くにさくロゴ
2007/05/15 第166回国会 参議院 参議院会議録情報 第166回国会 総務委員会 第15号
姉妹サイト
 
2007/05/15 第166回国会 参議院

参議院会議録情報 第166回国会 総務委員会 第15号

#1
第166回国会 総務委員会 第15号
平成十九年五月十五日(火曜日)
   午後零時三十分開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十日
    辞任         補欠選任
     遠山 清彦君     浜田 昌良君
     又市 征治君     大田 昌秀君
 五月十一日
    辞任         補欠選任
     尾立 源幸君     増子 輝彦君
     大田 昌秀君     又市 征治君
 五月十四日
    辞任         補欠選任
     二之湯 智君     若林 正俊君
     浜田 昌良君     渡辺 孝男君
 五月十五日
    辞任         補欠選任
     若林 正俊君     二之湯 智君
     高橋 千秋君     水岡 俊一君
     吉川 春子君     小池  晃君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山内 俊夫君
    理 事
                景山俊太郎君
                二之湯 智君
                森元 恒雄君
                伊藤 基隆君
                那谷屋正義君
    委 員
                小野 清子君
                河合 常則君
                木村  仁君
                世耕 弘成君
                山本 順三君
                吉村剛太郎君
                芝  博一君
                高嶋 良充君
                内藤 正光君
                増子 輝彦君
                水岡 俊一君
                澤  雄二君
                渡辺 孝男君
                小池  晃君
                吉川 春子君
                又市 征治君
                長谷川憲正君
   国務大臣
       総務大臣     菅  義偉君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        高山 達郎君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       長        山本信一郎君
       内閣府大臣官房
       政府広報室長   高井 康行君
       総務大臣官房審
       議官       綱木 雅敏君
       総務省統計局長  川崎  茂君
       総務省政策統括
       官        橋口 典央君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○統計法案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(山内俊夫君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告申し上げます。
 本日までに遠山清彦君、尾立源幸君及び高橋千秋君が委員を辞任され、その補欠として渡辺孝男君、増子輝彦君及び水岡俊一君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(山内俊夫君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと思います。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(山内俊夫君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に二之湯智君を指名いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(山内俊夫君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 統計法案の審査のため、本日の委員会に内閣府大臣官房長山本信一郎君、内閣府大臣官房政府広報室長高井康行君、総務大臣官房審議官綱木雅敏君、総務省統計局長川崎茂君及び総務省政策統括官橋口典央君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(山内俊夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(山内俊夫君) 統計法案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○吉川春子君 共産党の吉川春子です。
 理事会の御了解をいただきまして、トップに質問をさせていただきます。
 まず、大臣、政府統計は、労働福祉行政を進める上でも、食料自給率を引き上げる上でも、教育の機会均等を保障する上でも、国の政策をつくる重要な基礎データになるもので、国民の協力なしに行うことはできません。
 今回の改正は、行政のための統計から社会情報基盤としての統計へとなっていますが、政府統計が私物化されたり、統計業務が営利を優先してずさんなものになってはならず、国民のためのものでなければならないと思いますが、統計に関する大臣の基本的な認識をお伺いします。
#9
○国務大臣(菅義偉君) 公的機関が作成する統計につきましては、国や地方公共団体の政策運営やあるいは事業者、国民の意思決定等に不可欠な情報であり、社会の発展を支える情報基盤として必要な統計を提供するということは政府の基本的な行政サービスの一環であるというふうに考えております。
 このような公的統計を作成するに当たっては、今委員から御指摘がありましたように、国民や事業者の協力が不可欠なものであって、引き続き統計の重要性について広く国民の皆さんに周知徹底を図っていきたいというふうに考えております。
#10
○吉川春子君 ジェンダー統計について伺います。
 九五年、国連主催第四回世界女性会議の行動綱領でジェンダーの視点での統計の必要性が強調され、六十五パラグラフでは貧困克服の政策を打ち出すためにもジェンダー統計が必要とされました。平成十七年に閣議決定をされた男女共同参画基本計画も、統計情報については可能な限り性別データを表示して公開していく必要があるとしております。
 ジェンダー統計の充実について必要があるのではないかと思いますが、お伺いします。
#11
○政府参考人(橋口典央君) お答え申し上げます。
 統計行政の新たな展開におきまして、事業所、企業を対象とする統計調査において、その調査目的に照らしつつ、可能な限り従業者等の性別を把握するように努める、調査結果の表章に当たっては原則として性別データの表章を行うとともに、可能な限りデータの利便性に配慮した表章方法を取るように努めるとされているところでございます。
 これを受けまして、平成十八年六月末現在、例えば平成十八年度事業所・企業統計調査におきまして、すべての事業所について従業者数を男女別に把握し、結果表章するなど取り組んでいるところでございます。そのほか、木材統計調査、農業構造動態調査等におきまして、新たに男女別データ等を把握しているところでございます。
#12
○吉川春子君 ますますジェンダーの視点での統計の充実を要求しておきます。
 大臣、お伺いしますが、政府統計は国や社会の姿を映し出す鏡となり、進むべき方向を示す羅針盤と内閣府で言っておりまして、国民共有の財産で、国民に無料で幅広く利用されています。政府統計には真実性、正確性、信頼性が必要であるがゆえに、個人と法人には申告義務が課せられ、統計作成者には守秘義務が課せられています。中長期的な視点に立って統計を作成するには、それにふさわしく、技術レベルを長期に保つことが重要になると思いますが、その御認識をお伺いしたいと思います。
 そしてまた、技術レベルを長期にわたって蓄積するということは、統計の質を高めるために重要です。民間開放・市場化テストに関する研究会は、全国規模で民間開放を行った場合は本体調査と同等の質を確保可能との結論を出すことはできないとの結論を出しました。この点についても具体的にお伺いいたします。
#13
○国務大臣(菅義偉君) まず、この統計の技術レベルでありますけれども、御指摘のとおり、正確な統計を効率的に作成をするためには各府省の統計部員、その職員の知識、技能を今後とも維持していくということは大事なことであるというふうに思います。
 このため、統計関係各府省の統計部局間の間での人事交流を推進をするとともに、ニーズを踏まえた研修制度の、研修計画の策定、研修情報の共有化などを通じた効果的、効率的な研修の実施に努めているところであります。
 また、本法成立後の基本計画の策定に当たっては、統計の基盤整備の一環として、統計職員の基本的な育成方針だとかあるいは研修の在り方などを盛り込んで職員の能力育成に一層の取組を図ってまいりたいというふうに思います。
 また、この研究会での市場化テストに対しての指摘でありますけれども、この検討会の研究においては、民間委託に関する試験調査を全国規模と都道府県規模でそれぞれ行い、その結果と官による調査の結果との比較を行ったところであります。
 その結果、全国規模の調査を一社に委託して行った場合は、官と同等の水準を確保できたとは言えず、また受託事業者からのヒアリングにおいても全国規模での業務管理の難しさも指摘をされております。他方で、都道府県単位の調査を各一社に委託した場合は、官による調査と同等の水準を確保する、そうした事業者も存在をいたしました。
 このような結果を踏まえまして、研究会報告書においては、全国規模で民間開放を行った場合、本体調査と同等の質を確保可能との結論を出すことはできないとされました。その一方で、地域単位の民間開放であれば一定の条件下で本体調査と同等の質を確保されるとしたところであります。したがって、当面はやはり地域単位での民間開放を前提として検討を進めていきたいというふうに思います。
#14
○吉川春子君 同研究会の個人企業に関する経済調査、受託事業者からのヒアリングの結果では、未熟な調査スタッフは項目ののみ込みが遅い、対処方針に関する指示が現場まで徹底されていない等の指摘もあります。民間委託は統計の質を低下しかねない危険性を持っているということを私は指摘しておきたいと思います。
 それで、大臣、民間委託で問題になった例といたしまして、二〇〇五年の新情報センター不正行為問題があります。集計データに対象本人ではなく家族に聞いたものを含んでいたために、内閣府の世論調査への信頼性が揺らぎました。
 民間委託、民間開放で懸念されるのは、統計の質の低下であり政府に対する信頼の欠如、不信感です。
 私は、昨年、指定管理者制度で民間委託された埼玉ふじみ野市のプール事故、東京の認証保育園を取り上げましたが、民間開放、民間委託は常に質の低下が問題になります。プール事故では、一度民間委託をしてしまえば役所の技術水準等の継承がなされなくなるというふうに現地の市で聞きました。民間に出せば一つのセクションがなくなる、指定統計の民間委託はこうした質の低下、技術の承継を危うくするものではないでしょうか、伺います。
#15
○国務大臣(菅義偉君) 民間委託のいい部分は、ところは伸ばしながら、そして守るべき点はしっかり守りながらの民間委託というのが私は必要だというふうに考えております。
#16
○吉川春子君 その危険性がいろいろあるということですので、その点を十分注意していただきたいと思います。
 それで、私は資料を配付させていただきました。技術レベルを長期にわたって蓄積するには一定規模の人員と熟練したスタッフを育成するということに懸かっているわけです。指定統計調査一覧を見ていただきたいと思うんですが、調査員は国勢調査で約九十万人、労働力調査で約三千人必要です。公務員はこれだけの調査員に指示を出し、統計表を作成、分析をしております。非常にこの調査の結果、活用されていると思います。
 ところが、行政改革で公務員がどんどん削減されております。学術会議が行ったシンポジウムでは、公務員の数は一九五〇年代から二〇〇〇年にかけて約半分になったが、統計職員に限ってみれば五分の一になっているというふうに指摘しています。内閣府の政府統計の構造改革に向けては、各省等の統計職員数で見ても、経済活動別の関連統計調査の予算で見ても、統計を整備すべき分野に必要なリソース、人員とか予算が配分されているとは到底言い難い状況になっていると指摘もしております。大臣はこういう御認識をお持ちでしょうか。
#17
○国務大臣(菅義偉君) 委員の御指摘のとおり、統計の質を保っていくためには人員や予算というものを確保していくという必要性というのが私はあると考えております。今後、政府として整備が進められるとされております公的統計は基本計画に定められることになりますので、これから統計の実施に万全を期すために、業務の効率化や民間委託などを図りつつ、必要な人員や予算、これは確保できるように最大限の努力が必要だというふうに考えております。
#18
○吉川春子君 今大臣が答弁されましたように、統計法の改正が統計の整備、改善に必要な人員、予算を確保をするものになるように要求をいたします。
 次に、統計の効率化に関して伺います。
 統計局は科学技術研究調査を民間に委託しましたが、委託した業務内容、入札結果と、従来その業務にどれだけの公務員が当たっていたかについて説明をしていただきたいと思います。
#19
○政府参考人(川崎茂君) お答え申し上げます。
 科学技術研究調査は郵送により行っております調査でございます。今回委託を行いました業務の主な内容は、調査票の送付、回収、督促、また調査票の記入指導等の照会に対応する業務ということでございます。
 これにつきましては、公共サービス改革法に基づきます民間競争入札、これは総合評価落札方式による一般競争入札でございますが、これを実施したところでございまして、二社の参加企業がございました。このうちの一社が落札者となっております。落札者は株式会社サーベイリサーチセンター、落札の金額は千五百八十五万五千円ということでございます。
 従来の実施に要しました人員は、一年分の業務量に換算して算出いたしますと一・〇一六人でございます。
#20
○吉川春子君 一・〇六一人というのは、まあ人間は分割できませんから一人ということですよね。それで落札額が千五百八十六万円、約ですね、こういう結果であったわけなんです。国でやれば公務員で一人、物件費を含めても千五百二十四万円になって、落札価格と同程度です。そもそも入札に参加した二社のうち一社は入札予定価格を超えていたので失格になったと聞いています。民間開放・市場化テストに関する研究会の試験調査でも、各民間事業者とも実施経費は契約金額を超越した、つまり赤字になったと、まあもうからないわけですよね。また、民間委託のために公務員を配置しなければなりませんし、手間も掛かります。
 このように新たな業務のための人件費や、経費も手間も掛かるのに、入札結果は国の費用とほぼ同額にしかならない。こんなことなら、民間委託する前に国が今までどおり直接やればいいのではないですか。
#21
○政府参考人(川崎茂君) ただいま委員から、この従来の実施に関しての経費が千五百二十四万八千円ということで御指摘がございましたが、実際には、これにつきましては間接経費等も含めますと千六百九十八万五千円というふうに、これは公共サービス改革法に基づきます実施要領に基づいて開示させていただいております。これと比較いたしますと落札金額は下回っておりますので、御指摘のような民間に委託した方が高いということは当たらないというふうに考えております。
#22
○吉川春子君 計算してみてください。幾ら得になったんですか。
#23
○政府参考人(川崎茂君) およそ百万円の差が出ておるというふうに考えております。
#24
○吉川春子君 千六百、七百万の費用が掛かり、そして民間委託するに当たってはいろんな手も必要なんですね。それで結果、百万円程度安くなったと。
