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2007/03/07 第166回国会 参議院 参議院会議録情報 第166回国会 予算委員会 第5号
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2007/03/07 第166回国会 参議院

参議院会議録情報 第166回国会 予算委員会 第5号

#1
第166回国会 予算委員会 第5号
平成十九年三月七日(水曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月六日
    辞任         補欠選任
     片山虎之助君     岩城 光英君
     田村 公平君     常田 享詳君
     松 あきら君     鰐淵 洋子君
     福島みずほ君     近藤 正道君
 三月七日
    辞任         補欠選任
     池口 修次君     犬塚 直史君
     木庭健太郎君     弘友 和夫君
     小池  晃君     井上 哲士君
     大門実紀史君     仁比 聡平君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         尾辻 秀久君
    理 事
                愛知 治郎君
                金田 勝年君
                坂本由紀子君
                吉村剛太郎君
                小林 正夫君
                櫻井  充君
                芝  博一君
                澤  雄二君
    委 員
                岩城 光英君
                小野 清子君
                大野つや子君
                太田 豊秋君
                加納 時男君
                佐藤 昭郎君
                常田 享詳君
                中川 雅治君
                中川 義雄君
                南野知惠子君
                松村 祥史君
                松村 龍二君
                山下 英利君
                山本 一太君
                足立 信也君
                浅尾慶一郎君
                犬塚 直史君
                喜納 昌吉君
                島田智哉子君
                下田 敦子君
                主濱  了君
                白  眞勲君
                広田  一君
                広野ただし君
                前川 清成君
                峰崎 直樹君
                蓮   舫君
                遠山 清彦君
                弘友 和夫君
                鰐淵 洋子君
                井上 哲士君
                仁比 聡平君
                近藤 正道君
   国務大臣
       総務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(地方分
       権改革))    菅  義偉君
       法務大臣     長勢 甚遠君
       外務大臣     麻生 太郎君
       財務大臣     尾身 幸次君
       文部科学大臣   伊吹 文明君
       厚生労働大臣   柳澤 伯夫君
       農林水産大臣   松岡 利勝君
       経済産業大臣   甘利  明君
       国土交通大臣   冬柴 鐵三君
       環境大臣     若林 正俊君
       防衛大臣     久間 章生君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 塩崎 恭久君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(防災)
       )        溝手 顕正君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        山本 有二君
   副大臣
       外務副大臣    浅野 勝人君
       財務副大臣    富田 茂之君
       厚生労働副大臣  石田 祝稔君
       厚生労働副大臣  武見 敬三君
       農林水産副大臣  国井 正幸君
       経済産業副大臣  山本 幸三君
   大臣政務官
       法務大臣政務官  奥野 信亮君
       財務大臣政務官  椎名 一保君
       文部科学大臣政
       務官       小渕 優子君
       文部科学大臣政
       務官       水落 敏栄君
       国土交通大臣政
       務官      吉田六左エ門君
       環境大臣政務官  北川 知克君
       防衛大臣政務官 北川イッセイ君
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  宮崎 礼壹君
   事務局側
       事務総長     川村 良典君
       常任委員会専門
       員        村松  帝君
   政府参考人
       金融庁総務企画
       局長       三國谷勝範君
       証券取引等監視
       委員会事務局長  内藤 純一君
       総務省総合通信
       基盤局長     森   清君
       消防庁次長    大石 利雄君
       法務省民事局長  寺田 逸郎君
       法務省刑事局長  小津 博司君
       法務省矯正局長  梶木  壽君
       法務省保護局長  藤田 昇三君
       法務省入国管理
       局長       稲見 敏夫君
       外務大臣官房審
       議官       田辺 靖雄君
       外務省領事局長  谷崎 泰明君
       国税庁次長    加藤 治彦君
       文部科学省スポ
       ーツ・青少年局
       長        樋口 修資君
       厚生労働省健康
       局長       外口  崇君
       厚生労働省医薬
       食品局長     高橋 直人君
       厚生労働省職業
       能力開発局長   奥田 久美君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       大谷 泰夫君
       資源エネルギー
       庁長官      望月 晴文君
       資源エネルギー
       庁原子力安全・
       保安院長     広瀬 研吉君
       防衛大臣官房衛
       生監       安達 一彦君
   参考人
       株式会社東京証
       券取引所常務取
       締役       長友 英資君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○派遣委員の報告
○平成十九年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)
○平成十九年度特別会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)
○平成十九年度政府関係機関予算(内閣提出、衆
 議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(尾辻秀久君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成十九年度総予算三案審査のため、本日の委員会に株式会社東京証券取引所常務取締役長友英資君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(尾辻秀久君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(尾辻秀久君) 平成十九年度一般会計予算、平成十九年度特別会計予算、平成十九年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
    ─────────────
#5
○委員長(尾辻秀久君) 先般、本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員から報告を聴取いたします。
 まず、第一班の報告を金田勝年君にお願いいたします。金田勝年君。
#6
○金田勝年君 予算委員会委員派遣第一班の口頭報告を行います。
 予算委員会派遣第一班の調査につきまして御報告をいたします。
 第一班は、尾辻委員長を団長とする十名で編成され、二月十五日及び十六日の二日間、青森県を訪れ、東北地方の産業経済の動向、青森県の財政・経済状況等について概況説明を聴取するとともに、整備新幹線の建設状況、三沢基地での自衛隊・米軍の活動状況、青森市の中心市街地活性化事業の状況、中小企業のものづくり基盤技術の状況について調査を行ってまいりました。
 東北地域の経済動向は、生産活動においては、電子部品・デバイスや輸送機械などを中心に緩やかに拡大しており、企業収益も製造業、非製造業ともに平成十八年度通期で増益見込みとなっている、また、個人消費は一部弱含みながらも持ち直しの動きが続いている一方、雇用については、完全失業率が依然として高水準であり、求人については地域によりばらつきが見られるなど、地域経済は、一部に厳しさが残るものの、緩やかな持ち直しの動きが続いているとのことでありました。また、暖冬による雪不足によって、冬祭りなどのイベントの中止、冬物衣料や暖房機器の販売不振、除雪費用の減少などの影響が出ているとのことでありました。
 青森県の財政状況は、歳入歳出規模ともに減少が続いている中で、歳入に占める地方交付税の比率が高く、交付税依存型の財政構造であるほか、経常収支比率も平成十七年度決算で九五・二%と高水準であり、財政の硬直化が進んでおり、県財政は予断を許さない厳しい状況になっているとのことでありました。平成十九年度当初予算編成では、財政健全化への取組を進めるために歳出の見積限度額を厳しく設定するとともに、職員定数の削減や給与水準の引下げによって人件費を抑制する財政改革を進めており、今後の財源不足額の抑制を図っているとのことでありました。
 また、青森県の雇用情勢は、平成十八年十二月の有効求人倍率が〇・四六倍と全国より〇・六二ポイント低い水準にとどまるなど、特に雇用面では全国との乖離が広がっており、就労機会の拡大が喫緊の課題となっていることなどから、青森県から地域雇用対策の強化などの要望をいただいた次第であります。
 以上で第一班の派遣報告を終わります。
 調査の詳細につきましては、これを本日の会議録に掲載されますようお取り計らい願いたいと存じます。
 以上でございます。
#7
○委員長(尾辻秀久君) 次に、第二班の報告を小林正夫君にお願いいたします。小林正夫君。
#8
○小林正夫君 おはようございます。民主党・新緑風会の小林正夫です。
 予算委員会派遣第二班の調査につきまして御報告いたします。
 第二班は、自民党の吉村理事を団長とする十名で編成され、二月十五日及び十六日の二日間、兵庫県を訪れ、近畿地方の産業経済の動向、兵庫県の財政・経済状況等について概況説明を聴取するとともに、現地において、薄型テレビ並びに鉄道車両の生産状況、人と防災未来センターの活動状況、神戸医療産業都市における研究内容、神戸空港の運営状況のほか、地場産業の酒造業について調査を行ってまいりました。
 近畿地域の経済動向は、個人消費においては、暖冬による冬物衣料の不振などから大型小売店販売額が前年を下回っているものの、薄型テレビを始めとする家電販売額や旅行取扱額が堅調に推移していることなどから総じて持ち直しており、雇用情勢は、有効求人倍率が一倍を超え、完全失業率が四か月連続で前年を下回るなど改善している、企業部門については、景況感が二四半期連続でプラスとなったほか、平成十八年度の設備投資計画が前年比一八・四%増と全国の八・六%増を上回り、好調を維持している、こうしたことから、地域経済は全体として回復しているとのことでありました。
 兵庫県の財政状況は、県税収入は二年連続で増加しているものの、依然厳しい状況が続いており、県債残高は平成十九年度末には三兆三千百八十億円になると見込まれ、財政指標では、県債管理基金を震災復興のために取り崩して活用してきたことが影響し、実質公債費比率は一九・六%と地方債許可団体にとどまる水準にある、こうしたことから、平成十九年度予算編成では、施策の選択と集中を徹底し、創設後三年を経過した事業のいったん廃止、費用対効果の低い事業や民間で実施できる事業の廃止、税源移譲事業の再検証などにより、二百八十五億円の整理合理化を図っているとのことでありました。
 また、阪神・淡路大震災の復興状況に関しては、人口の回復や市街地整備の進捗によりおおむね順調に進展しており、被災地の総生産もほぼ震災前の水準に回復している、防災対策としては、住宅の耐震化や県有施設の耐震改修など建築物の安全対策を推進するとともに、住宅の再建が生活再建のかなめになるとの観点から、住宅再建共済制度を創設し加入を促進しているとのことでありました。
 以上、第二班の派遣報告を終わります。
 調査の詳細につきましては、これを本日の会議録に掲載されますようお取り計らい願いたいと存じます。
 以上でございます。
#9
○委員長(尾辻秀久君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。
 両班から提出された報告書につきましては、これを本日の会議録の末尾に掲載することにいたします。
    ─────────────
#10
○委員長(尾辻秀久君) 平成十九年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。
 本日は、一般質疑を百四十分行うこととし、各会派への割当て時間は、自由民主党二十九分、民主党・新緑風会七十六分、公明党十九分、日本共産党十分、社会民主党・護憲連合六分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。
    ─────────────
#11
○委員長(尾辻秀久君) それでは、これより質疑を行います。加納時男君。
#12
○加納時男君 おはようございます。自由民主党の加納時男でございます。
 今朝起きまして読売新聞を見ましたら、その十一面に非常に大きな記事が載っておりました。「資源争奪」というシリーズを始めるそうであります。「問われる戦略」と書いてございます。そして大きな見出しは、「石油確保 揺れた国策」「市場任せ 代償重く」とございます。あるいは、ごらんになったかもしれませんけれど、これについて外務大臣にまずお伺いしたいと思っております。
 これまで、いろいろなエネルギーをめぐる政策について様々な議論が国会でもなされてまいりました。エネルギーは国民生活、経済社会の血液でありまして、普通の商品、オーディナリーコモディティーとは違うという議論がございました。そして、二〇〇二年に、それまでの、その場その場では正しかったけれども一貫性がやや乏しかったエネルギー政策に一貫性を持たせようということで、自民党では甘利明さんを当時の小委員長にしまして、エネルギー総合政策を作るということにし、そしてその後、これはエネルギー戦略合同会議に発展し、今日御出席の現尾身財務大臣が全体の会長としてまとめられました。そういうことで、揺るぎなき戦略を作ってきたつもりでございます。
 そして、それも国会で議論され、参議院では八八%の賛成を得てエネルギー政策基本法ができました。その中では、エネルギーは普通の商品ではない、あくまでもその場その場の、あした安ければいい、今日安ければいい、後のことは知らないというものではない、エネルギーのセキュリティーと環境との調和を大原則にして進めていこうということを決めたつもりでございます。
 今日の新聞では、それについてのコメントがいろいろ載っておりまして、二つの政策があったと。一つは、石油は金を出せばマーケットからいつでも買ってこられる普通の商品ではないかという考え。これがいわゆる石油公団の廃止、それから電力、ガスの自由化、中には発送配電を分断してしまえと、無責任に分断しろとか、ガスの製造販売を分断しろという誠に無責任な議論も外国と呼応して日本の国内であったのも事実でございますが。もう一つの考え方は、そうではないと、セキュリティーと環境、両面に非常に関係の深い特別な商品ではないだろうか。そして、これはやはり政策の原則を明確にすべきだというのが政策基本法の考えでありますが、こういった二つの考え方の間で揺れ動いてきたというようなコメントが新聞には載っておりましたけれども、これについて、最近の状況も考え、外務大臣の御所感を伺いたいと思います。
#13
○国務大臣(麻生太郎君) 加納先生、やっぱりエネルギーとか食料とかいうものは、確かにコモディティーであることも間違いありません。石油の一滴は血の一滴、第一次世界大戦から言われた言葉ですから、たしかこれはクレマンソーが言った言葉だと思いますが、その当時から言われておりますんで、時代とともに、LNGが出ましたり石油の新しいのが出ましたりするたんびに、またというので、どんどん、いろいろ、たんびたんびに状況は変わってきておりますんで、これが戦略物資である、まあそれは食料もそうでしょうし、いろいろございましょうけれども、そういうのはもう間違いなく言える面と、金を出せばそれは高い方に売るに決まっておりますので、戦争状態でもなければそういうことになろうと存じます。これは両方あるんだと存じますが、国としては、これは安定したものをきちんと持っておくような努力というのは大変大事なところなのであって、今後ともそういった努力をしていかねばならぬというのが一点。
 もう一点は、基本的には石油のリッター当たりの消費量、生産効率、熱換算率、いろんな表現がありますけれども、日本というのは省エネ技術を物すごい勢いで一九七〇年代後半から開発した結果、日本の場合は、エネルギー効率、多分リッター当たりでいったら世界一になっております。IEAのたしか資料だったと記憶しますが、ロシアが十九・幾つ、インド、中国が九・幾つ、アメリカが二、いや三・幾つだったか、ちょっと正確な数字じゃありませんけど、そういった数字が出まして、極めて、日本はそれでいけば簡単に言えば他国に比べて物すごい石油の絶対量が少なくて済むという状況になっておるというのが強みなんだと思いますんで、この技術は今後とも海外に対して、環境技術の一環、またエネルギー効率技術の一環として海外に出すことによって、それらの国々は輸入する量が少なくて済むことになりますので、そういったようなことをいろいろ考えながら、他国との関係やら、またエネルギーを産出している国との関係につきましてもきちんとした対応をしていきたいと存じます。
#14
○加納時男君 ありがとうございました。正にその方向で進めていただきたいと思っております。
 大臣が最後で触れられました産出国の動向でございますが、私、非常に憂慮をしておりますのは、一つの言葉で申し上げると、言わば資源ナショナリズムというか、それが出ていると思います。資源外交をめぐっての大きな変化、三つほどあると思うんですけど、一つは、発展途上国、中国、インドを始めとする途上国の経済成長が急であり、これに伴うエネルギー需要、なかんずく化石燃料需要の増加が著しいこと、二つは、産出国のナショナリズム、それから三つ目は、その中にあっての日本の自給率の低さと、こういった問題意識で今日は質問させていただきたいと思っているところでございます。
 特に、アメリカが非常に依存しておりますのは南米、中南米でございますが、ベネズエラではチャベス大統領が反米政権となり、そしてまた石油資源の国有化を図る。同じようなことがボリビアでエクアドルで行われ、非常に南米でナショナリズムが高まっています。
 南米だけかというと、例えばロシアを見ましても、昨年はウクライナそしてベラルーシ、天然ガスの価格交渉がこじれまして、供給を制限する、それがヨーロッパ諸国にも影響するということがありました。
 それだけではありません。日本にとっても非常に重要な拠点でありますサハリン2について、これも、元々はロイヤル・ダッチ・シェルが三井物産、三菱商事といった連合軍でロシアがとてもできないと言ったところを開発して、そして東京電力の百五十万トンを始め、買主も付いて、でき上がったところでロシアから環境上問題ありといって、落としどころは、要するにロシアの国営会社でありますガスプロムが権益を過半取りたいということで、交渉の結果、株を譲りまして、五〇%プラス一株ということで過半をロシアが制したわけでありますが、こういうこと全体を見ていくと、非常にナショナリズムが強くなっていると思います。
 以上のいろんな変化がございますが、これに対して日本の対応として、今大臣がしっかりおっしゃったことを実現していくために、私もそのメンバーになっておりますが、自民党では外交力強化の委員会、森元総理が委員長をやっていらっしゃいますが、そこでいろいろ議論していますが、外交力強化が非常に大事ではないかと思います。大臣の御所信を伺いたいと思います。
#15
○国務大臣(麻生太郎君) 日本として今、石油に限りませんけれども、エネルギーの輸入元が中東に約九割と極端に偏っております。昔はインドネシアやメキシコ辺りからも随分輸入がありましたけれども、絶対量が下がってきておりますんで、そこらのところの国々の国内消費だけで、輸出に回るだけの力がなくなってきた等々いろんなことがあっております。したがいまして、日本の場合は輸入、輸出先を多様化させるということで、東シベリア、サハリン、いろいろ開発というものに関してかなりいろいろな努力が行われてきております。しかし、今言われましたように、各国ともエネルギーに関しては極めて国有化というのがすごく強くなってきておるというのも間違いない事実だろうと存じます。
 そういうのに当たりまして、いわゆるIEAとかいろんなところで交渉することになったり、またそれらの国が直接外務省通して交渉したり、またいろいろな形で、人というもののお話だったと思いますが、外交力というか、それらのところに人を出す、またそういったところの人とコネクションがきっちりでき上がるというのは、これはすごく大事なところでもありますんで、日本としては、それらの国々に対して、こっちはエネルギーがないけどそっちは技術ない、そちらには工業力がない等々いろいろありますんで、そこらの国々は石油だけで食えるわけでもありませんので、そういったところを、日本の持っております優位さ、向こうの持っております優位さ、それを、お互いさまですから、そういったところはきちんと向こうに利を、利益、利を説き、そしていわゆる関係をきちっとつくり上げていくという努力はいろいろいたしております。
 一環といたしまして、例えばカタールがいい例だと思いますが、あそこのLNG、できておりますものの一〇〇%を日本の中部電力が買っておると思いますが、この中電が買っております分で膨大な利益があり、一人当たりの額で年間GDPでいったら日本より高いぐらいになっていると思いますが。そこのところに関して、物すごく金が余った分何されるんですかと言うと、教育に回すという話を、この間皇太子と話をしたときにそういう話でしたんで、教育は我々と一緒にやられる気はありませんかという話をする等々、そういった形でいろんな形での人間関係ができ上がらねばならぬということで、外交力強化ということでいろいろ努力をいただいておりますことについては我々としては物すごく有り難いところで、感謝を申し上げます。
#16
○加納時男君 ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたしたいと思います。
 今の関連で、読売新聞にはこんなことも書いてございます。甘利経済産業大臣は昨年末の記者会見で、二〇〇七年の課題は何ですかという質問に対して、エネルギー外交であろうと、資源確保に政府は積極的な役割を果たす方針であるというふうに答えられたというのが今日の記事に載っておりまして、正に外務大臣と同じ方向であるということで心強く思っていますが、石油、天然ガスの上流部門に対する経済産業大臣としてのお考えを伺いたいと思います。様々な問題、資源国のニーズの掘り起こしだとか、強力なプレーヤーの創出等あるかと思いますが、お考えを伺いたいと思います。
#17
○国務大臣(甘利明君) 加納先生御指摘のとおり、石油や天然ガスは再生産が利きませんし、存在している地域がある一定、世界に公平に分布をしておりません。で、資源ナショナリズム、国家管理も進んでいく。ですから、これはきちっとした国家としての戦略を持っていかないと、市場で買ってくれば事足りるということにどうしてもならない戦略物資であります。
 その際には、上流部門にどうかかわっていくかということが極めて大事だと思っております。資源外交で、外国と外交交渉を通じて政府レベルでの信頼関係を築いていく。何があっても日本にだけは供給しなきゃという思いを相手の国に抱いてもらう。それから、プレーヤーをきちんと育成をしていくということが大事であります。日本のプレーヤーは脆弱なものがたくさん散在するという状況にありましたから、いろいろと統合等を図りまして、メジャーと正に同等というまではいかないにしても、準ずるぐらいのプレーヤーを育てていくということ。それから、国がどうコミットするかということが大事で、民間任せでどうぞということであると、それぞれ相手の国がかかわってくることでありますし、この間のサハリン2の問題でも指摘をされましたけれども、民間任せでいいのかと随分私も指摘をされました。
 水面下でいろいろやらせていただきましたけれども、これは国がより直接関与をしていくという体制を作った方がセキュリティーという点、安定供給という点からはいいんでありまして、そこでどうかんでいくかということは、貿易保険とかあるいは債務保証で国がしっかりかんでいくと。そうすれば、日本自身が利害関係当事者になるわけでありますから、いろいろ注文も付けられるということになろうかと思います。
#18
○加納時男君 ありがとうございました。
 今大臣おっしゃったように、資源国のニーズの掘り起こしから始まりまして、INPEX、非常に大きくはなりましたけれども、それでも世界のスーパーメジャーと言われておりますBPとかロイヤル・ダッチ・シェルとかエクソン・モービルから見るとせいぜい十分の一でございますし、トタールの五分の一ぐらいでしょうかね、まだまだメジャーにはほど遠いのでございますので、大臣おっしゃるような方向で是非やっていただきたいと思っています。
 そしてまた、今の甘利大臣のお話の中で、国のコミットメントが大事だということがございます。全く同感でございまして、そういう意味では、JOGMECの出資比率を五〇%から最大七五まで増やすことだとか、債務保証もそうでありますが、こういったようなことは非常に大臣になられて立派な成績を上げておられると思います。
 お話の中でございました国のコミットメントという点で、財務大臣に伺いたいと思います。
 JBICの件でございます。国際協力銀行という今名前になっておりますが、例の政策金融機関の統合ということで大分激しい議論をしました。私は最後まで一本化に実は反対をしまして、国内向けで一本、国外向けで一本、合計合わせて二本、我が日本国は二本で行くんだなんて言ったんですけれども、これは議論は少数意見で退けられまして、多数意見のような気もしたんですけど、少数意見だということになりましたんで、結果は結構ですけれど。
 非常に心配なのは、JBICが果たしてきた正に資源確保、エネルギー確保での大きな役割であります。民がやること、私は大賛成でありますが、相手が何しろ、さっき申し上げましたようなナショナリズムが強くなってきております。中国も大きな国営会社、中国海洋石油公司だとか中国石油化工集団公司といったようなところがどんどん海外権益の取得に乗り出しています。こういうところで産油国の方もかなり国営、国策会社が正面に出ている、八割が占めている、日本は民間だけである。国のバックアップというのが私は必要だと思います。
 その意味で、JBICの持っている信用力、あるいは資金供給能力というのは非常に大事ではないかと思うんですが、尾身大臣の御見解をお伺いいたしたいと思います。
#19
○国務大臣(尾身幸次君) 中国の資源外交の動き、それからまたロシアの非常に厳しいというか、はっきりした国家利益を資源供給サイドの政策に反映しているという動きについては私どもよく承知をしているところでございます。
 大きく資源を海外に依存している我が国としては、資源、エネルギーの安定確保のために経済協力を活用していくことは極めて重要でございまして、JBICの国際金融業務はこれまでの我が国の資源、エネルギー確保にとって必要不可欠な役割を果たしてきたと考えております。
 今回の政策金融改革におきましては、官から民へという観点から、民業の補完に徹して新政策金融機関に承継される機能は政策金融として必要なものに限定されることになっております。その際、我が国にとって大きな問題である資源の海外における開発あるいは取得を促進するための業務につきましては、行革推進法においても新機関に承継されることが明記され、これを踏まえて先般閣議決定されました日本政策金融公庫法案におきましても新機関の業務とされているところであります。
 また、国際金融業務を行う部門の名称につきましては、法案におきまして国際協力銀行、JBICの名称を用いることができるということになっておりまして、このような制度的な手当てを生かしまして新機関が引き続き資源金融機能をしっかりと果たしていくことを私どもとしては期待をしているところでございます。
#20
○加納時男君 ありがとうございました。是非その方向でしっかり進めていただきたいと思っています。
 ところで、このエネルギー・資源外交を進めていく場合に、様々な問題点があります。官房長官に伺いたいと思いますけれども、例えば、今いろいろお話があったように強力なプレーヤーをつくる、国がコミットしていくと。それに加えまして、各省の枠を越えた統合的な戦略が必要だろう、そしてODAもこの観点で組み込んでいかなきゃいけないし、経済連携協定、さらには様々な、例えば来年行われる日本でのG8サミット、あるいは様々な場でこのエネルギー、資源を外交の面で進めていかなきゃいけないだろうと思っています。その場合に、例えば首脳外交というのが非常に重要な点でありまして、小泉前総理がカザフスタンを訪問されて原子力協定を合意されたというのも非常に大きかったと思いますし、最近では、新内閣になられて、官房長官が塩崎官房長官になられてからですが、安倍総理のベトナム訪問に百二十人の経済人のリーダーを一緒に行ったと。外国はずっと今までやっていました。フランスの大統領も経済人を連れて中国へ乗り込むとか、絶えずそれをやっておりますけれども、日本がようやくこれができたというのは私は大きな前進だと思っております。
 私は、ここで質問は、エネルギー・資源外交に懸ける官房長官の思いを是非一言伺いたいと思います。
#21
○国務大臣(塩崎恭久君) 先生もエネルギー問題には本当にもう長い間取り組んでいただいて、いつも御指導いただいております。
 先ほど麻生外務大臣から申し上げましたように、この資源、エネルギーをほとんど外国に依存する日本として、国民の安定的な経済生活を維持するという観点からこれは重要な外交の課題の一つであることはもう、このエネルギー安全保障ですね、間違いないところでございます。
 今、少しお話ありましたけれども、やはり首脳外交を始めハイレベルの要人の往来が大事であり、また先ほどのお話ありました経済連携、EPAですね、それからODAを戦略的にやはり活用していかなければならないということ、そんなことを通じて資源・エネルギー生産国との関係強化、海外における自主開発、これは日本の企業の自主開発、これを取組を支援していく、さらに、供給源の多様化ということをやっぱりやらなきゃいけないと、そういったようなことを総合的に進めることがやっぱり大事じゃないかということで、安倍総理もかねてから官邸でそれをきちっと司令塔としてやるべきではないのかということでございました。
 最近では、東アジア、セブ島でこの間会議、東アジア首脳会議がありましたけれども、そのときに、東アジア・エネルギー安全保障に関するセブ宣言というのがありました。日本が随分貢献をしていたわけでありますが、こういうものもございましたし、G8サミットでも、首脳レベルでエネルギー安全保障について共通の理解を深めて今後の協力の在り方についても合意をしているということで、国際対話にも随分力を入れてまいりました。
 近くは、先般、国家安全保障に関する官邸機能強化会議、ここが提言をまとめましたけれども、この国家安全保障会議というのをつくるべきではないのかということで提唱しております。元々、安倍総理の強い意思があったものでございますが、この中で専門会議というのをつくれるということに提言をいただいております。この会議の中でいろんな議論をいたしましたけれども、その中で、資源・エネルギー安全保障問題を例えばこの専門会議の一つに取り上げて議論していくべきではないのか、正に官邸が司令塔となってエネルギー安全保障、資源安全保障を仕切るべきではないかと、こういう意見も出たぐらいでございますので、今後こういったことを含めて議論を深めてまいりたいと思っております。
#22
○加納時男君 ありがとうございました。
 ここで、話題をもう一つの話題、地球環境問題に移したいと思います。初めに、環境大臣にお伺いいたしたいと思います。
 来年、二〇〇八年から京都議定書に定めます第一約束期間が始まるわけでございますが、そしてそれに向かって日本は地球環境保全のための、温暖化防止のための京都議定書目標達成計画を閣議決定しているところでございます。その目標達成に向かって今努力をしているところでございますけれども、その達成に向かっての状況、特に最大の課題は何でしょうか、それに対してどのようにそれを克服していくとお考えでしょうか、伺いたいと思います。
#23
○国務大臣(若林正俊君) 京都議定書の目標達成計画では、委員御承知のとおり、我が国は六%の削減約束をいたしております。これは国内の排出量の削減、森林吸収源、京都メカニズムによって達成すると、こういう計画になっております。この目標の達成には、国内排出量を早期に大幅に削減し、森林吸収源を確保することが最大の課題だと、このように認識しておりますが、そのために、計画に盛り込まれております検討の対象項目は約六十項目に及んでおります。これを一つ一つ確実に達成することが必要であります。
 一方、二〇〇五年の温室効果ガスの排出量速報値は一九九〇年度に比べて八・一%増加していると。このような厳しい状況を踏まえれば、計画で示された対策、施策の一層の加速化を図ることが必要になってきております。
 さらに、来年度までに計画の定量的な評価、見直しを行うこととしておりますが、現在、中央環境審議会と産業構造審議会合同で各部門の対策、施策の進捗の状況についてヒアリングをいたしているところでございます。今後、このヒアリングの結果を受けまして、排出量の見通しと対策、施策の進捗状況を厳格に評価をし、最も排出量が多い産業部門を始め、必要に応じて各分野における対策、施策を追加することによって六%の削減約束の確実な達成を図ってまいりたいと、このように考えておりますが。
