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2007/03/28 第166回国会 参議院 参議院会議録情報 第166回国会 内閣委員会 第5号
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2007/03/28 第166回国会 参議院

参議院会議録情報 第166回国会 内閣委員会 第5号

#1
第166回国会 内閣委員会 第5号
平成十九年三月二十八日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         藤原 正司君
    理 事
                秋元  司君
                鴻池 祥肇君
                朝日 俊弘君
    委 員
                佐藤 泰三君
                鈴木 政二君
                田村耕太郎君
                竹山  裕君
                林  芳正君
                山谷えり子君
                神本美恵子君
                木俣 佳丈君
                黒岩 宇洋君
                郡司  彰君
                松井 孝治君
                風間  昶君
                白浜 一良君
                亀井 郁夫君
   国務大臣
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)    溝手 顕正君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  鈴木 政二君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鴫谷  潤君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       山浦 耕志君
       警察庁刑事局組
       織犯罪対策部長  米田  壯君
       外務大臣官房審
       議官       長嶺 安政君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○犯罪による収益の移転防止に関する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(藤原正司君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 犯罪による収益の移転防止に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣審議官山浦耕志君外二名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(藤原正司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(藤原正司君) 犯罪による収益の移転防止に関する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○秋元司君 自民党の秋元司でございます。
 本当に質問の機会をたくさんいただきましてありがとうございます。早速、今日は三十分でございますから本題に入らさせていただきたいと思いますが、今日は、犯罪収益移転防止に関する法律案ということで、いわゆるテロを未然に防ぐ、そしてまた、その前段とされるマネーロンダリングをどう防止していくか、そのために世界が共通でFATFの場で協議したことを、それぞれの各国がそういった精神、勧告を遵守することによって、世界全体でこういった流れを止めていこうと、そのための私は法律であるというふうに理解をさせていただいているところでありますけれども。
 金融については既に金融庁の方が、先にできた、ちょっと法律名、今ど忘れしましたけれども。先に、金融につきましては、銀行関係者が、金融関係者がこういった個人情報というものに対して、実際、自分が預金をされると当然、銀行口座をつくるときには個人の身分提示をする、もう一つは身分確認をする、そしてひいては、疑わしい取引があった場合は金融庁に上げるという、こういった法律が先にできている中で、今度は、今回、これをまたいわゆる警察庁、国家公安委員会の方が所管をして総合的にこういった目的のために取り組むという法律であるという私の理解でありますけれども。
 改めてお伺いしたいわけでありますが、このFIUの国家公安委員会への移管ということでございまして、そういったことがされる、今、私自分でも申し上げましたが、理由を含めて具体的に、今回この法律が通ることによって、移管されることで何がどう変わっていくのか、そしてまた、最終的にはそれによってどうまた行政当局が対応していかなくちゃいけないのか含めまして、大臣の見解をお伺いしたいと思います。
#6
○国務大臣(溝手顕正君) おっしゃるとおり、これまでは、FIU機能は金融機関を所管する金融庁が行っていたところでございますが、金融機関以外の業種も対象となること等を契機にして、暴力団その他の組織犯罪対策、あるいはテロ対策等に中核的な役割を担っております国家公安委員会並びに警察庁にその機能を移管することが適当であるということが政府において判断なされたところでございます。
 したがいまして、移管後のFIU体制につきましては、今般の法案に盛り込んでおりますように、平成十九年度は新規の増員、金融庁からの振替等によりFIU移管初年度として約四十人の体制でこれを担当することといたしております。
 移管後におきましては、国家公安委員会、警察庁がFIU機能を担うことによりまして、まず暴力団、テロ組織、大量破壊兵器関連物資等に関する資金源対策の推進強化を図れること、あるいは関連情報や専門的知見を活用した分析ができること、あるいは国際捜査共助等の経験を生かした外国機関との情報交換の促進が期待できる等の効果が期待できるものと期待をいたしております。
#7
○秋元司君 言ってみれば、日本における取締り当局の方に移管されることによって、これまで警察庁におかれましては様々な事件等にも対処されてきた、そういったノウハウが蓄積されたところに、今回こういった情報が一気に国家公安委員会に集中することによって、いろんな犯罪パターンもあるでしょうから、そういったものを未然に防ぐということにつながっていく、それはそれである意味で私は期待をしているところでございますけれども。
 一方で、今回このFIU、日本の場合においては今回国家公安委員会に移管をするということでございますが、諸外国はどのような機関にこのFIUを設置されているのか、お伺いしたいと思います。
#8
○政府参考人(米田壯君) FIUは各国それぞれ必ず置きなさいということになっておるわけでございますが、このうち捜査機関といいますか、捜査を所掌する機関に設置をしております国は、FIU加盟国三十一か国・地域のうち十七か国でございます。主要国でいいますと、イギリス、これが組織犯罪対策庁、SOCAと言っていますが、それからドイツが連邦刑事庁といったところでございます。これ以外の国は財政金融当局あるいは独立の機関にFIUを設置してございます。
#9
○秋元司君 諸外国でもまだ対応が実は、何といいますか、警察、いわゆる取締り機関が持つところとそうじゃないところに持つところとばらばらということでございますよね、結果的には。でも、日本の場合はいち早く取締り当局がこのFIUに対して対応するということで今回の決議であると思うんですけれども。
 実は、いろんなこの法律について意見を言われる方が、いろんな団体の方もいらっしゃいまして、なぜ日本だけ、日本をいち早く、国家公安委員会へ移管するのかということに対してはいささか否定的な意見を持っていらっしゃる方もいるわけでありまして、今後とも、今回この法律が通ったならばその意味というものをまた周知していただいて、そしてまたこれが移管したことによってしっかり当初の目的を果たすべく、そういったことのための御努力というものを今後期待をさせていただきたい、そのように思うわけであります。
 ちょっと中身について少し何点か触れさせていただきたいと思うわけでありますが、今回国家公安委員会へ移管することによって、いわゆる特定事業者としてそれぞれの事業者を、対象とする事業者を選定していらっしゃるわけでありますけどね。実はうちの筆頭も言っていたんですけれども、この事業者の中には絵画を扱っているような実は事業者は入ってないという、はたから見るとどうしてかなという思いも多々あるわけでありますけれども、改めてお伺いしたいわけでありますが、今回の対象業者を、特定事業者を今回法律に明記した対象業者に絞った理由というのはどういった点が挙げられるんですか。
#10
○政府参考人(米田壯君) 今回の法律の内容として、一つは現在金融機関に掛かっております本人確認等の措置の対象事業者を拡大をすること、もう一つはFIUを金融庁から国家公安委員会に移管をすること、この二つでございます。
 対象事業者を拡大した考え方でございますけれども、FATF勧告、平成十五年の六月に改定をされました。その新しい勧告におきまして、従来の金融機関以外に、ファイナンスリース、クレジットカード、不動産業、それからトラスト・アンド・カンパニー・サービスプロバイダー、それから法律、会計の専門家と、こういったものをそういう対象事業者に入れなさいと、こういう勧告がなされております。
 この法案の作成に当たりましては、その勧告を踏まえまして、なおかつ我が国の国内で業の実態があってマネロンリスクも認められるものということで、今回のファイナンスリース、クレジットカード、宅地建物取引業、貴金属・宝石商、郵便物受取・電話受付代行業及び各士業者というように対象事業者を選定をしたわけでございます。
 絵画のお話でございますけれども、この法律は条約の実施法というわけではなくて、あくまで国内法でございますから、国内のマネロンリスクということを勘案して、FATF勧告になくても、それは事業者を追加していくということはそれは考えられることではございます。この辺は全体の犯罪の状況、マネーロンダリングリスクの状況等を勘案しながら、今後検討してまいりたいというふうに考えております。
#11
○秋元司君 今の御説明だと、要は第一弾として、第一弾としてはFIUからの勧告に基づく対象事業者を選定して、これ今後進む中で問題がありと思われている特定事業者に対しては追加をしていく余地があると、そういった解釈でよろしいんですよね。
#12
○政府参考人(米田壯君) さようでございます。それはその後の推移を見ながら、本当にそういうおそれがあるということであれば追加するということも検討されるべきであろうと考えております。
#13
○秋元司君 それで、実はこの対象事業者となる皆さんからいろんな、この法律が作られるに当たって当初から不安の声があったわけでありまして、特に弁護士さんを始めとする士業を行っている皆さんからは、果たしてこの法律ができることによって自分たちの業務に支障が出るんじゃないかという声もありましたし、またその士業以外の方からも、これまで自分たちが築いてきた顧客との信頼関係をこの法律が通ることによって損なわれて、言ってみれば商売上に非常な負担を要するんじゃないかとか、そういったいろんな声が飛んでいたわけでありますけれども。
 恐らく今日に至るまで、警察もさることながら、それぞれ対象事業者の中には、何といいますか、所管する役所があるわけでありますから、そういった役所を通じて、またいわゆる業界ともそれなりの議論をして調整を図ってこられたと思うんですけれども、金融についてはもう先行してやって、金融庁の所管する特定事業者につきましてはもう先行してやっているでしょうから、別にこれについて何か新しいことがある意味追加されるというイメージじゃないでしょうから、これはスムーズだと思うんですけれども、新しくやっぱり新規に対象となった特定事業者については、やっぱりいささか混乱もあると思うんですよ。
 例えば貴金属を扱っているような、宝石類、こういう事業者については、こういう業界特殊上、実は常に現場でのやり取り聞きますと、例えば警察からいろんな問い合わせがあったときには積極的に情報開示をするだとか、又はもし犯罪的なことがあるのであれば、現場レベルでは常にこの捜査協力をしてきたという彼らの自負がありまして、そういった中で今回こういう新しく法律が成ることによって、その今までの業界として誠意を持って警察当局には協力してきたという思いがある意味踏みにじられるような行為をされると、それは本当に心外だという、そういった思いがあるという声を私のところにも届いておりましたんで、こういった法律の意味と、これはもう非常に我々も大事なことであるという思いはありますけれども、これは難しいんですけどね、このさじ加減が。
 この法律を作ることによって、当然これに対する強化を図るべく、結果的に商売上に支障を来すだとか、場合によっては、私が一番恐れているのは、いわゆる正直者がばかを見るといいますか、この法律ができたものだから、しっかりある意味個人、身分確認を商売上、商売をするときには行っていくという遵守をする事業者と、もう一つは、そういったものを、法律は決まっているけれども、まあいいだろうなというふうになあなあに済ませているところが同時進行に走ると、もうお客さんの気分によっては、面倒くさいんだったらおたくとはもう取引をしないなんというお客さんもいるかもしれないこともあって、そうなると非常に、この制度をつくったけれども、そこに不平等感が生まれて、結局これだけの立派な法律を作ったけれども、これが徹底されないということにつながってしまっては何のための法律なのかなという思いもあるわけでございまして、そういった心配から、今現在、この法律を所管する警察庁としては、そういった新規の対象事業者に対してどういった法律の運営上の方策というものを考えていらっしゃるか。今はまだ通っていないからあれなんでしょうけれども、今想定できる範囲で結構でございますから、お答えいただけますでしょうか。
#14
○政府参考人(米田壯君) まず、各特定事業者に直接応接するのは、これはそれぞれの所管行政庁でございます。この所管行政庁が日々届出を受けたり監督をしたりするわけでございますけれども、まず各事業者が混乱をしないように、なるべく詳細なガイドラインを業界の意見を踏まえながら作成をしていくということがまず重要であろうと思います。これは、私どももその後押しをして協力できることは協力してまいりたいと考えております。
 それから、実際の運営、運用になりますと、個別の事業者間でいろいろ取扱いに差といいますか、違いが出てまいるということもこれは想定できるわけでありますけれども、その不公平感が生じないようにということが大事であろうかと思います。
 この法案では、義務履行の確保につきまして、直接その罰則を科すということをしておりません。まず、指導、助言、勧告という仕組みを置いておりまして、更に是正命令という仕組み。したがいまして、この是正命令にまで至って、なおかつそれに従わないような悪質な業者、ここに初めて罰則が掛かると、こういう仕組みにしておりまして、事業者、いろいろ規模あるいはその取引実態、さらには違反といいましても、その態様や程度というのはいろいろ差があります。それに応じてきめ細かな是正措置が可能になるというような、そういう仕組みにしておるものと考えております。
 例えば、もちろん犯罪収益と認識して取引上そのお金を受け取ってしまえば、これはもう犯罪収益の収受罪になってしまうわけでありますが、そこまで至らなくても、例えば暴力団の言わば金庫番と言ってもいいような非常に癒着したような関係にある悪質な事業者、それとまじめにやっておられる事業者。ここで、まじめにやっておられてたまたま何か形式的な違反をするというようなところで、やっぱりそこはめり張りを付けて、処分にしても、監督処分にしても、そこはめり張りのある対応をこの仕組みでは行うことができるであろうというように考えております。
