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2007/04/24 第166回国会 参議院 参議院会議録情報 第166回国会 総務委員会 第11号
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2007/04/24 第166回国会 参議院

参議院会議録情報 第166回国会 総務委員会 第11号

#1
第166回国会 総務委員会 第11号
平成十九年四月二十四日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十九日
    辞任         補欠選任
     二之湯 智君     小泉 顕雄君
     白  眞勲君     内藤 正光君
 四月二十日
    辞任         補欠選任
     小泉 顕雄君     二之湯 智君
 四月二十三日
    辞任         補欠選任
     長谷川憲正君     田村 秀昭君
 四月二十四日
    辞任         補欠選任
     芝  博一君     水岡 俊一君
     遠山 清彦君     西田 実仁君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山内 俊夫君
    理 事
                景山俊太郎君
                二之湯 智君
                森元 恒雄君
                伊藤 基隆君
    委 員
                小野 清子君
                河合 常則君
                木村  仁君
                世耕 弘成君
                山崎  力君
                山本 順三君
                吉村剛太郎君
                高嶋 良充君
                高橋 千秋君
                内藤 正光君
                水岡 俊一君
                澤  雄二君
                西田 実仁君
                吉川 春子君
                田村 秀昭君
   国務大臣
       総務大臣     菅  義偉君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        高山 達郎君
   政府参考人
       内閣府政策統括
       官        増田 優一君
       総務省総合通信
       基盤局長     森   清君
       消防庁長官    高部 正男君
       厚生労働大臣官
       房審議官     白石 順一君
       厚生労働省老健
       局計画課長    川尻 良夫君
       社会保険庁運営
       部長       青柳 親房君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○消防法の一部を改正する法律案(内閣提出)
    ─────────────
#2
○委員長(山内俊夫君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十九日、白眞勲君が委員を辞任され、その補欠として内藤正光君が選任されました。
 また、昨日、長谷川憲正君が委員を辞任され、その補欠として田村秀昭君が選任されました。
 また、本日、遠山清彦君が委員を辞任され、その補欠として西田実仁君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(山内俊夫君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任については、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(山内俊夫君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に二之湯智君を指名いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(山内俊夫君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 消防法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に内閣府政策統括官増田優一君、総務省総合通信基盤局長森清君、消防庁長官高部正男君、厚生労働大臣官房審議官白石順一君、厚生労働省老健局計画課長川尻良夫君及び社会保険庁運営部長青柳親房君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(山内俊夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(山内俊夫君) 消防法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○二之湯智君 おはようございます。自由民主党の二之湯智でございます。
 ただいま上程されております消防法の一部を改正する法律案について、幾つかの点について質問をいたしたいと思います。
 東海地震とかあるいは東南海あるいは南海地震や首都地震の発生の切迫性が指摘されているところでございますが、そういう中で、三月二十二日には能登半島地震、そして四月十五日には三重県中部を震源とする地震が発生をいたしております。今までそういうところで地震が起こるであろうというようなことは全く想定されていない地域でも地震が発生しておると、今や日本列島でいつどこで地震が起きても不思議ではないと、そんな状態になっておるわけでございます。そのためにも、火災を対象とした消防計画だけじゃなくて地震を対象とした消防計画の作成、それを実際に実施する自治消防組織の設置の義務付けは大変重要なことであり、今回の法律の改正は非常に画期的であると思うわけでございます。しかし、消防計画の作成、自治消防組織の活動の実効性を維持するには多くの課題を克服しなければならないと思います。
 各自治体においては高いレベルの地震対応能力が求められておるところでございます。しかし、全国八百十一消防本部で防災組織を有しているのは、私の知っているところではわずかに六十一本部しかないのが実態であります。これで果たして全国一律の高いレベルの消防計画の作成、自治消防組織の設置ができるのか甚だ疑問と思わざるを得ないのであります。
 多くの自治体では消防局以外の部局が地震対策を担当しており、今回の消防法改正を有効に生かすためには各自治体が火災予防と地震対策を一体的に対応できる体制を取ることが非常に重要であると考えますが、消防庁はどのように思われておりますか、その点をお聞きしたいと思います。
#9
○政府参考人(高部正男君) お答えを申し上げます。
 地震の切迫性等が指摘される中で自治体がいろんな組織を整備しているわけでございますが、その中で、御指摘ございましたように、消防は元々消防、救急の業務を担当しているわけでありますが、防災あるいは広い意味で危機管理といったものを担当する組織を設けるところが出てきているわけであります。
 そういう中で、消防がどういう役割を担うかということにつきましては、各団体によりましてそれぞれの自治組織の中で対応しておられるというわけでございますけれども、御指摘ございましたように、広い意味での防災まで含めて消防が担当しているところは今の時点でいうと少ないのではないかというふうに思っているところでございます。
 理由はいろいろあるようでございますけれども、いろんな災害の際には、例えば町の組織全体を挙げて対応しなきゃいけないと、そのときに消防部局だけでは適切な対応が難しいのではないかというような判断の下に、消防とは別のところに担当組織を設けているといったところも多いわけでございますけれども、いずれにいたしましても、私どもといたしましては、市町村の場合に消防が職員を抱えて、いざというときに対応するという能力は一番優れているわけでございますので、消防が主体的な役割を担うことが非常に重要だというふうにかねて認識しているところでありまして、私もいろんな場でそういう問題提起をさせていただいているところであります。
 今回の改正によりまして、大規模・高層の防火対象物におきましては、従来の火災予防に加えまして地震対策につきましても消防計画の作成及び自衛消防組織の設置が必要となるわけでございます。このために、事業所の指導等に当たる消防機関として、火災予防と地震対策にかかわる一体的な運用体制を整備することが実効性確保の上で必要だと考えているところでございます。
 消防庁といたしましては、予防担当職員における地震対策に関する知識、技能の確保、消防組織の広域化による体制の強化、各自治体における関係部局間の連携等を推進し、必要な実施体制の確保に意を用いてまいりたいと考えているところであります。
#10
○二之湯智君 次に、不特定多数の者が利用したり、それから円満な、いったん地震が起きれば円満な避難誘導が求められる大規模、高度の防災対象物については、非常に高いレベルの地震対応能力が求められると思うのであります。したがって、今回設置されます自治消防組織において全体の中枢的な役割を担う者、あるいは防災センター要員は一定の講習を受けている資格者を配置すると、このようになっているわけでございます。
 そこで、一定の講習とはだれが講習を実施するのか、あるいはどれほどの時間を掛けて講習を受けるのか、あるいは講習を受けた後にこの試験を受け合格した者を資格者として認定されると思うわけでございますけれども、この合格した人はこれ国家資格なのか、あるいは各自治体がそういう資格証明書を発行するのか、そういうことについてお聞かせをいただきたいと思うわけです。
#11
○政府参考人(高部正男君) 今回導入を予定しております自衛消防組織の要員に係る講習につきましては、自衛消防組織全体の活動の方針、応急活動の要領、大規模地震等に関する活動内容等に関する知識、技能の習得を目的とするものでございます。
 その講習の対象といたしましては、応急活動全体の指揮者、それから消火、通報連絡、避難誘導、救出、救護といった各活動の統括者、防災センターで監視、操作等に従事する防災センター要員等を予定しているところでございまして、その実施機関については消防防災上の実務を担う市町村等を想定しているところであります。
 また、講習は講義と実技訓練により構成いたしまして、具体的な内容といたしましては、災害に関する一般的知識、消防法等における安全対策の仕組み、自衛消防組織の役割と責任、消防設備や防災センター等の機能及び取扱方法、大規模地震等に対応した活動要領や資機材の取扱方法などを予定しておりまして、全体の所要時間といたしましてはおおむね二日間程度、時間にいたしまして十二時間程度を想定しているところであります。
 なお、講習修了の要件といたしまして効果測定を行いまして、自衛消防要員として必要な知識、技能が習得されていることを確認の上、受講修了証を交付することとするということを予定しているところでございます。講習の修了者は、消防法令上の資格者として位置付けられるものというふうに認識しているわけでございます。
#12
○二之湯智君 消防計画の作成については、当然、各事業所は当該地の消防本部の指導を受けながら消防計画を作成するものと思われますが、事業所においてもあるいは各自治体の消防本部においても、恐らく全国的に能力において差があるんじゃないかと、ばらつきがあるんじゃと、こう思うわけでございますけれども、消防法が求めている消防計画を作成し、その消防計画を有効に運用するには、消防庁において各自治体に対して作成計画のガイドラインを示したりなどして適切に指導していく必要があるんじゃないかと、このように思うわけでございます。
 この法律は公布から二年以内に実施されるために、その間に各消防本部において専門的な知識を有する職員を育成し、そしてこの消防計画の作成あるいは自治消防組織の設置をそれぞれ各事業所に指導していかなきゃならぬと、このように思うわけでございますけれども、消防庁においていわゆる各自治体の職員育成のために具体的な計画を持っておられるのかどうか、その点についてお伺いをしたいと思います。
#13