 この森林吸収源につきましては、基準排出量の三・八%に当たる年間千三百万炭素トンをここで確保することにしておりますが、そのためには平成十九年から二十四年度の六年間において毎年二十万ヘクタール以上の追加の森林整備が必要とされておりまして、そのために、この森林対策として十八年度の補正予算で五百三十億、十九年度当初予算については二百三十五億円を計上し、二十三万ヘクタールの間伐等による森林整備を進めることにいたしておりますが、以後の年度におきましてもこの財源をしっかり確保しながら、ここを推進することによりまして三・八%分は間違いなくここで確保しなければならない、財源問題というのは大きな問題だと、こう認識いたしております。
#24
○加納時男君 分かりました。ありがとうございました。その方向で進めていただきたいと思っております。
 ところで、環境と経済を同時に実現していくために何が要るのか、昨年まとめましたエネルギー戦略合同部会の答申、自民党のがございます。それは、尾身会長、甘利座長の下でまとめたものでございますが、それをひっ提げてお二人とも閣内に入られましたので、非常に期待しているところでございますが。
 その中でキーワードがございます。それは、炭素から離れていく、脱炭素化、ディカーボナイゼーションということでございますが、世界じゅうにこれを発信したところ、ヨーロッパでは、そうだと、ローカーボンソサエティーというのを目指そうというんで直ちに呼応してくれているわけでありますが、その中のエッセンスは四つあって、量は少ないけれどもしっかり生かしていこうと思う再生可能エネルギー、そして、当面最大のウエートを持っている化石燃料のクリーンかつ効率的な利用、そして、何といっても中心となるのが省エネルギーと原子力と、こんなようなことで位置付けしたわけでございます。
 昨日、松村龍二委員の質問に対して安倍総理から原子力について、安定供給性に優れている、発電時にCO2を出さない、環境に優しいエネルギーであるということをはっきりおっしゃいまして、安全確保が大前提でありますが、強力に推進していくというお言葉がございました。
 環境省から原子力についてのお言葉って今まで余り、正直言って現大臣の前までは余り聞いたことないもんですから初めて伺いますが、環境大臣は原子力についてどのようにお考えでしょうか、お伺いしたいと思います。
#25
○国務大臣(若林正俊君) 原子力発電につきましては、地球の温暖化が世界的な課題になっており、国民の関心も非常に強くなってきていることによって大分この理解が、認識が違ってきているように私は感じております。
 昨日も安倍総理が申し上げておりますが、この原子力発電は、供給の安定性に優れ、また発電過程で二酸化炭素を発生しない、そういう意味では温暖化という観点から見ますと、委員がおっしゃられましたように、地球環境に優しいエネルギー源だと、このように認識をいたしております。
 その意味では、今後ともこの安全の確保をもちろん大前提にいたしまして、政府、電気事業者、メーカー、関連のメーカーなど関係者が一体になってこれを強力に、原子力発電を強力に推進していっていただきたい、そのように考えているところでございまして、京都議定書の目標達成計画においてもそのような認識を示していると理解しているところでございます。
#26
○加納時男君 環境大臣から明確なコミットをいただいたというふうに理解いたします。ありがとうございました。
 国交大臣にお伺いいたしたいと思います。
 実は今、京都議定書目標達成計画の議論をしているところでございますが、これは実は国土交通省に非常に私は大きなお仕事をしていただくことになるんじゃないかと思っているところでございます。なぜならば、産業部門、民生部門、輸送部門と分けますと、その三つの中で非常に増加が著しいのは民生部門、輸送部門である。これは大臣の御所管かと思っております。
 そこで、そういった環境問題での、特に地球温暖化防止上、国土交通省が果たしていただく役割は何かというのが一つと、もう一つは、私もバッジ付けておりますけど、何としても次の次の、この先のオリンピックでございますが、東京に誘致したいという議員連盟にも実は入っているところでございます。その東京オリンピック、決まったわけじゃなくて、これから外国と競り合うわけでございますが、その目玉に省エネルギー都市東京というようなことをうたって、グリーンなシティーでオリンピックというので東京に誘致したいと思っているんでございますが、そういうとき、例えばオフィシャルカーとして炭素分の少ないものを使う、電気自動車であるとか、あるいはプラグインハイブリッドだとか、あるいはメタノール車であるとか、あるいはバイオ燃料を活用した自動車が走っている、あるいはLRTなんか走っているとか、いろんな輸送システムとか居住環境も変えていくとか、緑の多い町にする、いろんな夢があると思うんですけど、御所感があったら伺いたいと思います。
#27
○国務大臣(冬柴鐵三君) 地球規模で発生しています地球温暖化への取組は、国際社会共通の重要課題であります。そのため、平成十七年四月に閣議決定されました京都議定書目標達成計画におきましては、運輸部門、民生部門など、部門ごとに二酸化炭素の排出量削減の目標が定められているところでございます。
 このため、国土交通省といたしましては、例えば運輸部門につきましては、自動車の燃費向上に資するハイブリッド車や低公害車の普及など、自動車単体の対策、これを進めています。後でちょっと詳しく申しますが。
 それから、道路の渋滞緩和など交通流対策。例えば、二十キロで走る自動車を時速六十キロで安定的に走らせますと、CO2排出量は四〇%も削減することができます。したがいまして、環状道路や高規格の幹線道路の整備による走行速度の向上ということも大きな取組の一つでございます。それから、鉄道や海運へのシフト、すなわちモーダルシフトなどによる物流の効率化であります。例えば、トラックから鉄道輸送に切り替えますと八分の一、それから内航海運では四分の一に排出量が減らすことができます。それから、バスや鉄道などへの公共交通機関の利用の促進であります。これは乗用車からバスに乗り換えると十分の三、それから鉄道へ乗り換えますと、これは九分の一という顕著な効果が出ます。このようなことで二酸化炭素の排出量は、近年ようやく運輸部門におきましては横ばいから低減傾向に入ってまいりました。
 次に、民生部門の住宅建築物の分野でございますが、これがなかなかの難題でございますが、昨年四月に施行されました改正省エネ法によりまして、建物の天井、外壁あるいは床材に断熱材を使う、あるいはひさしやブラインドで外光を遮断する、あるいは窓の開放部分を二重ガラスにするとか二重サッシにすることによって、要するに今までのように冷暖房によるものを節約しようというところから、もう外気温との遮断によってそういうものを使わなくても快適な生活が行われるということを進めております。そしてまた、二千平方メートル以上の共同住宅に対しては、そのようなものを届出義務を課すことにいたしておりまして、そういうことで住宅や建築物の省エネ性能の向上を図ってきているところでございまして、また屋上緑化、壁面緑化、道路の保水性舗装など、ヒートアイランド対策も推進をいたしております。
 なお、二〇一六年のオリンピック招致に絡んで、こういうものを外国にもっと宣伝してはどうかという大変心強い御提案がございましたが、私もそのように思います。
 例えば、省エネルギーに資する技術は、今申し上げましたように多数あるわけであります。例えば、自動車分野では、排ガスはゼロの電気自動車の開発がありますし、それから、内燃機関とモーターの二つの動力源を巧みに切り替えるハイブリッド車、これは約三十万台が普及しようとしております。それから、水と酸素の化学反応によって発電して、したがって排出するものは水だけという究極の低公害車だと思いますけれども、燃料電池自動車、これはまだ開発途上ですけれども、こういう地球環境に優しい自動車の開発普及、バイオ燃料への対応などが積極的に進められているわけでありまして、この成果につきましては、例えば二月十九日、二十日、東京で開催いたしました第二回環境にやさしい自動車国際ワークショップにおいても、こういう低公害車を展示することにより、積極的に世界に向かってこのPRを既に行っているところでございます。
 また、地球温暖化の対策の観点から住宅が大きな問題でございまして、従来、日本では三十年ぐらいで住宅は壊して建て替えてまいりましたが、これでは建築用廃材等によるCO2の排出とかあるいは資源の無駄遣いということから、いいものを造ってきっちり手入れをして、そして長く大切に使おうということで、その面からも環境対策は行っているところでございます。
 それから、今まで述べてきたようなものを、建築物の総合的な環境性能を評価して表示する、そのことによって販促の手段にしたり、そういうふうなことで使われようとしているわけでありますが、この結果も国際会議などで発表して、他国にも使用されるように積極的に働き掛けていきたいと。
 それから、国の庁舎におきましても太陽光発電の導入とか建物の屋上緑化、国土交通省はこれ全部やっておりますが、グリーン庁舎等の改修も進めておりまして、こういうものを、ヒートアイランド現象の緩和についても国際的にアピールをしていきたいというふうに思っております。
 そのような先進的な省エネルギーの取組を積極的に今後も政策の柱として取り組み、そしてまたその成果を国際的にPRをしていくという大事な視点だと思います。
 ありがとうございます。
#28
○加納時男君 ありがとうございました。
 それでは、私の最後の質問になりますが、甘利経済産業大臣に一言伺いたいと思います。
 よく新エネで脱石油というような言葉を使う方もおられたんですが、私どもちょっとよく分からないんですが、脱石油じゃなくてむしろ石油は重要なエネルギーでありますので、上流部門では安定確保、それから連産品でございますので、最後に出てくる例えば残滓油やなんかも、これを有効にガス化してIGCCで活用するというようなクリーンかつ効率的な利用が本命じゃないかと思っていますが、そういうことで考えますと、どうも脱石油という言葉は変じゃないかと。
 今回、近く閣議決定する予定のエネルギー基本計画では脱石油という言葉は全く使われておりません。これは恐らく石油も有効に使おうというお考えだろうと思います。そうなりますと、今あるこれの根拠になっている代エネ法、石油代替エネルギー法は歴史的役割を果たしたんじゃないかと思います。新エネ法、代エネ法と一緒にしまして、エネルギー有効利用を図る法律あるいはエネルギー高度化利用推進法とか、そんなようなこともこれからは必要かと思いますけれども、脱石油という言葉についての御感想を今日は伺いたいと思います。
#29
○国務大臣(甘利明君) 石油は現在でも一次エネルギーの四九%を占めているわけでありますし、将来、二〇三〇年、その比率は下がるにしても四〇%ぐらい、やっぱり一次エネルギーの大宗を占めているわけであります。
 要は、どう石油を効率的にクリーンに活用していくかということが御指摘のとおり大事であります。で、石油というのは連産品でありますから、ガソリンだけ使ってあとは要らないというわけにはいきません。いろんなものが出てきます。それを、それぞれの出てくるものをいかにクリーン利用していくか、そういう点ではIGCCなんというのは確かにこれから大いに活用していかなきゃならない、技術もありますし、受入れ体制もできつつあると思います。
 一次エネルギーの大宗を占める石油について、できるだけ効果的にクリーンに有効に活用していくという方向で政策を推進していきたいと思っております。
#30
○加納時男君 ありがとうございました。
 私の質問はここまでにさせていただきまして、関連質疑を坂本由紀子委員にさせていただきたく、よろしくお願いいたします。
#31
○委員長(尾辻秀久君) 関連質疑を許します。坂本由紀子君。
#32
○坂本由紀子君 坂本由紀子です。よろしくお願いいたします。
 まず、子育て支援の強化について伺いたいと思います。
 柳澤大臣は、前回の衆議院選挙のマニフェストに、子供は社会で育てる旨を盛り込んでくださいまして、子育て支援について大変理解がある大臣だと私は認識をいたしております。したがいまして、スピード感のある子育て支援策を実施してくださるものと期待しているところでございます。
 そこでまず第一にお伺いしたいのは、保育サービスについてであります。
 働く女性が多い中で、この問題は大変重要であります。公立保育園について一般財源化が行われましたが、この待機児童の解消というのは、それぞれの市町村の首長に任せるのではなくて、国がこの問題解決に関与できる仕組みを持って、責任を持って待機児童が解消されることを図らなくてはいけないのではないかというふうに思います。その点では、スウェーデンの例が大変参考になると思います。こういうことを参考にしながら、可及的速やかにこの問題に取り組んでいただきたいと考えております。
 また、あわせて、核家族化が進みまして、働いていない女性についても様々な保育の支援を必要としているところでございます。そういう意味で、多様な保育サービスが実現されることが大変大事だと思っております。この点、併せて、今後の取組についてお伺いしたいと存じます。
#33
○国務大臣(柳澤伯夫君) 子育て支援の中で非常に重要な保育所についてお尋ねをいただきました。
 保育所の待機児童解消につきましては、平成十六年末に策定した子ども・子育て応援プランに基づきまして、待機児童ゼロ作戦を継続をいたしております。平成十八年四月の待機児童は、三年連続で減少しまして、初めて二万人を下回るという状況になるなど改善傾向にございます。しかしながら、依然として多数の待機児童が存在しておりまして、引き続き都市部を中心に保育所の整備を進めなければならない、このように考えております。
 平成十九年度予算におきましては、今委員御指摘のとおり、公立の保育所については、これはもう地方に地方財源等もお渡しいたしましたので、予算上は、国の予算では民間保育所の関係になりますが、この受入れ児童数を四万五千人増加させるために、保育所運営費等について前年度比約四%増の三千二百六十五億円を盛り込んだところでございます。
 それからもう一つ、今委員の御指摘の病児・病後児等の保育を含む多様な保育ニーズに対応するためには、このさっきの子ども・子育て応援プランに基づきまして延長保育などを推進しているところでありますが、平成十九年度予算案におきましては、今申したように、特に病児・病後児のニーズが高いということに着目をいたしまして、保育所の医務室等において緊急的な対応等を図る自園型の保育事業を創設するなど、保育サービスの更なる充実を期しているところでございます。
 さらに、先般、内閣におきまして「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議というものがスタートをいたしまして、今検討が進められておりますけれども、御指摘のスウェーデンなどの諸外国の例も参考にしつつ、働き方に応じた子育て支援サービスの見直しにつきまして検討されるものと承知をいたしております。
 もちろん、私どもといたしましても、この会議にできるだけ我が省としての意見も申し出ようと、そしてそれを反映させしめようと、こういうふうに考えておりますが、いずれにしても、重点戦略会議の議論を今後見ながら、引き続き待機児童の解消に向けて積極的に取り組んでいきたいと考えております。
#34
○坂本由紀子君 待機児童は都市部の地域に非常に多くなっておりまして、また、それぞれの地域の改善の状況も随分違うのであります。そこには共通の理由があるというよりも、むしろ首長さんの姿勢ですとか、そういうところが非常に大きくなっております。したがいまして、この課題は、私は、国の、国家の課題でありますので、首長さんの姿勢によって差異があるというのではいけないわけであります。
 義務教育について言えば、子供が小学校に入れなくて困るなんていう地域はないわけでありまして、そういう意味では、私は、保育園についても、どこの地域であっても必要なところにはちゃんと入れるという状況でなくてはいけないと思っておりますので、ここのところは、厚生労働省としては、予算の定員を何人か増やすというようなことだけではなくて、しっかりとどこの地域であっても徹底するようにこの問題にお取り組みいただくことを重ねてお願いしたいと思います。
 続きまして、児童虐待についてであります。
 相変わらず児童虐待で子供さんが不幸な目に遭うというようなことがありまして、これは大変遺憾なことであります。どのような厳しい状況に置かれていても、この社会に生まれたすべての子供たちが希望を持って人生で歩んでいけるということを政府としても大きな課題として取り組んでいただくことになっております。
 そういう中で、児童相談所でありますとか要保護児童に対する一時保護の状況については、私は現状はまだ不十分ではないかと思っております。この点についての取組について伺いたいと思います。
#35
○政府参考人(大谷泰夫君) 児童相談所や一時保護施設につきましては、近年、虐待を受けたお子さんへの対応が増加いたしまして、例えば一部の一時保護施設は恒常的に定員を超過して子供を保護している実態が見られるほか、また、幼児と中高生とか、あるいは、虐待を受けたお子さんと非行を行ったお子さんが同一環境でケアをされていると、こういった事態も一部に生じてきているところでございます。
 このような一時保護施設の状況は早急に改善する必要があるということを認識しておりまして、一つは、平成十八年度補正予算におきまして、一時保護された子供の安全体制の強化を図るための警備設備の整備や、入所率が高く過密化している一時保護施設の環境改善の実施を図ったところであります。また、二つ目として、特に定員超過の状況にあります一時保護施設を有する自治体につきましては、本年六月末までに緊急整備計画の策定を求めるといったことを行っております。
 また、児童相談所の職員の体制でありますけれども、児童虐待の対応の中核になります児童福祉司につきまして、平成十九年度のこれは地方財政措置におきまして、標準人口百七十万人当たりで三名の増員といったこれまでにない大幅な増員対応を図ることとしたところでございます。
#36
○坂本由紀子君 一時保護所について定員を超えてという話が出ましたが、この中に、都市部では親が不法滞在等で検挙された子供たちが収容されているということを聞いておるんですが、法務大臣、この点ではどのような現状になっているのでしょうか。
#37
○国務大臣(長勢甚遠君) お答え申し上げます。
 不法滞在者の子供さんについては、基本的に両親と同一に取り扱うということを基本としております。そういうことでありますので、一般的に言いますと、子供さんがおられる場合には、不法滞在者は基本的には収容施設に収容するわけですけれども、子供さんがおられる場合には収容しないで、子供さんと一緒に住めるように大半のケースは仮放免という形にしておるのが一般でございます。これは、人道的な観点からできるだけ収容しないようにという国会での御指摘もありましたのでそういう取扱いにしておりますが、そういうことで現在、収容している人は、未成年の方は三人であります。
 そのほかに、百九人の方は、本来は仮放免ですから両親と一緒に住んでいるんですけれども、例えば両親、親が刑事手続で収容されているとかという例外的な場合がございますので、そういう方々は児童相談所に一時保護をお願いをしておる。これが現在百九人に達しておるというふうに伺っております。
#38
○坂本由紀子君 先日、新宿にある一時保護所に伺ったときに、オーバーステイで親御さんが収容されている方の子供さんなどもいまして、ただでさえ一杯のところがより大変だというようなことがありましたので、是非、この点についての運用は、大臣が今おっしゃったような形で改善図られるようにお願いしたいと存じます。
 次に、児童虐待防止のためにしっかりとした対策を更に積み重ねていくことが大事だと思います。また、養護、要保護のニーズも多様化、高度化をしております。そういう意味で社会的養護の体制をもっと強化をし確立しなくてはいけないのではないかと思いますが、この点についての取組を伺いたいと存じます。
#39
○政府参考人(大谷泰夫君) お答え申し上げます。
 児童虐待の防止のために、一つは発生予防から、また二つ目として早期発見、早期対応、また三つ目として保護、支援に至るまで切れ目のない総合的な支援を行っていくことが必要であり、その対策に現在全力を挙げているところでございます。
 特に、今御指摘のありました養護のニーズでございますけれども、虐待を受けたお子さんの保護、支援につきまして、児童養護施設等における職員体制の充実あるいは施設の小規模化というものを図っているところでございます。また、そうしたお子さんに対しましては里親制度が大変有意義な制度であることから、平成十八年度から児童相談所に里親委託推進員を配置するなど、里親への委託を推進しているところでございます。
 特に、虐待を受けたお子さんの数の増加あるいはニーズの多様化、複雑化というものを踏まえまして、今後、目指すべき社会的な養護体制につきまして、これを検討するために今年二月に学識経験者等による検討会を局内に設置したところでございまして、そこでの議論も踏まえて、今後とも虐待を受けたお子さんの保護、支援に取り組んでまいりたいと考えております。
#40
○坂本由紀子君 子育て支援の中でも、こういう子供たちに対する支援、また児童虐待の場合には親御さんに対する指導等、最も重要な課題ではないかと思われますので、今後ともしっかりお取り組みをいただきたいと存じます。
 次に、少子化の中で子供たちが被害者となる犯罪が後を絶たないという大変悲しむべき状況にあります。特に、性犯罪についてもかなりの数発生をしております。この点で、こういう犯罪を犯した人に対する矯正が重要だと思うのですが、どのような対策が取られているんでしょうか。
#41
○国務大臣(長勢甚遠君) 今、法務省としてはあらゆる面で再犯防止ということに全力を挙げておるわけでございますが、特に子供を対象とした性犯罪についてはこの再犯を防止するということが極めて大切な問題だと思っております。
 こういう問題については、従来から特別の処遇類型をして指導してきておったわけでありますが、特に平成十六年十一月に奈良で発生をいたしました女児誘拐殺害事件、こういうものが大変世間の関心を集めたわけでありますが、これを契機としまして、平成十七年四月に精神医学、心理学等の専門家を構成員とする性犯罪者処遇プログラム研究会を立ち上げまして、その検討を基に性犯罪者処遇プログラムを策定をいたしました。このプログラムはカナダ、イギリス等の諸外国で実施されておりまして、性犯罪者の再犯防止に効果を上げているというふうに言われておるものをモデルとしたものでございます。
 今年度からこれを実施に移しておるわけでありまして、刑事施設においては、つまり刑務所においては、川越少年刑務所、奈良少年刑務所を推進基幹施設として全国二十の刑務所に対象者を収容して実施をしております。現在二百四十二人がその対象になっております。また、仮釈放になった者、また保護観察付執行猶予者というものについては全国の保護観察所でこの性犯罪者処遇プログラムを実施をしておるわけで、現在その対象者は二百五十七人という状況でございます。
#42
○坂本由紀子君 今大臣がおっしゃった仮釈放者については、諸外国ではかなり厳しい再犯防止のための対策が取られていると聞いております。例えばGPSでフォローするというような話もありますが、日本でもそのようなより確実な方策を検討してもいいのではないかと思いますが、この点についてはいかがでしょうか。
#43
○国務大臣(長勢甚遠君) 諸外国の一部では、仮釈放中の者に対してGPSによる電子監視制度が導入されておるというふうに承知をいたしております。
 これについてはどうするかということが議論になっているわけでございますが、具体的にどのような監視を想定をするかによっては、まあ一概に言えない面もありますけれども、プライバシー等を制約する度合いが高いものともなることが考えられますし、また、仮釈放者の社会復帰に向けた努力を阻害するおそれはないかとか、本人の意思に基づく改善更生を助けるという我が国の更生保護の理念に適合するかどうかということなど、いろいろ検討すべき点も多いんではないかと考えられております。
 昨年六月に更生保護の在り方に関する有識者会議でもこういうことが話題になりましたけれども、やはり慎重な意見も多くありまして見送りと、提言に盛り込むことは見送りということになった経過でございますが、諸外国の例も参考にしながら引き続き慎重に検討してまいりたいと考えております。
#44
○坂本由紀子君 日本では、財産罪と性犯罪についての比重がちょっと私たちの感覚から違っているのではないかと思うのであります。
 今日、法務省の刑事局長おいでだと思いますが、強盗と強姦について刑法がどういうふうに規定をしているのか、ちょっとお述べいただけますでしょうか。
#45
○政府参考人(小津博司君) お答え申し上げます。
 特に強盗罪と強姦罪の比較におきましては、強盗罪の下限が五年とされておりますのに対しまして強姦罪の下限が三年とされている点が従来から問題として指摘されているところでございます。
 ただ、平成十六年の刑法改正におきまして強姦罪等の法定刑がそれぞれ見直されておりまして、例えば強姦罪につきましては現在では三年以上二十年以下の懲役、それから強姦致死傷罪については無期、有期の場合には五年以上二十年以下の範囲内でやるということでございます。ちなみに、強盗致傷罪につきましては同じく無期、それから六年以上二十年以下の懲役ということでございますので、こちらについては長期については同じということになっております。
 また、平成十六年の法改正におきまして集団強姦罪というものが設けられまして、こちらにつきましては四年以上二十年以下の懲役、そしてそれが死傷の結果を生じさせました場合には無期、そして六年以上又は二十年以下の懲役と、こういうような刑が新設されたというところでございます。
#46
○坂本由紀子君 夜道で暴漢に襲われたときに財布を出すか体を取られるかといったら、女性は間違いなく財布を出すと思います。財布を取った方の犯人が重くて、女性たちにとってはより屈辱であるところの体を奪った犯人の方が軽いというのは、何とも国民感情からすれば納得できないところではないかと思うんですが、法務大臣、この点についてはいかがお考えでしょうか。
#47
○国務大臣(長勢甚遠君) 先生の御指摘も誠にごもっともな点があろうかと思います。そういうこともあって、平成十六年に、今刑事局長から御説明いたしましたように、当時二年であった強姦罪の下限を三年に引き上げると、また、新たに集団強姦罪とか集団強姦致死傷罪というものを新設するというようなことが行ったところでございます。
 しかし、今御指摘のように、なお法定刑の下限について問題があるではないかという御指摘は今おっしゃったとおりでございます。いろいろ、強盗罪との比較において、刑法理論上はいろんな観点からの、こんな問題はないかというような御議論が専門家の間ではあるわけではございますが、しかし、実際上の科刑においては、上限は上限、下限は下限としてそれなりの処罰が可能であろうとは思いますけれども、いろんな議論はあるところではありますけれども、国会審議の際の附帯決議でも、こういう性的自由の侵害に係る罰則の在り方については更に検討すべしという附帯決議もなされているところでありますので、また各方面の御議論を踏まえて検討してまいりたいと考えております。
#48
○坂本由紀子君 ありがとうございます。是非よろしくお願いします。
 厳罰化というのは犯罪抑止に非常に効果があると思いますので、そういう意味で、特に子供に対する性犯罪、児童ポルノの排除も含めて、これはとりわけ大事なことではないかと思います。先般も大阪地裁で出た判決だったと思いますが、子供は抵抗しないから襲いやすかったというようなことで、何とそのいたいけな子供を十五人も魔の手に掛けたというような男性が問題になっておりましたが、こういうことについては特に加重にするということがあるのではないか。フランスでは、十五歳未満の児童に対する強姦等については刑の加重規定が設けられているということも聞きます。
 是非、この点についても含め、子供についての犯罪抑止について特に積極的なお取組をお願いしたいと存じます。
#49
○国務大臣(長勢甚遠君) この性的犯罪についての十六年の改正の経過等々は今申し上げたとおりでございますが、特に子供に対してはどうだという御質問でございます。
 現在もこの強姦罪等については、子供については特に暴行、脅迫を要件としないなど、その特性にかんがみた配慮も享受されているところではありますけれども、昨今、社会情勢が変わったせいか、とんでもない事件がたくさん頻発していることは事実でございます。どうも刑法理論等からいろんな慎重な御意見もたくさんあるところではございますけれども、今後とも社会事情、あるいは国民の意識がどうなっていくかということも見極めながら検討はしていかなきゃならぬ問題だろうと思っております。
#50
○坂本由紀子君 是非前向きの検討をお願いしたいと存じます。
 次に、二〇〇七年問題に関連して人づくりについてお伺いいたします。
 私たち社会の発展のためには科学技術の進歩が大きいわけでございますが、この科学技術の土台になるのは理数科教育であろうと存じます。ところが、日本では理数が楽しいという生徒がほかの国々に比して非常に低い、最も低いという状況にありますし、また、大学で理数系を選ぶ学生も少なくなっているのではないかというふうに思います。
 したがいまして、今後、日本の成長を考える上でも、理数科教育を振興する、とりわけ高等教育における理数科部門の充実ということも大事なことではないかと思いますが、この点についてのお取組を伺いたいと存じます。
#51
○国務大臣(伊吹文明君) 昔から読み書きそろばんと言うように、数字の観念がなければこの世は生きていけないわけですから。しかし、今様に言えば、正に先生がおっしゃったように、これからの日本を牽引していくイノベーションですね、これはやはりそれを生み出す立派な理数系の素養を持った人材がなければ達成できません。これはもうおっしゃるとおりでございます。
 したがって、まずはやはり小中高の時代からその素養を身に付けさせねばなりませんので、まず、理数教育についてはそれに重点を置いた高等学校、いわゆるスーパーサイエンスハイスクールという指定事業を一つやっております。それから、十九年度からは、理科の授業を支援するために研究者と物づくりの技術者、こういう方々の外部人材を理科支援員等配置事業として新たに設けております。そして、もちろん小中高の理科の教育設備の国庫補助制度もございますが、何より大切なことは、現在、中教審でいわゆる総合学習という、ゆとり教育という言葉でマスコミ的には語られているものの見直しを通じて、基礎学力である数学それから理科、この辺りの時間数の配分を検討していく方向で今御検討いただいているということです。
 ちなみに、OECD等の調査では、残念ながら我が国の自国語の表現力、読解力は十四、五番目なんです。しかし、幸いなことに数学と理科はまだ三番、四番までには入っておりますので、このランクを落とさないように努力をしてまいりたいと思います。
#52
○坂本由紀子君 小さいときに数学が嫌いになって理数系を、進学できないというような状況が日本の現実としては多いのかと思いますので、是非、小中高のところの充実を引き続いて図っていただきたいと思います。
 高等教育については、この後に含めてもう一度伺いたいと思います。
 あと、人材が大丈夫かという点では、ものづくりに従事する人材、二〇〇七年問題で後継者がいなくなるんじゃないかと随分言われましたが、この問題について今現在どんな状況になっているでしょうか。
#53
○国務大臣(柳澤伯夫君) いわゆる団塊の世代が本年から順次六十歳に到達することになるわけでございます。そういう中で、改正高年齢者雇用安定法に基づきまして、高年齢者の雇用確保措置の導入が昨年の四月から義務付けられておりまして、昨年六月一日時点で同措置を導入している企業の割合というのが約八四%になっております。現在のこの団塊世代の雇用確保を高年齢者雇用安定法に基づいてどういうふうな状況にあるかということを御説明申し上げれば、ただいまのようなことになっているということでございます。
#54
○坂本由紀子君 ハローワークにおける職業別の求人求職の状況を見ますと、これは二十九歳以下のデータをもらったんですが、事務的職業について言えば求職者が求人の倍以上、これに対して、ものづくり部門の生産工程・労務は求人に対して求職者が半分で、専門的・技術的職業については求職者が求人者の半分にも満たないということで、この辺が非常に大きなミスマッチになっているわけです。
 これは、ものづくり部門について言えば、後継者が確保できるかという点では団塊の世代が残っているだけではなかなか次に発展しませんし、また、先ほど理数教育で伺いましたが、高等教育の部門で必要な理数系の人材がちゃんと確保できるようなそういう体制になっているだろうかというと、やはり日本は少し文系に偏り過ぎているのではないかという思いもいたします。
 高等教育のこういう状況について、これからのものづくり部門あるいは科学技術の部門を考えたときに、今のような学部の在り方を放置しておいていいのかどうかということについて、文部科学大臣から御意見を伺いたいと存じます。
#55
○国務大臣(伊吹文明君) 基本的には、国立大学もう御承知のように国立大学法人になっておりますし、私学はもう当然建学の精神というものがあって、こちらが強制をするわけにはいかないですね。各々希望を持って学部の新設等を要請してこられた場合に、これを審議会にかけて、条件を満たしているものについて学部の新設を認めるというのが従来の制度でございます。
 ただ、先生がおっしゃったように、理数に入っている人たちに入りたいというインセンティブを与えるためには、科学技術関係の研究費をかなり大きく取っておりますので、魅力ある理学部、工学部その他、理数系の学部として多くの人たちがそこへ応募できるような学校をつくるために努力していきたいと思います。
 そして、この前お認めいただいた改正教育基本法では「大学」という項を新たに設けて、三つの使命を大学に課しております。一つは、当然教育ですね。もう一つは、先生が今正におっしゃった研究、特に科学技術的な研究。そして、これの社会への還元というのを三番目の義務として国会でお認めいただいた法律には書いてありますので、先生が今御示唆になった還元ができる学部にできるだけ育ててまいりたいと思っております。
#56
○坂本由紀子君 ありがとうございます。
 次に、今年の秋にユニバーサル技能五輪国際大会が行われます。皇太子殿下が名誉総裁に御就任をされておられますが、この意義について厚生労働大臣から伺いたいと存じます。
#57
○国務大臣(柳澤伯夫君) 二〇〇七年ユニバーサル技能五輪国際大会は、二十二歳以下の若い技能者が技能を競う技能五輪国際大会と、それから障害のある技能者が技能を競う国際アビリンピックとの総称でございまして、現在までのところ六十か国以上から約四千人の関係者の参加を得て、今、坂本委員御指摘のとおり、本年十一月に静岡県において開催される予定となっております。
 この意義でございますけれども、いわゆる二〇〇七年問題が大きな課題となっている本年開催されるという事情もありまして、次代を担う若者に対して物づくりの技能の魅力、重要性、こういったものを伝える絶好の機会であると、このように位置付けているわけでございます。また、障害の有無にかかわらず、だれもが社会に参加し支え合うユニバーサル社会の実現にも寄与することが期待されると、このように考えておる次第でございます。このため、一人でも多くの若者や障害のある方々に本大会を直接見ていただく、そのようなことが実現されるように、今後とも本大会の周知と機運の醸成に努めていきたいと、このように考えております。
