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2007/04/17 第166回国会 参議院 参議院会議録情報 第166回国会 総務委員会 第9号
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2007/04/17 第166回国会 参議院

参議院会議録情報 第166回国会 総務委員会 第9号

#1
第166回国会 総務委員会 第9号
平成十九年四月十七日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十二日
    辞任         補欠選任
     長谷川憲正君     後藤 博子君
 四月十三日
    辞任         補欠選任
     後藤 博子君     長谷川憲正君
 四月十六日
    辞任         補欠選任
     高橋 千秋君     松下 新平君
 四月十七日
    辞任         補欠選任
     遠山 清彦君     鰐淵 洋子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山内 俊夫君
    理 事
                景山俊太郎君
                二之湯 智君
                森元 恒雄君
                伊藤 基隆君
                那谷屋正義君
    委 員
                小野 清子君
                尾辻 秀久君
                河合 常則君
                木村  仁君
                世耕 弘成君
                山本 順三君
                吉村剛太郎君
                芝  博一君
                高嶋 良充君
                内藤 正光君
                松下 新平君
                澤  雄二君
                鰐淵 洋子君
                吉川 春子君
                又市 征治君
                長谷川憲正君
   国務大臣
       総務大臣     菅  義偉君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        高山 達郎君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      堀田  繁君
       総務省総合通信
       基盤局長     森   清君
       外務大臣官房審
       議官       猪俣 弘司君
       経済産業大臣官
       房審議官     松本隆太郎君
       経済産業大臣官
       房審議官     本庄 孝志君
       経済産業省貿易
       経済協力局貿易
       管理部長     押田  努君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○特定機器に係る適合性評価の欧州共同体及びシ
 ンガポール共和国との相互承認の実施に関する
 法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
    ─────────────
#2
○委員長(山内俊夫君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、高橋千秋君が委員を辞任され、その補欠として松下新平君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(山内俊夫君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 特定機器に係る適合性評価の欧州共同体及びシンガポール共和国との相互承認の実施に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に内閣府大臣官房審議官堀田繁君、総務省総合通信基盤局長森清君、外務大臣官房審議官猪俣弘司君、経済産業大臣官房審議官松本隆太郎君、経済産業大臣官房審議官本庄孝志君及び経済産業省貿易経済協力局貿易管理部長押田努君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(山内俊夫君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(山内俊夫君) 特定機器に係る適合性評価の欧州共同体及びシンガポール共和国との相互承認の実施に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○芝博一君 民主党の芝博一でございます。
 それでは、大変長い法案名でございますけれども、特定機器に係る相互承認協定、すなわちMRAについての質問をさせていただきたいと、こう思います。
 御存じのように、協定相手国での電気通信機器であったり電気用品等の販売、使用に当たって義務付けられているそれぞれの認証を自国の認証機関で実施可能としようとする法改正でございますけれども、その部分について以下お尋ねをさせていただきたいと、こう思います。
 まず、この法案の基本的な事項から確認をさせていただきたいと、こう思います。
 今回の法改正におきましては、これまでの、すなわちここにありますEUとシンガポール共和国等々の部分の個別法形式から今回は一般法形式に改正をすると。これが大きな流れだろうと、こう思っております。
 まず最初に、この個別法形式と一般法形式とは具体的にどういうことなのか、そして、改めてその改める理由を大臣の方からでもお伝えいただけませんでしょうか。
#7
○国務大臣(菅義偉君) 個別法形式とは、法律が実施を担保する各国との協定において個別の協定名等を逐次この法律に追加規定をする形式を言っております。また、一方、一般法形式とは、個別の協定等を政令に委任して規定する形式を言っております。
 この一般法形式に改めることによって、将来、新たな相手国と相互承認協定を締結するたびに協定名を追加するような法律改正を行うことが必要なくなって、迅速な制度の実施が可能になる、このように考えております。
#8
○芝博一君 今大臣の方からも一部お触れをいただきました。個別法から一般法形式に改める理由の部分の中で、大きな要点は、今後、相互承認協定の締結国が増えても政令の改正を行うにとどめて、本法律案の改正は不要になる、こういうことで今もお触れになりましたけれども、その確認でよろしいですね。確認です。大臣。
#9
○国務大臣(菅義偉君) 先ほど委員から御指摘ありましたように、今日までは欧州、シンガポールと条約がありました。米国との相互条約、協定を整備することによって協定の内容をおおむね定型化をするということであります。
 今回の法改正によって、これまでの三協定と同一形式のものであれば、新たな相互承認協定の締結に際し法律改正は不要になる、このように考えております。
#10
○芝博一君 今も御確認いただきました。これまでEU、シンガポール、そして今回のアメリカ、こういうことでありますけれども、それ以外に今後新たな国がこの相互協定を結ぼうと、こういう形になってきても法律案の改正は不要になる、それは政令の改正で済むから迅速に対応ができるんだと、こういうことだと思って理解をしております。
 そこで、確認をさせていただきたいと思います。
 今後、新たな相互承認協定については、承認案件として引き続き国会に提出されると考えていいのかどうかです。ここの部分をはっきりとお答えをいただきたいと思いますが、これは外務省になりますか。
#11
○政府参考人(猪俣弘司君) お答えいたします。
 ただいま委員御指摘になりました米国との間の協定というのを今回国会に承認をお願いしているところでございますけれども、これまで欧州共同体、シンガポールとの間で締結しておりまして、この欧州共同体とシンガポールとの間の協定につきましては締結についての国会の御承認をいただいております。
 今後、これらと同様の内容の相互承認協定を締結する場合、日本国としてとるべき措置、義務というのは当然同様のものということが考えられますので、その担保を確保するための国内法の整備あるいは維持ということが必要になります。したがいまして、基本的にはその締結についての国会の承認を必要とするというふうに考えております。
#12
○芝博一君 これは今後、この法律案に関係する部分については本件の法律の改正はないけれども、すべて国会承認が必要である。その部分についてはこれまで条約の締結について国会承認を得ることの必要性の中でも触れられておりますけれども、法律事項を含む国際約束、ここの部分の原案的には抵触をするから、すべての相互協定においては国会承認を得るという形で、今後必ず漏れなく国会に報告をいただいて承認をする、ここのところは大変大事なことだと、こう思っておりますので、そこの部分の今御説明があったと理解をしております。その解釈でよろしいですね。
#13
