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2007/05/23 第166回国会 参議院 参議院会議録情報 第166回国会 本会議 第28号
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2007/05/23 第166回国会 参議院

参議院会議録情報 第166回国会 本会議 第28号

#1
第166回国会 本会議 第28号
平成十九年五月二十三日(水曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第二十八号
  平成十九年五月二十三日
   午前十時開議
 第一 映画の盗撮の防止に関する法律案(衆議
  院提出)
 第二 地理空間情報活用推進基本法案(衆議院
  提出)
 第三 地方公営企業等金融機構法案(内閣提出
  、衆議院送付)
 第四 漁港漁場整備法及び後進地域の開発に関
  する公共事業に係る国の負担割合の特例に関
  する法律の一部を改正する法律案(内閣提出
  、衆議院送付)
 第五 駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特
  別措置法案(内閣提出、衆議院送付)
 第六 海洋汚染等及び海上災害の防止に関する
  法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
  議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、イラクにおける人道復興支援活動及び安全
  確保支援活動の実施に関する特別措置法の一
  部を改正する法律案(趣旨説明)
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(扇千景君) これより会議を開きます。
 この際、日程に追加して、
 イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(扇千景君) 御異議ないと認めます。国務大臣塩崎内閣官房長官。
   〔国務大臣塩崎恭久君登壇、拍手〕
#5
○国務大臣(塩崎恭久君) ただいま議題となりましたイラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明いたします。
 この法律案は、国家の速やかな再建を図るために行われているイラクの国民による自主的な努力を支援し、及び促進しようとする国際社会の取組に関し、我が国がこれに主体的かつ積極的に寄与するため、国際連合安全保障理事会決議第千四百八十三号及びこれに関連する決議を踏まえ、人道復興支援活動及び安全確保支援活動を引き続き行うこととし、もってイラクの国家の再建を通じて我が国を含む国際社会の平和及び安全の確保に資することを目的として提出するものでございます。
 以上がこの法律案の提案理由であります。
 この法律案の内容は、現行法の期限を二年間延長し、施行の日から六年間とするものであります。
 以上がこの法律案の趣旨でございます。(拍手)
    ─────────────
#6
○議長(扇千景君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。白眞勲君。
   〔白眞勲君登壇、拍手〕
#7
○白眞勲君 民主党・新緑風会の白眞勲です。
 ただいま議題となりましたイラク人道復興支援特措法改正案につきまして質問をいたします。
 二〇〇三年五月の大規模戦闘終結宣言後、既に丸四年が経過いたしました。その間、イラクの復興に向けた様々な取組が進んでいるにもかかわらず、イラクの治安情勢については予断を許さない状態がいまだに続いており、武装勢力による攻撃件数、米軍死者数も三千四百人を超えている状態です。さらに、報道によりますと、イラク駐留米軍の物資補給や施設維持、警備などを行う民間要員までも、今年一月から三月の間に少なくとも百四十六人が死亡、イラク戦争で最悪を記録したとしております。関係者の証言によりますと、イラクで米軍物資を輸送するトラックの車列が攻撃されるのは、かつては全体の一〇%程度だったのが、最近は五〇%から六〇%に増えたとしており、イラクの治安情勢の更なる悪化が懸念されている事態となっております。
 そのような中、国際的にも多くの国々がイラクから既に撤退をし、英国も大幅な兵力削減に踏み切っており、米国ですら上下両院が補正予算にイラクからの撤退期限を明記し、ブッシュ大統領が拒否権を発動する事態に追い込まれるなど、イラクからの撤退を求める議論が日増しに高まってきております。ところが、日本政府は、この流れとは逆に、今年七月に期限が来るイラク特措法を二年延長する改正案を提出いたしました。
 民主党はかねてより、非戦闘地域をめぐる無理な解釈があることや国連中心の支援体制が不十分であること、戦争の根拠が不明確であることなどから、自衛隊のイラク派遣について反対をしてまいりました。特に、武力行使の根拠とされたイラクによる大量破壊兵器等の破棄義務違反については、そもそもイラクに大量破壊兵器は存在せず、二〇〇五年十二月にはついにブッシュ米大統領までもその情報の誤りを認めたように、全く根拠のないものが明らかになっております。
 政府は、そのような不正確な情報に基づき、かつ大量破壊兵器の破棄を義務付けた安保理決議六八七違反と六七八に基づく武力行使が国際法上必ずしも確立された解釈ではなく、さらには安保理決議一四四一においても武力行使を容認しているものではないにもかかわらず、追従的に戦争の支持をしておきながら、全くその責任を総括しておりません。
 最近の新聞の社説でも、にもかかわらず正しい判断だったとばかりに言い募るのは知的退廃に近いのではないかと厳しく批判されている有様です。最近は、久間防衛大臣までも、そういう核兵器がさもあるかのような状況でブッシュさんは踏み切ったのだろうと思うのですけれども、私は一つはその判断が間違っていたのではないかと思いますと発言されていますが、一体政府はその過ちをどのぐらい認識しているのか、かつその責任はどこにあるのか、塩崎官房長官、お答えください。
 衆議院の本法案に対する附帯決議においても、イラク戦争を支持した当時の政府判断について検証を行うとともにとなっており、さらに久間大臣も、いつでも過去については真摯に検証していくというのは大事なことと発言されております。政府はこのような附帯決議を踏まえ、当時の政府の判断についてどのように検証するおつもりなのか、官房長官にお聞きいたします。
 先ほどの久間大臣の発言について、米軍の開戦が間違っていたと言っているわけではないと本人自身が釈明の答弁をされていますが、その場での記者会見での大臣への質問は、現時点でもアメリカが行ったイラク戦争というのはある種の大義にのっとった戦争であったと考えているのかというものであり、それに対して大臣が、だからと前置きした上で間違っていたとお答えになっているわけですから、どう解釈してもこの記者会見の内容ではブッシュ大統領のイラク開戦の判断は間違っていたとしか受け取りようがありません。久間大臣はイラクの議連の会長もやっておられるとのことでイラクに対する御造詣は深いわけですから、釈明などせず、この戦争は間違いだったと正直にお認めになるべきだと思いますが、いかがでしょうか。お答えください。
 イラクにおいて多国籍軍のヘリコプターや航空機は攻撃の対象であり、実際に航空自衛隊の輸送機と同型の機種が過去にバグダッド近郊で撃墜されております。また、空自輸送機の運航に際しても、色を塗り替え、バグダッド空港にアクロバット飛行のような着陸方法を取っているわけで、そもそもそれほど危険な場所であるならば行くべきではないと思うわけでございます。実際、私たち民主党の調査団が今月、直接バグダッドに入って自衛隊の活動状況等を調査しようとしましたが、結局入れなかった。つまり、バグダッドは空港も含めテロ攻撃等も多発していることを勘案すると、戦闘地域そのものではありませんか。
 イラクに自衛隊派遣を決めた小泉総理は、自衛隊の活動するところが非戦闘地域だと発言されました。これは、自分が横断歩道を渡っているときが青信号だという論理であり、とんでもない議論だと思いますが、官房長官、今でもこの乱暴な論理が通ると思っているのでしょうか。お答えください。
 政府は特措法延長の理由として、国連や多国籍軍からの輸送ニーズが引き続きあることを挙げており、その根拠として潘国連事務総長やイラクのマリキ首相等から継続要請の書簡が寄せられていることを挙げました。しかし、それらの書簡が本法案の閣議決定直前の何と今年三月九、十二、十五の三日置きに立て続けに三本送られてきております。このようにぎりぎりになってまとめられて送られてくると、本当に先方が自発的に送ってきたのかどうか勘ぐりたくなります。まさか、こちらから送ってくれと頼んだわけではないですよね。麻生大臣、お答えください。
 さらに、輸送の件では、実績として昨年十二月以降は輸送回数こそ五十六回あるものの、輸送重量では合計で二十・五トンと、一回で二十トン近い輸送能力のある輸送機を使用しながらも一回当たり〇・三六トン、つまり三百六十キロの物資しか運んでおりません。この重量は赤帽軽自動車が運行する軽貨物トラックの積載量と大体同じ水準です。
 ちなみに、政府説明資料の写真に、C130輸送機の貨物室にこれから積み込まれるであろう荷物が掲載されておりましたが、その荷物は、大きさは巨大で、とても赤帽トラックが載せているような重さではないように見えました。一体政府は、何を運んでいるのか全く明らかにしない中でこのような写真を掲載し、あたかも毎回大量の人道支援物資が運ばれているような印象を与えるのは極めて問題です。それともこの荷物、重さは大したことはないのだがかさばるもの、例えば、アメリカ人が大好きなポップコーンでも満載して空輸をしているのでしょうか。久間大臣、このような写真を説明で使うことに対していかがお考えでしょうか、お答えください。
 防衛省のいい加減な表現は何も今回だけではありません。例えば、テロ特措法の際は、自衛艦の国別補給支援回数については棒グラフの長さと回数が全然合っていないちぐはぐな資料を出すし、さらにインド洋における海上自衛隊の活動範囲を地図上に示した表でも、範囲が何と陸上にまで上がってしまうようなでたらめな地図を持ってきて見せる。もちろん、これらは私の指摘の後、訂正されましたが、この法案の審議において、航空自衛隊の空輸活動の実態について開示要求をしたところ、出てきた書類はほとんど真っ黒に塗られている状態です。
 このように、政府は飛行回数と貨物の重量以外何も公表しないか、あるいは公表しても本当かどうか分からない資料を出されていては、だれを、どのように、いつ、どこへ運んでいるのか、それがイラクの復興支援にどれぐらい役立っているのか分からないまま今回の延長案について審議してくれといっても、審議のしようがないではありませんか。要員の安全確保の観点というのは分からなくはありませんが、日本国民の血税が使われている以上、またシビリアンコントロールの観点からも、いつ、どこで、一体何をやっているのかを明らかにしないのは極めて問題があると思います。これらがいかに問題であるのかをどれぐらい認識しているのか、官房長官、お答えください。
 特に、海外における自衛隊の活動状況に関しては、その実態が国民に見えにくい状態であることを考慮に入れると、より国民に分かりやすい説明をすべきだと思いますが、久間大臣、いかがお考えでしょうか。
 報道等によりますと、現在の輸送支援は、物資輸送よりも多国籍軍、主に米軍の兵員輸送が主な任務であり、人道復興支援活動から安全確保支援活動に比重が移ってきていると言われています。この輸送実績からするとその報道も裏付けられていると思いますが、久間大臣、いかがでしょうか。率直にお答えください。
 また、三月の国連の人員の輸送実績は何名になるのか、久間大臣、お答えください。
 今後、イラク問題が一応の解決をした時点で、つまり要員の安全確保が担保されたら情報はすべて公開すべきと考えますが、官房長官、お答えください。
 政府は十分に国民に対する説明責任を果たしていない以上、法律を延長するのではなく、むしろ自衛隊の撤収要件を明確にすべきであると思いますが、官房長官、お答えください。
 延長期間が二年ということに対して質問いたします。
 冒頭、申し上げましたとおり、国際社会の状況も活動縮小の流れにあること、またアメリカの新政策で今年十一月には治安権限の移譲を予定していること等を考慮すれば、二年という延長期間は非常に長いと言わざるを得ません。また、延長の理由として国連やイラク政府の要請を掲げておりますが、国連イラク支援ミッションの権限延長は今年八月まで、さらに多国籍軍の権限延長も今年十二月までで、それらがそれぞれ一年単位で延長されるものであることを勘案すると、今回の二年の延長決定は整合性が取れません。仮に延長するのであれば、撤収も含めてきめ細かい判断ができるように一年程度の短い期間の延長をするのが適切であると考えますが、官房長官、お答えください。
 法律の趣旨からすると、仮に米軍が撤退することになった場合、帰ってくる米兵を乗せることは必ずしも読みにくいと思いますが、久間大臣、どのようにお考えでしょうか。
 また、仮にアメリカ軍が撤退した後で、国連の要請あるいはイラク政府の要請があった場合、航空自衛隊はどうするのでしょうか、久間大臣、お答えください。
 さて、今回のイラク特措法については、集団的自衛権の行使に当たるのではないかという議論が再三行われてきましたが、今回政府は、安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会を立ち上げ、集団的自衛権の研究が始まりました。そのメンバーについて、従来の政府解釈に批判的な立場の人ばかりで偏っているとの厳しい意見が上がっておりますが、政府は人選が中立的だと思っているのでしょうか、官房長官、お答えください。
 さらに、歴代の法制局長官から、今回の懇談会設置について、歴代の首相が集団的自衛権の行使は真っ黒と言っているのを真っ白にするのは至難の業だと疑問が上がっています。これに関し、官房長官、どう思っていますか。
 法制局長官にお聞きしますが、これまで集団的自衛権に関して積み重ねてきた政府解釈を変更することが時の政府の判断でできるのか、公権力を縛る憲法の意味が失われてしまうのではないかとの意見もありますが、見解をお聞かせください。
 人類の長い歴史の中で、異国による占領は必ずお互いに深い傷を残します。四年という長きにわたる法律の期限が切れるこの絶好の機会にこそ、政府は速やかに自衛隊を撤収し、イラク支援の在り方を根本から練り直すべきだということを私たち民主党は主張して、質問を終わりたいと思いますが、しかし、場合によっては再質問することを付け加えて、質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣塩崎恭久君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(塩崎恭久君) 白議員にお答え申し上げます。
 まず、対イラク武力行使の支持についてお尋ねがございました。
 イラクは、十二年間にわたり累次の国連安保理決議に違反し続け、国際社会が与えた平和的解決の機会を生かそうとせず、最後まで国際社会の真摯な努力にこたえようとしませんでした。このような認識の下で、我が国は安保理決議に基づき取られた行動を支持したものでございます。
 次に、衆議院の附帯決議を踏まえた政府の対応についてお尋ねがありました。
 五月十四日の衆議院テロ・イラク特別委員会において私が述べましたとおり、附帯決議にある事項についてはその趣旨を十分尊重してまいりたいと思っております。
 いわゆる非戦闘地域についてのお尋ねがございました。
 政府としては、我が国が独自に収集した情報や関係機関等から得られた種々の情報等も併せて総合的に判断すれば、御指摘のバグダッド飛行場を始め、実施区域として指定されている地域は現時点で依然として非戦闘地域の要件を満たしているものと考えております。
 現在の空自の活動の情報開示に関する認識についてのお尋ねがございました。
 空自の活動の内容につきましては、国民の理解と協力を得る観点から、可能な限り説明責任を果たしてきたと考えております。その際、活動を行っている自衛隊員や搭乗している国連、多国籍軍の要員の安全確保や運用に配慮することが必要であり、公表と非公表の特質を不断に考え、できるだけ開示してきているものでございます。
 今後の空自の活動の情報開示についてのお尋ねがありました。
 空自の活動については、その活動が終了した後には、各国の意向や将来の同様の活動における安全確保や運用への考慮をした上で、でき得る限り公表の努力を行ってまいりたいと考えております。
 次に、法律を延長するのではなく、撤収要件を明確にすべきではないかとのお尋ねがございました。
 イラクの復興は我が国の国益に直結しており、我が国は主体的にイラクを支援していくべきです。また、国連やイラクからは謝意表明や継続要請が寄せられており、政府としてはこれらを踏まえ、イラク特措法を延長する必要があると考えます。今後の空自の活動については、イラクの政治、治安状況、国連及び多国籍軍の動向等の諸事情をよく見極め、イラクの復興の状況等も勘案し、適切に判断いたします。
 イラク特措法の延長期間についてのお尋ねがございました。
 この法律の目的は、イラク再建の努力に対する支援であり、再建には長期的見通しが不可欠でございます。また、イラクの現状にかんがみ、治安の安定化を図り復興を目指す上では、ある程度時間が必要と見込まれます。イラクは今後数年間が国づくりのかぎを握る重要な時期でございます。国連関係者は、今後少なくとも数年間活動を継続する意向を示しており、多国籍軍も早期撤収の可能性は低いと考えられます。政府としては、イラクの復興支援に腰を据えて取り組む姿勢を示し、空自の輸送支援を継続的、安定的に続けるため、延長幅を二年間といたしたところでございます。
 安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会の委員の人選についてのお尋ねがございました。
 この懇談会には、外交、防衛の実務経験者、政治、外交、国際法、憲法等の学界関係者、経済界の民間有識者等、幅広い分野の代表の方々に参加していただいております。委員の方々には、専門的な高い見識の上に、結論を予断することなく、様々な観点から議論を行っていただくことを期待をしているところでございます。
 安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会と集団的自衛権に関する政府見解との関係についてのお尋ねがございました。
 この懇談会は、個別具体的な類型に即し、集団的自衛権の問題を含めた憲法との関係の整理につき研究を行うために開催するものでありますけれども、本格的な議論はこれから始まるところでございます。政府としても、結論を予断することなく、委員の方々に様々な観点から検討していただくことを期待しているところでございます。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣久間章生君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(久間章生君) 白議員にお答えいたします。
 まず、米国等の対イラク武力行使に関するお尋ねがありました。
 累次申し上げておるとおり、政府としては米国等による対イラク武力行使を支持しており、私も防衛大臣としてこの政府の立場を支持、踏襲しております。
 次に、空自の活動についての説明資料に関するお尋ねがありました。
 説明資料については、イラク人道復興支援活動に従事している隊員の姿をできるだけ国民に分かりやすい形でお伝えすることは大切なことと考えております。説明に際しては、適切なものとなるよう引き続き努めてまいりたいと考えております。
 次に、海外での自衛隊の活動に関する説明についてのお尋ねがありました。
 イラクでの活動を含む海外での自衛隊の活動の姿については、国民の理解と協力を得る観点からできる限り公表したいと考えておりますが、部隊の安全確保や運用に配慮しつつ、今後とも国民への分かりやすい説明に努めてまいります。
 次に、空自の輸送支援の内容の比重についてお尋ねがありました。
 イラクにおける空自の活動は国連や多国籍軍の活動に対する支援などですが、国連はもとより、多国籍軍も公共施設の再建といったインフラ整備に当たるなど復興支援の活動に取り組んでおり、このための空輸は人道復興支援活動に当たります。したがって、多国籍軍に対する支援がすべて安全確保支援活動であるとすることは適切でないと考えております。
 次に、国連人員の輸送実績についてお尋ねがありました。
 国連人員の輸送実績は、昨年九月六日から十二月の間に延べ五百九十名、本年一月から三月の間に延べ百十六名となっております。この実績については、要員の安全に関する国連の考えを踏まえ、おおむね四半期であれば安全に支障が生ずるリスクはぎりぎり許容し得ると我が国として判断し、例外的に開示したものであり、これ以上詳細の実績につきましてはお答えを差し控えさせていただきます。
 次に、撤収する米軍の輸送についてお尋ねがありました。
 米国を含む多国籍軍は、イラクの安全及び安定の維持等をマンデートとする国連安保理決議に基づき活動しており、このような多国籍軍への空輸支援はイラク特措法上の安全確保支援活動又は人道復興支援活動に当たると認識しています。一般的に申し上げれば、撤収する米軍への空輸支援がイラク特措法上のこれらの活動に該当すれば実施することが可能であります。
 最後に、仮に米軍が撤収した後の空自の活動についてお尋ねがありました。
 今後のイラクにおける空自部隊の活動については、イラクの政治状況、現地の治安状況、国連及び多国籍軍の活動や構成の変化等の諸事情をよく見極めつつ、イラクの復興の進展状況等を勘案して判断していく考えであります。(拍手)
   〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(麻生太郎君) 潘国連事務総長、イラクのマリキ首相からの書簡についてのお尋ねがあっております。
 航空自衛隊の活動につきましては、国連やイラク政府等々とはこれまでも随時緊密に連絡を取り合ってきております。このようなやり取りや、イラク特措法が本年七月末をもって期限を迎えることを踏まえ、国連やイラク政府独自の判断で書簡が発出されたと考えております。(拍手)
   〔政府特別補佐人宮崎礼壹君登壇、拍手〕
#11
○政府特別補佐人(宮崎礼壹君) 政府の憲法解釈についてお尋ねがございました。
 一般論として申し上げますが、憲法を始めといたします法令の解釈は、当該法令の規定の文言、趣旨等に即しつつ、立案の背景となる社会情勢等を考慮し、また、議論の積み重ねのあるものにつきましては全体の整合性を保つことにも留意して論理的に確定されるべきものでありまして、政府による、政府の憲法の解釈は、このような考え方に基づいてそれぞれ論理的な追求の結果として示されてきたものであり、その扱いについては慎重でなければならないと考えている旨を政府として従来から述べてきているところでございます。(拍手)
#12
○議長(扇千景君) 白君から再質疑の申出があります。これを許します。白眞勲君。
   〔白眞勲君登壇、拍手〕
#13
○白眞勲君 改めまして、民主党・新緑風会、白眞勲でございます。
 ただいま官房長官からシビリアンコントロールに関する私の質問に対してお答えがありましたけれども、可能な限りと言いながら安全に配慮しているということですけれども、私が聞きたいのは、安全に配慮しているのは分かりますけれども、使われているのは日本の要員、資材、税金であります。国会にすら詳細を報告しないのでは、シビリアンコントロールが空文化しませんかということを聞いているわけです。明確に官房長官、お答えください。
 それから、久間大臣にお聞きした件につきまして、もう一度お尋ねいたします。
 防衛大臣が、核兵器がないという判断は間違っていなかったという判断で、アメリカの戦争そのものに踏み切ったことについて批評をしたわけではないということを前に答弁でおっしゃっていましたけれども、その件について、実際にこの記者会見の内容からすると、核兵器がないという判断をこの記者会見では話す必要はなくて、ブッシュ大統領はこの戦争をやることを間違っていたということを久間大臣がおっしゃっていたのではないんですかということを聞いているんです。もう一度お答えください。
 それと、もう一度防衛大臣にお聞きいたします。
 私が聞いているのは三月の国連の人員の輸送実績であって、四半期ごとの輸送実績を聞いているわけではありません。何でその、これは国連からの要請があって始めた空輸活動であります。それにもかかわらず、何で三月のその輸送実績がお話しできないのか。安全上の配慮というその辺の実態について、四半期だったら言えて、何で三月だと言えないのか、その辺についてお答えください。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣塩崎恭久君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(塩崎恭久君) 白議員から、空自の活動につきましての情報公開、この問題についての再質問がございました。特に、飛行回数や貨物の重量以外の公表をしていない点についての問題とシビリアンコントロールの問題でございました。
 先ほど申し述べましたとおり、政府としては可能な限りの説明責任を果たしてきていると思っておりますし、また、その情報公開については改善を重ねてきているところでございます。当然のことながら、シビリアンコントロールを利かせながら、しかし一方で、この安全確保と、それから運用等についての配慮ということが必要なわけでございますので、国連とも、それから多国籍軍とも常時意見交換をしながら、できる限りのこの情報公開に努めているところでございます。(拍手)
   〔国務大臣久間章生君登壇、拍手〕
#15
○国務大臣(久間章生君) 白議員にお答えいたします。
 私が度々申し上げておりますのは、核兵器があったということについては、私自身そうは思っていなかったということを申し上げました。
 しかしながら、アメリカが戦争に、いや武力行使に踏み切ったこと自体が間違っているかどうかにつきましては、その判断はしていないわけでございまして、それはアメリカが判断したわけでございますし、また、政府としてはそれを総合的に国益を考えて支持するという判断をされたわけでございまして、私はその立場を現在踏襲しておるわけであります。
 それから、輸送実績についてでございますけれども、国連の方からもできるだけ細かいことについては公表しないでほしいという要請があっております。しかしながら、これはまとめてやるとそれほど問題はございませんけれども、細かくやりますと、どういう月にどこからどこへの輸送が多い少ないかによってやっぱり安全の問題にかかわってまいりますので、そういう要請だろうと思いますから、四半期ごとにまとめることについては大丈夫じゃないかと考えてお答えをした次第であります。(拍手)
#16
○議長(扇千景君) このまましばらくお待ちください。
 白君から再々質問の申出があります。これを許します。白眞勲君。
   〔白眞勲君登壇、拍手〕
#17
○白眞勲君 改めまして、白眞勲でございます。
 先ほどの久間大臣の件につきましてもう一度お聞きしますけれども、私は、久間大臣が記者会見で話したことが、アメリカの戦争は誤りだったということについて、そういうふうに言っているんじゃないんですかということを聞いているわけでありまして、政府の解釈がどうのこうのということを聞いているわけではありません。あのときの久間大臣の発言についてお聞きしているんで、きちんとお答えください。
 それともう一点、内閣法制局長官にお伺いいたします。
 集団的自衛権に関する政府解釈の変更について、さっぱり分からないんです、私、さっきの話ですと。もっと私に分かりやすくお話をいただきたい。もう一度御答弁願いたいと思います。(拍手)
   〔国務大臣久間章生君登壇、拍手〕
#18
○国務大臣(久間章生君) 私は、アメリカの武力行使に踏み切った判断が間違いだったという言い方ではなくて、その前提となった核兵器の保有については、それは違っていたんじゃないかと、そういうことを言ったわけでありまして、そこのところについてはそのときの議事録を私も読み直してみました。
 以上でございます。(拍手)
   〔政府特別補佐人宮崎礼壹君登壇、拍手〕
#19
○政府特別補佐人(宮崎礼壹君) 政府の憲法解釈につきまして再度のお尋ねがございました。
 現在、開始されております安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会は、検討を行った結果、成果を総理に報告するものと承知しておりますが、これから検討されることでもあり、検討の成果等について現時点でお答えすることは差し控えたいと存じます。
 その上で、一般論として申し上げれば、先ほど申し上げましたとおり、憲法を始めとする法令の解釈は、当該法令の規定の文言、趣旨等に即しつつ、立法の背景となる社会情勢等を考慮し、また、議論の積み重ねがあるものにつきましては全体の整合性を保つことにも考慮、留意いたしまして論理的に確定されるべきものでありまして、政府による憲法の解釈は、このような考え方に基づいてそれぞれ論理的な追求の結果として示されてきたものでありますので、その取扱いにつきましては慎重でなければならない旨、これまで政府としては述べてきているところでありますということでございます。(拍手)
#20
○議長(扇千景君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#21
○議長(扇千景君) 日程第一 映画の盗撮の防止に関する法律案(衆議院提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。経済産業委員長伊達忠一君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔伊達忠一君登壇、拍手〕
#22
○伊達忠一君 ただいま議題となりました法律案につきまして、審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、衆議院経済産業委員会の提出によるもので、映画を盗撮した海賊版ソフトが多数流通し、映画産業に多大な被害が発生しているため、映画の盗撮を防止する措置を講ずるものであります。
 委員会におきましては、上田衆議院経済産業委員長から趣旨説明を聴取した後、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#23
○議長(扇千景君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#24
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#25
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数            二百  
  賛成              二百  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#26
○議長(扇千景君) 日程第二 地理空間情報活用推進基本法案(衆議院提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長藤原正司君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔藤原正司君登壇、拍手〕
#27
○藤原正司君 ただいま議題となりました法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、地理空間情報の活用の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、地理空間情報の活用の推進に関する施策に関し基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務等を明らかにするとともに、地理空間情報の活用の推進に関する施策の基本となる事項を定めようとするものであります。
 委員会におきましては、提出者衆議院内閣委員長河本三郎君より趣旨説明を聴取した後、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#28
○議長(扇千景君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#29
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#30
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          百九十八  
  賛成            百八十九  
  反対               九  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#31
○議長(扇千景君) 日程第三 地方公営企業等金融機構法案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。総務委員長山内俊夫君。
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   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
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   〔山内俊夫君登壇、拍手〕
#32
○山内俊夫君 ただいま議題となりました法律案につきまして、総務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律に基づき、平成二十年十月に公営企業金融公庫を廃止するとともに、地方公共団体の資本市場からの資金調達を補完するため、長期かつ低利の資金の融通等の業務を行う地方公営企業等金融機構を設立し、その組織、業務の範囲等に関する事項を定めようとするものであります。
 委員会におきましては、機構の貸付対象事業を法律で限定する理由、貸付けにおける審査体制の確立並びに情報公開の必要性、貸付けの段階的な縮減と財政力の弱い団体に対する配慮、機構の資金調達能力への懸念と住民サービスへの影響、地方分権推進の視点に立った十年後の見直しの在り方等について質疑が行われました。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して吉川春子委員より反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し六項目から成る附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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#33
○議長(扇千景君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#34
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#35
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          百九十八  
  賛成            百八十九  
  反対               九  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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#36
○議長(扇千景君) 日程第四 漁港漁場整備法及び後進地域の開発に関する公共事業に係る国の負担割合の特例に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長加治屋義人君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
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   〔加治屋義人君登壇、拍手〕
#37
○加治屋義人君 ただいま議題となりました法律案につきまして、委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。
 本法律案は、水産資源の増大等を図るため、適切な地方負担の下に国が沖合海域の漁場整備を行うことができるようにするとともに、漁港施設の機能の高度化を図るため、構造改革特別区域法に基づく漁港特区制度を全国において実施できるようにするための規定の整備等を行うものであります。
 委員会におきましては、沖合海域の資源悪化の原因と国が行う漁場整備による資源回復効果、次期漁港漁場整備長期計画と離島を始め中小漁港・漁村の整備方針、漁港施設の民間貸付けをめぐる対応状況、漁業構造改革への対応を踏まえた水産基盤整備予算の在り方等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知を願います。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告を申し上げます。(拍手)
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#38
○議長(扇千景君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#39
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#40
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          百九十九  
  賛成            百九十九  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
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   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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#41
○議長(扇千景君) 日程第五 駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。外交防衛委員長田浦直君。
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   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
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   〔田浦直君登壇、拍手〕
#42
○田浦直君 ただいま議題となりました駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法案につきまして、外交防衛委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、在日米軍等の再編を実現するために、再編が実施される防衛施設周辺市町村に対し、住民の生活の利便性の向上及び産業の振興に寄与する事業に係る経費に充てるため再編交付金を交付すること、国際協力銀行に対し、在沖縄米海兵隊のグアム移転に関連する業務を行う権限を付与すること等を内容とするものであります。
 委員会におきましては、久間防衛大臣及び麻生外務大臣に対し質疑を行うとともに、沖縄県に委員を派遣し関係地方自治体との意見交換及び米軍基地の視察を行い、さらに、安倍内閣総理大臣の出席を求めて質疑を行いました。
 委員会における質疑の主な内容を申し上げますと、米軍再編の背景と今後の日米同盟の在り方、再編実施に当たっての地元自治体の理解と協力、再編に係る我が国の経費負担総額、再編交付金の交付基準の明確化、我が国が負担するグアム移転経費の積算根拠と経費の抑制、日米間のグアム移転経費に係る合意と国会承認条約との関係、国際協力銀行によるグアム移転事業に対する出資、融資と資金回収の可能性などでありますが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終え、討論に入りましたところ、民主党・新緑風会の柳田理事、日本共産党の緒方委員、社会民主党・護憲連合の大田委員より、それぞれ反対する旨の意見が述べられました。
 次いで、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し、再編実施に当たり地元住民・自治体の意見を十分尊重することなど六項目から成る附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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#43
○議長(扇千景君) 本案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。喜納昌吉君。
   〔喜納昌吉君登壇、拍手〕
#44
○喜納昌吉君 私は、民主党・新緑風会の喜納昌吉です。
 我が会派を代表して、米軍再編特措法案への反対討論を行います。
 政府は、本法案提出の意義について、国として在日米軍再編に取り組む姿勢が明確となり、日米関係にとってもプラスになるとしています。しかし、巨額の思いやり予算に加え、さらに他国にある他国の基地、すなわち米国の司令部庁舎や隊舎の建設費用まで出費することは世界的にも例がなく、さすがに国民の理解を得られません。これでは傭兵国家に成り下がったと思われても仕方がないでしょう。日本の外交防衛の弱さはアイデンティティーのなさにあると常々考えておりましたが、今回も同じ過ちを犯してしまいました。
 米軍に日本防衛の役割の一端を担ってもらう以上、負担は避けられないという意見もあることは承知しております。しかし、公開された米国公文書により明らかになった沖縄返還密約の疑念を国民に明確に説明もしないままの状態で、何の理念もなく無原則に負担するようなことがあってはなりません。政府は相変わらず米国の機嫌を取るばかりで、どこまで日本が負担するかについての理念と基準があいまいになっております。
 我が会派議員は、質疑において、移転、再編の全容、費用、日本の経費負担を明らかにするよう繰り返し求めましたが、政府からは誠意ある回答がついに示されず、説明責任は全く果たされませんでした。
 在沖海兵隊のグアム移転経費について、日本側が負担する家族住宅は一戸当たり八千万円にもなります。同僚議員の指摘によると、グアム海軍基地でスリーベッドルームの家族住宅が一戸当たり二千万円程度で落札されているということです。どのように見積もれば実態の四倍にもなるのでしょうか。久間防衛大臣は、米側の見積りで概算であると答え、日本国民への説明責任を何ら果たそうとはしなかったのです。
 また、グアム移転に係る費用の融資、出資を国際協力銀行を通じて行う特例措置は、会計検査院によるチェックの枠組みもないままに数十年にわたって事業が続くことになるのです。米国の言いなりに国民の税金から資金を提供し、チェックすらなされない事態は異常です。
 国内で、在日米軍の再編に伴い負担が増加する地元自治体に交付される再編交付金も問題です。相も変わらず箱物公共事業を増やすことは、その維持・運営経費のために地方自治体の財政悪化の一因ともなっています。我が国の財政が火の車であるのは周知の事実です。交付対象となる再編関連特別事業により不必要なものを造り、地元の建設業者がもうかるというような無駄遣いは断じて許されません。
 再編交付金については、自治体の受入れ表明を交付の条件とすることが想定されており、国民の税金の使い方として問題があると言わざるを得ません。また、交付金に係る事項は政令委任が多く、このままでは国会の関与なくして金を出す権限を全面的に政府に与えてしまうことになり、透明性を欠き、極めて不適切と言わざるを得ません。
 報道によれば、久間防衛大臣は、今年五月二日ワシントンで行われた講演会の中で、武器輸出三原則について現在のままでいいのかどうか検討する時期に来ていると述べたとされています。
 人類は三千年の間に五千回も戦争をしてきたと言われています。なおかつ破壊兵器を生産し、地球を何十回、人類を何千何万回も滅ぼす核と生物化学兵器を持っていると言われています。人類の不幸とは、精神的に目覚めている人たちよりも目覚めていない人たちに技術の使用権が握られ、何十万人とも言われる科学者たちの頭脳が愚かな武器開発に使われているところにあります。
 この地球には約六十六億人の人類が生存しています。地球環境データブックによれば、温暖化により、過去百二十年間で気温の高い年、上位十年はすべて一九九〇年以降で、過去三十年間で一万三千五百平方キロメートルの南極の氷河が崩壊し、哺乳類の四分の一近くの種で個体数が極端に減少していると言われています。世界の貧困も進み、二〇〇四年の推計によると、約八億五千二百万人が日常的に飢えていると報告されています。こういった統計を見ると、地球の存続自体が脅かされていると言わざるを得ません。このまま人類の文明が暴走を続け、人類が現在の生活水準を維持するためには、地球が三個あっても足りないと言われております。
 安倍総理は、「美しい国、日本」を標榜しています。しかし、現在の地球を取り巻く状況を考えれば、日本一国だけが地球上で美しく存在できることはあり得ません。そして、美しい地球を破壊する最たるものが戦争であることに気付かなければなりません。「美しい国、日本」を標榜するならば、日本が戦争の道ではなく平和の道を選択することではないでしょうか。
 しかし、安倍政権が発足して以来、教育基本法改正、憲法九条の改正をねらった国民投票法案の可決、賛成派ばかりを集めた集団的自衛権に関する懇談会の発足など、ベクトルは戦争の方向に向いていると言わざるを得ません。「美しい国、日本」をつくるためには、傷付き、病み疲れたこの母なる地球を輝く惑星に再生していくベクトルに切り替えなければなりません。そのために京都議定書は採択されたのではないでしょうか。
 総理は、愛国心という言葉もよく使います。この愛国心には、国家だけじゃなく、国民も含まれなければなりません。国家だけの愛国心では、政治家や官僚といった選ばれた者たちへの愛となり、独裁的なものになってしまいます。愛とは相互に関係し合うものです。一方通行の愛を無理強いすることは、まるでストーカーのように平等と民主主義をイラクに押し付けたブッシュ政権のようです。愛国心とは地球的規模で人類の愛に目覚めたものでなければなりません。
 自公政権は、国民投票法案は手続法案であり、それを作る自体は間違いではないと言います。問題は、サンフランシスコ講和条約で日本を独立させることを想定しながら、憲法九十八条の最高法規に日米安保遵守を規定した条約条項が盛り込まれたことであります。そこに護憲派の言う稚拙で拙速な憲法改正につながる国民投票法案に対する反対の心理があり、ここに日米安保の不平等性が寝ています。
 事実、アメリカの憲法の中には条約条項はなく、憲法の枠外に規定されているのみです。そのことは、改憲派が言う立法の不作為ではなく、米国の深謀遠慮な作為としか思わざるを得ません。憲法九条を核として、前文を理念として、護憲や改憲の立場を超え、米国の縛りによる憲法植民地からの憲法の独立を成さねばならないと思っております。
 冷戦後の在日米軍不要論に対し、在日米軍司令官のスタックポールは、選民思想を持つ日本人が再武装しないように瓶のふたとして我々はいると言いました。それは日本民族のアイデンティティーのきばに対する米国の本音を代弁したものでしょう。今回の米軍再編でその瓶のふたが開けられることは、アイデンティティーのきばを抜かれた自衛隊が米国のコントロールの中に完璧に組み込まれたことを意味しています。護憲派も改憲派もそのことに気付かなければならない。瓶のふたは、アメリカの栓抜で抜くんじゃなく、日本のアイデンティティーの栓抜をもって開けなければならないのです。
 安倍総理が戦後レジームからの脱却と言うならば、勤勉な日本人が築いてきた高度な技術や富の結晶を、戦争に向けるのではなく、地球の再生に向けることが新しいレジームではないでしょうか。
 今回の辺野古現況調査に海上自衛隊掃海艇「ぶんご」が出動したことは、我が沖縄にとってはブルドーザーと銃剣による占領をほうふつさせ、薩摩の侵略を思い起こさせます。私たち沖縄から見ると、この背後には自公政権をはるかに超えた日米同盟政権が見え隠れします。この辺は、自公政権はよく判断してください。
 那覇空港から市内に向かったとき、右には自衛隊基地の金網、左には米軍基地の金網があります、金網。沖縄の基地負担の軽減と言うならば、この基地を撤去し、守礼の国沖縄にふさわしい平和の門に切り替え、地政学的転換を図ることです。そして、沖縄を金網から解き放ち、諸悪の根源である国境主義から独立させ、世界に人類のひな形としてプレゼントすることを願います。
 これで、私の本法案に対する反対討論を終わります。ありがとう。(拍手)
#45
○議長(扇千景君) これにて討論は終局いたしました。
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#46
○議長(扇千景君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#47
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#48
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数            二百  
  賛成             百十二  
  反対             八十八  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#49
○議長(扇千景君) 日程第六 海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。環境委員長大石正光君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔大石正光君登壇、拍手〕
#50
○大石正光君 ただいま議題となりました法律案につきまして、環境委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、千九百七十二年の廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約の千九百九十六年の議定書の実施等に伴い、海洋環境の保全を図るため、廃棄物等を海底の下に廃棄することを禁止するとともに、特定二酸化炭素ガスの海底下廃棄に係る許可制度を創設する等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、海底下廃棄の許可の審査基準、貯留地点からの二酸化炭素の漏えいの可能性と海洋環境への影響、二酸化炭素排出削減策の重要性等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本共産党の市田委員より本法律案に反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終わり、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#51
○議長(扇千景君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#52
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#53
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          百九十九  
  賛成             百九十  
  反対               九  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#54
○議長(扇千景君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五分散会
ソース: 国立国会図書館
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