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2007/03/20 第166回国会 参議院 参議院会議録情報 第166回国会 外交防衛委員会 第3号
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2007/03/20 第166回国会 参議院

参議院会議録情報 第166回国会 外交防衛委員会 第3号

#1
第166回国会 外交防衛委員会 第3号
平成十九年三月二十日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月十五日
    辞任         補欠選任
     仁比 聡平君     緒方 靖夫君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         田浦  直君
    理 事
                岡田 直樹君
                山本 一太君
                浅尾慶一郎君
                柳田  稔君
                高野 博師君
    委 員
                浅野 勝人君
               北川イッセイ君
                小泉 昭男君
                櫻井  新君
                関口 昌一君
                犬塚 直史君
                喜納 昌吉君
                佐藤 道夫君
                榛葉賀津也君
                白  眞勲君
                緒方 靖夫君
   国務大臣
       外務大臣     麻生 太郎君
       防衛大臣     久間 章生君
   副大臣
       外務副大臣    浅野 勝人君
       防衛副大臣    木村 隆秀君
   大臣政務官
       外務大臣政務官  関口 昌一君
       防衛大臣政務官 北川イッセイ君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        泊  秀行君
   政府参考人
       内閣法制局第二
       部長       横畠 裕介君
       外務大臣官房審
       議官       佐渡島志郎君
       外務省北米局長  西宮 伸一君
       外務省欧州局長  原田 親仁君
       財務省国際局次
       長        玉木林太郎君
       防衛省防衛参事
       官        小川 秀樹君
       防衛省防衛政策
       局長       大古 和雄君
       防衛省経理装備
       局長       飯原 一樹君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○平成十九年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)、平成十九年度特別会計予算(内閣提出
 、衆議院送付)、平成十九年度政府関係機関予
 算(内閣提出、衆議院送付)について
 (外務省所管及び防衛省所管)
    ─────────────
#2
○委員長(田浦直君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十五日、仁比聡平君が委員を辞任され、その補欠として緒方靖夫君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(田浦直君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成十九年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、外務省所管及び防衛省所管についての審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣法制局第二部長横畠裕介君外七名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(田浦直君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
    ─────────────
#5
○委員長(田浦直君) 去る三月十五日、予算委員会から、三月二十日の一日間、平成十九年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、外務省所管及び防衛省所管について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題とし、順次予算の説明を聴取いたします。
 まず、外務省所管予算について説明を聴取いたします。麻生外務大臣。
#6
○国務大臣(麻生太郎君) 平成十九年度外務省所管予算案について、概要を御説明させていただきます。
 平成十九年度一般会計予算におきましては、外務省は、六千七百九億二千七百万円を計上いたしております。これを前年度比と比較いたしますと、マイナス二・九%となっております。また、このうち、ODA予算は、外務省所管分として、前年度比マイナス四・〇%の四千五百四十三億五千九百万円となっております。
 御存じのように、外交は、中長期の観点から、我が国の国益を確保することを目的とするものであります。今日、この目的を我が国単独で達成することは困難であり、関係国や国際機関との協力を安定的に継続することが不可欠であります。このような観点に基づいて、平成十九年度におきましては、以下の四つの柱から成る重点外交政策を踏まえて予算案を作成いたしております。
 第一の柱は、日本外交の基礎体力の強化であります。
 まず、外交実施体制の強化に向けて、外務本省及び在外公館の体制強化や、NGO、地方自治体との連携の強化などを図ります。特に、外務省の定員、機構につきましては、定員合理化の努力を一層進めると同時に、主張する外交に必要な人員、体制を整えるべく、定員の五十一人の純増及び六大使館の新設を図ります。
 また、国際貢献などを担う人材の層を拡充するため、平和構築分野の人材育成や、国際機関における邦人職員の増強に必要な予算を計上いたしております。
 さらに、外交の重要な基盤である情報収集・分析体制の強化に引き続き取り組む一方、我が方の情報防護体制の強化に向け、不断の努力を行ってまいります。
 第二の柱は、国民の安全の確保と繁栄の促進であります。
 まず、日本国民の安全、安心を確保するために、日米同盟を基軸とする安全保障政策に係る予算や、在留邦人へのサービス向上及び邦人保護体制の強化といった領事政策に係る予算を計上いたしております。
 また、我が国が経済成長を達成していくために、EPA戦略の推進や、エネルギーの安定供給確保のための取組を強化してまいります。
 第三の柱は、アジア外交の強化と望ましい国際環境の確保であります。
 まず、地域協力、青少年交流などを通じて、近隣アジア諸国との関係強化を積極的に推進してまいります。同時に、アジアとの連携を礎として、国際協力の幅の拡大を図ってまいります。
 また、国際社会で重要な責任を担う一員として、テロ対策、人間の安全保障などのグローバルな課題に対し、ODAなどを活用して積極的に取り組んでまいります。
 第四の柱は、日本の魅力とメッセージの積極発信であります。
 外交を行う上で、我が国に対する良いイメージが浸透しているかどうかは極めて重要であります。様々なメディアを通じて攻めの広報を行うとともに、伝統的な日本文化のみならず、ポップカルチャーも活用した文化外交を積極的に展開をしていきたいと考えております。
 以上が、平成十九年度外務省所管予算案の概要であります。よろしく御審議のほど、お願いを申し上げます。
#7
○委員長(田浦直君) ありがとうございました。
 次に、防衛省所管予算について説明を聴取いたします。久間防衛大臣。
#8
○国務大臣(久間章生君) 平成十九年度の防衛省関係予算について、その概要を御説明申し上げます。
 平成十九年度予算は、昨年の北朝鮮による弾道ミサイル発射事案や核実験実施発表などを踏まえ、弾道ミサイル防衛やゲリラ、テロ攻撃への対処など、新たな脅威や多様な事態に実効的に対応するために必要な体制整備を図るとともに、活動経費の確保に努めたところであります。同時に、歳出歳入一体改革の初年度に当たり、歳出全般が厳しく抑制された中で、主要装備品の一括取得などにより効率的な防衛力整備を行っております。
 平成十九年度の防衛省所管の歳出予算額は四兆八千十三億六百万円で、前年度の当初予算額に比べますと百二十二億九千二百万円の減となっております。
 新たな継続費の総額は千二百八十三億四百万円、また国庫債務負担行為の限度額は一兆六千九百四十六億三千二百万円となっております。
 次に、平成十九年度の防衛省予算において、特に重点を置いた施策について御説明申し上げます。
 第一に、防衛省への移行を踏まえた新たな防衛組織の構築です。新たな時代における政策課題に対応するべく、内部部局の改編を行います。また、省移行関連法の附則にも規定された防衛施設庁の廃止及び本省への統合を行うとともに、入札談合事案の再発防止の観点からも会計業務や法令遵守について全省的なチェック体制を強化するため、大臣直轄の独立性の高い監察・査察組織として防衛監察本部を新設します。さらに、地方における防衛行政全般の拠点を設けるため、防衛省の地方支分部局として地方防衛局を新設します。
 その他、国際社会の平和と安定のため、即応性の高い部隊を新編し、国際平和協力活動にも活用してまいります。
 第二に、弾道ミサイル攻撃への対応です。イージスシステム搭載護衛艦や地対空誘導弾ペトリオットの能力向上、FPS―5レーダー等のセンサーや指揮統制・通信システム等のBMDシステムの整備とともに、将来のBMDシステムに関する日米共同の研究開発に引き続き取り組んでまいります。
 さらに、昨年の北朝鮮による弾道ミサイル発射事案や核実験実施発表を踏まえた追加的施策にも取り組んでまいります。
 第三に、防衛計画の大綱及び中期防衛力整備計画に基づき、テロ、ゲリラや特殊部隊による攻撃などの新たな脅威に実効的に対応するため、装備品の導入や訓練の実施等により、これらの事態への対応能力の充実を図ります。
 第四に、在日米軍再編を的確かつ迅速に実施するための各種施策に着手します。具体的には、普天間飛行場のキャンプ・シュワブへの移設、厚木飛行場から岩国飛行場への空母艦載機の移駐、訓練移転などの再編関連措置を的確かつ迅速に実施するとともに、これに伴い負担が増加する地元市町村に対し再編交付金を交付することとしております。
 第五に、厳しい財政事情の下で必要な防衛力を維持していくための施策として、戦闘機等の主要装備品の一括取得や仕様の見直しによる単価節減を進めます。また、民間委託の推進等により総人件費改革にも取り組んでまいります。
 以上に加え、人事、衛生、研究施策等の充実、統合運用態勢の充実やより高度な情報体制、情報通信態勢の構築、軍事科学技術の進展への対応、基地対策等の推進などの諸施策も実施してまいります。
 以上の防衛省関係予算に安全保障会議予算三億三千七百万円を加えた平成十九年度の防衛関係費の総額は四兆八千十六億四千三百万円となり、前年度の当初予算に比べ、百二十二億九千六百万円の減となっております。
 また、平成十九年度防衛関係費に関連し、平成十八年五月に日米安全保障協議委員会で承認された駐留軍等の再編を実施するため、再編交付金の交付、国際協力銀行の業務に関する特例等の措置等を主な内容とする駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法案及び防衛施設庁を廃止し、その事務を防衛省本省で処理するための組織改編、特別の機関としての防衛監察本部の新設、自衛隊の部隊の改編等を内容とする防衛省設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案を提出し、別途御審議をお願い申し上げております。
 これをもちまして、平成十九年度の防衛省関係予算の概要の説明を終わります。
#9
