くにさくロゴ
2007/06/07 第166回国会 参議院 参議院会議録情報 第166回国会 総務委員会 第20号
姉妹サイト
 
2007/06/07 第166回国会 参議院

参議院会議録情報 第166回国会 総務委員会 第20号

#1
第166回国会 総務委員会 第20号
平成十九年六月七日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月三十日
    辞任         補欠選任
     二之湯 智君     松村 祥史君
     山本 順三君     西田 吉宏君
     富岡由紀夫君     高橋 千秋君
 五月三十一日
    辞任         補欠選任
     木村  仁君     小泉 顕雄君
     西田 吉宏君     山本 順三君
     松村 祥史君     二之湯 智君
 六月一日
    辞任         補欠選任
     小泉 顕雄君     木村  仁君
 六月四日
    辞任         補欠選任
     二之湯 智君     荻原 健司君
     山本 順三君     西田 吉宏君
     芝  博一君     池口 修次君
     那谷屋正義君     林 久美子君
 六月五日
    辞任         補欠選任
     荻原 健司君     二之湯 智君
     西田 吉宏君     山本 順三君
     池口 修次君     芝  博一君
     林 久美子君     那谷屋正義君
 六月七日
    辞任         補欠選任
     高橋 千秋君     小林 正夫君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山内 俊夫君
    理 事
                景山俊太郎君
                二之湯 智君
                伊藤 基隆君
                那谷屋正義君
    委 員
                有村 治子君
                小野 清子君
                尾辻 秀久君
                河合 常則君
                木村  仁君
                山本 順三君
                小林 正夫君
                芝  博一君
                高嶋 良充君
                内藤 正光君
                増子 輝彦君
                澤  雄二君
                吉川 春子君
                長谷川憲正君
   国務大臣
       総務大臣     菅  義偉君
   副大臣
       総務副大臣    大野 松茂君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        高山 達郎君
   政府参考人
       内閣府地方分権
       改革推進委員会
       事務局次長    松田 敏明君
       総務省自治財政
       局長       岡本  保君
       総務省自治税務
       局長       河野  栄君
       農林水産省農村
       振興局整備部長  實重 重実君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○地方公共団体の財政の健全化に関する法律案(
 内閣提出、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
    ─────────────
#2
○委員長(山内俊夫君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告申し上げます。
 去る五月三十日、富岡由紀夫君が委員を辞任され、その補欠として高橋千秋君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(山内俊夫君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(山内俊夫君) 異議なしと認めます。
 それでは、理事に二之湯智君及び那谷屋正義君を指名いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(山内俊夫君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 地方公共団体の財政の健全化に関する法律案の審査のため、本日の委員会に内閣府地方分権改革推進委員会事務局次長松田敏明君、総務省自治財政局長岡本保君、総務省自治税務局長河野栄君及び農林水産省農村振興局整備部長實重重実君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(山内俊夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(山内俊夫君) 地方公共団体の財政の健全化に関する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。菅総務大臣。
#8
○国務大臣(菅義偉君) おはようございます。
 地方公共団体の財政の健全化に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、地方公共団体の財政の健全性に関する比率の公表の制度を設け、その比率に応じて、地方公共団体が財政健全化計画等を策定する制度を定めるとともに、当該計画の実施の促進を図るための行財政上の措置を講ずることにより、地方公共団体の財政の健全化に資することを目的とするものであります。
 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
 第一は、健全化判断比率の公表に関する事項であります。
 地方公共団体の長は、毎年度、前年度の決算の提出を受けた後、速やかに、健全化判断比率及びその算定基礎を記載した書類を監査委員の審査に付し、その意見を付けて当該比率を議会に報告し、かつ、公表しなければならないこととしております。
 第二は、財政の早期健全化に関する事項であります。
 地方公共団体は、健全化判断比率のいずれかが早期健全化基準以上である場合には、議会の議決を経て、財政健全化計画を定めなければならないこととしております。また、毎年度、計画の実施状況を議会に報告し、かつ、公表しなければならないことといたしております。
 第三は、財政の再生に関する事項であります。
 地方公共団体は、再生判断比率のいずれかが財政再生基準以上である場合には、議会の議決を経て、財政再生計画を定めなければならないこととしております。また、財政再生計画について、総務大臣に協議し、その同意を求めることができることとしております。
 第四は、公営企業の経営の健全化に関する事項であります。
 公営企業を経営する地方公共団体の長は、毎年度、当該公営企業の前年度の決算の提出を受けた後、速やかに、資金不足比率等を監査委員の審査に付し、その意見を付けて当該比率を議会に報告し、かつ、公表しなければならないこととしております。また、資金不足比率が経営健全化基準以上である場合には、議会の議決を経て、経営健全化計画を定めなければならないこととしております。
 以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
#9
○委員長(山内俊夫君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○木村仁君 自由民主党の木村仁でございます。
 私は、この法案に賛成の立場から質疑を行います。
 今次法律によって、地方財政再建促進特別措置法が廃止をされまして新しい法律に変わっていくわけでございますが、この地方財政再建促進特別措置法というのは、非常に歴史の古い、ちょうど半世紀を二年ほど超える歴史を持った法律でございました。昭和二十九年に大変な数の赤字団体が発生したことを契機としてこの法律ができまして、法律の基本はこの二十九年に発生した赤字団体を解消することでありまして、そのとき以来、八百八十四団体について再建を行い、この中には都道府県が二十含まれているわけでございます。そして、昭和五十年ぐらいになりますともうほとんど再建を行うところがなくなってまいりまして、昨年はゼロであったと思いますけれども、今年、夕張市が新たに財政再建に入ったわけであります。
 その間、私どもが見ておりますと、この財政再建法制としては非常に安定した、部分部分の改正を施せば十分時代の需要に対応してきたように思いますが、これを今回抜本的に改正されるわけでございます。私もその歴史的意義は十分認識しているように思いますけれども、この時期に地方財政の再生の法律を新たにお作りになって古い法律を廃止される歴史的な意義について、大臣の御認識をお伺いしたいと思います。
#11
○国務大臣(菅義偉君) 今、木村委員御指摘のとおり、ちょうど五十年ほど前に制定されたこの地方財政再建促進特別措置法、多くの地方公共団体の財政再建制度として今日まで機能をしてきた歴史があるというふうに私も評価をいたしております。
 しかし、そういう中で、一般会計の実質赤字というフローの指標のみを用いていること、また財政悪化を早期に防止するための機能がないこと、そして申出によって再建を行うという、こういう仕組みになっておる等のこういう課題があります。
 そこで、現在のこうした制度を抜本的に見直しをし、地方公共団体の全会計をカバーする新たな指標、あるいは公社、第三セクターなどを含めた実質的な負債、こうしたものをとらえる指標を整備をする、財政悪化の早い段階から自主的な財政健全化を義務付ける、さらに財政状況が悪化した場合には財政再生計画の策定を義務付けることなどを柱として、地方の自己規律による財政再建を促す新たな制度を整備をすることにしたところであります。
#12
○木村仁君 この新しい法律の制定と申しますか提案の過程を振り返ってみますと、平成十八年七月の地方分権二十一世紀ビジョン懇談会報告書という報告書において、当時の総務大臣、竹中総務大臣が新しい財政再生法制を提案されたのでございますが、そのときの言葉を振り返ってみますと、再生型破綻法制ということになっております。
 私どもは、破綻という事象に対する処理と地方公共団体の財政再建とは少しやっぱり違うのではないかなとその当時から思っておりました。
 というのは、破綻法制というのは、いわゆる民事再生とか会社の更生、再生について使われる言葉であって、当然そこには債務調整と申しますか、貸手側が一定の犠牲を払って債務を棒引きにすると、そして再建を図っていく、当然そこに経営者の責任が問われると、こういうことになるわけでございまして、その経営者の責任、つまり執行部の責任が問われるという面では地方公共団体でも当然でございますけれども、債務調整ということになると、繰上げ需要という制度が地方公共団体にあって、翌年度以降の税収を赤字に繰り上げて充当しておくことができる。そうしますと、地方公共団体が存在する限りは租税権はあって、収入は将来にわたってあるわけでありますから、どうも債権者の方でもそれを我慢して待っていれば済むので、どうも棒引きするというようなことまでにはとても至らないだろうと。そうすると、破綻法制というのは成り立つんだろうかというような考え方でおりました。
 これに対して、菅総務大臣が昨年、菅プランというプランを経済財政諮問会議でお出しになりまして、三年のうちに破綻法制をつくるといったのを二年に前倒しをしてつくると。実際はもう一年前倒して今議論しているわけでありますから、極めてスピーディーな対応には敬意を表する次第でございますが、そういう過程の中で、破綻法制からどちらかというと私どもも理解できるオーソドックスな形の再建法制になったと思いますが、その間の過程における総務大臣の思考過程を少し御披露いただければ大変有り難いと思います。
#13
○国務大臣(菅義偉君) 本法案におきましては、地方分権二十一世紀ビジョン懇談会の報告書、これを踏まえて、総務省において開催をいたしました新しい地方財政再生制度研究会、こうした報告書に基づき立案したものであります。この報告書では、財政指標の整備とその開示の徹底、財政の早期健全化や再生のための制度を早期に整備する、こういうことが提案をされておりました。
 債務調整のこの問題でありますけれども、私もこの問題については非常に興味は正直言って持っております。しかし、この債務調整をいざ行った場合、様々の影響が受けるということもこれ予測をされるわけでありますので、こうした債務調整の規定というのは更に検討する必要性があるだろうと、そういう判断の下に今回の法案に債務調整の規定は盛り込んでおりません。この債務調整に係る問題については、さらに、今研究会を開いておりまして、その問題点、そうしたものを議論をしていただいている、そういう状況であります。
#14
○木村仁君 恐らく総務大臣が新しい再建制度の検討に取り掛かられたころに夕張市の財政破綻が生じた、明らかになったんだろうと思います。
 私も一度申し上げたことございますが、地方財政再建の仕事をやっている人たちの間に古いことわざの引用がありまして、山よりでかいイノシシは出ないと。だから、財政再建といっても、何ら、地道に再建をしていけば必ず立派に再建は遂げられるんだという意味であろうと思います。
 ところが、この山よりでかいシシは出ないということわざは里の村人の発想でございまして、実は山よりでかいシシが出ることもあると。それは、夕張は正にそうで、四十四億という標準財政規模に対して三百六十五億までですか、最高。今は三百六十億を切っているようでありますが、そういう実質赤字が出てしまったと。それを一時借入金でごまかしごまかしして転がしているという状態でありますから、非常に大きな債務でありました。
 これを処理される過程で、菅総務大臣は、現地に赴かれる等、積極的な対応をされ、立派な、立派なというか、もう破天荒な財政再建計画ができて私どもも後で驚いております。そういう再建計画ができました。実に特別職の収入は五十八万円から二十六万円まで切り下げるとか、職員は二百六十九人、これが太り過ぎでありますが、これを二十二年度までに百三人にするとか、かなりドラスチックなことで、やる気になればやれるものだなという標本でありますけれども、こういう一連の過程を経験された大臣として、これが今提案されている再建法制に何らかの思考過程で影響があったのか、あったはずだと思いますけれども、いかがでございましょうか。
#15
○国務大臣(菅義偉君) 先ほど委員の御指摘の中で、もう少し時間を掛けてこの法案は提出をする予定でありました。しかし、夕張があのような形で財政再建、そういう団体になる過程の中で様々なことを私自身も実は感じました。
 それは、まず、ここに至るまで、なぜそうした財政状況が明らかにされなかったのかということが一つの大きな疑念でありました。さらにまた、夕張市が自らこれを宣言しなければ私ども国も北海道も何もこの再建計画については指導することはできないというんですか、再建宣言をするというのはあくまでも地方自治体にあるわけでありますので、そうした中で、やはりサッカーでいえばいきなりレッドカードのような状況でありましたから、イエローカードというんですか、そういうものをやはり途中で出して注意を喚起する、そうした制度も必要だろうという、そういう実は思いもあったということも事実であります。
 そして、何よりもやはり連結で財政そのものを見る仕組み、そういう中で、そして透明性、そういうものを情報公開というんですか、そういうものをやはり市民の皆さんに早い段階から見ていただけるような、そうしたものも必要だろうと。そういうことで、今回この法制を急いで今国会に出さしていただいたわけであります。
 検討過程において、全会計を対象にした連結の実質赤字比率だとか、あるいは公社、第三セクター、こうしたものを含めて実質的負債を、将来負担比率、そういう中で財政指標を整備するなど、そういう重要性というものが夕張市の一つの反省の材料になったということも事実であります。そして、多くの皆さんもやはり早い時期にこうした法案を期待をしていたのじゃないかなというふうに思っております。
#16
○木村仁君 ちょっと筋道から外れる質問になりますが、夕張市の財政再建計画、恐らく財政再建特別措置法の最後のケースでありますから、そして破天荒なケースでもありますから、歴史に恐らく残ると思います。そして、新法が成立するとこの新しい法制に乗り換えていく。その経過規定は、ちょっと私もよく存じませんが、ちゃんと規定してあると思います。
 その財政再建について、道及び国がどのような対応をしておられるかということが関心事でございますけれども、北海道は〇・五%の金利で三百六十億円を一時貸付けをするということになっております。これは、北海道にしてみれば、三百六十億当初予算で計上して、三月三十一日に返してもらって四月一日にまた貸すと、こういう財政の専門家がおっしゃる打って返しという形の予算措置であろうと思いますが、やっぱり〇・五%と何%でしょうか、たとえ二%としても、一・五%の利差というのは恐らく年間五億以上になると。加えて、北海道は幾つかの補助金について追加的な補助を続けるような約束になっているようでございます。
 私どもが表の文書で見る限りは、余り国がどういう措置を講ずるのかというのはよく分からないんです。多分、北海道に対して特別交付税措置をすればそれでもある程度できるわけでありますが、今、総務大臣、どのようなお考えでこれを国家としてサポートしていくかと。山より大きいイノシシが出てきつつあることをどうも国も分かんなかったわけでありますから、少しは手伝ってもいいんじゃないかなと思って。私の不勉強かもしれない、ちゃんと申合せがあるのかもしれませんが、御披露いただきたいと思います。
#17
○国務大臣(菅義偉君) まず、この法案が施行された場合、夕張市においても新法、これが適用されることになります。その場合、夕張市の実質赤字比率などは財政再生基準以上であると当然想定されるわけでありますから、従前の財政再建計画に替えてこの財政再生計画を策定することとなります。新法における措置、そういうものが適用されます。
 なお、この夕張市の財政再建が確実に、そして早期に進められるよう、今、木村委員から御指摘がありましたように、北海道は多額の低利融資資金ですね、〇・五%でありますから、こうした貸付けを始め、市民生活や地域経済への影響を緩和をして一定水準の行政サービスを維持する、そういう形で北海道がこの夕張市の再建に総合的な支援を行うということにいたしております。
 総務省も、やはりこうした北海道に対して、今〇・五%でもう着実に計画的に夕張市はその金利によって様々な事業を推進できるわけでありますから、そうした北海道に対して私どもは財政支援を行うと、そういう形にさしていただいております。具体的には、北海道と更に連携をしながら、きちっと夕張市が今の計画の中で間違いなく財政再建できるような、そういう支援をしていきたい、こう考えております。
#18
○木村仁君 夕張市は財政再建だけで地域社会が活性化していくというわけでもございませんで、様々な地域の施策が必要であろうと思います。そういうところにも手厚い御支援をいただきたいと思います。
 それから、ちょっと財政局長に質問、通告外でありますがお尋ねしたいんですけれども、もう夕張市の市議会は九人になっているんでしょうか。それから、市議会に対する手続はもう当然経過措置で不要、このままのことでよろしいという、改めて議会との関係で何らかの手続を取る、まあ事実上説明をしたり、そういうことはあると思いますけれども、手続は必要がないのでございましょうか。
#19
○政府参考人(岡本保君) 夕張市におきましては、さきの統一地方選挙で市議会議員選挙が行われましたので、新しい議員定数で新しい議会がスタートされております。
 現行の再建法に基づきます議決は三月に議会の手続として済んでおりますので、それによって現行法の下におきます再建計画が適正な手続でスタートしているということでございます。
#20
○木村仁君 瑣末なことをお聞きいたしましたが、財政再建では長と議会との関係が極めて重要でありまして、その在り方が再建の行方を決定付けるようなことになりますのでお聞きした次第でございます。
 では、本題に入ります。
 現在の法案、幾つも優れた点があると私は思っております。その第一が、いわゆる健全化判断比率の公表等、健全化判断比率あるいは再生の判断比率というんですか、そういうものを公表するという手続が設けられたことでございます。
 これは、地方財政には当然この内容を住民に知らせる義務がありますし、そういう努力が行われていると思うわけでございますが、地方自治法上は二百四十三条の三に、地方公共団体は、年二回、歳入歳出予算の執行状況及び財産、地方債、一時借入金等の現状を住民に公表しなければならないと。これも極めて古い規定でございまして、そして恐らくその後の戦後六十年にわたってこういう部分の住民の要求というものは非常に強くなってきたと思いますけれども、制度上は余り進歩していないような気がいたします。そして、この公表を担当する部門も、ややもすれば極めて危ない部分は巧みに分からないような表を作るとか、そういうことでやっているような気が、これは私の古い見方かも知れませんけれども、あるわけでございます。
 それに対して今回は、実質赤字比率、それから連結実質赤字比率、実質公債費比率、将来負担比率というような非常にしっかりした概念が立てられました。伝統的な実質赤字比率とか公債費比率ということに加えて連結赤字比率等が入ってきて、また将来負担比率と、その対象もまた内容も非常に膨らんでおりまして、これらが、やっぱりフローあるいはストックの状況が住民にしっかり分かれば住民も納得できるだろうし、また地方財政、団体の財政運営についても大きな関心を持つようになるだろうと思うわけで、これは本当にいい改正であろうと思っておりますが。
