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2007/06/14 第166回国会 参議院 参議院会議録情報 第166回国会 外交防衛委員会 第19号
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2007/06/14 第166回国会 参議院

参議院会議録情報 第166回国会 外交防衛委員会 第19号

#1
第166回国会 外交防衛委員会 第19号
平成十九年六月十四日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月十二日
    辞任         補欠選任   
     岡田 直樹君     西島 英利君
 六月十三日
    辞任         補欠選任   
     西島 英利君     岡田 直樹君
     福島啓史郎君     松村 祥史君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         田浦  直君
    理 事
                岡田 直樹君
                山本 一太君
                浅尾慶一郎君
                柳田  稔君
                高野 博師君
    委 員
                浅野 勝人君
               北川イッセイ君
                小泉 昭男君
                櫻井  新君
                関口 昌一君
                松村 祥史君
                犬塚 直史君
                喜納 昌吉君
                佐藤 道夫君
                榛葉賀津也君
                白  眞勲君
                浜田 昌良君
                緒方 靖夫君
                大田 昌秀君
   国務大臣
       外務大臣     麻生 太郎君
       防衛大臣     久間 章生君
   副大臣
       外務副大臣    浅野 勝人君
       防衛副大臣    木村 隆秀君
   大臣政務官
       外務大臣政務官  関口 昌一君
       外務大臣政務官  浜田 昌良君
       防衛大臣政務官 北川イッセイ君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        泊  秀行君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官
       兼行政改革推進
       本部事務局審議
       官        原  雅彦君
       内閣府政策統括
       官        増田 優一君
       外務大臣官房審
       議官       新保 雅俊君
       外務大臣官房審
       議官       猪俣 弘司君
       外務大臣官房参
       事官       大江  博君
       外務省北米局長  西宮 伸一君
       外務省経済局長  小田部陽一君
       厚生労働大臣官
       房政策評価審議
       官        中野 雅之君
       厚生労働大臣官
       房審議官     森山  寛君
       厚生労働省労働
       基準局安全衛生
       部長       小野  晃君
       厚生労働省職業
       安定局次長    鳥生  隆君
       環境大臣官房審
       議官       谷津龍太郎君
       防衛省防衛政策
       局長       大古 和雄君
       防衛省運用企画
       局長       山崎信之郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○核によるテロリズムの行為の防止に関する国際
 条約の締結について承認を求めるの件(内閣提
 出、衆議院送付)
○千九百七十二年の廃棄物その他の物の投棄によ
 る海洋汚染の防止に関する条約の千九百九十六
 年の議定書の締結について承認を求めるの件(
 内閣提出、衆議院送付)
○職業上の安全及び健康を促進するための枠組み
 に関する条約(第百八十七号)の締結について
 承認を求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(田浦直君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、福島啓史郎君が委員を辞任され、その補欠として松村祥史君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(田浦直君) 理事の補欠選任についてお諮りします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(田浦直君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に岡田直樹君を指名いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(田浦直君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りします。
 現在、本委員会に付託されている条約の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として行政改革推進本部事務局審議官原雅彦君外十二名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(田浦直君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(田浦直君) 核によるテロリズムの行為の防止に関する国際条約の締結について承認を求めるの件、千九百七十二年の廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約の千九百九十六年の議定書の締結について承認を求めるの件及び職業上の安全及び健康を促進するための枠組みに関する条約(第百八十七号)の締結について承認を求めるの件、以上三件を一括して議題といたします。
 まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。麻生外務大臣。
#8
○国務大臣(麻生太郎君) ただいま議題となりました核によるテロリズムの行為の防止に関する国際条約の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。
 この条約は、平成十七年四月にニューヨークで開催された国際連合の総会において採択されたものであります。
 この条約は、死又は身体の重大な傷害を引き起こす意図等をもって行われる放射性物質の所持又は使用、核爆発装置等の製造、所持又は使用、原子力施設の使用又は損壊等の行為を犯罪として定め、その犯罪についての裁判権の設定等につき規定するものであります。
 我が国がこの条約を締結することは、核による国際的なテロリズムの防止に資するとの見地から有意義であると認められます。
 よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。
 次に、千九百七十二年の廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約の千九百九十六年の議定書の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。
 この議定書は、平成八年十一月にロンドンで開催された廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約の締約国特別会議において採択されたものであります。
 この議定書は、廃棄物等の投棄による海洋汚染の防止を一層強化するため、船舶等からの投棄を原則として禁止し、例外的に投棄が認められる場合においても、厳格な条件の下で許可すること等について定めるものであります。
 我が国がこの議定書を締結することは、我が国周辺海域の海洋汚染を防止し、世界の海洋環境を保全するための国際協力を増進するとの見地から有意義であると認められます。
 よって、ここに、この議定書の締結について御承認を求める次第であります。
 最後に、職業上の安全及び健康を促進するための枠組みに関する条約(第百八十七号)の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。
 この条約は、平成十八年六月にジュネーブで開催された国際労働機関の総会において採択されたものであります。
 この条約は、各国の安全及び健康に関する危害防止を促進し、また、国内政策、国内制度、国内計画を定めることにより、職業上の安全及び健康を不断に改善することを促進することについて定めたものであります。
 我が国がこの条約を締結することは、職業上の負傷、疾患及び死亡を予防し、職業上の安全及び健康を促進するとの見地から有意義であると認められます。
 よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。
 以上三件につき、何とぞ、御審議の上、速やかに御承認いただけるようお願いを申し上げます。
#9
○委員長(田浦直君) ありがとうございました。
 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより、核によるテロリズムの行為の防止に関する国際条約の締結について承認を求めるの件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○犬塚直史君 民主党の犬塚直史でございます。
 核によるテロリズムの行為の防止に関する国際条約の締結について承認を求めるの件について、まずテロの定義について我が国の見解を伺いたいんですけれども、核によるテロリズムの行為と、タイトルこう書いてあるんですけれども、この第一条から第六条を見ましても、テロリズムが何であるかという定義がまずないと。国際法上もテロの定義は今ないということになっているんですが、にもかかわらず、このタイトルが核テロとなっていることについては不都合はないんでしょうか。
#11
○国務大臣(麻生太郎君) テロリズムにつきましては、今御指摘がありましたように、国際法上、テロというものに関してきちっとした定義が確立されているわけではありません。一般的にテロリズムと言われれば、特定の主義主張に基づいて国家などに対してその受入れを強要する又は社会に恐怖を与える目的で行われる人の殺傷等を指すものということにされていると承知をいたしております。
 これまで、国際社会として、こうしたいわゆるテロというものに対する対策として、テロ防止関連条約等々の作成に当たりまして、ハイジャック、人質を取る行為、爆発物の設置などいわゆる典型的なテロ行為に該当するということを一定の行為類型について、これらを犯罪ということにして、処罰のための法的枠組みを整備するとの対応を着実にこれまで積み重ねてきたということだと存じます。
 いずれにいたしましても、一般的にテロと言われる行為は、これは断固として非難されるべきものでもありますので、日本としては、国際社会と協調してこのテロの防止、撲滅について取り組まねばならぬものだというように理解をいたしております。
#12
○犬塚直史君 先般批准していただいたICCの国際刑事裁判所のためのローマ規程の規程の見直し会議が二〇〇九年以降に行われるんです。そこでもテロの定義については議論されるということになっておりますので、是非我が国も、個々の事例は別として、大変難しい問題、一方にしてみれば祖国防衛、他方にしてみればテロというような話になると思うんですけど、やっぱりここはきちんと、一般法というか本当に基本法になるようなテロの定義というものに対して我が国からも是非貢献をしていただきたいと、まずはお願いをしておきます。
 一方、テロであるなしにかかわらず、この核兵器の使用ということに対して個人の罪を犯罪化する、核兵器の使用について一般的にこれを罪とするということも同時にローマ規程の締約国会議でやる予定になっているんですけれども、これについての我が国の考え方をお聞かせください。
#13
○政府参考人(猪俣弘司君) 前回もICC国際刑事裁判所規程の討議のときにも御質問があったと思いますけれども、核兵器の使用がどうかという点について、これは従来からいろいろ御議論がある点であることは委員も御承知のとおりでございます。
 日本政府としましては、もちろんその核兵器というもの自身が、使用は、その絶大な破壊力、殺傷力のゆえに、国際法の思想的基盤にある人道主義の精神に合致しないということは考えております。
 したがって、日本国民の核兵器に対する特別な国民感情を踏まえまして、核兵器のない世界を目指した現実的かつ着実な核軍縮努力を積み重ねていくことは重要であるというふうに考えていることは従来から御答弁申し上げているとおりでございます。
#14
○犬塚直史君 それは先般聞いたんですけど、我が国の取組として、ローマ規程に核兵器の使用を犯罪として加えるおつもりがあるかどうか、その取組はいかがでしょうか。
#15
○政府参考人(猪俣弘司君) 核兵器の使用あるいは先ほどお話しになったテロリズム犯罪などについて検討会議での対象となるかどうかという問題でございますけれども、テロリズムにつきましては最終文書の附属書によって書かれておりますし、恐らくその御指摘のようなテーマが議論の対象になると思いますし、あと大量破壊兵器という部分で核兵器というものをどう扱うかということについても議論があろうかとは思っておりますが、先ほど述べましたように、今回ICCに加盟することになったわけですので、加盟した後、主要な加盟国の一つとしまして積極的には参画したいと思っておりますけれども、現段階でどうするかという立場について具体的にはお答えできる段階ではございません。
#16
○犬塚直史君 要は積極的にやってもらいたいという趣旨なんですけど、今のところ、こういう、個々に定めるんじゃなくて、一般的にこれはやっちゃいかぬよと、国際法上やっちゃいかぬよという、強行規範と言うらしいんですが、これは奴隷取引とか海賊行為とかジェノサイドとかいうものがあって、ここに核兵器の使用というのも、核兵器の使用にまつわる個人の罪というのも犯罪にしようじゃないかという議論がある予定ですので、これは是非積極的に検討をしていただいて、我が国のリーダーシップというか日本のイニシアチブをここで是非取っていただきたいということをお願いしたいと思います。
 大臣、何かありますか。
#17
○国務大臣(麻生太郎君) このたびICCというものに正式に加盟をするということになりましたので、したがいまして、今既に勧告は出されておりますので、そういった意味では、今後は主要な加盟国の一つとして、今言われましたような御趣旨に沿って日本としては積極的に貢献をしていきたいと考えております。
#18
○犬塚直史君 それではこの核テロに戻りまして、第四条二項、ここでこのように規定をされております。国際人道法の下で武力紛争における軍隊の活動とされる活動であって、国際人道法によって規律されるものは、この条約によって規律されない、ちょっとややこしいんですが、要は紛争時の国による、あるいは軍隊によるものは、国際的には国際人道法の下で裁かれることになっているからこれはこの法律から外すよということだと私は理解するんですが、それでは、この条約の適用を受けない行為というのは具体的にはどのようなものがあるんでしょうか。
#19
○政府参考人(新保雅俊君) 申し上げます。
 今先生の御指摘のように、四条二におきまして、軍隊による一定の活動について国際人道法等本条約以外の国際法の規則によって規律される場合には、この条約は適用されないという旨規定しております。
 例ということでございますが、例えば軍隊による原子力発電所への攻撃でありまして、ジュネーブ条約第一追加議定書第五十六条の一において禁止されているものについては例えば本条約により規律されないということになります。
#20
○犬塚直史君 これは衆議院の委員会でも議論されているんですけれども、軍隊によるというところをどういうふうに取るかということで我が党の委員が、それでは北朝鮮の工作員による、例えばですよ、核施設に対する攻撃はこれに当てはまるのか当てはまらないのかという質問があったんですが、その点はいかがでしょうか。
#21
○政府参考人(新保雅俊君) 北朝鮮の工作員というお尋ねでございますので、そのような行為がこの条約の適用から除外されるか否かというのは個々の事例ごとに検討する必要がありまして、一般的に述べることは困難であるというふうにまず申し上げさせていただきたいと思います。
 具体的には、個々の事例につきまして、当該行為が国の軍隊の公務の遂行に当たる活動であるのかどうか、そして他の国際法規により規律されているか等を検討することになります。検討の結果、この条約の適用を受けるということになりますと、関係締約国によりまして、この条約の実施のためのそれぞれの国内法の規定に従いまして事件を刑事手続に付すという措置がとれることになります。なお、この条約の適用を受けないという結論になった場合であっても他の法規によって当該工作員を訴追することが可能でありまして、適切に対処されるということになるというふうに考えております。
#22
○犬塚直史君 ということは、国が関与した工作員であろうが国が関与していない工作員であろうが、どちらかで裁かれることになるので、ざるはないという理解でよろしいんですか。
#23
○政府参考人(新保雅俊君) そのように承知しております。
#24
○犬塚直史君 次に、核物質防護条約改正との関係について伺います。
 我が国が核物質防護条約の改正についても早期締結に向けて作業中と聞いておりますけれども、この改正案に言っている原子力施設に対する妨害破壊行為という犯罪化と、どの部分が重なって、どの部分が重なっていないんでしょうか。
#25
○政府参考人(新保雅俊君) 今御審議いただいております核テロ防止条約、これは核テロ行為を犯罪化して、いずれかの締約国で犯人を処罰することができるよう国際的な枠組みを構築するというのが主な内容でございます。
 一方、これに対しまして核物質防護条約は、核物質について一定の水準の防護措置の確保を義務付けることを主な内容にしております。例えば、現行の核物質防護条約では防護の対象は国際輸送中の核物質のみというふうになっております。今先生御指摘の改正後の条約では、適用範囲を国内輸送、使用、貯蔵中の核物質及び原子力施設にも拡大しているというものであります。
#26
○犬塚直史君 改正を予定しているこの防護条約に言う妨害破壊行為と、それから今度の核テロの条約に言うところの破壊する意図を持ってこれを保持するということとは、どういうふうに違うんでしょうか。
#27
○政府参考人(新保雅俊君) 重なるということでございます。
#28
○犬塚直史君 済みません、よく分からないからもう一度お願いします。
#29
○政府参考人(新保雅俊君) この核テロ防止条約では、例えば核防護施設に対する行為をも犯罪化しているわけでありますが、一方、改正後の核物質防護条約では、貯蔵中の核物質及び原子力施設にもその適用範囲を拡大しております。その意味で重なるということでございます。
#30
○犬塚直史君 いや、私の質問は、この行為のどの部分が重なって、どの部分が重ならないのかと聞いているんですよ。もう一度お願いします。
