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2007/03/29 第166回国会 参議院 参議院会議録情報 第166回国会 内閣委員会 第6号
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2007/03/29 第166回国会 参議院

参議院会議録情報 第166回国会 内閣委員会 第6号

#1
第166回国会 内閣委員会 第6号
平成十九年三月二十九日(木曜日)
   午前十時三分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十八日
    辞任         補欠選任   
     木俣 佳丈君     櫻井  充君
 三月二十九日
    辞任         補欠選任   
     櫻井  充君     木俣 佳丈君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         藤原 正司君
    理 事
                秋元  司君
                鴻池 祥肇君
                朝日 俊弘君
                工藤堅太郎君
    委 員
                佐藤 泰三君
                鈴木 政二君
                田村耕太郎君
                竹山  裕君
                林  芳正君
                山谷えり子君
                神本美恵子君
                木俣 佳丈君
                黒岩 宇洋君
                郡司  彰君
                松井 孝治君
                風間  昶君
                白浜 一良君
                亀井 郁夫君
   国務大臣
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)    溝手 顕正君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鴫谷  潤君
   政府参考人
       警察庁刑事局組
       織犯罪対策部長  米田  壯君
       金融庁総務企画
       局参事官     知原 信良君
       法務大臣官房司
       法法制部長    菊池 洋一君
       法務省民事局長  寺田 逸郎君
   参考人
       全国銀行協会副
       会長・専務理事  斉藤  哲君
       日本弁護士連合
       会副会長     松坂 英明君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○犯罪による収益の移転防止に関する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○政府参考人の出席要求に関する件
○道路交通法の一部を改正する法律案(内閣提出
 )
○参考人の出席要求に関する件
    ─────────────
#2
○委員長(藤原正司君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨二十八日、木俣佳丈君が委員を辞任され、その補欠として櫻井充君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(藤原正司君) 犯罪による収益の移転防止に関する法律案を議題とし、参考人の方々から御意見をお伺いいたします。
 本日は、全国銀行協会副会長・専務理事斉藤哲君及び日本弁護士連合会副会長松坂英明君に参考人として御出席をいただいております。
 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、御多忙中のところ当委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
 参考人の方々から忌憚のない御意見をお聞かせいただき、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
 それでは、議事の進め方について申し上げます。
 まず、斉藤参考人、松坂参考人の順序でお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、各委員の質疑にお答えをいただきたいと存じます。
 御発言をいただく際は、その都度委員長の指名を受けてからお願いいたします。
 また、各委員の質疑時間が限られておりますので、御答弁は簡潔にお願いいたします。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、斉藤参考人からお願いいたします。斉藤参考人。
#4
○参考人(斉藤哲君) 全国銀行協会の斉藤でございます。
 本日は、法案の御審議に当たりまして、私どものマネーロンダリング対策及びテロ資金対策への取組について御説明を申し上げる機会をちょうだいをいたしまして、誠にありがとうございます。
#5
○委員長(藤原正司君) 斉藤先生、着席のままで結構でございます。
#6
○参考人(斉藤哲君) それでは、お許しをいただきましたので、失礼でございますが着席のままで御説明を申し上げます。
 私ども全国銀行協会は、日本国内で営業を行っている銀行百八十四行をメンバーとする任意団体でございまして、事業の柱は、一つは共同事業の運営でございます。これは、内国為替、手形交換等の決済システム、あるいは個人信用情報センターの運営、その他の諸事業を行っております。もう一本の柱は、銀行業務に関する調査研究等に基づいて銀行経営上の共通課題を解決し改善を図っていくというものであります。
 全銀協におきましては、このマネーロンダリング対策及びテロ資金対策につきまして、国際的な協調の下で行われるべき課題として重く受け止めておりまして、平成元年にアルシュ・サミットでFATFが設置されたことと軌を一にして取組を開始いたしまして、以来、二十年近くにわたり業界全体でこれに取り組んでまいりました。
 本日は、これまでの全銀協の取組を御説明するとともに、対策を進めていくに当たっての主な課題などについて御説明を申し上げます。
 当協会が会員に対して初めてマネーロンダリング対策の周知徹底を図ったのは平成二年のことでございますが、そのときは通達を出しまして、マネーロンダリング防止の重要性を説明するとともに、口座開設時や大口現金取引のうち三千万円を超える金額の取引について本人確認を励行することといたしました。また、これに併せて、本人確認のための手続を行うことについてお客様の御理解、御協力をいただくという趣旨から、ポスターを作成いたしまして銀行の店頭に掲示する、あるいは店頭でチラシを作成して配布するというようなことをいたしまして、周知啓蒙に努めたところでございます。しかし、正直に申し上げまして、当時はマネーロンダリングという問題が余り認知されていなかったということもございまして、お客様の理解をいただくことは大変困難であったと聞いております。
 その後、平成四年には麻薬取引に係る疑わしい取引の届出制度が創設されたわけでございますが、しかし、この制度に基づく銀行からの疑わしい取引の届出の件数はかなり低いものにとどまっております。
 この低いものにとどまっている理由でございますけれども、この当時は、まだマネーロンダリングの疑わしい取引の届出の対象が麻薬特例法で言う薬物犯罪に係るものに限定されていたということ、また、疑わしい取引とは何かということに関する具体的な基準の設定がなかったということから、仮にその取引が何らかの犯罪収益に関係する疑いがあったとしても、薬物犯罪に絡むものであるかどうかを銀行実務の現場で判断することが非常に難しかったというような理由からでございます。
 しかし、その後、平成八年にFATFの四十の勧告が改正されまして、疑わしい取引の届出の前提犯罪が薬物犯罪から重大犯罪に拡大されました。これを受けて、国内でも平成十一年に組織的犯罪処罰法が制定されるなど、マネーロンダリング対策の法的基盤が確立されたわけでございます。
 全銀協におきましても、組織的犯罪処罰法の制定を機に、対策の力点を、マネーロンダリング問題そのものの周知啓蒙に加えまして、各銀行における本人確認手続や疑わしい取引の届出をより効果的に実行するための環境整備に置くことといたしました。
 具体的には、この処罰法が制定をされました平成十一年に、各銀行における体制整備の指針といたしまして、マネーロンダリング防止対策の行内体制整備チェックポイントというタイトルのものを作成いたしまして、全会員に通知いたしました。このチェックポイントには、各銀行がマネーロンダリング対策に係る行内体制を構築していく上で必要なこと、例えば、行内に金融庁、FIUとの連絡を行う疑わしい取引の届出に係る責任者を置いているか、あるいはマネーロンダリング対策として組織的犯罪処罰法等の関連法規の内容について十分職員に知らしめているかといったようなマネーロンダリング対策に関して最低限求められる留意項目を記載いたしております。
 また、このほかに、銀行がチェックポイントを踏まえて策定する行内規程やマニュアル、こういうものへの記載事項の参考例というものを作りまして各行に通知いたしております。
 さらに、金融監督庁の担当者などを招きまして、組織的犯罪処罰法や疑わしい取引の届出の参考事例についての全会員向け説明会を開催したところでございます。
 翌十二年には、新入社員から役職員までを対象といたしました研修用のテキストということで、マネーロンダリング防止対策ハンドブックを作成して、会員銀行全行に頒布いたしました。これは、本日お手元に、この冊子でございますけれども、こういうものをお配りいたしておりますが、これは、本年一月の本人確認法の政省令の改正を織り込んだ最新のハンドブックでございます。このハンドブック、お手に取っていただくとお分かりいただけると思いますけれども、かなり長期にわたって銀行実務の現場で使用するということを前提にしておりますので、大変丈夫な紙を使用いたしております。
 ちょっと中を簡単に見ていただきますと、表紙に続いて、二枚ほどめくっていただきますと目次というのがございます。ここで構成を見ていただきたいと存じますけれども、第一章「マネー・ローンダリング/テロ資金供与の基礎知識と銀行員としてのこころ構え」、それから第二章「本人確認」、第三章「疑わしい取引の届出」という構成になっております。
 本文を若干御紹介いたしますと、まず十三ページをちょっとお開きをいただきます。十三ページが銀行員としてのこころ構えという項でございますけれども、このページの三行目のところにございます、まずはというところからでございますが、一人一人の行員が、マネーロンダリング、テロ資金供与犯罪の重大性や国際的な課題として防止する必要についてしっかり認識することがマネーロンダリング、テロ資金供与防止の第一歩ですというふうに書いておりまして、銀行員として問題意識を持つことの重要性を訴えております。
 次に十五ページをごらんいただきますと、大きな図がございまして、自転車をこぐ銀行員の絵になっておりますけれども、ここでは本人確認と疑わしい取引の届出という両輪のバランスがうまく取れなければこの対策は進まないということを表したものでございます。
 次に二十三ページをごらんをいただきたいと存じますが、この二十三ページでは、本人確認法に基づく事務の具体的な流れを図にいたしております。ちょっとごらんをいただきますと、例えば本人確認を行っていない顧客との取引、一番最初のところにございますけれども、これについては十万円以下の現金振り込みなどは本人確認が不要な取引であるということ。その次に、預金口座開設や十万円超の現金振り込みなどは本人確認が必要な取引であるということが分かりやすく示してあるということであります。
 それから、五十六ページ以降につきましては、疑わしい取引の届出の手続の流れや、疑わしい取引の参考事例のポイントについて図を交えながら説明いたしました。
 飛び飛びの説明で恐縮でございましたけれども、これ一冊があれば銀行員として最低限の基礎知識を学ぶことができるようにいたしております。このハンドブックは、全国銀行その他の金融機関の役職員向けに三十五万部以上発行いたしておりまして、現在もマネーロンダリング対策の理解、進行に役立てているところでございます。
 本人確認法につきましては、本年一月四日から十万円を超える現金による振り込み等が本人確認手続の対象となりましたので、例えば、ATMから現金による十万円を超える振り込みを行うということはできなくなりまして、代わりにキャッシュカードを使って自分の口座から振り込むか、銀行窓口で本人確認書類の提示をいただいた上で振り込みをいただくこととなっております。
 このため、当協会では、お客様にこの制度変更を知っていただくための周知活動を集中的に行いました。具体的には、ポスターを銀行の店頭に掲示する、パンフレットを店頭でお配りする、さらには昨年末から年初にかけて全国ベースで新聞広告やテレビ広告を行うということで集中的にお客様への呼び掛けを行ってまいりました。このほか、政府広報も打っていただいておりまして、今回の法令改正に関して大きなトラブルになったという事例は伺っておりません。お客様に対しましては、法令改正の意味やマネーロンダリング対策及びテロ資金対策への御協力へのお願いを丁寧に説明申し上げているところでございます。
 次に、当協会として本件に関して課題として認識している事項について若干申し上げたいと存じます。
 今後ますます強化されてまいりますマネーロンダリング対策を推進するためには、お客様にマネーロンダリング対策及びテロ資金対策への御理解をいただいて、その上で御協力をいただくということが最も大きな課題であると考えております。そのためには、銀行サイドでは銀行員一人一人がマネーロンダリング対策、テロ資金対策の重要性をしっかりと認識をし、関係する法律の内容、意義を十分に理解した上でお客様に御協力をお願いする体制の整備が大切であると考えております。
 お客様に御説明する際には、本人確認等の手続の強化がマネーロンダリング対策及びテロ資金対策のための国際的な要請に基づくものであることを十分御理解いただけるかどうかと、このことがポイントになってまいります。そのためには、政府と民間が一体となって対策に取り組んでいるという姿勢を示し啓蒙を図るということが非常に重要であると思います。特に政府には、法制度の枠組みをつくって対策の重要性を広く周知いただきまして、それを受けて民間が顧客対応をしっかり行うといった車の両輪のバランスを取ることによってマネーロンダリング対策及びテロ資金対策が円滑かつ効果的に推進されるものと考えております。
 最後に、現在御審議いただいております犯罪収益の移転防止に関する法律案について若干御意見を申し上げたいと思います。
 法律案を拝見させていただきますと、その主な目的はFATF勧告の実施の具体化でございまして、その大きな柱として、現行の本人確認法の内容、組織的犯罪処罰法における疑わしい取引の届出に係る規定、こういうものを取り込んだ上でFIUの機能を金融庁から国家公安委員会へ移管するとともに、これまで金融機関等に限られていた法律の適用対象者を特定事業者としてファイナンス会社や弁護士、会計士などの金融機関以外の業者まで広げることと伺っております。
 FATF勧告の実施は国際的協調の観点から求められているものでございまして、銀行実務の観点からはこの法案に特段の異論はございませんけれども、政省令を含む運用面におきまして現行以上の事務負担が生じることのないよう御配慮をいただきたいと存じております。
 今後とも、金融庁、警察庁を含めて関係当局との情報交換、連携を一層緊密に行って、業界を挙げてマネーロンダリング対策及びテロ資金対策を推進してまいりたいと考えております。
 以上、簡単ではございますが、私からの御説明を終わらせていただきます。
 私ども全銀協の取組が、今後対策を進められる事業者の方々のお役に立てることがございましたら大変幸甚でございます。
 先生方には、御清聴いただきましてありがとうございました。
#7
○委員長(藤原正司君) 斉藤参考人、ありがとうございました。
 次に、松坂参考人にお願いいたします。松坂参考人。
 どうぞ、座ったままで結構です。
#8
○参考人(松坂英明君) 最初のあいさつだけは起立をしてさせていただきたいと思います。
 まず、おはようございます。日本弁護士連合会の副会長の松坂でございます。日弁連、当連合会にこの問題につきまして意見を述べる機会を与えていただきましたことに対して心から感謝を申し上げたいと思います。
 それでは、お手元のA4サイズの「参考人意見(レジュメ)」というペーパーがございますので、これに沿って意見を述べさせていただきます。
 以下、着席をさせていただきます。
 まず最初は、日弁連は弁護士に疑わしい取引の届出を義務付けることに反対であるということでございます。
 弁護士は、憲法に定められた基本的人権の擁護をその使命とすることが求められている法律専門職であります。それを前提に、最初に弁護士に関連する本法案の規定について意見を述べさせていただきます。
 日弁連は、弁護士が依頼者に知らせないで警察に報告を行うといういわゆる依頼者密告制度は弁護士制度の根幹を揺るがすもので絶対に容認できないとして強く反対をし、当初の法案からの削除を求めてまいったわけであります。また、日弁連は、二〇〇六年五月二十六日、定期総会におきまして弁護士から警察への依頼者密告制度の立法化を阻止する決議を行い、その中で、全会員が一丸となってこのような立法を阻止する運動を更に強力に推し進めることを決意すると宣言しております。
 このように、日弁連はこれまで一貫して弁護士に対して疑わしい取引の届出義務を課す法律の制定に反対するとともに、世界の弁護士会と連携してFATFの勧告から弁護士に届出義務を課す部分を削除するように求めてまいりました。