 ただ、やっぱりこう言ったって、私どもも法律に書いてある文字を見て、何が実質赤字比率であり、何が連結実質赤字比率であるかということは分からないんですね。それで、皆様がお作りになったポンチ絵と称する分かりやすいものを見ても、なおよくは私どもの頭では分からないと、こういうことでありますから、法律に基づいて公表をして、法律に従った行為を取りましたというだけならば事は簡単かもしれませんが、本当に住民に理解をしていただく、そしていったん緩急あるときには住民の協力を得るという姿勢でこれをやるとすれば、よほど工夫をして分かりやすいものをつくらなきゃいかぬと思われるわけでありますが、総務省自治財政局としては、そういう面についてどのような指導なり、指導というとおかしいのかもしれませんが、干渉をされるおつもりか、局長にお伺いをしたいと思います。
#21
○政府参考人(岡本保君) お答えいたします。
 委員御指摘のように、今回の制度におきましては住民にこの新しい四つの指標、既存のものも含めまして四つの指標を徹底した公開を行うことによって、地方団体の財政に対する議論、監視といったものを努めていただくということが制度の一番スタートラインにあるというふうに考えております。
 したがいまして、そういう意味で、この法律におきましても、各地方団体は毎年度その比率の数値を議会に報告し、住民に公表するといたしているところでございますし、都道府県、国におきましても、各団体の報告を受けて、その県内の市町村の状況、全国の状況を取りまとめて概要を公表するという制度にいたしております。
 その際、今御指摘のように、当然それぞれの各比率の持っております意義、特に新しく入れました連結実質赤字の意味、例えばその団体が抱えているすべての会計を包含している、それをより具体的に分かりやすくお示しするということが何より肝要であろうかと思っております。
 そういう意味で、私どもが持っておりますいろいろな広報媒体等を使いまして、その指標のできるだけ実質的な意味を具体的な数値をもって分かりやすくお提示するという方法でありますとか、それから他団体の状況、それも一律ではなく、同じ、その団体と同じような産業構造やいろんな構造が似ているようないわゆる類似団体の間で比較したような情報、こういったものについてもいろんな媒体を使いながら広報してまいりたいというふうに考えておりますし、また、各地方団体におきます公表につきましても、少しでも多くの住民の方々に御理解いただけるような、言わばそういう意味での、基礎数値も監査委員などに公表してやるということにしておりますので、具体的な方法をやってまいりたいというふうに考えております。
 先ほど御指摘ございました、現在でも自治法に基づきます財政状況の公表といったような制度がございますが、これを活用していただくということもあり得ると思いますけれども、今回のこの制度の設けました趣旨は、決算の公表に合わせて、できるだけ早くそれを住民に御理解いただいて、それを一緒に議論をするというために設けているということでございますので、今委員御指摘のような趣旨を踏まえて私どもも地方団体の指導に当たってまいりたいというふうに考えております。
#22
○木村仁君 先ほど申しましたように画期的な一つの制度であろうと思います。しかし、この運用のいかんによっては、形だけ示しておりますというようなことになりかねませんし、十分研究をし、住民に分かりやすい、そして大胆に財政の透明性ということを追求していきますと、これは単に再建法制の枠の中の出来事じゃなくて、ずっと昇華していけば地方自治法の原則にそういうものがうたい込まれていく、あるいは地方財政法の原則にそういうものがうたい込まれていくというようなことに発展していく可能性もあると、そういう意味で非常にいい芽をつくっていただいたと思っておりますけれども、そういう点について大臣の決意を一言お聞かせいただきたいと思います。
#23
○国務大臣(菅義偉君) 地方公共団体の財政状況を示す指標というのは、今日までは、普通会計、これを対象にしたものだとか、あるいは個別の公営企業の会計のみを対象にしたものが用いられてきました。実際、自分のところの団体がどれぐらいの財政状況にあるかということを端的に示す指標がなかったわけでありますから、そういう意味では市民の皆さんが自治に対して関心を持つというんですかね、そういうことに対しても、私どもはやはりこうした問題の、一つの問題だったというふうに思っております。
 今回、そういう反省の中で、公営企業の特別会計を含めて、それぞれの団体が、全体として一定以上の資金不足、これを生じないようにすることが財政運営を責任を果たす上で極めて重要であると、そういう観点から、本法案において、全会計の実質的な赤字までもとらえる連結実質の赤字比率を用いることにして議会に報告すると、こういうことにさせていただいたところであります。
#24
○木村仁君 次に、その比率の中で連結実質赤字比率というような新しい制度がつくられました。
 連結決算とか、それから地方財務を複式簿記と同じような形にしてみたりとか、もうこれは相当長い時間を掛けて総務省や地方公共団体で研究されているわけでありますが、なかなか実際の制度にはなじまない部分があるのか、制度化されてこなかったわけでございます。今回、この連結実質赤字比率という概念をしっかりと樹立されて提示されたことというのは、これも一つのやっぱり画期的な法改正であろうと思います。
 連結実質赤字比率という皆様がお作りになった資料を見ますと、一般会計と特別会計、私どもの頭の中で凝り固まっている普通会計と、これだけではなくて公営事業会計、公営企業会計、そういうものも含めて今回は連結実質赤字比率ということになっております。それに対して独立行政法人とか地方三公社とか第三セクター、この辺りも本当は連結してもいいのかなという感じがしないでもありませんけれども、それは将来負担比率という形で住民に示していこうと、こういうことになっておりますので、ともかく連結の実質赤字比率が出されたということは非常に画期的だと思います。
 この採用、そしてこの公表に踏み切った基本的な考え方について、お教えいただきたいと思います。
#25
○政府参考人(岡本保君) 今回、連結実質赤字比率を導入をいたしましたのは、従来の再建法でやっておりました、取っておりました普通会計のみを対象としたという場合には、その法制定当時と比べまして地方団体の言わば活動領域が非常に広がってきたということがまずその背景に基本的にあると思います。特にその公営企業会計、いろんなその他の特別会計におきます公営事業会計というようなものがあるわけでございますので、そういうものをつかまえないと地方団体全体の財政状況が分からないということが明らかになってまいったと思っております。
 夕張市におきます財政赤字の大きな要因も、観光会計でありますとか、それから病院の会計でございますとか、そういう意味での会計の赤字が大きな赤字の要素の一つになっているという問題もございましたので、それぞれの全体としての地方団体の財務状況を明らかにするという意味で連結実質赤字比率を用いるということにいたしたわけでございます。
#26
○木村仁君 連結実質赤字比率で一つだけ気になりますのは、これは多くの会計を一括して赤字を出し、また黒字の部分を差っ引いてトータルのものを出すということになると思います。それが市町村の、地方公共団体の財政状況の全体を示す指標として非常に有効であるということは疑いのないところでございます。
 しかし、いろんな特別会計あるいは公営企業会計、それを共通にして一つの指標にしてしまいますと、やっぱり個々の部門の実態が分からないということにもなります。国の財政において、特別会計、二十二特別会計が、これが伏魔殿だと言われて国民には一切分からないいろんな操作があって、そして全体として出てくるから中身は分からないと、こういうことでその改革が行われたのか、行われつつあるのか、行おうとしてなかなかできないのか、そういう状況でありまして、地方公共団体についてもいろんな部門の特別会計や公営企業の一つ一つの質が非常に重要でございます。
 ですから、財政再建とか財政再生あるいは早期健全化計画を作るための住民に訴える数字であればそれでよろしいんだと私は思いますけれども、個々の問題について、一つの比率に安住して明らかにしないということであれば非常に問題であると思いますが、これらのことについて、財政局長、どのようにお考えでいらっしゃいますか。
#27
○政府参考人(岡本保君) 委員御指摘のように、本法案では当該団体の財政全体の状況を把握するという意味での連結実質赤字比率というのを設けました。しかし、当然、今御指摘のように、個々の会計におきますその赤字、経営状態といったものは明らかにしていくことも重要であるわけでございます。
 したがいまして、普通会計につきましては実質赤字比率でこの普通会計の状態が明らかになりますが、個々の公営企業の会計につきましてその実態を明らかにするという意味で、今回の法制度におきましても、個々の公営企業ごとにも経営の早期健全化のスキーム、制度というのを設けまして、資金不足が一定以上の規模に達した公営企業につきましては、それぞれの公営企業の特別会計ごとに自律的、計画的な経営改善を促すという仕組みを導入をいたしております。
 また、その中で、連結実質赤字比率を計算いたします際、御指摘のように、公営企業の中では、例えば下水道事業など事業の立ち上がりの時期には多額の建設投資が必要になってくると。しかし、それが一定の安定した経営に入るというためには、言わば懐妊期間と申しましょうか、その供用開始後一定期間が必要になるという構造的な事業があるわけでございまして、そういう構造的にやむを得ず資金不足、赤字が出るという問題もございます。
 したがいまして、今回の連結実質赤字比率の計算にいたしましては、その供用開始後一定の期間のやむを得ず発生するような赤字につきましても、そういう比率の算定に当たりましてそういう要素を適切に考慮するということで、その指標の決定の仕方というものを考えていきたいというふうに考えております。
 一つ一つの会計につきましては、一つ一つの会計ごとにその判断指標を作るということと、全体を合わせるときにもそのそれぞれの要素を踏まえながら比較がしやすいような形の指標の設計に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#28
○木村仁君 財政健全化計画及び財政再生計画というものを作る場合の早期健全化基準それから財政再生基準というものがこれから設定されていくわけでございます。
 この部分についてはまだ我々には十分明らかにはされていないのかと思いますけれども、私どもの極めて一般のこれまでの常識でいきますと、実質赤字比率が起債制限の基準というので、都道府県の場合には普通会計で実質赤字比率五%以上、それから市町村では二〇%以上になると起債の制限等があって動きが取れなくなると、それで財政再建の計画に入っていくと、こういうことであったと思います。
 そして、その五%、二〇%というのはどういうふうにして計算されていたのかということは、皆様のお作りになった資料によりますと、都道府県で五%というのは、標準的な財政規模の五%ぐらいは節約によって借金を返していく力が出てくるのではなかろうかと、それを超えるようだとちょっとなかなか借金がうまく回らないねと、こういうことでございます。それから、市町村の場合にはもうちょっとゆとりがあって、二〇%までは大丈夫だろうというんですけれども、これはどういうことなんでしょうか。
 地方公共団体として、都道府県は非常に今まで、今で言う法定受託事務等が多くてどうしてもゆとりが少ない、それに対して市町村はゆとりがあると。これはちょっと常識では我々分からないので、普通の市町村であれば、首長さんが最後、自分の思いで付けられる金というのは数億にすぎなかったとかいうよくお話を聞きます。こういう数値をこれからまた新たに今恐らく検討しておられるのであろうと思いますけれども、従来のそういった起債制限比率とかそういうものとの対比において、どういう形の早期健全化基準及び財政再生基準をこのいろんな指標を用いてお作りになるのか、そのところの現在の思考過程を少し御披露いただきたいと思います。局長、お願いいたします。
#29
○政府参考人(岡本保君) 御指摘のように、早期の健全化基準及び再生基準といったものにつきまして、私ども、今いろんな議論出ております。年内にはこれを、この法律の適用等を考えますと、各地方団体にお示しをすることによって二十年度の予算編成に間に合うようにこの作業を進めてまいりたいというふうに考えております。
 その際、私どもとして考慮すべきことは、今回の早期健全化あるいは財政の再生といった法律に設けましたその規定の趣旨を十分に踏まえるということでございますし、また今委員から御紹介ございましたような、現在の再建法で設定されております都道府県については五%、市町村については二〇%という赤字比率がございますし、また、地方債の協議制の下で実質公債比率が一八%以上ですと協議団体が許可団体となる。あるいは、二五%以上で一定の地方債の発行が制限されるといったような、こういう事実上の財政規律の言わば運用がされているわけでございますので、従来から取られておりますこのような指標との整合性といったものを十分勘案しながら検討していきたいというふうに考えております。
 また、当然のことでございますが、これにつきましては、現在でもこの法案を、案を発表いたしました段階から各地方団体からはいろんな御意見をいただいておりますが、この法案を成立させていただきました後、速やかに地方団体の御意見をまた伺い、またその途中過程でいろいろ案を、考え方を示しながら議論をするという形で地方団体の意見を十分伺いながら検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
#30
○木村仁君 次に進みます。
 この新しい法制で早期健全化計画というものが提案されているのは、これもまた大変画期的なことであろうと思います。一定の財政健全化基準以上の赤字を出す、あるいは債務が多くなるというようないろんな基準でこの早期健全化計画を立てるのであろうと思いますけれども、これは起債の制限等は、これを作るからどうだ、作らないからどうだということはないのだろうと理解しますけれども、むちの方はないわけですけれども、若干あめの方があってもいいのかなという気がいたしておりますので、念のためにお尋ねしておきたいと思いますけれども、早期健全化計画を作った団体に対して何らかの温かいお志を掛けてあげようという気持ちがおありになるんでしょうか、それとももう、いや、それは自分で、自主努力でやっていることでおれたちは知らぬよと、こういうことでしょうか。届出を受けて公表はすると、これはもう誠にそっけない話のようにも思いますけれども、いかがでしょうか。
#31
○国務大臣(菅義偉君) 木村委員の御期待をするような答弁できなくて恐縮でありますけれども、今度の健全化というのは、深刻な状況に陥る前に未然に防止するものでありまして、財政指標が一定程度悪化した場合にこの計画を立てることになります。したがいまして、こうした団体に対しては、国の配慮のことは規定をされておらず、この法案において特段の財政支援をと、そういうことは考えておりません。
#32
○木村仁君 何かというと政府にたかれというような風潮が大変強い現今においては、極めて高邁な御見識であろうと思いますが、いろんな状況の中で、また、精神的また実質的支援をするということも状況に応じてお考えいただければと思います。
 それから、財政再建計画を作るという段階に入りますと、従来の財政再建計画というのはおおむね五年ぐらいで、五年、六年ということで、法律上は七年以内ぐらいというような書き方をしていたと思います。今回はそういう期限はないと、こういうことでありますが、まあ何せ夕張が何年ですかね、二十年、二十数年も掛けて再建しようという気の長い話でありますから、それで年限を問うわけではありませんけれども、非常にこの財政再建期間中というのは厳しい、首長にとっても厳しいわけですね。七年と申しますと、一人の首長が選挙されて、そして財政がとんでもない状態になっているということで再建計画を作ると。そうすると、次の選挙のときには自分は何にもしませんでしたという形で選挙を戦わなければならないから大変苦しいんだと思うんです。
 ですから、この七年というのでも厳しいんですけれども、少してこ入れをしてでもある程度期限の短い期間内で再建をすると。事によったら再生基準を少し厳しくしてでも再建期間は少し短くするという努力をなさってもいいのかな、良くないのかなと、そういう感じがいたしますけれども、局長にお尋ねしますが、いかがでしょうか。
#33
○政府参考人(岡本保君) お答えいたします。
 財政再生期間の計画の期間につきましては、それぞれその団体が再生計画、再生の段階に至ってしまった悪化した要因といったものがあるわけでございますので、要因分析を踏まえまして、その当該再生団体になった比率の数値をそれ未満にとどめていただく、勘案をするということが必要なわけでございます。
 したがいまして、現段階でどの程度の期間になるかということをお答えできる段階になっておりませんが、できる限り、御指摘のように、できる限り早期に目標達成を図るという観点が重要だと考えておりますので、今再生計画につきましては同意基準というのをお示しすることにいたしておりますので、その中で方針を示したいというふうに考えております。
 ただ、新しい制度の下では再生段階に至る指標が三つあるわけでございますので、それぞれの指標の原因、言わば悪化した要因によって、それを改善する、赤字を改善するということと、例えば実質公債比率のように、まあある意味ではフローでございますが、積もり積もった借金をどのぐらい返すかということでございますので、直ちには改善しにくいといったような指標でもあるわけでございますので、比率の種類によってそういう計画期間ということが違うことがあり得るのか、いややっぱりそれは一緒の方がいいのかといったようなことも含めまして現在検討したいというふうに考えております。
#34
○木村仁君 再生計画を立てた場合に、赤字公債でありますけれども、再生振替特例債という新しい言葉が、新しい言葉ですよね、これは、出たように思いますけれども。これは、財政再生振替特例債という名前はどういうお気持ちの表れでありましょうか。財政再建債とかそういうのではいけないのか、また従来の再建の場合でありますと、退手債、退職金を地方債で見てあと交付税でフォローするというようなことが行われておりました。そういう従来のニュアンスと再生振替特例債というのとはどういう違いが気分上又は実質上あるんでしょうか。
#35
○政府参考人(岡本保君) お答えいたします。
 今委員御指摘のように、再建債でございますとかいう言葉、特にそれで赤字再建債という言葉がこれまでのいろんな議論の、法律の今回の制度をつくります議論過程でいろいろございました。その際、それぞれの識者の方やあるいは論調の中で、今委員御指摘のような単純に赤字を振り替えるようなものもあれば、あるいは退職手当債のようなものを赤字再建債だとおっしゃるような方々もおられました。
 今回、そういう意味で、その言わば赤字再建債というような一般的な言葉よりも、今回設けたこの特例債といったものの趣旨をできるだけその実態に即した名前にしたいというのが今回付けました振替特例債というものでございます。
 すなわち、その団体に生じておりますその収支の不足額を、これを通常でございますと、先ほど御指摘いただきましたように、翌年度の繰上げ需要をつなぎながら解消していくということになりますので、それをその計画期間内の地方債に振り替えることによって平準化をして、それを計画期間内で確実に解消するんだということを私どもの考え方としてはこの地方債の一番の趣旨なのではないかということから、再生振替特例債という形で名称を付けさしていただきました。
#36
○木村仁君 こういう理解でよろしいんでしょうか。今までは、例えば退手債という形で面倒を見ておったと。しかし、そうではなくて、もうずうっとよどみを集めて、そして赤字がこれだけあるからこれを当面地方債で見ておけというと、住民にとっては極めて分かりやすいですよね、これだけ赤字があって、これだけ借金が増えたなと、おれたちの将来は負担が増えるんだということでありますから。
 そういう連結したいろんなものの赤字がそこにたまって、それをもう仕方がないから地方債で見ようと、それが振替という意味だと、こういう理解でいいんですか。
#37
○政府参考人(岡本保君) 今委員御指摘のような趣旨で私どもも考えております。
#38
○木村仁君 若干言葉の遊びみたいなことをして申し訳ございませんでしたが、それを発行した場合に国がどういう面倒を見てくれるかと申しますと、第十二条の第三項で、再生振替特例債については法令の範囲内において資金事情の許す限り適切な配慮をすると、こういうことになっておりまして、現在の金融情勢からすればそれほど有り難い規定でもなさそうだなという気がいたしますし、それから二十一条に、国及び地方公共団体は、財政再生団体が財政再生計画を円滑に実施することができるように配慮すると、こういうことが書かれております。他の地方公共団体というのは市町村にとっての都道府県であろうと思いますけれども、市町村として都道府県に余り期待するところはないのであって、国がどういう面倒を見てくれるかなというのが関心の的であろうと思います。
 これ以上の規定を法律に書けといってもそれはしょせん無理なことかもしれませんけれども、お気持ちの中で振替債についてどういう財政措置をお考えになっているのか、法律の条文で、あるいは地方交付税法の方でやることも可能でありますし、いろんな方法があると思いますけれども、少し手のうちを明かしていただければ有り難いと思います。
#39
○国務大臣(菅義偉君) 夕張の財政再建の中で、私は、一番夕張市が計画を立てる中で夕張市にとって大事だったのは、やはり長期にわたり安定的にまた低利でそうした資金の需要ができることだったというふうに思っています。そういう意味では、北海道も三百五十三億を〇・五%で融資をすると、そのことが極めて大事だったというふうに思います。そういう中で、今回の振替特例債も必要な資金を安定的に確保する、そういう意味では極めて私は再建の中の重要な柱になるというふうに思っております。
 今委員から御指摘いただきましたけれども、発行した場合、その資金について国は資金事情の許す限り適切な配慮をするもの、こういうふうにされていますし、その再生団体の財政状況だとか、個々具体の状況を踏まえながら真に必要な場合はそれなりに措置をさせていただきたい、こう考えています。
#40
○木村仁君 多分これからの都道府県、市町村、特に市町村の場合でございますと、金利という問題について一番センシティブだと思うんですね。安い金利のお金を貸していただくということは非常に大きな関心事であろうと思います。それで、菅大臣が今回五兆円に及ぶ高利の借換えをお認めになったと、これはもう大ヒットでありまして、非常に好感を持って市町村長に迎えられておりまして、感謝をいたしておりますが、そういう意味でできるだけ金利の低い資金を国として考えてあげるということが必要であろうと思いますので、これはお願いをいたしておきたいと存じます。
 それから、次に、財政再生計画を立てる場合の過程のことについてお伺いしたいんですけれども、つまり、これは昨日の代表質問でも出てまいりましたけれども、国が口を出すな、口を出すなということは一般的に言われることでございます。
 しかし、私はある程度、自治財政局が口を出すことは大変必要な場合があるというふうに考えるんです、これは異論があるかもしれませんけれども。従来の財政再建計画を作るときにも同意に至る事前の協議というのがありまして、そのときは本当に一つ一つ歳出をチェックして、言うなればもうその財政期間の特に初期においてはどこに地方自治は行ったんだというくらい厳しくやられておりました。
 そういうことでありますから、本当にくちばしだけ入れて、金も出さずに口を出すということが言われて、担当者に言わせれば、金も出せないからせめて口を出させてくれみたいな心理状態で議論をして、そして非常にコンパクトに詰まった財政計画ができる。そのために、大体七年という計画ですと大体五年ぐらいで話が付く、卒業するわけであります。卒業式というのは、議長さんや市町村長さんが出掛けてこられまして、終わったという報告をするときは本当に、何というか、感動的な場面だったですよね。
 だから、そこ辺りは本当に国、県、市町村、この三者のコラボレーションだと、それで立派な曲ができ上がっていくというような感じがしますので、余り遠慮をしないで、ある程度は踏み込んで、特に各種団体の補助金なんというのは切れないですよね、現場では。そこ辺りはむしろ力をかしていただいた方がいいと思うんです。
 夕張の場合を見ますと、申出から計画の同意に至る期間が極めて短いですから、恐らくほとんど口を入れられなかったのか、極めて効果的な強い口を入れられたのか、どっちかだと思うんですけれども、これ、大臣お答えにくければ局長でも結構ですけれども。
#41
○国務大臣(菅義偉君) いや、私もこの夕張の再建というのは非常に関心を持って実は見守っておりました。そういう意味で、やはり第一義的に夕張市の実態を一番よく知っているのはこれは北海道庁でありますから、北海道庁に対して、夕張の再建に対しては、それは当然全面的な協力というのはあります。
 私どもは、北海道を通じて実は支援をさせていただく、そういう実は対応を取らさせていただきました。そういう意味で、先ほど来お話がありますけれども、三百五十三億円、〇・五%、北海道が夕張市再建のために融資をする。それが私は夕張再建の基本だと思いましたので、そうしたものについて私ども財政融資させていただくと、そういうことでありました。
#42
○木村仁君 ひとつそのコラボレーションの部分を十分配慮をしながらやっていただきたいと思いますし、そのコラボレーションをすれば、やっぱり温情がわいて財政措置の方もしっかり考えていただくと、こういうことだろうと思うんですね。ですから、金を出さないから口を出さないというんじゃなく、口を出すよと、しかし出した結果は金も出そうかなという姿勢がよろしいのではないかと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 ちょっとこれは質問通告も十分ではありませんでしたし、財政局のお話でないのかもしれませんけれども、財政再建における首長と議会の関係、これと監査委員の関係についてお答えができればお答えをいただきたいと思います。
 議会との関係というのが私は財政再建においては非常に重要だと思っております。この新しい法制でも、財政再建について議会の同意が得られない場合であるとか、どうしても再生計画が実施できないような議決が、予算を否決するようなことが行われた場合には再議に付することができると、こういうことが書かれております。
 そういう制度は是非私も必要であろうと思いますけれども、そういう状態になって再生計画が順調に進むとはとても思われないんです。我々の知見からすれば、大体うまくいく再生というのはすべて、すべてと言うといけませんけれども、首長と議会とのこれまたコラボレーションがうまくいった場合に非常に好ましい再生ができ上がっていくと、こういうことでございますので、長と議会との関係の調整についてどのような配慮をなされるのか、制度としては再議の規定を設けておけば強力な、これ非常に強力なものでありますから、それについてどうお考えでしょうか。
#43
○政府参考人(岡本保君) 首長と議会の関係がうまくいくことによって再生、再建が進んでいくということは、もう委員御指摘のとおりだと思います。
 制度的には、今御紹介いただきましたような再議の制度とかそういうものを設けておりますが、今回の制度を設けました一つの柱は、先ほどお話ございましたような、要するに新しい財政指標を徹底して出す、平常時において指標について、監査委員も含めて、またそこにおける住民の参加も得て議論をするということをまず大前提といたしております。そういう、その平常時におきます財政情報等につきまして、首長と議会の間で、ともすれば財政の状況についての議会の議論が足りないとか、いろいろな議論がございますが、そういうものをできるだけ促すということでございます。
 またさらに、私どもが今回つくりましたのは、従来の要するに再建ということに一発で行ってしまうのではなく、事前に健全化という意味での言わば予防的な段階をつくるということにいたしておりますので、その予防的段階におきますいろんな経営改善努力といったことについて、やはりそこで議会と首長との一定のいい意味での緊張関係、そこに住民も参加をいただいてつくるということによって、その健全化計画、再生計画といったものが適切に円滑に進んでいってほしいということを、今回の制度を設計するに当たりまして私どもとしては考えてまいったというところでございます。
#44
○木村仁君 再建の協議をやるときに、市町村長さんと一緒に議長なんかが来ることあるんですよ。そんなのは無駄だといって追い返すようなことでない方がうまくいくんじゃないかなと、少し経費は掛かっても思いますので、よろしくお願いします。
 それから、この新しい法律において監査委員の役割がかなりフィーチャーされている。これは、私もこの新しい法律の非常にいい点であろうというふうに考えております。監査委員が判断比率について、そのバックデータを調査して発表するとか、あるいは総務大臣から何らかの勧告があった場合には直ちに監査委員に報告をして、監査委員も十分な関心を持ってこの監査の任に当たるとか、そういうことは非常に立派なことであろうというふうに思っております。
 それで、一つだけ検討をしていただきたいなと思うことがありますが、これ何というんですか、包括監査契約というんですか、それを都道府県、指定市及び中核市は、この包括監査契約というものを結んで専門家の監査法人にいろんなものを見ていただくということが義務付けられております。しかし、一般の市町村にはそれは義務付けられておりませんけれども、これは条例でそれを委託することにすれば包括監査法人が入ってきて専門的な知識をかしてくれると。
 包括監査法人で地方公共団体の財務について非常に詳しいところがあるかどうかということは余り定かではありませんけれども、だんだんそういう機能を備えた法人が出てくると思うんですね。そうしますと、再生計画を作ったときに、その期間だけでも包括監査の契約を結んで専門家を入れれば住民が非常に安心するのではないかと。まあ経費が足りないときにそんなことは要らぬといえばそうかもしれませんけれども、それについて、これはもうちょっと質問外でございますから、御感想でいいですから局長にお願いします。
#45
○政府参考人(岡本保君) 今回の制度に当たりましては、御指摘のような監査委員の制度、監査といったものについて、そこに重きを置いていろいろ議論をさせていただきました。
 指標の公表に当たりましては、監査委員の審査を経た上で議会に公表するということもございますし、また健全化段階に入った団体につきましては、個別外部監査を受けてその健全化の要因というものを分析し、受けなきゃいけないというふうに制度もいたしております。
 そういう意味で、監査委員の監査の制度といったものについて、義務付けられていない市町村におきましても、そういうものにできるだけ多く導入をし、平常時でもいろいろな外部からのチェックといったものを深めながら財政状況について議論を深めていただくように、私どもとしてもまたいろいろな対応を取りたいというふうに考えております。
#46
○木村仁君 監査法人は専門家でありますが、極めて高いですよね。ですから、余りそれを言うわけにはいかないのかもしれませんが、いろんな御配慮をお願いしたいと思います。
 そろそろやめていいよという理事のお話でございましたが、せっかく準備したものが幾つかありますので、急ぎ駆け足で聞かせていただきます。
 今回の法制で、地方公営企業に係る再建、今度は再生でありますけれども、これを公営企業法からすっかり落としてこの法律の中へ持ってきたわけでありますが、この法律に持ってきて、そのシステムは万全を期して設計されておりますでしょうか。念のため、一言お願いします。
#47
○政府参考人(岡本保君) 本法案で、従来の地方公営企業法にございました再建の仕組みといったものを一元的に、連結実質赤字比率なども導入をいたしましたので、普通会計、公営企業を含めました全体としての地方団体の再生のための法体系という形で一括的に整理をするという意味で一本化をさせていただきました。
 そういう意味で、当然のことでございますが、今御指摘のように、これらの公営企業につきましても、先ほどお話しいたしましたが、個々の公営企業ごとの経営の早期健全化のスキームを設けるということでございますとか、公営企業会計を始め地方公共全体の会計を全部連結して把握するなどの手法も導入をいたしまして、公営企業の経営の早期健全化という形での法体系を整備させていただきました。
#48
○木村仁君 十分考えてお作りになったのでよろしいと思いますが、公営企業法には四十七条といって財政再建債の利子補給という規定があったんですけれども、これに当たるものは今度はないんでしょう。ないとして、これはない方がよろしいんでしょうか、それとも、この際そういう甘ったるいことはさせないと、こういうお気持ちでしょうか、ちょっと。
#49
○政府参考人(岡本保君) 再建債の利子補給といったことにつきまして、旧法では法的な議論ございましたが、先ほど申し上げましたように、地方団体の財政再建、再生にかかわります全体的な支援といたしまして、具体的な支援措置といったものを個別に規定するということは今回の法律ではいたしておりません。したがいまして、再生段階になれば、また真に必要なものについては実際上考えていくことは必要だと思っておりますが、健全化段階では、国として公営企業につきましても特段の支援措置を講ずることは考えておりません。
 ただ、そういう個別の再建ということではなくて、下水でありますとか病院でありますとか、特に病院なども現在喫緊の課題でございますから、そういう意味での、一般的な意味での下水道や病院会計といったものの経営の改善計画といったものについて、不断の施策としていろんな支援を考えるということは別途必要であろうと思っております。
#50
○木村仁君 今お答えがございましたように、個々の公営企業等についてそれぞれの立場からの財政支援等があると。むしろ、再生に当たってはもう甘えの部分は切ってしまえという、これは私は一つの見識であろうと思いますし、私も賛成をいたしまして、あえてそこにまた甘えの部分をつくれとは申しません。ただ、ちょっと気付きましたので申し上げただけで、温かい気持ちでお見守りをいただきたいと思います。
 それから、ついでながらでございますが、公営企業の中でもうやめちゃった方がいいというのがございます。私は、その典型的なものは、地方の都市で十分採算が取れる、そういう路線で走っている公営バス、これはもう早くやめた方がいいと思います。そして、団塊の世代がだんだん定年で辞めていく今が、それを縮小、廃止する絶好のチャンスでございます。したがって、これほど、なぜ小泉総理があれだけ民でできるものは民でと言いながらこの改革に目が届かなかったのか不思議でしようがないんです。それは、恐らく総務省が自分の公営企業の枠を一生懸命守ろうとしていたせいではないかと、ちょっと邪推をいたしておりますが。
 ですから、計画的に、再生というか撤退計画、これは撤退というのは一番難しいことかもしれませんけれども、計画を立てて、そういった民でできる公営企業は民に移していくと。病院等についてはやはりそうはいかない部分があるかと思いますが、公営バスについてはそれが必要であるし可能ではないかと思いますが、大臣の御所見をお伺いしておきたいと思います。
#51
○国務大臣(菅義偉君) 総務省では新地方行革指針、これによってサービス自体の必要性だとか、地方公営企業として実施する必要性について十分検討して、特に公共性の確保等の意義が薄れている場合には民間への事業譲渡について検討する、こういうことをそれぞれの自治体に要請をいたしております。
 今委員から御指摘のありましたこのバスでありますけれども、私も今の方針から考えた場合、やはり民間にということが極めて私は大事なことだというふうに考えております。民間への事業譲渡等の検討についてこれからも要請をしてまいりたいと、こう考えます。
#52
○木村仁君 それから、もう一つお願いしておきたいことでありますが、公社とか三セクの問題でございます。これは今度、将来負担比率などによって全部包含して議論することができるようにされておりますので大変心強く思っておりますけれども。
 まあ少し時代は古くなりますが、かつて学校の需要が非常に急速に伸びた時代、昭和四十年代だったと記憶しますけれども、大阪府の衛星都市と言われるところ辺りでは学校の建築が間に合わない、したがってどんどんどんどん第三セクターでお金を借りて学校の校舎を建てて、それを団体に、市に貸すわけですね。そうすると、それを買い戻す余裕はないから、どんどんどんどん公社に利子がたまっていって、本当にそれを買い戻すときには莫大なお金を払わなければならなくなると。そういう状況であるにもかかわらず、銀行は支店長レベルでどんどんどんどん金を貸すわけですよ。もう無制限に金を貸すわけです。なぜ金を貸すかというと、一〇〇%の債務保証、債務保証じゃなくて損失補償契約を当該団体が結ぶからですね。債務保証はできない原則ですから、債務の損失補償契約になると。損失補償契約を一〇〇%にすれば、相手が地方団体ですからほぼ保証と同じ状態になる。非常に問題なので、私は、その当時、そのときこそ債務調整じゃないけれども棒引きを頼みに行けと、銀行に対して棒引きを頼みに行けと言ったら、途端にもう支店長の権限から本店の権限に上がって少しは精査するようになったような記憶がございます。
 プロジェクトファイナンスということがあって、それを地方団体にも適用したらどうかというのは、なかなかそれはいけないと、こういうことでありますが、少なくとも三セク等についてはプロジェクトファイナンス的な、その事業が本当に成り立つものかということを考えながら融資もしてもらわなきゃいけないし、事業もしなきゃいけない。そうしますと、そういう感覚を持つということ、その前にもう土地開発公社みたいな不要なものはどんどんやめていくということをやっていただきたいと思いますけれども、その三セクの融資の問題と存続そのものの問題についてどうお考えか、お尋ねしておきたいと思います。
#53
○政府参考人(岡本保君) 三セク等の資金調達についてのお尋ねでございます。
 三セク等に対します資金調達につきましては、事業自体の収益性に着目したプロジェクトファイナンスの考え方を基本とするということは、私どもも全くそういう考え方の下に地方団体に対して要請し通知をいたしております。また、将来の新たな支出負担リスクを回避するという観点から、損失補償は原則的に行わないこととすべきというふうにも考えておりまして、この旨もガイドラインの中で、この旨地方団体に助言をいたしております。しかし、地方団体の中には、三セク等の金融機関から資金調達に関して今御指摘ございましたような損失補償を行っているケースが幾つかあるわけでございます。この場合、債務調整も含めた民間の事業再生ルールが損失補償の部分だけ先引きされてしまうといったような問題も生じているというふうに考えております。
 この問題につきましては、現在、その債務調整に関する調査研究会の中におきましても、その地方団体の債務調整に関する議論の一環として御検討をいただいておりまして、私どもといたしましても、研究会におきます今後の議論を推移を踏まえて、損失補償を始め地方団体の三セクへの関与の在り方について検討を進めてまいりたいと思っておりますし、また、そういう意味での三セク、公社といったものを基本的にはどんどん整理をしていくということが基本的には必要だというふうに考えております。
#54
○木村仁君 最後のお願いになりますが、今回のこの再生法制、非常に優れた点も多いし画期的な法案であろうと思います。成立いたしました場合には、いろんな基準等の設定についても、地方公共団体の意見をよく聴取していただいて運用していただきたいと思いますが、新制度が成立した場合の運用についての基本的な姿勢を大臣からお伺いして終わりたいと思います。
#55
○国務大臣(菅義偉君) まず、財政指標やこの基準に係る政省令でありますけれども、これにつきまして、各地方公共団体がこの制度全体を前提として平成二十年度の予算編成に当たることができるように、年内にまずこれは整備していきたいというふうに思います。
 そして、その策定及び運用については、御指摘いただきましたように、地方六団体を始め地方公共団体からの御意見についても十分に伺ってまいりたいと思います。
 いずれにしろ、地方公共団体の理解を得なければ制度の円滑な導入といってもできませんので、十分に配慮させていただきたいと思います。
#56
○高嶋良充君 民主党・新緑風会の高嶋良充でございます。
 今日は再建法制、非常にこの重要な法案の第一回目の審議でございますから、私は総論部分といいますか、まずそもそも論から質問をさせていただきたいというふうに思っております。
 先ほど木村委員の方からも御指摘がありましたけれども、五十年ぶりに再建法制が見直されると、こういうことでございます。この再建法制、竹中前総務大臣の私的懇談会であった地方分権二十一世紀ビジョン懇談会で検討されてまいりました。そして、昨年公表されたときには、三年以内に整備すべきであると、そのように報告をされていたわけでありますけれども、しかし、その後約半年で法案化をされて国会に提案をされてきたわけでございます。
 私は、五十年ぶりの抜本改革にしては少し拙速過ぎるんではないかというふうに考えているんですけれども、急いだ理由について総務大臣にまず伺いたいと思います。
#57
○国務大臣(菅義偉君) 確かに、高嶋委員御指摘のとおり、この地方公共団体破綻・再生法制については、地方分権二十一のこの懇談会の中で、いわゆる再生型破綻法制の検討に早急に着手をし三年以内に整備を行うべきと、このようにうたわれております。しかしながら、私自身、総務大臣に就任をしましたときに、さきの臨時国会で、まず地方分権改革推進法でありますけれども、これも実は今度の通常国会に提出を予定をされていたというふうに私は思っています。しかし、地方分権というのは正に極めて大事な、総理も最重要課題と言っておりますし、地方の活力なくして国の活力なし、そういう考え方に立った中で、やはりこの地方分権というのを一刻も早くやはり私は進めるべきだ、そう総理に、私、総務大臣に就任をさせていただいた翌日に総理の官邸に行きまして話をさせていただきました。総理も、じゃやろうということで、まずこの分権改革推進法をさきの臨時国会で委員を始め皆さんの御理解をいただいて成立させていただきました。そして、この四月一日から施行されて、今七人の委員の皆さんで正にこの地方分権についての議論が始まっておるところでありまして、過日はその基本的な考え方を示させていただきました。
 それと同時に、この地方分権を進めていく中で、やはり財政規律というものはこれは極めて大事だというふうに私は思いました。これはやはりできる限り早い時期に行った方がいいだろうというふうに私も思っておりました。そしてまた、夕張の財政破綻というものが一つの大きな社会問題になったということも事実であります。やはりあそこまで行く前に何とか手だてはなかったのかという、これもやはり大きな国民の皆さんの声でもあったというふうに思います。
 そういうことを踏まえまして、今回予定より早くこの国会にこの法案を出させていただいたということでありますので、御理解をいただきたいと思います。
#58
○高嶋良充君 大体大臣の考え方は分かりました。第二の夕張を出さないということは、私はこれもう大切なことだと思っていますし、私も以前から分権改革とセットでこの破綻法制というものをやるべきだと、こういう主張をしてまいりました。
 ただ、私が申し上げたのは、分権改革とセットということは、国と地方の役割分担であるとか、あるいは権限の拡大であるとか税財源の移譲であるとか、そういうものがきちっと先に整理をされて、こういう形で改革をやりますよと、それと同時に、財政規律の問題が重要なので再建法制も一緒にやりましょうと、こういうことでセットでやるべきだと、こういうふうに以前から申し上げていたわけですけれども、どうもこの夕張問題が先行したことによって、これだけをまずやると。そして、議論はされていますけれども、まずどういう形でその議論の決着が見られるかということには分権推進委員会でもなっていないと、こういう状況でございますから、そこのところで拙速であったのではないかと、こういうふうに申し上げているわけであります。
 その辺について若干の検証も含めて議論をさせていただきたいんですが、私は昨年の三月十日の参議院の本会議において、当時の竹中総務大臣に今のような考え方を質問をいたしました。少し議事録を読み上げてみたいと思うんですが。
 破綻法制の整備について検討が行われているようでございますが、その前にやるべきことがあるのではないですか。それは、国と地方の役割分担の明確化を図ること、地方への権限移譲、税源移譲を大胆に進めること、そのことによって分権型社会を実現することが先決ではありませんか。さらに、現在の地方財政の危機が国の景気対策という国策によってもたらされていることを棚上げにして、首長の責任だけを問うというのであれば、国の責任転嫁と言わざるを得ませんと、こういうふうに申し上げました。
 それに対して、竹中大臣、次のような答弁をされています。破綻・再建法制は、地方の自由度の拡大に対応して、地方が自らの責任をしっかり果たしていくための仕組みの一環として議論しているものでございまして、地方の更なる権限拡大や税源の移譲と表裏一体で議論をしているわけでございます。こういう答弁をされているわけであります。正に表裏一体でやると、こういうふうに言っておられるわけでありますけれども。
 そこで総務省に伺いたいんですが、二十一世紀ビジョン懇、その当時、じゃ権限の拡大や税源の移譲について表裏一体でどのような議論が行われていたのか、御説明いただきたいと思います。
#59
○政府参考人(岡本保君) お答えいたします。
 二十一世紀ビジョン懇談会では、いわゆる破綻・再建法制について検討課題の一つとされまして、地方の自由の拡大と責任の明確化を表裏一体で推進するという観点から、地方の自由度を拡大するとともに、同時に自らの責任をしっかり果たすための仕組みの一環という形で議論をされておりました。
 具体的には懇談会では、一つは国と地方の権限と責任を再整理をして、新分権一括法を早期に制定すべきということ、また、国、地方の税収比一対一を目指して、今後三年間で五兆円規模の税源移譲を行うべきであるというようなこと、あるいは国庫補助負担金の改革を早急に進めるということ、あるいは地方の行革を推進するというようなことが全体として提言をされ、その中で破綻・再建法制についても、先ほど御紹介があったような取りまとめが行われました。
 こういう経緯を踏まえまして、分権改革の推進体制の整備を必要とする法案が必要ということで、さきの臨時国会で地方分権改革推進法案が成立をいたしたところでございまして、その中で、地方団体の財政規律を確立するための、そのための仕組みをつくるということも極めて重要というふうに私どもも考えたところでございます。
#60
○高嶋良充君 ビジョン懇で、確かに表裏一体で、税財源の配分を含めて具体的な議論をいただいていたということで今御報告をいただきました。
 それが、四月から発足をした地方分権改革推進委員会で更に議論をされて、そして、経済財政諮問会議等々を含めていろんな形で実現をしていくことになるんだろうとは思いますけれども。
 じゃ、今、第二次分権改革に向けて議論されている地方分権推進委員会、基本方針を総理に先日報告をされておりましたし、秋には中間報告を出されると、こういうふうに聞いているわけですけれども、この中で、とりわけ国と地方の役割分担、これについては非常に積極的に議論をされているのかなという、マスコミなりの報道を見ていますとそういうふうにも考えます。
 特に、国による関与や義務付けの廃止、さらには二重行政を是正をするという、地方支分部局なんかの廃止の問題がかなり取り上げられておりますけれども、そういうところが焦点となっているのかなというふうに思っておりまして、これはいい方向だなと考えているんですけれども、今日は内閣府にも来ていただいておりますから、この分権改革推進委員会でこれらの問題についてどのような議論がされたのか、お尋ねをいたしたいと思います。
#61
○政府参考人(松田敏明君) 地方分権改革推進委員会では、本年四月二日の初会合以来精力的に調査審議を進め、ただいま大臣答弁にございましたが、五月三十日の第七回委員会で地方分権改革推進に当たっての基本的な考え方を取りまとめました。
 この基本的な考え方は、地方分権改革の目指すべき方向性や、その推進のための基本原則、これを大ぐくりに取りまとめたものでございまして、委員会では、今後、これに沿って調査審議を進め、秋には中間的な取りまとめを行うとともに、おおむね二年以内を目途に順次勧告を行うこととしております。
 委員会では、今後の調査審議の方針といたしまして、当面、地方との意見交換等を集中的に実施し、課題の検証を行いながら論点を集約して重点的に検討を進める、国と地方の役割分担の徹底した見直しなどの議論を進めることとしております。
 この中で、町づくりや社会保障など、分野ごとの役割分担の見直し、行政の重複の排除と事務事業の見直しによる地方支分部局等の廃止、縮小、あるいは地方自治体の組織、定員のスリム化、あるいは権限移譲の推進、義務付け、枠付けの見直し、条例制定権の拡大、それから関与の見直し等々、様々な事項につきまして今後具体的に調査審議が進められていくこととなっております。
 以上でございます。
#62
○高嶋良充君 今、内容を伺っていますと、国と地方の役割分担を始めとした考え方については、私は、そういう方向を含めて支持はしたいというふうに思いますが、松田さん、答弁は終わったんですが、もう二、三問大臣からの答弁がありますので、それを聞いてから退席をいただきますので、済みませんが、もう少しお残りください。
 大臣に伺いますけれども、今、分権推進委員会等で議論をされ、あるいは総理の方にも基本指針が出されてきていると、こういうことですが、その中で、やっぱり役割分担、国と地方の役割分担ですね、とりわけ権限の拡大、地方に対する、これはもう、いつも中央省庁の抵抗が非常に強いというのは、もう大臣も御承知のとおりだと思っています。第一次分権推進委員会でも、西尾さんを含めて大変な御苦労を、諸井さんもですけれども、されたと、こういうことを聞いていまして、この改革にはちょっとやそっとでは、猪瀬さん、頑張ってペーパーを作ってもらうわけですけれども、実際に実現していこうと思えば大変な苦労が要ると、これは政治のリーダーシップでしかやれないと、こういうことで、幾ら分権推進委員会でいいことをつくっても総理や大臣がやる気がなければこれできないと、こういうことですから、その辺の各省庁の抵抗を抑えてでもきちっとやっぱりそれはやり抜いていくんだと、こういうリーダーシップの発揮について大臣の決意を聞いておきたいと思います。
#63
○国務大臣(菅義偉君) 委員御指摘のとおり、地方分権改革推進委員会で、今事務方から説明ありましたけれども、そうした国と地方の役割、そうしたものを明確に分担をして権限、財源を地方に移すという、そういう方向で基本的な考え方が今取りまとめられております。そして、いざこれを実行に移すには、やはり政治のリーダーシップ、それも私は、内閣総理大臣、全閣僚挙げてやらなければこれ実行することはできないというふうに思っております。総理は正にこの地方分権というものを最重要課題という形で常に発言をし続けております。
 そういう中で、去る五月二十九日に総理を本部長とするこの本部ができました。正に、地方分権推進に当たっての基本的な考え方というものがこの推進委員会から出されました。その表題というのは地方が主役の国づくり、こういうことに実はなっております。私どもも、正にこうしたことが実行に移るように全力を挙げて取り組んでいきたい、こう考えております。
#64
○高嶋良充君 その決意は見守っていきたいというふうに思いますが、分権推進委員会で、先ほど二十一世紀ビジョン懇談会の中で議論をされていた税源移譲、税財源移譲の関係で、二十一世紀懇では一対一というような考え方が、これはもう地方六団体なんかも総務省もそういう考え方だと思うんですけれども、今回一対一にするというようなことも含めて、分権推進委員会ではどうも税源移譲については消極的なんではないかという、これはマスコミ報道ですよ、そういう形でマスコミ報道が出ていましたけれども、もし事実であるなら非常に残念なことだというふうに思うんですけれども。
 これはあえて内閣府には聞きませんが、私は、税源移譲というのはまだ三位一体改革でも道半ばであるというか、三位一体改革でも実際上はきちっとできなかったと、こういうことでございますから、今後の税源移譲というのは非常に重要な課題だというふうに思っておりまして、大臣はこの税源移譲の実現について、もし分権推進委員会で消極的だというようなことの考え方を持っておられるのでしたら、そのことも含めてどういう考え方でこの実現のために臨もうとしているのか、伺っておきたいと思います。
#65
○国務大臣(菅義偉君) 私は、推進委員会の中では、一対一というこの数値目標について、国と地方の役割を明確に分担をすると、そしてそこに当然役割に応じて仕事があるわけでありますから、それに準じた形で税というのは配分されるという、そういう基本的な考え方であるというふうに伺っています。ということは、一対一でなくて、もっと言うならば、今地方は六ですから、国は四ですから、それは六対四で税もあるべきだという私は基本的な考え方であるというふうに聞いています。ただ、国と地方の役割がまだ明確になる前に数字だけ独り歩きするのはおかしいという、それは正に理にかなった考え方の中で数字一対一が出されなかったというふうに私は伺っています。
 私自身も、本来であれば仕事量に見合った形で六対四にすべきことだというふうに私は思います。しかし、当面目標として、やはり五対五、一対一というものを私どもは当面目標として、この税源を獲得をするために私は全力で尽くしていきたいというふうに思います。
 そういう中で、経済財政諮問会議で私、何回となく、この基本的な一対一を目指すと、このことは私自身発言をさせていただいています。その際も、やはりこの遍在度の小さい地方消費税というものをその主幹税にすべきだ、このことも実は私は発言をし続けております。正に地方分権を行う場合には、やはり権限、財源、税源というものがなければ、地方分権、自立、地方することができませんので、それにふさわしいものに向かって全力で取り組んでいきたい、こう考えております。
 それと同時に、私、今までの私ども総務省というのは国と地方の財源調整だけに終始していましたけれども、これだけ東京に法人二税が集中する今日、やはりこの地方間の財政調整というのも私は必要だということ、このことも実は主張しています。ただ、基本は国と地方が一対一、これが基本であることは誤解されないように私申し上げていきたいと思います。
#66
○高嶋良充君 大臣の考え方、分かりました。
 いずれにしても、当然のことですけれども、国と地方の役割分担、権限移譲をきちっとやって、それに見合う税源移譲というのは、これはその主張は正しい方向だというふうに思っています。そういう意味では、権限移譲、役割分担が地方にもし七であれば七対三と、こういう税源配分をしてもらうと、こういうことの考え方のようでございますから、その点は理解をしておきたいというふうに思っております。
 しかし、いずれにしても、この破綻法制というか再建法制、私どもも反対ではありません、賛成をする方針でございますから、この国会で成立をすると、こういうことでございます。これだけが先行して、あと議論されている部分がどんどんどんどん遅れてくるということでは、これは自治体にとっては一体何事だと、こういうことになるわけですから、やっぱり間髪を置かずに一刻も早くそれを実現をしていただく、そのための、分権推進委員会もそうですが、経済財政諮問会議も、あるいはこの政府内の閣議決定等々もスピードアップをしていただいて、スピード感を持ってやっていただくと、こういうことを強く要請をしておきたいというふうに思っております。
 委員長、内閣府の松田次長については退席していただいて結構でございますので。
#67
○委員長(山内俊夫君) どうぞ退席してください。
#68
○高嶋良充君 じゃ、そこで次に、先ほどの大臣の答弁で、最後のところでお話がございました地方間の税収格差、これも非常に大きな問題になっていまして、この再建法制との絡みで、やはりこの税収格差によって非常に厳しい状況に追い込まれてきている自治体が財政再建の計画を策定しなければならないというところが非常に多く出てくるんではないかと、このままいくと。だから、その辺のところをまずきちっと整理をしてやるというのが必要なんではないかというふうに私も思っておりまして、そういう関係でいいますと、総務省は地方間の税収格差是正策、まあマスコミ、世論的には菅総務大臣の発案だったのか、今日はここに来ておられませんけれども、世耕補佐官が自分が発案者だとホームページで書いておられたようですけれども、まあどっちが発案者か知りませんけれども、その部分がどんどんどんどん先行して、どうも以前から言っておられる地方消費税、これをもっと拡大するんだと、ここの部分がどうも薄れてきているんではないかと、こういうふうに思っていまして。
 私は、まあいろいろ考え方もあると思いますけれども、今の税の遍在を解消するため、なくしていくためには、地方消費税、もっとこの地方分を増やしていくんだということが一つの大きな考え方だというふうに思っているんですけれども、総務省として地方消費税の拡充の検討をされているというふうには聞いておりますけれども、どういう検討状況なのか説明いただけませんか。
#69
○政府参考人(河野栄君) お答えいたします。
 先ほどから大臣が答弁をいたしましたとおり、今後、地方税源の充実を図っていく上で、地域間の税収の遍在が小さな基幹税目である地方消費税の充実を基本に対応していくということが一番重要であろうかと思っております。
 また、あわせて、遍在の問題もございますので、現在、財務省と総務省の間で、偏在性も含めた実務者協議も行っておるところでございますけれども、今年秋以降、消費税を含む税体系の抜本的な改革の議論が行われるわけでございますし、それからさらに、先ほどのお話がございました地方分権改革の推進をされていくわけでございますので、この中で、大臣の指示をいただきながら地方消費税の充実を目指して取り組んでいきたいというふうに考えております。
#70
○高嶋良充君 これは四月十七日の読売新聞でしたか、地方消費税をめぐって政府内で対立だと、総務省と財務省という、こういう記事であります。その中では、財務省については、地方消費税よりも地方法人二税の配分を見直した方がいいのではないか、こういう主張を展開をされていると、こういうことがございます。
 その記事の中で、総務大臣は、地方消費税の拡充をしてその分の税源を地方法人二税との、国との税源配分を見直した方がいいのではないかと、こういう主張を展開をされているようですけれども、いずれにしても、これも財務省との調整が非常に重要な課題だと。実務者協議もやっておられる、こういうことで先ほどお話がございましたけれども、総務大臣として、ふるさと納税も結構ですけれども、この地方消費税の拡充に向けてどのように対応されていくのか、その決意を伺っておきたいと思います。
#71
○国務大臣(菅義偉君) 先ほど私申し上げましたけれども、私の基本的な考え方というのは、国と地方、これはやはり一対一にするということでありまして、そしてまたその税源についても、やはりこの地方消費税、それに充てるべきだ、このことは私自身、何回となく、ありとあらゆる場において基本的な考え方を申し上げております。
 しかし、それと同時に、先ほど申し上げましたけれども、東京にどうしても法人二税が集中をしまして、この四年間で東京は一・四兆円地方税が増えています。財政力の弱いところというのは、八つの県足して千四百億円なんです。
 どんなことが起きているかといえば、例えば子供の医療費ですけれども、地方は小学校に入るまでというのが大体おおむねであります。また三歳のところもあります。しかし、東京都においては中学校卒業するまでにほぼなってきております。こういう差というのは、地方を所管する総務大臣としてやはり是正に努めなきゃならないだろうと、このように考えているところであります。
 ただ、基本は国と地方、そして同時に、今まで私どもが目を向けていなかった地方間の税の調整、これは是非やりたい。
 そして、ふるさと納税の件でありますけれども、これはいろんな人が私が発案者だと言っています。多分皆さんが、野党の方もいらっしゃいましたけれども、そういう考え方というのは私は心の中にあるだろうというふうに思っています。
 そして、私自身も秋田出身でありました。そしてまた、多くの市町村長や県知事からこういうことを言われているんです。高校卒業まで地方で掛ける投資というのは約千六百万円ぐらいあるんですね。将来を担う子供たちのために一生懸命にコストを掛けて育てていると。しかし、いざ納税の段階になると都会へ出ていってしまって、地方はお年寄りばかりになってしまう、こういうものを何とかしてほしい、こういう声も実はたくさん私のところに届いております。そういう税というのを考えられないのか。あるいは今、多くの国民がスローライフだとかロハスだとか、自然と共生して生きていきたい、そういう中で自分が深くかかわっている町を応援していきたい、そういう税を考えてほしい、こういう意見も私どもにたくさん来ております。
 そうしたことを実現できる税というのは私はあっていいというふうに思いますし、それぞれの地方の格差が固定をしてしまうことに私自身も非常に懸念をしていまして、それは人の流れとかお金の流れというのは、やはりそういう仕組みをつくることが地方の格差の固定化につながらないだろうと。こういう思いの中で、研究会を開いて、簡単で分かりやすく利用しやすいものをつくってほしいと。そういうことを、先週ですが、一回行いました。そして、これを暮れの税制に向けて、このことの実現に向けて私も取り組んでいると。ただ、基本が、私、国と地方の問題、そして地方間のこの調整でありますけれども、どうしてもマスコミの取り上げ方が、このふるさと納税というのを非常に、賛成、反対が多いものですから、取り上げているという状況でありますけれども、私の基本的な考え方は今申し上げたとおりであります。
#72
○高嶋良充君 大臣の気持ちはよく分かります。私も、私はそのとき発案していませんから発案者ではありませんけれども、三年前に能登の輪島市へ行ったときに、輪島の市長さんが今大臣が言っておられるようなことと同じことを言われました。中学校までは大体ここにいるけれども、高校は大体金沢に行く、そして金沢から後は、大学はもう東京か大阪だと、そして就職も関西か名古屋か首都圏だと。中学校まで一生懸命育てて、ここには一銭も金が入りませんよと、こんな理不尽なことが起こっているんですと、こういうことを言っておられました。
 私は、その話を聞いて、総務省にこういうことを何とかできないのかと、こう言ったら、いや、高嶋先生、そのために地方交付税を手厚く配分しているんじゃないですかと、これが地方交付税の精神ですよと、こういうふうに言われて、ああ、そうなのかと。しかし、そのときと違って、今や三位一体改革でその地方交付税をそういう過疎地や小さい小規模のところからどんどんどんどん搾り取ってくるというよりも配分しないという状況になって、ますます地方交付税の機能も果たさなくなってきているということだから、今総務大臣が言われるような、ふるさと納税に対して非常に、賛否ありますけれども、理解が地方でも広まっているという部分で、逆に都市部の石原さんを含めて反対だと、こういうことになって、もうこれ逆に、地方間の対立になるような状況になってきているというのは、私は不幸なことだなというふうに思うんですが。
 そういう意味では、交付税問題も含めて、やっぱり地方間の配分、国と地方の配分も大事なことですけれども、地方間の配分の関係あるいは地方交付税の問題、これらについてやっぱりきちっと、大臣の方で検討会をつくられたようですから、そのことも含めて検討していただくようにお願いをしていただいておきたいというふうに思っております。
 そこで、次の問題に入りますけれども、私は、先ほども申し上げましたように、財政再建法制の見直し、五十年ぶりですけれども、これは必要だというふうに思っています。しかし、先ほどは分権改革でということを一つ言いました。もう一つ重要な、重視しなければならないものがあるといえば、これも以前から言っているわけでありますけれども、それは現在の地方財政危機、こういう危機になった原因をやっぱりきちっと検証しておく必要があるんではないかと。まあ言えば、病気の原因を突き止めてから有効な治療や手術を行うというのは、これはもう当たり前のことなんですから、そういう意味で大臣にお聞きしたいんですが、現在の地方自治体の財政の危機的な状況とその原因についてどのような認識を持っておられるのかをお尋ねをしたいと思います。
#73
○国務大臣(菅義偉君) 地方財政全体について申し上げれば、バブル経済崩壊後の国、地方を通じた景気対策によって、公共投資の追加やあるいは減税、こうしたものに伴って多額の借入れを行ってきたというのがその財政状況を厳しくしている、そういう要因だというふうに考えています。なお、景気対策のほかにも、景気低迷による税収の落ち込みだとか、あるいは少子高齢化に伴う社会保障費の増加、こういうものもその拍車を掛けてきたと、こういうふうに考えております。
 いずれにしろ、景気対策の実施が財政悪化の一つの要因であった、このように考えております。
#74
○高嶋良充君 そういう意味では、国の景気対策という政策が地方の財政を疲弊をさせたということを大臣自ら認めていただいたわけでありますけれども、私は、先ほど、昨年の三月十日の質問の中で国の責任について問うています。それに対して竹中前大臣、これも二十一世紀ビジョン懇で過去の景気対策の実施を要請した国の責任についての指摘が多数そこで行われておりますと、こう答弁をされています。
 それが今大臣が言われた原因に当たる部分だというふうに思いますが、国の責任について、じゃ一体どのような指摘がそこでなされたのかということについて、総務省の方で御説明いただけませんか。
#75
○政府参考人(岡本保君) 地方財政、御指摘のように、現在、多額の財源不足、それから二百兆円弱の巨額の債務残高を抱えるという極めて厳しい状況にございます。
 このような地方財政全体が厳しい財政状況になりましたことの要因として、バブル経済崩壊後の国の景気対策による公共投資の追加、減税などに伴って多額の借入れが行ってきたということが要因であるということは、ビジョン懇談会の指摘も指摘をされておられるところでございますし、また、その議論の中でも何人かの先生方からそういう御意見が出ております。
#76
○高嶋良充君 資料を提出をさせていただいているんですけれども、御参照いただきたいというふうに思いますが、先ほどから公共投資が大きな原因だということは、もう大臣も含めて認めていただいているんですが、この行政投資の実績を見てみますと、九〇年代ですけれども、国の方は約十兆円で横ばいなんですね。国も財政危機だ、財政危機だと、こういって言われているけれども、公共投資の関係は九〇年代十兆円で毎年横ばいだと。しかし、一方、地方は二十兆円から大体ピーク時には四十兆円、増加をしていると、こういうことですから、約二十兆円ぐらいピーク時には増加をしているわけですね。
 この当時話題になりましたけれども、日米構造協議で公共投資基本計画が定められて、四百三十兆円の公共投資を行うんだと、それで景気回復をやるんだと、こういうことでございました。この四百三十兆円、約十年間で四百三十兆円ですけれども、これ、すべてを地方の単独事業で押し付けてしまったということは、私はやっぱり国にとってはやり過ぎではないかと、こういうふうに思っているんですが、そのことによって現在約二百四兆円もの借金を抱える原因になっているんではないかと。
 ここのところの責任というのは、やっぱり明確にしておく必要があるというふうに思っているんですが、大臣の認識伺っておきたいと思います。
#77
○国務大臣(菅義偉君) 先ほども申し上げましたけれども、バブル経済崩壊後の国、地方を通じた景気対策による公共投資の追加だとか、あるいは減税の実施、さらに、景気低迷によって税収が落ち込んだと、少子高齢化によって社会保障費がどんどんと増加をしている。こういう中で、景気対策によるこの公共投資の推進が、このような形で見ても分かりますように、かなりの金額が投入をされていると、こういうことがその財政悪化の要因になったということは、私も重要であると考えております。
#78
○高嶋良充君 こういう地方自治体にピーク時四十兆円、言わばこの十年間合わせると四百兆円くらいの公共投資をやらせるというか、やってもらうためにいろんな誘導政策を取られたというのは、これはもう大臣も御承知のとおりですよね。昨日の本会議で同僚議員の小川議員からも指摘をしておりました。
 減税と公共事業で景気対策を図るというのが言わば一昔前の政府の経済政策であったわけですから、そのための誘導政策、いろんなところで取られてきたわけですけれども、とりわけて言うと、いずれにしても地方もその当時は財政難の時代ですから財源調達の手段がないと、そのためには地方債だと、こういうことで政府が取られた方策というのが起債の充当率を引き上げると、それも事業債にも充当するという、こういうことをやられた。二つ目は、交付税の後年度負担によって地方債償還の財源を手当てをされた。三つ目は、地方税が減収した部分については減収補てん債だと、減税対策については減税補てん債を発行させるという、正に借金漬けにするような誘導政策を取られた。こういう政策は今やあだとなって地方財政が危機に瀕していると。この誘導政策によって二百四兆円もの借金を抱えるに至ったというふうに言われてもこれは過言ではないというふうに思うんですね。
 やっぱり、この辺の国の責任を棚上げにして財政再建法制を押し付けて、逆にまた押し付けて首長やそこの市民に責任を取らせるというやっぱりやり方はちょっと酷なんではないかと。だから、そういう意味では、この今回の財政再建法制、賛成ですけれども、やっぱり国の責任ということも前段にきちっと把握をして、そのために財政再建法制運用に当たってはそのことも含めた自治体の体制というものを明確にしていってやる必要があるんではないかなというふうに思っているんですが、大臣はその辺についてどうお考えですか。
#79
○国務大臣(菅義偉君) 確かに、委員御指摘になりましたように、この誘導策ですよね、交付税措置のある地方債を増発して地方に単独事業を推進してきたと、地方財政の悪化の要因であるということは私は否定をいたしません。しかしまた、これが景気の下支えや地域の住民生活の豊かさというんですか、地域の活性化につながったという効果も私はあったというふうに思っております。
 そういう中で今回の財政健全化の法案でありますけれども、これはそうした地方に押し付けるということじゃなくて、やはりこの五十年前の日本の実態と比較をして、今日、第三セクターを始め当初は考えられなかったような会計が多くなってその地方自治体の実態が今分からなくなってきておりますから、そういうものを明らかにして、それぞれの地域の住民の皆さんが自分の自治体はどうなっているかということを、そういう意味で情報公開によって分かるような、そして再建策が必要であれば早めに手を打って再建団体に陥らないような、そういう意味合いで私どもは今回提出をさせていただいておりますので、そのことについては御理解をいただきたいと思います。
#80
○高嶋良充君 午後に回します。
#81
○委員長(山内俊夫君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十八分休憩
     ─────・─────
   午後一時一分開会
#82
○委員長(山内俊夫君) ただいまから総務委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告申し上げます。
 本日、高橋千秋君が委員を辞任され、その補欠として小林正夫君が選任されました。
    ─────────────
#83
○委員長(山内俊夫君) 休憩前に引き続き、地方公共団体の財政の健全化に関する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#84
○高嶋良充君 午前中に引き続いて質問をさせていただきますが、大臣の午前中の答弁の中に、夕張市の財政破綻も本法案を急いだ理由の一つだというふうに伺いました。その関係で若干夕張の問題についてお尋ねをしておきますが、確かに夕張市の財政破綻、多くの自治体に大変なショックを与えたというふうに思っています。赤字額が約三百五十三億円、予定財政再建期間が十八年だ、現行再建法制制定以来の最大規模の財政破綻である、こういうことでございます。当然自己責任からいえば夕張市当局の責任が追及されるのはやむを得ないことだというふうに思いますし、これだけ大きな財政破綻ですから、社会問題にもなっているのも当然のことだというふうに思っています。
 ただ、この夕張の問題についても、行政の失敗や不適切な会計処理のみが原因であると、こういうことだけでは今後の他の自治体の財政再建にきちっとした教訓を与えることにならないんではないかと。私は、市当局の責任だけを追及する、市当局の責任だけで片付けるわけにはいかないというふうに思っておりまして、この夕張問題としてきちんとした検証と総括も行う必要があるのではないかというふうに思っているんですが、この夕張問題についての大臣の認識を伺っておきたいというふうに思います。
#85
○国務大臣(菅義偉君) この夕張問題が発生をしたときに、国の責任というものもいろんな方から言及をされました。確かにこの産炭政策だとかリゾート政策、こうしたものの変更によって影響を与えたということは私は否定をしません。胸を張って何もありませんということは言えないと思いますけれども、ただ、同じような状況の中で、全国多くの地方自治体が現在非常に厳しい状況の中でこうした財政状況の中でもしっかりとその市政なり町政を運営している、そういう団体もあることもこれ事実だろうというふうに思っています。
 そして、実は私、現場を視察しまして、本当に余りにも施設の多さにびっくりしました。全部で今回売却あるいは業務委託の対象になったのは二十九施設でありますから、ちょうど人口が一万ちょっと、二、三千のところであれば多分平均一つか二つぐらいだったというふうに私は思います。それはやはり余りにも放漫な経営が一つの大きな原因だったというふうに思います。
 ただ、先ほど来申し上げていますけれども、バブル経済崩壊後の景気対策だとか税収減あるいは急激な高齢化など、そういう要因もあったと思いますけれども、やはり主因は何といっても夕張市のそうした経営にあったのではないかなというふうに思っております。
#86
○高嶋良充君 今回の再建法制、ずっと法案を見せていただくと、夕張の問題も若干教訓にされて、夕張のような状況になる前に改善をすべきだという早期健全化の考え方も出されておりますから、私はそれなりには評価をしているんですが、先ほど大臣の方からもお話がありましたけれども、やっぱりこれは夕張だけの特殊な事情ということではなしに、全体に今後もかかわってくる問題だというふうに思いますので、もう一度、夕張の財政悪化に至った検証というものを私なりにこの委員会で申し上げておきたいというふうに思っております。
 夕張は、御承知のように、炭鉱の町として栄えてきたということでございます。ただ、エネルギー政策が転換をされて、昭和四十年代から炭鉱の閉山が相次いだ。夕張においては、平成二年に最後まで残っていた三菱炭鉱も閉山をした。最盛期には十万八千人の人口だったんですけれども、現在、正確に出ているのは昨年の十二月でございますけれども一万三千人だと、ここまで減少したわけであります。これはやむを得ないということ、現象面でございますからそういうことですけれども、この炭鉱が閉山に至る経過の中で、私は一つのやっぱり問題点もあったのではないかというふうに思っています。
 閉山処理を市が行っていくという状況の中で市の財政が悪化をしたということは、一つ見逃せないというふうに思います。閉山処理の特徴を一、二例挙げてみたいというふうに思いますけれども、閉山する炭鉱会社が当然のこととして退職金、そこの従業員に対して支払う退職金が払えない。これを何とかしてほしい。市がその炭鉱の土地を買い取ってやって、それで退職金を支払ったというのは、もうこれも御承知のとおりだというふうに思います。こういう問題が一つあります。
 もう一つは、市民病院の経営問題もこの再建のときに非常に大きな問題になりましたけれども、あの市民病院は炭鉱会社の最初は病院だったわけですね。それを、赤字を抱えた炭鉱会社の病院を閉山するということで市へ移管をしたという、こういう事情がある。
 そういうこと等々を積み重ねた中で、閉山処理対策として昭和五十四年から平成六年度までに夕張市が費やした閉山処理対策費五百八十三億円だと、そのうちの起債は三百三十二億円、借金でと、こういうことになったわけでありまして、閉山すると当然のこととして鉱山税も入ってこない、人口が減ることによって住民税も激減をする、ここが一つの大きな検証する問題点があったのではないか。
 そして二番目が、先ほど大臣からも言われましたけれども、このような状況になって夕張市としては新たな産業基盤を別のところに求めなければならないと、こういうことになって、それが炭鉱から観光へというスローガンの下に観光事業に投資を集約をしていくという結果になった。これが膨大な施設を造っていくということになって、それが結果的に失敗すると、こういうことになるわけであります。そのことによって多額の債務を抱えて悪循環に陥った、ついには言われているような粉飾決算による赤字隠しや、やみ起債まで行うというようなことになってしまったと、こういうことになるわけであります。
 私は、教訓としてやっぱり生かしていかなければならないのは、炭鉱閉山から新産業基盤への転換プロセスの過程で、もっと国や道やあるいは全体がサポートできるような状況がなかったのかどうかというのが一つの大きな問題だというふうに思っていまして、そういう意味では、国や道の問題もありますけれども、住民の関与がそこに、住民参画ができていなかったということも、これまた一つの大きな問題だろうというふうに思っています。
 そういう意味では、夕張問題は多くの教訓を与えてくれているというふうに思っておりまして、このような総括、是非、もうやっておられると思いますけれども、総務省の方でもきっちりやっていただいて、その中から、今回の再建法制が運用も含めてうまく機能するような状況をつくり上げていただきたいなというふうに思っているわけであります。
 そういう意味で、今回の再建法制、四つの財政指標を導入をされて、フローとストックの両面から地方自治体の財政状況を把握をしていくという、これは評価をしたいというふうに思っております。さらに、先ほども申し上げましたけれども、財政再建の前段階として、早期健全化のステップが設けられたということも、これまた評価をしたいと思いますし、それをすべて住民に公表し、透明化の中で再建を図っていくというのも、これも非常に支持をしたいというふうに思っています。
 そういう意味では、私どもとしては、この法案の内容をより豊富化をしていくという、そういう意味で、これから今日以降も審議が進められるというふうに思いますので、建設的な意見を具申をしてまいりたいというふうに思っているところであります。
 夕張問題はそれぐらいにして、大臣の答弁は要りませんので、私、言いっ放しになりますが、そのぐらいにして、具体的な中身に入ってまいりたいというふうに思いますが、まず一つ目に、今後の検討課題ということになりました債務調整について、大臣の考え方を若干伺っておきたいというふうに思います。
 今回の法案に盛り込まれなかった最も大きな、議論はされてきたけれども盛り込まれなかったという論点は、この債務調整の是非についてであります。この点については、学識経験者や自治体関係者の見解は分かれたということでございまして、債務調整は必要不可避であるという意見から、導入に否定的な意見まで多岐にわたっていたというふうに聞いておりますけれども、まず、総務大臣は、大臣自身のお考えとしてこの債務調整についてはどのような考え方をお持ちですか。
#87
○国務大臣(菅義偉君) 私自身、そういう質問であれば、債務調整というのは必要ではないかなというふうに私は思っています。
 ただ、この債務調整の研究会の中でも明らかになってきましたように、債務調整を導入することによって、中小の非常に財政力の弱い地方公共団体が調達金利がかなり高くなるんじゃないかとか、いろんな問題がこれ指摘されておりますので、やはりそうした問題に一定の方向性というものを見いださない限りなかなか難しいのかなというふうに思っています。
 ただ、私、冒頭申し上げましたように、例えば夕張市は昨年の六月に再建団体になることを議会で表明しました。しかし、その翌月の七月にボーナスをその前の年を上乗せして支払ったんですね。例えばこういう債務調整、緊迫感があれば、そうしたことは私なかったのではないかなと実は思いました。
 いずれにしろ、債務調整というのは、今、私申し上げましたけれども、日本全国考えた中で、それぞれの地方公共団体が健全な、そして安定して運営を行う上についてどういう影響が出るかと、そこも十分検討した上でだというふうに思いますけれども、私は緊張感があった方がいいだろうというのが、私の一般的な考え方であります。
#88
○高嶋良充君 債務調整の関係で、大臣、あった方がいいではないかという、こういうお考え方のようであります。
 先ほど夕張のボーナスの問題が大臣の方から出ましたので、若干私の考え方を申し上げておきますけれども、夕張の職員も公務員でありまして、大臣御承知のように人事院勧告だと。あの年の人事院勧告は国も地方自治体の関係も、民間がボーナスが増えたと、こういうことでプラスになったのは事実なんですね。それに基づいて実施をしたということで、夕張だけがボーナスを上積みしたということではないと、こういうことです。
 ただ、そういう財政状況の中で、人勧どおり実施をするのがいいのかどうかというこの問題はあると思いますよ。ただ、国の場合も約五百兆円の借金を抱えていて、じゃ人勧が出たからどうのこうのという部分を含めてどうなのかという、その問題にも発展をする部分ですから、基本的に人勧は尊重されるという、労働基本権が保障されていないということであるならば、そこの部分はやっぱり明確にしておく必要があるだろうと。
 だから、今度は公務員制度改革で、能力給や天下り人材バンクという問題が今日の本会議で通過をして参議院に送ってくるということですけれども、よく中川幹事長やあるいは総理が、国家公務員の組合が反対しているからあれは参議院に送ってきたらつぶれるんだと、こういうことを、それはつぶしたのは公務員の組合が悪いんだと、こういうことをどこかで言われているようですけれども、基本的に私は民主党の考え方も含めて、ああいう天下りシステムはやっぱりなくさなければならないし、能力等級制度は必要だし、ただ、そのためにはやっぱり公正な労働環境、労働条件環境をつくるためにも、やっぱり民間と同じように、民間並みにするというんであれば、民間と同じように労働基本権も保障すべきだと。ここのところを抜きにしてあの法案が出てきているというところに大きな問題があるということは、これは大臣、一番御承知のとおりでありますから、渡辺行革担当大臣は、秋以降には労働基本権問題にも決着を付けるんだと、こういうことを言っていますから一定の評価はしますけれども、そういう事情があるということだけは是非御理解をしておいていただきたいというふうに思っております。
 そこで、大臣は先ほど、金利上昇につながりかねないという部分の懸念もあると、こういうふうに言われました。全国知事会、この債務調整について、大臣が言われているように、自治体は課税権を有しているということと、財源保障がされていると、そしてこの債務調整が導入されると地方債、借金の金利上昇につながりかねないと、こういうことで否定的な見解を示されているわけですけれども、大臣の先ほどのそういう懸念もあるということは、この知事会の見解も一応理解をされているというふうに受け止めてよろしいでしょうか。
#89
○国務大臣(菅義偉君) 私も、地方自治、全国を所管する責任者でありますから、そうした皆さんの客観的な声にこれは耳を傾けるのは当然だというふうに思っております。
 それと同時に、私どものこの研究会の中でもそうした様々な問題点を指摘をされておりますので、そうしたことにやはり一定の方向性を見いださないうちは、これは当然難しい問題だというふうに、私もそこは理解をいたしております。
 そして、今、地方分権改革推進法が、推進委員の皆さんでこの国と地方の役割分担も含めて議論をいただいています。三年以内に一括法を提出すると、そういう予定でありますので、そういう中でこの債務調整問題については議論をして、方向性を出していただければなというふうに考えているところであります。
#90
○高嶋良充君 今大臣の答弁で、金融界のことも若干紹介をされましたので、もうその部分については私は質問はいたしませんが、いずれにしても金融界も今の状況の中では否定的な見解を持っておられるということでございます。
 私の考え方を申し上げておきたいんですけれども、私もその知事会や金融界と同様に、債務調整の導入は困難ではないかというふうに思っております。その理由は、一つには自治体の破産能力について、これは現行法では認められていないと、こういうことだろうというふうに思いますし、民間企業のように破産法の枠組みで処理するということが果たしてできるのかどうかということもあります。さらに、そういうことですから、破産法が予定をしている清算型の処理ではなくて自治体の存続を前提とした再建型による方法しかこの債務調整の問題はないのかなというふうに思っておりまして、そういう意味で債務調整の導入というのはいろんなそういう問題点があるわけですから、大臣も言われているように、自治体の資金調達方法と、それから国の保証がどうあるべきなのかというような問題も含めて、これはやっぱり検討委員会も当然のことですけれども、関係機関、政府と自治体と金融機関、ここが非常に大きなウエートを占めると思いますんで、こういう関係機関も含めて慎重に検討をされるように、これは要請だけですけれども、要請をしておきたいというふうに思っております。
 そこで、もう時間が余りなくなったんですけれども、あとの時間、若干法案の具体的な内容についてお伺いをしたいと思います。
 まず、今回の連結実質赤字比率等々を含めて一般会計から公営企業の会計、あるいは一部事務組合、地方公社、第三セクター、これは将来負担比率の作成ということでこれらのことがずっと義務付けられてくると、こういうことになるわけですけれども、御承知のように、地方自治体の会計というのは単式簿記なり現金主義で行われてきていますし、規模の大きなところでは複式簿記も採用していると、こういうことでもございます。この自治体ごとの会計のやり方が必ずしも統一をされていないという状況の中でこのような義務付けを行うということは各自治体にかなりの負担を強いると、こういうことになる。自治体もかなり苦労をするというふうに思うんですけれども、この点については総務省は実務面等々を含めて支援をする意向を持っていると、こういうことのように衆議院の議論を聞いていますと考えるんですけれども、具体的にどのような財政面や実務面の考えを持っておられるのか、お尋ねをしたいと思います。
#91
○政府参考人(岡本保君) お答えいたします。
 御指摘のように、今回の法制の前提となります各種の公会計の整備は一つの大きな課題だろうと思っております。これにつきましては、昨年来、公会計の整備促進につきまして、私どもから各地方団体に具体的な方式等もお示しして要請をさせていただいております。また、その際のいろいろな資産の評価のやり方につきましても、自治体の関係者の方々にも御参加いただきました実務の研究会等も行いながら、より具体的なマニュアルの作成に向けて現在研究を進めております。
 また、健全化団体等になりました場合にいろいろな取組が必要になると存じますけれども、これまでの各種の団体におきます指標の状況でありますとか、健全化に向けました各種の取組、あるいはその場合の各種の既存の地方財政措置の活用方策等々、そういう意味でのできるだけ具体的な支援、そういうメニューといったものをお示ししながら各団体のそれぞれへ対応していきたいというふうに考えております。
#92
○高嶋良充君 簡単に聞いておきますが、現在の再建法では計画期間は七年がベースとなっているんですけれども、今後、今度の財政健全化計画の標準的な期間というのはどれぐらいを想定されているんでしょうか。
#93
○政府参考人(岡本保君) 健全化計画あるいは再生計画の期間につきましては、その悪化の要因も踏まえて、その比率の数値ですとかその改善に要する期間を勘案の上に各団体で適切に期間を定めていただくということが必要であると思っております。できる限り短い早期の期間であるということが望ましいことは当然でございます。同意基準を今後再生計画についてはお示しをするということになっておりますし、また健全化計画についても一定の考え方をお示しする必要があるというふうに考えております。
 その際、今回いろいろな比率、健全化計画の場合四つ、再生計画の場合には三つの指標があるわけでございまして、その指標の性格に応じまして改善に要する期間というものは異なってくる場合があるのではないかということも検討の対象として考えておりますので、それらの考え方を整理しながら具体的な基本、基準といったものをお示ししてまいりたいというふうに考えております。
#94
○高嶋良充君 現在の七年というのは一定の目安になるんですか。
#95
○政府参考人(岡本保君) 現在の再建法で想定しておりました七年といったケースの場合と比べまして、今回の法制の一つの改正する要素にもなっております地方団体の言わばカバーするエリアが非常に大きくなってきている、そういう意味での特別会計が非常に多く増えているという問題、あるいは将来負担比率という考え方を導入いたしまして公社、第三セクターといったものも視野に入れてその健全化というものを図っていただくということになっておりますので、七年と言っておりましたこの従来の考え方というのも一つの参考にはしたいと考えておりますが、そういうことも含めて検討したいと思っております。
#96
○高嶋良充君 早期健全化の基準の水準について伺っておきますけれども、この水準についてはこの法律案なりこの報告書を読みますと、具体的には、地方債の許可基準より財政が悪化しているが、現行制度における再建団体の基準までに至らないレベルと、こういうふうにされているんですね。
 そこで伺いたいんですけれども、この考え方を踏まえていくと、地方債の許可基準は実質公債比率が一八%以上と、こういうことになっていますし、現行の再建団体の基準は実質赤字比率で都道府県が五%、市町村が二〇%以上と、こういうことになっています。
 ということは、例えば実質公債比率二〇%以上ということがこの再建計画を、健全化計画を策定しなければならない対象になる自治体だというふうに考えてよろしいんでしょうか。
#97
○政府参考人(岡本保君) 財政の早期健全化の対象団体の基準につきましては、今後、この法案の趣旨を踏まえながら、地方団体の御意見を十分に伺って検討していくということにしたいと考えております。
 その際、先ほどもお答えさせていただきましたが、実質公債比率に係る基準について、現在では、地方債協議制の下で一八%以上で許可団体になり、二五%以上になると一定の地方債が制限されるということになります。また一方、実質赤字の指標につきましては、都道府県で五%、市町村二〇%というのがございますので、これが事実上の一つの財政の規律の目安になっているということと整合性を取りながら検討していきたいというふうに考えておりますが、今御指摘の実質公債比率二〇といったものをそういう意味での基準というふうに考えているという状況では今はございません。
#98
○高嶋良充君 実質公債比率二〇ということを今の段階では考えていないということですが、この法案なり報告書を読むと、大体その辺のところが目安になるのかなというふうに推定を、想定をするわけですが。
 大臣に伺いたいんですが、二〇%以上ということであっても、先ほど起債制限との絡みもありますけれども、二五%という部分もありますが、いずれにしても、大体この二〇ということを想定すると、財政健全化の計画対象団体というのは、私はかなりの数に上るんではないかなというふうに思っておりまして、それは大変危惧をしているところであります。
 今、平成十七年度の決算で見ますと、実質公債比率が一八%以上の団体は都道府県で四団体、市町村で四百十四団体あるんですね。もしも、私が先ほど言っているように想定していないと、こういうことですが、実質公債比率を二〇%以上ということにしても大体これらの団体が当てはまると、こういうことになりまして、ということになると、全自治体、昔は三千ほど自治体ありましたけれども、今や合併によって千八百ぐらいですから、全自治体の二割程度が財政健全化計画の策定を行うという、そういう対象団体になると、こういうことになるんで、これはやっぱり多いんではないかというふうに思いますが、大臣の認識はどうでしょう。
#99
○国務大臣(菅義偉君) まず、私どもは、これを決める際に地方公共団体の皆さんから十分に意見を聴いてここは設定をさせていただきたいと思いますし、さらにこの法案成立をし、円滑にこれ移行できるよう、そうしたことについては十分配慮し、また意見を聴きながらと思っているところであります。
#100
○高嶋良充君 いずれにしても、重要な問題ですから、衆議院の答弁でも、地方の参画を含めて対応していきたいと、こういうことですから、関係する団体の是非意見を真剣に受け止めていただいて、一定の方向性を出していただきたいなというふうに思っています。
 そこで、連結実質赤字比率をカバーする領域について伺っておきたいと思いますが、この指標は一部事務組合や地方公社や第三セクターは基本的には対象外になっています。私はそれでいいなと思っているんですけれども、ただ、有識者の方では、今まで、一部事務組合についても今後この実質赤字比率の対象にする余地があるんではないかというような指摘もあったというふうにお聞きをしているんですけれども、総務省はこの一部事務組合、今後加えていくのかどうか、その点についての見解を伺っておきたいと思います。
#101
○政府参考人(岡本保君) 一部事務組合などは当該地方団体とは別人格の法人であるわけでございます。
 今回、連結実質赤字比率を導入いたしましたのは、その当該団体が直接的に責任を負う分野を、また自分の会計として管理をしているものを対象にそれを全体的に網羅するようにしようということでございまして、そういう意味で、各種の公益事業、公営事業会計を含めましてすべての会計を対象といたしております。
 それから、一方、一部事務組合を始めとしまして公社、第三セクターというのは別人格の法人でございますから、その赤字が仮に発生した場合、まずはその当該法人がそれぞれの責任において解消するということが当然必要なわけでございますし、そういう意味で、連結実質赤字比率において赤字を連結するということには現在していないところでございますし、またこれらの一部事務組合のうち、赤字や負債のうち将来その関係地方団体が負担となるものにつきましては、将来負担比率の算定においてその関係地方団体の負担として算入するということによりまして、その団体の一部事務組合に係ります将来負担といったものをきちんと指標化するということにいたしておりますので、この両方の体系と合わせることによりまして団体と一部事務組合の関係の負担といったものは整理できるのではないかというふうに考えております。
#102
○高嶋良充君 いずれにいたしましても、今後まだ議論をされる部分でございます。
 昼の時間、私の都合で早く終わった分、午後の部分延びておりますので、その分は早く終わると、こういうことで、これで質問を終わりたいと思います。
#103
○澤雄二君 公明党、澤雄二でございます。よろしくお願いを申し上げます。
 今回の健全化法案は二つ大事な点がありまして、一つは、自治体が四つの指標を算定して監査を受けた後に議会に報告し公表する、それがその一つであります。もう一つの重要なことは、財政事情によって財政健全化計画と財政再生計画の策定を義務付けられたことでございます。
 地方分権を安心して推進するために、本当に任せていいんだというふうに安心して推進するために必要な透明性のあるルールとも言えると私も考えておりますけれども、改めて義務付けられた基本的なお考えについて、大臣のお考えを教えてください。
#104
○国務大臣(菅義偉君) この地方分権を進めていく上で、地方公共団体の財政規律を確立することは、これは極めて重要なことであることは申し上げるまでもないというふうに思っております。
 現行のこの再建制度の課題として、地方公共団体の申出によって初めてこの再建が行われる、そういう仕組みになっており、早期是正機能、だれでも自分が首長在職中はそうした方向性を出したくないわけでありますから、そうしたことが結果として財政悪化が深刻な事態になるまでなかなかこの問題が表面化していないというのが今の現状だというふうに思います。
 こうしたことに対応するために、四つの財政指標に基づいて、財政悪化の早い段階から自主的な財政健全化というものを義務付けること、さらに、財政状況が悪化した場合には財政再生計画の策定が義務付けられること、こうしたことを柱によって新たな制度を整備するということであります。これによって地方分権時代にふさわしい地方の財政規律、こういうものが私は確立するだろうと、このように考えているところであります。
#105
○澤雄二君 全く同感でございます。地方自治の財政状態がどうなっているかということを、全国民、それから総務省の方でも分かる、それから住民の方もそういうことを確認できるという意味で、非常に大事なことだろうというふうに思っております。
 先ほども少し議論をされておりましたけれども、その四つの指標のうち一つでも基準を超えれば財政健全化計画を策定義務付け、また再生判断比率のうちの一つでも基準を超えたら財政再生計画の策定義務付けられています。それぞれの基準については年内に政令で定めるということになっていますが、先ほども少し議論をされておりましたが、どのような考え方でこれを設定されようとしているのか。それから、その結果、これは推定でございますが、それぞれの計画を策定しなければならない団体は全国でどれぐらいになると想定されているでしょうか。お答えになれる範囲でお答えをいただきたいと思います。
#106
○国務大臣(菅義偉君) 財政の早期健全化や、この再生の対象になる団体の基準については、本法案に定められております財政の早期健全化及び財政の再生、この規定の趣旨に基づいて検討していきたいというふうに思っています。
 具体的には、再建団体にならなければ起債が制限される基準、あるいは地方債協議制の下での許可団体への移行基準や起債が制限される基準などを踏まえつつ、四つの比率間の整合性を勘案した上で検討を進めていきたいというふうに思っております。
 したがいまして、現段階で財政健全化団体や財政再生団体の数についてあらかじめ想定する、そういうものではありません。基準については、先ほども申し上げましたけれども、地方公共団体の皆さんと意見を聴きながら進めていきたいというふうに思っております。
 ちなみに、この十七年度決算におきまして、普通会計の実質赤字が一定以上になって、地方債の許可団体となっているのは九団体であります。さらに、実質公債比率が一八%以上で、地方債の許可団体になっているのは四百十六団体であります。うち二五%以上で単独事業債の起債制限を受けている、この団体が二十八団体、三五%以上で一般公共事業等の起債制限を受けるのは二団体、これが今のところの現状であります。
#107
○澤雄二君 大臣言われましたように、よく地方公共団体と意見を交換されながら決めていただきたいと思いますが、ただ、これはどこかに遠慮をしなければいけないということでは決してないというふうに思っておりますので、その辺のところは大胆に必要な数字でお決めになったらいいと私は個人的に考えております。
 ここでちょっと質問の角度を変えさせていただきたいと思いますが、今の御答弁にもありましたように、危険水位の団体が少なからずあるということは分かったわけでございますが、それでは、その財政再生団体となったら市民の生活は一体どうなるのか、それをちょっとイメージするために夕張市の例を挙げて検証させていただきたいというふうに思います。
 まず最初は、住民の負担増であります。税の負担、公共施設の使用料、下水道料金等の市民の負担がどれぐらい増えたのか、一般的な世帯を例に挙げて一年間の負担増を具体的にちょっと教えていただきたいと思います。
 今、委員の先生の皆様のお手元には、夕張市が住民の説明用に作られた資料をお配りしてございますので、これを使って説明をしていただけますか。
#108
○政府参考人(岡本保君) 夕張の財政再建計画におきましては、今、澤委員御指摘のように歳入の確保といったものが大きな一つの項目になっております。そういう意味で、市税に関しましては、法令上の上限が定められている税目はその税率を基本として、それ以外につきましても他の市町村の状況を勘案して引上げをするということとされました。また、使用料、手数料に関しましては、他の団体とのバランスや経費との対応を考慮して受益者負担を見直し、他の市町村より低いものについては適切な水準の負担というものを求めたところでございます。
 この結果、夕張が今御指摘のようにいろんなケースで住民に示されましたけれども、標準的な一世帯当たりの負担額の試算を行いましたこの標準世帯、御夫婦と小学校それから幼児の二人の子供があるというようなケースでございますと、年間で市民税で五千二百円、軽自動車税で三千六百円、下水道使用料、ごみ収集手数料がそれぞれ二万八百八十円、一万二百円増加するということと示されております。また、このほかに公共施設の使用や各種申請を行う場合には使用料、手数料の負担が従来より増加をしていると、こういう状況でございます。
#109
○澤雄二君 この図はすごくよく分かると思うんですけれども、今局長、説明されたケース3で、夫婦は四十代で子供が二人、収入が年四百万だとすると、これは一律で負担されるものを計算すると年間で三万九千八百円、月額にすると三千三百二十四円ということですから、手取りに換算すると一%前後ぐらいということになるんでしょうか。そうすると、近隣の自治体なんかと比べてもそんなに大きな負担にはならないのかなという感覚を持つんでございますが、資料2を見ますと、例えば入湯税というのが上から四行目にございますが、日帰りだとこれ五十円。私、現地に行っていないからこれがどういうものかというのはもしかしたら感覚的に間違っているかもしれませんが、おふろ屋さんの料金だとすると五十円の値上げというのは結構大きな値上げなんだろうなというふうに思いますし、それから、いろんな公共の施設の使用料が五〇%一律に引き上げられています。それから、下の方を見ますと、学童の保育料が一律千二百円引上げになっているし、児童のデイサービス負担金というのが利用者一回につき一割負担というようなことが新しく付け加わっています。これは一律負担ではございませんので、こういうサービスを受けた人だけに掛かってくる負担増でございますけれども。
 一つ一つを見てみるとそんなに大きな額ではないような気がしますが、これが積み上げられてくるともしかするとボディーブローで効いてくるんではなかろうかというふうに思います。ですから、これは大臣、ちょっとお願いでございますけれども、こういうふうにいったんは財政計画決まって、何を負担増するか、何を廃止にするか、維持するかということが決まったと思うんですけれども、少し経過的に、これはボディーブローで本当に効いてくるかこないかというのを経過的に何か見ていただく必要もあるんではないかと思うんですが、どうでしょうか。
#110
○国務大臣(菅義偉君) まず、基本的な考え方を御理解いただきたいと思いますが、それは財政再建はそれぞれの地方公共団体に責任を持って行っていただくわけでありますけれども、そういう意味で、住民の皆さんにも頑張っていただかなければならないわけであります。
 さらに、この市民負担の見直しに当たっては他の団体とのバランスというものをこれは考える必要があるというふうに思います。市民の負担増にも一定の配慮をしたと、このように承知しておりまして、全国どこの団体も経験をしたことのないような極めて高い水準ではないということだけはこれは御理解をいただきたいというふうに思います。北海道庁、周辺の市町村の状態もよく理解をしておりますので、そういう中でこの負担が決められたと、そういうことでありまして、現に保育料については配慮をされて道が乳幼児や老人の医療費の助成などを行うことと、このように考えています。
 いずれにしろ、今委員から御指摘がありましたが、財政再建期間中においても住民が暮らし続けることができるような、そうした町づくりというのはこれは極めて大事であるというふうに考えておりますので、市や道において住民の生活実態にも配慮する必要性というのはこれ当然あるだろうというふうに思っています。
#111
○澤雄二君 今少し先取りをして答弁をいただいたかと思いますけれども、少し具体的にお伺いをします。
 行政サービスについてでありますけれども、お年寄り、それから子供には特に配慮がされたというふうに聞いておりますけれども、具体的に、老人に対するサービス、子供に係るサービスはどのように配慮がなされたのか、教えてください。
 それから、学校については統廃合について検討がされていて、その検討が非常に進んでいるということでございますが、どのような方向になっているのか、教えていただけますか。
#112
○国務大臣(菅義偉君) 実は昨年の暮れに私、夕張市、現地を訪問しました。行く前に安倍総理から、子供やお年寄りには十分配慮するように、こういう実は指示も受けて夕張を訪問させていただきました。
 そういう中で、高齢者の配慮のうち主なものとしましては、それまでは敬老パスというものをこれ廃止する予定でありました。しかし、現場に行ってみますと、診療所から一番遠いところというのは片道九百三十円掛かるということであります。従来は二百円の自己負担でありましたけれども、今回は三百円の自己負担で敬老パスを存続をするという、こういう検討をさせていただきました。ただ、北海道内のほかの市町村において敬老パスを廃止している市町村もあるものですから、当初は廃止をする、そうした団体に倣って廃止する予定でありましたけれども、こういう措置をさせていただきました。
 それと、公衆トイレでありますけれども、実は、全七か所ありまして、これも廃止する予定でした。私も、今どき何で公衆トイレかなと実は思いました。バス停のところにトイレが付いているところであります。周辺の自治体ではこのトイレが付いていない団体がほとんどだそうでありますので、ある意味では、こういう財政再建をする中では廃止するということでありましたけれども、周辺に何もないだとか、そういう配慮の中で二か所これ残させていただくということにさせていただきました。
 それと、子供への配慮でありますけれども、主なものとしまして、保育料というのは国の基準まで引き上げる予定でありました。そういう中で、一か月一万円ぐらい増える方も出てくるわけでありましたので、最終的に三年間はこれまでの水準で据置きをして、その後七年掛けて段階的に国の水準までに引き上げる、こうしたことにさせていただきました。ただ、北海道内でも国の基準に沿って保育料を徴収している実は団体もあるんです。しかし、余りにも急激なものでありますから、このような措置をさせていただきました。
 また、プール、これ当初は、五か所ありまして、これすべて廃止の予定でありましたけれども、夏の期間中はやはり子供たちにもプール必要だろうと思いまして、一か所の屋内プール運営、これを残させることにいたしました。
 さらに、学校統合でありますけれども、中学校は四校を一校に統合することにしています。小学校は七校を実は一校に統合することとされていました。全体として児童の数は四百人弱でありますから、一校でもおかしくはないんですけれども、しかしこの幅が非常に長かったものですから、それは、子供たちの学校の登校、下校、そうしたものを考えて地理的には二か所でもいいのかなというところでありまして、現在どうするかということを検討されていると、このようなことであります。
 以上であります。
#113
○澤雄二君 東京に住んでおりますと、バスの乗換時間が非常に掛かって、そのために公衆トイレがないと困るというようなそういう生活環境は想像できないので、そういうのに配慮をしていただいたというようなこと。
 それから、保育料、国の基準にそのまま引上げをすると十二万六千円ですか、一気に上げなければいけなかったと。それは大変だというので、三年間据え置いて、七年間の経過措置で段階的に引上げをしていただいたというようなことは、夕張の市民も大変感謝をしているんだろうというふうに思っております。
 また、学校の統廃合についても、例えば小学校の場合には、今七校あって、そのうちの滝の上小学校というのは全校生徒八人だそうであります。夕張小学校は十九人だそうであります。つまり、全学年入れて八人とか十九人とかというのは、もう多分これはクラス編制ができませんから、つまりちゃんとした教育ができないという、教育環境も非常に逆に悪いんだろうというふうに思っていますので、統廃合されて一つか二つに統合されるというのはすばらしいことだと思いますが、ただ、それでも通学の環境ですとか、そういうのは多分バスを使ったりするんだと思いますので、その辺のことは万全の体制お願いしたいなというふうに思っております。
 それでは、もうちょっと伺いますが、例えば先ほどの質問がありましたけれども、夕張市の唯一の総合病院であります市立病院でありますね。これが診療所になって公設民営化されることになりましたけど、ベッド数の減少だとか診療科目の減少とか患者さんの対応というのは大丈夫なんでしょうか。今、現況はどうなっていますか。
#114
○政府参考人(岡本保君) 夕張市の市立総合病院は、本年度から、市の診療所として存続した上で、医療法人財団夕張希望の杜が指定管理者となって運営をいただいております。
 従来、公営企業として赤字体質でございまして、約四十五億円の累積債務がございましたが、今後につきましてはこの法人の責任において運営されるということになります。
 市立病院、百七十一の病床ございましたが、従来から医師不足が続いておりました。そういう関係から休診している診療科もあって、病床の利用率も二六・四%と低かったところでございます。
 新たな診療所では、診療科目を総合診療、整形外科、眼科、歯科の四科に再編をいたしまして十九の病床を設けて診療を実施しておりまして、また、往診など新たな取組も開始をいたしております。七月には、既存の病棟を活用いたしまして四十床の老人保健施設を併設する予定でございます。また、入院、手術を要するような二次救急につきましては、近隣の市外の病院に消防本部の救急車を活用しながら搬送するということで対応をいたしております。
 これらの経過の中で、人工透析の患者さんがおられまして、この患者さんの対応といったことが一つの懸案でございましたが、入院患者七名の方々は市外の病院に転院をいたされまして、また、通院患者二十六名の方々も社会福祉協議会や病院のバス等によって近隣の病院に通院することにより対応されているということでございまして、現段階では、この財政再建スタートした段階でございますが、必要な医療機能は確保されているというふうに承知をいたしております。
#115
○澤雄二君 この市立病院は医療財団法人に引き継がれたんでありますが、当然でありますけれども、補修だとかそういうことが行われて引き継がれたわけではありませんよね。ですから、雨漏りがするんだそうです。それから、老朽化がひどくて、寒冷地ですから光熱費がすごく掛かるんだそうです。それから、耐震診断がされてまだいないというような悩みもあるようでございます。
 一つ大臣にお願いがございますが、せめて耐震診断ぐらいはしてあげるとか、その結果、非常にこれは危ないというようなことになったら何か支援策も検討するというようなことは考えていただけますか。
#116
○国務大臣(菅義偉君) この夕張市の診療所は、昭和四十七年に建設された炭鉱病院を五十七年に市が買収したもので、実は私も行ってまいりましたけれども、非常に老朽化が進んでおります。
 本年四月から診療所となって医療法人が指定管理者となっておりますけれども、縮小した規模に見合った効率的な運営ができるように機能を集約することや耐震化というのが課題であるというふうに思っています。当時人口十万人ぐらいだったと思いますので、今、十分の一ですから、非常に大きな病院でありましたので、そうしたことが必要だというふうに思います。
 そして、現在、この医療法人と市において今後の施設の在り方について検討がされ、北海道が助言していると、このように聞いております。その際には市の実質的な負担が生じないようにしたい、そうした手法が検討されていくだろうというふうに考えています。
 いずれにしろ、北海道等を通じてよく話を聞きながら、必要な対応については私どもしてまいりたい、こう考えております。
#117
○澤雄二君 先ほどの学校統廃合のところで一つ言うのを忘れてしまいましたが、前にもここで質問をいたしましたけれども、廃校した後の学校の跡地をどう使うかですけれども、東京のいい場所にある場合にはいろんな使い方があるんですけれども、夕張でそんなことがあるかなというのがちょっと気になります。それで、そのまま放置をしておくと廃屋になりますから、非常に安全性その他でも問題が出てくる。これを草刈りとか何かするだけで一年間の管理費、東京だと一校一千万掛かるんだそうでございます。七校あって六校廃校にすると、夕張それだけで毎年六千万円のお金が掛かるということがありますので、廃校にした後の学校跡地をどうするかというのを同時に考えていっていただきたいなというふうに思います。
 今まで少し具体的に伺ってきましたけれども、市民生活にも様々な影響が出ています。
 そもそもでありますけれども、これはもう一度確認のためにお伺いしますが、夕張市の財政が破綻したのは、炭坑の閉山による人口の減少、観光政策の失敗、不適正な財務処理等々を言われております。先ほど高嶋委員も、御自分で非常に分析された結果を説明されておられましたけれども、そもそも破綻した原因は何だったのか、改めて聞かせていただけますか。
#118
○政府参考人(岡本保君) 今委員御指摘のように、夕張の財政が破綻した要因といたしましては、やはり炭坑の閉山で人口が急減をして歳入が大幅に減少していった中で、これに対応した行政サービス水準の見直し、あるいは職員も含めました組織全体のスリム化といったものが遅れていたということが大きな原因であったと思っております。例えば、人口や産業構造が類似するほかの団体に比べますと職員数が二倍というような状況でもございまして、人件費の負担といったものが大きな財政圧迫の要因であったというふうにも考えております。
 こういう多額の赤字の状況の中で、言わばそれを活性化するというような観点から観光事業等へ過大な投資を行われたということで債務が累積をしていく、そのような中で、資金繰りが回らなくなった中で不適正な財務処理を行うことにより、更にその分の金利負担を増大させていく中で、やはり言わば雪だるま式に赤字が増えていった、そういう状態ではなかったかと考えております。
 特に、平成十八年度末赤字見込額約三百五十三億円のうち、百八十六億円が観光事業会計の累積債務の清算、一般会計がしょうということで、実質的に普通会計の赤字となっているものでございますので、観光事業等への、第三を含みます、第三セクターの運営に係る赤字といったものがうまくいかなくなって、これをある意味では、早期に処理しなかったことによって赤字が膨らんでいったということも大きな要因であろうと思っております。
#119
○澤雄二君 大臣にお伺いします。
 夕張市が財政再建を進めるに当たって、基本的な考え方としてどこに重点が置かれたのか。大臣も先ほども答弁の中でおっしゃっておりましたけれども、去年十二月に夕張に行かれて現地を見られて、自分でいろんなことを、また市民ともいろんな話をされて帰ってこられた。ここでも報告をしていただきました。そういうことを受けて、財政再建を進めるに当たって、どのようなお考えで、例えば行政サービスでいうと何を確保、維持して何を廃止、縮減されようとしたのか、基本的なお考えをもう一度聞かせていただけますか。
#120
○国務大臣(菅義偉君) 私は、この夕張の財政再建をするについて、やはり国民の皆さんの税金を使わせていただくわけでありますから、少なくとも全国で、地方自治体で頑張っている地方自治体の頑張りぐらいまで夕張市もやはり頑張ってほしい、こう実は思いました。例えば職員の数でありますけれども、人口一万二千前後でありますと平均百四十前後ですか、夕張市は三百人を超えておりましたので、やはりその程度の職員で頑張っているところもありますので、それは是非そういう形にしてほしいだとか、あるいは給与も全国の最低水準までにするように努めさせていただきました。その上で、市民に対する行政サービスというのはやっぱり、先ほど申し上げましたけれども、負担について急激になってしまったら直接影響しますので、その見直しについては、先ほど申し上げましたけれども、それなりに理解をさせていただいた。
 それと同時に、やはり周辺の市町村と実態と余りにも懸け離れてまずいものですから、そこについてはやはり北海道庁がその辺を調整して、夕張との間で再建計画を練るについてこの程度かなという、そこを実は参考にさせていただきました。
 そういう中で、私どもは、法令で定められております一定水準の行政サービスができるようにそういう仕組みをつくらしていただこうと、こう思ったところであります。特に、寒冷地、積雪そして面積が広くて長かったわけでありますので、私どもこちらでは想像をできなかったですね。片道九百幾らというのは、やはり幾らなんでもこれ高過ぎました。多分、私、現場に行かないと、周辺のところでも敬老パス廃止しているところ北海道に市町村ありますから、それはやっぱり廃止すべきじゃないかなと多分私は思っていたんですよね。だけど、現場に行ってみてこれは大変だなと実は思いました。
 そういう意味で、そうした考え方に沿って、住民の皆さんがやはり生まれ育った夕張市でこれからも住み続けることができるような、そういう中のことを考慮しながらの再建策であったというふうに思っています。
#121
○澤雄二君 こういうことを言うと夕張の市民の方におしかりを受けるかもしれませんが、本当はこんなことはなかった方がよかったわけでありますけれども、幸いにしてこの新しい法律ができる前に夕張という、おしかりを覚悟で言うと一つのモデルケースがあったということでございますので、ここでのいろんな財政再建の行われた施策を、大事な資料といいますか重要なヒントにしていただいて、これからいろんな具体的なことを考えていただきたいなというふうに思います。
 最後に、一つまたお伺いをしますけれども、先ほども木村委員おっしゃっておりましたけれども、補償金なしの繰上償還でございますけれども、今回のその健全化法のことを併せて考えると、各自治体は正に公債費を、負担を軽減できるわけですから、健全化努力という意味でも大変に効果があるわけでございます。
 そこで、ちょっとお伺いしますが、前この委員会でも、三年間で五兆円の繰上償還実施されるとマクロで財政効果が八千億円ぐらいかもしれないというお話を伺いましたが、もう少し絞り込んで、個々の自治体では一体どれぐらいの効果があるのか、もし何かそういう数字をお持ちでしたら教えていただけますか。
#122
○政府参考人(岡本保君) 今回の、補償金なし繰上償還で標準的な団体という御指定でございますが、私どもで人口十万人から十五万人程度の合併した市町村といったものを幾つか抽出をいたしまして、その団体における地方債残高の平均というのを取ってみました。
 そうしますと、大体十万から十五万ぐらいの合併した市町村でございますと、抽出した団体では、普通会計で約六億四千万円程度、公営企業で約三十八億円程度の対象となる起債残高を抱えているということになります。これを行財政改革の計画とか、そういう言わば繰上償還やれるための条件をクリアをしてやっていただきますと、本来支払うべきであった補償金が免除される額が、普通会計で約六千二百万円程度、公営企業会計で六億六千万円程度、合計約七億二千万円程度というふうに推計ができるということになります。
 これらの団体のそれぞれの対象となります起債の平均残高は、残存年限は約八年程度ということでございますので、単純に平均すれば年約九千万円、約一億円程度のそういう現実的なメリットがあったということになろうかと思います。
#123
○澤雄二君 ありがとうございます。
 もしかしたら大変な計算をしていただいたのかもしれませんが、今のお話を伺っていて、そんなに大変な額が返ってくるということで、ちょっと先ほど始まる前に数字をお聞きしたので幾つかの市で当たってみました。東京の多摩地域のある市でございますが、これは人口十七万人の市でありますけれども、もしここで小学校六年生まですべての子供たちを、所得制限なしで全部無料化する、今三割負担ですけれども、小学校六年生まで所得制限なしで全部無料化すると五年間その予算を賄うことができるんだそうでございます。これ、三分の一ずつ負担するとすると十五年間それで無料化ができるという数字ですから、大変な額が経費削減になるということでございます。基本的には、例えば下水道事業でその金利の負担分が返ってくるとなると、それは下水道料金の引下げに使わなければいけないんでございますが、いずれにしても大変な財政効果があるということでございます。前の委員会でも一つ懸念があると申しましたけれども、このことをまだ本当によく分かっていらっしゃらない自治体が少なからずあります。
 ですから、是非、補償金なしの繰上償還でこうなったんだということを間違いなく各自治体に伝わるように努力をしていただきたいとお願いをいたしまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#124
○吉川春子君 日本共産党の吉川春子です。
 地方公共団体財政健全化法案について、引き続き質問をいたします。
 今日、多くの地方自治体が財政難に苦しんでおり、財政再建団体に転落しかねない団体が相当数あると言われています。その原因の一つとして、対米公約として六百三十兆円の公共投資基本計画を推進し、地方自治体を動員し巨額の浪費を進める仕掛けをつくり上げてきた、これは我が党の分析でございますけれども、そういうことがあると思います。
 全国の地方公共団体は、国の主導の下、公共事業をこぞって行ってきました。工業団地造成、ダム、高速道路、水深十五メートル以上の港湾、空港の建設等々、これが借金を増やして福祉、住民サービスを圧迫し、今や財政危機の原因になっています。
 そこで伺いますけれども、一九九〇年と現在の地方債の残高はどうなっているでしょうか。数字をお示しください。
#125
○政府参考人(岡本保君) 地方財政で抱えております長期債務残高でございます。一九九〇年度末は六十七兆円でございましたが、二〇〇五年度末では二百一兆円ということになっております。
#126
○吉川春子君 約三倍に達している、増えているということでございます。
 引き続き数字を伺いますけれども、公債比率一八%以上、二五%以上、三五%以上、この地方公共団体が幾つあるのか、県、市町村別に数字を示していただきたいと思います。
#127
○政府参考人(岡本保君) 地方団体の十七年度普通会計決算におきまして実質収支が赤字となっている団体は、都道府県で二団体、市町村で二十四団体の計二十六団体でございます。
 実質公債比率につきましては、一八%以上二五%未満の団体は都道府県で四、市町村で三百八十二でございます。また、二五%以上三五%未満の団体は、都道府県はございませんが市町村で二十八、三五%以上の団体は、都道府県では該当なしで市町村で二という状況でございます。
#128
○吉川春子君 これのトータルが四百十六団体ということですね。──はい。
 大臣、お伺いいたしますけれども、衆議院の総務委員会で、大臣も公共投資は余りにも度が過ぎていたと、バブル崩壊期に政策誘導を行ったということを答弁でお認めになっています。国の政策が原因で地方自治体が財政破綻、財政逼迫に追い込まれております。
 こういう無駄な公共事業というものも大分行いまして借金を積み重ねてきた。その返済の時期が来て支払が財政を圧迫しているということですけれども、自治体の借金の責任についても国にあるということですので、やはりこの責任をどう取るかということが必要ではないかと思います。いかがお考えでしょうか。
#129
○国務大臣(菅義偉君) 私、この地方公共団体の財政が悪化をしている原因について、先ほども申し上げましたけれども、地方財政全体に言えば、バブル経済崩壊後の国、地方を通じた景気対策による公共事業の追加だとか、あるいは減税の実施、さらに景気低迷による税収の落ち込み、さらに少子高齢化社会に伴って社会関係費用、これがかなり増加をしております。そういう中で巨額の財源不足を生じ、これを多額の借入金で賄ってきた、それがこの今日の状況だというふうに思っております。
 そういう中で、地方にとって厳しいものでありますけれども、財政の健全化のためには国、地方、これはやむを得ない状況であったのではないかなというふうに考えております。
#130
○吉川春子君 国として責任をどう取るかということについてはいかがですか。
#131
○国務大臣(菅義偉君) 国、地方通じて、こうした財政悪化について、私どもはしっかりと対応していかなきゃならないというふうに思っております。地方財政について、国もそういう意味では一定の責任というものは私は考えております。
#132
○吉川春子君 もう一つの地方財政の圧迫の要因は三位一体改革による地方交付税の削減です。
 地方交付税総額は、二〇〇〇年は二十一兆四千億でしたけれども、二〇〇七年には十五兆二千億円で六兆円も減っております。税収の少ない地方公共団体においては、地方交付税減額が財政を一挙に悪化させております。
 この財政悪化の原因を取り除くことが必要ではないかと思います。人口が少ない、あるいは高齢化率が高い、税の増収が見込めない地方自治体は、その地方交付税の減額でもう本当に四苦八苦しておりまして、夕張の問題が朝から大分話題になっておりますけれども、今日は夕張は触れませんが、夕張の周辺の旧産炭地においてももう悲鳴を上げております。こういうリストラ、人件費削減、住民への行政サービスの削減もぎりぎり限界まで行っているんですね、こういう自治体は。これ以上交付税を、地方交付税削減をやめてほしい、増やしてほしいと、こういう地方六団体始め強い要望があると思いますが、これに是非こたえていただきたいと思います。いかがですか。
#133
○国務大臣(菅義偉君) 確かに地方交付税が減少しています。これは国、地方合わせて非常に極めて厳しい財政状況の中で、人件費だとかあるいは投資的経費削減など、国と地方が歩調を合わせてプライマリーバランスの回復に努めてきたと。そして歳出削減に取り組んできた結果として、交付税が減少されてきているというふうに思っています。
 ただ、近年は景気も回復をし始めまして、今年は一般財源、この地方交付税総額、昨年より五千億円多く計上することができました。徐々ではありますけれども、景気の回復に伴いながら、健全化に向けて私どもも全力で取り組んでいきたいと考えています。
#134
○吉川春子君 地方交付税はもうこれ以上減らさないよと、これからなるべく増やしていくよと、こういう決意と受け止めてよろしいですね。
#135
○国務大臣(菅義偉君) 地方の皆さんにも行政改革始め削減努力をしていただくとともに、私ども、全国、地方どこに行っても一定水準の行政サービスが行うことができるように、地方交付税総額というものをしっかりと確保していきたい、こう考えています。
#136
○吉川春子君 今回の財政健全化法が地方公共団体に具体的にどういう影響を及ぼすか伺っていきたいと思います。
 私は、火曜日に岩手県藤沢町の国営農地開発事業の調査に行ってまいりました。ここは人口九千人ぐらいの小さい町なんですけれども、藤沢町は国営農地開発事業、四百五十九ヘクタールを一九八二年に着工し九八年に完成しました。事業完成までに十六年を要し、総事業費は百三十二億円の当初計画が三倍の五百十一億円まで膨らみました。その償還が町の財政に重くのし掛かり、様々な住民サービスの削減、職員の大幅な給与減、三役はボーナスゼロだそうですけれども、町長の月額の歳費も二十五万と聞きましたけれども、必死で収支の均衡を図っている状況です。
 農水省にお伺いしますけれども、国営農地開発事業は国が六五%の資金を拠出して実施されたものですが、その負担金の償還によって町の財政が悪化し、赤字に追い込まれる、最悪の場合、財政再建団体に追い込まれるようなことがあってはならないと思いますが、その点についていかがですか。
#137
○政府参考人(實重重実君) 国営農地開発事業についてのお尋ねでございます。
 国営農地開発事業は、各地域において、地域の特性を生かしまして主産地を形成していただく、あるいは農家の規模拡大によりまして農業所得を増加していただく、さらに、後継者を含む農業の担い手に定着していただくと、こういったようなことを通じまして、地域農業の発展に貢献してきているという具合に思っております。
 また、国営農地開発事業により造成された農地につきまして、これを維持、保全いたしまして、食料の自給率の向上を図る上でもこういった農地を維持、保全していくことは重要であるという具合に考えておりまして、負担金の償還が円滑になされることは重要であると思っております。
#138
○吉川春子君 この藤沢町の国営農地開発事業の三分の一の農地は、まだ未利用地なんですね。藤沢町の意見も、要望も聞いて、未利用地の有効活用、更なる負担金の軽減策を検討していただきたいと思います。つまり、あと三分の一を全部売らなきゃならないんだけれども、これを維持していかなきゃならないわけですよね。維持しないと、また山に戻っちゃうわけですね。そういうことを含めて、どのように農水省としてお考えですか。
#139
○政府参考人(實重重実君) 個別の、藤沢地区についてのお話でございます。
 藤沢地区の負担金軽減対策につきましては、計画償還制度など各種負担金軽減対策を適用しております。その中で、国、県による償還利息の一部助成、これは担い手育成支援事業というものでやっております。
 それから、償還金の繰延べ措置と、そのための借入金の無利子化、これは平準化事業という形でやっております。これらを実施いたしまして、既定の償還時の十アール当たりの農業者の年償還額が十七万二千円だったのを一万六千円に軽減しているところでございます。
 藤沢町自体につきまして、負担軽減を図るために平準化事業計画というものがございますが、これを見直しまして、年償還額のピークを引き下げまして、藤沢町が第三セクターを通じて助成している基幹施設に関します農業者の負担相当額を新たに対象に含めることにしたところでございます。
 これによりまして、藤沢町の負担は、ピーク時において三億五千八百万円であったのが二億五千五百万円ということで約一億円軽減されておるところでございますが、今後も地域の実態を把握しながら負担金軽減対策、円滑に償還がなされるように取り組んでいきたいと思っております。
#140
○吉川春子君 総務大臣、お話を聞かれていらっしゃったと思うんですけれども、この町の場合、交付税はピーク時の二〇〇〇年に比べて、〇六年には六億四千万円も削減されました。三位一体改革で交付税が二〇%削減されたわけです。これまでも毎年三億円程度、農地の事業の償還をしてきましたが、過疎の町にとって二〇%の交付税削減というのは余りにも厳し過ぎます。人口が一万人以下、自主財源は二割、歳入の五四・八%が交付税なんです。税源移譲の効果はゼロ、新型交付税で更に三千万円が減額されます。これが町の財政を悪化させて負担金償還を困難なものにしています。
 この事業は政府直轄の農地開発事業でございまして、負担金償還がピークになったときに交付税が大幅削減されたと、ぶつかったわけなんです。町は当然、償還計画を立てて、将来の財政展望を見通しながら国営農地開発事業を行ってきました。地方交付税の削減が自治体の財政見通しを狂わせている、このことについてどのように責任をお感じですか。
#141
○政府参考人(岡本保君) 藤沢町につきましては、国営農地開発事業に係ります償還がその大きな団体の、当該藤沢町におきます将来の負担の大きな要素になっていることは御指摘のとおりであると存じております。
 一方、交付税及び地方税を合わせました地方の一般財源につきましては、今年度、十九年度対策につきましても、合わせました一般財源を対前年比で五千億円プラスという形で一般財源の確保に努めているところでございまして、それぞれの正に財政力の弱い団体におきます標準的な行政の確保ということは御指摘のように大きな課題だというふうに考えておりますので、今後ともそういう意味で地方財政対策等を通じて、財政力の弱い団体におきましても、標準的な行政水準確保のために財政運営が支障がないような対策を講じていく、そういう必要があると思っております。
#142
○吉川春子君 地方交付税がどんなにこういう自治体にとって大事なものかという例を、私は藤沢町の件で大臣に知っていただきたいと思って取り上げているんですけれども。
 藤沢町のように中山間地で農業を産業の中心に考えて施策を行うことは間違いではないですよね。しかし、国営農地開発事業を実施して、その負担金の償還によって自治体の財政が悪化して大幅に住民サービスを削除しなければ負担金を償還できなくなるということは大問題なんです。もう胃が痛くなるくらいあらゆる事業をカットしているんですよ。それでようやく今年黒字の予算を組んだわけです。
 この町では、農業を中心としながら、町立病院は黒字で運営、保健、福祉、医療の一体的なサービスを行うなど福祉の里づくりも進めています。財政が厳しい中でも自分たちの町づくりに取り組んでいる、町の実質公債比率は二五・九%、公債比率適正化計画の策定に今取り組んでいるところなんです。
 総務大臣、今度の財政健全化法の、例えば早期健全化基準、財政再生基準などの基準が全国一律、画一的に決められてその基準をオーバーすると、そうするといけないということで、こういう小さな自治体の特徴ある町づくりが今後できなくなっていく、硬直化していく、こういうおそれがあるんですけれども、この点についてはいかがお考えですか。
#143
○国務大臣(菅義偉君) まず、交付税が三割減ったということでありますけれども、私ども手元の資料ですと約一割減であります。
 私どもは、地方がそれぞれ地域の魅力を引き出す中で町づくりを行っていく、このことは極めて大事なことであると思いますし、そのことには支援をするための頑張る地方応援プログラムだとか、そうした施策も今年から出させていただいたところであります。
 そして、今、全国一律の線引きという話がありました。これについては、やはり地方公共団体、六団体を中心とする皆さん方の意見を十分聴きながらそういう方向を数字については決定をしていきたいと思いますし、当然円滑にこの移行ができるような、そういうことは考えながら行っていきたいと思います。
#144
○吉川春子君 私は、農業は余り専門じゃないんですけれども、行ってみて本当に努力しているんですよね。夕張を例に取って申し訳ないけれども、箱物を造ったりとか、そういうことではなくて、農地を開発してそれを農家に提供して、そしてその自給率を引き上げようと、そして自立した農業を営むような努力を数十年続けてきたわけですよ。しかもそれは国の政策にも沿っているわけですね。そういう自治体が地方交付税の削減の時期と償還のピークの時期と重なって、そして一律ではなくても数字でもって線引かれますと、もうこの未利用地、あと三分の一の未利用地をうまく活用していくということもストップせざるを得ないところまで追い込まれてしまう。私は、こういう自治体をおかしくしてしまうのが今度の法律の目的では決してないと思うんですね。だから、こういう、全国にはいろいろな分野で特色ある自治体づくり、小さくてもきらりと光る自治体というのも全国にあるわけで、そういう自治体の存立を不可能にするような、そういうような財政再建計画の基準作りであってはならないと思うんですね。そういう自治体をむしろ生かして応援するような、そういう地方自治体の行政を是非やっていただきたい、そしてこの法律の基準作りのためにもそういうことを考えていただきたいと思います。
 最後に、そのことについて大臣の見解を伺いたいと思います。
#145
○国務大臣(菅義偉君) 私どもは、それぞれの地方の自治体がそれぞれの特徴を生かしながら魅力ある町になってほしいと、そういう意味の町づくり、そして自立をする中で私ども支援するところは支援をさしていただきたい、そういう思いであります。そして、この健全化法案というのは、正にそうした財政規律を確立するための一つの私は大きな手段になる法律であるというふうに考えております。
#146
○吉川春子君 終わります。
#147
○長谷川憲正君 国民新党の長谷川憲正でございます。
 私、国家の発展の要件というのはいろいろあると思いますけれども、国の大きさといいますか規模といいますか、そういうものも大事な要素の一つだと常々思っております。世界を見渡しましても、うまくいっているなという国はおおむね規模の小さな国家が多いわけでございます。いやいや長谷川、そんなことないよと、大きな国でもうまくやっている国あるじゃないかと言う方がいらっしゃると思いますが、そういう国を見てみますと、おおむね大きな国家の中に小さな国家が幾つも包含されている、いわゆる連邦制のような国家の体制を取っているというところが多うございまして、日本の場合には明治以降の歴史がありますから無理からぬことではありますけれども、いささか一億二千七百万人という大きな国にしては中央集権が行き過ぎているのかなというふうに思っておりまして、そういう意味で地方分権というのは地方の活性化、地方が本当に元気を出していただくという意味でとっても大事な課題だというふうに思うわけでございまして、これは今総務大臣以下総務省の皆さんが一生懸命取り組んでおられますし、政府としても全体として一生懸命取り組んでおられるというふうに承知をしておりますので、その議論の成り行きを更に注目しながら見ていきたいというふうに思っておりますが、その話は今日は横に置きまして、今議題になっております地方公共団体の財政の健全化に関する法律案に絞って今日は幾つか質問をさせていただきたいと思います。
 これはもう、先ほど来各委員が御指摘のように、昭和三十年にできました地方財政再建促進特別措置法、これを全面的に新しいものに変えて、すなわち新しい再建法制をつくるということでございますので、地方自治体の皆さんからすれば大きな期待と不安を持ってこの法律を見ているというふうに思います。
 既に地方六団体などから出されました御意見なんかはいろいろと法律の作成段階で取り入れられているというふうにお聞きをしておりますので、法律そのものとしてはよりいい形のものができているんだろうというふうに思いますし、読ましていただきましても大変難しい技術的な法律ではありますけれども、そういう印象を持つわけでございますが、一方、物が物でありますだけに、法律の中に書き切れないものというのはたくさんあるわけでございます。
 その辺につきましても地方の方々いろいろと関心を持っておられると思いますので、今日はそこを中心にお伺いをいたしますが、まず冒頭に、大臣から、今までの制度のどこに問題があるということで今回のこの法案の提出に至ったのか、既にいろんな形でお述べをいただいておりますけれども、改めてお伺いを申し上げたいと思います。
#148
○国務大臣(菅義偉君) まず、この現行制度の再建制度は昭和二十九年、赤字団体の再建のために昭和三十年に制定された特別措置でありますけれども、昭和三十年度以降の赤字団体についてもその規定の一部を準用して財政再建を行ってきていると。当時と比べれば、第三セクターだとか公社とか、そういうものはほとんど当時多分なかったはずであります。世の中これだけ大きく変わりましたので、まず時代にそぐわなくなってきているということであります。
 それを具体的に申し上げるならば、正に早期是正、再生の観点を踏まえた情報開示、これが正に不十分であります。さらに、財政悪化を早期に防止するための早期是正機能というのがないということです。一般会計などの実質赤字というフロー指標のみであって、ストック面での課題がある団体等が対象になっていないと。さらに、再建を行う場合は地方自治体が自ら申出を行わなければ再建ができないという、そういう実は仕組みになっております。
 そういう中で、やはり再建団体になる前に早期是正措置というものは可能にして再建団体に陥らないような対策というのはこれ極めて大事だというふうに思っておりますので、財政指標の整備と同時に情報開示というんですかね、そういうものを徹底をして財政の早期健全化及び再生を図る、そういう中で今度提案をさせていただいたということであります。
#149
○長谷川憲正君 どうもありがとうございます。
 地方のいろいろな財政の実態を把握をするというのは当時は技術的にも非常に難しかったんだろうと思いますけれども、今はそういうことができる時代になっているということも踏まえての今回の提案だろうというふうに思いますが、人間の健康なんかでも、昔は本当に病気になってから医者へ行って治してもらうというのが今はもう予防医学になりまして、最近はメタボリックシンドロームなんというのが非常に有名になっておりますけれども、恐らくそんなことで、いろんな指標の中から、本当に健全なのか健全でないのか、これから先どうなるのかというようなことを見るためにいろんな基準をおつくりになるというふうに理解をしておるわけでございますけれども。
 以下はもう局長にお伺いをしたいというふうに思いますが、この法案の中で、早期健全化基準それから財政再生基準というようなものが非常に重要な要素となってこの法律できておりますけれども、政令で定める数値と法律の中には書いてあるわけで、具体的なイメージがなかなか持ちにくいわけでございますけれども、具体的な考え方、もう既にお持ちだろうというふうに思いますので、これも地方の方々が非常に関心を持っているところだと思いますので、説明をいただければ有り難いと思います。
#150
○政府参考人(岡本保君) 今委員御指摘の早期健全化の基準あるいは財政再生の基準といったことにつきましては、年内にも政令で定めまして、地方団体の二十年度の予算編成に間に合いますように策定をしていきたいというふうに考えております。また、その際には、地方団体の今委員正に御指摘のように関心事でもございますので、地方団体の御意見を十分に伺いながら、その途中過程におきましても意見交換をしながらやってまいりたいというふうに考えております。
 現在、この地方団体の財政の一つの規律の基準になっているという数値といたしましては、一つは、現行の再建法で持っております市町村については二〇%以上、都道府県については五%以上という実質赤字の比率がございます。また、地方債の協議制の下で実質公債比率が一八%以上で許可団体、二五%以上で一定の地方債の発行が制限されるというようなことがございますので、これらが一つの事実上の財政規律の目安ともなっているということもございます。
 こういうような現行の運用も踏まえつつ、新しい指標も導入をいたしておりますので、四つの比率の整合性を勘案の上、検討をしていきたいというふうに考えております。
#151
○長谷川憲正君 今の御説明の中で、地方公共団体の意見も十分聴きながらというお話がありましたが、もうそれは全くそのとおりやっていただきたいというふうに思うわけですが、一言で意見を聴くと言っても、これはなかなか大変なことだと思うんですよね。市町村だけでも千八百ぐらいあるわけでございますか。どんな形の意見の聴き方といいますか、何か適切な言葉がありませんけれども、地方公共団体の意見を聴く際に、何か方策についてお考えがありましたらお聞きをしたいと思います。
#152
○政府参考人(岡本保君) 具体的に意見のお伺いの仕方ということでやっておりますのは、現在、この春にも行いましたけれども、財政局でそれぞれ手分けをいたしまして、全国ブロック単位ごとに地方財政に関します連絡会議というのを、私ども現地に出向いて、各県の担当者の方々、再生担当者それから各県の市町村の担当のセクションの方々と意見交換をさせていただくという会議をやらさせていただいております。
 また、全国の市長さんたちのブロックごとの会議というのが春秋ございまして、これにも私ども、全ブロックの会議にそれぞれ課長が出向きまして意見交換をさせていただくということをやらさせていただいております。
 それから、全国町村会、全国市長会、それぞれ東京におきます財政委員会というのを、あるいは評議員会というのをお持ちでございますので、そこの会議に私ども、これまでも基本的には全部いろんな会議で出ささしていただきまして意見を交換するというやり方をさしていただいておりますので、そういうまず意見交換といったものをやりたいというふうに思っております。
 また、具体的な手続といたしましては、そういう御意見を踏まえました上で、行政手続法に基づきました意見公募、いわゆるパブリックコメントなどのような手法も活用しながら、その検討過程におきますプロセスもはっきりして、その御意見を踏まえた私どもの最終意見というものはこういうふうになったというようなことを見える、オープンな形でその地方との意見交換も進めていきたいというふうに考えております。
#153
○長谷川憲正君 そこで、財政再生団体というものに陥ってしまった自治体のことでございますけれども、考えてみると、そういうところこそ何か国から支援をしてやらないと大変なことになるのかなと。夕張の例もたくさん出ているわけでございますけれども、再生段階だからといってあれも削れ、これも削れといっても、やっぱり基礎的なサービスというのはきちんとやらなきゃならないわけですよね。そういうところを切り詰めますと自治体として機能しなくなってしまいますので、その辺についても私は非常に心配をしておるわけでございますけれども、国から何らか財政上の支援が用意されているのかどうか、その辺をもう一度お伺いをしたいと思います。
#154
○政府参考人(岡本保君) 財政の再生段階にまで至るという場合には、国の関与の下でその団体の再生を図っていただくということが基本になるわけでございますが、その第一は、やはりまず当該団体の徹底した自助努力が必要だろうと思っております。また、そのことによって国あるいは周りの他の地方公共団体の当該財政再生団体に対する協力でありますとか支援といったものが、国民あるいは周辺の都道府県内の市町村、あるいは都道府県の県民、住民の方々の理解を得るということにもつながるというふうに考えております。
 そのような上で、国といたしましては、計画の円滑な実施を資するための情報の提供でございますとか、あるいは各種の事業の優先的な採択等を始めといたしますそういう意味での支援といったものを行うということもございますが、直接的な措置といたしましては、総務大臣は、財政再生計画に同意した場合には再生振替特例債という形での資金、赤字を言わば平準化をするという形での特例を用いまして、この特例債に対しましても資金事情の許す限り適切な配慮を行うということといたしております。また、その利子につきましても、再生団体の財政状況など、個々具体の状況を踏まえ、真に必要な場合には所要の措置を検討するということになっていくものというふうに考えております。
#155
○長谷川憲正君 今御説明をいただいた中で、これはもう法律の中にそう書いてあるわけですが、十二条三項で、国は再生振替特例債については法令の範囲内において資金事情の許す限り適切な配慮をするものとするということでありまして、これはもう非常に皆さん期待感を持って見ているのかなというふうに思いますけれども、この適切な配慮の中身の御説明をいただければと思いますが。
#156
○政府参考人(岡本保君) 再生振替特例債は、総務大臣の同意を得た再生計画に基づきます計画的な収支不足額の解消のために発行されるという、言わば通常の特例債が建設地方債しか認められないわけでございますが、いわゆる赤字地方債の一種として認められるということになるわけでございます。
 このような特例的な地方債につきましては、例えば、地方債計画の策定等を通じまして、まず優先的にその総額、枠を確保するということ、また、その際にできるだけ低利なものと、当該団体にとって有利な条件になりますような、例えば財政融資資金等を含めました金利のできるだけいい条件のものを確保するというようなことによりまして、この再生特例債の円滑な発行ということを支援してまいりたいというふうに考えております。
#157
○長谷川憲正君 最後に、もう一問だけお尋ねをして終わりたいと思っておりますけれども、それは法案の十四条です。この十四条では、財政再生団体に係る通知ということになっておりまして、これは地方公共団体の財政負担を要するような国の直轄事業を各省各庁の長が行います場合に総務大臣に対して通知をすると、これはもう従来からある仕組みだと思っておりますが、それに対して今度の法律ですと、総務大臣は意見を述べることができる、その各省各庁の長に対して意見を述べることができるというふうに書いてあるわけであります。
 この国の直轄事業の負担金の話につきましては、かねてから地方自治体側から、そういうものは廃止あるいは縮減をすべきだというような提言がなされておりまして、この参議院の総務委員会でも昨年の三月から今年の三月、地方分権を推進するための地方税財政基盤の確立に関する決議というものの中でもはっきりと、地方六団体が廃止を求めている国直轄事業に係る地方負担金については廃止に向け当面縮小に努めることというようなことが盛り込まれているわけでありまして、私は、これはもう本当に地方の声として、国が直轄事業をやるときに一々そのお付き合いを求められるというのはもうかなわないということだろうというふうに思うものですから大変に関心を持っているところでございまして、この総務大臣の意見というのはどんな形のものを考えておられるのか、どういうまた効果を期待しておられるのか、御説明をいただきたいと思います。
#158
○政府参考人(岡本保君) 法案十四条におきましては、土木事業など再生団体に負担金を課して国が直轄で行おうとするときに、各省各庁の長は、当該事業の実施に着手する以前にあらかじめその負担額を総務大臣に通知しなければならないというふうにいたしております。その上で、今委員御紹介いただきましたように、総務大臣は、当該通知に係る事項が再生団体の財政再生計画に与える影響を勘案して必要と認めるときは、各省各庁に対して意見を述べることができるというふうにいたしております。
 これは総務大臣が、再生計画に係ります報告の受理あるいは同意、それから、その再生計画の円滑な施行といったことについて一定の役割と責任を担っているという立場から、直轄事業の実施者であります各省各庁の長に対しまして、その長の事業の実施について必要な意見を述べるということでございます。
 直轄事業の負担金が当該団体の財政再生計画に与える影響がある場合には、例えば、そういうことについて、その事業の検討あるいは配慮といったことを求めるという意味での、直轄事業が直接的にその財政再生計画に影響を与えるというような場合には、その検討を更に求めるといったような意見を出すことが想定されるというふうに考えております。
#159
○長谷川憲正君 地方公共団体の庇護者としてひとつ思う存分意見を言っていただきたいなという希望を申し上げまして、質問を終わります。
#160
○委員長(山内俊夫君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#161
○委員長(山内俊夫君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 地方公共団体の財政の健全化に関する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#162
○委員長(山内俊夫君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#163
○委員長(山内俊夫君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時四十五分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト