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2007/03/22 第166回国会 参議院 参議院会議録情報 第166回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第4号
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2007/03/22 第166回国会 参議院

参議院会議録情報 第166回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第4号

#1
第166回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第4号
平成十九年三月二十二日(木曜日)
   午後二時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月十九日
    辞任         補欠選任
     犬塚 直史君     小川 勝也君
     柳田  稔君     山根 隆治君
 三月二十日
    辞任         補欠選任
     小川 勝也君     藤末 健三君
     大田 昌秀君     近藤 正道君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         黒岩 宇洋君
    理 事
                有村 治子君
                西銘順志郎君
                主濱  了君
                円 より子君
    委 員
                秋元  司君
                佐藤 泰三君
                脇  雅史君
                藤末 健三君
                藤本 祐司君
                山根 隆治君
                遠山 清彦君
                渡辺 孝男君
                紙  智子君
                近藤 正道君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策))  高市 早苗君
   副大臣
       内閣府副大臣   平沢 勝栄君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        谷本 龍哉君
   事務局側
       第一特別調査室
       長        三田 廣行君
   政府参考人
       内閣府政策統括
       官        原田 正司君
       内閣府沖縄振興
       局長       清水  治君
       内閣府北方対策
       本部審議官    香川 弘明君
       法務大臣官房審
       議官       後藤  博君
       外務省欧州局長  原田 親仁君
       厚生労働大臣官
       房審議官     村木 厚子君
       厚生労働省医政
       局長       松谷有希雄君
       厚生労働省労働
       基準局労災補償
       部長       石井 淳子君
       厚生労働省職業
       安定局高齢・障
       害者雇用対策部
       長        岡崎 淳一君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    中村 秀一君
       水産庁次長    中前  明君
       経済産業大臣官
       房審議官     本部 和彦君
       海上保安庁警備
       救難部長     石橋 幹夫君
       防衛省防衛政策
       局長       大古 和雄君
       防衛施設庁施設
       部長       渡部  厚君
       防衛施設庁建設
       部長       千田  彰君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○平成十九年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)、平成十九年度特別会計予算(内閣提出
 、衆議院送付)、平成十九年度政府関係機関予
 算(内閣提出、衆議院送付)について
 (内閣府所管(内閣本府(沖縄関係経費)、北
 方対策本部、沖縄総合事務局)及び沖縄振興開
 発金融公庫)
    ─────────────
#2
○委員長(黒岩宇洋君) ただいまから沖縄及び北方問題に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、犬塚直史君、柳田稔君及び大田昌秀君が委員を辞任され、その補欠として山根隆治君、近藤正道君及び藤末健三君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(黒岩宇洋君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成十九年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち内閣本府(沖縄関係経費)、北方対策本部、沖縄総合事務局及び沖縄振興開発金融公庫についての審査のため、本日の委員会に内閣府政策統括官原田正司君、内閣府沖縄振興局長清水治君、内閣府北方対策本部審議官香川弘明君、法務大臣官房審議官後藤博君、外務省欧州局長原田親仁君、厚生労働大臣官房審議官村木厚子君、厚生労働省医政局長松谷有希雄君、厚生労働省労働基準局労災補償部長石井淳子君、厚生労働省職業安定局高齢・障害者雇用対策部長岡崎淳一君、厚生労働省社会・援護局長中村秀一君、水産庁次長中前明君、経済産業大臣官房審議官本部和彦君、海上保安庁警備救難部長石橋幹夫君、防衛省防衛政策局長大古和雄君、防衛施設庁施設部長渡部厚君及び防衛施設庁建設部長千田彰君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(黒岩宇洋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(黒岩宇洋君) 去る十五日、予算委員会から、三月二十二日の一日間、平成十九年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち内閣本府(沖縄関係経費)、北方対策本部、沖縄総合事務局及び沖縄振興開発金融公庫について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 まず、審査を委嘱されました予算について高市沖縄及び北方対策担当大臣から説明を求めます。高市沖縄及び北方対策担当大臣。
#6
○国務大臣(高市早苗君) 平成十九年度内閣府沖縄関係予算及び北方対策本部予算について、その概要を御説明いたします。
 初めに、沖縄関係予算について御説明いたします。
 内閣府における沖縄関係の平成十九年度予算の総額は、二千六百四十二億三千九百万円、前年度当初予算額に対し九七・一%となっています。
 このうち、基本的政策企画立案等経費の予算額は、二百八十八億八百万円、前年度当初予算額に対し一〇〇・一%となっています。沖縄の自立型経済の構築等を目指すため、沖縄の情報通信産業をより高度化し経済発展につなげる施策を実施するための新・沖縄情報通信産業振興構想推進費、沖縄イノベーション創出事業等の経費のほか、世界最高水準の科学技術大学院大学構想を推進する主体となる独立行政法人沖縄科学技術研究基盤整備機構の運営に係る経費、島のそれぞれの魅力を生かした活性化への取組を支援する沖縄離島活性化特別事業費を計上いたしました。
 また、普天間飛行場等駐留軍用地跡地利用推進関係経費及び沖縄米軍基地所在市町村活性化特別事業費を計上するほか、沖縄北部特別振興対策事業費等の経費を計上いたしました。
 次に、沖縄振興開発事業費等の予算額は、二千三百五十四億三千百万円、前年度当初予算額に対し九六・八%となっています。その大宗を占める公共事業予算については、国全体と同様に抑制されたものとなっていますが、内容的には、新石垣空港整備事業の本格化など緊要度の高い事業に係る予算を確保する等の必要な予算を計上いたしました。
 また、独立行政法人沖縄科学技術研究基盤整備機構が実施する施設整備に係る経費のほか、沖縄の置かれた特殊な諸事情を踏まえ、不発弾処理等の戦後処理経費、離島、へき地の中核病院への専門医派遣や赤土対策について必要な予算を計上いたしました。
 続きまして、北方対策本部予算について御説明いたします。
 内閣府北方対策本部の平成十九年度予算総額は、十億八千万円、前年度当初予算額に対して一〇〇・九%となっています。
 このうち、北方対策本部に係る経費は、二億一千九百万円、前年度当初予算額に対し九七・八%であり、元島民後継者対策に資する推進経費や北方四島の帰属を確認して平和条約を締結するという政府の基本方針の下、関係者のニーズも踏まえ、時宜にかなった北方領土返還運動の在り方について調査検討する経費等を計上いたしました。
 次に、独立行政法人北方領土問題対策協会に係る経費は八億六千百万円、前年度当初予算額に対し一〇一・八%であり、北方領土問題の解決促進のため、全国的な規模で行う啓発事業、北方四島交流事業、北方地域元居住者に対する援護措置等を行う業務等に係る所要の予算を計上いたしました。
 以上で、平成十九年度の内閣府沖縄関係予算及び北方対策本部予算の説明を終わります。
 よろしくお願い申し上げます。
#7
○委員長(黒岩宇洋君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○秋元司君 自民党の秋元司でございます。今日は冒頭二十五分の時間をいただきました。前国会に続きまして質疑をさせていただきたいと思います。
 今日は予算における委嘱ということでありますけれども、私、常日ごろより、この沖縄に対する諸問題としてはやっぱり基地問題、当然、安全保障における抑止力の維持、これも大事なお話ではありますが、この基地問題と絡めて、沖縄に対する負担軽減というのは常に我々は忘れちゃいけない、そういった思いと、当然、経済の話としましては、自立型経済の構築、これが私は沖縄における最大の二つの大きな柱じゃないかと思っているわけであります。
 そういった観点から今日は質問をさせていただきたいと思うわけでありますけれども、まず、昨年五月に、いよいよ普天間飛行場の代替施設の問題が大きくまた議論される中で、日米共同で作ったこのロードマップにおいて二〇一四年には移設地完成ということが明記されておりますけれども、今現在におきます状況というものを、地元協議会といろんな議論も重ねていただいているということは承知しておりますが、そういった声も含めまして、現在の進捗状況を教えていただきたいと思います。
#9
○政府参考人(渡部厚君) お答えいたします。
 少し過去の経緯も含めて答弁させていただきたいと思いますけれども、普天間飛行場の移設・返還につきましては、平成八年の橋本・モンデール会談、SACO最終報告を受けまして、平成十一年の閣議決定あるいは平成十四年の基本計画に従いまして、平成十六年四月からは環境影響評価手続を開始いたしまして、また同年九月にはボーリング調査を着手したというところでございましたけれども、一部反対派の妨害等もございまして、そのプロセスが必ずしも円滑に進んでいなかったという状況でございました。
 他方、平成十六年八月の宜野湾市におきますヘリコプター墜落事故が発生したわけでございますが、この事故を受けまして、普天間飛行場の一層の早期移設・返還の必要性が高まったという状況を踏まえまして、一日も早い移設・返還を実施していくための方法をいろいろ検討したわけでございます。
 その結果、一昨年、平成十七年の十月の日米安全保障協議委員会、いわゆる2プラス2でございますけれども、こちらの共同文書におきましてL字案というものを示したものでございます。その後、防衛庁を挙げまして地元に対する御説明を行ってきたわけでございます。
 その地元との話合いを進めた結果といたしまして、今先生御指摘がありましたけれども、五月一日のロードマップというところに至っているわけでございますけれども、その背景としまして、地元の方から周辺地域上空の飛行を回避するという強い要請がございましたので、それに基づきましていわゆるV字形というものを考えまして、地元の名護市あるいは宜野座村と基本合意書を交わしたという背景があるわけでございます。
 この五月一日のロードマップ以降、沖縄県との間におきましても基本確認書を交わしまして、政府案を基本といたしまして、普天間飛行場の危険性の除去、住民の生活の安全あるいは自然環境の保全、事業の実行可能性といった点に留意して対応していこうということで合意しているわけでございます。
 このような地元名護市、宜野座村あるいは県等々の合意書あるいは確認書を踏まえまして、昨年の五月三十日に、在日米軍の兵力構成見直し等に関する政府の取組についてということで閣議決定をしていただいているところでございます。
 その後の関係地方公共団体との協議状況でございますけれども、今申し上げました五月三十日の閣議決定に基づきまして、昨年八月二十九日に、普天間飛行場の移設に係る措置に関する協議会というものを設けていただきました。これまで沖縄県、名護市等の地元の参加をいただきまして、この協議会を三回開催させていただいております。昨年の八月、十二月、それから本年の一月でございますが、この協議会におきましては、お互いの信頼関係をしっかりと築きながら協議を継続し、普天間飛行場の移設が早期にかつ円滑に進められるよう取り計らうということで意見の一致を見ているところでございます。
