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2007/05/11 第166回国会 参議院 参議院会議録情報 第166回国会 本会議 第23号
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2007/05/11 第166回国会 参議院

参議院会議録情報 第166回国会 本会議 第23号

#1
第166回国会 本会議 第23号
平成十九年五月十一日(金曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第二十三号
  平成十九年五月十一日
   午前十時開議
 第一 社会保障協定の実施に伴う厚生年金保険
  法等の特例等に関する法律案(内閣提出)
 第二 自動車から排出される窒素酸化物及び粒
  子状物質の特定地域における総量の削減等に
  関する特別措置法の一部を改正する法律案(
  内閣提出、衆議院送付)
 第三 広域的地域活性化のための基盤整備に関
  する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、株式会社商工組合中央金庫法案(趣旨説明
  )
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(扇千景君) これより会議を開きます。
 この際、日程に追加して、
 株式会社商工組合中央金庫法案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(扇千景君) 御異議ないと認めます。甘利経済産業大臣。
   〔国務大臣甘利明君登壇、拍手〕
#5
○国務大臣(甘利明君) 株式会社商工組合中央金庫法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 日本の産業競争力の源泉は、大企業に部品や素材を供給する中小企業にあり、また、地域の経済を支えているのも、各地域で特色ある事業活動を行う中小企業であります。商工組合中央金庫は、こうした中小企業の良い点を見付け、はぐくむノウハウを持っており、融資と経営指導を一体として実施し、中小企業を支えてきました。
 こうした背景の下、政策金融改革を着実に進めるとともに、商工組合中央金庫が有している中小企業に対する金融機能の根幹を維持するための措置を講ずることが、簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律において定められております。本法案は、その内容を具体化したものであります。
 次に、本法案の要旨を御説明申し上げます。
 第一に、平成二十年十月における商工組合中央金庫の株式会社化を円滑に行うため、株式会社への組織転換のための措置を講ずることとしております。
 第二に、中小企業に対する金融機能の根幹を維持するため、中小企業団体とその構成員等に融資対象、株主資格を限定するとともに、中小企業に対する円滑な金融機能の提供に不可欠な強固な財務基盤を確立すべく、特別準備金の設置について規定しております。
 第三に、政府保有株式の全部を処分したときは、直ちに本法案を廃止するための措置を講ずるとともに、中小企業に対する金融機能の根幹が維持されることとなるように、株主資格を制限するための措置その他必要な措置を講ずることとしております。
 以上が株式会社商工組合中央金庫法案の趣旨でございます。(拍手)
    ─────────────
#6
○議長(扇千景君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。藤末健三君。
   〔藤末健三君登壇、拍手〕
#7
○藤末健三君 民主党の藤末健三です。
 民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました株式会社商工組合中央金庫法案につきまして、政府に対して質問を行います。
 政府は、現在景気は好循環を続け、戦後最長のイザナギ景気を超えて更に長期化する可能性があると自画自賛されています。しかしながら、中小企業は好景気から取り残され、資金繰りにも困難を来し、後継者もいないという極めて厳しい状況に置かれています。
 安倍総理は政権公約の中で、中小企業を税と金融で強力にバックアップするとされていますが、中小企業対策政府予算は年間千六百億円にすぎません。これは道路整備事業費の十分の一、森林水産整備事業の半分となります。中小企業は全国企業四百三十万社のうち九九%以上を占めています。また、全労働者の七割が働いているのが中小企業です。それにもかかわらず、政府予算はわずか全体の〇・二%しか充てられていないという状況になっています。
 これを見ても明白なように、我が国の多くの中小企業がここまで困難な状況に陥った要因は、政府が中小企業に対して場当たり的な金融政策や税制でしか対応しなかったことに尽きます。我が国の経済と産業を支える中小企業政策をないがしろにしてきたことについて、歴代政権は猛省すべきです。是非、この点について官房長官の見解をお聞きしたいと考えます。
 安倍内閣は再チャレンジ融資制度を制定するとおっしゃっていますが、本当に必要なことは、一度倒産して再チャレンジすることではなく、頑張っている中小企業のより一層の成長の支援、また窮地に陥った中小企業に対する円滑な融資です。そうすれば中小企業が倒産することもなく、わざわざ再チャレンジする必要もありません。ちなみに、この五年間、中小企業は四百七十万社から四百三十万社と五年間で約一割も減っております。また、中小企業金融の状況を見ますと、民間金融機関の中小企業への融資は、二〇〇一年に約二百二十兆円あったものが二〇〇六年には約百八十兆円と、この五年間で中小企業に対する融資、二割も減っています。
 このような中、商工組合中央金庫や中小企業金融公庫など政府系中小企業金融機関を通じた融資拡大、信用保証協会の保証による銀行融資についての第三者保証の撤廃、無担保無保証枠の拡大、緊急つなぎ融資審査の緩和、動産担保融資制度の拡大等を行うべきだと考えますが、経済産業大臣、財務大臣、金融担当大臣の御見解をお伺いします。
 私にはほとんど実感がないのですが、我が国の経済は二〇〇二年から回復に向かっていると言います。根拠となるのは企業収益の増大です。例えば、製造業の大企業の企業収益は二〇〇一年七・八兆円、約八兆円でありましたが、二〇〇五年には約十八兆円と二・三倍になっています。これは過去のピークであるバブルを超え、最高の収益となっています。また、大企業の従業員一人当たりの収益は二〇〇一年に百六十万円だったものが二〇〇六年には六百六十万円と約四倍になっている。これもバブル時の二倍となります。これらをもって政府は景気が回復したと言っていますが、しかしながら、中小企業を見ると、中小企業の従業員一人当たりの収益はこの五年間、八十万円以下となっています。大企業の一人当たり収益は六百六十万円とございますんで、中小企業と大企業の一人当たりの収益の格差は約十倍近くになっているというのが現状です。
 また、製造業の従業員の方の給与の推移を見ると、大企業は二〇〇二年に八百三十万円です。それが二〇〇五年には八百五十万円と増加しているにもかかわらず、一方、中小企業では二〇〇二年四百十万円から二〇〇五年には三百七十万円と一割近くも減少している状況です。そもそも倍以上の格差があった大企業と中小企業の給与格差が小泉首相の時代にもっと拡大しているというこの現状です。
 また、雇用数を見ると、大企業の雇用は雇用全体の約二九%しかございません。しかも、この数、この五年間でリストラなどにより減っています。一方、中小企業の雇用は全体の約七割を超えるという状況でありまして、大企業主導の景気回復といっても、多くの人々は中小企業に勤め、その景気回復の実感はないという状況になっています。ちなみに、新聞の調査によりますと、約八割、七八%の方々が景気回復を実感していないというデータがあります。この点について、官房長官に見解を伺いたいと思います。
 このような状況ですから、中小企業においては設備投資に資金が回っていません。二〇〇六年の従業員一人当たりの設備投資を見ますと、大企業では従業員一人当たり五百万円の設備投資がある。一方、中小企業を見ますと六十四万円しかございません。中小企業は一人当たりの設備投資、大企業の八分の一しかないという状況です。つまり、大企業は最新の設備をどんどんどんどん導入する、一方、中小企業は古い設備を使わざるを得ない状況となります。この結果、今後、大企業と中小企業の生産、収益の格差は一層広がると予想されます。
 このように、中小企業は景気回復の恩恵を全く受けておりません。経済産業大臣に、この中小企業の現状についての御認識を含め、中小企業施策の今後の方針について見解を伺いたいと思います。
 また、中小企業の現状を見ると、地方によって格差があります。首都圏の中小企業の収益は高く、一方、九州など地方の中小企業の収益は低くなっています。私は、地方自治体がベンチャートライアル支援調達制度や税制支援など、中小企業の支援をもっと独自に行えるようにすべきだと考えますが、総務大臣の見解はいかがでしょうか。
 商工中金は、政府と中小企業団体が共同で出資する中小企業向け政府系金融機関です。商工中金に対して出資を行っている中小企業団体は約二万七千組合、その出資額は一千億円を超えます。このように、商工中金の資本形成に多大な貢献をされてきた中小企業団体の利益を害することは、決してあってはなりません。出資者である中小企業団体に配慮した措置はしっかりと講じられているかどうか、経済産業大臣の御所見を伺います。
 ちなみに、商工中金は中小企業に対して多様な金融サービスを行い、貸出し残高は約十兆円と、融資先は八万社にも上っています。このように、中小企業者に対して安定的に融資を行ってきた商工中金は、我が国の中小企業金融を強力にサポートする中小企業政策の大きな柱と言っても過言がございません。このような中小企業向け金融機関としての性格は、株式会社後もしっかりと維持される必要があります。そのための措置は本法案に盛り込まれているかどうか、経済産業大臣に伺います。
 また、株式会社後にも中小企業向け金融機関としての性格を維持するとしても、財政基盤が確保されてなければ、それは絵にかいたもちとなってしまいます。株式会社後も中小企業の皆様の資金ニーズに適時適切に対応するために必要な財政基盤をしっかり維持するために必要な措置はきちんと講じられているんでしょうか。経済産業大臣、そして財務大臣の御所見を伺いたいと思います。
 そして、中小企業の方々は、完全民営化後も商工中金の中小企業向け金融機能の維持を切望されています。そのためには、株主資格の制限、商工債の発行維持、特別準備金の設置の継続など、財政基盤を確保するための措置を講ずる必要があります。そして、こうした措置を講ずるためには、きちんとした法的な枠組みが必要だと考えますが、経済産業大臣、いかがでしょうか。
 商工中金は、貸し渋り、貸しはがしが起きたとき、地震や集中豪雨等の自然災害の発生時に、大型倒産のために連鎖倒産が起きないようにするためにも必要な融資を行い、また、最近では、新潟中越地震や能登半島地震の発生時においては、中小企業の事業継続のための支援を行っております。このような商工中金が果たしてきた危機対策機能についても、これまでと同様に確保されなければなりません。そのために必要な財政措置や体制整備はしっかりと講じられているかどうか、経済産業大臣と財務大臣に伺います。
 昨年、公布、施行された行政改革推進法においては、平成二十年の株式化の五年後から七年後をめどとして、政府保有株式の全部を処分し完全民営化するとしています。商工中金は、民営化後も民間金融機関として適切な事業形態を確立する必要があります。そのためには、中小企業向け金融機能を維持する一方で、商工中金の経営の自由度を高め、事業範囲を拡大するなど、中小企業に対して多様なサービスを提供できる環境を整備することが不可欠です。本法案において、株式会社後、多様なサービスを提供するために必要な措置が講じられているかどうか、経済産業大臣の御所見を伺います。また、こうした多様なサービスの提供を商工中金が実現していく上では、金融当局の姿勢が重要となります。この点について、金融担当大臣の御所見を伺いたいと思います。
 商工中金だけで中小企業向けの金融をすべて担うことはできません。中小企業向け金融の九割を担う民間金融機関がきちんと中小企業に対し融資を行うことが不可欠です。ところが、さきにも述べましたように、この五年間で民間企業の中小企業への融資は二割も減っています。そして、今なお四割強の民間金融機関が中小向け金融融資、減らし続けているという状況になっています。金融庁は中小企業向け検査マニュアルを作るなどの取組をしていますが、正直に申し上げて、対応が全く足りないと思います。民間金融機関がしっかりと中小企業に向けて金融に取り組めるよう、現場レベルでの検査体制の抜本的見直し、地銀など財政体質の強化など、総合的取組が必要な段階に来ていると考えますが、金融担当大臣の所見を伺いたいと思います。これは本当に大事な話です。
 我が国の将来を支えるのは、新しい分野を切り開く挑戦する中小企業です。リスクの高い事業に対し、融資だけでは資金を供給することには無理があります。このため、直接、中小企業に対し株式投資による資金提供を行うことが肝要でございますが、中小企業に対する投資は欧米に比べて非常に低い水準にとどまっています。挑戦する中小企業に対し、個人やそして年金などの資金がもっと流れ込むように、例えば中小企業、ベンチャーに個人で投資する人々に対するエンジェル税制などの税制の整備、そしてまた、より一層ハイテクに特化した株式市場の整備など大きな枠組みの取組が必要と考えますが、経済産業大臣、財務大臣、そして金融担当大臣、三大臣の御所見を伺いたいと思います。
 最後に、我が国産業は、バブル崩壊後、失われた十年と言われる長い低迷を必死で頑張り、乗り越えてきました。最近ようやく大企業の業績が回復してきましたが、苦しい時期に大企業と一緒に頑張った中小企業は、まだ引き続き苦しい状況に置かれたままです。中小企業が苦境に置かれたまま取り残されていることは、政府や我々政治家が十分な対応をしてこなかったことにほかなりません。今、市場メカニズムを中心とする改革、唱えられています。しかし、市場メカニズムだけでは解決できないこうした不当な格差を改正していくことこそ、私ども政治家に与えられた使命ではないでしょうか。
 私は、全雇用の七割、企業総数の九九%と、我が国の雇用、そして経済を支え、また次世代の産業の芽である中小企業に対し、党派を超えて応援させていただくべきだと訴えさせていただきたいと思います。本当にこの中小企業の問題、今我々が対応しなければ、どんどんどんどん中小企業は衰退していく、この事実を指摘させていただきまして、質問を終わらさせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣甘利明君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(甘利明君) 藤末議員の御質問にお答えをいたします。
 まず、中小企業の資金調達の円滑化についてお尋ねがありました。
 中小企業が安定した事業運営を行っていくためには、その資金調達の円滑化が重要な課題であると考えております。そのため、経済産業省といたしましては、動産担保融資の促進や信用保証協会における第三者保証人の原則非徴求等を通じ、不動産担保や個人保証に過度に依存しない融資の推進に積極的に取り組んでいく所存であります。
 次に、中小企業の置かれている現状を踏まえ、中小企業施策の今後の方針についてお尋ねがありました。
 中小企業の景況につきましては、業種や地域によって回復度合いにばらつきが見られ、中小企業の多くは、御指摘のとおりいまだ景気回復を実感できない状況にあります。こうした中、全国四百三十万の中小企業の知恵とやる気を生かしてその活力を高めることこそが我が国経済の活性化を図る重要なかぎでありまして、今後ともあらゆる政策手段を用いまして中小企業活性化に万全を期してまいります。
 次に、商工中金の株式会社化に際して、出資者である中小企業団体に配慮した措置が講じられるかについてのお尋ねがありました。
 商工中金の株式会社化に際しまして行われる特別準備金の金額の決定や株式の割当て等につきましては、既存の民間出資者である中小企業団体の利益が不当に損なわれることのないように十分に配慮してまいります。また、株式会社化に伴ってこれらの団体に新たな負担が生じることがないよう必要な手当てを講じてまいります。
 次に、中小企業向け金融機関としての性格を株式会社化後も維持するための措置についてお尋ねがありました。
 商工中金につきましては、行政改革推進法において完全民営化に当たって中小企業向け金融機関としての機能を維持することとされておりまして、本法案におきましてはそのために必要な措置を規定をしております。具体的に申し上げますれば、まずその株主資格者や主たる貸付先を中小企業団体及びその構成員に限定するとともに、政府出資の一部を準備金化し財務基盤を確立すること等によりまして、株式会社化後の商工中金が中小企業向け金融機関としての役割を引き続き適切に果たしていけるように万全を期してまいります。
 続いて、株式会社化後の商工中金の財務基盤の確保についてのお尋ねであります。
 新商工中金が株式会社化後もそのノウハウを活用して中小企業の金融ニーズに十分対応していくためには、強固の財務基盤が確立されることが必要であります。本法案におきましては、商工中金の株式会社化に際しまして、政府出資のかなりの部分を特別準備金とするための措置を規定をしております。その金額につきましては、中小企業団体等の意見も聴きつつ決定するなど、財務基盤をしっかりと確保をしてまいります。
 続きまして、完全民営化の際に商工中金の機能維持のための法的枠組みを用意すべきではないかというお尋ねであります。
 商工中金につきましては、完全民営化後も中小企業向けの組合金融機能を引き続き維持することが極めて重要であると考えております。そのためには、株主資格の制限に加えまして、完全民営化の時点における財務状況等を踏まえまして特別準備金や商工債の発行等の措置についても検討する必要がありまして、法的枠組みを含めて必要な措置をしっかりと実現をしてまいります。
 次に、株式会社化後の商工中金の危機対応機能の確保のための措置についてお尋ねがありました。
 株式会社化後の商工中金につきましては、これまで危機対応で果たしてきた役割にかんがみ、株式会社日本政策金融公庫法案におきまして創設をされる危機対応業務を行う指定金融機関の指定を受けたものとみなすこととしております。また、財政措置につきましては、今後、財政当局等とも協議をしつつ具体的に検討していくこととなりますが、商工中金などが果たしてきた危機対応機能がこれまでと同様に維持されるよう、必要な財政措置を確保してまいります。
 次に、株式会社化後、多様なサービスを提供するための必要な措置が講じられているかについてお尋ねがありました。
 本法案におきましては、完全民営化時点で最適なビジネスモデルを構築できるように、預金資格制限の撤廃、子会社保有の一部解禁、出資者基盤の拡大等の措置を講ずることといたしております。これらの措置によりまして、商工中金が七十年間培ってきた強みを磨きまして、より多様なサービスをより効率的に提供することが可能となり、引き続き、我が国の中小企業向け金融の円滑化に貢献することとなると強く期待をいたしております。
 最後に、中小・ベンチャー企業の資金調達円滑化への取組についてのお尋ねであります。
 エンジェル税制につきましては、平成十九年度より、その対象となる企業の要件を緩和するなど、円滑な資金調達を促進するための措置を拡充いたしました。引き続き、税制の充実に取り組みますとともに、中小・ベンチャー企業の成長を促す新興市場の形成についても、関係省庁と連携をして検討を行ってまいります。
 以上です。(拍手)
   〔国務大臣塩崎恭久君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(塩崎恭久君) 藤末議員にお答えを申し上げます。
 まず、中小企業政策をないがしろにしてきたのではないかというお尋ねがございました。
 全国四百三十万の中小企業の元気は日本経済全体の活力に不可欠でございます。このため、政府としては、中小企業基本法に基づいて、中小企業の経営の革新及び創業の促進、中小企業の経営基盤の強化などを基本方針として、金融、税制、技術支援、人材活用などについて効果的な中小企業政策を実行してまいりました。さらに、成長力底上げ戦略の一環として、中小企業の生産性向上を図るべく、下請取引の適正化など中小企業の底上げ支援についても強力に取り組んでいるところでございます。
 次に、中小企業の厳しい状況についてのお尋ねがございました。
 我が国経済は息の長い景気回復を続けておりますけれども、中小企業の多くはいまだ回復を十分に実感できていません。回復の遅れの背景には、原材料価格や人件費の増加を価格に十分に反映できないことなどがあります。中小企業で働く方々が景気回復を実感できるよう、中小企業の底上げ支援を始め、あらゆる政策手段を用いて中小企業の活性化に努めてまいりたいと思います。(拍手)
   〔国務大臣尾身幸次君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(尾身幸次君) 藤末議員の御質問にお答えいたします。
 政府系金融機関の中小企業向け融資についてのお尋ねがありました。
 今般の政策金融改革においては、政策金融は官から民への観点から民業補完に徹することとしております。他方、中小企業の資金ニーズには的確にこたえる必要があることから、新たに設立される日本政策金融公庫や民営化される商工組合中央金庫等において中小企業に対する資金調達支援機能が損なわれることのないよう、所要の措置を講ずることとしております。
 商工組合中央金庫の財務基盤についてのお尋ねがありました。
 商工組合中央金庫の株式会社化に際しては、中小企業に対する円滑な金融機能を継続的に実現できるよう強固な財務基盤を確立するため、政府出資のかなりの部分を特別準備金とすることとしております。
 商工組合中央金庫の危機対応についてのお尋ねがありました。
 危機対応については、商工組合中央金庫が、民営化後もこれまで培ってきたノウハウを活用し、他の金融機関とともに危機時に円滑な資金供給を行えるよう、所要の制度的な手当てを行っております。財政措置については今後の検討事項ですが、適切な危機対応を可能とするため、必要かつ十分な措置を講じてまいります。
 エンジェル税制についてのお尋ねがありました。
 将来の我が国経済を支えるベンチャー企業の育成は、今後の経済活性化を図る観点から重要な課題であります。こうした考え方から、近年の税制改正においては、個人投資家によるベンチャー企業に対する投資を促進するため、累次にわたるエンジェル税制の拡充を行ってきているところであります。さらに、平成十九年度改正においては、適用対象となる企業の要件を緩和するとともに、適用対象企業の確認手続の簡素化を行うこととしており、エンジェル税制を更に使い勝手の良いものとした上、拡充したところであります。(拍手)
   〔国務大臣山本有二君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(山本有二君) 動産担保融資の拡大等、中小企業に対する円滑な融資を行うための手法についてお尋ねがございました。
 中小企業に対する金融の円滑化は金融機関の最も重要な役割であり、金融機関におきましては自らの責任と判断で適切にリスクを取って金融仲介機能を発揮していただくことが重要と考えております。こうした観点から、金融庁といたしましては、中小・地域金融機関における事業再生に向けた積極的取組等、地域密着型金融の機能強化の推進、また中小企業の実態に即した検査の確保、また不動産担保、個人保証に過度に依存しない融資の推進や融資手法の多様化等の施策を推進してまいります。
 金融庁としましては、御指摘の動産担保融資の推進等は中小企業の資金調達手段の多様化に資するものと認識しておりまして、今後とも中小企業に対する資金供給の円滑化を図るべく各般の施策に取り組んでいく所存でございます。
 次に、民営化後の商工中金が中小企業に対する多様なサービス提供を実現していく上での金融当局の姿勢についてお尋ねがございました。
 金融庁といたしましては、中小企業に対する金融の円滑化は金融機関の最も重要な役割の一つであると認識しております。今般の法案では、新商工中金は中小企業の事業者を構成員とする団体及びその構成員に対する金融の円滑化を図るために必要な業務を営むことを目的とする株式会社と規定されておりまして、当庁としましては、こうした目的、趣旨を踏まえ監督上適切に対応してまいります。
 次に、民間金融機関による中小企業向け金融の円滑化に向けた総合的な取組についてお尋ねがございました。
 金融庁といたしましては、金融検査マニュアル別冊(中小企業融資編)に基づき、中小企業の経営実態に即した検査を行ってきているところでございます。また、各地域金融機関が中小企業の再生と地域経済の活性化を図ることで不良債権問題を同時に解決し、自らの財務体質の強化につなげていくことを期待して、地域密着型金融の機能強化に向けた取組を進めているところでございます。
 金融庁といたしましては、今後ともマニュアル別冊の更なる浸透を図り、中小企業の事業再生等の観点も踏まえた適正な検査を推進していくとともに、地域密着型金融の機能強化を引き続き促すなど、中小企業金融の円滑化に向けて各般の施策に取り組んでいく所存でございます。
 次に、中小企業に対する株式投資による資金供給の促進についてお尋ねがありました。
 御指摘のとおり、挑戦する中小企業に対して融資のみならず株式投資によって資金提供を行っていくことは重要であると考えております。こうした観点から、エンジェル税制につきましては、平成十九年度税制改正において適用対象となる企業の要件の緩和等が措置されたところでございます。また、株式市場につきましては、金融イノベーションを促進し、リスクマネーを円滑に供給するため、金融商品取引法制の整備等に取り組んできたところでございます。
 金融庁といたしましては、今後とも、中小企業を含む資金調達者と投資家の双方にとって魅力ある金融・資本市場の整備に取り組んでまいりたいと存じます。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣菅義偉君登壇、拍手〕
#12
○国務大臣(菅義偉君) 自治体の中小企業支援についてお尋ねがありました。
 地域経済の活性化にとって、自治体における中小企業の支援は非常に重要なことであると考えております。このため、総務省といたしましても、ベンチャー企業からのトライアル調達の制度化などを行っておりますけれども、引き続き、ベンチャーファンド形成事業や頑張る地方応援プログラムなどにより、自治体の独自の取組を支援をしてまいります。(拍手)
#13
○議長(扇千景君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#14
○議長(扇千景君) 日程第一 社会保障協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律案(内閣提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。厚生労働委員長鶴保庸介君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔鶴保庸介君登壇、拍手〕
#15
○鶴保庸介君 ただいま議題となりました法律案につきまして、厚生労働委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、社会保障協定に係る法制の簡素化及び社会保障協定の適確かつ円滑な実施を図るため、我が国が締結した社会保障協定の実施に関する諸法律を統合し、健康保険法、国民健康保険法、国民年金法、厚生年金保険法、国家公務員共済組合法等の特例その他必要な事項を一般的に定めようとするものであります。
 委員会におきましては、包括実施特例法とする理由及びその効果、協定の締結を促進する必要性、労働保険を本法の対象としない理由等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#16
○議長(扇千景君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#17
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#18
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          百九十一  
  賛成            百九十一  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#19
○議長(扇千景君) 日程第二 自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。環境委員長大石正光君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔大石正光君登壇、拍手〕
#20
○大石正光君 ただいま議題となりました法律案につきまして、環境委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、大都市地域における自動車交通量の多い道路が交差している地区など、窒素酸化物等による大気汚染が特に著しい地区に関して、都道府県知事による窒素酸化物重点対策計画等の策定、事業者による自動車排出窒素酸化物等の排出抑制のための措置の拡充等を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、自動車排出ガス対策の現状と法改正の必要性、対策地域内での走行規制実施の必要性、微小粒子状物質PM二・五の環境基準の早期設定、東京大気汚染公害訴訟の和解に向けた環境大臣の決意等について質疑が行われたほか、参考人からの意見聴取を行いましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了いたしましたところ、本法律案に対し、日本共産党の市田委員より、特定事業所に係る総量規制制度の創設等を内容とする修正案が提出されました。
 順次採決の結果、修正案は否決され、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#21
○議長(扇千景君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#22
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#23
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          百九十一  
  賛成            百九十一  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#24
○議長(扇千景君) 日程第三 広域的地域活性化のための基盤整備に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。国土交通委員長大江康弘君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔大江康弘君登壇、拍手〕
#25
○大江康弘君 ただいま議題となりました法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、広域的地域活性化のための基盤整備を推進するため、国土交通大臣による基本方針の策定、都道府県が作成する広域的地域活性化基盤整備計画に基づく民間拠点施設整備計画の認定制度、拠点施設関連基盤施設整備事業等の実施に要する経費に充てるための交付金制度の創設等、所要の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、本法律案提出の背景と趣旨、地域活性化における観光事業等の役割、拠点施設整備事業に対する出資の在り方等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して小林委員より本法律案に反対する旨の意見が述べられました。
 次いで、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#26
○議長(扇千景君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#27
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#28
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          百九十二  
  賛成            百七十九  
  反対              十三  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#29
○議長(扇千景君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時四十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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