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2007/03/15 第166回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第166回国会 本会議 第13号
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2007/03/15 第166回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第166回国会 本会議 第13号

#1
第166回国会 本会議 第13号
平成十九年三月十五日(木曜日)
    ―――――――――――――
  平成十九年三月十五日
    午後一時 本会議
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 児童手当法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑
    午後一時三分開議
#2
○議長(河野洋平君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 児童手当法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明
#3
○議長(河野洋平君) この際、内閣提出、児童手当法の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。厚生労働大臣柳澤伯夫君。
    〔国務大臣柳澤伯夫君登壇〕
#4
○国務大臣(柳澤伯夫君) 児童手当法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 我が国における急速な少子化の進行等を踏まえ、総合的な少子化対策を推進する一環として、子育てを行う家庭を経済的に支援することが喫緊の課題となっております。
 このため、三歳に満たない児童に係る児童手当等の額を引き上げることにより、これらの児童の子育てを行う家庭の経済的負担の軽減等を図ることとし、この法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の主な内容について御説明申し上げます。
 三歳に満たない児童に係る児童手当及び附則第六条第一項の特例給付の額を、一月につき、一万円に三歳に満たない児童の数を乗じて得た額に引き上げることとしております。
 なお、この法律は、平成十九年四月一日から施行することとしております。
 以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)
     ――――◇―――――
 児童手当法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
#5
○議長(河野洋平君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。高井美穂君。
    〔高井美穂君登壇〕
#6
○高井美穂君 民主党の高井美穂です。
 私は、民主党・無所属クラブを代表して、児童手当法の一部を改正する法律案について質問をいたします。(拍手)
 質問に先立ちまして、国民生活に直結する重要な予算、法案審議において、数の力に物を言わせた強引な国会運営を推し進める与党に対し、強く抗議を申し上げます。
 しかも、きのうの夕方、与野党国対委員長会談が開かれ、委員長職権を濫用するような強引な国会運営は行わないことと合意したはずですが、その直後、憲法調査特別委員会において、またしても委員長職権による日程設定が行われ、公聴会開催が強行採決されました。まさに舌の根も乾かないうちにとはこのことではないでしょうか。
 子供は大人を見て育ちます。子供の教育にも、力でねじ伏せるという与党の姿勢は大変有害であります。数の力に物を言わせた強引な国会運営は即刻やめていただきますように、改めて強く申し上げたいと思います。(拍手)
 それでは、質問に入ります。
 子供を産むか産まないかというのは、もちろんそれぞれ人の自由です。子供を欲しいと思わない人もいるでしょう。また、子供を産みたくても体の事情などで産めない人もいます。少子化の問題を考える上では、こういった背景をきちんと考えながら、それぞれの人の多様なあり方を尊重する必要があります。くれぐれも、産めよふやせよで、子供を持つことのできない人を追いつめてはなりません。子育て世代を経済的、物理的そして精神的に追いつめる社会というのは、子供たちを大切にできない社会であると言えます。そのしわ寄せは必ず、大人に頼って生きる子供たちに向かうからであります。
 だからこそ、柳澤厚生労働大臣のおっしゃる、女性だけが産む機械として一人頭で頑張れとは余りにもひどいと思うのです。私自身、母親として悩んでばかりの日々でありますが、周りに助けられて何とか仕事と育児をしております。多くの女性は、子を持つ人も持たぬ人もそれぞれに違う悩みを持ち、頑張っていると思います。
