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2007/04/26 第166回国会 参議院 参議院会議録情報 第166回国会 外交防衛委員会 第8号
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2007/04/26 第166回国会 参議院

参議院会議録情報 第166回国会 外交防衛委員会 第8号

#1
第166回国会 外交防衛委員会 第8号
平成十九年四月二十六日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十四日
    辞任         補欠選任   
     岸  信夫君     川口 順子君
     福本 潤一君     浜田 昌良君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         田浦  直君
    理 事
                小泉 昭男君
                山本 一太君
                浅尾慶一郎君
                柳田  稔君
                高野 博師君
    委 員
                浅野 勝人君
                岡田 直樹君
               北川イッセイ君
                関口 昌一君
                犬塚 直史君
                喜納 昌吉君
                佐藤 道夫君
                榛葉賀津也君
                白  眞勲君
                浜田 昌良君
                緒方 靖夫君
   国務大臣
       外務大臣     麻生 太郎君
       防衛大臣     久間 章生君
   副大臣
       法務副大臣    水野 賢一君
       外務副大臣    浅野 勝人君
       防衛副大臣    木村 隆秀君
   大臣政務官
       外務大臣政務官  関口 昌一君
       外務大臣政務官  浜田 昌良君
       防衛大臣政務官 北川イッセイ君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        泊  秀行君
   政府参考人
       法務大臣官房審
       議官       三浦  守君
       外務大臣官房審
       議官       猪俣 弘司君
       防衛省防衛政策
       局長       大古 和雄君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国際刑事裁判所に関するローマ規程の締結につ
 いて承認を求めるの件(内閣提出、衆議院送付
 )
○国際刑事裁判所に対する協力等に関する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○外交、防衛等に関する調査
 (国際刑事裁判所に関するローマ規程に関する
 決議の件)
○イーター事業の共同による実施のためのイータ
 ー国際核融合エネルギー機構の設立に関する協
 定の締結について承認を求めるの件(内閣提出
 、衆議院送付)
○イーター事業の共同による実施のためのイータ
 ー国際核融合エネルギー機構の特権及び免除に
 関する協定の締結について承認を求めるの件(
 内閣提出、衆議院送付)
○核融合エネルギーの研究分野におけるより広範
 な取組を通じた活動の共同による実施に関する
 日本国政府と欧州原子力共同体との間の協定の
 締結について承認を求めるの件(内閣提出、衆
 議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(田浦直君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二十四日、福本潤一君及び岸信夫君が委員を辞任され、その補欠として浜田昌良君及び川口順子君がそれぞれ選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(田浦直君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国際刑事裁判所に関するローマ規程の締結について承認を求めるの件及び国際刑事裁判所に対する協力等に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として法務大臣官房審議官三浦守君外二名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(田浦直君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(田浦直君) 国際刑事裁判所に関するローマ規程の締結について承認を求めるの件及び国際刑事裁判所に対する協力等に関する法律案の両案件を一括して議題といたします。
 両案件の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○浅尾慶一郎君 ICCローマ規程の承認、それからICC協力法案については、基本的には賛成でありますが、少し詰めなければいけないところがありますので、今日は配付資料に基づいて詰めさせていただきたいと思いますが。
 前にも予算委員会等で議論をさせていただきまして、このICCローマ規程上では罪に当たるけれども、日本の刑法では罪に当たらないものがあると。基本的に、日本の刑法で罪に当たるものについてはローマ規程ではこれは引き渡さないというふうになっておりまして、しかし、日本の刑法では罪に当たらないんだけれどもICCの中では罪に当たるものについては、これは日本では罪に当たらないわけですから日本で処罰できないので引渡しをすると。そうすると、日本の刑法で罪に当たるものについては国内の裁判を受けることになり、日本の刑法では罪にならないものについては引渡しをされるのでICCに基づくということになるわけでありますけれども。
 まず最初の質問としては、国内法で処罰できないものがあって、それを国際約束で、我が国が締結した他の国際約束でこうしたケースというのはありますか。
#7
○国務大臣(麻生太郎君) 御存じのように、日本国の憲法第九十八条というもので、日本が締結した条約などについてはこれを誠実に履行するということを遵守するという必要がある旨をこれ規定をされておりますのは御存じのとおりです。したがって、政府としては、この規定、九十八条の規定に従って、いわゆる各条約を誠実に履行することができるように国内法をしかるべく整備するという上で条約を締結するということにいたしております。
 したがって、日本がこれまで締結した国際いわゆる約束のうちに締約国の国内法による犯罪化が義務付けられているものにつきましては、いずれも我が国の国内法においてその義務が履行できるように必要な措置が講じられておりますのはもう御存じのとおりです。
 今回のICCローマ規程において、いわゆる対象犯罪の中で、いわゆる集団殺害犯罪とか人道に対する犯罪とか戦争に対する犯罪等々を、これは話題になるところですけれども、これを締約国の国内法における犯罪として処罰できるようにすることを今回のICCでは義務付けられておりませんので、これまでの例とは少し違うように思っております。
#8
○浅尾慶一郎君 今御答弁いただいたとおりで、今回のICCにおいて初めて国内法では罪にないもの、ごくわずかですけれども、ないものがあると。その場合には、まず確認させていただきます。国内法で罪になるものについては、日本人の場合は特に国内で裁判を、まず刑事裁判をするという理解でよろしいですか。
#9
○国務大臣(麻生太郎君) 結構です。
#10
○浅尾慶一郎君 そうすると、国内法で罪にならない、しかしICC上では罪になるという場合には、これは要請があれば引渡しをするということですね。
#11
○副大臣(浅野勝人君) 今、浅尾先生がおっしゃっているのは、補完性の原則の中で、それぞれ、ICCの犯罪対象の被疑者の捜査や訴追はそれぞれの国が行うんだけれども、それができない場合には、ICCが捜査、訴追をして締約国はこれに協力すると、そういう原則の中で、食い違った場合、国内法とICCの規程がかみ合わない場合をどうするかという御指摘だと理解します。
 ICCが対象犯罪にしているものは、先ほど大臣が答弁しましたとおり、集団殺害犯罪や人道に対する犯罪、戦争犯罪、それから侵略犯罪についてはまだ定義がされていませんけれども、それらの問題でありまして、細部のものについては現行の国内法で、殺人罪、傷害罪、逮捕監禁罪等で処罰が可能であります。
 これらのことを踏まえますと、国際刑事裁判所に対する協力等に関する法律案でICCに対する犯罪人引渡しなどを可能とするための手続規定などを整備した上でローマ規程を締結すると考えております。
#12
○浅尾慶一郎君 ですから、私の質問というか、確認させていただいたんですけれども、ちょっと長く答えられるとあれなんでもう私の方で申し上げますと、基本的に、国内法で処罰できるものは日本の場合は日本の裁判を受けると、国内法で処罰できないものはICCに引渡しをして向こうで処罰をするということなんです。
 ここで、憲法との関係で二つ整理をしなければいけないことがあるんですが、まず前段、憲法三十一条、罪刑法定主義というのがありまして、これは、最終的には裁判になった場合には最高裁で判例を出して決めていくということでありまして、ICCで罪になっていないもので引渡しがあった場合は、その件についてはこの法律あるいは後ほどの決議で一回目はそういう形で引渡しをするということになります。
 今、法務副大臣もお越しでありますけれども、罪刑法定主義との、憲法三十一条との関係はどういうふうに考えておられるか、その点をまずお聞きしたいと思います。
#13
○副大臣(水野賢一君) 先生御指摘の憲法第三十一条で罪刑法定主義が保障されているわけなんですけれども、これは我が国において刑罰を科する場合の規定であり、ICCによる処罰について直接に適用があるものではございません。
 ただ、我が国として、ICCローマ規程に定める義務に従って引渡犯罪人の引渡し等の協力を行うこととする以上、その処罰に至る一連の手続の全体が憲法三十一条が保障する適正手続の趣旨にかなうものが必要であるというふうに考えております。
 その上で申し上げますと、次の三点、すなわち、一つには、ローマ規程上、ICCが管轄権を行使する犯罪は国際社会全体の関心事である最も重大な犯罪とされるものに限定をされていること、かつその構成要件、その刑罰が明定されていることがありますし、また、二つ目には、ICCにおける手続は捜査から公判を通じて適正に定められており、人権の保障等についても十分に信頼に値するものと評価することができること。三つ目には、我が国による引渡犯罪人の引渡し等の協力の手続は法案の定めるところによることとなりますけれども、そこではICCの判断を尊重しつつも、我が国の裁判所による司法審査を義務付けるなど適正手続が確保されていること。
 こうした三点を考慮いたしますと、一連の手続の全体が憲法三十一条の保障する適正手続の趣旨にかなうものというふうに考えております。
#14
○浅尾慶一郎君 法務副大臣はそのように御答弁されましたが、佐藤幸治先生という有名な憲法学者がいられて、彼がその三十一条の、これはいろんな解釈があって、三十一条は適正な、いわゆる刑事訴訟上の適正な手続があればいいという考え方と、それからもちろん罪がなければいけないという考え方といろいろあると。通説がいろいろあるんですが、通説は、科刑の手続及び実体要件の双方につき法定されなければいけないというのが通説になっていますね。ここで憲法論議しても始まらないので、これはいずれそういうケースが出たときに、万に一つしかないというふうに御説明を事前にいただいておりますが、万に一つ、日本では罪にならないけれども引渡しをしなければいけないというケースが出たときに、多分、私の予想では、その人間はこれは憲法違反だと言って日本の裁判所に訴える、だから最高裁まで行って、そのときに判例が出るということになるんだろうなと。
 ただ、ほとんどのケースでは重大なということで、そういうケースはないというふうに事前に御説明いただいていますから、そういうことがないことを私も期待をしておりますが、国会の審議の過程においては万に一つということも一応考慮に入れなければいけないということで今この議論をさせていただいています。
 次に、実は憲法は、もう一つ、三十二条で裁判を受ける権利というものを定めております。この裁判を受ける権利と、今回は、裁判を、要するに日本の刑法上では罪にならないものについては日本国の裁判ではなくてICCの中での裁判的なものになるんだと思いますが、これとの整理はどういうふうになるのか。