 現在、普天間飛行場移設に関しましては、現況調査等の契約手続を行いますとか、環境影響評価方法書の作成などを行っているところでございますけれども、これらにつきましては、沖縄県を始めとする地元とよく調整を行いまして進めていくことといたしております。
 また、昨年の九月以降、移設先でございますキャンプ・シュワブにおきましては埋蔵文化財調査、これは名護市の教育委員会の方で行っていただくわけでございますけれども、埋蔵文化財調査でありますとかあるいはいろんな測量関係の調査等を実施してきておりまして、これらの調査につきましては当然のことながら地元の方と十分調整をいたしまして、かついろんな形で協力をいただきながら実施してきているところでございます。
 普天間飛行場の移設につきましては、今申し上げましたように長い経緯があるわけでございますけれども、この間、地元の方々といろんな議論を経て今日に至っているわけでございまして、今後とも、政府といたしましては、ロードマップに示されました日米の合意案というものを基本にいたしまして、地元の意見をよくお聞きし、またよく説明して理解をいただきながら、一日も早く普天間飛行場の移設・返還を実現していきたいというふうに考えているところでございます。
#10
○秋元司君 まあ過去の経緯について、現在、今進めていただいていることについて御説明いただいたわけでありますが、私がちょっと小耳に挟んだ話でありますけど、地元の皆さんとの話というのは、今のV字形云々という話は当然基本的には合意されていると聞いております。ただ、場所につきましては、もう少し沖の方に出れないかという声があるわけでありますね。というのは、これは騒音問題等々が非常に議論されているわけでありましょうけれども、そういった声というのは聞いていらっしゃらないんですか。
#11
○政府参考人(渡部厚君) 地元の名護市等の方々の御意見といいますか考え方というものについては聞いております。また、私どもとしましては、地元といろんな形で、あといろんなレベルで調整あるいは協議をさせていただいております。
 その内容の逐一についてはお答えすることは差し控えさせていただきますけれども、地元とはいろんな形で十分話合いを行ってきておりますし、また今後ともそうしていきたいというふうに考えております。
#12
○秋元司君 早期という言葉を非常に強調されていらっしゃいますけれども、やっぱりこれは早期、信頼、そして今おっしゃられた円滑ということを考えますと、やっぱりどうしても地元の皆さんとのそれなりの話合いというのは引き続き努力をしていただかなくちゃならない、そういうふうに思うわけでありますけれども、よく聞こえてくる話なんですけど、まあ現場の方で何か言うと、いやアメリカがどうのこうのとか、よくこういう話が聞こえるそうなんですね。
 例えば、今、このロードマップにおいて示されたことは当然、日米の協議の上で今の方向に従って、今の計画の案に基づいて進めていらっしゃると思うんですけれども、仮にです、まあ仮の話をすると仮の話はできませんと言われたらおしまいなんだけど、いろんな協議の末、多少位置をずらすとか、そういう話になった場合は、これ一回一回やっぱりアメリカの承認を取らなくちゃいけないものなんですか。
#13
○政府参考人(大古和雄君) 今、施設庁の方からも御説明しましたように、この問題につきましては、昨年五月のロードマップにおいて日米間で合意した案を基本にいたしまして、地元の意見を聞き、よく説明して理解を得ながら、一日も早く普天間飛行場の移設・返還を実現してまいりたいということでございまして、今の先生の御指摘については、正に先生がおっしゃるとおり仮定の質問でございますんで、今は政府はこういう対応を取っているということで御理解いただきたいと思います。
#14
○秋元司君 いずれにしましても、私がお伺いしたのは、何かあると、いや、アメリカがどうのこうのと言われてしまって逃げられてしまうんですよという声もいろんなところから聞こえてくると思ったんで、やっぱり基本的には、決まったことは決まったこと、それはそれで国としての姿勢はあると思うんですけれども、ただ、それなりにいろんな協議過程の中で、例えばもしそれずらすとかいうことになった場合は、それは国内は国内の問題として議論するべきであって、一回一回、変な話でありますけれども、アメリカとどうのこうのするということじゃなしに、それは国内の議論としてできるものはできるものとしてやっぱりそれは私は整理をしていく必要性があると思うんで、是非このことを念頭に置いていただきたいなと、そのことだけ申し伝えさせていただきたいと思います。
 続きまして、テーマを変えさせていただいて、自立型経済の構築というテーマで議論させていただきたいと思うわけでありますけれども、同じく今回、先ほどお話をさせていただいたこのロードマップにおいて、部分的又は全面返還をされる地区又は場所が六候補挙がっているというふうにこの紙には示されているわけでありますね。同時に、そういったこの六地区、細かい詳細設計については、実は今年の三月までに詳細を詰めよということがロードマップに示されているわけでありますけれども、現在の状況について説明していただけますでしょうか。
#15
○政府参考人(渡部厚君) お答えいたします。
 昨年五月のロードマップにおきましては、普天間飛行場代替施設への移転、普天間飛行場の返還及びグアムへの第三海兵機動展開部隊要員の移転に続いて、沖縄に残る施設・区域が統合され、嘉手納飛行場以南の相当規模の土地の返還が可能となるということにされております。
 具体的に申し上げますと、キャンプ桑江、普天間飛行場、牧港補給地区、那覇港湾施設、陸軍貯油施設第一桑江タンク・ファーム及びキャンプ瑞慶覧の六つの施設・区域が候補施設とされておりまして、先生御指摘のとおり、本年三月までに統合のための詳細な計画を作成するということになっております。
 現在、この土地の返還につきましては、こういったロードマップの内容を踏まえまして、現在、詳細な計画の作成のため日米間で鋭意協議を行っている状況でございます。
#16
○秋元司君 三月ももう折り返しを過ぎていまして、今日は二十二日でありますけれども、別にいじめるわけじゃないんだけど、あと一週間でできるんですか。
#17
○政府参考人(渡部厚君) ロードマップにおきましては、先ほど申し上げました以外に、返還対象となる施設に所在する機能及び能力で、沖縄に残る部隊が必要とするすべてのものは、沖縄の中で移設される。これらの移設は、対象施設の返還前に実施されるといった規定がございます。
 現在、この土地の返還に関する協議におきましては、今申し上げましたような沖縄に残す機能、能力、あるいは移設先等の検討をも含めまして、現在具体的な協議を行っているところでございます。最大限努力をしている状況であるということで御理解いただきたいと思います。
#18
○秋元司君 別に政府側の責任を追及するために今の質問をしたわけじゃなくて、今回のテーマは、私、自立型経済の構築ということでの今の議論をさせていただいたわけでありますけど、要するに、部分ないし全面返還された跡地利用ということが、これが今後非常に私はテーマとなっていくと思いますし、先ほどの大臣のお話にもありましたように、この沖縄の自立型経済の構築、こういったことを考えますれば、当然、沖縄の地理的な優位性だとか、すばらしいああいった自然環境を利用した形での有効活用、強いて言えば観光リゾート、そういったところに特化をしていくというのがある意味沖縄らしい開発が進められるんじゃないかなと私も思うわけでありますが。
 この跡地利用のことに関しましては、要するに国、公の金で呼び水としてインフラ整備をするということは当然最低限やらなくちゃいけないことはあるんでしょうけれども、あとは当然民間が入ってこなければ、それが本当に大きく盛り上がっていくかという話になりますと、これは難しいわけでありまして、そうなりますと、私は、この跡地利用の話になりますと、一番困難なのは、やっぱりこの基地の返還時期の特定というのが非常に私は大事になってくるんじゃないかと思うんです。
 といいますのは、民間の企業というのはどんどん投資をしていくわけでありますけれども、この先どうなるか分からないものに対しては当然投資をしてくれないわけでありまして、そういった話をさせていただきますと、先ほど挙げていただいた六候補施設ですね、特にその中の一つである牧港の補給地区でありますね。ここは浦添市があるところでありましょうけれども、ここの、市は独自の事業として、国の当然バックアップをもらいながら今、西海岸開発を非常に進めていらっしゃって、第一期、第二期、第三期と、非常にここは将来的にはリゾート地区をつくっていこうということで、市としては先駆けてどんどん起債事業としても取り組んで開発を進めているところであるんですよね。
 ですからこそ、本当は、この牧港港の補給基地が全面返還ということが合意はされたということだけれども、しかしまだ今現在は、残念ながら時期がまだよく分からぬという話になりますと、市が一生懸命開発をしてどんどん前向きに行こうと思っても、当然、市が開発するインフラ整備の後には民間投資をどんと入れてこなくちゃいけないというお話でありますが、先行きが分からないので市はどこまで開発をして、また民間に対してどういう声掛けをしたらいいんだということが非常に不透明だということになって、なかなか一体的な開発が進みづらいという環境があるというふうに聞いております。
 そういったところにおいて、今回、このロードマップにおいては、この全面返還また部分返還については、普天間飛行場すべてパッケージであるという言葉は冒頭にうたわれているわけでありますけれども、今後、議論の仕方によっては、この辺はパッケージとは切り離して全面返還の時期を明確化して、場合によっては前倒しでやるとか、そういったことはこれから制度設計を議論する中に考えられないんでしょうか。
#19
○政府参考人(渡部厚君) 牧港補給地区の返還につきましては、地元の浦添市の方から、牧港補給地区以外の施設の進捗とは連動しない返還スケジュールによる計画的な返還実施のために、統一的なパッケージ案の一部見直しといったものを要望されているということにつきましては私どもも承知いたしております。
 ただ、先ほど申し上げましたように、ロードマップにおきましては、普天間飛行場代替施設の移転、返還、それからグアムへの海兵隊部隊の移転に続いて、沖縄に残っております施設・区域が統合され、嘉手納以南の相当規模の土地の返還が可能となるといったことになっているわけでございまして、現在、今、牧港補給地区の返還も含めまして、嘉手納以南の土地の返還につきましては、先ほど御答弁申し上げましたとおり、詳細な計画を現在作っている状況でございますので、その日米間の協議の中で今後の日程あるいは取扱いというものが決まってくるわけでございますが、今のところ日米間で協議を実施中でございますので、その中身につきましてはお答えは差し控えさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
#20
○秋元司君 今現在では多分そういったお答えしかできないんでしょうけれども、これもマスコミ報道の話でありますから分かりませんが、五月ですか、ゴールデンウイークに2プラス2の会議をやるのかやらないのか分かりませんけれども、アメリカに外務大臣又は防衛大臣も行かれるという話もちらほらあるようでありますから、是非、総合的な見地からの話合いを期待をさせていただきたいと思いますし、当然、安全保障の問題は大事でありますけれども、やっぱり地域に住んでいる皆さんの様々なことを考えますと、こういった道筋を付けてあげないことには、幾ら国で自立型経済構築だ構築だといって予算を付けたとしても、タイアップしていかなければなかなか進まないという現状もあると思いますから、例えばこの牧港補給地区、このことについて今私はクローズアップさせていただきますけれども、ここは非常に跡地利用ということについてはやりやすい地区であることは間違いないし、またいろんな地理的条件を含めても非常にポテンシャルが高い地区であるということは事実であると思いますから、これが非常に、跡地利用が成功すれば私は跡地利用を促進する意味でのモデル地区になるんじゃないかなと、そんな思いも含めての今日の指摘でございますから、是非、そういった観点から、余りメンツだけにこだわらず中身を見ていただいて、今後その詳細設計を詰めながら早期の検討をよろしくお願いしたいと、これは御要望させていただきたいと思います。
 続きまして、今日は高市大臣座っていただいて、特に質問通告としてはしてないんであれなんですけれども、要は、これは何といいますかね、日本全体に言えることかもしれないんですけれども、いわゆるサービス産業に従事している労働者の数というのは、これは七割を占めるんですよね、大体、日本全体の。沖縄においても、観光地、リゾート土地ということを振興するということになれば、当然このサービス産業に対する就職人口は多いわけであります。
 しかし、現状、これはいただいた沖縄振興局のデータを、金融担当の参事室からもらったデータを見ますと、やっぱりこのサービス産業、非常に給与水準が低いんですよね。ですからこそ、これは沖縄だけに限ったことじゃないんですけれども、特に沖縄においては県民の所得水準が低いということもあって、本当に果たしてこんなもので生活できるのかなと思われるほどの金額の部分もある。例えば、今後力を入れていきたいと言われていらっしゃる観光を考えますと、宿泊云々ということも考えますと、今現在あるデータで見ますと、飲食とか宿泊業なんて見ますと、所定内給料、月の所定内給料でありますけれども、十五万円という金額が出ていましてね。ある意味一番高いのが金融業とか保険業なんですが、これはまあ当然二十五万円ほどもあって、インフラ関係の電気、ガスというとやっぱり四十万ぐらいの給与水準にあるというわけでありまして。
 今後、こういった分野を特化していくというならば、やっぱりサービス産業における、何といいますか、生産性向上ということも今後考えていかなくちゃいけないかと私は思うんでありますけれども、質問通告をしてないんでいきなり質問をして大変恐縮なんですが、大臣、所見として答える範囲で結構でございますから、ひとつお願いしてもよろしいでしょうか。
#21
○国務大臣(高市早苗君) 一つは、やはり長期滞在型の観光、それから、今新しいテーマといたしまして、特に健康ですとかエステですとか、そういったところにもターゲットを絞りながらの研究作業も行われておりますので、まず、沖縄ならではのテーマを打ち出しながら、できるだけ長く滞在していただける、そういったビジョンを打ち出して振興していくということが大事だろうと思いますね。
 それからもう一つは、これはもう沖縄県の方でも一生懸命になっていただいておりますが、国際会議の誘致等を含めて、できるだけ観光産業の振興につながっていくような施策を推進していくと。
 それからもう一つは、やはりリピーターを増やすためにはサービスの質の向上というのが大事だろうと私も考えますので、ここは観光産業だけではないんですけれども、特に観光産業、IT、金融等に関しましては人材育成の支援を行っておりますので、こういったところを県と十分に相談しながら強化していきたいなと考えております。
#22
○秋元司君 突然の振りで済みませんでした。本当、大臣言及していただいたとおり、私も正にそこだと思うんですね。やっぱり特化をするということと、生産性向上を上げるためにはITの活用ということはこれからやっぱり必要不可欠じゃないかなと思います。
 そういった意味においては、情報の発信基地としての様々なテーマで今いろんな企業が入っているということは承知しておりますけれども、やっぱりこれから先、もっともっとそういう分野を沖縄に呼び込むということが必要であると思いますし、同時に、観光ということで考えれば、これ台湾からも非常に観光客、沖縄に来ていらっしゃって、昨年、台湾においてはノービザをやったり、今年は六月には国際免許の共有化ということも進むようでありますから、非常に海外のお客さんを呼び込む日本としては体制ができているでありましょうけれども、今後、やっぱり私は、まあこう言っちゃなんですけど、ハワイ、グアムに行くんだったら是非沖縄に行ってほしいなと思うぐらいでありまして、アジア全体からもリゾートとして人を呼び込む、そういったことにおいてはまさしく国際的な観光立地としてこの沖縄を位置付けることが非常に私は大事であると思いますから、今日は基地問題と、そしてまた自立型経済の構築という点で質問をさせていただきましたけれども、こういった沖縄を今後とも、基地返還後の跡地利用、ここを今後どうするかということがやっぱり最大のテーマだと思いますから、是非、政府関係の皆さんの引き続きの御尽力をよろしくお願い申し上げまして、質問を終わらさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#23
○円より子君 民主党・新緑風会の円より子です。
 まず、沖縄の問題から質問をさせていただきます。
 沖縄の本土復帰後、本土に追い付くべく政府は三次にわたって沖縄振興開発計画を策定なさいました。その後、平成十四年四月からは沖縄振興計画を新たに策定し、沖縄特有の自然環境、離島といった地理的条件などにはぐくまれてきた伝統文化を活用し、今大臣もお読みになりましたけれども、自立型経済への構築に取り組んでいらっしゃると承知しております。
 本年はちょうど振興計画の後期五年に入る節目の年ですが、依然として沖縄の一人当たり県民所得は全国平均の約七割にとどまっております。この三十年間、ほとんどこの割合は変化してないんですね。失業率も、本土復帰以降、常に全国平均の二倍程度の高率なんです。この沖縄振興計画が策定されて以降、七%から八%台の高い水準で推移していること、もう大臣よく御存じだと思います。全国で最悪の数値です。
 この来年度予算において、先ほどるる述べられておりましたけれども、どうも私は、人々のしっかりと暮らしにつながる雇用の確保のようなもの、そうした沖縄経済の改善が全然図られてないんじゃないかと、もう予算の立て方が間違っているんじゃないかと思うわけですね。大臣の所見をまず伺います。
#24
○国務大臣(高市早苗君) 確かに、失業率等の御指摘は委員がおっしゃったとおりだと思います。
 平成十九年度の内閣府の沖縄関係予算でございますけれども、非常に厳しい財政状況の中でもポイントを定めて必要な額を要求をいたしました。
 アジアをリードする付加価値の高い情報通信産業の振興を図るための予算ですとか、リーディング産業であります観光産業の振興のための予算、これら沖縄の優位性ですとか強みを生かした産業振興の施策に係る予算でございます。それから二番目には、科学技術大学院大学構想、これは将来の沖縄の発展の原動力となる科学技術の振興のための予算でございます。そして第三には、離島、へき地などにおけます医師確保策など、県民生活の安定のための予算でございます。第四には、各種社会基盤整備など、これは沖縄の着実な発展を支えるための基盤づくりのための予算でございます。
 限られた予算の中で雇用創出だけに特化してという付け方はできませんけれども、特に必要な柱は今申し上げたようなところでございますけれども、私は何といってもこの沖縄の産業を沖縄の強みという形で特色を持って振興させていくと、このための基盤をつくり、人を育て、種をまいていくと、これを怠っては将来に向けてもとてもじゃないけど県内の雇用が改善するという方向にはならないと思います。これらの予算案を作っていく上では十分に沖縄県の方、知事の御意見も聴きました。経済界の御意見も聴きました。地元のニーズにのっとった形でくみ上げていっているつもりでございます。
#25
○円より子君 私は、その三十年間ほとんど県民所得が本土の七割にとどまったままというのでは、今までの予算をただつぎ込んでいるだけで、特化しているとか、きちんと本当にこの沖縄の経済発展、人々の暮らしに全くフィットしてないといいますか、そういう予算の企画が立てられてないとしか思えないんですね。
 取りあえず、今、これからの人材育成とかもおっしゃいましたけれども、例えば若年層の雇用問題、これはもう御存じだと思いますが、平成十六年の統計で、十五歳から十九歳の失業率は二五%です。二十から二十四歳の失業率も一四・五%。この若年層の失業率というのは全国でも高いんですけれども、沖縄県における若年層の雇用環境の悪さというのは際立っております。こういうことがほとんど予算の先ほどの報告などには、説明にはないんですね。
 それから、人材育成とおっしゃいましたが、ITだけの問題ではなくて、私も、本物の大臣ではありませんけど、何年間か民主党のNCの沖縄担当大臣させていただいて、随分沖縄に行きました。基地問題よりも何よりも教育と雇用が大事だと、これからの沖縄を考えればほとんどの人がそうおっしゃいました。そのときに、大学進学率は、平成十八年で、全国平均は四九・三%ですが、沖縄はどのくらいか御存じですか。
 別にいいです。結構です。こちらで分かっておりますから。ただ、大臣に認識をしていただきたかっただけなんですね。そういう意味で申し上げました。
 沖縄は三三・六%です。大変低いんですね。もちろん、もう大臣、数字じゃなくてもお分かりだと思いますけれども、こうした学歴なかなか付けられないような状況の中で、若年層の雇用をいかに促進しようと思っていらっしゃるか。教育の面でも人材育成をどうしようと思っていらっしゃるか。
#26
○国務大臣(高市早苗君) 平成十八年の沖縄の若年労働者の完全失業率ですが、一三・二%、全国平均が六・九%ですから、大幅に確かに失業率は高い、全国平均を上回っております。ただ、沖縄の雇用については、IT関係では約一万人雇用の創出が見られました。就業者総数も増加しております。ただ、就業者の総数は増加しているんですが、一方で労働力人口も増加しておりますんで、失業率はどうしても高止まりしていると。
 それからもう一つ、若者についていいますと、これはまあ全国でもそうですけど、沖縄の場合、特に地元への就職、地元で就職したいという思いは強いんですけれども、産業側が求める能力と、そしてまたその若い人たちが持っている能力とのミスマッチ、需要供給のミスマッチというのは生じていると、これが指摘をされております。ですから、産業振興をきちっと進めるということも大事ですけれども、私はやはり人材育成ということでプログラムを立ててやっていくということが非常に大事だと思うんですね。
 ITだけじゃとおっしゃいましたけれども、特に沖縄の場合は、これから沖縄特有の産業、非常に強みのある産業としてIT津梁パーク構想なども推進しておりますので、これに合わせて十八年度まではIT高度人材育成事業をやってまいりましたし、十九年度から二十三年度という予定で情報産業の核になる人材の育成支援事業、これもスタートをする予定ということでございます。そしてまた、金融人材、これも金融特区ということで特徴的な施策が講じられておりますが、金融人材の育成支援事業も十八年度から二十年度の予定でございますし、観光産業に関しても人材育成事業続けてまいりました。そしてまた、来年度は新しい観光経営者育成事業というものを始めます。
 当然に地元の小学校、中学校、高校を通じたキャリア教育、これは沖縄だけじゃなくて全国的にキャリア教育というのは推進していかなきゃいけないし、地元での取組も大事ですが、国として応援できる人材育成事業というのはもう精一杯行っていくと、こういうことでございます。
#27
○円より子君 少子化社会にあっては若年層のもちろん雇用が大事なんですが、もう一つ、女性の活用が大変重要だと思います。御存じのように、沖縄というのはかなり女性が自立的でよく働く土地柄なんですが、ところが、保育所に入りたいのになかなか入れなくて、待機児童数というのが、全国平均は一・二%なんですが、沖縄の待機率は六・五%と、五倍以上なんですね。全国でこれも最悪です。ですから、せっかく子育てをしながら働きたいという、共働きが大変沖縄は多いんですけれども、この多くの児童が認可外保育施設を利用せざるを得ない状況にあるんですが、これは今改善する方向にあるんでしょうか。
#28
○国務大臣(高市早苗君) そうですね、平成十八年度四月一日現在で見ますと、全国で待機率が一・〇%、沖縄県で五・二%と、こうなっております。私も普段、琉球新報ですとか沖縄タイムスを細かく読んでおりますので、この待機児童問題は興味を持って見てまいりました。特に、働く女性が多いのでニーズが非常に高い県であるということも理解しております。
 今、沖縄県の方で認可外の保育施設の認可を中心に県の方として待機児童の解消に向けて取組をかなり進めていただいていると聞いておりますが、内閣府の方でできる支援といたしましては、これは沖縄振興特別交付金を活用いたしまして、公立保育所の整備に関して一定の支援を行っています。これはもう沖縄県、厚生労働省、ここに対しましても一層の取組が行われるように私の方からも働き掛けてまいりたいと思っております。
#29
○円より子君 沖縄というのは米国の占領下で幼稚園が主に設置された経緯がありますので、保育所が今不足していると聞いておりますが、是非大臣、待機児童を減少させるために頑張っていただきたいと思いますが、今おっしゃったその沖縄の内閣府がやっているのは、子育て家庭の就労支援モデル事業のことでしょうか、今おっしゃったのは。
#30
○国務大臣(高市早苗君) 今申し上げましたのは、沖縄振興特別交付金によります公立保育所の整備支援でございまして、これは厚生労働省所管の次世代育成支援対策施設整備交付金の交付対象となっていたんですけれども、平成十八年度から廃止されてしまいまして、市町村に税源移譲されたんですね。この税源移譲に当たっては、交付金で講じられていた沖縄へのかさ上げ措置というのが反映されていないものですから、かさ上げに対応する額について所要の額を手当てしているものでございます。
#31
○円より子君 子育て家庭の今言いました就労支援モデル事業では、空き教室などの公共施設を利用した保育施設を設置しているんですが、来年度予算額が五千五百万円で八か所と限定的なんですね。これはもっと拡充してほしいなと思うんですが、いかがですか。
#32
○政府参考人(原田正司君) この支援制度は、沖縄県で観光あるいは情報という大変雇用の吸収力の高い産業分野を雇用面からも応援していくということと併せまして、円先生御指摘の子育て就労支援、両方の目的を兼ね備えて内閣府で計上し、厚生労働省に実施をお願いしているものでございまして、現在のところ、県の要望実績を踏まえまして、新規三か所、継続五か所という予算計上をいたしております。今後、県、地元からの要望状況を十分踏まえまして、今後の対応について検討してまいりたいと考えております。
#33
○円より子君 女性の共働きが多いのと同時に、沖縄というのは、御存じだと思いますが離婚が大変多いんです。全国の離婚母子家庭、離別の母子家庭の平均収入と沖縄の母子家庭の平均収入の対比の統計などが全くなかったものですから、ちょっとお話しいたしますと、児童扶養手当というのは十八歳未満の子供を持つ母子家庭、離婚、離別母子家庭が受けているんですが、沖縄の母子家庭では所得が大変低くて、全額支給される人が七七・二四%あるんです。全国だと六二%で、いかに母子家庭の所得が全国平均に比べても沖縄が低いかということを、高市大臣、御存じでしたでしょうか。