 私は、経費を安くするための民間委託というその考え方自体に賛成ではないんですけれども、そういう立場に立ったとしても本当に五十歩百歩で、これだったらば公務員がやる方がいろんな意味でいいのではないかというふうに思います。百万円安くなったということが自慢できるんですか。効率どころか非効率になっていると言わざるを得ません。指定統計調査一覧でも分かるように、統計には多くの調査員が必要で、そもそも市場原理というか効率性ということになじまない業務ではないかということを私は指摘をしておきます。
 それで、情報の保護という点についてお伺いしたいんですけれども、民間委託に際しては受託者に国や地方自治体が調査する場合と同様の義務を課す、適正管理義務とか守秘義務、罰則ということになっていますけれども、故意ではなくて個人や法人の情報が漏れてしまった場合、過失の場合というんでしょうか、どうなりますか。
#25
○政府参考人(橋口典央君) お答えいたします。
 統計調査によって集められました情報等につきましては秘密の保護に万全を尽くすということが必要でございまして、これは統計調査を民間開放する場合であっても変わりないわけでございます。
 このため、今委員から御指摘がございましたように、統計関係業務の委託を受けた者につきまして、調査票情報等の適正管理義務及び守秘義務について明記をし、また守秘義務違反及び不正な目的による統計情報の利用についてそれぞれ罰則の対象となることを明確化したところでございます。また、調査実施による委託先に対する適切な監督が確保されるよう、民間開放に関するガイドラインを定めることとしているところでございます。
 そこで仮に、万が一ではございますけれども、不適切な管理により情報漏えいが発生した場合には、早急なる事実関係の把握、二次被害の回避策、再発防止策等を講じるとともに、受託業者との関係では、契約解除、罰則の適用を含め厳正に対処してまいると、こういうふうなことを考えているところでございます。
#26
○吉川春子君 菅大臣にお伺いしますけれども、統計業務への民間参入が、希望する業者も多いと聞いています。しかし、民間に出せばそれだけ情報漏えいは起きやすくなりますけれども、そういう危険を冒しても民間委託がどうして必要なのでしょうか。
#27
○国務大臣(菅義偉君) 非常に厳しい行財政事情の下で、統計分野においてもやはり組織や業務の減量、効率化に向けた努力というのがこれ当然求められているというふうに考えております。一方で、統計調査の実施を取り巻く環境というのは近年一段と厳しくなっておりまして、また社会のニーズに即した新たな統計の整備への取組というものも強く求められております。
 こうした各種リソースへの厳しい制約と時代に応じた諸課題への対応と両立をさせていくためには、統計の正確性、信頼性の確保や調査対象の秘密の保護を前提として、民間事業者の創意工夫を活用することは一つの有効な手段ではないかなというふうに考えております。
#28
○吉川春子君 最後に大臣にお伺いします。二次利用についてお伺いします。
 現在、国の統計は無料で提供されています。新たにできるオーダーメードは、国の統計を要望に応じて作り直すもので、その作業は独立法人等が行うことから手数料を取ることになっていますけれども、資金力によって利用に格差が生まれることがないようにすべきではないでしょうか。そして、元々公共財を基にオーダーメードしたものですから、私物化されないように取りまとめて公表するなど、結果は広く国民にも無料で提供すべきではないかと思います。どうでしょうか。
#29
○国務大臣(菅義偉君) 委託による統計の作成など、匿名データの提供を実施する場合、その依頼者の希望にこたえるために調査実施府省等において役務を行うことになりますから、これらの制度を利用しない者との負担の公平を図る観点から、実費を勘案して一定の手数料というものを徴収することが必要であるというふうに思っています。
 また一方、民間の研究者等による統計データの利用ニーズにできる限りこたえていくことも必要であると思いますので、御指摘のような点も十分配慮しながら今後検討してまいりたいと思います。
#30
○吉川春子君 終わります。
#31
○二之湯智君 自民党の二之湯智です。
 統計はその国の現状を正確に映す鏡であると、このように言われております。
 さきの第二次世界大戦の無謀とも言える戦いは、日本において統計らしい統計がなく、そのときの国力を正確に把握できていなかったと、このようなことを私、昔、本で読んだことがあるわけでございますけれども、あらゆる分野における精細な統計があれば、圧倒的な経済力を誇るアメリカを相手に戦争などすることはなかったんではないかと、このように思うわけでございます。
 そういうような反省から、吉田内閣のときに初代の統計委員会の委員長に就任されました東京大学の名誉教授、法政大学の学長もされました大内兵衛先生が、統計の整備は日本再建の基礎事業中の基礎事業であるという信念の下に我が国の統計の立て直しに尽力をされたわけでございます。
 昭和二十二年に制定以降六十年の時間が経過し、今回が六十年ぶりの改正であるわけでございます。現行統計法の全部を改正しようとするものであります。今回改正される統計法がどのように運営されていくかについては非常に重要なことであると思います。したがって、二、三基礎的な事柄を含めて質問をいたしたいと思うわけでございます。
 まず、今回の改正の経緯、そして趣旨、目的についてお伺いをいたしたいと思います。
#32
○政府参考人(橋口典央君) 今回の改正法案は、社会経済情勢の変化に伴い、国民のニーズに柔軟に対応した公的統計の整備が求められている状況にかんがみ、戦後間もなく制定された統計法制度を六十年ぶりに全面的に改正するものでございます。
 具体的には、公的統計の整備に関する基本計画を策定すること、統計調査の対象者の秘密を保護しつつ、統計データの利用促進に関する措置を講ずること、基本計画の案などの法律の定める事項について専門的かつ中立公正な調査審議を行う統計委員会を内閣府に設置することを主な内容としております。
 こういうことによりまして、社会の情報基盤である公的統計の体系的かつ効率的な整備と有用性の確保が図られることとなり、今回の法案は極めて重要な意義を持つものと認識しているところでございます。
#33
○二之湯智君 今回の改正に当たりまして、内閣府の統計制度改革検討委員会は、制度改革の基本的視点として、行政を遂行するための行政のための統計から、全体の人が使う、全体の人が利用し得るための社会の情報基盤としての統計への転換を目指すとしておりますけれども、行政のための統計とは一体どんな統計だったのか、社会の情報基盤としての統計とは具体的にどんな統計なのか、また今回の改正によりどこがどのように変わるのか、その点をお尋ねをいたしたいと思います。
#34
○政府参考人(橋口典央君) お答えいたします。
 行政のための統計、これは公的統計が国や地方公共団体の政策立案や実施のための指標となるということを端的に示したものでございます。これに対しまして、社会の情報基盤としての統計とは、そういった国や地方公共団体の政策立案、実施の指標となるだけではなくて、事業所や国民など社会の構成員のために広く利用されるべきとの考えを端的に表現したものでございます。これにつきましては、国連統計委員会が一九九四年に採択した官庁統計の基本原則にも同様の考え方が示されているところでございます。
 また、この統計の転換ということにつきましては、公的統計が国、地方公共団体の政策運営や事業者、国民の意思決定等に不可欠な情報であり、社会の発展を支える情報基盤として必要な統計を提供することが政府の基本的な行政のサービスであると、こういう認識に基づくものでございます。
 今回の改正によりまして、具体的には公的統計の整備に関する基本計画を策定することにより社会のニーズに応じた統計が整備されるということ、また行政記録情報の活用などによりまして国民や事業者の報告負担の軽減が図られるということ、それに統計データの二次利用の拡大によりまして新たなニーズに対応した統計の利用が図られる、こういった点が大きく変わるものと認識しております。
#35
○二之湯智君 平成十七年に行われました国勢調査等で明らかになってきたものですが、国民のプライバシー意識の向上や統計に対する認識の低さ、また統計調査と偽って情報収集するかたり調査などへの警戒から、調査をめぐる環境は非常に厳しいものになってきております。オートロックマンションの増加や在宅ワークなど、企業実態が外からなかなか把握できない事業所が増加して、実際の調査対象を捕捉するのを非常に物理的に困難にしているのが現状でございます。また、事業所を対象とする統計に関しましては、企業の総務部門の合理化等を理由に、調査を回答するための負担軽減を求める声が非常に根強いと聞いております。
 実際、どのような調査環境の状況なのか、その点をお聞かせをいただきたいと思います。
#36
○政府参考人(川崎茂君) お答え申し上げます。
 統計調査をめぐります環境につきましては、特にこの平成十七年の国勢調査におきまして顕著に現れておりまして、私どもも実地調査を行います地方公共団体あるいは調査員からも様々な調査環境に関しての情報を収集して今後の対策の検討に資するようにしておるところでございます。
 具体的に申し上げますと、例えば、単身世帯の増加あるいは共働き世帯の増加等に伴いまして調査に伺っても不在である世帯が増えているとか、あるいはオートロックマンションで入口のところからもう入れないような状態になっているような住宅の増加ということがございます。そのような状況でございますので、調査員が調査の対象となります世帯となかなか接触できないというような状況がございまして、かなり調査員の方々も苦労をしておられます。また、調査を行う調査員を装った形で調査票を詐取するという、いわゆるかたり調査というものがこのたび初めて発生しておりまして、委員御指摘のとおり、統計調査をめぐります環境は年々厳しくなっている状況にあるというふうに考えておるところでございます。
 このような状況にありましても、引き続き統計の正確性、信頼性を維持していくということは大変重要でございますので、私どもといたしましても、地方公共団体とも連携しつつ、広報の充実、調査方法の工夫などによりまして、統計調査に対する国民の協力の確保に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
#37
○二之湯智君 今回の改正で、一般からの委託に応じて、一般とは学会等を指すようでございます、委託とは要望とかニーズなんですが、そういう統計を作成するにおいて、統計を作成するオーダーメード集計や個人、企業の識別が不可能なようにして、匿名データ提供も一般からの求めに応じて行うことが盛り込まれております。
 これらは国民にとって非常に便利なサービスの提供ということになるのではないかと思いますけれども、いわゆるその対象が学術研究の発展に資すると認める場合その他の総務省令で定める場合と限られていますが、このことに関して二点質問をいたします。
 一つは、なぜこのように一般、いわゆる学術ということに限定したのか。少なくとも公益的な理由がある場合には企業、私人からの求めに応じることがあってもよいのではないかと考えますが、いかがでございますか。
 二つ目には、将来においてはこのようなサービスを拡大していく方針があるのかないのか、この点についてもお聞かせをいただきたいと思います。
#38
○政府参考人(橋口典央君) お答えいたします。
 行政機関等が行う統計調査の調査対象者は、その調査によって集められた調査票は少なくとも何らかの公益に資する目的で利用されると、このように認識し、調査に御協力いただいているものと考えております。したがいまして、例えば営利目的のみに用いられるような場合にも委託による統計の作成あるいは匿名データの提供を認めることといたしますと、国民等の統計調査に対する信頼を損なうおそれがあり、統計調査の円滑な実施及び正確な統計の作成に支障を来すことも考えられるということから、学術研究の場合など、少なくとも一定程度の公益性が認められる場合に限ることが必要であると判断したところでございます。
 この学術研究の要件ということでございますけれども、典型的には大学や研究所などの学術を目的として活動する機関が研究活動を行う場合などが想定されるわけでございますけれども、御指摘のように、企業や私人でございましても学術的な研究を行い得るものを行う場合であれば要件に該当し得るものと認識しております。ただし、この場合でも、研究の成果の公表等を行うことによって社会に還元することを求めるということを検討しているところでございます。
 それから、将来においてこういったサービスを拡大していく方針があるのかどうかというお尋ねでございますけれども、公的統計が国や地方公共団体の政策立案や実施の参考指標となるだけではなく、事業者や国民などの社会構成員のために広く利用されるべきであるという、このような考え方から、今回、オーダーメード集計や匿名データの提供を制度化することとしたところでございます。今後の更なる統計データの二次的利用につきましては、今回新たに導入いたしますこういう二次的利用の促進などの運用の状況等を見極めながらその拡大について検討していくことが必要と考えているところでございます。
#39
○二之湯智君 最後の質問にいたしたいと思います。
 今度は、菅大臣にお伺いしたいと思います。
 内閣府の経済社会統計整備推進委員会の報告の中で、統計は、社会の姿を映す鏡であり、また進むべき針路を示す羅針盤であり、さらにまた社会のメカニズムを解明する内視鏡でもあると指摘されております。人口減少や国際環境の変化などの我が国を取り巻く環境は、非常に新しい条件の下でのこの国力の成長基盤を確立するために、統計の改善は極めて重要であり、基礎事業中の基礎事業であると言われているゆえんであるわけでございます。
 統計がこのような機能を十分に果たすことができるように統計改革に向けた大臣の決意をお伺いして、私の質問を終わります。
#40
○国務大臣(菅義偉君) 統計につきましては、今、二之湯委員から御指摘がありましたように、重要な役割があると私自身も認識をいたしております。
 今回のこの審議を通じて、法律をお認めいただけるならば、これを的確に運営をして、政府全体として公的統計の体系的整備を進めて、我が国の統計が正に社会の姿の、適時適切に姿を反映できるようなそうした鏡となるように私も精一杯努力をしてまいりたいと思います。
#41
○又市征治君 社民党の又市です。
 今日は、民主党、公明党の皆さんの御理解と御協力いただいて、この段階で質問をさせていただきます。
 質問に入る前に、昨日、議員立法に異例の十八項目から成る附帯決議が付けられた国民投票法案が成立をいたしました。十八項目は、逆に言えば、いかに議論不足だったかということを証明をしているということになるわけであって、良識の府と言われる参議院の歴史にとって大変大きな私は汚点ではないか、こうしたありように本当に自戒を求めているんではないかということを一言、もう昨日の今日でございますから、この場でも申し上げたいと思います。
 さて、今日の法案を作る前の段階では、統計整備の司令塔機能という何かまるで戦時体制づくりのようなおどろおどろしい文言が骨太方針二〇〇六の中にありました。かつて戦時下では国勢調査などの統計も戦争のために利用されたことを思い返すわけでありますけれども、政府部内の過度の集権化や政権による統計の政治的利用というのは民主主義に反しますし、統計の信頼度をも破壊をするということもあるわけであります。
 とはいえ、今ここに出された法案では、この法律全体は引き続き総務省が所管をし、国勢調査や各省の基幹統計の指定も総務省が行う、そして内閣府の具体的な分担は統計委員会の運営と旧経済企画庁からの引き継いだ国民経済計算に絞られているということのようなわけですが、このように理解をしていいのかどうか、まず初めに内閣府からお伺いしたいと思います。
#42
○政府参考人(山本信一郎君) 今委員御指摘のように、今回の統計法案におきましては統計委員会を内閣府に置くということにされておりますので、私ども内閣府はその管理運営をつかさどると、こういうことになってございます。そのための各省庁の事務の連絡調整等に努めることとされているものでございます。それから、今委員御指摘のように、従来からの国民経済計算に関すること、この事務も引き続き担当する、以上のような理解でございます。
#43