○政府参考人(猪俣弘司君) もう一度正確な御答弁を差し上げた方がよろしいかもしれませんけれども、新たな相互承認協定が欧州共同体あるいはシンガポールの例と同様の内容のものであるということであれば、当然国内法が必要になるわけでございまして、その国内法の整備を今回包括的な形でしていただくわけですけれども、この法律事項に該当する、すなわち法令を維持しなきゃいけませんので、その場合には、同様の内容の協定を結ぶのであれば当然締結についての国会の承認を得る必要があるというふうに考えております。
#14
○芝博一君 少ししつこくなりますけれども、同様の内容、すなわち、私は、ここの同様の内容というのは、適合性の評価についての相互承認協定、これが今まで三つ、米国を入れて三つになりますが、第四、第五、六と、こう増えていく中において、この範疇においてのものはすべてということですよ、すべて。法律改正はないけれども、必ずその条約ごとに国会の批准を得るという形の部分いろいろあるし、国会承認を得ますよと、ここのところが、政令改正だけじゃなしに、必ず得ますということの部分の言質をいただきたいと思っているんですが、それでよろしいですね。
#15
○政府参考人(猪俣弘司君) 恐らくこの件は、昔、いわゆる大平三原則と言われている答弁との関係での御質問にもかかわるかと思いますけれども、正にその条約の中身で、国内法の整備が必要になる場合、当然それは国内法を作る場合あるいは現在ある国内法を維持する場合、いろいろございます。その場合には、法律事項ということでございますので、当然国会の御承認をいただきます。
 内容につきましては、もちろん相手国があることですので、その義務の内容が今の欧州共同体とかシンガポールと違ってくる場合には、そのときに、別の法律があるとか、あるいは法律に基づかないでできる規定がある場合もございますので、そのときにはそのときの内容に従って考えざるを得ないということで、基本的には当然国会の御承認が必要になると思います。ただ、中身と、それからそのときの義務がどうなっているかということを精査する必要があるのではないかということを述べているところでございます。
#16
○芝博一君 端的に答えてください。
 今後、この相互認証制度の部分の下での協定を結びますね。その部分については、政令で決めていくから、これはいいんですよ、法律改正今回しますから。ただし、国の条約の締結になりますから、この部分においては国会承認がなければ効力を発効しませんね。そこの部分で適宜適宜、報告をしてくださいよという私は言質を取っているんですよ。法律自体の中身が大きく変わってくる場合は、これは当然法改正が必要になってきますよ。だから、その部分じゃなしに、今回の法改正の中で、これから増えてくる国々の想定の中でやっている分についてはすべて国会承認を取ってくださいよ、取りますねという確認をしているんです。それでいいですね。
#17
○政府参考人(猪俣弘司君) 申し訳ございません。すべてと言われたときに、そのすべてと言ったときに、相互承認協定で今回作られる法律を担保法としなければいけない協定については、当然すべて国会に御承認をお願いすることになると思います。
#18
○芝博一君 いずれにいたしましても、今法律の改正は迅速を旨とする法律であります。その部分で、対象国を絞らずに外国と決めて、今後の締結をする国々との法改正は政令の改正だけでやって迅速に対応していこう、こういうことでありますけれども、基本的には国と国との法律事項を含む国際約束でありますから、その部分については、今後必ず国会にその批准を求める承認を出していただくという形の部分で確認をさせていただきます。
 それで、次の部分でありますけれども、今回法律の題名が少し変わりました。これまで、今申し上げておりましたように、欧州共同体、シンガポール共和国という部分がなくなりまして、ここの部分は当然、今回のアメリカも含めて外国という部分で置き換えれば理解できると、こう思っております。
 ところが、本改正案の中では、特定機器に係る適合性評価手続の結果の外国との、これはすなわち今まで言った三つ、これから新たに含まれる国々との相互承認の実施に関する法律と、こうありますけれども、この手続の結果と入った経緯と理由について大臣にお聞きをしたいと思いますが。
#19
○国務大臣(菅義偉君) この法案を一般法化するに当たりまして、定義規定を実は整理する中で、相互承認協定の定義を我が国と我が国以外の締約国が適合性評価手続の結果を相互に受け入れることを内容とするものと、このように規定をいたしておりますので、この定義を反映をして題名を改めさせていただいたということであります。
#20
○芝博一君 それでは、法律の題名の部分については了解いたしました。御理解をさせていただきました。
 続いて、法律の目的の部分でありますが、この部分も少し変更があります。現行法では、特定機器の輸出入の円滑化をと、こういう形で表現をされております。これは法の第一条でございますけれども、そこの部分も少し変更がありまして、特定機器に係る製造、そして輸出入、さらに販売その他の事業活動の円滑化という形で改められております。すなわち、係る製造、そして販売その他の事業活動と、こういう形で文言が追加されておりますけれども、ここに至る経緯とその理由について大臣の方に、御答弁ください。
#21
○国務大臣(菅義偉君) 今回、締結をする予定の日米協定においては、機器に係る貿易促進だけではなくて経済活動の促進を目的としてうたい、日本の製造業者がアメリカにおいて日本向けの認証を取得することを可能とするものであります。このため、法律の目的規定を改めまして、機器の製造、販売その他の事業活動を加えたものであります。
#22
○芝博一君 これから新ネットも踏まえながら、より運用がスムーズに、そして行われることを目的とするための法の目的の改正という形の解釈をさせていただきますが、それでよろしいですね。
 続きまして、本法律に基づく相互承認制度の実績と対策についてお聞かせをいただきたいと、こう思います。
 これまでの本法律の施行後、今回、欧州との間における認証実績、これは日本への輸入もありますし、欧州への輸出もあります。ここの部分について、また電気通信機器もあれば電気製品もあると、こういうことでありますが、それぞれ総務省と経済産業省で管轄が違うようでありますけれども、同じようにシンガポールとの間における認証実績、これも日本への輸入と、それからシンガポールへの輸出がありますし、電気通信機器並びに電気製品等と、別々こうあろうと思っておりますが、この実績について具体的に近年の、五年間の様子をお伝えいただけますか。
#23
○政府参考人(森清君) まず、欧州との間での電気通信機器でございますが、認証件数といたしましては、輸入でございますが、平成十五年度が百二十八件、平成十六年度が二百二十一件、平成十七年度が二百九十四件、平成十八年度が四百四十八件となっております。
 一方で、輸出に関する認証件数でございますが、これは平成十八年度から事業が開始されましたわけでございますけれども、この十八年度の数字が十七件ということになっております。
 そして、次にシンガポールとの間でございますが、シンガポールとの間の相互承認協定は平成十四年に締結をいたしておりますけれども、しかし、電気通信機器に関しましてはシンガポール政府との間で協定の運用開始に向けた協議がまだ続いておりまして、承認の実績はございません。
#24
○政府参考人(松本隆太郎君) 電気製品の関係でございますが、まず欧州でございますけれど、欧州への輸出に関する認証実績は平成十五年度以降昨年の平成十八年度までの四年間で合計四十七件となっております。また、欧州からの日本への輸入に関しましては、認証実績はゼロ件でございます。
 それから、シンガポールの関係でございますけれど、電気製品の関係でございますけれど、シンガポールへの輸出に係る認証実績はゼロ、またシンガポールからの輸入に関しても認証実績はゼロでございます。
#25
○芝博一君 この法律が施行されてから五年間の欧州、それからシンガポールとの輸出輸入の実績を今総務省並びに経済産業省の方から御報告をいただきました。聞かせていただいて、もう既にお気付きだと思うんですけれども、私は大変少ない実績、特にシンガポールと、こういう認識をしております。そこの部分について、この実績をどう認識し、評価されているのか、まず総務大臣にお聞きをしたいと思います。
#26
○国務大臣(菅義偉君) 我が国のこの認証機関による欧州向けの認証業務の開始が平成十八年の三月と最近であったために、電気通信機器に関する認証実績が少ないのは事実であるというふうに思っています。
 今回の日米協定の締結によって、日本とアメリカ、ヨーロッパの認証が我が国の認証機関においてワンストップで取得できるようになるわけでありますから、今後、外国向けの認証実績も増加するものと期待をいたしております。
 電気通信機器の分野における相互承認制度の活用は、輸入業者や製造業者だけでなくて、新しい端末の市場への投入を迅速に行うこと、このことも可能になりますので、より電気通信事業者の事業活動の活性化に資するものと期待をいたしております。
 政府は、こうした認証機関を対象とした研修会の開催、あるいは機関同士の情報交換の奨励等によって本制度の活用を促していきたい、こう考えています。
#27
○芝博一君 その認識と評価もいただきました。対策も、聞いていないんですけれども、既にお述べをいただきました。