#31
○政府参考人(新保雅俊君) 原子力施設を破壊するという行為としては同じものということになりまして、同じように犯罪化しているということでございます。
#32
○犬塚直史君 ですから、重なる部分があるというのは分かるんですけれども、どの部分が重なって、重ならない部分はどこですかというのが質問なんですよ。
#33
○政府参考人(新保雅俊君) 申し訳ございません。
 重ならない部分はありません。同じものであります。原子力施設については同じでございます。
#34
○犬塚直史君 全く同じもの。
 済みません、もう一回お願いします。
#35
○政府参考人(新保雅俊君) 原子力施設を破壊すると、そのような行為について核テロ防止条約においても改正核物質防護条約、改正後のでございますが、においても同じように規制しておりますが、その行為は同じものでございます。
#36
○犬塚直史君 同じ行為があるというのは分かるんですけど、同じでない、重ならない部分はどこですかと先ほどから聞いているんですが。
#37
○政府参考人(新保雅俊君) 御議論が原子力施設ということでございますので、その関係に関しましては重ならないものはないと、その施設の破壊について重ならないものはないというふうに考えております。
#38
○犬塚直史君 対象施設のことを言っているのではなくて、犯罪化する行為について言っているんですけど、いかがですか。
#39
○政府参考人(猪俣弘司君) ただいま同僚の政府参考人が答弁しましたのは、原子力施設に対する攻撃かどうかという観点での御質問という前提で、その場合には犯罪行為としては重なっているので、同じように今回作る法律に基づいて犯罪化されるということを答弁したまででございます。
 ただ、今回、核テロリズムの防止条約につきまして言えば、ほかにも所持したりとか、そういうことはいけませんと、製造してはいけないという規定はございますので、その部分は当然、核防護条約との関係では重なる部分はないということでございます。
#40
○犬塚直史君 初めからそれ言ってくださいよ。要するに、持っているだけで犯罪になるということをこの条約で言っているわけですから、そこのところをさっきから聞いているわけなんです。
 次に行きます。
 民生用の原子力協力に関する米印合意の問題点について質問させていただきます。
 二〇〇五年の七月、そして二〇〇六年の三月に、御存じのように、アメリカがインドへの民生用原子力協力を行う合意がなされ、これを可能とするために、NSG、ニュークリア・サプライヤー・グループですか、このガイドラインの調整に米が努力するものと発表しているのはもう既に御存じのとおりだと思うんですけれども、この問題点について少し残りの時間で指摘をさせていただきたいと思います。
 まず、このガイドラインの調整なんですけれども、そもそもNPTの第一条、核兵器国の拡散防止義務、ここでうたっているところの非核兵器国に対する核兵器製造援助に当たるんではないでしょうか。つまり、核兵器を持っていない国に対して核兵器を造るということの援助に最終的には当たってしまうんではないでしょうかというのが質問です。
#41
○政府参考人(新保雅俊君) 米印両国の現在の考え方でございますが、本件原子力協力は民生分野に限って行うというものであり、インドの軍事プログラムに影響を及ぼすものではないという旨を説明しております。また、米国は、NPT第一条を含む義務を遵守する旨を説明しております。
#42
○犬塚直史君 もちろんそういう前提で、言わばそういう、NPTへもちろん加盟しているし、そういう建前といいますか、それはもちろん壊していないというのは分かるんですけれども、私が質問しているのは、今回の米印合意のこの枠組みを、これを実行していくとすると、NPT第一条に言うところの核兵器製造援助に当たってしまうんではないでしょうかと、これについてはどう思われますか。
#43
○政府参考人(新保雅俊君) 繰り返しで恐縮でございますが、そもそも民生分野に限って行われる協力であるということ、そのためインドの軍事プログラムへ影響を及ぼすものではないという旨を米印両国は説明しております。また、米国は、NPT第一条を含む義務を遵守する旨を説明しておりますので、私どもとしてはそのようなものとして受け取るということでございます。
 ただ、我が国としましては、このような米国等の説明も踏まえつつ、今後様々な要因を注意深く検討していく必要があるというふうに考えております。
#44
○犬塚直史君 その様々なところを今聞いているわけなんですけれども、例えば、一九九五年、再検討会議の文書の決定二というところで、原則と目標、その十二番において、新たな核物質移転は、これは民生用であろうとなかろうとですよ、IAEAによる全面的保障措置を前提としていると、こう書いてあるんですけれども、この部分との整合性をどのように考えておられるでしょうか。
#45
○政府参考人(新保雅俊君) ただいまおっしゃいましたように、その原則と目標にそのような文言があることは十分承知しております。
 これにつきまして、現在の米印原子力の協力というものがこのようなものに当たるかどうかということは、当然ながら今後慎重に検討しなければいけないわけでありますが、ただ、米印原子力協定そのものは交渉中でありまして、その具体的な協力の細部は明らかではないというところから、現在のところ、政府としてはこれについて判断する立場にはないというふうに思っております。段階にはないというふうに思っております。
#46
○犬塚直史君 ですから聞いているわけなんですよね。そういう答弁だということは、以前からそういう答弁なのでそれは分かっているんですけれども、ただ、例えばこのNSGガイドラインについて、我が国の在ウィーン代表部が連絡事務局を務めているんですよね。NSGグループの連絡事務局を務めているわけですよね。NSGグループのこのガイドラインというのは、言わば原子力にかかわる機材や技術が核兵器開発に利用されることを防ぐ国際法上の紳士協定に当たるものだと、その事務局を日本がやっておるということなわけですね。
 それは今後の米印の枠組みによるから、それができ上がるまでは一言も口を利けないというんではなくて、少なくとも我が国がこういう立場にいるんであれば、特にNSGのガイドラインを米国がインドに約束して、これを調整するということまで言明しているんですから、日本としてはやっぱりここで何かコメントをするべきじゃないでしょうか。いかがですか。
#47
○政府参考人(新保雅俊君) 議員の御指摘の点は大変厳しい御指摘ということで受け止めさせていただきますが、先ほどから申し上げましたとおり、その具体的な協力の細部は明らかでないということから、私どもしてはなかなか直ちに申し上げることはできないのかなと。
 そういうことで、御指摘のような具体的論点につきましては、御意見が存在することは承知しておりますが、我が国としましては、先ほど申し上げましたような米印原子力協定の状況、まだ細部が明らかでないということ、それから、当然のことながら、インドとIAEAの保障措置協定というものも現在議論されております。そして、そのような内容を踏まえて、特に私どもとしては、核軍縮・核不拡散体制の維持強化といった観点から、このような議論に積極的に参加していきたいというふうに思っております。
#48
○犬塚直史君 我が国が核軍縮・不拡散あるいは核廃絶へ向けて大変な努力をしているということはみんな知っているわけですよ。しかしながら、政治の外交的なイニシアチブが全く感じられないんですよ、こういうところで。どうしてすべてが出そろうまでコメントを避けるというような外交姿勢なのか、理解に苦しむところなんです。
 例えば、今分かっているだけでも、インドへの核燃料等の供給は核兵器の増産を助けるのではないかという疑惑を裏付けるものとして、例えば、現在運転中又は建設中二十二基の原子炉のうち十四基を二〇〇六年から二〇一四年の間にIAEAの保障措置下に移すというのがインドの主張なんですけれども、これはインド特有の保障措置になっているんです。要するに、このNSGが求めているような保障措置ではないんです。インド特有の保障措置になっている。
 あるいは、この中に、高速増殖炉には保障措置を当面適用しないとインドは言っている。しかも、将来的にはすべての民生用原子炉を保障措置下に置くが、どの炉を民生用とするかはインド政府が独自に判断すると、こう言っているわけですね。要するに、どれを調べるかはインドが決めるよと、中立的な機関が独自に決めることできないということを言っているわけですね。しかも、加えて、核燃料のサイクル施設は適用範囲外とするということなどをインドはもう堂々と言っているわけですね。
 こういう事態に立ち入っても、まだ日本の政府はコメントを差し控えるんですか。
#49
○副大臣(浅野勝人君) 今御指摘の点、例えば、インドは二〇〇六年から二〇一四年までの間に十四基の原子炉を段階的にIAEAの査察の下に置くと言っていますけれども、二十二基あるわけですね。そうすると、残りの八基は軍事用でIAEAの守備範囲から除外されてしまう。一体その辺りの関係というのは例えばどうなのか、もっときちんとした対応が必要ではないかというような指摘なんだろうと私は伺っておりました。
 核兵器不拡散条約に加入していないインドへの原子力協力という形については、国際的な核軍縮や不拡散体制への影響が一体どんな形で守られるのかどうなんだろうかということは、日本政府としても注意深く見ながら検討していく必要があると、犬塚委員指摘の点は十分踏まえておりまして、過去の合意の趣旨に反しないようにこの協力を実施したいとアメリカ側が言っておりますけれども、それをただうのみにするだけではなくて、これらの双方の、アメリカ、インド双方の説明も踏まえながら、様々な要因をきちんと見守り、検討していこうと認識をしております。
#50
○犬塚直史君 端的に短くお答えいただきたいんですけれども、注意深く検討するという今の日本の立場は、懸念を表明しているということとは違いますね。
#51
○国務大臣(麻生太郎君) これはもう大分前の話だと記憶しますけれども、アメリカの国務長官に対して、日本からとしては、このインドの話に関してはダブルスタンダードみたいな形になるのは避けてもらわないとこちらとしては難しいことになるという話はしてあります。そして、したがって、向こうとしては、それは分かっておると、そういうことにならないようにするためにいろいろという話を向こうはしてますんで、よほどこれきっちりやってもらわないとなかなか難しいですよという話はもうかなり前の段階から言っておりますんで、これまで時間が掛かっておるというように理解をしておりますから、懸念を表明しているという意味ははっきりしております。
#52
○犬塚直史君 ありがとうございました。これは懸念を表明して当たり前の事態だと思います。
 今指摘したことに加えて、そもそもさかのぼれば、一九九八年の安保理決議一一七二、印パ非難決議の項目八、これはそもそも、核実験、印パが行ったことに基づいて、この事態を踏まえて採択された安保理決議でありますが、ここで何を言っているかというと、どのような形においても最終的に、民生用と言おうが何と言おうが、技術やあるいは機材というものを移転するということを差し控えなければならないという安保理決議が採択されているんですね。
 これは、重大な懸念を、重大と言ってないですね、懸念を表明した日本がこれを最終的に認めるようなことになったとしたらば、この安保理決議一一七二の違反となるんではないでしょうか、どうですか。
#53
○政府参考人(新保雅俊君) 御指摘の国連安保理決議一一七二でございますが、ここに書いてありますことは、インド及びパキスタンに対し、核兵器開発計画を中止し等々でございます。そして、そういったもののパラ七の後にパラ八として、すべての国に対して、インド及びパキスタンの核兵器及び核兵器搭載可能な弾道ミサイルの開発計画に何らかの形で資することのある設備、物資、関連技術の輸出を防止するよう奨励するということでございまして、この安保理決議は、文言上では、核兵器及び核兵器搭載可能な弾道ミサイルの開発計画に資するか否かというところにあろうかというふうに思っております。
#54
○犬塚直史君 今のそのパラ八の翻訳というのは、公式な日本政府の見解なんですか。
#55
○政府参考人(新保雅俊君) これは、私ども少なくともこの訳は今仮訳ということであろうと思いますが、ただ、ここに書いておりますパラ八ではそのとおりに書いてあるというふうに思っておりますが……
#56
○犬塚直史君 通告……
#57
○政府参考人(新保雅俊君) 英語におきましても……
#58
○犬塚直史君 ちょっと今発言中ですんで。
 通告をしておりますので、仮訳に基づいた議論はしたくないんですけれども、正式に日本はこれをどういうふうに訳しているんでしょうか。
#59
○政府参考人(新保雅俊君) ただいまその原文と照合いたしましたが、今私が申し上げた内容で間違いないというふうに思っております。
#60
○犬塚直史君 今申し上げた内容で間違いないというのは、このパラ八については核兵器、要するに兵器に限っているという解釈だと理解してよろしいんですか。
#61
○政府参考人(新保雅俊君) 私が申し上げましたのは、インド及びパキスタンの核兵器及び核兵器搭載可能な弾道ミサイルの開発計画に何らかの形で資することのある設備、物質及び関連技術の輸出を防止するというふうに書いてあるということでございます。
#62
○犬塚直史君 何らかというのは民生用も含むという解釈ですね。
#63
○政府参考人(新保雅俊君) そのような解釈を必ずしも取りにくいのかなというふうに思います。何らかですから、当然のことながら軍事物質だけということではないとは思いますが、ただ、その目的としましては、核兵器等の開発計画に資するということがポイントであろうというふうに思うわけであります。
#64
○犬塚直史君 外務省、それでいいんですか。
#65
○政府参考人(猪俣弘司君) この決議、もちろん背景は全部委員御存じのとおり、核実験やった後に出された決議でございますので、基本的には核兵器の開発、そういうことはいかぬだろうということが念頭に置かれた決議でございます。
 したがいまして、この八のところで書いてあります何らかの形で資するといった場合で、それはすべての場合に関係するということではなくて、核兵器及び核兵器搭載可能な弾道ミサイルの開発計画にという、この英語を見ますと、ザット・クッド・イン・エニー・ウエー・アシスト・プログラムと書いてありますので、そういう解釈をしているというところでございます。
#66
○犬塚直史君 これをどこをどう読むと兵器に限った移転になるのかなというのは全く分かりませんので、これは検討していただきたいんですが、クッド・エニー・ウエー・アシスト・プログラムス・イン・インディアですから。クッド・イン・エニー・ウエー・アシストですよ。これ、どこをどう読んだら核兵器だけに限るんですか。
#67
○政府参考人(猪俣弘司君) ここで英語の論争をするのはちょっとどうかと思いますが、その後にもちろんフォー・ニュークリア・ウエポンズ・オア・フォー・バリスチック・ミサイルズ・ケーパブル・オブ・デリバリング・サッチ・ウエポンズというのが書いてあって、何のためのプログラムかと、こういうことになっているわけですので、その計画についての修飾が付いていると、こういう解釈でございます。
#68
○犬塚直史君 それでは、外務省に仮訳ではなくて正式な訳を作ることをお願いをします。
#69
○政府参考人(猪俣弘司君) 持ち帰りまして、検討させていただいて、御返答させていただきたいと思います。
#70
○犬塚直史君 いや、これ一番大事なところなんですよ。要は、民生用と言って送ったからいいんだという解釈にするのか、いや民生用と言おうが何と言おうが、それが最終的に核兵器に移転される、どういう形にしても移転される可能性があるというものについてはこれを差し控えるという決議なんですから、そこをどういうふうに解釈するかというのはこれはもう議論の根幹の話ですので、是非正式な訳をこの部分についてお願いをします。
 この件については、二〇〇〇年のNPTの再検討会議において、この一一七二及びまた先ほど申し上げた九五年の決定についてもまた再確認まで最近やっているわけですよね。ここまでやっているにもかかわらず、今懸念を表明するぐらいのところで我が国とどまっていていいのかというのが質問なんですけど、どうなんですかね。
#71
○国務大臣(麻生太郎君) どうなんですかねという質問は、どうでしょうねとしか答えようがないんですね、それ、そういう御質問は。
#72
○犬塚直史君 正確に質問をいたしますと、今回の米印の合意は、一九九八年の安保理決議一一七二に違反するものではないでしょうかと、大臣の見解を伺います。──大臣に聞いたんですよ。
#73
○政府参考人(猪俣弘司君) 済みません、その前に、先ほど決議の話が出たものですから、決議といいますか安保理決議の関係で言いますと、そこについて言えば、先ほどの説明が我々の考えている立場でございますので、そういう意味では違反しているというふうには考えていないということをまず申し上げた上で大臣に御答弁いただきたいと思います。
#74
○国務大臣(麻生太郎君) 核兵器、いわゆるノンプロリファレーション・トリーティーと言われるいわゆる核不拡散条約ということに加入していないという国のいわゆる原子力協定ということになりますので、これは、いわゆるよく言われますように、核軍縮とか不拡散体制への影響というものが一番懸念されるところですから、そこのところに対して検討していかなきゃいかぬわけですが。
 今、アメリカとインドのこの話については、今から約十年前の話になる九八年、十年前の話になるんだと思いますが、そういったところに限って、これは民生分野に限って行われるということでここまで来たんですが、それは民生分野と本当に限れますかというところが懸念ということを日本はずっと言ってきている。したがって、そんな簡単には、調印はしたけどなかなか先には進めないと、実験したのが九八年で、それ以後の、調印したのはそのもっと後になりますけれども。
 したがって、我々としては、これは、NPTのいわゆる第一条というところに関しては、これはよくよく検討、遵守してもらわないとおかしなことになるんじゃありませんか、したがってそれが納得できるような話をしてもらわないとというのをずっと申し上げてきているというのが日本の立場でありまして、もうこれ一貫してこの立場をこれまでやってきております。
 今そういったところがなかなか難しくなってきておりますので、もう一点というのは、多分気候変動という話が大きな話になってきていますので、インドがこれだけわっと行くときに、経済が伸びているときに、いわゆる原子力発電という話に関して、今後、エネルギーの話から、気候変動の話から来て、何となく世界の流れとしては原子力発電というものをこの数年間いずれも再開をして、今ヨーロッパで再開を決めていないのはドイツだけだと思いますけれども、ほかの国はいずれもこれを再開し始めているという状況、そういったものがこの十年間ぐらいの間に更に加わってきておりますので、民生用に限ってというところが、さらに私どもとしては民生用はというところがもう一つの流れとしてあるというのを考えた上で、軍事用に転用等々の話、今さっき二十二分の十四の話を副大臣しておりましたけれども、二十二基あります原子力発電のうちの残り八つの部分については、きちんと十四と八つとは分けてもらわないととか、いろいろなルールをきちんとしたものをしてもらわないとなかなか供給とかいう話は乗れませんよという話なんだと思いますので、私どもとしては言っていることはずっと同じで、ここのところはかなりうまいこと使い分けをされるというのに関しても、使い分けされた結果、軍用に行かなきゃいいですけれども、使い分けされた結果、我々の懸念した方向に行くということが最も我々としてはずっと言い続けてきているというのがこれまでの経過だと存じます。
#75
○犬塚直史君 大臣、私の質問は、安保理決議に違反するんではないかという質問なんですよ。