#34
○国務大臣(高市早苗君) この答弁、ちょっと別からする予定かとは思うんですけれども、はい、承知をいたしております。
#35
○円より子君 どの程度所得が低いかと申しますと、例えば高齢者世帯でも一人頭年収百九十万以上あるんですが、母子家庭は六十五万円しかないんですね。そういう低い中で、生活保護はほとんど受けずに、全国のこれは話ですが、八割以上の人はちゃんと働いております。その働いている中で生活保護以下の収入しかないのがまた八割いると。ということは、今言われているワーキングプアの典型のようなのが離別の母子家庭なんですね。
 長い間、勝手に離婚したんだからそんな低い収入だってしようがないだろうというふうなことをよく言われて、どちらかというと行政の対応から落ちこぼれてきたような人たちも多いかと思いますけれども、でも必死で、世界の中でも母子家庭で一番働いているのが日本の母子家庭のお母さんたちだと言われているんですが、そういうお母さんたちに対して、例えば沖縄がとにかくひどいという状況の中で、どのようにして母子家庭の母親に対して来年度予算においてどういう施策をし、就労支援はどの程度今まで実績が上がってきたか、どの程度の具体的な効果が出ているか、少し沖縄に特化してお答えいただきたいと思います。
#36
○政府参考人(村木厚子君) 就労支援施策、特に沖縄の実績でございます。
 平成十四年の法改正から母子家庭に対する支援、経済的支援だけではなくて就業自立に向けた総合的な支援ということで方向転換をしてやってきたわけでございまして、ハローワークや地方自治体による就業支援、強めてまいりました。
 まず、ハローワークについて見ますと、十四年と十七年度データを比べてみますと、全国で職業紹介件数で一・五倍、紹介件数全国で二十七万件でございます。このうち、沖縄は六千八百二十四件。それから、就職件数は一・四倍の増になっておりまして、平成十七年六万六千件でございます。このうち、沖縄は千九十五件でございます。
 それから、自治体の方で母子家庭等就業・自立支援センター事業というのをやっていただいております。これは十五年にスタートをしまして、十五年と十七年比べますと、まだ全体のロットは小そうございますが、伸び率としては四・五倍。十七年の一番新しいデータで十二月までの数字でございますが、就職件数三千四百三十一件。このうち、沖縄は百四十三件でございます。
 それから、沖縄県では今年初めて母子世帯一世帯ごとにきめ細かな支援を行う母子自立支援プログラム策定事業というのを始めていただきました。まだ六か月の実績しかございませんが、三十一人にプログラムを策定をし、十四人に就職をしていただいたと、こういうような状況でございます。
#37
○円より子君 生活保護の母子加算の縮減、また児童扶養手当の削減が来年度から行われるというふうになっておりますが、これらはいずれも一人親家庭の親の就労を促すことを目的にすると政府は主張なさっておりますけれども、先ほど申しましたように八割はもう既に働いているわけですね。
 その働いている人たちが、この間も母子家庭のお母さんたちのかなり当事者からお話を伺ったんですけれども、例えばハローワークに行く、それからそういうのはなぜ行くかというと、無職だから仕事を探しに行くんじゃないんですね。今申しましたように八割は働いている、そして子供を必死で育てて、高校を卒業させたいと思っている。そういうお母さんたちがわざわざまたハローワークに行ったりいろいろ相談をするのは、更にレベルアップしたいということがありますので。子育てをしながらだから、できれば仕事も終わってからハローワークに行きたいとか、相談をしたいとか。それから、レベルアップのための訓練も、九時から五時以降も働いている、それ以外のところで訓練ができるようにしたい。そして、子育てをしながら、例えば二つ、三つ掛け持ちして働いている人はすごく多いんです。
 そうすると、保育園に迎えに行った後、夜また働きに出る、子供を寝かしてからですね、深夜労働に行く。で、また子供を起こして保育園に連れていって、普通の一般の仕事に就く、土日もまた働くというような方が多いんですが、そういうときに、小さい子だけじゃなくて思春期の子供でも、お母さんが少しでも家にいるかいないか、家で働いていてもいいんですけれども、随分違うんですね、精神的な安定に。
 そういう母親たちは、在宅就労とか在宅訓練とかそういうものを求めているんですが、沖縄などではそうした母親の就労訓練、母親の就労状況等、具体的に行われるようになっているのかどうか、お聞きしたいと思います。
#38
○政府参考人(村木厚子君) 委員御指摘のように、ハローワークその他の相談で、できるだけ五時以降、夜間対応、それから職業訓練等につきましても、働きながらできるというような仕組みが、御要望が非常に強いということは承知をしております。
 ちょっと沖縄での実施箇所数とか具体的な開業時間、オープンにしている時間等、今持ち合わせてございませんけれども、全国的にはできるだけ、例えば八時までの相談でございますとか、夕方からの訓練といったものについて今努力をしているところでございます。これからもそういうふうにしてまいりたいと思っております。
#39
○円より子君 沖縄のところで特に離婚の母子家庭のお話をしましたのは、沖縄それから北海道、高知、雇用状況が悪くて、それから最低賃金なども最低のところに離婚がとても多いんですね。ほとんどのケースは経済的理由からの離婚で、またその後の母子家庭の貧困状況も大変厳しいということがございまして、高市大臣に是非、こうしたなかなか日の当たらないところの人たちの底上げができるような、格差を広げない状況で、そういうことを見詰めて予算の立て方やこれからの施策をやっていただければ有り難いと思いまして、コメントをお願いしたいと思いますが。
#40
○国務大臣(高市早苗君) 今全国的に、マザーズハローワークの整備ですとか、普通のハローワークにおいても求職中の女性、特にお子さんを抱えての求職中の女性に配慮する、そういった形への発展的な対応というものを促しているところでございますけれども、厚生労働省におきましてかなりこの辺は強力に、各地方、フォローしながら進めていただいていると思います。
 また、運用面等に関しまして不十分な点がありましたら、私の方で厚労省とお話合いをさせていただきたいと思っております。
#41
○円より子君 よろしくお願いします。
 それでは、北方関係の方に移りたいと思いますが、時間がないと困りますので、ちょっと漁業権、旧漁業権の補償の問題からいきたいと思いますが。
 北方領土の旧漁業権について、政府は昭和二十一年一月二十九日付けのGHQの訓令によって行政分離措置ということで消滅したとしているんですけれども、他方、鉱業権や不動産所有権についてはGHQの指令にもかかわらず現在も存続しているとの扱いなんですね。なぜ漁業権だけが不公平に消滅したと言われているのかということが、この不満が引き揚げた漁業者の間に根強く残っております。先日、視察に行かせていただき、いろいろ御意見聞いた中でもそういうお話がございました。旧漁業者は、終戦時には四千四百七十名いましたが、現在はもう六十五名しかいらっしゃいません。もう本当に高齢になってこられているんですが、こうした方々にまず新たな対策を取りたいと思うんです。
 その前に、なぜ、この行政権の行使の停止しかGHQの指令では求めてないんですが、行政権自体の消滅とまで解釈するのか、この合理性がすごく疑問なんですが、外務省国際法局は、GHQ指令により行政権自体が消滅したと解釈しているんでしょうか。この文言をよく読めば、行政権自体が消滅したとは私はこの英語を読む限り解釈できないと思うのですね。まず外務省、いかがですか。
#42
○政府参考人(原田親仁君) まず、委員御指摘の連合国総司令部覚書でございます、通称スカピンと呼んでいるやつでございますけれども、戦後の我が国における連合国による占領行政上の措置として出された指令の一つの形式であると承知しております。戦後、連合国による占領行政下にあった我が国は、降伏文書などに基づきまして、スカピンによって要求される措置をとる義務を負っていたわけでございます。
 北方四島におきまして、委員御指摘の昭和二十一年一月二十九日の連合国総司令部覚書第六七七号によりまして、我が国の行政上の権力の行使が停止されたわけでございますけれども、行政権の行使が停止されたことに伴う北方四島に存する私権の国内法上の扱いにつきましては、まあこれは外務省として個別にお答えすべき立場にはございませんが、それぞれ関連する国内法に基づいて決められたものと承知しております。
#43
○円より子君 そうすると、個別にですから、外務省では漁業権も消滅したとは解釈してないということなんですね。してもいないし、それは言えないという。
#44
○政府参考人(原田親仁君) ただいま申し上げましたように、関連する国内法に基づき決められたものということで、これについて、旧漁業権がどうかということについて外務省として有権的に解釈する立場にないということを申し上げたわけでございます。
#45
○円より子君 そうしますと、各省庁にお聞きしますが、法務省は、この覚書にかかわらず、不動産所有権が消滅したと解釈していないと理解してよろしいんでしょうか。不動産所有権と漁業権との間で解釈に相違が生じておりますが、この整合性について法務省はどう思われていますか。
#46
○政府参考人(後藤博君) 不動産の所有権についてでございますけれども、今の御指摘の行政分離措置によって行政権は事実上停止されておりますが、そのことは我が国の国民が北方領土内に有している不動産の所有権に対して影響を与えるものではないと考えております。ほかの権利につきまして、当省の所管ではございませんけれども、行政権の行使の結果として生じるものと私法上の不動産の所有権については相違があるものと考えております。
#47
○円より子君 不動産所有権の場合は消滅してなくて漁業権は消滅している、その整合性については、ちょっと今のではよく分からないんですが。整合性はあるとおっしゃったわけですか。
#48
○政府参考人(後藤博君) 私申し上げましたのは、不動産の所有権と、例えば漁業権等の行政官庁の免許あるいは許可によって生じる、得られる性質のものとは性質が違うということを申し上げたものでございます。
#49
○円より子君 性質が違うから整合性については言えないということでよろしいんですね。
 そうしますと、次に、じゃ経済産業省に伺います。
 これはGHQのその覚書、指令にかかわらず、旧鉱業権ですね、こちらは旧鉱業権が消滅したとは解釈していないと理解できるんですけれども、経済産業省は、今私が法務省に聞いたような、鉱業権と漁業権との間で解釈に相違が生じていることについて、整合性についてどう考えられますか。
#50
○政府参考人(本部和彦君) お答え申し上げます。
 北方領土の旧鉱業権につきましては、今お話しのGHQ覚書による行政分離によって消滅したものと解しております。
#51
○円より子君 じゃ、漁業権と同じに鉱業権も消滅したと解釈なんですか。
#52
○政府参考人(本部和彦君) さようでございます。
#53
○円より子君 現在もこの鉱業権の方は消滅してないと、存続していると聞いてたんですが、いつこれは、その時点で、昭和二十一年の時点で消滅したんですか。
#54
○政府参考人(本部和彦君) さようでございます。
 なお、将来、必要に応じて適切な対応を取り得るよう、旧鉱業権の登録内容につきましては台帳として保管管理はしておりますが、現在は消滅したものと解しております。
#55
○円より子君 私のあれでは、鉱業権については昭和二十二年の商工省鉱山局長通達において国において一時停止の措置がとられたということなので、その後消滅したということ、何年にどうなって。ごめんなさい、もう一度。
#56
○政府参考人(本部和彦君) 今御指摘の通達は昭和二十二年二月二十二日付けの通達でございます。これは旧鉱業法の運用に基づく通達でございますが、新法が昭和二十五年十二月に制定されております。
 いずれにいたしましても、現在では、北方領土にかかわります旧鉱業権は、二十一年一月二十九日付けのGHQ覚書により消滅したものと解しております。
#57
○円より子君 ちょっと私も詳しく分かっているわけではないんですけれども、鉱業権というのは、例えば山の持ち主だったりで、漁業権の方は一人一人で、先ほど申しましたように六十五名の方がまだ存命していらっしゃるわけですよね。鉱業権の方はそういうものを持っていた人が少なくて、それでその人たちがいなくなったとか、そういうことの事情はないんですか。
#58
○政府参考人(本部和彦君) 特段、人数等の問題ではございません。鉱業権につきましては行政権行使により付与されている権利でございまして、他省庁と同じようにGHQの覚書によります行政分離措置により消滅したものと解しております。
#59
○円より子君 ちょっと水産庁にお聞きします。
 旧漁業権は、先ほど申しましたように行政権行使の停止で、漁業権を消滅させろとは書いてないんですけれども、これについて水産庁はどのような解釈なんでしょう。
#60
○政府参考人(中前明君) 今お話しのように、行政分離措置によって旧漁業権が消滅したということでございます。現在の漁業法の施行、これは昭和二十五年三月十四日でございますが、施行に伴いまして行われた旧漁業権の補償の対象にその時点でなり得なかったと考えております。したがいまして、国として法律上その補償を行うことが困難と考えている次第でございます。
 なお、北方四島の特殊事情を考慮しまして、昭和三十六年に北方地域旧漁業権者等に対する特別措置に関する法律に基づきまして、北方協会に対して十億円を交付し、これを基金として北方地域の旧漁業者等の事業及び生活に必要な資金の低利融資等を講じておりまして、これを積極的に活用していただきたいというふうに考えております。
