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2007/03/22 第166回国会 参議院 参議院会議録情報 第166回国会 総務委員会 第5号
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2007/03/22 第166回国会 参議院

参議院会議録情報 第166回国会 総務委員会 第5号

#1
第166回国会 総務委員会 第5号
平成十九年三月二十二日(木曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十二日
    辞任         補欠選任
     江田 五月君     広中和歌子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山内 俊夫君
    理 事
                景山俊太郎君
                二之湯 智君
                森元 恒雄君
                伊藤 基隆君
                那谷屋正義君
    委 員
                小野 清子君
                尾辻 秀久君
                河合 常則君
                木村  仁君
                世耕 弘成君
                山崎  力君
                山本 順三君
                吉村剛太郎君
                芝  博一君
                高嶋 良充君
                内藤 正光君
                広中和歌子君
                澤  雄二君
                遠山 清彦君
                吉川 春子君
                又市 征治君
                長谷川憲正君
   国務大臣
       総務大臣     菅  義偉君
   副大臣
       財務副大臣    富田 茂之君
   大臣政務官
       文部科学大臣政
       務官       小渕 優子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        高山 達郎君
   政府参考人
       人事院事務総局
       給与局長     出合  均君
       内閣府地方分権
       改革推進準備室
       長        藤岡 文七君
       総務省自治行政
       局公務員部長   上田 紘士君
       総務省自治財政
       局長       岡本  保君
       総務省自治税務
       局長       河野  栄君
       文部科学大臣官
       房文教施設企画
       部技術参事官   舌津 一良君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○行政制度、公務員制度、地方行財政、選挙、消
 防、情報通信及び郵政事業等に関する調査
 (地方分権を推進するための地方税財政基盤の
 確立に関する決議の件)
    ─────────────
#2
○委員長(山内俊夫君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 地方交付税法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に人事院事務総局給与局長出合均君、内閣府地方分権改革推進準備室長藤岡文七君、総務省自治行政局公務員部長上田紘士君、総務省自治財政局長岡本保君、総務省自治税務局長河野栄君及び文部科学大臣官房文教施設企画部技術参事官舌津一良君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(山内俊夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(山内俊夫君) 地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○森元恒雄君 それでは、数点お聞きしたいと思います。
 最近、市町村長さんといろんなお話をしておりますと、予算編成に大変四苦八苦しておられるところが多いわけでございます。特に、財政力の弱いところは本当に大変な状況だというふうに思っております。
 その原因は、やっぱりここ数年間にわたって交付税が毎年のように大幅に削減されてきたということでございますので、この格差が財政の面でも広がっているんじゃないかなというふうに思っておりますが、まず最初に大臣から、このような実情についてどういうふうに認識をしておられるのか、お聞きしたいと思います。
#6
○国務大臣(菅義偉君) まず、地域ごとに非常にばらつきがあるということは間違いないことだというふうに私自身も考えております。また、東京で大幅に税収が増加している一方で、地方歳出の抑制に取り組んできた結果、交付税が抑制されてきたことから、交付税に依存する度合いの高い団体の財政事情というのは厳しくなっているというふうに思っています。
 このため、平成十九年度におきましては、前年度比五千億円を上回る地方税、交付税の一般財源総額を確保するとともに、三年間で五兆円規模の公的資金の補償金なしの繰上償還を行うことにさせていただいたところであります。
#7
○森元恒雄君 交付税の削減を主張される方は、私が見ておりますと、ややもするとその影響がひとしく各地方団体に及ぶというようなことを前提として言っておられるような感じがしてなりません。しかし、不交付団体はそもそも交付税受けてないわけですから、その影響は全く及ばない。そしてまた、昨今のように景気回復に伴って税収が増えつつある状況では、そういうところは更に財政がより拡大する傾向になっているわけで、そんな中で交付税を削減すれば差が広がっていくのは当然のことであります。
 交付税を削減するという場合には、当然のこととして地方税の体系をやっぱり見直すと、それと併せてやるということでないといけないんじゃないか。それは、交付税というのはそもそも地方税を補完するものであるというその本質からしても当然のことではないかと思いますが、このことが、この間、根本的にはなされてこなかったという影響が現実に現れているんではないのかなと思いますけれども、地方税の見直しについて抜本的に考える必要があるんじゃないかと。大臣としてはどうお考えでしょうか。
#8
○国務大臣(菅義偉君) 現在の地方間におけるばらつきですね、そういう中で、やはりこの地方法人二税を中心に税収が回復をして、そこが東京に集中をしていると。しかし、その他の地域においてはなかなか厳しい状況が続いていると。そこを地方交付税で、地方税だとか交付税総額の財源を私ども確保することによって保障機能と調整機能というのはしっかりと行っていかなきゃならないというふうに思っています。
 そして、これからやはり国と地方の税源の比率も仕事量に合わせた形に最終的には私はしていきたいなというふうに思います。そして、今年の秋以降抜本的見直しが行われる際には、やはり偏在の小さい地方消費税、そうしたものを中心に地方税収を考えていきたいというふうに思います。
#9
○森元恒雄君 今、政府も我々自民党も小さな政府を実現するという方向でこの何とか大変な状態にある財政を立て直していこうと、こういうふうに進めておるわけでございますが、もう既にこの五年ほどの間ずっと歳出削減をしてきて、更にこれ以上具体的にどこまで切り込めるかということについては、私としては甚だもうしんどい状況に近づいているんじゃないかな、限界に近づいているんじゃないかなというふうにさえ思います。
 地方団体の中には本当に、特別職の給与を、一割二割というのは今までも聞いていましたが、ついこの間半分にしたというようなところも聞きました。あるいは、財政基金がついに底をついて赤字予算を組まざるを得ないというようなところまで来ている団体もあります。あるいは、福祉関係ですね、老人医療費とか介護とか、そういうどうしても増えていくような部分に限りある財源を回さなければいけない、その結果、建設関係の事業費はほとんど予算付けられないと。例えば、耐震補強の工事なんかは急いでやらないといけない、そういうふうなものでもお金がないからできないと。
 こんな話が全国各地で聞かれる状況でございまして、小さな政府ということは耳触りはいいように聞こえますけれども、一つ一つつぶさに議論していった場合に、この地方財政の分野でももうそれはそろそろ限界に近づいているんじゃないかなというふうに私は思うんですけれども、大臣としてはその点どういうふうにお考えでしょうか。
#10
○国務大臣(菅義偉君) 厳しい財政状況の中でそれぞれの地方自治体が大変歳出抑制に努力をしまして、投資的経費や人件費を中心に懸命に今取り組んでおられるということは私も評価をさせていただきたいというふうに思います。しかし、ただ、こうした歳出努力をしているところとそうでないところの市町村の差があるということも、私、これは事実であるというふうに思っております。
 こうした歳出努力が全体に行き渡る必要というのが私は必要だというふうに思います。そういう中で、やはり私どもは、地方公共団体が努力した結果、一定水準の行政サービスが全国どこに行ってもできるように地方税、交付税総額を確保して、そうした皆さんの不安を取り除く必要があるというふうに思っておりますので、全力で取り組んでまいります。
#11
○森元恒雄君 今のお話ですと、残念ながら若干その努力が足りないところがあるんじゃないかというお話でございましたが、もしそういうところがあるとすれば、それがなぜそうなっているのかというふうなことをやっぱりきちっと検証していただく必要があるんじゃないかと。地方団体は国と違って、制度の枠組みは国で決められたその枠の中でしか泳げない、対応できないという限界がございますので、そういうばらつきがあるとすれば、そのよって来る原因は国のなせる業であるという部分もあるんじゃないかなというふうに思いますので、是非そこはしっかりと分析をした上で対応策を考えていただきたいなと思います。
 それから、地方団体の方とお話聞いていますと、厳しい状況の中で一生懸命とにかくやりくり算段していると。しかし、それはこういう状況の中である程度やむを得ない面があるのは承知しているけれども、いかにしても、しかし毎年毎年その都度対応を迫られるのは切ないというか、なかなか行財政運営を計画的に、安定的に行いにくい一つの要因になっていると。もう少し、三年とか五年先に自分のところの財政がどういうふうに推移していくのかという見通しを立てられるように、国の方でしっかりとしたそういう枠を示してもらえないだろうかと。そうすると、少し落ち着けて、またあるいは住民の方々にもよく説明をして納得していただいて対応をしていくことができるんだけどと、こういう話がございました。
 たしか数年前に中期見通しを出すという話があったように記憶しておりますが、まだそういうものが、しっかりとしたものが出てないと思います。こういうことについてどういうふうに取り組もうとしておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。
#12
○国務大臣(菅義偉君) やはり市町村長さんがこの予見可能性を高めてほしいというのは、これは多くの皆さんの私は声だというふうに思っております。
 そういう中で、十九年度は法定率分を堅持するとともに、交付税特別会計借入金の計画的な償還に着手など総額の決定方式をできる限り分かりやすいものにいたしました。さらに、将来そうした予見可能性を高めるために、私は財政局長に少なくとも三年ぐらいは見通しを立てる必要があるだろうからと、そういう処置について指示をしましたので、今の状況を局長から答えさせます。
#13
○委員長(山内俊夫君) 岡本さん、挙手をして意思表示をしてください。岡本自治財政局長。
#14
○政府参考人(岡本保君) 地方団体におきます交付税の算定の見込み方につきましては、従来からいろいろな、分かりにくいというような御意見もございましたので、今年度、十九年度のまず算定に当たりましては、それぞれの交付税が変動します制度改正に伴う要素、それから、あるいは全体の総額に及ぼす影響額といったものを要素別に分解いたしますとともに、多くの場合その団体の変動する要素が公債費の多寡が需要額に大きく影響するということもございますので、その見込み、積算について各団体におきます数値を入れてほしいといったような具体的ないわゆるチャート図のようなものを作りまして、十九年度の予算編成の前に当たっての十九年度分の交付税の算定見込みといったものについてできるだけ分かりやすく取り組んでいただけるような方法を提示させていただきました。
 また、二十年度以降の見込みにつきましては、これは当然経済見通し等が一定の仮定に立つわけでございますが、政府の進路と戦略におきます、成長戦略に基づきます仮定の見込み、あるいは一番最悪の状態におきますようなシナリオといった、ある程度の幅を持って推計するということが必要になってまいりますので、その辺の幅をケース別に分けて提示をしたいということで現在作業をしておりますし、またその際でも、各地方団体におきまして将来の自分たちの公債費の見込みといったものが十九年度と同様に大きな要素になってまいりますので、その辺の見込み方について現在各地方団体に推計をお願いをしているということをいたしております。
 これらを併せまして、春にはそういう形で三年ほど先の、いろんなケース別になろうと思いますが、各地方団体にそれぞれの団体の交付税額の見込みをある程度の幅を持って予見していただけるような、そういう簡単な方法を御提示いたしたいというふうに考えております。
#15
○森元恒雄君 将来のことですから幅があるのは当然だと思いますので、是非そういう今進めておられる方向で、早い段階でしっかりとしたものが示せるように御努力をいただきたいと思います。
 次に、頑張る地方応援プログラムについて、二、三点お聞きしたいと思います。
 自治体のそういう意欲をできるだけ応援していこうと、こういう趣旨そのものは、私は大いに結構だと思います。ただ、その実施する手段として交付税を用いるということについてはいかがなものかなと若干思うわけでございます。それはなぜかというと、まず第一は、交付税は、改めて言うまでもありませんが、地方の固有財源。本来、地方税で財政が完全に賄われ、そしてまた団体間の調整も図られるんであればそれが一番望ましいわけですが、そこが十分なかなかいかないと、それを足りないところを補うのが交付税ということからすると、固有財源であります。地方の固有財源を使って国が支援するというようなことはそもそもいかがなものなのかなという気もするわけでございまして、その点について、まず大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#16
○国務大臣(菅義偉君) 頑張る地方応援プログラムでありますけれども、魅力ある地方の創出に向けて独自のプロジェクトを自ら考え前向きに取り組む地方公共団体に対して、地方交付税の支援処置を講じようとする内容であります。
 このプログラムにおいては、地方公共団体がそれぞれの特色や強みを生かしながら自由に独自の施策が行える、このようにしたいと考えています。そして、魅力のある地方を目指して、取組が全国的に求められる政策課題であること、そうしたものを踏まえまして、この使途を特定されない一般財源である地方交付税を活用して支援をすることは、地方の創意と工夫をより発揮するもののためと考えております。
 なお、この頑張る地方応援プログラムには、農林水産省、経済産業省、国土交通省と連携して補助事業の優先的採択の配慮が行えることとなっております。各省庁の補助金などを活用してプロジェクトを実施することが可能にしておりますので、地方公共団体がプロジェクトを実施するに当たっては各省の施策も有効に活用していただきたいというふうに考えております。
#17
○森元恒雄君 それからもう一点は、交付税は今申し上げたように地方税の補完をする機能を果たすものだということであるとすれば、その配分方法は基本的に客観的な指標で、国の意思、裁量が働かないような形で配分するということが一番望ましいと私は思いますが、この頑張る頑張らないということで差を付けるということになると、ややもすればそこに国の意思が働くんじゃないかというふうに思うんですけれども。
 そういう点、その交付税の本質からしていかがなものかなという懸念もございますので、その辺の考え方を改めてお聞かせいただきたいと思います。
#18
○政府参考人(岡本保君) 今回の頑張る応援プログラムに関します交付税の算定につきましては、それぞれの地域各団体におきます地域振興の各般の取組があるわけでございますが、それぞれの地域の取組におきます標準的な財政需要といったものは、単位費用等平均的な形で財政需要としてこれを需要額に算入するということでございますが、また、その一定の成果が上がる、これは当然それぞれの置かれた条件によって異なってくるというふうに考えておりますが、その置かれた地域におきましてのそれぞれの成果といったものがそれぞれの財政需要にある意味では対応しているだろうという考え方に基づきまして、その標準的な費用の掛かり増しを反映させようというものでございます。
 したがいまして、その意味では、交付税の基本的な標準的な財政需要として想定されるものの需要額の算定方法の一つという形で導入をしているものでございます。
#19
○森元恒雄君 もう一点ですね、頑張る自治体を応援すると。それは確かにそのとおりですけれども、何をもって頑張っているのか頑張っていないのか。あるいは、頑張っているけれども結果が出ないから、結果から見てそれは頑張っていないことになるのかどうか。あるいは、余り努力をしなくても、客観的な条件が恵まれているがゆえに頑張っているところ以上にいい結果が出る団体、いろいろあろうかと思うんで、それは何を指標として頑張っている頑張っていないという認定をするのかと、そのこと自体によっても変わってくるわけですけれども。
 私はかねがね申し上げているんですけれども、民間企業とやっぱり自治体は決定的に違うのは、まず仕事の中身が選択できない、あるいはそこで位置している場所を移動することができない、与えられた社会的条件を自らの力だけでは変更できないと、様々な制約があるわけでして、そういう中での頑張る頑張らないの評価というのは、よほど慎重にしないと団体間に不満を残し、またあるいは不公平な取扱いになりかねないんじゃないかと思いますので、その点のお考えをお聞かせいただければと思います。
#20
○国務大臣(菅義偉君) 森元委員は地方自治に非常に精通をされておられるわけであります。
 そういう中で、例えば行政改革一つ取っても、どんなに財政力指数が低い団体であっても行政改革というのはできるわけであります。よく私は市町村長の皆さんから言われるのは、うちはこんなに頑張って行政改革しているんだけど、隣の町は何もやっていないんだけど、それが交付税ほとんど一緒だとおかしいという声も実はよく聞きます。
 そういうものを客観的な指標でやはり見てやる必要というのは私はあるのじゃないかなというふうに実は思っておりまして、現在その成果指標というものを九項目考えていますけれども、私ども今地方に出向きまして、地方から様々な要請を受けております。地方の意見も聴きながら、この七月までには客観的にその成果指標というものが理解をされるものをしっかりと取りまとめたいというふうに思っています。