#58
○坂本由紀子君 ものづくりというのが我が国の大事な産業であったことを考えると、今大臣がおっしゃったように、この国際大会が開催される意義は大変大きいと思います。ところが、いま一つ関係者に知られておりませんのと、特にこれは若者に見てもらうと大変いいのではないかと思うんですが、この点で文部科学省と厚生労働省と十分連携を取れてやれているだろうかというと、やや弱い面があるのではないかということが心配でもあります。
 若者が社会にしっかりと働くことの意義を見いだせるようにキャリア教育を充実しなくてはいけないということが言われ、文部科学省でも取り組んでいただいていますが、この点どのようなお取組をしていただいているのかということと、この大会をそういうものの中に位置付けて、しっかりこの意義が現実のものとなるようにできないだろうかということについて、文部科学大臣の御認識を伺いたいと存じます。
#59
○国務大臣(伊吹文明君) まず、小学校段階で職業あるいは技術について興味を持たさなければいけませんので、その各々の児童生徒の発達段階に応じて、例えば中学校などでは五日間の職場体験のカリキュラムを必ず組んでおります。それから、物づくりのすばらしさを体験する機会を与えるとか、私も先般、蔵前の高等工業学校を見せていただいたんですが、物づくりの技術もすばらしいんですけれども、職業を中心に、技術を中心に受けておられるお仕事場へ入っていくと、みんな明るくごあいさつをされます。これはなかなかできることじゃないですね、このごろは。私は本当にすばらしい教育をしておられたなということを思いました。ですから、学校での教育と企業の実習の組合せ、こういうものを、やはり実践的な職業訓練という場を通じて高等工業学校あるいは専門学校等で一生懸命やっていく、これは本当にいいことだと思います。
 加えて、今先生がおっしゃったいわゆるユニバーサル技能五輪ですね、これもその意義は厚生労働大臣おっしゃったとおりだと思います。厚労省からも御連絡もちょうだいいたしておりますし、できるだけ多くの児童に参加あるいは参観をするように進めているというのが文科省の立場でございます。
#60
○坂本由紀子君 是非お取組、よろしくお願いいたします。
 次に、大工さんのような職人さんですね、技能を持った方、こういう方は日本の伝統を引き継ぐ大変大事な方々なんですが、後継者のなり手がいない、あるいは過剰な競争の中でなかなか大変だということを聞きます。こういう方たちに対してこそ、成長力底上げ戦略のような対策が取られている中でしっかりとしたサポートをすべきではないかと思いますが、厚生労働大臣のお取組を伺いたいと存じます。
#61
○国務大臣(柳澤伯夫君) 大工さんを始めといたしますいわゆる職人型の技能者の方々の優れた技能、これは国民的な言わば財産だというふうにも思います。ですから、現実に国民生活を支え、その質の向上に大きく貢献していただいていると、こういうことだろうと思います。したがいまして、後継者の確保育成や、その前提にもなる社会的地位の向上といったことを図っていくことは我々の重要な課題であると、このように認識をいたしております。
 このため、厚生労働省といたしましては、公共職業訓練における訓練科の設定や事業主等の行う職業訓練に対する助成等を通じまして、後継者の確保育成に努めているということがございます。
 それから、技能士の活用促進について、関係省庁や業界団体に対しても働き掛けをさせていただいているということもございます。
 それから、優れた技能者に対する表彰、顕彰、これは委員つとに御承知の現代のたくみの表彰でございますが、こうしたことの表彰を実行することによって社会的な地位の向上を図っている、そのような取組をいたしているわけでございます。
 また、職人型の技能者の社会的地位の向上を図るためには、優れた技能が製作物の品質や信頼性を支えていることを消費者に直接アピールするということが必要でありますし、また企業間取引において大企業等のいわゆる顧客の側が、価格一辺倒ではなくて、調達先の技能内容を加味した選択を行っていただく、そして納入側も技能を積極的にアピールすると、こういうようなことが重要であると考えておりまして、今委員御指摘のように、成長力底上げの戦略の中にどこかにうまく位置付けられればそれを是非やりたいと、このように考えておりまして、これはまた仕切り役の大臣に是非アピールしていきたいと、このように思います。
 今後とも、こうした取組を通じて、いわゆる職人型技能者の後継者の確保育成、それからまたその社会的地位の向上に取り組んでまいりたいと思います。
#62
○坂本由紀子君 厚生労働大臣から前向きの御答弁をいただきまして、誠に有り難いと思います。頑張っている職人さんたちが本当に希望を持ってその仕事を次の世代に伝えていけるようにしていただきたいと思います。
 次に、参議院では決算を重視して決算委員会の審議を予算案に反映するということをしているところでございます。私も前回まで決算委員会に所属をしておりまして、国会の関係で何点かこれまで指摘をさせていただきました。特に国会手当等、国会だけにあるような特別の措置等については見直しをする必要があるのではないかというような指摘をさせていただきました。十九年度予算はどのような見直しが図られているのか、お伺いをしたいと存じます。
#63
○事務総長(川村良典君) 国会特別手当の見直しについてお答えいたします。
 本手当につきましては、近年、各方面から御指摘を受けていることを踏まえまして、平成十三年度から支給率を段階的に縮減しており、既に管理職については廃止をいたしました。また、昨年の決算委員会での御指摘も踏まえまして、十九年度予算においては一般の職員の支給率を昨年度よりも更に〇・一五か月分減らしまして、〇・二五月分に抑えたところでございます。
 今後の本手当の存廃につきましては、衆議院が十九年度をもって制度を廃止するという方針であることも踏まえまして、本院におきましても衆議院と同様に十九年度を最後に廃止する方向で検討いたしたいと思います。
#64
○坂本由紀子君 国民にも、財政難の折、様々な取組をいただいているところでありますので、公務員については国会においてもしっかりとしたお取組を引き続いてしていただきたいと思います。
 次に、知的障害者の雇用についてであります。
 障害者の雇用については、雇用率が公務の部門にも適用されて法定雇用率を一般的には上回っておるんでございますが、知的障害者については義務化されて既に九年たつわけでありますが、立法府、司法府ともに採用実績はゼロという状態になっております。
 障害者自立支援法ができて、この問題について取り組もうということを企業にも呼び掛けをしているところでございますので、是非、参議院の事務局においても、知的障害者の方の職場実習の受入れ、ひいては雇入れ等について御検討をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#65
○事務総長(川村良典君) 平成十八年度六月一日現在で、参議院事務局における障害者の雇用率は二・一%でございます。ただいま先生御指摘のとおり、内訳といたしましては、全員が視覚、肢体、内臓等の身体に障害のある者でございまして、現時点で知的障害者は雇用されておりません。
 知的障害者の雇用を広げていくことの重要性につきましては、十分認識をいたしております。今後、参議院事務局におきましては、職場実習も含めましてどのようなことができるのか、他の公的機関等における実例も参考にしつつ幅広く検討させていただき、検討してまいりたいと考えております。
#66
○坂本由紀子君 行政府におきましては、さすがに厚生労働省はこれについて早くに取り組み、知的障害者の雇用をしていただいていますが、ほかの省庁はまだでありますので、是非ほかの省庁にもお呼び掛けをいただきたいと思います。いかがでしょうか。
#67
○国務大臣(柳澤伯夫君) この点は本当に委員の御指摘のとおりでございますので、適切な機会をとらえまして、私から是非各省の大臣に対してお願いを申し上げることといたしたいと、このように思います。
#68
○坂本由紀子君 終わります。
#69
○委員長(尾辻秀久君) 以上で加納時男君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#70
○委員長(尾辻秀久君) 次に、浅尾慶一郎君の質疑を行います。浅尾慶一郎君。
#71
○浅尾慶一郎君 民主党・新緑風会の浅尾慶一郎です。
 まず柳澤大臣に、一連の産む機械の御発言等について、まあもうさんざんいろんなところで御発言されておりますから、二度とそういう発言はしないと、そしてそういった約束は守られるということについての決意を伺いたいと思います。
#72
○国務大臣(柳澤伯夫君) 浅尾委員から改めてそういう私に対してこの件についての発言の機会をちょうだいしたということで、大変御配慮に感謝申し上げます。
 私、本当に今から考えても不適切な発言であったと深く反省しておりまして、このようなことは本当に二度と起こしてはいけないという、子供のようなことを言うのは本当に恥ずかしいんですけれども、そういうことでこれから進んでまいりたいと考えております。
#73
○浅尾慶一郎君 申すまでもないことですけれども、大臣は約束されたことは守られますよね。
#74
○国務大臣(柳澤伯夫君) なかなか複雑な伏線のあるような御質問でございまして、しかし一般論としては私は当然のことであると考えております。
#75
○浅尾慶一郎君 一般論というか、約束守る守らないに一般論もないと思うんですが、約束は守られるし、できない約束はしないということの確認だけさせていただきたいと思います。
#76
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私は、自分の申し上げた約束、これは私の個人的な問題であればこれはもう何としても守っていくと、こういうことでございます。公のことになりますと、これは私も公の立場をいろいろ経験したことでございますけれども、そのときそのときにいろいろな周囲の状況、条件というものを考慮してベストの判断をしていくことは当然であろうと、このように考えます。
#77
○浅尾慶一郎君 じゃ、資料を配っていただきたいと思います。
   〔資料配付〕
#78
○浅尾慶一郎君 公のことというふうにおっしゃいましたが、かつて柳澤大臣が金融担当大臣であったときに、まあ随分前の話になりますけれども、長銀が国有化されたときに、ゴールドマン・サックスという会社をアドバイザーに雇いました。この契約が、時期が来れば開示をすると、ここに書いてありますように、守秘義務と書いてありますが、ゴールドマン・サックス側が守秘義務で縛られていて政府側は縛られていないというところも確認されておりますが、その点、もうそろそろ時期が来ているんではないかと。ですから、こういう約束をされたということでありますから、少なくともそれを守るように努力をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#79
○国務大臣(柳澤伯夫君) この関係は、私は大臣として、今つまびらかにすべてを記憶しているわけじゃないですが、大臣として浅尾委員に対してそのような答弁をしたと、こういうことでございます。ですから、この立場はまた次の大臣に引き継がれていくということに、当然これは行政官庁の行政の一環ですから、そういうことになろうと思いますので、そういう性格のものだということを御理解の上、お考えいただきたいことでございます。
 私は、何と申しますか、今やその立場にないものですから、私がここで何か答えるということ、そのことがちょっとふさわしくないんではないかと、このように考えております。
#80
○浅尾慶一郎君 大臣として当然引き継がれているということでよろしいですか。
#81
○国務大臣(柳澤伯夫君) ポリシーで、その次の大臣あるいは次の次の大臣等が明確に政治的な判断として違う方針を取られるということは、これはありますけれども、そこにはやっぱり納得させる理由が多分必要だろうと思います。そうでない限りは引き継がれるというのが行政官庁というものの通常の姿ではないかと、このように考えます。
#82
○浅尾慶一郎君 それでは、山本金融担当大臣、明確に引き継がれているという理解でよろしいですか。
#83
○国務大臣(山本有二君) そのとおりでございます。
#84
○浅尾慶一郎君 明確に引き継がれているということであれば、今日お配りしましたように、この政策的な立場というのは、二度と日本の金融機関が国有化されるような状況にないという時期になればこの契約は明らかにするということでありますから、その点について、もう既に過去の大臣がそういう状況ではないということは答弁されておりますけれども、その点も引き継いでいるということでよろしいですか。
#85
○国務大臣(山本有二君) 訴訟上のリスク、金融行政上の支障、こういった二つの点がなかりせばという理解をしております。
#86
○浅尾慶一郎君 金融行政上のリスクはないということだと思います。訴訟上というのは、国家公務員法に定める守秘義務に反して公開をしたときに訴えられるリスクがあるという理解でよろしいですか。
#87
○国務大臣(山本有二君) そういう理解で結構ですが、なおもう少し申し上げれば、ゴールドマン・サックス社にも反対がなければと、こういうことに言い換えることができると思います。
#88
○浅尾慶一郎君 ゴールドマン・サックス社の反対があるから国家公務員法の守秘義務に反して一方的に開示できないというのが今までの答弁でしたけれども、その確認です。
#89
○国務大臣(山本有二君) 国家公務員法上の守秘義務に抵触する可能性があるということでございます。
#90
○浅尾慶一郎君 国家公務員法上の守秘義務に抵触する可能性というのは、柳澤大臣が御答弁されたときからその可能性はあったわけでありますから、そうすると、引き継がれたということでありますけれども、そもそも答弁した段階でできない約束をしたということになりますか。
#91
○国務大臣(山本有二君) 当局としましては、従来から、先ほど申し上げた金融行政上の支障、そしてGS社の反対の二つを開示できない理由として述べてきておりまして、仮にGS社が開示を了解すれば、現在は金融行政上の支障は小さくなっておりますので、開示は可能と考えております。ただし、GS社が開示に反対している場合には、依然として金融行政上の支障は大きいものと認識しておるわけでございます。
#92
○浅尾慶一郎君 GS社の開示に、が反対した場合に開示できないということをおっしゃっていますが、私は、その大変多くの国民の税金を使って長銀というものを今新生銀行という形にしたわけでありまして、一GS社がその多くの税金を使うに当たってかなりの、まあ率直に言えばアドバイス上のミスもあったんではないかなというふうに思います。そこが反対しているから、国民の税金を使ったにもかかわらずその説得ができないというのは、行政としては問題があるというふうに思いますが、いかが考えられますか。
#93
○国務大臣(山本有二君) GS社が開示に反対しているにもかかわらず、当庁がこれを一方的に開示した場合には、国家公務員法上の守秘義務に抵触する可能性がまずあります。GS社の反対を押し切って当庁が一方的に開示するということは現在困難であると考えておりますが、更に具体的に申し上げれば、私企業の競争上の地位その他正当な利益を害することにより経済取引の安定性、信頼性に悪影響が及ぶ。また、民間企業の正当な利益を害することにより損害賠償訴訟が提起される可能性がある。そしてさらには、今後民間企業との間で守秘性のある契約の締結一般を困難ならしめるおそれがあるという考え方でございます。
#94
○浅尾慶一郎君 一般に、例えば建設請負契約があった場合に、それを開示してくれと言えば通常は国土交通省も開示すると思いますね。その今回の契約についても、ゴールドマン・サックス社がどういうサービスを国に対して提供するかという中身しか入ってないわけでありまして、これを開示するのが困難だというのは理屈にならないと思いますが、いかがでしょうか。
#95
○国務大臣(山本有二君) まずGS社自体が、平成十七年だと思いますが、当庁あての文書の中で、開示するかどうかということについてはファイナンシャルアドバイザリー業務に関して顧客との間で締結する契約内容は当社に帰属する企業秘密の一つと認識しておると、その内容が顧客以外の第三者に開示されることは当社の競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるというように述べております。
 その意味で、私どもファイナンシャルアドバイザー契約を今後結ぶに支障があるとなお考えられるところでございまして、開示をするにはGS社の了解を是非お取りいただきたいと思っております。
#96
○浅尾慶一郎君 お取りいただくのはこの答弁をされている当局だと思いますが、いかがですか。
#97
○国務大臣(山本有二君) 行政上、開示を要求する立場にありません。(発言する者あり)立場にありません。
#98
○浅尾慶一郎君 立場にないというのであれば、そもそもお配りした資料の答弁が立場にないことを答弁したということになります。約束できないことを約束したということになります。
#99
○国務大臣(山本有二君) あるいは当委員会の国政調査権、あるいは議員個人の国政調査権に基づいて要求をしていただかなければ、当庁独自の行政権限ではありません。
#100
○浅尾慶一郎君 少なくとも、議員個人の国政調査権ということにおいては既に要求をしております。ですから、どうぞお願いします。
#101
○国務大臣(山本有二君) 従来より、浅尾委員の御要求のたびにGS社にお願いはしております。
#102
○浅尾慶一郎君 繰り返しになりますけれども、そもそも開示ができないものをあたかも開示ができるような答弁をすること自体が問題なんではないかと。
 今申し上げましたように、国政調査権あるいは、これは委員長にもお願いしますが、今おっしゃっておるのは、例えば予算委員会で国政調査権の議決をすればこれは開示をするということになりますので、そのことも含めて御協議をいただきたいと思う。予算委員会として議決をして開示を要求すれば開示に当たるということになりますので、そのことも含めて要求をさせていただきたいと思いますが。
#103
○委員長(尾辻秀久君) 後刻、理事会で協議をいたします。
#104
○浅尾慶一郎君 繰り返しになりますが、同時に、開示を行う所存であるという答弁は引き継いでいるわけですね。しかし、その答弁を引き継いでいながらできないというのは、そもそもできない約束をしたということじゃないですか。
#105
○国務大臣(山本有二君) 以前は金融行政上の立場から、柳澤大臣当時には開示はできませんでした。しかしながら、金融行政上の支障というものが薄れてまいりました今日におきましては、GS社が開示を了解した場合にはできるという認識に変わっておりまして、柳澤大臣当時ではできなかったものが、現在は可能性があるということに変化をしておることでございまして、柳澤大臣の答弁には偽りはございません。
#106
○浅尾慶一郎君 可能性があるんであれば、繰り返しになりますけれども、その実現に向けて行政として努力をしていただきたいと思いますが。
#107
○国務大臣(山本有二君) GS社にその旨お伝えしたいと思います。
#108
○浅尾慶一郎君 繰り返しになりますが、伝えるということではなくて、主体的にその説得をしてほしいと。
#109
○国務大臣(山本有二君) その趣旨をお伝えしたいと思います。
#110
○浅尾慶一郎君 政府としてどういう取組をするんですか。私が要求しているからそれを伝えるということですか、それともこの約束に従って政府として責任を持って行動するか、その点についてお答えいただきたいと思いますが。
#111
○国務大臣(山本有二君) 国政調査権に基づいての請求、それをお伝えするという立場でございまして、それに付加して何か行政上の立場を、権限を利用して何かするということはできないと私は解釈しております。
#112
○浅尾慶一郎君 柳澤大臣が国務大臣、金融担当大臣でやられていたときには、開示を行う所存というふうに言っておられますんで、政府としての責任を果たしていただきたいということです。
#113
○国務大臣(山本有二君) 国政調査権に基づく開示の要求をお伝えし、開示していただく所存でございます。
#114
○委員長(尾辻秀久君) 速記止めてください。
   〔速記中止〕
#115
○委員長(尾辻秀久君) 速記を起こしてください。
 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十七分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#116
○委員長(尾辻秀久君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成十九年度総予算三案を一括して議題とし、質疑を行います。浅尾慶一郎君。
#117
○浅尾慶一郎君 午前中にお配りしました議事録が一部その抜粋になっておりますので誤解があるかもしれませんが、ここで書いております両者の間に守秘義務協定が結ばれておるという守秘義務協定で、守秘義務の義務を負っているのはゴールドマン・サックス社だけでありまして、政府側はこの協定の中で守秘義務の義務を負っていないということを確認させていただきたいと思います。
#118
○国務大臣(山本有二君) 守秘義務協定は金融庁とゴールドマン・サックス、両者の間で結ばれている協定でございます。
#119
○浅尾慶一郎君 この守秘義務協定の中で、守秘義務の義務を負っているのは、ゴールドマン・サックスが政府から聞いた話を漏らしてはならないという義務は負っていますが、政府側にはその義務が入ってないということは過去の議事録の答弁の中にしっかりとあります。
#120
○国務大臣(山本有二君) この守秘義務協定につきまして正確に申し上げると、旧長銀とゴールドマン・サックスの間で結ばれている守秘義務協定であります。先ほど申し上げました金融庁との間での協定ではございません。(発言する者あり)
#121
○委員長(尾辻秀久君) 速記止めてください。
   〔速記中止〕
#122
○委員長(尾辻秀久君) 速記を起こしてください。
#123
○浅尾慶一郎君 それでは、政府が公開できない理由として私が理解しておりますのは、一般論で国家公務員には守秘義務が掛かっているからそれで公開できないということですね。
#124
○国務大臣(山本有二君) そのとおりでございます。
#125
○浅尾慶一郎君 ということであれば、午前中も申し上げましたけれども、国家公務員法の守秘義務というのはこの柳澤大臣が答弁したときから掛かっているわけですから、そもそもできない約束をしたということじゃないですか。
#126
○国務大臣(山本有二君) 柳澤大臣のときも国家公務員法上の守秘義務は掛かっておりますし、現在も掛かっているということは変わりない事実であろうというように思います。
#127
○浅尾慶一郎君 それでは、別の観点からお伺いしますが、できない約束、あるいは守るつもりもない約束をしたということですか。
#128
○国務大臣(山本有二君) この資料におきます点々々については、私は少し読んでおりませんが、両者の間に守秘義務協定が結ばれておる点々々、もう一つ私どもとして政策的な立場というものがありますので、これら両方が満足されるような時期になればというのは、それはまずは両者の間の守秘義務、すなわちゴールドマンの方がもし反対をするならば、そこには訴訟リスクというものが発生する、さらに金融政策的な立場という二つ、こういう理由があるので現在はこれは開示するわけにはいかないという答弁であると私は解釈しておりまして、その点におきましては今もこの原則は変わりがないというように理解しております。
#129
○浅尾慶一郎君 今の御答弁は三分前の大臣の答弁と全然違います。整理してください。
#130
○国務大臣(山本有二君) 三分前にも私は、私自身にも国家公務員の守秘義務が掛かっておりますし、またその守秘義務におきます判断の中にゴールドマン・サックスの賛成、反対という開示についての考え方があることは申し上げたとおりでございます。
#131
○浅尾慶一郎君 唯一の要件がゴールドマン・サックスが反対しているからであるということを確認させていただきたいと思うんですけれども。
#132
○国務大臣(山本有二君) このゴールドマン・サックスの反対を押し切って一方的に開示しますことは、私企業の競争上の地位、あるいは損害賠償訴訟の提起される可能性、民間会社との守秘性のある契約の締結一般を困難ならしめるおそれ、こうした観点からする公益性、守秘することの公益性、これが高いものであるということでございます。
#133
○浅尾慶一郎君 私が先ほど、できない約束をしたんではないですかということを申し上げたのは、この九九年当時からゴールドマン・サックス社は開示することに反対をしておりました。しかし、その金融的な条件が満たされれば、なおかつ国の側に責務がないということも確認した上で時期が来たら開示するということで、開示する所存ですということでしたけれども、今の御答弁ですと、いつまでたっても開示ができないことを知りつつこういう答弁になったというふうに思いますけれども、そこはどう違うか、お答えください。
#134
○国務大臣(山本有二君) それは、それぞれこの競争上の地位に変化もありますし、また民間企業の正当な利益についての訴訟を提起する可能性も変化がございます。さらに、この種のFA契約が現在多数結ばれているという状況の中で、さらに、これを当時ほど、守秘する公の利益の軽重にも変化が見られているわけでございまして、その意味におきまして、浅尾委員の御指摘のたびに、金融庁としましてもその都度GS社に開示を求めているわけでございまして、これにおきましては少しずつ変化も見られることであろうと、私はそう考えるところでございます。
#135
○浅尾慶一郎君 指摘をしないと動かないということになれば、この答弁と違うわけでありますから、継続的に金融庁として指摘をしていく、開示を要請していくということは約束しますか。
#136
○国務大臣(山本有二君) 当委員会でそうお決めいただければ、私の方は国政調査権に基づく調査権という限りで御照会をさせていただきたいと思っております。
#137
○浅尾慶一郎君 繰り返しになりますが、当委員会ではなくて、御答弁いただいたのは、当時の責任者である大臣が、時期が来たら開示をすると。で、今唯一残っているのは、ゴールドマン・サックス社が嫌がっているから開示をしないということであれば、責任を持って担当大臣である、あるいは金融庁が官庁として、私が一々指摘しなくても、継続的に三か月に一回ずつゴールドマン・サックス社に依頼することを約束していただけますか。
#138
○国務大臣(山本有二君) いやもう、それにつきましては、行政権限もございませんので、そこについては、三か月に一度というようなことのその照会につきましてはお受けいたしかねます。
#139
○委員長(尾辻秀久君) 速記止めてください。
   〔速記中止〕
#140
○委員長(尾辻秀久君) 速記を起こしてください。
#141
○浅尾慶一郎君 ゴールドマン・サックスとの関係でいいますと、これはここに書いてあるように守秘義務協定で縛られているわけではなくて、一般的な国家公務員としての守秘義務が掛かっているということですから、それについて開示をしたときに向こうの同意がなくて開示をしたら訴えられるかもしれないということですが、国政調査権に基づいて開示をした場合にはそのリスクは私は棄却されると思いますから、そういう観点も含めて御答弁いただきたいと思います。
#142
○国務大臣(山本有二君) 委員の開示に向けての御趣旨を踏まえて、ゴールドマン社に対して、開示に向けて、当庁としましても御趣旨を踏まえ、委員会の御判断も踏まえて努力してみたいと思っております。
#143
○浅尾慶一郎君 国政調査権に基づいて、委員会として是非議論をしていただきたいと思います。
#144
○委員長(尾辻秀久君) その件につきましては、後刻理事会で協議をいたします。
#145
○浅尾慶一郎君 それでは、戦没者等の妻に対する特別給付金について伺っていきたいと思いますが、まず、この制度の趣旨はどういうものでしょうか。
#146
○国務大臣(柳澤伯夫君) 戦没者等の妻に対する特別給付金の趣旨でございますけれども、これは戦没者等の妻に対する特別給付金支給法に基づきまして、戦没者等の妻が夫を失ったことによる精神的痛苦に対し国として慰藉をするという趣旨から、一定の基準日において恩給法による公務扶助料とまた戦没者遺族として年金給付を受けている妻に対しまして、十年償還の国債により特別給付金を一時金として支給するものでございます。
 この制度は昭和三十八年に創設され、直近では、平成十五年の法律改正によりまして継続支給の措置が講じられているものでございます。
#147
○浅尾慶一郎君 残念ながらその制度を知らずに、本来もらえるものをもらえていない方が結構いらっしゃるということですが、平成十五年の支給分の給付金のうちで時効消滅した件数と金額、また、そのうち私の地元の神奈川県の件数と金額を教えていただきたいと思います。
#148
○副大臣(武見敬三君) お尋ねの時効消滅の件数についてでございます。
 これは一定の仮定下に推計をいたしますと、今後支給決定されるものも若干見込まれるんでございますが、受給権を有すると思われる者約十七万件中おおむね約九千件となっております。その金額は約百八十億円であります。
 また、神奈川県居住者の時効消滅については、神奈川県からデータを得た上で全国と同様に推計したところ、おおむね約五百件となり、金額は約十億円となっております。
#149
○浅尾慶一郎君 この時効消滅については昭和三十八年の法制定時にも議論されておりますが、受給権の時効消滅についてどういうふうに考えておられますか。
#150
○国務大臣(柳澤伯夫君) 戦没者等の妻に対する特別給付金支給法第六条におきましては、特別給付金の受給権は、三年間行使しないときは受給権は時効消滅するということになっております。
 したがいまして、厚生労働省としては、受給権者の請求漏れによる時効消滅を防止することは重大な課題であると認識をいたしております。
#151
○浅尾慶一郎君 私がこの点について問題にしておりますのは、実は、昭和六十年に電算化されました。このことが電算化されましたが、電算化されるに当たって、データの入力は申し出た人しかデータを入力しなかった。しかし、電算化されるということを知らないわけですね、普通の受給者は、知らない可能性がある。
 なぜ電算化後に請求があった、申し出た人だけ入力したんですか。
#152
○副大臣(武見敬三君) 委員御指摘のとおり、昭和六十年当時における受給者のデータ入力につきましては、昭和六十年以降、その都度データを入力することで、電算化前において手作業で行っていた特別給付金などの受付裁定事務全体を迅速化、効率化するために行ったものでございます。
 上記の電算化前に支給決定がなされた者の分については、人員の制約等もあり入力できなかったということでございます。ただし、この昭和六十年以前の請求者等について、再度改めて請求等があることなど想定をした上で逐次入力していくことで、全体の業務が円滑にいくと考えていたところでございます。
#153
○浅尾慶一郎君 今御答弁いただいたわけですけれども、要するに人手が足りなかったから取りあえず請求があった人だけデータ入力をして、以降はデータ入力がしておられる方だけ通知が行く、通知が来ないから時効で消滅しちゃうというのが実態ですよね。確認です。
#154
○副大臣(武見敬三君) 委員御指摘のとおりでございます。
#155
○浅尾慶一郎君 先ほど、柳澤大臣が御答弁いただきまして、夫を失ったことに対する精神的痛苦、要するに六十二年、終戦からたっているわけでありまして、夫を失った方といってももう八十後半になっておられる方も多いと。そういう方に電算化しますよと、これをどうやって広報したかというと、町の、県の便りとかそういうのに一行入っていると。まあ、それは何回か入ったかもしれませんが、それでもってカバーができるというふうに思うのはおかしいんではないかと。少なくとも今後、漏れている者について何らかの対策を立てていただきたいと思いますが。
 もう少し具体的に言いましょう。
 給付金の対象者は、総務省が持っている恩給受給者のデータが基礎となっているので、そこから総務省と協力して給付金の受給権者を確定したらいかがでしょうか。
#156
○国務大臣(柳澤伯夫君) 特別給付金は、公務扶助料等を受けている戦没者等の妻が対象となっておりますので、御提案を踏まえて、特別給付金の請求漏れを防止するため、例えば恩給受給者データを活用して受給者の方々への個別案内が行き渡るようにすることができないかどうか、総務省、都道府県等と相談しながら十分に検討してまいりたいと思います。
#157
○浅尾慶一郎君 是非そうしていただきたいと思います。先ほど、九千件という形で大体類推もできているわけですから、それほど難しいことではないと思いますので、その決意を伺いたいと思います。
#158
○国務大臣(柳澤伯夫君) ただいま申し上げましたとおり、今後関係省庁とよく協議をしまして検討をしてまいりたいと思います。
#159
○浅尾慶一郎君 先ほど御答弁いただきましたように、三年間たつと時効で消滅してしまうということなんですが、この受給権を、時効消滅した後に、あっ実はあったんだと気付かれる方もいらっしゃいます。過去に、この予算委員会で当時の小泉厚生大臣が、しかし、その時効消滅についてこれを救済するのはどうしても無理だというふうに答弁されておりますが、なぜ無理なんでしょうか。
#160
○国務大臣(柳澤伯夫君) 戦没者等の妻に対する特別給付金支給法第六条におきまして、三年間権利を行使しないときは受給権は時効消滅するとされておりまして、受給権が時効消滅した方の救済は無理であると、このように申し上げたと考えております。
#161
○浅尾慶一郎君 財務大臣に伺いますが、会計法の三十一条は、本件特別給付金の時効消滅の場合に適用されますか。
#162
○副大臣(富田茂之君) 先生御指摘の会計法第三十一条第一項には、国に対する権利で、金銭の給付を目的とするものの時効による消滅につきまして、別段の規定がないときは、時効の援用を要せず、また、その利益を放棄することができないものとするというふうに定められております。
 戦没者等の妻に対する特別給付金につきましては、戦没者等の妻に対する特別給付金支給法の定める要件に該当すれば、法律上当然にその受給権が認められる公法上の債権であります。
 また、時効の援用について、支給に関する個別法に別段の規定もございませんので、その消滅時効については会計法第三十一条が適用されることとなります。
#163
○浅尾慶一郎君 という形で時効になってしまうということなんでその救済が無理だということなんですが、実は戦傷病者戦没者遺族援護法、いわゆる遺族援護法ですね、遺族援護法に基づく遺族年金については、厚生労働省の局長通達でもって、時効になってもこれは適用しないんだという通達を出されています。これはどういう法律に基づいてやっておられるんでしょうか。
#164
○副大臣(富田茂之君) 今、ちょっと先生の御質問は何点か問題を含んでいると思うんですが、御指摘の通達はこのように記載がされております。まず、遺族年金等の時効期間が経過した場合であっても、時効期間内に請求しなかったことについて宥恕すべき理由があると認められるものについては当該遺族年金等を支給すると、これがまず一つ記載されております。ただし、この場合における遺族年金及び遺族給与金の支給は、市区町村がそれぞれ請求書類を受けた日から五年間遡及するにとどめるものとするというふうになっております。