 というのは、このNSGのガイドラインみたいに紳士協定とか一般的な国際法というのは強制力を持たない場合が多いですから、しかし、この安保理決議というのは加盟国がこれは遵守しなきゃいけないという決議ですので、そこでこういうことを言っていると、後で正式な訳出してもらいますけど、一一七二に今回のこの話は違反しているんじゃないでしょうかというのが質問です。
#76
○政府参考人(新保雅俊君) これはまた繰り返すことになると思いますが、先ほど申し上げましたような、安保理決議について私どもは、私どもの審議官の方から申し上げましたとおりのように判断しております。
 この全体の問題につきましてなぜ私どもがそうかといいますと、要は様々な米印の話あるいはIAEAとかインドの話等々について現在動いておりまして、当然ながら、先ほど大臣から申し上げましたとおり、私どもの懸念というのは十分伝えているわけでございまして、ただ、そういった懸念も踏まえた上でどのようなものになるかというのを注意深く見守っているというところでございます。
#77
○犬塚直史君 注意深く見守るというのが懸念ということに今日言っていただいたんで進歩かとは思うんですけれども、ただ、どうしてそんなにはれものに触るようにするのかと。
 例えば、二〇〇七年、今年の検討会議における他国の反応なんかを見てみますと、例えば四月三十日のスイスの一般討論発言では、米印の民生用核協力が実現すれば一九九五年合意のNPTの不拡散体制の有効性に疑問を投げ掛けると、もう名指しでスイスは言っているんですね。同じ翌五月一日、新アジェンダ連合、これは、アイルランド、ブラジル、エジプト、メキシコ、ニュージーランド、南アフリカ、スウェーデン、この新アジェンダ連合がワーキングペーパーで何を言っているかといいますと、IAEAの全面的な保障措置を伴わない核移転合意に反対を表明をしているんですね。同じような意見はマレーシアも表明をしておるわけですね。
 私は、先ほど来、注意深く検討するとか、懸念を表明するというお話なんですけれども、しかし、少なくともこの安保理決議の一一七二にこれは違反をするという懸念があるんじゃないかと、日本政府らしいもう少し踏み込んだ表現をすべきじゃないかと思いますが、見解を伺います。
#78
○政府参考人(新保雅俊君) 議員御指摘のとおり、本年四月末からウィーンで開催されましたNPTの第一回準備委員会、ここにおきまして、御指摘のスイスあるいはアイルランドといった国々が一般討論演説におきまして、今御指摘の……
#79
○犬塚直史君 いや、中身はいいです。
#80
○政府参考人(新保雅俊君) 合意に言及いたしまして、米印合意について懸念を表明するというステートメントを実施したということは承知しております。
 我が国といたしましては、先ほど大臣からもありましたように、こういった地球温暖化の中でのインドがエネルギー需要を手当てする必要性があるといった必要性をも認識しております。ただ、原則に戻りまして、NPTに加盟していないインドへの原子力協力については懸念を有する国が御指摘のようにあるわけでありますから、そこも十分理解して、我が国としましても国際的な核軍縮・不拡散体制への影響等を注意深く検討する必要があるというふうに考えております。
 今後とも、本件に関する国際的な場での議論に我が国としても積極的に参加していきたいというふうに思っております。
#81
○犬塚直史君 その積極的の中身を聞いていますので、答弁は短めにお願いします。
 インドへの原子力協力を前提に核兵器開発をストップさせるという意思を明確に出すために、私は以下の提案を日本が行うべきではないかと思います。まず、IAEAの包括的保障措置を受け入れさせること、次に軍事用核分裂性物質の生産を停止すること、そしてCTBTを署名、批准をすること、そしてFMCT、カットオフ条約への積極的な参加を行わせること、このぐらいのことは言ってもいいんではないでしょうか。政府の見解を伺います。
#82
○政府参考人(新保雅俊君) 短めにという御指示でございますので短く申し上げますと、今のような具体的な論点につきましてインド側に提案すべきという御意見が存在することは承知しております。
 我が国としましては、先ほど来申し上げておりますが、米印原子力協定とIAEAの保障措置協定の内容を踏まえまして、核軍縮・不拡散体制の維持強化の観点からこのような議論に積極的に参加していく考えであります。
#83
○犬塚直史君 核軍縮・不拡散に我が国が積極的に関与しているというふうには、例えばボルトンは思っていないわけですね。二〇〇四年のNPT検討準備会議において、アメリカのボルトン国務副長官が何て言ったかといいますと、存在もしない第六条問題、第六条というのはNPTにおいて核廃絶を究極的に求めていくんだというのが六条なんですね。これはもう最も大切なNPTの目標であります。もう大前提であります。この六条についてボルトンが、存在もしない第六条問題に頭を悩ませる必要はないというふうに述べているわけですね。これは別に、その前後の文脈私は分かりませんので、どういう意味で言ったのかはつまびらかにはこの場ではできませんけれども、ただ分かるのは、日本の核廃絶だとか核軍縮についてのリーダーシップというかスタンスが全く伝わっていないということではないでしょうか、六条問題は存在しないって言っているんですから。
#84
○副大臣(浅野勝人君) 犬塚先生、六条が存在しないと言ったわけではなくて、前後関係を見ますと、条約の不拡散義務の執行が死活的に重要なんだと、そういう中で、存在しない第六条問題に焦点を当てることによって我々が直面する違反から注意をそらしてはならないと。ここのところは、アメリカを含め核軍縮は誠実にコミットしているので、そこには今問題が生じているわけではないと、具体的に問題が生じているわけではない六条に焦点を当てることによって我々が直面している不拡散をめぐる違反から注意をそらしてはならないと、そういうこれはコメントだと理解をしております。
#85
○犬塚直史君 NPTは、さっき大臣もダブルスタンダードって言われましたけど、持っている国に関しては余りコメントが少ない中で、この六条だけが将来的にやっぱり核廃絶を目指していくんだという大変大事な文脈なんですね。その文脈についてこういう発言があった、解釈はいろいろあるのかもしれませんが、しかし、今核廃絶に向けた誠実な交渉は私は存在していないと思うんですよ。つまり、日本が国連総会決議で、毎年のように大変な努力をされて核廃絶に向けた総会の決議を取っておられますよね。しかし、それと今現実に進んでいることの間が余りにも乖離が多過ぎて、その乖離がこのボルトンの発言を呼んでいるようなことなんじゃないでしょうか。つまり、核廃絶に向けた誠実な交渉が現在存在していないことをボルトンはやゆしているんじゃないですか。
#86
○副大臣(浅野勝人君) 繰り返しになりますけれども、米ロを含めて、あるいは米ロとも、核軍縮は、今先生御指摘の大事な六条の、誠実に交渉を行うことを約束させているこの六条の精神に沿ってコミットしたことを実行をしてきていて、当面そこには問題がないんだと、我々が直面しているのは不拡散をめぐる違反という問題の方が多いから、六条に焦点を当てることによって不拡散の違反から注意をそらしてはならないと素直にここは理解すべきだと思っています。
#87
○犬塚直史君 いや、私が何言いたいかというと、要するに核廃絶に向けた取組をもっと全面的に出していってはどうかという、そういう話なんです。
 例えば米国のGNEP構想、これは不拡散の観点から考えると一歩前進かもしれない。しかし、その前に出されたエルバラダイ構想と言えるのかどうかあれですけど、エコノミスト誌に発表された核の多国籍管理に関するこのエルバラダイいわゆる構想、集団的な安全保障の制度改革にまで触れて、核兵器の放棄を、国際法上逸脱を許されないという、さっき申し上げた強行規範にまで持っていってはどうかというのがこのエルバラダイの一つの主張でありますけれども、我が国も立場としてこういうものをもっと力強くサポートするなり、あるいは提案していくような立場にあると思うんですけど、最後に、この米国のGNEP構想と、そしてエルバラダイ構想に対する我が国の評価を伺います。
#88
○国務大臣(麻生太郎君) 今の話の中で、一番犬塚先生の立場から、核廃絶、全廃ということに関して全然事は進んでおらぬのではないかと、むしろ核廃絶の方向より核拡散の方に話は進んでいるのではないか、流れが、ということが一番の御意見なんだと思うんですが。
 ただ、幾つか私は例があると思っているんですが、例えばキッシンジャーという人が、まだ生きているんですが、この人の話というのは──いや、聞かないから死んだと思っている人が一杯おられますからね、この間も、まだ生きておられるんですかって聞いた人が何人もいるからそう言っているだけであって。この方に、この間日本に来られましたんで話をしていたんですが、この人の書いた本というので例のMADという、相互確証破壊という小難しい英語の本がありましたでしょうが。私は学生のときぐらいのとき読まされた、こんな本ですよ。あれを書いた本人が、今度、今何を言っているかというと、今日の核兵器は世界に多大な影響を与えているが、同時に核廃絶へ踏み出す歴史的な契機であると彼は言って本を書いたわけですよ。君子は豹変すというのはようある話でありますけど、これは全く違うことを言い始めたわけです。これは物すごい変化ですよ。だって、この人の書いた本でどれだけのあれが影響を受けたかっていえば、これはもう物すごく影響力のあった本ですから、あの当時。
 したがって、私らから見ると、このMADって、相互確証破壊のことですが、こういったものというのがやめて核廃絶に向かう契機が今の歴史的契機だというようなことをこの人が言い始めた、今年に入って。それで、それは来ましたけれども、そう言ったのはたしか一月四日だと思いましたけれども、明らかにそういったところは、日本がずうっとやってきた努力というのは少なからず、日本の努力だけとは言いませんけど、少なくとも時代の流れとしてこういったものが新たにできつつある、でき上がりつつあるという事実も一方で起きているということも我々は希望として持っておかないかぬところだと思いますけれどもね。
#89
○犬塚直史君 一言だけ。
 キッシンジャーが政治を引退してからそういうことを言うというのは私は非常に、まあそれはそれでありなんでしょうけど、やっぱり現役のときに、影響力があるときに言うべきことは言うべきだと思うんですよ、まあキッシンジャーが言えたかどうか別ですけど。
 しかし、少なくとも日本の場合は発言する機会がたくさんあるわけですから、そういう立場にあるとも思いますので、是非この米印のような話のときにはあらゆる機会に積極的に発言を現役の大臣にしていただきたいとお願いをして、質問を終わります。
#90
○緒方靖夫君 世界においてテロリズムを根絶するには、国際社会の構成員たる各国が平和的、外交的な努力を尽くし協力を強めていくことが重要であることは言うまでもありません。本条約が定める犯人を処罰するための国際的な枠組みの構築はそのような国際協力の一環であり、国際的な核テロリズムの防止に役立つものと認められるというそういう立場から、これには賛成であります。
 今日は、日本政府が受入れ表明を行った米軍横須賀基地への原子力空母配備に関連して横須賀市と米軍の間で結ばれました防災協定についてお尋ねしたいと思います。
 米国政府による二〇〇八年からの原子力空母ジョージ・ワシントンの横須賀基地への配備問題に関連いたしまして、米軍艦船による原子炉事故と我が国としての対応について、昨年三月十六日に横須賀市と在日米軍との間に防災協定が結ばれました。この防災協定は、原子力軍艦を含めた軍艦を要因とするものを含むあらゆる災害を対象としております。横須賀市と在日米軍との防災協定の話は二〇〇〇年当時からありました。しかし、原子力艦船の原子炉事故はあり得ないという米軍の主張が障害になって締結に至らなかったという、そういう経過があるわけです。
 外務大臣の御認識を伺いたいんですけれども、今回、原子力艦船による災害も含めたということは、当事者である米軍として原子力艦船の事故ありを前提として対応するということだと思うんですけど、その点についてお考えをお伺いいたします。
#91
○副大臣(浅野勝人君) この防災協定は、先生、横須賀市と在日米海軍側との間の協定でありますね。中身は、地元において地震、津波、台風などの自然災害、それから人為災害というんですかね、人による災害などが発生した場合を想定して災害対策準備、それから、災害が発生した場合のどう対応するかという相互支援、それをお互いにどういうふうに援助していくか、支援していくかというような協定の中でそれらのことを決めたものだと承知をしております。
 そして、この文書の定義の中で、覚書における災害とは、軍艦、原子力軍艦を含む、を要因とするものを含む、つまり、原子力軍艦を含むあらゆる災害を意味すると記されていますから、それは確かに、原子力船艦を要因とする災害もこの文書の対象に含まれております。おりますけれども、とりわけ、原子力空母の事故があるからそれを前提にこの防災協定を結んだというのはやや偏った思い込みにすぎませんが、これを含むあらゆる今申し上げたような自然災害、人為災害が発生した場合に、横須賀市と在日米海軍側とでできるだけ被害を、起きた場合には最小限に食い止めるようなやり方はどういうものであるかということを決めたものと素直に受け止めさせていただいております。
#92
○緒方靖夫君 それは素直じゃないと思うんですよね。私は、自然、人災その他そういうことは当たり前で、ここに、一番重要なことは、原子力軍艦を含むと書かれているわけで、これはついでのことじゃなくて、正にこのことが重要な関心となって放射能漏れとかそういった問題に対してどういう対応をするのかということ、これが、ここにある原文も、それから日本文もありますけれども、その覚書の意味だと、そういうふうに当然解されるわけですよね。
 そうすると、政府としては、こういう原子力艦船の放射能漏れとか、あるいは何らかの事故とか、あるいは何らかの、言葉はどうでもいいです、イベントでも何でもいいですけれども、そういったことについて前提としたそうした覚書、防災協定というふうにはとらえていないんですか。それは若干含むという、そういう位置付けなんですか。
#93
○副大臣(浅野勝人君) 今申し上げたように、アメリカの原子力軍艦を含むと書いておりますから、すべてのそうした災害に対する防災協定なんですけれども、アメリカの原子力軍艦の安全性については、例えば去年のファクトシートをよく見てみましても、このオペレーションは一切事故なし、運用実績は全く安全だというアメリカ政府、軍の責任ある安全性についての保証を表明しているわけでもありますし、アメリカの原子力軍艦は長期にわたって安全運航の実績が現にあるわけですから、これを踏まえて、政府としてはその安全性については一貫して確信をしております。
#94
○緒方靖夫君 確認いたしますけれども、原子力軍艦の様々な出来事、事故、放射能漏れ、そうしたことについても当然含まれるわけですよね。その点はっきりしてください。はっきりしてください。大臣、大臣、大臣に。
#95
○副大臣(浅野勝人君) いや、技術的なことだから。
#96
○緒方靖夫君 技術的じゃないよ、本質的な問題ですよ。
#97
○委員長(田浦直君) じゃ、外務省西宮北米局長、答弁してください。
#98
○緒方靖夫君 一度挙げたじゃないか、手を。
#99
○委員長(田浦直君) いやいや、局長答弁してください。
#100
○政府参考人(西宮伸一君) 当然含まれております。
#101
○緒方靖夫君 はい、確認いたしました。そこが重要なんですよ。そこが市もそれから市民も首都圏の市民全体も非常に大きな関心を持っているわけです。
 今、副大臣は安全だ云々と言われました。しかし、これについては、以前私も議論をいたしました、ファクトシートに基づいてもですね。これはやっぱり非常に大きな問題だというふうに私は思うんですよ。
 例えば防災協定については、相手側に影響を与える可能性のある事象についてはすべて通知する、そういう記載があります。米原子力艦船が過去一度たりとも放射能を出したことがないという、そういうのは事実と違うわけですよ。多くの事故事例があります。
 最近のものから挙げていくと、私が当委員会でも取り上げた昨年九月の原潜ホノルルの寄港時の放射能物質の検出、空母ステニス原子炉冷却水取水口目詰まりによる原子炉緊急停止、空母エンタープライズの冷却水漏れ等々と、まだたくさんありますよ。ここで挙げると時間がなくなる。しかし、米軍はこれらを事故とは認めずに、政府も一つ一つの事案を確認しない。そして、今大臣が言われたように、ファクトシートを見ても全く安全と、そういうふうに断言される。しかし、そういう状況でありながら、しかしこういう問題についてイベントと認識しているわけです。それが米軍の立場であり、そしてまた政府もそれを事故とは認めていないようであります。
 そうすると、この覚書にある、すべて通知すると記されている対象はどういうものになりますか。
 座っておいてくださいよ。
#102
○政府参考人(西宮伸一君) 何分横須賀市と在日米海軍側との文書でございまして、有権的に申し上げる立場にないかもしれませんけれども、相手側に影響を与える可能性のある事象についてはすべて通知するというふうにされているというふうに承知しております。
#103
○緒方靖夫君 その具体的な中身はどういう検討をされているんですか。
#104
○政府参考人(西宮伸一君) 今の御指摘の文書というのは横須賀市と在日米海軍側で作成した文書でございますけれども、私の承知しているところでは、通知すべき対象を含む具体的内容については当事者間でまだ話合いが継続しているという状況だというふうに承知しております。
#105
○緒方靖夫君 例えばマニュアル作りとか、そういうことが検討されることになるんですか。
#106
○政府参考人(西宮伸一君) 覚書にもあったと思いますが、共同活動の手順書というものを作っていこうということで今協議が行われているようでございますけれども、先ほどお尋ねの点について協議されているかどうかは承知しておりません。
#107
○緒方靖夫君 まああれですよね、局長自身もちょうど三月十六日の締約式に当事者である横須賀市長と米海軍当局者と一緒に出席されておりますよね。
 そういった意味では、もちろんその配備そのものが国の専権事項ですから、そして国の関与というのは明白なわけですよね。別に横須賀市がどうぞと言ってきてそういう話が始まっているわけじゃない。ですから、その点でやはりどういう状況であるかということについてきちっと把握されていると当然思いますし、それについてもきちっと明らかにしていく必要あると思いますけれども、また責任もあると思いますけれども、具体的に言って今どういうプロセスなんですか。
#108
○政府参考人(西宮伸一君) 今正に、先ほどの繰り返しになって恐縮でございますけれども、防災協定本文については御指摘の三月十六日に署名されたということでございまして、正に今後の話として共同活動手順書というのを両者間で協議していくという、正にそういう段階でございます。
#109
○緒方靖夫君 米軍が防災協定に加わったということ自体についてはこれは意味があると思うんですよ。もうそれをただ単にお飾りにしてはならないと、そういうふうに思うんですね。逆にそうすると意味がなくなる。これを本当に意味あるものにしていくことがやはり大事だと思うんですね。その場合、どういう場合に米軍からの通知を得るのかというのが重要なポイントになると思います。
 横須賀市と米軍との間に防災協定の締結は二〇〇〇年当時からあったわけです。過去の横須賀市議会では、消防局長が、内閣府が主催する原子力艦災害対策検討委員会においてどの程度の放射能漏れが災害と認定されるのか、これが大きな議論になっているということを説明しております、〇二年当時のことでありますけれども、これはですね。また、現在、三月十六日の防災協定を具体化すべく何回かにわたり、四回とも仄聞しておりますけれども、実務者会合が行われているということです。
 国としても検討は当然されていると思うんですけれども、これまでどういう場で、どういうメンバーで検討されてきたんですか。
#110
○政府参考人(西宮伸一君) ただいま委員御指摘の実務者協議というのは、これは日本政府と米政府の協議でございまして、防災協定とは一応別のものでございます。
 その上で申し上げますと、政府といたしましても、来年夏に予定されております原子力空母への交代に関しまして、やはり地元、つまり横須賀の御理解が不可欠であるという認識の下に、横須賀市も参加する形で、米原子力艦に関する防災訓練のシナリオや安全対策に関する協議を政府間で米側と行ってきているということでございます。
 なお、この協議には、政府は地元自治体、横須賀と緊密に連携協力しておりますし、現に横須賀市もオブザーバーとして参加されているということでございます。
#111
○緒方靖夫君 この実務者会合への国としてのかかわりはどうなっていますか。国としての出席者。
#112
○政府参考人(西宮伸一君) これは、関係省庁の課長クラス以下で出席しております。
#113
○緒方靖夫君 どこの省庁ですか。
#114
○政府参考人(西宮伸一君) 具体的には、外務省、文部科学省、防衛施設庁及び内閣府でございます。
#115
○緒方靖夫君 ここではその通知について具体的に検討されているということはあるんですか。
#116
○政府参考人(西宮伸一君) まだこの米側との協議というのは現在進行形でございます。先ほど申し上げた問題意識、つまり原子力空母への交代に関しましては横須賀の理解が不可欠であるという立場でこの協議を行ってきておるわけでございますが、現在、先ほど申し上げました防災訓練のシナリオとか安全対策とかいうことについて行ってきておるわけでございます。
 中で、原子力空母に関連して発生し得る事象につきまして、地元自治体、在日米軍関係者あるいは日本政府の関係者の連絡、情報協議に関する体制づくりというものが重要ではないかという問題意識を持っておりまして、こうした安全あるいは安心対策ということに関して協議をしてきて、まだ現在進行形でありますが、協議中でございまして、先般、何らかの問題が発生したケースを念頭に置いて連絡網を策定するというところまで進行したのが現状でございます。
#117
○緒方靖夫君 この問題、やはり具体的にしっかりと検討し具体化していくということが、それから、米側に対してやっぱり市の立場、それから市民の考え、またそれを踏まえてきちっとした形で対応していくことが非常に大事だと思うんですね。
 国と自治体で協力し合って策定する地域防災計画の中には、原子力事業所からの放射能漏れなどに対応する原子力災害対策編が位置付けられております。これは災害対策基本法及び原子力災害対策特別措置法に基づくものですけれども、九九年九月の東海村の臨界事故を重要な教訓として法整備がなされてきたところであります。
 その大事なポイントは、迅速な初動作動、そのためには異常事態についての事業者からの通報が義務化されたわけです。一時間当たり五マイクロシーベルトの放射線量については通報しなければならないとされました。少しのトラブル事象も、それを積み上げて反省、点検し深刻な事故、災害を防ぐという原子力災害対策特別措置法、原災法の基本的な考え方、これがあるからそうなるわけですよね。
 大臣にお伺いしたいんですが、米原子力艦船については通知は米軍任せとしたならば、それこそ事故が起きたり何か大きな問題になってから初めて市民も国も知るという事態になるおそれが排除できないんじゃないかと、そう思いますが、いかがでしょうか。
#118
○国務大臣(麻生太郎君) 今御意見がありましたけれども、これまで御存じのように、これは、事故と故障は違いますからね。大きなところで一番よく言われますんですが、事故と故障は違うという大前提をちょっと立てた上で、少なくとも今まで、一九六四年に初めて、原子力潜水艦だったと思いますが、来て以来、約千二百回ぐらい日本に寄港しておりますけれども、その種の事故と言われるようなものはなかったと。両方とも、少なくとも日米双方でモニタリングをやってきた結果の話ですから、この話は。決して米軍側の資料を一方的に申し上げているわけではないと。
 コバルトの話が先ほど出されておりましたけれども、このコバルトの放射能というのは、私の知っている範囲では、一年間摂取し続けても自然放射線の数十万分の一程度にしかならず、人体、環境への影響はないと。あのときは科技庁で出した数字だったと思いますが、そういう具合に出しておりますんで、そういう意味では、私どもとしては、こういったものは万一のことに備えておくというのは当然のことだと存じますが、これまでのところ、少なくとも約四十年間ぐらいにわたりましてこの種の話で大きな事故等々がなかったというのが実績としてはあるということをある程度我々は頭に入れた上で、今後とも細心の注意を払っていくべきものだと思っております。
#119
○緒方靖夫君 その点は非常に大きな議論で、私も前回この委員会で外務大臣と議論させていただきましたけれども、米側のファクトシートを横須賀市にぽんと渡しただけで、日本政府の分析もそしてまた調査も何もないと、それが実態だということを前回議論したところです。
 私は、原災法にも劣らないような数値基準を米側にきちっと突き付けるという構えなしにやはり日本独自の安全をしっかり守っていくという政府の立場、また外務省の立場はないのではないかと、そういうふうに思います。
 最後に一点お聞きしたいんですけれども、来年の原子力空母配備に向けて、例えば文科省では新たなモニタリングポストの増設やモニタリングセンターの設置などの計画があります。
 確かめたいんですけれども、防災協定を支援し米原子力艦船による原子力災害に対応するオフサイトセンターの設置についてはどういう計画なのか、設置するとすれば、日常的な維持管理はどこが責任を持つのか、お示しいただきたいと思います。
#120
○政府参考人(増田優一君) 原子力艦の寄港時の安全、これは米軍において十分に確保されていると認識しておりますが、万が一原子力災害が発生した場合に備えまして、我が国といたしましても関係省庁で災害対策マニュアルをもう既に定めておりまして、その防災体制に万全を期しているところです。
 御指摘のオフサイトセンターでございますが、これ御指摘ありましたように、原子力災害対策特別措置法に基づくものでございますが、御案内のように、米海軍の原子力艦、これは同法に言う原子力事業所には該当しないということでございまして、基本的な法体系は先生も御指摘ありました災害対策基本法に基づいて現地の応急対応を行うということでございます。
 ただ、横須賀港につきましては、その近傍に実は核燃料加工工場がございまして、その緊急事態に備えた施設といたしまして横須賀オフサイトセンターが既にございます。万が一の場合でございますが、原子力艦の原子力災害が発生し、他にそういった現地対応施設として適当なものがないということになりますと、現地対応の拠点施設としてこのセンターを活用して対応するということももちろん考えていかなきゃいけないというふうに今考えております。
#121
○緒方靖夫君 最後に一言。
 原潜で仮に事故、アメリカのいうイベント、そういうことが起きたら、これは横須賀市を始め首都圏三千万の人々の命、安全にかかわる重大な問題になるわけですよ。ですから、その点で政府の責任が本当に問われているということを最後に指摘して、質問を終わります。
#122
○大田昌秀君 核テロリスト防止条約の締結については基本的に賛成でございますが、何点か確認させていただきます。
 ソ連の崩壊後、旧ソ連諸国で核物質の盗難、密輸が続発したと報じられていますが、その核物質はどのようなところへ流れたと思われるのか、外務省の御認識をお聞かせください。
#123
○政府参考人(新保雅俊君) 国際原子力機関、IAEAは、不法移転に関するデータベースを維持しております。このデータベースによりまして核物質やその他の放射性物質の不正な取得、供給、使用、廃棄といった事象に関する情報を蓄積しているわけでありますが、このデータベースに参加している国々において、一九九三年から二〇〇五年の間に二百五十件もの核物質に関する事象が確認されております。その中には、旧ソ連諸国におきまして、例えばロシア、リトアニア、グルジアといった国におきまして、高濃縮ウランの不法所持の事象等が報告されているというところでございます。
#124
○大田昌秀君 これは通告はしていないんですが、お分かりの程度で結構ですけれども、世界における核テロリズムの脅威の現状についてどのように把握しておられますか、外務省は。
#125
○政府参考人(新保雅俊君) 核を用いたテロ行為ということにつきましては、特に九・一一同時多発テロ以来、その対策強化は国際的な関心事であるというふうに認識しております。
 特に、ソ連の崩壊以降、その発生が国際的に危惧されていたところに九・一一が起こったわけでありまして、その前からと申しますと、例えば一九九〇年代にもチェチェンにおける武装勢力による放射性物質の保持といった事例、あるいは二〇〇二年にはアルカイーダによるダーティーボムを用いた米国攻撃計画といったものが明らかになっておりますように、この核を用いたテロ行為ということについては大変高い懸念が表明されており、私どもはそのような懸念を共有するものであります。
#126
○大田昌秀君 同じく外務省にお願いいたします。
 核テロリズム防止条約は二〇〇五年に採択され、発効には二十二か国の批准が必要ですが、今年の六月七日現在、批准国の数はようやく発効に必要な二十二か国となりました。しかし、G8の主要八か国で批准しているのはロシアだけとのことですが、その他の主要国の批准の動きはどうなっているんですか。
#127
○政府参考人(新保雅俊君) 議員御指摘のとおり、G8の中ではロシアのみが本条約を締結しておりまして、その他の国は現時点ではいまだ締結に至っておりません。
 G8各国は、さきのG8首脳会合において、本条約の署名、批准を求める内容を含む不拡散に関するハイリゲンダム声明を採択するなど、この条約を重視しておりまして、締結のための必要な国内手続を進めているものというふうに承知しております。例えばドイツ、イギリスでは、この条約を国内で実施するための法律が議会で承認され、締結のための手続が進められているものというふうに承知しております。
#128
○大田昌秀君 ドイツでの主要国首脳サミットが取りまとめた大量破壊兵器の不拡散と国際テロとの対応策についてどのような内容になっているんですか、簡潔に御説明ください。
#129
○政府参考人(新保雅俊君) 今突然のお尋ねで、今記憶で申し上げるほかないわけでありますが、不拡散の中には、核を用いたテロ行為について、先ほど申しましたように、核テロ条約を締結することによってその体制を強化していくといった文言が含まれております。そのほかに、全般的なものとしまして、例えばNPTの体制の強化その他があるわけであります。さらに、具体的なそこの部分について申し上げますと、我々は核によるテロリズムの行為の防止に関する国際条約及び改正された核物質の防護に関する条約の未署名・批准国に対して署名、批准を行うように要請するという文言がございます。
#130
○大田昌秀君 生物化学兵器についてはどうなっているんですか。
#131
○政府参考人(新保雅俊君) ただいま手元に資料がありませんので、正確にお答えするのは後ほどにさせていただきたいんですけれども、よろしゅうございますか。
#132
○大田昌秀君 去る六月八日のドイツにおけるG8サミットにおいて、今問題になりましたが、主要国首脳が取りまとめた政治関連文書の中に、テロ対策について具体的に十二の項目が挙げられています。その中に、テロ対策における人権への配慮ということや、テロ対策措置が国際人道法など国際法の義務に従って行われることを要請ということがあります。これは大変難しい問題だと思いますが、具体的にどのように対処なさるおつもりですか。どう理解したらよろしいですか。この人権に配慮するとか、人道法と整合性をどう持たし得るんですかね。
#133
○政府参考人(猪俣弘司君) 済みません、突然の御質問であるんですけれども、なかなか難しい御質問だと思います。
 人権、人道を考えた上で、例えば戦争放棄にしても、あるいはジュネーブ条約ですとか議定書ですとか、あるいはこの間御承認いただきました国際刑事裁判所規程ですとか、いろいろやっぱり人道面、人権を考慮しながら要するに犯罪化をしていって、問題についてはきちっと対処していこうという方向性を出しておりますので、事象事象によって異なってくると思いますけれども、我が国は当然人権、人道という点を重視している国でございますので、その局面局面でどういう形での貢献ができるかということで議論に参画していきたいと、こういうふうに考えております。
#134
○大田昌秀君 これは外務大臣にお願いしたいんですが、一九七二年に沖縄が復帰する直前になって、沖縄に核兵器や生物化学兵器が貯蔵されているということが分かって大騒ぎになりました。レッドハット作戦ということでそれを移したわけなんですね。ところが、あのときに、日本政府やあるいは日本の防衛庁の責任者が移された後に入っていって全部移されたかどうか確認したことはないということが出まして、非常に懸念されたわけです。そして、その後、いろいろ世論調査をしますと、県民の約六割くらいが沖縄には核兵器が配備されているというような、そういうふうに見ているということが明らかになったわけなんですね。
 そこで伺いたいのは、実は一九六〇年代になって、ラロック証言とかあるいはライシャワー証言なんかにありますように、アメリカの艦船が日本の港に入ってくるときに核兵器を外して入ってくることはあり得ないという趣旨のことが明らかになって、大分問題になりましたですね。そこでお伺いしたいわけなんですが、日本政府はそういうアメリカ側の兵器類の貯蔵について何らの発言録はないわけですか。それとも、日本政府として相手に了解を得て一緒になってチェックするというような、そういうことは可能なんですか。
#135
○国務大臣(麻生太郎君) この核持込みの話が特に主たるところなんだと思いますけれども、これはもう日米安全保障条約のあれからいきましても、これはきちんとして、核兵器が持ち込まれる場合にはと、すべてもう御存じのとおりでありますので、これが事前協議が行われた場合はうちはノーということになります。それはもうはっきりしておりますので、その権限があるかと言われれば、聞かれた場合はノー、核に関してですよ、そういったことを言うことになると。だから、あるかと言われればあります、権限があるかと言われればありますということになると思いますが。
#136
○大田昌秀君 御承知のように、事前協議というのはこれまで一度も実行されたことないわけですよ。ですから、その事前協議にいいことがうたわれておりますけれども、実行されたことはないし、そして日本政府側としては、この事前協議があるからアメリカを信用するしかないというような発言もありましたけれども、それに対して、ラロック将軍やライシャワーさんが、ちゃんと日本政府と約束があるじゃないかと、つまりアメリカの艦船が入ってくるときに核を外して入ることはあり得ないということで、いわゆる神戸方式なんかということが問題になったわけですね。
 ですから、沖縄の基地から核兵器が移されたということ、移されるのを実際に県民は見て知っているわけなんですが、確認されたのか、そしてその後、持込みは全くなかったのかという懸念は随分持っているわけなんです。ですから、その辺をどういうふうに解決なさるおつもりですか、外務省としては。
#137
○国務大臣(麻生太郎君) これは基本的には、一つは、もう大田先生お詳しいところだし、これはむしろ防衛庁の方の技術の話としては詳しいんだと思いますけれども。
 今はもう核というものに関しましては、大陸間ミサイルというものが物すごい勢いで発達したという現実に立ちましたときには、この種の核というものを常に空母に積んで何とかしなくちゃいかぬという時代と今とはもう、武器というか、そのあれを搬送する技術の進歩が著しいことになっておりますので、PGMって、プリサイス・ガイデッド・ミサイルですかね、精密誘導兵器、そういったようなものの発達によって、この種の話というのは今現実問題としてなかなかそういったことは想定しにくい時代になっておるというのが、武器という技術の面からだけ見ましてもそういった時代になってきておりますので、そのライシャワーさんの時代とはもう全く今の時代は違ってきておると思っておりますので、今御懸念の部分については、あの時代より更に確率としては下がっておるというのが現実です。加えて、事前協議がこれまでなかったというように私ども理解をいたしております。
#138
○大田昌秀君 防衛大臣にお願いいたします。お忙しい中をおいでいただいて恐縮でございます。
 八月十八日付けの地元の新聞に、ホワイトビーチに海上自衛隊の掃海艇「あおしま」と「ししじま」の二隻が五月の十七日まで接岸していたが、翌十八日に出港したと報じられています。この二隻は、今回の掃海艇「ぶんご」の辺野古派遣と何らかの関係がございますでしょうか。
#139
○国務大臣(久間章生君) 部隊の運用に関することにつきましては一々報告するわけにはまいりませんけれども、少なくとも「ぶんご」については私が命じましたから待機しておりましたけれども、あとの二隻についてはそういう派遣命令は出しておりません。
#140
○大田昌秀君 防衛省にお伺いします。
 掃海母艦の「ぶんご」は広島県呉の掃海隊群の所属ですが、五月十七日付けの毎日新聞の記事によりますと、「ぶんご」は、五月十一日の朝、神奈川県の海上自衛隊の横須賀基地を出港し沖縄に向かったとあります。だとしますと、「ぶんご」は、呉を出港し、海上自衛隊の司令部のある横須賀基地を経由して沖縄へ向かったことになりますが、横須賀基地に寄港したのはどうしてでしょうか。
#141
○政府参考人(山崎信之郎君) 重ねて恐縮でございますけれど、個別の艦艇の動向につきましては、部隊運用にかかわることであるため、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。
#142
○大田昌秀君 同じく防衛省にお願いしますが、「ぶんご」が海上自衛隊の司令部のある横須賀港に寄港したというのは、海上自衛隊の部隊司令を乗船させるためではなかったかという懸念が出ていますけれども、つまり、そうだとすれば、これは単に「ぶんご」だけじゃなくて、ほかの海上自衛隊の艦船までが沖縄に行って何か威嚇をしたというふうに受け取られかねないわけなんですが、そこはどうなんですか。
#143
○政府参考人(山崎信之郎君) 先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、御指摘の例えば掃海艇の話だろうと思いますが、この掃海艇「あおしま」、「ししじま」につきましては、本作戦とは全く関係はございません。
#144
○大田昌秀君 何しに行ったかということも明かせないわけですか。
#145
○政府参考人(山崎信之郎君) 恐縮でございますが、大臣が答弁申し上げましたように、個別の艦艇の動向につきましては、運用上のことでもございますので、答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
#146
○大田昌秀君 平和な時代にこういうふうに艦船が沖縄基地の辺りを自由自在に動き回っているときに、もう少し親切に、あるいはいかなる懸念も持たさないように、軍事機密に差し支えない程度において説明されないと、ちょうど「ぶんご」を派遣して辺野古の基地建設の環境調査の事前調査の際に何か強圧的に受け取られておって、まだ騒ぎは収まっていないわけなんですよ。ですから、そういうことを説明できないという形で突っぱねられると、ますます懸念が高まってきて、むしろ自衛隊自体に対する不信感が出てくるおそれがあるわけなんですが、その辺をお考えになっていただきたいわけですが。
