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2007/03/14 第166回国会 参議院 参議院会議録情報 第166回国会 本会議 第9号
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2007/03/14 第166回国会 参議院

参議院会議録情報 第166回国会 本会議 第9号

#1
第166回国会 本会議 第9号
平成十九年三月十四日(水曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第九号
  平成十九年三月十四日
   午前十時開議
 第一 地方自治法第百五十六条第四項の規定に
  基づき、社会保険事務所の設置に関し承認を
  求めるの件(第百六十四回国会内閣提出、第
  百六十六回国会衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、国務大臣の報告に関する件(平成十九年度
  地方財政計画について)
 一、地方税法の一部を改正する法律案及び地方
  交付税法等の一部を改正する法律案(趣旨説
  明)
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(扇千景君) これより会議を開きます。
 この際、日程に追加して、
 平成十九年度地方財政計画についての国務大臣の報告並びに地方税法の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案についての提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(扇千景君) 御異議ないと認めます。菅総務大臣。
   〔国務大臣菅義偉君登壇、拍手〕
#5
○国務大臣(菅義偉君) 平成十九年度地方財政計画の概要並びに地方税法の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の趣旨について御説明申し上げます。
 まず、平成十九年度地方財政計画の概要について御説明申し上げます。
 極めて厳しい地方財政の現状を踏まえ、基本方針二〇〇六に沿って歳出全般にわたり見直しを行い、その抑制に努めております。一方、地方交付税の現行法定率分を堅持しつつ、地方団体の安定的な財政運営に必要な地方税、地方交付税などの一般財源総額を確保することを基本としております。
 また、地方財政の健全化に資するため、交付税特別会計の新規借入を行わないこととし、既往の借入金について計画的な償還を行うこととしております。
 その上で、引き続き生じる財源不足については特例地方債の発行等により補てんすることとし、地方財政の運営に支障が生じないようにしております。
 以上の方針の下に、平成十九年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出の規模は八十三兆千二百六十一億円となり、前年度に比べ二百四十七億円の減となっております。
 次に、地方税法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 最近における社会経済情勢等にかんがみ、上場株式等の配当等及び譲渡所得等に対する税率の特例措置の適用期限の延長、高齢者等居住改修住宅に係る固定資産税の減額措置の創設、電気自動車等の低公害車に係る自動車取得税の税率の特例措置の見直しを行うとともに、非課税等特別措置の整理合理化を行うほか、信託法の制定に伴う所要の規定の整備等を行うこととしております。
 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、平成十九年度分の地方交付税の総額につきましては、十五兆二千二十七億円を確保するとともに、交付税及び譲与税配付金特別会計の借入金の償還方法を変更し、あわせて、地方交付税の算定方法を簡素化するとともに、単位費用の改定を行うほか、政府資金等の繰上償還に伴う補償金の免除措置の創設、地方特例交付金の拡充、地方公務員共済組合の事務に要する費用に係る地方公共団体の負担の特例措置の延長等を図るため、関係法律の改正を行うこととしております。
 以上が地方財政計画の概要並びに地方税法の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)
    ─────────────
#6
○議長(扇千景君) ただいまの報告及び趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。高橋千秋君。
   〔高橋千秋君登壇、拍手〕
#7
○高橋千秋君 民主党・新緑風会の高橋千秋です。
 私は、ただいま議題となりました二法律案について、民主党・新緑風会を代表して、各大臣に対して質問をしたいと思います。
 今年は暖かな冬となって、先日発表された桜の開花予測も過去にないくらい早い予想となっているようですが、この季節、日本じゅうに花が咲き、卒業、入学、転勤など、それぞれの人たちの転機に桜が祝ってくれるような、美しくてすばらしい国土が広がるそれぞれの地方で、この国に生まれて良かったと思う人は多いはずです。
 私は、同僚議員の御配慮で、この法案の本会議代表質問を二期目の任期の間四回、その前から入れると五回目の代表質問となります。地方を元気にすることが私のライフワークであり、この二法は大変重要です。しかし、残念ながら、私の思いとは逆に、この六年間で地方の状況は更に厳しく、格差は広がり続けました。
 三月六日、北海道夕張市が申請していた財政再建計画が総務大臣に正式に認められ、返済が必要な約三百五十億円分について二〇二四年までに十八年間掛けて返済をしていくということが決まりました。夕張市の財政破綻は、地域に住む住民にとって負担は全国一高く、サービスは全国一低くなることを覚悟しなくてはならなくなっていて、地域を出る人も増えているというふうに聞いています。
 しかし、夕張市の問題は対岸の火事ではなくて、今や全国どこでも起こり得る問題であります。
 そこで、まず地方財政の現状について伺います。
 現在の地方財政は、地方団体間の財政力の二極化が進展しており、都市部は景気回復による税収増の恩恵を受ける一方で、過疎地など産業の立地が少ない地域では税収が伸び悩み、厳しい状況が続いています。
 私の三重県では、全国的に見ると景気がいい方だと言われていますが、県内の中でも南北格差が開いています。
 三重県の一番南に熊野市小森という地区があります。ここにはダム湖があって、毎年四月の第一日曜日に桜祭りが行われて、この時期だけは大変にぎわいます。美しい地区で、近くに銅山が昔あったことから、非常に活気のあるところでした。しかし、今はもう四十二人しか住んでいません。平均年齢が七十五・二歳、六十五歳以下の人が二人だけ。その人たちは青年部とも言われていますけれども、子供は一人もいません。小学校も中学校もその当時の姿のまま残っているこの地区も、確実にあと何年かすると消滅してしまいます。
 限界集落という言葉に見られますように、全国の過疎地域にある集落のうち、四%強に当たる二千六百四十一集落が高齢化などで消滅する可能性があり、特に四百二十二集落は十年以内になくなる可能性があるということが発表されて、条例を制定してその振興を図ろうとする自治体も現れてきていますが、地方の医師不足も大変深刻で、予想以上に地方が崩壊するスピードが速くなっているように思います。これが安倍総理が言う美しい国つくりなんでしょうか。
 来年度の地方財政において講じられる措置を見ますと、国税や地方税の大幅な伸びを背景に、交付税特別会計の新規借入の廃止や借入金の一部返済など、健全化に向けての方策が一応盛り込まれていると言えます。
 三位一体改革により、四・七兆円の国庫補助負担金が削減され、五・一兆円の地方交付税が減少する一方、三兆円の税源移譲が行われました。しかし、このような措置により恩恵を受けるのは東京都など一部の自治体にすぎません。山村や離島など規模の小さな自治体では国庫補助負担金と地方交付税が大幅に減少していますが、景気回復に基づく税収増はほとんど見込めず、肝心の税源移譲はわずかな額にとどまって、毎年度の財政運営は厳しくなる一方です。
 最近、東京都は低所得者に対する個人住民税の軽減措置を独自に実施する方針を決定しました。しかし、そのようなことをやりたくてもやれない地方公共団体がほとんどで、地方団体間の財政力格差は拡大する一方です。
 安倍総理大臣は予算委員会の中の発言で、格差があるとすればという極めて認識不足の感を否めない答弁をされていましたが、総務大臣、財務大臣は今の地方団体間の財政力格差についてどのような認識をお持ちなのか、解消するために方策があるとすればお考えを伺いたいと思います。
 国も地方も財政が厳しいことは分かっていますが、相変わらず国土交通省の職員が中心となった官製談合が繰り返されて、それも国土交通省に対して、中央省庁として初めて公正取引委員会から改善措置要求を受けるという事態まで発生しています。また、厚生労働省の職員の補助金詐欺事件が発生し、地方の医師不足に対する抜本的な対策もなされず、厚生労働省に対する不信も強くなっています。地方には我慢しろと言いながら、これでは地方が国を信用することはできず、国と地方が一体となって日本の今の危機に取り組んでいけるのか大変疑問です。
 国土交通大臣に、この改善要求をどうとらえるのか、そして具体的な談合根絶のための対策を伺うとともに、厚生労働大臣に対しても、不正の再発防止対策と地方の医師不足の解消のための対策があれば伺いたいと思います。
 また、その談合根絶のためにも、財政の再建のためにも、公務員制度改革は避けられません。前大臣の退任を受けて、渡辺担当大臣の意気込みは聞いております。これまで行革本部事務局が検討しているような事前規制の撤廃と行為規制を導入する内容では、むしろ天下り自由化法案であり、能力・実績主義人事管理というものはキャリアの特権を温存するもので、公務員制度改革でも何でもなく、またその内容ですら自民党内部で迷走していて実現も危ういと聞いています。
 特権制度であるキャリア制度を廃止すること、公務員に労働基本権を与えること、信頼できる評価制度による能力、実績に基づく人事制度を確立することが必要だと思いますが、渡辺担当大臣の意気込みと対策を伺いたいと思います。
 次に、平成十九年度の地方財政計画について伺います。
 昨年末の地方財政対策の交渉の中で、国の財政当局から、地方交付税の原資である国税五税の収入見込みが景気動向を反映して大幅に増加する一方、地方税収の増加も期待できることから、国、地方の折半対象としてきた財源不足額は解消するとの指摘がなされました。これに加えて、交付税法定率により算出される地方交付税額を地方に交付した場合、財源余剰が発生することから、特例減額を行って国債の発行額を抑制するなど、国の財政の健全化に活用すべきではないかとの発言がなされたようです。財務大臣に事実関係を伺いたいと思います。
 確かに、国と地方の折半対象としてきた財源不足額は解消しましたが、実際には平成十九年度においてもそれ以外の財源不足額が四兆四千二百億円も発生しており、これらの財源不足については臨時財政対策債や財源対策債といった地方の借金で穴を埋めてきたのが実情であります。
 今後、地方の財源不足を議論するに当たっては、財務省が言うように国、地方の折半対象としてきた財源不足額のみをとらえるのではなくて、地方の負担で処理してきた財源不足額も含めて議論すべきだと考えますが、総務大臣と財務大臣の見解を伺いたいと思います。
 また、交付税特別会計には、国負担分十九兆円が国の一般会計に振替整理されたものの、三十四兆円もの借入金残高があり、地方債の発行残高を含めると二百兆円近い借入金残高を抱えています。
 加えて、今後の人口減少、高齢化を見据えれば、国土を保全し、地域を守っていくためにも、地方団体の果たす役割は増大する一方であり、地方団体が自らの判断で地域住民のニーズを踏まえた行政を行うことができるような取組が求められています。
 以上のような観点で見ますと、地方交付税の財源保障機能の更なる充実こそ必要であって、特例減額を行う余地は全くないと考えるんですが、総務大臣と財務大臣の見解を伺いたいと思います。
 次に、新型交付税について伺います。
 政府は、平成十九年度から、人口と面積を基本とした簡素で新しい基準による基準財政需要額の算定、つまり新型交付税を導入しようとしています。
 そもそも、地方交付税とは地方団体の固有財源であり、本来最初から地方が持つべき財源を地域差が出ないようにするためにとられてきた措置であることは今更言うまでもありません。今回の新型交付税の導入は、算定の簡素化を優先した結果、個々の地方団体の財政需要の的確な把握がおろそかになっているんではないでしょうか。導入の結果、各地方団体の受け取る地方交付税の額に影響が出ることは避けられず、交付税制度の本来の機能である財源保障機能と財源調整機能が低下したことを表しています。
 地方団体の納得と信頼を得るためには、地方の財政需要の実態に応じた算定が行われていくことについて説明責任を果たしていかなければなりませんが、総務大臣に伺いたいと思います。
 次に、頑張る地方応援プログラムについて伺います。
 政府は、地方独自のプロジェクトを自ら考え、前向きに取り組む地方団体に対して、頑張る地方応援プログラムにより、平成十九年度から地方行政等による支援措置を講じようとしています。
 しかし、そもそも地方交付税は、どの地域に住む住民に対しても一定の行政サービスを提供することができるよう、地方税だけでは財政需要を賄えない地方団体に対して交付されるものです。その算定に成果指標を用いるということは、交付税制度の本来の役割を逸脱してゆがめるおそれが高いと考えますが、総務大臣の説明を伺いたいと思います。
 また、交付税算定の一環として行う以上、客観的な基準に基づいて算定する必要がありますが、何をもって頑張っていると判断するんでしょうか。その明確な基準設定は困難です。補助金のように国が財政支援で政策誘導する手法は、自治体が地域事情よりも制度に合わせて政策を展開するという弊害が指摘されてきました。地方分権改革として補助金削減などで地方の自主性を高める方向を目指している中で、なぜ交付税を政策誘導的に使う制度を新たに導入するのか、極めて疑問です。
 仮に基準が設定できたとしても、地理的条件など地方団体の置かれている立場は様々なことから、頑張るための前提条件にそもそも違いがあって、頑張ってもなかなか成果の出せない団体があるのが実情でないでしょうか。地方の声を聴く姿勢は一定評価してもいいかもしれませんが、政策の手法や効果に対する疑問と不透明感はぬぐい切れません。
 地方団体の格差を是正するはずの地方交付税によって逆に格差を拡大させてしまう懸念があり、総務大臣はこの点をどう考えているのか、明確な答弁を伺いたいと思います。
 今、頑張る地方の応援のために必要なことは、国の権限や税財源の地方への移譲をもっと進めることなんではないでしょうか。それが本当の地方分権改革ではありませんか。
 最後に、地方税制の改正について伺います。
 本年六月には、定率減税の廃止と三兆円の税源移譲に伴って、住民税の負担が大幅に増えることになります。その一方で、平成十九年度の税制改正は、四月の統一地方選挙と七月の参議院選挙をにらんで、抜本的な改革は先送りされました。しかし、参議院選挙後には消費税に関する本格的な増税プランが稼働すると言われています。
 今回の税制改正は、本格的な税制改正が先送りされた結果、小幅な改正にとどまっていますが、その中で、上場株式等の配当及び譲渡益に関する課税の軽減税率を一年間延長する措置が入っています。政府は、貯蓄から投資へという政策に対応するものであるとしていますけれども、所得階層が二極化する中で、株式投資ができるのは平均以上の年収を獲得している層であり、これらの富裕な人々に更に恩恵を与え、取りやすい一般的なサラリーマンなどには増税、これでは所得格差が拡大するのは当たり前ではないでしょうか。これでは、格差を拡大するための政策だと言われても否定できないのではありませんか。総務大臣と財務大臣の見解を伺いたいと思います。
 間もなく、日本じゅうでそれぞれの一年生の希望に満ちた歓声が聞こえる、夢にあふれた季節を迎えます。しかし、現実は厳しく、この危機を救うには、自治体が住民との応対を惜しまず、行政の需要に耳を澄ませ、国はその地道な努力を後押しすることだと思います。そのためにも、見せ掛けやパフォーマンスではない本当の地方分権のために、可能な限りの権限と税財源の移譲を強く求め、質問を終わりたいと思います。(拍手)
   〔国務大臣菅義偉君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(菅義偉君) 高橋議員から七つの質問がありました。
 まず、財政力格差についてであります。
 地方団体の財政力に差があることは事実であり、できる限りの対策を講じているところであります。平成十九年度は、交付税の法定率を堅持し、地方一般財源総額を前年度を五千億円上回って確保いたしております。また、三年間で五兆円規模の公的資金の補償金なしの繰上償還等を行うこととしております。
 今後も必要な交付税等の一般財源総額を確保するとともに、偏在の少ない税を中心に地方税の充実を図るなど、税収格差が拡大しないよう検討を進めてまいります。
 次に、地方財源不足についてお尋ねがありました。
 平成十九年度は、折半対象財源不足はありませんが、地方財源不足は四・四兆円に上っており、臨時財政対策債などの地方の借入金等で補てんをいたしております。今後も、地方財政の健全化を進め、地方財源不足全体の縮小に努めてまいります。
 次に、交付税の財源保障機能についてお尋ねがありました。
 厳しい財政状況を踏まえ、基本方針二〇〇六に沿って地方歳出の抑制を努めることは必要です。あわせて、どのような地域にあっても一定水準の行政サービスを提供できるよう、交付税の財源保障機能を適切に発揮をしてまいります。また、基本方針二〇〇六においては、地方交付税の現行法定率を堅持すること等を明記しており、今後もこの基本方針に沿って対応してまいります。
 次に、新型交付税についてお尋ねがありました。
 新型交付税の導入に際しては、交付税の基本的機能を変えるものではないことを説明をするとともに、十分に意見交換を行ってまいりました。具体の制度設計については、人口規模による行政コスト差等を反映するとともに、条件不利地域の特別財政需要を算定する仕組みを確保することなどによって、各地方公共団体の財政需要というものを適切に算定することといたしております。
 次に、頑張る地方応援プログラムについて二点お尋ねがありました。
 頑張る地方応援プログラムの交付税措置は、全国的かつ客観的な成果指標が向上した地方公共団体に対して、その程度に応じて交付税の割増し算定を行うものであります。交付税は使途を特定をされない一般財源であり、その使途は当然それぞれの地方公共団体の創意と工夫にゆだねるものであるために、交付税制度の本来の役割を逸脱するものではありません。
 また、頑張る地方応援プログラムでは、具体的な成果目標を掲げて取組を進めるすべての地方公共団体に対して、その取組経費を特別交付税により措置するとともに、成果指標を交付税の算定に反映をさせる際には、条件不利地域の状況というものを配慮することによって、条件不利地域においても前向きに頑張っておる地方公共団体もしっかり応援してまいりたいと思っております。
 最後に、定率減税の廃止、上場株式等の配当及び譲渡益に対する軽減措置についてお尋ねがありました。
 定率減税は、平成十一年当時に景気対策として導入された暫定的な負担軽減措置であり、導入の経緯や経済状況の改善を踏まえ廃止したものであります。
 また、上場株式等の配当及び譲渡益に対する軽減措置は、株式市況や経済情勢への影響に配慮をし、一年延長して廃止することといたしております。この間に、市場の混乱を回避するための特例措置等について検討していくこととしております。
 いずれも、それぞれの制度の趣旨を踏まえ適切な措置を講じたものであり、格差を拡大させるという御指摘は当たらないと思います。(拍手)
   〔国務大臣尾身幸次君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(尾身幸次君) 高橋議員からの御質問にお答えいたします。
 地方団体間の財政力格差についてのお尋ねがありました。
 国と地方の財政状況を十九年度予算ベースで比較いたしますと、債務残高の税収に対する比率は、国が十五・三倍であるのに対し、地方は三・五倍です。また、一般会計のプライマリーバランスは、国が四・四兆円の赤字であるのに対して地方は五・四兆円の黒字であり、国は総体として地方よりも極めて厳しい財政状況にあります。
 他方、地方団体を個別に見ますと、地方税収が十分に確保できない自治体がある一方で、東京都のように基準財政収入と基準財政需要の差が一・四兆円という大幅な財源余剰が発生している自治体があるなど、自治体間の財政力の格差が見られます。こうした状況にかんがみれば、地域間の財政力格差の問題について総務大臣とも相談をしつつ、今後、真剣に取り組んでまいりたいと考えております。
 昨年末の地方財政対策の交渉についてお尋ねがありました。
 昨年末の総務大臣との折衝においては、御指摘のような発言は行っておりません。私からは、国と地方の信頼関係に基づいて、全体としての日本の財政健全化を図っていく必要がある旨申し上げました。その結果、平成十九年度予算においては、現行法定率どおりの地方交付税額である十四・六兆円を一般会計に計上することとしております。
 地方の財源不足額についてお尋ねがありました。
 平成十九年度は、国と地方が折半で負担していた財源不足は解消されましたが、既往発行債の借換えなどのため臨時財政対策債等の発行が予定されていることは承知しております。今後とも、国と総体としての地方の財政状況の差を踏まえつつ、地方においても国と同様の厳しい歳出改革を進め、国と地方でバランスの取れた財政健全化を進める必要があると考えております。
 地方交付税の特例減額についてお尋ねがありました。
 先ほど申し上げたように、十九年度予算においては、現行法定率どおりの地方交付税額である十四・六兆円を一般会計に計上しております。国は赤字であり、総体としての地方は黒字であるという財政状況の差を踏まえれば、今後とも、国と同様に地方歳出の厳しい改革を行うことにより、地方交付税を抑制していく必要があると考えております。
 いずれにせよ、地方税と地方交付税を合わせた地方が自由に使える財源を適切に確保しつつ、国が総体としての地方よりも厳しい財政状況にあること、及び地方税収が十分に確保できない自治体がある一方、東京都のように大幅な財源余剰が発生する自治体があり、自治体間の財政力の格差が大きい状況なども踏まえて、今後とも、総務大臣とも相談しつつ、適切に対応してまいりたいと考えております。
 定率減税の廃止、上場株式等の配当と譲渡益の軽減税率についてお尋ねがありました。
 定率減税は、一九九九年度に臨時異例の景気対策として中低所得者に手厚い減税を行ったものであります。定率減税の縮小、廃止は、こうした導入の経緯や経済状況の大幅な改善を踏まえ、二年間で段階的に元に戻すものであり、いわゆる増税とは異なります。
 上場株式等の配当及び譲渡益に係る軽減税率については、その適用期限を一年延長して廃止することとし、この一年の延長期間において金融所得間の損益通算範囲の拡大策や市場の混乱を回避するための臨時措置等について検討を行った上で廃止することを決めたものであり、適切な措置であると考えています。これらの措置は、以上申し上げた趣旨により行うものであり、格差を拡大させるために行うものではありません。(拍手)
   〔国務大臣冬柴鐵三君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(冬柴鐵三君) 改善措置要求に対する認識と談合根絶のための具体的な対策についてお尋ねがありました。
 入札談合等の不正行為、とりわけ官製談合はあってはならないことですが、今般、国の機関として初めて改善措置要求を受けたことは極めて遺憾であり、誠にざんきに堪えません。こうした事態を厳粛に受け止め、国民に対し、皆様に深くおわびを申し上げます。
 国民の信頼を回復できるよう、談合行為の排除に向け、談合がいかに割に合わないかを職員及び事業者に徹底してまいります。
 そして、今般取りまとめた当面の入札談合防止対策に基づき、不正行為の防止、綱紀保持の徹底に全力を尽くすとともに、引き続き事実関係の徹底した解明と、原因、背景等を踏まえて必要な対策の検討を行ってまいります。(拍手)
   〔国務大臣柳澤伯夫君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(柳澤伯夫君) 高橋議員からは、まず科研費補助金の不正の再発防止対策につきましてお尋ねがありました。
 当省から埼玉県に出向中の職員が厚生労働科学研究費に係る詐欺容疑で逮捕されたことにつきましては、極めて遺憾と考えております。
 今後、厚生労働省といたしましては、捜査当局に全面的に協力するとともに、その中で明らかとなった事実関係を踏まえまして、適切な再発防止のための対策を検討してまいりたいと考えております。
 次に、地方における医師不足問題についてお尋ねがございました。
 地域における必要な医療の確保につきましては、国と都道府県が協力した上で、医療資源の効率的な活用等の見地から、医療機関相互のネットワークの構築が重要だと考えております。
 このため、厚生労働省におきましては、財政的支援や具体的な助言等、都道府県の取組を多面的に支援するとともに、中長期的対策といたしましては、大学医学部に地元に医師を定着させるための地域枠の設定などを推進してまいりたいと考えております。
 さらに、地域ブロックごとに担当のチームを役所内につくりまして、各都道府県の地域医療対策協議会に必要に応じ参加するなど、都道府県の医師確保に係る取組を具体的かつ効果的に支援していきたい、このように考えております。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣渡辺喜美君登壇、拍手〕
#12
○国務大臣(渡辺喜美君) 公務員制度改革についてお尋ねがございました。
 公務員制度については、絡み合った諸問題をパッケージで解決をすることが必要であります。
 このため、年功序列を打破し、採用試験の種類や年次にかかわらず、能力と業績の評価に基づく人事を行わなければならないことを法案で明確にいたします。したがって、従来のキャリアとノンキャリアの区別というのはなくなると考えます。一方で、能力、業績が良くなければ昇進、昇給はできません。成績不良等の公務員には分限降格・免職といった厳しい措置もとってまいります。
 また、総理が施政方針演説で述べているとおり、予算や権限を背景とした押し付け的あっせんによる再就職の根絶を必ず実現をいたします。
 さらに、公務員の労働基本権の問題については、行政改革推進本部の下に設置された専門調査会において精力的に議論が進められており、早期に方向性を整理し、四月中に中間取りまとめをいただきたいと考えております。(拍手)
#13
○議長(扇千景君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#14
○議長(扇千景君) 日程第一 地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、社会保険事務所の設置に関し承認を求めるの件(第百六十四回国会内閣提出、第百六十六回国会衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。厚生労働委員長鶴保庸介君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔鶴保庸介君登壇、拍手〕
#15
○鶴保庸介君 ただいま議題となりました承認案件につきまして、厚生労働委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本件は、厚生労働省の所掌事務の円滑かつ効率的な遂行を図るため、越谷市、市川市及び青梅市の三か所に新たに社会保険事務所を設置することについて、地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、国会の承認を求めるものであります。
 委員会におきましては、新たに社会保険事務所を設置することの背景、年金相談体制の充実の必要性、職員配置の見直しによる業務の適正化等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、採決の結果、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#16
○議長(扇千景君) これより採決を行います。
 本件の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#17
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#18
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          百九十九  
  賛成            百九十九  
  反対               〇  
 よって、本件は全会一致をもって承認することにいたしました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#19
○議長(扇千景君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時三十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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