 つまり、憲法三十二条では「何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。」と書いてあるわけでありまして、手続上定めてあるので、拘束される場合でも手続はちゃんとした手続にのっとって拘束をされるので、裁判はICCの裁判になるんだと。この憲法で定める何人も裁判所において裁判を受ける権利は奪われないというのは、じゃ、ICCも含むというふうに解釈をされるのかどうか、その点について法務副大臣に伺いたいと思います。
#15
○副大臣(水野賢一君) 委員御指摘の憲法三十二条によって保障される裁判を受ける権利というのは、刑事裁判においては裁判所の裁判によらなければ刑罰を科せられないことを内容としているわけですけれども、ここで言う、憲法で言う裁判所というのは我が国の裁判所であり、ICCを想定したものではありません。したがって、ICCによる処罰に関する手続のために引渡しを行うことは、裁判を受ける権利を保障した憲法三十二条には反するわけではありません。
 なお、ICC対象犯罪のほとんどは現行法においても処罰可能であり、仮に引き渡されたとしても、ICCローマ規程によれば、手続においては罪刑法定主義などの刑事法上の諸原則は厳守され、引渡し後の被疑者の権利も厳格に保障されておりますので、実質的には裁判を受ける権利は十分保障されているというふうに考えております。
#16
○浅尾慶一郎君 ちょっと御答弁が少しよく分からないところがあったんですが、ICCは、まず整理していきます、日本の裁判所ではないから、裁判を受ける権利ということには当たらないということでよろしいですね。
#17
○副大臣(水野賢一君) 日本の裁判所ではないということ。ですから、ちょうど犯罪人引渡条約なんかで外国に行って裁判を受けるのと同じようなケースだというふうに考えていただいて結構だと思います。
#18
○浅尾慶一郎君 それは、犯罪人引渡条約の場合は日本で罪になるものしか引渡しにならないんです。ですから、それは該当しないということで。確認しますが、ICCで言うところの裁判というのは、三十二条で定める裁判ということとは合致しないということだけを一つ確認をさせていただきたいと思います。
#19
○副大臣(水野賢一君) そのとおりでございます。
#20
○浅尾慶一郎君 ということで、今日、後ほど決議をさせていただきますけれども、万に一つしかないかもしれないと。しかし万に一つ、日本の法律では罪にならないものが、もちろんその行為を行った、もし仮に有罪になれば、それはそれで問題があることでありますけれども、日本の法律では罪にならない者を引き渡すようなことが出てきた場合に、今申し上げました憲法との絡みが恐らく後の時代で出てくるんではないかと、そういうことも含めて、本日最終的に決議も含めてこの法案に対して対処していきたいということを申し上げさせていただきまして、質問を終えさせていただきたいと思います。
#21
○犬塚直史君 民主党の犬塚直史です。
 引き続きまして、ICC、国際刑事裁判所についての質疑を行います。
 今ちょうどお話があったところですけれども、国内法で、今回の条約ですね、犯罪化の義務がないということで、今議論があったような内容の話になってくるんですが、この三つの重大犯罪、集団殺害犯罪、戦争犯罪、人道に対する犯罪、これをやっぱり国内法でも規定すべきではないでしょうか。
#22
○副大臣(水野賢一君) ICCのローマ規程で定められている三種類の重大犯罪は、そのほとんどが既に現行法においても処罰可能であり、現行法で処罰できないものはあるとはいえ極めて限られておる上、そのような行為のみが行われることというのは現実には想定し難いと考えております。
 刑罰は、やはり人の生命とか自由とか財産を剥奪することを内容とする制裁であることから、必要やむを得ない場合においてのみ適用されるべきだという謙抑主義の要請も考慮する必要があり、ICCのこの規程との、現行法の間に理論的には確かに差異というものは認められるわけですけれども、そのわずかな間隙を埋めるための新たな罰則を設けるまでの必要というのは現在ないというふうには考えておりますけれども、というふうに考えております。
#23
○犬塚直史君 そこで、私は素朴に疑問に思うんですけれども、今まで歴代の外務大臣に何でICCを早く締結しないんだということを聞くと、必ず同じ答えが返ってきた。それは国内法の整備という話でありました。
 その国内法の整備もどこまでやるんだということなんですけれども、日本の場合は、特に国内法の整備をまず精緻にやると、その大前提があって初めて条約の署名を行い、そして批准をするんだというような説明を一貫して受けてきたんですけれども、今回はどうもそういうことではないと。
 例えば、ドイツなんかは、我が国と同じようなICCへの協力に関する法案は整備しているんですけれども、さらに、可能性は少ないかもしれないが、重大犯罪、この三つの犯罪を新たに処罰する国内法規の整備なども行った。これをどういう形で行ったかというと、結構大変な作業だったと思うんですけれども、にもかかわらず、二〇〇一年にはもう既に締約国になっているという例があるんですよね。
 もう一度伺いますが、やっぱりこれは、今回はいいとしても、将来的には国内法で規定をすべきではないでしょうか。
#24
○副大臣(水野賢一君) 今申し上げたとおり、現時点ではそういう、先ほど申し上げたように、間隙を埋めるために新たな法整備というのがすぐ必要だというふうには考えておりませんけれども、確かに、おっしゃられるように、しかし万が一、現行法で処罰できないようなICC対象犯罪というのが我が国で行われる理論的可能性というのはないとは言えないわけですから、それはそのような事案の性質とか重大性とか社会的影響とかを考慮した上で国内法整備の在り方については検討に努めたいというふうに考えております。
#25
○犬塚直史君 国内法の整備を今後検討していくというふうに理解をいたしました。
 次に、ローマ規程に定めている上官の責任ですね。これは、上官が、自分の部下が人道に対する罪や戦争犯罪をやっているということを上官が認識をしていて、それを止めることができるような立場にありながらこれを止めなかった場合、自分が直接手を下していないにもかかわらず上官としての責任を問われるという規定なんですけれども、これについても、国内法では規定を、犯罪化はしていないんですが、これについても将来的には国内法を整備するべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#26
○政府参考人(三浦守君) お答えいたします。
 ICC対象犯罪につきまして、実行行為を行った部下とその上官の責任に関しましては、先生御指摘のように、ICCローマ規程におきまして、部下につきましては六条から八条、それから上官の責任につきましては規程の二十八条に規定されているところでございます。
 先ほど来の御審議にもありましたように、元々このローマ規程は、締約国に対して、規程に定められる上官責任あるいは部下の責任、これらのものについて国内法において犯罪化ということを義務付けているものではございません。
 ただ、実際の国内法上どうなるかという問題について御説明いたしますと、上官責任につきましては、現行法で考えますと、ほとんどの場合には行為者である部下の共犯などとして刑法総則等の規定に基づいて処罰をすることが可能であって、現行法において処罰できないようなことが行われることは現実には想定し難いというところでございます。
 また、刑罰は、人の生命、自由、財産を剥奪することを内容とする制裁でありますので、必要やむを得ない場合においてのみ適用されるべきであるという謙抑主義、謙抑性の要請もございますので、新たな罰則を設けるべき理由は認められないというふうに考えているところでございます。
#27
○犬塚直史君 もう既に、政府はこれらの重大犯罪に関し、これらの重大犯罪というのは国内法の規定がない、国内法で犯罪化していない重大犯罪に関して、ICC規程と国内法との関係を十分に検討する必要があるともう既に答弁はしているんですね。
 今のところ、これらについての検討結果を具体的に教えていただきたいんですが、いかがでしょうか。
#28
○政府参考人(三浦守君) 上官責任につきましては今申し上げたとおりでございまして、現実に我が国の国内で行われるということが想定がされないということでありますし、特に上官責任が問われなければならないほど組織的な形でそういった犯罪が、しかも十分な重大性という問題をクリアする形で行われるということは到底想定されないということで考えております。
#29
○犬塚直史君 先ほど来の議論でいって、私の質問もそうなんですけれども、一〇〇%あり得ないということはないわけで、たとえ少ない、想定することが難しいようなこういう犯罪においてもやっぱりきちんと整備をしておいた方がいいんではないかと、そういう質問なんですね。
 次に移りますけれども、まず参考人に伺いますが、ジェノサイド条約で言っているジェノサイドとICC規程で言っている集団殺害犯罪、この定義は同じものだと考えてよろしいですか。
#30
○政府参考人(猪俣弘司君) 定義自体は同じでございます。
#31
○犬塚直史君 外務大臣に伺います。
 御存じのように、ジェノサイド条約締結では、このジェノサイドを国内法で犯罪化するという義務があるわけなんですね。ローマ規程ではその義務がないと。しかし、我が国としてはローマ規程を今回締結しますよということですので、やっぱりこれを機会に、こういうジェノサイドというものも国内法で犯罪化をして、その上でジェノサイド条約を締結していくという方向で是非リーダーシップを発揮していただきたいんですが、大臣の御決意を伺います。
#32
○国務大臣(麻生太郎君) この集団殺害犯罪という話なんですけれども、これは国際社会にとっては大きな関心事のある問題だと、いわゆる犯罪だと思って、これが全然処罰されないで済まされるということは、これはやっぱりあってはならぬというように考えております。
 日本がICCに加盟することになりましたので、こうした犯罪のいわゆる撲滅とかプリベンション、予防に貢献をしていくということになるんだと、いくんだと思いますが、このジェノサイド条約というものにおきましては、これは、今言われましたように、集団殺害等々の行為を犯したものに関して、これを国内法によって犯罪化する義務というものを課しているというのがこのジェノサイド条約の一番大きなところなんだと思いますが、処罰対象とする行為については、ICCのローマ規程において処罰対象とする行為より広く規定をされているというのが常態だと思いますので、したがって、このジェノサイド条約を締結するに当たっては、日本の中においてジェノサイド条約を締結する必要性、また締結の際に必要となるそれこそ国内法の整備の内容等については、これはちょっと簡単にはいかないのであって、もっと範囲が広がりますので、そういった意味においては慎重に考える、検討を加えていかないかぬ必要があるだろうなという感じはします。
 とにかく、まずはこのICCの次にということなんだと思いますので、これができまして、しばらく運用を見た上でいろいろ考えていかなきゃいかぬ問題だと思っております。
#33
○犬塚直史君 もちろん今すぐという話ではないんですけれども、これを契機にしてワンランク上といいますか、今までは、先ほどの憲法のお話もありましたけど、あくまでも国内法の範囲というところから、ドイツなんかの例がそうなんですけど、国内ではジェノサイドなんというのは今この時代にほとんどあり得ないだろうということは、もうみんなそうだと思うんですよね。しかし、そうはそうであっても、ICCのように世界的な管轄権を持つ裁判所の国際的な法益を少しでも前進させるために、ドイツなんかはわざわざこれを国内での犯罪化をしたというような努力をしているわけですよね。
 やっぱり、これから我が国も、何というんですかね、ワンランク上というか、国内のことももちろんですけれども、国際法規を作っていくということにもっと貢献をしていただきたいと。あのヤンキースタジアムの改装まで視野に入れてやっぱりルール作りに参加していくというような、少し前向きな大臣の御決意をもう一度伺います。
#34
○国務大臣(麻生太郎君) 大量の集団虐殺というのにオウムのサリンのあれが当たるかどうかは別にして、我が国においても、五千人からの者が一挙にという例が我々のすぐこの近くで起きたというのが日本における過去の歴史ですから。
 そういったものを考えて、ああいったものが二度と起きないという保証はないと思います。そういったものがあり得るということは常に考えておかねばならぬ大事なところだと思っておりますので、今言われましたように、可能性というものを否定して掛かるのは大きな、更に大きな過ちを犯すことになりかねませんと思いますので、これができました後、長期にわたって検討させていただきたいと存じます。
#35
○犬塚直史君 もう一つは、もっと身近に感じる強制失踪、強制失踪防止条約、これはもちろん我が国まだ未締結なんですね。理由としては全く同じで、強制失踪を禁ずる、強制失踪は何だと、そしてこれを処罰するための国内法がまだ整備されていないということなんですね。
 やっぱりこれも、このICCの中では犯罪化されているわけですから、ICC締結をやっぱりきっかけに、この条約も大臣のリーダーシップで是非、今すぐとは言いませんので、なるべく早い機会に締結をしていただきたいと思うんですが、御決意を伺います。
#36
○国務大臣(麻生太郎君) 今御指摘のありましたこの強制失踪条約につきましては、これは、いわゆる我々の身近な問題として、拉致を含みますいわゆる失踪が犯罪として処罰されるべきものであるということに関しましては、国際社会におきましてもこれは十分に確認がされ、アブダクションという言葉が国連で初めて正式に使われる等々、私どもの将来にわたってこの種のいわゆる犯罪が繰り返されることのないようというのに、抑止する意義というのは極めて大きいと私どもも思っています。
 そのような考えに基づいて、日本としては、今年の二月でしたか、パリで開かれました署名式に、この条約にサインしているんですが、他方、この同条約は、ICCのローマ規程とは異なっていて、強制失踪を国内で犯罪化することを締約国に義務付けをしているというところが今問題なところなんだと思いますが、現在、この条約の締結に向けまして、現行国内法の整合性とか条約の規定の内容の精査を行っているところ、正に行っているところなんですが、これは可能な限り早いところやるべき問題だと思っておりますので、早期に同条約を締結いたしたいものだと我々も考えております。
#37
○犬塚直史君 条約を、ジェノサイド条約、強制失踪防止条約と来たんですが、もう一つは、まだ形になっていないんですが、ATTですね。これはもう武器貿易の条約で、まだ条約ではないんですけれども、今年、御存じのように麻生大臣も前向きな発言をされていますし、それから安倍総理もイギリスに行ってATTについては総理同士で非常に前向きな発言をされたということで、日本の武器輸出に対する非常に抑制的な態度も相まって、今、国際的な部分では発言する権利が非常に高いと思うんですね。
 やっぱりICCの締結をいい契機としてATTに懸ける大臣のリーダーシップ、やっぱりお願いしたいと思うんですけれども、御決意を伺います。
#38
○副大臣(浅野勝人君) 御指摘のとおり、構想の段階のものだものですから、私から答弁をさせていただきます。
 御指摘のとおり、武器輸出三原則に従って原則として日本は武器を輸出していませんし、国連などにおいても小型武器を含む通常兵器の問題に積極的に取り組んできた実績がございます。ATTの構想は、したがって日本政府の立場と基本的に合致するものだと理解をしております。
 日本政府は、去年十二月の国連総会の決議案の提出国にもなっておりますし、それから東京でのワークショップ、これ犬塚議員も出席していただいていると承知をしておりますけれども、これらのことを通じて武器貿易条約に関する国際的な議論に積極的に参加してまいります。そして、今後もこうした努力は積極的に推進をしてまいります。
#39
○国務大臣(麻生太郎君) 犬塚先生、やっぱり基本的には、何となく軍縮というとでかい武器の話ばっかりみんなしますけれども、まずは、何というのかな、チャカなんて言っちゃいかぬね、けん銃、済みません、けん銃というものが一番小さなということになるんでしょうけれども、こういったような小さな小型武器というものが、やっぱりこれで大丈夫なら次と。大体犯罪も、最初はちょっと置き引きぐらいから始まってだんだんだんだんあれになっていきますので、小さな段階できちんと対応しておくというのが大事なんだと思うんですね。
 日本の場合は、これはもう十六世紀にさかのぼりまして、やっぱり豊臣秀吉の刀狩りから始まっているんだと思いますよ、日本人の発想というのは。刀狩りで、結果として江戸二百七十年間うまくいったもとはあそこにさかのぼりますので、やっぱり今度のアフガニスタンの中でも、社会復帰に当たっては武器の供出、武器供出者にその分だけちゃんと対価を払うみたいなやり方をやって、結論、アフガンの北の方はそれは成功したわけなんであって。
 そういった意味では、こういった刀狩りみたいな発想というのは我々にはうまく、別に普通に根付いている発想の一つなんだと思いますが、なかなか世界的にいきますとさようなわけにはいかぬということなんだと思いますので、今言われましたように、このATTの話に関しましては、もっと、まだまだとてもじゃないけどここに行く段階じゃありませんけれども、私どもとしては、日本としては、ここは基本的な我々の考え方としてきちんと腹に収めて対応すべき問題だと考えております。
#40
○犬塚直史君 前向きな発言、ありがとうございます。
 おっしゃるように、刀狩りもそうですし、アフガニスタン、六万人でしたっけ、DDRの成功。しかも日本が、DDRというのは武官を使ってなんでしょうけれども、軍事の専門家を使ってなんでしょうけれども、丸腰の人間が朝からドラッグやっているようなところに入っていって本当に大変な思いをしてやってきたと、そういう日本の動きに対しては物すごいやっぱり注目と尊敬を集めていると思うんですね。
 やっぱり、こういうATTみたいな、まだ本当にそんなのできるのかよと、そういう状況のときに、やっぱり一言日本の方から後押しを是非今後ともしていただきたいというふうに、この件についてはお願いをしておきます。
 次に、クラスター爆弾のお話なんですけれども、これはもう大臣、さんざんここでも議論をされているお話なんですけれども、私、議論を聞いていて、日本の地形ですとか、あるいは海岸線が長いからこういう防御のための武器が必要だというお話は分かるんですけれども、しかし、そもそも着上陸による急迫不正の侵害というのは最近余り想定してないじゃないですか。それでもこのクラスター爆弾というのはどうしても必要なんですか。
#41
○国務大臣(久間章生君) 着上陸の蓋然性が非常に薄まってきているという印象は、それはあると思いますけれども、しかしながら、防衛大綱及び中期防でも規定しておりますとおり、やはりそれをやっぱり念頭に置いておかないと国の安全というのは語れないわけであります。
 そういう意味では、クラスター爆弾に代わるような対処方法があればいいんですけれども、対人地雷のときもいろんな議論をしました。小渕外務大臣とやりまして、そして地雷に代わるような武器といいますか、それについても予算措置を講じるということを財務省まで入れて議論しまして、やはり対応できるというそういう結論に達したのでこれも応じたわけでありますね。
 クラスター爆弾については、今のところこれに代わるような、この長い海岸線から入ってきたときに、そしてこちらの方は平野部で敵対する格好になるから、着上陸のそこのところでそれを撃退する方法についての武器が今のところ考えられないものですから、これはどうしてもやっぱり自衛隊としては持っておかないと万一のときに対抗できないという、そういうことから従来からこれは保有しているわけであります。
 もちろん、着上陸がなくて、これは持ったまま使わずに済むということが一番の理想でございますけれども、そのときに対応できないということでは、やっぱり国の安全を守る立場からいいますと無責任というようなことも言われないためには、準備といいますかそういう装備はやっぱりしておく必要はあるんじゃないかと思います。
#42
○犬塚直史君 着上陸のどういう事態かということにもよると思うんですけれども、仮にこのクラスター爆弾を装備しておっても、着上陸による侵害をじゃ一〇〇%防げるかといったら、これは無理ですよね、完璧というのはないわけですから。やっぱりどこかでバランスを取るというか、このぐらいの手当てという話になると思うんですけど。
 私は、ちょっと不思議なのは、クラスター爆弾に関しては、そもそもオスロ宣言というものを各国が受諾する中で日本がまだこれを受諾していないと。もちろん今のお話分かるんですけれども、そのバランスを考えたときに、そういう非常に人道的に問題がある兵器を使わないということをはっきりと宣明することによって外交的に着上陸の危険性を少しでも弱めるという側面もあると思うんですね。それと、じゃ仮想敵国どこにするかという話もあるんでしょうけど、いや、これは持っておいた方がより安全だと、このバランスだと思うんですけれども、外務大臣、いかがでしょうか、私はやっぱりオスロ宣言を受諾した方が、する方向に外交としては行くべきだと思うんですけれども、大臣はどのようにお考えですか。
#43
○国務大臣(麻生太郎君) 日本として、クラスター爆弾に関して主に言われるものは不発弾の話が主によく出てくる。これがいわゆる人道上いろいろ問題があるんだということは私どもとしても認識しておりまして、事実、我々としても、レバノンとかそれからアフガニスタン等々でこのクラスター爆弾の不発弾の処理というものに協力をしてきております。
 これは御懸念のように、人道上の問題と防衛大臣言われますように安全保障上の必要性の問題とか、バランスを考慮してやっていかにゃいかぬというところなんだと思いますが、今回の話の中で、これを実効的にやっていくために当たっては、これは主な生産国、このクラスター爆弾の生産国とそれから保有している国の参加も得てやっていかないと、こんなの現実的には保有国も生産国も全然参加していないものでは全く効果が上がらないと思いますので、そういった意味では、こういった議論とか宣言とかいうものをやっていくに当たっては、少なくともこういったものが実効性あらしめるようにするためにという議論をまずしてもらわなきゃという前にもうばっと宣言が出るということになりましたんで、ちょっと待ってくれと、それは話が全然実効性を伴わないではないかということが日本として宣言を支持するということを見送ったというのが前回の経緯です。
 したがいまして、これいわゆるCCWと言います、何でしたっけね、特定通常兵器コンベンショナルというか、禁止制限条約の枠組みにおいてこの取組というものを大変重視しているのでして、今後オスロ会議の宣言というものは、これは参考にはしながら、これいろいろな国の参加を得て最終的にきちんとまとめ上げていくには少々時間が掛かるとは思いますけれども、日本としてはこれに積極的に参加をしていきたいという考えではおります。
#44
○犬塚直史君 やはりその積極的な参加が今は言わば夢のように見えるATTにもつながっていく努力になると思いますので、是非それはお願いをしたいと思います。
 次に、侵略の定義について、二〇〇九年のICCの締約国会議でこれを討議するという予定になっているんですね。もちろん、我が国は締約国になるでしょうから、二〇〇九年、再来年の締約国会議の中で、七年に一回のこのICCのローマ規程の見直しの会議であります。この侵略に関しては、前回、合意に達することができなかったと、侵略の定義を行うことができなかったということがありましたので、侵略犯罪に関する特別作業部会というのを二〇〇二年九月に締約国会議によって設置をされたと。この作業部会、二〇〇六年を皮切りに最低でも十日間の協議を費やすということになっているんですね。二〇〇六年から見ますと、六月にニュージャージー、十一月にハーグ、今年の二月にニューヨークと、ここで、締約国会議でこの侵略犯罪についての定義、検討されているんですけれども、日本としてはどのような立場をまず取るつもりなのか、お答えください。
#45
○政府参考人(猪俣弘司君) 今委員が御指摘のとおり、侵略犯罪の定義などにつきましては、ICCローマ規程の起草過程において参加国間で意見の対立がございまして、今後二〇〇九年に開かれる予定の検討会議で、その場で検討を行われるという前提に立った上で、先ほど御紹介のあった特別作業部会の活動が続いているわけでございます。
 侵略犯罪の定義についてのその起草過程での各国の意見の対立というのは、侵略犯罪の定義として、個別の行為類型を列挙したものとするのか、一般的かつ抽象的な定義にとどめるのかという点ですとか、あるいは定義を置かずに国連安保理に侵略行為の認定をゆだねるかといった点につき議論が収れんしなかった経緯がございます。今活動をしております特別作業部会には我が国もオブザーバーとして参加しております。そこで侵略犯罪の定義の在り方、国際刑事裁判所が管轄権を行使するための条件などに関する議論をフォローしてきているところでございます。
 我が国としてどう対応するかということでございますけれども、今の段階で具体的にこうだという方針が明確にあるわけではございませんが、ICC加盟後は正式な加盟国として関連の議論に一層積極的に参画していきたいということを考えております。
#46
○犬塚直史君 侵略の定義って私は大変な大きな前進になると思うんですけれども、侵略というと、一方の国にとってみれば侵略で、他方の国にとってみれば自衛権の行使だというようなことにもなり得ますし、侵略というのは一体何なんだと、だれが決めるんだと、どういう定義なんだということをこういう司法の場でしっかりと定義していくということは大変に意味のある、意味のあるというか、画期的なことであると私は思うんですけれども、一方では、一部の国では、こういうことを司法機関にゆだねるということは、国際の平和に対する脅威だとかあるいは平和の破壊だとかということを認定するのは国連安保理の専任事項であると、それを司法の場で侵略の定義なんかをして、司法の場であれは侵略だ、これは侵略じゃないということは安保理に対する越権行為ではないかというような意見があるというのを承知しているんですけれども、我が国の立場としてはどういうふうにお考えですか。
#47
○政府参考人(猪俣弘司君) 先ほど御答弁しましたように、二〇〇九年に予定されているICC検討会議で議論されることになっているわけでございますけれども、したがいまして、今の段階で侵略犯罪の定義が最終的にどういうふうになるのかというのを、見通しは、なかなか述べることは困難でございます。
 今、国連安保理の専権事項との関係で、ICCでそういうことを決めていいんだろうかという御提起でございますけれども、これはICCローマ規程第五条におきまして、侵略犯罪の定義を定める規定は国連憲章の関連する規定に適合するものとする旨が規定されております。したがいまして、侵略犯罪の定義につきましても、ICCの関連規定は、例えば国連憲章第三十九条が規定する平和に対する脅威、平和の破壊又は侵略行為の存在の決定に関する安保理の権能、国連憲章第五十一条の自衛権などに関する規定等と整合的なものとなることが求められていると考えております。したがいまして、我が国としても、その内容に従った上で侵略犯罪に関する議論に積極的に参加したいということでございます。
#48
○犬塚直史君 今、参考資料をお配りしたんですけれども、この侵略の定義を再来年、ICCの締約国会議で議論すると。出典をこれ出すまでもないような話だと思うんですけれども、右側が我が国の自衛権発動の三要件、急迫不正の侵害があって、これを防ぐにほかに手段がなく、必要最低限の武力の行使を行うと。これ一、二、三と。これに対して、今度は、今武力行使の五要件と。要するに、国内のこれは自衛権の発動ではなくて、正当な武力行使の五要件というのはこういうものじゃないかという議論がずっと続けられておって、頭の三つはほぼ同じと言っていいんですね。この急迫不正の侵害というところを深刻な事態と。要するに、これはいわゆる平和に対する脅威だとか平和の破壊だとかいうことになると思うんですね。これは国にとってみれば急迫不正の侵害。それに加えて、残りの二つは当たり前のことなんですけれども、オイルが欲しいから行くんじゃないよと、正当な意図を持って介入、介入と言っていいかどうかあれですけれども、武力の行使を行うと。最後は合理的な見通し。つまりは、行ったときよりも出てくるときの方が少なくとも事態が良くなっているだろうという合理的な見通しがない限りは武力行使はしちゃいかぬよというような一応五原則が二〇〇五年の国連サミットでも一応この話も出ているんですね。
 やっぱり私は、再来年、日本が締約国会議で侵略の定義について発言をしていく機会があるという場において、やっぱり戦争があって、こんなこと二度としちゃいけないといって国連や国際連盟ができた、そういうことじゃなくて、戦争がなくても世の中の枠組みを少しつくっていこうという、今回は、ICCなんかはそうなんですから、やっぱり日本もこういう件に関しては堂々と発言をしていく。特に、自衛権行使の三要件ということで非常に制約的にやってきたわけですから、やっぱりここについても発言をする権利というのは非常に高いと思うんですね。
 それで、もう一度伺いますけれども、再来年の締約国会議で侵略の定義の議論にこれから積極的にかかわって、特にこの五要件、カナダ政府なんかは、いわゆるミドルパワーカントリーと言われるカナダ、ニュージーランド、北欧、オランダ辺りはこういうことに非常に理解を示しているわけなんですけれども、我が国の今後の取組、是非前向きに研究をして発言をどんどんしていくというような決意をここでいただきたいんですが、大臣、いかがでしょうか。
#49
○政府参考人(猪俣弘司君) 今委員御指摘のいわゆる五要件と言われた部分、五つの基本原則ということだと思いますけれども、これは正に国連改革のためのハイレベル委員会報告書で、憲章第七章に基づき安保理が武力行使を承認する際に満たすべき五つの基本原則ということで挙げられた要件だと思います。念のために言いますと、脅威が深刻であること、武力行使の目的が適当であること、武力行使が最後の手段であること、武力行使で用いられる手段が脅威と比べて必要最小限であること、武力を行使した結果が武力を行使しなかった場合の結果と比べて悪くならないことということを掲げた上で、安保理それから総会はこの基本原則を明示的に決議すべしということがその報告書でうたわれております。
 ただ、その後、まだもちろんその安保理、総会での決議というのは至っておりませんし、いまだ国際法上形成途上の問題であるという前提に立った上で、先ほど来答弁しておりますとおり、侵略犯罪につきましてはもちろんいろいろな動き、今までの経緯もございますけれども、我が国としても積極的にその議論に参画していきたいということでございます。
#50
○国務大臣(麻生太郎君) 今、猪俣の方から答弁いたしましたように、これは、犬塚先生、日本にとっては非常に大きな基本的なところだと思いますんで、これが果たしてどれぐらい進行、進むかということに関しては、正直そんなに僕は楽観的な見通しを持っているわけではありません。しかし、これは非常に日本として大事なところだと思っておりますんで、議論には積極的に参加していくということが私どもの基本的な姿勢であります。
#51
○犬塚直史君 ありがとうございました。
 今、猪俣さんもおっしゃったように、まずはこういう原則を安保理で採択をすべしと。いわゆるP5の恣意的な運用と見られがちなものではなくて、はっきりしたこういう原則を持って、行くときは行く、行かないときは行かないということがひいては安保理改革そのものにつながるんでしょうし、そういう原則を持つことがやっぱり日本が安保理に入っていくということの大きな私は契機にもなると思いますので、是非前向きに取り組んでいただきたいと思います。
 次に、侵略の定義以外にも何点かあるんですけれども、やはり同じ二〇〇九年の締約国会議で、大量破壊兵器、テロ、薬物取引と、この三点についても、この定義を、この三つについても犯罪化するべきだという打合せが行われる予定なんです。
 この件についてちょっと一九九八年のローマ規程が採択されたときの各国のスピーチなんかを少し私の事務所で調べてみたんですけれども、例えば、大量破壊兵器の中でも核、核兵器の使用は、これは人道に対する罪だとはっきり言えという主張を実に明快にしていたのがナイジェリア、そしてサモア、バングラデシュ、フィリピン、インドネシア、それからこれは最後は、インドはさすがに核のことは言っていないんですけど、核以外の大量破壊兵器についてこのローマ規程に入っていないためにインドは賛成をしないで、このローマ規程の採択のときですね、賛成はしなかったんですよ。そういう、何というか、前向きの理由でインドは賛成をしなかったわけなんですけどね。こういう積み残しの話題があると。
 特に私が驚いたのは、このときに日本の発言は全然なかったと。何で日本がこういうときに核も含めるべきだと堂々と発言しなかったのか、その経緯はちょっと今は分かりませんけれども、再来年のこの第一回のローマ規程の見直し会議においては、少なくとも日本から積極的な発言をして、この核兵器の使用はやっぱりローマ規程の中に入れるべきだと、人道に対する罪だということを発言していただきたいんですけれども、政府の意欲を伺います。
#52
○政府参考人(猪俣弘司君) 今また委員から御指摘がありましたように、ローマ規程の改定作業の際、改定交渉の際に、検討会議でも大量破壊兵器についての定義ですとか、あるいはテロリズム、麻薬犯罪についても議論されるということになっているわけでございます。
 今委員の御質問が大量破壊兵器ということが中心になりましたので、その点について御説明させていただきますと、ICC規程八条の2、十分御案内のとおり、(b)の二十というところに規定がございまして、その検討会議あるいは改正する際に規程の附属書に含められるようにしようということで、どういうものが大量破壊兵器であるかということについてはそこの附属書を作成するということになっておりますが、それはいまだに作成されていないという状況でございます。
 問題は、生物兵器、化学兵器ですとかいろいろ大量破壊兵器がございますけれども、核兵器については、政府として従来から一貫して、その核兵器の使用は、絶大な破壊力、殺傷力ゆえ、国際法の思想的基盤にある人道主義の精神に合致しないものと考えているということは申し続けてきてまいりましたけれども、核兵器の使用が国際法上どうかという点については、まだ、例の御案内のとおりのICJの勧告的意見がございますけれども、そこまで明確に国際法違反ということにはなっていないこともございますので、その点については慎重な検討が必要じゃないかというふうに考えております。
#53
○犬塚直史君 だからこそ新しい枠組みをつくる、しかもこの件に関しては去年を皮切りに最低でも十日間は協議に費やすことになっているわけですね。まだ三回しか行われておりませんので、少なくともあと七回、七回になるのか七日間になるのかよく分かりませんが、そういう場で日本はやっぱりしっかりと発言をしていって新しい枠組みづくりに日本からも積極的に参加をすべき、すべきというか、するべき立場にあると思うんですね。是非この件についてしっかりとした対応をお願いしたいと思いますが、もう一度その決意をお願いします。
#54
○国務大臣(麻生太郎君) 今、猪俣の方から細目申し上げましたように、この話は大量破壊兵器の定義がまだ非常に難しい話になっているところがルールづくりとしては難しいところの一つなんですが、その中で、核、いわゆるNBCと言われる、ニュークリア、バイオ、ケミカルと、このNBCのことの扱いにつきましてどうするかという話が一番、何というか、難しい定義の、ルールをつくるとなると難しいんだと思いますが、これはバイオかと言われると、いや、これは人道上役に立つとか、実にいろいろ使い方によってはどうにもなりますんで、そういったところを含めまして、核の平和利用の話とか、もう物すごく技術的な話も錯綜していますんで話がごちゃごちゃしておりますけれども、日本としてこの種の問題に関しましては積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
#55
○犬塚直史君 特に核に関しては、日本は本当に六十年前からの疫学的な本当に膨大な資料も持っておるわけですから、こういう議論に今こそ積極的に参加していただきたいということを申し上げて、次の質問に移ります。
 次はエーピック、APICですね、特権免除協定、これはもう既に、これについては必要性を感じていないというか、入らないつもりであるというようなお答えをいただいているんですけれども、もう一度これ正面から、何で入らないのかなと私はよく分からないんですけど。
 ICCは国連の機関ではありませんので、国際条約でつくられた機構ですから、一九四六年に採択された国連特権免除条約の適用の対象外になるわけですね。もちろんICCの中に既に特権・免除に関する規定は幾つかあるんですけれども、漏れているところはかなりあると。しかも、やっぱりここできっちりとそういうことを逃さないようにしておかないと、同じICCでも、例えば所長クラスが来れば特権・免除について出入国やあるいは捜査に当たっていろいろな障害が出るとは思えないんですけれども、それじゃ書記の人はどうだと、あるいは余りその人数が多くなったり、捜査が短期間だったり、あるいは長期間になったときにやっぱりきちんとこれは担保しておくべきじゃないかなと。そもそもAPICに締結しないという積極的な理由が私は分からないんですけど、もう一度これお答えください。
#56
○政府参考人(猪俣弘司君) この問題につきましては、本会議でも委員が御質問されて麻生大臣の方から御答弁させていただいた点でございますけれども、国際刑事裁判所の特権及び免除に関する協定、この協定自身、先ほど委員の方から御指摘があったように、ICC規程四十八条の1及び2に規定されておりますICC、裁判所自身、それから裁判官、検察官、次席検察官及び裁判所書記への特権・免除等の付与について改めて確認的に規定した上で、その四十八条3、4に規定します裁判所の特権及び免除に関する協定としてICCの裁判所次席書記、検察局の職員、書記局の職員、弁護人、専門家、証人その他裁判所への出廷を求められる者に対する特権・免除等の付与につき規定するものでございます。
 そこで、ICC裁判所でございますけれども、現在ハーグの本部及びニューヨーク、国連の事務所以外では事件の捜査が行われている国のみ事務所を設置しているということでございまして、当面我が国においてICCの事務所が設置される見通しはないというのが一点目でございますし、我が国においてICCの職員、要するに検察官ですとか裁判官ですとかいう方にはもう既にもう特権・免除を与えられますので、このICCローマ規程を我が国が締結することに伴いまして、そうでないような職員などが長期にわたって我が国で活動することも現時点では想定されないことなどにかんがみまして、現時点では我が国にとってその締結の必要性は乏しいんではないかという判断をして締結しないこととした次第でございます。
#57
○犬塚直史君 現時点で必要性が乏しいという議論は分かるんですけれども、私が聞いているのは、これを締結しないでいいという積極的な理由が今見当たらないわけですから、何でこれ、要するに国連機関であれば当然ICCやなんかには与えられている特権・免除なんですから、それがただ条約でできたために、そこのところを補完する追加的な条約がここにあるわけで、これを結ばないという今のお答えでは積極的な理由には聞こえないんですけれども、もう一度お願いします。
#58
○政府参考人(猪俣弘司君) 結ばなければならない必要性があれば当然結ぶわけでございますけれども、そういう必要性がないという判断に至ったので、現時点では特に結ぶ必要がないだろうという判断でございます。
#59
○犬塚直史君 いや、ですから、その結ぶ必要がないという判断をどうしてされたのかと。将来的に絶対あり得ないというなら分かるんですけれども、あり得るかもしれないと。担保しておいた方がいいだろうと、どちらかといえば。しないよりはした方がいいですよね。じゃ、した方がいいことを何で積極的にできないのかと、素朴な疑問なんですが、もう一回答えてください。
#60
○政府参考人(猪俣弘司君) 繰り返しで恐縮でございますけれども、いろいろ検討して、その特権・免除に関する協定をこの時点で結ばなければいけないかというと、必ずしもそうではないという判断、先ほどるる説明した点でございますが、したがいまして、今の段階で本当に必要であればもう当然結びます。必要でないという判断があったために今回は御提出してないと、こういうことでございます。
#61
○犬塚直史君 いや、その必要でないという判断の根拠を聞いているわけですから、もう一度お答えください。
#62
○政府参考人(猪俣弘司君) 最初、先ほど御答弁した点にまた触れざるを得ないと思うんでございますけれども、裁判官、検察官、それから次席検察官及び裁判所書記についてはもう既にICC、今回ここで御審議をお願いしているICCの規程四十八条1及び2に書いてあって、既に特権・免除が与えられております。それから、裁判所も当然与えられております。それが大前提になった上で、それ以外の事務所が実際日本に事務所を置かれるだろうかというと、そういうことは想定されない、見通しはない、それからその特権・免除を付与されていないICCの職員などが我が国で長期に滞在するということも考えられないということで、特権免除協定について現段階で御承認いただく、あるいは締結する必要がないという判断をしたということでございます。
#63
○犬塚直史君 余りこればかり長くやるつもりないんですけれども、ただ、今気になることをおっしゃったのは、事務所は置かないと、そういう事態はないと、そう断言されているけれども、断言はできないでしょう。
#64
○政府参考人(猪俣弘司君) 済みません、言葉が足りなかったかもしれませんけれども、見通しはないということを言ったつもりでございます。
#65
○犬塚直史君 では、少しでも見通しがあるのであれば、この特権免除協定は、要するにICCに規定してある特権免除規定を補完するものですから、これは前向きに取り組むべきだと思うんですけれども、いかがですか。
#66
○政府参考人(猪俣弘司君) こういう形で特権・免除を与えるということになりますと、もちろんICCの活動に関することですから、必要性があれば当然やるべきだろうという気はしますが、それとともに、日本の権利義務についてもある意味では影響を与える部分でもございますので、比較考量という点は当然必要になろうかと思います。ただ、必要性があれば当然のことながら検討する必要はあるというふうに思っております。
#67
○犬塚直史君 日本の権利義務にどういう影響を与えるんですか。その辺、もう少し説明してください。
#68
○政府参考人(猪俣弘司君) 公的な行動に対しての特権・免除ということはございますけれども、税金でございますね、税金の免除ですとか、それから、裁判権の免除という部分になりますと公的なやつですから、そこの問題はないのかもしれませんが、税金の免除というのが一番大きいかもしれませんです。
#69
○犬塚直史君 済みません、税金の免除というのはどういう意味ですか、初めて聞くんですけれども。もう一回説明してください。
#70
○政府参考人(猪俣弘司君) 今回、特権・免除に基づいて提供される部分といいますのは、訴訟手続の免除ですとか文書の不可侵、それから給与への課税の免除、今税金と言ったのはその部分でございます。
#71
○犬塚直史君 そのICCの捜査をする、裁判官だけではなくて、捜査をチームとしてやっていくこの人たちに対して、これが国連の機関であれば与えられるような特権・免除をICCの捜査にかかわる人たちには与えなくていいという積極的な理由はありますか。
#72
○政府参考人(猪俣弘司君) 積極的な理由という点でちょっとどうもやっぱりなかなか認識が違うのかもしれませんけれども、まず冒頭委員も御指摘になったとおり、この締約国は四十八か国ということでございまして、まずはICCローマ規程を締結するのが優先であるという前提で今回お諮りしているわけですが、検察局の職員ですとか書記局の職員が日本に来て滞在するときに、長期にわたって滞在する可能性も余りないんではないかという判断があった上で、今回、それから正に事務所についてもそうですけれども、見通しがないという判断に立った上で、今回についていえば、今の段階では特権免除協定についてのお諮りをしなかったということでございます。
#73
○犬塚直史君 ごめんなさいね、まだ分からないんですよ。そういう予断で、予断というか、そういう状況が余り考えられないだろうということは分かるんですけれども、それじゃ何で一応担保しておこうということにならないんですかね。積極的にやるというつもりで今は入らないという意味なんですか、それとも今後とも入るつもりはないと言っているんですか。
#74
○政府参考人(猪俣弘司君) 先ほど御答弁したつもりでございますけれども、必要性が出てくれば当然締結する必要はあろうと思っております。
#75
○犬塚直史君 必要性が出るというのはどういう事態を想定しているんですか。
#76
○政府参考人(猪俣弘司君) なかなか見通しとしては立ちにくいところでございますけれども、仮に事務所を日本に設置しなきゃいけないような状況が出てきそうである場合ですとか、職員、要するに検察官あるいは裁判官が来られるときはもう当然特権・免除を与えられていますけれども、そうでない職員の方が長期に我が国に滞在するような可能性が出てくるような場合ですとか、先ほどその必要性がないと言った理由の反対のような状況が起きてくれば当然必要性があるという判断に基づいて考えるというところでございます。
#77
○犬塚直史君 もう一回聞きますね。これでもう最後にします。
 これに前向きに取り組むんですか、それとも前向きに取り組まないんですか。
#78
○政府参考人(猪俣弘司君) 前向きであるかどうかという主観的な問題とはまた別で、必要性があれば当然それについて締結する方向で考えるということでございます。
#79
○犬塚直史君 私が聞いているのは、政府としての姿勢を聞いているんですよね。必要性が出てくればというその条件を付けられても、じゃ何が必要性かということはお互いに分からないわけですから、どういう状況が起こるかということは将来は分からないわけですからね。
 こういうこと、この特権・免除を国連機関と同じ待遇を与えるようにこれから持っていくつもりなのか、それとも、そういうことは事情によると、つまり本当にその場でトラブルが起こらない限りは事前に整備をする必要を認めてない、するつもりがないと、こう言っているのか、どっちなんですか。
#80
○政府参考人(猪俣弘司君) しつこいようで恐縮でございますけれども、するつもりがないとか、そういうことを答弁しているつもりはなくて、必要性があれば当然のことながら締結すべきだろうと思っております。
 ただ、現にICC、国際刑事裁判所規程、ローマ規程に対する締約国は百四か国であるのに比べて、この特権免除協定については四十八か国が締約国であるということからも分かりますように、それぞれの国でもちろん当然考えていると思いますけれども、ICCローマ規程を締結するに際してこの特権免除協定を一緒に締結しなければいけないということではないと思いますし、先ほど来答弁しているとおり、必要性があれば当然のことながら我が国としてもこの協定の締結については検討させていただきたいと思っております。
#81
○犬塚直史君 分かりました。要は、締結している国が少ないから、まあそうははっきりは言ってないんだけれども、それほど必要性がないんではないかというようなお話に聞こえるんですけれども、やっぱりほかの国がやっているから、やってないからというよりも、やっぱり積極的にこういうことには今後いい機会ですのでかかわっていっていただきたいということをお願いして、次の質問に移ります。
 十一月に、今度、補欠の選挙、ICCの裁判官の補欠の選挙が行われます。これは、我が国がもし締約国になるとすれば、締約国になってもうすぐですので、この批准ができた段階でもうすぐに準備しないと間に合わないと思うんですけれども、その進捗状況を教えてください。
#82
○政府参考人(三浦守君) ICC規程によりまして裁判官の選出につきまして選挙が行われるわけでございますが、現時点におきまして、今後予定されます選挙において我が国としてどのような対応をするかということについて確定的に定まっているわけではございませんが、法務省といたしましては、外務省とともにその候補者の擁立の可能性も含めまして適切に検討してまいりたいと思っているところでございます。
#83
○犬塚直史君 大臣、これ、もう十一月なんですよね。やっぱり送るからには相当透明性の高い、納得性のあるやり方で本当に有能な裁判官を送らなきゃいけないと思うんですけれども、第一号ですから。十一月ということは、締約国に我が国がなってもう本当にすぐと、もう今すぐ準備しないといけないぐらいだと思うんですが、それを法務省と外務省にしか見えないようなやり方ではなくて、広く透明性のあるやり方でやるということがひいては国民の、有権者の理解をICCに対しても深めていくという大きな広報活動にもつながると思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
#84
○国務大臣(麻生太郎君) 犬塚先生、基本的には、今回辞任したのが二名でしょうか、あそこは、たしか二名の裁判官のポストの補欠選挙というのが十二月か、に予定をされていると思うんですね。二〇〇九年には六名の裁判官のポストが改選選挙ということになっておりますんで、私どもとしては、新しくこれは加盟して出す金も多いわけですから、基本的にここの裁判官等に対して我々としては立候補する権利もあろうし、当然のこととして、義務とは言いませんけれども、責任もあるんだと私どもは存じます。
 ただ、是非ほかの委員の方にも御理解いただきたいんですが、向こう三年間に大体国際的な選挙というのが百二十幾つあるんですよ、今から考えていられるだけで。これは何も法務省に限らず、例えばITUなら総務省とか、いろんな形でずっと百二十幾つありましてね。これは思い付きでばらばらばらばらと持ってこられてもこれは外務省としてはとても対応ができませんから、全部出せということで、今、外務省の中に選挙対策本部をおたくの党みたいにつくりましてね、うちも。選対本部長外務大臣麻生太郎ということになって、各省全部出せと。しかも、これを長期的に、八年先だったらそれまでの段階に、事務局長に立候補すると、その前のときに次長のところなんかに入れておかなきゃいかぬと。そういう経験を積ませるために役人を養成するのもしなきゃいかぬので、思い付きなんかで出すなと。ちゃんと長期計画を出せと言って、いわゆる選挙の方法からやり方から、今ちょっと各省全部ばらばらに出して各局が、外務省の各課に来ますものですから、それを全部統括して今整理をやり始めたところの最初に来たのがこれです。
 そういった意味では、ちょっと正直、今までこういったことを統計的にやってきておりませんので、少なくとも、私どもとしてはきっちり、今まで票をいただくためにはいろんなものと戦略的に絡めなきゃいかぬ部分もありますんで、他の局の部分でこの国に対してはどうというような選対をきちんと立ち上げたいと思っておりますんで、この部分は特にすごく大きな問題だと思いますんで、十分に検討させていただきたいと存じます。
#85
