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2007/03/15 第166回国会 参議院 参議院会議録情報 第166回国会 農林水産委員会 第2号
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2007/03/15 第166回国会 参議院

参議院会議録情報 第166回国会 農林水産委員会 第2号

#1
第166回国会 農林水産委員会 第2号
平成十九年三月十五日(木曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月八日
    辞任         補欠選任   
     犬塚 直史君 ツルネン マルテイ君
     前田 武志君     谷  博之君
 三月九日
    辞任         補欠選任   
     岡崎トミ子君     小川 勝也君
 三月十二日
    辞任         補欠選任   
     松下 新平君     松井 孝治君
 三月十三日
    辞任         補欠選任   
     松井 孝治君     松下 新平君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         加治屋義人君
    理 事
                岩城 光英君
                常田 享詳君
                主濱  了君
                和田ひろ子君
    委 員
                岩永 浩美君
                岸  信夫君
                国井 正幸君
                小斉平敏文君
                野村 哲郎君
                小川 勝也君
                小川 敏夫君
                谷  博之君
            ツルネン マルテイ君
                松下 新平君
                福本 潤一君
                渡辺 孝男君
                紙  智子君
   国務大臣
       農林水産大臣   松岡 利勝君
   副大臣
       農林水産副大臣  国井 正幸君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       永岡 桂子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木 朝雄君
   政府参考人
       総務大臣官房審
       議官       津曲 俊英君
       厚生労働大臣官
       房審議官     宮坂  亘君
       農林水産大臣官
       房総括審議官   佐藤 正典君
       農林水産大臣官
       房技術総括審議
       官        染  英昭君
       農林水産大臣官
       房統計部長    長   清君
       農林水産省総合
       食料局長     岡島 正明君
       農林水産省消費
       ・安全局長    町田 勝弘君
       農林水産省生産
       局長       山田 修路君
       農林水産省経営
       局長       高橋  博君
       農林水産省農村
       振興局長     中條 康朗君
       農林水産技術会
       議事務局長    高橋 賢二君
       林野庁長官    辻  健治君
       水産庁長官    白須 敏朗君
       国土交通大臣官
       房技術審議官   伊藤  茂君
       海上保安庁警備
       救難監      冨賀見栄一君
       環境省自然環境
       局長       冨岡  悟君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○農林水産に関する調査
 (平成十九年度の農林水産行政の基本施策に関
 する件)
    ─────────────
#2
○委員長(加治屋義人君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、犬塚直史委員、前田武志委員及び岡崎トミ子委員が委員を辞任され、その補欠としてツルネンマルテイ委員、谷博之委員及び小川勝也委員がそれぞれ選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(加治屋義人君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 農林水産に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、総務大臣官房審議官津曲俊英君外十五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(加治屋義人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(加治屋義人君) 農林水産に関する調査のうち、平成十九年度の農林水産行政の基本施策に関する件を議題といたします。
 本件につきましては既に説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#6
○岩永浩美君 自由民主党の岩永浩美です。
 去る三月の八日に、本委員会において松岡農林水産大臣から所信の表明がなされました。これに関して、以下、若干の質問をしたいと思います。
 松岡農林水産大臣は、私ども自由民主党の農林部会の中で、あらゆる部会の委員長並びに部会長として大変な農政に対する見識を披瀝をしていただき、我々農林に深いかかわりを持っている部員、議員は一様に、やっぱり大臣の高い見識と農業に対する愛着、そして将来に対する展望等々について一つの見識をお持ちいただいていることに高い敬意を表しています。
 今日、私は、そういう一つの大臣の下で質疑するに当たって、日本の農業について、今原則的にどういう方向に進んでいかなければいけないかという方向をお示しいただきながらも、それがややもすれば中小零細農家の皆さん方にとって切捨てになるのではないかという不安を抱いている部分もあることも、これまた事実です。
 原則論を語り、また将来の展望を披瀝することも大切なことでありますが、切捨てにならない一つの政策を政治の場で解決をしていくということは大変大切なことであり、それぞれの地域の皆さん方が素朴な一つの思いとして抱いている事柄について、少々辛口な質問になるかもしれませんが、本音と、やっぱり皆さん方が抱いている、その弱い農業としての弱い部分については率直にお認めをいただいて、今後そういう零細中小の農家の人たちに対する救済策を具体的に示していく一つの方向を是非お示しいただけたらと、私は強く要望を質問の前にいたしておきたいと思います。
 そこで、まず食料・農業・農村政策審議会における畜産物価格の諮問と答申の在り方について、まずお尋ねをいたします。
 過日、三月の八日の委員会で、同僚の和田議員の方から諮問の在り方について質問がありました。私どももかねがねそういう一つの思いを抱いておりましたが、農林大臣は自らの一つの自発的な御答弁として、今後は今の諮問の在り方、答申の在り方については考えなければいけない旨の御答弁がありました。我々も、畜産物の価格の決定については、与党として自由民主党の部会でも議論をし、それぞれの意見や様々な意見を吸収しながら価格の決定をされていることも承知をいたしておりますが、一番大切な国会の場におけるその国会の論議や、大臣としての一つの見解が示されないままにその諮問をされている現状を見るにつけ、こういう一つの在り方、やっぱり諮問をするその日に答申を受けるというやり方は、国会の論議を必ずしもやっぱり反映されているのではないのではないかという思いを強くいたしております。
 そういう中で、諮問をされた当日に衆議院の農林水産委員会を開き、午後からは参議院の農林水産委員会を開くという、手順は踏んでありますが全然正式な一つの国会の場における議論が諮問、答申の間に反映をされないこの仕組みは、やっぱりこれは議会運営上の問題ということではなく、農林水産大臣としてこの在り方を変えていくということが私は大切なことではないのかなという思いを強くいたしました。
 先ほど申し上げたように、農林水産行政におけるそのリーダーシップや、政策立案について第一人者である農林水産大臣は、その過日の一つの答弁を受けて、今私どもが質問するその意義、どういうお考えをお持ちか。これまた来年度の諮問、答申に向けてどういう方向で進んでいただけるのか、それをお示しをいただきたいと思います。
#7
○国務大臣(松岡利勝君) 今、岩永先生から御指摘があったことでございますが、これはまた岩永先生の今御指摘の中でも御紹介ございましたように、先般の八日ですかね、和田ひろ子先生から実は御指摘があったわけでございまして、このように、ちょっとその部分だけ申し上げますと、「今日は諮問をされて答申が出るわけであります。今日のこの私たちの委員会が終わったらすぐに答申が出るわけです。私たちの意見は何も反映されないままに答申というのは出てくるのでございますから、私はいつも、毎年毎年これはおかしいというふうに思っているんですけれども、」というふうにおっしゃいまして、私もそのことを受けまして、まあ言われてみればこれまたそのとおりだなと、実は率直に思った次第でございます。
 ですから、諮問、答申をする以前の段階で、この国会とやっぱり政府の在り方、またそして審議会とのかかわり、こういう意味において、私はその時期を選んで、これはもう私どもが実はそれをどうするという立場にはございませんが、この国会の方で、院の方で、私どもがその諮問、答申をする日程というのはもう事前にあらかじめお示しをして分かっておるわけでございますので、国会の方でそれに対して、この委員会の審議といいますか、議論といいますか、これを反映させると。当然、その委員会の議論を受けて私どもはまた諮問、答申をすると。こういうような形であることは一つの大きなこれは在り方として望ましいんではないか、このように思ったものですから、まあ瞬間的ではありましたけれども、そのような思いを申し上げたところでございまして、また今自民党の岩永先生からそういうお話が出ました。まあ岩永先生も、自民党の中にあって農林関係ではもうもはや一番中心的なお一人でございます。
 そういった意味からも、正に与野党から共通の思いとして出たことでございますので、私は、それが形になって表れてくれば、それは非常に望ましいことではないかなと、このように思っております。それを受けて私たちもまた審議会で議論をさせていただくということは、大いにいろんな意見を表してその上で答申を出すという意味において非常にいいことではないかと、このようにも思います。
#8
○岩永浩美君 大臣からお示しをいただきましたが、まずはやっぱり是非お願いをしておきたいことは、やっぱり諮問と答申を同日にするということはやめてもらいたい、それと委員会の審議もですね。だから、国会における論議は一日か二日前に議論を国会の場でやっぱり議論をすると、それから諮問をして答申を受けるということは、是非やっぱりそういう形で今後はやってもらいたいと私は思います。
 今大臣は、国会の一つの都合とか国会の委員会の都合というような旨のことをおっしゃいましたが、国会の議論の場というのは、それは国会の議論の場で議論できると思う、国会開会中ですから。しかし、諮問する日と委員会は今までずっと同時にやっぱり進行していることだけをやめていくことが、儀式みたいになっているやつを実質的な審議を経て諮問するということになっていくと思うので、松岡農林大臣がそういう形にしようという御決断をいただければそのことは可能なわけですから、議会運営上の問題とは違いますんで、これは大臣が、こういうふうに来年からしようとお示しいただければそういう形になると思うんですよ。それについてのお考えをお示しをいただきたい。
#9
○国務大臣(松岡利勝君) 岩永先生の御指摘の趣旨は、今また改めて、ああ、そういうところに力点があったのかなということは受け止めたところで、お聞きをいたしたところでございますが、諮問、答申の在り方、これは政府としての諮問、答申の在り方全体ともかかわる問題でありますから、岩永先生の御指摘を受けまして、どのような形が取れるのか、ちょっとそれなりに整理をしてみたいと思います。
#10
○岩永浩美君 是非そのことについてはお願いをして、次の質問に移りたいと思います。
 次は、品目横断的経営安定対策の本格実施について、二、三、個々の問題としてお尋ねをしたいと思います。
 いわゆる担い手の経営安定の新法ですね。去年の九月、秋まき麦に対する交付金申請制度が実施されて、今、既に集落営農の合計が二万八千件、十九年の作付予定面積の九割、二十四万ヘクタールということが今お示しをいただいていますね。私は、それで、実績として播種前の契約実績が去年よりも一〇七%増になっているということも聞いています。そして、それは、今までよりも担い手の生産意識の非常に高まりとして私は一面高く評価をするんですけど。
 そこで、いよいよ今年の四月から不利補正交付金の申請が始まって本格的に経営安定対策が今度開始されることになりましたね。それで、今のところ、集落とかそういう一つの、播種前の一つの集落あるいは地域の申請状況、担い手の数、そういうふうなものが去年の十二月から更にまた増えてきたのかどうかということをまずちょっとお聞きしたいと思います。
#11
○政府参考人(高橋博君) お尋ねの品目横断的経営安定対策の加入の申請状況でございますけれども、今委員お話にございましたように、昨年秋の段階で、経営体数としては二万八千件、予定面積二十四万四千ヘクタール、麦の関係でございますけれども、ございました。
 この後の状況でございますけれども、一部、春にまく小麦の作付け農家、この申請がこの四月以降行われるというふうに見込んでおりまして、これはまだ都道府県からの聞き取りの情報でございますので正確な統計の数字ではございませんが、この春まき関係のものというものが大体一万三千ヘクタール程度が予定をされていると。したがいまして、昨年秋の二十四万四千ヘクタールに更にこれが積み上がった状況になるというふうに考えております。
 なお、交付の申請でございますけれども、交付の申請につきましては、生産性の格差是正の方の交付金については九月末までということになっております。したがいまして、麦の作付け農家につきましては、先ほど申し上げました二万八千件にこの春また申請が何件か積み上がるわけでございますけれども、こういった方々が必要な書類等を整備いたしまして九月末までの間に申請をされてくるというふうに考えているところでございます。
#12
○岩永浩美君 そこで、集落営農組織への参加と不参加による農家の農業所得の格差なんですけれども、格差というよりも比較なんですけれども、この間資料としてお示しいただいた中で、集落営農のメリットとして、農林水産省の資料によると、一ヘクタールの水田農家のモデルケースの試算で、集落営農参加者の売上げから経費を控除した農業所得が四十三万円、それに掛かる時間が百二十一時間、そして、非参加の農業所得は八万円、そして掛かる時間が六百三十三時間ということを資料でお示しなさった。
 この試算結果というのは本当に妥当なんでしょうかね。何を根拠にどういう形の試算をされたんだろうか。これ、平場の農家の試算なのか、中山間もあれば山間部もある、そのトータルとして出されたのか、これは何を基準にして出された数字なのか。これだけの格差が出てくるということは大変大きな問題だと思うんだけど。
 それはどこかの統計資料に基づいて出したと恐らくおっしゃると思うんだ、統計の資料で。その統計資料の根拠になるものはどこの資料なんだろう、どこら辺を調べた結果なのか、教えてもらいたい。
#13
○政府参考人(長清君) お尋ねの数値でございますが、これは、私ども統計部で行っております平成十六年の農家の経営統計の全国の調査結果のうちの水田作経営につきまして、個別経営と、それと集落営農について比較したものでございます。
 具体的には、個別農家につきましては、全国の調査農家の中の作付けの規模で〇・五ヘクタールから一ヘクタールの平均の数値でございます。また、これと比較します集落営農につきましては、これも全国の調査農家の二十ヘクタール以上の階層の平均の値を取ってございます。
 この二十ヘクタール以上を取っております意味でございますけれども、これは平均しますと三十一戸の構成農家で営まれておる集落営農でございまして、これを一戸当たりで見てみますと、ちょうど個別農家の〇・五ヘクタールから一ヘクタールの規模と同程度になるということで、この両者を比較することで集落営農のメリットが見て取れるのではないかということで、この結果、個別農家の農業所得で八万円と、集落営農の場合には四十三万円というメリットが生じております。
 この要因でございますけれども、個別農家でも集落営農の場合にでも農業粗収益の方はそれほど大きな差が出てございませんでした。ただ一方で、農業経営費の方は、集落営農の場合には特に農機具などの利用の面でやはり規模のメリットが働いているということで、やはり経費が節減されているということに表れているということでございます。
 ただし、先生が御指摘のように、当然、地域ですとかそれから作付けの作物でございますとか、そういったものの差によりまして個々の経営では相当違ってくるとは思いますけれども、全国の平均値ということでございますので、やはり集落営農で規模のメリットが働いているということは私どものこの統計の結果に表れているというふうに考えております。
#14
○岩永浩美君 〇・五ヘクタールから一ヘクタール、これも、平場の〇・五から一ヘクタール、中山間や山間部の〇・五から一ヘクタールとは労働時間は全然やっぱり違いますよ、面積要件はかなっていても。それから、二十ヘクタール、これも、二十ヘクタール以上の農地も平場と中山間では全然また違いますよ。これは、あなたは全国平均で取ってきたって、こういうふうにおっしゃるんだけど、これは、一概にそれは当てはまっていると私は思えないんですよ。私自身は中山間に位置するところに住まいをしているので、非常にやっぱり労働条件というのは劣悪なんですね。ほかの農家よりも生産コストすごくやっぱり高くなっているんですよ。
 それで、先ほども局長の方から話いただいた、集落営農や担い手、それに対する構成率というのは非常にやっぱり高くなったというお話があったけど、現実的にはやっぱり自分自身が納得して入った人ばっかりじゃないんです、まだ。どういう形で移行するか分からないけど、そういう一つの指導があったのでまずは集落の中に入っておこうということで、不満も抱きながら、いつでも出れるという態勢の人もいるわけですよ。
 だから、現実的に全部が、この例えば二万八千件、集落営農組織、この二万八千件の人が二年、三年後にそのまま二万八千件でおられるということには私はならないと思うんだ。定着してくれたら非常に私は有り難いけど、現実的にそこから落ちてくる人たちが出てくる、そういう懸念を一方の方ですごくするんですね。
 私は、この集落営農に参加した場合の所得格差とかそういうものを示されたその一つの根拠、恐らく、集落営農に入らないとこれだけやっぱり所得格差があるんですよ、早く入っておかなきゃいけないんですよというようなことを皆さん方、そうやってやっぱり勧誘された部分というのがないのかなという心配。もう参加させるために作為的な資料を作ったとは言いたくないけど、何かいいところばっかりを統計の中で示して集落の中に参加させようとしてきた嫌いというのがやっぱり事実あるんですよ。入らないと駄目だということを言っているんですよ。もしそのことが逆に作用した場合には、それはうそついたということになるんですね。
 そこら辺について、集落営農への参加を急がせるためにこういう資料を示して参加を促進させたんじゃないかと思うんだけど、そういうことはないんですかね。
#15
○政府参考人(高橋博君) 品目横断的経営安定対策の実施につきまして担い手の育成ということが一番の核になることは、これは事実でございます。
 ただし、私ども、今の資料でございますけれども、統計部長の方からも申し上げましたように、全国平均の数値を用いたわけでございます。したがって、作物、当然のことながら、平場、中山間地域によってこの数字は異なり得るというふうに私どもも認識しております。ただ、その程度は異なりましても、やはり機械投資の問題、個別の農家の過剰な機械投資ということは従来から指摘をされておるわけでございまして、売上げは同じでも、所得の段階になりますと、このような効率的な利用を行った場合と個々に持っている場合であれば、当然これは差があるわけでございます。
 したがって、私ども、この集落営農への立ち上げということにつきましては、いろいろな地域におけます実態、これは統計の資料だけではなくて、先進地の事例、これは中山間でございますとか平場地域でございますとか、様々な優良事例等々、こういったところでこういう形で優良なものがございますというようなことも踏まえた上で地域で自主的に考えていただく、そこの地域の将来の担い手増を考えていただくという形で推進しておりますので、先生おっしゃっておりますように強制的にというような形で推進するということは、もう当然のことながら私ども戒めておるところでございます。
#16
○岩永浩美君 お言葉ですけどね、そういうふうにはしていないとおっしゃるだろう。それは、現実的に集落営農も立ち上げられない地域があるんです。それが現存することは認めますか。
#17
○政府参考人(高橋博君) 担い手の育成につきましては、先ほど加入申請状況、麦につきましては御承知のとおり相当程度のカバーということになったわけでございます。これから四月以降、今度は麦以外の作物の申請ということになるわけでございまして、おっしゃられるとおり、これからきちんと担い手をつくり上げていくということでございまして、将来に向かってここのところは一歩一歩着実に結び合う、逆に言えば、まだ現時点ですべての地域でこれが立ち上がるという状況ではないということは私どもも重々承知しているところでございます。
#18
○岩永浩美君 麦においてはカバーしたかもしれない。しかし、麦作ができないところもあるんですよ。ほかの品種のところにそういう落後者が出てくる、現存することをまず認めておいてもらわないと困るわけ。
 今回、規模、面積要件にして、やっぱり二十ヘクタール、四ヘクタールのやつは、それぞれに応じた形でやっていくことができることの特別な配慮をしていただいていること、私はそれは認めるんです。これ、担い手対策を否定しているものじゃないんです。これ、そういう方向でやっていくけど、その面積要件にかなわない地域が現存した場合には、そういう現存したその地域に対する手だてというものをきめ細かく示さないと私は駄目だと。
 その中で、知事の裁量権を最初は、今日は野党の皆さん方もおられるけど、与党の自由民主党の部会の中では、その裁量権を、知事の裁量権を認めるということにしてある程度認めていたけど、これは今度は、この裁量権、特認事項ということは、知事が国に申請をしなきゃいけなくなるわけ。当初は知事の裁量権でいいということになっていたけど、国に申請をしなきゃいけないということになるとハードル一つ高くなるんですよ。それはなぜかというと、それぞれの要項の中で示される数字が独り歩きしてしまうんです。いつも部会の中で議論して、お互いに皆さん方と話をするときには、すべてそれは弾力的に運用できますから大丈夫ですというお話をされるけど、末端の行政の中に行くと原則論が優先して、その弾力的な条項というのが消え失せてしまうんです。
 なぜこれは、裁量権で認めるということをしていたやつを国に対してそれを申請をしなきゃいけない、国が特認基準を設定することにしたんですか。
#19
○政府参考人(高橋博君) 品目横断的経営安定対策につきましての加入要件でございますけれども、基本要件の規模をまず定めてございますが、集落の農地が少ない場合、あるいは経営規模は小さいですけれども複合経営などによりまして相当水準の所得を確保しているなど、国が別途基準をきちんと設けるということで、まず最初に地域段階での状況に配慮しているところでございます。
 ただ、今委員お話にございましたように、例えば今後の地域農業の担い手になることがもう確実なんですが、そういう新規就農者がまだ要件を満たしていないようなもの、あるいは、これは地理的要件ということでも御議論ございましたけれども、他の集落と合わせて営農を行うことが事実上不可能な離島の場合等々、このような場合にあっても、基本的にその経営を、そこで行われます経営というものについて、きちんと育て上げてこの対策の対象としなければならない特別な事情がある場合に、都道府県知事からの申請に基づきまして、その際、国がその内容を公表した上で審査をするということで対象とすることができるという形にしているところでございます。
 今委員からの御指摘ございましたけれども、このような方式を取った理由でございますけれども、これは知事から申請に基づきまして、国が公表する、一般に公表した上で対象決定することになりますけれども、地域の実情を十分把握しております知事の意向の発意に基づくということは当然でございますが、一方におきまして、従来から様々な政策の過程で議論が行われておりましたけれども、都道府県ごとの運用のばらつき、こういったような弊害がいろいろと指摘をされてきたのも事実でございます。したがいまして、同一の条件において同等の基準となるということで、制度運用の公平性、そして透明性、この点をきちんと確保するということでこのようなシステムにさせていただいているところでございます。
#20
○岩永浩美君 県別によって裁量権が違うというのは、どういうことを具体的に違うんですか。これ、一つ例えば面積要件ですね、面積要件に限定してやっていったときに、都道府県によってどんな違いが出るんですか。
#21
○政府参考人(高橋博君) この知事特認の場合でございますけれども、基本的に面積の要件、四ヘクタール、十ヘクタール、あるいは集落営農二十ヘクタールの中で、中山間地域であれば中山間地域の特認等という面積要件がございます。
 このような要件について、先ほども申し上げましたけれども、例えば集落営農の場合、一集落だけではこの要件を満たさないような場合であっても、例えば広島県、中・四国等々でございますけれども、隣の集落と一体となった集落営農ができるというようなことで、そういう努力をされている地域がございます。しかしながら、先ほど申し上げましたように、例えば離島地域のような場合では、隣の島ということもできないわけでございますので、そういうような特別なものがある場合に都道府県の知事さんの方から申請をしていただく。
 ただし、先ほど申し上げましたように、ばらばらな恣意的な運用ということになるとやはり問題がございますので、この点についてはきちんと、そういう特認であるということを広く一般に公表した上で審査をさせていただくということでございます。
#22
○岩永浩美君 広島県の例を出されて、離島とかそういうことは特異なケースですよ。しかし、同じ県内の中で離島とかそういうことは、離島には離島の特別のそういう事情があるかもしらぬ。そうじゃない中山間の中で四ヘクタール以内の担い手、あるいは二十ヘクタールに満たない集落営農、それは特例も認めていただくけど、特例にも入らない地域もあるんですよ。そこに落ちこぼれる。それを、非常にやっぱり担い手として一生懸命やっておられる、あるいはその市町村の村長や町長や皆さん方が容認をした場合には、知事の裁量権によって、担い手としてずっとやっぱりやって今までいただいている方が、そのまま持続してやりたいという人たちに対する裁量権を認めてもいいことでしょう。それをなぜ国の特認事項として申請をしなければいけませんか。
#23
○政府参考人(高橋博君) 先ほど来御説明しておりますように、この特認そのものを設けていないということではないわけでございまして、都道府県知事の意向ということで、発意によりまして上げていただくと。ただし、先ほど来申し上げておりますが、やはり制度運用について公平性あるいは透明性を図るということで、そのようなものをきちんと全国に公表する、地域でこういうことあったということについて公表させていただくということを前提に審査をさせていただくということでございます。
#24
○岩永浩美君 これは知事の発意によって、それぞれの自治体、県知事の発意によって特認事項にせよということになったんですか。
#25
○政府参考人(高橋博君) 基本的には、まず申請者、このような認定の申請を、特例申請を行いたいという地域の集落段階がございます。そこから市町村にまず申請をしていただきます。市町村から都道府県。当然ながら、地域の積み上げで都道府県知事から国の方に申請が上がるという形になります。
#26