#147
○国務大臣(久間章生君) 先ほどから言っておりますように、部隊の運用というのについてはつまびらかにできない点もございますが、少なくとも「ぶんご」については、今度の調査に関連して万全を期すために、あれは医療用のいろんな器具も積んでおりますから、そういうことも含めて「ぶんご」は待機するように私は命じておりますけれども、他の二艦については日常の行動でありまして、そういうような命を受けていないわけでありますから、関係ないというふうに理解していただいた方が素直じゃないでしょうか。
 そこはやっぱりシビリアンコントロールで、特別の任務で行動するときには命令を発しているわけでありますから、「ぶんご」については発したけれども、あとはそういうのと関係ないというふうに理解していただく方が妥当だと思いますね。
#148
○大田昌秀君 そうしますと、二隻の艦船の沖縄寄港とかというのは、それぞれの艦船の司令官といいますか、艦長という者の自由意思に任せているということですか。
#149
○国務大臣(久間章生君) 私が今先生から聞いて、そこにその日におったのかなと、確認はしていませんけれども、そういうことを言うぐらいですから、特別の命を受けて行動しているわけじゃなくて、それはその艦その艦の自分の仕事を帯びて、任務を帯びて、あるいは日常活動として行動としていると、そういうふうに理解する方が妥当だと思います。
#150
○大田昌秀君 あと一点、外務省にお願いいたします。
 先月半ばにケビン・メア在沖米国総領事が石垣市に対し、石垣港に米艦船を入港させたいと申入れをしたのを始め、今月の五日には在日米海軍が海上保安庁に対し、掃海母艦二隻を今月二十四日から二十六日まで沖縄県与那国町の港に寄港させたいと文書で通知したと報じられています。
 この件について米側から外務省に対して何らかの通知があったんですか。もしあったとすれば、どのように対応なさるおつもりですか。
#151
○国務大臣(麻生太郎君) 今の、ちょっと今日質問予定にないので、お話ですが、この前答弁をしたと記憶をしますが、少なくとも石垣のことに関して外務省に対してアメリカの政府から事前に話があったことはないということをこの間御答弁申し上げたとおりであります。
#152
○大田昌秀君 いやいや、それじゃ、在日米海軍が海上保安庁に対し掃海母艦二隻を今月与那国の港に入れるということですが、こういうのは外務省に全く通知はないんですか、事前に。
#153
○国務大臣(麻生太郎君) 今、与那国のお話ですが、少なくとも外務省に今の段階で来ているということはございません。
#154
○大田昌秀君 二十四日から二十六日までということになっていますから、すぐですが、それに対して、そうしますと、対応策は何も取らないということですか。
#155
○国務大臣(麻生太郎君) 今、ちょっと担当が今日呼ばれておりませんのでお答えのしようがありませんが、少なくとも私どもの知っている範囲で、与那国にというお話でしたけれども、新聞等々よく出ている話は知っておりますが、少なくとも政府に対して今の段階までに、私のところまで上がってきているということはございません。
#156
○大田昌秀君 それでは、もう最後に、これは要望して、お願いとして申し上げたいわけなんですが、与那国とか石垣の港というのは、よく御承知かと思いますが、大変民間の船、船舶がひしめいていて、小さなところですから、米軍司令官がなぜその与那国に艦船を入れるかという場合に、兵員の休息や補給をしたいという、そういう目的を示しているわけなんですね。そうしますと、これまで日本本土には幾つかの米軍に提供している港湾施設というのがあるわけなんですから、ただ単に兵員の休息とか補給というのであれば提供されている港に入るべきであって、あんなに民間船がひしめいている民間の小さな港にあえて米軍の艦船が入ってきて兵員の休息を図るなんかというのは常識的に言ってもちょっと考えられないわけなんですが、その辺はどうなんでしょうか、最後に教えてください。
#157
○国務大臣(麻生太郎君) これまでの経緯を細目知っているわけではありませんけれども、これはもう大田先生よく御存じのように、安全保障条約上の関係からいきますと、いわゆる港等に寄港するということに関しましては、それは条約上、話が認められているということになろうと存じますんで、今民間等々の話があっておりましたし、そういったようなところの、混雑したところにというお話なんだと思いますけれども、ちょっとそこの状況まで詳しく分かりませんので、今の段階でちょっとそれ以上お答えのしようはございません。
#158
○大田昌秀君 終わります。ありがとうございました。
#159
○委員長(田浦直君) 他に御発言もないようですから、本件に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 核によるテロリズムの行為の防止に関する国際条約の締結について承認を求めるの件に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#160
○委員長(田浦直君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#161
○委員長(田浦直君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時四十三分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#162
○委員長(田浦直君) ただいまから外交防衛委員会を再開いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りします。
 現在、本委員会に付託されている条約の審査のため、本日の委員会に厚生労働大臣官房審議官森山寛君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#163
○委員長(田浦直君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#164
○委員長(田浦直君) 千九百七十二年の廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約の千九百九十六年の議定書の締結について承認を求めるの件及び職業上の安全及び健康を促進するための枠組みに関する条約(第百八十七号)の締結について承認を求めるの件の両件を一括して議題といたします。
 両件の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#165
○犬塚直史君 午前中に引き続いて質疑をさせていただきます。
 このILOの百八十七号については、民主党は賛成であります。また、大変リーダーシップを持って早いタイミングで締結に向けて動いたということで、このILOの百八十七号ではなくてILOの百十一号、いわゆる雇用とか職業についての差別待遇に関する条約が未締結であるということなんですけど、この理由として、採用や待遇の機会均等について具体的に作った法律がないと、現憲法の法の下の平等を定めてはいるが、具体的な法律がないと日本の場合は条約を結ばないことに今のところなっているという答弁をしているんですけれども、こういう理解でよろしいんでしょうか。
#166
○政府参考人(猪俣弘司君) その理解で正しいと思います。
#167
○犬塚直史君 ということは、ILO百十一号、雇用、職業についての差別待遇に関する条約については、その意図は大いに賛成であるが、今のところ国内法が整備されていないのでまだ締結していないと、そういうことでありますか。
#168
○政府参考人(猪俣弘司君) 委員十分御案内のとおり、我が国におきましては基本的に法の下の平等が憲法に規定されておりまして、もちろん雇用、職業の分野におきましても、関連労働法令によりまして差別に対する政策が基本的に講じられております。
 ただ、本条約、今言いました百十一号条約でございますけれども、雇用及び職業に関する広範な差別を対象としていることもございまして、その締結に当たりましては、先ほど委員も御指摘されましたように、国内法制がきちっとその整合性を取る必要があるということもございますので、国内法制との整合性等につきまして慎重に検討する必要があるというのが政府の立場でございます。
#169
○犬塚直史君 そこが疑問なんですけど、そう大げさに考えなくても、おおむねこっちが正しいということであれば、条約の趣旨に賛同してこれをじゃ実効性のあるものにしていこうという状況であれば、締結とそれから国内法の整備とを同時に行えばいいという話ではないんでしょうか。
 つまり、国内法の未整備というのは言い訳なんじゃないですか。
#170
○政府参考人(猪俣弘司君) 言い訳ということではなくて、やっぱり条約を締結して締約国になる以上はやっぱり義務をきちっと守るというのが我が国のあるべき姿でございますので、その点できちっとした義務を守れるかどうかという点での整合性を今十分検討しているところでございます。
#171
○犬塚直史君 この条約にある程度関連をしているというのが、二〇〇七年の六月十三日、この参議院本会議で採択をされたばかりでありますワーク・ライフ・バランスの推進に関する決議案、その四で、「企業は、新卒一括採用方式を見直し、」というこの一言が出ておりまして、要は新規学卒に代表されるように、年齢をある程度枠を設けて、この平成何年から何年の間に生まれた人間でなければ採用の試験すら受けられないという、この部分については今後見直すべきではないかということなんですけれども、これは正にILOの百十一号条約、雇用の年齢差別撤廃ということにつながるわけなんですけれども、このまずは参議院本会議で採択された決議案についての厚生労働省の今後の取組について伺います。
#172
○政府参考人(鳥生隆君) 御指摘の点につきましては、新規一括採用の見直しも含めまして、青少年の能力を正当に評価するための募集、採用方法等の改善を事業主の努力義務とすること、また、従来努力義務でありました募集、採用における年齢制限の禁止について義務化をすること等を内容とする雇用対策法の改正法案が去る六月一日に可決、成立したところでございます。
 それで、第一の努力義務につきましては、事業主が適切に対処するために必要な指針を策定をいたしますとともに、ハローワークにおいて、指針に基づきまして事業主に対して助言、指導を行うこととしておりまして、これらによりまして若者の雇用機会の確保を実効あるものとしてまいりたいと考えております。
 また、第二の年齢制限の禁止につきましては、例外事由につきまして厚生労働省令で定めるということとしておりますが、若年者を採用し、長期勤続によるキャリア形成を図る我が国の雇用慣行を一定程度尊重することが必要であると考えられるほか、いわゆる就職氷河期に正社員となれないでフリーター等にとどまっている若者の置かれている状況にかんがみれば、若年者に雇用機会を与えるために年齢制限を認めることに一定の合理性がある場合も考えられるところでございまして、省令を定めるに当たりましては、こうした点も考慮しながら今後検討していきたいというふうに考えているところでございます。
 いずれにいたしましても、いわゆる年長フリーター等を始めとした若年者、新規学卒者以外の人も含めて雇用の促進を図っていきたいというふうに考えております。
#173
○犬塚直史君 年齢差別について現行法の努力義務規定を義務規定にした部分がある、しかし細かくは省令で定めると。そしてもう一つは、指針というものを設ける、これ年齢指針と呼ばれているやつだと思いますけれども、この年齢指針に基づいて、基本的には年齢差別はしないが例外を設けていくと。その例外の一番大きいのが新規学卒一括採用という部分だと思うんですけど、ハローワークに行って年齢を入れてみてどれぐらい引っ掛かって出てくるかということをやってみるともう一発で分かるんですけど、四十とか四十五とかいう年齢を過ぎるともうほとんど出てこないと。ということは、自分の今まで二十年なりやってきた年齢に伴う職業の経験というものが正当に評価されないで、年齢がただ単に四十とか四十五を過ぎるともうそこで足切りをされてしまうという、こういう状況がずっと続いているわけです。
 これについて、総論ではそれはやっちゃいかぬよと言いながら、各論では省令でそこのところは禁止をしない、あるいは年齢指針を持ってそこのところは禁止をしないという状況が相変わらず続いているざる法だと思うんですけれども、今後のこの指針の運用についての姿勢を伺います。
#174
○政府参考人(鳥生隆君) これまで年齢制限の禁止について、例外事由というのを十のケースというのを定めて、指針で定めて運用してまいったわけでございます。
 それにつきましては、法案の審議の委員会、厚生労働委員会での審議の過程でもいろいろ議論がございまして、附帯決議が出されております。その中では、「労働者の募集及び採用に係る年齢制限の禁止の義務化に当たり、事業主等への周知徹底に努めるとともに、真に実効性あるものとなるよう、従来、例外的に年齢制限が認められる場合として指針に定められてきた事項を抜本的に見直し、必要最小限に限定すること。」と、そういった附帯決議もなされているところでございます。
 私どもといたしましては、例外事由につきまして、関係審議会において労使の意見も聴きながら、あるいは企業の雇用管理の実態も踏まえて必要最小限の場合に限定するという方向で検討していきたいというふうに考えております。
#175
○犬塚直史君 附帯決議は法的拘束力がありませんので、それで省令の中身や指針の中身を聞いているわけです。
 その指針の中身で今おっしゃられた十項目のうち、これはまあもちろんしようがないだろうなというのもたくさんあるわけなんですね。しかし、この新卒の一括採用、ここに年齢の枠を認めてしまうということになると、下からはもう毎年毎年何千という人が入ってくると、それはだんだんだんだん間引いていって上に行けば最後は社長一人になるというようなこの大きな枠組み、新卒で入ってきた人たちが社内で、社内の研修を受けたり社内の教育を受けないとどうしても上に行けないというような今の事態を何とかだんだんでもいいけど改めていかないと、やっぱりこの格差の問題というのは難しい。指針をこのままにしておいてという話ではないと思うんですね。
 例えば、六月一日の雇用対策法改正における年齢指針見直しということで、十月に施行に向けた取組をされていると理解をしているんですけれども、五月十八日の参議院本会議の柳澤大臣の答弁では、年齢指針は必要最小限の場合に限定してまいる考えであると、今おっしゃったのと同じことを言っているんですよね。取りあえずこれは公務員の採用試験の受験資格、今言われているおおむね二十七歳から三十三歳の上限、ここからまずは撤廃すべきではないでしょうか。端的に言えば公務員の採用試験を年齢不問とすべきではないかと思うんですけれども、御見解を伺います。
#176
○政府参考人(鳥生隆君) 国家公務員、地方公務員につきましては、国家公務員法、地方公務員法において平等取扱いの原則というものが定められているという中で、職員の採用に当たっても合理的な理由のない差別は禁止されているものと承知しておりまして、適用除外ということ、そういう法的枠組みが別途既に整備されているということで雇用対策法の法案の適用除外となっているということでございます。
#177
○犬塚直史君 今の質問は公務員の採用試験を年齢不問とすべきではないかという質問なんですけれども、もう一度答えてください。
#178
○政府参考人(鳥生隆君) 公務員の採用につきましては、公務員を所管する省庁で、人事政策を所管する省庁で国家公務員法に基づき適切に対処されるべきものだというふうに考えております。
#179
○犬塚直史君 その取組をこれから年齢指針を必要最低限のものにするという、そういう姿勢であるという先ほどの御答弁だったので、まずは公務員のところからやったらどうかという質問なんですけれども、そのぐらいの答弁しかできないですかね。もう少し踏み込んだ話はできないですか。
#180
○政府参考人(鳥生隆君) 先ほど申し上げました年齢制限に係る指針の、今回年齢制限を義務化することによりまして、それは省令で例外事由を定めると、その例外事由を定めるに当たりましては必要最小限のものにしていくということを大臣が答弁をしているところでございます。これにつきましては雇用対策法の施行規則ということでございますので、公務員は別途国家公務員法という、あるいは地方公務員法という法的枠組みの下で対処がなされていくものでございまして、先ほどの省令、例外事由の話につきましては公務員は対象として御答弁申し上げたところではございません。
#181
○犬塚直史君 それでは、公務員の再就職センター、官民人材センターですか、民主党では天下り人材バンクと言っているんですけれども、これとハローワークの違いはどこにあるんでしょうか。
#182
○政府参考人(原雅彦君) 現在国会で御審議いただいております国家公務員法の改正案におきましては、国家公務員につきまして予算や権限を背景としました押し付け的な再就職あっせんを根絶するために各省庁によるあっせんを全面的に禁止することとしております。さらに、職員が自らの職務と密接に関連する先に求職活動ができるとした場合にはその公務の中立性が確保されないおそれがあるということから、これらに対する在職中の求職活動も制限し、加えて再就職後のいわゆる元いた役所に対する口利きにも制限を掛けるということにし、これらに対して罰則も含めた厳しい制約を課すこととしているところでございます。
 このように、国家公務員に関する再就職に係る制約が課せられるという事情があることに加えまして、こうした制約の下で再就職に当たりまして何らの支援も行わず、先生おっしゃいますようにハローワークを使えばいいのではないかというようなこととした場合には、一方で公務員には身分保障というものが存在するために役所に残ろうということにもなりかねず、こうした場合には行政の減量や効率化を妨げる要因ともなりかねないというふうに考えているところでございます。このために、官民人材交流センターが透明な仕組みによって職員の能力、経験に基づく再就職の支援を行うこととしているところでございます。
#183
○犬塚直史君 役所に残ってはいけないと、ある一定の年齢になったら出ていきなさいという考えなんですね。
#184
○政府参考人(原雅彦君) いわゆる早期退職慣行につきましては、一方で今回改正案の中に盛り込んでおります能力・実績主義を徹底することによりまして、いわゆる一定年度、年齢まで達しますとそれによってポストがなくなり早期退職勧奨をしなくてはならなくなるというようなものは、今後その能力・実績主義の徹底によりましてなくなっていく方向にあるだろうというふうに考えておりますが、そういう状況の中におきましても、一方で公務、本来公務の中じゃなくてもいいような場合につきましても、その再就職に関しましてセンターというものが機能しませんと、先ほど申し上げましたように一方で役所に残ろうとすることにもなりかねず、行政の減量や効率化を妨げる要因にもその場合にはなりかねないというようなことを考えているところでございます。
#185
○犬塚直史君 ちょっと意味がよく分からないので、もう一回同じ質問をします。
 この公務員の再就職センター、要するに民主党で言っている公務員の天下りバンクというのとハローワークの違いがどこにあるんでしょうかというのが質問です。
#186
○政府参考人(原雅彦君) 官民人材交流センターにつきましては、先ほど申し上げましたように、国家公務員につきましては再就職に関しまして様々な規制が掛けられると、こうした状況の下で再就職に当たりまして何らの支援も行わないといった場合には、むしろ、その一方で公務員には身分保障が存在するということから役所に残ろうとするようなことにもなりかねず、そうした場合には行政の減量や効率化を妨げる要因ともなりかねないという観点から、この官民人材交流センターが透明な仕組みによって職員の能力、経験に基づく再就職の支援を行うということにしているところでございます。
#187
○犬塚直史君 ということは、残ろうとする人たちを追い出すことになるから、追い出した以上は面倒を見てやろうと、そういう出だしのところがハローワークとは違うんだよと、こうおっしゃっているんですか。
#188
○政府参考人(原雅彦君) 本来は、この官民人材交流センターを設置することによりまして、これまでは各省が行っておりましたいわゆる人事の一環としての再就職のあっせんということから、言わば本人の能力に基づきました再就職のあっせんというところに徐々に転換していくものだろうというふうに考えておりますが、先ほど申しましたように、公務員の再就職につきましては様々な制約を課しますし、それから離職後におきましてもいわゆる口利き規制ということで制約を掛けているところでございます。
 そうした点にかんがみまして、この官民人材交流センターにおきまして、透明な仕組みによって職員の能力、経験に基づく再就職の支援を行うということとしているところでございます。
#189
○犬塚直史君 再就職をしなきゃいけないという状況に陥るのは別に公務員だけじゃないわけですね。残りたいという人たちを追い出すという事態も、別に民間でもこれはある話でありますよね。じゃ、そういうふうになったときに、ハローワークとこの官民人材センターの違いはどこにあるんだと言われたときに、能力主義だとか人事の一環だとか言われても、別にそれはハローワークとこの就職センターの違いには、全然説明にはなっていないじゃないですか。
 要は、その人たちの能力をよく見定めて次の就職先をあっせんするというだけの話であればハローワークと何ら違いはないけど、一体何が違いなんですかということを聞いているんですよ。
#190
○政府参考人(原雅彦君) この官民人材交流センターにつきましては、先ほど言いましたように、本人の能力を踏まえながら再就職のあっせんをするということになるわけでございますけれども、一方で、国家公務員の再就職につきましては、先ほど言いましたような制約があるということでございます。
 そうした観点から、今年の四月二十四日に、法案の閣議決定とともに国家公務員制度改革についてという閣議決定を行っておりますけれども、その中で、官民人材交流センターにつきましては、多くの企業等から多様な求人情報が得られる能動的な求職活動をしっかりと行えるよう、再就職ニーズに十分対応した積極的な求人開拓営業、キャリアコンサルティングの実施等により、センターの再就職支援活動の重点的強化を図るということとしております。
#191
○犬塚直史君 多くの企業から求人情報を集めて登録された人たちのために親身になって次の再就職先を探すというのは、正にこれはハローワークの仕事そのものなんですよね。それとこの公務員の再就職あっせんは何が違うかと言われても、多分非常に、今のお答え聞いて全く分かんないんですけど。
 端的に言って、私は一番違うのは、やっぱり先ほどILO一一一号条約で言っているような年齢差別をそのままにしているために、人事の一環性ってさっきおっしゃったけれども、新卒で真っ白な人たちを入れて、この人たちを肩たたきしなきゃならないというときになったらば、やっぱりこれは少しは面倒を見てやらなきゃいけないというのは別に公務員だけじゃないんですよね。しかし、ここのところをやっぱり何とかしていかないと、能力主義がどうのとか、あるいは格差が云々とか言っても、ここにある程度手を付けていかない限りはこの問題というのはずうっと続いていくと私は思うんですよ。
 それをやっぱり直していくんであれば、ここでILOの一一一号条約はこれはやっぱり締結をして、年齢差別の撤廃ということをお題目だけではなくて本当に取り組んでいく、と同時に、ハローワークでもしっかりと受皿になるようなこういうものをつくっていかなきゃいけないというふうに私は思うんですけれども、このILOの一一一号条約の早期締結に向けてもう一度御見解を伺います。
#192
○政府参考人(猪俣弘司君) ただいま御議論ございましたけれども、ILO一一一号につきましては、いろんな観点を考慮しながら、正に国内法上の問題点どうなるかという点も踏まえて、整合性を図った上でどうするかということで検討していきたいと考えております。
#193
○犬塚直史君 国内法との整合性で一番問題になっているのは何なんですか。
#194
○政府参考人(猪俣弘司君) 先ほど御答弁いたしましたけれども、やはり本条約は雇用及び職業に関する広範な差別を対象にしているという部分がございまして、その部分でどこがきちっと担保できているかという点の整理を今しているところでございますので、ちょっと具体的に今どこかということについては申し上げるだけの材料を私は持っておりませんけれども、今整合性等々につきまして慎重に検討しているということでございます。
#195
○犬塚直史君 今公務員のことを言いましたけど、別に公務員だけではありませんで、例えば女性が出産をするために職場を離れる、そうすると次に同じ職場の同じキャリアの上にはもう戻れないというような事態があるわけですよね。あるいは、いろいろなところで本当にいい経験を積んでこられた人が次の職場を探そうというときに、これはまた非常にハローワークに行ったのでは難しいと。そういう問題の根幹のところにやっぱりこの雇用の年齢差別というものがあるんではないかと。雇用の年齢差別を一番しっかりと今守っているというか、もうそこのところの一番根幹になっているのは年齢指針の、しかも新卒の採用の部分ではないかということを申し上げているわけでありまして、国内法との整合性という話ではなくて、これだけ格差が問題になっているんですから、やっぱりここは一歩踏み出して、百十一号締結に向けてしっかりとやっていくぐらいのことは言っていただきたいんですけど、いかがですか。
#196
○政府参考人(猪俣弘司君) 何度も同じことを御答弁しても怒られてしまうのかもしれませんけれども、国内法制との整合性についてなお検討すべき点があるという判断がございますので、その点をかんがみまして、また、今回の御指摘も踏まえつつ、いろんな整合性等についての検討を進めていきたいと考えております。
#197
○犬塚直史君 麻生大臣、今までのやり取りを聞かれていて何か御感想ございますでしょうか。
#198
○国務大臣(麻生太郎君) 別に御質問がなかったんで特に聞いていたわけではありません、はっきりお断りしておきますけれども。
 その上で、最近、犬塚先生、労働事情というのは随分変わっていまして、今、これはある愛知県の、具体的に話すと愛知県の会社で、年齢制限を外して中途採用の案内出すんですよ。地方の中小企業なんて来ないの、普通は。やたら来るの、今。しかも学歴はめちゃ高い。それが実態ですよ。うちは給料はそんな出せないんですよと言うけど、向こうは就職試験受けに来るのに大体BMWで来ますから。
 どうしてって、みんな東京等々でトレーダーやら何やら外資に勤めるんですよ、四十ぐらいまで。それまでに退職金含めてがっぽり稼ぐだけ稼いで、これ以上は疲れる。で、会社を辞めて自分の生まれ故郷に戻る。しかし、能力はある。しかし、自分のおふくろがいる、おやじがいる、田舎がある等々で、能力はあるというのが疲れて帰ってきて、近くの中小企業の総務だ経理だっていうのに、給料すごい、今までの年間億単位で稼いでいたのがどおんと下がって、月数十万のところに下がってきても、全く不満なく実に楽しげに働いていると。これは最近地方の中小企業で起きている例です。
 日本の労働事情って随分変わっていますよ。私らのところにおります筑豊というような地域でもそういったのは変わってきた。だから、年齢というものを切っていると逆に人が雇えなくなってきている、民間の方は。それが今の現状だと思いますんで。現場というのは、犬塚先生、随分変わってきていると思う。僕は長崎は知りませんけれども、少なくとも今福岡地域とか、今のもう一つの例、愛知県の例ですけれども、これは両方ともその会社の社長から直接この一年ぐらいの間に両方聞いた話ですけど、それが現実になってきていますんで。
 年齢にこだわっていると、例えばトラックなんかのいわゆる大型二種等々を持っているところの人は、人が足らなくなってきて会社が運営できなくなってきているから、だから年齢制限を取っ払って外して、えらい年寄りが一杯来て困っちゃって、三十七歳の運転手と一緒に十キロマラソンをやってください、先に帰ってきた人だけ採用します、体力測定試験やりますと言って、十八人雇うところで百何十人来て、そして体力測定試験を三十七歳のやつとやったら、一番最高年齢七十一歳、皆その三十七の運転手さんより先に帰ってきちゃうんですよね。多分、国会議員なんかみんなその程度だと思いますよ、僕は、実際問題。やっぱり、歩いているとか運動をしている人には勝ちませんね。それが実態なんですよ、肉体年齢というものからいきますと。
 そこは、そこを雇ったわけです、そこは。おかげでその会社は給料が安くてえらくもうかるようになった、これ現実です。
 そういったような例というのは幾つも出てきていますから、それは、このILOの話とか法律の話はともかくとして、民間は世の中に合わせて今、犬塚先生の言われたような方向に現実は動いているというのが私の知っている実態です。
#199
○犬塚直史君 民間の実態、私も職業紹介事業に携わっていますので、いかに日本のこの新規学卒一括採用というのが日本の独自の雇用環境であるのか、本当にこれは特殊なやり方ですので、やっぱりこれをこのままでいいとはだれも思ってないし、民間は変わり始めている、おっしゃるとおり。
 パート労働者の数が、これはちょっと古いんですが、平成十六年一千二百三十七万、フリーターが四百十七万。小規模企業、もう長崎なんてこの企業ばっかりですけどね、中小じゃないですよ、小規模企業、これは、常時の労働者が二十名以下、商業だとその辺のお店屋さん、常時で五名以下の従業員しかいないような小規模企業が一千七十九万人。そういうところで働いている家族労働が平成十六年で二百七十六万人、これは自営の人の御主人の家族で家業に従事している人の数ですね。そして失業者が、これも古いですが、平成十八年で二百九十六万人。派遣が、非正規が先ほど一千八百万人という話で、これからパートを引くとまあ五百六十万ぐらいかな。これを全部足しますと、今言ったのを全部足すと、何が言いたいかというと、これは全部中途採用になる人たちばっかりなんですよ。要するに、年齢指針の新規学卒一括採用というところには絶対入ってこない、どうやったって何かあったら中途採用で年齢指針に引っ掛かる人たちの合計の数が三千八百六十八万人。要するに、全国の就業者数の七一%、これどれぐらい動いているのか私も分かりませんけれども。
 こういう数字を見ますと、私は一番初めに思い出すのは新宿のある大手の百貨店です。ここには一万人働いておりますけれども、正社員は上の二割だけ、二千人だけです。この人たちは全員男、しかも四大卒の新規学卒一括採用でその店に入って、この社内でずっと訓練をされてきた人たち。残りの八千人はほぼすべて、ここの店ではフリーターとかなんとかと言わないんですけれども、メイト社員と呼んでいるまあ言わばパート、何十年働いても時給の値段は変わらない。
 やっぱりここのところをもう少し、民間で幾ら変える変えると言ってもなかなか変わっていかないという今の現実がありますので、これを機会に、これは本当に質問通告、大臣にしていなかったんで申し訳ないんですけれども、こういうところでやっぱりもう長年、一九四九年からですか、この年齢差別の撤廃ということを言っているILOの百十一号、これはもうそろそろもう少し前向きに、外交防衛委員会として今これを議題に上げているわけですから、これはやっぱり締結すべき一つの課題ではないかなと感じるんですけれども、大臣の御所見はいかがでしょうか。
#200
○国務大臣(麻生太郎君) これは労働行政の話なんだと思いますんで直接の話ではありませんけれども、現実問題としては今申し上げたようなのが世の中の実態として変わってきておりますんで、それに合わせざるを得なくなるだろうなと思っているのが一つ。もう一つは、やっぱりその一括採用というルールを法律で変えるというのは適切ですかねという感じが率直なところなんですけれども。しかし、今の時代としてはそういった流れになりつつあるなというのは、現実問題として少子化という問題も加えて急激に起きてきている話なんで、これに外国人の雇用の話とかいろんな今までになかったファクターが、事実が入ってきますんで、そこらのところを含めて考えないかぬのかなというのが感じです。
#201
○犬塚直史君 ありがとうございます。
 そういう意味で、法律で決めてしまって、もう大変な騒ぎになって、受皿もなければ生涯学習の制度もなければ、そもそも中途採用に慣れている会社も大会社では少ないわけですから、それは法律で決めるような話ではすごく難しいと思うんですね。だからこそ、やっぱりこれは公務員のところから徐々に始めていくべきだというふうに思うわけであります。是非前向きに一一一号を考えていただきたいというふうに思います。
 続きまして、やっぱりこれ、この関係なんですけれども、ILOの九十四号条約というのがあります。これはいわゆる公契約法というやつなんですけれども、御存じのように、特に地方に行きますと、私も長崎は離島が多いものですから、地元に戻って電話帳を見ますと、職業別の電話帳の本当に一番多い部分が建築関係の人たちであります。その建築関係の人たちでも人数的には物すごく多い。日本全体で建築業全体に使われるお金、いわゆる建設投資総額がGDPの約一四%、全従業者の一割が建築関係と言われている中で、その工事の約四七%が公共工事と言われております。
 これがどういう形でじゃ実際にその建築関係で働く人の手元に入ってくるのかということになると、御存じのように、元請があって下請があって、その下のまた二次、三次、四次、五次という下請があって一人親方があってパートやアルバイトがあってという形になると、本当に下に行けば行くほど苦しくなってくると。ここのところを何とかしようというのがこのILOの九十四号条約、公契約法というものなんですけれども、これ一言で言うと、公共工事において労働者の賃金、労働条件を決めて、その決めた内容が途中でピンはねされないで実際に現場の労働者に適用されると、ただこれだけのことなんですけれども、非常に今のところそれが難しいということなんですけれども。
 厚労省に伺います。
 一九四九年に採択された公契約法がなぜ我が国で批准されていないのか、その理由と現況についてお答えください。
#202
○政府参考人(森山寛君) お答えさせていただきます。
 今先生のILO九十四号条約でございますけれども、その第二条におきまして、公共事業に従事する労働者につきましては、当該労働が行われる地方の関係のある職業又は産業における同種の労働者の労働条件に劣らない有利な労働条件を確保するものでなければならないという項目がございまして、これは先生御案内のように、我が国の労働基準法の第一条第二項におきましては、労働関係の当事者は労働条件の向上を図るよう努めなければならないと定めております。このことを踏まえまして、民間部門における賃金等の労働条件につきましては、公契約の下における労働であるか否かを問わず、個々の労使当事者間で労働基準法に定める法定労働条件に反することのないように自主的に取り決めるというふうになっております。
 このように、労使の自主的取決めを尊重する労働基準法の精神からすれば、公契約法を定めてこのILO第九十四号条約を批准することは困難であるというふうに考えているところでございます。
#203
○犬塚直史君 実質それが守られてないと。下に行けば行くほど苦しくなっているからこそ、このILOの九十四号条約を締結してくださいという声が大きいわけであります。
 例えば、この公契約条例、要するに、何というか、ILOの九十四号の批准に行く前に、地方自治体単位でこれを取り組むべきだという決議を採択しているのが、都道府県の合計では三十都道府県、自治体の数では二百五十二、合計で二百五十六の地方自治体がこの九十四号に代表されるような公契約条例を何とか結んでくれということを言っているわけですね。現実にこういう数字じゃなくても、選挙区に戻ればもう明白なことなんですよ。みんな大変なんですよ。どれだけ工事が来ても結局一番もうかるのはゼネコン、その次がやっぱりそこで元請をしている人たちで、下に行けば行くほどこれは苦しいというのはもう分かり切ったことなんですよね。だから、ここのところをやっぱり何とかしようじゃないかという取組があってもいいんではないでしょうか。
 もう一度伺います。ILO九十四号について、どうしてこれを批准しないのか、今後の取組の姿勢を伺います。
#204
○政府参考人(森山寛君) 先ほど外務省の方からもお答えがございましたけれども、我が国の条約の批准につきましては、我が国の法制の整合性、これを取る必要があるということでございまして、繰り返し申し上げますように、基準法におきましては、例えば、先ほど申し上げました公共事業について、他の労働者と比較して劣らない有利な労働条件を確保するというような形の規定はないわけでございまして、あくまでもこの労働条件につきましては労使が自主的に決定をしていくということでございまして、国といたしましては、もちろん例えば基準法とか最賃法みたいな最低労働条件はしっかり定めますけれども、それを超える自主的な取組につきましては、そういうものを、自主的な取組を推進するような環境づくりと、こういうのは国の役割だろうというふうに思っています。
 ですから、ILO九十四号条約につきましては、なかなかこれは批准が難しいというふうに考えているところでございます。
#205
○犬塚直史君 そこを聞いているんですが、今までの慣行どおり、言わば我が国の伝統的なやり方と、それから市場原理にこれを置いておくと、もう大多数の現場の人たちが大変苦労されているということがあるから、この九十四号を前向きに取り組むべきじゃないかと言っているわけですね。
 賃金体系について今ここに、私の手元に実際に働いている人が書いた資料があるんですけれども、まず、月給賃金というのがあると。これは電気工事や水道工事に従事する人は月給が多いと、これはほかの産業と同じだと。次に、常用賃金というのがあると。これはいわゆるアルバイト、一日幾らで出しているのが常用賃金。今度は、手間請というのがあると。これはこの建設で極めて多い賃金形態であると。これは先ほどおっしゃった労働基準法第十二条の出来高払というところだと思うんですけれども、法律的にはいいんですよ。
 しかし、実態これどうなっているかというと、例えば型枠の大工さんは何平米幾らでお金をもらう、鉄筋は何トンで幾ら、圧送は何立米で幾ら、解体は何平米解体して幾らということを一応これをすべての工事を親方が仕切っていると。労働者が多いときは数十人、少なくても三人から四人で施工して、このお金を月末に例えば締めて、翌月の五日なりに払ってもらって、これを工事に携わった仲間みんなで分けるという仕組みになっているわけですね。
 こういう仕組みがあるということは、やっぱり競争があって、少しでも安く仕事を取ってこなきゃいけないという競争にさらされていれば、それは黙って遊んでいるよりもそれは行って働いた方がいいと。しかし、そういうことにずっとさらされてしまいますと、例えばこの二次、三次業者の人たちはもう次から次へと施工金額をピンはねされて、それは総額で決まっていますから、その総額の中には労働賃金も含まれていますので、じゃ当初二万五千円とか二万八千円とかで契約されたものが、一日一万三千円とかあるいは一万六千円になってしまうと。今はもっと低いかもしれません。仮に高い方の一万六千円の賃金で二十日間仕事があったとしても三十二万と。この三十二万で、家族がいて子供がいて、健康保険、生命保険、国民年金、税金を支払うということになると一体どういうことになるのかという話だと思うんですね。
 もう一回伺います。この九十四号条約はやっぱり早期に締結を検討すべきじゃないでしょうか。
#206