○犬塚直史君 選対本部長に是非頑張っていただきたい。特に、一番最後に選対本部長というか外務大臣が一言、あるいは総理が一言言うとかなり効いたりするということも聞いておりますので、是非それは頑張っていただきたいということと、もう一つ、ついでみたいなんですけど、やっぱりすそ野が狭いと思うんですよ。こういうICCとかICJの判事に立候補できるなんという人は本当にもうエリート中のエリートでありまして、じゃ、国際法とかこういうことで本当に活躍できる、自分の専門分野を持っていて、法にも詳しくて、国際法にも精通しているという人は、私は絶対量は日本はもう絶対的に足りないと思うんですけれども、いつも言う話ですが、ここのところ、やっぱりすそ野を広げるためにどういう、突然で済みませんが、どういうことを大臣、お考えでしょうか。
#86
○国務大臣(麻生太郎君) おっしゃるとおり、よく言うんですけれども、同じ外務省の中でも、海外向きだからといって国際機関向きとは限りません。国際機関に向いているの、海外の大使館に向いているの、また余り海外向きじゃなくて国内で財務省と交渉するのに向いているのと、いろいろいるんだと思うんですよね。それをみんなでゼネラリストみたいにするから人の育ち方が悪いんで、国際機関に出すのが一番難しい、育て方としては一番難しい、特に日本人にとっては難しいんだと、私はそう思っております。したがって、こういった機関に出すのに当たっては、そんなすぐに促成栽培で、レディーメードでないんだから、少なくともオーダーメードでこれ育てていく以外に手がないと。
 だから、そういった意味では、例えば今法務省いらっしゃいますけれども、法務省の力で、これはカンボジアに今クメールルージュの裁判には日本から初めて裁判官というのが出ました。あの裁判というのは、世界で注目の的の裁判官が日本人ですから。また、その下に、今カンボジアでいろいろ民事訴訟法とか民法とかいろいろ作っているんですけれども、これ作るのに手伝いは法務省の若い女性のいわゆる司法試験を通ったのが何人か行って、今あそこで法律を作るという作業をやっております。
 そういったような経験をあっちゃこっちゃ結構若いうちから積ませておかないと、ある日突然にと言われてもおっしゃるとおりなかなかできる話じゃないと思いますんで、若いうちから海外に出して外国人と一緒に働かせるという経験を積ませるというようにしていかないとなかなか育たぬものだというのが基本だということを言って、今いろいろ各省にも、そういうつもりならあらかじめ言ってもらって、それをこっちはどこどこの大使館に何々出すからというようにして今育てようといたしております。
#87
○犬塚直史君 是非頑張っていただきたいということと、もう一つは、各省庁の枠から外れた人たちもやっぱり海外でたくさん一生懸命やっている方がいるわけで、特に今回、けつに火が付いたような話ですけど、十一月ということなので、これは一つのやり方の第一回目だと思うんですけれども、もちろん省庁の中も含めて、それ以外にも枠を広げて、広く公募をして、しかも形だけではなくて広く公募をして、透明性のある形で是非選んでいただきたいと、こう思うんですけれども、いかがでしょうか。
#88
○国務大臣(麻生太郎君) 民間からの登用ということを私どもも、外務省としてもいろいろ考えるところなんですが、外務省を例に引きますと、基本的に同じぐらいの年次でやりますと、大体五十ぐらいになっていると、まず給料は半分ぐらいですかね、ちょっと正直言いまして四割ぐらいのところになるんだと思いますんで、そういうそこそこの給料をほうってこっちに来るという人はなかなか奇特な方かよほど志の高い方ということになります。それから、若いうちに経験を積ませてもらいたいという方で、今ガットなんかでいろいろ民間登用というので契約みたいな形で二年とかなんとかって切ってやらせていただいているところがやっとスタートしたところぐらいなんですけれども。
 いずれにいたしましても、今からゼロからスタートをして何十年掛けてやるというのはとても物理的に間に合わないところもありますんで、既にでき上がった方々で、そういった方々を私どもとして広く集めるということをしない限りはもう物理的に対応ができないという事情にもありますんで、御指摘の線を踏まえてやってまいりたいと存じます。
#89
○犬塚直史君 私は、給料についていつもおっしゃるけど、余り気にすることはないと思うんですよ。奇特で志の高い人がたくさんいるわけですから、むしろ給料が大幅に下がったとしても、いや、おれは絶対これをやりたいんだという人が多分たくさんおられるんじゃないかと思うんですね。JICAなんかもそうだと思うんですけど、そういうことをどうしてもやりたいんだと、おれは給料下がってもやるんだと。むしろそういう方が入った後は活躍をしてくれるんじゃないかと。特に上の方の人はそういう人でいいんじゃないかと、そんな気がいたします。
 次の質問は、ローマ規程で国内法と違うところの一つに、被疑者とか被告人の権利だとか被害者と証人の保護だとかいう、あるいは公判手続への参加などということが十全と言える保護規定が設けられているんですけれども、これらの規定について、まず国内法で担保されていない部分について今後どういうふうに考えていくのか伺います。
#90
○政府参考人(三浦守君) ICCローマ規程におきましては、ICCにおけます刑事手続に関しまして、保障されるべき被疑者、被告人の権利、さらには被害者、証人の保護等の規定が設けられているところでございます。
 これに対しまして、我が国における刑事事件の捜査、公判につきましても、ほぼ同様に憲法、刑事訴訟法等におきまして被疑者、被告人の権利、例えば自白を強要されないことでありますとか、拷問、残虐刑の禁止、弁護人との接見交通、迅速な裁判等の手続保障の規定がございますし、被害者等の保護あるいは証人の保護に関しましてもそれぞれ規定があるところでございます。我が国がICCに対して行う証拠の提供等の協力の手続におきましてはこういった刑事訴訟法等の規定を準用することとしておりますので、条約上の義務としての必要な担保は確保されているというふうに考えているところでございます。
 なお、これらの保障がすべて明文で規定されているかどうかという点に関して申し上げれば、例えば、ICCローマ規程では、被疑者の尋問につきまして弁護人を立ち会わせる権利があること、あるいはその旨を尋問に先立って被疑者に告げるということが定められておりますが、我が国が実際にそのICCの被疑者に対する尋問の実施を協力として請求された場合には、この条約の規定に基づきまして、尋問に先立ってそういった弁護人の立会いの下に尋問を受ける権利を有する旨を告げて、相手がその権利を放棄した場合を除いて弁護人を取調べに立ち会わせるという運用を行うというふうに考えているところでございまして、こういった運用も併せて、こういったローマ規程に定める被疑者の権利が担保されるというふうに考えているところでございます。
#91
○犬塚直史君 問題点として考えられるのは、例えば未決勾留に関して代用監獄が使われている点ですとか、被疑者、被告人への取調べ時の可視化、可視化というのは透明性を持って可視で行われているか、あるいは取調べへの弁護人の立会いが保障されていないというような点が指摘されているんですけれども、この点についてはどう思いますか。
#92
○政府参考人(三浦守君) 我が国の刑事手続それ自体として申し上げますと、捜査あるいは公判を通じてICCの刑事手続と異なる点はもちろんございます。それは、元々ICCのその捜査、公判の手続の構造自体が日本の捜査、公判の手続の構造と相当違う部分がございますので、我が国の刑事手続は、我が国の刑事手続の構造あるいはいろいろな体系の中で運用をしているというところでございます。
 ICCに加盟するといいましても、そのICCの刑事手続を、我が国の国内法同様にそういう手続を取るということを義務付けているものではございませんし、我が国としては、ICCに対する協力を実施する中で、基本的にはICCが求める権利保障あるいはいろいろな要件というものを誠実に対応していくということとしているところでございます。
#93
○犬塚直史君 義務付けられていないということはよく承知しているつもりなんですけれども、そういう言わばとらえ方ではなくて、せっかくこれを締結をするわけですから国内法をもう少し整備を行っていくと、これを機に。あるいは、これを機にローマ規程自体の整備を行っていくということに対してもう少し開かれた、考えて、前向きな考えで是非お願いしたいと思います。特に、こういうことに関しては、まあまだこういう事態はないんでしょうけど、被告人への取調べで得られた証言がICCでは証拠として採用されないような事態にならないように、是非きちんとした対応をお願いしたいと思います。
 最後の質問ですが、地位協定とこのローマ規程の関係なんですけれども、日本に滞在中の米兵を地位協定十七条を適用してICCに引き渡すことはできるかということなんです。具体的に言うと、例えばアフガニスタンなんかで戦争犯罪を犯したという米兵がいると。ICCに訴追をされていると。その米兵が日本にいて基地の中にいるときに、これを引き渡すことができるかという質問です。
#94
○政府参考人(猪俣弘司君) ICCローマ規程の規定の説明をまずさせていただいた上で地位協定との関係の説明をさせていただきますけれども、ICCローマ規程の第九十八条2というところに、ICCが締約国に対して引渡しの請求を行うに当たっての規定がございます。派遣国の国民の裁判所への引渡しに当該派遣国の同意を必要とする国際約束に基づく義務に違反する行動を求めることとなり得る場合、こういう場合には、ICCが派遣国からICCへの引渡しについての同意をあらかじめ得ない限り、国際刑事裁判所、ICCは引渡請求を行うことができない旨規定しているわけでございます。
 翻って日米地位協定の関係でございますが、我が国は、日米地位協定第十七条に基づきまして、米国が米国人などに対する刑事裁判権を行使する場合には、米軍当局への引渡しを援助する義務を負っているわけでございます。したがいまして、我が国として、我が国に駐留する米国軍人にかかわる刑事裁判権につきましては、まずは地位協定、日米地位協定に従って対処するということになります。
 そういうことでございますので、御指摘のように、同協定、日米地位協定の第十七条を不適用として我が国に駐留する米国人をICCに引き渡すことは想定されていないということでございます。
#95
○犬塚直史君 地位協定を結んでいる国ではそういうことなんですけれども、地位協定を結んでいない国に対しても米国がBIAという形で二国間の協定を、これは百か国以上と結んでおるという事態なんですね。これに対して本会議場で麻生大臣は、日本はこのBIAを結ぶつもりはないとはっきりおっしゃいました。
 それは、もちろんこの地位協定がありますからアメリカにとってみれば日本と結ぶ必要はないということもあるのかもしれませんが、それはそれとして、政府としてこのBIAに対する見解というんですか、考え方をここで、ついでといってはなんですけれども、聞いておきます。
#96
○政府参考人(猪俣弘司君) 今御指摘のあったBIAということについていいますと、米国は理論的な可能性の問題であれ、米国の同意なく米国民が国際刑事裁判所に引き渡され得ることを懸念してICC規程、さっきちょっと紹介いたしました九十八条2に規定される国際約束に該当するものを作るということで、すべての米国民について米国の同意なしに国際刑事裁判所に引き渡さない旨の二国間合意の締結を提案しているというのは事実でございます。
 我が国は二〇〇二年以降、二国間合意について米国と数次にわたってミーティングを行ったことはございますけれども、我が国としましては、当然、国際社会全体の関心事である最も重大な犯罪を犯した者の訴追を確保するというICCの趣旨にかんがみまして、この規程の締結に当たりましてこのような二国間合意を締結しないという考え、これは正に麻生大臣が明確に述べられたところでございます。
 なお、更に説明させていただきますと、主要な国際刑事裁判所のICC規程締約国でございますイギリス、フランス、ドイツ、イタリアなどを始めとしますすべてのEU諸国とカナダ、オーストラリア、ニュージーランド、韓国は、このような米国との間での二国間合意を締結していないというふうに承知しております。
#97
○犬塚直史君 時間になりました。
 世界の戦争がない状態での秩序づくり、戦争があった後の秩序づくりじゃなくて戦争がないときの秩序づくりに、今我が国が大きな貢献をするチャンスだと思います。
 このICCを締結するということについては、この間も言いましたが、ドイツのカウル判事なんかは、ICC、国際刑事裁判所設立以来の最大の出来事であるとまで評価をして非常に高い期待を持っているわけです。正に、ヤンキースタジアムでヤンキースと一緒になって松井のようにやっていく、これは当然でありますけれども、ヤンキースタジアムもそろそろ改装しなければいけないところも出てきておると。そういうときに、やっぱり我が国がこれからそういうところにも積極的にかかわっていっていただきたいということをお願いをしまして、最後、大臣に一言御決意をお願いしたいんですが、いかがでしょうか。
#98
○国務大臣(麻生太郎君) 今のそのBIAの話……
#99
○犬塚直史君 ヤンキースの話。
#100
○国務大臣(麻生太郎君) ああ、ヤンキースの話、ヤンキース。
 やっぱり、何でしょうね、ちょっとヤンキースと言われるとあれですけれども、一九九〇年をもって二極というのが一極に変わってかれこれ十七年になるんですが、その中での枠組みというのは、やっぱりこれまでとは少し違ったものになってきた世界が中にあって、我々としては、二極の中の一極であったアメリカとこれまで六十年間うまくやってきたがために、少なくとも、この焦土の中からこれまで国として経済復興させ、国家を繁栄させてきたことは否めない事実だと思いますが、これが永久に続くという保証が全くないのは歴史の示すとおりなんで、そういうときに当たって、この状況がどういった形で変化しようとも、少なくとも日本という国家の安全なり繁栄なりというものが保障されていくためにどういう具合に考えるかということを考えたときに、枠組みという、ヤンキースと言われましたこの枠組みがどういう具合に変わっていった方が我々にとっていいのか、世界にとっても我々にとってもいいのかということは、常に頭に入れておかねばならぬ大事な問題だと存じます。
#101
○犬塚直史君 終わります。
#102
○緒方靖夫君 ICCローマ規程は、武力紛争がいまだ絶えない国際社会において、その中で発生する重大犯罪を処罰し、その根絶を目指す上で重要な規程だと考えております。
 幾つか質問いたしますけれども、ローマ規程で犯罪化される重大犯罪ですけれども、日本はこれを国内法において新たに犯罪化するための法整備を行わないとのことであります。ただ、加入に時間が掛かった理由の一つに法整備の検討があった、このことが繰り返し言われてきたわけですけれども、重大犯罪の国内法化についてもいろいろと検討されたと思います。重大犯罪の規定整備を必要ないと判断された理由について、端的にお伺いいたします。
#103
○副大臣(浅野勝人君) 先ほども指摘をさせていただきましたけれども、基本的な考え方が補完性の原則だからであります。
 ICCの規程は、対象犯罪を各締約国において処罰できるようにすることは義務付けておりません。その一方で、ICCの対象犯罪のほとんどのものは、現行の国内法において殺人罪、傷害罪、逮捕・監禁罪などとして処罰が可能です。そういう点を踏まえて、日本としては、国際刑事裁判所に対する協力などに関する法律案においてICCに対する引渡しなどを可能とするための手続規定などを整備した上でローマ規程を締結する考えでございますから、必ずしも国内の法律、犯罪化が必要とは考えておりません。
#104
○緒方靖夫君 参考にお伺いしますけれども、ローマ規程締約国の中に、批准に伴い国内法において重大犯罪を新たに犯罪化した国、これはどのぐらいあるんでしょうか。
#105
○政府参考人(猪俣弘司君) ただいま副大臣の方から答弁しましたとおり、締約国にその対象犯罪をすべて義務化するということではないんですけれども、ICCの対象犯罪を国内法で処罰できるようにするための立法措置をとった締約国についてのお尋ねでございます。
 先ほど犬塚委員が御指摘になったドイツそれからイギリス、オランダ、カナダなどにおきましては、ICCの加盟に当たりまして新たな法律が制定されて、ICCの対象犯罪の全類型が国内においても犯罪化されているというふうに承知しております。ただ、先ほど答弁あったように、各国の判断ということと、それから義務でないということがこのポイントだろうと思っております。
#106
○緒方靖夫君 ジェノサイド条約について、日本の署名等々についての対応については、先ほど大臣からICCの運用を見て、しばらく見てと、そういう答弁がありました。私の方から、やはりこの問題については是非積極的に検討していただきたいと、その要望を申し上げておきたいと思います。
 もう一点伺いますけれども、ローマ規程の重大犯罪は現在四つに限定されております。ローマ会議では、同時にテロリズム犯罪も対象犯罪に含むことを検討する旨の決議がなされております。締約国会議などの場で今後議論されていくと思いますけれども、この問題について日本政府はどのような方針で臨まれるのか、お尋ねいたします。
#107
○政府参考人(猪俣弘司君) ただいま御指摘のございましたテロリズム犯罪などにつきまして、ICCローマ規程を採択したローマ会議で作成されました最終文書の附属書におきまして、検討会議における検討の対象とするように勧告されております。二〇〇九年の開催予定の検討会議において検討される問題につきましては、もちろんこれから調整が行われていくことと思いますけれども、御指摘のテーマが議論の対象になる可能性があるものと考えております。
 政府としましては、ICC加盟後は主要な加盟国の一つとしまして、これらの関連の議論に一層積極的に参画、貢献していきたいと考えております。
#108
○緒方靖夫君 アルカイダなどの国際テロ組織に対してアメリカなどが対テロ戦争と称して軍事力による解決を進めてきましたけれども、これなかなかうまくいきません。国際テロリズムに対しては、やはり法の裁きを厳格にするという、そのことが求められていると思いますし、その意味でICCに期待される役割も非常に大きいと思います。テロに対しては刑事司法による対処で積極的に進めるという、そういうことを、そういう方向が進むように政府の対応を要望しておきたいと思います。
 次に、ちょっとテーマ変えますけれども、防衛省に航空自衛隊の次期主力戦闘機の選定についてお伺いいたします。
 防衛省による選定対象は六機種あると言われておりますけれども、この検討に当たって戦闘機の能力等においてどういう点を重視されているのか、お尋ねいたします。
#109
○国務大臣(久間章生君) まだ具体的にどういう項目を重視していくかという、その段階まで至っておりませんけれども、いずれにしましても、これから先、我が国領空の防空等を適切に行い得る、そういうようなものを考えていくわけであります。というのは、我が国を取り巻く各国においても、いわゆる第四世代機といいますか、そういう形で航空機についても近代化が進められておりますので、我が国としても、そういうことも念頭に置きながら、どういう形で我が国領空の防空等を適切に行うに足りるかというような、そういうことから取り組んでいきたいと思っております。
#110
○緒方靖夫君 六機種のうち最も能力が高いのが、本年米空軍が嘉手納基地に配備したF22だと言われております。在日米軍のライト司令官が、四月三日の記者会見で最も優れた能力を持つ機種を選定してほしいと述べて、日本の導入に強い期待を表明しているところです。
 F22にはどんな特徴があるのか、現行のF15やF4戦闘機と比べてどんな違いがあるのか、簡潔で結構ですが、御説明願います。
#111
○副大臣(木村隆秀君) 先生の今御質問、F4の後継機の選定を適切に今行うために、調査対象機種として、その一つとしてF22もその対象になっているわけでありますけれども、今その情報収集をしている段階でございまして、大臣からも今御答弁をさせていただきましたけれども、もう現時点でその能力について確たる評価を下すというのは困難ではないかと思います。
 ただ、先生も御承知だと思いますけれども、米空軍の公式ホームページにはF22のことについて述べられておりまして、先生今御指摘のように、米空軍の最新鋭戦闘機である、ステルス能力、そして超音速巡航能力、機動力と統合アビオニクス能力のコンビネーションによって戦闘能力が大きく飛躍ということが述べられているということは承知をいたしております。
#112
○緒方靖夫君 四月五日からの日米審議官級協議に関して、日本側はF22を最有力候補として挙げ米側に輸出解禁を求める方針とか、あるいはF22とF15、FXの二機種を二段構えで調達することを想定しているとか、そういう、報道ですけれども、そういうことが伝えられております。
 いずれにしても、F22は有力候補として検討されているということになるわけですか。
#113
○国務大臣(久間章生君) その前に、F22についてもう少し情報を公開してもらいたいと、そういうことを希望しておるわけでありまして、まだそういう点では細かい点の情報を得るに至っていないわけであります。
#114
○緒方靖夫君 しかし、同時に、それを公式に求めていくということと、同時に、これがどういう性能を持っているかということについては今副大臣の方からもお話がありましたし、非常に優れた戦闘能力、性能を持っているということは自明のことだと思います。
 その中で、先ほどもお話がありましたように、F22の選択、これを視野に入れて考えていると、そういうことは間違いありませんよね。
#115
○国務大臣(久間章生君) らち外に置いているというわけでございませんけれども、それを視野に置いて、それに絞っていろんな検討をしているというわけでもありませんので、そこは誤解のないようにしていただきたいと思います。
#116
○緒方靖夫君 そうすると、それは一つの仮定の話になってまいりますけれども、その優れた能力ということを前提として、そして日本がそれを選択していくということになった場合、日本の防衛にとってステルス性能と対地攻撃能力を兼ね備えた機種を持つということになってくると思いますけれども、その必要性ということについては大臣はどのように考えられているんでしょうか。
#117
○国務大臣(久間章生君) その機種がたまたま対地攻撃能力を持っているかどうかという、そういう点はまたありますけれども、それよりも、我が国領空においていわゆる防空に十分堪え得る戦闘機かどうか、そこのところが一番大事なわけでありまして、それが併せて対地攻撃能力を持っているかどうかというのは、それはその次の話でありますから、我が国としては、とにかく領空内において防空を十分行い得る、そういう機種を選定したいという、そういう角度から検討するわけであります。
#118
○緒方靖夫君 これも仮定の話になってくるわけですけれども、領空内とおっしゃられました。同時に、その性能を見ると、仮に日本がレーダーに捕捉されずに相手国の地上施設を攻撃できるという、そういう能力を持っている機種になるわけですね。そういう能力を持つようになるとすると、本土防衛の、つまり領空内の防衛という、今大臣がおっしゃられた、そういう本土防衛のための必要最小限の能力、これを超えるということにもならないかどうか、その点についてはどうお考えでしょうか。
#119
○国務大臣(久間章生君) 委員のお話を聞いておりますと、敵地攻撃能力を持った戦闘機を次は選ぶのかということを盛んにおっしゃるような感じがしますけど、そうじゃなくて、ステルス性があるということは、空対空でぶつかったときでも、相手の方から見たらこちらは野球の小さなボールに見える、こちらから見たら向こうは、戦艦大和じゃないけど、大きく見えるという、そういう違いがあるわけでありまして、そういう能力をどっちがいいかというようなことから検討するわけでありますから、敵地攻撃能力を持っているとか持っていないとか、そういう尺度じゃありませんので、そこは誤解のないようにひとつとらえていただきたいと思います。
#120
○緒方靖夫君 ええ、誤解のないように議論したいと思うんですけれども。
 そうすると、このF22の能力としてそういう能力を持っている、そういうことになりませんか。
#121
○国務大臣(久間章生君) 先ほどから何度も言っていますように、情報が細かく出されていないわけでありまして、今、こちらの調査団を派遣した場合でも、この機種については向こうは受け入れてもらっていないわけですね。ということは、どれだけの細かい点で、速度とかそういうのについてはそれはホームページに載っていますけれども、いろんな武器等を装備した状態でどれぐらいの重さを持つのか、いろいろやっぱり情報を知りたい点がまだあるわけでありますから、そういうのを総合的に見なければ決めていけないわけでありますので、まだその前の段階だというふうに理解していただいた方がいいんじゃないかと思います。
#122
○緒方靖夫君 アメリカの側はどうもこれを他国に売りたい、そしてその一番の有力な先として日本があるというそのことが報道等々されておる、米国内で報道されております。そうすると、大臣おっしゃられたように、今後いろいろ調査する、どういう性能を持っているかということを直接確かめる、今後どういう日程でどういう形でそれは行われるんですか。例えば、これまで協議の中で聞いているとか、あるいはこれから代表団を送って調べるとか、そういうことについてのその日程とその方法についてどういう方向なのかお伺いしたいと思います。
#123
○国務大臣(久間章生君) まず我々としては情報公開をしてもらいたい、それが一つですね。それと、やっぱり今アメリカ国内法で、議会でこれは外国に売らないという法律を作っているわけですから、その法律との関係はどうなるのか、そういうところもこれから先の方向として知りたい。そういうのがクリアされて初めて、向こうは売らないという法律を作っているんですから、その中でこちらが買うということをまずありきで議論すること自体がないんじゃないでしょうか。
#124
○緒方靖夫君 この機種の性能ということに私は着目しているんですがね。日本が攻撃を受けた際の日米の共同対処、これについてはアメリカが矛で日本が盾と。つまり、敵をたたくのは米国の役割で自衛隊は専守防衛に当たる、これは繰り返し答弁されてきました。この役割分担を変えないならば、F22が非常に高い能力を持っているとしても、その同じ機種を日本が持つ必要はないのかな、ないのではないかなということを単純に私思うわけです。その点について、そういう議論は当然それを選定するという作業に入れば起こると思うんですけれども、その点についての大臣の見解をお伺いしたいと思います。
#125
○国務大臣(久間章生君) この日本側が盾であり米軍が矛であるという基本的なこのスタンスは変わっておりません。これは現在の中期防においても防衛大綱においてもそのことは明確に述べておるわけでありますね。しかしながら、先ほど言いましたように、周りのいわゆる機種が非常に第四世代機になってきたときに、このF22よりも優れたような、そういうような機種を果たして我々が開発することができるかどうか、あるいはまたほかの国でそれを持っているかどうか、そういうことも念頭に置いて検討しなければなりませんから、敵地攻撃能力というようなそういうサイドじゃなくて、むしろ我が国領空においての防空能力を考えたときにどういうような機種があるのかという、そういう角度から検討をしていこうと、そう思っているわけであります。
#126
○緒方靖夫君 最後です。
 やはりその機種の能力からすると確かに対地攻撃ができるという、そういう優れた能力があるわけで、それがどういう影響を持つのか。領空の防衛という大臣がおっしゃられた目的、それにまっしぐらだという、それに限定しているんだという、そういう説明は私、今伺いましたけれども、しかし、それを超える能力を持っているということについてもきちっと考えていくことが必要だと。これはやはりアジア諸国への様々な影響等々もあると、起こるだろうということを私は危惧するわけで、その点から伺いました。
 時間なので、ありがとうございました。
#127
○委員長(田浦直君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 まず、国際刑事裁判所に関するローマ規程の締結について承認を求めるの件の採決を行います。
 本件を承認することに賛成の方の挙手をお願いします。
   〔賛成者挙手〕
#128
○委員長(田浦直君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 次に、国際刑事裁判所に対する協力等に関する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#129
○委員長(田浦直君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両案件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#130
○委員長(田浦直君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#131
○委員長(田浦直君) 外交、防衛等に関する調査を議題といたします。
 浅尾君から発言を求められておりますので、これを許します。浅尾慶一郎君。
#132
○浅尾慶一郎君 私は、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党及び日本共産党の各派共同提案による国際刑事裁判所に関するローマ規程に関する決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    国際刑事裁判所に関するローマ規程に関する決議(案)
  国際社会全体の関心事である最も重大な犯罪を行った個人を処罰する国際刑事裁判所の設立は、国際社会における重大な犯罪行為の撲滅及び予防並びに法の支配の徹底という観点から、極めて意義深いものである。現在、この裁判所は、集団殺害犯罪、人道に対する犯罪及び戦争犯罪について管轄権を行使でき、定義等が整い次第、侵略犯罪についても管轄権を行使できることとされている。人道に対する犯罪には、「人の強制失踪」として拉致も含まれており、北朝鮮による日本人拉致問題を抱える我が国が国際刑事裁判所に関するローマ規程の締約国になることには大きな意味が認められる。
  また、二〇〇九年に招集される本規程の検討会議では、侵略犯罪の定義等の整備のほか、テロ犯罪及び麻薬犯罪について、管轄犯罪に含めるか否かを検討することが予定されている。
  我が国が本規程に加入した暁には、その見直しを始め、まだ発展途上にあるこの裁判所の運営及び活動に対し、締約国として国際社会に対し明確なビジョンを示し、最大限の貢献を行っていく必要がある。
  さらに、本規程の締結に当たって我が国の採る国内実施体制の整備や運用の在り方は、今後、締結を検討するアジア諸国などからも注目されるものである。
  以上のことを踏まえ、政府は、本規程の締結に当たり、次の事項につき誠実に努力すべきである。
 一、重大な犯罪行為の撲滅及び予防並びに法の支配の徹底という国際刑事裁判所の果たすべき重要な役割にかんがみ、分担金の最大拠出国にふさわしい発言権を確保しつつ、発展途上にある国際刑事裁判所の運営及び活動に積極的に関わり、その実効性及び効率性の向上に努めること。
 二、国際刑事裁判所に対する人材面での貢献を積極的に行っていくこととし、そのため、裁判官、検察官を始めとする裁判所職員の輩出のために我が国の人材の発掘及び育成に係る体制を強化すること。
 三、国際刑事裁判所が管轄する犯罪に対する法の支配を徹底させるため、対象犯罪の予防及び厳正な処罰に向けた取組を国際社会に広く行き渡らせるよう努めること。
 四、国際刑事裁判所の活動の普遍性を高めていくためにも、アジア諸国を始めとする非締約国に対し、あらゆる機会をとらえて、本規程締結への外交的働き掛けを行うとともに、法整備も含めた司法支援等の国際協力を積極的に進めること。
 五、本規程に基づき国際刑事裁判所が管轄権を有する重大な犯罪については、補完性の原則に基づき、自国による刑事裁判権行使が基本であり、かつ、当該犯罪の中には我が国の現行国内法上処罰できない行為があることにかんがみ、今後の諸外国の実行も踏まえ、国内法整備の在り方について検討に努めること。万が一、国内法上処罰できないために日本国民が国際刑事裁判所から訴追される懸念が生じる場合には、速やかに処罰を可能とする国内法整備の在り方について検討に努めること。
 六、国際刑事裁判所からの協力要請に適切に応えられるよう、我が国の刑事司法制度の更なる信頼性向上に常に努めること。
 七、国際刑事裁判所に対する協力において、受刑者証人等移送又は引渡犯罪人の引渡しの決定を行うに当たっては、当該受刑者又は引渡犯罪人に対し、制度の趣旨、手続、方法等について十分な説明を行うとともに、国際刑事裁判所に対する協力等に関する法律に規定された要件及び手続を厳守すること。
 八、我が国から移送又は引渡しをされた受刑者又は引渡犯罪人が、国際刑事裁判所において、本規程で保障された人権基準を満たす取扱いを受けることを確保すること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#133
○委員長(田浦直君) ただいまの浅尾君提出の決議案の採決を行います。
 本決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#134
○委員長(田浦直君) 全会一致と認めます。よって、本決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、麻生外務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。麻生外務大臣。
#135
○国務大臣(麻生太郎君) ただいまの御決議に対して、所信を申し述べさせていただきます。
 政府といたしましては、ただいま採択されました御決議の趣旨を踏まえつつ、国際刑事裁判所に対する協力を通じ、国際社会におけます重大な犯罪行為の撲滅及び予防並びに法の支配の徹底に寄与してまいる所存であります。
    ─────────────
#136
○委員長(田浦直君) 次に、イーター事業の共同による実施のためのイーター国際核融合エネルギー機構の設立に関する協定の締結について承認を求めるの件、イーター事業の共同による実施のためのイーター国際核融合エネルギー機構の特権及び免除に関する協定の締結について承認を求めるの件及び核融合エネルギーの研究分野におけるより広範な取組を通じた活動の共同による実施に関する日本国政府と欧州原子力共同体との間の協定の締結について承認を求めるの件、以上三件を一括して議題といたします。
 政府から順次趣旨説明を聴取いたします。麻生外務大臣。
#137
○国務大臣(麻生太郎君) ただいま議題となりましたイーター事業の共同による実施のためのイーター国際核融合エネルギー機構の設立に関する協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明させていただきます。
 この協定は、平成十八年十一月二十一日にパリにおいて、我が国政府、欧州原子力共同体、中国政府、インド政府、韓国政府、ロシア政府及び米国政府の代表者により署名が行われたものであります。
 この協定は、イーター事業を実施する主体であるイーター国際核融合エネルギー機構の設立、組織、任務、資源等について規定するものであります。この協定に基づき国際機関であるイーター国際核融合エネルギー機構が設立されることにより、イーター事業の共同による実施が可能となります。
 イーター事業の早期の実施に向けて積極的に貢献を行ってきている我が国がこの協定を締結することは、持続的な核融合発電の実現等に寄与するとの見地から有意義であります。
 よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。
 次に、イーター事業の共同による実施のためのイーター国際核融合エネルギー機構の特権及び免除に関する協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明させていただきます。
 この協定は、イーター事業の共同による実施のためのイーター国際核融合エネルギー機構の設立に関する協定とともに、平成十八年十一月二十一日にパリにおいて、我が国政府、欧州原子力共同体、中国政府、インド政府、韓国政府及びロシア政府の代表者により署名が行われたものであります。
 この協定は、イーター国際核融合エネルギー機構等に対して、裁判権からの免除、強制執行の免除、直接税等の免除等の特権及び免除を付与することを目的とするものであります。
 この協定によりイーター国際核融合エネルギー機構等に対して特権及び免除が付与され、イーター事業を確実に実施するための環境が整備されます。これは我が国の利益にも資するものであり、我が国がこの協定を締結することは有意義であると考えます。
 よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。
 最後に、核融合エネルギーの研究分野におけるより広範な取組を通じた活動の共同による実施に関する日本国政府と欧州原子力共同体との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明させていただきます。
 政府は、平成十七年七月以来、欧州原子力共同体との間でこの協定の交渉を行いました。その結果、本年二月五日に東京において、私と先方リチャードソン駐日欧州委員会代表部大使との間でこの協定に署名を行った次第であります。
 この協定は、イーター事業及び平和的目的のための核融合エネルギーの早期の実現を支援するより広範な取組を通じた活動を実施するための具体的な手続及び詳細に関する枠組み等を定めるものであります。
 この協定の締結により、より広範な取組を通じた活動を欧州原子力共同体と共同で実施することが可能となるとともに、平和的目的のための核融合エネルギーの早期の実現に寄与することが期待されます。
 よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。
 以上三件につき、何とぞ御審議の上、本件につき速やかに御承認いただきますようお願いを申し上げます。
#138
○委員長(田浦直君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 三件に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   正午散会
ソース: 国立国会図書館
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