○岩永浩美君 いやいや、私が言っているのは、法案の、担い手、経営安定対策の議論の中で、この法案、成案になる前に、与党の部会の中では、それぞれの地域の実情はそれぞれの県知事が一番やっぱり理解をしているから、それぞれの県知事の裁量権によってそのことは認めるということを付加して、それで説明を我々は聞いていたつもりなんですよ。しかし、それが今度、そういうところを特認事項として、知事は国の同意を得なければそれはできないというふうになったのは、またハードルを一つ高く上げて、また一つクリアしなきゃいけない課題になってしまうから、裁量権ということができなくなるんですよ。
#27
○政府参考人(高橋博君) 先ほど来御説明させていただいておりますけれども、この都道府県知事の発意による裁量ということはきちんとした仕組みとして設けているわけでございます。
 その発意による仕組みというものについてどのような形で透明性あるいは公平性を確保していくのかということ、法律に基づきます制度でございますので、きちんとしたやはり説明責任が求められると、そういう前提の下で、この特例措置についてもこのような仕組みを取っているところでございます。
#28
○岩永浩美君 やっぱり、知事の裁量権と国の特認事項として申請をしなければそれは了承されないということとはちょっと違うんですよ。
 過日私は、民主党の平野先生が予算委員会の中で、農業をやろうと思って非常にやっぱり意欲を持っている農家の人たちが非常に小規模な一つの面積しかない。その人たちの農業に対する一つの姿勢を高く評価しながらも、営農、今からの一つの農業政策として、集落に入らなければいけないその人たちが集落にかかわれない、集落の面積要件がかなわない農家の人たちをやっぱり保護をするということは必要なんだろうと、国土の保全のためにも地域の環境保全のためにもという御意見を言っておられましたよ。
 私は、そういう部分の人たちに対する手当てというのは、知事の裁量権によって認めていただくことによって地域の集落は守られていくんじゃないのかなという思いを強くするんですよ。
 大臣、それはどう思われますか。
#29
○国務大臣(松岡利勝君) 岩永先生の思いも思いとしては分かるんですが、これは私もちょうど党では委員長をやっておりまして、この取りまとめをずっと何年にもわたってやってきたわけでありますが、随分いろんな議論がございました。その中で、じゃ、どうしても特別やっぱり特殊な状況、そういったものがあるとすればそれをどう認めるか、こういうことであったと思います。
 そこで、今先生がおっしゃっているのは、国が審査することがハードルを高くしているんじゃないかと、こういう御指摘ですけれども、仮に例えば同じ都道府県の中で今度は考えたといたしましても、市町村ごとに今度はその基準を特認的に認めるとすれば、やっぱりこれは市町村の違いによって実は認められたり認められなかったり、こういったことになってくるわけでして、そこでやっぱり合理性のある、客観性のある、なるほど、それならこれは特別やむを得ないなというような点については、どなたが見てもそれはそうだなと言われるようなやっぱり論理が必要なんだろうと思います。そこで、県によってやっぱり、損得と言っちゃなんですが、公平性、平等性が欠けるということになれば、これはやっぱり国全体の政策としてやっているわけですから、何らかのやっぱりそこには統一的な基準が必要じゃないか、こういうことなんだろうと思います。
 そういうことで、知事のその示してこられたものを客観的に、これはまあやむを得ないと、まあ当然だと思えばこれは認めるわけでありますから、決してハードルを高くしているというような意味じゃなくて、正に実情に基づいて特認というものを審査をしようと、こういう趣旨だと思いますので、御理解いただければ、上がってきたものについては十分こたえられるような、そういう対応ができると思っています。
#30
○岩永浩美君 私は、知事の裁量権が不透明だと思わないんですね。知事の裁量権だって透明性を高めていかなきゃいけないことは言うまでもありませんね。だから、それぞれの県によって損得があるとかということもそれは是正しなきゃいけないことはもう事実。
 ただ、やっぱり、それぞれの地域の実情によって、地形が全然やっぱり違うわけですから、それぞれの沢、沢があって、その中で農業をいそしんでいるところと平場の農業とは全然また違う。だから、その集落に入れない小集落、零細中小の農家の皆さん方の救済策というのは当然やっぱり考えていくべきであると。そのことについては、自治体の隅々まで存じ上げている、存じておられる知事さんたちがやっぱり裁量権を持って処していくということが一番必要なのではないのかなと。その裏には、透明性を十分確保しながらやるということは私は依存はありません。当然そうじゃなきゃいけない。
 ただ、やっぱり零細中小の農家の皆さん方が農業にいそしむという、そういう意欲を持っておられる、その人たちに対する救済策というのは、やっぱりそこは何らかの形でしていかなければいけないことではないのかなと、そういう強い思いがあるので、そういう集落にかかれない人たちの救済策としては、私は知事の裁量権というものをやっぱりもっと認めてやるべきだと。国にそのことの特認の申請をしてやらなければそれは認めないという堅苦しいことは言う必要ないんではないのかなと。
 それぞれの特性というのはそれぞれの知事さんたちは知っておられるわけだから、やっぱり知事さんたちに透明性を確保することは言わずもがなの話で、十分、そんな恣意的に、ここはこれぐらいでいいやというようなことには私はならないと思うんで、そこは知事の裁量権を認めていただくようにお願いをしたいと思いますが、いかがでしょう。
#31
○政府参考人(高橋博君) 大臣の方からもお答えいたしましたとおり、先ほど来、この知事の特認、きちんと、外に向かいましても、対外的にもきちんと合理的に説明ができ、私どももこれを全然否定をするということの立場でこの運用をするわけではございませんものですから、全国的な透明性の確保あるいは手続という形で、これは法律に基づきますやはり制度でございますので、この点についてをきちんと確認する手続という形でさせていただいております。
 しかし、繰り返しになりますけれども、大臣申し上げましたとおり、やはりこれは当然だろうというものについてこういった形で拒否するものではございませんので、その点御理解いただきたいと思います。
#32
○岩永浩美君 重ねてお願いをしておきますが。
 原則的な一つの基準を明示されると、末端ではそのことだけが独り歩きするんですよ。今ここで議論をしている皆さん方は柔軟な一つの考え方で対応するということを言われるけど、現実的に申請をし事を上げていこうとすると必ず、項目の中に、規則の中にこうなっているからという、もうそれだけでずっとやってくるんですよ。そのことの繰り返しなんです。だから私どもは強く言うんですよ。ここで議論しているように、皆さん方、大臣以下幹部の皆さん方はそういうことを踏まえて理解しながらやっていくということを言われるけど、原則を示すとそれだけになってしまっている例というのは幾らでもあるじゃないですか。何でもそうじゃないですか。
 だから、あえて私は、くどいようだけど、やっぱり担い手を育成しなきゃいけない、これも大切なこと。集落営農としてやっぱり規模の拡大をしていくこと、効率のいい農業をしていくことに、本当にこれは取り組んでいかなきゃいけないことも理解しているんです。
 他方、そういう弱者、すなわち中小零細農家の人たちに対する救済ということについてもやっぱりもう少し配慮があってしかるべきだし、いや、繰り返し言うようですが、こういう原則はちゃんと示さなきゃいけない。原則は分かっていますよ。それで通らないから言っているんですよね。是非、今後の運営の在り方については配慮をしてやってもらうことをお願いをしておきたいと思います。
 次に、農産物の輸出促進についてお尋ねをいたします。
 大臣の所信で、安倍内閣の重要目標の一つである二十五年までに一兆円の貿易を目指すということを明言しておられる。もちろん、農林水産物の輸出促進は大変大切なことであり、やっぱり農林水産業の位置付けということを明確に示していく上において貿易額一兆円到達を目標にしていくというのは、本当に目標で、実際到達できれば大変こんなにいいことはないなと私は思っています。
 特に、大臣は中国の市場に目を配っていただいて、市場開拓にも努力をされ、かつまた中国へも再三再四にわたって貿易促進のために御努力いただいていることを大変喜んでいます。特に、中国市場では、大臣が日本産米穀の禁輸措置、随分御努力いただいて米の輸出ができるようになりました。ただ、私どもは心配するのは、米を輸出することによるメリット、デメリットとは言いませんけど、メリットばっかりではないと私は思いますね。
 特に、大臣は前の所信表明の折に、貿易は常に相互主義だと、こうおっしゃっておられます。その相互主義は、輸出をした額の分をまた輸入を、強制されるとは言いませんけれども、やっぱりこれだけの輸出をしているんだったらこれだけの輸入をしてくれというような話というのは出てこないとも限らない。特に私は、かつてあのネギやイグサ、大臣の出身地である熊本のイグサ、あれは中国から随分やっぱりリスクを負いましたね。そういうふうな一つのやっぱり輸出、今回の中国に対する米の輸出に対して、その日本側が受けるリスクというのは将来考えられないのかどうかということを非常に疑問視するんですね。
 以前の委員会の中で、中国から米の輸出についていろいろな意見を申した折に、向こうから、稲わらの輸入についても向こうから言われたやに報道されたことがありました。そのことについて今日は私は申し上げませんが、米の輸出に対する日本側の今後のリスクということは考えなくて本当にいいのかどうか、それについて大臣はどういう御見解をお持ちか、お尋ねをしておきます。
#33
○国務大臣(松岡利勝君) 岩永先生御指摘の相互主義、私も前の委員会のいつかのときに相互主義ということを申し上げたということでありますが、私が申し上げたのは、今中国から日本にはもういろんなものが入ってきています。ところが、日本からは行けないわけですよ。だから、逆に、向こうから来ているのに、一方通行なのに、こちらからも行かせてもらいたいという意味の実は私は相互主義と言ったわけでございまして、もう既に金額にして中国からは一兆二千億円、農産物が入ってきているんですよ、一兆二千億円。ところが、我が日本からはナシとリンゴを合わせて六千九百万円しか行っていない、まだそれだけしか行っていない。こういうことでございますので、私は、向こうからの一方通行であるものをこちらからも行けるという意味の相互通行にしてもらいたいと、こういう意味の相互主義と、こう言ったわけでありまして、もう既に向こうから十分入っている。こっちからも、まあ見合ってというわけには、量が全然違いますから、向こうに見合ってというわけにはいかないにしても、こちらからもどんどん行けるようにということを実は申し上げたつもりでありまして。
 そして、中国の富裕層、もう一億人とも二億人とも言われるんですが、とにかくもう大変な規模の富裕な方々がおられる。その人たちがやっぱり日本産のおいしいものを是非食べたいと。特に、米なんかにつきましても、もうあらゆる事実関係で、日本の米を食べたいし、欲しい、一遍食べたら病み付きになるというようなこともございまして、私どもはそちらに大きな期待をしたいと。
 また、中国に商社がありまして、COFCOと言うんですが、チャイナ・オイル・アンド・フード・コーポレーションですか、そういう、これが一番中国の大きな農産物商社。ここのトップの人たちとお会いをいたしましても、日本産の米は、これは中国においては相当売れるというようなことを事実としておっしゃっておりますので期待をしているわけでありまして。ちょっと、もう長くなり過ぎてやめますが、いずれにいたしましても、私が申し上げた相互主義というのは、相手から来ているんだからこちらも行かせてもらいたいと、こういう意味の相互主義だと。
 そして、やっと今、米について、今度、温家宝総理がお見えになって安倍総理と首脳会談がある。そこで初めて決着を見ることができるということでございまして、そうすれば二、三か月の事務手続が掛かりますが、四月から二、三か月掛かったら、日本から第一便が中国にも米は行くことができると。そのほか、牛肉や、それからまた果樹や野菜やいろんなものを、やっぱり日本のいいものを、おいしいものを向こうにもどんどん入っていけるようにしてもらいたいと、こういう思いであります。
 それから、稲わらにつきましては、これは日本の畜産農家も稲わらというものを非常に求めていると、こういったこともございますので、衛生的な条件が許せば、これはまあ当然元々入っておったわけでありますから、日本の求めもございますので、衛生的な条件、これも科学的な基準に従って判断をしていくことになると思っております。
#34
○岩永浩美君 中国が一大市場であることは私も認めるし、貿易促進することも理解をいたしますが、ただ、主要作物、米の輸出によるリスクが将来起こらないことを我々は懸念するので、そういう一つの懸念がないような、秩序のある一つの貿易が促進されることを期待をしておきたいと思います。
 そこで、関連してですけど、香港への輸出、米の輸出ですね。これは前よりもちょっと伸び悩んでいるということを聞いていたんですけど、これは中国とは別の独立した取引相手国だというふうに考えていいはずなんだけど、中国との関係で伸び悩んでいるんですかね、それともそういう関係ではないんですかね。
#35
○政府参考人(佐藤正典君) お尋ねの香港への農産物の輸出の関係でございます。
 制度的には、基本的には別の形で運用されておりますけれども、香港自体、我が国からの農林水産物の輸出は大変多い地域でございまして、米国に次ぐということで、中国より多いような姿になっております。
 二〇〇三年のころ、一度円高等の進展で少し輸出が減ったことがあるんでございますけれども、その後順調に拡大をしておりまして、二〇〇六年の輸出額は対前年比で一一%増の六百十億ぐらいになっております。それから、中国全体も比較のために申し上げますと、香港の次ということで、ここ四年ぐらいは三位の地位になっておりまして、毎年増えております。二〇〇六年では対前年比で二三%増ということで、五百八十五億というようなことで高い伸びを一応示していると。品目ごとにはまたいろいろあろうかと思いますけど、全体としては両地域とも大きく伸びている。
 米につきましては、香港につきましては、平成十七年度で九十五万トン、精米ベースでありますが、九十五万トンということで、台湾の四百八十四万トンに次ぎまして大きな輸出の対象地域ということになっているわけでございます。
#36
○岩永浩美君 いやいや、対象地域というのは分かっているんだけどね。
#37
○政府参考人(佐藤正典君) 済みません、ちょっと今読み違えまして、四百八十四トンと九十五トンということでございます。大変失礼をいたしました。訂正をさせていただきます。
#38
○岩永浩美君 香港の伸び率というのがどれぐらいかということをお尋ねしたかったんですね、伸び悩んでいるということだったので。これは、中国との関係で伸び悩んでいるということじゃないんですね。そこだけ。
#39
○政府参考人(佐藤正典君) ただいまの御質問でございますが、単年の数字しか手元にございませんで、伸び率ちょっと確認できませんけれども、中国との関係で伸び悩んでいるというふうには理解をしていないところでございます。
#40
○岩永浩美君 それは、中国とは全然、香港との貿易とは別の問題ですからね。輸出促進を一方の方で進めていくという上においては、是非、東南アジア、台湾にしても香港にしても中国にしても、同じような一つの形の中で促進方をお願いをしておきたいと思います。
 次に、環境省と総務省に来ていただいているので、鳥獣害対策について、まず先にちょっとお尋ねをしたいと思います。
 もう皆さん御案内のとおりに、イノシシやクマの被害が大変多くなっていますね。今、農林水産省だけで、統計で被害総額は二百億ぐらいだと、こういうふうなお話があります。それから、中山間の直接支払等々で、今、中山間地域の中における耕地の保全のために直接支払制度を設けていただいているんですけど、現実的に、よく話を聞いてみると、中山間地域の直接支払のうちに、何割かは、イノシシの駆除のためにそういう防さくネットを作ったりという、どちらかというと、中山間の維持というんじゃなくて、後ろ向きな一つの施策に金が使われている部分というのはやっぱりあるんですね。
 だから、鳥獣害対策というのは、農林水産省でやることも大変大事な仕事なんですけど、農林水産省の予算だけではなくて、環境省とか総務省とか、総合的にやっぱり関係官庁が一緒になってやっていかないとその効果の実効は上がらないと私は思うんですよ。
 それで、最終的に農林水産省の予算の伸び率が幾らとか、そういうふうな感じに数字としては結果的に出てくるわけですから、農林水産省ももちろん鳥獣被害対策は講じていただいているけど、環境省としても、もう今、人に危害を加えるような形になってきて、環境省はどちらかというと生物の保護とかそういうことに重点を置いていて駆除することについては今までどちらかといえば反対してきていたけど、もう看過できないようなことになってきたので、現実的にそのことに対する総合的な対策をやっぱりお示しいただくことが大事だと思うんです。
 農林省の予算は、鳥獣被害のほかに、強い農業づくり交付金とかいろいろなもの二、三ありますけど、その強い農業づくり交付金の中だって何割かしか鳥獣被害には回っていないんで、現実的に農林水産省の予算も増やしていただくと同時に、環境省や総務省、総務省においては自治体に対する一つの財源補てんとかそういうことを含めてやっていただかないと、もう全国全部でやらなければ意味がないんですね。特定の地域だけでやってもこれは問題の解決にならないんで、それぞれどういう考え方をお持ちなのか、お聞きしておきたいと思います。
#41
○政府参考人(津曲俊英君) 現在、地方公共団体が取り組む鳥獣被害対策に係る経費についての地方財政措置ですが、都道府県分は狩猟税のほか普通交付税によって、また市町村分は特別交付税によってそれぞれ所要の財政措置を講じているところであります。
 総務省といたしましては、今後とも、関係省庁と連携を図りながら、また地方公共団体の御要望などを踏まえて、地方公共団体による鳥獣被害対策の取組が円滑に進むよう適切に地方財政措置を講じてまいりたいと考えております。
#42
○政府参考人(冨岡悟君) 鳥獣被害対策につきまして、環境省の取組について御説明申し上げます。
 農作物等に被害を与える有害鳥獣につきましては、都道府県知事や市町村長等に対しまして申請をしまして、特に時期とか地域の区別なく捕獲することが可能でございます。また、計画的な鳥獣保護管理を進めるために、都道府県におきまして鳥獣の生息数を狩猟も活用しながら適切に管理し、併せて被害防除対策及び生息環境管理を総合的に進めるという目的で、平成十一年の鳥獣法改正によりまして特定鳥獣保護管理計画制度を設けたところでございます。この計画は、現在四十三都道府県で八十四計画が策定されているところでございます。
 このような取組もございまして、具体例を申し上げますと、平成十一年から平成十六年の六年間での代表的な有害鳥獣捕獲と狩猟を合わせた鳥獣の捕獲頭数を申し上げますと、シカにつきましては年間十三万頭でございましたのが十七万頭に、一・三倍に、イノシシにつきましては十五万頭から二十七万頭に、約一・八倍に、猿につきましては一万頭から一万七千頭、一・七倍捕獲しております。
 さらに、昨今の鳥獣被害の深刻な状況を踏まえまして、昨年の六月に鳥獣法を改正いたしました。この中で、都道府県知事の判断で休猟区におきまして狩猟による特定鳥獣の捕獲ができることとすること、それから、狩猟免許取得の負担軽減のために、これまで網・わな免許ということで二つの免許が一緒になっておりましたのを、網免許とわな免許に分けまして取りやすくすると、このような対策を講じたところでございます。
 さらに、今後とも、先ほど申し上げましたような特定計画制度の適切な実施を図るために、こういった計画策定のための研修、それから人材の育成、それからこういった計画を作るためのマニュアルの整備、こういったことを進めてまいりたいと思っております。こういうことを通じまして、都道府県がこういった計画を通じまして適切な対応ができるよう、今後とも努力してまいる所存でございます。
#43
○岩永浩美君 それぞれの役所で来年の対策、現在の認識等々を御披瀝をいただきました。まずは、農林水産省を中心として環境省や総務省、それぞれの関係省庁が一緒になって鳥獣被害対策については具体的に今後の対策を講じていただきたいと思います。
 次に、時間がなくなったんで一つ、まだちょっと数問提案をしておりましたが、時間がないので、農地・水・環境保全対策について質問をしておきます。
 まず、今回の環境保全対策で、十九年度予算に向けた交付金が、水田で十アール当たり四千四百円、畑は二千八百円、中山間地域の直接支払の交付金と比べると随分やっぱり少ないわけですね。現実的に担い手に土地を集約をしなければいけない、それで集落に依存してやっていくということになってくると、今までは地域全体で水保全の管理をやっていたやつが担い手とそれから集落にお願いをするということになると、畦畔作業とかそういうふうな問題も一方に出てくるから、現実的に水管理や環境保全というのはできなくなるんじゃないかという心配あるんですね。
 だから私は、今後は、一番大切な農地や水や環境保全対策のためには、具体的にやっぱり地域全体で守っていくという一つの姿勢を示さないと、担い手や集落にだけ依存していくと非常にやっぱり荒廃地が出てきてしまうんじゃないかと心配するんです。
 だから、そういう点で、ある一定の政策補助、交付金というものはもう少しやっぱり上げてやらないと、担い手だけに負担が行って土地の集約をしようとしても集約ができないような形が将来できかねないということの心配をするが、それについての見解が一点。
 それから、この水管理について、それぞれの地域の土地改良組合というのは、今まではやっぱり基盤整備事業では土地改良組合の位置付けは明確に非常に事業の推進役になってこられました。しかし、今回、与党の議論の中でと言えば大変語弊があるんだけれども、土地改良組合というのは一歩引いた方がいいんじゃないかというような御意見等々が議論の中に出ていたこともありました。しかし、私はやっぱり、土地改良組合の人たちが中心になって環境保全、水管理というものをしていくということが地域全体の環境用水の確保にもつながっていくことになるので、そういう点については水土里ネットワークの活用というものをもっとやっぱり明確に打ち出していくべきだと思うんですが、それについてどういう御見解かお尋ねをして、私の質問を終わりたいと思います。
#44
○副大臣(国井正幸君) 確かに先生おっしゃるように、なかなか中山間地域における面的な集約というのは大変困難だというふうに思っております。したがいまして、農林水産省としても、担い手に農地を集積した場合の促進費、これは中山間地だけではありませんが、全体的な予算措置を一つは講じさせていただいている。
 それから二つ目には、やはり担い手の労力の軽減を図っていくためには、特に中山間地等においては畦畔等も多いわけでございますから、これは不十分という御指摘もいただいておりますが、農地・水・環境保全対策等で地域全体を守ると、こういうふうなことで、兼業農家あるいは非農家等の御参加も得てしっかりとその辺は地域全体を守っていくと、こういう施策を現在展開中でございます。
 あわせて、最後の土地改良の問題でありますが、私も是非、土地改良は一つの水系であり、あるいは地域のまとまりでもありますので、有機的なつながりがあるというふうに認識をいたしておりますので、これのやはり再活用というものをしっかり考えていきたいと、このように考えております。
#45
○岸信夫君 自民党の岸信夫でございます。
 先日の農林水産大臣の所信に関しまして御質問させていただきます。
 まず、安倍総理の施政方針演説の中で農林水産業について、新世紀の戦略産業として大きな可能性を秘めている、このように位置付けておられます。
 では、どのようにして農林水産業が戦略産業として育っていくことができるか。松岡大臣は所信におきまして、農林水産業や農山漁村が持つ潜在能力を最大限に引き出すこと、このことが戦略産業につながるということを述べておられます。食の安定供給あるいは国土の保全、景観の形成など多面的な機能を通じまして、国民全員が、これは農村のみならずやはり都市に住む国民も一人一人がその恩恵に浴している、農林水産業と農山漁村の持つ価値を我々国民一人一人が理解する、このことが大変重要なんだろう、こういうふうに思うわけであります。
 しかしながら、これまで長年にわたって農林水産業、ありとあらゆる施策を講じてきたと思いますが、それでも今非常に厳しい状況にあることは間違いないわけであります。さらに、これからグローバル化という我が国の農林水産業にとりましても言わば新たな脅威というものに直面していくわけでございます。
 そういった環境において、農林水産業を戦略的産業と位置付けることはなかなかある意味難しいんじゃないか、こういうふうにも思うわけです、このままの流れでいけばですね。大きな転換、考え方の転換、これが必要になってくるんじゃないかというふうに思うわけですけれども、大臣がおっしゃる農林水産業を戦略産業へ変貌させていくためのその突破口、どこに求めていくのか、大臣の考えをお聞かせいただきたいと思います。
#46
○国務大臣(松岡利勝君) 岸先生の今お尋ね、御指摘の点でございますが、二十一世紀は人口、それから食料問題、エネルギー問題、環境問題、こういったことが地球的な規模の大きな課題になると、こう言われております。そういう中で農業がどのような役割を果たしていくのか、また求められるのか、こういうことに私はなると思っております。
 そこで、そうした観点から見た場合、農林水産業は食料の生産、供給を担うだけではなくて、今までは食料が農業生産のお得意さん、こういうことだったわけでありますけれども、もう今や世界はバイオマス燃料、こういったようなことでも大きく今方向が動いております。したがって、食料に加えて今度はエネルギーという、そういう大きな領域が需要分野として出てくると、そういうことでございますし、またそこを目指していくと、これが一つでございます。したがって、農業としてはバイオエネルギーの原料生産を担っていくと、正にお得意さんが一つから二つに増えていくと、こういった大きな変化もあると思っています。
 それからまた、自然循環機能によって地球環境にもそのことが大きく貢献をしていく、こういった意味でも大変求められるそういうものが強くなってくると、こう思っています。
 そこで、もう一つには、やはり今、日本農業、日本の農産物というものの私は置かれている状況というのが非常に大きく変わってきていると思っています。今世界は日本食ブーム、やっぱり何といっても健康志向、おいしさ志向、こういったことがございまして、世界じゅうで日本食ブームというのが大変な勢いで伸びてきていると。そういうふうに、日本の農産物に対する需要というものが、これはもう今までにない形で私は求められてきていると、このように思っております。
 そういったようなことを考えますと、やっぱり将来大きな展望が開ける、そういう具体的な分野というものが広がりつつある、こういうふうに思っているわけでありまして、そこに向かって大きく取り組んでいくことによって、私は、正に二十一世紀の戦略産業として大きく発展の可能性を持っていると、これは安倍総理が言われるとおりだと、このように思っております。
 バイオマス燃料にいたしましても、これはエネルギーとして、そしてまた地球環境にこたえるというだけではなくて、これは新たなまたエネルギー産業としての面も持っているわけでありますから、地域においては雇用につながり、所得につながり、地域の大きな活性化につながっていくと。そしてまた、農産物も日本のその優れた面を生かして大きく海外、世界全体に発展の可能性を持っていると。そして、それをしっかりと支えていくためにも、生産基盤といいますか、生産面の強化ということで品目横断担い手経営安定制度、こういったことによって生産の構造をしっかりと改革をして強くして、そのことによって自ら農業自体の道を切り開いていくことができる、そのような実は取組を進めれば必ず戦略産業として大きな発展を遂げることができると、そう確信を実はいたしておりますし、そう進めたいと思っております。
#47
○岸信夫君 ありがとうございます。
 今大臣がおっしゃられましたバイオマスエネルギーの問題、確かに我が国は食料もそれからエネルギーも輸入に今依存している状況でありますから、そういう意味では、バイオマスエネルギーの開発という意味では、もちろんこれは我が国、食料だけではなく、大きな意味で戦略的に取り組む価値のあるものだろうと、こういうふうにも思います。また、環境面ということも無視できないわけであります。
 ただ、このバイオマスエネルギーにつきましては後でも少し述べたいと思うんですが、逆に食料の需給状況に対してもある意味大きな構造の変化をもたらしているのも事実だというふうに思っています。これが一つ今の、昨今の穀物の価格高騰ということにもつながっておるわけでございますし、この状況というのはそう簡単に変わらないということも言えるんじゃないかと思います。
 何より、大臣も今御指摘ございましたけれども、足下の国内の農業というものがしっかりしたものになっていかなければ、その上にある戦略的な攻め方というのもできないんだというふうに思います。ですから、先ほどからも岩永委員の御質問にもお答えいただいておりましたけれども、まず生産面での構造改革をしっかりと進めていかなければいけないんだろうというふうに思います。