 いずれにいたしましても、期間が短いとはいえ、特にシンガポールとの間の電気通信機器と電気製品との部分も含めて大変堅調であります。せっかく締結をした部分が生かされていないと、こう思っておりますから、これはもう早急にこの対策を立てる。対策を立てるということはお互いの国の経済発展に寄与するわけでありますから、もっともっと積極的に総務省がリーダーシップを発揮されて、私は対策を、今言われました対策の部分のみならず取るべきだと、こう思っております。
 ところで、今申し上げましたように、シンガポールとの間でゼロ件という報告ありました。なぜなんでしょう、このゼロ件。今お話をいただきましたところの中では、まだ調整中、要するに交渉中という話もありました。何がそれは原因が、交渉中である原因、暗礁に乗り上げている問題があるんでしょうか。その辺の部分の中身についてお聞きをさせていただきたいのが一点。
 もう一つは、特にシンガポールとの部分におきましては、電気製品の輸出に関して日本側で一度登録した機関、すなわち認証機関として登録した機関、これは財団法人の日本品質保証機構でありますけれども、ここの機構が同事業を廃止していると聞いております。この廃止した理由は何なのか。含めて、シンガポールの間での電気製品の認証について、今後、この財団法人日本品質保証機構が再開される見通しがあるのかどうか、この部分についてもお聞かせいただけますか。
#28
○政府参考人(森清君) まず、電気通信機器の関係でございますけれども、この協定を運用する場合には、相手国、日本国それぞれの認証機関が遵守すべき法令、どの法令をどのように適用するかということについて特定をする必要があるわけでございます。
 シンガポール側の法律につきましては既に私ども合意しておりますけれども、日本側の法令の適用箇所についてシンガポール側の最終確認がなかなか得られないということで、催促はしておるんでございますけれども合意に至っていない、したがって運用開始に至っていないというのが現状でございます。
#29
○政府参考人(松本隆太郎君) 電気製品の関係で認証実績がシンガポールの場合ないということでございますけれど、認証実績がない理由については、両国の民間企業の事情にかかわるものでございますので、当省としてはその詳細な理由は承知しておりません。
 しかしながら、私どもとしては、両国の特定の適合性評価機関の間の契約に基づいて、相手国機関側で行う試験、検査の代行等によって輸出入を行っているのが一つの理由ではないかというふうに考えているところでございます。
 それから、日本側の認証機関でありました財団法人日本品質保証機構の件でございますけど、御指摘のとおり、適合性評価事業を廃止いたしました。これについては財団法人自らが判断したところではございますけれど、やはり認証実績がなかったということが一つの要因ではなかったかというふうに考えております。
 今後の見通しでございますけれど、これについては現在のところ承知しておりません。ただ、私どもといたしましては、経済のグローバル化の進展した現在において、国境を越えて行われる事業活動を円滑化するための環境整備を行う、これは非常に重要だというふうに考えております。その一環として、やはり本協定に基づく国際的な相互承認協力、これを推進していくことが引き続き必要だというふうに考えております。
#30
○芝博一君 今現状を御報告いただきましたけども、端的に言えば、法律は作りましたよ、条約は結びましたよ、しかし現地で何の実績もなしに認証する機関がないということなんですよ。実行ができていない。すなわち、それは何だというと、シンガポールの中で日本の法律を審査する機関がない。日本でも、認証する機関があったけれども取りやめてしまった。これでどうしてその条約に基づいて、法律に基づいて経済活性化のための相互認証制度、すなわち輸出入ができるんですか。ここに私は大きな問題があると思うんですよ。形だけ作ればいい、箱だけ作ればいい、そのもの、事実じゃないですか。この実態をもっともっと私は深刻に受け止めないと、何のための法律なんだ、何のための条約なんだ、こうなってくるわけですよ。
 その辺の認識について、大臣、どうお考えですか。
#31
○国務大臣(菅義偉君) 今の点、私は委員の御指摘のとおりだというふうに思っています。
 私どもは、こうした法律を作ることによって、お互いの国々の貿易等を促進するための目的でありますので、そうしたことについても十分配慮さしていただきたいと思います。
#32
○芝博一君 欧州、シンガポールでも今の実績なんです。今後のアメリカにおいても、大変大きな日本との関係国でありますから、そこの受皿のところをしっかりとしていかないと、まさしく法律を作るだけ、条約を結ぶだけになってしまいますから、経済効果は出てきません。そのための法律でありますから、しっかりと今の大臣の答弁を聞かせていただいて実行していただきたいと思うんですが。
 私はいろんな要因があろうと、こう思うんです。例えばシンガポールの中では、それなりの会社とかそれなりの受皿的な、企業規模的なものもあるんでしょう。このことはあります。しかし、事日本においてはそんなこと言えないと思うんですね。今説明ありました。電気製品のシンガポール輸出の認証している財団法人日本品質保証機構、これがいったんは認証されたけれども廃止をしている。おかしな話なんです。なぜ廃止したのか、今はっきり理由では分からない、このことでありました。監督官庁として分からないで済むんでしょうか。これが一点。
 それで、この財団法人日本品質保証機構、ここについてでありますが、多くの問題があろうと、こう思っております。
 この団体、それから受けている団体の部分についてもう少し監督官庁の指導をしっかりしないと私は駄目だと、こう思っておりますけれども、問題点を指摘しますと、後ほどそこの部分についてはお聞きをしたいと思うんですけれども、ほとんどこの団体、役員構成を見ると天下りばかりじゃないですか。そして、国の委託業務と推薦事業ばかりで事業をやっている、こんな実態です。一億八千万ぐらいの年間収入の中で一億五千万が委託事業なんですよ。そういうところに原因があるんじゃないんですか。要するに、認証されたけれども取り消している。今、受皿がないんですよ、シンガポールとの間では。そういうところをしっかりと見てどうして指導しないんでしょう。
 そこのところについて、もう少し詳しく御説明ください。
#33
○政府参考人(松本隆太郎君) まず最初に、財団法人日本品質保証機構が適合性評価事業を廃止した理由でございますけれども、これは認証実績がなかったことがやはり一つの理由ではないかというふうに私ども聞いております。
 ただ、御指摘のとおり、この日・シンガポール相互承認協定に基づく実績ございませんで、そういうこともありまして、私どもその理由というのは、今後、民間企業というかシンガポール政府からのヒアリングあるいは今御指摘ありましたJQA、こういったものを通じて、ヒアリングを通じまして詳細に把握して、その上で必要に応じどのような見直しが必要かということを検討していきたいというふうに考えております。
 それから、あと役員構成のお話ございましたが、実は平成十九年四月一日現在、本財団の役員十五名のうち当省出身者は四名でございます。ということで、三分の一以下でございます。
 それから、委託費とかそこら辺のお話ございましたけれども、直近の平成十八年度におきましては、当該法人に対して当省からの委託費、これの交付実績ございません。
 以上でございます。
#34
○芝博一君 今、天下りの件については三名と言われました、四名と言われました。
#35
○政府参考人(松本隆太郎君) 四名でございます。
#36
○芝博一君 四名ね。四名、少ないですよというようなニュアンスに取ったわけでありますけれども。
 私が言いたいのは、シンガポールとの間に今現在認証する部分の機関がないんですよ。その理由は、申請がなかったから。申請がなかったら承認機関がなくてもいいんですね、今後。そういう考えに聞こえるんですよ。あってもなかってもきちっと法がある以上は設置をしておかなければならない、こう思っているんです。そこのところは今後是非対応していただきたいと、こう思いますけれども。日本に電気製品の承認の部分の日本品質保証機構しかないんですから、改めてそこの部分の、承認の手続があるかないか別にして、申請があるかないか別にして、やっぱりそういう窓口を置いておくべきだと、こう思っております。
 その中で、アメリカについてお聞きをしますと、今回のアメリカとの法律では、相互承認協定の対象品目がこの電気通信機器のみが対象なんですね。電気製品は入っていないんです。この理由は何か、大臣、お分かりでしたらお答えください。
#37
○国務大臣(菅義偉君) アメリカとの間でこの相互承認協定の交渉を開始する前の段階において外務省が国内関係省庁を通じて相互承認に関する要望を調査した結果、電気通信機器分野以外についての相互承認を行いたいという要望はなかったと、このように私は聞いております。
#38
○芝博一君 要望がなかった、要望はないということは、今後電気製品等々についての部分はこの中で含まれてこないという解釈でよろしいでしょうか。
#39
○委員長(山内俊夫君) 答弁者はどなたでしょうか。
 松本審議官。
#40
○政府参考人(松本隆太郎君) 今、電気製品が含まれていない理由というのは、大臣の方から、総務大臣の方から御答弁のとおりでございますけれど、今後の対応についてはよく分からない点ございますけれど、少なくとも電気製品分野においては関係業界から要望というのは出てきておりません。
#41
