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2007/05/22 第166回国会 参議院 参議院会議録情報 第166回国会 総務委員会 第17号
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2007/05/22 第166回国会 参議院

参議院会議録情報 第166回国会 総務委員会 第17号

#1
第166回国会 総務委員会 第17号
平成十九年五月二十二日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十七日
    辞任         補欠選任
     澤  雄二君     山本  保君
 五月十八日
    辞任         補欠選任
     山本  保君     澤  雄二君
 五月二十二日
    辞任         補欠選任
     河合 常則君     秋元  司君
     高橋 千秋君     江田 五月君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山内 俊夫君
    理 事
                景山俊太郎君
                二之湯 智君
                森元 恒雄君
                伊藤 基隆君
                那谷屋正義君
    委 員
                秋元  司君
                小野 清子君
                木村  仁君
                世耕 弘成君
                山本 順三君
                吉村剛太郎君
                江田 五月君
                芝  博一君
                高嶋 良充君
                内藤 正光君
                増子 輝彦君
                澤  雄二君
                遠山 清彦君
                吉川 春子君
                又市 征治君
                長谷川憲正君
   国務大臣
       総務大臣     菅  義偉君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        高山 達郎君
   政府参考人
       総務省自治財政
       局長       岡本  保君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○地方公営企業等金融機構法案(内閣提出、衆議
 院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(山内俊夫君) ただいまより総務委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 地方公営企業等金融機構法案の審査のため、本日の委員会に総務省自治財政局長岡本保君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(山内俊夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(山内俊夫君) 地方公営企業等金融機構法案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○森元恒雄君 それでは、地方公営企業等金融機構につきまして一点お聞きしたいと思います。
 今回新たに設立されますこの金融機構は地方が共同して設立すると。地方の自主性といいますか、主体性にできるだけゆだねるという形で再編されたわけでございますが、ただ、貸付対象事業は国が法律で限定をしております。地方の自主性に任せるのが基本であるとすれば国が限定するのは地方分権から見てもいかがなものかなと思うんですが、なぜそういう限定をしたのか、その辺の考え方をお聞きしたいと思います。
#6
○国務大臣(菅義偉君) 今回のこの政策金融改革の目的というのは、政策金融の役割を縮小して、そして地方債資金の自己調達を基本とするものであります。機構は、相対的に財政力の弱い市町村を中心として、自己調達に限界のある、長期でそして低利の安定的な資金を供給をする組織として設立するものでありまして、こうした趣旨を踏まえるときに、この機構の貸付対象事業については現公庫の範囲内で重点化を図ること、こういうことにさしていただきました。その上で、上水道、下水道、病院、交通など社会資本整備については、住民生活に密接に関係する事業であり、これらについては長期的かつ低利の資金が必要な基幹事業ということでありますので法定をしたというところであります。
#7
○森元恒雄君 今の金融公庫、公営企業金融公庫のように、政府保証があるとか、一部利子補給的な特例措置があるとかという、そういう要するに政府が積極的に支援という形でかかわっておるなら限定する必要もあるかと思いますが、新たな機構は特段そういう政府の、国の支援はないというふうに私は理解しておりますけれども、そうであれば、地方が相互扶助といいますか、お互いに協力し合って共同で処理することに国があえて枠をはめる理由はないんじゃないかなというふうに思います。
 是非、これ十年後に見直すということになっているわけですので、その時点では、やっぱり専らその範囲については地方団体の自主的な判断に任せるべきだと思いますが、改めて大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
#8
○国務大臣(菅義偉君) 政府が十年後に行う見直しにつきましては、地方の意見を踏まえてこれを行うというのは、これは当然であります。地方六団体の意見を十分に聴いた上で、地方団体の民間からの資金調達の状況だとか、あるいは業務の重点化を図ることの重要性というものを留意しながら、機構の自主的、一体的な経営を確立する観点から業務の在り方全般を検討して見直しを行う、このようになっております。
 総務省としては、機構が将来にわたって地方公共団体の資金調達を補完する役割を的確に果たしていくべきであると、こう考えておりますので、その見直しに際しては、こうした趣旨を踏まえて、貸付対象も含めた将来における機構の具体的な姿について検討されていくもの、そのように考えております。
#9
○森元恒雄君 今回、法律に基づいて地方が共同設置する形を取ったのは、現在の公庫との円滑な継続といいますか、そういうような関係が私は一つあったんじゃないかと思うんですね。もしそれがなくて、単に地方自治体が共同でこういう機関をつくるんであれば、法律の根拠、新たな別の形でのこういう根拠がなくても、やり方によっては可能ではないのかなと私は思っております。それで、是非今の御答弁のように、十年後に向かってはそういうふうな方向に進むようにスタート時点から対応していただければ有り難いなと思う次第であります。
 それから次に、公的病院について少しお聞きしたいと思いますが、今全国的に、厚生省のインターンの仕組みが変わったとか、それから医師派遣の名義貸しが厳格に運用されるようになったというようなことがありまして、医師確保に四苦八苦している病院が非常に増えている。特に公立病院は、それによって診療科目を閉鎖するとか病院そのものが危機存亡に瀕するとかいうようなケースも出ておるわけですけれども。
 従来、公立病院が担っている役割というのは、民間では果たし得なかった部分を、特に不採算とか高度医療とかいうようなことをやっておりますけれども、私は民間ができないからいきなり公立がやるというのは少し飛躍があるんじゃないか、その間にもうワンクッション、民間病院に対して完全に独立採算できないなら支援するというようなスキームがあっていいんじゃないか、どうして交付税にそういうスキームがないんだろうかとかねがね疑問に思っておったんですけれども、大臣のその辺のお考え、なぜなのかという理由についてお聞きしたいと思います。
#10
○国務大臣(菅義偉君) 自治体病院というのは、地域の公的な基幹病院として、救急医療だとかあるいは高度医療あるいは離島やへき地医療など、採算性確保の上で難しい医療を担っております。
 病院事業の性質上、能率的な経営を行ってもなお採算を取ることが客観的に困難な経費については、地方公営企業法の規定によって各地方公共団体の一般会計がこれ負担する、こういうことになっておりますので、地方交付税措置の対象としております。一方、民間病院に対しても、例えば救急医療だとか高度医療に対する経費については、国の補助制度等により政策目的に応じた財政支援措置というものも、一部ではあるけれども、これは構築をされているというふうに思っております。
 今、森元委員から御指摘の点については、所管省庁とも十分これ協議してまいりたいというふうに思っています。
 いずれにしろ、この自治体病院に対する財政措置の在り方というのは、今後とも民間的経営手法、そうしたものを取り入れながら必要な見直しというのを行っていく必要があるだろうというふうに思っております。
#11
○森元恒雄君 公立病院に対する一般会計の繰り出しに対しては交付税で手当てできるけれども、民間病院の不採算部門に対する財政支援については交付税措置できないと、そういうことなんでしょうか。それは交付税の本質的なところからくる理由なんでしょうか。
#12
○政府参考人(岡本保君) 今大臣から答弁さしていただきましたように、病院事業の公的自治体病院として今やっております交付税措置の考え方は、本来の病院の経営上客観的に困難な経費に着目をして、その分を交付税措置の対象としているということでございます。ただ、民間病院に対しましても、今お話し申し上げましたように、救急でございますとか、言わば政策的な意味で医療の措置という、公費をつぎ込むということがあるわけでございますので、それを具体的に、交付税措置として具体的に積み上げるかどうかということは個々の別の政策判断であろうと思います。
 なお、例えば救急医療で救急救命センター等で国庫補助を行っております場合に、それの地方負担というのがあるわけでございますが、これにつきましては、委員御案内のように、地方財政計画の全体のマクロの措置としては地方の負担として算入はしているということでございますので、それを個別の基準財政需要額に積み上げるかということが今後議論になるということだと思います。
#13
○森元恒雄君 民間にできることはできるだけ民間にというのが政府の大きな方針だと思います。そのときに、今のような財政措置に扱いに差があるということが民間促進にブレーキを掛けることにもなっているんじゃないかと。したがいまして、公立であれば支援するけれども、民間だったらしないよというようなことではなくて、全体的にどうすればいいのかというもう少し幅広い観点で是非御検討いただきたいと思います。
 終わります。
#14
○芝博一君 民主党の芝博一でございます。
 私の思いとは別に今日は十分に時間をいただきましたので、時間内、菅大臣と、今日は参考人は出席を求めておりません。大臣一人にでございますけれども、ゆっくりと議論をさせていただきたい、そんな思いでございますので、どうぞよろしくお願いをしたい。冒頭にお願いしておきます。
 ところで、昨今特に、菅大臣が御発言、提案といいましょうか、提言をいただきましたふるさと納税制度について大変脚光を浴びていること、これはもう私も認識をしているところであります。確かにふるさとという言葉、そして大臣の言われる地方の活性化、この二つで、ある意味では、私も当然ながら地方にあって今の現状を十分熟知しているわけでありますから賛成をさせていただきたい、そんな思いでありますけれども、事は単純にいかないだろう、こんな大きな問題も含んでいることも事実であります。
 法案に入ります前に少しこのふるさと納税制度について大臣のお考えをお聞きをさせていただきたいと、こう思いますが、大臣はさきの本会議で、私どもの同僚議員のふるさと納税に対する質問についてこう答弁されております。地域に対する真摯な思いを生かし、地方の活性化にも資する仕組みを税制として構築しようとするものである。年末の税制改正に向けて間に合うように基本的な考えを取りまとめていきたいという強い決意を表明されております。ここのところは十分理解できるわけでありますけれども、大臣、このふるさと納税によって地方の活性化に資する、そんな財源が今の現状の中からどの程度の規模になるのか、そして改めてふるさと納税制度に懸ける大臣の決意をお聞かせください。
#15
○国務大臣(菅義偉君) どれぐらいの規模という、芝委員の御質問でありますけれども、このふるさと納税、その導入による規模というのは、制度の仕組みによってこれは違ってくるというふうに思っていますので、制度の在り方については来月初めに研究会を開催をして検討していただくということになっておりますので、現時点においてはその数量的な見通しについては答えることは困難でありますけれども、いずれにしろ私は、納税者から見て分かりやすく、そして利用しやすい、そうした検討が必要だろうというふうに思っております。
 私がなぜこれを発言をし続けているかということでありますけれども、実は私が副大臣、今、総務大臣になって、この行政を預かる中で、多くの地方公共団体の、例えば県知事だとか市長だとか、あるいは町長さん、そうした皆さんから、とにかく高校卒業までは地方が負担をすると、子供たちの将来に託して多額の行政コストを掛けていると。そして、いざコストを回収できる段階というんですか、納税しようという段階になると都会に出ていってしまう。何らかの形で地方にそうしたコストというものを還元できる仕組みはないのかなということを実は多くの皆さんから私陳情をされておりました。そしてまた、都会で生活をしている地方から出てきている人も、自分を育ててくれたふるさとだとか、あるいは両親が今生活しているそうした地域に対して何らかの形で還元をしたい。そういう実は多くの人もいるということも事実であります。
 そういう中で、こうしたふるさとに対しての真摯な思いというものを生かして、地方の活性化につながるものを何らかの形でできないのかなということで、私は発言をし続けているところであります。
 そしてまた、これに対しても様々な議論があります。課題も実はあるわけであります。しかし、そうした問題があるからといって今のままでいいと私は思っておりませんので、それで実は研究会を立ち上げて、暮れの本格的な税制の議論の中でしっかりとした理論的なものを踏まえて行っていきたいということであります。
 それと、私、今、一つ痛切に感じておりますのは、このことが話題になってからいろんな人から私に対して、これに対して実現の激励だとかメールをもらうわけでありますけれども、そういう中で、例えば、ふるさとでなくても自分が週末いつも行っている地域、週末を過ごしている地域、例えば、週末になると湘南、海の近くに行くだとか、あるいは自分が最初に赴任地で思い出に残る地域に納税できるようにできないかだとか、夏休みにいつも一か月行っている沖縄にしたいとか、いろんな人からいろんな実は意見を私自身に寄せられていることも事実でありますので、そうしたことも含めて、そうした思いを何らかの形でしっかりと研究会で検討していただいて実現していきたい、そういう思いであります。
#16
○芝博一君 国民はそれぞれにふるさとを持っている、そして、そのふるさとが大都市以外の地方では大変疲弊をしている、このことも踏まえて、今大臣が言われたふるさと納税制度というのは概略的に大きく、ある意味では賛成とか、是非、こんな声を聞くことも、私も現実には存じております。
 しかし、この中には、この問題には大きな問題が今からあることを御指摘もさせていただきたいし、そこの部分のお考えもお聞かせをいただきたいと、こう思うわけでありますけれども。
 今、このふるさと納税制度を導入することによってどのぐらいの規模になるか。この質問に対して、制度がまだ決まっていないからはっきり言えないと、こういうことでありますけれども、大臣、実はほかのところで、記者会見等々でその規模等々について言及されているじゃありませんか。例えば、納税の対象部分については、個人住民税、七年度現在で税収見通し十二兆三千億円、ここの部分の一割。そうすると、その部分で最大では、全部ふるさと納税に充てられるとしたら一兆二千億円の規模なんですよ。これが大きな制度の根幹だろうと、こう思うんですが、そこの部分でよろしいんでしょう。
#17
○国務大臣(菅義偉君) 私は、やはり地方間の移動というものを考えていきたいというふうに思っています。
 ただ、これはいろんな意見がありますので、そうした制度等も含めてそうしたもの、また、自民党内にも、ふるさと納税という形の中の大きな考え方の中では一緒ですけれども手法については違う考え方もありますので、そうしたことも含めてこれはやはり検討していくべきだろうと思っています。
#18
○芝博一君 今大臣の中で、ふるさとの部分についてこんな例も挙げられました。地方に行くと、多くの教育コストを掛けて高校まで一生懸命教育をする、しかし地方を出てしまうと。この問題は以前から指摘をされておりました。
 ところが、現実に考えると、その皆さん方が仮に、ふるさとに御恩になったからお金を納税しよう、税収をそちらへ納めてもらおうと、こういう思いを持っても、基本的には、その子供たちの教育コストを負担しておったのはそこに住んでいた親なんです、本人じゃないんです。ここにも一つの指摘があることも付け加えておきます。
 それでお聞きをしたいんですけれども、大臣の考えているふるさとの定義、この定義を端的に教えてください。
#19
○国務大臣(菅義偉君) これについてもいろいろな考え方が私はあるというふうに思っています。
 小さいころ育ててもらったところ、当然ふるさとだというふうに思いますし、先ほども申し上げましたけれども、自分がそれなりの年齢になってもいつも週末に行っている場所、非常に懐かしい場所だとかあるいは赴任地で最初に行ったところだとか、いろんな、ふるさとに対しての人それぞれによって考え方というのはあるのではないかなというふうに思っております。
#20
○芝博一君 確かに大臣のおっしゃるとおりだろうと、こう思います。
 どこに重点を置く、価値観を置くかによってふるさとの定義も決まってくるんだと思いますが、現実に幅広い解釈ができるわけなんですよ。それだけこのふるさとを特定するというのには大変な労力が掛かる、コストが掛かる、このことも事実なんです。
 例えば、自分が住んだことのあるふるさと、これは一番分かりやすいんですけれども、中には、納税している人が、私の妻の故郷に、ふるさとに納税したいんだ、また、今両親が住んでいるA県に納税したいんだ、こんなこともどうするんだという、大きな大きな解釈論が出てくるんです、ここには。単純にふるさとと言うと、すぐすっと言葉としては入ってきますけれども、現実にその内包している問題というのは大変大きな問題がある。
 そして、受け入れる市町村においても、ある意味では納税者の気まぐれと言うと失礼でありますけれども、今年は自分のふるさとに、来年は家内の、妻のふるさとに、その次は両親のふるさとにと、こういうことの思いで納税先が変わってくると受入先の行政はたまったものじゃないんですよ。予算の見通しの計画が付かない。当てにしたけど今年はあれは駄目でしたと、納税者の意向を尊重するとね。
 だから、こんな大きな問題も含んでいることをまずふるさと納税制度については御指摘をさせていただきたいと、こう思うんです。
 そこで、この根底には都市と地方の格差、これは所得の格差だったり、医療であったり、福祉であったりと格差、この部分が指摘をされております。当然ながら、この格差があるからこそ地方に税源を回していこう、そんな思いが根底にあるんだろうと、こう思っておりますけれども。
 まず、大臣は、今、都市と地方の格差をお認めになるか、そして、改めて都市と地方の、特に地方の、地域間の税収の格差が存在するか、そこの部分について端的にはっきりお答えください。
#21
○国務大臣(菅義偉君) 今、その前にふるさとの問題で、奥さんの実家だとかいろんな話、芝委員から御指摘をされました。私も、そうした様々な問題、そしてどんどんとこのふるさと納税というものが国民の中で議論になっていることを承知をしておりますし、私は、こうしたことがある意味では国全体をふるさと意識にするための、皆さんする中で、非常に私はいいことだというふうに思っております。
 いずれにしろ、今委員御指摘のように、様々な難しい課題もあることも事実であります。しかし、そうした課題があるからといって今のままでいいとは多分委員も思っていらっしゃらないというふうに思っていますので、私ども、研究会、十人ほどのメンバーで、そして様々な意見を聴きながら、あるいは税の専門家の先生方も交える中でしっかりとした方向性というものを打ち出していきたいと思いますので、その際はまた御理解をいただきたいというふうに思います。
 また、今御指摘のありました自治体間における都市と地方の格差、私はこのことは明らかに存在をしている、このように思っています。
#22
○芝博一君 現実に、この格差というのはいろいろな形でデータとして今上がってきております。例えば、国民一人当たりの地方税収の格差、これは、もういいところは、当然この一位は東京都であります。税収の一位は東京都、一番低いところは沖縄県。何と実に三・二倍の地方の税収の格差が広がっている。これが根底だろうと、こう思っているんです。
 ここのために、今その解決策の一つとしてふるさと納税制度もその一環の考えだろうと、こう思っておりますけれども、現実的にこの地方の格差、税収の格差が生まれた。これは税収のみならずいろんな部分でありますけれども、私は、やっぱりこんな地方に今言うようにもろもろの格差が生まれたのは、その根底の一つに三位一体の改革、これが根底にあると、こう考えているんです。
 現実に、先日来から全国の市長会が全国調査をいたしました。その中で、三位一体の改革によって確かに地方分権は進んだけれども、実際に行政を動かしていく税源、税収、これが大変削減をされた。地方交付税の削減等々で全国で三百二十六の市町村が、福祉や住民サービスが縮小したり廃止したりしてしまっている。住民のサービスの低下になっている、約六〇%。こんなことが調査として明らかになっているわけであります。
 片一方で、地方分権、行政改革と言って三位一体の改革をしながら、地方をある意味では疲弊させて困らせている。住民サービスを低下させて、反面、今大臣は、政府は、ある意味では、今度また改めて困っている地方を助けるためにふるさと納税制度を創設しようと。議論のやり方が矛盾しているんじゃないですか。その辺の部分についてのお考えをお聞かせください。
#23
○国務大臣(菅義偉君) まず、これは是非芝委員にも御理解をいただきたいんですけれども、私ども、都市と地方のこの格差、これについて、やはり基本は、私は今、経済財政諮問会議等でこれを訴え続けていますけれども、やはり東京問題だというふうに思っています。東京は、この四年間で税収増が一・四兆円であります、増えた分が。それ、東北六県全部足しても地方税の収入というのは一・一兆円しかありませんし、あるいは財政力の弱い県八つ足して千四百億円、四年間で、東京の十分の一しか実は伸びておりません。
 どういうことが起きているかといえば、例えば東京では医療費無料を中学校三年生まで行っています。しかし、地方は小学校に入るまでですから、これはやっぱり私はこうしたことで余りにも差があり過ぎるだろうというふうに思いますし、児童手当も、地方は小学校六年生までですけれども、東京のあるところによっては十八歳まで所得制限なしでもう行われていると、こういうことも実は現実問題としてあるわけであります。
 私は、地方全体を所管をする総務大臣として、やはりこうした格差、今、芝委員から沖縄と東京の地方税全体の差についてありましたけれども、三・二倍ですか、しかし、法人二税というのは六・五倍も実は差がありますので、そうしたことも含めましてこの偏在度を少なくする、このことについては、私はまず全力を挙げてこれは取り組んでいきたいというふうに思います。これは、ふるさと納税とはまた別の次元の中でこの問題についてきちっとやっぱり真っ正面から私は取り組んでいきたい。現在、財務大臣にも相談をしまして、財務省と私ども総務省の間で審議官クラスのこの偏在度縮小に向けて今勉強会をさせていただいております。
 そういう中で、今三位一体についての話がありました。三位一体というのは、地方の自主性を高めて、そして補助金を廃止、縮小を行いましたけれども、同時にこの必要な財源三兆円というものを税源移譲という形で行いました。その際に、個人住民税の比例税率化だとかあるいは法人事業税の分割基準の見直し、交付税による調整など、格差拡大への対応についてはそれなりに意を用いてきたということであります。
 しかし、今現実的に申し上げましたけれども、景気回復に伴いまして法人二税を中心に東京にそうした税が集中をする中で、こうした問題、格差といいますか、税の差というものが歴然としてきている、こういうことも事実だというふうに思います。
#24
○芝博一君 大臣が言われるように、都市との格差、特に東京との格差、これだろうと、こう私も認識はしております。だったら、なおさら今大臣が挙げたように、私は地方分権を推進する観点からも含めて、大臣も答弁されているんですよ。地方税の充実を図ることが大事なんだ、これは税源の移譲を含む税源配分の見直し、すなわち国と地方の税収比率の一対一の実現を目指していきたい、これが根底なんですよ。
 今、大臣が近年力を入れているふるさと納税制度、先ほど言いましたように、その制度の大きな、細かいことは別としても、約、動くお金は最大限で一兆三千億円と仮定したら、現実に今地方は七年度で歳入見込みは八十三兆円なんです。その中の一兆三千億円というと、それに比べたら、比したら大した額ではない。むしろ私は、税制根本のいわゆる国と地方の税収の財源総額確保の問題の方が、比率確保の方が問題だろう、大事だろうと、こう思っているんです。そこを抜きにしてふるさと納税制度だけを脚光を浴びさせる。まさしく大臣の姿勢、政府の姿勢としては、私は誤解があると思うんですよ。
 本来、地方にとって言わなければならないことは、税源配分の見直し、国と地方の比率の見直し、ここがまずあって、そしてその中の一つにというならまだ分かるんですけれども、これは取って付けたような形でしか言われていないんです。そこのところをまず御指摘をさせていただきたいと思いますし……
#25
○国務大臣(菅義偉君) ちょっとよろしいですか。
#26
○芝博一君 返答したい。はい。
#27
○国務大臣(菅義偉君) その点については、芝委員に私、誤解があるのではないかなというふうに思います。私は、大臣に就任をして以来常に言い続けてきましたのは、国と地方の税制比率、これを当面一対一、このことを私は財政諮問会議等で何回となくこれは申し上げてきております。
 そして、もっと言うならば、今、地方分権改革推進委員会で議論をしていただいていますけれども、国と地方の役割というのを明確に私は分担をして、国から権限、財源、税源も含めてやはり移譲する、そういう仕組みを是非つくっていきたい。もっと言うならば、現在、仕事量というのは地方が六で国が四です。しかし、税は全く逆でありますので、取りあえずの目標として私は一対一、このことについてはまず基本で全力を挙げて取り組んでいる、これが私自身の正に最大の使命だというふうに思っております。
 そして、ふるさと納税というのは、先ほど来申し上げていますけれども、そうした多くの皆さんがそうした気持ちを持っていると。これは日本全体をふるさとにしたいという、そういう多くの国民の皆さんに何らかの形で私はこたえていきたい、そういう中からこの問題を私は提言をさせていただいています。
 しかし、余りにもこのふるさと納税だけが今新聞、マスコミに取り上げられているような状況でありまして、私自身は一対一問題というのは、これはしっかりとありとあらゆる機会を通じてそれは主張をしておりますので、この点は全く芝委員と同じだと思います。
#28
○芝博一君 私よく分かっているんです。意向は分かっているんですが、基本は大臣、その部分の発言の部分、しかし、マスコミが取り上げる。取り上げさせているんじゃないですか、この時期に発言をして。後ほどそこのところは議論させていただきます。
 ところで、このふるさと納税制度には税制の根幹を揺るがす大きな問題がある。それは御存じのように、受益者負担の原則を外れている。ここの問題はもっともっと議論されるべきなんです。これは消費税を含めて税制全体の抜本改革の中で見直すべきもの、こう思っておりますけれども、今私が言うのは、そこの議論なしに、私は諮問会議で言っていますよ、じゃないんです。今この時期にあえてそこのところをふたをして言うから、みんなも取り上げる。そこには肌触り、耳触りのいいふるさと、地方活性と、こういうことが入っているから取り上げるんですよ。だから、大臣の手法は前後していませんかということを指摘したいんです。
 そこで、このふるさと納税制度には受益者負担の大原則から外れるという、この御認識と考えについて端的にお聞かせください。
#29
○国務大臣(菅義偉君) これについてもいろんな意見があるということも私は十分に承知をしております。ただ、こういう意見があるということも是非御理解をいただきたいと思います。
 私は、先ほど申し上げましたけれども、十八歳まで、高校までは多分二千万円ぐらいの教育だとかあるいは福祉にお金が掛かろうというふうに思っています。そして、納税をする段階に来ると大都市に集中をする。ある意味で私は、受益と負担ということを考えたときに、生涯を通じてのバランスということも私は一つ議論にのってもいいのかなというふうに私自身は思っております。
 そうしたことも含めて、この研究会でしっかりと検討をしていただければというふうに思うところであります。
#30
○芝博一君 いろんな意見がある、それはそうです。いろんな意見あるんですよ。
 この間の本会議の質問でも尾身財務大臣がこう答えています、ふるさと納税について。租税制度の根幹にかかわる問題だ、慎重な検討が必要、本会議場ですからやんわりと言っていますけれども、反対だと言っているんですよ。そこの議論をほったらかしにして、ふるさとだ、地方活性化だというふるさと納税の部分を言う。私反対じゃないんですよ。手法と順番と時期が間違っている、こんなことを指摘をしたいんです。
 大臣はもっともっと、これからの部分を含めて、地方と国の税収比率を一対一だ、そのことを記者会見ごとに言うべきなんですよ、本当は。それが本当の地方のそれこそ活性化と地方の分権になっていく、こう思っているところなんです。
 そこで、改めて聞きましょう。
 今指摘しているように、税制の受益者負担の原則を外して、また消費税等と税制の抜本改革の議論は秋以降だと大臣も総理も言っている中で、あえてそのことに触れずにして、これだけを、ふるさと納税だけを突出して今なぜ大臣はこれを訴えなければならない、やらなければならないとお考えになったのか、お聞かせください。
#31
○国務大臣(菅義偉君) 何か委員はもう、何かがあって私が言っているような、そういう思惑で質問されているのかなというふうに実は思っています。
 実は、ある新聞がこうも書いていました。総理は秋に本格的に消費税論議をしようと、そういう考え方でなくて、最初に、前からこの消費税論議まで踏み込んだのが私だという、逆にそういう報道の新聞も実はあったことも是非御理解をいただきたいというふうに思います。
 私自身は、その一対一ということは、これはふるさと納税の何倍も実は大事な会合でこれは言っています。これは諮問会議でも何回となく言っていますし、ただ、マスコミがそういう形で取り上げているということでありますので、このことについては私自身が、そういう形でなくて、しっかりと基本に基づいて具体論、私どもは真っ正面から、この一対一というのは委員と全く同じでありますので、とにかく一対一を目指してやっていくと。その中で、東京の法人二税の問題、ここについては、私どもと財務省の間では方向性というのはこれ、是正については一致をしていますけれども、ただ私はまだ更に、その上に私どもは偏在度の少ない地方消費税を充てるべきだということを、私はこのことについても実は発言をしております。ですから、そのことも是非御理解をいただきたいというふうに思います。
 ですから、私自身が、何もその今このときということでなくて、こういう議論もしているということも是非理解をいただきたいと思います。
#32
○芝博一君 議論も諮問会議での発言もよく存じております。
 しかし、消費税をどうするか、税制の抜本改革どうするか、そしてその中の一つのふるさと納税制度、国民の思いを生かしたいという部分も併せて議論する、それが本来の姿なんです。そこのところは、肝心のところは、総理や政府は選挙後の秋以降、こう明言をしながら、この部分だけは耳触りがいいものですから入ってくる。是非、これからは消費税も税制改革も総務大臣の考えを言った、述べた上でこのふるさと納税制度も今後発言をしていく、その姿勢なら私は大いに買っていきたい。ここのところはしっかりと私は要望と御忠告をさせていただきたい、こう思います。
 時間の関係もありますから、本題に入らせていただきたいと、こう思います。
 機構法案についてでありますけれども、機構の法案の概略については省略をさせていただきます。具体的な質問をお手元に届けておりますから、順次お聞かせをいただきたいと、こう思うわけでありますけれども。
 今回の法案の大きな変わりは、貸手も借り手も地方なんです。今までは違いました、公庫のときは。ここからくる大きな問題が幾つか懸念されますから、その御指摘をさせていただきたいと、こう思います。
 その中で、この法案では、第三者の外部のチェックを強化しますよ、代表者会議も半数は学識経験者、そして学識経験者から成る経営審議委員会を別に設置する、また外部監査を導入する、こういうことが法案でうたわれております。このことを指摘されて、モラルハザードはこれで万全か、この本会議での問いに、大臣は、万全ですとたしかこう答えていますね。対応は十分できる、万全だ。
 私は万全ではないと思っているんですが、その認識は今も変わりませんか。
#33
○国務大臣(菅義偉君) 変わらないかと言われれば、変わっておりません。
 それは、私自身も本法案を検討する過程の中で、機構について今、芝委員から御指摘がありましたように、貸手と借り手、これが全く一緒でありますので、十分な外部のチェックというのはこれ必要だろうと、こう実は考えました。
 そうした認識の中で、この最高意思決定機関であります代表者会議に地方の代表者の皆さんと同数の学識経験者というものを加えるとともに、外部性を有する第三者機関として、学識経験者から成る経営審議委員会、そういうことも実は設置をさせていただきました。また、公認会計士、さらにはこの監査法人による外部監査制度、こういうものを導入をいたしておりますので、私は万全だと言わせていただきたいと思います。
#34
○芝博一君 大臣は万全、私は万全でない。今すぐ、これから以降、そこのところを逐次詰めさせていただきたい。それだけやっぱり問題があるということなんです。
 確かに、外部のこの三つの制度を取り入れてモラルハザードの対応をしておりますけれども、大事なことは、今回生まれる機構が自主性、自律性、これを高めること、そして透明性、公平性を高めることなんです。その下でこの三つが置かれているわけでありますけれども、これだけでは足りない。
 例えば、住民や市民、そして市場からも適切なチェックが入る体制になっているのか。それはすなわち情報公開であります。特に、代表者会議においては、定款の変更であったり予算や事業の計画であったり、又は理事長に対する報告徴収権であったり、違法行為の是正命令権を有して強大、強力な権限を持つこの代表者会議、これが国民や資金を調達する市場から重大な関心事としてその内容を見たい、知りたい、これが思いなんです。ところが、今の法案の中では、この代表者会議の決定がどんな考えで、どんな流れで、どんな思いで形成されたかを知るすべもない、これが法案の中身であります。
 私は、そういうところからこの代表者会議の議事録を是非とも公開すべきと考えておりますが、イエスかノーでお答えください。
#35
○国務大臣(菅義偉君) 機構の最高意思決定機関であります代表者会議の運営に当たっては、特段の義務付けというものは行わなくても、市場の厳しい評価、これ市場が評価しますから、それに堪えられるように、内部規定に基づいて市場の信認が得られるような適切な情報公開制度というものが構築をされていくものと、このように私自身は考えています。そして、総務省としても、今委員の指摘もありました、そうした趣旨に基づいて適切な助言というものを行っていきたい。
#36
○芝博一君 適切に情報公開制度が構築をされていくだろう、こういうことであります。構築されればいいんです。されないときは大臣として適切な助言を、強力な助言をされるおつもりがございますか。
#37
○国務大臣(菅義偉君) そのように思っています。
#38
○芝博一君 是非そうあっていただきたいと、こう思います。
 ところが、代表者会議の議事録の公開のみならず、機構全体でも情報公開が大変不十分であります。機構は、御存じのように、地方公共団体が設立する地方の共同法人、当然ながら公共性が強く、そしてその資金、出資金の元は国民の税金であることは論をまたないと、こう思っております。当然ながら国民への説明責任はある、こう思いますけれども、ところが、国や地方公共団体並みの情報公開制度が整備されていないのが本法案であります。
 実は今回、公庫のときは独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律の中の対象とされました。情報公開が義務付けられていたんです。ところが、今回の新たな機構の法案は、その対象から外して規定を設けなかったんです。今の時代の流れは情報公開なんですよ。大臣も、情報公開は必要だと、構築されるだろうと言っていますけれども、必要なそんな公開の、今までやってきた情報公開の制度をどうしてこの法案から外したんでしょうか。現状から後退した理由、お答えください。
#39
○国務大臣(菅義偉君) 委員御指摘のとおり、確かにこれは法律の対象から外れています。それは、独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律、その対象機関とされているのが現公庫ですけれども、現在新しい機構というのは国の特殊法人ではこれなくなりますので、そういうふうなことでこの法律からの対象にはされていないということであります。
 しかし、そうした中であっても、機構の情報公開については、機構の予算あるいは財務諸表あるいは監査結果等について、公表だとかあるいはインターネットを活用した情報公開等について法案にこれ規定をさせていただいております。それと同時に、先ほど申し上げましたけれども、機構の運営については、内部規定に基づいて市場の信頼が得られるようにと、そういうふうに思っていますので、確かにその法律からの対象外ということで、国の特殊法人でなくて対象外になっていますので、情報公開について、私は、後退しないようにこういう形でしっかりと国民の皆さんに理解をいただかなきゃならないと思っています。
#40
○芝博一君 情報公開制度が構築されていくだろう、当然ながらそうなっていくだろうという予測の下でありますけれども、それが一番大事なことなんです。それをあえて、私から言わせれば、今まであったものを一歩も二歩も後退させて法案に盛り込まなかった、ここの部分が大変残念でなりません。よって、今となっては、それを補完するのは総務大臣の情報公開に対する代表者会議、そして機構の情報公開に対するよき指導、強い指導なんです。そこの部分をしっかりと総務大臣の責任において今後果たしていただきますことを強く要望しておきます。
 改めて、もう一点は、会計監査人を選任すること、これは代表者会議がと、こうなっております。この対象は、会計監査人は公認会計士又は監査法人でなければならない、こう思います。これも規定をされているところであります。
 ところが、この選び方と年度であります。今、地方自治法ではこんな規定がありまして、包括外部監査契約を締結する場合においては、連続して四回、同一の者と契約してはならないという地方自治法がございます。ところが、本法案にはその規定が一切触れられていない。すなわち、代表者会議が会計監査人を選任するんですが、五年でも十年でも、極端なこと言えば連続して会計監査人を選任できる制度になっているんです。当然ながら、ほかの機構等々でも、また一般の民間の法人等々でも指摘がありました。会計監査法人の、また法人のなれ合い、ここの部分が今大きくクローズアップをされているところでありますけれども、なぜ期限を切らなかったのか、回数を切らなかったのか、ここの部分が不思議でなりません。法案に盛り込むべきだったんだろうと、こう思っておりますが、ここの部分についても、大臣として、連続して数年会計監査人を選任しては駄目だという禁止の旨を設けなかった理由と、設けてないわけでありますからしかるべき強い指導が必要だと思っておりますが、その決意も併せてお聞かせください。
#41
○国務大臣(菅義偉君) この外部監査制度につきましては、外部性を確保するための仕組みの一環として導入をしたところでありますけれども、その会計監査人の選任については代表者会議が行うことと、このように規定をされています。
 この監査人の選任に当たっては、モラルハザードに対する指摘があったことを十分認識をして、市場の厳しい評価に耐えられるよう適切な会計監査人の選任がなされること、それによって外部チェックが十分機能し、規律ある運営が行えるものというふうに思っております。
 確かに今委員から御指摘のとおり、地方自治法第二百五十二条の三十六には連続して四回ということが規定をされております。また一方、地方共同法人だとか、日本下水事業団だとか、あるいは株式会社法、あるいは政策金融関連法人、商工中金だとかそういうもの、そういうものについては実はこれ規定をされてないんです。そういう中で、ただ、私はこの選任ルートに関して機構から相談があった場合には、適切にこれ対応していきたい、こう思います。
#42
○芝博一君 組織の今いろんな問題が上がっているのは、なれ合いが一番の根底にあるということを常々頭に入れておいていただきたいと、こう思っております。
 もう一つ、ガバナンスを確立するための必要性として、事務局体制の制度設計はどうなっているかについてお聞かせをいただきたいと、こう思います。
 時間があれば後でお聞きもしたいんですが、今の公庫は、その七割、八割が国からの出向者によって事務局は構築をされております。この事務局は、当然ながら、事務局を監督するのは経営審議委員会がすべてにわたって経営判断をするわけでありますけれども、このときに事務局がどういう形で経営審議委員会に資料を上げる、情報を上げる、議題を上げるか、これが大変大きなポイントになってくるわけであります。一般的に多くの審議会がこの世の中には国も地方も含めて存在いたします。そのほとんどが私の経験からいっても事務局案を追認をするという、こんな審議会がほとんどなんです。
 すなわち、その根底には、なぜか。審議会の委員の皆さん方は常勤でない、ほとんどが。そして、常勤でないがゆえに現場がよく分からない、だから事務局を信頼してそこから上がってくる案件、内容を追認をする、よって形骸化をしているというのが今の現状なんです。
 だから、公金を扱うわけでありますから形骸化させてはならない。しかし、国からの出向者も多い現状、こういうことも踏まえながら、適切な事務局体制の整備、運用にどんな制度設計が盛り込まれているのか、お答えください。
#43
○国務大臣(菅義偉君) 委員御指摘のとおり、現状の審議会というのは、そうした審議会が私も多数あるということもこれはそのまま素直に認めさせていただきたいというふうに思います。
 ただ、この機構の人員の在り方については、今後設立者であります地方六団体において当然検討されるというふうに考えております。市場の信認を得られるように外部チェック機能を担う経営審議委員会の円滑な運営というものはこれは担保されなきゃならないというふうに思っていますので、当然、効率的な事務局体制というものを私は構築されていくだろうというふうに考えています。
#44
○芝博一君 そこのところも是非総務大臣の責任下においてしっかりとチェックをしていただきたい、こう思っております。
 以上述べましたように、大臣は大きな三つの、代表者会議の選任の方法とか監査法人、それから経営者会議の部分も含めて十分ガバナンスは、体制は万全ですよと答えていますけれども、万全でないんですよ。いいですか。私が今指摘しただけでも多くの問題点を含んでいることも事実だと思っています。よって、そこの思いを持ちながら、万全でないという思いを持ちながら、どう大臣として機構の自主性を高めながら、尊重しながら適切な助言とアドバイスをしていくかが今後の大きなポイントだろうと思っておりますから、大臣に期待をしております。
 改めて次の議題に移りたいと思いますけれども、機構の業務内容についてお聞かせをいただきたい、こう思います。
 法案の中では、基幹事業として五つの事業が設定をされております。すなわち、水道、交通、病院、下水道、公営事業には資金の貸付けを行います。これが大きな柱です。こうなっているんです。公庫のときにはこれが十八ありました。この五つ以外については、この法案の中では、それ以外の事業については今後政令で定めると、こうなっているんです。ここには機構の思いは、機構の権限は及びません、それ以外の事業については。この五つに限定をした理由、何なんでしょう。
 例えば、具体的に言うと、水道事業といっても上水道や簡易水道、工業用水道があります。交通事業といっても一般交通とか都市高速鉄道等々があるわけであります。これらは含まれているのか、そのことも含めながら、五つに限定した大きな理由をお聞かせください。
#45
○国務大臣(菅義偉君) 今回のこの政策金融改革の目的というのは、政策金融の役割を縮小し、そして地方債資金の自己調達というものを基本とする中でも、機構は相対的に財政力の弱い市町村の自己調達に限界のある長期だとか低利、その安定的な資金供給というものを組織として設立をするものでありまして、そうした趣旨の中で、貸付事業の対象については、地方債資金の自己調達で限界のある長期資金を必要とする事業であって、上下水道、交通、病院など住民生活に密着をした社会資本整備事業に対する貸付けにこれ限定をさせていただきました。中でも、法律で規定する事業については、自己調達に限界がある長期の資金を必要とする事業にあっても貸付規模が大きく住民生活に直結をしている、そういうものにも枠をはめさせていただきました。
 また、法案上は、上下水道、水道事業には、上水道、簡易水道が含まれておりまして、交通事業には一般交通事業、都市高速鉄道が含まれていると、このように考えています。
#46
○芝博一君 今の大臣の答弁で私よく理解できない。何が理解できないかというと、公庫では今までは十八事業があった、それが五つに絞られた理由としては、住民生活に密着したものをポイント的に絞ったということです。
 そうすると、それ以外の事業、例えば介護サービス事業であったり電気事業であったり産業廃棄物処理事業、住民生活に密着してないんですか。そこを私は非常に不思議なんです。五つだけは今回決めておきますよ、あとは政令で決めますよ。省庁の権限を残すためにこんな法案になっているんじゃないですか。私はそこが非常に懐疑なんです。片一方では機構の自主性、自律性を高めるんだと言いながら、省庁の権限を残している。ここのところがこの法案の私は大いなる欠点だろう、こう思ってお聞きをしているんです。
 そこで、政令で定める事業の範囲、これについては先日も本会議の中で大臣は、政令でどのような事業を定めるかについては、今後、地方公共団体の意見や各事業の資金需要を踏まえて検討してまいりたい、これは当然であります。基本姿勢だろうと思っています。しかし、大事なことは、その中で、政令で定めていく中においていつそれが決まるのか、ここが問題であります。なぜかというと、お金を借りようとする地方公共団体は事業計画を立てなければならない、資金調達を考えなければならないわけであります。しかし、政令で定める事業が決まらなければ、借りられるものか借りられないものか、対象外か内か、それも分からない。だから、機構発足時には政令でそれ以外の事業の確定がされているんですね。お答えください。
#47
○国務大臣(菅義偉君) いずれにしろ、今委員から御指摘ありましたけれども、地方公共団体というのはそういう心配をしていることは当然だというふうに私も十分わきまえております。
 その中で、政令で定める事業については、今後地方公共団体の意見や必要とする資金需要というものを十分配慮する、そういう中で地方公共団体の資金調達に影響のないように私どもは早急に検討していきたい、こう思います。
#48
○芝博一君 大臣、政令で定めることについて、そこのところは特に現場の思い、地方の思いということをお酌み取りいただきたいと思いますし、もう一つ大事なことは、大臣は地方公共団体の意見や声を十分に酌み取っていきたいと今も言われました。
 ところが、酌み取るのは酌み取るけれども、法案の中ではそれは裏付けされていないんです。例えば、事業範囲を段階的に縮減していくと、こうあるんです。法案の中で、機構の業務の重点化を図る観点から、貸付対象となる事業の段階的な縮減を図るものとする。今の趣旨と違うんですが、この意図は何ですか。
#49
○国務大臣(菅義偉君) 先ほど申し上げましたけれども、やはり今回の政策金融の目的というのは、政策金融の役割を縮小して地方債資金の自己調達、そういうものを基本とするものでありますので、そういう中で、自己調達に限界のある長期だとか低利、それも小さな財政力の弱い市町村、そうした団体に対して安定的に資金を供給する、そういう組織として立ち上げるものでありますから、そういう方向性というものを踏まえながら、将来に向かって縮小していく、そういうことであります。
#50
○芝博一君 将来にわたって縮小をしていく、これは方向性としては私も理解をさせていただきます。
 だからこそ、じゃ発足当時は今まであった十八をそのまま残すんですよとか、いやその中のこれだけは削りますよとか、意見を聴きながら、発足時若しくはその前にはっきりと各市町村に、地方自治体に示すべき。そこのところはお約束いただけますね。
#51
○国務大臣(菅義偉君) そこは間違いなく資金調達に支障が来さないように、それはしっかりと責任持ってやりたい、こう思います。
#52
○芝博一君 そこで、今大臣も言われましたけれども、地方公共団体の現状や声を聴いていく、そこの聴き方なんでありますけれども、聴き方によっては大変大きな問題を含んでいると、こう思っているんです。
 例えば、全国には千八百五十の地方公共団体、これは都道府県も入れてありますけれども、置かれている条件はこれはそれぞれ様々であります。全体的に考えると、多くの地方公共団体によってはさほど今は重要でありません、この事業においては、こんな声も聴かれる。しかし、ある地域の、ある特定の地方公共団体においては絶対に必要なんだ、こんな事業もあるんですよ、地域の特殊性から。そこのところは、地方六団体の声を聴きました、地方の声を聴きましただけでは事は済まない。むしろ、絶対に必要であるという事業を持っている地域というのは、概略一般的には財政力の弱い地方なんですよ。そんなきめ細かな配慮をしていただけるんでしょうか。
#53
○国務大臣(菅義偉君) 今委員御指摘のとおり、日本全国の中で地方というのは様々な条件があるということも私自身承知をいたしております。離島だとかあるいはへき地だとかいろんなものがありますけれども、そうした事業を段階的に縮減する際には、地方の皆さんの声を十分に聴きながら、先ほど来申し上げていますけれども、そうしたところでもやはり安定的に運営できるようにそこは十分配慮させていただきたいと思います。
#54
○芝博一君 地方の声の聴き方、これは大変重要であります。
 改めて総務大臣にお願いしておきますけれども、財政力の豊かな地方公共団体は関係ないんです。むしろ、特殊な事情、地域、そんな地方公共団体、特に財政力の弱い地方公共団体の意見を十分に聴いてこの削減を段階的に進めていく、そこのところをお約束いただけますか。
#55
○国務大臣(菅義偉君) 芝委員の思いのとおりにさせていただきたいと思います。
#56
○芝博一君 ありがとうございます。
 続いて、機構の業務の一端の部分であります資金調達に関する支援についてお聞きをさせていただきたい、こう思います。
 法案では、地方公共団体の資本市場からの資金調達に関して支援をする、こういう条文が入っております。ところが、公庫法のときにはこの条文が入っておりませんでした。今、新たな法案の中で、資金調達に関して支援をする、この条文、業務が加えられた背景、理由と、具体的にはどのようなことを想定しているんでしょうか。お答えください。
#57
○国務大臣(菅義偉君) 今回の機構というのは、地方公共団体の資金調達を補完をするものとして設立をする組織でありますので、この政策金融に係る制度設計において、同組織というのは個々の地方公共団体の資金調達の環境整備を行う、こうされたことを踏まえて規定をさせていただきました。
 具体的には、地方公共団体の資金調達に関する調査研究、情報の提供あるいは助言その他でありまして、機構の資金調達に関するノウハウというものを生かして地方公共団体のニーズに応じて適切に支援を行っていきたい、こう考えています。
#58
○芝博一君 ここに条文が入った理由というのは、調査であったり研究であったり、いろんな側面的な支援というふうに今答弁をいただきました。しかし、そこにも少し私は疑義を感じているんですが、実は地方債協会というのがありますね。ここは各地方団体の部分から構成をされていますが、宝くじ協会等々が出資をしてやられているところで、同じように今大臣が言われたことを調査既にしているんですよ、ここで、同じ内容のことを。屋上屋を重ねるような私は支援と受け取ってはいるんですけれども、もっと違う形で研究というか、切り口を変えるというか、市場の信頼性を高める、そのことを含めながら、同じことを違う団体がやっている、今の改革の流れに反する部分なんです。そこのところをしっかり肝に銘じて、是非新たな切り口、新たな支援の仕方というのを検討すべきだと思っておりますので、そこのところは進言をさせていただきたい、こう思っております。
 続いて、機構の貸付量の削減についてお聞かせをいただきたいと、こう思います。
 この法案では、行革推進法の規定により、財政融資資金の地方公共団体に対する貸付けの縮減に併せて、機構の資金の貸付けについても段階的に適切な削減を図る、こう規定をされています。先ほどは、事業の縮減も段階的に図っていく、そして貸付資金についても段階的に縮減を図っていく。私から見れば、地方の借り手の皆さん方に対していじめじゃないか、そんな思いもするわけでありますけれども、まあ現実的にはそうなんでしょう。
 この規定を設けている趣旨と、それじゃ、地方が一番気にするのは、どこまでその資金量を下限を設定して縮減していくのか。いや、底なし沼ですよ、いや、一割ですよ、二割ですよというような方法でしょう。そこのところをしっかりと地方公共団体に、私は今、発足までに示す必要があると思うんです、地方に大いに影響がありますから。そこのところに明確にお答えください。
#59
○国務大臣(菅義偉君) この機構の貸付規模については、政策金融の役割を縮小し、自己資本調達、そういうものを基本とするものでありますので、そういう改革の趣旨の中から、この財政融資資金等の縮減と併せて段階的にこの適切な削減を図っていこうという旨を法律上、規定をさしていただきました。
 しかしながら、現実的には、機構は地方が自主的、主体的に運営をする、そういう法人でありまして、業務の在り方については機構が主体的に決定をする、そういうことになっておりますし、また、将来の資金需要というのはやはりこれは不明瞭であるというふうに思いますので、現時点で資金需要を特定することは機構の活動の弾力性を損なわせるだろうと、このように思っておりますので、貸付規模の問題だとか具体的なこの下限ですか、そういう数値は示さないことにさしていただいたところであります。
#60
○芝博一君 適切に縮減を図っていく、この適切が難しいんでありますけれども、少し具体的にお聞かせをいただきたいと、こう思います。
 資金が削減をされていった結果、最も財政力の弱い団体は、当然ながら貸付けはこれはもう十分に期待していますし、貸し付けられると、こう思っています。そこのところは余り心配はしていないんです、削減をされても。そして、財政力の豊かなところは対象外であると、こう思っております。そうすると、表現は分かりませんけれども、その境目、中間にある財政力に余裕があるわけでもないけれども貸付けに期待をしている、こんな団体が、地方団体がほとんどなんです。そこの団体のところに資金調達について困難な状態にならないか、そんな心配をしているわけでありますけれども、そんな心配は要りませんか。
#61
○国務大臣(菅義偉君) その心配要らないように制度設計を是非さしていただきたいと思います。この貸付規模というのは段階的に縮小していく方向でありますけれども、この機構の目的というのは地方公共団体の資金調達補完をする、そういうことがこれは目的でありますので、それぞれの地方公共団体が必要とする資金を安定的に、そして長期的な供給が図られるよう、これは当然のことだというふうに思います。
#62
○芝博一君 もう一つ心配事は、段階的に縮減というわけですから発足当時若しくは五年先に幾らというんじゃなしに、恐らく年度ごとに何年かの年度を切って縮減をしていくんだろうと、こう思っております。そのときに困るのは地方なんです、公共団体なんです。毎年変わるということは毎年それに合わせて資金調達を考えなければならない、事業計画を立てなければならないと、こうなってくるんです。
 だから、毎年の早い時期にその縮減の額を、範囲を、規模を、見通しを提示しなければならないと、こう思っております。そこのところは毎年度しっかりと早めにやっていただけるんですね。
#63
○国務大臣(菅義偉君) 貸付規模については財政融資資金と並行して段階的に一定の縮減を図っている、こういうふうにさしていただいていますけれども、具体的には財政融資資金の動向あるいは地方公共団体の資金需要等を見極めながら、毎年度の地方債計画の策定、公表を通じて適切な情報公開というものをしっかりと行っていきたいと思います。
#64
○芝博一君 次に、話は変わりますけれども、先日来からtotoのBIGで五億八千万、七口出ました。大変買い損ねたことを後悔しているわけでありますけれども、このギャンブルについてお聞きをさせていただきたいと、こう思います。
 今、地方には公営競技事業として、すなわち競馬や競輪それからモーターボート等々のいわゆる一般的に言われるギャンブルが存在をしております。これは、今日まで地方の公営企業団体が営んでまいりましたし、地方財政の健全化にも寄与し、地域の住民福祉の向上にも寄与してきました。
 しかし、ここへ来て、先ほど申し上げましたように、totoのBIGは別として大きな様変わりをしている、大きな状況が、厳しい状況にあると思っておりますが、そこのところを総務大臣として、国として、現状の部分についてどんな御認識をお持ちか、お聞かせください。
#65
○国務大臣(菅義偉君) 現在、地方公共団体が行っています公営競技というのは、バブル崩壊後の景気の低迷あるいは国民のレジャーの多様化、そういうものに伴って売上げが非常に減少しておりまして、厳しい経営状況にあるというふうに私自身は思っていますし、現に地方の自治体の中でそうしたことが問題として取り上げていることもたくさんあるということを私自身は認識をいたしております。
 そして、現実問題として、売上高でありますけれども、ピークの平成三年の五兆五千億円、これ以降に減少をし続けておりまして、平成十七年度は半分以下の二兆四千億円に実はなっております。
#66
○芝博一君 今大臣がお述べをいただきましたように、時代の流れ、国民のもろもろのレジャーに対する考え等々も含めながら、そして大きく、景気の関係にもあるんだろうと、こう思っておりますけれども、様変わりをしている現状。もう既に、地方においては廃止をしようか存続をしようかという瀬戸際まで来ていることも十分御存じだろうと、こう思っております。
 そこで、お聞きをしたいのは、実はこの公営競技事業が、そこから上がる収益の部分を公庫に納付金として今まで納めておりました。これが納付金制度でありますけれども、この元というのは、今お話がありましたように、ギャンブルを運営している地方公共団体としていない公共団体に差がある、収益に差がある。均てん化するために法律が制定されているわけでありますけれども、近々では平成十八年に五年の延長が認められました。よって、今でもこの上納金制度が生きているわけであります。ところが、現状は大変厳しい。今も大臣お述べになりました。
 今、金融公庫から新しい機構に、金融公庫が廃止されて新しい機構に変わるときに、この上納金制度、廃止するという議論はなかったんでしょうか、検討されたんでしょうか。そこのところをお聞かせください。
#67
○国務大臣(菅義偉君) 今委員から御指摘がありましたように、この納付金制度というのは、地方財政への貢献のために刑法の特例として認められている公営競技について、収益の均てん化を図る観点から、その一部を公営企業金融公庫に積み立てて、その運用益をもって公庫貸付けの利下げ財源とする、そういうものであります。
 そういう中で、均てん化制度の必要性については今回の政策金融改革によっても変わるものじゃないだろうというふうに思っておりますし、今委員から御指摘がありましたように、納付金制度そのものは十八年度から五年間延長した実はばっかりでありますので、納付先というものを公庫から機構へ変えた上で全く同じ内容で納付金制度を継承することといたしているところであります。
 いずれにしろ、この十八年度から五年間延長の中でそうした仕組みを若干変えさせていただきました。
#68
○芝博一君 大臣、以前は地域なり地方自治体に貢献をしていたんです。今はほとんどが、すべてとは言いませんがほとんどが足を引っ張っているんです。補助金を突っ込んでいるんですよ。こういう大きな様変わりの中で、今なぜ、十八年に法案が延長したからといって廃止されなかったのか、私は非常に不思議でなりません。
 当然ながら、今お話がありましたように、もう少し詳しく、そんな状況を分かった上で存続をさせたわけでありますから、当然ながら、地方が経営改善のために頑張っている、当然その経営改善に配慮した制度設計となっている、そこのところをもう一度具体的に詳しくお聞かせいただけませんか。
#69
○国務大臣(菅義偉君) この点につきましては、収益が赤字の公営競技については全額還付を行い、負担を求めないこととしております。また、収益の小さい団体には納付限度額制度により一定の収益を保障する、こうした設計をいたしておりまして、経営状況の厳しい公営企業に配慮した運営になっているというふうに私は考えております。その結果として、公営競技の売上げに対する実効納付率は〇・四%まで低下をいたしております。
 さらに、先ほど申し上げましたけれども、十八年度から、この納付率の引下げだとかあるいは基礎控除額の引上げなどの負担軽減というものを行ってきております。
 これに加えまして、納付翌年度に還付を行う現行の還付制度についても、今回の法案というものを契機に、地方団体の要望も踏まえまして現年度納付額を減額できるよう見直すなど、経営に十分配慮させていただいているところであります。
#70
○芝博一君 私は、見直されなかったことが大変残念であります。当然ながらそういう形で配慮をしていくべきだろうと、こう思っております。
 この納付金制度でありますけれども、もう一つ大きな問題を抱えております。
 納付金制度が公庫に上がってきた、これからも機構に上がってくるわけでありますけれども、今までもそうであったように、これは基金として積み立てられます。それは、当然ながら貸付けの原資になりますし、あわせて、地方債の利子の軽減に充てる、こんな運用もされているわけであります。
 ところが、地方が借りたその利息を下げるための事業、これをどれにするかというのは私は機構で考えればいいと、こう思っているんですけれども、いや、この事業は利息を下げてあげましょうと、これも総務省令で定めると、こうなっているんですよ、今回の法案。本当にどこまで機構の自主性や自律性を尊重しているのか。まさしく、建前はそうだけれども縛りはしっかり入れている、これが思えてなりません。どうして利息の利下げ対象の事業まで総務省令で縛ることになったんですか。
#71
○国務大臣(菅義偉君) この公営競技の納付金というのは、刑法の特例として認められている公営競技の収益を均てん化するため、特に法律で納付義務を定めた制度であって、その趣旨に沿った運用を確保する必要があるということです。
 さらに、既往の納付金の使途というのは納付時に定められていた利下げ対象事業等を尊重する必要があること、現公庫が貸し付けた資金の利下げに優先的に充当する必要があることなどから、納付金を積み立てた公営企業健全化基金の使い道を法律上地方債の利下げに限定するとともに、その使途についてはまず総務省令で定める、こういうことにさせていただいているところであります。
 総務省令で規定する利子軽減の対象事業については、機構の貸付事業、対象の貸付事業のうち、現在公営企業金融公庫が利下げ貸付けを行っている事業と同様の事業を私どもは想定をいたしております。
#72
○芝博一君 いずれにいたしましても、今いろいろと御指摘をさせていただきました。機構が自主的、自律的に、そして透明性を持って公平、公正に運営をされること、これが一番大事であります。
 しかし、現実には、今御指摘を申し上げましたように、国の関与、総務省の関与、このようなところで縛りも入っておりますが、そこのところを強調するのではなしに、是非、運用の仕方で、あとはこの機構を本来の姿に近づけていただくこと、そのことをまず最後にお願いをしたいと、こう思います。
 少し時間がありますのでもう一点、違う形で議論をさせてください。
 先日来から、参議院でも国民投票法案が可決をされまして、その中で、投票年齢については十八歳と、こう規定をされております。ただし、この十八歳には条件が付いておりまして、これに関係するもろもろの法案を整理、改正をして、その後に十八歳の投票権を早く言えば認める、実施する、こんな条件付であります。
 聞くところによりますと、関係する法案は百にも及ぶと聞いております。大変な労力と時間を要するんだろうと、こう思いますけれども、これはもう当然、ある意味では省庁や国の仕事でありますから、やらなければならない。
 しかし、大事なことは、現状の認識、国民の認識、考えであります。その中で、百近くある中で一番大きく取り上げられるのが公職選挙法だと私は思っております。ほかの法律は、例えば免許が取りたい、しかし運転免許は十八歳からですよとかいうような部分が決まっていますけれども、これは自分がしたい、希望する、自主的な部分でありますから、国民すべてにある意味では対象になってきません。しかし、公職選挙法は、好むと好まざるとにかかわらず、決まった年齢において権利と義務が発生するわけであります。一番大事な、重要な法改正になってくるんだろうと、こう思います。
 そこで、公職選挙法を所管する総務大臣として、今回の国民投票法案の十八歳の年齢設定、当然ながら手続法の法案の趣旨に沿ってこれから見直しを検討してもらわなくてはならないと思いますけれども、まずは大きくその決意を聞かせてください。
#73
○国務大臣(菅義偉君) 日本国憲法の改正手続に関する法律附則第三条において、三年後の施行まで年齢満十八歳以上満二十年未満の者が国政選挙に参加できることになるよう公職選挙法、民法その他の法令の規定について検討を加え、必要な法制上の措置を講じるものと、そういう旨が規定をされております。
 そういう中で、この選挙年齢でありますけれども、民法上の成人年齢だとか、あるいは刑法上の取扱いなど法律全般への関連も十分に考慮しながら私は検討させていただきたいというふうに思います。
 具体的には、内閣官房に設置をされた年齢条項の見直しに関する検討委員会において各関係省庁と連携をしながら取り組んでいきたいと、このように考えています。
#74
○芝博一君 見直しを検討していきたい、官房室の中の検討委員会の中でしていく、具体的にはそうでしょう。
 公職選挙法を預かる総務大臣として、あなたは十八歳の投票、これは法案のいい悪いじゃないんですが、妥当だとお考えですか、それとも妥当でないとお考えですか。大臣の個人の見解で結構です、お聞かせください。
#75
○国務大臣(菅義偉君) 世界の流れを見ても、そうした流れになってきているのかなという思いはしています。
#76
○芝博一君 私も、世界の流れ、いろんな日本人の発育の過程の問題も含めながら、十八歳には反対するものではございません。
 しかし、十八歳にすることによって多くの派生する問題も発生することが事実であります。それじゃ、飲酒や喫煙の問題はどうするんだと。それだけではございません。教育の問題、福祉の問題も含めていろいろあるわけでありますけれども、やっぱり根幹は公職選挙法の部分だろうと、こう思います。
 しかし、議論されましたように多くの問題を包含していることもこの公職選挙法なんです。そこの部分を、やっぱり総務省としても、いろんな形で国民の声を聴きながら声を上げていくべきだ、所管する大臣でありますから、省でありますから、内閣官房任せじゃない、そんないろんな情報の収集、意識の調査等々を今後も続けていくおつもりがございますでしょうか。
#77
○国務大臣(菅義偉君) それは、その思いというのは全く変わっていませんし、当然そうするべきだというふうに思っています。
#78
○芝博一君 以上、私の持ち時間を終わります。長時間、菅大臣には一人で御答弁いただきましたことに感謝申し上げまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#79
○澤雄二君 公明党の澤雄二でございます。よろしくお願いをいたします。
 地方分権の進展の一方で、地方自治体は過去に発行した多額の地方債の元利償還金に苦しんでいて、市場化の進展の中で今後の地方債発行について悩んでいます。
 私は、去年十二月五日でございますが、この総務委員会で、地方自治体が高金利時代に財政融資資金などから借り入れた地方債の補償金なしの繰上償還について質問をさせていただきました。地方団体がかつて高金利時代に借りたその負債の金利のコストに今苦しんでいるということを申し上げました。長い期間で政府から借りている地方債は高金利のものが多いんでありますが、住宅ローンで認められている補償金なしの繰上償還をなぜ認めてもらえないのか、何とかならないかという数多くの要望も踏まえまして、私の地元である、不交付団体である八王子市の例も挙げて質問をさせていただきました。
 例えば下水道事業で見ますと、現在、利率五%以上の残っている負債が相当まだあります。これを二、三%に借換えができるとしますと、利子負担が少なくて済みます。当然であります。八王子の例を挙げさせていただきました。下水道事業で三十八億円の負担減になります。下水道事業というのは、言うまでもありませんが、基本的には独立採算制でありますから、この負担軽減分というのは直接市民が下水道の利用料金を引き下げることにつながってまいります。今、庶民は負担増で、あらゆる負担増で苦しんでいます。少しでも政治が手を差し伸べていただけないか、何かそういう方法を検討してもらえないかということで質問をさせていただいたわけであります。
 これにこたえていただいて、政府は平成十九年度予算で五兆円の財政融資資金、簡易保険資金、公営企業金融公庫資金の繰上償還を実現することを決めてくださいました。多くの自治体とともに感謝しているところでございます。
 中でも、政府資金の繰上償還が財政力指数一・〇以上の団体を対象としていない、除外したというのに対して、公営企業金融公庫の借換債、繰上償還については、いわゆる不交付団体も認めて対象としていただきました。財政力指数一・〇未満という条件を外していただいたわけであります。上下水道は独立採算ですから、不交付団体であっても金利負担の軽減は住民負担の軽減につながってまいります。こうした公平な取扱い、言ってみれば、公平な取扱いは、地方自治体の共同債券発行機関として設立され運営されてきた公営企業金融公庫の性格に基づくものであると考えます。こうした性格は新しい地方公営企業金融機構にも引き継がれるものと考えております。
 そこで、最初に総務大臣に伺いますが、政府機関ではありますが、地方自治体の共同債券発行機関とも言われる公営企業金融公庫が今まで果たしてきた役割についての認識、またそうした機能は基本的に新しい地方公営企業等金融機構にも引き継がれると考えていいでしょうか、お伺いをいたします。
#80
○国務大臣(菅義偉君) 現公庫というのは、債券発行を通じて市場から資金を調達を行って、住民生活に密着をした、今委員から御指摘のありました上下水道などのこの社会資本整備、これに対して長期かつ低利の資金を供給することによって必要な社会資本整備というものを円滑に進めるために大きな役割を果たしてきましたし、また、公共料金の負担の抑制だとか地方財政の負担の軽減、そうしたものにも私は貢献をしてきたというふうに考えております。
 今回、この公庫から地方が設立する新機構に移行するわけでありますけれども、これについても、債券発行を通じて住民生活に密着をした社会資本整備に対しては長期かつ低利の安定的な資金を供給することで、公共料金を抑制をし、地方財政負担を軽減するという役割は機構に基本的に私は引き継がれていくものだろうというふうに思いますし、同様の役割を果たす、このように期待をいたしております。
#81
○澤雄二君 もう少しこのことについて質問させていただきます。
 現在の公営企業金融公庫が地方自治体を通じて住民福祉の向上に果たしてきた機能がそのまま新しい機構に引き継がれていくとした場合、重要なことは、公営企業金融公庫の資産、債務が基本的に新機構に引き継がれて、上下水道について長期で低利の地方債資金に対する地方自治体の需要にこたえていくことであります。当然だと思います。
 その一環として、公営企業金融公庫は、先ほども質問がありました公営企業健全化基金、いわゆるギャンブル基金であります、や金利差から生じた利益を積み立てた利差補てん引当金による利下げを行ってこられました。また、昭和四十年代から、その利益を一部地方自治体に還元して、高金利の地方債の借換債を一定規模で認めてこられました。
 今回、二年間で五%以上の貸付金のおおむね半分に相当する一兆二千億円の繰上償還、借換えを公営企業金融公庫、実施してくれることになりました。正に利益を目的としない地方自治体の共同債券発行機関としての責任を果たしてきたということだと思います。しかし、まだ五%以上の金利残っております。約半分でございます。
 そこで、質問させていただきます。今回の繰上償還後においてもまだ高金利の貸付けが残るために、苦しい経営を迫られた上下水道等があるだろうということも踏まえまして、公営企業金融公庫が果たしてきた長期、低利の貸付けの仕組みや、高金利で経営を圧迫されている地方自治体を助ける借換債の仕組みなど、現在の公営企業金融公庫が果たしてきた機能が新機構においても維持されるように制度をつくっていく必要があると考えておりますが、大臣の御所見を伺います。
#82
○国務大臣(菅義偉君) 地方公共団体において上下水道などの住民生活を支える基本的な事業が料金負担を抑制しながら健全に経営されることは今後とも極めて大事だというふうに思いますし、また今回の繰上償還を踏まえまして、なお高金利の貸付けは残っておりまして、引き続き地方公共団体の負担になると、このように考えています。
 そうした認識を踏まえまして、機構においては、貸付け分野について、長期資金を必要とし、住民生活に密接に関連する社会資本整備に重点化を図りながらも、長期かつ安定的な、そして低利の金利の貸付けという基本的な機能というものを引き継いで果たしていきたいというふうに思っていますし、また借換えや利下げなどの具体的な仕組みについては、長期かつ低利の融資を行うという機構の基本的な機構を将来にわたって損なうことがないこと、また旧勘定における安定的な債権管理及びその財務の健全性を確保することなどに留意しながら、今後とも問題意識を持ちながらも、これ、前向きに当然対応していくべきだと思います。
#83
○澤雄二君 法案の附則に十年後のこの新しい機構について見直すという規定が書いてあります。十回、二十回読ませていただきましたけど、意味が何回読んでもよく分からなくて、大変な玉虫色になっていて、自治体にとっていいことなのか、いいこともあるんだろうし悪いこともあるんだろうし、存続されるんだろうか廃止されるんだろうかと、いろんな思いで読んで、結局分からなかったんでありますが。
 最後に一言だけ申し上げさしていただきますが、公益目的のために設立された非営利の法人が形成した資産は、それが特殊法人であれ公益法人であれ、その法人形態が変わっても、当初の設立目的のために用いられることが基本であるというふうに思います。つまり、地方自治体のために設立された公庫の資産は、新機構に引き継がれた後に業務のために用いられるものでありますが、その一方で、行革推進法の規定も踏まえ、残余が生じた場合には国に帰属することとされています。しかし、その場合においても、地方自治体の支払った金利によって地方自治体のために設立された特殊法人で形成された財産であることを踏まえて、国に帰属する場合でも、当初の目的に沿った使い道に充てることが必要であると考えております。これを私の意見として加えさせていただきます。
 次に、出資についてお伺いをいたします。
 今回の法案では、すべての自治体に出資を義務付けられているわけではありません。さきの本会議質問でもございました。この場合、財政力の強い地方団体が出資を見合わせるんではないかという心配がされています。それが本会議の質問の趣旨でありました。
 そこで伺いますが、新機構の融資条件はやっぱり、期間や金利でありますけど、やはり民間より有利であることは間違いありません。それに、例えば東京都の場合、非交付団体である東京都の場合でも、財政力の弱い多摩地域を抱えています。また、とすれば、普通に考えれば、その財政力の強い非交付団体であっても当然この機構に参加してくるだろうと。まあ、してこないんではないかという心配があるので大臣にお答えをいただきたいんですが、私は当然、参加してくるだろうというふうに思うのが当然だと思うんですが、大臣、どのようにお考えでしょうか。
#84
○国務大臣(菅義偉君) 出資につきましては、昨年に総務大臣に提出をされました地方案においては、地方が主体的かつ責任を持って運営することを明確にするために全地方自治体が出資するということにされています。
 しかし、具体的な出資の在り方については、今後、地方六団体を中心にそれぞれ検討されていくだろうというふうに思いますけれども、こうした経過も踏まえますと、地方公共団体による出資を当然、全体の出資を目指して検討されていくだろうと私は考えています。
 また、財政力の弱い地方公共団体においても財政力の強いそうした団体においても、長期資金を確保する必要性というのは当然あるわけですから、また各団体の資金調達手段の多様化にも資することでありますので、機構の融資は財政力の強い団体にとっても当然、それなりの私は大きなメリットがあるだろうというふうに思っております。
 こうした状況を考えると、個別の地方公共団体においても、当然、そうしたことを十分配慮しながら、考慮しながら参加するしないというのは検討していくだろうと、こう思います。
#85
○澤雄二君 先ほど質疑がありました。段階的に出資する対象事業を減らしていく、また段階的に出資額も縮減をしていくという質問のやり取りがございました。
 そのやり取りを聞いていてちょっと一つ気になったんですけれども、その対象事業を絞り込んでいくとか、それから出資の額を縮減していくというのは、毎年おやりになるんですか。
#86
○政府参考人(岡本保君) お答えいたします。
 今委員御指摘の段階的な縮減についてでございますが、対象事業を段階的に絞り込んでいくということについて、毎年の地方債計画を策定する際に議論になると思います。
 また、もう一つ、今の出資額とおっしゃいましたけれども、これは貸付額でございますので、貸付額につきましても、その毎年の地方債計画を策定する際に、その全体の資金需要、地方団体の意見を聴きながら、先ほどの御質疑の際にも大臣から御答弁させていただいておりますが、よく地方団体の資金需要を見ながら地方団体のそういう運営に支障が生じないようにやるということで協議をさせて、議論をさせていただきたいというふうに思っております。
#87
○澤雄二君 そうすると、先ほど芝委員が懸念を表明されていたことと同じなんでありますが、地方団体とよく協議をされながらとはいっても、やはり非常に不安定な要素が残るかなというふうに思います。
 それから、一体その協議の、何といいますか、ガイドラインというんですかね、どういうふうになったら事業を、それを認めなくなるんだとか、それから出資額ではなくて貸付額はどういう条件が整えばこれは減らしていきますよということになるのか、その辺のことを少し長期的な考え方が自治体に分かっていないと、そこのところは何か毎年混乱するような気もするんですが、どうですか。
#88
○政府参考人(岡本保君) 貸付規模でお話をさせていただきますと、その貸付規模の議論がなります際の一つの目安は、財政融資、国の行っております財政融資につきましても、基本的にこれは公的融資を縮減していく、できるだけ官から民へシフトをする、それからそれぞれの財投機関、これがなればいろんな機関等、それから地方団体がそれぞれ自己調達をすることを基本とするという考え方の哲学が適用されるのは財政融資も基本的には同じことでございますので、財政融資のある意味でのベクトルといったものをいろいろ一つの参考にしながら、それをまた前広に地方団体にもお示ししながら議論をしていくということになろうかと思います。
#89
○澤雄二君 それで毎年地方自治体が計画を作っていけるのかなというのが大変不安でありますが、この件について最後にお願いを申し上げておきます。
 芝委員は財政力の真ん中辺のところの貸付けは大丈夫かということの確認を取られておりましたが、私はそのもう一つ下の、ここは貸し付けるんだから大丈夫だろうということであったと思いますが、最もその財政力の弱い、資金調達能力のないところの自治体に対するセーフティーネット、大丈夫ですねということをちょっと御質問させていただきます。大臣にお願いします。
#90
○国務大臣(菅義偉君) その目的でありますので、当然であります。
#91
○澤雄二君 これも若干、芝委員と質問が重なってまいりますが、時々皆さんもおっしゃっていますけれども、三番目、四番目の質問になると先に質問されてしまうということはよくあることでございますが、機構の業務について先ほど質問がありまして、二十八条に、新たな業務として地方公共団体の資金調達に関する調査研究、それから情報の提供、助言その他支援というのがあります。
 今そういうことをやっているんだから、これは何か余計なことじゃないかという御趣旨の質問もあったようでございますが、私は、やっぱり新しい機構になると、その機構の趣旨からいって、国から民間にシフトをしていくということであれば、どうすれば民間から資金を調達できるかということはやっぱり非常に大事な要素であろうと思っています。ですからそれを、今まで蓄えられた能力があるんならば、それをきちっとして、仕事として業務内容としてここにこう明確に打ち出されたということは、私はすばらしいことだというふうに思っております。
 ただ、それにしても、これまで蓄えられた知識やノウハウだけで本当にこれはできるのかと、広く民間から資金調達ができるということをコンサルタントできるんだろうかと、こういうことをやっぱりできる人材の確保、育成についてはどのようにお考えでございましょうか。
#92
○政府参考人(岡本保君) 今委員御指摘のように、今回の機構は新たな資金調達に関します情報提供などを行うわけでございます。その際、現在の公庫が持っております、言わば最大の政府保証・機関債を発行してきたと。そういう意味での債券発行のノウハウ、経験なども蓄積しておりますので、その蓄積に基づいて地方団体に適切な情報提供、助言を行うということ。
 それから、新しい意味での、現在の民間の金融実務経験者などを含めまして幅広い人材が確保されるということが必要だろうと思っております。具体的な任用につきましてはその機構にゆだねられておりますが、そういう意味で、この新しい機構が行います業務に関しては、金融、地方財政などの高度な知識を持っておられる幅広い人材を確保することを期待し、そのためにまた、私どもも助言をしてまいりたいというふうに考えております。
#93
○澤雄二君 終わります。
#94
○吉川春子君 日本共産党の吉川春子です。
 まず、局長にお伺いします。
 二〇〇八年をめどに公営企業金融公庫が廃止されて、新たに地方公営企業金融機構が設立されることになります。現在の公営企業金融公庫の職員数とその内訳、国、地方公務員からの出向あるいは公庫採用者の数を明らかにしていただきたいと思います。
#95
○政府参考人(岡本保君) お答えをいたします。
 現在の公営企業金融公庫の職員、平成十九年三月一日現在で職員数は七十九名でございます。このうち国家公務員出身者は五十六名でございまして、総務省から五十二名、財務省から三名、国土交通省から一名というふうになっております。
#96
○吉川春子君 地方公務員と公庫採用者の数はいかがですか。
#97
○政府参考人(岡本保君) 七十九名でございますので、その差引きでございます二十三名につきましてが地方公務員あるいは公庫プロパーの方々であるということでございます。
#98
○吉川春子君 ちょっとちゃんと数をきちっと、通告してあるわけですからお答えいただきたいと思います。
 そこで局長、もう一つ伺いますけれども、公営金融公庫職員数の処遇については新機構への業務の引継ぎが必要になりますが、引継ぎ規定はどうなっていますか。また、国家公務員等の職員の身分は保障されるべきだと思いますが、それについてはいかがですか。
#99
○政府参考人(岡本保君) 失礼をいたしました。先ほどの問い合わせの公庫の職員数のうち、地方団体から来られている方が十四名、それからプロパーの職員が十名でございます。それと、先ほど申し上げました国からの出向者五十五名を合わせまして七十九名ということでございます。失礼をいたしました。
 それから、公営企業金融公庫に出向している国の職員の機構への引継ぎのときの身分等のお聞きでございます。新機構におきます職員につきまして、現公庫に出向している職員を引き続き雇用するのか、あるいは国に戻すことになるのかを含めまして、今後、地方六団体においていろいろな協議がなされるというふうに考えております。
 この場合におきまして、公営企業金融公庫のその一切の権利及び義務、現在の公庫が持っております労働契約を含めまして、その義務も、国が承継する資産を除きまして、機構が承継するということになっておりますので、組織の移行に当たりまして、職員の身分は機構に承継されるということになっております。
 また、機構に対する国の職員の出向につきまして、国家公務員への復帰を行う場合におきます当該職員の身分に支障が生じないような必要な法令上の手当てというものも、必要な制度を今後適切に行うということにいたしております。
#100
○吉川春子君 地方公務員はどうなんですか。地方公務員からの出向者、どうなんですか。
#101
○政府参考人(岡本保君) 地方公務員の方々につきましても同様でございます。
#102
○吉川春子君 大臣、まとめてお伺いしますけれども、要するに国家公務員、地方公務員からの出向者、公庫プロパーの採用者、これらの方々の身分は基本的に保障されると、このように解釈してよろしいですね。
#103
○国務大臣(菅義偉君) この法案におきましては、公営企業金融公庫のその一切の権利及び義務というのは、国が承継する資産を除き、機構が承継することとしておりますから、組織の移行に当たり職員の身分は機構に承継される、このように考えております。
 なお、機構移行後の職員の任用については機構にゆだねられるものであり、労働基準法等の規定を踏まえ当然適切な判断がされるだろうと思います。
#104
○吉川春子君 国家公務員、地方公務員についていかがでしょうか。今局長が答弁されたとおりでよろしいと、大臣も同じお考えですね。
#105
○国務大臣(菅義偉君) そのとおりです。
#106
○吉川春子君 機構法の目的、第一条について伺います。
 現行の公営公庫法の第一条には、公庫は公営企業の健全な運営に資するためとか、資金を融資し、もって地方公共団体の公営企業を推進すると規定されています。しかし、新機構法案には、公営企業の健全な運営とか推進の規定がありません。なぜこれらの文言を削除したんですか。
#107
○政府参考人(岡本保君) 今回の政策金融改革の目的は、政策金融の役割を縮小するということ、また地方債の資金につきましてはそれぞれの地方団体が自己調達するということを基本といたしております。
 そのような基本的な政策金融改革の目的の上で、しかし、その場合でも相対的に財政力の弱い市町村といったものがあるわけでございますし、また自己調達だけでは限界が、長期、低利といったものの安定的な資金を調達しようということには限界がありますので、そういうものを補完する組織として今回の機構を設立しようというものでございます。
 このため、機構の業務は、現在の公営企業金融公庫が行っております公営企業に係ります地方債資金への貸付けのほか、地方公共団体の資金調達全般に係ります調査研究あるいは情報提供あるいは事務の受託、助言などの言わば支援、環境整備といったことを行うことにしているわけでございます。
 これらによりまして機構は地方団体の自己調達の推進にも寄与するものでありますので、機構法案では、地方公共団体の公営企業の推進、より広い地方公共団体の財政の健全な運営に寄与するということを目的といたしたわけでございます。
#108
○吉川春子君 ちょっと今の答弁は正確ではないと思うんですけれども、やっぱり含まれるというふうに書いてありますけれども、これは目的として真っ先に掲げているということとは違うと思います。新法の目的は、市場からの資金調達を効率的、効果的に補完することであります。その結果として地方公共団体の財政の健全な運営に寄与するということで、正に市場原理の導入ということですね。
 地方六団体が貸付け対象分野は地方自治体のニーズを踏まえ決定するというふうに要望しても、政府は行革の基本精神に反すると反対しました。ここに本音があると思います。
 その上で伺いますけれども、公営企業の資金調達は民間金融機関からが主で機構からの融資はそれを補完するものとしています。第一条でまずは民間金融機関からの融資としていますけれども、民間からの資金調達で低利、長期の資金を確保して安定した公営企業の経営が保障されるとお考えなのでしょうか、伺います。
#109
○政府参考人(岡本保君) 今回の政策金融改革によりましても、相対的に財政力の弱い市町村を中心として、新しい機構が地方公共団体独力では調達できない長期、低利の安定的な資金といったものを機構が供給するという機能は確保されているわけでございます。そういう意味で、長期かつ低利の資金が必要とされます上下水道、交通、病院などの住民生活に密着した社会資本整備に必要な資金は安定的な供給ができるというふうに考えておりますので、必要な資金の確保は図られているというふうに認識をいたしております。
#110
○吉川春子君 総務省の平成十八年十一月の地方公営企業、二〇〇五年度の決算概況を見ますと、企業数は九千三百七十九事業で、黒字事業が七千九百十一事業、八六・五%、赤字事業は千二百三十七事業ですけれども、料金収入だけでは歳入が不足するために一般会計、他会計からの繰入金は三兆五千三百三十一億円に上っています。
 民間からの資金融資で、地域住民に対して必要なサービス、すなわち公営バス、上下水道、病院、公営住宅が提供されるのでしょうか。市場からの資金調達になれば、資金融資がうまくいかなくて、そして高利になったり公営企業も成り立たないと、そうすると売却が進むのではないかと、マスコミもそのように指摘しておりますけれども、この点についてはいかがですか。
#111
○政府参考人(岡本保君) 現在、上下水道や病院等、それぞれの公営企業が果たして、住民に必要なサービスを提供するための体制整備を取っているわけでございます。その際、民間から直接調達します、言わば、いわゆる十年物の資金とそれから現在の公営企業金融公庫が供給をしております二十五年とか三十年近い長期の資金といったものを必要に応じて組み合わせながら、それぞれのサービス体制の整備ということに努めているわけでございまして、今回、機構が成立をいたしますと、この機構は同じような、公庫と同じ機能を果たしていくということが期待されておりますので、そのことによって住民サービスに影響が出るというふうには直接的に考えておりません。
#112
○吉川春子君 私はそれはかなり違うと思うのですが、引き続き伺います。
 現在、公営企業債には政府保証が付いていますけれども、新機構法案では政府保証を付けないことになっています。政府保証に勝る保証はないと言われておりますけれども、機構の資金調達にこのことによって影響が出るのではないですか。それは全く心配ないと言い切りますか。
#113
○政府参考人(岡本保君) 機構の信用力につきましては、その財務基盤や業務の在り方、それからまたその機構がどのような根拠に基づいて成立をしているのかといったことが総合的に市場において判断されるというふうに認識をいたしております。そのような観点から、この新しい機構につきましても、現在の公営企業金融公庫の資金を全額承継をするということ、また、その貸付対象が地方団体に限定をされているということ、また出資も地方団体に限定をされていて、またその枠組みが法律できちんと担保されているということがこの今回の機構の設計としてできているわけでございます。
 したがいまして、このような全体としての設計によりまして機構の将来にわたる経営の持続可能性といったものは確保することができているというふうに認識をいたしておりますし、現時点で私どもが承知をいたしております市場関係者等のいろいろな分析といったものが公表されておりますが、そういうものを見させていただきましても、機構の信用力といったものを評価する上でポジティブな御評価をいただいているというふうに考えております。
 したがって、今後、この新しい機構が堅実な経営を確保し、その市場における信認を高めていくということによりまして、現在の公庫と極端な相違が出るような評価にならないというふうに私どもは考えております。
#114
○吉川春子君 今、地方財政の危機的な状況は多くの自治体に及んでおりまして、そういう中で本当にその資金調達ができるのかどうか、私は大変懸念なんですけれども、政府保証を外すというのであれば、今、民間からは高い評価をいただいているなんておっしゃるんですけれども、政府自体、そういう影響はないという独自調査をされたんでしょうか。
#115
○政府参考人(岡本保君) 先ほども申し上げましたが、その正に民間からの資金調達、あるいは現在の財政融資が行っておりますのも、すべて国債等を発行しながら市場から資金を調達してこれを貸すということを行っているわけでございます。
 したがいまして、新しい機構におきますどのような評価があるかといったことが正に肝心な点でございますし、また、私どもといたしましても、この制度設計に当たりまして、先ほど来申し上げておりますように、例えば現在の公営企業金融公庫が持っております資産三・四兆円といったものを全額承継するというような形でその経営の持続性の可能性を確保といったようなシミュレーションもやらせていただきました。そのようなこと全体を踏まえた上で、市場から現在の新しい仕組みについては一定の御評価をいただいているというふうに理解をいたしております。
#116
○吉川春子君 大臣、こういうその新たな、新しい制度に足を踏み込むわけですから、格付機関が出したレポートに頼るのではなくて、やはり政府として総務省自身が今までどおり資金調達が可能なのかという調査は最低限行うべきではないかと思いますが、それを行わなかった理由はなぜですか。
#117
○政府参考人(岡本保君) 私どもこの制度設計に当たりまして、どのような制度設計を行った場合、またどのような財務基盤を確保していくことが正に市場から資金を調達できる、安定的に調達をできるかということにつきまして、市場関係者とも何回も意見交換はさせていただいております。そのような意見交換をし、議論をし、また地方団体とも交換した上で現在御審議をお願いしておりますような法案の仕組み、それから財務基盤の承継といったことを行っているわけでございますので、当然この制度設計に当たりまして、私ども総務省としても、きちんとそういう意味で市場の信認を得られるという形での検討を行った上で現在御審議をお願いしているというものでございます。
#118
○吉川春子君 その市場から調達資金の金利が上がれば公営企業の経営を圧迫して公共料金の値上げや地方財政負担、つまり住民に新たな負担を強いる、そういうことにつながるんじゃないですか。
 時間がないので端的に。
#119
○政府参考人(岡本保君) 先ほど申し上げましたように、新しい仕組みの中で市場評価といったものについて、新しい調達が現在の公営企業金融公庫が行うものと極端な相違が出るというふうには考えておりませんので、御指摘のような問題は基本的には生じないというふうに考えております。
#120
○吉川春子君 考えてるかいないかじゃないんですよ、自治体に何が起こり得るか、財政のそんな専門的な知識のない私だって十分政治家として予想できるわけです。
 大臣、伺いますけれども、機構法は、法案の目的から公営企業の健全な運営とか推進とかいう文言を削除して、民間からの融資を補完するものに変えた上に政府保証を外すものです。結局その公営企業の運営を困難にして、その結果、住民サービスを後退させることになるというふうに私は懸念しているのですが、大臣はいかがですか。
#121
○国務大臣(菅義偉君) まあ機構は民間からでは資金調達が難しい長期かつ低利の資金が必要とされる上下水道、交通、病院等の住民生活に密着をした社会資本整備について安定的な資金調達を供給することとしたところで、その整備に必要な資金の確保は図られたものと認識をしております。
 責任の主体を国から地方へ転換をさせ、政府保証についても経過措置を除き付与しないこととしたところでありますけれども、債券のこの借換引当金を全額継承する、こういうことから、私は将来にわたる経営の持続可能性というものを確保することができたと、このように考えておりますので、公営企業による住民サービスの基本的に影響というのは出ないと、このように考えます。
#122
○吉川春子君 大臣、端的にお伺いしますけれども、政策目的のための国の政策金融が不必要になった、その理由はどこにあるんでしょうか、伺います。
#123
○国務大臣(菅義偉君) 正にこの行政改革の中で、官から民という中で、ただ、そういう大きな流れの中であっても、この財政力の弱い、そして長期の安定的な低利のものに必要な、住民生活に密着するものについては、こういう形でしっかりと確保できるようにしたということであります。
#124
○吉川春子君 その理由が官から民だけでは、本当に地方自治体として、あるいは住民としてたまったものじゃありません。
 国の政策金融というのは、公営企業の健全な運営推進を図るために重要な役割を今まで果たしてきたわけですね。だから、その公営企業について、九六年、倉田自治大臣は、社会情勢の変化に応じて新たな事業の展開を図っていくとか、新たな事業を展開すると、こういうふうに答弁されています。しかし、法案は、新たな事業を展開するどころか、三十条で業務を縮減すると、全く逆になっています。公営企業に対する国の責任放棄そのものではありませんか。大臣、いかがですか。
#125
○国務大臣(菅義偉君) 住民生活に密接に関係あるものについてはこういう形でしっかり保証して、そうでないものについてはそうした縮小の方向ということで、私は、そうした住民生活、地方自治については従来どおりしっかりと発展をさせることができるというふうに考えております。
#126
○吉川春子君 時間が来ましたので私はこれで質問を終わりますけれども、やはりその地方自治体の住民、シビルミニマムといいますかナショナルミニマム、そういうものを保障していくための制度を根本から覆して市場原理を投入すると、こういうやり方はいかがなものかと非常に懸念を表明して、質問を終わります。
#127
○又市征治君 社民党の又市です。
 この種の法案ですと、随分とダブって同じようなことを本当に聞くわけですが、幾つか再確認を求める、そういう意味での質問を行っていきたいと思います。
 この地方公営企業等金融機構は、地方が共同して設立、運営する地方共同法人ということですね。そもそも元のアイデアは、私も度々引用さしていただいたんですが、地方六団体の昨年六月の地方自治法に基づく意見書なんだろうと思うんです。しかし、政府の法案はその中身と大分違いが出てきている、こう思います。
 まず、管理勘定、いわゆる旧勘定に関しては、国が計画の認可や幅広い改善措置要求、立入検査等の権限を握るという、こういうことになっておるんですが、これは地方分権の観点から私は問題だと思うんですね。旧勘定への関与を通じて、政府が新勘定に対しても、また両者に共通する部分、すなわち人事、運営などの新機構全体をも縛ることになってはならないんだろうと思うんですね。なってはいけないんだと思う。
 そこで、大臣、旧勘定の部分以外はむしろ一切干渉しないんだということを確認されるべきじゃありませんか。
#128
○国務大臣(菅義偉君) 機構のこのいわゆる旧勘定に対しては、現公庫の貸付債権の管理業務を行うことでありますので、公庫債権管理計画の認可の比較的国の強い権限というのはこれ残っています。委員の御指摘のとおりだというふうに思います。
 一方、この機構の一般勘定に対しては、制度設計の趣旨を踏まえて、違法性の担保のための設立、定款の認可、違法行為是正要求等の必要最小限のチェックしかこれありません。このために、管理、いわゆる旧勘定を通じて、機構への国の関与は制度設計に反するものでありますので、そういうことはないというふうに思いますけれども、しかし、実際にもないように、私どもは適切に対処していきたいと思います。
#129
○又市征治君 地方共同法人にするという以上、地方の自主的な判断で住民の立場に立つ、立った融資の拡大こそが求められるんだろうと思います。
 地方六団体の骨子案でも、貸付対象分野は地方自治体のニーズを踏まえ、機構において決定するというふうに書いておるわけですが、しかし、この法案では、貸付分野は現公庫の範囲内とし、将来的に更に絞り込んでいくとなっているわけで、地方共同法人の業務の範囲を狭め、将来にまで方向付けを行うというのは、やはり地方分権改革推進法の趣旨にも反するんだろうと思いますね。
 今対象としている十八事業のうち法律本文から削る分野は何と何なのか、それらは地方公営企業であることそのものを廃止させようという思いがあるのかどうか、この点お伺いします。
#130
○政府参考人(岡本保君) 今回の政策金融改革の目的は、政策金融の役割を縮小して地方債資金の自己調達を基本とする中で、機構がその市町村を中心とした補完の業務に移行するということを趣旨として設立をいたしております。この趣旨を踏まえまして、今委員御指摘のように、五事業については法令で定め、その他は政令で定めるということにいたしております。
 そういう意味で、今回法定化をいたしておりませんのは、工業用水道事業、電気事業、ガス事業、市場事業、駐車場事業など十三の事業でございます。しかし、これらの事業につきましても、当然公営企業として必要な事業というのは基本的にその当該団体の御判断に基づいて運営をされていくということになるわけでございますが、この補完的な機構が役割を果たすという分野について段階的な縮小をするということでございます。
#131
○又市征治君 今もありましたが、五事業以外でも住民生活にとって公的サービスは重要なわけですね。主要五分野だって、私は、去る四月九日の決算委員会で、地方公営企業の現状と公庫融資の比重、あるいは今後の事業と投資の見通しについて述べましたけれども、上下水道あるいは交通、病院などいずれを取っても、過去の投資の償還や技術に合わせた設備の更新など、投資的経費の資金需要がこれから減っていくということにはならないはず、こんなふうに思いますね。
 そこで、将来の投資需要の見通し、どのようにお持ちなのか、簡潔に述べていただきたいと思います。
#132
○政府参考人(岡本保君) 今委員御指摘のように、法定されました五事業につきましては住民生活の密接な関連する事業であると思っております。ただ、上水道につきましては新規投資というよりは改良、更新といったような分野に対して、下水道につきましては総人口の普及率がまだ相対的に上下水道の九七に比べると低くなっておりますので一定の投資が見込まれる、病院事業につきましても依然としてその必要な施設の設備更新といったことが必要であろうと思いますし、交通、公営住宅等につきましても更新を中心に投資が行われていくことが見込まれるということでございます。
 ただ、全体として新規投資から更新に重心が移っているというようなことを踏まえまして、この五事業、最近五年間の地方債の許可実績を見てみますと、平成十二年度三兆八千四百億円程度ございましたけれども、平成十七年度では二兆五千六百億円程度ということで、この五年間で三二%ほど減少をしているという状況はございますが、そういう意味で、先ほど申し上げました更新等の一定の需要といったものは今後も見込まれるというふうに考えております。
#133
○又市征治君 今おっしゃった意味で、公営企業の範囲内でも投資需要は減らない、逆に言うと更新の時期だとかそういうことの時期の違いなどがありますから、単に過去との比較というだけではいかないという問題もあるわけで、したがって、低利の公的資金は当然必要不可欠ということなわけですから、絞り込んでいくという、こういう政策には私は反対だということをはっきり申し上げておきたいと思うんです。
 ところで、この法律は十年後に見直しが予定をされておりますが、その際は、今述べた管理勘定における強い関与や貸付分野の限定に関しては抜本的に地方分権の方向で改善をする、つまり干渉的なやっぱり条項は廃止すべき、見直しの段階ではそういう方向に向かって進んでいくべきだと、こう思うんですが、その点についてはいかがですか。
#134
○国務大臣(菅義偉君) 政府が十年後を目途に行うこの見直しにつきましては、地方六団体からの意見を聴いた上で、地方公共団体の民間からの資金調達の状況だとか、あるいは業務の重点化を図ることの重要性、こうしたものに留意しながら、機構の自主的、一体的な経営を確立する観点から、業務の在り方全般というものを見直しをしていきたいというふうに思っています。十年後において管理勘定における現公庫から承継をした貸付債権の残高が相当程度減少する、このように見込まれますので、管理勘定の在り方も含めて業務の在り方全般を見直しをする、そのようにしたものであります。
#135
○又市征治君 新法は、一条、目的の後段と二十八条、業務の三号から五号では、対象を地方公営企業と限定せず、地方公共団体にしていますよね。つまり、公営企業以外の自治体本体に対してもサービスを行うという意味だと思います。この背景は、政府が新自由主義的政策を取って自治体全体の資金調達における公的シェアが下げられてきたことにあるんだろう、こんなふうに思います。
 地方債全体に占める政府資金の割合は一九八五年度には六三・二%だったわけですが、今年度は二六・二%と、むしろ半分以下に落ち込んでいるという状態にありますね。同じ期間に公庫資金は一一・二%から、途中変動しながらも、現在一〇・八%までですから、まずまずのシェアを維持しているということは、これは評価をしていいんだろうと思います。
 そういう状況ですから、六団体の骨子案では、機構は、個々の地方自治体が市場で調達困難な長期、低利の資金の提供及び個々の調達に比して有利な資金の提供等の機能を担う、また、資金調達力の弱い地方自治体の資金調達の円滑化や云々と、中略をいたしますが、共同調達でロットを大きくして資金調達条件を有利にする効果も期待される、こんなふうに記しているわけでありますが、この趣旨は、私は必ずしも公営企業だけに限るものではないと思うんですね。六団体の趣旨、つまり自治体分野に対して資金を提供する公的な機関の必要性というのを述べているんだろうと思うんですが、この点については大臣、いかがでしょうか。
#136
○国務大臣(菅義偉君) 今回のこの政策改革の目的というのは、先ほど来申し上げましたけれども、資金の流れを官から民に変えること、このことについては重要であるというふうに思っていますし、地方債も市場化を推進をして民間からの資金調達を拡大してきたところであります。
 その一方で、地方公共団体の建設投資というのは、道路や小学校、中学校、住民生活に不可欠のものであります。財政力が弱い市町村もこうした仕事を担っておるわけでありますので、公的資金の縮減を図りながらも、民間資金を補完する意味で公的資金を一定程度確保するということが大事だというふうに思います。
 こうした公的資金の確保を図るため、現状の役割分担を踏まえながら、財政融資資金については普通会計を中心としつつ公営企業についても所要額の確保を図る。財政融資資金と合わせて、公営公庫廃止後においても、公営企業においては地方公営企業金融機構による資金の確保、こうしたことを本案の審議を通じてお願いをしているところであります。
#137
○又市征治君 何か高い民間の金利を、金利の高いのをどんどん借りなさいと。自治体の財政事情からいえば、本当に低利で何とか長いものを借りたい、借りたいと、こう言っているのに、一生懸命政府が官から民へ、官から民へといって高い銀行の資金を借りなさい、どう考えてもこれは理解できない、ここはもう全く反対の立場と言わなきゃならぬと思うんですね。
 そこで、法案の方は残念ながら自治体本体へのサービスは間接的ですね。できることなら、調査研究などの間接的支援ではなくて、公庫改め機構からの直接融資も臨時地方道路などに限定せずに行うべきなんだろうと私は思うんです。取りあえず、民間企業に関する機構の調査研究や情報提供、支援などはどのように行うべきだというふうに考えておられるのか。機構が自主的に判断して行うということなんでしょうけれども、政府として今考えられるイメージというものについてお答えをいただきたいと思います。
#138
○政府参考人(岡本保君) 御指摘のように、機構は公営企業に限らず、地方公共団体全体の資金調達を補完するということから設立をされる組織でございますので、新しい機構が個々の地方団体の資金調達の環境整備を行うという意味でその役割を担うことが必要になっております。
 具体的には、例えば地方公共団体の資金調達に関する各種の調査でございますとか、あるいは国債、地方債、それぞれの条件、状況でありますとか、長期債、短期債、いろんな各地での発行が行われておりますが、それらについての市場のいろいろな動向あるいは応募者等のニーズといったものを調査をし、これをまた地方団体に提供するということによりまして、地方公共団体の全体としての資金調達コストを下げていくといったようなことが期待をされているわけでございます。
 そういう意味で、機構は地方公共団体、これまでの蓄積してまいりましたノウハウを生かしながら、また今申し上げましたような地方公共団体の資金調達への情報提供などに努めていっていただきたいというふうに考えております。
#139
○又市征治君 住民に頼ってのミニ公募債も貴重な住民参加ですけれども、ロットが小さいですよね。住民は今まで、郵貯、簡保といった庶民的な資金を造成をし、それが財政投融資を経由して自治体の債券を買うということで、何の問題もなかったわけです。ところが、政府系金融の改革と称して、政府が郵貯、簡保には国民の資金が行かないようにして、また貸す方では、財政融資を縮小して、住宅金融や国民金融などと並べて自治体向けの金融のパイプも締めて、おまえらは自助努力をしろ、民間で借りてこい、こういうふうに仕向けているというふうにしか言いようがないわけですね。政府は、自分が地方交付税を五兆円も削減をしたり補助金を削減をしてそれに代わる税源移譲は下回るなど、地方財政全体を締め付けておいて、借金だけは勝手に民間マーケットでリスクを背負ってでも借りてこいと、こういうのはフェアじゃないと、こう言わなきゃなりません。
 私は、この法案そのものは、地方六団体もおおむね御賛成なさっているということでありますから、賛成はいたしますが、段階的縮小、三十条や、あるいは十年後の解散という部分、五十二条ですけれども、これには賛成をしかねるということをまた明確に申し上げながら、今後の運用で六団体の案が生かされ、自主性が強まることを重ねて強く求めて、法案には賛成することを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
#140
○委員長(山内俊夫君) 他に発言がないようですから、質疑は終局したものと認めます。
    ─────────────
#141
○委員長(山内俊夫君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、河合常則君及び高橋千秋君が委員を辞任され、その補欠として秋元司君及び江田五月君が選任されました。
    ─────────────
#142
○委員長(山内俊夫君) これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#143
○吉川春子君 私は、日本共産党を代表して、地方公営企業等金融機構法案に対する反対討論を行います。
 反対する第一の理由は、自治体に長期かつ低利の資金を融資してきた公営企業金融公庫を廃止し、民間金融機関を補完する範囲で資金を融通する機関に変質させるものであるからです。
 法案は、市場からの資金調達を基本とし、公営企業金融公庫を承継する地方公営企業等金融機構の役割は自治体が行う資本市場からの資金調達を側面から補完するものに変質させています。これは、現行の公庫法にある公営企業の健全な運営あるいは推進を削除し、住民サービスを市場原理にゆだね、国の責任を放棄するものと言わなくてはなりません。
 第二に、融資枠と貸付対象事業を縮小しているからです。
 自治体への財政融資資金の貸付けの縮小と併せて、機構の自治体への資金の貸付額は段階的に縮減するとしています。また、業務の重点化と称して、貸付対象も段階的に縮減することになっています。
 生存権の基本は衣食住です。この間、公営企業の投資実績は年々減る一方で、入居競争率は年々上昇するなど、公営住宅の供給不足は一層深刻さを増しています。また、交通や病院など、安くて安全な住民サービスを提供してきた公営企業の財政基盤は依然として厳しく、公営企業に対する長期かつ低利の資金の融資は不可欠です。
 本法案は、住民の福祉の増進といいながら、資金調達の困難から公営企業を民間に切り売りし、安くて安心できる住民サービスを縮減せざるを得ないということに地方自治体を追い込むことになりかねません。
 第三は、この法案が大企業の利益を最優先する財界戦略に沿った政府系金融機関改革の一環であるからです。
 財界、大手銀行が主張する民業圧迫論を口実に住宅金融公庫の廃止、郵政民営化が行われ、今また政策金融改革と称して中小企業分野への参入を内容とする大企業の新たなもうけ口獲得のために政策金融の縮小が行われようとしています。
 本法案は、一連の政策金融改革関連法案の一つであり、地方財政の悪化する中、国民や自治体よりも大銀行の意向を優先し、公営企業金融公庫の業務の縮小を行うことは断じて認められません。
 以上申し上げて、反対討論を終わります。
#144
○委員長(山内俊夫君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 地方公営企業等金融機構法案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#145
○委員長(山内俊夫君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、那谷屋君から発言を求められておりますので、これを許します。那谷屋正義君。
#146
○那谷屋正義君 私は、ただいま可決されました地方公営企業等金融機構法案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会及び公明党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    地方公営企業等金融機構法案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、次の事項についてその実現に努めるべきである。
 一、地方財政が巨額の借入金残高を抱えている現状にかんがみ、地方公共団体の安定的財政運営に必要な一般財源総額を確保するとともに、地方債依存度の低下が図られるよう、広範な施策を講ずること。また、国から地方へ税源移譲を行うなど地方公共団体の自主財源の充実強化に最大限努力するとともに、地方公営企業について経営の透明性を高める等の改革に向けた取組を進めること。
 二、地方財政計画及び地方債計画の策定に当たっては、地方公営企業等金融機構(以下「機構」という。)の業務の安定的な運営と市場の機構に対する信頼の確保に留意し、機構資金を公的資金の一環として位置付けること。また、機構が市場から持続的・安定的に資金を調達できるよう、財務基盤の充実強化を図るとともに、出資については、原則として全ての地方公共団体が分担するよう、適切な助言に努めること。
 三、機構の貸付対象となる公営企業の範囲を定める政令の制定及び業務の重点化に係る検討に当たっては、機構が地方債資金の共同調達の機能を担う地方共同法人であることにかんがみ、資金調達能力に乏しい地方公共団体に配慮するなど地方公共団体のニーズを十分踏まえること。また、平成二十九年度末を目途とする業務の在り方全般に係る検討の結果に基づく措置を講ずるに当たっては、地方六団体の意見を最大限尊重するとともに、地方分権改革の方向性との整合性を確保すること。
 四、機構の理事長の選任に当たっては、代表者会議が広く人材を求めるよう、適切な助言に努めること。あわせて、機構に対する国家公務員の現役出向については、機構の要請を踏まえ、必要最小限とすること。
 五、機構においては地方公共団体が資金の貸し手であり、かつ借り手ともなることから、貸付けに当たっては、規律ある経営を確保するため、経営審議委員会等における審査体制を確立するとともに、企業会計原則に沿って財務諸表の作成・開示、貸付け等の業務運営に係る透明性・公平性・公正性を確保し、リスク管理に万全を期すよう、適切な助言に努めること。
 六、機構が解散した場合の残余財産の処分と国への帰属の取扱い等については、機構の財産が地方公共団体の寄与により形成された経緯を踏まえ、機構及び地方公共団体の意見を十分聴取して慎重に対処すること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#147
○委員長(山内俊夫君) ただいま那谷屋君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#148
○委員長(山内俊夫君) 多数と認めます。よって、那谷屋君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、菅総務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。菅総務大臣。
#149
○国務大臣(菅義偉君) ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
#150
○委員長(山内俊夫君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#151
○委員長(山内俊夫君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時二十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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