 FATF加盟国の中でも、アメリカではこれまで弁護士に疑わしい取引の届出義務を課す制度は提案すらされておりません。カナダでは弁護士に対する疑わしい取引の届出義務を課す立法が提案されたことがありましたが、弁護士会が直ちにその法律を差し止める裁判を提起をいたしました。で、勝訴をしたと。それを受けてカナダ政府がその法案を撤回しておりまして、現在弁護士に疑わしい取引の届出義務を課さない形での立法が準備されているというふうにお聞きをしております。また、ヨーロッパにおけるEU指令によって弁護士に疑わしい取引の届出義務を課す立法が義務付けられ、既にこの制度を実施しているEU諸国においても、ベルギーとポーランドの両国の弁護士会は、弁護士による疑わしい取引の届出義務が当該国の憲法に違反するとして、欧州裁判所に対し若しくはその国の裁判所に対し行政訴訟や憲法訴訟を提起しております。
 ちなみに、いち早く弁護士に疑わしい取引の届出義務を制度化して罰則まで設けているイギリスにおいては、弁護士のうちのソリシターの方々の年間の届出件数は一万件を超えるというふうにお聞きをしております。これを受けてイギリスの弁護士団体の一つであるローソサエティーの代表の方は、自由というものは少しずつ削られていくものだと、最初に妥協したのが失敗であったと、そういうように述懐なさっておられます。この指摘は弁護士に疑わしい取引の届出義務を課すことについて考えるに当たって極めて示唆的であると考えております。
 次に、弁護士は司法制度の一翼を担っているということについて述べさせていただきたいと思います。
 民主的な司法制度において、弁護士は裁判官、検察官とともに法曹の一翼を担う重要な存在であると考えております。弁護士は罪を犯したとされる被疑者、被告人を弁護する刑事弁護をその職務としているという点で他の専門職とは本質的に異なっております。すなわち、通常の業務の中で被疑者、被告人の正当な権利を擁護することを本来的な職務としており、弁護人選任権が保障されるなど憲法上も弁護士の地位が認められております。弁護士はその職務のゆえに場合によっては捜査機関である警察とも激しく対峙しなければいけない役割を負っております。
 このような弁護士の職務は司法制度上も極めて重要な役割を果たしております。弁護士を信頼して依頼者からもたらされた秘密情報を疑わしいというレベルで依頼者に内密のまま捜査機関に通報することは、これまで述べたような弁護士の職務とは相入れないものであると考えております。この依頼者密告制度が立法化された場合には、弁護士制度の根幹である依頼者と弁護士との信頼関係は根底から覆され、市民が安心して弁護士に対して秘密を打ち明けられなくなってしまいます。そうなれば市民の側においても適切な法的助言を得ることができなくなり、市民の司法へのアクセスは阻害され、市民の守られるべき法的利益も損なわれます。このように、弁護士による依頼者密告制度を認めてしまうと、弁護士制度の存在意義を危うくし、ひいては民主的な司法制度の根幹を揺るがすことになると考え、日弁連としても反対をしてきたわけであります。
 次に、政府案が疑わしい取引の届出義務の対象から弁護士などを除外したことについて述べさせていただきます。
 今回政府によって国会に提案された法案は、疑わしい取引についての届出義務について弁護士などの専門士業をその対象から除外したものとなっております。このように弁護士を届出義務の対象から除外したことについては、政府・与党が日弁連のこれまで主張してきたところを受け入れていただいたものと理解でき、評価しております。
 次に、日弁連は犯罪収益移転防止について会規を制定したことについて御説明申し上げます。
 日弁連は、弁護士自治の範囲内で、犯罪収益移転防止に万全を期するため、本年三月一日に開催された臨時総会において会規を制定いたしました。机上にお配りをいたしました参考資料の中に依頼者の身元確認及び記録保存等に関する規程というペーパーがございますが、それをごらんいただきたいと思います。
 この会規は、本人確認と記録保存義務、さらには犯罪収益の移転に関連した事件を受任しないこと、依頼を受けた後にその依頼の目的が犯罪収益の移転にかかわるものであることを知ったときは、依頼者に対し、違法であることを説明するとともに、その目的の実現を回避するように説得に努めなければならないこと、依頼者が説得に応じない場合には辞任しなければならないことなどを内容とするものであります。そして、この会規は本年七月一日から実施することとしております。この会規は日弁連自らが自主的に制定したものでありますが、この法律の求めるところにも合致したものとなっております。この規程により弁護士の職務の適正さが更に確保されることになったものと確信しております。
 次に、五番目でありますが、会規の周知徹底と会員に対する研修についてであります。
 日弁連は、この会規を確実に実施していくため、機関紙である「日弁連新聞」や全会員に対するファクスニュースなどで既に会員に周知を図ったところでありますが、今後更に周知徹底を図るために、会員すべてが購読している日弁連の機関誌でありますこの「自由と正義」という月刊誌がございますが、これで特集を組みまして、この会規の趣旨、内容、実施方法などを会員に徹底する所存であります。また、なるべく早い時期において会員向けの研修も重ねて行います。さらに、秋には全国の単位弁護士会を衛星放送で結びましてサテライト研修を実施することにしております。
 日弁連としては、この会規を確実に実施することで、弁護士が犯罪収益の移転にかかわらないこと、それに利用されないことを徹底していくつもりであります。そして、今後とも弁護士に対する疑わしい取引の届出義務の創設には強く反対していく所存であります。
 次に、FATFの相互審査に対する対応について日弁連の考えを述べさせていただきます。
 本年秋にも予定されておりますFATFの相互審査において、弁護士などの専門職を疑わしい取引の届出義務の対象から除外したことについて、勧告に従っていないという評価を受ける可能性は否定できません。しかしながら、日弁連は、そのような評価を受けたとしても、日本政府が、この国会審議の中でも答弁されているように、今回取った対応を堂々とFATFに対して説明をしていただきたいと思うものであります。そしてむしろ、FATFの勧告の該当部分の改正を求めるなどの積極的な対応をFATFに対して行っていただきたいと考えているところであります。
 もちろんのことながら、相互審査の際に行われるであろうFATFと日弁連との間の意見交換の場においても、日弁連も全力を挙げてFATFに対し日弁連の考え方を説明、説得をしていく所存であります。
 最後になりますが、七番目、監視社会が強まることについての懸念を若干表明させていただきたいと思います。
 基本的人権を擁護し、社会正義を実現することをその使命とする弁護士としての立場から検討すれば、今回提案されている法案の中には、監視社会を招きかねないという点からの懸念があります。
 ちなみに、日弁連としては、今年の秋の第五十回人権擁護大会において、監視社会の問題を取り上げて議論をすることとしております。密告制度も含めて、監視社会の問題についてどのように対応するのが適切なのかについて今後も継続して検討し、適切な意見を述べていきたいと考えております。
 最後に、結論でございます。
 以上のとおり、基本的人権の擁護を使命とする法律専門職としての弁護士が、依頼者の秘密を密告するなどという制度が立法されるようなことがあってはならないということを再度強調させていただきますと同時に、他方、日弁連としても、先ほど述べさせていただいたとおり、自主的に制定した会規を全会員が遵守し、研修も充実させ、これまで以上に自ら襟を正していくということも述べさせていただきまして、私の参考人としての意見陳述を終えさせていただきます。
 どうも御清聴ありがとうございました。
#9
○委員長(藤原正司君) ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見聴取は終わりました。
 これより参考人に対する質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○秋元司君 座ったままで失礼させていただきます。自民党の秋元司でございます。
 今日は、両参考人におかれましては、大変お忙しい中、お越しをいただき、貴重な御意見をいただきますこと、まず感謝を申し上げるところであります。
 限られた時間が十五分でございますから、一括して質問させていただきますので、それぞれお答えいただきたいと思います。
 まず、斉藤参考人にお伺いしたいところでございますけれども、実は国民の声を聞きますと、非常に銀行さんに対して、今回のことは別に、いろいろとフラストレーションがたまっているということを多々聞くわけでありまして、今回はテロ対策並びにマネーロンダリング対策ということで、個人の身分確認とか又は疑わしい取引に対することをそれぞれ所轄をしている行政庁に上げるという、こういうことを行う中で、もう一つは、具体的な例を出しますと、今現在は十万円以上の振り込みについては個人確認を行うと。場合によってはキャッシュカードでやってもらうとか等々で、お客さんにとっては甚だ金融サービスという面においては非常にやりにくいなという声があるわけでありますね。
 それはいろんな声があるわけでありますが、結果的に、こういった物騒な世の中でございますから、国民もそれなりに一定の理解は当然あるとは思うんですけれども、度重なるこういった制度の変更に対して現場のお客さんとのトラブル云々も含めて混乱はないのかということをまず一つお伺いをさせていただきたいと思います。
 同時に、あわせて、どんどん制度が変わっていくわけでありましょうから、それに伴い、先ほどもお話の中にありましたけれども、いわゆる行員への教育というものをどう図っていくかということが私は本当にポイントになっていくんじゃないかと思うわけでありますが、銀行によってもそれぞれでありましょうけれども、私も個人的に銀行に対していろんな一応お客さんとして問い合わせをしたりすると、なかなか明確なお答えが返ってこないことが多々あるわけですね。そうすると、個々に話を聞いてみると、いや、つい最近来たばかりでございますとか、場合によっては、今まで違う畑にいましたのでとか、要するに、銀行の職員の皆さんの一つの職場の定着率というのが最近非常に流動化しているということを我々心配しておりまして、場合によっては、各部署において派遣社員等も多くてなかなか一律な回答が返ってこないということも私も個人的に受ける感想であるんですが、こういったすばらしいパンフレットを作っていただいて行員に対して渡していただいているということは、大変努力は認めさせてもらうんですけれども、いまいちその努力がまだまだ行員の皆さんに徹底されて、またその行員の皆さんがこれをちゃんと熟読して理解するというところまでいっていないんじゃないかなという私なりの懸念があるんですけれども、それについて感じることがあればお答えいただきたいと思います。
 次に、弁護士連盟さんにお伺いしたいわけでありますが、今回のこの法律は、弁護士さん、弁護士会からの要望を、意見というものを十分尊重した形の法律案となっております。
 ただ一点、いわゆる同じ特定事業者という組み方からすれば、なぜ弁護士さんだけがこうなのかという声もあるわけでありまして、そういったことを勘案しますと、ますます皆さんが主張される弁護士自治という立場でのコンプライアンスの重視ということを今後とも徹底してもらわなくちゃならないということは、まず冒頭申し上げたいと思うわけでありますが。
 そういったことの一環として、どうしても自分たちの業界の人間には、また自分の息子には甘くなるとかいうことも、身内に甘くなるということも言われるわけでありますけれども、著しくそういった弁護士で決めた規定を逸脱した行為を行った者には、今の規定で言うと、除名、退会命令、業務停止、戒告等があるというふうに聞いておりますけれども、年間こういったことを発動する件数というのはどれぐらいあるものなのか、お答えいただけたらと思います。
 以上です。
#11
○委員長(藤原正司君) まず、斉藤参考人、お願いします。
#12
○参考人(斉藤哲君) 御質問をいただきました点、二点あると思います。
 最初の御質問でございますけれども、このたびのあるいは従来の制度変更時への対応方はどうだったかというお尋ねというふうに最初の件は理解をいたしました。
 このたびの新法は、現行の本人確認法、組織的犯罪処罰法の疑わしい取引の届出というものの現行規定を盛り込む形で構成をされているところでございまして、その観点から見ますと、現在銀行が行っている実務を大きく変更するものではないというふうに考えております。
 過去の制度変更におきましても、当協会におきましては、会員あてに制度変更に関する詳細な通達を出したり、あるいは当局の担当者においでをいただきまして説明会を開催すること等によりまして、会員銀行に制度変更を周知いたしております。
 また、会員銀行がお客様に御連絡をする、あるいは周知をするという意味でのポスターやステッカーを一括で作成をいたしまして配付をする、あるいは今日お手元にお配りをいたしましたハンドブックを改訂すると、こういうことで、まずは銀行協会ベースで対応をすると。こういうものを受けて、会員銀行では新制度についての行員の研修を徹底すると同時に、お客様へのポスター等による周知活動、新制度の御説明の徹底に努めるということをやっておりまして、少なくともこのマネーロンダリング対策、テロ資金対策の関係で申し上げますと、制度変更のときに現場で大きな混乱が起きたというようなことはなかったものというふうに認識をいたしているところでございます。これが最初のお尋ねについてのお答えでございます。
 それからもう一つ、大変耳の痛いお尋ねがございまして、一般的に申し上げますと、先生の御認識では、顧客サービスの徹底にまだ工夫する余地があるのではないか、努力する余地があるのではないかということだというふうに受け止めておりまして、誠にじくじたる思いがするわけでございます。
 こういうことについてどんな工夫をしているかというようなお話だと思いますので、若干申し上げますと、まずこの新法についてのお話から申し上げますと、各会員銀行におきましては、このマネロンの問題というものについては様々な工夫で行員に対する研修を徹底しているわけでございます。
 各銀行でいろんな形でやっておりますので、ごくごく一例だけ申し上げますと、例えば階層別研修というやり方がございますが、階層別研修を取っているときに、新人に向かって行う研修、こういうところでは、お手元にお配りいたしましたような全銀協ハンドブックによりまして、まず基本の理解をさせるというようなこと、それから、窓口の係向けの研修では、口座開設時の本人確認手続やお客様への説明方法について具体的にケーススタディーを用いて研修をするというようなこと、それから、管理職の昇進研修のところでは、疑わしい取引の発見のポイントであるとか、苦情とかクレーム対応、こういうものに焦点を当ててやるというような、こういうような形で研修をやっているところがございます。それから、また別な切り口で見ますと、全店向け研修をテレビ会議でやるとか、あるいは各支店においてそれぞれの工夫で実例に沿った勉強会を行うというような形で研修を行っているようなことをやっております。
 それぞれに努力をしているつもりでございますし、また、今お話がございましたような雇用形態の変化によるもの、要するに、かなり銀行の店頭でもパートの方とか嘱託の方入っておりますので、こういうところに問題はないのかという御指摘も今ございましたけれども、こういう者がかなりの比率を占めるようになっておりますので、一般の行員とそれからパートなり嘱託なり、こういう雇用形態を取っているところも変わらずに行内研修は進めているところが大部分だというふうに思います。
 研修、一生懸命進めておりますけれども、行き届いていない点かなりあると思いますので、こういうものについては私ども、よろず相談所という、銀行とりひき相談所というところがございまして、ここには、銀行取引における苦情等につきましては受け止めて改善を図っているというような形で、なるべくお客様の声を聞くように努力をいたしているところでございますので、御理解を賜りたい。
 私からのお答えは以上でございます。
#13
○参考人(松坂英明君) 御質問いただきました件は、弁護士会の懲戒制度に関するお問い合わせ、お尋ねであると理解をさせていただきます。
 まずは、弁護士制度の懲戒制度の前に、自治の話でございますが、弁護士制度の歴史の中でさかのぼると明治時代にさかのぼるわけでありますが、そのいろいろな動きの中で、戦後、新しい法改正以来は弁護士の自治というものが法律で認められ、以来弁護士の懲戒処分というものは、監督官庁は持ちませんので弁護士会が自らやるんだと、やりなさいと、こういうことになったわけであります。どういう制度かといいますと、これは弁護士自治の基礎を成すものでありますので、国民の方々の御信頼にこたえるべく極めて透明性の高い制度設計がなされていると自負しているところであります。
 まず一つは、懲戒申立てはだれでもできるということであります。それから、懲戒の種類が四種類、今、秋元先生から御指摘のあったとおり、最も重いものが除名、それから二番目が退会命令、三番目が業務停止、例えば一か月とか二か月とか、最後が戒告、これは戒める、告げるということでありますが、これは注意処分というふうに御理解をいただければいいと思います。ただ、注意処分、戒告といっても、弁護士にとっては本当に、弁護士生命を絶たれるというくらい皆さん真摯に受け止めるものでありますから、非常に重く重く受け止められる処分であります。
 それから、だれが判断をするんだということでありますが、綱紀委員会、それから懲戒委員会制度というのを持ちまして、これは単位会の会長若しくは日弁連の会長も介入できない独立委員会という構成になっております。その委員会の中には、弁護士だけでは透明性が保てないだろうということから、検察官、裁判官、それから大学教授などの学識経験者、外部の方にお入りをいただいて、この件についての適正な処分はどのくらいかということを議論をしていただいているということであります。
