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2007/03/27 第166回国会 参議院 参議院会議録情報 第166回国会 総務委員会 第6号
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2007/03/27 第166回国会 参議院

参議院会議録情報 第166回国会 総務委員会 第6号

#1
第166回国会 総務委員会 第6号
平成十九年三月二十七日(火曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十三日
    辞任         補欠選任
     広中和歌子君     高橋 千秋君
 三月二十六日
    辞任         補欠選任
     河合 常則君     小泉 顕雄君
 三月二十七日
    辞任         補欠選任
     小泉 顕雄君     河合 常則君
     長谷川憲正君     後藤 博子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山内 俊夫君
    理 事
                景山俊太郎君
                二之湯 智君
                森元 恒雄君
                伊藤 基隆君
                那谷屋正義君
    委 員
                小野 清子君
                尾辻 秀久君
                河合 常則君
                木村  仁君
                小泉 顕雄君
                世耕 弘成君
                山崎  力君
                山本 順三君
                吉村剛太郎君
                芝  博一君
                高嶋 良充君
                高橋 千秋君
                内藤 正光君
                澤  雄二君
                遠山 清彦君
                吉川 春子君
                又市 征治君
                後藤 博子君
                長谷川憲正君
   国務大臣
       総務大臣     菅  義偉君
   副大臣
       総務副大臣    大野 松茂君
   大臣政務官
       総務大臣政務官  谷口 和史君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        高山 達郎君
   政府参考人
       総務省自治行政
       局長       藤井 昭夫君
       総務省情報通信
       政策局長     鈴木 康雄君
       総務省政策統括
       官        寺崎  明君
   参考人
       日本放送協会経
       営委員会委員長  石原 邦夫君
       日本放送協会会
       長        橋本 元一君
       日本放送協会理
       事        原田 豊彦君
       日本放送協会理
       事        小林 良介君
       日本放送協会理
       事        金田  新君
       日本放送協会理
       事        中川 潤一君
       日本放送協会理
       事        小野 直路君
       日本放送協会理
       事        衣奈 丈二君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認
 を求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
○恩給法等の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(山内俊夫君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日まで、広中和歌子君及び河合常則君が委員を辞任され、その補欠として高橋千秋君及び小泉顕雄君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(山内俊夫君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件の審査のため、本日の委員会に総務省自治行政局長藤井昭夫君、総務省情報通信政策局長鈴木康雄君及び総務省政策統括官寺崎明君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(山内俊夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(山内俊夫君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 日本放送協会関係の付託案件の審査並びに行政制度、公務員制度、地方行財政、選挙、消防、情報通信及び郵政事業等に関する調査のため、日本放送協会の役職員を参考人として、今期国会中、必要に応じて随時出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(山内俊夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(山内俊夫君) 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。菅総務大臣。
#8
○国務大臣(菅義偉君) 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件の提案理由説明に先立ち、一言申し上げます。
 一昨日、三月二十五日九時四十二分ごろに発生した平成十九年能登半島地震により、死者一名、重軽傷者二百十八名の人的被害や、全壊五十九棟、半壊百八十六棟の住宅被害等の大きな被害が生じています。亡くなられた方に対し心より哀悼の意を表しますとともに、被災された方々、避難所において不自由な生活を強いられている方々に心からお見舞い申し上げます。
 総務省といたしましても、人命の安全確保を最優先とし、被害の拡大防止に全力を挙げるとともに、被災地の復興支援にも速やかに取り組んでまいります。
 日本放送協会の平成十九年度の収支予算、事業計画及び資金計画につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この収支予算、事業計画及び資金計画は、放送法第三十七条第二項の規定に基づきまして、総務大臣の意見を付して国会に提出するものであります。
 まず、収支予算について、その概要を御説明申し上げます。
 一般勘定事業収支につきましては、事業収入が六千三百四十八億円、事業支出が六千三百七億円となっており、事業収支差金四十一億円の全額を債務償還に使用することとしております。
 一般勘定資本収支につきましては、資本収入、資本支出がともに七百四十八億円となっております。また、建設費が七百七億円となっております。
 次に、事業計画につきましては、信頼される公共放送のための経営の改革や、国際放送による海外への情報発信の強化等が盛り込まれております。
 資金計画につきましては、収支予算及び事業計画に対応する年度中の資金の需要及び調達に関する計画を立てたものであります。
 これに付する総務大臣の意見につきましては、受信料収入が不祥事発覚前の水準を大きく下回る状況にあるものの、放送サービスの充実やコンプライアンス関係経費に予算を重点配分しつつ、経費削減により収支均衡を維持しているところであり、協会の平成十九年度の収支予算等については、やむを得ない内容と認めるとしております。
 その上で、収支予算等の実施に当たり、経営委員会は、協会内のガバナンスの強化とコンプライアンスの徹底に向け、指導的役割を果たすこと、口座振替の推進及びホテル等の受信実態等を勘案した事業所向け受信料体系の抜本的見直しなど、あらゆる措置について早急に検討の上、全力で取り組むこと、国民・視聴者からの信頼回復や経営改革の努力により見込まれる増収等については、真に必要な経費を見極めつつ、将来の受信料の減額を検討すること、契約収納関係経費については、政府の市場化テストに準じて可能な限りの外部委託を行うなど、契約収納業務の抜本的な見直しを早急に検討し、経費削減の具体的数値目標を設定することなど、特に配慮すべき八点を付記しているものであります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
#9
○委員長(山内俊夫君) 次に、日本放送協会から説明を聴取いたします。橋本日本放送協会会長。
#10
○参考人(橋本元一君) ただいま議題となっております日本放送協会の平成十九年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして、御説明申し上げます。
 平成十九年度は、三か年経営計画の二年目として、計画の達成を確実なものとし、これからの事業運営の基盤を整備していく重要な年であると考えております。
 協会は、放送内容をより一層充実させるとともに、デジタル時代にふさわしい公共放送を目指して自ら積極的に改革を進め、コンプライアンスの徹底とガバナンスの強化を図って、視聴者の信頼をより強固なものにしてまいります。
 事業運営の基本となる放送サービスについては、放送の自主自律を堅持し、緊急報道や質の高い番組の制作に取り組み、NHKだからできる放送を通して、社会に役立つ公共放送を運営してまいります。
 同時に、デジタル技術を活用した新たなサービスの開発や、新しい放送文化の創造を目指した放送技術の研究開発、国際放送による世界へ向けた情報発信の強化に積極的に取り組んでまいります。
 あわせて、協会の主たる財源である受信料収入の回復のため、公平負担の徹底に向けた取組を一層強化するとともに、契約収納関係経費の削減に向け、効率的な業務体制の構築を図ってまいります。このため、合理的な受信料体系への改定を引き続き検討してまいります。
 また、平成十八年度に続いて、徹底した業務改革とスリム化を進め、効果的かつ効率的な事業運営を行ってまいります。
 次に、建設計画におきましては、平成二十三年の地上デジタルテレビジョン放送への完全移行に向け、放送設備の整備などを計画的に実施いたします。
 以上の事業計画に対応する収支予算につきましては、一般勘定の事業収支におきまして、受信料などの収入六千三百四十八億九千万円、国内放送費などの支出六千三百七億八千万円を計上しております。事業収支差金四十一億一千万円につきましては、債務償還に使用することとしております。
 また、資本収支につきましては、支出において建設費など総額七百四十八億一千万円を計上し、収入には、それに必要な財源として、減価償却資金など総額七百四十八億一千万円を計上しております。
 最後に、資金計画につきましては、収支予算及び事業計画に基づいて、資金の需要及び調達を見込んだものであります。
 以上、平成十九年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして、そのあらましを申し述べましたが、今後の事業運営に当たりましては、NHKの改革に向けたこれらの施策を一つ一つ誠実かつ着実に実行し、視聴者の期待にこたえていく所存でございます。
 委員各位の変わらざる御理解と御支援をお願いし、あわせて、何とぞよろしく御審議の上、御承認賜りますようお願い申し上げます。
#11
○委員長(山内俊夫君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#12
○景山俊太郎君 自由民主党の景山俊太郎でございます。短時間でありますけれども、質問をさせていただきます。
 まず冒頭に、去る二十五日に発生し、能登半島を中心に大きな被害をもたらしました地震で亡くなられた方に、また御家族の皆様方にお悔やみを申し上げたいと思います。また、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。政府また総務省は一日も早い復旧復興に向けまして全力で取り組んでいただきたいとともに、与党といたしましても最大限の努力をしていきたいと考えております。
 さて、私は平成十七年度の予算審議の際に、正にぐらっと来たらNHKと、災害報道の充実こそが公共放送のNHKに課せられた大きな役割であることを指摘いたしました。そして、これら災害のときに報道、取材の中心にあるのが地方の放送局でございます。不祥事発生以来、経費の削減の中で地方放送局また放送会館の改修工事が凍結されております。かなり老朽化した施設もございます。災害時に放送局自体が被災して機能を果たせなくなったならば大変問題が起こるんじゃないかと考えております。
 また、地方局は地方分権時代において情報発信基地といたしましての役割を担ってもおります。昔に比べますと、地方局の枠とか放送時間が増えてはおりますけれども、依然として東京発信の番組が中心になっておることは御承知のとおりであります。もちろん東京から発信すべき共通のニュース、これはもちろん必要でありますけれども、もっと地方の実情に合った番組を放送すべきであり、その方が視聴者の関心により合致する部分も多いと思います。
 私も地元に帰ったときに地方局で作成された番組を見ることがあります。なかなか感心するものもあります。感動するものもございます。また、今後デジタル化が進展する中で、地方にデジタル化対応の番組を制作する設備がないというようなことがあっても、今後の地方発の番組を増やすということにおいては問題があろうと思います。私は、もっと大幅に放送の中身を正に分権化して、地方放送局を活性化していくことも大切であると考えております。まず、このことにつきまして会長の御所見を伺いたいと思います。
#13
○参考人(橋本元一君) お答え申し上げます。
 地域放送局の役割は大変重要なものであります。日曜日の地震に際しましても、周辺、富山局、金沢局、福井局、あるいはそれを支援する名古屋放送局、こういうところが力を合わせてそれぞれ現地の状況を的確に速やかにお伝えしてまいりました。やはり地域放送局の役割は、地域の皆さんの暮らしに密着したきめ細かな情報を地域に伝える、あるいは地域情報を全国発信する、このために大変重要な役割を果たしております。
 また、放送の時間帯ということにしましても、これまで夕方五時、六時台の地域放送時間帯と放送ゾーンに加えまして、今年度からは金曜夜八時、この八時台でも各放送局、景山委員御指摘のように、地域が非常に力を注いで作ったいい番組、こういうものを全国発信できる、そういう時間帯としても編成してございます。
 いずれにしても、災害時、いざという場合にはやはりNHKを見ていただける。こういうことでいえば、緊急災害に対する備え、これはNHKとしては万全の備えが必要かと存じておりますし、今年度も大変財政が厳しい中でありますけれども、この緊急災害用の設備整備等には充実して備えていっているということでございます。
 また、この地域放送局のいわゆる地域における情報発信の基地となります放送会館、これにつきましても、大変財政が厳しい中で更新といいますか、建設、建て替えを凍結してまいりましたけれども、これにつきましてはやはりこういうふうな事態に備えるということで大事なものであります。現在、経年が、大変古い、三十五年以上五十年近く経年している建物がおよそ三十ございますけれども、これについても財政の回復等を見ながら順次また建て替えに着手する方針でございます。
 以上でございます。
#14
○景山俊太郎君 よろしくお願いします。
 続きまして、不祥事の再発防止と経営委員、NHKの役職員の意識改革について御質問をしたいと思います。
 昨今のNHKの問題は、平成十六年に発覚いたしました芸能担当プロデューサーによる番組経費の不正支出事件に端を発しました。当時、参議院総務委員会におきましても、この事態を受けまして、NHK予算や決算の審査のたびに信頼回復への取組を求める決議を何度も行ってきたと思います。しかし、その後も不祥事がいろいろ相次いでおります。昨年の国会での予算承認の正に直後にも報道局スポーツセンターの元職員による空出張が発覚したと。本当にいろいろな事件といいましょうか、そういう事態が発生をいたしました。
 多くの職員は公共放送としての当然使命感を持たれてまじめに働いていることは我々も知っております。しかし一方で、不祥事の発生が止まらないということも事実であると。こう考えますときに、再発防止に向けて構造的といいましょうか、制度的な欠陥があるんじゃないかと。欠陥があれば、それを是正していかなきゃいけないんじゃないかと。この点、会長以下職員お一人お一人の正に意識改革、やっぱりそういう組織というものは人間が動かすわけでありますから、その動かす人間の意識改革というのが非常に大切ではないかと私は思います。
 あわせて、NHKの最高意思決定機関であります業務執行に対する監督を期待されております経営委員会、この経営委員会の取組というのが非常に大切であろうと思います。経営委員会は今まで国民から実際のところその存在自体も知られていなかったんじゃないかと思いますし、何をしているのか実際目に見えなかった点があろうと思います。
 この経営委員会というのは、そもそも国会の同意を得て内閣総理大臣が任命する私は正に国民の代表であると思います。任命する国民の代表であるがゆえに、その経営委員が何をしているかということは、国民から見たら非常に不思議だし、取り組んでいること自体が分からないというのがおかしいということになります。NHK改革というものはこの経営委員の在り方にも私は行くんじゃないかと思います。もっと、NHK改革に向けまして、経営委員の皆さん方はリーダーシップを発揮して、いい意味での緊張関係を持ちながらやるべきじゃないかと思います。
 菅総務大臣も、以前、NHKに改革に取り組む意欲はないんじゃないかと、こういう発言もされております。大臣の当然発言をまつまでもなく、今のNHKは一連の不祥事を踏まえて、自ら進むべき改革の道を本当に国民に率先して伝えていかなくてはならないという使命があると思います。
 そこで、NHKにおける再発防止への取組について伺います。特に、コンプライアンス又は公金意識の徹底、こういうことを経営委員長、会長の決意というものを伺いたいと思います。特に経営委員長の責任は重大でありますから、しっかりと答えていただきたいと思います。
#15
○参考人(石原邦夫君) ただいま先生から御指摘ございました経営委員会といたしましては、コンプライアンスの徹底、これは極めて重要な課題であると認識しております。
 これまで経営委員会といたしましても、このコンプライアンス問題につきましては、臨時の経営委員会の開催あるいは各種の提言、すなわち、例えば経費処理の在り方、それから全局調査の要請、あるいは外部委員会の設置等々の申入れを行い、それらが具体的な形となっているものもございます。そういった中で、先生御指摘のように、更に実効性を高める必要があるというふうに考えております。
 昨年九月に、外部の先生方から成りますコンプライアンス委員会、これを経営委員会の下に設置いたしまして、ついこの間、第一次の答申をいただきました。その中では、当然のことながら、役職員の意識改革に向けた取組を始めといたしまして、いろいろの申入れがございます。これを真摯に取り組みまして、コンプライアンスの徹底に向けた申入れを実はつい先ごろ改めて執行部に対して行ったところでございます。
 本来、コンプライアンスの徹底と申しますのは、業務と一体となって行われるべきものであるというふうに考えております。そういう中で、会長以下執行部が全員一丸となってよりリーダーシップを発揮すべき課題であるというふうにも認識しております。
 そういった観点から、今後、執行部の方から工程表の提出を受けまして、定期的に私どもとしてモニタリングを行う、その結果につきましては、先ほどお話ございましたように、対外的にディスクローズしていく、公表していくということによりまして、必要に応じ工程管理まで踏み込んだ、より監視、監督を強化していく所存でございます。
 以上、私どもとしての覚悟でございます。
#16
○参考人(橋本元一君) NHK執行部といたしましても、景山委員御指摘のとおり、コンプライアンス、不正経理に対する制度的な欠陥、こういうものの排除、それから役職員、組織の中、徹底して意識改革、倫理観を持つということで取り組んでおります。
 この十八年度四月、年度早々の事件というものは大変我々にとって反省すべき大きな課題でございました。これを、このような再発を来さないように、現在、この制度的欠陥排除あるいは意識改革という点でしっかりと努力をしているところでございます。
 具体的に申しますと、昨年八月には、この不正経理を検出する経理システム、こういうものもつくり直しました。あるいは、監査手法も抜き打ち調査等も含めて大変現場的なものに改めております。また、委員長からも御報告ありましたけれども、十二月には、夏からかけて調査しました全部局に係る三千万件に及ぶ出張伝票、業務調査票等の帳票に基づきまして、全部局調査も行い、これを公表いたしました。経営委員会あるいは経営委員会に属する外部委員会によるいろいろ御指導を、御指摘を受けながら、今後もしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
#17
○景山俊太郎君 放送法第二十八条第一項の規定によりまして、会長又は副会長の任期というのは三年なんですね。ところが、理事とか監事の任期は二年になっております。普通の会社だとちょっと不思議な感じがいたします。役員の任期が違うということであります。
 昨年八月に経営委員会から出されたNHKのガバナンスに関する見解でも、執行部の強化に関して、会長の任期の短縮についても検討される必要があるということが書いてあります。これはもちろん法律マターでありますから、これは法改正というのが必要でありましょうが、しかし、例えば今年の春に理事は全部退任すると、ところが会長、副会長は来年退任と。実際、そこで何かいろんな問題が起きたとき、どういうふうにこれを解釈していいか、普通の会社なんかだったらちょっと不思議な感じがいたしますけれども、そういう会長、副会長の任期又は理事、監事の任期、この違いというものが、今後、NHKの改革も含めまして経営に大きな私は影響を与えているような感じがいたしますので、その点につきまして、会長とか又は大臣、御所見を伺いたいと思います。
#18
○参考人(橋本元一君) この任期の件でございます。私、会長の、私の立場で申し上げますと、この任期を異にしているということは、業務の継続性、健全性という点で大変効果を発揮しやすいと考えております。
 具体的に申し上げますと、やはり二年間の役員の業績を評価しまして、再任用あるいは場合によっては交代を行う、こういうことが必要でございます。その時々の経営課題の解決にふさわしい人材を登用するという機会として、この任期が異なるということが確保されているというふうに考えております。実際に、業務を健全に継続する、あるいは不祥事再発防止についても、やはりこの任期の違いというものは私にとって効果があるというふうに考えてございます。
#19
○国務大臣(菅義偉君) 放送法制定当初というのは、会長、副会長また理事の任期というのは、理事、監事ですね、任期というのは三年でありました。しかしながら平成、六十三年の放送法改正により二年に短縮したわけでありますけれども、その前提となるのが昭和五十八年のいわゆる臨調ですよね、これにおいて、特殊法人役員等に関して、役員については結果責任を厳しく問う体制を確立するため云々という中で、会長、副会長を除いて任期は二年となる、これを受けたものでありまして、これにより会長と副会長、また理事と監事の任期も違いが出てきたのであります。協会としての、今会長から答弁ありましたが、業務の継続性という中で、また役員の新陳代謝というものも進んでいくのじゃないかなというふうに思います。
#20
○景山俊太郎君 今日はこれ、ここでいろいろ議論する時間もありませんから、もう少しいろいろ御検討されるべきじゃないかと思います。
 それから、平成十九年度のNHK予算に対する総務大臣の意見書の三の中で、NHK改革に当たりまして、子会社の整理統合というのがございます。この整理統合についてはいろいろ内部でも意見があったりするようでありますけれども、この点について、見解といいますか、経過について御説明をお願いしたいと思います。
#21
○参考人(橋本元一君) 子会社の整理統合というテーマにつきましては、やはり透明性を確保したグループ経営、これを一層推進する、あるいは新しいデジタル化、あるいは放送、通信が融合する新しい時代に対応できる体制、これを構築するということで検討を重ねてまいったわけでありますが、実際に今考えております計画としましては、地域子会社六社を一社に統合する、あるいは技術系の子会社につきまして、一部については二社を一社に統合してこの新しいデジタル時代に対応させる。こういう点で、これを平成二十年四月ですね、二十年度から考えていきたいと思います。これによりまして、現在三十四ある団体数が二十台になるということでございます。
 また、現在進められています国による制度改革に伴う関連公益法人につきましても当然見直しが必要でございますし、番組制作あるいはこの二次利用を含めた放送分野の子会社につきましても、今後、具体的に検討を進めてまいりたいと考えております。
#22
○景山俊太郎君 きちっと合理化するものは合理化して、内容を高めるものは高めると、きちっとやっていただきたいと思います。
 それから、受信料の収入、この問題は今日いろいろ出ると思いますけれども、これは幸いなことに回復傾向にあります。十九年度の収入の見込みというのは六千百三十億円、不祥事発覚以来の平成十五年度の受信料収入が六千四百七十八億円と比べますと、まだ三百五十億円近く収入が減っているわけであります。依然として未払、未契約が全体の三割もあると。そういたしますと、特に不払者の方や公共放送のフリーライディング、ただ乗りを今後容認をしていきますと、まじめに支払っている人は不公平感、これは一層募ってまいると思っております。自分だけでNHK支えているかというような感じ、それだけで、いいんですけれども、また不払に転じるようなこともあるんじゃないかと。
 現在、政府や自民党においても、この受信料負担の公平性を確保するために方策はいろいろ議論をされております。その一環として義務化の話も出たと思います。ただ、義務化というのは非常に問題がありまして、これはやるべきではないと私は思っておりますが、受信料の公平負担を確保するために、今後、受信料負担の公平性を確保するための方策とか取組とかいろいろお考えがあろうと思いますけれども、その点について総務大臣やNHKのお考えを聞きたいと思います。
#23
○国務大臣(菅義偉君) 私は、受信料の義務化と引下げとそしてNHKの内部改革はセットである、こういうことをかねてより申し上げてまいりました。このことは政府与党合意をされたところであります。
 そして、私自身がなぜこの支払義務、この三点セットにこだわるかと申しますと、多くの国民の皆さんにやはり支払の不平等感というのは非常に広がっている、ある意味では蔓延していると私は感じているからであります。約三割の方が支払っていない、七割の方にその比重があるわけであります。
 そして、また私自身も、今度の予算についても、事業所における徴収についても実は意見書を付けさせていただきました。例えば、ある有名なホテルは全く支払っていないということも聞いておりますし、そうしたことも含めてやはり多くの国民の皆さんに幅広く私は負担をしてもらう、そしてこの公共放送であるNHKをみんなで支えていく、そういう仕組みが必要だろうというふうに考えておりまして、そういう意味で、NHKの内部改革との、特にこの徴収をするのに、六千億円のお金を集めるのに七百、今年でも六十億円実は掛かっておるわけでありますから、海外と比較をしても三倍ほど経費が掛かっている。こうしたことも含めて、やはり内部改革と義務化とそして料金を引き下げることによって私は国民全員で支えていくという、そういう方向性が見いだすことができるのではないかなということで実は私自身訴えてきたところであります。
 是非、こうしたことを政府与党合意の中で検討していただければ大変有り難いと思うところであります。
#24
○参考人(橋本元一君) 公平負担の取組は、景山委員御指摘のとおり、大変NHKにとって重要なテーマでございます。これは正にNHKがあまねく放送を行う、この根拠として公平負担が求められると考えております。
 実際に、不祥事前には八割近い支払率があったものが、現在七割という形で低下してしまいました。この結果、我々、信頼回復あるいは財政回復という大きな目標に向けて、あらゆる信頼回復活動というものを加えてまいりました。この結果、お話にありましたように、財政につきましては回復傾向にあるものの、まだ平成十五年度決算に比べれば三百数十億という規模で足りないという状況は確かでございます。
 我々、こういう中で、職員全体による信頼回復活動を加える、あるいは受信料収納にかかわる特別推進の手だて、いろいろ外部の手もかりるというふうなことも含めまして行っております。いろいろ、具体的には、もろもろの事業者、引っ越し事業者あるいはいろんなお店とか、そういうところにお願いしながら、連携を深めて取り組んでおります。
 いわゆるこの外部情報の活用ということは大変重要になってまいります。自治体で行っております異動の除票、こういうものも一層活用するということも大事だと思っております。また、現在行っています民事督促手続ということもしっかりとやっていきたいと考えております。
#25
○景山俊太郎君 NHKの受信料の性格というものを国民の皆さん方にもっともっと私は理解していただかなくてはいけないと思います。そうしないことには、本当にユニバーサルサービスを保ったり又はいい番組を作ったり、そして公共放送の在り方、いろんなことを考えましたときに、私たちはNHKに受信料、こういうもので支え合ってこの国の報道、放送を守っているわけなんです。そのことをきちっと、もっともっと国民の皆様方に理解をしていただいて、そして本当にそうだと、NHKを守ることは我々の報道を守ることだと、そういう気持ちになっていただくような努力を今後とも一層していただきますようお願いをして、質問を終わらせていただきます。
#26
○小泉顕雄君 おはようございます。自由民主党の小泉顕雄でございます。
 まず、質問に入ります前に、このたびの能登半島の大震災に被災をされました皆さん方に心からお見舞いを申し上げたいと思いますし、同時に、NHKにおかれましては、義援金の協力についての呼び掛けを電波を通じて早々に発していただいておることにも深く敬意を表したいと思います。
 さて、最近の時代の流れで、効率を重視をしたり、あるいは費用対効果ということ、まあ効率と同じかもしれませんが、そういったところを重視をしていろいろな物事を推し測る、あるいは施策について効率をもっていろいろ論じると、こういう流れがあるわけでありますが、確かに国民から預かった税金でありますとかあるいは受信料といったそういうお金を使う場合に、当然それは効率を考えなければならぬのは当たり前のことでありますが、しかし、果たして効率だけで物事を割り切っていいのかという疑問もあるわけでありまして、私はどちらかというと、そちらの方を重く考える人間でありますが、この放送についての効率を論じるときに、いろんな切り口があるんでしょうけれども、一つには、やっぱり視聴率というのもそれぞれの番組の効率というものを考える上で重要な指標になるのではないのかなと、こういうふうに思うわけであります。
 それで、まずNHKの番組につきまして、視聴率というのはどういうふうに調査されておって、そして、高い視聴率を維持している番組と極めて低い視聴率の番組もあると思うんですが、その辺の差というのは、最大がどれぐらい、最低がどれぐらい、ちょっと分かりやすく御説明をいただければ有り難いと思います。
#27
○参考人(原田豊彦君) お答えいたします。
 視聴率のお尋ねでございます。NHKの場合には、独自に放送文化研究所が、年間三回でございますけれども、ある週の個人視聴率を調査をしております。個人視聴率と申しますのは、通常よく耳にされるビデオリサーチ社の世帯視聴率、これに比べますと全体には数字が低く出るものでございますけれども、最新のもので、十八年十一月に実施した個人視聴率調査の結果によりますと、よく見られております番組は、皆さんよく御存じの大河ドラマ、あるいはニュースで七時の「NHKニュース7」、あるいは朝の連続テレビ小説、そういったものが高位の番組になっております。ちなみに、個人視聴率ということで申し上げますと、一番高い大河ドラマ、この週、高かったんですけれども、一五・八%というふうな数字でございました。
 一方、例えば福祉番組「福祉ネットワーク」、それから教育テレビで「NHK手話ニュース」というのを放送しております。それから「きらっといきる」、こうした番組、障害者や障害を持って、支える人たちのための番組というものでございますけれども、こうした番組は視聴率ということでいいますと一%に満たないというふうな番組でございます。ただ、頼りにされている視聴者がおられて強い支持をいただいている番組だというふうに認識をしておりまして、そうした番組、しっかりやっていくということは公共放送の責務であるというふうに考えております。
#28
○小泉顕雄君 ありがとうございました。
 最大が一五・八%ということで、これが高いのか、いいのかどうか、私はその辺がよく分からないわけでありますが、一五・八とそれから一%に満たないと、こういうような差があるわけですね。
 ここのところに効率というお話を入れていきますというと、国民から、強制ではない、義務ではないかもしらぬけれども、半ばそういう形で集めた受信料を使った番組として、一%に満たないようなという言い方は失礼な言い方でありますが、そういう番組、それは効率論者からいえば、もうそれやめた方がいいんじゃないかと、こういう話がこれは当然出てくる、先ほど言いましたように今の時代の流れがそういうところにありますから。しかし、私は、教育の問題であるとか、あるいは福祉の問題であるとか、あるいは文化、特に放送文化とか映像文化とかそういうことになりますが、そういったものに効率を持ってくるということは私はあってはならぬことだというふうに思う人間であります。
 低視聴率の番組もしっかり維持していただかなきゃならぬというふうに考えておるわけですし、そういう期待が、今、期待の声もあるというお話でありましたが、そういう低視聴率の番組について、それを更にこれからも編集をされ放送されていくということについての御見解を少し御紹介いただければ有り難いと思います。
#29
○参考人(橋本元一君) 今、原田の方から説明した番組、この福祉の番組で「きらっといきる」という番組が一%以下と申しましたが、〇・二%でございます。こういうふうなものにつきましても、やはり非常にいろんな環境で暮らしていらっしゃる国民・視聴者の方がいらっしゃるわけであります。この方々が日々の生活、暮らしの中で力付けられ、また将来に夢を持って生きていくために、我々NHK、公共放送というものはやはりそういう番組を送り続けるということが、やはり日本全体の、ひいては福祉の向上といいますか文化の向上というふうなことにつながると思います。
 大変、こういうふうな番組については、やはり財政的には、当然経営そのものは効率的な経営はしなきゃいけないんですけれども、やはりNHKが扱う番組としては、ここを行うことこそが公共放送の性格だというふうに思っていますし、それを支える受信料であるというふうに考えております。
#30
○小泉顕雄君 ありがとうございました。
 公共放送に期待されるところというものをしっかりお考えをいただいて、これからも御配慮をいただいておきたいというふうに思います。
 次の質問に移りますが、私、全国区の選出の議員でありますので、非常に全国を駆け巡るわけでありますが、車で移動することが非常に多いわけでありまして、その場合に、ラジオ放送というのをずっとほとんど聴きながら走っているわけですね。特にNHKの放送を聴くわけであります。
 昨日、おとといの地震の情報も、ちょうど私、名古屋の近くにおりまして、名古屋放送局がもうずっとほとんど地震ばっかりの放送を流していらっしゃいましたけれども、非常に私はタイムリーに状況が把握できて非常によかったなというふうに思うわけでありますが、せんだって奈良の山中を走っておりまして、ちょうど予算委員会の中継だったと思います、私、田村公平先生が質問をしていらっしゃるのをラジオで聴いておったんですが、山中でもうしょっちゅう電波が途切れたりとか、雑音がざあざあざあざあ入ったりして非常に聞き苦しい時間が長かったわけですね。
 全国を私回っていて、とにかくそういう難聴域とかあるいは非常に雑音が多い地域があって、せっかく集中して聴いているのが中断されるというのは非常に、何というかな、気持ちがよくない、そういう体験をしょっちゅうするわけですが、AM放送に頼っておるというのが時代遅れかもしれない、そういう気持ちもしないことはないんですけれども、しかし私にとりましては非常に重要な情報源なわけで、これは現在も更にその難聴域を解消していくような取組があるのか、今回の十九年度予算の中でもそういうような取組というのが入っておるのか、これについて御見解をお伺いしたいと思います。
#31
○参考人(橋本元一君) この中波放送、AM放送といいますか中波放送の難聴地域の解消ということは、現段階でも続けております。十九年度も、こういうふうな地域の難聴解消のための建設計画というものを掲げてございます。
 ただし、実際にこれまでの経過の中では、山間部等の非常に世帯が少ない、そういうふうなところまで対象になってきております。現在、地元から要望が上がっている地域が十四地区ほどございますけれども、こういう地域から順次、我々実際にこれを、どのような方法で難聴施策があるのか、技術的な方法について、いろいろ長期間の観測等も行いながら具体的な策を検討しているところでございます。
 およそこれ一局つくるのに一・五億から数千万という経費が必要でございます。これについても、財政厳しい中ではありますけれども、継続して難聴解消に向けて努力しているところでございます。
#32
○小泉顕雄君 ありがとうございました。
 私、自分の経験を振り返って、古くは御巣鷹山に飛行機が墜落した事故がありましたね、あの事故とか、それからJRの福知山線での大事故の日、さらにはこの間の北海道の地震、津波の日、それから今言いました能登地震、こういう大きな出来事があったときに、全部AM放送で情報を得た経験があるわけですよね。ですから、やっぱり私は非常に、私にとりましては大切なものでありますので、これは全く私的なことでありますけれども、できるだけクリアな音がどこでも聞こえるようになるように、引き続きお取り組みをお願いをしておきたいというふうに思います。
 それで、次に平成十五年度受信料収入六千五百億円、これをピークとして、その後、十八年までの間受信料収入が減少をしてきたと。幸い、十九年度は十八年に比べると増収に転じると、こういう見込みであると、こういうことでありますけれども。
 受信料の収入が増加をすれば、これを国民に還元をしていこうということは当然ではないのかと思うわけでありまして、ただ還元といいましてもいろいろな方法があるわけでありますが、総務大臣は前々から、受信料の二割引下げあるいは受信料の引下げと受信料の義務化、これをセットで考えると、こういう発言をされております。先ほどもそういうお話があったわけであります。しかし、最終的にはNHKの方から引き下げる旨の回答がなくて、今国会に提出予定の放送法の改正案には受信料の義務化というものは見送ると、こういうことになったようであります。
 先ほどもそれについてのお話はあったわけでありますけれども、先ほどの御答弁に加えてさらに御見解があるようでしたら、御紹介をいただければ有り難いと思います。
#33
○国務大臣(菅義偉君) そもそも私がこの受信料の義務化を行おうと思いましたのは、副大臣当時に、私、国政報告会というのをよく地元でやっているんです、年に四十回から五十回、四、五十人ですけれども。そういう会をやった後によく言われたのが、NHKで払ってない人こんなにいるんじゃないのと、やはりみんな平等に払うようにしてよというのが、これは国民の私は多くの声だったと思います。私はそうした会合でよく言われました。そういう中で、当時このNHK改革、放送をどうするかという中で、このNHKの内部改革と義務化とそして値下げというものをセットにということで、政府・与党が実は合意がなされたわけであります。
 そして、私は、先ほども申し上げましたけれども、この料金徴収というのは不透明な部分ってまだかなりあるというふうに思っています。例えば、先ほど申し上げました中で、ホテルなんかは、例えば東横インは五%しか納めてないというのは、これは会計検査院で報告されていることでありますけれども、あるホテルは全く納めてない、事業所の受信料どうなっているのかという、そういうことも実は問題を提起をさせていただきました。なぜそうなる。それは義務化されてないから、なかなか料金徴収ができないという話もありました。
 そういう中で、やはりNHKというのは全国あまねく放送することでありますから、そして内閣法制局の長官もやはり国民が広く負担をするのがNHKだという国会答弁も実はあります。そういう中で、やはり国民幅広く負担をしていただいて、その分についてはやはり値下げをして国民の皆さんに還元をし、そしてこの公共放送としてのNHKをみんなで守っていく、このことが私は非常に大事だというふうに思っておりまして、そういうことから、NHKに対して私は、この三点セットの中のことを大臣として私は申し上げてきているところであります。
 しかし、今回、NHKの中で料金値下げはできないということでありました。というよりも、九月まで、その受信料の引下げも視野に入れて経営計画というものを九月ごろにやるということでありましたので、そこまで実はそれでしたら待って様子を見る、そういうことであります。
 いずれにしろ、やはり国民が平等でみんなでこのNHKを支えているという、そういう仕組みをつくることは私は極めて大事なことであると考えています。
#34
○小泉顕雄君 ありがとうございました。十分に思いを聞かせていただいたわけであります。どうぞ菅大臣におかれましてはリーダーシップをしっかり発揮をしていただいて、大臣の思いというものを形にしていただきますようにお願いを申し上げたいと思います。
 それでは、最後になるかと思いますが、地上放送のデジタル化ということが二〇一一年の七月一〇〇%移行ということで進められているということでありますが、私もこの辺のところについては余りよく理解はしていないのでありますが、このデジタル化について三点ほど質問をいたしますので、よろしくお願いいたします。
 まず、一つは、現在のデジタル受信機の普及状況、何か地域的に八四%がそういう可能域になったという話も聞いておるわけでありますが、現在の普及状況と、それからそのデジタル放送の視聴者数がどのようなものであるのかということ。それから、二〇一一年の七月に一〇〇%達成という話になるわけでありますが、現在八四%ということであります。二〇一一年の七月に一〇〇%達成というのは本当に可能なのかどうかと、こういうこと。それからもう一点は、一〇〇%移行した後ですけれども、現在使われておるアナログの受信機、私なんかもそればっかりなわけでありますけれども、そういったものを利用しておられる方々への対策というのはどのようなものなのか。
 以上三点、よろしくお願いいたします。
#35
○政府参考人(鈴木康雄君) お答え申し上げます。
 今委員御指摘の点、三点でございます。
 まず、受信機の普及状況でございますが、本年一月末現在で約千八百五十万台のデジタル放送受信機が出荷されております。その視聴者数は三千九百五十万世帯でございまして、これもパーセントにしますと、先ほど委員御指摘の八四%に相当いたします。
 二番目の御質問は、二〇一一年に一〇〇%に達するのかということでございますが、放送事業者の計画では、二〇一〇年までにアナログ放送受信者の九九%までデジタル放送の受信が可能となるように設置をしていくということだそうでございます。このためには、山間部、あるいはNHKと民放合わせて九千か所の中継局を整備していくことが必要となります。まずはNHK、民放ともに精一杯の努力をして中継局の整備を行っていただきたいと思っておりますが、残り一%につきましては民放、NHKの努力だけでは実施の見込みが立っていないということでございますので、大臣の強い指導によりまして、条件不利地域のデジタル中継局につきまして、来年度、平成十九年度予算に計上されましたICT交付金を活用して支援する措置も行ってまいりたいと思っております。
 また、三番目の御質問は、アナログ受信機はどうなるかということでございますが、デジタル放送を受信するためには、当然デジタルチューナー、あるいは今市販されておりますデジタルチューナー付きの受像機をお買いになるのが一番早いわけでございますが、それ以外にも現在のアナログテレビにデジタルチューナーを付けることによりましてデジタル放送を引き続きアナログ受像機で見ることができます。こうした受信方法もあるということを今後更に広く周知してまいりたいと思っております。
 以上でございます。
#36
○小泉顕雄君 ありがとうございました。
 私も、まずはデジタル、何というか、チューナーを買わなければならない部類に入るかも分かりませんが、いずれにしましても、速やかに移行できますように御尽力をいただきますようお願いをいたしまして、質問を終わらさせていただきます。
 ありがとうございました。
#37
○山崎力君 自由民主党の山崎でございます。
 今日はNHKの予算ということでございますので、いろいろ世間にも注目を集めている、こういったことについてあらかじめ少し共通の認識を得ておきたいということで、この予算の立て方そもそもなんですけれども、いわゆる受信料を幾らにするのかというのから、どういうふうな予算を組み立てるのか。そして、そこのところでは、我々最終的に国会承認ということになるわけでございますけれども、その間の総務省のかかわり方、そういったものの法的な決まりがどうなっているのかということを最初御披露願いたいと思います。
#38
○政府参考人(鈴木康雄君) お答え申し上げます。
 総務省のかかわり方でございます。その以前に、まずNHK内部におきまして、NHKは、放送法三十七条一項の規定によりまして、毎事業年度の収支予算、事業計画及び資金計画を作成いたしまして、NHKの経営委員会の議決を経て総務大臣に提出するということになっております。放送法三十七条二項によりまして、総務大臣は、その提出を受けた収支予算等に内容を検討した上で大臣の意見を付しまして国会に提出をすると、その国会で承認をいただくということになります。
 冒頭、受信料額についてのお話がございましたが、受信料額につきましてもこの収支予算の中に規定されておりまして、放送法三十七条第四項の規定によりまして、国会がNHKの収支予算を承認することによりNHKの受信料額が定まるというふうな制度になっております。
#39
○山崎力君 ということで、そうなりますと、先ほどの菅大臣の、受信料の支払義務化と値下げについてセットであるというふうにお話あったわけですけれども、これは単なる意見、要望なんでしょうか、それとも何か法的に意味のある問題なんでしょうか。
#40
○政府参考人(鈴木康雄君) 大臣の御発言についてはもう先ほど来、御承知のとおりだと思いますが、総務大臣は、放送法を所管する大臣といたしまして、NHKを含めまして放送全体の健全な発達について責任を持っているという立場でございます。受信料につきましては、通信・放送の在り方に関する政府与党合意の中におきまして、内部改革を進めるということと受信料値下げと支払義務化をセットの上で早急に検討を行い、必要な措置をとるとされております。
 現在、受信料を支払うべき方の三割が支払っていないという極めて不公平感を生じさせる状況になっておりますので、支払義務化をして受信料額を今のままでいくということは国民の理解が得られないものと考えておりまして、このため、放送法を所管する大臣といたしまして、受信料額の在り方について国民の負託にこたえるべく、その基本的な考え方を明らかにしたものであると、こういうものでございます。
#41
○山崎力君 ということは単なる考え方を、これは大臣の肩書持っているから軽いものではありませんが、考え方を述べただけであって、いわゆる今回の予算に対しての正規の意見という形で、総務省の意見として出したものではないというふうに理解してよろしいんでしょうか。
#42
○政府参考人(鈴木康雄君) 受信料値下げの部分につきましては二つございます。
 NHKの平成十九年度予算に付しました大臣意見の中でも値下げを検討するように依頼をいたしておりますし、また、長期にわたりまして値下げを検討すべきであるというのが、放送法全体あるいは放送の健全な発達のために必要だという観点から責任ある立場として申し上げたものだと思っております。
#43
○山崎力君 その際、大体二〇%引き下げて一千二百億円という額が出ておったようですけれども、これは何か根拠に基づいた形の数字だったんでしょうか。
#44
○政府参考人(鈴木康雄君) これも大臣が何度か御説明申し上げておりますが、国民の信頼を失ったといいますか、不祥事の発覚前はほぼ八〇%に近い支払率でございました。その信頼を回復することによりまして、当然、元の率であります八〇%までは回復できるだろうと考えておりますし、その上に受信料の支払義務化が法定されますと、その上に更に五%程度あるいはそれ以上は積み増すことができるのではないかということでございまして、そうなりますと年間千二百億円の増収効果があるというふうに想定いたしたものでございます。それに加えまして、NHK自身の経費削減による効果を加えますと、受信料額の二割前後の引下げが可能というふうな算定をしたものでございます。
#45
○山崎力君 今の総務省側からの説明について、NHKとしては総務省からのこの問題についてどういう形で話が伝わっているでしょうか。
#46
○参考人(橋本元一君) 私どもに対して何か正式な形でという要請はございません。受信料の義務化と平成二十年度から二割の値下げというお話、大臣の記者会見等の発表、これが報道などを通じて伺っておりました。
#47
○山崎力君 義務化とこの二割値下げということについてNHKは今どう考えているんでしょうか。
#48
○参考人(橋本元一君) まず、現段階でこの値下げについて、いつ、幾らというふうな根拠を持ち得ておりません。そのために、九月まで検討時間を要するということを申し上げております。
 通年、次年度の計画あるいは次年度以降の中期的な計画につきましては、その前の年、少なくとも上半期、この状況を確認した上で、我々、実際に経営として努力していける、そういう目標というものを積み上げております。
#49
○山崎力君 ということは、ちょっとここで事実関係を整理しなくちゃいけないんですが、二〇%引き下げで千二百億の額というのは、これはいつのことを想定した話なんでしょうか。今年度ではなくて、来年度にそうしなさいということなんでしょうか。
#50
○政府参考人(鈴木康雄君) 先ほどの試算は、受信料義務化になった後の五年後の試算でございます。
 ちなみに、先ほどNHK会長からは正式なお話はなかったということでございますが、何をもって正式なお話というふうにするのか分かりませんが、日常的な意思疎通の中では、その根拠は昨年十二月に示しております。
#51
○山崎力君 ちょっと余り看過できないような今の発言、局長の発言なんですね。何をもって正式かというか、NHKは聞いていないと言うし、総務省は正式に言ったと言っているんですね。これちょっと、いささか問題だと言わざるを得ないと思います。
 この問題背景、一々ここで共通認識としてもう説明する必要ないと思うんですが、不祥事があってがくんと受信料収入が減ったと、それをいかにNHKが信頼回復してやっていくか、こういうところにあるわけで、そのときに総務省というか大臣自らが、こういうことでやらぬと国民の信頼は得られないんじゃないかと、こういうことで数字が独り歩きしてきたということで、私が申し上げたいのは、いわゆる行政の、国民共通の財産とも言える公共放送のNHKに対して、国民の立場に立ってこういうことをしたらいかがかということになるわけですね。ということは、将来展望に向かってこうやっていかなきゃ信頼得られないよと、こういう話になるわけですが。
 それはそれとして、非常におせっかいといえば、NHKから見ればおせっかいかもしらぬけれども、国民からしてみればそんなものかなというふうな気持ちも当然出てくる部分ある。ただ、その言い方といいますか、内容が、数字を出して言ったと。といったことになると、これはNHKの正に経営に対する介入ではないだろうかと。収入が上がる、もちろん義務化によってどれだけ受信料収入が上がるかという担保は全くないわけですね。NHKの今の体制の、法体系の中で、これも国民がNHKを支えるつくりになっているはずですよ。それがこの間の不祥事でがくんと一割減った、それを何とか戻さないと今までどおりの放送体制はできないし、あるいはもちろんいろいろな経費削減はするとしてもですよ。
 そこで、上がった、それはNHKのいわゆる説得による経営努力かもしれないし、あるいは今度義務化ができれば、義務化による、法律による受信料収入率のアップかもしれない。その辺の判断というものが非常に難しい中で、その数字、二〇%、千二百億という数字が出ちゃったと。そうなってくると、これNHKの財政といいますか、もちろん最終的に我々がチェックして承認を与える形にはなっているけれども、NHKとすれば、正直この際国民に対してメッセージ発信した方がいいと思うのは、総務省の今回のことに対してどう思っているのかと、経営主体としてどう思っているのかということをお答え願いたいと思います。
#52
○参考人(橋本元一君) 実際に我々、この千二百億、受信料にしまして二割削減というこの御意見そのものにつきましては、とても受け入れることができないとはっきりと申し上げてまいりました。また、手続上のお話もございましたけれども、我々実際には、このNHKの予算が国会で承認されるまでの手続というものは総務省もよく存じているというふうに考えた上で、千二百億、二割というものはできないというふうにきっぱりと御説明申し上げました。
 ただ、その中で、やはり主体的に我々いろいろ計画というのは例年のようにしっかりと経営というものを打ち出さないといけないということで、九月までお時間を下さいということで申し上げてきております。
#53
○国務大臣(菅義偉君) 委員長、答弁さしてください。
#54
○山崎力君 質問していませんけど。
#55
○委員長(山内俊夫君) 山崎力君から。
#56
○山崎力君 じゃ、もう一点お伺いします。
 いわゆるNHKの今までの経営計画、予算について、総務省と当然毎年のようにこれまで打合せしてきたと思うんですけれども、事前の打合せですか、それともある程度NHKが主体的な予算を作って、その上でこういったことでよろしいでしょうかというすり合わせだったんでしょうか。どちらでしょうか。
#57
○参考人(橋本元一君) 通常、NHK自体がこの事業計画、予算計画というものを執行部が策定し、経営委員会で議決をいただき、これによって総務省の方に提出するということで、事前に手続とかいろいろ考え方の説明はございますけれども、具体的な内容についての考え方はNHK自身が持ってございます。
#58
○山崎力君 ということは、今回のいわゆる二〇%、千二百億ということの数字が出てきたののすり合わせは事前に一切、先ほど来の答弁では、NHKとしていなかったというふうに考えてよろしいんでしょうか。
#59
○参考人(橋本元一君) これについて、こういうふうな形で事前にお話があったというふうな、まあ先ほど正式というふうなことを言いましたけれども、これは正式というのはしっかりと文書等での形が整うというふうなことを考えておりますが、具体的にこの二十年度から二割というお話、そこまで具体的な話というものはございませんでした。
#60
○山崎力君 ちょっとNHKの説明と総務省の説明が違い過ぎると思うんですね。
 それで、先ほど大臣手挙げていらしたんでどちらでも結構ですが、総務省の方から、このNHKとの解釈の違いについて。それからもう一点、これは質問通告していませんけれども、事前にこういうことをNHKに対してというか、NHK以外のところに対して数字を出してやるというのは、行政のNHKへの介入だと、経営への介入だと受け止められるという懸念はなかったんでしょうか。
#61
○国務大臣(菅義偉君) まず、私どもは国民の電波を所管する責任がある立場であります。そういう中で、政府・与党でこのNHKの内部改革とそして義務化と値下げについて、これは書面において合意をいたしました。
 そして、私は当然義務化というのは、NHKが料金徴収についてなぜ、先ほど申し上げましたけれども、そうした事業所に対しての料金徴収ができないんだと、それは義務化されていない、そこも一つの大きな理由でありました。ですから、私は国民の公平、平等な判断を当然守るべき立場でありますので、義務化について検討しました。
 そして、海外で義務化を行っているところは平均九五%の実は料金収入を上げております。私ども、先ほど局長から説明しましたけれども、義務化をした場合、八五%の実は計算でその数字を出しました。当然、NHKと、何割になったらどのぐらいになるという数字の打合せを私はしているというふうに思っております。それが正式なのかそうでないかということはまた別問題でありますけれども、やはり所管をしている役所としてそうしたすり合わせというのは私は当然やってしかるべきであるというふうに思います。
 ただ、最終的に決定をするのはこの委員会でありますから、そうしたことに基づいてNHKが提出したものについてこの委員会で私は最終的に決着を図るというのが、これ当然のことであるというふうに考えております。
#62
○山崎力君 今のお話聞いても釈然としないですね。外国のところが九五%ある、これも確かにそういう数字ありますけれども、本当に税金と同じように、あるいはそういった形で公的な機関が徴収していて数字を上げている、国営放送なんかのそういった場合、罰則付きのところもある。今のNHKの置かれた、法律的に定められたスタンスとはまた違ってくると思います。
 また、義務化の問題でいえば、NHKの視聴料下がったといいます。もちろんそうなんですけれども、それじゃ税金の納税率どのくらいなんだ、あるいは国保、あるいは国民年金の徴収率どのくらいなんだというふうなことを考えた場合、それをすぐさま、いわゆる義務化したからできると、しかもそこのところに強制権はない人たちが、民間人がやるわけですよ。その辺のところはNHKに少し肩持ち過ぎたのかもしれない。しかし、今のお話でも釈然としない形で今回来ているわけです。
 それで、なぜこのようなことを言うかというと、単なるサービス機関じゃないんですよ、NHKは。報道機関という一面があるんです。時の政府、行政の介入を、というものであって、そこのところから報道がゆがめられたら、NHKの存在価値というのはほぼ九九%なくなると言ってもいいわけですよ。そこのところを全然理解されていないんじゃないか。
 国民の意見がそうだからといって、何でもできるわけじゃないんですよ。もちろん、国民の意向はそうだし、我々も考えなきゃいかぬ。しかし、我々が国会議員だからといって、国会で決めれば何ができるといったときも、憲法に保障されている、そういった憲法を変えれば何でもできるかといえばそういうものでもないわけで、今までの歴史の中で本当に積み重ねてきた、知恵として積み重ねてきたことを、幾ら多数があったからといって、触れてはいけない、やってはいけないこと、そういったことが私はあると思う。それが一つが報道の自由なわけで、NHKというのは報道の機関であるということなんですよ。
 その財政のところを、国民の意思だからといって数字を挙げて介入したということになれば、政府がNHKの経営に介入する、根幹にかかわることをすると、私はそのおそれなしとしない。そのことの自覚がNHK当局に本当にあるのかどうか、そこのところが今問われているんじゃないのかなと私は思っております。
 という意味で、先ほど来、会長のお話なんですけれども、九月まで待ってほしいと、こう言っていますけれども、何かその話というのは時間稼ぎ、あるいは値下げ率の値切り交渉のために待っているんじゃないかという印象すら持つんですよ。もう少しそういう意味でいえば毅然として、本当に自分たちが報道機関として中立公平な報道をやらなければいけないとすれば、自分たちが決めたことに対して批判してくれと、その前に言われるのはおせっかいだくらいのことをNHKとしておっしゃれないんでしょうかね。それが私は会長の資質だと思うんですが、いかがでしょうか。
#63
○参考人(橋本元一君) 我々NHKとしては、報道機関としてしっかりとその姿勢は示してまいっているつもりであります。おせっかいだというふうな表現はしておりませんけれども、元々私としましても、この問題につきましては、いわゆる支払義務化は公平負担という面からのテーマであります。それから、いわゆる還元施策としての値下げということは、これはやはり経営上の問題として、やはり収入を見込み、それから支出を見込む、この計画の上に立ってしっかりと、しかも責任をしっかりこの中に担保できるというふうな具体的な数字を作らないといけないと考えております。そういう面で、これは別物であるということはもう以前から申し上げておりました。
 そういう中で、やはり今回この支払の義務化の問題と、それから経営上のテーマで、まあ当然支払義務化というのも経営上のテーマでありますが、この値下げという問題については、やはり我々NHK自身としての経営のプランとしてしっかり示す必要があろうというふうに考えておりました。それを通年のように、やはり年度の上半期、この状況、推移というものをしっかり踏まえて作るためには九月までやはり待つ必要があるということを示しております。決して、こういうふうなことで、我々が今回のこの件で報道機関としての姿勢をゆがめている、あるいは弱体にしているということではございませんので、よろしくお願いしたいと思います。
#64
○山崎力君 ゆがめているって自ら会長が言うわけはないんで、ですからそこのところを姿勢として見なきゃいかぬ。だから、九月までなんと言わないで、我々がきちっと今の現状を踏まえて予算その他経営計画作るから、そのことについて言ってくれと、その時期が一応九月ごろだろうでいいわけですよ。九月ごろまでに何とかかんとか、だからどうとかこうとかという話じゃないんで、この本体は。そこのところでの発信、間違えているんじゃないですかと。NHKとして、放送局としてその発信の仕方間違えたら、これプロとして恥ずかしい限りですよ、報道機関としても、と私は思っております。
 もう一点、命令放送についてお伺いしたいんですが、この命令放送というのは予算当然出ていると思うんですけれども、どのような根拠で、国からも当然入っているんですけれども、どういうことで国はNHKにこの命令放送分の予算、今度法律で少し変えようということになっているようでございますけれども、その辺のところをお知らせください。
#65
○政府参考人(鈴木康雄君) ラジオの国際放送の実施命令に当たりましては、命令放送の実績及び許容される予算の範囲を総合的に勘案いたしまして必要な経費を積算したものでございまして、来年度につきましては二十一億六千万円を計上しております。この計算に当たりましては、ラジオの国際放送全体に係る運営の費用を人件費、放送費、管理費及び受信改善費に分けて算出した上で、命令放送に係る経費を案分して算出したものでございます。
 また、来年度初めて実施命令を行いますテレビの国際放送につきましては、外国人向けの放送番組の強化を念頭に三億円を計上いたしております。計算方法はラジオと同様でございます。
#66
○山崎力君 ただ、その内容についてはいわゆる自由度というか、NHKに任せるということになっているわけですね。どうもどこまでが政府の命令放送で、どこまでがNHKの問題なのか分からない。私個人的には政府の命令放送あってもいいと思うんです。ただ、そのときは要請であれ何であれ、政府からのお知らせだということで政府のクレジットを付けてやればこれはすっきり、どこからどこまでがあれだと、NHKの編集権を離れた問題の政府からの要請だと、そのくらいは公共放送としての義務としてやると、これなら分かるんですけれども、お金はもらう、中身はNHKの自由、まあ大枠のところはあるとしても、どこからどこまでがあれだということになりますと、これはやっぱりすっきりさせた方がいいんじゃないか。
 NHKとしてこの命令放送でもらっているお金というのはそんなに大変なものなんですか。どうせなら要らないというふうなことぐらい言えないものなんでしょうか。いかがでしょう。
#67
○参考人(橋本元一君) 命令放送につきましては、実際にNHKのブランドで放送し、海外で信頼されているということであります。また、命令放送自体、これは国際放送といいますか、国際放送の命令放送でございますが、これについてはやはり国として行う放送の性格ということが歴史的にも大変ございまして、この中でやはりやられてきたわけでございます。我々単純に、単純にといいますか、非常に性格を切り分けてNHKブランドだけで放送するということであれば、やはりこの国際放送の交付金というものは必要ございませんけれども、国が行う放送というものをNHKの編集権の中で一体的に行うにせよ、そうでないにせよ、行うということであればこの交付金というものがやはりこれまでの形の中で生きております。しかし、NHKブランドだけで、NHKだけが国際放送するという性格からは、この交付金というものは外しても許容できる、そういう金額だと思っております。
#68
○山崎力君 時間がなくなりましたんで、要望だけという形になると思います。答弁の時間はないと思いますが。
 どうもその辺のところが、今までの経過があったからこうやっているというだけであって、こういう事態になったら少しけじめを付けた方がいいんじゃないかと。どこまでが国の命令の放送なのか、どこまでがNHKの考えた放送なのか分からぬことでこれからずっとやっていけぬと思うんです、私は。
 それから、新たな国際放送で子会社をつくって委託して云々というのが今これから俎上に上ろうとしているというふうに伺っていますが、今さっきの話にあったように、子会社を整理しろといって新たな国際放送用の子会社をつくるというのも何かアクセルとブレーキ一緒に踏んでいるみたいでぴんとこないんですよ。それで、その分お金をだれがその株式を持って、その資本をだれが出すんだということになってくると、NHKの今までのやり方というものの反省に立ったものになるのか、それとも、それこそ国が発信したいんなら国がもう少し責任を持ってはっきりさせた形で出した方が、私は国民へも将来的な説明が付きやすい。そろそろそういったところのけじめを、国と総務省とNHKの関係のあれをすっきり、今はやりの言葉で言うとコンプライアンスと言うんだかどうだか分かりませんけれども、そういった時期に来ているんじゃないかというふうに私自身思っているということを最後にお話しして、私の質問を終えたいと思います。
    ─────────────
#69
○委員長(山内俊夫君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、小泉顕雄君及び長谷川憲正君が委員を辞任され、その補欠として河合常則君及び後藤博子君が選任されました。
    ─────────────
#70
○森元恒雄君 数点お聞きしたいと思います。
 今や二十四時間、三百六十五日、テレビ、ラジオが放送されていないときはないという時代でございまして、我々の生活からテレビの存在というものがもう切っても切れない関係にございます。かつてこの今日のそういう状況を見越してというか喝破して、大宅壮一さんが一つの警鐘を鳴らしました。テレビがどんどん普及していくと日本人が一億総白痴化してしまいかねないんじゃないかと、そういう懸念があると言われましたが、経営委員長に、今のこのテレビの現状についてどういうふうに考えておられるのか、最初にお聞きしたいと思います。
#71
○参考人(石原邦夫君) 先生おっしゃいましたように、テレビが二十四時間というお話でございますが、今後、放送と通信の連携によりまして新しいサービスがどんどん出てくるかと存じます。また、そういう中で使用形態、視聴形態というものも更に多様化することが予想されます。
 ただ、一方、そういう中におきましてもテレビは視聴者にとりまして最も身近でなおかつ最も影響力を持つメディアであり続けるのではないかと、こういう感じもしております。ただ、そういうことであるからこそテレビがその役割、使命が問われている時代はないと、これも認識しなければいけないと、こういうふうに思う次第でございます。
 NHKについて申し上げますと、例えば今回の地震等の災害報道はもとよりでございますが、視聴者のお役に立ち判断のよりどころとなる確かな情報あるいはニュースを御提供する。さらには、私ども、日本のこの我が国の文化の継承、発展、これに資する番組を提供する。さらには、地球環境ですとかあるいは少子高齢化、教育など、現代における重要なテーマに関する問題提起などを通じまして、例えば家族のきずなですとかあるいは社会との接点、こういった視聴者の皆様方の御期待と御信頼にしっかりとこたえていかなければいけないのではないかと。こういうことは常々考えているところでございますし、申し上げているところでございます。
#72
○森元恒雄君 日本の放送には公共放送と民間放送があるということはもう改めて言うまでもないわけでありますし、今委員長さんからお話がありましたこの放送の基本的な在り方というものは、公共放送であろうが民間放送であろうが基本的には変わらないんだろうと思うんですね。
 ただ、改めて法律を見ますと、なぜそうなっているのかなというふうにちょっと私自身が分からない点がありますので確認的にお聞きしたいと思いますが、まず第七条の目的に、NHKにだけ加えられているひとつの規律が四つございます。そのうちの三つは、まあなるほどNHKあるいは公共放送なるがゆえにそうかなと思うんですが、私が分からないのは、豊かでかつ良い放送番組を提供することと、この一項目がなぜNHKにだけあって民間にないのかと。
 もう一つは、番組準則が定められておりますが、これも、民放にはないNHKにだけ加えられているのが三点あります。それもまあなるほどというのはありますが、ちょっと分かりにくいのは、NHKだけ加えられている一つは、公衆の要望を満たすとともに文化水準の向上に寄与する努力義務と、それからもう一点は、我が国の過去の優れた文化の保存並びに新たな文化の育成及び普及に役立つようにする義務と。これなぜ民間放送にはこういうものがなくていいのかと、ちょっと分かりにくい、理解し難いんですが、大臣からお答えいただきたいと思います。
#73
○国務大臣(菅義偉君) 放送事業者というのは、NHKとか民放問わずに、有限、貴重な資源である電波を利用して言論報道機関として大きな社会的な影響力を有するものであります。健全な民主主義の発達に貢献するなど、公的な役割をこれ担っていることは申し上げるまでもありません。
 放送法は、放送事業者が番組準則に従うとともに、自ら定める番組基準に従って放送番組の編集を行うという自律を旨といたしております。これを受けて、民間放送連盟の定める番組基準において、民間放送は公共の福祉、文化の向上、産業と経済の繁栄に役立つことと、こういうことが使命と定められております。
 一方、NHKは国民に広く負担をしていただく受信料を財源とする特殊法人でありますから、その放送番組の編集等について、特に法律において今先生がおっしゃったようなことを規定されているところであります。
#74
○森元恒雄君 今の大臣のお答えでは私にはいま一つなるほどとすとんとこない面がございます。性格が違うのは分かりますが、さりとて、じゃ民間放送にはそういうものが求められなくていいのかといえばそうでもないし、そういうものを民放に求めると逆にいろんな面で差し障りがあるかといえば、それはないんじゃないかと思います。もしいろんな点で総合的、全般的に検討する機会があれば是非この点も併せて検討していただきたいと思います。
 公共放送がどうあるべきか、あるいは民間放送がどうあるべきかといろいろ議論があるわけですが、特に民間放送の私は問題点、問題性があるとすれば、それは余りにも視聴率を気にした番組編成になりがちだというところにあると思うんですね。番組のその質を何をもって判断するかと。これは単なるそういう量だけでは測れないものであると本来思いますが、それが単に視聴率という量だけで測られがちだ。そういう視聴率を求めて高く、いかに高く確保するかということが第一に置かれると。これは何とかしてこういうことをもう少し幅広い尺度、基準で番組作りが行われるように改める方法はないものかとかねがね私なりに考えておりますが、なかなかいい知恵も出てきません。
 視聴率云々というのは民間なるがゆえに避けられないといいますか、抜けられない一つのものであるとすれば、それにある程度歯止めを掛ける、ブレーキを掛ける役割を果たせるのはスポンサーではないのかなというふうに思います。委員長は経済人でもあられますので、正にそのスポンサーになり得るお立場でもあるわけで、経済界挙げて私は日本の民間放送の質を向上するためにスポンサーとしてどうすべきかということを考えていただけると有り難いなと思うんですけれども、個人的なお考えで結構でございますので、御所見をいただければと思います。
#75
○参考人(石原邦夫君) ただいまスポンサーとしての立場というお話でございました。
 私どもにとりまして、視聴者の皆様方のニーズというのはどんどん多様化しております。また高度化しております。そういった状況はこれからますます増えていくのではないか。そういった中で、先生がおっしゃいましたように、単に視聴率だけを追求するのではなくて、番組の質に着目するということが大事ではないかと、こういうふうに思っております。いわゆる視聴質と申しておられる方もおられるようでございますが、そういったことがひいては個々のスポンサーである企業のイメージですとかあるいは企業倫理等にもつながってくる。
 したがいまして、そういう観点から、私どもといたしまして、番組を評価、選定していくということがこれからますますまた重要になってくるのではないか、こういう認識でございます。そういった観点から、番組提供を行いました番組の事後的なチェックをしっかり行いつつ必要に応じては意見を申し上げるというようなスタンスもこれから必要になってくるのではないか、こういうふうに感じている次第でございます。
#76
○森元恒雄君 是非今のようなお考えを委員長さん個人のみならず多くの経済界の方々に共有していただいて、是非そういう動きが具体的に進んでくるように御努力をいただければ有り難いな、お願いをしておきたいと思います。
 今、日本の子供たちの教育の問題、学力、体力、気力あるいは規範意識というものが衰えつつあるのではないかということが各界でいろいろ心配をされておりますし、安倍内閣もそういう時代的な背景の中から教育の再生というのを内政の第一課題に掲げて取り組んでいるわけでありますが、この生活の規律の乱れとかあるいは学力の低下というものにテレビがいささか影響している面があるんじゃないかと、こういうことを指摘される専門家もおられるわけであります。特に、子供たちが夜遅くまでテレビを見ておるために朝寝坊して、起きれば御飯も食べずに慌てて学校へ駆け出していくと、その結果、十時ぐらいになれば空腹と寝不足でうとうととついついしがちだと、これが勉強に力が、身が入らない一つの原因じゃないか。
 子供たちにしっかりと早寝早起きと朝御飯を励行させるだけで、一か月でそのクラスの平均点が十点上がったと、こういう話も聞くわけでありますが、こういうテレビのいささかこの功罪の中の罪の面について、NHK会長としてはどういうふうに認識をされ、またNHKはそういうものにどういうふうに配慮しておられるのか、お聞かせいただければと思います。
#77
○参考人(橋本元一君) NHKでは、放送文化研究所というところで子どもプロジェクトということで、これは平成十四年度からでありますが、非常に小さな子供の成長過程を追いながらテレビとの関係というものを調査してきております。こういう中で、具体的にこれをどういうふうに考えていくかということでいいますと、やはり子供向けの放送の時間帯というものがいつごろがよろしいのか、どういう番組をどのように子供たちが吸収していくのかというようなことを追跡調査をやっているということでございます。
 そういう中で現在、我々、放送番組を編成するに当たりましては、やはり若年層の子供向けの番組につきましては、朝あるいは再放送をやったとしても夕方ぐらいまで、それから家族向きで、家族と御一緒に見ていただくような番組についても九時台までというふうなこと、あるいは八時、九時というふうな、そういうふうなことでやっていますし、また九時以降というのはもう完全に大人向けというふうな編成で番組を組んでいるとか、いろいろ工夫をしているところでありまして、できるだけ子供さんが夜遅くまで引っ張るというふうな、そういうふうな番組編成ということはしない努力ということを続けております。
#78
○森元恒雄君 是非、今の方針を堅持していただきたいと思います。
 私なんか小学生のころは、十時までテレビを見た日には明くる日とてもじゃないけど起きられなかった。おっしゃるとおり、九時ぐらいで子供向けは終わって、後は余り子供が見ても楽しくない番組に是非編成していただきたいと思います。
 次に、今のことと関連するんですけれども、いろんな調査、特にOECD等の調査で、フィンランドが学力で世界トップをずっと行っておりまして、フィンランドの教育の在り方というものが大変注目をされておりますが、ああいう北欧の国であって冬の夜が長い、我々からすると、そうすると当然テレビを見る時間も長いんじゃないかと思いがちですけれども、実際の数字を見ていると決してそうじゃない。じゃ、冬の夜は何をして過ごしているのかといえば、大人も子供も読書をして過ごしていると、こういうふうに言われておりまして、読書量がもう抜群に多いと、そのことがフィンランドの学力を支えている大きな要因ではないのかなと言われておりますが。
 そういうことからしても、やっぱりテレビが大変面白くて楽しくてためになるという点は結構なんですけれども、そのことがほかの生活に、時間を奪ってしまうということに余りにもなると、これまたいろんな面で悪い影響が出てくるんじゃないかと。視聴率が高い方がやっぱり放送人としては望ましいと思いがちだと思いますが、余り視聴率をそういう意味でも意識しないで公共放送として私はやっていただきたいなと思うんですが、もしお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。
#79
○参考人(橋本元一君) 子供の読書に対する、あるいはいろいろ考えを、創造的な考えをつくり出す勉強、こういうふうなものが大変重要でありまして、NHKの子供に対する取組というものもやはりこういうところにポイントを持ってございます。具体的に番組でいいますと、読書の大切さといいますと「おはなしのくに」というふうな番組等がございます。それから、日本語の大切さというふうなことでいえば「にほんごであそぼ」という番組とか、あるいは学校放送の内容としても国語番組等行っているところであります。
 こういう中で、基本的に我々、先ほど申しました子どもプロジェクトというふうな中でも、よりその効果を高めるためにはどういう方法を取ったらいいかということも研究してまいりたいと思いますし、それから、実は毎年一回、世界各国の教育番組、特に子供の番組を作っているプロデューサーたちがNHKへ集まって、いわゆる識字率を高める、あるいはそれぞれの国の国語、文化、こういうものを教えるためのテレビ番組はどんなものがいいかというふうな取組等、コンクール等もやっているところでございます。
 こういうものによって、今後も子供に対する教育的な貢献ができる番組というものを考えてまいりたいと思っております。
#80
○森元恒雄君 今、NHKのお考えをお聞きしましたので、大臣から、民間放送も含めて御所見をお伺いできればと思います。
#81
○国務大臣(菅義偉君) 放送事業者は自ら放送番組の編集の基準を定めて、これに従って児童及び青少年の視聴に十分配慮した放送番組を作っていくことに努めてほしいというふうに私自身は考えています。
 テレビが子供が本を読まない、家で勉強しない原因であると、それはどこまでそうかは分かりませんけれども、少なくとも小学生の八割程度が一日平均二時間以上テレビを見るというそういう調査も実はあったわけでありまして、子供がテレビを通じて受ける影響が極めて大きいというふうに考えています。
 そこで、放送事業者としても、こうした現実と自らの公共的役割を十分認識した上で、子供たちにとって有益な質の高い放送番組の提供に積極的に取り組んでいただきたい、こう考えています。
#82
○森元恒雄君 じゃ、ちょっと話題を変えて、政府広報についてお聞きしたいと思いますが、政府提供といいますか、政府の広報を、今、国内向けでは民間放送を通じてはやっているわけですが、NHKは公共放送だということで、そういうものが事実上といいますか、制度上できないと、こういうふうに承知しておりますけれども、私は、民放を通じてやるのも結構ですが、全国あまねく、それこそほとんど難視聴地域がないぐらいに行き渡っているのはNHKの電波ですから、それが使えないというのは何か非常に不自然なような気もするんですね。
 それで、公共放送だからできないんだというふうにお聞きしておりますけれども、いま一度、なぜなのかと。あるいは、外国では公共放送を使った政府広報というふうなものがなされていないのか、分かっておればお聞かせいただければと思います。
#83
○国務大臣(菅義偉君) 受信料を主たる財源としますNHKの放送については、受信者に公平に提供されるというのが第一義であります。このため、政府を含む特定の者の放送をNHKが行うことは、NHKの公共性格と相入れずに現行法上は認められておりません。なお、民間事業者においては政府広報番組を放送しておりますけれども、この場合において政府は一般企業と同じスポンサーとしての立場にあるものであります。
 全国くまなくという話の中でありますけれども、NHKが自らの判断で政府の施策等について番組を作ることはこれは当然重要なことでありまして、一方、NHKが対価を得て他人の事業に関する放送をすることは、それが政府広報であったとしても、特定の者の利益のために放送が行われることはNHKの公共的性格と本質を相入れないこと、広告放送による収益をその財源とする民間放送事業者の経営を不当に圧迫するおそれがあることなどから、慎重な検討が必要というふうに考えています。
 また、諸外国の公共放送でありますけれども、政府広報については現時点で必ずしも詳細に把握をしておりませんが、例えばイギリスのBBCにおいては法律や特許状において政府広報が禁じられているものではないが、現在は実施されていないということであります。また、フランスの公共放送F2においては、政府と公共放送事業者が締結する協定の中で交通安全や消費者関連情報番組を一定時間放送することとされておりますが、これが政府広報なのか命令放送なのかというのは不明であるところであります。
#84
○森元恒雄君 先ほどもやり取りがありましたが、国際放送の命令放送では交付金を出して放送しているわけですね。それと、国内向けでは政府広報ができないということとはどういう関係にあるのか、御説明いただければ有り難いと思います。
#85
○国務大臣(菅義偉君) 国際放送は、我が国の見解や国情を正しく外国に伝えること、海外同胞に災害、事件等を迅速に伝えること等の使命を実は有するものでありまして、命令放送は、この国際放送に関し、NHKに任せるのみでは十分でなく、国として実施することが必要な放送を確保するためのものであって、我が国の制度に実はなっております。
 この命令放送の実施に当たっては、表現の自由や報道の自由を極めて重要であるという認識の下に、従来からNHKの編集権にも配慮してきたところであります。国が制作した番組を手を加えずに放送する、あるいは命令放送の部分を切り分けて放送するのではなく、NHKの自主放送と命令放送が一体と行うことによって国際放送が効果的に行われるものと考えております。
 また、現在、命令放送を要請放送とするという、そういう検討中でありますけれども、基本的な性格は変わらないだろうというふうに考えます。
#86
○森元恒雄君 いや、お聞きしたいのは、外国向けであれば現在のその命令放送もNHKを通じて流すことは是であるけれども、国内向けであれば不可という理由がいま一つちょっとよくのみ込めないものですから、もう一度そこの違いですね、なぜ国内だとできなくて外国向けだったらできるのかと、もう一度おっしゃっていただけませんでしょうか。
#87
○国務大臣(菅義偉君) この国際放送の中で我が国の見解、国情を正しく外国に伝えること、また同胞に災害、事件等を迅速に伝えることの使命を有している、海外で生活する日本人の皆さんにそうした国内の状況を報告、説明をする、そういう使命の中でこの国際放送というのがあるということであります。
#88
○森元恒雄君 平たく言えばあれでしょうか、海外放送の場合には、国際放送の場合にはNHKを使うしか方法がないと、国内の場合には民間放送もあると、こういうふうに理解すればよろしいんでしょうか。
#89
○国務大臣(菅義偉君) そういうことでも私はないと思います。
#90
○森元恒雄君 もう少し私自身も、じゃ勉強してみたいと思いますが。
 一点、ちょっと今命令放送を要請放送に変えるというようなことで検討されているようですが、いずれにしても、命令とか要請といっても、何か言葉は若干柔らかくなっても、指示するといいますかね、いうようなニュアンスが強いんですが、これ民間の場合のスポンサードと同じような考え方で一般的に受け取られるような用語の方が実質的、実態に合っているんじゃないかなという気もするんですね。そういう意味では、委託放送というような名前の方が私はふさわしいんじゃないかなという気もいたしますが、いかがでしょうか。
#91
○国務大臣(菅義偉君) 国が制作した番組を手を加えずに放送するか、あるいは命令放送の部分を切り分けて放送する、そういうことでなくて、今私ども取っていますのは、自由放送、命令放送、一体とした方が国際放送が効果的に行われるだろうと、そういう観点からそういう形にさせていただいているところであります。
#92
○森元恒雄君 じゃ、最後に受信料について一点お聞きしたいと思いますが、NHKのその受信料というのは基本的な性格は何か、なかなか難しい点があると思うんですね。
 基本はやはり受益者負担金的な性格が強いんだと思いますが、しかし、必ずしもそうでない部分もあるんです。それは、テレビを見ても見なくても受像機を購入しておけば支払わなければいけないと、こういうことだと思うんですね。スクランブル化することが受益者負担金的な性格を徹底させる一つの道だと思いますけれども、それはお聞きすると公共放送の性格になじまないというようなことであります。
 そうだとすれば、受像機があることによって具体的な便益を受けていなくても払うということは、やっぱり共益費的なものであり、みんなで協力し合って支え合っていこうという性格のもの。だとすれば、限りなく私は税金に近いものではないのかなというふうに思います。そうであれば、今のような受信料の性格をこの際もう少し税に近いような形に改めるというのが方向としては望ましいんじゃないかと。むしろ、海外ではもっと日本よりも税にほとんど近い、あるいは税と一体として徴収するというような国もあるようですので、そうするべきではないかと思いますが、大臣としてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#93
○国務大臣(菅義偉君) まず、このNHKの受信料についてでありますけれども、かつて内閣法制局長官が、民放とは別に言わばナショナルミニマムとしての公共的放送の享受を国民に保障する必要があるという考え方を基礎といたして、その公共的放送をNHKの業務として行わせるための一種の国民的負担である、こういうふうに実はNHKの受信料について法制局長官が述べております。
 私は、先ほど来議論にあるわけでありますけれども、やはり国民の皆さんに公平公正というのは私、極めて大事だというふうに思っています。そういう意味で、今の受信料体系というのは約三割の人がもう受信料を収めていないわけでありますから、そういう意味で広く義務化を行って、受信料を皆さんに負担をしていただく。そういう中で、増収分については料金値下げに使って、正にこの趣旨に合うような形に行うべきであるということを私は考えているところであります。
#94
○森元恒雄君 私も義務化をする方向は賛成でございますが、その場合にはやはり受信料の体系をもっとより公平公正なものにしないといけないんじゃないかというふうに思います。
 技術が進んだり生活のスタイルが多様化してきておりますので、従来の世帯単位、あるいはその本来の受像機単位というようなものは少し実態に合わなくなっているんじゃないかと。例えば、二か所に家があれば、世帯は一つでも二か所分を払わないといけない。逆に、世帯で、一人世帯であっても十人世帯であっても一台分でよろしいと。あるいは、本来のテレビは一台払わないといけませんが、パソコンでテレビを見たりカーナビでテレビを見たりワンセグでテレビを見てもそれは払わなくてよろしいとかですね。要するに、そういうライフスタイルの変化とか、多様な器具が出現した、それにうまく合っていないんじゃないかと。この際、やっぱりそういうものを総合的に一から見直すというようなことが必要じゃないかと思いますが、最後にその点お聞きして終わりたいと思います。
#95
○参考人(小林良介君) ただいま御指摘いただきましたとおりでございまして、世帯の場合、この世帯によりましては何台もテレビがもう既にあると、あるいは通称モバイル系と申しておりますけれども、自動車テレビ、これは携帯端末といいますものなどが普及しております。こうした視聴形態の多様化に応じまして、より公平で合理的な受信料体系をどうするかということは正に喫緊の課題であるということで検討すべき課題だと考えています。
 こうした検討に当たりましては、視聴状況をどう把握するのか、またその把握、あるいは現実に契約、収納していただくそのコストをどう見るかなど、現実の運用の合理性といった点も踏まえながら検討することが不可欠であるというふうに考えています。そういった観点から検討を進めてまいりたいと思っております。
 ただ一点、世帯単位ということに関しましては、現在の受信料体系の基礎としての世帯単位というのがございます。これにつきまして、その世帯単位に御負担いただくという考え方、これにつきましては、公共放送、広くごらんいただき広く御負担いただくという観点からは合理性を持つものであるというふうに考えております。それゆえに、現実に海外の公共放送機関、多くの公共放送機関におきましても、この世帯単位というものが長年定着しているというふうに認識しておるところでございます。
#96
○委員長(山内俊夫君) 午前の質疑はこの程度とし、午後二時十分まで休憩いたします。
   午後零時一分休憩
     ─────・─────
   午後二時十三分開会
#97
○委員長(山内俊夫君) ただいまから総務委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#98
○高橋千秋君 民主党・新緑風会の高橋千秋でございます。
 午前に引き続き質問をさせていただきたいと思います。
 まず冒頭、能登の地震で被害を受けられた皆さんにお見舞いを申し上げたいと思いますが、私も地元で車の中でテレビを見ておりましたけれども、NHKの、先ほど午前中にも景山委員の方からもお話ありましたが、ああいう地震のときとかについては、やはりNHKの機動性というか、非常によく発揮をしているなというふうに思いました。その意味で、大変NHKの存在意義を示すのはああいうときというのは非常に大きいなということを思いました。
 午前中からの質問を聞いていても、この後ほかの党からも質問がありますが、基本的にはそのNHKの存在意義というのはみんながある程度認めているんだろうと思うんですね。その中でここ数年いろんな問題が起きてきて、受信料の支払拒否等の問題が起きてきた。私も会長に質問させていただくのは多分三回目ぐらいになると思うんですが、毎年質問をさせていただいています。大変厳しい質問をさせていただいてまいりましたけども、やはりそれは、それぞれが、やっぱりNHKの存在意義というのは非常に大きい、大きいけども、それにちゃんとこたえていないという部分もあるから、やはり午前中の自民党からの質問でも大変厳しい質問が出ておりましたけれども、やはり国民の期待に対してきっちりとこたえてこれていないというところに大きな問題があるんだろうと思うんです。
 まず冒頭、私も決算委員会それから予算委員会、NHKの決算それから予算、それぞれの質問で何度も質問をさせていただきました。前の会長に対しても質問をさせていただいたんですけれども、特に去年なんかはその支払拒否の問題が出て、やはりNHKがここで自ら変わったんだというところを見せる大きなチャンスだという話をそのときにさせていただきました。
 その後、原田理事だったかと思うんですが、私、三重県の津の放送局が、デジタル局が開局の式典がありまして、私は地元の民放局の開局のつもりで行ったらNHKの開局だったものですから、皆さんに後で取り囲まれた覚えがございましたけれども、そのときにもお話をさせていただいたんですが、せっかく国民に対してNHKは変わるんだという姿勢を見せる大変大きなチャンスではないかというお話をさせていただいたんですが、今日の午前中にもいろいろ論議がありましたけども、やはりまだ私はその変わったんだというところが十分国民に見えていないように思うんですね。だから、支払拒否は下げ止まったということでありますけれども、まだまだいろんな不信感がNHKに対して残っているというのは現実だろうと思います。
 その意味で、どこが変わったということを言うのはなかなか難しいかも分かりませんけれども、自らその姿勢を見せてきていただいたんではないかとは思いますが、ちょっと分からないところがあるんで、NHKとしてどこがどう変わってきたのか、その部分を会長の方からお話をいただけますでしょうか。
#99
○参考人(橋本元一君) お答え申し上げます。
 NHKとしても、このNHKの経営そのものの改革に向けて全力投球してきたところであります。着実にこの改革、業務の改善、あるいは職員、役職員の意識改革、いろんな様々な方法を取ってまいりました。
 NHKが変わってきた大きな点としまして、やはり我々一番大切にしている視聴者第一主義といいますか、この精神をいろいろ番組の中に十分込めてきた点、それから、日ごろの業務そのものを行うに当たっての基本的な考え方に浸透してきた点、これがまず最大のやはり改革だと考えております。そういう実際に放送番組というものでいかに視聴者にこたえるかということ、これは最大のNHKのテーマでありますし、これによってしっかりとその姿勢を見せていくことというのは、もう日ごろから当然のことながら大事なことと考えております。
 あと、具体的に細かい手段も含めて御説明申し上げますと、やはりこれ以外に一番大きな命題でありましたコンプライアンスという点でありますけれども、これについては、いわゆる不正経理が行われないように、昨年以来、コンピューターの経理システムを具体的にプログラムを開発し直す、あるいは実際の監査の方法についてもいろいろ様々な方法を外部の先生方からのアドバイスもいただきながら取り込んでまいりました。
 一つ大きなのは、やはり昨年、年度当初に起こった不祥事以降、全局、全部局にわたって過去七年間、過去のうみはすべて出し切るという決意を込めて行った全部局調査、これは昨年の暮れに発表させていただきました。
 こういうことを通じて、役職員が今後不祥事を起こさないという気持ちを植え付ける、そういうふうなことにもつながっていると思いますが、着実にNHKはこういう点で変わってきております。
 実際に、より、経営面でのやり方でありますけれども、できるだけ民間企業が行っているような中央統制的な手法も導入しております。実際に、PDCAというサイクルを業務の中にどう生かすかというふうなこと、あるいは中央統制の効果というものを組織の隅々まで広げる対話活動、あるいは職員の意見を直接私に届けてもらうような活動、そういうものも繰り返しております。
 実際に、したがって、この相乗的な効果によって大きな回復のパラメーターである財政的なものについても回復の機運といいますか、これをもたらしているというふうに考えております。
#100
○高橋千秋君 午前中の質疑でも総務省側とNHK側の意見の食い違いのような部分もあったように思いますが、総務大臣はまだ就任をされて、その前の姿のときには直接携わっておられなかったとは思いますけれども、事前通告をしておりませんので感想で結構ですが、大臣としていろいろNHKに対してもいろんなことを御発言をされておられますが、NHK自身が変わってきたというふうにとらえておられますか、それとも変わっていないんでしょうか。大臣はどういうふうな感想をお持ちでしょうか。
#101
○国務大臣(菅義偉君) 少なくとも国民の皆さんの考え方の中で、例えば受信料などは不平等である、あるいはまた、NHKそのものに対してのやはり私はまだ信頼感というのは回復していないというふうに考えております。
#102
○高橋千秋君 私も大臣と似た感想を持っておりますが、先ほどNHK会長が、橋本会長がお話をされましたが、確かに自らは変わったというふうにとらえておられるのかも分かりませんが、外部から見るとそのようにまだまだとらえていない人がほとんどではないか。
 今回の値下げ問題等が出ましたけれども、後でこのお話もさせていただこうと思いますが、私は、総務省が言うまでもなく、NHK側として何らかのそういう姿勢を見せるというのも大きな変わったところを見せるチャンスではなかったのかなというふうに思うんですが、残念ながら、その義務化の問題と値下げの問題、ワンセットの話がありましたけれども、そういう姿勢を見せられなかったところに私はまだまだ変わり切れていないんではないかなというふうに思います。
 その受信料について午前中もいろいろ論議がありましたけれども、この受信料というのは、支払については義務化が明示されていなくて、受信契約の締結が義務化をされているわけなんです。あえて直接の支払義務ではなくて、契約の義務化が求められているというところにこの公共放送の意義があると思うんですね。
 大臣、これについてどういうふうにお考えですか。
#103
○国務大臣(菅義偉君) ここに至るまでの歴史がありまして、戦前の無線電信法におきましては、放送の受信を許可制とした上で許可申請の際にNHKとの受信契約書の添付を義務付けておりました。
 このような経過を踏まえて、戦前の放送制度を戦後の新制度に改める際に、その円滑な移行を図る観点から、昭和二十五年の放送法制定時に受信契約締結義務の制度を導入したものでありまして、その後に放送受信規約において支払義務が発生をしている、こういう実は歴史的経緯があります。
 なお、受信料の支払義務化につきましては、過去に昭和四十一年と五十五年にその内容を含む法案を提出したところでありますけれども、国会審議未了のために廃案となったという経過があります。
#104
○高橋千秋君 NHK会長の方は、この直接の支払の義務化じゃないというところにどういう意義を考えておみえになります。
#105
○参考人(橋本元一君) これはNHKの契約するという意思というものが大変尊重された書き方といいますか、とらえ方であろうと思います。元々許可制という歴史的な流れがやはり契約というところに結び付いているかと思います。あと、受信規約の中で支払義務ということがうたわれてございますけれども、ここのところをNHKとしてのいわゆる努力という中で広げていくという形がこの二段構えの構図の中に込められているのではなかろうかと思います。
#106
○高橋千秋君 今回のこの受信料の支払の問題で、義務化それから値下げ等の、それから内部改革、この三点セット、総務大臣からもお話ありましたけれども、NHK側とすればこの支払の義務化をしてほしいというお考えなのか、いかがなんでしょうか。
#107
○参考人(橋本元一君) この支払義務化というのは、言い換えれば、現在でもある支払の義務というものを明確に放送法上にうたうという意味があろうかと思います。これは、いわゆる二段構えでできている契約義務、支払義務というものが一本化されることによる分かりやすさということが、今日的にやはり大変この分かりやすさの意義があろうというふうに考えております。
#108
○高橋千秋君 支払拒否を続けておられる方に、NHKのいろいろな不祥事を理由に支払拒否を続けておられる方がおみえになります。そういう方々の中では、改革が進めば支払を再開してもいいというふうに考えておられる方がいるというふうにも聞いています。しかし、それは現行の制度の中で認められるというふうにお考えですか。
#109
○参考人(小林良介君) お答えいたします。
 受信料制度は、テレビをお備えの方に公平に御負担いただくということが大原則であります。したがいまして、理由のいかんにかかわらず支払を保留されることは現行の制度におきましては認められていないというものでございます。
 なお、当然ながら、そういう方に対しましては、全役職員が視聴者活動をさせていただいておりまして、いろんな形でNHKの改革の取組を御説明して御理解とお支払をお願いしているところでございます。
#110
○高橋千秋君 総務大臣は、午前中もお話しされたように三点セットでお話をされました。当然、義務化をするんであれば値下げという話も出てくるんだろうと思うし、改革ということも当然の話だろうと思うんですが、そのことによって、総務大臣のそれをとらえる意義として、値下げの部分をとらえておられるのか、義務化の部分をとらえておられるのか。値下げをすれば収入は全体としては減るかも分からないけれども、義務化するとほかの取れなかったところも取れますから、全体とすればNHKにすれば収益アップになって助かるじゃないかというような考えでやられるのか、それとも、むしろNHKに対するペナルティーじゃないですが、強い意思をお見せになるということを主題として考えておられるのか、その辺はいかがなんでしょうか。
#111
○国務大臣(菅義偉君) まず、私の基本的な考え方は、NHKはやはり全国あまねく放送する国の極めて大事な放送局であるというふうに私は考えています。そして、それを支えるのがやはり多く国民が平等でなければならない、こう考えております。
 そういう中で、現在この平等性がどうなっているかということでありますけれども、約三割の方が現時点において受信料を支払っていない状況であります。私は、この状況というのはやはり異常な状況だと思います。それと、六千億円のこのNHKの予算を確保するために受信料七百六十億円、十九年度でありますけれども、その経費が掛かっているということであります。果たして六千億強のお金を収納するのに八百億円近いお金が掛かるかどうか、ここがやはり私は非常に疑問なところであります。
 それは、この受信料の約八割がこれは銀行振り込みだそうでありますけれども、それ以外の部分についてやはり全国に五千六百人の地域スタッフという人が本当に必要であるのかどうか。様々なNHKのやはりこうした料金徴収に対しての私は改革というのを強く求める必要があるというふうに思いますし、そしてまた広く国民に義務化することによって、海外においては九五%ぐらいの収納率を上げております。そこまで行かなくても、少なくとも不祥事の発生する前は八〇%収納されておりましたので、それよりは多分多くなるだろうというふうに私は考えています。
 そうした義務化するということは、これは国民にとって極めて大変なことでありますから、当然そこにおいて値下げというものが私はセットになるというふうに考えておりまして、私の、政府与党合意の中でもNHKの内部改革、そして義務化と値下げというこの三点というものがセットに検討されてきたところであります。
#112
○高橋千秋君 ということは、その義務化をもしやるとすれば、大臣のその考えの中ではそれは、払わない場合は罰則を規定をするということの義務化というお考えなんでしょうか。
#113
○国務大臣(菅義偉君) 罰則は考えていない義務化であります。
#114
○高橋千秋君 そうすると、今とどう違うんでしょうか。
#115
○国務大臣(菅義偉君) 今、NHKで裁判をされています。最初から支払契約をしない方に裁判を行うことはできないということになっております。もっと言うと、最初からその契約をしない人については何も言及することができないわけであります。
 さらに、先ほど申し上げましたけれども、例えばホテル、先ほど来言っていますけれども、東横インというのは会計検査院の調べでは五%しか全室支払をしていない。そうしたものに対しても、やはり当然これは義務化においてそうした今行っている裁判ということも可能に実はなるというふうに思っております。こうした事業所の体系というのは、私はまだまだ不透明な部分が余りにも多過ぎるということも不平等感の一つであると考えているところであります。
#116
○高橋千秋君 昨年のこの委員会でそういう話が出ましたけれども、結局裁判を起こすということになると、それだけの経費も掛かるわけで、それが本当に得策なのかどうかという問題があると思いますし、それから義務化、去年なぜあれだけ支払拒否が起こったか。それは、一つは支払を拒否しても罰則がないということを国民が知ったという一つのきっかけがあっただろうと思うんですね。罰則を付けるべきだと言っているわけではなくて、義務化をするんであれば、何らかのそういうものがないと効力は成さないんではないかなというふうに思います。
 ただ、私は、この義務化をするということは国営放送とどう違うんだろうと、公共放送と国営放送の違いのような部分も少し懸念を持ちます。小泉さんが総理の当時、よく話題に出ていたのは、むしろNHKの民営化という話がよく出ていたように思います。今回の義務化というのはむしろそれとは逆に国営化の方に流れているような気がするんですね。私は、公共放送という意味と国営放送というのとやっぱり全然違うと思うんですが、その辺どうお考えですか、大臣。
#117
○国務大臣(菅義偉君) 先ほど来申し上げていますけれども、この受信料というのは、公共的放送をNHKの業務として行わせるための一種の国民的負担、これが実は法制局の見解であります。受信料の支払義務化というのは、受信料収納の円滑に資するために受信料制度の趣旨を簡明に表すことを目的としたものであって、これによって特殊な負担金としての受信料の性格というのは私は変わらないというふうに思います。また、自主自律を基本とする公共放送としてのNHKの性格にも大きな影響も私は及ぼさないというふうに思います。例えばイギリス、ドイツ、イタリア、韓国といったところは、公共放送でも受信料の義務化というものを行っている例が多いところであります。
#118
○高橋千秋君 結果的にはそういう形になるかも分かりませんが、国民の受ける感覚とすればすごく、例えば裁判するぞとか、あるいは罰則があるぞとかいう形になったときに、すごく威圧的なものを感じると思うんですね。その意味で、今までのNHKの公共放送、皆様のNHKという、そういう姿勢とはやはり少し変わってくるんではないかなという懸念も持っています。
 それと、義務化されればNHKは、先ほど視聴者第一というお話をされましたけれども、余りそこを考えなくなってしまうんではないかなという心配もあります。それは懸念かも分かりませんが。
 ただ、今回、冒頭にお話をさせていただいたように、私は、値下げという部分を考えれば確かに収入は減るかも分からない、だけど、NHKの姿勢を示す意味では私は値下げをNHK自らがどこかでぼんと先に打ち出すべきではないかなというふうに思ったんですね。そのことに対してNHKは、総務大臣からのお話の中で、拒否をされたようでありますけれども、私は、会社とすればどこかでそういう姿勢を見せるべきだし、見せる大きなチャンスではないかと思うんですが、会長、いかがでしょうか。
#119
○参考人(橋本元一君) 確かに、視聴者の皆さん方にいかにしてNHKの姿勢を見せるかという中では、やはりこの増収が来された場合の還元の策というものの一つとして値下げということは考えられようと思いますが、しかし、我々実際に事業運営を行っていく中でその還元策はいろんな還元策を考えてまいりたいと思っていますし、そういうふうなものについては、やはりしっかりとした収入見通しあるいは支出見通しというふうなものを考える中で可能な値下げということも全く拒否している、否定しているわけではございません。これは以前からも申し上げていますけれども、そういうふうな還元策の一つとして、我々、経営の中で考えて打ち出していこうということは思っているわけでございます。そういう中で、やはりそのような計画自体を自ら打ち出していく、そのためにしっかりと検討させていただきたいというふうに考えております。
#120
○高橋千秋君 ということは、値下げも考えておられるということですか。今日午前中で九月という話が何度も出てきましたけれども、その時点では値下げということも打ち出すという予定はあるんでしょうか。
#121
○参考人(橋本元一君) 値下げという還元策は我々否定するものではございません。経営的なシミュレーションの中でその可能性というものを検討してまいりたいと考えております。しっかり視野に入れて、念頭に置いてやっていきたいと思います。
#122
○高橋千秋君 私は、不祥事問題が出てもう一年以上たつわけで、あのときにもお話をさせていただいたNHKが変わったぞと見せる大きなチャンスというのは、そのときの話では人事の話をさせていただきました。そのときに、理事をごそっと総入替えして新たに生まれ変わるんだみたいな話を国民に見せるべきではないかという話をそのときさせていただきましたけれども、今回の値下げについてももっと早く打ち出すべきではないかな。当然予算を審議するときに、九月と言わなくても、予算を打ち出すときに私はNHK自らが、それは時間が掛かるというお話でありましたけれども、素早く対応すべきではないかなというふうに思うんですね。
 NHKの内部の方々と聞いていても、その動きが、NHKが大きくなり過ぎて動きが非常に鈍いというお話を聞くことがあります。まるで恐竜のようになってしまっているんではないか、いずれ体が、ずうたいが大きくなり過ぎて絶滅をしてしまうんではないかという、そういう心配の声も聞きました。正に私は素早く動くということがNHKにも求められていると思うんですけれども、NHK会長、もう一度いかがでしょうか。
#123
○参考人(橋本元一君) 改革の中でできることはすぐ着手してまいっております。人事の面も素早く対応したと考えております。
 しかし、財政的な状況を申しますと、やはり不祥事以降のところで我々相当の規模のマイナスを来しました。まずはこの財政回復というところに全力投球してまいったわけであります。その成果が実際に三か年計画、十八、十九、二十の三か年計画の中で、およそ十九年度、二十年度、それぞれ百億ずつ回復努力というものを、回復目標を掲げたわけでありますが、これが我々実際にこの十九年度、一年前倒しでほぼこの三年計画の財政を来したということであります。
 ただ、まだまだ回復ということでいえば、十五年度あるいは十六年度の決算からは相当開きございます。こういうものについてしっかりと経営的な安定性というものを見極めない限り、その実現の担保というものをしっかりと見極めてまいりたいと思いますので、これについては慎重な検討が必要かと考えております。
#124
○高橋千秋君 経営の安定ということも大変重要なことだとは思うんですが、やはり国民にとっては分からないんですよね、変わったかどうかとか。そのアピール度という部分でいえば、私はもっと素早く対応すべきではないかなというふうに思いますし。
 それから、経費の問題については、先ほど大臣から六千億のお金を集めるのに何百億ものお金を使って集めることがいいのかどうかというお話がありました。それ自体、NHKとすれば余り高いというふうには考えてみえないようなことを聞いておるんですが、十数%掛かっているということに対してどういうふうにお考えですか。
 それと、その経費の削減という問題、数年前の私たちの同僚の質問からタクシーチケット代の質問が出ました。そのときに、タクシーチケット代が年間NHK全体で二十数億使うというお話がありました。これが安いのか高いのか判断は分かれるところだと思うんですが、そういう問題一つ一つのことの経費の削減ということに対してちゃんと対応をされてきているのかどうか。
 それともう一つは、一部週刊誌に、NHKが結局経費を削減を一気にやったら経費削減がし過ぎて、この年度末にお金が余り過ぎて、番組制作に対して大盤振る舞いで、とにかく金使えみたいなことが、指令が出たみたいな報道が一部週刊誌に出ました。これは事前通告しておりませんが、それが本当かどうかも含めて、その経費削減についてお伺いしたいと思います。
#125
○参考人(橋本元一君) 我々、受信料をそのような形で無駄遣いするという指令は出しておりません。きっちりと大切に使えというふうに指示しております。
 タクシー代につきましては、これはただ単に会社へ出るとかなんとか、そういうふうなところで使うんじゃなくて、取材活動とかそういう面で、実際に中継、取材、そういう活動の中でこのタクシーというものを使っていくという、現実に放送番組を作るということで使うということを是非御理解いただきたいと思いますし、それから、当然ながら経費の改善努力の中で積み上がってきた財政的な回復分については、これはいわゆる消却金といいますか、借金の返済にすべて回すという構図で考えておりますので、全部そういうものを大盤振る舞いするということはございません。
 いろいろ、当然ながら、いろんな取材の対象あるいは番組制作の対象等、そういうものについて、地域的な活動なんかはしっかりと放送を行うという中で使われているというふうに考えております。
#126
○高橋千秋君 私は、NHKの番組というのは非常に質が高いということは私は認めますし、それは非常にいいことだというふうに思います。ただ、それがそのお金の部分とマッチしているのかどうかということは、やっぱりきっちりと見ていかなければいけないんだろうと思うんですね。
 ここに、武田徹さんという方の本で「NHK問題」という、最近出ている本があります。この中でもいろいろ指摘がされておりますけれども、いろんな民放や民間のそういうジャーナリストの方々から見ると、NHKの取材のやり方に対してすごく、何というんですかね、うらやましいという声がこの中にも出てきますけれども、そういう話が出てまいります。
 やはりそういう部分、やっぱり見直すべきところはきっちりと見直していかなければいけないというふうに思いますので、そういう部分は今後も是非対応していただきたいというふうに思います。
 ただ、これは毎年毎年同じような話が出ておりまして、それに対してきっちりとそうなっているのかどうか、なかなか分かりづらいんですね。ディスクロージャーという話もありましたけれども、もっとやっぱり、いろんなそういう部分についてお出しをいただきたいと思いますし、さっきの週刊誌の報道について否定をされるんであれば、その実態を、月別の制作費のもし推移が分かれば、後で結構ですが、お出しをいただけますでしょうか。
#127
○参考人(原田豊彦君) 視聴者の皆様からお預かりいたしました受信料、これを大切に使うと、そのために、番組制作に当たりまして極力無駄を省いて効率的な制作を行うということは日常的に常々指導もしておりますし、役職員挙げてそういうことに今取り組んでいるところでございます。
 例えば、番組の制作費、一本の定時番組をある日に一本撮るということ、出演者の都合をうまくお願いできれば一日に二本を撮るという収録の仕方がございます。そういう収録をすれば、一々セットを組み直すということも必要がなくなります。あるいは、美術にかかわるスタッフの経費なども効率的に使えるということにもつながります。それから、衛星放送などで長時間の特集番組を制作いたしますけれども、そういった番組を地上放送に向けて短く見やすい形で編集をして地上でもごらんいただくというふうなことも、経費の面でも工夫ができる。そういう、番組の質に直接影響を及ぼさない形で様々な工夫を今しているところでございます。
#128
○高橋千秋君 その資料はお出しいただけますか、先ほどの質問で。
#129
○参考人(原田豊彦君) 検討させていただきまして、お答えしたいと思います。
#130
○高橋千秋君 週刊誌等では、いろいろNHK問題について報道されています。それが事実でないんであれば、きっちりとやっぱりそれに対して反論をしていくべきだろうし、きっちりとディスクロージャーしていくべきだろうというふうに思いますので、是非その対応をしていただきたいと思います。
 それから、昨年の十一月から受信料未払者に対して支払督促の申立てをされておられます。これについて、その後、実績はいかがなんでしょうか。督促によって効果は上がっているんでしょうか。
#131
○参考人(小林良介君) 昨年の十一月に、都内の放送受信料未払世帯三十三世帯につきまして、東京簡裁に未払期間の受信料の支払を求める支払督促を申し立てました。
 それの結果でございますけれども、現時点ではその三十三件のうち二十五件が既に支払済みあるいは支払をお約束いただいている分でございます。その他につきましては、引き続き簡裁あるいは地裁等で今後やり取り行われるということでございます。そういう今現在では実績です。
 なお、この支払督促につきましては、今、続いて、今は東京都内でございましたけれども、今後、神奈川、大阪あるいは千葉、埼玉等についても準備を進めていると、来年度中には全国的に拡大していくという予定でございます。
#132
○高橋千秋君 三十三件については効果が上がっているということですが、未払はもうそのはるかにもう何万倍もの数がいるわけで、やはり公平性の問題がやっぱりここで問題になっているわけで、三十三件に対して二十五件というのは、三十三件に対しては多いかも分かりませんが、まだまだ未払の人は、支払拒否の人はたくさんいるわけで、今後どうされていくおつもりでしょうか。
#133
○参考人(小林良介君) 御指摘のとおり、未払全体はまだかなり多い数でございます。その状況についても申し上げますと、必ずしも民事手続の因果関係ということは定かでございませんけれども、いわゆる未払全体で申し上げますと、昨年、十八年九月末で三百四十八万件ございました。これは未払の総数でございます。これが現時点、この一月末では三百二十五万件ということで、減少を見ているということでございます。また、その中に占めます支払拒否、保留でございますけれども、これもピーク時で申し上げますと百二十八万件ございましたけれども、それが現在、一月末では約九十五万件という減少を見ているということで、全体的には効果があったものというふうに理解しておるところでございます。
#134
○高橋千秋君 やはり公共放送という、先ほどから話は出させていただいていますけれども、これはやっぱり公平性というところが非常に大きな問題だろう。
 大臣から東横インの話がありました。これは五%しか契約していないという、そういう話。これはNHK側から五%でいいよというようなことを言ったというような話も出ておりますけれども、今後そういう部分についてどう対応されていくおつもりなんでしょうか。そういう事業所等の、特にホテルとかいろんな部屋が一杯あるようなところの問題があると思いますけれども、そういうところについてどういうふうに対応されていくおつもりなんでしょうか。
#135
○参考人(小林良介君) 今御指摘の事業所等につきましても、既にこれは二月に発表しておるところでございますけれども、より公平かつ合理的な受信料体系を目指しまして、極めて多数な契約であるという実態も踏まえまして、その多数契約につきまして一定の、まあ割引的と申しますか、特例を設けていこうということで、最初の一契約そのものは基本契約どおりいただきますけれども、二契約目以降、同じ敷地内でありますと半額程度にしていこうといった見直しを検討しているというところでございます。
 また、もちろん未契約あるいは未払世帯につきましても、多々あるということを踏まえまして、それに対する対策につきましても、先ほど申し上げた民事ということだけではなくて、それ以前の段階で様々なパワーを活用する中で対処してまいりたいというふうに考えているところでございます。
#136
○高橋千秋君 その会計検査院の方から五%の指摘をされておりますが、これはNHK側から五%でいいよというようなことを言っていたという話がありますが、それは事実なんですか。
#137
○参考人(小林良介君) こちらから五%でいいということを言ったことはございません。あくまでもNHK、常に一〇〇%、いわゆる契約対象の台数分契約いただくということを常にお願いしているところでございます。その経緯の中で、現実には五%しかお払いいただけないというケースも現実にございます。
 ただ、これは、じゃ一切拒否して一〇〇%以外もらわないということでございますけれども、本来的にはそうしたいところでありますけれども、常にそれは、五%いただいても、その後に残る分につきましては当然ながら契約をお願いする、請求をお願いするという形で今進めておるところでございます。
#138
○高橋千秋君 その支払督促の申立てを行う対象者の選定ですが、先ほど三十三件請求されたということですが、どういう基準でそれを選ばれておられるのか。
 それから、不祥事を理由に支払っていない視聴者に対して対象外とされているというふうに聞いておりますけれども、その理由をお伺いをしたいと思います。
#139
○参考人(小林良介君) その三十三件につきましては都内を対象としておりますけれども、都内のいわゆる未払の方、全部でその当時十九万件ございました。それを母数といたしましてランダムに抽出いたしまして、それを七百件ほどに絞りまして、それをベースに、さらにそれを、その方々に一つ一つ訪問等で対応させていただきまして、その中で絞り込んだのが三十三万件、したがいまして、その間にそういった活動の中でお払いいただいている方がかなりいらっしゃるということでございます。
 それから、もう一点でございますけれども、不祥事を理由に払ってない方を当面対象としないのかということでございますけれども、いわゆる不祥事を理由に支払を拒否された方につきましては、当然ながら、まず何よりもその不祥事に対してNHKはこういう形で今不祥事撲滅あるいは改革の道を歩んでいますという御説明を丁寧に申し上げて御理解を得るということが何よりもまず大事であるということから、まずそれを先行させようということで現時点では対象にしてないということです。
 ただし、この方々がずっと対象でないのかということを申し上げれば、当面、当然ながら対象になっていくと。現にその件の方、先ほど申し上げましたけれども、相当な方が支払される側に回っていただいているということを踏まえますと、さらにそれ以外の方につきましての対策は、いずれは法的手段を含めてやらざるを得ないというふうに認識しております。
#140
○高橋千秋君 ちょっとしっかり聞き取れなかったんですが、ランダムに選ばれたということですか。もしそれが本当であれば、お金の請求の場合にランダムに抽出して、アンケートなら分かりますが、ランダムに選んで、それに対して支払督促をされた側から見ると、それこそ不公平感が私は強くなってしまうんではないかなというふうに思うんですね。例えば、何か物買って払わないと、払わないお客が一杯いて、請求する側からはランダムに選びましたと言われると、何だそれという話になりますよね。
 私は、本来、支払督促するんであれば全員にすべきではないかなというふうに思うんですが、いかがですか。
#141
○参考人(小林良介君) 御指摘のとおり、今ランダムという表現を申し上げたのはやや失礼に当たるかもしれませんので、訂正させていただきますけれども。
 あくまでも第一次、第一回目の支払督促をするに至りまして、全数をするわけにいかないということで、順次やっていく必要があるということで、第一回目としてあくまでもそういう形で無作為に抽出させていただいたということでございます。それ以外の方はやらないというわけではございませんで、当然ながら順次させていただくということでありまして、あくまでも無作為に選んだ方々がその七百名であるということでございます。
#142
○高橋千秋君 やはり支払拒否をされている方々の多くは、不祥事に対する抗議の部分と不公平感の部分だろうと。それと不透明という部分ですね。やはり、ここに対して国民は疑念を持っているんだろうと思うんですが、ここでその支払督促という強硬な姿勢に出るということが、私は逆に、国民にとってみるとNHKに対する不信感みたいなのが私は出てくるように思うんですが、いかがなんでしょうか。
#143
○参考人(小林良介君) あくまでも支払督促は、前から申し上げていますけれども、すべてやり尽くした後の最後の最後の手段として行使させていただくということでございまして、当然ながら、先ほど申し上げたように、全役職員が視聴者の皆様に対して信頼回復活動をしていると。訪問、電話、お手紙等でやった挙げ句の話でございます。
 そういう意味では、是非ともその点は信頼関係を損ねないような形でやっていく努力は今後も続けていくつもりでございます。
#144
○高橋千秋君 全員が一丸となってという姿勢は分かりますが、さっき大臣からもお話があったように、六千億のお金を集めるのに、はっきり言って、無駄とは言いませんが、変なお金の集め方をしているなと、民間企業から見ると何かおかしいなというような感じを受けますが、例えば家族割引というのが今度出ましたね。NHKの番組の間でもCMのように何度も流れました。これの利用というのは増えているんでしょうか。
#145
○参考人(小林良介君) 昨年十二月からこの制度が開始されまして、現在、一月末の時点でございますけれども、約九万件、既に手続が完了されております。今後、三月、四月、学生さん等の入れ替わり時期あるいは単身赴任さん等の入れ替わり時期でもございますので、今集中的にお手紙あるいは放送、新聞広告等でアピールして、是非お入りくださいというお願いをしているところでございます。
#146
○高橋千秋君 多分、この季節というのは引っ越しの時期ですから、多くの方々が、新しい住居に移るという方おみえになると思います。そういうときにNHKの受信料契約というのは非常に大きなチャンスでもありますけれども、特に都会のようなところでマンションなんかに入ると、学生のような方々がこの受信料契約をきっちりするのかどうか、私は大変疑念なんですね。是非これについても対応をしていただきたいと思いますし、その家族割引というのは一つのポイントにはなるかも分かりませんが、九万件というのが多いのか少ないのか何とも言えないですけれども、まあ初めてとすれば多いのかも分かりませんが、まだまだ不十分なところはあるのではないかなと思いますし、それから、白黒契約というのがようやく廃止になるというふうに聞いています。
 はっきり言って、今、白黒のテレビなんてどこにあるのかなと。私は探したけれども、私の周りに白黒テレビ、かえって白黒テレビの方が今高いですよね、探そうと思えば。レトロな店のカラーをわざと白黒にしているテレビがありますが、それでも三十二万件の白黒契約というのがあるんですね。三十二万台も白黒テレビが日本にあるんでしょうか。そのままになっているということなんですか。いかがなんでしょうか。
#147
○参考人(小林良介君) 白黒テレビの国内生産が中止されたのは昭和六十二年でございます。この時点でいわゆる白黒契約、普通契約が百五十万件ございました。それが二十年経過いたしまして、現在は三十二万件残っていると、十八年度末の見込みでございます。
 でありますけれども、この普通契約者の方というのは、今先生御指摘のように、どういう人が本当にいるのかということでございますけれども、現実には、受信状態が悪くてカラーではなくて白黒状態しか映らないという方もございます。そういうケースでありますとか、率直に申し上げて、カラー契約のお願いは常に申し上げておるところではありますけれども、残念ながら、なお白黒であると御主張される方もかなりいらっしゃるということございまして、それ以上はなかなか、立入調査権もないという中でそういう形になっている。ただ、これは年々数万件ずつ減っていることは事実でございますけれども、先ほど申し上げましたように、もう二十年生産中止されてから経過しているということを踏まえまして、この際、白黒契約につきましてカラー契約に統合させていただくというふうにしたものでございます。
 なお、当然ながら、そうはいいながらも、本当に白黒の方もいらっしゃるということはありますので、その方については経過措置で白黒契約の料金を当分の間、経過措置として維持させていただくということにしているところでございます。
#148
○高橋千秋君 本当に白黒かどうかを見るのは大変かも分かりませんが、常識的な感覚として、三十二万台も今、日本に白黒テレビがあるとはとても思えないですし、当分の間これを、契約を続けるというお話ですが、私は、もしこれ、当分の間というのは、後で当分の間はいつまで考えておられるのかも聞きたいんですが、そういうところにやっぱり不公平感が残っているんだろうと思うんですね。ちゃんと払っている人がばかを見ているような、そういう形態がこのNHKの受信料の支払の中にあるからみんなが不公平感を持っていると思うんですね。だから、私はこういう部分をやっぱり是正していくべきではないかなというふうに思うんですが。
 その当分の間というのはいつまでかということと、その不公平感についてどうお考えか、お聞きしたいと思います。
#149
○参考人(小林良介君) 当然ながら御指摘のこともあり得ることでございまして、NHKとしましては、まずその白黒契約であるかどうかという確認をさせていただこうというふうに考えています。このカラー化に統合された段階で逆に白黒であるという申請をいただく、それをもって確認させていただくというふうに考えております。
 それから、いつまでこれを続けるのかということでございますけれども、時期につきましては申請書が出てくる件数等も踏まえながら判断させていただきたいというふうに考えております。
#150
○高橋千秋君 ということはまだ、当面というのは、分からないということですね、いつまでか。
#151
○参考人(小林良介君) 現時点では明確な時期としては特定していないということでございます。
#152
○高橋千秋君 やっぱりお金を請求をしていくということですから、きっちりとやっぱり実態を把握するということが大変重要なことだろうと思うんですね。台数が、テレビの台数を全部把握するというのは、これは今の制度では難しいと思いますけれども、やはりNHK側としていわゆるお金を取らなきゃいけない対象がどれだけあるかという実態が私はきっちりとまだ把握をできていないんじゃないかなというふうに思うんですね。この努力はされておられるんでしょうか。
#153
○参考人(小林良介君) 実際に御契約いただくべき世帯あるいは事業所の数等々でございますけれども、当然ながらそれにつきましては一部推計値が入ってございます。というのは、全部点検できないと、把握できないということがございます。したがいまして、公的、国の調査データ、例えば総務省の統計データ等を基に、不明な点はNHK独自で調査を加えまして、それでもって推計する契約世帯、事業所の数等々を判断させていただいているわけでございます。これが一〇〇%全部正しいかと申し上げれば、あくまでも御指摘のように推計値を入れざるを得ないということは是非御承知いただきたいと思っています。
#154
○高橋千秋君 昨年の三か年計画の中で千二百人の人員削減という話がありました。一年たちましたけれども、その進行具合はいかがなんでしょうか。
 それと、千二百人削減するというのは、確かに経費を削減するのはそういう部分が一番楽っちゃ楽ですが、実際番組を、いい番組を作っていこうと思ったら、それだけの方々が一気にいなくなると番組の質の維持という意味でも大きな問題があるかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#155
○参考人(小野直路君) 御指摘のように、平成十八年度から三か年計画の中で全職員の一〇%に当たります千二百人の削減ということに取り組んでおります。平成十八年度は三百八十五人、十九年度は三百九十五人の削減を計画して実施しております。二か年で千二百人のおよそ三分の二に当たる七百八十人の削減と。引き続きましてこれ平成二十年についても取り組んでいくということを考えております。
 ただ、これ、これまでも御説明しておりますけれども、大変大きな削減でございますので、あらゆる部門の組織を見直す中で削減を行っておりますけれども、放送制作機能につきましては重視しまして、放送制作機能の機能を十分高めるという構造に変革するということについても留意しております。
#156
○高橋千秋君 時間が迫ってまいりましたので最後になるかも分かりませんが、トヨタの方から理事として金田さんが理事になられたというふうに聞いています。民間、それこそ最先端を行っていると言われているトヨタから入られて、NHKの企業風土というか、いろいろ違和感があるんではないかなというふうに思いますが、どういうふうにお考えなのか、そして改革すべき点は何なのかをお聞きをしたいと思います。
#157
○参考人(金田新君) 先生御案内のように、民間企業から参りまして、やはり違った側面がたくさんございます。民間企業というのは創業の理念というのがございまして、その上に、大変分かりやすいといえば分かりやすい売上高とか利益とかいう求心力を持った客観的な業績評価の基準がございます。その上に、最近では企業の社会的責任というような形で、その公共的な在り方についてもいろんな問われ方がされているというのが現況だと思います。一方NHKでございますが、売上高とかあるいは営利、利益というような考え方は、これはございません。ただ一方で、公共放送を担うというような理念というのはございまして、それでもって求心力を持って従業員を動かしているというのが現況だと理解しております。
 NHKにおける創業の理念に当たるものは何かと。これは私の私見でございますが、放送法の第七条にございます目的、これが恐らくそれに当たるんだろうというふうに思っております。協会に参りまして、いろんな会議で、あまねくとかあるいは公共の福祉とか、あるいは豊かで良い番組とか、こういうキーワードがあちこちで聞くことができました。そういう意味では、そういうものをNHKの協会員というのは共有しているというふうに思います。ただ、その分だけでやはり民間よりは求心力を維持する上では難しいといいますか、工夫のいる側面もあるようにも思っております。
 そういう観点から、現在、私たちの言葉でNHKの公共放送としてのビジョンというものを少し検討してみようということで、経営委員の方々と執行部との間で議論をしてみようというような話を進めている段階でございます。
 改善、改良ということにつきましては、当然、不祥事がございました。そういうことの制度的なものにそういうものを許容してきたという部分もございますので、既に手を着けたものもございますし、システム開発等これから対応しなければいけないものもございます。そういったものの改善点、一。
 それから二つ目は、三十年前というか一九八〇年のときには一万八千四百人のNHKの協会員がいて、二波で百七十一時間のテレビ放送をやっていたと。当然それ以外ラジオもございましたんですが、それが昨今では、連結で一万七千人強で六百五十時間以上の放送、それに再放送あるいはマルチ放送あるいはデータ放送を含めますと、それよりも何百時間も多い時間を放送させていただいているということで、従来型のテレビ放送を維持していく上でも、原価低減をやり人を減らすということでのいろんな組織改革を行う、腰を落とす場合の、公共放送を担う上での役割をどこかで曲げていないかというような観点でのいろんな改善があるかと思います。
 三つ目は、やはり国際的な環境変化というのがございまして、それと技術変化で、放送と通信の融合ということで御議論をいただいておりますけれども、そういうような変革に対する対応というのが要るかと思います。
 最後は、やはり企業の新陳代謝というものを維持する上での不断の改善活動というのも要るんだろうというふうに思っております。
 以上でございます。
#158
○高橋千秋君 終わります。
#159
○内藤正光君 民主党の内藤正光ですが、同僚議員に引き続き、受信料と経営委員会の改革について質問したいと思います。
 そこで、まず受信料についてなんですが、午前中から再三大臣もおっしゃっているとおり、今や受信料の未納者、未払者は三割に上っております。こういった状態の中、まじめに払っている人たちの不公平感が増してきている。こういったことが昨今の支払義務化論議の発端になっているわけでございます。しかし一方で、今日という状況を見てみますと、CS放送だとかあるいはWOWOW等、お金を払って視聴するというのがごく普通に受け止められている。そんな中、少なからず、自分は見ないから払わないんだ、そういうふうに主張する不払者がいるわけでございます。
 そこで会長にお尋ねします。そういった見ないから払わないんだと主張する不払者に対して、NHKとしては一体どういうように説明あるいは説得をなされているんでしょうか。
#160
○参考人(橋本元一君) 内藤委員御指摘のように、払わない人に対する払っている方の不公平感というものが強く表れております。我々も、この公平感というものをどういうふうにしっかりと築き上げていくかということに腐心してきたわけであります。
 私、会長に、この職を預かって、各地を回って視聴者の方々の御意見を伺った中で、やはりこの公平感をどういうふうにつくり出すかということが期待されている、求められているというふうに考えております。この点で考えますと、ともすればこれまでは払っていない人の理由というものを強く強調した理屈、理論といいますか、意見が強く出ていたわけでありますけれども、実際に払っていただいている七割の方々がどのようなお気持ちで払っていただいているかということも伺ってまいりました。
 そういう中で、当然対価主義的に番組を見るから、放送を見るから払いますという方は当然多くの方いらっしゃいます。そのほかに、やはり、先日の地震ではありませんけれども、いざという場合の災害放送、事件、事故、こういうものに対してしっかりとこのNHKが役割を果たしてもらいたいというふうなことで、当然それもいざという場合にはごらんになるわけでありますが、そういう気持ちでやはり受信料を払っていただく方。それから、子供さんとかあるいは高齢者の方々に対するいわゆる福祉番組、教育、教養番組というふうなこともNHKの務めでございますから、そういうものを放送する、それに対してもお金を払っていただく。それから、当然ながら、昨今非常に問題になっております、いわゆる共助の精神というものが乏しゅうなっておりますけれども、そういう中で視聴者が参加してともにお互い、地域あるいはそのきずなを、家族あるいは御近所のきずなを深める、そういう場をつくっていくということに対してNHKがお役に立っている。
 そういう点から、やはりこういうふうな公共放送の役割というものに期待されて払っていただいているということを御意見いただきますし、私も、これはもう正に公共放送の原点の活動であるわけでありますから、そういう点から、そういう事例をお話ししながら、是非NHKの番組を見ていただきたい、あるいは是非こういうふうな役目を果たしていきますからお支払いいただきたいというお話を申し上げているところであります。当然そのためには、NHK、しっかりと身を慎んで、いわゆる魂を持って、報道機関としての魂を持ってまいりますということを申し上げております。
#161
○内藤正光君 ここで、NHKの受信料とは一体何なのかというのを考えてみる必要があります。これは決して情報への対価じゃありません。公共放送として公正中立かつ商業主義に左右されない、とらわれない中立な、良質な番組を全国あまねく提供する責務をNHKは負っていると、それを支えるためにテレビを持っている全国民が払わなきゃいけない負担金、だから見る見ないに関係なく払わなきゃいけない負担金。
 正直申し上げまして、昨今、給食費を平気で払わない親がいるから、何を言ってもなかなか納得してもらえない、これも確かなんですが、ただ一方で、NHK自身が公共放送だとか受信料の意義を十分国民に向けて説明してきたのか。私にはそうは思えないんです。私は、例えばNHK見てみますと、NHKの中でほかの番組の宣伝は随所に見受けられる。しかし、受信料とは一体何なのか、公共放送とは何なのか、そういったものを周知しようとする、そういった番組は何にもないんですよ。私は少なくともそういったものを見たことがない。
 そこで、改めて会長にお尋ねしたいのは、その私の主張に対する答弁が何かあればおっしゃっていただきたいし、また今日、いろいろテレビカメラが来ております。放送されるのはどうも真夜中の三時とか四時のようですが、せっかくですから、会長自らの言葉で国民に向けて、公共放送の意義とは何なのか、受信料の意義とは何なのか、端的に分かりやすく改めて説明をしていただきたいと思います。
#162
○参考人(橋本元一君) NHK、公共放送としての役割であります。
 視聴者の皆様の毎日の生活に寄り添いまして、毎日毎日の生活を力付ける、あるいは非常に正確で迅速な、生命、財産を守る、そういうふうなライフラインとしての機能を果たす、しかも情報の格差をできるだけなくしていく、そういう務めを果たす、これが公共放送の基本的な原点かと思います。当然、豊かな番組ということもございます。いろいろ、その時々、社会的に問題になってくる、そういうものを掘り下げて皆様方にしっかりと今後の寄る辺を示すというふうなことにもお使いいただけると思います。
 このような非常に中立、自主自律の放送というものを行う、このためにはやはり、国営放送でもない、税金で賄われる国営放送でもありませんし、あるいはスポンサーによる商業放送でもないという公共放送としての受信料の性格がございます。是非、この意味で受信料をお支払いいただきまして、NHKを支えていただきたいというふうに存じます。
#163
○内藤正光君 これからも是非、番組の中でも、またいろいろな機会をつくって、国民に広く、受信料の意義、あるいは公共放送の意義というものを広く理解をしてもらうよう努力をしていただきたい。これは私はNHKの義務だと思いますので、どうかよろしくお願いをいたします。
 そこで、次なんですが、効率的な受信料収入の在り方についていろいろ議論をしたいと思いますが、これも大臣が何度もおっしゃっているように、受信料収入六千億に対して、そのための徴収コストが何と八百億円近くに上るわけです。もうこれは、だれが何と言おうが、もう改革待ったなしです。そこで、じゃ、いきなり義務化かというと、私はその前にまだまだやるべきことがあるかと思います。
 そこで、ちょっと何点か、ちょっと順番は逆、後先になってしまいますが、住民票の除票についていろいろ議論をさせていただきたいと思います。
 都市部では、実は毎年一割近くの人が住民が入れ替わっちゃうわけです。よくNHKさんがおっしゃるのは、やはり受信料徴収の効率向上のネックになっているのは、やはり引っ越しをする、で、引っ越しをしてもそこが追えない、その繰り返し、だから、なかなか受信料効率が、徴収効率が上がらないとおっしゃっている。
 それに対して、総務事務次官が、二月の冒頭でしたか、記者会見においてこうおっしゃっているんですね。受信料の徴収率向上のために住民票の除票を積極的に活用していってもらいたい。
 これはどういうものか。Aという都市から、Aという町からBという町に引っ越したときに住民票は当然AからBへ移るわけです。しかし、Aという町にはその、例えば私が引っ越しをしたならば、私が引っ越しをしたという旨の記録が除票という形で残っている、これが除票。これを使えば引っ越し先が追えるということなんですが、総務事務次官自体が記者会見の中で、積極的にNHKの受信料の徴収のために使ってもらえればいいことをおっしゃっていると。
 そこで、NHKにお伺いしますが、住民票の除票について、全国的な活用の状況、問題点があれば、それもつまびらかにしていただきたいと思います。
#164
○参考人(小林良介君) これまでも全国的には除票の写しにつきまして個別に判断してやってきたところでありますけれども、今現在、改めてこの住民票の除票の一層の活用ができないかということで、東京近郊のある一つの市でございますけれども、そこでもってテスト、いわゆる試行をしているところでございます。これは、受信契約者の転居先住所を把握する上ではこの住民票の除票の写しの活用というのは極めて有効であるというふうに認識しておりまして、今後、それを全国的に展開していこうというふうに考えております。
 ただ、現在はなぜまだ試行みたいなことをやっているのかという理由でございますけれども、申請に当たりまして実はそれぞれの窓口で求められる経費が百五十円から五百円とまちまちであるということで、もちろんその経費そのものが掛かると。NHKは膨大な件数を取り扱っていますんで、これは掛けますと大変なコストになるということが一つ。あるいは提出書類、これは受信契約書とか転出を証明する書類、こういったものが、求められる書類が異なるといったこと、これは自治体によって対応がまちまちであるといったことがございまして、なかなか全国的な拡大が困難な事情にございます。債務者NHKとしては、もちろんこれは有効であるというふうに判断しておりまして、そのためには、より簡便な手続あるいは手数料の軽減化といったものをしていただければ全国的にそれを活用できるということになると思いますんで、その点について要望していきたいというふうに考えているところでございます。
#165
○内藤正光君 先ほどNHKからいろいろな、除票の活用に当たっていろいろな問題があるということをおっしゃった。でも、一方では総務事務次官が、NHKの受信料の徴収効率を上げるために積極的に活用してもらったらいいということをおっしゃっている。
 そこで私は、総務大臣として、やはり義務化もまたその先に議論があっていいのかもしれないけれども、その前にできることをやるという姿勢で、全国の自治体に向けて、NHKの受信料の徴収に当たっては除票の活用できるだけしやすくなるように環境整備をするべきではないか、あるいはまた自治体に向けて何らかの号令を発すべきじゃないかなと思うんですが、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#166
○国務大臣(菅義偉君) 債権行使のために必要な場合は、市町村長に対し住民票やその除票の写しの交付を求めることができるということになっております。受信料徴収のために、転居した受信者の住所を確認する必要のある場合もこのような場合に該当し、住民票の写しの交付を求めることができるものであり、これらの点は市町村においても十分承知していることだというふうに私は思っています。そして、NHKにおいて請求する場合にも、市町村長に対して請求事由を明確に説明いただければ、全く懸念なくそのことは利用できるということになっております。
 いずれにしろ、義務化の話もさせていただいていますけれども、こうした地味な努力というのはこれ当然私はすべきことだと思います。
#167
○内藤正光君 ということは、NHKもしっかりと受信料徴収のために除票を活用させてもらいますと明言をすれば、自治体としてはしっかりと活用させてもらえるはずだという理解でよろしいですね。もし、そういう、ただ、私の聞いたところでは、自治体によって見せないところもあるというふうに聞いているんです。そういう対応もあった場合ちょっと問題ですので、それは再度改めて、必要ならば、大臣あるいは総務省として全国の自治体に向けて何らかの声を掛けていただきたいと思いますが。
#168
○国務大臣(菅義偉君) 基本的には、この債権行使のためについては、除票の写しを、これ明らかにするのは、これは私は交付を求めることができるというのはこれは基本的なことでありまして、全国そんなに私は変わらないというふうに思っております。
 幾つかの市町村に確認をしたところ、そもそもNHKにより住民票の写し等が交付請求されることは少ないということでありますし、本来請求事由を明らかにする必要があるにもかかわらず、国、地方公共団体と同等の機関だとして請求事由を明らかにしない場合があり、その場合には住民票の写しの交付を拒否したことがある。しっかり手続取ってもらえれば問題ないということです。
#169
○内藤正光君 ではNHKとしても、受信料の徴収効率を上げるためにその利用の理由を明確に述べていただいて、受信料債権の請求のためだということを述べていただければ、必ず自治体としては対応していただけるというのが大臣の答弁ですので、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 では続きまして、経営委員会の改革についてお尋ねしたいと思います。今日も経営委員長にはお越しをいただきましてありがとうございます。
 そこで、まず総務大臣にお尋ねしたいんですが、今通常国会で、まだ定かではありませんが、放送法の改正案が提出されるやに聞いております。当然、その柱の一つに放送委員会の改革を中心とするガバナンス強化というものが盛り込まれるはずだと私は思います。
 そこで、まず大臣にそのお考えをお聞きしたいんですが、いかにNHKのガバナンス強化に取り組むおつもりなのか、ちょっと具体的に、その大臣のお考えをお示しいただきたいと思います。
#170
○国務大臣(菅義偉君) このNHKのガバナンスにつきましては、昨年の六月に通信・放送の在り方に関する政府与党合意、この中に経営委員会の抜本的な改革を行うこととし、一部委員の常勤化、事務局の抜本的強化、コンプライアンス組織の設置、メンバー構成の再検討などを早急に行い措置する、こういうことが政府・与党で合意されております。そういうことに基づいて考えていきたいと思います。
#171
○内藤正光君 まだそれ以上の具体的な内容というのはお示しはいただけないんでしょうか。
#172
○国務大臣(菅義偉君) まあ基本的な考え方でありますけれども、こうした政府与党合意に基づきまして、経営委員会については、会長等の執行部に対する経営委員会の監督権限を明確にすること、経営委員の一部を常勤とすること、コンプライアンス体制の整備を経営委員会の決定事項とすること、経営委員会から構成をされる監査委員会の設置、外部監査請求制度の導入等の措置を講じ監査機能を強化すること等の措置を講じた放送法を今検討中ということです。
#173
○内藤正光君 経営委員長、まあ今大臣から、概略ではありますが、ガバナンス強化、特に経営委員会をどのように改革をしていくのか、その考え方の骨子が示されたんではないかなと思います。そしてまた、三月一日に既に経営委員会の見解という形で、その委員会の強化策についていろいろ御意見も述べられております。
 そういったことを踏まえて、先ほどの大臣のお答えに対して、何か要望あるいは意見、あるいは懸念等がございましたら、この際お答えいただけますでしょうか。
#174
○参考人(石原邦夫君) ただいまお話ございましたように、今回の放送法改正の中でNHKのガバナンス強化という観点から経営委員会の監督権限の明確化並びに機能強化が検討されておられるというふうに認識いたしております。
 そういった観点で申し上げますと、私ども経営委員会が公共放送たるNHKの業務執行を監視、監督するという役割を、これ十全に果たしていく必要がございます。そのためには、経営委員並びに事務局メンバーのまずは独立性並びに多様性というものをしっかりと確保していただく必要があるというふうに考えます。
 また、今お話ございましたように、経営委員の一部常勤化が検討されておられるというふうに伺っております。この点につきましては、執行部との一定の距離感あるいは緊張関係、これを確保しつつ、合議機関でございます経営委員会における常勤委員と非常勤委員との間に大きな情報格差と申しますか、それが生じないよう配慮していただく必要があるのではないかと、こういうふうに考えている次第でございます。
#175
○内藤正光君 では、今度は私の方から一つ懸念を申し上げさしていただきたいと思います。
 ガバナンス強化といったら、まあ経営委員会の強化が柱になるわけなんですが、そうなりますと、経営委員の任命を通じて政府のNHKへの影響力が増大する懸念が一方ではあるわけなんです。で、私は、委員の人選の在り方、現状はどうなっているか。国会同意人事だとはいうものの、まずその人選はだれがやるかといったら政府なんです。政府が決める。で、それが国会同意人事にかけられるということで、私は、委員のまず最初の人選の在り方を見直す必要があるんではないかなというふうに思います。
 では、具体的にどういうことがあるのか。例えば、BBCの経営委員会は公募という形を取っております、採用されております。そしてまた、今回経営委員会改革においては、聞くところによれば委員会等設置会社を参考にしているということなんですが、委員会等設置会社の必須条件何かといったら、三つの委員会を設置することなんです。ソニーがやっていますね。監査委員会、報酬委員会そして指名委員会、この三つを置かないと委員会等設置会社にならないわけですね。指名委員会で一体だれを指名するのか、その役員を指名するわけですよね。
 ということで、大臣にお尋ねしたいんですが、委員の人選の在り方について、私は見直しが必要だと思っておりますが、大臣のお考えをお聞かせいただきます。
#176
○国務大臣(菅義偉君) 経営委員会の任命について、放送法の第十六条の第一項の規定に基づいて、公共の福祉に関する公正な判断をすることができ、広い経験と知識を有する者のうちから、両議院の同意を得て内閣総理大臣が任命すると、こう実はなっております。また、現在検討しておりますこの改正案におきましては、地域要件というものを緩和をして、経営に関する知識を有する人材を広く選出できるようなそうした仕組みを考えたいというふうに思いますし、政府としても、今後とも引き続いてNHKの最高意思決定機関である経営委員会の委員にふさわしい見識ある方々を、教育だとか文化だとか科学、産業その他各方面からバランスよく任命されるように考えていきたいというふうに思います。
#177
○内藤正光君 つまり、人選の在り方についてはこれまでの枠組みで何も問題ないと、ただ、より一層その辺の各候補者の見識、識見だとか、そういったものをしっかり見ていこうというのが大臣のお考えと理解してよろしいでしょうか。
#178
○国務大臣(菅義偉君) これについては内閣総理大臣が任命することになっていますので、従来はそういう考え方で、今の、内閣総理大臣の任命する、両議院議員の同意を得て総理が任命することになっておりまして、現在のこの放送法改正案においては、今までと比較をして地域要件というのをこれ緩和をして、経営に関する知識を有する方をもう少し広げていきたいなということであります。
#179
○内藤正光君 これについては、また放送法の改正案が出たら、そのときまたしっかり議論をさしていただきたいと思いますが。
 さて、委員長、先ほど事務局の独立性ですとか多様性の確保が大事だとおっしゃいましたね。ところが、現状はどうかというと、事務局六名、うち四名はNHK職員なんです。NHKからの出向ではなくてNHK職員という形で経営委員会の仕事を助けているという、これが現状でございます。とてもじゃないが、独立性だとか、あるいは六人ということで、機能的に果たして十分なのかという疑問を抱かざるを得ません。
 そこで、委員長が考えます理想的な事務局体制のイメージをお示しいただけますでしょうか。
#180
○参考人(石原邦夫君) 経営委員会の事務局でございますが、これは経営委員の意向あるいは問題意識に従いまして、視聴者の皆様の声あるいは執行部の日常業務に関する情報を収集そして分析するという役割を担っているというふうに考えております。これを果たす上で、先ほど申し上げましたように、独立性の確保が重要であると申し上げた次第でございます。
 経営委員会といたしましても、現在の事務局機能を更に拡充強化すべきであるということは全く同じ考えでございます。ただ、先に人数ありきではないのではないかと、先生もおっしゃいましたように、外部人材をより一層有効活用する、そして体制を整備していく必要があるのではないかというふうに考えております。
 また、この運営の財源をどうするかと、こういうお考えもあろうかと存じます。御承知のように、BBCトラストという新しい体制になっておりますが、イギリスにおきましてもやはりこれは受信料が財源でございます。受信料を財源とする以上は、私どもといたしましては、大変貴重な受信料でございますんで、これをいかに有効かつ効率的に運営を行っていくかと、これは我々事務局を運営する、監督する立場としての経営委員会としての最大の使命ではないかと、こういうふうに考えている次第でございます。
#181
○内藤正光君 やはり、事務局というのは経営委員会の皆様方が本当にしっかり働くために大切な手足であり、また一緒に働く人たちですので、そこの改革はしっかりと委員長のリーダーシップでもって進めていただきたい、そのことをお願いを申し上げます。
 そして、そろそろ時間的には最後になりますが、一つ、最後の質問となりますが、昨年の審議で、委員長も覚えていらっしゃいますでしょうか、委員長はこうおっしゃったんですね。視聴者の声を的確に拾い経営に反映させることは、それは経営委員会の重要な役割だと、一番大事な仕事だというふうに委員長はおっしゃいました。
 つまり、視聴者の声をじゃいかに拾うか、そこを考えていかなきゃいけないんですが、今、経営委員会のメンバーは十二名います。十二名の顔ぶれを見てみますと、委員長を始め、お分かりのように、大体会社の社長か大学の教授なんです。私はそれが悪いとは言っていません。やっぱり経営委員会ですからね、大事なところですから。しかし、どう見ても今の若年層の行動様式を理解している人たちがいるのかということなんですね。
 私は、何も若年層を入れろとも言っていません。しかし、これは大事なんです。若い人たちの間で私は見ないから払わないという人が多い、これまた事実なんです。若い人たちの間でいわゆるNHKの在り方だとか意味を否定するというか理解しないというか、そういった人たちが多いこともこれまた事実なんです。だからこそ、経営委員会としては若年層、若い人たちが何を考えているのか、それをしっかりと聞く努力をしていかなきゃいけないんじゃないかなと私は思います。
 そこで、お尋ねします。経営委員会としてそういった若年層の考え方を集める努力はしているのか、もししていないんであれば、どのように努力をしていく旨をお答えいただければ結構なんですが、お答え願えますでしょうか。
#182
○参考人(石原邦夫君) 私ども皆、一応現役でございまして、それぞれの分野におきまして、若い人の力なくてはできない分野ばかりでございます。私自身テレビをよく見るわけでございますけれども、その中では幅広いジャンルを極力見るようにする、あるいは会社ないしNHK、若い人たちの会話の中でその意見を極力吸い上げるようにしたいというふうに思っておりますし、現実に行動に移しているつもりでございます。
 また、先ほど先生おっしゃいましたように、大学の先生が何人もいらっしゃいます。大学の先生は、生徒の皆さんは本当に若い学生さんでいらっしゃいます。そういう方との間で、若い学生の感性というものを日常の授業の中に生かしておられる、それをNHKの経営の中に生かしておられると、こういうふうに考えている次第でございます。
 では、組織としてどうかということになってまいります。経営委員会といたしましては、これまで執行部に対しまして、一つは放送番組審議会がございます。このメンバーの若手起用、あるいは若い世代を対象とした番組制作を奨励すると、こういうような取組を行っております。最近、NHKでも時間帯によってそういった若い人を対象とした番組が目立つことはお分かりいただけるかと存じます。
 今回、放送法の改正によりまして、例えば今、先ほどございましたように、経営委員会のメンバー構成の見直し、あるいは視聴者の意見を聴取する、これを法定化するというようなお考えも一部にあるやに伺っております。若手層の、あるいは若年層の意向を一層反映していくことによって、若い方々にNHKをより一層見ていただく、そして意見をより反映した形で運営していきたいと、こういうふうに考えている次第でございます。
#183
○内藤正光君 もうこれで時間が来ましたので終えますが、しっかりとその方向性で経営委員会の改革進めていっていただきたいと思います。そのことを申し上げまして、私の質問を終えます。
#184
○澤雄二君 公明党の澤雄二でございます。よろしくどうぞお願い申し上げます。
 最初に、おとといの能登半島地震、被災に遭われました方々に心からお見舞いを申し上げるものでございます。
 一九九五年の阪神・淡路大地震のときに、私はフジテレビの報道センターで編集長というのをやっておりまして、全力でこのニュースに伝えさせていただいたということを思い出しました。また、昨日の地震でも、テレビ各局の取材、報道ぶりが大変重要であるということを痛感をいたしました。テレビのニュースの大切さを痛感しましたと同時に、今総務省が考えておられます行政処分という形で公権力、総務省が放送内容について、特に報道内容について干渉されようとしている、介入されようとされていることに対して、これは言論の自由からいって決してあってはいけないことだという思いもまた強くしたものでございます。
 それでは、質問をさせていただきます。
 去年の六月に、NHKの決算審議のときに、NHKのガバナンスの強化とコンプライアンス体制の確立について幾つか苦言を呈させていただきました。今日はその中の一つだけ、ちょっと象徴的なことを、その後どうなったかということについてお聞きしたいんでございますが、それは、出張手当規程の中で日帰り出張手当という規程がございました。この日帰り出張手当というのは、NHKの場合には、局舎から外に出て仕事をして四時間以上たったら日帰り出張手当をもらえるというものでございました。極端なことを言ったら、NHK渋谷の局舎の前のレストランでランチを食べながら打合せを四時間したら出張手当をもらえるという規程でございます。こういう規程は日本全国の企業を探してもどこにも多分ないだろうと申し上げて、是非改善をしてほしいというお願いを申し上げましたが、これはその後どうなったでしょうか。
#185
○参考人(小野直路君) お答え申し上げます。
 日帰り出張日当につきましては、先般の委員からの御指摘も踏まえまして、移動距離を支給基準としている企業が多数であるということの社会状況などを参考に見直しを行いました。これまで四時間以上の日帰り出張をしたときというふうになっておりましたけれども、片道百キロ以上、また八時間以上の日帰り出張をしたときというふうに訂正してございます。
#186
○澤雄二君 ほかにも幾つか訂正といいますか、改革をしていただきたいというお願いをしておきましたので、後日そのことについてはまた御確認をさせていただきたいと思います。
 今日はほかにも質問すること多々ありますので、次に移らせていただきますけれども、これは質問通告にはありません。先ほどからずっと受信料の義務化について議論をされておりますので、少しお話をお伺いしたいというふうに思っております。
 今まで答弁をされていますので大丈夫だと思いますが、この受信料の義務化でありますが、義務化をもし実現すれば総務省が言われているように収納率が八〇%とか八五%に上がるというふうに会長はお考えでしょうか。
#187
○参考人(橋本元一君) 現在NHK、この財政的な回復あるいは直接的には支払者率をどう向上させるかという点についていろいろ工夫しておりますけれども、大変現実には厳しい状況があると。不祥事発生以来、NHKに対する信頼という面では、完全に回復すべく努力している中で、なかなかこの点についてもまだまだ努力が必要な状況だという現実問題ございます。
 まずは我々、十五年度あるいは十六年度前半までありました八〇%、およそ八〇%のお支払に向けて努力しているところでございます。さらに、これを八五%ということになりますと、実際にこのお支払率を達成するためには、当然ながら支払を確約してくださる方をこのような数字で、この五年間で言いますとおよそ六百五十万世帯という件数になりますけれども、こういうところを支払の確約をいただかなければいけない。このためには、当然ながら現在移動が激しい、あるいはオートロックマンション等でなかなかお会いできない方もいらっしゃる。そういう中で、何倍、何十倍という労力が必要だというふうなことございまして、そういう点からいうと、この八五%という目標というのは極めて難しい状況というのが現実の実態でございます。
#188
○澤雄二君 一言で言いますと、努力はするけれども大変難しいという感じがするというような御答弁だったと思います。
 そこで、これは主観的ではなくて客観的にお答えをいただきたいんでございますが、今度の受信料の義務化というのは不公平感をなくすためだと先ほど大臣も申されておりました。この不公平感をなくすために義務化をした。義務化をしたのにもかかわらず収納率が上がらなかったら、不公平感は更に増すと思いますか。客観的にお答えください。
#189
○参考人(橋本元一君) これは、やはりそのような御意見、正しいかと思います。これは支払の義務化が仮に成立しても、あるいはない状態にしても、支払率が低下していくということは、やはり我々にとって公平感が損なわれるというふうに考えております。
#190
○澤雄二君 先ほど大臣は、罰則化というものは考えていないというふうにおっしゃいました。おっしゃいましたが、不公平感をなくすために義務化をする、義務化をしても収納率を上がらなければ不公平感は今まで以上に増してくる。そうすると、それを解消するためにはもう罰則化しかない。
 実は、これは大臣がいつも意見を聴取されています、タスクフォースとして今回、何といいますか、手当を与えられて自分の、意見を聴く形でタスクフォースとして採用されました何人かの方たちの座長格として松原聡さんが、私との朝日新聞の対論でありますけれども、そういうふうにおっしゃっています。収納率が上がらなければ不公平感増しますよね、どうしますかという質問に対して、そのときは罰則化をするしかないでしょうというふうに言われています。つまり、義務化をするということは、そういうことがすぐ後ろにあるんだということを我々は気が付いていなければいけない。そのことと国営放送に近づくということを同時に考えると、これが義務化のすごく大事な視点だろうというふうに思っております。
 それから、一つ訂正をさせていただきたいんでございますが、大臣は先ほど、去年の与党合意案の中でと言われました。これは私も携わったからよく覚えておりますが、与党合意案では義務化すべしとは言っておりません。義務化について検討すべしと言っています。ですから、検討した結果、今回のように見送ることもあり得るというのが与党合意案でありますんで、訂正をさせていただきたいというふうに思います。
 それから、この義務化に関してでございますけれども、大事なことがございました。受信料の引下げということをずっと大臣も言われております。その受信料の引下げのときには、実は年金生活者とか低所得者の引下げというのをまず優先していただきたいという要望でございます。もし、全体を引き下げるだけの財政力に余裕ができたんならば、そこでも割引率をその方たちに特段の配慮をしてほしい、もし全体におしなべて割引というか値下げができないんなら、その人たちだけを割引することも考えていただきたいと、そういう要望でありますが、会長、どうでしょうか。
#191
○参考人(橋本元一君) これは義務化とは離れた形でも、我々、現在受信料の支払というものを今日的に、合理的な形で考えてまいりたいということで、当然ながら家族割引あるいは学生さんの割引、こういうふうなものについて導入してきているところであります。
 今後、現在でも、大変生活が苦しく、生活補助を受けている方については受信料免除ということをさせていただいていますし、それから昨日のような非常に大規模な災害等で被災された方々についても受信料免除というふうなことはさせていただいていますが、さらに、今後、そのような割引、いわゆる社会的にいろいろ苦しい状況というものを背負った方々について、その確認は当然、確認作業というか、これは必要でございますけれども、そういう形での割引についても、今後我々の検討の中でしっかりと視野に入れてまいりたいと、念頭に置いてまいりたいと思っております。
#192
○澤雄二君 生活保護世帯の方たちに対して今も減免措置があるということは承知をしております。
 今、会長も御答弁いただきましたけれども、やはり負担増問題、格差問題等で払いたくても払えないという方たちも増えているんではないだろうか。ですから、年金生活をしている方等、低所得者の方たちに対する配慮を是非考えていただきたい、重ねてお願いするものであります。
 次に、NHKのガバナンス強化に関連してお伺いいたします。
 総務大臣にお伺いいたしますが、今の経営委員の中で、今年の六月に三年を二期されて、六年目で改選されるのかどうか、そういう任期が来る方がお三方、それから、三年の一期目が終わられる方がお二人、対象になる方が五人いらっしゃいますが、今ガバナンスの強化ということが大変議論されております。その中に、今まで、今、内藤委員からの質問の中にもありましたけど、委員の選び方が間違っているのではないかというような指摘もあります。ですから、もう少し、報道機関の在り方とは何か、テレビの経営とは何か、テレビ放送とは何を放送することなのか、そういうことがよく分かった方を経営委員に選ぶべきではないかというような指摘もあります。
 この六月の改選期を迎えるに当たって大臣はいろんなことを頭の中に今考えていらっしゃるんだと思いますが、どういう方を人選したいというふうに今お考えでございましょうか。
#193
○国務大臣(菅義偉君) まず、その前に、政府与党合意の件について、やはりこれは明らかにしておいた方がいいと思いますので。NHK内部の改革を進めた上で、受信料引き下げのあり方、受信料支払いの義務及び外部情報の活用についての検討を早急に行い、必要な措置を取る、これが政府・与党の合意でありますし、澤委員にもこのことに、今言っていただきましたけれども、相談もさせていただいたところであります。
 今、経営委員会の委員の件であります。この二名につきましては、放送法の第十六条第一項の規定に基づいて、公共の福祉に関し公正な判断をすることができ、広い経験と知識を有する者のうちから、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命をする、こういう形になっております。
 今御指摘がありましたけれども、この六月に五名の委員が改選時期を迎えるわけであります。今までいろいろ議論されてきておる中で、やはりこのガバナンスの強化の観点から、経営的な観点から助言と指示が期待できるような方というのがやはりまず考えられるのではないかなというふうに実は思います。さらに、やはりNHKの最高意思決定機関にふさわしい見識のある方々ですね、これ、教育だとか文化、科学、産業その他各分野、また各地もあると思います。そういう中で、バランスよく考える中で総理が決められると、こう思っています。
#194
○澤雄二君 是非いろいろなことを考えて人選に当たっていただきたいと思いますが、個人的には、NHKの方は嫌がるかもしれませんが、例えば民間放送の経営者なんというのもその中の対象の一人なのかなと、いや、いいか悪いかは別にしてですよ。ただし、NHK内部ではいろんなことを心配されている方もいらっしゃいます、大臣。六月の改選のときに一体どんな人が来るのかなというんで、まさかあの人は来ないだろうなと思っていらっしゃるような方もいるんで、その辺はよくよく配慮をしていただきたいというふうにお願いを申し上げます。
 それから、放送法改正について、これに関連してお伺いしますが、この経営委員会の決議事項に、今検討されている中身としては、一つは経営の基本方針、それから一つはコンプライアンス体制の確立、これについての決議事項を追加しようというふうに検討されているというふうに伺っておりますが、それでよろしいでしょうか。
#195
○国務大臣(菅義偉君) NHKのガバナンスにつきましても、通信・放送の在り方に関する与党合意ですか、これで経営委員会の抜本的な改革を行うこととし、コンプライアンス組織の設置など早急に行い、措置する、こういうことになっております。まず、そういう点を私ども総務省として踏まえまして、ガバナンスを強化するため、経営の基本方針、コンプライアンス体制の整備を経営委員会の議決事項とすること等の措置を講ずる放送法というものを今検討しているところであります。
#196
○澤雄二君 今回の放送法改正におけるガバナンス強化については、先ほど内藤委員も言われましたが、民間会社でいうと委員会設置会社を一つ参考にして考えたという説明を我々も受けたわけでございますが、その委員会設置会社の中の取締役会の重要な議決案件が、今追加されようとしている二つであります。つまり、経営の基本方針を決める、コンプライアンス体制を確立する、この二つが新しく経営委員会の議決事項に追加されるということは、客観的には、客観的には経営委員会が取締役会と、民間の会社の取締役会と同じような権限を持つことになってしまうと。
 心配されているのは、その民間会社の取締役会と同じような権限を持つ経営委員会のメンバーを総務省がすべて推薦をされるということであります。今大臣が言われましたように、国会の同意人事で総理大臣の任命はありますが、その前に総務省がそのメンバーを人選されて推薦をされる。ということになると、先ほどから議論されていますように、報道機関としてのNHKの客観性が保たれるのか、政府の影響力を排除できるのかという懸念がされるわけでありますが、大臣どうですか。
#197
○国務大臣(菅義偉君) 今の経営委員会の皆さんも、総理大臣が法律に基づいて国会で衆参の同意を得て任命をしているわけでありますから、そういう意味において、国会同意という国民の正に審判を受けた皆さんが最終的に決断をされるわけでありますから、それは私は、私ども総務省の影響力が強くなるとかそういうことということは、国会同意がやはりすべてだというふうに考えています。
#198
○澤雄二君 そのとおりであります。今の経営委員会も、会長以下の人事を決めることができるほどの権限を持っております。さらに、その上に民間会社でいう取締役会の重要な議決案件まで経営委員会に与えることが本当に必要なんだろうかと。やはり心配なのは、そのメンバーは総務省が推薦をするということでございますので、その辺の、世間では、世論は大変心配しているということを頭に置いていただきたいというふうにお願いを申し上げます。
 それから次に、同じく放送法の改正の中で検討されていますNHKが持っている重要なコンテンツ、大事なコンテンツがたくさんあります。それをブロードバンド配信をすると、NHKアーカイブスをブロードバンド配信、それも有料でやろうというビジネスが行われるように法改正が進められているわけでございますが、ここで会長にお伺いしますが、このときのコストはどこから出されますか。
#199
○参考人(中川潤一君) これはまだ決まったわけでございませんが、基本的にはNHKは、委員御承知のとおり、放送のための受信料しかございません。したがいまして、こういった通信部門といいますか配信事業に関しましては、受信料の金をそのまま投入するわけにはまいりません。したがいまして、今私どもは、その場合はきちんと会計を区分いたしまして、別の事業としてまず会計を立てて、そのうち、当面は設備経費等が掛かりますのでそれは受信料から借りる格好で、行く行くそれが軌道に乗ってきたらそちらの事業から返していくということを考えておるところでございます。
#200
○澤雄二君 これの事業の収支の見通しなんてお持ちでございますか。
#201
○参考人(中川潤一君) これは大変難しゅうございまして、まだ法案が固まっておりませんが、私どもとしては、法案が固まればフィージビリティースタディー等やりまして、どういう例えば番組をどれくらいの量で陳列すればいいのか、それからまた料金はどの程度いただけばいいのか。ただ、これも決してもうけるためということではございませんので、でございますが、非常に安くまた提供すると、これは既にそういった市場も民間にはございますので、そこにそういう受信料を投入して非常に安くそういう商品を出したというふうにまた疑われる、あるいは誤解を生じてもまずうございますので、非常にそういった公正競争にも気を付けながらやらなければいけないと。様々な観点から検討が必要だということで、今後その詳細を詰めてまいりたいというふうに考えております。
#202
○澤雄二君 それは将来、著作権法改正、成るかもしれませんが、今の現行法でいいますと、放送したものをデジタル配信する、ブロードバンド配信するということはデジタルコンテンツに変わるわけですから、これは皆さん御存じのように、著作権をもう一回取り直さなければいけません。多分制作費と同じぐらいの著作権料が掛かります。
 それから、ブロードバンドで配信をしますから、一万人、十万人、百万人という、利用者が増えれば増えるほどそのインフラを大きくしていかなければいけない。大きくすればするほど、一体その採算性というのはどこで取れるんだという物すごい難しい問題があります。ですから、実はこれは民間のテレビ局が随分実験、実験といいますか、事業を立ち上げてビジネスをやりました。全部失敗であります。ギャオも今やっています。これももう間もなく失敗するであろうと言われて不振にあえいでおります。通信会社もいろいろやっていますが、成功しているところは一つもありません。
 最初に言われましたように、本来テレビを楽しむために、いい番組を作ってもらうために受信料を集めているわけでございますから、そのお金を決して無駄に使わないように、今基本的にはこれがビジネスになると考えている人は日本の世の中にはほとんどいないんだろうというふうに思います。つまり、大きく設備投資をしてしまうと、それが全部無駄になってしまう可能性がありますので、その辺をよくにらみながら事業展開を考えていただきたいというふうにお願いを申し上げておきます。
 最後に、少しだけお伺いします。
 一番最初に、冒頭に申し上げました、総務省は放送事業者に対して、ということはNHKに対してでもありますが、行政処分という形で放送内容について口出しをする、言ってみれば言論の自由に対して干渉するということを今法規制でやろうとしているわけでございますが、このことについて会長はどのような御所見をお持ちでございましょうか。
#203
○参考人(橋本元一君) この再発防止にかかわる検討案でございますけれども、やはり我々、行政が取材あるいは番組制作の仕方を判断していく中でこの編集過程そのものに関与していくということとなりかねないことだというふうに考えておりますし、そういうことになりますと、憲法で保障されていますこの表現の自由というものが制約されるということは大変懸念として考えております。そういう意味では好ましくないことではないかと考えております。
#204
○澤雄二君 今回の考えられている法改正の中で問題点は多々ありますが、時間がありませんので一つお伺いいたしますが、総務省として放送内容について公権力として介入しようとしている、行政処分として介入されようとしている。その条件として、虚偽の放送をして社会的に悪影響を与えたときにということが条文として今考えられております。この悪影響を与えたときということについて、しかし条文の中では何が悪影響なのかという判断基準は全く示されていません。これは言論の自由と抵触する非常に重要な問題にもかかわらず、この条件がないというのがすごく不安でありますけれども、どのように大臣はお考えですか。
#205
○国務大臣(菅義偉君) いわゆる虚偽の放送、捏造したことを放送したということを事業者が認めることからまずこの再発防止策というのは私ども考えておるわけでありますから、それは憲法の報道の自由、それについても、やはり私はすべてでなく制約があるという、これはある意味では放送法でも事実と異なることをこれ報道しては駄目だということになっていますから、そういう意味において、私はこの再発防止法の中で、地域だとか被害の拡大範囲だとか、そういう観点からやはり私どもとしては考えていきたいと思っています。
#206
○澤雄二君 質問していることに答弁されていません。悪影響を与えた場合、その悪影響とはどういうときに判断しますかという判断基準が示されていないことが問題だと。お答えいただけますか。
#207
○国務大臣(菅義偉君) 広く国民に影響のある場合、例えば体に、体調に不良を来しただとか、そういう部分について考えておるところでありますし、先ほど申し上げましたけれども、対象者数だとか対象範囲だとか、そういう具体的なことと、さらにこの影響度合い、健康被害、そういうものから考える中でこの再発防止策というものを私どもは考えています。
#208
○澤雄二君 深夜でありますけれども、全国の方が今の答弁を聞かれて、そんなことで言論の自由が侵されるのかというふうに皆さん多分お思いだと思います。
 さらに、お伺いします。
 法律の条文には、悪影響を与えた場合、それからおそれがある場合というふうに書いてあります。おそれとなると更に判断が難しくなりますが、大臣、どうお考えですか。
#209
○国務大臣(菅義偉君) この再発防止策の仕組みというものを考えていただきたいんですけれども、例えば一つの例として、この間、「あるある大事典」が全く虚偽の、捏造したことを放送をいたしました。そして、その翌日から、スーパーに行ったら納豆が売り切れてしまう、納豆がなくなるほど国民の皆さんとしては放送というのは影響があるわけでありますから、こうしたことについて、関西テレビが自ら捏造したことを認める、そこから私どもはこの再発防止策というのをまず考えるわけであります。自ら虚偽の報告、捏造したことを認める、その上で社会的影響を考えて、再発防止策というものをそれぞれの事業者から提出をし、そして国民の皆さんにオープンにするという、そういう仕組みのことを考えています。
#210
○澤雄二君 再発防止策を考えることは非常に重要であります。国民の皆さんが納得するような防止策を考えることは非常に重要であります。でも、その方法として、それをいわゆる公権力が介入する行政処分という形で、憲法で保障された言論の自由というのを侵害してまでもその再発防止ということを考えなければいけないのかということは、これは全く次元の違う話であります。このことを混同して考えていることについて、今問題提起をされています。新聞の見出しでも、放送へ圧力、強める政治とか、報道の自由介入のおそれとかいうような見出しが出ているのは正にそのことであります。
 しかも、法律の条文によると、その行政処分をする理由の悪影響という判断が先ほど言われたとおりであります。さらに、悪影響だけではなくて、悪影響のおそれという更に判断が難しい、どうしてこんなことが法律で出てくるのかと分からないようなことが行政処分をする基準になっております。
 先ほど大臣いろいろ言われましたが、外国の例それから再発防止策についても、つまり放送した内容が事実か虚偽であるかということに直接それをとらまえて法規制をする、罰則を与えるという法律は、世界じゅうどこを探してもありません。
 例えば、公序良俗に反するとか、青少年を守るとか、広告の規制とか、それから政治報道については客観性、公平性がなければいけないとかと、そういうことを準則で指示した法律はありますが、放送した内容を真実か虚偽かということだけで罰則を与えるような法律は世界じゅう探してもありません。もしこういうことが日本で実現をすれば、世界に冠たるといいますか、民主主義国家のリーダーとして大変恥ずかしい、言論の自由を障害する法律ができることになると思います。その辺のことをよく考えて御検討いただきたいと。
 終わります。
#211
○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。我が会派の残余の時間を使いまして、何点か御質問させていただきたいと思います。
   〔委員長退席、理事景山俊太郎君着席〕
 まず、私も冒頭に、二十五日に発生をいたしました能登半島地震でお亡くなりになられた方に心から御冥福をお祈りいたしますとともに、大きな被害を受けられた方々皆様に心からお見舞いを申し上げたいというふうに思います。また、NHKでは本日から義援金を受付をされているということでございまして、敬意を表したいというふうに思っております。
 さて、私、通告幾つかしておりましたけれども、それでいいますと三問目の質問から入らせていただきたいというふうに思います。
 先ほど来、NHKのガバナンス強化、管理監督機能の強化について御議論がございます。私も、イギリスのBBCトラストの改革等を参考にしっかりやっていただきたいということを要望をさせていただきたいと思います。
 その上で、総務省に、谷口政務官来ておられますのでお伺いをしたいと思いますけれども、諸外国では、公共放送及び民間放送局を含めた放送行政全般に対する監督について、政府から独立した機関が行うのが主流になっております。
 日本でも、かつては昭和二十五年から二十七年まで電波監理委員会という独立行政機関がございましたが、廃止をされております。また、その後平成九年の行政改革議論でも、総務省の外局として独立性の高い通信放送委員会というものの設置構想がございましたけれども、とんざをしているわけでございます。そのときの反対論の論拠の一つは、情報通信分野というのは、国にとって戦略性の高い分野であるということでございまして、それはそれで一定の理解は私しているわけでございますが、私も放送の自由、表現の自由というのを重要視する立場からいたしますと、行政からの直接的な規制というのは必要最小限にすべきではないかと考えておりまして、それを担保する一つの手段、考え方として、今よりも政府から独立性、独自性が高い機関によって放送行政全般について監督するということも一つの在り方ではないかと思っておりまして、先ほど来出ております番組の捏造問題等についても、こういったやや政府よりも、今よりも独立したところが中心になって国民の前で見える議論をしていくということが大事なのではないかと、そういう考え方には一定の合理性があるんではないかと思いますが、総務省の見解を求めたいと思います。
#212
○大臣政務官(谷口和史君) 今、遠山委員より、より独立性の高い行政委員会のようなものがいいんではないかという御指摘がありましたけれども、日本は議院内閣制を採用いたしておりまして、内閣の一員である各省の大臣が責任を持って行政を執行することが原則であります。
 一方、今御指摘がありましたように、戦後、日本でも行政委員会が広く導入をされましたけれども、責任が不明確、それから効率的ではない、能率的ではない、非能率といった、こういった理由によりまして、昭和二十六年当時は二十四の委員会があったわけでありますけれども、それが、日本が主権を回復しました昭和二十七年、この二十七年以降、二十一委員会、二十四のうち二十一委員会が順次廃止をされております。それは先ほど御指摘がありました。
   〔理事景山俊太郎君退席、委員長着席〕
 特に放送を始めとする情報通信分野につきましては、技術革新が激しく、国家戦略的対応が強く求められる分野でありますので、機動的、そしてまた一体的、さらに総合的な対応を可能とする今のこの独任制というこの省の形態によることが適当であるというふうに考えております。
 付け加えさせていただきますと、今、日本の情報通信分野では、現在の体制の下で、デジタル放送の進展とか、そして世界では最も安くて速いブロードバンド、こういった実現など大きな成果も上げているところでございます。
#213
○遠山清彦君 時間の関係で、まとめて映像国際放送について総務大臣とNHK会長に同じ質問をさせていただきたいというふうに思いますけれども。
 私も昨年、外務省で外務大臣政務官やらせていただきまして、いろんな日本の外交の最前線の局面で日本の対外情報発信力が弱いということを感じておりまして、そういう意味では、この日本の対外情報発信力を強化するという政府・与党の合意があって必要な改革をする、措置をとるということについては原則的に賛成でございます。
 他方で、当委員会でも今までに議論が行われてきたように、新たな映像国際放送を立ち上げることについては費用対効果あるいは実現可能性という問題もございます。また、菅大臣は先日の委員会での議論で、この映像国際放送の立ち上げの目的について、日本の対外イメージの向上、また親日感の醸成というのを挙げられております。また、放送される番組についても、魅力的なものにしなければいけないということをおっしゃっているわけでございます。
 我が党の澤委員も以前指摘しておりましたけれども、相当魅力的な番組を作らなければ欧米を始めとした海外の視聴者にそもそも見ていただくことができない。見ていただくことができないことに巨額の国費を投ずるという政治責任はこれ後々そうなれば問われてしまうことは火を見るより明らかなわけでございます。
 私、昨年、政務官としてカタールに行きましたときにアルジャジーラの本部に参りまして、いろいろと現地でお話を伺いました。もう皆様御承知のとおり、最初、そのアルジャジーラは中東のCNNと言われて評価をされていたんですが、九・一一の同時多発テロ以降は世界のメディア媒体アルジャジーラという地位を確立をしたわけでございます。
 これは、ただ単にアラビア語ができる視聴者が世界的に三千万人近くいるからというだけではなくて、やはり私は、非常に斬新な視点と、欧米メディアにない、独自の取材努力と、そして魅力的な番組制作ということがあったからアルジャジーラは今日の地位を築いたというふうに思っておりまして、御承知のことだと思いますが、アルジャジーラの報道コンセプトは、英語でワン・オピニオン・ジ・アザー・オピニオンと。一つの意見があれば別の意見があるというスローガンでやっておりますし、また特筆すべき特徴としては、例えば地震報道については、世界じゅうで起こっている地震の報道を、日本で起こっている地震の報道についても日本のNHKさんより早く報道することがあるという評価をされているわけでございまして、いずれにしても、私、アルジャジーラの報道コンセプトとか取材の在り方、非常にオリジナリティーが高いと思っておりまして、それと比べますと、日本の検討委員会の中間取りまとめに書かれている、親日感を醸成するとか対日イメージを上げるというだけでは極めてインパクト弱いんではないかと思っておりまして、その点について、総務大臣とNHKの会長の御見解を伺いたいと思います。
#214
○国務大臣(菅義偉君) 日本の海外に対しての情報発信というのは、例えば韓国あるいはヨーロッパ、アメリカの国と比較をして非常に遅れている。アジアに行っても中国と韓国がもう入り始めていますから、そういう中で、やはり日本も日本の国内を海外に紹介する、そういう情報発信が極めて大事で重要だと、これは委員も外務政務官やられて認めておられるところであります。
 そういう中で、私ども今、情報通信審議会の議論では、先ほど委員から指摘がありましたけれども、日本の対外イメージの向上だとか多元的なアジア情報の発信だとか、こうしたことを映像国際放送のねらいとしているところでありまして、具体的には、工業デザインだとかファッションだとかアニメだとか漫画だとか、欧米文化の模倣を突き抜けた現代日本文化を積極的に発信をしていく、アジア関連情報について日本的、アジア的な見地からの報道を行っていく等の一定の方向性というものをこの審議会から出されております。
 さらに、この新しい映像国際放送の実現に当たっては、こうした審議会における議論も踏まえまして、他の国際放送に見られない特色、斬新なアイデアに基づいた魅力的な番組を制作、編成していかなければ見ていただけることができない。
 さらにまた、かつて委員からも指摘がありましたけれども、施設設備ですか、そうしたものについても私ども十分考えて、実際に見ていただけるものを作らなきゃ何にもならないわけでありますから、そういうものも含めて検討させていただきたいと考えております。
#215
○参考人(橋本元一君) テレビ国際放送についての基本的な考え方で申し上げます。
 我々実際にこの国際放送というものを行ってきた事業者としまして、これでかんがみますと、やはりよその国から信頼してその番組を受信してもらう、その意欲というものはやはり私ども、自慢になりますが、これまで日本のこのNHKのブランドということが大変有効だったんじゃなかろうかというふうに考えております。そういう面では、やはり公共放送としてのそのブランドという位置付けというのは大変大事になるんじゃなかろうかと考えております。
 それから、財政的に、先ほどカタールのアルジャジーラの話が出てきましたが、ここは相当、設備投資あるいは運営経費というものを相当な額つぎ込んでいると聞いております。我々NHKの国際放送とはけた違いだというふうに聞いております。そういうふうな、いわゆる運営経費含めた実際の経費というものを、いかにその放送を継続するという視点から確保していくかということも大事な要件かと思います。
 それからもう一つ、現在、NHKでも国際放送を行っている中で課題になっておりますのは、やはり各国上空まで電波届けているものの、なかなか受信環境が整わないために具体的にお客さんが確保できないでいる、非常に大口径のパラボラが必要だとか、あるいは共同聴取システムに結び付いていないとか、そういう点がございますので、是非そういう点まで含めて有効な施策を取りませんと、遠山委員がおっしゃるように経費の無駄遣いになってしまうということがあろうかと思います。
 そういう面で、これからこの国際放送というものを具体的に考えるに当たっては、以上のようなこと、当然ながらハート、相手のお国の方々のハートをつかむ、そういう番組は当然必要でございます。NHK、現在、国際的な放送において外国人向けの放送では英語化率を二十年度には一〇〇%にしていこうというふうな現時点での努力を進めているところであります。
 こういう中で、国際放送、現状としても拡充していくというふうな運用をしていますけれども、先ほどの地震の話でいえば、NHK、これ、先日の能登半島の地震についてもすぐ、三分後にはもう国際放送で流していますので、多分NHKの放送の方が早いかと思います。
 以上でございます。
#216
○遠山清彦君 終わります。
#217
○吉川春子君 日本共産党の吉川春子です。
 初めに、私は能登半島沖の地震において被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。また、お亡くなりになりました方に心からお悔やみを申し上げます。
 我が党は、地震当日、すぐに国会議員、地方議員が入りまして調査活動、救援活動を行っております。NHKにおかれましては、ローカル放送も含めて身近な情報も含めた放送をお願いしたいと思いますし、また総務大臣、最初、コメントありましたけれども、是非、地域、人々の生活が一日も早く復旧しますように頑張っていただきたいと、そのことを申し上げます。
 まず、NHK会長に命令放送でお伺いします。
 総務省は、昨年のNHK国際放送への個別事項での命令放送を強行いたしました。NHKに伺いますけれども、平成十八年十一月十日に拉致問題の命令放送の交付を受けて、拉致問題関連の放送本数は増えていると思いますが、具体的な数字をお示しいただきたいと思います。
#218
○参考人(橋本元一君) これ、具体的な本数については別途、後ほど申しますが、実際にこの十一月十日付け、ここで前後を比較したケースでありますが、後半の方が多いという数字になっております。
 具体的には、前半、これは九月から十一月九日までを取ったわけですが、拉致問題関連の原稿でいいますと百八十本ぐらいございます。それから、その後、同じ時期でいいますと、後半のところは二百六十本ございます。こういうふうなことで、合わせて四百四十本ございますけれども、実際にこの増えた内容といいますのは、やはり何といいましょうか、北朝鮮をめぐるいわゆる核問題だとかあるいは六か国協議、APECあるいは国際会議、そういうふうなものを含めたニュースが多うございました。こういう点で、これについてはNHKの判断で、やはり大変日本の国民の関心事ということでございますので、こういう点できちっと伝えているという表れかと存じます。
#219
○吉川春子君 命令放送の根拠となりました、いざというときに邦人の救援ができないのだということがありましたけれども、NHK会長、命令放送ではないとこういうことができにくいという事実がありますか。
#220
○参考人(橋本元一君) NHKの場合、これまでも拉致問題等については非常にきめ細かに放送してきたと自負しておりますし、実際にこういうふうな命令放送前後で放送の出稿本数というものが増えております。これはその時々の、時々刻々のそのニュースの増減というのがございますから、それに従ってNHK自身の編集判断で行ってきているということでございます。あくまでもNHK自身の自主的な、自律的な編集判断でニュースは出しているという姿勢でございます。
#221
○吉川春子君 総務大臣、命令放送を要請放送に変えるかどうか検討中とも伝えられておりますけれども、命令にせよ要請にせよNHKとかあるいは放送局に対して政府が番組に介入するということは好ましくないと思います。私は命令放送をおやめになるように強く要請いたします。いかがですか。
#222
○国務大臣(菅義偉君) 私どもはこの国際放送について、海外で生活をしている日本国民の皆さんに国の状況だとか、あるいは政治の状況、さらに人道的な問題、あるいは災害、そうしたものを考えたときに、この仕組みというのは現在法律でうたわれておりますけれども、必要であるというふうに考えております。
#223
○吉川春子君 命令放送について、この今日の委員会でもいろいろありましたけれども、私はこういうものはやめるべきだということを重ねて申し上げておきたいと思います。
 安倍内閣に入って、NHKや民放への介入の姿勢が非常に目立つと私は思います。関西テレビの「発掘!あるある大事典」捏造問題を契機として放送局への締め付けが強まっています。総務省は従来から放送局への行政指導を行っています。最近五か年間の注意、厳重注意、警告など行政指導はそれぞれ何件行われておりますか。件数を報告してください。
#224
○政府参考人(鈴木康雄君) 今、三年間ということでございますが……
#225
○吉川春子君 五年間、五年間。
#226
○政府参考人(鈴木康雄君) 五年ですか。はい。
 五年でございますれば十五回、十六件の行政指導をいたしております。
#227
○吉川春子君 内訳についても言えますか。
#228
○政府参考人(鈴木康雄君) 放送法三条の二の第二号及び有線テレビジョン放送法第十七条に定めております政治的に公平であることに違反したものが三件、同じく放送法第三条の二の第三号、報道は事実を曲げないということに違反したものが六件、同じく放送法第三条の三、各社それぞれの番組基準によって放送番組の編集をしなければならないという番組基準違反が七件でございます。
#229
○吉川春子君 具体的な事例でお伺いします。
 二〇〇三年、平成十五年九月十三日放送、テレ朝の「ビートたけしのTVタックル」について総務省は行政指導を行いました。理由はどういうことだったんでしょうか。
#230
○政府参考人(鈴木康雄君) これは、平成十五年九月十五日に放送いたしました番組において、過去の国会において拉致問題を取り上げた際に、その模様を報道したわけですが、ある衆議院議員の実際の発言とは違う場面のやじの映像を編集して放送したものでございます。その場面と違うところで話していた内容を合成して放送したというものでございます。
#231
○吉川春子君 BPO、放送倫理・番組向上機構というものがございますけれども、テレビ局に対する総務省の行政指導に関する声明を出しています。この中で、放送と人権等権限に関する委員会が審理の結果、テレ朝が重大な過失によって藤井議員の名誉を侵害したということを認定して、同局に対し適切な措置を講じるよう勧告を出していますね。そういうBPOというのはNHKと民放が協力して作っている組織でありますし、テレビ局に対する総務省の行政指導に関する声明を出しております。それはどういうものかといいますと、既に自分たちの作っている機構でそういう勧告をして、これはまずいという判断を行っているにもかかわらず、その後更に、それに基づいて総務省が行政指導を行ったと。
 これは、放送局自身の自律作用として行っていることに対して更に行政省が判断するという必要がどこにあったのか、伺います。
#232
○政府参考人(鈴木康雄君) 私どもは放送行政に責任を持つ省庁といたしまして、私どもが、放送法に違反している事項があれば、その必要に応じて行政指導を行うべきだと考えております。
#233
○吉川春子君 大臣、既にNHKと民放が一緒に作っている機構ですね、ちょっと片仮名であれですけど、BPOにおいて、その番組は好ましくなかったということを自ら勧告をして改める姿勢を示しているにもかかわらず、その後、わざわざ総務省が更にそれにかぶせて行政指導をするという、そういう必要はなかったと思うんです。どうしてこれは自律作用というか、そういうものに任せられなかったんでしょうか。
#234
○国務大臣(菅義偉君) 今の話は藤井議員の件だったというふうに思いますけれども、私どもはやはり国民のこの大事な電波を所管をいたしておりますので、その健全的な発展を行うのは私どもの大事な仕事であるというふうに思っていますので、そういう判断をさせていただきました。
#235
○吉川春子君 そういう一般的、単純な理由で、本来放送業界が民放もNHKも含めて作っていて、それで、この番組は自分たちから見ても好ましくないねということで改めようよということを出しているわけですね。それに対して、更に行政がそのBPOで認定した事実に基づいて行政指導を行うというのは行政の介入ではないかと。私は、このやり方というのが非常に問題だというふうに思いますし、今数字もお示しいただきましたけれども、非常にその行政指導というものをやり過ぎている、番組に対して総務省は介入のし過ぎだと、私はこのように思います。
 そこで、NHK会長にお伺いいたしますけれども、先ほど同僚議員からも質問がありましたけれども、今度、加えて行政処分を導入しようとしています。今までは行政指導なんですね。まあ、指導でも良くないと私は思いますけれども、今度はそれを法律を作って行政処分を導入しようとしております。
 関西テレビの番組捏造問題は放送に対する信頼を大きく損ねた重大問題だと、それは私も認識を同じくしているんですけれども、放送法自体が定める番組規律で最も基本的になるのは、放送法ですよね、放送法の三条の二、一項の番組編成基準であり、公安良俗、そしてその政治的公平、報道の真実性、多角的論点の解明の四項目が規定されています。
 会長にお伺いしたいんですけれども、総務省が、放送法違反があった場合に放送局に再発防止計画を提出させる、こうした行政処分を行うことになれば、私は番組の企画など編集過程に行政が関与する、そういうおそれにつながると思います。その点についての御認識はいかがですか。
#236
○参考人(橋本元一君) 基本的に、こういうふうな事件の場合は放送事業者が自ら、その者が自らこれに対して自浄作用を働かせ、また今回、具体的にこのBPOという組織によって放送事業者全体としてもやはり同じ問題としてこれを考えて再発を防止するということが大変重要かと思います。
 その中で、やはり行政が具体的に取材、あるいは番組制作の仕方の中まで編集過程そのものに関与するということは大変懸念されるわけですし、いわゆる憲法で言う表現の自由というものに触れてくるというふうに考えておりますので、これは好ましいものではないというふうに考えております。
#237
○吉川春子君 総務大臣、お伺いしますけれども、総務省が放送法改正案に盛り込もうとしているその行政処分、これは運用を徹底すればするほど番組に権力の手が入る、行政が取材の仕方を判断する、あるいは取材源の秘匿が懸念される、番組の企画から送出までの編集過程そのものに行政が関与する、そういう危険性が出てくるんじゃないでしょうか。これでは憲法で言う表現の自由が制約されるのではないかと私は危惧します。
 先ほど、総務大臣は表現の自由といえども無制限じゃないんだと、いろんな制約があると、このようにおっしゃいました。しかし、憲法は表現の自由というのは何ら留保も付けずに保障しているわけですよね。非常に強い規定なわけです。そして、ましてや日本のちょっと前の歴史を見れば、この表現の自由が徹底的に抑え付けられた、そういう歴史があるわけじゃないですか。これはフランス革命に発する自由権であるんだけれども、特に日本はそういう歴史を踏まえた上で表現の自由というものは大切に守られなくてはならない、その一環としてのメディアのこの番組に対する介入、行政処分なんてもう本当にとんでもないと思うんですよ。この点について、私は大臣にこういうことはやらないと、思いとどまっていただきたいと思いますが、いかがですか。
#238
○国務大臣(菅義偉君) 表現の自由も先ほど申し上げましたけれども、憲法上無制約ではなく、現在の放送法においても報道は事実を曲げないですることという形になっております。
 かつて、最高裁の判例も、表現の自由といえども無制限に保障されるものではなく、公共の福祉云々という判決も平成五年に出ております。本来であれば、これは放送事業者が自浄作用を行うべきだというふうに私は思います。
 しかし、例えば今回の場合どうだったんでしょう。あの「あるある大事典」が捏造したと、このことを当初、放送事業者自ら認めていませんでした。これは報道とかほかのマスコミの中で認める経緯になったわけですけれども、最初に出た私どもに対しての報告書というのは、すべての原因は孫請会社にあるという内容でありました。そして、経営責任も実は全く触れてもいない内容でした。
 私は、全く捏造された事実が全国に報道されて、そして国民の皆さんはそのことを信じて納豆を買ったわけですから、スーパーに納豆がなくなるという、そういう事態があって、にもかかわらず最初の報告書というのはそういうことでありました。
 今、民放連がBPOの中でもこうした番組に対しての規制を設けるという話もしました。これも実は私どもがこの再発防止策を発表してから民放連が逆に付いてきたことであります。私は、本来であれば、業界全体が、放送事業者の皆さん方がこうしたことを自発的に自浄作用やるのは当然のことでありますし、私もそこに期待をしていたわけでありますけれども、何もなかったから私どもはこうしたことに対してこの再発防止策を今回の国会の中で提出をということに至ったところであります。
#239
○吉川春子君 BPOが五月か六月か分かりませんけれども、正式にもっと改組して、そしてその権力の介入を許さない、また自浄作用を高めるための努力をしているときに、それに先んじて行政処分をやるということは、行政処分を導入しようという動きはとんでもないと思うんです。やっぱり権力が表現の自由に介入する、放送に介入する、その弊害は納豆がスーパーからなくなる、その弊害どころではないんですよね。私はそのことを歴史に照らしてすごく懸念するわけです。NHK会長、こういう権力の介入を許さないために、NHKも民放と一緒になって頑張ってほしい、その決意を最後にお伺いします。
#240
○参考人(橋本元一君) 我々、この問題から大変大きな教訓を得たわけであります。やはり放送というものは本当に視聴者の方々の信頼、これによって成り立つということであります。そういう点で、このような問題あれば、やはり我々自身、まあ放送事業者自身がきっちりと自主的にこの対応をしっかり取り、再発防止等含みます、そういう中で視聴者にこれを公開していくというふうなことは大変大事なことでありますし、こういうふうなものはやはり我々自身がやっていくということでこの行政の介入というものから自らをしっかりと保っていきたいというふうに考えております。
#241
○吉川春子君 終わります。
#242
○又市征治君 社民党の又市です。
 本題に入る前に、二十五日に発生をしました能登半島地震で被災された方々に心からお見舞いを申し上げ、私たちも復旧・復興に尽力をしていく、そんな決意をまず申し上げておきたいと思います。
 さて、今日はNHKの報道姿勢について質疑をしてまいりたいと思いますが、ずっと朝から、そういう意味ではどうもこの政治介入あるいはその懸念の問題が与野党を問わずにたくさん出されておるわけでありますから、この点の報道姿勢の問題を中心に質疑をさせていただきたいと思います。
 まず、このNHKが受信料を地上デジタルへの投資などよりも質の高い番組づくりにしっかり使っているのかということは国民の関心事であります。公共放送らしい豊かで良質な番組であれば国民の皆さんも納得されるんだと、こう思うんですね。
 先ほどから出ていますが、イギリスのBBC放送では、質、インパクト、あるいは接触率などといった指標を示して受信許可料の使途の選択と集中を行っているというふうに聞きますが、このBBCのそれらの指標について具体例を紹介願いたいと思います。
#243
○参考人(橋本元一君) お答え申し上げます。
 今、四つの指標について委員の方から御指摘ございました。これについて、いろんな形、まあ世論調査等使いながらBBCは評価をしているというふうに伺っております。
 まず、接触者率ということでありますが、これは視聴者あるいは占拠率といいますかその占める割合と、そういうふうなものではなくて、一週間で十五分以上BBCの番組を見るという、この視聴者がどの程度の割合であるかということを示す世論調査で定点観測する指標でございます。
 それから、質、これはクオリティーとかスタンダードというふうな言い方をしておりますけれども、視聴者の認識を世論調査の中で問うております。具体的には、インターネットによる調査というふうなもの等を使っているようでありますけれども、高い質の番組であったかどうか、まあこれはNHKによく似ているんですが、またこれも似ているんですが、独創的であったかどうか、こういうふうな設問を視聴者に示しまして定量的に把握しております。
 また、インパクトというのも視聴者のこの認識というものを問うているわけでありますけれども、視聴者がどれだけそのテーマを考えるに至ったかなどを、これは視聴者の個々人のいわゆる生活様式あるいは考え方にどのような影響を与えているのかというふうなことを評価するもので、これは定量的というより定性的な評価でございます。
 それからもう一つ、コストに見合う成果という指標ございます。これは、その番組に対して視聴者がどの程度お金を払ってもいいと感じたかというバリューを評価するものであります。実際に掛かったコストと比較して、BBCでいいますと受信許可料でございますけれども、許可料がどれだけ有効に使われたかを評価できるものと聞いております。
 これが具体的な四項目でございます。
#244
○又市征治君 そこで、イギリスで二〇〇三年にブレア政権がBBCの報道姿勢に脅しを掛けて会長が辞任するという事態が起こりました。これは、BBCがブレア政権はイラクの脅威を誇張してきたと、こう指摘したことが原因だったわけですね。当時の会長ダイクさんは、政府がBBCに圧力を掛けてこようとすれば徹底して闘うという姿勢を明確に打ち出しておりました。
 経過を見ますと、最初に行われた調査委員会は誇張がなかったと、こういうふうに報告があったわけでして、したがって、その裁定はせいぜい両成敗ではないかと思われていたにもかかわらず、結果は、さっき申し上げたように、一方的な会長解任というところまで行ってしまった。ところが、これが問題なわけでありまして、事後の調査、新聞ガーディアン紙の情報公開要求、さらには裁判による公開の検証では、逆に政府も情報操作の過程が明らかになってきた、こういうことでありました。
 結局、イギリス政府はイラクに大量破壊兵器はなかったということも認め、ひいては撤退をするということになっていったことになるわけですが、そこで菅大臣にお伺いしますが、大臣は、今朝から出ていますように、国際放送における命令放送、あるいはNHKの受信料の値下げ要求、あるいはまた今回伝えられる放送法の改正問題、NHK、民放問わず放送への政治介入に大変熱心ではないか、こういう声が非常に高いわけでありまして、このBBCとイギリス政府とのバトルの結末というものを見たときに、教訓とすべきことはないのかどうか、この点について見解をお伺いしたいと思います。
#245
○国務大臣(菅義偉君) 私は、NHKにも民放に対しても、自ら進んで政治介入する気持ちは全くありません。本来であれば、放送事業者がその法律に基づいて真実を淡々と伝えてくれればいいわけでありまして、そのことの自浄作用が働かなかったから、私どもが、この国民の資産である公的電波を所管をする大臣として、私は放送法改正、放送法の中に再発防止策等を今検討いたしておるところであります。
 今委員からも御指摘のイギリスのBBCでありますけれども、放送は国民生活に必要不可欠な情報を提供する手段であり、このような役割を通じて健全な民主主義の発達に重要な役割を果たしてきているわけであります。そこで、このように、放送については、番組編集の自由を保障するなど放送事業者の自主自律を基本とする一方で、報道は事実を曲げないですること、意見が対立している問題についてはできるだけ多くの角度から論点を明らかにすることといった国民に正確かつ多様な情報の提供を確保するための必要最小限の規律というものを課しているところであります。
 今委員から御指摘がありましたイギリスの例については、独立司法調査委員会の報告書においてBBCが非難をされて当時の会長が辞任した、このことについても私は知っておりますし、いずれにせよ、放送事業者が放送法の規律を遵守しつつ適切に放送を行うことによって、国民が放送の効用を十分享受できるようにすることが私の役割だというふうに考えています。
#246
○又市征治君 放送事業者が淡々と真実に基づいて伝えてくれりゃいいんだと、だとすれば命令放送なんか要らぬじゃないですか。現実にNHKはずっと拉致問題で七百本もやっていましたと、こう言っていたわけですね。だから政治介入だと言われると、与野党から出ているわけですよ。
 そこで、やっぱり今の問題について言えば、国営放送ながらBBCが政治権力からの独立性をやっぱり堅持をして真実を公正に伝えたことが最終的には国民を動かし、むしろ政治家の方、政治権力の方を改めさせたということを私たちはしっかり踏まえていく必要があるんだろうと思うんです。そういう点では、BBCの報道姿勢は堅持をされているし、国民の信用、信頼性も損なわれず、逆に会長の首を切った政府の方が恥をかいたというのがイギリスの結果でありますし、これは教訓とされるべきなんだろうと思います。
 そこで次に、NHKのイラク戦争に関する報道の体制について、これは以前にも私伺いましたが、職員などの安全を第一に考えて隣国に駐在しており、イラク国内の取材は現地人等のスタッフ、つまり下請に委託しているという話でありました。現在、どのような判断をし、どんな体制で行われているのか、お伺いをします。
#247
○参考人(原田豊彦君) イラク報道につきましては、NHKは、これは日本の報道機関としてはNHKただ一つでございますけれども、現在バグダッドに職員を駐在させておりまして、イラク情勢の取材、現地からほぼ毎日ニュースを出しているところでございます。それに加えて、中東、アメリカ、ヨーロッパ、それから世界の各地の取材拠点、日本国内の取材を通して、イラク情勢をめぐる様々な動き、多角的にお伝えをしているというところでございます。
 イラクの現地の情勢は、現地の報告によりますと、宗派間の対立が大変激しくて内乱に近い状態というふうに認識をしておりますけれども、職員の安全につきましては、海外メディアも拠点にしております場所に駐在をさせておりまして、専門の警備会社とも相談しながら、十分配慮をいたしまして取材活動を続けているところでございます。
#248
○又市征治君 サマーワの陸上自衛隊は撤退をしたわけであります。そのことの評価いろいろとありますけれども、今国会でもイラク特措法の延長法案が提案をされようとしております。
 なぜか。言うまでもなく、航空自衛隊によるアメリカのイラク戦争への協力を続けたいからということでしょう。その中身は何かといえば、政府は物資や人員の輸送だとおっしゃるわけですが、物資は武器弾薬を含む軍需品でありますし、人員は、日本の自衛隊機に乗るときだけ丸腰になるというばかなことはないわけでありますから、明らかに武装した兵員の輸送ということになるんだと思いますね。だから、いつ撃ち落とされるか分からない大変危険な状態にあるんではないか。
 今も話があったように、イラクの内戦は泥沼化をして、これまで米軍の死者は既に三千人を超えて、九・一一テロの犠牲者を上回ってしまう、こういう事態があって、アメリカでは大変な反戦運動になってきている。一方で、イラクの一般民衆の犠牲者はそれよりも二けたは多いだろう、こう言われる大変な事態に今なっているわけで、今もイラクなり隣国のクウェートなりに駐在をして米軍を輸送している日本の戦争協力の実態について、残念ながらNHKはほとんど私は報道されていることは見掛けないわけですけれども、客観的な事実を国民にもっと知らせるべきではないか。とりわけ、航空自衛隊は何をしているのか、もっと明確に知らせるべきではないかと、こう思います。また、悪名高い自衛隊との報道協定はその後どうなったのか、この点についてもNHK側にお伺いをします。
#249
○参考人(原田豊彦君) 航空自衛隊のイラクへの物資の輸送につきましては、平成十六年三月に活動を開始したわけですけれども、その段階では、クウェート、サマーワに私ども取材班を派遣いたしまして、陸上自衛隊の活動の模様と併せて取材し、報道いたしました。その後、今、NHKとしてはバグダッドに人を駐在をさせております。そうした中で、クウェートには人員を常駐させておりません。そういう意味で、航空自衛隊の日常的な取材、難しい面がございますけれども、その動静につきましては、引き続き注意を払って機会あるごとに取材をしてまいりたいというふうに考えております。
 それから、NHKは自衛隊とは報道協定は締結はしておりません。
#250
○又市征治君 どこの政府もどこの軍もそうですけれども、自分の都合の良いシーンしか報道させたがらないという傾向があることは言うまでもありません。それを乗り越えてBBCのように独自の取材や客観的コメントを放送することが、正にその意味では公共放送、皆様のNHKを売りにされるNHKのむしろ使命なんだろうと思うんですね。是非、間接的取材によってでもいいですから、現地の状況や航空自衛隊の実態について、危険なら危険だ、ありのままやっぱり国民に実態を知らせてもらいたい。判断をするのはやっぱり国民ということなんだと思うんですね。
 そこで、BBCの問題に戻りますが、二〇〇三年三月に戦争報道の指針をまとめて、その中で、我々は客観的であらねばならない、感情的に飾ることなく情報を提供することが主な仕事である、我が軍と呼ばずイギリス軍と呼ぶのが適切である、こういうふうに定めた、こういうふうに言っています。だからこそ、また国際的にもこのBBCというのは信頼性が高い。NHKも随分とBBCの番組買っておられるんだろうと思いますけれども。日本で命令放送、あるいは今度法改正で、命令ではなくて、何か求めるとか要請とかということに言われるようですけれども、これを突破口にして国内放送も含めて、政府がある日、我が政府、我が自衛隊と呼べと、こう要請などをされないように願いたいものでありますけれども。
 そこで、橋本会長に伺いますが、NHKは例えば戦争や外交の報道についてBBC並みに独自の客観的姿勢、我が政府はではなくて日本政府はと呼ぶ、そんな態度を当然貫かれるものだと思いますが、この点の所見を伺っておきます。
#251
○参考人(橋本元一君) 我々は報道機関として、いわゆる自主自律、正確な報道を伝えるということが使命であります。その意味でこのBBCの表現の例えでありますが、現在でも使っております日本政府というふうな言い方できっちりと守ってまいりたいと思います。
#252
○又市征治君 そこで次に、NHKは先般、第二次大戦中の朝鮮人従軍慰安婦問題の報道で、取材相手の期待権を侵害したとして東京高裁から賠償を命じられました。
 裁判について今ここで触れるつもりはありませんが、日本による植民地化、大量の強制連行など、歴史的な事実についてもっともっと国民に知ってもらうということが韓国や朝鮮、両国の国民との間の本当の意味での友好であるとか、あるいはこの北東アジア地域の平和と発展につながっていくんだろう、そのことは非常に大事なんだろうと思うんです。そういう意味では、余り感情的な報道などということがあってはならないんだろうということが大事だろうと思います。
 改めて、何度も私これは申し上げてきたことですけれども、韓国、朝鮮との近現代史についてどのように報道をされてきたのか。この一年分、簡潔に紹介をいただきたいと思います。
#253
○参考人(原田豊彦君) 今のお尋ね、去年四月に放送いたしましたNHKスペシャル「ドキュメント北朝鮮」、これは三回シリーズでございました。世界に脅威を与えながら秘密のベールに閉ざされております北朝鮮の実像を可能な限り明かすという番組で、大変大きな反響がございました。
 最近では、今年、この三月でございますが、衛星ハイビジョンの番組でございますけれども、ハイビジョン特集で「世界から見たニッポン」というシリーズを放送してまいりましたけれども、これの明治編と大正編合わせて四本の番組をまとめて放送いたしました。その中では、日本が日清、日露戦争を経まして列強の一員となってやがて韓国併合に踏み切るまで、アジアの国々がこれをどう見ていたか、そういったところを残された記録映像を基にして探った番組でございます。
 そのほか、「クローズアップ現代」では、日本と韓国の関係改善に向けた動きを追った番組、それから北朝鮮から脱出した日本人妻たちを追った番組などを放送しております。
#254
○又市征治君 この総合テレビの中身を見ますと、総体としては非常に少ないということをまず申し上げたい。二つ目には、総合テレビの中身見てみますと、現在の北朝鮮物に偏っている、こういうふうに気がするんです。
 私、ずっと申し上げてきたのは、もっと近現代史そのものを全体にわたって、日朝、日韓の多様な交流史というのがあるわけでありますし、それはもちろんのこと、負の部分もあれば、加害の部分もあるわけですけれども、正にNHKだからこそ豊富なアーカイブをお持ちなわけであって、そういったものをもっともっとしっかり報道し、やっぱり国民に判断を求めていく。今の中で国民の感情をあおることではなくて、史実に基づいたものをやっぱりしっかりとやっていくということが非常に大事なんだろうと、このように思うわけでして、これは時間がありませんから意見として申し上げておきたいと思います。
 いずれにいたしましても、放送の自主自律を堅持をして、真実に基づく豊かで、そして良質な番組の公共放送に引き続き努力されることを強く求めて、私の質問を終わりたいと思います。
#255
○後藤博子君 国民新党の後藤博子と申します。
 今日は朝から大変お疲れさまで、最後の質問になりますので、よろしくお願い申し上げます。
 まず、この質問の機会をいただきましたことに大変感謝を申し上げます。また、能登半島の地震に対しまして、心からのお悔やみとお見舞いを申し上げます。
 昨今のテレビの番組でも、ニュースでも、新聞でもそうですけれども、本当に暗いニュースが多くて、何か心躍るような、わくわくするようなものが本当にないなと最近感じております。
 私が初めてテレビを見たのは昭和三十年ですから、白黒テレビが初めて我が家に来て、近所の人たちが見に来て、私たちの家が、一室が劇場みたいになってしまったことを今でも覚えております。
 そして、NHKといえば、私は子育てのときに「おかあさんといっしょ」という番組で子供を育てました。忙しい家事の傍ら、テレビを見ている合間に、「おかあさんといっしょ」というテレビを子供たちが見ている合間に私も掃除、洗濯をしながら、また手を休めて歌のお姉さんと子供たちと一緒に歌を歌ったり、そういうことを思い出しますし、また私自身、一九八一年、ブラジルへ移住をしておりました。そのときも日本から送られてくる放送に懐かしさを覚え、特に紅白歌合戦では涙しながらその番組を食い入るように見て、あちらの日系の一世や二世の方々が日本に対する懐かしい思いを寄せながら紅白歌合戦を見ております。
 ですから、NHKというのはとても大切で、親しみがあって、日本の私は文化だと思いますので、そういう点で日本の文化であるNHKそのものがこのたびの不祥事で大きく信頼をなくしてしまったことに、私だけではなくて、海外におられる日系の方々、三百万と言われておりますし、ブラジルでは百五十万と言われる方々がおられますけれども、その方々にとってのNHK、信頼を回復し、いい番組をどしどしと作っていただきたいと思っております。
 昨年に私は、暗いニュースの中でもうれしいニュースがありまして、それは六月に当時、竹中大臣がブラジルを訪問され、ブラジル政府は、同国におけるデジタルテレビ方式として、日本で開発されたISDB―T方式を基礎とするデジタルテレビ規格を採用することを決定したというものでした。今後、我が国との協力によりブラジルによって開発、提案される様々な技術を取り入れ、日伯方式ともいうべきデジタルテレビシステム規格を策定し、普及させることになるそうですが、ブラジルに私は三年近く、四年近く移住しておりましたので、私にとりましても、日本とブラジルとのこれまでの長い友好関係の成果ととらえて、大変うれしく思っております。
 このようなNHKの持つ独自技術の特許料あるいはライセンス料は経営にどのくらい寄与しているのでしょうか。橋本会長は技術屋さんということを聞いておりますので、その辺含めましてお伺いをさせていただきます。
#256
○参考人(橋本元一君) このNHK技術研究所で研究開発してまいりました技術の成果の還元という形で、特許料あるいはライセンス料という形で収入が入ってまいります。これは非常にまだ規模が小さいものでございます。
 具体的に申し上げますと、平成十七年度における特許料、ライセンス料の総収入は六・五億円という規模でございます。この全体の受信料収入、まあ六千億規模ということでいいますと大変少のうございまして、〇・二%以下というふうな規模であります。
 ただ、受信料を除く収入、これ副次収入と言っていますが、この中でいいますと、およそ九十億の副次収入というのがありますけれども、この中でいいますと七%規模というふうなことで、大変少のうございますけれども、しかし、実際にこれからこういうふうな副次収入の中での特許料、ライセンス料というものもやはり経営の財政の中では寄与してもらわなければいけないということで、積極的に情報についても民間に提供していきたいというふうに考えております。
#257
○後藤博子君 是非頑張っていただきたいと思います。
 そして、日本で開発されたデジタルテレビ規格の採用について、今後、南米諸国などにどのように働き掛けていくおつもりなのでしょうか、現状も含めて御説明をいただきたいと思います。よろしくお願いします。
#258
○政府参考人(鈴木康雄君) 地上デジタルテレビ放送の方式につきましては、先ほど委員御指摘の日本が開発しましたISDB―T方式のほか欧州方式、アメリカ方式と、三方式が世界的な標準ということに国際的な機構で定められておりますが、そのうちで、御指摘のように、昨年の六月、当時の竹中大臣がブラジルに渡りまして当時のルーラ大統領と協定を結び、日本の方式を基としたブラジルでの発展方式、日伯方式とでもいいましょうか、それを採用することになりました。
 こうなりますと、南米の大国でありますブラジルの方も一生懸命やっていただいておりまして、隣国でございますアルゼンチン、チリ、ウルグアイといった南米諸国に対しまして、今、私ども日本の政府及びメーカーだけではなくて、ブラジルに駐在しております日系の企業及び純粋のブラジルの企業も一緒になってミッションの派遣あるいはデモンストレーションを行っております。また、もちろん外交チャンネルも利用しつつ、日本方式の有利性をアピールしていきたいと思っております。
#259
○後藤博子君 ありがとうございます。ブラジルの決定は本当に大きな足掛かりですよね。本当に、そういうことで日本の技術が認められたということに対しましては非常に私も誇りを感じております。
 そういう技術的なことには誇りをすごく感じるんですけれども、やはり昨今、日本人としての誇りはなかなか、どこに行ってしまったのかなと思うことがたくさんあります。最近では、テレビに映し出される映像には、品のいい紳士がひたすら頭を下げて謝り続けているという状況をよく見ますので、ああ、もうやっぱり情けないなというふうに考えます。
 最近のある会合で、私は大分県ですので、国東市というところがありまして、大光寺というお寺がありまして、そこの住職さんは、そこはもう過疎になりましてお年寄りの人しか住んでいないんですけれども、過疎になってもへき地になっても心は過疎にしてはなるものかと言って、毎回、文化講演会を催しているあるお寺があるんですね。
 そのお寺の住職さんの話によりますと、大分に思想家の三浦梅園という先生がおられるんですけれども、その先生の話を聞きまして、その書の中で、ちょうどいただいたんですが、この三浦梅園さんの書なんですけど、これ、恥を知れと書いているんですね。恥を知れということを書いておりました。この書の意味は、単に人を罵倒するだけという言葉ではなくて、恥というのは慚愧という言葉でも表現されるそうですけれども、慚は人に対して恥じること、愧は天に対して恥じることをいうそうでございます。恥という言葉は、日本人の行動様式や文化に深くかかわる観念だと思っておりますが、私たち日本人というのは、恥の文化ということはこれはイコール日本のいい文化だと私は思っております。
 そういう点では、文化を壊すことがこのごろ非常に多くて、その一つであるNHKさんに対しましても、視聴者の皆様が度重なる不祥事で、あのNHKが、天下のNHKが、日本の誇るNHKがということで非常に嘆いている、驚きの声を私も耳にいたしました。それを聞いた人たちは、支払拒否をする人も多くなりましたし、また、恥を知らない人たちは、これ幸いと支払の義務を怠っている方々もたくさんおられます。
 NHKは、これではやはり経営が立ち行かないということで、受信料の支払義務化を法律で定めてくれと政府や与党にお願いしているということでございますが、まずNHKの信頼を回復することは、これはイコール日本の文化を私は取り戻すことになると考えております。
 そういうことの基本を踏まえまして、NHKが受信料徴収経費の削減と受信料納付率の向上という非常に難しい目標を達成しなければならない状況ですけれども、受信料支払の義務化という考えはどういう経緯で出てきたのでしょうか。これは質問の中にあったかと思いますけれども、基本的な質問で申し訳ないんですが、もう一度お尋ねしたいと思います、大臣。
#260
○国務大臣(菅義偉君) NHKでは、今度の十九年度収支予算で、六千百三十億円の受信料収入に対して契約収納関係経費が七百六十億円掛かっております。契約収納関係経費を抑制しつつこの収納率を向上させる、こういう改革というのを、私、物すごく大事だというふうに思っています。一方、この十六年度に不祥事が発生をして以来、未払発生した結果、現在受信料を払うべき人の約三割が支払っていない状況であります。
 こうした状況を受けまして、昨年、竹中前総務大臣の通信・放送の在り方に関する懇談会、この報告書において受信料の支払義務化を実施すべきとの見解が示されており、これを踏まえて、通信・放送の在り方に関する政府与党合意において、NHK内部の改革、受信料の義務化そしてこの引下げというものの検討を早急に行い、措置を講じるべきである、こういう実は経緯があったところであります。
 しかし、私には、この義務化とやはり値下げというのはセットにしないと、内部改革のセットにしないと、国民の皆さんの私はなかなか理解を得られないというふうに考えているところであります。今回、NHKが受信料の引下げを視野に入れた経営計画というものを本年九月に提出するというそんな状況のようでありますので、支払の義務化だけを先行するということは国民の理解を得られない、そう思いまして、私、今回の放送法から、そこに盛り込まないことにしたところであります。
#261
○後藤博子君 ありがとうございます。大臣のおっしゃることも理解はできます。
 長い歴史の中で今までNHKが果たしてきた役割、今大臣のお話をお聞きいたしまして、橋本会長は、NHKの経営陣は、その支払の義務の法律化というか法定を自ら望んでいられるのでしょうか、そうでないのでしょうか。本心を伺いたいと思います。
#262
○参考人(橋本元一君) NHKが望むのは、やはり視聴者の方々が期待しておりますその公平感というものをいかに徹底してまいるかということでございます。
 私も、このNHK不祥事後の改革に当たる中でこの公平感をいかにして出していこうかというようなことでありますが、いろいろ考えている中の一つに、やはりこの受信料の支払義務というものの法的な位置付けということを考えますと、放送法三十二条で契約義務がある、それから、この法律に基づく大臣認可の受信規約という中の五条にいわゆる支払の義務があるという、この二段構えの構図が大変分かりにくいというお話を聞いてまいりました。そういう中で、これが放送法の中で明らかに支払ということで義務が明確にうたわれるということは、大変お客さんにとっても分かりやすい構図ではなかろうかというふうに考えております。
#263
○後藤博子君 ありがとうございます。
 そうですね、義務化とか公平とか平等とかいうことを打ち出してくると、本当にその視点から見ると、先ほど三割の方が払っていないということで、公平ではない、平等ではないという考え方に行くとは思うんですけれども、日本の公共放送でありますNHKの受信料は、契約の義務だけが存在するだけで、支払の義務化や支払わない場合の罰則もないにもかかわらず、その三割は払わないんですけれども、七割の方は払っているわけですよね。七割の方は恥の文化の中で生きている、そういう方々は、七割の方はしっかり払っているわけです。その七割の方というのはどういう方なのかというと、やはり日本の伝統や文化や、日本人のあるべき姿というものをしっかりと生活の中に根差して生きている方々。
 NHKに対しましての信頼というのは、年功の、年の多い人になるほどやはり信頼が多いわけですね。民放に、まあ民放さんが悪いというわけじゃないんですけれども、NHKさんと民放さんにどちらが信頼があるかと、やっぱり私たちはついNHKをつけてしまうわけです。何があってもNHK、ニュースでもいち早くNHKだろう、そういうことを見るわけですね。
 で、何が問題なのかというと、そういう七割の方々、以上の方々が今まで支払っていた、本当に義務化じゃないときに支払っていた方々の上に、大変失礼ですけれどもあぐらをかいてしまってこのたびの不祥事が起こったわけですよね。だから私は、三割が払ってない、平等だ、公平だと言う前に、その七割以上の方々が今まで払っていただいていたという、そこにもっと重点を置いた対策を取っていただきたいというのが私の願いであるし、お願いなんですが、その現状をどうとらえているんでしょうか、大臣と会長にお尋ねをいたします。
#264
○国務大臣(菅義偉君) 私は、今のような状況、例えば六千億円の受信料を徴収するのに八百億円近いお金が掛かる、それも八割以上が自動振り込みですから、全国に五千六百人のスタッフがいるわけでありますから、そうしたものの改革、NHK内部の改革というのをしっかりと行わなきゃならない。そうしないと、この七割の人たちがもう私は限界に近づいてきているんじゃないかなというふうに思います。
 私自身にも、余りにも不平等だという、そういう声がいろんなところから実は言われております。ですから、私はこの義務化と値下げというものをやはりセットにして、NHK改革はもちろんですけれども、その中でこうした七割の方に対してやはりメッセージを送る必要がある、私はこういうふうに考えているところであります。
#265
○参考人(橋本元一君) 全く委員のお考えに同感であります。私もこの職を預かるようになりまして、やはり公平感を出すという中で、これまでともすれば、当時は元々二割だったわけですが、払っていただけない方に対してどのように対応するかということばかり考えて、ともすれば八割払っていただけない方に対してどのように奉仕の気持ちを表すかという点が欠けていたんじゃなかろうかというふうに反省いたしました。
 そういう点で、やはりこの信頼を回復させる、確保していくという中で、やはりこの七割の受信料を支払っていただいているお客さんに対して、やはりNHKの、NHKと結び付いていることのメリットというものをいかにして出すかということに具体的に腐心してまいりました。例えば、歌謡ホール等の公開については視聴料を払っていただけている方に限定させていただく、あるいは紅白も、昨年の暮れの紅白はそういたしました。また、不断に情報を積極的に提供するとか、チラシ等もお配りするというふうなことも含めて、日ごろの接触をできるだけこの七割の方、支払っていただいている方に目を向けた活動をこれからも強化してまいりたいと思っております。
#266
○後藤博子君 ありがとうございました。
 技術的なことやらたくさんの質問、あと二、三したかったんですけれども、時間がなくなりました。私たちが信頼を寄せるNHKの番組、そして世界各国から見ている人たちのこと、そして先ほど、五千六百人の地域スタッフの方々が、やはり営業マンとして集金をしている方々もいらっしゃいます。その方々が、じゃ逆にそのシステムがなくなったら、またその不安、雇用の不安があるわけですよね。そんな方々のことをすべて考えた上で、これから日本が誇るNHKであっていただきたいと心から私も思っておりますので、今後のNHKに期待をいたします。
 今日はありがとうございました。
#267
○委員長(山内俊夫君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#268
○二之湯智君 私は、自由民主党を代表いたしまして、放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に対し、賛成の立場から討論を行います。
 平成十九年度予算は、不祥事の影響で増加していた受信料不払の状況が改善しつつあることから、受信料収入が三年ぶりの増収になっている。しかし、依然として不祥事発覚前の水準を大きく下回る厳しい状況であることには変わりありません。
 この間、NHKは、国民・視聴者の信頼回復、受信料収入の回復、業務の効率化に向けた取組を進めてはいるが、受信料の不払、未契約の割合は全体の約三割近くに上る状況にあり、改革はいまだ道半ばの状況と言えよう。NHKの経営は受信料によって成り立っており、受信料の公平負担を確保することは喫緊の課題である。NHKは、国民・視聴者に対し、公共放送を支える負担金である受信料制度の意義や仕組みについての説明を徹底させるなど、公共放送の役割や受信料制度について国民の理解を得て受信料の公平負担の確保に向けた取組に一層努めるべきである。また、経費削減が求められる中、依然として受信料契約収納経費に多額の経費を要し、営業経費率が一二%を超えている点も改善が必要である。外部業務委託も含め、契約収納業務の抜本的な見直しを早急に検討すべきである。
 このようにNHKが取り組むべき課題がいまだ山積している中、本予算案では、放送サービスの充実、コンプライアンスの徹底やガバナンスの強化などの措置が盛り込まれる一方で、徹底した業務改革とスリム化に取り組むこととし、その結果、収支均衡予算を維持している。NHKが信頼を回復し、公共放送の使命を全うするためにも、これらの予算案に盛り込まれた措置を着実に実施する必要があることから、本件の承認に賛成の意を表することとします。
 NHKの再生、改革は、国民の理解と協力なしでは実現できない。経営委員会は、NHKの最高意思決定機関として機能強化を図り、その役割を十分発揮していただきたいとともに、NHKの役職員を含む一人一人が再生、改革に向けたあらゆる取組に最善を尽くしていただきたい。そして、私たちも、NHKが国民・視聴者の信頼を回復し、公共放送の使命を全うすることができるよう、NHKの改革に真剣に取り組んでいることを申し上げて、私の討論といたします。
#269
○高橋千秋君 私は、民主党・新緑風会を代表し、ただいま議題となりました放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に対し、承認の立場より討論を行います。
 冒頭、国が昨年十一月、NHKに対して個別の問題に絞った命令を行いましたが、放送法第三条の放送番組編集の自由を侵害するおそれがあり、NHKとしても政治介入を排すべく毅然とした態度を取るべきことを申し上げます。
 NHKの一連の不祥事以降、NHKに対しては徹底した改革を行うことが求められてまいりましたが、まだまだ改革の余地が残されています。
 まず受信料の契約収納コストについてです。
 受信料の収納に要するコストは例年一〇%強を占めており、コスト削減が喫緊の課題となっています。しかし、本予算案においても契約収納コストは一二・四%と依然として高い比率になっており、削減努力が十分とは言い難い状況です。
 次に、コンプライアンスに関する取組についてです。
 平成十六年度に不祥事が発覚してからNHKはコンプライアンスに関する取組を行ってきたと説明しています。しかし、平成十八年度においても職員が逮捕されるといった事案が相次いで発生しており、コンプライアンスの取組の実効性に疑問が残ります。その他子会社の整理統合、随意契約の削減に関する取組なども不十分です。
 このように改革が不十分であるにもかかわらず、NHK会長は受信料支払の義務化の必要性を唱えておられます。安易に義務化に頼ろうとしている姿勢が見られることは残念でなりません。
 また、本予算案に十九年度一年間で受信契約件数を二十万件増やすという楽観的な見込みを立てていることにNHK経営陣の危機感のなさを見て取ることができると思います。平成十八年度において十万件の増加を見込んでいたにもかかわらず、結果的には一万件の増加にとどまる見込みであることを考えれば、楽観的数字と言わざるを得ません。
 本予算案やNHKの取組をめぐっては問題が山積していますが、その一方で、十八年度に引き続いて設備経費等の削減に取り組んでいることや、増加の一途をたどってきた受信料の支払拒否に歯止めを掛けた点など、一定評価できる点もあります。
 以上申し述べた点を総合的に勘案し、NHK経営陣がいまだに国民からの信頼を完全に回復する改革を十分に行っていないことを顧みた上で、NHKの再生に向けて徹底的な改革に真摯に取り組むことを条件に、本予算案を承認することを申し述べ、私の討論を終わります。
#270
○澤雄二君 私は、公明党を代表いたしまして、放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件につきまして、承認に賛成の立場から討論を行います。
 不祥事以降、NHKは国民・視聴者の信頼回復に取り組んできました。わずかではありますが、その成果が十九年度予算における三年ぶりの増収見込みとなって表れております。しかし、依然として不祥事発覚前の水準を大きく下回る厳しい予算であることに変わりはなく、NHKは引き続き信頼回復活動に全力で取り組んでいかなければならないものと考えます。
 本予算案では、コンプライアンスの徹底やガバナンスの強化、視聴者との結び付きの強化など、信頼回復に不可欠な措置が盛り込まれていることから、本件の承認に賛成の意を表します。賛成するに当たりまして、三点にわたり今後検討すべき課題を指摘させていただきます。
 第一は、受信料額の見直しについてであります。
 NHKは九月に新たな経営計画を発表し、受信料の在り方についても検討を行うとしていますが、国民・視聴者からの信頼回復や経営改革の努力により、増収があった場合には受信料額の引下げにより視聴者へ還元すべきものと考えます。仮に、全体的な受信料額の引下げが困難だとしても、年金で生活をしておられる方たちなど、低所得者を優先した受信料の減免を検討すべきであります。
 第二に、外国人向けのテレビ国際放送についてであります。
 公正なニュースと多様な番組を通して我が国の現状を理解してもらうことは重要ですが、実際にどの程度の視聴が見込まれるかについて不確かな面があります。外国人向けのコンテンツの開発や二十四時間全世界で放送を行うには多大な時間とコストを要することから、当面、放送地域や時間を限定して行い、その効果を検証しながら進めていくことを検討すべきであると考えます。
 第三は、アーカイブス・オンデマンド事業についてであります。
 平成十九年度予算においては、デジタル時代の新たなサービスとして、過去に放送された番組をブロードバンドを使って有料で提供するアーカイブス・オンデマンド事業の開始に向け、開発経費を九億円計上しています。しかし、財源となっている受信料は広く国民・視聴者の負担に基づくものであり、別途料金を払うことで視聴可能となる特定の人に向けた新たなサービスの開発を受信料で負担することについては疑問も残ります。
 また、アーカイブス・オンデマンド事業の将来的な見通し、採算性については、先行する民間のインターネット映像配信事業の例からも極めて厳しいことが予想されます。事業の準備を進めるに当たっては、サービス開始時の事業規模等について慎重に検討することが必要であると考えます。
 以上、三点の課題について、NHK及び政府において十分検討していただくことをお願いいたしまして、私の賛成討論を終わります。
#271
○吉川春子君 私は、日本共産党を代表して、二〇〇七年度NHK予算案の承認を求める件に賛成の討論を行います。
 NHKは、二〇〇四年以来、相次ぐ不正経理の発覚や、政治圧力に屈したETV二〇〇一「問われる戦時性暴力」の番組改編事件など、公共放送としての自覚を欠き、国民の信頼を失墜させてきました。こうした下で、受信料不払が急増しました。昨年私たちがNHK予算に反対したのも、こうした理由からでした。
 今NHKは、不正経理を根絶していくための全部局調査など、組織的な取組を始めています。不祥事等を理由とした受信料支払拒否は減少し、事業収入の減少に一定の歯止めが掛かってきています。こうした努力を注視していきたいと思います。NHKが一連の問題に心の底から反省し、今後とも失われた信頼を回復させていくことを願っています。
 一月二十九日、東京高裁はNHKに対して、慰安婦制度を裁く国際的に注目された女性世界戦犯法廷を特集したETV二〇〇一番組について、政治家の発言を必要以上に重く受け止めたNHK幹部らが改編したと認定し、損害賠償を命じました。にもかかわらず、NHK執行部は判決文の検討を行ういとまもないほど即刻上告しました。NHKはこの問題について全く反省していないのではないかと思わせる態度です。NHKは公共放送として政治からの自立を大原則として確立していく責務を負っています。この事件に関して、NHK現場職員からの勇気ある証言や経営委員による問題提起が行われています。真摯な努力がNHKの内部で行われていることに注目し、期待しています。
 関西テレビ番組の捏造問題を契機とした総務省の行政処分導入への考え方についてNHK執行部は、編集過程そのものに行政が関与することにつながるおそれがある、表現の自由が制約される危惧があると意思表明を行っています。安倍内閣が放送への介入を強めている下で、こうしたNHKの姿勢を注視しています。
 NHKが国民・視聴者と真摯に向き合い、国民から支えられる公共放送として再生していくことを期待し、賛成討論といたします。
#272
○又市征治君 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、NHKの二〇〇七年度予算案を承認する立場から討論をいたします。
 予算案の概要については基本的に賛成です。
 受信料収納率アップの努力は、あくまでも番組内容や報道姿勢の改善、それによる視聴者のNHKへの評価の回復という地道な努力によって達成するべきものであって、法律で義務化することが解決策だとは思いません。ましてや、総務大臣が受信料義務化の対案として受信料値下げや経費節減を要求したのは経営に対する政府の干渉であり、両者の交渉がまとまらなかったのは、むしろ視聴者・国民と放送の自由にとって幸いだったと言えます。今後ともNHKは、経営の透明化と公正かつ良質な番組の両面において視聴者の獲得、確保に努めていただきたい。
 また、政府は、BBCのイラク報道に対するイギリス政府の態度の失敗を他山の石として、干渉を慎み、NHKの客観的報道ぶりを尊重することを通じて、長い目で見てNHKファン、国際的な日本ファンを育てるよう自制的態度に徹すべきだと指摘しておきます。
 ただ、予算の内容について一言だけ申し上げれば、地上デジタルへの転換が依然として設備投資の大部分を占め、経営を圧迫している状態にあります。これについては、民放を含めて地上デジタル化の大号令を掛けている総務省に対して私は何度も再考を求めて議論をしてきましたが、総務省は断固やると繰り返すばかりです。視聴者には特段の利益はなく、新しい受信機への買換えを強制されるだけで、電機メーカーを利するばかりであります。
 とりわけNHKにあっては、デジタル設備への投資の原資は受信料、すなわち国民の負担であり、その額は、一部から視聴者のメリットがないと言われる国際放送の比ではありません。NHKは会計上の不祥事や偏った報道への国民の批判によって落ち込んだ受信料の収納率の回復アップに懸命になっていますが、他方で、地上デジタル化への莫大な投資は、その分だけ番組制作や人件費等々の削減を余儀なくされ、良質な番組作成が懸念されるわけで、この点には懸念を表明せざるを得ません。
 終わりに、NHKが自主自律性、不偏不党性を堅持し、真実に基づく豊かで良質な番組の作成と放送に一層努力されることを強く求め、予算案承認に賛成の討論といたします。
#273
○後藤博子君 私は、国民新党を代表して、日本放送協会の平成十九年度収支予算、事業計画及び資金計画に対し賛成の討論を行うものであります。
 この収支予算、事業計画及び資金計画は、受信料収入が一連の不祥事発覚前の水準を依然下回る厳しいものとなっております。しかしながら、NHKは、これらの不祥事を反省し、視聴者の皆様からの信頼回復の途上にあるということであり、また、放送サービスの充実や経費削減に努め、収支均衡を維持した予算となっていることから、その内容については承認すべきものと考えます。
 NHKにおいては、これからも質の高い放送番組を提供するとともに、公共放送としてのNHKの役割を深く自覚し、社会的責任を十分に果たすべく、組織を挙げて取り組むことを期待し、私の賛成討論を終わります。
#274
○委員長(山内俊夫君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#275
○委員長(山内俊夫君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 この際、那谷屋君から発言を求められておりますので、これを許します。那谷屋正義君。
#276
○那谷屋正義君 私は、ただいま承認されました放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、社会民主党・護憲連合及び国民新党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に対する附帯決議(案)
  政府及び日本放送協会は、協会に対する国民・視聴者の信頼を回復し、公共放送の使命を全うできるよう、次の事項の実現に努めるべきである。
 一、協会の経営は受信料により成り立っており、国民・視聴者の信頼の喪失は公共放送の根幹をも揺るがしかねないことを職員一人ひとりが再認識し、公金意識・コンプライアンスの徹底に努め、高い倫理観のもと、組織をあげて、再生・改革に向けたあらゆる方策に取り組むとともに、その取組の状況を広く国民・視聴者に説明し、信頼の回復に最善を尽くすこと。
 二、協会における契約収納取組の強化にもかかわらず、依然として、受信料の不払い・未契約の割合が全体の約三割に達している現状にかんがみ、協会は、受信料の公平負担の確保に向けた検討を行い、国民・視聴者の理解が得られるよう受信料額の在り方等を含めた具体的な対策に全力で取り組むこと。
 三、受信契約・受信料収納に係る経費の受信料収入に対する比率が、いまだに高い水準にあることから、契約収納業務の抜本的な見直しにより、早急に効率化を進めること。
 四、経営委員会は、執行部から独立した協会の最高意思決定機関として、その役割を十分発揮し、機能強化を図るため、自ら組織改革を進めること。
 五、協会は、放送の社会的影響の重大性を強く自覚し、真実に基づき、自律性、不偏不党性を確保するとともに、豊かで良質な番組の放送に一層努めること。
 六、協会は、業務全般について徹底的な見直しを行うとともに、子会社等の統廃合を含めた一層の合理化を進めることにより、グループ全体の業務の効率化・スリム化を図ること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#277
○委員長(山内俊夫君) ただいま那谷屋君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#278
○委員長(山内俊夫君) 全会一致と認めます。よって、那谷屋君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、菅総務大臣及び橋本日本放送協会会長から発言を求められておりますので、この際、これを許します。菅総務大臣。
#279
○国務大臣(菅義偉君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
#280
○委員長(山内俊夫君) 橋本日本放送協会会長。
#281
○参考人(橋本元一君) 日本放送協会の平成十九年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして、ただいま御承認を賜り、厚く御礼申し上げます。
 本予算を執行するに当たりましては、御審議の過程でいただきました御意見並びに総務大臣の意見書の御趣旨を十分生かしてまいりたいと考えております。
 また、ただいまの附帯決議につきましては、協会運営の根幹を成すものでございますので、これも十分踏まえて、業務執行に万全を期すことで視聴者の皆様の信頼をより確かなものとし、公共放送の使命を全うしたいと考えている次第でございます。
 誠にありがとうございました。
#282
○委員長(山内俊夫君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#283
○委員長(山内俊夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#284
○委員長(山内俊夫君) 恩給法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。菅総務大臣。
#285
○国務大臣(菅義偉君) 恩給法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、恩給制度について、恩給受給者の要望等を踏まえ、必要な改正を行うものであります。
 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、高齢化が著しい恩給受給者の要望等を踏まえ、公務関係扶助料の遺族加算の年額を普通扶助料の寡婦加算の年額と同額に引き上げる等、扶助料制度間の不均衡是正の措置を講ずることとしております。
 第二に、恩給の年額改定方式について、恩給年額の水準を自動的に改定する制度を導入することとしております。
 第三に、重度障害の成年の子への転給について、公務員の死亡当時から引き続き重度障害等の状態にあることを要件とすることとしております。
 第四に、恩給の受給権が消滅した場合等における過誤払い分の金額について、事務の合理化の観点から、相続人等に支払うべき扶助料からの充当等によって調整が可能となるよう規定を整備することとしております。
 以上がこの法律案の提案理由及び内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
#286
○委員長(山内俊夫君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時五十分散会
ソース: 国立国会図書館
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