 それでは、我が国の食料自給の考え方につきまして御質問させていただきたいと思います。
 戦後、非常に厳しい時代を経験してきた我が国でございます。その中で、貧しい時代から経済発展とともに大変豊かな社会が今実現したわけでございます。しかし、一方で、食料については自給率が今下がってしまっています。
 過去、お米やお芋で栄養を調達していた、確保していた時代から、今は多様な食が、そういう需要にこたえられるような食品産業が日本に出てきた。そういうことで、我々の食卓はいろんなものが食べられると、そういう意味では豊かになったのかもしれません。しかしながら、その食料は輸入に依存していると、こういうのが今の現状だろうと思います。言わば物余りの社会が食卓にも現れているんだろうと思います。ですから、幾ら、我が国の食料は海外に依存している、自給率が低過ぎるんだということを国民に訴えても、一方ではこれだけ豊かな食事があるじゃないかということを考えると、全然危機感がないわけですね。
 これは、どんなときにも自給率を向上させて、いざというときにも国民が飢えることのないようにしていかなければいけないわけですけれども、今、様々な方策を過去お取りいただいていますけれども、それでも四〇%から引き上げることができない、こういう状況にあるわけですけれども、この現状をどのようにお考えになりますでしょうか。
#48
○副大臣(国井正幸君) 委員御指摘のように、我が国の食料自給率、昭和三十五年は七九%あったというふうに承知しておりますが、現在、御案内のとおり、四〇%と、こういうふうに言われております。様々な努力をしてきたわけでありますが、一向になかなか食料自給率が上がらない。その最大の原因は、やはり消費と生産のミスマッチなんではないかと。つまり、消費者が求めているものと、国内で生産条件がまたありますので、なかなか消費者の皆さんが求めているものが我が国の気候風土の中で栽培あるいは生産できないという問題等もあったろうというふうに思います。
 その端的な例が米なんではないかなというふうに思っておりまして、昭和四十年代は一人当たり恐らく百二十キロぐらい年間消費していたと思いますが、直近のデータで見ても、平成九年は六十六・七キロ、それが平成十五年では六十一・九キロということで、米の消費が落ちていると。国内で唯一自給できる米の消費が伸びないと、このことに最大の原因があるだろうというふうに思っておりまして、これは生産だけではなかなか難しいということでございますので、食育等を含めて生産と消費両面から、是非幅広い国民の皆さんの御理解をいただきながら自給率向上に努めていきたいと、このように思っている次第でございます。
#49
○岸信夫君 今おっしゃられた消費と生産のミスマッチ、私もそのとおりだと思います。
 食品産業というものがどんどん発展していった中で、いわゆる消費者志向、コンシューマーオリエンテッド、こういうことが随分言われてまいりました。ある意味では産業自体が、食品会社自体が需要をつくり出していた、そういう意味もあったと思います。ただ一方、生産サイドを見てみますと、農業はそういった消費者の需要に十分こたえてこなかった。直接消費者の動向を見ていなくても作ったものは買ってもらえる、こういうところだったと思います。そういう意味では、その時期、大変国内の産業、国内の農業には甘えというものがあったんじゃないかな、これは認めざるを得ないところがあるというふうに思います。
 今消費者の需要に敏感にこたえられる農業者というものも増えてきていると思います。そういった方々の作る農産物、いろんな形がありますけれども、これは非常に市場にも受け入れられて高い値段で取引される、こういうものも増えています。こうしてまたそういうところに入っていこうと頑張っておられる新規参入の方もおられるわけです。こうした方々に対してはしっかりと支援をしていかなければいけないんだろうと思います。
 そういったところを重点を置いてめり張りを付けながらやっていく。もちろん、大変厳しい環境にある農業者の方々もその下支え、底上げというものはこれはこれで必要なんだろうとは思いますけれども、もっと農業をリードしていくような方々に対しても支援をしていく必要があると思うんですけれども、こうしたこと、こうした国の施策の重要性についてお話をいただきたいと思います。大臣。
#50
○国務大臣(松岡利勝君) 今先生がおっしゃいました、また国井副大臣も申し上げましたミスマッチなんですが、この点は非常に重要だと思っております。消費者が求めるもの、またもっと違う言葉で言うと売れるもの、それをやっぱりしっかり作っていく、こういった取組というのは大事だと思っていますし、麦なんかでも、政府買上げから民間流通に切り替えて、そういった方向を明確に打ち出して、実需者が本当に求めるものを生産も努力をして作っていこう、今そういった方向に大きく向いてきていると思っております。すべてにわたってそういったことを突き詰めていく、正に農業サイドの努力としてそこは精一杯やっていくと、こういうことだと思います。
 あわせて、今先生が御指摘がございましたような、いわゆる配慮といいますか、いろんな手当て、こういったことも十分、一方で私たちはしっかりとやりながら、今回の生産のいわゆる担い手経営安定制度、これによって日本農業の持っている生産の総合力を最大限に発揮していこう、そこにはいろんな人の参画を得ていこうと、こういうことでございますので、たとえ〇・一ヘクタールの人でも一人だけでは弱いわけでありますけれども、これが大きくまとまり固まることによって大きな力として発揮することができると。そういうようなことで、正に小さいものを足し合えば大きな力になる、そういうような趣旨も含めまして、これらのいろいろ手当てをしていこうと、こういうことでございますので、よろしくまた御指導いただきたいと思います。
#51
○岸信夫君 ありがとうございます。
 先日、農水省の国際食料問題研究会というものが設置され、初会合が開かれたということでございます。この研究会設置の目的がどういったものであるんでしょうか。新聞などでは、経済財政諮問会議に対する牽制ではないか、こういう見方をするところもあるようなんですけれども、世界の食料事情というものが今大変大きく変化をしている中で、この研究会に何を、どういったものを期待していかれるのか、副大臣、御答弁いただきます。
#52
○副大臣(国井正幸君) 今委員御指摘のように、バイオエタノール等でトウモロコシの価格等も高騰していると、こういうふうな状況もございますし、また発展途上国の経済成長に伴って食生活の変化等も見られると。そういうもろもろの世界的な情勢の変化をしっかりと見据えて、これから先、国際的な食料の自給率、自給状況がどういうふうに展開していくのか、それを有識者の御意見等を賜りながら、少なくとも食料を預かる農林水産省としては国際情勢の分析をしっかりやっぱりやるべきだと、こういうふうなことで、この五日に省内に国際食料問題研究会というものを設置したところでございます。
 これは、そんなに長い時間掛けるわけではなくて、今月と来月ぐらいの二か月ぐらいでしっかりとそういう情勢を分析をして、少なくとも世界の食料需給の現状と見通し、あるいは人口大国における食料需給の現状と見通し、さらに我が国における食料需給の現状と見通しといった食料をめぐるトータルの状況を客観的に把握、分析をして、その後、人口の増加あるいは地球温暖化などの個別テーマについて研究を進めていきたいと、深めていきたいと、このように考えておるところでございます。
#53
○岸信夫君 今おっしゃられたとおりで、世界の食料事情というものが大きく今変化をしておるところだと思います。そういう意味では、これまでそういった分析の機関が農林水産省の中に本当になかったのかどうかというのは非常に、なかったとしたらこれは大変な疑問ではあるんですけれども、しっかりとそこを、まず基礎的なところを分析していただいて、我が国の農業はどういう方向に向かっていかなければいけないか、これは将来も見据えてしっかりと議論をしていただきたいと、こういうふうに思うわけであります。
 その自給率の話にちょっと戻りますけれども、なかなか自給率が上がってこないということの中に、やはり国民の食生活が昔からどんどんどんどん変わってしまっている。日本型の食生活から西洋型に変わってしまったというのも、これも一つの理由ではないかということも考えられるんですけれども。
 食育基本法が成立をいたしました。そして、国民の食生活の改善が図られているところだと思います。いろんな形、例えば食事バランスガイドというのも出していただきましたし、さっき言いました日本型食生活の推進ということは常に、これはもっともっと私は広報していくべきだろうと、こういうふうに思うわけです。メタボリック症候群なんということもなかなか私も含めて人ごとではないと、こういうふうに思っているわけですけれども、健康な社会をつくるためそういう日本型食生活のPR、これをもっと進めていくべきだと思いますが、お考えをいただきたいと思います。
#54
○大臣政務官(永岡桂子君) お答えいたします。
 日本型の食生活は、日本の風土に適しましたお米を主食といたしまして、それを取り囲みますおかず、つまり副食から構成されております。皆様方、どうぞ昭和五十年代半ばのころ、私たち日本人が各家庭で食べていたころの食卓を思い浮かべていただければよいかと思います。栄養のバランスに大変優れまして、日本型の食生活を促進することによりまして、これまた食料自給率の向上はもとより、日本各地の伝統的な食文化の継承にもつながることが期待されるわけでございます。
 このために、農水省といたしましては、各地でシンポジウムやイベントを開催いたしましたり、またテレビ、車両広告ですとか雑誌などを通じましてこの日本型食生活の普及啓発をしております。また、そのほかには、皆様方スーパーでごらんになったことあるかもしれませんが、先生さっきおっしゃいました食事バランスガイドのポスターですとか、そういうものを、食品を購入いたしましたり消費する場での普及も行っております。また、このバランスガイドにつきましては、地域の郷土料理や特産品を取り入れました地域版の食品バランスガイドというものも作成しておりまして、それぞれの地方に親しんでいただけるように工夫を凝らして、また日本型の食生活の推進に取り組んでいるところでございます。
#55
○岸信夫君 ありがとうございます。
 どうしてもこれまでのやり方を見ていますと、いわゆるお役所的な広報というのは、お役所の方が見て感じているほどは民間の人に訴え掛けられていない、訴求効果がないということが多かったと思います。ですから、そういう意味では是非もっと民間の力を取り入れるような形で、政務官もおっしゃいましたけれども、それぞれの地域、郷土料理なんかを生かしていく、こういうことも大変大切なんだろうと思います。
 私の地元でも地産地消の運動を随分進めておられる、これはスーパーの社長さんなんですけれども、おられます。元々は日本の場合、地産地消というのが基本になって自給をしていたわけですから、そういったところの良さというものをもう一度回帰させるということもこれは大変重要なことだろうと思います。そういったスーパーの中で地産地消のコーナーを設けてそれをPRしたり、あるいは試食をさせたり、こういうことも随分やっておるところもあると思います。そういった動きをもっともっと政府としてもサポートをしていっていただければなと、こういうふうに思うわけです。
 先日、新聞でちょっと見掛けたんですけれども、米飯給食についての資料が出ておりました。これは文科省の調査でしたけれども、二〇〇五年度の全国小中学校で出される米飯給食が週二・九回だったと。週三回の目標に対して四年連続で二・九ということで足踏みを続けているということであります。
 給食制度自体にはいろいろな御意見もあると思います。ただ、私は、子供のときからこの米、米飯食に親しんでいくということでは大変重要な施策なんだろうというふうに思います。確かに、お母さんの作るお弁当を食べた方がおいしいには決まっているわけですけれども、ただ現実には忙しい家庭が多いわけですから、そうするとなかなかそうもいかない。では、給食という制度の中でどうしたらいいかと、こういうことになれば、やはり米飯を進めていくというのはこれは一ついいところだと思うんですけれども、なかなかこれが進んでいかないわけですね。これはいろんな出す側の事情というのがあるんだと思います。コストが高いということが一つ言われておりました。
 じゃ、子供にとってはどうなのかということでありますね。そうは言ったって、子供の方から、いや御飯が食べたいと、こういう希望が強くなれば、またそれはそれで動かす力にもなっていく。そういう意味で、子供自身の食生活というものがどういったものなのかということが大きく影響するんだろうと思うんですけれども、特に今ファストフードも町じゅうにある、あるいはコンビニで手軽に買えるようなものも増えてきちゃっているわけですね。
 ですから、いわゆる日本食、伝統的な食文化というものを子供のころから感覚的に受け入れるという機会がどうしても少なくなっちゃっているんじゃないかなというふうに思います。ですから、学校の給食の部分は、これは文科省の施策ではあると思うんですけれども、それ以外のところでもっと子供たちに日本食に親しませるようなことをやっていかなければいけないんじゃないかと思いますけれども、この辺りはどのようにお考えでしょうか。
#56
○大臣政務官(永岡桂子君) 委員御指摘のとおりでございます。
 健全でバランスの取れた食生活というのは本当に健康な体をつくりますし、また豊かな人間性をはぐくみます。本当に基礎となるものでございます。三つ子の魂百までと申しますし、大人のだれもがおふくろの味を懐かしく思うように、子供のころに身に付いた食生活や食習慣というのは本当に大人になっても変わらないわけでございますから、子供のころからの食育は大変重要と考えております。
 このため、農林水産省といたしましては、食育の一環といたしまして、学校給食におきましては、先ほど委員おっしゃいましたように、地産地消を心掛けまして、地元で取れたものを使って調理をいたしましたり、また米飯給食を進めております。また、子供たちが体験学習として田植、稲刈り、そしてまた芋掘りなどの農業体験とか、また自分たちで料理をしたり調理をしたりするような活動を推進しているところでございます。
 このように、小さいときからの自分たちの住む地域の食文化やまた農業に触れるような取組を通しまして、日本型の食生活、食育の実践を促しているところでございます。
#57
○岸信夫君 ありがとうございます。私も二人子供がおりますんで、彼らの食生活を見ていると本当に切実なものがございまして、是非しっかりと小さいころから取り組んでいただきたいというふうに思います。
 ちょっと、私も前聞いた話でハンバーガーの会社、どうやって地域に売れるようなマーケットをつくるかといえば、まず子供たちにハンバーガーを食べさせる。そうするとその子たちは、小さいころから慣れ親しめば大人になってもずっとハンバーガーを食べ続ける、こうなるんだと、こういうようなお話を聞いたこともあるわけです。ですから、子供のころにどういうものを食べたか、これは大変重要な経験になってくるんだろうというふうに思います。もちろんこれがおいしくなければ食べたくなくなっちゃうわけですから、そこはしっかりとやっていかなければいけないんだろうと思いますけれども。
   〔委員長退席、理事常田享詳君着席〕
 そういったことで、これは相当長い目で見なければいけないんですけれども、自給率を引き上げる形にもつながってくるんだろうというふうにも思うわけです。
 私は、この自給率、自給率にはいろんな取り方があると思います。カロリーベースであったり、あるいは数量、金額、いろいろあるわけですね。その中で、自給力という考え方も当然ある。自給率だけを見てみましたら、例えば今の食生活の中で輸入の部分だけカットしてしまえば、我々の食生活は多少豊かさというのはなくなるかもしれないけれども、自給率は上がるということになるわけですね。何となくこれではすっきりしない部分も実はあるわけです。
 もう一つ、私、自給率にこだわっていますのは、世界的な食料の安全保障の問題ということであります。今、六割を輸入に頼っている現状というのはもう先進諸国の中でも最低の危機的な状況であると。中国は穀物の輸入をする。さらに、アフリカが今随分穀物の輸入を増やしてきているわけですね。あと、先ほどございましたけれども、バイオエタノールの問題、これもトウモロコシの世界では大きく需給の構造を変えてきているわけです。
 ちょっとごらんいただきたいんですけど、お配りしたチャートが二枚ございます。一枚は世界のお米の需給状況、もう一つは小麦プラス粗粒穀物、いわゆる穀物全般の需給状況ということです。まず、青い棒が生産量の推移ですから、過去、長い目で見れば生産量も増えてきている。そのこと自体はいいんですけれども、ここ数年見ますと、在庫がどんどんどんどん下がってきてしまっているわけですね。この赤い棒の部分です。特に、消費量に対する在庫量というものは大変低いレベルになっているわけです。穀物で一五%、米で二〇%を割ってきている、こういうような状況であります。
 ということはどういうことかというと、何か生産の方に大きな問題が起こったら一気に食料危機というものが世界規模で起こってしまう可能性もないわけじゃないということだと思います。もちろんここには、消費量という部分で見ますと、当然アフリカのように十分食べていけていないところもあるわけですから、潜在的な消費量というのはもっともっと、消費需要というのはもっと高いところにあるというふうには思いますけれども、いずれにいたしましても、昔のような穀物は常に余っているような状況ではなくなってきているんじゃないかというふうに思うわけです。
 こうした不安定な状況になりつつある世界の食料の中で、我が国が必要な食料を確保していく。もちろん、自給率、国内の自給率を高めていくというのもこれはもちろん必要なことで、基本ではありますけれども、足りない部分を海外に依存しなければいけない今の状況の下でこの食料を確保していくこと、これは非常に難しい問題も含むかもしれませんけれども、その辺りについて御意見をいただきたいと思います。
#58
○国務大臣(松岡利勝君) 先生がここに二枚の紙を、ペーパー示されたように、今世界の穀物の需給というのは非常にタイトになってきているというのは、それはもう事実だと認識をいたしております。特に、二〇〇〇年前後からやっぱりその年の需要に対して生産が下回っているというような状況が出てきておりまして、これはいろんな原因があるんですが、やっぱり温暖化も一つの原因だろうと、こう言われておりまして、温暖化になってきますとやっぱり穀物の生態に影響を与える。特に、成長期の適正温度が一度C上がりますと一割の減収になる、収量が減ると、こうも言われておりますし、一方でまた温暖化によってどんどん水が蒸発して水がなくなると。こういったようなことから生産が大きなやっぱり影響を受けていると、こういうことだろうと思って、正にそれを如実に示しているのがこのグラフなんだろうと私も思います。
 そこで、先生、自給ということの表し方を、いろいろあるんじゃないかと。実は自民党の議論でも、私が一番最初自給率の議論をしたとき、いろいろあったんです、意見が。自給力という言葉は先生ここで使っておられますけれども、現実に自給力という表し方もあるんではないかという議論があったんですよ。そうなると、これは絶対値みたいなものですよね。土地がどれくらいあって、どれだけの生産性があって、したがってどれくらい絶対生産できると。だから、それを自給力という言葉で言うのか、そういった形で表し方として自給力という表し方もあるじゃないかというのは自民党の中の議論でもありました。しかし、やっぱり国際的に比較的に表す意味で、どこも自給率を取っておるから自給率という形で表そうということに最終的にはなったんですけれども。それは一つのスタンダードだとして、一つの目安というか示し方として、それもあってもいいんだろうと。やっぱり農地がどれだけある、そこに米を作付けたらこれぐらいの収量になります、他の作物だったらこうなります、だから、いざというときはどれくらいの確保ができますといったような表し方というのは、それは考え方としてはあってもいいんだろうと思いますし、随分議論もされましたが、やっぱり世界的な平均的な表し方として今これに落ち着いた。
 考え方としては、先生の御指摘というのは、今から我々が七、八年前に随分このことを議論やって、特に玉沢先生なんかそういったことを随分言われたんですよね。だから、そういったような意味で、一つの大きな御提言だと思って受け止めたいと思います。
#59
○岸信夫君 ありがとうございます。
 このカロリーベースの自給率がすべてだという意味ではもちろんないわけでありますけれども、ただ、そうは言っても四割というのは余りに低過ぎるだろうというふうにも思います。これを四五%に引き上げるという目標についても既に先送り、先延ばしされているわけで、なかなかこれを引き上げるというのも厳しい状況だとは思います。
 ただ、それでは単純にこの自給率を引き上げるために皆さんお米とお芋にしましょうと、こういうわけにはいかないわけでありますから、我々の日本食としてバラエティー豊かな食卓の中で自給率を高めるような施策を是非これから進めていっていただきたいというふうに思います。
   〔理事常田享詳君退席、委員長着席〕
 次に、WTO、あるいはEPA、FTAに対しての我が国の取組について伺いたいと思います。
 大臣は所信の中で、農林水産行政の展開に当たって、WTO、EPA交渉に積極的に取り組んでいくことが必要と、こういうふうにおっしゃっておられます。農業にもグローバル化というものが余儀なくされておるわけですけれども、その中でおいしく安全な日本製品、先ほどもお話出ました、輸出を一兆円規模にしていこうと、このことは大変、農業関係者に対しても夢を与える面もあるというふうには思うわけであります。
 ただ一方、先ほども申しましたとおり、国際社会が食料需給が大変不安定になっている中で、我が国がイニシアチブを取ってその安定化を図っていくということ、例えばアジアの地域での食料の生産、流通あるいは消費といったものに対するインフラ整備も含めたサポートといったこともあると思いますし、あるいはアフリカにつきましては食料が恒常的に不足しているわけですから、そういったところの農業の生産力を我が国の、日本の力でもって、日本の技術あるいは知識でもって高めていく、そういったこともこれを進める必要があると思います。
 こういった形で我が国が国際社会の中の農業というものに貢献していくということが、これは巡り巡って我が国の食料供給の安定化ということにもつながってくるんだろうというふうに思うわけです。
 また、国際社会の中の貿易体制の枠組みでありますWTO、そしてその補完的な意味を持つ、であるEPAに対して、我が国が大臣のおっしゃられているような積極的に対応していく。このこと自体はむしろ今申し上げた観点からすれば当然なのかもしれないんですけれども、あえて大臣がこの点に触れておられるわけですので、この心構えについてお聞きしたいと思います。
#60
○国務大臣(松岡利勝君) 今、岸先生が御指摘がございました、そのとおりですね、我々も必要だと思っております。
 というのは、途上国なんかの農業の生産力を高めていくということについて、我が国の技術やいろんなインフラ整備等を通じて貢献をしていくということについては、もう全くそういう必要性は大いにあると思っておりますし、これまでもいろんな技術協力を始めといたしまして協力をやってきていると思っています。ミャンマー等におきましても専門家を派遣したり、もちろん他の国々においてもそういう取組をしているところでありますし、これからも世界全体の食料生産の増大という観点から、そういった意味では、なおさらにこういったことを積極的に進めていくという点も重要なことであるということは、もう先生の御指摘のとおりだと思います。
 そこで今、WTOとEPAの問題でありますが、WTOはやっぱり何といっても世界的な統一的な貿易ルールですから、これはやっぱり世界全体が一つの方向に向かって一定の平等、公平な条件で貿易を進めていく、そういったことでやっぱりどうしても必要なこれはルールだと、協定だと思っていますし、総理もおっしゃっておりますように、積極的にその進展、交渉の取りまとめに向かって我が国としては貢献をしていくと、こういうことであります。そしてまた、EPAはそれを補完するものとして、それぞれ戦略性を持って二国間や複数の国の間で結ばれる。これにはいろんな意味の観点があると思いますが、我が国もこれには積極的に取り組んでいく、こういう方針であります。
 その中で、農業の分野ということになるわけでありますけれども、そこはやっぱりまたいろんな観点があると思っております。もちろん、先ほど申し上げましたように、日本の中だけではなかなか市場が広がらない。そういった面では、日本の農産物の特性を生かして市場を獲得していくと、こういった観点も必要でございますし、いわゆる外に向かって攻めていくということも必要でございますし、また一方で、これはしっかり守り抜かなければならない、こういった観点も必要でございますし、それはケース・バイ・ケース、いろんな状況、事情によって国益を最優先に考えながら取り組んでいくと。全体と個別と、こういったバランスの中で我々は我々の立場で最善を尽くしていくと、こういうことになると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
#61
○岸信夫君 個別の部分になると思うんですけれども、特に今、豪州とのEPAであります。これにつきましては、昨年の十二月十二日にはこの委員会の場におきまして決議を行いました。衆議院においても同じように決議がなされたわけでございます。これは、我々、大変重い決議だと、を行ったというふうに思っておるわけでございますけれども、大臣はこの決議をどのように受け止めておられますでしょうか。
#62
○国務大臣(松岡利勝君) これはもう、この参議院でもこの農林水産委員会で御決議をいただいたところでございます。そしてまた、衆議院の方でも御決議をいただいているところであります。この両院におけます御決議というものはこれは極めて重いもの、そのことをしっかりと体しまして交渉に臨んでまいると、そのように認識をいたしております。
#63
○岸信夫君 ありがとうございます。
 先日、オーストラリアのハワード首相が来日され、今でもあれですけれども、十三日に安全保障協力に関する日豪共同宣言というものが署名されたところですね。オーストラリアとは基本的な価値を共有する国ということで、安全保障面から関係強化をすることで合意をしたということであります。日米豪の三か国が地域の平和と安定のために連携することの重要性を再認識したという部分はあるわけですけれども、一方で、経済面での連携を深めようというのがEPAということだと思います。四月二十三日から交渉を開始することが合意されましたけれども、大変厳しい交渉になるというふうにも思います。
 総理は、記者会見、共同記者会見において農業の重要性を指摘しました。また、機会あるごとに先方に農業に対する我が国の懸念を伝えておるところです。ただ一方で、ハワード首相は、重要品目について、実際の損害などについて検討しなくてはならないということで、交渉の中で議論すべきだと、こういうお考えも示しておられるわけです。
 もう一か月後に迫ってまいりましたこの交渉開始に当たっての大臣の御決意をお聞かせいただきたいと思います。
#64
○国務大臣(松岡利勝君) ちょっと昨日のハワード首相と安倍総理の実はそれぞれのやり取りの今発言を持って示そうと思ったんですが、ちょっと出てきませんので、概略申し上げますと、安倍総理は、日本のセンシティビティーというものがあると、またお互いにお互いのセンシティビティーには配慮しなければならないと、そういうふうに言われておりまして、特に安倍総理が、特に日本にとっての農業等の重要性を認識しながら、相互の利益を実現させていきたいと思うと、特に農業については、日本にとって国土、環境の保全や文化、伝統等多面的な機能を有するものであると、日豪双方にとって重要な交渉であるので、固定的な期限を定めることなく徹底かつ十分な協議を行うことが必要と発言をされたと、こういうことで承知をいたしております。
 また、ハワード首相からも、安倍総理も自分も日豪EPA交渉が長期なものとなるだろうとの認識を示した。日本の農業のようなセンシティビティーは理解している、一方、徹底した議論なくして真の理解は得られない、こういったことももちろん言われておる。
 こういうことでございまして、私もこれはかなり、総理が言われるように、両首脳が認識されましたように、タフな交渉になるんだろうと。しかしながら、両国の将来の友好発展のためにも議論はしっかり尽くして、私どもとしては、私どもの守るべき立場、主張すべき点はしっかり貫くように頑張っていくと、こういう決意でございます。
#65