○政府参考人(高部正男君) 今回の改正では、大規模地震に対応した消防計画の作成及び自衛消防組織の設置が一定の事業所に義務付けられることになるわけでございますけれども、現場におきましてその指導などに当たる消防機関においても、その専門知識を有する職員を育成することが非常に大切だというふうに思っているところでございます。
 こういうことにかんがみまして、消防庁では、事業所における取組を支援いたしますとともに、消防機関におけるその事務の適切な運営を図るために、地震特有の対応事項を中心としてガイドライン作成や情報提供などを行うことが必要と考えているところであります。
 消防庁におきますこれまでの取組といたしましては、有識者などで構成される検討会をつくりまして消防計画作成に関するガイドラインを検討しているところでございまして、その一環といたしまして、事業所において大規模地震に対応した自衛消防力の確保が適切になされているかの判断に資するため、消防機関向けのチェックリストといったようなものも作成したいと考えているところでございます。
 また、今後の取組といたしましては、改正をお認めいただきますれば、速やかにガイドラインの取りまとめを行いまして全国の消防機関に通知いたしますとともに、ガイドラインの内容や具体的な運用方法等につきましても、その事務の担当職員に対する研修機会を提供することが必要だと考えているところでございます。
 消防庁といたしましては、この施行までの間に適切な運用体制が確保されますように、現場でその事務を担う消防職員の育成を推進してまいりたいと、かように考えております。
#14
○二之湯智君 最後の質問にいたしたいと思います。自衛消防組織と地域社会との連携の必要性についてお尋ねをしたいと思います。
 大地震発生時に、事業所も地域の一員として地元の自治防災組織や消防団との良好な連携の下に活動することは被害を最小限度にとどめるために極めて私は重要なことだと、このように思うわけでございます。
 さきの阪神・淡路大震災においても、企業の自衛消防隊が住宅密集地への延焼を阻止したということもございます。また、企業の営業特性からも、地域に貢献できる事柄が非常に多くあるわけでございまして、さきの震災でも、避難所としての土地、建物の提供、あるいは食料や飲料水の提供などが行われたことは私たちもよく記憶にあるところでございます。
 したがって、いったん緩急あれば、地域と事業所がお互い協力して、被害を最小限度にとどめるために、日ごろから訓練を行う必要があるのではないかと思います。それには各自治体の火災対応、地震対応の担当部局が責任を持って指導に努めることが非常に大事であり重要であると、このように思いますけれども、消防庁はこういう点についてどのようにお考えになっているのか、お伺いしたいと思います。
#15
○政府参考人(高部正男君) 今回の改正によりまして設置が義務付けられます自衛消防組織は、災害時におきまして当該防火対象物の被害軽減にかかわる応急活動を業務とするものでございまして、具体的には、在館者の生命、身体の保護、被害の拡大防止を目的として、消火活動、通報活動、避難誘導、救出、救護を実施するものであります。
 しかしながら一方で、地震の場合ですと、局所的といいますか、災害の広がりがあるわけでもございます。当該防火対象物におきます初動対応が図られた後に自衛消防組織を活用して、事業所として地域の自主防災組織や消防団と連携して活動を行うことは、地域防災の観点から推進すべきものと考えられるところでございます。このためには、地域における日ごろからの協力体制の構築でありますとか訓練の実施等が重要でありまして、消防防災を担当する部局が連携して地域の取組を促進することが重要と考えられるところであります。
 先ほど、消防団についても御指摘ございましたが、少しPRさせていただきますと、先般、消防団の協力事業所の表示のマークの制度を発足させていただきました。消防団も構成員の約七割が被用者、サラリーマンという状況の中で、事業所の役割、事業所の協力は不可欠だという考えの下にこのような制度を発足させていただいたところでございます。こういう事業所におきましては、消防団員を多数抱えていただく、あるいは消防団の活動について御配慮をいただくといったようなことで御協力いただくところでありますが、こういう制度も、ひいては事業所内の消防団員あるいは活動環境の確保といったことが広がりを持ってくることも期待されるわけでございまして、このような観点でも、この協力事業所の制度が一定の更に広い範囲で資するものがあればというふうに考えているところでございますが、いずれにいたしましても、消防庁といたしましては、今回の改正を契機といたしまして、事業所における消防防災上の地域貢献といったものについてできるだけの推進を図ってまいりたいと、かように考えているところでございます。
    ─────────────
#16
○委員長(山内俊夫君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、芝博一君が委員を辞任され、その補欠として水岡俊一君が選任されました。
    ─────────────
#17
○高橋千秋君 民主党・新緑風会の高橋千秋でございます。
 五十五分の時間をいただきましたので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 今回のこの消防法の改正については、一定の前進があると思いますので反対する理由はございませんけれども、ただ、いろいろ問題も含んでおりますので、そういうところを疑問を解消したいなということもありまして、質問をさせていただきたいと思います。
 まず、今回は地震にかかわるということで、私の地元でも先日大きな地震がございました。十五日の第二弾の統一地方選の告示日でございましたけれども、私はちょうど震源地におりまして、葬式に出ていて焼香の最中でございましたけれども、後で見ますと、正に震源地のもうほとんど真上ぐらいにどうもいたようでございました。震度五強という地震で、私も初めて経験をする揺れでございましたけれども、直下型だったようで、非常に短い時間でした。後で聞くと、少し離れていくとかなり長い時間揺れていたようでありますけれども、大変びっくりいたしましたし、葬式も一瞬騒然といたしましたけれども、正にああいうことを経験をすると、この地震大国日本のためにやらなきゃいけないことはたくさんあるなと。その意味で、今回の法改正も正にタイムリーなものだとは思います。
 いろいろホームページを探してみますと、ここ三十日で大体有感地震が、こういう図出ているんですけれども、約三十日の間に四百件ぐらい日本全体であります。震度四以上が十一回この三十日間でございました。能登では震度六強という大きな地震もありましたけれども、こういう中で、やはり今回のこの対応については、法改正は賛成をしなければいけないというふうに思うんですけれども。
 地震についてまずお伺いをしておきたいと思います。今日は内閣府の方も来ていただいていると思いますけれども。特に、十五日に三重県の場合は地震が起きて、周りの状況を見ますと、地震保険に入る人が急に増えたりとか、それから防災グッズが急に売れ出したり今しております、私の地元での話ですが。ただ、東海地区では、東海、東南海地震の被害が起きるんではないかということで三重県全市町が危険地域指定も受けているわけですけれども、ちょうどその地震の翌日ぐらいに地震のその予測地図というのが発表になりました、これは文科省の管轄だそうですけれども。これでいくと東海地区は真っ赤っかなんですよね。更に危険度が増しているという状況でありますけれども。
 ただ一方で、そうはいっても、これが明日起きるか分からない、百年後に起きるかも分からないというものでありますから、なかなかその辺の、不安だけが先行をしていって、十分な知識、十分な情報というのがやっぱり国民の方々にはなかなか伝わっていないし、かえってその心配をあおることになってしまっては逆効果だというふうに思うんですけれども。
 この予測地図自体は文科省の管轄ですけれども、内閣府の方として、こういうことに対するその啓蒙活動というか、もう少し十分な情報を国民の方に知っていただくために何らかの対策はないのかなというふうに思うんですけれども、その辺の御見解をまずお伺いをしたいと思います。
#18
○政府参考人(増田優一君) お答えいたします。
 地震から国民の生命、財産を守っていく様々な地震防災対策を講じているわけでございますが、その中でも、地震に関する観測や測量などの調査研究を進めていくということは極めて大事なことだというふうにまずは認識をいたしておりまして、御指摘のありました地震動予測地図の作成、公表につきましても、そういった意味で極めて重要な調査研究でございまして、いたずらに国民の不安をあおるというよりは、むしろ国民お一人お一人に改めて防災意識の向上をしていただく、意識を高揚するという上で一定の役割を果たしていただいているものだというふうな認識をしております。
 そういった意味で、私ども政府としては、国、自治体一緒になって様々な地震防災対策を講じているわけでございますけれども、何といいましても、地震からの被害を軽減するためには、そういった公助だけではなくて、国民お一人お一人の自助でありますとかあるいは地域防災力といった共助を発揮していくことが重要であります。
 そういった意味で、中央防災会議に災害被害を軽減する国民運動の推進に関する専門調査会というものを設けまして、国民運動を展開する中で地震に関する様々な知識でありますとかあるいは実践を啓蒙していこうということで、私ども、様々な方と一緒になって今国民運動を展開しております。そういった国民運動の実践の中で、日ごろからの災害への備えということで地震防災対策等をPRしてまいりたいというふうに考えております。
#19
○高橋千秋君 今回、地震が起きてすぐ、私はちょうど震源地にいたものですから、亀山市役所というところで貯水タンクが割れて水が漏れて、ちょっとがけ崩れになり掛かったところがあったりとか、お城の城壁が崩れたりしまして、すぐ私は地震発生後一時間ぐらいに行ったんですが、結果的に、震度四以上だと職員が全員招集という形で決まっているんですけれども、なかなかそれが集まらなかった。まあ日曜日で、ちょうど田植シーズンで皆さん外へ出ていたということもあるんですが、なかなかそういう部分で徹底ができていなかったようなところもあって反省点があるんですが、内閣府として今回の地震に対しては何か特別の対応はされたんでしょうか。その経緯だけでも分かれば教えていただきたいんですが。
#20
○政府参考人(増田優一君) 三重県中部の地震、これは四月十五日発生したわけでございますが、内閣府といたしましては、情報を集めるということで災害対策の連絡室を設けまして、関係各省と情報共有に努めたところでございます。
#21
○高橋千秋君 我々の方もすぐ四月二十日に、地元の県会議員の新政みえという会派があるんですが、そこと勉強会をやらせていただいて、地元の市とそれから県、それから国土交通省の方にも来ていただいて勉強会をさせていただきました。様々なハード面の対応の部分とソフト面でやらなきゃいけないことがたくさんあるなということを感じたんですけれども。
 一つ、三重県の場合、非常に不安が広がっている部分があるんですが、一部情報によると、内陸型、この前の能登、それから三重県が続いてくると、近いうちに海溝型のいわゆる東海、東南海地震のような大規模な地震が起きるんではないかという、一部マスコミでも流れたんですけれども、そういう不安がかなり高いんですが、そのことに対して、まあこれは予測はなかなかできないと思いますけれども、どういう見解をお持ちかお聞きをしたいんですが。
#22
○政府参考人(増田優一君) 御指摘のように、今回、内陸型の活断層型の地震が頻発しているわけでございますが、それをつかまえまして地震学者の中には海溝型地震の切迫性が増すと内陸型地震が活動期に入るんだというような御意見をおっしゃっている方もいらっしゃいます。ただ、必ずしもそうじゃないということもおっしゃっている学者もいまして、必ずしも定説がないわけでございますが。
 ただ、政府といたしましては、これも従来から申し上げておりますが、海溝型地震、特に東海、東南海・南海地震につきましては、これは決してあおるわけではなくて、いつ起きてもおかしくないというふうな認識を持っておりまして、そのためのやはり国、地方を挙げた万全の対応づくりが急がれているというふうな認識でございます。
#23
○高橋千秋君 特に東海、東南海地震については、いつ起きてもおかしくないという話があったり、先ほどの地震予測地図等を見てももう真っ赤っかになっているわけですが。この前の能登にしても、それからこの三重県中部の亀山にしても、余り過去に地震がないというか、地震が起きるという予測も余りされていなかった中で新たに断層が実はあったんだみたいなことが後で分かったみたいなことがあるんですけれども、なかなかこれは調査は難しいとは思うんですが、もう一度、まあ日本じゅうどこも地震が起きてもおかしくないとは思うんですが、余り地震が今後起きるって考えていないようなところで起きる可能性も多分あるんだろうと思うんですけれども、その辺の見直し作業みたいなことは考えておられますか。
#24
○政府参考人(増田優一君) 御指摘のように、先ほど御指摘のありました地震動予測地図の上でも、例えば能登半島地震の発生確率は〇・一%未満という表示になっているわけでございます。そこで震度六強の大きな地震が起きたということでございまして、私どもは、海溝型地震、もちろん切迫性があるわけでございますが、全国どこでも地震は起こるという対策を取らなきゃいけないと思っておりまして、これは御案内のように、阪神・淡路大震災を契機として地震防災対策特別措置法というのが制定されまして、これは実は一昨年に一部改正になりまして、全国どこでも起こるということで、海溝型地震に劣らず全国どこでもそういった対策を取ろうということで法律も整備されておりまして、現に様々の対策が取られておりますから、そういったことで、予測なり観測をこれ以上やることももちろん大事かもしれませんが、それと併せて、地震は防ぐことができませんので、地震の備えをしっかりやるということが大事だというふうに私どもは考えております。
#25
○高橋千秋君 もう一つ、現場にいて実感をしたことなんですが、よく言われるんですけれども、地震のときにすぐ電話を皆さん使うんですね、これは総務省管轄でもあると思うんですが。ほとんどの人が携帯を使います。その場にいた人もみんな電話を掛けるんですが、ほとんどつながらないと。地元の新聞のアンケートを見ても、七割ぐらいの人が携帯電話で情報を取ろうとしたんですが、ほとんどつながらないと。むしろテレビニュースで出て、震度五強というのがぼんと出ると全国各地から実は電話が掛かったらしいんですが、それが逆に掛からないものですから、よほどのことになっているんじゃないかということが実は発生をいたしました。
 地元の県会、新政みえという会派と勉強会をやったときもこの話が一番多く出たんですね。これは何とかならないんだろうかと。確かに、技術的なキャパの問題もあってすぐ制限するということもあるということなんですけれども、現場にいながら情報がなかなか入ってこない、このことに対する、携帯電話何とかならないのか。
 技術的な問題はちょっと難しいかも分かりませんけれども、何か対策がないのかなというふうに思うんですが、これはいかがでしょうか。
#26
○国務大臣(菅義偉君) 高橋委員が震度五強というこの地震を体験をした、そうした経験を基にの今質問を聞いておりまして、様々に私どもも消防行政を所管する省として対策を更にしっかり行わなきゃならないなと、そう思いながら今聞かせていただきました。
 携帯電話の件でありますけれども、今御指摘のように、災害時になりますと携帯電話全国から掛かってきます。そういう意味で、本来であれば携帯電話というのは非常に重要な通信手段でありますけれども、しかしこの通信事業者は、被災地に通信が集中した場合はネットワークそのものが支障を来してしまう、そういう中で、またそれと同時に重要な回線だけはこれはどうしても確保しなきゃならないものですから、一般の通話を一時的に制限をする、そういう仕組みになっております。
 そういう中で一部の地方では電話が聞きにくいという状況が発生をするわけでありますけれども、その対策の一つとして、総務省としましては、音声通信だけの通信を規制をする、ということはメールは生かせるようなことであります。そしてもう一つは、地域住民のこれは安否が非常に大事なことでありますので、確認をすることが。そこで、通信事業者に対して、災害用の伝言板サービス、これを早期に稼働してほしい、この二つのことを今対策として私どもは取り組んでいるところであります。
 現に、能登半島沖やあるいはまた委員が体験をされました三重県のこの地震の際においても対応したところでありますけれども、しかし、ふだんより私どもそういう説明をしっかりしていないものですから、国民へのふだんからの周知徹底というものに努めてまいりたいというふうに思いますし、今後とも災害時に情報通信サービスが安定的に供給されるように、これからもそうした通信事業者と対策を講じてまいりたいと思います。
#27
○高橋千秋君 確かに、技術的に回線をふだんから余分に持っておくというのは難しいことで、今の伝言サービス等についても存じ上げておりますし、メールでのやり取りというのは効果が確かにあると思います。ただ、大臣言われたように、やはり一般の方がなかなかそれを知らないというか、特に最近はもうほとんどの高齢者の方も、特に田舎ほど携帯電話を持っていますので、皆さんやっぱり携帯電話に頼るという、ここを技術的な革新があればまた次のステップに行けるのかも分かりませんが、そういうメール、それから伝言サービス等については十分な告知活動もやっておられると思うんですが、まだまだやはりほとんどの方は知りませんので、是非そのことも更に充実をさせていただきたいなと要望をさせていただきたいと思います。
 今回の地震で、この後法案の話にも入りたいと思いますが、やはり目に見えない被害、それから目に見えない動きというのが私現場にいて非常に感じました。直接は関係ありませんが、ちょうどお昼どき、零時十九分だったものですから、みんなやっぱり食事どきだったんですね。幸いにして火事が一件も出なかったということもあったんですが、皆さん火を使うのはやはり不安だということで、地域のレストランがどこも超満員になりまして、私が食事にあり付けたのが三時ぐらいまで掛かったという、ラーメン屋も大行列というような状況があって、自分の家で火を使うのはやっぱり怖いということが出てきたんだろうと思うんです。
 それから、今水道のバルブが震度五になると自動的に閉まるということで、閉まるのはいいんですが、それを開けていかなきゃいけないものですから、開けていくと今度は濁りが発生して、一晩じゅう、これは鈴鹿で起きた問題なんですけれども、夜遅くまで水が濁って、それの告知をまたしなきゃいけないと。
 そういう問題が起きたりとか、工場なんかは、大企業とかは余り表に出してないんですけれども、あの程度の地震で被害があったりというのは格好悪いと思われるのかも分かりませんが、実は報道にはされていない工場のラインが止まったとか、特に精密機械の工場なんかは数ミリずれても使えないということもあって、ラインが一日、二日止まったとかですね。
 高速道路がやっぱり点検をしていただくのに半日近く止まって大渋滞になるとかいろんな、幸いにしてけが人が十二人ぐらいということで、死者もなくて、最低限のところでとどまったものですから、これ自体は良かった、幸いだったなというふうに思うんですが。
 やはり目に見えない、報道もされていないような部分、そういう部分の被害というのがかなりありますし、やはり考えていかなきゃいけない対応策というのがやっぱり消防庁としても考えていただきたいこと、それから内閣府の方としてももう少し調べていただきたいところがかなりありますので、もう少しきめ細やかな調査も是非していただきたいなというふうに思います。それは要望として出しておきたいと思います。
 本題に入りたいと思いますので、内閣府の方、退席していただいて結構でございます。
 それで、今回のこの法案は、地震のときにそういう防災計画を作るとか自衛組織をつくるとか、そういうことなんですけれども、実はこの法案を私が質問をするということになりまして、三重県の消防職員協議会という消防の職員の方々の集まりがございまして、四日市消防の本部に四十人ほど集まっていただいて、三重県下の方々、私はずっと消防のこの関連の法案の質問を毎回やらせていただいているものですから、地元の消防の職員の方々に集まっていただいて、二時間半ほどこの法案の中身について、それからほかのことも含めて論議をさせていただきました。この法案の中身についてもいろいろな意見も出ましたし、これ以外の消防行政についての御意見もたくさん、いわゆる現場で働いておられる消防署の職員の方ですので、そういう方々から意見をいただいた上での質問とさせていただきたいと思うんですけれども。
 まず、今回のこの法案全体を見ると、確かに一定の前進なんですけれども、どうも現場から見ると、だれかを罰するためになりはしないかと、それだけで何か上屋を重ねるような法案、改正になってはいないかという御指摘というか懸念があるということをいただきました。消防法令を根拠とした人的対応だけで国民の安全が本当に確保できるんだろうかと。
 何か今回資格という部分が幾つか出てくるんですけれども、全体を通して、今この法令を改正する意味がどこにあるのかというのがいま一歩分からないという、そういう声が現場の方からあったんですけれども、まず全体としてその意味について御見解を伺いたいんですが。
#28
○政府参考人(高部正男君) 今回の改正につきましては、地震の切迫性等が指摘される中で、これまでの制度におきましては防火という観点から制度が組み立てられておるところでありまして、防火に即した対応策という形で制度ができているということであります。
 通常の火災の場合と地震の場合とではいろいろ対応が違ってくる部分があるわけでございます。例えば、大きな地震になりますと、火災の際に予定していたような例えば防火扉でありますとかいろんな施設が機能しないといったことが考えられることが一つありますし、それから大きな建物でいいますと、火災という場合ですと局所的になることがあるわけでありますが、地震ということになりますと状況は違ってくるわけでありますので、避難誘導の方法が変わってくるとか、いろいろ地震特有の対応をしなければいけない部分があるということであります。そういうことについて今回法令の中にきっちり位置付けまして、消防計画の作成でありますとか自衛消防組織の設置ということを法的に明確にしたということであります。
 委員の御懸念の点は、現行制度でも一定範囲でやっているのではないかというようなことに即して、罰則だけではないかというような御意見やにも思えるわけでございますけれども、現行制度は、先ほど申し上げましたように、あくまでも防火管理者あるいは防火のための計画ということが制度となっているものですから、先進的な大規模な防火対象物の中で、いろんな取組をしている中で地震等についても対応しているところがないわけではございませんけれども、法令上の位置付けはされておらないということになるものですから、その対応についてのばらつきといいますか、すべてのところで対応するような仕組みになっておりませんので、今回はこういう形で位置付けを明確にさせていただいて取り組んでいただきたいとするものであります。
 ですから、罰則を付けていると、これまでも消防計画の作成等については一定の手続を経た上での罰則の規定はあるわけでありますが、今回の改正が罰則を振りかざして罰則だけを付けようということをねらいとするわけではありませんので、あくまでも地震というものに対応した、しっかりした対応ができるように制度上も位置付けたい、こういうことを目的とするわけであります。
#29
○高橋千秋君 今回のこの法改正というのは、今年の二月七日に答申された大規模地震等に対応した自衛消防力の確保に関する答申というものを受けての改正だというふうに考えているんですけれども、先ほど答弁の中にも少し触れられておりましたけれども、現行の規定の中でも防火管理業務の中に地震防災という部分も含んでいるんだろうと思うし、それから答申の中で、階や防火区域ごとに活動上の班を編成するなど、建築構造、設備と整合した応急活動を実施できるよう組織を編成するとしておりまして、現行規定の消防計画の中でも自衛消防隊の編成は同様の考え方に立っておりますから、実効性のあるものとするように現行法でも指導しているというふうに考えているんですけれども、いかがなんでしょうか。
#30
○政府参考人(高部正男君) 先ほど申し上げましたように、現行法でも自主的な取組でいろんな取組をすることは何ら妨げるところでありませんので、大きな防火対象物の中で取り組んでいるところはあるわけでございます。
 ただ、消防法の制度上の経緯から申し上げましても、例えば消防計画の規定事項の中に地震という言葉も入っておりまして、それの避難とかということも書いてあるわけではありますけれども、あくまでもこれは制度創設の経緯からしても火災、地震の場合でも地震に伴う火災といったことを想定した規定ぶりが法律上の要請というふうに考えられるところでございますので、現行制度では法律的な義務として地震対応した各種のものを整備するという体系にはなっていないというのが一つでございます。
 それから、具体的に、じゃ各階ごとの班編成をしてという、その対応そのものは同じ部分は当然あろうかと思います。例えば、避難誘導するときの体制をどうするかと考えたときに、一定のロットごとに班を編成して行動するということは、それは一定の合理性があるわけでございますので、火災とかの場合でも地震の場合でも同じようなことはあり得るとは思うわけでございますが、先ほど言いましたように、例えば避難一つを取ってみても、火災の場合と地震の場合とでは必ずしもイコールではないという部分が多々あるわけでございます。
 例えば、地震の際に一番危惧されるのは、パニックになって避難のために殺到してというようなことによる被害といったことが想定されるわけでありますけれども、例えば、火災なんかの場合よりもより地震のときはまず初動でパニックを抑える、直ちに動かないでそこで抑えるといったような工夫が要るとか、いろんな対応も違うわけでありますので、形は同じでも、現実にそれを機能させるという面で地震に対応した計画作りというのが別途必要になってくる、かように考えているわけでありまして、そういう意味で、地震に対応したもの、あるいは自衛消防組織の設置というものを法的にしっかり追加させていただきたいというのが今回の改正の目的になるわけであります。
#31
○高橋千秋君 現場の消防職員の方々の感覚でいうと、省令でも対応できるんではないかという御意見と、それから、消防職員の方とすれば、もう少しふだんの交流の中でガイドラインをきっちり示した上で対応が可能なんではないかという声がかなり何人かから出ました。
 法令を作るということは大変重要なことかも分かりませんけれども、ただ法令を作るだけで、ふだんのそういう部分についてもう少し優しく指導をしていくとか、そういう部分が、やっぱりもっと本当の避難ができてきっちりとそういう災害を防ぐという意味で重要なことなんではないかという、これは現場の方の御指摘というか御意見でございました。だから、そういう部分でも対応できるんではないか。なぜ、だからこの部分で法改正をするのかというのに疑問があるというそういう声があったんですね。
 もう一つは、答申の中で想定している、円滑な避難誘導が求められる大規模・高層建築物というのがあるんですが、こういうところから避難する方法としてどのようなことを考えておられるのか、お答えいただきたいと思うんですけれども。
#32
○政府参考人(高部正男君) 大規模・高層の建築物では、地上とのアクセスが構造上制限される、それから避難時の移動経路が長くなる、あるいは群集心理によるパニックを生じやすいといったような条件下での対応が迫られるわけでございまして、多数の在館者を円滑に避難誘導するといったことが必要になるわけであります。
 このために、大規模地震の発生時には、まず第一に、即時の安全行動の指示やパニック防止のための館内放送が必要になってくるというふうに思っております。また、建築物の被害の程度や在館者の状況等を速やかに把握して、通行可能な経路を選定の上、安全上の優先度に応じて自衛消防組織による避難誘導を行う必要があるというふうに考えられるわけであります。
 このような避難誘導を行うためには、建物全体において災害発生時に正確な情報の集積を行い、統一した指揮命令系統の下に複雑高度な活動ができる体制の構築及び事前の計画の作成が必要不可欠であると、かように考えているところであります。
#33
○高橋千秋君 多分、最近できた東京ミッドタウンとか、それから六本木ヒルズとか、ああいう部分も当然対象になってくるんだろうと思うんですけれども、特にああいういろんな業態のところが入ったり、いわゆる権利者が、権原者がいろいろ入っているところではなかなかこれ難しいんだろうと思うんですけれども、特に、東京ミッドタウンみたいなあんな大高層ビルの中ですと、いろんな会社が入っていて、ふだんほとんど付き合いないわけですね。そういう中で、自衛消防組織、どのように編成していくのか、なかなかこれ難しいと思うんですけれども、どのようにお考えでしょうか。
#34
○政府参考人(高部正男君) 管理行為を法律、契約又は慣習上当然行うべき者、すなわち管理権原者の特定につきましては、契約形態等を含めた管理の実態を把握して判断する必要があるものでございまして、現状におきましても、各消防機関により個々の防火対象物について管理の実態を把握し特定しているところであります。
 また、管理権原が複数に分かれている場合の共同防火管理制度におきましても、協議事項といたしまして管理権原者のうち主要な者を共同防火管理協議会の代表者として選任することを規定しておりまして、防火管理に関しましても同様に管理権原の明確化と責任ある防災管理体制の構築を図っていくというふうに考えているところでございます。
#35
○高橋千秋君 当然そういうソフト面での対応というのは十分必要だろうと思うんですけれども、「九・一一への道」というアメリカの映画がございまして、例のナイン・イレブンのやつですが、その中で一番、非常に長いテレビ映画なんですけれども、この中で、最後の方であそこに突っ込む場面が、これドキュメンタリードラマみたいなものなんですが、あって、かなりリアルに出ているんですけれども。
 やはりふだんからそういう連絡を取ってないと、なかなかこういう班組織というか、そういう自衛組織つくっても、なかなか実質、先ほど長官もパニックという話がありましたけれども、そのときに機能しないんではないかなという心配があるのと、それから、いかに人的対応を考えたとしても、やっぱりハード面の部分で対応もしていかないと、そういう地震とかいうものはいつ起きるか分かりませんので、なかなか難しいんではないかという、効果はなかなか期待できないんではないかという、そういう声があるんですけれども、それに対してはいかがですか。
#36
○政府参考人(高部正男君) 御指摘ございましたように、管理権原者が複数にわたっている場合の共同して取り組む体制の確保といったものに種々課題があることは御指摘のとおりだと思っております。
 私ども、全般的に見ておりまして、非常に大きな防火対象物については設置時からいろんなことが考えられながらやってきているという面もあり、あるいはまた、例えば百貨店の中でテナントが入っているというような形式の場合には、ある程度統一的に、何といいますか、百貨店側の指導の下に体制が組めるというような面があるわけでありますが、なかなかそうまで行き渡らない部分について、しっかりした体制、共同の体制を取るというのは非常に重要なことだというふうに思っているところであります。
 なかなか課題はあるわけではございますけれども、やはりむしろ複数の権原者にまたがっているところの体制というのが非常に重要だろうというふうに思うところでありますので、その辺は十分御指摘も踏まえてしっかりした対応を求めていきたい、あるいはこちら側も努力していきたい、かように考えるところではございます。
#37
○高橋千秋君 次に、自衛消防組織の方ですけれども、この自衛消防組織の要員のうち、中枢的な役割を担う者等については、応急活動に関し一定の講習を受けている資格者を配置するというふうに答申ではなっているんですね。
 先ほども少しその講習の中身について御質問があって、時間等については御報告がありましたけれども、今回の改正の中にはきちっとは触れられていないということなんですけれども、講習の実施期間、それから講習の内容等についてもう一度簡単に御報告をいただけますでしょうか。
#38
○政府参考人(高部正男君) 自衛消防組織の要員についての講習のことでございますけれども、自衛消防組織の要員のうち、本部隊の班長でありますとか、防災センターの要員等につきましては、応急活動に関し一定の講習を受けている資格を配置することを想定しているわけでございます。
 講習につきましては、自衛消防活動上必要な知識、技能に関する講義及び実技を予定しておりまして、具体的には二日間程度、時間的には十二時間程度の日程で自衛消防組織の役割、責任、消防用設備等や防火避難施設等の仕組みとその取扱方法、大規模震災発生時における応急活動等の内容を想定しておりまして、これは市町村長等においてこの講習を実施するということを考えているところであります。
#39
○高橋千秋君 企業が最近、CSR、コンプライアンスとかいろいろ言われますけれども、やはり企業自身が、その中に入っている事業者などが自主的にそういう活動をやっていくというのが本来あるべきことなんだろうと思うんですね。
 先ほど、特に罰則を作ってどうのこうのということではないというお話でありましたけれども、やはり罰則で脅しを掛けるようなことではなくて、やっぱり事業者などの関係者に自主的な活動を促すようにもう少し指導すべきではないかという、そういう声もあったんですけれども、そのことについていかがでしょうか。
#40
○政府参考人(高部正男君) 先ほど申し上げましたとおり、罰則を振りかざしてということはもとよりございませんで、まずは企業側に積極的な取組をしていただくというのが基本だろうというふうに思っているところであります。
 ただ、この消防法の法制度として、今回、消防計画の作成でありますとか自衛消防組織の設置について位置付けていただきますならば、法的義務として各事業所等において取り組んでいただくということになりますので、しっかり対応していただくように厳正に対処はいたしたいと、かようには考えているところであります。
#41
○高橋千秋君 多分否定はされると思うんですけれども、実はこの勉強会の中で出たのは、一昨年に経済産業省から事業継続計画というのが示されているそうで、それに後れを取った消防庁の巻き返しのパフォーマンスではないかという、そういう御指摘があるんですけれども、いかがですか。
#42
○政府参考人(高部正男君) そういう御指摘は初めて伺ったところでありまして、私どもといたしましては、先ほど来申し上げておりますように、地震の切迫性が指摘される中で、この消防法における対応も非常に重要なことだという認識の下に今回提案させていただいているところでありますので、よろしく御理解を賜りたいと思います。
#43
○高橋千秋君 まあそのとおりですとは言わないと思いますが、どうも現場はそのように見ておるようでありますので、十分なやっぱり説明をしてやっていただきたいと思います。
 それから、建築物その他の工作物に係る火災以外の災害の被害の軽減のための体制整備ということについてお伺いをしたいと思うんですけれども、法律案で、火災以外の災害で政令で定めるものというふうにしておりますけれども、どのようなことを考えておられる、地震は当然そうだと思うんですが、どのようなことを考えておられるんでしょうか。
#44
○政府参考人(高部正男君) この法案ではあくまでも大規模地震の発生の切迫性にかんがみまして、事業所におきます地震に対応した防災体制の整備を図るということを一義的な目的としているところであります。
 ただ、将来的には爆発等の異常な事象といったような、地震と同様に建築物内の多数の人々の安全を確保するために避難誘導が必要となるケースにつきましても、本法案により設置される自衛消防組織等を活用することによりまして対応することが可能な場合も想定されますことから、今回はこのような規定とさせていただいたということでございます。
#45
○高橋千秋君 火災以外の中には、当然地震ですけれども、テロということもやっぱり考えておられるということですか。
#46
○政府参考人(高部正男君) 現時点で、今この政令で規定しようとしているのは地震を考えているわけでございますが、そういういろんな積み重ねの中で将来的に、爆発事故といったこと、あるいはテロといったことも場合によっては将来的には考えられるかもしれないというふうには思っているところであります。
#47
○高橋千秋君 改正案の中で、建築物その他の工作物として政令で定めるものの管理について権原を有する者とあるわけなんですけれども、その対象が審議会の答申では、不特定多数の者や自力避難困難者が利用するものとして用途及び規模が明示されております。
 しかし、このような大規模建築には、既に建築基準法の方で防災センターの配置が決められておるんですね。消防法令においても、消防用設備等の監視、制御、操作ができる監視場所、いわゆる防災センターですけれども、設けられていて、消防庁長官通知による教育を受けた防災センター要員の配置がされているというふうに聞いています。
 大体そういうところは耐震性も強いんだろうと思うんですけれども、こういう中で、今回のこの法律案の三十六条の第一項のところで、政令で定めるものの管理について権原を有する者は云々とありまして、火災その他の災害の被害の軽減に関する知識を有する者で政令で定める資格を有する者のうちから防災管理者を定め云々となっているわけなんですが、一元的な消防防災について業務管理を図ることを目的として新たに、更に防災管理者という新たな資格をつくる。この後にもまたほかの資格の話が出てくるんですけれども、ここでもそういう疑問があるんですが、その点についてはいかがなんでしょうか。
#48
○政府参考人(高部正男君) 今回の法案におきましては、地震に対応する消防計画の作成等の防火管理の業務を実施させるということになっておりまして、こういう防災管理業務の実効性を確保するためには、現行制度におきます防火管理者制度と同様に、防災に関する一定の知識を有する者に防災管理業務を実施させる必要があるというふうに考えているところであります。
 地震に対応する防災管理業務には、エレベーター停止に伴う閉じ込め事案への対処など、地震に特有の対応が含まれますために、現在、防火管理業務を行っている防火管理者に求められている能力では必ずしもカバーできないと考えておりまして、そのために、本法案では、防火管理者に地震への対応を求めるのではなく、地震防災に関する知識を有する者に防災管理業務を実施するために防災管理者という制度を設けたところでございます。
 ただ、この法案によりまして防災管理者を選任しなければならない建築物は、現在既に防火管理者が選任されているところが大半であると考えられますことから、防火管理業務及び防災管理業務を同一の者に行わせることによりその一元化を図ることとしているところでございます。
 このように、既に防火管理者の資格を有する者につきましては、追加的な講習を受講するなど、一定の要件の下に防災管理者の資格を認めることとすることによりまして制度の円滑な導入を図りたいというふうに考えているところでございます。
#49
○高橋千秋君 大体、今回の法案の対象になるような大きなビルについては、だれがその権原者か、真の管理権原者であるか、もう明確でない場合が非常に多いんだろうと思うんですね。そういうときに、入居規約とか賃貸借契約とか、その辺まで踏み込んだ形にしていかないと分からないんではないかと、実質機能しないんではないかという、そういう声があるんですけれども、もっと踏み込んだ形にしてはどうかという声もあったんですが、いかがでしょうか。
#50
○政府参考人(高部正男君) 先ほど若干御答弁申し上げましたけれども、御指摘ございましたように、大規模な建物の場合に管理権原者が多数存在すると、そういうような場合に責任者がどういうことになっているのか、あるいは多数の中でどういうふうに実効性があるものを確保するのかというのは確かに非常に重要な点でございまして、契約形態を含めて管理の実態を把握して判断する必要があるということで、現状におきましても、各消防機関により個々の防火対象物について管理の実態を把握して特定しているといったことでございます。
 そういうことで、個別具体に特定して実効性が上がるようにということで努力していかなければいけないと思っておるところであります。
#51
○高橋千秋君 平成十四年の消防法の改正で、消防用設備点検資格者というのに加えて防火対象物点検資格者という制度が始まっているんですね。今回の改正で新たに防災管理点検資格者というものがまた導入されると。ということは、消防用設備点検資格者と防火対象物点検資格者と防災管理点検資格者と、こう三つあるわけですが、どう違うんでしょうか、これ。
#52
○政府参考人(高部正男君) まず、消防設備点検資格者というのは、消防法の十七条の三の三という規定に基づきまして、消防用設備等又は特殊消防用設備等について定期に点検を行う資格でございまして、これはスプリンクラー等々といったような設備について点検を行うものであります。
 それから、防火対象物点検資格者というのは、消防法第八条の二の二の規定に基づきまして、防火管理の状況等について定期に点検を行う資格者でありまして、火災予防上の観点から火気管理、火の元の管理、火気管理でありますとか訓練の実施状況等について確認をするものでございます。
 それで、一方、今回規定されます防災管理点検資格者は、大規模・高層の防火対象物におきます防災管理の状況等について定期に点検を行う資格者でありまして、地震防災上の観点から避難訓練の状況やその計画内容について確認をするというのがその役割になるものでございます。
#53
○高橋千秋君 何か資格者ばっかり一杯あって、何か今回も自衛消防組織要員、防災管理者、防災管理点検資格という三つに新たな制度ができるわけですけれども、さっき言いましたその三つの点検資格者ですね、これもここまで一つ一つ分ける必要があるのかなという疑問があるんですけれども。ちょっとうがった目かも分かりませんが、また結局資格を増やして講習を受けたりとか、そういうところを管理するところとかをつくって天下り先を増やすだけじゃないかという、そういう声があるんですけれども、大臣、どうですか。
#54
○国務大臣(菅義偉君) 今のいろいろな組織、御指摘がありましたけれども、ほとんどのケースというのはこれは追加的に講習で対応可能なものでありまして、資格や講習に関する業務が著しく増大する、そういうものではありませんので、天下りを増やすような、そういうものではありません。
#55
○高橋千秋君 講習を受ける方は確かにそうなんでしょうけど、そういうところ、まあよくありますよね。そういう先があって、結局そこにそういう講習の権限を渡して、そこに、これはうがった目だというふうに聞いていただきたいんですが、天下りをさせて、また資格をつくっていくみたいな。よく昔からあるんで、現場の声は、またこんな資格をつくるのかと、おれたちちゃんとやっているじゃないかという声が非常に強いわけですよ。そこまで信用していないのかと、現場からはですね。確かに、これはどっちかというと都会用という法改正ではありますが、三重県でも幾つかそういう対象になるようなビルもあるんですけれども、どうも現場の消防署の職員の方々から見ると、資格、資格ばっかりで、またそんなものをつくるのかという、そういう目が非常にあるんですね。これは、それはつくる側とすれば、そんなことはないと当然言われると思うんですけれども、やはりそういう目が現場からは出てくると思うんです。
 だから、そこをやっぱりちゃんと払拭しないと、また天下り先つくるだけじゃないかという声が当然出てきますので、その辺は気を付けていただきたいと思いますし、もうちょっと明確にしていただきたいと思いますが、もう一度、大臣、お願いいたします。
#56
○国務大臣(菅義偉君) 今回、委員御承知のとおり、消防計画で今までは百万件ぐらい対象とし、今回は約四千件のこの大規模なものであります。
 例えば、能登半島沖のあの地震の際も、エレベーターに閉じ込められたとかいう、そういうこともありました。そういう大規模なものについては、やはり例えばエレベーターのそういう問題だとか、新たに出てきておるわけでありますので、そうした国民の皆さんの安全を考えたときに、こうした対応というのが私は必要だというふうに思っています。
 ただ、それについて今、高橋委員から御指摘のとおり、天下りを増やすためにやっているんじゃないかなという、そういうことは絶対ないように既存の中できちっと対応していくことによって国民の皆さんの安全を守っていきたい、こう思っています。
#57
○高橋千秋君 冒頭に申しましたように、地震が多いわけで、やはりそういうことは、安全の上に安全ということは当然だと思いますけれども、やはりそれに乗じてという形にならないように是非お願いをしたいというふうに思います。
 もう時間が参りましたので最後にしたいと思いますが、この消防法施行令の一部改正案というのがあって、この中で認知症高齢者グループホームの社会福祉施設における防火安全対策として消防法施行令の一部改正案というのが提示されておりますけれども、この中でこの対象になる小規模の部分ですね、どの程度あるというふうに見ておられるのか、教えていただけますでしょうか。
#58
○政府参考人(高部正男君) 御指摘ございました政令の改正案によります対象の施設の数ということでございますが、全国の消防機関を対象といたしまして昨年に実施いたしました実態調査によりますと、約一万四千件程度が見込まれるというふうに考えているところでございます。
#59
○高橋千秋君 これだけ高齢化が進んでまいりまして、私の地元なんかへ行っても、こんなところにこんな小さなものができていたのかという、びっくりするような、急にできていたりして、普通の民家のようなところがやっていたりとか、いろいろそういうものがあるんですけれども、認可施設はいいとして、無認可施設についてはどういうふうに考えておられるんでしょうか。
#60
○政府参考人(高部正男君) 消防法におきましては、防火対象物の用途、規模、構造、利用者の状況等に応じまして、火災予防上の観点から必要な防火安全対策が義務付けられております。その適用に当たりましては、他の法令による許認可等のいかんにかかわらず、実態に即して運用すべきものとされているところでございます。
 認知症高齢者グループホーム等のうち、社会福祉施設として認可を受けていない施設につきましても、実態として認可を受けている施設と同様の形態であれば、今回の改正基準の対象となるというふうに認識しておるところでございます。
#61
○高橋千秋君 そういう小規模の施設というのは大体資金力が弱いというか、お金がないけれどもNPOでやったり、かなりボランティア的な意味でやったりというところも多いんですけれども、やっぱり財政的なバックアップの仕組み、このことに対して多少なりとも財政的なバックアップの仕組みというのが考えておられるんでしょうか。
#62
○政府参考人(川尻良夫君) 今お尋ねいただきました関係でございますけれども、一般論で申し上げますと、社会福祉施設などの整備に当たりましては、国あるいは地方公共団体が補助金や交付金を出すことによって財政的な支援を行うという仕組みがございます。
 認知症グループホームにつきましては、その創設時ということでございますけれども、市町村が策定をいたします整備計画に基づきまして、厚生労働省から直接市町村に地域介護・福祉空間整備交付金という交付金を交付し、その創設につきましてはそれを支援するという仕組みがございます。
 それから、今回の消防用設備の規制の関係につきましては、創設には当たりませんけれども、独立行政法人の福祉医療機構から低利の融資を行うというような対策も講ずることとしておるところでございます。
#63
○高橋千秋君 この施設の設置を認可するに当たって、人命、安全の確保策のための条件を教えていただきたいんですけれども。
#64
○政府参考人(川尻良夫君) 認知症グループホームについてだけお答えを申し上げます。
 認知症グループホームの設備あるいは人員配置の基準につきましては厚生労働省令で定めておりますけれども、例えば火災や非常災害時における利用者の安全の確保につきましては、消火設備その他非常災害に際して必要な設備を設けるということを義務付けておるところでございます。
 それから、昨年の四月に介護報酬それから各種基準の改定を行いました際に、グループホームにつきましては、夜間、深夜を通じまして職員の配置を義務付ける、夜勤の方を義務付けるとか、あるいは火災発生時の通報体制の確保、それから、住宅地に立地して地域との連携を確保すること等々の対策を講じたところでございます。
#65
○高橋千秋君 時間が来たので終わりたいと思いますけれども、最後に、その介護保険事務を担当する地方自治体の果たす役割だけ伺って、私の質問を終わりたいと思います。
#66
○政府参考人(川尻良夫君) 介護保険の事務につきましては、市町村、保険者である市町村と、それから事業者指導を行います都道府県、両方の事務ということがございますけれども、例えば、火災にかかわらず自然災害あるいは感染症といった人の生命、健康にかかわる事案が発生したような場合には、厚生労働省から各種の情報提供を行いますし、それから、各地方公共団体におきましてサービス事業所に対する情報提供あるいは各種の状況の把握あるいは指導を行っていただくというような形にしております。
 それから、平時におきましても、各種の指導監査というのを行っておりまして、安全面あるいはサービスの質の確保という観点から問題がないかというのも常時チェックをするというようなことをしていただいておるところでございます。
#67
○高橋千秋君 終わります。
#68
○澤雄二君 公明党の澤雄二でございます。
 先ほどから議論されておりますけれども、今回の法改正は、火災だけではなくて地震災害に対応した消防計画を作成することを求めていると。それで、高部長官も先ほどから言われておりますけれども、地震に対しては地震の固有のいろんな、誘導でありますとか避難でありますとか、対応があります。そういうものに対しての制度を導入するということと、それから自衛消防組織を設置を義務付けるということがメーンであろうかというふうに思うわけでありますけれども、そして、今回の法改正の対象となっているのは、大規模、それから高層の建物、全国で四千か所でございます。
   〔委員長退席、理事景山俊太郎君着席〕
 今回の法改正の一番の重点といいますか、考え方のねらいといいますか、そういうものはどこにありましょうか。
#69
○国務大臣(菅義偉君) 昨今、地震が相次いでおるわけでありますけれども、そしてこれからは、東海地震だとかあるいは首都圏直下型だとか、地震が予測をされております。
 そうしたときに、不特定多数の皆さん方の集まる大規模、そして高層なものについて円滑な避難誘導あるいは消防防災上のリスクに対して、社会的な責任からも、この消防法を、大規模地震に対応した自衛消防力を確保するために、消防法を改正をし、消防計画の作成と自衛消防組織の設置を義務付けること、これによって事業所における災害時の初動対応の強化、そして人命安全の確保、こうしたものをしっかり行っていきたいということであります。
#70
○澤雄二君 火災に対する対応と地震に対する対応、一番の違いはどこですか。
#71
○政府参考人(高部正男君) なかなか一番と一つだけ言うのが難しいところでございますけれども、一つは、概念的に申し上げますと、火災というのは局所的なものですから、それに備えたいろんな設備等ができているわけでありますが、大きな震災になりますと、そういう平時に予定したいろんな設備とか機能とかが機能しないということが一つ考えられると思います。
 それから、現象的な面で見ますと、火災の場合も出火源が幾つもになるということは当然あり得るわけでありますが、通常、一つの建物なんかで見た場合には、出火源が限定的になりますと、例えばそのフロアをしっかりガードしておけばというようなことになるわけでありますが、地震の場合ですと、建物全体がダメージを受ける、あるいはそのどこか分からないといったような状況になるわけでございますので、そういうことに対応する必要があるということだろうと思っております。
   〔理事景山俊太郎君退席、委員長着席〕
 ですから、端的に言いますと、火の場合は逃げろというのがすぐ分かりやすい話ではありますけれども、まあ火の場合もパニックになってはいけませんけれども、地震なんかの場合でいいますと、例えば揺れが来たときには、倒壊による、何といいますか、けがを避けるということは必要だとしても、いったん状況を見るといったようなことが重要になってくる場面もあろうかと思いますし、それから、エレベーターが使えないとかといったようなことにも対応しなきゃいけないというようなこともあろうかと思いますが、現象的あるいは制度的にとらえると、先ほど申し上げましたような二点が挙げられるんじゃないかなというふうに考えているところであります。
#72
○澤雄二君 今回対象となっているのは大規模、それから高層の建物で、全国で四千か所ということでありますから、結構数は多いんですけれども、考えてみれば絞られているということも言えると思います。
 こういう大きな建物とか高層の建物というのは、むしろ自主的にそういう対策を考えているところもあって結構進んでいるのかなというふうにも考えられるわけでありますが、むしろ心配なのは、繁華街の中の雑居ビルでありますとか、普通のマンションであるとか、商店街とか、そういうところが非常に地震対策としては心配をされるわけでございますけれども、こういうところの今対策というのは、現状はどうなっていますか。
#73
○政府参考人(高部正男君) 今回の改正に伴いまして新たに地震に対応したものというのが求められるというのは、御指摘ございましたように、多数の者が利用する大規模・高層な建築物を想定しているわけでございます。やっぱり大規模・高層を想定しているというのは、先ほどちょっと申し上げましたけれども、避難経路が非常に長くなるとか、避難路が、何といいますか、高層だから難しいとかということに即してこのようなものを対象としようというふうに考えているところでございますが。
 御指摘のございました、こういう対象にならないようなものはどうかということでございますが、現行の消防法でも消防計画、防火管理の計画として定められているところではございますけれども、例えばエレベーター停止に伴う閉じ込め事案への対応といった地震対応のものというのは余り対応がなされていないのではないかというふうに考えられるところでございまして、今回の改正の対象とならない規模の防火対象物では、一方では高層・大規模というものに比べると避難誘導が場合によっては比較的容易という側面はあるかもしれませんけれども、ただ震災対策、震災への対応という面では十分ではないところが多いのではないかというふうに考えているところでございます。
#74
○澤雄二君 今長官言われたとおりでありまして、広い場所からたくさんの人を逃がす、高い場所からみんなを誘導して下に降ろすということも非常に大事でありますけれども、いわゆる繁華街の中の雑居ビルというのも、先ほど言われましたように、火災の場合には一か所かもしれない、地震の場合には同時に全部七階、八階建ての建物でも来るわけでございますから、非常にパニックになると。そういう人たちをどういうふうに誘導をするか、それから被害に遭った人たちを救出するかというのは大変大きな問題で、この対策もこれからしっかり考えていただきたいというふうに思うわけでありますけれども。
 今回の法改正で地震のための対応をいろいろ考えるわけですから、消防計画を義務付けられるわけですから、そのための、さっき長官も答弁されていました、いろんな指針であるとか、それからガイドラインであるとか、マニュアルだとか、そういうものを作って、対象になっている建物に対して示したいというふうにおっしゃっていました。
 こういう地震の対応というのはいろんなことが考えられるわけですけれども、それを今回総括的にマニュアルを作られるというのはある意味では画期的なことかなというふうにも思っているわけでございますけれども、このマニュアル、単に四千か所だけに使うのではちょっともったいないかなと。ですから、今言われたように、繁華街の雑居ビルとか、それから普通のマンションとかの対応が遅れているとしたら、これは義務付けるとか法律で規制するとかということではなくて、その作られたマニュアルをそういうところにも生かすことを考えるということはどうでございますか。
#75
○政府参考人(高部正男君) 御指摘ございましたように、私どもといたしましては、事業所における消防計画の作成の支援等のために、地震特有の対象事項等を中心としたガイドラインの作成や情報提供というものを行いたいと考えているところでございます。
 こういうものについては、施設の特性とか何かに応ずる部分のものもあろうかとは思いますけれども、一方で、いろいろやってみるといろんなところに役立つ知恵とか知識とかというものはあろうかというふうに思うわけでございまして、先生の御指摘も踏まえまして、そういういいものは広くそういうものを取り入れていただくというのは非常に大事なことだろうと思いますので、そういう情報提供といいますか、PR等にも努めてまいりたいと考えているところでございます。
#76
○澤雄二君 是非お願いをしたいというふうに思います。
 何も地震の対策というのは広い場所だとか高層だとかに限られたものではなくて、そこで何か役立ついろんな対応策というのは多分どこでも役立つことの方が圧倒的に多いんだと思いますので、是非有効的な活用をしていただきたいと。特に、こういうものを包括的にまとめられるというのは非常に僕は画期的だと思っておりますので、生かしていただきたいなというふうに思います。
 地震対策ではなくて、ちょっと戻りますけれども、火災のための消防計画の義務付けをされている建物というのは全国で百万件ぐらいあるというふうに聞いておりますけれども、少しお話を伺ったら、そのうち防火管理者を決めているところは七五%。四分の一は決めていないと。それから、義務付けられている消防計画を作成しているのは六七%にとどまっているということでございます。
 百万件というんですから相当なものがその対象になっているんだと思いますけれども、ここの火事の対策はもちろんのことでございますけれども、地震というのは火事を伴うことが非常に多いと言われて、今回の法改正によって大規模・高層も大切でございますけれども、まず足下を固めるということも非常に大事だと思うんですけれども、この七五%、六七%という数字をどのように認識されていますか。
#77
○政府参考人(高部正男君) 私どもといたしましては、新宿区の歌舞伎町ビル火災を受けまして、平成十四年に消防法の関係規定を大幅に強化して、その実施体制の充実を図ってきたということでございます。
 計画を作っていただいて、不特定多数の利用する施設を中心に査察をしっかりするようにということで指導してまいったところでございますが、御指摘ございましたように、防火管理の実施状況につきましては対象物約百万件の中で防火管理者の選任が七五%程度、それから計画策定は六七%といったような状況になるわけでございまして、私どもとしては更に努力が必要だなという認識をしているところでございまして、今後とも事業所におきます防火管理体制の整備について促進いたしますとともに、適時適切な是正措置を推進するなど一層の違反是正の推進強化に取り組んでまいりたいと、かように考えているところでございます。
#78
○澤雄二君 少し具体的なお話をお伺いしたいと思いますけれども、今回の法改正では地震災害の具体的な対応を消防計画の中で定めることを義務付けられていて、その具体的な対応策として、例えばこういうことを求めていますよね。避難施設や消防設備の損壊の対応というふうに書かれていますけれども、この避難施設や消防設備の損壊の対応というのは現時点では具体的にどういうことを想定されていますか。
#79
○政府参考人(高部正男君) 御指摘ございました避難施設や消防設備の損壊への対応ということで、例えば避難施設が損壊し、例えば非常階段とか避難施設が損壊したときにどういう避難経路を確保していったらいいのかといったような観点の取組、それからスプリンクラー設備が損壊したような場合に初期の消火活動をどのように確保していったらいいのかといったような視点、あるいは防火扉の損壊等の応急措置とか、あるいは隣接の防火戸による二次的な、何というか防火区画を形成するとかといったような、そういう、何といいますか、通常を想定した施設が機能しなくなったときにどう対応していったらいいのかというようなこともこの計画の中で取り組んでいただきたいと考えているところであります。
#80
○澤雄二君 もう少し具体的に伺いますけれども、例えば避難といいますか、普通の階段が壊れて歩けなくなったと、通れなくなったというときにはどうされるのか。それから、今言われたスプリンクラーが壊れたときにはどういう対応を今想定されていますか。
#81
○政府参考人(高部正男君) これは個別施設がその施設に応じて、そういうことを想定したときにどういう対処が必要なのかということを施設ごとにお考えいただく必要があるんだろうと思うんですが、例えば避難階段が壊れるとすると、通常はそちらの経路で避難するということを想定しても、違うまた別途の、通常の階段を使うのか、別途のルートを考えなきゃいけないということになるだろうと思いますし、それから、例えば通常の場合ですとスプリンクラーが機能すれば小さい火災がその場で消えているということになるかもしれませんが、消えないとなれば別途の消火対応、例えばフロアごとの消火部隊が出ていってそれを消すというような対応も考えなきゃいけないというふうなことがあろうかと思いますので、そういうことについてそれぞれの施設に即応したような計画作りをしていただいて、実効の上がるように取り組んでいただきたいと考えているところであります。
#82
○澤雄二君 恐縮でございますが、もう少し聞かせていただきます。
 停電、断水、通信障害、交通障害の対応も計画の中で義務付けられていますね、策定することを。これはどういうことを想定されていますか。
#83
○政府参考人(高部正男君) 例えば停電の場合ですと、非常電源の確保でありますとか携帯用の照明器具を配備しておくとかといったことが考えられると思っております。それから、断水といったようなときには、消火用水の容量確保だとか、漏水時の速やかな、それを止めることといったものについての計画作りを考えているところでございます。それから、通信障害等々につきましても、消防機関等への通報手段を複線化、複数にするといったようなことがあるのではないかと。それから、交通障害といった点でいいますと、自衛消防活動の長期化に備えた交代要員でありますとか、物資等の確保といったものが必要になってくる。これらについて、計画に盛り込んでいただけたらというふうに考えているところであります。
#84
○澤雄二君 こういうのを聞いているのは、別に嫌がらせをしているわけでも何でもないんですけれども、それに、非常に地震の対応というものを今回作られるということは僕は画期的だと、さっき申し上げましたように、と思っているんで、ですから、もっといろんなことを研究をしていただきたい。
 例えば、一つの階段が壊れたら別の通路でって、当たり前ですよね。スプリンクラーが壊れたらほかの消火設備でというのも当たり前の御答弁なんで、そうではなくて、もっといろんな知恵がこの対策の中では考えられなければいけないだろうというふうに思うんですよね。ですから、何かこういうことを特別に研究している研究機関とか幾つもあると思うんですけれども、そういうところにこれから二年間の間に研究を依頼されるとか、何か非常に充実したものを作っていただきたいというふうに思っているわけでございますけれども、どうですか。
#85
○政府参考人(高部正男君) いいものを作って実効が上がるようにしたいというのは、しなきゃいけないというのはもう誠にそのとおりでありまして、我々もそういう観点から努力をさせていただきたいと思っております。
 ただ、一言付け加えさせていただきますが、委員が当たり前のことだというふうにおっしゃいましたけれども、やはり消防時、緊急時の計画というのは、やっぱりいろんなものを想定したものをきっちり計画に位置付けて、そのことを皆が確認していくということも非常に大事な点でありますので、当たり前のこともきっちり当たり前にやるということもしっかり徹底したいと、かように考えているところで、いずれにいたしましても、情報提供としてお示しするものについては、私ども最大限努力して実りのあるものにしていきたいと考えているところであります。
#86
○澤雄二君 全くそのとおりでございまして、異論はありませんが、階段が一つしかない建物が、そこが壊れたらどうやって逃げるんだと。だとしたら、新しい建物を造るときに、何かそういう避難用の階段というのはこういうことで造ればコストが少なくて、しかも面積も取らなくてできますよとかというような、そういう知恵が多分これから必要になってくるんだろうと思いますので、そういう研究をしていただきたいというふうに思っているわけでございます。
 消火用のタンクというのも、ビルによっていろんな様々な形がありますし、いろんなことが今技術開発をされています。それで、何が最も効果的かというようなことを検証しながらやっぱりマニュアルを作っていくようなことも大事でありますので、当たり前のことを当たり前にやるのは当たり前だと思っていますので、プラスアルファを是非やっていただきたいなというふうにお願いを申し上げます。
 次に、自衛消防組織について少し伺いますけれども、今の質問でもお伺いしましたけれども、具体的な対応を考えていくと、例えば停電になったときどうするんだというときには、その知識の人間が必要だろうと。それから、通信手段がなくなったときには、やっぱりそういう無線を使うんだとしたら、そういう無線の知識がある者が必要だろうというふうに思います。ですから、専門性を有する人材の確保が非常に求められるようになってくるわけでございますけれども、この法改正の中にある自衛消防組織の中の各応急活動の責任者というグループはどのように考えておられますか。
#87
○政府参考人(高部正男君) いろんな対応があり得ると思うんですが、一つの高層の建物でいいますと、全体を統括する者がいて、各階の計画ができて、広い場合にはブロック単位の責任者がいて、その中で統括する者、いろんな連絡をする者、避難誘導する者、救助に当たる者、避難誘導に当たる者といったような班編成ができて、その中でそれぞれ人がその下に付いて活動していくというようなことを自衛消防組織としては想定しているところでございますが。
#88
○澤雄二君 そういうことを伺っているんではなくて、停電になったときにこれを直すんだとか、どうすれば夜真っ暗の中で避難誘導する、そのための専門知識というのは一体どういうことなんだとか、それから通信手段がなくなったときに無線とおっしゃいました。無線なんというものは普通の会社には備えられていませんよね、まあその消防計画の中で義務付けられるのかもしれませんけれども、そういうものもやっぱり専門的な知識が必要なんだろうというように思います。そのことをどういうふうに考えておられるかということを聞いているんです。
#89
○政府参考人(高部正男君) この消防計画を策定するに当たっていろんな専門的な知識が必要になってくるんだろうと思います。そういうものについて、そのいろんな事象に対応した専門的な知識を有する者が配置されるということが重要だろうと思っておりますので、何といいますか、対応する自衛消防組織の枢要メンバーについては一定の講習を受けていただくようなことを考えているわけでありまして、そういう講習の中で必要な専門的な知識が確保できるように努力していく必要があるのではないかなというふうに考えております。
#90
○澤雄二君 これからその講習のマニュアルも考えられると思うんですが、そこのところもその具体的な対応をどうするかということとセットで何を教えなければいけないかということでプログラムを作っていただきたいなというふうに思うわけでございます。
 この自衛組織でございますけれども、今お聞きした応急活動の責任者、それと隊長がいて、それを除くと受講者の対象というのは大体延べ面積一万平米について一人受講しなければいけないと、めどとして、なっていますよね。この一万平米について一人というのはどういう根拠でこの数字が出てきたんでしょうか。
#91
○政府参考人(高部正男君) 一万平米というのは、今の現行の防災センターの要員がどういうふうに確保されているのかといったような観点で見たときに、大抵ベースとして二、三人の職員がいて、一万平米を超えるごとに防災センター要員が一人増えていくというようなことを想定している、現実にそういうふうな配置がなされているのが多いというふうに認識しております。こういう防災センターの要員については講習を受けていただくというふうに考えているところでございますが、このほかに、先ほど言いましたように、各フロアで、何といいますか、枢要な役割を担う方々がいます。例えば避難誘導、救助とかというような班編成等ができると思いますので、そういう方々については別途、そういう方々についても講習を受けていただくようなことを考えているところであります。
#92
○澤雄二君 済みません。それは、ちょっと知識なかったものですからあれですけれども、そうすると、一万平米に一人だけではなくて、その下にいらっしゃる枢要な人たちも別の講習を受ける必要があるということですか。
#93
○政府参考人(高部正男君) 通常の構成でいいますと、防災センターというのは、御案内だと思いますが、いろんなモニターを持って集中的に管理しているセンター要員というのがいまして、そういう方々が先ほど言いましたように二、三人プラス一万平米ぐらいに一人ずつというような形で配置されております。こういう要員等は別途に、当然ここと連携を取りながらいろいろ対応に当たらなきゃいけないわけでありますが、防災管理者の下に各地区の責任者であるとか、各地区のいろんな班編成の中での責任者というような方々が自衛消防組織の中で作られるわけでございますので、そういう防災センターの要員とは別にそういう方々についても講習を受けていただいて、専門的な知識を持っていただくということを考えているわけでございます。
#94
○澤雄二君 それでは少し安心をいたしました。
 私がいただいた資料の中には、講習を受けるのは一万平米につき一人というのが大体のガイドラインだという資料をいただいていましたので、例えば国会議事堂の本館は両院合わせて五万平米ぐらいですから、地下三階から七階までを五人で全部面倒を見るのかと。さっき言われましたよね、火災というのは一部だけれども地震というのは全体で起きますから、で、パニックが起きますから、それは多分五人ではとっても面倒を見切れないだろうなというふうに思ってこの一万平米に一人というのはちょっと見直していただきたいなという趣旨の質問でございましたけれども、そうではなくて、そのほかの人たちも講習を受けるということですね。分かりました。じゃ、それを是非やっていただきたいというふうに思います。
 時間が来ましたので終わります。
#95
○吉川春子君 日本共産党の吉川春子です。
 まず、総務大臣にお伺いします。
 東海地震、東南海・南海地震あるいは首都直下型地震などが予想されていますが、新潟中越地震とか福岡県西方沖地震、最近では能登など、大地震の可能性が低いと言われた地域でも地震が発生しています。
 今回の法案では、百貨店、旅館、病院、地下街など、不特定多数の者や自力避難が困難な者に供される建築物等、不特定多数が利用する大規模・高層の建築物に対して、火災だけでなく地震にも対応した消防計画の作成、自衛消防を置くということで、これは私は必要なことだと思います。しかし、それだけで自治体の震災対策として十分なのかなという観点から、今回法改正に関連して、病院について今日はお聞きします。
 消防庁の資料では、今回法改正で対象となる病院は四百四十九施設、これは防火管理実施対象病院の二万五千二百五の一・七八%となっていますが、それ以外の病院における地震災害への対応についてはどのように考えておられるのか伺います。
#96
○国務大臣(菅義偉君) 今回の消防法の改正によっての対象というのは、今委員の御指摘した建物であります。消防庁におきましては、病院を含むこれらの大規模・高層建物における消防計画の作成支援のための地震特有の対応事項を中心としたガイドラインの作成や情報提供を行うことを予定をいたしております。このガイドラインでは、それぞれの事業の特徴を考慮するという観点から、病院を含むそれぞれの事業所特有の事項を整理をして盛り込むことを予定をいたしております。
 病院についても、消防計画に盛り込むべき病院特有の事項には、例えば患者の避難搬送方法としてベッドや車いす等を利用する必要があるため避難誘導の際により多くの人手を要することなど、その規模にかかわらず、一般的に必要と考えられるものがあると考えております。
 今後、これらの事項を十分に整理をした上で、その内容に応じて今回の改正の対象とならない病院にも周知を図り、自発的な取組を促進をしてまいりたいと考えております。
#97
○吉川春子君 厚労省においでいただきました。
 最近の大きな地震、宮城沖、宮城県北部地震、新潟県中越地震、福岡県西方沖地震において、医療関係の被害発生について報告していただきたいと思います。
#98
○政府参考人(白石順一君) お答えいたします。
 平成十七年の宮城県沖を震源とする地震でございますが、壁等の一部損傷が八施設、それから新潟県中越地震の場合は、壁の亀裂、配管、ボイラーの破損等が二十三施設、それから福岡県西方沖地震の場合は、ガラス破損、水漏れ等が七十六施設、が被害を受けたというふうに承知しております。
#99
○吉川春子君 それぞれ入院患者の移送、外泊等を実施されているわけですよね。
 それで、総務大臣、この法改正によって、今お話しのように、地震対応の自治消防組織の設置について法律が義務付けられている病院とそうでない病院に分かれると。しかし、そういうものについても対処していくんだという先ほどの大臣の御答弁でした。
 病院は、すべて災害時には市区町村や関連団体と緊急な連携の下に被災者に医療行為を提供することになっています。最近の状況を見ても、全国どこでも地震が発生するということからそういう対策を考えていかなくてはならないと思います。先ほどもお話がありましたけれども、防災センターの実態を聞いてみますと、多くは警備会社に委託されていて、常駐者が二人、一万平米について一人増えるというふうになっておりまして、一般的な体制では五、六人、防災センターの総合操作盤を設置するのには一千万、それに、建物とつなぎ、耐震化の工事などで二、三千万掛かると言われています。それを委託する人件費も必要です。
 今回の法改正の対象にならない、つまり防災センターを義務付けられていませんけれども、何百床という規模の病院があって、地方ではそういう病院が災害時の病人の受入れの中心になるわけです。地震も含めた防災体制が必要ですが、財政的に非常に自治体が厳しいというのが実情なんですけれども、災害発生時における国民の命を守る自治体が病院に対して必要な財政的な援助をした場合に、政府としても何らかの財政支援対策を考えるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#100
○国務大臣(菅義偉君) 自治体病院というのは、それぞれの地域の公的な基幹病院として、救急医療など民間では担うことのできない、困難な、採算性確保の上で難しい医療を担っているということは私自身もこれ認識をいたしております。
 病院事業の性質上、能率的な経営を行ってもなおその病院に伴う収入によってのみ充てることが客観的に困難である経費につきましては、各地方公共団体から、一般会計から導入をされているところであります。一般会計から繰り出した必要な経費については、地方財政計画に計上し、各地方公共団体に地方交付税として措置をしているところであります。
 特にこのへき地医療につきましては、ソフト面においては、医師の派遣だとかあるいは巡回診療による経費、不採算地域における医療の提供に要する経費等に措置をしているほかに、ハード面では、病院の建設、改良に要する経費について所要の地方財政措置を講じているということであります。
#101
○吉川春子君 地方交付税の大幅削減とか、医療制度の私たち改悪と言っているんですけれども、そういう中で、非常に経営が困難な自治体については今後とも特段の措置を是非検討していただきたいと、これは要望しておきたいと思います。
 厚労省に伺いますけれども、二〇〇六年度の防災白書でも、病院については、災害時において被災者に対し迅速かつ適切な医療を提供する重要な役割を果たすことから耐震化が重要だと指摘しております。厚労省の調査報告では、すべての建物が新耐震基準に従って建設された病院が何%になっていますか。
#102
○政府参考人(白石順一君) 平成十七年十月に発表いたしました四病院団体協議会の調査、実態調査による数字でございますけれども、建物の全部又は一部が新耐震基準に適合している病院は、回答のあった六千八百四十三の施設のうち四千九百七十五、七二・七%でございます。
#103
○吉川春子君 すべての建物が耐震基準である、これは三六・四%ですけれども、新耐震基準の建物はないが一七・七%ですが、違いますか。
#104
○政府参考人(白石順一君) すべての建物が新耐震基準、御指摘のように三六・四%、一部の建物が新耐震基準であるところ三六・三%、合計七二・七%でございます。
#105
○吉川春子君 社会保険病院と厚生年金病院の耐震化について伺いますが、これの耐震化の進捗状況はどうなっていますか。
#106
○政府参考人(青柳親房君) 社会保険病院と厚生年金病院についてのお尋ねでございます。
 社会保険病院におきましては、既に耐震基準を満たしております病院が八病院、それから現在の耐震基準が定められた昭和五十六年以前に設置をいたしました四十五病院のうち耐震診断を行った病院が六病院でありまして、このうち耐震基準を満たしていた病院が一病院、それから耐震改修を実施した病院が一病院となっております。それから耐震改修をまだ未実施の病院が四病院ございます。
 それから厚生年金病院におきましては、既に耐震基準を満たしております病院が一病院、それから九病院のうち耐震診断を行った病院が一病院でありまして、耐震基準を満たしていたという結果でございます。
#107
○吉川春子君 六十六病院のうち耐震診断をまだ行っていないのが五十病院ですね。どうですか。
#108
○政府参考人(青柳親房君) 三十九病院と八病院ということで四十七病院というふうに承知をしております。
#109
○吉川春子君 昨日伺ったのでは、耐震診断をまだ行っていない病院が五十病院あると。その数字は違いますか。
#110
○政府参考人(青柳親房君) 恐らく推定でございますが、実は今、お尋ねが社会保険病院と厚生年金病院だけでございました。私どもの所管しておりますこの手の病院は、船員保険の病院というのが実はそのほかに三病院ございまして、これも合わせますと、これも耐震診断を実施しておりませんので五十になるということではないかと推察する次第でございます。
#111
○吉川春子君 その独立行政法人になった国立の病院とか、そういうものはほとんど一〇〇%に近く耐震化がされているんですけれども、この今お答えあったところは非常に、まだ五十病院も残っているということで、これは入院患者さんもいらっしゃるわけだし職員もいるわけだし、ゆゆしい問題じゃないですか。こういう問題の耐震化ということを大いに急いで行うべきではないんですか。
#112
○政府参考人(青柳親房君) 耐震化、急ぐべきという御意見でございますが、実は甚だ申し訳ない次第でございますけれども、社会保険病院あるいは厚生年金病院につきましては、平成十四年の際の医療保険制度改正時の御議論、あるいは平成十六年度の年金制度改正時の御議論を踏まえまして、現在、その施設整備費には保険料を投入しないという考え方を取らざるを得ない状況にございます。
 したがいまして、病院が現に地域において果たしている役割をどのように維持していくかということを念頭に置いて整理合理化を進めるということでの検討がさなかであるという事情がございます。このような状況の下で耐震診断でございますとか耐震化の実施が遅れているという状況に残念ながら立ち至っているわけでございますが、今後、病院の整理合理化に合わせて実施していけるように何とか対処してまいりたいと考えております。
#113
○吉川春子君 いろいろと政治的な問題も絡んで、その事情については国会にいる私も承知しているわけですけれども、しかし病院の耐震化というのは、これは何をさておいてもやらなきゃいけない問題じゃないでしょうか。そういういろいろ政治のどろどろした問題に巻き込まれて耐震化が遅れているというのは非常に良くないということを私は強く申し上げて、耐震化を進めよということを要望しておきたいと思います。
 それで、人命第一を原則に最大限に尊重した災害医療体制の確保というものが必要だと思います。報道によれば、自治体の不採算部門の医療機関は再編、撤退が進んで、一部ではその総合的な医療施設の空白地帯も出てきていると、こういうふうに指摘されています。
 で、過去五年間で病院、診療所はどれだけ減ったのかと伺おうと思ったんですけれども、時間がなくなって、昨日総務省から数字いただいていますので、厚労省ですかね、二百七十六減ったんですよね。
#114
○政府参考人(白石順一君) 五年で二百八十九施設でございます。
#115
○吉川春子君 済みません、時間が超過しそうなんで焦っていました。
 それで、そんなにたくさんの地域の診療所などが減っているということは、特に今過疎地が中心だと思うんですけれども、日常の診療もさることながら、いざ災害が起こったときにも拠点のそういうものがなくなっているということですから、大変ゆゆしい問題だと思うんです。
 最後に、総務大臣にお伺いいたしますけれども、やっぱりこれだけ大幅に減少しているという上に、国立病院の統廃合で八十七減っているんですよ。だから、正に自治体病院がもう命綱だと、そういう中で減っているわけですから、もう防災、地方自治体の暮らしを守る責任がある総務大臣として、こういう事態に対して、その地域に住んでいる住民の防災体制に遺憾なきように、やっぱり財政的な措置とか含めて対策を講じていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#116
○国務大臣(菅義偉君) 自治体病院というのは地域における医療提供体制の中で極めて大事な役割を果たしておりまして、その維持をする上で重要な役割を私どもは何とかという形で様々な施策を展開をいたしております。
 例えば、地方公共団体に、定員管理、給与の適正化を始めとする経費節減の合理化、あるいは他の医療機関との連携や機能分担、さらには、民営化だとか独立行政法人、指定管理者制度導入など、経営形態の見直しということも要請をいたしております。さらに、ケアアドバイザーの派遣などを通じて、引き続き自治体病院が効率的な経営によって行うことができるように取り努めているところでありますけれども、さらに財政措置も含めて必要な支援を行っていきたいと思います。
#117
○吉川春子君 終わります。
#118
○委員長(山内俊夫君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 消防法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#119
○委員長(山内俊夫君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、伊藤君から発言を求められておりますので、これを許します。伊藤基隆君。
#120
○伊藤基隆君 私は、ただいま可決されました消防法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党、社会民主党・護憲連合及び国民新党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    消防法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、次の事項についてその実現に努めるべきである。
 一、地域全体における災害対応に万全を期するため、事業所の作成する消防計画については、地域防災計画及び市町村消防計画との整合性が図られるよう、地方公共団体及び事業所に周知徹底すること。また、事業所の行う防災管理が地震対策の新技術等を踏まえた実効的なものとなるよう、防災管理者等に対する講習内容の充実とともに、ガイドラインの作成や情報提供等を行うこと。
 二、自衛消防組織の行う応急活動の確実な実施に向けて、平素から十分な訓練を行うよう助言するとともに、その組織編制については、防火対象物の構造及び用途等への適合、適切な人員配置及び活動資機材の整備等が図られるようにすること。また、本法施行までの間、自衛消防組織の設置については、事業所の自主的な取組が行われるよう促すこと。
 三、事業所の設置する自衛消防組織及び消防計画の作成状況等についての実態把握に努めるとともに、これらの未設置状況等に対しては適切な指導等を行うことにより確実な是正を図るよう、地方公共団体に周知徹底すること。また、予防事務を担当する職員の対応能力を強化するため、要員の確保及び教育訓練の充実等を図るとともに、必要に応じ財政措置を講じること。
 四、大規模地震等に対応した自衛消防力の確保が求められる防火対象物については、最近の被災状況の実態等にかんがみ、大規模・高層の建築物等にとどまらず、その範囲の拡大について検討を行うこと。
 五、災害対応力を強化するため、初動及び応急対応の拠点となる病院、学校、公民館等の公共施設について耐震診断を促進し、早期に耐震化を完了すること。また、消防団の地域防災に果たす重要性にかんがみ、常備消防との連携体制を強化するとともに、団員の確保及び装備等の充実を行い、その活性化を図ること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#121
○委員長(山内俊夫君) ただいま伊藤君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#122
○委員長(山内俊夫君) 全会一致と認めます。よって、伊藤君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、菅総務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。菅総務大臣。
#123
○国務大臣(菅義偉君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重してまいりたいと存じます。
#124
○委員長(山内俊夫君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#125
○委員長(山内俊夫君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時二分散会
ソース: 国立国会図書館
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