 さらに、その判断に不服があったら、今度はそういう弁護士も裁判官も検察官も法学部の関係者も入らない、いわゆる国民の目から見て一切法曹関係者が一人もいないという綱紀審査会制度というのを今回立ち上げまして、数年前でありますが、綱紀審査会というところにいわゆる不服の申立てをすることができる。その綱紀審査会で、弁護士会の処分がおかしいというときは綱紀審査会がそれを判断し直すと、こういう制度を持っておるわけであります。
 次に、更に加えまして、懲戒処分があった場合には、我々の月刊誌のこの「自由と正義」でございますが、これにいわゆる公告、公に告げるということでありますが、掲載をして公告をするということになります。それからさらに、特段の事情がある場合には記者会見などを開きまして、いわゆる公に表す、公表をしております。
 次に、お尋ねの年間どのくらいの実績があるのだというお問い合わせでございますが、ここ二、三年の実績をちょっと調べてみたところ、年間、これはほとんどが戒告が多いんでありますが、五十から六十、半分以上が戒告であります。それから、一番重い除名、退会命令というのは、年間で二つ合わせて四から五くらいございます。あと残りが業務停止、例えば一か月とか二か月とか、あと場合によっては十五日とか、そういうのがございます。これも自ら厳しく、いわゆる身内びいきと言われないように厳しく律しているということの現れであるというふうに御理解をいただければ幸いだと思います。
 どうもありがとうございました。
#14
○秋元司君 時間になりましたので、終わります。ありがとうございました。
#15
○朝日俊弘君 民主党・新緑風会の朝日でございます。
 今日はお二人の参考人の皆さん、ありがとうございます。多分、突然のお願いで御苦労されたと思います。大変恐縮でございます。
 限られた時間ですので、まず斉藤参考人にお伺いします。
 先ほどもお話がありましたけど、既に金融機関、銀行については従来から本人確認法と組織的犯罪処罰法、この二つがあって、実務的にはやってきているのでそう大きな変わりはないんだと、こういうお話でした。
 そうだと思うんですが、ただ、そういうことをやってきておられた銀行の方々に是非お聞きしたいのは、今回スキームが変わるわけですよね。従来は金融庁がやっていて、そこから必要な情報は警察庁に送るという、そういう仕組みだったのが、今回はFIUそのものが警察庁、まあ国家公安委員会の下に置かれると、こういうことで全体のスキームが変わったということ。私は、そのことがより機能的になるのかなと思う反面、様々な情報が警察庁に集中することの問題はありはしないかという気がしていて、スキームが変わったことがどうしても必要だったのかどうかということが一つ。
 それから、特定事業者の範囲を広げましたよね、従来の金融機関等からかなりいろんな企業あるいは職種まで広げたと。そういうことの必要性が、今までマネーロンダリング対策とかテロ資金対策とかを強めていくに当たってどうしても必要なことだったのかどうか。
 この二点について、ある意味では先輩としての御意見をいただければと思います。
#16
○参考人(斉藤哲君) 今回の新法の制定は、国際的な協調の観点から、FATFの勧告をなるべく受け入れて実施をしていこうという観点から進められたものだというふうに理解をいたしておりまして、私どもの方からこのスキームについて、今までのものを変更する必要があったのかどうかということについて申し上げる立場には基本的にはないわけでございますけれども、情報が集中するというようなことについての懸念その他につきましては、これは官庁、官庁というか国でありますから、それはどこに情報が集中しても一緒なのかなと。対象業種を広げたという観点からすると、集中の、集積の度合いが増したんだということでございまして、そのことについて特に情報が集中することで心配はないかというお尋ねであれば、そのことについては余り心配をしているところではございません。
 それから、本当に対象を広げる必要があったのかと。特に、今までのマネーロンダリング対策の窓口をやっている、あるいは疑わしい届出をやっていた感触からするとどうかというお尋ねがもう一つございましたけれども、これも私どもの方で、対象を広げなければ本当に実効が上がっていかないんじゃないかと。銀行だけが一生懸命やってもほかのところに抜け道が出てくることがないのかというのは、やはり犯罪を捜査する立場からすると、やっぱり穴が、なるべくふさいでいきたいということはよく分かるところでございまして、本当に実効を上げようとすると、犯罪人というか悪い方が何かやる手段というのはなるべくふさいでいこうというお考えをお持ちになるのはよく分かることでございまして、それが正にFATF勧告が薬物犯罪から対象犯罪を重大犯罪に広げていった経緯だというふうに思っておりまして、これはやむを得ないことではないかというふうに私は考えております。
#17
○朝日俊弘君 ありがとうございました。
 あともう一点。特定事業者の範囲が広がったということもあって、今非常にあちこちから聞こえてくるのは、疑わしい取引というのはどこまでをもってどう疑わしいと判断して届出するのかという、疑わしい取引の範囲について随分疑問というか懸念というか聞くんですが、今まで既にやってこられた立場からすると、この疑わしい取引というのは、具体的にはいろいろガイドラインとか何かあるんでしょうけれども、新しい事業者の皆さんとこれから関係省庁との間で疑わしいというのはどういうものをいうのかという一定の材料が出てくるとは思うんですが、この点について、何をもって疑わしい取引とするのかということについて何かアドバイスがあればいただきたいと思いますが。
#18
○参考人(斉藤哲君) 大変それはこの核心の部分でございまして、疑わしい取引ということについてどこまで窓口なり特定事業者が追求した上でこれを疑わしいと見るかということにつきましては、大変難しいというふうに思います。
 私どもで、最初に冒頭陳述で申し上げましたけれども、薬物犯罪だけを対象にしたときには疑わしい取引というのを届け出る実態はほとんどなかったというのは、これは正にこの取引がどういう犯罪に使われる可能性があるかということについて特定業種の人間が知る立場にないわけでございまして、ただ怪しいなとか、こういう方がこういう金額をこんな回数でこんな形でお持ちになるというのは怪しいじゃないかというのは、これは長い職業経験からするとある程度見えるわけでございまして、こういう怪しいなという部分については、それは本当にそれが犯罪に結び付いているかどうかということを確信を持たなければいけないといったらこれはできない。ただし、怪しいということだけを一回はとにかく御連絡する、お届けするということであればこれはできるだろうということなんですね。
 したがって、疑わしい届出についてまず最初に必要なのは、その疑わしい届出というものがどこまで確信が持てる、確証があったら届けていいんだという話になってしまうと、多分実効が上がってこないだろうというふうに思います。そういうたぐいのものだろうというふうに思っております。
 疑わしい取引につきましては、先ほどのパンフレットの中にも書いてございまして、お手元の六十八ページ以下に具体的に記載をいたしております。これはもうごらんをいただいたかもしれませんけれども、これはこのケースに当てはまったら即届け出るということではないんですね。これを参考にして、先ほど申し上げましたように、職業的な経験から見て、一般的な知識あるいは経験、そしてそういうもののかつての事例とか、こういうものを踏まえて判断をしているわけでございます。実際の取引の中から不自然性のある取引というものを実質的に判断するということがこの特定業種に当てられた者の使命でございますから、これをどれだけ追求していけるかというのがポイントになってくるということでございます。
 銀行の規模であるとか、あるいはお客様の属性、学生なのか、あるいは商売人なのか、サラリーマンなのかと、こういうことでございますけれども、そういう方、それから地域、この地域はどういう地域だということもありますし、それから取引態様でホールセールなのかリテールなのかということで、大口の取引が一般的に行われているお店、それから小口の取引だけのお店とか、こういう形でのお客様の見方等々、かなりのカテゴリーに分けられるような内容でございます。特定の犯罪の存在を必ず認識させなければいけないというわけでなければ、それは一応怪しくないかということについては確認をしていく必要があるんではないかということでございます。
 御参考になるかどうか分かりませんけど、そんなような感じがいたします。
#19
○朝日俊弘君 ありがとうございました。なかなか難しいなという感想を持ちましたけど。
 じゃ次に、時間がありませんので、松坂参考人にお尋ねします。
 一番目の御質問は最初の質問と同じでして、今回新しいスキームを提案されている。一つは金融庁から警察庁にFIUを置いたと、それからもう一つは範囲を広げたと。今回、範囲を広げる中で、弁護士会の皆さんもその対象になる。届出のことについては除外されたけれども、特定事業者という範囲には入っているわけですね。この範囲拡大されたこと、新しいスキームについて御意見があれば率直にいただきたいと思います。
#20
○参考人(松坂英明君) まず、日弁連としては、従来から申し上げておったところでありますが、このマネロン対策、テロ対策そのものに反対しているものでありませんと、それは必要性もよく了解をしているところでありますと。ただ、だからといってそういう届出をさせるということが手段としていいのかどうかということで、弁護士のところは反対であるということで、そこに論点を絞って議論をさせていただいてまいったところなんですね。
 今お尋ねの、他の業界、業種の方々についていかがかと、こういう御質問かと理解させていただきますが、基本的にはその立法事実ないしはその業種の方々の仕事の性質であるとか依頼者との関係であるとかいうものが、皆さんの業種がそれぞれ違うんだろうと思うんですね。我々がその業種について一から十まで知っているかというと、存じ上げておりません。したがいまして、一概に他の業種まで広げたことがいいとか悪いとかいうことを直ちにこの場で私が軽々に申し上げることはできないなというふうに思っております。
#21
○朝日俊弘君 ありがとうございました。
 もう一点だけ。疑わしい取引の届出が除外されたということと同時に、本人確認、取引記録については会則で決めると、こうなったわけですね。先ほども御紹介あったように、かなり、私見せていただいて、相当に厳しい会則を作られたというふうに思うんですが、会則を作るに当たって特に留意された点をお聞かせいただければと思いますし、一点だけちょっと具体的なところで気になっているのが、記録の保存が五年と決められていますよね。ところが、関連する法律はたしか七年となっているので、この辺は問題ないのだろうかという、これもちょっと気になっているんですが、その点、時間の許す範囲内で。
#22
○参考人(松坂英明君) この先ほど御説明をさせていただいたいわゆる会規を定めるに当たりましては、弁護士会内部で相当の議論をさせていただきました。そこまでする必要があるのかないのか、場合によってはもっとすべきなのかどうか。元々、この会規を作る必要があるのかないのかから始まるわけでありますが、いろんな議論をいたしました。
 ただ、先ほど申し上げたとおり、我々も日本国の中の自治をいただいている日弁連といたしまして、きちっと国民の方々に御理解をいただけるようにしないといけない。そういう観点からは、きちっとできる範囲でやれることはやるという観点で、どこまでできるかということを議論いたしたわけであります。その集大成がこの会規であります。会則であります、法律上は会則となっていますが、この会規も会則の一種類でありますので、全く法制上は問題がないというふうに御理解をいただきたいと思います。
 次に、記録保存の期間が七年、法律では七年となっておりますが、我が方の会規では、会則では五年というふうになっております。これはそもそもFATFの勧告が五年以上というふうになっておりますので、日弁連としてはそのFATFの勧告なども参考にさせていただいていわゆる五年とさせていただいたところであります。
#23
○朝日俊弘君 ありがとうございました。
#24
○白浜一良君 公明党の白浜一良でございます。参考人の皆さん、今日はお忙しいところをお越しいただいて貴重な御意見をありがとうございました。
 斉藤参考人にお伺いしたいんですが、本人確認はもう既に銀行で実施されているわけでございますが、私どもいろんな陳情とかの相談を受けることが多いんですけれども、特に二月多かったのは、大学入試ございますね、それでいわゆる入学金の振り込みで、公立の高校生の場合は学生証が本人確認の証明になって、私学の高校の場合は駄目だと言われたと、こういう声をたくさん聞いたんですよ。ですから、これは一つの具体例なんですけれども、今まで実施されていてそういう本人確認上の何か顕著なトラブルとかあるんでしたらお教えいただきたいんですけれども。
#25
○参考人(斉藤哲君) 今の公立学校と私立学校の学生証の効果の差というのは、これはもう本人確認法で決まっている形でございまして、公立学校は官公署、私立学校は私的な経営体ということで、公立高校についてと私立学校の学生証でその学生証の意味するところが本人確認法上は違うというのはそのとおり事実でございます。
 学費とか入学金の納入につきましては、今回の本人確認法の政省令の改正のところに当たりましては、窓口で保護者とそれから本人、学生本人でございますが、保護者の方が学生の方に代わって振り込みをされるというのは一種の代理人の形を取るわけでございますけれども、通常であれば、代理人が何かをする場合には、本人確認は本人と代理人と両方についてやらなければいけないわけでございます。
 ただ、今年のケースにつきましては、窓口で保護者の方が学生の方に代わって振り込みを行うというような場合には、保護者と学生の双方の本人確認書類の提示を求めないで、実際に振り込み資金を出して手続をされる保護者御本人の本人確認で足りるという扱いをするということで、御迷惑をなるべく小さくしようということで会員あてに通知を出しております。各会員にはこういうケースに限らず柔軟な対応を取るようにお願いをしているところでございます。
 先ほどの学生証の差というのは、ちょっと私どもの方としてはいかんともなし難いというところでございます。
#26
○白浜一良君 金融庁も柔軟に対応するように指示出されたとは伺っておりますが、まあ分かりますわな、もう大体入学金とか払う者はもうね。だから、そういう厳格さ、法の趣旨から厳格さも必要ですけれども、一方で柔軟な対応もしてあげないと。本当に失望している声を聞いたんですよ、なぜですかということで。それは学生にとっては素朴な感想ですよね、それは。それで、確認の意味で御意見を伺ったわけでございます。
 それから、同じような意味で、先ほどからお話も出ていますが、疑わしい取引といっても、ここをどう確定するかというのは難しくて、一方で個人情報の保護というのが法律制定後特に強く出ていて、じゃ、窓口でちょっとおかしいなと思っていろいろ聞いて確認しようかなと思っても、余りしつこく言うと、何じゃと、お客さんとトラブルが起こるでしょう。そういう面で何か留意されていることはあるんでしょうか。
#27
○参考人(斉藤哲君) トラブルを起こすケースというのは、実は疑わしい取引かどうかを確認するというようなことでは余り起きているわけではないんですね。これは余り、怪しいんじゃないかといって根掘り葉掘り聞くということ自体がもう既に疑わしい取引のところで、お客様に対してこれは疑わしい取引について届けますよということを言ってはいけないと、そういうことについて第三者に伝えてもいけないということで、疑わしい取引の届出というのはこっそりやれということになっておりますから、そこでトラブルをこの件については起こすということは一般的にはないところでございます。
 そのほかの一般論として、取引の態様について本人確認法上のいろんなことをやるときにやはり注意をよくさせる、注意を喚起するのは、やはりまずこの本人確認の趣旨というのは、銀行のためにやっているとか、だれかのためにやっているということじゃなくて、やっぱり基本的には国際秩序の問題であり、かつ全体の治安の問題をみんなで協力して維持していきましょうという観点からやっているものですということについての御理解をよく説明をしていくというに尽きるということに考えていまして、それでもなおクレームといいますか、御不満な方はどうしても出てしまうと思いますけれども、なるべく丁寧に御説明をするようにということを周知しているところでございます。
#28
○白浜一良君 それから、先ほどおっしゃっていました、政府、民間一体の取組の重要性とか御主張されていましたし、政府は法制度の枠組みをつくって対策の重要性を広く周知すると、これがベースになっているんですけれども、政府といっても何か広報システムが余りございませんでして、何か特にそういう政府の取組といいますか、銀行業界はいろいろ努力されているのは、それは伺っていますけれども、何かそういう御要望とか御意見などがございましたらお聞かせいただきたいと思います。
#29
○参考人(斉藤哲君) その件につきましては冒頭に申し上げたところでもございますけれども、ただいま申し上げましたように、このマネロン対策、テロ資金対策というのは国際的協調の観点から行うものだということで実施をいたしますけれども、ただいま申し上げましたように、その成否はお客様にこの点を理解いただけるかということでございます。政府に広報をお願いをしたいというのは、やはりこれは一業界からお話をしてもなかなか納得感を得られない方も多い。そういうことで、政府から国としてこういうものが必要なんだということをよく周知をしていただければ有り難いというふうに思います。
 実際に、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、この年初に本人確認の政省令、一月四日から実施をされまして、十万円以上の現金による振り込みというのは本人確認が必要ですよという点について混乱も予想されたところでございますが、この際には政府広報を早めに打っていただきまして、私どもの広報と併せて周知をしたということで、そういう意味では今回うまくいったということで、この経験を是非踏まえて引き続き政府の方にもこういうことについて、今回、新法を制定するに当たっては、周知方についてはお願いをしたいなというふうに思っております。