 遺族援護法で言います遺族年金等の受給者の権利につきましては、基本権と支分権に分かれております。基本権は年金を受け取る権利、年金を受け取る地位のようなものであり、会計法三十一条に言う金銭給付を目的とする権利ではなく、その消滅時効については会計法三十一条の適用はございません。他方、支分権は基本権に基づき毎支払期ごとに実際の年金を受ける権利、つまり会計法第三十一条に言う国に対する権利で、金銭の給付を目的とするものに当たりますので、その消滅時効については会計法三十一条の適用があると。
 また、先ほどの通達も、基本権については厚生労働省の方で配慮しろというふうにしておりますが、支分権である請求権、具体的な請求権については五年間の時効に掛かりますよというふうな通達がされておりまして、これは恩給法の方の取扱いが変わりましたので、それに合わせてこのような通達がなされたというふうに承知しております。
#165
○浅尾慶一郎君 ということで、確認させていただきたいと思いますが、そうすると遺族年金については、時効になっても五年たったものについては、お金はもらえないけれども、権利だけ発生するということですか。
#166
○副大臣(富田茂之君) 支分権たる具体的な権利については時効になっておりますので、発生するというようなことはありません。ただ、支給を受ける権利、地位、それはもう七年たっても配慮するようにというふうに通達がされているというふうに理解していただきたいと思います。
#167
○浅尾慶一郎君 確認しますが、そうすると、過去のもらえるはずであったものはもらえないけれども、それ以降もらえるようになるという理解でよろしいですか。
#168
○副大臣(富田茂之君) 先ほどの通達に宥恕すべき理由がある場合にというふうに限定がありますけれども、そのように判断されれば支給を受ける権利、地位はあるというふうに判断されるというふうに解釈されると思います。
#169
○浅尾慶一郎君 なぜこういうことにこだわるかというと、もし遺族年金で具体的に支給が受けられるんであれば同じようにされるのが一番適切なんではないかと。特に、先ほど申し上げましたように、政府側のミスがあったわけですよね、電算化するときに全員に通知しなかったということなんですが。それができないということについて、もう少し分かりやすく御説明していただけますか。基本権、支分権と言うとなかなか分かりづらいと思いますが。
#170
○副大臣(富田茂之君) 年金を受ける地位、権利は、先ほどの通達によって、もし請求できないような何か特別な事情があって、それを配慮すべきだというふうになればその地位は認められる可能性があると。ただ、支払期ごとに個別具体的な請求権が発生するわけですから、それはやはり五年間の時効に掛かってしまう。
 先生が最初御指摘された特別支給金については、個別具体的な請求権ですので、これはやはり時効に掛かる、権利としてその地位が認められるわけではないというふうに解釈されるというふうに思います。
#171
○浅尾慶一郎君 是非、まあこれは立法措置になるのかもしれませんが、先ほどお話がありましたそのデータ入力と併せて、特にその政府側の電算化、そしてそのときに通知を個別にはしていないわけですから、そこについて救済するための新たな立法措置を政府として検討していただけないかどうか、伺いたいと思います。
#172
○国務大臣(柳澤伯夫君) これはなかなか困難なのではないかと、そのように思います。基本的に、明文で時効消滅ということがうたわれておりますので、そのことについてはやはり国の法的安定性ということから、そういう基本原則からいっても、それは難しいことであると私は考えます。
#173
○浅尾慶一郎君 私の質問は、新たな立法でもって救済することは考えられないんですかということです。
#174
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私の答弁は、その御質問に対する答弁としてお受け止めいただきたいと思います。
#175
○浅尾慶一郎君 ミスがあったのは国の責任が相当あると思いますので、それを救済するとすると新たな立法が必要だということで申し上げさしていただきましたけれども、御賛同いただけないということは大変残念であると思います。
 最後の質問になると思いますが、今の戦没者の妻だけではなくて、戦没者等の遺族に対する特別弔慰金について、支給件数、そして受給権の時効消滅件数をお答えいただけないかと思います。
#176
○副大臣(武見敬三君) 平成七年の特別弔慰金の支給件数は、平成十七年度末現在で約百三十八万件、支給金額は約五千五百二十億円となっております。特別弔慰金の受給権者は、遺族の中の公務扶助料等の年金受給者がいない場合に兄弟姉妹等のうちの一人に支給されるものでありまして、必ずしも受給権者を一律に特定できるものではございません。このため、平成七年の特別弔慰金の時効失効者件数については把握できておりません。
#177
○浅尾慶一郎君 平成十七年分が時効消滅する時間がだんだん近づいてくるわけでありますが、平成十七年分が、これ百三十八万件もありますから大きいんで、これが時効消滅しないようにどういう対策を取るか伺って、私の質問を終えたいと思います。
#178
○国務大臣(柳澤伯夫君) 平成十七年支給分の特別弔慰金につきましては、平成十七年四月から三年間のうちに請求していただくということが必要でございます。
 厚生労働省としては、消滅時効により請求漏れとなることを防止するため、都道府県、市町村と連携しながら、政府広報等により請求期間等について十分な広報を行う、また都道府県を通じ、前回の特別弔慰金の受給者の方に制度の概要、申請方法等のお知らせを行うこと等により対処してまいりたいと考えております。
#179
○委員長(尾辻秀久君) 関連質疑を許します。島田智哉子君。
#180
○島田智哉子君 民主党・新緑風会の島田智哉子でございます。
 私からは、格差の是正に向けて、母子世帯の母、特に生活保護を受給されている世帯に対する福祉あるいは就労支援についてお聞きいたしたいと思いますが、まず冒頭に、B型肝炎、C型肝炎のことについてお聞きをいたします。
 これまで国会での御議論の中でも、再三にわたって肝炎患者さんへの救済策を求める患者さんや御家族の声が届けられております。昨日、一昨日と、柳澤大臣も御承知の、実名を公表して福岡地裁で闘っておられる福田衣里子さんを始め原告の方々が議員会館まで出向かれて、そして一生懸命、治療費負担の軽減などに要望活動をされていらっしゃいました。毎年三万五千人の患者さんが肝がんでお亡くなりになっており、その八割がC型肝炎によるものとされております。また、多くの都道府県議会あるいは市議会、区議会からも、国に対して患者さんの医療費助成を始めとする救済策を意見書という形で求めていることも柳澤大臣、よくよく御存じだと思います。
 三月の二十三日にはC型肝炎の東京地裁の判決が出されるわけですけれども、この間にも多くの患者さん、そして御家族が大きな苦しみと不安の中、一日一日を暮らしていらっしゃいます。そうした患者さんや御家族の不安を少しでも和らげていただけるように、この判決をめどに政治決着に向けて厚生労働大臣として政治的な御判断をいただきたいと思いますが、柳澤大臣の御見解をお聞かせください。
#181
○国務大臣(柳澤伯夫君) B型、C型肝炎の患者さんがいろいろ罹患をされる、さらにその病気が進行される中で大変お苦しみのことについては私どももよく承知をしておるところでございます。
 B型肝炎については、一部国敗訴の判決がございまして、それにつきましては国としてこれにしっかり対処をするということでございます。それから、その他の訴訟につきましては、これはなかなか、医薬品の開発の基本のところにかかわるものとして、私ども厚生労働省としては、やはり我々の立場をしっかり理解をしていただきたいという考え方で上級審の御判断を求めるということを今日までいたしてまいりました。
 来るべきこの判決がまたどうなるかということは、私ども今ここで何ら申し上げることはないわけでございますが、そこで、今委員の御質問の、そういうようなことを機として、何か政治的な判断と、あるいは決断というものを求められないかと、こういう御質疑でございますけれども、私どもとしては、まず判決については、今申したように、私どもの考え方というものに理解を求めていきたいということが基本でございますし、また、肝炎の治療あるいは患者さんへの対応としては、早期発見、早期対応というような、また治療水準の向上のようなそういう施策を充実させることをもって対応をいたしていきたいと、このように考えている次第でございます。
#182
○島田智哉子君 恐れ入りますが、武見副大臣にも是非御見解をお聞かせいただきたいと思います。
 この患者さん方に対する救済策について、昨年、私の質問に対して、またその後衆議院での我が党の山井議員の質問に対しても、政治家の一人として極めて重く受け止めて、そして副大臣の職責においてできる限りの努力をしなければならないと御答弁をちょうだいいたしました。
 そして、副大臣のお父様が一九七九年に出版されております「二十一世紀は慢性肝炎が国民病になる 国民医療非常事態宣言」という著書がございます。一文御紹介させていただきますと、二十一世紀の国民病になる病気に慢性肝炎があります、これはもう今から分かっていると、慢性肝炎は肺結核より厄介な病気で、この病気を今からチェックしていって広がらないよう努力しなかったら、二十一世紀はこの病気のために全部が破綻するでしょうと、人類の生存が危ぶまれるような病気ですとあります。今から三十年も近く前に、正にこの今の現状に対して警鐘を鳴らしていらっしゃいます。
 武見副大臣の先日来の御答弁の背景にもそうしたこともおありではないかと、そのように感じた次第ですので、武見副大臣からも、患者さんへの救済策について改めて、恐れ入ります、御見解をお聞かせください。
#183
○副大臣(武見敬三君) 肝炎という疾患が我が国において極めて深刻な疾患になっていくだろうという予測を私の父がしていたことは事実でございます。その上で、国もその対応策というものを取ってきたと私は理解をしております。
 また、現在、こうした事態の下で、訴訟の問題とは別に肝炎対策を推進するということが極めて重要になっている。そして具体的には、その早期の発見、早期治療の促進、それから治療水準の向上という観点から、検査体制の強化、診療体制の整備、治療方法などの研究開発などの総合的取組を推進しているということも今国の立場としてはあるわけでございまして、こうした取組を私も副大臣としてより一層推進するという、そういう認識でおります。
#184
○島田智哉子君 患者さんには時間がありません。是非とも一日も早い解決に向けて、柳澤大臣にも、そして武見副大臣にも誠心誠意御対応いただきますことを重ねてお願いして、次の質問に入りたいと思います。
 そこで、まず厚生労働省都道府県労働局予算についてお聞きいたします。
 この労働局の一連の不正経理等々の問題につきましては、平成十六年十一月に本院厚生労働委員会が会計検査院に要請を行い、十七年七月に中間報告、その後、昨年末に最終の御報告があったところでございます。
 厚生労働委員会より会計検査院に要請を行う経緯として、私ども民主党の辻議員と、与党側の当時理事をされていた武見副大臣が、与野党が協力の下にそうした対応をお取りになったと承知しておりますけれども、当時の厚生労働委員のお立場から、また現在は労働担当の副大臣として、今回までの指摘をどのように受け止められて、またその後の対策としてどのようなお考えで対応されたのか、武見副大臣にお聞きいたしたいと思います。
#185
○副大臣(武見敬三君) 平成十七年度の決算結果報告におきまして、会計検査院が二年間にわたり、すべての労働局について検査を行いました。これは、さきの参議院の厚生労働委員会における決定を受けたものというふうに受け止められることと思います。
 その検査を行った結果として、指摘した労働局における不正経理などは、平成十一年度及び平成十二年度を中心に、総額七十八億四千四百六十九万円のうち、不正経理が十二億二千四百六十五万円、不適正な会計処理が六十六億二千四万円でございました。
 厚生労働省としましては、関係職員、計一千四百四十人を厳正に処分するとともに、国庫に損害を与えた額を昨年中に返還したところでございます。また、新たに外部の専門家の参画する地方支分部局法令遵守委員会を設置するとともに、内部検査、監査について一層の強化を図ることにより再発防止を徹底することとしており、不正経理及び不適正な会計処理の未然防止について、しっかり点検、確保してまいりたいというふうに考えております。
#186
○島田智哉子君 その指摘について、架空の請求であったり水増し請求、あるいは相談員の空雇用や謝金の不正支払等々、極めて悪質であったと思います。
 昨年来尾身大臣は、この問題を受けて、来年度予算編成に向けて予算の質の向上、効率化に積極的に取り組んでいくとおっしゃってこられました。当然のことながらこの労働局の予算に対しては厳しい対応を迫られたんだと思いますが、どのようなお考えで予算編成に当たられたんでしょうか。
#187
○国務大臣(尾身幸次君) 無駄な歳出を削減し、歳出改革を進めるためには執行状況を予算に適切に反映させることが重要でありまして、これまでも、決算に係る国会の決議や会計検査院の検査の結果等を踏まえまして適切な予算編成に努めてきたところでございます。
 会計検査院は、十七年度決算検査報告の中で、一九九五年から二〇〇四年度までの地方労働局の経理につきまして、約十二億円の空出張等の不正経理を指摘しております。
 平成十九年度の地方労働局予算につきましては、こうした会計検査院の指摘を踏まえまして、不正経理等が行われた庁費、旅費等の個々の経費について厳しく精査し、効率化、合理化を図ったところでございます。
#188
○島田智哉子君 そして、この都道府県労働局予算について、この会計検査院の報告を受けて、来年度予算額についてはどのように反映されたんでしょうか。
#189
○国務大臣(尾身幸次君) 十九年度の地方労働局予算につきましては、会計検査院の指摘を踏まえまして、不正経理等が行われた庁費、謝金等の個々の経費につきまして厳しく精査し、備品購入の節約や相談員の配置の合理化などによりまして、平成十八年度予算に対して約三十九億八千八百万円の削減を行ったところでございます。
#190
○島田智哉子君 国民の貴重な税金であり保険料であるわけですから、それを職員の方々が私的に使われていたことは、労働行政に対する国民の信頼を大きく失墜させたことに間違いはございません。
 その意味で、財務省と厚生労働省が指摘を踏まえて、しっかりと効率化、また精査された結果であるという思いを持ちます反面、しかし一方で、この予算の中には母子世帯や生活保護受給世帯への就労支援というとても重要な対策費も含まれているわけでして、そこまでも削減されたのでは、これは国民生活に悪影響が出るわけですから、そうした両方の思いから、国会に提出されている予算各目明細書を見せていただきました。
 そういたしますと、やはり来年度の予算額が昨年概算要求段階から比べて大幅に減額されている項目がたくさんございます。例えば一般行政事務指導旅費を見ますと、十八年度予算で六百二十八人分、四百七十四万円。そして、来年度の概算要求段階でも同じく四百七十四万円要求されている中で、予算額はおよそ半分の二百三十七万円と。この職員旅費というのは正に厳しく指摘をされていた部分であったわけですけれども、こうした効率化、合理化ということがこれまでどのような背景でそれができなかったんでしょうか。
#191
○副大臣(武見敬三君) 従来からこうした徹底した取組を行っているべきであったというのは、委員の御指摘のとおりだろうと思います。
 その上で、今回、一般行政事務指導旅費につきまして、これは大変厳しい予算というふうになっておりますけれども、他の業務と併せて労働基準監督署等への事務指導を行うなど、効率的な執行などを徹底して行うことによって対応したいというふうに考えています。
#192
○島田智哉子君 ですから、そうした対応がこれまでなぜできなかったのでしょうか。もう一度御答弁ください。
#193
○副大臣(武見敬三君) まず、こうした労働局の中で自主的に、しっかりとしたこうした問題意識を持って各担当者が取り組むという姿勢、そこをまずきちんと持つということが不十分であったという点は否めない事実であったろうと思います。
 したがって、そこをまずきちんと、こうした問題意識を持って効率的に、しかも正確に自らの役割を担うという、そういうことをやはり改めてこの際確認をさせていただきたいと思います。
#194
○島田智哉子君 もちろん不正経理など二度とあってはならない、当然のことでありますけれども、しかし今申したように、予算の中には母子世帯や生活保護世帯への就労支援といった、とても大切な対策も含まれております。
 そこで、安倍内閣として打ち出された成長力底上げ戦略の中に就労支援戦略、そして福祉から雇用へ推進五か年計画の策定、実施とございますが、その具体的な内容についてお聞かせください。
#195
○国務大臣(柳澤伯夫君) 先月十五日に取りまとめられました、いわゆる成長力底上げ戦略の中の就労支援戦略は、母子家庭、生活保護世帯あるいは障害者など福祉サービスや手当を受けている方々に対して可能な限り就労による自立を支援すると、そういう考え方に立つものでありまして、生活の向上を図るものでございます。
 具体的にどういう中身かということですけれども、福祉から雇用へ推進五か年計画というものを策定いたしまして、一つには地域における就労支援体制、これは就業・生活支援センターという名称で呼ばれる施設でございますが、それを全国展開するということ。それから第二に、ハローワークを中心に福祉関係者等と連携した言わばハローワークと福祉関係者等とのチーム支援の強化、これが第二点でございます。それから第三点は、工賃倍増五か年計画による障害者の福祉的就労の底上げ、こういうことを行うことといたしております。
 こうした成長力底上げ戦略を進めながら、今後とも母子家庭等の自立支援を推進していきたい、こういう考え方でございます。
#196
○島田智哉子君 その具体的な施策の一つであると思うんですが、就労支援と福祉を連携していくとされている生活保護受給者等就労支援事業、この事業の予算としておよそ九億八千三百万円組まれておりますけれども、そうした生活保護受給世帯、その中でも母子世帯のお母さんのケースを見ますと、多くのお母さんが働けるのであれば働きたいと思っていらっしゃるんですね。
 しかしながら、子供の育児の問題や健康状態、そしてお仕事をされた経験が少ないなど、様々な問題で働きたくても働けないという方々が少なくないんです。その意味で、就労支援だけでなく福祉面によるサポート、さらには地域や企業の連携があって、しかもそこには時間、長期的な支援が必要なんだと思います。
 こうした点はこれまで本当に不十分だったと思いますが、厚生労働大臣の御認識はいかがでしょうか。
#197
○国務大臣(柳澤伯夫君) 生活保護は、もちろん経済的な給付を行うことにとどまらないで、生活保護を受給する世帯の自立を支援するということも重要な柱の一つであります。
 しかし、従来までの生活保護行政はともすれば経済的な給付に偏りがちで、自立支援、就労を支援すると、そういう保護の長期化を防ぐための取組が必ずしも十分でなかったと、こういうことの指摘がございます。また、被保護者の就労支援に対して福祉事務所とハローワークが十分有機的に連携してきたかと言われれば、これもまた不十分であったというようなことが指摘をされているところでございます。
 この指摘に対処するため、平成十七年度から、被保護者の状況等をしっかりとつかまえまして個別の就労支援を行う就労支援プログラムの策定事業や、福祉事務所とハローワークの連携事業を実施し始めたところでございます。
 さきに取りまとめられました成長力底上げ戦略におきましても、こういった緒に就いたばかりの福祉事務所とハローワークの連携による福祉と雇用の連携のための施策、それから地方自治体における自立支援策を一層有機的に組み合わせてこれを推進していくということを考えているところでございます。
#198
○島田智哉子君 つまり、雇用だけ福祉だけとばらばらにやっていったんでは駄目で、そこは雇用対策と福祉対策をしっかり連携させてサポートしていきましょうと、そういうことなんだと思います。そこは当然しっかりと予算を大幅に増やしてやらなければならないことで、それは当然のことだと思いますけれども。
 そこで、労働局予算に戻らせていただくんですが、この生活保護受給者の就労支援事業の、例えば相談員を確保する予算について、十八年度予算額については一般会計からおよそ八億円、そして十九年度の概算要求額についても一般会計から八億三千万円、つまり今年度と同じ体制を要求されました。ところが、来年度の一般会計予算案のこの資料を見ますと、四億一千万円と半減されております。事業全体の一般会計予算も半減されています。これは一体どういうことなんでしょうか。
#199
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今、島田委員御指摘の生活保護受給者等就労支援事業でございますが、この相談員謝金につきまして、確かに十八年度予算におきましては一般会計から約八億円を措置をいたしておりましたところでございますが、十九年度におきましては一般会計と雇用保険特別会計の双方で四億円ずつ、合計で十八年度予算とほぼ同額の約八億円を予定したということでございまして、この相談員というのは非常に、就労支援コーディネーターとか就労支援ナビゲーターの謝金でございまして、重要な経費として我々も考えておりますが、その金額といたしましては十八年度並みの予算を双方で確保できたと、このように考えているところでございます。
#200
○島田智哉子君 大臣のおっしゃるように、一般会計から四億九千百四十五万七千円、そして特別会計からも全く同じく四億九千百四十五万七千円、全く折半をされているんですけれども、これまで一般会計で措置されてきたものを、なぜ来年度は一般会計を削減して特別会計へ回してきたんでしょうか。
#201
○国務大臣(柳澤伯夫君) 一般会計の予算と今回労働保険特別会計、この雇用勘定の経費といたしたわけでございますけれども、これは、雇用保険特別会計の予算としてこれを位置付けるためには、当該の事業が失業等給付の抑制に資するものであるかどうかということが重要な指標になるわけでございます。その点が確認できないとこのような予算計上はできないわけでございまして、その点が従前は不明確であったという事実がございまして、労働保険特別会計の予算としてはなじまないということで全額一般会計で措置をしてきたと。
 こういう中で、本事業の主たる支援対象者であります母子家庭、母子世帯及び疾病、障害、高齢以外の理由、例えばリストラ等によって保護を受けている世帯ということでありますので、こうした世帯では、保護世帯になる前に雇用され雇用保険の被保険者であったということの多いことが明らかになってまいりまして、その意味では、この事業もこのような方が再び雇用され雇用保険被保険者になることを促進すると、そういうことに資するものであるという側面が明確になってきたと、そのことから、平成十九年度予算におきましては一般会計と労働保険特別会計の折半により措置するということが可能になったと、こういう判断に立ちましてそのような予算を計上しているところでございます。
#202
○島田智哉子君 この福祉から雇用へというのは安倍内閣の重要政策ですよね。そして、そうした重要政策に位置付けられている一方で、その予算の半分を一般会計から特別会計に付け替えられているということに対して、財政のプロ中のプロの両大臣にとっては何でもないことかもしれませんけれども、素人の私にとってはとてもよく理解ができません。
 仮に、福祉から雇用へということが安倍内閣としての重要政策であるので、今の一般会計の十億円を何とか拡充していかなければならないということで、苦肉の策として特別会計から五億円を持ってきて十五億円にするということであれば、まだそれなりの誠意なり意気込みを感じるんですけれども、ところが、特別会計を持ってきたけれども、その分一般会計を五億円削減したんでは、単なる予算の付け替えではないんでしょうか。柳澤大臣、いかがでしょうか。
#203
○国務大臣(柳澤伯夫君) これはどちらが安定的な財源かという観点もありますが、私が先ほど御説明申し上げましたように、特別会計の計上予算というのはやっぱり特別会計の目的に合致しているということがその重要な前提であります。
 そういうようなことでありますと、特別会計にこれを計上するということで、また、一般会計は尾身大臣が厳しくシーリングをはめますので、またいろいろと別の用途、もっと有効な経費として活用していくということも通常考えられるところでございまして、要するに、事業の遂行に当たってしっかりとした対応のできる予算というものを、これを計上することができれば私としてはこれで足りると思うわけでございまして、今後またこの事業を伸ばしていくと、いかなければならないということになりますれば、また委員等の御支援もいただいてそういう方向での努力をしていくと、こういうことになろうと思います。
#204
○島田智哉子君 折半という形でいくのであれば、一般会計を伸ばすにも、同時に特別会計を一緒に伸ばさなければならないということになるんじゃないでしょうか。
 確かに、今は雇用勘定にゆとりがあることも承知しております。しかし、わずか数年前までは大変厳しい状況にありました。もしこの先不況になって特別会計そのものが厳しい状況になったときに、また一般会計に戻すことができるんでしょうか。そんなことにでもなれば、現状でもコーディネーターが県内に一人しかいないというところがある中で、拡充どころか事業を縮小していくことにつながるんではないでしょうか。柳澤大臣、いかがでしょうか。
#205
○国務大臣(柳澤伯夫君) 先ほど来申し上げましたとおり、コーディネーター、ナビゲーターの役割というものについては私ども大変これを重要視しているわけでございまして、その謝金予算というものについては、これはもう本当に全力を挙げてその必要額の確保に今後とも努めてまいりたいと、このように考えております。
#206
○島田智哉子君 今回の予算でこのように特別会計に付け替えられているのはこの生活保護対策とそしてホームレス対策について、正に弱者切捨てではないんですか。
 先ほども申し上げましたように、生活保護世帯に対して、また母子世帯に対して、就労支援そして福祉施策を連携させて支援していくことは大切であること、十分認識しております。だからこそ、十分な支援体制をつくるために予算の確保が必要なことは当然でありまして、正に福祉から雇用へはそのことをおっしゃっているんだろうと思いますけれども、このように予算の額だけ見れば変わらないとしても、一般会計が削減、しかも半減されていることは事実であって、おっしゃっていることとされていること、全く逆ではないでしょうか。大臣、いかがでしょうか。
#207
○国務大臣(柳澤伯夫君) 雇用保険特別会計に行ったから何か軽視をしているというようなことは、これは全くありません。私ども、雇用保険に行ったといたしましても、その経費の確保には今後とも努めてまいるということは繰り返し私申し上げているところでございます。
#208
○委員長(尾辻秀久君) 時間が参っております。
#209
○島田智哉子君 はい。
 児童扶養手当の在り方、また生活保護、母子加算の在り方について、そうした視点からいま一度見直す必要があると思います。そのことを申し上げて、私の質問を終わります。
#210
○委員長(尾辻秀久君) 以上で浅尾慶一郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#211
○委員長(尾辻秀久君) 次に、芝博一君の質疑を行います。芝博一君。
#212
○芝博一君 民主党・新緑風会の芝博一でございます。
 それでは、質問通告に従いまして質問させていただきたいと思いますが、冒頭に松岡大臣に確認をさせていただきたいと、こう思います。
 昨日の当委員会の中で、自民党の松村龍二委員と松岡大臣のやり取りの中で、農業政策についてのやり取りがございました。その中で、我が民主党の農業再生プラン、政策等々につきまして議論をいただいたといいましょうか、言及されたわけでありますけれども、残念ながら松村委員も松岡大臣も我が党の農業再生プランを十分に御理解と認識をいただいての発言ではなかったことにまず苦言を呈させていただきたい、これが一点であります。
 そして、当然ながら、それぞれの政党が出す農業政策をこの委員会の中で審議をする、議論をする、これは当然であります。このことにはやぶさかではございません。さらには、具体的にお互いの政策に対して批判することもやむなしでしょう。
 しかし、昨日、松岡大臣は私どもの政策に対して最終的にこうまとめられました。現実的にこれは絵にかいたもちにならない、ほかならない、このような発言をされているわけでありますが、(発言する者あり)もちにもならない、もちになればいいんですが、もちにもならない、こう表現をされました。これはまさしく党を、政策を、私どもを愚弄する発言であり、時の大臣としては、そして委員会審議の中では不当な発言と言わざるを得ません。
 この件について厳しく謝罪を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。
#213
○国務大臣(松岡利勝君) お答えいたします。
 今、芝先生から御指摘をいただきました私の昨日の自由民主党の松村委員とのやり取りの中で、今先生御指摘のとおりの、私がそのような表現をもって発言を申し上げましたことにつきましては、これは誠に適切さを欠いた。その点につきましては、私もあの後、これは正に言葉の表現としても、また民主党に対する敬意の上からも、これは大変妥当性を欠くものであった、不適切であったと、そのように反省をいたしておるところでございます。
 よろしくお願いいたします。
#214
○芝博一君 謝罪と受け止めさせていただきますし、よろしくと言われましてもちょっと困るわけでありますけれども。まあ真摯に私どもの要求といいましょうか、意向を酌んでいただいての謝罪と受け止めさせていただきます。
 改めてこの農業問題につきましては、後日この委員会の中でできる限り農業問題にテーマを絞って改めて議論をさせていただきたいと、こう思いますから、よろしくお願いをしたい、こう思います。
 続きまして、質問通告にございます松岡大臣の事務所費の中の光熱水費の件について質問をさせていただきたいと、こう思います。
 おとついの私ども民主党の小川議員の質問に対しまして、この部分について松岡大臣、改めて、質問通告もしておりますから、この場で明白に明確にお答えいただきたいと思いますけれども、議論が前後するといけませんから、私の方から事前に当日の速記録から改めて推移、経緯だけを確認をして、その後答弁を求めます。
 資金管理団体である松岡利勝新世紀政経懇話会が二〇〇五年の事務所費、すなわちこの資金管理団体は二〇〇五年度には一億六千百万円余りの支出をしているわけでありますが、その中に、事務所費として三千三百五十九万円が計上されている。その事務所費の中の光熱水費として五百七万六千三百三十一円が計上されて報告をされております。ちなみに、松岡大臣のこの団体は、二〇〇一年から二〇〇五年までの総額で、この光熱水費だけで実に二千八百八十万円の支出が報告をされております。
 今回は、まず、この二〇〇五年度の件についてお聞きをしているわけでありますけれども、松岡大臣はさきの小川議員からの質問に対して、この政治資金管理団体の主たる事務所は衆議院の第一議員会館の松岡大臣の事務所だと、そして場所は一か所しかないと、こういう発言を明確にされております。で、この件に関しまして松岡大臣は、法律に従ってきちんと報告をしている旨発言をされましたし、事務所費でないものを事務所費に計上している覚えもないし、光熱水費でないものも光熱水費に計上しているわけではない、このことについては私が責任を持って報告をしていると、こう速記録でもございますように答弁をされております。
 そこで、同じように、この光熱水費は今のお話からも分かりますように、水道代も電気代も冷暖房費もすべて無償、ただの衆議院第一議員会館、私たちと同じ部屋であります。そこのところで光熱水費が発生していると、こういうことでありますけれども、その中身について尋ねられて、松岡大臣は以下のように答弁をされました。速記録から朗読いたします。
 私のところは、水道については今、何とか還元水とかそういったようなものを付けております。また、光熱費につきましても、暖房なりなんなり、それは別途そういったものが含まれていますと、こう答えておりますけれども、その中身について、その後の質問において、一々覚えておりませんから、きちんと確認をしてお答えしたいと、こういうふうに答弁をされております。
 それでは、どうぞ答弁いただきたいと思います。
#215
○国務大臣(松岡利勝君) お答えいたします。
 先生御指摘のとおり、一昨日の答弁におきまして、確認の上、必要な範囲において御答弁申し上げたいと、このように申したわけでありますが、確認をいたしましたが、適切に報告しているとのことでございます。
#216
○芝博一君 今の答弁は、昨日、おとついと何ら変わりがありません。質問通告をした上で、具体的には、大臣は、私どもの小川委員の、浄水器の数は幾つですか、どんなものですか、冷暖房というとストーブは幾つなんですか、百個なんですか、そこのところをきちんと確認をして報告をする、時間もたっています。すぐそこの事務所じゃないですか、行ってみればすぐ分かることですよ。その場所でしか使われない水道光熱費なんです。
 改めて御答弁ください。
#217
○国務大臣(松岡利勝君) 再度お答えいたしますが、確認をいたしましたところ、適切に報告しているとのことでございます。
 それ以上の内容につきましては、現行制度に基づきましては既に報告すべき点は適切に報告しているところでございます。それ以上の報告の可否につきましては、現行制度が予定しておりませず、制度の在り方にもかかわることでございますから、差し控えさせていただきたいと思います。
 いずれにいたしましても、適切に報告をいたしているところでございます。
#218
○委員長(尾辻秀久君) 速記を止めてください。
   〔午後二時十九分速記中止〕
   〔午後二時四十四分速記開始〕
#219
○委員長(尾辻秀久君) 速記を起こしてください。
#220
○芝博一君 今、御協議をいただきましたけれども、五日の日と松岡大臣の答弁、その方向性が大変変わっていることに大変不満を持っております。
 五日の日は、松岡大臣は事務所費の光熱水費は還元水若しくは暖房等々に充てられたそのお金だと、こう言われて説明をしたわけであります。その中には土地代は入っていない、そこまで言及されました。その確認を小川議員は求めて今日になっているわけであります。
 なぜ目の前の事務所のその確認ができないんですか。私は、収支報告書なり事務所費を公表しろと言っているんじゃないんです。本来掛かるのがおかしいお金がそこに計上されているから、その疑惑を持って、おかしいんじゃないんですか、だから説明してくださいと、説明責任を問うているんです。もう一度御答弁ください。
#221
○国務大臣(松岡利勝君) お答えいたします。
 私は、一昨日の段階では何度か小川先生とやり取りがあっておるわけでありますが、そのやり取りの中で、だから小川先生の御指摘についてきちんとお答えしなきゃいけない範囲において、必要な範囲において確認をしたものがあれば答えますと、必要な範囲においてですね。これはあくまでも大前提としてここで申し上げておきたいと思います。このようなことを言って、そして確認をいたしますと、こういうことになったと、こういうことでございます。
 したがいまして、確認をいたしました結果、先ほどから申し上げておりますように、適切に報告をしている、このようなことが確認ができたわけでございます。
 先ほども申し上げましたが、現行制度に基づき、既に報告すべき点は適切に報告しているところでございまして、それ以上の報告の可否につきましては現行制度が予定しておりませんので、制度の在り方にもかかわることでございますから差し控えさせていただきたい。ただし、いずれにいたしましても、適切に報告を申し上げている、こういうことでございます。