○委員長(田浦直君) ありがとうございました。
 以上で説明の聴取は終わりました。
 この際、お諮りをいたします。
 外務省及び防衛省関係予算の大要説明につきましては、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○委員長(田浦直君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言をお願いします。
#11
○浅尾慶一郎君 民主党・新緑風会の浅尾慶一郎です。
 まず最初に、六者協議について伺ってまいりたいと思いますが、北京での本会議が始まっておりますが、その結果についての認識はどのように思っておられますか、外務省、外務大臣に伺います。
#12
○国務大臣(麻生太郎君) 御存じのように、六者協議は十九日から北京にて開催をされておりまして、本日も引き続き行われております。
 初日でありました昨日は、全体会合及び首席代表者会合というのが行われました。各国の基調発言の後、これまで開催されました五つの作業部会についての結果報告が行われております。その後の意見交換の結果、五つの作業部会の進捗状況はばらばらということではあるが、五つの作業部会すべてが関連をしているので、六者会合共同声明の完全実施のためにはすべての作業部会の進展が重要であるということの点で参加各国の認識の一致があっております。
 本日以降は、初期段階の措置の実施のための具体的な段取り及び次の段階での措置に関する行動計画について議論がされることと見込んでおります。
#13
○浅尾慶一郎君 この六者協議の直前に、バンコ・デルタ・アジアで凍結がされておりました北朝鮮の資金、これ全額を使っていいですよということで凍結が解除されたわけであります。これはアメリカの財務省当局が決めたことですけれども、我が国はそういう中にあって拉致という、直接六者協議の中で他国がどの程度関心を持っているか、核と比べると温度差がある問題、課題を抱えているわけでありますけれども、米朝の協議の中で拉致の問題がどのように扱われているのか、特にバンコ・デルタ・アジアの問題と絡めて、もし情報があれば御提供いただければと思います。
#14
○国務大臣(麻生太郎君) 浅尾先生御指摘のありましたとおり、このBDA、バンコ・デルタ・アジアに関しましては、これは基本的にはアメリカの国内法、財務省の所管の話でもありますので、六者協議と直接関係しているわけではありませんけれども、これは、間接的には非常に大きな深いつながりを持っておりますのはもう御存じのとおりであります。
 今御質問にありました米朝国交正常化の作業部会において、三月の五日と六日、ニューヨークで行われておりますけれども、この部会において拉致問題についても時間を掛けて議論をされたと承知をいたしております。具体的には、アメリカ側から、日本との関係を改善することが北朝鮮の将来のためにも重要、日朝作業部会が北朝鮮にとっての機会である旨北朝鮮側に述べたのに対して、北朝鮮側からも、日本との関係改善の必要性は理解している旨の言及があったものと承知をいたしております。
#15
○浅尾慶一郎君 我が国政府は拉致問題の解決なくして国交正常化なしという主張を従来からしてまいりました。最近は拉致問題の進展という言葉も使っておりますが、解決という言葉と進展という言葉は意味が違います。この差を説明していただけますか。
#16
○国務大臣(麻生太郎君) 拉致問題の解決なくして国交正常化という話と、今、核の問題を含みますこの六者協議の話とは直接、間接的に関係、直接しているかというと、直接していない。したがって、この核の問題を解決していくに当たって、日本以外の四者はこの問題がプライオリティー、優先順位の一番であります。
 その優先順位の一番の問題を解決するに当たって、みんな、今正に寧辺の話やらIAEAの査察官の話やら何やらがくちゃくちゃしておりますのはもう御存じのとおりですが、日本は、少なくともこのことを動かしていくのに当たって約百万トン、金に直しますと三百からちょっと上がり下がりあります、三百三、四十億だと思いますが、そこらの金をいわゆる石油として出すということに、代金をお金に換算しますとそんなものだと思います、出すということにしておりますが、日本は拉致という特殊事情があるので、この問題に先方、北朝鮮側の誠意ある態度というものが見られない限り、いわゆる進展がない限り、うちはこれに参加することはありませんということは他の四者も納得をしております。
 したがって、この問題に関して何らかの向こうの誠意が出て、見せられるということになれば、それに対応して、うちは、その百万トンの中に関しても、うちは丸々払わないんじゃなくて、進展があればそれなりの対応をする用意はあります。ただし、これがいわゆる生存者の引渡しとか真相究明とか当事者の引渡し等々の問題が解決されない限りは、いわゆる国交正常化の話についてはこれはもう全くできることはありませんという意味で二つに分けたというように御理解いただければと存じます。
#17
○浅尾慶一郎君 確認のために、今おっしゃったことで大体分かりますけれども、もう一度質問させていただきますと、五万トンあるいはその先の百万トンについて、資金提供は全面解決でない場合にもあり得るという意味で進展という言葉を使っているということでよろしいですか。
#18
○国務大臣(麻生太郎君) 言い方というものは、何をもって進展かというところはこれまたいろいろ意見の分かれるところだと思いますが、少なくとも北朝鮮側の実際の対応というのがもう全く今は取り付く島もないようなことになっておりますので、そういった意味では、具体的に、個別的に見た上でないと何とも言えませんけれども、進展があればそれなりのものを負担する用意はあるということを他の四か国には申しております。
#19
○浅尾慶一郎君 そうすると、拉致と核の問題を、言わば国交正常化と核の問題を切り離したということだというふうに理解をさせていただきますが、その進展ということの最低限の定義は、北がアクションを起こさないと進展にはならないという理解でよろしいですか。
#20
○国務大臣(麻生太郎君) この問題は既に解決済み、既にこの問題は全くないと、いわゆる拉致なんてもう既に存在しないんだというのが今の態度ですから、いや、そんなことはないと。これだけ、十三件十七人等といろいろありますので、ほかにもいろいろ、定義はまたこれ難しいんですけれども、一応十三件十七人とよく言われる数字です。こういったものに関しては、全くもう木で鼻くくったような、もう解決済みだと言うんだったら、これは進展は一切ないというように我々は判断せざるを得ませんと申し上げております。
#21
○浅尾慶一郎君 つまり、かつてのように、偽の遺骨を渡すといって、それでもって進展ということでなくて、事実に基づいたものが出てくれば進展として判断する余地があると、必ずしも判断するかどうかは別問題だということでよろしいですか。
#22
○国務大臣(麻生太郎君) そのように御理解いただいて結構だと存じます。
#23
○浅尾慶一郎君 それでは、米軍再編特別措置法に関して、この予算とも若干関係していますので、米軍再編について伺ってまいりたいと思いますが。
 過日の予算委員会でも、米軍再編そのものは、私はこれは明らかに米国の戦略に基づいて行われたものだということを指摘をさせていただきました。つまりは、ホームランド、自国の領土内に軍隊を置いた方が外国から身を守りやすいと。しかも、今の脅威というものの体質が、性質が、国というよりかは集団という形で迅速な対応を、しかしどこから攻撃してくるか分からない集団に対して迅速な対応を取らなければいけないということで、できる限り外国にあるものを国内に戻しているというのが米軍再編なんではないかということを指摘したわけでありますが。
 その中でドイツその他、海外の国と比べてこの再編に伴う費用負担が我が国は突出して大きいというふうに思うわけでありますけれども、よく政府側の説明は、我が国は沖縄の海兵隊の移転を常々求めてきたから応分の負担は当然だという主張をしますが、それではドイツあるいはほかの国では米国に移転を求め、まあドイツに絞って言いましょう、移転を求めていたんではないかと。その点の事実認識だけまず伺いたいと思います。
#24
○国務大臣(麻生太郎君) ちょっと正直、ドイツに絞っておられますけれども、ドイツの米軍の軍事体制の見直しの結果、あの駐留米軍、在ドイツ駐留米軍の一部が移転したケースがあるということは私ども承知をいたしております。
 ただ、そのドイツと米国との間の交渉の経緯等々を、その元々のオリジナル、発想ですかね、そういったことについてちょっと今知る立場にはございません。
#25
○浅尾慶一郎君 まあ既にこの米軍再編について日米両国で合意がされていることですから、今更資金負担について戻って云々という議論はなかなか難しいかもしれませんが、少なくとも、ドイツから米国の軍隊が冷戦構造が崩壊した後で出ていくという経緯の中で、ドイツ政府がそのことについて求めていたのかいなかったのか、そして費用負担について、これはないというふうに聞いていますが、そのことについてできれば資料を委員会に提出していただきますように、調べれば分かる話だと思いますので、お願いしたいと思います。
#26
○国務大臣(麻生太郎君) 御存じのように、浅尾先生もよく御存じのところですが、あのドイツのありますいわゆる西ドイツ、東ドイツの国境以東の東ヨーロッパ、通称鉄のカーテンと言われたところが一九八九年、まあ九〇年に、ベルリンの壁崩壊と同時にここが、いわゆる冷戦構造というものが完全に崩壊しております東ヨーロッパ、西ヨーロッパ、いわゆるユーラシア大陸の西半分とこのユーラシア大陸の東半分とは状況が違っておりまして、北朝鮮を含みます朝鮮半島若しくは台湾海峡という状況はまだ冷戦が終わったとは言いにくい状況にあるというのはもう御存じのとおりでありまして、したがって日本とドイツとで少し置かれている立場がかなり異なっているとは存じますが、ドイツがどのような形になったか、我々の調べられる範囲でやってみようと存じます。
#27
○浅尾慶一郎君 大臣が今おっしゃいました、置かれている地政学的な状況が違うというのは私もそのとおりでありますから、そのとおりということではありませんが、今までの政府の説明では、まあ何というんですかね、抑止力の維持と同時にその負担を軽減すると、負担の軽減というのは移転であると。移転というものを求めたから日本側が応分の負担をするのであるということでいえば、移転を求めた国がほかにもあって、それと日本の負担が重いのかどうか、その抑止力との比較検討も含めて資料としてあった方がいいと思いますので、是非先ほどの件はお願いしたいと思います。
 そこで、その負担ということで質問に入らさせていただきたいと思いますけれども、まず、我が国の負担は複雑なスキームに基づいておりまして、出資、融資等々の部分と、いわゆる真水と言われる財政支出の部分に分かれておりますが、財政支出二十八億ドル、これ上限となっておりますけれども、この上限というのはどうやって決めたのかということと、そしてこの二十八億ドルについてはどういうスキームで司令部庁舎あるいは教場、隊舎、学校等生活関連施設を造っていくのか、教えていただきたいと思います。
#28
○国務大臣(久間章生君) この事業スキームにつきましては、在沖米海兵隊のグアムの移転のうちの海兵隊の司令部の庁舎でありますとか、教場とか、海兵隊の隊舎、学校など、こういう生活関連施設は、民活でやることが可能な例えば家族住宅とかあるいはインフラとかと違いまして、これはどうしても資金回収ができないのと同時に、やっぱり日本とアメリカの双方がこれは出すべきものであろうというようなことでそういう仕分をまずしまして、そして、家族住宅なんかについては住宅手当が出るわけだから、あるいは住宅手当以外の手当で光熱水道とかそういうのは出るわけですから、そういうような形で回収できるものについては、これは民活を取り入れたらいいんじゃないかというような、そういう考え方で、真水で出す部分と民活でやる部分とにこう大きく分けまして、そして、アメリカからどれぐらい掛かるかという向こうの積算を出してもらって、それに基づいて決めていったわけであります。
 だから、そういう意味では、金額としては向こうの査定で出してきておりますから、まあグアムというのは非常に離島であるということから輸送コストも掛かる、そしてまた一遍に短期間で造っていくからそれもまた掛かる、あるいはまた何といいますか人口も、グアムの人口、労務者をもし使うとすれば大体、非常に労務単価が高いわけですから、これも高いということも分かりますから、これから先、そういうような調査をしていったり、あるいは事業スタイルをどう決めて民活をどう取り入れていくか、そういうふうにやっていきますと、真水で出す分についても減ってくる可能性は非常に強いわけであります。
 だから、上限はしかし決めておかないと、こういう国会での審議を我々だけではなくて向こうもまた議会で審議してもらうわけでありますから、日本はどれだけまで出すのかということの、真水で出す部分はやっぱり決めなきゃならないということで、上限として二十八億をはじいたわけであります。
#29
○浅尾慶一郎君 先般も予算委員会で指摘をさせていただきましたけれども、米軍が同じグアムで建設をしているその住宅の単価と比べて、この我が国の積算している単価が余りにも高いので、これは是非検討をしないといけない課題だというふうに思っております。
 その中で、このまた今御指摘がありました輸送コストが掛かるということなんですが、御案内のとおり、船で物を運ぶと物すごく安いんですね、大量に運べば。これは距離と比例しないわけでありまして、外航海運に乗せてどこの、日本の船会社でも同じですけれども、東京からあるいは横浜からサンフランシスコに運ぶ方が国内で運ぶ方よりはるかに安いわけですから、そういうことを考えると、グアムの、何ですかね、物を運ぶ費用が掛かるというのは必ずしも適切な説明ではないんではないかなというふうに思いますので、そこも是非よく調べていただくようにお願いしたいと思います。
 そこで、この財政支出二十八億ドルの工事、発注者の責任者はどこになりますか。
#30
○副大臣(木村隆秀君) 今大臣からもお話を申し上げましたけれども、その財政支出、真水の部分についての整備の、施設の事業スキーム、その工事の発注方法も含めまして今、日米間で引き続いて協議をしておるところでございまして、まだ固まっておりません。そんな段階でございますから、今の現段階で具体的にその発注者がだれだということで決まっているわけではございませんので、今答弁させていただくことが困難でございますので、御了承いただきたいと思います。
#31
○浅尾慶一郎君 財政支出決めておいて発注者決まってないというのは少しおかしいんではないでしょうか。
#32
○副大臣(木村隆秀君) 今具体的にグアムへどのような施設を造っていくかということが、その協議をしている段階でございまして、この段階においてどのような事業スキームだということで固まっていないということでございます。
#33
○浅尾慶一郎君 具体的に協議をしているということですけれども、その造るものは決まっているわけですよね。その価格が、その積算が米側の最大限掛かってこの値段だと決まっているということでありまして、だれが造るか決まってないでその値段を払うというのはおかしいんじゃないかなと。要するに、丸投げの可能性があるんではないですかということを指摘しているんです。
#34
○国務大臣(久間章生君) これも大体、財政支出でございますから、先ほど言ったように公共的といいますか、さっき言った隊舎とか、司令部の庁舎とか、そういうのになってくるわけですけれども、アメリカと日本とどういう形でこれをやっぱり、もうアメリカに全部丸投げしてしまうのかどうかも含めてこれからいろいろ協議していかなければなりませんので、これについてまだ具体的なスキームが決まっていない、だれがするかですね。そこもありますので、今ここで、これは向こうでやりますというようなことも言い切ることがちょっとできませんので、今みたいな形に決まっておりませんという正直な話をしているわけであります。
#35
○浅尾慶一郎君 その財政支出、先ほど来申し上げています、私、これどう見ても高いと思うんですね。この間も予算委員会で比較で申し上げましたが、その中で発注の責任というかその権限も明らかになっていないということになると、かなり国民の税金が必要以上に高い値段で使われてしまうという危険性があるということは指摘をさしていただきたいと思います。
 次に、財政支出以外のところ、つまり出資あるいは融資、家族住宅のところは住宅手当があるのでそれでもって回収するんだという説明をされておりますけれども、家族住宅も総額二十五億五千万ドルです、これは上限ですけれども、で予算が組まれていると。二十五億五千万ドルで建築をするものに対して、年間で入ってくる家賃は幾らぐらいですか。
#36
○国務大臣(久間章生君) これもこれから先、どの程度というのは大体決まっているかもしれませんけれども、その入る、こちらから、まずグアムから移っていく兵士の階層その他具体的なことがまだ最終的に決まっておりませんので、どのクラスが行くかによってその住宅手当等も変わってくるわけですね。そうしますと、家賃として将来どれだけを取るというか、きちっと取るかという、そういう回収の仕組みといいますか、だれがまたそれを回収して責任持って日本側に返すのか、その辺についてもこれから交渉するわけでございますので、今ここで家賃収入がどれぐらいになって何年間でということがきちんと言えない状況であります。
#37
○浅尾慶一郎君 しかし、防衛省はこれは回収ができるんだということを言っておられます。家賃収入が幾ら返ってくるか分からないにもかかわらず回収ができるというのは矛盾じゃないですか。
#38
○国務大臣(久間章生君) それは、事業に着手するまでには向こうときちんと詰めるわけでありまして、今まだ、とにかくいろんな交渉をしながらこれから先どれぐらい掛かるのか、先ほど先生がおっしゃったように、確かに資材の運搬でも高いと言われますけれども、まとまってもう四か年分をどんと持っていけば安いじゃないかとか、いろんなことを交渉していくわけでございますから、全体が幾らになってどういう発注の仕方をするのか、どういう箇所に分けて分離発注するのか、そういうのがこれからいよいよ交渉が始まりますので、そういう段階でとにかく回収がきちんとするように私たちとしてはもうやっていかなきゃならないと思っております。
#39
○浅尾慶一郎君 少なくとも二十五億五千万ドルは、これは回収するんだというふうに、回収できるんだというふうに言っておられるわけでありますけれども、そうすると、普通に考えて二十年で、全く利息考えなくても年間で一億二千万ドルぐらいの家賃収入がないと回収できないことになるんですよ。一億二千万ドルの家賃収入がもらえるかどうかも含めて、そういう計算も根拠はないわけですよね、現段階で。
#40
○国務大臣(久間章生君) これもこれから決めていきますけれども、アメリカの場合は家賃収入で、要するに民活事業でやったやつはやっぱり長いのでは五十年掛かっているわけですね。だから、それぐらい長い期間で回収しておりますから、日本の場合、住宅金融公庫の場合でも三十年のもありますけれども、アメリカの場合は五十年というふうな、そういうような長い回収のあれにもなっておりますから、これも含めてどういうふうにやっていくかこれから決めなければならないと思っております。
#41
○浅尾慶一郎君 五十年というのは、これ出資、融資ということになれば当然利息が付くんです、長くなれば長くなるほど金利も高く計算しなきゃいけないと。
 ですから、今申し上げた一億二千万ドルというのは、短かろうが長かろうがそれぐらいの収入がないと利息分は回収できないということになるということはお分かりになると思いますから、ですから、一億二千万ドルぐらいないとこの計算にならないんではないかと。多分そのことを申し上げても、恐らくそういう計算を元々していないんで答えられないということになると思いますから、であれば、最初からその回収を目標に目の子の数字でというふうに答えられた方が素直なんではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#42
○国務大臣(久間章生君) どれぐらいを負担してどういうふうな形で返ってくるか。やっぱり事業に着工するときには、そのとおりにずっと未来に向かってやれるかどうかは別としまして、かなりこのくらいは確実だというところをやっぱり示しませんと、国民に対して説明が私たちも付かないわけでありますから、それはきちんとやろうと思います。
 ちなみに、日本の場合で向こうの住宅手当が、例えば私の佐世保だったら二十五、六万出ているわけですね。そうすると、大体民間の住宅を建てて入った場合、十四万円ぐらい払っているんですよ。日本の場合、二十五万円のときですね。そうしますと、十四万だったら年間で百五十万ぐらいですから、十年間で一千五百万とか、そんな形になりますから、二十年だったらそれの倍ぐらいになるわけですね。そうしますと、そういうふうな考え方で見ていきますと、三千五百戸を造ったときにどれぐらいかというのはそんなに難しい話じゃないと思っております。
#43
○浅尾慶一郎君 今正にいいことをおっしゃっていただいたんですけれども、二十年で三千万ですよね。しかし、この三千五百戸を二十五億ドルで造ると一戸当たり六十万ドル超えちゃうわけですね、六千万円超えちゃう。そうすると、とても回収できないということになるわけでありまして、その段階でもう既に御説明に無理があるんではないかということは、今正に三千万、二十年で回収できるということを言われて、単純に割れば、二十五億五千万ドルを三千五百で割れば一戸当たりの金額が出ると。これは七十万ドルを超えるわけですよ、二十五億五千万を三千五百で割れば。ということは、八千万円ぐらいですよ、今の。そうすると、三千万しか返ってこなかったら、とてもとても回収できないということを正に今おっしゃったということになりますよ。
#44
○国務大臣(久間章生君) 国内における場合、民活でやっておる場合は十年で回収しているんですよ。だから、十年で回収するか二十年で回収するか、今度しかも民活の場合は民間の金利を使っているわけですね。ここの場合はJBICの金利を使うわけですね。だから、そういうとき、それに対してまた政府も出資もしておるわけでございますから、どういう形になるのか、その辺も全部事業に着手するまでにはきちんとしなければならないと思っておりますけれども、やっぱりそういう国民に負担を掛けないように、回収できると言った以上は回収できるように努力していきますから、見ていただきたいと思います。
#45
○浅尾慶一郎君 いや、ですから、私が申し上げているのは、いいですか、三千五百戸で二十五億五千万ドルということは、一戸当たり七十二万ドルなんです。七十二万ドルということは、今の貨幣でいって、百十円で計算しても八千万円ぐらいなんです。二十年間で三千万円しか返ってこなかったらどうやって回収するんですか。
#46
○国務大臣(久間章生君) だから、これから先どれぐらい掛かるのかを、浅尾先生が言われたように、グアムで民間でやったときにこれだけ安いじゃないかと、そういうふうなことから、これは目一杯の事業費になっていると私は思っているわけです。だから、その辺はこれから調査をしていろいろ積算をしていきますから、そういうやつをでき上がったやつを見てから、それができないならできないと言っていただかないと、私たちも、後世をどういう人たちが政権を担うか分かりませんけれども、その人たちにマイナスのツケは残したくありませんから、回収できると言ったやつはきちんとしておきたいと思います。
#47
○浅尾慶一郎君 ですから、先ほど来申し上げていますように、二十五億五千万ドル、三千五百戸、一戸当たり七十二万ドル掛かるわけですよ。それが回収できるという説明をずっとされていたので、その元々の説明が間違っていたということをおっしゃった方がいいんじゃないですか。今三千万しか回収できないと正に言われたわけじゃないですか。
#48
○国務大臣(久間章生君) それは一つの例として言ったわけでありまして、それは例として言ってます。先ほど言いましたように、二十六万ぐらいのときに十四万払っているわけですよ。あとの差額はそのまま使わなくて済んでいるわけですよ。例えば、それをほかの東京その他でやろうとすればもっと同じような建設コスト掛かると、もっと高いかもしれませんけれども、それでも住宅手当もっと高いわけですからね。やっぱりそうしたらその中から、高かったら高い分だけ払ってもらうわけですから、とにかく回収するようにしますと言っているわけですから、それはこちらの責任でやりますよ。
#49
○浅尾慶一郎君 回収できるようにということですけれども、元々の数字が大分ずれているということを申し上げたいと思います。
 この間も予算委員会で指摘をさしていただきました。米軍の先ほども申し上げましたホームページにも出ておりましたけれども、彼らが住宅を建設した、これ受注業者も出ていますけれども、一戸当たり十七万六千ドルで受注していると。同じものを日本が造ると、さっき申し上げた七十二万ドルになると。ですから、こういうことについて現地の事情は調査されましたか。
#50
○国務大臣(久間章生君) これはアメリカから言ってきている数字を使っているわけでありまして、これから、正に今度の予算が通りますと、それを受けた形でいろんな積算の情報等も収集しながら、また先生がおっしゃられたその数字も参考にさせてもらいながら、あんたたちの言っているのは高いじゃないかということを言うきっかけにはなりましたので非常に有り難いと思っておりますけれども、今までのやつは向こうの出してきた数字で上限を決めているということでございますから、これから幾ら下げれるかが私たちのこれから先の調査にも、あるいは積算の交渉にも懸かっていくわけでありますので、そういう点ではこの間の指摘は非常に有り難かったと思っております。
#51
○浅尾慶一郎君 是非、米側だけではなくて、この間申し上げましたが、この間の指摘させていただいたのはアメリカの、米軍のホームページというかプレスリリースに出ているものですから、そういうものも防衛省として調べて引き続きいただきますようにお願い申し上げたいと思います。
 次に、この米軍の住宅に関しては国際協力銀行が関与するということなんですが、これは政府系金融機関の合理化方針との関係ではどういうふうに整理される予定ですか。
#52
○国務大臣(久間章生君) これは、本来やるべきことを民活でやった方が効率がいいんじゃないかというふうなことも考えて、そして民活の一環としては国際協力銀行の今までの知見を利用したらいいということで、国際協力銀行の業務を変えて、法律まで変えてやらせようとしておるわけでございますから、決して今度の合理化方針で、いわゆるJBIC等が改編されますその内容とは矛盾しないというふうに我々は思っております。むしろ民間の活用であるというふうな、そういう考え方であります。
#53
○浅尾慶一郎君 民間の活用ということであれば、単純に民間の金融機関でその経済性が合うんであればやられればいいんじゃないですか。
#54
○国務大臣(久間章生君) やろうと思ってみんな乗ってきてくれればいいですけれども、乗ってこないことも考えますから、やはりきちんとしたキーを、核をつくっておかなきゃなりませんので、乗ってこないときにはこの国際協力銀行が核としてやるんだという、そういう方針を決めているわけであります。
#55
○浅尾慶一郎君 私も昔、国際金融関係の仕事しておりましたけれども、経済性があれば別に乗ってくる話だと思います。経済性が合わないから乗ってこないということだと思いますので、先ほど来申し上げていますように、経済性が合うように設計をされれば国際協力銀行を使わなくてもいいということになるんじゃないかなというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#56
○国務大臣(久間章生君) 資金の調達をどういうふうにするかにも関係しますけれども、国際協力銀行だったならば政府の無利子融資とかいろんな形がやっぱりやれるわけですけれども、民間の場合だったらなかなかその辺が難しいのかもしれません。だから、民間を排除するものじゃございませんけれども、国際協力銀行を使うことによってそのスキームでこれをやりたいという、そういう姿勢を示しているわけであります。
#57
○浅尾慶一郎君 ですから、申し上げておりますのは、経済性が合えば、別に国際協力銀行を使わなくても民間の銀行は必ずそれはこのプロジェクトに乗ってくると思います。なぜならば、支払側はアメリカ政府で、そういう意味での信用リスクはないわけですから。ただし、経済性が合わないから乗ってこない。だから、今正に大臣がおっしゃったように、無利子の金利が使えるから国際協力銀行だったら少し安く貸し出せる、何とかそれで経済性を持たせようという発想になるんだろうというふうに思います。
 この話は、いずれにしても法案が出てきますから、そこでしっかりとまた引き続き議論をしてまいりたいというふうに思いますが。
 次に、今度の米軍再編に関して、かつて、一九七一年に、大和市長それから当時の綾瀬町長に対して、ジェットエンジンを主たる動力とする飛行機は使用しないという通知を出しておりますが、今般、岩国基地から海上自衛隊ジェット機四機が移駐することになりますが、このことはその通知と矛盾はしませんか。
#58
○国務大臣(久間章生君) これは、厚木の基地から岩国の方に移っていきます機数が多いのと、そしてその騒音が割と大きいわけですね、その点は厚木の人にとってはいいわけですけれども、岩国にとっては確かにそれは困るわけですが。向こうから来ますのは、機数も非常に少ないのと、騒音が非常に低いということですから、相対的には厚木の方は非常にウエルカムだと思っておりますので、その問題は余り念頭になくて、地元からもそれほどのクレームはございません。むしろ理解は得られていると思っております。
#59
○浅尾慶一郎君 理解を得られているということでありますが、実は、御案内のとおり統一地方選挙がありまして、大和市も市長選挙があるんですが、必ずしもその大和の土屋市長が、このことについて一〇〇%反対とは言っておりませんが、その必要に応じて、必要があればその事の是非、通知があるけれども、ジェット機を受け入れることの是非について住民投票をやって決着を付けたいという発言をしています。というその発言から逆に考えると、必ずしも反対ではないけれども、一〇〇%自分の責任でもってそれを受け入れるということでもないということだけは申し上げさせていただきたいと思います。
 時間の関係で、次の質問に移らさせていただきたいと思いますが、今日は浅野副大臣にお越しをいただいております。
 浅野副大臣は、先般、自民党の国会対策委員会ですか、で、いわゆる共謀罪の裏側の日本の国内法の整備について、自民党の修正案が成立すれば条約推進に向けて努力するというふうにおっしゃっております。
 今まで、外務省は対象犯罪を一律に懲役四年以上の罪にしなければ批准できないと主張していたわけでありますが、今回の自民党の修正案はその対象犯罪を四分の一以下に絞り込むものでありまして、そういう観点からするとかなりの、今まで外務省が言っていたことと違う発言なんではないかと思いますが、その点について、どういうことか、経緯を説明いただきたいと思います。
#60
○副大臣(浅野勝人君) 自民党法務部会の条約刑法検討に関する小委員会では、幅広い国民の理解を得て条約刑法を成立させるために、謀議の対象となる犯罪を絞り込む修正案を検討されてきたと理解をしております。
 政府は、この条約の締結に必要な国内法を早く成立させていただいて、条約を速やかに締結できるようになることを期待しています。国会における今後の動きによりますけれども、小委員会での検討を基にした修正案が確定されて国内法が成立すれば、条約を締結するため最大限の努力をしていきたいと考えております。
 政府としてはこうした方針に沿って対応してまいりたいと考えていることを自民党国対の役員会で求めに応じて申し述べました。これが経緯でございます。
#61
○浅尾慶一郎君 今おっしゃった条約の成立に向けて最大限の努力をしたいということですが、その修正案が国会で成立をして、それを受けて条約を締結できない場合があるのかどうか。つまり、批准書、受諾書あるいは承認書を国連の事務総長に寄託するということになっていますが、修正案が国会で成立した後、事務総長に寄託をしたけれども、それが受け入れられない場合もあるということですか、それを受け入れてもらうように努力するということですか。
#62
○副大臣(浅野勝人君) 先ほど申し上げましたとおり、この条約の締結に必要な国内法が早く成立をして条約を速やかに締結できるようになることを期待しておりまして、繰り返しになりますが、小委員会での検討の修正案が確定され国内法が成立すれば、条約を締結するため最大限の努力をしてまいりたいということであります。
 ただ、修正案が最終的には確定されていない今の段階において、条約の締結についてお答えするには適当な時期ではないと考えます。この条約を締結する場合は、条約の三十六条の規定に従って受諾書を国連事務総長に寄託することになります。手続はそういうことであります。
#63
○浅尾慶一郎君 ですから、私の質問は、国会で修正案が可決しました、自公で衆参両院で今多数持っていますから、修正案であれ何であれ可決しようと思えば可決できると。しかしながら、それを国連の事務総長に寄託した結果受け入れられないというケースもあり得るということをおっしゃっているんですかという質問です。
#64
○副大臣(浅野勝人君) 修正案が提出されていない今の段階で締結すると申し上げるのは行政府の独断に過ぎます。ですから、今の段階では最大限の努力をすると申し上げているのが行政府の適切な立場だと私は考えているんです。それらのことが、国内法が整備され、成立されれば、国連の事務総長あてに寄託をするというのが手続だと申し上げております。
#65
○浅尾慶一郎君 なぜこの質問をしているかといいますと、今までの政府の説明は、条約で定めているそのすべての犯罪を国内法で整備しないと条約が批准できない、しかし、それを今度修正案で四分の一に減らしても基本的には大丈夫なんじゃないかなということだったものですから、大丈夫でない場合があるという認識を持っているのかどうか、その点をちょっと伺いたいと思います。
#66
○副大臣(浅野勝人君) おおむね日本の国内法でカバーできると私どもは考えております。殺人罪……
 ICCの意味ですか。
#67
○浅尾慶一郎君 いや、違います。だから、質問をよく聞いといていただきたいんですが。
#68
○副大臣(浅野勝人君) 質問の意味は。
#69
○浅尾慶一郎君 違います。
 ですから、修正案が国会で可決をしましたと、今まで外務省の説明は、元々その条約で定められたすべての犯罪を国内法で整備しておかない限りはそれは条約は批准できないんだということを言っておられましたが、修正案でも大丈夫だというふうに見解を変えてこられた。しかし、そこをよくよく詰めてみると、国連の事務総長に寄託した段階でひょっとすると異議申立てがあるかもしれないと。ひょっとすると本当にあるんですか、どうですかということを確認させていただいているところです。
#70
○副大臣(浅野勝人君) 質問の意味を理解しました。
 国連の事務総長に、すべての国内法が整備されて条約の締結をするという手続に対して異議はあるとは承知をしておりませんけれども、仮にこの国内法が整備されて条約を締結するという段階になって、他の国から疑問があるという指摘、その他、他の国との整合性について問題点の指摘があれば、その国に丁寧に説明し理解を求めていくという意味では今委員の指摘のされた部分が残ります。
#71
○浅尾慶一郎君 ということは、今まで御説明は、一歩たりとも国内法を変えることは条約の批准に問題があるんだということと、今の御説明では、多少修正しても、あるいは大分修正しても他の国の理解を得られれば大丈夫なんだということで、今までの説明と変わってきているというふうに認識をせざるを得ないということを指摘をさせていただきたいと思います。
#72
○副大臣(浅野勝人君) 浅尾委員のせっかくの指摘ではありますけれども、政府の従来の原案に対して、これは条約を実施する上で適切な内容であると私どもは考えておりますから、政府の原案自体が間違っていたということはありません。
 ただし、立法府で修正を含めて審議していただくことというのは当然あり得ると思っております。
#73
○浅尾慶一郎君 ですから、一歩たりとも修正があったら批准できないんだではなくて、修正があった場合でも批准に向けて努力をするということだというふうに理解をさせていただきたいと思います。
#74
○副大臣(浅野勝人君) そのとおりでございます。
#75
○浅尾慶一郎君 ちょっと時間の関係で、最後一分だけ質問をさせていただきたいと思います。
 もう一点、ICCという別の、ローマ規程ということで、この中に規程上の犯罪、このICCの規程の中では犯罪であって、日本の国内法で処罰できないものがあるわけでありますけれども、これについては国内法を整備しないで対応していくということになっておりまして、先ほどのいわゆる共謀罪とは形が違っているわけであります。これは憲法とも絡む話なんですが、ちょっと憲法の解釈を、法制局、せっかく来ていただいていますが、聞くと長くなりますので、一点だけ。
 条約に関して、二国間の犯罪人引渡しの場合、二国間で犯罪人引渡し条約を結ぶ場合は、国内法で犯罪となるもの以外はその対象にならないんです。ところが、ICCの場合は、ICC規程で定められている犯罪で、国内法で犯罪とならないものであってもこれは引き渡すというふうになっているんで、この点について二国間の犯罪人引渡し法との矛盾があるんではないかと思いますが、この点、外務省としてどういうふうに考えられますでしょうか。
#76
○副大臣(浅野勝人君) ICCの対象犯罪のほとんどのものは日本の現行国内法において、先ほど私触れようとした、ちょっとICCと勘違いをしましたが、今度は間違いありません。殺人罪、傷害罪、逮捕監禁罪などとして処罰可能です。したがって、日本としてICCに付託すべき事態が発生するとは考えていません。
 また、ICCが実際に、今御指摘のように管轄権を行使するのは十分な重大性を有する事犯についてだけであると言っておりますので、これを考え合わせれば、日本で発生した事態について今のような、御指摘のような事態が想定しておりません。
#77
○浅尾慶一郎君 いや、質問と違う答えなので、質問に全然違う答弁書読んでおられると思うんですが。
 私が申し上げたのは、二国間で犯罪人引渡し条約というのがいろんな国と結ばれています。この場合は、我が国で犯罪となるもの以外は引き渡さないということがその犯罪人引渡し条約に書いてあるわけでありますが、ICCの場合は、今申し上げましたように国内法で犯罪とならないものでも引き渡すということで、こういうことについては矛盾なんではないかという指摘をさせていただいたわけであります。
#78
○副大臣(浅野勝人君) 現行の逃亡犯罪人の引渡し法では、外国に対する逃亡犯罪人の引渡しについて双罰性を要件としておりますが、請求国において処罰しようとする引渡し犯罪自体が請求国が自ら決定したものでありまして、当該行為を処罰するのが適当か否かについてはその国の判断を得ていないことを前提として、要求に応じるためにはその国の判断が必要である、立法政策として設けられております。
 これに対して、国際刑事裁判所への引渡しについては、国際刑事裁判所に関するローマ規程上引渡し犯罪の範囲は集団殺害犯罪などの重大犯罪に限定されておりますので、国会の御承認を得て日本としてこの規程を締結する以上、別途双罰性によるチェックまでは必要がないと考えます。
#79
○浅尾慶一郎君 終わります。
#80
○喜納昌吉君 民主党・新緑風会の喜納昌吉です。
 まず、予算関係の質問をします。外務省予算から始めます。
 思いやり予算について質問したいんですけれども、日本政府は在日米軍に対する思いやり予算を昨年幾ら払いましたか。よろしくお願いします。外務大臣。
#81
○副大臣(浅野勝人君) 在日米軍駐留経費の負担額は、現在国会で審議中の平成十九年度予算案ではおよそ二千百七十三億円となっております。また、その概要については、昭和五十三年度から地位協定の範囲内で、それから昭和六十二年度からは特別協定に基づいて在日米軍駐留費を負担しております。
#82
○喜納昌吉君 新年度予算には思いやり予算幾ら予定していますか。
#83
○副大臣(浅野勝人君) もう一度お願いします。
#84
○喜納昌吉君 新年度の予算には思いやり予算は幾ら予定していますか。
#85
○副大臣(浅野勝人君) ただいま申し上げましたように、約二千百七十三億円で、もう少し内訳を申し上げますと、在日米軍が使用する施設・区域についての提供施設整備費、駐留軍などの労働者の労務費、在日米軍などが公用のために調達する光熱水道、水など、それから日本国政府の要請による在日米軍の、こちら側の要請による在日米軍の訓練の移転に伴う追加的経費、通常、訓練移転費と申しております。
 以上です。
#86
○喜納昌吉君 昨年と同じということですか、昨年と。
#87
○副大臣(浅野勝人君) 質問の趣旨は、先ほどの在日米軍駐留経費の負担額、それから二度目の質問は在日米軍の駐留に必要な経費全体の額と、そういう意味ですか。それについては、十八年度が六千百四十六億円であります。
 もうちょっと説明しますと、在日米軍駐留費として提供施設整備、労務費、光熱水道料など、訓練移転費も負担しており、さらに係る経費と合わせて施設の借料、土地や施設ですね、の借料、それから周辺対策にかかわる経費などを支出しております。これらの経費を合わせた在日米軍駐留に関する経費全体の額は、平成十八年度では約六千百四十六億円であると承知しています。
 今年は幾らかという御質問だと存じますが、それは総務省その他様々な関連した細かい予算がございまして、それを今集約中でありますのできちんとした数字を申し上げることはできませんが、十八年度の約六千百四十六億円とそんなに変わらないものではないかと予測をしております。
#88
○喜納昌吉君 分かりました。
 昨日、予算委員会で麻生大臣は、在日米軍が日本の安全を保障している限り、その他の在日米軍の展開は安保条約上は問題はないとの見解を示したんですね。ならば、在日米軍を支えている思いやり予算が日本の安全保障以外の米軍の展開目的にも利用されても問題はないということなのか、ちょっと大臣に。
#89
○国務大臣(麻生太郎君) 基本的には日米安全保障条約によって日本の安全が、米軍の抑止力によって安全保障が保たれているというために我々はそれなりの応分の負担をしております。したがって、それが行われている以上、その他のことに関して米軍がどのような形で運用をするか等々、移転をするか等々について、日本としてそれに対して関与するというつもりはございません。
#90
○喜納昌吉君 関与するつもりはない、関与するつもりはないと。これは関与しないということですか。
#91
○国務大臣(麻生太郎君) 米軍の日本の抑止力等々をきちんと対応している以上、その他のことに関して我々がその運用に介入するということはないということを申し上げております。
#92
○喜納昌吉君 きちんと対応していると思っていらっしゃるんですか。
#93
○国務大臣(麻生太郎君) 少なくとも日米安全保障条約が締結されて、今日まで米軍の日本に対する防衛というものに関しては果たされているからこそ、日本の場合は今日まで少なくとも北東アジア等々の中において戦争に巻き込まれる、若しくは直接攻撃を受けたことはないというように理解をいたしております。
#94
○喜納昌吉君 どうですか、久間大臣、その辺は日本の防衛上アイデンティティーに問題はあると思いませんか。
#95
○国務大臣(久間章生君) この特別協定に基づくとにかく負担しているやつは、日本におる在日米軍のための、そのために出しているわけですね。たまたまそういうところで出しておるときに、ある時期移転してどこかに行ったからといって、行くための経費を出しているわけじゃありませんから、ここにおる間の経費について出しておるものについては日米安保条約に基づいて我が国のために活躍する米軍に対して出しておると、そういうような認識で、それ以上のものでもないという、そういうふうに理解していただいていいと思います。
#96
○喜納昌吉君 ちょっとお二人の言葉がうまく理解につながらないんですけれど、結局は久間大臣は若干ニュアンスが違うんですか、今、麻生大臣との意見とは。
#97
○国務大臣(久間章生君) いや、基本的には同じことを言っているわけです。基本的には同じことを言っていると思いますけれども、先生が御指摘になった日本におる在日米軍が仮にイラクならイラクに行くということになった場合は、それはもう在日米軍から一応離れて別の指揮の下で行動するわけでございますから、その費用については我が国が出すということにはならないわけでありますんで、そこは仕切られているという、そういう理解をしていただいた方がむしろいいと思いますし、そういう目で見たときに、これはおかしいじゃないかというような御指摘があったらまた指摘していただいていいと思いますけれども、今そういうような支出はしてないと思っております。
#98
○喜納昌吉君 でも、麻生大臣の話を聞くと仕切られてない、仕切らなくてもいいという感じがあると、感じがしますけれども、そうではないんですか。
#99
○国務大臣(麻生太郎君) ちょっと御質問の趣旨がよう分からぬのですけれども、特別協定によるものに関しましては、今、久間大臣と言われたとおりなんであって、少なくともその特別協定によって国内におります米軍のことに関していろんな形で施設整備費等々をやっておるということで、それが仮に、今イラクの話が出ましたけれども、イラクに行く場合は、そのときは所属は多分中東方面の作戦区域の軍の方にその所属は移管されていることになっているのではないかと思います。
#100
○喜納昌吉君 その思いやり予算がどの範囲内であるかということが明確に出されてないような感じがするんですけれどもね。仕切りは、日本の安全保障、日米同盟が信頼できるから出すと言っているのか、しっかりしたその仕切りをつくると言うのか、まだ私分からないんですけれど、また次に質問します。
 続いて久間大臣に防衛省予算について質問します。
 沖縄タイムスが今月十七日付けで報じたところでは、米海兵隊はグアム島移転に関する日米合意の約百三億ドル以外に、施設改修費、施設維持費、水道光熱費など計四億六千五百万ドル、つまり約五百四十億円を毎年増やそうとしているとのことです。これは、米軍の準機関紙「星条旗」の記事に書かれていますが。一方で、最近、米国のシーファー駐日大使が、日本側へ一層の費用負担を求める発言をしています。これもちょっと気になります。
 さて、質問なんですけど、沖縄の海兵隊のグアム島移転の費用負担は概算六十一億ドルとされています。国民の大多数はこれに納得していません。現在、この費用負担に関する細部の詰めの交渉はどう行われていますか。よろしくお願いします。
#101
○国務大臣(久間章生君) 先ほどの浅尾先生にもお答えしましたように、百二億ドルが全体で概算で掛かるというふうにアメリカからの積算によって一応決めておる。それに基づいてロードマップその他、合意しておりますけれども、これはあくまで概算でありまして、これから先、まだ積算をこちらはこちらの立場に立ってやっていかなきゃなりませんから、だから、そこまで掛かるのか掛からないのか、それは、むしろそれよりもかなり下げるように努力をしなければならないと、そういうふうに思っております。
#102
○喜納昌吉君 いつ日本側の負担額が正式に決まるんでしょうかね。
#103
○国務大臣(久間章生君) これは、これから先、十九年度の予算等で認められたいわゆる調査費とかいろんなやつを使いまして、これから鋭意調査をやっていって設計を組んでいって、向こうのまたいろんな諸要求も出てまいりましてやるわけですから、少なくとももうしばらくは掛かると思いますけど、いつということは今の段階できちんとちょっと言いにくいですね。けど、もうちょっと、一年、二年じゃ難しいかもしれぬなという思いもします。向こうも、一気にやるか、場所的に取りあえずここをやろうとか、そういう形で出してくるかもしれませんので、全体として固まるのはもう少し先になるんじゃないでしょうか。
 しかも、インフラ整備その他もまた出てまいりますから、今の百二億ドルというのは、もうかなり、だから高めに出ているんじゃないかと私自身は感じております。
#104
○喜納昌吉君 日本側として、大体いつごろまでに持っていきたいという気持ちがありますか。
#105
○国務大臣(久間章生君) 今言いますように、向こうとの関係もございますし、どこまで詰めていけるか、物理的な作業もありますので、いつまでにというのはちょっとなかなか言いにくいという状況であります。
#106
○喜納昌吉君 向こう側のペースに乗ると勝てないんじゃないかと思って、私は質問したんですけどね。
 さっきの五百四十億円の話なんですけれども、海兵隊は毎年五百四十億円もの維持費を全部若しくは一部を日本側に負担をさせようと思っているのではないかという、その様子めいたことはないですか。
#107
○国務大臣(久間章生君) 今度は、グアムに移ってしまいますとそこは提供施設じゃございませんから、海兵隊が今までとにかく沖縄におりましてこちらが負担しておった、そういう分については減っていくわけでありますから、だから、そのまま向こうでこちら側が負担するということはまず考えられないということをひとつ理解しておっていただきたいと思います。
#108
○喜納昌吉君 是非、そうあってほしいですね。アメリカはうまいですからね、日本も負けないように。
 この移転費をめぐる利権に、既に様々な方面から利益にあずかろうと、企業、団体、個人らが群がっているようです。
 政府は、約六十億ドルのうち三十三億ドル融資する仕組みをつくっています。現地の民間企業が共同事業体、SPEを設立しており、政府融資を受けて住宅などの建設に当たることとなっているようです。そのSPEに参加している企業の数、企業名、国籍、それぞれは何の建設を担当するのかを明らかにしてください。よろしく。
#109
○国務大臣(久間章生君) 正にそういうのもこれから先決めていくわけでありまして、そのSPEでやるかどうかも含めまして、多分そういう方向になっていくんじゃないかと思いますけれども、それに日本企業も参加できるのかできないか、今の段階では何も決まってないわけですね。だから、これを決めて、参加できるようにした方がいいんじゃないかと私は個人的には思っておりますけれども、そして、そのときに日本企業が不利にならないようには我々としては努力しなきゃならないと思っておりますが。
 いずれにせよ、どういう形でこれから先詰まっていくのか、これもやっぱり交渉だと思いますので、またこれから先の進捗に応じて先生方からいろんな御質問等もあろうかと思いますので、私たちはそういうことも頭に置きながら交渉を続けていきたいと思っております。
#110
○喜納昌吉君 企業選定に当たっては、公正で透明な入札が行われるということですか。
#111
○国務大臣(久間章生君) 入札もそうですけれども、まず参加する資格等がどういう形で絞り込まれていくのか、アメリカ側が従来やっているそういう、民活をやるときにどういう手法でやっているか、ハワイでやる場合、いろんなところでやっていると思いますけれども、そういうものとのやっぱりバランスといいますか調整も必要でございましょうけれども、先ほど言いましたように、とにかくみんなの目から見て公正に、日本としてはまず損もしなかったというようなことも含めて、とにかく説明できるような、そういう状況に持っていきたいと思っております。
#112
○喜納昌吉君 この辺ではアメリカと日本政府はどっちの方がイニシアチブを取っているんですか。
#113
○国務大臣(久間章生君) まだ現在の段階ではイニシアチブということじゃございませんけれども、場所は確かにアメリカでありますから、アメリカのやり方というのが、やり方としてはやっぱりリードしてくることになろうかと思います。アメリカの国内法に基づいてアメリカでやるわけですから、だからそういうふうに、日本では使われない民活の方法なんかもアメリカじゃあるかもしれませんから。
 そのときに、先ほどから言っているように、向こうの法律にのっとって向こうの国土の中でやるわけですから、それは制約はありますけれども、できるだけ費用が安くなるには、例えばワーカーについては特別のビザを発給してよその国から入れてやってもいいじゃないかとか、いろんなことを言っているわけでありまして、そういうようなことで、どっちが主導権持つじゃなくて、いろんな提案をしながらすり合わせをしていく、そういう状況にあるわけであります。
#114
○喜納昌吉君 沖縄の企業も参加する可能性はありますか、参加できる。
#115
○国務大臣(久間章生君) それはないわけじゃないと思いますけれども、規模その他、実績その他からいってどのくらいの企業があるのかどうか、その辺が向こうの基準との関係でどうなのか、この辺はやっぱりこれから先議論される問題だと思います。
 排除するという、頭から排除するというようなことは、それは考えてはおりませんけれども、私たちとしては日本の企業がアメリカと比べて非常に不利益にならないように、それだけはしたいと思っております。
#116
○喜納昌吉君 次、シビリアンコントロールについてちょっとお聞きしたいんですけど、シビリアンコントロールね。
 今年一月、防衛庁が防衛省に昇格しました。国民、市民、文民による自衛隊制服組に対する文民統制、英語で言えばシビリアンコントロールになりますけど、ますますそのことが重要になってくると思いますけど、どう思いますか。よろしくお願いします。
#117
○国務大臣(久間章生君) シビリアンコントロールは非常に大事だと思っておりますし、また従来からいろんな意味で、この国会等も含めて、シビリアンコントロールは日本の場合は防衛省、自衛隊に対してはきちんと機能していると思っております。
#118
○喜納昌吉君 具体的な強化策としては。
#119
○国務大臣(久間章生君) 特別の強化策は考えておりません。といいますのは、現在のシビリアンコントロールというのは結構きちんとできていると思いますから、強化するということは今のやつが駄目だということになるわけでありますんで、絶えずそういうような視点から私たちはシビリアンコントロールが後退しないように、そういうような思いは持っておりますけれども、これを強化しなきゃならぬというような、そういう特別の問題は今痛痒を感じておりません。
#120
○喜納昌吉君 私は駄目だということが決してネガティブではないと思っているんですね。駄目だと少しぐらい思った方が謙虚でいいんじゃないかと思っているんですね。現在、その強化すること自体が駄目だということにつながると私は思っていないわけですね。少しぐらいは駄目だと思った方が私は、特に軍隊、それは武器も持つし権力持ちますから、非常に私は謙虚さが必要ではないかと思っています。
 文民統制を正しく維持する自信がありますか。
#121
○国務大臣(久間章生君) 私はそれは大丈夫だと思っております。少なくとも今の制度がそのままきちんと守られるんならば、現在の制度で文民統制はできておると思います。
#122
○喜納昌吉君 麻生大臣の発言でも分かるように、日本政府は在日米軍が日本の安全保障以外で展開する部分について十分には把握していないような感じがするんですね。
 例えば、ケニー司令部の統括の下で米空軍と航空自衛隊との関係が密接になっていきます。そのような場合、政府は航空自衛隊の動きを完全に把握できるのでしょうか。
#123
○国務大臣(久間章生君) それはできておりますし、これから先もそれは把握していかなければならないと思っております。
 今おっしゃられましたケニー司令官の下でと言われましたけれども、そうじゃなくて、アメリカと日本の、アメリカ軍と日本の自衛隊とは、とにかく主体性はきちんと守ってはおりますけれども、やはりともに連携を強化するということは大事なことでございますから、今、任務、役割分担、それからそういう能力、そういう点でのお互いの突き合わせというのはやっておりますけれども、あくまでもそれは連携でありまして、向こうの隷下に入るということじゃございませんから、そういう点ではこれから先もそこは注意しながら、向こうの命令でこちらがいろいろと動かされるようなことのないように主体性は確保していこうと思っております。
#124
○喜納昌吉君 この辺の意思はしっかりしてほしいなと思うんですね。アメリカの指揮下の中に、配下になってしまうというのは、これは大変ですからね。
 ただ一つ気になることがあるんですよ、私。横田にあった第五米空軍ですか、が本来はグアムの第三米空軍の方に統括されるという話が当初あったような感じがするんですね。しかし、それを引き止めたのは日本の航空自衛隊だという話があるんですけれどもね。それで、いつの間にか横田の方にこのケニー分遣隊が来たということは、このシビリアンコントロールの中で、日本の、我々も立法の議員なんですけれども、勝手に自衛隊の方の意識で物事が動いたという事実はないですか。
#125
○国務大臣(久間章生君) それは、勝手に動いたといいますか、日本の航空自衛隊が、日本の政府また防衛省、そういったことと関係なく勝手に米空軍の意向で動く、動いたということが……
#126
○喜納昌吉君 いや、米空軍と言っているんじゃないんですよ、自衛隊が勝手に動いたという。
#127
○国務大臣(久間章生君) それはもう勝手に動くということではなくて、当時は防衛庁長官、今だったら防衛大臣の指揮命令の命令書の発することに従って動いていますし、その発する中でまた部隊の長にゆだねている部分もありますから、その部分についてはその範囲内で勝手に動くことはありますけれども、上は全部コントロールされておるわけでありますから、コントロールのない形で勝手に動くということはあり得ません。
#128
○喜納昌吉君 これは事実、その事実はあったということですか、今の話の事実は。
#129
○国務大臣(久間章生君) 具体的な事実を教えていただくと、そういうことがあったかどうかもこっちはチェックして、もしあったとすれば大変なことでございますから、それはチェックをしなければなりませんけれども、私どもが聞いている範囲ではそんな動きは今までにはあっておりません。
#130
○喜納昌吉君 この辺をしっかり調べてもらえますか。
#131
○国務大臣(久間章生君) 具体的な内容を言っていただければそれを調べますけれども、あったんじゃないかという漠然なことを言われましても調べようがないわけでありますので、本当に申し訳ございませんけれども、こういうような時期にこういうような動きをしたけれども、これは命令にないままにやったんじゃないかという、それはあります。
 かつて、私が防衛庁長官のときに、アメリカ海軍が爆弾を過って海中に落とした。それをすぐ漁業者のために掃海をせにゃいかぬということで、佐世保から掃海艇が向かったわけですね。ところが、私の命令が出てないので掃海するわけいかずにぐるぐるしておった。そのときに新聞社からなぜ早く出たかと言われたけれども、それは準備行為として当然そこまで行くことが大事だということで行ったわけですけれども、そのときですら、アメリカから依頼文書が、電報が来るまで動かずに、その周りをうろうろうろうろ回っておったという事実があるぐらいでありますから、そういう命令に従って行動するというのはもう習性として、今非常に訓練されております。
#132
○喜納昌吉君 分かりました。
 とにかく、そのシビリアンコントロールの中で、航空自衛隊が勝手に自分の意見を出してアメリカをとどめたということになると、これは大変なことですからね。この辺はよく注意しておいてください。
 それから、久間大臣、大臣は今年一月に辺野古の滑走路一本でもよいと発言していますが、V字形滑走路については、海兵隊の新しい基地が本当に建設され、実現すると考えていますか。
#133
○国務大臣(久間章生君) 私は、一本でもいいという言い方をそこだけが非常に突出して新聞に報道されたんですけれども、要するに、米国と日本政府、それと同時に地元、この三つの意見が一致すればどんな案でもいいんですよと、そういう言い方をしたんですね。要するに、地元と日本国政府とそれとアメリカと、軍の運用をアメリカがやるわけですから、この三つの意見が合致することが大事だということを強調したんですけれども、そのときの例え話として言ったのが一本でもいいじゃないかという、そこだけが非常に強調されたわけであります。
 だから、そこのところは誤解のないようにひとつ、政府としてはV字案でいくという基本方針はもう決めておるわけでありますが、ただ決めておりながらも地元の意見を調整していこうというふうに、そういう努力をしているわけですから、そこのところは御理解賜りたいと思います。
#134
○喜納昌吉君 分かりました。よく誤解されるんですね。
 米軍の日本と米国での対応の違いについて聞きたいんですけれども、その建設工事はサンゴ礁を始め海の環境を大きく破壊します。米国では、米軍は美しい海の環境破壊が予想されれば基地建設はしないんですね。この点で日本は米国に差別されているような感じがするんですけれども、あるいは日本側の環境意識が低過ぎ、低いとも言えるのか、どちらの方なんでしょう。ちょっとこの辺を聞きたいんですけれども。
#135
○国務大臣(久間章生君) 環境の問題はもちろん大事にしなければなりませんけれども、環境と、それをある程度いじってでも確保しなけりゃならない目的との、その辺が難しいところであります。
 かつて、私は運輸政務次官のときに、石垣島に滑走路を造ることで地元の非常に熱望がありましたので、それをオーケー出すために努力しました。そして、オーケーを出しました。ところが、その当時、環境問題が駄目になって、壊れた経緯があります。それで、だからどっちを取るかという問題になってくる場合もあるわけです。
 そうすると、今度の場合でも、普天間のあの周辺でのいろんな状況を考えると、こちらの環境はある程度壊してでもこちらに移さざるを得ないんじゃないかと。しかしながら、こちらの環境をできるだけ壊さぬようにしようじゃないかということで、今回のV字案で、政府としてはこれなら大した影響がなくて済むということで決めたわけであります。
#136
○喜納昌吉君 肝心の沖縄県側が合意していないにもかかわらず環境調査を早々と始めるというのは余りにも拙速、そういう意味では思いませんか。
#137
○国務大臣(久間章生君) 環境アセスに基づく環境の方法書の提出をして、それから縦覧公告をして、そういう手続に従って一連のやつはやられるわけですけれども、それ以前に、サンゴが卵を産むのを見ておきたいと思えば、それなりの現実の調査をやったとしてもそれ自体はもう問題あるわけじゃありませんで、それがこれに合致するかどうかについては、これはまた沖縄県と国側と一緒になって、あるいは環境省も入れてこれから先更に調査をするわけでありますから、事実行為としての調査そのものをやっちゃいかぬというようなことはないわけであります。
#138
○喜納昌吉君 ただ、私は、米軍のこの対応の仕方に対して長官が心を痛めないのかというぐらいの、ちょっと聞きたかったんですけれども、余りにも沖縄に対しては抑え過ぎるという。よろしくお願いします。まあ防衛大臣もおるから、久間防衛大臣も。
 米軍基地を受け入れる段階ごとに防衛省が地元の自治体に御褒美として交付金を渡すという、出来高払方式を盛り込んだ米軍再編特措法案が二月の国会に提出されました。
 沖縄は在日米軍専用基地、施設面積の七五%を負担しています。札束でほおをひっぱたくような出来高払というならば、私は、日米安保条約に関連する政府決定を行われる際、沖縄は七五%の発言権を持たざるを得ないと思っております。久間大臣、提案されているこの交付金制度、沖縄に関していえば、米軍再編に反対が強いため自治体を切り崩し、分断統治しようというねらいではないですか。
#139
○国務大臣(久間章生君) そういうふうに取られますと非常に困るんですが、そうじゃなくて、米軍再編をしなきゃならない、するときに、負担が減っていくところはいいですけれども、負担が増えるところはやっぱり大変なわけですね。そういうところについては、何かそれに代わっていろんな事業をやりたいというときに、それについてはやっぱり交付金を出すということは、私はそんなに、ほっぺたを札束でたたくようなとらえ方じゃなくて、それはそれなりの政府としてはその地方自治体に対する配慮があっていいんじゃないかと。
 例えば原子力発電なんかについても、電源開発について、やっぱり原子力発電は日本の場合はどうしてもやらざるを得ないと。やるけれども、それを設置するところに対してはやっぱりいろんな意味で負担を掛けるからということで特別の交付金を出しているわけですから、そういう制度を米軍基地についても考え方として取り入れていいんじゃないかということで、今回の法案になったわけであります。
#140
○喜納昌吉君 沖縄の平均所得は、東京の所得は沖縄の二・五倍という、まあ一番所得が低いんですよね。だから、今のようなこの長官の考え方もいかがなものかと疑問を持ちながら、私、今聞いていますけれどもね。
 まあ、言うことを聞く自治体には褒美をやり、そうでなければ上げないというやり方は沖縄の人の気持ちを逆なですることになる。この点はどうお考えですか。
#141
○国務大臣(久間章生君) 褒美をやるとかそういう言い方をされますと困るんで、そうじゃなくて、やっぱりそれなりに負担をしてでも再編はやっぱり引き受けようという、そういう地方自治体に対しては、やっぱりこちらとしてもその地方自治体の、いろんな事業としてこれをやりたいというときには、それに対する交付金は出すような仕組みをつくった方がいいと思っておるわけであります。
#142
○喜納昌吉君 交付金格差を付ければ自治体間の開発、発展上の格差が起こると思います、私は。格差づくりを進めていながら認めたがらない安倍政権ですが、地域の発展がいびつになるおそれが非常に強いんですね。この点はどうですか、久間大臣。懸念しないんですか。
#143
○国務大臣(久間章生君) 従来の地域振興策はそのまま生きておるわけでありますから、地域振興策としては、それは地域の格差是正、そういうのも念頭に置きながらやっぱり開発をしていくわけでありまして、今度の米軍再編の問題は、米軍再編に絡んでそういうような必要性が出てくる地方自治体に対して交付金を出そうとしているわけでありますんで、地域格差の解消の問題とはまた別の視点だというふうに理解していただいた方がいいと思います。
#144
○喜納昌吉君 従来の振興策は残すと言われているんですけどね。沖縄の施政権が米国から日本に返還された復帰以降の沖縄振興策は、沖縄と日本本土の格差を縮めるのが目的で、沖縄の全体的な発展を目指してきたと思うんですね。問題の交付金制度では、交付が特定の自治体に偏って沖縄の全体の発展という目的を害することになると思うんですけれども、どうです、この辺は。
#145
○国務大臣(久間章生君) いや、それは必ずしもそういうふうに取るべきじゃないんじゃないかと思います。これは、沖縄に限らず、ほかの地区でもそうですけれども、訓練移転を沖縄の分を本土でやろうというふうにして引き受けてくれたところは、やっぱりそれなりに騒音は増えるわけですね。だから、そういうような地域に対してはそれなりの配慮があっていいと思うんでありまして、どうかそういうところについてはひとつ御理解を賜りたいと思うんです。
#146
○喜納昌吉君 今回の特措法案は、防衛省が振興策を直接担う仕組みになっています。内閣府が担当している従来からの沖縄振興策とはちょっと異なり、巨額の国庫赤字を抱え、財政が極めて厳しい折、防衛省が扱う出来高払の振興策が加えられれば、従来の振興策予算は減ってくると私は思うんですね。つまり、新たな振興策は従来の振興策を合理化し削減するねらいを持つとも言わねばなりません。私はそう思っていますけれども、大臣は。
#147
○国務大臣(久間章生君) それは、今までの振興策を担当している各部署がそれなりにまた、それがもう完成したかしないか、あるいはまた財政上の事情等もそれはあるかもしれませんけれども、そういう観点からやるんでありまして、今度の米軍再編の問題との直接の関係はございませんし、また間接的にもそれは一応それぞれ別の、何といいますか、観点からの予算でありますから、区別されるものだと思っております。
#148
○喜納昌吉君 振興策は内閣府の管轄でしたか、今現在においては。防衛省から、それじゃ沖縄のこの振興策を減らさないという注文できますか。
#149
○国務大臣(久間章生君) そういうようなことを言ったら、それこそ大変であります。そんな、よその予算をこれは減らせなんということは、それはもう……
#150
○喜納昌吉君 いや、減らせではなくして、残すという。
#151
○国務大臣(久間章生君) それはもう高市担当大臣が沖縄の振興策の方の担当大臣でありまして、それはそれでやっておられるわけですから、それは私は残っていくと思います。残っていくと思います。
#152
○喜納昌吉君 いや、だから、残っていくと思いますと言ってなくなるのが、よく、沖縄の政策の歴史ですからね。少しぐらいは、私がやりますぐらいの断言してくれませんか。
#153
○国務大臣(久間章生君) 沖縄に対する思いは私も同じでありますけれども、防衛省の立場からそれは残しますなんということは言えないわけで、それは担当大臣が自分の所管として残す残さないかは、進捗を見ながら、その地域がまたもうある程度振興したと思えば削るでしょうし、その辺は別の角度からやられるわけでありますから、ここでの質疑の中で私が残しますというようなことは言えないというのは御理解賜りたいと思います。
#154
○喜納昌吉君 私のその問いにずっと自信を持って心配ないとおっしゃるから、個人的に言ってくれませんかと言っているんですね。どうですか、そこら辺は。まあ、ひそひそでも、言えないということは分かっていますから。
 それじゃ、IMFについてちょっと質問したいんですけれども。これは財務省なのかな。
 日本は、国際通貨基金、IMFや世界銀行などの国際金融機関に出資しています。近年、ラテンアメリカなどの債務国が、IMFや世界銀行に対する債務をまとめて返済する動きが強まっています。このため、債務国から、(発言する者あり)財務省ですね、債務国から取り立てる利子を中心にして運営されてきたIMFや世界銀行は一種の経営難に陥って、職員の給料さえ払えなくなっているという実態が伝えられています。財務省はそのような実態を承知していますか。よろしく。
#155
○政府参考人(玉木林太郎君) お答えいたします。
 御指摘のとおり、IMF、国際通貨基金、あるいは世界銀行、世界銀行グループの中でも国際復興開発銀行、IBRDと言われる機関を指しておられると思いますが、これらの機関に対して日本は多額の出資をして、いずれの機関でも第二位の出資国となっております。
 御指摘のとおり、近年、特にここ二年ほど、IMF、国際通貨基金の貸付プログラムは急激な減少をしておりまして、そのため、IMFの収入も減少していることは確かでございます。恐らく、来月終了する今会計年度、IMFの今会計年度は、IMFの経費予算は赤字になる可能性になっております。
 国際復興開発銀行、世界銀行の方は、一千億ドルほどの貸付残高を有していて、相当規模の純益も生んでおりますので、そうした懸念はないかと思います。
#156
○喜納昌吉君 財政状態の改善のため、出資金を増やしてほしいといった要請はありますか。
#157
○政府参考人(玉木林太郎君) IMF、国際通貨基金や世界銀行等の国際金融機関に対する出資は、御承知のとおり、単なる負担というわけではなく、各国の発言権とも関連するものでありますことから、一般に、その機関の資金の今後の見通し、加盟国の世界経済に占める地位等に基づいて、加盟国間で長い交渉の結果合意が得られ、その結果投票に付され、そして一定期間に払い込むという手順を通常踏んでおります。現時点でこのIMFの赤字に起因する増資要請といった議論はあり得ないと思っております。
#158
○喜納昌吉君 分かりました。
 次、麻生大臣に日豪同盟の件でちょっとお聞きしたいと思っています。
 麻生大臣、日本は今月十三日、オーストラリアとの間で安全保障協力宣言に署名しました。その中に、自衛隊と豪州軍の実際的な協力を強化するという文言があります。日米豪三国の戦略対話を含め、三国間の協力を強化するという文言もあります。自衛隊と豪州軍の実際的な協力とはどういうものか、質問をいたします。
#159
○国務大臣(麻生太郎君) 先般、ハワード首相の訪日の際のときに、日豪首脳によって署名をされました。安全保障協力に関する日豪共同宣言というものであって、これは軍事同盟を意味するものではないということであります。
 これまで、日本と豪州というのは、北朝鮮問題、それからイラクにおきまして派遣されております陸上自衛隊の警護等々を含めまして、テロ対策、災害の際の人道支援等々、様々な問題を日豪共同でいろいろ課題に取り組んでまいりましたが、共同宣言というものは、今後の日豪間の協力の進展というものを踏まえて、二国間の安全保障協力を包括的な枠組みの下で一層強化をするための作成をしたものだと理解をしております。
 したがって、今後、共同宣言というものをしっかりと実施して、いわゆる基本的価値とか戦略的利益を共有しております日豪両国が、地域とか、また世界の平和と安定に更に取り組んでいけるように考えてまいりたいと思っております。
#160
○喜納昌吉君 今回の日豪宣言は、将来にかけて重要な意味を持つと思っております。
 宣言文を読むと、テロや大量破壊兵器の拡散、災害救援、感染症大流行など、人間の安全保障上の懸念など、だれもが反対できないことの背後に、将来の集団的自衛権確立に備えての布石ではないかと思われる文言が入っています。それからまた、NATOや豪州との安全保障上のこの関係強化は憲法九条を変えるのを前提とした措置ではないか、あるいは集団的自衛権を既に超えているんではないかという私には疑問があるんですけれども、よろしくお願いします。
#161
○国務大臣(麻生太郎君) 見解は全く異にします。見解は全く異にします。
#162
○喜納昌吉君 見解の異なる部分をしっかりお話しいただければ。
#163
○国務大臣(麻生太郎君) 今いろいろ御指摘がありましたけれども、将来に対しての不安ということをいろいろ言われたようにも存じましたけれども、私どもとしてはそのような考え方は持っていないということであります。
#164
○喜納昌吉君 私が懸念していることは、同盟を結ぶことを悪いと言っているんじゃないですね。ただ、日本は法治国家だから、法をしっかり守りながらやっていくならばいいですが、法の枠を飛び出して事を進めることはいかがなものかという考え方なんですね。
 今日は私の質問は、もう時間来ました、これで終わります。
 どうもありがとう。
#165
○緒方靖夫君 従軍慰安婦問題について質問いたします。
 この問題をめぐりましては、強制性はなかったとする安倍首相発言と日本政府の態度にアメリカやアジア諸国からの批判が広がっております。
 そこでお伺いしますけれども、大臣は今月末に韓国訪問を予定され、そして、そこでは当然、カウンターパートの宋旻淳外交通商相らと会談されると思います。そこで、韓国側が今懸念を表明している慰安婦問題についてどのような立場で会談に臨まれるおつもりなのかをお伺いしたいと思います。
#166
○国務大臣(麻生太郎君) 今月末に訪韓をする方向で日韓両国間で調整中であります。まだこれ日程が、ちょっと国会のあれやら何やらありまして調整ができておりません。したがって、まだ設置もされてない段階で議題について今述べる段階にはないということに御理解いただければと存じます。
#167
○緒方靖夫君 韓国で表明された懸念というのは、日本政府が先週十六日の閣議で、軍や官憲による強制連行を直接示すような記述はなかったとの答弁書を決定した、それに対して外交通商省報道官が論評を発表いたしまして、日本政府が九三年の河野談話を継承する立場を再確認しながらも強制連行の直接関与を認めない姿勢は、過去の過ちを縮小し、歴史的真実を糊塗しようとするものであり、極めて遺憾だと、そう述べているわけです。
 大臣はこうした批判をどのように受け止められているのか、お伺いいたします。
#168
○国務大臣(麻生太郎君) 慰安婦問題についての政府の基本的立場というものは、いわゆる、平成五年でしたっけね、あれは、あの河野官房長官談話というものを継承するというように理解をしております。安倍総理自身も、元慰安婦の方々が極めて苦しい状況に置かれ辛酸をなめてきたことに対し、心から同情しおわびを申し上げると述べておられますので、国会などの立場でも明確に述べられております。
 これまで政府は国会の場において明らかにしてきておりますとおり、いわゆる強制性の話等々につきましては河野官房長官談話の記述にあるとおりだと理解をしております。
#169
○緒方靖夫君 河野談話というのは、やはり私は、今の段階でいうと、やはり非常に大事なことが述べられているということを改めて痛感いたします。ですから、河野談話を継承するというその立場、そのことは非常に大事なわけですけれども、しかしそのそばで、強制性はなかった、狭義、広義と分けていろいろ話が出てくる、そのことに非常に、何というか、そこに矛盾性を感じるというのが先ほど述べた韓国の対応であり、また韓国のみならずアメリカでもそのことが出されているということだと思います。やはり、河野談話は政府による調査の結果、慰安所の設置、管理、移送について旧日本軍が直接あるいは間接的にこれに関与した、募集についても甘言、弾圧等による本人たちの意思に反して集められた事例が多くあって、さらに官憲等がこれに直接加担したこともあったと明確に述べられているわけですね。
 そういうことは、今何が問題になっているかというと、改めて、直接の証拠どうこう、あるいはだれだれがいついつ銃口を突き付けられてどう連行されたとか、そういう具体的な話どうこうということはともかく置いて、今世界の中で大きな問題になっている問題というのは、従軍慰安婦問題の基本的な性格だと思うんですね。それは、日本が植民地化した、あるいは軍事占領したそういう地域からおびただしい数の女性が集められて、そして日本軍が戦場に設置した慰安所に閉じ込められて、そこで性行為を強要されたという問題、その非人間的な行為全体が問題にされているわけですね。
 ですから、その事実、そうした事実があったのかどうか、そのこと自体が、そういう膨大な動きというのは軍の関与、いずれにしても当局の関与なしにはあり得ないだろうという、そういうことを言われているわけですね。ですから、この従軍慰安婦の問題ということ自身が事実であって、またそのために傷を受けた方々が、数は分かりませんけれども少なからずおられるという、そのことは事実ではありませんか。
#170
○国務大臣(麻生太郎君) 一つだけ、これいろいろ言っていくととても十分で終わる話じゃないとは思いますけれども、一つだけ、従軍慰安婦の前にいわゆるが付いていることだけは先生忘れないようにしておいていただかないと、これは従軍ということになりますと、これは軍属ということになります。したがって、いわゆる従軍慰安婦という言葉が付いている、いわゆるの付いている意義につきましては明確にされておかれないと、従軍医者、従軍記者、従軍看護婦と同列のように扱われるとまた話が別の方向に行きかねぬという点は注意をされておかれた方がよろしいのではないかと存じます。
#171
○緒方靖夫君 河野談話にもそう書かれてあることは承知しております。
 私がお尋ねしたのは、そういう事実があったということ、これは当然のことだと思いますけれども、そのことをお聞きした。だからこそ、河野談話は元慰安婦の方々に対して、当時の軍の関与の下に多数の女性の名誉と尊厳を傷付けたとして、心からのおわびと反省の気持ちを表明したと、そういうふうになるんじゃありませんか。
#172
○国務大臣(麻生太郎君) 河野談話に書かれているとおりですと先ほどから申し上げております。
#173
○緒方靖夫君 とすると、政府はその河野談話を継承するなら、文字どおり河野談話にあるように歴史の真実を回避することなく、歴史の教訓としてして直視して潔く行動で示すことが必要だと、そのことを私は申し上げておきたいと思います。
 そこでお伺いしたいのは、政府は河野談話に基づいてアジア女性基金を発足させ、元慰安婦の方々への償い事業を取り組んできました。村山政権以降、橋本首相から小泉首相まで四代の首相がおわびの手紙に署名し、元慰安婦の方々に送ってきました。この手紙の内容については継承されるわけですね。
#174
○副大臣(浅野勝人君) 手紙の内容は、河野談話をそっくりそのまま引用しております。したがって、安倍政権は河野談話を継承すると明言をしております。
#175
○緒方靖夫君 正確に言うと要約して継承しているということですので、当然そうなると思います。明確ですよね。
 そうすると、その河野談話はおわびと反省の気持ちを国としてどのように表すのかということを検討して、その結果として、償い事業としてアジア女性基金をつくったということになります。この基金は今月末にこれは解散されることになりますけれども、その後の事業についてはどのように扱っていかれるのか、お伺いいたします。
#176
○副大臣(浅野勝人君) 基金は国民の皆さんと政府が協力して、心身にいやし難い傷を、深い傷を負った方々に対する償い事業や医療、それから福祉事業、女性尊厳事業を実施してまいりました。
 ちなみに、私は慰安婦という言葉は避けさせていただいておりますので、今のような表現を御理解をいただきたいと思います。
 平成七年の設立以来十二年の間、国民の皆さんからの募金が六億円に上りまして、政府も四十八億円の拠出補助金を出しておりまして、御指摘のアジア女性基金の活動に協力をしてまいりました。同時に、様々な困難な中でこの基金の運用を貫いてこられた故原文兵衛前理事長、村山富市理事長を始めとする関係者の方々が払われてきた努力に改めて深い敬意を表しています。
 過日、解散式に政府を代表して私も出席いたしましたけれども、基金は御指摘のとおり今月末に解散します。基金解散後も基金の事業に表れた日本国民と政府のこの問題に対する真摯な気持ちに理解が得られるように、引き続き努力をしていく考えです。
 ただ、基金がその歴史的使命を終えようとしている今の段階で、政府が基金に代わる新たな組織を立ち上げるということは必ずしも考えておりません。現在、基金において解散後の課題についての検討を行っていると承知をしております。政府は、基金の側のそのような検討の結果を踏まえて、基金の解散後においても、繰り返しになりますが、基金の精神を引き継ぐためにいかなる対応が可能かを政府としても検討してまいりたいと、真摯に受け止めております。
#177
○緒方靖夫君 今答弁にありましたように、是非、積極的な対応を、検討をしていただきたいということを要望しておきたいと思います。
 もう一つ私お伺いしたいのは、慰安婦問題と、それからまた、この間問題になっている拉致問題との関連なんですけれども、アメリカのシーファー大使は、私は慰安婦の証言を信じる、強制性があったことは自明のことと述べています。大使は、もう拉致問題に大変深い理解を持ってアメリカ政権を動かしてきた人です。アメリカでは、慰安婦問題と拉致問題での安倍内閣の対応を比較して批判する世論が出始めているんですよね。私は、これは大変重視する必要があると思っているんですね。
 三月十八日のロサンゼルス・タイムズは、拉致問題では北朝鮮を非難する一方、これは日本がですよ、慰安婦問題では強制性を否定していると述べて、安倍首相は旧日本軍によって恐怖を強いられた多くの女性に対して、拉致被害者のものと同じ同情を持てないでいると批判しているわけですね。シーファー大使は、三月九日、日本人の記者団に対して、日本が河野談話から後退していると米国内で受け止められると破壊的な影響があると、そう発言されているわけですね。
 私は、外務大臣にお伺いしますけれども、大臣はこうした警告をどう認識されているか、お尋ねしたいと思います。
#178
○副大臣(浅野勝人君) 今の委員の御指摘は、心身にいやし難い深い傷を負わせた方々に対する河野談話、そして、それをそのまま引き継いだ歴代の総理がこのアジア女性基金を受け取っていただきたいと思った方々一人一人に、個人個人に手紙を差し上げた、その内容は繰り返しませんけれども、心からのおわびと厳しい反省の上に立ってああいう手紙を差し上げている。それは、河野談話を歴代の内閣が継承していると、今日もそうだと、そのことを十分理解をされていないアメリカを始め各方面に更に日本人の気持ちを理解をしていただくような努力をしていくことがその問題への答えだと確信をしております。
#179
○緒方靖夫君 これは、政府の努力という問題ではなくて、基本的な政策のスタンスだと私は思うんですね。
 やはり、安倍内閣の下で慰安婦に対する問題が後退したと、そういう受け止めがある。それと引き換え、拉致問題との関連でリンクされることは大変危険であり、日本にとって大変厳しい問題だと思うんですね。特に日本は、それを敷衍して言うと、やはり人権問題にダブルスタンダードがあるという批判があるわけですよ。
 例えば、私もいつも思いますけれども、飛行機事故等々が起きる、そうすると、そこに日本人がいるかいないか、それがぱっと日本のメディアではなるわけですね。そんなことをやるメディアは、アメリカでもフランスでもないわけですよ。そういうことを見て、日本人の命は大事、外国人の命は二の次、三の次と受け止められる、そういう風潮があるわけですよね。
 麻生大臣は外国のことをよく御存じですから、そういうことが実際いろいろな形で経験されていると思いますけれども、私は、そういう批判というのは非常に危険な批判で、日本の、今これだけ拉致問題を解決するというそういうことが必要になっているときに、非常に窮地に追いやる、自らの過去の問題との絡みで窮地に追いやる、そういうことになってくると思うんですね。
 ですから、その点で私は、努力が足りないと、アメリカを始めとするところに努力すると、そう言いましたけれども、私は、この問題については非常に重大な問題であるということを指摘して、質問を終わりたいと思います。
#180
○委員長(田浦直君) 以上をもちまして、平成十九年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、外務省所管及び防衛省所管についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#181
○委員長(田浦直君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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