○又市征治君 現在各省が行っている統計業務も、内閣府に一元化するわけではなくて、各省が引き続いて行うというわけですね。具体的実務は各省の現場のノウハウの蓄積が大切であって、総理大臣や内閣府は統制するんではなくて調整や国民への公開のためのサービスに徹すべきだということを改めて申し上げておきたいと思います。
 この後、あと、官房長、質問ありませんから、退席いただいて結構です。
 次に、法案では、総務省にお伺いしてまいりますが、政府の統計業務を民間委託することや統計の成果を企業に利用させることに多くの条文を費やされている、こんなふうに見受けます。
 しかし、高度に発達した資本主義経済社会である日本では、政府よりも業界団体などの方が豊富な統計データを保有し、しかも消費者や政府に対して公開していない例が少なくないわけですね。例えば、昨今社会問題になった生保、損保の不払問題について、私は調査を求めたんですが、金融庁は、契約数も分からない、詳細は生保、損保の業界団体が持っているという答えでありました。また、電気製品などの事故に関しても、苦情相談は国民生活センターや各自治体を通じて内閣府に来るけれども、メーカー側の生産履歴や事故の調査統計はそれぞれの業界に聞いてくれと、こういうわけですね。
 そこで、大臣、逆に新しい法律の下では、こうした企業の社会的責任にかんがみて国民生活にかかわる業界団体等のデータの公開を求めて、政府や国会に提供し利用させることを何らかの形で実現を図るべきじゃないかと、こう思うんですが、その点いかがでしょうか。
#44
○国務大臣(菅義偉君) 委員御指摘のとおり、確かに企業によってはそれなりの自分の企業活動の中で様々な情報を所有していることは事実だと思います。ただ、情報、その統計ですね。そうした企業の保有する各種の統計や情報というのは、企業が自ら営利活動の一環として収集そして加工した情報であって、一般の利用やあるいは一般への公開が前提とされていない、そういう点で行政が実施する統計とは性格がおのずと違っているというふうに思っています。ですから、このため、企業が保有する情報については行政上の一定の必要性を示した上で任意の情報提供を求めるという形を取ることでやむを得ないのではないかなというふうに思います。
#45
○又市征治君 私も、先ほど申し上げたように、国民生活に密接な関係のものということに限定しないと、何でも全部政府に出せということを言っているつもりは全くありませんから。
 そこで、歴代自民党政権の農業、林業切捨て政策によって農林業統計の分野では多数の専門職員の人員削減がなされてきたわけですね。しかし、他方ではサービス業のように経済社会の変化に応じて統計の精度を高めるべき分野も生じております。政府トータルで考えてこういった統計関係の人材の活用とか転用を図るべきだというふうに思うんですが、この点は、二〇〇五年の六月の推進会議報告書でもこの点は明記をしているわけですね。
 新しい統計法の下で、総務大臣としては、各省を横断して統計スタッフの活用であるとか育成を図る政策を取るべきではないかと、こう思いますが、その点はどのようにお考えでしょうか。
#46
○国務大臣(菅義偉君) 平成十八年度において農林統計部門から他府省の統計部門への配置転換となった者は、四百五十人のうち、たった三人であります。
 農林統計部門から他府省への配置転換に当たっては、他府省の統計部門に配置転換することがその専門性の活用という観点から適当である、このことは委員の御指摘のとおりであるというふうに私も思います。しかし、この他府省の統計部局においても統計調査の合理化を進め、定員を減じているところであり、多くの農林統計関係職員を配置転換により受け入れるということは現実的には困難な状況でありますので、現在のような状況になっているところであります。
 農林統計部門を始めとした配置転換については平成二十二年度まで引き続き行っていく必要がありますので、委員の御指摘も踏まえて、円滑な配置転換が行われるように私努力をしてまいりたいと思います。
 なお、統計職員の効果的、効率的な人材育成の観点から、今後とも、各府省の統計部局間の人事交流や研修の充実というものに努めてまいりたいと思います。
#47
○又市征治君 今誤解はないと思うんですが、私は、ここのところを今削るなと申し上げているんじゃなくて、総務大臣は各省横断的にこういう人材を確保する、活用する、そういう格好でやっていただきたいということを申し上げているわけでありまして、御理解いただいておきたいと思うんです。
 さて、新たに事業所母集団データベースをつくるということですが、従来の事業所統計調査が役に立たないと言われる原因は、調査の間隔が五年に一度と長いために実態の変化に追い付かないということなんだと思うんですね。今度の案は、その間隔を埋める代用として、期間中に新設された事業所を拾い上げるため、他の行政機関の保有している個別データ、具体的には法務省の商業登記を使って補強するのだそうですけれども、これは、商業登記のデータというのは公開されているとはいっても本来別の登記という目的で届け出られたデータでありまして、当該事業所が自分のデータが知らない間に統計調査の原簿に転用されるとは思っていないんだろうと思うんですね。つまり、もう目的外使用になると思うんです。
 こうした手段を取る前に、本来の事業所統計調査の予算を増やして調査の間隔そのものを短くするというのが正道ではないかと思うんですが、この点についてはどういうようにお考えですか。
#48
○政府参考人(橋口典央君) お答えいたします。
 事業所母集団データベースは、事業所を対象とする共通の母集団情報を整備することによりまして、正確かつ効率的な公的統計の作成に資するとともに、事業所の報告者負担の軽減を図ることを目的としているものでございます。
 このデータベースにつきましては、法案第二十七条で規定されておりますとおり、調査票情報の利用のほか、行政記録情報の活用や法人その他の団体に対する照会によりまして逐次更新することとしているところでございます。これにより、従来、必ずしも十分な最新情報が得られず、新たに設立された事業所が捕捉できないという問題を解決することができるものと考えているところでございます。
 なお、このデータベースの整備により得られました情報につきましては、統計目的以外には使用しないということを周知してまいりたいと考えております。
#49
○又市征治君 今お答えありましたが、たとえ公開のデータとはいえ、趣旨の違う法務省の登記データを使って事業所登記を供するというのは、道義的に問題なしとはしないということだと思いますね。仮に逆の流れを考えてみますと、統計のためですといって取った個票のデータを基に、仮に課税とか登記を強制的に行うなら明白に目的外使用ということになります。小規模な事業所などは、有為転変が激しいため所在地や名称の把握すら確かに難しいということはあります。しかし、これは言わば自由経済の宿命でありますから、統計当局の責任ではないわけでありまして、今回の法改正では、オーダーメード集計の開始を始め、全般に政府機関や企業等による利用を優先する点が目立ちますけれども、統計の精度を高めたいからといって、統計の中立性、公正な利用に対する国民の信頼を失う、こういう危険を冒してまで他の行政データを結合するということは慎むべきだと、こういうふうに思いますが、改めてこの点について見解を伺っておきたいと思います。
#50
○政府参考人(橋口典央君) お答えいたします。
 事業所母集団データベースにつきましては、法案第二十七条で規定されていますとおり、調査票情報の利用のほか、行政記録情報の活用や法人その他の団体に対する照会によって逐次更新することとしております。そこで、このデータベースの整備に使用する記録情報というものは、先ほど御指摘がありました商業登記情報などを予定しているわけでございますが、利用可能なものを使用するということを想定しているということでございます。
 なお、このデータベースの整備により得られた情報は、統計目的以外に使用しないと、及び利用可能な行政記録情報を使用すると、こういうことを周知してまいりたいと思っております。
#51
○又市征治君 最後にいたしますが、国家機関相互によるデータの転用については幾ら厳しくしても抑制のし過ぎということはないんだろうと思うんですね。統計ではなく、個人データの例では、皆さん御案内のとおり、防衛庁が自治体から公に高校生の家庭状況など個人データを集めて自衛隊入隊適格者名簿を作って勧誘していた例が明らかになったことは記憶に新しいと思うんです。統計はあくまでその目的だけに使われ、終わったら個票のデータは厳正に廃棄されなきゃならぬのだと思うんですね。事業所データベースでは、個票データを他の省庁や自治体あるいは独立行政法人などに提供するわけでしょうけれども、それらの他機関によって統計以外に使われることはあってはならない、こういうことだと思いますが、この点については改めて確認をしてください。
#52
○政府参考人(橋口典央君) お答えいたします。
 ただいま委員から御指摘をいただきましたように、統計を作成するために集められた国民、事業者の情報の保護は、統計に関する信頼を引き続き確保するためにも最も重要なことと認識しております。
 このため、今回の法案におきましては、調査票情報のみならず、事業所母集団データベースに含まれる情報も含めまして、統計以外の目的での利用制限や守秘義務、適正管理義務について規定を設けたところでございます。これらの規定の厳正かつ適切な運用を確保することによりまして情報の保護に万全を期してまいる所存でございます。
#53
○又市征治君 終わります。
    ─────────────
#54
○委員長(山内俊夫君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、吉川春子君が委員を辞任され、その補欠として小池晃君が選任されました。
    ─────────────
#55
○那谷屋正義君 民主党の那谷屋正義でございます。よろしくお願いいたします。
 まず、本案に対する質疑に入る前に、過日ここで質問をさせていただきました平和祈念事業の慰藉事業についてでありますけれども、あのときに質問をした後、私の事務所に多くのファクスあるいははがき等が参りまして、その中で、総務省の答弁は大変期待できる答弁だったんだけれどもというまくら言葉が付いて、直接基金に電話した方がいらっしゃるんですけれども、その旅行券というのは一体いつごろ本人の手元に届くのかというふうな問いをしたところ、五、六か月後になる見通しだとか、あるいは、前回以上に問い合わせが来ていて、電話対応に追われて処理できていない、担当職員は二、三名しかいないのでというような扱いであったと、対応であったというようなことがありました。あるいは、四月初旬に基金事務局を訪ねて直接申請書を出した人は、七月ごろにはというふうな説明も受けていたということで、それが五、六か月後というふうになると、また更に延びちゃったのかということで非常に不安に思っているような方が非常に多いということを私は感じました。また、申請書を出しても受け付けたときのはがきも来ないということで、一体どうなっているのか、いつもらえるのかという、そういう不安が非常に多く出ているということであります。
 そうしたことから、ちょっと幾つかまた平和祈念事業について、執拗ではありますが質問をさせていただきたいというふうに思うところであります。この間、総務省及び基金側にいろいろと御苦労をお掛けいたしまして、事前にお調べいただいたデータに基づいてお尋ねをしていきたいというふうに思います。
 今回の慰藉事業を専任、それからフルで担当する体制は、現状、常勤、非常勤合わせて十二名程度であることが分かりました。今後は速やかに二十五名体制へと補強、強化する方針だそうであります。
 この新体制で臨まれる中で、まず最初に、現状の十二名体制というふうなところで、申請受理から贈呈まで、旧慰藉事業贈呈者、そしてニーズが最も多いとされる旅行券等引換券、これを前提と置いた場合、約二か月間が要されているということであります。当然、そうなりますと、二十五名というのが今度、今後の方針にありますから、二十五名体制になったらば、その受理にかかわる処理速度だけでなくて、贈呈までに要する期間も大幅に短縮できるんではないかと理解するところであります。
 この贈呈処理等の最大限早くやる、迅速化というものが、正に対象者が平均八十五歳以上というような状況の中で当然のことだろうというふうに思いますけれども、この部分について御答弁をお願いしたいと思います。
#56
○政府参考人(綱木雅敏君) お答え申し上げます。
 この事業につきまして、まず申請が御本人からございまして、その方の資格要件等を確認し、同時に、その方にカタログをお送りいたしまして、その中から、約五点ある品物の中から選んでいただく。そして、その選ばれたものにつきましてこちらの方からまた発送させていただくという手順を取ります。
 この場合、その御本人の審査等に要する期間、既に旧事業で申請された方についてはほぼ自動的にそこはマッチングする可能性もございます。また、そうでない場合は一から都道府県に照会する必要がございます。また、これは、個々の慰労品も、旅行券引換券のようなものから、漆塗りの文箱のように二月以上手作りで掛かるようなものもございまして、品物によってもやっぱりそこは違いがあると思います。
 いずれにしろ、そしてもう一つ、四月から立ち上げてまだ一月ということで、まだ我々の方で分析に足る十分なデータ数がそろっていないということもまたございますので、そこのところについて確定的にまだ申し上げられないところがあると思いますけれども、いずれにしろ、御指摘のように、事業の迅速化というのは必要な要件でございますので、基金におきまして今後、申請から贈呈に掛かる期間の短縮についても鋭意努力していくつもりでございます。
#57
○那谷屋正義君 先ほどのお手紙の中には、国は我々から金を取るときはさっさとやるのに、この程度のスズメの涙のような贈呈事業で半年も掛かるとはというふうなこととか、申請しても生きてもらえない人も出てくるんじゃないかという、そういう不安もあるわけでありますから、そういう意味では、迅速化ということを是非お願いをしたいというふうに思いますし、五月八日段階の申請者数というのを調べていただいたんですが、一万五百九十一名。今後の申請者総数は推計五十四万二千名ということで、今年度の申請見込みは二十七万件程度だというふうに想定されているようであります。今年度の推計の二十七万件に対する贈呈というのを大体いつごろまで終えようというふうに、目標期限というか、そういったものをある程度持つべきではないかというふうに思うんですけれども。
 まず、その辺についてお伺いしたいのと、それから、この目標に照らして、先ほどいわゆる新体制が二十五名というふうになっていたわけですけれども、これが適正あるいは十分であるかということをやはりこの短い中で絶えず検証していくことが必要だというふうに思いますけれども、併せて答弁をお願いしたいと思います。
#58
○政府参考人(綱木雅敏君) お答えを申し上げます。
 先ほど御答弁申しましたとおり、申請から贈呈に要する期間については、現時点では確定的に申し上げられない部分がございます。しかしながら、議員御指摘のとおり、事務処理体制につきまして、申請の件数、それから申請から贈呈までに要する期間の実績、これのデータを蓄積し、その実績等を踏まえて基金においてこれを不断に見直すと、フィードバックしつつ不断に見直すという必要があるというふうに認識をしております。
 先ほどの先生の御指摘された事例は、四月に申請されたものが五月中に旅行券等としてその方に贈呈するものでございまして、この方は旧事業の申請者でもございまして、また、品物も旅行券等引換券ということで、ある意味で非常に迅速化の可能な最も速い一つの例であるとは思いますけれども、いずれにいたしましても、そのように迅速な対応ができるように、基金等の事業についても注視してまいりたいというふうに考えております。
#59
○那谷屋正義君 さらに、これは提案といいますか御要請をしたいというふうに思いますけれども、平和祈念事業基金のホームページというのがあるんではないかと思いますが、そのホームページで受理件数及び贈呈件数を毎日、できれば毎日がいいんですが、それが事務的に大変だということであれば、ある意味定期的に、一週間に一回とか、そういうふうな形で公開するということが大事ではないかと。これは、何も受ける側だけの問題では、受ける側の一つの知識だけでなくて、いわゆる基金側の一つの目標、おっ、今日ここまで行ったというふうな、そういうふうな励みといいますか、自分を励ます、そういうふうな形にもなってくるんだろうというふうにも思いますし、やはり何より基金が申請者に対する説明責任を果たすということにつながるというふうに思いますけれども、この点に関しては、総務省が基金に対して大きく働き掛けをしていただくことを私としては期待をしたいところであります。
