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2007/05/31 第166回国会 参議院 参議院会議録情報 第166回国会 農林水産委員会 第15号
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2007/05/31 第166回国会 参議院

参議院会議録情報 第166回国会 農林水産委員会 第15号

#1
第166回国会 農林水産委員会 第15号
平成十九年五月三十一日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月三十日
    辞任         補欠選任   
     渡辺 孝男君     山本  保君
 五月三十一日
    辞任         補欠選任   
     小川 勝也君     岡崎トミ子君
     谷  博之君     前田 武志君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         加治屋義人君
    理 事
                岩城 光英君
                常田 享詳君
                主濱  了君
                和田ひろ子君
    委 員
                岩永 浩美君
                国井 正幸君
                段本 幸男君
                野村 哲郎君
                三浦 一水君
                小川 敏夫君
                岡崎トミ子君
            ツルネン マルテイ君
                前田 武志君
                松下 新平君
                福本 潤一君
                山本  保君
                紙  智子君
   衆議院議員
       農林水産委員長  西川 公也君
   国務大臣
       農林水産大臣臨
       時代理      若林 正俊君
   副大臣
       農林水産副大臣  国井 正幸君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       永岡 桂子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木 朝雄君
   政府参考人
       文部科学省科学
       技術・学術政策
       局原子力安全監  袴着  実君
       農林水産省生産
       局長       山田 修路君
       農林水産省経営
       局長       高橋  博君
       林野庁長官    辻  健治君
       水産庁長官    白須 敏朗君
       資源エネルギー
       庁原子力安全・
       保安院審議官   薦田 康久君
       国土交通省海事
       局次長      春成  誠君
       海上保安庁警備
       救難部長     石橋 幹夫君
       環境大臣官房審
       議官       谷津龍太郎君
       環境大臣官房審
       議官       寺田 達志君
       環境省自然環境
       局長       冨岡  悟君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○水産業協同組合法及び中小漁業融資保証法の一
 部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○カネミ油症事件関係仮払金返還債権の免除につ
 いての特例に関する法律案(衆議院提出)
    ─────────────
#2
○委員長(加治屋義人君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、渡辺孝男委員が委員を辞任され、その補欠として山本保委員が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(加治屋義人君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 水産業協同組合法及び中小漁業融資保証法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、文部科学省科学技術・学術政策局原子力安全監袴着実君外十名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(加治屋義人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(加治屋義人君) 水産業協同組合法及び中小漁業融資保証法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#6
○野村哲郎君 おはようございます。自由民主党の野村哲郎でございます。
 質問に先立ちまして、去る二十八日にお亡くなりになりました松岡利勝農林水産大臣に謹んで哀悼の意を表したいと思います。
 国内対策やWTOを始めとする国際的ないろんな交渉など、農林水産業にとりまして大変課題が山積しているこの重要な時期に、農政のエキスパートであった松岡前大臣を失ったことは大変残念であります。今は、農林水産行政における多大な御功績をしのびながら、御冥福をお祈りいたしたいと思います。
 それでは、早速質問に入らさしていただきたいと思いますが、今回新たな水産業協同組合法及び中小漁業融資保証法の一部を改正する法律案が提案されているわけでありますが、このことについての質問をさしていただきたいと思います。
 水産業の振興につきましては、我が国のたんぱく源としての食料自給率の確保という役割と、それから漁村としての地域振興、そして海岸地帯の環境保全という視点からも極めて重要な課題であると認識をいたしております。しかし一方では、我が国周辺水域の水産資源の減少や魚価の低迷、燃油の高騰など厳しい環境の中で、漁業者、水産団体は正に瀕死の状態と言っても過言ではないと、こういうふうに認識をいたしております。
 このような状況を打開するため、本年三月に新たな水産基本計画が策定されました。今回の水協法を始めとする水産関連法案の改正はこの水産基本計画を具現化するための改正であると、こういうふうに認識をいたしておるわけであります。
 そのような観点から、今回の水産業協同組合法及び中小漁業融資保証法の改正は、新たな水産基本計画の具現化にどのような役割を果たすのか、まずもって若林大臣にお伺いをいたしたいと思います。
#7
○国務大臣(若林正俊君) 委員が御指摘になりましたように、我が国の水産業は、資源状況の悪化でありますとか、就業者の減少、高齢化、さらに漁船の老朽化といった極めて厳しい状況の中にあると言われます。そうした状況に対して、本年三月に新たな水産基本計画が策定されたところでありまして、水産基本計画に基づきまして、水産資源の回復管理の推進、国際競争力のある経営体の育成確保、経営体を支え資源管理を行う水産関係団体の再編整備などの水産政策の改革を進めまして、国民に対する水産物の安定供給とこれを支える力強い水産業の確立を図るということが必要だとしているところでございます。
 また、新たな水産基本計画におきましては、水産に関し総合的かつ計画的に講ずべき施策の一つとして、漁業協同組合系統の組織、経営、事業の改革につきまして、漁協経営に漁業者の意思が的確に反映できるようにするための組合員資格審査の適正化、また経営改革のための事業部門別損益状況の開示の義務化、共済事業における契約者保護及び事業の健全確保を図る制度改正に取り組むということにしているところでございます。
 今般の法改正に当たりまして、新たな水産基本計画に位置付けられた施策の一つとして、これらの制度改正を正に具現化し、同基本法が掲げています政策改革を推進しようとしているところでございます。
#8
○野村哲郎君 今、若林大臣の御答弁で、要は漁協の果たす役割を更に強化していく、そのことが基本計画を具現化するための一翼だと、こういうふうに受け止めたわけでございます。
 そこで、具体的な質問に入らさしていただきたいと思いますが、まず、水協法の一部を改正する法律案におきましては、漁協系統の組織、経営、事業の健全性を確保するための措置として、すべての漁協に事業部門別損益の作成と総会への提出を義務付けております。このことに関しまして幾つかお尋ねをしたいと思います。
 まず、漁協の経営状況でありますが、全漁連の調査結果を見ますと、回答のありました千二百八十六漁協のうち、平成十六年度の事業損益は、黒字の漁協が三百三十二、赤字の漁協が九百五十四、七四%、実に四分の三の漁協が単年度この事業損益段階で赤字を出しております。しかし、これを経常損益ベースで見ますと、逆に黒字漁協が八百八十三に増加しまして、七割の漁協は最終的には黒字を出している、こういう姿になっておるわけでありますが、事業外の損益で事業の赤字部分を補うと、こういう収益構造になっておると認識をいたしております。
 さらに、水産庁の資料によりますと、平成十六年度の繰越欠損金は総額で四百五十一億というふうに認識をいたしておりますが、これらの数字について間違いないか、まず確認をいたしたいと存じます。
#9
○政府参考人(白須敏朗君) ただいま委員から、るる漁協の経営状況につきましての数字についてのお話があったわけでございます。
 お話のとおり、全体として大変に事業の状況につきましては悪い状況にあるというふうに私どもとしても認識をいたしているわけでございます。特に、最後におっしゃいました漁協全体の、平成十六事業年度におけます漁協全体の繰越欠損金の金額、これはお話のとおり四百五十一億円であるというふうに考えているわけでございます。
#10
○野村哲郎君 そこで、事業収支の改善を進めるための対策として、今回のこの法改正におきましては事業部門別損益作成を義務付けることといたしていると思いますが、それ自体私は大変必要なことだと、こういうふうに思っております。しかし、先ほど確認いたしましたとおり、事業損益段階で単年度赤字が発生する、こういう漁協が非常にかなり多いわけであります。今回のこの法改正の措置だけでは私は十分ではない、不十分だと、こういうふうに思います。一部の漁協については、手術が必要な状態になっているのに飲み薬を与えて治療するようなもので、今回の改正で漁協の事業収支が根本的に私は解決、改善されるというふうに思いません。
 そこで、ここに至るまで、欠損金や繰越欠損があるのに監督官庁である農林水産省や県が放置してきたと、こういうふうには一概には私は思いませんけれども、どのような指導をされてきたのか、お伺いをいたしたいと思います。
#11
○政府参考人(白須敏朗君) 先ほど委員からもお話ございましたとおり、漁協の事業収支、全体として魚価が低迷をいたしておること、あるいはまた販売事業取扱高の減少が続いておりますし、また一方では事業管理費の削減が進まないというふうなことで赤字が続いておるわけでございます。そこに、漁業補償でございますとかあるいは協力金、そういった事業外の利益を加えまして経常収支としては辛うじて黒字となっておる、委員からお話しのとおりでございます。
 また、累積欠損金について見ましても、大口取引先の倒産でございますとか、あるいは過剰投資、自営事業の不振といったものがその原因になっているというふうに考えているわけでございます。
 こういうことに対しまして、私どもといたしましても、まずは漁協の健全な運営の確保というのが大前提でございますので、漁協の監督官庁、まずは漁協につきましては都道府県でございます。これがおおむね二年に一度は常例検査を実施をいたしているわけでございまして、こういった中での指導監督を通じまして、各漁協の経営改善の指導を行っておるというのがまず第一でございます。
 その際、必要に応じまして業務の改善命令を発しているわけでございますが、なかなか事業収支が悪化しておるという理由だけで直ちにこの業務改善命令を発するというわけではないわけでございまして、全体として業務の運営状況なり財務改善への取組状況というものを勘案して行われているわけでございます。また、漁協を会員といたします都道府県の漁連、これが指導事業それから監査事業を通じまして漁協の経営改善を促進しておるということでございます。
 いずれにしても、私ども国といたしましては、こういった都道府県あるいは漁協系統によりまする指導監督を通じまして、漁協の経営改善を図っているところでございます。
#12
○野村哲郎君 今、白須長官の方から御答弁をいただきましたけれども、少し私の実体験を述べさせていただきたいと思います。これは間違っているかもしれません。ただ、私は、同じ農協あるいは漁協あるわけで、同じ協同組合があって、そしてしかも金融を預かっておったわけでありますが、そのことがやはり今日を招いているのではないかなということを少しお話をさせていただきたいと思います。
 それは何かといいますと、金融機関の早期是正措置が農協、漁協、そして一般の金融機関を含めて平成十年に導入されました。農協の場合は県段階で、その問題農協といいますのが自己資本比率の低い農協、ここに対してチームを設けて、どういう問題があるのか、その問題点を洗い出して、それの処理スキームを作りながら是正措置をやってきたところであります。
 その結果、御承知のように、農協の場合は繰欠あるいはそういったものがなくなりまして経営改善が図られたわけでありますが、一方、漁協の場合は、私は、駆け込み寺として漁協の信用事業部門を県段階の漁信連の方に事業譲渡してしまった。そのことによってその漁協は早期是正措置の対象から外れる、いわゆる早期是正措置を免れたのではないのかと。そのために繰越欠損の解消なり経営改善の取組の切実感が希薄になったのではないのかなと、こういう思いがあるわけであります。そこが農協と漁協の違いだったのかと。
 私は当時、やはり農協におりまして、漁協はいいなと、早期是正措置から免れて、信用事業を譲渡すればこれで簡単にいくんだなということを切実に思ったことがございました。それが結果としてどうだったかというのが今の状況ではないのかなと、こういうふうに思います。
 つまり、対象漁協に経営改善を策定するよう指導しても、私はなかなか独自で、その漁協だけで解決方法を見いだせるのか疑問だと、このように思います。むしろ対象漁協ごとに、手術をするのかあるいは薬で処置できるのか、それぞれの赤字を、繰欠を持っている漁協に対しまして進める必要があると思いますが、どうお考えでしょうか。
#13
○政府参考人(白須敏朗君) ただいまの委員のお話でございます。先ほども正に委員からも御指摘あったわけでございますが、全体としての繰越欠損金、これは金額として約四百五十一億円というふうになっているわけでございますが、ただ、これが実はこの四百五十一億円の八七%、約九割近いものが特定の漁協に集中しておると、そういった実は実態にあるわけでございます。特に、次期繰越欠損金一億円以上を有します数でいいますと百程度の漁協、これは全体でいいますと約七%ということなんでございますが、こういった繰越欠損金の約九割に近いものが特定の全体の七%の経営不振漁協に集中しておると、まずそういう実態にあるわけでございます。
 したがいまして、ただいま委員からもお話ございましたが、そういった欠損金の処理ということで、まず、いずれにしてもこの欠損金というのは、過去におけます大口取引先の倒産でございますとか、あるいは過剰投資、自営漁業の不振といったものに起因をいたすわけでございます。多くは事業が低調に推移しているわけでございます。
 したがいまして、その処方せんを書きます場合にも、個々の漁協によりましてそれぞれ状況が異なると、委員のお話のとおりでございますので、そういった個々の漁協の状況を分析しながら、対応措置をそれぞれに応じた形で処方せんを作っていくということが必要になっているわけでございます。
 したがいまして、私どもといたしましても、この十九年度から経営不振漁協、これの再建というのは焦眉の急でございますので、この再建計画を早急に策定、実施を促進してまいりたいというふうなことでございまして、この十九年度からは経営コンサルタント、そういった専門家によります経営改善計画の策定といったものを、それぞれの先ほどの申し上げました経営不振漁協それぞれにつきまして、全国の漁協についてそれぞれモデル的な漁協を選びまして、こういった経営改善計画を策定することを支援をいたしまして、全体として経営改善、処方せん作りというものを早急に進めてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
#14
○野村哲郎君 今、長官の御答弁で、十九年度から再建計画を促進すると、そしてそのためには経営コンサルタントも導入すると、こういうお話でありました。
 私の先ほどの体験論的に言うならば、繰越欠損金を抱えたその一部の漁協というのはなかなか独自での解決策を見いだせない、だから経営コンサルタントもというお話だと思うんですが、ただ、やはりそういう漁協の皆さん、あるいはまた県漁連もそうでありますが、これはやらなければいけないということはもう十分御認識されていると思うんですね。ただ、人的にも物的にもそういった解決策を見いだせないというのが私は実態ではないのかと、こういうふうに思っております。
 そこで、県段階でやはり専任部署等を設けていただいて、農林中金なりあるいは行政の支援を含めて外部からの支援体制がなければ、今の各県の漁連の人的、物的な体力からして自己再建は大変私は厳しいのではないかと、そういうふうに思っておりますが、そのところの認識はどうでしょうか。
#15
○政府参考人(白須敏朗君) 委員からの御指摘あったわけでございますが、いずれにしても、漁協の経営再建、これにつきましては、まずは漁協自らの取組というものが基本になるわけでございます。ただ、委員からもお話ございましたが、こういった漁協につきましては、役職員の知見、能力、職員の数等々、大変に限界があるわけでございます。したがいまして、正にお話のとおり、都道府県の漁連なり、そういった上部団体の系統全体のやはり指導事業を通じました経営改善のための人的な支援というものが重要になっている、お話のとおりかというふうに考えているわけでございます。
 したがいまして、例えば対象漁協に係ります組織でありますとか、あるいは事業、財務、収支状況、こういったところの現状把握、そして問題点を抽出していくということ、そして全般的な経営改善の方策の分析、検討、そしてさらには具体的な各種事業の改善に関します具体的な方針あるいは方策の検討といったような点におきまして、専門的な知識を有します漁連、そういったところを中心といたします連合会の専門的な知識を持っております職員によります支援というものも実は行っているわけでございます。
 私どもとしては、先ほど申し上げましたが、そういった経営コンサルタント、そういう専門家によります経営改善計画の策定といったものを支援を通じまして処方せん作りというものをやることといたしているわけでございますが、いずれにしても、まずは系統、それの専門的な職員、専門知識による策定支援というものを中心に進めてまいりたいと考えている次第でございます。
#16
○野村哲郎君 漁協の大変厳しい状況、これはもう外的な問題も環境的な問題もあって、今はこうした厳しい状況にあるというふうに十分認識をいたしております。
 今まで長官とのやり取りを聞いておられる若林大臣がどうお受け止めになったかお聞きをしたいと思いますが、やはり全体的にはすばらしい経営をしている漁協もあるわけであります。しかし一方では、今お話をさせていただきましたように、大変経営的な厳しい状況もありまして、先日の委員会でも民主党の小川勝也委員の方から室戸漁協の話も出ました。こういう漁協が出れば、だれが一番、じゃそういう意味での不利益を被るかというと、やっぱり中小の漁業者であります。ですから、漁協がなくなるということは、やはりそこの地域の漁業者に与える影響というのは、これはもう計り知れません。ですから、そうならない前にどうにか手を打っていただかなきゃいけないと、こういうふうに思っているわけであります。そういう意味でも、漁協の経営再建に向けて、是非とも若林大臣の決意のほどをお伺いをいたしたいと思います。
#17
○国務大臣(若林正俊君) 私は、もう四十年も前なんですけれども、水産庁の協同組合課に三年ほど勤務をしていたことがございます。そのころ、全国各地の浜回りをいたしまして、漁協の経営状況などについても勉強させていただいたところでありますが、当時と非常に様変わりしているなと今回感じております。それは、当時はやはり信用事業への依存度が非常に高かった。信用事業と、始めたばかりでありましたが共済事業の、部門別に見ますと、その利益で他の部門の欠損赤字を埋めて、漁協が経営は成り立っていたというようなところが多かったわけでございます。
 しかし、いずれ金融の自由化が進んでいくことが予測されておりましたので、信用事業依存の漁協経営というのは早く脱却をして、部門別にそれぞれの、自営漁業もそうですし、産地市場の市場取引における手数料収入もそうですが、もう少し多角化の中で加工部門も含めて経営の安定を図っていかなければならないんじゃないかということを当時問題意識として持ちながら、各浜々でいろんな方々とお話を重ねてきたことを思い起こしているところでございます。
 何といっても、委員が御指摘になりましたように、漁業協同組合というのは漁業者の協同組織でありまして、これが漁業者と同時に漁村を支える中核的な組織でもあります。したがって、漁協が経営破綻に陥りますと、その影響は漁業者のみならず地域社会にも大変大きな影響を与えると、こういうことでございまして、昨今、部門別に見ますと、信用事業なり共済事業のところが欠損赤字を出していると。もちろん他部門で補っているわけではありますけれども、やはり信用事業、共済事業で赤字が累積してくるということになりますと、経営自身を大変大きく圧迫しているというような印象を受けるわけでございまして、そういう意味で、現在、多額の繰越欠損金を抱えています漁協の経営状況、一段と厳しい状況になっているというふうに思います。
 こういう経営不振漁協について、その原因はいろいろありましょう。過去に大口の取引先が倒産をしたとか、あるいは過剰投資でこれが回収できないでいるとか、また自営の漁業をやっていました漁協については、自営漁業の部分が不振に陥っているとか、それぞれが原因が多々でございます。
 こういうような問題は、やはり個別に解決を図っていかなければいけないわけでありますけれども、そういう不振の漁協の経営対策というのは、やはり少なくとも県域単位でその不振の原因というようなものを要因を分析して対策の大筋を組み立てると同時に、個々のケースに応じた具体的な再建計画を早急に策定、実行していかなければならないというふうに思うわけでございまして、そういうことを踏まえますと、国として、本日御審議いただいております水産業協同組合法の改正でございます事業部門別の損益管理をしっかりと明らかにした上でこれを徹底する、経営不振漁協に対しては再建計画を早急に策定、実施をしていく、そういう不振漁協に対しては、既に長官からもお話ございましたけれども、経営コンサルタントなどによります経営改善についての具体策、これは委員がもう農協で大変御苦労になっておられましたけれども、農林中央金庫と、そして全漁連、さらに県レベルの漁連の皆さん方も入って、経営コンサルタントの分析を受けて、全体で協力し合って経営改善の具体的方策を策定するということがもう是非とも必要であると、こんなふうに感じたところでございます。
 そのような決意で取り組んでいかなきゃならないと、こう思うところでございます。
#18
○野村哲郎君 若林大臣が四十年前に漁協指導課におられたというのを存じ上げませんで、大変失礼な質問をしたと思うんですが。
 要は、やっぱり、もう非常に一刻の猶予もならないと、私はそう思っています。ですから、今大臣がおっしゃいましたような、いろんな皆さん方の知恵も、それから知恵だけじゃなくて、やっぱりそこにはいろんな財政的な問題も絡んでまいりますので、是非そのところの御指導もお願い申し上げたいと思います。
 そこで、そうした今お話がありました特定漁協に対する処理スキームの一つとして、私は合併があるというふうに思います。漁協の経営基盤を強化するために、事業部門別の損益も把握することも大事でありますけれども、最も効果的なのは合併による体力強化、そして共通管理部門の圧縮、そういうものじゃないかというふうに思っております。
 漁協の合併につきましても、政府においても積極的な支援を行いまして、現在、漁業協同組合合併促進法によって平成二十年度まで漁協の合併を推進しておると、こういうふうに認識をいたしております。漁協におきましても、系統におきましても、促進法の期限を踏まえ、合併による二百五十漁協への集約を重点事項として取り組んでおられるというふうにも聞いておるわけであります。
 しかし、地元の話も聞きますけれども、なかなか現場の実態というものは財務格差、特に繰越欠損を抱えた漁協は、合併したくてもなかなか受け入れてもらえないとか、いろんなそういう地元で課題を抱えてございます。合併に向けた取組が総論では賛成なんだけれども、各論になってくるとどうも厳しい状況がございます。
 そこで、促進法の期限まで一年を切っているわけでありますが、合併の推進状況、どのように分析をされているのか、そして二十年までの、もうあと一年を切っているわけでありますが、取組、そして二十年以降の合併推進についてどのようにお考えになっているのか、お聞かせをいただきたいと思います。
#19
○政府参考人(白須敏朗君) まずはこの合併の推進、進捗状況ということでございます。
 御案内のとおり、平成元年ごろには二千ぐらいの漁協があったわけでございますが、その後、合併、それなりに進捗をしてまいりまして、直近時点、今年の四月一日現在の漁協数、現時点で千百九十六というふうになっているわけでございます。ただ、委員からもお話ございましたとおり、漁協系統が掲げております平成二十年三月末の合併後の目標、いわゆるこの合併構想、約二百五十漁協というふうになっているわけでございますが、この目標の達成に向けましては、なお相当な努力が必要であるというふうに考えているわけでございます。
 この漁協合併が進まない、そういった理由につきましては、一つとしては多額の欠損金を抱えておるということで、いずれにしてもこの合併に参加するということが困難であるというのが第一点大きい理由としてあるわけでございますが、またさらに、主として漁業権管理を行っておりまして、経済事業をほとんど実施しておらない、そういった小規模な漁協というものがこの経営状況の悪い漁協との合併に非常に消極的であるという点が挙げられるわけでございます。
 そういったことを踏まえまして、私どもとしましては、一つは先ほど来申し上げております、こういった経営不振漁協に対しての早急に経営改善を図りますための処方せんの策定、こういうものは支援をいたしているわけでございますが。また一方、先ほどの漁業権の関係で、特に、合併をいたしましてこの漁業権行使ということが旧漁協の漁業者にとってみますと非常に不安であるというふうな、そういう漁業権行使に関します漁業者の不安というものがあるわけでございますので。じゃこれにつきましては、さきの法律の改正におきまして、部会制の活用といったようなことで、旧漁協が保有しておりました漁業権の管理につきましてはこの部会制でもって引き続き旧漁協の組合員でもって行うことが可能であると、そういった部会制というふうな制度改正も行ったわけでございまして、そういった取組を進めることによって何とか合併を進めてまいりたいというふうに考えているわけでございます。
 またもう一点、委員からお話ございました合併促進法の期限後の取組についてのお尋ねあったわけでございます。
 お話のとおり、この漁協合併促進法の期限、来年の三月、平成二十年の三月末ということになっているわけでございますが、この期限後の漁協の在り方、これは、まずはこの漁協系統自らが基本的な方向性を示されるということが基本であるというふうに考えておりますが、国といたしましても、お願いをいたしておりますこの改正法案によります、一つとしては組合員資格審査の適正化、そういった取組、あるいはまた経営不振漁協対策というものを進めていく。そういう中におきまして、漁協が組合員の負託にこたえて経済事業などの機能が的確に遂行されるように、合併も含めました体制づくりを推進していくということが重要であろうというふうに考えている次第でございます。
#20
○野村哲郎君 今長官がおっしゃることは分かるんです、分かるんです、一般論としては。ですけど、なかなか、現場に行ったときに、じゃ本当にそういう合併を進められるかどうか。これは私は、やっぱりこれは、農協も漁協も一緒でありますけれども、総論は賛成、各論反対と、こういう話になってくるわけでありますから、ここをコーディネートする人がいないと私は合併というのは難しい。それはなぜかというと、いろんな調整事項があります。先ほどのお話のような財務調整もある、あるいは小さいことかもしれませんが、職員間の給与調整もある。そういういろんな調整事項をやっていく、束ねていく人がいないと、なかなか難しいんです。
 ですから、そういう意味では、私は今の漁協、先ほどお話がありましたけれども、漁協系統だけで対応できるのかどうか。これは、やっぱり国なり県の人的なあるいは物的なそういう支援というのがなければ、今おっしゃったような形で進めばこれは今まで進んできたと思うんです。ここはやっぱり、国がやる気を起こして本当に真剣にやるんだぞという気持ちを表に出してこないと、漁民の方々もさっきからありますような不安も抱えております。みんな合併したくないことは、漁民の方々一番分かっているんです。だけれどもやらなければならない時期に来ている、そのことを必死にやっぱり訴え続けなきゃならないと思うんですね。これをやっぱり先送りしちゃいかぬ、もうここ本当に数年の間にこのことを解決していただきたい。そのために国がどういう姿勢を示してくれるのか、やはり私は漁協の皆さんも、そしてまた組合員の皆さんも見ているのではないかというふうに思います。
 そこで、同じ協同組合出身の国井副大臣、どのような所見をお持ちかどうか、是非とも決意をお伺いしたいと存じます。
#21
○副大臣(国井正幸君) 今、野村委員御指摘のように、相当やはりこれは強力に合併は指導していかなけりゃできないというふうに思います。
 実は私も農協系統にお世話になっておって、合併に業務上携わったことがあるわけでございます。そこの中で、特に、まず現在値を公正に把握するというのがいかに大変かというのを私どもも身をもって感じたわけでございます。Aという単協、Bという単協がありまして、財務内容等々正確にやはり把握をしなくちゃならない。そしてまた、その把握したものをそれぞれの組合に対して、あるいは組合員に対して情報開示をしっかりしていくという、その現在値の確認そのものがこれは極めて重要でありますし、その上で将来のやはりビジョンもしっかり示して、自主的な協同組織でありますから、合意と納得の上でその将来方向をしっかりつくり上げると。これはやはり専門的知識ももちろん必要でありますし、強力なリーダーシップも必要だというふうに思っています。
 いろいろそういうことで当局に私もレクチャー等を受けたわけでありますが、都道府県に対して水産庁として、合併の推進協議会を各県段階でつくっていただいて、漁連の中でですね、そういう指導をしているようでありますが、さらに、やはり人的な、人の投入がなけりゃやっぱりできないというふうに思うわけでございまして、そういうことを含めて、もう期間もそれほどあるわけじゃありませんので、私どもも更に力を込めて、都道府県と一緒になって所期の目的達成に努力をさせていただきたいと、このように思っております。
#22
○野村哲郎君 国井副大臣、非常にまだはっきり御答弁されませんでしたけど、私どもは期待してよろしいですね。
#23
○副大臣(国井正幸君) どうぞ。
#24
○野村哲郎君 ありがとうございます。
 ですから、そういうところがやっぱり国の姿勢として見せていただかないと、本当に皆さんが真剣にこの問題に取り組んでくれない、そのことは是非、これは国の責任でもあるわけでありますので、是非ともお願いを申し上げたいと思います。
 時間がなくなりましたので、もう組合員の資格審査のことを一つだけ御質問をさせていただきたいと思います。
 資格審査が厳格になることによって私は現場が混乱するのではないかと、こういうふうに思うんです。それはなぜかといいますと、新しく加入される組合員の資格審査をする、それはまだ入口の話でありますけど、これは余り大して、大してという意味じゃないんですが、難しくはないと思います。何が難しいかといいますと、今、正組合員である人を、あなたは組合員じゃありませんよと、このことが一番難しいと思うんですね。特に漁協の場合は漁業補償等の利害が絡む場合があるというふうに思いますので、なおさらそういう資格審査会の役割というのは非常に私は重いというふうに思います。
 ただ、この資格審査をする基準というのが、組合員の資格要件は就業日数基準というのがございまして、これはもう御承知のように、九十日から百二十日というのを今度定款の中で絶対的な記載事項として織り込まなきゃならぬようになったわけでありますが、ただ、それだけではなかなか私は難しいと。この就業九十日から百二十日というのを、だれがじゃそのことを証明するのか、あるいは確認するのかとなりますと、客観性に乏しい面が非常にあるわけですね。
 ですから、そこのところで審査会の皆さんがどういう形で判断をされるかというのを、これはきっちり基準、物差しを作ってください、国で。でないと、これは地方のいろんな基準を県に任せるよという、それは姿勢としては非常に柔軟性のある姿勢だと、こういうふうに見えますけれども、じゃそれを受けた県は、ちゃんとやれる県もあるかもしれませんが、要は、そういう資格審査の基準をきっちり規定なりで細かく決めていかないと物差しをはめようがないと、後で恨まれるのは我々だと審査員の皆さんが思うと、なかなかこれは判断ができないというふうに思います。
 ですから、審査段階での混乱が生じないように国の方で、地域の実情に合った基準というのも分かるわけですけれども、やっぱりそれは示してほしい、こういうふうに思うわけでありますが、最後のそれで質問にさせていただきたいと思います。
#25
○政府参考人(白須敏朗君) ただいまの委員の御指摘の点でございます。
 お話のとおり、今回いわゆる正組合員の資格審査の基準、手続、こういうものを定款に記載することを義務付けるということによりまして漁協の正組合員の資格審査の適正化が行われると、こういう効果が期待されるわけでございますが、おっしゃるとおり、これにつきましては、各地域におきまして漁業の実態も異なるわけでございます。したがいまして、その具体的な基準につきましては地域性はもちろんある程度考慮する必要があるわけでございますが、この審査段階での混乱は当然御指摘のとおり避けなければならぬ、これはもうお話のとおりでございます。したがいまして、私ども国といたしましては、模範定款例をしっかりときっちりと定めまして、その中で正組合員の資格審査の基準、手続につきましてのまずは基本的な考え方をお示しするということにしているわけでございます。
 これによりまして、実際にはそれぞれの漁協が定款を作成しまして、それを各都道府県が認定するプロセスというものが各地域におきまして円滑に進むと、そういうことで資格審査の適正化が行われるように私どもとしてもしっかり準備をしてまいりたいと考えている次第でございます。
#26
○野村哲郎君 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
#27
○和田ひろ子君 民主党の和田ひろ子でございます。
 私の方からも、松岡大臣に対しまして心から御冥福をお祈りいたしたいと思います。
 それでは質問をさせていただきます。私は、宮城県、福島県沖に座礁したロシア船についてお尋ねをいたします。
 ちょっと皆さんと認識を一緒にしていただくために、四月二十四日付けの毎日新聞をちょっと読んでみます。
 ロシアから相馬港へ向かっていた貨物船が宮城県の磯浜海岸で座礁した事故は、二十四日、四月二十四日ですね、発生してから一週間経過する。コウナゴの操業自粛が長期化するおそれが出ており、漁業者は大きな痛手になりそうだ。座礁現場に近い県境沖合は最盛期を迎えたコウナゴ漁の好漁場で、相馬双葉漁協の漁船三隻が二十二日にコウナゴのサンプリング調査をした結果、漁獲したコウナゴを水産加工会社で加工したところ、油臭さが残り製品として出荷できないと判断された。座礁以来、市場に出荷されていないという。五月末までコウナゴ漁は続くため、同漁協は今後も週二回のペースでサンプリング調査をする。同漁協は、操業自粛の長期化が懸念される、そうなると漁業者は大打撃だと話す。同漁協所属のコウナゴ漁の漁船は約二百隻あるそうです。一日平均で総額二千五百万円の水揚げ高だということです。漁業者からは、一刻も早く燃料の油を抜き取ってもらいたい、対策を講じてくれとの強い要望が寄せられたと新聞に出ております。
 これは四月十七日に座礁して、この新聞は四月二十四日付けです。私たちは五月二十八日に民主党の国会議員団で視察をしてまいりました。座礁船は、浜辺から八十メートルぐらいのところに、本当に引っ張られるんじゃないかなと思うぐらいの近くのところにあるんですね。付近はすごく油臭かったです。そして、浜辺は油膜で、幾重にも油膜が残っておりました、本当に。でも、その日は天気は良かったんですが、確かに波は荒かったと思いますが、作業している様子は全然ありませんでした。事故から既に一か月以上が経過していたんですけれども、この間、六十トンの燃料の油が搭載されたままになっています。福島県相馬沖では、この油の流出の影響によって、最盛期を迎えたコウナゴ漁が終漁を余儀なくされました。もうコウナゴ漁はおしまいになっていました。メロウドというものになって、飼料とか肥料にしかならないということでした。今後も流出が続けば、これからシラスなどの漁業への被害が懸念されています。現地の漁業者からは、早期の油の抜取りと船体の撤去を強く望んでおられました。
 まず海上保安庁にお尋ねをいたしますが、宮城県沿岸に乗り上げたジェーン号ですね、この海上保安庁のとった措置、そして今後の油抜取り作業、船体撤去の見通しをお知らせいただきたいと思います。
#28
○政府参考人(石橋幹夫君) 平成十九年四月十七日の早朝、ジェーン号から相馬沖に乗り上げたので救助を求める旨の通報を第二管区海上保安本部が受け、直ちに巡視船及び航空機により救助に当たり、同船の乗組員十七名全員を救助するとともに、同船からの油の流出状況の調査等を実施しました。さらに、同日、地元の自治体や漁業関係者などから構成されます連絡調整会議を開催し、ジェーン号の乗り上げ事故の状況等に関する説明を行い、情報の共有に努めるとともに、船体の破損等による燃料油の大量流出に備え、各機関等が保有する油防除資機材を事故現場付近に集結させ万一の場合に備えるといった対応を取っております。
 それから、海上保安庁では、その後も継続して巡視船艇及び航空機により浮流油の状況調査等に当たるとともに、船舶所有者などに対しまして浮流油の防除に係る指導を実施しております。
 さらに、ジェーン号が放置された場合、周辺の海洋環境に対して著しい障害を及ぼすおそれがあると認められることから、四月の二十七日に開催された連絡調整会議で関係者の認識を確認するなどした上で、五月七日、ジェーン号の船舶所有者に対し海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律第四十条の規定に基づく船体の撤去に係る措置命令を発出、以後、船舶所有者等に対し油の抜取りや船体撤去等に係る指導を行っております。
 なお、ジェーン号からは、昨日、五月三十日の調査においても、船体周辺に薄い油膜が認められる程度の燃料油が流出しているのを確認しております。
 それから、ジェーン号の船体撤去等につきましては、五月二十四日に地元宮城県山元町で開催されました連絡調整会議において、ジェーン号の撤去等に当たるサルベージ業者から撤去に掛かる工期等について説明が行われました。それによりますと、同船の撤去等に要する作業日数は、ジェーン号が乗り上げた海域が太平洋に面しており、風やうねりの影響を直接受け、海上模様が悪化した場合撤去等の作業を実施することができなくなることなどを勘案しまして、条件が良ければ総作業期間は二か月程度であるとの説明がなされております。
 現在、油の抜取りや船体の撤去等のための資機材が現場に搬入されており、今後、油の抜取りや船体撤去等に向けた作業が進捗していくことになるものと見込まれています。
 海上保安庁といたしましては、引き続き、地元自治体や漁業関係者等との情報の共有に努めるとともに、迅速に船体の撤去等の作業が進むよう船舶所有者等に対する指導に努めていくこととしております。
#29
○和田ひろ子君 事故発生から一か月ぐらい経過した今月の十九日に、五月の十九日に、座礁船の撤去作業を請け負うサルベージ会社が決まったんですよね。一か月たってですよね、やっと決まりました。これを受けて二十四日にさっきは連絡協議会をやられたということですが、業者の話だと、このスキームは二十八日掛かる、でも、台風が来るとか波が荒いとか、そんなこと言ったら二十八日掛ける何になるか分からないというようなことだそうでありますが。
 そして、まず、海上保安庁の海洋汚染防止法に基づき、今月の七日に、第二管区海上保安本部が向こう一年以内に船体を撤去するように所有者に命じたというふうになっております。地元の漁民の皆さんはびっくりしています。何で一年なんだ。一年というのはどういうところから出るんですかね。座礁船の撤去めどを本当にどうして一年なんということを言ったのかということを聞きたがっておりますが、どういうことから一年という言葉が出てきたんだか教えてください。
#30
○政府参考人(石橋幹夫君) 海上保安庁におきましては、今先生からございましたように、平成十九年五月七日に船舶所有者へ交付した船体の撤去に係る措置命令書において措置を講ずべき期限を平成二十年五月十日としておりますが、これは、船舶の総トン数、長さ、積荷及び乗り上げ状況並びに乗り上げ現場の海象及び地理的状況、さらに専門家の意見等を総合的に勘案した上で決定したものでございます。
#31
○和田ひろ子君 まず、一年なんという言葉が出てくること自体、みんなは驚いているんですけれども。
 二十二日のこの委員会で紙委員が、海上汚染防止法に基づき、独立法人の海上災害防止センターに対して緊急的な油の防除をさせるか否かについて質問があったときに、状況を把握しながら対応していきたいというふうな答弁がありました。
 海上災害防止センターによる緊急的な防除措置は、ちょうど十年前のあのナホトカ号事件でも発動をされました。今回の事件についても、まだ六十トンもの重油が船内に残っているとすれば、どうして発動できないんだろうか。大きな船なら発動するけど、小さな船なら発動しない、そんなことがあるんでしょうか。この一か月の間に、とっくに発動していれば、こんな油の抜取りなんというのは一か月間の中でできたんではないかなというふうに思います。そのための海上災害防止なんじゃないかなというふうに思われますが、発動するかどうか、どうして発動しないのか、お伺いをしたいというふうに思います。
#32
○政府参考人(石橋幹夫君) 海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律第四十二条の二十六第一項におきまして、海上保安庁長官は、緊急に排出油等の防除のための措置を講ずる必要がある場合において、船舶所有者等の原因者が当該措置を講じていないと認めるときには、独立行政法人海上災害防止センターに対し必要と認める措置を講ずることを指示することができる旨規定されております。
 今般の宮城県沿岸に乗り上げた貨物船ジェーン号については、原因者である船舶所有者において、ジェーン号の周囲に油を吸着するネットの展張、同船の機関室内の油の除去、同船から漏れ出す油の防除作業を実施しており、またジェーン号に搭載している油抜取りのため、現在、サルベージ業者による諸準備が行われているところであります。
 このように、ジェーン号の船舶所有者においては鋭意油防除等のための作業に当たっている状況であるため、現時点において、海上保安庁長官が独立行政法人海上災害防止センターに対して海洋汚染防止法第四十二条の二十六第一項の規定に基づく指示を行う必要はないものと考えております。
 海上保安庁としましては、ジェーン号の油防除等の作業が的確に行われるよう、引き続き船舶所有者や作業関係者に対する指導に努めてまいります。
#33
○和田ひろ子君 現場はごらんになっているというふうに思います。すごく波が荒いです。フェンスを越える、油がすごい出てきているから、フェンスで本当に油が固定されていればおっしゃるとおりだと思います、やる必要はないと思います。しかし、油がそのフェンスを越えて、船を越えて、波がすごく打ち上げているために砂浜に油膜があるんだし、その辺一帯が油が臭いんですね。
 そういうことを思えば、幾ら第何条に、やっていないのなら発動するけれども、やっているんだから発動しないというお答えにはならないんじゃないか。皆さんの思いは、油を固定してもらえるならそれは発動しなくてもいいけど、固定していないんですから、フェンスは取り替えないと、もう油、一杯一杯で大変だそうです。これからフェンスの取替えもしなくちゃいけないということなんですが、状況によって、その条件によって変えていくくらいの柔軟性がなかったら、漁民の皆さんの懸念は絶対に払拭しないというふうに思いますが、いかが思われますか。
#34
○政府参考人(石橋幹夫君) 御懸念の点踏まえて、地元関係者等と的確に対応していくよう努めてまいります。
#35
○和田ひろ子君 今のお答え、本当にありがとうございます。もしかしたら発動していただけるかもしれないというお答えなのかなというふうに受け取らせていただきます。
 次に、国土交通省にお聞きしたいと思います。
 漁業関係者は、座礁事故による影響はどこまで補償されるのかというふうに心配しています。例えば、風聞によるとというか皆さんの考えは、サルベージ会社と保険会社がある総枠を決めてしまったら、この総枠からは、もう上限のお金、これ以上は絶対に出ないというふうに思っています。その上枠の中に補償のお金も入っています。二十八日間でその油が抜き取られ、船が解体されて撤去されれば、それはすばらしいことだというふうに思いますが、それが二十八日から何日になるか分からない。今二か月なんというふうにおっしゃいました。まず一年というふうにもおっしゃいました。そうだとすれば、その総枠は、どういうふうに総枠の中で、その油の抜取りと撤去作業にすごいお金が掛かったら、もう補償のお金はなくなってしまうんじゃないかななんていう懸念もあるんですが、いかがですか。
#36
○政府参考人(春成誠君) ただいま海難事故の場合におけるこういういわゆる保険といったものについてのお尋ねがございましたので、お答え申し上げます。
 私どもは、こういう海難において油の流出事故ですとかいろんな損害が発生した場合に、これをいかに、被害を、何といいますか、保護するかという観点で制度を持っておりまして、これは船舶油濁損害賠償保障法というのがございます。これに基づく制度でございますけど、具体的に申しますと、総トン数が百トン以上のいわゆるこういった貨物船につきましては、こういった海難による燃料油が流出する汚染損害ですとか船体撤去といったようなそういった費用をきちんとカバーするため、担保するための保障契約を締結していなければ我が国の港には入港できないという制度を、もう御存じかもしれませんが、持っておりまして、具体的にはその保障契約というのは、船主さんの方は普通、船主責任保険といった形で保険会社と契約をさせております。
 今申しました保障すべき金額でございますけれども、これは最低保障限度額というものについて、法律上、船舶のトン数といいますか、具体的には大きさですね、船舶の大きさに応じて決まっておるわけでございますけれども、それをカバーするような保険契約が締結されていることを私どもは常に確認をしておりまして、その観点で具体的に申しますと、このジェーン号も当然この制度の対象でございます。
 これにつきましては、私ども確認しておるところでは、ジェーン号はこれ、契約自体はドルでなされておりますけれども、日本円に換算しますと、約十七億円を支払限度額とする保障契約は締結されていることを確認してございます。
#37
○和田ひろ子君 保障契約は確認されておられるということなんですが、これはサルベージ会社と船を持っている人と保険会社の、民と民の話なんですよね。漁民の皆さんは何も瑕疵がないんですね。漁民の皆さんは責任ないんですよね。そして、天災に遭ったみたいな事故なんですね。被害者なんですよ。でも、民と民のところだから官は、行政は何もそこには口を出せないとか、そういう話も聞くんですけれども、漁民の皆さんが死活問題である以上は必ず行政がきちんと何というか窓口になって、漁民のみんなの声をきちんと言ってしかるべきだというふうに思いますが、いかが思われますか。
#38
○政府参考人(春成誠君) お答え申し上げます。
 この船舶油濁損害賠償保障法に基づく損害賠償責任につきましては、基本的にこれは無過失責任という形になっておりまして、過失等について立証する必要はございません。
 ただ、この法律の中ではどういうものを補てんするかということについて規定がございまして、これは第二条の七の二というところなんですけれども、一般船舶から流出し、又は排出された燃料油による汚染により生ずる我が国の領域内における損害となっておりまして、そういった損害と流出油との因果関係はきちんと立証する必要があるというふうに認識しております。それである以上は無過失の責任が生じますので、船主側あるいは保険会社側に支払の責務を生ずるというふうに理解しております。
 今、実はこの法律の中には、そういった保険会社等に例えば命令を発して対応しなさいというような規定は残念ながらございません。したがって、そういう意味で私ども行政ができる限度がございます。ただ、実際には、どういう状態にあるかということについては保険会社に対して状況を随時問い合わせることは可能だと思っております。
#39
○和田ひろ子君 随時問い合わせることは可能だというふうにおっしゃいましたが、是非、随時問い合わせていただきたいというふうに思います。
 すばらしい松川浦なんですが、事故現場の近くには相馬の美しい景観を代表する松川浦というのがありまして、そこには、江戸時代は中村藩の遊休地、リゾート地だというふうに言われています。現在では、ノリとかアサリの養殖がされているとか、潮干狩りとか、あと釣りですね、そういうのを四季を通じてみんな楽しんでいらっしゃるところなんです。
 この松川浦に環境省の絶滅危惧種に指定されているヒヌマイトトンボというのが生息していて、このヒヌマイトトンボを松川浦の登録、ラムサール条約に登録を目指せというのを、この間本当は実は、もう本当に偶然なんですが、松川浦でこういう会議も行われました。ヒヌマイトトンボが海水と真水が混じっているきれいな汽水域というところにしか生息できないトンボで、今回の油の流出には大変な影響が懸念をされます。もう絶滅種だそうですので、とってもみんな懸念をしています。
 それで、そこはイトトンボがいるだけでなくて、大変たくさんの絶滅種の鳥とかそういうのが来て、みんなその干潟で生息をしているわけですが、そのことに対して環境省で、来ていらっしゃるんですよね、お尋ねをしたいと思いますが、どういう懸念がありますか、これからどういうふうにしたらいいですか。
#40
○政府参考人(冨岡悟君) 先生のお話にございましたように、事故が発生しました場所から南方約八キロメートルには、日本の重要湿地五百にも選定されております松川浦がございます。ここは良好な自然環境を有する地域ということで大事な場所だという認識でございますが、ここには環境省レッドリストにおきまして絶滅危惧T類として掲載されているヒヌマイトトンボが生息しているところでございます。それから、絶滅危惧U類として掲載されておりますハヤブサ等の猛禽類が生息しているところでもございます。
 このような場所でございますので、現在関係する機関において事故に対する対応がなされているものと承知しておりますが、環境省といたしましても、地元の県等とも連携を取りながら情報収集に努めているところでございまして、これらの自然環境や野生動植物に著しい影響が生ずることのないよう、これからも注視して対応を考えてまいりたいと思っております。
#41
○和田ひろ子君 情報を収集して対応を考えているということですが、相馬なんかではそこに油が入らないようにフェンスなんかをしているんですが、環境省はそれ以上の何かはできないんですか。きちんと命令をする、何重にもフェンスを張り直す、そういう対策はされておられますか。
#42
○政府参考人(冨岡悟君) 類似の事例におきまして、例えば鳥類にかなり深刻な打撃が生じているとか、そういった場合には、鳥類の保護センターといったところと協力しまして救出作業とかそういうことをしたというふうな事例もございますが、現時点で、私どもの情報収集の範囲内におきまして海岸等に油類がどうも流出してきているようだといったことは把握しておりますが、それによります生物等に対します影響といたしまして、現時点として私どもが何か今特別に出動する必要があるといった必要性については、今のところまだそういった情報は受けておりません。
#43
○和田ひろ子君 さっきハヤブサがいるとか、絶滅危惧種というのがたくさんいて、U種、T種、T種がヒヌマイトトンボなんですよね。これは日本が守らなければいけない大切な種だというふうに思いますので、是非注視をして守っていただきたいなというふうに思いますので、よろしくお願いします。
 最後に、燃油の価格の高騰について、本当に大臣にこんなことを質問して申し訳ないんですが、大臣、お願いいたします。
 全漁連のA重油価格というのは、平成十六年に四万二千五百円だったのが十九年には七万四千八百円に高騰しています。一・八倍、十六、十七、十八、十九、この間に一・八倍も重油は値上がりをしています。これは本当に大変なことなんですね。漁業の皆さん、大変もう本当に苦しいんだよ和田さんと言っていました。
 それで、今回は平成十九年度に新規の事業として漁船漁業構造改革総合対策事業というのが五十億円でありました。これにきちんと計画を出せば補助を出すよというふうに言われた。これは、省エネ対策で、例えば船を新しくするときに、その省エネ対策を講じたら補助金を上げるというふうに、今、今日行く油も買えない状況で新しく船なんか買えるところどこもないって、みんな怒っていたんですが。
 本当に元気のないそういう漁民の皆さんにもっと温かい手が必要なんじゃないかなというふうに思ってよく調べましたら、水産庁で十七年度の補正予算以来、省エネ型の操業へ転換して経営コストの削減に取り組めば、全漁連を通じた利子補給や低利融資、信用基金協会による保証の円滑化というものを実施してまいりました。これはすばらしいことだというふうに思います。そして、十九年も継続になったやにお聞きをしました。
 さっき野村委員も言われましたが、実は漁協は合併しました。合併するときは、こういうものはすごく借りやすくなるんだよというふうに、本当にいい絵にかいたもちをたくさんいただいて合併をしました。でも、漁協の関係者に伺うと、最近では漁業者が燃油購入資金を漁協系統から借りるのには大変難しくなった。この背景は、漁協同士の合併や県段階への信用事業の一本化によって融資の条件が厳しくなった。凸凹があって、それを平均すると、逆に、前は借りられたのに今は合併したおかげで借りられないというところが出てきていて、本当に、合併すればいいよ、合併すれば必ず借りられるよなんていう絵にかいたもちが全然、本当に絵にかいたもちに終わってしまっているというふうな言葉を聞きました。
 そして、漁協の皆さんはその十九年度からの省エネ対策の船のことだけしか分かっていないんですね。事ほどさように、せっかく漁民の皆さんにいろんな融資の方法とかいろんなことをしているんだけれども、それを全部漁協の皆さんは把握していないんです。
 だから、本当に皆さんの温かい手があるとすれば、もっともっと、借りやすい方法はこれもある、これもあるというふうに、一本化するとか何かもっと借りやすくするとか、そしてみんなに分かりやすく啓蒙するとか、そういうことをしていくべきだというふうに思いますが、最後に大臣のお答えを聞いて、質問を終わりたいというふうに思います。
#44
○国務大臣(若林正俊君) 委員がるるお話しになりましたように、この燃油の高騰というのは、平成十六年三月の時点を基準にしますと一・八倍という大変な高騰をいたしまして、その後もその高い水準が続いているわけですね。そのために、この漁業用の燃油に依存をする度合いの高い漁業というのはコストアップで大変な負担を強いられているということも承知いたしております。
 そして、委員が御指摘になりましたように、これは平成十六年からずっと上昇してきた経緯もありまして、十七年度予算でいろいろな対策を当時講じております。それらの対策は今もなお継続して、そういう事情に当たった場合は継続して適用できるような仕組みになっております。
 一つ一つの資金の、あるいは助成の内容はここで時間の関係もありますので申し上げませんけれども、漁業経営の改善の支援資金でありますとか、漁業近代化資金の特例でありますとか、沿岸漁業の改善資金でありますとか、それらが十七年度から継続して制度としてはあるわけですね。それが、合併をしたことによってその適用が難しくなっているというのは今初めてお聞きいたしました。
 地域の皆さん方が苦労をして合併をした、その合併をしたためにこの資金の適用を受けられないというようなことは、この合併を推進するという立場からもそのようなことがあっては困るわけでございますので、事情をよく調べた上で、これら十七年度から継続している資金の適用が可能であるかどうか、可能の場合にはこれを的確に適用ができるような工夫を必要とするだろうと思っておりまして、その点は検討をさせたいと思います。
#45
○和田ひろ子君 ありがとうございます。
    ─────────────
#46
○委員長(加治屋義人君) 委員の異動について御報告いたします。
 本日、谷博之委員が委員を辞任され、その補欠として前田武志委員が選任をされました。
    ─────────────
#47
○主濱了君 民主党・新緑風会の主濱了でございます。
 早速質問に入らせていただきます。
 このたびの法改正では、すべての漁業協同組合に部門別の損益状況の開示を義務付けるものになっております。先ほど野村委員からもお話がありました。この原因についてはそのとおり、漁協の経営が悪いと、こういうことだというふうに思っております。
 私もこの部門別損益を作成することは確かに必要であるというふうに思っております。ただ、作成には相当の経理知識が必要と考えられます。職員が少ない漁業協同組合において十分可能であると思うかどうか、この点について第一点。それから、部門別損益作成をサポートする手だては講ずるのかどうか。この二点についてお伺いしたいと思います。
#48
○政府参考人(白須敏朗君) ただいま委員からお話ございましたとおり、今般の水協法の改正によりまして、信用事業を実施しております漁協以外の漁協に対しましても事業区分ごとの損益状況につきまして組合員への開示を義務付けるということで、漁協の経営改革に向けました取組が促進されることになるというふうに期待をいたしているところでございます。
 その場合に、特に一つとしては、小規模な漁協についてそういうふうな職員も少ないわけでございますので、そういうことが対応が可能なのかどうか。あるいはまた、サポート体制ということについてのお尋ねがあったわけでございます。
 まず、そのサポート体制という点でございますが、漁協が、お話のとおり、やはり大前提といたしましてこういうことを行いますには的確な会計事務というのが当然必要になってくるわけでございます。したがいまして、私どもとしては、漁協の役職員の経理能力の向上ということで、これを目的といたします研修でございますとかあるいは情報提供、これを行いますための全漁連の取組というものを支援をいたしますとともに、あわせまして都道府県あるいは関係団体とも連携を取りながら、その点についてはしっかりと指導をしてまいりたいと考えているわけでございます。
 また、小規模な漁協についてでございますが、当然のことながら小規模な漁協についてもこの制度が適用されることになるわけでございますが、こういった漁協につきましては、こういった小規模な漁協の事業内容というものは、漁業権の管理というものを主体といたしますいわゆる指導事業が主体でございまして、そういった意味からいきますと会計事務上の負担は少ないのではないかというふうに考えておりまして、その点からいきまして、こういうことを実施するに当たっての困難性は少ないのではないかというふうに考えている次第でございます。
#49
○主濱了君 ありがとうございました。
 そもそもの原因はやっぱり漁協の経営状況が良くないと、ここに帰するものだというふうに思っております。それを、今回の部門別の損益を作成させることによって自覚をさせるのか、あるいはほかから大変なんだということを示すのか、これは両面から攻めていかないと私はいけないというふうに思っております。
 そういう意味で、全漁連による外部監査制度というものがあります。これを活用する必要があるというふうに思うわけであります。系統内の自助努力としまして全漁連による外部監査制度の対象を拡大しまして活用すべきと考えますが、いかがでしょうか。
#50
○政府参考人(白須敏朗君) お話のとおり、現在、この全漁連につきましては、貯金等の残高二百億円以上の漁協それから信漁連に対しまして、水協法に基づきまして、公認会計士の関与の下で監査を行うというふうにされているわけでございます。また一方、それ以外の漁協につきましては、当該漁協が定款で定めることによりまして全漁連の監査を受けるということにされているわけでございますので、現行制度の下で全漁連によります監査の対象というものはすべての漁協に広げ得る形にはなっているわけでございます。
 ただ、現実問題としてやはりこういうものを具体的に受ける漁協というものは規模の大きな漁協ということに限られている、現実問題としては限られているわけでございますので、委員がお話しのとおりやはりこういうものをもっともっと拡大していく必要があるというふうなことでございまして、系統といたしましても、平成十七年十一月の全国漁協代表者集会、こういうことで漁協系統の運動方針といたしまして監査実施体制の整備強化というものを行うというふうにしているわけでございます。
 現在のところ、全漁連といたしましてもその具体的な取組方針を正に御指摘のような方向に沿って検討しているところでございまして、私ども水産庁といたしましても、ただいまお話しのこの全漁連の監査体制の充実強化につきましてしっかりと指導してまいりたいと考えている次第でございます。
#51
○主濱了君 ありがとうございました。
 いずれ漁業をめぐる状況というのは極めて厳しいと、それをまずは自覚をする、そして外から示していくと、こういう両面のことが必要であると思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 次に、漁業信用基金協会の関係でお伺いをいたします。
 漁業信用基金協会がその事業の全部を譲渡することができるとする規定を盛り込もうとしているわけであります。これは法案の五十九条の二の第一項でございます。まず、この規定の趣旨についてお示しをいただきますとともに、結果として複数県に及ぶ漁業信用基金協会をも想定しているのかどうか。さらには、例えば私の県、岩手県の漁業信用基金協会を、これも例えばですが、東京の漁業信用基金協会が譲り受ける、これは弱い者同士が一緒になってもしようがないですよね。やっぱり譲り受けてもらうためにはしっかりしたところじゃないといけないという意味で今例示したわけですが、東京の信用基金協会が譲り受けると、こういうケースもあり得ると想定しているのかどうか、お伺いしたいと思います。
#52
○政府参考人(白須敏朗君) ただいまのお尋ねでございますが、まず今回、こういった事業譲渡、この趣旨でございますが、この漁業者に対します債務保証、これを行います漁業信用基金協会、これにつきまして、近年保証残高が減少傾向にあるわけでございまして、合併でございますとかあるいは事業譲渡、こういったことを通じまして事業運営の効率化を図る、そういうことも経営改善の一方策ということで想定されるところでございます。
 そういうことで、今回の法案によりまして、従来から合併という仕組みはあったわけでございますが、これに加えましてより柔軟な組織再編が可能となるように事業譲渡、こういう仕組みを設けまして、この信用保証事業の維持あるいは効率化を図っていくということがまず今回の制度改正の趣旨でございます。
 そこで、この事業譲渡につきましては、譲り渡す側の基金協会と譲り受けます側との契約によりまして行われるわけでございますが、ある都道府県を区域といたします基金協会と他の都道府県を区域といたします基金協会との間で事業譲渡が行われますと、複数の都道府県域を区域といたします漁業信用基金協会というふうになるわけでございまして、これはもう当然、この制度の上から可能であるというふうに考えているわけでございます。
 したがいまして、ただいま委員からお話ございました岩手県の漁業信用基金協会の事業を東京都の漁業信用基金協会が譲り受けるケースということも、法律上は想定することは十分可能であるというふうに考えているわけでございまして、いずれにしても、この基金協会の組織再編を行いますに当たりましては、やはりそれぞれ、一つには、保証事業の運営の効率化ということは当然あるわけでございますが、他方、この利用者であります漁業者の利便性の確保ということもあるわけでございますので、そういった点も十分勘案の上、適切な事業執行体制ということを整備していくという方向で検討していくということが必要であると考えている次第でございます。
#53
○主濱了君 ありがとうございました。
 その事業譲渡が行われた場合、債務者、現に保証を受けている者ですね、その債務者に影響はないのでしょうか。逆に、あるとすればどのような影響が想定されますでしょうか。この点についてお伺いします。
#54
○政府参考人(白須敏朗君) 今回のこの法律改正によりまして、これまでの漁業信用基金協会の合併という仕組みはあったわけでございますが、この合併に加えまして、より柔軟に基金協会の再編というものが行えるようにいたしますために事業譲渡の仕組みを整備することといたしたと、先ほども御説明申し上げたとおりでございますが。
 この事業を譲渡しようといたします基金協会は、まず、漁業者なり漁協などの会員から構成をされます総会の特別議決、それから主務大臣の認可というものを経て事業譲渡を行うことができることとなるわけでございます。
 したがいまして、事業譲渡をした側の基金協会というものは解散をいたすことになるわけでございますが、その場合、漁業者等に対します債務保証につきましては、総会の特別議決を経まして漁業者等の意思を確認をいたしますとともに、行政庁の認可手続におけます審査を経るということになりますので、事業を譲り受けました基金協会に適切に引き継がれるということになると考えておりまして、したがいまして、ただいま委員の御懸念の債務者、いわゆる被保証者への影響は生じないというふうに考えている次第でございます。
#55
○主濱了君 ありがとうございました。
 次は、漁協の合併についてお伺いをいたします。
 この問題につきましては、先ほど、野村委員からもありましたし和田理事の方からもありましたので、二点を端的にお伺いをいたします。
 この漁協の合併について農林水産省はどういうふうな基本姿勢で臨んでいるのか、これが第一点であります。
 といいますのは、先ほど国井副大臣の答弁にもありました、自主的にという言葉が来ていますので、自主的にということになりますと、特にこちらは進める必要はないというふうに感じ取られます。それから、農水の職員の皆さんの説明の中に、協同組合だから組合員の意思を尊重すると、こういったような発言もありましたが、まず、こういったようなところから、じゃ農林水産省はこの合併についてどういう基本姿勢を持っているんだろうかと。ちょっと分からなくなってきましたので、まずこれを第一点に、端的にお伺いしたいと思います。
#56
○副大臣(国井正幸君) 自主的にとかいろいろ申し上げたのは、しかしこれ、あくまでも大原則でありますが、協同組合でありますから、やはりそれぞれの構成員が主体として基本的には考えるべきものだろうというふうに思っています、このことはですね。強制的にああしろこうしろということではないと。
 ただしかし、これはこれまでも議論がありましたように、しっかりとした仕事をする、組合員の負託にこたえるためには、それだけのやはり経営体質をしっかり持たなければならない。そういう面から、是非、組合員の負託にこたえてしっかり仕事をしてもらうという意味で、国としても、二百五十の協同組合数を目指して、これからも支援策を取ってそういうふうな指導をしていきたいと、このように考えているわけでございます。
#57
○主濱了君 ありがとうございました。
 いろいろ指導していくという、非常にまだはっきりしたところないんですが、いずれ進めるという方向で私はとらえております。
 それで、合併を進めるに当たっては、やはり必要な支援をする必要があるというふうに思います。様々な組合があって一つの組合になるわけです。要するに、多分力は平均点ぐらいになるだろうと、こういうふうに思うわけで、そうすると、いいところから見ると、意外とやっぱり力は落ちてくるというふうに思いまして、国として必要な支援をするべきであると、こういうふうに思うんですが、この点についてはいかがでしょうか。
#58
○副大臣(国井正幸君) 先ほど来議論がありますように、下がってもらってはやっぱり困ると思っています。やっぱり上位安定でしっかりとした協同組合運営がなされることを期待をしているわけでございます。
 そういう中で、合併後の漁協に対して、国としてはその事業改革に必要な資金融通の円滑化を図るための保証対策を行うというのが一つですね。それから二つについては、合併漁協が事業改革や負債整理に必要な資金の借入れを行う際に、都道府県が一定率以上の利子補給を行う場合に、国が拠出した基金から上乗せ利子助成を行っているところでございます。
 また、今回の法改正により、事業部門損益の情報開示義務付けの対象漁協の拡大がなされることを受け、その徹底を図ることにより、漁協の経営改善に向けた取組を一層促進してまいりたいと、このように思っておるわけでございます。
#59
○主濱了君 ありがとうございました。
 では、進ませていただきまして、次は、日本原燃の使用済核燃料の再処理についてお伺いをいたします。
 ちょうど一年前の四月に中川農林水産大臣に対して質問をしたことがありまして、私は、農水省が責任を持って放射能の調査をするべきではないかと、こういう御質問をしたんですが、どうも中川大臣からは、漁場の安全は確保しなければいけないと、こういうところの答弁に終始したというふうに記憶しております。
 今日は、まず経済産業省にお伺いをいたします。
 現在の工程は本格操業に向けたスケジュールの中でどの位置にあるのか、これを御説明いただきたいと思います。
#60
○政府参考人(薦田康久君) お答えいたします。
 今先生御指摘のございました六ケ所再処理施設でございますけれども、現在、試運転の最終段階と言えます実際の使用済燃料を用いましたアクティブ試験という、この試験段階にあるわけでございます。
 保安院といたしましては、原子炉等規制に基づきまして使用前検査を実施しておるところでございまして、今後ともこれを厳格にやっていきたいというところでございます。
 なお、このアクティブ試験そのものは、更に五段階の、五つのステップに分かれておりまして、現在はこの第三ステップが終了した段階ということでございます。
 以上でございます。
#61
○主濱了君 アクティブ試験第三段階終了の段階と、こういうことでございますが、この放射能廃棄物の排出につきまして事前に計画を見せていただきました。
 その計画を見せていただいたんですが、計画そのものの変更あるいは計画を超過して排出した事実はないかという問題、それからもう一つ、これまで事業推進の中で事故あるいは想定外の事態の発生がなかったかどうか、併せてお伺いをいたしたいと思います。
#62
○政府参考人(薦田康久君) 現在実施しておりますアクティブ試験におきましては、環境への放出放射能量等につきましても確認をしているところでございます。
 現在まで第三ステップまで終わったわけでございますけれども、このうちの第二ステップまでは詳細な分析がなされておりまして、これまでの段階では、安全審査におきまして評価されております年間放出管理目標値に対して十分に低い値となっているということを確認しているところでございます。
 また、トラブル等でございますけれども、この原子炉等規制法には、報告対象というのが省令で決まっておりますけれども、これに該当するものはこれまで発生をしておりません。ただ、先生御承知のように、我々に対する報告事象ではございませんけれども、更に小さなトラブルといたしまして内部被曝等があったということは承知をしております。
#63
○主濱了君 様々事情があるようでございますが、結局、この六ケ所村の使用済核燃料の再処理施設、いつ本格稼働するのか、お伺いをいたします。
#64
○政府参考人(薦田康久君) 日本原燃から届出がありました工事計画によりますと、本年十一月に竣工ということを伺っております。
#65
○主濱了君 十一月の本格操業ということでございますが、現在のアクティブ試験ですね、アクティブ試験の排出量、これと本格操業の排出量、これは同じなんでしょうか。
#66
○政府参考人(薦田康久君) アクティブ試験におきましては、まず、実際に処理をする使用済燃料そのものの量が、本格操業ですと年間八百トンでございますけれども、このアクティブ試験が二年間、ほぼ二年間でございますが、大体四百数十トンということで、まず量そのものが随分少のうございます。また、使います使用済燃料につきましても若干古いものが多いといったようなものもございまして、実際に本格操業に入りますと、この辺りは当然変化をしてくるものと考えております。
 ただ、我々といたしましては、第二ステップまでの放出実績をベースに、実際に本格操業になった際の八百トン年間で処理した際にこの放出放射能量がどうなるかということも評価をしておりまして、これにつきまして、事業者が事業指定申請の際に記載しております年間放出管理目標値を下回るという見通しを得ているというのが実態でございます。
#67
○主濱了君 私ちょっとやっぱり、本格操業で八百トン出す、それから今は二年間で四百六十トンですか、こういうことで、これでは試験の結果でもって本格操業が安全であると、こうは言い切れないんじゃないでしょうかね。
 そこのところ、国民に分かるように、これで大丈夫なんだと、こういう説明お願いいたします。
#68
○政府参考人(薦田康久君) 実際には、先ほど申し上げましたように、これまで第三ステップでありますと、例えば七十トンを処理をしたということになりますと、そこから出てまいります放出放射能量というのは全部測定はできております。それから、どういう使用済燃料を使ったかということも分かっております。それをベースに、例えば七十トンを例えば八百トンにまず拡大をしていくという、まあ比例配分をしていけばいいわけだと思いますけれども。
 それから、実際出てくる使用済燃料の種類が若干ばらつきもございますので、そういうものを、実際の八百トンのときにこういうものが使われるんだというときに換算をいたしまして、そういうものを全部足し合わしてトータルを出して、それが、当初日本原燃が国に対して、実際に操業した際にはこれだけの放出管理目標値といたしますというものと比較をいたしまして、この中に収まるということを我々として確認をしているわけでありまして、この結果につきましては、これまで第一ステップ、第二ステップを終わった段階で原燃そのものはホームページ等でこの報告書をオープンにしておりますし、我々もこの考え方につきまして、委員会であるとかあるいは青森県に対して説明をしてまいっているところでございます。
#69
○主濱了君 それでは、安全な漁場を確保する立場にある農林水産省にお伺いをいたします。
 使用済核燃料の再処理に係る放射能について、特に漁場の関係ですね、三陸沖という一つの漁場の関係につきまして、今後独自の調査をするお考えがあるかどうか、これについてお伺いしたいと思います。
#70
○政府参考人(白須敏朗君) 農林水産省におきましては、設置法に基づきまして沿岸漁業に係る漁場の保全のための調査というものは実施をいたしているわけでございます。また一方、海洋を含めました放射能に関する環境調査につきましては、文部科学省設置法に基づきまして、文部科学省が中心となり政府全体で調査を取り進めているというふうに承知をいたしているわけでございます。
 そこで、核燃料サイクル施設及びその他の原子力発電所周辺の漁場につきましても、文部科学省が関係機関に委託して海洋環境放射能調査を行っておりまして、三陸海岸、沿岸海域につきましての調査も実施する予定があるというふうに聞いているところでございます。
 私どもといたしましては、水産行政の立場から、関係省庁とも連携をいたしまして適切に対応してまいりたいと考えている次第でございます。
#71
○主濱了君 この放射能調査について、農林水産省、端的に言いますと水産庁、どのようにかかわっているか、委託をしているのか、そういう点について、そういう観点からお答えをいただきたいと思います。
#72
○政府参考人(白須敏朗君) 私どもは、漁場の保全という関係での調査につきましては、例えばダイオキシンでございますとか、あるいは重金属のモニタリング調査と、そういったような観点で、安全で安心な水産物の安定的な供給、そして水産動植物の生育環境の保全、改善といったような化学物質のリスク管理対策と、そういうものはやっているわけでございます。
 また、放射能の関係につきましては、こういった原子力発電所が存在をいたしております、立地をいたしております周辺の漁場については私どもはやっておりませんで、放射能につきましては、自然界に存在する、そういう放射能につきましてのいわゆるバックグラウンド調査というものは実施をいたしていると、そういうふうな仕分けになっているということでございます。
#73
○主濱了君 分かりました。
 それでは、文部科学省にお伺いをいたします。
 三陸沿岸の放射能調査の概要、あるいは調査の位置のポイント、調査回数、時期、それから調査の結果についてそれぞれお答えをいただきたいと思います。
#74
○政府参考人(袴着実君) 文部科学省におきましては、平成三年度から、核燃料サイクル施設沖合の海域を対象としまして、海産生物や海水、海底土を採取して放射能分析を行います海洋環境放射能調査を実施しております。
 具体的には、平成十八年度までにつきまして、青森県沖の核燃料サイクル沖合海域におきまして、まず海産生物試料につきましては、一回の調査で十種類の魚種を、四月から六月の間と十月から十二月の間の年二回調査をしてございます。
 また、海底土の試料につきましては、沖合の十六地点において四月から六月の間に年一回、海水試料につきましては、同じく十六地点におきまして四月から六月の、そしてまた十月におきまして年二回の放射能調査を実施してございます。
 また、これとは違いますが、過去の大気圏核実験等による影響を全国レベルで放射能調査を進めておりますが、その関連で、岩手県沿岸におきましても、海底土、海水、藻類、貝類について、それぞれ年一回放射能調査を実施してございます。
 これまでの調査につきまして、いずれの調査結果におきましても問題となる結果はございませんでした。そういうことを確認してございます。
#75
○主濱了君 ありがとうございました。
 そうしますと、魚のみならず、三陸沖の魚のみならず、貝とかそれから海藻ですか、も調査をされていると、こういうことですが、実はちょっとその結果について私分かってなかったものですが、その結果についてはどのような形で公表されていますでしょうか。
#76
○政府参考人(袴着実君) 核燃料サイクル施設を対象としました海洋環境放射能調査、あるいは全国の環境放射能水準を調査しているその結果につきましては、文部科学省のホームページ、日本の環境放射能と放射線というホームページがございますが、そこにおいて過去のデータも含めて公開してございます。
 また、核燃料サイクル施設を対象とした海洋環境放射能調査につきましては、地方自治体や漁業関係者の方々へも直接御説明をしているところでございます。
#77
○主濱了君 青森県沖、六ケ所村、青森県沖の海流はずっと南下しているわけであります。岩手県、それから宮城県やあるいは福島県の方までずっと影響する可能性があると、こういうことなんですが、取りあえず一番最東端の岩手県の海域、ここの海域の調査、これ行っているのか、それから平成二十年以降も行っていただけるのか、この辺についてお伺いをいたしたいと思います。
#78
○政府参考人(袴着実君) 核燃料サイクル沖合の調査の範囲につきましては、今年度、平成十九年度から再処理施設の本格操業が予定されているということもあり、また岩手県の要望等も踏まえまして、青森県沖に加えて岩手県沖についても調査対象として追加することといたしました。
 具体的には、海産生物試料につきまして岩手県沖の漁獲量を踏まえまして五種類を選定し年二回、海底土試料につきましては岩手県沖の六地点を選定して年一回、海水試料につきましては同じく六地点で年二回調査をすることといたしました。
 これらの調査体制につきましては、二十年度以降も青森県沖と併せまして着実に適切に実施してまいりたいと思っております。
#79
○主濱了君 ありがとうございます。是非ともずっと続けていただきたいと思います。
 最後になりますけれども、私どもが要するにエネルギーの糧として原子力と共存していかなければいけないと、こういう中にありましては、私は、事後的な結果としてでも放射能による汚染は皆無であると、これを確認し続けていかなければいけないと、こういうふうに思っております。
 漁場を守る農林水産省として、あるいは少なくても国民の安全を守るべき国家として、今後永久に三陸沖も含めまして放射能調査を続けていかなければならないと思っております。環境大臣でもあります若林臨時代理、御意見を伺いたいと思います。
#80
○国務大臣(若林正俊君) 三陸沖はもとよりでございますけれども、我が国の周辺海域は世界でも有数な漁場でございます。
 農林水産省としては、これまでも沿岸漁業に係る漁場の保全の取組、必要な調査、モニタリング等を実施してきておりますが、今委員が御懸念でございます原子力発電に伴う放射能の影響ということについては、国民が非常に心配をしているわけですね。危惧しているわけでありますから、やはり原子力政策を進める上で、特に環境政策の面からいいましても、地球温暖化対策としても、安全を前提としながらも原子力発電というのは石炭あるいは石油の発電からそちらに切り替わっていく、そういう流れというのは必要だというふうに考えていることでもございまして、いささかでもそのことに関して環境汚染が起こることがないということをはっきりと確保しなければいけませんし、不安に対してはこたえていかなきゃいけないというのは当然のことだと思っております。今委員と関係省庁とのいろいろなやり取りをお聞きいたしまして、やっぱり漁場を守り国民の不安を解消をしていく責任というのは非常に重いと考えております。
 委員も御承知のとおりだと思いますけれども、今までの経過もございますけれども、平成十三年度以降は中央省庁改革によりまして文部科学省の設置法上明確に文部科学省に一括計上をすると、そして必要に応じて各省庁の予算に移し替えていくというように調整がなされているわけでございますが、今のところ文部科学省の方が、先ほどの報告ございましたように必要な所要の海域についてきちっと調査をしていただいております。その結果を我々も受けているわけでございます。このような監視の体制というのはしっかりと確保し、今後とも続けていかなければならない、そのように考えているところでございます。
#81
○主濱了君 ありがとうございました。
 実は、このほかに再度、緑資源機構についてお伺いしたかったわけですが、時間の都合上割愛をさしていただきます。準備いただいた皆様には大変ありがとうございました。
 なお、この問題につきましてはまだまだ新たな事実がこれからも出てくるものというふうに思っております。内容に応じまして一般質疑あるいは集中審議をお願いしてまいりたいと、その中でいろいろ議論をしていきたいと考えております。
 終わります。ありがとうございました。
   〔委員長退席、理事常田享詳君着席〕
#82
○福本潤一君 公明党の福本潤一でございます。
 今日は、水産関連三法、四法の質問のうちで三法目でございますし、私も水産関係全部質問しておりますけれど、時間が非常に少ない割当てになっていますので、答弁簡潔にお願いするということを最初に申し上げておきたいと思います。
 最初に、漁協の合併の問題でございますけれど、水産基本計画で団体の再編整備が大きなテーマというふうになっております。これまで合併に関する取組の状況、また、来年三月、そのときに漁協合併促進法の最終期限を迎えるわけでございますので、今後の再編についてどのように考えているか、最初に確認しておきたいと思います。
#83
○政府参考人(白須敏朗君) 合併の現状でございます。現時点におきまして、本年四月一日現在の漁協数千百九十六というふうになっているわけでございますが、御案内のとおり今年度が合併促進法の最終年度に当たるわけでございまして、ただ、関係者もやはり相当、現在努力をいたしておりまして、四月だけでも八十四漁協が合併に参画をするということで、従来以上にその加速化は進んでおるというふうに理解をいたしているわけでございます。ただ、いかんせん、系統が掲げております今年度末、二十年の三月末の合併後の目標二百五十漁協達成に向けましては、なお相当な努力が必要だというふうに考えているわけでございます。
 これがなかなか計画に比べて進展しておらないという要因といたしましては、多額の欠損金を抱えている漁協、あるいはまた主として漁業権管理を行いまして経済事業をほとんど実施しておらない小規模な漁協、あるいはまた都市近郊で多様な事業を実施して経営状況の良好な漁協と、こういった合併が困難な漁協でありますとかあるいは合併に消極的な漁協の存在ということがその理由としては挙げられようかというふうに考えているわけでございます。
 ただ、この合併の目的は、そもそもやはり経済事業の再編強化といったようなこともございまして、合併によりまして一定規模に達した漁協というものは、職員十人以上で見ますと全体の三割程度というふうになっているわけでございます。また、経済事業の取扱高の約八割がこういった漁協によりまして実施をされておるというふうに見ておりまして、経済事業の再編強化の観点からは漁協合併、一定の成果を上げているというふうに考えているわけでございます。
#84
○福本潤一君 漁協の合併というのは農協の合併以上になかなか現場が、例えば徳島県でいいますと、瀬戸内海と太平洋側と両方あるというような形で、漁法も大変違うということで難しい問題があろうかと思います。
 そういう中で、高知県の室戸漁協が自己破産しておりますけど、合併進まないということで、今後、体力の弱い漁協、また経営難による破産するケースも想定されたりしますし、先ほど欠損金の話されましたけれども、あと漁業補償でも、十年前のことですが、瀬戸内海で伊予漁協でしたけれども、漁協に入る要するに権限がない市民が、松山市民の方から急遽漁協組合員になって漁業補償をきちっと受け取ったため、その人、逮捕されているという、三名ぐらい逮捕されましたけれども、そういうようなことも漁業補償に絡んで瀬戸内海で起こったりしております。
 ですので、漁業者に影響がない形で存続する必要が破綻した場合でもあると思いますけど、監督行政庁である都道府県に対してどういう指導をしておられるか、これもお伺いしておきたいと思います。
#85
○政府参考人(白須敏朗君) ただいま委員からお話ございましたように、事業の赤字等によりまして漁協の経営が困難となりました場合に、一般的には経営改善計画を策定をいたしまして、自主再建に取り組むということ、あるいはまた関係者による支援でございますとか、あるいは近隣の漁協との合併と、そういった取組によりまして事業、組織の再生を図るということが考えられるわけでございます。
 しかしながら、ただいまお話ございましたが、大幅な債務超過といったようなこと、あるいはまた支払不能というふうなことでございましてその解消が極めて困難な事態に至るという場合には、やむを得ず一定の法的整理の選択というものも余儀なくされる場合もあるわけでございます。その場合には、ただいま委員からもお話ございましたが、いろんな形で組合員の漁業生産活動の基盤、そういったことへの影響というものも懸念をされるわけでございます。
 ちょっとお話ございましたが、室戸漁協の場合、この場合には信用事業は既に信漁連の方に譲渡しておるといったようなことで、貯金に影響を及ぼすことはないというふうなことでございますし、また、ただいまお話ございました、組合員の特に漁業活動についての点につきましては、組合員の漁業活動が継続をできますように、信用事業以外の事業につきまして隣接をいたします室戸岬東漁協の方に譲渡を行うといったようなことで法的整理に移行すると、そういう基本的な考え方を決定をいたしておったわけでございます。その後、隣接の室戸岬東漁協への加入手続を行うというふうなことで組合員の漁業生産活動への影響は極めて限定的であったというふうに聞いているわけでございます。
   〔理事常田享詳君退席、委員長着席〕
 そこで、私どもといたしましても、今後ともやはり漁協の組織、事業基盤の強化というものを図ります観点からは、当然のことながら漁協合併の促進を図るということは基本ではございます。ただいま申し上げましたように、万が一漁協が破綻をいたしまして、法的整理を選択するというふうになりました場合には、当事者でございます漁協に加え、監督をいたします都道府県でございますとか、あるいは県内の系統団体、こういったところによります適切な対応策が講じられまして、ただいま御懸念のような無用な混乱、あるいは漁業者の生産活動への影響あるいは停滞ということが生じないようにしっかりと指導してまいりたいと考えている次第でございます。
#86
○福本潤一君 同時に、環境問題についても、若林環境大臣の前でございますけれども、質問させていただきます。
 自然災害とか海外からのごみ等で海岸機能、低下したり、海底に堆積したごみ、これで漁網が破損するという被害が具体的に発生しておるようでございます。海岸域の環境問題、深刻化しておりますので、海岸に打ち寄せたごみ処理に対する、国土交通省、農水省、環境省、それぞれ監督官庁、分かれるわけでございますが、どういう対応をされているかもお伺いしておきたいと思います。
#87
○政府参考人(谷津龍太郎君) 漂流・漂着ごみに関するお尋ねでございます。
 この問題につきましては、政府全体の対応といたしまして、昨年四月に関係省庁によります局長級の対策会議を設置いたしまして検討を続けてきているところでございます。この対策会議でございますけれども、国交省及び水産庁の御協力をいただきまして、環境省の方で運営に当たっていると、こういうものでございます。
 今年の三月でございますが、この対策会議において、当面の施策の取りまとめを行ったところでございます。この中で、各省が実施する平成十九年度以降の施策に関しまして、状況の把握、国際的な対応も含めた発生源対策、被害が著しい地域への対策につきまして、新規事業の実施及び既存の施策の拡充、こういうものを図ってきているところでございます。
 環境省におきましても、調査の実施、あるいは地方公共団体等の支援、こういうことを行うことにしておりまして、関係省庁との連携の下、より実効的な対策を実施してまいる、こういうことにしてございます。
#88
○福本潤一君 その環境の中でも瀬戸内海の水質改善、これもお伺いしたいと思います。
 昭和四十年代ごろ、大変な海になっていると、瀕死の海だと言われたときもありましたけれども、それ以後、昭和四十八年の瀬戸内海環境保全臨時措置法、さらには五十三年、瀬戸内海環境保全特別措置法、こういうある意味では特定地域の環境規制、総量規制を設ける法律施行以後、かなり改善されてきていると思います。特に、水産資源とかかわることもこの水質の問題でも起こっておりますので、こういう持続的な漁業を推進するためにも、積極的な取組というものが求められておると思います。
 これまでの瀬戸内海の環境保全に対する取組、さらには今後の漁業補償、環境の保全に向けた取組についてお伺いいたします。
#89
○政府参考人(寺田達志君) お答え申し上げます。
 瀬戸内海の水質につきましては、ただいま委員御指摘の瀬戸内海環境保全特別措置法などに基づきまして水質総量規制を実施しております。水質総量規制につきましては、COD、化学的酸素要求量については昭和五十四年の第一次水質総量規制から、また窒素、燐につきましては平成十三年の第五次水質総量規制から削減が進められております。その結果、大阪湾を除く瀬戸内海では、窒素及び燐の環境基準をほぼ達成するなど、水質の改善が見られるところでございます。しかしながら、一方で、大阪湾では依然COD、窒素及び燐の環境基準達成率が低く、大規模な貧酸素水塊が発生しているというような状況にもございます。
 こうした状況を踏まえまして、昨年十一月に策定されました第六次の総量削減基本方針では、水質の改善を目途といたしまして、大阪湾では引き続き汚濁負荷量の削減を推進するということの一方、それ以外の瀬戸内海では、現状の水質を維持するため、生活排水対策等を引き続き実施することとしております。また、瀬戸内海全体で水質浄化能力を有する干潟の保全、再生を推進するということとしておるところでございます。
 これらの取組により、今後とも瀬戸内海の水質保全を着実に推進してまいりたいと考えております。
#90
○福本潤一君 引き続き、大臣、今回、新しい水産業を確立するために、四十年前の漁業指導課におられたときとの比較も含めてお話しいただきました。これから水産業の再生に向けてどのように取り組まれるか、お伺いしたいと思います。
#91
○副大臣(国井正幸君) 端的にお答え申し上げたいと思いますが、大変水産資源の状況の悪化、あるいは漁業者の減少や高齢化、漁船の老朽化等々、厳しい環境にあるというふうに承知をいたしておりますが、是非、藻場や干潟の造成など、漁場環境の改善や資源回復に積極的に一つは取り組んでいくと同時に、やる気のある漁業者に対して積極的に経営安定対策を導入をする、さらには新規就業者の促進も図っていきたいということでございます。さらに、流通拠点の整備等も行いながら、国民の皆様への御期待にしっかりこたえるべく、今回のこの水産基本計画をしっかり履行していきたいと、このように考えている次第でございます。
#92
○福本潤一君 水産の振興も全力で取り組んでいただきたいと思います。
 と同時に、今日は、この後でございますけれども、カネミ油症の仮払金の免除の法案が委員長提案で提出されております。触れる機会がないので若干だけ触れさせていただきますと、これは一九九八年にダイオキシン規制法通りましたとき以来、カネミ油症の関係者、国会に様々陳情してきておられまして、最初はPCBの原因だと言われていたこのカネミ油症、ダイオキシンだと、特にポリ塩化ジベンゾフランという、PCDFの影響だということが新たに分かりまして、カネミ油症の規制法で救済しようかというふうに努力していましたけれども、なかなか難しいと。農水省も、仮払金の返還問題というのが裁判で起こったときにも、法律にのっとって対応せざるを得ないというジレンマに陥っておったところ、今回、与党原案を取りまとめまして、返還ということではなくて、三百万円ずつきちっと対応をできる形に収まったものでございます。
 ですので、ある意味では、カネミ油症というのは大変な、民間私企業が起こした事件とはいえ、水俣病と同じように食品公害というふうに言えるような案件でございますし、是非とも、国際会議、環境ホルモン国際会議なんかに出ますと、ミナマタディジーズ、カネミディジーズ、これ二つが国際用語になっていて、その中で対応が一番悲惨な状況だったというのがカネミ油症の患者さんたちだということが具体的に起こりました。
 ですから、今回法案通過いたしましても、ちょうど厚生省がハンセン病の勝訴を受けて上告せずという英断下したときがございますが、あのスタートに当たるような状況であるということも踏まえていただいて、今後国としてもカネミ油症に対してもきちっとした対応策、検討も進めていただきたいと、これはもう厚生省、農水省、両省に挙げてお願いしておきたいと思います。
 以上で質問を終わります。
    ─────────────
#93
○委員長(加治屋義人君) 委員の異動について御報告いたします。
 本日、小川勝也委員が委員を辞任され、その補欠として岡崎トミ子委員が選任されました。
    ─────────────
#94
○山本保君 公明党の山本保でございます。
 お許しをいただきましたので、本日は水産業協同組合法等の審議ではございますが、少しお時間をいただきまして、農業経営に関する方針について何点か絞りましてお聞きしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 私、実は今、愛知県でいわゆる都市農業などの振興プロジェクトチームをつくりまして、それで県内をいろいろ回っております。JAの方、また農家の方のお話などを伺っておりますので、その中から今日は幾つか絞りましてお聞きしたいと思っております。
 最初に、国井副大臣にお伺いします。
 正に今年度から本格的にスタートいたしました経営安定対策ということがあるわけでございます。これについて二点ほどお伺いしたいんですが、最初に副大臣には、正に意欲と能力のある経営主体に農地を利用集積、集積してきちんと利用していただくと、こういう方針であるというふうに考えるわけでありますが、しかし、この農地の中で相続税の納税猶予と、こういう方がおられる。この適用を受けますと、その農地は担い手に、実際には御自分で難しくなった、若しくはもっと合理的にと、正に国が進めておりますように集積利用でいこうと、こう言っておりましても、その場合に貸すことができないという問題があります。
 愛知県内回りまして、確かにそんなに多くはないかもしれないが、肝心なところに点在しているということで、その集積がなかなか進まないというケースがあるわけでございます。言うならば、これについても農水省、いろんな補助をされているにしても、集積実績で補助しますよというようなことも片方あるようでございまして、正に利用集積進まない上に補助金ももらえないという、二重にその遅れが出てくるというようなことを聞きました。
 どうも、今実質的に農業というものを日本の中に進めていこうと、こういういい方針を出しているときに、これはちょっとそこがうまく合っていないのではないかという気がするわけでございますが、税制改正なども含めて、若しくは実質的に進められる、つまり宅地化しているわけじゃないわけですから、農業に、農に使っていると、こういうことであれば、何かその方たちに恩典が行くような方法が必要ではないかと思いますが、いかがでございますか。
#95
○副大臣(国井正幸君) 今先生おっしゃられた点、誠に重要なことでございまして、実は私は地元が栃木県でございますが、この品目横断的経営安定対策等を導入するに当たりまして同様の問題が出てまいりました。結論的に申し上げますと、私も実は財務省当局を含めて農林省の中でこの問題に、検討に加わってきた一人でございますが、経営を移譲、移譲というか、人に渡した場合は残念ながらやっぱり難しいということでございます。
 それで、今先生おっしゃられたように、いわゆる集落営農のような形で支援の対象にもなり、かつ納税猶予も受けていくという中では、是非作業の受委託でやっていただければというふうに思っています。これは農林水産省と財務省とがしっかり詰めた結果でございまして、作業の受委託で、基幹作業は受委託しても結構ですと、しかし一〇〇%じゃなくて、九九・九は委託をしても、〇・〇〇一であってもしっかり残していただければ、その趣旨に沿って財務省当局としてはこの納税猶予制度を継続して適用しますと、こういうふうな見解をいただいておるものですから、経営の移譲というんじゃなくて、作業の受委託ということの中で是非この問題に対処していただければと、このように思っております。
#96
○山本保君 なかなか積極的な答弁いただきました。どうも今までは感覚としては、経営やっちゃ駄目なんだというマイナス面の方のお話の印象を受けておりましたが、今のお話は非常に有効なことだと思います。
 次に、経営局長に、これにも関連しますが、担い手としての認定をする、このときに面積が足らないと、こういうようなことで、やる気のある農家が、若い人たちがやれないと、こういう声もあるわけでございますが、それはいかがでございますか。これをどう改善しますか。
#97
○政府参考人(高橋博君) 先ほど委員からもお話ございましたように、品目横断的経営安定対策、今年の四月から本格実施となったわけでございますけれども、この対象となる担い手につきましては、将来的に他産業並みの所得を確保し得る農業経営に発展していく努力を促すと、そういうような観点から、現状で他産業並み所得の、そういう所得を確保できる面積のおおむね二分の一をいわゆる基準の原則というふうにしたわけでございます。
 ただし、これにつきましては、こういう基準を全国一律に機械的に適用するということにはなっておりませんで、今副大臣からもお話ございましたけれども、例えば集落営農組織を立ち上げることによって、要件に関係なく、小規模な面積の農家であっても、これに参画することによりまして対象になり得るとか、あるいは地域等によりまして状況が違ってまいります。例えば、面積等が少ない中山間地域における特例を講ずるとか、あるいは面積自身それほどないわけでありますけれども、例えば施設園芸等々でそれなりの所得を上げておられるような場合についても特例を適用するということで、別途基準を幾つか設けてございます。結果といたしまして、意欲的に農業に取り組んでいかれるような中小的な農家におきましても、このような特例措置を十二分に適用することによって今回の対策に対応し得るよう努力を促しているところでございます。
 また、このような原則要件でございますとか特例要件等々につきましては、制度をお決めいただいて以降、私ども農林水産省、それから都道府県、市町村あるいは関係行政団体等の関係機関挙げまして、あらゆるルートを通じまして、このような内容について生産段階に御説明をしているところでございまして、これまで、例えば昨年秋に実は秋まき麦の加入申請等々行っておりましたけれども、これが相当程度、九割を超えるような加入水準になっているということでございまして、引き続き努力いたしますが、この生産者に対しまして、このような趣旨を徹底的に御説明してまいりたいというふうに思っております。
#98
○山本保君 一部に面積だけだとか、あとは全部決まっているという印象がありましたので、今のことは徹底していただきたいと思います。
 ちょっとこの観点を今度は変えまして、特に愛知県もそうなんですが、いわゆる山の奥の方へ行きますと今鳥獣被害が大変大きな影響があります。そのための電さくを作ると、見ていまして、またそれを作られる方も実は大変お年寄りが一生懸命細かな作業をされているというところを見まして、これではなかなか大変だなと。実際にもう自分たちの食べるところを守るのが精一杯だというような声また実態も聞きました。
 この捕獲するための猟師さん、またその許可というようなことも、なかなかお年寄りになっているということも聞き、危ないこともあったとか、若しくは動物の方にもう振り回されていると、こういうお話も聞いているわけでございます。
 生産局長にお聞きします。こういう場合、例えばこの前も愛知県、正にまた愛知県でけん銃の立てこもり事件などがありまして、銃器に対する印象というのがなかなか厳しいものがありますので、この狩猟などについてもなかなか後継者が育たないのではないかと思うわけでありまして、何か公的な助成、育成制度を作るとか、若しくはシステマチックにボランティアに活躍していただくとか、そういう手が必要だと思うんでございますが、いかがでございましょう。
#99
○政府参考人(山田修路君) 鳥獣の捕獲の担い手の確保、これは委員からお話がありました大変重要な課題でございます。委員が御指摘されましたように、近年、狩猟者人口の減少あるいは高齢化等から、これまで地元の猟友会に委託するなどで対応してきた方法ではなかなかその捕獲が進まないという状況にございます。
 このため、農林水産省におきましては、十九年度において予算の拡充を図ったところでございます。これまで狩猟者団体への依頼を中心として実施をしてきました有害鳥獣の捕獲につきまして、委員からお話がありました公的な機関の関与ということがございましたけれども、正に市町村ですとか農業団体の職員などによります新たな捕獲体制の整備を推進することとしたところです。
 具体的に言いますと、捕獲の担い手育成のための協議会の開催や捕獲技能の講習、さらには捕獲に必要なわな、おりの導入等について支援をしております。また、ボランティアというお話もございましたけれども、捕獲を含めた鳥獣害対策のノウハウの普及を図るためには、こういったボランティアの方を含めた専門家をアドバイザーとして登録し、地域の要請に基づいて紹介する取組を実施をしております。
 今後とも、関係省庁と連携しつつ鳥獣害対策の充実に努めてまいりたいと思っております。
#100
○山本保君 猿などはなかなか撃ちにくいという話もあります。ですから、箱のわなですか、そういうものを使わなくちゃいけないとか、また相手もなかなか頭がいいわけで大変だということも聞いておりますので、是非ここは推進をよろしくお願いしたいと思います。
 では、最後に若林大臣にお伺いします。
 それはオーストラリアとのFTAについてでございます。いわゆるグローバル化ということで、これは大きな世界の潮流ではありますけれども、やはり日本農業ということを考えますと、ここは持てる知恵を使いまして最大限に守りつつ、しかも世界の方にも後れは取ってはならないというか、臆病であるということもまずいとは思いますけれども、しかし見ておりまして、今度のオーストラリアとの関係、致命的な問題が起こってくるのではないかというおそれもあります。JAなどにお伺いしましても、大変心配しておられます。
 是非、農水省として、どういう分野にどういう影響があるのか、若しくはそれを防ぐためにどのような対応をしているので大丈夫だと、こういうアピールをもっとしっかりしていただかなくてはいけないのではないかと思います。大臣、代わられたばかりで失礼かと思いますけれども、国民へのアピールについての方針をお話しいただきたいと思います。
#101
○国務大臣(若林正俊君) 昨年の十二月十二日に参議院当委員会で日豪EPAの交渉開始に関する決議というのが行われております。私もこのことをよく承知いたしております。
 政府としては、この決議というのをしっかり重く受け止めた上で、実は事前の交渉開始の前の研究協議もしてきたところでございまして、その共同研究におきまして利益と影響について検討をした状況というのは、関係の機関、地方での説明会の開催など、かなりきめ細かな情報発信に努めてきたところでございます。そして、いよいよこの四月の二十三、二十四日にキャンベラで第一回の交渉会合が開催されたわけでございます。
 委員のおっしゃるように、農林水産省として何が問題かというようなことを幅広に全体に国民の側に周知を直接するということは、政府間交渉が始まったということを考えますと、その交渉の結果を何か先取りして、もう結論を出してしまったという政府の姿勢というのは交渉過程におきます批判を招くということもございますので、今までの事前の段階のときのようには農林水産省が直接やることが難しいわけでございます。しかし、この交渉をした結果、第一回の交渉はこうだったというようなことは、秘密にしなければならないことを除いては、できるだけ関係の農業団体を始めとして関係機関に通知をすると、説明をするというようにいたします。
 問題は、やはりどのような影響があるかというのはもう事前にかなり研究され検討してきていることでもありますから、JA中央会を始め全国農業会議所その他のそれぞれの作物にかかわる団体の方も十分承知しておられるわけでございます。交渉の進行過程は御連絡をいたしていきますので、やはりこれからの生産者あるいは農業関係者への徹底というものは、こういう関係の指導機関がかなり強いメッセージを出していただきたいと思いますし、私の承知する限り、各党のそれぞれの立場におきまして、この問題については相当の発信をしていただいていると思います。
 農林水産省としては、そういうような関係の皆さん方が総力を挙げてその影響というものを周知していただきたいと思っておりまして、こうすれば大丈夫だというわけにはなかなかまいらないほど深刻な問題だと受け止めております。
#102
○山本保君 分かりました。
 経済連携協定、EPAでございました。先ほど間違えました。
 ありがとうございました。
#103
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 私、最初に高木委員会報告についてお聞きしたいと思います。財界のシンクタンクであります日本経済調査協議会が二月に出した提言について、生前の松岡大臣は四月十日の衆議院の農水委員会で大変大事な御提言であると、我々もそういった提言を受け止めながら対処してまいりたいという答弁をされました。
 しかし、この提言は見過ごすことのできない重要な内容を含んでいます。提言は、水産業への参入のオープン化というふうに言って、養殖業や定置漁業への参入障壁の撤廃を求めています。提言は、企業参入をイメージして、沿岸漁業への参入自由化を求めているというふうに思うわけですけれども、若林大臣、農水省として、個別の内容についても大事だというふうに評価をされるのかどうか、そのことについてまずお聞きしたいと思います。
#104
○国務大臣(若林正俊君) 日本経済調査会に設置されましたいわゆる高木委員会が本年二月に緊急提言を出されたということは承知いたしております。これは一つの提言といたしましてそのこと自身は受け止めて、無視するつもりはないわけでございますけれども、その中で、今委員が御指摘の養殖業とか定置漁業といったような部分への参入障壁の撤廃に関して申し上げますと、この養殖業とか定置漁業というようなものは漁業権漁業でございます。これは言わば海域における資源管理、あるいは共同の海域についての利用の調整というのが前提で漁業権漁業が組み立てられているわけでございまして、この新規参入を全く排除しているわけではございません。ですから、漁協の組合員として参加すると、あるいは地元漁業者と共同経営するというような多様な道が開かれておりまして、現に大水産企業の方々も子会社の形を取りまして、その地域で協同組合に参加するなどの形を取って地域と調整しながら参入をしているということがございます。
 したがって、漁業を営むに当たっては、自然の恵みであります水産資源を持続的に利用するということが不可欠でありますので、水産資源の収奪的、枯渇的な利用を招くことがないように適切な資源管理が行われること、限られた水面が多種多様な漁業者によって総合的に公平に利用されること、そういう観点から十分な調整を図ることが必要になっているわけでございます。
 このように、漁業権漁業については、様々な種類の漁業による水面利用を調整をしながら水産資源を持続的に利用して生産力の発展を図るという上で重要なものでありまして、今後とも漁業権制度との調整を図る必要があるわけでございまして、そういう観点から、この新規参入というものを進めるべきものは進めていくという視点に立つべきだと考えているところでございます。
#105
○紙智子君 この水産業への企業の参入の自由化等について、漁業関係者からも強い批判が出されております。
 それで、北海道で意見を伺ったんですけど、漁業団体の幹部の方はどういう言い方しているかといいますと、大型店が地方に出店して、もうからないとすぐ撤退して地元の商店がみんなつぶれたと、同じようなことが海でも起こるんじゃないかと、企業は取るだけ取ってさよならになる、漁業資源は自然の力に頼って再生するということなので十年、二十年掛かると、しかし、そのときもう、時間がたてば漁業者はもういなくなっていると、前浜をつぶす気なのかという怒りの声が出されました。
 それで、今お話もありましたけど、この沿岸漁業の漁業権は、前浜の資源をなるべく多くの漁民が共有できるようにという立場で漁業権の優先順位が決められてきたというふうに思うんです。その点しっかりやっぱり守っていく必要があるというふうに思うんですけれども、この提言を受けて、調整をしてという話がされているんですけれども、よもやこの優先順位を見直して漁民を押しのけて企業が参入するということが、検討するということはないと思いますけれども、そのことについてちょっと確認をしたいと思います。そういうことはないですよねということ。
#106
○政府参考人(白須敏朗君) いずれにいたしましても、この日本経済調査協議会から二月に提言が行われましたのは、いずれにしても中間的な提言というふうなことでございまして、また正式な提言は追って提言がされるというふうに理解をいたしているわけでございます。
 ただいま大臣からもお話し申し上げましたとおり、私どもとして、この参入障壁の撤廃については、現在のところ、いずれにしても、そういった漁業権漁業との調整、漁業権との調整が当然必要であるという観点に立ってこの提言を受け止めているわけでございまして、この提言が出たから直ちに云々かんぬんというふうなことは現時点において考えてございません。
#107
○紙智子君 いずれにしても、現場ではそういう声が出されておりますから、そこはちゃんと耳を傾けていただきたいというように思います。
 それから次に、昆布の問題なんですけれども、私、今回の質疑を前に、ずっと浜を歩いて、北海道でも漁協や漁民の方に伺ったんですけど、昆布巻きなどの昆布加工品の原料原産地の表示の義務付け、これについて強い要望が出されているんですね。北海道昆布事業協同組合の資料によりますと、昆布の国内消費の三分の一が外国産昆布じゃないかと言われているわけです。干した昆布、だし昆布以外が、この昆布の加工品に原産地の表示義務がないわけです。
 この昆布巻きやつくだ煮というのは日本独自のものなんですけれども、ほとんどの消費者が、まさかこれ輸入品だと思っている人はいないんじゃないかと。ところが、実態は、加工に適した釧路や根室の昆布よりも、中国で養殖昆布を現地で昆布巻きなどの半製品にして、それで加工した方が安いということで、これを日本国内で味付けして販売していると。品質には当然差があるんですけれども、日本産だと信じて不適正な価格で購入している可能性もあるということで、大臣、これ適正な状態だと思われますか。
#108
○国務大臣(若林正俊君) 加工食品の原料の原産地表示についてはかねてトラブルがございまして、その輸入品が国産まがいのものとして低価格で流通するということでございます。このことにつきましては、食品の表示に関する共同会議というものを設けまして、そこで検討をいたしました。その結果、加工度が低くて生鮮食品に近い二十食品群につきまして、この対象を大幅に拡大しまして、昨年、平成十八年の十月からこれを義務化したところでございます。
 具体的には、加工の程度が比較的低いというようなことから、原産地に由来する原料の品質との違いが加工食品の品質に大きく反映されると一般に認識されているそういう品目のうち、製品の原材料のうち一定の農畜産物の重量の割合が五〇%以上ある品目というものを義務表示の対象品目として選定をしたわけでございます。
 時間の関係がありまして一つ一つすべて申し上げませんけれども、昆布加工品につきましては、委員もおっしゃられました干し昆布というのは単純加工でございますので義務の対象としております。一方、干し昆布、魚、かんぴょうなどをいろいろな原料を組み合わせて昆布巻きにする、味付けをするということになりますと、加工の程度が低いとは言えないので義務対象となっておりません。
 義務付けの対象でない昆布加工品につきましても、原料原産地が把握できるものについては、実は事業者が原料原産地の情報を自主的に発信するという取組も広がってきているところでございまして、今、北海道の方々が御心配しておられるということもお聞きしましたが、それらの産地につきましては、積極的に自らこれは北海道の、国産の産地のものだということを表示をしていただくことによりまして消費者に対する信用をアピールしていただきたいと、このように思うわけでございまして、味を付けるというような、あるいは他の魚種とも混ぜるというようなことになってきますと、これは昆布巻きに限りませんけれども、なかなか強制をした上でチェックするということも難しいということがございますので、せっかく昨年の十月に決めたことでございますので、この二十の系統食品について、まずはこの徹底を図るとともに、その他の食品につきましては、自主的に任意的に表示を積極的にしてもらうというようなことを進めてまいりたいと思っております。
#109
○紙智子君 今のお答えあるんですけれども、昆布その他加工品、IQ品目で輸入が制限されているわけですけど、この昆布巻きはサケ・ニシン調製品で入ってきているわけですよね。その制限の対象にならないという中で、このサケ・ニシン調製品というのは、一九九九年から見てきますと、それを一〇〇というふうにしますと、もう四倍以上なんですよ。増加しているんですね。加工度が高いというんですけど、昆布の形態は残っているわけですから、これは本当に原産地表示が不可能じゃないというふうに思いますので、是非消費者の視点に立って、それは二十品目ということなんだけど、拡大してほしいということをちょっと要望をしておきたいと思います。
 それから、共済事業と出資金の問題についてお聞きしたいと思います。
 改正案では、最低出資金制度を導入して、共済事業を行う漁協は一千万以上の出資金が必要になってくると。確かに、満たない単協は全国で三十六ということで少ないわけですけれども、この三十六の内訳ですね。つまり、百万円単位であと幾らか積み増しをしなきゃならない、そういうところ、そういう漁協がそれぞれ幾つあるのかということを一つはお聞きしたいのと、もう一つは、零細な漁協ですね、積み増しするというのは非常に大変だと思うわけですけれども、その三十六のうち半分が二倍以上積み増しということになるわけですけれども、漁協の出資金が一千万円未満のところでこの共済事業をやっていない組合というのは幾つあるのか、これ二つ、お願いします。
#110
○政府参考人(白須敏朗君) 現在のところ、まず共済事業を実施しております漁協は全体で千二十あるわけでございますが、ただいま委員お話しの最低出資金一千万円に満たない漁協は、全体としては三十六組合あるわけでございます。
 その内訳でございますが、九百万円以上一千万未満が四組合……
#111
○紙智子君 済みません、短めにお願いしますね。
#112
○政府参考人(白須敏朗君) はい。八百万以上九百万未満が二組合、七百万以上八百万未満が六組合、六百万以上七百万円未満が六組合、五百万以上六百万円未満が八組合、四百万円以上五百万円未満が三組合、三百万円以上四百万円未満が三組合、二百万円以上三百万円未満が四組合で、合計三十六組合ということでございます。
 それからもう一点、出資金一千万円未満で共済事業を行っていない漁協は、十六事業年度の調査によりますれば百六十五漁協でございます。
#113
○紙智子君 こういうところで新たに共済事業をしようと思っても、やっぱり出資金が足りないというので、それが現状でいえばできなくなるんじゃないのかと思うわけですけれども、いかがですか。
#114
○政府参考人(白須敏朗君) いずれにいたしましても、今回、最低出資金制度を導入いたしましたゆえんのものは、共済契約者のやはり保護という観点から最低限の出資金を保有する必要がある。他の業態を見ましてもすべてそういった出資金の制限はあるわけでございまして、そういった意味からいきますと、最低限のやはり出資金というものは、共済契約者保護の観点から、あるいはまた事業の健全性確保という観点からも必要であろうというふうに考えているわけでございます。
 この点について、確かに委員が御指摘のとおり一千万に、先ほど私、内訳を申し上げさせていただいたわけでございますが、なかなか直ちにこれを出資するのは難しいではないかというお話でございますが、今回のこの措置につきましては、一つとしては、やはり三年間の猶予期間を置くことにもいたしているわけでございまして、そういった意味でこの負担に対しての配慮というものもいたしているわけでございます。
 また、先ほど来るるお話ございますように、全体として漁協の体力の強化という、経済事業あるいはこういった事業を行いますためのやはり健全性の確保という観点からいきましても、合併というものを私ども進めているわけでございますので、そういった意味からもどうしても難しいということであれば、これはやはり合併ということも一つの手法ではないかと、手段ではないかというふうに考えている次第でございます。
#115
○委員長(加治屋義人君) 時間が来ておりますので、質疑をおまとめください。
#116
○紙智子君 最後、お願いします。
 共済は単協では受付とか掛金を集めているだけで、共済事業の運用については、保険金の支払などは全国団体の共水連一本でやっていると思うんですよ。そういう中で、どうして単協の出資金に最低限度の規定を入れる必要があるのかなと、今まで全然問題なくやってきたのにというふうに思うわけですね。
 出先としてやる道があるというんだけれども、その場合、今までの場合と全く変わりないのか、最後にちょっとそのことだけ、事務作業ですとか、漁協に入る手数料ですとか、変わらないのかということについては確認しておきたいと思います。いかがですか。
#117
○委員長(加治屋義人君) 簡潔にお願いいたします。
#118
○政府参考人(白須敏朗君) いずれにしても、こういった事業の健全性あるいはまた契約者保護という観点から、最低限の出資金というものを保有する必要というものはこれはやはりあるわけでございまして、そういった意味で、今回の法改正で一千万以上の出資金という、有しなければならないということで、より一層の共済事業の健全性の確保、契約者保護を図ってまいりたいと考えている次第でございます。
#119
○紙智子君 変わりないんですか、手数料とかは。
#120
○政府参考人(白須敏朗君) 変わりございません。
#121
○紙智子君 終わります。
#122
○委員長(加治屋義人君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 水産業協同組合法及び中小漁業融資保証法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#123
○委員長(加治屋義人君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#124
○委員長(加治屋義人君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
    ─────────────
#125
○委員長(加治屋義人君) 次に、カネミ油症事件関係仮払金返還債権の免除についての特例に関する法律案を議題といたします。
 提出者衆議院農林水産委員長西川公也君から趣旨説明を聴取いたします。西川衆議院農林水産委員長。
#126
○衆議院議員(西川公也君) ただいま議題となりました法律案につきまして、提案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。
 カネミ油症事件関係仮払金返還債権の免除についての特例に関する法律案は、昭和四十三年に九州地方を中心に発生したカネミ油症事件をめぐる損害賠償請求訴訟に係る判決の仮執行の宣言に基づき国が支払った仮払金の返還に係る債権の債務者が、当該事件による被害の発生から現在までの間に置かれてきた状況及び当該債権の債務者の多くが高齢者となっていることを踏まえ、早期に当該債権の免除を行うことができるようにすることの緊要性にかんがみ、当該債権について、国の債権の管理等に関する法律の特例を定めようとするもので、その主な内容は次のとおりであります。
 第一に、歳入徴収官等は、国の債権の管理等に関する法律第三十二条第一項の規定にかかわらず、カネミ油症事件関係仮払金返還債権について、当該債権の債務者がこの法律で定める収入及び資産に係る基準に該当する場合には、当該債権並びにこれに係る延滞金及び利息を免除することができるものとすること。
 第二に、特例の適用に当たっては、当該債権の債務者の置かれている状況に配慮するものとすること。
 第三に、租税その他の公課は、この法律の規定による免除を受けた場合における経済的利益を標準として、課することができないものとすること。
 なお、この法律は、公布の日から施行するものとすること。
 以上が、本案の趣旨及び内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
#127
○委員長(加治屋義人君) 以上で本案の趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。──別に御発言もないようですから、これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 カネミ油症事件関係仮払金返還債権の免除についての特例に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#128
○委員長(加治屋義人君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#129
○委員長(加治屋義人君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十分散会
ソース: 国立国会図書館
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