○岸信夫君 我が国は、オーストラリアとの食料の貿易を考えますと、もう既に相当量のものを輸入しているわけですね、穀物にしても、畜産あるいは酪農製品。すべてにおいてもう輸入をしているわけです。全く閉ざしているものを少し何とか開けろと、こういうことであればまあ主張も分からないでもないわけですけれども、既に輸入をしているわけですね。しかも、ある意味、安定的に輸入をしている。通常であれば売手にとってはいいお客さんと、こういう形だと思います、安定したお客さんと、こういうことだと思うんですけれども、一方で、オーストラリア側の状況を見ていますと、輸出の構造を見ても、実質的には、例えば小麦にしてもお米にしてもシングルデスク、単一の業者が輸出をしているような状況で、ある意味輸出のコントロールもできなくはないというような状況だと思います。ですから、単に日本側にだけ市場を開放しろと、こう言ってくるのもちょっと筋が通らない部分もあるんじゃないかというふうにも思います。
 さらに、先ほども申しましたけれども、地球規模で考えると、オーストラリアが日本に市場の開放を求める、まあ開放といいますか関税の撤廃を求める。そうしますと当然、競合国であるアメリカあるいはほかの国々に対しても同じように対処しなければいけない。そうしますと、結果としてオーストラリアに対して関税を撤廃することが日本の農業を駆逐することになってしまうわけですね。そうしますとどうなるかといえば、世界の農業生産の中から日本の生産が消えてしまう。さらに、まあそんなに大きな数字ではないかもしれないけれども、農業生産力を地球規模で高めようとしているときに、それをオーストラリアが奪ってしまうんだと、こういう状況にもある意味なるわけでありまして、こういったところはしっかりオーストラリアにも訴えていただきたいと思います。是非、我々が行った決議の重さというものも踏まえて、しっかりと交渉をしていただきたいというふうに思います。
 一方で、オーストラリア以外の国との交渉もいろいろ控えておるわけです。対ASEANという、国ではなくて地域ベースでの交渉というものもあるわけです。オーストラリアのような、対オーストラリアの問題とはまた違う部分だと思うんですけれども、特にASEANのように相手がたくさんの国の集合体であるような場合というのは非常に難しくなってくるのではないかというふうにも思うわけです。
 そういったオーストラリア以外の国々、今進めています経済連携についてどのようにお進めいただけるのか、お考えをいただきたいと思います。
#66
○国務大臣(松岡利勝君) 我が国は現在、ASEAN全体、それからGCC、これは湾岸協力理事会といいまして、バーレーンとかクウェート、オマーン、カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦が該当するわけでございますけれども、このGCC、それからベトナム、インドと交渉中ございます。それから、豪州のほかスイスとの交渉開始も予定をされておりまして、昨日は準備会合ということでスイスのWTOの代表大使が昨日日本に参りまして、私もお会いをしたんですが、昨日は準備会合をやって、いよいよ五月ぐらいからスイスとも本格的な交渉に入ると、こういうことで今進めているところであります。
 これらの国や地域とのEPAの交渉につきましても、私どもは国益最優先の観点に立って、特にまたその中でも国内の農林水産業を守っていくというのは、これはもう先ほどから申し上げましたように、十分守るべきものはしっかり守りながら、そしてまた、攻めるところはまた攻めるという観点に立って対処をしていきたいというふうに思っております。
 それから、先ほど先生が御指摘になりました豪州によって日本の農業がつぶれてしまえばその分世界全体の農業生産減るんだと、これも本当に重要な視点だと思っていまして、私どもも元々多様な農業の共存ということをWTO交渉に当たっては一番の方針にしておりまして、世界のあらゆる国のあらゆる地域の農業が、多様な農業というのがやっぱり存立をしていく、共存をしていく、そういうことが大事だと。これはもう従来から一番基本として我が国の立場としてこれは主張していることでありまして、正に岸先生の御指摘と軌を一にするものであると、このように思っております。
#67
○岸信夫君 ありがとうございます。
 一方、今EPAのお話をいろいろ伺いましたけれども、WTOでございますが、しばらく交渉、表舞台からは少し見えなくなっていた部分もあったと思うんですけれども、去る九日に農業交渉会合が開かれた。そして、オーストラリアなどのケアンズ・グループが重要品目の取扱いに対する新提案を行ったということであります。
 一つは、重要品目を保護するために輸入品に課す関税率を一元に上限を設ける、いわゆる上限関税の問題であります。そしてもう一つは、関税割当ての算出というものの算出根拠をまた見直すと、国内の消費量を基準にすると、こういうことなどが柱になっているというふうにお聞きしておるわけです。
 そのWTO、これからどういうふうに進んでいくのかということなんでございますけれども、一つはアメリカのTPAが六月に失効してしまうということなんですけれども、ブッシュ大統領としてはWTOを進めるために今かなり積極的であると、こういうふうにもお聞きしているわけです。一月にアメリカはまた新しい農業法が提出されました。こういった中で、WTOを進めるためにアメリカは補助金の問題で譲歩していくんじゃないか、今みたいな大変高い穀物の価格の中では補助金というものも必要なくなっているのかもしれませんけれども、その辺りで対立していたところに譲歩していくんじゃないかというような話もあります。また、EUは市場アクセスで歩み寄りがあるんじゃないかといったこともあるわけです。
 そのG10、EU、G20、そしてアメリカと、こういう中での対立の構図というものが交渉中断前と今の時点とちょっと変わってきているところもあるんじゃないかなというふうにも思うわけです。なかなかいわゆる全体の会合で全員が一つのテーブルに着いて話をしていくということは難しい状況かもしれないんですけれども、その中の参加者が一対一でいろいろな話を煮詰めていくということも出てくるんではないかと、そして、あるときふたを開けてみたらいろんなところでベースができ上がっていたと、こういうこともあるんじゃないかと思いますので、我が国もその対応というものをしっかり見て、誤らないようにしていかなければいけないというふうに思うわけです。
 そういった状況の中で今回行われたケアンズ・グループの提案についてどのようにお考えになるか、そしてそれともう一つは、WTOの今後の交渉の見通しも併せてお聞きしたいと思います。
#68
○国務大臣(松岡利勝君) 九日のケアンズ・グループの提案ということにつきましては、今、岸先生がおっしゃったとおり、上限関税を重要品目にも当てはめるんだと。そして、重要品目に当てはめると同時に関割拡大の問題等についてもかなりこれは強烈なことを言っていると、こういう御提案でございます。これはもちろん我々と立場を全く異にしておりまして、これは我々はとてもじゃないがのめるものではないと、こういうことでございます。
 ただ、この九日のケアンズ提案の中にカナダが入っていませんので、カナダも加えてのケアンズということになるとケアンズ全体なんでしょうけれども、これはどの程度ケアンズ全体としてまとまったものかどうかということについてはちょっとまだ評価ができない、こういうようなことでございまして、いずれにいたしましても、先生が御指摘のように、一月二十七日のダボス会議におきまして、やっぱり再開をすべきだということが各国一致を見まして、そして高級事務レベル会合をまずジュネーブにおいてやろうと、そしてまたそれぞれの各分野の交渉を進めようということで、農業ではファルコナー議長の下で進められておりますし、NAMAの方も進められておりますし、進んできているわけでありますが、また一方で閣僚間のバイ会談、これも今行われております。
 私も昨日はマンデルソン委員と一時間近く、昨日夜やりました。それからまた先般はナート大臣ともやりましたし、それからスイスのロイタード大臣とも意見の交換をしたわけでございますが、交渉の中身を全部今申し上げるというわけにはまいりませんけれども、なかなかこの見通しを立てるというのが、先生御質問の見通しというのはどうだ。これはなかなか難しくて、アメリカのTPAがあると。これが六月ですから、それを延長するにしてもしないにしても、そこから逆算すると、四月ごろにはある一定の、ブレークスルーと言っていますが、一つの突破口といいますか、大きな集約ができるということが四月中ぐらいにはないといけないと、こういうことを言われていますが、じゃ、果たしてそれまでに一定のその決着が付きそうなのかどうなのか。これはもういろんな見方があるんです、楽観、悲観。それから、一番熱心なマンデルソン委員辺りは是非持っていきたい、しかしアメリカが果たしてそれにこたえる状況にあり得るのかどうか。またインドは、特に途上国のSP、特別品目ですが、この扱いについて譲るのか譲らないのか。一方でまた、アメリカはそれがなければおれたちは出れないと。こんなことで、幾つも言ってみればせめぎ合っていると。
 こういう状況の中で、私どもといたしましては、しっかりといろんな国と接触を保ちながら、そしてまた、私どもは輸入国の一番最大の代表国としてそのポジションに立って、そしてまたG10という立場でもこれはまた再結束をして、昨日スイスの大使が来たときも、これは二国間のEPAもあったんですが、一方ではこのG10として更に今後どう対応していくかということについても、日本とスイスがしっかりその辺の内容をつくり上げて、そしていかなる事態にも、いかなる状況にも対応できるようにしようと、こういったようなことで今話をしているところでありまして、いずれにしても、あらゆる方策、こういったことを尽くしながら万全を期してやってまいりたい、このように思っております。
#69
○岸信夫君 是非、松岡大臣の力強いリーダーシップの下で我が国の農業に不利益をもたらさないように頑張っていただきたいと思います。
 終わります。
#70
○主濱了君 民主党・新緑風会の主濱了でございます。
 早速質問に入らせていただきます。林業の振興についてお伺いします。
 国内の林業が業として成り立つためには、国産材が十分利用されなければならないと思っております。新たな森林・林業基本計画におけます木材の供給目標ですね、木材の供給目標について、前の目標では平成二十二年度二千五百万立方メートルであったものが、新たな計画では、目標年度は異なりますが、そして策定年度も異なるわけですけれども、平成二十七年度、五年後になりますけれども、二千三百万立方メートルと下方への見直しがなされていると。
 まず、これはどうしてなんでしょうか。お伺いします。
#71
○副大臣(国井正幸君) 委員御指摘のように、平成十三年に策定をされた旧計画でございますが、これでは、木材の供給目標について平成十一年の供給量二千万立方を平成二十二年に二千五百万立方というふうに見込んでおったわけでございます。しかし、予想を超える木材供給量の落ち込みというのがあった関係もございまして、平成十六年の供給量が千七百万立方でございましたので、これを基準にしまして、ここからやっぱり少し国内の木材の利用を伸ばすという意欲的な計画を組んでいるわけでありますが、平成二十七年までに六百万立方を増加をすると。これまで五百万ということでありますが、六百万という意欲的な計画を組んだわけでありますが、二千三百万立方ということで、当初から比べると二百万立方減少したと、こういうことになっているわけでございます。
#72
○主濱了君 重ねてお伺いします。
 この先、三十年とか五十年とか、このずっと先を見ても、この供給量、これは需要に応じた供給だというふうに私理解しているわけですが、この供給量、やっぱり伸びは少ないんでしょうか。需要拡大策を取ったとしても、やっぱり今の数字のように低いところで行くんでしょうか。
#73
○副大臣(国井正幸君) 国産材の長期的な見通しでございますが、国際的には木材の利用が全体的に増加をするというふうなことで外材の価格も上がっていると、このように承知をいたしております。つまり需給が逼迫していると、このように理解をしておりまして、そういう意味で、是非国内においても間伐材の利用を含めて国産材の利用を更に増やしていきたいと、このように思っているところでございます。
 特に、今後国内資源を活用するに当たって、品質、性能の確かな国産材製品を大ロットで安定的に供給できる体制を整備することによって国産材需要の増加を図って、平成二十七年に国産材供給量を先ほど申し上げました二千三百万立方メートルと、現在の千七百万に比べて三五%伸ばさせていただくという意欲的な計画を実は組んでいるわけでございます。
#74
○主濱了君 私、実は、その目標を下げたということ自体に非常に危惧の念を感じているわけなんですよ。これから一生懸命この消費拡大策を講じてもやっぱりそれぐらいしかないんだなと、そういうふうに思わざるを得なくて、その点について今伺ったつもりでございます。
 続けます。国産材のその利用状況を見ますと、平成十七年度は用材の自給率、これが二〇%に上がったんですよね。一九%切っていたのが一%ぐらい上がって二〇%になったと。非常に喜ばしいことだというふうに思っております。
 この国産材の自給率の上昇の傾向、これはこのまま続くんでしょうか。今後の見通しについてお伺いいたします。
#75
○国務大臣(松岡利勝君) 主濱先生の御指摘、私は端的に言って続くと思っています。
 といいますのは、やっぱり国際的な木材需給がだんだんタイトになってきていると、また値段も上がってきていると。一方で、我が国の方はやっぱりその森林資源の整備状況というのはもうずっと進んできておると。したがって、供給能力は非常に大きな、大きいといいますか高いものがあると。したがって、いろんな状況からして、私はもう端的に言って、先生の御指摘のとおり、この状況は続いていくと、このように思っております。
#76
○主濱了君 私もそうあってほしいなというふうに思っております。
 それで、ポイントであると思いますが、その木材の国際的な取引状況、特に中国でオリンピック控えているわけであります。で、需要が伸びているんではないかというふうに思っているんですが、この中国の動きなども含めた取引の状況と、それから内外の価格差ですね、大分詰まってきているというふうに聞いておりますが、この辺の状況について、これが将来の国産材の自給の向上に資するかどうかという観点から御答弁をお願いいたします。
#77
○国務大臣(松岡利勝君) これもまた、先生も多分そういう思いを持って、また期待も込めて、この中国の状況が日本の木材生産、国産材の供給にとってプラスになると、受皿になると、このように期待もしながらの御質問と思いますが、私も必ずそうなると思っております。
 といいますのは、中国の需要というのはもう本当に伸びてきておりまして、もう近年の伸びというのが非常にすごいものでございまして、まず二〇〇五年の世界の木材の輸入量について見ますと、製材や合板向けの産業用丸太では中国が三千万立方メートルと最も多く、そしてまた、次いでフィンランド、日本と、こうなっているわけであります。そして、大体この十年間で五倍の伸びになっておると、このような中国の木材需要の伸びでございます。そして、今オリンピックもあるわけでありますが、二〇一〇年にはこれまた上海万博ですか、そういったようなことで、そしてまた元々が経済の成長というのが大きく続いておりますので、そういうイベントもあることと併せまして、経済のやっぱり成長というのがしっかりとした伸びを示しておる、したがって全体としては木材需要は大きく伸びていくと、こう思っています。
 今、我が国からの輸出につきましても、元々がないからって言ってしまえばそれまでなんですが、もう最近では、まあ元が少ないから伸びが大きいということにもなるんですけど、大変な勢いで実は伸びてきておる、こういうことでございますので。そして、もう一つ申し上げますと、一九九〇年との比較で見ますと、世界全体では一・六倍の伸びだったんですね。それが中国にあっては丸太輸入量が、丸太輸入量だけですが、四・三倍というふうに、世界全体の伸びを約三倍ぐらいの、まあ三倍までは行きませんが、三倍近い大きな伸びを示していると、こういうことでございます。
 したがいまして、日本の木材供給にとりましても、日本からの木材輸出につきましても、私は中国は大きな受皿として期待できるし、またそうありたいし、こういう変化をとらえて日本の国内の取組を輸出向けにもしっかり取り組んで強化をしていきたい、そのように思っております。
#78
○主濱了君 そうあってほしいですね。
 冒頭申し上げましたとおり、林業が業として成り立つには国産材の利用拡大がこれは不可欠だと、こういうことでございます。それで、そのためには、需要側、使う側ですよね、木材を使う側、木材を使う側の国産材の利用を促進する施策と、これ一つです。それから、供給側、生産する側ですね、この供給側の需要に的確に応じた供給体制の確立など、様々な施策があるというふうに思っております。
 そこで伺いたいんですが、国産材の利用促進、特に住宅産業の一部が国産材をほとんど使わないと、こういったような事情もあるようであります。まず、その理由と、需要側、なぜ使う方の側が国産材の利用、需要側に対する国産材利用促進の施策ですね、それについて、まず一つお伺いをいたしたいと思います。
#79
○副大臣(国井正幸君) なぜ国産材を使わないかと、こういうふうなことでございますが、確かにそのような実態があるようでございまして、これらについては、品質、性能の確保あるいはロットの関係で安定的な供給がされてないと、こういうふうな指摘が実はあるわけでございまして、これまでやはり利用者のニーズにこたえるような大ロットあるいは乾燥をしっかりした良品質の木材の供給、こういう点を更に私どもも努力を重ねなければいけないんではないかなと、このように思っています。
 また、最近の輸入木材価格の上昇の中で大手住宅メーカーにおいても国産材への関心が高まっているというふうにも伺っているわけでございまして、こういう関係から、木材加工施設の大規模化あるいは乾燥材の供給など住宅メーカーのニーズにこたえられるような国産材の供給体制の整備にも更に努力を重ねていきたいと、このように考えている次第でございます。
#80
○主濱了君 次、供給側ですね、供給側の体制についての施策ということなんですが、今副大臣お話にありましたとおり、やっぱり産地たるもの、様々な産地たるもの、これは木材だけじゃなくて農産物もあるわけですが、やっぱり一定の品質を、一定のロットというんですかね、一定の量、そして需要者の注文に応じて常にすぐ出せると、こういったような体制が必要だというふうにこう思っております。
 端的に言って、これを実現するような施策、どう進めているのか、お伺いしたいと思います。
#81
○国務大臣(松岡利勝君) 今、国井副大臣から申し上げたことともこれ連動、関連をしていくわけでありますけれども、住宅産業が国産材を利用していただけると、そういったことの推進のためには、どうしてもやっぱり端的に言って品質とロットだと、どうしても。特に品質ということになると何だと。狂いをなくすとか、そういったような意味で、狂いのないようなやっぱり品質をつくっていくと。そうなると、どうしても、プレカット、そういったことからいたしましても、乾燥をしっかりさせるというようなことが非常に大事でありますし、そういった意味では、そしてロットをきちんとそろえておくと、こういったようなことも必要でございまして、そこで、このため、森林所有者、林業事業体、製材加工業者間の協定に基づきまして、乾燥材等の品質、性能の確かな製品を安定的に供給する新生産システム、これは今年度から実施をするわけでありますが、の推進や、マンションの内装材等のこれまで国産材の利用が低位な分野、こういったところにおける製品開発等にも取り組みまして、住宅分野での国産材の利用拡大を推進してまいりたい、このような取組を強化してまいりたい、このように考えているところでございます。
#82
○主濱了君 今乾燥の例が話されましたけれども、私もやっぱり乾燥の技術というのも、これどんどんどんどん進めなくちゃいけないと思っております。
 ロットをまとめるためには、国有林にしろ民有林にしろ、どういったような材質の木がどこにあるかと、こういったようなことをきちっと把握して、それをすぐ出せるような体制も必要だと思うんですが、こちらの方の施策はどうでしょうか。
#83
○国務大臣(松岡利勝君) もうそれは先生おっしゃるとおりだと思います。どこにどれだけの木があって、どうやって需要にすぐこたえられるか、こういう供給体制の言ってみれば状況というのを常に、情報も含めて、きちんと体制を取っておくということが大事だと思います。
 そこで、先ほども申し上げましたが、平成十八年度から地域材を大量かつ安定的に住宅メーカー等の需要者へ供給する、先ほど言いました新生産システム、これを全国十一か所でモデル的に実施をしている。これが一つございますし、さらに十九年度の予算におきましては、森林組合等の林業事業体による森林所有者への積極的な働きを通じた施業の集約化、また作業道等の路網と高性能林業機械を組み合わせた低コスト作業システムの開発普及、それから川上からの原木の供給と川下の製材加工側の需要に関する情報の結び付け、こういったことを総合的に推進するための予算を計上したところでございまして、今、主濱先生の御指摘の点、これは本当に大事なポイントでございますが、そのポイントにこたえるために、これらの施策を通じまして国産材の安定的な供給体制を構築してまいりたいと、このように考えているところでございます。
#84
○主濱了君 私、今十八のモデル事業と言いましたけれども、非常に遅いと思うんですよ。今風が吹いているときに今からモデルやってたんじゃ、これはもう間に合わないと、これは早急に進めていただいて、すぐにでも体制を整えていただきたいなというふうに思います。
 次、違法伐採についてお伺いをいたします。
 森林における違法伐採というのは、地球規模での環境保全あるいは持続的な森林経営にとって本当に大事な課題であるということだと思っております。日本は二〇〇〇年の九州・沖縄サミット以来、違法に伐採された木材は使わないと、こういったような基本的な考え方を取っております。これ、一昨年ですか、私もWTOの国際議員会議、香港会合に行かせていただきまして、これ松岡大臣は当時は団長代行ということで一緒に行って、その違法伐採の防止に十分な取組を行うべきであると、こういった一文を入れたと、こういう記憶ありますけれども、そういったように日本は違法伐採に敢然と立ち向かっていると、こう言って差し支えないと思っているんですが、結果としてどうなっているかという問題です。
 日本における木材供給の現状は、先ほど述べたとおり、様々な理由があって国産材の供給が上昇していると、これはそのとおりであります。自給率が二〇%に上がっているというのはそのとおりであります。こういうふうなことも踏まえまして、これまで進めてきました違法伐採対策の成果、いろいろやってきたと思うんですが、その成果についてお伺いをいたしたいと思います。
 あわせて、その違法伐採された木材を輸入させないための様々な解決していない課題があると思うんですが、その課題とその対策についても併せてお伺いをしたいと思います。
#85
○国務大臣(松岡利勝君) 主濱先生が今お話ございました一昨年の香港閣僚会合には御一緒させていただきました。
 それから、この違法伐採対策につきましては、これはちょっと手前みそで大変恐縮でございますが、私も自負するものがございまして、というのは、日本でこの問題に取り組む提唱をいたしたわけでございまして、十三年に我が自由民主党に、長ったらしい名前なんですけど略して言いますと、違法伐採対策検討チームというのをつくりまして、それから、十三年から昨年の私は九月までずっとこの検討チームの座長を実はやっておりました。
 この間、小泉総理も大変な御努力といいますか、役割を発揮されまして、エビアン・サミットでは初めて、沖縄で元々提起はされたんですが、エビアン・サミットにおきまして議長サマリーでこれがしっかりと位置付けられ世界に発信をされたということでございます。もう一昨年になりますけれども、グレンイーグルズ・サミット、ここではブレア首相の提起によりまして、気候変動問題とアフリカ問題、これと絡めて違法伐採という問題がテーマとして取り上げられた、こういうことでございます。そして、初めて今度はG8として違法伐採の対策のグレンイーグルズの枠組みといいますか、これが世界に向かって示されたというのが今日までの世界的な流れでございますが、これに私どもはしっかり関与してきた、コミットしてきた、このように思っております。
 そこで、まず違法伐採は、もう先生よく御存じのとおりでございますけれども、地球規模での環境保全、持続可能な森林経営の推進にとって極めて重要な課題でございます。我が国としては、これまで違法に伐採された木材は使用しないという基本的考え方に基づきましてその対策に取り組んできたところでございます。
 それで、今申し上げましたように、この間、二国間協力として木材トレーサビリティーの技術の開発などインドネシアにおける違法伐採対策への協力、二つ目としましては、地域間協力としてアジア森林パートナーシップを通じた合法性の基準や合法性確認システムの開発、三点目といたしまして、多国間協力として国際熱帯木材機関、ITTOのことでありますけれども、そこを通じた合法木材及び認証木材の普及啓発等のプロジェクトの支援、これらの取組を行っているところでございます。
 また、先ほども申し上げました平成十七年七月のG8、グレンイーグルズ・サミットの成果を踏まえまして、グリーン購入法、これは略称でございますが、グリーン購入法を用いまして、合法性、持続可能性が証明された木材、木材製品を政府調達の対象とすると、逆に言いますと、政府調達としては合法性の証明のないものは使わない、こういったことを内外に明らかにしたところでございまして、これを、この措置を十八年の四月に導入をしたと。約もうそろそろ一年になるわけでございますが、これは大きな一つの成果であったと。この間、もちろん木材関係の方々にはいろんな形で御理解を得て、御協力をいただいてこういうような導入ができたところでございます。
 こうした我が国の取組に対応いたしまして、インドネシア、ロシアなど、海外の木材生産国においても木材の合法性証明のための取組が始められていると、こういうことでございます。特に、今年はドイツでサミットがございますが、このドイツでもこのことが議題の一つの中に加わるというふうに聞いております。
 それから、来年は安倍総理の下で日本で、今どこで行われるかというのは誘致合戦も行われているようでありますが、行われると。それで、来年は是非ともこの、何といってもやっぱりトレーサビリティー、木材履歴システム、これをやっぱり開発、確立をして、牛肉なんかのトレーサビリティーと同じでありますけれども、そのことによって、世界的な共通の指標として、それのないものは貿易として扱わない、輸出国も輸入国も。こういったようなことが成し遂げられれば、私はこれはもう究極の違法伐採対策としてこれが実現できるのではないかと、そこに向かって日本として最大の努力をしていくと、こういうことでございます。
 それから、先生がおっしゃりました後の点でございますけれども、またこの点につきましても、今後、今言いましたように、しっかり森林専門家会合等を開催いたしまして今の技術開発の点をしっかり詰めていく必要があると、こういったように思っています。
 ただ、一方で、どうしても違法伐採が行われているところというのは、アフリカであったり東南アジアであったり南米であったり、こういったようなところで、経済的な問題もこの裏腹で絡んでいるものですから、どうしてもその経済的な対応というのも、これ先進国サイドとしては世界的な規模でこれは取り組んでいく必要がある、そうすることによって初めて実効性があると、こう思っておりますし、それから、迂回貿易みたいなことも、例えばロシアと中国の関係、こういった関係についても、やはりしっかりとロシアにもこのことに対しての対策を取っていただきながら求めていくと、でないと実効性が上がっていかない。こういった問題はまだ課題として残っておるし、そこに対する取組が重要だと、こういうふうに思っております。
#86
○主濱了君 それでは次に、地方林業公社について、特にその経営の安定のための施策についてお伺いします。
 この地方林業公社、結構あるんですよね。北海道もあれば、当然岩手県もありますし、大分、熊本、宮崎、鹿児島、大体ありますね。その林業公社についてお伺いしたいと思います。
 今お話し申し上げましたように、三十八都道府県、四十二公社があると、こういうことでございます。それで、様々な森林経営をやってきた、植林から始まって販売するまで様々な森林経営をやってきまして、山村地域の振興に大きく寄与してきたということでございます。ただ、実際こうやってきたその活動の財源、この財源については農林漁業金融公庫、それから都道府県からの借入れ、市町村からの借入れ、こういったものに大きく依存してきたわけであります。
 御承知のとおり、木材価格の低迷により多額の累積債務を抱えているということでございます。かなり苦しいということでございます。この長期借入金の残高は十七年度末でこれ一兆一千億弱にまで上がっていると、こういったようなことでございます。私のところの岩手県林業公社も例外ではございません。かなり苦しいということでございます。
 それで、このような事情から、中心的には都道府県が抱えているわけですけれども、その都道府県からはこういったような要望が出されております。
 まず、農林漁業金融公庫資金につきましては、累積債務の一層の負担軽減化に資するよう、融資条件の改善、償還利子の軽減、それから任意繰上償還の弾力化、これなかなか繰上償還させてもらえないんですけれども、任意繰上償還について弾力化してほしいということ。それから、施業転換資金借換え利率の改善と、こういったようなこと、結局、累積債務処理対策の充実強化という要望が来ております。
 それから、地方公共団体そのものについては、地方林業公社の経営安定のための支援施策に対して、起債措置とかそれから交付税措置など地方財政措置を講じてほしいと、こういったような要望が出されているところであります。
 それから、国の方は国有林野なわけですけれども、国有林野を見ますと、抜本改革として木材生産機能重視から公的機能重視に転換をしているということでございます。そして平成十年に、当時、累積債務は三兆八千億あったわけですけれども、この三兆八千億のうち二兆八千億は一般会計に継承したと。そして一兆円だけ国有林野の特別会計の方で返済する、こういうことにしたわけですね。ただ、この一兆円につきましても返済期間は五十年である、かつ利息の全額を国庫で補給すると、こういうことでございます。
 ちょっと報告書を見させていただきますと、この二兆八千億についての利子補給、これは二千億強になっておりますけれども、これはすべて一般会計でやっていますし、それから特別会計の方も二百六十億ぐらいですが、これも一般会計から事業勘定に繰り入れていると、こういったような状況であります。
 このような国有林野事業に対する対応も考慮しつつ、かつ早急に対応しなければならない地球温暖化対策ですね。これ、地方の植林とか地方の森林整備も大きく寄与しているはずでありますけれども、この地球温暖化対策、一生懸命頑張っておりますので、後ろ向きの資金とそれから地球温暖化対策という前向きの資金、前向きの事業、両方やるのはかなり難しい、こういう状況にあるわけですので、何とか地方公共団体及び地方林業公社の経営の安定のために支援対策を本格的にそして大規模に講じていただきたいと、こういうふうに思っているところであります。いかがでしょうか。
#87
○副大臣(国井正幸君) 主濱先生御指摘のように、地方林業公社、大変重要な役割を果たしてきたというふうに承知をしております。
 特に全国で四十二万ヘクタールに及ぶ森林を整備をしてきたと、このように承知しておりまして、先ほどもお話ありましたように、そこの中で、多様な機能を果たすという意味では、針広混交林、広葉樹林への誘導をするための抜き切り伐採に対する助成、これも講じてきたところでございますし、あるいは長伐期・複層林施業の推進等に係る金融措置について、無利子資金の貸付枠や貸付比率の拡充なども図ってきたところでございます。
 さらに、今お話ありましたように、特別交付税措置等でございますが、長期伐採あるいは複層林施業を推進する場合の都道府県の利子補給に相当する経費などについて特別交付税措置等を講じるなど、総合的な施策を講じてきたところでございまして、十九年度予算におきましても同様に施策を講じていきたいと、このように思っておりますが、今委員御指摘のように、大変厳しい状況にあるというのは承知をしておりますので、更に具体的な施策等について検討を重ねてまいりたいと、このように思っております。
#88
○主濱了君 国有林野の例を出したわけですけれども、国有林野は五十年間については何の憂いもなく前向きの仕事ができるわけであります。ところが、地方公共団体、それから地方の林業公社、後ろ向きの仕事とそれから前向きの森林の整備と両方をやらなくちゃいけないわけですよ。措置を見ますと、この国有林野の債務については、はっきり言いますと五十年間棚上げ、これは一概には言えないと思いますけれども、五十年間棚上げ、全部国が利子補給をすると、こういったような措置も考慮してお願いをいたしたいと、こういうことでございますが、御意見があればどうぞ。
#89
○国務大臣(松岡利勝君) 事実関係的な、それからまた今年度の予算等につきましては、今年度といいますか十九年度の、国井副大臣がお答えを申し上げたとおりでございますが、主濱先生の御指摘は、正に国有林と同じような、そういう一言で言うと抜本的な救済策が地方の公有林に対しても都道府県有林に対しても行えないかと、こういう御指摘だと思います。
 御趣旨はよく分かるわけであります。ただ、いかんせんこの財源問題、こういったことになっていきますと、私ども政策は所管しておりますが、なかなか財源ということになると、じゃ国の財源で措置するのか、また交付税という形で措置するのか、二つに一つしか実はないと、こういう中で、私ども農林水産省そして森林の行政を所管する林野庁という観点からだけでなかなかこれ議論をし難いことがございまして、まあ主濱先生の御趣旨はよく分かるんですよ。それを否定するものじゃございませんが、今言ったような事情といいますか状況なもんですから、これは重い課題としてひとつ受け止めさせていただきまして、我々も、どのようにこれ取り組むことができるのか、また森林行政をつかさどる立場から、今おっしゃいましたように、温暖化対策とかいろいろあるとすれば、後ろ向きじゃなくて前向きな方に向かっていけるようなそういう条件整備といいますか、条件整備、そういった点でどういったことがあり得るのか、可能なのか、ひとつ主濱先生の御指摘は重い課題として受け止めさせていただくと、今日のところは私もそこまでの答弁しか持ち合わせませんので、そういった形で受け止めさせていただきたいと思います。
#90
○主濱了君 確かに予算の問題とか様々な問題があるというのは承知しております。ただ、これは農林水産省、林業経営を担当している農林水産省が仕掛けないことには国の財政も動かないわけですから、その点ひとつよろしくお願いをしたいと思います。
 最後になりますけれども、一点だけ光熱費問題について、民主党の農林水産委員を代表いたしまして私の方から最後に質問をさせていただきます。これは農林水産大臣にお答えをいただきたいというふうに思います。
 民主党の中井衆議院議員の件は御存じかと思います。この中井衆議院議員、やはり同じ光熱費問題で記載に誤りがあったということが分かりました。中井衆議院議員の場合は明日この内容について説明をすると、こういうことでございます。これは、説明責任を果たし、そして国民の批判も受けましょうと、こういう態度で、私はこれがまあ政治家の取るべき態度かなというふうに思うわけであります。
 松岡大臣はもう政治家の中でも中枢の閣僚ですよね。そういったようなことから、私はやっぱり是非とも、その領収書、昨日の委員会での御答弁にありましたように、領収書は保管されているようですので、この領収書を提示するなり、それから記者会見等、説明責任を率先して果たすべきではないかと、このように思うわけですが、大臣、いかがでしょうか。
#91
○国務大臣(松岡利勝君) 今、主濱先生が御指摘になりました中井先生の場合は、私もよく当事者ではございませんのでどういう内容なのか存じ上げておりません。私はもう前から申し上げておりますように、法律に定められた、求められたことはすべてこれはもう言い尽くしておるわけでございます。すべて法律に基づいて報告を申し上げている。だから、法律で定められ求められたことで私の方から拒否をしたりそれを提出をしていないということは一切ございません。
 したがいまして、私が何度も申し上げておりますことは、法律で定められた以上の求めをされるということについては、私独断では、属人としては、属人の立場で独断では判断いたしかねますと。したがって、それは、法律以上のことを私だけに求められるということであれば、それはそういうことではなくて、ひとつ扱いを全体でお決めいただければそれに従って対応いたしますということを申し上げておるわけでありまして、私、中井先生の例は存じ上げませんが、私の場合と同じなのかどうなのか、それもよく分かりませんが、私はずっと以前から申し上げているとおりでございます。
#92
○主濱了君 もう一回お願いしたいわけなんですが、松岡大臣は国民の代表である国会議員の、国会議員の中枢にいる核、閣僚なわけでありますよね。ですから、ほかの人たちよりもよりその説明責任を果たすことが私は必要ではないかと、こういうふうに思っているわけであります。
 そして、報告のみならず、私が昨日質問したのは別な面から質問をさせていただいたわけなんですが、報告がどうのこうのということは昨日は一切私はお話をしたつもりはありませんでした。昨日お話ししたのは、一つには熊本県民の一戸当たりの収入、これが五百三十万程度であります。で、松岡大臣の水道光熱費自体がそれに匹敵するぐらいの額であるということ。
 それからもう一つは、アル・ゴア前アメリカ副大統領、三万ドル、日本円にすると三百六十万円程度でしょうか、この額でもって実は非難を受けていると。こういうことについてどうかというふうに思って質問したわけでありまして、報告がどうのこうのということではございません。実際にそれぐらい使っていることについてやはり何かその説明責任を果たすべきでないだろうかと、法に関係なく、そういうふうなお話をさせていただいたんですが、いかがでしょうか。
#93
○国務大臣(松岡利勝君) 何度も申し上げて恐縮ではございますが、法律で定められている以上といいますか、それ以外のことを、必要であるとするならば、やはりそれは法律の扱いの問題、制度の問題とも絡んでくるわけでございますので、私は是非その点につきましては、その扱いを私一人だけに適用すると、おまえだけ特別やれということじゃなくて、一つの全体として、どういう基準でそういう場合は対応するのかということをお決めいただければそれに従って対応すると言っているわけでありまして、一切拒否をしているとか、そういうことではございません。
#94
○主濱了君 政治資金規正法の趣旨は公表することによって国民の判断にゆだねると、こういうことが趣旨のようでございます。これからこういうこと、一つ一つの事実が積み重ねられてその後判断が下されると私は思っておりますので、いずれこの問題、私の質問は以上で終わります。
#95
○松下新平君 民主党・新緑風会の松下新平です。
 先日聴取いたしました松岡農林水産大臣の所信表明に関して質問をいたします。あわせまして、参議院の予算委員会で農業関係の集中審議がございましたけれども、その点も掘り下げて質問をさせていただきたいと思います。
 まず、ホットな話題であります日豪EPA交渉についてお伺いしたいと思っております。
 この委員会でも再三取り上げられました。各団体から懸念の要望もたくさんいただいておるわけであります。新聞にも連日この文字が躍っているわけであります。
 松岡大臣も、所信では力強い表明をされていらっしゃいます。衆参両院の農林水産委員会における決議を踏まえて、守るべきものはしっかり守るとの方針の下、政府一体となって全力で交渉に当たりますと。大変頼もしい、そして力強い言葉であります。先ほどもこの委員会で表明をいただきました。
 そこで、松岡農林水産大臣にお伺いいたします。
 オーストラリアのハワード首相が、もう昨日お帰りになったと思うんですけれども、来日をされていました。この最大の農政の関心である日豪EPA交渉、いろいろ新聞では報道されておりましたが、所管する松岡大臣がどのような姿勢でこのハワード首相に対して臨まれたのかを、まずお聞きしたいと思っております。
#96
○国務大臣(松岡利勝君) 松下先生の御質問にお答えしたいと思いますが、実は私、ハワード首相とは直接お会いをいたしておりませんので、そういう意味では、直接どのような姿勢で臨んだかということにつきましては具体的な答えとしてはないんですが、直接お会いはいたしておりませんが、今後どう臨むかというような意味であればお答えを申し上げたいと思います。
 まず、ハワード首相との関係でございますけれども、安倍総理が会談をされておられるわけでありまして、またその安倍総理の会談の内容というものももう先生方のお手元にも届いていると思いますが、安倍総理から冒頭このような発言があったというふうに私は連絡を受けております。
 日豪EPAは、両国の戦略的関係を強化するものである。交渉では、互いのセンシティビティーに十分配慮し、特に日本にとっての農業等の重要性を認識しながら相互の利益を実現させていきたいと思う。特に、農業については、日本にとって国土、環境の保全や文化、伝統等多面的な機能を有するものであると。
 ハワード首相より、今度は冒頭以下の発言があったと。
 安倍総理も自分も、日豪EPA交渉が長期なものとなるだろうとの認識を示した。第一回交渉は四月二十三日に開始される。日本の農業のようなセンシティビティーは理解している。一方、徹底した議論なくして真の理解は得られない。そのためにすべての要素を議論する必要がある。
 また、記者からの質問に対し、安倍総理より以下の発言。
 交渉に当たっては、互いのセンシティビティーに十分配慮していく必要があり、特に日本にとっての農業等の重要性を認識しながら相互の利益を実現させることが必要だと思う。このように日豪双方にとって重要な交渉であるので、固定的な期限を定めることなく、徹底かつ十分な協議を行うことが必要と考えている。お互いにそれぞれのセンシティビティーに配慮し、日豪がともに利益を得られるようにすることが必要である。
 そしてまた、ハワード首相より以下の発言。
 日本の農業のセンシティビティーは認識しているが、徹底した議論なくては、実際のダメージと考えられるダメージが異なるのか、何が真のセンシティビティーかは理解できないと。
 このような、ある種やり合いにも似た発言ですが、安倍総理はしっかりと日本の立場というものを、そしてまた今日までの私どもがずっと申し上げてきた、また先生方からも提起されたその意をしっかりと体してこのような臨み方をされておられる、このように思っております。
 そこで私も、今、安倍総理が十三日の日豪首脳会談後の共同記者会見において言われましたように、その意と一体となりまして、特に農業担当の、農業所管の立場でしっかりと、この衆参両院の決議はもとよりでございますが、農業者の思い、またいろんな農業に携わる人たちの、関係する人たちの思いを体してしっかりと交渉に臨んでいくと、そのように認識をいたしております。
#97
○松下新平君 十二日に麻生外相、そして十三日に安倍首相が首脳会談を行われたということは報道で承知しております。私が申し上げたのは、農業を所管する松岡農林大臣が直接お会いする、あるいはその首脳会談に同席するとか、そういった姿勢で臨むべきではないかという趣旨で質問したんであります。
 いろいろ、それぞれお立場があります。麻生外相もかなり農業分野の踏み込んで交渉もされているということを予算委員会の農業集中審議の場で披露されましたけれども、やはりこの所管する大臣の言葉というのは大変重いし、それが農業に従事される方あるいは関係される方の代弁となってやっぱり直接ハワード首相にも響くと思いますので、私は今回の大臣の対応はちょっと消極的だったんじゃないかなと。まあ外交ですから、いろんなルールなりあるかもしれませんけれども、この所信表明で力強いメッセージの割には私はその今回の対応にはちょっと疑問を感じるところであります。
 そこで、先ほどEPAにこれから臨む決意も述べられましたし、今も触れていただきましたけれども、更に踏み込んで、具体的にもう来月の二十三日からキャンベラで交渉が始まるわけですから、ここ数日の動きも含めて見通しについて言及していただきたいと思います。
#98
○国務大臣(松岡利勝君) 松下先生の思いは思いとして私も十分理解をするわけであります。一番大事な農業分野の担当大臣として、やっぱり直接臨んで相手にこちらの立場なり主張といったものを伝えるべきではないかと、こういう御趣旨だと思いますが、思いは思いとして私も理解はできますが、実は、しかしこれにはやっぱりいろいろルールがございまして、私が一人臨んでいくということになれば、じゃ他の閣僚はどうなるのかとか、いろんなことがあるものですから、これはもう消極的だとか積極的だとかいうことじゃなくて、一つの在り方として、まあ総理同士で会われたと、外務大臣は外交をつかさどるという全体的なお立場でお会いになったと、こういうことでございますので、そこは消極的であったという意味じゃなくて、そういう在り方の問題としてひとつ松下先生には御理解いただければと、こう思うわけであります。
 それから、今後の見通しということについては、もうこれ安倍総理も言っておられますように、相当、またハワード首相もこれは認識として示されておられますように、そう簡単に決着付くような問題じゃないだろうと、相当長期を要するだろうと、こういうことでございますから、私どもとしては、どのようなスケジュールで進むかということは全くこれは今見通しが立たない、このように思っております。
 相手がもう日本の言うことを、例えば農業のことをぱっと、ああそれでいいよと言ってくれればそれは早いのかもしれませんが。お互い相当、テーブルの上に出し合ってかなりタフな議論になる、交渉になるだろうと、そのように思って、そういう腹構えでしっかりとこの体制を取って臨んでいくということになると思っております。
 四月の二十三日はもう決まっておりますので、これに臨むに当たっては、いろいろ農林省内部、また政府内においてしっかりと調整をして、私どもの立場をちゃんと位置付けて臨むように努力をしたいと、このように思っています。
#99
○松下新平君 この交渉事は大変難航するということは想定されるわけですけれども、その一つ一つの内容も、いろんなもう要望があるわけであります。このEPA交渉が難航すればするほど、逆に例えば豪州から我が国が依存している穀物を中心とした飼料原料などが止まってしまうんじゃないかと、そしてそれが高騰するんじゃないかという心配もございます。だから、そういうこと一つ取っても大変複雑なんですけれども、そういった一つ一つの生産者あるいは団体からの要望も酌んでいただいてしっかり交渉に当たっていただきたいと思います。
 それと、交渉に入る前は文書を取り交わすということをお伺いしました。所信で述べられたように守るべきものはしっかり守るということを、最初のスタートが大事ですから、文書に取り入れていただくと思うんですけれども、その文書の中にいわゆるこの重要品目、このことをしっかり明記する方針であるということでよろしいでしょうか。大臣お願いします。
#100
○国務大臣(松岡利勝君) 今先生がおっしゃっている文書の取り交わしというのがちょっとどのような意味でおっしゃっているのか分かりませんが、今もちろんありますのは、両政府で共同研究をやってきました。そして、昨年年末に最終報告ということで合意をしたわけですが、そこにはもうすべて、いわゆる何度も申し上げておりますように、防御する私どもからすれば、防御の武器と言えばいいんでしょうか、それはすべてそろえていると。関税については段階的削減なり再協議なり除外なりという、あらゆる防御のために必要な武器はすべてもうその段階で取りそろえておると、こういうことでございまして、それは既にお互いの最終の研究の、両政府の共同研究の最終の報告書の合意事項としてこれはもう位置付けられておりますので、もうそれは既に位置付けられているというふうに私は思っておりますが。
#101
○松下新平君 お聞きしたときに交渉に入る前に文書を取り交わすということでしたので、是非そういう気持ちでしっかり盛り込んでいただきたいと思っております。
 次に参ります。農地・水・環境保全向上対策についてお伺いいたします。
 これも農政の大改革で、それぞれの地方からも大変期待の大きい農業の政策であります。
 ただ、これは当初、国の方の予算は確保していただいておりますけれども、その半分を地方の方で負担するということで、大変厳しい財政状況の中ではなかなか事業化については困難だという声が上がっておりました。それに対してこの委員会でもたくさんの委員の方がこのことを指摘しておりましたけれども、先日の予算委員会で段本委員からの質問に対して松岡大臣が、総務省、菅大臣の方の大変御配慮いただきまして、十分地方財政措置を講じるということ、そして、予算が成立すれば御安心いただいて、地方自治体にこぞって取り組んでいただきたいと述べられておりますけれども。
 総務省にお伺いいたします。この大臣が要請されて、どのような対策を取られているんでしょうか、お願いします。
#102
○政府参考人(津曲俊英君) 平成十九年度から創設されます国による農地・水・環境保全向上対策と連携しまして、地方公共団体が地域の実情に応じて支援を行うことができるよう、国の支援額と同額の地方財政措置を行うこととしております。
 具体的な措置方法につきましては、まず、各地方公共団体の負担額の二分の一を普通交付税により措置することとしまして、その際、各団体の農地、田畑、草地ですが、の面積で補正を行います。さらに、その残余の額につきましては、市町村については七割、都道府県については五割をそれぞれ特別交付税により措置することとしております。この措置によりまして、各地方公共団体がその実情に応じて本対策に十分に取り組むことができるものと考えております。
#103
○松下新平君 一般に、予算は計上したけれどもそれがなかなか使い勝手が悪いとか、要件が高いハードルを課せられて実際は余ってしまうという事例もございます。
 本事業の見通しについてちょっとお伺いしたいんですけれども、今予算は成立しておりませんけれども事務的ないろいろ手続は進んでいると思います。全国からこの事業に対してどういった反響があるか、教えていただきたいと思います。
#104
○政府参考人(中條康朗君) 今総務省の方からお話ございましたように、私ども昨年末に制度の詳細を固めまして、この一月下旬に地方財政措置の具体的内容が示されまして、今厳しい地方財政の中で、地方公共団体の理解も徐々に深まってきているというふうに認識をしております。
 地方公共団体におきましては、これを受けまして、平成十九年度からの本格導入に向けて、予算の措置、それから詳細の周知を行う一方で、活動組織の立ち上げ準備等を進めている状況にございます。これから、四月以降に各種の手続を行うことになりますけれども、まずは地域協議会を正式に設立することが必要でございまして、その後具体的な活動の中身に入っていくというふうに承知をしております。
#105
○松下新平君 この事業がうまくいくように推移を見守っていきたいと思っております。
 次の質問に移ります。
 漁船事故に対する安全確保のための措置、支援についてお伺いいたします。
 先月初めに宮崎県日向市漁協所属の幸吉丸の海難事故が発生いたしました。これは、結果的には生存されたということもあって、大きくニュースで取り上げられました。このことをちょっと取り上げたいと思っております。
 概略を申し述べますと、二月九日に連絡が取れなくなってしまいました。二月十日午後二時ごろに、所属するマグロはえ縄漁船が種子島沖で消息を絶ったと地元、海上保安庁を通じて、第十管区海上保安本部に通報がありました。翌日の午前六時過ぎに、この消息不明の幸吉丸が、転覆して真ん中からぽきっと折れたような感じで、ちょうど船の後ろの方だけ海面に出して浮き沈みしているのを捜索中の仲間の漁船が発見いたしました。
 この映像を見たときに、もうこの三名の方の安否を大変心配したわけでありますが、この漁船には義務ではなかったんですけれども救命いかだが設置されたということがありまして、その救命いかだがその場になかったということもあって、それに乗って漂流しているんじゃないかということでまた捜索が始まったわけであります。
 十二日に第十管区海上保安本部がこの救命いかだに乗って漂流しているのを発見し、救助されることになりました。この漂流予測プログラムというのがあるそうなんですけれども、いろんな計算方式があって、この時間からどういうところにあるというのを計算されて発見に至ったということでありました。
 そのときの、その遭難のときの様子も生々しく報道されておりますけれども、この救命いかだは六人乗りだったんですけれども中は非常に狭くて、三人とも正座のようにひざを曲げて過ごしていたそうです。ちょうどもう遭難してすぐの夜に十円玉の大きさの穴が二つ空いて、漂流中ずっと水をかき出し続けてほとんど眠れなかったということも後でお伺いいたしました。食料は、六切れあった乾パンを分け合ったそうであります。
 これにはいろんな偶然も重なりました。海もそんなに荒れていない状況でもありましたし、この船長さんが、あるいは乗組員の方が冷静に判断されたということもありました。ただ、一歩間違えばというか、これはもう奇跡に近いぐらいに、生存して良かったという事例だと思うんですけれども。
 いろいろ地元からお伺いしますと、最近、こういった冷やりする事故も多発しているということであります。一つには、自動操縦ですね、それが発達しておりまして、それに頼り切って、見張りとかいろんなところがおろそかになってこういった事故につながるという例もございますし、あと、乗組員の教育ですね、このことも指摘されております。
 今回のケースは、この幸吉丸が止まっているところにこの大きな船が来たわけですけれども、幸吉丸が九・一トン、その大きな船が四百倍の大きさなんですけれども、止まっている船に向かうときには当然回避義務は動いている方にあるということなんですけれども、そういった事例がありました。
 地元でも大変心配しておるんですけれども、最近のこの海難事故について状況を教えていただきたいと思います。
#106
○政府参考人(冨賀見栄一君) お答え申し上げます。
 先生御案内のとおり、平成十八年における漁船海難、合計で八百九十二隻海難が発生しております。これらに伴う死者、行方不明者につきましては五十九名というふうになっております。
 それと、過去五年間の漁船海難の発生傾向でございますけれども、ほぼ横ばい状態でございます。加えて、死亡・行方不明者につきましては、現在のところ、対策等が功を奏して減少傾向にあるのが現在の傾向でございます。
#107
○松下新平君 現在は、この当て逃げの認識はないと、そして事故原因は見張りの人員不足ということで、この原因がほぼ特定されておりますけれども、更にその詳しい究明については海難審判庁の方によって早急に図られることを強く望みます。
 この再発防止策なんですけれども、いろいろお伺いして幾つか分かったことがあります。この救命いかだは、先ほど義務ではないと言いましたけれども、漁協の判断で設置されていると。これには大変費用が掛かりますし、三年ごとに更新もしていかないといけないらしいんですね。それに二十万近く掛かるそうなんです。この辺も、大変今漁業も厳しい状況にありますので、こういった支援もすべきではないかという声もございます。
 また、遭難して三日で発見されたわけですけれども、もっとこの技術力を駆使して、ここにいるという、まあ携帯でいえばGPSみたいなシステムがあれば、もっと早く発見できて救助ができたんじゃないかと思われます。今回のケースも、あと一日、あと二日発見が遅くなったらと思うと、大変懸念されるところであります。
 再発防止策についてそれぞれ、この今回の事件、それぞれの立場で取り組んでいらっしゃると思うんですけれども、このことをどのように受け止めていらっしゃるか、お答えお願いします。
#108
○政府参考人(冨賀見栄一君) お答え申し上げます。
 安全指導の実施状況という御質問だというふうに理解していますけれども、海上保安庁では、海難を防止するため、海事関係者や漁業関係者に対しまして、見張りの励行や海上交通ルールの遵守など、安全運航を徹底するよう、海難防止講習会などを開催しまして、加えて、海上保安官が船に訪れて訪船指導もやっております。
 また、官民が一体となった全国の海難防止強調運動という運動がございますけれども、という運動をやるとともに、関係省庁が連携した海難防止施策を推進しているところでございます。これら活動を通じて、今後とも関係者の安全意識の向上に努めていくことといたしております。
 先ほど御説明しましたとおり、そういう運動なり講習会が功を奏して、死亡・行方不明者が減少する傾向になっているということもそれの証左であるというふうに考えております。
 以上です。
#109
○松下新平君 今、海上保安庁から御答弁いただきましたが、今回は所管する第十管区ですけれども、申し上げましたように、この漂流予測プログラム、そういう今までの経験を駆使していただいて発見していただいたということを改めて御礼を申し上げたいと思っております。
 水産庁にもお伺いしたいんですが、今回この問題を取り上げるに当たっていろいろヒアリングさせてもらったんですけれども、資源管理や違法操業は水産庁、漁船の安全確保は国土交通省、責任の所在が縦割りなわけです。この再発防止をどうするかということに対しても、その立場でしっかりかなめとなってやっていくというところがなかったわけであります。大変、これから再発を防ぐためにも原因究明が大事ですし、この対策をしっかり責任あるところで取り組んでいかなければいけないというのを強く思いました。
 宮崎の郷土の偉人に高木兼寛先生という方がいらっしゃいます。これはかっけの予防を発見した世界八大ビタミン学者の一人なんですけれども、ちょうど東京慈恵会医科大学を創設した方で、建学の教えに病気を診ずして病人を診よという言葉がございます。病気を診ずして病人を診よ、これは、どうしても医学というのは病気、そういう研究ばかりに没頭してしまう、そうではなくて人の命を救う、その人の命を大切にする医学を進めるべきだという教えなんですけれども、正に今回のケースも、行政側の縦割りの中でそれにどこに当てはまるかという考えではなくて、これはもう漁業に従事されている方ですから、水産庁がこんないろんな、漁業のいろんな問題も直接関与されていらっしゃるし、実情も御存じなわけですから、水産庁がこういった問題をそれぞれのところに働き掛けていくというシステムが必要だということを考えました。
 海洋基本法の制定も今超党派で進められておりますけれども、こういったまだまだ海洋に関しては遅れている部分がございます。例の飛行機の事故ではすぐ、そういった調査委員会が現地に出向いても、その日には原因が発表されるということからすると大変遅れていると思いますので、特に陸と違って海の場合はすぐ生死にかかわることでもありますので、そういった連携、しっかり取り組んでいただきたいと思っております。
 次の質問に参ります。
 高病原性鳥インフルエンザの防疫のための資金についてお伺いいたします。
 前回も取り上げたんですけれども、宮崎の方で立て続けに三件発生いたしまして、その後終息をしましたけれども、農家の方は毎日養鶏場をのぞくのが怖い、いつまたそういう状況になるか分からないと、またシーズンもまだ四月ぐらいまでは安心できないという状況がございます。
 そこで、具体的に要望が幾つかございますけれども、一つが、鳥インフルエンザ防疫型の鶏舎への転換に対しての補助事業を要望させていただきたいと考えます。現在、強い農業づくり交付金がありますが、この事業の拡張や、低金利あるいはゼロ金利の融資事業があるとよいと思いますということが来ておりますが、いかがでしょうか。
#110
○政府参考人(山田修路君) 鳥インフルエンザのウイルスを持っている可能性があります野鳥やネズミ等の侵入防止対策という観点から、防疫に有効な鶏舎の整備について支援をしているところでございます。
 具体的に言いますと、委員の方からお話ありました強い農業づくり交付金、これは十六年度に見直しまして、共同利用のウインドレス鶏舎の整備を助成対象にしております。また、食の安全・安心確保交付金というのがございますが、これで既存の開放型の鶏舎に対する簡便な対策ということで防鳥ネット等の設置を支援をしております。
 また、融資のお話がございましたけれども、個人の経営が利用できる融資の対策として、認定農業者を対象とした農林漁業金融公庫のスーパーL資金や、農業者を対象とした農業近代化資金等の低利な制度資金が用意をされております。
 このような補助事業や融資制度の活用を推進することによって、鳥インフルエンザの防疫に有効な鶏舎への転換等を進めてまいりたいと考えております。
#111
○松下新平君 認定農業者に対してゼロ金利ということで需要もあるということですが、まだ予算は成立しておりませんけれども、周知がなされてないようです。実際、地元の担当の職員の方からのこれは声でしたので、周知の方もよろしくお願いしたいと思います。
 それと、もう一点だけ取り上げますと、移動制限区域ですね、十キロとか五キロとかございますけれども、そこでいろんな養鶏農家の形態があるんですけれども、ブロイラーですね、ブロイラー生産は年間に四回から五回ぐらいのローテーションで、ひなから出荷まであるわけですけれども、その移動制限区域が掛かった時点でそのブロイラーがいた場合にはそれぞれ対応していただくんですが、そのときに空っぽの状態ですね、出荷した後だったり、あるいはそこのひなが、ひなから来るところが対象になったりといったところに所得減が現実問題として起こっております。もちろん、出荷のサイクルが遅れるとか、そういうこともございます。オールイン・オールアウトと言うそうなんですけれども、こういったブロイラー農家の救済策が今のところございません。
 やはり防疫というのは国の責務でありますし、こういった一つ一つ積み上げて対応していくということでしたけれども、こういったのを対応することが隠ぺい体質の防止につながりますし、国がしっかり対策を取って蔓延の防止をやるという意思表示にもなりますので、こういったところもしっかり手当てしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#112
○政府参考人(山田修路君) ただいま委員のお話のありましたようなケース、こういったケースにつきまして、具体的に言いますと、移動制限区域内にある農場で、今回の例えば鳥インフルエンザの関係でいろいろ経営が難しくなっているということだと思いますが、こういったものにつきましては家畜疾病経営維持資金というのがございまして、そのうちの経営継続資金というメニューがあるんですけれども、そのメニューの中で、経営を継続するために必要となるひなの購入ですとか飼料の購入等に要する資金を低利で融資するということが可能な仕組みがございます。
 また、今申しました家畜疾病経営維持安定資金による融資では不十分だと、経営資金が不足するといった場合には農林漁業金融公庫の農業経営維持安定資金という措置もございますので、こういった資金がありますことを十分周知をしながら対応してまいりたいと思っております。
#113
○松下新平君 よろしくお願いいたします。
 最後に、OIEによる米国のBSE安全度認定の変更と我が国の輸入条件についてお伺いいたします。
 これはOIEの正式な発表ではないそうなんですけれども、米国農務省動植物検疫局局長ロン・デヘイブンさんという方の声明がホームページになされました。これは省略しますけれども、このOIEの基準で安全度が増したということがうたわれております。
 五月に正式にOIEが発表するということですけれども、これに対して農水省の小林事務次官がコメントを発表されております。このことが直ちに輸入条件の変更をもたらすものではないということでありました。
 松岡農林水産大臣に、この米国のBSE問題、この委員会でもずっと取り上げてまいりましたけれども、当初からこの米国の要求はずっと一貫してありました。三十か月齢ということであります。それに対して我が国は同等の基準ということで強く主張しておりましたけれども、現実問題として心配されている状況に一歩つながったんじゃないかと思いますけれども、松岡大臣の御所見をお願いいたします。
#114
○国務大臣(松岡利勝君) 国際的な基準というのは国際的にあるわけでございまして、それは確かにOIEの場においてそれは決められていると、こういうことはそのとおりだと思います。
 そこで、アメリカとしてはOIEに昨年からですかね、ずっと協議を申請してきておりまして、その結果、BSEのステータス認定専門家パネル、これが十八年の十一月に第一回が行われ、また今年の、十九年一月に第二回のBSEステータス認定専門家パネルというのが行われ、そして二月から三月にかけましてOIEの科学委員会が行われる、ここにおけることをおっしゃっているんだろうと思うんです。
 そこで、管理されたリスクの国ですね、というふうにアメリカが認定されるであろうということをアメリカの人は言っておられるわけでありまして、これはしかし最終的には五月のOIEの総会で、それがそうかどうかということが決定されると、こういうことでございます。
 じゃ、仮に管理されたリスクの国という形で決定をされたといたしましても、日本は日本の、お互いまた、そして十六年の十月には日米共同記者発表というのがございまして、そこでお互い確認しているんです。それがあったとしても、日本では日本国内の手続、プロセスというのがございます。これは食品安全委員会において議論をされ、その結果決められると、こういうことになっておりまして、それはアメリカも了解しているわけで、確認しているわけであります。
 したがって、事務次官が言いましたように、OIEで五月にたとえそれが仮に決められたとしても、それをもって国内の輸入条件の変更ということには直ちにはならない、全くそれはそのとおりでございます。
 そしてまた、これは我々が向こうからの要請を受けてということではなくて、これはちゃんと科学的に、食品安全委員会を中心といたしまして、そこで議論がされ、そこで科学的に判断され決定されるということを受けて、我々はそれをリスク管理行政機関として対応していくと、こういうことになるわけでありまして、もうこれは何度も昔から、政治的なそういうことで決定するんじゃなくて、あくまでも科学的にということで、特に日本としては、国際的には三十月齢と言われているものを、我々日本としては二十月齢以下というふうに日本の基準でアメリカとの間ではこれまでやってきたわけでございまして、それを変更するということになれば、科学的な観点から、食品安全委員会を中心としてそこで決められたものに基づいて行われると、こういうことでございます。
#115
○松下新平君 先月にはこの輸入条件違反の牛肉も見付かっておりますので、再三ですけれども、現在の条件を遵守、これをしっかり求めていくべきだと思います。まだまだ安心、安全という国民の、消費者の皆さんの信頼はかち得るところまで行っていないという認識の下に質問いたしました。このOIE国際基準という名前ですけれども、これに縛られることはないということも答弁いただいておりますので、日本の主張をしっかりしていただきたいと思います。
 私からは以上で質問を終わります。ありがとうございました。
#116
○和田ひろ子君 民主党の和田ひろ子でございます。所信に対しての質問ということで今日は立たせていただきます。
 今、松下新平委員がOIEの話をされました。OIEの基準は十万頭に一頭の検査ということですから、三千万頭を処理しているアメリカは四万頭やっているというのは、絶対に基準に合っていないわけであります。三百万頭はせめてやらなければいけない基準だというふうに思います。大臣からきちんとしたお答えをいただいて大変安心しておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、まず所信をお聞きしての質問をさせていただきます。
 大臣は、農政を担当しておられる、日本の農政を考えられて、今の農業の現状を踏まえて、食の安全であるとか、安定に供給をしなければいけないとか、多面的機能の発揮とか、農業の生産性の向上とか、農業所得の向上とか、もう本当にいろいろあるわけでありますけれども、農村の活性化なども加えて、大臣は農業の目的はどういうものだというふうにお考えですか。
#117
○国務大臣(松岡利勝君) 和田ひろ子先生にお答えをいたします。
 今、先生からもお言葉の中にございましたように、まずは、国民に対して安心で安全な食料の安定的供給を図っていくこと、これがまず第一義的に重要だと、こう思っております。それからまた、国民生活という観点からいたしますと、農林水産というものは、食料の安心で安全な安定供給と同時に、いろんな役割を果たしております。国土の保全や自然環境の保全、また、そういったことを始めとしまして、いろんな多面的機能を持っているわけでございまして、これを通じて国民生活を支えていると。したがって、この多面的機能を最大限に発揮していくような、そういうことを目指していくと、これが一つでございます。
 それと、何よりそういったことを、役割を果たしていくためには、農業自体がこれはもう持続的に、そしてまた発展的にこれは展開をしていく必要があると、こういうことで、農業の持続的な発展を目指していく、これが重要なことだと思っております。それからまた、国民にとっても、都会の人にとっても大事なゆとりや憩いや安らぎの空間でもあります農村空間、やっぱり農村の振興をしっかり図っていくと、こういったことが大事だと思っております。
 こういったことを達成していきますためにも、農業の発展というものをしっかり目指していく。そのためには市場を、国内農産物の市場を確保していく、また広げていくと、こういう観点からも、国内における市場の確保はもちろんでありますが、海外に向かっても市場の確保のために大きな海外展開もしっかりやっていくと。さらにまた、バイオマスエネルギー、こういった観点でも新たな領域、新たな分野としてこれをしっかりと取り組んで、農業、農村、そして地域全体の活性化、雇用や所得の確保を通じて地域全体の活性化につなげていく、このように思っております。
 そういったことを達成していく、実現していくための一番基礎的なこととして農業そのものの体質強化、このためには構造改革も必要でございまして、担い手経営安定制度を通じまして日本の農業の総合力を最大限に発揮していく、こういったことを目指していきたい、このように認識いたしております。
#118
○和田ひろ子君 ありがとうございます。
 私は、参議院議員になって十二年です。一貫して農林水産委員会に所属をさせていただきました。大変感謝をしております。
 私は、農業に、農林水産、農林漁業に従事しておられる皆さんがもう誇りを持って農業、林業、水産業に就いていただきたい。国民の食料を守っておられる、水を涵養する、いい空気を出している、そういうことを誇りを持ってやっていただきたい。子供たちにバトンを渡すときに、父親の職業を誇りを持って継いでもらえるような、持続可能な農業というふうにおっしゃいましたが、正にそういうことをしていただきたいという思いで、一貫して農業をさせていただきました。
   〔委員長退席、理事常田享詳君着席〕
 我が国の戦後の農政は、食料難の時代もありまして、食料の安定供給ということが出発点だったと思います。戦後の復興が進んでいって高度成長がなされて、人口が農村から都会にどんどん流出してしまって、他産業との格差が、所得の格差が出てきてしまった昭和三十六年に農業基本法というのができました。
 あの農業基本法ができたときは、地元の人の話、農業をしっかりやっておられる人の、地元の方の話を聞くと、もうあの前文を読んだだけで何かぞくっとした、自分たちの気持ちがしっかりあの農業基本法には入っていたというふうにおっしゃいます。
 ちょっとだけ読んでみますと、我が国の農業は、長い歴史の試練を受けながら、国民食糧その他の農産物の供給、資源の有効利用、国土の保全、国内市場の拡大等国民経済の発展と国民生活の安定に寄与してきた。おれたちが寄与したんだという思いです。農業従事者は、このような農業の担い手として、幾多の困難に耐えながらもこの務めを果たし、国家社会及び地域社会の重要な形成者として国民の勤勉な能力と創造的精神の源泉たる使命を全うしてきたというふうに書いてあります。
 これずっと読んだらもっともっと感激するんですが、こういうことに感激されておられたんですが、残念ながら、今、戦後、結局は零細な生産構造は残るだけで、旧農業基本法の目的が達成できていない、達成とは言い難いというふうに思います。
 この間、食生活の大きな変化もありました。輸入農産物の増大もありました。食料自給率が四〇%にまで減少して、食料安全保障の観点から食料の安定供給も問題となってきました。本当に私も、危機管理のところに大臣に入っていただきたいと私も思っています。
 そこで、平成十一年に新たに食料の安定供給、多面的機能の発揮、農業の持続的発展、農村の振興の四つの基本理念として食料・農業・農村基本法が制定されたわけでありますけれども、現在の農政の中心とされているこの食料・農業・農村基本法、大臣は戦後の農政をどのように総括されておられますか。これまで、施策の効果について徹底的に検証された、点検をしたというふうにおっしゃっておられますので、戦後の農政の総括をどうぞお願いいたします。
#119
○国務大臣(松岡利勝君) 和田ひろ子先生が今、昭和三十六年の農業基本法の前文ですか、お読みになって、それを読んだ人がそのときぞくっとしたとおっしゃって、今先生もまたそのような思いで読まれたんだと思いますが、正にあのころは、とにかく国破れて山河ありで、都会は焼け野原で、農村にみんな頼って、そこでまた持ち直して日本を再建したと。農村が大きなその再建の基盤になったと、私もそう思っています。
 と同時に、とにかく食糧難という中でいかに食糧を生産をし、生産の増大を図っていくか、こういうことがもうすべてであったと思います。それにも農村、農業はよくこたえたし、農家もしっかり頑張った、このように私も思っておりますが、正に、何といっても戦後の日本の農業、農村、農家というものは、日本の戦後の復興、発展に多大な貢献をしたし、その礎になったと。それが戦後のやっぱり農政にとって一番私は評価される点ではないかと、こう思っております。
 そこで、じゃ、具体的にですが、まず、終戦直後、とにかく主要食糧の増産ということをしっかり目指した。これはやっぱりそれなりの大きな成果を上げてきたんだと思います。そして、高度経済成長における都市と農村の格差の是正と、こういったことも、二重構造と言われましたように、二次産業、三次産業と比べて第一次産業は生産性が低い。こういった意味で構造格差とも言われましたが、それをどう是正するか。あわせて、都市と農村の格差の是正、こういったことも大きな一つの課題だったと思います。
 更に進んで四十年代に入っていきますと、米の生産過剰など、食料需要の変化に応じた生産転換、こういったことが求められました。その時代その時代における課題に対して私は適切な政策を選択をし運営をしてきた、このように思っております。
 そういう中で、農家の所得の向上、農業生産の選択的拡大、前は米と麦がもうほとんどを占めておったんですが、今はそれが四分の一になりまして、そのほか肉類の生産や野菜の生産にシフトしてきた。こういった意味で、農業の生産構造も大きく変化をしてきた、変わってきた。これはやっぱり、時代のニーズにこたえて、遅ればせながらもこたえた面もあったかもしれませんが、やはり変化にこたえてそういう方向に来た。そして、それなりに一定の成果を上げてきたと思っています。
 それから、所得の面につきましても、農外収入の獲得をどうするかということで、農村工業導入促進法、こういったこともやっぱり大きな政策として打ち出してまいりまして、したがって、勤労者世帯と農家所得との格差をやっぱり大きく是正をしてきた。これはもう数字的には如実でございまして、やっぱり大きな農政のこれは一つの評価をしてもいい点ではないかと思っております。
 ただ、どうしても、これは先進国おしなべてそうなんですが、農村からの人口のやっぱり流出、これはもう我が国だけでなくて、アメリカは別にいたしましても、フランスやイギリスや日本と似たような状況の国におきましても、ある意味では日本以上の形で流出をしておると、こういうことでございまして、日本も例外ではなく人口の流出、過疎化という問題はあったんでありますけれども、それに対応しながら最大限の努力はしてきたと、このように思っております。
 しかし、まだなお一方で大きな課題も残っておりまして、その三十六年の農業基本法が目指しました規模拡大、これはいろんな条件でヨーロッパで進んだのに比べますと、日本はやっぱり土地に対する思いとかいろいろなこともございまして、それほどまでには進まなかった、こういったこともございます。
 したがいまして、土地利用型農業における零細な農業構造の改善といったものはまだなお今日の大きな課題として残っておりますし、したがいまして、そういった意味では、改めてこの構造改革を進めながら、そしてまた農村の活性化というものをどのように成し遂げていくか、こういったことについてはこれからのまだ更なる課題だと、このように思っております。
 それから、もちろん食の安全、安心ということにつきましても、今もお話がございましたが、これに対しましても、私どもは制度的にもその原料、原産地の表示やそういったことを踏まえまして、こういった点についても強い取組をしていかなければならない、こう思っておりますし、また新たに農業が果たしていく役割として、先ほど申し上げましたような温暖化対策、そこにおけるバイオマスの利活用、こういったことを通じた取組、こういったことも重要だと思っております。
 それから、知的財産の保護と同時に活用、こういったことを通じまして、日本の農業の利点を生かした世界に対しての日本農産物の大きな展開、こういったこともしっかりやっていかなければならない、こう思っているところでございます。
 ちょっと先生の課題にこたえて言い尽くし得たかどうか分かりませんが、そのように認識をいたしております。
#120
○和田ひろ子君 また、所信の中で、本年は農林水産業の新生元年というふうにおっしゃいました。我が国の農業がどうあるべきか、新生元年とは何ですか。
#121
○国務大臣(松岡利勝君) 食料、環境、エネルギー問題が地球規模での課題となっております中で、我が国の農業は二十一世紀にふさわしい戦略産業としての可能性を秘めていると、これは安倍総理のお言葉でもございますけれども、正にそのような可能性を持っておると、秘めていると。これをどう具体化していくかということが大事でございまして、その可能性を最大限に引き出していくことが新生元年としてのこれからの新たな農業の姿をつくっていく、そういう方向だと、このように思っております。
 具体的には、農業の体質強化に向けました品目横断的経営安定対策の導入をてこといたしまして、それらをしっかりと組み合わせまして担い手の育成をしっかり図っていく。さらに、バイオマス利用の加速化、農林水産物の輸出促進等を通じた農林水産業の新境地の開拓、それから農山漁村活性化プロジェクトの推進、また農地政策の再構築、これは担い手に農地が集約化できますように、そういう農地政策の再構築と、新たな観点と発想に立ちまして、創意工夫を凝らした積極的な政策展開を進めて、新生元年としてのそういうスタートにしたい、このように思っているところであります。
   〔理事常田享詳君退席、委員長着席〕
 さらに、加えますと、今申し上げましたようなことによって、とにかく諸施策を総合的に推進をし果敢に取り組んでいくことによって、我が国農業の新生元年となるように取組をしたいと、こう思っております。
#122
○和田ひろ子君 現在の農政は、価格政策というのではなくて構造政策という観点で、生産性の向上のためにだけ大規模化を図っていくというようなふうに私は見えて仕方がありません。旧態依然として、何か今までの規模拡大というのがうまくいかなかったのにまだまだ規模拡大のことを言っているな。所信でも、担い手に対する面積集積を加速化させていく、新たな経営安定対策でも、基本的に面積要件、先ほどから何回も出ていますが、担い手として支援する対象を限定しています。四ヘクタール、二十ヘクタールというのは何だったんだろうと。それに合わせるためのいろんな言い方でしかないんじゃないのかなという感じがします。
 こういうことであるけれども、これまでの我が国の食料供給という観点から、いわゆる担い手となるような大規模専業農家だけではなくて、本当は零細でも小規模な農家でも兼業農家でも、日本の国に多大な貢献をしてきたんではないかというふうに思いますが、この点をどういうふうに考えておられますか。
#123
○国務大臣(松岡利勝君) 先生がおっしゃいますように、規模拡大が目標としたとおりに進まなかった、これは私もそういった課題は大きく残っていると思っております。
 イギリスとフランスが戦後の中で、どっちがどっちだったかちょっと、ひょっとしたら間違っていたらお許しいただきたいんですが、たしかイギリスは規模拡大が二・五倍になった、フランスは二倍になった。どっちがどっちだかちょっとこんがらがっていますが、いずれにしても二倍以上の規模拡大が進んだ。それに比べて我が国は、平均しますと一・四倍。ただ北海道では四・六倍に進んだ。こういうことでございますが、いずれにしても一・四倍、平均してですから、ヨーロッパに比べても随分そこのところは差がある。しかし、進んだことはある程度進んだ。
 そこで、先生、規模拡大が進まないのにまだなおかつ規模拡大を目指すのかと、こういう御指摘でございますが、そこはちょっと是非御理解をいただきたいなと思いますのは、今のままではどうしても小規模零細という形のまんまで、これ以上の展開ができない。したがって、どうしてもそこのところを何とか我々はクリアしたいわけでありまして、〇・一ヘクタール、〇・二ヘクタール、〇・三ヘクタール、そのまんまでは、これはなかなか自立的経営というわけにはいきません。したがって、〇・一の人でも参加して、まとまって、固まってもらうことによって、大きなまとまり、固まりになることができると。それを単なる所有権の移転という規模拡大じゃなくて、経営という姿の中に入っていただくことによって、所有権の移転を伴わない形で規模拡大ができる。
 私もこの十八年、政治家になってずっと農政中心にやってきたわけでありますが、いろいろ考えながら、究極の策としてこれしかないし、これだなと実は自分でも自問自答しながら思ったのがこの集落営農という、みんなで一つ固まって、そうすると、集落で固まることによって、まとまることにまた集落全体のきずなといいますか、こういったものも再構築できるんではないか、そして集落全体の活性化というのも、これまたなされるんではないかと、このように思っておりまして、そこで四ヘクタールとか、十ヘクタールとか、二十ヘクタールという基準は確かに決めております。決めておりますが、これもまたいろんな柔軟性を、これをつくっておりまして、例えば物理的な制約で農地が少ない場合の特例、こういった場合には面積を緩和します、基本原則のおおむね八割まではいいんです、そしてまた中山間は五割まではいいんです。それから、複合経営ということになりますと、これは経営面積が小さくても、複合経営という形でやっておれば、その複合経営の姿によって、農業所得が基本構想の半分を超えて、対象品目の収入や所得又は経営規模のいずれかがおおむね三分の一以上の場合は、それはこれも対象としますよと、こういうことでございまして。
 それから、生産調整をやっておる場合には、これは生産調整の状態に応じて調整率を掛けて、そして、例えば中山間の場合は二十ヘクタール掛ける生産調整率掛ける八分の五と、四ヘクタールまでは、この二十ヘクタールが中山間の十ヘクタールの基準になって、そして四ヘクタールまでは、逆にこれはいろんなそういう特例を設けて、まとまっていただければそれでいいようにできるんですよと、こういうことでございまして、北海道の場合もこれはいろいろ基準を設けていまして、八、八、六十四、六・四ヘクタールまではこれは対象となるようなことが特例として認められているんですよと。
 このようなことで、いろんな組合せによって、事情によってずっと条件を緩和しておるわけでございまして、あらゆる形でその対象に入っていただけるようにしているところでございまして、そういう観点から、ちょっといろいろ水掛け論的なことで申し訳ない点はあるんですけど、是非そういうことで御理解をいただくように努力をしたいと思っています。
#124
○和田ひろ子君 私も水掛け論的な質問で何回も同じこと質問しますけれども、担い手になれない農家に対して、集落営農に参加すればいいんだ、そうすることが体質の強化になるんだというふうにおっしゃいますけれども、先ほども岩永委員の質問にもありましたけれども、なれないところも一杯あって、そんな、面積を数字化してきたおかげで、なれない農家には隣から借りてきてまでなれというような、そんな条件ではおかしいというふうに思いますので、面積要件を満たすことができなくても、例えばやる気ある農家って一杯いらっしゃるんですよね。四ヘクタール持っている人でも嫌々やっている人もいるし、二ヘクタールでも本気でもう頑張って複合経営したりいろいろしてやる気があるんですが。
 参加をすることとやる気はイコールではありません。また、面積とやる気もイコールではありません。どうお考えですか。
#125
○国務大臣(松岡利勝君) ここは私どもは何としてもある一定の基準を超えていただいて、特に今回の対策といいますのは、私どもは、グローバル化、それから国内にあっては体力を強くすると、こういうことに、両方にこたえられるようにということでこれはやったわけであります。
 WTO交渉というのがございます。そういたしますと、今、黄色の政策というのはこれ減らしていかなきゃならない。貿易歪曲的ということで、もうアメリカが六割減らすと言っても、まだ減らし方が足りないといって世界から袋だたきに遭っていると、こういう状況であります。
 したがいまして、私どもはこの緑の政策になるべく切り替えていくと。緑の政策に切り替えるということは、例えば作物を特定して、この作物のために価格的な補てんをするといったら、それはもうアウトなんです。したがって、作目にはかかわり合わない、だから品目横断と言っているのは実はそれだし、この作物とこの作物というふうに作物を決めちゃいますと、例えば基幹作物とかいう、そうするとそれはアウトなんです、緑として。したがって、品目横断、横断しているから特定の作物には関与しないという形で品目横断にしまして、そしてこれは緑の政策にしていこうということで七割の緑の助成にすると、こういう組替えにしたわけでありますが。
 どうしてもそういう国際的にこたえていきますためにも、また国内的には今より、現状じゃなくて、大きく改革をし進展をする、レベルアップする、だから助成をすると。こういう形で、つらいところ、苦しいところ、何でおれが隣と一緒にならなきゃいけないかというところも、気持ちは乗り越えていただいて、固まってまとまることによって進展をすると、大きくレベルアップすると。それに対して国民も納得して、そういうレベルアップした形でのそのことに対する助成なら、じゃ、これはもう税金が使われてもやむを得ない。
 そういったような意味で、今先生がおっしゃったところ、そういった人たちにもどうかひとつレベルアップという意味でひとつ努力をしてくださいということで、これは財政当局と我々が交渉する上でも、何か前進、進展があって、国民の皆様全体に対して、これだけの向上をいたしますというか、努力をいたしますと、だからそれに対する助成をお願いしますということが必要だと、こういうことで、そういう努力をお願いをいたしているところでございまして、これは何とか御理解をいただきたいと思っています。
#126
○和田ひろ子君 そもそも、面的な集積による大規模化では、生産性の向上を図り、低コストで食料供給を実現することには限界があるんじゃないかと私は思っています。
 例えば会津、会津じゃなくてもどこでもそうなんですが、圃場整備事業で三反を一つの田んぼにしたり、また一町にしたり、今、大変償還金なんかで苦労されておられるんですけれども、三町持っておられる方は一町減反しているんですよね。幾ら品目横断とかなんとか言っても、田んぼをつくるつもりでつくった田んぼに豆作っても何作っても価格は合わないんですよね。そして、大体、水田というくらいだから水が多くて畑作には見合わないんですよね。
 そういう苦労をされているんですけれども、やっぱりこれには限界、面積を集約して幾らやろうとしても限界があるんじゃないんですか。お答えをお願いします。
#127
○国務大臣(松岡利勝君) 和田ひろ子先生の思いというのも、私も元々農家ですから、もうずっと親もみんな周りも、今の親戚もまだみんな農家ですから、その思いそのものは私も分かるんですけれども、じゃ、やっぱり世間から納得してもらい、そしてまた国全体から了解をしてもらいという形になると、試験じゃないですけれども、ある一定の水準をどうしても目指すというか超えるということが求められると、こういうことでございまして、私どもは、やっぱり生産性を高めていくということになると、土地利用型ということでいえば、どうしても規模のスケールメリット、そしてそのことによって効率的な例えば機械の使用もできますし、そうするとコスト削減もできますし、やっぱりスケールメリットというのはどうしても一つのこれは目安としてというか、実際的なやっぱり効果として求めざるを得ないと、そう思っております。
#128
○和田ひろ子君 今、都市と農村の格差が言われています。本当に格差社会を是正しなければいけないというのは大命題だというふうに思いますが、四ヘクタールまでは補助を出すけれども、四ヘクタール以下は出さないという。
 もう農家の間にも、今まで農業者というのは、もう苦労を一緒にしてきたんだ、もう本当にこういう苦労を一緒にやっていこうというふうにみんなで燃えていた人たちに格差が、農家の中で格差が出てしまうということを感じられませんか。
#129
○国務大臣(松岡利勝君) 四ヘクタールというのは面積的な基準なんですが、これを、だから、もしその面積がない人は、例えば複合経営という場合には、経営規模という観点から、先ほど三分の一と申し上げましたが、面積要件は満たしていなくても、経営規模の、そこで要件満たしていればその人たちも対象になるというように、そしてまた、いろんな条件によっては二・六ヘクタールぐらいまではこれは特例を設けて条件を緩和して対象になるというふうにいたしておりますので、何かもう四というのが全部頭にぽんと入っちゃって、それ以下は一切駄目だと思われているんですけれども、決してそうじゃないんです。
 あわせまして、集落営農、逆でして、集落営農になれば〇・一の人でも参加していただければもう担い手として、対象としてなりますよと、こういうことなんで、だから、単独で駄目ならみんなでまとまってと、こういうことを申し上げているわけで、是非そこは御理解いただきたいと思っているんです。
#130
○和田ひろ子君 先ほども広島の例なんか出されて、みんなに公平な施策だということなんだけど、知事の認定事項というのは、特殊な事情をどういうふうにして認めるかという結果そういうふうにされたということなんですけれども、裁量というのは、バランスが取れていれば裁量することないんですよ。アンバランスだから裁量なんだから。その裁量、バランスの悪い、広島の離島の条件を私たち幾ら開示されても会津では全然関係ないわけでありまして、先ほどの裁量の要件、知事が申請しなければいけないという岩永さんの質問に対しても、私も大変疑問を感じました。
 そして、担い手になれない農家の離農をどんどん進めていって、今度は水・環境保全対策で農業従事者以外の地域住民に対して水路の保全等になんというのはもう本当に、何か言っていることがもう逆さま、逆方向にみんなやっているんじゃないかという大変な疑念があります。
 それは、疑念はそれとして、私は今日は水産庁長官をお呼びをしております。水産の自給率というのはどうなっていますか。もう一つ質問がありますので、簡単にお願いします。
#131
○政府参考人(白須敏朗君) 水産の自給率の関係でございます。
 我が国食用魚介類の自給率、大変高い時期もございまして、昭和三十九年には一一三%と、かつては一〇〇%を超える水準にあったわけでございますが、その後水産物需要、非常に増大をする中で、一つにはやはり二百海里体制への移行というふうなことで、遠洋漁業の漁獲量が大きく減少したといったようなことで国内生産が減少いたしまして、その結果、供給不足を補う形で輸入が増加するということで、平成十二年には五三%まで低下をしたわけでございます。
 しかしながら、その後生産量も下げ止まってきたこともございまして、十二年以降は下げ止まりの傾向ということでございまして、現在、現時点では、平成十七年の概算値では五七%というふうになっているわけでございます。
#132
○和田ひろ子君 私は今、IWCという、鯨の議連に入っていて、去年は調査捕鯨が一票差で認められて、しかし、今年行われるアンカレッジではきっと駄目だろうというふうに言われていて、先日大臣もおいでになったと思いますが、正常化会合でいろいろ懸念も出ました。
 私はもう本当に、先日の、鯨が迷って来て、みんな鯨を助けようとして、漁民の方が船で沖に出そうとしたら鯨が暴れて、一人お亡くなりになりましたよね。世界じゅうで今鯨が本当に増えていて、例えばサケが少なくなってしまった、イワシが少なくなってしまったなんという話、一杯お聞きしますが、素朴な質問で、あの漁師さん、お亡くなりになられた漁師さんは、だれが補償をして、どこに何をすればいいんですか、あの人たちは。先ほどの方に聞きたかったんだけど、海難何とか監という。
#133
○政府参考人(白須敏朗君) 鯨の迷い込んだこの事例につきましては、私ども実は、それを措置いたしますことにつきまして実はマニュアルを平成十六年に作りまして、それによりまして、鯨を可能な限り、何といいますか、できるだけうまく沖の方に出すようにというふうなことで、いろいろマニュアルも作りまして指導をいたしているわけでございます。
 その中で一番重要なことは、やはりそれを措置をされます漁民の方あるいは携わられる人命が最も重要なことでございまして、もちろん鯨も大切なんでございますけれども、それをそういう形で救助といいますか、措置する人命が何よりも大切であるということはそのマニュアルの中にもしっかりと記載をいたしているわけでございます。
 ちょっと、今回のことにつきまして、その方についての補償関係については、ちょっと私、今直ちにはお答えする材料を持ち合わせておりませんのですが、いずれにしても、大変に、先生からお話ございましたように、鯨が現在増えておることは間違いございません。したがいまして、私ども、やはり科学的な根拠に基づきまして、先ほども先生からもお話ありましたように、IWCの正常化に向けましてしっかりと頑張っているわけでございますので、引き続きまして、その鯨の関係につきましては科学的な根拠に基づいて対処していくということを前面に出して、そういった方向でやってまいりたいと考えておる次第でございます。
#134
○和田ひろ子君 人命が一番大切だというふうにお答えいただきました。本当に大切な人命が失われたわけであります。それも本当に鯨を帰してあげたいなという善意の発想でありますから、本当に痛ましい事故だったというふうに思いますので、きちんと手厚くあれされたらいいというふうに思います。
 また、一月に神戸で開催された世界マグロ管理機関の合同会合とか、今ホットなマグロの話題なんかはこの次の機会があったら聞かせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 今日は終わります。
#135
○福本潤一君 公明党福本潤一でございます。
 昨日、地元新聞が来まして、安倍内閣この半年の評価、これを取材したいというふうに言ってこられました。もう半年もたったんだなというふうに思いました。この半年間、松岡大臣、また様々な形での農政のリーダーシップを取っていただいていると思いますが、幸い地元の塩崎官房長官の評価だけはおっしゃってくれということで話してまいりましたけれども、この半年間の農政の評価という以上に、所信に対する今日は質疑でございますので、所信の中に、美しい国づくりに向けて、幅広い国民の理解と協力を得ながら、政府一体となって、森林の整備保全、国産材の利用拡大等による美しい森林づくりというお話を挙げられておられるようでございます。農林水産、美しい農山漁村づくりに向けて頑張っていただきたいと思うわけでございますが、ビューティフルカントリーといってもなかなか簡単ではないだろうと思いますし、むしろ元気なたくましい農山漁村を是非とも松岡大臣の下でリーダーシップを取っていただきたいというふうに申し上げて、質問に入らさしていただきます。
 先ほどからも出ておりますけど、私は大きく三点に分けて、細かい質問でございますが、鳥インフルエンザとバイオ燃料と農山漁村の活性化について質問しようと思いますが、最初に鳥インフルエンザでございますが、宮崎県で三件、岡山県でも発生いたしました。三月にはすべて移動制限も解除されたということでございますし、農水省としては旧来から万全の対策、対応をしてきたというふうに思います。その中で、この宮崎県、岡山県で発生した高病原性鳥インフルエンザに対しまして、農水省の対応、またさらには今後、今回の教訓も生かして今後の対応をどういうふうに考えておるかということを大まかにお話聞きたいと思います。
#136
○政府参考人(町田勝弘君) 今議員からお話しいただきましたように、本年になりまして宮崎県清武町、日向市、岡山県高梁市、また宮崎県新富町におきまして高病原性鳥インフルエンザの発生が確認されたところでございます。これらの発生につきましては、宮崎県、岡山県を始め、関係者の御努力によりまして迅速かつ的確な防疫措置がとられた結果、清武町は二月七日、日向市は二月二十一日、高梁市及び新富町は三月一日にそれぞれ移動制限が解除されたところでございます。
 今回の発生を踏まえまして、今後の対応はどのように考えているかということでございます。今申し上げましたように、大変迅速、的確な防疫措置、関係者の御努力でできたというふうに考えております。私どもといたしましては、我が国の周辺において高病原性鳥インフルエンザの発生が継続しているということから、今後も気を引き締めて発生予防また早期通報の徹底を図る、これはもとよりでございますが、感染経路の早期究明、また今般、国や県が行いました防疫対応、これを検証いたしまして、これを踏まえた上での防疫措置、防疫指針等の見直し、またアジアにおける鳥インフルエンザの早期通報体制の整備等、こういったことに努めてまいりたいというふうに考えております。
#137
○福本潤一君 具体的に対応策、順調に対応されたわけでございますが、農家に行きますと、特に養鶏農家でございますが、今後うちの方でも起こったらどうなるだろうかと、様々な形で心配されておられます。ですので、この対策本部、農水省の中にもつくっておると思いますが、もう公明党としても一月十九日に新型インフルエンザ対策本部を設けまして、安倍総理に対して申入れをいたしました。
 その中で、特に発生農家や移動制限農家及び影響を受けた加工販売事業者等への迅速な経営支援策、これを求めさせていただいたわけでございますが、この経営支援策という意味で、国と県、様々な対策やっておると思いますが、具体的にどんなことをしていただいておるか。
#138
○政府参考人(山田修路君) 委員お尋ねの経営支援策でございます。
 今お話がありましたように、発生農家あるいは周辺農場それから食鳥処理場等の関係の施設がございますが、まず発生農家につきましては、家畜伝染病予防法に基づきまして、殺処分された疑似患畜について国が評価額の五分の四を賄う手当金を交付しております。
 また、家畜疾病経営維持資金のうちの経営再開資金というのがございますが、これによりまして経営の再開に必要な鳥の導入ですとか飼料の購入に要する資金を低利で融資する措置を講じております。
 また、移動制限区域内の農家、農場についてでございますが、これもやはり家畜伝染病予防法に基づきまして、鶏卵、ブロイラーの売上減少額、あるいは飼料費、保管費の増加等に対応して助成を実施しております。この助成につきましては、国及び都道府県がそれぞれ二分の一を負担するということでございます。
 また、家畜疾病経営維持資金のうちの経営継続資金というのがございますが、この経営を継続するために必要となるひなの導入ですとかえさ、飼料等の購入に要する運転資金を低利で融通する、融資する等の措置を講じております。
 それから、今申し上げました発生農場あるいは周辺農場について、今申し上げました家畜疾病経営維持資金による融資では経営資金が不足するような場合には、農林漁業金融公庫の経営維持安定資金が措置されております。
 さらに、お尋ねのありました食鳥処理場等の関連事業者でございますが、これが経営悪化したような場合には、政府系の中小企業金融機関によります運転資金の貸付けや、運転資金の貸付けの円滑化を図るための県の信用保証協会による保証等のセーフティーネット措置が講ぜられております。
 農林水産省としては、これらの措置を十分周知徹底いたしまして、円滑に活用されるようしていきたいと考えております。
#139
○福本潤一君 今のような経営支援策ございます。私も、三年前でしたか、山口、大分また京都、発生したときには政務官として現地調査もさせていただきましたけれども、そのときに、具体的に殺処分等々の処理するわけでございますが、今現在、宮崎で起こった等々に関するそれの支援策の費用、金額というのはどのぐらいになっておるか、分からないかも分かりませんけれども、過去の例で具体的に、あの山口のときはこれだけの予算が国として支出した、また対応策として出たという額を具体的に教えていただければ参考になりますがね。
#140
○政府参考人(町田勝弘君) これまでの発生に伴います補償額等の具体的な金額ということでございます。
 まず、発生農場に対してでございますが、十六年の山口、大分、京都、この事例でございますが、殺処分された鶏に対する補償を行うということで、家畜伝染病法に基づきまして合計で約四千万円支出をされております。また、十七年に発生いたしました茨城県及び埼玉県の事例におきましては合計で十三億一千万円、この手当金を発生農家に対して国から交付いたしております。
 また、発生農場の周辺農場において移動制限命令に伴い生じました売上減少額等の補償を行うということで、十六年の山口県、大分県及び京都府の事例においては合計で約七億八千万円。十七年の茨城県、埼玉県の事例においては合計で約三億八千万円、これを国と県で二分の一ずつ負担いたしまして周辺農家に対して助成を行っているということでございます。
#141
○福本潤一君 数億掛かるような場所が多いようでございますし、こういう形での費用を出すという形で対応を現地でしていると思いますが、この殺処分等々の対策以後の経営安定化、これに対してもまた配慮をしていただければと思います。
 具体的に感染経路を、特に西日本が、中国、四国、九州、多いようでございますので、感染経路がどうなっているかということで、鳥取大の伊藤壽啓教授始め調べておるようでございますが、渡り鳥かなという話も聞いておりますが、どういうふうに今その研究が進んでおるか。
#142
○政府参考人(町田勝弘君) 今般の一連の発生につきましては、一月十六日に伊藤先生ほか専門家から成ります究明チームを設置いたしまして、これまで、現地調査、またウイルスの性状検査、こういったことを実施して感染経路の究明に当たっているところでございます。
 これまでの検討で分かったことでございますが、まず、分離されたウイルスはいずれも近縁でございまして、中国、モンゴル、韓国などで分離されたウイルスと同じ系統であるということから、我が国への侵入は渡り鳥が関与していること、また、発生鶏舎の状況から見まして、鶏舎内へのウイルスの持ち込みは人による可能性よりも野鳥、ネズミといった野生生物、こういったものが関与していることが想定されるという整理をいただいたところでございます。
 農林省といたしましては、引き続き、専門家の意見も伺いながら、宮崎県、岡山県、及び環境省と連携の上、早期の感染経路の究明に努めてまいりたいというふうに考えております。
#143
○福本潤一君 特にこの渡り鳥ということになりますと、東南アジアの方では鳥から人へ、で、人の死亡者も数多く出てきておりますし、中国や韓国から日本に入ってくる可能性もあるということでございますし、最近よく言われるのは人―人インフルエンザになったらスペイン風邪以上に多くの死亡者があると。確かに鳥があっという間に呼吸困難になって、もう二千匹、三千匹とばたばたばたっと一、二日のうちに死んでいくという様相は、これ人間に、人―人インフルエンザに変わっていったときには大変なことになると思います。
 ですので、この周辺、人的な被害も出てきたような周辺国とも共同研究とか連携も必要だと思いますが、タミフル備蓄しておるというような話だけじゃなくて、そういった連携研究、どういうふうになっておるか、これもお伺いしたいと思います。
#144
○政府参考人(町田勝弘君) 国際的な連携の重要性、御指摘のとおりでございます。
 これまで、我が国といたしましては、高病原性鳥インフルエンザが蔓延しております東南アジア諸国、これを対象にいたしましてOIEですとかFAO、こういった機関を通じまして各国の獣医行政、通報体制や防疫対策を強化するための支援を積極的に行っておるところでございまして、本病の世界的な蔓延防止に努めているところでございます。
 先ほど申し上げましたとおり、今回の我が国の発生が中国、モンゴル、韓国、ロシアで発生が確認されたものと同系統のウイルスであるといったことが分かりましたので、今後はこれまでやってきました東南アジアだけでなく、中国や韓国を始めモンゴル、ロシアなどとも情報を共有いたしまして、感染経路の究明に取り組むとともに、東アジア全体における通報体制の確立に努めて、連携強化していきたいというふうに考えております。
#145
○福本潤一君 厚生省案件の方では、タミフルの絡みで横浜市大、中外製薬から一千万、研究奨励金、学者には行っておると思われますが、厚生省の研究班の人に出しておったというような問題まで起こっておりますので、今日はそれと直接関係ありませんのでそれには深入りいたしませんけれど、この調査研究、これも鋭意進めておいていただかないと、いつうちに来るか分からないという、お思いになっているのが結構多いようでございますので、対策も研究面でもよろしくお願いいたします。
 松岡農水大臣どうされた──ああそうですか、先ほども農水大臣への質問もあって、またこれからバイオ燃料ということで松岡農水大臣に対する質問もさせていただこうと思っておるところでございますが、まあ副大臣に答えるように命令されたのかもしれませんので、先に質問をさせていただきますが。
 バイオ燃料、これは、二月二十七日に安倍総理に松岡農水大臣から、国産バイオ燃料の大幅な生産拡大に向けた工程表というのを提出されております。
 この工程表というものが今できてきたということになりますと、具体的にどういうふうに推進していくかと。これを政府一体になって取り組むべきだと思いますが、この工程表の中で、二〇三〇年までに六百万キロリットルを目指すというふうに書かれておるようでございます。
 二〇三〇年までに六百万キロリットルというと、今、石油が日本で六千万キロリットルですから、ちょうど現在流通している日本国内の一〇%を生産するという計画表でございます。二〇一〇年度までは五十万キロリットルと、なかなか大変な壮大な計画だと思います。
 あのブラジルですら、長年、オイルショックのとき以来、四十九年からずっと今までやり続けた、最先進国になっていますが、あそこでも千八百万キロリットルと。それの三分の一は作ろうという壮大な計画でございますので、この工程表を作成した経緯、またさらには、この目標を立てた意義、これをお伺いしたいと思います。
 今は最初の、投げておった質問を入れておりますので、よろしく。
#146
○国務大臣(松岡利勝君) ちょっと済みません。大変失礼いたしました。
 バイオの問題でございますが、これにつきましては、先生の御質問は六百万キロリットルの国産バイオ燃料の生産を目指す意義についてと、こういうことで承っております。
 バイオ燃料につきましては、もうこれ、今はCO2の問題というのがもう世界的なというか、これは地球的な、人類的な大問題でございます、温暖化ということでありますが。これをどう止めるかということになりますと、やはり二つあって、CO2を出す方を少なく、そしてまたこれを吸収する方を多くと、この二つしかないわけでございますが、この出す方を少なくということにつきましては、化石燃料からそれ以外の、特に緑の原料をもとにするクリーンなエネルギー、いわゆるバイオ燃料でございますが、これに切り替えていくという大変大きな意義があると、こう思っております。
 そこで、アメリカの方におきましても、ブッシュ大統領が昨年の一般教書、今年の一般教書におきましてはなお昨年を加速化させまして、昨年は二〇三〇年と言っておられたのを、今度は二〇一七年というふうに十三年前倒しをされまして、そして数値目標をしっかりと掲げられた。一億三千万キロリットル、一・三億キロリットルのバイオエタノールを一七年までに生産をすると、こういう目標を掲げられた。
 これは大変な目標でございますが、もとより、ブラジルはずっと以前からやっておる。そしてまた、そのほかにいろんな国々においてこの取組が進んでおる。こういう中で、我々日本といたしましても、これをひとつ積極的に大々的にやっていこうと。
 そして、これはまた、農業から見ますと、食料という領域に加えて、今度はバイオエタノールという新たな領域が新領域として広がっていくということで、農業の展開にとりましても大きな意義がございます。また、地域から見ますと、これは雇用や所得につながりまして、地域の活性化、こういったことで大きな意義があるわけでございます。
 そのようなことで、先生から御指摘いただきました、いかなる意義があるのか、また、どのような意義を目指すのかということにつきましては、今申し上げましたようなことで大きな意義がございます。したがいまして、これに向かって総理からも指示をいただいておりまして、積極的にしっかりと取り組めということで、我が国といたしましては、総理の指示を受けて、二月の二十七日に工程表をまとめたところでございます。
 そこでは、二〇三〇年までに、二〇三〇年に六百万キロリットルのバイオエタノールの生産を目指すと、こういうことを目標として今取り組んでいるところでございます。
#147
○福本潤一君 これは昨年の十一月の経済産業委員会でも、弘友委員、質問したときに、甘利大臣はこう答えられていますね。松岡農水大臣が熱心にやっておられますということでございますので、是非ともこれ、ライフワークのようなお仕事でございますが、鋭意熱心に対応していただければと思います。
 経産省と農水省、若干意見が違うところもあるようでございますので、おいおいそこについても質問していきますが、この工程表の中に中長期的観点からの生産可能量というものを示しているようでございます。この内容、国井副大臣、お伺いしたいと思います。
#148
○副大臣(国井正幸君) 確かに、この六百万キロリットルという、およそ我が国の油の、揮発油の使用量の一割に相当するものをつくっていくということについては大きな課題が幾つかあるというふうに承知をいたしております。
 農林水産省内に大臣の命によりましてバイオ燃料推進本部というものを立ち上げて、私もそれを所掌させていただいておるわけでありますが、そこの中で大きな課題としては三つ挙げております。
 一つは、木材や稲わらなど、こういうものをいかに効率よく集めるかという、その収集の技術というんでしょうか、機械化を含めて、これらをどうするかというのが一つあろうというふうに思っています。
 それからもう一つは、高バイオマスの資源作物をどのように開発をしていくのかというのが二点目の課題だというふうに思っています。
 それから、やっぱり三点目は、特に食料との関係で、余り食料に影響を及ぼさないでバイオエタノールを我々取得できないかということで、木質系、セルロース系のバイオエタノールということで課題があるわけでございますが、これにつきましては、特に発酵技術、酵母等の開発等々、幾つかクリアしなければならない課題があろうというふうに思っていますが、これらについて、農林水産省内はもとよりでございますが、関係府省とも強力な連携を取りましてしっかりとこれらの課題にこたえていきたいと、このように考えておる次第でございます。
#149
○福本潤一君 この農水省の方針、また内閣の方針が研究者にも大変大きな刺激を与えているようでございますし、つくばでもバイオエタノールのシンポジウム、また最近では各地でこれに沿った計画、愛媛県でも、県に行きましたら、最近食べない米による燃料というような、そういったテーマで研究を進めているような方もおられるという意味では資源作物、アメリカのトウモロコシ、ブラジルのサトウキビにとどまらず、日本でも沖縄でサトウキビ、また新潟で米とかしておるようでございますが、資源という意味で考えますと、この六百万キロリットルというのを目標とするという中で、米や麦、あと芋、木質バイオマスはもちろん進めるというような形で進めていく必要があると思いますが、この資源作物の開発、これはまた農業に資するものだと思いますので、どう考えておられるかお伺いします。
#150
○政府参考人(高橋賢二君) 資源作物の開発についてですが、バイオエタノールは基本的にしょうちゅうと同じような製造原理でつくられますが、何といいましても、とにかく大幅な相当な低コストでつくらなければならないという問題がございます。
 それで、先ほど国井副大臣からも答弁がございましたように、作物の糖やでん粉に限りませず、茎や葉のセルロース等の未利用部分を含めまして、まず植物全体から効率的にエタノールを製造する技術の開発というのが当然必要でございます。また、原料の作物につきましても、安価で安定的に供給するという観点から、食用ではないということを前提にしまして、バイオマス量の多い資源作物や、低コスト栽培技術の開発に取り組む必要があるということで、十九年度から研究開発プロジェクトで、元々バイオマス量の多いてん菜、ソルガム、あるいは芋類、こういったものを対象としまして、ゲノム情報等の最新の知見も活用しまして、よりバイオマス量を高めた資源作物の開発、あるいは栽培の粗放化などによる低コスト栽培技術の開発といったものに取り組んでまいりたいと考えております。
 こういった原料の低コスト化技術と、それと高効率のエタノール変換技術の開発と、こういうのを併せて行うことによりまして、十年後を目途にエタノール生産コストの半減を目指すということで取り組んでまいりたいと考えております。
#151
○福本潤一君 それ、研究者の側の人にいろいろ聞きますと、特に森林の中の林地残材、これが表でまとめられたのを見ますと、例えば家畜排せつ物、現利用量九〇%とかなっている中で〇%のものが一つ資源としてはあるわけですが、林地残材が〇%と。そういう意味ではシステムづくり、集積、運搬が大きな課題になると思いますが、林野庁長官、これに対しての対応策ありますでしょうか。
#152
○政府参考人(辻健治君) 森林整備に伴い発生する林地残材につきましては、収集、運搬コストが掛かるということから、先生のお話のようにほとんどが利用されていない状況でございまして、木質バイオエタノールの実用化に向け、こうした未利用木質バイオマスをいかに効率よく収集、運搬しコストを下げるかが大きな課題というふうに思ってございます。このため、低コスト路網の整備と高性能林業機械による間伐等の生産コストの縮減、これによりまして、間伐材が利用されないいわゆる切捨て間伐を少なくしていこうというふうに思ってございます。
 それから、素材生産現場で発生した枝や小さな丸太の輸送効率の向上を図る観点から、これらを現場において圧縮し、結束するバンドリングマシンや、現場で粉砕する移動式のチッパーの試作などの技術開発に取り組んでいるところでございます。
 さらに平成十九年度からは、傾斜地が多い我が国の森林条件に対応した小型、軽量の収集運搬機の技術開発を行うこととしているところでございます。
 今後とも、研究機関とも連携しながらバイオエタノール等の原料として林地残材が活用されるように積極的に取り組んでまいりたいと思います。
#153
○福本潤一君 あと三つほど作っておりましたけど、次の質問に入りたいのに時間が余りなくなったので、一つだけに絞ります。
 今、関係省庁との今後の関連ということで、輸入問題等々、ほかの問題も一杯ありますけれど、あと税制の問題もありますけど、ほかの省庁、経産省の方はヨーロッパスタイルのETBEで添加剤をやると、さらには直接混合方式とかいろいろ考えられておるようでございますが、この連携についてどういうふうに考えておられるか。
#154
○政府参考人(染英昭君) 委員御指摘のとおり、バイオエタノールの利用方式というものは二つの方式がございます。一つはガソリンとバイオエタノールを直接混合する方式でございます。それと二つ目は、バイオエタノールをいわゆる添加剤、ETBEというものに製造いたしまして、これをガソリンに添加する方式であります。これ、それぞれメリット、デメリットがございまして、それに応じてどうしていくのかということを考える必要があるんだというふうに考えております。
 そういう意味で、このバイオエタノールの混入方式をどうするのかということにつきましては、いわゆる先ほど来出ております国産バイオエタノールの生産の大幅拡大に向けた工程表を踏まえまして、どのような方法が一番よいのかということにつきまして、流通業者、この辺を関係者とも十分相談の上、また関係省庁とも十分相談しながら最終的に推進してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#155
○福本潤一君 では、引き続いて農山漁村の活性化ということで、今回の予算の中にも農水省、大きないろいろな予算出しておるようでございます。
 正に田園荒れなんとすというような状況もあるという認識を持っておられる農水省のお役人の方もおられますので、これ、今の現状、農山村含めてどういうふうに考えておられるか、大臣にお伺いしたいと思います。
#156
○国務大臣(松岡利勝君) 先生が御指摘のとおりでございまして、現状は過疎化、高齢化の進展ということが進んでおりまして、人口減少が更に進むと見込まれております。就業条件、生活環境の面でも厳しい状況に置かれている地域も少なくないわけでございまして、そういった意味では非常に厳しい状況だと、一言で総じて言いまして、そういう現状でございます。
 しかし一方では、都心にない豊かな緑、自然環境や美しい景観など、その地域固有の資源を最大限に活用して、既成概念や枠組みにとらわれない、革新的な地域戦略により活性化をしているところも出てきているのもまた実態でございます。
 こういった現状を踏まえまして、厳しい中にも、いろいろ特性を生かし条件を生かしてしっかりした取組をしていくことができると、こういう一面も持っておりますので、やる気のある地域が独自に取組を推進し、知恵と工夫にあふれた魅力のある地域に生まれ変わるための努力を応援していく、そういう基本的な考え方に立ちまして取組を強化をし、支援をしていきたい、そういうことが重要であると、このように思っております。
 このため、特に安倍総理が言っておられます地方の活力なくして国の活力なしと、こういった認識の下に、今国会に今、農山漁村活性化法案を提出をさせていただいております。生活環境、生産基盤の整備等を通じまして、農山漁村がその持ち味を十二分に生かすための取組を積極的に支援をしていく所存でございます。
 その結果、いろんな受皿をつくりまして、団塊の世代の方々が退職後、農村で居住したり、また都市と農村を同時に利用しながら滞在をされる、こういった点につきましても、そういったことが可能となるような取組もしっかり進めてまいりたいと思っております。
#157
○福本潤一君 具体的に、農山漁村活性化プロジェクト支援交付金という案がありますし、この予算、かなり三百億を超えるような予算になっておるようでございますし、具体的に活性化に向けてどういう形でやられるか、中身について。
 また、もう一個は、農山漁村活性化推進本部の取組ということで、これ中條農村振興局長、特に技官で局長になられたということですので、是非とも張り切って取り組んでいただければと思います。よろしくお願いします。
#158
○政府参考人(中條康朗君) お答えいたします。
 まず、農山漁村活性化プロジェクト支援交付金の内訳についてでございますけれども、今ほど大臣の方から説明がありましたように、農山漁村における居住者、それから滞在者を増やすという新たな視点から、農山漁村の活性化を図るために、我が省では、今国会におきまして農山漁村活性化法案を提出しているところでございます。
 委員御指摘の農山漁村活性化プロジェクト支援交付金につきましては、この法案の目的を達成するための重要な政策手段の一つとして位置付けておりまして、今までない形の取組を考えております。
 具体的に申しますと、一つは農・林・水の事業が一つの計画で一体的かつ弾力的に実施できること。二つ目は、市町村への直接補助が可能となりまして、市町村の主体性が生かされること。三つ目は、廃屋利用など既存施設の活用や地域提案メニューの採用など柔軟な取組になること等々となっております。
 具体的には、地域の創意工夫によりまして農林漁業の体験、交流施設、それから生活環境施設、こういったものなどの整備を核としまして、農山漁村の活性化を図る取組に対しましてこの交付金を支援することとしております。
 また、もう一つのお尋ねでございますが、農山漁村活性化推進本部についてでございます。
 今、これも大臣の方からお話がございましたように、農山漁村の状況、非常に厳しいものがございます。こういった農山漁村の活性化につきまして、当省としまして全省的に取り組むために、昨年十月に福井大臣政務官を本部長とします農山漁村活性化推進本部を設置したところでございます。
 この本部におきましては、農山漁村が地域固有の資源を最大限に活用しまして、自らの創意工夫と努力によります活性化に取り組むことができますよう、各般の支援の対策を行っているところでございます。
 この本部の設置以来、地域へのメッセージとしまして、活性化の方策とか具体的な手法を九つの戦略として取りまとめまして、さらにこの二月の一日には、地域の自発的な動きを支援するために、この活性化について相談等に応じます支援窓口を各地方農政局等に設置したところでございます。
 現在、ここの本部で、有識者それから市町村長、NPO等の意見交換を順次行っておりまして、六月中旬を目途に農山漁村の活性化のための新規施策に関する中間取りまとめを行う予定としております。
#159
○福本潤一君 そういう農村振興を、私の希望としては、最初に言ったように、美しいという以上に、大きな農政改革のときでございますし、元気なたくましい農村にするように、大臣始め局長頑張って対応していただければと思います。よろしくお願いいたします。
 以上です。
#160
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 私は先日、予算委員会で松岡農水大臣の証人喚問を求めました。これが、きちっとやっぱりそういう場を是非設ける必要があるというように思っているわけですけれども、本委員会でもそのことについて一言触れさせていただきたいと思います。
 それで、なぜ事務所費の説明をなさらないのかと、できないのかということについては、大臣は、法に照らして適切に処理をしていますと、だから自分だけ言われても困りますということを繰り返されているわけですけれども、国民の目線から見ますと、これ繰り返しやるごとに疑惑がだんだん膨らんでいるというふうに思うんです。やっぱり、どうしてその説明言えないんだろうかと、それは、もし明らかにしたらもっと大きな問題何か抱えているからなんじゃないだろうかと、こういう思いが膨らんでいるということだと思うんですね。
 だから、法律がどうかこうかということではなしに、やっぱり政治家としてですかね、まあ私たちみんな同じですけれども、選挙で国民から信託を受けて国会に来ている以上、疑惑を持たれたならば、それに対してやはり説明をしていく、明らかにしていく、自らそのことを解明するということでやる必要があるし、そういう責任が、私は国民に対する責任が政治家にはあるんだと思うんです。ですから、やはり政治家としての倫理にかかわる問題だというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
#161
○国務大臣(松岡利勝君) もう何度も申し上げておりますし、そういう意味では、私やっぱり法律に基づいて対応することが基本だろうと思っております。したがいまして、そういう意味ではもう既に法律に基づいたものとしてはすべて対応いたしているところでございます。
 また、法律に定められていない、以外のことを求められるといいますか、それを対応するということにつきましては、これはやっぱり属人的な立場では判断をしかねるところでございまして、どういう基準なり形なりでそれを明らかにするかとか公表するかということについては、それを決めていただくことが私はそれによって対応するということだと思っておりますし、決して拒否をしたり否定をしたりしているわけではございません。今申し上げたようなことでございます。
#162
○紙智子君 予想どおりの同じ答弁が繰り返し出されてまいりました。
 与党内からも、やはりちゃんと説明すべきなんじゃないのかと、やっぱりあれでは分からないよねということが出ているわけですから、そこはまた改めてといいますか、証人喚問という場を是非設置をしてやっていきたいというふうに思います。
 私、この後二つの柱で質問をしたいと思います。一つは、予算委員会でも取り上げた問題ですけれども、食料自給率の問題。この自給率の問題と、品目横断的経営安定対策の問題についてお聞きしたいと思います。
 地球温暖化の進行で、日本がアメリカに食料を依存しているということでいいますと、いかに非常に危機的な状況に至る可能性があるかということで明らかにしたわけですけれども、この飼料自給率を含めて食料自給率の引上げがいかに緊急で重大な課題なのかということですね。あらゆる農政の課題の中でも、やはり緊急でそしてやっぱり重要な課題、中心に据えなきゃならない、そういう問題だというふうに思うんですね。
 そのために、やはり問題のある既存の制度の見直しですとか、あるいは政策体系も組み替える必要性もあるというふうに思うんですけれども、大臣の御認識はいかがでしょうか。
#163
○国務大臣(松岡利勝君) 食料自給率の向上には飼料の自給率の向上が一番重要であると、この御指摘はもうそのとおりだと思っております。
 農業従事者の減少、高齢化等による農業の生産構造の脆弱化、今正にそういう状況にあるわけでありまして、これをそのまま放置するということは食料自給率の更なる低下も招きかねない、これが我々の認識でございます。したがいまして、正に農政改革は待ったなし、特に、この零細規模といいますか、零細構造の状況を改革をしていくということはもう待ったなしの課題であると認識をいたしております。
 このような現状を打破しまして、我が国の食料自給率の向上を目指すためには、我が国農業を二十一世紀にふさわしい戦略産業として発展させ、生産コストの低減や品質の向上などを通じまして、消費者や食品産業の需要に的確に対応した農産物の安定的な供給体制を確立することが何よりも必要であると、このように思っております。
 このため、今回、農村地域の農業の総合力を最大限に発揮する、そのために、集落営農組織も含めまして、意欲と能力があり、かつ生産性の高い担い手が農業生産の相当部分を占める強靱な農業構造の実現、これを図るために品目横断的経営安定対策等を新たに実施することとしたものであります。
 また、本対策は、小規模な農家であっても集落営農としてまとまった形で対策に参加できるとともに、集落の農地が少ない、物理的な要因等によって少ない場合等におきましても、実際の状況に応じた特例基準が設けられておりまして、地域の工夫と努力によりまして一定の要件を満たせば対策に参加することができる、このように組み立てているところであります。
 なお、食料の自給率は国内生産のみならず、また消費の在り方にもかかわってくるものでございますから、私どもは日本型の食生活、食事バランスガイド、こういったことを中心にいたしまして、食育を進めることによっても消費の面からも食料自給率の向上に取り組んでまいりたい、このように思っているところであります。
#164
○紙智子君 申し訳ありませんが、答弁は短めにお願いいたします。
 では、この食料自給率の引上げにとって、この今お話があった品目横断的経営安定対策は役立つ制度なのでしょうか。実態に即して見てみたいんですけれども、この制度の基本というのは過去の生産実績に基づく交付金の交付ですよね。過去の実績なんですね。そのことが生産面積を拡大しようとするときには足かせになる状況があると思うんです。
 例えば、規模拡大をする際に、耕作されずにしばらく放置されている耕作放棄地、ここの土地に作付けをしようと思いますと、これは過去生産実績がないわけですから、これは品目横断経営安定の対象にならないと。それから、二期作とか二毛作とか土地の利用率をアップしようという場合について言っても、これも対象にはならないと。その場合は、予算措置として今回新たに創設されている担い手経営革新促進事業、ここで別途申請しなければなりません。けれども、これは担い手経営革新計画に示された新技術を導入するとか、しなきゃいけないとか、あるいは播種前契約ですね、必要に応じた、需要に応じた生産でなきゃいけないとか、生産物の品質とか、そういう厳しい支援の要件があるわけですから、縛られているわけですよ。しかも、三年間の時限的な予算措置ということですから、いざ拡大しようというふうに思うと、これなかなか面倒ですよね。これでは農家が面積の拡大を積極的にやろうというふうにならないんじゃないでしょうか。いかがでしょうか。
#165
○国務大臣(松岡利勝君) ちょっと正しい御理解ということもこれお願いしたいんですが、緑の直接固定支払、これはアメリカもEUもやっております、やっております。したがいまして、我々は今回それと同じような、削減しなくても、減らさなくてもいい、安定的ないわゆる助成措置とするために、この過去の実績というのが実は条件でございまして、これからの、生産をする、その生産や価格にかかわって助成をするということになりますと、これは黄色の政策ということになって、貿易歪曲的ということから大きく削減をしていかなければならない。
 こういうことで、いずれはこれは削減してしまわなきゃならない、こういうことを求められる助成措置であります。したがって、これはなくなってしまう。そうならないために、過去の実績に基づいてということで、これはもうWTOの規律でございますので、そういうことからそうしているわけであります。そして、それと組み合わせて、今担い手経営革新とおっしゃいましたが、そういった組合せによってそういう新たな対応も考えていると、こういうことでございますので、そういう全体的なことを考えながら我々は進めているということであります。
#166
○紙智子君 WTO法上黄色になっちゃいけないんだということが理由として言われて、それはちょっと後でまたやりますけれども、この過去の生産実績を柱としている品目横断経営安定対策では、食料自給率は上がるどころか逆に下がりかねないと思うんですね。品目横断の導入で、麦、大豆の価格支持制度というのは撤廃をされるわけです。安定対策の対象にならなければ、これは生産コストを償うことはできなくなる、生産できなくなっちゃうわけですね。
 私、この間いろいろ農家の人と話して、北海道の北見の農家の人は、小麦、大豆、てん菜などを作っているいわゆる平均的な認定農家なんです。その人の場合で見ても、今年から品目横断の生産条件不利補正対策、いわゆるゲタですね、これでもって支援水準の試算がされているんですけれども、従来で計算してきたものでいうと、同じような規模でやって大体九百万ぐらいですよ。それが今回これに基づいて計算したところが七百万台ということで、二百万下がるわけですね。当初から恐らく担い手にメリットがあるんだよというふうに言っていたけれども、実際上は現状維持かもっと下がるかじゃないかって心配されていたんだけれども、やっぱり思ったとおりそうなったじゃないかということが言われているわけです。
 農水省が推定した品目横断経営安定対策の品目別の面積がどの程度か。そのシェアで見ますと、米で五〇%、麦で八六%、大豆で八九%の水準で、相当な生産面積の縮小が推定されるわけです。さらに、品目横断経営安定対策のこの秋期加入申込状況を見ますと、小麦は二十四万三千八百八十五ヘクタールと、二〇〇五年度のときから見ますと二万五千ヘクタール、面積減らしていると。
 農家の所得も減って、面積も減って、どうしてこれ自給率が上がるというふうに言えるんでしょうか。
#167
○国務大臣(松岡利勝君) 今の九百万と七百万の計算、どうやってされたか私ども見ていないので、ちょっとにわかにそのことは論評し難いんですけれども、その点についてのコメントというのはこれちょっとしようがないんですが。
 ただ、そうではなくて、この担い手経営安定制度というのは、正に農地の集約を図って、そして担い手としての正に形を作って、個々ばらばらでは、例えばお年寄りがそのままリタイアしてしまえばもうそれは耕作放棄地になってしまう、正に生産がなくなってしまう。そういったものも囲むことによって担い手が引き継いで、そこは生産をしていくということで生産が継続していく。逆にまた、今までは耕作放棄地のところであっても、そういうところに入ってもらうことによって担い手によって農地が生産をされる。こういったことによって私どもは生産を維持拡大していこうとしているわけでありまして、どうしてそういうふうに、これになると自給率が下がるとおっしゃるのか。私どもとは逆でございまして、なぜそういう逆の計算になるのかなという思いでございます。
#168
○紙智子君 逆というか、面積とそれからやっぱり価格の面でそれが増えていくってならないと、これは増えていかない、作れない、作る意欲につながらないですよ、まず。
 それで、その計算というのは北海道庁がやっているものなんですけれども、実際にやっぱりこれは東京の近郊の埼玉の麦の農家の人たちに聞いても減っていると、全体としては減っていると。担い手になってもらうようにいろいろ調整したけれども、それでも全体の作付けは減っているという話もあるわけですから、現実問題としてそういうことが進行している中で自給率が上がるというふうにはならないんじゃないかというふうに思うわけです。
 大臣は本気になって食料自給率を引き上げようというのであれば、やはりそのための制度設計ということで、この状況でいくとどんどん下がり続けていくということになるのであれば、それをやはり変えていくということで、農政そのものを抜本的に変えるぐらいの構えがなければできないというふうに思うんです。
 結局、これで大丈夫だ大丈夫だと言って引っ張っていって最後に困るのは国民なわけですから、そこのところはなってからじゃ遅いということを指摘をさせていただきたいというふうに思います。
 それで、ちょっと、あともう一つのテーマがありますので、次に移るんですけれども、BSEの問題です。
 今、BSEの全頭検査体制を維持するために地方自治体が自主的に二十か月齢以下の牛の検査を行って、それに対して厚生労働省が〇五年の六月から〇八年六月まで三年間全額補助を行っています。この全頭検査体制で日本の国民の国産牛に対する安全、安心が確保されて、国産牛の消費が維持されているわけです。当然、来年度概算要求ではこの補助事業の更なる延長を行うものというふうに思うわけですけれども、これは厚生労働省ですね、厚生労働省にお聞きしたいと思いますが、いかがでしょうか。
#169
○政府参考人(宮坂亘君) 国内の屠畜場におきますBSE検査の対象牛は、平成十七年の八月にそれまでの全頭検査から二十一か月齢以上の牛に限定をすることとしたところでございます。その際、見直しに伴いまして生じかねない消費者の不安感を払拭するとともに、生産、流通の現場における混乱を回避する観点から、経過措置といたしまして、都道府県等によりまして自主的に行われる二十か月齢以下の牛の検査についても国庫補助を行うこととしたところでございます。
 平成十九年度予算につきましても、当該補助に必要な額を計上しているところであります。
#170
○紙智子君 それ以降も続けるということで受け取ってよろしいんですか。
#171
○政府参考人(宮坂亘君) 今も御答弁申し上げましたが、都道府県等により自主的に行われます二十か月齢以下の牛のBSE検査に対する国庫補助については、経過措置として最長三年間を当初から予定をして、その旨を説明してきているところでございます。
 厚生労働省といたしましては、BSE検査の対象月齢を二十一か月齢以上とした場合であってもリスクは変わらないという食品安全委員会の科学的知見に基づきまして、リスク評価結果が国民に十分に理解されますようリスクコミュニケーションに努めてまいりたいと考えております。
#172
○紙智子君 農水大臣、今の厚生労働省の答弁を聞かれてどのようにお考えでしょうか。これでいいのかなと私は思うんですけど、本当にいいのかなと思うんですけれども。
 国民は、全頭検査があって安心して肉をこの間食べているわけです。来年の六月からは各自治体が勝手に判断してやってくださいと、国は出しませんということになったとすると、財政的に余裕のある自治体はできたとしても、そうじゃない自治体はできないことになりますよね。そうすると、何々県産は全頭検査済みと、何々県の牛肉はこれはできてないということになると、国産牛の流通に混乱を招きかねないというふうに思うわけです。国産牛肉の安全、安心のためにはやっぱりこの補助金の制度というのは継続が必要じゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#173
○国務大臣(松岡利勝君) その前に、先ほど農政の抜本改革とおっしゃったんですが、私ども今がその抜本改革だと思って進めておりますので、そのように御理解を願いたいと思います。
 それから、今の全頭検査のことでございますが、この全頭検査の助成に関する取扱いにつきましては、これは私どもの所管じゃない、厚生労働省の所管でございますから、ここで私どもが見解を申し上げることは差し控えたいと思っております。
 いずれにいたしましても、厚生労働省においてこの問題は適切に判断されるものというふうに私どもは承知いたしております。
#174
○紙智子君 それじゃ全然足りないと思うんですね。だって、流通にかかわってくる、流通だって混乱しかねないということになってくるわけですから、そこは、我々としては物が言えないということじゃなくて、積極的に発言をしていただきたいというふうに思うんです。この問題は今後も引き続き取り上げていきたいと思います。
 次に、米国産牛肉の問題ですけれども、二月五日にタイソン社のレキシントン工場から輸出された米国産牛肉の中に、衛生証明書に記載されていない月齢違反の牛肉が二箱、全部で四十三キロですね、混載されていたと。さらに、二月二十二日には、輸入が禁止されている米国産牛肉のソーセージ百八十八箱、千二百八十一キロが入っていたと判明しました。またかとだれもが思っているわけです、一体どうなっているのかなと。
 米国で調査をする時間を取ってほしいというふうにおっしゃっているというのはしばらく前ですけども、それからもう一か月近くたっているんですけども、答えが返ってきたんでしょうか。
#175
○政府参考人(町田勝弘君) 今委員御指摘がありましたこの二事例につきましては、私ども、既に当該施設からの輸入手続を保留するとともに、米国政府に対して詳細な調査結果、これを早急に報告するよう求めているところでございます。
 現時点ではその回答を得ておりませんので、引き続き早急に回答するように申し入れているところでございます。
#176
○紙智子君 この問題というのはもうずっと繰り返されていて、今調査中ですと、回答を待っていますと言いながら、もう全然そういうことが明らかにならないまま来ているんですよ。本当に問題だと思うんですね。我が党は何度も国会で指摘してきているわけですけども、米国産牛肉の安全性についてはやはり構造的な欠陥があるんじゃないかと、今回の事態というのは正にそのことを事実で示したというふうに思うわけです。
 タイソン社のレキシントン工場というのは、二〇〇六年の四月に台湾に対してもEVプログラムに違反の牛の骨を輸出している、言ってみれば札付きの工場なわけです。私どもが明らかにした「ノンコンプライアンス・レコード」ですね、アメリカからいただいてきたものを本に入れてあるんですけど、これ、改めてもう一度どういう工場だったかなと思って見たんですけども、そうしたら、二〇〇四年から二〇〇五年にかけて十一か月の間に十五件、BSEの規制違反を起こしているんですよ。常習違反なわけですよ。
 それで、厚生労働省と農水省は去年六月に日本向けの工場を全部点検しに歩いているわけですよ。この工場も含めて多分見ていると思うんですけど、それで何の問題もないとしてきているわけですけど、これどうするんだろうかと。もう言ってみればそういうことが繰り返されていたところなんだけれども、よしとして受け入れてきて、で、起こるべくして起こったというふうには思われませんか。
 問題は、やっぱり何度となく私たちも言ってきたわけだけれども、この米国産牛肉の構造的な安全性の問題をきちんと把握をして、米国政府に対して日本と同様の体制、全頭検査体制ですね、これを要求するかどうかということが大事だと思うんですけども、どうですか。
#177
○政府参考人(町田勝弘君) 私ども、昨年の七月の米国産牛肉の輸入の再開に当たりまして、全三十五施設現地調査を行いましたし、その後、第一回の査察も行っているということでございます。
 先ほど申し上げましたように、今報告を求めているところでございます。米国政府における対日条件の遵守状況、こういったことが守られているかどうか、そういったことを確認するためにもしっかりとした報告をいただくと、原因、改善措置、そういったことも含めてしっかりした報告書をもらうということが何よりも重要だと今考えているところでございます。
#178
○紙智子君 日本と同様のそういう体制をやっぱり要求しなきゃ駄目だと思うんですよ。生産ラインについても日本向けに、今どの国も一緒のラインでやるという形になっていると思うんだけれども、日本向けにはちゃんと分けるとか、十分に時間を掛けて食肉の処理ラインをちゃんと回すようにするとか、それができないという場合は輸入は中止すると、そういう毅然とした対応が必要だと思いませんか。
 米国はこれ、こういう事態があるにもかかわらず、今またその牛肉の条件緩和ということで日本に対して要求してきているわけですけども、とんでもないと思うんですね。まともな牛肉をちゃんと輸出できないで、それで日本に対して迫ってくるということは、本当にこういう国に対してはきちっと条件緩和できませんということをはっきり言わなきゃいけないと思うんですけども、大臣、最後にこれについてきっぱりとした態度をお取りになるのかどうか、お願いします。
#179
○国務大臣(松岡利勝君) これは基本的には食品衛生法の世界ですから、本来は厚生労働省の所管だと思いますが、関連いたしまして農林水産省も一体となって取り組んでいるという観点から申し上げたいと思いますが、私、この一月、ジョハンズ農務長官ともお会いをいたしました、アメリカにおいて。シュワブ代表ともお会いをいたしました。そのときもこの種の、今お話ございましたような要請はありましたが、私は明確に申し上げております。
 といいますのは、まだ半年間という検証期間が過ぎていない。この半年間というのは、時期的に言うと一月二十七日だったんですけれども、そういう時期的な期日の問題ではなくて、その検証結果をきちんともう一遍検査することになっておりまして、その総括を踏まえて、そして共同で確認をしたときに初めて検証期間の六か月が終わったと、こういう我々は理解でいると。したがって、まだその時期じゃないというのが一つだったんですが。
 あわせて、もし仮にその検証期間が終わって問題が整理、確認をされたとしても、十六年十月の日米の共同のこれは記者発表を行っておりますが、そこで確認をされておりまして、そこでもそういうことになったとしても、あとは日本にあっては国内的に食品安全委員会において、これは議論といいますか、審議がなされまして、その結果を受けてこれは判断することになって、判断というか、何といいますか、それを整理することになっております。したがって、直ちにそういうことにはなりませんと。同時に、日本では食品安全委員会での議論がまず必要で、それでどうなるかですと。そこで科学的にどう判断されるかでありますと。政治的に要請をされましても、我々は政治的にそれをこたえて受け入れるとか、そういったことを言うわけにはまいりませんと。このように明確に日本のシステムといいますか、プロセスというものを伝えてきているところでございます。
#180
○紙智子君 とにかく、食品安全委員会で審議をするということだと思うんですけれども、アメリカの方はちょっと間違ったというか、その程度の感覚なんですよね。本当にこれは良くないと思うんです。日本の国民の食の安全ということであれだけ議論して、あれだけ手間暇掛けて、お金も掛けて、そして築いてきたわけですから、そこは毅然とした対応をしていただきたいということを最後に申し上げまして、質問を終わります。
#181
○委員長(加治屋義人君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後六時二分散会
ソース: 国立国会図書館
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