#61
○円より子君 二〇〇六年十二月十三日の沖北委員会で水産庁の答弁では、不動産所有権については暫定的取扱いが認められていると言われております。そうすると、漁業権との整合性というのが、先ほど言いましたように、行使の停止であって漁業権消滅ではないというところで今おっしゃいましたけれども、どうも私は整合性が取れないように思うんですが、もう結構です、時間もありませんので。
 高市大臣、なぜ私がこういうことを言うかと申しますと、省庁によって少し整合性が取れない部分と、翻訳のところで英文の解釈の違いがあるような気がします。何よりも、現場からはあくまで旧漁業権に対する補償を求める声が強いんですけれども、現行の援護施策だけでは漁業経営の継続や生活改善にとって不十分だということの裏返しだと思うんですね、吉進丸のような事件もありますし。引揚漁業者が年々高齢化していく中、このような方々にどのような施策、新たな、講じる必要があるのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
#62
○国務大臣(高市早苗君) 残念ながら、北方地域の旧漁業権でございますが、二十一年一月のGHQの覚書で消滅したものと解されておりますので、昭和二十五年の三月に今の漁業法が施行された際には存在しなかったものといたしまして、これに対しては補償を行うこともできません。
 確かに、旧漁業権者の皆様の心情というのはお察しできるんですけれども、昨年末に援護措置として行っている融資制度について充実が図られたところでございますので、政府としてはこの制度の積極的利用を図っていただきたいと、こう考えております。
#63
○円より子君 昨年八月に起きました第三十一吉進丸の乗組員の遺族の方々にも、まずその調査自体もしっかりと行われていないような、今の漁業権のこともそうですが、これも海上保安庁と外務省がそれぞれに責任の押し付け合いのような形でなかなか調査も進んでいないように思われますし、是非その遺族の方々への補償なども国としてしっかりやるべきだと思うんですが、その背景に北方領土のやはり返還問題がなかなか進んでいないことがございまして、例えばデンマークはボーンホルム島を旧ソ連から取り戻しました。こういった例は世界で唯一の例だと思いますけれども、こうしたことをきちんと沖縄北方大臣も研究をしてくださって、どう北方領土を何とか返還してもらえるかどうか、そういったことと、それから漁業者が日本の領海内でああいう事件になってしまうようなことも、再発防止のためにもしっかりと北方領土問題に取り組んでいただきたいと思います。
 そのことを要望して、私の質問を終わります。
#64
○藤本祐司君 民主党の藤本でございます。
 月曜日、十九日に引き続きまして、この前しり切れトンボになってしまった部分があると思うんですが、円先生に御配慮いただきまして少しお時間を分けていただいたので、質問したいと思うんですが、先ほど来、秋元委員、円理事ですね、沖縄の人材育成と雇用の問題について幾つか御質問をしたと思います。私も、今日は公共交通の問題とこの人材育成の問題と二つやろうかなと思ったんですが、せっかく先ほど雇用と人材育成の話がありましたので、こちらから少し質問をさせていただいて、もし時間が余ればと、多分余らないでしょうが、公共交通の方に行ければなというふうに思いますが。
 この間の質問の中で、大臣の御説明の中でも、観光客が五年間続けて増えて成長してきているんだというお話がありまして、正にその観光客が増加することに伴いまして、いわゆる観光リゾートに従事する人材、もうちょっと広い意味でいえば、ホスピタリティービジネスといいますか、そちらの人材の育成というか、能力開発というのは非常に重要なことなんだろうというふうに思うんですが、大臣、今、沖縄のその分野、観光リゾートを支える人材育成、能力開発に関しましての評価、今までどういうことを政策をやられてどういう効果が上がっているのか、あるいは今の沖縄の人材の問題として何か課題があるのか、強みがあるのか、弱みがあるのか、トータルで結構でございますので、評価としてはどういう印象をお持ちになっているか、お聞きしたいと思います。
#65
○国務大臣(高市早苗君) これまでの、これは観光に限って申し上げますと、人材育成策というのは、観光産業の従事者を対象とした観光産業人材育成事業を実施してきたところです。そしてまた、平成十九年度の新規事業といたしましては、中小規模の宿泊施設の経営者を対象とした新沖縄観光経営者育成事業、これを実施する予定でございます。
 評価ということなんですけれども、観光産業の人材育成事業なんですけれども、これはやはり観光関連の、例えば観光といってもいろんな分野がございます。宿泊施設なんかの従業員の方の研修をしたり、お土産品とか飲食店の従業員の研修をしたりということで、ホスピタリティーの文化の浸透、こういったものにも結び付いたと思いますし、離島地区の研修でも、与那国、久米島、宮古、石垣と、これも延べ受講者で三百十五名に上っております。経営者セミナーも二百十名、タクシーの乗務員の研修も百二十二名ということで、観光産業、非常に幅広くあるんですけれども、できるだけ国際的に対応できる観光リゾート地を目指して、観光客の多様なニーズにこたえるために質の高い人材を育成するといった目的はしっかりしていたし、県の御要望にもこたえられたんじゃないかなと思っております。
#66
○藤本祐司君 先ほど宿泊業が一つ例に挙がりましたが、宿泊業をとらえてみると、宿泊業というのは非正規雇用が非常に高い業種でございまして、沖縄なんかの場合も、いわゆる常用雇用の、正規職員の有効求人倍率が〇・三とか〇・四ぐらいに対して、非正規、いわゆるパートタイムの場合は〇・六とか〇・七ぐらいに上がっているわけですね。もちろん、シーズンがありますので、七、八、九は全体的に有効求人倍率が高いんですが、そこを頂点に低くなっているという、そういう構造になっているんだろうと思いますけれども。
 そこで、なかなか宿泊業、パートタイマーの方々を、人材を育成していくというのも、実を言うとなかなか口で言うほど簡単ではなくて、いつも人が替わりますので、そこが定期的なメンテというのがなかなかできにくいところが難しいところなのかなというふうに思うんですが。
 私も何度か沖縄に行ってお話を聞くと、沖縄の方でない方々が結構観光リゾート産業に従事をされていて、どこですかと聞くと、いや、北海道から来たんですよとか、そういう方が非常に多くて、むしろ沖縄の方に当たったことの方が少ないぐらいなものですから、できるだけやはりこれは沖縄の方にそういう仕事に就いていただいた方が、先ほど大臣がおっしゃったように、沖縄らしさということを考えると、観光リゾートというのは、正にそこの地域らしさをどう出していくのか、どう表現していくのかということを考えると、沖縄の方々にやはり働いていただく、サービスもしていただくのがいいんだろうなと。
 簡単に言ってしまえば、例えばインドネシアのバリ島か何かに行くと、インドネシアの方々がサービスをしたりいろいろやってくれるから、我々は、ああ、バリ島に来たんだなという雰囲気、という印象があるわけなので、できる限り、外からの人を雇ってはいけないということにはならないと思いますけれども、やはり県内の方、県民の方々の人材能力、人材能力開発とか人材育成というのをしていくことが非常に必要なんだろうというふうに思っておりますが。
 今回の予算を見ますと、先ほど来おっしゃっている新沖縄観光経営者育成事業、これ三千百万円。これ三千百万円というのは、恐らく中身としたら、調査をして恐らく今回、今年度は終わりなのかなというふうに思っておるんですが、これはどういうふうに後につなげていこうというふうにお考えになっていらっしゃるのか、教えてください。
#67
○国務大臣(高市早苗君) 今回は経営者ということなんですけれども、予定をいたしておりますのは、全員を対象としたセミナーによる指導ですとか、それからホテル事業者、個々にいろいろお悩みがおありだと思いますので、個別にアドバイスをするという事業、そのセミナーもできるだけ公開した状態で行おうというようなことでございまして、これ事業期間は平成十九年度スタートでということなんでございますけれども、経営上困難を抱える事業者ですとか、そういった方々を募集して、ホテル再生に今まで実績をお持ちのコンサルタントにいろいろアドバイスをいただくということが、私は、将来的には職員を継続的に雇える体力を付けていただくことにもなると思うんです。
 今、国と県で特に話し合って観光政策に関してはこうしようねという合意でございますのは、通年型、長期滞在型の観光をいかに創出していくかという点でございます。
 沖縄の若い方々に関しましても、私は、できるだけ地元出身の方が、それもそのホテルに行ったら必ず彼に会えるよと、それがまた楽しみでリピーターになられるお客さんもいらっしゃると思いますので、地元の若い方々が定職としてそのポストを得られる、お仕事を得られるということが一番望ましいと思うんです。
 これまでの人材育成事業でもそうなんですけれども、ホテルでの接客、お土産店の接客等のほかにも、観光ガイドですとか、観光ガイドといっても世界遺産のガイドであったりエコツアーのガイドであったり、そういったもののスキルアップセミナーも行ってまいりましたので、私は、そういう方々がまたホテルでお勤めになりながら、お客様のニーズに応じてエコガイドなんかもできる、それから世界遺産なんかも説明できる、そういった方々がずっと沖縄で働き続けられると、これが実質的には県内の雇用創出にもなると思いますし、外から来られるお客さんにとっても一番楽しみな結果を生んでいくんだと思います。ですから、これまで国の方で応援していた事業に参加された方が、また今度は後輩を育てていくような形で広がりが出ていけばいいなと思っております。
 人材育成の事業については、こうやって地元からのニーズを踏まえていろいろな形で展開しておりますけれども、とても効果があったとか、いいと思うものに関してまた新しい年度にそれを繰り返しやってもいいし、これはそれほど効果が上がらなかったんじゃないのというものは、もう一年だったら一年で取りやめていってもいいんだろうと思います。あくまでも地元でのその効果というものをしっかりチェックしながら、続けられるものを続けてまいりたいと思っております。
#68
○藤本祐司君 もう時間がありませんので、最後に一つだけ確認といいますか、御所見を聞きたいんですが、今、宿泊とかお土産屋さんとかガイドさんとかという、いわゆる人と接する部分での観光の人材のお話がありましたけれども、沖縄の場合、いろいろな伝統的な文化、例えば織物であるとかガラス工芸とか、こういうお土産の素材を作る人たちというのが結構いるわけで、それが非常に沖縄らしさを醸し出しているわけで、そこのところの後継者育成、これも非常に重要だというふうに私は思っておりますので、細かくちょっとやりたかったんですが、このいわゆる沖縄の伝統的な文化、これに対する後継者の育成についてちょっとお聞きして、終わりにしたいと思います。
#69
○国務大臣(高市早苗君) 伝統工芸ですとか伝統芸能の後継者育成、これは主に経済産業省の方で沖縄県と協力をして取り組まれておるんですけれども、やはり年代層、いろんな伝統工芸の職人さんの年代層を見てみると、担い手不足だなという感は否めないと思います。
 一方で、八重山ミンサーなどは非常にお土産品としての商品開発が成功したということもあって、生産量を伸ばしているような例もございますので、こういったうまく成功してきているものに関しましては、伝統は大事にしながら新たな展開を図っていくと、産業面での応援を考えていきたいと思います。
 伝統文化という面では、これは文化庁と共同して国立劇場おきなわの整備を行うというような施設整備を進めてきましたし、平成十九年度の税制改正では、観光振興地域制度の対象施設としてこの文化紹介体験施設の追加も行いました。
 ですから、伝統工芸、芸能、文化、それぞれ幅広くございますけれども、できるだけ沖縄の魅力をつくっていくという観点からも育成に努力をしてまいりたいと思います。
 また、蛇足かもしれませんが、県の方で是非とも沖縄の県立芸術大学の卒業生、いろんな分野を勉強された方が毎年毎年卒業していっていらっしゃいますので、その方々ができるだけ県内で就職をされ、次の世代にせっかく勉強されたことを受け継いでいっていただくような存在になっていただけたらいいなと思います。また、知事とも十分相談をさせていただきます。
#70
○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男でございます。
 最初に、北方問題に関して質問をさせていただきたいと思います。
 まず、高市内閣府沖縄及び北方対策特命担当大臣にお伺いをしたいんですけれども、大臣の所信で、北方領土返還要求運動の推進に関して、国民世論啓発のより効果的な取組の検討、それから青少年への啓発の重点的推進ということを述べられておりますけれども、この具体的な取組について、まずお伺いをしたいと思います。
#71
○国務大臣(高市早苗君) これまでも行ってきたことといたしましては、全国の青少年に対する現地研修会でございますとか、青少年相互のビザなし交流の推進というものがございます。
 それから、全国の中学校の社会科担当教諭に対する現地研修会も根室市で開催してまいりました。これは結構効果が出ているようでございます。社会科の先生に伺いますと、あの研修会に参加したことがきっかけで、ああ、何かもっとうまく教えなきゃとか、もっと子供たちに効果のある教え方を開発しなきゃというようなことで一念発起されて、いろいろ教え方に工夫をされたという先生のお話も伺いました。