 次に、新規事業の広報等の予算、新聞広告、ポスター作成、特別慰労品のパンフレット、先ほどお話がありましたパンフレット等々、総額二・七億円、二億七千万円程度が確保されているというふうに言われています。ただし、必要に応じて増額は基金の判断でできるということで、これは総務省の許可云々ではなしに基金の判断でやれるということでありますけれども。前回の質問のときにも私お話をさしていただきましたけれども、基金の最低限の努力というのが完全周知、これが最後の目標ではなくて、最低限の努力が完全周知にあるということは前回の質疑でも確認をさしていただいたところであります。
 つきましては、基金側に適宜適切な判断を促していくためにも、総務省としても随時新規事業の進捗状況等を把握され、予算等の扱いについても必要な意見交換を行っていくべきではないかというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
#60
○政府参考人(綱木雅敏君) お答えを申し上げます。
 新たな慰藉事業の広報に必要な経費は、ただいま先生からお話ございましたように、約二・七億円を当面見込んでおります。こうした事業におきましては、広報を徹底すること、あるいは市町村、都道府県を通じた窓口における対応をきちんとすることが行政として求められている責任でもございますので、そこについてはしっかり対応するとともに、また、広報について、弾力的かつ柔軟に申請の状況等を見ながら対応してまいりたいというふうに考えております。
#61
○那谷屋正義君 新聞広告ということで、もう既に一回目をお出しになったようでありまして、全国紙を始めとして多くの地方紙にも出していただいたというふうにはなっておりますけれども、しかし、そうしたことで本当に十分なのか。といいますのは、こうした対象者の中には、もう新聞を取っていない方なんかも非常に多くいらっしゃるわけで、そういう意味で、例えば前回の慰藉事業関係でコンピューター化されているデータがあるというふうに聞いています。
 これが約九十四万人分ぐらいということになっていますけれども、まあ二十年前のデータですから、その後亡くなられた方とか、あるいは転居された方とかいらっしゃるとは思いますけれども、今回分にかかわるその五十四万人強に、お一人お一人、例えばはがきを送って案内をしたとしても、その送料は二千七百万円ぐらいということになるわけでありまして、まあ広報関連で措置されている二・七億円規模に比べても、決してその費用対効果が薄いということにはならないんではないかというふうに思うわけであります。一人でも多くの当事者に届けようという、そういう意欲と誠意を持っているということの中で、まあ国側としては最後の措置というふうにも言っていますので、そういう意味ではそうした程度の努力はしっかりと行うべきではないかというふうに思うわけであります。
 一番まずいのは、結果的に予算がたくさん余ってしまったという状況、これが一番まずいのではないかというふうに思うわけでありますが、基金が最終的に判断をするということは分かっているわけでありますけれども、この点に関して総務省の見解をお聞かせ願いたいと思います。
#62
○政府参考人(綱木雅敏君) お答え申し上げます。
 昭和六十三年度から実施してきた旧慰藉事業の申請者は累計で約九十四万人と、極めて膨大でございます。この平和基金が把握している旧慰藉事業の申請者に関する情報は、ただいまもお話ございましたように、あくまでも申請時のものでございまして、事実を事実として記録として残すためのものに作られた記録でございます。そして、その後の死亡、転居等の個々の消息については全く把握しておりません。
 九十四万人の方のうち、今回の対象者として五十四万人ということでございますが、これはある意味で、あくまでも生命表と申しますか、死亡率を勘案して作った数字でございまして、九十四万人のうち、どの方が亡くなられて五十四万人に至ったかについても、全く我々は把握してないわけでございます。ですから、その場合、母集団は九十四万ということになるとは思います。したがいまして、その九十四万人についてのその個別の特定ということは現段階で非常に不可能でございます。
 旧事業のその申請者のデータに基づきまして個々にそれについて郵送せよということについては、これは、この通知は極めて困難であるかというふうに考えております。
#63
○那谷屋正義君 何事もあきらめてはいけないというふうに思いますけれども、九十四万人であったとしてもその額は四千七百万円でしょうか。そういうふうな形の中で、その費用対効果というものを考えたときには是非やっていただくべきものではないかなというふうに思いますし、また別の方法としては、この間の質問のときにお答えいただいたんですが、関係団体との連携を密にというふうなお話もありました。
 関係団体というのは、もう大きいものから小さいものまでたくさんありますけれども、そこには、やはりそうした名簿とか、そういったものもしっかりあるというふうに思いますので、そういったところを頼りにしてこうしたお知らせを送ってあげるということが本当に大事ではないかというふうに思いますし、新聞に幾ら載せても、本当にもう新聞を取ってない、私の母なんかはこれに対象するものではありませんが、もう新聞を一切取ってない、テレビだけが今、毎日ニュースの仕入れ元というふうになっておりますので、そういうふうなこともありますから、是非そこを工夫を、そして工夫と努力をお願いしたいというふうに思います。
 最後に大臣にお尋ねをしたいと思いますけれども、こうした独立法人に対する所管省庁の法的権限に基づく指導、命令の及ぶ範囲というものは違法、脱法行為等があったときに限定されているというのは、まあ百も承知でありますけれども、平和基金が望まれている目的を迅速果敢に果たす観点からも、総務大臣としての高い見識や、だれもがうなずかざるを得ない指導性等の発揮を強くお願いをしたいというふうに思いますけれども。指導性の大変強いというか、はっきりお持ちの菅大臣に、是非そこのところ、腕の見せどころだと思いますけれども、いかがでしょうか。
#64
○国務大臣(菅義偉君) 独立行政法人の制度につきましては、主務大臣による中期目標の作成指示、評価委員会による業務の実績に関する評価、主務大臣による中期目標期間終了時の見直しといった事後チェックを重視した規定になっております。そのため、日常的な業務の運営は法人の長にゆだねて、主務大臣が直接監督権を有しない制度になっております。
 総務省としては、平和基金におきましては適切に業務が遂行されるように注視をし、必要に応じて対応してまいりたいと思います。
 私自身も、先般視察をさせていただきました。委員の今様々な意見がありましたので、そうしたものを十分に実行できるように全力を尽くさせていただきたいと思います。
#65
○那谷屋正義君 是非対象者から血も涙もない政府だなんてことの言われないように、もう是非頑張っていただきたいというふうに思います。
 それでは、統計法にかかわって御質問をさせていただきたいというふうに思います。
 統計法というと非常に地味といいますか、余り国民にも知られていないし、私自身も今回どんな法案なんだということで一生懸命勉強させていただいたところなんですけれども、実は昭和二十二年に現在の統計法は制定をされたということであります。その後、様々な時代の流れ、変化等に、あるいはニーズに対応できなくなってきているということの中で、今回統計法の全部を改正するというふうなことになっています。その中心的な課題となるものは何なのか、端的にお答えいただければと思います。
#66
○国務大臣(菅義偉君) この法案は、今委員から御指摘がありましたように、戦後間もなくのときに制定をされ、六十年ぶりに全面改正をするというものであります。
 現在の統計に対しては、政府全体としての統計の体系的、効率的な整備、さらに統計データの利用促進と秘密の保護、統計整備の司令塔機能の強化といった課題があるというふうに認識をいたしております。こうしたことに対応するために、今回のこの法案におきましては、公的統計の整備に関する基本計画を策定をすること、また統計調査の対象者の秘密を保持しつつ統計データの利用促進に関する措置を講ずること、さらに専門的かつ中立公正な調査審議を行う統計委員会を内閣府に設置すること、こうしたことを主な内容にいたしております。
#67
○那谷屋正義君 今は中心的な課題についてお答えをいただいたところでありますけれども、内閣府の経済社会統計整備推進委員会という長い委員会がありますけれども、その報告の中で、我が国の統計が今日抱えている問題を掘り下げるとその相当部分は分散型の統計機構と調整機能の在り方に行き当たるというふうな報告がされています。
 また、統計制度改革検討委員会もその報告の中で、我が国における統計の現状を見ると、最大の問題は分散型の統計機構の中で社会の必要とする統計が十分に整備されていない点にあると言え、その解決を図るため統計整備に関する司令塔機能の強化が必要であると述べられているわけであります。
 今、大臣の中心課題の中にも司令塔機能の強化というお話がございましたけれども、この分散型統計機構というものは、所管行政に直結して機動的にきめ細かい統計が整備できるというのが利点だというふうに思いますけれども、一方で縦割り行政と同様の弊害というものが生まれてくるんだろうというふうに私は考えているところであります。なぜ第一に司令塔機能が重要とされているのか、大臣の認識を改めてお伺いしたいと思います。
#68
○国務大臣(菅義偉君) 委員から御指摘がありましたように、我が国のようないわゆる分散型の統計機構には、それぞれの分野におけるニーズに的確にまた迅速に対応した統計の作成が可能であるという、そういうメリットがある一方で、この縦割りの中で統計の体系的な整備だとかあるいは専門性の発揮が困難である、こういう面も今あるわけであります。
 このため、政府全体を通じた効率的にそして効果的な統計整備が行われるように、中長期的な視点に立って各府省の作成をする統計全体を見渡して統計体系の整備を総合的、計画的に進めていく、そういう司令塔機能というものが強化される、このことが必要だろうと、このように考えております。
#69
○那谷屋正義君 そういうふうな司令塔機能を今回の法案では、先ほどお話がありました内閣府に設置される統計委員会、そして総務省統計局、政策統括官、そして今回の法案で基幹統計に位置付けられた国民経済計算の体系の整備、改善及び作成を行っている内閣府の経済社会総合研究所の三つが担うことになるというふうなことだというふうに思いますけれども、これが現行の統計法ではどのように認識されていたのかを含めて、この点についてもう少し御説明いただけたらと思います。
#70
○国務大臣(菅義偉君) 企画立案・調整機能、また基本的な統計の整備機能、統計の基盤整備機能については、現在においても統計審議会あるいは総務省の統計基準担当政策統括官と統計局、内閣府の経済社会総合研究所において、それぞれ役割分担の下に業務が遂行されているというふうに私は思っています。
 ただ、現行のこの統計法においては、政府全体としての統計の体系的、効率的整備のための基本計画の策定の仕組みがないということです。さらに、毎年度の施行状況のフォローアップと、それに基づく内閣総理大臣等への意見具申の仕組みもありません。また、国民経済計算のように、他の統計を加工し作成する統計は基本的には法律の対象となっていないというような、統計制度改革検討委員会報告において司令塔機能として指摘をされた事項について明確な法的な位置付けがなされていない。こういうことから、今回の法案ではそうした面について必要な措置を講じようということであります。
#71
○那谷屋正義君 先ほど二つの委員会の報告について私の方からも触れさせていただきましたけれども、いずれにしても分散型の統計機構というふうなものがやはり問題であるということの中で、そうなると、この改正案の中では、例えば司令塔機能を持つものというふうなものが、今まで二つだったものが一つになるのかなというふうに考えるのが普通だろうと思うんですが、今回は逆に三つになっているということであります。
 その中で、今お話にもありましたけれども、国民経済計算部というところは、経済社会総合研究所というところは施設等の機関でありまして意思決定機関ではないわけであります。また、統計委員会では審議会ということでもって、その中核的機能というものが期待できるかどうかというふうなものが懸念されるところであります。
 そういう意味では、十分な今企画立案あるいは調整機能というお話がありましたけれども、本当にこれで大丈夫なのかなというところが正直不思議であり、不安というか疑問に思うわけでありまして、こうした司令塔機能に対する疑問に対しまして大臣はどのように説明をされるのか、もう一度お伺いしたいと思います。
#72
○国務大臣(菅義偉君) 今御指摘のありました内閣府の経済社会総合研究所は、司令塔機能のうち基本的な統計の整備機能である国民経済計算の作成を担う組織であります。そしてまた、国民経済計算の作成に当たっては、その素材となる一次統計等の体系的整備が欠かせないことから、研究所が司令塔の機能の一翼を担うことは統計の体系的整備に資するものと考えております。
 また、統計委員会は、企画立案・調整機能の一環としての基本計画案の作成など、総務大臣等の関係大臣からの諮問を受けて調査審議を行うほか、統計整備の司令塔機能の中核を成す組織として専門・中立的な立場からこの法律の施行全般について能動的に幅広く意見を述べることができるようにされております。
 統計委員会がこのような機能を十分発揮することによって、分散型統計機構においても一層強力な統計調整が行われるものと考えております。
#73
○那谷屋正義君 今もお話をいただいたところでありますけれども、司令塔、今回あえて言うならば三つというふうなことでありますけれども、そうであるとすると、少なくともその機関についての機能のすみ分けというものがやはり必要になってくるんではないかなというふうに思うわけでありますが、役割分担は明確に区別されているのか、説明をお願いしたいと思います。
#74
○政府参考人(橋口典央君) お答えいたします。
 総務省の統計基準担当政策統括官が統計の企画立案などの役割を担う、そしてまた統計局が国勢調査等の基本的な統計の作成などを担う、そして内閣府の経済社会総合研究所が国民経済計算の作成を担うと、こういうことでございます。そうしまして、これらの機関がそれぞれの役割を遂行するに当たって、内閣府に設置されました統計委員会が専門・中立的な立場から意見を述べることとされているということでございます。
 このように、それぞれ組織法制に定められた所掌事務に基づきましてその事務を遂行することとされておりまして、役割分担は明確に区別されているものと考えております。
#75
○那谷屋正義君 今の役割分担がそれぞれしっかりと機能を果たせるということを期待したいというふうに思いますけれども、ここで少しこの統計の歴史というものを振り返ってみたいというふうに思います。
 戦後、吉田内閣の下に設置された統計制度の改善に関する委員会というのは、その答申で、内閣に統計委員会を設置し、委員会の会長に内閣総理大臣、副会長に経済安定本部長官を充てて、統計専門家十人から成る委員、そして事務局を置いて、事務局長は委員のうちから任命することを提言して、政府はこれを実施をしたというふうになっています。
 しかし、昭和二十六年の講和条約締結後、行政委員会制度が原則として廃止されることとなり、統計委員会も昭和二十七年七月をもって廃止をされました。統計の総合調整機能は主務大臣が内閣総理大臣から行政管理庁長官へと移り、統計委員会の機能については行政管理庁統計基準部、そして附属機関としての統計審議会に移行していったという歴史的な経過がございます。
 その上で、平成十一年、中央省庁等改革に伴う審議会等の整理合理化によって統計審議会が法施行型審議会に再編されて、諮問に対して答えることしかできなく、主体的に政策提言ができなくなってしまったというような状況であります。
 今回の改正案で、戦後直後と同じ名前の統計委員会というのが内閣府に設置されることになりますけれども、その実際の中身は国家行政組織法上の三条機関ではなく、第八条の審議会にすぎず、また法施行型審議会の性格に変わりはなく、戦後直後の統計委員会とは全く性格が異なるものになっているわけであります。
 こうした歴史を踏まえて、大臣はこの統計委員会が本当に機能するというふうに考えているのか、お伺いしたいと思います。
#76
○国務大臣(菅義偉君) 今回の法案に新たに設置をされる統計委員会は、今御指摘いただきましたようにいわゆる法施行型審議会でありますけれども、これまでの統計審議会とは異なって企画立案・調整機能、その一環としての基本計画案の作成に関する調査審議を行うものであります。
 これに加えて、法案第五十五条の規定によって、総務大臣から本法の施行状況の報告を受けたときは、内閣総理大臣、総務大臣及び各府省の大臣に対して意見を述べることができるとされております。この意見は報告以降はいつでも述べることができるわけでありまして、その内容は基本計画の実施状況も含めた法律の施行全般にわたって幅広く述べることが可能であるというふうに考えております。
 このように、統計委員会は統計整備の司令塔機能の中核を成す組織として十分機能する、このように考えます。
#77
○那谷屋正義君 今、統計の歴史を振り返る中でふと気が付いたことがあるんですけれども、それは吉田茂それから石橋湛山以外に統計の歴史にはなかなか政治家というものが登場してこなかったということであります。統計は、先ほどお話ありましたように政治的に中立でなければなりません。これは原則中の原則であります。統計は時の都合で政治や行政に左右されてはならないわけであります。
 いずれにしても、その統計審議会に代えて内閣府に統計委員会を置くことによって、統計の総合調整機能が十分に働くようにする責任を負う大臣が、総務大臣とそれから内閣府の長たる内閣総理大臣というふうにそれぞれ分け合うことになるとすれば、これは統計の司令塔機能がより複雑化してしまうのではないかということが心配されるわけであります。
 政治的中立の原則を堅持しつつ、統計の司令塔機能、すなわち総合調整が十分機能するように総務大臣においてしっかりその職責を果たしていただくことで、それでいいかどうか確認をしておきたいと思います。
#78
○国務大臣(菅義偉君) 今、委員御指摘のとおり、この統計の作成は客観的に行われることがこれは極めて大事であって、そしてまた政治の中立性も求められるものであります。
 そういう中で、私としても、本法が統計の一層総合的かつ体系的な整備を図ることを目的とした、こうしたことを十分に踏まえながら、統計委員会や他の大臣とも密接に連携をしながら職責を遂行していきたいと考えております。
#79
○那谷屋正義君 先ほど同僚の委員の方から統計にかかわる人員についてお話がございましたけれども、統計というものが、何回か行われる行政改革によって組織、人員、予算というものが削減され続けてきたというふうなことであります。そこで、人員についてお尋ねをしていきたいというふうに思います。
 昭和二十四年には、国家公務員三万六十五人、地方公務員で四千三百四十五人の統計職員がいたわけであります。これを一〇〇とすると、平成十六年の統計職員数は、国家公務員が二万三千七百九十三人減って六千二百七十二人、その比率は二〇・八であります。つまり、五分の一に激減していると。地方公務員は二千百三人減って二千二百四十二人、五一・六と半分になっているわけであります。これらの事実と統計職員数が他に比べて大幅に減ってきた理由、これに対する大臣の認識についてお伺いしたいと思います。
#80
○国務大臣(菅義偉君) この統計に携わる職員は、今委員から御指摘されましたように、大幅に減少をいたしております。この主な理由としまして、統計調査業務において集計作業の電算化あるいは統計調査方法の見直しなどの効率化が積極的に図られてきた結果であるというふうに思いますし、また、産業構造等の変化によって国家公務員の統計職員の約七割を占めておりました農林水産省の統計職員の数の減少が大きく影響しているというふうに思います。
 今後とも、統計調査業務の効率化を一層推進をし、統計の質の低下を招かぬような、そういう形でこの統計というものをしっかりと行っていきたいと思います。
#81
○那谷屋正義君 実は、平成十八年四月一日現在の国家公務員である統計職員数は更に減って五千六百七人というふうに今なっていると。平成十八年六月三十日の閣議決定の国家公務員の配置転換、採用抑制等に関する全体計画によりますと、平成二十二年度までに農林統計等関係職員千七百二十五人を減らして配置転換をする計画があるというふうになっています。
 この統計というものは、大変私は専門性を要するものだろうというふうに思いますけれども、長年にわたって統計に携わってきた職員の能力や専門性を引き続き有効に活用することが国にとっても本人にとっても最も理想的ではないかというふうに思うわけであります。その農林統計関係が四百五十人中三人になってしまうというような、そういう結果が出てくる中には何か別の要因があるのではないかというふうに疑わざるを得ないような状況でありますので、統計職員の絶対数の確保とその質の低下の防止という観点から、職員の意向調査を丁寧に実施して問題点をよく精査する必要があるのではないかと思うわけでありますが、この点についていかがでしょうか。
#82
○国務大臣(菅義偉君) 今委員の御指摘のありました統計職員の点でありますけれども、例えば、十八年度、農林統計部門から他府省に行かれた方は四百五十人のうちの三人であると。しかし、今、私どもは統計の大切さというものもこれ十分認識をいたしておる中でありますけれども、現実的にはこうした農林関係の統計の職員が専門分野に配置転換できない困難な状況であるということを是非御理解をいただきたいと思います。
 また、平成二十二年度まで農林統計部門を始めとした配置転換については行っていく必要があるという中で、委員御指摘の点も踏まえて、円滑な配置転換が行われるように努力をしてまいりたいと思います。
#83
○那谷屋正義君 いずれにしても、行政改革によって今後も統計職員は減少し続けていくことになるというふうに思います。平成二十二年には、国家公務員を取ってみれば、統計職員は四千人を切る可能性も現実にあるわけであります。
 しかし、個人、法人などの秘密を保護しつつ、体系的あるいは中立的で信頼性の高い公的統計を整備して広く国民の利用に供することは政府の責務ではないかというふうに思うわけであります。これで果たして社会の情報基盤としての統計が継続的に維持できるのかどうかというところが非常に疑問であります。中央において司令塔機能が強化され、地方において実際組織の整備が進んだとしても、その運用に当たる職員の資質や能力、絶対数というものが伴わなければ、我が国の統計が大きく改善されることは期待できないというふうに思います。
 これは私も思っているんですけれども、しかし、そうではなくて、内閣府の経済社会統計整備推進委員会の報告の中にもこうしたことが引用されているわけであります。
 基本的な統計調査については、第三者機関によりチェックされる仕組みが設けられる一方、報告を求められた者には真実を報告する義務が課せられ、違反には罰則も定められています。このような基幹統計調査については、調査の企画、実施、結果公表のすべての段階を通じて国が最終的な責任を負わなければならないものであります。そのためには必要な人員を確保しなければなりません。その実効性も、そうしなければ低下するばかりということになるわけであります。
 少なくとも基幹統計調査の実施について一体何人ぐらいが必要であって、その必要な人員の確保について大臣はどのように考えられているんでしょう。
#84
○政府参考人(橋口典央君) お答えいたします。
 基幹統計調査におきましては、その調査規模、調査方法などが区々でございます。したがいまして、一概に何人の人員が必要かの判断は困難であると考えております。
 今後、政府として整備が必要とされることとなります公的統計は基本計画に定められることとなるわけでございますけれども、これらの統計の実施に万全を期するために、業務の効率化や民間委託等を図りつつ、必要な人員が確保されるよう最大限の努力を払っていくことが重要と考えております。
#85
○那谷屋正義君 これまで指摘をさせていただいたように、統計分野においては組織そして人あるいは予算ともに十分な手当てがされてこなかったんではないかなというふうに思うわけであります。したがって、現在の統計の質についても、今日これらのツケが回ってきているんではないかと言っても過言ではないというふうに思います。先ほど触れましたけれども、経済社会統計整備推進委員会報告は、その累次の行財政改革において統計関連のリソースは総じて合理化を図ることが避けられなくなったというふうに、その縮減過程に危機感を募らせているわけであります。
 統計は、他の業務のように緊急性を見いだすことが困難であり、新規事業を華々しく打ち出せるような事業でもありません。このように、統計は非常に地道な性格だからこそ、行政改革によって、特に職員や予算の一律削減方式によって各省とも統計部門を削減対象に差し出してきたんではないかという、そういう歴史になっているというふうに思います。
 統計の質の低下というものは数年を経過しないと明白にならないという特徴がございます。しかし、それが分かったときには時既に遅しというような危険性をも併せ持っているわけであります。
 そして、統計は地道な政策課題だけに、政治レベルでの関心が向けられることがなかったことなんかも原因かというふうに思います。やはり政治家として、このような地道な、しかし継続が重要な分野にこそ目を向けていかなくてはならないのではないかと考えるところでありますけれども、そうした意味で、この際、統計行政に対する大臣の決意をお伺いしたいと思います。
#86
○国務大臣(菅義偉君) 政府では、行政のスリム化だとかあるいは効率化の徹底などを図るために、行政改革の重要方針に基づいて、行政ニーズの変化に合わせた業務の見直しを行ってきております。
 統計部局職員も含めた国家公務員全体の計画的な削減が進められておりますけれども、統計の職員につきましては、先ほど統括官から答弁しましたように、必要な人員については私は確保させていただきたい、これはそう考えております。
 今後とも、行政ニーズの変化に応じた業務の的確な見直しの推進とともに、調査方法の改善、調査事項の簡素化等によって統計調査事務の一層の合理化などを推進をし、統計の質が低下しないように努力をしていきたいと思います。
#87
○那谷屋正義君 今、必要な人員の確保というお話がございましたけれども、しかし、絶対数が確保できたらそれでいいということにもならないというふうに思います。
 内閣府の経済社会統計整備推進委員会報告によると、職員の資質や能力が伴わなければ我が国の統計が大きく改善されることは期待できないというふうに報告をしているところであります。
 ところが、各府省では、いわゆる平均二年から三年の定期人事異動によって専門能力が格段に落ちているとも言われているわけであります。高度の専門性を身に付けることができるような任用あるいは研修等を計画的に行うとともに、それらの統計関係各府省部局間で系統的に人事交流を行うべきではないかというふうに思うわけであります。
 また、基本計画においても、効果的な人材育成方策について盛り込んでいくことが大事ではないかというふうに思いますけれども、大臣はその人材育成についてはどのようにお考えでしょうか。
#88
○国務大臣(菅義偉君) 今委員から御指摘のとおり、国家公務員の人事異動のローテーションというのは、一般的には二、三年でありまして、統計局についても例外ではありません。
 しかしながら、各府省に専門性あるいはまた専門的能力を持った統計担当職員を育成することは、正確な統計の整備、また統計の充実という観点からも非常に重要なことであると私考えております。こうした状況の中で、統計関係各府省の統計部局間での人事交流というものを更に推進をしていきたいと思います。
 また、ニーズを踏まえた研修計画の策定、研修情報の共有化などを通じて効果的、効率的な人材育成の充実に一層努めてまいりたいと思います。
 なお、本法案成立後の基本計画の策定に当たっては、統計の基盤整備の一環として、統計職員の基本的な育成方針、そしてまた研修の在り方などを盛り込んでいきたい、こう考えております。
#89
○那谷屋正義君 もう一つ、その基本計画に盛り込んでいただきたいなと思っていることを今から申し上げさせていただきたいと思います。
 政府統計の重要性を残念ながら理解されていない世帯、企業が増加しているということが、政府統計の実地調査を困難にし、その正確性を低下させている原因の一つとされています。そうであれば、統計の広報と統計教育が非常に重要ではないかというふうに思うところであります。
 政府統計に対する国民の信頼を得るためには、秘密が厳重に保護されること、政府統計が国民のために必要不可欠であることの理解が必要だというふうに思います。
 このため、統計の広報を大幅に拡充するだけではなくて、例えば、小学校、中学校の段階から統計の必要性を教育していく、算数、数学の中で十分な統計の基礎教育を行い、理科や社会などで実際のデータを基に教科横断的に統計の活用ができる教育なんかが必要になってくるのではないかと思います。
 また、高等教育段階においては、教養としての統計リテラシー教育、将来、統計手法を利活用する学生のための教育、将来、統計を職業とする学生のための教育も必要ではないかというふうに思うわけであります。これは今亡き大内兵衛先生が指摘されたことでありますけれども、この日本には、各大学ありますけれども、統計学部はおろか統計学科すらないのではないかということで、統計教員も圧倒的に不足しているのが現状であります。
 こうした事態を打開するために、基本計画の策定に当たってはこのようなことについても盛り込んでいただくべきではないかというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
#90
○国務大臣(菅義偉君) 学校教育に関しては、小中高等学校の教師を対象とした統計指導者講習会などを現在実施をいたしております。統計に関する国民の理解そして協力を得るとともに統計の整備発展を図る観点から、教育の場における統計学の充実が必要なことは今委員御指摘のとおりであると私も考えております。
 基本計画の作成に当たっては、教育の場における統計の重要性について理解を深めるような方策が考えられないか、こうしたことについても検討していきたいと思います。
#91
○那谷屋正義君 是非盛り込んでいただけたらと思います。
 統計業務の民間委託については、国民の利益にかなうものであれば否定するものではありませんけれども、少なくとも基幹統計というものに対しては、国民に対し申告義務を課している調査であり、調査の企画、実施、結果公表のすべての段階を通じて国自身が最終的な責任を負わなければならない統計であるというふうに思っているところであります。
 したがって、少なくとも基幹統計については全面的な民間開放にはなじまない性格のものであるというふうに考えておりますけれども、いかがでしょうか。
#92
○政府参考人(橋口典央君) お答えいたします。
 統計調査の民間開放につきましては、平成十八年三月に閣議決定されました規制改革・民間開放推進三か年計画、公共サービス改革法に基づきます平成十八年十二月に閣議決定されました公共サービス改革基本方針によりまして、その積極的推進が求められているところでございます。
 基幹統計調査の実施に当たりましては、限られた体制及び予算の中で統計調査を効率的に実施していくため、民間事業者の能力を積極的に活用することが必要と認識しているところでございます。
 ただ、その場合に当たっては、統計の正確性、信頼性の確保、報告者の秘密保護を前提として、統計の作成に支障を来さない統計調査業務について民間開放が順次進められていくものと認識しているところでございます。
#93
○那谷屋正義君 いずれにしても、国民の利益にかなうものであるというふうなことでいうならば、逆にその国民の信頼を損ねるようなものになってはいけないというふうに思いますので、そこのところを是非押さえておきたいというふうに思います。
 総務省の統計法制度に関する研究会の報告書というのがあるんですけれども、これまで統計調査の委託先からの漏えい事件は発生していないということであります。ただ、残念なことに平成十七年の九月に、発注先はいずれも社団法人新情報センターでありましたが、日本銀行及び内閣府が委託した世論調査、総務省が委託した家計消費状況調査において、回収率を高めるために本来の調査対象以外のものを調査するという不適切な収集、集計問題が生じてございます。総務省は、その後、同社に対し六か月間の指名停止処分を行ったと言われておりますけれども、この事件についてとった対応処置、特に再発防止策としてどのような対策を具体的に講じられたのか、お聞かせいただきたいと思います。
#94
○政府参考人(川崎茂君) お答え申し上げます。
 家計消費状況調査は毎月の経済動向を表す統計といたしまして大変幅広く御利用いただいておるものでございますが、この調査におきましては、委託先の業者の調査員が平成十七年六月分及び七月分の調査におきまして、調査員自らが調査票を作成して提出するという不正な行為が行われたということが同じ年の九月に判明しております。このため、調査票を私どもの方で改めて検査いたしまして、再集計を行った上で、予定よりも二か月遅れておりますが、公表を行ったところでございます。
 この事業者に対しましては、賠償金を負わせますとともに、総務省の契約に関しまして六か月間の指名停止処分を行ったところでございます。また、この事業者との委託契約につきましては平成十七年度限りで打ち切っております。
 不正行為が発覚して以降の調査でございますが、これにつきましては、同様な不正が生じることのないように統計局におきまして、毎月、調査終了世帯の中から無作為に選定した世帯に対しまして、調査を受けたことを電話により確認するということをやりまして、また受託業者自身にも同様の監査を行わせるということにしております。
 このような形で新たな競争入札を行いまして、その際には不正行為を行った業者を排除して行っておりますが、平成十八年四月から現在までには新たな落札業者を用いまして調査を実施しているというところでございます。
#95
○那谷屋正義君 再びそうしたことが起こらないということを期待するところでありますけれども。
 いずれにしましても、統計が正確な統計であるというふうな条件の中に、やはり国民の信頼に基づく申告の正確性というものが非常に大事になってくるわけであります。それを包括的に民間が実施した場合に、これまで公的な機関が行う調査ということで信頼してきた国民のその正確な申告意欲や回収率の低下がもたらされるのではないかという懸念がされるわけであります。また、正確な統計には調査ごとの経験の積み重ねも必要でありまして、入札のたびに組織が入れ替わる可能性があるようでは調査方法等の発展もおぼつかないのではないかというふうに思うところであります。
 受託した民間企業が業務上の問題を起こした場合に、代替の受託企業を探すには時間が掛かるために実質的には契約解除ができない事態が予想されます。そのため、事実上は独占に近い状態が生じることになり、さらに民間企業の調査が数年間続く間に官庁側の調査実行体制は消滅するという、そういう可能性も否定できないわけであります。その結果、仮に民間企業の不適切な調査体制が指摘されたとしても、政府に実施する能力が失われている危険性が極めて高いというふうになるわけで、このように委託業務の内容がブラックボックス化して、国にノウハウが承継されずに実際に管理し得ない状況をつくりかねない。
 こうした状況をつくらないようにするために大臣はどのような対策が必要であると考えられているか、お答えいただきたいと思います。
#96
○国務大臣(菅義偉君) 国の施策というものをタイムリーに行っていくためには、統計は極めて重要であって、国の責任の下でその整備を進めていくことが必要であるというふうに考えています。
 一方、統計調査においても、民間にできることは民間にと、そうゆだねることはこれは例外ではないというふうに思います。
 統計調査を民間に委託するに当たっては、統計の正確性やあるいは信頼性の確保、また調査対象の秘密保護、そういうものが前提になるというふうに考えます。このため、統計調査の民間委託に当たっては、委託者である行政機関が最終責任者として、民間事業者の適切な選定、民間事業者に対するモニタリングなどを通じた委託業務の実施状況の適切な管理、把握、さらに委託の実施結果の適切な検証、こうしたものを的確に行う必要があるというふうに認識をいたしております。
#97
○那谷屋正義君 今回の改正案において、統計作成の段階で、正確かつ効率的な統計作成と調査対象者の負担の軽減を目的として統計データの利用、提供が図られることになるものということの中で、第二十七条に総務大臣が整備する事業所母集団データベース情報の利用、提供、そして二十九条に行政記録情報の提供、三十三条に調査票情報の提供というのが規定されています。これらはいずれも匿名化などの処理がされていない、いわゆる裸の調査票情報などを利用し、提供するものでありまして、その情報の漏えい等があれば統計全体に対する国民の信頼を危うくするおそれがございます。
 このため、利用範囲の特定、明示、そして秘密の保護、目的外使用、第三者への提供禁止、情報漏えい等の防止、委託先における取扱いのための安全管理措置等について、特に厳格な管理が必要であるというふうに考えるところであります。
 統計は、最終的に統計数値として個体を識別できない形で公表されることから、例えば行政記録が統計目的に使用されることについては問題がないとしても、その逆というのは全くあり得ない、あってはならないというふうに思うところであります。例えば、所得についての統計調査のデータを税務行政に活用するなど、統計調査により収集された情報が直接特定の行政目的に使用されることになると、統計調査に対して国民が正確に申告することがなくなってしまう可能性があるということであります。
 したがって、統計が行政目的に使用されることは断じてあり得ないことを明らかにしておく必要があるのではないかと思うところであります。このことについて、混同が生じないようにするためにも、この際、大臣の明快な見解を伺っておきたいと思います。
#98
○国務大臣(菅義偉君) 統計調査によって集められたこの調査票情報等が基本的に統計の目的のために用いられるべきことは、これは当然のことであるというふうに考えています。
 このため、本法案では第四十条において、調査票情報については、本法等に特別の定めがある場合を除いて、その行った統計調査の目的以外の目的のために、当該統計調査に係る調査票情報を自ら利用し、又は提供してはならない、こうした旨を明記をいたしております。
 なお、調査票情報を当該統計調査以外のものに利用、提供できる特別の定めがある場合とは、委員から御指摘のありましたように、事業所母集団データベースの整備、第二十七条、統計の作成、統計研究、調査対象名簿の作成、第三十二条、三十三条、委託による統計の作成等の実施、三十四条、匿名データの作成、三十五条としており、統計目的の範囲内ということを厳格に限定をしているところであります。
#99
○那谷屋正義君 そこで、調査票情報の提供については、改正案第三十三条で、統計調査に係る調査票情報を提供することができる場合として、第一号に、行政機関等その他これに準ずる者として総務省令で定める者に対しては統計作成又は統計調査のための名簿作成を目的として、第二号に、前者と同等の公益性を有する統計作成として総務省令で定めるものを行う者に対してその統計作成を目的として提供されることとなっているわけであります。
 この第二号は、関係深い研究者など言わば身内としてのインサイト利用を始め、裸の調査票情報について一般の利用を認める規定であるわけでありますから、非常に重要なところではないかというふうに思うところであります。
 そこで、まず、第三十三条の第一号、行政機関等その他これに準ずる者として総務省令で定める者というのは何を指すのでしょうか。
#100
○政府参考人(橋口典央君) お答えいたします。
 行政機関等その他これに準ずる者ということでございますけれども、そのうちの行政機関等とは、本法案におきまして行政機関、地方公共団体及び独立行政法人等をいうものであるとされております。それから、その他これに準ずる者とは、行政機関等には当たらないわけでありますけれども、当たらない国や地方公共団体の機関等をいうわけでございまして、公的統計の作成主体としては本法の規律は及ばないものの、その行う活動の公益性に着目すれば調査票情報の提供に関しては本法の行政機関等と同等に取り扱うべきと考えられるもの、こういったものを総務省令で定める予定でございます。例えば、会計検査院、地方独立行政法人等を想定しているところでございます。
#101
○那谷屋正義君 それでは、第三十三条の第二号の、前号に掲げる者が行う統計の作成等と同等の公益性を有する統計の作成等として総務省令で定めるものとは具体的にどのような場合を想定されているんでしょうか。
#102
○政府参考人(橋口典央君) お答え申し上げます。
 第三十三条第二号の規定は、民間研究機関など行政機関等ではない者に対して、行政機関等が行う場合と同等の公益性が認められる統計の作成や統計的研究を行う場合には調査票情報を提供することを認めようとするものでございます。
 詳細につきましては総務省令で定めることとしているわけでございますけれども、今後検討していくということになると考えておりますが、現行の統計法において調査票の目的外使用制度により調査票の使用を認めてきております場合、例えば行政機関等と共同で行う研究等の一環としての使用、あるいは行政機関等から委託等を受けた研究等の一環としての使用、あるいはその他行政機関等が公益性が高いと認めた研究等の一環としての使用、こういった場合などが考えられるところでございます。
#103
○那谷屋正義君 少し視点を変えて、今回の統計法の改正では対象が統計に絞られているわけでありますけれども、しかし、内閣広報室による世論調査が代表的なものになるかというふうに思いますが、行政機関等が行う世論調査はかなり大規模に行われております。政治的な中立性が確保される必要性や、調査した調査票データの適正管理、秘密の保護、目的外使用の禁止、あるいは匿名化したデータの利用や提供など、調査の委託を含めて統計の規律と同様な規律が必要ではないかと考えるところでありますけれども、いかがでしょうか。
#104
○政府参考人(高井康行君) お答え申し上げます。
 内閣府の世論調査でございますけれども、今回の法案の二条五項に定める統計調査には該当しないものと理解いたしておりますけれども、しかしながら、御指摘のとおり、中立性の確保、秘密の保護等の重要性は認識しております。当方においても適切な世論調査の実施に努めていきたいと思っておりまして、具体的には、中立性でございますけれども、誘導的な質問を排除する等、その確保に努めるということでございますが、調査の終了後、調査票等すべて公開することによりまして客観的に中立性を御判断いただく材料を提供するというようなこと、また、調査票データにつきましては適正な管理に努めるとともに、秘密保護の観点から調査終了後に廃棄をすると、また、世論調査の目的外に利用をしないというようなことを行っております。
 匿名データの公開でございますけれども、回収率の向上等のために現時点では行っておりませんけれども、今後の統計調査の状況を見守っていきたいと考えております。
 なお、調査はすべて監査等を行いつつ民間調査委託に委託しているという状況でございまして、世論調査につきまして、今後とも中立性の確保等に十分配慮しつつ調査を行ってまいりたいと考えております。
#105
○那谷屋正義君 行政施策を行う方たち、あるいは研究者からは統計データアーカイブの設置に寄せる期待が非常に高かったようであります。しかし、設置形態の問題、収録すべきデータの範囲、利用者に提供するサービスの内容等について引き続き検討を行うこととなっておるわけであります。この点につきましてどのような問題点があり、今後どのような場を通じてどのような検討がされていくのか、お伺いをしておきたいと思います。
#106
○政府参考人(橋口典央君) お答え申し上げます。
 統計調査の調査票情報を整理、保管しまして二次的な利用の用に供する機能を果たします統計データアーカイブにつきましては、今御指摘のございました設置形態につきましては統計作成機関ごとに設置することとするのか、国全体として一か所に集約するのか、あるいは保管すべきデータの範囲につきましては調査票情報だけでよいのか、調査実施方法に関する情報なども必要かどうか、その範囲をどのように考えるのか、それから、利用者に対するサービス内容につきましてはデータを提供するだけにとどまるのか、データの加工についても支援を行うこととするのかなど、検討すべき課題が多いものと考えております。
 したがいまして、今後、匿名データやオーダーメード集計といった新たな制度の運用状況、調査対象者の意識等も踏まえまして、制度所管大臣、統計作成機関、研究者等が連携を図りながらこれらの課題について検討してまいりたいと考えております。
 また、検討に当たりましては、基本計画におきまして検討の体制や期間、主要な検討事項等を明確にするなどしまして計画的に取組を進めてまいりたいと、このように考えております。
#107
○那谷屋正義君 非常にニーズが高い部分だろうというふうに思いますが、しかし、事は慎重にやらなければいけないというのも一面的にはあるわけでありまして、できるだけ、慎重さの中にも、時間的にも早く解決をする糸口を見付けていただけたらというふうに思っているところであります。
 先ほど、人材育成について御質問をさしていただきましたけれども、予算について少し質問をさしていただきたいというふうに思います。
 統計予算も実は一般会計予算全体の伸びに対してその増加率が著しく低くなっているということであります。島村氏の「統計制度論」という本があるんですけども、それによりますと、昭和二十四年から平成十六年の間の一般会計の増加率は百八・一倍であるのに対して、統計調査費の増加率は十八・九倍というところになっています。統計調査費の増加率は一般会計予算の増加率に比べると非常に低い、伸びが低い状況になっています。
 統計予算については、これまで総務省政策統括官が各府省の統計事業にかかわる概算要求の内容を審査の上、財政当局に適切な予算措置を講じるよう要請しているというふうに伺っているところでありますが、その効き目があったのかどうか、そしてこの改正後は基本計画によって必要な人員、予算を確保するような方策を取ることになるのか、お伺いをしたいと思います。
#108
○政府参考人(橋口典央君) 毎年度の予算実施に当たりまして、各府省の要求につきましては私どものところでその予算の前審査を行い、財務当局にこれをつながせていただいているところでございます。これにつきましては、私どもの結論を財務当局におきましても最大限尊重していただいているというふうに理解しております。
 それから、今後、政府として、整備が必要とされることとなります公的統計につきましては、これは基本計画に定められることとなるわけでございますけれども、これらの統計の実施に万全を期するために、業務の効率化や民間委託等を図りつつ、必要な人員、予算が確保されるよう最大限の努力を払っていくことが重要と、このように考えているところでございます。
#109
○那谷屋正義君 額の大小ということはありますけれども、やはりこの事業というか統計が非常に大事なものであるということ、これはもう皆さんの共通の認識だというふうに思いますので、是非そうしたことで、予算が足りないなんてことがないようによろしくお願いをしたいというふうに思います。
 事業所母集団データベースについて、統計制度改革検討委員会の報告では、利用機関は申請をした上で制度所管大臣の承認を得ることとする、国の行政機関については原則として母集団の選定に当たってビジネスフレームの使用を義務付けることが適当であるとしているわけでありますけども、法文上は単に総務大臣から情報の提供を受けることができると規定されているにすぎないわけであります。
 また、報告は、各府省共同利用型システムの一部にその機能が組み込まれることが想定されるというふうになっていますけども、この場合、いつ、だれがアクセスしたのか、記録を管理することを含めて考慮すべきではないかというふうに思うわけでありますが、厳格な管理は具体的にどのように実現をされるのでしょうか。
#110
○政府参考人(橋口典央君) お答え申し上げます。
 平成十八年三月三十一日に決定されました統計調査等業務・システム最適化計画におきまして、各府省は、統計調査の標本抽出処理に関し、現行の業務処理方法を見直し、事業所・企業データベースで処理することが適さない又は効率的でない標本抽出処理を要する統計調査を除き、原則として事業所・企業データベースを用いた処理を行うものとするとされておりまして、また統計調査を行う国の行政機関の長はすべて総務大臣の承認を得る必要があるわけでございますので、このことから、その審査の過程におきまして事業所母集団データベースの使用についても併せてチェックすることによりまして、データベースを使用すべき統計調査についてすべて利用することを確保することができると、こういうふうに考えております。