 今、行政改革の話しましたけれども、例えば都市と農村の人口交流、やはり一生懸命取り組んで、人口多く、都市の人、町づくりのために頑張っているところ、ただその指標を何で評価するというのはこれ非常に難しい実は問題もありますので、そうしたことも含めて七月ぐらいまでにはまとめ上げて、地方自治体にしっかり説明をし皆さんに客観的に分かってもらえる、そういう指標を作っていきたいと思います。
#21
○森元恒雄君 今お話のありました、頑張っているのにそのことが評価されない、残念だと、こういう声が自治体の関係者の間にもあり、また学者の先生方の間にもあることはもう私も十分承知しておりますが、私が考えますに、そういう意見が出てくるのは、交付税のやっぱり本質が必ずしも十分理解されていない面もあるんじゃないかな。要するに、交付税は実際にどれだけの予算を組み、使ったかということと全く関係ない客観的指標で配分される形になっているわけですから、頑張れば頑張るだけ、例えば行政改革で頑張って少ない経費で同じ仕事をこなすということをやればやっただけ、当該団体は交付税が減らされるんじゃなくて従来どおり来るわけですから、余裕が出てくるわけです。頑張れば自らに跳ね返ってくる、そういう状況であれば、殊更頑張る要素を加えなくても、交付税はそもそも十分そういう機能を果たしているということではないのかなと私は思っております。
 それからもう一つ、努力したところを積極的に応援していこうということでいえば、かつて地域総合整備事業債、建設事業の部分でそういう仕組みを交付税に取り入れたんですけれども、何年かやっているうちに、それは交付税の補助金化じゃないかというような批判があり、これを縮小するというようなことをやってきたわけでありますので、同じような道をたどらないように十分留意しながら是非おやりいただきたいなというふうに要望しておきたいと思います。
 それからもう一点、交付税の配分方法の簡素化、新型交付税についてお聞きしたいと思います。
 交付税の算定が非常に複雑になっておって、直接それに携わっている者でないとなかなか分かりづらい。地方自治体の財政担当者でさえ十分この仕組みがもう分からなくなってきていると。そういう傾向は、特に電算で計算ができるようになって、単に数値を入れていけば答えが出るというようになったことから余計に分かりづらくなっているという面があるかと思いますが、それを解決するといいますか改善する方法の一つとして、人口と面積で配分する新型交付税というものを新たに設けようと、こういうことで今進めておられるわけですけれども、しかしこれは、新たなそういう要素を加えただけで残りが従来と変わらなければ、ある意味では一つ余計な要素が加わっただけ、複雑化しただけで、全体としては簡素化になっていないんじゃないかと。
 私はむしろ、そういう新型というのを導入するよりも、交付税の算定方式全体を、特に補正関係を中心に簡略化することによって分かりやすくする方が趣旨にかなっているんじゃないかなとさえ思うんですけれども、新型を導入して簡素化になるんだという趣旨を改めて御説明いただければ有り難いと思います。
#22
○国務大臣(菅義偉君) 交付税の算定方法の抜本的な簡素化を図るという観点から、更にもう一つは予見可能性というものを是非高めたいということから、国の基準付けが少ない、国の基準付けがない、あるいは弱い行政分野について、人口と面積を基本としてこの簡素な算定を行う新型交付税を十九年から導入しようというものであります。現在九十五の算定項目がありますけれども、これによって六十八へと約三割減少するようになっております。
 いずれにしろ、新型交付税の導入は交付税の算定方法全体として大幅に簡素化させるものだというふうに考えております。
#23
○森元恒雄君 これはお願いをしておきたいと思いますが、今後その新型交付税は全体の三分の一ぐらいをその方式で配分するということのようですので、その結果やっぱり、従来の方式で配分、算定しておったときに比べて変化、変動が余りにも大きいと、プラスになるところは結構ですけれども、マイナスになるところはたまったもんじゃないと、こういうことになります。
 実際にはやっぱり地方団体のかなりの部分が法律、政令等で事務の執行が義務付けられている、強制されているという部分が多いわけでございますので、行財政運営にその結果支障を来すというようなことはあってはならないと思いますので、そういう点の配慮を十分、今年はおやりいただくようですけれども、将来にわたってしっかりとその辺押さえながら進めていただきたいというように思います。
 最後に、一点お願いを兼ねてお聞きしたいと思いますが、このように交付税の配分がなかなか分かりにくいと、関係者にも分かりにくいという点が、いろいろ交付税をめぐって声が出てくる一つの背景だと思います。そうであれば、やっぱり今いろんな面で行政の説明責任というものが求められているわけですので、もうちょっと算定の内訳が分かるように、少なくとも県や市町村の首長さんや財政担当者には分かるような形で示したらどうかなと。
 例えば、三位一体の改革なんかの話でもいろいろお聞きしますのに、どうも我が町はあれで不利を被ったというような話が出てくるのは、そういうことが十分分かりづらいからだと思うんですね。ですから、そういうことのないようにするためにも内訳をきっちりと示すということが大変大事なことではないかと思いますが、もしお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。
#24
○国務大臣(菅義偉君) そのことは森元委員の私は御指摘のとおりだというふうに思っております。
 私どもは、地方財政に関する総務大臣・地方六団体の会合を始めとして各種全国会議において制度改正の内容や算定方法を詳細に説明するとともに、交付税の算定方法に関する意見の申出制度やブロック会議の開催などを通じて地方公共団体と十分に意見交換を重ねてはおりますけれども、更に必要であれば、そうしたものを分かりやすく説明をさせていただきたいというふうに思っております。
 今後とも、算定方法の簡素化や制度の分かりやすい説明の工夫に取り組むとともに、あらゆる機会を通じてこの交付制度の理解を深めていきたいというふうに思います。
#25
○森元恒雄君 終わります。
#26
○高嶋良充君 民主党の高嶋でございます。
 まず、分権改革について伺ってまいりたいというふうに思っています。
 第二期分権改革がスタートをするわけでございますが、その成否のかぎを握っているのは分権改革推進委員ではないかなというふうに私は思っております。そこで、内閣府にお越しをいただいておりますので、分権改革推進委員の人選はどのような基準というか考え方で人選をされているのか。また、委員の人選に当たっては地方六団体が以前から地方の意見を十分に反映させるべきだと、こういうふうに要望しておりましたので、地方代表の委員選任について六団体の理解を得ておられるのかどうか、内閣府に伺いたいと思います。
#27
○政府参考人(藤岡文七君) お答えを申し上げます。
 地方分権改革推進委員会委員の人選でございますが、昨年の十二月に成立いただきました地方分権改革推進法の内容、それからそのときに附帯決議としていただいております、委員の人選に当たりましては、地方公共団体の意見が十分反映するよう特に配慮するという内容を踏まえまして、地方の実情や行政に精通した方々に入っていただくことを基本に人選に当たってきたところでございます。
 こうした点も御理解いただきまして、国会の御同意を賜りますようお願いいたします。
#28
○高嶋良充君 今、衆参国会の方に同意の提示がされておりますので、七名のメンバー、私どもは提示を受けているわけでありますけれども、そこで、私が地方六団体の理解を重視をしなければならないと、こういうことを申し上げているのは、昨年の分権推進法の審議のときに六団体の方から言われたのは、六団体が推薦をする知事、市長、町村長の代表をそれぞれ、三名参加させるべきだと。確かに今回の提示を受けている人選では代表三名は入っておられるわけですけれども、ただ、当初のマスコミ辞令によりますと、二人しか入っておらなかった、それが土壇場で差し替えられて最終的に三名になったと、こういう報道がございます。
 なぜ当初は二名だったのか、そして最終的にどのような理由で差し替えて六団体、地方の代表が三名になったのかと、この辺のいきさつについてお伺いしたいと思います。
#29
○政府参考人(藤岡文七君) 地方分権改革推進委員会の委員の人選についてでございますが、その経緯につきましては、個々の点を申し上げることは控えさせていただきたいと存じます。
 いずれにいたしましても、申し上げましたように、地方分権改革の推進に当たりましては、地方の実情や行政について優れた識見を有する方々に参加していただくという考え方の下に人選に当たってきたところでございます。
#30
○高嶋良充君 結果オーライだからいいというわけでもないので申し上げておきたいというふうに思いますが、問題は、人選のスタートのときには知事会、知事の代表と市長の代表だけしか入っていなかった。ということは、マスコミ報道でも若干ありましたけれども、どうも今回の人選に絡んでは、竹中色を出したいと、竹中ブレーンを中心に人選をしていく、そのために竹中ブレーンを登用したいと、そういう意向が強く働いていたんではないかと。そのために、当初の案では、町村長の代表の枠が一つ外されて竹中ブレーンの人の人選になっていったと、そういうことだというふうに思わざるを得ないんですが、そういう発想でやられるということについては、これは正に地方軽視ではないか、何のための分権改革を行うんだと。竹中さんのために分権改革を行うんではないんですから、そういう観点からいえば、やっぱり地方がどう自立をするか、そういうことを中心に議論をしていくということになれば、地方をやっぱり重視をすると、そういうことが必要だというふうに思っていますので、いずれにしても、これからの課題にもなりますけれども、国会で同意が得られれば、この七名の方を中心に真の分権改革を行っていく、そういう方向で進めていただくように、これは要望として申し上げておきたいというふうに思っております。
 さて、総務大臣に伺いますが、二十一世紀臨調が三月の十六日に地方分権改革推進委員会に緊急提言を発表をされています。その内容の一番の特徴は、第二期分権改革は政治主導で行うべきだと、そのためには、分権推進委員会もさることながら、分権推進閣僚会議の設置が必要なんではないかと、こういう提言であるわけですけれども、この分権推進閣僚会議の設置について、総務大臣の見解を伺いたい。
#31
○国務大臣(菅義偉君) 地方分権は安倍内閣の最重要課題でありまして、総理の地方の活力なくして国の活力なし、そうした考え方の下に私ども、地方が様々な行政の分野で自由に独自の施策を展開をして魅力ある地方になってほしい、そういう中でこうしたことに今全力で取り組んでおるわけであります。
 昨年十二月に成立をさせていただきました地方分権改革推進法、この法律に基づいて、新分権一括法の国会提出を含め、地方分権推進改革を三年間で、三年間の間に集中的に行う、こんなことであります。
 そういう中で、この臨調が政治主導という話、また閣僚、少数の閣僚会議という提言をされた。私自身も、この新分権改革一括法をいい方向に持っていくには、やはり政治主導で行わなきゃならない、それも強力なリーダーシップでなきゃならないというふうに思っております。そういう観点に立ちまして、その推進体制というものは是非整備をさせていきたい、こう考えております。
 いずれにしても、法律に基づいて、事務の義務付けだとか枠付けの整理合理化を含めて、国と地方の役割分担、そして権限、財源、税源、そうしたもののそれに基づいての移譲、そうしたものをしっかり行うことによって地方の自立と責任が持てるような、そうした分権を何としても進めていきたいと思っています。
#32
○高嶋良充君 力強い決意をいただいたんですけれども、ただ、こういう閣僚会議の設置、総務大臣としては要望されるというふうに思いますが、決めていくのは内閣府であり総理と、こういうことになっていくわけでございますから、もう少し内閣府の方にも申し上げておきたいというふうに思うんですが、私は、分権推進閣僚会議の設置の目的というのは、今も総務大臣が言われたけれども、政治のリーダーシップを発揮をするんだと、そこに尽きるというふうに思うんですね。とりわけ、地方分権というのは国の形を大きく変える抜本的な分権改革を実現をするということが今求められているわけでして、そうなると、中央省庁の権限と財源を大幅に地方に移譲していかなければならない、これが必須条件だと。ということになれば、当然各省庁の厳しい抵抗が起きる、予想されると。そうすれば、到底、分権改革推進委員、七名の委員、ちょっと腕力というか、口だけは達者な作家の人もおられますけれども、なかなか手に負えないんではないかと、あのメンバーではと。そこで、総理を中心に政治主導で大なたを振るえるようにすべきだと、こういうことだろうというふうに思うんですね。
 そういう意味では、是非、総務大臣の言われるように閣僚会議を実現をしてほしいというふうに思っていますが、それの実現方と、それともう一つ内閣府にお願いしたいのは、その中で、地方六団体、同じ提言の中で、この閣僚会議と地方団体との協議慣行の確立ということも求められています。
 いずれにしても、以前の、昨年の分権改革の推進法の審議のときにも、分権改革推進委員会において地方と審議、議論を進めていくことが重要だと、こういうことも議論をされておりましたので、この分権推進委員会並びに閣僚会議が地方との協議慣行の確立を求めると同時に、地方と十分に議論していくんだと、そういう方向性を是非つくっていただきたいと思いますけれども、内閣府の見解をお願いしたい。
#33
○政府参考人(藤岡文七君) 地方分権改革推進法でございますが、その第四条に、国に対しまして、地方分権改革の推進に関する施策の推進に当たっては、地方公共団体の立場を尊重し、これと密接に連絡することを求めていると承知いたしておるところでございます。
 今回の地方分権改革の推進に当たりましては、この地方分権改革推進委員会におきまして、この法で定められた基本理念や方針に従いまして議論が進められていくものと承知いたしてございます。
 いずれにいたしましても、国と地方が十分に議論を重ねることは不可欠であると認識しており、国と地方がそれぞれの役割を理解し、連携しながら地方分権改革を進めていくことが必要と考えております。
#34
○高嶋良充君 じゃ次に、地方財政対策について伺ってまいりたいというふうに思っています。
 昨年の臨時国会で、先ほども言っていますように、分権改革推進法案の審議のときに私は財務省に対して、交付税の特例減額の問題が浮上しておりましたから、そういうことをやるのは許せないというふうに追及をさせていただきました。当時、財務省は地方が財源余剰になるとこういう主張をされて、総務省は交付税特会の借金返済が先決だとこういう反論をされておられたときでございました。最終的には総務省が地方財源不足の四兆四千二百億円を認めさせる今回のような決着を図られたようですけれども、この総務省、財務省の決着について総務大臣としてはどのような評価をされているのか伺いたいと思います。
#35
○国務大臣(菅義偉君) 評価というのはどうかも答えにくい話でありますけれども、ただ、十九年度にあっても地方は四・四兆円の財源不足である、そして債務残高は百九十九兆円にも上っておりますので、さらに、交付税特会の借入金の償還もこれ毎年毎年増え続けていくわけでありますから、特例減額を論じる余地というのは全くないというふうに私どもは考えております。
 私は、経済財政諮問会議等の場でも申し上げているんですけれども、地方歳出の削減やあるいは税収確保で頑張った分を特例減額として国債の圧縮に使うというのは地方からは絶対これ認められないことであって、そしてまた地方がせっかく頑張ったという、頑張るそのやる気までなくしてしまうものであるというふうに思っております。
 私どもは十九年度の地方財政対策については交付税の総額を確保すると同時に、昨年と比較をし約五千億円上回る額を確保させていただいたところであります。
#36
○高嶋良充君 総務大臣は、その昨年末の決着、一応一年だけということではなしに一定続くわけでございますけれども、これで一件落着をして将来もこういう方向でうまくいくんだと、そういう考え方をお持ちですか。
#37
○国務大臣(菅義偉君) そんな簡単な問題ではないというふうに考えています。
#38
○高嶋良充君 そうですよね。交付税削減などの地方税財源の問題というのは、古くては自治省、大蔵省という名前の時代から自治、大蔵戦争だと、こういうふうに言われるほど国と地方の争いになってきたわけですけれども、そういう意味からいうと、私も総務大臣と同じように、今後、地方交付税問題を含めて、まあ第二期分権改革できちっとした結論を出してもらえればいいんですけれども、その結論の出るまでの間、あるいは出てからもかなり根の深い問題ですから、まだまだ騒動は続くのかなというふうに思っています。
 そういう心配をしておりましたら、案の定、三月五日の参議院の予算委員会で、私どもの同僚の平野達男議員の質問に対して、尾身財務大臣、次のような答弁をされました。正確に読み上げてみたいというふうに思います。地方の財政が厳しいから交付税をカットするのをやめろとおっしゃっていますが、トータルとしての地方財政と国の関係は国の方がよっぽど厳しいわけであります、したがいまして、国の方が地方より厳しいという状況を考えると、地方の人件費抑制等、国並みの抑制努力をしていただきたい、こういう答弁をされたわけであります。
 私はこれを聞いていて、財務省はまだいまだに地方自治体には財政的に余裕があると、交付税はまだまだ削減すべしと、こういう主張を根強く持っておられるんだなというふうに受け止めさせていただきました。全閣僚出席の予算委員会でございましたから、この尾身財務大臣の答弁、総務大臣も横で聞かれておりましたけれども、この答弁に対する総務大臣の見解を伺いたいと思います。
#39
○国務大臣(菅義偉君) 例えば、国と地方の十九年度のプライマリーバランスでありますけれども、国は九兆円のマイナス、地方は五・九兆円の黒字でありますけれども、これ多くの地方公共団体が懸命に行政改革、歳出見直しに取り組んだ結果であって、地方財政の余裕を示すものではないというふうに思います。現に、先ほど申し上げましたけれども、今年も財源不足四・四兆円、そして累積債務が百九十九兆円ありますので、私どもは決して余裕がないと、そういうことは私も事ごとに財務大臣には強く申し上げているところであります。
#40
○高嶋良充君 総務大臣の認識が一般的だというふうに思うんですが、地方がプライマリーバランスも含めて黒字だと財務省が言われるんですけれども、これはそれ相応の行革努力がされてきた、職員も身を切り、市民の皆さん方も福祉のカット等を含めて大変な負担も逆にしながら地方財政の健全化が図られてきたと、こういうふうに私どもは理解しているんですけれども、なかなかそう理解をしていただけない部分もあると。
 小泉政権のときに、当時の財務大臣、国は目刺しを食っているのに、仕送りを受けている地方はすき焼きを食べていると、こういう発言をされて地方の反発を買われたわけでありますけれども、いまだに財務省は、国は節約をしているけれども地方はぜいたくをしているというふうに思っておられるんではないかと。
 今日はわざわざ富田副大臣にお越しをいただきました。前回は参議院出身の椎名政務官でなかなかやりにくかったんですけれども、今回は富田副大臣ということでちょっと厳しいことも言うかも分かりませんが、よろしくお願いをしたいというふうに思っています。