○政府参考人(森山寛君) 私どもも、もちろん建設労働の重要性、そしてまた、今先生がおっしゃったようないろんな問題点を抱えているということにつきましては十分承知をしているところでございます。そのために、例えば、いろんな観点からこの建設労働者の雇用の改善等を図っていく必要があろうということで、例えば建設労働者の雇用の改善の法律等々も出しまして、いろんな形でそういう全体的に建設労働者の方々の雇用の改善を図っていこうという努力はしておるところでございます。
 ただ、繰り返し申し上げますけれども、このILO九十四号条約等につきましては、これは具体的な労働条件の定め方について定めたものでございまして、具体的な労働条件、例えば賃金とか労働時間とか、その具体的な労働条件につきましてはあくまでも労使が自主的にお話をしていただいて決めていただくという仕組みでございますんで、なかなかこの条約の批准には結び付かないということでございまして、ただ、繰り返し申し上げますように、建設労働者の雇用改善を図っていく必要があるということにつきましては重々認識をしておるところでございます。
#207
○犬塚直史君 総論は分かっているけれども具体的な条約になると一歩も進めないという答えに聞こえるんですけれども、そういう姿勢なんですか。
#208
○政府参考人(森山寛君) それぞれ条約につきましては、その条約がすべき目的、それから内容等々があると思います。ですから、繰り返しになりますが、このILO九十四号条約につきましては、先ほど申し上げましたように、個々的な労働条件の設定について書いているものでございますんで、それにつきましては、我が国におきましてはこれは自主的にその労働条件を定めていくというスタンスでございますんで、そこはなかなか相入れないものがあるということでございます。
#209
○犬塚直史君 個々に一番末端の労働者の賃金を決める必要があるからこういう条約がそもそもできているわけですから、このILOの九十四号条約自体の存在意義がないというふうに聞こえてしまうんですが、そういうことを言っているわけじゃないでしょう。
#210
○政府参考人(森山寛君) これはもう先生御案内のように、全体、各国でも六十か国これ批准をしております。そういう中で、この条約につきましてはILOでも議論されて採択をされてございます。
 ただ、それを各国が適用する場合に、各国のそれぞれの法律、それからまたいろんなそういう習慣、そういうものがあると思います。ですから、そこはやはり踏まえて批准は考えなきゃいけないというふうに思っているところでございます。
#211
○犬塚直史君 先ほど来申し上げているように、日本の場合は、上に行けば行くほど手厚い条件になって、下に行けば行くほど人数も増えるし条件も厳しくなるという雇用慣行があるので、こういうところにこそこれから前向きに九十四号、検討をお願いをしたいと思います。
 CO2の海底下廃棄に係る許可制度について伺います。
 制度自体は私なりに理解をしたつもりなんですけれども、この制度を実効性あるものとするためには、第三者による検査制度の検討が必要じゃないかと思うんですけれども、これはどういうことかというと、例えばごみを捨てると、安定五品目ですか、最終処分場にこういうものしか捨てちゃいかぬということを法律で決めました。しかし、これをしっかりと監視をする第三者による検査制度が必ずしも機能してないということが原因でいろいろな問題が起こってきているわけですね。
 今回のこの海底下廃棄、CO2を海底下廃棄をするというこの条約にしても、総論はいいと、しかも国家プロジェクトであるからきちんとやるんだと、そして事業者自身による検査もきちんとやるんだと。しかも、金額的に言っても、CO2が一トンが二十ドル程度じゃないと経済的なインセンティブが働かない、つまりこれはでたらめに捨ててもうかるという仕事ではないと。現在、一万円もしているんだというような話で、第三者による検査制度は取りあえず検討しなくていいというお話だったんですけれども、本当にそうなんでしょうか。
 第三者検査制度の検討状況、今後の取組を伺います。
#212
○政府参考人(谷津龍太郎君) CO2の海底下廃棄に関するお尋ねでございます。
 この事業の許可に係る審査でございますけれども、本年五月三十日に公布をされました改正海洋汚染防止法に基づきまして、事業者が事業の実施計画、監視計画並びに環境影響評価書を提出するということが求められているわけでございます。これらの申請書類に基づきまして、環境大臣が海底下廃棄の方法が当該海域の海洋環境の保全に支障を及ぼすおそれの有無などについての審査を行うと、これがルールになってございます。
 実施計画につきましては廃棄地点の選定方法、また監視計画につきましては監視の項目、方法、頻度あるいは環境大臣への報告など、また環境影響評価書につきましては海洋環境に対する影響などについて審査をするということになってございます。
 お尋ねの、これを第三者というところにゆだねるべきではないかというお尋ねでございます。
 ロンドン条約、この議定書を締結をいたしまして、その執行に責任を有するのは政府でございます。また、国際ルールにおきましても、当該政府機関が許可を発給するということになっております。しかしながら、この法律の改正に先立ちまして、環境省におきましては中央環境審議会の下に専門委員会を設置をいたしまして、こういった外部の有識者などの知見を総体的に収集整理をさせていただいております。実際の審査に当たりましては、こういった環境省に蓄積をされました知見などに基づいて適正に行うこととしておりますが、必要に応じて個別の審査に当たりましても外部の専門家の意見もお伺いしながら適正な処理をしていきたいと、このように考えております。
#213
○犬塚直史君 しっかり検査していただくようにお願いして、質問を終わります。
#214
○緒方靖夫君 ILOの関連条約ですけれども、この条約加盟により、我が国の職業安全と健康増進の取組と世界的な取組についていかなる相乗効果が期待され得るのか、我が国の労働者の健康増進の観点からどうなのかと、その点についてまずお伺いいたします。
#215
○国務大臣(麻生太郎君) この条約の採択に当たって、いわゆる日本としてはある意味のリーダーシップを取っておりますんで、この速やかな締結を行うことによって少なくとも他の外国に対しての締結の機運というのを高めることにもなりましょうし、国際社会の上でいわゆる安全とか健康とかそういった促進に貢献できるということがいわゆる最大公約数の一番大きなところだと存じます。
#216
○緒方靖夫君 その今大臣がおっしゃられた日本のリーダーシップ、とりわけこういう分野でのリーダーシップというのは非常に大事だと思うんですね。私はそれを本当はもっともっとこれから発揮していただきたいと、そういうように思います。ですから、この条約については私たちの党は賛成でございます。
 それに関連してなんですが、ILOパート労働条約と勧告について今日はちょっと伺ってみたいなと思うんですね。
 今やパート労働者というのは千二百万を超えて、労働力の基幹部分を支えるのみならず、若者の多くがパート労働者として働いている、そういう現実があるし、それを直視するということが社会問題にもなっていると思います。正社員との賃金、待遇、格差是正は国政においても喫緊の課題になっていると、そういうふうに思うわけですね。
 それで、この条約が採択された九四年の八十一回ILO総会についてなんですけれども、九四年の総会の場で日本政府はパート労働条約案と同勧告案の採択に棄権しておりますけれども、その棄権の理由というのは何なんでしょうか。
#217
○政府参考人(大江博君) この条約及びその勧告については、国内法制との整合についていろいろ検討する必要があったということがありましたので、その場合、総合的に判断した結果、棄権をいたしました。
#218
○緒方靖夫君 国内法制との相違ということが理由だと。こういうことが起きたときに、どう処理すべきかということは非常に大きな議論としてあると思うんですね。私は、やはり重要な内容の条約、国際的な取決め、それがあったときには、やはり国内の法律をその方向に改めていく努力をする、そのことが大事かなということを思うわけです。
 ちょうど九四年の総会のときのことになりますけれども、日本政府は、このILOのパート労働条約案と勧告案、それからそれらの基礎となる九三年総会で採択された決議のほとんどの条項について、国内の法律と慣行に従いという文言を挿入する修正案を連発した、そのことが大変話題になりました。私もちょうどその九〇年代の初めから半ばにかけてジュネーブ、これは私は人権委員会ですけれども、そちらにずっと通っておりましたので、こういうエピソードを当時聞いているんですね。
 なぜこういう国内の法律と慣行に従いという修正案を出されたのか。
#219
○政府参考人(大江博君) 先ほど答弁申し上げたように、この条約についてはいろいろ国内法との関係でいろいろ精査しなくちゃいけないところが一杯あったわけですけれども、例えば一つの例を申し上げますと、この条約の中では、同一企業の中に比較可能なフルタイムの労働者がいない、そのような場合には、その企業の枠を超えて、ほかの企業も入れて、企業の枠を超えて同一の活動部門に雇用されているフルタイム労働者との均等待遇を図るというようなことが求められているわけですけれども、このようなことを我が国の国内制度との関係で受け入れるのがなかなか困難であったと。そのようなところについて留保をさせていただいた、このようなことであると思います。
#220
○緒方靖夫君 当時、ILOの事務局の方と私はお話ししたことがあるんですけれども、そのときのエピソードですけれども、当時の日本政府側のこうした修正案の、まあ執拗なと言っておりましたけれども、その連発に対してたしなめたんだと、自分は。それは、国内の法律と慣行に従ってという文言を挿入することによって条約の適用を回避してはならない、もし国内の法律と慣行がILOの条約の条項と異なるならば、国内の法律と慣行こそ変えるべきだと、こういう形で述べたという話を聞いたことがあるんですね。そういうことがあったことは間違いないと思います。一々確かめません。
 とすると、私は考えてみると、やっぱりパート労働という、今大きな社会問題になっている、それが国際社会で合意されている条約との間にやはり乖離がある、これをどう処理するのかということがどうしても残る問題だと思うんですね。
 当時、この九四年の総会のときに日本政府の取った立場というのは、ILOの場ですけれども、労働者側からはもちろんなんですけれども、EU諸国の側からもこれは賛成していますよ、また賛成したアメリカからも、やはり何でだということで、まあそれを批判と呼ぶかどう呼ぶかは別として、ちょっと日本おかしいんじゃないかと、そういう声が出されたことがあるんですね。
 そこで大臣にお伺いしますけれども、私は、先ほど、最初に大臣がおっしゃられた日本のリーダーシップ、いいことは率先して世界の中でやっていくということはとても大事だと思うんですよね。やっぱりこういう問題について、ILOのパート労働条約、こういう問題について、十三年前こういうことがあったと、しかしこういう問題をやはり改善していくんだと、そして更に前進していくと、そういう方向、施策、そういうことが求められていると思いますけれども、大臣の御見解を伺いたいと思います。
#221
○国務大臣(麻生太郎君) 御存じのように、いわゆるパートタイムの労働者というのの保護については、これは関係法令でいろいろ各種の措置が講じられているのはもう御存じのとおりなんで、昔と違ってこの種の話というのは、パートの比率が増えてきたんだと思いますね。何で増えたんだというところが全然話が皆出ないで、何か正規の話だけが減った減ったという話をみんなされますんですが、このところ、この一、二年、逆に正規は増えておりましょう、今。間違いなく数は増えてきているはずですから。そういう状況というのは景気とかなり深く影響しているんだと思いますけれども。
 いずれにしても、日本のこれまでの国内制度というもの、長い間の労働慣行というのがありますんで、そういったものをいきなり無視してパートだけというのはなかなかいかないのが一つ。
 もう一つは、やっぱり少子化に伴っていわゆる若い人の雇用が難しくなってきているから、逆に正規で先に取っておかないかぬと、先ほど犬塚先生の話と逆の話なんですけれども。逆に先に取っておかないと、後は取られちゃって、こっちはもう途中から来なくなるからとか、もういろんなものがすごく複雑になってきていますので、僕は、すぐにこの条約を締結するというのは難しいというのは、今までの状況とはそんなに急に変わっているわけではないと思いますが、いずれにしても、状況が十何年前に比べて日本の国内事情も随分変わってきつつあるというのは確かという、その前提に立ってどうするかという話だと存じます。
#222
○緒方靖夫君 いずれにしても大事なことは、やはりこのパート労働条約の中で述べている差別の禁止や均等な待遇、これはやっぱりどういう形であっても非常に大事な問題なんですよね。これはもう政府もこれを是正しなきゃいけないということで取り組まれていると思うんですよ。ですから、そういう問題について、やはりILO条約で指摘されている、合意されている、やっぱりそういう方向に署名し批准するというステップを踏んでいくべきだということを述べておきたいと思います。
 それでもう一つ、海洋汚染防止条約なんですけれども、端的に、日本は最大レベルの海洋投棄国としてしばしば言われますけれども、その要因は何なんでしょうか。
#223
○副大臣(浅野勝人君) 日本の海洋投棄量は依然として多うございまして、特に産業廃棄物についてはよその国と比べ量、種類とも最大レベルになっています。
 その理由は何だと考えるかという御質問ですけれども、日本は海外から原材料を輸入して付加価値の高い製品を生産する工業大国、言ってみれば加工列島ですから、多くの産業廃棄物が発生するという事情が一つあります。例えば、ボーキサイトの残渣、赤泥と建設汚泥が日本の海洋投棄量の多くを占めているのが実情です。
 こうした廃棄物を陸上で処分することに適した土地が少ないという事情がある一方、広い海に囲まれていることから海洋投棄が容易であるということも理由の一つに挙げられるのではないかと思います。
 これまでも海洋投棄量の削減に努めてきておりまして、産業廃棄物の海洋投棄は平成七年をピークに徐々に減ってきて、平成十七年は二百七十一万トンと、ピークから見ると半減をしてきております。ではありますけれども、今後とも削減に一層努力していくことが必要と存じます。
#224
○緒方靖夫君 今ちょうど副大臣がおっしゃられた赤泥なんですが、アルミナを作る過程で出るものですけれども、その海洋投棄というのは、附属書Tで海洋投棄を検討することができる品目とされております。
 ロンドン条約加盟国の中で赤泥を海洋投棄している国は日本のみである、そのことが言われております。幾つかの締約国から赤泥投棄が環境に与える影響についての懸念が出ておりますけれども、日本は赤泥投棄量の削減を国際公約としているわけで、この際、この公約実現のために具体的な行動を打つべきだと思いますけれども、その点についてのお考えを伺いたいと思います。
#225
○政府参考人(小田部陽一君) ただいまの御質問でございますが、委員御指摘のとおり、赤泥につきましては、この議定書上の扱いとしては、不活性な地質学的無機物質に該当すると判断され、海洋投棄を検討できる物質として扱われているところでございます。同時に、委員御指摘のように、我が国は二〇〇五年のロンドン条約科学者グループ会合におきまして、二〇一五年末までに赤泥の海洋投棄を中止すると表明しているところでございます。
 赤泥、ボーキサイトから水酸化アルミニウムを生産する際に発生するわけでございますけれども、我が国における事業者といたしましては、水酸化アルミニウムを生産し、発生した赤泥を海外のボーキサイト鉱山の周辺で処理する、すなわち、日本国内ではなくて海外のボーキサイト鉱山の周辺で水酸化アルミニウムを生産し、発生した赤泥を陸上処理することや、あるいは水酸化アルミニウムを海外の会社から購入することによって赤泥の海洋投棄の中止を検討しているというふうに承知しております。
#226
○緒方靖夫君 ちょっと通告してないんですが、大臣、一つ、実はこれ昨日日本の新聞に出たもので、大臣に御見解を伺いたいということがあるんですね。それは、アメリカの国務省が六月の十二日に発表した人身売買報告書というのがあるんですけれども、それが日本の外国人研修制度を取り上げて、人権問題の角度から指摘しているわけですね、いきなり出して申し訳ないんですけれども。私、原文をちょっと読んでみたんですよ、三、四ページのものですけれども、やっぱりその中に、外国人労働者が強制労働の状況にあると報じられていると書かれておりました。アメリカとしても、日本政府や日本社会がこの問題をどう扱うかというのを注目しているんだなというふうに思います。
 今日は、いきなりの話ですが、難しい話じゃないんですよ。やっぱり日本の人権状況という点で、そういった点から、私はアメリカというのは当然人権を最も重視する国というふうに、その一つとしてとらえておりますけれども、そういう国民性が強くある国の政府から日本の人権問題についてこういうことが出されているという点について、大臣御自身の御見解伺えたらと思っております。
#227
○国務大臣(麻生太郎君) これ今初めて読んだんですけれども、今一言で言ったら、このアメリカの日本に対する評価に対しては不満です。
#228
○緒方靖夫君 ただ、私はここでも以前にも議論いたしましたけれども、例えば、アメリカの国務省はその年次報告書の中で人身取引の状況についても厳しく批判してくる、これはずっと連続的にやられております。二年ほど前でしたか、人身取引の議定書の質疑の際に、私は当時の町村外務大臣にも質問をいたしましたけれども、そのとき、一つの参考意見として我々も耳を傾けるべき点があるだろうと思っているという答弁でした。
 今回の報告書については、日本は改善に努めているとある一方で、最低基準は完全に満たされていないと、そういうことも言われております。私はアメリカの言っていることは一つの評価であるというふうに思いますけれども、やはりこういうことがアメリカの国務省の報告書の中で繰り返し出されるという、そういう問題というのはやっぱりいろいろ考えるところがあるんじゃないかと私は思います。
#229
○国務大臣(麻生太郎君) いきなり言われたんで、ぐちゃぐちゃ言われてもよう答え切れませんですな。ただ、今これを出されて、アメリカの抗議に対してどう思うかといえば不満。というのは、もう率直に言って、お互いさま、言えた義理かねと言いたくなるところもないわけじゃありませんから、はっきり言って。だから、そういった意味では不満。
 共産党がアメリカの評価だけえらく高く買われるんで驚いているのも正直なところですけれども、今これ一部分しか読んでいませんので、もうちょっと熟読した上で御質問が、こういうのはもうあらかじめ言っておいた方が今後まともな答弁ができると思いますので、よろしくお願いします。
#230
○緒方靖夫君 私は、アメリカであろうとどこであろうと、いいものはいいという考えですので(発言する者あり)ええ、そうです、そうです、そういう考えですから。ですから、そういうことですね。
 ですから、私は、大臣が不満だと御答弁されたのは大臣の心情として聞きましたけれども、しかし、政府の外務の長として、やはりアメリカの国務省から系統的に、連続的にやはりこういうことについての、人権について不足があると言われている。大臣は御不満かもしれませんけれども、こういう点については、こうした問題についてはやはり今後考えていく必要があると思います。私は、今日確かに突然な話ですので、大臣御自身の御準備がないと思います。ですけれども、やはりこういった問題については日常的に議論されてきた問題だと思いますので、その点でそのことを申し上げました。
 とりわけ、私はこの人身売買の関係のことで言うと、特にアジアから技術習得のために日本に来て働く、それを受け入れて支援するという、そういうシステムが日本にできていますよね。そういう研修生の問題等々、これは日本の国際貢献の一つとして高く期待されていると思いますし、それからまた同時に、日本もそのことを貢献の一つとして考えられていると思います。ですから、こういう研修、実習ということで批判を受ける、そのことは、国際的な日本の関係あるいは経済関係、経済発展等々にとってやはりこれは好ましくないと思うんですね。ですから、そういう立場から、今日は細かい話に入るつもりは全くありませんけれども、要するに、アメリカ国務省からのそういう報告書があり、またその中で一度ならず言われてきたという、そういう点からも、今後の日本の外交にとってやはりこういうことが繰り返し指摘されないような方向で考えられていくということが必要ではないかということを述べておきたいと思います。
#231
○国務大臣(麻生太郎君) 時間だと思いますけれども、言われっ放しでいつも終わりますので。
 精査した上でこれまでもこの種の話に対しては反対の申入れをしてきておりますので、精査をした上で改めて申入れをしたいと思いますが、この種の話は、これは米国の評価いかんに関係ないですよ。米国の評価いかんにかかわらず、問題があるなら適切に対応すべき、それが当然だと思います。
#232
○緒方靖夫君 今日はILOのパート労働の話、それからまた海洋投棄、この話、それから今の話と。やはり私は、日本のブランド、やはり自由と民主主義と人権、これをいつも掲げてきたと思います、大臣御自身もそうだと思うんですがね。ですから、そういう点からやっぱりこの辺のことについてはしっかり考える必要があるというふうに思います。
 私は国連のジュネーブの人権委員会に随分通いました。それから、市民的・政治的自由に関する国際規約の日本政府の履行状況についての審査にも参加したことがあります、オブザーバーとしてですけれども。そういう中で、やはり日本の人権状況ということはかなりいろんな批判を受けている。やっぱりそういうことが日本の、国務省の報告書にも現れていると思うんですね。
 ですから、そういった点で、今日ここで述べたことも、またそれからアメリカから提起されたことも、大臣御自身は御不満かもしれませんけれども、ただ単にそれでそう済ますんじゃなくて、やはりそういったことについて我が身を振り返って考えるという、そういうことに役立てていただくことを期待いたしまして、時間ですので質問を終わります。
#233
○大田昌秀君 午前の委員会でもお伺いしましたけれども、沖縄の民間港湾への米艦船の寄港問題というのは大変重要な問題と私は考えますので、改めて外務大臣にお伺いいたします。
 聞くところによりますと、米掃海艇は最初石垣島への寄港を打診したんですが、これが困難であったために与那国島へ寄港することになったようです。それで、米側から米艦船が石垣島や与那国島に寄港するとの通報が外務省に対してございましたでしょうか。
#234
○国務大臣(麻生太郎君) アメリカ側から、米艦船を石垣島に入港させるという件につきましては、午前中の答弁でも申し上げましたとおりに、通報は行われておりません。
 一方、アメリカの艦船の与那国島への寄港につきましては、事実関係について改めて説明をさせていただきます。
 与那国島への寄港につきましては、六月の五日、アメリカ側から海上保安庁を通じて通報があったということであります。その内容、米掃海艇二隻、パトリオット及びガーディアンというのを二隻、友好親善、休養を目的として与那国島に寄港させるというものでありまして、海上保安庁を通じ沖縄県に対して通報をさせていただいております。
 以上です。
#235
○大田昌秀君 環境省にお願いいたします。
 これは通告はしてございませんけれども、簡単な質問でございますので。
 ロンドン条約九十六年議定書は二十六か国以上の加盟批准で発効するわけなんですが、現在、何か国が批准しているんでしょうか。
#236
○政府参考人(谷津龍太郎君) お答え申し上げます。
 三十一でございます。
#237
○大田昌秀君 ありがとうございました。
 また環境省にお願いいたします。
 ロンドン条約千九百九十六年議定書の締結の準備の一つとして、二〇〇四年に同議定書の国内対応法である海洋汚染防止法の改正が行われました。この改正時に、国際的には陸上で処分されているアルミニウムの原料のアルミナを製造する過程で出る残渣の赤泥を海洋投入処分の許可制度の対象とするとなっていますが、これは現在もそのとおりですか。
 また、議定書締結に当たり、海洋投入処分が中止される廃用火薬類について陸上処分をどのように進めるのか、さらに、これまで海洋投入処分されていた年間約一千トンの廃棄物をどう陸上で処理できるのか、その辺の問題について御説明ください。
#238
○政府参考人(谷津龍太郎君) お答え申し上げます。
 平成十六年度に改正されました海洋汚染防止法では、廃棄物の海洋投入処分に当たりまして審査を行いまして、適切な場合に限って環境大臣が許可を与えるという制度を新設いたしまして、本年の四月から施行いたしております。
 お尋ねの赤泥につきましては、ロンドン条約議定書におきまして、不活性な地質学的無機物質に該当すると判断されております。したがいまして、海洋投入処分が検討できる物質として扱われております。このため、我が国におきましても、厳正な審査の下、海洋投入処分の許可を発給しているところでございます。
 なお、我が国は、平成十七年に改正されましたロンドン条約締約国科学者会合におきまして、平成二十七年末までに赤泥の海洋投入処分を中止すると表明しております。
 また、廃火薬類についてのお尋ねでございます。
 廃火薬類につきましては、ロンドン条約議定書におきまして海洋投入処分が検討できる物質とはされておりません。このため、平成十八年に廃棄物の処理及び清掃に関する法律の施行令を改正をいたしまして、廃火薬類の海洋投入処分を禁止したところでございます。現在、関係機関におきまして、それぞれ陸上処分の体制が整備されつつあるというふうに承知しております。
#239
○大田昌秀君 もう一つ環境省にお願いいたします。
 ロンドン条約千九百九十六年議定書に合わせて海洋汚染防止法が今年改正されて、廃棄物の海底への廃棄を原則禁止するとともに、二酸化炭素は海底廃棄についての許可制度を創設することになっています。しかし、地中に貯留された二酸化炭素の安全性が懸念されています。新潟県の長岡市及び北海道夕張市において実施されている地中貯留に係る実証プロジェクトの現状を含めて、この安全性について簡潔に御説明ください。
#240
○政府参考人(谷津龍太郎君) 二酸化炭素の地中の貯留に関します安全性のお尋ねでございます。
 二酸化炭素の貯留につきましては、IPCC、気候変動に関する政府間パネルでございますが、この科学者による技術評価レポートが既に公表されております。
 そのレポートによりますと、海底下の地層に貯留をするということにつきましては、厳正な一定の手続の下で貯留が行われ管理が行われればほぼ漏えいすることはないという評価になってございます。
 また、国内で今実験的にやられている部分についてのお尋ねでございますが、先般の地震によります影響が懸念されたわけでございますが、あの地震の前後においても漏れがないということが検証されております。したがいまして、安全性は極めて高いというふうに考えております。
#241
○大田昌秀君 もう一度環境省にお願いいたします。
 今年の四月二十二日付けの日本経済新聞は、日本、米国、中国、韓国、インドが二酸化炭素を排出しない石炭発電の共同開発に取り組むことになったと報じています。これは二酸化炭素の回収、貯留、いわゆるCCS技術の活用による更なる利用ということになるかと思いますが、環境省はこのような動きをどう評価なさっておられるんでしょうか。
#242
○政府参考人(谷津龍太郎君) 温暖化対策の国際協力に関するお尋ねでございます。
 これから温暖化対策を進めていく上には、先ほどのハイリゲンダム・サミットでもございましたように、中国、インドあるいは京都議定書に加盟をしていない米国の参加は不可欠でございます。その一つのかぎを握っているのが、今先生御指摘の二酸化炭素を排出しないような技術をどうやって開発していくかということでございます。したがいまして、今おっしゃられましたような国々が共同して新しい技術開発にチャレンジするというのは、今後の国際的な温暖化対策を進める上で極めて有効と考えております。
#243
○大田昌秀君 厚生労働省にお伺いいたします。
 職業安全衛生枠組み条約の第四条には、加盟国は労使と協議して安全衛生のための国のシステムを確立するとあります。労働の安全衛生についての労使と国との間の協議システムは現在どのような形になっているのでしょうか。また、今後どのようになさるおつもりなのか、お考えをお聞かせください。
#244
○政府参考人(小野晃君) 労働安全衛生に関する事項につきましては、労働者を代表する者、使用者を代表する者及び公益を代表する者により構成されます労働政策審議会安全衛生分科会におきまして調査審議が行われているところでございます。具体的には、労働安全衛生法令の改正等に際しましてこの審議会に諮問をし、労使を含めた委員に十分審議をいただき答申を受けているというところでございます。
 今後とも、こういった調査審議を行っていただき、これを施策に反映していきたいというふうに考えております。
#245
○大田昌秀君 次に、防衛大臣にお願いいたします。防衛省でも結構でございますが、大臣には本当に二度もお出ましいただいて恐縮です。
 自衛隊が我が沖縄県内で回収した不発弾のうち、大型のものや空気に触れると燃え上がる黄燐弾のほか、小銃弾など処理が難しいものをコンクリートで固め、陸上自衛隊が年二回程度、沖縄本島南南東から約百二十海里離れた琉球海溝に投棄してきました。二〇〇一年に十三・六トン、二〇〇二年に十七トン、二〇〇三年に十四トン。見付かった不発弾の五割以上が海底に投棄されているという実情でございます。陸上自衛隊の第一混成団第一〇一不発弾処理隊によりますと、同隊が年間に処理する不発弾のうち海上投棄が約四割で陸上処理が六割と言われております。
 今後、海上投棄ができなくなったらどう処理なさるおつもりなのか、また陸上での処理というのは具体的にどのようになされているのでしょうか。さらに、また今後の対策について御説明いただけますか。
#246
○政府参考人(山崎信之郎君) 従来、海洋投棄処分をしておりました分につきましては、環境省さんの方から必要な予算を計上いたしましてそれを防衛省が事業化をして実施をするという形態を取って処理をするようにしております。今年度は約十三億九千万円の初度予算を取っておりまして、これに基づきまして来年度あるいは再来年度ぐらいから順調にいけば民間によって処理ができるだろうと。それまでの間は、不発弾を発見をしまして安全化処置、これは信管を抜いて安全化処置をしたものについて取りあえず沖縄の弾薬庫に保管をしまして、その後民間の方で処理をいただくという形になろうかと思います。
#247
○大田昌秀君 全国で一年間に見付かる不発弾の約四割が沖縄に集中して、陸上自衛隊には大変御苦労をお掛けしているわけなんですが、今残っている発掘されてない不発弾をどの程度あると評価されておられますか。それから、これを処理し終えるまでにあと何年くらい掛かると見積もっておられますか。
#248
○国務大臣(久間章生君) これは、とにかく自衛隊法ができましたときに、戦後当分の間は自衛隊においてこの不発弾の処理をする、ほかに能力がないわけですから、信管を抜いて爆発しないようにするという形で、当分の間ということで、することができるという、しかもですね、義務としてではなくてできるという形で法律が作られておるわけですけれども、正直言いましてなかなか、出てきたときにやるわけでございますから、これから先どれぐらい発見されてくるか、これはなかなか難しいんですね。だから、いつまでに終えるとかそういうこともはっきり申し上げられない状況でございますから、やっぱり当分の間は続いていくというふうに思っておかないといけないんじゃないかなと思っております。
 ただ、本土と比べて沖縄が非常に、比較的多いというのは事実でございますから、これから先も沖縄の方が出てくる率は高いんじゃないかなという感じはいたしております。
#249
○大田昌秀君 私が聞いたところではあと五十年から六十年くらい掛かると言われております。
 さて、これも内閣府にお聞きした方がいいかと思いますが、一応防衛省にも伺わせてください。
 御承知のように、恩納村というところがもう十年以上も前に返されて、これは軍用地特別措置法の適用第一号でございますけれども、その返還地跡地というのは六十二ヘクタールくらいあるわけなんですね。ところが、いざ使おうとしたら、PCBとか七種類くらいの毒素が土壌を汚染していて使えなくなりました。それで、橋本元総理のときに大変御尽力いただいて、その汚泥を約八百本くらいのドラム缶に入れて自衛隊基地に保管してもらっているわけなんですが、それは今どうなっているんでしょうか。
#250
○国務大臣(久間章生君) これ、私が防衛庁長官のときでしたからよく覚えております。とにかくPCBが汚泥の中に浸透して、その汚泥ごと集めましてドラム缶に入れて、どこも扱ってもらえないものですから航空自衛隊の基地の中にあのとき置いたままになって今日に至っております。
 いろいろ地元の町ともその後も協議してきましたし、私も自分のときの問題ですから、これは非常に早く解決しなきゃならないとやっておりましたが、いろんな処理方法についても合意した点もあったんですけれども、地元の漁協とまた話が付かないとかいろんなことがございまして、PCB全体の処理を今国全体として各地区ごとに分けながらやっておると。そして、あの当時は県を越えてはPCBを移動さしちゃならないという、そういう原則がありましたので、そんなことではできないというようなことから、今環境省の方でもそれはもう越えてできるようにしておりまして、かなり技術的にも進歩してきておりますから、私はこれは近いうちに解決できるんじゃないかなと思っております。
 ただ、その予算をどこが組むことになるのか、これは今までの経緯からいって防衛省において組まざるを得ないんじゃないかなと思っておりますけど。
#251
○大田昌秀君 沖縄の土地というのは、沖縄は狭いところですから、その六十二ヘクタールというのをうまく活用するとすごくいいことができると思うわけなんですね。ところが、実際に使われているのは四・二ヘクタールくらいしか使われていない。ですから大変な損失になるわけです。
 そこで、私は内閣府の方にお願いいたしまして、今大学院大学を沖縄につくろうとしているわけなんですが、よその土地を買うよりはそこを利用したらどうですかということをお勧めしたわけなんですけれども、これはもう大臣にお願いしたいんですが、防衛省の方からもひとつ側面から御支援いただけたら大変有り難いと思いますので、よろしくお願いいたします。
 さて、あと一点、もう何度も同じことをお聞きしてこちらも恐縮しているんですが、けじめ付けさせていただきたいんですが、防衛大臣、去る六月十二日の本委員会で、海上自衛隊が沖縄の辺野古に出動した法的な根拠についてお伺いしました。防衛省設置法の第四条十八号を踏まえて、大臣は国家行政組織法第二条二項に基づくと説明されましたが、私の理解が間違いでなければ、防衛省設置法第四条は防衛省の所掌事務を定めたものであって、自衛隊部隊の出動をさせる直接的な法的根拠にはならないのではないかと思うんですが、その点いかがでございますか。
#252
○国務大臣(久間章生君) 防衛省設置法第四条は確かに防衛省の職務の内容を言っているわけでありまして、施設庁はそれに基づいてその仕事をしなければならないわけであります。そのときに、施設庁が海上自衛隊に依頼をするというのは、国家行政組織法の第二条でその各省庁間の協力をしなければならないという、そういう規定がございますから、よその省庁でも協力をしなければならない、あるいは協力することができるんなら、一つの省庁内だったら機関同士が協力するのは当然であるという、そういう趣旨から、この国家行政組織法の規定の趣旨を踏まえて、防衛施設庁がその職務の内容について海上自衛隊に依頼をしたということでございますので、そういうふうに理解していただければ、国家行政組織法の二条とか防衛省設置法の四条とか、そういったことを総体的に見まして、このことについて海上自衛隊が協力をするのは決してそういう法の趣旨に反することにはならないということであります。
#253
○大田昌秀君 最後の質問になりますけれども、去る六月十二日の本委員会で、防衛省の御答弁で、情報保全隊の任務は部隊の秘密や規律、施設などを保護するのに必要な資料や情報の収集であるとのことでございました。
 ここで改めてお伺いしたいのは、情報保全隊の情報収集というのは一般のマスコミの情報収集と同じようにお考えですか、それとも、どこが似てどこが違うというふうにお考えでしょうか。
#254
○国務大臣(久間章生君) 自衛隊という、自衛隊の行動あるいは組織に対する保全上必要な情報収集ということで、それは非常に情報収集の内容は限られてまいりますから、一般論として何でも収集するということではないと思います。やっぱり自衛隊に関することで今行われているようないろんな運動が、あるいはまた抗議活動でも結構ですけれども、それが自衛隊にどういう影響を与えるんだろうかという、そういう自衛隊の保全という、行動の保全、組織の保全、そういうサイドから情報収集を行うという、そういう意味では限定されております。
 私、あのとき答弁で幅広くと言いましたのは、これは一つには、非常に秘密漏えいの問題について、要するに隊員あるいはまた内部のそういう職員に対してだけはできるけれどもそれ以外できないんじゃないかという、そういう答弁のやり取りがかつての議事録に載っているというようなことから緒方先生から質問ございましたので、あのときは秘密漏えいの問題についての議論の中で言ったのであって、それ以外の、保全隊というのは、元々が調査隊であったのをそれを拡充して保全隊にしたわけでありますから幅広くできるんですよということを申し上げたわけでございまして、何でもできるという趣旨じゃございませんので、その辺誤解のないようにひとつお願いしたいと思います。
#255
○大田昌秀君 ありがとうございました。終わります。
#256
○委員長(田浦直君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 まず、千九百七十二年の廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約の千九百九十六年の議定書の締結について承認を求めるの件の採決を行います。
 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#257
○委員長(田浦直君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 次に、職業上の安全及び健康を促進するための枠組みに関する条約(第百八十七号)の締結について承認を求めるの件の採決を行います。
 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#258
○委員長(田浦直君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 なお、両件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#259
○委員長(田浦直君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時三十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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