 それから、そういう義務を一生懸命まじめに履行しているという事業者が、何といいますか、正直者が不利になるというようなことがないように、やっぱり悪質な事業者に対しましては事業監督官庁の監督もございますけれども、これは国家公安委員会自らが、これ第十七条というのがございまして、直接その調査権を持っておりますので、そういうことも活用して、所管行政庁と連携して、そういう何といいますか、不公平が生じないように運用、運営をしてまいりたいというように考えております。
#15
○秋元司君 是非、今おっしゃっていただいたことを念頭に、しっかりこの法律を執行していただきたいと思うわけでありますけれども、ここではいつもそういった御答弁いただくんですけれども、結構現場へ出ますと、今おっしゃられていたようなことが現場レベルに行きますとなかなか実行されないということが度々聞かれますので、現場も含めまして、そういったものの徹底というものを是非やっていただきたいと思います。
 それで、今回の法律の中で一番私はポイントとなるであろう疑わしき取引の届出という、この分野でございまして、疑わしき取引というものをすべて一応報告として上に上げなくちゃいけないということでございますけれども、それぞれ特定事業者を所管する行政庁を通じてガイドラインを当然作られるという話でありますが、直観的に、疑わしき取引ってこれ非常に定義が難しいかと思うんですけれども、一般的に言われるこの疑わしき取引というのはどういったことを指していらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
#16
○政府参考人(米田壯君) 現行法、それから今度の法案でもそうでございますが、疑わしい取引といいますのは二つのパターンがございまして、一つは業務において、この特定事業者の特定業務においてということですが、において収受した財産が犯罪による収益の疑いがある場合、それと顧客等が特定業務に関し犯罪による収益の隠匿罪に当たる行為を行っている疑いがある場合と、この二つの場合に届け出なさいということになっておるわけでございます。
 で、この疑わしいの判断基準でございますが、各業界における一般的な知識、経験に照らしそれぞれの事業者で判断をしていただくということになるわけでありますが、その判断の、何といいますか、目安となりますそのガイドラインが、現在金融庁から対象になっております金融機関に対して示されております。入出金のパターンでありますとか相手方の属性でありますとか、いろんなかなり細かい、参考事例ということで紹介をされております。これは、必ずしもこれに当たれば届出をしなさい、あるいはこれに当たらなければ届出をしなくていいということではなくて、あくまで手掛かりとして定められておるものでございます。
 で、今度この法律案が、これは成立をいたしませば、ガイドラインを各特定事業者ごとに各所管行政庁が示すことになると思いますけれども、先ほども申しましたように、業界と十分に調整を図った上で、パブリックコメント等の手続も経て使いやすいガイドラインを作ってまいりたいというように考えております。
#17
○秋元司君 まあ、悪いことをする人というのは非常に巧みでありまして、本当にテロ資金をどうのこうのしようとしたとか、もう確信犯でマネーロンダリングをどうこうしようという皆さんは、いやこれ本当、プロ中のプロでありましょうから、本当にこれ難しいかと思うんですけども、そういう皆さんと、いわゆる一般ピープルをごっちゃにしますとえらいことになると思いますんで、是非そのガイドラインというものを、特定事業者に合わせたガイドラインができることを我々も見守ってまいりたいと思いますので、是非しっかりとしたものを作っていただきたいなと思うわけであります。
 あわせて、今回このいわゆる疑わしい取引届出につきましては、いわゆる内報の禁止ということがある意味明記されているわけでありますけれども、一部の声では、ある意味これじゃ、何か密告の強制じゃないかなんていう声もあろうかと思いますが、こういった声に対してはどのようにお考えですか。
#18
○政府参考人(米田壯君) この内報の禁止というのは、これは疑わしい取引の届出の制度と表裏一体のものでございまして、具体的な場面を申し上げますと、疑わしい取引の届出がされると、それが捜査機関にFIUから提供されますと、そこから証拠を収集し犯人を特定して、そして検挙に至るわけでありますが、当然、その間にタイムラグというのがございます。
 で、疑わしい取引の届出をした、あるいはしようとするということを相手方に告げる、つまり内報をしてしまうということになりますと、これは犯罪者の方が、取締り機関が情報を得たなということで、それは証拠隠滅あるいはその収益を更に別のところに移転をして隠すと。したがいまして、収益の追跡そして被害回復ということが阻害をされると、こういうことになるわけでございますんで、この疑わしい取引の届出の制度においてはこれはもう内報の禁止は一体のものでございます。
 で、FATFの勧告におきましても、疑わしい取引の届出の事実を漏らすことは、これは法律で禁止されるべきであるとして、この義務違反に対しましては抑止力のある制裁措置が確保されるよう各国に求めると、こういうようになってございます。
#19
○秋元司君 ありがとうございました。
 もう残りがわずかでございますから、まあ我々といたしましては、こういった法律ができたことによって日本を取り巻くこの様々な環境がどう変わっていくのかということも同時に関心があるわけでありますけれども、いわゆるこの直近の、今、日本の課題としては、非常に北朝鮮に対する様々な問題をどう対処していくかということが国家としても最大の今問題でありましょうけれども、いわゆるこのマネーロンダリングということに関すれば、北朝鮮が一部関与されたということは周知の事実になっている部分があるわけでありまして、今回のこの法律が通った暁には、こういった北朝鮮が関与するようなマネーロンダリングにどういう影響を与えることができるのか、分かる範囲で結構でございますから、お答え願えますか。
#20
○政府参考人(米田壯君) マネーロンダリング事件の中で北朝鮮が関与するマネーロンダリング事件というものがもちろんあれば、法と証拠に基づいて厳正に対処するということといたしたいと考えておりますが、この法案が定めます現在の金融機関、さらには今度付け加わります特定事業者による本人確認、取引記録等の保存・作成、疑わしい取引の届出等の措置は、この種の事案の防止、そして事案が行われた後の収益の追跡ということに大いに役立つものというように考えております。
 なお、FIUが金融庁から国家公安委員会に移管されるということに伴いまして、国家公安委員会、警察庁におきます暴力団、テロ組織あるいは大量破壊兵器関連物資などの資金源についての専門的知見を活用いたしまして、この種事案についての情報分析の能力が一層向上するであろうし、そのように図ってまいりたいと考えております。
#21
○秋元司君 これが通ったならば、いわゆる、先ほども申し上げましたけれども、これまでの警察が取り組んでこられたノウハウと、そしてこれがFIUとの情報をリンクさせながら、そういったテロ又はマネーロンダリングの防止に向けて総合的な威力を発揮できるという解釈でよろしいのかなというふうに理解をさせていただいたわけであります。
 ですから、私は、これはこれとして本当に真剣に取り組んでいかなくちゃいけないことでありましょうし、今テロの、またマネーロンダリングというのも本当に国境を越えてグローバル的な形で行われるということがありましょうから、日本だけがこういったことに対処できなければ、日本が言ってみればそういったものの巣窟となってしまうという懸念の中で日本も法制を整えるということは、非常に私は理解をさせていただいているんです。
 ただ一方、これから個人もますますこういったことに常に興味、関心、興味というのは変ですが、関心を持ちながら、自らも常にこういった意識の中で生きていかなくちゃいけないということは当然であると思うんですけれども、残念ながら、各それぞれ国には国が成り立った文化というものがありまして、特に私は、直接警察とは関係ない話かもしれませんが、金融においてはもう何か過敏になるほどの何か厳格さがあって、非常に、特にまだ日本は、大分クレジット関係のカード社会に入りつつあるといえども、まだまだ現金で取引をするという方、特に個人においては余り、そんなにカードを頻繁に使うという方も少ないという中で、振り込みをする勝手だとか、いわゆる十万円以上はもうすべて個人の身分確認が必要だとなるとか、非常に生活する場においても言ってみれば使い勝手が悪いこともあるわけでありますよね。
 ですからこそ、当然こういった犯罪に対して我々は対処していかなくちゃいけないという思いはあるわけでありますけれども、そして世界が、FATFの場で議論したことを、勧告を受けたことを当然我々もその勧告を受け取って、グローバルの動きに対して対処をしていかないとということもあるんですけれども、やはりこれはそれぞれ国がどういうこれまでの経緯で成り立ってきたのか、そういった文化とか歴史ということも踏まえた上で、今後ともこのグローバル社会の中で日本はどう生きていくかということは、同時に私はこれ考えていかなくちゃならない点だと思いますから、是非そういったことを念頭に入れながら、今後とも、この法律が通った後、国家公安委員会、警察庁に我々がある意味期待している部分があると思いますので、取締りに関しては頑張っていただいて、極力こういったテロ対策又はマネーロンダリング、これが日本からすべてスタートしたということがないように頑張っていただきたい、そのようにお願い申し上げまして、また一分余っちゃいましたけれども、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#22
○朝日俊弘君 民主党・新緑風会の朝日でございます。
 限られた時間ですので、早速質問に入ります。
 まず、改めて今回こういう新しい法律を作ろうということになったその立法の経緯をできるだけ要約的にというか、ポイントを絞って御説明をいただきたいと思うんです。
 私の理解では、従来から組織的犯罪処罰法とかあるいは金融機関に関する本人確認法とか、それなりの仕組みがあった。しかし、それに代わる新しい仕組み、スキームを今回法律で決めるということですから、言わば新しい立法をするに当たってのそれなりの経緯と趣旨があるはずでありますので、議論のスタートとしてそこのところをまず御説明ください。
#23
○政府参考人(山浦耕志君) テロ対策において最も重要なことは、これを未然に防止することでありますけれども、そのため政府としては、国際組織犯罪等・国際テロ対策推進本部、これは、内閣官房長官を長とし、国家公安委員会委員長及び法務省、財務省等の関係省庁の副大臣をメンバーとしておりますけれども、この推進本部において、諸外国の制度も参考としながら、我が国におけるテロ未然防止対策の問題点及びその改善策等について検討を進め、その検討を踏まえまして、同本部は平成十六年十二月にテロの未然防止に関する行動計画を策定したところであります。
 この行動計画におきましては、今後速やかに講ずべき対策として、例えばテロリストを我が国に入国させないための対策、それからテロリストを国内で自由に活動させないための対策、あるいはテロに使用されるおそれのある物質の管理の強化等のいろんな項目につきまして、それぞれ各省庁がやるべきことを定めております。
 その中の一つに、テロ資金を封じるための対策の強化といたしまして、現在テロ資金対策に関する国際的な基準でありますところのFATFの勧告を実施するためにその実施方法について検討し、必要な法整備を早急に行うということにされたものであります。
 その後、関係省庁間での検討を踏まえ、平成十七年十一月に、FATF勧告実施のために必要となる法律案を警察庁が関係省庁の協力を得て作成し、今通常国会に提出することを同本部において決定したものであります。
#24
○朝日俊弘君 今の御説明の中にあったことでちょっと関連して、一つ本題に入る前に質問しておきたいことがあります。
 テロの未然防止に関する行動計画、これに基づいて今回の立法措置がとられたということはそれはそれで理解をしましたが、この行動計画の中には、今後の課題ということで、テロの未然防止対策に係る基本方針に関する法制などについても検討すると、速やかに結論を得るというふうに記載されていたと思うんですね。これは、今回の法案に入る言わば前の話でありますが、今日は官房長官がどうしてもお忙しいということですので、このテロの未然防止対策に係る基本方針、あるいは基本法と言った方がいいのか、について、もう少し各個別法で具体的なことを決める前に基本的な枠組みをきちっと決めておく必要があるのではないかと私も思うんですが、この点についてその後どのように検討され、今後どのように検討していくのか、お答えいただけますか。
#25
○内閣官房副長官(鈴木政二君) 朝日委員にお答えを申し上げます。
 今、テロ対策につきましては、これまで、今のお話のとおり、テロの未然防止に関する行動計画に従って必要な法律改正を行うなど、着実に推進に努めて、おおむね私どもとしては順調に実施していると思っております。これまで、今の御質問の中で行った個別の法改正に加えて、さらに御指摘のテロ対策の包括的なあるいは基本法的な法律を整備することにつきましては、その必要性及びまた内容について、各国いろいろの法制度がございますので、そういう研究しながら、関係省庁が一つ、一体となって鋭意に今検討をしております。
 政府としては、テロに関する厳しい情勢を踏まえまして、引き続き今、朝日委員のおっしゃるように、徹底した法整備に関して今研究、検討をしている最中でございます。
#26
○朝日俊弘君 確かに結構難しい問題だとは思うので、是非検討、研究を加えてほしいんですけど、あえて私がそのようなことをなぜ申し上げるのかというと、さきの国会でしたかね、感染症予防及び治療に関する法律というのが一部改正になって、バイオテロ対策の項目がその法律の中に盛り込まれた。その盛り込まれたことによって法律の中の罰則規定が物すごく重くなっちゃって、何か無期懲役とか一千万円の罰金とか、おどろおどろしい法律に変わっちゃったという、そういう経緯があって、これは個別の対応だけを考えていくと、下手するとあっちもこっちもそういうことになりかねないなと。だから、もっと、やっぱりテロを未然に防止するための基本的な考え方とか枠組みとか基本的な法制度というものを少し、難しいだろうけれども、検討して、個別具体的な対応だけにとどめず、そういう視点も絶えず持ち続けて検討してほしいということを私からも改めて要望しておきたいと思います。今の段階では、研究、検討を今後続けるということで理解をしたいと思います。
 さて、じゃ本題にちょっと戻りまして、今回の法律の立法作業に直接的な契機となったのが、先ほどから再々出てきているFATFの勧告と、こういうことであります。
 私も門外漢ですので、FATFとは一体何ぞや、よく分からないですね。英語を訳してみたら、金融活動作業部会というんですか。このことについて幾つかちょっと具体的にお教え願いたいと思うんですが。
 まず最初に、FATFというのは一体どういう組織、どういうもので、我が国がこれまでどんなふうに対応してきたのか。そして、どういう経緯で今回の勧告に至ったのか。その勧告というのは、法的な性格というのはどういう性格なんだろうか。我々は、例えば国連で条約を採択してそれをどう批准するかというのはよく話、聞くんですけれども、FATFの勧告というのはどういう法律的な位置というか、意味があるのかというのがよく分かりません。まず、その辺についてお答えいただけますか。
#27
○政府参考人(長嶺安政君) 私の方からお答え申し上げます。
 まず初めに、FATFとはどういうものかという点でございます。
 ただいま委員おっしゃられましたように、日本語では金融活動作業部会というふうに申しておりますが、これは、一九八九年、平成元年にフランスで開催されましたG7、いわゆる先進主要国サミットでございます、におきましてマネーロンダリング対策の推進を目的として招集された国際的な枠組み、政府間の会合でございます。現在では、このマネーロンダリング対策に加えまして、テロ資金供与に関する国際的な対策の推進にも主導的な役割を果たしておるものでございます。
 このFATFにおきましては、参加メンバー間の協議を経まして得られましたコンセンサスに基づいて勧告、リコメンデーションが作られております。これらの勧告は、ただいま委員がおっしゃられました条約とは異なりますので、それ自体、法的な拘束力を持つというものではございませんが、国際社会で広く共有されるべき勧告として各メンバーは国内での実施への取決めを政策的に求められるということになります。また、各メンバーによる勧告の履行状況につきましては、メンバー間の相互審査を通じて確認をされることとなります。
 我が国のかかわりでございますけれども、我が国といたしましては、このFATFの活動のこのような重要性にかんがみまして、関係省庁間で緊密な連携を取りながら、創設時から中心的なメンバーとして活動に積極的に関与してきたところでございます。
#28
○朝日俊弘君 少し分かってきましたが、その次に、もう少し具体的に。
 そうすると、このFATFは各国から当然分担金といいましょうか、運営資金を持ち寄って運営されているんだろうと思うんですね。日本も当然一定の分担をされているんだと思います。そういう予算はどこに計上されているんですかね。例えば、従来でしたら金融庁にあったのかなと思ってみたり、法務省かなと思ってみたり、外務省かなと思ってみたり。要するに、この法律はこの三月中に何とかしてほしいという話だから、四月から変わるんだと思うんですね。そうすると、四月からはお金の出どころはどうなるのかな。その財政的な、そういうFATFのバックグラウンドを支える財政的な面についてはどうなっていて、日本ではどこがどう分担しているのか、ちょっと教えてください。
#29
○政府参考人(長嶺安政君) お答え申し上げます。
 これは、平成十八年度とこれからの平成十九年度でちょっと変更がございますが、平成十九年度の我が国のFATF分担金は、まず分担をしております省庁で申し上げますと、財務省、外務省、法務省、警察庁、金融庁、この五省庁でございます。ちなみに、分担金額全体でございますが、暫定値で約四千九百万円ということになっております。
#30
○朝日俊弘君 それじゃ、これからはどうする、来年からは。来年度予算はどうなっているんですか。
#31
○政府参考人(長嶺安政君) 失礼申し上げました。ただいま申し上げました五省庁負担というのは平成十九年度、すなわち四月からの予算でございます。平成十八年度、現行の予算年度におきましては、これを負担しております省庁は、外務省、法務省、警察庁、金融庁の四省庁でございます。
#32
○朝日俊弘君 そうすると、十八年度までと十九年度からと多少違うけれども、少なくとも関連する省庁が分担し合って予算を出し合っているという仕組みは同じだという理解でいいですか。
#33
○政府参考人(長嶺安政君) はい、ただいまの御指摘のとおりでございます。
#34
○朝日俊弘君 その次に、今御説明いただいた中にもありましたけれども、日本、我が国は、このFATF創設時からのメンバーだと、中心的な役割を果たしてきたと、こうおっしゃっていたわけですね。
 ですから、私ちょっとこれからの議論、あるいはこれまでの議論で気になっていたのは、FATFの勧告がまずあって、こう書いてあるからこうだこうだという説明がやたら多かったんですが、実はその勧告を作る側にも日本はちゃんと関与しているわけですね。
 つまり、申し上げたいことは、FATFの勧告なりルールづくりの策定に日本もかかわってきたし、これからも主体的にかかわっていくんだろうというふうに思うんですね。ですから、ただ単にそのFATFの勧告でこう言っているからこうしなきゃいけないとかいうことではなくて、日本がこう考えてFATFの勧告もこうだからこうしたいという説明にならなきゃおかしいと思うんですね。
 是非、そういう意味で、改めて日本がそのFATFに対してこれからも主体的にかかわっていくと、必要があればもちろん意見も申し上げていくということについて姿勢を確認したいんですが、いかがでしょうか。
#35
○内閣官房副長官(鈴木政二君) これは、先ほどの話で、官房長官が中心に今までやってきたんで、私ども政府の方からはっきりと言った方がいいと思います。
 先ほど言いましたように、正に今までの歴史の中においても、積極的に創設時代から主導的な立場におったことは事実でありますし、一九九八年に議長としての、一年間、我が国がやらせていただきました。
 今後も、今のお話でありますけれども、我が国もいろんな情勢の変化の中で、もっとより以上に国際的なマネーロンダリングやテロ資金対策に貢献するために、FATFの活動をなお一層積極的に取り組んでいくことを政府としても考えております。
#36
○朝日俊弘君 ありがとうございました。
 是非、そういう姿勢で臨んでいただきたいと思うんですが、やや我が国のいわゆる様々な政策決定プロセスの中で、外国からこう言われたからとか外国の機関からこう言われたという説明がやたら多いので、そうではないだろうと、私たちもその中のメンバーの一人だろうというスタンスで是非臨んでほしいと思います。
 じゃ、その次に、さて、そのFATFの勧告もこれあり、マネーロンダリングなりあるいはテロ資金の対策の問題について、国際組織犯罪等・国際テロ対策推進本部がFATF勧告実施のための法律の整備についてという、まとめたペーパーがありますね。その中間的にまとめたペーパーの中で、FATF勧告実施のための法律の整備について、法律案の作成は警察庁が行うというふうにした理由がどうもまだすとんと落ちないんです。
 例えば、従来は金融庁がやっていたわけなんですよね。だから、金融庁が引き続きやってもよかったと思うし、もう少し枠が広がるんだったら法務省が行うという考え方もあったでしょうし、あるいは、私は余り賛成しないんだけれども、内閣官房あるいは内閣府が全体を仕切るということもあったんだと思うんですね。
 なぜこの法律案の作成を警察庁が行うというふうに決めたのか、そこがすとんと落ちないんですが、この点はどうでしょうか。
#37
○政府参考人(山浦耕志君) 委員御指摘のとおり、平成十七年十一月に国際組織犯罪等・国際テロ対策推進本部において、法律案の作成は警察庁が行うということが決定をされました。その際、本制度が目的とする犯罪による収益の移転防止を効果的に行うためには、暴力団その他の組織犯罪対策、テロ対策等において中核的な役割を担っているところの国家公安委員会、警察庁が所管することが適当であるとの判断がなされたものであります。
#38
○朝日俊弘君 いや、もう少しなぜなのかという理由をお聞きしたかったんですが、じゃ続けて行きましょう。
 その次に、二〇〇六年の六月五日にその今申し上げた推進本部が取りまとめた犯罪収益、このときは流通防止法案といっていたようですが、仮称ですが、そういう中間的にまとめたペーパーがこれまたありますね。この法律案の骨子を見せていただいたら、結構、例えば基本理念に関する規定とか、あるいは国、地方公共団体、事業者及び国民の責務規定だとか、さらには政府の基本方針の策定に関する規定、そして年次報告に関する規定など、結構法律の枠組みとしてはかっちりとしたというか、基本的なところからその具体的な各論に至るまでの法律の体裁を成している、そういう骨子が出ているんですよね。その骨子と今回提案されたものを見ると、何か基本的なところがすぽっと抜けているんじゃないかという気がしてならない、実務編のところだけで法律ができ上がっているような気がしてならないんですが、この辺は何でこうなったんでしょうか。
#39
○政府参考人(米田壯君) 委員お尋ねのとおり、昨年の六月五日、この推進本部が取りまとめました、当時は犯罪収益流通防止法案と呼んでおりましたが、その仮称で、そのようなものも含んでおります。これは様々な、マネーロンダリング対策、テロ対策というようなメニューがあり得るところでございまして、そのようなものを幅広く入れて検討をしたものでございます。
 ただ、この法案の中心的な内容というのは特定事業者による措置でございまして、そのような個別的な、具体的な事項が中心になっておるということもございまして、事業者や国民の責務規定などの一般的、抽象的な規範といったようなものはこの法律の中では余りなじまないというような法制的な判断がなされまして、また施策の調整、推進につきましては政府の各種の政策会議の場を通じて行うことも可能であるというようなことで、このような形になったものでございます。
 ただ、そうはいいましても、この本法案に規定する具体的な事項を推進するために必要なもの、例えば関係省庁、地方公共団体間の協力、あるいは国民の理解というものは、これは必要なことでありますので、これをこの本法案の第三条、国家公安委員会の責務として規定したものでございます。
#40
○朝日俊弘君 今の御説明は分からぬでもないんですが、ただ私は、さっき、一番最初に問題にしたこととつながるんですけど、基本的な枠組みというか基本的な考え方というか、そういうものをきちっと押さえておかないと、何か個別具体的なところあるいは実務的なところだけを法律に書き込むと、その使われ方というか運用のされ方がややもすれば技術的になりがちで、そもそも何のための法律だったのかみたいな、絶えず振り返ってフィードバックするような作業がどうもおろそかになるんじゃないかと私は思ってるんですよ。だから、もちろん個別的な規定は規定として必要なんだろうけれども、新しい立法をするに当たっては、やはり基本のところはきちっと押さえた方がいいんじゃないかというのが私の意見です。これは意見として申し上げておきます。
 そういう意味では、今回つくられた法律は、やや実務編というか技術論というか、いうところが中心になっていて、ついつい議論もそちらに傾きがちだけれども、そこだけではないんじゃないのというところを問題提起しておきたいと思います。
 その次に、さて、もう少しこれからだんだん実務的になっていきますけど、先ほど秋元委員からもお話がありましたが、今回、従来は金融庁に置かれていたFIU、金融情報機関、これが国家公安委員会に置かれると、こういうことになりました。
 その理由について先ほど御説明がありましたから重ねての質問はしませんけど、ただ、私の理解では、国家公安委員会ってのは、てのと言っては失礼ですね、委員長とあと五人の委員とで、何かすごい行政庁があるというものではなくて、まさしく行政委員会なんですよね。そういう意味では、国家公安委員会に置くといったってどこに置くのと聞きたくなるわけ。多分、それは事実上警察庁のどこかに置くんだろうと思うんですね。
 だから、ちょっとFIU、金融情報機関を国家公安委員会に置くとされているんだけれども、実質的にどういう機構図の下にどのぐらいのスタッフをどういう体制で置こうとしているのか。例えば、警察庁の中に置くとすれば刑事局なのかどこなのかということも含めて、もう少し分かるようにしてほしいんですよ。これ法律ずっと調べてみましたけれども、全然書いてないんですね、そういうこと。だから、どこに何がどれぐらいの規模で置かれるのか全然見えないまま議論していることになるんで、これはまずいと思うんです。
 是非、そういう意味では、もう少し具体的にこの新たに国家公安委員会に置かれるFIUの具体像と中身、さらにはそこに配置する人材の確保。結構その道のプロがいると思うんですね。金融庁にかつて置かれてたわけですから、金融庁からのノウハウも引き継がなきゃいけないと思うんですが、そういう点についてどのように考えておられるのか、お聞かせください。
#41
○政府参考人(米田壯君) 法律の世界では、何といいますか、具体的に対国民に対してやるようなこと、あるいは役所でいえばその任務や所掌事務といったところは法律を見れば分かります。ただ、体制とかといったものは、予算あるいは定員といったところで具体的に出てくるわけでございます。私どもは、平成十九年度予算でこの新国家公安委員会FIUの体制についていろいろお願いをしてございます。
 移管後のFIUの体制につきましては、平成十九年度は、まず犯罪収益対策を担当する審議官及び組織犯罪対策部に付けられます課長級の職であります犯罪収益移転防止管理官を新設をいたしますとともに、新規の増員、そして警察庁内の内部努力、そして金融庁からの定員振替によりまして、約四十人の課レベルの組織を発足させるということを予定しております。今まで金融庁において行われてきまして専門の職員の方がいらっしゃるわけでありますんで、私どもとしてはこういう職員を新しいFIUにも受け入れたいということでお願いをしているわけでございます。
 それから、あわせて、移管後の状況を踏まえまして、これは個人情報とか捜査情報の取扱いをより慎重にしなきゃいけませんけれども、外部から、事業者の実務などに知見を有する人も含め、幅広い人材の採用、育成、こういうことを今後検討していきたいというように考えております。
#42
○朝日俊弘君 是非、人材の養成確保ということについては、その数が四十人ぐらいでいいのかどうかという問題も含めて私はやや大丈夫なのかなと思っているわけで、是非そこは、数的な問題も含めて順次充実していくような方向を追求していただきたいなと思うんですが。
 さて、今の説明でもうちょっとはっきりしなかったんですけど、このFIUは国家公安委員会に置かれるんだけれども、警察庁の中の刑事局に置かれるんですか。ちょっとその機構図みたいなのを教えてくださいな。いや、そういうのは法律には一々書かないみたいな説明があったけど、本来であれば何とか何とか設置法とかいう形で書くことだってあるわけですから、もう少し、法律を作るときにはそれを担う組織はどうなりますかというのをもう少し明らかにしてください。
#43
○政府参考人(米田壯君) まず、法律上どこに権限があるかということで、今回の場合は、FIUとしての権限は国家公安委員会に置かれるということになっているわけでございます。国家公安委員会の権限に属させられた事項につきましては、警察庁がこれを補佐すると、事務局的な立場に立つと。
 したがいまして、警察庁のどういう機構にその事務を割り振るかということでございまして、先ほど申しましたように刑事局組織犯罪対策部にこの事務を与えるというところまでがこの法律に書いてあることでございます。すなわち、金融庁設置法の方からその事務を削りまして、そして警察法の方でこの事務を書くと。
 なお、普通の警察以外の省庁につきましては、局、部レベルの所掌事務は、これは政令であります。ただ、警察につきましてはこれは法律で書いていますんで、さっきの刑事局組織犯罪対策部の所掌事務としてこの法律で手当てをしてございます。
#44
○朝日俊弘君 また新しい仕組み、機構図ができるんだろうと思いますから、またできた時点で御説明をいただきたいと思うんですが。
 さてそこで、そこがどんな機能と役割を果たすのかという観点からもう少し踏み込んだ議論をしていきたいと思うんですが、これから何をどういう形で果たすかという前に、これまでの実態はどうだったのかということをちょっと見ておく必要があると思うんですね。
 例えば、従来金融庁が所管して、そこにFIUが置かれていた。マネーロンダリングに対する疑わしい取引については、金融庁にまず届けられていた。金融庁は、その中から一定の判断、分析をした上で警察庁に通知というのか報告というのか、してきた。そういう報告を受けて様々な捜査なりをして、その上で何人か検挙してきたと。こういう一定のこれまでのマネーロンダリングに関する実績というか、があると思うんですが、もうずっとこれまでの推移を聞いていると時間がありませんから、直近の数字でよろしいので、どれくらいの件数が受理されて、その結果どのような形で実績につながったのかという点について御説明ください。
#45
○政府参考人(米田壯君) それでは、直近の平成十八年について申し上げます。
 平成十八年には、金融庁が受理をした疑わしい取引の届出は十一万三千件余りであると承知しております。そのうち警察庁が金融庁から提供を受けました件数は七万一千件余りでございます。疑わしい取引の届出を直接の端緒として検挙した事件検挙数というのは、昨年は五十件でございました。ただ、この数値は、疑わしい取引の届出を端緒として、直接の端緒として検挙された事件のみ計上しておりまして、被害申告とか別の端緒で事件に入って、その後疑わしい取引の届出情報を活用して検挙をしたというものは入ってございません。
 そのように疑わしい取引の届出は様々な活用方法がございまして、中には検挙に至らないものでありましても、組織犯罪が保有する口座の解明、あるいは資金の追跡といったようなことにも役立っておりまして、その全体的な成果を数値でお示ししていくということは困難でございます。
 今後は、この警察の専門的知見も生かしました情報分析を進めまして、より疑わしい取引の届出の捜査等への活用が効果的となるように努めてまいりたいというように考えております。
#46
○朝日俊弘君 これまではそういう形でやってきたと。今度はそれが変わるわけですよね。つまり、金融庁に置かれていたFIUが国家公安委員会、警察庁に変わると。そうすると、疑わしい取引等に関する情報は、これまでとは違ってどういうふうに行くんですかね。
 つまり、多分、各行政庁を通じて行くことになると思うんだけれども、以前は金融庁にFIUが置かれていたから、そこである程度情報の集約と分析と評価をして、必要な情報を警察庁に渡したと、こういう手だてがある。だから、十一万何がしが七万何がしということになったと。今度は、十一万何ぼがすこっと警察庁に置かれたFIUに行くのかなと。そうすると、そこから今度、実際の関係する司直の手とかあるいは各都道府県とかにはどんなふうに、どこで評価をして分析して必要な情報として通知することになるのか、ちょっと流れを教えてください。
#47
○政府参考人(米田壯君) FIUそのものは、金融庁から国家公安委員会に移っても基本的にはその性格は変わっておりません。したがいまして、FIUに集められた情報を先ほど言いました四十人、これで十分かというお話ありましたが、取りあえず四十人の体制の中で分析をいたしまして、そして警察も含みます警察、検察、海保、麻取、税関といったところにその提供すべきものを提供すると、こういう形になるわけでございます。
#48
○朝日俊弘君 だから、そうすると、件数はやってみないと分からないということだと思うんだけど、仮に、従来だったら十一万何がしかが来て、そこの金融庁に置かれていたFIUでそれなりに精査をして、必要な情報七万件を警察庁に送ったということ。そこで言わばスクリーニングが掛かっているわけよね。今度は、それを多分警察庁に置かれたFIUがやるわけだから、それまではスクリーニングは掛からなくて、全部そのまま生情報が素通りして警察庁のFIUに来るのかなということと、そこで警察庁から各関係機関に行く場合は、一応そこはそこでスクリーニングちゃんとするんですねということが聞きたいんですけど。
#49
○政府参考人(米田壯君) 国家公安委員会FIUにおきましても、今と同じく各捜査機関、警察も含みます捜査機関、犯則調査機関に提供をするのは、それぞれの捜査、犯則調査に資する情報ということになってございます。
 したがいまして、それをスクリーニングというのかどうかは知りませんが、そのようなもののみが提供されるということでございます。
#50
○朝日俊弘君 ごめんなさい。スクリーニングって、ついつい集団検診の言葉を使っちゃったんで。
 要するに、何でそういうことを聞いたかというと、すべてこれ個人情報なんですよね。相当そのセンシティブな情報も入っていると思うんですよ。その情報がまずは丸々警察庁のFIUに来ると。まあ別に警察庁に行ったから危ないと言うつもりはないけど、従来は金融庁のところで一応ふるい落として必要な情報だけ警察庁に送るというふうにしていたのが、今度は丸々、十一万何ぼ行っちゃうと。そこで余計、まあ言わば多くの個人情報を警察庁がもろに扱うということについてやや心配しているんですよ。時々、警察庁も事件を起こしますからね。だから、万が一あってはならないことを、扱う量が多くなればなるほど心配になるわけです。
 そこで、ここはちょっと国家公安委員長にお尋ねしたいんですけど、今申し上げたように、集積された情報というのは相当に膨大だし、しかも、今お聞きするとストレートに、スクリーニング掛けないでストレートに警察庁に持ってくるということだから、その扱いについては相当慎重というか丁寧というか、厳密にやらなきゃいかぬと思うんですね。
 この個人情報の扱いについて、警察庁としてはあるいは国家公安委員会としてはどのように考えておるのか、ちょっと基本的な考え方で結構ですから、お聞かせください。
#51
○国務大臣(溝手顕正君) さっきの朝日先生の質問を聞いておりますと、私も実は、これ勉強するとき、なかなかすとんと落ちないところがあったんですが、実は国家公安委員会の組織と警察庁との関係をしっかりつかむ必要があろうかと思うんですね。
 それで、国家公安委員会というのは警察を管理するための機能を持っている、まあ警察法五条、国家公安委員会の規定でそういうことになっているんですが、それ以外に、第二項で国家公安委員会固有の仕事を持つことができるという規定に、建前になっております。したがって、ふだんの警察の業務に対して督励をするとか管理をするという言い方をしておりますが、国家公安委員会固有の仕事として設ける場合は、国家公安委員会の仕事で、その仕事、この話が国家公安委員会の固有の仕事であると、そしてこの事務を補佐するのが警察庁であると、こういう整理をしておるわけです。これは二項じゃなくて三項。
 そうなりまして、今回のこの組織犯罪に関する法案は、国家公安委員会が責任を持つ立場で対外的には取り仕切って、その補佐を警察庁にお願いすると、こういう建前になっていると思います。これからいろんな問題がいろいろ出てきた場合、すべてそういう解釈で整理していただけると理解をしていただきやすいんではないかと。
 したがいまして、今回の個人情報の問題も、一義的には国家公安委員会に集まったすべての情報をまあスクリーニングしてもらう仕事を警察庁にお願いするという形で御理解いただけると分かりやすいんではないかと思います。
 もちろん、国家公安委員会としては、情報漏えいなんというのはほとんどない小さな組織ですからないわけで、問題は、この個人情報の問題が起きるとしますと、それは警察庁、委託した警察庁がしっかりやっているかどうかと、その組織がしっかりしたものであるかということになるんだろうと思います。
 そういうことでございまして、警察庁の内部には情報の取扱者をあらかじめ限定するとか、登録者以外のアクセスを禁止するとか、さらには、登録者による業務目的以外のアクセスを防止するためアクセス記録を保管し、事後にそのアクセスの正当性を検証できるようにするなど、様々な対策を講じて、FIUの職員によってデータの改ざんが不可能になるようにという思いで各種対策を打っているところでございます。
 さらに、情報セキュリティー監査も実施して、こういった対策がしっかり実施されていることも確認できるようにしてまいりたいと、このように考えているところでございます。
#52
○朝日俊弘君 是非、かなり厳しいルールと、できればどういうルールでやっているかというのをきちっと内外にも明らかにできるようにちょっと御説明をいただくと有り難いというふうに思います。
 先ほどから申し上げているように、相当膨大で相当センシティブな情報が国家公安委員会の中に置かれたFIUに集積されると。その集積、分析、評価等について警察庁が行うということになるわけですから、国家公安委員会が責任を持っているから安心というだけではなくて、警察庁は警察庁として、とりわけこういう個人情報の管理についての厳格な運用とその規定が必要だというふうに思いますので、ここは是非くれぐれも、必要以上と思われるかもしれませんけど、丁寧な対応を求めておきたいと思います。
 さて次に、時間の関係もありますから別の課題に移ります。
 法律の十五条、十六条、十七条の辺りを中心にお尋ねしたいと思います。
 今回の法律案では、第十五条に行政庁の指導など、それから第十六条に行政庁が行う是正命令などについて幾つかの条文が書かれています。この辺の規定ぶりは、従来の法律では必ずしも明確に規定されていなかったところが今回新たに盛り込まれたというところがあると思うんです。読み方によっては、これ随分厳しいなというふうにも読めるわけですが、この後の十七条の意見の陳述にもつながる話ですけれども、まずは十五条、十六条の指導など、あるいは是正命令などの項目が新たに補強というか、設けられたことについて御説明をください。
#53
○国務大臣(溝手顕正君) 疑わしい取引の届出義務履行確保手段につきましては、業法に基づく措置によっていたところでありますが、これは必ずしも本法の趣旨、目的に合致して行われていたとは限らないわけで、また特定事業者の中には業法上の監督を受けない業者も含まれているというところで、疑わしい取引の届出義務を認めた場合には本人確認などの義務と同様に各省庁が是正命令を行うことができるようにしたというのが一点でございます。
 また、もう一つの問題は、事業の形態や運営状況が様々であるということにかんがみ、是正命令までの行政措置が全く行われないというふうな、いきなりその是正命令に持ち込んでしまうというような運用になると、それはちょっと措置が過酷に過ぎるんではないかというおそれでございますが、その前に行政庁による指導、助言、勧告制度を今回新たに設けて法令遵守に関して誘導的な措置をとることができると、このようにしたところでございます。これによりまして、違反の状況や度合いに応じて段階的に適切に対応ができることが可能な制度になったのではないかと、このように考えております。
#54
○朝日俊弘君 ちょっとまだ抽象的で十分に理解できないところがあるんですが、次の問題とも関連しますから、続けて行きます。
 十七条に、国家公安委員会の意見の陳述という規定があります。意見の陳述というのが、どうも私、よく意味が分からない。例えば、あした参考人の意見を聞きます。国家公安委員会から述べた意見はその程度の意見なのかなと思ってみたり、いや、どうもそんなことではなくて、もっと指示、命令のたぐいではないかと思ってみたり、一体この意見の陳述というのはどういう性格のものか疑っておりますので、どういうものか、ちょっと御説明ください。
#55
○国務大臣(溝手顕正君) その点だけ端的に申し上げますと、裁判とか何かの、裁判で使うような意見の陳述ということじゃなくて、最終的にその行政処分を行うのかどうか、どのような行政処分を行うかというのは事業を所管する観点から考慮すべきことだと考えておりますので、各行政官庁の判断が最終的には尊重されるということになりますんで、国家公安委員会の意見陳述というのはそれを法的に拘束するようなものでも何でもないと。ちょっとおかしいところがありますよ、問題がありますよということの問題指摘をさせていただく機会があると。しかも、もちろんその意見陳述は専門的な警察庁の観点から申し上げることだと、こういうように理解をしていただきたいと思います。
 現在まで、類似の規定としましては、サービサー法ですか、債権管理、これに類似の規定があるところでございます。
#56
○朝日俊弘君 いや、ちょっと本当かいなと思って聞いたんですけど。
#57
○国務大臣(溝手顕正君) 本当です。
#58
○朝日俊弘君 いや、そしたら、わざわざその法律の中に項目を作って、意見の陳述という項目を作る必要があるのかなと思ってみたり、あるいは、意見の陳述のために資料を要求したり立入りの調査ができるという、そこまでわざわざ規定しているんですよね。だから、何か行政庁を超えて、行政庁に対して有無を言わせぬ意見を言うために資料も提出させるわ立入調査もするわという、そんなふうに思えてならないんですよ。だから、何か対等で、まあそんなもんだというお話ですけど、どうもちょっと腑に落ちないですね。
 だから、別の聞き方をしましょう。当然、国家公安委員会と各行政庁とがあるんですね、所管する。その両方の関係はどうなのか。国家公安委員会は各行政省庁の上に立つのか、つまり、上に立って命令するのか。それとも、そしてあるいは、命令と言ったらオーバーだから、指示するのか。つまり、指示し指示される関係なのか、対等の関係なのか。仮に行政庁が国家公安委員会が述べられた意見に対して異議がある場合は異議申立てができるのか。この辺はどうですか。
#59
○国務大臣(溝手顕正君) 先ほどの意見陳述の問題ですが、要するに、各省庁と一緒に、言わば一緒に犯罪による収益の移転防止をやりましょうという制度でございまして、どちらが上とか下とかという立場ではございません。
 もっとぎりぎり言いますと、平素からの、行政官庁が今回の特定事業者全部網羅しているわけではない、業法がすべてを網羅しているわけではないんで、その補完をするという意味で国家公安委員会がそういう役割を担っている。あるいは、国家公安委員会は対外的な情報網を持っているから別の意見を入れることができるとか、犯罪にいろいろ携わってきたために別のノウハウを持っているとか、そういう観点から意見を申し上げることができるということにしたというのが今回の趣旨ということです。
 したがいまして、法的な拘束力を持つものではないので、最終的な判断は行政官庁が行うという、その法律というんですか、法的な建前ははっきりしているというように御理解をいただきましたらいいと思います。明らかに命令とか指示ではないというように御理解いただきたいと思います。
#60
○朝日俊弘君 そこは分かりました。むしろそうあるべきだと私も思っていますから、妙なことを考えてもらっては困るなというつもりで御質問をさしていただいたんで、それはそれでいい。
 そうすると、国家公安委員会が意見を述べるに当たって、事業者から資料の提出を求めたり、あるいは都道府県の警察職員に立入調査をさせたりと、そういうことができるということになっているわけですけど、それはそれなりに、何というか、どういう場合がそれができるのかという、相当厳密にそういうできる場合のルールというか、明確にしておく必要があると思うんですね。つまり、むやみやたらにはしないということが必要だと思うんですよね。しかも、当然、そうして得られた資料とか情報がその目的以外に使われないようにするということも当然必要になってくるだろう。さらには、その事業者に対して過度の干渉にならないような配慮も必要になってくるだろう。
 したがって、今、国家公安委員会が意見を陳述することができるということの意味はそういうことだというふうに御説明いただいたとすれば、それはそれなりに、そのために必要な資料提出とか立入調査とか、その得られた資料、情報をどう使うのかということ等について一定のルール化が必要だと思うんですが、この点はどうお考えですか。
#61
○国務大臣(溝手顕正君) おっしゃるとおりだろうと思います。立入検査については犯罪のためにやるわけではないわけですから、この旨は十七条三項に明文化されております。それからさらに、その得られた資料についても意見陳述以外の目的には使えないと、使わないということでございますので、犯罪捜査により得られたものとは明確に区分する必要があると。その件については、我々としては、御指摘のように準則を定めるなどして適切に措置してまいりたいと、このように考えております。
 そのほか、立入検査に当たりましては、そのときに国家公安委員会の承認がまず要るという、委員会のということと、行政官庁との協議を経なくちゃいけないという二つのハードルを設けておりまして、それをやった後に立入検査になるということで、我々としては極めて自制的に規定をしていると、このように理解をしております。
#62
○朝日俊弘君 分かりました。それで私が事前に感じていた危惧の念は幾つか払拭できたと思います。
 多少、まだあと五分ほど時間が残されていますが、総論的にお尋ねをするところはここまでですので今日はここまでにとどめて、あした、特定事業者等についてのより具体的な問題点について参考人からの意見もお聴きしながら詰めたいと思いますので、今日はここで終わりたいと思います。
#63
○委員長(藤原正司君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後二時二十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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