 また、データベースにアクセス可能な者につきましては、利用の際にID、パスワードを発行することにより制限することとしている予定でございまして、このことによりまして厳格な管理がなされるものと、このように考えております。
#111
○那谷屋正義君 これまでこうしたことからの漏れがあるという、漏れたという話がないということでありますので、引き続きその記録は更新していただかなければいけないし、絶対にまたあってはならないというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 またさらに、データベースの性格から随時フィードバックが必要となると考えられるわけでありますけども、どのように誤りなくフィードバックが行われることになるのか、伺っておきたいと思います。
#112
○政府参考人(橋口典央君) 先ほど申し上げました平成十八年三月三十一日の決定の統計調査等業務・システム最適計画におきまして、各府省は、調査の実施前又は実施後速やかに、被調査履歴を事業所・企業データベースに登録し、重複是正の仕組みを有効に機能させるものとするとされているところでございます。
 これを踏まえまして、運用上の規定を整備したいと考えております。この規定を整備することによりまして、御指摘のとおり、誤りなくフィードバックを行うことが可能になると、このように考えております。
#113
○那谷屋正義君 まだ幾つか聞きたいことがあるんですが、時間の方が迫っていますので、最後に大臣にお伺いをしたいというふうに思います。
 官民を問わず、個人データ等の流出事故がしばしば報道されているところであります。統計の場合は、いったん国民の信頼を失ってしまいますと次から統計への協力確保が難しくなる。秘密の保護、情報の漏えいの防止、目的外利用や第三者への提供の禁止の徹底は罰則の強化だけでは図れません。ともかく管理を徹底していく必要があるわけであります。また一方で、統計の国民利用の促進を図る必要もあるわけでありまして、これらを具体的に両立させて初めて両者が実現できるものであるというふうに思うわけであります。この、言ってみればかじ取りになる総務大臣の認識及び決意を伺いたいと思います。
#114
○国務大臣(菅義偉君) 基本的な認識は、私は那谷屋委員と全く同じであります。
 統計調査によって集められたこの情報の管理については、既に平成元年の総務事務次官通達に基づいた措置が講じられておるところでありますけれども、今回の法案によって、統計データの利用方法が広がることになることなどから、これにふさわしい情報管理の在り方について、法律の全面施行までの間にガイドラインの作成などを行うことによって、政府全体として秘密の保護と統計データの利用拡大、両立させるように万全の対策を講じてまいりたいと考えております。
#115
○那谷屋正義君 終わります。
#116
○澤雄二君 公明党の澤雄二でございます。
 総務省統計局の建物は新宿の若松町にありまして、余り高さはないんですけれども非常に大きな建物で、一体この建物はどういうことをしているんだろうとずっとかねがね思っていたわけでありますが、今回、質問させていただくに当たって、初めて、ああ、こういうことをしているんだということが初めて分かりました。
 これは余計なことでありますけれども、その統計局の横の道というのは一方通行になっていまして、明治通りが渋滞したときの抜け道として非常にいい道で今でも使わせていただいておりますので、もし大臣、これから明治通りが混んでいるぞというときは統計局へ行けと言えば早く行けると、統計とは何の関係もない話でございましたけれども。
 今回の統計法案は六十年ぶりの制度改革となります。これまでに農林水産分野に比べて第三次産業、中でも遅れていたサービス業統計の充実、そして事業所からは、とにかく要求される調査回答が多過ぎると、何とかしてくれと軽減を求める声も非常に多くあります。
 また、利用者からは、これまで公表が遅いと、時代にマッチしていないという指摘もありました。さらに、原データの公開、先ほどからずっと議論をされておりますけれども、原データの公開やデータ確保への要望も強くなってきています。
 こういうような状況を踏まえて今回の改正が行われるものと考えますけれども、公的統計の将来像について、今回六十年ぶりの改革でありますが、この将来像について、大臣、どのようなビジョンをお持ちでございましょうか。
#117
○国務大臣(菅義偉君) 社会のこの情報基盤であります統計の体系的また効率的な整備というのは極めて重要でありまして、例えば今後の人口動向やあるいは地域の経済の動向、さらに我が国の経済状況の国際的な位置付け、こうしたものなどを把握をするのも統計情報によるものであります。現状を踏まえた適時適切な政策を講じるためには、統計の役割というのは極めて重要でありましたし、これからも私は更に重要であるというふうに考えております。
 そこで、今回の法案は、社会経済情勢の変化に伴って国民のニーズに柔軟に対応した公的統計の整備が求められている、そういう状況にかんがみまして、戦後間もなく制定されたものを六十年ぶりに法改正をするというものであります。公的統計の整備に関する基本計画を策定することによって、政府全体として総合的、計画的な統計整備が図られることを通じて、公的統計が国民や事業者にとって利用しやすいものになるだろうというふうに思いますし、また、行政記録情報の活用などによって国民や事業者の報告負担の軽減が図られ、統計データの二次利用の拡大によって新たなニーズに対応した統計の応用、そうしたものが促進をされるだろうというように思います。
 このように、統計制度の改革を通じまして社会の情報基盤としての統計の実現を目指すとともに、国際社会においても積極的に貢献をしていきたい、こう考えます。
#118
○澤雄二君 今大臣が言われましたように、正に統計というのはこれからますます重きを置いてくるんだろうというふうに思います。正に社会の進歩を下支えするのはその統計の使い方だというふうに思っておりますし、今大臣もそのような答弁をしてくださいまして、是非お願いをしたいと思っておるわけでございますが。
 少しお答えづらいことをお聞きするかもしれませんが、今御答弁されましたように、これからどんどん時代が変化をしていきます。その時代の変化に対応するということと、今回の改正はもう一つ、先ほど那谷屋委員も質問をされておりましたけど、分散型統計機構による弊害を克服するという目的もあったんだというふうに思います。しかし、結果的にはやっぱり内閣府と総務省の二頭立てになってしまいました。これからの時代というのはますます複雑化していくといいますか、いろんなデータ、情報、統計の数字というのがクロスして考えていくことというのはすごく大事になってきて、そうすると二頭立ての弊害というのがこれから起きてくるのかなという気がするんですね。それで、今回、お答えづらいかもしれませんけど、総務省統計局の政策統括官も含めて内閣府に集約をできなかったというネックは何でございましょうか。
#119
○国務大臣(菅義偉君) 委員御承知のとおり、日本の統計というのは分散型で今日まで来ています。そして、その分散型の弊害をなくすために司令塔的なものをつくり、しかし、同時に、分散型の良さというもの、今日までの歴史の良さというものを私どもは生かす必要があるだろうと実は考えました。
 そういう中で、総務省は行政の基本的な制度の管理及び運営を通じた行政の総合的かつ効率的な実施の確保などを任務とする行政組織であり、統計制度は行政の基本的な制度に含まれることから、統計制度の企画立案事務及びこれを担う組織は引き続き総務省に置かれるべきだろうと、こう考えたわけであります。
 一方、統計委員会というのは、これは中立公正の確保の観点から内閣府に置くことが適当だというふうに判断したわけであります。すなわち、国民経済計算の作成基準は内閣総理大臣から、公的統計の基本計画や基幹統計の指定などは総務大臣からと二府省にまたがって諮問することになっています。
 また、匿名データの作成に当たっての審査や法律の施行に関する意見具申における一層の中立公正を確保する点から、統計委員会は総務省よりも内閣府に置いた方がいいだろう、適切だろうと、そういう判断を下したわけであります。
 この法案の運用に当たっては、内閣府及び総務省が緊密な連携を取りながら統計委員会を司令塔機能の中核として、真に実効性あるもの、そういう中で司令塔機能を発揮できるように努めてまいりたい、こう考えております。
#120
○澤雄二君 二頭立てが今大臣がおっしゃったそのそれぞれの良さを生かしながらということでございますけれども、これからどんどん時代が進んでいくと、もしかしたらそれはいつか一頭にしなければいけない時代が来るかもしれません。どういう仕組みか分かりませんが、研究を続けていただきたいというふうに思います。
 次に、今回の改正は、行政のための統計から社会情報基盤としての統計へというキャッチフレーズになっていると、これはすばらしいというふうに思います。国民に対してオーダーメード集計とか匿名データ提供という新しいサービス提供が提供されることになっている、これも多分国民は待ちに待っていたサービスだろうというふうに思います。
 一つ心配なのは、那谷屋委員も指摘をされておりましたけれども、原データの利用範囲が広がると心配なのは、情報の漏えい、流出であります。これは多分、罰則の強化ということでは防止できないんだろうと思います。つまり、情報の流出、漏えいというのは人間が意識的にやることだけではなくて、つまりテクノロジーで侵されてくる、侵略されてくるということがあるから罰則の強化だけでは多分できないだろう。つまり、ソフト、ハード、そして組織、規律、いろんなもので守っていかなければこの流出、漏えいは防止できないんだろうと思いますけど、その辺の大臣のお考えをお聞かせください。
#121
○国務大臣(菅義偉君) 委員御指摘のとおり、この統計を作成をするために集められた国民、事業者の秘密の保護というのは、これは統計に関する信頼確保をする上からでも極めて重要なことであります。
 今回の法案においては、調査票情報だけではなくて事業所母集団ベースや行政記録情報などを含めて適正管理義務や利用制限、守秘義務について規定をいたしております。さらに、これらの規定の厳正かつ適切な運用を確保することによって秘密の保護に万全を期していきたい、こう考えております。
#122
○澤雄二君 これは統計に限らないと思いますけど、つまりサイバーテロに対する対策というのはこれから政府を挙げてお考えになると思いますので、どうか併せてよろしくどうぞお願い申し上げたいと思います。
 それから、今回の法案では、地方公共団体が行う統計調査については、国の調査から切り離されて総務大臣の承認が必要のない届出制というふうに変わります。また、国の大規模な指定統計調査の多くは都道府県、市区町村及び統計調査員の系統によって実施を今されておりますが、調査内容の複雑化、高度化、調査への協力が得られないケースの増加などで、都道府県の事務負担が非常に増えてきております。
 このようなことに対応するために地方の統計組織の改革も今後考えていかなければいけないんだろうというふうに思います。これは、地方団体はその地方団体の自主性に任せるということもありますが、やはり国としても考えるところは必要なのかなと思いますけれども、大臣の御所見を聞かせてください。
#123
○国務大臣(菅義偉君) 国が作成をする基幹統計については、地方公共団体の統計整備という側面を有しているとともに、地方公共団体の施策にも十分活用いただけるというものになっております。こうした基幹統計については、言わば国、地方が一体となってその整備に当たっているところであります。
 一方、地方公共団体が独自に行うというこの統計調査についてでありますけれども、本法案では地方公共団体の自主性また自律性を尊重して、総務大臣の関与を最小限とするという観点から、総務大臣への届出のみに限定をしつつ、基幹統計調査に支障を及ぼすと認められる場合には総務大臣から統計調査の変更又は中止が認められる、そういう旨を規定をしました。
 また、公的統計を体系的に整備する上で国と地方が相互に協力することは当然のことであって、そして地方公共団体における統計職員や調査員、この研修についても国としてできる限り協力をさしていただきたい、こう思っているところであります。
#124
○澤雄二君 統計調査の、国民といいますか市民の皆さんの協力が得られないということはだんだん明らかになってきているわけでございますけれども、おととし、実際やった十七年国勢調査でもそのことが非常に明確になってきました。オートロックマンションの増加で調査員が接触することもできない、接触できたとしても、一応全部その調査内容を調査員の方がごらんになるわけで、嫌だと、そんなもの見られるのはというんで調査への協力が得られないということは、国民の権利意識というのは非常に高まってきたということもあるんでしょうけれども、なかなか回収が難しいというようなこともありました。
 先ほど報告もありましたけど、かたり被害も今回報告をされたということなどがありました。多くの苦情やトラブルがあったわけでございますけれども、これらの改善策について今検討が進められているというふうに承知をしております。去年の七月に第一次報告書というんでしょうか、報告書が報告をされたと。で、その主な内容、改善策というのはどんなことが報告をされているのか、それから今後どのような方向で臨まれるのか、お聞かせください。
#125
○国務大臣(菅義偉君) 委員御指摘のとおり、平成十七年度の国勢調査の際には、今言われたようなマンションの問題、あるいはプライバシー保護に対しての国民意識が非常にその前の調査と比べて高くなってきた、そういうことで様々な問題が生じたというのも事実であります。このため、国民のこうしたプライバシー意識に配慮した調査方法として、調査票というのは原則郵送提出だと、あるいは世帯の希望に応じてインターネットによる申告だとか、あるいは調査員への提出も可能にするなど、様々な見直しというものが必要であるというふうに私どもは考えております。
 総務省においては、実地調査を行う地方公共団体と意見交換をしながら見直しの具体化に向けた検討を進めておりまして、本年七月に第一次試験調査を実施をして実施の検証を行いたい、こう実は思っております。今後、平成二十二年国勢調査の改革に向けてこうした準備をしながら万全の体制を整えていきたいと思っております。
#126
○澤雄二君 ありがとうございました。以上で終わります。
#127
○長谷川憲正君 国民新党の長谷川憲正でございます。
 統計というのは、先ほども御発言がございましたけれども、日ごろ我々大変お世話になっているわけですけれども、余り意識することが確かにないですよね。水か空気みたいな存在でございまして、社会的制度でいうと郵便局みたいなものかなと。なくてはならないわけでございますが、日ごろはその有り難さになかなか気付かないと、こんな気持ちで、先ほど来の各委員の御質問やら、大臣を始め皆さんの答弁をお聞きをしておったところでございますが。
 政治家なんというのは、特に国会議員は統計なしではほとんど仕事ができないということでございまして、統計の有り難さ、この統計の業務に携わっていらっしゃる、総務省だけでなくて各省にまたがるいろいろな統計関係の皆様方、そしてこれを支えておられる恐らく民間の方々もたくさんいらっしゃるんだろうと思いますけれども、こうした非常に地味でかつ重要な仕事をこつこつと続けておられる関係者の皆様にこの機会に感謝の念をささげたいと、こう思っているわけでございます。
 それで、私は余り統計のこと詳しくないものですから、何か感謝の気持ちを表せる方法はないものかなというふうに先ほどから考えておりまして、ふと、さっきちょっと席を外したときに、そっちの方に控えていらっしゃいます総務省の統計局の職員の皆さんに、統計の日というのはないんですかと、こう言ってお尋ねをして、私はないと思っていたんです、なかったら、ここで是非つくった方がいいですよという御提案を申し上げようと思いましたら、ありますと言うんですね。いつですかと言いましたら、十月十八日ですと、こういうお答えがもう即答で返ってまいりまして、あら、十月十八日というのはどこかで聞いた日だなと思いまして、ふと思い付いて、この薬指にはまっております金具を引っこ抜きまして裏側を確認しましたら、確かに一〇・一八と刻印がしてございまして、私の結婚記念日でございました。不思議な縁だなと思って、これを機会に是非、私、統計応援団の一人に加えさせていただきたいというふうに思っておりますので、十月十八日に何か行事がありますときには、呼んでいただいたらお手伝いをさせていただきたいと、そう思っているところでございます。