○芝博一君 本法律案の一番の根底は、手続等々を早くするということも大事ですけれども、お互いの締結国、締結した国々から経済の活性化を促進するというのが大きな本来の目的であります。その部分からおいて、申請がなかったからないんだ、話がなかったからないんだというもんじゃなしに、やっぱりそこの部分というのは、日本の国からもお互いに働き掛けをしていくという部分と、これは当然必要だろうと思っておりますから、特にアメリカにおいてはそこの部分の要望をさせていただきたいと、こう思います。
 ところで、今回、この日米の相互承認協定の実施によって、それぞれ経済効果、日本の経済効果はどのぐらいになると試算をされているんでしょうか、お答えください。
#42
○国務大臣(菅義偉君) 我が国の製造業者にとって、アメリカ向けの認証を国内で取得できるようになるということは、私は画期的なことであって、この認証取得に要する期間、費用の短縮等が期待できるというふうに思っています。今までですと、アメリカ向けの取得に掛かる期間でありますけど、約三週間、費用は三百五十万円掛かっていました。これが多分三分の一ぐらいになるだろうという予測をいたしております。
 輸出入の促進などの経済効果については直ちに適切な額を示すことは困難でありますけれども、製造業者に対するヒアリングなどによれば、この電気通信機器については、ライフサイクルが短いために、本協定により製品開発に掛かる期間が短縮される、これは大きなメリットである、このように伺っています。
#43
○芝博一君 費用が安くなる、時間が早くなる、これはもう当然、法の目的でありますから分かっているんです。当然ながら、アメリカと結ぶ以上は、電気通信機器の範疇で何件ぐらいが想定されるんだろうという試算をされて当然交渉されたと思うんですよ。
 当然、手続の、今、三百五十万が百万ぐらいになりますよ、早くなりますよと、それは波及効果の部分でありますけれども、基本的にアメリカと日本との間の部分の経済効果、それは何が基になるかというと、どのぐらいの申請が上がってくるんだろうかということだと思うんですが、その辺についての試算、見通しは持っておられますか。
#44
○政府参考人(森清君) アメリカとの間でございますが、アメリカにつきましては、アメリカの国内で十六社程度の認証機関の候補が存在しておりますし、日本には九社程度の候補が存在しておりまして、そのうち何社が参入するかというのは今後の問題でございますけれども、一応メーカー等の関係業界がこの日米間の協定締結を非常に要望しておりますので、認定機関の参入の多寡にかかわらず、この経済効果的な、つまり輸出入の促進効果的なものはかなりあるんではないかと思いますけれども、ただ、現時点で具体的に何社が参入するのか等の予測は持っておりません。
#45
○芝博一君 それで、今の今回の法改正のきっかけというのはアメリカ合衆国との締結によるものであります。今、アメリカ合衆国以外で現在交渉中の相互承認協定があるんでしょうか、そこの内容についてお聞かせください。
#46
○政府参考人(猪俣弘司君) 米国との間の相互承認協定と同様の協定として現在交渉している国はございません。ただ、我が国が署名いたしましたフィリピンと、あとタイとの間の経済連携協定、経済連携協定の中にも相互承認協定とスキームとか対象分野が異なるものが米国との間のやつに比べれば入っておりますけれども、相互承認に関する枠組みは定められております。
#47
○芝博一君 アメリカ以外は今現在、フィリピンはちょっと特例だと思いますけれども、ない。いずれにいたしましても、是非世界相手に、対象国として今後交渉を進めていっていただきたい。これはすなわち、それぞれ輸入の促進等々、また一層促進等々にかかわってくるわけでありますから、是非それは要望しておきたいと、こう思っております。
 ところで、それぞれの国が、いわゆるすなわち日本で承認をする、また相手国で承認をする、電気通信機器、電気製品であります。ほかの、EUとかシンガポール、またアメリカ等によって違ってくると思うんですけれども、過去の例で、日本が承認しました、相手国が承認しました、しかし、電気通信機器や電気製品の中で事故とか不都合、すなわち通信機器なら混信であったり、電波、電磁波の障害であったりという、そういう事例の報告はあるんでしょうか、ないんでしょうか。
#48
○政府参考人(森清君) 相互承認実施法に基づきまして認証を受けた通信機器について、国内で機器の回収が必要な事故とか不具合が発生した事例は承知しておりません。また、我が国の認証機関が相手国向けに行った認証に係る機器につきましても、事故、不具合という報告は受けておりません。
#49
○政府参考人(松本隆太郎君) 電気製品についてでございますけれども、シンガポールとの間ではこれまでに認証実績ございませんので、先生御指摘のような事故、不具合が発生した実績はございません。また、欧州との間につきましては、日本側より発効された認証実績四十七件に関する輸出製品について、欧州内で事故、不具合が報告された実績もございません。欧州側から日本への輸入製品についても、事故、不具合が発生した実績はございません。
 以上でございます。
#50
○芝博一君 それを聞いて安心をいたしました。今後も安全管理についてはこれは是非とも頑張って御指導をいただきたいと、こう思っております。
 次に、今話題になりました適合性評価機関の実態と対策についてお聞かせをいただきたいと、こう思います。
 本法律案は、第百五十四回の国会の法改正がございます。これは年数でいきますと平成十四年の四月の十八日で、参議院の経済産業委員会で審議をされ、議決をされました。その中で附帯決議として、認証業務への一層の民間参入を促進するとともに、国際的にも信頼される認証機関の育成に努めることと。これが同じく衆議院でも附帯決議として決議をされております。
 今るるお聞きをさせていただきました。現在、この認証業務への民間参入が大変少ない、私はこう思っておりますけれども、この附帯決議に関して、大臣、改めてその御感想、御所見をお聞かせください。
#51
○政府参考人(森清君) まず、数字だけを申し上げさせていただきますが、先ほども少し申し上げましたが、電気通信に関する認証機関は現在国内に九社ございます。そのうち六社が民間の株式会社でございまして、このうち欧州向けの認証業務を行っておりますのは、公益法人が一社、それから民間株式会社が一社の合計二社でございます。
#52
○国務大臣(菅義偉君) この認証機関においては、公益法人に制限する旨の要件を課しておらず、民間事業者にも開放しているにもかかわらず、このような状況である、なぜかと。いろいろな理由があろうかと思いますけれども、民間の株式会社に限らず外国向けの認証の実績が少ない理由としては、相手国の技術基準を理解をし、適切に業務を行うことは、認証機関として高い能力、これが要求されるというふうに考えています。
 ただ、アメリカは我が国にとって最大の電気通信機器の輸出相手国でありますので、アメリカ向けの認証業務に対する認証機関の関心というのは非常に高まっておりますので、こうしたことを考えるときに私は数は増えてくるだろうというふうに期待をいたしております。
#53
○芝博一君 今御報告いただきましたけれども、前の法改正での附帯決議の民間の参入を促進するという部分、今お聞きをしましたけれども、九社あってという話ですが、これは欧州とシンガポールの外国向けじゃない、日本の中での認証機関なんですよね。そうすると、欧州、シンガポール、これまでの例からいくと二社しかないんですよ、今お話しいただいたように。国内での認証の部分の民間参入は進んでいると、こう思います、国内の認証する部分。しかし、EU、それからシンガポール、ここの部分については二社しかない。中には、シンガポールは電気製品、それからシンガポールから日本への部分については通信機器、電気通信機器についてもないんですよ、実態的には。そこのところ、今数字的な部分で誤解されるような、誤解というんじゃなしに話がありましたけれども、日本のことはまずいいんです。今回の承認相互、外国との承認相互の部分においては非常に民間参入が進んでいない。あっても二社、若しくはないのが現状なんですよ。明らかにこの附帯決議の部分で促進をすることの部分については現状は伴っておりません。
 今大臣が言われたように、今後、アメリカとの部分については大量の部分の認証の申請が出てくるだろうと予測をされます。そこで、改めて、当然アメリカ向けのその認証機関を認知しなければなりませんけれども、私は、今少ない中で二社若しくは一社の部分で日本では対応しているわけでありますけれども、これが財団法人のテレコムエンジニアリングセンターと財団法人の日本品質保証機構並びに民間の株式会社ユーエルエーペックス、早く言えばこの三つしかないんですよ。
 そこで、アメリカの部分についても今後増大をされると予想される中で、私は、民間で、EUであろうがシンガポールであろうがアメリカであろうが、今後増える国において、含めて、すべてそこでできるような機関、すなわち一か所でできる民間の機関、若しくはほかの民間でもいいんですけれども、そういう民間機関を育成していく、これが大事だと、こう思っておりますけれども、その辺の部分についての大臣のお考えはいかがでございましょう。
#54
○国務大臣(菅義偉君) 認証機関、外国向けの認証業務を行うことは、先ほど申し上げましたけれども、相手国の技術基準を十分に理解するということが極めて大事なことであって、こうした機関を対象とした私どもは研修会の開催だとか、あるいは相手国の認証機関の情報交換を奨励するなど、能力の強化というものを是非図っていただいて民間の方にも積極的に参加できるようにさせていただきたいと思っています。
#55
○芝博一君 本来はもっと、今日時点で法施行から五年たっているわけでありますから、民間のこういう認証機関がもっともっと増えてきてもいいと思っているんですが、私は、財団法人の部分というのは、今言いましたように、テレコムにおいても日本保証機構においても、財団法人で天下りが大変多い、国からの委託事業も受けている、推進事業も受けているという実態を含めて、民間ではないと思っているんですよ、極端なことを言うと。大きく分けると。だから、私は、株式会社ユーエルエーペックスのようなそういう民間企業がどこの国の認証も検査も行いますよ、そういう民間の参入促進を是非とも図るべきだと、こう思っているんです、今回のアメリカを契機に。
 改めて大臣の決意を聞かせてください。
#56
○国務大臣(菅義偉君) 先ほども申し上げましたけれども、私どもとしては、認証機関を対象に相手国の技術等に関する研修会を開催するだとか、あるいはそうした情報交換を奨励をするだとか、そうすることによって、こうした民間の方が相手国のことについても高度な技術というんですか、そうしたものを身に付けることができて積極的に参加ができる、そうしたことを考えていきたいというふうに思っています。
#57
○芝博一君 是非、この衆参の附帯決議にありますように、民間の参入が促進されることを御指導いただきますことを強く要望をさせていただきたいと、こう思います。
 そんな中で、今いろんな研修会等々が開かれていると、こんなお話がありました。今現在の中で認証機関が、検証機関が、手数料等々のお話が一部出ましたけれども、手数料等々について高過ぎるよというような不満、若しくは本法律案によるその措置に対しての民間からの意見等々の部分というのは各省庁で把握をされているんでしょうか。
#58
○政府参考人(森清君) 外国との相互承認協定の実施につきましては、政府としては、日米間につきましてもそうでございますが、早期締結の要望を業界から承っておりますけれども、その中で、例えば認定のための手数料ですとか申請から認証に至るまでの処理期間の適正化等のそういう具体的な問題については、現在のところ要望としては承っておりません。ただ、今後とも、関係業界の意見を十分聞きながらこの制度の趣旨を生かすような運用をしてまいりたいというふうに考えております。
#59
○芝博一君 一説によると、まあ件数も少ないからということも含めて、先ほどありました三百五十万というような話もありました。大変高いんです。ここの部分は是非実態を調査して安くしてあげること、することがすなわち輸出入の促進につながると、こう思っておりますから。ない、ない、申請がないから、ないのはやっぱり高い認証料、手数料を取って、それだけの価値もない、そんな部分の発想にもなってきますから、いずれにいたしましても、民間参入を促進するということはこれらの費用軽減にもつながってくるわけでありますから、是非そこのところは各関係者の、企業等々の声を聞きながら反映をしていく、そんな部分の体制を強く要望させていただきたいと、こう思います。
 そこで、先ほど少しお触れになりました、今回のアメリカとの相互協定において、アメリカではこの適合性評価機関、何社が参入すると、正確に、先ほど少しおっしゃいましたが、改めてお聞かせください。
#60
○政府参考人(森清君) 先ほど申し上げましたように、現在米国の中で認証機関、米国の国内における認証、活動を行っている機関でございますが、全部で十六社ございます。この中で何社出てくるのかというのはちょっとまだ確認が取れる状況には至っておりません。
 ただ、先ほども言いましたように、日本とアメリカとの間の貿易の実績でありますとか、関係業界の要望の高さからしますと、まあヨーロッパで今四社、向こうが四社でございますけれども、それ以上のものが出てくるのではないかというふうな感じでございます。
#61
○芝博一君 アメリカの部分においてそんな多くの認証、検証機関が出てくることを期待もさせていただきたいと、こう思っております。
 ところで、今回のアメリカとの協定の大きな柱といいましょうか、中身、内容については携帯電話の輸出入なんですね。私はこの携帯電話の部分について大変ある意味、一点では心配をしております。
 すなわち、世界市場ではアメリカ企業であったりヨーロッパ企業が大変大きなシェアを占めておりますが、日本の携帯電話は日本市場の中だけじゃなしに世界市場の中では大変少ない、九%なんです。例えば、ノキアは三〇%の世界市場を誇っているんです。何、どこに原因があるか。今のままの状況でアメリカとの通信機器、すなわち携帯電話端末の輸出入を繰り返しても、日本が大きな経済効果、すなわち大きな輸出ができるとは考えていません。
 それは、皆さんも御存じのように、国内メーカーので、今の携帯電話の制度にあると思っております。すなわち端末を、極端なこと言うとゼロ円でも売るけれども、あとは何で利益を上げるかというと、通信費でバックマージンを出したり利益を上げていくという日本独自の携帯電話業界の事情があります。これで果たしてアメリカと対等に経済交流ができるんでしょうか。どのようにお考えでしょうか、大臣、お聞かせください。
#62
○国務大臣(菅義偉君) 今の委員の御指摘は全く私、そのとおりだというふうに思っています。私自身も大臣に就任をしてすぐに国際競争力を強化しなきゃならない、そういう中で懇談会をつくらさせていただきました。そしてまた、いろんな方からいろんな話を伺うと、日本の携帯電話というのは極めて優秀である、非常に機能が優れている、こうしたことは海外の技術者もほぼ多くの人が認めておりまして、日本が一番であると。しかし、日本がなかなか海外に進出できない。その一つとして、私は今委員から御指摘がありましたように、ゼロ円で取得をして、そして後で通信料でこう支払っていくというこの仕組みですね、こうした仕組みというのは海外で通用するわけがありませんので、私もここに問題があるのではないかなというふうに思っているところであります。
 そして、今年の一月にこのモバイルビジネス研究会というものを開催をいたしました。それは、今の日本の仕組みでどこに問題があるのか、そうしたことを研究される機関でありまして、具体的には、販売奨励金やSIMロックの在り方、設備を持たないでモバイルサービスを提供する事業者の新規参入の促進など、競争促進を通じた利用者の利便向上に向けて幅広い観点から議論をいただきたいと、そういうことでこの研究会を開催をさしていただきました。そして、私ども総務省としては、このいわゆる移動通信市場において新たな成長モデルを確立をして、ひいては我が国のICT全体の国際競争力の向上に何としても努めていきたい、このように思っております。
 正に、すばらしい技術がありながら、それを海外で生かされていない。そこについて、私も、委員を始め皆さんの御協力をいただきながら、こうしたことを積極的に最重要課題として取り組んでいき、こうしたモバイルビジネスの活性化のためになるように全力で尽くしていきたいと思います。
#63
○芝博一君 大臣の下でそういう検討会といいましょうか、調査会、勉強会を立ち上げて検討していくということで、私は本当に、ある意味では、携帯電話業界は日本市場しか見ていない、日本市場は十分に利益を上げられる、大変閉塞性、特殊性を持っている部分だと、こう思っているんです。独禁法の関係でそこに抵触するどうこうとは言いませんけれども、この日本のスタイルが世界で通用するはずがない。ここなんです。そして、次から次と新機種を出して、正に、国内の中で日本国民を相手に、消費者を相手に利益を上げていくという、まあ本当にある意味ではメーカー主導的な部分で、利用者の部分というのは考えられていないと思っておりますから、是非、強い立場でここの部分を直していかないと、日本とアメリカ、そして日本と世界市場の中で携帯電話業界は立ち後れていくと、こう思っておりますから、是非、大臣の強いリーダーシップを御期待いたします。よろしくそこのところの部分をお願いいたしたいと、こう思います。
 ところで、今回アメリカとも通信機器の部分で始まるわけでありますけれども、こんな例があります。例えば、北海道とか北信越のスキー場で外国製の無線機による混信等の被害が報告をされていると聞いております。この被害状況はどんなものなのか、概略で結構ですのでお答えください。
#64
○政府参考人(森清君) 御指摘の件でございますが、外国製無線機による混信等の被害の一つの事例といたしまして、昨年の一月三十一日、NHKの札幌放送局でございますが……
#65
○芝博一君 概略で結構です。
#66
○政府参考人(森清君) はい。スキー大会の中継電波に妨害を受けたという報告がありました。
 これ以外にも、警備会社の関係、あるいはビル管理の関係、除雪作業などの現場で外国製無線機が使われるということを確認しておりまして、使用停止等の指導を行っているところでございます。
#67
○芝博一君 外国製の無線機器、これだけ聞くと、まるで、例えば日本に入ってくる製品が検査をすり抜けて、しかしそれが違法のものであると、こう聞こえますけれども、実態は、インターネットによる取引で日本にこれらの外国製品が多数、無線機が入ってきているんですね。これらが日本の電波法等々に違反をしているわけであります。だから、実態を調査して指導もしている、こう思っております。
 これは、通信機器、例えば無線機に限らず、これから世界はインターネットの時代で、多くのインターネット取引が展開されていく。もっともっと増えてくるわけですよ。で、今申し上げましたように、条約を結んだEUであったりシンガポールであったりアメリカ等々の部分については、当然そこで検査の認証があるわけですから、当然基準に適合したものが入ってきますけれども、インターネット取引でもっともっと多くの物品が行き交いをすると、ここには違法のものが、すなわち認証された製品以外のものが入ってくるという、この実態が危惧されます。そこの部分に対策を高めていかないと、片一方では、正直に認証を取っている部分はいいんですけれども、インターネットで取引した部分については、日本に輸入したら、買ったら日本の法律で違反している、多くの電波障害も起こしている、このことが今後も、通信機器のみならず考えられるわけであります、電気製品も含めて。
 この辺の対策をどう取っていかれるのか、その決意と方策について、大臣に、お聞かせください。
#68
○国務大臣(菅義偉君) 例えば外国製無線機を海外で買ってきた場合、空港に使用できない周知広報をするとか、あるいは、例えば電気製品の場合等は、自社の輸入品が同法の技術基準に適合していることを確認して、法律で定められたマークがなければ販売できないことだとか、そうしたことについて私ども全力で周知徹底を図ると同時に、こうしたその現場一つずつ、今スキー場の例がありましたけれども、そうした事例があった場合に迅速に対応しながら、これをしっかりとこの対策を講じていきたいというふうに思っています。
#69
○芝博一君 もう御存じだとは思いますが、今後個人においても企業においてもインターネット購入というのはこれは止めることができない流れだろうと、こう思っております。
 片一方で、きちっとした形で条例なり法律面で網を掛けながら規制を守っていく部分で野放しになっていく部分があってはならないと、こう思っておりますから、今言いましたように、周知徹底をする。ほとんどの人が違法性がない、そんな認識が強いんです。そこは周知徹底をしていく。もう一つは、違法性が非常に、被害が大きく懸念されるものについては摘発もするというような部分も含めながら対応を取っていかないと、いわゆる不公平感が出てくる、アンバランスが出てくる、こう思っておりますから、是非この点にも留意をされまして、今後の対応をお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
    ─────────────
#70
○委員長(山内俊夫君) この際、委員の異動について御報告をいたします。
 本日、遠山清彦君が委員を辞任され、その補欠として鰐淵洋子君が選任されました。
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#71
○吉川春子君 日本共産党の吉川春子です。
 まず、本法案は、相互承認協定の国内担保法ですので、一定の技術水準、信頼性を基礎に基準適合性評価を相互に行うということには合理性があると考えて、私たちは賛成いたします。
 そこで、今日は電気通信事業について幾つか質問します。
 一九八五年に日本電信電話会社が民営化されて、電気通信事業が自由化、規制緩和されました。電気通信事業者は、一九八五年の四月に八十七社であったものが、二〇〇七年三月には一万四千二百二十社、百六十三倍に増えております。その結果、悪質業者も次々に参入いたしまして苦情が増えていますが、内閣府にお伺いします。一九九七年度、二〇〇四年度、二〇〇六年度、相談件数とその概要を御説明いただきたいと思います。
#72
○政府参考人(堀田繁君) お答えいたします。
 国民生活センターでは、先生御指摘のように、各地の消費生活センターをオンラインで結びますPIO―NETによりまして苦情相談情報を収集しております。PIO―NETの分類体系の中の関連する苦情件数でございますけれども、今から十年前の平成九年度では約一万六千件でございました。その後、徐々に増加いたしまして、いわゆる架空請求というものが広まりました平成十六年度には、これピークですけれども、百十四万件となっております。その後、落ち着いてまいりまして、平成十八年度はまだ集計途中でございますけれども、約十九万件となっております。
 主な相談事例でございますけれども、契約した覚えがないのに電話サービスの請求書が届き、苦情を言っても取り合ってもらえず、仕方なく支払ってしまったといった事例、それから、通話料が安くなると勧誘され、署名した覚えはないのに電話回線を変更され、元に戻してほしいなどとなっております。
#73
○吉川春子君 そのうち、近未來通信に関するものが六百三十一件、平成電電が千七十件、ISP業者MTCIで三十六件、IP電話のジェイエムネットで六十四件と、こういう個別の相談件数もあるわけですね。
 IP電話の通信局のオーナーになるということで、詐欺で強制捜査を受けております近未來社について質問します。
 最低でも一千二百万円出資させて、多額の配当金を約束した。テレビCMにはスポーツ選手とか有名な俳優さんを活用して大宣伝しておりましたけれども、昨年十二月には東京地裁で破産手続が開始されていると。報道によりますと、被害者は三千人、被害額が四百億と言われています。警察庁が強制捜査を行い、詐欺容疑で立件を検討していると報道されています。国税が六億五千万の申告漏れ、国税庁ですね、所得隠し一億七千万円、追徴課税。社会保険庁は保険料を数千万円滞納ということで調査しています。これ以外にも、東京都の法人事業税、法人都民税の滞納で六千億円。特定商取引違反の疑いで東京都は行政処分を検討中のことと報じられております。
 総務省はこういった被害の実情を的確につかんでおりますか。
#74
○政府参考人(森清君) 総務省といたしましては、電気通信事業法にのっとりまして、利用者の利益確保ということを第一に考えて行政をしているところでございますが、この近未來通信の案件につきましてのそうした投資活動としての被害については、私どもとしては承知をしておりませんでございました。
#75
○吉川春子君 つかんでいなかったと、こういう答弁でした。
 資料を配付していただきましたけれども、総務大臣に伺います。
 電気通信事業が自由化されたために、届出だけで電気通信事業に参入できるようになりました。届出に必要な書類は届出書、ネットワーク図、電気通信役務、存在性確認の四枚を出すだけで、審査はありません。苦情への対応も、個人情報保護や通信の秘密も事業任せです。この資料は総務省からいただいたものなんですけれども、今指摘いたしました近未來通信の届出書類の一つ、四つのうちの一つ、ネットワーク図なんですね。これちょっと落書きみたいじゃないかと、こういうふうに思うかもしれませんが、れっきとした、もう総務省からいただきましたので、いかがわしいものではありません。(発言する者あり)そうなんです。
 そして、こんな簡単なような図面でも参入できて、電気通信事業者ということになるわけで、そしてその悪質業者の参入を許したわけですね。近未來通信以外にも今言った平成電電とか、その他の報道も一杯あります。悪質な業者の参入を許しているのはこの届出制度に原因があると思います。どうですか。
#76
○国務大臣(菅義偉君) 委員御指摘のように、電気通信分野においては市場構造の変化に柔軟に対応して多様な事業展開できるように、近未來通信のような事業者については一九八五年の競争導入時から届けのみで参入をできるようになっております。こうした届出制度の下にこれまでにも多数の事業者が電気通信市場への参入を果たして、料金の低廉化や利用者ニーズに合った多様なサービス提供が実現できておるというふうには思っています。例えば、東京―大阪はかつては四百円でありましたけれども、今は十数円という形になっておりまして、私どもはこうした現行制度というのは有効に機能していると、このように考えております。
 電気通信事業のようにこの技術革新の激しい分野では、多数かつ多様な事業者が活発にその提供するサービスを競い合うことが、今申し上げましたけれども利用者の利益にかなうので、引き続きこの制度というものは維持していく、このことが適当であるというふうに考えます。
#77
○吉川春子君 幾ら規制緩和といいましても、詐欺まがいの業者が参入してくることを防げないということでは投資家及び利用者が大変大きな迷惑を被ります。参入業者の質を問わないということが問題で、平成電電とか近未來通信という事例を教訓にする必要があるわけです。
 近未來通信のユーザー数は固定電話で五百八十七名、テレビ電話で三千三百三十七名ですが、総務省のお墨付きもらったんだと、NTTと一緒の電気事業者なんだよと、こういう宣伝をして、もう最初からまじめにこういう事業をやる気はなかったということが明らかになっているんですけれども、総務省は電気通信事業者という看板を貸すわけですから、やっぱり事前のチェックを行う必要があるんじゃないでしょうか。大臣、もう一度伺います。
#78
○国務大臣(菅義偉君) 今申し上げましたように、この届出を規制緩和をし、届出を、参入することによって非常に大きな効果も現れていることも事実であります。そして、今この近未來だとかあるいは平成電電ですか、こうしたことというのは投資の方のことでこうした詐欺まがいのことが起こっておるわけでありますので、そういうものについては金融庁で今対策を講じているようであります。
 前にも申し上げましたけれども、この近未來通信でありますけれども、電気通信サービスの提供自体は行っておりまして、利用者利益の阻害について、私どもに電気通信のことでの苦情というのは全くなかったという事実もありました。
 いずれにしろ、そうした状況の中で今国会に電気通信事業法の改正法案を提出して、不適正な事業運営を行っている電気通信事業者に対して迅速かつ機動的に対応できるような業務改善命令の要件を拡充することとして、私どもの電気通信事業法の中で最大限のことは対応していきたいと、このように考えています。
#79
○吉川春子君 今大臣がおっしゃったことを分かりやすく言えば、投資家の保護は総務省の責任じゃないんだよと、利用者については何の損害も出ていないと、苦情が来ないんだからそれは構わないんだという御趣旨ですよね。それはレクで繰り返し伺いました、私の部屋でも。
 しかし、固定電話とテレビ電話の利用者がいて、その近未來通信が破綻しちゃったわけだから、社長も今は海外へ逃亡しているかどうか分からないわけでしょう。そういう中で、総務省に文句は言っていかなかったかもしれないけれども、着実にこの数千人の人の被害は出ているわけですよ、IP電話使っているのにそれがいなくなっちゃったわけだから。じっと耐えているかもしれませんよ。そういうものをして利用者に被害がなかったと、投資家の保護は総務省の責任じゃないんだということはあんまりな御答弁だと思うんですけれども。
 じゃ、事後のチェック体制はどうなのか。事後のチェック体制を行う職員体制、何人いるんですか。これ専門の体制の職員は何名いるか、御答弁ください。
#80
○国務大臣(菅義偉君) 誤解があるといけませんのでもう一度答弁させていただきますと、私どもはこの電気通信事業法という法律の中でそうした届出事業者に対して対応することになっております。近未來通信については、そうした実際利用している方から私どもに対しての苦情というのはなかったということであります。
 しかしながら、あれだけ新聞でも騒がれておりました。私どもとしてできることは、やはりこうした被害をできるだけ未然に防ぐ、あるいは拡大をしないようにするために、今回、今国会において電気通信事業法の改正を実はお願いをさせていただいていまして、そうした状況のときに、例えば決算の内容を私どもが取り寄せすることができるだとか、より迅速な、そして機動的な対応ができるような法改正を提出をさせていただいておるところでありまして、私どももできる限りのことは最大限できるような仕組みをつくっていきたいということであります。
#81
○吉川春子君 簡単にお願いします。
#82
○政府参考人(森清君) はい。
 人員面ということでございますが、このことだけをやっているわけではございません。このことにかかわる人ということで申し上げますと、総務本省では約九十名、地方全体で約七十五名ということでございます。
#83
○吉川春子君 一万四千二百二十社ある、このことを専門にチェックする職員はいないと、こういうことでは本当にお寒い状態だと思います。
 大臣、放送法の改正と切り離して出すべきですよ。もうこういう政治的な質問をする時間ないので、それは一言申し上げます。
 こういうふうに破綻しちゃった近未來通信、個人情報を一杯持っているわけですよね。そういう情報がカモリストとして回らない保証はないわけですよ。こういう個人情報の保護、こういうおかしな業者が入ってきて、もう最初からまじめにやらないで破綻しちゃう、しかし個人情報は一杯つかんでいる。これはどういうふうにして個人情報を保護しますか、伺います。
#84
○国務大臣(菅義偉君) 電気通信事業者は、電気通信事業における個人情報保護に関するガイドラインで、個人情報の取扱いについては、個人情報保護法に比べより厳格な規定を定めているところであります。
 電気通信事業者が事業を廃止した場合にあっては、ガイドラインにおいて、利用目的を達成した後は当該個人情報を遅滞なく消去するものと法律で規定をされているところであります。
#85
○吉川春子君 大臣、端的に伺いますけれども、こういうふうに廃業した、届出業者が廃業した、そのときに通信の秘密、個人情報をどう保護するか、これは総務省が所管省庁として責任を持つと、こういう御答弁でしたか、確認します。
#86
○国務大臣(菅義偉君) 個人情報保護法は個人情報データベース等を事業の用に供している者を対象としておりまして、事業を廃止した場合には対象にならないため、現行法上、個人情報一般の保護については担保手段はありません。
 しかしながら、私どもは、電気通信分野におきましては厳格な取扱いが求められておりまして、通信の秘密の漏えいに関しては、事業を廃止した場合にも電気通信事業法によって罰則が科せられることになっております。
#87
○吉川春子君 時間がなくてもう残念ですけれども、今言ったような破綻業者の抱えている個人情報を保護するものはないと今大臣がおっしゃいました。
 それで、最後に私は要望だけ申し上げますけれども、公務員の数を減らせばいいわけじゃないですよね。こういうやっぱり事後チェックの体制とかいろいろな問題についてきちっとやるためには一定の職員が必要です。今でも、インターネットはもう花盛りだから、もう総務省のその部署の職員は超過密労働をしていると思いますよ。
 そういう職員をちゃんと確保して、そして国民の利益を守るというその決意を最後に一言、イエスと言っていただければいいですけれども、お願いします。
#88
○国務大臣(菅義偉君) 国民の皆さんが安全、安心の生活を送ることができるように、私どもは万全の体制で取り組んでいきたいと思います。
#89
○吉川春子君 終わります。
#90
○又市征治君 社民党の又市です。
 法案には賛成をいたしますが、政府の法案説明を聞いておりますと、日本の輸出業者が有利になる側面ばかりが強調されまして、良いことずくめ、こういうふうに聞こえてしようがないんですね。しかし、相互承認ということですから、相手国からの輸入も当然容易になる、増えてくる。また、消費者から見れば、よく分からない外国製品が確実に増えてくるわけでありまして、外国製品で事故などがあった場合、保護や救済がされるのかという問題も出てくるということだと思うんですね。
 内閣府所管の国民生活センターの調査では、メーカーなどが自主的に回収であるとか修理を公表したものだけで、昨年四月からのこの一年で百十五件に上るというふうにお聞きしています。消費者からの苦情の件数というのはその数十倍ということになるんだろうと。さっき、ほかの件で十九万件と、こういうふうにお話がありましたが、その件数と代表的な危険な事故の例をまず紹介していただきたいと思います。
#91
○政府参考人(堀田繁君) 先ほど答弁いたしましたPIO―NETの集計によります件数を申し上げます。
 家庭で使用されております電気製品分野につきまして、危害、危険に関する苦情件数でございますけれども、二〇〇四年度で約八百件、二〇〇五年度で千件、二〇〇六年度で一千三百件というふうになっております。
 主な事例でございますけれども、ファンヒーターを使用中火を噴いたとか、リモコンで操作可能な電気ストーブがテレビのリモコンの信号を拾い誤作動を起こす、自宅兼事務所に設置したシュレッダーに二歳八か月の女児が手の指を挟んだといった事例がございます。
#92
○又市征治君 ありがとうございました。
 総務省や経済産業省では所管は認定対象製品だけだということで、今聞いたような社会的な大きな事故については集めていないそうですね。
 しかし、この五月からは、生活用製品安全法は改正施行されて、メーカーに罰則付きで報告義務が生じるわけですね。これで認証対象か否かにかかわりなく事故は報告され、政府から公表されるんだと思いますが、その点の確認を求めておきたいと思います。
#93
○政府参考人(本庄孝志君) お答えいたします。
 本年五月十四日から施行される予定でございます改正消費生活用製品安全法に基づきまして、電気用品を含めた消費生活用製品の重大製品事故情報につきましては、製造事業者のみならず輸入事業者からもきっちりと報告をいただくこととしております。また、重大製品事故に至らない軽微な事故に係る情報につきましても、独立行政法人製品評価技術基盤機構、いわゆるNITEにおきまして情報を収集、分析することといたしております。
 いずれにいたしましても、経済産業省といたしましては、事故情報の速やかな公表を行うとともに、必要に応じて製品の回収を命令するなど適切に対応してまいります。
#94
○又市征治君 そこで、先ほど国民生活センター集計の報告がございましたが、この事故のあった製品というのは、恐らく国内の認証機関の認証なり自己適合宣言を経てというか、くぐり抜けて市場に出てきたわけですよね。消費者は信頼を持って買ったわけだけれども、現実にそういう事故に遭っている。まだ未解決のものも多くて、一部はメーカーによる回収が進まずに危険をはらんだまま家庭に現存していると。いまだにコマーシャル幾つかやっていますね、これ。
 じゃ、外国製品だったらどうなるのかということですが、外国製品では、電気製品、電気通信機器では直接ありませんけれども、より大きな事故ではみんなの記憶に新しいのではシンドラー社のエレベーター、ボンバルディア社の旅客機の欠陥例というものもあるわけでありまして、また、アメリカの輸入といえば、牛肉のBSE検査体制は日本の基準に従って検査するという建前で再開された以後も、極めてずさんであることが度々報道されている、こういう実態にあります。
 これらは、品物こそ違うけれども、外国の製品や産品の検査体制について日本の国民の信頼度をゼロにまで落とした事件、こう言わなきゃならぬと思うんですね。認証手続を相手国、例えばアメリカの承認機関に一任した場合、たとえそれが日本の基準に沿って検査したものだと政府は言ったとしても今消費者の側はどうも信頼できない、こういう雰囲気になっているわけですね、こういう事例によって。
 そこで、大臣にむしろ政府を代表してお答えいただきたいと思いますが、相手国の機関において認証手続がきちんと行えるかどうか、その前提にある相手国における輸出や検査におけるモラルについて政府としてどのように一体国民に担保しようとされているのか、この点明確にお答えください。
#95
○国務大臣(菅義偉君) 例えば日米協定においては、アメリカ側の義務としては、アメリカ政府は我が国の電気通信事業法等に定める基準により日本向けの認定機関の指定、監督を行うこととされております。
 また、日本政府としては、アメリカの認証機関に関して総務省から直接情報を請求をすること、また、アメリカの認証機関が指定基準を満たさなくなったと認めるときは、当該機関の認証の受入れを停止をすること、国民の安全を確保するため、電気通信事業法等に基づき機器の回収命令等の必要な措置をとることが協定上規定をされております。
 これらの規定によって、アメリカの認証機関による認証についても国内の認証機関と同等の安全性、信頼性を確保することが可能であると考えております。
#96
○又市征治君 先ほど申し上げた事例によっても、なかなかこのアメリカのやり方というものについて国民の中に信頼性がないということですから、これはしっかりと取り組んでいただきたい、こう思うんです。
 そこで次に、今回アメリカとの交渉で相互認証の信頼性向上を求めて日本は何か要求をしたのか、この点については総務省からお答えをいただきたい。また、関連して経済産業省、米国との協定にはEUなどとの協定とは違って、通信以外の一般的な電気用品は含まれないことになったというふうにお聞きしますが、これは一体どういうことなのか、この二点お伺いをしたいと思います。
#97
○政府参考人(森清君) 日米間の協定の締結に当たりましては、今大臣の方から御答弁ございましたけれども、消費者保護の観点、これは非常に重要なことでございますので、日米協定の中においてアメリカ側の政府としての義務、これは認証機関に対する指定、監督をしっかり行うと、あるいは情報の請求に対応する等々のことを盛り込んでございますし、その協定の中で具体的に国内のメーカーが負うべき義務と同等の義務を向こうの認定機関で認定を受けたメーカーが負うと。
 例えば、製造業者に対する報告徴収、立入検査、あるいは表示の効果、貼付の問題、あるいは機器の回収命令等につきまして国内のメーカーと同様の措置にするということを協定上確保してございます。
#98
○政府参考人(松本隆太郎君) 電気製品が今回の協定において対象となっていないというのは先生御指摘のとおりでございます。
 この理由につきましては、まず、米国におきましては一般消費用電気製品に関する安全規制というのは連邦政府レベルではございませんで、地方自治体レベルで行われております。そういったことから、政府間の相互承認協定の中でこういった規制の取扱いについて取り扱うことは必ずしも適当でないという考え方に基づいて対象に含まれていないと。それから、先ほどもちょっと御議論がありましたけれど、この電気製品分野については関係業界からも特段の要望が寄せられておりません。
 以上でございます。
#99
○又市征治君 危険な事故は電気用品の方に多いんですから、アメリカと結ばなくてよかったようにも見えるんですが、実際は輸入可能だということであれば、消費者は大変心配であることは事実ですね。こう聞いてまいりますと、製品が認証対象であっても消費者にとって余り負担にならないようですけれども。
 そこで、具体的に今度は賠償問題についてお聞きをしたいと思うんです。事故を起こした外国製品が形式上、日本基準による相手国での審査を通過したものであった場合、消費者などから見て賠償請求等の日本国内での実際の手続はどのように担保されるのか。これは両省からお聞きした方がいいんだろうと思いますが、よろしくお願いします。
#100
○政府参考人(森清君) 電気通信機器の欠陥等によりまして国民に具体的な被害が生じた場合、消費者はこれらの輸入業者とかあるいは販売業者等に対しまして、民法あるいは製造物責任法に基づき損害賠償請求を行うことによって、言わば当事者間で解決されることになるものと考えております。
#101
○政府参考人(松本隆太郎君) 基本的に今総務省さんの答弁と同じでございますけれど、やはり電気製品を含め、製品の欠陥により損害が生じた場合には、製造物責任法あるいは民法、こういった民事上の損害賠償ルールに基づき当事者間で解決されるものと考えております。
#102
○又市征治君 ちょっとひどい話ですね、それは。PL法だって消費者側に欠陥の立証責任があるという大変冷たいものなんですね。
 しかし、今企業の社会的責任が大変強く求められているわけです。政府は、認証という法制度によって、間接的にせよ製品の規格であるとか安全性を裏書したわけでしょう。認証済みの製品で起こる事故について、もっと消費者に対する責任の一端というものを政府はやっぱり分担すべきじゃないですか。何かお上対業者という発想ではなくて、消費者の立場に立ってむしろしっかりと対応するのが今求められるんじゃないですか。報告の聴取と公表は最初の一歩ですけれども、せめてあっせん、調停ぐらいはすべきじゃないですか。この点、大臣から、さっきも申し上げましたが、本当に政府を代表して認証制の実効性のある担保をするように、誠意あるやっぱり対応を是非御答弁願いたいと思う。
#103
○国務大臣(菅義偉君) この基準認証制度の運用に当たっては、消費者保護というのは極めて大事だというふうに思っております。私ども総務省としては、例えば認証した電気通信機器に問題がないか、事後的に市場で買上げ調査などを行って把握に努めているところであります。これらの機器に基準不適合があって万が一障害が発した場合については、電気通信事業法又は電波法の規定に基づいて適正に対処していきたいというふうに思います。こうした措置を講ずることによって、国民が安心をして電気通信機器を利用できる環境が整うように取り組んでいきたいと思います。
#104
○委員長(山内俊夫君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 特定機器に係る適合性評価の欧州共同体及びシンガポール共和国との相互承認の実施に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#105
○委員長(山内俊夫君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたします。
 この際、那谷屋君から発言を求められておりますので、これを許します。那谷屋正義君。
#106
○那谷屋正義君 私は、ただいま可決されました特定機器に係る適合性評価の欧州共同体及びシンガポール共和国との相互承認の実施に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党、社会民主党・護憲連合及び国民新党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    特定機器に係る適合性評価の欧州共同体及びシンガポール共和国との相互承認の実施に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、次の事項についてその実現に努めるべきである。
 一、情報通信分野を始めとする我が国の国際競争力の拡充強化に向けて、相互承認協定の締結の拡大を図るとともに、国際標準化についても積極的に取り組むこと。
 二、今回の改正により、今後締結される相互承認協定への対応が政令にゆだねられることから、基準認証制度の現状について検証するとともに、行政の対応を迅速に行うなど、利用者のニーズに配慮しつつ適合性評価手続の円滑化に努めること。
 三、現在行われている相互承認の実施状況を十分に踏まえ、認証に係るコストの低減、認証サービスの質的充実等利用者の利便性の向上を図り、国際的にも信頼される認証機関の育成に努めること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#107
○委員長(山内俊夫君) ただいま那谷屋君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#108
○委員長(山内俊夫君) 全会一致と認めます。よって、那谷屋君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたします。
 ただいまの決議に対し、菅総務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。菅総務大臣。
#109
○国務大臣(菅義偉君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
#110
○委員長(山内俊夫君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#111
○委員長(山内俊夫君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時二十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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