 また、改めて各党各会派で御協議があり、そして一定の整理が付いて、どのような形、どのような内容で公表するかということが決まれば、それに従って対応いたしてまいります、このように申し上げているわけであります。
#222
○芝博一君 大臣、必要な範囲というのは何ですか。適切というのはどういうことなんですか。そこのところを明確にもう一度御答弁ください。
#223
○国務大臣(松岡利勝君) 必要な範囲と申し上げますのは、政治資金規正法が定めているその必要な範囲と、私はこのようにそのことを申し上げたと思います。
#224
○芝博一君 松岡大臣、政治資金規正法の中にはこう書いてあるんです。光熱水費、電気、ガス、水道の使用料及びこれらの機器使用料等を言うと明確に明言されているんです。あなたの事務所は無償の議員会館、その中で還元水を使う浄水器があったとしても、暖房のためのストーブを入れても、ここの部分には当たらない。むしろ、浄水器なら、ストーブなら、備品、消耗品なんですよ。適切にもう一度お答えください。
#225
○国務大臣(松岡利勝君) 今もう既にお答えいたしたとおりでありますが、光熱水費につきましては、確認をいたしましたところ、適切に報告していると、こういうことでございまして、現行制度に基づいて報告すべきは報告をいたしておる、こういうことでございます。
#226
○芝博一君 私の質問に答えていただいていません。政治資金規正法で言うところはしっかりと明記をされているんです。仮に浄水器が付いていても、ストーブが置いてあっても、それは備品、消耗品なんです。あなたの報告は適切でない。そこはもう一度答弁してください。
#227
○国務大臣(松岡利勝君) 芝先生にお答えいたしますが、何度も申し上げておりますとおり、確認をいたしましたが、適切に報告をしていると、こういうことでございまして、その内容につきましては、現行制度に基づきまして報告すべきは報告を適切にいたしているところでございまして、それ以上の内容の報告ということにつきましては、その可否につきましては現行制度が予定をしておりませんので、制度の在り方にもかかわることでありますから、ここで差し控えさせていただきますが、いずれにいたしましても、適切に報告をいたしておると、このようなことでございます。
#228
○芝博一君 松岡大臣に適切とか適正にという言葉を使っていただきたくない、こんな思いであります。適切というのは何をもって適切にしているのかという部分を答えておりませんし、確認と言われました。何を確認されたんですか。確認をした、人を確認したのか、物を確認したか、書類を確認したか、そこをお答えください。
#229
○国務大臣(松岡利勝君) 適切に報告がされているということを確認したわけであります。
#230
○芝博一君 適切に報告をされていることを確認をした、その手法を教えていただきたいと、こうお伝えしているんです。
 手法は、例えば、書類をめくる、秘書や関係した会計責任者に確認をする、大臣自身が事務所へ行って確認をする、それも手法です。その手法についてお伝えいただけませんか。
#231
○国務大臣(松岡利勝君) いずれにいたしましても、必要な確認をしたということでございます。
#232
○芝博一君 大臣、今の大臣の答弁を聞いて、恐らくこの委員会室にいる人も、また国民の皆さんも、政治と金に対する不信は増幅の増幅ですよ。私はそういうふうに断言をしたいと、こう思います。
 その中で、大臣、こんな新聞記事がありますが、確認をさせてください。
 大臣の五日の発言を受けて、六日の日に、某と言っておきましょう、某新聞社の記者が松岡事務所にファックスで、今日の答弁の中で、お部屋の浄水器やストーブ、暖房機の確認を見せてほしいとファックスを申込みしました。今日じゅうには回答できない、見せられるかどうか分からないという返事が来ました。記者は飛び込んで事務室に行ったそうであります。事務室は一目瞭然、水道の蛇口は一か所、浄水器も付いてない、ストーブも置いてない、この事実が記載をされている。記者は引き続いて、故障ですか、取り外したんですか。答えられない、文書で回答します。どうして文書で回答する必要があるんですか。
 だから、大臣は還元水を使う浄水器、暖房のためのストーブとは言いませんが、暖房機器もあるとこの間答弁しているんです。この記事の信憑性、事実について改めて中身についてもお答えをください。
#233
○国務大臣(松岡利勝君) その記事のことは今初めて聞きましたけれども、私がその記事の信憑性を申し上げるような立場にはないと思っております。
#234
○芝博一君 松岡大臣の事務所の秘書さんは怠慢でしょうか。こんな大事なときに大事なことを大臣に報告もしない、それも新聞記者が取材に来て、現地に、そのことを認知もしていないと、こういうことで理解はよろしいですか。
#235
○国務大臣(松岡利勝君) ちょっとコメントのしようがないんで、控えさせていただきたいと思います。
#236
○芝博一君 私が今、事実関係も含め、経緯も含めた質問をしても、皆さん、松岡大臣の答弁はむしろ後退をしている、五日よりも後退しているぐらいなんですよ。それで、大臣としての説明責任も果たしていない。政治と金の問題の言及もされていない。公表しろと言ってないんです、あって不自然なものがあるから説明をしてください、こう言っているんですよ。そうしたら、浄水器とストーブ関係だと言うから、それじゃ確認をしてください。行ってみれば済むことなんですよ、事務所に。何だったら私もこの委員会を途中から抜けて行ってもいいんですよ。許可していただけますか。言っているんですから、この委員会で、あるんだと。答えてください。
#237
○国務大臣(松岡利勝君) いずれにいたしましても、そういったことも含めまして内容につきましては、現行制度では、その報告の可否につきまして現行制度で予定をされておられませんので、制度の在り方にもかかわることでございますから、内容については差し控えさせていただきたいと、以上そういうことでございます。
 いずれにしても、適切に報告をしていると、こういうことでございます。
#238
○芝博一君 私は、松岡答弁が信じられません。この不自然というか、つじつまの合わない答弁、中身、内容。
 もう一度お聞きいたします。
 委員会の途中でも結構ですし、終わってからでも結構です。私がじかに足を運びますから、松岡事務所、迎え入れていただけますでしょうか。お答えください。
#239
○国務大臣(松岡利勝君) 自らの政治資金の収支報告に関することに関しましては、芝先生に御足労いただかなくても、こちらの方できちんとやりたいと思っております。
#240
○芝博一君 松岡大臣、御自身で適切に判断をされて行動されない、だから、こうしてお聞きをしているわけであります、御自身でできないから。
 例えば、あなたの、大臣の事務所費を、収支報告書をすべて公表しろと言っているんじゃないんです。あるはずがないものが過去五年間、二千八百八十万も水光熱費として計上されているこの不自然さ、どうしても、どんな説明いただいても私には理解できない。だから、説明を求めているんです。
 委員長、これ以上質問を続けても、残念ながら松岡大臣からは的確、適正な誠意ある答弁が得られそうにありません。しかし、今この国会で話題になっていますように、政治と金、この問題は大変大きな問題であります。引き続き、私は、松岡大臣にしかるべき、いわゆる事務所費の中の水光熱費の確認、そして浄水器等々、暖房等々と言われている確認をこの委員会に、委員長名において請求いただいて、この委員会にいつまでに、でき得れば今週中にでも御報告をいただくことを御要望いたします。お取り計らいください。
#241
○委員長(尾辻秀久君) ただいまの件につきましては、理事会で協議をいたします。
#242
○芝博一君 私は、松岡大臣がもっと、一番最初の答弁のように、よろしくというように素直に清く自ら御発言をいただけると期待をしておりましたけれども、見事に裏切られました。
 私、その後、今日は多くの質問通告をしております。農林行政にかかわる、高病原性インフルエンザ問題についても議論をさせていただきたかった。しかし、議論をする時間があっても今の大臣の不誠実さ、その下で私は質問する気にもなれません。そのことをお伝えして、私の質問を終わらせていただきます。
#243
○委員長(尾辻秀久君) 関連質疑を許します。前川清成君。
#244
○前川清成君 民主党の前川清成でございます。
 松岡大臣、私はこれ、お尋ねする予定はなかったんですが、一点だけ。
 私も弁護士をしておりましたので、お聞きしたいことがあります。今のお答えは、必要な範囲で答えるという松岡大臣のお答えは、政治資金規正法が要求しなければ説明する義務はないと、こういう御答弁なんですか。
#245
○国務大臣(松岡利勝君) 今の必要な範囲と申し上げておりますのは、政治資金規正法の求められる範囲においてと、こういう意味でございます。
#246
○前川清成君 これ以上無駄ですから繰り返しませんが、法は必要最低限の倫理だと、こう教えられました。法律に書いてないからやってもやらなくてもいいと、あるいはやってもいい、そういうんじゃなくて、国家が強制して最低限守るべきルール、これが法律なんです。国民の皆さん方がこれほど疑念に思っておられるんですから、大臣自ら政治家として責任を取られてはどうかな、こんなふうに思っています。
 そこで、伊吹大臣、教育基本法の改正に当たって、これもごめんなさい、通告していないんですが、倫理のことが繰り返し述べられます。安倍内閣において倫理、どのように意識しておられますか。
#247
○国務大臣(伊吹文明君) 規範とか倫理というのは、法律の前にあるその国あるいはその社会の暗黙の取決め、英国流に言えばコモンロー、アンリトゥン・ローですね。ですから、これをどのようにその人が規範として守るか。
 例えば政治資金について言えば、政治資金として計上できるかも分からない、しかし私的だと人から言われるかも分からないというものは政治資金には計上しないと、これが私の規範でございます。
#248
○前川清成君 今、伊吹大臣から御説明のあったとおりですから、一度安倍内閣で御相談いただいたらどうかなと、こんなふうに思います。
 それでは、通告している質問の方に移らせていただきたいと思うんですが、昨日も四国の山間部において道路が大変重要な意味を持つというような質問がございました。
 私は奈良県選挙区から国会に送っていただいているんですが、奈良県も面積の約七割が山です。とりわけ奈良県の南半分を占めます吉野郡というのは急峻な山が続いておりまして、西側は十津川という川に沿った国道百六十八号線、東側は吉野川そして北山川に沿った百六十九号線、この二つの道路しかありません。その道沿いに住む方々にとってはこの一本道だけが正に生命線なんです。
 ところが、今年の一月三十日、国道百六十九号線が土砂崩れが発生いたしまして、三名の尊い命が失われました。それだけではなくて、今も通行止めが続いております。迂回路がようやく三月二日に開通いたしましたけれども、これは普通車しか通ることができません。ですから、迂回路が開通するまでは、そして大型車にあっては今もふもとの吉野まで、通常であれば一時間程度で行けるところを、距離にして二百三十キロ、四、五時間迂回しなければなりません。住民の方々は正に今、山に閉じ込められていると、こういう状況にあります。
 いろんな格差が語られますけれども、この地域的な格差、特に山間部に住まわれる方々にとって道路というのは大変重要な問題であります。この問題、何とか冬柴大臣において救っていただけないものかなと、このように考えておりますが、いかがでしょうか。
   〔委員長退席、理事吉村剛太郎君着席〕
#249
○国務大臣(冬柴鐵三君) 今、前川委員からお話のありました平成十九年一月三十日に発生いたしました国道百六十九号に対する大規模な土砂崩落によって三名の尊い命が失われました。亡くなられた方々に対して謹んで哀悼の意を表したいと思います。
 この災害が発生しました奈良県の南東部から三重県境に至る地域は、今お話がありましたように大台ケ原山系の急峻な山岳道路でありまして、その道路沿いに集落が点在をいたしております。その集落にとって国道百六十九号は正に生命線でございます。現地では現在も通行止めが続いておりますが、吉野郡上北山村、下北山村でお住まいの方々は、最寄りの市街である橿原市や大淀町へ移動するにもお話のありましたように四、五時間も要しておりまして、通常のおよそ三倍ないし四倍の時間を要するなど、大幅な迂回により大変な御不便をお掛けをいたしております。
 奈良県では、災害の原因究明とか一刻も早く国道を開通させたいということから、有識者から成る検討委員会を設置されています。また、それまでの住民の生活基盤の確保をするために、三月二日、普通車を対象に、まあ一方通行でですね、先導車を付けて、非常に狭いところで危険なところでございますので、県道や村道及び林道を利用した迂回路を開設したところでございます。
 国土交通省といたしましては、極めて重大な災害と認識をいたしておりますので、災害発生当日に専門家を現地に派遣するとともに、先ほど申しました奈良県のつくられた検討委員会の委員としても参画をさせていただき、原因の究明や応急対策工法、工事中の安全確保等について技術的な助言を行い、奈良県を支援してきたところでございます。また、災害発生当日から現地における監視体制を強化するために、衛星通信装置及び照明車を奈良県に貸与するなどの支援もしております。引き続いて人的、物的、技術的な面で奈良県を支援してまいりたいと思います。
 さらに、災害復旧事業や復旧後の道路改良事業に対してあとう限りの支援を国としてさせていただきたい、こんなふうに思っておりますので、大変御不便を掛けておりますが、その間よろしくお願いしたいと思います。
#250
○前川清成君 今お話しいたしましたのと同じ吉野郡の大淀町の町立病院で、昨年、妊婦さんが十九もの病院たらい回しされまして、六時間後に搬送されたけれども、とうとう産んだ我が子の顔も見ずして亡くなるというような悲惨な事件が起こりました。その救急医療という視点、あるいはお年を召されるとどうしても病院に通うことが多くなります。そういう意味では、老後の安心という意味からも、山岳部の道路、これは整備していく必要があるのではないかと私は考えております。
 私の個人的な経験ですが、今年のお正月に出初め式で日本一広い村、十津川村に参りました。その十津川村には、消防団員はいらっしゃるんですが、消防職員はいらっしゃいません。ですから、救急車がありません。救急車のない地域で暮らしておられる方がたくさんいらっしゃるということに私は驚きました。その救急車の代わりに搬送車というのがありまして、運転自体は奈良交通に委託をして、村の職員の方々が一緒に付き添うというようなことになっているんですが、この西側の百六十八号線、これもくねくねとした、場所によっては両側で一車線しかない、こんな道ですので、ふもとの五條市まで行くのに一時間三十分ぐらい掛かってしまう。これですと助かる命も助からないということになってしまいます。
 その緊急医療あるいは老後の安心という意味からも、山岳部の道路を整備していく必要があると考えておるんですが、冬柴大臣、いかがでしょうか。
#251
○国務大臣(冬柴鐵三君) 大変悲しい話も伺いました。そのような妊産婦の方が初めての我が子の顔を見ずに若くして命を絶たざるを得なかったということは誠にもう申し訳ないという言葉以外にありません。
 中山間地域では、人の移動は多くは自動車交通に依存せざるを得ないわけでございます。緊急医療を始め生活の様々な場面で道路が大きな役割を果たしていることはもう自明の理でございまして、その意味で道路整備が急がれる、あるいは必要性が高い、そういうところがある、たくさんあるという認識でございます。このため、国土交通省としては、安心して暮らせる地域社会の形成の観点から、救急医療施設への搬送時間の短縮や救急車の擦れ違いの確保など、広域交通を支える高速道路から日常生活を支える市町村道まで道路ネットワークを体系的に整備する必要があるというふうに考えております。
 今後も、国の財政は御存じのとおり大変厳しい状況ではございますけれども、高齢社会が急速に進展する中で、救急医療を始めとして中山間地域の生活基盤を支える道路整備につきましては重点的、効率化を図りつつ取り組んでまいりたい、このように思っております。
 道路特定財源の問題も、そのような観点から、急がれる道路整備については十九年中に私の方はその姿を示す中期計画を策定して、そしてまた地域の方に御意見を伺いながらこれを確定していきたいというふうに考えておりますので、今申されたような十津川のような場所について、重点的に、効率的にも整備を進めてまいる方向で検討させていただきたいと思います。
#252
○前川清成君 ありがとうございます。
 ちなみに、この十津川にとっては一本しかない百六十八号線なんですけれども、平成十六年から十八年までの三年間で土砂崩れ等で二十二回通行止めになっております。この点も是非御勘案いただいて、格別の御配慮を賜りたいとお願い申し上げます。
 残りの許された時間は、教育格差の問題について、文部科学大臣そして厚生労働大臣にお尋ねをいたしたいと思います。
 昨年の十一月二十二日、私は本会議で伊吹大臣にお尋ねをいたしました。格差が拡大していく中で教育の機会をいかにしてこの国に育つすべての子供たちに保障するかというお尋ねをさせていただきました。それに対して伊吹大臣の方からは、義務教育において機会均等は憲法上大切な権利でありますと、このようにお答えいただいたんですが、そもそも憲法には、その能力に応じて、ひとしく義務教育を受けることができるとは書いておりません。教育を受けることができると、こう書かれているんです。ですから、このときの伊吹大臣のお答え、趣旨がちょっと私、分かりかねておりましたので、御説明願ってもよろしいでしょうか。
#253
○国務大臣(伊吹文明君) 先生は法律家ですから、憲法をきちっと引いてお答えしなければならないと思いますが、憲法二十六条ですね。これは、先生が正におっしゃったように、すべての国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有すると。その後に、すべて国民は、法律の定めることにより、その保護する子女に普通教育、これは高等学校までのことですね、を受けさせる義務を負う。義務教育は、これを無償とすると、こう書いてございます。
   〔理事吉村剛太郎君退席、委員長着席〕
 ですから、普通教育も実は義務教育ではないわけでして、行く人、行かない人おられます。高等教育についても、行く人、行かない人、行きたいけれども行けない人もいるということもよく理解した上で申し上げております。
 ただ、義務教育については、これは無償とすると、そして国が義務としてこれはすべての人たちに教育を受けていただかなければならないということを申し上げたわけでございます。
#254
○前川清成君 司馬遼太郎さんの小説に「坂の上の雲」というのがあります。これは、没落した貧乏士族の家に生まれた子供が、秋山好古さんという人が、ただというだけの理由で、授業料が掛からないという理由で師範学校に行って、士官学校に行って、陸軍大学に学んで、そして最後は陸軍大将にまで上り詰めるというお話であります。
 この中で主人公は、親から貧乏が嫌だったら勉強しなさいと、こう教えられて育ちます。今の時代で、これは明治の初めの話ですけれども、今の日本で貧乏が嫌だったら勉強しなさいということはまかり通るでしょうか、伊吹大臣。
#255
○国務大臣(伊吹文明君) 秋山さんの実家は松山で、私も見に行っておりますが、大変質素なおうちでございますし、「坂の上の雲」は私も何度か読み返した本でございます。
 これは、先生、人それぞれじゃないでしょうか。もちろん、塾に通わせ、そして予備校に通わせ、進学校に通わせるには大いに金が要るという現実は、私は決して否定はいたしません。しかし、そこへ通わなくてもやってみようと努力をするという人もいると思います。ですから、お金ですべてが決するということは決していい社会では私はないと思いますけれども、人間の努力がまた必要だということも否定はできない事実だと思います。
#256
○前川清成君 賢明な大臣におかれては私の意図するところを酌み取っていただいていると思いますが、要するに、教育費が大変お金が掛かっていく中で、義務教育だけでなく大学も含めて、いかにしてその意思と能力のある子供たちに学ぶ機会を保障するかと、これが今政治において大変重要なテーマではないかなと思っています。
 それで、実は昨年末にエコノミストという週刊誌が出まして、この見出しが、子育て四千万円掛かりますよと、こう書いてあるんです。中を見ますと、教育費や食費等々、子供一人大学まで卒業させると二千五百万ないし四千万掛かりますと、こう書かれています。
 厚生大臣、厚生省においても子育てに要する費用について統計はございますでしょうか。
#257
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私どもの方に関係する団体でございますが、こども未来財団というところがございまして、ここにおきまして子育て家庭の経済状況に関する調査研究というものがございます。加えまして、平成十六年度学校基本調査等を見ますと、今委員が御引用になられたエコノミストの記事の中で、私どもとしてはそのうちの低い方の二千四百万円くらいかなと。これは、大学まで出したときの言わば必要費用、生活費用、あるいは選択的費用、それぞれすべてを含んだ費用として大体二千四百万円くらいということを資料としていただいておると、こういう次第でございます。
#258
○前川清成君 二人以上子供を持つことが健全だというふうにもお話しいただきましたけれども、いや、そのことをどうこう言うつもりはないんですが、ただ、一人仮に二千四百万だとしても、ちょっとその数字を聞かされますと、親としては二人持ちたくても一人で精一杯とか、あるいは三人、四人子供を産みたくても、その子供の未来のことを考えると、もうこの辺りでやめておこうかなと、こうなってしまうのではないかと。その意味において、子の教育費に、子育てに大変お金が掛かることが少子化の原因の一つではないかと思うんですが、厚生大臣、いかがでしょうか。
#259
○国務大臣(柳澤伯夫君) 少子化の背景と申しますか、少子化が経済的負担などの要因からのみきているかといいますと、私どもといたしましてはもう少し広く社会全体の在り方にかかわる問題だというふうに実は考えております。
 もちろん、経済的側面を否定するわけではございませんけれども、社会全体の在り方という観点から、十九年度予算などでは、地域の子育て支援策を充実させたり、あるいは働き方を見直したりとするような施策を含めて総合的な対策を講じておるということでございます。もとより、子育て家庭に対する経済的支援も平成十九年度予算案におきまして手だてを講じているところでございまして、もう委員つとに御案内のとおり、児童手当の乳幼児加算を創設するとか、あるいは育児休業の場合の給付の支給率をアップするとかというような、そういう措置をとっているところでございます。
#260
○前川清成君 先ほど伊吹大臣の方から、意思と能力のある者については大学まで云々というようなお話もありましたけれども、柳澤大臣、学歴と正規雇用、あるいは今問題になっております非正規雇用、関連はあるというふうにお考えでしょうか。
#261
○国務大臣(柳澤伯夫君) 平成十八年の総務省の労働力調査によりまして、非正規雇用者の属性をいろいろ見ますと、中学・高校卒という方々の中における正規雇用者の率が六三%、それから、短大・高専卒業の場合には正規雇用者の率が六六%、それから、大学・大学院卒の場合の正規雇用者は八三%ということになっておりまして、学歴が高くなれば相応に正規雇用の割合が高くなる傾向というものがそこで見て取れるということが言えようかと思います。
#262
○前川清成君 今大臣がお話しいただいたとおりなんですが、Jobサポートなら、奈良県地域労使就職支援機構というのがございます。これが厚生労働省の委託事業として、若年者の就労意識と実態に関する調査報告書というのを十七年の三月に出しております。
 これによりましても、正社員の四一%は大卒、しかし非正社員では大卒は二八%、フリーターでは大卒は一二・六%というふうになっています。正社員で高卒の方は二三%、フリーターで高卒の方は五〇・五%になります。大臣お話しいただいたとおり、学歴と就労形態というのはやはり関連はあると認めざるを得ないのではないかと、こんなふうに思っています。
 その関係で、その続きでお尋ねしたいんですが、非正規雇用者の収入、これはどの程度というふうに御認識いただいていますでしょうか。
#263
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは厚生労働省の統計でございますけれども、賃金構造基本統計調査によりますと、フルタイムで働いている労働者のうち、正社員・正職員の平成十七年六月分の賃金は三十四万九千円というふうになっております。それに対しまして、同じくフルタイムで働いている正社員・正職員以外の者の賃金は二十万七千九百円という、そういうことでございます。
#264
○前川清成君 約半分ということなんですけれども、総務省の労働力調査年報という資料がございます。これによりますと、非正規雇用者のうち、率にして七六・四%、非正規雇用者の七六・四%は年収が二百万未満、八八・五%は年収が三百万円未満になっています。
 就労形態と学歴、そして収入というのが正に直結しているわけでありますけれども、先ほど来、伊吹大臣からもお話ありましたけれども、要するに、塾や私立の一貫校などで教育に大変お金が掛かる、その結果親の経済力がそのまま子供の学力や学歴に反映してしまう、そして子供の学力や学歴がまた雇用形態に直結し、そして収入に結び付いてしまう。今度、子供が生まれてきたときに自分の子供たちに投資できる金額、これによってその教育の格差、これが子供たちの世代、あるいは、さらには孫たちの世代に固定化し遺伝してしまう。これは政治の責任として是非食い止めなければならないのではないかと。一生懸命努力した人とそうでない人に差が出ることは、安倍総理もおっしゃいましたけど、ある意味で当然かもしれませんが、努力したくてもできない人もこれは政治が何とかしなければならないと、こう考えているんですが、伊吹大臣、その教育格差について、この基本的な認識、いかがでしょうか。
#265
○国務大臣(伊吹文明君) 先生のおっしゃっていることは半分以上当たっていると思いますね。しかし同時に、私立、お金を掛けたところがいい学校だという前提でお話しになっていますが、私は必ずしもそうだとは思いません。その人の努力によって、例えば、今も冬柴大臣とお話ししていたんですが、昔は夜間の高校、大学へ通ってもきちっと資格を取って社会人になるというガッツのある人もいたということもまた事実だと思います。
 ただ、先生がおっしゃったように、数字で見ますと、一番低いケースで文科省の調査だと、例えば大学は国立でそれ以外がずっと公立の場合で、教育費は大学を卒業するまで八百二十万円ほど掛かります。で、小学校のみが公立でそれ以外がずっと私立で行った場合は倍以上、千五百六十万円ぐらいのお金が掛かります。
 これはどっちが、例えばどの大学がいい大学かというのはいろいろ差があると思いますが、国立志向というのも結構多いんじゃないでしょうか。そういうことから考えると、必ずしも私立へ行った人がいいということでは私はないと思います。ただ問題は、やはり塾あるいは予備校、こういうところにお金を掛けられる人が相対的に有利だということは先生がおっしゃるとおりだなと思って聞いておりました。
#266
○前川清成君 時間もなくなりましたが、半分は正しいとおっしゃっていただいたんで少し反論をさせていただかないといけないのは、もちろん、塾に通わずに、あるいは公立の中学校、高校を出ても東大に行く方もいらっしゃるわけで、この世の中においてその可能性がないという意味で議論しているつもりは全くありません。
 そうじゃなくて、私が申し上げたいのは、貧しい家庭に生まれた子供と豊かな家庭に生まれた子供ではスタートラインが違うんじゃないかと。貧しい家庭に生まれたらずっと後ろの方からスタートしなきゃいけない、豊かな家庭に生まれた子はずっと前からスタートできる。その結果、例えば努力の量が同じだったらどちらが先ゴールに着くかということを議論していかなければならないのかと思います。
 時間がなくなりましたが、この続きは教育費のことを具体的に指摘してまたさせていただきたいと思います。
 本日はありがとうございました。
#267
○委員長(尾辻秀久君) 以上で芝博一君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#268
○委員長(尾辻秀久君) 次に、峰崎直樹君の質疑を行います。峰崎直樹君。
#269
○峰崎直樹君 民主党・新緑風会の峰崎でございますが、今日もやっぱり格差問題にできるだけ焦点を絞っていきたいと思っているんですが。やはりこの格差問題を抽象的に議論しても仕方ないんで、ある事件を取り上げてこの問題点について是非皆さんと議論してみたいと。
 と同時に、今日は官房長官においでいただきました。官房長官、非常に商法改正だとか、こういうものに深くタッチしてこられました。私は、もう時間が、いつまでおられるのかちょっとはっきりしないんですが、私は、どうもこの商法改正が大変いい役割を果たしたのかどうかということの観点からすると、余りいい役割を果たしてきてなかったのかなと思ったりもするんです。この点、是非後で聞きたいと思いますが。
 その一つの事件を取り上げてというのは、私、昨年の二月から日興コーディアルグループの不正、粉飾決算問題、この問題を一貫して追及してまいりました。先日も、二月二十二日、財政金融委員会の集中審議で山本金融担当大臣を中心にしながらお話を聞かせていただきました。
 そこで大臣、今日予算委員会で初めて恐らく議論になると思いますので、日興コーディアル問題、今日も実はTOBが掛かるとか大変大きな問題になっておりますけれども、この日興コーディアルグループがなぜその五億円の課徴金を課されたり、あるいは社長や会長が辞任されたり、さらにはTOBが掛かるような問題を起きてきているのか、その点を分かりやすくひとつ説明をいただきたいと思います。
#270
○国務大臣(山本有二君) 日興コーディアルグループにつきましては、平成十七年三月期の有価証券報告書に重要な事項につきまして虚偽の記載があると認められたことなどから、昨年十二月に証券取引等監視委員会より課徴金納付命令の勧告が行われ、本年一月、課徴金の納付を命令したところでございます。また、その後、二月二十七日に同社からは有価証券報告書等の訂正報告書が提出されたところでございます。さらに、同社におきまして経営陣の交代等が行われ、またシティグループが昨日、同社株式について近く公開買い付けを実施する旨を公表しております。
 御指摘のこれらの事実の要因等につきまして、個別事案に関することでございまして、既に証券取引等監視委員会が認定した事実を越えて当局としてコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。
 いずれにいたしましても、一般論として申し上げれば、金融・資本市場がその機能を十全に発揮していくためには、企業における適切なガバナンスの発揮等を通じた適正な開示、金融商品取引の公正性、これが確保されることが必要不可欠と考えておりまして、金融庁といたしましては、これらの確保に向けて万全を期してまいりたいと存ずる次第でございます。
#271
○峰崎直樹君 なぜ五億円の課徴金を払うようなことをしたんでしょうか。もう少し具体的に、ちょっと分かりやすくその辺のところを。
#272
○国務大臣(山本有二君) まず、五億円の課徴金の事実でございますが、日興コーディアルグループ、親会社が子会社である日興プリンシパル・インベストメンツ、以下NPI、この連結の範囲にあるにもかかわらず含めなかった。そして、当該社債券の評価益を、虚偽の評価益を計上し、一般募集により五百億円の社債等を取得させ、それに基づいて係る非違事実を行ったと、こういう事実でございます。
#273
○峰崎直樹君 まだよく分からないと思いますね。
 お手元に資料一ページ目がございます。〇五年三月期と〇六年三月期、それぞれの決算の比較表、比較図と。今指摘されたのは〇五年三月期ですよね。〇六年三月期は、まだ金融庁は何にも手を下していないんです。これは後でまた質問します。
 ごらんになっていただくと、日興コーディアルという会社があります。これはいろんな持ち株会社です。下に日興コーディアル証券とか日興プリンシパル・インベストメンツ、これを略称してNPIと言います。ここまでは一〇〇%子会社です。その下にNPIH、日興プリンシパル・インベストメンツ・ホールディングス、これがSPC、これも一〇〇%子会社です。その下にベルシステム24という会社があります。これも一〇〇%子会社でスタートして、現在は九九・四%ぐらいで終わったというふうに私どもは聞いております。
 間違いございませんか。
#274
○国務大臣(山本有二君) 証券等監視委員会で認定した事実以外についてのコメントは差し控えますが、一般論としまして、まずこの日興コーディアルグループ特別委員会調査報告書、この報告書で明らかになった事実であろうと思っております。
#275
○峰崎直樹君 もうこれは事件になって告発したわけでしょう。そして、五億円をもう受領しているわけですよ。
 要するに、SPCを使ってそのベルシステム24をTOBを掛けて買収したと。買収した中でEB債というものをNPIHが発行して、それをNPIが買って、連結が外れているものだから、そのNPIが利益だけを取った。その代わり、その利益の反対である損失は、右のポケットから左ポケットに入れて百四十七億円出ました。そうしたら、片方は損しているんです。そのいわゆる飛ばしをやりましたね。このことがおかしいと、こういうEB債の発行日付もおかしいと、この二つを述べたわけですよね。
 その意味で、これはある意味では非常にエンロン事件によく似ていると、後でまたこの点振り返りたいと思うんですが。いずれにせよ、こういうことが起きてきましたねと。そして、これ〇六年三月期。金融庁にこの間も私お話ししました。三月期決算で百四十七億円のいわゆる益出しをやった。会社側は二月の初めに、実は翌年の〇六年三月期も百六十七億円ほど利益を益出ししておりました、これも粉飾決算でした、こう言ったんですよ。
 これに対する、金融庁としてはどう対応されているんですか。片方は五億円の課徴金で終わっているけれども、お隣の、右の方はどういう行政処分あるいは処分を考えておられるんですか。
#276
○国務大臣(山本有二君) この課徴金に係る事案については、証券取引等監視委員会の認定があり、そうして課徴金の支払命令が出たわけでございますが、その余の事実につきましては認定事実でございません。その意味におきまして、私の、大臣からは独立した機関の証券等監視委員会の判断になるわけでございまして、その意味では私からのコメントは差し控えたいと思います。
#277
○峰崎直樹君 非常におかしなことなんですよね。〇五年三月期は粉飾決算であったこともありました、百四十七億円。会社側は、〇六年も、三月期も実はやっていましたと言う。やっていたのに、その対する処分というのが何にも出てきていないというのはこれはおかしいんじゃないかな。まあ金融等監視取引委員会がやっているからということなんだろうと思うんですが、この点は今後はどういうふうになるのかもお答えにならないんですか。
#278
○国務大臣(山本有二君) 御指摘の〇六年三月期、百六十七億の粉飾をしていたという事実、これを社内の調査で認めている、そこでどうであろうかということでございますが、あくまで個別事案に関するコメントは差し控えさせていただくわけでございますが、一般論として申し上げれば、金融庁としては、提出されました財務諸表につきまして、仮に法令に照らして問題がある場合には法令に基づいて適切に対応していくことになるわけでございます。
 以上です。
#279
○峰崎直樹君 会社が粉飾やっていましたと言っているんですから、それに対する対応は当然取られてしかるべきだと思います。
 先に進みましょう。
 このいわゆる、先ほどもお話がありました報告書がありますね。日野元金融庁長官を委員長とするその報告書があります。その中で明らかになった点はどんなことが明らかになったか。重要な点を、三点あると思いますが、まず明らかにしてください。
#280
○国務大臣(山本有二君) 報告書の概要でございますが、NPIHの非連結、あるいはEB債の発行、発行日の遡及、こうしたことを活用してグループの利益操作の意図を共有する関係者によって組織的に行われたということが一つ、そしてEB債の遡及は九月期末にベル株が下落し評価損を抱えるリスクがほぼ回避されることが明らかになったタイミングで行われた疑いがあるということ、それから意思決定者がだれであるかということ、またその他の関係者の関与の事実について、以上のようなことが明らかになりました。
#281
○峰崎直樹君 ということは、組織的、意図的にそのいわゆる利益操作を行っていた、これは粉飾決算だと、これでよろしゅうございますね。
#282
○国務大臣(山本有二君) 一般に粉飾であるという定義がございません。その意味で、粉飾の用語は、実情を隠して見掛けを良くすること、装い飾ることと、こういう意味に用いられているものと承知しております。
 個別事案の評価について、既に証券取引等監視委員会が認定した事実を超えて、当局として軽々に申し上げることは慎むべきだと考えております。
#283
○峰崎直樹君 どうも聞いていて、歯切れが非常に良くないですね、今日は、大臣。
 そこで、法務省当局に聞きますが、こういう形で粉飾決算をやっていましたですね、組織的、意図的に利益を出した。そして、それはだれがやっていたのか、平野NPI、日興プリンシパル・インベストメンツの前会長、山本日興コーディアルグループの前常務、そして有村前社長もその責任は逃れられない、こう書いてあります。
 粉飾決算をやって、そしてその責任者が明らかになっている。このことについて、なぜこの方々は五億円の課徴金だけで済んでいるんだろうかなと、こういう疑問が私のところに随分寄せられます。どのように考えておられるんでしょうか。
#284
○政府参考人(小津博司君) 委員のお尋ねは個別の事案に関する捜査機関の具体的活動内容にかかわる事柄でございますので、私の方からお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。
 あくまで一般論として申し上げれば、検察当局は法と証拠に基づき刑事事件として取り上げるべきものがあれば適切に対処するものと承知しております。
#285
○峰崎直樹君 この日興コーディアルの報告書が出されて、そしてその報告書に基づいて我々は今議論しているわけです。この報告書は高く評価されました、山本大臣もですね、うん、よくやっている、もうこれで終わりだというような雰囲気が出ていましたけれども。しかし、この粉飾があったと、そしてだれがやったかも分かっている。ここまで分かっていて、そして今世間は、日興コーディアルがシティグループにTOBを掛けられるんじゃないかとか東証一部上場を廃止されるんじゃないかとか、いろいろ言われているわけです。
 そうすると、それだけ問題になっていても、なおかつこれは法と証拠に基づいて一般論でというふうに、まだやはりそういう段階にとどまっているということなんでしょうか。
#286
○国務大臣(山本有二君) 日興コーディアルグループにおきまして過去に不適正な会計処理が行われていたという事実はおっしゃるとおりでございます。
 日興コーディアルグループにおきまして、今回の事態を受け、一部役員等が退任するとともに、旧経営陣に対する損害賠償請求を行うことを決定したということも承知しておりますが、個別事案の関係者の責任の在り方等について行政当局として予断を持ってお答えすることは差し控えさせていただきます。
 いずれにせよ、金融・資本市場の信頼性を確保していく上で企業財務情報の開示が適正に行われることは極めて重要でございまして、各企業の経営者等におきましては適正な開示の確保に向け万全を期していただきたいと考えておるところでございます。
#287
○峰崎直樹君 官房長官、できるだけ早く帰ってきていただきたいと思います。
 そこで、この粉飾問題で関与したとされている監査法人に対する責任、あるいは公認会計士法に基づく会計監査法人に対する調査というのは行われているんでしょうか。
#288
○国務大臣(山本有二君) まず、旧中央青山監査法人の責任でございますが、個別事案に係る監査法人の責任に関する具体的なコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
 一般論として申し上げれば、企業財務情報の信頼性の確保につきまして重要な役割を担うべき公認会計士あるいは監査法人が、仮にその職責を果たさず適正な監査を行っていなかったとすれば、法令に基づき職業専門家としての責任が問われていくものと考えております。
 また、調査をしているかでございますが、公認会計士法に基づく調査につきましては、関係者の権利、競争上の地位、その他正当な利益を害するおそれがあること、将来関係者の協力が得られにくくなることなど調査の遂行に支障を来すおそれがあること等から、その着手の有無を含め公表を差し控えさせていただいているところであり、御理解をいただきたいと思います。
 あくまで一般論として申し上げれば、監督当局として情報収集を行う中で公認会計士法上の問題となる事項が認められれば、必要な調査を行い法令により適切に対応することとなるわけでございます。
#289
○峰崎直樹君 ちょっと一般論一般論で続いていてなかなか皆さんに分かりにくいんで、ちょっと具体的な話を今度少し聞きたいと思いますが、日興コーディアルグループは、〇五年三月期に百四十七億円だけでなくて、〇六年三月期でも百六十七億円の粉飾をしたということを認めました。
 そこで、課税当局にお聞きしたいんですが、当然これ粉飾をしていってこれだけ多く利益を見せた、税金それだけ高く払っている。そういう過払いは一体全体これは、まあ言ってみれば戻してもらえるんでしょうかね。
#290
○政府参考人(加藤治彦君) 個別の問題でございますので一般論としてお答えさせていただきますが、法人の利益に仮に不正な利益があるという場合は、これは本来ですと当然正しい経理に基づく税額計算にするというわけですが、こういう不正の場合には減額更正をしないということもございます。
 ただ、これはあくまでも私どもの税務当局の主体的な行動としてそういう規定があるということでございまして、もし減額更正の請求が出てくれば、それに対してはこたえざるを得ないということでございます。
#291
○峰崎直樹君 現段階において更正、減額更正出てますか。
#292
○政府参考人(加藤治彦君) 個別の点についてはお答えを差し控えさせていただきます。
#293
○峰崎直樹君 これは、やがて問題になるのは、要するにそれだけ税金の過払いをしていれば、これは会社側に損害を与えているわけですよ。そして、これは背任罪になるんじゃないんでしょうか。そういう罪に当たるというふうに思いませんか。これはどの大臣に聞いたらいいのかな。
#294
○政府参考人(小津博司君) お尋ねの趣旨が一定の事実を仮定しての犯罪の成否ということでございますれば、恐縮でございますが、犯罪の成否は個別の事案ごとに証拠に基づいて判断されるべき事柄でございますので、お答えを差し控えさせていただきます。
#295
○峰崎直樹君 これは、やがて有価証券報告書等でその税金の過払いというものが明らかになってくる段階で、またそれも我々も注意深く見詰めていきたいと思いますが。
 実は、四ページを開けてください。十八年三月期というのは、平成十八年三月期決算をめぐる監査法人の動きなどということを時系列を追って書いております。問題の発端は、平成十七年十二月二十八日に月刊現代二月号で封印されたスキャンダルと題する記事が掲載をされました。翌日もう既に反応いたしまして、日本経済新聞が損益が不明確なSPC、日興に連結要請、中央青山と。もうすぐ中央青山監査法人はびくついたんですね。そして年が明けて、通常一月六日というのはまだ松の内でしょう、奥山中央青山理事長と有村社長がミーティングをする。その概要はそこに記載しているとおりです。
 要するに、連結の対象としてSPCを含めるか含めないか。ずっとその監査委員会、結構機能しているんですが、実は私がここへ出てまいりまして、平成十八年二月三日、参議院の財政金融委員会でこの問題を追及しました。おかしいじゃないかとやったわけですね。そのときの金融担当大臣、与謝野さんは、仮に問題があるとすればこれは調査をしますということを宣言していただきました。
 以下、ずっとこのやり取りは書いておりますけれども、要するにSPCであるNPIHを連結に含めるか含めないかの議論をずっとやっているんですよ。
 最終的にどうなったのかということで、じゃ連結に一気に加えましょうと、このときは日興コーディアルの方はしきりに言うんですよ。いやいや、今まで連結、いいと言ったじゃないかと、連結外していいと言ったのに、何でこれから連結で、付けなきゃいけないんだということについて、奥山さんもなかなか説得できないものだから、日本公認会計士協会のお墨付きをもらってきたといって大したお墨付きじゃないものを出されたんですけれども。
 いずれにしろ、その最終段階では三人で話をしている。どういうことを話したかというと、五ページ目ですけれども、三月二十七日と三月二十九日、中央青山と有村社長の最終ミーティングですね。ここでどういうことが決まったかというと、今まで過去の決算においては考え方は正しかった、しかし財務諸表の透明性を高めるため、期末からは連結すべきと主張した、有村社長もSPCの一律連結を受け入れたと、こうなった。
 めでたしめでたしということになったのかと思ったら、実はこのNPIHというのは、その前の年の七月に、七月決算に決算期を繰り替えて、十月二十五日に全部これは空っぽの休眠法人にしたんです。空っぽの休眠法人にしたんだけれども、実はその売買差益がそこの中に残っておりました。恐らく二百九十億円ぐらいだろうというふうに言われています。これ、今日時間ありませんからこれ以上追及しませんが。
 ここで重大なミスが実は起こっているんじゃないんだろうかというふうに思うんですが、この点、重大なミスだというふうに、大臣、お答えありませんか、山本大臣。
#296
○国務大臣(山本有二君) 峰崎委員の大変眼光紙背に徹する調査能力というのは敬服する限りでございますが、何度も申し上げているように、個別事案のことで、証券取引等監視委員会に係る事実でございまして、私からは独立した機関でございますので、コメントは差し控えたいと思います。
#297
○峰崎直樹君 要するに今、〇六年三月期からは全部連結しますと言ったんですね。そうすると、ベル24などと連結していたNPIHは十月二十五日に休眠法人になったんですよ。
 ところが、〇六年三月期というのはその前の年の四月一日から始まるんです。四月一日にもうさかのぼって実は連結しなきゃいけなかったんです。連結した途端に右のポケットから左のポケットに行く利益だから、利益が生じていたものが必ず損になって、これはチャラになっちゃうわけだ。チャラになっているにもかかわらず、チャラにしないで、いや二百何十億残っていて、それを全部丸ごとその利益を同じように〇六年三月期に上げようとしたら、いやいや、配当は百六十七億円までしか出ませんよといって中央青山から止められたんです。ということは、完全にこれは連結に、前の年の四月一日からさかのぼれば、生じていない利益を架空上上げてしまったということになるんじゃないですか。私の言っている意味、分かりますか。
 ということは、この粉飾決算をリードしていったのはだれなのか。どう見てもこれはやっぱり奥山さんじゃないかと思うんですよ。元金融庁の顧問でしょう。是非これは予算委員会で奥山理事長を、元理事長を参考人として招致したいと思う。委員長、よろしくお願いします。
#298
○委員長(尾辻秀久君) 理事会で協議をいたします。
#299
○峰崎直樹君 これでまだ序の口なんですけれども、もう本当に時間がどんどんどんどん過ぎてしまいました。
 そこで、そういう粉飾決算をやった、ここでライブドアと日興コーディアルをちょっと比較してみて、二ページ目です。ごらんになってください。分かりやすく書いたので、もしかしたらポンチ絵が部分的に間違っているかもしれませんが、連結の範囲をめぐっていえば、ライブドアとライブドアファイナンス、これは実態、一〇〇%の子会社です。そこに投資事業組合をくっ付けて利益を上につり上げた。日興コーディアルの方もNPIは一〇〇%です。そして、SPCを利益のみ計上した。同じ構図じゃないですかね。法務大臣、これいかがでございましょうか。
#300
○国務大臣(長勢甚遠君) 犯罪の成否ということについてのお尋ねであれば、先ほど来刑事局長申し上げておりますように、捜査当局において法と証拠に基づいて考えることでございますので、法務大臣としてはお答えを差し控えをさせていただきます。
#301
○峰崎直樹君 要するに、ライブドアと同じことをやったんですよ。片方は刑事被告人ですわ。片方は五億円の課徴金ですわ。何か思い出せませんか。
#302
○国務大臣(長勢甚遠君) こういう金融問題、先生ほど詳しくありませんので、ちょっと思い出せと言われましても。よろしくお願いします。
#303
○峰崎直樹君 自由民主党の先生方、思い出すでしょう。金丸さんが五億円をいただいていて、そして二十万円の略式で終わった事件がありましたよね。たしかありました。あれは東京佐川かな。あのときに、国民にどんな怒りが出てますか。
 私も別にライブドアを褒めているわけではないんですよ。しかし、ライブドアと日興コーディアルという証券市場をつかさどっているところとどちらが悪質だというふうに思いますか。ここら辺はどなたに、法務大臣も金融担当大臣もお答えください。両方答えてください。
#304
○国務大臣(長勢甚遠君) 一般的な見方はいろんな見方もあるのかもしれませんが、私は法を担当している立場では、先ほど言いましたように、犯罪であるかどうかという点に関して言えば、先ほど申し上げたことしか言えないというのが私の立場でございます。
#305
○国務大臣(山本有二君) ライブドア事件との比較でございますが、やはり私の方は、金丸事件との比較ということについて想起したこともございませんでしたし、今突然言われても、ちょっと何のコメントもございません。
#306
○峰崎直樹君 時間がどんどん過ぎ去っていきますので先にもう進みますが。
 今日は東京証券取引所からおいでになっておりますが、上場廃止問題がスクープされたりしているんですけど、その辺りはどうなっていますか。
#307
○参考人(長友英資君) お答えいたします。
 先生御存じのとおり、当該銘柄は今監理ポストに割当てをしておりまして、審査中でございます。先の見通しについて言及することは、市場の売買に大きな影響を与えるということもございますんで、大変申し訳ございませんが、お答えを差し控えさせていただくことを御理解いただきたいと思います。
#308
○峰崎直樹君 先日、あらた監査法人から追加訂正報告書が出ました。こういうものはもう既にごらんになって判断をされているんでしょうか。
#309
○参考人(長友英資君) 二月の二十七日にあらた監査法人から訂正報告書が出まして、それも基にいろんな審査をしている最中でございます。
#310
○峰崎直樹君 いつごろ何かこの上場問題については結論出されるんですか。
#311
○参考人(長友英資君) 現在審査をしておりまして、すべてのことが私どもとして理解し、把握をし、判断ができるという状況になった場合には速やかにそれを決定を下したいというふうに思いますが、今の段階でいつというふうに申し上げることは差し控えさせていただきたいと存じます。
#312
○峰崎直樹君 その際のその上場廃止する場合は、どういうところに着目をされるんですか。
#313
○参考人(長友英資君) 当然のことでありますが、今回のことにつきましては、その額の大きさの件、それから特に問題になりますのは影響の重大性の問題、それから組織的関与があったかどうか、様々な観点から審査をいたしております。
#314
○峰崎直樹君 影響という点では、資本市場の担い手であるということは考慮されますか。
#315
○参考人(長友英資君) 基本的に資本市場の担い手ということになりますと、子会社を抱えている日興コーディアル証券というところがターゲットになりますが、現在ではホールディングの方が実際に監理ポストに入っているということであります。上場会社を基本的には色分けをして見るということは考えておりません。
#316
○峰崎直樹君 あれ今、親子上場ですか、これ。
#317
○参考人(長友英資君) 違います。ホールディングだけが上場しております。
#318
○峰崎直樹君 であるならば、それはその証券市場部全体も大きな影響を持っているんじゃないですか。そうじゃないですか。
#319
○参考人(長友英資君) 上場廃止の審査ということにつきましては、ほかの上場会社と同列の考え方で、スタンスで見るということをお答えを申し上げました。
#320
○峰崎直樹君 そうすると、ホールディング会社といわゆる単体の会社と同じように扱っていいということですか、それともホールディング会社はホールディング会社だけを見るということですか。
#321
○参考人(長友英資君) 上場会社という立場で考えますとホールディングスということになりますので、あくまでもホールディングスを上場会社と認定をして我々としては審査をしております。
#322
○峰崎直樹君 中核的にこれは証券をつかさどっている企業であることは間違いないですね。
 そこで、TOBの話が今出て、シティグループが名のりを上げているんです。今日、質問通告しておりませんが、金融担当大臣、シティグループは過去、日本において今金融庁から処分を食らっていると思います。どういう中身でしたでしょうか、御存じでしょうか。──ちょっと質問通告していないから、もし分からなければいいです、私の方で答えましょう。
 要するに、二〇〇四年に、行儀が悪いことばっかりやって、法律違反ばっかりやっていたわけですよ。コンプライアンスに欠けていたわけです。それで、いわゆるプライベートバンキング部門が、実はこれはシティはやめさせたわけですよ。今度、もしTOBを掛けたとき、いや、一緒に合併しましたと、そうしたら、グループの中のいわゆるプライベートバンキング部門があるんですよ。これは除外するんですか、それともそれも含めて認めるんですか。
#323
○政府参考人(三國谷勝範君) 具体的な話でございまして、今ここで正確にお答えする材料を持ち合わせていないことをお許しいただきたいと存じます。
#324
○峰崎直樹君 その辺りは認可をされるときによく我々は検討してもらいたいなと。決して外資が駄目だということを言っているんじゃないんですよね。そういうコンプライアンスに欠けて処分をされた企業ですから、それが一体これから入って何をするかというのは大変心配です。
 そこで、実は官房長官がいてほしい時間帯に入ってきたんですが、ところで、なぜこういうふうに粉飾事件が多発して、なくならないんでしょうかね。金融担当大臣、官房長官あるいは法務大臣、お答えください。
#325
○国務大臣(山本有二君) 企業財務情報等が適正に開示されることは極めて重要でございまして、ディスクロージャーをめぐる不適切な事例が度々生じていることは大変残念でございます。
 一方、一般論として申し上げれば、不適正な会計処理に基づく開示につきましては、それぞれの事案ごとに、例えば真実の財政状態を意図的に隠ぺいしようとしたものや会計処理基準の適用誤り等に基づくもの等、様々なものが考えられます。その要因等につきまして一概に申し上げることは困難と考えるところでございます。
 いずれにいたしましても、金融庁といたしましては、仮に提出された財務諸表に法令に照らし問題があれば、今後とも法令に基づき適切に対処してまいりたいと考えております。
 また、金融商品取引法におきまして導入されました内部統制報告制度の円滑な施行に努めるとともに、監査の充実強化に向けた公認会計士法の改正案を今国会に提出するなど、適切な開示の確保に向けた制度面の整備にも万全を期してまいりたいと考えるところでございます。
#326
○峰崎直樹君 法務大臣、どうですか。
#327
○国務大臣(長勢甚遠君) 今、山本大臣からお答えしたとおりだろうと思っています。
#328
○峰崎直樹君 法務大臣、私質問通告してあると思いますよ。
 私は、会社法、商法改正がずっと続いてきたわけですよ。その中で、例えばガバナンスを変えてきたわけでしょう。そういうのが役に立ったんですかどうかを聞いているわけですよ、これ。どうですか。
#329
○国務大臣(長勢甚遠君) 御指摘のとおり、商法につきまして、これまで会社の企業統治というものを強化をしていく、そして会社経営の健全性を確保するために様々な改正を積み重ねてきたと承知をいたしております。これらの改正によって、通じて、多くの会社においては、その趣旨、目的に沿った健全な経営が図られてきたものと考えておりますけれども、それにもかかわらず一部の会社で事件が起きておるということは誠に遺憾なことと考えております。
 十七年改正で、先生よく御存じだろうと思いますが、会社について、内部統制システムの整備の決定を義務付けるなどの従前の商法の規律に更に見直しを加えておるわけでございまして、法務省としましては、今後とも各会社において会社法の規律が適切に運用され、健全な企業経営がされることを期待する立場にあります。
 また、今後ともその運用の動向を注視をして、必要に応じて適切な改正も検討が必要あればしてまいりたいと思っております。
#330
○峰崎直樹君 また、官房長官帰ってこられたらそこら辺また戻りますが、もう一回日興コーディアルの問題に戻ります。
 この問題の背景には何があったというふうに調査委員会の報告書は述べていますか。山本大臣、お答えください。
#331
○国務大臣(山本有二君) 恐らく、峰崎委員御指摘の向きは、従来の粉飾決算は企業の赤字を隠すためにやむを得ず粉飾したのに対し、今回の事件は業績連動報酬が原因で役員が私腹を肥やすために行ったのではないかという点ではなかろうかと思っております。
#332
○峰崎直樹君 もう既にこの間の質問の中で明らかにしたんで、皆さんはなかなか分からないから、そこは調査委員会の報告書ではどういう問題が背景にあったからこういう粉飾をしたのかということは言っているんですよね。
 要するに、業績連動型の賞与、報酬、そしてNPIには、日興コーディアルグループにはストックオプションがある。この問題がどのぐらいの金額になっているのかということは、NPI、すなわち日興プリンシパル・インベストメンツという子会社のところで三千万円から、毎年ですよ、一億二千万円、このいわゆる報酬連動型の賞与が払われたと書いてある。親会社はもっと払っているんですよ。
 要するに、今までの企業犯罪というのは会社のために粉飾をする、これからは自分のために会社からお金をふんだくっていく、こういう犯罪が起きたんではないですかということを言っている。これはもう大変、それは今までの企業犯罪の中でもちろんいろいろ過去に例があったと思うんですよ。大変大きな質的な転換が起こっているんだというふうに思っています。
 法務大臣、そういうふうに思われませんか、この今の話を聞いていて。
#333
○国務大臣(長勢甚遠君) いわゆる粉飾決算と言われるものは、先生御指摘のようなことが多かったのかなと思いますし、今の件につきましては、そういうことがあったのかなということでありますから、いずれにしても金融というか会社経営の中でいろんなことが変化は生じてくるだろうと思います。
 いずれにしても、そういう粉飾というようなことがないようにしていくことが最も大事なことだろうと思いますし、そういうふうにまた検討すべき点はしていきたいと思います。
#334
○峰崎直樹君 日興コーディアルのOBの方にお聞きしたら、多分、ここから先は多分としか言えないんです。社長は年俸九千万、それから業績連動が五千万から一億五千万ぐらいの間だと。ストックオプションが一円で十万株毎年もらっているはずなんだ。こういう数字なんですよ。こういうことを聞いて、全部このストックオプションも業績連動になるんですよ。そうしたら、やはり自分の利益を、利潤を高めるために、あれ、エンロンがそうだったんじゃないんですか。ケネス・レイとかスキリングとか、ああいう方々がやったのも、実はストックオプションを持っていてそれを売り抜けていったと。似てませんか、これ。これはもう新しい私は犯罪だと思うんです。
 そこで、ストックオプションについての課税で聞きますが、一円でストックオプションがもらえる、しかもそれはいつでも、もちろん売り払えればすぐ、十万株ですから、今回TOBに掛けている千三百五十円だったら一億三千五百万か、これだけ毎年入ってくるんです。この課税はどうなっています。
#335
○政府参考人(加藤治彦君) お答え申し上げます。
 ストックオプションの権利行使による利益の課税につきましては、給与所得として総合課税の対象となっております。
#336
○峰崎直樹君 私は、ストックオプションというのは導入した方がいいんじゃないかと思った時期がありました。この委員会でもそういう話をしたことがあります。しかし、一円のストックオプションというのは初めて聞きました。
 大抵、今の株価の去年の、前年度の一番低い金額、これでもらって、それをいかに高めるかという、これが経営者の努力だと思う。一円でもらうというのは、これ贈与じゃないんですか。ちょっとまた課税当局にお聞きします。
#337
○政府参考人(加藤治彦君) あくまでも会社と雇用契約の下にストックオプションが提供されます場合は、それは給与ということになります。
#338
○峰崎直樹君 分かりました、なるほど。やっぱりこれは給与なんですね。はい。
 そこで、資料を見てください。資料の何ページ目になりましょうか、後ろの方です。ロナルド・ドーアという日本の労使関係を研究されている有名な方がおりまして、最近、だれのための会社にするのかという岩波新書、私どもは明日朝この方をお呼びして勉強会をやりますが。この八ページを見てください、株主天下への軌跡。
 バブルが崩壊するまでの四年間、全企業、大企業、中小企業、中堅企業は省いてありますが、その時代には、従業員の給与も伸びも、役員賞与も、それから配当も、まあ大企業というのは配当を余りしてなかったんだなと、もうちょっとしてもいいぐらいだなというふうに思います、これでいけば。ところが、二〇〇一年から二〇〇四年の増加率を見てください。配当七一%、役員給与、賞与は五九%の伸び、その代わり従業員給与は大企業ではマイナス五%。これ今、大企業のことだけ申し上げました。変わっていませんか、質が。
 法務大臣、それから金融担当大臣、これについて、あるいは財務大臣も、これは是非お答えいただきたいんですが。
#339
○国務大臣(尾身幸次君) ただいま初めて見た表でございまして、私なりによく拝見させていただいて、また必要なときに感想を述べさせていただきます。
#340
○国務大臣(長勢甚遠君) もう今財務大臣がおっしゃったとおりでございますが……(発言する者あり)
#341
○峰崎直樹君 資料はしてないから。
 いいです、どうぞ答えてください。
#342
○国務大臣(長勢甚遠君) この状況についてどうかという御質問ですか。
#343
○峰崎直樹君 そうです、そうです。
#344
○国務大臣(長勢甚遠君) だから、今財務大臣お考えをおっしゃられましたが、私もそういうふうに思いますが、会社というものはどういうふうに経営されるべきかは、いろんな観点から考えなきゃいかぬなということは思いました。
#345
○国務大臣(山本有二君) 従来は税引き後利益は配当へというような考え方でございましたが、税引き前にも従来におきましては賃金への反映ということが会社業績の反映の最も大事なところであったと思いますが、ややそうした傾向が変化、ややどころか大分変化しているということは言えようと思っております。
#346
○峰崎直樹君 官房長官がおられないんで、これは官房長官にも全部質問してあるんですけれども、誠に残念で仕方がありません。また別の機会にやらざるを得ないのかなと思いますが。
 そこで、今のお話とちょっと関連が、ちょっと話外れるかもしれませんが、格差の問題との関係で、実は、グローバリズムが格差を拡大をする、こういう本がスティグリッツというノーベル経済学者が最近出されました。経済成長すれば必ずそれはおこぼれが働く人たちに落ちてくるんですよ、トリクルダウンとよく言う。かつては日銀のダム論と言いました。ところが、アメリカのいわゆる経済成長をずっと言ってみると、中産階級が没落をして、そして一握りの経営者、あるいは一握りの専門家は非常に高い収入を得るけれども、どんどんどんどん貧困層が拡大している、ワーキングプアが拡大している、こういう報告があるんです。
 これも余り十分質問通告をしておりませんが、このいわゆる賞与を、先ほどの業績連動型の賞与をごらんになって、お聞きになって、これは日本もひどいことになるんではないかというふうに思われませんか。これは三人の大臣に、ちょっと感想で結構ですから。
#347
○国務大臣(尾身幸次君) 格差一般論について申し上げますと、経済社会の活力を高めていくためには、機会の平等の下で努力した人が報われるようにするとともに、格差が不公平、不公正な原因により生まれ、また固定化することのないようにしていくことが重要であると考えています。
#348
○国務大臣(長勢甚遠君) ちょっと法務大臣の所管、ちょっと余り関係あるのかどうかよく分からないんでお答えをしにくいんですけれども、まあ、経済が成長をする中で健全な社会が維持されるべきだろうと思いますんで、先生の御指摘もまたよく考えてみたいなと思いました。
#349
○国務大臣(山本有二君) いかなる報酬体系が取られておりましても企業財務情報の適正な開示が行われなければならないという点は当然でございまして、また、企業経営者におきましてはこうした点を十分自覚した経営が求められるものと考えております。
 また、企業のスケールが大きければ大きいほどその社会的責任も大きく、比例的に大きくなるわけでありまして、公正、公平という観点が必要だろうというように思っております。
#350
○峰崎直樹君 法務大臣、私、法務大臣失格だと思うんですよ。
 この前のページ、七ページを開けてください。そこにもロナルド・ドーア氏が指摘をしたことだけを、商法、証券取引法、労働関連法規の主な改正履歴をそこに記載をいたしました。ごらんになっていただいて、何か感想ございませんか。
#351
○国務大臣(長勢甚遠君) 先ほど御答弁申し上げましたが、企業の健全な企業統治のための商法改正を今までもずっと続けてきておるわけでありまして、今後とも、その健全な経営が維持されるように動向を見極めて対処をしていかなければならないと思っております。
#352
○峰崎直樹君 ずっと、一九九三年商法改正、私、最初に本会議質問したテーマです。このときにも質問しましたよ。このいわゆる商法改正で本当に会社はきちんとガバナンスが利くんですかと。当時の法務大臣、にやっと笑われて余り答えられなかった。それは法務委員会でも質問しました。
 ずっと商法改正、持ち株会社解禁、ストックオプション導入、ずっと入っていますよ。この改正について総括的に何が言えるか。私の方から言います。ほとんどすべてと言っていいほど、アメリカの現行制度に近づけてます。ほとんど多くは、経営者の選択肢を広げることが目的になっています。そして二番目に、今の言ったことに比較して、会社に負担を掛け会社を規制するような措置は極めて少ない。これをやってきたのが今までの商法改正だったんじゃないんですか。だからこれに関係しているんですよ、格差問題にも。
 会社法が昨年改正されたけれども、実はこの間の経過って見てると、会社の自由になるようなことばっかり、経営者がやりたい放題できるようなことばっかりやってきたんじゃないですか。どうですか、その点。
#353
○国務大臣(長勢甚遠君) それぞれの改正において国会でも御審議を賜り、また各方面での御苦心をいただいて改正をしてきたわけでございます。当然、企業の自由な競争が公正に行われるようにという観点からの改正もありましたし、また健全な経営をするための改正もあったわけで、それらを総じて、合わせて、今後日本の活力を持つ公正な社会を構成するようにやっていっていただきたいと、またそうしなければならないと思います。(発言する者あり)
#354
○峰崎直樹君 それでは、ちょっと具体的にお聞きしますけど、商法改正の中で自社株の解禁とか消却の解禁みたいなのが行われているんです。こういったことについてはどのように判断されていますか。
#355
○国務大臣(長勢甚遠君) ちょっと具体的なことでございますので、民事局長から答弁させていただきたいと思います。
#356
○政府参考人(寺田逸郎君) 御指摘のとおり、昭和四十九年以後様々な商法改正が行われてきたわけでございますけれども、御指摘の自己株式あるいはストックオプションというのは、経営者に対するインセンティブを与えるというような趣旨で導入されたものでございます。しかし、この反面、非常にディスクロージャーの面では強化するとか、あるいは監査役の権限を強化するとかいうバランスは取っているわけでございまして、決して一方的に経営者の側に有利な改正をしているという趣旨ではございませんので、ひとつそこは御理解を賜りたいところでございます。
#357
○峰崎直樹君 それじゃ民事局長に聞きます。
 どうしてこんなに粉飾決算や企業の内部統治が余り前進しなかったんですか。
#358
○政府参考人(寺田逸郎君) 私どもも、こういう企業にとって必ずしも好ましからざる事態が起こるということについては、これまでも様々に対策を考えてきたわけでございまして、会社法の中でも、先ほど申しましたようなディスクロージャーとか、あるいは委員会設置会社において内部統制システムも非常に強化するというようなところもあったわけでございます。
 結果は、私どもとしては、全体の会社にはよく受け入れられているというふうに考えているところでございますけれども、一部なお、必ずしも御趣旨を正確に理解していただけないところもあるわけでございまして、今後もその趣旨の徹底に努めたいと、このように考えているところでございます。
#359
○峰崎直樹君 答えになってないと思いますね。
 要するに、これは商法改正、会社法は非常にこの格差問題で大きな影響持ってるということだけ取りあえず指摘します。
 もう時間ないんで、財務大臣、日本の所得税は総合課税というのを建前にしてますか。
#360
○国務大臣(尾身幸次君) 所得税は、垂直的公平を確保する観点から累進税率により所得再配分を行う税であるため、その課税ベースとなる所得はできる限り包括的にとらえる必要があり、広く公平に税を負担する所得税の理念として、総合課税が原則であります。
#361
○峰崎直樹君 そうですよね。総合課税が原則です。
 そこで、最後のページ見てください。九ページ。所得税の平均実効負担率、一番上。これは、最近出された本の中から引用さしてもらいました。ごらんになって、税額控除における課税の漏れというのはちょっとなかなか難しいんですが、分離課税による課税の漏れ、これは要するに金融所得です、金融資産所得です。これだけ実は漏れてるんです。これ、総合課税すればこれが入ってまいります。どうですか、これ二兆円になりますよ、財務大臣。これだけの漏れで、我々が見たら。その点についてどういうふうに考えておられますか。
#362
○国務大臣(尾身幸次君) 金融所得につきましては、勤労性所得に対する税負担とのバランスを踏まえつつ、貯蓄から投資への政策的要請を受け、また簡素で分かりやすい中立的な税制を構築する観点から、実質分離課税としているところであります。