 昨年の十月十三日、財政制度審議会に財務省が各都道府県における民間企業と地方公務員の給与比較なるものを提出をされました。そして、地方公務員給与は民間よりも高いんだと、こういう主張をされてきたわけですけれども、なぜこのような資料を提出されたのか、まず伺いたいと思います。
#41
○副大臣(富田茂之君) 先生御指摘の資料は、昨年十月十三日の財政制度等審議会におきます公務員人件費に関する議論のための参考資料の一つとして提出いたしたものでございます。
 当該資料は、厚生労働省の賃金構造基本統計調査に基づく民間給与の水準と地方公務員給与の水準を都道府県ごとに比較するものでありますが、財務省といたしましては、当該資料は客観的な統計に基づいて地方公務員の給与水準と地域の民間の給与水準を比較するデータの一つと考えているところであります。
 地方公務員人件費につきましては、基本方針二〇〇六におきまして、地方歳出の削減の取組の一環として、地方における民間給与水準への準拠の徹底等により大幅な削減を実現するとされております。国家公務員人件費についても削減を行う点は同じであり、今後ともこの方針に沿って適切に対応していく必要があると考えております。
#42
○高嶋良充君 こういう資料をかなり詳しく提出をされているわけでございますけれども、この資料、私もずっと見せていただきましたら、財務省が主体的に作ったというよりも、この前に小泉政権時代に経済財政諮問会議に出された資料をどうも焼き直しをされているなと、こういうふうに思いました。
 私ども、経済財政諮問会議のときにも同じような資料が出たんですけれども、その資料の目的というのは、今、朝日新聞なんかで官邸の問題の検証をしているようですけれども、二、三日前にも載っておりましたが、こういう資料は経済財政会議の民間の議員の皆さん方を、こういう言葉で言ったら悪いかも分かりませんが、裏で操るための資料として作成されたものだと。竹中ブレーンが全部作っていたんだと、こういうことを新聞にも載っていましたけれども、今はもう経済財政の大臣になっておられる大田さんなんかもそのメンバーの一人だったようですけれども、そういう資料をわざわざまた財政審議会に出される目的、私は分からないんですけれども。
 民間の給与と公務員の給与を比較をするということを行うんであれば、同じ、同じというか、第三者機関の人事院というのがあって、そこで、公務員の給与は労働基本権を剥奪をしているので、その代償措置の人事院によって民間準拠で決めるんだと。民間と公務員の賃金較差については人事院がきちっと調べると、こういうことだから民間準拠で公務員の賃金が成り立っていると、こういうことに本来なっていて、その人勧を政府は尊重しなければならないと。それを尊重しなければ労働基本権をやっぱり返すべきだと、こういうのが憲法の法理だと、こういうふうに思っているんですけれども。
 そこで、人事院に伺いますが、人事院の給与勧告において民間との給与比較を行っておられるわけですけれども、その方法というか内容についてお尋ねをしたいと思います。
#43
○政府参考人(出合均君) お答えいたします。
 委員御承知のとおり国家公務員の給与につきましては、国家公務員法に定める情勢適応の原則に基づきまして、公務員の給与水準を民間企業従業員の給与水準に均衡させることを基本として勧告を行っているところでございます。
 具体的には、官民給与の比較方法につきましては、公務員と民間企業従業員の同種同等の者同士を比較することを基本に、公務の常勤職員に相当します民間の常勤従業員を対象として、公務においては行政職俸給表(一)、民間においては公務の行政職(一)と対応します事務・技術関係職種の者につきまして、主な給与決定要素であります役職段階、年齢、学歴、勤務地域を同じくする者同士を対比させ、精密に比較を行っておるところでございます。
#44
○高嶋良充君 大体、給与比較というのは、公務員の同じような職種のある部分と、あるいは年齢も含めて、あるいはその学歴等も勘案をして、それ相応のところと比較をしていくというのが本来公正な比較の仕方だろうと思うんですね。
 私は、民間の給与を決める場合でも、三菱東京UFJの給料を決めるのに、美容院、美容室や理容業をやっておられる従業員の方の給料を参考に三菱は決めているということではないと思うんですね。三井住友であるとか、あるいは小さいけれども信用金庫はどれぐらいの賃金になるんだろうかと、だけれども、うちの方はこれだけの業務でこれだけの人数いるからこれぐらいやっぱり上げようとか、そういう対象産業というのを同じような産業を中心にやると、こういうことなんですけれども、財務省が出されている資料というのは、先ほどの副大臣の方から言われましたけれども、厚生労働省の賃金構造基本統計調査によって行われていると。ここはやっぱり不公正な比較の方法だと私は思っています。
 その点で二つ問題点を挙げておきますが、先ほども言いましたように、この統計調査は全産業にわたる平均給与だと。公務員と類似する職種の少ない産業も多く含まれているということですね。それからもう一つは、正社員以外のアルバイトなど非正規職員もこの統計に含まれていると。そして三つ目には、職種や役職や年齢や学歴などの条件に合わせた同種同等の者同士の比較ということにはなっていない。人事院の比較はそういうことになっているんですが、この統計調査はなっていない。
 その統計調査をわざわざ引用するというか、対比をして、公務員と比較をすれば公務員が高くなるというのは当たり前のことなんですけれども、だから地方自治体は無駄遣いをしているというところに持っていかれようとするところに、私は何か別の意図が働いているんではないかと。これは公務員給与の実態をゆがめるということと同時に、世論をミスリードをして交付税削減ありきの議論を誘導していこうという、そういう意図があるんではないかなというふうに常々思っているんですが、いかがでしょうかね。
#45
○副大臣(富田茂之君) 先生御指摘の資料におきます地方公務員の給与水準と民間給与水準の比較は、対象となる職種また労働者の雇用形態等について人事委員会による給与の比較と異なる点もあることは事実でございます。
 この点は先生御指摘のとおりでありますが、当方といたしましては、当該資料も客観的な統計に基づいて地方公務員の給与水準と地域の民間給与の水準を比較するデータの一つと考えているところであります。また、この資料におきましては、データの根拠等について明示をしておりますし、人事委員会による給与の比較方法とは異なる旨についても記載をしております。
 私も、財政制度等審議会は委員会の答弁がない限り全部出席させていただいておりますが、先生の御懸念のような形での職員の方からの御説明等は一切ありませんので、これはこういう資料を客観的なデータとして提出しているというふうに御理解をいただきまして、地方公務員の給与水準について公正な議論を損なうものではないというふうに当方としては考えております。
#46
○高嶋良充君 そういう一般的な資料として出されているんであればまた別なんですが、その統計資料をそのままさっと出しているんではなしに、全部グラフにしたりあるいは各県ごとに比較をして出されておると、こういうことですからもう意図ははっきりしていると、こう言わざるを得ないというふうに思っています。
 その辺は今後気を付けていただきたいというふうに思いますが、問題はこれからでございまして、尾身財務大臣が国の方が地方より厳しいという状況を考えると地方の人件費抑制等国並みの抑制努力をしていただきたいと、こういう答弁を、先ほども読み上げましたけれども、されています。ようぬけぬけと答弁されたなというふうに私は思うんですけれども、国並みの抑制努力をしていただきたいということは、地方は国並み以下の行革努力しかしていないと、こういうふうに受け取らざるを得ないんですね。しかし、総務大臣なりそこにお座りの総務省の官僚の皆さん方は、一般論として、今や常識になっていますけれども、国よりも地方の方が行革努力をどんどんやって、国よりもみんな、国以下になっていると、こういうふうに全部理解をされていると思いますよ。
 財務省だけが、財務省だけというよりも、富田副大臣は理解されておられると思いますが、尾身大臣だけはそういう理解をされていないというところに私は不思議だなというふうに思うんですけれども、ただ間違っていたということだけで済まない、この尾身大臣の発言というのは、あのときはテレビ中継でございましたから、国民に誤ったメッセージが発信されてしまったと。あの後、私どものところに、これは私も組合出身ですが、組合からも来ましたけれども、当局の町長さんや市長さんの方からもあれはちょっとひどいんではないかということを連絡がありまして、今度機会があればやっぱりただしておいてほしいと、こういうふうに言われましたのでただすんですけれども、地方は大変迷惑をしていると、こういうことなんですね。
 そこで、国以上の行革努力をしているということを二、三例に挙げながら是非理解をしていただきたいと思いますが、まず総務省に伺いますが、国家公務員と地方公務員の給与比較、一番直近のラスパイレス指数はどうなっていますか。
#47
○政府参考人(上田紘士君) お答えいたします。
 平成十八年四月一日現在のラスパイレス指数、国家公務員、地方公務員比較の指数でございますけれども、全国平均で地方が九八・〇、国を一〇〇とした場合に九八・〇でございます。平成十六年から三年連続で国家公務員全体の水準を下回っているという状況でございます。
 これを団体区分別に見てみますと、都道府県の場合には九九・二、それから指定都市が一〇〇・二、それから政令指定都市以外の市、これが九七・四、それから町村が九三・五、特別区が一〇一・四でございまして、団体数にしてみますと九一%の団体が一〇〇未満というのが現状でございます。
#48
○高嶋良充君 直近、十八年の数字を挙げてもらいましたけれども、以前は地方公務員の方がラスパイレスは高かったと、これはそういう認識は共通です。しかし、平成十五年ぐらいまででして、それ以降は今も公務員部長からもお話ありましたように一〇〇を切っているという状況ですね。ただ、政令市や特別区、若干、一ポイント程度国より上回っている部分はありますけれども、しかし全体的には九八%、国一〇〇に対して地方公務員は九八、地方団体九八だと、こういうことになっているわけですから、これは国以上の給与の抑制努力が地方は行われているということの一つの数字ではないかというふうに思うわけです。
 次に、人件費ということになりますと、尾身大臣は人件費と、こういうことを言っておられますから、給料は下げても人が多かったら人件費は高くなっているじゃないかと、こう言われてもいけませんので、人員の関係についてお聞きをしておきたいと思いますが、この間、地方団体の人員削減、どの程度行われてきたのか、これも総務省にお尋ねします。
#49
○政府参考人(上田紘士君) 国も一緒にでございますね。国と地方と両方ということでございますね。
#50
○高嶋良充君 地方だけでも結構ですよ。
#51
○政府参考人(上田紘士君) あらかじめ御通告いただいたときに、いわゆる独立行政法人化とか公社化とかといったような要素は除いて計算するようにという御指示でございましたので、そういう前提で申し上げます。地方の場合を申し上げます。
 平成十八年四月一日現在で二百九十九万八千人、ですから、通常、定員管理で発表している数字と若干違いますけれども、ベースが違いますが、このベースで計算をいたしますと、十年前からの削減数、これは二十六万五千人、削減率で三角の八・一%、それから五年前からの削減数が十六万二千人で、削減率はマイナス五・一%でございます。
#52
○高嶋良充君 じゃ、国家公務員の方も一応総務省、総務庁の関係ですから、前の分かりますよね。
#53
○政府参考人(上田紘士君) ベースを合わせますために同様の基準で、国の行政機関の定数で独法化等の要素を除いたものを申し上げます。
 平成十八年度末現在で国家公務員三十三万一千人でございますけれども、十年前からの削減数はマイナスの三万四千人、削減率でいうと三角の九・四%、それから五年前からの削減数は三角の一万四千人、削減率にしまして三角の四・一%となっております。
#54
○高嶋良充君 この人員削減の関係でも国と地方自治体の削減率あるいはこの、まあ削減数というよりも削減率の方が正しいと思いますが、比較をすると、地方の方が七%以上の削減に対して国は四%台だと、そういう結果が出ているんですね。とりわけ地方の場合は警察官なんかは逆に増員をすると、こういう状況で、その増員も合わせて、そういう増員をしている部分があって削減率がまだまだ国を、倍ほどと言いませんけれども三%ほど上回っていると、こういう状況になっている。そういうことから言っていくと、国並みどころか国以上に人件費という部分では大幅に削減をしてきていると、こういうふうに申し上げざるを得ないというふうに思っていまして、これは尾身財務大臣の認識はきちっと改めていただきたいなというふうに思っているんですが。
 私の方からもう一つ申し上げますけれども、じゃ財政全体ではどうなのかということであります。国と地方の決算額を比較をして、これは、国は十年前の平成七年は七十五兆九千億円の決算だった。それに対して、十年後、平成十七年の決算は八十二兆二千億円。六兆三千億円増加をしているんですね、国の場合は。節約をされている節約をされていると言いながらでも、十年前と比べると六兆三千億円決算は増加をしていると。
 しかし、地方はどうなのかと。十年前は国をかなり上回っていて、九十八兆九千億円の決算額でした。それが、平成十七年ですか、八十三兆七千億円、これは逆に十五兆二千億円減っているんですね。国は六兆三千億円増えているけれども、地方は十五兆二千億円財政全体で減っていると。
 これはやっぱり国並みの抑制努力を地方もせよと、こういうふうに財務大臣は言われるけれども、私が今明らかにしたように、人件費も財政全体も地方は自主的に国を上回るベースで歳出削減努力を行ってきた。その結果が、まあ言えばプライマリーバランスも含めて国よりも優位に立った状況になってきているんだと。そういうやっぱり認識を財務省は自覚をしていただいて、是非副大臣の方からも尾身大臣にそのことをお伝えいただいて、尾身大臣の考え方も改めていただきたいなと思うんですが、いかがでしょう。
#55
○副大臣(富田茂之君) 確かに先生御指摘のとおり、人件費を含みます地方の一般歳出は二〇〇〇年度以来八年連続でマイナスとなっております。
 他方、それ以前の一九八〇年代後半から九〇年代前半のバブル経済期の前後にかけて、地方一般歳出は単独事業を中心に国の一般歳出を上回るペースで大幅に増加してきておりまして、近年の減少はそうした高い水準を発射台としていることに留意する必要があると考えております。
 御参考までに、昭和五十九年度の水準を一〇〇とした場合、平成十九年度の国の一般歳出は一四四・二、地方一般歳出は一五七・三となっております。
 また、ラスパイレス指数についての御指摘がございましたが、国家公務員給与と地方公務員給与のラスパイレス指数につきましては、給料月額と俸給月額の対比であり、諸手当を含めた比較となっておりません。また、国よりも高い水準にある技能労務職員を含めた比較ともなっておりません。そして、人事院が官民比較で用いておりますラスパイレス指数とは異なり、単純に学歴と経験年数に基づいた比較であり、職責に基づく比較となっていないことから、対国家公務員でのラスパイレス指数が一〇〇を下回っていることのみをもって地方公務員の給与水準が国家公務員の給与水準を下回っていると評価することは適当ではないと考えております。
 こういった観点に立って、尾身大臣は三月五日の予算委員会での発言になったのではないかというふうに思います。
 いずれにしましても、二〇一一年度までに国、地方を合わせたプライマリーバランスの黒字化を確実に達成するため、地方歳出におきましても、基本方針二〇〇六で示された歳出改革方策を着実に実施し、人件費や単独事業を厳しく抑制していく必要があると考えております。
#56
○高嶋良充君 バブル時代以前の問題からの財政的な部分も言われましたが、いずれにしても、バブルの問題も含めて、地方の財政がその後の景気対策に駆り出されてきて大きな財政負担になってきた。そういうことを抜きにして、国の方は増やしてこなかったけれども地方はどんどんそのために勝手に増やしたというような言われ方というのはやっぱり問題があるのではないか。
 地方公務員と国家公務員の給与水準の関係でも、先ほど言われましたけれども、給料とか手当で見た水準もほぼ同じなんですね。これは十六年度の部分しかありませんけれども、地方公務員の全職種の給料、手当で見た水準、四十万四千三百八十六円、国家公務員は四十万四百二円。確かに四千円程度地方公務員が上回っています。ただ、平均年齢はどうなのかと。地方公務員は四十二・六歳、国家公務員は四十・九歳。だから、同じ年齢層でとらえれば国家公務員の方が若干高くなるのではないかと。いろんな手当問題も全部入れてそういう数字も出ているわけですから、その点も是非財務省の方ではまた検討いただいておきたいというふうに思っています。
 そこで、かなり時間食いましたので、総務大臣、今明らかになったような地方行革の努力という、その成果をこれからも国の財政再建のために使おうという意図が働いてくるというふうに思うんですが、そういうところに横取りされると、何のために努力してきたのかと。頑張れ応援自治体どころじゃない、こういうことに自治体はなるというふうに思いますので、今後も地方交付税の法定率の堅持は当然ですけれども、地方税財源の充実確保に向けての決意を伺っておきたいと思います。
#57
○国務大臣(菅義偉君) 今後とも、全国どこに住んでも一定水準の行政サービスというのを受けられることができるように、交付税総額獲得のために努力をさせていただきますし、そのことによって安定的に地方が運営できるようになるというふうに思います。このためには、交付税の法定率、この堅持することが不可欠であるというふうに考えています。二〇〇六にもその旨は明記されているところであります。
 また、地方分権改革、ここを推進することも極めて大事なことであるというふうに思っております。国と地方の役割を明確に分担をして、国から地方へ権限、税源、財源を移譲する、そうしたことがこれからの分権改革を進める上で大事なことであって、その結果として、地方の権限や責任の拡大にふさわしい地方財源の充実に努めてまいりたいと考えます。
#58
○高嶋良充君 これからも是非その点は強く要望しておきたいというふうに思っております。
 次に、新型交付税について若干伺ってまいりたいというふうに思います。
 新型交付税を導入する理由、いろいろ言われていますが、もう一度明快にお答えをいただきたいなというふうに思っています。
 私は、この新型交付税、どうも財政調整と財源保障という交付税の二つの機能を損ねることになるんではないかというふうに思っていますが、その心配はないのかどうか。そしてもう一つは、簡素化を一つの理由に挙げられるというふうに思うんですけれども、二重基準で交付税を算定をしていかなければならないということになると、かえって簡素化に逆行するんではないかという、そういう危惧を持っているんですが、大臣はどのようにお考えですか。
#59
○国務大臣(菅義偉君) よく市町村長の皆さんあるいは県知事の皆さんからも、算定項目が非常に分かりにくい、現に財政に携わっている人間さえ分からなくなってきていると、そういう指摘を私はよく受けます。そういう中で、やはりできる限り簡素化する必要があるというふうに思いました。それと同時に、予見可能性も、これ是非高めてほしい。少なくとも、これから向こう三年ぐらい地方交付税がどうなるかぐらいの数字が頭になければ、これはなかなかその予算も組むことができない。そういう中で、この新型交付税というのは正に人口、面積という、そういう中で導入をさせていただきました。