 柳澤大臣に謝っていただく必要はありませんので、どうぞ、そもそも何のために少子化対策をするのかという基本的な認識をきちんとお答えください。
 また、熊本市の慈恵病院で計画され、議論を呼んでいる「こうのとりのゆりかご」、通称赤ちゃんポストについて、高市少子化担当大臣も柳澤厚労大臣も否定的な見解を述べられたと聞いておりますが、私は、こういう問題も常に女性だけが背負い、責められ、赤ちゃんの父親であるはずの男性の姿はどこにもないというのは、極めて残念であります。
 母子家庭の子育ては大変な苦労です。児童扶養手当も切り下げられ、生活保護の母子加算も切られていく中で、女性だけに子育ての責任をかぶせることをやめて、社会全体で子供を育てるという視点に立っていただきたいと切に願います。「こうのとりのゆりかご」、通称赤ちゃんポストを今後どう取り扱うのか、お考えがあれば、高市大臣、柳澤大臣にお聞きいたします。(拍手)
 民主党は、これまでチルドレンファースト、子供第一を理念に掲げて、未来世代を応援する政策づくりに取り組んできました。子育て世帯の経済的負担を軽減するとともに、子供が育つための基礎的な費用を保障するために、月々二万六千円の子ども手当制度の提案をしています。その額は、子供一人一人の育ちを支援するという立場から、第一子、第二子、第三子と分けずにすべての子供たちに同額で、義務教育終了時まで支給します。
 子供たちが生き生きと育っていける社会の実現には、さまざまな形や角度での支援が必要です。経済的な支援はもちろんのこと、仕事と家庭生活を両立させるための具体策、働き方の見直しやそのための産業界の協力、教育、保育を充実させる政策など、個々のニーズにきめ細かく対応できるよう総合的に打ち出していく必要があると思います。
 その認識に立った上で、政府案について質問いたします。
 政府は、児童手当の拡充を少子化対策として位置づけているようですが、月一万円の児童手当の支給が本当に出生率の上昇につながると思われますか。金額を五千円から一万円に引き上げることによって、どのような効果が期待できると柳澤大臣はお考えでしょうか。
 子供を安心して育てるためには、さきに申し上げたさまざまな子育て支援策が求められています。それらが不十分なままで経済的支援だけを進めても、十分な効果があるとは到底思えません。少子化を克服した国々では、子供への手当はかなり手厚くなっています。
 国の予算を見るとその国が何を最も大事にしているかがわかりますが、我が国は、子供に割かれる予算が余りにも少ないのが現状です。二〇〇四年の社会保障給付費における高齢者関係給付費と児童・家庭関係給付費は、高齢者が約六十兆七千億円に対して、子供は約三兆一千億であり、割合でいくと約二十対一となっています。
 民主党は、子供という国の宝をはぐくんでくれる家庭を社会が総力を挙げて支援するという姿勢を政治が打ち出す必要があると考え、かねてから申し上げているとおり、政権をとれば、子ども家庭省を創設し、手当の大幅増額をするつもりでおります。最近では自民党の中にも賛同者がいらっしゃるようで、うれしい限りではございますが、高市大臣にもぜひ賛同していただきたいと思います。少な過ぎる今の子供関係の予算を今後ふやしていくつもりはあるのかどうか、高市大臣にお伺いをします。
 そもそも、子育て家庭への支援とは、妊娠から出産を経て学校を卒業するまで、ライフサイクル全体を見据えたものでなければなりません。しかし、児童手当に関する制度は、ここ数年でも支給対象などが何度も変更されています。それぞれの改正が不十分だから何度も改正しなければならない状況に陥っているのでしょう。
 今回の改正は、昨年の少子化社会対策会議の決定を受けたものですが、明確な方針のもとに改正が行われているとは信じがたい状態です。今回の改正でも明らかに不十分だと思いますが、政府は、これで十分と考えているのでしょうか。今後、この児童手当を我々が主張するように抜本的に変えていくつもりがあるのか、柳澤大臣にお聞きします。
 制度とともに一貫性が見られないのが児童手当の財源です。国負担分については、中高年の離職者対策として積み立てた緊急雇用創出特別基金の余剰金を活用することなどで捻出するとされています。しかし、基金の余剰金は二〇〇八年度に国庫に返納する予定であり、それを児童手当の財源として流用することについては、その根拠が不明確であり問題です。
 また、地方負担分には地方交付税の上乗せを行う方針のようですが、こうした財源の措置は、平成十九年度に限った措置とされる予定であり、恒久的な財源確保、措置がなされるとは言えず、場当たり的でその場しのぎの対策ではないでしょうか。政府は、平成二十年度以降の財源についてどのようにするおつもりでしょうか。尾身財務大臣にお伺いします。
 児童手当の金額の根拠について伺います。
 今回の法改正では、ゼロ歳以上三歳未満の第一子、第二子の児童の養育者に対して給付する児童手当を月額五千円から一万円とするという内容です。毎月給付する金額が一万円となるわけですが、なぜ一万円なのでしょうか。実際に子供を育てるためにかかる費用が月々この程度とお考えなのでしょうか。一万円となった根拠を柳澤大臣にお聞きします。
 今回の法改正で増額となった第一子、第二子の分についても、三歳になると、また以前のように一万円から五千円に減額される、もとに戻されるということになります。制度全体についての将来ビジョンが全く見えません。政府は、児童手当について幾らが望ましく、何歳まで必要だと考えているのでしょうか。政府の考える児童手当の将来像について、柳澤大臣に伺います。
 子供を持つ家庭にとって、特に教育費は大きな負担になっています。出産費用や保育料など子育て初期の費用にばかり目が行きがちですが、成長の過程に見合った経済的な支援が必要です。
 今回の改正では、増額分はゼロ歳以上三歳未満の第一子、第二子の児童のみを対象としています。乳幼児期での経済的な支援は少し上がったということになりますが、教育の経済的な負担が大きいのは小学校、中学校に通うころでありまして、その年齢をも対象とすべきと考えます。
 諸外国でも、同様の手当が支給される対象は広く、例えば、フランスでは二十歳未満、ドイツでは十八歳未満、イギリスやスウェーデンでも十六歳未満の児童を対象に支給されています。我々の考えのように、手当を義務教育終了までとするつもりはないでしょうか。高市大臣にお尋ねします。
 子供は社会を映す鏡です。子供に起きている問題や事件は、大人の社会のゆがみのあらわれであります。学校が、地域社会が、企業が、行政が、そして我々一人一人が、未来の世代をはぐくむ力を問われているのです。政治の果たすべき役割は重大です。民主党はチルドレンファーストの社会実現を目指すことを誓って、質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣柳澤伯夫君登壇〕
#7
○国務大臣(柳澤伯夫君) 高井議員にお答え申し上げます。
 まず最初に、少子化対策の目的、何のためにするのかということについて、お尋ねがありました。
 我が国の少子化の現状につきましては、多くの国民が、結婚をしたい、子供を産みたいと希望しているにもかかわらず、その希望がかなえられず、結果として少子化が進んでしまっているものと考えております。
 その一方で、急速な少子化の進行は、労働力人口や社会保障制度の支え手の減少などをもたらし、私たちが安心して暮らしていくための基盤となる我が国の社会経済システムに大きな影響を与えることを考えますとき、国民が希望する結婚や出産、子育てを実現できる環境を整備し、希望と現実の乖離をできるだけ小さくする政策努力、こういうことを重ねることが重要であると考えております。
 次に、熊本市の病院が設置を予定している、いわゆる「こうのとりのゆりかご」についてお尋ねがありました。
 この施設の設置については、賛否両論さまざまな意見があり、非常に難しい問題でありますが、やはり保護者が子供を置き去りにする行為はあってはならない行為であると考えています。
 しかしながら、今回の病院の申請は、熊本市からの説明を聞く限り、医療法上の構造設備基準を満たしており、また、今回の施設の設置が直ちに関係法律に違反しているとまでは言い切れないことから、医療法上の許可をしないこととする合理的な理由はないものと考えます。
 いずれにいたしましても、この問題は非常に悩ましい問題であり、慎重の上にも慎重にその推移を見守ってまいりたい、このように考えております。
 今回の児童手当の拡充の効果についてお尋ねがありました。
 今回の改正案は、乳幼児に係る児童手当の拡充を図ることにより、若い子育て世帯等の経済的負担の軽減につながるものと考えております。
 なお、子育てに関する負担は、経済的なものだけではなく、仕事と子育ての両立が難しいことや育児の不安など、さまざまな要因が考えられ、児童手当だけを取り出して施策の評価を行うことは難しいと考えます。
 今回の改正案の評価についてのお尋ねがありました。
 政府といたしましては、これまで必要な財源を確保した上で支給対象児童の拡充を図ってきたところでありまして、これによりまして、約千三百万人の児童が既に対象となっています。
 今回の児童手当の乳幼児加算の創設も、大変厳しい財政状況等の中で、事業主負担及び公費負担について必要な財源を確保し、政府としては最大限の措置を講じたものと考えております。
 児童手当の月額一万円の根拠についてお尋ねがありました。
 今回の改正案におきましては、三歳未満の乳幼児を養育する親は、一般的に言えば、年齢が若く所得水準も相対的に低い場合が多い、こういうことを踏まえまして、第一子、第二子の児童手当の支給月額を現行の第三子以降の手当額と同額の一万円に引き上げ、一律、一子、二子、三子、一万円にすることといたしたものでございます。
 児童手当の将来像についてお尋ねがありました。
 今回の児童手当の拡充は、大変厳しい財政状況の中で、政府として、先ほども申したように、最大限の措置を講じたものでございます。
 子育てに関する負担は、経済的なものだけでなく、さまざまな要因が考えられ、児童手当などの経済的支援のみならず、地域の子育て支援策の拡充や働き方にかかわる施策などを含めた総合的な取り組みを国、地方、企業等が一体となって進める必要があると考えます。
 このような観点を踏まえまして、「子どもと家族を応援する日本」重点戦略会議におきまして今後議論を行い、制度、政策、意識改革など、あらゆる観点からの効果的な対策の再構築、実行を図っていく所存でございます。
 以上でございます。(拍手)
    〔国務大臣尾身幸次君登壇〕
#8
○国務大臣(尾身幸次君) 高井議員の御質問にお答えいたします。
 児童手当の財源についてお尋ねがありました。
 今回の児童手当の拡充に伴い必要となる財源については、平成十九年度に緊急雇用創出特別基金から国庫への返納を前倒しすることで所要の財源を捻出することとしております。
 平成二十年度以降の財源については、与党税制改正大綱において「少子化対策のための国・地方を通じて必要な財源の確保について、税制の抜本的・一体的改革の中で検討する。」とされていることを踏まえ、適切に対応することとしております。(拍手)
    〔国務大臣高市早苗君登壇〕
#9
○国務大臣(高市早苗君) 高井美穂議員から私には、まず、「こうのとりのゆりかご」、いわゆる赤ちゃんポストについてのお尋ねがございました。
 厚生労働省の見解につきましては、先ほど柳澤大臣が発言をされたとおりでございます。
 私のところにもさまざまな御意見が今寄せられております。例えば、児童福祉法に定められた保護者の責任の観点でどう考えていくかということ、それから新しい生命を授かるという非常にとうといことに関する認識、こういった問題、それから匿名の行為によって子供の出自、これが不明になるという問題をどう考えるか、そしてまた、いわゆる赤ちゃんポストの設置の状況ですとか、対応の仕方によっては、これも場合によりですが、児童虐待防止法ですとか刑法との問題、かかわりというもの、これをどう考えていくか、さまざまな問題点の指摘もあり、一方で望む声も寄せられているというのが現状でございます。非常に難しい問題だと考えます。
 私にできることなんですが、まず一つは、親の育児不安への対応といたしまして、現在、児童相談所等において対応をしていただいておりますので、私の考えを申し上げますと、まずは児童相談所に相談をしていただきたい。ただ、その対応が不十分だといったお声がありましたら、これをどんどん改善に向けて政府は動いていかなきゃいけないと思いますので、また御意見を伺いたいと思っております。
 そして、今の少子化担当大臣として私ができることでございますが、中絶や養育放棄によりまして新しい生命が失われることのないように、子供を安心して産み、育てやすい社会の実現に向けて最善の努力を図ってまいりたいと思っております。
 ちょっと視力が悪くて、高井議員の席を間違えました。ごめんなさい。
 それから、少子化社会対策関係予算の充実、この必要性につきましてのお尋ねがございました。
 平成十九年度の少子化社会対策関係予算案では、総額一兆七千六十四億円と、前年度比で一二・三%増となっております。非常に厳しい財政状況の中で、少子化対策についてはできる限りの対策を盛り込むことができたと考えております。
 しかしながら、現状では、結婚したいけれどもできない、子供を産みたいけれどもちゅうちょするという状況が存在しておりますので、今後、改めて、国民の結婚や出産に関する希望を実現するために何が必要であるかということに焦点を当てて、効果的な対策の再構築、実行を図っていきたいと思っております。先ほども答弁にありました「子どもと家族を応援する日本」重点戦略、これを策定してまいります。
 それから、児童手当のさらなる充実についてのお尋ねがございました。
 平成十九年度予算案において児童手当の加算対象を三歳未満児に限定したのは、三歳未満の乳幼児を養育する親は一般的に年齢が若く、また所得水準も相対的には低い場合が多い、だから、こうした子育て家庭の経済的負担を特に軽減する必要があると考えたからでございます。
 また、児童手当の支給対象年齢でございますが、これまで小学校三学年修了前まででございましたが、平成十八年四月から小学校六学年修了前までに引き上げられたところでございます。
 子育てに関する負担というのは、経済的なものだけではなく、さまざまな要因が考えられますので、児童手当などの経済的支援のみならず、地域の子育て支援の拡充、それから、国民みんなで応援していくという意識の改革、働き方の改革などを含めて、総合的な取り組みを進めてまいります。(拍手)
#10
○議長(河野洋平君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#11
○議長(河野洋平君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時二十九分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
       財務大臣   尾身 幸次君
       厚生労働大臣 柳澤 伯夫君
       国務大臣   高市 早苗君
 出席副大臣
       厚生労働副大臣 武見 敬三君
ソース: 国立国会図書館
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