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2007/06/15 第166回国会 参議院 参議院会議録情報 第166回国会 財政金融委員会 第18号
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2007/06/15 第166回国会 参議院

参議院会議録情報 第166回国会 財政金融委員会 第18号

#1
第166回国会 財政金融委員会 第18号
平成十九年六月十五日(金曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月十四日
    辞任         補欠選任
     大野つや子君     片山虎之助君
     金田 勝年君     岡田 直樹君
     佐藤 昭郎君     小泉 昭男君
     円 より子君     藤本 祐司君
 六月十五日
    辞任         補欠選任
     山下 英利君     野村 哲郎君
     山本 順三君     椎名 一保君
     尾立 源幸君     柳澤 光美君
     大塚 耕平君     広中和歌子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         家西  悟君
    理 事
                沓掛 哲男君
                中川 雅治君
                大久保 勉君
                峰崎 直樹君
    委 員
                泉  信也君
                岡田 直樹君
                片山虎之助君
                岸  信夫君
                小泉 昭男君
                椎名 一保君
                田中 直紀君
                野村 哲郎君
                池口 修次君
                尾立 源幸君
                富岡由紀夫君
                広田  一君
                広中和歌子君
                藤本 祐司君
                柳澤 光美君
                西田 実仁君
                山口那津男君
                大門実紀史君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        山本 有二君
   副大臣
       内閣府副大臣   大村 秀章君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        田村耕太郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤澤  進君
   政府参考人
       金融庁総務企画
       局長       三國谷勝範君
       金融庁監督局長  佐藤 隆文君
       金融庁公認会計
       士・監査審査会
       会長       金子  晃君
       金融庁公認会計
       士・監査審査会
       事務局長     振角 秀行君
       法務大臣官房審
       議官       後藤  博君
       国土交通大臣官
       房審議官     和泉 洋人君
   参考人
       日本公認会計士
       協会会長     藤沼 亜起君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○公認会計士法等の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○電子記録債権法案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(家西悟君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日までに、大野つや子君、金田勝年君、佐藤昭郎君、山下英利君及び円より子君が委員を辞任され、その補欠として片山虎之助君、岡田直樹君、小泉昭男君、野村哲郎君及び藤本祐司君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(家西悟君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 公認会計士法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として金融庁総務企画局長三國谷勝範君外五名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(家西悟君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(家西悟君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 公認会計士法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に参考人として日本公認会計士協会会長藤沼亜起君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(家西悟君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(家西悟君) 公認会計士法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○峰崎直樹君 今日は藤沼参考人、大変お忙しいところ、わざわざ時間を差し繰っていただきましてありがとうございました。また、公認会計士・監査審査会の金子会長にも出ていただきまして、本当にありがとうございました。
 早速いわゆる公認会計士法の質疑に入らせていただきたいと思うわけでありますが、私にとってみますと、最初に日興コーディアル問題あるいはライブドア問題を含めて質問して一年半、この問題にずっとタッチしてまいりました。
 改めて、旧中央青山監査法人が事実上消滅をする、自主解散という形で七月三十一日付けでなくなってしまうということでございますが、このことについて、金融担当大臣、あるいは公認会計士協会の藤沼会長、現段階においてどのように考えておられるのか、どう評価しておられるのか、率直にお聞かせ願いたいと思います。
#9
○参考人(藤沼亜起君) 藤沼でございます。
 みすず監査法人がこの二月に事務所の自主的な終息といいますか閉鎖を決意したというのは私としては非常に残念な、まあ個人的には残念だと。ただ、苦渋の決断であったのかなというふうに思っております。
 といいますのは、みすず監査法人の前身の監査法人である中央青山監査法人は、特にカネボウの粉飾決算に関与したということで、関与社員が逮捕される、起訴される、そして地裁の判決を受け入れたというようなことの経過がありますし、また昨年は、七月、八月、業務停止処分を受けたということで、そのようなことから、みすず監査法人の監査法人としての信頼、ブランド力というものが非常に毀損したということで、あの時点から以降、今回の二月の初めごろまでに約二百社ぐらいの上場会社をなくしているわけですね。そういうようなことで、顧客も徐々になくなっていく、また従業員も、あらた監査法人の設立がありましたけれども、かなり辞めていくと。
 その中で、三月決算を迎えて、ほかのやっぱり同業の人の事務所の職員が、いろんな手で職員の勧誘を行う、あるいはコンサルティングファームとか企業も含めて職員の引き抜きを行うと。そういうような中で、三月末決算がきちっとできるのかどうかと、こういうような現実問題を抱えたわけでございまして、その中で、やっぱりそういうような動きをストップするにはそれなりの大きな決断を示さなければ、職員の動揺も含めて、ほかの同業その他のいわゆるコンサルティングファーム等の引き抜きが止まらないだろうというようなことで、最終的にああいう決断をしたということで、これを見ますと、やはり監査事務所は信頼を失うとその信頼に対する脆弱性が非常に大きいということで、これは一般の民間企業と必ずしも同じではないと、特に物すごく大きな脆弱性があるということで解散の決定をしたのではないかと思っております。
 これを私どもは真摯に受け止めて、こういうような信頼失墜がもう二度と起こらないようにきちっとした監査事務所の業務体制を確立して信頼できる仕事をしなくてはいけない、そういうふうに思っております。
 以上でございます。
#10
○峰崎直樹君 金融担当大臣、今の藤沼参考人のお話を聞いていて、私はこの旧中央青山監査法人は、恐らくカネボウ問題、その前の足利銀行あるいは山一証券、ずっともう、旧中央青山というのは我々からすると粉飾決算がずっと連続して起きているわけですよね。そのときにたしか二か月の業務停止という大変重い処分がございましたね。その後にこの日興コーディアル問題が起きたわけです。その当時の、日興コーディアル問題の当時の理事長は奥山さんでございました。そして、〇六年の日興コーディアルの決算、これも私に言わせればかなり粉飾に近いところを指導していったのも奥山さんで、もう辞められて、あとの清算法人は片山理事長が引き継いでやられるんだろうと思いますが、大変お気の毒だなと思って、大変私自身は、この場に二度もお呼びして片山さんからいろんなことをお聞きしたんですけれども。
 その意味で、自主解散をしなければ二か月間の業務停止という処分をいわゆる中央青山監査法人にして、さらにこの日興コーディアルの問題が、五億円の課徴金ということで取りあえず終わっていますけれども、もしこれが加わっていたら、これ解散命令になっていたんじゃないんですか。どうですか。
#11
○国務大臣(山本有二君) 一概に仮定の話をするわけにはまいりません。その意味で、慎重に行政処分判断等をしていかなきゃならぬというように思っております。
 また、中央青山監査法人を継承したみすず監査法人におきましても、同法人を取り巻く状況を踏まえて、今年の三月期の決算については確実に監査業務を遂行するということと、将来に、証券市場に混乱を防止するという観点に立って、二月に他の監査法人との間で社員の移籍に向けた協議を開始するということに合意して、先般、五月三十日の社員総会で本年七月末日をもって解散するという決議をし、自主解散に至ったわけでございます。
 個別の監査法人の経営判断ということでございまして、これに対するコメントは差し控えさしていただきますけれども、いずれにせよ、各監査法人が顧客や投資家等から信用を損なうようなことのないように、監査の品質管理の維持や向上、適正な監査の実施に向けて、本法案の改正を含めて最大の努力をこれから期待するところでございます。
#12
○峰崎直樹君 要するに、もう今年の二月ぐらいから公認会計士の引き抜きだとかあるいはそこから離脱するとか、いろんなことが起きて、やがて日興コーディアルの問題でここまで来たら、これはやっぱりもう自主解散以外に手はなかったと。と同時に、私はやはり重い処分として解散命令が恐らく出ていたんじゃないんだろうかなと思えてならないわけであります。
 そこで、ちょっとやや質問を、公認会計士協会の会長さんに質問したいんですけれども、旧中央青山と二つ並んでいますよね。法人としては中央と青山と我々は分けたことはないんだけれども、どうもその中央青山の、みすずに中央が、かつての中央がなって、青山の方はあらたというふうにたしか、プライスウォータークーパースですか、そちらの方の関係で離れていったと。みすずだけじゃなくて青山の方にも責任は、連帯責任というのは道義上これ起きないですか。
 私はどうもこの公認会計士の仕組みというのは、後でちょっとお話し申し上げますけど、いろんなものが次から次に合体していって、この参考図の中でも出てくるんですけれども、どうもその中の連帯感といいますかね、中央と青山というのは何か水と油みたいな感じになっちゃって一向に融合していかないというような感じで持っているんですが、そういう意味でいうと、旧青山、青山というか、今でいうとあらた監査法人、こちらには責任はなかったんですかね。この点はどう思われます。
#13
○参考人(藤沼亜起君) あらた監査法人については新設の法人ですから、あらた監査法人の法人そのものは責任はないと思いますけれども、あらた監査法人の構成員である社員の方たちは中央青山にいたわけですから、そういう面では中央青山の監査法人の社員として、もしこの後で裁判の行方等によって損害賠償とかそういう話が出れば、それはそれでまた継続するということであるというふうに思います。
 一般的に、中央青山さんもほかの監査法人も同じですけれども、いろいろと合併を継続して、合併合併で大きくなっているというところがありますので、そういう面で、中央青山さんも当然ながら部門間でいろんな各出身母体の人たちを一緒にするようなことでそれなりの努力はしていたんだというふうに思います。
 ただ、今回、中央青山の業務停止があって、それと提携先であるPwCとの関係から、PwCの日本に関係する子会社等の外資系の企業というところのサービスを継続しなくてはいけないというようなこともありまして、最終的にはあらた監査法人を設立して、そういうような仕事に興味のある人たちが中央青山を脱退してあらた監査法人をつくったということで、必ずしも青山の部分がすべてあらたに移ったとかそういう、必ずしも、関係はあるとは思いますけれども、きちっとした関係ではないのではないかというふうに思います。
 以上です。
#14
○峰崎直樹君 新設法人つくっちゃったわけですから、それは新しいあらたというところにはないのかもしれませんが、どうもその経過を見るとそういうふうに思えてならないんですが。
 ちょっと、ずばり今度別の方から、今の日本の公認会計士協会の実態というのはこういうものなのかどうかを聞いてみたいと思うんですが。
 ちょっとこれは、トーマツというところにおられた有名な方ですが、富田岩芳さんという方が語っておられることについて、私もこの業界についてよく分からないんですが、尾立さんだったら分かるのかもしれませんけど、私分からないんですけれども。それで、なるほどな、こういう粉飾決算が起きる、あるいは問題が起きるという要素はこういうところにあるのかなということを分かったのは、こういうふうにおっしゃっているんですよ。
 ほかの監査法人の大部分、トーマツ以外と、こういう意味だと思うんですが、公認会計士の持込みが中心なんですよ、持込み。元々東京電力の監査を長い間担当しているとか、新日鉄を持っているとか。大きなクライアントを持ち込んで、そういう人が一番権力を内部で持っているんです。だから監査法人の内部チェックが働かない。さらに、これはおれのクライアントだから余計なこと言うな、こういう雰囲気があるんだろうと思うんですねと、こう語っておられるんです。
 例えばトーマツの場合は、東京のトーマツというのはそうじゃなくて、トーマツというところにクライアントが来たらそれを公認会計士に割り振っていたと、関西の方のトーマツは違うんだと、こういうふうに富田さんはおっしゃっているんですけど、よく分からないです。要するに、クライアントと実際に個人個人の会計士が癒着しているんですよと、こういうふうにずばっと書かれているわけですね。
 これは、旧大蔵省がそれを見過ごしてきたとかいろいろ相当厳しいことがあって、そういうインディペンデンス、独立性だとかあるいは誠実性だとか、そういったところがどうも日本の公認会計士業界の構造的体質というところではこれはなかなか難しいなと。この法案が通っても、そういういわゆるクライアントと公認会計士とのいわゆる持ち込み、一体感、癒着、こういう構造は本当に間違いないんだろうかというか、こういう点について公認会計士の会長さんとしてどういうふうに思っておられるのか。ちょっとなかなか答えにくいかもしれませんが、是非見解を伺っておきたいと思います。
#15
○参考人(藤沼亜起君) 富田先生も大先輩でございますし、そういう面では、監査法人の実態というような形で御自分のお考え方を述べたんだと思います。
 ただ、その先生が書いたときの事情が、じゃ今にも当てはまるのかということについては私は非常に違う意見を持っておりまして、それは二つありまして、一つは、監査法人は今定年制というのがあります。ですから、昔、私も事務所に入りましたころは八十歳の代表社員というのがいましたけれども、これはもうとっくになくなりました。ですから、六十五が今六十二ぐらいに変わりつつあるということでございます。そういう面では大御所は今だれもいません。
 次に、あともう一つは、やはりこれは監査担当のパートナーのローテーションを実施したということで、これは確かに、カネボウ等の事件が起こったときには法律の適用時期が実際にスタートするのが平成二十二年とか、そういうことでございましたので、長期間関与していた社員がいたということも事実なわけですけれども、これは昨年の四月から公認会計士協会自主ルールですね、大手事務所については五年・五年のルール、その他の関与社員は、トップの関与社員は五年、その他の関与社員は七年ということで、これは一斉適用いたしましたので、そういう面で長期間関与している関与社員はいなくなったと。
 そういう面で、今は監査法人の業務運営体制、大分変わってきておりまして、多分、十年とかそれぐらい前の話であればそういうことも言えないことはなかったのかも分かりませんけれども、それは大きく変わったということを申し述べさせていただきたいと思います。
#16
○峰崎直樹君 その場合、私、二〇〇四年に公認会計士法の改正のときも七年・二年ルールとかいうのがあって議論したんですよ。そのときも思ったんですけれども、今まで四十年やってこれから七年ですと、こういう話でしょう。過去もう四十年やっているんですから、これ癒着体質があるかもしらぬ。であるならば、もう直ちに替えなきゃいけない、もう四十年たっているんですから。これ五年・五年ルールも、今要するにもう三十年、二十年連続してやっているクライアントに対してもう直ちに替わってくださいと、そういう厳しいルールにしないと、いやそれは移行過程だからいろいろ難しい問題があるんだよというお話があるのかもしれません。一年ぐらいそれは余裕、アローアンスがあってもいいと思うんですが、それぐらいやっていかないと、後で公認会計士・監査審査会会長にお伺いしますけれども、本当にこれ、日本の公認会計士の皆さん方の、公認会計士の品質というのはこれは本当に大丈夫かなというふうに、やや、いろんな批判的なことしか耳に入ってこないせいか、そういうふうに思えてならないんですよ。
 どうなんですか。公認会計士協会の会長として、来年からもう、今までもう五年以上たっているところは直ちに来年からやめてくださいと、替わってくださいと、こういうふうに宣言されませんか。
#17
○参考人(藤沼亜起君) 長期間関与につきましては、先ほどお話しいたしましたように、大手法人につきましては、昨年の四月一日以降、早期適用して一斉に替わっております。
#18
○峰崎直樹君 一斉に替わっている。
#19
○参考人(藤沼亜起君) もう替わっております。ですから、今回の公認会計士法の改正でそれが法案に書かれたということでございまして、それは公認会計士協会がもう既に実行しているということでございます。
 それともう一つ、これは大手監査法人なんですけれども、多分前回の公認会計士法の改正のときには、今これは、ローテーションといいますのはパートナーの数がどうしても必要でございますので、ですから、その対応ができる大手監査法人は関与社員が多いという、関係の社員数が多いということでローテーションできるわけですけれども、事務所の圧倒的多数は非常に社員数が少ない事務所でございますので、これについてはローテーションといっても即座実施はできないだろうということで前回の法律改正があったのではないかというふうに思います。
 ただ、自主規制でこれは昨年の四月から全部実施しております。
#20
○峰崎直樹君 私もちょっと決め付け的に申し上げたんで、もしそういうふうに早く替わっているのであればそうなんですが。
 小さな中小法人の場合、これを統合したりしたらどうだというような尾立さんからの提言があったんですけれども、やがては会計法人間のいわゆるローテーションというのを、そういったものを組み合わせて、そういうものを実質上効果あらしめるようにしていくというのも一つの方法じゃないかなというふうに思っておりますが、これは前回の法案改正のときにいろいろ議論がありまして、なかなかそうはいっても難しいんだなということは実態はよく分かるわけであります。
 ちょっともう一遍話を元に戻します。
 金融担当大臣、私、前に、この三月時点に日興コーディアルという今回起きた問題について、日本版エンロン事件というふうにとらえたらいいんではないかと、こういう話をしたわけでありますが、現時点でこの問題について、今私が申し上げたような評価といいますか、とらえ方をすることができるかどうか、率直に、また繰り返しになるかもしれません。お伺いしたいと思います。
#21
○国務大臣(山本有二君) 日興コーディアルグループにつきましては、平成十七年三月期の有価証券報告書等の財務書類につきまして、重要な事項に虚偽の記載が認められました。証券取引等監視委員会から課徴金納付命令の勧告を受けまして、本年一月、課徴金納付命令を行ったところでございます。
 同社におきまして、過去に不適正な会計処理が行われていたことは事実でございます。既に証券取引等監視委員会が認定した事実を超えて、個別事案について当局として軽々に評価を申し上げることはできません。いずれにいたしましても、金融資本市場の信頼性を確保していく上で、企業財務情報の開示が適正に行われることは極めて重要でございます。各企業の経営者等におきましては、適正な開示の確保に向けまして万全を期していただきたいと考えるところでございます。
#22
○峰崎直樹君 この問題について金融担当大臣とは何度も繰り返しましたので、もうそれ以上やめますが。
 公認会計士協会の会長さんに、私は日本版エンロン事件というふうに言うべきだと。一つは、SPCを使った飛ばし。これは当初からそれを連結に組み入れる、組み入れないというような議論があった。やっぱりエンロンも飛ばしをやっていたわけですね。それから、いわゆるEB債というものを使っている。つまり、非常に金融工学を駆使しているやり方だと。それから、日興コーディアルという会社は非常に評価の高い会社で、意外と、我々厳しく言っていますけれども、そのかいわいでは非常に、会計を委員会設置会社に移行したりして結構やっている。非常に評価が高かった。ところが、エンロンももちろんそうだった、公認会計士が関与してその監査法人が事実上なくなっている。ここもよく似ているんです。
 公認会計士協会の会長さんは、エンロン事件というのは、あるいはワールドコム事件というのは目覚まし時計だったと。私は、この日興コーディアル問題は、正にそれは日本の公認会計士業界にとっての目覚まし時計だと受け止めなきゃいけないんじゃないかなと。もちろんその前に、余りにも露骨な中央青山のカネボウの事件とか、だれが見てもこれはひどいなというのがあったわけでありますけれども。しかし、やはりこういう新しい時代に向けたこういうやり方というのは、私はそういう目覚まし時計の役割を持っているというふうに思っているんですが、その点、公認会計士協会の会長、どのようにこのことを判断しているでしょうか。
#23
○参考人(藤沼亜起君) 日興コーディアルに限らず、カネボウ、ライブドア、日興コーディアルと、こういうふうに続いてきたわけで、ここら辺の一連の企業会計不祥事というのは我々にとっては大きな目覚まし時計であったというふうに思っております。
 日興コーディアルのケースについては、確かにSPCを使って会計上の処理を、まあある程度偽ったということだと思うんですけれども、これはその中身を見てみるとエンロンと似ていると。ただ、エンロンの場合には金額の影響が物すごく大きかったと。物すごく大きかったというのは、SPCも千以上、千五百とか二千とかのSPCを作ったということで、規模もスケールもかなり違うのではないかというふうに思っています。ただ、いずれにしても、そういう形の非常に複雑な会計処理、複雑なビジネスモデル、これを使って粉飾決算という形に結び付いたという点では、その中身自身は似ているということは言えると思います。
 以上です。
#24
○峰崎直樹君 アメリカの場合はその後サーベンス・オックスレー法を作ったわけです、企業改革法を作った。当然のことながら、その公認会計士の審査会で、英語で何と言いますか、日本で言う公認会計士・監査審査会、PCAOBですか、が作られて、そちらが、アメリカ公認会計士協会の自主規制ルールをある意味では駄目だという形でPCAOBというものができて、そこが様々な品質管理その他監査法人や公認会計士に対する審査をしていくようになったわけです。
 日本で二〇〇四年ですか、できたこの公認会計士・監査審査会、今日、金子会長お見えになっていますけれども、その意味で私は、いわゆる引き続いて、日興コーディアルまでずっと続いてきた様々なその会計監査に対する不祥事というものを受け止めたときに、もう公認会計士協会の自主的ないわゆる、何といいましょうか、自主規制ルールということにもう依拠していたらこの日本の公認会計士協会というのは良くならないんじゃないかと。公認会計士の、何といいましょうか、公認会計士個々人もそうでしょうし監査法人もですね、本当に良くならないんじゃないかというふうにやや思えてならないようなところが、先ほどのこういうトーマツの富田さんなんかのお話を読むと、これはなかなか大変だなというふうに思ったりするんです。
 そういう意味で、今日、金子会長にお見えになっていただいていますが、金子審査会会長さん、六月三十日に、去年、四大監査法人の監査の品質管理についてと題した調査結果を、報告をいただいたわけであります。そこで四大監査法人についてはどのように、品質管理の状況についてはどういう実態だったのかということについてまずお伺いしたいと思います。
#25
○政府参考人(金子晃君) お答えをいたします。
 平成十七年十月から十八年六月までの間に、公認会計士・監査審査会は四大監査法人に対しまして検査を行い、いずれの監査法人においても監査の品質管理のための組織的な業務運営が不十分であると認められたことなどから、公認会計士法の規定に基づきまして、昨年六月、金融庁長官に対して業務改善指示をするように勧告をいたしました。また、会計監査の信頼確保及び証券市場の透明性、信頼性確保に資するよう、検査で把握しました四大監査法人の監査の品質管理に関する実態を取りまとめ、四大監査法人の監査の品質についてとして公表をいたしました。
 公認会計士・監査審査会は、四大監査法人は金融庁長官による業務改善指示に基づく改善策の実施にそれぞれ取り組んでいるものと理解しており、このような取組が確実に実行されることにより、監査の品質管理に関する改善が進められ、我が国の会計監査に対する信頼の向上につながると考えております。
#26
○峰崎直樹君 という御指摘を受けたんですけれども、金融担当大臣、そういう指摘を四大監査法人、日本を代表する四大、ほとんど八割方たしか上場会社のカバーしているんですよ。それが、いずれも品質管理において、これは個々の品質監査じゃないんですね、個々の監査のことを言っているんじゃなくて、監査の体制を含めて非常に問題がありますねという指摘を受けたんですよ。これを受けて、どのようなことを考えておられるんでしょうか。そして、この法案にはどういう形でそれが反映されているんでしょうか。
#27
○国務大臣(山本有二君) 六月三十日の監査法人に関する調査結果の公表というのは、大変ある意味で厳しいものでありました。また、こうしたことを受けまして、今この法案の中身については、まずは監査法人の品質管理、ガバナンス、ディスクロージャーの強化という、この指摘の中から申し上げますと、最初の検査項目の業務運営全般についての組織的な業務運営、この部分に係る問題であろうと思っておりますが、業務管理体制を整備していただく、特に業務の執行の適正確保、業務の品質管理の方針の策定及びその実施のための業務管理体制を整備するということ、ここに重点を置いております。また、職業倫理や独立性についての手続の運用をお願いしておりますし、研修についても管理体制の充実の中にうたっておるわけでございます。監査契約の新規締結や更新につきましては、リスク評価や手続についてしっかりやっていただきたい。監査業務の遂行については、計画や監査意見の表明に係る手続についてしっかりやってもらいたい。いろいろな指摘を受け、それに基づいて抽出した結果、さらには監査法人の社員資格の非公認会計士への拡大や監査法人による情報開示の義務付け等々でございました。
 こうしたことを考えていきますれば、先ほど藤沼会長さんおっしゃられましたように、今までの、十年前の監査法人と違う形に私どもなっていただいているものと期待するところでございます。
#28
○峰崎直樹君 じゃ、公認会計士協会の会長さんは、この指摘を受けてどんな感想を持ち、どんな対応を打たれようとしたんでしょうか。
#29
○参考人(藤沼亜起君) これは、公認会計士協会といたしましても、この検査結果及び改善指示を受けまして、各大手法人に業務の総点検と改善の速やかなアクションを取るということをお願いいたしまして、各事務所、かなり一生懸命改善のための努力をしたというふうに思っておりますし、その改善報告を最近金融庁に報告をしたというふうに聞いております。ですから、昨年と比べては改善の道筋がかなり明らかになったのではないかというふうに思っております。
 以上です。
#30
○峰崎直樹君 このいわゆる指摘された項目というのは、もうほとんどあらゆる領域にわたって出てきているんですよね。監査手続だとかあるいは監査業務に関する審査だとか、あるいは私もびっくりしたのは、監査調書なんかも、当然これきちんと取られているんだろうと思ったら、監査調書の文書化が不十分であり、事後的な検証が困難であった事例が多数認められるとか、えっ、監査調書というのは、きっといろんなことについての項目項目ごとに監査調書を取って、これはこういう問題があるということを指摘されている。その文書がないという事例が四大監査法人の中に多数見られるということを聞いたときに、これは相当ひどいなという感じを持ったわけですよね、品質管理。
 次に、平成十八年十一月八日に、同じく公認会計士・監査審査会は、小規模監査事務所の監査の品質管理にということで、これもう時間がありませんから私の方で、ずっと見ていて、最後に制度上の問題点というところです。問題点の総括及び問題点のところに、小規模監査事務所においては大会社に対する組織的な監査体制を取ることが困難な状況が見られる、また監査体制面での整備の遅れのほかに、監査の品質管理に対する意識について、要するに監査のその品質管理そのものの、取ろうとする意識が非常に問題がある。さらに、制度上の問題点というところで、監査法人と異なり、公認会計士に対しては、監査業務の遂行、著しく不当な場合に必要な指示や懲戒処分を行うことができないものとなっているが、必要な指示や懲戒処分を行うことができるようにすべきではないかというところまで、かなり、これは個人の恐らく会計事務所の方のことだと思うんですね。
 それから、今年の三月十六日に、中小規模監査事務所の監査の品質管理についてということでまた同じように出されている。これもまた、今日は時間がないんで、金子会長にお話しいただければよりはっきりしてくるんだろうと思いますが、これもまた大変な問題があるなというふうに感じたわけですね。
 そうすると、大法人、四大法人もそうだ、中小法人も小規模も全部もうなべて駄目だと。私が冒頭、持込みが多いこの監査の体質という構造というものがあって、そこはどうも監査の品質を進めようとしたときに、これはおれの会社のクライアントなんだからおれが監査したことに一々文句付けるなという形の、どうも自主的な、地方分権と言ったら格好いいですけど、群雄割拠と言っていいんでしょうか、そういう非常にクライアントと公認会計士の一つの共同体みたいなものができ上がっていて、そこにはなかなか指図したり改善をするようなことが非常に難しいというものが、あらゆる監査法人あるいは公認会計士の皆さん方に入り込んじゃっているのかなというふうに思えてならないんですが、金子会長、審査会として見て、なぜこんなふうになっちゃっているのかということについてもし御所見があれば、これは一番最後の中小法人のところに被監査会社の問題点ということで、会社側にも問題があると。私もそうだろうと思うんですよね。公認会計士だけの側に問題があるんじゃなくて、会計士にも問題があるんだろうと思いますが、もし、今日は公認会計士法審議しておりますので、そういう公認会計士の皆さん方の、何といいましょうか、構造的な問題、意識の問題はもちろんあるんだろうと思いますが、構造的な問題で何かお気付きになった点があったら教えていただければと思いますけれども。
#31
○政府参考人(金子晃君) 多分に個人的な見解になるかも分かりませんけれども、今の議員御指摘のような原因もあると思いますし、様々な原因が積み重なって現在のような状況になっているのではないかというふうに思います。
 したがいまして、現在の経済社会に合ったような形で制度を運用していくということが大切なのだと思うんですけれども、必ずしもそうした形で制度が利用され、また監査法人、監査事務所が運営されていない、こなかったというところに問題があるのではないだろうか。その点では、今回改正法が出されておりますので、改めてこの時点で既存の制度、それから改められる制度の中で、現在の経済社会に沿った、あるいはそれに適合した形での監査法人の活動、運営がなされていくということが大切ではないかというふうに考えております。
#32
○峰崎直樹君 公認会計士協会の会長さん、そういう状況、今度の法案が出たことに伴って、それからそういう審査会からも問題提起受けている、とにかく、これからはそういう不祥事が可能な限り起きないように我々頑張るんだと、そういう決意をお持ちなんだろうと思いますが、改めてそういう自らの問題点、弱点というものをやはりきちんと見て私は対応される必要があるのかなと思ったりしているんですが、その辺り、もし御感想があれば。
#33
○参考人(藤沼亜起君) 先ほど私の説明でもありましたように、協会は一連の監査不祥事、会計監査不祥事、それと公認会計士・監査審査会の検査結果等を踏まえて、これは我々自身が業務を行っているわけですから、我々がプロフェッションとしてやっぱり職業的な使命を自覚して、自らの業務は自らで改善しなくてはいけないというのがまず第一だと思っておりまして、そういう面で協会の自主規制を強化して、御承知のように、四月一日から上場会社を監査している事務所については登録制度を導入するとか、そういうようなこともやっておりますし、倫理規程も大幅に変えました。そういう面で、これは改善のための努力をしているということで、私自身としては、昨日のお話にもありましたように、監査人側の意識はかなり高まっているのではないかなというふうに思っております。
 といいますのは、これは先ほどウエークアップコールと申しましたけれども、同じようなことが起こって自分の事務所が解散に追い込まれる、あるいは信用を失墜すると。こういうことは、一度大きなことがあるとなかなか信頼回復に物すごい時間が掛かってしまう。そういう面では、これは各事務所、真剣な努力をしていくというふうに私は理解しております。
 以上でございます。
#34
○峰崎直樹君 今お話がありました、上場会社監査事務所登録制度の導入というのがこの七月中旬にたしか締切りというふうにお聞きしているんですが、今度はちょっと話をそちらの方に向けたいんですが。
 たしか、上場企業の会計監査を行っている法人は二百七十というふうに伺っていますが、私は五月の初旬段階に、もう既に登録を辞退したいと言ってきている法人が三十あるというふうに聞いているんですが、現段階でどんな登録状況になっているのか教えていただきたいと思うんですが。
#35
○参考人(藤沼亜起君) 六月十三日現在で登録事務所は百三十になっております。四月現在で上場会社の監査を担当している事務所は二百七十八あるわけですけれども、七月十五日までで、今の段階で百六十、それと事務所として解除届を出した事務所が五十六事務所。これは昨日のお話にありましたように、中央青山の業務停止のときに一時会計監査人ということでなっていた事務所がありますので、これはある程度予想の範囲内というところがありまして、まだ登録申請をしていない事務所に確認をしておりまして、大体二百事務所が登録申請するというふうに考えております。
 以上です。
#36
○峰崎直樹君 そうすると、約二百ぐらいは行きそうだと。七十から八十近い監査法人が上場企業の監査から外れてしまう。そうすると、これは会計士の数からしたらどのぐらいの数なんでしょうか。これは分かりますですか。
#37
○参考人(藤沼亜起君) 事務所数としては五十六、まあ八十ぐらいの数が最終的にあると思うんですけれども、個人の事務所がかなり多いということで、ですから数的には、会計士の数的にはそんな大きな数にならないと。また、これらの事務所は、企業数としても一社とか二社というようなところが大体でございますので、そんな大きな数の企業が影響を受けるということではないと思います。
#38
○峰崎直樹君 分かりました。
 そこで、みすず監査法人が事実上解散をすると、こうなっているんですが、このいわゆる二千四百人近い公認会計士あるいは事務所の職員がおられたと思うんですが、この中で、私が知り得ている限りでは、その他、つまり、一番多いのがたしか新日本監査法人だと、その次がトーマツだったでしょうか、いや、その次はあずさだったでしょうか、トーマツそれからあらたとか、こういうふうに移転先がずっと出ておりまして、その他というところに、三百六十名近い人たちがその他になっているんですよ。
 このその他というのは、監査法人を辞めて、そしてコンサルタント業務とかそういうところに行かれる方が多いというふうに聞いているんですが、ここら辺の、そのみすず監査法人が解散をするときに、また、今公認会計士監査事務所登録制度を導入して、相当やはりもう企業の会計監査はやりたくないという方々が熟練したその会計士の中で増えてきているんじゃないかと、熟達した非常に優秀な監査法人であればあるほど、そういう傾向が非常に強くなってきているんじゃないかという声を聞くんですが、そこら辺は公認会計士協会、どういうふうにごらんになっていますでしょうか。
#39
○参考人(藤沼亜起君) 確かに、今監査の現場はかなり業務量が増えておりまして、みんな疲弊をしていることは事実でございます。
 この中央さんの先生のおっしゃった数というのは、私どもも分析をしているわけでありませんけれども、今ある人たちの中で、最終的にこういう形で新日本、トーマツ、あずさ等に最終的に決断して、私ども、実はもっと多くの人がどこか監査以外の業務に行くのではないかと心配していたわけです。結果を見てみますと、私どもの把握している数字で約二百六十ぐらいなわけですけれども、今、その人たちが監査法人等に勤めないで別の道を探そうと。
 これは正式なデータがあるわけではなくて、みすずさんの担当の方といろいろと議論をして聞いている話ですけれども、この人たちは必ずしもいわゆる、監査とは多分離れるけれども、一般的には自分で事務所を建てようという方が結構多いんですね。税務事務所の場合もあるだろうし、コンサル事務所もあるかも分からない、まあこれは多分内部統制みたいなものだと。あるいはまだ決めていないで、仲間の人たちがつくる事務所に合同しようかというような人たちもいるということで、最終的な人たちで全く別の分野に行くというのは、それこそ今言った数字の多分一割ぐらいかなという感じがしておりまして、ですから、そういう面で意外とこの方たちは最後まで残った人たちですので、どちらかというと、何といいますか、決意の固かった人たちですので、余り動揺がそんなに大きくなかったのかなと。
 むしろ、昨年の業務停止を受けた段階からその後今日まで至る段階で、ある程度その会社を辞めた方たちが、多分そのうち幾らかが会社に入ったりコンサルタント業務に入ったりと、そういう形になっているのではないかなというふうに思っています。
 以上です。
#40
○峰崎直樹君 いや、会長から、それほどほかに逃げているわけじゃないんだよと聞いて、多少安心したところはあるんですが。
 たしか来年の四月からですね、金融商品取引法に基づいて内部統制報告書制度とか、それから会計監査をするに当たって四半期監査とか、四半期ごとに本当に監査しなきゃいけないのかなと、私個人は株も何も持っていませんのでそういう意識を持ちますが、しかし、そういうふうにすべきだということで決まったようでありますから、出てくるわけですけれども、やっぱり足りないんじゃないかと思うんですね。今、公認会計士の数が一万七千人ぐらいでしょうか。これを五万人体制に持っていくというふうに言われたんですけれども、まず金融庁にお伺いするんですけれども、金融担当大臣、このやっぱり人材不足というのは、後でまた監査難民とか報酬の問題なんかも含めてお話ししたいと思うんですが。私はやっぱり、公認会計士というのは、実は石原慎太郎という都知事さんが一橋大学を受けるときに、なぜその一橋を受けたのかというときに、いや、公認会計士になったら稼げるぞと、こういう話だったというのであの方は受けたんだそうで、私は別に公認会計士になろうなんて思ったんじゃなくて、別の方なろうと思って行ったんですけれども、これは駄目だったんですけれども。いずれにしろ、そういう非常に魅力のある商売じゃないか、職業じゃないかというふうに思われていたのに、どうもそうじゃなくなっているんじゃないかと私も思っているんです。これは後でまた、今日は法務省の方もおられますので、よく聞いていただきたいと思うんですが。
 そういう意味で、公認会計士の数をどうやって優秀な方を増やしていくのかと。会計大学院というのもでき上がっているそうでありますけれども、ここら辺、東京、いわゆる金融シティー構想というのを考えたときに、私、一番必要になってくるのがこういう会計士である、あるいはコンサルタントであるとか、やはりフィナンシャルプランナーとか、いろんなそういう、外国語が堪能で、そういう方がやっぱり非常に必要になってくるんで、ここには非常に危機感を持っておられると私は思っているんですが、金融担当大臣、いかが思っていらっしゃいますでしょうか。
#41
○国務大臣(山本有二君) 先生の悩みと同じ悩みの原点に立っているつもりでございます。特に、質を落とさないで数を増やすというこのジレンマの中で、まずは試験の改革に取り組んでまいりました。簡素化をして、この試験の中身の質は落とさずに、しかしチャンスを増やして、また試験で各科目ごとに合格するというような、そういう工夫もいたしております。
 そういうことをいたしましても、アメリカにおける三十三万人という数、そして、金融スタディグループに海外に負けない日本市場というものを勉強していただきましても、会計士のみならず、弁護士やそのほかの職業専門家の質がまだまだ低いというように指摘をされておりまして、そうした意味で今後更に工夫、検討を凝らさなきゃならぬ分野だろうというように思っております。
#42
○峰崎直樹君 公認会計士協会の会長さん、今の点、いかがでございましょう。
#43
○参考人(藤沼亜起君) 会計士の数が不足しているのは、多分そうだというふうに思っております。ですから、今、前回の会計士法の改正で試験制度が改正になった、金融大臣のおっしゃるとおりでございまして、それがどのような形で受験者及び合格者数に反映されてくるか、これ、毎年その状況を見ながら改善していかなくてはいけないというふうに思っております。
 それで、四半期なんでございますけれども、四半期は、金融業を除いては半期の監査、中間財務諸表監査がなくなりますので、そういう面では、四半期という面では多分バランスが取れるのかなというふうに思っております。
 ただ、内部統制については、これは来年の四月以降から内部統制の経営者による評価、それとあと監査ということがスタートするわけですけれども、これについては工数的にはかなり大きな作業になるだろうなということで、これはきちっとして準備していかなくてはならないというふうに思っております。
 それで、ただ、この内部統制につきましては、日本の内部統制の評価と監査の実施基準につきましては、これは金融庁から発表が今年あったわけですけれども、むしろまず会社側の経営者の内部統制評価ということがまず第一にやらなくてはいけないということで、むしろこの四月、できるだけ早めに会社側が内部統制の作業を始めると、それを事前に監査人と協議して内部統制の仕事を始めると、ここら辺のところがポイントになるのではないかなと思っておりまして、これは監査人だけの問題ではなしに、企業側の方の内部統制に対する取組、これが大事なのではないかなというふうに思っておりまして、準備期間も含めて、来年の四月以降の内部統制評価及び監査、これをきちっと対応していかなくてはいけないというふうに思っております。
#44
○峰崎直樹君 内部統制のところは、今日、少し時間がもうありませんので先に進みたいと思いますが。
 いずれにせよ、ずっと公認会計士法、様々なことを考えて、人材がやはり足りないなと。やっぱりそこにいる人材が非常に足りないんじゃないかなということが一番何か私感じ、また、その人材がますますこれから足りなくなっていく心配があるんじゃないかなと思っているのが、実は報酬なんですよ。
 これは、先日来、もう何回も議論しているところなんですが、お手元に証取法監査の実施状況ということで、ナンバーワンは単体、ナンバーツーが連結だと思います。
 そこで、単体で十億円未満、一番安いところで、平均すると約四百万円、その掛かった時間数が三百十八時間、五・六人工と。ずっとこれ下の方に一兆円以上の大企業、これは連結でございますが、八千四百七十三万一千円が平均で、掛かった人数が三十・二人、そして六千三百八十時間と。これ平均のところを時間当たりで割ってみると、大体時間当たり一万二千円から一万三千円なんですよ、平均すると、ほぼ。ちょっと若干のぶれがあります。
 大体、公認会計士の時間というのは年間一千五百時間やればいい方ですよね。そうすると、大体一千八百万円。そうすると、人件費でもらえるのは大体三分の一、残りが事務所費で三分の一、最後に三分の一が代表委員の利益として還元されると。大体三分の一、三分の一、三分の一だというふうに、ちょっと聞きかじりで私分からないんですが、後で教えてほしいんですが、大体そんなものだとおっしゃっていますけれども。これ六百万だったら、大学出て公認会計士の試験を、あの難しい試験を受けて一生懸命やって、そして鬼より怖い処分が待っているわけですよね。アメリカほど厳しくないのかもしれませんが、公認会計士審査会だ、もう次々に処分が連発されるような時代になってくると、こんな安月給でこんな危険度極まりないハイリスクのローリターンというのはあり得ないんじゃないのかなと、こう私は思うわけですね。
 そういう意味で、この点、この間から、いわゆる会社側に報酬を決めさせていくというのはいかがなものかと。特に、監査役の取っている会社であれば監査役が決めて、そこでいいじゃないかということで、法務省の方は、いや監査役というのは執行部を監査しなきゃいけない、それを業務を監査しなきゃいけない人間なんだからそこに立ち入ってもらうというのはいかがなものかというような話で、同意までだと、こういうことでいろいろ出ているんですけれども。
 そこで、私たちは公開会社法という形で、そこはもう公開会社の場合はそういうふうにしたらどうだというふうに、ちょっとやや遠回りというか、会社法改正待っていられないというふうに思ったりしているところがあるものですから、この点もちょっと意見聞きたいんですけれども。
 もう一つ。私はかねてから、今、働く労働者の皆さん方が一番問題になっているのは最低賃金と、最賃制。時間当たり千円にすべきだと、平均、我が民主党は言っているんですけれども、まあ与党さんはそんな高いもの払えないなんて言っているんですけれども、世界見渡してみてこんなに最低賃金が安い国ないですから。
 そこで、公認会計士の皆さん方も、時間当たり賃金は一万二千円というのはちょっとこれは私、安過ぎるなと。最低でも時間当たりは一万五千円にしましょうと。そして、それ以上はクライアントと監査法人とが協議して、これはちょっとこんな厄介な企業、もしかしたらちょっと粉飾くさいし、SPCたくさん持っているからこれもしかしたら飛ばしもあるかもしれないです、これはちょっと調査する時間が多いよ、だから時間掛けるちょっと単価高くしますとか、そういうやり取りをやっていくのに最低のところだけは決めておくと。ひどいじゃないですか、この最低、十億円未満のところで十万円というのがありますよ、これ。こんなので監査しろと言ったらそれこそ、いや、監査しましたと言って、何にもしないで監査しましたと判を押すだけですよね。通常、めくら判というふうに今は一般的には言うのかもしれませんが。
 こんなひどいやつだったらだれもそれはまともに監査しないんですから、やっぱり最低のレベルの品質を維持するためにはこれだけのものは要るんだと、そしてそれ以上は、それはもう労使の力関係ではありませんけれども、クライアントと公認会計士の皆さん方の間でそれはもう交渉してくれと、こういうやり方が一番いいんじゃないかなと思っているんですが、協会長、どうでしょう。
#45
○参考人(藤沼亜起君) 監査報酬が安いというのは私は事実だと思っております。
 そういう面で、実は今月号の「会計・監査ジャーナル」、これは協会の機関誌なんですけれども、青山大学の町田先生が日米監査報酬の比較というものを出しておりまして、それを見ると、昨日も簡単には申し上げたんですけれども、四倍の差があると、これは内部統制の仕事を除いてですね。時間数で約二倍の差があると、だから、こちらは二分の一ですね、あと単価で二分の一だと。こういう状況であるという分析結果が出ているわけですけれども。
 そういう面で、監査報酬が安いから、では最低報酬制度をつくったらどうだということについては、これはまあ私は余り賛成ではないと。賛成ではないといいますのは、日本的な風土では最低に収れんしていくというような、そういうようなところもありますし、やはりこれは今みたいな状況で比較的企業も監査環境が変わってきたというふうに理解が増えてきておりますので、これはやっぱり正攻法できちっと会社と交渉して決めるべきではないかなと。
 その交渉の相手も、これはもう本当に考えていただきたいんですけれども、決算の数字を議論する相手と監査報酬を議論するというのはおかしいと。ですから、やはり会社のガバナンスを強化していただいて、本当に株主その他のステークホルダーのために執行部を監督する監査役会とか監査委員会とかそういうところが監査人と監査報酬の決定をすべきではないかと、こういうふうに思っておりまして。
 ですから、私は、やはり監査報酬は上げるべきだと思いますし、これは時間と金額の両面で上げるべきだというふうに思っております。
#46
○峰崎直樹君 何か、最低を設けたらそこに収れんしちゃうというのもちょっと何か寂しいなと思うんですが。最低賃金制というのはやっぱり最低なんですよ、やっぱりそれ以上にいきますので、それはやはり私は是非取り入れられたらいいんじゃないかなと思いますが。ちょっと時間がありません、もう五分しかなくなっちゃったので。
 法務省、監査役というのは何をするんですか。簡単でいいです。
#47
○政府参考人(後藤博君) 取締役の職務の執行を監査する職務だと思っております。
#48
○峰崎直樹君 世間で監査役になったときに、ああ、私は監査役になったんだというときに大抵任命されるのは、その取り締まるべき会社の社長さんとかCEOとかそういう方々から任命されて、ああ、もうおれは閑散とした役なんだと、こういう監査役。私は一九九二年に当選して翌年の商法改正からずっと見てきているんですけれども、いつも監査役の強化強化とこう言っているんですけれども、強化されたためしがないんですよ、日本的な中でね。その監査役をやゆしてもしようがないんですが。
 私なんか個人的には、将来CEOになる人間は必ず監査役を経なければなれないと、こういうふうに会社法でも改正してくれると、そうすると案外、ああ、それなら監査役を一生懸命やってみるかと。つまり、監査役でどれだけきちんと監査できるかという能力があれば社長になってもやれるんではないかというぐらいの大改正をしたらいいんじゃないかと思っているんですが、今日は会社法のことではありません。そこから先に。
 そこで、金融担当大臣、私、いろんな白書があるんだけれども、日本の企業のコーポレートガバナンスに関する白書を、公開株式会社だけでも結構ですから、これは一回、毎年まとめられたらどうでしょうか。
 是非、つまり、そういうガバナンスが効いているのか効いてないのかということを、いつもコーポレートガバナンスが重要なんだ、重要なんだと言っているんですけれども、現状どうなっているんだと、それがどう進んでいるんだというようなことを、是非白書のような形で金融庁が率先して、この世界はもう、公開株式会社に関してはもう我々がしっかりと、きちんと見ていきますよという意味で白書を作られたらどうかなというふうに思うんですが、どうでしょう。
#49
○国務大臣(山本有二君) 上場会社におきまして、投資家保護等の観点から、一般の会社と比べましてより高次のコーポレートガバナンスが求められているところは御指摘のとおりでございます。この観点から、金融庁として、平成十六年三月期以降、上場会社に対しまして、有価証券報告書等の開示書類の中でコーポレートガバナンスの状況の開示を求めております。また、東京証券取引所におきましては、上場会社に対しまして、昨年六月から、コーポレートガバナンスに関する報告書の提出を求めまして、公衆の縦覧に供しているほか、各社の取組状況等を、東証上場会社コーポレート・ガバナンス白書二〇〇七というような形で取りまとめて公表されておられます。
 こういう取組を通じまして、上場会社のコーポレートガバナンスの状況につきましては相応の情報蓄積が進んでいると考えております。
 御指摘の、金融庁が新しい施策として白書を独自に出したらというようなアイデアは一つでございますが、諸般いろいろ他の、東証やそのほか公認会計士協会等の皆さんの御努力を見守りながら今後考えていくべきことであろうというように思っております。
 いずれにいたしましても、金融庁といたしましては、投資家保護を大きな使命の一つとする市場行政を所掌する立場から、上場会社のコーポレートガバナンスの状況について注視してまいりたいと存じております。
#50
○峰崎直樹君 もう時間もあっという間に一時間超えてしまいまして、私の持ち時間なくなりましたけれども、最後に近い質問になるんですが、監査難民が大量に出てくるんじゃないかと、こういうふうに言われております。
 実は、監査難民、今までは、安いけども、安い報酬しかもらえないけどもないよりましだということで、もうほとんど、粉飾であろうと何であろうととにかくまあ押してきたという、ちょっと表現よろしくないんですけれども。でも、どう見ても、会社四季報とかそういうの見ると、この間赤字がずっと続いている会社の例を出してお話をした、日本航空の話もさせていただきましたけども、どう見てもこの会社は、何というか、上場維持をずっと継続できるのかなと、ゴーイングコンサーンの観点からしたら問題があるようなところも実は上場企業の中にあるわけですね、調べてみると。無配だ、欠損だ、あるいはこの企業はちょっと何だか問題ありそうだなと、やみの世界とのつながりあるんじゃないかなと。
 そういうところは、今までは、そうはいっても、さっきも言ったように、それでもやらないよりましだということでやられてたのかもしれない。時間もそんなに掛けてないのかもしれない。だから、粉飾も多かったのかもしれません。でも、今度はそうはいかないぞと。こうなってくると、公認会計士や監査法人も、これは大変だと、やっぱりよく見なきゃいけないなということで、そうやってはじいていくと出てくると思うんですよね。
 そういう意味で、監査難民がこれから出てくることが予想されるんですけれども、金融担当大臣と、公認会計士協会の会長の立場から見て、この監査難民について、これから出てくるとした場合にどう対応されようとするのか。
 私は、放置して、市場原理に任して、そこでまずいところはまずいということでやった方がいいのかなと、こう思ったりもします。もちろん、監査の体制が非常に、先ほど言ったように人が足りない、いろんなことで問題たくさん持ってるんできちんとやんなきゃいけないと思うんですが、ちょっと最後に監査難民のところだけ御意見を伺って、私の質問を終わりたいと思います。
#51
○国務大臣(山本有二君) 金融資本市場の信頼性確保のためには、企業財務情報の適正な開示が行われることが重要でございます。各企業におきましては、監査法人による監査を経て適切なガバナンス体制等企業財務情報を適正に開示していくことが求められております。
 監査法人との監査契約というのは民民の自由契約でございます。そのときにおいてうまく契約できない人たちがいわゆる監査難民となるわけでございます。こうしたことは、適正な開示に向けて真摯に取り組んでいる企業等が監査法人による監査を受けられないといった事態になるわけでございまして、これは望ましいものでは決してありません。
 金融庁といたしましては、そうした事態が生ずることのないように、まずは日本公認会計士協会を始めとする関係者が適切に対応することを希望するところでございますが、今、正に会計監査法人あるいは公認会計士の皆さんの過渡期でございまして、こういうような監査難民という大変困難な局面でございますが、これに真摯に対処することによりまして、実効ある金融市場の信頼性が確保できるものというように努力をしてみたいというように思っております。
#52
○参考人(藤沼亜起君) 監査難民のことにつきましては、今回みすずさんの自主的な解散という決定がありましたものですから、緊急事態ということで、監査難民が大量発生することのないように協会に相談窓口を設けたと同時に、協会の会員で監査にまだ対応能力があるというところに手を挙げていただきまして、そういうような監査に対応できる事務所のリストを作る。何社かについては会社を紹介いたしました。
 先生のおっしゃるとおりに、会社の中には、監査意見が違うから意見を合意するような監査事務所を紹介してほしいとか、もっと安い事務所を紹介してほしいとか、そういうような会社もあることは事実でございます。
 そういう面で、やはり上場会社については、市場の退出ルールを明確にしようというようなことを今議論されているというふうに聞いておりますし、そういう面で、一度上場したらすべて市場にいなくちゃいけないということではありませんので、そういうような会社につきましては、上場会社にふさわしくない企業については、いずれにしても市場のルールで市場から撤退していくと、そういうような明確なルールができれば、監査人がいるとかいないとかという問題ではなしに自動的に撤退していくのではないかというふうに思っています。以上でございます。
#53
○峰崎直樹君 ありがとうございました。終わります。
#54
○委員長(家西悟君) 藤沼会長、ありがとうございました。御退席いただいて結構でございます。
#55
○参考人(藤沼亜起君) ありがとうございました。
#56
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
 副大臣には急遽お願いいたしまして、誠にありがとうございます。なるべく、事前のレクは多分受けておられないと思いますので、大きな話、もしお答えできるところはお答えいただきたいと思っておりますけれども。
 まず最初に、監査人の独立性と地位の強化ということについてお聞きしたいと思っております。
 ライブドア事件におきます公認会計士の証言を報道ベースで見ますと、特定の事実があって不適正にせざるを得ないと、こう思ったけれども、会社から訴えられたらどうしようと思い黙ってのんだと、こういう公認会計士の法廷での証言があるということを見ました。
 この企業実務において不正会計を防止する役割を果たしているのが正に公認会計士であり、また監査法人なわけでございますけれども、よく言われるように、その監査をする公認会計士等を選ぶのは事実上監査される側の企業であると。いろんな例えがございますけれども、猫にかつおぶしの番をさせているという、インセンティブのねじれと言われる問題が何度もこの委員会でも指摘をされました。
 まず最初にお聞きしたいと思いますけれども、今回の改正案の第一条の二に新たに付け加えられました「独立した立場において」という文言がございます。今申し上げましたような監査人の独立性、また地位の強化ということ、これがその職責規定の「独立した立場において」というところに込められているんだと思いますけれども、今回の改正によりまして、今具体的にライブドア事件における公認会計士の証言を紹介させていただきましたけれども、こうした監査業務を担う公認会計士の立場が弱いという問題点、これがどういう形で克服をされていくのか、またこの「独立した立場において」というのは、そういう強化をする、地位の強化の効果をあらしめる環境づくりにどういう役に立っていくのか、こういうことについてまずお聞きしたいと思います。
#57
○政府参考人(三國谷勝範君) 御指摘のとおり、監査人の独立性と地位の強化を図っていくことは我が国の資本市場の信頼性を確保していく上で大変重要なことと考えております。今回の公認会計士法の改正は、基本的にはこの考え方に基づいて作成しているわけでございまして、今御指摘ありましたように、監査人の独立性と地位の強化というところにおきましては、今御指摘のような職責規定、これを精神的にも含むのみならず実際にもローテーションルールの強化、あるいは就職制限の範囲、そこについての独立性の強化、あるいは不正、違法行為発見時の申出制度、こういった形によりまして様々な手段を講じているわけでございます。
 これまでいろいろ監査人につきましては、会計基準のみならず、あるいは監査基準、あるいは内部統制といった広範な観点から制度改革を進めてきているところでございまして、こういった制度と相まって、また精神的な面と相まって、監査人の独立性がますます図られていくことを私どもも強く期待しているところでございます。
#58
○西田実仁君 そういう具体的なことが今回の改正案に盛り込まれているわけですけれども、違反が発覚した場合、経営陣の刑事責任という形でそれを補う方法もあるんだろうというふうに思うんですね。金融商品取引法におきまして、こうした不正会計行為に関与した経営陣への最高懲役というのが盛り込まれたと思いますけれども、こういう経営陣側の刑事責任、これをどういう形で強化をして、あわせて、今御指摘いただいたような今回での法改正における監査人の独立性と地位の強化、それをより補強する意味で経営陣側にはどのような今対応を取っているんでしょうか。
#59
○政府参考人(三國谷勝範君) 広い意味での監査制度の改善につきましては、今回の法案のみならず、三年前の公認会計士法の改正、さらに昨年の金融商品取引法の改正、こういったところで進めてきているところでございます。
 特に、昨年の金融商品取引法におきましては、経営者サイドにおきましてもこの適正な会計のための様々な方策等をお願いしたところでございます。
 御指摘の罰則規定の見直しでございますけれども、これにつきましては、不公正取引、これまで懲役五年以下でありましたものを、例えば不公正取引あるいはインサイダー取引等は十年以下にする。これは、虚偽記載についても同じように五年以下から十年以下の改正にしたところでございます。経済犯につきまして十年というのは商法に一部前例がございましたが、これは大変、この責任規定の強化は重要な改正であると認識しているところでございます。
 あわせまして、昨年の金融商品取引法におきましては、内部統制制度でございますとか、あるいは四半期報告書制度、あるいは経営者の確認、こういった施策も盛り込んでいるわけでございます。こういった経営者側の会計あるいは信頼される財務諸表への取組と今回の公認会計士法におきます監査サイドの取組、相まって日本の財務諸表、ひいては資本市場の信頼につながることを期待しているところでございます。
#60
○西田実仁君 これは監査人の地位の強化ということを引き続きお聞きしたいと思いますけれども、会社側がこの監査人気に入らないというときに、気に入らないだけじゃなくてもいろんな理由があると思いますけれども、交代をされる場合があると思うんですね。監査人が交代した場合の理由の開示ということについてお聞きしたいと思います。
 最近、いわゆる粉飾ではないかと疑われるケースがある場合、そういう場合ほど監査人がかなり交代されているというケースも散見されるわけでございます。企業側には監査人が交代したことについての情報開示が必要とされると思いますけれども、なぜそういう交代になったのかという理由の開示について、現時点、またこの改正案ではどういうふうになっているんでしょうか。
#61
○政府参考人(三國谷勝範君) 開示につきましては、法的な対応とともに、また取引所におけます適時開示、こういったもので総合的に対応しているところでございます。
 まず、証券取引所の現行の適時開示規則におきましては、上場会社は監査人の異動の事実等について直ちに開示しなければならないこととされているところでございます。また、証券取引法上の開示会社は、監査人が交代した場合に有価証券報告書において当該交代があった旨の開示をしなければならないこととされているところでございます。このように、現行制度におきましても監査人が交代した場合については開示制度が存在いたしますが、監査人の独立性や地位の強化を図る観点からはその更なる充実強化を図っていくことが必要であると考えているところでございます。
 この点、昨年十二月に取りまとめられました金融審議会公認会計士制度部会の報告では、一点目、証券取引所の適時開示において、監査人の交代があった旨に加えて交代の理由についても十分な開示を求めること、二点目、証券取引法上の臨時報告書等においても適切な開示を求めることなどの方策が提言されているところでございます。
 今後、証券取引所等と連携いたしましてこの検討を進めてまいりたいと考えております。
#62
○西田実仁君 今証券取引所の規則において監査人交代の理由を開示するようになっているという、そういう御答弁がございました。
 しかし、例えば、その理由が不明瞭である場合どうするのかと。理由は一応書いてあるけれども、不明瞭な場合に、例えばその前任の監査人に対してヒアリングを実施するとか、どういう状況だったのかというのを確認するとか、そうした情報提供の一層の充実というのが、とにかく開示していればいいというのではなくて、より投資家保護あるいは情報の提供ということでは丁寧に、詳細にすべきだというふうに思うんですけれども、いかがでございますか。
#63
○政府参考人(三國谷勝範君) 交代の理由、その理由がきちんと正確に伝わるような方策につきまして、今後御指摘の点も踏まえましていろいろ実務的な検討も深めてまいりたいと思っております。
#64
○西田実仁君 加えて、上場していない会社の場合は交代の理由の情報開示はどういうふうになるんでしょうか。
#65
○政府参考人(三國谷勝範君) 上場していない会社であっても開示会社がございます。こういったところにつきましては、臨時報告書等においての開示を検討してまいりたいと考えております。
#66
○西田実仁君 調査室の方でいただいた資料を見ますと、この監査人の交代についての諸外国の対応と比較してみますと、例えばアメリカなどでは、上場会社のケースですけれども、監査人が交代した場合には監査人との間の意見の不一致の有無等及びそれに対する監査人の意見を臨時報告書で開示すると、また、委任状勧誘資料に記載し、株主に開示するという対応。あるいは、イギリスでも、会社は、解任の旨を会社登記所に通知をするということに加えて、監査人から預託された陳述書を原則、株主・債権者等に送付するか、裁判所に申し立てることが求められているというふうになっておりまして、この監査人の交代ということについては、日本が一番そういう意味では何かこうあっさりしているというか、さらっとしているというふうに思いますので、今、局長からもいろいろ御答弁ございましたので、実務的にいろいろもうちょっと詰めていただきたいというふうに思います。
 そして、加えて、監査人による交代理由の開示ということでございますけれども、日本は監査人による開示義務はないと。ただし、会計監査人は株主総会に出席し、解任についての意見を述べることができるというできる規定がなされていると承知しておりますが、実際にはこうした事例というのは幾つぐらいあるんでしょうか。
#67
○政府参考人(後藤博君) 今委員御指摘の、会計監査人が株主総会に出席して意見を述べることができるという規定は会社法に置かれている規定でございますが、申し訳ありませんが、私どもその具体的な事例の数については把握しておりません。
#68
○西田実仁君 じゃ、後で教えていただければと思いますが。
 問題は、日本の場合そういうできる規定になっているのに対して、アメリカやあるいはイギリスとか、フランスもそうですけれども、基本的に意見陳述をするということが求められていると思うんですね。日本と欧米諸国とでは、そういう意味で、交代させた監査人の意見陳述ということについてできるというふうに規定されている日本と、そもそもそれはやはり原則陳述をしなきゃいけないというアメリカやイギリスと随分違うんじゃないかと思うわけでございますけれども、この点は今後検討していく余地はあるんじゃないかと思いますが、いかがでございましょうか。
#69
○政府参考人(後藤博君) 会計監査人からはできるという規定でございますけれども、会計監査人の解任あるいは不再任の議案について株主側から求めて会計監査人の意見を聴くと、こういうことはできることになっております。
#70
○西田実仁君 もう一つ、今回の改正案の中で、監査人が不正また違法行為を発見したときの対応についてでございます。
 この不正、違法行為発見時の対応については、監査人が財務書類に重要な影響を及ぼす不正、違法行為を発見した場合であって、監査役等に通知するなど被監査会社の自主的な是正措置を促す手続を踏んでもなお適切な措置がとられないと認めるときには、監査人は当局に申出をするということでございますが、この監査人が財務書類に重要な影響を及ぼすという場合のその重要な影響というのは、具体的にはどういうことを想定されているんでしょうか。
#71
○政府参考人(三國谷勝範君) 様々な財務会計をめぐる事象等がある中で、具体的にどのようなものが重要かというのは、最終的には個別の事案によるという形になろうかと思います。
 いずれにいたしましても、本申出制度は、まず第一に、会計監査人が対クライアントとの関係におきまして、その立場を充実強化する観点から、まずそのクライアントに対しましていろいろな是正を設ける一方で、それが駄目であれば当局の方に申し出ると、それを担保とすることによりまして監査人の独立性の強化を図っているというものでございます。
#72
○西田実仁君 具体的に決算の数値にこのぐらいの、何%ぐらい影響を及ぼすとか、それによって大きく変動するというようなことも想定されるんでしょうか、含まれるんでしょうか。
#73
○政府参考人(三國谷勝範君) なかなか数値を具体的な形で何%とかというのは、そういう形でお示しすることは困難なケースが多いかと思います。
 この会計事象上、重要な財務書類に影響を及ぼす事象というのは、量的な問題の場合もあれば、また場合によっては質的な問題である場合もあるかもしれない。そういったものを両方勘案しながら、やはりこの重要なという概念というのを定着させていくことが必要であろうかと思っております。
#74
○西田実仁君 そうして、監査人が当局に申出をした場合の後の話でございますけれども、監査人が当局に申し出たと、その後、どういう手続がなされていくんでしょうか。
#75
○政府参考人(三國谷勝範君) 仮に被監査会社におきまして不正、違法行為の是正が図られず、金融庁に意見の申出がなされた場合には、金融庁といたしましては、企業財務情報の開示の適正性を確保する観点から、いろいろな申出事案の事案の内容に応じて、私どもなりにいろいろな監督あるいは行政手段というのがあるわけでございまして、その内容等に応じまして適切な対応を図っていくという、この基本になろうかと考えております。
#76
○西田実仁君 そうすると、当局、金融庁としては、そうした事実かどうか、その不正、違法行為だというふうに指摘された事柄について、当該会社に対して何か通知をしたり指導をしたりするということなんでしょうか。
#77
○政府参考人(三國谷勝範君) 私どもの方には、これは監視委員会も含めてということになろうかと思いますが、様々な情報が寄せられることもございます。その事案の内容に応じまして、例えば一般論として申し上げますと、照会をするケース、あるいは事実確認の上そういう必要もないケース、更に踏み込んだいろんな調査をするケース、あるいは監視委員会において事案に応じていろんな調査をするケース、いろんなものがあろうかと思います。そういったものの非常に重要な情報ということにはなろうかと思います。
#78
○西田実仁君 監査報酬についてお聞きします。
 先ほども議論にございましたけれども、その監査報酬をだれが決めるのかという、いわゆるインセンティブのねじれの問題ですが、例えばこういう意見もあります。
 証券取引所等に監査料を実際プールして、それから配付していったらいいんじゃないかと、そうすれば先ほどの猫とかつおぶしみたいな話にはならないんではないかと、こういう意見も一つあると思うんですが、こうした監査法人と企業の経営陣との癒着を断ち切るための証券取引所等による監査料のプール制、この有効性についてはどうお考えになるのかお聞きしたいと思います。
#79
○政府参考人(三國谷勝範君) 監査人がクライアントとの関係で経営者と監査契約を締結し、監査報酬は被監査会社の経営者から監査人に対して支払われる、そういうインセンティブのねじれを克服していくこと、この問題につきましては、私どもとしても重要な課題であると認識しているところでございます。
 この問題につきましては、いろんな関係者と幅広くまた検討していきたいと考えておりますが、御指摘のような、例えば第三者機関に監査報酬を決めるあるいはプールすると、こういった御指摘もあるわけでございますが、この点につきましては、一つは諸外国にもそういった例がないこと、もう一つは被監査会社の規模等により外形的に報酬額を決めることになりかねず、まあそれがかえって監査上のリスク等が監査報酬に反映されにくい結果になるのではないかといった問題点もあるわけでございます。
 いずれにしても、この問題につきましては、十分慎重な対応が必要と考えているところでございます。
#80
○西田実仁君 法務省はどんなお考えでしょうか。
#81
○政府参考人(後藤博君) 法務省といたしましても、先ほど委員の御指摘のような考え方が金融審議会の部会で提案されたということについては承知をしております。
 法務省として、純粋に私法あるいは民事法という観点から申し上げますと、立法上の手当てによってこのような制度をつくることも、あるいはまた関係者の合意によって実現することも不可能なことではないとは思いますけれども、例えばプールをする主体となる証券取引所等との固有財産との分別が可能かどうか、あるいは仮にプールした金銭等が不足した場合に、報酬請求権を有する監査人相互間の関係はどうなるのか等々の困難な問題が生じ得るものと思っております。
 いずれにいたしましても、現段階においては、法務省としては、御指摘の考え方について関係当局における検討の状況を注視してまいりたいと考えております。
#82
○西田実仁君 いろんなこのインセンティブのねじれをどう克服するのかということについては意見があろうと思いますので、鋭意御検討いただきたいと思いますが、この監査報酬の情報開示ということについてお聞きしたいと思います。
 これは、企業の抱えるリスクに応じた監査報酬の支払ということを、言わばマーケットメカニズムを働かしていくということだと思いますけれども、このリスクに応じて監査報酬も支払われていくということをより徹底していく意味でも、今一部で行われていることは承知しておりますが、こうした監査報酬の情報開示ということについてもう少し充実していくべきではないかというふうに私は思っておりますが、この点いかがでございましょうか。
#83
○政府参考人(三國谷勝範君) 監査報酬の開示につきましても、今回、いろいろな調査等いたしました金融審議会公認会計士制度部会におきましていろんな検討が行われたわけでございます。
 そこの中では、有価証券報告書等における被監査会社による監査報酬の開示については、現行制度上必ずしも明確に義務付けられていない、あるいは開示のベースが連結、単体など企業ごとに区々であり、比較可能性が乏しい等の問題が指摘されたところでございます。こういったことにつきまして、できるだけ開示のベースを統一していくとか、あるいはその企業における監査報酬の決定方針についても適切な開示を求めていくことが適当ではないか、こういった意見が寄せられているところでございます。
 この監査報酬の開示の点につきましては、また一方におきまして、またその根拠も含めまして種々検討しなくちゃいけないところではございますけれども、この問題につきましても引き続きいろんな角度から検討してまいりたいと考えております。
#84
○西田実仁君 大臣にも大変お忙しい中を戻っていただきまして、呼吸も整われたんじゃないかと思いますので、最初に大臣にお聞きしようと思った問題、何度もお答えいただいていることでもありますけれども、お聞きしたいと思います。
 今回、昨年の六月ですか、四大監査法人がそろって金融庁から業務改善指示を受けた。その勧告内容についてもいろいろ議論がございました。その一つというか、その多くが例えば銀行預金の残高確認をしていないというような、大変、私も公認会計士ではもちろんないので素人ですけど、素人から見てもかなり初歩的なものの指摘というのは大変に多かったように思うんですね。
 なぜこういうふうになったのか。職業倫理ということについては、公認会計士法ももちろんあるし、また、先ほどお見えになっておられた、協会の会長さんも来られていましたけれども、公認会計士協会としても大変によくやっておられると思いますけれども、初歩的というか、かなり基本的なことが大手監査法人でも実は徹底されていないということが明らかになったわけですね。
 なぜこういうふうになってしまうのか、なってきてしまったのかということについて、大臣はどんなお考えをお持ちになり今回のこの改正ということに臨んでおられるのか、最初お聞きしようと思ったことでございますけれども、改めてお聞きしたいと思います。
#85
○国務大臣(山本有二君) 公認会計士・監査審査会が四大監査法人に対しまして検査を十七年十月から十八年六月まで行いました。いずれの監査法人におきましても、監査の品質管理のための組織的な業務運営が不十分であると認められたことなどから、公認会計士法の規定に基づきまして昨年六月、金融庁長官に対して業務改善指示を行うよう勧告いたしました。この勧告におきましては、議員御指摘の残高確認を含む監査業務の遂行、業務運営全般、監査業務に係る審査、組織的監査等に関して様々不十分な点が指摘されていたわけでございます。
 このような問題点が認められた背景の一つといたしましては、公認会計士・監査審査会の設立によりまして、監査事務所による監査の品質管理が適切に実施されているかどうかの検査が監査事務所から独立した立場で初めて厳正に実施されたということがあろうかと考えておるところでございます。
 金融庁といたしましては、公認会計士・監査審査会からの勧告を受けまして、四大監査法人に対し業務改善指示を行ったところでございますが、各法人が同指示に基づく取組を着実に実施することで監査の品質管理が改善し、我が国の会計監査に対する信頼向上につながることを期待しておるところでございます。
#86
○西田実仁君 公認会計士・監査審査会という形に改組されて、そうした客観的な立場で検査、監査したことによって明るみになったという経緯だと思います。
 よく、こういう話というのは、今回の改正案のきっかけにもなっているんだと思うんですけれども、冷静に事実を見ると、じゃ監査法人すべてが駄目なのかというと、決してそういうことではないわけなんですよね。というか、むしろそうじゃないわけなんです。かなり特定の会計監査人、また会計士のグループが問題なんだと。
 よく言われるのは、〇・三%のルールというのがあって、だれが言ったか、余り学説とかということの厳密な話じゃないんですけど、大体一つの事件があっても、本当に問題を起こしているのは〇・三%ぐらいだというふうに言われるわけなんです。ですから、上場会社でいえば、四千社あればまあ十社ぐらい、十二社というぐらいに、大体不正会計とか粉飾とか不祥事とか起こすのはもう、一杯ありますけど、ごく一部なわけなんですよね。
 こういう監査人に関しても、実はほとんど同じ人が、特定のある限られたごく少数の人がこういう問題を起こしているということからすると、それをきっかけにして、いろいろとインセンティブのねじれとかいうのを先ほど来議論しましたけど、みんなインセンティブのねじれの中で仕事をしているわけなんですよね。じゃ、みんながそうやって悪いことしているのかと、構造上問題だからみんながこうした問題に走っているのかというと、決してそういうことでもないと。
 何を言いたいかというと、こういうことをきっかけとして様々な改正というのがなされますけれども、しかし、問題を起こす人というのは改正されても問題起こすかもしれない。問題起こさないで、どういう矛盾の中でも何とか独立性を保って頑張ろうという人たちは、圧倒的多数の人が頑張っていると、こういうことではないかなというふうに、じゃ改正しなくていいのかというと決してそうじゃないとは思いますけれども、この辺、大臣どうお考えになられますか。
#87
○国務大臣(山本有二君) 一概にはなかなか言えない点が多かろうと思いますし、こうした言わばだらしない結果というのはいろんなものの重なり、重層的な原因によって引き起こされるものだろうというようにも思いますが、ただ、この中央青山も、元をただせば四十三年には中央会計事務所というたった四十九人の事務所でございました。それが三十年、四十年たつと千八百人という事務所に変貌いたします。恐らくこれは、いわゆる日本の上場企業の巨大化によるものに合わせてきたんだろうと。で、複雑化もしますし、国際化もします。そういう中で、監査を巨大化せざるを得なかった。しかも、合併という一つの方式によって巨大化せざるを得ないという宿命を帯びた一つの日本の監査法人のありようではなかったかというように思います。
 それとともに、企業がいわゆるテレビコマーシャルとか時代の風潮とかいうものに対してのいわゆるブランド化というものを求めてまいります。そうすると、監査法人に対しましてもブランド化を要求していくことによりまして、寡占化を世界的にするようになりました。とすると、寡占化をし、巨大化をするものですから、限られた監査法人、大きな四大法人に集約されてきて、そこの中に実は内部的な監査のノウハウの蓄積等が忘れられていたのではないか。特に、監査する、実査におけるいわゆる単純作業、ミクロ的なものに対してウエートを掛けて、監査の判断、決断、そういったものに対するマクロ的なものの重視が怠ってきておったのではないか。ひいては品質管理部門におけますイノベーション、こういったものを忘れてきた監査法人の内部ではなかったのかというようなことを考えたところでございます。
#88
○西田実仁君 確かにそういう構造的な急成長を遂げていく中で、急拡大したがゆえの監査会社としての内部の内部統制自体がきちっとしていなかったということは大変大きいと私も思うわけでございますが、職業人としての倫理ということについて、どう確立していくのかということについて次にお聞きしたいと思うんです。
 もちろん、こうした問題を単純な心の問題というふうにすることは、安易にそういうことにしてはいけないというふうにも思いますので、構造そのものをどう変えていくのかということでの今回での法改正になっているわけです。とはいいながら、やはり、どの職業でもそうだと思いますけれども、こうした職業倫理ということについてきちっと早い段階からより具体的に教育をしていくということも大事ではないかというふうに思います。
 そこで、会計大学院のカリキュラムにおける職業倫理教育ということについて若干ホームページ等で詳細ではございませんけれども調べてみますと、会計大学院において明示的に職業倫理というカリキュラムを持っているところというのはございます。ございますけれども、そう多くないんですね。全部のカリキュラムを一つ一つ見たわけじゃございませんので、タイトルと中身とは違っていることもあるかもしれませんから必ずしも断定はできませんけれども、タイトルを見る限り、職業倫理という科目が明確にあるところと全くないところと会計大学院でも様々でございまして、こうした会計大学院における職業倫理の教育ということについて、もう少し明示的にきちっと位置付けて行う必要があるんではないかというふうに思いますけれども、いかがでございましょうか。
#89
○政府参考人(三國谷勝範君) 会計大学院という大学行政の問題ということであれば私どもの発言することにも制約があろうかとは思いますけれども、私ども、職業倫理というのはやはりいろいろな形でその意識を高揚していくことは大事なことであろうかと考えております。
 今回の公認会計士法におきましても二条の、独立性の規定、それから一条の公認会計士の使命、これが基本的な考え方でございます。公認会計士協会につきましては倫理規則というのもございます。教育の方におきましてもそういった面が更に充実するとすれば、私どもとしてはこれは望むところでございます。
#90
○西田実仁君 確かに大学院教育ですので所管ではないと思いますが、中身の話についてもうちょっとお聞きしますと、そうはいいながら、抽象的に、道徳のようにこれは大事だよとかいうような一般論での職業倫理教育ということでは余り期待もできないわけで、ある意味、いろいろと事件も、不祥事も起きて事例研究に事欠かないということだと思いますので、これまで起きてきたことをケーススタディーできちっと会計大学院の中でも学んでいく、なぜこういうことになったのかということをきちっと学んでいくと。ねばならないということではなくて、ケーススタディー方式での職業倫理教育ということも会計大学院では是非とも盛り込むべきではないかというふうに思います。
 もし何かお答えできれば、コメントを下さい。
   〔委員長退席、理事峰崎直樹君着席〕
#91
○政府参考人(三國谷勝範君) この問題につきまして、私どもとして、公認会計士協会サイドにおきます取組を御紹介させていただきたいと思います。
 公認会計士によります職業倫理を確保するために、今申し上げましたように、一つは公認会計士協会による倫理規則が制定されております。それから、公認会計士登録を受けるための実務補習の修了考査に職業倫理の科目が設けられております。これが二点目でございます。三点目でございますが、公認会計士登録を受けた後の継続的専門研修におきまして、一年に四単位の職業倫理に関する研修を受けるものとされております。
 協会サイドではこういった取組をしているところでございますけれども、また教育の方でも更にそういったことが充実することは、繰り返しになりますが、私どもとしても望むところでございます。
#92
○西田実仁君 次に、公認会計士・監査審査会につきましてお聞きしたいと思います。
 今回の法改正の第四十九条の四のところに公認会計士・監査審査会における報告徴収及び立入検査ということが新たに規定をされているわけであります。この審査会が直接監査事務所を検査するということがこれまでは日本の場合なかったわけでございまして、日本の場合はまずこの公認会計士協会が行っているレビューを第一段階においてその報告を審査会が受ける。それに基づいて監査事務所の監査をチェックするという仕組みというふうに理解しております。これを間接方式というふうに言うのであれば、アメリカあるいはカナダ、イギリスなどは、直接監査事務所を検査するという直接方式を取っている。
 今回のこの法第四十九条の四というのは、これまでの日本の間接方式から直接方式に変えていく端緒となるのかどうかについて、いかがでございましょう。
#93
○政府参考人(三國谷勝範君) 公認会計士・監査審査会の検査でございますけれども、これは基本的には、日本公認会計士協会がまず自主的に行う品質管理レビュー、それを前提といたしまして審査会におきまして行っているものでございます。
 ただ、現実問題を考えますと、この間接方式だけでは審査会がその機能を必ずしも十全に発揮できない場合があるということが、事例がございまして、一つは協会が行います品質管理レビューを受けていない場合がございます。これは例えば、新しく法人が設立された場合において協会の品質管理レビューを待っていたのでは時間的ないとまがないといった場合もございます。それから、協会が行う品質管理レビューに協力することを拒否するような場合もございます。そういった場合に、公認会計士・監査審査会が直接個々の検査等を行うことが可能としているものでございます。
 したがいまして、これまでの方式を更に補うという、そういった性格のものでございます。
#94
○西田実仁君 そういう意味では、間接方式を変えることではないということでございました。
 今おっしゃった、調査を拒否しているというケースが現実にどの程度あるのでしょうか。また、今回の四十九条の四では、調査を受けていないというのは新設法人の話でしたので理解しますが、調査を拒否している、そしてその他内閣府令で定めるというふうになっていまして、これが一体、その中身は何を示しているのか。この調査を拒否しているという会社がどの程度これまでにあり、また、その他内閣府令で定めるという、定めようとしている中身は何なのか、これについてお聞きしたいと思います。
#95
○政府参考人(振角秀行君) 最初に私の方から、過去において拒否した例ということでございますけれども、日本公認会計士協会に確認したところ、一件、過去あったということでございます。
#96
○政府参考人(三國谷勝範君) これまでの事例に照らしますと今申し上げたような二点、これで現状、大体対応できるのではないかと思っております。しかしながら、将来仮にこの類型で切り取れないようなことができることも考えられるわけでございますが、内閣府令におきましては今申し上げました二点、これを再度列記することを考えているところでございます。ほかに府令に盛り込むべきケースがあるか否かにつきましては、これはいろんな事象を踏まえながら慎重に検討してまいりたいと考えております。
#97
○西田実仁君 是非、間接方式という原則を貫いていくということであれば、そこは慎重に検討いただきたいというふうに思います。
 その上で、この審査会の審査、検査の結果、何か問題がある、あるいは改善すべき点がある、こういう場合にどうするのかということについてちょっとお聞きしたいと思います。
 アメリカの場合は、例えば問題があれば監査法人に指摘をすると。監査法人がこのPCAOBが満足する形で改善に着手すれば検査の内容は公表をしないと、逆に言えば、満足しないことであれば公表をするということだと思います。そうした制裁をもって改善させるというルールがアメリカにはあると思いますけれども、日本の場合にはそうしたルールは必ずしもはっきりしていないのではないかというふうに思っております。
 より私が理解していることでより明確なことは、審査会が金融庁に勧告をして金融庁が行政処分をするという、そのルートはよく理解しておりますけれども、その前のところについてアメリカと比較をすると、日本にはそうした明確性というものがないんではないかというふうに思うわけでございますが、検査の結果についてはどう明らかにするのかということについても、必ずしもルールとして何か決められていることがあるのかどうかやや不明瞭でございまして、併せてお聞きしたいと思います。
#98
○政府参考人(振角秀行君) 先生御指摘のように、法律によりますと、基本的に問題があれば金融庁に対して勧告するということは明確になっております。
 それ以外につきましては、我々としましては、まだ監査の品質が日本においては必ずしも十分じゃないと考えておりますので、広く世の中に公表していくということが非常に重要だと考えておりまして、この四大監査法人の勧告を行ったときに同時に、四大監査法人についてどのような状況であったかということについて報告をまとめまして公表しましたし、さらにそれ以降におきましても、四大監査法人以外の中小規模の監査法人についてもまだまだ改善すべき点がいろいろあるということにつきまして報告書をまとめまして、これは今年の三月でございますけれども、公表させていただいたところでございます。
   〔理事峰崎直樹君退席、委員長着席〕
#99
○西田実仁君 そうすると、公表しないケースというのはあるんですか。つまり、監査して、今四大監査法人の話もございましたけれども、今私が申し上げたアメリカの場合は、そういう名前も含めて公表するケースと公表しないケースというのがあるわけですね。
 日本の場合は、今お話をお聞きしていると、審査会の審査、検査の結果、すべて名前も含めて公表するという、そういうルールなんでしょうか。
#100
○政府参考人(振角秀行君) お答えさせていただきたいと思います。
 基本的には、勧告に至った場合は個別の名称を含めて公表するということでございまして、それ以外の場合につきましては基本的に個別名称については公表しないと。ただ、その監査の品質向上のために資するというふうに考えた場合は、個別名称に言及することなく全般的にどういうところが問題かという点を公表させていただいているところでございます。
#101
○西田実仁君 そうすると、全般的に監査の質を高めるということを審査会の方で、これは高めるんだから、個別名は公表しないけれども、何がどう足りないのかという改善すべき点は公表をするということですよね。
 しかし、その検査の内容を公表するかしないかという、そういう考え方もあると思いますけれども、例えばこういうふうに改善をするということであれば公表しない、しかし、改善をしないということであれば公表するというやり方も、アメリカなんかはそうだと思いますけれども、そういう何かルールが、何をもって公表するのか公表しないのかという線引きがやや不明瞭であるというふうに思うんですけれども、いかがですか。
#102
○政府参考人(振角秀行君) お答え申し上げたいと思います。
 今の法律の下では、勧告した場合についてはきちっと書いてあるわけでございますけれども、それ以外については明確になっていないということでございますけれども、いずれにしても、検査の個別の内容については、我々国家公務員としての守秘義務がありますので、これはほかの検査でも一緒だと思いますので、基本的には個別については公表しないということになっていると承知しております。
 ただ、先ほど来申し上げているのは、その個別の内容に言及することなく、四大監査法人あるいはその中小規模という全体のグループで共通して見られる点については、検査に入っていない法人でも参考になるべき点が多々あると思いますので、そういう観点から全体の監査の品質向上のために公表させていただいているということでございます。
#103
○西田実仁君 残りの時間が迫ってきましたので、次の話題に移りたいと思いますけれども、内部統制報告制度における監査人による監査ということについてお聞きしたいと思います。
 いろんな論点があろうと思いますけれども、いわゆる日本版SOX法と中小企業の監査費用の負担軽減ということについてお聞きしたいと思います。
 このSOX法自体は、決算書が正しく作成されるように、社内体制が整備され、それが運用されているかどうかを経営者自らが点検し、評価をして、内部統制報告書にまとめるという言わば財務報告の品質保証制度だというふうに理解しております。
 これまでの会計監査は、財務報告の結果監査、一方いわゆる日本版SOX法と言われるものは財務報告が作成されるまでの経過をも監査するプロセス監査であろうと思いますが、御承知のとおり、先行したアメリカでは様々な弊害が生じている。それは多くは莫大な費用が掛かっているということになると思います。
 ミシガン大学の調査を見ますと、SP五百社の監査費用総合計は、SOX法実施前、二〇〇二年が二十五億ドルだったところが、実施一年目の二〇〇四年度には四十億ドルへと六割も拡大をしている。さらに、これ以外に、SOX法対応の準備費用として大手企業では一社平均四百三十万ドルも支払ったという調査結果も全米トップ二百社の平均で出ているところでございます。
 こうした莫大な費用が掛かり過ぎるということで企業活動にも支障が出ているという指摘も随分と出てきているわけでございますけれども、そういう意味で、いよいよ全上場企業に当てはめていく中で、アメリカでもこうしたSOX法の見直し、適用除外、中規模企業への配慮ということもなされてきていると思いますけれども、現状、アメリカのこのSOX法の見直し、分かる範囲で結構でございますので、どのような見直しがなされているのか、まずお聞きしたいと思います。
#104
○政府参考人(三國谷勝範君) アメリカにおきましては、内部統制報告制度の実施に当たりまして、中小規模企業向けの評価指針の作成など、中小規模企業向けに簡便な手続を容認する措置がとられたことは承知しているところでございます。具体的には、トップダウン型のリスクアプローチでございますとか、前年度の評価の活用でございますとか、監査における他の専門家等の作業の利用ということでございます。
 一方、私ども、企業会計審議会が公表した基準等におきましては、こういったアメリカの例というものは、むしろ先例としてあったわけでございまして、内部統制報告制度の実施が企業における過大なコストを招くものとならないよう、そのアメリカの状況を検証しながら、大きく六点ほどの対策を講じているところでございます。
 一つは、トップダウン型のリスクアプローチにすると。二点目は、内部統制の不備の区分の簡素化。三点目は、ダイレクトレポーティング、これは直接報告と申しますか直接調査と申しますか、そういうものでございますが、それは採用しない。それから、内部統制監査と財務報告監査の一体的な実施、それから内部統制監査報告書と財務諸表監査報告書の一体的作成、それから監査人と監査役、内部監査人との連携などの種々の工夫を図っているわけでございます。
 したがって、私どもの方で、日本の場合には、中小規模に限らず、基本的にすべての上場企業にこのようなルールを適用するような形で策定しているところでございます。
#105
○西田実仁君 日本の場合には、そうした形で企業の規模とかいうことで適用除外をつくるとかいうことではなくて、全般的にそういう莫大な費用が掛からないような配慮がなされているということでございます。
 今六つ御指摘いただいたものの一つに、監査業務と非監査業務の同時提供の禁止ということに対する適用除外の話があったように思いますが、この監査業務と非監査業務の同時提供は禁止されているわけでございますけれども、この内部統制報告制度における監査ということについては、アメリカなどでは、監査している先に対して別にコンサルティング業務とかをやっていると監査が甘くなるということでこの同時提供が禁止されているわけですけれども、その結果、監査人が内部統制について助言等をすることに過度に制約的に考えてしまうと。まずコンサルタントから指導を受けてから監査をする、あるいは別の監査事務所から指導を受けてから、最終的な監査は別の監査事務所が行うというような、二重、三重にコストが掛かってしまうと、こういうようなケースも散見されております。
 日本におきましてはこうしたことが回避されると、こういう理解でよろしいんでしょうか。
#106
○政府参考人(三國谷勝範君) 御指摘のような点が過度に保守的な対応が取られることのないよう、企業会計審議会が本年二月に公表いたしました実施基準におきまして、内部統制の構築の段階においても、経営者等と必要に応じ意見交換を行い、内部統制の構築等に係る作業や決定は、監査人によってではなく、あくまで企業・経営者によって行われるとの前提の下で、有効な内部統制の構築等に向けて適切な指摘を行うことを妨げるものではないということを明らかにしているところでございます。
#107
○西田実仁君 この内部統制報告書、先ほど申し上げましたとおり、インセンティブのねじれのところでちょっと申し上げたわけでございますけれども、本当に制度、あるいはそれを報告をさせて、じゃガバナンスが向上するのかと。なかなか、本当に悪さを起こしているのはごく一部の不祥事を起こしている会社でございまして、そういう人のためにあらゆる人が、やたらコストだけ掛かってしまって、本来の本業である企業活動そのものが妨げられるというようなことがあってはならないと。こういうことを私は一方で大変に強く思っておりますので、今様々な、今回のいわゆる日本版SOX法につきましては、アメリカでの先行事例をある意味で学んで、そうした弊害が起きないようにして、効果あらしめるようにして、様々御検討また御配慮をいただきたいというふうに思っております。
 ちょっと早いんですけれども、終わりたいと思います。ありがとうございました。
#108
○大門実紀史君 大門でございます。
 今回の法案はなかなかよくできた法案だというふうに思っているところでございます。
 四年前に大改正がございまして、随分あのときに議論したことを思い出しますけれども、強いて言うなら、あのときにもっと早く今回のような内容を入れておけば、その後のいろんな事件が防げたのではないかということは申し上げたいと思いますし、個々いろいろ課題もあると思いますが、もう既に相当重複して指摘されておりますので、あえて重複して触れません。
 そもそもこの公認会計士問題、私の記憶では、この委員会的に言えば、最初はやっぱり足利銀行の中央青山の問題で、あのときもさんざん議論しましたけれども、あれが発端のような気がいたします。そういうこともあって、足利銀行問題との絡みで監査法人の在り方、また関連して、足利銀行の不良債権処理と現在問題になっているようなことについても質問をさせていただきたいというふうに思います。
 まず、先に焦点になっておりますからお聞きしますが、足利銀行の受皿問題ですけれども、去年の九月ですか、いろいろ検討されて、足利銀行の受皿選定に関するワーキンググループ開催されて、そのグループの指摘もあって、公募、受皿の公募に際して基本的な三つの条件を決めるということを提示されて、秋をめどにということで受皿選定が今検討されているということだと思います。
 これはもう何度もこの委員会でも足利銀行が起きたときから申しておりますけれども、いわゆる経営権を取得した後、短期で売り抜けるようなそういうファンドを含めたそういう受皿候補だけは排除するべきだということは地元からも強く要望されているところでございますけれども、その点含めて、今現在の見通しを少しお聞かせいただきたいと思います。
#109
○政府参考人(佐藤隆文君) 御指摘いただきました受皿選定の基本的な考え方でございますけれども、次の三つの点が重要であるというふうに考えております。
 一つ目は、金融機関としての持続可能性ということで、地域の中核的な金融機関として適切なガバナンスを確立し、財務の健全性とそれを維持できる収益性を確保することによって金融仲介機能を持続可能な形で発揮できるということが重要だということでございます。
 二つ目が、今正に委員から御指摘をいただきました、地域における金融仲介機能の発揮ということで、栃木県を中心とする地域において利用者の信頼を確立し、中小企業金融の円滑化に積極的に取り組むとともに、それを通じて地域の再生、活性化に持続的に貢献できることが重要という趣旨でございます。
 三つ目は公的負担の極小化ということでございまして、受皿への移行に際して預金保険機構による資金援助が実施されることになりますけれども、足利銀行の将来にわたる企業価値が適正に評価されることにより、全体としての公的負担をできる限り小さくするという趣旨でございます。
 こういった基本的な考え方に基づきまして、現在、受皿選定作業が進行中でございます。御案内のとおり、三段階で進めることにいたしております。
 具体的には、第一段階といたしまして、受皿に求める基本的な条件を提示して受皿候補を公募する、提出された応募書類を審査し、受皿候補の有資格者を選定するということでございます。第二段階といたしまして、第一次審査を通過した受皿候補に対し事業計画書の提出を要請し、提出された事業計画書を審査して受皿候補を絞り込むという段階でございます。第三段階といたしましては、第二次審査を通過した受皿候補に対し、足利銀行の企業価値を適正に評価した上で譲受け条件等を提出するよう要請し、提出された譲受け条件等を審査して最終的な受皿を決定すると、こういう手順でございます。
 現在は、今の三つの段階のうち第二段階に入っておりまして、第一次審査を通過した受皿候補から本年三月三十日までに提出されておりますが、事業計画書、これについて審査を進めているというところでございます。
 金融庁としては、足利銀行が引き続き栃木県を中心とする地域において金融仲介機能を持続可能な形で発揮していけるかといった等の観点から事業計画書の詳細かつ深度ある審査を行ってまいりたいというふうに思っております。
#110
○大門実紀史君 福田栃木県知事が山本大臣にお会いなさったんですかね、四月二十三日ですか。そのときに知事が、今、佐藤さんからありました選定の過程について一定の情報公開をしてほしいという希望が出されたように聞いておりますけれども、その辺はなかなか難しいんでしょうか。地元としては大変気にしているようですけれども、どこまで情報公開できるのかという点についてお答えいただけますか。
#111
○政府参考人(佐藤隆文君) 情報公開の在り方につきましては、これにつきましても私どもの方で慎重に検討いたした結果、ただいま申し上げましたような三つの大きな基本的な考え方、また、それぞれの考え方の中身をもう少し御説明したような内容、そういったものと、それから、今三つの段階のうち第何段階目にあるかといった、こういったことについては説明をさせていただく、公表をさせていただくということですけれども、それ以上のことにつきましては、様々な弊害が考えられるということで差し控えさせていただいているということでございます。
#112
○大門実紀史君 いずれにせよ、あの破綻したときには地域経済がかなり被害を受けましたので、地元のそういう要望を踏まえて選定作業を進めてもらいたいと思います。
 足利銀行が破綻したときに一時国有化の引き金を引いたのが中央青山だということで大問題になりました。そのときに中央青山の監査の妥当性が問われたわけですね。
 具体的に言えば、債務超過とした〇三年三月の決算が資産超過というふうにした点とか、例の竹中大臣が一生懸命やっていましたけれども、繰延税金資産の計上を認める認めないというところで、これが突如否認に転じたという点で、これが、後々足利銀行と中央青山との主張の違いといいますか係争にもなった問題でございます。
 金融庁は、〇五年一月二十五日に中央青山に対して戒告処分を行っておられます。その内容をちょっと改めて教えてもらいたいのと、今回の改正の後、また、個別には別ですけれども、一般論として同じようなことが行われた場合どういう処分に変わるのか、具体的に教えていただけますか。
#113
○政府参考人(三國谷勝範君) 中央青山監査法人は、株式会社あしぎんフィナンシャルグループ及び株式会社足利銀行に係る平成十五年三月期決算及び平成十五年九月期中間決算の監査証明に関し、一つ、地方事務所に対する審査体制等の不備、一つ、監査調書作成等に係る業務管理体制の不備が認められ、監査法人の運営が著しく不当と認められるときに該当したことから、平成十七年一月二十五日付けで戒告処分を行ったところでございます。
 今回の改正案をお認めいただいた場合に、本事案が新法下でどのような処分となるかでございますが、これは個別の事案に関する仮定の質問でございますので、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。
#114
○大門実紀史君 いや、だから一般論で聞いているんです。ちゃんと通告しておいたでしょう。
#115
○政府参考人(三國谷勝範君) 今回、その後でございますが、例えば指示でございますとか、あるいは業務改善命令等、今回そういった法案でお願いもしているわけでございますけれども、ただ、個別の事案につきまして、別な制度の下でどのような処分が下されるかということにつきましては、恐縮でございますが、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。
#116
○大門実紀史君 私、こだわりませんけど、言っていることは、こういう意見が違って、なおかつ金融庁は、すべてじゃありませんけど、意見の違うすべてじゃないですけれども、そのある部分について戒告処分をなさったと、ですね。その中身を今おっしゃったわけですね。ところが、その中身は戒告処分じゃなくなるわけでしょう、今度の法改正だと。それを聞いているだけだから、そんなこだわらないで答えてもらっていいんじゃないかと思いますけど。何も足銀のことを言っているわけじゃないんですから、同じようなことが起きた場合という意味ですから。
#117
○政府参考人(三國谷勝範君) 同じようなことが起きた場合に、その場合でも言わば戒告というのを同じように適用されることがあり得るわけでございます。したがいまして、新しい制度の下で手段が多様化した場合に、戒告も含めてそのうちのどれが適用されるかということにつきましては、仮定のお話になりますので、誠に恐縮でございますが、そこに断定的なことを申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。
#118
○大門実紀史君 じゃ、どう言えばいいかな。まあいいです、もう、全然意味が分かっていらっしゃらないみたいですから。
 もう一つ聞きたいんですけれども、公認会計士・監査審査会で、これは具体的な話でございますが、足利銀行にかかわる中央青山について検討されたことはございますか。
#119
○政府参考人(振角秀行君) 私の方から答えさせていただきたいと思います。
 公認会計士・監査審査会でございますけれども、具体的にどういうような監査業務について検査しているとか、そういうのはまさしく個別にわたる話でございますので、従来より言及を差し控えさせていただいているところでございまして、どうぞ御理解をお願いいたしたいと思います。
#120
○大門実紀史君 昨日、レクで聞いたら、検討したことはあるというふうに聞いております。別にそれもこだわることないと思うんですけれども。
 次にお聞きしたいのは、この中央青山は足銀問題のときに、何といいますか、監査法人であるにもかかわらず、足利銀行のいろんな経営判断に相当関与いたしました。口を出しました。
 これはもう明らかになっていることでございますけれども、上野百貨店という宇都宮のしにせのデパートがございますけれども、それに対する支援の打切りのときに、中央青山の代表社員である公認会計士が足銀本店に上野百貨店を呼んで、かなり厳しく、もうおたくには相当融資をしたと、これで終わりだというのを監査法人の方が言って、新聞報道で、新聞にも出ていますけど、自分でおっしゃっていますけれども、今つぶしても、上野百貨店今つぶしても流通業のことだから弁明できるんだというようなことまでおっしゃっていたというようなことがありました。
 これはこれとしてちょっと分けて聞かないとまた変な答弁になるので申し上げますけれども、監査法人がこういう経営に関与していくということは、そもそもこの公認会計士法でどういう位置付けになっていますか。
#121
○政府参考人(三國谷勝範君) 平成十五年の公認会計士法改正によりまして、これは平成十六年四月一日から施行でございますが、監査証明業務とコンサルティング業務等の非監査証明業務の同時提供の禁止が導入された次第でございます。
#122
○大門実紀史君 足銀に絡んで会計士法との関係でお聞きしたいのはもう以上でございます。
 足銀は破綻した後、足銀破綻の後ですね、不良債権処理で地元では別のちょっと大きな問題が起きておりますので、そちらの方に話を移したいと思います。
 資料をお配りいたしましたけれども、足利銀行は、先ほど言いました上野百貨店跡地を売却しております。金融庁は、これどこに売却したか御存じでしょうか。
#123
○委員長(家西悟君) だれが答えますか。佐藤監督局長。
#124
○政府参考人(佐藤隆文君) 銀行の個別の取引でございますので、私どもが直接言及すべき話ではないかとも思いますけれども、報道によりますと、大林組というところに譲渡されたということだと聞いております。
#125
○大門実紀史君 ただ、足銀が決算とかいろんなものを、金融庁チェックなさるわけですから、報道で知ったというよりも、それ見てれば名前出てきますよね。そういう点、じゃ初めて知ったんですか。報道というのはおかしいなと思ってお聞きするんですけれども。当然、足銀からいろんな報告があって、今承知されたかどうかは別として、当然金融庁が知り得ることではないかと思うんですが、いかがですか。
#126
○政府参考人(佐藤隆文君) 一般論といたしまして、足利銀行、御案内のとおり特別危機管理銀行ということで、言わばいわゆる国有銀行の位置付けでございますので、通常の銀行監督に比べればより詳細な報告等を受けているということは事実でございます。
 ただし、その個別の銀行としての民民の取引について一つずつ詳細を聞いているという性格のものではございませんので、御理解を賜りたいと思います。
#127
○大門実紀史君 お手元に配った写真と図がそうなんですけれども、この資料の、上の方の資料の左側が西地区といって右側が中央地区という言い方するんですけれども、要するに、右の方からちょっと言いますと、これは上野百貨店跡地を大林組が任意売却で〇三年の四月に取得をいたしました。これは中央地区の再開発になったわけです。これは第一種市街地再開発事業ということで、総事業費六十億円でございます。
 左の方、西地区ですけれども、これは〇五年二月にこれも大林組が取得をいたしまして、これは当初十六階のマンションを建てるということだったんですが、どういうわけか二十四階、八十二・五メートルのマンション、高層、宇都宮では一番の超高層マンションになるということになっております。
 これはいろいろ経過が、もう細かいこと言いませんが、ありまして、去年の二月に宇都宮市の都市計画審議会で、このマンションを、二十四階建設を可能にするために容積率を七〇〇%、三〇〇%から七〇〇%に引き上げるということで、容積率の緩和を宇都宮市が決めております。こちらの左の方の事業規模は七十億円ということでございます。
 これは、先ほど言いましたけれども、都市再開発事業ということで国の補助金が出ているということですけれども、国土交通省にお聞きしますけれども、これはどういう名目で、幾らの補助金が出ているんでしょうか。
#128
○政府参考人(和泉洋人君) お答え申し上げます。
 まず、西地区でございますが、平成十九年度までの国費配分額は約三・八億円、現在の計画ですと、平成二十年度以降の要望額は十三・一億円と聞いております。また、中央地区につきましては、十九年度までの配分額は約十二・一億円、二十年度以降の要望額はないと聞いております。
 ちなみに、再開発事業の補助対象でございますが、御案内のとおり、基本計画の策定等のソフト部分と、共同施設整備費とか駐車場の整備費とか公開空地の整備費等の、そういった共同的あるいは公益的な部分について補助をさせていただいております。
#129
○大門実紀史君 その補助金というのは、再開発事業だったら何を建てても出るんでしょうか。
#130
○政府参考人(和泉洋人君) 当然、再開発事業の施行要件、これは委員も十分御案内だと思いますが、そういったものを満たした上で、今御説明しましたように、基本計画の策定費とか事業計画の策定費などに加えまして、共同施設等の整備に対して助成します。その場合、補助率につきましては、国と地方が三分の一ずつ、事業者側が残りの三分の一を持ちます。栃木県のケースでは、地方分につきましては、県が六分の一、市が六分の一、こういった経過でございます。
 当然それは補助対象でございますが、その補助対象を踏まえた上で、地元で、当該事業のいわゆる都市再生に対する公益性やあるいは事業の成立可能性等を踏まえまして、予算の範囲内で地方公共団体としての補助額を決めまして、それを国に申請してくると、こういう手続になるかと思っております。
#131
○大門実紀史君 ですから、この中央地区の方は、国が十二億、栃木県と宇都宮市が各六億ですね。そのほかに宇都宮市が五階、六階、十九億で買っておりますから、四十三億円が税金投入でございます。約七割が税金で造られております。
 西地区のこのマンションの方ですけれども、これは、ただ、今地元では景観を守れという市民運動になっている部分でございます。この二荒山神社というのがございまして、二荒さんという言い方もしますけれども、この二荒山神社というのは有名な神社でございます。その真横に超高層マンションを建てるということで市民運動が今起きているところでございます。
 元々、この近辺というのは、この神社の周りということで今まで建てても三十一メートルぐらいを上限ということで、高い建物は地元の人たちは建てなかったわけですね。余り高いのを建てると、この二荒山神社に申し訳ないというか、罰が当たるといいますか、ですからそんなに超高層を建てるような場所じゃなかったんですけれども、今度は何と八十二メートルもの超高層を建てるということで、景観の問題とか歴史保存の問題で大問題になっているところでございます。
 このマンションの方が、百五十三戸の分譲マンションで事業費が七十一億ということで、今ありましたとおり、そのうち国が十六・九億、県が八・四億、市が八・五億ということになっております。
 この二つを合わせて国から約三十億円近く投入されるものでございますけれども、例えばこの西地区、高層マンションの方ですが、地権者は、大林組が土地の六二%を所有しています。足利銀行は二三%、栃木銀行は九%、それでもう九四%を占めて、名前は載っておりますけれども、地元のお店と会社が二つありますが、実質的には大林、足銀と。大林が特に六割以上を持っているわけですね。
 国交省は、こういう再開発事業で、こういうゼネコンといいますか、例えばこの事業で、大林組がこの再開発組合の最大地権者ということまで御承知の上でそんなに税金を投入することを認可されたんでしょうか。
#132
○政府参考人(和泉洋人君) 当然、補助申請をされる際に、事業の中身は御説明に来ますので、今委員御指摘の地権者等の状況については承知した上で、私ども予算の範囲内で補助金の交付を決定させていただいております。
#133
○大門実紀史君 そうすると、全国で、私は、不良債権処理の土地が駅前にたくさん、駅前とか中心地にたくさん今出ています。それをデベロッパーなりゼネコンが買っているところが一杯あります。それが再開発事業とさえ指定されれば、マンションを造ろうが何造ろうが、国から国民の税金が投入されているという事態が広がっているんじゃないかと思ってこの案件を今質問しているわけですけれども、国交省としては、それでも構わないと。別に慈善事業でやっているわけじゃないですね。マンションを売って売却益でと当然考えているわけですが、それでも国民の税金を使っても構わないということで、承知の上で補助金の認定をされたというふうに確認してよろしいですか。
#134
○政府参考人(和泉洋人君) 先ほど御説明しましたように、市街地再開発事業の要件は法律あるいは補助要綱等でまず決まっております。その上で、いわゆる補助対象は基本的には共同施設とか公益的な施設の部分の物的な部分が対象でございます、中心は。更に加えまして、すべて公費を充当しているんじゃなくて、事業主体が三分の一、国、地方が三分の一ずつ持つということでございます。現下の厳しい地方の財政事情の中で、当然地方が三分の一を負担することを前提に、地方公共団体として、地域の状況、今委員御指摘の地権者の状況も含めまして地域の状況、加えて、この都市再開発ができることによって地域の都市機能や都市環境の改善に資する効果、例えばこのケースでございますと、両地区で今までは全く空地はございませんでしたが、都合で一千八百平米の空地を設けるとか、宇都宮の場合には都心居住のテーマがございますので百五十三戸の住宅を供給すると、そういった意味での都市環境の改善や都市機能の向上効果を勘案して、そういう上で地元の公共団体が判断されて私どもに上がってくる以上は、私どもとしましては、補助要綱等に合っておれば、私ども国費の範囲内で一生懸命付き合わさせていただいていると、こういった状況でございます。
#135
○大門実紀史君 これは一応県も市も手続は踏んでいるでしょう。私が申し上げたのは、国として、国民の税金を、の立場で、県と市が今おっしゃったようなことでとにかく補助金出すこと決めた、事業に認定したと、だったらば国交省は無条件で出すのかと。今言ったように民間が、民間デベロッパーがこういうところでマンションを造って売却益をということで、そんな場合でも県と市が判断したら自動的に国交省は出すのかどうかということをお聞きしているわけですけれども。
#136
○政府参考人(和泉洋人君) なかなかお答えしにくい質問なんですが、まず一番目に、予算の範囲内という制約がございます。したがって、再開発事業の予算が極めてタイトになりまして、そういう中で仮に公共団体が様々な申請をしてきたとしても予算を上回ってしまう、そういった場合に、じゃどういった再開発事業を優先するのかと、これはまた別の観点があろうかと思います。
 現時点では、現在予算の範囲内で、地元から上がってきました、都市機能の向上上も都市環境の改善上も私どもから見ましてそれなりの効果がある事業でございますので、地元の意向を尊重させていただいていると、こういった理解でございます。
#137
○大門実紀史君 それでは、もう一つ具体的なことを聞きますけれども、都市再開発法は、この場合はそうですけれども、第一種市街地再開発事業としての要件としてかなりやっぱり国民の税金を出すものですから厳格な規定をしていると思うんですけれども、この第一種市街地再開発事業の要件というのはどういうふうに定められていますか。
#138
○政府参考人(和泉洋人君) どの程度細かく、大きな項目でいいですか。全部読むとすごい量になるものですから。
 まず、基本的には、今の御指摘の再開発事業の要件でございますが、一点は、当該区域が高度利用地区等にあって、都市計画上の位置付けがあるというのが一点でございます。
 二点目は、当該区域内にある耐火建築物の割合が少ない、言うなれば更新する必要性が高いという要件が二番目にございます。
 三点目は、当該区域内に十分な公共施設がないこと、あるいは当該区域内の土地利用が細分化されている等の状況があって、不健全な土地利用の状況であると、これが三点目でございます。
 四点目に、この場所の更新を図ることが当該都市の都市機能の向上上効果があると、こういったおおむね四点に法律上まとめられていると承知しております。
#139
○大門実紀史君 今言われました三点目というのは、都市再開発法三条ですかね、当該区域内の土地利用が細分化されていることなどによって土地利用が著しく不健全、つまり細分化されていて、ばらばらにみんないろんなことをやり出したらきちっとした町づくりできないと、この趣旨はよく分かります。
 ところが、この土地は、このマンションの西地区の方ですけれども、さっき申し上げましたけど、大林組が六二%、足利銀行二三%、栃木銀行が九%、ですから、もうこの三者で九四%、言ってしまえばもう大林組で六割以上が占有されていると。何も細分化しておりません。細分化されていません。この都市開発、この補助を出す前提としての都市再開発法三条にこれは該当しないと私は思います。該当しないのに補助金の認定してよかったんでしょうか。
#140
○政府参考人(和泉洋人君) まず、その都市再開発法に定めた要件に合致するか否かについて判断すべき一義的な権限は再開発法上、知事の判断によります。栃木県知事におきましては、今先生御指摘でありますが、西地区について百貨店の敷地は極めて不整形、あるいは足利銀行と旧百貨店との間に極めて狭い敷地が存する、こういったことを総合的に勘案して、栃木県としてこの要件に該当すると、こう判断されて認可したものと思っております。
#141
○大門実紀史君 いや、私は、国交省の判断聞いているんです。分かりますよ、通常、市街地開発というのは、小さなお店がばらばらにあったり、いろんなものが交錯していて、それじゃまとまった開発できないからということで、こういう開発組合をつくって、事業組合というのはもうよく分かっております。
 この場合は、全然そうじゃなくて、そんな細かい話するんじゃなくて、それは栃木県がどう判断したかを聞いておりません。私は間違っていると思っていますから、栃木県の判断はですね。国交省はそんな、この現場を見たら分かりますよ、そんな細分化された土地でも何でもないのに、その第三条に該当しないのに、県が、知事がそう判断したんだから、国は国民の税金を三十億も出すと、こんなことでいいんでしょうかということ聞いているんです。あなたの常識で見て、あの土地が細分化されているんですか、開発法三条に該当するんですか。
#142
○政府参考人(和泉洋人君) 全国のすべての再開発事業を記憶しているわけではございませんが、私の記憶では、こういうような形で非常に建物自体が耐久性、いわゆる耐用年数過ぎておって、委員、図面、当然御存じだと思いますので、ああいった形の中で都市の再生の観点から、それの全体の建て替えや空地の整備や、あるいは住宅供給等が必要な場合にその法律上もこれに該当するというケースがあるかと思います。そういった意味で、栃木県の知事の判断を尊重したいと思います。
#143
○大門実紀史君 栃木県の知事の判断で国民の税金何でも使われたらたまらないですよ。それは、栃木県は栃木県で栃木県議会、あるいは宇都宮は宇都宮市議会、チェックすればいいと思いますけれども、国会は国会で国の税金の使い方をチェックする場ですから、知事が言ったから、知事が決めたから、知事の判断だからって、ほかの、全国のですよ、国民の税金が入れられたらたまりませんから申し上げているわけで、そういう安易な判断はおかしいんじゃないかと思います。
 更に言いますと、この大林組はこの中央地区の方の土地を買ったときに記者会見をやっておりまして、もうはっきりと言っております。この事業、地元から協力してくれということで協力したんだと。じゃ、地元というのは何なのかと、どこが地元なのかというのもはっきりしませんけれども。で、事業を組み立てて、地元の方に床を買っていただくんだと、もうはっきりと言っているわけですね。自分たちのこれは事業なんだと言っているわけです。だから、どこに公益性があるのかなというふうに思いますけれども。
 それに呼応して、これも非常に私はグレーゾーンだなと思いますけれども、県、容積率の引上げをやっているわけですね。十六階しか建てられないのに、二十四階に百五十八戸の住宅が建てられるようにしたわけです。もうこれはどこかで聞いたような話で、容積率を上げてもうけるというのがここでも使われているわけですね。それはもう都市計画審議会ではっきりと言っています。二十四階にした理由は採算、採算という言い方していますけれども、採算を取るためだということも、これは自治体が答弁をしております。
 もう一つは、この中央地区の方の施工業者は大林組でございます。たまたま、今大林組はあの名古屋の談合事件で宇都宮市の発注工事も指名停止を受けておりますけれども、今後はこちらの西地区、どうなるか分かりません。今、最近の話でいきますと、この二荒山神社の近辺の歩道に滝を造る工事ですけれども、これは大林組関連の大林道路というところが落札率九九%で落札をしております。普通、九五%を超えると談合だと言われておりますけれども、そういうことをやっているところです。
 私は、こんなものは大して、どうってことない、もうただの大林組のもうけ話じゃないかと思います。そんなものに三十億円もつぎ込まれていいのかというふうに思いますから、改めて国交省として、この三十億円が使われるわけですから、栃木県に、宇都宮市に私の疑問も含めて確認してもらいたいと。どういう公益性を持っていて、さっき言った開発法三条、三条がもしもこんなことで、さっきの三条の要件が、細分化されてなくてもいいんだということになると広がっちゃいますよ。もう形骸化しますよ、第三条が。そんなことも含めて、改めて栃木県に検証してもらいたいと思いますが、いかがですか。
#144
○政府参考人(和泉洋人君) 今まで十分、栃木県あるいは宇都宮市、適切な手続をしてきたと思っておりますが、今日、委員からこういった御指摘があって、この委員会で議論されたことについてはきっちりと県の方にお伝えしたいと思います。
#145
○大門実紀史君 併せて申し上げておきますけれども、こういう無理無理、具体的なだれかに利益を与えるために容積率を緩和するというのが余りにも多過ぎます。この委員会でも大手町開発、大きな問題取り上げましたけれども、こういうことが全国の今都市再開発の中でやられていて、しかも金融が絡んで不良債権処理で出た土地、それを二束三文でディベロッパーなりゼネコンなりが買って再開発事業組合という仕組みを使って、税金をもらって、さらに容積率を緩和してもらってと。こんなことが全国の本当に地方の町で進んでおりますので、気を付けてもらいたいといいますか、総点検をしてもらいたいと思うぐらいでございます。
 もう一つ言っておけば、これ景観条例も違反していますよ、これ。これ、景観条例違反しているということも、あわせて、違反してないかということも検証してもらいたいというふうに思います。
 国交省はとにかく問い合わせしてもらうということですから、後で、私、これは県と市のこのやり方も非常に疑問を持っております。市民の方々は、景観の問題で、歴史保存の問題で運動されておりますけれども、こういう大林組の関与とか容積率がわざわざ緩和されたとか、非常にダーティーと思える部分ですね、これは余り御存じありませんが、もしこれがずうっと問題になっていって、その栃木県の隣の県で起きた事件でございますが、結局、談合といいますか、自治体との癒着とかそういう問題に発展する可能性も私はないとは言い切れないと思っているぐらい不明朗な動きになっております。そのときに国交省は問われてしまうと思いますので、是非、心して問い合わせをしてもらいたいと思います。
 金融庁にお聞きしたいと思いますけれども、今申し上げたように、足利銀行もこの再開発組合の一員でございます。個別のことは答えられないというか、御存じないと思いますので、いずれにせよ、これは要請、お願いでございますけれども、足利銀行にもきちっと、後ろ指を指されることのないようこの問題で対応するよう伝えてほしいと思いますが、いかがでしょうか。
#146
○政府参考人(佐藤隆文君) 銀行が不良債権処理を行うあるいは債権の回収を行う際に担保の処分を行う。様々な取引を行うことになりますけれども、その際に、全体として法令等遵守のチェックをきちんと行う、こういったデュープロセスを経て仕事を進めていくということが重要であるということは改めて伝えておきたいと思います。
#147
○大門実紀史君 今申し上げたように、最後に大臣にお伺いしたいと思いますけれども、金融の問題から不良債権処理でいろんなところに土地が出て、そしてそれが銀行の不良債権処理との関係で、特にディベロッパー、ゼネコンが安く買って今のようなことになっていると。こういう流れになっていくと、不良債権処理が善かれと思ったものがまた違う効果を、逆効果といいますか、国民、市民に迷惑掛ける場合も生じつつあるんではないかと私は懸念をしておりますけれども、そういう点で何かコメントがあれば大臣のコメントをお聞きしたいと思います。
#148
○国務大臣(山本有二君) 今、経済は日本全国まだら模様で、特に金融機関が破綻した地域における不況の実感は強いものがございます。こういうようなところを中心に何とか地域経済が活性化、また生き返っていただきたいというように思っております。そういうことを含めまして、不良債権処理における公平さ、あるいは中立性、こういったものを念頭に置きながらそうした政策に取り組んでまいりたいというように思っております。
#149
○大門実紀史君 ちょっと早いですけれども。もう少し頑張ってみますか。
 足利銀行問題に戻ってしまいますけれども、先ほどの冒頭の質問にちょっと戻って申し訳ないんですけれども、三つの条件ですね、その二つ目に地域における金融仲介機能の発揮と。これが、地元が心配しております外資等の短期的な利益をねらった資本に足利銀行が買い取られるんじゃないかというふうなところを担保するかのような御発言を佐藤局長されましたけれども、これが本当に地元の心配を排除する条件になるのかと。どういう関係で、例えば外資が入ったって当面は地域の金融仲介機能、困らない場合ということだってあると思うんですけれども、その辺はこれがどういうふうにそれと連動するのか、ちょっと解説をしていただけますか。
#150
○政府参考人(佐藤隆文君) 私どもといたしましては、外資だから不適切であると、こういう考え方は取っておりません。あくまでも先ほど申し上げましたような三つの大きな基準を満たしたところというところで審査をしていくということでございます。
 それで、三つの基準のうち、地域における金融仲介機能の発揮というところでございますけれども、これ若干ブレークダウンした説明もさせていただいているところでございます。第一点として、栃木県を中心とする地域において金融仲介機能を継続的に発揮することについて明確なコミットメントが存在していること。二つ目といたしまして、一時国有化の下で進められてきた収益力の強化、資産内容の健全化及び業務運営の効率化の成果をベースとして、これらを更に発展させることのできる営業体制及び人事管理政策を確立できること。三つ目といたしまして、地域の利用者の信頼を得つつ、地域密着型金融を推進するとともに、利用者利便の向上や地域の活性化に継続的に貢献できることと、こういったより具体的なブレークダウンした考え方を整理をいたしておりまして、こういった点にも十分配慮しながら事業計画の中身をチェックしていくと、こういう姿勢でございます。
 こういうチェックをすることによって、結果としてこの地域における長期的なコミットメントを持った金融仲介機能の発揮と、こういうことをやっていただける受皿が選ばれていくと、こういうプロセスでございます。
#151
○大門実紀史君 そういう点で御努力をいただきたいと思います。
 終わります。
#152
○委員長(家西悟君) 他に御発言もないようですので、質疑は終局したものと認めます。
    ─────────────
#153
○委員長(家西悟君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、尾立源幸君及び大塚耕平君が委員を辞任され、その補欠として柳澤光美君及び広中和歌子君が選任されました。
    ─────────────
#154
○委員長(家西悟君) これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 公認会計士法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手をお願いします。
   〔賛成者挙手〕
#155
○委員長(家西悟君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、大久保勉君から発言を求められておりますので、これを許します。大久保勉君。
#156
○大久保勉君 私は、ただいま可決されました公認会計士法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党及び日本共産党の各会派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    公認会計士法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。
 一 公認会計士監査をめぐる非違事例等、監査の信頼性を揺るがしかねない事態が発生したことにかんがみ、非違事例等の再発を防止し、監査の品質と信頼を確保するため、監査に関する制度について不断の見直しに努めること。
 一 財務情報の適正性の確保のためには、企業内におけるガバナンスの充実・強化が不可欠であることにかんがみ、監査役等の専門性及び独立性を踏まえ、その機能の適切な発揮を図るとともに、監査人の選任議案の決定権や監査報酬の決定権を監査役等に付与する措置についても、引き続き検討を行い、早急に結論を得るよう努めること。
 一 公認会計士監査制度の充実・強化のため、専門職業士団体が継続的に自主規制の充実促進を図ることが重要であることを踏まえ、専門職業士団体の自主規律を活用しつつ、有効かつ効率的な監督を行うこと。
 一 今般の改正により、業務管理体制の改善命令、課徴金納付命令等の行政処分の多様化が図られることに伴い、特に課徴金の納付命令に関しては、その効果を十分に検討しつつ、適切な運用に努めること。
 一 会計監査を担う有為な人材の育成、確保の重要性にかんがみ、社会人等を含めた多様な人材の確保が進むよう、公認会計士試験の実施の在り方等、更なる改善に努めるとともに、公認会計士の質の充実と規模の拡大に努めること。また、国際的な会計基準の収斂が着実に進行している中、主要先進国間における公認会計士業務の相互協力を促進すること等も含めて検討すること。
 一 証券市場の重要な基盤の一つである公認会計士制度を取り巻く環境の大きな変化を踏まえ、広がりをみせる監査業務に対する社会的ニーズに応えていくためには、中小監査法人の果たす役割が極めて重要であることにかんがみ、その組織化、人材の育成強化の必要性を踏まえた適切な対応に努めること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#157
○委員長(家西悟君) ただいま大久保君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#158
○委員長(家西悟君) 全会一致と認めます。よって、大久保君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることと決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、山本内閣府特命担当大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。山本内閣府特命担当大臣。
#159
○国務大臣(山本有二君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨を踏まえまして配意してまいりたいと存じます。
#160
○委員長(家西悟君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#161
○委員長(家西悟君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#162
○委員長(家西悟君) 電子記録債権法案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。山本内閣府特命担当大臣。
#163
○国務大臣(山本有二君) ただいま議題となりました電子記録債権法案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 政府は、金銭債権について、その取引の安全を確保することによって事業者の資金調達の円滑化等を図る観点から、電子債権記録機関が調製する記録原簿への電子記録をその発生、譲渡等の要件とする電子記録債権について定めるとともに、電子債権記録機関の業務、監督等について必要な事項を定めることにより、電子記録債権制度を創設するため、本法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、電子記録債権の発生、譲渡、消滅等に関する私法上の規律を整備することとしております。
 まず、電子記録債権の発生や譲渡につきましては、磁気ディスク等をもって作成される記録原簿に、電子債権記録機関が当事者の請求を受けて電子記録をすることをその効力発生の要件とすることとし、電子記録債権の内容が当該記録原簿上の記録によって定まることとしております。
 次に、電子記録債権に係る取引の安全を確保するため、別段の電子記録をしない限り、手形における場合と同様に、電子記録債権の譲渡に善意取得や人的抗弁の切断の効力を認めることとしております。
 また、手形における場合と同様に、記録原簿上の債権者に対して支払をした者に支払免責を認めるほか、支払の事実について電子記録がされないまま債権が再度流通する事態を防止する仕組みを設けることとしております。
 以上に加えて、手形保証類似の独立性を有する電子記録保証の制度や電子記録債権を目的とする質権の制度を設け、これらにつきましても記録原簿への電子記録をその効力要件としているほか、記録事項の変更、電子債権記録業務に関する電子債権記録機関の責任、記録事項等の開示等についての規定を整備することとしております。
 第二に、電子債権記録機関に対する監督等のための規定を整備することとしております。
 まず、電子債権記録機関の安定的、継続的な業務運営等を図るため、主務大臣が申請を受け、財産的基盤や適切な業務遂行能力を有する株式会社を電子債権記録業を行う者として指定することとしております。
 次に、電子債権記録機関の公正性、中立性の確保や、他の事業からのリスクの遮断等の観点から、電子債権記録機関の兼業を禁止することとしております。
 このほか、電子債権記録機関の業務の適切かつ確実な遂行を図るための報告徴求、立入検査、業務改善命令や、電子債権記録機関が破綻した場合の業務移転命令など、所要の検査・監督規定を整備することとしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようよろしくお願い申し上げます。
#164
○委員長(家西悟君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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