 この機会に幾つか御質問をさせていただきたいと思います。
 統計法、今度は統計法の全面改正、全部改正ということになっておりまして、しかも昭和二十七年に作られました統計報告調整法もこの中に取り込むということですから、大変大規模な改革だというふうに思うわけでございますけれども、内閣府の経済社会統計整備推進委員会というところが平成十七年の六月十日に政府統計の構造改革に向けてという報告書を出しておられますが、私、いただいた参考資料の中にそれが入っておりましたので読ませていただきましたところ、その冒頭のところに、昭和二十四年に吉田茂内閣総理大臣の命を受けて統計委員会の初代委員長に就いた大内兵衛氏の言葉として、統計の整備は日本再建の基礎事業中の基礎事業であるという言葉が紹介をされておりまして、なるほどなと、かなり早くから、そういう意味では正に戦後の非常に混乱した状況の中でもこういうことを考えて努力をしてこられた人がいるんだなということで改めて感心をさせていただいたわけでございます。
 ちなみに、先ほどの統計の日でございますが、何で十月十八日が統計の日なんですかと言って追加質問をしましたら教えていただきまして、明治三年に府県、都道府県の府県ですね、府県物産表という統計を明治政府が初めて作るための何か布告を出されたんだそうでございまして、当時は旧暦でございましたが、これを新暦に直しますと十月十八日に当たる。要するに、近代日本において初めて統計が実施をされるということが決まった日だと、こういうことなんだそうでございます。したがって、戦後だけでなくて、明治の初めから一貫して統計というものが国家をつくり上げていく上で極めて大事なことだというふうに意識されていたということだと思います。
 そういう意味で、今回の改正、六十年ぶりということでございまして、憲法が今年還暦を迎えたということが言われておりますけれども、この統計法も今年還暦を迎えた。最後の帝国議会で作られた法律だということでございますから、安倍総理がよく言われるような戦後レジームからの脱却ということであるかないかは別にして、大変私は結構な御趣旨だと思いまして、この法律の全部改正に賛成をいたしますということを冒頭申し上げておきたいと思います。
 その上で、時間一杯質問をさせていただきたいと思うわけでございますが、先ほど、前回の国勢調査の際にいろいろ批判が行われましたことについて澤委員の方から御質問がありまして、既に大臣の方から御答弁をいただいたところでございますが、事務方の方ではいろいろと今工夫をして検討をしておられるというふうに聞いているところでございまして、先ほどの大臣のお話に付け加えてもう少し詳細な御説明を統計局長からいただければ有り難いと思います。
#128
○政府参考人(川崎茂君) お答え申し上げます。
 先ほど大臣の方からお答えいただきましたとおり、国勢調査の見直しにつきましては、現在鋭意様々な検討を行っております。これは私どもだけでできるものではございませんで、やはり都道府県、市町村を通じて行いますので、まずは地方公共団体との協力も非常に重要ということでございまして、かなりの頻度でいろいろな方法について検討を重ねてまいりまして、先ほど大臣から御紹介いただきましたとおり、本年の七月にいよいよ第一次試験調査というものが行われるという運びになっております。
 このほかにも、この後、平成二十年になりますと第二次試験調査、それから二十一年になりますと第三次試験調査ということで、第三次になりますと本番想定の小規模なものということになりますけれども、そういったものを重ねまして本番の平成二十二年の国勢調査に備えてまいりたいということでございます。そのようなことで、一歩一歩着実に進めておるというところでございます。
#129
○長谷川憲正君 どうもありがとうございました。
 社会もどんどん複雑化していきますので実際の統計業務というのは大変だと思いますけれども、大いに頑張っていただきたいというふうに激励を申し上げます。
 そこで、今回の改革でございますけれども、平成十八年の七月七日の閣議決定でございます経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇六、これを拝見をいたしますと、この中で、統計法に関しまして、統計法制度を抜本的に改革するというふうに書いてございまして、その上で次期通常国会に法案を提出するということになっておりました。これを受けて今回法案が出されているわけでございますけれども、統計法制度を抜本的に改革すると。抜本的にというのはいかなるものであろうかと思って、私、関係の資料等を見させていただいたんですけれども、確かに統計法そのものを全部改正し、そしてもう一本ありました法律を廃止をしてこれに取り込むということでございますから大規模であるわけでありますけれども、内容的にどこが抜本的なのかというふうに見ますと、様々な改善は行われておりまして非常に結構なことばかりであるわけですけれども、やはり抜本的という名前に値をする今回の改正の趣旨というのは、やっぱりその司令塔機能の強化という点にあるんだろうと思います。
 この点についても先ほど他の委員の方から御質問がありましたけれども、もう一度、私、聞かせていただきたいと思いますけれども、この司令塔機能を強化するということでございますが、どこが司令塔なのでございましょうか。
#130
○政府参考人(橋口典央君) お答え申し上げます。
 平成十八年六月の統計制度改革検討委員会報告におきまして指摘されているわけでございますけれども、統計整備の司令塔機能は、公的統計の整備に関する企画立案・調整機能、それから政府横断的、共通的な統計の作成といった基本的な統計の整備機能、それから母集団情報の整備、提供や研究開発といった統計の基盤整備機能、この三つとされているわけでございます。その中でも、企画立案・調整機能が最も重要であるとされているところでございます。
 このような司令塔機能につきましては、まず、統計の企画立案などにつきましては総務省の統計基準担当の政策統括官が担っており、それから国勢調査等の基本的な統計の作成などにつきましては総務省統計局、そして国民経済計算の作成を内閣府の経済社会総合研究所が担っているということでございます。さらには、これらの機関がそれぞれの役割を遂行するに当たりまして、内閣府に設置された統計委員会が、専門・中立的な立場から基本計画の調査審議や法律の施行状況に関する意見具申などを行うことによって司令塔の中核的機能を担うことにされているということでございます。
#131
○長谷川憲正君 御説明はよく分かりましたけれども、私ども、一般的に考えると、司令塔というのはやっぱり一つだと思うんですよね。司令塔が三つも四つもありましたらやっぱり混乱は避け難いと。そのために、避けるためには非常な努力をしなければいけないと思うわけでありまして、やっぱりそんなにたくさん司令塔があるとすると、今度は司令塔のための司令塔をつくらなければいけないというようなことになりはしないかということを大変心配をするわけでございます。
 この司令塔が一つにならなかったということについては恐らくいろんな事情があるんでございましょうから、短い時間で御答弁は難しいと思いますのであえてお聞きをいたしませんが、この資料の中に、今回の改正の一つの教科書になっております報告書があるわけでございますけれども、内閣府の方で行われた統計制度改革検討委員会ですか、こちらの方の御提言を拝見をしましたらば、その中に、これは平成十八年六月五日の報告でございますが、第三、司令塔の在り方ということで、いろんな提言がなされているわけでありますけれども、その中に、司令塔を代表する者をチーフ・スタティスティシャンと片仮名で書いてございまして、まあ英語も付いておりますが、日本語になってないんですけど、チーフ・スタティスティシャンと呼称し、統計に関して卓越した識見を有する者を充てること、こういうことになっているんですね。
 このチーフ・スタティスティシャンというのは、英和辞典を引きましたら統計学者と書いてありまして、統計学者ではちょっとここでは意味を成しませんので英英辞典を引きましたら、日本語で訳しますと統計を仕事とする人と、こういうことで、統計に関する仕事をする人という説明になっておりますんで、いずれにしても、一人の人を指していると思うわけですね。チーフ・スタティスティシャン、今回、この司令塔があっちにもこっちにも分かれている状況の中で、私は、本来目指した、だれか一人本当の意味での司令塔と呼ばれるにふさわしい人が統計の世界に存在する、こういう理想の姿にはほど遠いと思うんです。
 今の幾つもに司令塔が分かれた状況の中であえてチーフ・スタティスティシャンと、司令塔である人という者を探すとすれば、これはやっぱり総務大臣かなと。要するに、内閣には委員会はできますけれども、この委員会は意見を述べると、法律を読むと一杯意見を述べると書いてあるわけでありまして、例えば基本計画を定めるのも総務大臣のお仕事であります。したがって、やっぱり全体を統括をして、それぞれのところに的確に指示を出し、調整をし、全体としての統計の機能を高めるという、これはまあ総務大臣かなと思うんですが、しかし、総務大臣はお忙しいから副大臣かなと思ったりしますけれども。
 いずれにしても、どなたか、やはり中核になる人間をきちんと御指名になった方が、私はこの司令塔機能というものがより良く発揮されるんじゃないかなと、こんなふうに考えるわけでございますけれども、この司令塔が複数になっているということにつきまして、大臣のお考えをお聞きさしていただきたいと思います。
#132
○国務大臣(菅義偉君) 先ほども申し上げましたけれども、司令塔を一つにする、あるいは今のように分散型になっている、日本の統計というのは分散型で今日まで来ました。そして、海外にはそれと全く逆のものもあります。しかし、そういう中で、日本の良さというものを生かしながら、今日までの歴史を生かしながら縦割り行政の弊害をなくすという、そういう中で今回のような仕組みを作らせていただいたところであります。
#133
○長谷川憲正君 大臣のお述べになりました趣旨は私もよく理解をしているつもりでございます。
 外国の制度を見ますと、ヨーロッパは、国の規模が小さいということもありましょうけれども、一つの行政機関が統計に関しては責任を持ってやっていると。それに対して、アメリカは分散型でございまして、大統領府の行政管理予算庁というところに全体を統括する権限を持たせまして、そこは、資料で拝見をする限りは、首席統計官というものが大統領府におられまして、職員はわずか六人でありますけれども、全体の統括機能をそこで発揮しているということでございますから、日本もやはりこの首席統計官というものに当たるようなものを置いた方がいいのではないかというのが私の意見でございます。
 いずれにしましても、六十年ぶりにこうした大規模な改正が行われるわけでございまして、その第一歩としては私はこの法律で結構だろうというふうに思いますけれども、しかし、やはりより良き統計というものを目指して効果を上げていこうということであれば、実際に運用してみた上で更にお気付きになることがたくさんおありになろうというふうに思いますので、その上で、今もここで取り上げさせていただいたようなそれぞれの研究や委員会の報告というものも併せて考えながら、更なる改革を必要ならば早い機会にやっていただきたいと思う次第でございまして、これからの統計業務の展開等につきましてトータルとして大臣のお考えを伺って、質問を終えたいと思います。
#134
○国務大臣(菅義偉君) 今日までの日本の統計の歴史の中で、今回このような形で制度設計をさしていただきました。
 しかし、統計というのはこれから私はますます重要になってくると思っておりますので、この法案を成立さしていただいていざ実行に移す中で、様々な問題点もこれ多分出てくるというふうに思っていますので、そうした中で法律の施行状況、そうしたものを見据えながら、あるいは統計委員会の委員、また多くの皆さんの意見を拝聴しながら、必要なときは改正をしていく、そういう形でいきたいというふうに思います。
#135
○長谷川憲正君 終わります。
#136
○委員長(山内俊夫君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 統計法案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#137
○委員長(山内俊夫君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、那谷屋君から発言を求められておりますので、これを許します。那谷屋正義君。
#138
○那谷屋正義君 私は、ただいま可決されました統計法案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、社会民主党・護憲連合及び国民新党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    統計法案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、次の事項についてその実現に努めるべきである。
 一、国勢調査については、引き続き精度の高いデータが得られるよう、社会経済情勢や国民意識の変化、情報通信技術の進展等を踏まえ、調査方法の見直しを進めるとともに、国勢調査の目的及び重要性について国民への周知を徹底すること。
 二、公的統計の作成に当たっては、行政機関相互の密接な連携を図り、地方公共団体や独立行政法人等とも協力しながら、慎重な取扱いと運用の透明性を確保しつつ、行政記録や情報通信技術の活用等により、統計の一層の正確性・信頼性の向上を図るとともに、調査対象者の報告負担の軽減に努めること。
 三、オーダーメード集計や匿名データの提供を通じた統計データの利用促進に当たっては、データ処理の委託の相手方における厳正な対応を確保することを始めとして、個人情報が本人の意図に反して利用されることのないよう、調査票情報等の適正管理と秘密の保護に万全を期すること。
 四、公的統計の民間開放については、市場化テストの結果を踏まえ、公的統計に対する国民の信頼の確保、民間における統計作成能力の向上、行政の整理合理化等多角的な観点から、独立行政法人統計センターの組織、業務等の在り方を含め、総合的に検討すること。
 五、公的統計についての司令塔機能が複数の組織に分立していることから、総合調整に支障が生ずることのないよう、真の司令塔機能を確立するとともに、統計委員会の組織の充実を図り、その意見を十分尊重すること。
 六、統計の作成には専門性が不可欠であることにかんがみ、高度の専門人材の育成及び確保に向けて、統計に携わる職員の任用・研修等を計画的に行うとともに、統計教育の振興に努めること。
 七、地方公共団体による統計調査に係る総務大臣への届出規定の運用に際しては、地方分権の理念を尊重し、地方公共団体の自主性を損なうことのないようにすること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#139
○委員長(山内俊夫君) ただいま那谷屋君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#140
○委員長(山内俊夫君) 全会一致と認めます。よって、那谷屋君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、菅総務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。菅総務大臣。
#141
○国務大臣(菅義偉君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
#142
○委員長(山内俊夫君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#143
○委員長(山内俊夫君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時九分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト