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2007/03/20 第166回国会 参議院 参議院会議録情報 第166回国会 総務委員会 第4号
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2007/03/20 第166回国会 参議院

参議院会議録情報 第166回国会 総務委員会 第4号

#1
第166回国会 総務委員会 第4号
平成十九年三月二十日(火曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十日
    辞任         補欠選任
     高橋 千秋君     江田 五月君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山内 俊夫君
    理 事
                景山俊太郎君
                二之湯 智君
                森元 恒雄君
                伊藤 基隆君
                那谷屋正義君
    委 員
                小野 清子君
                尾辻 秀久君
                河合 常則君
                木村  仁君
                世耕 弘成君
                山崎  力君
                山本 順三君
                吉村剛太郎君
                江田 五月君
                芝  博一君
                高嶋 良充君
                内藤 正光君
                澤  雄二君
                遠山 清彦君
                吉川 春子君
                又市 征治君
                長谷川憲正君
   国務大臣
       総務大臣     菅  義偉君
   副大臣
       総務副大臣    大野 松茂君
   政府特別補佐人
       人事院総裁    谷  公士君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        高山 達郎君
   政府参考人
       内閣府経済社会
       総合研究所国民
       経済計算部長   後藤 正之君
       総務大臣官房総
       括審議官     久保 信保君
       総務省自治行政
       局公務員部長   上田 紘士君
       総務省自治財政
       局長       岡本  保君
       総務省自治税務
       局長       河野  栄君
       総務省情報通信
       政策局長     鈴木 康雄君
       総務省政策統括
       官        寺崎  明君
       消防庁長官    高部 正男君
       財務大臣官房審
       議官       佐々木豊成君
       特許庁総務部長  村田 光司君
   参考人
       日本郵政公社副
       総裁       高橋 俊裕君
       日本郵政公社理
       事        佐々木英治君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○行政制度、公務員制度、地方行財政、選挙、消
 防、情報通信及び郵政事業等に関する調査
 (平成十九年度地方財政計画に関する件)
○地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○平成十九年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)、平成十九年度特別会計予算(内閣提出
 、衆議院送付)、平成十九年度政府関係機関予
 算(内閣提出、衆議院送付)について
 (内閣所管(人事院)、総務省所管(公害等調
 整委員会を除く)及び公営企業金融公庫)
    ─────────────
#2
○委員長(山内俊夫君) ただいまより総務委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 地方税法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に内閣府経済社会総合研究所国民経済計算部長後藤正之君、総務省自治行政局公務員部長上田紘士君、総務省自治財政局長岡本保君、総務省自治税務局長河野栄君、総務省情報通信政策局長鈴木康雄君、総務省政策統括官寺崎明君及び財務大臣官房審議官佐々木豊成君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(山内俊夫君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
    ─────────────
#4
○委員長(山内俊夫君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 地方税法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に日本郵政公社副総裁高橋俊裕君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(山内俊夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(山内俊夫君) 地方税法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○森元恒雄君 おはようございます。自民党の森元でございます。
 まず最初に大臣にお伺いしたいと思うんですが、今年の秋に、来年度以降の税制に向けて抜本的な改革の議論が行われると思います。その際に、国税、地方税の税体系をどうするかということが大きなポイントでございますが、地方のサイドからはこの地方分権、新たな第二ステージに今入ろうとしているわけでございますけれども、従来のこの一括法、あるいは三位一体の改革、流れを見ておりましても、事務の配分、あるいは国と地方の役割分担もさることながら、やっぱり財政の裏付けがきっちりと行われるということが極めて分権を進める上で大事なところだと思いますが、必ずしもそれがまだ十分徹底していないというふうに私は思っておりまして、自主財源を充実するためには、何といってもまず地方税を拡充強化するということが一番の眼目でございますが、そのことに対する大臣の決意のほどを改めてお聞きしたいと思います。
#8
○国務大臣(菅義偉君) 委員の御指摘がありましたけれども、地方分権というのは常に私どもが推し進めていかなければならない極めて大事なことだというふうに思います。地方が自ら物事を考えて実行に移していく、そのためには財源の充実というのも当然のことであります。
 現在どうなっているかと申し上げますと、委員御承知のとおり、仕事は地方が六で国が四。しかし、税源は全く逆でありますので、私はかねてより申し上げていますけれども、とにかく一対一に、ここになるように当面は全力で頑張っていきたいというふうに思っています。
 さらに、今年の秋以降の税制改正の中では、税収の偏在が小さな地方消費税、こうしたものの充実に向けてできる限り努力をしてまいりたいと思います。そして、昨年の臨時国会で成立をさせていただきました地方分権改革、この地方分権改革に基づいて三年以内に国と地方の役割分担を明確にし、国から地方へ権限、財源、税源を移譲する、そうしたことをしっかりと行うことによって地方が自由度を高めて自由に物事を決めて行うことができる、そうした仕組みをつくっていきたい、こう考えております。
#9
○森元恒雄君 今、大臣からお話がありましたその国対地方の税源割合を一対一にすることを目標としたいと、こういうお話がございました。私もマクロの目標としては、それで結構という言い方はなんですけれども、是非実現してもらいたいと思いますが、あわせて、やっぱりミクロですね、具体的な事務事業ごとの国と地方の財源割合をどうするかと、ここが非常に大事だと思うんです。
 昨年までの三位一体の改革が必ずしも地方の要望、願いに沿った形にならなかったのは、実はその個別具体の事務ごとの国と地方の財源の持ち分かれ方、負担の仕方がどうあるべきかという哲学、理念がはっきりなかったことが私は一つの原因ではなかったかと思っておりまして、かねて申し上げているのは、法定受託事務は、本来、国の事務を地方に実施面だけお願いするということであるとすれば、その財源は一〇〇%国が負担するのが筋ではないかと。逆に自治事務は、本来、地方団体の権限と責任において処理すべき事務であるとすれば、その財源は一〇〇%地方の財源で処理できるように措置するのが筋ではないかと。
 ところが、去年まで、残念ながら義務教育にいたしましても、あるいは児童扶養手当等にいたしましても、そういう筋の通った処理、解決方法が行われなかったと、そこに問題があったと思いますので、是非、マクロは一対一で結構ですけれども、当面ですね、まずミクロについてしっかりとした筋、考え方を総務大臣としてお持ちいただいて、それを実現するように御努力いただきたいなと思います。もし何か御所見がありましたら、重ねてお願いいたしたいと思います。
#10
○国務大臣(菅義偉君) 基本的にはその法律の仕組みからしても委員のおっしゃるとおりだというふうに思っておりますので、それに向けて頑張っていきたいと思います。
#11
○森元恒雄君 それでは次に、先ほど大臣からも税源の偏在のないようにというようなお話もございましたので、お手元に資料をお配りしておりますので、それについて御質問したいと思います。
 地方団体ごとの経済活動の実態というものが何を見れば一番的確に反映されているか、そのこと自体難しい面がありますけれども、しかし、ここに三つのものについて資料を出しておりますが、例えば法人税については県内総生産との関係を見てどうなっているのかとか、あるいは所得税、あるいは住民税については県民所得との関係でどういう形になっているか、あるいは消費税についてはこの県内総支出との関係がどうかと、その比較的実態を表していると思われる指標と、国税、地方税との配分がどうなっているかということを見ると、その乖離状態というのがかなりはっきり分かるんじゃないかと。
 例えば、法人で言えば、東京都の県内総生産は一六・八七%、全国の一六・八七%ですが、法人税は実に四三・〇八%を占めていると。これはなぜかと。要するに、全国で事業活動を展開しておるその結果が東京にある本社に全部経理が一括処理されたことによって、その本店所在地の税務署に納付されるからであります。あるいは、所得税について見れば、東京の県民所得は一三・九一%ですが、所得税は三三・四八%。これまた源泉徴収で勤務先の集中している東京で一括して納付されるというふうなことであるとか、あるいは消費税については、県内総支出が一六・八%であるのに対して消費税は三四・五五%というように二倍以上と。これも法人税と同じように、本社で一括経理されているからという理由だというふうに私は考えますが。
 こういう、実態と税収が必ずしも一致していないにもかかわらず、ややもすると税収がやっぱり当該団体の実力を反映したものだというような認識で受け取られている向きが多いように思っておりますが、大臣としてこの辺、こういうことの数字、状況についてどういうふうにお考えか、お聞かせいただきたいと思います。
#12
○国務大臣(菅義偉君) 地方税は各税目ごとによって課税単位額も異なっており、地域経済との関連性は税目によって異なるわけでありますが、そのうち法人関係税収と県内総生産等の指標の関係につきましては、県内総生産につきましては、個人や政府など法人以外の経済活動も含まれている、さらに、法人所得課税の課税ベースは法人の経済活動ではなく法人の所得であることなどから、地域間によってシェアが異なっているというふうに思います。
 なお、地方税につきましては、地域間の税源帰属の適正化を図る観点から、これまでも法人事業税の分割基準の見直しを行ってきたところであります。
#13
○森元恒雄君 国税と地方税と比較しますと、地方税の方は比較的、今大臣のお話にありますように、分割基準を別途定めてあるとか、消費税については清算方式を取っているとか、あるいは所得税については住所地で納税するというようなことがあって、国税よりは経済の実態に近いものになっているのは事実だと思うんです。
 ただ、その中でも、法人県民税のところを見ていただきますと、東京都で、例えばですけれども、見ていただいても、一六・八七に対してなお二六・二四と大きく差があるわけでございます。やっぱり団体間の税源の偏在ということをできるだけ縮小しようとすれば、この法人二税の扱いが地方税としては一番のポイントになるんじゃないのかなと。
 その具体的な方法は様々考えられると思いますが、今のような分割基準を見直すというようなことはそろそろ限界に近づいているんじゃないかと。この辺を、団体間の税収格差をもう少し抜本的にといいますか、大幅に是正しようとすれば、違った方法を取らないとそれは実行できないんじゃないのかなというふうにも思うんですが、大臣として、今の時点での具体的なもしお考えがあれば、お聞かせいただければ有り難いと思います。
#14
○国務大臣(菅義偉君) 委員の御指摘にありましたように、分割基準の見直しだけでも限界がありますし、これを進めていっても事業所があるところとないところによって、これは地方によっても非常にまた差が出てくるわけでありますので、そういう意味におきましては、やはり税体系の抜本的な見直しの中で、私どもは偏在度が小さい地方消費税、こうしたものの充実を基本にしながら、全体としてこうした法人二税の取扱いを含めて検討していく必要があるというふうに考えております。
#15
○森元恒雄君 私も、消費税、この三つの税の中では一番偏在度が少ない、実態を、これは清算しているということもあるからですけれども、反映しているということから考えましても、やっぱり地方消費税を更に充実していくということが望ましい方向だというふうに思っております。是非そういう方向で実現に向けて御尽力をいただきたいと、こういうふうに思います。
 それから次に、最近、前回のこの委員会でも少し議論があったかと思いますが、私もいろんなところで市町村長さんから御意見伺っているのは、幾ら頑張って税収を上げても、増やしても、その分が全部そっくり交付税で減額されて努力が報われないと。だから、もっと努力が報われるようにしてもらいたいという声がございます。それはもっともかなというふうにも思いますが、その方法として、例えば、しかし交付税で減額されないようにしようとすれば、留保財源比率を引き上げると。現在七五%が交付税の基準財政収入額に算入されているのを、例えばですけれども五〇%に下げれば、その団体の取り分が余計増えるわけですから努力が報われやすいと、こういうことになるんだと思いますが、しかし同時に、そういうことをしますと団体間の財政格差が今以上に広がってしまうと。これはまた別の問題を引き起こしますので、いかがなものかなというふうにも思います。
 そういうことを考えたときに、税収増の努力が報われる、そういう要望、声にこたえる方法として何か名案があるのかどうか、今の時点での大臣としてのお考えがもしございましたら、お聞かせいただければ有り難いなと思います。
#16
○国務大臣(菅義偉君) 私も、総務大臣に就任をしまして、森元委員と同じように、頑張ったところが逆に税収が減ってしまうという、ここを何とかならないかという実は計算をさせました。そしたら、結果的にはやはり、この留保分を変えますと強いところがより強くなってしまう、そういう結果があったものですから、そこについてはやはり難しいなという実は結論に達しました。
 ただ、今度、頑張る地方応援プログラムというものを私ども出させていただいてます。そういう中で、企業誘致等でそうなった場合に、経済産業省が今国会に地域産業活性化法というものを、法律を提出をします。経済産業省と連携をしながら、これによって地方税が増加した場合には、地方税収分の一部を特別交付税の算定に反映させよう、こういう仕組みを今考えております。こうした措置を講じることによって企業誘致などに前向きに取り組む地方公共団体を支援をすることができるだろうと、このように考えております。
#17
○森元恒雄君 一点、私は、頑張ったことを評価するということは大いに奨励すべきことだと思うんですが、ただ、若干気になるのは、頑張らなくても成果がどんどん上がってくるところもあれば、頑張ってもなかなか客観的な地理的、地勢的条件からその効果が出てこないところもありますので、そこら辺、やっぱり余り頑張っているからということを強く出し過ぎるのもまた団体間の差を広げることになる面も若干あるんではないのかな。だから、そこら辺のあんばいが非常に難しいところかなという気もいたしますので、特交で措置するという今のお話でございますので、それも一つの方法かとは思いますが、その具体的な措置の中身については両面といいますか、いろんな面、要素を総合的に勘案していただいて、団体間に余り大きな不平不満が出ないように御配慮をいただければなと、これはお願いをしておきたいと思います。
 それから、三位一体の改革で三兆円の税源移譲が所得税から住民税で実現をいたしました。所得税が減税になって住民税が増税になる。マクロの規模としては三兆円でつじつまが合っているわけですけれども、一人一人の納税者からすると、特に税率の従来低かった人たちの部分は増税になるんじゃないかというような心配をしておられる方もおられます。
 個人ごとに、マクロもそうですけれども、一人一人の納税者単位で見ても、決して税源移譲に伴って増税にならないんだという点をしっかりと確認をしておく必要があると思いますが、その点、大臣の方からそうなんだということをはっきりとおっしゃっていただければと思いますが。
#18
○国務大臣(菅義偉君) 地方分権を進める中で、地方にできることは地方にということで、三位一体の改革としてこの税源移譲は行うものであります。移譲によって、所得税と個人住民税合わせたそれぞれの納税者の税負担が変わらないように制度設計をされております。
 具体的には、所得税と個人住民税合わせた税負担が変わらないように税率を調整をするとともに、個人住民税と所得税では扶養控除などの人的控除に差がありますので、これにより税負担が増加しないように、個人住民税において調整のための税額控除、これを設けることになっております。こうした措置をすることによって、所得税、さらに住民税というのは全く負担は変わらないと、このように考えているところであります。
#19
○森元恒雄君 制度としてはきちっとバランスが取れている、調整取れていると、今のお話でございますので結構だと思いますが、やっぱり個人ごとに誤解がないように徹底していただくのも行政として大事な点かなと。
 特に、所得税は一月から減税、しかし住民税は六月でないとその増税の方の通知が来ないと。減税の方はもう忘れてしまって、増税だけが前面に出てしまう状況になりかねない。加えて、定率減税が縮小されますので、今の税源移譲分だけだったら収支とんとんというか、プラマイ・ゼロかもしれませんが、定率減税分合わせるとやっぱり増税ということに受け止められないとも限らない。
 ですから、その辺がごちゃごちゃにならないように、やっぱりしっかりとお一人お一人に通知していただくのが本当は望ましいんじゃないかなという気もいたしますが、その辺の工夫で具体的に何かこういうふうにしようとしているんだというようなことがございましたら、教えていただきたいと思います。
#20
○国務大臣(菅義偉君) 所得税と住民税の時期が異なるものでありますから、国民の皆さんに十分に理解を得られるように広報、私どもは極めて大切だというふうに思っております。国と地方が協力して周知活動に努めております。
 政府においては、関係府省が連携して、テレビ、新聞、雑誌等による広報を行っていますし、各地方団体におきましては、広報誌の活用だとか説明会の開催、チラシ、リーフレットの配布、こうしたことを行っております。その際に、家族構成や所得層ごとに所得税と個人住民税の具体的な税額の変動を示した上で、両税合わせた税負担が増加しないことを納税者に対して分かりやすく伝わるように努めているところであります。
 今後とも、こうしたことを積極的に進めていきたいと思います。
#21
○森元恒雄君 終わります。
#22
○那谷屋正義君 民主党・新緑風会の那谷屋正義でございます。議題とされました〇七年度の地方税法の一部改正案についてお尋ねをいたします。
 まず、本題に入る前に、国民的な関心事となっております三つの課題、具体的には夕張市の再建計画、子供たち自身、さらには学校現場における安心と安全確保のための総務省が心すべきこと、そして真心のこもった年賀状を出したにもかかわらず、遅配問題等に象徴される郵政公社側の不手際等についてお伺いをしてまいりたいと思います。
 さて、夕張市の再建計画問題についてでありますが、夕張市議会が責任を持って議決された同再建計画について特段何か注文を付けるとか、そういうふうな意図は全くないということをまず冒頭申し上げておきたいというふうに思います。その上で、提出予定のいわゆる自治体破綻法制で解決されるべき問題の所在等についても視野に入れつつ、この再建計画から何を教訓として酌み取る必要があるのかという問題意識に基づいて、四点についてお尋ねをしていきたいというふうに思います。
 夕張市の財政再建計画問題については、この問題はやはり党利党略の功名が辻の争いではなく、自治行政のかすがいたるべき総務省の腕の振るいどころであり、菅大臣が高い見識の下、リーダーシップを発揮していただくことを強く望むところであります。
 夕張市、北海道、国、それぞれが痛みを適切に分かち合うことができる、つまりは国民的共感が得られる夕張市の展望が持てる再生へ与野党の垣根を越えて取り組む、このための努力を民主党は決して惜しまないことを明らかにして、総務省の考えをお尋ねしていきたいというふうに思います。
 まず、三月六日に発行された財政再建計画書は、北海道庁の支援策もてこにしつつ、財政再建期間が十八年、それからサービスにかかわる住民負担の一定程度の軽減、この二本を柱とするものであります。ただし、それらを可能とする大きな要素が、実は徹底した総人件費削減策にあると。特に、特別職は報酬が六〇%以上カットされ、一般職は給与が平均で三〇%カットされる。さらに、退職手当などは四分の一まで削減される。今年度減員の想定は、八十三人というふうに想定していたところ、それをはるかに超える百五十二人の方々が希望退職を申出との報道があります。さらに、管理職のほとんどが退職希望を出されており、今後も退職する職員は増えるとの見方も強くなっているところであります。そして、市民の安全、安心につながる専門家の不足も懸念されるところであります。なお、懸案の消防職員については、退職により不足する職員二名について〇七年度に新規採用されるということについては、これは喜ばしいことだというふうに思います。
 常識的には、これらの減員が発生した段階で、市民生活の停滞、混乱が避けられないのではないかというふうに考えられるわけでありますが、大臣の同意に際して、市が責任を持つべき市民サービスの企画、提供等に支障を来さないという観点から、とりわけ市民の生命、財産を守る消防、救急体制の確保も含めて、かつ再建後の夕張市の在り方も見据えた新規人員にかかわる補充の必要性等をもどう勘案し、市民サービスの提供等に支障がないと認め、可とされたのか、お答えいただけたらと思います。
#23
○国務大臣(菅義偉君) まず、夕張市の再建に対しての私どもの基本的な考え方でありますけれども、今、私は那谷屋委員と全くそれは同じであるということをまず申し上げたいと思います。私どもも、やはり夕張市の人が安心をして、生まれ育った夕張市でこれからも長く住み続けることができるような、そうした再建策というものを考えてきました。そして、夕張市が去る六日の日に提出したものについて私同意させていただいたということであります。
 まず、夕張市の普通会計の職員数でありますけれども、これにつきましては、同じような団体の職員と比較をして、今日までは倍の職員がいたということも、これ是非御理解をいただきたいというふうに思います。そういう中で効率的にこれから夕張市も運営をしていくという、そういうまず姿勢がなければ、私、国民の皆さんから再建策について支持を得られないというふうに思っておりましたので、少なくとも人口同じ規模の中で職員というのはきちっと配置をしてほしいということであります。
 さらにまた、再建中であっても、一定のサービスというのは、これはしっかりと保障しなきゃならないわけでありますので、そういう意味におきましては、非常勤職員の主としては配置を行う、あるいはまた北海道に必要な人員の派遣を要請をし、北海道ともしっかりと連携を取りながら、現在職員六人の派遣を受けることなどによって市政運営については支障がないものというふうに思っています。
 また、今御指摘のありました消防、救急体制でありますけれども、私も現場へ行きましたけれども、非常に面積が広くて、市立病院や診療所など踏まえて、そういう意味でこの必要な体制というものも確保できるように今準備を進めさしていただいているところであります。また、北海道の知事からも、基礎的な行政サービスの提供が受けられると、それは周辺の市町村と比較をして、そういう意見が付されましたので、私としてもその再建案について同意さしていただいたと、そういうことであります。
#24
○那谷屋正義君 是非、住民のサービス低下というものがあっては何のための再建なのかということがやはり失われてしまうというふうに思いますので、そこのところはしっかりとこれからも注視していっていただきたいというふうに思います。
 今お手元にお配りをさしていただいた資料をごらんいただきたいというふうに思います。これは、旧赤池町、そして夕張にかかわる算定式の詳細の配付でございます。
 赤池町の再建計画の場合、前年度実質赤字額がAということで三十二億円、割ることの二・四億円、前年度標準財政規模の十分の一ということでB、それが十三・三三ということで、引くことの一以上ということで、一を引いて十二・三三。赤池町の再建計画の場合は十二年間であったわけですけれども、しかし、これはいろいろな努力等によって十年間で終わっているということであります。
 この式を同じように夕張市に適用した場合には、Aの部分が三百六十億円、そしてBの部分が四・五億円ということの中で、八十という数字が出てきている。そして、八十から一を引くと七十九という数字が出てきます。つまり七十九年間を、すべて再建を、立て直す意味では掛かるというふうな式にもなるわけであります。
 しかし、どちらが正しいということではなくて、そういう意味ではこの再建をするに値する期間というか、掛かる期間というものについてのこれが正しいというものはやはりなかなかないのではないかというふうに思うところであります。
 また、地財再建法第二条の三項には、「七年度以内に歳入と歳出との均衡が実質的に回復するように、」というふうに規定はされていますけれども、今御案内いただいたように、いろんなことが考えられる。この式だけで決められるということではないし、今回の場合には七十九年間が十八年という形になって今回表れてきているわけであります。
 そういう意味で、再建を達成する、その達成するまでの期間というものについては様々な解があるというふうに理解をしていいかどうかということについて、大臣の見解をお聞きしたいと思います。
#25
○国務大臣(菅義偉君) 財政の再建中というのは住民にも負担が掛かって、予算編成においても様々な制約が実はあるわけでありまして、できる限り早期に財政再建というのは私は必要だというふうに思っています。
 当初、二十年という案も出ました。しかし、私も地元に行きまして、地元の皆さんは、やはりできる限り早くというのが地元の皆さんの願いであったというふうに思っています。また、計画性を確立をするために、あるいはその実効性を確保するためにも、短ければ短いほどいいのはやはりこれは当然のことだというふうに思っています。そういう中で、夕張市もその人員も含めて大変努力をされる、その中でぎりぎりの私は将来にも希望の持てる案が今回の案であったというふうに思っております。
 さらに、那谷屋委員の、今、七十九年がこういう形に縮まることができたという大きな原因の一つに、やはり北海道の財政支援というのも私はあったというふうに思っております。それについて私どもも支援をさしていただきたい、こう思っておりますけれども、そういう中で、十八年というのが、できるだけ早く、また確実に再建団体から脱却する意味でぎりぎりの線だかなというふうに私は思っているところであります。
#26
○那谷屋正義君 今大臣のお答えいただいたとおりであれば、それでいいなというふうに思うんですが、しかし、あるところから、なぜ再建期間が十八年間とされたのかという部分について、余り信じたくないといいますか、ちょっとまことしやかな話が聞こえてくるところであります。
 というのは、二十年を超える再建期間となると実質的な債務免除になるに等しく、これでは耐えられないという金融の論理に押し切られたのではないかという情報であります。ここには貸手責任の議論が介在する余地は全くありません。この結果、標準財政規模四十四億円にすぎない夕張市にとって返済余力を超える再建期間が設定され、かつ、市の返済能力を超える計画を策定せざるを得なかったのではないか。また、住民にとっても、負担が一定緩和されたとはいえ、旧赤池町の場合と比べるとやはり重い負担を強いられざるを得なかったという批判も見聞きするところであります。
 北海道が夕張市支援のため、大臣がおっしゃられたように三百五十三億円の低利貸付けを行うことによって、その信憑性の有無はさておきまして、金融の論理が後退したのは事実かなというふうに思います。ならば、しゃにむになってその返済期間の短縮に突っ走る必要がなかったのではないかなと。
 そこで、大臣が同意するに際しまして、夕張市の再建期間の定め方について妥当か否か判断する基準をどこに置かれて同意されたのか、もう一度御答弁いただけたらと思います。
#27
○国務大臣(菅義偉君) まず冒頭の金融機関云々のことは、これは全くありません。実は、当初は二十年という、の段階ではそういう予測でありました。しかし、先ほど申し上げましたように、北海道があのように三百五十三億円、〇・五%低利融資をするということに踏み切っていただきましたので二年間早まったということも事実であります。その中で、やっぱり夕張市が徹底をした歳入歳出、これに見直しを行ったと、そういう中で、高齢者と子供に対して配慮する中で、私はこれぎりぎりの選択ではなかったのかなというふうに思っております。
 私どもは、北海道知事あるいは北海道庁を通じてこれは支援をさして、あるいは情報も受けているわけでありますけれども、北海道から、赤字の計画的な解消が可能であることと、また基礎的行政サービスが確保される、北海道としても総合的に支援をしていくと、そして北海道庁も当然、夕張の周辺の町の状況を見ながらの判断であったというふうに私理解をしておりますので、そうしたものについて私どもも全面的に支援をさしていただく、そういうことであります。
#28
○那谷屋正義君 とにかく、そういう中で夕張市では頑張っていただきたいという思いは一緒だというふうに思いますけれども、まだそれに向けて幾つかまた注意していかなきゃいけないことについての御質問をさしていただきたいと思いますが。
 夕張市に住み続けたいという市民の意思を継続していただくためにも、やはりその住んでいる環境、そしてまた教育環境の整備は必須の要件ではないかと、こう考えているところでありまして、再建期間中は投資的経費を必要最小限とするという縛りが掛かっていることは御承知だというふうに思いますが、財政再建が成って市民生活が破れるという結末では何のための財政再建制度なのかということになるわけであります。市民生活あっての再建計画であることは、これはもう先ほどから大臣も述べられているところでありますけれども、地財再建法第二十二条の四項には再建計画の変更にかかわる規定も整備されていることでもございます。
 高齢者等の安心できる暮らしを最後まで支援するとの固い信念に基づく積極的な公営住宅の改修、営繕の実施、こういうふうなことのために一定の集約化は避けられないということは私も承知をしているところでありますが。あくまで子供たち本位という見地を最優先した小中学校に関する統合案作りに夕張市が自信を持って立ち向かえるような柔軟性を加味した再建こそが望まれているのではないかと思うわけであります。
 再建計画書においては、その明確な方向性、運営戦略が見えているのかどうか。ちなみに、計画書に盛られた小中学校の統合案では、中学校は相変わらず四校から一校にされたままであります。現在七校ある小学校の統合後の姿は、引き続き検討するという形で先送りされております。
 昨年暮れに夕張を訪れになった大臣だからこそお分かりだというふうに思いますが、夕張市は山あいに点在する炭鉱集落を基本に形成された南北約三十五キロにわたる広域面積の自治体であり、計画書にある小中学校統合が機械的に実施をされると、通学距離の増加に見られるごとく、子供たちの負担増はもう必至であると。特に小学校においては、スクールバスの導入が図られたとしても、そのバスに酔う子供たちというのがたくさんいたりなんかしまして、健康、安全面などの不安は解消されないことを十分にしんしゃくする必要があるというふうに思います。
 大臣の見識に満ちた確たる答弁をよろしくお願いします。
#29
○国務大臣(菅義偉君) 私、昨年の暮れの二十九日に夕張市へ行ってきました。行く前に総理からも、高齢者あるいは子供には十分配慮するようにと、そういう指示も受けて私夕張に行ったわけでありますけれども、夕張に行きまして、私どもの考えと非常に違ったことが何点か実はありました。現場を見て本当によかったというふうに思っています。
 那谷屋委員と私は同じ横浜でありますから、例えばバスというのは二百数十円ですよね、これ。しかし、夕張に行って、非常に細長い町でありまして、端から端の病院に行くのに片道九百三十円掛かるというんです。ですから、高齢者のパスを、それまで廃止に実はなっていました。これ、いろんな事業体で高齢者のパスが廃止になっている数が多くなってきていますから、再建する中で、私も廃止はやむを得ないのかなと実は思って現場に行ったんですけれども、現場でそういうお話を聞いて、それはやはり生活上大変なのでやっぱり継続すべきだなというふうに私も実は思いました。
 今御指摘のありました、それと、行ってびっくりしましたのは、公営住宅が非常に多いんですよね。四五%の人が公営住宅で生活をしている、これも私どもから見れば考えられないことだというふうに思います。そういう中で、この再建計画の中で、維持修理、公営住宅についても経費は最小限とされますけれども、そのための必要な枠、これは確保させていただいておりますので、可能な限りそうしたことを、枠を使いながら、安定して公営住宅に住み続けられる、このことも可能だというふうに思います。
 それと、小学校のお話ありました。確かに、今七校で、生徒の数は四百数十人なんです。ですから、逆に、今七校というのはある意味では大き過ぎて、子供の教育上も私良くないんじゃないかなと実は思います。四百数十人が七で、七校に割りますと、これは単純計算しても六十人ぐらいですかね、これ。各学年十人ぐらいしかいないわけでありますから、これもやはり七校というのは私は多いと思いました。
 しかし、一つにするのがいいのかどうか。非常に細長いわけですから、私は、夕張市が望むのであれば、また地域の住民の皆さんが望むのであれば、これは二校でもいいのかなというふうに実は私現場を見まして、非常に細長いものですから、そういうことも申し上げてきました。これについては、まだ二校にするかどうかについては、十九年度中に子供の減少等を踏まえながら判断するという形になっております。
 いずれにしろ、そうしたものにはやっぱり十分配慮させていただいた再建案にしたいということで、そういうまた、実際そうなっていましたので、この間同意させていただきました。
#30
○那谷屋正義君 四百何人というと、横浜でいったら一校にも値するかどうかという、そういうふうな状況ですし、また、学校教育において一校が六十人というのが、本当にそれでいいのかどうかという問題は確かにあるかというふうに思いますけれども、先ほど御答弁いただいたように、健康面、さらには経済面、そうしたところに子供たちに余計、余計なというよりも、負担が余り掛からないような形でやっていただくということがやはり大事ではないかなというふうに思いますので、今の大臣の見解が生かされるといいなという、そんな思いでいるところであります。
 次に、子供たちの安全確保の部分について御質問させていただきたいと思います。
 昨年の質疑でも、ここ数年来の児童等に対する憎むべき犯罪の特徴としては、自宅まで、もうあと百メートルあるいは一分未満という、もう少しで家に着くという安心の領域に踏み込んだ段階で起きてきたことにあるということを指摘させていただきました。その上で、地域社会が本来持つ防犯力を蘇生させる観点から、あらゆる階層のマンパワーを結集できる枠組みとしての消防団機能等の再活性化が望まれていることにまず触れたところであります。
 この地域社会のきずなや教育力の再構築を土台に据えた上で、安心の領域を文字どおり確保するための方策として、全国津々浦々、希望するすべての児童に行き渡ることを前提とした電子タグ等の技術を生かした子供の安全確保策の早期展開の必要性を明らかにしてきたところであります。これに対して総務省からは、可能な限り早急にこの普及が図られるように取り組みたいとの誠に頼もしい御答弁があり、そのでき上がりの姿が〇六年度の補正予算案に盛り込まれた地域児童見守りシステムモデル事業としての十二億二千万円でありました。
 モデル事業段階ではあるものの、早速対応いただいたことは高く評価をさせていただきたいと思います。措置額の多寡にかかわる議論はせっかくの努力に水を差すことになりますからこれは控えますけれども、しかし、善処を強く望みたい点がございます。委託事業とはいえ、手を挙げた自治体については、予算面の制約を理由に断ることなく、すべて受け付けることを原則にしていただきたいということであります。この大原則を据えることについては、安倍総理が掲げる美しい国づくりからしても御理解いただけるものではないかと、こういうふうに思っております。地獄のさたも金次第ということわざがありますが、子供たちの安全も金次第ということが許されてはよいはずがありません。性根の据わった答弁を求めたいというふうに思います。
 また、全国網羅的な普及を目指すためには、携帯電話よりは電子タグの方が一日の長があることは明らかであると素人ながら思うところであります。携帯電話をめぐる様々な問題も顕在化しております。我が党の筆頭理事の伊藤理事も、その持説でもありますけれども、小中学校段階で学校に携帯電話を持っていくことが適切かという、そういう議論もあるところでありまして、電子タグ方式を基本に、補完としての携帯電話メニューを位置付けることが全国網羅の安全網を可及的速やかに張るための最善の選択と考えるところでありますけれども、併せて答弁をお願いいたします。
#31
○国務大臣(菅義偉君) 委員からも、十八年度補正予算で私ども十二・二億円計上させていただいた、それに対して評価をいただきましてありがとうございます。
 この事業は、電子タグや携帯電話、これを利用しながら、保護者が児童の登下校の情報をリアルタイムで得ることができるようにする。さらに、受託者が当該システムを運用して得られた結果というものを国に報告してもらう、そして、国はその成果を広く公表することによってこの児童見守りのシステムの普及を図っていきたい、こういう考え方であります。
 総務省としましては、十九年度以降もこのことについて引き続き、安全、安心確保のために、子供たちの、頑張っていきたいというふうに思います。
 そこで、情報通信技術として、電子タグというお話もありました。総務省として、公募の際には、それぞれの地域における様々な条件もありますので、どういう成果が得られるということによって、そうしたモデルによって、これから電子タグも、委員の御指摘のように、含めて、しっかりとこれ対応させていただきたいと思っています。
#32
○那谷屋正義君 かつて日本が世界に誇れる大きなものの一つとして安全、安心な国というのがあったわけでありますが、今はそれをしっかりきちっと社会の中で築いていかなきゃいけないような状況に残念ながらなっているということでありますけれども、いずれにしても、子供たちが安心して学校に通える、そして帰宅ができる、そうしたことを保障するのがやはり政治の大きな役割ではないかというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 そして、学校における安全、安心という観点での御質問をさせていただきたいと思いますが、総務省は昨年の八月、全国の都道府県の総務部長を集めた会議で、民営化が言われている時代においていまだに現業職員の採用を行っている例がある、とりわけ教育委員会にあるとして、学校現業職員の削減を名指しで督励したというふうに伝えられております。事実だとすれば、これは不見識極まるものであるというふうに言わざるを得ないというふうに思います。学校の現状を全く知らないというだけではなくて、学校の安全と安心の確保が重要な国民的課題になっているということを、ある意味顧みないものではないかというふうに思うわけであります。
 独立行政法人の日本スポーツ振興センターは、学校管理下における子供の事故などに災害共済給付を行っているわけでありますが、その給付件数は一九七七年に百万件台を超えるなどの事態を受けて、当時の国会は強い危機意識を持ち、給付水準の大幅な改善を行うとともに、学校に安全計画の作成や安全点検を行うよう学校保健法の改正を行っております。
 今はどうかということを考えますと、子供の数が当時とは大幅に減少しているにもかかわらず、学校にかかわる災害共済給付件数は〇三年には二百万件を超えるまでに今なっていると。加えて、不審者の侵入や子供をねらった犯罪、通学途上における不審者の子供への声掛けなどは日常化している、そういう状況であります。にもかかわらず、教員は授業時間の確保や少人数指導で教室から離れられなくなり、あるいは事務職員は県から下りてきた給与の認定事務などなどがあって事務室から動けなくなっている。そうした中において学校現業職員、中でも学校用務員だけが施設設備を巡回して危険箇所などを察知し、不審者が潜みやすい場所があれば死角が生じないよう樹木の剪定などを行っているわけであります。この状況を的確にとらえることもなく、財政の帳じり合わせのみに目を奪われて、そのお先棒を担ぎ、現業職員の削減を督励するというふうなことであれば、総務省はいつから子供たちの安全や安心を全く考慮せずに危険地帯をどんどん拡大する施策だけを押し付ける省庁に成り下がったのかという指摘をせざるを得ない。
 忘れてならないことは、学校が多くの場合、災害等の地域の避難施設に指定されているという現実であります。避難物資の保管などにとどまらず、電気、ガス、水道などのライフラインにかかわる事柄は、学校現業職員が日ごろから熟知している状況にあります。こうした職能を有する方々を学校現場から切り捨てる行為とは、地域住民の安全、安心も確保するという職責を総務省自らが放棄するのと同じではないでしょうか。阪神・淡路大震災の折、被災者の安否確認に大きな力を発揮したのも、地域や学校を、そして住んでいる人の顔をよく知っている学校現業職員であった。こうした地域住民の安全確保等にも有用な人的資源を毀損しようとする総務省の姿勢は断じて容認できないというふうに言わざるを得ません。
 学校現業職員の削減督促にかかわる昨年八月の都道府県総務部長会議の発言を再考することを強く求めたいと思います。その上で、学校用務の皆さん方が果たす安全、安心の確保に関する総務省の基本的認識を示していただきたい、このように思うところであります。併せて答弁をお願いします。
#33
○政府参考人(上田紘士君) お答え申し上げます。
 まず、子供たちの安全を確保しなければならないといったような目的につきましては、先生が御指摘のとおりだと思います。
 ただ、国家行政も地方行政も同じでございますけれども、できるだけ高い行政サービスを提供しなきゃならない、これも一方でありますけれども、基本的には税金でこれを支えているわけでありますから、税金を有効に活用していかなきゃならない、こういう要請もやはり考えていかなきゃならない。そういうふうなことを考えた場合に、昨今、行革を国、地方を通じて推進をしておりますけれども、できるだけ民間でできる仕事は民間にしていただいて、できるだけ、経費が安くなるならば、それをまた新たなほかのところに充てていくと、こういう工夫をしていただいているところでございます。
 都道府県総務部長会議の席上で申し上げましたのは、地方公共団体における採用の状況を見てみますと、いわゆる、現業とおっしゃいましたけれども、技能労務職員というふうに我々一つのグループとして認識をしておりますけれども、こういった分野について、できるだけ、特に知事部局辺りではかなり民間委託が進んでおりまして採用はほとんどないんですけれども、警察、教育あるいは、これ市町村が多いですが、清掃の部分におきましては、まだ現業の方々の採用はかなりの数がある。そこで、そういった部門、もちろん必要なものもあると思いますけれども、本当に直接に公務員を雇ってそういう仕事をしなきゃならないかどうかということは十分考えて検討してからやっていただきたいということで、各自治体での、要するに従来、今までこういう人を雇っていましたから、いなくなったんで雇いますということじゃなくて、やっぱりもう一回慎重に考えてもらいたい。どちらの方が住民に対して高い福祉を安い経費で提供できるかということを考えてやってもらいたいという観点から御指摘をさせていただいたものでございます。
 そういったことでございますので、特別に学校の用務員さんのところをねらい撃ちにするとか、そういうことはございませんで、自治体の経営の問題として、もちろん高い行政サービスをできるだけ少ない経費でどうやったらいいかということを各自治体でお考えいただきたいと、こういう思いから発言をしたところでございますので、どうぞ御理解を賜りたいというふうに思います。
#34
○那谷屋正義君 学校の用務員さんだけでなくて、その他例えばごみの清掃員ですとか、そういった方々も含まれるというようなお話だったというふうに思いますけれども。川崎市は今、月曜日から金曜日まで毎日ごみが来ます。火曜日だけは、いわゆる燃えないごみというか、ペットボトル等でありますけれども。それがこの四月から民営化というふうな形の中で、ごみの集配というんですか集積というんですか、集めるその日が一日減ってしまうというようなことがありまして、まあ横浜は週三回というふうに覚えていますけれども、そこからすりゃ随分ぜいたくだな、川崎はというそういう声も聞かれますけれども、しかし、やはり毎日来ていただいているところを一日減るということのこのやっぱりダメージというのはかなり大きいなというふうに思いますので、そういう意味では、確かに税金を使うということと、それからそのサービスといったものを、検討するということは大事だというふうに思いますが、そこで、だからそういったものは要らないんだという結論を強制することももちろんおかしい話でありますし、よく検討するということは大事だろうというふうに思いますので、是非その辺のことについても御理解いただけたらというふうに思います。
 申し訳ありません、地方税の前にもう一問だけ。前回のこの委員会の中でも長谷川委員の方から御質問ありましたけれども、今年は元旦に来た年賀状が少ないとか、いつも来る人から年賀状が届いてないとか、あるいはあて先不明で差出人に戻ってくるのが松の内を大きく過ぎた十日前後であったなどという話が私の周辺でもよく聞かれたところであります。郵政公社に寄せられた苦情も昨年より二割ほど多かったというふうに聞いています。
 従来、公社は遅配の原因は差し出しが遅くなったせいと説明をしているわけでありますが、公社が元旦には届くと説明していた二十五日以前に投函した場合でも元旦に届かなかったという事例も例年になく多いのが事実であります。さらには、年賀状用ポストに投函したのに、これは遅くじゃなくて、元旦前に配達される早とちり配達の被害例までもが出されるなど、現場の混乱はだれの目にも明らかであります。そのことに対する不満も国民に高まっていたことは報道等でも伝えられているところでもあります。
 いずれにしても、結果責任における公社側の不手際は明白であります。まずは国民に率直におわびすることから始める中で改善方策を探るべきだというふうに思いますが、その用意がおありかどうか、お願いします。
#35
○参考人(高橋俊裕君) 今お話の中でいろいろとございましたし、総務省からの報告徴求の指摘にもある誤配だとかあるいは返還郵便物の遅延だとか、あるいは随分早く出したのに届かなかったとか、こういった点については、我々の郵便の本来の使命が果たされてなかったということについては利用者の皆様に深くおわび申し上げたいと思います。
 ただ、一つだけ、元旦配達ということでありますけれども、これにつきましては、内国郵便約款上、十二月十五日から十二月二十八日までの間に引き受けたものを翌年一月一日の最先便から配達する取扱いと、こういう形で規定されておりました。それで、従来、我々としては、二十八日までということについてのオペーション上のいろんな課題があったので、二十五日まで、できるだけ早く出してくださいというお願いを従来してきたところであります。で、今回、郵政公社になってから、二十八日に引き受けたものまで何とか一月一日に配達しよう、ないしは三が日の間にきっちり配達できるようにしようと、こういうことで、従来休止しておりました一月二日の配達を復活させ、さらには一月一日に配達可能なためにはどうしたらいいかと、こういうことで、サービスの改善ということで取り組んでまいったところであります。
 ただ、平成十六年度以降、年賀特別郵便の遅出し傾向といいますか、これはパソコンだとかいろいろなものがありまして自分で簡単に作れると、こういうふうなことが一つの要因だと思いますが、そういったことから、いわゆる現場においては先後処理といいますか、先入れ先出しの考え方でありますけれども、こういったところについて若干混乱を起こしてきたということがありまして、二十八日までの郵便物とそれ以降に引き受けた郵便物というのを明確に管理していろいろとやっていこうということで取り組んでまいりました。
 これが、先回も申し上げましたけれども、我々としてはこのことについて、今年の一月元旦ということで見ますと、十二月二十八日までに引き受けたもののうち七百万通、〇・四%でありますが、分だけが翌日になったと、こういうことでございます。
 そういった意味でいいますと、元旦配達ということについては、確かに我々としては努力目標としていろいろやっておりますけれども、元旦に配達しなければいけないというのをできるだけ早く配達してくださいと、こういうふうな話で決まっているわけでありまして、それを今ゼロに縮めようということで努力しているわけですが、この努力があなた方は足りないということであれば、この点については我々は皆様方の御叱責を受け、またそれに対してしっかりとこれから努力していこうと、こういうふうに考えているところでございます。
#36
○那谷屋正義君 そうした、年賀状というのは、これから十月に民営化される様々な事業の中で、特に郵便事業の部分については様々な経営が心配されるところでありまして、その目玉が年賀状であるというふうに思いますので、そういう意味では、今本当にいろいろ御努力いただいていることは私も認識をするところでありますけれども、更なる御尽力をお願いしたいというふうに思うところであります。
 それでは、本題に入らしていただきたいというふうに思います。
 減税一色となった〇七年度の税制改正、こう聞くと大変聞こえがいいわけでありますが、しかし、手厚い減税の対象になったのが企業、それと富裕層というふうに言わざるを得ないと思っております。上場株式の売却益と配当に対する課税の本則税率は二〇%、それを〇三年から半分の一〇%とする措置をとってこられたわけであります。五年間という地方税法上の特例措置としては破格の長期間にわたる厚遇を施した上に、この〇七年末から〇八年三月末にきっちり幕をこれは閉じるはずだったわけであります。しかし、なぜか合理的な理由が示されることなく、売却益は〇八年末まで、配当は〇九年三月末まで、それぞれ一年間、優遇税率が延長されることになったということであります。
 導入直前の〇二年末には、日経平均株価が九千円を割り込む安値であったわけであります。これは、優遇税制導入当時の東京株式市場は、日経平均株価が〇三年四月二十八日の終わり値で七千六百七円八十八銭まで下落をして、バブル後最安値を記録するなど、底割れの懸念すら現実味を帯びる最悪な状況下にあったことは事実であります。
 現在は、世界の証券市場に影響を及ぼす形となった中国発株安局面を迎えても、今一万五、六千円台を維持しており、非常時対策という意味での存続価値はもはやどこにも見いだせないのではないかと思うわけでありますが、これについての見解をお願いします。
#37
○国務大臣(菅義偉君) この上場株式等の譲渡益及び配当に係る軽減税率については、それぞれ、十九年末及び十九年度末に適用期限が来るわけであります。導入時と比較をすると、今委員から御指摘がありましたように、株価は回復をしているというふうに思っております。
 ただ、廃止した場合の株式市況や経済への影響、そうしたものを配慮しまして一年間延長して廃止をすると、そういう形にさしていただいたところであります。
 今回の延長というのは、導入時の経緯を踏まえつつ、円滑な廃止につながるための措置であったと、こういうことで御理解をいただきたいと思います。
#38
○那谷屋正義君 郵政公社の高橋副総裁はもうこれで質問を終えましたので、御退席いただくようにお願いします。
#39
○委員長(山内俊夫君) じゃ、高橋参考人、退席、結構です。
#40
○那谷屋正義君 優遇税制のあるなしで株の売り買いや所有に走るという悠長な考えを取りたい人がそもそも株式投資などに興味を持つはずがないというふうに思うわけであります。
 富裕層に限りなく優しい減税措置に効果がとどまることは、これは衆目の一致するところではないかと。個人の金融資産に占める株式や投資信託の割合は、全体では一二%にすぎないけれども、金融資産が一億円以上五億円未満の富裕層では三九%、五億円以上の超富裕層では五六%に達するという財務省調査からもそれは裏付けられるのではないかと思います。政府税調内には、むしろ二〇%より増税してもいいくらいだという強硬な意見もあったと聞くところであります。
 本来、公平公正を第一義とすべき税制度の確立の姿からはおよそ遠いものとなっているというふうに思います。一年延長の背景には、政権の帰趨を占うことになる参議院選までどんなささいなものであっても排除する、つまりは、株価の攪乱要因をつくりたくないという与党側の思惑があったというのは疑いのない事実ではないかと思います。
 富裕層にのみ減税の恩恵が及ぶこの証券優遇税制について、改めて地方税を所管する総務大臣としての見解をお聞きしたいと思います。
#41
○国務大臣(菅義偉君) 政府としては、日本は余りにも貯蓄に偏り過ぎていたと、そういう中で、貯蓄から投資へという政策目標を掲げて、個人投資家の市場への参加を政策として推進をしているところであります。株式の保有者というのは、必ずしも高額所得者だけに限られているんではなくて、一般の方も数多く所有をするように私はなってきているというふうに思っております。
 今回の一年延長が直ちに富裕層だけに救済をすると、そういうことではないのかなというふうに実は思います。
#42
○那谷屋正義君 株価の変動は、本当にもう日ごとに大きく変動しているわけでありまして、そうしたものに対応し切れるかどうかということで、確かに富裕層だけでない、超富裕層だけでないというお話もありますけれども。しかし、株価が下がったときにこれはまずいということで手放してしまうのは、それは富裕層でも超富裕層でもない方たちでありまして、よし、下がれ下がれ下がれと、今に下がったところをまたということで、がぼっとやる、そういう手段がいわゆる超富裕層の中に見られるという話も聞いていますから、そういう意味では、やはりアンフェアな部分というのが残されているということを指摘しておきたいというふうに思います。
 終了期間が明定された証券優遇税制が故なき理由で延長されることになります。その一方で、著しく停滞した経済活動の回復に資する観点から、緊急避難的に講じられた景気対策のための措置という、ほぼ同趣旨の目的で導入され、かつ適用期間に明示的な定めがなかった定率減税であったはずなのに、その扱いにおいては全く対照的であります。将来不安や格差拡大の大あらしに見舞われて、家計改善の兆しすら見えないにもかかわらず、行政サイドの懐具合優先でいとも簡単に幕引きがされたわけであります。
 住民税においては、今年六月で残り半分もなくなり、完全に廃止という結果になります。庶民の暮らし向きという尺度を据えた場合、定率減税廃止の時期は適切だったと言えるのかどうか、答弁をお願いしたいと思います。
#43
○国務大臣(菅義偉君) 定率減税は、平成十一年当時の非常に停滞をした経済状況を踏まえて景気対策として導入をされた、また暫定的な減税措置であって、経済状況の改善を踏まえて見直すべきものであるというふうに考えておりました。現在の景気状況につきましては、経済成長が持続をして、不良債権の処理が大幅に進んだと、当時の定率減税の導入時と比較をすると大幅に改善をしてきているというふうに思っております。
 こうしたことを踏まえて、所期の目的を果たしたことから、廃止をし、また暫定的な措置を元に戻すということでありますので、その廃止時期等についても私は適切であったというふうに考えています。
#44
○那谷屋正義君 一方で期間を延長を延ばす、そしてその一方で終わりにするという、その辺のタイミングというのが余りよろしくないんじゃないかなというのが私の感想であります。
 昨年度の税制改正では、住居の耐震改修を行った場合について固定資産税の減額制度を導入をされました。本年度では、高齢者等が居住する世帯がバリアフリー改修を行った場合、固定資産税を減額する制度を創設することにしています。介護の社会化という切り口からすれば、現行介護保険制度のサービス内容はお粗末に過ぎるわけでありますが、その不十分性を補う意味で高齢者等のいわゆる生活弱者にかかわる居住環境の改善、すなわちハード面の充実に地方税がお手伝いするというアプローチは一定妥当性を持つと考えるところであります。
 ただし、留意すべきは、公的住宅や賃貸住宅の整備、住宅政策全体の中でこれがきっちり位置付けられることなくして減税効果は有効に引き出せないという、そういう限界も認識する必要があるということであります。
 また、その目的意識がない限り、前向きな意義を持つ措置であったとしても、貸家に住む高齢者等との間に不公平感を顕在化させるだけで終わってしまうことにもなりかねません。併せて見解をお願いしたいと思います。
#45
○政府参考人(河野栄君) 住宅のバリアフリー化の促進につきましては、お話がございましたように、住宅政策全体として取り組むべきことでございます。
 その中で、昨年閣議決定されました住生活基本計画におきまして、高齢者の居住する住宅のバリアフリー化率を平成二十七年までに七五%とするということが目標にされているところでございます。この目標を達成をいたしますために、各省庁の施策といたしまして、例えば持ち家の改修促進策として、地域住宅交付金を活用した地方公共団体の補助制度、あるいは介護保険制度における居宅介護住宅改修費の支給、あるいは住宅金融公庫におきます低利融資制度など、関係省庁や地方公共団体におきまして各種の施策が講じられておるところでございます。今回創設を予定をいたしております固定資産税と所得税の優遇措置も、こうしたバリアフリー化促進策の一環として行うものでございます。
 また、賃貸住宅についてお話がございましたけれども、賃貸住宅につきましては、バリアフリー改修を行った場合にその市場価値、賃貸価値が高まるわけでございますので、所有者でございます家主において改修費を負担するということが基本と考えられますので、今回の措置の対象とはしていないところでございます。
 なお、賃貸住宅につきましても、公営住宅につきましては平成三年度からバリアフリーを標準仕様として整備を進めておりますし、高齢者向け優良賃貸住宅に対しましては所有者への補助制度があるなど、関係省庁や地方公共団体におきまして、これは必要な範囲で各種の施策が講じられているところでございます。
#46
○那谷屋正義君 せっかくのいい政策でも国民に不平等感を与えてしまうというか、不公平感を与えてしまうというふうなことになってはいけないとも思いますので、是非そこのところを御理解していただきたいというふうに思います。
 すべては国民理解と政治不信の解消及び自治体行政に対する信頼確保が不可欠の要件になることを明確にした上で、中長期の課題も含めて、せっかくの機会でもありますので、お尋ねをしたいというふうに思います。
 〇六年における住民税改正において一律の所得比例税率制に変更された結果、地方団体が超過課税を行う場合でも一律の上乗せ税率しか認められないというのが昨年の本委員会における私の質問に対する総務省の見解でもありました。
 所得税からの税源移譲を実現するに際しての当面の選択にかかわる妥当性、あるいは総務省として一つの率が望ましいとの考えに立ちたいという思いも分からなくはないわけであります。だからといって、一律の比例税率ゆえに地方団体のブラケット設定権を制約することができるという法的根拠は果たして存在するのかどうかというところが疑問になるところでありますが、見解をお願いしたいと思います。
#47
○政府参考人(河野栄君) 今回の税源移譲に当たりましては、所得税は所得再分配機能が適切に発揮されますように、より累進的な税率構造を構築することといたしております。また、個人住民税につきましては、応益性や偏在度縮小の観点から比例税率といたしているところでございます。その際には、地方税法におきまして個人住民税所得割につきまして一律の標準税率を定めますとともに、税率は一の率でなければならないというふうに規定をしたところでございます。
 したがいまして、地方団体が税率を定めます場合には一の率であることを要するわけでございまして、地方団体が独自に所得金額を区分して、その区分ごとに異なる税率を定めることはできないこととなっているものでございます。
#48
○那谷屋正義君 先ほども地方消費税のお話がされていましたけれども、〇九年度は政府が国民に約束した基礎年金部分の国庫負担割合を三分の一から二分の一へと引き上げる年となります。このため、新たに生じる追加財源は約二・五兆円程度と見積もられています。ちなみに、消費税率一%当たりの税収額は、二分の一へと引上げに要する額と符牒を合わせるかのようにほぼ同程度の二・七兆円前後であります。
 堅調な企業業績等からしても、達成年度の前倒しを可能とする予算編成になっていますが、それを支えたのは前年度比の七・六兆円という過去最高の税収増があったということでありまして、よほどのことがない限り、この程度は年度間の税収増で賄えるという、そういう立論もあながち無理筋の話ではないかもしれません。
 一方で、地方交付税総額の厳しい局面にかんがみるならば、昨年十月の経済財政諮問会議に対する大臣提出資料にもあるとおり、税収において偏りの少ない普遍性を有し、かつ税収規模も期待できる基幹税としての地方消費税の役割は重みを持たざるを得ないのも事実だというふうに思います。
 徴収事務を国税当局にゆだねざるを得ないことや、国民生活、経済活動に与える影響などについて財務省との協議、調整が求められていることは当然のことであります。しかしながら、これらは十分条件を意味するものであって、財務省の了解が絶対条件となるわけではありません。要は、国民の理解を前提に、国税としての消費税の引上げ環境が整っていない場合であっても、住民に最も身近なサービスを提供する自治体が、そのサービス充実の原資の一つとして地方消費税の引上げを提唱したときに、地方税法上からも元々一本立ちしている地方消費税の在り方として単体での引上げ論も視野に入れた戦略性を総務省が描き得るのかが今問われているのではないかというふうに思うわけであります。
 あらかじめ申し上げておきますが、私は増税論者の立場を取るものではありませんけれども、あくまでもこのような仮説あるいは珍説かもしれませんけれども、念のためにというか、参考まで見解をお聞かせいただきたいと思います。
#49
○国務大臣(菅義偉君) 仮説に対してお答えをさせていただきます。
 地方消費税の税率というのは地方税法で規定をされておりますので、消費税の税率の改正がない場合であっても単独で改正することは法的に可能であるというふうに考えています。
 ただ、現実問題はどうかといえば、今年の秋以降にこの税制の抜本的見直しが検討されているという、そういう中で地方消費税も様々な税と国民負担の在り方、そういう中でまた議論をされていくというふうに思っています。
 そしてまた、私ども総務省にとってこの地方消費税というのは、地域間税収の偏在が小さく、非常にまた安定をしている税でありますので、将来的に基幹税として、地方の基幹項目としては極めて大事なものであるというふうに考えております。
#50
○那谷屋正義君 真の地方分権というものが進んでいく中で、そうしたもので地方の財政ということを考えたときには、今大臣が言われたように、地方消費税というものが正にその基幹として重要な役割を果たしていくという認識は同じだということも申し添えておきたいと思います。
 県民みんなで支える森づくりの理念に基づいて、高知県の取組を嚆矢とする森林環境税の導入が各県段階で精力的に行われています。導入県について総務省に調査をお願いをいたしましたところ、〇七年度施行予定も含めて二十三県にも及んでおりました。
 税収を上げる具体的な枠組みとしては、県民税均等割に一定額あるいは率を上乗せする超過課税方式が多く採用されているところであります。支出面においてもほぼ共通で、超過課税の目的や使途を明確にするため、単に既存条例を手直しするのではなく、特例条例を新たに制定し、基金を設けて財布を分ける仕組みとなっています。
 森林環境税の論理を私流に整理すると、森林が果たす公益的機能の保全に関する費用負担は、基本的には受益者負担が望ましいということになるのかというふうに思うところであります。見方を変えて、識者の理論的整理に従って考えていくと、税制が具体的にどの程度森林整備の促進に寄与したかという結果よりも県民の関心を高めるという過程に着目した租税の新しい評価軸として、参加型税制の先駆けたり得るということになるのではないかと思います。
 ところで、総務省調べでも、当該超過課税分の年間税収見込額は億円台のオーダーになっているとはいえ、その多くが一億円とかその辺の一けた前半にあることが分かります。森林整備のための財源調達手段としては、正直、実効性に欠けることは否めません。
 森林環境税は、県段階の創意工夫に満ちた参加型税制のあるべき形として引き続き尊重されるべきものであるというふうに思います。さはさりながら、森林環境保全に向け、住民、森林所有者、NPOなどの横断的なネットワークを有機的に束ね、かつ効果的な自治体施策を展開するためには、いわゆる環境税をめぐる議論においても、森林環境保全において果たしている地方の役割や、先ほど触れた各団体における独自の取組をしっかり主張し、地方税の税目として環境税を創設するとの意気込みが総務省には求められているのではないかと思います。
 地方自治体が展開する環境保全施策に対して、地方環境税の創設など地方税制においてもしっかりとした財源の裏打ちを行うべきではないかと思いますけれども、見解をお願いしたいと思います。
#51
○政府参考人(河野栄君) 地方団体におきましては、近年、森林保全あるいは水源涵養等に必要な財源を確保するための個人住民税等の超過課税を行いましたり、あるいは産業廃棄物の排出抑制や地域環境の保全等のための法定外目的税の創設を行うなどの課税自主権を活用した環境対策の取組が進んでいるところでございます。
 また、こうした課税自主権の発揮とは別に、国のレベルにおきましても地球温暖化問題に対応する観点から環境税について論議が行われているところでございますけれども、この環境税につきましては国民に広く負担を求めるということになってまいるわけでございますので、一つには、国、地方の地球温暖化対策全体の中での具体的な位置付け、あるいは導入の場合の効果、また国民経済や産業の国際競争力に与える影響、さらには諸外国における取組の現状や既存エネルギー関係諸税との関係などにつきまして総合的な検討を進めていく必要のある課題であろうと考えております。
 また、そうした検討をいたします際には、お話ございましたように、環境保全対策を始めといたしまして、地球温暖化対策において地方が果たしている役割の大きさを踏まえまして適切に地方の財源を確保する方向で検討することが必要と考えているところでございます。
#52
○那谷屋正義君 今、環境問題というものを本当に国民一人一人がやはり意識をしていかなければ、もう五十年、百年先の未来というものがなかなか見えてこないような、そんなような状況になってくるというふうに思いますので、今の問題についてまた是非検討をお願いしたいというふうに思います。
 道路特定財源の一般財源化に向けた現実的な取組というものは、そもそも国の特別会計において本四架橋の債務償還問題に充てていた分が終了することによって顕在化した余剰金の発生問題に端を発したものと言えるんではないかと。今後は、環境税としての組替え論まである国分の道路特定財源の改革問題も含めて一層熱を帯びることは疑いのないところではないかというふうに思います。ただし、その議論と地方における道路特定財源の在り方とは峻別する必要があると。それは、地方の道路整備事情などからしてもあるべき差別化であると理解するところでありますが、地方の道路特定財源に関する見解をお願いしたいと思います。
#53
○国務大臣(菅義偉君) 地方の道路特定財源については、地方の道路整備の状況だとか、あるいは市町村長からのニーズ、また道路事業に占める特定財源の割合、こうしたものを考慮する必要があるというふうに思っています。
 そして、今委員から御指摘がありましたように、国と地方というのはやはり私どももしっかりと分けて考える必要があるというふうに思います。具体的には、例えば地方の道路というのは、改良率、舗装、こうしたものがまだまだ国道と比べて遅れているということであります。そしてまた、地方の道路事業に占める道路特定財源の割合というのが二割ということであります。
 こうしたことを考えたときに、やはり国と地方というのははっきりとこの特定財源を分けて考える必要があると、こう思う中で、さきの政府・与党合意の中でも地方の道路については一般財源について全く除外されているということであります。
#54
○那谷屋正義君 税金というのは、突き詰めれば、強制的に徴収される金銭ということになるのかなと。したがって、その強権性に対する恐れと自戒は絶えず持ち続ける必要があるというふうに思います。ただし、だからといって国税との違いという殻に閉じこもったままでは、分権の時代を迎えて国税以上に生々発展すべき地方税制度を所管する自治税務局の役割としては、まだまだ残念ながら不十分であると言わざるを得ないというふうに思います。
 国民や地方団体関係者との積極的かつ率直な意見交換等を通じて、名実備わった地方分権の世紀としての二十一世紀にふさわしい息吹をしっかり地方税制にも根付かせることは時代の要請でもあります。総務省の奮闘努力を大いに期待しておきたいというふうに思います。
 時間の方がもう残りわずかになってまいりましたけれども、もう少しお聞きをしておきたいものがあります。
 私は、昨年の十月の三十一日の当委員会で、大臣の命令放送について、NHKの番組編集権を侵害し、表現の自由を侵すものだと指摘をしたところであります。しかし、大臣はその後も放送局に対して様々な発言や監督権の行使をなされております。これら大臣の一連の行為は、言論機関である放送局に対する行政の介入であり、表現の自由を侵すものではないかと大変危惧するところであります。この危惧は、実は私だけのものではなくて、新聞各紙にそうした論調が載っているところであります。
 日本国憲法は表現の自由を保障し、放送法は放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって編集権の自由を確保することをうたっております。放送局の不祥事に乗じて放送局への介入、コントロールを強めるようなことがあっては、憲法の要請に背馳することは明らかであります。放送局の自律を確保し、表現の自由を守ることに対する大臣の認識と覚悟を明確に示していただけたらと思います。
#55
○国務大臣(菅義偉君) この放送法においても、その目的として、放送の自律の下で憲法に定める表現の自由というものを確保し、公共の福祉に適合するよう規律することが求められております。私自身は、こうしたことを忠実に守っていきたいというのは、これ、当然であります。
 しかし、昨今のこの番組であります。あの関西テレビですか、「あるある大事典」という中で捏造されたものが番組として放送されたと。公共の電波を所管をする大臣として、やはりそうした電波の果たす役割というのは極めて影響も大きいわけでありますから、私は、事実に基づいて報道をしていただきたいというのは、これは御理解をいただけるというように思います。しかし、あの番組については明らかに捏造したものが放送されている。私はその所管大臣として非常に深刻に考えました。
 昨年も実は私ども、行政指導という形で四件させていただいています。その中で一つ、例えばインゲンマメが減量に効くということで、インゲンマメを食べた方が入院をしたという騒ぎもありました。そうした番組が事実と異なったような場合は、私ども、その報告を求めて、再発防止策というものをそれぞれの放送局にお願いをした事例もあります。
 しかし、それにもかかわらず、今回このような「あるある大事典」で捏造が繰り返されたと。そういう中で私は、私どもは行政指導として再発防止策というものをそれぞれの放送事業者から受けていたわけでありますけれども、更に一歩進めまして、法的によってこの再発防止策というものは必要ではないかなというふうに、実は私は考えました。
 というのは、行政指導と罰則の間に余りにも開きがあるんですね。行政指導、私ども総務大臣としては厳重注意であります。しかし、その上はもう停波か免許取消ししかないわけでありますから、そこの間に再発防止策、自ら再発防止策を考えて、そして国民の皆さんにオープンにして約束してもらう、こういうことは私はあっていいのかなという、そういうことを考えまして、国民の電波を所管をする大臣として、そうしたことを再発防止策として今考えているというところであります。
#56
○那谷屋正義君 確かに、今大臣がおっしゃられたように、テレビの影響というのは本当に大きいわけでありますけれども、それがまた、捏造されたものが堂々と、しかも何度も行われるということについては、私もそれは大変まずい、遺憾であるというか大変まずいことだろうというふうに思いますけれども、そのことと今の法律を改正するというところに一挙に行くことがどうなのかという部分については、先ほど冒頭お話がありました放送局の自律性というか、そういったものの確保という観点から、やはり慎重になられることがやはり大事ではないかなというふうに思うところであります。
 もう時間がありません。
 大臣のホームページを拝見すると、「意志あれば道あり」と大きく出ています。また、政治信条としては、「私は今も変わらず、愚直に自らの信念、意志にこだわり、実現に向けて「行動」を続けています。」とされています。しかし、政治家としては、他人の意見に真摯に耳を傾け、立ち止まって考えるということも大事であります。自分の考えだけを絶対のものとして他者の意見に一切耳をかさず、正に壊れたブルドーザーよろしく強引に道を造っていく手法はいかがなものかというふうに思います。
 放送と通信の大きな転換点を迎えたこの時期の総務大臣として、与党の意見も野党の意見も総務省内部の意見も、そして何よりも国民の意見に真摯に耳を傾けていく大人の度量を是非発揮していただくことをお願い申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
 ではコメントを、はい、どうぞ。
#57
○国務大臣(菅義偉君) 私は、自分で物事を判断をする際に、必ず国民の皆さんの声というものは客観的に聴かさしていただいて、私なりに責任を持って判断をさしていただいていることを是非御理解をいただきたいと思います。
#58
○那谷屋正義君 終わります。
#59
○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。
 今日、お昼前、短時間御質問させていただきたいと思います。今日、私、地方税法と、それから交付税の関係もちょっと含めまして、いろいろと幾つかお話を伺いたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 まず最初に、今年の六月から、国から地方への約三兆円の税源移譲が本格的に実施をされるわけでございまして、地方税の重みが増すわけでございます。サラリーマン等の給与所得者の場合は、従来は国に納める所得税の方が自治体に納める個人住民税より多かったわけでございますけれども、今年の六月以降は、ほとんどの人、例えば夫婦と子供二人の世帯で申し上げますと、給与所得が年額九百四十一万円以下の人に限って言いますと、全体の八六%の人が所得税よりも個人住民税の額が大きくなるということでございまして、これが意味するところは、もう大臣よく御存じのとおり、市町村や都道府県が直接使う税金の割合が高まるということでございます。
 正に小泉内閣の時代から始まった地方分権改革が税収構造上も本格化、今年からするわけでございますが、それに伴って地方自治体の税金の使い方、使途について、国民、住民の意識が高まることが予想されるわけでございます。しかし、実際には自治体間にはガバナンスの質的な格差があるわけでございますし、また地方財政の更なる透明化、またその住民の皆さんに納税者としての意識をどう高く持っていただくかというような課題も多いわけでございます。
 こういったことを念頭に、まず大臣に、総論的なお話でございますけれども、税源の使途決定に地方自治体の比重が高まる中で、各自治体にこれから求められる最も重要な課題、改革とは何か、この点についての大臣の御見解を伺いたいと思います。
#60
○国務大臣(菅義偉君) 安倍内閣の基本方針というのは、地方の活力なくして国の活力なし、このことを私どもは基本としてこの地方問題に取り組んでいるところであります。私自身、副大臣も経験をしました。そして、大臣になったとき考えたことは、やはり地方に安心感を与えることが一つ大事だなと思いました。そしてもう一つは、ここ数年やはり地方が元気がなくなってきている、地方に活力を与えることも、このことが大事だなという、この二点について、私、大臣として基本にしながら取り組んでいきたいというふうに思っておりました。
 地方が自主性、自立するためには何が必要かということを考えたときに、やはり国と地方の役割というものを明確に分担をして行うことがこれ大事だというふうに思いました。そのためには、地方に自律性、自由度を高めるということであります。さらにまた、とはいえ地方に財源がなければ地方はそのことができないわけであります。今、地方は仕事が六で税収は四ということになっていますから、ここもやはり正していく必要があるだろうというふうに考えました。
 そういう中で、昨年の臨時国会で地方分権改革推進法、当委員会でも各委員の皆さんに御理解をいただいて成立をさしていただきました。もう三年以内のこの次の一括法の中で国と地方の役割というのを明確に分担をする、そして権限と財源と税源を地方に移譲させる、そういう仕組みをつくることによって、地方が自ら考え、そして自ら行動をし、そしてまた自ら責任を取るという、そういう地方分権の社会というものを何としても私自身はつくり上げていきたいと考えています。
 ただ、その一括法の間にも分権、地方にゆだねられるものはゆだねていくという、そして今年の暮れには税制の抜本改正を予定しているというわけでありますから、そうした中においても、偏在の少ない地方消費税というものを、これを地方の基幹項目にしていくように努力をしていきたい、こう考えているところであります。
#61
○遠山清彦君 としますと、大臣、これから更に、今回三兆円と言われているわけですけれども、地方への税源移譲の規模を拡大すべく改革を進めていくという理解でよろしいでしょうか。
#62
○国務大臣(菅義偉君) 全くそのとおりであります。
 仕事が六ですから、本来であれば六が移譲されるのが私は当然だと思いますけれども、少なくとも当面は一対一、国と地方の税は、そこまで全力で取り組んでいきたいというふうに考えています。
#63
○遠山清彦君 ありがとうございます。
 国と地方という対比の中の議論では、全く私、大臣のおっしゃるとおりだと思うんですが、実はこれはもう大臣よく御存じの議論でございますが、今のこの税源移譲の大枠の形で今後その移譲規模が拡大していきますと、例えば不交付団体でございます東京とその他の地方の格差が拡大をするんではないかという懸念する声が政府の中にもあるわけでございます。
 具体的に申し上げると、尾身財務大臣の御発言の中で、国から地方への税源移譲で、例えば先ほど森元委員からの質疑の中でも出てきましたけれども、法人二税のような傾斜が非常に付き過ぎているような税源が移譲をされた場合には、結局は東京のような元々既に財源が豊かで不交付団体になっているところが更に豊かになって、そしてその他の地方が更に、比較対照的な意味ですけれども、貧しくなっていくということがあるんではないかと。これは一部の専門家では、地方への税源移譲が進むことによる東京とその他の地方の格差問題と言われているわけでございます。で、財務省、まあ財務省はほかの意図もあるかもしれませんが、そういった警鐘を鳴らして、菅大臣にもいろいろと御意見が来ているんだろうと思います。
 そうしますと、一般には、これはマスコミ報道もそうですが、地方分権を進めるためには地方に税源移譲すべきだという、正にさっき大臣がおっしゃったことはもう大前提と言われているわけですが、他方で、この税源移譲が進んだときに、潤う自治体とそうでない自治体の格差が今よりも広がると。特に、それが東京とその他の地方となると、必ずしも国民の多くが、それを知った場合ですよ、支持するとは限らないということもあるわけでございまして、この点について是非大臣の率直な御意見を伺いたいと思います。
#64
○国務大臣(菅義偉君) 地方税の理念というんですか、そういうことから考えた場合、東京の税をほかの地方にやるというのは、これは非常に問題があることであると思います。しかし、現実を考えたときに、私はさきの経済財政諮問委員会の中で、総務大臣でありながら、東京問題というものを国としても考える時期に来ていると、こういうことを初めて私は提言をさせていただきました。
 ですから、財源が移譲された場合に、やはりそれがあまねく全国に広く行き渡るものでなきゃならないというふうに思っていますので、それはその遍在の小さい地方消費税が中心になるべきだろうというふうに私は思っておるところでありまして、そうしたものをやはりしっかりと主張していきたいということであります。
#65
○遠山清彦君 今日のところではそのぐらいの御答弁だと思いますけれども、これからまた一括法の審議の中でいろんな詳細な制度設計が出てくると思いますので、私もしっかりと議論させていただきたいというふうに思います。
 次に、今、東京、不交付団体だということを申し上げたわけでございますが、この不交付団体の数を全国で増やすということも政府の一大方針であるというふうに理解をしております。二〇〇六年度の算定で申し上げますと、市町村の不交付団体の数は百六十七、都道府県は愛知県と東京都のみということでございますが、前年度と比較をすれば、これは不交付団体の数も、それから人口の割合も増えてきているわけでございまして、これ自体は好ましいことだというふうに私も考えております。
 で、今日お伺いしたいのは、今後のこの不交付団体の数の増加について、総務省として具体的な数値目標を設定する御意向があるのかどうか、これを伺いたいと思います。骨太の基本方針二〇〇六では、人口二十万人以上の自治体についてはその半数を不交付団体にすべく頑張るべきではないかという、まあ目標の例示みたいなものがあったと記憶しておりますが、大臣の御意見を伺いたいと思います。
#66
○国務大臣(菅義偉君) 私は目標というものを設定をしたいというふうに考えています。それは、地方自治というのは、本来、自らの税収によって地方運営を行うこと、このことがやはり私は理想であると思いますし、そのことによって規律というものも働いてくるというふうに思いますし、さらにその地方の活性化にもつながると、こう思っておりますので、やはり私どもとしては一つの目標を設定をしてやっぱり取り組む必要があるというふうに考えています。
 今委員の御指摘にありましたけれども、二〇〇六において二十万以上の市の半分の目標を定めて不交付団体を増加を目指す、こういうことをうたっています。更に言うならば、私としては不交付団体を全人口の半分ぐらいまでに増やしたい、こう考えておるところであります。
 いずれにしろ、こうしたことが必ず地方の自律につながるだろうという考え方から、そうした一つのやはり目標というものが必要であるというふうに思います。
#67
○遠山清彦君 よく分かりました。ありがとうございます。
 続きまして、新型交付税の導入についてお伺いをしたいんですが、時間の関係もございますので、一番聞きたいところを最初にお伺いをさせていただきたいと思います。
 今回の新型交付税の導入で算定方法が簡素化されまして、項目数で言うと約三割削減となっているわけでございます。私個人といたしましては、日本の税体系というのは全体的に非常に複雑になっているわけでございまして、それが納税者一般の税制理解とか、あるいは地方自治体の行革へのディスインセンティブの一つになっているというふうに考えておりまして、そういった立場から、できる限り簡素化をすべきであろうというのが私の考えでございます。
 一方で、多様な条件の格差がある個々の地方団体の財政需要をきめ細かく精査をして財源保障をしようとすれば、一方で専門家の間では複雑化は避けられない、複雑になるのは当然だという見方もあるわけでございます。そういう御意見もある中で、今回、算定方法の簡素化に踏み込んだ理由についてお伺いをしたいと思います。
#68
○国務大臣(菅義偉君) 私、これは副大臣になったときにこれ竹中大臣とも話したんですけれども、やはり地方交付税は余りにも複雑過ぎるんじゃないかと。そういう中で、算定項目をできるだけ少なくすることがこれ大事だというふうに思いました。そういう議論の中で、とはいえ、その項目を変更することによって余りに影響を与えることは地方自治体の皆さんはこれは望まないわけでありますから、そういう中で余り算定によって変動のない部分について新型交付税を導入をしようという、そういう方向に決めたわけであります。
 そうして、その効率化と同時にもう一つ考えたのは、予見可能性もやはり高める必要があるというふうに私これ思いました。それは、地方公共団体のいわゆる長の皆さんはそのことを強く私どもに求めていることでありますので、そういう中から新型交付税というのを導入をさせていただくと。
 ただ、この導入に当たっては、地方団体の皆さんと十分にこれ検討をし、打合せをし、また説明をして、交付税を減額させるためにやっているんじゃないと、そういうことも含めてしっかりやっぱり理解をしてもらう必要があるということで、そういう中で今新型交付税を導入するということであります。
#69
○遠山清彦君 予見可能性の指摘について私も同感でございます。それと同時に、交付税につきましては持続的安定性も非常に求められているわけでございまして、そういった観点で次の御質問なんですけれども、離島や過疎地など真に配慮が必要な地方団体に対応する仕組みとして、今回併せて地域振興費が創設されるというふうに理解をしております。
 大臣、衆院での議論で既に御答弁されていますが、新型交付税、今回全体の一割で導入されていくわけでございますが、行く行くは三割を目指して拡大をされていくということでございまして、それはそれで私、原則的に異論はないんでありますけれども、これが、この新型交付税の役割が大きくなっていくという文脈の中で、離島でありますとかへき地などが、そういう自治体が新たな算定方法の下でも十分な財源保障が担保されるということをやはり確認をしないと、この持続的安定性という部分で不安が残るわけでございまして、この点について大臣の率直なところをお伺いしたいと思います。
#70
○国務大臣(菅義偉君) 今、その導入に当たっては地方公共団体と十分に相談するようにという話を私、事務方に申し上げています。さらに、団体の現実の財政運用に支障がないようにということがその目的でありますけれども、今お話のありました過疎団体のように、例えば人口が少ないと、そういうところは一人当たりの行政経費というのはほかと比べて非常に高いわけですから、そういうものも反映をさせる。あるいは、離島とかの場合は通信費だとか移動費にお金がほかのところと比べてはるかに多く掛かるわけでありますので、そういう特別の財政需要にも考慮する。これは積雪も同じでありますけれども。
 そうした中で、十分に配慮する中で新型交付税というのを導入をして、そして、そのことによって予見可能なことの第一歩を記していきたいというふうに思います。
 ちなみに、今回の算定の中で、市町村は昨年と比べて多くなっているところが多いわけであります。
#71
○遠山清彦君 最後に、地方税法の関係で一点だけ、まとめてちょっとお伺いします。お伺いするというか、私の要望がございますので。
 今回の税制改正で、六十五歳以上の高齢者や障害者等が居住する既存の住宅につきまして、バリアフリー改修工事を支援するために、固定資産税を三分の一減額するという特例措置が創設をされました。これは公明党がかねてより積極的に要望してきたことでございまして、非常に高く評価をしているわけでございますが、実はこのバリアフリー改修工事の対象項目の中にエレベーターの設置工事が入っておりません。
 私は、今後本格的な高齢社会の到来を控えて、御家庭においても簡易エレベーターの設置の需要が高まるんではないかと思っておりまして、このエレベーター設置という項目を対象として検討していただけないかと、これが一点目でございます。
 併せまして、二点目が、この特例措置の対象になっておりますバリアフリー改修工事は、補助金を除いた、控除した上で自己負担が三十万円以上のものを対象とするとなっているわけですね。ところが、そうしますと、かなり大掛かり工事をしないと実は特例対象にならないということが例えば東京都なんかではございます。
 東京都では、高齢者いきいき事業というのがございまして、これを使いますと一世帯限度額二十万円まで補助を受けられるわけです。そうしますと、二十万円の補助を自治体から受けた上で、更に自己負担が三十万円以上ですから、五十万円以上のバリアフリー改修工事を御家庭でやらないと特例対象にならないということでございまして、せっかくつくっても適用対象例が少なくなる可能性があるのではないかと思っておりまして、私個人としては是非この自己負担基準額を現行の三十万円からもうちょっと下げていただけないかなと思っておりまして、この二点について是非御検討いただきたいと要望を申し上げた上で、総務省の現時点でのお立場をお伺いしたいと思います。
#72
○政府参考人(河野栄君) 住宅のバリアフリー化についてのお尋ねでございます。
 今後高齢化が進んでまいります中で、高齢者あるいは障害者の方にとって安全かつ快適な居住環境を確保していくという上で、住宅のバリアフリー化を促進していくことが大変重要でございます。今回地方税におきましても、一定のバリアフリー改修を行った既存住宅につきまして固定資産税の減額措置を講じることとさせていただいているところでございます。
 まず、その対象となる改修工事でございますけれども、これにつきましては、他のバリアフリー化促進施策との均衡を考慮いたしまして、併せて、所得税の特例措置と同様に、住宅の品質確保の促進等に関する法律という法律がございます、また介護保険法、こうした法律において認められておりますものを対象にすることにしているところでございます。具体的には、廊下の拡幅でありますとか、階段の勾配の緩和、あるいは手すりの設置、段差の解消等を対象とさせていただいているところでございます。
 住宅内のエレベーターについてお話がございましたけれども、これは必ずしもバリアフリー化のための一般的な工事とは言えないかと存じますし、また、先ほど申し上げました法律におきましてもバリアフリー改修工事と位置付けられておりませんことから、対象としていないものでございます。
 また、バリアフリー改修の工事費の要件についてもお話をいただきました。
 住宅全体の固定資産税について減額措置を行っていくということでございますので、小規模な改修ではなくて、自己負担がある程度の額となる改修工事が行われる場合に対象としていくということが必要であろうと考えております。
 こうした観点から、通常におきましては複数の工事が併せて行われることが多いと考えられるわけでございますけれども、例えば段差の解消だけをやった場合でも平均費用を見ますと三十万円弱ぐらいになっているというデータもございます。また、こうしたこと。
 そして、昨年創設をいたしました耐震改修につきましての減額措置の要件でございますけれども、これも三十万円以上といたしております。それから、所得税と同様の措置、種々の措置を講じることとしておりますので、所得税の要件とも合わせるといったことから、今回の特例措置の要件につきましては三十万円以上とさせていただいているところでございます。
 今後の在り方についてお話をいただいたところでございますけれども、この制度につきましては、これから制度を導入しようという段階でございまして、当面しっかり活用していただきますように周知に努めながら、その活用の状況をしっかり見極めてまいりたいというふうに考えております。
#73
○遠山清彦君 またおっしゃったように実績を見極めた上でいろいろと議論させていただきたいと思います。
 以上で終わります。ありがとうございました。
#74
○委員長(山内俊夫君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩をいたします。
   午前十一時五十六分休憩
     ─────・─────
   午後一時一分開会
#75
○委員長(山内俊夫君) ただいまから総務委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告申し上げます。
 本日、高橋千秋君が委員を辞任され、その補欠として江田五月君が選任されました。
    ─────────────
#76
○委員長(山内俊夫君) 休憩前に引き続き、地方税法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#77
○吉川春子君 日本共産党の吉川春子です。
 まず、財務省にお伺いいたします。
 政府税調は、平成十八年十二月に行った平成十九年度の税制改正に関する答申で、平成十九年度末に期限切れとなる上場株式等の配当や譲渡益の優遇税制措置については、金融所得課税の一体化の方向に沿って期限到来とともに廃止すべきとの答申を行っています。
 どのような経済情勢判断の下にこうした答申が出されていると受け取っておられるのか、まず伺います。
#78
○政府参考人(佐々木豊成君) お答え申し上げます。
 平成十九年度の税制改正に関する答申におきまして、上場株式等の配当や譲渡益の軽減税率一〇%は、平成十五年度改正において、当時の株式市場の低迷や金融機関の不良債権問題に対応するため五年間の時限措置として導入されたものであるとした上で、現在の経済状況は、株式市場が活性化し、不良債権問題も正常化するなど、優遇措置導入当時と比べて大幅に改善するとしております。
 これらを踏まえまして、上場株式等の配当、譲渡益に係る軽減税率につきまして、期限到来とともに廃止することを御提言いただいておりますが、その際、あわせまして、軽減税率の廃止に当たっては、株式市場の無用の変動要因とならないような工夫が必要、また、投資リスクを軽減するため金融所得の損益通算の範囲を本格的に拡大していくべきとの御指摘もいただいているところでございます。
#79
○吉川春子君 総務大臣、お伺いします。
 政府税調のこうした答申にもかかわらず今回証券優遇税制を一年延長した理由について、大臣は衆議院の総務委員会で、株式市場や経済全体への影響が懸念されるので一年延長して廃止すると答えておられますけれども、具体的にはどのような影響が懸念されるのでしょうか。
#80
○国務大臣(菅義偉君) 軽減税率について、特段の措置を講じることなく期限が来たということで廃止をした場合、利益確定の当然売りも出るでしょうし、また、この経済の影響というものも私は極めて大きいというふうに思います。
 そういう意味において、株式市場の混乱だとか株式取引意欲への懸念、そういうものが考えられるところであります。
#81
○吉川春子君 この資産家優遇税制は、従来の二六%課税を二〇%に引き下げ、さらに、二〇〇三年の五年間の時限立法として、株式配当への減税と株式譲渡所得への減税を更に一〇%引き下げるという高額所得者優遇政策です。既に株価は上昇しておりますし、根拠が失われているんじゃないか。株価七千円時代のこれは話であったんじゃありませんか。そして、しかも、対応するにも五年間の期間があったわけですから、更に一年延ばしてあげようと、これが政府税調答申を覆す根拠になるんでしょうか。
#82
○国務大臣(菅義偉君) 政府税制調査会の答申においては、上場株式等の配当及び譲渡益に係る軽減税率について期限到来とともに廃止をすると、そのように提言をしてますけれども、また、それと同時に、廃止に当たっては、株式市場の無用の変動要因とならないような工夫が必要であると、さらに、投資リスクを軽減するため金融所得の損益通算の範囲を本格的に拡大をしていくべきと、こうしたことも実は言及をしております。
 こうした点を踏まえた上で、与党における税制改正の審議において議論がなされ、軽減税率についてはその適用期限を一年延長し、この間に、市場の混乱を回避するための措置や金融所得の損益通算範囲の拡大策等について検討を行った上で廃止をされると、こういうふうに至ったというふうに理解をしています。
#83
○吉川春子君 五年間も期間があったわけで、急にこういう影響が懸念されるということで延長されるということは、根拠が十分説明されていないと思います。
 国税庁、伺いますけれども、〇五年の国税庁統計では、株式譲渡所得申告の内訳を、所得階層別に減税額を明らかにしていただきたいと思います。
#84
○政府参考人(佐々木豊成君) 平成十七年の申告分の所得階級別の株式譲渡益についてでございますが、所得階層別に細かく分類されておりますが、ここで二つ分けて申し上げますと、一千万円以下の所得階級のうち、株式譲渡所得がある者は二十一万八千二百五十四人で、これらの者の株式等の譲渡所得等の合計が三千三百十億円でございます。また、申告所得階級五千万円超の者のうち、株式譲渡所得がある者は一万二千二百九十八人で、これらの者の株式等の譲渡所得等の合計は一兆七千二百九十九億円となっております。
#85
○吉川春子君 そもそも、その株式投資のできる人は、一定の余裕のある人なんですね。今お示しいただいた数字も、非常に高額所得者にとって有利だということになると思いますが。
 もう一つ続けて伺いますが、預貯金の利子はほぼ無利子状態をずっと続けてきて、そして大企業、銀行を助けてやって、その上、こちらの利子所得は二〇%課税なんですよね。庶民、お年寄りいじめの構造になっていますけれども、国税庁にもう一つ伺いたいのは、資産階層別所得・資産に占める株式の割合はどうなっていますか。
#86
○政府参考人(佐々木豊成君) 個人の資産階級別の保有金融資産額に関しましては、政府としての統計調査はございません。
 ただ、民間の調査といたしまして、野村総合研究所が公表しているものがございます。それを御紹介いたしますと、所有金融資産が一億円以上五億円未満の層におきましては、所有金融資産に占める株式と投信の保有割合は三九%となっております。また、所有金融資産が五億円以上の層におきましては、所有金融資産に占める株式、投信の保有割合は五六%というふうになっております。
#87
○吉川春子君 全所得者層の数字もついでにお願いします。
#88
○政府参考人(佐々木豊成君) 全所得者層につきましては、株式と投資信託の保有割合は一二%となっております。
#89
○吉川春子君 ですから、今の数字でも明らかなように、圧倒的、高額所得層がこういう資産を持っているということになるわけです。
 それで、これは報道記事、今数字伺っただけですぐ試算できないので報道記事で言いますと、申告で所得納税者数は七百七十四万人いて、株式の譲渡所得は一兆三千五百六十九億円、五千万円超の人が八千六百九十四億円で三分の二を占めている、一人当たり一億一千五百五十四万円、五百万から七百万円の人はたった三・四%で、一人当たり百五十二万と。
 こういう数字を見ても、今度の減税というのが非常に富裕層、超富裕層といった人々に対する減税だと、そういう人たちが恩恵を受けるということはここで明らかだと思うんですけれども。
 総務大臣、お伺いしますけれども、減税額の六五%を年所得五千万以上の高額所得者で占めているということですね。国策としてこういう金持ち優遇政策を推進しているということがこの数字からもはっきり分かると思うんです。
 そこで伺いますけれども、証券優遇税制の延長による減税の地方への影響額は幾らと試算されておりますか。
#90
○政府参考人(河野栄君) お答えをします。
 上場株式等の配当等に係る軽減税率の延長による減収額でございますけれども、これを十九年度の配当割の税収見込額を基にいたしまして機械的に計算をいたしますと、六百億円強という数字が出てまいります。
 また、上場株式等の譲渡益に係る軽減税率の延長による減収額でございますけれども、これは、軽減措置の有無によりまして株式取引そのものへの影響も生じ得るわけでございますので、なかなか的確な算定というのは困難だと存じますけれども、仮にそうした影響がないものとして十九年度の株式等譲渡所得割の税収見込額を基にいたしまして機械的に計算いたしますと、九百億円強という数字が出てまいります。
#91
○吉川春子君 要するに、本来今年から入ってくるべき税収が入ってこない。今、地方自治体というのはいろんな意味で財政的に逼迫もしておりますし、こういう収入というのは、本来そういうことのために使われるべきものが高額所得者への減税の財源として使われてしまう、こういうことになるわけですけれども。
 大臣に伺いますけれども、この本来入ってくるものが入ってこないということで、その補てん策というのはどのように考えておりますでしょうか。
#92
○国務大臣(菅義偉君) 十九年度の地方財政計画においては、御指摘のこの上場株式等の配当に係る軽減税率を延長することも含めて実は地方税収を見込んでおります。この軽減税率の延長について特別な補てん措置は講じないことになっております。
 また、軽減措置の延長も含めて地方税収を見積もっておりまして、その上で生じる財源不足、十九年度は四・四兆円でありますけれども、これについては完全に補てんすることとして地方財政計画を策定をしているところであります。
 さらに、十九年度においては、地方税、交付税の一般財源総額を確保し、昨年度を五千億円上回るというふうになっております。その結果、地方団体の財政運営に支障が生じないように対応させていただいているところであります。
#93
○吉川春子君 衆参の予算委員会とかほかの委員会を聞いておりましても、地方財政で、どれだけ逼迫していて地域の住民が大変か、自治体の長が苦労しているかという質問がたくさん出ますよね。そして、大臣もお答えになっていると思うんです。
 だから、私は、そういう点から考えても、やっぱり今度のこの、まあ国税が多いんだけれども、地方税への影響も今一定額あるわけです。その試算の根拠についてはちょっと私、多少異議ありなんですけれども、その金額はですね。かなりの額の影響があると。それを特に弱者への減税とかいろんなためにお金を使うんじゃなくて、もうこれは明らかで、財務省から資料もいただきましたけれども、本当に何百億単位で減税になる人もいるんですよ、数人ですけどね、七人ぐらいだけれどもね。そういうことの減税をするために大切な税収をそういう形で費やしてしまうということに対して私はもう本当に怒りをさえ感ずるわけなんです。
 一方で定率減税を廃止して、生活保護すれすれの低所得者層には大増税を課しています。今言ったように、五千万円を超える高額所得者に過保護なまでに減税を施していると。そして、定率減税廃止による影響額は一兆七千億円です。大企業、高額所得者優遇は、配当と譲渡で一兆円、減価償却で五千億強、合わせて一・五兆円になるんですね。そして、しかも生活保護から今裁判も起きていますけれども、高齢加算を削り、母子加算を削り、もう本当に生きていけないと。こういう特集も民放でもNHKでも報道されておりますけれども、この番組を見ているともう息が詰まりそうで、本当にそういうことまでして、一方は、その低所得者層、弱者は頑張っているわけなんですね。それに加えて、今度のこの証券優遇税制というのは本当に許せないという思いで私は一杯です。
 この上、不足する財源について、選挙が終わったら地方消費税導入ということも云々されているわけですけれども、これをまた更に地方の住民の負担というふうに考えておられるのか、その点、総務大臣いかがお考えですか。
#94
○国務大臣(菅義偉君) まだ抜本的な見直しというのは、今年の秋以降ということでありますので、そのことについては言及することは避けさせていただきたいと思います。
#95
○吉川春子君 参議院選挙が終わったら消費税増税の検討をするということはもう公然の事実で、いろんなところでいろんな閣僚もおっしゃっているわけなんですけれども、おっしゃっていてもうそれは公然の事実になっているわけです。
 総務大臣にお伺いしますけれども、各種減税で既に法人税は三〇%になっていると。その減税総額は三千三百七十億円。既に法人の税率は、上位十社の大企業で試算いたしますと三〇・七となっているんですよね。こういうことについては御承知でしょうか。
#96
○政府参考人(河野栄君) 法人所得課税の実際の負担額は、租税特別措置等を適用いたしました後の所得を課税ベースといたしまして、これに税率を掛けて求められるわけでございます。
 法人の実際の税率に関連してお話ございましたけれども、法人の実効税率というものがよく用いられるわけでございます。これは主に法人の税負担を国際的に比較する場合に用いられるものでございまして、各国がそれぞれ異なる制度によって課税ベースを決めているわけでございますし、また租税特別措置等の影響が企業によって異なるわけでございますので、従来から、こうした課税ベースの差は考慮しないで、国及び地方の法人所得課税の標準税率を組み合わせた税率水準を用いまして実効税率という形でいろんな比較を行っておるところでございます。
 御指摘いただきましたような意味での大企業の実質的な税負担の率ということになりますと、これは、租税特別措置等の影響が企業によって異なってまいるわけでございますので、一般的な数字として算定することは困難でございますし、したがって計算もしておらないところでございます。
#97
○吉川春子君 そちらは計算していないとおっしゃるんですけれども、いろんな形で研究者などが試算をしておりまして、我が党も必要に応じて試算をしているわけです。
 時間がなくなりまして、総務大臣、最後に伺いますけれども、さっきも申し上げましたように、七千円台の株価のときにこういう制度ができて、今はもう株価も一万七千円ぐらいに上がっている。そういう中で一〇%も引き下げると、優遇税制を。そういう、一年延ばす道理はないと私は思うんですけれども。
 衆議院の審議で、証券優遇税制の廃止に関する我が党の吉井議員の質問に対して河野参考人が、一年延長した上で廃止するということで御提案申し上げていると、このようにおっしゃっているんですけれども、大臣、お伺いしますが、廃止後更に大企業優遇の税制をお続けになるのかどうか、それはどうお考えでしょうか、政治家として。伺います。
#98
○国務大臣(菅義偉君) 税制改正につきましては、毎年秋以降、本格的な議論が行われるわけでありまして、特に今年は消費税を含む税体系一般について行われる予定になっています。その中で様々な問題が私は検討されるべきであるというように思っていますので、今、現時点で具体的な方向というのはまだ定まってないというふうに考えています。
#99
○吉川春子君 OECDの〇六年のデータによれば、もう報道されてよく御存じのとおりですけれども、可処分所得ベースの貧困率は六・〇と主要五か国で最も低い。日本は一六・五%の貧困率が税、社会保障でカバーされるのはわずか三%。最終貧困率はアメリカ並みの一三・五%。こういう中で、企業の社会保障負担も極めて低い。いかに経済大国と言っても、こういう中で国民が苦しんでいるんだと、そのときに大企業、大金持ちだけを優遇するような減税というのはよろしくないと思います。
 そのことを申し上げて、質問を終わります。
#100
○又市征治君 社民党の又市です。
 今回の地方税法改正案は、先ほど来出ていますように、住宅のバリアフリー化に係る固定資産税の減免といった評価できる改正点も含んではいるものの、その中心はやっぱり株式の配当及び譲渡益に対する府県民税の税率の軽減措置を一年延長する、この点だろうと思います。給与所得などについては定率減税の廃止によって国税、地方税の実質増税が押し寄せているわけでありますが、それなのに株式投資という一般に富裕な層の所得について減税を継続するということは所得格差を一層拡大するものと、こう言わなきゃなりません。
 ただでさえ小泉リストラ政治の下で日本が戦後かつてない格差社会になっている現状で、総務大臣としてはこの点はいかがお考えになっておりますか。
#101
○国務大臣(菅義偉君) 地方の活力なくして私どもは国の活力はない、そういう観点から私どもとしては景気全体が地方にも及ぶような形の中の地方の活力ある政策を考えておるわけでありますけれども、今委員が、御指摘にありましたけれども、地方と都会によって様々なばらつきがあるということもこれは事実でありますので、そうしたことを、交付税を中心に、どこに住んでも一定水準のサービスができるような、そういう仕組みをつくることに全力で取り組んでいきたいというふうに思っています。
#102
○又市征治君 さて、ずっと朝から出ておりますが、地方の間の格差も拡大をしております。
 内閣府が六日に発表した県民経済計算、これは二〇〇四年度の結果ですから小泉政権三年目のものということになりますけれども、地域格差を表す変動係数は一五・五七%で、三年連続で拡大しているというふうに伝えています。小泉政治の下で恐らくその後の二年間も拡大しているんだろうと思います。
 そこで、この件について、内閣府から簡潔に御紹介をいただきたいと思います。
#103
○政府参考人(後藤正之君) お答え申し上げます。
 先般公表されました平成十六年度県民経済計算でございますけれども、平成十六年度の一人当たり県民所得は全国平均で二百九十七万八千円、対前年度比〇・三%の増加となりました。変動係数につきましては、先生御指摘のように一五・五七%、三年連続の増加となっております。県別の動向を見ますと、二十の県で前年に比べ増加しております。水準の一位から五位につきましては、順番に東京都、愛知県、静岡県、滋賀県、神奈川県となっております。また、四十三位から四十七位につきましては順番に、鹿児島県、長崎県、高知県、青森県、沖縄県となっております。また、東京都と沖縄県の水準の違いは約二・三倍ということになってございます。
#104
○又市征治君 そこで、総務大臣、このデータについて感想をお願いをしたいと思うんですが、大都市府県と地方の県との間の格差が広がっているという厳然たる事実ですが、この数年間の政府による地方財政の削減や合併推進による自治体財政の縮小が地域経済の縮小に影響している、こういうふうに私ども思いますが、大臣はそうお思いになりませんか。
#105
○国務大臣(菅義偉君) 例えば、様々な指標の中で日本全国を眺めたときに、確かに良くなった地域とそうでない地域の差が出ていることはこれは間違いないことだというふうに思っております。しかし、この小泉内閣の五年前と比較をした場合に、例えば有効求人倍率でも、当時悪いところは〇・四幾つですかね、〇・五以下でした。今も〇・五以下のところはありますけれども、当時〇・八ぐらいの、例えば愛知は今一・八とかそういう形で全体として私は良くなっていると思いますけれども、良くなってきているところとそのままのところの差が出てきている、そういうふうに考えております。
 そしてまた、地域によっても、一つの県でも、例えば宮城県の場合は北と南でも差が出てきていると。非常に地域によってばらつきが目立つような状況になってきているというふうには思いますけれども、ただ、全体としては数字は有効求人倍率一を超えることができましたから、良くなってきているとは思いますけれども、ただ地域によって非常に大きなばらつきが見え始めてきているというふうに考えております。
#106
○又市征治君 一点、これ大臣認識が私ちょっと違うんじゃないかと思うんですが、有効求人倍率が一を超えたとこうおっしゃるが、非正規労働者を除くと、これ一を超えているのは愛知県だけですよ。あとみんな正規労働者で言うならばみんな一を割っているんですね。これは決して良くなったなんて言える代物じゃない。そのことは率直に申し上げておかなきゃならぬと思います。
 いずれにしても、先ほど私申し上げたように、そういう点では大都市府県と地方の県との格差問題に対するこの自治体の財政問題、特にやはり元々輸出産業や何か大企業がないところが、やはり公共事業が大きな、まあ菅大臣の御出身の秋田もそうだったと思いますが、やっぱりそうした公共事業が地方を支えてきたといいますかね、そういうものがあったわけで、これがどんどん財源を締められるということの中で、まるでどんどんどんどん経済が落ち込んでいく。だから、さっき言われたように二十県では少し上回ったけれども、二十七県は格差どんどん開いていくと、こういう格好になっているわけですよね。
 だから、そういう点を私はお聞きしたかったんで、まあその点答弁要りませんが、今有効求人倍率とおっしゃいましたから、この点は、非正規労働者を加えるか加えないかで大きな違いと。これは昔はそんな層というのはなかったわけですよ。そういう点で言うならば非常に悪くなってきているということをしっかりと見ておかないと、やっぱり政治上の過ちを犯すんじゃないかと、こう思うんです。
 そこで、歳入の基幹は地方税であるべきだというのはこれ理想でありまして、しかし、実際は府県で言えば税収よりも交付税の方が上回る県が二十八県でありまして、市町村はもっと低い、こういう状況です。だからこそ地域格差を緩和するシステムとして地方交付税があるわけでありますし、小泉政権下で税収が落ち込み地域格差が拡大したとき、交付税はそれを補てんするようにむしろ期待されたんだと思うんです。ところが、逆にこの六年間で、交付税はマイナス五兆円余り、規模にして二十兆円台から十五兆円台へ約四分の三に減らされてしまった。こういう結果になっていますね。この期間、地方税収は二〇〇一年度の三十六兆円をピークに三十四兆、三十二兆、三十三兆、三十五兆と、二〇〇五年度まで低迷を続けてきたのに、こういうことがやられているということです。それを補うはずの交付税は、二〇〇〇年度を基準にして二〇〇一年度のマイナス一兆円から始まってマイナス一兆八千億、マイナス三兆三千億、マイナス四兆五千億、次の二〇〇五年度も同じくマイナス四兆五千億とつるべ落としに削られてきた、こういう状況です。
 よく言われる税収の不足を交付税でカバーをして一般財源総額は維持するんだと、こういう真っ当な道理を残念ながらこれは全く守られてこなかったということじゃありませんか。この点について、この事実について、総務大臣、どのように認識をされていますか。
#107
○国務大臣(菅義偉君) 地方財政そのものは、近年、大幅な財政減の中で、それぞれの地方自治体が投資的経費だとか人件費を中心に地方財政計画の地方歳出というものを抑制に努めてきていただいているというふうに考えています。
 そして、今委員から御指摘がありましたけれども、二〇〇一年から二〇〇四年までの四年間、これで投資的経費は六・八兆円の減、人件費は四年間で四・六万人の定数純減等によって〇・九兆円の減。この結果として、二〇〇五年度の地方財政計画の規模は二〇〇一年と比較をして五・五兆円減の八十三・八兆円、地方交付税は同じく三・四兆円減の十六・九兆円と、こうなっていることもこれ事実であります。
 しかしながら、これは国と地方というものがそれぞれ歩調を合わせてプライマリーバランスの回復に向けて歳出削減に取り組んできた結果としてであって、交付税が抑制されてきたというものではなくて、交付税の財源保障だとかあるいは調整機能というのは、私、維持をされてきているというふうに考えています。
#108
○又市征治君 交付税を減らしてきたことについて、総務省の側は、無駄を見直したり、人員を減らした結果だというふうにおっしゃいますが、何度も指摘をするように、決して自治体の実態を聞いて合意を得てやられてきたんではなくて、むしろそれを無視して上からやってきた。まず、頭から地方財政計画の縮小を決めて、特に交付税の財源不足額の縮小、つまり政府の対地方支出の削減の規模を決めて、それに従って交付税算定上の需要額の圧縮をしたというのが実態じゃありませんか。とりわけ、その際用いるブラックボックスとして、人件費の算定であるとか補正係数を削り込んできた、これが交付税算定の実際の手順だったんじゃありませんか。
#109
○国務大臣(菅義偉君) 二〇〇一年度から二〇〇五年度までの地方財政というのは、十兆円を超える極めて巨額の財源不足を抱えて、債務残高は約二百兆円にも上るなど極めて厳しい状況でありました。
 そこで、先ほど申し上げましたけれども、政府全体として国、地方が歩調を合わせてプライマリーバランス、これを回復に向けて歳出削減に取り組んできました。このような歳出抑制の方針というのは、最大限の努力を行うことによって実現可能な水準を慎重に見極めた上で毎年度骨太方針を定めて、地方団体にも理解を求めてきたものであります。
 地方にとって厳しいものであったと正直言って思いますけれども、地方財政の健全化のためには必要な措置であったというふうに考えています。
#110
○又市征治君 そういう答弁なさるんですが、実際は、自治体は泣く泣く、がっと削られたからもう予算が組めないと悲鳴を上げた、そういう実態を全く、削って帳じりを合わせる、こういう格好で自治体はもう無理やりさせられたというのがほとんどの自治体の首長さん方の声ですよ。そんなことはもうこの総務委員会に長年おいでになる委員の皆さん、みんな御存じのとおり。
 だから、だから何度も申し上げているように、さっき、今大臣おっしゃるように、それこそ法定五税の率を上げるべきだと、こう言ってここでやってきたわけですよ。しかし、それをやらないで足りなかったんだ足りなかったんだと、だからそれはもう致し方なかったんだとおっしゃるけれども、それは努力の話じゃない、自治体を全く泣かせただけと、こういうことになっているんじゃないかということを申し上げているのであって、それは財政状況が悪かったことはそのとおりです。だけれども、元々の決めからいうならば、それは交付税への納入率を高める、それをちゃんと税率を上げるということが元々想定をされておったわけですから、そのことをやってこなかったことが問題だということなんだろうと思います。
 そこで、話は変わりますが、二〇〇七年度ですが、各府県は税収を昨年度に続いて上向きと想定をしている。では、歳入全体はどうなのか。
 三月十六日の朝日新聞が一般財源に焦点を当てて分析をしています。かなりでかい記事。これは大臣も見られたと思いますが。これは私はてっきり総務省の調査を引用したのかと思ったのですが、総務省では各県の予算をまだ把握していないというふうにおっしゃる。新聞社が総務省の先を行っているという、こういう状況のようでありますが。
 この記事は、見出しが、「税収増え格差拡大 改革しわ寄せ地方に」となっておって、税収が増える府県でも自由な財源、つまり一般財源総額が減っているという、こういう事実を指摘をしています。その理由は、地方交付税の減額の影響が大きいと述べて、都市部以外では交付税の減少額が実質的な税収増を上回るところが多いとも指摘しているわけですね。
 この点は新聞にデータ載っていないわけですが、総務省はどのようにとらえておられますか。
#111
○政府参考人(岡本保君) 各都道府県の予算、十九年度予算の状況でございます。私ども、毎年、当初予算の状況につきましては、各地方団体の予算は御案内のように一般会計と特別会計から成っておりますが、これを各都道府県ごとに比較しやすいようにするには普通会計ベースにこれを調整し直す必要がございます。そういう普通会計ベースに調整し直すということは、各県の三月議会、大変お忙しい時期に当たりますので、例年、私ども、四月議会のそれぞれ審議が終わられた段階で当初の状況をつかまえるということにさせていただいております。
 なお、今年度につきましては、御案内のように統一地方選がございますので、私どもその計数はまだお聞きしておりませんが、予算として各地方団体、都道府県のうち、四十七のうち十五の団体が骨格予算あるいは暫定予算というふうに策定されるというふうにお話を伺っておりますので、前年度と比較した、歳入、歳出イコールでございますので、そういう予算の状況というものを正確に把握するのは骨格予算を編成し終わった六月議会当時になるのではないかというふうに思っております。
#112
○又市征治君 多分そういう答弁をなさると思ったんだけれども、問題は、この朝日新聞が触れているような、税収は増えるけれども格差は拡大をしていくという格好で言って、今、先ほども述べてもう繰り返しませんけれども、この言っている傾向、これについてはそういうふうに思われるのかどうか、感想だけでも、見通し、ちょっと聞いておきたいと、こう思ったんです。地財計画が交付税を〇七年度もマイナス四・四%にしたので、各府県も総務省に遠慮して未確定の交付税を予算上減らしているからじゃないかと、こう思うんですね。
 問題は、いずれにしても、各県の予算上、対前年度、地方税の増と交付税の減とどっちが大きいかだけなわけでして、その点はこの朝日新聞の言っているのは間違っていますか。
#113
○政府参考人(岡本保君) 先ほど申し上げさせていただきましたように、十五の団体で骨格、暫定予算でございます。
 したがいまして、予算は歳出、歳入イコールで作成をいたしますので、歳出予算について骨格、暫定の段階で計上しておりますといった場合には、歳入につきましても、その将来の肉付け等を考えて通常の場合は留保するというような予算編成をしていると存じますので、今委員御指摘のような基本的な傾向がどうかということについては、やはり肉付け予算の状況を見て判断すべきものというふうに考えております。
#114
○又市征治君 十五が出ていないからって、ほかのところ、三十幾つあとはあるわけで、それだって傾向は出てくるんじゃないですか。
 問題は、各自治体は総務省を横目で見ながら、現段階では不確定要素の多い予算を一生懸命組んでいるわけですね。総務省もこのぐらい、新聞社に負けないように情報収集むしろしてほしいなと、こういうふうに思いますが。
 あとちょっと時間があるんですが、時間が足りなくなるんで、あとの部分は委嘱審査の方に回して、そこでやることにいたしますが、いずれにいたしましても、地方税法の改正案につきましては、一番冒頭に申し述べましたように、そういう意味では、残念ながら、こうした投資への減税を延長する、こういうことが基本でありますから、この点については重ねて反対を表明して、この質問は終わりたいと思います。
#115
○長谷川憲正君 国民新党の長谷川憲正でございます。
 朝来の各委員の御質疑を承っておりまして、与野党を問わず委員の皆様、地方の活性化、この格差と言われているものを解消するためにいろんな努力が必要だという、その御熱意のほどに感服しながらお話を伺っていたわけでございますけれども、私も同じ思いを強くするわけでございます。地方は一生懸命力を入れていろいろな知恵を出しながら活性化をしていきませんと、日本という国の将来がやはり開かれてこないと、このように私も思うわけでございます。
 そういう目で、今回のこの地方税法の一部を改正する法律案、見させていただきますと、いろいろな施策が多岐にわたって展開をされているように思いますけれども、どうも全体として、地方の活性化に力を入れているという印象が出てこないわけでございます。なぜかなと、私どもの思いと政府のお取り組みとの間にどうしてそういう違いが出てくるのかなというふうに思いまして、私は税のことよく分からないんですけれども、与党でございます自由民主党の平成十九年度税制改正大綱をもう一度よく読ませていただきました。
 そうしますと、与党のやはり税制改正大綱そのものが、余り何か地域のことを言っておられないということを発見をいたしまして、ちょっとびっくりしたわけでございます。これは各委員がお持ちのその情熱と、どうもそぐわない。もちろん、地域のことも書いてあるわけでございますけれども、基本は、むしろグローバル化に対応して経済を活性化し、国際競争力を強化するというところがやはり中心のように思えて仕方がないわけでございます。
 昨年のこの地方税法、同じく一部を改正する法律案の議論がありましたときに、私、同じような思いでこの法案には反対をさせていただいたわけでありますが、法案が可決をされました後、この法律に対する附帯決議というのが本委員会で付されました。私は提案者には加わっておりませんでしたけれども、中身を見させていただきまして、ああ、もっともだと思って賛成をさせていただいたわけでございますが、これをちょっと取り上げてみたいと思うわけでございます。
 附帯決議でございますから、もちろん拘束力がないと言えばそれまでなのかもしれませんが、委員の皆さんが知恵を出されて付けたせっかくの附帯決議でございますので、それがどのようにこの一年間、政府において御検討いただいたのかということを、担当の局長さんにまずお伺いをしたいと思うわけでございます。
 この附帯決議を見てみますと、こう書いてあります。「政府は、国民がゆとりと豊かさを実感できる個性と活力に満ちた地域主権型社会への転換を図ることができるよう、左記の事項についてその実現に努めるべきである。」、この趣旨はどなたも御異論のないところだと思います。それは四項目ほどあるんですけれども、最後の項目は、非課税等の特別措置について一層の整理合理化を進めろということでございますが、これは別にしまして、大きな柱が三つございます。
 その第一は、細かいところは飛ばして読ませていただきますが、結論から言いますと、「国と地方の税源配分の在り方を抜本的に見直し、地方税源の拡充強化を図ること。」。このことについては、既に他の委員からも御指摘のあったところでございますけれども、この一年間の政府でのお取り組みという点で申しますと、どのようなことが行われたのか、御説明をいただきたいと思います。
#116
○政府参考人(河野栄君) 昨年いただきました附帯決議のうち、今御指摘ございました第一の項目でございますけれども、地方税源の拡充強化の問題でございます。
 これは大変重い決議でございまして、かつ内容も大変重いものでございますので、一年の間に具体的な進捗を図るという意味では、なかなか困難なテーマではございます。
 今後、地方分権推進をいたしまして、地方自治本来の姿を実現するためには、地方が自らの支出を自らの権限、責任、財源で行う割合を増やしていくことが大変重要でございます。このため、大臣から何度も申し上げているところでございますけれども、税源移譲を含む税源配分の見直しを今後進めまして、国と地方の税収比一対一を目指して地方税の充実を図ってまいりたいと考えているところでございます。
 そして、本年秋以降には、消費税を含む税体系の抜本的改革について本格的、具体的な議論が行われることになっておりますし、また、さきの臨時国会におきまして成立をいたしました地方分権改革推進法に基づきまして、今後、国と地方の役割分担の見直しを進め、その結果を踏まえて国と地方の税源配分の見直しなどの財政上の措置を検討していくと、こういうことになっているわけでございます。
 今後、こうした税体系の抜本的改革や地方分権改革を通じまして、地方税源の充実強化に努めてまいりたいというふうに存じております。
#117
○長谷川憲正君 それでは、二本目の柱なんですけれども、第二項は、「地方公共団体の裁量権・自主判断権を拡充すること。」、結論から言いますとですね、ということをこの附帯決議では求めているわけでございますけれども、これについての過去一年間のお取り組みについての御説明もお願いいたします。
#118
○政府参考人(河野栄君) 附帯決議の第二点につきましても、税源偏在の少ない安定的な地方税体系を確立する方向で今後も改革を進めて、地方公共団体の裁量権、自主的判断権を拡充することというふうに議決をいただいているところでございます。
 これも大変重い課題でございまして、したがって、ある程度の時間の中で検討をしていくということでございますけれども、地方団体の裁量権、自主判断権を拡充するということにつきましては、税財政面で申し上げますと、基本的には地方の自主財源でございます地方税源の充実を図っていくということになろうかと思います。
 先ほど答弁申し上げましたように、今後の、今年秋以降、本格的、具体的な議論が行われます税体系の抜本的改革、あるいは地方分権改革を通じまして国と地方の税源配分の見直しを行い、地方税源の充実に努めてまいりたいということでございます。
 なお、併せて、この決議の第二項におきまして、偏在性の少ない安定的な地方税体系ということも御指摘をいただいているところでございます。
 地方税につきましては、地域間で一定の経済力の差もございますので、ある程度地域間の税収の差が生じることは、これはやむを得ないわけでございますけれども、今後、地方税を充実していく際に、地方税収につきましてもできるだけこういった地域間の差が拡大しないような方向で検討を行っていくことが必要と考えております。
 このため、これもやや繰り返しになりますけれども、今後の税体系の抜本的改革や地方分権改革を通じまして地方税源の充実を図る中で、偏在度が最も小さい地方の基幹税でございます地方消費税などを充実すると、こういうことを基本にいたしまして、全体として偏在度の小さい地方税体系が構築できるように、総合的にしっかり取り組んでまいりたいと思っております。
#119
○長谷川憲正君 第三の柱は固定資産税についての要望でありまして、「負担水準の均衡化・適正化を推進するとともに、納税者の負担感にも配慮すること。」と、このような項目になっております。
 引き続いて、これにつきましても一年間のお取り組みの御説明をお願いしたいと思います。
#120
○政府参考人(河野栄君) 附帯決議の第三点目でございます固定資産税の負担水準の均衡化、適正化等についてでございます。
 固定資産税につきましては、三年に一度評価替えを行う仕組みとなっておりまして、この評価替えに合わせまして、地価の変動状況等を踏まえながら、急激な負担増が生じないよう負担調整措置を講じつつ、負担水準の均衡化、適正化に取り組んでまいっているところでございます。
 前回の評価替え年度でございます平成十八年度、今年度でございますけれども、におきましては、この負担調整措置につきまして、納税者に分かりやすい簡素な仕組みに改めますとともに、負担水準の均衡化、適正化のスピードを速めるような、そういった見直しを行わせていただいているところでございます。
 次の評価替え年度、これは平成二十一年度になってまいるわけでございますけれども、この平成二十一年度に向けまして、地価の動向でございますとか、これまでの措置の効果などを見極めながら、税収の安定的確保あるいは課税の公平の観点、こういったことを踏まえつつ、更なる税負担水準の均衡化、適正化が図られますように、しっかり検討してまいりたいと思っております。
#121
○長谷川憲正君 どうもありがとうございました。
 それぞれの項目について長々と御説明を求めましたけれども、結局のところ、一言で言うと、この一年間一生懸命取り組んだけれども、一年間の中での具体的成果というものは余りなかったと。むしろ、これから先抜本的な改革に取り組むのでよろしくと。そんな具合にお聞かせをいただいたわけでございますが、これはいい意味でお聞きをいただきたいんですけれども、不満でございます。
 私は、今、地方を回らしていただくことが多いんですけれども、本当に地方が苦しんでいるし、先ほどから各委員が御指摘のように、昔は良かったのに今はどうなっちゃったんだろうと思うようなところにたくさん出くわすわけでございます。
 そういう中で、地方の自治体の暮らしぶりとこの地方税法との関係というのは無視すべきものではないと思います。大変重要なものだというふうに思いますだけに、なかなか結果が思うように付いてこない、皆様方非常に御努力をいただいていることはよく分かりますけれども、何か見るべきものが出てこないのかなと、そういう期待感で申し上げているわけでございまして、どうぞこれ、こういった附帯決議、確かに附帯決議は附帯決議にとどまるんでございましょうけれども、私ども、この委員会の思いがここに込められているということで、大いに御活用をいただいて、そして早い段階でいい答えを出していただく、そのための抜本的なお取り組みというものを、是非我々期待をしたいと思うわけでございます。
 恐らく、今日もまた附帯決議の議論がなされるんだろうと思いますけれども、言いっ放し、聞きっ放しということにならないように、是非しっかりとしたお取り組みを、重ねて私、お願いを申し上げたいと思います。
 そういう意味で、これ今局長の御説明を伺ったわけでございますけれども、大臣の御決意のほどを伺いまして、時間大分残っておりますけれども、私の質問は終わりたいと思います。
#122
○国務大臣(菅義偉君) 私もそれぞれの附帯決議についてこういう形で検証の質問を受けたのは初めてでありまして、私ども、附帯決議が付いた段階で、附帯決議について十分配慮するということを大臣として申し上げるわけでありますから、その原点を忘れないでしっかりやらなきゃならないということを今改めて決意をさせていただいた次第であります。
#123
○長谷川憲正君 終わります。
#124
○委員長(山内俊夫君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#125
○吉川春子君 私は、日本共産党を代表して、地方税法の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行います。
 反対する最大の理由は、大企業や高額所得者への優遇税制となっている上場株式等の配当や譲渡益の軽減税率を更に一年間延長することです。
 政府税調でさえ、十五年当時の株式市場の低迷や金融機関の不良問題も、債権の、正常化するなど、優遇税制措置導入の当時と比べて大幅に改善していることを指摘し、課税の中立性確保のため金融所得間の課税方式の均衡化が要求されているとして、上場株式等の配当や譲渡益課税の優遇措置については期限到来とともに廃止し、簡素で分かりやすい制度とすべきであると答申しています。期間延長の根拠もなく、課税の公平性を損なってまで期間を延長する必要は全くありません。
 国税庁のデータによれば、約三十一万人の譲渡所得申告者のうち、わずか三・九%に当たる所得五千万円以上の富裕者で減税総額の六五%の恩恵を受けています。さらに、百億円を超える超富裕層で見れば、一人当たり二百八十五億円を超える利益を受け、その減税額は二十八億円という巨額です。一方、所得一千万以下の場合は、定率減税の廃止により減税分が相殺されることから、増税になる人が大半であり、金持ち優遇税制であることは明白です。
 一方、地方財政は、交付税総額の削減、税源移譲の先送り、その結果格差が拡大するなど、危機的状況を深めており、証券優遇税制の延長が逼迫する地方財政に一層の打撃を与えることは明らかです。
 バブル期の最高益を大幅に超える収益を上げている大企業に応分の負担を求めるのは当然です。課税の公平性を欠くなど、異常なまでの大企業、大資産家優遇をやめ、所得に応じて適切に課税すべきです。不足する地方財源を地方消費税に求めるなどは正に企業減税の負担を国民に転嫁するもので、本末転倒と言わなければなりません。
 また、生活苦にあえぐ国民勤労者に一層のしわ寄せ、増税を押し付け、超富裕層には過剰な優遇税制を続ける、このような逆立ち税制を断じて許すことはできません。
 以上、反対の理由を述べて、討論を終わります。
#126
○又市征治君 私は、社会民主党・護憲連合を代表し、地方税法の一部を改正する法律案に対して反対の討論を行います。
 昨年、年金課税の見直しに伴う住民税の大幅アップが実施をされ、自治体に不満や苦情が相次ぎました。しかも、これが国民健康保険料や介護保険料、各種公共料金にも波及し、お年寄りや低所得者をダブル、トリプルの負担増が直撃したのです。
 そうした中、安倍新政権の初の税制改正として注目されたのが今回の税制改正です。しかし、その内容は、法人税の減価償却制度の見直しやベンチャー企業の資金調達を助けるエンゼル税制の拡充など、企業減税色の濃い内容を盛り込むものでしかありません。減価償却費の計算方法の変更では、国、地方合わせて五千億円以上の減税となり、恩恵を受けるのは主に巨額の設備投資をしている大企業です。
 政府税調答申では、企業部門の活性化はその付加価値の分配を通じて家計部門に波及し、プラスの効果をもたらすと言いますが、減価償却制度の見直しでは、企業は労働者への還元、賃金引上げではなく、より設備投資へのインセンティブが働くことになり、家計への波及は全く当てにできません。地方税法においても、上場株式等の配当及び譲渡益に係る軽減税率の適用期限の延長、つまり金持ち優遇税制が延長されております。
 国民にとって定率減税の全廃を実施する傍ら、総合課税を行うことなく、政府税調ですら退けた証券課税の軽減税率の延長を図ることは、零細な貯蓄を唯一の生活資産としている人たちをしり目に、株式等投資に余裕資金を運用できる人たちだけを優遇する所得格差の拡大政策であり、許されるものではありません。
 政府税調は法人実効税率の引下げの検討を、与党税調は消費税を含む抜本改革を強調しているため、企業減税派と消費税増税派の対立だなどと言われています。しかし、企業減税のツケを消費税増税で埋めようという点では何ら矛盾しない主張であり、不公平税制の是正の視点をわきに追いやり、経済活性化のために税制をねじ曲げようという点では、同じ穴のムジナでしかありません。
 社民党は、政府・与党が進める大企業や高額所得者を優遇する減税ではなく、家計に優しい公平な税制への改革こそが今必要であることを強調し、反対討論といたします。
#127
○委員長(山内俊夫君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 地方税法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#128
○委員長(山内俊夫君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、那谷屋君から発言を求められておりますので、これを許します。那谷屋正義君。
#129
○那谷屋正義君 私は、ただいま可決されました地方税法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    地方税法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、国民がゆとりと豊かさを実感できる個性と活力に満ちた地域主権型社会への転換を図ることができるよう、次の事項についてその実現に努めるべきである。
 一、地方税は地方公共団体の重要な自主財源であることにかんがみ、地方分権改革の進展に対応し、課税自主権を尊重しつつ、地方が自らの判断と財源によって創意工夫に富んだ地域づくりを行えるよう、地方における歳出規模と地方税収入との乖離を縮小する観点から、当面、国と地方の税収比一対一を実現することを目指し、地方税源の拡充強化を図ること。
 二、地方への税源移譲については、税源偏在の少ない安定的な地方税体系を確立する方向で今後も改革を進め、地方公共団体の裁量権・自主判断権を拡充するとともに、適正な徴収を確保するための体制整備に努めること。また、国から地方への三兆円の税源移譲については、円滑に行われるよう納税義務者に対する周知・広報活動に努め、その理解と協力が得られるようにすること。
 三、税制の簡素化、税負担の公平化を図るため、非課税等特別措置について引き続き見直しを行い、一層の整理合理化等を推進すること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#130
○委員長(山内俊夫君) ただいま那谷屋君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#131
○委員長(山内俊夫君) 多数と認めます。よって、那谷屋君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、菅総務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。菅総務大臣。
#132
○国務大臣(菅義偉君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
#133
○委員長(山内俊夫君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#134
○委員長(山内俊夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#135
○委員長(山内俊夫君) 行政制度、公務員制度、地方行財政、選挙、消防、情報通信及び郵政事業等に関する調査を議題といたします。
 平成十九年度地方財政計画について政府から説明を聴取いたします。菅総務大臣。
#136
○国務大臣(菅義偉君) 平成十九年度の地方財政計画の概要について御説明申し上げます。
 極めて厳しい地方財政の現状を踏まえ、基本方針二〇〇六に沿って、歳出全般にわたり見直しを行い、その抑制に努めております。一方、地方交付税の現行法定率分を堅持しつつ、地方団体の安定的な財政運営に必要な地方税、地方交付税などの一般財源総額を確保することを基本としております。
 また、地方財政の健全化に資するため、交付税特別会計の新規借入を行わないこととし、既往の借入金について、計画的な償還を行うこととしております。
 その上で、引き続き生じる財源不足については、特例地方債の発行等により補てんすることとし、地方財政の運営に支障が生じないようにしております。
 以上の方針の下に、平成十九年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出の規模は八十三兆千二百六十一億円となり、前年度に比べ二百四十七億円の減となっております。
 以上が平成十九年度の地方財政計画の概要であります。
#137
○委員長(山内俊夫君) 次に、補足説明を聴取いたします。大野総務副大臣。
#138
○副大臣(大野松茂君) 平成十九年度の地方財政計画につきましては、ただいま総務大臣から御説明をいたしましたとおりでありますが、なお若干の点につきまして補足して御説明いたします。
 地方財政計画の規模は、八十三兆千二百六十一億円ですが、その主な歳入について御説明いたします。
 地方税の収入見込額は、四十兆三千七百二十八億円で、前年度に対し五兆四千七百四十五億円、一五・七%の増加となっております。
 また、地方譲与税の収入見込額は、所得譲与税の廃止等により、総額七千九十一億円、前年度に対し三兆二百三十三億円、八一%の減少となっております。
 次に、地方特例交付金等につきましては、減税補てん特例交付金の廃止等により、総額三千百二十億円、前年度に対し五千四十億円、六一・八%の減少となっております。
 地方交付税につきましては、平成十九年度の所得税、法人税、酒税、消費税及びたばこ税のそれぞれ法定割合の額の合計額十四兆七千六十六億円から、精算額八百七十億円を減額した額十四兆六千百九十六億円に、地方交付税法の定めるところにより、平成十八年度からの繰越額一兆五千二百八億円を加算し、交付税特別会計借入金に係る平成十九年度の償還額五千八百六十九億円を減算する等の措置を講ずることにより、十五兆二千二十七億円を計上いたしました結果、前年度に対し七千四十五億円、四・四%の減少となっております。
 国庫支出金は、総額十兆千七百三十九億円で、前年度に対し二百七十六億円、〇・三%の減少となっております。
 次に、地方債につきましては、臨時財政対策債二兆六千三百億円を含め、総額九兆六千五百二十九億円、前年度に対し一兆千六百四十五億円、一〇・八%の減少となっております。
 次に、主な歳出について御説明いたします。
 まず、給与関係経費についてでありますが、職員数につきまして、五年間で五・七%純減するとの目標を踏まえ、三万四千三百五十八人の純減を行うとともに、地域民間給与の適切な反映等を内容とする給与構造改革に取り組むほか、団塊世代の大量退職に伴う退職手当の増等を見込んでおり、その総額は、二十二兆五千百十一億円で、前年度に対し六百五十八億円、〇・三%の減少となっております。
 次に、一般行政経費につきましては、総額二十六兆千八百十一億円、前年度に対し九千九百五十四億円、四%の増加となっております。このうち国庫補助負担金等を伴うものは、社会保障関係経費の増等により、十一兆二千三百億円で、前年度に対し五千十四億円、四・七%の増加となっております。
 国庫補助負担金を伴わないものにつきましては、十三兆九千五百十億円で、前年度に対し四千七百二十五億円、三・五%の増加となっております。なお、平成十九年度においては、投資的経費との一体的乖離是正分六千億円を増額計上しており、これを除いた場合は十三兆三千五百十億円で、前年度に対し千二百七十五億円、〇・九%の減少となっております。
 また、国民健康保険関係事業費につきましては、一兆一億円、前年度に対し二百十五億円、二・二%の増加となっております。
 公債費は、総額十三兆千四百九十六億円で、前年度に対し千四百八十三億円、一・一%の減少となっております。
 投資的経費は、総額十五兆二千三百二十八億円で、前年度に対し一兆六千五百六十一億円、九・八%の減少となっております。このうち、直轄事業負担金につきましては、一兆千三百七十一億円で、前年度に対し百二億円、〇・九%の増加、補助事業につきましては五兆五千七十三億円で、前年度に対し千五百三十七億円、二・七%の減少となっております。
 また、地方単独事業につきましては、前年度に対し一兆五千二十七億円、一四・九%の減少となっておりますが、一般行政経費との一体的乖離是正分を除いた場合は、前年度に対し三千二十七億円、三%の減少となっております。
 公営企業繰出金につきましては、総額二兆七千二百四十九億円で、前年度に対し九十七億円、〇・四%の減とする中で、地方公営企業の経営基盤の強化、上下水道、交通、病院等生活関連社会資本の整備の推進等に配意することとしております。
 以上をもちまして地方財政計画の補足説明を終わらせていただきます。
#139
○委員長(山内俊夫君) 以上で説明の聴取は終わりました。
    ─────────────
#140
○委員長(山内俊夫君) 地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。菅総務大臣。
#141
○国務大臣(菅義偉君) 地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして、提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 地方財政の収支が引き続き著しく不均衡な状況にあること等にかんがみ、地方交付税の総額の特例措置を講ずることとするほか、交付税及び譲与税配付金特別会計の借入金の償還方法を変更し、あわせて、地方交付税の算定方法を簡素化するとともに、各種の制度改正等に伴って必要となる行政経費の財源を措置するため、地方交付税の単位費用を改正する等の必要があります。
 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
 まず、平成十九年度分の地方交付税の総額につきましては、地方交付税法第六条第二項の額に、交付税及び譲与税配付金特別会計における剰余金を加算した額から、同特別会計借入金償還額及び利子支払額を控除した額十五兆二千二十七億円とすることとしております。
 次に、同特別会計における借入金のうち、国が負担することとされていた額に相当する借入金を一般会計へ帰属させるとともに、残余の借入金の償還方法を変更することとしております。
 さらに、平成二十年度及び平成二十一年度における一般会計から交付税及び譲与税配付金特別会計への繰入れに関する特例を設ける等の改正を行うこととしております。
 また、地方交付税の算定方法を簡素化するため、個別算定経費以外の経費を人口と面積を基本とする簡素な基準により算定することとするとともに、平成十九年度分の普通交付税の算定に用いる単位費用を改正することとしております。
 あわせて、平成十九年度から平成二十一年度までの間に限り、地方財政法第五条の規定により起こす地方債のほか、適正な財政運営を行うにつき必要とされる財源に充てるため、地方債を起こすことができるものとする旨の特例を設けるとともに、地方公共団体に対して貸し付けられた旧資金運用部資金等の繰上償還に伴う補償金を免除するために必要な規定を創設するほか、児童手当の拡充に伴い地方特例交付金を拡充することとしております。
 このほか、地方公務員共済組合の事務に要する費用に係る地方公共団体の負担の特例を平成十九年度においても適用することとしております。
 以上がこの法律案の提案理由及び内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
#142
○委員長(山内俊夫君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
    ─────────────
#143
○委員長(山内俊夫君) 去る十五日、予算委員会から、本日一日間、平成十九年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣所管のうち人事院、公害等調整委員会を除く総務省所管及び公営企業金融公庫について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
    ─────────────
#144
○委員長(山内俊夫君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に総務大臣官房総括審議官久保信保君、総務省自治財政局長岡本保君、総務省情報通信政策局長鈴木康雄君、総務省政策統括官寺崎明君、消防庁長官高部正男君及び特許庁総務部長村田光司君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#145
○委員長(山内俊夫君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#146
○委員長(山内俊夫君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に日本郵政公社理事佐々木英治君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#147
○委員長(山内俊夫君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#148
○委員長(山内俊夫君) 予算の説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#149
○森元恒雄君 それでは、予算につきまして数点お聞きしたいと思います。
 まず最初に、都市から地方への人口の移住、交流を促進するための予算として六千百三十万円が計上されております。私は、大変時宜にかなった事業であると思います。それだけに、せっかくやるわけですから、机上プランで終わることなく、実効のあるものに是非していただきたいなと。そのためには、報告の概要を拝見しますと、全国的な体制整備というふうなこと、あるいは条件整備というふうなこともうたわれておりますけれども、なかなか掛け声だけではしかしこれは実が伴いにくいものであるのも事実だと思いますので、やっぱりやっていくからには現実的に可能なところから地に足を付けて徐々に拡大していくと、そういう発想が必要じゃないのかなというふうに思っておりますが、大臣の御見解をお聞かせいただきたいと思います。
#150
○国務大臣(菅義偉君) 都市から地方へ移住、交流を推進することは、過疎地域を始めとする地方の活性化に寄与するとともに、健康的な生活や自己実現などの多様な生き方や豊かな自然環境の下での教育活動など、都市住民のニーズにも対応する、そういうふうに考えております。
 こうした時代の要請にこたえるため、総務省では十九年度予算において、地方において移住、交流の希望者を受け入れる仕組みを整備するための調査費を計上したところであります。
 具体的には、団塊世代の移住を主眼とするタイプ、また大都市圏と地方との間を週末を利用して往来するタイプなど、移住、交流の希望者のニーズは多様であることから、こうしたニーズを踏まえて、地方団体等の受入側、都市住民側、及び両者の橋渡しとなる相談窓口の三者で構成する受入システムを構築をし、そのノウハウを広く全国の地方自治体に普及するよう、そういう取組でなっております。
#151
○森元恒雄君 私は、その一環として、特に小中学生の子供さん方に、農山村での長期滞在型体験集団学習というようなものの場をもっと全国的にやるべきじゃないかとかねがね思っております。
 私が承知しているところでは、県全域でやっているのは富山県と兵庫県ではないのかなと。市町村では、大臣政務官の土屋さんが市長をしておられた武蔵野市とか世田谷区等で例があるかと思いますが、これは都市、農村の双方の活性化だけじゃなくて、やっぱり子供たちにふだんの生活あるいは学校での教育では身に付かない新たな生活空間での新鮮な感動とやっぱり体験というものを身に付けてもらうということが非常に大事じゃないか。兵庫県の例では、卒業の記念作文を子供たちに書かせると、七、八割の子供は山や農村で過ごしたときのことを書くとさえ言われております。それほどの鮮烈な印象を子供たちに与えている。是非財政措置をして全国展開すべきだと思いますが、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#152
○国務大臣(菅義偉君) 私もこのことは極めて大事なことであるというふうに思っています。
 私事で恐縮ですが、私は高校まで秋田に育ちまして、男の子が今三人いますけれども、三人とも小学校の夏休みは一か月半ぐらいずつ秋田に送りっ放しでありました。そうしたことが多分子供にとっても有意義なものになっているというふうに考えております。
 子供たちの農山漁村地域で体験学習をする、このことは、都市と農山村漁村の共生・対流を推進する方策の一つとしてまた有効であり、また豊かな人間性をはぐくむとともに、食だとか自然だとか、あるいは地域社会についての理解を深めるためにも極めて大事なことであるというふうに考えます。
 内閣府は、昨年二月に公表された都市と農山漁村の共生・対流に関する世論調査においても、学校が提供する体験学習について取り組むべきであるとの回答が約八九%、こう占めております。体験学習への期待の高さというのが広がっているという結果であると思います。
 例えば、青森県の南部町では、平成五年から農業体験修学旅行の受入れをスタートし、現在では全国から年間十数校、千人以上の受入れを行っているということであります。私も実際この南部町の町長さんからこの話を伺いまして、そのことが地域に非常に活力を醸し出しているということでもありました。
 こうした状況を踏まえまして、政府としては、文部科学省、農林水産省、関係省庁が一体となって、学校現場への情報提供を図りながら推進をいたしているところであります。
 総務省としても、過疎対策事業として、また都市との交流を促進するための地域間交流施設整備事業や都市から地方へ移住・交流の促進に関する調査などを行うとともに、来年度から実施する頑張る地方プログラムによっても長期滞在型生活体験プログラムの実施などに取り組む市町村を応援していこうと、こういうことになっております。
 今後とも、関係省庁と連携を取りながら、委員の御指摘のことをしっかりと進めていきたいと思います。
#153
○森元恒雄君 アメリカのお母さん方の大きな関心事は、我が子を今年の夏休みにはどのサマースクール、サマーキャンプに入れるかということだというふうに聞いております。兵庫県の例で見ましても、そんなにお金が掛かりません。特に、公共施設を有効活用すれば安価でできるわけでございますので、是非、先ほどの調査費の中ででも具体化に向けて検討を進めてもらいたいと、是非お願いをしておきたいと思います。
 次に、ICTの利活用について、新たに十八億円のモデル事業費が計上されております。これも、情報通信技術がどんどん進んでおる中で時代にかなった事業だと思います。したがって、是非実を伴うような形で実施していただきたい。そのためには、いきなり本採択するんではなくて、私としては、ホップ・ステップ・ジャンプというような段階で進める方が予算が有効に使えるんじゃないのかな。
 要するに、まず最初は机上のプランを出してもらって、それを十分専門家でたたいてもらって、これはかなり、何というんですか、実質的な効果がありそうだと、いい結果が出そうだと思えば次の段階に進むというような、そういうやり方をすべきじゃないか。日本の場合は、どうもややもすると最初からいきなりもう本事業を採択しちゃって、それがうまくいった場合はそれはいいんですけれども、うまくいかなかったらそれで予算が消えてしまうというようなことになっているケースが間々あるんじゃないかなというふうにも思うわけでございまして、そういう段階的手法をこの事業について取るという考え方がないか、お聞きしておきたいと思います。
#154
○政府参考人(寺崎明君) 委員お尋ねの地域ICT利活用モデル構築事業ですが、これはICTを利活用して地域課題を解決する先進的取組の実施を地方公共団体に委託するものでございます。
 同事業の委託先の決定につきましては、地方公共団体から提案を公募いたしまして、外部有識者から成る評価会におきましてこの提案を評価いたしまして、その評価を参考に委託先を決定することを予定しております。
 地方公共団体が提出する提案書におきましては、先生御指摘のとおり、事業で使用するシステムの設計につきましても記載を求めることとしております。今後開催する評価会におきましては、システム設計の専門家にも御参加いただき、提案書に記載されたシステムの設計が本当に実用が可能なのかどうかにつきましても評価いただくことを予定しています。
 こうした専門家の評価をいただく手続の採用により、モデル事業の実効性等確保に万全を期していきたいと考えています。
#155
○森元恒雄君 予算が既に決まっていますんで、これについて複数年度で準備をして進めていくというのは無理かもしれませんが、今お答えのように、是非有効な予算になるように御努力いただきたいと思います。
 それから、ICT、特にコンピューターを介したネットワーク通信の発達で、メールとかブログとかあるいはホームページとか、いろんな便利なものが世の中に出てきておるわけですけれども、その反面、便利と裏腹ではありますが、このICTを使った通信というのは匿名性であるとかあるいは本人確認がきちっとできない点があるとかいうようなことから、成り済ましであったり、あるいは誹謗中傷が行われやすかったりと、様々な問題が出ております。
 また、ウイルスがはびこるというようなケースも間々報道されて、社会的に問題になってきているわけですが、こういう影の部分についてしっかりとした対策がないと、便利なものが便利さ、有効さが損なわれていくんじゃないか、便利なものがかえって不便、不自由なものになるんではないかと、こんなことさえ懸念するわけですけれども、これセキュリティー対策について総務省としてどういうふうに取り組もうとしておられるのか、お聞きしたいと思います。
#156
○政府参考人(寺崎明君) 情報セキュリティーに対する脅威は、常に変化、進化しています。こういったような新たな脅威の増大に対しましては、きちんと対応していくことが必要かと思います。
 総務省では、電気通信事業者による情報共有とか連携の推進、ホームページ等によるインターネット利用者に対する周知啓発、研究開発の推進など、多面的な情報セキュリティー対策を推進しています。
 最近の具体例といたしましては、コンピューターが外部から遠隔操作されてしまういわゆるボットプログラムですね、こういったような対策を関係省庁と連携して取り組んでいるところでございます。この対策では、無料でボット駆除ツールを提供していまして、昨年十二月の運用開始から三月初めまでの四か月間で六万件を超える駆除ツールのダウンロードが行われている状況でございます。
 また、ウィニーなどの自動転送型ファイル共有ソフトによる情報漏えい対策といたしまして、ネットワーク上に流出してしまった漏えい情報の無制限な拡散を停止するような技術、さらには情報の来歴管理を高度化いたしまして情報漏えいによる被害を未然に防止する技術、こういったような開発を来年度から取り組むこととしています。
 今後とも、総務省では、安全、安心なICT社会の実現に向けまして情報セキュリティー対策を万全の体制で推進していきたいと考えています。
#157
○森元恒雄君 今お答えいただきましたようないろんな新しい技術的な仕掛けといいますか、システムを開発して、使いやすく普及していくということは大きな柱として大事なことだと思いますが、私は、併せてやっぱり本人確認というものをそのネットワーク上でしっかりとやれるようなシステムを確立すべきじゃないかと。電話とか手紙の場合でも成り済まし等は行われ得ますけれども、しかし、いわゆるICTを使った通信に比べれば、格段に見破られやすいわけであります。
 ですから、そこの難しさを克服するには、やっぱり本人が正しく正に本人だということが確認できるシステム、仕組み、そういう制度的な裏付けといいますか、そんなものが必要じゃないのかなというふうに思っておりまして、ちょうど公的個人認証というものが既にでき上がっているわけですから、これをもっと有効に使って、こういう情報通信のセキュリティー対策を強化するということが一つ有効な手段ではないのかなというふうに思いますが、この辺について大臣の御見解をお聞きしたいと思います。
#158
○国務大臣(菅義偉君) まず、インターネットで様々な経済活動が行われる中で、発信者を特定をし、そして電子的に本人であることを確認するような電子認証の仕組みというのは極めて大事だというふうに考えています。したがって、このような電子認証の手続については一般の方々がより利用しやすいものでなきゃならないというふうに思います。
 そこで、私ども総務省では、一般の利用客やサービス提供者がより安全で簡単な本人確認の仕組みを利用可能とするための基盤技術について研究開発に取り組むなど、認証機能の普及に努めてきたところであります。
 今御指摘がありましたけれども、この公的個人認証サービスでは、行政手続のオンライン化を進めるための基盤を整備することを主たる目的としておりまして、利用が可能な者の範囲を原則として行政機関等に限定するとともに、このような限定を外して民間だれもが使えるサービスの利便性、これが必要だというふうに思います。
 一方、公的個人認証サービスは、地方公共団体という公的部門が提供する業務でありますから、国民が広く利用する一定の公益性が認められる形態の利用を主体に考えていく必要があるとの指摘や、民間の認証事業者との適切なすみ分け、これに配慮すべきだということもあります。公的認証サービスの利活用の在り方に関する検討会を開催をしまして、医療などの公益的分野を中心とした利用範囲の拡大等について本年春を目途に今検討をいたしているところであります。
 この検討会の成果を踏まえつつ、また実際の利用者ニーズや関係者の意見、要望などを十分勘案しながら、個人認証サービスの利用範囲の拡大に取り組んでいきたいと考えています。
#159
○森元恒雄君 公的個人認証制度ができたときに、私は、住基ネットの後でこの制度ができたということが不幸な生い立ちをたどることになったんではないかと思っておるんですけれども、やっぱり紙でいえば実印に当たるのが、ネットでこの公的個人認証、電子認証なわけで、やっぱり紙であれば、紙の世界であればなぜ民民の取引、手続にも使えるのに、電子化された途端に民民では使えないということになるのか、私には理解がしにくいんですけれども、個人情報の保護とか、今大臣も言われましたように民間の認証サービスとの関係をおもんぱかって公的な手続にしか今使えないという形になっているわけですけれども、それだと、個人の立場からすれば、そんなものをわざわざ入手しても、取得しても使い勝手がごくまれにしか使えないと。それならわざわざ取らないでおこうというような人が多くて余り普及していない。
 ですから、これやっぱり電子政府を進めるためにもオンライン処理を数年以内に五〇%にするという目標も立てているわけですから、それの必須要件である公的個人認証をやっぱり多くの人に取得して使ってもらいやすくする必要がまず何より大事なことではないのかと思います。
 そういう意味では、今お話しの春をめどに検討をしているということですけれども、もう余り時間がありませんが、是非やっぱり私はその報告の中でしっかりとこの公的個人認証を拡大する方向を打ち出して法律改正を進めてもらいたいと、これはお願いをしておきたいと思います。
 次に、消防についてお聞きしたいと思いますが、消防の体制整備ということについては、年々、法律改正あるいは予算の方で努力しておられますけれども、特に地域密着でボランティアで頑張っておられる消防団員の方については、一時は二百万人を超えておったかと思いますが、それが今や九十万人程度というところまで減少しております。これではいざというときの防災力が懸念されるわけですけれども、この消防団についてどういうふうに力を入れていこうとしているのか、お聞きしたいと思います。
#160
○政府参考人(高部正男君) 御指摘ございましたように、消防団は、日ごろの消火活動を始めといたしまして、特に大規模災害時等の対応などといった面で地域の安全確保に果たす役割は極めて大きいものというふうに認識しております。
 これも御指摘ございましたように、この消防団員の数が、多かったときは二百万人を超えたものが九十万人ということで、我々としては、消防団の活性化、特に消防団員の確保が非常に大きな課題だというふうに認識しているところでございまして、来年度も予算を計上させていただいてこの取組をしようとしているところでございますが、一つは、私どもとして考えておりますのは、消防団員の約七割がサラリーマン、被用者だということもございますので、事業所の理解が不可欠だというふうに考えております。
 そこで、今年度、消防団協力事業所表示制度というようなものをつくりまして、消防団の活動に御理解をいただく、あるいは団員の確保に御協力いただく企業について、そういう協力していることを表示できるようなマークを作ったというようなこともやっておるわけでございまして、この辺を是非進めたいと思っておりますし、さらにまた、消防団活動のことについては事業所等についても御理解いただいていると思っておったんですが、アンケート等を取りますと、なかなかどんな活動をしているか分からないといったようなことも多いものですから、やはりPRということもしっかりやっていかなきゃいけないなというふうに思っております。
 それから、時代も変わりましたので、昔のようにすべての消防団活動をやるというのが難しいというような面も出てきてまいりますので、機能別分団でありますとか機能別団員だとか、特定の機能を担うような団員の制度も進めるといったようなことを通じまして消防団が活性化するように精一杯努めてまいりたいと考えているところであります。
#161
○森元恒雄君 終わります。
#162
○那谷屋正義君 民主党・新緑風会の那谷屋正義でございます。
 〇七年度地方財政計画、そして交付税総額の在り方、あるいは交付税そのものの在り方等に関して何点かお尋ねをしたいというふうに思います。
 まず、交付税総額に関連してでございます。
 〇七年度は、一般財源総額で前年度に比べて五千億円の増額が図られてはおります。しかし、地方税収の実質的な増加は二・五兆円であることを考えると、地方団体の側からすれば、地方交付税の七千億円のマイナスというのは、地方税の増収効果を期待できる団体とそれは到底望み難い団体との格差がますます加速されるのではという危機感を覚えるのもやむを得ないところであろうというふうに思います。
 この地方交付税マイナス七千億円と、たまたまではありますけれども、ほぼ平仄が合うのが〇六年度の補正予算から開始した特別会計借入金の〇七年度における償還額の六千億円であります。特別会計借入金の地方負担分が三十四兆円にもなる中で、返済の重要性については認識するところでありますけれども、二十年返済にあくまで固執する必要があるのかという疑問が生じてくるところであります。
 そこで、今回の特別会計借入金の計画的な償還の開始についてお伺いをしてまいりたいと思います。
 まず、二十年償還の妥当性についてであります。
 国に承継された借入金のうちの十九兆円は、財政融資資金からの借入金としては三十年以内で償還するが、一般会計としては最終的に他の国債と同様に六十年で償還することとされております。一方、地方負担分の三十四兆円は、国負担分の約二倍近くもあるにもかかわらず二十年償還とするとしております。国と地方のどちらが財政的に厳しいかという議論は別にいたしましても、地方団体にとってやはりバランスを欠くのではないでしょうか。
 現行の特別会計法の規定においても二十年償還であることは承知しておりますが、そもそもこれまでそのルールに沿って返せなかったことも事実であります。現実問題として、そのような見通しが本当に立つのか、疑わざるを得ないところであります。何度も指摘をされておりますが、毎年一〇%の等比で償還額を増加させていく今回の償還方法では、二十年後の償還額は莫大なものとなるわけであります。しかも、二十年償還ルールでこれまで返済ができなかったのに、なぜ二十年で可能であるとこだわる必要があるのでしょうか。
 いずれにしましても、二十年後の経済はだれも見通せないからこそ、これまで返済できなかったという状況を踏まえると、もう少し無理のない償還計画として、例えば国並みの三十年あるいは六十年という選択はなかったのかという疑問が残るところであります。これに関しましての見解をお願いいたします。
#163
○国務大臣(菅義偉君) 今委員から御指摘がありましたように、交付税特別会計の借入金の残高というのは十八年度末で五十三兆円。その中で地方が三十四兆円、国が十九兆円、このすみ分けをしっかりさせていただきました。そして、交付税の持続可能性を確保する観点から、できるだけ早くこれ償還することが必要だろうという判断をさしていただきました。このため、平成三十八年までとしている償還期間というものを変更しないで、十九年度の一般財源総額を確保する観点も踏まえて、段階的に増加する形で償還計画を策定をいたしました。
 償還額は確かに毎年毎年増加をしていくわけでありますけれども、先般内閣府で試算をされた進路と戦略、この参考試算によれば、交付税の法定税率分というのは毎年度平均五千億円程度増加をしていく、こういう見通しになっておりまして、今回の償還計画というのは一定の前提の下で可能なものであるというふうに考えています。
 今後とも安定的な経済成長に努めて、歳出の効率化の努力や歳入確保の努力を続けていくことによってこの償還計画というものをしっかりと行っていきたいというふうに思っています。
 ただ、経済にはこれ、不確実性が伴うこともこれ事実であります。計画の前提となる経済が順調に推移しない場合については、経済動向や地方財源不足の状況などを踏まえて、その時点で十分検討しながら適切に対応してまいりたいというふうに考えています。
#164
○那谷屋正義君 御答弁をいただきましても、なかなか現実性というものから大分離れているような気がどうしてもしてならないのでありますが、個々の自治体について見ますと、非常に厳しい状況下に置かれている団体も数多いわけであります。そして、その理由の多くが、かつての国が主導した経済対策に呼応して多くの事業を実施し、所要の財源として地方債を多額に発行した結果、つまりはそのツケとして積み上がった償還財源が財政運営を圧迫しているというのが実態であります。
 となれば、特別会計借入金を計画的に償還するとしても、その速度を緩めてもう少し個別の地方団体の財政運営に目配りする手法もあったはずではなかったかと思うわけであります。特別会計借入金の償還のみを最優先課題とせずに、個々の地方団体の財政運営の安定化の見地から、交付税総額七千億円のマイナス分をむしろ個別の地方団体の地方債の償還財源に回すという選択肢はなかったのでしょうか。
 特別会計借入金の償還を殊更重視したようにも受け取れる今回の交付税総額の考え方について説明責任を果たすべきではないかというふうに思うわけでありますけれども、併せて明快な答弁をお願いいたします。
#165
○国務大臣(菅義偉君) 平成十九年度の地方財政計画では、人件費だとかあるいは公共投資等の地方歳出の抑制、また景気の回復に伴って、地方税収の増加などによって地方債は昨年よりも一・二兆円縮減をし、地方債残高も一・五兆円の減となる見込みであります。
 このように、交付税特別会計の借入金だけでなく地方団体の借入金についても残高の縮小というものを図り、健全化を進めているものであって、交付税特別会計借入金の返済のみに軸足を置いているのではないということを御理解をいただきたいと思います。
 なお、交付税総額は七千億円減少しておりますけれども、地方税は実質二・五兆円の増収となる見込みであります。一般財源総額としては、昨年度を約五千億円上回るものを確保をいたしております。
#166
○那谷屋正義君 交付税ということで、別の観点からといいますか、現在大臣が先頭に立って、頑張る地方応援懇談会を全国で開催しているというふうに伺っております。その中でも、特に地方団体にとっていまだに国に対する大いなる不信の原点となっているのが、〇四年度地方財政対策による交付税と臨時財政対策債の大幅なカット、すなわちいわゆる地財ショックについての指摘が多く出されていると推察するところであります。その後、一般財源総額を確保したといっても、しょせんは〇四年度ベースの水準を回復しただけであって、これでは地方団体が持つ不満は解消されないのではないかということであります。
 その中で大臣は、安倍総理の強い意向を受けて頑張る地方応援プログラムを策定し、交付税でも支援しようとしているだろうというふうに思います。ただし、そのために交付税の総額は増額しないという。そういう中にあって、それでは、頑張りたくとも頑張れるための基礎的な条件がそもそもない過疎や高齢化に苦闘する小規模自治体の標準的な財政需要をファイナンスすることが地方交付税制度の第一義であるはずなのに、そのなけなしのお金にすら手を突っ込む仕打ちになるのではないでしょうか。
 頑張る地方応援プログラムの正体とは、〇四年度ショックの水準と一般財源の実質的な水準がほとんど変わらない中で、結果的には元気な地域に対する交付税の傾斜配分機能に終わるということになるのではないでしょうか。地方団体側の不満の原点はここにあると私は考えておりますが、見解をお願いいたします。
#167
○国務大臣(菅義偉君) 那谷屋委員に是非御理解をいただきたいんですけれども、一般財源総額として五千億円昨年より上回っております。さらに、それぞれの地方団体で今借入をしています五%を超える公的資金について、五兆円、これを三年間にわたり補償金なしで繰上げ返済できる仕組みを今年初めて導入をさせていただきました。それによって、三年間で約八千億円程度地方にとっては財政に貢献するというふうに考えています。
 私はまた、その中でも財政力指数の低い、〇・六以下のところについては、全部でたしか二兆四、五千億円だったと思います、そうしたものを、行政改革等の計画の下に、優先してそれに充てられないかということを今検討させていただいておりますので、地方については十分できる中で配慮させて今取り組んでいますことを御理解をいただきたいというふうに思います。
 そんな中で、この地方応援プログラムでありますけれども、地方にはそれぞれの特徴があって魅力がある、そこを引き出して地方に活力を与えるためにという中で、このプログラムを今全国に私ども、私、副大臣、政務官が行って説明をしながら、地元の皆さん、地域の皆さんの声を聞いておるところであります。
 具体的には、この成果目標を掲げて取組を進めるすべての地方公共団体に対し、その取組経費を特別交付税によって措置することとしておりますし、また、成果指標を交付税の算定に反映する際には、条件不利地域の状況を反映したものになるように、これもしっかりと配慮させていただきたいというふうに考えております。
 こうした措置を通じて、条件不利な地域においても頑張っている地方公共団体というものをしっかりと応援をしていきたい、こう考えます。
#168
○那谷屋正義君 頑張る地域を応援するというその思いは思いとして、やはりそうできない部分が多くあるということの中で、やはり頑張る地方応援プログラムによる交付税支援措置をどうしても行うというのであるならば、その分を総額に上乗せすることが最低限の前提ではないかというふうに思うわけであります。〇四年度地財ショックの水準を引きずる中で、地域格差が拡大しているという地方団体側の真っ当な思いにこたえる意味でも、是非大臣の答弁をよろしくお願いしたいと思います。
#169
○国務大臣(菅義偉君) 地方団体の言うのは、懸命の行革努力を行って厳しい財政運営を行っているということは、私もそのことは十分承知をさせていただいています。しかし、依然としてその中でも厳しい状況であって、基本方針の二〇〇六に沿った歳出の抑制に取り組みつつ地方の活性化を図っていくということが大事だというふうに考えます。
 頑張る地方応援プログラムに取り組む経費を既存歳出に上乗せするのではなく、この歳出抑制方針の枠の中で効率化努力を行いつつ地域の活力を高めて政策を推進していきたい、そういう地方自治体を交付税で支援をしていきたいと、そういうことでありますので、この点も御理解をいただきたいと思います。
#170
○那谷屋正義君 御理解をということでございましたけれども、どうしても理解に苦しむところであります。私からすれば、本来の交付税制度の根幹を突き崩す作用を及ぼしかねない、要は、余りに問題が多い頑張る地方応援プログラムについて、その欠陥性について具体的にただしてまいりたいというふうに思います。
 三年間における一市町村当たりの最大措置額は幾らになるのか、また、例えば九項目の成果指標をすべて満たすプロジェクトを企画及び推進した市町村があった場合の扱いはどうなるのかと。その相場観、整理もないままにすべてがこれからの作業にゆだねられるとしたら、選挙目当ての総額論だけの見切り発車だとする批判は至極もっともなものとなるというふうに思います。何より、予見可能性の高い交付税制度にしたいというこれまでの総務省の取組とは明らかにそごを来すものだというふうに思うわけでありますけれども、併せて明快な答弁をお願いいたします。
#171
○国務大臣(菅義偉君) 交付税の予見可能性を高めることは、交付税総額が安定的に確保されること、各地方公共団体への交付税の配分ができるだけ簡素な方法により安定的に行われるということが必要であるというふうに思っています。このため、十九年度の地方財政対策においては、交付税の法定税率分を堅持しつつ、交付税特別会計借入金の計画的な償還も開始することにしたところであります。また、新型交付税を導入をして算定方法を抜本的に簡素化するとともに、交付税の推計方法を詳細に地方公共団体に示しているところであります。
 頑張る地方応援プログラムによる交付税措置の具体的な算定方法については、この二月にスタートしました頑張る地方応援懇談会における意見や提言を踏まえ、検討することとしておりますけれども、このような措置によって交付税の予見可能性は全体として改善をされていくというふうに認識をしております。
 今後とも、できる限り交付税の予見可能性を高めるために努力をしていきたい、こう考えています。
#172
○那谷屋正義君 今、成果指標というふうなお話の中で、その成果指標そのものも条件的に不利な地域にとっては夢のないものとなっていないのかどうかということがここで問題になってくるかというふうに思います。例えば、その多くが条件不利地域のエントリーになりそうな環境保全プロジェクトに関連して、成果指標の中で最も広いカバー率が期待できるのはごみ処理量の項目とならざるを得ないのではないでしょうか。
 しかし、午前中の地方税に関する私の質問でも触れさせていただきましたけれども、いわゆる森林環境税導入の取組が都道府県の過半数にも達するかというこういう御時世に、森林保全活動等を取り込めないような成果指標の在り方自体、本プログラムの未熟さを露呈しているのではないかというふうに思うわけであります。
 成果指標の設定についての基本的な考え方をお伺いしたいと思います。
#173
○政府参考人(岡本保君) お答えいたします。
 頑張る応援プログラムでは、行政改革の実績を示す指標でございますとか、今委員御指摘ございましたごみ処理量の指標など、九つの成果指標を交付税の算定に反映することといたしております。
 地方公共団体が行っておられますそれぞれの頑張る、あるいは地域振興のための施策というのは様々でございます。交付税の算定にこれを反映させますためには、交付税の算定の公平性という観点から、全国的かつ客観的な統計数値であるということが必要でございまして、千八百の市町村それぞれは御努力されておられるわけでございますが、その中から、今申し上げましたような観点から、どのような指標を取ることが全体としては各団体の全体的な努力を反映することになるのかといったことにつきまして、これまでのいろいろ地方団体の意見交換等を踏まえました中で九つの成果指標といったものを選定したところでございます。
 また、この指標の設定に当たりましては、近年の言わば伸び率といったものだけではなく、過去の実績等を踏まえましたいわゆる絶対的な水準、さらには、それぞれの団体の置かれています地理的、社会的条件によりましてそれぞれの指標といったものをきめ細かくとらえながら、その成果の指標を反映さしてまいりたいというふうに考えております。
#174
○那谷屋正義君 今、九つの成果指標についての御説明いただきましたけれども、成果指標の設定による交付税算定というのは、政策誘導であり、交付税制度の趣旨に反するのではないかとの指摘もございます。これに対して総務省の答弁は、交付税の算定は義務的、基礎的な経費と全国共通の政策経費から成るものであり、頑張る地方応援プログラムは全国共通の政策経費の算定であるから制度的に認められるという理論武装のように私は受け止めているところであります。
 しかし、これは、国の行おうとするすべての経費は全国共通化の可能な政策経費であるという歯止めのない議論ではないでしょうか。政策誘導とは何かという哲学論は別としても、今回の算定が実質的には交付税の補助金化ではないかとの指摘は根強いところでございます。この点について明確に御答弁をお願いいたします。
#175
○国務大臣(菅義偉君) 私どもの考え方について今委員から御説明がありました。
 私どもも、交付税というのは義務的なものと全国共通のものがあると、そういう考え方であります。そして、この交付税でありますけれども、これは使途を特定をされない一般財源である。こういう算定も含めて、この頑張る地方応援プログラムについてはそれぞれの地方公共団体の創意と工夫にゆだねるということになっておりまして、こうした措置が交付税の補助金化にはつながらない、あくまでもこの使途を特定をされない一般財源であるということであります。
#176
○那谷屋正義君 だとすると、その成果指標というものがあくまでも一つの例というふうな形になったりとか、様々それぞれの地方で工夫されているものというものも評価をされるべきものではないかなというふうに思うところであります。
 ちょっと新型交付税についてお尋ねをいたします。
 今回の交付税改正法案ではいわゆる新型交付税の導入が盛り込まれております。地方団体の財政運営を阻害しない範囲で算定方式の簡素化もビルトインできるとするならばそれはそれで結構な話というふうに言えます。しかし、新型交付税の導入をめぐっては、当初、地方団体側からも様々な試算が示されたこともあって大きな不安を招く結果となっております。いずれにしても、算定方式の変更によって生じざるを得ない影響額は極小にするということは当然のことでありまして、前国会の私の質問に対する答弁でも確認をさせていただいたところであります。
 そこで、現在の取組状況というものについて、また、地方団体側からどのように評価をされていると認識をされているのか、答弁をお願いいたします。
#177
○政府参考人(岡本保君) お答えいたします。
 新型交付税の制度の設計に当たりましては、昨年の秋、十月に、大臣と地方六団体の会長さんたちとの会合に基本的なお考え方を御説明して以来、各ブロックごとに意見交換会を開催いたしますとか、市長会でございますとか、各種の会議におきまして地方団体との意見を交換し、具体的な試算方法を御提示しながらその調整を図ってまいりました。
 また、年が明けまして、その御意見を踏まえまして、最終的に私ども考えております試算方法を提示し、また、その変動額の試算につきましても、影響額を、共通の理解を求めるという形で個々具体の数字をそれぞれの団体ごとに御掌握をいただきながらやってまいりました。
 そのような経過をたどりまして、新型交付税の導入に当たりましては、今委員御指摘のように、変動額を最小限にとどめるという設計の下にやってまいりました結果、十八年度ベースでこの変動額の試算をいたしますと、都道府県、政令市では、増加する団体、減少する団体がそれぞれ半分でございますが、その減少団体でもその影響額は約四億円弱というふうにとどまっております。また、中核市以下の市町村でございますと、約七割の団体で増加をし、三割の団体が減少の影響を受けるということになりますが、例えば、町村の減少する団体でも、その変動額の平均は約二千万円ということでございまして、減少団体におきます変動額の基準財政需要額に占めます割合の平均は大体〇・五%未満ということになっております。
 これらにつきまして、各地方団体の御意見をいただいてまいりましたけれども、現段階では、私どもといたしましては、ほぼ地方公共団体の御理解はいただけているものというふうに認識をいたしております。
#178
○那谷屋正義君 いろいろな場所で総務省さんからいろんなお話を伺う中で、できるだけ小さくそれをしたいというその努力については一定、分かるところではありますけれども、しかし、二千万円ですとか四億円ですとかという、その程度にとどまっているというお話でしたけれども、その二千万円というのが大きいのか小さいのかという、そういう問題がある中で、話は聞いたけれども満足はしている話ではない、不満であるというような、そういう声もまだまだ小さくないんではないかというふうに思います。
 確かに、交付税算定を分かりやすいものにする取組というのは、精緻化、客観化等に基づく要請からすれば、否定されるべきものではないわけであります。となれば、地方団体の財政運営を阻害しない範囲内という前提を明確にした上で、昨年来総務省が推し進めてきた新型交付税の導入による交付税算定のいわゆる簡素化と、菅大臣が先ほどから肝いりで、頑張る地方応援プログラムによる交付税支援措置による算定の複雑化とは矛盾はしないのかどうか、お尋ねしたいと思います。
#179
○国務大臣(菅義偉君) また、新型交付税も実は私が先頭に立って導入をしているものであります。
 これにつきましては、委員の御指摘のように、やはり今の交付税は余りにも算定項目が多過ぎる、複雑化している、地方公共団体の財政責任者に聞いてもなかなか分からないという、そういう中でやはり透明化の第一歩であるというふうに思っております。とはいいながら、やはり地方公共団体の今までの運営に余り支障があってはまずいということで、私どもは地方六団体と十分に相談をさせていただきながらこの設計を今組み上げてきたところであります。
 そして、また一方、この頑張る地方応援プログラムでありますけれども、これによる交付税の支援措置というのは、魅力ある地方を目指す取組、全国的に求められている政策課題であるというふうに考えています。
 こうした二つのバランスをうまく取りながら、このことを適切に算定をして進めていきたいと考えます。
#180
○那谷屋正義君 大臣は、繰り返し頑張る自治体応援プログラムの意義を答弁されてこられたわけでありますけれども、聞けば聞くほど私の理解は、ますます分からなくなっていく、迷路にはまり込んでいくという、そんな状況かというふうに思います。試験の問いとしてこの課題が与えられたときの満点の答えは、来年度、地財計画に盛り込まれた交付税総額十五兆二千億円に上乗せがない限り、元気な自治体に対する結果としての傾斜配分機能に終わらざるを得ないというもの以外にはその答えはないのではないかと。
 ここ二、三年の間、矢継ぎ早とも言える頻度で、インセンティブ算定、新型交付税、そして今また頑張る自治体応援プログラムと、交付税制度がいじりにいじられる始末になっている状況であります。いつから、交付税制度は多くの自治体、とりわけ小規模自治体にかかわる存立基盤の脆弱化作用を助長する代物になってしまったのか。わけても、恣意的、付け焼き刃的手法が極まったものとして頑張る自治体応援プログラムがあるというふうに私は思います。
 この枠組みでは、取組経費支援のみに増額算定がとどまる自治体も存在することになります。ただしそれは、成果指標の一つにも掛からない自治体として国が失格の烙印を押したに等しいという帰結に至るわけであります。この生まれ来る結果に、どうしてここまで鈍感力を発揮できるのか、小心者の私には思いも付かないところであります。
 自治体間格差に一層拍車を掛けた小泉流改革の防波堤になるべき交付税制度が今、正に自壊過程に陥ろうとしていることは断じて看過し得ません。民主党は、交付税における自治体間の財源争奪戦という不幸な回路を遮断し、地方固有の財源として質、量兼ね備えた交付税制度再構築へ全力を挙げることを明らかにして、質問を終わりたいと思います。
#181
○澤雄二君 公明党の澤雄二でございます。
 最初に、来年度の予算で三億円計上されています新しい国際放送についてお伺いいたします。
 これ、平成二十一年度放送開始予定と聞いておりまして、今度の通常国会で放送法改正が提出される予定でございますが、その中の一部にもこのことが入っているというふうに聞いております。現在どのような方向で検討が進んでいるのか、次の四点について簡潔にお答えをいただきたいと思います。誠に恐縮でございますが、一項目十五秒、全部で一分ぐらいで、一言ずつで結構でございます。
 放送する主体、会社はどのようなことを考えていらっしゃるのか。それから、放送の媒体はどのようなことを考えていらっしゃるのか。それから、放送内容でございますが、どういうことを放送しようとされているのか。それから放送時間、一日のうちにどれぐらいを放送しようとされているのか。
 以上、四点でございます。
#182
○政府参考人(鈴木康雄君) 今御指摘の点でございますが、放送の主体につきましては、昨年六月の通信・放送の在り方に関する政府与党合意を踏まえ、NHKの子会社ということで考えております。
 二番目の放送媒体につきましては、日本から衛星で発信するほか、小型アンテナで受信ができる地域の衛星、あるいはケーブルチャンネルの借上げ等を行っていく予定にしております。また、インターネットによる配信も考えております。
 三番目の放送内容でございますが、他の国際放送に見られない特色でございます斬新なアイデアに基づいた魅力的な番組を制作、編成するという下で、例えば工業デザイン、ファッション、アニメ、漫画等、欧米文化の模倣を超えた現代日本文化を積極的に発信するということ、あわせて、アジア関連情報につきまして、日本的なあるいはアジア的な見地からの報道を行っていくこととされております。
 放送時間につきましては、時差も勘案いたしまして二十四時間放送と考えております。
 なお、平成十九年度予算に計上いたしました調査研究費を活用しまして、今申し上げた番組ニーズあるいは効果的な受信関係について把握していく予定でございます。
 以上でございます。
#183
○澤雄二君 ありがとうございます。簡潔にお答えをいただきました。
 私は、前職のときにニューヨークに三年間勤務をしておりまして、そのときの仕事としては、ニュース取材はもちろんでございますけれども、それ以外に一時間のニュースの生放送を全米向けにやっておりました。それから、日本の会社のテレビ局のコンテンツをアメリカ、ヨーロッパのテレビ局に売るという仕事もやっておりました。
 その経験から一言ちょっと意見を言わせていただきたいんでございますが、三年間日本の番組を売ることをやっていましてつくづく感じたことは、アメリカやヨーロッパの人たちは日本のニュースや番組にほとんどと言っていいぐらい関心を持っていません。ですから、例えば地下鉄サリンが起きた。ABCが言ってきたのは、澤、一分か一分半のVTRの素材もらえないかと、そんな関心でございます。
 あるとき、サンデーネットワークの人に、一体日本の番組でどういうものだったら買ってくれるんだと聞いたら、彼が答えたのは、一つは相撲、一つはアニメ。でも、アニメも、フジテレビが制作しているような、みつばちマーヤとかフランダースの犬とか、ああいう名作のアニメには全く関心を示しません。つまり、暴力物であるとか未来物であるとかロボット物とか、そういうものしか関心がありません。つまり、それ以外のものは、アメリカ、ヨーロッパの人たちというのはほとんど日本に関心を持っていないということでございます。
 ちなみに、前のこの委員会でも申しましたけど、日本のアニメは大変人気があります。なぜ日本のアニメが受け入れられるかというのは、それは御存じのように、あのアニメは顔が日本人の顔じゃないんですね。インターナショナルといいますかコスモポリタンといいますか、言葉さえ入れ替えればどこの国でも通用するという、そういうコンテンツなんですね。残念ながら、それが事実であります。
 ということは、つまり、よほど工夫をしなければ何を放送しても見てもらえないだろうということでありますが、その上に、今局長からもお答えがありましたけど、メーンを衛星放送でしようということになると、衛星放送はそもそも視聴者数が少ないというハンディを、弱点を持っています。ですから、ますます見てもらうことがないだろうと。次に考えられるのは、お答えにもありましたけど、ケーブルテレビでございます。
 そこで一つお伺いしますが、東京の中にケーブル局は幾つありましょうか。
#184
○政府参考人(鈴木康雄君) 昨年の十二月現在で、東京都における主なケーブル事業者は三十二社ございます。
 ただ、三十二社のうち、複数のケーブル局を統括して運営しておりますいわゆるMSOと言いますが、マルチプルズ・サービス・システム・オペレーターでございますJCOMのグループに属する会社が四社、JCNに属する会社が五社ございまして、それぞれ合計しますと四〇%を占めている状況でございます。
#185
○澤雄二君 ニューヨークから帰ってきまして、十六チャンネルある委託放送事業者の立ち上げをやれという、で、やりましたもので、衛星放送だけでは食べていけませんから、ケーブル局にも番組を売っていました。
 ケーブル局に番組を売る、つまり配信するということはどういうことかというと、例えば東京で今三十幾つの局があるとおっしゃいました。三十局一つ一つと交渉しなきゃいけないんです、つまりどれぐらいで買ってくれるか。有料放送の場合にはこれはレベニューシェアであります。ところが、今政府がお考えになっているのは、多分有料ではだれも見る人がいませんから、無料で放送しようと。そうすると、有料放送に見合うだけの収入を料金として取られることになります。これはとてつもなく高い額をきっと取られると思います。その上に、三十局一つ一つと交渉しますから、例えばワシントンで放送しようとすると、ワシントンのケーブルテレビ局一つ一つと交渉するんです。東京の場合にはこれは半年が契約更改ですから、半年ごとにそれをしなきゃいけない。これは大変な営業の人件費が掛かると思います。それから、三十数局のケーブルテレビ局にどうやって配信するのかという、そのインフラと配信コストも掛かります。これを例えばワシントンほか世界の主な国でケーブル配信しようとすると、天文学的とは言いませんが、莫大な金が掛かります。とても現実的なこととは思えません。
 それで、お伺いしますけれども、二十一年の放送開始へ向けて、まず、NHKの子会社とおっしゃいましたけれども、会社の設立のコストをどれぐらい見ていらっしゃいますか。
#186
○政府参考人(鈴木康雄君) 新たな国際放送を行います会社の設立コストは、その事業主体の枠組みをどうするかによって大分異なってまいります。
 情報通信審議会において議論していただきました二つの方法のうち、現在NHKが行っている国際放送とは全く別の新しい仕組みをつくるとなりますと、設立コストで百五十から百七十億円でございます。しかしながら、この事業主体の枠組みの案につきましては現実性が乏しいと考えられまして、全く別の枠組みを創設するのではなくて、現在NHKが行っております国際放送の枠組みは基本的に維持しつつ、外国人向けの番組制作及び送信を委託するという案を中心に検討しております。この場合は、事業主体がNHKの既存のリソースを使うということになりますので、設立コストも相当程度下がるというふうに見込まれております。
#187
○澤雄二君 じゃ、一言でお願いします。
 ランニングコスト、制作費や人件費ですね、どれぐらい見ていらっしゃいますか。
#188
○政府参考人(鈴木康雄君) これは平成二十一年度に本格放送を想定いたしておりますが、その際でございますと、今中間取りまとめ後に精査をいたしておりますが、そこで出ておりますランニングコストとしましては、一応百三十五億円が見込まれております。
 なお、この金額は、もちろん委員御存じのとおり、番組編成の方針とか具体的な番組編成の方法、あるいは何時間ごとに繰り返すかということによって異なってまいりますので、そこの辺もまた併せて検討してまいりたいと思っております。
#189
○澤雄二君 少なくとも合わせて三百億ぐらいのお金が掛かりそうだということでございます。
 先ほど申しましたように、日本の番組、ニュースというのは欧米の人たちは全くと言っていいほど関心ありませんから、見てもらえないかもしれないということでございます。
 ですから、申し上げたいのは、税金をできるだけ有効に使っていただきたいというお願いであります。そのためには、最初から全世界をカバーするとか二十四時間放送、二十四時間放送するためのコンテンツの制作コストを考えたら、つまりそれだけの体制つくらなきゃいけないわけですから、大変な額になっていきます。それが今言われた予算だと思います。
 最初から本当にそこまで広げる必要があるんだろうか。どこか地域を限定して、時間を限定して、どういうものを放送したら見てもらえるのか、国益を守るための情報を発信できるのか、それを有効に使ってもらえるのかということを少しずつ検証しながら進めていくというようなことがあってもいいんじゃないかというふうに思います。一年、二年、三年ぐらい本当は検証をやっていただいて、その後本格的にどうするかということを考えてもいいかなと。
 もし大変効果のあるコンテンツが幸いにして見付かれば、それはそういうことを考えていってもいいと思うんですけれども、もしそうでなければ、残念ながらでありますが、場合によったら、NHKのワールドテレビの一部を、例えば一日一時間とか二時間というのを政府広報で買ってそこで流すとか、それから場合によっては、世界のオピニオンリーダーと言われる人たちを一万人なら一万人ぐらい選択してしまって、その人たちにインターネットで、プッシュ放送でインターネット放送でもってもう情報を伝えると、そういう契約をただでしてあげるとか、つまり、どうすることが最も国益を守るための情報発信ができるかということをよくよく考えてこの衛星放送をやっていただきたい。
 そうでなければ、空に向けて発信しますから、莫大な税金を、今政府は財政再建へ向けて苦労していますし、国民は格差と負担増で悩んでいます。そういうときに無駄遣いがないように、よくよく検討して放送を開始していただきたいと思います。
 大臣の御所見、お願いいたします。
#190
○国務大臣(菅義偉君) 私どもも、この国際放送を展開しようというのは正に国益を考えての上であることは、これは申し上げるまでもないということであります。日本のことをよく理解をしてもらい、そして日本の宣伝をしてもらう。
 一つの例として、北海道テレビが、ここたしか十年ぐらいだと思いますけれども、アジアで展開をしています。そうしましたところ、北海道に来るアジアのスキー観光客が飛躍的に伸びたという例もあります。そういう意味において、やはり日本の現状、そして日本の歴史とか伝統とか文化というものをやはり報道、放送をし、海外の人に理解をしてもらうというのは極めて私大事だというふうに思っています。
 とはいえ、今委員から指摘があった点も十分踏まえながら、この放送に私ども対応していきたいというふうに考えています。
#191
○澤雄二君 北海道テレビは日本の文化とか観光を広げるために戦略的にやったのではなくて、あれは多分ドラマが札幌が舞台だったので、それを見て、雪にあこがれて東南アジアから来ている。まあ、でもそういうことでも日本を知ってもらうというきっかけになるからいいと思いますけれども、くれぐれも有効利用をしていただきたいと、税金については、お願いをしておきます。
 それから次に、「あるある大事典」問題をきっかけに放送法改正の中で今検討を進められていると伺っておりますが、放送事業者に対する新たな行政処分についてお伺いをいたします。
 新たな行政処分でありますから、放送事業者に分かりやすく言うと罰を与えるというようなことなんだろうというふうに思います。あの「あるある大事典」がやったことというのは、私も前職テレビ局員でありましたから、もう怒りを覚えるくらいのことをやってくれたというふうに思っております。
 しかし、しかしですね、放送事業者は認可事業でありますが、認可事業だけれどもメディアであります。つまり、放送、報道、表現の自由というものが大変厳しく問われているメディアであります。今回の新たな行政処分というのは、その表現の自由、報道の自由ということに大変かかわり合いが出てくるということであります。つまり、報道の自由、言論の自由、表現の自由って民主主義の根本原理でありますけれども、こことちょっと向き合う法律改正だということについては大臣御認識はありますか。
#192
○国務大臣(菅義偉君) まず、先ほどの北海道テレビですけれども、七年間で五万人から二十万に増えたということでありますから、これはかなりの効果があったというふうに思います。
 今委員の指摘がありました報道の自由とかそういうものについて、私は十分認識をしています。
#193
○澤雄二君 時間がありませんので、ちょっと質問の順番を替えますが、今考えられている放送法の改正の中の新しい行政処分の中身についてお伺いしますけれども、中身というか、対象についてお伺いしますが、テレビは二十四時間放送しておりますが、その対象となる番組の中にドラマは入っていますか。
#194
○政府参考人(鈴木康雄君) ドラマそれ自体では対象になり得ないと思っておりますが、それが再現ドラマというような形で事実を構成し直したものということになれば、事実に反している場合には法律の対象たり得ると思っております。
#195
○澤雄二君 バラエティー番組はどうですか。
#196
○政府参考人(鈴木康雄君) 一般にバラエティー番組は、委員御存じのとおり、非常に幅広いものでございますが、その中でも事実を指摘するものであれば、それは当然対象となるものでございます。
#197
○澤雄二君 漫才とかコントはどうですか。
#198
○政府参考人(鈴木康雄君) 漫才やコントであれば、通常は事実を指摘するということはないと思われますが、物にあるいは演者によっては、これは事実であるとしてあえて虚偽なことを言うということはあり得ますので、場合によっては考え得るものだと思っております。
#199
○澤雄二君 皆さんも一緒に考えていただきたいんですが、今、ドラマ、バラエティー、漫才、コント、一体何が対象になって何が対象にならないかというのは局長の御答弁でもよく分かったと思うんですが、ニュースは対象となりますか。
#200
○政府参考人(鈴木康雄君) ニュースは、ほとんどの場合がその対象たり得るものと考えております。
#201
○澤雄二君 それでは、ニュースが行政処分の対象になるというのは、具体的な例はどういうことですか。
#202
○政府参考人(鈴木康雄君) それがニュースだとして虚偽の事実を虚偽の内容をもって、事実でないものを事実と伝えた場合になりますので、当然、ニュースのうちの特定の、虚偽の事実をもって放送した内容につきましては、この条項の対象たり得るものとなります。
#203
○澤雄二君 これは、この委員会の委員の先生の皆さんはよく御存じだと思いますが、新聞にしましてもテレビニュースにしましても、間違いのないことはありません。というよりも、日常的に事実を間違って伝えていることは多々あることでございます。それがすべて行政処分の対象になりますか。
#204
○政府参考人(鈴木康雄君) この場合でも、先ほど来申しました虚偽の事実ということでございまして、言わば故意又は重過失によって事実を曲げた場合にそれに該当するものでございまして、単純なミスのようなものはこの枠組みの対象外と考えております。
 また、あわせて、今現在考えております案では、それによって国民生活あるいは国民経済に影響を与えた場合ということでございますので、その影響が小さいと想定される場合にはその対象にならないと考えております。
#205
○澤雄二君 こういうニュースの在り方は是か非かという問題は別にして、よく飛ばし記事とか飛ばしニュースとかいうのをやります。あれは意識的にやるものでございますが、これが大幅に事実と違ったときには対象になりますか。
#206
○政府参考人(鈴木康雄君) いわゆる飛ばしというのが、よく新聞ではあるということを聞きますが、放送の中でそういういわゆる飛ばしというのがあったということは今まで聞いておりませんが、意図的に行ったと、事実を曲げて行ったとすればその対象となる可能性がございます。
#207
○澤雄二君 時間が参りましたので、この続きは次の質問のチャンスで続けたいというふうに思いますけれども、テレビはもちろん、飛ばし、あります。推測記事、当然あります。新聞と同じであります。
 つまり、今お聞きして皆さんに分かっていただきたかったのは、つまり何が悪影響で何が虚偽かということを、何を行政処分の対象にするかということが極めてあいまいなまま法律改正がされようとしています。しかも、それをするかしないかを決めるのは総務大臣の頭の中で決めるとおっしゃった総務省の幹部の方がいらっしゃいました。
 今、法案の中身については表に出ておりませんが、手元にあるものでは、総務大臣が全部決めることになっています。つまり、これは世界でもまれなというより多分初めてであります。言論の自由というものに法律で挑戦する初めての例であります。このことを十分大臣は認識していらっしゃるかどうか、最後に御答弁をお願いします。
#208
○国務大臣(菅義偉君) 私は、委員の誤解があるというふうに思います。
 私どもはあくまで、捏造した番組等も含めて、放送事業者の事実関係を含めた報告、放送事業者の主たるものを、私どもは放送事業者そのものが自ら誤りだと思ったものをというものに、捏造したものというものについて考えているところでありますので、そこは私どもが判断で決めるわけではないということも御理解をいただきたい。
#209
○澤雄二君 これで終わりにしますが、大臣のおっしゃることはよく分かります。よく分かりますが、通常、それは法律では行われません。民主主義の言論の自由というのは、虚偽の報道をした場合にどうかということについても大体コンセンサスができております。その場合でも、政府が干渉すべきではないというのが大体のコンセンサスであります。
 ですから、そのことを正すことを法律が、政府が介入していいかということは大問題でございますので、また次の機会にちょっとお話し合いを、お話し合いというか質問をさせていただきたいと思います。
 以上で終わります。
#210
○吉川春子君 日本共産党の吉川春子です。
 まず、特許庁にお伺いいたします。
 二〇〇六年七月一日現在の国家公務員一般職の数が二十九万八千六百九人で、非常勤が十四万九千九百十九人で、全体の三分の一が非常勤の国家公務員が占めています。国の行政は非常勤職員がいないと回らない状態です。
 そのことを前提に伺うわけですけれども、朝日新聞が二〇〇六年の十一月二十七日、特許庁で二百七十人の非常勤職員の社会保険加入漏れの社会保険庁の指摘を受けて是正したと、こういうふうに報道されています。この社会保険加入漏れの責任は特許庁にあると思いますが、どうですか。
#211
○政府参考人(村田光司君) 本件は、社会保険庁の調査によりまして、特許庁の非常勤職員のうちいわゆるアルバイト、臨時事務職員の一部につきまして、被用者社会保険、健康保険、厚生保険への未加入が明らかになったものでございます。
 特許庁では、従来、これらの臨時事務補助員の勤務形態について、被用者社会保険加入の義務がないものと理解し、アルバイトの方御本人にもその旨説明してまいったところでございます。
 しかしながら、社会保険庁運用基準の細部に関しましての私ども特許庁の理解が十分ではなく、結果的に被用者社会保険の未加入という事態が生じたものでございます。これに伴い、一部の臨時事務職員の方々に多大な御迷惑を掛けたことは大変申し訳ないと認識している次第でございます。
#212
○吉川春子君 加入漏れの責任は特許庁にあるということを今おっしゃったわけですね。
#213
○委員長(山内俊夫君) 指名があってからお答えください。村田総務部長。
#214
○政府参考人(村田光司君) 失礼いたしました。
 先ほども御説明いたしましたとおり、社会保険庁の運用基準につきましての私どもの理解が足りなかったということに原因があるかと承知しております。
#215
○吉川春子君 だから、理解がなかったのは特許庁なんでしょう。加入漏れの責任は特許庁にあるんでしょう。そこを明確に言ってくださいと言っているんですよ。時間ないので端的に。
#216
○政府参考人(村田光司君) そのように解釈いただいて結構だと思っております。
#217
○吉川春子君 資料を皆さんのお手元に、ナンバーワン、ツー、スリーと配っておりますが、まず資料一を見ていただきますと、特許庁の臨時事務補助員、アルバイトの勤務条件について、真ん中から下の方に、休暇、年次休暇は付与されない、有給休暇なしです。社会保険等のところは、社会保険、雇用保険には加入しないと、こういう条件で雇っています。
 そしてまた、資料二を見ていただきますと、これは社会保険加入漏れについてアルバイトの皆さんへのお知らせでございます。その内容は、過去の社会保険料徴収がなされなくなるわけではありませんと注意書きをいたしまして、過去二年分の保険料徴収をアルバイトの方に求めています。一番保険料の額が多い方は三十六、七万になるそうです。
 なぜ特許庁に責任があるものについて非常勤職員に過去の保険料の支払をさかのぼって求めるんでしょうか。これは特許庁がお支払いになるべきものではないですか。
#218
○政府参考人(村田光司君) 先ほども申しましたとおり、私どもの方に社会保険庁の定める被用者社会保険基準の認識が不十分だったということは間違いございません。
 他方、法律、厚生年金保険法及び健康保険法の規定によりまして、保険料は労使折半で負担するということになっております。この規定との関係で、特許庁が、被用者社会保険未加入となった臨時事務職員の方々の個人負担分を肩代わりすることは法律上できないというふうに認識している次第でございます。
#219
○吉川春子君 そんなことありませんよ。普通の状態で労使折半は、それはそうなんですよ。しかし、労が払わなかった原因が、特許庁がそういう認識がなかった、届けてなかったんでしょう、そういうことであるんですから。
 総務大臣、お伺いしますけれども、そもそも特許庁は社会保険に加入しないというふうに募集していましたし、社会保険加入漏れの責任も今お認めになったわけです。非常勤職員には責任はないわけです。にもかかわらず、過去の保険料をさかのぼって二年支払わされるということですけれども、こういう例が実は民間の企業で、東京ディズニーランドでアルバイト約千六百名の社会保険加入漏れがありました。会社側は労働者と話し合った結果、労働者負担額、まあ会社負担額はもちろんですけれども、労働者負担額の二億一千万の保険料を支払いました。で、特許庁にミスがあっても国の機関ならこのミスは許されるということにはいかないと思うんですよね。大臣、どうお考えですか。
#220
○国務大臣(菅義偉君) それぞれの府省庁が採用する非常勤職員及びこの非常勤職員の健康保険及びこの厚生年金保険に加入させるかどうか否かについては、それぞれ社会保険庁の運用基準に基づいて府省等が判断すべき問題であるというふうに思います。
 なお、この健康保険及び厚生年金保険の本人負担分を使用者たる国が払うということについては、健康保険法及び厚生年金保険法において事業主と被保険者がそれぞれ保険料の半額を負担すると規定をされておりますから適切ではないというふうに考えます。
#221
○吉川春子君 これはまともな場合でありますよね、労使折半というのは。しかし、それを特許庁は見落としていたわけですから、それを更に賃金も安い方々に三十何万払えって、過酷な状態じゃないですか。
 それで、資料の三を見ていただきたいんですけれども、「アルバイトのみなさんへ」と、これも特許庁総務部秘書課の文書ですけれども、勤務形態が一から十まであります。それで、その一から七までは社会保険の適用を受けないものですけれども、八、九、十は、これ社会保険料を払わなきゃいけないわけですね。
 この文書によりますと、この八、九、十は選ぶことができませんと、選んじゃいけませんと言っているんですけれども、その理由は特許庁、どうしてですか。
#222
○政府参考人(村田光司君) お答えいたします。
 私ども特許庁におきましては、臨時事務職員の業務内容につきましては定型的な事務作業を担うものであると、こういうものにつきまして常用的な短時間勤務形態ということを原則といたしております。こういうことでございまして、このたびの指摘を受けまして、このように勤務形態を変更したものでございます。
#223
○吉川春子君 ともかく、特許庁が忘れていて社会保険に加入していなかった、そして二年間さかのぼって三十何万も多い人は取られる、そしてしかも、今後は社会保険の加入の労働時間についてはそれは選んではいけません、これはもう本当にひどい話ですよね。民間企業、ディズニーランドは払っているわけですよ、自分たちの落ち度だから。それが法律と何とかで払えないって、これは余りにも身勝手じゃないですか。国はこんなに働く人に対して冷たい姿勢を取っていいものでしょうか。私は総務大臣、そこは自分たちに落ち度があるんだから、やっぱり法律の規定というのはそういう落ち度のないときに労使折半と決めているんであって、落ち度のあるときは、国に対してだって公務員に対してだって損害賠償要求できるでしょう。損害賠償とは言えませんけれども、こういう問題について、やっぱり法律がこうなっているからという理由は成り立たないと思いますけれども、総務大臣、いかがお考えですか。
#224
○国務大臣(菅義偉君) 先ほど申し上げましたように、非常勤職員を厚生年金だとかあるいは健康保険に加入させるか否かについてはそれぞれの府省庁がもう判断をされることでありますから、私どもがこのことについて言及をする立場ではないということは是非御理解をいただきたいというふうに思います。
 その上で、先ほど申し上げましたけれども、この本人負担分については、使用者、国が払うことについては健康保険法及びこの厚生年金法において事業主と被保険者それぞれ半額を支払うという規定になっておりますので、そのことが適当でやはりないのかなというふうに考えています。
#225
○吉川春子君 自分が誤りだったと責任認めたわけですから、それについてはきちっとそれに対応するような行動を取ってもらわなきゃならないし、誤りがいかにもなかったかのように、しかもさかのぼって二年間まとめて払わなきゃいけないというのは、これは大変なことなんですよ。だから、そういうことについて、やっぱり非常に私は特許庁の態度、そして今総務大臣が、入れるか入れないかは百歩譲って各省庁が判断してアルバイトを雇うとしても、こういうミスを犯したことについて全く反省がないと、これは許されないと思うんですよね。
 それで、人事院にお伺いしますけれども、国のパート、アルバイト、非常勤職員に対する雇い方というのはもう本当にひどい状態でございまして、今ワーキングプアという話もありますけれども、この勤務表を見ていただきますと、みんな十万円前後なんですよね、一か月で。これではとても暮らしていけないというような訴えも私どものところに寄せられていますけれども、で、しかも社会保険には入らない、有給休暇は与えない。で、しかもこんな社会保険に入れないために給料は安く抑えているわけですね。こういうようなやり方、しかもその人たちがいないと公務は回らないんですよ。
 人事院、やっぱり人事院規則にこんなことをやってもいいんだと、こういうふうに人事院規則に書いてあるんですか。
#226
○政府特別補佐人(谷公士君) 非常勤職員の勤務条件につきましては、常勤職員との均衡、権衡、あるいは民間準拠の考え方の下に、休暇等を中心としまして私どももいろいろ制度を考えてまいりました。しかし、基本的には、行政の様々な必要性に基づきまして、その従事いたします職務の内容、それから勤務時間等、非常に多様でございます。したがいまして、それらの雇用期間、勤務形態、あるいは様々な処遇ということにつきましては、各府省において予算の範囲内で御判断いただくということが基本になっております。
 特に、今御指摘のございました社会保険の関係につきましては国家公務員共済組合法の適用となっておりませんので、一般の国民の方と同じように厚生年金、健康保険の加入という対象になっておりますので、私どもとしてはその点については何とも申し上げられません。そういうことでございます。
#227
○吉川春子君 こういうパート、アルバイトの働かせ方は人事院規則でオーケーだと、推奨すると、こういうふうには考えていませんよね、まさかね、人事院ですからね。
 私は、人事院が平成十四年の八月八日に公務員制度改革に向かうべき基本的方向の中で、フレックスタイム制、短時間勤務等の拡大ということで、非常勤職員に関しては、現在まで十分な制度的整備がなされておらず、非常勤職員が、常勤職員とほぼ同様な勤務実態を有しながら、定員等の都合で非常勤として採用されているといった運用が見られるところであると。こうした現状を是正するために、非常勤職員の範囲の明確化や給与、勤務時間、休暇等の処遇や身分保障について、各省が十分連携し、制度的な整備を検討する必要があると、こういう積極的な御提言も出していますね。
 こういう立場に立って、人事院ももう少し御検討いただけますでしょうか。再度伺います。
#228
○政府特別補佐人(谷公士君) 私ども、以前に申し上げましたような問題意識というのは現在も持っている、それはそのとおりでございます。
 ただ、この非常勤職員制度の見直しにつきましては、民間における正社員と有期雇用者、それからパートタイム労働者との均衡の問題でございますとか、それから公務における非常勤職員の位置付けの問題、それから財政上の問題、いろんな問題があるわけでございまして、そういう意味で関係の府省と十分議論して対応することが必要でありますので、私どもといたしましては、これらのことも踏まえまして引き続き検討を進めてまいりたいと考えております。
#229
○吉川春子君 引き続き検討していただきたいと思います。
 ともかく、国家公務員の三分の一が非常勤なんですよ。そして、その方たちの大多数がもう、言葉は私は好きではないんですけれども、いわゆるワーキングプアと言われて、働いても一人で生活できない、将来にわたっては社会保険も雇用保険も適用できない、そして現状としては有給休暇もわざわざ与えないんですよね、途中で解雇して二週間ぐらい間を置いて。そういうようなことが、国が率先してやっている。民間準拠かもしれません。民間でそういうひどいことをやっているところはあると思います。しかし、国がそういうことをやってはいけないと思うんですよね。
 人事院総裁、こういう問題について人勧のときに報告でも勧告でも、やっぱり今パートをどうするかというのが最大の問題ですから積極的に対応していただきたいと思います。いいですね。
#230
○政府特別補佐人(谷公士君) ただいま申し上げましたように、引き続き検討してまいりたいと考えております。
#231
○吉川春子君 終わります。
#232
○又市征治君 最初に、大臣、先ほどの続きでありまして、地方税と交付税の実態について一問質問を申し上げておきたいと思うんです。
 せっかく、さっき申し上げたように税収は伸びましたと、だけども交付税の減額で、結果、財政的にはマイナスであります。これはもう自治体にとっては大変なことですよね。その結果、一般財源総額では二十七道県がマイナス予算だと。これではもう自治体は、安倍さんが言うように頑張る自治体になりたくても先立つものがないから頑張れないと、こういうことになるんだろうと思うんです。交付税の原資である国税が回復したというのに、それはないじゃないかというのが地域の実感でありましょうし、正に格差がますます拡大をしていくということなんだと思うんです。
 ですから、端的に申し上げて、まだ交付税特会の借金払いを開始するような財政状況にないんじゃないのか。まずは、ここ数年落ち込んだ自治体の財政力を回復し、それによって福祉や行政サービス、ひいては地方における生産力や人口を回復すべきであって、交付税は需要額を十分に算定をして、その結果生じる財源不足は国が補てんをすべき段階だ、こういうふうに思うんですが、この点について改めて見解をお聞きしておきます。
#233
○国務大臣(菅義偉君) 交付税特別会計の借入金というのは平成十八年度で五十三兆円にも達しておって、交付税制度の持続可能性というものの一つの問題視する意見も非常に強かったところであります。そこで、十九年度の地方財政対策において新規の借入れを廃止するとともに、国と地方の責任というものを明確に分担をし、三十四兆円ですか、これを地方が償還計画に基づいて償還をしていこうということであります。
 そういう中で、十九年度の地方の一般財源の総額は前年度を五千億円上回って確保している、また、借入金を行うだけでなく地方債発行の削減も図ることとしていることから、地方団体の私は理解をいただけるものというふうに考えています。
 そして、先ほども申し上げましたけれども、現在十兆円残っています金利五%以上の公的な借入金につきまして、五兆円については補償金なしで繰上げ償還を向こう三年間できることとさせていただきました。このことによって、地方には約八億円を超える財政的、全体とすれば余裕ができるということになっていますので、そうしたことも是非御理解をいただきたいというふうに思います。
 いずれにしても、私どもは、一般財源の総額を確保し、安定的に地方の行政運営ができるように全力で頑張っていきたいということであります。
#234
○又市征治君 それじゃ、交付税法のところでまた引き続き議論させていただきたいと思います。
 そこで、先ほど来も出ていますが、放送法を改正して捏造番組に総務省が新たな行政処分ができるようにしようと検討されているということがありますから、少しこの点について伺っておきたいと思うんです。
 放送に対する政府や政権与党の介入というのは、テレビ局等が権力におもねて真実をゆがめる報道姿勢を助長するのではないか、こう懸念があります。
 我が党にはベトナム戦争の報道者でありました田英夫議員がおりますが、彼が人気ニュースキャスターの職を降りざるを得なかったのは、時の権力の横やりが原因だったというのは、もう広く知られておるところであります。彼は、かねてから政府の規制を懸念しておって、今回いろいろと調べていただきました。
 改正案の前に、現行法の下での政府の行政指導を洗ってみますと、判断基準が極めてあいまいで、政治家が絡むとどうも重くするなど総務省のさじ加減次第ではないのかと、こう思われるケースがあります。
 実例を、保存期間五年ということで五年分しか出していただけなかったわけですが、十五件ありました。その行政指導の法的根拠、放送法第三条の二、又は第三条の三だと思いますが、それぞれどういう基準か、簡単に御説明してください。
#235
○政府参考人(鈴木康雄君) ただいま御指摘の、五年間で十五回、十六件の行政指導を行っております。
 放送法三条の二第二号及び有線テレビジョン放送法第十七条の政治的に公平であることに違反した者、あるいは放送法第三条の二第三号、報道は事実を曲げないですることに違反した者、さらに放送法第三条の三、自社の番組基準に従って放送番組の編集をしなければならないに違反した者がございます。
#236
○又市征治君 これらは放送局が視聴者に対して守るべき放送基準を定めたものということでよろしいですか。
#237
○政府参考人(鈴木康雄君) 御指摘のとおりでございます。
#238
○又市征治君 では、その判断は視聴者、国民が行うということになるんじゃないですか。大臣が事実かどうかを判断するのはおかしいということになりませんか。
#239
○政府参考人(鈴木康雄君) 先ほど申し上げた、政治的に公平、あるいは報道は事実を曲げない、あるいは自社の番組基準に従って云々ということがございますが、それらをその放送、当該放送を行った事業者に内容を確認し、彼ら自身も番組準則あるいは番組基準に違反していたということを確認した上で私どもが行政指導を行っているものでございます。
#240
○又市征治君 どうも非常に危険性を感じてしようがないんですね。
 そこで、もう少し具体的に聞いてまいります。
 十六件のうち一件だけ、総務省は電波法八十一条を根拠に報告を求めた例がありますね。昨年八月、TBSの旧陸軍七三一部隊、細菌戦部隊ですけれども、これに関する報道で、たまたま画面に当時の安倍官房長官の写真が映り込んだ事例でした。ほかの件はそんな大げさな報告要求条文というのは適用してないんですが。
 そこで、大臣、総務省は現職の官房長官に対して失礼であったというのでより重い条文を適用した、こんなふうに理解してよろしいですか。
#241
○国務大臣(菅義偉君) これは是非御理解をいただきたいんですけれども、十八年の六月にTBSの番組で、「ぴーかんバディ」事案について大臣の警告という最も重い行政指導を行って再発防止を要請したにもかかわらず、七月にまた放送した「イブニンブ・ファイブ」の事実が一か月という短期間の中で発生したことから、この第八十一条による報告を求めたものであります。
#242
○又市征治君 従軍慰安婦問題の報道番組に関する東京高裁判決では、NHKが安倍さんの事前発言を受けて放送、放映直前に番組を改編した経過が認定をされて、NHKは賠償を命じられております。これは報道する側の自主性の問題ですけれども。
 そこで、この十五件の中に第三者である放送と人権等権利に関する委員会、略称BRCが勧告をして、放送局が自ら説明と謝罪をしたのに、総務省が行政処分を下すという二重処分がなされた藤井孝男前衆議院議員のケースがありました。
 大臣、これはBRCの権威と独立性を総務省が侵害し、自主的努力をつぶすものということになりませんか。
#243
○国務大臣(菅義偉君) このBRCというのはBPOの中に設置をされていまして、放送番組、名誉だとか信用だとかプライバシーの権利侵害に関する苦情を処理し、審理をする役割というふうに聞いています。一方、放送法を解釈をし、運用する役目は本来的に今行政機関である総務省にゆだねられておるわけでもありまして、したがって、BRCの対応にかかわらず、放送法上の問題があれば総務省としてやはり適切に対応する必要性というのが私はあるというふうに思っております。
 平成十六年のこの「ビートたけしのTVタックル」の事案につきましても、放送法を所管する立場から、放送法第三条の違反についてテレビ朝日に対して厳重注意の行政指導を行ったということであります。
#244
○又市征治君 放送内容の公正を保つためには、憲法違反の疑いのある法的規制ではなくて、第三者機関と局の自主的努力をやっぱり増すべきなんだろうと思うんですね。それは先ほど御指摘がいろいろとありました。非常に危険性を感じます。
 実際、NHKと民放とBPO、放送倫理・番組向上機構というんですか、この三者は現行の放送番組委員会を発展的に解散をして、強化した新組織をこの五月にも設立する方針を正式に示されております。総務省は電波監理という権力を持っているわけでありますけれども、その行政指導は将来の番組内容に対して今のような御説明だと本当に事前検閲となりかねない、こんなふうに思えてならないわけであります。
 今回の法案に盛り込もうとしている再発防止計画の要求というのは事前検閲になりかねないんじゃないのか、この点はどういうふうに峻別なさるのか、もう一度明確にお答えいただきたい。
#245
○国務大臣(菅義偉君) 是非御理解をいただきたいんです。今までは行政指導とあとはこの電波法に基づく罰則がありました。行政指導の上というのは停波ですよね、電波を停止をする、あるいは免許を取り消す、そこの間のものが何もなかったのであります。
 先ほど来申し上げていますけれども、昨年四件、私ども、行政指導をさせていただきました。そういう中で、再発防止策というものもその中で私どもはそれぞれの放送事業者から行政指導の中でも行ってきたわけである。にもかかわらず、今回の、放送局が違うとはいえ、あのような形の「あるある大事典」ですか、捏造された事実がそのまま報道されてしまったと。翌日スーパーに行ったら納豆がすべて売り切れてしまったと言われるほど、やはりその報道というのは極めて国民生活に影響のあるものであります。そういう中で、私自身も非常にこれは深刻な状況であるという中で、再発防止策が必要だろうということであります。いわゆるこの番組問題に関して、再発防止のための、放送事業者の番組編集の自由に配慮し、新たな措置を講ずることについて、放送法改正を含めて今検討しております。
 放送番組の適正は、基本的には番組編集の自由を有する放送事業者の自主自律によってこれは確保されるべきものであるというふうに考えます。このため、新たな措置として検討中の再発防止計画というのは、事実を曲げた報道が行われた後に同様な放送の再発を防ぐために、放送事業者の自主的な取組として計画を策定し、提出をいただく、そういう制度で検討しているものであって、行政が放送番組の内容を事前にチェックするなど、そういうものでは全くないことを報告をさせていただきます。
#246
○又市征治君 先ほど来から同僚議員も指摘しておりますように、私は今のこの内容で、今おっしゃっている内容でいくならば、憲法の定める表現の自由に抵触する、濫用につながっていく、政治権力の側がそうした状況に踏み込んでいく、こういうおそれが非常に強いものとして強く反対の意を表明をいたしまして、この件については終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#247
○長谷川憲正君 国民新党の長谷川憲正でございます。
 私は、前回の年賀郵便の件に引き続きまして、郵政行政に関連をして質問をさせていただきたいと思います。と申しますのは、非常にこの時期に気掛かりなことがあるからでございます。それは、三月の末で郵政職員が大量に退職をいたします。これについてどんな形で補充がなされるのだろうか、訓練がなされるのだろうかということでございます。
 まず最初に、今日は郵政公社から佐々木理事においでをいただいておりますので、郵便局の内務の作業をする人、それから外務の作業をする人、さらには特定局長、それぞれについてどれぐらいの退職が出るのか、前年等に比してどんな違いがあるのか、その辺を教えていただきたいと思います。
#248
○参考人(佐々木英治君) 平成十九年の三月末の退職者につきましては、高齢勧奨退職と定年退職で例年の同時期の約二倍の一万二千四百人となる見込みです。その内訳を申し上げますと、外務が五千三百人、それから内務、中の仕事の方が七千百人ということで、一万二千四百人でございます。そのうち、特定局に関しましては、これは内務三千七百名と外務一千三百名の五千名でございます。うち特定局長に関しましては二千四百名となっております。
#249
○長谷川憲正君 今御説明のように、前年の倍の人間が今年退職をするということでありますけれども、その補充につきましてはどのような計画をお持ちでしょうか。
#250
○参考人(佐々木英治君) 今申し上げましたように、一万二千人辞めるわけでありますが、新規採用をいたします。新規採用の職員は六千四百人を予定をしております。ただ、六千四百人ではまだ不足するものですから、これに関しましては非常勤職員を採用して対応したいと考えております。
#251
○長谷川憲正君 先ほどの御説明で、退職の見込みの者が一万二千四百人と、それに対しまして新規採用の予定数が六千四百人と。差引きしますと六千人、ほぼ退職者の半分が埋まらないという状況になると。それは要するにいわゆるアルバイトで埋めると、こういう理解でよろしいんでしょうか。
#252
○参考人(佐々木英治君) 今退職の数とそれから新規採用の数で申し上げましたが、実はそれ以外にも欠員といいまして、当初予定している人員よりも配置人員が少ないという状況がありまして、年度当初には約一万人の不足といいますか、いわゆる予定人員に対して配置人員が不足するという事態にはなります。
#253
○長谷川憲正君 不足人員は更に多い一万人だというのは分かりましたが、これを全体を非常勤職員、いわゆるアルバイトで埋めるという理解でよろしいでしょうか。
#254
○参考人(佐々木英治君) 失礼しました。
 非常勤職員だけではなくて、本務者の方の超過勤務等でもカバーしたい、その不足労働力についてはそういう形でカバーしたいと考えております。
#255
○長谷川憲正君 トータルとしての労働力の足りない部分を超過勤務等も含めて補うというのは、それはそうだろうと思いますけれども、退職者が一万二千四百人もおられて、そして年度当初に一万人の労働力の不足があって、それを六千四百人の採用で、あとはその職員の超過勤務でといっても、過重労働にならないですか。大丈夫ですか。
#256
○参考人(佐々木英治君) ただいま非常勤の職員を採用してと申し上げましたが、その非常勤の職員の中には、三月末で退職される元職員の方に引き続きこういう状況なので非常勤として勤めていただけませんかというふうな依頼をいたしまして、それに応じて働いていただける方が約三千六百名含まれておりますし、それ以外にも出産、育児等で退職された方でそういう私どもの仕事をよく御存じの方を再雇用するなどして対応したいと思っております。
#257
○長谷川憲正君 多少安心をいたしました。
 郵便局の仕事にもいろんな仕事があると思いますけれども、特にやはり郵便を配達する職員ですとか、それから郵便局の窓口でお客さんと直接接する職員というのは、言ってみればプロの力量を要求される。急に外から連れてきて、はい、あなた、これやりなさいと言ってできるような仕事ではない、大変難しい仕事だというふうに理解をしておりますので、そういう意味で私は郵便局が大混乱になるのではないかということを心配をしたわけであります。これはもう当然のことながら公社の幹部の皆さん方は先刻御承知ということで手を打っていらっしゃるとは思いますけれども、万全を期していただかなければいけないと思います。
 事前にいただいた資料を拝見しておりましたら、私、数の問題だけでなくて、非常に気掛かりになるデータがあったので、それをちょっとお尋ねをしたいと思うわけですが。
 例えば、全体で見ましても一万二千四百人という退職の職員が今度出てくるという話でございますけれども、このうち定年で退職をする人は二千百人、これはまあ定年ですから分かりますが。それに対して勧奨ですね、勧めて、高齢だからということで勧奨で退職をするという人がその五倍の一万三百人と、こうなっているわけです。その内訳の中で特に気になりますのが特定局長でありまして、定年で退職する人は百人。それに対しまして、高齢勧奨ということで自ら退職を希望する者が二千三百人、二十三倍。
 私は個々にいろんな話を聞いているわけじゃございませんのでよく分かりませんが、私のところにも多少の苦情のようなものが来ておりますけれども、要するに、今郵便局の現場が非常に厳しくて超過勤務に次ぐ超過勤務だと。まあ特定局長さんは管理職ですから超過勤務手当というのはもちろん出ないわけですけれども、夜遅くまで仕事をしてもなかなか終わらない。土曜、日曜も出勤をしなければいけない。現に私も近所の郵便局なんかを夜時々見るんですけど、こうこうと電気がついているという状況が続いております。
 そういうことで、言ってみればもう働くのが嫌になっちゃったのかなと。もしそうだとするとこれは大変なことでございまして、そこへもってきて、大量の人たちが辞めた後に、非熟練労働者と言ったらおかしいんですけど、要するに仕事の中身が十分に訓練されていない人が増えますと、大変なことになります。
 それで、今は特に民営化を控えて新しいやり方に変わっていくということで、いろんな訓練をたしか公社では今進めていらっしゃる途中だと思うんですね。そうでなくても、したがって本来の働く正規の職員というのが職場にいなくなって、そこにアルバイトが入ってくる。加えて、年度末にこれだけのアルバイトが入る。
 もう今日は三月の二十日でございますので、普通は正規の職員が退職をする前には、今まで十分に取り切れなかった年次有給休暇の消化というのが最後に入りますので、恐らくもう休みに、休みというか、事実上退職した状態になっていると思うんですね。そうなると、そういう状況の中で、年度末でございますから、入社だとか入学に関係する郵便物がどっと今出ているはずでございます。それから、四月に入りますと、統一地方選ということで、我々も関心の強い選挙関係の重要な郵便物がどっと出てまいります。こういうものに事故などが起きますと、その影響は非常に大きい。場合によったら人生が変わってしまうようなこともあり得るわけで、従来から非常に力を入れてやっておられると思うんですけれども、こうした対策について十分な手が打っておられるのかどうか、その辺のお伺いをしたいと思います。
#258
○参考人(佐々木英治君) ただいま長谷川先生御指摘のように、私どもも今回のこの要員の不足状況ということに関しましては、大変重大な事態といいますか大変な事態だというふうに受け止めておりまして、本社及び支社に、マンパワー確保対策本部と名付けておりますが、そういう要員をきっちりと確保しようということで対策本部を設けまして、いろんな対応をしております。
 その中には、先ほど申し上げましたように、非常勤の方を確保する上においても、あるいは元本務者の方を最大限手を尽くして確保しようとか、あるいは非常勤の確保にしましても、雇用単価を従来よりも更に引き上げて、地域で競争力のある雇用単価にして引き上げようというふうなことも考えておりますし、あと労働組合、JPUあるいは全郵政の労働組合、あるいは全特の方にも協力をあおぎながら、いろんな紹介等の情報もいただきながら対応をしていきたいと。各社では個別の局の要員事情等も見ながら対応を考えているという、現段階ではそういう状況でございます。
#259
○長谷川憲正君 是非しっかりした対策をお願いをしたいと思う次第でございます。
 これだけの大量のいわゆる本務者、正規の職員が退職をした後というのはもう大変な、そうでなくても混乱が予想されるわけでありますけれども、これから十月一日の民営化の開始というスケジュールを踏まえて更に業務が忙しくなってくると。そういう中で、次の年度末を待たずにもう嫌になったと、これ以上こんなつらい職場にいられないなどということで職員の退職が今後も増えるということになると、ますますもって状況が難しくなりますので、どうぞ現場の業務の実態というものを更によく把握をしていただいて、無理のあるところには少しでも手を入れまして、そして業務量が余りにも過重にならないように、余りに過酷な労働条件の下で働くというようなことにならないように是非御配慮をいただきたいと思います。
 そして、結局はお客様に掛かることですよね。郵便を利用される、あるいは郵便局を利用される方々がえらい不便になったなと、あるいはこんな間違いが起きてどうしてくれるんだということの起きないように、重ねて御注意をお願いを申し上げたいと思います。
 最後に、監督大臣としての総務大臣に一言お願いを申し上げますけれども、こういった大変重要な時期にこれから入ってまいります。先ほど申し上げた入学関係、入社関係の郵便物がどっと出てまいりますし、四月になると選挙関係の郵便物も出てくると。今年はまたそういう意味で特別な年でもございますので、監督大臣として十分公社にも注意喚起をお願いを申し上げたいと思う次第でございまして、所感をお聞きして質問を終わりたいと思います。
#260
○国務大臣(菅義偉君) 郵政事業というのはマンパワーに依存するわけでありまして、そういう意味では職員は極めて大事な経営の資源であるというふうに私自身考えております。そのために、現在の公社において業務に支障を来さないように、円滑に民営化がスタートできるようにしっかりと私自身も対応したいと思いますし、職員の士気高揚に努められるように取り組んでまいりたいと思います。
#261
○委員長(山内俊夫君) 以上をもちまして、平成十九年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣所管のうち人事院、公害等調整委員会を除く総務省所管及び公営企業金融公庫についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#262
○委員長(山内俊夫君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時九分散会
ソース: 国立国会図書館
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