になっているわけですけれども、まず、山本大臣、確認したいんですけれども、そもそも利息制限法を超えた利息を返してもらうというのは、これは私法、最高裁判決に基づいて行っておられることですけれども、これは正当な権利の行使だというふうに思いますが、大臣の御所見はいかがでしょうか。
#82
○国務大臣(山本有二君) そのとおりでございます。
#83
○大門実紀史君 そういう正当な権利を行使したのに、自己破産とか含めたような債務整理に区分をされてしまっていろいろ不利益が出ているということでございます。
 その債務整理という区分にしたら苦情が多いので、今年の九月三日から、右の欄ですけれども、契約見直しというふうなことにまた区分を変えようという動きにはなっておりますけれども、過払い金返還で債務が消滅をすると、先ほども言いましたけれども、元々払わなくていいものを払わない、返してくれということで債務が消滅したと、だからこれは完済で十分なわけですけれども、にもかかわらず、どうしてもほかの人とは違うんだということで、マーキングをしたいと、フラグを立てたいということで、全情連ではこういう扱いにしております。
 何でこういう扱いにしたのか、全情連の事務局長さんに直接聞きましたら、サラ金各社が要望しているからだとおっしゃいました。じゃ、どんな理由で要望しているのかというと、過払い金の返還を請求するような人は多重債務者であると。しかも、その多重債務者は、返済能力がないのに借りてしまうような人だと。何といいますか、ギャンブルとか身持ちが悪いとか借金癖があるとか、そういう人だというふうにまず決め付けた上で、そんな人にまた貸していいのかと。だから、現場で、窓口で見分けの付くように識別をしてほしい。それで、最初は債務整理、それでいろいろ苦情が出たので今度は契約見直し、いずれにせよマーキングをするということだそうです。
 何だかもっともらしいことを言っているように思います。金融庁の若い役人さんもころっとだまされたりするんですけれども、ここは気を付けてもらいたいんですね。気を付けてもらいたいんです。
 そもそも法的な権利の問題でいえば、だれであれ司法判断に基づく過払い金返還は正当な権利の行使でございます。大臣がおっしゃっていただいたとおりです。特別扱いされるのがまずおかしいと。そもそも論がありますが、実態論としても、過払いの返還をする人はみんなそういう人とは限りません。返済能力ないのに、せっかく債務整理してもまたサラ金行って借りてしまうと、そんな人ばかりとは限りません。そこには、従来からありましたけれども、多重債務者に対する偏見というものが根強く残っているのかなと思います。
 具体的に言いますと、まず、過払い金返還する人は多重債務者とイコールではありません。多重債務者じゃない人も、この間の新聞報道とか金融庁のお知らせを見ていろんな情報をつかんで、ああ、そうか、過払いだったのかと、利息返してもらえるんだといって、別にそんなにたくさん借金してない人でも過払い金の請求をすることはあり得ます。普通の人が過払い金請求することもあるわけですね。ですから、普通の人がいるということです。
 二つ目には、過払い金の請求の中には、もちろん多重債務者の方が一定割合、相当いらっしゃいます。その方々も、過払い金返還で債務がなくなった後、新たな生活に今スタートされている方がたくさんいらっしゃいます。もう二度とサラ金なんかから借りないということで、生活再建に入っていらっしゃる方がいらっしゃいます。しかも、そういう方々はそもそも生活費が足りなくて、どうしてもサラ金から取りあえず借りたと。しかし、三割近い高金利ですから、返すに返せなくて多重債務に陥ったと。だから、利息制限法超えた利息を取っていることで生まれた多重債務者でございます。こういう人たちがいらっしゃいます。
 そして、業界が指摘するような方々もデータ的にいうと一割か二割いらっしゃるのは確かであります。にもかかわらず、この業界の区分というのは、今申し上げた三種類大体いらっしゃるんですけれども、全部その三番目の、どうしようもない、また借りてしまうような人たちというふうに決め付けて、全部に同じ区分を当てはめて、クレジットカードが使えないとかいろんな不利益を生じているということで、今、だから十数件ですか、訴訟になっております、裁判になっているというところでございます。
 これも大臣に伺いたいんですけど、本来、今回の法改正の趣旨にのっとれば、そういうあれこれではなくて、窓口に借りに来た人の与信をきちっと見極めて、資料を出していただいて、過去過払い金やろうがやるまいが関係なくて、そのときの与信をきちっと判断して貸していきなさいというのが今度の法改正の趣旨ではなかったかと思うんですが、その点いかがでしょうか。
#84
○国務大臣(山本有二君) 正にそのとおりが法改正の趣旨でございます。過払い金返還に支障のあるような行為は法改正の趣旨ではありません。正に過払い金返還は正当な権利の行使だと思っております。
#85
○大門実紀史君 ありがとうございます。
 ですから、法改正の趣旨にそのままきちっと業界が取り組もうということであれば何も要らないんです、こんなことは。この余計な区分、しかも不明確で、みんなをそういう区分にしてしまうような、レッテルを張るような区分は何も必要ないというふうに思います。