 それから、各都道府県で北方領土問題教育者会議の立ち上げも続けております。今でやっと一都一道一府二十五県となりましたので、これ本当に全国すべてに設置されるように啓発事業を進めてまいりたいと思います。
 私が特に問題意識を持って今後ということで取り組んでおりますのが、やはり初等教育の段階から歴史的な背景も含めて系統的に、北方領土というのが日本固有の領土だということを理解できるような環境整備が必要だと考えております。
 今年の一月に文部科学大臣を訪問いたしまして、小学校高学年以上の学校教育に係る学習指導要領ですとか、その解説において、北方領土問題を歴史的背景も含めて国家主権にかかわる重要事項という位置付けで的確に扱う旨をちゃんと明記してほしい、それからもう一つは、教師の皆様に対する研修を一層充実させてほしいという申入れを行いました。
 文部科学省の方で前向きに検討していただけることを今は期待をしながら、今ちょうど、学習指導要領とか見直しの作業がこれからずっと順次始まっていくと思いますので、その経緯を見守りたいなと思います。
 いずれにしましても、若い方への意識啓発を私が今のポストにありますうちに少しでも進めたいなという強い思いを持っております。
#72
○渡辺孝男君 私も昨年、北方領土を訪問させていただいたんですが、やはり正直言って、若いころは十分知識がなかったということであります。択捉島の散布山みたいなのを見させていただいたんですが、本当にすばらしい、美しい山でありまして、こういういろんな情報を若い方々が知っていただければ、やはり北方領土、早く返還をしていただきたいという思いになるんじゃないかと思いますので、こういう若い方々にやはり重点的にいろんな情報を提供していただければと思います。
 それから、次の質問に入りますけれども、本年二月末に訪日されましたミハイル・フラトコフ・ロシア連邦首相と麻生外務大臣との会談、そしてまた安倍総理との会談における北方領土問題での協議の概要と、それから今後の交渉予定について、外務省の方にお伺いをしたいと思います。
#73
○政府参考人(原田親仁君) 今、委員御指摘のとおり、フラトコフ・ロシア首相が先月訪日したわけでございますけれども、二月二十八日の安倍総理とフラトコフ・ロシア首相との会談におきまして、領土問題について取り上げられたわけでございます。
 安倍総理とフラトコフ首相は、日ロ関係の潜在力を十分発揮していくためにも領土問題の解決が重要であるとの認識を確認いたしました。また、これまでの諸合意及び諸文書に基づいて、日ロ双方にとり受入れ可能な解決策を見いだすため、更に精力的に交渉していくことで一致いたしました。
 今後、本年前半の麻生外務大臣の訪ロなど日ロのハイレベルの政治対話が予定されておりまして、その際には、今述べた両国の一致した認識を踏まえまして、北方領土問題についても当然議論されていくことになろうかと思います。
#74
○渡辺孝男君 安倍内閣になりまして、北方問題にも力を入れるということでございますけれども、まだスタートしたばっかりだという感でございますので、これから麻生外務大臣も訪ロされるということでありますので、またロシアからも様々な閣僚等もいらっしゃるということでありますので、この北方領土問題の解決に向けてやはり精力的に頑張っていただきたいと思います。
 それから、今回、フリステンコ産業エネルギー相も来日しまして、またロシアのエネルギー、通信、金融分野等の産業界の代表も多く来日をされまして、日本の経済界と第二回日ロ投資フォーラムを開くなど活発な意見交換を行ったということであります。
 その結果、日ロ間で政府並びに民間での合意文書の取りまとめが行われたということでありますので、その概要並びに北方領土周辺での災害への共同対処に関しての今後の取組について、外務省よりお伺いをしたいと思います。
#75
○政府参考人(原田親仁君) フラトコフ首相訪日の際には、経済実務分野で五本の政府間文書、それから十本の民間文書が署名されました。
 このうち、政府間文書につきましては、第一に、貿易経済政府間委員会極東分科会の地域間交流分科会への改組に関する覚書、第二に、日本とロシアの隣接地域における防災分野での協力プログラム、第三に、経済産業省とロシア経済発展貿易省との貿易投資協力拡大に関する行動プログラム、第四に、財務省関税局とロシア連邦税関庁との間の協力の方向性に関する覚書、最後に、情報通信研究機構とロシア無線通信研究所の無線通信分野における研究協力に関する覚書、以上、五つの政府間文書が署名されたわけでございます。
 さらに、委員もお触れになりました防災分野での協力プログラムでございますけれども、日ロ関係機関の間で大地震、津波の発生予測のための地殻活動の観測研究、地震活動のモニタリングとデータの交換、津波警戒システムの改善などの協力を進展させていくこととなっております。
 これらの協力は、日ロ双方の多岐にわたる政府機関及び研究機関により実施されるものでありまして、具体的にどのような形で協力を実現していくかにつきましては、両国の専門家間で引き続き協議をしていくことになっております。
 なお、この北方四島を含む日ロの隣接地域における防災協力プログラムの着実な実施は、震災害の予測や対処のみならず、領土問題にかかわる交渉の進展のための環境整備にも資するものであると考えております。
#76
○渡辺孝男君 北方領土周辺では昨年も大きな地震もございまして、国内でも津波の対策と避難等をやったわけでありますけれども、私も北方領土を訪問させていただいたときに現地の地震の被害等まだまだ残っているというのを目の当たりにしたわけでありますけれども、これからもこういう災害等で日本の様々な技術、情報等をお互いにロシアとも共有しながら、やっぱり住民、今北方領土におられる住民だけではなくて、日本のそういう津波対策等での関係もございますんで、お互いに住民の災害等防止に役立つようにしてあげるということは大変重要なことだというふうに思っております。
 こういう意味で、防災対策等も共有しながらやっていくということで、日本とロシアの国民の間の理解を更に深めて北方領土が早く返還できるように環境を整えていくことが大事だと思いますので、これはしっかり取り組んでいただきたいと、そのように思います。
 それから、公明党もこの間、二月の二十八日でありますけれども、太田代表らがフラトコフ首相等と会談をしまして、日ロ間での政治分野あるいは民間分野での交流促進、特にやはり青年層、あるいは経済だけでなくて文化の関係での交流等が必要であろうということを訴えたわけでありますけれども、このような交流促進はやはり北方領土返還にも資するものというふうに私は考えておりますので、外務省としまして、この日ロ間の政治家あるいは政党間の交流や、民間の経済・文化交流等、特に若い方々の交流の促進に関してどういうお考えを持っておられるか、また今後どういう取組をされるのか、お伺いをしたいと思います。
#77
○政府参考人(原田親仁君) 正に今おっしゃられたとおり、日ロ間の文化・人的交流の拡大は、日ロ関係の発展あるいは日本とロシアの国民間の友好及び相互理解を促進するものであると考えております。日ロ間の議員の間あるいは政党の間の交流は、両国の国民の日ロ関係への関心を高め、交流、協力を後押しする重要な役割を果たしているものと考えております。
 昨年をとりましても、昨年の八月及び十二月に自民党代表団、十一月には公明党代表団が訪ロをいたしましたし、九月にロシア側の統一ロシア代表団が訪日するなど、交流が非常に活発化していることは外務省としても歓迎しているところでございます。
 また、次代を担う日ロの若い世代の交流は、二十一世紀の未来志向の日ロ関係をつくり上げていく上で重要であると考えておりまして、このような観点から、一九九九年から日ロ青年交流事業が実施されて、これまで日ロの青年約千八百七十名が交流事業に参加してきております。
 今後とも、日ロ行動計画に従いまして、経済、文化を含む幅広い分野で両国民間の交流、協力の一層の進展に取り組んでいきたいと考えておる次第でございます。
#78
○渡辺孝男君 しっかり民間の交流等、特に青年の交流等をバックアップしていただければと思います。
 次に、北方四島交流等の使用船舶の検討状況と今後の対応について、高市特命大臣にお伺いをしたいと思います。
#79
○国務大臣(高市早苗君) 四島交流などに使用する船舶ですけれども、安定的な事業実施のためにはもう後継船の確保は喫緊の課題となっております。今後の対応について参考にするための調査は、十七年度、十八年度と二か年掛けて実施してまいりまして、この結果を踏まえまして、平成十九年度じゅうには政府としての方針を決めたり、あと、船の基本仕様書の作成を行う予定といたしております。
#80
○渡辺孝男君 今使われている船も、もし高齢者が行く場合には大変使いづらいような形になっておりますので、いい交流の使用船舶を造っていただければと、そのように思っております。
 それでは、次に、また質問変わりますけれども、日ロ間の漁業問題に関して一問質問をさせていただきたいと思います。
 日ロ漁業委員会の第二十三回会議で、日本側からも日本の漁業者側からも要望がございましたチェックポイントの変更等に関してはどのような議論がなされ、どのような結果になったのか、この点を農林水産省よりお伺いをしたいと思います。
#81
○政府参考人(中前明君) ロシア二百海里水域に漁船が入域する際に通過するチェックポイントにつきましては、我が国漁業者からの要望を踏まえまして、去年の十二月に行われました日ロ漁業委員会第二十三回会議におきまして、日本側よりロシア側にチェックポイントの移動の要請を行ったところでございます。
 ロシア側からは、チェックポイントは、我が国の漁船に加えまして、ロシアの漁船それからほかの外国漁船も同じポイントを使用しているということ、それからチェックポイントに関する法令を所管している関係省庁との調整が必要であるということを理由として、直ちにチェックポイントを移動させることは難しいというふうな回答がございました。この件につきましては、引き続きロシア政府内で調整が行われることとなったところでございます。
 水産庁といたしましては、我が国漁業者の要望を踏まえまして、チェックポイントの移動が実現するように、今後とも粘り強くロシア側に働き掛けてまいりたいと考えておる次第でございます。
#82
○渡辺孝男君 やはり航行の安全の問題とか航行の時間とか、経費も掛かるわけでありますから、この点も考慮してチェックポイントの変更等、要望実現のために頑張っていただきたいと思います。
 それでは、沖縄の観光振興に関して質問をさせていただきたいと思いますが、以前より検討がなされておりました健康保養型観光の現状と今後の取組について、内閣府にお伺いをしたいと思います。
#83
○政府参考人(原田正司君) 御指摘の健康保養型リゾートは、沖縄の特性を生かした観光振興の上で大変重要なテーマだというふうに認識をいたしております。
 現状でございますが、十八ございます沖縄県の観光振興地域の中で、名護市のカヌチャ地域など相当数の地域におきまして、この健康保養というテーマで観光振興に取り組んでおります。
 現在、それに加えまして、地元の総合事務局が中心になりまして、大臣からも若干紹介がありましたが、エステ・スパ研究会を立ち上げておりまして、健康関連産業の振興、健康保養型の観光の観点から様々な取組を展開中でございます。
 さらには、沖縄県が、今後増加するシニア層向けの観光ということで、高度医療を含む健康保養型観光というテーマで、十九年度のビジットおきなわ計画の中で、重点項目の一つとしてシニアマーケットの拡大ということを明記いたしておりますが、この中でそういった取組も展開されるやに聞いております。
 いずれにしましても、御指摘の健康保養の場の形成ということは沖縄の特性を生かした観光振興上大変重要でございますので、内閣といたしましても、それぞれの取組にサポートしてまいりたいというふうに考えております。
#84
○渡辺孝男君 関連をすると思うんですけれども、沖縄体験滞在交流促進事業というのが来年度予算で計上されていると思うんですが、この点に関しまして、高市大臣の方からどういう事業を行っていくのか、お伺いをしたいと思います。
#85
○国務大臣(高市早苗君) この沖縄体験滞在交流促進事業でございますが、これは沖縄県の特性を生かしました滞在型、参加型の観光を促進する、そしてそれを地域の活性化に資するということで、基本的に市町村が地域住民の創意工夫を生かして実施する事業、これに対して支援を行うというものです。
 具体的にちょっとだけ紹介しますと、施設整備及びプログラム作成等一体型事業といたしまして、これは、観光客が沖縄の恵まれた自然ですとか独特の伝統文化などを体験しながら地域住民と交流が図れると。そのための体験滞在プログラムを作ったり、インストラクターの研修を実施して、それからプログラムの実施に必要な体験提供型の施設も整備いたします。
 それから、地域貢献交流事業といたしましては、これは離島地域の活性化を図るために、その地域外の住民と地域の住民が一体となりまして、島の自然ですとか文化の保全のためのボランティア活動ですとか交流活動を実施する、こういった事業を行うことにいたしております。
#86
○渡辺孝男君 これから団塊の世代の引退というような時期もありまして、団塊の世代等も沖縄等に大変関心があるんじゃないかと思いますので、そういう方々のニーズに合わせた観光というものも考えていただければと思います。
 以上で質問を終わります。
#87
