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2007/06/14 第166回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第166回国会 本会議 第43号
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2007/06/14 第166回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第166回国会 本会議 第43号

#1
第166回国会 本会議 第43号
平成十九年六月十四日(木曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第三十六号
  平成十九年六月十四日
    午後一時開議
 第一 特定機器に係る適合性評価の欧州共同体及びシンガポール共和国との相互承認の実施に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 第二 政治資金規正法の一部を改正する法律案(東順治君外五名提出)
 第三 道路交通法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 日程第一 特定機器に係る適合性評価の欧州共同体及びシンガポール共和国との相互承認の実施に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第二 政治資金規正法の一部を改正する法律案(東順治君外五名提出)
 日程第三 道路交通法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
    午後一時三分開議
#2
○議長(河野洋平君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 日程第一 特定機器に係る適合性評価の欧州共同体及びシンガポール共和国との相互承認の実施に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
#3
○議長(河野洋平君) 日程第一、特定機器に係る適合性評価の欧州共同体及びシンガポール共和国との相互承認の実施に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。総務委員長佐藤勉君。
    ―――――――――――――
 特定機器に係る適合性評価の欧州共同体及びシンガポール共和国との相互承認の実施に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔佐藤勉君登壇〕
#4
○佐藤勉君 ただいま議題となりました法律案につきまして、総務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、適合性評価手続の結果の相互承認に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の適確な実施を確保するとともに、将来締結する相互承認協定についても迅速に対応できることとする等の国内法の整備を行うものであります。
 本案は、参議院先議に係るもので、去る六月六日本委員会に付託され、翌七日菅総務大臣から提案理由の説明を聴取し、十二日質疑を行い、採決の結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 なお、本案に対し附帯決議が付されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#5
○議長(河野洋平君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第二 政治資金規正法の一部を改正する法律案(東順治君外五名提出)
#7
○議長(河野洋平君) 日程第二、政治資金規正法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員長今井宏君。
    ―――――――――――――
 政治資金規正法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔今井宏君登壇〕
#8
○今井宏君 ただいま議題となりました法律案につきまして、政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、資金管理団体の政治資金の使途に関し国民の信頼を確保するため、不動産の取得等を制限するとともに、人件費以外の経常経費の支出について収支報告書への明細の記載及び領収書等の写しの添付を義務づけようとするものであります。
 本案は、去る六月四日本委員会に付託され、五日提出者東順治君から提案理由の説明を聴取いたしました。八日民主党・無所属クラブより修正案が提出され、趣旨の説明を聴取した後、本案及び修正案を一括議題とし、質疑に入りました。昨十三日質疑を終局し、討論の後、採決の結果、修正案は賛成少数をもって否決され、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#9
○議長(河野洋平君) 本案に対しては、岡田克也君外四名から、成規により修正案が提出されております。
 この際、修正案の趣旨弁明を許します。武正公一君。
    ―――――――――――――
 政治資金規正法の一部を改正する法律案に対する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔武正公一君登壇〕
#10
○武正公一君 ただいま議題となりました民主党・無所属クラブ提出の政治資金規正法の一部を改正する法律案に対する修正案について、提出者を代表して、趣旨説明をいたします。(拍手)
 今日、私たち政治家が取り組むべき喫緊の課題は、国民の政治不信を解消することです。そのためには、与野党の垣根を越えて、立法府である国会として政治と金の問題に取り組み、国民の疑念を払拭し、信頼を回復する措置を講ずることが求められています。そうした考えから、昭和六十年の政治倫理綱領も国会として決めたところであります。
 今国会は、佐田前大臣の辞任に始まる事務所費問題に端を発しました。松岡前大臣、伊吹大臣と巨額の事務所費が計上されていることは、国会議員であるとともに行政府の責任者である大臣として説明責任が求められましたが、それは結局果たされませんでした。極めて遺憾であります。法律には不遡及原則がありますので、法律を厳しくすることと説明責任を果たすことは車の両輪であると考えるからです。
 そこで、私たちは、与党よりも約三カ月早い三月六日、民主党としての政治資金規正法の改正案を取りまとめ、国会に提出いたしました。領収書添付を一万円を超えるものとし、対象はすべての政治団体にという骨子であります。
 しかし、先月三十日に提出された与党案は、規制の対象が資金管理団体に限られること、不動産以外の株式等については取得等の制限を設けていないこと、収支報告書への支出明細の記載や領収書等の添付を義務づける支出の基準額が五万円以上とされていることといった抜け穴だらけのざる法であります。
 そもそも、昭和五十五年に、添付義務の領収書の額を一万円から五万円にする政治資金規正法改正案に、与党である公明党は当時反対をしたのではありませんか。
 きのう、一円からの領収書を保管し、税務署の立入検査を受ける立場のある事業者からは、じゃ、私たちは五万円以上の領収書でいいんですかと私は言われました。政府、総務省には政治家の事務所への立入調査権限はありません。政治活動の自由を保障するためと考えます。であるからこそ、政治資金規正法一条、二条にある国民の不断の監視と批判のもと、そして判断は国民にゆだねるため、より一層の情報開示を、みずから説明責任を果たすとともに、法的にも義務づけられなくてはなりません。
 民主党は、与党案に対する修正案を倫理選挙特別委員会に提出するとともに、与野党で合意して政治資金規正法を改正すべく、今月六日、岡田克也民主党政治改革推進本部長が、石原伸晃自民党党改革実行本部長、東順治公明党政治改革本部長に文書で修正協議を呼びかけました。
 石原、東の両氏からは、修正協議については委員会の現場に任せたいとの回答であったため、民主党は、少しでも合意の可能性が高まるよう、五万円以上という与党案をのみ、政治家関連の政治団体に対象を限定するところまでおりて、十一日の筆頭間協議に臨みました。結局、協議は不調に終わり、十二日、岡田克也民主党政治改革推進本部長は石原、東両氏に対し、再度、政党間の修正協議を呼びかけました。
 しかし、与党は最初から最後まで、民主党の提案を真摯に検討するでもなければ、与野党合意に向けてみずからの提案を行うでもありませんでした。与党案は、経常経費を他の政治団体につけかえること、政治資金の受け入れを資金管理団体から他の政治団体に移すことが可能とされます。結局、与党は全く歩み寄らず、こうしたざる法をざる法のままとすることを選んだのであります。与党側には、政治資金の透明化を求める国民の声に一切耳を傾ける気などなかったということであります。
 そして昨日、事実上たった二日間の委員会審議の後、与党は審議を突如打ち切り、採決を行うという暴挙に出たのであります。今国会十一回目の強行採決であります。委員長職権で立てられた委員会は五十回近くに上ります。本会議も六回が強行で開会がされております。今回も、指摘されるように、与党国対の頭越しに官邸の指示があったとすれば、こうした事態を許すことはできません。何でも国会の運びに首相官邸が口を挟むこと、これを私は何でも官邸団と名づけました。
 事務所費問題に端を発した政治資金規正法改正は、立法府である国会としての責任と権威が問われる課題であります。行政府から指示をされる代物ではありません。
 そこで、民主党は、政治に対する国民の信頼を回復するため、与党案の大きな抜け穴をふさぐ修正案を改めて本会議に提出することといたしました。
 以下、修正案の概要を御説明いたします。
 第一に、政党以外の政治団体による不動産及び有価証券等の取得等を制限することとしております。資金管理団体に限らず、政党以外の政治団体について制限を課すとともに、株券その他の有価証券等についても取得してはならないものとしております。
 第二に、政治団体による収支報告書の記載並びに領収書等の徴収及び領収書等の写しの収支報告書への添付についてであります。
 まず、資金管理団体に限らず、すべての政治団体は、経常経費のうち光熱水費、備品・消耗品費及び事務所費について、収支報告書に、支出を受けた者の氏名及び住所並びに当該支出の目的、金額及び年月日を記載するとともに、収支報告書の提出の際に、領収書等の写しをあわせて提出しなければならないこととしております。
 また、収支報告書への明細の記載並びに領収書等の徴収及び領収書等の写しの収支報告書への添付を義務づける支出の基準額については、現行及び与党案では一件五万円以上でありますが、これを一件一万円超に引き下げることとしております。
 第三に、施行期日等でありますが、この法律は、平成二十年一月一日から施行することとし、政治団体による収支報告書の記載並びに領収書等の徴収及び領収書等の写しの収支報告書への添付については、平成二十年の収入及び支出に係る収支報告書から適用することとしております。
 また、政党以外の政治団体による不動産及び有価証券等の取得等の制限については、この法律の公布の日から起算して一月を経過した日から施行することとし、法改正前から引き続き所有している不動産及びこれと密接に関連する不動産並びに有価証券等については適用しないこととしております。なお、これらの不動産については用途その他の個々の利用の現況を、有価証券等については保有の目的を収支報告書に記載しなければならないこととしております。
 議員諸氏が政治団体の支出を飛躍的に透明化させ、国民の政治不信を払拭することに賛同されるのであれば、私たちの提出した修正案に御賛同賜らんことをお願い申し上げ、私の趣旨説明を終わります。(拍手)
    ―――――――――――――
#11
○議長(河野洋平君) 討論の通告があります。順次これを許します。高木陽介君。
    〔高木陽介君登壇〕
#12
○高木陽介君 公明党の高木陽介でございます。
 私は、自由民主党及び公明党を代表いたしまして、ただいま議題となりました自由民主党及び公明党提出の政治資金規正法の一部を改正する法律案に対しては賛成の立場から、民主党提出の修正案に対しては反対の立場から討論をいたします。(拍手)
 皆様御承知のとおり、年頭から、政治資金管理団体にまつわる事務所費を初めとした経常経費の使途について、また多額の不動産の保有のあり方について、国民からその不透明さを是正するよう厳しく求められております。我が党は、この問題対処のため、国民の視点から、これまで率先して法改正に取り組んできたところであります。
 さて、自由民主党及び公明党提出の法律案は、第一に、資金管理団体による不動産の取得等を制限するため、土地もしくは建物の所有権または建物の所有を目的とする地上権もしくは土地の賃借権を取得し、または保有してはならないこととしております。また、第二に、資金管理団体による人件費以外の経常経費についての収支報告書への明細の記載及び一件当たり五万円以上の領収書等の写しの添付を義務づけることとしています。
 特に、今回の資金管理団体による不動産の取得等の制限を盛り込むに当たっては、一部の議員による国民の感覚からは理解しかねる巨額な不動産を取得するための費用に、国民の浄財から成る政治資金が充てられることが適切なのか、また、資金管理団体による不動産の取得を通して、政治家個人が資産運用を行っているのではないかという世論が強まっているところであります。
 こうした問題に対処するため、規制を設けるに当たっては、政治家が自身の政治資金の受け皿とするために指定し、また、特定寄附や個別制限、総枠制限がないという形で政治資金法上特別扱いされているといった観点から見て、約七万の政治団体のうち、政治家個人と一体性の強い資金管理団体に規制の対象を絞ることとし、それ以外の政治団体、例えば政治結社や業界団体の政治連盟、労働組合の政治委員会等、資金管理団体以外の政治団体に対する過度の規制とならないように配慮をいたしました。
 また、経常経費にまつわる不明朗な支出について、その透明性を高めるための規制を設けるに当たっても、先ほど述べましたように、特に政治家個人との人的、資金的一体性が強い資金管理団体に規制の対象を絞り、政治活動の自由の保障や政治団体側の事務の負担にも配慮した次第であります。また、五万円以上としているのは、政治活動の経費との整合性を図るためであります。
 このように、与党案の内容は、問題の焦点を絞り、規制するべきところは規制するバランスのとれた妥当な内容となっており、賛成の意を表明するところであります。
 他方、民主党提出の修正案につきましては、規制の対象が必要な範囲を超えて過度に広範であり、政治活動の自由に対する過度の規制となる懸念が大きいことから、反対を表明いたします。
 民主党は、修正案で、追っかけるようにして、不動産所有の禁止を追加したり、経常経費に添付する領収書の額を、従来の一万円以上から与党案と同じく五万円以上へと主張を変えるなど、かなり迷走しているようであります。
 報道によれば、民主党の小沢代表が、不動産所有がだめだと法律が決まったら、その法律に基づいてきちんと処分をする、所有が問題ということだから売却するなどと述べ、本法案が成立した場合、所有する不動産が政治目的にかなった運用がなされているか否かの細かな報告義務が課せられているためなのか、十億円を超える不動産を売却する意向を表明されたようですが、最近の地価の上昇等により、取得時の価格に比べて相当な差額が生じるのではないかと推測をされます。
 仮にそのようなことになったとき、よもやその差額を御自身が所有されるようなことはないだろうとは思いますが、いずれにしても、国民の政治不信を払拭するために速やかな本法案の成立を目指してまいりたいとの決意を表明しまして、私の討論といたします。(拍手)
#13
○議長(河野洋平君) 渡辺周君。
    〔渡辺周君登壇〕
#14
○渡辺周君 私は、民主党・無所属クラブを代表し、ただいま議題となりました自民党、公明党提出の政治資金規正法の一部を改正する法律案に反対し、民主党提出の政治資金規正法の一部を改正する法律案に対する修正案に賛成する立場から討論を行います。(拍手)
 昨年十二月、佐田玄一郎前行革担当大臣が代表を務める政治団体が、架空の事務所費を政治資金収支報告書に記載していたことが発覚し、大臣を辞任しました。安倍内閣は、発足早々、政治と金の疑惑まみれのスタートとなりました。
 その後、政治団体の事務所費を初め、政治と金にまつわる不透明な問題が次々に発覚し、角田義一参議院副議長の辞任、松岡前農水大臣の自殺など、国民の政治不信、政治家不信は著しく高まっております。
 だからこそ、こうした政治不信を払拭するために、私たち政治家に課された使命は、選良のプライドにかけ、与野党の垣根を越えて、永田町の論理である政治と金の問題の抜本的解決に取り組み、国民の信頼を回復しなければならないのであります。
 民主党は、三月六日、政治資金規正法改正案を取りまとめ、国会に提出しました。その後、約三カ月もおくれて、与党が重い腰を上げて改正案を提出しましたが、会期末ぎりぎりの審議日程を考えれば、その本気度は疑わざるを得ません。それでも、与野党の成案を得ようと、今月六日に、岡田克也民主党政治改革推進本部長が、石原伸晃自民党党改革実行本部長、東順治公明党政治改革本部長に対して、文書で修正協議を呼びかけました。
 石原、東の両氏は、修正協議については、まずは委員会の現場に任せたいと回答したため、我々は合意の可能性が高まるよう、政治家関連の政治団体に対象を限定することまでおりた譲歩案を手に、筆頭間協議に臨みました。結果、不調に終わりましたが、十二日に再度、両氏に対して政党間の修正協議を呼びかけました。
 こうした民主党の働きかけに対し、与党は、みずからの案を提示することはおろか、民主党案を真摯に検討することすらせず、ざる法をざる法のままとすることを選択しました。与党には、政治資金の透明化を求める国民の声に一切耳を傾ける気などなかったのであります。
 与党の無責任ぶりと暴挙はそれにとどまりません。昨日、実質わずか二日間、七時間の審議のみで、質問は出尽くしたと与党は終局させ、委員会で採決を強行しました。私どもは早くから法案を準備し、国民の声を聞く参考人質疑を求めていましたが、そうした要求にも一切耳をかさず、わずかな質疑時間でざる法を成立させました。まさに、衆議院で七割を占める、与党の圧倒的議席数を背景にした傲慢な暴挙と言わざるを得ません。
 以上、これまでの経緯を説明した上で、与党案に反対する理由、民主党案に賛成の理由を申し述べます。
 重ねて申し上げますが、何といっても与党案は抜け穴だらけ、ざる法と言わざるを得ません。政治団体の支出の透明化に資するものとは甚だ言えぬ代物であります。
 第一に、与党案は、政治団体の事務所費等の支出明細の記載や領収書添付の義務づけの基準額について、一件五万円以上としています。五万円以上という基準では、明らかにしたくない事務所費等の支出を領収書の分割によって隠ぺいされてしまうおそれがあります。
 第二に、与党案は、政治団体のうち、不動産取得の規制対象を資金管理団体に限定しています。平成十七年十二月現在、政治団体はトータルで約七万、そのうち資金管理団体は一万強にすぎません。政治家が資金管理団体以外にも政治団体を保有している実態にかんがみれば、資金管理団体だけを規制しても、政治団体を通して不動産を取得できるという事態が起きることは明らかです。著しく実効性の乏しい規制であります。
 同様に、事務所費等の支出明細の記載や領収書添付の義務づけの対象についても、資金管理団体だけに限定しています。これでは、明らかにしたくない支出については資金管理団体以外の政治団体で支出すれば済むことになってしまうのであります。
 そもそも、事務所費等に関して問題とされた団体には、佐田前行革担当大臣や伊吹文部科学大臣が代表を務める、資金管理団体以外の政治団体が含まれています。資金管理団体以外の政治団体の支出が現に問題となっているにもかかわらず、資金管理団体だけを規制の対象とする理由は全く理解できません。政治家は、与党案は自分たちに甘い、こう言わざるを得ず、国民の理解を得られるはずもありません。
 第三に、与党案は、取得禁止の対象を不動産に限定しています。しかし、結果として投機や利殖活動と同様の事態となることを回避するための措置としては不十分であり、株券その他の有価証券などの、主として金銭等の運用の対象となるものの取得もあわせて禁止すべきであります。
 一方、民主党提出の修正案は、今申し上げた与党案の大きな抜け穴をふさぐため、厳格な規制を盛り込んでいます。
 第一に、民主党修正案は、規制を実効性のあるものとするため、収支報告書への事務所費等の支出明細の記載や領収書添付の義務づけについてはすべての政治団体、不動産や有価証券等の取得の規制については政党を除く政治団体を対象にしています。資金管理団体以外の政治団体で不動産を取得することを可能とする与党案の抜け穴をふさぐための適切な措置として、高く評価をいたします。
 第二に、民主党修正案は、不動産に加えて有価証券等も取得禁止の対象としています。結果として投機や利殖目的となる可能性のある事態を回避するために必要な規制であります。
 第三に、民主党修正案は、収支報告書への支出明細の記載や領収書添付の義務づけの基準額を一件一万円超としています。与党案の一件五万円以上という基準と違って、政治団体の支出の透明化が格段に進むことと確信をしております。
 以上、申し上げましたように、与党案はざる法、いかに与党が本質的に政治と金の問題に後ろ向きであるか、反面で、民主党の修正案がいかに政治団体の支出の透明化に資するものであるか、御理解をいただけたものと思います。
 指摘しておきたいのは、このような与党の政治姿勢は今に始まったものではなく、長年にわたって与党にしみついてきたあしき体質であるということであります。これまでも、政治と金の問題が起きるたびに、取り組むポーズだけをとりながら、ほとぼりが冷めれば有権者はいずれ忘れるとばかりに、自民党は抜本的解決に取り組まずに放置してきました。政治と金の問題の本質的解決のためには政権交代しかなく、政権交代によって、たまりにたまったうみを一掃するしかありません。
 以上、こうした与党の体質、姿勢を糾弾するとともに、抜け穴だらけで規制の実効性が低い与党案に断固反対、政治団体の支出の透明度を飛躍的に向上させ、胸のすく政治を実現できる民主党提出修正案に賛成して、私の討論を終わります。(拍手)
#15
○議長(河野洋平君) 佐々木憲昭君。
    〔佐々木憲昭君登壇〕
#16
○佐々木憲昭君 私は、日本共産党を代表し、与党提案の政治資金規正法改正案、民主党の修正案、両案に反対の討論を行います。(拍手)
 今回の法改正は、いわゆる事務所費問題に端を発したものであります。この間、故松岡農水大臣、伊吹文部科学大臣を初め一部の与野党議員の資金管理団体が、家賃も光熱費もかからない議員会館に事務所を置きながら、多額の事務所費、光熱費を計上していることが発覚しました。
 ところが、疑惑を指摘されたこれらの政治家の多くが、その実態を国民に明らかにしようとせず、法的に問題はないと居直ったのであります。これが、国民の怒りを招いたのは当然であります。
 そもそも、疑惑を受けた政治家がみずからその真相を明らかにしないことが問題であり、それを終始かばってきた安倍総理の責任は極めて重大であります。そのため、国会の場で疑惑の解明が求められ、各党の姿勢が厳しく問われたのであります。
 ところが、与党と民主党は、真相の究明から制度の問題に議論を移しました。提案された案では、その適用を二〇〇八年分の収支報告からとしているのであります。これでは、現に焦点となっている疑惑解明に全く役立たないではありませんか。国民から疑惑隠しという批判を招くことは必至であります。
 そもそも、政治資金は、その収支を公開することによって、国民の不断の監視に置くことが求められているのであります。この精神に照らせば、すべての政治資金の流れを公開するのは当然であります。
 ところが、法案では、人件費を除外した上、対象となる団体を限定したり、基準額を五万円のままとしております。これでは、他の政治団体につけかえたり、基準額以下に細分化することによって、実態を隠すことができるのであります。大きな抜け穴を残しているではありませんか。
 また、投機的取引を目的とする不動産や有価証券などの取得、保有、これは現に禁止されており、今回の法改正がとりたてて意味を持つものとは言えません。
 最後に、政治と金をめぐる最大の問題は、企業・団体からのひもつきをいかに断ち切るかということであります。そのため、企業・団体献金の禁止、政党助成金の廃止、これこそ緊急に実行すべき課題であります。
 以上で、両案に対する反対討論を終わります。(拍手)
#17
○議長(河野洋平君) 菅野哲雄君。
    〔菅野哲雄君登壇〕
#18
○菅野哲雄君 社会民主党の菅野哲雄です。
 ただいま議題となりました政治資金規正法の一部を改正する法律案につきまして、社会民主党・市民連合を代表し、与党案に反対、民主党提出の修正案に賛成の立場で討論を行います。(拍手)
 今般、国民の大きな不信が向けられた事務所費問題で、佐田前行革担当大臣、亡くなられた松岡前農水大臣、さらには伊吹文部科学大臣ら、安倍内閣の前・現閣僚の名前が取りざたされてきたのは周知のとおりです。これらの方々のだれ一人として、十分な説明責任を果たしておりません。疑惑を放置し、当事者を擁護することで国民の政治不信を助長させてきた安倍総理の責任は極めて重大であることを冒頭指摘いたします。
 与党案に反対する第一の理由は、領収書添付の義務づけを資金管理団体だけに限定した点です。資金管理団体について五万円を超える領収書添付を義務づけても、政党支部や後援会など別の政治団体で支出したことにすれば、問題は何ら解決いたしません。
 反対の第二の理由は、一件五万円未満の支出の使途がやみに隠れている点です。すべて五万円未満に小分けしてしまえば領収書は不要、これで経常経費の透明性をどうやって担保するというのでしょう。
 このように、与党提出の改正案は、小手先、お手盛りで国民の批判をかわす、抜け道確保のざる法案としか言いようがありません。必要経費はすべて領収書添付を必要とする一般社会の常識に反し、政治家の財布だけを聖域にしようとする姿勢に、国民が理解を示すはずがありません。この点、民主党提出の修正案は、政治資金の支出の透明化を一歩前進させるものであり、賛成いたします。
 最後になりますが、すべての議員が、「いやしくも国民の信頼にもとることがないよう努めなければならない。」とした政治倫理綱領に立ち返り、政治倫理の確立に邁進すべきことを訴え、私の討論といたします。(拍手)
#19
○議長(河野洋平君) これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#20
○議長(河野洋平君) これより採決に入ります。
 まず、岡田克也君外四名提出の修正案につき採決いたします。
 岡田克也君外四名提出の修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#21
○議長(河野洋平君) 起立少数。よって、修正案は否決されました。
 次に、本案につき採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#22
○議長(河野洋平君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第三 道路交通法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
#23
○議長(河野洋平君) 日程第三、道路交通法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。内閣委員長河本三郎君。
    ―――――――――――――
 道路交通法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔河本三郎君登壇〕
#24
○河本三郎君 ただいま議題となりました法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案の主な内容を申し上げます。
 第一は、飲酒運転を行った者等に対する罰則を引き上げるほか、酒気を帯びている者で飲酒運転を行うおそれがあるものに対し車両等を提供する行為等、飲酒運転の周辺者に対する制裁を強化するものであります。
 また、救護義務に違反した一定の者に対する罰則を引き上げるものであります。
 第二は、七十五歳以上の者は、運転免許証の更新を受けようとする場合等には、認知機能に関する検査を受けなければならないこととし、公安委員会は、当該検査を受けた者が一定の基準に該当するときは、臨時に適性検査を行うこととするものであります。
 また、七十五歳以上の者及び聴覚障害者は、普通自動車を運転する場合においては、一定の標識を表示しなければならないこと等とするものであります。
 第三は、普通自転車は、その運転者が児童等である場合等には、歩道を通行することができることとするものであります。
 また、児童等を保護する責任のある者は、児童等を自転車に乗車させるときは、乗車用ヘルメットをかぶらせるよう努めなければならないこととするものであります。
 第四は、自動車の運転者は、助手席以外についても、座席ベルトを装着しない者を乗車させて自動車を運転してはならないこととするものであります。
 本案は、参議院先議に係るもので、去る六月五日本委員会に付託され、翌六日溝手国家公安委員会委員長から提案理由の説明を聴取し、六月八日から質疑に入り、参考人からの意見聴取を行うなど慎重に審査を行い、六月十三日質疑を終局いたしました。質疑終局後、直ちに採決いたしましたところ、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
 なお、本法律案に対し附帯決議が付されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#25
○議長(河野洋平君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#26
○議長(河野洋平君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
#27
○議長(河野洋平君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時四十三分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
       総務大臣  菅  義偉君
       国務大臣  溝手 顕正君
ソース: 国立国会図書館
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