 したがいまして、個人所得課税の基本的な枠組みとしては総合課税を原則としつつも、所得の性質等を踏まえて、所得の種類によっては分離課税を組み合わせることが適切であると考えているわけであります。
#363
○峰崎直樹君 時間になりましたので、最後に私の意見だけ述べて終わりたいと思いますが、先ほど日興コーディアルのある経営者の年収をお伝えしました。こういうふうに、もうだんだんと質が変わり始めているんです。そういう高額所得者が増えてくるときに、これから一番重要になってくるのは、これを悪いと言ってるんじゃない、これがどのように課税が正確にきちんと捕捉されるかと。そういう意味での総合課税という考え方をきちんと取り入れていかないと、日本という社会はアメリカと同じように大きな格差がどんどんどんどん広がっていくという、そういう社会になっていくということを大変危惧しております。そのことを私自身の意見として述べて、また別の機会に質疑をさしていただきたいと思います。
 終わります。
#364
○委員長(尾辻秀久君) 以上で峰崎直樹君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#365
○委員長(尾辻秀久君) 次に、澤雄二君の質疑を行います。澤雄二君。
#366
○澤雄二君 公明党の澤雄二でございます。
 最近、インフルエンザの澤と言われておりますけれども、めげずに今日もこの質問をさせていただきたいというふうに思います。
 インフルエンザ対策というのは、国民の生命にかかわることはもちろんでございますけれども、この当委員会でいろいろ議論されております経済とか雇用とか格差とか、そういった政策が、もしかしたらこのインフルエンザ対策、誤ったがゆえにすべて御破算になるぐらいの破壊力を持っている、そういうふうに考えておりますので、今日も少し詰めた議論をさせていただきたいというふうに思っております。
 最初に、当委員会で、二月の五日、先月の五日に、新型インフルエンザ対策に関連して、検疫体制の強化と、それから来年度のプレパンデミックワクチンの生産と備蓄について質問をさせていただきました。そうしましたら、厚生労働省の方に早速検討を進めていただきまして、先週の金曜日に、これに関するところの行動計画をすべて改定をしていただきました。また、昨日の閣議でこれに対応した予算措置もしていただきました。政府のこの速やかな対応に対しまして、柳澤厚生労働大臣、それから尾身財務大臣、国民に代わりまして心から感謝を申し上げるものでございます。
 そこで、この行動計画がどのような趣旨でどのように変わったのかということを、改めてこの委員会の席で厚生労働大臣から御説明をいただきたいと思います。
#367
○国務大臣(柳澤伯夫君) 近年、澤委員から度々、また非常に適切に御指導をいただいておりますとおり、世界的に高病原性鳥インフルエンザ、H5N1が継続的に発生いたしまして、鳥から人への感染死亡例も数多く報告されるに加えまして、人から人への感染の危険性も急速に高まっているという指摘がWHO等で行われているわけでございます。また、本年一月下旬には宮崎県及び岡山県におきまして高病原性鳥インフルエンザが相次いで四例発生いたしまして、我が国におきましても人への感染について一層の対応を行う必要性が急速に高まっていると、こういう認識でおるわけでございます。
 そうしたときに、二月五日に澤委員からの御質問もありました。また他方、安倍総理から私に対して、新型インフルエンザ対策につきましては万全を期するようにという指示がございました。
 そこで、厚生労働省におきましては、この総理指示を踏まえまして、新型インフルエンザ対策の強化について検討し、その結果、発生時における確実な蔓延防止などの万全の対応を期する観点から、現下の状況を踏まえ、緊急に措置すべきものにつきまして、新型インフルエンザ対策行動計画を改定することといたしました。
 今回の改定のうち具体的な内容といたしましては、一つ、入国者に対する有症者の早期発見と検疫体制の強化のため、有症者の対応に必要な備品、検査機器等の整備、それから二つ、今後のウイルスの変異等に対応したプレパンデミックワクチンの原液の製造、この二点を主とする内容のものでございます。
 なお、行動計画の改定を受けまして、その実施に必要な財源につきましては、緊急的な措置として、今御指摘のとおり、予備費で対応することにいたしまして、昨日閣議決定をいたしたところでございます。
 以上でございます。
#368
○澤雄二君 今の御答弁の中で、総理大臣からの強い指示があったというふうに承りました。大変ありがとうございます。感謝を申し上げます。
 それでは、質問に移らせていただきますが、最初に、世界の鳥インフルエンザの状況がどうなっているかということについてお伺いをしたいと思います。
 どれだけ準備を万全にしていても、今どこで何が起きているかって正確な情報をどれだけ早くキャッチできるかということがすべて決め手だと思っております。厚生労働省は今世界の鳥インフルエンザの状況についてどういう状況をどう分析されているか教えてください。
#369
○国務大臣(柳澤伯夫君) WHOの公表によりますと、平成十五年十一月以降の高病原性鳥インフルエンザの患者の発生状況は、平成十九年三月一日現在、発生国十二か国、前回より一か国増えたかと思います、患者数二百七十七人、そのうち死亡者百六十七人となっております。
 これまでのところ、人―人への感染性を獲得した新たなインフルエンザウイルスや病原性の変化を示唆する方向はなされておりません。しかし、鳥インフルエンザの人への感染につきましては、アジアにおいては、インドネシア、中国以外にも、今年に入ってラオスで患者が発生いたしております。さらに、アジア諸国だけではなくて、ナイジェリアやエジプトなどアフリカ諸国でも患者が発生いたしました。こういう状況でございまして、正に予断を許さない状況にあると、このように見ております。
 今後とも、高病原性鳥インフルエンザの感染拡大及び新型インフルエンザの発生に対しまして、より一層情報収集に努めますと同時に、新型インフルエンザ発生時における感染予防、蔓延防止、これに万全を期してまいりたいと考えております。
#370
○澤雄二君 特にインドネシアについてお伺いをしたいと思いますけれども、たしか去年の五月、インドネシアでは、情報によりましては、人―人―人といいますか、ヒト型に大変近いウイルスが発生したという情報もございます。世界で一番危険な地域、つまりヒト型が発生する一番可能性が高い地域という情報もございます。このインドネシアの状況についてどのように判断をされていますか。厚生労働大臣。
#371
○国務大臣(柳澤伯夫君) インドネシアにおきまして高病原性鳥インフルエンザに感染した患者は、二〇〇五年に発生して以降、現在まで増加の一途をたどっておりまして、これまでの患者数は八十一名、うち死亡者数六十三名ということでございます。今年に入りましても患者は引き続き発生いたしておりまして、これまでに患者数六名、死亡者数五名が報告されておりまして、他国と比較いたしましても非常に多く、予断をこれまた許さない状況にあると認識をいたしております。
#372
○澤雄二君 インドネシアは大変広い、島に分散をしている国でもございますし、それから開発途上国でもございますので、仮に鳥インフルエンザにかかったとしても、かかった人たちがそれが鳥インフルエンザと分からないで死んでいくような事態も一杯あるというふうに聞いておりますし、大体、医療機関そのものがインドネシアは大変数が少のうございますから正確な把握ができていないというような情報もございます。アメリカの企業ではもう既に撤退準備は終わったと、何かあったときにはすぐ撤退できるというようなことを、もう準備は終わったというような情報もございます。
 外務大臣に伺いますが、インドネシアの在留邦人に対してどのような指導をされているか、どういう対策を取られているか。
#373
○国務大臣(麻生太郎君) 御指摘のありましたように、今フェーズが3になっておりますんで、このフェーズは1から6まで御存じのようにあります。これが、フェーズが4に上がるというところになりますと、これは私どもとしては、いわゆる在留邦人に対してということをいたさねばならぬ時期になるだろうと思っておりますんで、今の段階でフェーズ4に上がることがほぼ間違いないと言われるような話がWHOから我々のところに必ず来ますんで、その段階になったらどうすべきかということは、ホームページでこうする、例えばいわゆるメールサービスでこう流すというような段取りはいたしておりますけれども、まだそこまでは至っていない。ただ、来た場合はこうするという段取りは一応整えております。
#374
○澤雄二君 外務大臣にもう一度お伺いしますが、具体的に今インドネシアの在留邦人に対して、どういう対応を外務省はされていますか。
#375
○国務大臣(麻生太郎君) 今の段階はフェーズ3と思っておりますんで、今の段階で何を、これを特にしているというわけじゃない。フェーズ4に上がることが確実となったときにすべきことを言っております。
 どういうことをするかというと、例えば渡航者に、今からインドネシアに行く人に対しましても、ここらは危険があるんですよと、ここは。だから、そういうことはあらかじめきちんと対応していただきますよということを申し上げるのと、現地にいる在留邦人に対しましては、言っておきますけれども、今これがフェーズ4が確実になりますと、もうそこから脱出、いやいや出国だ、出国できなくなる可能性がありますよという話やら、移動が制限されるということになりますんで、今の段階でそこの地域から離れておかれないとという話は全部、そういうことになるということは既に伝えてあるということだと思いますんで、そこらのところがどれだけ早く情報が取れるか。
 また、WHOの本体に上がってくるのに時間が掛かりますんで、WHOの支部はフィリピンやらあっちこっちにございますんで、そこらのところで、なった段階で我々にという段取りは一応終わっております。
#376
○澤雄二君 具体的な対応についてどうしておっしゃらないのかよく分からないんですが、インドネシアでは、多分日本企業でありますとか日本人学校でありますとか、そういう人たちを交えて外務省、大使館と一か月に一回協議会を開いて対応についてお話をされているというようなことも伺って、そのほかの対応もいろいろされていて、外務省は十分対応されているんで、その話を外務大臣なぜされないのかなって不思議に思ったんでございますが、今外務大臣言われたとおりであります。
 フェーズ4になると、もう例えば日本国内では二日か三日と言われています。物すごいスピードでもって感染するだろう。ですから、対応が一番大事なときというのはフェーズ4になる前、直前であります。ですから、その状況を情報として世界各国から取るためには、多分WHOの情報に頼っていただけでは駄目だと思います。
 インドネシアを例に取りますと、インドネシアは観光資源でもっている国でございますから、そこで出たというような情報が流れると観光客が行かなくなる。そうしますと、できるだけ抑えておきたい、国益にかかわるから。ですから、そういうところが世界各国にあるとなれば、WHOに入ってくる情報で判断しては、多分日本は事を間違えるだろう。事前にどれだけつかまえるかということだと思います。
 今外務大臣の御決意伺いましたんで、厚生労働大臣、そういう情報分析、収集が必要だということで、御決意をもう一度。
#377
○国務大臣(柳澤伯夫君) 新型インフルエンザが国外で発生した場合、その情報を可能な限り早く迅速に正確に入手することが我が国の対策を講ずる上で極めて重要であると、御指摘のとおりであります。
 新型インフルエンザ対策におきましては、関係省庁による対策会議を設置しまして、平成十七年の十一月にもう御案内の新型インフルエンザ行動計画を策定し、政府一丸となってこれを進めているところでございます。
 情報収集の点ですけれども、厚生労働省におきましては、この計画に基づきまして、まあ先生今、WHOを待っていてはというお話もございますが、まず基本としてはWHOから加盟国政府への連絡による情報、それから第二番目にWHOが国立感染症研究所等、各国研究機関と構築しているネットワークからの情報、それから第三に発生国政府が公表する情報、これにはまあいろんな限界があるということは御指摘のとおりかと思います。それから、外務省を通じての在外公館からの情報等を迅速に収集しているところでございます。
 また、各国政府や研究機関の連携を強化いたしておりまして、その各国の専門家間で形成している国際的なネットワークを通じましての情報を収集しておりまして、新型インフルエンザ発生時の情報入手の上で迅速を欠くというようなことのないように努めているところでございます。
#378
○澤雄二君 先ほど厚生労働大臣、ナイジェリアで新しく今年になって死者が出たという御報告がございましたけれども、ナイジェリアは大変な飢餓状況になっていて、川面に鳥がたくさん死んでいる、多分鳥だろうと言われています。飢餓でありますから、その鳥を食べている。まあ七十五度以上に温めるとウイルスは死にますが、その前に羽をむしって食べているわけですから、感染している可能性が大変高いとも言われています。それが、死んでもどれぐらいの死者がいるかということがよく、まあ内乱もあってサーベイランスもよくできていないというような状況がございます。
 新型インフルエンザが現れるというのは哺乳類に感染すればするほどその可能性が高くなってくるわけでございますから、アフリカで新しくそのナイジェリアと、それからエジプトでも死者が今年は出たということを聞いております。そういう危険性も非常に高まっておりますので、どうか外務省と厚生労働省、協力して外国の情報収集に努めていただきたいと心からお願いを申し上げます。
 それから、次に伺いたいのはタミフルでございます。
 タミフルについてはかねてから副作用が言われて、最近もその幻覚、妄想で自殺というような子供の話もあります。改めて、先日も御答弁いただいておりましたが、改めてこの副作用について今厚生労働省はどういう見解を持っているかというのをお聞かせください。
#379
○国務大臣(柳澤伯夫君) タミフルにつきましては、これまで小児科医等の臨床専門家による個別の死亡症例等の評価、検討が行われておりまして、それについてまたこの専門家会議でも確認をいたしておるということが一つございます。
 それからまた、小児等における異常言動等の発現状況に関する疫学的調査を行っておりまして、タミフルを服用したか否かにかかわらず異常言動の発現に有意な差が見られなかったこと、こういうような調査結果を得ておりまして、こうしたことから、いろいろ報道のあります事故、痛ましい事故でございますが、それとタミフルとの因果関係については我々は否定的ということでございまして、現段階でタミフルの安全性に重大な懸念があるとは考えておりません。
 一方で、タミフルを服用していない場合におきましても、インフルエンザウイルスに感染した場合、御指摘のような異常行動、言動が発現することが認められるとの報告もございます。このような状況の下で、厚生労働省といたしましては、インフルエンザに罹患しタミフルを服用したと見られる中学生が転落死するという痛ましい事故が二月に入って続けて起こりましたことから、このような事故を防ぐために考えられる可能な限りの対応を取るために、去る二月の二十八日にインフルエンザ治療開始後の注意事項を医療関係者等に周知したところでございます。
#380
○澤雄二君 新型インフルエンザの治療薬としては今のところタミフルしかありません。リレンザという薬がありますが、これは吸入器でございますから、言ってみれば対症療法なので根本的に治すことはできないというようなことがございます。ですから、命の綱はタミフルだと思います。
 この後質問しますが、予防的投与にもこのタミフルを使おうと考えておられますので、そうなると、長期間、何千万という大勢の人がこれを服用することになります。したがって、この副作用の問題については、これからもいろんなもしかしたら治験が得られる可能性がございます。各国からも新しい情報入ってくる可能性もございますので、それは、もう終わったではなくて、これからもずっとその検証は続けていただきたいということをお願いしておきたいと思います。
 このタミフルでございますが、今も少し申し上げましたが、今厚生労働省が精力的にガイドラインを、もう少し詳細な対応策についてガイドラインでおまとめになろうとしていると聞いております。早ければ今月一杯と聞いておりますけれども、その中で、タミフルをこれまでの行動計画では治療薬として使わないということでございましたけれども、予防的投与ですね。封じ込めだとか社会的機能維持者が感染しないためにそういう予防的投与に使おうということを新たに行動計画の中に書き加えられました。このことについて御説明ください。
#381
○国務大臣(柳澤伯夫君) 新型インフルエンザ発生時におきましてタミフルの投与によって感染の蔓延を防止することはWHO等におきまして推奨されておりまして、タミフルを備蓄することは感染拡大を防ぐ対策上極めて重要だと考えております。また、患者と濃厚接触をしやすい医療従事者等に予防投与を行うことは、新型インフルエンザ感染拡大時におきましても医療機能を維持する等のために極めて重要であると、このように考えております。
 こうした専門家の間でも指摘されており、新型インフルエンザ対策に万全を期するために予防投与に必要な抗インフルエンザ薬の備蓄を行うことについて行動計画を改定しまして、これに必要な経費について、先ほど申したように予備費で対応することとしたと、こういうことでございます。
#382
○澤雄二君 実は、このタミフルの予防的投与に対する対応につきましても、二月五日、時間がなくて質問できませんでしたけれども、質問通告でさせていただいておりまして、それに対しても対応していただきまして、これについても感謝をしたいというふうに思いますが。
 予防的投与ということになりますと、治療薬だと五日間飲めばいい、しかし予防的投与ということになりますと、感染期が続いている間ずっと飲み続けなければいけない。例えば、救急隊員だとか社会的機能維持者はそうでございます。そうすると、治療薬よりも多分たくさんのタミフルが必要に将来なるだろうということが思いますので、昨日予算的措置をしていただきましたが、今後も検討を続けていただいて、これについての見直しといいますか、それも逡巡しないでやっていただきたいなということをお願いしておきます。
 次に、お配りしているグラフをちょっとごらんいただきたいというふうに思いますけれども、このグラフはアメリカのCDCが発見して発表したものでございますが、一九一八年のスペイン風邪のときのアメリカのフィラデルフィアとセントルイスにおける死者の数の違いをグラフにしたものでございます。衆議院の予算委員会で民主党の末松議員もこのグラフを御使用になっておりました。
 このグラフは実数ではございません。十万人単位の都市で同じような状況が一年間続けばこれぐらいの死者の数になりますということを週間当たりにしてつないだグラフでございます。ちょっと面倒くさいんですが、お分かりいただけるのは、青色のフィラデルフィアと赤のセントルイスでは死者の数が圧倒的に違うということがお分かりいただければいいというふうに思います。
 なぜこんなに違うのか。二枚目の説明を見ていただきたいんでございますが、セントルイスでは一九一八年の十月五日に最初の死亡報告がありました。それから一週間以内に市長が、いろんな抵抗はあったんでございますが、学校を始め劇場、映画館、市民集会、そこに書いてあるようないろんなイベントの集会、それから開会等を禁止いたしました。市民にはできるだけ外に出るなと。つまり、一種の閉じこもり戦略作戦をこの市長はやったんでございます。その結果がこのグラフの差になって表れたと。一目瞭然でございますけれども、このことはいろんなことを教えてくれています。
 国立感染症の岡田晴恵先生、最近よくテレビに出ておられますが、この岡田先生によりますと、素早い対応によってセントルイスの死亡率は〇・三%であるのに対してフィラデルフィアは〇・七三%、つまり二倍以上に死亡率が高くなっている。それから、このグラフの差異が出たのは、セントルイスは先ほど言いましたように死亡報告があってから一週間以内にやった。しかし、フィラデルフィアは二か月以上遅れた。そのときの発症率は一〇・八%になっていた。つまり、感染率ができるだけ低い間にやらなければ効果がないということをこのグラフは表しています。
 それで、このグラフで我々が最も注目しなければいけないのは、このときセントルイスとフィラデルフィアの町で何が起きたかということであります。つまり、フィラデルフィアでこれだけ多くの人間が短期日の間に死んだということは、社会的影響を物すごく与えたということであります。つまり、厚生労働省がガイドラインで守ろうとしている社会機能維持者がばたばたばたと死んでしまった。つまり、救急隊員とか消防士とか警察官だとか、それから電車の運転手だとかそういう人たちが一遍にいなくなった。それから、感染率が高まりましたから、みんな家に閉じこもってしまった。つまり、社会が物すごく混乱して、生産性も非常に落ちたということであります。それを防いだのがセントルイスだということでありますので、このことが我々が一番注目しなければいけないことだというふうに思います。
 このグラフを見て、最初の死亡報告があってから一週間ぐらい余裕があるのかということは絶対思わないでいただきたい。それはもう移動のスピードが、それから人口密度がこのときと全く違いますので、今は日本全国二日か三日と言われておりますので、対応を決断するのに逡巡をしないでいただきたいというふうに思います。
 このグラフでもこういうことを教えてくれていますので、そこで、我が国も各省庁ができるだけいろんな準備、対応をしておくことが大事だと思いますので、少し個別に、省庁別にお話を伺いたいというふうに思います。
 最初に、総務大臣に救急隊員について伺いたいというふうに思います。流行期に入ると多分真っ先に被害を受けるのは医者と救急隊員だと。つまり、一一九番されますので、救急隊員が真っ先に患者と接触をするだろうと。そうすると、何も対応策がないと、救急隊員というのは次から次へと倒れていくことになります。去年の予算委員会それから総務委員会でも対応についてお伺いしましたが、どのような準備を進めていらっしゃるのか、総務大臣、お願いします。
#383
○国務大臣(菅義偉君) 昨年の四月にも総務委員会で御指摘をいただきました。そうした指摘を受けまして、新型インフルエンザ専門家会議に、検討会に私どもも参画をさせていただいております。過日、公表されました新型インフルエンザに関するガイドライン案の取りまとめに当たっても厚生労働省と連携を深めております。
 具体的には、例えばタミフルについては封じ込めの初期段階において救急隊員に優先的に予防投与すべきこと、勤務体制については、公共交通機関の利用の回避や補助要員の確保等に努めるべきこととされるとともに、備蓄すべき感染防止資機材、例えばマスクだとか手袋等でありますけれども、具体的基準が明らかにされております。こうしたことを受けまして、感染防止資機材の備蓄等の新型インフルエンザ対策に必要な経費を新たに交付税で措置することといたしました。
 いずれにしろ、全国いつどこで発生するか分かりませんので、すべての地域に付けられますように、関係省庁、公共団体と連携をして対応していきたいと思っています。
#384
○澤雄二君 事前にお話を各省庁聞かせていただきましたけれども、消防庁が一番進んでいるというふうに感じまして、最初に質問させていただきました。タミフルの備蓄、それから防護服、それから公共の交通機関で救急隊員が通ったら、その段階で感染してもう仕事ができなくなります。それをどうやってしないかということまで消防庁は検討していただいております。
 次に、文科大臣に伺いますが、文科省は各省庁の中で真っ先にこの行動計画、インフルエンザ対策の行動計画をまとめてくださいました。少子時代で最も大事な子供の命をどのように守ろうとしているのか、お聞かせください。
#385
○国務大臣(伊吹文明君) 従来のインフルエンザについては、累次通知を発出し、毎冬に注意を喚起しておりますが、今先生の御指摘になりました新型インフルエンザにつきましては、これはまあ先生の御注意も後押しをした結果だと思いますが、平成十八年の九月の二十二日付けで全国の公立学校を所管しております都道府県教育委員会、私立学校を所管しております知事部局に対しまして通知を発出いたしております。
 この通知の内容は、まず新型インフルエンザから子供の命や健康を守るためには、教職員や保護者が正しい情報に基づき冷静かつ適切に判断し行動することが重要であるという大原則を述べております。その上で、国内あるいは国外で新型インフルエンザが発生した場合には、その発生の状況、それから症状や感染経路、予防のために必要な留意事項、症状を呈した場合の対応について、文科省から迅速に学校関係者に情報を提供するということがまず書かれております。
 それから、国内で未発生の段階においても、国外で発生した場合には、新型インフルエンザの国内での発生に備えて、あらかじめ学校、教育委員会や保健部局、この連絡体制をきちっとつくっておくということを教育委員会にお願いをしてございます。それから、国内で新型インフルエンザが発生した場合、これはもう当然のことですが、人込みを避け、マスクの着用、うがいの励行を子供に徹底させること、学校から保護者に、子供に異変が生じた場合は必ず医療機関に相談をすること等を教育委員会に対して述べております。
 それから、一番大切なことですが、子供に新型インフルエンザが発生した場合には、感染の拡大を防ぐため、直ちに学校において出席停止の措置をとる、場合によっては学校の臨時休業の措置を検討するということを、この点は先生、実は非常に残念なことは、現在の法制では文部科学大臣が命令をすることはできません。ですから、命令ができる教育委員会に、学校閉鎖を実際に行う校長に必ずその命令をしてもらうように要請をすると。
 以上のようなことが行動計画の概要でございます。
#386
○澤雄二君 大変ありがとうございます。
 国立感染研の情報センターのあるシミュレーションによりますと、学校で一%、ですから百人に一人の子供が発生して学校閉鎖、学級閉鎖をしたときにどれぐらいの感染率かというと、四九%というシミュレーションを国立感染研がやっております。つまり、百人に一人、子供が風邪を引いて学校閉鎖をしたんでは、もう四九%の子供が命が脅かされるというシミュレーション結果でございます。
 ですから、できるだけ早く、患者が出ないうちに状況をつかまえて学校閉鎖、学級閉鎖をするという対応をしていただきたい、これからも考えていただきたいと。アメリカではそのことを徹底しております。そのために、学校を休んでいる間のカリキュラムを学年別に作って、もう配付をしているというような準備が行われております。どうかよろしくお願いをしたいというふうに思います。
 次に、経産大臣にお伺いいたしますが、経済、大打撃を被ります。第一生命の経済研究所の試算によりますと、最初の一年間でGDP、日本で四・二%、二十兆円減衰するという試算もありますが、こういう事態を防ぐためには、閉じこもりを含めていろんな総合的な政策が必要だと思いますが、現在どのようなことを御検討されていますか。
#387
○国務大臣(甘利明君) 今先生の御指摘は、第一生命経済研究所が試算をしてはじいた、要するに半年間、土日祝日こもって外へ出ないで、そうすると消費がその分だけ減りますから、それがGDPに与える影響ということだと思っております。
 今経済産業省では、企業向けのガイドライン、これは厚労省が策定中であります。これと併せて、各企業に対して、その啓蒙をいたしているところであります。具体的に、三月の五日、六日、それから十四日も関係団体、企業等に対しまして説明会を開催をします。毎回二百人以上が参加をしております。
 ランダムセレクトで企業の対応の現状を探ってみました。そうしましたら、対策本部の設置であるとか緊急連絡体制の再確認とか医療機関との連携の保持とか、そういう危機管理体制の構築はかなりの部分、かなりといってもランダムセレクトで半分ぐらいです、は取っております。ただ、この事業運営体制について検討している企業が極めて少ない、これはこれからの段階だというふうに承知をいたしております。
 いずれにいたしましても、ガイドラインが策定されますから、それに沿って行動計画を定めて徹底をしたいと思っております。
#388
○澤雄二君 アメリカでは議会の予算局が試算をして、GDP、最初の一年間で五%減衰するという試算を出しております。そのためにアメリカでは、労働力を守れば、いっときしのげば回復できるということで従業員を守る対策に万全を期しております。
 各ジャンル別にシミュレーションをしていて、例えばライフライン系ではコンピューター化されているので三五%いれば大丈夫と。それから、金融機関では預け入れ業務を停止すれば今の四割いれば大丈夫だというようなことで対応を考えているということでございます。日本も是非、労働力が残っていればいっときGDPが落ちても回復はできると、そういう観点で対策をお願いしたいというふうに思います。
 一つ具体的にお尋ねしますが、ライフラインの中で最も重要なのが電力であります。電力が止まってしまったら社会機能全部止まってしまいます。この電力の供給を守るためにどのような対応をお考えでしょうか。
#389
○国務大臣(甘利明君) 御指摘のように、こういう事態のときにライフラインがちゃんと機能するということが一番大事であります。今具体的には、交代要員の確保だとか従業員等への感染の拡大の予防をするための措置について検討を進めているわけであります。
 更に申し上げますと、この電力分野に関しましては、まず社内に対策本部を設置をすると、危機管理体制を整備すると。それから、代替要員の通勤、これ公共交通を使えませんから、通勤それから宿直を含む勤務体制の整備。それから、感染の拡大を予防するために必要なマスク、それから手洗い用の消毒液等の備蓄。実はこの備蓄内容を確認しましたらゴーグルが入っていませんでした。先般、先生のお話を伺って、目からの感染も同様に防止しなきゃならないということで、この質問をいただいた時点で私からゴーグルの備蓄についても指示をいたしました。
 それから、電力の融通については、もう既にでき上がっていますが、このシミュレーションの実施をして、ライフラインがきちんと機能するようにということを対応をしております。
#390
○澤雄二君 どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 同じくライフライン関係で総務大臣に伺いますが、こういうふうに企業ができるだけ外に出さないようにということをすると、家庭内で仕事をするということが増えてくる可能性があります。その場合に最も大事なのが電話回線とそれからパソコンのコンピューターの通信回線でございますが、これはどのように守ろうとされていますか。
#391
○国務大臣(菅義偉君) 電気通信ネットワークは国民の安全だとかあるいは社会経済維持のために不可欠である、そういうことの中で、インフルエンザが流行した場合においても確実な機能を私どもはつくる必要があるというふうに思っています。
 具体的に申し上げますと、電気通信事業者に対しては、電気通信事業法に基づき、予備回線の設置、さらには非常事態が生じた場合の対応策を定めた管理規程の整備、このことを実は義務付けております。そしてまた、これを受けまして、非常時等に迅速かつ的確に対応するための、新型インフルエンザも含めた疫病、流行病の発生を想定リスクの一つと位置付けまして、サービス継続のための要員や場所の確保等の対策を定めた危機管理マニュアル、このようなものも策定をいたしております。
 また、急速なネットワーク技術の進展を踏まえて、非常時も含めた電気通信ネットワークの確保、円滑な運用を図るための安全性、信頼性対策について、現在、情報通信審議会で御審議をいただいています。
 私ども総務省としましては、この審議の結果を踏まえて、電気通信事業者に、電気通信ネットワークの維持運用、これを円滑にかつ確実に行うような措置に努めてまいりたいと考えています。
#392
○澤雄二君 ありがとうございます。
 次に、日本の国を守るかなめは自衛隊でございます。自衛隊員は、駐屯地、それから隊舎というクローズドサーキット、それから自衛艦に乗っている人たちというのは艦船の中という、それもすごく狭いクローズドサーキットの中で国を守るための役割を果たしているわけでございますが、こういう閉鎖的な中でどうやって自衛隊員をお守りなさろうとしていますか。
#393
○国務大臣(久間章生君) 鳥から人へ、あるいは人から人へという形になってまいりますと、大変なことになります。そのときに自衛隊に、隊員に対していろんな要請がされるわけでございますけれども、まず、しかし自分たちを守ることも大事でございますから、まず駐屯地の中に蔓延しないように入口で防ぐ、それから外出をできるだけ控えさせるというような形で外との接触を控えていく、消毒を徹底する、そういうことが必要でございますし、それと同時に、中でもし発生した場合には、その人たちの健康管理に、入院をさせるとか、あるいはもう就業の制限をするとか、そういう形で、もうとにかく広がらないように、早く終わるようにしたいと思っておりますし、それとまた、外部との接触をどうしてもやらざるを得ない人たちのためにはタミフル等についても優先的にそれを使えるように、今もまあ保有はしておりますけれども、そういう確保を図っていく。
 それで、プレパンデミックワクチン等についても政府の方にお願いをして、今のタミフルで十分かというと、私は正直言って、この問題についてはやや疑問がございます。やっぱり鳥から鳥へのワクチンで、鳥から人、人から人へのこのウイルスとは全然違うだけにこれはなかなか難しいとは思いますけれども、やはり新しいそういう研究を、鳥から人にうつった場合にはそれを中心としてそういうワクチンの開発を急ぐべきだということを政府にお願いしているところであります。
#394
○澤雄二君 国を滅ぼすのは爆弾よりも、原子爆弾よりも生物化学兵器の方がという意見もございます。別にこれは生物化学兵器ではございませんが、万全の対応を取っていただきたいということ。
 それからもう一つは、これは余り申し上げにくいことでございますが、例えば人の埋葬等その他で災害出動の要請があるかもしれません。その対応はどうされますか。
#395
○国務大臣(久間章生君) 今、生物化学兵器に対応するための化学防護服というのも用意しておりますから、これはかなりのものがございます。しかしながら、量からいってそんなにたくさんできないかもしれませんが、やはりそういう意味ではもっと、例えば、極端な言い方をすればもう使い捨てるような、その代わり完璧な防護服を調達するというような、そういうことまで考えて、そういう遺体の埋葬等に携わるときにも自分が感染しないように、それはもう本当に万全の注意を払うようにしていきたいと思っております。
#396
○澤雄二君 金融担当大臣にお伺いします。
 パンデミックに入りましたら、多分株価は大暴落、経済は大混乱いたします。証券取引所をどうやって維持するか、それから金融機関どうやって守るか、大事だと思いますが、対応をお願いします。
#397
○国務大臣(山本有二君) 新型インフルエンザにつきまして、昨年六月のサミット財務大臣会合でも金融分野を含めそのリスクについて言及されるなど、国際的に高い関心が寄せられております。こうした状況を踏まえまして、金融庁では、新型インフルエンザ等の伝染病を含む災害への対応をしっかり行うよう、監督指針等で金融機関に求めております。
 銀行の対応状況を見ますと、既に主要行におきまして伝染病への対応も盛り込んだ業務継続計画を策定済みであると同時に、新型インフルエンザに特化した計画を策定している銀行も存在しております。具体的には、感染者等の出勤抑制等の感染防止対策、決済業務を最優先とする等の顧客対応策や業務継続策などが定められております。