 関連してちょっと二点御要望がございますので、よろしゅうございましょうか。
#30
○白浜一良君 ええ。
#31
○参考人(斉藤哲君) 申し上げたいと思いますけれども、一つは、政府にお願いしたいことは、実際に疑わしい届出の事例について民間にフィードバックしていただきたいということでございます。金融庁で主催をされてきました疑わしい取引の届出研修会というのがございますんですが、ここでは典型的な疑わしい取引の届出事例というものを御紹介いただきますし、そのほかFIUとして留意事項について説明をいただけるという機会でございました。銀行としても、これは大変有用なものというふうに受け止めております。疑わしい届出がどのように活用されたのかということをフィードバックしていただくことによって個々の銀行がこの仕事をするときのポイントがよく分かってくるということで、是非これは引き続きフィードバック充実をお願いをしたいというのが一点でございます。
 もう一点は、これもお願いでございますけれども、この後に政省令がそれぞれ出されると思いますけれども、こういう運用面におきまして、実務に現行以上の負担が課されないように御配慮をいただきたいということを申し上げたいと存じます。
 以上でございます。
#32
○白浜一良君 よく分かりました。今日、昼からも委員会やりますので、御趣旨を踏まえていろいろ確認していきたいと思いますから。
 どうもありがとうございました。
#33
○参考人(斉藤哲君) 済みません、ちょっとよろしゅうございますか。今のちょっと訂正がございます。
#34
○委員長(藤原正司君) 斉藤参考人。
#35
○参考人(斉藤哲君) 訂正がございまして、今十万円以上と申し上げました点、十万円超でございます。失礼いたしました。
#36
○白浜一良君 どうもありがとうございました。
 それでは、松坂参考人にお伺いしたいと思います。
 最初お述べいただきました、弁護士というのは司法制度の一翼を担っていると、それはよく分かります。もし裁判になったら原告なり被告なりの立場を弁護されるお仕事されるわけですから。そういう面で、いわゆる依頼者を本人確認、知らすことなしに届出するというのは反対だと、密告制度は反対だと、こういうふうにおっしゃった。密告というのは余り言葉、いい言葉じゃないですからね。余り使いたくないんで、あれですけれども。まあそれはよく分かります。それで、自主ルールとして、いわゆるこの規程を設けられたということもよく分かります。
 ただ、少し具体的に伺いたいんですけれども、「依頼を受けた後の適切な対応」という項目、第五条がございます。これを見たら、犯罪収益の移転にかかわるものであると知ったときは、違法ですよと、こう説明すると、また、説得に努めなきゃならないと、こういうふうに規定されて、それでも駄目な場合は辞任するんだと、こういうふうに規定されていますよね。まあこれはこれでいい。職業としての弁護士というのはそれでいいと思うんですが。
 明らかに犯罪性があると、こういうふうに思われた場合、その相手、相手そのものはそのまま不問になるんでしょうか。
#37
○参考人(松坂英明君) ただいまの御質問は、実は我々の守秘義務との関係で大いに問題のあるところであります。我々の、今の先生の御質問のケースというのは、守秘義務が解除される場合はどんな場合かということになるのではないかということであります。
 そこで、我々弁護士の法律上のいわゆる守秘義務が解除される場合をちょっと御説明をさせていただきたいと思います。
 基本的には依頼者本人から守秘義務を解除しますというふうに承諾を得た場合、これは当然いいんでありますが、今のようないわゆる厳しい判断を迫られる場合というのは、次の要件がある場合に解除されるということになっています。
 条件は四つあります。一つは、依頼者が犯罪行為に及ぶ意思が明確であること、二つ目、その実行行為が差し迫っていること、三番目、犯行の結果が極めて重大であること、四番目、それを回避するためには秘密の開示が不可欠であると、こういう四つの条件が整ったときに我々の守秘義務というのは解除されるんです。
 例えば、一つの設例を挙げます。これは実例があったというふうに聞き及んでおりますが、例えば離婚事件で非常にもめたと。で、そのだんなさんが非常に問題のある方で、非常に不満であると。自分のお嫁さんを、離婚の相手方である奥様をこの世から抹殺したいと、で、自分の弁護士に、包丁を持って駆け込んできたと、今から行きますと。さあ、その弁護士、どうするんだと。これは今の条件に合致するんですね。直ちに適切な対応をしなければ、その人はそのまま行って、その奥さんを、無防備な奥さんをあやめてしまうかもしれない。そのような場合には我々は、この条件に照らして適切な判断をして、いわゆるしかるべき適切な対応をいたします。具体的には、場合によっては相手方の方の弁護士さんに通報して、逃げなさいと、しかるべき対応をしなさいと、あと警察とも連携を取りなさいというふうな情報提供をすることもあるでしょうと、そういうことになっております。
 ですから、よく、これまでの先生方との御議論の中で、弁護士は何でもかんでも秘密にするのではないかというふうにおっしゃる方がいらっしゃるが、このように守秘義務が解除される場合もあります。そして適切な対応をするということになっておりますので、御安心をいただきたいなと思っております。
 どうもありがとうございました。
#38
○白浜一良君 終わります。
#39
○亀井郁夫君 今日はお二人ともどうもありがとうございました。非常に貴重なお話聞きまして、これからわずかですけれども、お尋ねしたいと思います。
 まず最初に、斉藤参考人に聞きたいんですけど、いろいろとパンフレット作ったりビラ作ったりしていろいろ努力しているという話、よく分かりましたが、そういうことの結果として、こういった犯罪行為になるかもしれないという問題、そういうふうな事件というのは起こったことがあるのかどうなのかということをちょっとお聞きしたいんですけどね、テロとの関係を含めて。
#40
○参考人(斉藤哲君) 私どもの方で疑わしい届出をしたものについて、それが実際に犯罪であったかどうかということのお尋ねだったというふうに思いますけれども、実際に疑わしい取引の届出をしたものがその後どうなったかということにつきましては、基本的にはフィードバックがされておりませんので、実際にはそれが本当にそういうものに結び付いたかどうかということは、ほとんどは分からないということになると思います。
#41
○亀井郁夫君 分かりました。
 疑わしい事実として申告した事案というのはどのぐらいあるんですか。疑わしい事案として警察に届けたような事案というのはあるんですか。
#42
○参考人(斉藤哲君) 疑わしい取引の届出をした件数というのは、私どもの方は全体を把握しているわけではございませんけれども、金融庁さんの方で整理をされた数字としては届出件数が十一万件超あるというふうな数字をおまとめになっていらっしゃいます。これ、私どものまとめた数字ではございません。
#43
○亀井郁夫君 金融庁の方の数字として十一万件というのは、何年間かよく分かりませんが、毎年十一万件もあるんですか。
#44
○参考人(斉藤哲君) ここにございます数字は十八年度でございます。
#45
○委員長(藤原正司君) 斉藤参考人。
#46
○参考人(斉藤哲君) 失礼いたしました。ここにある数字は十八年度でございます。
#47
○亀井郁夫君 一年間ね。
 次に、松坂参考人にお聞きしたいんですけれども。いろいろと弁護士会でやっておられると、よく分かりましたけれども。一番しっかりしていますよね、団体の中でね、主要な団体の中で。ほかのところを全部調べてみたんですけど、ほかのところにはそういう規程は一つもないんですよね。倫理規程に類するようなものは全くなくて、会の運営に絡む程度のものしかないんですね。そういう状況の中でいろいろやられるんですけれども、弁護士会と同じような形で、差があるのに差を認めないで今回一緒に除外しちゃったというのはおかしいんじゃないかなと思うんですけど、それについてはどのように思われますか。
#48
○参考人(松坂英明君) 先ほども別の団体、業種の方々の、業種が広がったというときに述べましたところと同じなんでありますが、他の士業の方々について、我々は業種などについては違いがあるとは思っております。すなわち、憲法上の位置付けはどうなんだとか、それから依頼者との関係がどうなんだとか、刑事裁判に絡むのか絡まないのかとか、いろんな違いがございます。したがいまして、他の士業のところの報告義務が削除されたことについては我々知りませんので、その業界のことについては詳しくは知りませんので、何とも軽々にコメントができないというのが実情であります。
 ただ、各士業の方々が、仄聞するところによりますと、非常に良かったというふうに感想を述べておられるということなんですね。それはそれで我々も良かったのではないかというふうに思っているところでありますが。
#49
○亀井郁夫君 次にお尋ねしたいのは、いろいろあるけれども、この規則も見せてもらいましたけど、これは今年の七月から実施なんですね。だから、これまではこういう規程がない中で運用されておったわけで、そういう意味でも最後は、さっきおっしゃった守秘義務の解除の場合ということですべてを解決するんだということで言われましたけれども、そうであれば、この規程の中に、マネーロンダリングなんかの場合、例えば、それをやるためには守秘義務の解除の問題にも触れて、もっと具体的にこういう場合にはこうするんだということを言われないと、辞めることまで言ってあるけど、後のことが書いてないんですよね、規程にはね。だから、そういう意味じゃ不十分だと思うんですけど、その辺は議論はなかったんですか。
#50
○参考人(松坂英明君) まず最初に、ちょっと説明を付加させていただきたいのですが、この七月一日から施行予定の本人確認・記録保存の会規というものは、確かに明文化したものは、今回がきちっと作ったのは初めてなんですが、それの考え方、基本的な理念というものは、我々が職務上のルールとして定めた弁護士職務基本規程というルールの中に全部書き込んであると、ほとんど書き込んであると。今回のこの七月一日から施行する予定の会規は、それのいわゆる分かりやすく特別規程にしたというものでありまして、その精神は元々あったわけであります。取って付けたように今回初めて作ったものではありません。
 次に、先生の御質問の趣旨というのは、守秘義務が解除される場合をきちっとルールの中に明文化したらいいのではないかという御指摘だと思います。これに対してはなかなか、その性質上、条文化することがなかなか難しい面がございますので、一様に、はい、そうですねとは言えない事柄なものなんです。今度時間があればゆっくり御説明をさせていただきたいと思いますが。
 ただ、先生の御意見の趣旨はそういうことをもっときちっと周知してくださいということだと思いますので、今後全会員の、先ほど申し上げた研修であるとかサテライト研修であるとか、それからこの特集の記事の中でそういうことについても触れて、各全会員が適切な対応ができるように周知徹底を図っていきたいと思っております。
 どうもありがとうございます。
#51
○亀井郁夫君 おっしゃるように、長い歴史の中で積み重ねられた内規だと思いますけれども、弁護士さんの中には、いい弁護士さんがほとんどですけど、九九・九%は立派でも、中には〇・一%ぐらい変な弁護士さんも実際にいるんですよね。それを変なことが起こってからいろいろと処罰されることもあるけれども、やはりこういった大事なことを、国民の生命にかかわるようなことにも絡むわけですから、その辺は十分考えて、やはりこういう場合はこうするんだと、だから大丈夫なんだと、こう言ってもらえれば我々は安心しますけれども、やはり一番いろんな士業の中でも犯罪行為に結び付きやすいのは弁護士さんですからね、正直言って。弁護士さんのところがしっかりちゃんとやってもらわないと我々は不安ですよね。悪い相談乗ってからやられたんじゃ困りますからね。だから、その辺についてよろしくお願いしたいと思いますけど、いかがでしょうか。
#52
○参考人(松坂英明君) 大変励ましのお言葉であると受け止めさせていただきたいと思います。
 先ほど自由民主党の秋元先生から御指摘があったとおり、我々は弁護士自治を守るために、先ほど申し上げたように懲戒制度というのを持っております。今先生の御心配は、そういう若干問題のあるときには、見過ごすことなくきちんと手を掛けて懲戒という制度の中で指導監督をしていくと。余りひどい場合には、先ほど申し上げたとおり退会命令とか除名とかいう厳しい対応も取って、いわゆる日弁連、日本弁護士連合会の全会員が国民の方々から信頼されるということを毎日毎日考えて会務活動をしているところであります。
 今後とも、亀井先生にも御支援をいただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
#53
○亀井郁夫君 終わります。
#54
○委員長(藤原正司君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、貴重な御意見をお述べいただきまして誠にありがとうございました。当委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。
 午後一時に再開することとし、休憩に入ります。
   午前十一時二十六分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#55
○委員長(藤原正司君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、櫻井充君が委員を辞任され、その補欠として木俣佳丈君が選任されました。
    ─────────────
#56
○委員長(藤原正司君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 犯罪による収益の移転防止に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として警察庁刑事局組織犯罪対策部長米田壯君外三名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#57
○委員長(藤原正司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#58
○委員長(藤原正司君) 犯罪による収益の移転防止に関する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#59
○朝日俊弘君 昨日に引き続いて、犯罪収益移転防止法について幾つか質問を続けたいと思います。
 昨日の質問に幾つかお尋ねし忘れた点がありますので、まず最初に二問ほど宿題を先に片付けてから今日の課題に行きたいと思います。
 一つは、念のため確認しておきたいという意味で御質問をさせていただきますが、今回提出されている法律案は、従来からある本人確認法と組織的犯罪処罰法、この二つの法律を基本として組み立てられていると、こういう理解はしているんですけれども。
 さて、今回このような立法をすることによって、従来からある二つの法律、つまり本人確認法と組織的犯罪処罰法の二つの法律は廃止されて新しい法律に全部包括されることになるのか。それとも、それはそれで枠組みとしては残って、それぞれの一部を新法に統合されるという形になるのか。その場合、そうだとすれば、新しい法律と従来の二つの法律との関係はどうなるのか、ちょっと法律の関係について御説明いただけますか。
#60
○政府参考人(米田壯君) この法案と既存の関係法律の改廃との関係でございますが、この法案の施行は、大ざっぱに申しまして前段、後段の二つに分かれております。前段の施行は四月一日、そして後段の施行は公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日となっております。
 前段の施行の日においては、FIUが金融庁から国家公安委員会に移管がされます。それに伴いまして、現在疑わしい取引の届出を定めております組織的犯罪処罰法第五章、この規定を多少手直しをいたします。そして、後段の施行のときに、新しい事業者に関する規制、監督等々の規定が一斉に施行されます。それに伴いまして、組織的犯罪処罰法第五章、第五章は削除をいたしまして、そして金融機関本人確認法は廃止がされるということになるわけでございます。
#61
○朝日俊弘君 そうすると、実施時期によって違うけれども、組織的犯罪処罰法の方は第五章の部分がこれに統合される、金融機関等にかかわる本人確認法の方は廃止されると、こういうことですが、そうすると、お尋ねしたかったのは、組織的犯罪処罰法の五章以外の部分は残りますよね。それと今回の法律との関係はどんなふうになりましょうか。
#62
○政府参考人(米田壯君) マネーロンダリング対策の法制度としての柱は二つございまして、一つは組織的犯罪処罰法の第五章以外の部分で、マネーロンダリング行為、どういう行為に対して処罰をするか、そしてその収益を剥奪するかということが定めております。
 もう一つは、そういう処罰対象となっているマネーロンダリング行為の防止、そしてそういう収益剥奪等のことが行いやすくするために、本人確認や疑わしい取引の届出が本人確認法あるいは組織的犯罪処罰法第五章で定められております。
 そういうことで、今回は組織的犯罪処罰法第五章と、そして本人確認法の内容が今回の法案の方に入ってくるわけでございますので、そういう意味では、残った組織的犯罪処罰法の方はどういう行為をマネーロンダリング行為として処罰するかといったことが中心になって定められておりまして、それをどう防止するかということにつきましては今回の法案の方で定められていると、こういうことになるわけでございます。
#63
○朝日俊弘君 分かりました。
 そうすると、両方の法律が相まって対策に資すると、こういうことと理解しました。分かりました。
 それじゃその次に、これも宿題なんですが、今御説明あったように、四月から少なくともFIUが金融庁から警察庁に移る、国家公安委員会に移る。当然、そういうふうに仕組みが変わるわけですから、関連する予算も動くというか変わると思うんですね。つまり、ごく普通に考えれば、当然、警察庁の方にFIUが来るわけだから警察庁の予算は増えるんだろうし、逆に金融庁に置かれていたのが動くわけだから金融庁の予算は減るんだろうと思うんですが。
 これは予算の関連法案ということでもありますので、大ざっぱにで結構ですから、警察庁にかかわるこの新しいスキームの変更に伴って予算はどの程度増えるのか、逆に金融庁の方はどの程度減るのか、ちょっとお聞かせください。
#64
○政府参考人(米田壯君) 平成十九年度予算におきましてはFIU機能の基盤の強化に必要な経費、主にシステムを構築するということでございますが、これが七億四千万円、それからFATFを始めとする国際的枠組みへの参加、外国FIUとの情報交換等に必要な経費、これが約一億円、それから広報啓発活動に必要な経費約三千万円、合計いたしますと約八億七千万円を措置してございます。
#65
○政府参考人(知原信良君) 金融庁の方の十九年度の予算額につきましては、十八年度のFIU関連の予算の中から合計約五千三百万円の予算減となっております。
 その内訳につきましては、分析システム関連予算の減といたしまして約四千八百万円、それから国際連携協力のための経費の減といたしまして約五百万円というような減となっております。
 以上でございます。
#66
○朝日俊弘君 そうすると、数字は分かったんですけれども、何か金融庁の方の減る分と警察庁の方で増える分と比べると随分差があるんですが、これは何でですか。
#67
○政府参考人(米田壯君) 今度FIUを国家公安委員会に移管をするということになりますと、対象事業者が増えるということを前提に、かつその分析能力を強化しなければならないということで新しくシステムを組むわけでございます。したがいまして、一時的にその開発経費が非常に多く掛かるということがございまして、それを除きますと、平年化いたしますと、システム関係ではランニングコストは大体六千万円ぐらいということになります。
 それから、国際的な交流というのも活発化させなければならない、諸外国のマネーロンダリング対策の進んだ国に人も派遣しなければなりませんし、もっと積極的に国際会議に参加しなければならない。したがって、そういう関係の経費も、従来金融庁が行っておられたときに比べれば増えているということでございます。
#68
○朝日俊弘君 分かりました。ただ単に移るだけじゃなくて、対象事業者の範囲も拡大するわけですし、そういう意味ではトータルとしての予算額は増えるということで、それは理解するんですが。
 これもまた念のため確認しますけれども、当然、警察庁は警察庁でその他の予算もあるわけですね。今回新たにこの仕組みを引き受けるということになると、これ一応、先ほど御説明になった額は純増と考えていいんですか、トータルの警察庁関係の予算から考えると。
#69
○政府参考人(米田壯君) これはなかなか、トータルの中でどのように判断すべきか。いろんなほかの要因で減らされたりしているような部分もございますので分かりませんが、大ざっぱに言うと、純増というわけではございませんが、ここの部分についてはかなり配慮を財政当局からいただいているというふうに理解をしております。
#70
○朝日俊弘君 少なくとも、新しい仕事を引き受けることになったわけだから、その分については、丸々というわけではないかもしれないけれども、その分きちっと手当てはしていただいていると、こういうお答えだったというふうに思います。
 じゃ、以上、二つの宿題を済ませた上で、今日幾つかお尋ねしたいのは、もう午前中にも参考人の方においでいただいて御意見をちょうだいしたわけですけれども、特定事業者の問題について幾つか尋ねていきたいと思います。
 まず、これは国家公安委員長にお尋ねするわけですが、従来の規定、金融機関等が対象になっていたと。今回の改正で、金融業者以外の、例えば不動産業者とか貴金属商とか宝石商とかという新しい事業者及び職業専門家、弁護士さんとか会計士さんとか、適用範囲をかなり広げました。そのことの理由と、それからその広げた範囲が妥当であるかどうか、なぜその範囲に広げたのかという、この二つの点について基本的な考え方をお聞かせください。
#71
○国務大臣(溝手顕正君) 今回、新たにファイナンスリース、クレジットカード、宅地建物取引業、貴金属・宝石商、郵便物受取・電話受付代行業及び各士業者を特定事業者として追加したのは、FATFの勧告において追加が義務付けられているというのがまず主たる理由でございます。これは、マネーロンダリング対策及びテロ資金対策は各国が密接な連携協力の下に行うべきであり、その国際標準であるFATFの勧告を立案の指針とすべきであるという考え方からでございます。
 ただし、例えば、宅地建物は財産的な価値が高く現金との交換を容易に行うことができること、様々な評価が可能であり、実際の価格に上乗せする形で犯罪による収益の移転ができるというような特性、あるいは宝石、貴金属は財産的価値や流動性が高く、世界のどの地域においても現金との交換が容易なことや、その小さな形状から持ち運びが容易であることなど、それぞれの特徴についても検討を行って、その規制をすることに対する合理性についても検討を行ってまいったところでございます。
#72
○朝日俊弘君 そうすると、基本的にはFATFの勧告に示されている業種というか事業体を念頭に置いて広げたと、こういうことなんですが、ちょっとその広げ方なんですけれども、これまでにあった本人確認法では、法律の条文においてそれぞれこれこれの業、これこれの業と定めておいて、最後に、そのほか政令で定めるものという項目があって、多少政令の範囲でいろいろ追加したりすることができるような規定が書いてありました。ところが、今回はそういう政令で定めるものという規定はなくて、まあ全部、全部というか、対象とすべきものは全部条文できちっと明記するという形にされていますよね。こういうふうにされた何か意味というか理由はあるんでしょうか。
#73
○政府参考人(米田壯君) 現行の本人確認法は金融機関等が対象でございまして、金融機関あるいはこれに準ずるものという一応全体の概念、対象の大くくりがあるわけでございます。それで、法律で制定当時明定、明確に書くことができたものは書いていくと。政令で言わばセービングクローズを設けておりますが、政令で何を追加するかといえば、それはやはり金融機関等という、金融機関あるいはこれに準ずるものというまあ大ざっぱな枠があって、それを具体的に書くということになろうかと思います。
 そういう意味で、今回の法案では、金融機関等というようなある意味特定の何となく類似するグループではなくて、いろんな種類の特定事業者が入っておりますので、なかなかそういう同じような政令委任の方式はちょっと取りにくいということで、今回はもう法律ですべて書かせていただくということになってございます。
#74
○朝日俊弘君 その理由は分かりましたが、そうすると、今後仮に範囲を広げるとか逆に削除するとかいう場合は法改正が必要になると、こういう理解でいいですね。
#75
○政府参考人(米田壯君) そのとおりでございます。
#76
○朝日俊弘君 次に、特定事業者の範囲、一応そういうことで法律で定めたと。しかし、その業務実態を個別に見ていきますと、非常に規模が小さいとかあるいは限定的であるとかいうことで、確かに事業者の範囲には含まれるけれども、個別の事業者単位で見ると必ずしも適用対象にする必要がないのではないかという事例も出てくると思うんですよね。そういう実態があると私は思うんですが、そういう実態があるとお考えになっているかどうかということと、そういう実態があった場合に、そういう場合にはどういう対応をするのか。いや、小さくとも範囲が限定されて、もう全部とにかくしゃくし定規に適用するんだという考えでいくのかどうか。ちょっと考え方をまず聞かせてください。
#77
○政府参考人(米田壯君) この法案では、その対象が、まず対象事業者ということを特定をしまして、そしてこの法案に基づく措置をとっていただく対象業務、その対象事業者の業務の中でこの法案に基づいてとっていただく対象業務、これを特定業務といいますが、ございます。さらに、本人確認でありますと、その特定業務の中で特定取引行う際に本人確認を行っていただくということで、順々に絞っておるわけでございます。
 例えば、不動産業者について申し上げますと、これは特定業務が既にその宅地建物取引業者の行うもののうち売買関係業務ということでまず絞っておりますので、例えば賃貸の関係を中心とするような業者さんでありますとそれはそもそも入ってこない、特定業務にないということで、この法律の措置はほとんど関係ないということになります。
 それから、いわゆる士業者につきましても、士業者の業務のうち不動産の売買、会社設立それから資産管理等の代理代行ということに特定業務は絞っておりまして、さらにそれの関係の委任を受けるところが特定取引と、こういうことになりまして、かなり実際の適用場面としては絞られるということになろうかと思います。
 したがって、そういう、私どもがいろいろマネロンリスク等々考えてこれは必要だと思っております特定業務あるいは特定取引というものに該当しない、ほとんどやっていらっしゃるけど該当しないという事業者さんもいらっしゃると思いますけれども、それは時々はあるかもしれませんけれども、それは記録保存等の負担もそんなに重くはないだろうというように考えております。
 いずれにしましても、私どもといたしましては、業務負担とかあるいは実行可能性ということも考えながら、所管の行政庁が窓口になりまして、十分業界の意見を入れながら、政令で絞っている部分もございますので、そういうものを立案の際には十分業界の意見も反映させながら対応してまいりたいというように考えております。
#78
○朝日俊弘君 そうすると、今の御説明だと、特定事業者というふうに大きく、まあ網を掛けると言ったら変だけれども、枠を決めるけれども、具体的には特定の業務が何で、特定の取引が何でという形で絞り込んでいく作業はあると。それは今のお話でいうと、関係省庁ごとにいろいろ実態を把握し、あるいはどういう分類というかランク付けになるのかということを省庁ごとにやっていくということになるようなんですが、多分もう既にいろんな団体というか業者、グループから意見なり要望なりも寄せられていると思いますし、それらを各省庁ごとにいろいろと聴いて受け止めていただいて、これから具体的に対応していくということになると思うんですけど、ちょっとその手順というか段取りというのがどんなふうになっていくのかということと、その作業に警察庁はどんなかかわり方をするのかと、この点ちょっと御説明ください。
#79
○政府参考人(米田壯君) あくまで各事業所管官庁が窓口となり中心となるとは思うんですが、例えば、疑わしい取引のガイドラインあるいはこの法案に基づきます政省令、こういったものを作る際には、一つは各所管官庁がまず原案を作って、そして一つはその業界と調整をしていただくと。もう一つは、全体の取りまとめ、それとマネロンの実態を一番把握しております国家公安委員会、警察庁において、これが果たして実効性があるのか、あるいは全体の公平性がどうなのかといった点からやはり意見を言わせていただくと。こういうようなことを経まして、なおかつ当然パブリックコメントも必要ですから、パブリックコメントも行って、そして立案、決定されていくというものであろうと考えております。
#80
○朝日俊弘君 今の答えは次の答えとごっちゃになっていませんか。
 私が今お聞きしたのは、これからお聞きするのは疑わしい取引の範囲の話をお尋ねしようと思っているんですけど、今お聞きしているのは、まず特定の事業者を枠組みを決めるでしょうと。その中で、じゃ全部が全部対象になるのかと言ったら、いやいや、それはある程度具体的に実態を見ながら除外していく場合もあるんですよという御説明をされた。その作業はどこでどんな手順でされていって、警察庁はそれにどのようにかかわるのかということをお尋ねしたんですよ。今の答えでいいんですかね。
#81
○政府参考人(米田壯君) 結局は、個々の事業者にどのような、何というか、具体的に措置をとっていただくとか、あるいはどの範囲がその対象業務になるとか、そういった話でございます。
 したがいまして、政省令を定めていく、あるいはガイドラインを作っていくということは、手続としては似たようなものになるんではないか。つまり、業界と調整をしつつ、そしてその全体のマネロンの実態を把握し、なおかつ全体の取りまとめをする国家公安、警察庁からの意見も反映させていただいてそして作っていくと、こういうことになろうかと思います。
#82
○朝日俊弘君 そうすると、確認しますけど、その対象となるかどうかについても各省庁ごとに政省令で定めていくという手続が必要になるわけですか。
#83
○政府参考人(米田壯君) 対象のところは全部をちょっと把握しているわけでございませんが、大体政令でございます。それからあとは、そうですね、対象業務については政令でございます。
#84
○朝日俊弘君 分かりました。
 じゃ、それはそういうことと理解して、じゃ今の話とある程度重なってくるんじゃないかと思うんですけど、その次に、今日も参考人の皆さんからも大分やり取りをしましたが、届出が義務付けられる疑わしい取引の範囲の問題であります。
 今日、参考人の方からも結構、疑わしい取引とは何ぞやということについて随分、銀行ではマニュアルというか具体的な事例などを示したパンフレットを作って勉強してもらっていると、こういう御説明もありました。御説明を聞きましたけれども、聞いてもやっぱり結構難しい点があるなという印象でした。
 そこで、この疑わしい取引の範囲あるいはその判断基準、これをどういうふうに示していくのか。私は、それなりに法律なりあるいは政省令できちっと厳格に示していくべきであるというふうに私は思うんですが、一体この疑わしい取引の範囲あるいは判断基準についてどんなふうにその具体的な基準を示していこうとしてるのか、どういう作業で、手順でそれを作っていこうとされてるのか、是非これからの取組方も含めてお答えいただきたいと思うんですが、やっぱりかなり関係する業者からもこの点に関しても結構要望あると思うんですね。余り分かりにくくても困るし、逆に余り分かりやすくというか具体的にやるとそれ以外は駄目だということにもなりかねないし、結構難しいんじゃないかと思うんですが、どんなふうにされるおつもりですか。
#85
○政府参考人(米田壯君) まず、疑わしい取引の内容でございますけれども、これは顧客の属性あるいは取引の状況、その他事業者が保有しております当該取引に関する具体的な情報、これを総合的に勘案して、当該事業者において、この法律で定めております収受した財産が犯罪収益である疑い、それから顧客が犯罪収益の隠匿等を行っている疑いというのを判断していただくということになっております。これを法律あるいはその下位法令で細かく規定していくということは、これはこういう、何といいますか、事業者の知見、経験に基づいて判断をしていただくという、この現在の制度も含めましての趣旨とは少し異なることになろうかと思います。
 ちなみに、今金融機関に対しまして金融庁からガイドラインが示されております。このガイドラインには注意書きが書いておりまして、かなり細かい要件、何といいますか、着目点を書いておるわけでありますけれども、これに注意書きが書いておりまして、これに当たるからといって疑わしい取引と必ず届けなきゃいけないというものではないし、逆に、これに当たらないからといって疑わしくないというわけでもないということになっておりまして、形式的に判断すべきものではなくて、あくまでそういうものを手掛かりにしながら、疑わしいかどうかということをそれぞれの事業者において事業者が持つ一般的な知見、経験に基づいて判断をしていただくと、こういう制度でございます。
 したがいまして、そのガイドライン作りというのは大変重要でありまして、なおかつ、それは単に役所が考えるというんではなくて、事業者さんの方でこれが実行可能であると、これを目安にすれば判断可能であるということでなければならないわけでございますので、先ほども申し上げましたけれども、ガイドライン作りにおきましても各事業者の意見を十分に反映させ、なおかつ、やっぱりマネロン実態等の問題がありますので、私ども国家公安委員会、警察庁の意見も言わせていただいて、そして各事業者ごとにその事業所管官庁において作られると、こういうことになろうかと思います。
#86
○朝日俊弘君 そうすると、多分法律とか政令とか省令とかいうものにかちっと書きにくい面があって、それをあえて、しかし何もなしでは、判断基準がないでは困るので、従来本人確認法などではガイドラインという形で示してきたと。したがって、今回も、特定事業者の範囲は広がったけれども、それぞれの事業者ごとに意見を聴きながら、それぞれにこの事業についてはこんなガイドラインという、個別のガイドラインを作っていくんだというお考えと理解していいですか。
#87
○政府参考人(米田壯君) さようでございます。
 各事業者ごとに相当事情というか業務の実態も違いますので、それぞれに作っていただくということになります。ただ、余りに、何といいますか、ガイドラインのレベルが違うということになっても困りますので、そこは全体を取りまとめる私どもからいろいろ意見を言わせていただきながら調整を図ってまいりたいと考えております。
#88
○朝日俊弘君 そうすると、それで分かったんですけど、今日午前中の意見でも出ていましたけど、そういうことを何かもうちょっと現場にフィードバックしてほしいという意見があったんですよね。
 だから、一応届け出る、それをいろいろいろんなところから情報をFIUが集める、その中でやっぱりそうだったのかというのと、いや、全然違っていたというのとあると。それについてはフィードバックして、場合によってはガイドラインそのものを作り直すというか、よりいいものにするというか、そういう作業も必要だと思うんですけれども、その辺はどうでしょう。
#89
○政府参考人(米田壯君) 私も金融機関の方と公式ではないんですがお話をさせていただいておりますと、やはり自分たちが一生懸命届け出ると、しかしそれがどのように役立ったか分からないというようなこともお伺いをしておりまして、このフィードバックというのは是非やってまいりたいと思っております。
 この法案の第三条に、国家公安委員会の責務として、疑わしい取引の手口の情報、これを各事業者に提供するという規定も置いておりまして、これは個別に、あなたの提供した届出が個別にこの事件の検挙につながったというようなフィードバックの仕方がよいのかどうか。これは、いろいろ秘密の問題もあり、かえってその事業者さんの方が何らかの、何といいますか、報復というか、そんなことの心配もあるわけですから、どの程度具体的なものをフィードバックするかということは、これはまたよく検討させていただきますけれども、いずれにいたしましても、事業者へのフィードバックというのは大変重要なことで、やってまいりたいと思っております。
#90
○朝日俊弘君 是非、そういう御意見もございましたので、受け止めていただければと思います。
 じゃ次に、今は疑わしい取引の届出のお話でしたけれども、今回新たに、弁護士を始めとするいわゆる士業の皆さんにも特定事業者として位置付けるということになっているわけですけれども、この疑わしい取引の届出義務に関しては、そこは課さないと、義務は、その部分は課さないと、こういうことになりました。
 この点については、いろいろ様々な意見というか経過があってこういう結論に達したんだと思いますが、大事なところですので、ここは何ゆえ課さなかったのか、国家公安委員長にお尋ねします。
#91
○国務大臣(溝手顕正君) 弁護士による疑わしい取引の届出という点に関しましては、法務省等の御協力も得ながら、守秘義務の範囲には変更を加えないということ、あるいは届出も日本弁護士連合会に行うということなどの条件を付けまして、依頼者との関係に十分配慮した仕組みを当方で考案、検討して公表してきたところでございますが、日本弁護士連合会から、なお依頼者との関係において与える影響につきまして懸念が示されたということでございまして、その点を踏まえまして、これらの点については引き続き検討していく余地があるだろうと、必要があるだろうという判断をしたと。我々の提案について必ずしも一〇〇%受け入れられることはなかったということで、引き続き検討をする必要があろうという判断を我々サイドでしたわけでございます。それで本法から除外をするという結論を出したところでございます。
#92
○朝日俊弘君 もう少しきっぱりと言われるかと思ったら、引き続き検討していくというお答えで、これはまた問題を引きずっちゃいそうだなという気がちょっとしたんですが、続けます。
 そういうことで、届出義務を課さなかったわけですが、ところが、しばしば根拠とされておりますFATFの勧告の中では明確に、弁護士とか公証人とか会計士とかも義務付けられるべきであるというふうに明記されているんですよね。昨日のお答えでは、我が国もFATFには主体的に参加して意見を述べてきたと、こういうことですから、多分我が国もそういう考え方に賛同してきたんじゃないかと思うんですね。
 その明記されているFATFの勧告を受けて、昨日お話を伺った政府が定めた行動計画の中では、わざわざFATF勧告の完全実施に向けた取組と書いてある。私、完全実施という言葉が非常に印象的でして、完全実施するとなるとどうなのかなと、今回の法案は。この辺の関係をどう理解したらいいのか、まだいまだにすとんと落ちていないんですが、どう理解したらよろしいでしょうか。
#93
○国務大臣(溝手顕正君) 弁護士とかその他の士業者については、もう一点、本法の特定事業者として位置付けられるわけでございまして、本人の確認及び取引記録等の措置を行うことになるわけでございます。
 このことによりまして、例えば偽名などを使ってこれらの士業者を利用したり取引を行うことにより犯罪収益の隠匿を図っていくということは困難になるなど抑止効果はあるほか、一定の取引記録等が保存されることにより、より効果的な犯罪収益の追跡、剥奪、被害回復が可能になるなど、金融機関その他の特定事業者による措置とも相まってかなり実効的な犯罪収益対策が確保されるものではないかと考えているところでございます。
 すとんと落ちないというところなんですが、弁護士その他の士業者の疑わしい取引の届出につきましては、日本弁護士連合会から懸念が示されているということを踏まえて引き続き検討していく必要があると考えておりますが、将来、疑わしい取引の届出義務の対象に加えるんだという、結論ありきという考え方は我々は持っておりません。
 当然のことながら、今回の法律案における士業者の取扱いについても、その前段階として位置付けているわけではないということは申し上げておきたいと思います。
#94
○朝日俊弘君 しつこいですけれども、もう一問。
 もちろん引き続き検討されるわけですから、あらかじめ結論ありきではないと、これは当然のことだと思うんですが。ただ、FATFというところは、定期的にというか、相互審査をすると。いつごろまた相互審査があるのかちょっとお聞きしたいんですけれども、この相互審査の場合にレポートを出すと。勧告と比べてここがこうだこうだと、かなり厳しいレポートが出るようなんですね。
 私は米国に出された相互審査のレポートを見せていただいたんですけど、仮訳ですから間違っているかもしれませんけど、そこでもやっぱり、弁護士等について届出義務を課すと、もっとはっきり内報条項の対象とすべきと、こう言った上で、疑わしい取引を報告した場合の免責について考えましょうと、こういうレポートが出されているんですよ。
 とすると、当然、我が国も近々相互審査という機会があるだろう、そこで改めて相互審査のレポートでこうだと、こう言われたら、これはそうせざるを得なくなっちゃうんじゃないかという心配があるんですが、どうですか。
#95
○国務大臣(溝手顕正君) FATFによる我が国に対する相互審査の件でございますが、これは今年の秋以降を予定していると想定されておりますが、実際、それから数か月後ということですから、結果というのは来年の今ごろになる、一年後ぐらいになるのかなという予想はしているところでございます。相互審査においては、本法案の成立、施行により我が国のマネーロンダリングの、あるいはテロ資金対策が大きく前進したということを強調してまいりたいと思っております。
 なお、弁護士その他の士業が届出義務の対象外になったことについては、何らかの指摘を受けると思います。したがって、日本弁護士連合会は自主的な取組もしていただいていることも含めて、我が国のこういった施策の前進について御理解をいただけるよう努力をしてまいりたいと考えております。
 更に加えますと、本案の成立によりまして、我が国のマネーロンダリング及びテロ資金対策はFATFの勧告のかなり重要な部分には対応しているということになり、それ自体は大きな成果を上げたというように我が方では認識しているところでございます。
 精神論として、我々はそれにとどまらず不断の努力をしていくこともあえて申し上げて御理解を賜りたいと、このように思っております。
#96
○朝日俊弘君 今のお答えは、そのとおり受け止めたいと思います。
 今日、午前中の参考人からも、松坂参考人の方から、もし必要であるならばそういう機会に我々も出てちゃんと反論したいと、こうおっしゃっていましたので、そんなことも含めて、念頭に置いて対応されることを求めておきたいと思います。
 それでは次に、弁護士さんについては身元確認とか記録保存について特段の規定を定めずに弁護士会の会則にゆだねると、こういうことにしました。それは何でだろうと。違った側面から見ると、何で弁護士会だけはそうして、ほかの士業の方はそうしなかったのかなというふうに思うんで、この点についてちょっと御説明ください。
#97
○政府参考人(米田壯君) 弁護士を含みます士業につきましては、疑わしい取引の届出を除外をしているということでございます。
 その中で、弁護士とその他の士業の違いでございますけれども、これは監督官庁というものがあって、その監督に服しているのが弁護士以外の士業、弁護士につきましては日本弁護士連合会がございますが、日弁連はどこの役所の監督も受けていないと、極めて高度の自治を保障されているという、そういう存在でございます。したがいまして、この弁護士につきましては、本人確認、それから取引記録の保存というものにつきましては、その具体的な規範を日弁連の会則にゆだねると、こういうふうにしたものでございます。
#98
○朝日俊弘君 いや、それで二つ目の質問、何でほかの士業とは違うんだろうと。私は素朴に、弁護士さんにしろ税理士さんにしろ会計士さんにしろそれなりに、何というか、それぞれの専門家団体としてそれなりの自治を与えられている職能団体だと私は理解しているものだから、何で弁護士さんだけが特別扱いになるのかよく分からないんだけど、その理由は何ですか。
#99
○政府参考人(米田壯君) 他の士業の方は、これはそれぞれの行政官庁の監督にふだんから服しております。そこはもう全然自治の形態が違いまして、そういうどこの行政官庁の監督にも服していない弁護士と、それぞれ、例えば司法書士であれば法務大臣、行政書士であれば都道府県知事、税理士は財務省ですし、公認会計士は金融庁ですけど、そういうふうにすべてそういう監督下にある士業と、そしてそういう監督下にない弁護士というものは、おのずからやはり区別されてしかるべきであろうと思っております。
#100
○朝日俊弘君 そうすると、それは現行の資格法というか法律上そういう扱い、定めの違いがあるからそれに対応したまでと、こういうことのようですので、そのように理解をしておきますが。
 そこで、日弁連さんがこの三月に、規約というか規程というか、会則とおっしゃったかな、会規とおっしゃったかな、を定められたということで具体的なペーパーを見せていただきましたけど、ちょっと細かい点で恐縮なんですが、その中の本人確認と記録の保存というところの記録の保存期間が五年というふうに定めてあるんですよね、会規の中では。今日もお尋ねしたんですけど、本人確認法とか、従来の我が国の法律では時効の関係もあって七年というふうに保存期間を定められているということで、二年の差があるんですよ。これ、たまたまこの二年に挟まっちゃったらまずいなと思うんですけど、この点はどうお考えですか。
#101
○政府参考人(米田壯君) 日弁連が三月一日付けでお決めになられました規程は、これは会規ということで、会則から委任を受けた会規ということでございまして、現時点ではこれは日弁連が自主的に自分たちの中のことをお決めになった自主的な単なる規範であると。ただ、この法案の当該部分が、これは後段施行の部分でありますけれども、施行がされればこの法律の中に位置付けられまして、司法書士等の例に準じて日弁連が会則で定めるところにより本人確認とか取引記録保存が行われる、その会則に当たるということになろうかと思います。
 まず現在の、現行本人確認法でこれ七年と決めておりますのは、先ほど委員が御指摘のように、テロ資金供与等の罪の公訴時効が七年であること、あるいは実態的にやはり犯罪が五年を超えてから摘発をされるというようなこともあるものですから従来七年と定められておりまして、今回の法案でも七年というように、そのように規定をしたものでございます。
 日弁連が三月一日に定めました会規につきましては、おおむねこの法案の趣旨に沿っているものと認識はしております。ただ、これは詳細に見てみました場合、例えば御指摘のような点もございます。ただこれは、この法案の後段の部分が施行された後、そうすると、それは例に準じた、ここにいう会則としての要件を満たしているのかどうかというような問題は、これは単に例えば五年か七年かというような形式的なものではなくて、やはり弁護士の業務実態等をよく見た上で合理的に説明できるのかどうかというような点であろうかと思います。
 いずれにしても、これはまず日本弁護士連合会において御検討されるべきことではなかろうかと考えております。
#102
○朝日俊弘君 いや、私も形式的に五と七と違うからどうするんだと言うつもりはないんですけど、日弁連さんがお決めになったことについてそれはそれで尊重しなければいけないし、今日も、いやFATFの勧告では五年以上となっているんだからいいんだと、こうおっしゃっていたので、それはそれでそれなりの論拠があるのかなと思うんですが。ただ、可能性としては、ちょうどたまたまずれた二年のところにある出来事が起こってしまってはまずいなという気は残るんですよね。だから、ちょっとこれは今後の検討課題なのかなというふうに私は思っています。また、しかるべき意見交換の場があれば、十分そこのところは意見交換の一つの課題にしておいていただいた方がいいかなというふうに私は思います。
 さて、その次に、今日は法務省にも来ていただいていると思うんですが、先ほどの議論とちょっと重なるんですが、要するに弁護士さんとほかの士業さんとの違いの問題について若干、もう一遍くどいですけれども、お尋ねします。
 今回、弁護士さんたちは、疑わしい取引について届出をしなくてもよろしいと、こういうことにはなっているんですが、当然、さはさりながら、弁護士さんが職務上かなりこれは問題だというような事例に当たることもあるでしょう。むしろ、これは捜査当局にもうやむを得ず届けざるを得ないという事例もあると思うんですね。
 そういうせっぱ詰まったそういう事情があったときに、片っ方で弁護士としての秘密保持の問題、守秘義務の問題に違反じゃないかと、こういうふうに問われちゃうと板挟みになっちゃうことがあり得ると思うんですけど、そういうことについて免責というのか回避というのか、この辺のことを法務当局としてはどのようにお考えか、お聞かせください。
#103
○政府参考人(菊池洋一君) まず、今委員から御指摘のありましたとおり、日本弁護士連合会では、今年の三月一日に会規、依頼者の身元確認及び記録保存等に関する規程というのを自主的にお定めになったというふうにお聞きをしております。その中で、ただいま御指摘のあったとおり、弁護士の方は、法律事務という仕事の依頼を受けようとするときには、犯罪収益の移転にかかわるものであるかどうかをまず第一に慎重に検討しなさい、それから、犯罪収益の移転にかかわるものであると判断したときには依頼を受けてはいけませんと、さらに、依頼を受けた後に気付いたときには、依頼者に対して違法であるということを説明して違法な行為をしないようにという説得をしなければいけない、依頼者が説得に応じない場合には弁護士さんは辞任をしなければいけないと、そういう会規を定めて対応をしているというふうにお聞きをしております。
 お尋ねの点は、例外的な場合、弁護士さんは進退窮するではないかという点でございますが、これは弁護士法という法律の中に、「弁護士又は弁護士であつた者は、その職務上知り得た秘密を保持する権利を有し、義務を負う。」という定めがございまして、一般には弁護士の守秘義務というふうに言われているものでございます。すなわち、依頼者は弁護士さんのところに行きまして、トラブルに巻き込まれているんでしょうからいろんなことをお話しになると。そうすると、弁護士さんは依頼者の秘密を知る機会が多い。しかし、それを正当な理由もなく第三者に漏らしては、弁護士としての業務もできませんし、依頼者も困るということでございます。
 ただ、今申し上げました弁護士の守秘義務を定めた条文は、正当な理由があれば秘密を開示しても構わないというふうに一般に解釈されておりますし、現に、高等裁判所レベルでございますが、裁判所でもそういう判断が判決の中で示されております。正当な理由がどんな場合かというのは、これは一概になかなか申し上げることはできませんで、個々の事実関係いかんでございますけれども、この点について解説してあります法律の本などを見ますと、ただいま委員御指摘のような正にそのようなケース、すなわち依頼者の犯罪行為の意図が明確であること、そしてその犯罪行為を行うということが差し迫っているということ、さらに犯罪をした結果が極めて重大であって秘密を開示することが不可欠であると、そういった場合が正当な理由がある場合の一つの事例というふうに示されているわけでございます。
 したがいまして、現行法の今申し上げました解釈を前提にすれば、委員御指摘の御懸念はそれほど心配はすることはないんではないかというふうに私どもとしては理解いたしております。
#104
○朝日俊弘君 分かりました。今日、参考人も全く同じことを述べられておりましたので、それはそれで理解いたしました。
 そこで、今は弁護士さんの話なんですが、弁護士さん以外の士業についてはどうなっているんだろうか。当然、同様の配慮があってしかるべきと私は思うんですけど、まあ一つ一つ聞いていても切りがありませんから、例えば司法書士さんの場合は今御説明のあったような弁護士さんについての考え方というか法律の解釈というか、いうことと同じように考えていいのかどうか、この辺についても重ねて考え方をお示しください。
#105
○政府参考人(寺田逸郎君) 結論から申し上げますと、同様にお考えいただいてよろしいと考えております。
 司法書士の場合には、同様に守秘義務の規定が法律上置かれております。むしろ、弁護士法と異なりまして、そもそも正当な事由がある場合でなければ業務上知り得た秘密を漏らしてはならないという、正当な事由が除外されているというそういう規定ぶりになっておりますので、今、司法法制部長の方から弁護士法の解釈について述べられたことはむしろ明文上明らかであり、その適用の範囲も恐らくは同様というように考えているところでございます。
 なお、この点につきましては、司法書士会の団体、司法書士会の連合会等とも十分な打合せを今後して、適用について明らかにさせていただきたいと考えているところでございます。
#106
○朝日俊弘君 ありがとうございました。もちろん、具体的な事例の判断については、場合によっては裁判による判断を求めざるを得ない場合もあるかもしれませんけど、規定として、あるいは解釈としてそのような解釈が成り立つということをお聞きしました。
 そこで、最後にこの法律の検討規定について伺います、何かまだ法律ができ上がっていないのに検討規定聞くのもおかしな話ですけど。
 この法律の最後の附則のところに、法律の実施状況とかあるいは国際的動向とかを勘案して必要な措置を講ずると、こういう書きぶりをしてあるんですね。これはまあ余り気にせずにさらっと読めばさらっと読めるんですけど、しかし国際的動向というところを気にすれば気になるんですね。この検討条項の書きぶりについて若干の御説明をいただければ有り難いと思います。