 そして、今、高嶋委員から御指摘がありましたけれども、この項目数が結果としては九十五から六十八に、これ三割実はこれによって削減をされます。交付税の導入とは正にこの算定方法を大幅に簡素化するものであり、交付税の基本的な機能であります財源の保障機能、それと調整機能に直接影響を与えるものではないというふうに考えています。
#60
○高嶋良充君 もう一つの心配は、これも地方団体からずうっと意見が出ておりますけれども、小規模自治体ほど影響額が大きいんではないかという危惧であります。
 先日、一昨日ですが、同僚の那谷屋委員の質問に対して、その答弁では、都道府県では四億程度、町村では二千万円ぐらいであって、地方の財政運営にそう支障を来すような額ではないと、こういう答弁をされています。
 確かに、平均変動額は都道府県、市町村ともにおおむねプラスマイナス一ぐらい、一%未満に収まるのかなというふうには思うんですけれども、ただ、各市町村の基準財政需要額のマイナスの幅にかなりのばらつきが見られるんではないかと。
 新型交付税は市町村の財政運営に支障がないように設計をされているということですけれども、やっぱり変動幅が大きい自治体にはそれなりの調整措置が必要なんではないかというふうに思っていますが、どうも総務省は調整措置をとらないと、こういう考え方のようでございますけれども、変動幅の大きい自治体に対する考え方をお尋ねしたいと思います。
#61
○政府参考人(岡本保君) 今回の新型交付税の導入に当たりましては、地方公共団体と昨年の秋以来、数次にわたりまして意見交換をさせていただき、またその中でいろいろな算定方法についても具体的にお示ししながら、その影響額等をお互いに確認し合いながらやってまいりました。
 その結果、例えば町村でございますと、千四十一の団体のうち新型交付税導入に伴いまして七百八十三の団体が増加をする、減少の影響を受ける団体は二百五十八にとどまるというふうに今考えております。また、変動額も、先ほど先生からお話ございましたようなことに考えておりますので、基準財政需要額に占める割合も平均〇・五%未満というふうにとどまっております。
 そういうことでございますので、新型交付税の導入によりまして現実の財政運営に支障を生ずるということは、現段階では大きな措置はないのではないかというふうに考えておりまして、具体的に十九年度の普通交付税で経過措置的な調整措置を講ずるという考え方は現在取っておりません。
 ただ、今後、十九年度の財政運営につきましては、各地方団体がこれからいろんな財政運営の場面でいろんなお取り組みをなさることでございますので、各地方団体の財政運営にそれぞれ支障が生じないよう、いろんな方面で御相談に乗り、また対応してまいりたいというふうに考えております。
#62
○高嶋良充君 制度的な調整措置は講じないけれども個別には相談に乗ってあげると、こういうことのようですけれども、どうもまたこの問題も裁量が働く部分があるという、選挙で協力しなかったらもらえないのかなというふうに思いますので。そこは別にして、基本方針二〇〇六で交付税配分について、地方税収の伸びが余り期待できない団体には特段の配慮を行うということが明記をされています。これは全体的な交付税配分なんですけれども。
 ただ、今回の新型交付税でもマイナス幅にばらつきがやっぱり見られる、やっぱり支障を来すという状況になってくれば、少なからず影響を受ける自治体には何らかの制度的な調整措置はやっぱり取るべきだろうと。総務省の裁量で当面やるということはいかがなものかというふうに思っていまして、制度的な調整措置を何とか考えていただくように、これは強く要望として申し上げておきたいというふうに思っております。
 森元自民党の委員からも御指摘がございました、頑張る地方応援プログラムの関係についてであります。
 森元先生の質問を聞いていて、考え方は一緒だなと、この法案、反対をされるのかなというふうに思ったんですけれども、どうもそこまではやられないようでして、賛成はするけれども苦言を呈するということのようでございますから、私は反対をする立場で申し上げていきたいというふうに思いますけれども、やっぱり極めて多くの問題があるというふうに思っています。
 これは、この政策の基本的枠組みというのは、まず地方自治体が具体的な成果目標を掲げて独自のプロジェクトを策定をして、住民に公表するとともに総務省のホームページ上でも公表してもらうんだと。そして、地方自治体が独自のプロジェクトを立ち上げて総務省のホームページ上で公表されれば、言わば公表されるだけで特別交付税措置がとられると。一市町村につき三千万円いただけると、こういうことになるわけであります。そして、各省の補助事業の優先採択権、採択権というか優先採択がなされると。こういうことですから、自治体にとればプロジェクトを立ち上げて総務省のホームページに載せてもらえれば三千万円もらえると、こういうことですから、まあまあおいしい話かなと、こういうふうに思うんですが。
 総務大臣、まあおいしい話ですから、かなりのところがプロジェクトを立ち上げると思うんですけれども、一体総務省はどれぐらいの自治体がこのプロジェクトを立ち上げるというふうに想定されていますか。
#63
○国務大臣(菅義偉君) 昨年末にこの頑張る地方応援プログラムを取りまとめて以来、今年に入って総理と市町村長の代表の皆さんと総理官邸で懇談会を開催をしました。それ以降に、私、副大臣、政務官がそれぞれの都道府県に出向きましてその内容等に説明を実はさせていただいております。そして、意見交換もそれぞれの自治体の長の皆さんとさせていただいており、頑張る地方応援プログラムの周知に今努めているところであります。
 現時点では、どのぐらいの自治体がこれに参画をしてくるかということは難しいですけれども、しかし、それぞれの地方公共団体が特色を生かしながら自由にプロジェクトを策定できるという、そういった使いやすい仕組みになっておりますので、できるだけ多くの地方自治体に参画をしてもらって、このことによって地域の活性化につながればいいなというふうに考えています。
#64
○高嶋良充君 昔、ふるさと創生で一億円配られたこともありますけれども、プロジェクトを立ち上げて三千万ということですから、私は、千八百少しの自治体、まあこれ、それで全部の自治体ですけれども、全自治体がプロジェクトは立ち上げるんではないかというふうに思いますね。
 ただ、それ全部立ち上げても三千万ですから五百億円そこそこですから、これ予算は三千億組んでおられるわけですから、全部立ち上げようと三つも四つも、まあ三つも四つも立ち上げても三千万ですよと、こう言っておられるようですけれども。一自治体三千万、それでも五百億、あと二千五百億ぐらいで、いろんな事業の関係で付けていかれるんだというふうに思いますけれども。
 いずれにしても、参加するだけで三千万もらえるんなら私は全部やるんではないかと。ということは、全自治体がこの政策に参加することが見込まれる以上、先ほど森元先生も言われましたけれども、規模の大きな財政力の高い自治体に当然有利に働くんではないかと、あとの二千五百億円の分捕り合戦は有利な自治体に働くと、こういうふうに私は考えるんですけれども、いかがでしょう。
#65
○国務大臣(菅義偉君) 取り組んでいただいて、成果指標に基づいてこの交付税に取り組むわけでありますけれども、その成果指標を算定する際には、条件不利地域の状況というものをこれは反映したものになるように配慮させていただきたいと思いますし、こうした措置を通じて条件不利地帯と言われるところも前向きに頑張ってくれる、そういう仕組みというものをしっかりとつくり上げていきたいというふうに思います。
#66
○高嶋良充君 今、大臣の答弁では、成果指標をしっかりと作ってやると、こういうことですね。成果指標を作るということは基本的には条件が不利な地域が出てくると、こういうことだろうというふうに思うんですが、今の答弁でいくと、やっぱり成果指標で条件不利益地域に配慮すると、こういう答弁の中身のようでございますから。ということは、そういう措置をとるということは規模の大きな自治体に有利に働くということを総務大臣自らが認めておられるというふうに受け止めていただきますが、それでよろしいですね。
#67
○国務大臣(菅義偉君) そうならないように配慮させていただきたい、それもオープンにして、その数字についてはそれぞれの地方公共団体に理解をしてもらえるようにしたいと思います。
#68
○高嶋良充君 じゃ、総務大臣は条件不利益地域の成果指標の問題を含めてどのような配慮をされるおつもりなのか、お聞かせください。
#69
○政府参考人(岡本保君) 具体的な条件不利地域の算定につきましては、七月の算定までに、今各地の地方団体のいろんな御意見を伺いながらその取組を考えておる段階でございます。
 いろいろ出ております意見といたしましては、例えば具体的な指標といったものを言わば大都市部と町村部等で同じような比較をするのではなくそれぞれの同じような状況で比較をしてほしいというような御議論でございますとか、あるいは、行政改革等過去の努力、近年の努力だけを取り上げられてしまうと過去頑張った努力といったものが反映をしにくい、特に小規模な団体であればあるほど、過去いろいろこれまで、先ほど来ございますような行革努力といったことによって相当程度まで頑張っていってこれ以上余りもうやる努力がないというようなお話もございまして、そういう場合には絶対値といったものがそういう意味ではそういうことを反映させる指標になるのではないかというような検討も行っております。
#70
○高嶋良充君 ということは、まだ具体的な不利益地域に対する配慮が決まっていないと、これから決めていくと、こういうことのようです。私は、やっぱり法案審議のときにそういう具体的な配慮の中身もやっぱり見せていただかないと、説明いただかないと問題だというふうに思っているわけです。
 とりわけ、この問題、一昨日那谷屋委員も追及しましたけれども、国の政策誘導の手段として利用されるんではないかと、そういう危惧が非常に強いわけです。
 今も総務省の方から言われましたけれども、成果指標についても総務省の裁量で決められるようなことになりかねない状況があるわけですね。プロジェクトそのものが総務省の判断で選ばれたものである以上、やはり総務省の、不当とは言いませんけれども、裁量が、いい方に働けばいいけれども逆の方向に働く場合もあるわけでして、不当な裁量に働く場合もあると。そういうことになってくると、総務省の御機嫌を伺いながら三千万やあるいはそれにプラスの事業の関係の費用をもらわなければならないと、そういうことになりかねない。
 さらには、そのプロジェクトの内容についても総務省が例示を挙げて示していると、こういうこともありますから、正に国に倣ってやらなければならないというような部分がある。固有財源をもらうのになぜそこまでやらなければならないのかという問題。そして、農林水産省や経済産業省や国土交通省の補助事業の優先採択が行われると。こういうことですから、そういうことになれば交付税ということではなしに正にそれは交付税を補助金として使っていると、交付税の補助金化だと、六団体も言っておられますけれども、そういうことということになれば政策誘導しているというふうに、交付税で政策誘導するというのはけしからぬことだと思うんですけれども、その辺の見解について大臣はどうお考えですか。
#71
○国務大臣(菅義偉君) まず、成果指標につきましては、これはオープンにすべてさせていただきますから、私どもでその裁量が、当たることはないようにさせていただいています。例えば、その成果指標の中の一つに、都市と地方の交流ということを掲げています。これなどは都市にはないわけでありますから、地方に対してその交流人口で比較をしてもらう。例えば私どもはそういう考え方でこれを入れさせていただきましたけれども、交流人口を何で取るかということのまた非常に難しい問題を地方から実は指摘をされました。あるいは、今までやってきた分についてどういう評価をするかという、そういう指摘もされました。ですから、すべて私どもで決めさせていただくということでなくて、地方のそうした今声を聞きながら、そういうものを、これを実行に移す前までにしっかりと明らかにさせていただきたいというふうに思っているところであります。
 この交付税というのは、委員御承知のとおり、義務教育だとかあるいは福祉、そうしたものに付いている義務付けられた行政水準を確保するための義務的、基礎的な経費に加えまして、全国の条件不利地域の特別の財政需要を考えるもの、あるいは行革の政策課題、この二つ実はあるわけであります。その中で、この頑張る地方応援プログラムというのは、正に全国の取り組む、私どもは政策課題の一つであるというふうに考えておりますので、全国的かつ客観的な指標を用いて捕捉をして行おうといたしております。当然このことは、交付税ですから何に使ってもいい財源になるわけであります。
#72
○高嶋良充君 地方交付税が一種の自治体間の競争に勝たなければもらえないという、そういう状況になっていくことになるんではないかという点を一番危惧しているんですが。交付税というのは、地方税だけでは地域の財政需要を賄えない場合に交付をするという自治体固有の財源と、こういう大前提が、自治体間の競争に勝たなければならないという、そしてその制度の中身、あるいはこの成果指標の関係、あるいはそれの不利益地域への配慮等の問題についてもいろいろ裁量が働くというようなことになれば、正に統制の道具に使われるというような状況になるということで、これは私は非常に問題があると、こういうふうに思っています。
 そこで、新型交付税の関係にもう一度戻りますけれども、新型交付税、私は自治体間の格差を、今でもできているんですけれども、もっと拡大をするんではないかということについても懸念を持っているところであります。
 本来、財政力の格差を埋めるというのは地方交付税の役割であるわけですけれども、新型交付税や先ほどから申し上げている頑張る地方応援プログラムなどで逆に自治体間の財政力格差が拡大をしてしまうという、これはとんでもないことだというふうに思うんです。とりわけ、新型交付税が導入されることによって、小規模な団体に対しては段階補正などで一定の配慮が行われていたわけでありますけれども、今までは、それが標準的な財政需要だけで算定されることになってしまう。
 ただ、このことについては、総務省は条件不利地域に適用される地域振興費で配慮すると。この地域振興費の関係は、具体的にこういう制度でこういう中身だということは、これは明らかにされていますから、私も見させていただきましたけれども、その地域振興費、言わば自治体間格差が出て、不利益な地域に適用される地域振興費で配慮するというふうに言われていますけれども、ただ、それでカバーできるのかどうか。その点については、カバーできるというふうに自信をお持ちなんでしょうか。
#73
○政府参考人(岡本保君) 地域振興費によりまして、今委員御指摘のように、離島におきます通信移動経費の掛かり増しでございますとか寒冷地の除排雪経費等、従来の制度で個別項目ごとに算定をしておりましたものを、地域振興費という形で新型交付税、人口と面積に加えて措置をするということにいたしておりまして、これによって、先ほど来答弁させていただいておりますように、例えば町村部でございますと七割方の町村で増加をする、また減少の団体につきましても、基準財政需要額への割合が〇・五%未満にとどまるというふうに考えておりますので、この地域振興費の創設によりまして、今委員が御指摘のように、財政運営に支障が生じないように現段階では措置ができているというふうに考えております。
#74
○高嶋良充君 もう時間が参ったようでございますから、是非、条件不利益地域、慎重な対応も含めて、やっぱり配慮する部分というのはきちっと配慮をしていくと、そういうことは是非お願いをしておきたいというふうに思っています。
 最後に一問だけ、財政力格差ということにも関連をすると思いますので、もう今日から選挙始まりましたからあれですが、大臣に伺っておきたいというふうに思います。
 東京都、裕福な財政のようでございますが、この間、選挙の前に石原知事が、二〇〇八年度から生活保護などを受けている低所得者に対して都民税を免除する方針を示されています。納税者の約一割、六十万人が対象で減税額は五十億円ぐらいになると、こういうふうに言われているんですが、格差是正対策、東京都内の格差是正対策だと言えなくもないというふうに私は思っているんですが、ただ、これは他の自治体から見ればかなりの影響があるんではないかと、こういうふうに思っていまして、自治体を束ねられておられる総務省、総務大臣としての見解はいかがでしょうか。それを最後にお聞きしておきたいと思います。
#75
○国務大臣(菅義偉君) 東京都が先般発表したこの住民税軽減措置案については具体的内容というものがまだ固まってなくて、今後検討するというふうに私どもは伺っています。
 地方税法上、地方団体は公益上その他事由がある場合には条例に基づき課税免除等を行うことができるとされておりますので、東京都の判断によるものというふうには思いますけれども、地方団体、非常に厳しい地方団体からすれば、そのこと自体が非常にうらやましいという声も私どもに届いていることも事実であります。
#76
○高嶋良充君 終わります。
#77
○澤雄二君 公明党の澤雄二でございます。
 文科省の小渕政務官、お見えになっていただきまして、後で廃校利用についてお伺いをいたしますが、本日、最初に地方財政計画と地方交付税の改正案についてお伺いをいたします。
 最初に、先ほどからずっと議論になっておりますけれども、新型交付税についてお聞きをいたします。
 この新型交付税の導入につきましては、当初単純に面積と人口だけで算定されるというような話が広がったために、財政力の弱い自治体では随分と縮減されるんではないかという心配の声が上がりました。例えば、和歌山県では二百億円、島根県では三百億円も減少するといって全国に不安が広がったこともありました。
 私もかつて、地方分権法の質疑ここで行われたときに、そういう心配されていますよと、しかしこの新しい新型交付税というのは人口が減少して財政が弱くなっている地方を切り捨てるものではないと、その導入意義をよく説明していただきたいと、また算定方法についてもいろいろと自治体と相談をして決めていただきたいというようなことを御指摘させていただきました。総務省はその努力をずっと続けてこられてきたというふうに理解をしております。
 そして、来年度の交付税額についてはほぼ見えてまいりましたので、その心配はなくなってきたと、先ほどから御答弁をいただいているとおりでございますが、その先についてはまだ依然として不安が残っていると思います。来年は一割導入でございますね。その先、三割導入まで予定をされています。その場合に、どんな条件不利地域対策をしたり、激変緩和措置をとったとしても、人口がどんどんどんどん減っていく団体にとっては、どうしても人口と面積で人口が算定の中心である限りは減少するんではないかという不安が依然として残っていると思います。
 そこで、もう一度確認をさせていただきますが、新型交付税の割合がこれから三割にまで増えたとしても変動額は最小限に抑えるという今総務省の原則は今後も続くということを明確に御答弁いただいて、その不安を払拭していただければと思います。
#78
○国務大臣(菅義偉君) この新型交付税の制度設計に当たっては、地方公共団体の皆さんの財政運営に支障が来さないように変動額を最小限にとどめる、このことをかつて私は申し上げました。そして、地方自治体の皆さんとそれぞれの県等を通じて調整をしてきた結果、一つの形ができ上がってまいりまして、先ほど申し上げましたけれども、町村においては増加が七百八十三、減少が二百五十八、市におきましては四百三十二が増加で減少が二百五十七、そういう意味ではそうした市町村に配慮をされたものというふうに思っています。
 そして、これからでありますけれども、今後三年間で三分の一にしたいという話をさせていただきました。地方分権改革推進法が成立をして、三年以内に一括法を提出するわけでありますけれども、そういう中で、国と地方の明確な役割の分担、そうしたものがはっきりしてくる中で権限とか税源とか財源とか移譲して、中での三分の一に拡大をするわけでありますので、当然その際も、地方団体の意見というものを十分に聴きながら、しっかりとどこに住んでも一定水準の行政サービスが受けられるような、そんなことで図っていきたいと考えています。
#79
○澤雄二君 今の御答弁の中に、極力縮減幅を少なくという御答弁があったかどうか、ちょっと聞き漏らしたんでございますが、来年度については〇・五%未満に抑えられたと、すばらしいことだと思います。ただ、少子化はどんどん多分しばらくは続くと思いますんで、こういうところが進んでいる団体にとっては大変不安が残るので、その辺をよくお願いを申し上げたいと思います。
 次に、補償金なしの政府融資に対する繰上償還についてお伺いをいたします。
 たしか十二月五日の当委員会での質疑だったと思いますが、財務省に質問をさせていただきました。かつて上下水道などの工事をするために政府融資を借りたと、当時はバブルの時代でありましたから七%、八%という高金利で借りた。今一%台で借りられるわけですから、それを借換えで繰上償還できれば、その金利差というのは財政に苦しんでいる自治体にとっては大変助かりますと、そういうことを考えていただけませんかという質問をさせていただきました。で、質問をしたたしか二日か三日たってからだと思いますけど財務省から御連絡がありまして、条件付けますが、償還を認める方向で検討させていただきますというお話をいただいて、その後、菅大臣にも大変な御尽力をいただいて、たしか十二月十八日の大臣折衝で五兆円の予算が付けていただいたというふうに思います。
 この補償金なしの繰上償還の実施については上下水道の料金の引下げにそのままつながるという大変な、市民にとって、国民にとって有り難い予算でございますので、国民に代わってこのことについては大変ありがとうございますと感謝を申し上げたいと思いますが。また、このことは今回、地方財政法を改正して繰上償還の根拠規定を定めることにされているというふうに伺っております。このような大きな制度改正については国会での審議を経て法に基づいて実施するという姿勢についても高く評価をさせていただきたいというふうに思います。
 ただ、一つ心配があるんでお尋ねをいたします。
 この補償金なしの繰上償還についてはどうも、いろんな市会議員に聞きますと、地方自治体にまだ周知がされていなくて、よく分かっていません。えっ、そんなことが本当に実現したんですかというようなことをあっちこっちで聞きますので、これからどうやって周知徹底をされていかれるかというお考えと、それから最初の償還時期というのは来年の三月というふうに考えてよろしいかどうか、お答えくださいますか。
#80
○国務大臣(菅義偉君) この繰上償還について、まず法律が成立をすることがこれ前提条件でありますし、私自身も今地方に出向く中で、余り理解をされていない部分というのがあることで何回か私も言われましたので、そのことにつきましては事務当局にありとあらゆる場でこのことを地方の皆さんに説明をするようにということを指示をしておりますので、具体的には財政局長から説明させてください。
#81
○政府参考人(岡本保君) 今回行おうとしております五兆円の補償金なしの繰上償還の措置につきましては、昨年末の地方財政対策以来、財政課長、地方課長等お集まりいただきました各県の会議を対象といたしました会議を始め、いろんな機会をつかまえて私どもとしては広報に努めさせていただいております。ただ、今委員御指摘のように、市町村の段階におきますまできちんとその意思が徹底しているかどうかということについては、御指摘のような問題もございますので、あらゆる機会をつかまえまして、市町村に徹底できるように、そういうことを念頭に置いていろんな会議、広報等に努めてまいりたいというふうに考えております。
 また、実施時期についてのお尋ねがございました。まず、今後の実施につきましては、正にこの委員会でも委員から御指摘いただいておりますように、まず地方団体に財政健全化計画あるいは経営健全化計画などの言わば行革努力はやっていただくということが大前提でございます。
 それから、そういうときの基礎数値となりますものが、直近のものでございますと十八年度の決算を待って、例えばその当該団体の上下水道、上水道等の資本費が高いとか安いとか、それから例えば財政力の指数の議論もございますが、そういうことをまず決算で確定させる必要もあるということ。それから、繰上償還時期、定時償還期日でセットをすることが事務的には一番、貸手の方もそれから借り手の方も、結局、事務はその分一遍で済みますので、そういう意味での適当だということからすると、御指摘のような定時償還期を基本、二十年三月を始めとします定時償還期日を基本というふうには考えておりますが、片一方で、できるだけ早くやってほしいというようなお話もございますので、実行とどういう団体を対象として今後考えるかということについては、今各地方団体のいろんな事務的なお話も担当レベルで伺っておりますので、そういうことも踏まえて具体的な措置は検討してまいりたいと思います。
#82
○澤雄二君 よろしくお願いいたします。こんなすばらしい政策が実現しているのに、全く自治体では知らないというのは余りにももったいないというふうに思います。
 それから、この繰上償還につきましては、財政力指数が一・〇未満という条件が付いております。公営企業金融公庫の融資の繰上償還についても一兆二千億円の予算が付けられました。この公営企業金融公庫については、この一・〇という条件はどうなりますでしょうか、一・〇未満という。
#83
○政府参考人(岡本保君) 公営企業金融公庫資金の補償金なし繰上償還の要件につきましては、財政融資資金は、財政当局とのいろんな議論の過程等を踏まえまして、いわゆる不交付団体にはこの対象にしないということにさせていただいておりますが、公営企業金融公庫資金は、公営公庫は地方団体の言わば共同債券発行機関ということの性格を有しておるということ、また、同じような効果を持っております十八年度までやっておりました公営企業借換債といったことについても不交付団体を除外をしてないということ等を踏まえまして、財政力指数が一・〇以上の団体につきましても公営企業金融公庫資金につきましては対象とするということで考えております。
#84
○澤雄二君 もう一つだけ質問させていただきます。
 あとはもう自分のところの団体がその償還の対象になるかならないかというのが最大の関心でございますが、その場合に一つ心配なのは、今度の財務省の決断に対しては大変感謝をいたしておりますが、また、地方自治体が繰上償還の条件として行政改革を徹底的に進めるということもそのとおりだと思っていますが、ただ、これを機会に、貸手側といいますか、財務省側が地方自治体にいろいろと口出しを、口出しをするという表現が正しいかどうか分かりませんが、ということで、かえって逆に自治体の意欲をそぐようなことになっては逆効果であるというふうに思います。ですから、総務省としては、その辺のところのルールをきちっと決められておいた方がいいんではないかと思うので、その辺の調整どのようにされるか、お答えいただけますか。
#85
○国務大臣(菅義偉君) 澤委員からの意見を始め多くの市町村長ですか、そういう中から今回実現をしたわけでありますので、それがそうした皆さんの意図と違う方向になっては元も子もなくなってしまいますので、そこはしっかりと私ども対応させていただきたいというふうに思っています。
 まず、償還を行う際には、各団体がその行政改革、経営改革を行う計画を作成をし、財務省と総務省がその内容について共同ヒアリングを行う。具体的な手続につきましても財務省と調整していきますけれども、そうした意見を十分に反映できるように、市町村合併団体、財政が厳しい団体、財政力が弱い団体を始め多くの団体が適用されるように、私自身全力で取り組んでいきたいと思います。特に財政力の低い団体については行政改革とかそういう計画をしっかり出してもらって、すべての団体に適用できないかということを今検討しているところでありますので、全力で頑張っていきたいと思います。
#86
○澤雄二君 どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 それでは、小渕政務官に、統廃合による廃校になった学校の跡地の有効利用についてお伺いをしたいというふうに思います。
 この問題については、これも同じく十二月五日の当委員会での審議で質問をさせていただきました。この統廃合の一番大きな原因はもちろん少子化ということでございますが、少子化に伴って学校の適正規模というのが大きなテーマになってきました。それから、それは児童数が少な過ぎるというのもそれはやっぱり教育上問題があるということもありました。それから、行革からの視点もあると思います。そうなると、この統廃合はやむを得ないんですが、次はその統廃合の廃校をどのように使うか、これが大きな問題なんですが、かなりうまくいっていないというふうに思っております。
 そこで、ちょっと数字を教えていただきたいんですが、私の手元にある数字では、会計検査院が平成十五年度決算報告で報告をいたしますそれは、平成五年度から十四年度までの十年間、廃校になった、ピックアップをした四百六十六校を調べたところ、要するに百六校、実に四分の一近くが一年以上にわたって利用されていなかったと、休校状態も含めると二十八年間も使われていなかったという例もあったというふうに報告されておりますが、まず検査院の報告はこれでよろしいですか。短くお願いします。
#87
○政府参考人(舌津一良君) お答えいたします。
 平成十五年度決算検査でございます。先生御指摘のとおり、会計検査院から一部の市町村等において廃校した施設が十分に活用されていないものがあるという指摘を受けておりまして、具体的には、先ほど先生御指摘の数字でございました検査対象となりました廃校四百六十六校のうち百六校が廃校後一年以上全く活用されていないという指摘を受けたわけでございます。
 さらに、現状を申し上げますと、平成十八年の五月、昨年五月でございますけれども、私どもの方で調査を行いまして、平成十七年度一年間に廃校となった学校のうち建物が現存するものが四百四十七校ございました。そのうち、その時点で未活用のものが二百七十五校あったということでございます。
 こういうようなことを受けまして、さらに会計検査院の指摘もございましたので、その後、いわゆる学校施設の有効活用及び財産処分の手続の適正な実施につきまして、各都道府県教育委員会あてに指導通知を出しているところでございます。また、その後も研修会等でいろんな周知を図るというような努力を行っているわけでありますけれども、なお多いというのは事実でございます。
#88
○澤雄二君 平成十五年度の会計検査院、その以前の十年間を調べたときには四分の一ぐらいが使われなかった。しかし、今の御答弁ですと、直近では六〇%を超える学校が有効利用されないで、そのまま使われないで置いておかれている。社会資本としては大変無駄なことなんだろうというふうに思います。
 では、何でこういう、有効利用されないのかというのは、その補助金の目的外使用を禁じられているという大きな壁があるからだと思います。ですから、前回も、その大きな壁を取り除くと社会資本として地域の経済活性化のためにいろんなことに活用できると思いますと、ですからできるだけ弾力的運用をお願いできませんかという質問をさせていただきました。そのときに小渕政務官は、できる限り弾力化していくように検討いたしますという御答弁をいただきました。
 その後、どれぐらい検討していただいたかということをお伺いしたいんですが、最初にまず、目的外使用で廃校になったものを使用できる現在の条件はどういうことかというのを教えていただけますか。
#89
○大臣政務官(小渕優子君) お答えいたします。
 国庫補助を受けて整備された施設を補助目的外に使用する場合には、現在ですと大臣の承認を経る財産処分手続が必要になりまして、国庫補助金に相当する額の国庫納付が原則となっております。
 しかしながら、公立学校の施設につきましては、廃校施設等の有効活用を促進するために一定要件を満たせば国庫納付金を不要とすることで取り扱っております。この一定要件と申しますのは、具体的に、公共用、公共施設として利用すること、二つ目として国庫補助事業完了後十年が経過しているということ、そして無償による処分であるということ、この三つの要件を求めております。
#90
○澤雄二君 というふうに、使えることは使えるわけでございますが、それもよく考えていただいたと思うんですが、だけど、これだと本当に、地域の活性化のために例えばベンチャー企業の創業支援に部屋を貸したいといっても、今のお話だと実費しか取れない。
 つまり、利益を出してはいけないということになると、例えば多摩市でいうと、学校一つを維持するだけに年間一校一千万円の費用が掛かります。それは回収する手段を全く持っていません。だから、譲渡する場合にも、利益を取るわけにいかないということがあって、非常にその使い道が限定したものだと。だから、使い道がなくてそのまま使われないで置いておかれるというのが六〇%を超えるようになってしまった。
 それで、御検討をいただいたと思うんですが、御検討していただいた結果、どこまで進んだでしょうか。
#91
○大臣政務官(小渕優子君) 廃校の施設の有効活用という観点から更に財産処分手続の弾力化を進めるべきであるという御指摘は、前回にも委員からいただいたところであります。
 やはり地方財政は大変厳しい状況でありますので、特に国庫納付金の免除を無償処分に限っているということが円滑な廃校施設の活用の支障の一因になっているということを認識しているところであります。
 したがって、今後、例えば有償処分であったとしても、国庫納付金相当額をほかの学校の施設整備費に充てるなど、そうした一定条件を満たすようであれば国庫納付金の免除を認める方向で現行の取扱いを改正していきたいと考えております。
#92
○澤雄二君 一瞬耳を疑うぐらい、本当かなと思うぐらいすばらしい検討をしていただいたというふうに思います。
 基本的には、補助金の返納は国でしなくてもいいですよということですね。目的さえ合えば、それにふさわしい額、同じ額をその自治体で積み立ててください、基金として。その基金の使い道は、自分のところの自治体の学校を新しく建て替えるだとか、体育館を造るとか、ITの設備を充実させるとか、耐震化を進めるとか、そういうことに使ってもいいですよということは、事実上補助金を国に返納しなくてもいいと、分かりやすく言えば。まあ条件はありますが、というふうに理解してよいですか。
#93
○大臣政務官(小渕優子君) 今委員から御指摘がありましたけれども、そのような形で、先ほど申し上げましたように学校の整備等、そうした一定条件を満たすのであれば返納は不要としております。
#94
○澤雄二君 この補助金の目的外使用で国にそれを返さなくてもいいという今の御答弁は、多分夕張もすごく喜んでおりましょうし、全国の自治体で、統廃合で廃校の学校をどう活用するかと悩んでいる自治体にとっては大変な朗報だと思いますんで、少し詰めさせていただきますが。
 例えば、そういう廃校を使って、ベンチャー企業の創業支援のために教室を少し改装してオフィスを貸したりなんかしている自治体がございます。でも、今までは補助金の返納の壁がありましたために光熱費しか取れませんでした。でも、それはちゃんとしたリース代を取ってもいいということになりますか。
#95
○政府参考人(舌津一良君) ちょっと技術的なことでございますので、お答えさせていただきます。
 いわゆる国庫納付金相当額を全部返さなくてもいいという意味ではなくて、あくまでも後々の学校施設の整備に要するお金として積み立てることを求めるということでありますので、新しくベンチャー企業の施設を整備するお金に使うのは、これはそれに当たらないというふうに理解しております。
#96
○澤雄二君 それはよく分かっております。
 ですから、ベンチャー企業にオフィスを貸す場合にも、今まで一万円ぐらいしか取れなかったものも少し取ってもいいよと、でも、その代わり、それは国庫返納にする額はちゃんと見合うように基金にしなさいよと、その基金の使い道は自分たちの自治体の学校の施設に使いなさいよという、それはよく理解しております。ただ、そういうことができるようになったというふうに理解します。
 それから、最初に言われた、現行でも美術館とか博物館に転用してもいいよという話でありました。ただ、美術館とか、普通の美術館に行きますと、どこの美術館でも自分のところの展示してあるものをはがきにしたりとか、喫茶室があったりレストランがあったりしましたが、これは利益を生むということで今まで認められていませんでしたが、今後は認められると考えていいですか。
#97
○大臣政務官(小渕優子君) これまでは、そのようなレストラン、美術館をレストラン等として使用する場合は、地方公共団体の運営する美術館へ転用する場合には免除ということでありましたけれども、レストラン等の営利な事業に関しては納付を必要としていたのがこれまででありました。今後は、繰り返しになりますが、一定の条件を満たすのであれば、営利的な事業を実施する場合でも国庫納付金の不要とすることを検討して、検討を考えております。
#98
○澤雄二君 もう一つお伺いします。
 これまで、社会福祉法人に使わせる場合、公共、福祉目的で使わせる場合、その場合でも光熱費ぐらいしかもらうことができなかった、それで貸与していた。これからは、例えば有償で譲渡してもいいということも可能になったと考えてよろしいですか。
#99
○大臣政務官(小渕優子君) 委員御指摘のとおり、社会福祉法人へ売却する場合におきましても、一定の条件を満たせば不要とすることで検討を考えております。
#100
○澤雄二君 本当にすばらしい御決断をしていただいてありがとうございますと感謝を申し上げます。
 いま一度、どういうふうに改正を考えていらっしゃるのかと、もう一回説明をしていただけますか。
#101
○大臣政務官(小渕優子君) 繰り返しになりますけれども、先ほどは、これまでの一定要件というのは公共用、公用施設として利用する国庫補助事業完了後十年が経過している無償による処分であるということでありました。
 しかし、今後検討を考えておりますのは、この一番を除きまして、二番のこの国庫補助事業完了後十年はそのまま残りまして、三番の無償による処分であるということが、有償による処分でありましても一定条件を満たすのであれば補助金を返還を不要とすることを検討しております。
#102
○澤雄二君 すばらしい朗報だというふうに思います。
 これで一気に廃校となった学校の跡地利用が進めば、今まで野ざらしになっていましたから、安全、安心の面でも大変不安でございましたし、せっかくいい場所にあっても、財政力のない自治体は補助金が返納できないためにその使い道が有効に使うことができなかったというようなことが大幅に改善されていくことと思います。
 菅総務大臣、これ通告にはございませんが、今のその文科省の答弁聞かれて御所見をいただけますか。
#103
○国務大臣(菅義偉君) 私ども地方自治体を所管をしている総務省として、やはり小学校というのは非常に場所のいいところにありまして、地域の拠点になれることが十分これ予測をされます。そういう中で、今まで一つの障害がこれで取り除かれる方向になりましたので、私どもとしても大歓迎であって、地域の拠点としてそうした小学校が活性化の要因になることになるだろうということを期待をしておるところであります。
#104
○澤雄二君 最後にもう一度ありがとうございますという感謝を申し上げて、質問を終わります。
#105
○吉川春子君 日本共産党の吉川春子です。
 総務大臣、地方交付税についてお伺いします。
 地方財政白書によりますと、二〇〇五年度、平成十七年度の財政力指数が町村では〇・五%未満の団体が約七割以上、財政力の弱い自治体が七割以上を超えるということが明らかになっています。他方、新たに不交付団体になるところは、さいたま市、千葉市、あるいは船橋、川口、柏など首都圏の自治体です。地域間での財政力の格差が依然として大きい、あるいは広がっているというふうに思いますが、大臣の御認識はいかがですか。
#106
○国務大臣(菅義偉君) 不交付団体が増えている、このことは私、評価をすべきことだというふうに思っています。しかし、依然として厳しい団体もあることもこれ事実でありますので、そうした団体にあっても一定水準の行政サービスができるように、私どもの役割とすれば交付税総額を確保する、このことが極めて大事なことであると思っています。
 ちなみに、十九年度におきましては、総額、昨年比五千億円上回ることの確保をすることができました。そして、五%以上の公的な資金の金利について補償金なしの繰上償還を今度の予算で行うことができるようになりますので、それについて向こう三年間で八千億円の地方自治体には効果があるというふうに思っています。
 そういう中でも、できるだけ財政力の低い団体についてはそうした繰上償還ができるように私も全力で取り組んでいって、安定をして生活をできる、そういう仕組みのために頑張っていきたいと思います。
#107
○吉川春子君 小泉内閣の構造改革路線で地方交付税が大幅に削減されたために、財源確保に苦しむ自治体が多いというのが現状です。特に、地方は深刻でございます。
 私は北海道の旧空知産炭地域の自治体を訪問し、各自治体の長とお話をしてまいりました。旧空知産炭地域、夕張、三笠、歌志内、砂川、赤平、芦別、上砂川、これは町ですけれども、五市一町では交付税が激減していますが、一九九七年と二〇〇六年と比較してどの程度減ったのか、お示しいただきたいと思います。
#108
○政府参考人(岡本保君) お尋ねのございました六市町におきます平成十八年度の普通交付税と平成九年度の普通交付税の比較を申し上げますと、夕張市でございますと、減少額二十六億八千万円、減少率で四六%程度のマイナス。芦別市、十七億二千万円の減少、二九%の減少。赤平市、九億七千万円の減少、二二%のマイナス。三笠市、マイナス十二億二千万円程度、減少率でいきますとマイナス二六%程度。歌志内市、減少額マイナス六億三千万円、減少率でマイナス二四%程度。上砂川町、減少額マイナスの三億七千万円、率でいきますとマイナス二一%程度ということでございます。
 なお、〇六年当時制度がございました臨時財政対策債も比較をさせていただきますと、今申し上げました率よりも五%程度ほど少ない減少率という状況でございます。
#109
○吉川春子君 過去十年間の推移を見ますと、今御報告いただきましたように四六%から二〇%以上落ち込んでおりまして、金額で見ると少ないところで四億円、多いところでは二十六億円。税収が収入の五%ぐらいしかない自治体では交付税に頼るしかないわけで、交付税の削減というのはもう大変大きな打撃となっています。私は首都圏、埼玉県に住んでおりますので、大体四十数%とか、そういう自治体の数字を見慣れているもんですから、実はこの空知地域に行きましてもうびっくりいたしました。
 旧産炭地は国のエネルギー政策の転換によって炭鉱が閉山に追い込まれるなど、国策の下で翻弄されてきました。上砂川町は唯一の基幹産業であった三井砂川鉱が一九八七年に閉山。閉山後の地域振興事業に四十八億七千万円。跡地対策事業、これは炭住の建設とか病院の移設とかあるいは閉山炭鉱の水道の移設とか、そういう費用に八十五億四千万円。そして、炭鉱跡地取得事業、道路とか住宅ですけれども、十億円。合計百四十八億円。そのうち起債が六十二億円に上っておりまして、起債の償還である公債費の増加が財政を悪化させる原因になっています。
 それで、私は夕張とか上砂川町、歌志内市、赤平市を訪問したわけですけれども、どこも閉山に伴う後処理負担を引きずっているわけですね。上砂川町は人口は最盛時三万二千人いましたが、平成十八年は四千五百九十一人と激減しています。山しかないんですね。炭鉱しかない。そして、年金者が多いので税収が少ない、生活弱者が増えている。雇用も平成六年には六百人あったけれども、今三百人に減少しているとおっしゃっていました。二〇〇一年から二〇〇五年で人件費、庁舎内の経費の削減をそれでも頑張って五億八千万円行ってきたんですね。ところが、この間、三億六千万も交付税が減らされたと。話を聞いているだけでもう胃が痛くなる、もう頭をお互いに下げながら話を伺う、こういう状況でした。税源移譲の効果を聞きましたけれども、その効果は全く期待できないということでした。
 大臣、伺います。以上を考えますと、産炭地の事後処理が自治体の財政的な大きな負担になっているということは明らかではないでしょうか。
#110
○国務大臣(菅義偉君) 非常に厳しい状況の中で、こうした産炭地の皆さんが生活をしているということは私も認識をいたしております。
 しかし、そうした全国の地方自治体は空知以外でもこうした場所があるわけであります。そうしたところは懸命の行革努力で乗り越えてきていると、このことも事実であろうかと思います。
#111
○吉川春子君 懸命な行革努力しているんですよね。いろんな意味で、もう夕張以上にやっているというところもあるわけです。行革といっても、人件費しかもう削るものがないんですよ。企業もないし、農地もないし、それで税金も入ってこないし。こういうところで交付税の削減というのは本当に過酷だと、死活問題だというふうにお考えになりませんか。
#112
○国務大臣(菅義偉君) 私どもは、全国どこに住んでもやはり一定水準の住民サービスを行うことができる、そういう中で交付税の総額というものを今年も実は確保させていただいたところであります。
#113
○吉川春子君 ですから、大臣がおっしゃってくださったように、全国どこに住んでいようとナショナルミニマムといいますか、一定の、最低といいますか、住民サービスは受けるという権利が保障されているし、憲法を引っ張るまでもなく、住んでいる自治体によってサービスが格段に違うということはもう大変なわけで、これは夕張の問題でも言えるわけですけれども、今日は夕張には触れませんが、そういう中でもうぎりぎり努力しても削減するものがないんですね。自治体の議員の数を十名以下にした、九名とか八名にした。職員の数も今も少ないんだけれども更に減らすと、給料も下げると、また四月から減らさなきゃならない。
 こういうことで正に交付税に頼るほか生きていけない、こういうところで地方交付税の削減というのは物すごい痛みを伴っているということを、大臣、是非、御認識されていると思うんですけれども、認識していただきたいと思います。もう一度どうですか。
#114
○国務大臣(菅義偉君) 私ども、十九年度は地方税と一般財源、交付税総額というものを昨年比約五千億円上回って確保させていただいておるところでありまして、できるだけそうした頑張っている団体についてはやはり一定水準の行政サービスを行うことができるように、私どもも配慮させていただきたいというふうに思います。
#115
○吉川春子君 頑張っている自治体と言われました。総務省の頑張っているというスケールがはっきりしないんですけど、正にここ頑張っていますよ、空知、物すごい頑張っていますよ。だから、たっぷりと付けてほしいんですね、頑張っている自治体なんですから。
 それで、もう一つ伺いますけれども、さらに、旧産炭地の財政を逼迫させている原因として、空知産炭地振興基金から五市一町が借り入れていたのは不許可の起債であり、違法だと総務省が早期解消を求めたことです。
 総務省の指導を受けた北海道は、五市一町に一括返還を求めました。上砂川町それから歌志内市などは返済のめどが立たずに、夕張市のように財政再建団体の転落の一歩手前まで行ったんですね。週刊ダイヤモンドが二度にわたって全国のランク載せていますけれども、あそこにも常に載っていると。こういう危機に立たされたわけなんです。基金の管理に責任を持つ道がこれまで黙認してきたという経過もあるもんですから、起債を認可する道知事もその責任を認めています。もちろん、私たちは違法状態は解消しなければならないと考えますけれども、しかし各自治体の財政状況を考慮した解消方法を取るべきだったのではないでしょうか。
 総務大臣は、一括返済を求める際に、旧産炭地の自治体がまさか再建団体になっても仕方がないとはお考えにならなかったと思いますけれども、この点についてはどういうふうにお考えになったんでしょうか、一括返還を求めたんでしょうか。
#116
○国務大臣(菅義偉君) 私ども総務省では、空知産炭地域総合発展基金から無許可で長期借入をしていた空知地域の五市一町については、直ちに無許可の長期借入を解消するよう、このことは北海道を通じて方針を伝えました。その結果、昨年十二月までに一括償還を行って無許可長期借入の解消を行ったところであります。この五市一町村、非常に財政状況が厳しいことは承知はしておりましたけれども、法令を遵守すべき地方公共団体として、無許可の長期借入れの解消を何よりも優先すべき問題であるというふうに考えました。
 と申しますのは、夕張市がこのような状況になったというのは、やはり全く不適切な一時借入れによってその内容が表に出たらこのようになったわけでありますので、このことは、やはり違法なものについては解消するのが私は必要だというふうに思いました。
 なお、この厳しい財政状況でありますけれども、この財政健全化計画によって再建団体とならないで財政再建ができるという、こうした団体にはできるということを北海道庁を通じて私どもは報告を受けているところであります。
#117
○吉川春子君 一括返還をしちゃったわけですね、洗いざらいはたいて。だから、そのやっぱり負担を今後ともこれらの自治体が引きずっていかなくてはならないと、そういう厳しい実情にあるわけです。
 この地域では、総務大臣、高齢化が進み、生活弱者が増えています。例えば二〇〇四年度、北海道内の過疎地域指定自治体の生活保護率の平均は一七・六七パーミルというんだそうですね、これ。千分の一という意味ですか、パーミルですが、旧空知産炭地域の生活保護率は三倍から四倍になっているんですね、全道の平均よりも。人口の流出も、先ほど申しましたけれども、厳しいわけです。
 空知旧産炭地域の今の実態を見れば、交付税の産炭地補正を打ち切るというのは非常に過酷ではないかと、問題があるのではないかと思いますが、この点については、大臣、いかがお考えですか。
#118
○国務大臣(菅義偉君) 産炭地補正は平成十三年の産炭地域振興臨時措置法の施行に伴って廃止を決定をしました。しかし、同法の経過措置として、一部の地域については公共事業に係る国庫補助のかさ上げを平成十八年度まで五年間延長されるなど、同法の施行後も一定の配慮がなされていることを踏まえ、総務省としても産炭地補正について平成十四年度から五年間の激変緩和措置を講じてきたところであります。
 産炭地域における各省庁の経過措置については平成十八年度をもって終了し、今後は一般施策に移行するところであり、総務省としてもこの産炭地補正の激変緩和措置を終了をすることといたしております。
 いずれにしても、この産炭地を含めて、各地域の実情を十分私どもは踏まえながら、財政運営に支障を来すことがないように取り組んでいきたいと思います。
#119
○吉川春子君 全国もうどこでも厳しいんですけれども、特にその旧産炭地という一つの歴史的な経過、国のエネルギー政策の転換の犠牲になったといいますか、そういう側面もあるわけですから、是非、国のエネルギー政策の転換で苦しむ産炭地域の特殊性、実態が反映された交付税措置を行ってほしいと思います。大臣、いかがですかね。
#120
○国務大臣(菅義偉君) 産炭地も含め、全国でそうした地域の実情を十分私どもは踏まえながら、地方財政措置というものをとっていきたいと思います。
#121
○吉川春子君 具体的なお考えはあるんですか。
#122
○国務大臣(菅義偉君) 地方財政の運営に支障が来さないように取り組んでいきたいと思います。
#123
○吉川春子君 その新型交付税の削減ということが赤平と三笠に襲い掛かっているわけですね。この二市では交付税が減るんですね。新型交付税の試算を発表されましたけれども、それに基づいて見ると、減ると。元々深刻な財政事情を抱える自治体で交付税が削減されると大変なことになるんで、自治体の役割が果たせなくなるんではないかというおそれがあります。なぜここが減るんですか。
#124
○政府参考人(岡本保君) 空知六市町の新型交付税の影響額でございます。今、赤平、三笠のお話がございました。赤平市では新型交付税によって一千五百万円のマイナスの変動がございます。これは基準財政需要額に占める割合で申し上げますと〇・三%ということでございます。また、三笠市はマイナス四百万円の影響額でございます。これは率で申し上げますと〇・一%の基準財政需要額に占める割合でございますが、残りの夕張市、芦別市、歌志内市、上砂川町などにおきましては、例えば芦別市ですと六千九百万円のプラスなど、プラスの団体も出ているということでございまして、基準財政需要額に占めます割合〇・一%、三%程度ということでございますので、これらの団体につきまして制度的な調整を用いるということは先ほど申し上げましたように考えておりませんが、これらの団体の今後の財政運営について、引き続き財政運営に支障が生じないようよくお話も伺いながら対処してまいりたいというふうに考えております。
#125
○吉川春子君 〇・何%とかいっても、例えば人件費、一人の職員をもう一人減らさなきゃいけないとか、そういう数字になるんですよ。あと十人減らさなきゃならないとか、そういう数字になるんですよ。
 総務大臣、新型交付税は三年以内に予定されているその地方分権法に伴う国の関与の縮小に合わせて順次拡大して、三分の一程度の規模を目指すとされていますけれども、そして、当委員会でもいろいろ懸念が今日も出されましたけれども、その新型交付税は交付税が持つ財源保障機能の部分を減少させると、このことが今指摘した自治体で明らかになっています。そういう役割を果たしていくとしたら大変な問題じゃないですか。
#126
○国務大臣(菅義偉君) 今、局長は一か所しか言わなかったですけれども、夕張市が六千五百万、芦別市が六千九百万、歌志内市千二百万、上砂川市二千二百万円のこれ、今回の増に実はなっております。
 この新型交付税でありますけれども、交付税にはいわゆる義務的な計算とあるいは政策的な計算と、この二つが今までもあったわけでありまして、そういう意味において新型交付税というのは国の基準付けがない、あるいは弱い行政分野について人口と面積を基本として簡素な算定を行うということでありまして、その国の財源保障機能だとかあるいは財源調整機能、そういうものに影響を与えることというのはないというふうに思っています。
#127
○吉川春子君 委員長、済みません、最後に。
 もう時間が来ました。影響を与えるものではないと聞いてきましたけれども、現実に与える影響が出ている、こういう自治体に対して特別な配慮をするように強く要望して終わります。
#128
○又市征治君 社民党の又市です。
 初めに、全国知事会が昨年十一月に、平成十九年度地方交付税に関する主張という冊子を出されていますね。これは昨年六月の政府への意見書を具体化したものだろうと、こう思います。
 そこで、その幾つかを簡単にひとつ紹介をしてください。
#129
○政府参考人(岡本保君) 昨年知事会で取りまとめられました十九年度地方交付税に関する主張におきまして、幾つかの提言がなされております。
 具体的なものを幾つか御紹介いたしますと、臨時財政対策債の発行によることなく地方財源不足に発行した交付税総額は確保すべきということ、地方交付税の法定率を堅持すべきということ、後年度財源措置するとした地方債の元利償還金を確実に交付税措置すること、新型交付税の導入後においても必要な交付税総額を確保すべきということなどが掲げられております。
#130
○又市征治君 今、主要なものを言っていただきましたが、かなり突っ込んだ中身、いろいろと提起をされております。
 そこで、次に公務員部長に伺いますけれども、その中で、地方公務員給与に係る世論のミスリードという箇所では、先ほども出ましたけれども、財務省を名指しで地方の実態をゆがめるものだというふうに書いています。これらについて総務省も同じ考え方だろうと思いますが、前にも私これは一遍聞きました。もう一度、上田さん、お答えください。
#131
○政府参考人(上田紘士君) お話の財務省資料では、賃金構造基本統計調査と公務員給与をじかに比較したようなつくりになっている、賃金センサス等を単純に比較するということは、その公務員給与の決定原理等の観点から言うとちょっと荒っぽいのかなというふうに思います。
 現在の官民給与の比較方法につきましては、これは国家公務員、地方公務員共通でありますけれども、いろいろな給与決定の要素の条件、学歴とか経験年数、あるいは役職段階とか、そういったようなものをそれぞれ同種同等で突き合わせて決定し、それを比較する、そういうことが適正でありますので、比較の方法としてはそうしていただきたい。
 それから、御指摘の資料で非常にイメージ的にちょっとどうかなと思うのは、国の場合は、多分、棒グラフの表の一番左側に国家公務員は何万円と書いてあるはずなんですが、実は青森県とか沖縄県の国家公務員も本当は各右側のところに同じ数字のやつがあるんだけれども、それを捨象しているというところが、若干地方公務員だけの話になっているので、理解がしにくいのかなというふうに思います。
#132
○又市征治君 若干じゃないんで、これ私去年やったとき、少し中川自民党幹事長がこれ使ってやっているから、あなた方ちゃんとやっぱり言っておかないと世論をミスリードしますよと、こう言ったんだよね、財務省とあなたにもね。全然伝わってないから、中川さん一生懸命まだ、いまだに言っているじゃない。究極の格差は官民格差である。今度の統一自治体選挙に出る議員の皆さんや参議院の議員の皆さんは、全部この地方公務員の賃金下げることを一生懸命政策として訴えなさいよと、こういって言っているわけだ。
 こういう誤ったものをあなた方、公式に言えば、さっきも人事院からもそういう主張だった、あなたもそういうふうにおっしゃっている。全く正確な資料としては使えないと、これは、簡単に言えば。ラスパイレス指数何で使っているかということを言っているわけだけれども。そういう点では、この点を、ここは全くあなた方との認識が一致しているんだけれども、こういうことを現実に悪用されて使っている、こういう問題はちゃんと正しておかないと、政権与党の幹事長が物を言っているんだから。少しやっぱりちゃんと、財務省も総務省も人事院もちゃんと注意してくださいと、こう言ったんだ。全然伝わってないんですね。伝わっても、わざわざずらしているのかもしらぬけれども。そんなことを言っていると時間掛かりますから。
 もう一つ聞いておきます。
 また知事会は、続けて、ラスパイレス指数が下がっていること、決算額の比較では国が増え地方が減っていること、公務員数も国を上回って削減していることを主張しているんですが、それぞれの数値について紹介してください。
#133
○政府参考人(上田紘士君) 平成十七年四月一日現在のラスパイレス指数は全国平均で九八・〇で、十年前の全国平均一〇一・八と比較しますと三・八ポイントの減。それから、五年前の全国平均の一〇〇・七と比較をしますと二・七ポイントの減となっております。
 次に、地方公務員数の推移を独法化あるいは公社化の影響を除いた数値で見てみますと、地方公務員総数は十八年四月一日現在で二百九十九万八千人でございますけれども、十年前からの削減数は二十六・五万人で削減率三角の八・一%、五年前からの削減数は十六・二万人で削減率三角の五・一%となっております。
 一方で、続けてちょっと国の方を申し上げますが、国家公務員、行政機関の国家公務員定数につきまして、同様の削減数と削減数を試算すれば、十八年度末の定員三十三万一千人でございますけれども、十年前からの削減数は三・四万人で三角の九・四%、それから五年前からの削減数は一・四万人でマイナスの四・一%でございます。
 それから、国、地方の決算の推移についても続けて申し上げますが、平成十七年度の地方の決算額は九十兆六千九百七十三億円でございまして、十年前の決算額であります九十八兆九千四百四十五億円と比較しますと八兆二千四百七十二億円、八・三%の減。それから、五年前の決算額である九十七兆六千百六十四億円と比較しますと、六兆九千百九十一億円、七・一%の減となっております。
   〔委員長退席、理事森元恒雄君着席〕
 一方、これに対して十七年度の国の決算額は八十五兆五千百九十六億円でございまして、十年前の決算額である七十五兆九千三百八十五億円と比較しますと九兆五千八百十一億円、一二・六%の増。それから、五年前の決算額である八十九兆三千二百十億円と比較すると三兆八千十四億円、マイナス四・三%、これは減少でございます。
 以上のようになっております。
#134
○又市征治君 だから、今紹介されたそういう数値からいったって、知事会の側が怒るのは当たり前なんですよね。それも、地方が自慢して言っているんじゃなくて、結局は国に従わなければ交付税などでいじめられるから、地方はいわゆるイソップの言葉で語っているだけなわけですよ。人を減らして住民サービスというのはもうできないわけですからね。
 そこで大臣にお伺いをしてまいりますが、自治体の担うべき公共サービスの必要性はもう更に高まっていると、こういうことだろうと思います。小泉政権の下でいろんな自治体リストラまでやられてきた、そういう状況の中で所得の格差や地域間格差が戦後かつてないほどに拡大をしているわけで、これに対するセーフティーネット、つまり福祉や教育などはほとんど自治体が担っているわけですから当然のことだと思うんですね。
 ところが、総務省の作った地方財政計画はどうなんだ、こう見てみると、この間も申し上げましたが六年連続で減らして、当初額で見ると二〇〇一年度の八十九兆三千億円から二〇〇七年度までマイナス六兆一千八百億円、こういうふうに縮んでいるわけですね。
 これで一体全体、大臣、本当に地域が元気になりますか、こんな格好で。
#135
○国務大臣(菅義偉君) 地方財政も大幅な財政不足、さらにこの債務残高が二百兆円という中で、やはり極めて厳しい状況であるということは理解をいただきたいと思います。
   〔理事森元恒雄君退席、委員長着席〕
 そういう中で、歳出抑制の方針は最大限の努力を行うことによって実現可能な水準を慎重に見極めた上で、毎年地方公共団体に理解を求めてきたところであります。地方にとっては非常に厳しいことであったと思いますけれども、財政健全化のためにはやむを得ないことであったというふうに、必要なことであるというふうに考えています。
 そして、十九年度におきましては、地方税、交付税の総額を確保すると同時に、昨年比五千億円を上回ることにさせていただきましたし、先ほど来お話がありますけれども、五%を超える公的資金の補償金なしの繰上償還、約五兆円を行うことが予定をされておりまして、その総額、三年間で地方には約八千億円の効果があるというふうに思っております。
 いずれにしろ、地方の厳しい状況を私ども認識しながら、できるだけ頑張っていきたいというふうに思います。
#136
○又市征治君 続いてお伺いしますが、政府は交付税会計の健全化に一歩踏み出したというふうにおっしゃるわけですが、この程度の地方財政の状況で、交付税特会の新規借入れをやめたり、特会借入金の償還も始めるというのは、今の現状から見るとやっぱり私は地方の実態を無視していると、こう言わざるを得ないんではないのかと、こう思うんです。
 今好転しているように見えますけれども、政府による長年の一方的な継続した地方歳出削減政策、そのための交付税需要額算定の切下げの結果こうなっているということであって、決して地方の実際の公共サービスの需要が減っているわけじゃありませんよね。この点について言えば、二十日の日にも大臣とも御議論をいたしましたが、地域経済の格差が広がっている点ではこれは同じ認識にお立ちになっているということでもありました。
 交付税がこのままでは地方の経済や社会生活は衰退する一方ではないのか、地域における公共サービスの需要をどう大臣は御認識されているのか、その点を伺います。
#137
○国務大臣(菅義偉君) 前回も委員との話で、地方が非常に厳しい状況にあるということに対して、私もそのことについては認識をさせていただいているということを申し上げさせていただきました。
 十九年度も四・四兆円もの財源不足があるわけでありますから、そういう中で私どもは、安定的な地方が財政運営できるようにということで、今回、総額確保すると同時に繰上償還なしの五%以上の金利のことにも踏み切らせていただいたわけであります。
 いずれにしろ、私ども一番大事なのは、全国どこへ行ってもやはり一定水準の行政サービスができるような地方交付税の総額を確保するというのが一番大事なことであるというふうに考えています。
#138
○又市征治君 税収が好転した今こそ、ここ数年ずっと削り続けてきた需要額の算定、ひいては公的セクターが地方経済に果たす役割というものを、私は今前向きに見直すときではないかと、こう思うんですね。そして、地方経済に必要な行政需要を十分に算定をして、それによる財源不足を、臨財債ではなくて、国が法定交付税率の引上げ等によってやっぱり責任を果たすべきではないのかと。これ何度も申し上げておるところであります。
 この点について、もう一度改めてお伺いをしておきます。
#139
○国務大臣(菅義偉君) 国の財政も大量の特例公債を発行せざるを得ない厳しい状況にあるわけでありますから、国の財政当局と私どもの考え方はこれ異なっておりまして、なかなか合意に至ることは実はできないのであります。
 しかし、今後とも、こうした厳しい財政状況を踏まえまして、この二〇〇六に沿って歳出見直しは必要でありますけれども、地方団体の安定的な財政運営ができるように地方税財源の充実確保に努めていきたいというふうに思っています。
#140
○又市征治君 財務省との綱引きで残念ながらちょっと力不足だと、こうおっしゃっているのか、今までの大臣も比較的そんな話なんだけれども。
 だけど、これはやっぱり、本当に地方六団体が、知事会もわざわざ冊子まで出してみんなこう言っているわけですから、ここはやっぱりしっかり頑張ってもらって、借入金の廃止にこだわったり格好よく借金返済する前に、まずはやっと増収に転じたこの国税、その一部を原資とする交付税を使って失われた地方財政のこの活力をやっぱり回復をする、ここでやっておかないとますます格差が開いていく、この点の認識は大体ほぼ一致しているんだろうけれども、もうちょっとやっぱりここは踏ん張って頑張ってもらいたいということを申し上げておきたいと思うんです。
 そこで、次に、これも知事会の主張で、批判を紹介をしましたけれども、先ほどから悪名高きというか評判の悪い頑張る地方応援プログラム、この問題です。
 これのプロジェクトの例ということで、一番目の地方経営改革では、給与の適正化とか定員の削減とか民間委託とか公共施設の統廃合など並んでいるわけですよ。これを査定をするとおっしゃるんだから、どういうふうに査定するんですか、これは。
#141
○政府参考人(岡本保君) 行政改革に伴います、行うことに伴います経費の割増しなどにつきまして、いわゆる行革インセンティブ算定というのを十七年度に創設をさせていただいております。これは、例えば歳出削減の取組につきましては、人件費、物件費などの増減率の指標に着目をいたしまして、その歳出削減の努力、実績を示すものとしてそういう指標を使わしていただいております。また、歳入確保の取組といたしましては、徴税強化などの取組ということで、徴収率の増減などについて着目してこの算定に反映をさせていただいております。
 行政改革あるいは地域の改革といったものの取組は各団体で区々であるわけでございます。そういう中で、十七年度からこういう行革のインセンティブ算定でそういう指標に基づいて算定をさせていただいておりますので、頑張る算定におきましても基本的にはこの十七年度の算定を踏まえて検討してまいりたいというふうに考えております。
#142
○又市征治君 全然分かりませんね。
 大体、自治体の行政というのは何ですか。本当に住民の生活に密着した、社会福祉であるとか消防や警察であるとか保健であるとか学校教育だとか地域の社会資本整備というものも入ってくるでしょう。そういうことを一生懸命やっているのが私は頑張っている自治体だと思うんですよ。だから、頑張らない自治体なんてないんだ、これね。本当の意味で住民の福祉サービスを一生懸命ちゃんと緻密にやる。それはやっぱりどうしても人になっていくわけですね、実際は。そして、もちろんそれを裏打ちする財政ということになるんだけれども、今私申し上げたのは、プロジェクトの例として、給与の適正化だとか定数削減だとか民間委託だとか公共施設の、何のことはない、福祉行政サービスを切り捨てることに一生懸命頑張ったところをこれ応援するんですという、こんなばかな話というのは私はないんじゃないかということを申し上げているんですよ。
 そういう意味で、むしろ、そんなきれい事を並べられるけれども、実際はやっぱり国が動員したい分野に交付税を割増配分をしたり、交付税を行革の補助金のように扱ったりするというのは交付税の正に変質ではないのか。こんなことやるべきじゃない。交付税はやっぱり使途が自由な一般財源であって、総務省が干渉すべき話じゃないんじゃないかと。
 だから、そういう意味で、特定の枠を設けていくというから、さっきそれこそ自民党の森元さんでさえもこの問題はちょっと問題だと、こうおっしゃっているわけでしょう。いや、これはもう認識は全く一緒なんだから。さっき民主党、高嶋さんもそうおっしゃった。大体、ここにおいでの方はみんな大体そういう認識でいるんだろうと思うんですね。こんな格好で、本来交付税の性格は違うじゃないか。こういうことをやって、だから、財務省と綱引き負けましたからって、総理が言ったから何かこんなことやるというのは、これは全然本筋違いますよ。こんなことを論議したって始まらぬから、ここは申し上げてだけおきます。
 そこで、もう一つちょっと聞いておきたいと思うんですが、この知事会の主張の一つに、地方交付税全体を通じた透明性、予見可能性の向上というのがあります。総務省による交付税算定がいかに密室で行われてきたかを批判をしているんだろうと私は思うんですね。具体的には、単位費用が毎年切り下げられていること。補正係数がどう適用されるのか分からない上に、毎年変更されていること。これでは自治体は予算が組めないという意味で言われているんだと思う。
 私、手元に二〇〇七年度と二〇〇六年度の単位費用がありますから幾つか伺いたいと思うんですが、どれも相当切り下げられています。一つの例ですが、まず府県分でいうと、小学校費が教員一人六百七十八万円が六百四十九万円に下がっている。それから、高齢者保健福祉費、六十五歳以上、一人五万二千円が四万六千円に。何で一年間にこうやって単位が変わっていくのか分からぬ。また、市町村分で、小学校費は児童一人四万一千七百円が四万八百円に下げられていると。生活保護費は人口一人当たり六千七百九十円が六千五百八十円に。高齢者保健福祉費の六十五歳以上一人当たりが八万八百円が七万千二百円に下げられた。これらそろって一年でどうしてこんなふうに下がるんですか。
#143
○政府参考人(岡本保君) まず、単位費用の考え方を始めといたしまして交付税の算定に至ります地方団体での意見の交換についてでございますが、各種の会議を始めといたしまして、また大臣と六団体の会長さんとの会合、あらゆる場を通じまして交付税法の改正等の内容について周知を図らさせていただいております。また、春、秋のブロック会議等、我々現地に出向きまして、交付税の制度に関します各種の議論をさせていただいておるところでございます。
 今委員御指摘の道府県分の小学校費及び市町村の小学校費について申し上げますと、給与構造改革に基づきます給与水準の引下げの反映、あるいは地方団体におきます歳出効率化等の物件費の見直しなどを行うことによりまして単位費用が減少しているものでございます。
 また、市町村分の生活保護費につきましては、母子加算の見直し、低所得者、障害者の人工透析費用を障害者自立支援制度に移管したこと等によります生活保護制度の改正に伴いまして生活保護に係ります地方負担額が減少したため、単位費用が減少をいたしております。なお、低所得者、障害者の人工透析費用については社会福祉費に算定を移し替えております。
 また、御指摘のございました道府県分及び市町村分の高齢者保健福祉費でございますが、これは主に介護保険等に係る地方負担額を算定いたしているものでございます。介護保険等に係る地方負担額につきましては、今回、国調の人口を置き換えておりますが、介護保険に係ります地方負担額の伸びとこの高齢者人口の伸びといったものを見ますと、技術的な問題でございますが、高齢者介護保険の伸びを人口の伸びが上回りますために高齢者保健福祉費の単位費用が小さくなっているというものでございます。
#144
○又市征治君 時間が過ぎていますからもうやめますが、今申し上げたように、何か苦しい答弁なさっているんだけれども、この一年で何でこんなに下がらないかぬかというのは、合理的な理由はせいぜい一つぐらいしか見当たらないんで、そういう意味ではこうした単位費用の切下げが毎年恒常的に進められてきたわけで、何か今だけ聞くとこの制度が変わりましたからみたいに言われているけれども、そうじゃなくてどんどんどんどん変わってきているじゃないですか。そういう格好で交付税減額の一つの要素になっているわけで、だから地方六団体の側は算定の透明化をする必要が大きいと、こう言っているわけで、そのことは明確にしてもらいたいと思う。
 新型交付税の問題もちょっと申し上げたかったんだけれども、こういう交付税、新型交付税の名目によって実質的にまた交付税が下げられていくという問題については、これはもう反対だということを申し上げて今日のところは終わっておきたいと思います。
    ─────────────
#145
○委員長(山内俊夫君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、江田五月君が委員を辞任され、その補欠として広中和歌子君が選任されました。
    ─────────────
#146
○長谷川憲正君 国民新党の長谷川憲正でございます。私が例によりまして最終質疑者でございますので、もうしばらくお付き合いをいただきたいと思います。
 私は、地方にはもちろん勤務した経験はございますけれども、地方行政そのものは決して明るい者ではございません。そういう意味で、今日、各委員の御質疑、そして政府の御答弁、ずっと伺っておりまして大変勉強になりました。
 そこで、私ちょっと感想めいたことを先に申し上げたいと思うんですけれども、大臣を始め地方行政預かっておられる総務省の皆さん方の熱意というのはよく分かるんですけれども、しかし、本当にこれでこれから先一、二年の間に地方が本当に活性化されてくるだろうかということを考えたときに、どうもそういう迫力を感じないわけでございます。これは、もう別に地方交付税の問題だけではなくて、トータルとしての国の進むべき方向といいますか、施策にやはり問題があるのではないかということを言わざるを得ない。
 私どもの国民新党には亀井静香先生という方がいらっしゃいまして、かつて自民党の政調会長もなさって、今私どもの代表代行という地位にあるわけでありますが、よく街頭演説なんかで言っておりますことを聞いておりますと、こういうことを言います。今の日本の経済運営というのは、会社でいうと経理部が鉛筆をけちれ、電気は消せ、紙は裏まで使えということばっかり言っておって、ちっとも営業活動に金を使わない会社みたいなもんだと。それは国も地方もあるいは株式会社も同じでありまして、やっぱり前向きの金を使わないと物事は好転しないんだということをよく言われるわけでありまして、私は、ああなるほど、うまいことをおっしゃるなというふうに思うわけであります。
 私も地方を歩かせていただいておりまして、今の惨たんたる状況というのはこの目でも見させていただいております。こういう状況を救うためには、やっぱり思い切って地方に金を流してやるということがないと、今までは例えば公共事業でございますとかいう形で地方に金が流れておりました。公共事業の中にも無駄なものはもちろんありましょうけれども、必要なものもたくさんあるわけであります。そういうものが十分に財政的に担保をされないというような状況の中で地方に頑張れ頑張れと言ってもこれはなかなか難しい、私そのように思わざるを得ないわけでございます。
 そういう意味で、今までに各委員からいろいろと御質問がありまして、重複する部分もありますけれども、私が最後だということで御勘弁をいただきまして、確認的な意味でも幾つかお伺いをしたいと思います。
 まず第一に、交付税特別会計借入金、このうちの地方負担分三十四兆円等ございますけれども、今度これ償還計画を作って返していくんだということになっておりますが、どのようなお考えの下に作成をされたのか。そして、新規借入れを廃止することについての理由についてお伺いをしたいと思います。
#147
○政府参考人(岡本保君) 交付税特別会計の借入金、三十四兆円あるわけでございます。また、この交付税の特別会計の借入れといったものは、これを交付税制度の持続可能性を確保するという観点から早期に解消すべきであるということは、本委員会を始め累次のいろいろな意見をいただいてまいりました。
 こういう状況、これまでの御議論を踏まえまして、また幸い税収が好調に転じているということもございまして、十九年度の地方財政対策におきまして新規の借入れを廃止いたしますとともに、国、地方の償還責任を明確化するという観点から計画的な償還を開始させていただきたいというものでございます。
 地方負担分の償還につきましては、これをできるだけ早期に償還するということが必要であるという考え方から、現在、その償還方法として、期間として設定をしております二十年という期間を変更せず、平成三十八年度までの期間で償還するということ。また、十九年度については、一般財源総額を確保した上で、十八年度補正予算におきます償還額を五千三百三十六億円と設定いたしました上で、毎年一〇%等比で段階的に増加するという形で償還計画を策定し、現行の内閣府の経済見通しの試算でございますと、この償還が可能という前提になりますので、このような形を取らさせていただいたところでございます。
 また、今後安定的な経済成長を図りますために、歳出の効率化努力や歳入確保の努力を続けていくということが必要でございまして、そういう財源不足の縮小を図っていく中で、新規の借入れを行わなくても必要な交付税総額が確保できるように努めてまいるという考え方でございます。
#148
○長谷川憲正君 私、この借入れの償還、もちろん借金は返さなければいけないわけでございますから返さなくていいなどということを申し上げるつもりはありませんけれども、やはり借入れを償還するということは、言葉を返しますと地方交付税の総額がその分減るということになるわけでございますので、この借入金を返すということと、それから目の前に地方は苦しんでいると、何とかしてこれを救ってやらなきゃいけない、そのための地方財源を確保しなきゃいけない、この二つのはざまの中で、皆さん方も一生懸命努力をされたけれども、先ほど来お話が出ておりますように、財政当局との間でそういうことになったということかもしれませんが、私は、二兎を追ってもなかなかうまくいかない、やっぱり目の前の地方の危機を救うためには、先ほどの亀井静香先生の話じゃありませんけれども、思い切ってまず地方に財源を投入をして、そして元気を出させた上で先行きのことを考えるというようなことも当然あってしかるべきではないのかというふうに思うわけですが。
 ここは、もちろんなかなか積極的なお話を聞くのは難しいかもしれませんけれども、大臣、どんなふうにお感じでございましょうか。
#149
○国務大臣(菅義偉君) この点については、営業も経理もバランスよくやっていくことがまず大事だというふうに私は思っております。
 現実に、地方負担分の借金が三十四兆円あるわけでありますから、これについては、やはり交付税の持続可能性ということを考えたときに、やはり早く返す必要があるというふうに思います。
 一方で、全国どこに行っても一定水準の行政サービス運営ができるように交付税総額を確保するというのが私ども大事なことでありますので、この二つの中で、私どもとすれば、確保しながら、歳出効率化努力や地方財源の充実に努めていきたいと。
 そういう中で、経済というのは、これは不確実性があるものでありまして、償還計画の前提である経済が、これが順調であれば、それは予定どおり償還できるわけでありますけれども、しかし、経済動向によって財源不足が生じることもあるかもしれない。そういう中には、十分検討して対処をしていきたい、これは柔軟に行いたいというふうに思っています。
 いずれにしろ、今の償還計画、現在の経済の見通しであればその償還計画というものは成り立つわけでありますから、私どもとすれば、一般財源総額を確保しながら償還をしていくと、これはやはり当然の立場であるというふうに考えています。
#150
○長谷川憲正君 確かに、一般財源総額、十九年度につきましては十八年度を上回る額を確保しておられるわけでありますから、そのことは評価をするわけでありますけれども、先ほど来同僚の委員からも御指摘がありますように、過去の地方交付税の額と比べますとかなりの大幅な減少を見ているわけでありまして、私は、地方の人たちの目から見たときに、やっぱり非常につらい状態が続いているということには間違いないというふうに思うわけであります。
 そして、特に地方間の格差がますます拡大をしておる、税収の上がる自治体と上がらない自治体の格差がますます拡大をしているという状況の中で、問題はますます深刻化するわけであります。
 そこで、先ほども高嶋委員からも御指摘がございましたが、基本方針二〇〇六の中で、地方交付税の配分に当たって地方税収の伸びが余り期待できないような団体については特段の配慮を行う、この点について、先ほどもお話がありましたけれども、これも、地方の側から見ても、自分の地域ではどういった配慮をしてもらえるのかというようなことがきちっと事前に分かるような形になるのかどうか、この点のお伺いをしたいと思います。
#151
○政府参考人(岡本保君) 地方団体間に税収の、収入の伸びに差があることは委員御指摘のとおりでございます。
 そういう意味で、私ども、今回の地方財政対策の中で、基本的に、まず第一の目標として設定いたしましたのが、そういう意味でも、地方交付税の総額をきちんと確保するということが何より重要なことであるというふうに考えたわけでございます。
 そういう意味で、各地方団体には、税収の伸びが期待できる団体については交付税のウエートをできるだけ税のウエートに寄っていただく、税収の伸びが期待できない団体については交付税が中心的な財源として、よりウエートを確保するという算定を行うことがまず何よりも一番基本的なことであろうと思っております。
 また、一般的に税収の伸びが余り期待できないいわゆる条件不利地域、例えば離島でございますとか寒冷地でございますような、通信移動費や除排雪等の特別な財政需要が発生するようなところにつきましては、その特別な財政需要を的確に算定することによりまして、その財政運営に支障が生じないようにこれまでも配慮してまいりましたが、なお引き続きその充実を図ってまいりたいというふうに考えております。
 また、十九年度から導入を予定しております頑張る応援プログラムによります交付税措置におきましても、条件不利地域につきましては、その地域の状況を反映したものになるよう配慮をしてまいりたいと思っております。
 この点で、十八年度から行革インセンティブ算定というのをやっておりますが、この算定に当たりましても、財政力指数が全国平均以下の団体等につきましては特別の割増し算定等を実施しているところでございます。
 以上のような制度を使いながら、また、これを具体的に各団体に分かりやすく御説明、御理解を求めながら、地方団体の財政運営に支障が生じないように対応してまいりたいというふうに考えております。
#152
○長谷川憲正君 不交付団体の増加をいろいろ目指しておられることについてお伺いをしたいと思います。
 政府は、地方財政計画の規模を六年連続で対前年度マイナスという形でお作りになるなど、歳出の総額の抑制に努めてこられたわけであります。しかしながら、不交付団体の増加については、本当は、本当はといいますか本来は、税源の偏在に留意しながらも税源移譲による地方税の強化によって実現すべきだ、こういう意見がたくさん出されているわけでありまして、私もそのように思うわけでございますけれども、この点についての大臣のお考えをお聞かせいただけますでしょうか。
#153
○国務大臣(菅義偉君) 理想的には、地方は交付税に依存しないで自らの財源で財政運営を行っていくと、このことがまず基本だと思いますが、そういう中で、将来的にこの不交付団体を人口比の半分程度とすることを目標に取り組んでいきたいというふうに思っています。
 そのためには、やはり国と地方の税収比、今、国が六で地方が四でありますけれども、これを一対一に近づけていくこと、それと同時に、偏在の小さい地方消費税というものに地方の基幹税というものを移し替える、こういう中でこうしたことをしっかりと行いながら不交付団体を増やしていきたい、こう考えています。
#154
○長谷川憲正君 ありがとうございます。
 最後に一つだけちょっと大臣にお伺いをしたいんです。これ、私、去年の十二月の五日でございますが、この総務委員会で地方分権改革推進法案の審議がなされましたときにちょっとお話を申し上げたんです。それは、オーランドという、フィンランドとスウェーデンの真ん中にある地域が領土紛争になりまして、結局、自治領という形になって自分で税金も決定し法律も作るというような権限を与えられた結果、小さな群島でございますけれども非常に発展をして、ヨーロッパでも有数の成功した地域と、こう言われているという話を御紹介をしたんですけれども、結局のところ、その地方自治、自分たちで物事が決定できる権限を自分たちで持つというところが非常に地方の発展の私はかぎだと信じて疑わないわけであります。そういう意味で、明治以来、日本の仕組みというのが先進諸国に追い付き追い越せということで、やっぱり中央集権になり過ぎた、それをできるだけ地方に戻してあげるということが今一番の課題だと思うわけでございます。
 たしか、今政府の中には道州制担当大臣がおられます。佐田大臣が途中で替わられましたんで今は渡辺大臣ということだと思いますが、公務員の天下りの件は一生懸命やっておられますので新聞でもテレビでもよく承知をしているんですが、道州制の話がどこへ行っているのかよく見えないわけでございます。御本人はともかくとして、地方自治を預かられる総務大臣として、この問題についてやっぱりその進捗には大いなる関心を持って見ておられると思うわけでございますが、今どうなっているのか。あるいは、いっそのこと、もう渡辺大臣がお忙しいなら、この道州制の問題もすべて総務大臣がお引き受けになっておやりになったらどうかというふうに思いますが、いかがでございましょうか。
#155
○国務大臣(菅義偉君) まず基本的には、長谷川委員の言われましたように、やはり地方自治体というのは自分で税収で賄ってやることがこれ一番活性化するんだというふうに思っています。
 しかし、日本は明治維新以降、中央集権体制を取りました。そのことによってまた日本の今日の発展があったということも私は事実だと思います。しかし、少子高齢化、国際化の中で、このまま行ったら日本はそのまま立ち行かなくなっている。そういう意味で、地方分権、この国の形を変えることというのは、私、物すごく大事だというふうに思います。
 そういう中で、昨年の臨時国会で地方分権改革推進法案、これを成立をさしていただきました。そういう中での議論の中でも申し上げましたけれども、国と地方の役割というのを明確に分担をすると、そして国から権限とか財源とか税源を地方にゆだねる、この仕組みをつくることが私は物すごく大事だというふうに思っています。そして、地方分権が進めば、必然的に私は道州制というものが行き着く先だというふうに私は思います。
 現在は、まずこの地方分権を進めながら、道州制論議というのは、今、渡辺大臣のところで行っておるわけでありますけれども、まず国民世論を喚起すること、そのことが大事だというふうに思いますし、国民全体の中で道州制のイメージをある程度共有することも大事だというふうに思っています。
 今、渡辺大臣の下で懇談会もつくって、このことも一生懸命取り組んでいるということも御報告させていただきたいと思います。
#156
○長谷川憲正君 質問を終わります。
#157
○委員長(山内俊夫君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#158
○吉川春子君 私は、日本共産党を代表して、地方交付税法等の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行います。
 反対する第一の理由は、地方財政計画で生活保護や職員定数の大幅な削減を見込み、地方交付税を七千億円も大幅に削減することになっているからです。自治体の財政が深刻な下で自治体で交付税が削減されれば、住民の福祉の増進を図るという本来の役割を果たすことさえ困難になります。
 また、都市と地方での地域間の財政力格差を拡大するとともに、住民への負担の強化、教育や福祉などの暮らしのために必要な身近な職員の削減につながります。全国どこに住んでいようと、健康で文化的な生活、ナショナルミニマムが保障されないことになります。地方交付税の削減策はやめるべきです。
 第二の理由は、新型交付税が地方交付税の財源調整機能と財源保障機能を低下させるものになるからです。総務省が発表した新型交付税の試算でも、交付税額が減少する自治体が約三割に上っています。新型交付税に対して、全国町村会会長や全国町村議会議長会会長が、小規模な自治体が犠牲になるのではないかという懸念をぬぐい去ることができないと指摘しているように、地方交付税の本来の機能を低下させる新型交付税の導入はやめるべきです。また、地方応援プログラムは、交付税に成果主義を持ち込み、国が配分するもので、地方の固有の財源が地方の一般財源である地方交付税を補助金に変質させるもので容認できません。
 第三の理由は、改正案が二兆六千三百億円もの臨時財政対策債の発行を予定しており、地方自治体に新たな借金を押し付けるものとなるからです。地方の財源不足に対しては国の責任で財源対策を行うように求めて、反対討論を終わります。
#159
○又市征治君 私は、社会民主党・護憲連合を代表し、地方交付税法等の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行います。
 反対の第一の理由は、政府が六年連続して、職員数の削減や給与構造改革、福祉などの一般行政経費の抑制、投資的経費の減額によって地方財政計画をマイナスで組んでいる点です。
 安倍政権が引き継いだリストラ政治によって所得格差も地域間格差も戦後かつてないほど拡大し、これに対するセーフティーネットたるべき福祉や教育など、自治体の担うべき公共サービスの必要性はますます高まっていますが、その財政的裏付けは縮小する一方であり、これによる地域格差の拡大が進むことが危惧されます。
 第二は、地方財政は健全化したというまやかしについてであります。
 政府は、交付税特会の新規借入れの廃止、国負担残額の一般会計への振り替え、地方分の借入金の償還開始をもって交付税会計の健全化に一歩踏み出したと言っています。しかし、この間の大幅な地方財源不足額はそもそも国の施策に起因するものであり、地方交付税法第六条の三第二項に基づき、本来国が責任を持って地方交付税の法定率の引上げ等で対応すべきものでありました。しかも、二〇〇七年度になお四兆四千億円もの通常収支の財源不足がありながら、特会借入金の償還を開始する理由はありません。
 地方税収が史上最高だといいますが、過去数年の地方税の落ち込み期間にも政府は交付税を削り続け、その額は二〇〇〇年度を基準にして六年間で累計二十兆八千億円にも上ります。まず当面は、国が法人税等の増収で原資の増えた交付税を以前の二十兆円台の水準まで回復し、地方分権の推進、そして、痛みに耐えて頑張っている住民への福祉サービスの維持、充実に振り向けるべきです。
 第三は、臨時財政対策債についてです。
 まず、今回から新規の臨時財政対策債は地方に押し付けられなくなったとはいえ、これは政府による一方的で強引な地方歳出削減、そのための交付税需要額算定の切下げの結果であり、地方の実際の公共サービス需要が減っているわけではありません。このままでは地域の経済及び社会生活は衰退する一方です。正しく需要を算入し、それによる財源不足は臨財債ではなく、国が交付率の引上げで責任を果たすべきです。
 また、地方の臨時財政対策債の元利償還分について、改めて臨時財政対策債の発行で対応することが常態化しています。しかし、これは約束どおり後年度地方交付税で措置することとし、交付税財源の不足額に正しく加算し、別途手当てをすべきです。
 第四は、使途が自由な一般財源であり、地方共有の固有財源であるべき交付税の質の悪化です。
 頑張る地方応援プログラムと称して国が動員したい分野に交付税を割増し配分したり、交付税を行革補助金のように扱ったりすることは認められません。新型交付税の創設も、算定の簡素化の名の下に不透明性や総務省の裁量が広がるものとなっています。
 以上、反対の理由を申し上げ、反対討論を終わります。
#160
○委員長(山内俊夫君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 地方交付税法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#161
○委員長(山内俊夫君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#162
○委員長(山内俊夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#163
○委員長(山内俊夫君) 行政制度、公務員制度、地方行財政、選挙、消防、情報通信及び郵政事業等に関する調査を議題といたします。
 那谷屋君から発言を求められておりますので、これを許します。那谷屋正義君。
#164
○那谷屋正義君 私は、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による地方分権を推進するための地方税財政基盤の確立に関する決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    地方分権を推進するための地方税財政基盤の確立に関する決議(案)
  政府は、地方分権の推進に関する国会決議及び地方分権改革推進法の成立等を踏まえ、地域主権型社会にふさわしい税財政システムを確立するため、次の諸点について格段の努力をすべきである。
 一、地方分権改革の推進は、地域の実情や住民のニーズに適った個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現に資するとの観点から、地方公共団体の歳入・歳出両面にわたる自由度を一層高めるため、地方への税源移譲等、国と地方の役割分担に応じた税財政上の措置を講ずるとともに、地方の権限と責任を大幅に拡充すること。
   また、地方分権改革推進計画の作成に当たっては、地方公共団体の意見を幅広く、誠実に聴取するよう、常設の場を設ける等、最大限の配慮を払うとともに、地域の実情を十分反映したものとなるよう、特段の努力を行うこと。
 二、国庫補助負担金の廃止・縮減については、国と地方の役割分担に応じた財源負担の原則に基づき、単なる地方への負担転嫁とならないよう、地方公共団体の意見を十分踏まえつつ、地方の自主性拡大に結びつくよう積極的に取り組むとともに、必要な一般財源の確保を図ること。
   なお、地方六団体が廃止を求めている国直轄事業に係る地方負担金については、廃止に向け、当面縮小に努めること。
 三、地方交付税については、地方公共団体の自助努力による効率化も促しつつ、地方歳出の見直しを進めるとともに、地方公共団体間の財政力格差が拡大しないよう、財源保障機能及び財源調整機能を堅持し、引き続き地方公共団体の財政運営に必要な所要額の安定的・持続的確保を図ること。
 四、地方交付税の算定方法の見直しに当たっては、必要な地方財源を的確に保障するという交付税制度の趣旨を踏まえ、算定の簡素化のみを優先させることなく、現実の財政運営に支障が生じないよう、地方の十分な理解を得た上で行うこと。
   また、国の政策課題を交付税の算定対象とする場合には、交付税制度の趣旨に反することのないよう、慎重を期すること。
 五、交付税特別会計においては巨額の借入金残高を抱えており、その償還額が毎年度逓増することにかんがみ、地方公共団体の安定的な財政運営に支障が生じないよう、必要な一般財源総額を確保しつつ、地方財政の健全化を進めること。なお、累積する臨時財政対策債の元利償還については、万全の措置を講ずること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#165
○委員長(山内俊夫君) ただいまの那谷屋君提出の決議案の採決を行います。
 本決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#166
○委員長(山内俊夫君) 全会一致と認めます。よって、本決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることと決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、菅総務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。菅総務大臣。
#167
○国務大臣(菅義偉君) ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと思います。
#168
○委員長(山内俊夫君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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