 また、証券分野では、日本証券業協会が危機時における証券市場の事業継続の在り方を議論するBCPフォーラムを設置しておりまして、昨年十月に中間取りまとめを発表する一方、証券取引所におきましては業務継続計画の整備に取り組むなど、実務的な議論を継続しているところでございます。
 金融庁といたしましても、関係省庁、業界団体等と密接に連携を図りつつ、今後とも、金融機関や市場関係者等に対し適切な危機管理体制の構築を促してまいりたいと存じます。
#398
○澤雄二君 厚生労働大臣にもう一度お伺いをいたします。
 パンデミックに入ったときにいろんな人たち、社会機能維持者を守るということで、ワクチンそれからタミフルの予防的投与、優先順位が付けられておりますが、この中にマスコミの人間、私がマスコミの出身だというんではありませんが、つまり、情報、正確な情報がどれだけ国民に伝わるかによって、もし風評その他うわさが下手な形で伝わると大変なパニック、混乱を招きます。ですから、場合によっては、官房長官、総理大臣が度々国民に呼び掛けるような事態もあるかもしれません。
 ということで、客観的にその社会機能維持者にマスコミの人間を入れた方がいいと思いますが、どうでしょうか。
#399
○国務大臣(柳澤伯夫君) 現在作成中のガイドライン案におきましては、社会機能維持者については、国民生活や社会機能の破綻を防止するために最低限必要と考えられる業務に従事する者といたしておりまして、具体的には、先ほど来個別に御審査をいただいた救急隊、消防、警察、自衛隊、電気、ガス、水道、食料供給、通信、交通等を挙げているところでございます。
 社会機能維持者にどのような業務が該当するかにつきましては、国民生活や社会機能の維持という観点から、専門家によりまして議論を更に深めていく必要があるだろうと、このように考えております。最終的なガイドラインの中にその結果を具体的に盛り込んでいきたいと考えておりますが、今日のこの応答ぶりはもう事務局もよく聞いておりますので、その点も勘案しながら取り組んでもらうように指示いたしたいと思います。
#400
○澤雄二君 最後に、官房長官にお尋ねをいたします。
 今までお聞きになったとおりでございます。この新型インフルエンザ対策というのは、もう厚生労働省が、一省庁が、公衆衛生レベル、今、日本はそうであります。欧米各国は違います。国の危機管理対策として総理、首相なり大統領がもう直接指揮を取ってこの対策に臨んでいます。前の予算委員会でも、安倍総理も、国民にとって大変脅威となるわけでありまして、国としては危機管理的対応が必要で、私もリーダーシップを発揮し、最大限の努力をすると御答弁をいただきました。
 もうそろそろ官邸主導で関係閣僚の対策本部、できれば総理大臣が本部長になって、もう本当に国の危機管理というレベルで対応を考えていただくときが来ているかなと思いますが、どうですか。
#401
○国務大臣(塩崎恭久君) 澤委員の御指摘によりまして、この新型インフルエンザの対策につきましては、今回、予備費を使うということで、七十三億円、対策費用を計上させていただきました。
 今、各大臣から説明をさしていただきましたように、今また先生がおっしゃったように、公衆衛生に限る問題ではないと、むしろ社会全般の問題ということで、総理もこのような問題意識で取り組むべきだということで、今回の予備費使用になったわけでございます。
 官邸主導でやるべきじゃないかということでありますが、二〇〇五年の十一月に関係閣僚による会合を開催して政府一丸となってやってまいりましたけれども、また、先般、二月五日に私が統裁官となって政府全体の対策、総合訓練というのをやったところでございます。
 しかしながら、これから何が起きるのか非常に不明瞭なところもあって、これに備えなければならないということで、官邸のリーダーシップの下で政府一丸となった迅速な対応が取れるような体制を組むべきではないかという先生の御指摘でございます。正に御指摘のこの対策本部の設置を含めて、対策本部の設置を含めて、官邸主導によって最も機動的な対応が可能な体制で対応をしてまいりたいというふうに我々も考えているところでございますので、引き続いての御指導をよろしくお願いいたしたいと思います。
#402
○澤雄二君 どうもありがとうございます。どうかよろしくお願いを申し上げます。
 これで質問を終わります。ありがとうございました。
#403
○委員長(尾辻秀久君) 以上で澤雄二君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#404
○委員長(尾辻秀久君) 次に、井上哲士君の質疑を行います。井上哲士君。
#405
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 政治と金の問題について、まず松岡農水大臣にお聞きをいたします。
 資金管理団体の主たる事務所を家賃が無料の議員会館に置きながら、二〇〇五年には三千三百五十九万円もの事務所費が計上されている、このことに国民からは一体何に使っているかという疑問の声が上がってきましたけれども、あなたはその内容について説明することを拒否してこられました。さらに、この間、議員会館では水道代も冷暖房代も基本的に掛からないはずなのに、二〇〇五年には五百七万円、五年間で二千八百八十万円という光熱水費が計上されている。新たな疑惑と憤りの声が上がっております。
 私、議員会館を主たる事務所にしている国会議員が何人いるか調べてみますと、百六十三人でありました。そのうち光熱水費がゼロと報告されているのは百十人、三分の二以上ですね。会館は基本的に水道代も冷暖房費も掛からないわけですから、事務所が議員会館一つの場合というのはこうなるのが自然といいますか、私は当然だと思うんですが、なぜあなたの議員会館の部屋だけはこんなに五百万という費用が掛かるのか、お答えいただきたいと思います。
#406
○国務大臣(松岡利勝君) その点につきまして確認をいたしたところでございますが、いずれにいたしても適切に報告しているということでございまして、現行制度に基づきまして既に報告すべき点は適切に報告いたしているところでございます。
#407
○井上哲士君 いや、そういうことを聞いているんじゃないんです。ほかの議員の方はほとんどゼロなのに、なぜあなたの部屋だけはこんなにたくさん掛かるのかと、その理由を聞いているんですから、お答えください。
#408
○国務大臣(松岡利勝君) ほかの先生のことを私がここで申し上げることはできないわけでありますし、私もほかの先生のことは分かりませんが、私のところのこの経費につきましては、先ほども申し上げましたように、現行制度に基づきまして既に報告すべき点は適切に報告しているところでございます。それ以上の報告の可否につきましては現行制度が予定しておりませんので、制度の在り方にもかかわることでございますから、差し控えさせていただきたいと思います。
 ただ、いずれにいたしましても、適切に報告いたしているところでございます。
#409
○井上哲士君 ほかの議員のことが分からないのなら、あなたのことをお聞きしますけれども、あなた、地元に、地元熊本に後援会の事務所と、自民党熊本県第三選挙区支部の事務所があると思いますが、それぞれ、プレハブとかビルの中とかあると思いますが、どういう形態の事務所があるんでしょうか。
#410
○国務大臣(松岡利勝君) 熊本の方では、後援会の事務所、それから自民党の選挙区支部としての事務所、それぞれビルの中にございますが、それからまた何か所かそれ以外のところもございますが、まあ何か所かございます。
#411
○井上哲士君 何か所か分からないのも不思議だと思いますが、それぞれ光熱水費が掛かっていると思いますけれども、それも適切に報告されているんでしょうか。
#412
○国務大臣(松岡利勝君) 先生が今御質問でおっしゃっていただきましたとおり、現行制度の下で適切に報告しているところでございます。
#413
○井上哲士君 私、調べてみますと、松岡利勝後援会の二〇〇五年の光熱水費は六十六万一千六百三円、それから熊本第三支部の光熱水費は三十八万二千九百十一円と、こうなっているんですね。これが普通だと思うんですよ。
 なぜ光熱水費が掛かる事務所の金額が三十八万とか六十六万なのに、掛からない会館はその十倍以上の五百万以上になるんですか。これ、あなたのことですからお答えください。
#414
○国務大臣(松岡利勝君) もう何度も申し上げておりますが、そのことにつきましても、現行制度の下で既に報告すべきは適切に報告いたしているところでございます。
#415
○井上哲士君 答えになっていないじゃないですか。
 それぞれが、あなたの後援会、支部、資金管理団体がそれぞれ適切に報告すると言いながら、水道代が掛からないところは五百万以上で、掛かるところは三十万とか六十六万。どうして適切でこういうことが起こるんですか。そこの理由を国民はやっぱり疑念に思っているわけですから説明をしてくださいと、こう言っているんです。
#416
○国務大臣(松岡利勝君) 先生のその御指摘のことも含めまして、現行制度に基づきまして既に報告すべき点は適切に報告いたしているところでございます。それ以上の報告の内容につきましては現行制度の下では予定されておりませんので、先ほどから申し上げておりますとおり、制度の在り方にもかかわることでございますから差し控えさせていただきたいと。
 いずれにいたしましても、適切に報告をいたしているのが今の結果でございます。
#417
○井上哲士君 適切に報告していると言いながらもこういうことがあるから、多くの国民は疑問に思っているんです。それに私は答える義務があると思います。
 じゃ、事実関係だけ聞きますけれども、今日も議論になりましたけれども、あなたの議員会館の部屋には結局還元水の器具というのはあるんですか、ないんですか。
#418
○国務大臣(松岡利勝君) そのことも含めまして、内容にわたるものにつきましては現行の制度では予定されておりませんので、報告の制度の在り方にもかかわることでございますから差し控えさせていただきますが、いずれにいたしましても適切に報告いたしております。
#419
○井上哲士君 私は、この器具の代金が光熱水費に計上されているかどうか、その中身を聞いているんじゃないんです。器具があるかないか、これは答えられるでしょう、器具があるかないか。
#420
○国務大臣(松岡利勝君) それは報告の内容にかかわることでございますから、その点につきましては既に適切に報告しているとおりでございます。
#421
○井上哲士君 いや、報告するのは光熱水費の金額でしょう。私は金額聞いているんじゃないんです。何に計上されているか聞いているんじゃないんです。器具があるのかないのか、これは言えるんじゃないですか。なぜこれが答弁できないんですか。
#422
○国務大臣(松岡利勝君) 現行制度はその一々の内容まで報告をするということを求められておりませんので、内容にわたりますものにつきましてはもう既に報告したことをもってすべて代表していると、このように私は認識をいたしております。
#423
○井上哲士君 そういうことを聞いているんじゃないんだ。あるかないかを聞いているんだ。
 いや、何度も繰り返しますが、私はこの費用を聞いているんじゃないんです。あるかないかという事実を聞いているんですね。先ほど新聞報道についても否定はされませんでしたけれども、あるかないかという事実は答えられるんじゃないですか。お願いします。
#424
○国務大臣(松岡利勝君) そのあるかないかという個別の内容を今の現行制度では報告を求められておりませんので、ここで先生に私がそのことを報告するというような、そういう制度ではないと思っております。
#425
○井上哲士君 あなたのそういう態度が国民の疑惑をどんどんどんどん膨らましているんですよ。この間、共通のルールが決まったら公開するとかいろいろ繰り返しておられました。しかし、今その前提である報告が本当に正直に行われているかどうか、こういうことにも虚偽のまなざしがありますし、水光熱費というのは全然説明になっていないですよ。言わばルールの前提に反しているんじゃないかという疑惑が国民からあるんです。
 ですから、もうそのルールという問題よりも、その明らかな疑惑を持たれている政治家がどう処すべきかということが今問われているんですよ。政治倫理綱領は、政治倫理に反する事実があるとの疑惑を持たれた場合には、自ら真摯な態度をもって疑惑を解明し、責任を明らかにするよう努めなくてはならないと、こういうふうにしておりますけども、あなたは、自分の今の態度はこの政治倫理綱領に沿った真摯な態度だと、そう思われておりますか。
#426
○国務大臣(松岡利勝君) 私は、倫理綱領に反しているようなそういう内容はないと思っておりますし、既に法で求められたものにつきましては法の定めに従いまして適切に報告いたしておると、そのことを申し上げているわけであります。
#427
○井上哲士君 疑惑を持たれた政治家が真摯に自ら解明するというのが求められているんです。話にならないと思います。
 問題は事務所費という支出だけじゃありませんで、今収入についても様々な問題があります。寄附について問題にしたいと思いますが、伊吹、久間各大臣に来ていただいております。
 政治資金規正法は、寄附の質的制限というのをしております。二十二条の三、国から補助金等を受けた法人からの寄附、二十二の四、三年以上にわたる赤字会社からの寄附、二十二条の五、外国人、外国法人等からの寄附、二十二条の六、他人名義及び匿名の寄附、いずれも禁止されておりますが、こういう質的制限についてはそれぞれ御存じでしょうか。
#428
○国務大臣(久間章生君) そういう制度については存じております。
#429
○国務大臣(伊吹文明君) 当然存じておりますし、私は、各々の収支報告をする際に、寄附の一つ一つについて、今先生がおっしゃった外国籍のある人、あるいは外国人が支配している会社、あるいはまた補助金があるかないか、それから、別に法律には禁止されていないでしょうけれども、世間的にどうも首をかしげるような団体から寄附をもらっていないか、必ずチェックをして収支報告をしております。
#430
○井上哲士君 それでは、まず久間大臣にお聞きしますけども、大臣が支部長を務めている自民党長崎県第二選挙区支部が、二〇〇四年十一月二十九日から二〇〇五年の十月二十七日にかけて祥仁会西諫早病院から毎月一万円、計十二万円の寄附を受けておられますが、この趣旨、経過を教えていただけますか。
#431
○国務大臣(久間章生君) それは、その期間だけではなくて、平成八年からずっと毎月一万円ずつ、平成十二年からは自民党支部へ、それまでは政治資金管理団体へ毎月銀行口座から一万円ずつ引く形で寄附を受けております。それは事実であります。
#432
○井上哲士君 では、伊吹大臣にお聞きしますが、これ、あなたの秘書官が会計責任者を務めている自民党京都府明風支部というのがありますが、二〇〇五年八月二十八日に社会保険京都病院から十万円、同年八月三十日に社団法人全国社会保険協会連合会から十万円の寄附を受けておられます。
 二〇〇五年総選挙の公示日ないし直前の寄附でありますけども、これら二つの法人から寄附を受けた趣旨や経過についてお願いします。
#433
○国務大臣(伊吹文明君) これは、今先生が御指摘になったように、郵政解散のときだと思います。多くの方々からいわゆる陣中見舞いと称するものあるいはお祝いと称するものが当選後に届けられます。ですから、選挙期間中、その前後は、前後じゃないですね、前は、もう私はほとんど同志の応援に行っておりますから、選挙区にはおりません。だから、どういう趣旨で寄附をされたかは私は存じませんが、たくさんの浄財が寄せられるわけですから、後で私は必ずすべてをチェックしております、さっきのように。
 そして、先生が多分おっしゃりたいことは、私はその当時気が付いておるんですよ。それで、国から補助金、負担金、利子補給その他給付金を受けているかどうか、この団体が、それは受けておりません。そして、社団法人という法人格を持っているものですから、政党支部でしかその寄附は受けられない。チェックをした結果、補助金等が入っている団体からは私のところには寄附はありませんでしたけれども、私は、外国人じゃない、日本の方だと思っていたけれども外国人の方からの寄附というのがその中にあったので、結果的にそれは返却をして、事務所の者が発行しておりました領収書を返してもらっております。
#434
○井上哲士君 いや、私が調べますと、今お聞きした団体はいずれも国から直接の補助金を受けております。
 社会保険京都病院は、〇五年三月七日交付決定で臨床研修費等補助金二千百八万円、それから全国社会保険協会連合会は、〇五年四月七日決定で高額医療費貸付事業五億六千六百十五万円など、それから祥仁会西諫早病院は、二〇〇四年十一月十二日に交付決定で医療施設等施設整備費補助金七千四百九十二万円、同じ日に医療施設等設備整備費補助金千五十万円もらっております。
 先ほど質的制限は言いましたけれども、国から補助金等を受けた法人は交付決定の通知を受けた日から一年を経過するまでの間に政治活動に関する寄附をしてはならないと、寄附を受けた場合は三年以下の禁錮又は五十万円以下の罰金に処するという罰則規定も付いているんです。これ、それぞれこの政治資金規正法の違反の疑いがあると思いますが、それぞれいかがですか。
#435
○国務大臣(久間章生君) それ、今初めて聞きました、補助金を受けておったというのは、後で調べてみますけれども。
 その罰則云々というのはまた別でありまして、補助金を受けているのを知りながら受けた場合の罰則だと思いますけれども、それもまさかそこの病院が国からの補助金を受けているとは思いもしませんし、先ほど言いましたように、平成八年に始めたわけでございまして、自動振り込みで、もうずっと毎月一万円ずつ落ちておりますから、それが今日まで続いているわけであります。そういうことで、もし補助金を受けているとすれば、それは返還しなければならない対象じゃないかと思っております。
#436
○国務大臣(伊吹文明君) 久間大臣がおっしゃったように、正に知りながら受けた場合に罰則が掛かっているということはよく知っております。しかし、知らなかったからといっても多分共産党は追及されるでしょうから、私はそのときに社会保険庁に確認しろよと事務所の者に言っております。そして、先生の今おっしゃった、そしてそのときは、それは直接の補助金はありませんという回答を受け取っておるから計上したわけですが、今日御質問があるというのでもう一度調べてあります。それは、一つは、知事部局への補助金なんですよ。知事部局から間接補助として当該団体、当該病院が受け取っているものなんですよ。だから、直接の国の補助金ではないんです。だから、その辺のことは、多分そういうお話になるだろうなと思ったから、調べてございます。
#437
○井上哲士君 私どもは、それぞれ厚労省などに聞いた上で質問をしております。直接補助だということが確認をされれば、そしたら返還をされるということでお聞きしてもよろしいですか。
#438
○国務大臣(伊吹文明君) 直接補助ということは、私は当然その法律どおり読めば認識をしていないわけですから、直接補助があれば、知らなかったまま受け取っちゃ違法になりますから、返さなくちゃいけないですね。
#439
○井上哲士君 今日は出席されておりませんが、安倍総理も補助金を受けた法人からの寄附を受けておられます。二〇〇五年十二月一日に、総理が支部長を務める自民党山口県第四選挙区支部が医仁会武田総合病院から十万円の寄附を受けておりまして、同病院は同年三月七日に二千百八万円の臨床研修費等補助金を交付されておりまして、これも私は規正法の違反の疑いが濃いと思うんですね。
 私は、この規定の趣旨はどういうことなのか。国から補助金や出資等を受けている会社その他の法人との政治資金の授受が、補助金等の決定をめぐる不明朗な関係を生じさせる危険性がある、それにかんがみて、このような会社その他法人が行う政治活動に関する寄附を規制をするんだと、こういう答弁がされておるんですね。
 正に、国から補助金を受けた法人からの寄附というのは、税金の一部を政治献金の名目で事実上還流するものになるということからこういう規定があるわけです。私は、知らなかったということでは済まない。ですから、この法律は、出す方ももらう方もちゃんと罰則を付けているんです。
 正に、今税金の還流というのを放置しておりましたら、国民の政治への不信はますます私は拡大するばかりだと思いますけれども、改めて、違法の疑いのある献金については返却するべきだということを求めて、もう一回答弁をお願いします。
#440
○国務大臣(久間章生君) 先ほど言いましたように、もう平成八年からずうっと一万円ずつ自動振り込みになっておりましたから一々チェックをしておりませんで、まさか国からの補助金をもらうようなことがあったということは全く知りませんでしたので、もしそれが事実とすれば返却することにしたいと思いますが、そういうように全く知らない状態であることが違法だ違法だって言われますと、本当にもう四六時中、用心しておかぬと、だれがどこでですね、(発言する者あり)いやいや、共産党だってそれはね、結構共産党に入ってくるお金の中で、補助金もらっておった団体から出てくることだって、そういうことが絶対ないですかね。
 だから、そこはちょっと、善意か悪意かで、そこはやっぱり法律は悪意の場合を罰するようにしているわけでありますから、私がもしそれで罰せられるならそれはしようがないですけど、知らなかったのは知らなかったんですよ。
 私は、もう正直言って、それで、だから、分かった以上は返しますよ。だから、調べてみます。本当にもらっているかどうか、それはですね。直接補助というような形になっているのか、なぜなのか。間接補助ならじゃいいのかという、そういう問題も含めて私もまた研究してみようと思います。
#441
○井上哲士君 全く事実もなしに、そんな誹謗と言ったら駄目ですよ。我々はちゃんと調べて、その上で挙げているわけですからね。そんなこと言ったら駄目ですよ。
 そして、正にこういう法律に定められたとおり知ってやってもらう必要があるわけですから、違法なものについては返還を改めて求めまして、質問を終わります。
#442
○委員長(尾辻秀久君) 以上で井上哲士君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#443
○委員長(尾辻秀久君) 次に、近藤正道君の質疑を行います。近藤正道君。
#444
○近藤正道君 社民党・護憲連合の近藤正道でございます。
 今年の一月の末に、東京電力の原発で不正、データ偽装、こういうものが二百件ぐらいあったということが発覚をいたしました。国の法定検査をごまかす、妨害をする大変悪質なものでございまして、新潟県の知事などは、国の検査をごまかす、正に言語道断だと、こういうふうに公の場で発言をしているわけでございます。
 甘利大臣、この不正をどのように受け止めておられますか。
#445
○国務大臣(甘利明君) 私は、昨年秋以降、電力会社でデータ改ざんが相次いで発覚したことを受けまして、昨年の十一月三十日木曜日に、全電力会社に対しまして、今までの問題をすべて洗い出すように大号令を掛けました。これは私は、全電力会社に向けて、あらん限りの作業をして、過去のそういうデータの偽装等々、改ざん等々があったかどうかを全部洗い出せという指示をしたわけでありまして、この総点検の結果というのは三月末までに報告させることにいたしております。東京電力の場合は、原子力の検査データの改ざんもありまして、先行して取り組んでいる内容が逐次報告されてきているわけです。
 今回の総点検では、東京電力が例えば過去の書類で見付からないものを面接調査をいたしました。二千人くらい、退職してもう会社にいない者も含めて、追って全部面接調査をしました。要するに、なぜこういうことをさせているかといいますと、その体質改善を図ろうと私は思ったわけでありまして、過去の隠ぺいのものがあると、新しいデータがその規定値より外れた場合、過去のものが残っていたらこれも出せないということになっちゃうといけないわけですから、その数値が違った場合にすぐオープンにしてその理由と影響をすぐ公示をするという、そういう体制に変えたいと思いましたんで、すべての電力会社に、過去にさかのぼって洗いざらい探し出せという号令を掛けたわけでありまして、この作業を通じて電力会社の体質を改善していくように厳格に指導しているところであります。
#446
○近藤正道君 私の質問は、このまだ全貌明らかではありませんけれども、東京電力の原発のこの言わば不正についてどういうふうな受け止めをされておりますかと、こういうふうに聞いているんですが、これについて。
#447
○国務大臣(甘利明君) いかなるものであれ、不正は極めて遺憾なことであります。
#448
○近藤正道君 三月三十一日までにすべてを出せと、あらん限りの努力で洗いざらいうみを出せということでありますんで、是非そうやっていただきたいというふうに思いますが、とりわけ福島第一の一号炉につきましては、四年前、検査妨害がありまして、一年間の運転停止の処分を受けているわけでございます。にもかかわらず、今回新たに検査妨害が二つも出てきた。私はこの前の経歴を考えるならば、この福島第一の一号炉については原子炉の停止では済まない、これは許可の取消しに該当するんではないかと、こういうふうに思えてなりません。
 そしてまた、柏崎の一号炉の不正でございますけれども、悪意を持って検査妨害をしたと、これはほぼ明らかでありまして、このことがしかも二つもあったと。こういうことであれば、一定期間の原子炉の停止、これはもう当然そういう行政処分をしていただいて、そして正に厳正な対処をもって電力会社の体制を、体質を変えていただくことが私は必要ではないか、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
#449
○政府参考人(広瀬研吉君) 平成十四年の東京電力の自主点検等の不正問題がありまして、その際、格納容器の漏えい率試験の不正が行われました福島第一原子力発電所一号機につきましては、原子炉等規制法に基づきまして一年間の原子炉の運転停止を命じております。今般の、現在までの東京電力の総点検では、福島第一原子力発電所一号機におきましては、復水器出口海水温度のプロセス計算機、また安全保護系の設定値確認検査や、保護検出要素性能校正検査等の法定検査におけるデータ改ざんが明らかになっております。
 また、柏崎刈羽発電所一号機におきましては、いずれも平成四年のことでございますが、非常用ディーゼル発電機系の性能検査の対象設備である残留熱除去系の冷却中間ループのポンプが故障をしていたにもかかわらず、正常に動いているかのように偽って検査を受け、また、その後に原子炉を起動した際の確認が十分でなかったものでございました。あわせて、定期検査の開始のための原子炉停止操作中に原子炉が自動停止したことを国に報告をしなかったという不正が明らかになっております。
 これら福島第一原子力発電所一号機、柏崎刈羽原子力発電所一号機、いずれもこれらの不正は平成十四年八月の東京電力の不正問題以前の問題でございますが、新たな改ざんが確認されたということで遺憾に受け止めております。
 今後の対応でございますが、現在までに報告をされている内容に加えまして、今月末に報告をされる総点検の内容とともに再発防止策などを精査した上で、今後の再発防止に向け厳正に対処していくことといたしております。
#450
○近藤正道君 対応が甘いんではないかという思いがしてなりません。今の福島第一の一号機、柏崎の一号機については、いずれも東京電力自身が保安規定に抵触しているということを自ら認めているわけでございます。ということであれば、せめて自発的にこの二つのプラントについてはいったん止めさせて、そしてその上で行政処分を待つと、三月の末の行政処分を待つ、これが私は国民の正に普通の気持ちに沿うことなんではないかと、こんなふうに思えてならない。
 そういう意味では、今もこの二つのプラントについて動かしている、これを認めるということは、私は、東電自身が抵触しているということを認めているのに余りにも対応として甘いんではないかと思えてならないんですが、いかがでしょうか。
#451
○政府参考人(広瀬研吉君) 福島第一原子力発電所の一号機、また柏崎刈羽原子力発電所の一号機でこのようなデータの改ざんの不正がありましたことは遺憾に受け止めております。
 先ほど甘利大臣からの答弁にありましたように、今回、全電力会社に全発電設備のデータ改ざんをすべて洗い出すという指示がされておりまして、その結果がこの三月末に出てまいります。それらのすべての状況を見まして、今後このような不正を生じるようなことにならないように再発防止に向けた対応をしていくということが重要なことだと考えております。
#452
○近藤正道君 再発防止はもちろんのことでありますけれども、やっぱり厳正な対応、行政処分をしっかりやる、そのことが企業風土を変えていく私は大きな契機になるというふうに思っています。
 立地点の住民は、本当にやっぱりだまされた悔しさと無力感で一杯ですよ。そのことについて、やっぱりきちっと私はこたえていただきたいというふうに強く要望申し上げておきたいというふうに思っています。
 問題は、こういうことをやると、いろいろ電力会社の責任、これがいろいろ問われてトップが時々替わると、こういうことがあるんですが、是非私はこういう体質を完全に変えてもらうために、運転にかかわる個人の責任についても時によっては厳しく問う、こういうことを是非やっていただきたいと。
 原子炉等規制法には、各種免許状の返納とか取消しとか、そういう規定があるんですけれども、全くこれは今まで発動されたことがない。やはり悪質な場合には、そのことについてもやっぱりちゃんと行う、個人の責任も問うと、そういうことが必要なんではないかというふうに思っております。
 やっぱり抜かずのあれではまずいんですよ、それは。是非、こういう規定がせっかくあるんですから、私は積極的に発動していただきたい、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
#453
○政府参考人(広瀬研吉君) 原子炉等規制法では、原子炉の運転に関しまして保安の監督を行わせるため原子炉主任技術者を置くことを義務付けておりますが、今回のデータ改ざんへの今後の当省の対応につきましては、今月末に出されます総点検の報告内容を精査しました上で、電力会社の組織風土の改善につながるよう対応していきたいと考えております。
#454
○近藤正道君 東京電力の言わば不正を見抜けず、検査を合格させていた国、保安院。この国、保安院に対しても、本当に何のために存在をしているのかと、そういう声は立地点では本当に渦巻いております。この責任について、是非大臣から見解を表明していただきたい。
 私は、きちっと国の、つまりこの間、二つの大きな不祥事がありましたけれども、みんな自ら暴くことができなかった。この責任を明確にして国民に謝罪をして、やっぱり出直すべきだと、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
#455
○国務大臣(甘利明君) 平成十四年八月に東京電力の自主点検の不正問題が生じました。このため国は、平成十五年の十月に原子力について検査体制を大幅に改正し強化をしたわけであります。今いろいろと出ていますものは、この前の、それ以前の調査で拾い切れなかったところ、これを面接調査等々までして拾わせているわけであります。
 この検査制度の改正強化は、例えば定期検査の際に検査官が中央制御室と測定現場に立ち会う方式を導入したこと。あるいは、事業者の自主点検、これを定期事業者検査として法定化した。そして、記録の保存を義務付けたことであります。三点目として、事業者の安全に関する経営方針であるとか業務プロセスを品質保証として検査対象としたこと。それから四点目として、罰則を強化したわけであります。事業者の不正を抑制するための仕組みをその時点で導入したわけであります。その前の案件であります。
 今月末に出されるすべての電力会社からの総点検の結果報告を踏まえまして、当省として電力会社に対して体質を改善していくよう厳格に指導していくわけであります。それと同時に、この平成十五年十月の検査制度の改善の実効性、これを検証して、必要な対応を取っていきたいと考えております。
#456
○近藤正道君 原発立地の自治体では、今度の不祥事を契機に再び推進と規制の分離論、つまり具体的に言えば保安院の経産省からの分離独立論の声が四年前一度出ましたけれども、また今回かなり強烈に吹き上がっておりまして、地元自治体、大臣のところに、是非保安院をやっぱりしっかり経産省から独立して規制機関としてもっと権限の強化をしていただきたいと、こういう要望を出していると。私も正にそれは正論だというふうに思っておりますが、この点についてはどのようにお考えでしょうか。
#457
○国務大臣(甘利明君) ダブルチェック体制というのは現在あるわけであります。原子力安全委員会というのが経済産業省の行政の外側にあるわけです。それとは別に原子力行政の中に保安院が、独立して経済産業省の外にありますけれども、あるわけです。これも外して、つまりブレーキを二つとも外側に置け。今は内にブレーキがあり、外にもブレーキがある。そのブレーキを、内のブレーキを外してしまえというお話であります。
 そうしますと、推進行政しか残っていかない。原子力というのは安全が第一ですから、恐る恐る進めるということが大事なんだと思います。ブレーキに足を掛けながらアクセルを踏んでいくという作業が大事でありまして、車からブレーキを外してアクセルだけ付けて、あと自動停止装置を外側に置くからという車は危なくて見ていられないと思います。外側に原子力安全委員会というのがなければ、ブレーキを外へ出すという論理は分かります。外側に置いておいて、ブレーキに足を掛けながら、安全は大丈夫か大丈夫か大丈夫かということを常に気にしながら恐る恐る進めていくという、この体制は原子力安全の上で極めて大事だと思います。つまり、ブレーキが内にもあるし外にもブレーキがあると、二つのブレーキを持っているという体制が大事だと思っております。
#458
○近藤正道君 ちょっと議論が食い違って、かみ合っておりません。
 時間がありませんので最後の質問に行きたいというふうに思っていますが、原発問題の一番最後で、今高知県で議論になっております高レベル廃棄物の最終処分場の問題でございます。
 高知県の東洋町で、ここに最終処分場を持ってくるということで今大騒ぎになっておりますが、地元は反対が多数、高知県も隣の徳島県も県は反対、近隣の市町村も反対。こういう中で、文献調査、この認可を皆さんがするんではないかと、こういうことでございます。私は、やるべきではない、せめて地元のやっぱり同意形成をもっと見守るべきだと。そういうことをしないで、金、つまり交付金でありますが、これで推進するやり方は私は間違っていると、こういうふうに思います。
 所見をお伺いします。
#459
○国務大臣(甘利明君) 最終処分場がなければ完結はしません。そして、最終処分場は安全なものなんであります。そして、文献調査はそれが終わって概要調査に強引に進めていくという仕組みにはなっておりません。理解を進めるための文献をそろえるということでございます。
#460
○近藤正道君 金でこの原子力行政を進めるというやり方は、私は基本的に間違っている、やめるべきだと、こういうことを申し上げまして、質問を終わります。
#461
○委員長(尾辻秀久君) 以上で近藤正道君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 明日は午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時五十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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