#107
○政府参考人(米田壯君) この検討条項は、規制改革・民間開放推進三か年計画、これ閣議決定でございますが、これにおいて必ずこの検討条項を置くようにということになっておる、その例によりまして置いておるものでございます。ですから、特別な何か意図があるというわけではございませんけれども。
 具体的には、国際的動向というのは当然やっぱりFATF勧告というようなものが今後どのように改定されていくのかというようなことは当然入るでしょうし、また国内におきましても、本法の特定事業者以外の事業者が犯罪による収益の移転に著しく利用されているような実態が出てくるとか、そのようなことを勘案をいたしまして、この法案の内容についてもまた検討していく必要が生じてくるということもあり得ると、こういうようなことを考えております。
#108
○朝日俊弘君 ありがとうございました。以上で質問を終わります。
 最後に、お願いをして終わります。
 昨日も繰り返し申し上げましたけど、確かにFATFという国際的な組織があって、何かタスクフォースというんだそうですね、そのところからいろいろな提案なり勧告が出されると。しかし、それは我が国が受け身でいただくばっかりではなくて、むしろそのFATFの活動に我が国が主体的に参加をしているんだということでありますから、これからも様々な国際的動向について、一方的にというか受け身的に受け止めるだけではなくて、主体的にどう参加するのかというスタンスで対応していただきたいと、こういうことを望んで、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#109
○白浜一良君 若干の時間をいただいておりますので、質疑をさせていただきたいと思います。
 何回も説明はされておりますが、FATFですか、の勧告を受けてこの法律が出てきているわけでございますが、従来金融庁にFIUがございましたが、今回国家公安委員会に所属替えされると。
 何か三十一か国で、聞きますと、十七か国は捜査機関にそのような機関があって、あと十四か国は金融機関等にあるというふうに伺っておりますが、日本の場合は、国家公安委員会に所管された、新しい体制をですね、法律の体系としても作られたということでございますが、その背景と、どのようなそういう体制変更で効果があるのかと、概括的にまず御説明いただきたいと思います。
#110
○政府参考人(米田壯君) 今回、FIUを国家公安委員会、警察庁の方に金融庁から移管をするという判断は、これは内閣官房が中心となりまして政府として行ったものであります。
 これまでFIUが金融庁に置かれておりましたのがそもそも対象事業者が金融機関等であるというようなこともございましたが、今回金融機関以外にも対象業種が拡大をされるというところを契機といたしまして、暴力団その他の組織犯罪対策、それからテロ対策等に中核的な役割を担っております国家公安委員会、警察庁にその機能を移管することが適当であろうと、こういう判断がなされたものでございます。
 国家公安委員会、警察庁がFIU機能を担うということになりますと、一つは、暴力団、テロ組織、大量破壊兵器関連物資等に関する資金源対策の推進強化、それから関連する情報や専門的知見を活用した分析、そして国際捜査共助等の経験を生かした外国機関との情報交換の促進、こういうようなことが推進されていくだろうと考えております。
#111
○白浜一良君 せっかく公安委員会の下に置かれるわけでございますから、実効性が高まるように期待をしておきたいと思いますが。
 それで、今回、いわゆる業界の、業種も増やされたわけでございますが、大方、業界に所属されているような団体はいいですよね。だけれども、今回業種が広がりまして、その業種によりましては必ずしも業界団体に参加されていないというケースもありますよね、これ。そういう個別的な業者の方にもやっぱり本法の趣旨、徹底をする必要はあると思うんですが、この辺の実効性を高めるために、それを所管されているいろんな省庁との連携をどのように取られていらっしゃるのか、お聞きしたいと思います。
#112
○政府参考人(米田壯君) それぞれの業につきましては、それぞれの事業所管行政庁において監督をし、実績を上げていくということになるわけでございますけれども、私どもの方でも、犯罪捜査その他の警察活動により掌握をいたしましたその業の実態というものは、その行政庁にお知らせをすると。あるいは、国家公安委員会自身にも行政調査の権限がございますので、そういうようなものも活用して、悪質な業者については、その所管行政庁と連携をして業の適正が図られるように努めてまいりたいと考えております。
#113
○白浜一良君 それで、私、今言いましたように、業界に入ってない業者いるでしょう。この辺は当然、直接の所管じゃないんでどうこうとは言えないんでしょうけれども、それぞれ所管されている省庁がどうされるのか。これ具体的に何か取組やらないと、そういう業界に入っていらっしゃらない業者の方が悪質な方が多いかも分かりません。ということで、その辺の具体的な取組は特段何かお話合いはされているんでしょうか。
#114
○政府参考人(米田壯君) 確かに、今回対象事業になるものの中には、その業法がない、さらには業界もないというものもございます。これにつきましては、もちろんそれぞれ所管行政庁が責任を持っておるわけでございますけれども、先ほども申しましたとおり、私どもも、警察活動を通じての実態把握の中で、どこにそういう業者があり、どういう悪質な業者がいるということは把握できると思います。したがいまして、相協力してその業の実態をよく把握して、そして監督に遺漏がないようにしてまいりたいと考えております。
#115
○白浜一良君 その辺、具体的に話合いを詰めていただきたいと思います。
 それから、先ほどもお話合いございましたが、弁護士とか司法書士とかが今回届出義務を外されたということなんで、弁護士会は所管省庁がないのでそういう規程、自主ルールを決められたと、こういうことでございますが、あとの税理士会とか会計士会もそうでございますけれども、それは所管はあるんですけれども、所管省庁はあるんですけれども、届出義務を除外されたんで、そういうところも何らかのそういう自主ルールを本来決められるべきだと思うんですけれども、これいかがでしょうかね。
#116
○政府参考人(米田壯君) 必ずしも私どもで各所管行政庁とそれぞれの士業あるいは士業団体との、何というか、やり取りを把握しているわけじゃございませんけれども、引き続きまして、その各所管行政庁につきましては、この制度の周知を図りながら、これらの士業者がマネーロンダリングに利用されることがないように、各業界による自主的な取組が行われるように働き掛けていくものというように承知をしております。
 当然、私どもといたしましても、マネーロンダリングの実態、あるいはテロ、組織犯罪の実態等々を、所管行政庁にそういう情報を還元することによりまして後押しをしてまいりたいというように考えております。
#117
○白浜一良君 それから、当然、対象の業種が広がりまして、金融庁から公安委員会に来たと。そのいわゆる事務局でございますけど、担当されているんですね。当然スタッフも増える、増やさなきゃならないと。先ほど予算の話、予算だけのお話ございましたけれども、その辺の体制、人員体制の強化ですね。その辺はいつまでにどの程度というような目標というか、決めていらっしゃるんでしょうか。
#118
○政府参考人(米田壯君) 平成十九年度予算におきまして、先ほどお答えしましたお金の問題だけではなくて、増員あるいは組織につきましても認められております。
 移管後のFIUの体制につきましては、課長級を長とする約四十名の体制の組織でまずこれを担当するということにしてございます。現在、金融庁に置かれておりますFIUの体制はこれは課長より下の室長以下で十七名でございますんで、そういう意味ではかなりの体制強化になろうかと思っております。
 ただ、主要各国のFIUは、アメリカのFinCENだと二百九十名、イギリスだと二百名ということで、大体三けたの人員を持っているところが多いわけでございます。この辺は、そういう諸外国の例も参考としながら、今後、移管後の状況をいろいろ踏まえまして、更に体制については検討を続けてまいりたいと考えております。
#119
○白浜一良君 それから、先ほど御質問したことと関連するんですけれども、金融機関の場合は先行していますので、いろんな意味でガイドラインができているわけですね。今回、業種が広がりまして、他業種にもやっぱりガイドラインが必要だと思うんですが、これはまあその所管の省庁とのまた話合いということにもなるんですけれども、こういう具体的なガイドラインの作成という面では話が具体的に進んでいるんでしょうか。
#120
○政府参考人(米田壯君) 各省それぞれ個別の業界といろいろお話はされていると思いますけれども、いずれにしても、この新規対象事業者の部分の施行までにガイドラインを業界とよく話し合って作っていただくということが大切ではないかと思っております。
 その際、業界の意見をよく聴いていただくとともに、私どもから、やはりマネーロンダリング対策のレベルの問題がありますし、それから各事業者間の負担公平といった問題もございますので、その辺は私どもからも意見を言わせていただくということで、よく業界、それと政府内部の調整を通じまして詳細なガイドラインが策定されていく、いくといいますか、私どももそれを後押ししてまいりたいというふうに考えております。
#121
○白浜一良君 よろしく推進をしていただきたいと思います。
 それから、これも先ほどお話にあったんですが、三条一項ですか、手口情報の提供というのがありますね。当然、そういう手口情報を提供されるということもこれ大事なんですが、その手口情報の提供が逆に悪用されてしまうというか、その情報を受けて、そういうケースもあるわけで、そういう面では、これは一般的な事例であると思うんです。個別ケースをおっしゃるわけじゃないんで、そういう面では心配ないんですけれども。一般的なそういう手口の情報提供ということであっても、そういう情報が逆に悪用される。悪意を持った特定業者というのはありますよね。その辺の情報管理ということも一方で大事なんですが、この辺の関係というのはどうなんでしょうか。
#122
○政府参考人(米田壯君) 大変悩ましい問題でございまして、この手口情報提供だけではなくて、そもそも警察がいろんな犯罪に関する情報を一般にどのように提供してどのように知っていただくかというようなときに常に悩むといいますか、問題になる問題でございますけれども、先ほど委員御指摘のとおり、やはり情報提供の方法とか内容を工夫しながら、その均衡といいますか、何とか適切に提供ができるように図ってまいりたいと思っております。
 いずれにいたしましても、我が国のマネーロンダリングそれからテロ資金対策のレベルを上げるためには、国民の理解、それから各事業者の協力というのは不可欠でございますので、積極的に情報を提供してまいりたいと考えております。
#123
○白浜一良君 それから、情報管理という面で、いろんなこの疑わしい取引の情報がこうばっと集まってくるわけでございますが、その集まってくる情報をしっかり逆に流出せぬように管理するということもこれ大事なわけでございますが、来年度予算の中でFIUの関連予算が八億七千五百万ですか、その中でそういう情報管理という意味での要素、中身、こういうものは含まれているんでしょうかね。
#124
○政府参考人(米田壯君) 先ほど申しました八億七千万円、そのうちのシステム関連予算が大体七億三千万円でございます。当然、この中には情報管理対策も入っておるわけでございますが、これをなかなか切り分けるというのは難しいわけでございます。
 ちなみに、どういったことを考えておるかといいますと、まず、その生体認証、指紋等の生体認証による使用者の制限、各種情報に対するアクセス制限、それから端末操作の履歴の保存、アクセス記録の保存、情報の暗号化、不正プログラム対策、そういった対策を講じることといたしております。
 ただ、それ以外にも施設面にもいろいろ工夫を凝らすセキュリティーもございますので、なかなかその全体で幾らというのはちょっと出すのは困難でございます。
#125
○白浜一良君 別に、そういう切り分けておっしゃってもらう必要はないんで、ちゃんとされていたらそれでいい話で、全体のシステムとしてですね。
 これ、なぜこんなことを言うかといいますと、何か先日、個人のパソコンか端末のパソコンか知りませんけれども、ある警察で、いわゆる同僚の情報を全部抜き取られたという事件がございましたですよね。だから、その捜査の経緯、どういう情報だったのか私は知りませんけれども、簡単にそういう同僚が抜き出せるような情報管理じゃとてもじゃないけどこれは駄目だと、そういう意味で私は申し上げたわけでございまして、これは御担当じゃないかも分かりませんが、警察全般のそういう情報のセキュリティー、情報管理のセキュリティー、これはしっかりやるようになっているんですかね、これ。
#126
○国務大臣(溝手顕正君) 今のは山梨県の件だと思いますが、今まで分かったところによりますと、パソコンを使っている警察官が使っていたインサートする何かデータですね、それを同僚が盗んだという話でございます。この問題がいろいろ、何というんですかね、示唆する問題は大きいと思うんですが、泥棒をするのをやめさせるというのはこれは大変難しいだろうと思います。それはまあそんなことを言ってはおれないんですが、ただシステムとしては、今、内閣官房で行われた評価結果によりまして、警察もかなり悪い指摘をされているというようなことがあるので、懸命になって今対策を取っているところでございますが、まだここではっきりいつからと言うことは、公表できないのが非常に残念なんですが、もう三月の中旬から既に一部は開始しておりますが、暗号による情報管理をシステムとして、プログラムとしてほぼ完成しておりますので、これを中央、地方、全面的に導入をしていこうと。だから、これは取っても解読できないということを含めてかなりの効果が上げられる、年度内には勢いが付いておおむね進み始める体制ができるんではないかと、このように思っているところでございます。
#127
○白浜一良君 しっかり対応をお願い申し上げたいと思います。
 それから、これは本法とは直接関係ないんですが、ちょっと関連してお伺いしたいのは、二〇〇四年の十二月、テロの未然防止に関する行動計画を策定されているんですが、そのときに、今後の継続すべき検討課題ということで、大変難しいんですけれども、三つ挙げていらっしゃるんですよね。一つはテロの未然防止対策に係る基本方針に関する法制、二つ目はテロリスト及びテロ団体の指定制度、三つ目がテロリスト等の資産凍結の強化、これが継続して検討すべき項目だと、関係省庁と検討をするということになっているんですが、これは二〇〇四年の十二月の話でございますが、この点はその後どういう経過にあるか、御説明いただきたいと思いますが。
#128
○国務大臣(溝手顕正君) 御指摘のとおり、個別法がぱらぱら出てきて、基本の問題がしっかりしてないじゃないかという御指摘については全くそのとおりだと思います。
 昨日ですか、朝日委員の指摘、同じような御指摘をいただいております。平成十六年十二月において政府で決定いたしましたテロの未然防止に関する行動計画というのがありまして、それに基づきまして、テロの未然防止の重要性や関係機関や国民の責務等に関して定めることを目的としたテロの未然防止に関する法制については、政府としては検討を行っているところでございます。
 当方としましては、関係省庁が多岐にわたるということなんで、政府が一体になって検討を進めるべきだと、早急に進めるべきだという主張をいたしておりますし、この検討に対しては積極的に参画をしてまいりたいと、このように思っておるところでございます。
#129
○白浜一良君 それぞれ大きなテーマなんで、それで、日本のような島国というか歴史的にそういう繊細さはないんですよね、危機管理という面では。だけれども、オウム事件のようなこともございましたし、しっかりした体制づくりをやっていただきたいということを要望しておきたいと思います。
 最後に、今朝、銀行協会と弁護士会から参考人来ていただいて、意見聴取をやったわけでございますが、これ通告してないんですけれども、大臣、簡単なことですから。
 二つ銀行協会から要望がございまして、一つは朝日先生がおっしゃったことなんですけれども、いわゆる事例をできるだけ教えていただきたいと一つは申しておりました。それは何というか、フィードバックという意味だけじゃないと思うんですね。いろいろな事例が分かればチェックしやすくなる、現場が、そういう意味だと思いますが。
 もう一つおっしゃったのは、法律がこれ成立しましたら、その後政省令を決めていかれるんですが、今でも銀行はそれぞれ本人確認、それからいわゆる疑わしい取引の届出やっていますよね。で、政省令作られるんでしょうけれども、これ以上事務量が多くならないようにしてほしいという切実な要請が、この二点ございました。
 せっかく参考人から御意見聴きましたので、それに対する所感を聞いて質問を終わりたいと思います。
#130
○国務大臣(溝手顕正君) 第一の点ですが、その事例の問題、情報の、さっき部長が答えたそういう面は確かにないことはないんですが、出した方がやっぱり出して良かったというようなことは対応しなくちゃいかぬだろうと思いますので、事例集というか、こういうことで効果があったんだということについて、我々、積極的に受け止めていく必要があろうかと思います。
 それから、作業量が増えるということについては全くそのとおりでございますが、私個人の念願としては、振り込め詐欺というのが、マネーロンダリングを含めて、いろんな金融庁の届出が十一万件に及ぶという、数に及んだ大きな理由の一つだろうと思いまして、これはかなり沈静化をしてくるんだろうと思います。こういう仕事自体は暇であれば暇であるほどいいわけでございまして、我々としてもしっかりこの問題に取り組んで、業界に迷惑を掛けることがないようにこれからも頑張ってまいりたいと、このように考えております。
#131
○白浜一良君 終わります。
#132
○亀井郁夫君 国民新党の亀井でございます。最後でございますので、もうちょっとよろしくお願いしたいと思います。
 この前は時間がなくてちょっと質問できなかったことを一、二質問して、本日の問題に移りたいと思いますけれども。
 まず最初に、本年度は三千名ぐらい警察官を増やしていきたいということが言われたわけですけれども、非常に結構なことだと思うけれども、検挙率がなかなか上がらないと。三〇%ぐらいにちょっと上がっているけれども、まだまだいかぬという状況ですし、警察にしても犯罪が増えたんじゃ困るんですけれども、しかし警察官も、警察官がこんな犯罪を犯したのかというふうなこともあるわけですから、教育は非常に必要だと思いますけれども。そういう意味では、教育をしっかりやるとか、あるいはまた配置の問題も、警備警察から刑事警察、交通警察、いろいろあるけれども、それについてもいろいろ考えておられると思うんだけれども、それについてお尋ねしたいと思います。
#133
○国務大臣(溝手顕正君) 先生のおっしゃるとおりでございまして、新年度で三千人という枠をいただいて我々としては非常に喜んでいるところでございますが、決して無駄にしてはならないと思っておりますので、先ほど御指摘がありましたように、内部努力も含めまして、効率的に要員の配置を考えてまいりたいと思います。
 ちなみに言いますと、検挙率については、平成十八年は三一・二%となっておりまして、五年連続で改善していることは改善しているわけですが、更にもっと努力をしてまいりたいと思います。
 教育の問題というのは、最もそういう意味でこれからの大量退職時代を迎えて一番重要なことだろうと思います。真に警察官たるふさわしい人物を採用するところから始めて、学力、体力、使命感、高い倫理観と職務執行能力を持つ、個々の警察官の資質を高めるように最大限の努力をしてまいりたいと、このように考えております。
#134
○亀井郁夫君 ありがとうございました。
 今、検挙率も三一%というんじゃまだ低いですから、やっぱり五〇%以上せめて行くようにしっかり頑張っていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 次に聞きたいのは、コンプライアンス経営に対する取締りの問題ですけれども、この間、民間会社の人と会っていたらこんな話を聞いたんですね。我々のときにはかけマージャンいつもやっていまして、千点五十円か百円かそんなもんで、今ごろはそういうマージャンもいかぬという通知を出しているということで、非常にセンシティブになっているんですけれども、しかし、永田町では千点百円なんてマージャンじゃなくて、もっと高いのもあるやに聞くんだけれども。
 そういうことで、警察としてはこういったコンプライアンス経営に対する考え方、どの程度からマージャンなんかでも挙げるのか。まあ、暴力団とかそういうのは別ですけれども、普通みんなやるのはお互いに仲よくするためにやっているわけですし、わずかな刺激というのは必要ですけど、他方で警察も、パチンコなんかではもう物すごい激しいものを認めてきておるわけですから、ちょっとおかしいんじゃないかと思うけど、それについてはどう考えておられますか。
#135
○国務大臣(溝手顕正君) 私もマージャンをしたことがありますので、お気持ちはよく理解できるところもありますが、こういう御質問でございましたら、もうこれは、刑法においてかけマージャンは犯罪とされているものだという御回答をする以外はないだろうと思います。
 しかしながら、警察としては、賭博の疑いのある事案を認知した上で、個別具体的な事案に即して、法と証拠に照らして、事件として取り上げるべきだと判断した場合には厳正にやるということでございますので、御理解を賜りたいと思います。
#136
○亀井郁夫君 まあ、賭博をやっていいなんて警察が言うわけにいきませんから、大臣の回答も分かりますけれども、しかし、取り調べる前によくその辺をよく考えて、余りむちゃな取調べはしないようにひとつよろしくお願いしたいと思います。そういうことで検挙率を上げようなんて考えないでね、お願いしたいと思います。
 それでは、今日の本題に移りますけれども、まあいろいろと議論されてきたんで、大分疑惑の点が分かってまいりましたけれども、一番難しいのは、疑わしい取引について、これの届出義務を士業の人たちが全面的に免除されているということですね。
 そうすると、これについては、今弁護士連合会やらあちこちから話がございまして、いろいろ調べてみたけれども、一番弁護士連合会はしっかりはしておるものの、疑わしい取引についていろいろ知ることも多いだろうと思うんだけれども、いざとなったらそれをちゃんと口説いて、やめるように言ってやめなければ辞めたらいいというような言い方に今度の規程はなっていますけれども。それからまた、あれですね、問題は、そういう疑わしいことについて守秘義務の厳守の問題とのバランスになってくるというようなことがいろいろあるんだけれども、これについてもうちょっと姿勢を正して厳しくやってほしいと思うんですね。業界でもいろいろな業界がありますから、士業界、士業界の中でもいろいろあると思いますから、その辺よろしくお願いしたいと思いますが、その辺どう考えておられますか。
#137
○国務大臣(溝手顕正君) 今御指摘の点でございますが、本件に関しては守秘義務の範囲というのには変更は加えない、あるいは届出は日本弁護士連合会に行うことにするというような案を我々から提案をいたしたところでございます。
 それで、何とか事態の進展が図れないかということで連合会と話を進めてきたところでございますが、今回は弁護士連合会の方から、なお依頼者との関係において懸念があるということで、この点については更に引き続き検討しようということで本法案から除外をしたわけでございます。その代わりと言っては、それはそれながら、いわゆる個人の確認、認証の件に関しては御協力をいただいて、このことによって本法律案の目的がかなり大きく達成できる、前進できるというような判断をして除外をしたというところが今回のいきさつでございますので、ひとつ御理解を賜りたいと、こう思っております。
#138
○亀井郁夫君 守秘義務の問題と、それから届出義務の関係、これはなかなか難しい問題とは思うけれども、しっかりこれやめるんじゃなしに、これから厳しくその辺は考えてほしいと思うわけですね。そういう意味でよろしくお願いしたいと思いますけれども。
 それからまた、こういうことから弁護士さんだとかあるいは士業の関係がこういうふうにあいまいにされたということから、ここは抜け穴になってしまう可能性が多分にあるわけですから、業界としては抜け穴に使われたんでは非常に困るわけですから、これについてもしっかり考えてほしいと思うんですけれども、その辺はどのように考えられますか。
#139
○政府参考人(米田壯君) まず、この弁護士その他の士業者につきましては、本人確認、それから取引記録の保存は行っていただくということでございますので、例えば偽名を用いてこういう士業者を利用して取引を行う、そのことによりまして犯罪収益を隠匿するということは、これは現状に比べて大変困難になろうかと思います。
 そういうようなことで、他の金融機関等による措置と相まってマネーロンダリング対策というものは我が国では相当これで進展していくものであろうと思います。
 警察庁といたしましても、この手口情報を提供するとか、あるいはそれぞれの士業者団体でいろいろ研修をされるということに対しては協力をいたしまして、これらの士業者がマネーロンダリングに利用されないように、利用されにくいように努めてまいりたいと考えております。
#140
○亀井郁夫君 しっかり頑張ってほしいと思いますが、最後に公安委員長にお尋ねしたいと思いますけれども、こういったマネーロンダリングだとかそれからテロ対策というのは、国際的な協力が必要であり、相当思い切ってやっていかなきゃいけないと思うけれども、どのようにお考えなのか、その決意のほどを聞きたいと思います。
#141
○国務大臣(溝手顕正君) 御指摘のとおり、国際テロ対策及び組織犯罪対策というのは一国限りの問題ではなく、今回の立法の契機となったFATFのほか、国連であるとかG8、あるいはICPO等の国際的な枠組みの下において国際的連帯の必要性が強調されてきたところでございます。
 特に、現在ではテロ資金や犯罪収益を瞬時に国境を越えて移転させることが可能になったわけであり、これを防止してあるいは追跡してそれを剥奪するためには外国との連携は不可欠であろうと、このように考えているところで、万全を期し最大の努力をしてまいりたい、このように思っております。
#142
○亀井郁夫君 ありがとうございました。
 それじゃ、しっかり頑張ってください。いろいろとこれまでの質問の中で、大体疑問点が分かりましたので、これで終わります。
 どうもありがとうございました。
#143
○委員長(藤原正司君) 他に発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 犯罪による収益の移転防止に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#144
○委員長(藤原正司君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、工藤堅太郎君から発言を求められておりますので、これを許します。工藤君。
#145
○工藤堅太郎君 私は、ただいま可決されました犯罪による収益の移転防止に関する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党及び国民新党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    犯罪による収益の移転防止に関する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について万全を期すべきである。
 一、犯罪による収益の移転防止及びテロ資金対策においては、国際的な連携を十分に図ること。また、金融活動作業部会(FATF)等におけるルール作りにおいては、我が国の国情を踏まえつつ、主体的な役割を果たすことができるよう体制を整えること。
 二、本法による措置の実施に当たっては、国民及び特定事業者に過度な負担を負わせ、その結果、健全な経済活動を萎縮させることがないよう十分配意すること。
 三、本法により新たに疑わしい取引の届出を行うこととなる特定事業者に対し、疑わしい取引の判断要件をできる限り明確に示すこと。
 四、本法において疑わしい取引の届出が義務付けられていない、いわゆる士業等特定事業者が、疑わしい取引と認識して自ら届出を行った場合については、免責を受けることを可能とする等、守秘義務との両立を図ることができるような措置を検討すること。
 五、疑わしい取引の届出に係る情報の取扱いについては、特定事業者から届出を受ける行政庁はもとより、当該情報その他の犯罪による収益に関する情報の集約、整理及び分析を行う国家公安委員会において、外部への漏洩等が発生しないよう、情報管理の徹底等に十分留意すること。
 六、国家公安委員会が金融情報機関(FIU)としての機能を十分発揮できるよう、金融庁のノウハウを活用するほか、情報の集約、整理及び分析に当たる人材の育成等体制整備を図ること。
 七、国家公安委員会による行政庁への意見陳述及び都道府県警察による特定事業者への立入検査等については、本来の目的を超え、濫用されることがないようにすること。また、一般国民への不当な権利侵害がないよう留意すること。
 八、本法の施行状況等を勘案して行われる犯罪による収益の移転防止のための制度の検討に当たっては、士業等特定事業者が有する自治の原則又は守秘義務の遵守、並びにこれらの事業者が疑わしい取引の届出の対象とされていない趣旨等に十分配慮すること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#146
○委員長(藤原正司君) ただいま工藤君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#147
○委員長(藤原正司君) 全会一致と認めます。よって、工藤君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、溝手国家公安委員会委員長から発言を求められておりますので、この際、これを許します。溝手国家公安委員会委員長。
#148
○国務大臣(溝手顕正君) ただいま可決されました附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。
#149
○委員長(藤原正司君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#150
○委員長(藤原正司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#151
○委員長(藤原正司君) 次に、道路交通法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。溝手国家公安委員会委員長。
#152
○国務大臣(溝手顕正君) ただいま議題となりました道路交通法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明いたします。
 この法律案は、最近における道路交通をめぐる情勢に対応して、交通事故の防止その他交通の安全と円滑を図るため、飲酒運転を行った者等に対する罰則の強化及び運転免許を取り消された場合における運転免許を受けることができない期間の延長、七十五歳以上の運転者に対する認知機能検査制度の導入、後部座席ベルトの装着の義務付け等を行うことをその内容としております。
 以下、項目ごとにその概要を御説明いたします。
 第一は、悪質・危険運転者対策の推進を図るための規定の整備であります。
 その一は、飲酒運転を行った者等に対する罰則を引き上げるほか、酒気を帯びている者で飲酒運転を行うおそれがあるものに対し車両等を提供する行為及び自己の運送の要求等をして飲酒運転が行われている車両等に同乗する行為を禁止するなどするものであります。
 その二は、救護義務に違反した一定の者に対する罰則を引き上げるものであります。
 その三は、一定の悪質な違反行為をしたこと等を理由として、公安委員会が運転免許を取り消したときにおける運転免許の欠格期間の上限を引き上げるものであります。
 その四は、警察官が運転免許証等の提示を求めることができる規定の見直しをするものであります。
 第二は、高齢運転者対策等の推進を図るための規定の整備であります。
 その一は、七十五歳以上の者は、運転免許証の更新を受けようとする場合等には、認知機能に関する検査を受けなければならないこととし、公安委員会は、当該検査を受けた者が一定の基準に該当するときは、臨時に適性検査を行うこととするものであります。
 その二は、七十歳以上の者は、更新期間が満了する日の六月前から高齢者講習を受講することができることとするものであります。
 その三は、七十五歳以上の者及び聴覚障害者は、普通自動車を運転する場合において、一定の標識を表示しなければならないこととするなどするものであります。
 第三は、自転車利用者対策の推進を図るための規定の整備であります。
 その一は、普通自転車は、その運転者が児童等である場合、車道等の状況に照らして歩道を通行することがやむを得ない場合等には、歩道を通行することができることとするものであります。
 その二は、児童等を保護する責任のある者は、児童等を自転車に乗車させるときは、乗車用ヘルメットをかぶらせるよう努めねばならないこととするものであります。
 第四は、自動車の運転者は、助手席以外についても、座席ベルトを装着しない者を乗車させて自動車を運転してはならないこととするものであります。
 第五は、その他の規定の整備であります。
 その一は、警察署長は、車両移動保管関係の事務を一定の法人に委託することができることとし、指定車両移動保管機関制度を廃止することとするものであります。
 その二は、安全運転管理者に関する規定を整備するものであります。
 なお、この法律の施行日は、七十五歳以上の者及び聴覚障害者の標識の表示等に関する規定、自転車利用者対策の推進を図るための規定、座席ベルト装着に関する規定、車両移動保管関係事務の委託に関する規定、安全運転管理者に関する規定については公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日、認知機能検査に関する規定、高齢者講習に関する規定、免許の欠格期間の上限引上げに関する規定については公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日、その他の部分については公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日としております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同賜らんことをお願い申し上げます。
#153
○委員長(藤原正司君) 以上で本案の趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
    ─────────────
#154
○委員長(藤原正司君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 道路交通法の一部を改正する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#155
○委員長(藤原正司君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#156
○委員長(藤原正司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時四十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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