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2007/02/06 第166回国会 参議院 参議院会議録情報 第166回国会 総務委員会 第1号
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2007/02/06 第166回国会 参議院

参議院会議録情報 第166回国会 総務委員会 第1号

#1
第166回国会 総務委員会 第1号
平成十九年二月六日(火曜日)
   午前十一時開会
    ─────────────
   委員氏名
    委員長         山内 俊夫君
    理 事         景山俊太郎君
    理 事         二之湯 智君
    理 事         森元 恒雄君
    理 事         伊藤 基隆君
    理 事         那谷屋正義君
                小野 清子君
                尾辻 秀久君
                河合 常則君
                木村  仁君
                世耕 弘成君
                山崎  力君
                山本 順三君
                吉村剛太郎君
                今泉  昭君
                芝  博一君
                高嶋 良充君
                高橋 千秋君
                内藤 正光君
                澤  雄二君
                遠山 清彦君
                吉川 春子君
                又市 征治君
                長谷川憲正君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山内 俊夫君
    理 事
                景山俊太郎君
                二之湯 智君
                森元 恒雄君
    委 員
                小野 清子君
                尾辻 秀久君
                河合 常則君
                木村  仁君
                世耕 弘成君
                山崎  力君
                山本 順三君
                吉村剛太郎君
                澤  雄二君
                遠山 清彦君
   国務大臣
       総務大臣     菅  義偉君
   副大臣
       総務副大臣    大野 松茂君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        高山 達郎君
   政府参考人
       総務大臣官房総
       括審議官     久保 信保君
       総務省自治行政
       局長       藤井 昭夫君
       総務省自治財政
       局長       岡本  保君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○国政調査に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(山内俊夫君) ただいまから総務委員会を開会をいたします。
 この際、申し上げます。
 民主党・新緑風会、日本共産党、社会民主党・護憲連合及び国民新党所属の委員の出席が得られませんので、出席を要請したいと存じます。しばらくお待ちください。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#3
○委員長(山内俊夫君) じゃ、速記を起こしてください。
 民主党・新緑風会、日本共産党、社会民主党・護憲連合及び国民新党所属の委員に対し出席を要請いたしましたが、出席を得ることができませんでしたので、やむを得ず議事を進めます。
 委員の異動について御報告をいたします。
 本日までに、松下新平君及び野村哲郎君が委員を辞任され、その補欠として高橋千秋君及び木村仁君が選任されました。
    ─────────────
#4
○委員長(山内俊夫君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、行政制度、公務員制度、地方行財政、選挙、消防、情報通信及び郵政事業等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(山内俊夫君) 異議ないと認め、さよう決定をいたします。
    ─────────────
#6