 もう一つ問題なのは、このサラ金系の全情連だけこんなことをやっておりまして、これはテラネットといいまして、信販会社を含めて百五十社が加盟しておりますもう一つの信用情報機関に連動しております。したがって、サラ金で借りた人の情報が、さっき言った信販会社のカードが使えないというような不利益が今生じているわけでございます。
 例えば、CICというクレジット系の信用情報機関ありますが、ここでは過払い金返還でも完済は完済ということで余計なことは情報を書き込みません。すべて返したら完済というふうになっているわけですね。ですから、この全情連系の信用情報ではこういう余計なものを付けられる、CICではもう何もない、完済は完済と。これは、これから信用情報の統一というのは重要になってくると思いますけれども、片やの信用情報機関ではブラックリスト扱いになって、片や、何も、もう完済してかえって与信能力があると、こんな変なことが今起きているわけでございます。こんな勝手な区分をつくって、全情連系も、サラ金系は利用者に迷惑を掛けているというのが現状だと思います。
 この新たな九月三日からの登録情報も私、大変問題だと思っております。四つのパターンに分けておりますけれども、一番は、もう完済は当たり前ですけれども、二番目、債務が不存在になったと、過払い金返還してもらってこれはもう完済でいいわけです。何も契約見直しなんて要らないわけですね。完済だけでいいわけです。三番目も、債務残高が残ったもの、これは延滞せずに支払っていれば何も契約見直しなんて付ける必要はなくて、ちゃんと支払っているというだけで何も要らないわけですね。四番目も変なんです、これ。債務の整理を行ったら、これはもう債務整理だけでいいわけです。何もそういう余計なことを書かなくても十分与信活動を行えるわけですけれども、こういうマーカーを付けているわけです。
 こうやって考えると、業界が言っている貸してはいけない人に貸さないためというのが本当なのかと。それはもうさっき言ったように、窓口に来たとき、ちゃんと与信判断すればいいことでございますから、そんな理由が本当の理由なのかというふうに思います。サラ金もそんなにばかでもありませんし、そんなに善意でもありません。貸すときは貸します。
 だから、要するに、この契約見直しといいますか、とにかく過払い金請求をした人だというマーカーを付ける意味は、いろいろ消去法で理由を考えると、残るのは、窓口に来たときに、この人は利息制限法を知っていますよ、過払い請求したことがありますよ、つまりうるさい借り手だと、うるさい債務者だと、窓口で要注意人物ということをまず判断すると。その上で貸すかも分かりませんけど、いずれにしても、まず情報として要注意人物として指定するために、とらえるためにやると。
 もう一つは、今の債務整理の段階が特にそうなんですが、過払い金請求をすると債務整理扱いにされる、知らないところではブラックリスト扱いにされる。そうすると、ほかのクレジットカードは使えないよと。つまり、これはここまで言うとちょっと考え過ぎかも分かりませんが、過払い金請求をやるとほかのクレジットカードが使えなくなるよというふうな抑止効果を、悪く思えば、そこまでねらっているのではないかと思ってしまうところでございます。そこまでは思われたくないんで、今度、契約見直しということに変えていこうということですけれども。
 いずれにせよ、大変、今回の法改正の趣旨を分かっていない、非常にこそくなことを、ほかの信用情報機関じゃなくてサラ金系だけがやろうとしているというのは変だなと私は思います。
 金融庁は全情連には指導監督の関係にはないと、現在はですね、言うわけですけれども、全情連が言っているように、これは業界から出た要望でこういう情報区分をつくったということでございますから、金融庁は業界には指導監督の権限がございます。ですから、こんなこそくなことを考えずに法改正にのっとってちゃんとした与信活動をやるべきだということを是非指導してもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。
#86
○政府参考人(佐藤隆文君) 御指摘のとおり、信用情報は貸金業者における適切な与信審査のために使われるべきものでございますので、その目的に沿った運営というものが重要であろうかと思います。
 御指摘のとおり、私ども今、信用情報機関に対して直接の指導監督の権限を持っておりませんが、何らかの形で、貸金業協会を通じた何らかの働き掛けが可能かどうか検討はしてみたいと思います。
#87
○大門実紀史君 もう今の御努力に尽きると思いますが、大臣も一言いただければと思います。
#88
○国務大臣(山本有二君) 改正の趣旨にのっとって誠心誠意な対応をしていただきたいというように思っております。
#89
○大門実紀史君 そういう御答弁もいただきましたので、時間はありますけれども、是非、その点で急いで御努力をいただきたいということを申し上げて、質問を終わります。
#90
○委員長(家西悟君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午前十一時五十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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