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2007/05/16 第166回国会 参議院 参議院会議録情報 第166回国会 本会議 第25号
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2007/05/16 第166回国会 参議院

参議院会議録情報 第166回国会 本会議 第25号

#1
第166回国会 本会議 第25号
平成十九年五月十六日(水曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第二十五号
  平成十九年五月十六日
   午前十時開議
 第一 統計法案(内閣提出、衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、地方公営企業等金融機構法案(趣旨説明)
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(扇千景君) これより会議を開きます。
 この際、日程に追加して、
 地方公営企業等金融機構法案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(扇千景君) 御異議ないと認めます。菅総務大臣。
   〔国務大臣菅義偉君登壇、拍手〕
#5
○国務大臣(菅義偉君) 地方公営企業等金融機構法案の趣旨につきまして御説明申し上げます。
 簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律に基づき、平成二十年十月に公営企業金融公庫を廃止するとともに、地方公共団体の資本市場からの資金調達を補完するため、長期かつ低利の資金の融通等の業務を行う地方公営企業等金融機構を設立し、その組織、業務の範囲等に関する事項を定める必要があります。
 次に、法案の内容について、概要を御説明申し上げます。
 第一に、設立につきましては、地方公共団体の長及び議長が発起人となり同機構を設立するものとし、その出資者は地方公共団体に限ることとしております。
 第二に、組織につきましては、役員として理事長、副理事長、理事及び監事を置くとともに、意思決定機関として知事、市長、町村長の代表者及びこれと同数の学識経験者で構成する代表者会議を設置することとしております。また、外部の学識経験者による審議機関として経営審議委員会を設置し、予算、資金の貸付けに関する基本的事項その他業務について審議を行うとともに、必要に応じて理事長に対し建議を行うことができることとし、理事長にはその意見に対する尊重義務を課することとしております。さらに、会計について、監事の監査のほか、会計監査人の監査を受けなければならないこととしております。
 第三に、業務の範囲につきましては、地方公共団体に対する長期かつ低利の資金の融通等を行うこととし、その範囲は、現行の公営企業金融公庫と同様、公営企業等に限ることとしております。また、対象事業につきましては、同機構の業務が地方公共団体による資本市場からの資金調達を補完するものであることにかんがみ、業務の重点化を図る観点から、段階的な縮減を図ることとしております。
 第四に、同機構に対する国の関与につきましては、その設立及び定款の変更に際して総務大臣が認可を行うほか、この法律等に違反し、又は違反するおそれがある場合に限り、総務大臣は報告徴収若しくは立入検査又は違法行為等の是正要求を行うことができることとしております。
 そのほか、公営企業金融公庫は平成二十年十月一日に解散するものとし、その権利及び義務につきましては、政府からの出資を除き、同機構が承継することとしております。また、同機構には、新たな業務に係る勘定のほか、公営企業金融公庫から承継する貸付債権の管理業務に係る勘定を設け、それぞれの勘定ごとに損益を明確に区分し、当該管理業務の適正な運営を確保するために必要な措置を講ずることとしております。
 以上が地方公営企業等金融機構法案の趣旨でございます。(拍手)
    ─────────────
#6
○議長(扇千景君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。広田一君。
   〔広田一君登壇、拍手〕
#7
○広田一君 民主党・新緑風会の広田一でございます。
 私は、会派を代表しまして、ただいま議題となりました地方公営企業等金融機構法案に関しまして質問をいたします。
 本法案は、いわゆる行政改革推進法に基づき、先ほど菅総務大臣から御説明がございましたように、今まで地方公共団体に低利かつ安定した資金を融通していた公営企業金融公庫を廃止し、それに代わって、地方が全額出資をし、類似の業務を行う地方公営等金融機構を設立するものであります。
 そもそも政策金融改革は、平成十六年度末で約九十兆円ある貸出し残高を平成二十年度末までに対GDP比で半減させ、資金の流れを官から民へ改革をし、経済全体の活性化につなげていくことを目的としています。
 確かに、日本政策投資銀行と商工組合中央金庫は完全民営化されます。しかしながら、公営企業金融公庫はいったん廃止されますが、地方が設立主体となる新組織として生き返ってきます。我が会派の金融の専門家であるOさんに言わせれば、死んだのに生き返るまるでゾンビのような機構だということであります。私はそこまでは言わなくても、少なくとも官から官への看板の掛け替えではないかという疑問は払拭することはできません。そして、看板の掛け替えに伴う課題も多々ございます。
 御承知のとおり、公営企業金融公庫は、水道、下水道、交通、病院など住民生活にはなくてはならない事業を貸付対象にしています。例えば、水道事業などは厳しい経営状態にあるケースが多いと思いますが、だからといって水道の供給を止めるわけにはいきません。定期的に施設の更新や、我が高知県でいえば南海大震災に対する震災対策もしなければなりません。住民生活を守るために必要な事業の設備整備を進める上でも、特に財政力の弱い地方公共団体にとりましては、公営企業金融公庫が行ってきた低利かつ安定した資金融資は自治体経営の上でも大変重要でございます。
 よって、なぜ今廃止をしなければならないのか、首長さんや自治体関係者からは疑問や不安の声が上がっております。その一方、私自身が直接複数の市町村長さんにお聞きしましたところ、この公営企業金融公庫が廃止をされる問題について十分理解されていない実態がございました。
 国は、地方の疑問や不安の声をどのように受けているのか、そして公庫が廃止をされることについての地方現場の認識度をどの程度把握されているのかを質問しますとともに、この問題に関し、きちんとした説明責任を果たすべきと考えますが、総務大臣の御所見をお伺いをいたします。
 本法案には、国と新機構、すなわち地方との責任と権限、役割分担がちぐはぐしているなど、不明確な点や懸念される点が散見されますので、以下、質問してまいります。
 まず、組織の在り方についてであります。
 これまでの公営企業金融公庫を廃止をして、新たに地方公共団体が新機構を設立する際に発生する組織的なメリットとデメリットを明確にしていただきたいと思います。
 その上で、新機構は、法第十四条、十九条にもあるように自律的な運営を行う組織を標榜しております。そう言えば聞こえはいいわけでございますが、要するに地方公共団体が資金の貸し手であり、その地方公共団体の子会社とも言える公営企業が借り手であります。つまり、実質的に貸し手と借り手が同じであります。地方のためとはいえ、原資は国民の皆さんのお金ですから、無駄な融資がなされないよう、このような法案を提出した国の責務は大変重いと考えます。
 懸念することとして、資金の貸付けについては審査が甘くなるなどモラルハザードが起きる可能性がありますが、どう思われるのか、御所見をお伺いをいたします。
 その対策として、適切な貸付審査体制を構築すべきと考えますが、人的な面も含め具体的にどのように取り組むのか、お伺いをいたします。
 そして、代表者会議に意見を言える経営審議委員会の設置、企業会計に準じた公会計の導入、監査などで透明性の確保や適切な外部チェックがなされると思いますが、課題はその実効性をどう担保するかであります。このことに対する御所見もお伺いをいたします。
 北海道の夕張市など、今や自治体が破綻をする時代であります。それに伴い公営企業も破綻をする危険性が高まっています。より一層の借り手のガバナンスの強化も求められると思います。そこで、例えば公営企業の破綻法制の仕組みなどが必要と考えますが、御所見をお伺いをいたします。
 次に、出資についてお伺いをいたします。
 法第四条三項では、機構の資本金については、地方が自主的、主体的に運営することを踏まえて、地方公共団体以外の者は出資できないこととされております。これも先ほど大臣の方から御説明がございました。安定した新機構の運営を目指すのであれば、地方公共団体以外の出資を硬直的にすべて排除することが合理的なのかどうかお伺いします。あわせて、出資対象を将来的に見直す余地、可能性はないのかもお伺いをしたいと思います。
 このように、新機構に対して出資ができるのは地方公共団体に限定しながら、その一方で、これまた先ほど御説明がありましたように、すべての地方公共団体に対して出資をすることは義務付けてはおりません。その場合、新機構から融資の必要性を感じない財政力の強い地方公共団体は出資を見合わせる可能性がございます。そうすると、新機構は財政力の弱い者の連合体になる懸念がございます。出資するか否かは、それこそ各地方公共団体の自主的な判断にゆだねるべきだと言われればそれまででございますが、法第一条にございますように、設立目的が、地方公共団体の資金調達を効率的かつ効果的な補完をし、長期かつ低利資金の融通の実現を通して地方公共団体の財政の健全化、住民福祉の増進であるとするのならば、地方六団体の提案にもございますように全地方公共団体の出資を義務付けるべきだと思いますが、御所見をお伺いいたします。
 あわせて、設立認可の判断要件と思われる組織の運営基盤、市場からの厚い信認を確保するために必要な出資金はどの程度必要であると認可権者として現時点で考えているのか、総務大臣の御所見をお伺いをいたします。
 次に、公営企業の業務範囲についてお伺いをいたします。
 その範囲につきましては、法第二十八条の二項にございます。すなわち、水道事業、交通事業、病院事業、下水道事業、そして公営住宅事業、その他政令で定めるものとあります。現行の公営企業金融公庫法施行令には、介護サービス事業、電気事業、産業廃棄物処理事業など、十八の業務が列挙をされております。
 今回、国は新機構、つまり地方に対して、自律性と自主性を求めております。だから、国は新機構に対しては新たな出資も保証も行わない、つまりお金は出さないとしているのではないでしょうか。それにもかかわらず、肝心の業務範囲につきましては、法律にも限定列挙にとどめ大半を政令にゆだねるのは、権限は手放さず、口は出すけどお金は出さない典型であり、到底美しい国には似合わないやり方だと思います。せめて政令の中身は示すべきだと考えますが、御所見をお伺いをいたします。
 あわせて、業務範囲の段階的縮小を図ろうとしていますが、業務範囲の決定こそ新機構が地方の実態、ニーズを踏まえて自主的、弾力的に決めるべきものと考えますが、いかがでしょうか。
 次に、認可などに関する国の関与についてお伺いをいたします。
 法第十条にありますように、新機構の設立認可は当然、総務大臣の認可事項であります。しかし、法第五条にありますように、設立後の定款変更まで総務大臣の認可が必要であるということには理解に苦しみます。民間同様、自主、自律して運営することを求めている以上、定款の変更は国は関与せず、会社で言えば株主総会に当たる代表者会議に最終決定権をゆだねるべきと考えますが、御所見をお伺いをいたします。
 次に、引当金の処理についてお伺いをいたします。
 実は、三・七兆円にも上る多額の引当金等の取扱いが新機構設立における大きな論点の一つになっております。
 引当金の一つである債券借換損失引当金とは、調達金利が上がったときの逆ざやに備えるための引当金でございます。その残高は、平成十七年度末で約二・六兆円にも及びます。この潤沢な資金は地方公共団体の負担で形成されたものであり、地方の立場に立てば新機構が全額承継するという主張はもっともであります。また、約三・七兆円の基金や引当金の存在が低利の貸付けを可能にしていることや新機構が発行する債券の格付を考えれば、今後の新機構の運営上も引当金の全額承継は当然と思われます。
 しかしながら、一方で、積立金は確かに債務者が支払ったものではございますが、例えば民間金融機関が利差で収益を上げたからといって、その収益は債権者のものであって、借り手が私に下さいと言ってもまかり通る話ではございません。
 このような理由などから、引当金は原則国に返還すべきであるという意見があるのも事実でございますので、引当金の新機構への承継についての考え方をどのように整理されているのか、お聞きをいたします。
 ただ、いずれにいたしましても、三兆円以上もの資金をどう処理するかを法律で明確に規定せず、これまた政令にゆだねるという法案のやり方は、国会軽視という批判を免れることができない問題だと思いますが、御所見をお伺いをいたします。
 あわせて、公営企業金融公庫の解散などを規定した附則第九条以降で新旧勘定において引当金を承継するとしていますが、将来的に一部国に返還される可能性がある点などをどのように評価をされているのか、総務大臣と財務大臣の御所見をお伺いをいたします。
 最後に、話は全く変わりますけれども、ふるさと納税についてお伺いをいたします。
 六月には総務省において学識経験者らによる研究会をスタートさせるとの報道もございますが、具体的にはどのような形のものを目指しておられるのか、現時点のお考えをお伺いいたします。
 地方税は、そもそも身近な行政サービスに対する負担という考え方がございます。税制の専門家の間には、居住地以外への納税は受益者負担の原則を崩すとの批判があり、個人住民税を自治体間で移動させることで事務作業の手間が増えるとともに、都市、地方に新たな格差を生むなどといった批判も聞かれますが、御所見をお伺いをいたします。
 あわせて、地方の現場は、地方税の分捕り合いのおそれがあるふるさと納税よりも、安定した財源でもある地方消費税の拡充等を望んでいるのが実情ではないかと思いますが、このことについての御所見もお伺いします。
 その地方消費税に関連しまして、消費税の増税についてお伺いをいたします。
 安倍総理は、憲法改正のための国民投票法に関連して、憲法改正を参議院議員選挙の争点にするとおっしゃっております。しかも、それを、そのことこそが真摯な態度であるとまで言い切っているわけでございます。そうであるとするならば、国民の生活に直結する消費税を増税するか否かを、参議院議員選挙の秋に先送りすることなく選挙の争点にすることこそが国民に対する真摯な態度と思いますが、この点につきましての御所見を、総理がおりませんので財務大臣にお聞きをいたしまして、私の質問を終わります。
 御清聴、本当にありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣菅義偉君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(菅義偉君) 広田議員からの質問に順次お答えをしてまいります。
 まず、公庫の廃止と機構の設立に関する地方の認識と政府の説明責任についてお尋ねがありました。
 公庫廃止後の新組織については、行革推進法及び政策金融改革に係る制度設計に沿って、地方六団体から提出された制度設計案の考え方も参考にしつつ制度設計を行ったものであります。総務省としても、これまでの機会をとらえて政府の方針を説明をし、地方との意見交換を通じ理解を得てきたところでありますけれども、今後とも、地方側において十分な理解に基づき、新機構設立に向けた適切な検討が進められるよう努力してまいりたいと考えております。
 次に、公庫の廃止と機構の設立のメリット、デメリットについてお尋ねがありました。
 地方債資金の自己調達を基本とする中で、機構は相対的に財政力の弱い市町村を中心として、自己調達に限界のある長期低利の安定的な資金を供給することを目指して設立をされるものであります。また、機構については、貸し手と借り手の同一性が高いことにかんがみ、無駄な融資が生じるのではないかという御指摘がありました。こうした問題が生じないよう、外部性を十分に確保した仕組みを構築したと考えております。
 次に、機構のモラルハザードの可能性についてお尋ねがありました。
 先ほどお答えしましたように、機構に関しては、代表者会議に半数の学識経験者を加えるなど十分に外部性を確保した仕組みを構築しており、貸付けに関しても外部有識者から成る経営審議委員会の意見を聴くこととされているために、議員御懸念の点については対応は十分できるものと考えております。
 次に、機構の貸付審査体制についてお尋ねがありました。
 機構が行う貸付審査等の業務に関しては、金融や地方財政等の高度な知識が求められるものでありますことを踏まえ、幅広い人材を活用することが期待されるところであります。今後、地方公共団体において検討が進められ、市場の信認が得られるよう適切な貸付審査体制が構築されるものと考えます。
 次に、外部チェックの仕組みに関する実効性の担保についてお尋ねがありました。
 経営審議委員会については、その意見を代表者会議に報告をし、尊重する義務を理事長に課し、外部監査についてはその意見を付した財務諸表等を公表することといたしております。また、モラルハザードに対する指摘があったことを十分に認識し、市場の厳しい評価に堪えられるよう、適切な人選その他委員会運営等がなされることにより、外部チェックが十分機能し、規律ある運営が行われるものと認識をいたしております。
 次に、公営企業の経営の健全性を確保する仕組みについてお尋ねがありました。
 地方公営企業等金融機構は公営企業を中心に貸付けを行う組織であり、その前提として、貸付先である公営企業を含めた地方公共団体の財政規律の確立が極めて重要であると認識をいたしております。このため、今国会に地方公共団体の財政の健全化に関する法律案を提出をいたしているところでありますが、本法案では、申出によって財政再建を行う仕組みである現行の再建制度を抜本的に見直しをし、普通会計に公営企業会計等を連結した指標を設けるとともに、公営企業の経営悪化の初期の段階から自律的かつ計画的な経営改善を促す仕組みを導入することといたしております。
 次に、機構への出資及び将来的な見直しの余地についてお尋ねがありました。
 機構は、地方が自ら設立をし、主体的に運営する法人であることを踏まえ、法案上、機構への出資者を地方公共団体に限定をしているところであります。この趣旨を踏まえると、今後とも地方公共団体以外の者が機構に出資することは想定はいたしておりません。
 次に、出資の全地方公共団体への義務付けについてお尋ねがありました。
 出資の在り方に関しては、設立主体である地方公共団体を中心に検討されるべきものであり、全地方公共団体に対し出資を強制する性格のものではないと考えております。
 次に、必要な出資金の額についてお尋ねがありました。
 機構への具体的な出資総額、団体別の出資額等については地方六団体を中心に今後鋭意検討されるところであります。具体的な現行の政府出資、百六十六億円を目途にするものと伺っており、組織の財務基盤が確立されるとともに、機構の市場における信認が確保されるよう適切に判断されるものと期待をいたしております。
 次に、機構の政令で定める事業についてお尋ねがありました。
 機構の貸付対象事業については、民間からの資金調達には限界がある長期資金であって、貸付規模が大きい事業について、水道、交通など五事業について法案に規定し、その他事業については政令で定めるところとしたところであります。政令でどのような事業を定めるかについては、今後、地方公共団体の意見や各事業の資金需要を踏まえて検討してまいりたいと思います。
 次に、機構の業務範囲についてお尋ねがありました。
 機構は地方が自ら設立をし、主体的に運営する法人でありますが、今回の政策金融改革の目的は、政策金融の役割を縮小し、地方債資金の自己調達を基本とするものであります。この趣旨を踏まえ、機構の貸付対象事業については、民間からの調達では限界のある長期の事業であって、住民生活に密着をした社会資本整備事業に限定をしていくこととしたところであります。
 次に、定款変更の認可についてお尋ねがありました。
 機構の定款変更については、適法性を担保する観点からの必要最小限のチェックとして総務大臣が認可することといたしております。これは、機構の公的性格にかんがみ、定款の内容が法令に規定している事項に違反していないかについて、法を所管する大臣として確認をするものであります。
 次に、引当金の考え方についてお尋ねがありました。
 資産、負債の承継において、現公庫の財務基盤の大半を占める債券借換損失引当金については、新たな貸付けに係る一般勘定及び既往の債権管理を行う管理勘定について、将来にわたる経営の持続可能性を確保するために必要な資産を精査した結果、平成二十年十月時点において予想される債券借換損失引当金残高、おおむね三・四兆円全額を引き継ぐことといたしております。
 次に、引当金の承継に関する政令への委任についてお尋ねがありました。
 債券借換損失引当金の承継については、将来にわたる経営の持続可能性を確保するために、平成二十年十月時点において予想される債券借換損失引当金残高につき、新勘定おおむね二・二兆円、旧勘定おおむね一・二兆円、合わせておおむね三・四兆円全額を引き継ぐことといたしておりますが、今後の決算の状況等に踏まえ詳細な金額等について確定させることが必要であり、政令によって規定をすることであります。
 次に、引当金について、将来一部が国に返還される可能性があることについてお尋ねがありました。
 債券借換損失引当金については、新旧両勘定それぞれにおける経営の持続可能性を確保するため新機構に承継されるものであります。よって、旧勘定においてその業務が終了した場合、また機構の経営状況を踏まえつつ、業務が円滑に遂行されていると認められた場合において、現公庫の債権管理業務を将来にわたり円滑に運営するために必要な額を上回ると認められる場合には、所期の目的を達成したものとして、国に帰属することが妥当と考えております。
 次に、ふるさと納税の制度の具体化についてお尋ねがありました。
 ふるさと納税は、地域に対する真摯な思いを生かし、地方の活性化にも資する仕組みを税制として構築しようとするものであります。近く、地方公共団体の長や税の専門家等に、研究会を設置して検討を開始することといたしております。実現に向け研究会で議論を進め、年末の税制改正に間に合うよう基本的な考え方を取りまとめてまいります。
 次に、ふるさと納税に対する意見についてお尋ねがありました。
 ふるさと納税については、御指摘のような意見もあろうかと思いますけれども、地域に対する真摯な思いを生かし、地方の活性化に資すという方向性は多くの国民の皆さんの御理解をいただけるものではないかと考えております。
 最後に、ふるさと納税よりも地方消費税の拡充をとのお尋ねがありました。
 地方分権を推進する観点から、地方税の充実を図ることが重要であることは当然であり、今後、税源移譲を含む税源配分の見直しを行い、国と地方の税収比率一対一を目指してまいりたいと思います。その際には、地方消費税などの充実により、できるだけ偏在度の小さい地方税体系を構築してまいりたいと思います。
 以上です。(拍手)
   〔国務大臣尾身幸次君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(尾身幸次君) 広田議員の御質問にお答えいたします。
 地方公営企業等金融機構による引当金の承継についてのお尋ねがありました。
 今回、地方公営企業等金融機構の将来にわたる安定的な運営を確保するため、公営企業金融公庫の債券借換損失引当金等の全額について、新規の貸付業務に係る新勘定と既往債権の管理に係る旧勘定に、それぞれ必要な額を承継させる旨を法案で規定しております。ただし、詳細な金額等については今後の決算の状況等も踏まえつつ確定させることが必要であることから、政令において規定することとしております。
 なお、今回の措置は地方公営企業等金融機構の安定的な運営に必要な財務基盤を確保するためのものであり、旧勘定に係る既往債権の管理業務が終了した場合などには、所期の目的を達成したものとして、引当金は国に帰属することが妥当と考えております。
 ふるさと納税についてのお尋ねがありました。
 現在、地域間の財政力格差が拡大する傾向にあり、早急な対応が必要であるとの点において総務大臣とも認識をともにしております。
 御指摘のふるさと納税制度につきましては、基本的には住民税の問題と考えておりますが、租税制度の根幹にかかわる問題でもあり、今後、十分慎重な検討が必要であると考えております。
 次に、地方消費税等に関するお尋ねがありました。
 国と地方の財政状況を比較いたしますと、債務残高の税収に対する比率は国が十五・三倍、地方は三・五倍であり、プライマリーバランスは国が四・四兆円の赤字、地方は五・四兆円の黒字であるなど、国は総体としての地方よりも極めて厳しい財政状況にあることをまず御理解いただきたいと思います。
 他方、個別自治体の財政力を見ますと、地方法人二税の税収が急速に回復していること等を背景に、地方交付税で歳入を補てんしている自治体がある一方、東京のように一・四兆円という大幅な財源超過を有する自治体が発生するなど、地域間の財政力格差が拡大しているという状況にあります。
 こうした状況にあることから、ふるさと納税よりも地方消費税の拡充等を望んでいるとの御指摘については、私としては、今後、地域間の財政力格差問題は地方団体間の調整で対応すべきであるという基本的な考え方に立った上で検討を進めてまいりたいと考えております。
 消費税についてのお尋ねがありました。
 税制改革については、政府として本年秋以降、本格的な議論を行い、二〇〇七年度を目途に、社会保障給付や少子化対策に要する費用の見通しなどを踏まえつつ、その費用をあらゆる世代が広く公平に分かち合う観点から、税体系の抜本的改革を実現させるべく取り組むこととしております。消費税については、こうした税体系の抜本的改革の中で議論を行っていく必要があると考えております。このような方針は、安倍総理の施政方針演説においても明らかにされております。(拍手)
#10
○議長(扇千景君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#11
○議長(扇千景君) 日程第一 統計法案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。総務委員長山内俊夫君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔山内俊夫君登壇、拍手〕
#12
○山内俊夫君 ただいま議題となりました法律案につきまして、総務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、公的統計の体系的かつ効率的な整備及びその有用性の確保を図るため、現行統計法の全部を改正し、公的統計の作成及び提供に関し基本となる事項を定めるとともに、統計データの利用促進等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、行政のための統計から社会の情報基盤としての統計に改革する意義、公的統計の総合調整を担う司令塔機能の強化、調査票情報等の適正管理と秘密の保護の徹底、公的統計の民間開放による質の低下への懸念とその防止対策、統計に携わる職員の絶対数の確保と統計教育の振興等について質疑が行われました。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し七項目から成る附帯決議が付されております。
 以上、御報告を申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#13
○議長(扇千景君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#14
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#15
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          百九十六  
  賛成            百九十六  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#16
○議長(扇千景君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時三十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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