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2007/06/29 第166回国会 参議院 参議院会議録情報 第166回国会 本会議 第39号
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2007/06/29 第166回国会 参議院

参議院会議録情報 第166回国会 本会議 第39号

#1
第166回国会 本会議 第39号
平成十九年六月二十九日(金曜日)
   午後二時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第三十九号
  平成十九年六月二十九日
   午前十時開議
 第一 住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供
  給の促進に関する法律案(衆議院提出)
 第二 拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵
  害問題への対処に関する法律の一部を改正す
  る法律案(衆議院提出)
 第三 政治資金規正法の一部を改正する法律案
  (衆議院提出)
 第四 日本年金機構法案(内閣提出、衆議院送
  付)
 第五 国民年金事業等の運営の改善のための国
  民年金法等の一部を改正する法律案(内閣提
  出、衆議院送付)
 第六 厚生年金保険の保険給付及び国民年金の
  給付に係る時効の特例等に関する法律案(衆
  議院提出)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、日程第一より第三まで
 一、厚生労働大臣柳澤伯夫君問責決議案(輿石
  東君外十七名発議)(委員会審査省略要求事
  件)
 一、内閣総理大臣安倍晋三君問責決議案(輿石
  東君外十名発議)(委員会審査省略要求事件
  )
 一、日程第四より第六まで
 一、厚生労働委員長鶴保庸介君解任決議案(津
  田弥太郎君外十名発議)(委員会審査省略要
  求事件)
     ─────・─────
#3
○議長(扇千景君) これより会議を開きます。
 日程第一 住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律案(衆議院提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。国土交通委員会理事山下八洲夫君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔山下八洲夫君登壇、拍手〕
#4
○山下八洲夫君 民主党・新緑風会の山下八洲夫でございます。
 ただいま議題となりました法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、住生活基本法の基本理念にのっとり、低額所得者、被災者、高齢者、障害者、子供を育成する家庭など住宅の確保に特に配慮を要する者に対する賃貸住宅の供給の促進に関し、基本方針の策定その他の施策の基本となる事項等を定めようとするものであります。
 委員会におきましては、提出者衆議院国土交通委員長より趣旨説明を聴取した後、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#5
○議長(扇千景君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#6
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#7
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          二百十二  
  賛成            二百十二  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#8
○議長(扇千景君) 日程第二 拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題への対処に関する法律の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員長森ゆうこ君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔森ゆうこ君登壇、拍手〕
#9
○森ゆうこ君 ただいま議題となりました法律案につきまして、北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、衆議院北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員長の提出に係るものでありまして、拉致問題の解決その他北朝鮮当局による人権侵害状況の改善に資するため、政府がその施策を行うに当たって留意すべき事項について定めるとともに、外国政府及び国際連合、国際開発金融機関等の国際機関に対する政府の働き掛けについて定めるものであります。
 委員会におきましては、提出者より趣旨説明を聴取した後、討論に入りましたところ、日本共産党の緒方委員より本法律案に反対する旨の意見が述べられました。
 次いで、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#10
○議長(扇千景君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#11
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#12
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          二百十三  
  賛成              二百  
  反対              十三  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#13
○議長(扇千景君) 日程第三 政治資金規正法の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員長谷川秀善君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔谷川秀善君登壇、拍手〕
#14
○谷川秀善君 ただいま議題となりました法律案につきまして、政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、資金管理団体の政治資金の使途に関し国民の信頼を確保するため、資金管理団体による不動産の取得等を制限するとともに、資金管理団体の人件費以外の経常経費について、収支報告書への明細の記載及び領収書等の写しの添付を義務付けようとするものであります。
 委員会におきましては、山下八洲夫君外二名発議の政治資金規正法の一部を改正する法律案と一括して議題とし、両改正案提案に至る背景と政治資金の位置付け、本改正案の実効性と政治資金の透明性確保、支出明細の記載と領収書の添付の義務付けを五万円以上とした理由、規制対象を資金管理団体に限定する根拠、資金管理団体に対する不動産取得制限の意義、政治資金の透明性確保と事務負担のバランス、収支報告書に対する外部監査義務付けの必要性等について質疑が行われました。
 本法律案について質疑を終局し、討論に入りましたところ、民主党・新緑風会を代表して下田敦子理事より反対、自由民主党及び公明党を代表して野村哲郎理事より賛成、日本共産党を代表して井上哲士委員より反対、社会民主党・護憲連合を代表して又市征治委員より反対する旨の意見がそれぞれ述べられました。
 討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#15
○議長(扇千景君) 本案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。前川清成君。
   〔前川清成君登壇、拍手〕
#16
○前川清成君 民主党・新緑風会の前川清成です。
 まず冒頭、宮澤喜一元首相が御逝去されましたことにつき、衷心より哀悼の意を表します。
 そして、昨日、厚生労働委員会で、社会保険庁看板掛け替え法案と消えた年金について強行採決されましたことには強く抗議いたします。
 私は、本年五月十四日、この場所における国民投票法案の反対討論において、あたかも審議時間だけを積み重ねれば足りるかのごとき審議だけで、衆議院から送付された法案を丸のみしていたならば、参議院なんか要らないとの声が国民の間に沸き起こることは必至ですと申し上げました。私の予言が来月二十九日に現実とならないよう祈ります。
 さて、与党提出の政治資金規正法改正案につきましては、そのまま成立したとしても、何もかもが今までどおりまかり通ってしまい、ただ変えたという言い訳にすぎません。それゆえ、私は、今までどおりの言い訳に反対の立場から討論いたします。
 私は、自民党と官僚との二人三脚がある時期まで戦後政治に大きな功績を残したことを率直に評価しています。しかし、その陰で、自民党結党以来、黒い霧、田中金脈、ロッキード、ダグラス・グラマン、撚糸工連、リクルート、共和汚職、東京佐川急便、金丸脱税、ゼネコン汚職、日歯連などなど、正に枚挙にいとまがないほど自民党の歴史は政治と金をめぐるスキャンダルの歴史でもありました。その歴史に安倍内閣がまた一ページを追加してしまったのではないでしょうか。すなわち、佐田、伊吹、松岡大臣による事務所費、光熱水費疑惑です。
 自民党の佐田玄一郎衆議院議員は、昨年の自民党総裁選挙において、安倍晋三さんを支える会の会長を務め、その論功行賞としてでしょうか、安倍内閣発足時には行政改革担当大臣に就任しておられます。ところが、その佐田大臣の政治団体である佐田玄一郎政治研究会は、事務所所在地につき賃貸借契約が存在しないにもかかわらず、一九九〇年から二〇〇〇年までの十一年間に七千八百四十万円を事務所費として支出していたことが発覚し、佐田大臣は、昨年十二月二十七日、辞任を余儀なくされました。
 年が明けて本年一月十一日、同様に論功行賞として入閣したと報道されている伊吹文明文部科学大臣と故松岡利勝農林水産大臣に関して、ともに賃料を支払うことのない議員会館に事務所を置きながら、二〇〇一年から二〇〇五年までの五年間に、伊吹大臣の資金管理団体である明風会は二億二千六百九十五万円を、松岡大臣の資金管理団体である松岡利勝新世紀政経懇話会は一億四千二百七十五万円を事務所費として支出していたことが発覚しました。さらに、松岡大臣の資金管理団体は、議員会館においては電気料金や水道料金を負担することがないにもかかわらず、光熱水費として二〇〇一年から二〇〇五年までの五年間で二千八百八十一万円を支出していたことが発覚しました。
 安倍政権の中枢にあるこれらの政治家が費消した巨額の事務所費や光熱水費について、多くの国民は、おかしい、家賃がただやのに何で五年で二億円やねん、電気代も水道代も国が払うてるのに何が三千万円やねんと政治家と政治に対する不信感を増幅させるに至り、松岡大臣が口走った何とか還元水は瞬く間に人口に膾炙いたしました。
 そこで、私たち民主党は、この政治不信を払拭するべく、説明責任を果たすよう求め続けましたが、とりわけ松岡大臣は、三月七日の予算委員会だけでも適切に処理しているとだけ二十三回も繰り返したように、一切の具体的説明を拒否し続け、また安倍総理も、かかる松岡大臣の対応について法律どおりとかばい続けました。
 一方では、都合の悪いことは一切口をぬぐっておきながら、消えた年金については根拠も方法も説明することなく、ただ一年で解決しますと声高に叫んだところで、一体だれが信用するのでしょうか。
 これに対して、小沢一郎民主党代表は、その資金管理団体陸山会による不動産所有を指摘されるや、直ちに契約書や登記済証、固定資産税納税通知書に至るまで公開した上で、詳細を説明しています。自民党と民主党、どちらが説明責任を果たしていて、どちらが逃げ続けているのか、どちらが政治と金にまじめに取り組んでいるのか、もはや国民の目には明らかです。
 私たち民主党は、事務所費、光熱水費というブラックボックスをガラス張りにするための政治資金規正法改正案を既に本年三月六日には提出しています。
 これに対して、与党は政治活動の自由が確保できないとの牽強付会をもってブラックボックスの温存を図り、項目の細分化程度でお茶を濁そうとしましたが、先月二十八日、松岡大臣が自殺するに至って重い腰を上げざるを得ず、会期末を目前に控えた同月三十日に本法案を提出したものの、昨年末以降に顕在化した佐田問題、伊吹問題、松岡問題が一切射程に入っておらず、ざるの役割さえ果たしません。何もかもが今までどおりまかり通ってしまいます。
 というのも、第一に、与党案は、事務所費に関して領収書の添付を義務付ける政治団体を資金管理団体に限定しています。それゆえ、佐田問題に与党案を適用したとしても、佐田玄一郎政治研究会は資金管理団体ではなく単なる政治団体であるため、今までどおり領収書を添付する必要はありません。したがって、もしもその気になれば、事務所費だと偽ることで、違法、不当な支出をやみに隠すことも、政治資金で私腹を肥やすことも今までどおり可能です。
 これに対して、民主党案は、資金管理団体に限らずすべての政治団体について領収書の添付を義務付けようとしています。よって、民主党案であれば、佐田玄一郎政治研究会もざるから漏れることなく規制の対象となります。
 第二に、与党案は、領収書の添付を義務付ける経常経費から人件費を除外しています。ところが、伊吹大臣は、二億二千六百九十五万円の事務所費を計上した理由について、本年一月十日の記者会見で、どうしても必要な食料費、冠婚葬祭の費用など、政策集団の長となるとかなりある、領収書を取れないものは人件費と事務所費でしか処理できないと述べておられますが、この点が虚偽記載であるか否かはさておくも、ただ領収書の添付が義務付けられていないという理由で事務所費という項目が利用されていたならば、同様に領収書の添付が義務付けられていない人件費という抜け穴もふさぐ必要があるはずです。
 与党案では、今後は事務所費から人件費にブラックボックスの名前が変わるだけですが、民主党案では、人件費に関して、収支報告書に業務に従事した者の数を記載することで、プライバシーに配慮しながらも、同時に人件費についての透明性を確保しています。
 第三に、与党案は、事務所費に関して領収書を添付する範囲を五万円以上の支出に限定しています。この結果、五万円以上の支出も五万円未満に細分化すれば、やはり今までどおりのブラックボックスがまかり通ります。
 政治を金もうけの手段にはしません。私はこの当たり前のことを二〇〇四年の選挙を通じて、奈良県にお住まいの有権者の皆さんとお約束させていただきました。利権をあさる、公共工事の口利きをする、政治を金もうけの手段にする、そんな政治家はもう私たちのこの国に必要ありません。そのために、政治と金にまじめに真正面から向き合わなければならないことを訴えて、私の反対討論といたします。
 ありがとうございました。(拍手)
#17
○議長(扇千景君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
#18
○議長(扇千景君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#19
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#20
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          二百十二  
  賛成             百十六  
  反対             九十六  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#21
○議長(扇千景君) この際、お諮りいたします。
 輿石東君外十七名の発議に係る厚生労働大臣柳澤伯夫君問責決議案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、日程に追加してこれを議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#22
○議長(扇千景君) 御異議ないと認めます。
 よって、本決議案を議題といたします。
 まず、発議者の趣旨説明を求めます。津田弥太郎君。
    ─────────────
   〔議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔津田弥太郎君登壇、拍手〕
#23
○津田弥太郎君 解説をします。一回目は儀礼的な礼です。二回目は、年金不信を解消すべき本院がその責任を果たせていないことを国民の皆様におわびを申し上げました民主党の津田弥太郎であります。
 私は、民主党・新緑風会を代表し、ただいま議題となりました厚生労働大臣柳澤伯夫君問責決議案について、提案の趣旨を御説明申し上げます。
 まず、決議案の案文を朗読いたします。
  本院は、厚生労働大臣柳澤伯夫君を問責する。
   右決議する。
 以上であります。
 以下、具体的に提案の趣旨を丁寧に御説明申し上げます。
 冒頭において私が特に強調をしておきたいのは、本院は今年開設されて六十周年、すなわち還暦を迎えた慶賀すべき年であるということであります。
 二院制を採用した我が国における本院の存在意義とは何でしょうか。よく言われるのが、一つ、良識の府であります。また、衆議院の審議を補い、必要とあれば修正をして衆議院に差し戻す、二つ目、再考の府。そして、衆議院の行き過ぎをチェックする、三つ目、賢者の府とも言われております。これは、本院の場合、議員の任期は六年で、衆議院とは異なり解散がないため、じっくりと重要政策を議論できるメリットを持っているからであります。
 こうした本院の持つ機能や存在理由を踏まえた上で、厚生労働大臣である柳澤伯夫君の厚生労働委員会における年金問題審議の対応や年金行政に対する取組を子細にチェックしますと、その無責任さ、指導力のなさが極めて顕著に現れております。私は、厚生労働委員会の理事としてこの間の大臣の言動をつぶさに見てまいりましたが、柳澤大臣はもはやその任に堪えることは到底できません。本来なら、任命責任を持つ安倍総理大臣が罷免すべきであります。
 そもそも、厚生労働省が提案した日本年金機構法案、国民年金法等の改正案は欠陥だらけであり、これを速やかに撤回した上で、私たち民主党が提案しました歳入庁設置法案など三つの対案を採用すべきでありました。
 さらに、法案の内容に加えて、審議で最大の焦点となりました消えた年金問題に対する柳澤厚生労働大臣の答弁や対応にも多くの問題がありました。(発言する者あり)よく聞きなさい。宙に浮いた年金、しかし、被害者の立場からすれば正に消えた年金にほかならない。基礎年金番号の記録漏れについては、我々民主党の再三の要請を受けて、政府は渋々その数が五千九十五万件に達していることをお認めになりました。しかし、実態の究明や調査はいずれも後手後手に回ったことは言うまでもありません。
 安倍総理は六月十一日の決算委員会で、放置してきたのは大きな問題だった、情報の把握も極めて甘かったと率直に認めなければならないと安倍総理自身の責任を認めました。しかし、年金問題についてずぶの素人である安倍総理に対しては、年金行政を所管をする柳澤大臣が早期に適切な進言を行うべきでありました。にもかかわらず、何らの進言をなさなかったばかりか、二人して対岸の火事として眺めていたことは断じて許すわけにはまいりません。
 安倍総理は、わずか一か月余り前、このような答弁を行いました。「すべての被保険者、年金受給者に対して納付記録を送付し点検をお願いすることは、大部分の方の記録が真正なものであることを考えれば、非効率な面が大きいのではないかと考えます。」。とんでもない。現在、政府自身が全加入者への履歴通知の送付を行う方向へと方針転換を余儀なくされたことは御案内のとおりであります。こうした総理の対応については、事の重大性を見過ごしてきた柳澤大臣の責任が大きいものと言わざるを得ません。
 また、厚生労働委員会における審議では、社会保険庁の隠ぺい体質と虚偽答弁が日に日にエスカレートしていきました。例えば、全国三百九か所の社会保険事務所から十件ずつ抜き出した特殊台帳のサンプル調査については、三千九十件の調査に何と四十日間も掛け、挙げ句に記録のミスは当初四件しかないと、大臣御自身が委員会の場で答弁をいたしました。しかし、後になってから二十七件、次いで三十五件と、ミスの件数が次々に訂正をされていきました。
 また、昨日の委員会では、年金記録などを扱うコンピューターシステムの契約書について、社会保険庁から契約書は存在するとの答弁がなされましたが、その直後に会計検査院の局長から、契約書は存在しておらず、社会保険庁の答弁が虚偽であったことが明らかにされるという前代未聞の不祥事が発生をいたしました。
 これらは、できるだけ都合の悪い事実を隠しておこうという社会保険庁の体質からきたものとしか思えず、このような部下、職員、とりわけ答弁を頻繁に行った厚生労働省から出向中の二人の部長、これを放置をしてきた柳澤大臣の監督責任は厳しく問われなければなりません。しかるに、柳澤大臣は、官僚に対する責任を問う質問についても、官僚が作成した答弁書を読むばかりであり、これでは何らの指導力も発揮できないことは明白なのであります。
 柳澤大臣が監督責任に欠けていることは、日本年金機構法案でも明らかであります。非公務員による特殊法人に移管することで、社会保険庁のときにあった年金保険料の無駄遣いやずさんな記録管理はなくなると答弁されましたが、皆さん、本当でしょうか。
 かつて、東京地検の特捜部検事としてロッキード事件の捜査などで活躍し、今弁護士、堀田力さんはマスコミのインタビューに、非公務員にするという与党案は首が猫で胴体が犬のようなもので、どこも責任を取らない仕組みになっていると厳しく指摘をされております。堀田さんは、二〇〇四年九月から二年間、社会保険庁の最高顧問に就任し、立て直しに協力した人物であり、この発言は極めて重いものであります。
 さて、六月八日、厚生労働委員会では、消えた年金の被害者の方に参考人として出席をしていただき、その悲痛な訴えを聞かせていただきました。大変に筋道の立ったお話でありながら、三十年前の領収書がないことから納付記録が訂正をされていないのが実情です。柳澤大臣の就任後も、自らの年金納付記録の訂正を求めて多くの方が社会保険事務所を訪れました。しかし、安倍総理さえも持っていない二十年前、三十年前の領収書がないことにより、二万人以上の方が何と門前払いをされております。領収書がない方は、ただの一人も年金記録が訂正をされていないのです。
 こうした社会保険庁の対応を断じて許すわけにはいかず、社会保険庁長官の任命権者でもあり、社会保険庁に対する監督責任を有する柳澤厚生労働大臣に対し、消えた年金被害者からは怨嗟の声が寄せられております。また、保険料を支払ったのに年金がもらえないということが、いかに国民の公的年金への不信感を加速させているかも真摯に受け止めるべきであります。
 今国会を振り返れば、厚生労働委員会を揺るがす三つの事件が発生しました。言うまでもなく、柳澤大臣の産む機械発言、一つ。これを起因した厚生労働省の綱紀の乱れによる雇用保険法に関する文書配付問題、二つ。そして、今回の未曾有の年金不信、三つであります。世間において、組織の長は結果責任を引き受け、辞職を余儀なくされることがしばしばあります。しかし、今述べた三つの事件は、いずれも結果責任どころではなく、原因そのものが柳澤厚生労働大臣に帰するものであり、弁明の余地がありません。
 以上、様々な角度から、いかに柳澤伯夫君が厚労大臣にとどまることがふさわしくないかを具体的に明らかにしてまいりました。
 さて、今回、柳澤大臣は、自らの賞与の一部を国庫に返納するという、パフォーマンス以外の何物でもない行為をあえて行いました。私は、柳澤大臣が本気で国民に対する責任を感じているとは到底思えません。仮に、本気で責任を感じているとしたならば、柳澤大臣が考える自らの責任とは五十一万円の重みしかないのでしょうか。国民をばかにするにもほどがある。柳澤大臣、大臣が国民の前に返上しなければならないのは、五十一万円ではなく、厚生労働大臣の地位そのものではないでしょうか。
 柳澤厚生労働大臣の罷免こそが、我が国の公的年金の信頼を回復し、消えた年金問題の解決に向けた最良の処方せんであることを強く訴え、良識の府参議院の皆様が与野党の立場を乗り越えて本決議案に御賛同をいただき、速やかに可決されんことをお願いし、趣旨説明を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
    ─────────────
#24
○議長(扇千景君) 本決議案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。阿部正俊君。
   〔阿部正俊君登壇、拍手〕
#25
○阿部正俊君 私は、自由民主党と公明党を代表いたしまして、ただいま議題になりました柳澤厚生労働大臣の問責決議案に対しまして、断固反対の立場から討論を行うものであります。
 演説は短くやります。
 公的年金は国民一人一人の老後の生活設計の柱として掛け替えのないものである、しかも、国民の信頼を基礎として常に安定的に実施されるべきものであることは確かです。ところが、その適正な運営を任務とする社会保険庁は、今回明らかになったように、年金記録問題を始めといたしまして、これまで職員の様々な不祥事を積み重ねてきました。国民の信頼が地に落ちているということは明らかでございます。
 このような状況の中で、柳澤大臣は、文字どおり行政の先頭に立って、社会保険庁の抜本的な改革とその実現に中心的な役割を果たしてこられました。
 野党は、今回の問責決議案の理由として社会保険庁の年金記録問題への対応などを挙げております。しかしながら、政府・与党では、既に年金記録問題につきましては、国民の視点に立って、できる限り速やかに、かつ行うべきことはすべて行うという方針の下で、既に年金記録問題への新対応策を取りまとめ、大臣を中心として、年金記録に対する国民の不安の払拭とその信頼回復に全力を傾けているところであります。
 すなわち、基礎年金番号に統合されていない五千万件の年金記録については、今後一年間で、すべての年金受給者や被保険者の方々の記録と突き合わせた上で、御本人に記録の確認をお願いし、着実に年金受給権に結び付けてまいります。また、社会保険庁のマイクロフィルムや市町村が持つ記録とオンライン記録との突き合わせなど、進捗状況を公表しながら計画的に行ってまいります。
 さらに、記録を訂正したいが領収書などの証拠がないという方につきましては、総務省に年金記録確認第三者委員会という新しい機関を設置し、申し立てた方のお気持ちに立って公正に判断する仕組みを設けました、既に。
 あわせて、こうした取組を通じて、年金記録の訂正により年金給付額が増える方について、時効により増額分を受け取れないなどということがないように、今回の年金時効特例法案により特別の立法措置も併せて行ったのでございます。また、平成二十三年までには、年金記録管理システムを新しく構築し、国民だれもがいつでも自分の年金記録を知り得るカードを配付いたします。
 政府・与党では、これらの対応策を着実に実施し、国民の皆さんが本来受け取るべき大切な年金をすべて受け取れるように万全を期してまいります。
 柳澤大臣は、先頭に立って年金問題への対応に取り組んでおります。とりわけ、国会の審議において、野党からの度重なる同じような質問に対しましても誠実に答弁されてきました。
 参議院の厚生労働委員会における審議時間も、昨日までに既に四十八時間半に上り、はるかに衆議院の審議時間をオーバーし、十分に審議が尽くされたと思っております。したがって、野党の言う問責決議案の理由は誠に理不尽なものであり、その提出は暴挙のそしりを免れないものであります。
 大臣は、与党のみならず野党の諸君もよく御存じのとおり、我が国の行財政に関し他の追随を許さない豊富な経験と知識をお持ちでございます。加えて、強い使命感を持ち、厳しい財政状況が続く中で、少子高齢化が進展する難しい局面におきまして、我が国の社会保障に係る数々の難題を的確に処理し、国民福祉の発展のために奮闘されてきたのであります。
 大臣には、今後とも、厚生労働行政が抱える諸課題の解決に向け、強いリーダーシップを発揮されることが求められております。特に、社会保険庁の問題につきましては、社会保険庁を廃止、解体し、国民の立場に立って事業運営を行える新組織を実現するとともに、年金記録に関する国民の不安を解消するための一連の対策の着実な実施に全力を傾注していただくことが大臣の責務であると考えております。
 大臣は、今年一月、日本経済新聞に連載された「こころの玉手箱」という随筆の中で、石川啄木に心酔した幼いころの記憶をたどり、次の歌に心を打たれたと述べておられます。すなわち、「はたらけどはたらけど猶わが生活楽にならざりぢつと手を見る」、これが政治家柳澤伯夫の原点だと思います。大臣の原点がここにある以上、国民生活の安定につながる年金制度の構築に、温かなハートを持って厚生労働行政に対応できる柳澤伯夫大臣ほどふさわしい政治家は他に存在しないと考えるものであります。
 年金制度は国民の信頼があってこそ成り立つものであり、今回の年金記録問題については、与野党の立場を超えて政治が責任ある対応を取らなきゃなりません。にもかかわらず、野党諸君は党利党略を優先して問責決議案を提出したということは誠に残念であるとともに、年金制度に対する国民の信頼を揺るがすことになりかねないことに気付くべきであります。
 改めて野党諸君の猛省を促し、柳澤厚生労働大臣の問責決議案に対する私の反対討論を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
#26
○議長(扇千景君) 櫻井充君。
   〔櫻井充君登壇、拍手〕
#27
○櫻井充君 民主党・新緑風会の櫻井充です。
 私は、民主党・新緑風会、社会民主党・護憲連合、そして国民新党を代表いたしまして、三党共同提案による厚生労働大臣柳澤伯夫君に対する問責決議案に対して、賛成の立場から討論を行います。
 討論に入る前に、昨日、宮澤元総理大臣がお亡くなりになりました。心から御冥福をお祈り申し上げたいと思います。
 そして、昨日、理事会で合意のないままに、そしてまた野党から理事会協議の申出があったその動議も無視して強行採決が行われたということに対して、強く抗議を申し上げます。
 さて、私が柳澤大臣に初めて質問させていただいたのは、柳澤大臣が金融再生委員会の委員長をなされていたときでございます。その当時から答弁が長く、禅問答のようなことで、金融の素人には、私になかなか分かり難いものもございましたが、様々な点で柳澤大臣から御指導をいただきました。金融のプロはさすがに違うなと感心もさせられました。
 二〇〇一年から金融担当大臣になられまして、その当時、柳澤大臣はアジア・ウイークのアジアのパワフルな政治家の第八位にランクインされました。それだけではございませんで、ビジネス・ウイークではアジアの星にも選出されております。考えてみますと、あのころが柳澤大臣が一番輝いていた時代かもしれません。
 なぜならば、竹中大臣が登場し、残念なことですが論争に敗れて、そして実質上、金融担当大臣から更迭されました。しかし、私は、柳澤大臣がもし金融担当大臣を務められていたら、今のような市場原理絶対主義のような社会ではなくて、もっともっといい社会になっていたのではないのかなと、そうも感じております。
 まあ、昔話はここまでにしまして、ところで、大臣は今回の年金の問題に関して本当に重要な問題だとお考えなんでしょうか。私は、本来であれば、柳澤大臣がリーダーシップを取ってこの問題の解決に当たらなければいけないはずなのに、その対応を見ていると、我々野党がいろんな提案をしてから、それを受けて解決に当たられている。すべてが後手後手に回っているような感じがいたします。
 国民の皆さんが今一番関心を寄せているのは何といっても年金の問題です。それはなぜなのかといえば、将来の自分の人生の設計が懸かっているからです。国民の皆さんはお金が余っていて、余裕があって、そして保険料を支払っているわけでもありません。これだけ景気が悪くなって所得が低くなっていく中で、将来の安定を確保したいからこそ今頑張って年金の保険料を支払っているわけです。しかし、自分たちが支払ったその年金の保険料に見合いの年金が受け取れるかどうか分からなくなっていくわけですから、怒りが出るのは当然のことですし、そして不信感が募ってくるというのは至極当然のことなんだろうと、そういうふうに思います。
 この国民の皆さんの怒りや不信感に拍車を掛けているのは、厚生労働省や社会保険庁の役人の対応です。彼らが今まできちんとした仕事をしてこなかった、帳簿の台帳の整理もちゃんとしてこなかった、だからこういう問題が起こっているにもかかわらず、結果的には、国民の皆さんが年金手帳を持っていないとか領収書を持っていない、そういう国民の皆さんに責任を転嫁して、国民の皆さんの大事な年金そのものが給付されないという、そういった事件が起こってきているわけです。
 今の厚生労働省そして社会保険庁のトップは柳澤大臣であって、その責任は極めて重いと言わざるを得ません。しかし、柳澤大臣はボーナスの一部を返上するというパフォーマンスは取られましたが、私は、そういうことで責任を取るのではなくて、やはり職を辞して責任を取ることが極めて重要だと考えております。
 六月二十一日の委員会で、私は大臣にお辞めになる意思がないかどうか確認をいたしましたが、お辞めにならないということでございました。私は、問責決議案など出したいと正直思っておりません。しかし、御自身がお辞めにならないというのであれば、こういう形でお辞めいただくしかないのかなと、本当に断腸の思いで出させていただきました。私が以下、これからこの問責決議案に賛成する理由を述べさせていただきます。
 第一に、大臣としての政治姿勢でございます。
 大臣は、国民の代表として厚生労働省という役所をコントロールする立場で行政を行うのか、それとも役所の代弁者として、大臣として行動を行うのかによって全然違ってきます。今の大臣の行動を見ていると、例えば津田議員がうそつき官僚とやゆした、そういった部下のしりぬぐいをして、さらに、今までちゃんと働いてこなかった役所の人間に対しても、まあこれからまじめに働くから何とかしてやってくれと。それは、本当にいい人で、優しい上司だと思いますよ。しかし、一方でいうと、そういうことは国民の皆さんから見たら、本当に国民の側に立って行政を行っているのかどうかという点からすると甚だ疑問でなりません。本来、国民の代表者であるとすれば、国家公務員は公僕として働くのが当たり前ですから、問題の本質は一体どこにあるのか、そのことをきちんと分析して責任を取らせる必要性があるんだろうと、私はそう思います。
 第二に、我が党の長妻昭議員始め多くの皆さんからこの問題を指摘しておりましたが、その点について真摯に受け止めていただけなかったことです。
 これは柳澤大臣だけではなくて、実は安倍総理も同じでございます。二月の衆議院の予算委員会の際に、安倍総理は長妻議員からの質問に対して、国民の不安をあおるような発言をするべきではないという趣旨の御答弁をされました。今、この問題の不信感をあおっているのはだれでしょうか。安倍総理でしょう。そして、柳澤大臣そのものじゃないですか。
 さらに、安倍総理は何とおっしゃったのかというと、平成九年の基礎年金番号を振ったのは菅さんだから、我が党の菅代表代行に責任があるようにおっしゃいますが、自分の責任を棚に上げて菅さんに責任転嫁するなんというのは一国の総理としてふさわしいとはとても思えません。
 第三に、国会軽視です。
 昨日、我が党の足立委員が柳澤大臣に最後に質問いたしました。これで本当に質疑時間は十分なんだろうか。柳澤大臣はそれに対して、時間は十分だと、そしてしかも、法案を早く通してくれという趣旨の御答弁をされましたが、採決するかしないかは、これは国会で決めることであって、大臣がそういうことを言うのは僕は筋が違うと思っております。しかも、国会の審議というのは審議時間で決めることじゃありません。衆議院の何分の一だとか衆議院を超えたとか、そんなことで決められたら参議院の存在価値などなくなります。
 むしろ、大事なことは審議の内容が尽くされたかどうかであって、昨日は我が党の福山哲郎議員が要求して、また新しい資料も出てきたんです。そういう点からいえば、まだまだ審議しなければいけないものに対して、もう審議は十分だと、こういう発言をされる方が私は大臣としてはふさわしいとはとても思えません。
 第四に、答弁にふさわしくないところが幾つか見られたことでございます。
 例を一つだけ挙げさせていただきますが、例えば社会保険審査会とそれから第三者委員会のことに関して、これまで大臣は、社会保険審査会で棄却されたものに関しては諮問することができないというふうにずっと答弁されておりました。昨日、我が党の浅尾慶一郎議員の質問に対して答弁の内容が変わりました。私は答弁の内容が変わったことを問題視するわけではございません。むしろ、問題になるのは第三者委員会というのが一体何のためにできた委員会かということです。
 これまでの国民の皆さんの救済を行うためにこの委員会ができ上がっている。それから、社会保険審査会そのもの自体が機能していないからこの第三者委員会ができたわけですから、そのことを考えれば、社会保険審査会で棄却されたからといって、もうその第三者委員会で諮問できないと、まずそういう答弁をされることそのもの自体が私は大きな問題ではないのかなと、そういうふうに思っております。
 そして第五に、今回の社会保険庁のこの改革案で社会保険庁そのものが変わると考えておられることですね。
 なぜならば、大臣の御答弁をお伺いしていると、社会保険庁の職員が公務員であるから悪いようなこと、そして親方日の丸だから悪いんだというようなことを繰り返しおっしゃっております。大臣は元々公務員じゃないんですか。官僚だって国家公務員じゃないんですか。大臣の論をかりれば、御自身も駄目だったし、官僚組織そのものも駄目だということになります。私はそういうことではないと思いますよ。
 皆さんに厚生年金保険制度回顧録というものを御紹介させていただきましたが、あの中で、昭和十八年の年金課長の花澤さんという方がこうおっしゃっています。どうせ支払は二十年先なんだから、集めた金なんかどんどん使っちまえばいいんだ、使ってしまってお金がなくなったら賦課方式にすればいい。今そうなっていますよ。しかも、これだけのお金があったら天下り先は幾らでも用意できる。確かに、公益法人も百つくりましたから、天下りの役人は幾らでもどこにでも行けるようになってきている。そういうような問題があるわけです。
 つまり、我々が主張しているように、これを抜本的に解決するためには……(発言する者あり)本当にそれで良くなると思っていますか。抜本的に改革するためには、厚生労働省から引き離して、私たちが主張しているように歳入庁をつくっていくしか解決の道はないと思っております。とにかく、厚生労働省に皆さんの大事な年金を預けるということそのもの自体に大きな問題があると思っています。
 第六に、柳澤答弁のもう本当に長いこと、そして禅問答のような答弁、あれは一番の私は問題だと思っています。
 大臣がよく分かっていないことは官僚の紙を見て答弁されますから、理不尽な内容ではありますが内容はよく分かります。しかし一方で、大臣がよく知っておられることは、御丁寧な方ですから、御自分の言葉でしゃべられると長くて何を言っているかよく分かりません。いずれにしても、国民の皆さんに対してきちんとした言葉で伝えるということが私は大臣の役割だと思っております。
 まだまだ本当はあります。昨日原稿を書いたのはもっと一杯あるんです。しかし、時間の制限がございますのでこの程度にしておきますが、聡明な与党の議員の皆さんであれば、今の私の説明を聞いてくださって、柳澤大臣がいかに厚生労働大臣にふさわしくないかということを御理解いただけたのではないかと思います。
 最後に、医者の立場で一言申し上げます。
 柳澤大臣、大分お疲れではないでしょうか。柳澤大臣の同郷の榛葉賀津也議員も、大臣はやせたなと心配されておられました。大臣はこれからもこの国のために一生懸命働いていただかなければいけない大切な方ですから、疲れたときにはお休みされるのが私は一番だと思います。これからも厚生大臣を続けられると激務が続きますから、私はここでお辞めになった方が御自身の健康のためにもいいのではないのかなと、そういうふうに思います。
 どうぞ与党の皆さん、柳澤大臣は本当に責任感の強い方で、御自身でお辞めになりたいなと思ってもなかなかお辞めになれませんから、柳澤大臣の健康のこともお考えいただいて、是非、我々提出の問責決議案に賛成いただき、そしてこの問責決議案、御可決いただきますことをお願い申し上げまして、私の賛成討論を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
#28
○議長(扇千景君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
#29
○議長(扇千景君) これより本決議案の採決をいたします。
 足立信也君外八十二名より、表決は記名投票をもって行われたいとの要求が提出されております。
 現在の出席議員の五分の一以上に達しているものと認めます。
 よって、表決は記名投票をもって行います。本決議案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#30
○議長(扇千景君) 投票漏れはございませんか。──投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#31
○議長(扇千景君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#32
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百十二票  
  白色票           九十七票  
  青色票           百十五票  
 よって、本決議案は否決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#33
○議長(扇千景君) これにて休憩いたします。
   午後三時十五分休憩
     ─────・─────
   午後五時一分開議
#34
○議長(扇千景君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 この際、お諮りいたします。
 輿石東君外十名発議に係る内閣総理大臣安倍晋三君問責決議案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、日程に追加してこれを議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#35
○議長(扇千景君) 御異議ないと認めます。
 よって、本決議案を議題といたします。
 まず、発議者の趣旨説明を求めます。小川敏夫君。
    ─────────────
   〔議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔小川敏夫君登壇、拍手〕
#36
○小川敏夫君 私は、民主党・新緑風会の小川敏夫です。
 提出者を代表して、安倍総理大臣問責決議案の趣旨を説明いたします。
 これに先立ちまして、昨日、宮澤喜一元総理大臣が亡くなられましたことに、謹んで哀悼の気持ちを表させていただきます。宮澤元総理は、現下の議会制民主主義を無視した安倍総理の姿勢を憂えていたのではないかと、お気持ちを察するところでございます。
 安倍総理、あなたは国民の支持率を七〇%も得てさっそうと総理に就任いたしました。初めての戦後生まれの総理として、国民はあなたに大きな期待を寄せていたのです。しかし、私はあなたには期待を寄せていませんでした。あなたが述べる改革や主張する外交なるものがどれだけ有効なものなのか、それとともに、政治倫理の確立や議会運営などの政治手法についてどれほどのものなのか、大きく疑問に感じていたからであります。そして、私が抱いていた疑問はすぐに現実のものとなりました。あなたに対する国民の期待と支持はしぼむ一途の道をたどって今日に至っております。
 具体的に示しましょう。
 あなたが小泉政権の中枢として直接かかわったさきの郵政民営化を争点とする総選挙において郵政民営化に反対して離党した議員たちを復党させました。このことは、あなたの政治姿勢がその場その場の御都合主義であることを如実に示すものであります。
 あなたは、総理就任直後には、道路特定財源の見直しについて一般財源化を前提に見直すと明快に約束しました。ところが、わずか三か月後には、全額を義務付けている仕組みを改めるだけとして、当初の一般財源化を前提に行うという約束がほごにされ、見せ掛けだけの改革もどきへと変えられてしまいました。このことは、あなたがいわゆる族議員の抵抗に屈したもので、あなたの指導力と改革への意気込みが欠如していることを露呈したものであります。
 はたまた、あなたが自ら起用した本間政府税調会長や佐田行革担当大臣がスキャンダルや政治と金をめぐる問題で就任早々に辞任したことから、あなたの人事に対する基本姿勢が問われることになりました。
 年が明けると、更に続いて、柳澤厚生労働大臣の女性は子供を産む機械という女性をべっ視する発言があり、米軍再編問題では、当事者である久間防衛大臣がアメリカは分かっていないなどと発言し、アメリカ側の反発を招きました。このいずれの発言も、当然に辞任を求め、あるいは大臣を罷免するのが総理としてあるべき本来の姿勢であるのですが、政府税調会長や佐田行革担当大臣の辞任に続いて任命責任を問われることを回避したかったのでしょう、総理はこのような問題大臣をそのまま居座らさせてしまったのです。
 そして、更に続いて、松岡前農水大臣の事務所費、水道光熱費の不正計上問題が発覚しました。何とか還元水という言葉が国民の間に広く知れ渡りましたが、国民のだれもが、水道光熱費が不要の議員会館で年に五百万円を超える水道光熱費を計上したことは不適切と思っているのでしょう。
 しかし、あなたは、自身で任命した大臣などが次々とスキャンダルや政治と金の問題などでドミノ倒しのごとく倒れていく事態を回避したいとの一心だったのでしょう、あなたは、松岡前大臣の処理は適正であるとあなた自身も言い張るようになりました。そこには政治倫理を尊重する姿勢は全くありません。ただ、あなたが総理の座に居座り続けることに執着している姿しか浮かんでこないのです。
 こうして、国民のあなたに対する期待はしぼむ一方となり、内閣支持率も下がり続けました。そしてまた、あなたの保身のために辞めるべき人を辞めさせないまま国民の批判の矢面に立たせ続けたことが、松岡前大臣に大きな不幸な事態をもたらす結果を招いてしまったのです。政治と金にまつわる不正に対する国民の怒りは松岡前大臣に向いていましたが、真に批判を受けるべきなのは、総理、あなた自身ではなかったのでしょうか。
 また、この事務所費問題で大きく揺れていた今年の早い時期、あなたは決定的失策を重ねています。
 一つは、今国民の大きな怒りを呼んでいる消えた年金記録の問題であります。
 あなたは、今年二月十四日、衆議院予算委員会で、民主党の長妻昭議員から、この問題に対して加入者全員に加入記録を送付して対応するように求められました。これに対して、総理、あなたは驚くべき答弁をしております。すなわち、そのような対応をすれば、年金に対する国民の不安をあおる結果になる危険性があるからとして、その対応を取りませんでした。しかし、問題が大きくなった今、政府・与党の中からも長妻昭議員が指摘したその対応を取ろうという声が上がっております。
 総理、あなたは、この消えた年金問題のように、国民の関心が極めて高く、そして、国民生活に直接重大な影響を与える事件が生じたときに、国民に知らせないままほおかむりしてしまおうとした御自身を見詰めて、恥ずかしいとは思いませんか。消えた年金問題の存在を知りながら、騒ぎが大きくなったら大変だからといって何の対策も取らないまま放置したことは、国民の生活を守るべき総理の職責を放棄したものであります。そして、この問題が国民の知るところとなって大騒ぎとなるや、慌ててその場しのぎの対策でごまかそうとする総理を国民が支持するわけがありません。あなたの支持率がここに来て急落しているのは、国民があなたに正当な評価を与えるようになったからであります。
 あなたは、国民の批判をかわそうとして、一年間で五千万件の統合を完了し、問題をすべて解決するかのように国民に約束しました。しかし、これは国民を欺く全くのでたらめであります。あなたが約束したことの中身は、コンピューターに入っている五千万件のデータの照合作業を一年間でやり終えるということであります。コンピューターに入っていない記録や間違って入力されてしまったデータを調べ上げなければ問題は解決しないのです。総理、あなたもこの事情は分かっているのでしょう。分かっていながら、あたかも単なるデータの照合作業をもって完全な問題の解決のように、真顔をもって真剣なまなざしと口調で訴えるあなたの姿は、相当な役者でも及ばないものがあると私は感じます。しかし、総理、あなたにお芝居の能力があるとしても、総理としては失格です。あなた自身、単なるコンピューター内のデータ照合だけで消えた年金問題がすべて解決するとは思っていないでしょうが、万が一そのように思い込んでいるとするならば、あなたは完全なる無能であります。
 また、年金時効特例法なども、政府の責任により生じた未払に対して政府は時効を主張しないという、最高裁の判例にもある当然のことを定めただけで、問題の根本解決にはなりません。しかも、この点は民主党が元々主張していたことであります。
 消えた年金問題の存在を承知していながら、ほおかむりをして適切な対応を取らなかったため、問題の深刻さもさることながら、突然にこの問題を分からせる結果となったことによって国民の動揺は更に大きくなりました。この一件だけをもってしても、総理、あなたに総理大臣を続ける資格がないことは明らかであります。また、あなたとともに与党の皆さんも、この消えた年金問題について、年金は消えていないなどとばかげた主張をしています。国民から見て、掛金を払ったのに年金に結び付かないのですから、国民の視点からは消えた年金であることは明らかです。
 あなたや与党の皆さんは、自分のこの大きな失点を隠すために、このような言葉の問題にすり替えようというこそくなことはやめた方がよいでしょう。そして、国民の立場に立って、真の解決策を追求するよう最大限の努力をすることが、いずれ総理あるいは与党の座を明け渡すことになるでしょうあなた方に課せられた、最後に国民に対して誠意を見せる重要な責務なのです。
 二つ目は、いわゆる従軍慰安婦発言であります。
 あなたは御自身の発言が、とりわけ海外において大きな影響を及ぼすことを分かっていたのでしょうか。あなたは、軍隊が直接民家に上がって女性を連行してきたような強制性を裏付ける証拠はないとの発言をしました。このように、殊更に一つの定義を作り上げてまで、一国の総理であるあなたが軍の強制性を否定する発言をする必要がどこにあったのでしょうか。その必要もないあなたの発言が大きな引き金となって、米国議会における決議を促す結果をもたらし、我が国に対する各国の信頼が大きく損なわれました。
 あなたは、四月下旬、決議がなされることを回避させなければならない問題を抱えて訪米しました。このように負の問題を抱えて外交に臨むことは、国益を損なう危険を伴うものであります。実際、あなたの訪米は、きっとあなたにとっては不本意であったのでしょう、従軍慰安婦問題に対する反省の弁から始まりました。そして、米軍移転費用の負担、自衛隊のイラク派遣延長、米国産牛肉の輸入拡大など、日米の外交場面はアメリカが一方的に有利な外交展開となっております。
 あなたの不必要な従軍慰安婦発言は、あなたの人権感覚の欠如を表しただけでなく、外交感覚の乏しさと外交手腕の稚拙さをはっきりと示しました。もはや、あなたには我が国を切り盛りする資格は全くないのです。
 また、私が当院予算委員会で、あなたの発言が我が国の国際信用を大きく損なう結果をもたらすのではないかと指摘した際に、私を日本の歩みをおとしめようとしているのではないかと誹謗しました。自分を批判する人は言わば非国民だと誹謗するあなたには、民主主義を基調とする我が国の総理を務める資格はありません。
 このように、人の意見に耳を傾けず、自分の考えだけ押し通せばよいし、批判する者があれば排除すればよいというあなたの姿勢は、今国会の運営においても、強行採決の連発など随所に示されました。もはや、あなたは議会制民主主義を守るという観点からすると最大の危険人物であります。
 あなたは、いじめ自殺の連鎖や未履修問題など、教育の根幹にかかわる問題が山積しているのに、これらに対する適切な対応策を放置する一方で、責任の所在が不明確で、中央集権の強化などを盛り込んだ教育関連法案を強行採決により成立させました。
 このように、内閣の保身のために他人の立場も考えず、なりふり構わない姿勢は、今国会の会期延長においても示されています。
 参議院議員選挙の投票日が本年七月二十二日と事実上決定され、日本国じゅうがそれに向けて動いていたものを、直前の今になって、会期延長に伴って七月二十九日に変更されてしまいました。このことが、選挙に臨む方々だけでなく、多くの国民に少なからず影響を与えています。開票事務に当たる全国の市区町村職員の中には、夏休みの家族旅行を取りやめにした人々も多くあるのではないでしょうか。選挙事務の変更や投開票会場に充てられる施設の利用の変更など、大きな不便と損失をもたらしました。こうした不便と損失を回避するため、これまで投票予定日の直前変更は避けられ、参議院選挙のある年の会期延長は努めて避けられてきたものであります。
 しかし、総理は、これに意を介さずに会期を延長したのです。その理由たるや、天下り法案の成立のためというものでありますが、この法案がまた実にいい加減なものでありますから問題なのであります。
 あなたはこの法案について、公務員の天下り規制を加えるものと言っております。しかし、現行法上、天下りは二年間という不十分な実態ではあるとしても禁止されているのです。法案は、この禁止を解いて、天下りに一つのルールを設けた上で認めることになっているのです。すなわち、法案は、天下り規制の強化ではなく天下り解禁法案なのです。
 その上、あなたは天下りについて、職員のあっせんを禁止し、天下り者の行為規制を設け、違反者の処罰規定を設けたと説明しています。しかし、法案をつぶさに検討してみますと、職員に禁止されているのはあっせんではなく、命令と依頼でありました。天下り者の行為規制については、二年間だけで以後は自由という、言わば二年経過後の働き掛け奨励法案でした。そして、その処罰規定も、不正行為を行った者だけが処罰され、単なる違反者には何の処罰もないという内容でありました。
 このように、看板に偽りあり、すなわち天下り解禁法案をもって、あたかも天下り抑制の切り札であるかのようなでたらめの説明による法案の審議のため議会無視の会期延長を行った総理には、その資格がないことこの上ありません。このような偽りの天下り規制法案を、審議時間がないことが分かっているのに参議院の審議に上げた総理の考えは、結局は、自らの失政が招いた消えた年金問題などからの国民の目をそらすために仕掛けた目くらまし作戦に出たものと認められます。
 しかし、このような軽薄で卑劣な作戦に国民がだまされることはないでしょう。あなたの築き上げた失政の数々は、到底あなたに総理にとどまることを許すものではありません。国民から厳しい審判の結果を受けることは必至の状況の今、あなたが取るべき唯一の道は……
#37
○議長(扇千景君) 小川君、時間が大分超過しております。簡単に願います。
#38
○小川敏夫君(続) 清く総理の職を辞することでありますが、あなたにはこのことすら理解し決断する力がないようでありますので、ここに、総理、あなたの問責を求め、本問責決議案を提出するものであります。
 本決議案に御賛同いただきますようお願い申し上げまして、趣旨説明を終わります。(拍手)
    ─────────────
#39
○議長(扇千景君) 本決議案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。舛添要一君。
   〔舛添要一君登壇、拍手〕
#40
○舛添要一君 私は、自由民主党、公明党を代表しまして、安倍内閣総理大臣に対する問責決議案に対し、断固反対の討論をいたします。
 まず、冒頭、野党諸君の国会審議に対する無責任な姿勢に厳しく抗議をいたします。
 七月二十九日には参議院半数の議員が任期切れを迎え、改選が決まっております。したがって、今国会の会期もおのずと限界がありますが、この窮屈な日程の中、国民の負託を受けた立法府としてその職責を果たすべく、我々与党は全力を挙げてまいりました。参議院は再考の府であります。衆議院における審議を更に深め、より良い政策を立案することが我が参議院の使命であると確信しております。
 総理、私は総理には日々様々な意見を申し上げてまいりました。参議院議員として、国民のために今何をなすべきかを常に念頭に置き、苦言を呈したこともございます。総理は不快に感じられたことがあったかもしれません。しかしながら、今取り組むべきは、喫緊の課題である年金の時効撤廃、社会保険庁の解体、押し付け的天下りの根絶のための公務員制度改革であり、これらの重要法案を成立させることであります。それゆえに、我々与党は、野党の諸君に協力を要請して法律案の審議促進に全力を傾けてまいりました。この国民の不安と不信を一掃するための法律案の成立を野党の諸君は妨害、阻止する暴挙に出たのであります。選挙を前にした国民向けパフォーマンスと断ぜざるを得ません。猛省を促すものであります。
 私の政治の原点は母親の介護であります。北九州市に住むアルツハイマーの母を七年間にわたって遠距離介護したことが私を政治の道に転身させたのであります。したがって、老後を安心して過ごすことのできる社会をつくること、これが私のライフワークであります。
 これまで介護、医療、年金など福祉の分野に力を注いでまいりましたが、その過程で年金問題の深刻さ、社会保険庁の腐敗に驚愕し、それと格闘してきた六年間であります。社会保険庁を解体する、そして年金未払の時効を撤廃する、こういう今回の法案を一日も早く成立させることが国民の利益にかなうものであります。
 安倍総理は、年金というのは国民の信頼があって初めて成り立つ制度である、国民の皆さんの不安をなくしていくため全力で取り組んでいかなければならない、年金をまじめにこつこつと払ってきた方々の立場に立ってこの問題を解決していかなければならない、去る五月三十日の党首討論でこのような決意を述べておられます。
 このような真摯な態度で問題解決に向け強力なリーダーシップを発揮され、国民のために努力をされている総理を非難し、政争の具としようとしている野党諸君は不謹慎極まりない、国民の皆さんは感じていると確信します。
 昨年九月、安倍総理は、戦後生まれ初の内閣総理大臣に就任されました。そして、早々に、しばらく首脳同士の会談が開かれなかった重要な隣国である中国、韓国を訪問され、互いに未来志向で率直に語り合える信頼関係を構築されました。両国との信頼関係の強化は、アジア地域や国際社会全体にとって極めて大切であり、安倍外交の大いなる成果となりました。さらには、防衛庁を省に昇格させ、国防の責任を明確にし、また、新しい時代の教育理念を確立するため六十年ぶりに教育基本法を改正されました。今国会では、国の姿、形を語る憲法の改正についての議論を深めるべく、その第一歩として憲法改正手続法の成立を見ました。
 いずれも国の根幹にかかわる課題であり、これまで歴代政権が取り組んできた経済重視の針路から、「美しい国、日本」という新しい国づくりに向けた我が国の進むべき道を安倍総理が国民に分かりやすく示されたものであります。
 先ごろ開催されたハイリゲンダム・サミットには、初参加でありましたが、総理は地球温暖化対策の重要性を各国首脳に呼び掛け、自ら取りまとめた美しい星50を発表され、会議を終始リードして、サミットの議論や成果に大きくかかわられました。我が国の環境対策分野における世界最先端の技術は、人類の文明に確実に貢献できるものでありますが、来年開催の洞爺湖サミットの議長として、安倍総理に対する各国の期待は揺るぎないものとなりました。
 就任以来九か月、このように着々と実績を積み重ねられてこられた安倍総理に対し、問責を受ける理由は全く見当たらないのであります。野党決議案は全く筋の通らない理不尽そのものであり、断固否決すべきであります。千万人といえども我行かん、総理のこの気概は必ずや国民に理解され、支持が広がっていくものと確信します。
 我々与党がしっかりと総理を支え、「美しい国、日本」の創生に邁進することを国民の皆さんにお誓い申し上げ、私の討論を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
#41
○議長(扇千景君) 千葉景子君。
   〔千葉景子君登壇、拍手〕
#42
○千葉景子君 民主党・新緑風会の千葉景子です。
 会派を代表して、議題となっている安倍総理大臣の問責決議案に対する賛成の討論をいたします。
 冒頭、戦後の日本を見続け、保守、リベラルの立場で民主主義と護憲、平和を唱えられた宮澤元総理が御逝去されたことに心から哀悼の意を表します。
 私は、平成四年、この壇上で当時の宮澤総理にこのように申し上げたことを思い出します。日本の歴史の上で最も長い政権と言われる足利幕府や徳川政権は第十五代将軍をもって最後となり、そこから新しい時代の幕が開きました。翻って、宮澤内閣といえば、これまた自民党第十五代の政権でございます。宮澤総理、総理も真の豊かさの実現に向けてその基礎づくりに邁進され、それをもって新しい時代にバトンタッチをされることを心から期待します。
 今思えば、若輩の私が失礼を省みず大胆なことを申し上げたわけですが、その後、この発言を受けるかのように政治が大きく転換し、宮澤政権は終わりを告げ、非自民の細川政権が誕生したのでした。
 今、改めて安倍総理に申し上げたい。真の豊かさの実現に向けた基盤づくりどころか、国民の生活を破壊し、将来への不安を増大させ、美しい国との美名の下に身勝手な都合で民主主義を破壊し、国民が築いてきた平和への努力を踏みにじる人は、国のリーダーたり得ず、必ずや国民の厳しい判断が下されるであろうことを申し上げておきたいと思います。私は、真に国民の選択による政権交代が実現するときが近いことを改めて確信いたします。
 以下、安倍総理大臣に対する問責決議案に対する賛成の理由を七点に分けて申し上げます。
 まず一点、統率力の欠如です。
 小泉前総理大臣は、一昨年の郵政解散で、郵政民営化に反対する自民党議員を党から追い出し、同じ選挙区にいわゆる刺客の候補者を立てて政治の場から追い出そうとしました。もちろん、安倍総理も時の官房長官として重要な役割を担いました。
 ところが、安倍総理は、自分が総理大臣になるや、これら自民党を離れた議員たちの復党を認めたため、国民の政治不信を招き、支持率は急速に下落しました。復党問題は、本音のところ、今年夏の参議院選挙に備えて、刺客を送られてもなお勝ち残った選挙に強い造反議員たちの票が目当てであるのは明らかでした。しかも、一事が万事といって、郵政問題ただ一点で衆議院を解散しておきながら、郵政民営化がまだ始まっていないのに、今度は郵政問題だけが国政ではないといって造反議員たちの復党を認める御都合主義に国民はあきれ果てたのです。
 また、様々な官邸機能の強化策を打ち出し、首相補佐官を現行の法律で限度一杯の五人就任させ、それをすべて側近の政治家で固めましたが、これは安倍総理自身の自信のなさの表れにほかなりません。
 チーム安倍はそのスタート直後から主要メンバーのスキャンダルにまみれました。去年十二月十一日に週刊誌が報じた本間政府税制調査会長のスキャンダル、事務所経費疑惑の佐田行政改革担当大臣と松岡農水大臣、いわゆる舌禍事件の久間防衛庁長官と女性は産む機械発言の柳澤厚生労働大臣など、政権末期を思わせるようなスキャンダルが続き、安倍総理の任命責任者としての見識のなさ及び統率力の欠如が浮き彫りになりました。
 二番目はモラルの欠如です。
 今度の国会では、政治と金の問題をめぐって、政治資金の集め方、入りの問題ではなく、その使い方、出の問題が焦点となりました。
 具体的には、政治資金報告書の中の事務所経費の問題です。安倍内閣では、この問題で、今年に入って松岡農水大臣が何とか還元水の使用も含め毎年五百万円を超える光熱水費を計上したことが発覚しました。しかも、松岡大臣が国会で、その内訳を説明することは法律に規定されていないとして説明を拒否したことから大問題に発展しましたが、正に政治家としての道徳以前のモラルが問われる場面でしたが、安倍総理は松岡大臣をかばい続けました。
 また、安倍総理は、この問題に対する世論の逆風を避けようと渋々政治資金規正法の改正に取り掛かりましたが、政治団体の事務所経費は、政治資金管理団体に限り五万円以上の支出について領収書の添付を義務付けるというものです。しかし、領収書の添付は五万円以上というのは規制の目が粗過ぎる上、政治資金管理団体以外の一般の政治団体についてはその義務もなく、新しいざる法を一つ作るにすぎません。
 この問題は、結局松岡大臣が自ら命を絶つという悲劇で表面的には幕が下りましたが、安倍総理が党利党略を優先し、政治家の基本的なモラルをも踏みにじったという事実は、我が国憲政上の大変大きな汚点として残っています。
 次に、あいまいな外交戦略です。
 アメリカがイギリスや日本の強い支持の下、開始したイラク戦争は、フセイン政権を倒し、新政府を誕生させたにもかかわらず、いまだ治安は安定せず、イラクは事実上の内戦状態に突入しています。
 イラク戦争の大義は、元々、フセイン大統領が大量破壊兵器を保持し、使用しようとしているということでしたが、占領後の調査でこれが全くのでたらめだったことが判明し、ブッシュ大統領は内外の強い批判にさらされ、また、イギリスのブレア首相は退任に追い込まれています。
 ところが、小泉政権で幹事長や官房長官などの要職にあり、イラク戦争への協力でもリーダーシップを取った安倍総理は、真実を真正面から受け止めようとせず、今なおあの戦争は正しい戦争だったと強硬に主張し続けています。その上で、イラクに駐留してきた各国の軍隊が今や次々と撤退を始めている中、航空自衛隊の派遣を二年間も延長するためのイラク支援法改正案を強行採決によって成立させました。国際感覚を疑うやり方と言わざるを得ません。
 次に、憲法についてです。
 今年は憲法施行から六十周年。占領下で押し付けられたなど、その制定の経緯について議論はあるものの、主権在民を初めて打ち出し、平和主義を掲げる等、この憲法が戦後の日本の発展に大きく寄与してきたことは疑いのないところです。
 しかし、憲法も人間でいえば還暦を迎え、各方面で憲法改正の論議が活発になっていることもまた事実です。民主党としても、憲法改正の議論をすることにやぶさかではなく、現在、活発な議論を続けています。また、憲法改正のための国民投票法がこれまで制定されていなかったことは我が国の法体系上から見て欠陥とも言え、民主党としても、その実現を目指して平成十七年の国会から与野党間で論議を積み上げてきたところです。
 しかし、安倍総理が今年に入って突然、憲法改正を夏の参議院選挙の争点とすると表明したことによって、こうした与野党の協調関係は崩壊しました。国民投票法の成立が自民党による憲法改正の準備手段として正に政争の具として位置付けられたからです。安倍総理が国民の意思を尊重した憲法改正を目指しているとは到底思えない。単に政権浮揚のためのアドバルーンにしているにすぎないと疑わざるを得ません。民主党としても余りにも拙速過ぎると慎重審議を要求し、当初与党側が目標としていた五月三日の成立は阻止しましたが、その後も与党は数の力で押し切り、五月十一日に委員会採決を行ったのに続いて、五月十四日に本会議採決を行い、法律を強引に成立させました。その上、民主党などの主張に基づき最低投票率制度の検討など十八項目の附帯決議が付けられたことは、いかに法案の内容が拙速で不十分だったかを物語っています。
 憲法改正をめぐって安倍総理の暴走ぶりを典型的に示すのが四月二十五日に設置された集団的自衛権の行使について審議するための有識者会議です。集団的自衛権とは、簡単に言えば日本以外の地域で武力攻撃を受けたアメリカ軍を、攻撃を受けていない自衛隊が実力で守る権利のことです。日本の場合、憲法九条があるためこの権利を行使することは許されないというのが戦後の歴代内閣の一貫した憲法解釈でした。安倍総理は、政府の法の番人である内閣法制局が憲法解釈の変更に慎重な態度を取ることを見越して、解釈の変更に積極的なメンバーが多い有識者会議の答申を利用して力で抑え込んでしまおうという作戦のようですが、これは余りにもこそくであると言わざるを得ません。このように考えると、安倍総理のやっていることは明らかに拙速、囲碁や将棋で言う無理筋であると言えます。
 次に、教育制度の問題です。
 去年の暮れから今年にかけて、いじめ自殺の連鎖や未履修問題など教育の根幹にかかわる問題が次々に起こり、今も学校現場がひどく痛んでいることを改めて私たちは思い知らされました。ところが、こうした中、安倍内閣はこれらの具体的な問題の解決を置き去りにしたまま、昨年の暮れ、しゃにむに教育の憲法と言われる教育基本法の改正に邁進し、強引に成立させました。しかも、全く不完全なものでした。
 さらに、この後、今年に入って安倍政権は改正教育基本法を具体化する教育関連三法の改正に取り組み、改正案をこれまた無理やり成立をさせました。国家百年の計と言われる教育についての大事な法律を参議院選挙への実績づくりという党利党略に基づくこのようなずさんな審議によって成立させたことは、将来への大きな禍根を残すものと言わざるを得ません。
 六番目に、天下りの実質上の解禁です。
 今回の天下り法案、結局、新人材バンクは、これまで省庁が個別に部内でやってきたことを一つの場所に集め、大っぴらに行うだけのことであります。これを新天下りバンクと呼ばずに何と呼べばよいのでしょうか。
 また、消えた年金問題。戦後レジームからの脱却とか美しい国へとか、あいまいなことだけを格好を付けて言っているだけで、国民の生活を顧みない安倍政権の本質が正に明らかになったのが消えた年金問題です。
 今年の二月以来、民主党の追及にもかかわらず、宙に浮いた年金記録が五千万件にも上ることを政府は隠し続けてきました。そして、五月に入って民主党から抜き差しならぬデータを突き付けられて初めて事実を認めたものの、まだ、いたずらに不安をあおってはいけないなどとあいまいな発言を続けてきました。しかも、その後打ち出された対策はいずれも既に我々が示してきた対策を食い逃げ的に取り入れた不完全なものばかりでした。重要なことは、初めから私たちが主張しているように、データをなくした、あるいは宙に浮かせた責任が国にある以上、被害者に受給資格があるかどうかを立証する責任は国にあるということです。こんな単純なことをなぜ認めることができないのでしょうか。
 安倍総理は、参議院選挙をやり過ごせば何とかなると考えて、取りあえず目くらましのような対策を立て続けて打ち出していますが、この問題はそのような一時的なものではありません。歴代の自民党内閣が国民の生活をないがしろにしてきたツケが正に回ってきているのです。
 最後に、民主党は、痛みと不安の中で生活している国民の声なき声に耳を澄まし、その負託にこたえるため、必ずや参議院選挙に勝利し……
#43
○議長(扇千景君) まとめてください。
#44
○千葉景子君(続) 国民の生活が第一を理念とした政治を実現することをここに宣言いたします。
 以上をもちまして、安倍総理大臣の問責決議案に賛成する討論とさせていただきます。(拍手)
#45
○議長(扇千景君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
#46
○議長(扇千景君) これより本決議案の採決をいたします。
 足立信也君外八十二名より、表決は記名投票をもって行われたいとの要求が提出されております。
 現在の出席議員の五分の一以上に達しているものと認めます。
 よって、表決は記名投票をもって行います。本決議案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#47
○議長(扇千景君) 投票漏れはございませんか。──投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#48
○議長(扇千景君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#49
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          二百六票  
  白色票           九十四票  
  青色票           百十二票  
 よって、本決議案は否決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#50
○議長(扇千景君) これにて休憩いたします。
   午後五時五十九分休憩
     ─────・─────
   午後十時五十一分開議
#51
○議長(扇千景君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 日程第四 日本年金機構法案
 日程第五 国民年金事業等の運営の改善のための国民年金法等の一部を改正する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 日程第六 厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付に係る時効の特例等に関する法律案(衆議院提出)
 以上三案を一括して議題といたします。
     ─────・─────
#52
○議長(扇千景君) これより厚生労働委員長の報告を求めるのでありますが、津田弥太郎君外十名から、委員会審査省略要求書を付して、厚生労働委員長鶴保庸介君解任決議案が提出されておりますので、まず、本決議案についてお諮りいたします。
 厚生労働委員長鶴保庸介君解任決議案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、日程に追加してこれを議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#53
○議長(扇千景君) 御異議ないと認めます。
 よって、本決議案を議題といたします。
 まず、発議者の趣旨説明を求めます。柳澤光美君。
    ─────────────
   〔議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔柳澤光美君登壇、拍手〕
#54
○柳澤光美君 民主党・新緑風会の柳澤光美でございます。
 私は、提出会派を代表して、ただいま議題となりました厚生労働委員長鶴保庸介君解任決議案の提案理由を説明させていただきます。
 まず、決議案の案文を朗読します。
  本院は、厚生労働委員長鶴保庸介君を委員長の職より解任する。
   右決議する。
 以下、提案の趣旨を説明いたします。
 厚生労働委員長鶴保庸介君は、多くの国民が不安を感じている消えた年金問題を審議する社会保険庁改革関連法案の審議過程で、理事会開催の動議を無視し、理事会の合意のないままに強行採決を行いました。これは、審議の過程で明らかになった多くの年金問題を覆い隠すための強行採決と言わざるを得ません。選挙を前に議論を続けることは不利と見た政府・与党に大きく肩入れしていることは明らかであり、看過し難い問題であります。
 この法案は、衆議院において強行採決されたため、国民は参議院において、慎重かつ深い議論を期待していました。しかし、厚生労働委員長鶴保庸介君は、国民の期待を裏切り、公正公平な議事運営を怠り、政府・与党に懐柔され、国権の最高機関の委員長としての職責を放棄し、議会政治をおとしめる強行採決を行いました。
 厚生労働委員会においては、いまだ審議不十分な点が数多く残されています。以下、順に説明いたします。
 まず、消えた年金問題であります。
 年金の記録漏れ五千九十五万件が民主党の長妻衆議院議員の質問で明らかになって以降、厚生年金記録千四百三十万件、共済年金記録百八十七万件、船員保険三十六万件の未統合など、次々と新事実が明らかになりました。
 厚生労働委員会における審議では、社会保険庁のうみを出すのに審議時間が取られ、まだまだ法案の核心部分の議論が行われていません。安倍総理は、我々が追及するたびに消えていないという答弁を繰り返しています。しかし、被害者の立場に立てば、実際に給付されるはずの年金が受給できていないのですから、正に消えた年金ではありませんか。
 また、社会保険庁のミスによって受給額が少なく、生活に困窮されている方、そして、納付年数が給付対象の二十五年に届かず、無年金のまま亡くなられた方もおられるでしょう。政府の姿勢がこのまま変わらなければ、国民の目線に立った年金改革など到底不可能であります。
 次に、消えた五千九十五万件の突合作業であります。
 安倍総理は、五月三十日の小沢代表との党首討論で、一年以内で五千万件の突合作業を行うと国民に約束しました。ところが、同日の衆議院厚生労働委員会で柳澤大臣は、年金受給者二千八百八十万人の突合から始めると表現を変化させました。本当に一年以内でできるのか、疑問を持たざるを得ません。
 さらに、政府は、自分で社会保険庁に照会を求める申請主義を改めようとはしていません。裏を返せば、社会保険事務所へ照会を申請しなかった場合、この問題はそのまま放置されることになります。安倍総理が一年後も総理である保証はどこにもありません。単に安倍総理は平然と国民に空手形を切っているだけではありませんか。
 次に、電話相談窓口についてです。
 安倍総理は思い付きで年金相談窓口を開設しましたが、開設初日の二十四時間で問い合わせ件数は四十六万九千件に上り、そのうち対応できたのは一万六千件にすぎず、問い合わせ全体のわずか四%というお粗末極まりない対応でした。これでは、国民の不安を解消するどころか、むしろ国民の不安を増大させているだけです。
 また、サンプル調査問題では、民主党が厚生労働省に再三再四サンプル調査の公表を求めてきました。渋々ではありますが、柳澤厚生労働大臣が国会への提出を約束したものの、その調査報告書の内容が前日の夕刊に掲載されていました。これは厚生労働省の国会軽視であり、厳しく糾弾しなければなりません。
 調査内容は、社会保険庁が手書き台帳から三千九十件を抽出しコンピューター記録と突合するサンプル調査で、当初、入力ミスは四件と委員会に報告されました。余りにも少な過ぎるのではないかと民主党の山井衆議院議員からの指摘を受け、原本の提出に至ったものであります。この原本には、手書き台帳とコンピューター記録が一致しないものが何と百九十三件もありました。厚生労働省の隠ぺい体質そのものであります。
 次に、責任の所在についてであります。
 安倍総理は、社会保険庁の体質が親方日の丸だから改革が必要だとしきりに答弁しています。部下の叱責をするだけでなく、総理御自身がいつ責任を取られるのか、明らかにしていただきたい。民間企業でいえば、即社長交代です。それが、責任を取るどころか、行政の最高責任者である総理大臣が民主党の代表代行にまで責任転嫁を図ろうとしたことには、開いた口がふさがりません。
 また、社会保険庁を特殊法人化することで責任を取ったことにはなりません。今回の法案は単なる看板の掛け替えにすぎません。立法府である国会の監視がこれまでのように行き届かなくなることも大きな問題です。現在は、社会保険庁長官を政府参考人として委員会に招致できますが、日本年金機構に移行すれば、機構の理事長は政府参考人ではなく単なる参考人になってしまいます。つまり、参考人には委員会等への出席義務はなく、出席を拒めば、我々国会議員は追及ができなくなってしまうのです。日本年金機構法案は、立法府の監視を弱め、政府の不都合を隠す意図があるのではと勘ぐりたくなります。
 また、柳澤厚生労働大臣は答弁で、日本年金機構が発足した場合、厚生労働省の年金局に管理監視室を設置する必要があると発言しました。政府が日本年金機構に対する統治能力を確保しようというのでしょうが、それなら元々特殊法人にすべきではありません。この大臣の発言は、正にこの法案の不備を大臣御自身が認めたことにほかなりません。
 次に、被害者救済法案にも問題があります。
 民主党は、社会保険庁の手続に瑕疵があり、国民に何ら瑕疵がないのだから、時効そのものがあり得ないことだと主張してきました。与党の提出の被害者救済法案は、加害者である政府・与党が被害者である国民を救済するという姿勢そのものが誤りであり、その名前が既に国民を愚弄しているとしか言いようがありません。
 この法案は、衆議院でわずか四時間の審議で強行採決されました。政府の不手際のしりぬぐいをするために与党が急遽議員立法の措置をとったものであり、本来、政府は内閣提出法案として出し直すべきです。
 また、安倍総理は、第三者委員会をつくり、そこで領収書以外の証明も認めると答弁していますが、領収書以外で認められたケースは今まで一件しかなく、ほとんどの被害者が門前払いされているのが実情です。そもそも、第三者委員会の委員がどのような法的根拠で選出されるのかも明確ではありません。政府は、総務省設置法で法的に問題ないとしていますが、やはり新たな立法措置が必要だと考えます。
 るる述べてまいりましたが、厚生労働委員会の審議によって社会保険庁のこれまでの怠慢と不誠実な国会対応は明らかになりましたが、消えた年金問題の実態解明と被害者救済の議論は、まだ途に就いたばかりです。しかし、それにもかかわらず、厚生労働委員長鶴保庸介君は、強引に質疑を終局させ、強行採決に踏み切ったのであります。このような運営は、公正中立な議事運営の原則に反し、議会制民主主義への挑戦だと言わざるを得ません。国権の最高機関である立法府の委員長でありながら、その職責を全うせず、行政府の圧力に屈した結果であります。鶴保庸介君は、厚生労働委員長の地位にとどまる資格はありません。
 これが、本解任決議案を提出する理由であります。
 何とぞ、本決議案に対し、良識の府である議員各位の御賛同が得られますようお願い申し上げまして、私の提案理由の説明を終わります。(拍手)
    ─────────────
#55
○議長(扇千景君) 本決議案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。浮島とも子君。
   〔浮島とも子君登壇、拍手〕
#56
○浮島とも子君 公明党の浮島とも子です。
 討論に先立ちまして、昨日お亡くなりになられました宮澤元総理に、心よりお悔やみを申し上げます。
 私は、自由民主党、公明党を代表して、ただいま議題となりました鶴保庸介厚生労働委員長の解任決議案は、論旨不明確であり全く理解に苦しむものと考え、断固反対の討論を行うものであります。
 三年前、年金制度改革が行われ、その過程で発覚した社会保険庁の様々な不祥事、そして、それを生み出してきた体質を変革すべく今国会に社会保険庁改革関連法案が提出されました。新たに年金記録問題が発覚し、社会保険庁の体質が問題となっている今、このような問題を生み出す社会保険庁の解体、改革は、再発防止のため、待ったなしの状況にあります。そして、年金記録問題を受け、会計法に規定された時効を撤廃し、正しい年金額を速やかに全額お支払いするための年金時効撤廃特例法案が提出されました。この社会保険庁改革関連三法案により、国民の不安を一掃し、年金記録問題の解決、そして再発防止への道筋を付けることができると私ども与党は確信いたします。
 そもそも、年金の問題に関して与党も野党もありません。すべて国民のために何がベストか、国民の不安をあおることではなく、議論をすることが重要であります。その場が厚生労働委員会にほかなりません。今日まで、鶴保委員長の公正中立な委員会運営によって衆議院を上回る十分な審議が行われたにもかかわらず、このような理不尽な委員長解任決議案が提出されたことは、全く不適当、不見識であり、言語道断であります。
 鶴保委員長は、平成十年の参議院選挙での当選以来、幅広い分野に関心を持たれ、広く国民の目線に立った議員活動に励んでこられました。長幼の序を重んじられ、礼儀正しいそのお人柄は、与野党を問わず信頼されてきたことは改めて言うまでもありません。厚生労働委員長に就任以来、委員長としてその職に誠心誠意務められ、公正中立、良識の府参議院らしい委員会運営に努めてこられました。委員長としては非の打ちどころのない人物であり、六月五日以降の社会保険庁改革関連三法案の審議においても、国民の注視の中、その声を幅広く聴取することで、より良く充実した審議にする努力を絶え間なくされてこられました。その御苦労と国民の方向を向いた姿勢に心から敬意を表したいと思います。特に、野党に配慮した運営を心掛けてこられたのは、私が改めて言うまでもなく、むしろ野党の皆様の方がよくお分かりのことと思います。
 参議院の委員会での審議時間は四十八時間余りに達し、衆議院の約三十九時間を大幅に超える審議を行いました。委員会の質疑に加えて、与野党合意の下、参考人意見聴取を二回、視察を一回行いました。また、テレビ中継により、国民の皆様に審議状況を公開するなど、鶴保委員長の国民の目線に立った委員会運営により、充実した審議が展開されてまいりました。
 以上のように、丁寧に時間を掛けて慎重審議を行った上で、会期末が迫る中、昨日、委員長は法案採決について委員会に諮りました。野党側は採決を拒否し、委員長を取り囲み、妨害いたしましたが、議会制民主主義における多数決ルールに基づき委員長が法案の採決に踏み切られたのは、委員長としての職責を全うされた全く非のない適切な判断であると考えます。
 社会保険庁改革関連法案、年金時効撤廃特例法案の成立は、国民の多くが強く望むものであり、それによって一刻も早く年金記録問題を解決し、再発防止に道筋を付けなければなりません。
 今後とも、安倍総理のリーダーシップの下、政府、与党一体となって、国民の不安を解消すべく、年金記録問題の解決、社会保険庁改革実現に邁進する決意であります。鶴保委員長には、引き続き高い識見と豊富な経験を生かしていただき、公正中立な委員長としての指導力を遺憾なく発揮し、諸問題の解決に取り組んでいただかなくてはなりません。
 以上、委員長の解任決議案に強く反対の意見を表明し、私の反対討論といたします。(拍手)
#57
○議長(扇千景君) 島田智哉子君。
   〔島田智哉子君登壇、拍手〕
#58
○島田智哉子君 民主党・新緑風会の島田智哉子でございます。
 冒頭、昨日お亡くなりになられました宮澤元総理の御冥福をお祈り申し上げます。
 私は、民主党・新緑風会を代表して、厚生労働委員長鶴保庸介君の解任決議案について賛成の討論を行います。
 社会保険庁のあのうそつきには本当にもうほとほと、怒りだけです。私たちが払ったのにデータがないって、もうこんなばかなことはないです。国を信じて払いましたのでデータを戻してください。鶴保委員長、よもやお忘れではございませんよね、六月八日、厚生労働委員会に参考人としてお越しいただきました、消えた年金の被害者の方の悲痛な訴えを。今の言葉だけではございません。この際きちっと年金をしないと、国民は年金に対しての不信感がますます募って、若い人たちは年金というものに関心を持たなくなるのではないかと、それが一番心配ですと。自ら国を信じ、しかし裏切られ、悲しく切ない、途方に暮れている被害者が、それでもなお最後には年金制度や若い人たちへの思いやりの言葉を残していただいた、あの参考人の姿、鶴保委員長はどのように受け止められたのでしょうか。
 こうした被害者の苦しみを心に染み込ませ、一刻も早く安心して信頼していただけるように年金記録の問題の全容の解明、被害者の補償策に心血を注ぐことこそが私たち国会議員の使命ではないのでしょうか。こうした多くの国民を苦しめている現状の解決策もいまだ明らかにされていないにもかかわらず、採決が強行されたことに憤りを感じざるを得ません。
 消えた年金問題は、年金の記録漏れ五千九十五万件が発覚して以降、次々と新しい問題が明らかになる未曾有の大混乱を招きました。さらに、厚生年金の記録が千四百三十万件、船員保険記録が三十六万件、共済年金が百八十七万件の統合漏れが明らかになり、国民は数字の感覚に麻痺してしまうほど膨大な数です。法案の審議を行おうにも、委員会審議のたびに新たな問題が次々と浮かび上がり、法案そのものの審議にまで及びませんでした。
 そもそも、政府がこの法案を提出した時点で、消えた年金という問題は明らかになっていませんでした。消えた年金問題がこれほど国民に不安を与えている状況を見ましても、いったん法案を取り下げて、まず被害がどれほどあるのかを明らかにすることが政府にとって必要であり、委員長としても問題の重要性をもっと認識する必要があったのではないでしょうか。
 さらに、サンプル調査の問題では、民主党が厚生労働省に再三再四サンプル調査の公表を求め、柳澤厚生労働大臣が提出を約束したものの、調査報告書の内容が前日の夕刊に掲載されてしまいました。これは厚生労働省の国会軽視であり、断固として許し難き行為です。また、前日に調査報告書が作成されているにもかかわらず、当日の朝まで報告書を提出しなかったことは、野党の厳しい追及をかわすねらいが明々白々であり、実態の全容解明をしようとする気概が全く感じられません。
 さらに、調査内容は、社会保険庁が手書き台帳から三千九十件を抽出し、コンピューター記録と突合するサンプル調査で、当初、入力ミスは四件と委員会に報告しましたが、余りにも少な過ぎるのではないかとの民主党の指摘を受け、原本の提出に至り、当初の数が次第に拡大する始末でした。
 また、昨日の委員会で我が党の足立理事より、全国五十五か所の年金相談センターについて、例えば明日、あさっての土曜、日曜に開かれるのはわずかに一か所しかないことの指摘がありました。それに対して社会保険庁は、ほかのビルを借りているので土、日は開けない、社会保険事務所が開いているからなどと相変わらずの言い訳を繰り返しておりましたが、国民は今相談をしたいんです。不安を払拭したいんです。これだけ国民が不安を強く持つ中で、社会保険庁はその実態すら把握していなかったではありませんか。本当に心から国民の不安を払拭しようとする気があるのでしょうか。
 鶴保委員長は、昨日、十分な審議を行ったと認めますとおっしゃいました。しかし、私どもは、再三にわたり具体的な課題を示し、徹底審議を求めてまいりました。
 一つには、総務省に設置される年金記録問題検証委員会、そして年金記録確認第三者委員会、この大変重要な役割を担うそれぞれの委員会について社会保険庁、総務省の考えをただすための総務委員会との連合審査、また、これだけ国民の関心の高い重要広範議案でありながら、地方公聴会は一度も開催されることはありませんでした。
 さらには、台帳が保管されているとされる民間の倉庫、私は月曜日に、火曜日には津田理事、小池委員、福島委員が現地へ視察に参りましたが、与党議員が参加していないことを理由に社会保険庁より拒否をされ、実現しませんでした。国民の安心につながるかもしれないその台帳の保管状況、この視察を何としても実現しなければならない、そのことを強く求めてまいりました。しかし、それをすべてないがしろにし、それでも本当に十分な審議が行われたと思われたのでしょうか。審議のたびに、各委員の質問に対して繰り返されるごまかし、ごまかしの厚生労働省、社会保険庁の答弁をどのようにお聞きになられていたのでしょうか。
 私も国会議員になりまして三年近くが経過いたしましたが、これほどまでにうその説明を繰り返し、誠意のかけらも感じられない委員会審議は初めての経験です。このような中で、法案審議を途中で打ち切った鶴保厚生労働委員長の責任は重大であり、採決を強行したことは公平公正な立場にある委員長としてあるまじき行為であると言わざるを得ません。
 私ども民主党は、冒頭に申し上げたあの参考人の言葉を忘れることなく、消えた年金問題の全容の解明と被害者の補償に全力を尽くし、国民が安心をし、信頼をいただける年金制度の確立に向けて全力で取り組む決意であることを申し上げ、私の賛成の討論といたします。(拍手)
#59
○議長(扇千景君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
#60
○議長(扇千景君) これより本決議案の採決をいたします。
 足立信也君外八十三名より、表決は記名投票をもって行われたいとの要求が提出されております。
 現在の出席議員の五分の一以上に達しているものと認めます。
 よって、表決は記名投票をもって行います。本決議案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#61
○議長(扇千景君) 投票漏れはございませんか。──投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#62
○議長(扇千景君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#63
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百十八票  
  白色票           九十六票  
  青色票          百二十二票  
 よって、本決議案は否決されました。(拍手)
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   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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#64
○議長(扇千景君) 本日はこれにて延会することとし、次会は明三十日午前零時十分より開会いたします。
 これにて延会いたします。
   午後十一時三十八分延会
ソース: 国立国会図書館
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