○委員長(山内俊夫君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 地方交付税法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に総務大臣官房総括審議官久保信保君、総務省自治行政局長藤井昭夫君及び総務省自治財政局長岡本保君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(山内俊夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#8
○委員長(山内俊夫君) 地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。菅総務大臣。
#9
○国務大臣(菅義偉君) 地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。
 平成十八年度の補正予算により、同年度分の地方交付税が二兆千四百二十五億円増加することとなりますが、地方財政の状況にかんがみ、交付税及び譲与税配付金特別会計における借入金を五千三百三十六億円減額するとともに、普通交付税の調整額の復活に要する額八百八十一億円を交付するほか、残余の額一兆五千二百八億円を平成十九年度分の地方交付税の総額に加算して、同年度に交付することができることとしております。
 以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
#10
○委員長(山内俊夫君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#11
○景山俊太郎君 それではまず最初に、地方一般財源総額の確保と財政力の弱い団体への配慮につきまして、地方財政の現状について質問をさせていただきたいと思います。
 年末の地方財政対策におきまして、財務省から税収増や地方歳出の見直しによって財源の余剰ができたということであります。これを特例減額して国債発行額の縮小に充てるべきだということが財務省から特に主張されました。しかしながら、地方財政が改善しておりますのは地方の行革の努力の結果であろうと私は思います。こうした状況におきまして特例減額を行おうといたしますと、国の借金を地方にしわ寄せするようなことになるんじゃないかと思います。都市と地方の財政力格差の拡大にますますつながっていくということであります。結果として、地方の一般財源総額というのは五十九・二兆円、前年度を上回る金額となります。地方六団体が求めておりました安定的な財政運用に必要な額というのは確保されましたが、この決着に対しまして大臣も随分努力をされたと思いますけれども、その見解を伺いたいと思います。
 それから、一般財源総額が確保されたといいましても、これは日本全体でありまして、それは地方財政全体の話であると。現在の地域社会を取り巻く環境というのはもう大変なものがありまして、都市と地方の経済の二極化、または地域間の最近でいう財政力格差が非常に憂慮されております。個別的に見ますと、非常に厳しい財政状況にある地方団体、特に夕張現象というようなことが全国各地域にあるんじゃないかと思います。財政規模の小さな団体におきまして、地方交付税というのはもう言わば命の綱であります。
 来年度から導入されます新型交付税、これは去年ちょっと質問をしたこともありますけれども、ますます財政力の格差が広がってくるんじゃないかと、そういう不安が地域社会にはございます。財政力の弱い団体に対しまして地方交付税の特に財源保障機能と財源調整機能、これはきちっと対応していかなきゃいけないと、そういう点が考えられますけれども、この点につきまして、算定でありますとか配分について、今後地方自治体が納得がいくように配分をしてほしいと思いますけれども、そういった点につきまして大臣にお伺いしたいと思います。
#12
○国務大臣(菅義偉君) 昨年の財政制度審議会において、交付税の特例減額を行うべきである、こういった内容の建議も出されたことも事実であります。しかしながら、十九年度にあっても、地方の財源不足が四・四兆円に上っておりまして、百九十九兆円もの巨額の債務残高を抱えております。さらに、今後は交付税特別会計借入金の償還も増加してきております。そういう中で、法定率削減や交付税の特例減額を議論できるような、そんな状況ではないということをはっきりと申し上げさしていただきたいというふうに思います。
 特に、近年は財源不足が縮小する中、財政の健全化も進みつつありますけれども、これは地方団体が人件費や公共事業の削減等によって懸命に努力をしてきたその結果であるというふうに思っています。当然、こうした努力や成果というのは地方財政の健全化に充てるべきであると、このようにも考えます。
 平成十九年度の地方財政対策においては、こうした考え方に立ちまして、特例減額を行わず、法定率分も堅持した上で一般財源の総額を確保したものであり、地方団体の財政運営に支障が来さないように対応してまいりたいというふうに思います。
 さらに、地域間の今、問題がありました、御指摘がありました。確かに、地域間に大きな税源偏在がある中で、地域間の財政力の格差を調整をして、全国どこに行っても一定水準の行政サービスが受けられるようにする、それが私どもの役割であるというふうに思っております。
 そうした中で、今回のこの新型交付税の制度設計でありますけれども、過疎団体のように人口が少ない地方公共団体ほど人口一人当たりの行政コストが割高になる、このことは当然でありますから、こうしたことを反映する。さらに、離島における通信移動経費や、寒冷地における除排雪費等の特別な財政需要、これもやはり適切に算定をしなきゃならないと、このように考えております。
 各地方公共団体の財政運営に支障が生じないように、地方公共団体の意見も十分に踏まえて、この新型交付税の制度設計に当たっては、変動額を最小限にとどめる、こういう形で導入をさしていただきたいというふうに思っております。また、地方公共団体に対しましても、十分にこの趣旨を説明をし、理解を得ていきたいと思っております。
 今後とも、交付税の基本的な機能であります財源保障機能と財源調整機能を堅持をし、必要な財源を地方に対して保障してまいりたい、こう考えております。
#13
○景山俊太郎君 次に、補正予算関連法案について伺いますけれども、地方交付税法の本則に従いますと、年度途中において交付すべく普通交付税総額が当初の算定額より増えましたときは、その超過額を同年度の特別交付税として配賦するようになっております。しかし、本法律案におきましては、補正予算により増額された地方交付税について、交付税特別会計借入金の償還と普通交付税の調整復活を行った上で、残余の額を平成十九年度分として交付すべき地方交付税の総額に繰越ししようとしております。
 交付税特別会計借入金の償還と翌年度への繰越金措置ということでありますけれども、その点をもうちょっと具体的に背景から御説明をお願いしたいと思います。
#14
○政府参考人(岡本保君) お答えをいたします。
 今回の補正予算によりまして、交付税が二兆一千四百二十五億円増加となりましたが、その地方財政の置かれております状況といたしましては、一つは、十九年度の地方財政収支は、歳出を厳しく抑制いたしましてもなお巨額の財源不足が見込まれる状況にありまして、一般財源をなお確保するという必要性が非常に高かったということがございます。
 また、もう一方で、交付税特別会計が五十三兆円という巨額の借入金残高を抱えておりまして、また、この交付税特別会計の借入れは、一年未満の短期の資金で借入れを行っておりますので金利上昇の影響を受けやすいといった側面もございまして、交付税の持続可能性という観点からすれば、これをできる限り早期に償還をスタートさせるということが急務であり、従来からも御指摘をいただいてまいったところでございます。
 一方で、十八年度の財政運営につきましては、既に地方団体に必要な安定的な税、交付税等の一般財源の総額は確保しておりまして、私どもの地方団体に対するヒアリングでも大体安定的な財政が確保できるという見通しが立っているという状況もございましたので、これらの状況を総合的に踏まえまして、今委員御指摘のように、この二兆一千四百二十五億円につきましては、調整戻し等を行った上で必要なものを借入金の償還と十九年度の一般財源に繰り越すという措置を講じさせていただいたところでございます。
#15
○景山俊太郎君 地方財政の健全化のためには、交付税特別会計借入金の償還というのは当然避けて通れない問題です。
 交付税特別会計の借入れは、これまで景気対策のための借入れやバブル崩壊後の財源補てん対策のための新規借入れというのが積み重なってきております。その残高というのは、今おっしゃったと思いますが、平成十八年度末見込みで五十二兆八千億円、このうち地方負担分というのが三十四兆二千億円ということだそうであります。
 そこで、この本法律案におきまして、交付税特別会計借入金の償還を五千三百三十六億円行おうとされておりますけれども、この金額はどういうふうに算出されたのか、その点を御説明お願いしたいと思いますし、地方財政の健全化のためにこれより多くの金額を償還することは選択肢としてあったと思います。あわせて、今後も引き続き借入金の償還を継続していく必要があろうと思いますし、後ほどもまた質問いたしますけれども、随分時間も掛かると思いますけれども、その見通しについて伺いたいと思います。
#16
○政府参考人(岡本保君) お答えをいたします。
 交付税特別会計の借入残高は、委員御指摘のように五十三兆円、うち地方負担分、約三十四兆円という巨額に上っております。これをできる限り早期に償還したいということでございまして、現在の法律でも平成三十八年度までの償還計画というのを立てているわけでございますが、特別会計のいろんな議論におきましても、交付税の早期償還ということの必要性も強く主張されておりますので、この償還期間を基本的には変更しないということで、まず二十年間という期間を設定をいたしました。
 それから、これまでも交付税特別会計の借入金につきましては、将来の経済成長等を勘案して、毎年度大体一〇%等比で逓増するというような計画も組んでまいりましたので、二十年間で十八年度補正から償還をスタートするということを目標として設定をいたしました結果、十八年度補正の償還額を五千三百三十六億円という形で設定をして、段階的にこの償還額を増加させるという形で償還計画を策定し、計画的な償還にスタートしたいということでございます。
#17
○景山俊太郎君 交付税特別会計借入金の償還というのは、交付税及び譲与税配付金特別会計法によって、今言われましたように平成三十八年度まで行うということにされております。地方財政を健全化させるためには、単年度の財源不足を解消するのみならず、債務残高を着実に減らしていくことも重要であろうと思いますが、その際、地方団体に必要な財源は確保されなきゃいけないと思います。財政運営に支障を来さないように配慮されなきゃいけないと、こういうことであろうと思います。そこの整合性、なかなか難しいんじゃないかと思います。
 平成十九年度地方財政対策に関する総務大臣と財務大臣が覚書で交付税特別会計借入金の新たな償還計画を作成されるということを聞いております。これによりますと、償還額は毎年だんだんだんだん増え続けて、平成三十二年度からは毎年二兆円以上もの償還を続けなきゃいけないということがございます。
 このように計画どおりに償還された場合、経済の情勢もどういうふうに変わるか分かりませんが、税収が少なく交付税への依存度の高い団体の財政というのを圧迫するんじゃないかと、こういうことも危惧されますけれども、順調に景気が上がっていけばいいんですけれども、非常に心配な点もありますけれども、地方財政を圧迫することがないようにお願いしたいと思いますが、この点いかがでしょうか。
#18
○政府参考人(岡本保君) お答えいたします。
 今委員御指摘のように、一般財源の地方団体の財政運営に支障が生じないように毎年度の地方財政対策におきまして一般財源の確保をするということは、まず地方財政の各般の対策におきます一番基本的な要素であろうと思っております。
 そのような前提を置きました上でも、今回策定をいたしております償還計画につきましては、この三十八年度までに先ほど申し上げましたように大体毎年一〇%程度ずつの増加をするということになってまいりますが、そういたしますと、毎年度の交付税特別会計に対します償還の増加額は、当初、前半の方はおおむね五百億円程度、まあ数百億円程度で増加をいたしてまいります。後半の方になりますと二千億、三千億という形で増加をいたしてまいるということに償還の増加額がなるわけでございますが、一方、内閣府で試算をいたしております進路と戦略という参考試算におきます一定の経済成長率を前提といたしますと、地方交付税の法定率は今後平均で何千億というようなオーダーで増加をしていくという見通しになっております。もちろん、委員御指摘のように経済成長率、経済は生き物でございますので、その税収見込み等はある程度の幅を持って考える必要はあるとは存じますが、今回の償還計画はそのようないろいろな前提、試算の上で私どもとして策定をいたしたものでございますので、現段階では、このことが交付税依存の高い団体の財政を圧迫することにはならないというふうに考えておりますし、またそうならないように持っていかなければいけないというふうに考えております。
 したがいまして、経済の動向を御指摘踏まえまして十分注視をして、その動向に沿った形で地方の一般財源の確保ということを最優先に考えながら運営に努めてまいりたいというふうに思っております。
#19
○景山俊太郎君 それから、最後でありますけれども、地方分権改革に関する問題ですけれども、去年、臨時会で成立いたしましたけれども、地方分権改革推進法に基づきまして地方分権改革推進委員会というのが設置されることになりました。その人選については地方の意向が十分に反映されるように、また、これは衆参のこれは同意案件だと思いますけれども、衆参の総務委員会においてもこういった点、附帯決議がなされております。
 ところが、その人選について、もう既に決定したように新聞報道がなされたんですけれども、名前を出された人も迷惑でありましょうけれども、国会軽視ということもあろうと思います。こういうものが総務省内部からどんどん漏れるということになりますと、これは大変な問題だと思いますけれども、そういう点、きちっとした人事管理とか、国会に対する同意案件でありますから、そういう点、どういうふうに大臣お考えか、聞かせていただきたいと思います。
#20
○国務大臣(菅義偉君) この地方分権改革推進委員会の人選に当たっては、現在鋭意進めておるところであります。基本的には、さきの臨時国会でも答弁させていただきましたけれども、地方分権改革の推進に当たって優れた識見を有する方、さらに地方の実情に精通をしている方、そういう方を中心に人選に当たっております。
 で、いずれにしろ、地方分権改革の推進は、総理の地方の活力なくして国の活力なしと、そういう考え方に当たりまして地方が自由に、そして自らの思いで企画をし、実行を移す、そうした体制をできる仕組みを是非つくって魅力ある地方が全国各地に出てくる、そういうことを念頭に置きながら全力で取り組んでおります。
 いずれにしろ、今一部新聞報道で内定という形で出ましたけれども、これに対しましては大変に私自身も申し訳ないと思いますし、これは手続、国会同意前に与党内のそうしたPTというのもありますから、そういうものをしっかり踏んで、その国会同意人事できるように鋭意努力をさせていただきたい、こう考えておりますし、あのような報道がされたことについては大変申し訳ないと思っております。
#21
○澤雄二君 公明党の澤雄二でございます。
 十八年度補正予算における地方交付税法の改正案について質問をいたします。
 今年度の普通交付税の増額調整額と言われているものでございますが、これは八百八十一億円であります。平成十六年度、十七年度と額が違ってきております。この調整額とはどういうものなのか、もう皆さん理解されているとは思いますが、復習の意味を兼ねてもう一度分かりやすく説明をしていただきたいと思います。
 あわせて、この八百八十一億円が各地方団体に配分される場合に、平均的な県、市でどの程度のものなのか、その額は各地方団体が独自に把握できるものなのかどうかについても併せて説明をお願いいたします。
#22
○政府参考人(岡本保君) お答えをいたします。
 調整額についてのお尋ねでございます。
 普通交付税、個別の個々の団体の普通交付税は基準財政需要額から基準財政収入額を引くということが原則でございます。この基準財政需要額の計算に当たりましては、十八年度でございますと、十八年の四月一日現在の基準を、数値に基づいて、人口でありますとか先生の数でございますとか子供の数などを基準に算定をいたしてまいります。一方、交付税の総額といいましたものは予算編成時点で見込まれた計数ということになりますので、基本的には前年度の数字を使うという形で想定をしてその総額というのを見込んで計算をいたしております。
 したがいまして、その結果、個々の団体の基準財政需要額を積み上げて、それから収入額を引いた財源不足の額と地方財政計画で見込みました地方交付税の総額が完全に一致をしない、こういう現象が生ずるということになります。この場合、各団体の基準財政需要額を一律に割り落としておりまして、この割り落とした額を調整額というふうに言っております。
 十八年度の場合、基準財政需要額の総額、交付税を受ける団体の基準財政需要額の総額は約三十六兆円でございますが、この三十六兆円に対しまして、今申し上げましたように八百八十一億円を割り落としていたということになるわけでございます。
 今回、補正予算の増額、補正予算で増額をすることになりますので、この総額と積み上げ額がある意味で逆転するということになりますので、この割り落とした分を個々の団体にああいうような計算して、そういう意味では戻すという言い方をさせていただいているわけでございます。
 この平均的な額でございますが、都道府県でございますと、人口百七十万程度の標準的な規模の県でございますと、団体約八億円、それから市で、人口十万人程度の市でございますと、調整額約三千万円という額でございます。
 この調整額、どういう率で割り落としたかは既に当初の、夏の時点で算定をし、公表をいたしておりますので、自分の団体が幾らであったという、割り落とした額が幾らだったということは各団体承知をいたしておりますので、今回の額についても各団体これからこの額を見込めているという状況にあると思っております。
#23
○澤雄二君 今の御答弁によりますと、平均的な県で八億円、平均的な市で三千万円が配分されるということで、財政運営に悩んでいる地方団体にとっては年度末、ささやかと言っては怒られますが、大した額でございますけれども、ボーナスとして喜ばれるんだろうというふうに思いますが、ただ、欲を言えば、今年度から、先ほども議論ありましたけど、交付税特別会計借入金の返済が始まります。この今年度の補正予算、今審議している額が五千三百三十六億円でありますけれども、これを少し減額しても個々の地方団体の借金返済に回してほしいというのがまあ本音かなというふうに思います。
 三十四兆円の負債を毎年、今御説明がありました一〇%ずつ増額して二十年間で返済すると五千三百三十六億円というのは分かりますけれども、これも言ってみれば机上の論でありますから、本当に返せるのかどうかというところもあるので、そうすると、少し借金の返済に回してくれたらなというのが地方団体が思っているところであろうというふうに思います。
 今回の補正の考え方について地方団体に分かりやすいように、大臣、御説明いただけますか。
#24
○国務大臣(菅義偉君) 交付税の特別会計借入金の残高は、委員御指摘がありましたように五十三兆円、そのうち地方の負担分が三十四兆円であります。これは将来、地方団体に配分する交付税額が減少する要素となる、そういうことになりますので、交付税の持続可能性というものの確保の観点からできるだけ早期に償還をする、このことが必要であるというふうに思っています。
 そうした中で、昨年末の地方財政対策によって平成十九年度の地方税、交付税も一般財源総額を前年度を約五千億円上回って確保させていただいております。そうした上で、可能な限り交付税特別会計借入金の償還を行うことが地方財政の健全化の上で大事なことである、このように考えております。
 また、一方、御指摘いただきましたように、平成十九年度地方財政計画においては、財源不足の縮小や公共投資の抑制により、地方特例債、これは〇・七兆円の減、地方債全体でも一・二兆円の減となっております。
 いずれにしろ、交付税特会の借入金と地方団体の借入金、両方についてやはり縮小を図り、健全化を進めていく、このことが大事である、そうした観点から今回の処置をとらせていただきました。特別会計の借入金を優先をさせたというだけではありませんので、そのことも併せ御理解をいただきたいと思います。
#25
○澤雄二君 今御説明いただきましたけれども、地方団体全体としての借金とも言える交付税特別会計の借入金を、個々の地方団体の借入金、このバランスをどのように取っていくか、取りつつ全体の借金を縮小しなきゃいけない、この方法については様々な選択がこれからも考えられると思います。総務大臣として是非、地方団体の理解を得ながら最善の対策を続けていただくようにお願いを申し上げたいと思います。
 次に、個別の地方団体の借入金の問題に関連して、象徴的な夕張市の財政再建問題についてお伺いをいたします。
 自治体が破綻をするというのは想像もしなかったわけで、真剣にせっぱ詰まった問題として我々も受け止めているわけでございます。菅総務大臣は大臣就任以来、私もかねがねそう思って、すばらしいなと思っておりますが、現場主義をモットーにされております。夕張にも昨年末に視察に訪れられました。
 そこで大臣に、現場で感じられたことを前提として夕張の再建に取り組んでいかれることとこれから思いますが、そこでお伺いいたします。先日、夕張市は三百五十三億円に上る赤字について十八年間で解消をするという再建計画の素案でありますが、示されました。これについて様々な意見があります。早過ぎるという意見もあるし、長過ぎるという意見もございます。いろいろな意見がございますが、現地でいろんな方と大臣は意見交換をされて肌で感じられたと思います。この十八年という再建計画についてどのように評価をされておられますか。
 それから、もう一つ併せて、市民生活にとって最低限必要なサービスの提供についてどのように支援をされようとしているのかも併せてお答えください。
#26
○国務大臣(菅義偉君) 私は昨年の末にこの夕張市を視察をいたしました。私の思いとしては二つありまして、一つは、やはり国が一定水準の住民サービスは保障しますと、ですから長年にわたり住み慣れた夕張市で生活をしてほしいという、そういう一つの私自身のメッセージを発したいと、そういう思いもありました。それと、再建計画をするに当たって、やはり現場に行って、見て、自分が納得した上で同意をしたいと、そういう思いもありまして、ちょうど仕事納めの翌日ですか、十二月二十九日、夕張市を私は視察をさせていただきました。で、現場に行って今はよかったなという思いが何点かありました。
 まず、高齢者の皆さんの生活というのはバスが主体であります。このバス代が私どもが想像している以上の何倍もしているんですよね。例えば、病院の端から端まで行くのに、同じ市であっても千円ぐらい掛かるというんです。これは、多分私の生活の観点はそんなことはなかったわけですから、それも実は廃止することになっていましたので、高齢者の皆さんにとって、やはりこれ生活の足ですから、その辺のことはやはり配慮する必要があったかなというふうに実は思いました。
 それと、よく、子供のことでありますけれども、これについて総理からも、子供やお年寄りへは、できるだけ中で配慮するようにという指示も実はありました。
 で、この保育料でありますけれども、北海道の中でも国基準でやっているところもあるんです。しかし、一挙に月一万上がるというのは、やはり生活に支障を来しますから、それはやはり暫定期間を置いて時間を掛けてやってもいいじゃないかなという、そういう実は思いもいたしましたし、小学校のプールもすべてなくなることになっていたんですね。しかし、子供たちに夏だけのプールはあっていいだろうと、これは一年間通してでなくてですね。あるいは、小学校も今七校あるんですけれども、それを一校にするという案でありました。で、町も細長いんですから、もし調整ができれば、それも二校ぐらいでもいいのかなという実は思いもしないわけでなかったものですから、ある意味では実際に現場に行ってきてよかったなというふうに私自身は思っています。
 そうしたことに基づいて、夕張市から再建計画という素案が公表されました。これについてはいろんな批判も受けています。夕張だけ特別扱いじゃないかなという批判もありますし、いろんな批判がありますけれども、私はそういう意味で、私自身の考え方、正にこの理屈と情のぎりぎりの選択がこの案ではなかったかなというふうに思いますし、やはり夕張で生活をしていた方が将来に希望もなければならないということも私は事実であるというふうに思いましたので、そういう中の私はぎりぎりの判断であると、このように御理解をいただければ有り難いというふうに思います。
 さらに、この財政再建期間中であっても市民サービス、これはやはり一定水準というものはこれは確保しなきゃならないわけでありまして、私ども総務省の仕事というのは、全国どこに行っても、やはり一定水準の行政サービスを保障するのが私どもの役割でもありますので、そうしたことはしっかりと取り組んでいきたい。それと同時に、やはり北海道が、道庁が北海道全体の地方のことについては一番よく理解をしていますから、周辺の市町村との兼ね合いもあると思います。そうしたことを踏まえて、北海道と私どもは連携を取らせていただきながら道の支援策に協力していきたい、そういう思いであります。
#27
○澤雄二君 やっぱり現場主義というのはすばらしいなという、お話を伺っていて思います。
 バス代が千円、それから保育料の問題、それから学校の数の問題、これも切実な問題というふうに私も聞いております。国がどのような支援をするのか、どういうふうに再建していくのかというのは、国全体の人が今注目をしておりますので、どうか必要な市民サービス、確保されるように温かい御支援策を考えていただくようにお願いをしたいというふうに思います。
 最後に、頑張る地方応援プログラムについてお尋ねをいたします。
 先ほども申しましたけれども、大臣は現場第一主義で先頭に立って常に現場に出向かれておりますけれども、おとといも徳島で開かれた第一回の会合に参加されたというふうに聞いております。現地に出向いて市町村長との対話で大臣はどのような手ごたえをお感じになったのか、また、今後、元々条件の不利な地域への配慮を含めて頑張れ頑張れといっても、元々条件が不利な地域というのはたくさんあるわけでございまして、どのような展開を図ろうとされているのか、お考えをお聞かせください。
#28
○国務大臣(菅義偉君) 私、一昨日、徳島県で開かれました第一回の頑張る地方応援懇談会に出席をさせていただきました。そして、出席をいただいた市町村長さんと意見を交換をさせていただきました。非常に活発な意見交換であったというふうに思っています。
 そういう中で、交付税やごみの減量化対策あるいは市町村合併、こうしたものについて具体的な議論がありました。あるいはまた、私どもが考えております成果指標、これについても、例えば、今まで頑張ってきたんだと、行政改革において、ごみの減量化についても頑張ってきたんだと、全国的にははるかに水準以上頑張っているんだけれども、今までの分はどうしてくれるんだとか、そういう意見も数多くあったということも事実であります。いずれにしろ、成果指標というのはやはり客観的に判断できるものでなきゃならないというふうに思います。そういう中で、すべて私ども、この成果指標を全部決めたわけではありませんから、こうした皆さんの意見を聞きながら調整をしていきたいというふうに思いました。
 いずれにしろ、やはり地方で、限られた財政力の中で何とか生き抜いていこうという、そういう頑張っている地方団体がたくさんあったなということが私の率直な感想であります。
 そうしてまた、今言われましたけれども、頑張るにも頑張りようがないと、その条件不利地域ですか、非常に過疎化の進んでいるところもあるわけであります。そういう実は市町村に対して取組経費を特別交付税によって措置をしたいと。これは市町村の大小問わず三千万円ほどということにしておりますので、小規模な市町村にもそれなりの配慮ができているというふうに思っております。さらに、この成果指標を算定する際に、条件不利地域を対象にその数値を若干変えていくということも必要かなというふうに思っております。
 いずれにしろ、私ども総務省だけでなくて、これは、農林水産省だとか経済産業省だとか国土交通省だとか、それぞれの省庁と連携をしながらこうした制度を周知徹底をしてもらい、私のほかに副大臣、大臣政務官も含めて、四十七都道府県必ず一か所はやりたいと、こう思っております。地方がこうしたことを通じて元気になって活力のためにお互いに競争してくれるような、そういう地方が数多くできて、そして活性化ができればいいなというふうに思っております。
 以上です。
#29
○澤雄二君 これも、大臣の現場第一主義というのが非常に効果があったというふうに今お話を伺って感じております。四十七都道府県全部手分けをして回られるということで、切実な意見を聞かれて、徳島でもその切実な意見、もう大臣の胸の中に今入っていることはよく分かりました。
 ただ、頑張れ頑張れと言っても、よく、有名な熊野の筆の話がございますね、毛筆。あれが世界じゅうで女性の化粧品の筆としてすごく今活況を呈しているというふうな、でも、その熊野の筆はどこにでもあるわけではない。今大臣言われたように、どうしても地理的にもう格差があって、不利的な条件のところってたくさんございますので、今言われたような配慮を是非お願いをしたいと思います。
 この格差の問題と自助努力との問題、この連立方程式どのように解くかというのは、これからも国会でいろんな議論がございますので、意見を交換させていただきたいなと思っております。
 これで質問を今日終わります。
#30
○委員長(山内俊夫君) 他に御発言なければ、質疑は終局したものと認めます。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#31
○委員長(山内俊夫君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 地方交付税法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#32
○委員長(山内俊夫君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#33
○委員長(山内俊夫君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時四十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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