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 まず、北方四島の医療支援を中心的に行っています市立根室病院の医師不足が今深刻な事態になっているんですが、これまでも四島からの患者三十四人を受け入れて、このうちの心臓疾患や気管支ぜんそくなどの患者二十六人、八割近く患者を受け入れてきました。今年度からは、四島住民の健康診断で五十七人が受診するということです。北方四島のこの住民支援事業の一環として位置付けられて行ってきたわけですし、根室市の再構築提言書でも、更なる機能整備と運営ということで要求もしているものでもあります。
 ところが、この根室病院が昨年度、常勤の医師が十七名いるわけですけれども、この体制が今年度十一名になって、四月からは常勤医師は三名と、内科医が一人もいなくなるという事態が報じられて、根室市も本当に必死になってこの医師の確保のために走り回って働き掛けをして、そこまでの事態は何とか回避できるかどうかなというところに今来ているということのようなんですけれども、仮にこの常勤医師十一名を確保できても経営的には非常に大変と。
 外務省としてこうした事態をどのように認識をされているのか、また打開のために関係省庁にどのように働き掛けているのかということについて、まずお聞きしたいと思います。
#88
○政府参考人(原田親仁君) まず第一に、外務省としても、北方領土返還運動における根室の重要性は十分認識しております。
 北方四島からの患者受入れ事業につきましては、今御指摘のあったように、これまでの実績において市立根室病院が重要な役割を果たしてきておりまして、外務省としては引き続き根室病院に蓄積されてきている知見、経験を活用させていただきたいと考えております。
 今御指摘のあった市立根室病院の窮状につきましては、我々としても根室市とも連絡を取りつつ状況を把握しておりまして、外務省としては直接の所掌ではございませんけれども、同病院が果たしている重要な役割につきましては関係省庁に対して伝えてきているところでありまして、今後とも伝えていきたいというふうに考えております。
#89
○紙智子君 根室市とこの隣接地域は返還運動の中心的な役割をこれまでも担ってきているわけですけれども、北方担当大臣としてこの事態に対してどのように認識をされているのか。また、現地から要請もされているわけですけど、この体制整備について厚生労働省などに要請などをされているのかどうか、そこのところをお願いいたします。
#90
○国務大臣(高市早苗君) 現在の認識ですけれども、市立根室病院のお医者様の数ですが、それは今委員が御指摘されたとおりでございます。そしてまた、さらに、十九年度には循環器内科、外科、整形外科の常勤派遣医が非常勤化されるかもというようなことで打診がされているというふうにも聞いております。
 この市立根室病院は、北方四島住民支援事業の患者受入れにも非常に重要な役割を果たしていただいておりますし、そして何よりもお地元にお住まいの皆様たちの命、健康を守るという上でも大切な場所であると。ですから、非常に深刻な問題だという認識はございます。
 現在、根室市から数度にわたりまして厚生労働省と文部科学省と総務省に対しまして要請書を提出されておって、直接要請を行っておられるということについても聞き及んでおります。そして、今厚生労働省、文部科学省、総務省、それぞれ各省でその対策を検討されているというふうにも聞いておりますので、私の立場といたしましては、北方領土問題の解決の促進という観点からにはなりますけれども、その三省で対策を検討されているという今そういう段階でございますので、その状況を見守りながら連携を取らせていただきたいと思っております。
#91
○紙智子君 ここは、昨年、内科クリニックが閉鎖していますし、同時期に長期療養病床を七十五床持っていた根室隣保院というのがあったんですけれども、ここも閉院となっているんですね。
 さらに、今回のような事態になってきていて、本当に、今領土返還の側面からとおっしゃったんですけれども、やっぱり拠点になる地域でとてもこれじゃ住み続けられないということになってしまっては、本当に運動そのものも促進していくということではそうなっていかないというふうに思うわけです。そういう意味では、やっぱり北方担当としても全力を挙げて打開のために力を尽くしていただきたいというふうに思うわけです。
 それから、次に、ちょっと厚生労働省にもおいでいただいているのでお聞きしますけれども、新医師研修制度に端を発して医師の引揚げがされているわけです。過酷な、一方では、勤務の状況に置かれていて退職する医師も出てきていると、そのことが医療体制そのものを危うくしているんですけれども、これは実はここだけじゃなくて全道的にも大変な問題になっていまして、その中でも根室の病院というのは唯一市内で入院の施設を完備した総合病院なわけです。救急告示の病院でもあると。それから、災害拠点病院ということで、漁業なんかもやっていて海難事故なんというのもあって担ぎ込まれたりということもあるわけですけれども、そういう病院でもあると。入院・外来患者数、年間でいいますと延べ二十三万人、そして第三次医療圏への距離ということでは約百三十キロ離れている、釧路なんかは離れているわけですよね。
 今年度、既に消化器内科が不在になって、産婦人科も今非常勤になっちゃったんですよ。それで、結局根室から産婦人科のある町立別海病院、別海町の、隣の町まで運ばなきゃいけないと、分娩のときにはそこに通わなきゃならないということで、行き来しなきゃいけないわけですよね。そしたら、陣痛が来たということで病院に移動するわけだけど、そこで、まだ早いからといって帰されると、そういう行き来をしなきゃならないという事態もあるんですけれども。
 今年、この二月に、通っていた女性がいったん戻されて、また陣痛が来て、行く途中に間に合わなくて車の中で生まれてしまうという事態があって、ニュースにも報道されたんですけれども、車中で出産ということでですね。本当にまだへその緒がつながっているわけですから、抱くこともできないと、そういう状況の中で赤ちゃんが一時低体温になって、本当に危ない状況にさらされるということもあったんです。
 本当にそういう意味では命にかかわる事態になっているということで、根室市も強い医師派遣の要望が上がっているわけですけれども、是非国の責任でこの医療派遣のシステムをつくっていく必要があるんじゃないのかということでお聞きしたいと思うんですけど、厚生労働省、お願いします。
#92
○政府参考人(松谷有希雄君) 御指摘の市立根室病院の医療状況につきましては、現在、文部科学省や総務省とも連携しながら、地元医科大学からの医師派遣状況も含めまして把握に努めておりまして、北海道並びに根室市当局と鋭意相談を進めているところでございます。
 地域医療の確保は基本的に北海道が中心となって行われるべきでございますけれども、この市立根室病院が、根室市内のみならず根室医療圏全体における先生御指摘のとおり中核的な病院であること、また内科、外科等の基本的な診療科に係る問題であること、また最寄りの医療機関まで今先生御指摘のとおり相当程度の距離があるといった北海道の事情があること、また北海道当局も昨年来医師確保の努力をしてきているというようなことなどの事情も勘案いたしまして、厚生労働省といたしましても、地域で必要な医療の確保のために道と協力しながら、しかるべく対応していきたいと考えております。
#93
○紙智子君 根室に限らず本当に困っている自治体が、今確保しなきゃならない、急いで確保しなきゃならないというときに、本当、市長さん自身が走り回っているわけですよね。あっちへ行ったりこっちへ行ったりして、何とかめどが立たないかということで、これ各自治体が今やっているんですけど、これ自体が私本当に大変だし限界があるというふうに思うわけです。やっぱり全体を把握して、情報を提供して、調整するところをするというようなそういう体制がなかったら本当に大変だというふうに思うんです。関係者の方からは、国の対応は、都道府県がやるということで丸投げだというふうな批判もあるわけです。地方の本当にこういう脆弱な医療体制が、医師不足とこの診療報酬の削減で一層重いペナルティーを科せられる結果になっているということなんですね。
 医療が崩壊すればやっぱりこれ地域も崩壊せざるを得ないと。一番命の安全確保するところがなくなってしまったら本当にいられなくなってしまうわけですから、やっぱり病気や出産が怖くて根室にはもう住みたくないなという声も出ているのも事実ですし、そういう意味では国が本当に国民の医療を守る責任を果たすべきではないかというふうに思うんです。
 もう一つなんですけれども、やっぱりその大本のところに、私は、政府のこの間、医師の数を抑制する政策を取ってきたという問題があると思うんです。政府は新医師確保総合対策というのをまとめて出したわけですけれども、これは深刻な地域の実態にこたえているとは言えない状況なんですね。その対策の中では、十県に対して前倒し的に医学部の定員数を認めているんですけれども、これどうして十県だけなのかというのもあります。深刻な医師不足に直面した自治体からも疑問が出ているわけです。
 北海道でいいますと、面積当たりの医師数は十四・六人、これ全国最下位なんですね、面積で割りますと。まあいろいろ算定というか、十万人当たりの医師数で見ると確かに全国平均の二百十一・七人よりも多いということなんですけど、多いといっても四・五人ということなんですね。北海道の面積でいいますと、東北の六県と、あと新潟県足したぐらいの面積があるわけですけれども、非常に、その面積ということで見て、医師の労働実態も含めて考えれば、医師の労働実態を反映する百床当たりの医師数でいうと七・九人で四十五位、全国で見れば最下位クラスなんですね。
 ですから、ただ単に人口比ということじゃなくて、やっぱりそういう実情をよく把握した上でというか、そこに合ったものに基準を見直すべきだというふうに思いますし、北海道だけじゃなく、北海道を始めとして医師不足の深刻な地域について、直ちに増員をすべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
#94
○政府参考人(松谷有希雄君) 昨年八月に関係省庁と取りまとめました新医師確保総合対策におきまして、今委員御指摘のとおり、医師の不足が特に深刻と認められる十県につきまして医学部定員の暫定増を認めたところでございます。
 この対象県の選定に当たりましては、そもそも都道府県全体で見て医師が不足しているかどうかという観点から、人口当たり医師数を指標として用いるとともに、地理的にも医師へのアクセスが困難かどうかという観点から、これを考慮する観点から、都道府県の面積当たりの医師数という指標も活用いたしまして、いずれの条件も満たす県を医師不足が特に深刻な県としたものでございまして、医師の絶対数や医師へのアクセスの困難さという地域の実情を極力反映した指標として選定したものでございます。
 また、厚生労働省におきましては、医学部卒業生の地域定着を促し、地域に定着した医師の確保を図るという観点から、文部科学省など関係省庁と連携いたしまして、医学部における地域枠、これは地元出身者のための入学枠でございますが、この設定を推進するなどの取組を併せて進めているところでございます。
 なお、医師数は毎年三千五百人から四千人程度増加しておるところでございまして、これはマクロでございますが、今後ともこれまでと同程度のペースで医師の増加が見込まれているところから、現時点において閣議決定を見直す必要はないのではないかと考えております。
 しかしながら、特定の地域や診療科で医師の不足が深刻となっているという現状は十分承知しておりまして、国としては、地域の実情をしっかりと把握して、都道府県と協力しながら、十九年度予算案に盛り込んだ施策も適切に活用しながら、実効性のある医師確保対策を引き続き講じていきたいと思っております。
#95
○紙智子君 厚労省として足りている足りているというふうに言ってきているんだけれども、実際に現場に行くと、こういう過疎のところって本当に足りない中で、もう過労死するかどうかという中で、本当に重荷を背負いながらやっている、過労死を本当に生むような事態の中で何とかやっているという状況ですので、そこは是非検討いただきたいというふうに思います。
 最後に、もう一つだけお聞きします。漁網の被害についてです。
 北方水域での漁具被害なんですけれども、漁網なんですけれども、安全操業水域内でロシアのトロール船によると見られる我が国の船への漁網破損、これが被害が非常に甚大で、水産庁によると、今年一月のスケソウダラの底引きの刺し網、延べ三十隻、被害額一千万に上っているわけです。このところちょっと収まっていたんですけれども、またこういう状況が出てきていて、漁獲でいいますと例年の四割まで落ち込んでいるわけです。
 それで、外務大臣は北方領土返還要求全国大会で、北方四島の周辺水域における我が国の漁船の安全かつ安定的な操業の確保に全力を挙げるというふうに表明しているわけですけれども、これ過去にもロシア船による漁具被害、数千万円の被害があったんですけれども、結局は何の補償もされず泣き寝入りすることになっちゃったわけですね。こういうことがやっぱり漁業に痛手を与えていると、地元を疲弊させていくということになるということで、政府としてロシアに再発防止の申入れを行っているとは思いますけれども、こういう被害が出たときの補償の交渉の枠といいますか、一体だれがそういうことをやったのかということを含めて結局分からずじまいでずっと来ているんですけれども、そういうことをやっぱり解決できるような話合いの場というのをつくれないものかということで、前回も要求しているんですけれども、いかがでしょうか。
#96
○政府参考人(原田親仁君) 北方四島周辺水域操業枠組み協定に基づきまして、スケトウダラの刺し網漁業の漁具被害につきましては我々としても承知しておりますし、懸念しております。
 政府としましては、北方四島周辺水域操業枠組み協定の実施に関するロシア政府との協議におきましてこの問題を取り上げるようにしてきております。また、個別の漁具被害が発生するたびに、外交ルートを通じて再発防止のための実効的な措置を講ずるよう求める申入れを行っているところでございます。
 政府としましては、協定に基づく我が国漁船による操業が安全かつ円滑に行われるよう、引き続き最大限ロシア側に働き掛けていく所存でございます。それから、漁業者から具体的な要望があれば、水産庁とも協議して、適切に対処していきたいと考えております。
#97
○紙智子君 時間ですので、終わります。
#98
○近藤正道君 社民党・護憲連合の近藤正道でございます。
 私は、沖縄の自立の問題を中心に何点かお尋ねをしたいというふうに思っています。
 沖縄の本土復帰以降、本土との格差の是正などを目的に三次にわたりまして沖縄振興開発計画、そしてその上に今の沖縄振興計画が策定、実施をされました。沖縄には、その結果、公共土木事業を中心に巨額な投資が行われたわけでございます。その額は、十九年度予算案を含めますと約八兆五千四百億円と、こういう巨額に上るわけでありまして、そのうちの公共土木事業費は七兆一千三百六十六億円で、全体の約八四%に上ります。その結果、確かに沖縄の道路、港湾、空港等の社会資本の整備は進みました。
 しかし、先ほど来議論がございましたけれども、沖縄の失業率は常に全国最低、有効求人倍率も直近で見ますと〇・四六、正従業員についていいますと〇・一九と正に全国最低ラインでありまして、一人当たりの県民所得も本土の約七割でありまして二百万そこそこ、全国最低でございます。預貯金の残高も全国最下位であります。そして、自治体の自主財源比率でございますけれども、県が全国平均の約半分、そして市町村についていえば三分の二、こういうところに実はとどまっているわけでございます。
 つまり、巨額な予算を、事業を投下しているわけでありますが、それが県民生活の向上や自治体の財源確保につながっていない、沖縄の自立につながっていないと。国はこの沖縄の現状をどういうふうに見ているのか、本当に政府の施策が沖縄の自立につながっているんだろうか疑問を覚えるわけでありますが、高市大臣の所見をお伺いしたいと思います。
#99
○国務大臣(高市早苗君) 三次にわたります沖縄振興開発計画によりまして、港湾ですとか空港ですとか道路の整備が進んだというのは委員も御質疑の中でお認めいただいた点だと思います。
 非常に公共事業中心だと、それが県民生活の特に経済的な向上につながってないんじゃないかという御疑念かと思うんですけれども、それでも私は、三次にわたって策定された振興開発計画に基づく諸事業というのは、本土から非常に沖縄が遠いところにある、そしてやはり離島県だからこその不便さもある、それから米軍施設や区域が集中している、それから日本の施政下を離れていた時期に遅れていた点というのがたくさん社会資本の状況でもあったと思います。こういった特殊な事情を踏まえて策定され、実施されたものだから、その事業には私は必然性はあったと思うんです。
 しかし、これを実際に県民の方々の雇用ですとか所得の安定につなげていくためにはどうしたらいいのかということになると、そういった問題意識があったからこそ、平成十四年度に策定された新たな沖縄振興計画では、むしろこの沖縄の地域特性を生かして自立型経済を構築するんだということで非常に大きくかじが切られたと私は思います。社会資本整備中心ということでやってきたことから、むしろもっと幅広く、将来に向けても産業を育てていく、人を育てていくと、こういった方向に大きくかじが切られた、これは私は非常に意義があると思っております。
 具体的に、その質の高い観光リゾート地の形成ですとか、情報通信関連産業の振興ですとか、また農林水産業の振興、これも亜熱帯性の地域特性を生かしてということですし、健康食品産業などの分野での新規起業ですとか新規事業の創出活性化、こういったものはむしろソフトの面というのが非常に大きいかとは思うんですけれども、確実に将来沖縄の雇用を生み出していく、それで自立した経済発展をつくり上げていく意義のある事業だと思っております。
 着実に成果は上がりつつあると私は感じております。
#100
○近藤正道君 巨額な投資が沖縄の自立に私はつながっていないんではないか、こういうふうに思っているわけでありますが、沖縄の財政問題に詳しい大阪経済大学の重森暁教授、この方が著書の中で、沖縄振興政策の最大の弱点は、道路、港湾、空港等のハードなインフラ整備に目を奪われて、それらの基盤が整備されさえすればあとはおのずから基地産業が成長すると、こういうふうに誤認したことにあるんではないか、つまりインフラ整備のための公共土木事業そのものが自己目的化されたところにあるんではないか、こういうふうに指摘をしているわけでありますが、この重森先生の御指摘をどういうふうに受け止められますか。大臣、もう一度お願いします。
#101
○国務大臣(高市早苗君) 私は、むしろ地域の基盤整備というのはこれはもう大事な問題であり、沖縄県お地元からも要望があった、もう要望が全然ないことについて国が無理やりお金を押し付けてやっているということじゃない、要望があった必要な基盤整備を着実に進めてきたということだと思いますが。
 ここで強調したいのは、やはりこの新しい振興計画に基づいて、観光リゾートにしても情報通信にしても、ソフト面も含めての施策を展開してきて、ようやく観光客数も過去最高、非常に高い数字を記録しつつあり、それが定着しつつありますし、情報通信関連産業の企業立地も進んできて、実際に雇用も生み出されている。ただ、県内の若い人を雇ってもらわなきゃ何にもなりませんので、人材育成、教育の面も含めてまだまだ改善すべき点はあるかと思います。けれども、健康ですとかエステですとか、それも高齢者を対象にしたようなものに関しましても、私は非常に新たないい可能性が見えてきていると思うんですね。こういった面にも是非目を向けていただきたいなと思います。
#102
○近藤正道君 ちょっとかみ合わないんですけれども。
 沖縄振興計画に基づく振興事業、これは基地交付金と似たようなもので、基地容認の見返りというそういう側面は否定できないんではないかと、こういうふうに思っています。また、使途が限定されております。いわゆるひも付きであります。国の補助が、他県は五〇%ぐらいのところを沖縄では九〇%という高率の補助が採用されております。この高率の補助自体が自己目的化されているんではないか、住民が本当に必要としている事業に向いていないんではないかと。つまり、県民本位の事業が選ばれていないんではないかと、こういうふうに思えてなりません。
 しかも、事業利益は本土資本に吸収されている。この振興計画の発注先は半分ぐらいが本土の事業者でありまして、沖縄県が発注する事業を見ますと大体沖縄県内が八割、ところがこの事業計画でやるところの発注工事の発注先は半分ぐらいが本土業者だと。こういう中で、沖縄に資本が投下されても、すぐにそれが本土の方に還流していく、そういうことがずっと前から言われておりまして、事業利益は本土資本に吸収されていると、そして地場資本の蓄積、ひいては雇用の拡大や所得の向上につながらないと、こういう点も指摘されているわけであります。
 こういう振興事業の在り方、これは執行方法の問題を含めて、今本当にこれが問われているんではないか、この辺のところをきちっとやっぱり直さないとなかなか沖縄の自立につながっていかないんではないか、こういうふうに思うんですが、いかがでしょうか。
#103
○国務大臣(高市早苗君) こういった振興計画の議論、それから毎年毎年のこの予算措置に関する議論、常に沖縄県の代表の方がちゃんと入っていただいて、私ども、知事や市町村長から細かく御要望も伺っております。もう全く県としてはやってほしくない、それは迷惑だというようなことを押し付けてやっているわけじゃないです。
 この補助率も、他県の方からしたら非常にうらやましい高率だと思います。私は奈良県ですけど、まあせいぜい多くて五割でございます。それでも、沖縄の場合は非常にハンディキャップも多いと、米軍基地で取られている面積も多いです。なかなか土地利用といったっていろんな事情があってまだ進んでいない点もあるし、それは特殊な事情もよく分かると、その上で全国の納税者の負担と御理解によって今の高い補助率というのがあるんだろうと思っております。
 それで、工事の発注ですけれども、例えば沖縄総合事務局及び那覇防衛施設局発注の公共事業、これは沖縄における国の発注の公共工事ですけれども、平成十七年度でしたら、県内企業が八二・五%、県外企業が一七・五%という率になっております。なかなか、大きな工事になりますと、これはどこの県でも一緒かもしれませんが、地元の建設業者にはその工事の話すら来ないと、東京や大阪から来た大きなゼネコンさんが持っていってしまうというのは、これはどこの県でも頭を抱えている問題かと思いますけれども、それでも官公需の受注について、沖縄振興計画にありますとおり、地元の中小・中堅建設業者の受注機会の増大に積極的に取り組むという方向になっておりますし、地元の発注をします総合事務局などでも、小規模であるというんだったらできるだけJVを組んで手を挙げてくださいというようなことでお話もしているようでございます。
 また、外からの資本がどんどん入ってくることなんですけれども、私は、企業立地の推進、特に県外資本のホテルが、じゃ沖縄に出てきてこれが何にもメリットないかといったら、そうじゃないと思います。外からの資本であっても、当然そこに観光客が来て地元の産品も消費しますし、それから地元での雇用というのも生まれてまいりますので、私は、県外資本がどんどん出てくるということが沖縄経済の成長に一定の寄与というのはしているんじゃないかと思っております。
#104
○近藤正道君 公共土木事業におきまして国の補助事業を行う場合、他県では各省庁ごとの縦割りで自治体に補助金が流れます。ところが、沖縄振興事業では、旧沖縄開発庁、現在の内閣府の沖縄担当部局が内閣府の予算としていったん計上する、そしてそれを関係省庁に移し替えて執行する、これを一括計上方式と言うわけでありますが、この一括計上方式が取られております。
 大阪経済大学の重森先生は、公共事業が自己目的化している大きな要因がこの一括計上方式にあるのではないか、この一括計上分の予算編成権あるいは執行権を沖縄に移譲すべきだと、こういうふうに提言をしているわけであります。これは重森先生が突然言っている話ではありませんで、既に二〇〇二年の省庁再編の際に行革会議の審議の中でも似たような議論が出ております。沖縄開発庁、これ当時でありますが、これを廃止してその役割を自治体に移管すべきだと、こういう意見が出ておりました。重森先生も似たようなことを言っているわけでありますが。
 この内閣府担当部局の一括計上分は沖縄に移す、移譲して、そしてその下で沖縄が正に自分のところで自分のやりたい仕事、県民本位の事業ができるような、事業の実施ができるようなこういうシステムを私は採用すべきではないか。そうじゃないといつまでも、全く無理なものを押し付けるということはないですけれども、高い補助率の中で、必ずしも県民本位でないような仕事をかなり押し付けられて、そしてなかなかそれが県民福祉にもつながっていかない、そういう悪循環がやっぱり続いていくんではないか。
 その一括計上方式、是非これは、こういう議論を、一度行革会議にも出た議論でありますので、沖縄の自立のために是非私は検討すべきではないかというふうに思いますが、高市大臣の所見をお伺いしたいと思います。
#105
○国務大臣(高市早苗君) 先ほども申し上げましたが、予算計上に当たりましては、これは市町村が事業主体となっているようなものも含めて内容については沖縄県と十分に意見交換をしていますし、私自身のところにも知事も来られれば市町村長も来られます。地元の意向を十分に伺っているつもりです。
 一括計上をやめてくれという話は、今のところ私は仲井眞知事からも市町村長さんからも伺ってはおりません。少なくとも、なぜ今一括計上をしているかと、内閣府にまとめているかというと、これは沖縄振興計画に沿って効果的に、効率的にきちっと事業は確実に進めていかなきゃいけないと。それで、いろんな役所が企画もし、対応もされるんですけれども、その関係している事業を全体的に把握しなきゃいけないということ、それから事業相互間にちゃんと進度調整もしていかなきゃいけないと、それからちゃんとそれが振興計画に沿って着実に進行しているかということのフォローもしていかなきゃいけない、こういった事情から一括計上しているんですけれども、いずれにしましても、私は、国が費用負担を行っているものである以上は、国民への説明責任というのを十分果たす必要性から、私は国において、国の責任において事業の内容等についてちゃんと把握をして、内容も決定して執行すべきだと、私は今はそう考えております。
#106
○近藤正道君 この話はこれからも続けさせていただきたいと思います。
 時間がありません。防衛庁、申し訳ありません、質問ができませんで、おわび申し上げます。
#107
○委員長(黒岩宇洋君) 以上をもちまして、平成十九年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち内閣本府(沖縄関係経費)、北方対策本部、沖縄総合事務局及び沖縄振興開発金融公庫についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#108
○委員長(黒岩宇洋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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