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2006/12/07 第165回国会 参議院 参議院会議録情報 第165回国会 経済産業委員会 第7号
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2006/12/07 第165回国会 参議院

参議院会議録情報 第165回国会 経済産業委員会 第7号

#1
第165回国会 経済産業委員会 第7号
平成十八年十二月七日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十二月五日
    辞任         補欠選任
     岩本  司君     犬塚 直史君
 十二月六日
    辞任         補欠選任
     犬塚 直史君     岩本  司君
     弘友 和夫君     山口那津男君
 十二月七日
    辞任         補欠選任
     岩本  司君     松下 新平君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         伊達 忠一君
    理 事
                加納 時男君
                小林  温君
                佐藤 昭郎君
                藤末 健三君
                渡辺 秀央君
    委 員
                魚住 汎英君
                倉田 寛之君
                松田 岩夫君
                松村 祥史君
                松山 政司君
                小林 正夫君
                直嶋 正行君
                広野ただし君
                松下 新平君
                若林 秀樹君
                松 あきら君
                山口那津男君
                田  英夫君
                鈴木 陽悦君
       発議者      直嶋 正行君
       発議者      藤末 健三君
   衆議院議員
       発議者      佐藤 剛男君
       発議者      山本 明彦君
       発議者      大口 善徳君
   国務大臣
       経済産業大臣   甘利  明君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 塩崎 恭久君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  鈴木 政二君
   大臣政務官
       防衛庁長官政務
       官        大前 繁雄君
       経済産業大臣政
       務官       松山 政司君
   政府特別補佐人
       公正取引委員会
       委員長      竹島 一彦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        世木 義之君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       原  雅彦君
       公正取引委員会
       事務総局審査局
       長        山田  務君
       防衛庁防衛参事
       官        富田 耕吉君
       防衛庁人事教育
       局長       増田 好平君
       防衛施設庁長官  北原 巖男君
       総務大臣官房審
       議官       門山 泰明君
       法務省刑事局長  小津 博司君
       国土交通大臣官
       房審議官     大森 雅夫君
       国土交通大臣官
       房審議官     近藤 善弘君
       国土交通大臣官
       房審議官     前田 隆平君
       国土交通大臣官
       房技術審議官   佐藤 直良君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○入札談合等関与行為の排除及び防止に関する法
 律の一部を改正する法律案(衆議院提出)
○官製談合等の防止のための刑法等の一部を改正
 する法律案(直嶋正行君外七名発議)
○外国為替及び外国貿易法第十条第二項の規定に
 基づき、北朝鮮からの貨物につき輸入承認義務
 を課する等の措置を講じたことについて承認を
 求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(伊達忠一君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日までに、弘友和夫君及び岩本司君が委員を辞任され、その補欠として山口那津男君及び松下新平君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(伊達忠一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 入札談合等関与行為の排除及び防止に関する法律の一部を改正する法律案及び官製談合等の防止のための刑法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に公正取引委員会事務総局審査局長山田務君、防衛庁防衛参事官富田耕吉君、防衛庁人事教育局長増田好平君、防衛施設庁長官北原巖男君、総務大臣官房審議官門山泰明君、法務省刑事局長小津博司君、国土交通大臣官房審議官大森雅夫君、国土交通大臣官房審議官近藤善弘君、国土交通大臣官房審議官前田隆平君及び国土交通大臣官房技術審議官佐藤直良君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(伊達忠一君) 御異議なしと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(伊達忠一君) 入札談合等関与行為の排除及び防止に関する法律の一部を改正する法律案、官製談合等の防止のための刑法等の一部を改正する法律案、以上両案を一括して議題といたします。
 両案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#6
○佐藤昭郎君 おはようございます。
 今朝のテレビ、和歌山県の知事の談合問題、報じられておりました。そしてまた、宮崎も火を噴いており、福島はごらんのとおりです。こういった中で官製談合や公共調達に対する国民の批判が非常に高まっている。こういう中で、十四年に制定された議員立法を更に改正して強化していこうという、これは公務員を処罰する法案になるわけですから、やはり議員立法ならではというか、こういう私は役割だと思います。
 と同時に、これは公共調達に携わる公務員のみならず全公務員にとって正に屈辱的な、誇りを失わせる重い法案でもあるんです。これにやはりしっかり立ち向かっていくというか、なさった両党の提案議員の諸君に心から敬意を表したいと思います。
 まず、質問に入る前に、私の、官製談合そして公共調達に対する考え方を少しお話しさせていただきたいと思います。
 私は、官製談合にやっぱり二種類あると思います。今テレビで盛んに取り上げられている和歌山あるいは福島、そして宮崎もそうなるかもしれませんが、そして市町村長においてもこれは報道されている。個人が、個人型といいますか、贈収賄とセットになって行っている官製談合、これは私は、民主党の御提案にもあるように、これは悪質極まりない談合だと、これ官製談合だと思います。
 しかし、一方で、構造的、あるいは公共調達の制度的枠組みに基づく、個人の責務だけには帰せない構造的な官製談合もあるわけですね。それはやはり罪の度合いから見て、これ悪いことです、もちろん、しかし私が最初に申し上げました悪質極まりない談合とはやはり違う私は性格を持っているんではないかと、このように思います。
 なぜこれを構造型、組織型というふうに私は考えるかという点について、もう提案された委員の方々はみんな御承知だと思いますので繰り返しになるかもしれませんが、少し申し上げたいと思うんです。
 一つは、これはやはり談合問題そのものが、我が国の旧来の伝統的な経済の社会制度、これはアジア・モンスーン型の農耕社会ですね、ですから、欧米型のようないわゆる競争型、契約型社会と違う、調整、話合い、談合型社会というのがやはり日本の伝統的な社会制度としてあったということは、これは疑いのない事実でございます。
 それから、二番目は、公共調達の制度的枠組みなんですね。昨日、公共調達を主として所管する国土交通省と農水省の方から一体どれぐらいの公共調達が一年間に行われたかと伺いますと、農水省で二十三万二千件、一年ですよ、国土交通省で三十六万件、これは役務も入りますからね。しかし、いわゆる仕様書や図面等を用いて実施されている公共工事というのが農水省で約八千、国土交通省で二万四千。これだけの膨大な公共工事を一年間、単年度予算で、しかも工期の短い中で仕上げていくという、ある意味では戦場のような状況があります。
 それから、私も現場で工事を施工したり監督した経験があるんですけれども、この公共工事というのは請負工事なんですね。発注するときには物ができてない。仕様書とか図面に基づいて仕上げていくわけですが、現場において当初想定されない様々な問題が生じているのは事実です。これは気象の問題もありますね、自然的な条件。地下水網を事前にしっかり調べておけばいいんだけれども、なかなかこれはできない。二万四千件、三万という工事をやっていく中で、全部の工事についてこういう手当てができるかというとなかなか難しい。
 それから、単年度予算でありますから、繰越し、不用という問題もある。仕上げようとして工事が短縮された場合について、その予算は繰越し若しくは不用として落ちてしまう。あるいは足らない場合もある。実際に工事を進めておきながら、いろいろな条件の中でこの工事はこれで終わらないというときに、様々な手だてを通じて受益者や国民の負託にこたえて完成させる際にやはりいろいろな無理が生ずる。そのときに、従来型の公共工事の現場でありますと、発注者と受注者が話し合って、これはしかし何とかこの予算がオーバーするけれども仕上げてくれないかと、ある意味で受注者側にとってみると泣くという仕組みですね。しかし、その代わり次の工事で何とかするからというようなことがやはり私は従来型の公共工事の発注ではあったということは否定できないんです。そういった全体としての現場条件に伴う様々な困難性というのもこの中にある。
 それから、次は、例えば今度の法案でも問題になりますが、地域振興や中小企業の育成という問題です。官公需法というのがある。これは中小企業に受注機会を持たせるために、国自ら、あるいは地方公共団体が数値目標を取ってある程度高めていかなきゃいけない、そのための発注分割、受注の分割や発注基準の訂正というのは許されているんですね、これ。しかし、これは、地域分割というのをあくまで進めていった場合に、特定の企業の割り付け表とどう変わるかという問題になりますと紙一重になってくる。こういった制度的な裏付けもあるわけであります。裏付けといいますか、背景もあるわけであります。
 それから最後に、天下りの問題。これがいわゆる構造型、そして制度的な官製談合問題の大きな要因の一つですけれども、これを取りましても、この天下り問題そのものは今の人事院制度、あるいは退職管理、官民人事交流、これは昨年の行革国会で行政改革基本法のときに論議し、公務員制度全体の中で我が党は天下りの問題は解決しなきゃいけないと申し上げたんですが、こういった構造的な要因が実は第二番目に申し上げた官製談合の背景にあるわけです。
 したがって、この官製談合の最後の二つ目のものを根絶していくためには、この官製談合というのを個人の犯罪や個人の違法行為としてとらえて罰則を強化するだけではなくて、構造改革全体を推し進めていくことを一緒にやらないと私はいい解決策にはならないだろうと、こんなふうに思っておるわけであります。
 以上申し上げまして、私の質問に入らせていただきます。
 まず、与党の提案者の方に御質問したいんですが、職員による入札等の妨害に関して、刑法の改正ではなくて官製談合防止法の改正で対応された理由。それから、続けていきますと、第二条第五項第四号で、幇助の類型で、特定の入札談合に関しあるいは入札談合等を容易にする目的という要件を置いた趣旨はどこら辺にあるのか、お答えいただきたいと思います。
#7
○衆議院議員(佐藤剛男君) 佐藤先生の御質問の後半の部分からスタートさせていただきます。
 まず一つは、職員による入札等の妨害に対して、現行の刑法九十六条の三でございますが、の改正じゃなくて、現在の官製談合防止法の改正の道を取ったと、なぜだという点でございます。これは、民主党の案と比較しながらちょっとお答えいたしたいと思います。
 この現在の法律は議員立法でございました、先生御指摘のように。現在、民主党も議員立法として出しております。民主党の案の基本の違いは、罰則ですが、私ども自公の案は五年と、それから、罰金というのを現行どおり二百五十万円。現行どおりという意味は、現行の刑法九十六条の三にある二百五十万。それから、民主党は罰金がないんです。それから、五年ではなくて三年になっています。刑法自身は談合は二年なんです。今、罰則等を、テロの国際法はまだ通りませんが、通れば二年が三年になるはずですけれども、そういうストラクチャーを取ってございます。
 現在のこのいわゆる官製談合、このセイというのは、政治の政じゃなくて製造業の製でありますが、国、地方公共団体、それから特定の法人、こういう者たちが主体でございまして、そのためにでき上がったのがこの法律なんです。それで、この法律の中心を成していたのには今までは罰則がなかった。何がやっていたのかというと、中心は、公正取引委員会が、三つの類型があるんですけれども、この三つの類型に対して改善措置命令を出せると。それから、損害賠償あるいは懲戒免職とかですね。そういうような体系になっていたわけでありますが、今回は、刑法という、これは刑法は時間も掛かるんですが、刑法というものではなくて、官製談合という法律でできた、先生方のおかげででき上がっているこの法律にこの罰則を入れて、しかも罰則に抑止力を入れて、五年というものを入れて、そして罰金は弾力的に、民主党案はないんです。ないということは、逆に言いますと懲役の方に行っちゃいますから。そういう意味で、公の入札に限られておりました刑法の競売入札妨害罪、談合罪の適用ですね、これは、今申し上げましたように、この法律の中で入れ込んで、そして特定法人も適用対象にして行ったということで完璧を期したということでございます。
 それから、第二の、先生御指摘の類型の問題でありますが、幇助の類型で、特定の入札談合等に関しまして入札談合等を容易にする目的と、こういう要件を置いた趣旨は何かと、この点でございます。
 この官製談合防止法が、平成十五年です、十五年の初めにスタートいたしました。公取では三件につきまして改善措置の要求を行ってまいりました。入札談合を容易にするための、事業者から、指名競争入札に入れてくれ、あるいは分割発注をしてくれ、あるいは発注基準の引下げ、十五億円を十億円にしてくれとか、十五を十にしてくれとか、そういう発注方法の選定などの事業者の入札行為を幇助ということの行為は、それだけでは入札談合等関与行為に入りにくくて改善措置命令の対象にならぬと、これ公正取引委員長、そのようにお話しされているわけですから。じゃ、最もいい方法は何かということで、よく当局と相談もさせていただきました。そこで、四号の類型をまとめて、そして現在のような形にいたしたわけでございます。つまり、第二条第五項として追加するという形になっています。
 以上です。
#8
○佐藤昭郎君 今あえて申されませんでしたけれども、この類型を置いた趣旨というのは、私、冒頭申し上げたように、地域振興や中小企業の育成というものとこの官製談合に触れる要件というのはかなり微妙なところがあるんですね。ですが、これは官公需法というような法律があってそこは許されている。地域の振興や中小企業の育成と。しかし、それではない特定の事業に対してやると駄目ですよということで、ここかなり厳しく限定していったというふうに理解して、これは私は評価すべきといいますか、いい類型規定ではないかというふうに思っております。
 次に、時間もございませんので簡単にお願いしたいんですが、民主党さんの方の案で見ますと、やはり一番の問題というのは、第二条第五項四号で職員の不作為を入札談合行為の類型としたわけでございますけれども、この明白なおそれとか、あるいは知りながらとか、防止の措置を講じないというような条件が付いて不作為で措置を行った場合については即アウトという、こういった条項になっておるんですけれども、明確な、今申し上げました執行に当たって様々な、申し上げた、知りながらとかそういった行為の類型を示すことというのは非常に難しい、定義が難しい、公務の混乱を招くんではないか。先ほど私、申しましたけれども、公共工事だけで両省合わせて三万件のやつを一年間やっております、公共工事だけで、図面、仕様書に基づく、そういった状況。
 そして、第四条第四項には、それに応じて、不作為の行為で違反した場合については、損害賠償請求の要求を重過失から過失に改めるということです。これに合わせて予責法や国家賠償法の方も全部重過失から過失に改めていく。重過失というのは、やはり故意に近い過失ですから、そこに何らかの歯止めがある。
 しかし、今、会計検査院で摘発されているような様々な案件について、過失としてすべてこの権限のある職員、しかもこれは入札担当じゃないですね、職務上の地位に基づく影響力を有する職員というところにこの規範が及んでいくということになると、私は公共調達の現場で大混乱が生ずるんではないか、あるいはこれになる公務員というのは一体いるだろうかと、そういう疑念がぬぐえないんですが、いかがでしょうか。
 民主党の方にお願いします。民主党さんに。
#9
○直嶋正行君 佐藤先生の御質問にお答えさせていただきます。
 冒頭おっしゃったように、様々な構造的な問題があるということは私どももよく承知しております。ただ、そういう中で、やはり談合を規制していくということで考えますと、私どもはやはり抑止力というのを重視をしなければいけないというふうに思っています。
 今の御質問でありますが、私どもが職員の不作為をこの法案に入れました理由は、発注者において、もとより、この入札談合等を防止するための措置をとるのは、これはもう当然のことであるというふうに思っております。それに加えて、やはり今申し上げたように、事前防止とかあるいは発注者による黙認といった行為を防ぐために、入札談合等について発注者に対して確実な資料、根拠に基づいた情報が提供された場合などを想定し、「明白なおそれがあることを知りながら」という要件を付しました。そして、その上で、黙認行為についても入札談合等関与行為として追加したものであります。
 確かに、この入札契約事務を担当する職員の執行は慎重にならざるを得なくなるというふうに思われます。しかし、これらの任務に当たる職員が入札に関して注意を払うというのは、ある意味でいうと職務上当然のことでありまして、先ほど申し上げたとおり、確実な資料、根拠に基づいた情報を黙認することが職員の不作為として入札談合関与行為の対象となったとしても、その職務遂行がいろいろ指摘されますように萎縮をしたりということにはつながらないというふうに思っております。
 それからもう一点、過失、重過失の件がございました。
 先ほど構造的というふうにお話ございましたけれども、官製談合は自由かつ公正な競争社会を、ある意味でいいますとひずめると同時に、予算執行の適正をも害する悪質性の高い行為であるというふうに思っております。しかるに、官製談合等の違法行為に関する職員の責任追及に当たり、故意又は重過失を要件とすることは私法上の一般不法行為責任の要件に照らしても責任の範囲を限定し過ぎているというふうに思っています。
 御承知のとおり、民法上は損害賠償責任は故意及び過失ということになっておりまして、そういった規定を考えますと、一言で言いますと民間並みという視点に立って重過失から過失に改めたということでございます。
 以上でございます。
#10
○佐藤昭郎君 今、明白な、確実な情報というふうな表現と、明白なおそれの中に一例としてお挙げになったわけですけれども、談合情報というのは様々ありまして、ピンポイントでもこれは明白かもしれない。量じゃない、質の問題もあります。これを不作為という行為になってきますと、職員の方に挙証責任が生じてくるという、私は、これは大変な、萎縮しないと申し上げましたけれども、圧迫感は相当なものだろうと思います。
 それから、最後に申し上げたいのは、これは構造的な問題が今、直嶋先生もおっしゃったようにあります。これは、平成十四年に今の官製談合防止法ができまして、構造的な改革というのは今着々進んでおるんですね。これ三年たちました。この構造改革の進度を見ながら私は対応していくやり方もあると思うんです。その前に、極端なその個人に対する犯則を個々に科していくという改正についてはどうしても賛成しかねるというのが私の意見であります。これは私の意見でございます。
 さて、国土交通省さんと公取の竹島委員長にも来ていただきました。私は、これ、構造的な問題と申し上げましたし、衆議院の附帯決議にも載っておりました、これはこっちでやるよと、個人的な罰則の強化は、公務員の諸君に対する。しかし、一方で、今の公共調達の構造的な枠組みを改革していかなきゃいけない。この面で申し上げますと、私は、やはり今一番問題になっておるのが低入札、ダンピング受注の問題です。
 公共事業発注のこの国土交通、農水の二省に伺いますと、特に特A、Aクラス、国土交通省なら七億二千万、農水省では二億五千万以上のこの上のクラスの工事のダンピング受注が実にもう八〇%から九〇%までになってきているという状況です。これはやはり、いい社会資本を国民に供給していくという問題、そしてこの談合根絶の車の両輪から見ますとやはりゆゆしき問題でありまして、私は、この予定価格を積算するために設計、積算し、また工事監督も行っていくというこの公務員のある意味ではレーゾンデートルにもかかわる重要な問題だと思っております。この低入札の問題というのは、私はしっかりしていかなきゃいけない。
 そういう点で、国土交通省さんにおかれてどのような対応を取ってこの公共調達制度の改革をなさろうとしているのか。そして、でき得れば、地方公共団体は、品確法の定義によりますと、これは責務があるわけですが、それがうまく、今ほとんどの地方公共団体では、特に市町村ではこの総合評価方式が執り行われていないという状況についてどう考えるか。
 それから、時間がございませんので、もし時間がありましたら竹島委員長に、この低入札の横行について、公取として不当廉売や不公正取引の面からこれを抑止することができないかという点について伺いたいと思います。
#11
○政府参考人(佐藤直良君) 国土交通省におきましては、昨年四月に施行されました公共工事の品質確保の促進に関する法律、これ等にのっとりまして、先生御指摘いただきました総合評価方式、これの拡充を図りつつ、価格と品質が総合的に優れた工事の調達、これに全力で取り組んでいるところでございます。しかしながら、御指摘いただきましたように、著しい低価格による入札受注、いわゆるダンピングが大きな社会問題となっております。
 このいわゆるダンピングにつきましては、工事の手抜き、あるいは下請へのしわ寄せ、労働条件の悪化、そして安全対策の不徹底等につながりやすく、公共工事の品質の確保に深刻な影響を与えるおそれがございまして、私ども、対処すべき喫緊の課題と認識しております。
 このため、国土交通省といたしましては、従来からの取組に加え、去る四月から、低入札価格対象工事におきまして、受注者側、請け負われた業者さんの技術者の増員、あるいは私どもの監督・検査の強化等の施策を内容とする重点的な対策を取りまとめ、現在その推進を図っているところでございます。
 さらに、低入札価格調査案件が高い水準で推移している現下の情勢にかんがみまして、公共工事の品質確保を一層推進する観点から、総合評価方式の一層の拡充並びに低入札価格調査制度のより厳格な運用等を中身とする追加的な対策、これについて現在検討をさせていただいているところでございます。
#12
○政府特別補佐人(竹島一彦君) ダンピング受注の問題、大変議論になっておりますし、我々にも、不当廉売というのは独禁法違反に当たる行為のはずなんだからしっかり取り締まれというお話もいただいております。
 おっしゃるとおりでございますので、公正取引委員会、三年前に、低入札価格で受注された物件、約七百件ぐらいの情報を、公正取引委員会があえて発注者側にお願いをして情報を集めて調べました。その結果、たった二件でございましたが、警告をしたということ、ございます。
 建設工事以外では、いろいろお酒だとかガソリンとかでダンピング問題というのがございましてやっておりますが、建設工事については余りやっておりませんで、ただし、今申し上げたようなことでやっております。そういうことは、先ほど国土交通省からの御答弁にもございましたように、国土交通省を始め発注者側もこの低入札価格問題についてはいろいろ積極的にお取り組みになるということで、具体的なことをお決めになって実行されようとしているということもございますので、私はそれの成果が上がることを期待しておりますが、同時に、公正取引委員会としてもその不当廉売に当たるものについてはきちんと法律を適用していきたいと、こういうふうに考えております。
#13
○佐藤昭郎君 終わります。
    ─────────────
#14
○委員長(伊達忠一君) この際、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 両案の審査のため、本日の委員会に内閣官房内閣審議官原雅彦君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#15
○委員長(伊達忠一君) 御異議なしと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#16
○直嶋正行君 民主党の直嶋でございます。
 私の方からも、与党の発議者の皆さん始め政府に対して幾つか質問させていただきたいというふうに思います。
 今御指摘ございましたように、昨今、福島あるいは和歌山、宮崎と、こういう形で談合事件の摘発が相次いでいるわけであります。また、国の方でも、国土交通省の問題とか、あるいは日本道路公団、防衛施設庁と、こういった事件が相次いでいるわけでありまして、さっきのお話にございましたように、ややもすれば今までの日本の社会は、さっき構造的というお話がございましたが、言い換えればやむを得ないんだと、必要悪なんだと、こういう意見も聞かれる中で、現在、次々とこういった事件の摘発が進んでいるわけでありまして、まず最初に法務省と公正取引委員会にお伺いしたいんでありますが、今、談合や官製談合事件の捜査、摘発が進んでいるわけでありますが、この状況をそれぞれどのように受け止めておられるのか、また、今後、捜査についてどのような方針で臨んでいくのか、お伺いをさしていただきたいと思います。
#17
○政府参考人(小津博司君) お答え申し上げます。
 検察当局におきましては、従来からこの種の犯罪に対しまして厳正に対処しているものと承知しております。近時、経済活動等に関するいわゆる構造改革が進められている中で各種のルールに違反する行為が多発しておりまして、それに対しては司法が適正に対処して、公正かつ健全な経済秩序の維持等を図ることが強く求められているところでございまして、検察当局におきましてもこういった状況を十分に認識して、今後ともこの種犯罪に対しましては厳正に対処していくものと承知しております。
#18
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 私どもは、この市場経済、自由主義経済の下に存在している日本経済において、独占禁止法というものが厳正に執行される必要があると、そうでなければ、本当の意味の市場経済の良さも出てこないということでございまして、そのためには、残念ながら、違反行為がある以上は、ルール違反に対しては厳正に取り締まっていく必要があると、こういうふうに基本的に思っております。
 公正取引委員会、七百数十名の規模でしかございませんけれども、その限られたマンパワーをできるだけ効率的に使いまして、世の中にインパクトのある事件を取り上げていきたいというふうに思って努力してきております。
 御承知のとおり、昨年はいわゆる鉄橋、鋼鉄製の橋の大型の談合事件というようなものを摘発をいたしまして、それなりに大きなインパクトを世間様に私は与えたと思っておりますが、併せまして独禁法の改正もいたしまして、ルールの明確化とルール違反に対するペナルティーの強化を図ってきたつもりでございます。
 これからも、大企業等が関与している、したがって国民経済に対して大きな影響力のあるようなカルテルや談合事件というものを含めインパクトのある事案を扱っていきたいと、こういうふうに考えております。
#19
○直嶋正行君 これからもしっかり厳正にやっていくということであります。
 また、法務省の御答弁で、公正で健全な経済と、こういう文言でお話になりましたが、逆に言いますと、これは、談合というのは公正な経済、健全な経済に反する行為であると、こういうふうにおっしゃっておるというふうに受け止めさしていただきます。
 それで、今日は実は官房長官においでをお願いしたんですが、諸般の事情でということでございますが、鈴木さんが不満であるということを申し上げているわけじゃございませんが、わざわざ鈴木官房副長官にいらしていただきましたので、今のこの件について、談合事件が相次いで摘発されているわけでありまして、先ほどこちらへ副長官がいらっしゃる前に自民党の佐藤先生からも、談合には二種類あって、極めて悪質なものもあれば構造的なものもあると、こういうふうにお触れになったんですが、こういうふうにどんどん摘発されている状況をどう見るかによってこれからの我々の対応も変わってくるんじゃないかなと。
 今回、いろいろ摘発されている事件は、たまたま心掛けの悪い人たちが起こした事件なのか、あるいは、やはりこの種のものが、事件が起きてくる土壌とか、そういうものが日本の経済社会にあると、こういうふうに認識して考えるかによって、今申し上げたとおり、対応もおのずから変わってくるんではないかなというふうに思うわけでありまして、私自身はある意味で言うとこれは氷山の一角なのかなという思いもしているわけでありますが、こういった今の談合事件についての御認識含めて、これからの考え方について官房副長官から内閣としての御所見をちょうだいできればと思います。
#20
○内閣官房副長官(鈴木政二君) 大変恐縮であります、今日、官房長官来れませんで、私が代理に来ましたんで、役不足かも分かりませんけれども一生懸命答弁させていただきますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 政府を代表してさしていただきますけれども、今、国、地方と問わず入札の談合事件が摘発されていることは、もう本当に極めて政府としても遺憾でございます。徹底的にこの談合を排除することが、もう政府の当然のことだと思っております。そのために、今こうして与野党ともに大変な議論をして進めていただく中で、私どももこの法律に非常に期待をしております。
 入札談合については、もう独占禁止法違反に該当する行為であれば、もう当然今、公正取引委員会において厳正に対処されておりますし、また、刑法上の競売入札妨害罪に該当する行為であれば、当然検察、警察において厳正に対処されるものということでございます。
 今、直嶋先生のお話は、私どもは、そういうものについて、ともかく今後とも談合排除の一層の徹底を図りたいと思っております。
#21
○直嶋正行君 今の御答弁も踏まえて、次に公正取引委員長にお伺いしたいんでありますが、この官製談合防止法が施行されましたのが二〇〇三年の一月でありますが、それ以降、適用事例は三件であります。岩見沢、新潟、それに道路公団と、こういうことだと思うんです。
 しかし、一方では、昨今もそうでありますが、発注者側の関与する談合も含めて大変多くの談合事件が摘発されていまして、私自身は、今の、今議論している、改正前の今の官製談合防止法というのは、そういう意味ではやはり限界があるんじゃないかなというふうに思っています。
 率直にお伺いしたいんですが、公正取引委員会において、これまでにいろんなケースの中で、適用を検討したけれどもどうもやはりなかなかうまく適用することができなかったと、こういうものがどのぐらいの感じで存在するのか、あるいはそのときにどんな限界があったのかということをちょっとお教えをいただきたいということでございます。よろしくお願いいたします。
#22
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 平成十五年から施行されて、御指摘のとおり三件しかといいますか、三件の処理を官製談合として公正取引委員会やっているわけです。全部私が参りましてからのことでございまして鮮明に覚えているわけですが、私は、官製談合の事案であるにもかかわらずそれができなかったというふうには思っておりません。ですから、本当は三件以上あったのに三件しかできなかったという、そういうことは経験しておりません。
 それに若干関係あるとすれば、鉄橋の談合事件で道路公団について官製談合であるということで処分をいたしましたけれども、そのときには現行の三類型にそのまま当てはまらないケース、具体的に申し上げますと、ジョイントベンチャーの発注の基準を下げるとか、割り付け表を見て、まあこれでよかろうというような行為とか、こういったものは現行の三類型にそのままずばり当てはまらない。したがって、それらを併せてこれは一号に該当するという適用をいたしました。
 そういうことでクリアをしているわけですが、今回、与党案ではその辺は幇助ということで、第四の類型ということで、これからはそれぞれ個別に全部当てはまるということになりますけれども、そういうことで、我々なりに工夫をして官製談合であるべきものは官製談合として処分してきたということでございます。
 ただ一点、私の印象として申し上げたいのは、これはあくまで情報がどこまで得られるかということでございまして、主に民間事業者の方から聴取するわけでございますけれども、仮に民間事業者が官製談合について正直に公正取引委員会に言わないと、言ってみるとそれをかばうというような行為に出た場合には、現実の審査において当然そこに壁ができてくるという問題があろうかと思います。
 その点に関しましては、この間の独禁法の改正で課徴金減免制度というのを入れまして、自主的に申告してくれば課徴金を減免しますという制度を入れさせていただいたわけですが、これを使った場合に、カルテルなり談合事件というのが官製談合であった場合にはその情報も包み隠さず公正取引委員会に提供しなければならないということになりますので、そういう意味では正確な情報を得られやすくなるということはございます。
 いずれにしましても、私どもは、官製談合ということであれば、それについては厳正に対処したいと思っておりますし、この改正法案がいずれにしても参議院でお認めいただければ、私どもはそれを積極的に活用させていただきたいと思っております。
#23
○直嶋正行君 独禁法の改正、改正独禁法も含めて、何といいますか、効果があると、運用上効果があるというお話でございます。
 それで、ちょっと視点変わりますが、先ほども議論の中にございましたが、官製談合事件で発注官公庁の職員が現在のところ罰せられるケースは、一つは刑法の談合罪によって起訴される場合、それから二つ目には、談合を行った事業者等の共犯として独禁法第三条の違反により告発、起訴される場合と、こういうケースに限られるわけですが、官製談合防止法は、今の法律ということでありますが、それらについて該当省庁に改善措置要求を取るよう求めることができるにすぎなかったわけであります。今回は罰則規定を入れられたということであります。
 それで、私ども民主党の今回出させていただきました法律の最大のポイントは、刑法を改正するということでございます。これはどういうことかというと、一つは刑法の談合罪を非目的犯化する、刑法九十六条の三の談合罪を、今は目的犯になっていますが、非目的犯化する。二つ目に、その刑法の談合罪に、公務員がその職務上の地位を利用して談合に関与するという類型、これは身分犯ということになるわけでありまして、これを設けて、一般の法定刑は先ほどお話あったとおり二年でありますが、やはり公務員という立場上、一年を加重しまして三年以下の懲役を科すこととさせていただきました。そして、これは罰金刑をあえて入れずに、やはり公務員という立場をわきまえていただきたいということでこういう仕組みにしたわけであります。
 それで、法務省の方にお伺いしたいんでありますが、刑法に基づいて入札談合に関与した発注機関職員を処罰する方が官製談合の防止に最も、私どもはそれが最も効果的であるというふうに思っております。特に、罰金刑を入れずに懲役刑のみという罰則規定にしましたことは官製談合を防止するという意味で大きな抑止力になるというふうに考えておりますが、法務省の方のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#24
○政府参考人(小津博司君) まず、検察当局におきましては、現在の刑法の規定を、目的規定の部分も含めまして、所要の捜査を行いまして適切に立証活動を行っているところでございますけれども、委員御指摘の中の一つの目的要件が削除されるということでございますが、これは理論的に考えますと、確かに検察側の立証命題が一つ減るということにはなろうかと思いますけれども、果たしてそのような目的を持っていない談合行為というのがどれぐらいあるのかということにつきまして私どもが把握をしておりませんので、これがどのような効果があり得るのかということについてはなかなかコメントをさせていただくことが難しいわけでございます。
 次に、懲役刑と罰金刑の問題でございます。
 これにつきましても、一般的にどのような効果があるかということについて申し上げるのはなかなか困難なんでございますが、御参考までに、刑の重い、軽いということについて刑法がどのような規定を設けているかということを御紹介させていただきますと、これは刑法の九条と十条を併せて読んでいただきますと、刑の種類というのは死刑と懲役と禁錮と罰金と拘留と科料があるとされておりまして、刑の重い軽いは、今私が申し上げました順番で刑の重い軽いが判断されるとなっております。
 懲役刑なら懲役刑に限って申しますと、それを比較するときには、まずは上限が長いか短いかということで考えると。上限が同じであれば、下限が長いか短いかということで考える等々の規定がございまして、これが刑法上はどういう刑が重いか軽いかということを規定しているものであるということでございます。
 何らかの御参考になればということで申し上げました。
#25
○直嶋正行君 したがって懲役刑だけにしてということを申し上げたつもりだったんですが。
 ちょっと法務省にお伺いしたいんですが、今、非目的犯化せずに、目的犯の状態でも摘発はされているということでありました。
 さっき御答弁の中でおっしゃったように、談合は公正な経済活動を害する社会的な犯罪であると、こういうふうに、これは同じように思っておられると思うんですが、そうすると、九十六条の三でなぜ談合だけ目的犯になっているんですか。私は、ここはわざわざ目的犯にする必要はないと、このように思うんですけれども、この辺はどうなんでしょうか。
#26
○政府参考人(小津博司君) この点につきましては、私どもも立法当時のいろいろな経緯があるというふうに認識しておるわけでございますけれども、検察当局といたしましては、現在のといいますか、定められた法律に従って刑罰法令を運用していると、こういうことでございます。
#27
○直嶋正行君 国会に任すということかなというふうに思います。
 御承知のとおり、これは昭和十六年にできた法律でありまして、戦時体制下で談合についても、総動員体制下ですから、一概に否定できないということで目的犯にしたと、こういう経過。これは実は、閣法で政府が提出されたものを国会の審議の中で修正をしたと、衆参それぞれで修正したと、こういうふうに聞いております。そういう状況からいうと、やはり自由な経済を前提に考えた場合には、この条項はやはりもう今の時代に合わないんではないかと、このように私どもは考えている次第であります。
 それで、今度、与党の提案者の方にお伺いしたいんでありますが、刑法の改正という発想は全くお取りにならなかったのかどうか。なぜあえて官製談合防止法にその処罰規定、これはかなり刑法的な規定ですから、そこへ足すような形でお付けになったのか。さっきちょっと時間が掛かるというふうなお話もちらっと御答弁の中でおっしゃっていましたけれども、率直にまた理由を聞かしていただければというふうに思います。
#28
○衆議院議員(佐藤剛男君) 要は、現在の現行法のストラクチャーが、構成が官製談合を中心としまして、刑法の九十六条の三の世界ではなくて、そこにおいて、今の現行は罰則はありませんけれども、改善措置要求というのを公正取引委員会ができると、三つの類型についてということで、そういう一つの大きなエッセンスがあります。それから、懲戒免職あるいは損害賠償その他あるわけでありますが、そういう仕組みで議員立法としてでき上がって、先ほど来答弁がございましたように、三件の活用がなされておると。
 そうやってずっと流れていきますと、先生が先ほどおっしゃっておられました、悩ましいんですが、私、福島なんですけど、福島、それから和歌山、宮崎と、こういうふうな流れを見て、そしてこれに対して、官セイのセイというのは製造業の製で、政治家の政ではないんでありますから、これについてしかるべき条項を入れるとすれば、あの刑法の形を取らないで、この中で、入札関係のこの中で、個人の会計入札に参加している職員というところで罰則五年、それから罰金二百五十万ということで入れたというのが経緯でございます。
 そこの点が御承知のように民主党と、民主党は刑法の分野で書く、それから刑期も三年と罰金がなくなっちゃった、こういうところがございますが、私どもの形が今の官製談合に沿うものと、公明党、自民党の案は期待しているものでございます。
#29
○直嶋正行君 今、与党さんの方の考え方の御説明ありましたが、私はやはり官製談合を含めて談合全般について、これはやはり非常に社会的にも経済的にも大きな問題でございますので、やはり刑法という日本の主要な法律の中にきちっと書き込むと。それから、さっきお話し申し上げたように、古い時代にできた、今の時代にはそぐわない考え方も併せて改正をすると。この方がアナウンス効果としても大きいのではないかということで、ここは考え方の違いということでございます。
 それで、続きまして衆議院の提案者の方にお伺いしたいんですが、これもさっき不作為の問題が佐藤先生からもお話がございました。私どもは、入札談合等が行われる明白なおそれがあることを知りながらという一つの条件を付けた上で、これを入札談合関与行為に含めるべきであるということを、これはもう当初の、今の官製談合防止法ができたときから実は申し上げてきたわけでありまして、官製談合防止法を作ったときの国会決議の中にも、この三つの行為類型以外について引き続き必要なものを検討しようと、こういうことになったわけであります。
 その当時からも議論がありまして、先ほどあったとおりでありますが、何をもって不作為とするかという定義がなかなか難しいという与党さんの方からの意見がありまして反対をされてきたわけですが、やはり今回、この不作為をあえて官製談合防止法の中に入れなかった理由は同じようなことでございますか。
#30
○衆議院議員(佐藤剛男君) 先生がおっしゃるように、最初の原案ですね、平成十五年という、この中には、同じように民主党は案としてありますことを承知いたしております。その中で、それに対してその当時の答弁というか、自民党側での質問等を見ますと、同じことになると思うんですけれども、不作為というのは非常に難しい、何を不作為とするか。先ほど佐藤先生から数字の話がございました。農業関係二十三万、建設関係三十六万、これについていろいろな一件ごとに情報が入ってくると思うんですね、このメールの時代に、何々状態でどうだどうだと。そのものについて知りながらというような状況をやっていくことはまず不都合。
 ところが、この不作為のところの類型に入るとどういう法律効果を持つかというと、その入札に関係している、契約に関係している職員は、でさらに民主党の案は重過失を過失にいたしておりますから、そういうことで懲罰、そして懲罰、でさらにそれを公表する、それから損害賠償を受ける、そして損害賠償も公表する。やる人いなくなっちゃいますよ、入札関係。そんなばからしいと、そんなことやったら、自分の命縮まっちゃうと。
 ですから、やはり基本も、故意、過失、重過失というのは一つの、国家賠償法では故意、重過失になっていますし、予責法も重過失、民法七百九条は故意又は過失でありますが、そこに一つのやはり相場みたいなものがあるんだろうと私は思っておりまして、そのぐらいの形を取らないと、入札の事務に従事している人たちがいなくなったら、やる気がなくなったら、これ予算の処理もできないし地域のあれもできないというような、もろもろの思想から不作為というのを外させていただきました。
 不作為という言葉が出てくる法律を見ますと、行政事件訴訟法の中に不作為というのが一つの言葉として出てきますが、不作為についての解釈というのは、不作為による詐欺とかなんとかというふうなことで一応の解釈でなされていますけれども、不作為というものをそういう条文化の中に入れてくるというのも、これもいかがかなと思っておるわけです。
 以上です。
#31
○直嶋正行君 一言で言うと、現実を踏まえた対応なんだと、こういうことなんだと思うんですが、ただ、さっきお話があった何十万件というものがすべてそういうものだとは私は思いませんが、まあそこは考え方の違いということであろうかと思います。
 それで、この不作為について、これは法律的にどうこうという話ではないのかもしれませんが、今私は一つの、やはり社会的に見て、特に公務員の不作為についていろいろ問われているんじゃないかと思うんですね。例えば、今日のテーマとは関係ありませんが、いじめの問題についてもそうでありますし、あるいは児童虐待の対応についてもいろいろ言われています。
 ですから、僕は、与党さんの考え方が絶対駄目だとは申し上げませんが、しかしこの公務員の不作為ということについて、やはり私は、社会的な物の考え方も少しずつ変わってきているんではないかなと、そんなふうに受け止めていまして、ちょっとやり過ぎだということであれば、それはそういう部分もあるのかもしれませんが、先ほど申し上げたように、むしろこういう時代の中で随分我々のシステムそのものをいろいろ変えていかなきゃいけないと、こういう背景を考えますと、少し先取りしていくということも必要ではないかなと、こんなふうに思っているわけであります。しかし、そういう中であえてかなり、先ほど申し上げたように、「明白なおそれがある」ということをきっちり書いた上でこれを織り込んだわけでありますが。
 公正取引委員長にちょっとお伺いをしたいんですけれども、この官製談合はもちろんそうでありますし、談合も含めて、よく委員長はこれをやはり未然防止することが大事なんだというふうにおっしゃっています。
 確かに、さっきお話あったように、例えば去年の道路公団の鋼橋事件なんかを見ますと、与党さんのこの幇助を付け加えたというのは一つの前進ではあるというふうに思います。しかし、一方で考えますと、我々が言っているのは、職務上の権限を持ったり、あるいはそういう地位にある人が、つまりその影響力を持つ人たちが、そういう職員が明白なおそれがあることを知っていて、知っていれば当然それをやめさせるように行動するというのは、言ってみれば、これは職務上の義務ではないかなと。したがって、むしろそういう防止措置を講じなければ駄目ですよということは一般的な規定としてむしろ織り込むことの方が望ましいんではないかなと。
 さっき鋼橋事件で、例えば割り付け表の話とか、そういう具体的なことを挙げながらお話あったんですが、割り付け表だけではないかもしれません。いろんなことが、形態が考えられますので、こういう条項をきちっと織り込んでいくということはやはり必要なことではないかなと、私なんかはそう思っているんですけれども、実際、現場で運用される立場も含めて、それを踏まえて御見解をお聞かせいただきたいと、こう思います。
#32
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 率直に申し上げますと、結局、発注者の側が、より良いものをより安く調達することが自分たちの職務であると。業者保護であるとか産業振興とか、特に産業振興はこれは別な観点からの政策で別な部局がやるべきことであって、少なくとも発注そのものを担当する職員は、より良いものをより安く調達するのが責務であると、この意識に立ち戻ることがとにかく大事なことだと思っております。そうであれば、今おっしゃっておられる不作為の問題もおのずと解決してくるんではないかと。
 おっしゃるとおり、やるべきことをやるということが大事なことであるわけですが、そういう意味で基本的には問題意識を共有させていただきますけれども、さて、だからといって懲戒処分又は損害賠償請求を受けるかもしれないという、そういうものとしてその不作為を構成するということが、幾ら官製談合といえども、ほかの行政事務との関係を見てもそれが妥当なのかということになりますと、私はやっぱり慎重であった方がいいのかなと。
 いずれにしても、大事なことは、不作為を行為類型に入れられるという趣旨も、最初に申し上げました、発注業務というのは何ぞやと、自分たちは何をすべきかと。したがって、そこの意識改革というか、本来の問題意識に戻っていただく、そのために何をすればいいか。
 私どもは、いろいろこういうことで社会的にも問題になるんだから、それはいけませんよと、理解してくださいというようなことの啓蒙普及的なこともやらなきゃいけませんし、それから、その不作為よりももっと悪い、積極的に関与したという行為がまずきちんと取り締まられるべきであると。そうすると、おのずとそういう意識も本来の姿に、私は全員がそういうことをやっているとは申し上げませんが、そういうことが行われて、不作為まで考えなければということをお考えになる、中には少なくとも一部の職員においてそういう甘さが指摘されてもしようがないようなところがあるのかなとも思いますので、結局は、それをどうやったら、どういう手段が一番妥当かということになるんじゃないかと思っております。
#33
○直嶋正行君 ありがとうございました。こういう法律だけじゃなくて、いろんなところでもっと手当てすることあるんじゃないかと、こういう御指摘なのかなと思います。
 確かに、私なんかもちょっとアメリカのケースなんかも勉強させてもいただきましたが、やはり、例えば中小企業の発注とか育成とか、そういうことを考えた公共調達というのも実行されていまして、しかしそのときはあくまでもきちっと数字を明らかにして、全体の工事の例えば一〇%はこのためにやりますという、明確に、それを透明にした上で行われているということでありまして、そのことまで否定するつもりはございませんで、むしろやはり国民にその必要性も含めて分かっていただける。基本は自由な経済活動なんだと、それから発注の側は、やはり国民からいただいた税金を使ってやるわけでありますから、少しでもいいものを安くということが基本でございまして、その中で政策的な配慮をやる場合には、私はやはり透明な形でやるべきだというふうに思っております。
 それで、ちょっと時間の関係ありまして一つ飛ばさせていただいて、与党さんの提案者の方にもう一問お伺いさせていただきたいんでありますが、これ官製談合の防止をということで考えますと、公正取引委員会と国の財政を監視する機関であります会計検査院とのこのやはり連携が私どもは有効ではないかというふうに思っております。先ほど言いました、今の法律を議論した中でもやはりそういうことが、これは与野党でも話し合われたというふうに記憶をいたしております。
 しかしながら、今回の与党さんの中には関係行政機関の連携協力という文言しか入ってないということでありまして、逆に私どもの方は明確に、公正取引委員会、会計検査院の調査結果の通知、連携ということを法律の中で明記をさせていただきました。
 なぜ今回のこの与党さんの法案ではこの点を触れておられないのか、これについて御所見を伺いたいと思います。
#34
○衆議院議員(大口善徳君) 今、直嶋委員の方から御質問ありました件でございますけれども、現行法上の第七条に、「国の関係行政機関は、入札談合等関与行為の防止に関し、相互に連携を図りながら協力しなければならない。」と、こういう規定がございまして、それに基づいて公取と会計検査院の連携というものを、これを行っていると。そして、実際の運用においても両者の連携というか、定期的な会合を開催して情報交換をすると。それから、公取がこの入札談合等の関与行為防止法に基づく改善措置要求、これをしたときは会計検査院に通知を行うこととしていると。こういうことで、両者の連携については新たな規定を設けるまでもなく、現実に密接に連携をしていると、こういうことであえて今回の法改正に盛り込まなかった、こういうことでございます。
#35
○直嶋正行君 ありがとうございました。
 この点はあれですか、現実の問題として、ちょっと通告してませんが公正取引委員長にお伺いしたいんですけれども、今お答えになったように、相互の会計検査院との連携というのはかなり実際に深めていくと、あるいは現在も深くやっていると、こういう理解でよろしいんでしょうか。
 関係行政機関というとやはりどうしても一般省庁も含めたことになりますから、なかなか事の性格上、やはりとりわけ会計検査院と公正取引委員会との連携が重要になってくるんではないかと、そういう発想で私どもはそういう規定を設けさせていただいたんですが、現場の状況を公正取引委員長からちょっとお伺いしたいと思います。
#36
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 先ほど大口先生からの御答弁にありましたとおりでございまして、改善措置要求を出した場合には会計検査院長に対しまして文書でもって通知しておりますし、それから定期的な協議も事務レベルで持っております。
#37
○直嶋正行君 ありがとうございました。
 それで、続きまして、防衛庁に今日来ていただいていまして、防衛庁にお伺いをしたいんでありますが、既にこの防衛施設庁の官製談合事件というのは大変私どもも大きなショックを受けたわけであります。この事件について改めて、細かく振り返る必要はもうないと思うんでありますが、これもいろいろ防衛庁さんが出された調査等を拝見しますと、歴代の技術審議官から聴取をされた結果がこの報告書なんかにも入ってございますけれども、早ければ昭和五十年代ぐらいからこういうことが行われてきたと、こういうことでございます。したがいまして、大変昔からこういうことが行われてきたということでございます。
 こういう組織ぐるみの一つの行動を反省されて様々な取組をされているわけでありますが、ちょうどこの六月十六日ですか、防衛施設庁の入札談合等再発防止に係る抜本的対策ということで報告書をいただいています。これを拝見しますと、要するに対策ということで抜本的と、こう打っているんですが、内容を拝見しますと、いわゆる技術系の職員の退職年齢、早期勧奨退職制度ですね、退職をしていろいろ移っていただいているわけですが、これを事務官の平均並みに二歳上げると。それからもう一つは、再就職の自粛ということで関係するところへの天下りを五年間自粛すると、こういう内容になっていまして、率直に言いますとこの二点に尽きるというふうに私、これ拝見して思っています。
 防衛施設庁はもう解体をしまして防衛省にという話もあるかもしれませんけど、これはまあ、現実にこの事件が起きる前から私なんかも防衛施設庁を防衛庁に統合するという話はちらちらお聞きをしていまして、むしろそれがこの抜本改革ではないかというふうに私は思っています。
 したがって、こういう自粛とか二歳の引上げということでいうと、こうした事件の後の改革としては本当に国民の理解を得られるのかなというのは率直に言って疑問を感じています。例えば、もう自粛ではなくてむしろずっと五年間でやりますよとか、あるいはもうこういう談合は、事件は絶対起こさないためにもっと根本的な、さっきから幇助とか不作為だとか議論していますけれども、こういうことはやはり目をつぶる人は許さないよとか、やはりもっとそういうところまで踏み込んでいかないとなかなか、これ、国民の理解得られないんじゃないかなというふうに私は、今日は率直に申し上げています。率直にそう思うんですけれども、この点について、これから何かいろいろとお考えになるのかもしれませんので、今後のことも含めて御答弁いただければと思います。
#38
○長官政務官(大前繁雄君) 防衛庁長官政務官の大前でございます。ただいまの御質問にお答えしたいと思います。
 最初に、今回の防衛施設庁入札談合の事案、御指摘のとおり大変大きな問題で、私たちも大変深刻に受け止めておるところでございます。何が一番問題かといいますと、この昭和五十年代、分かっているだけで五十年代ですけれども、さかのぼれば私はもうずっと前からだと思っておりますが、長期間にわたってシステマティックに、組織的にやってこられた。もう一つは、ただの談合じゃなしに官製談合であるという、この二点が非常に重要な悪質な問題であると考えております。
 卑近な例を申し上げますけれども、私は昭和四十一年に大学を卒業してゼネコンに十五年近くおったんでございますけれども、会社へ入ったときに最初に言われたことは何かといいますと、指名は役所からもらうんだと、指名は役所からもらうんだと、で、仕事は業者からもらうんだということを徹底して教えられたわけなんですね。
 それで、官製談合と普通の談合の違いは、この指名は役所からもらうという点は、もしこれ、役所がきちんと積算しているわけで、そのまま業者に渡したらいいんですけれども、これは官業癒着につながりますから、これは指名だけすると。で、その指名された業者が今度は話合いで、これまあ業界では十年、二十年もさかのぼって貸し借りを付けておりまして、満遍なくどの業者にも仕事が、大きな業者も小さい業者も行き渡るように、非常にこう僕はある意味で必要悪といいますか、合理的な制度だと思いますけれども、官製談合は仕事そのものも官が発注するということになってしまうわけですね。指名を出すだけじゃなしに、仕事も官が決めてしまうという、これはもう非常に悪質な問題であって、これは今都道府県の知事さんを中心にして天の声とかなんとかいってやる、これはもう最も悪質な問題であるということで、私は今回の防衛施設庁の入札談合の事案というのは非常に重大な問題だと思っております。
 ただしかし、御指摘いただきましたように、手ぬるいんではないかと言われますとなかなか、先ほど言いましたとおり、もう何百年も前から続いてきているような談合の世界でございますので、なかなか一日で、一つの法律ですぱっといくようなものはないと思っておりまして、防衛庁としても、先ほどお話ございましたとおり、副長官を長とする検討会におきまして、部外の有識者にも入っていただいて十四回にわたって精力的な議論を進めてきたわけですね。で、先ほど御指摘のその六月十六日に、まず建設工事の入札手続、あるいは再就職、人事管理、組織、公益法人などのあらゆる分野で抜本的な再発防止策を取りまとめたところでございまして、いろんな制約もございまして、不十分と言われれば甘んじてお受けいたしますけれども、現在のところ一番ベストなものを出したと、そのように考えております。
#39
○直嶋正行君 今日はこの防衛庁のことを議論するのが趣旨じゃありませんので、また改めてこの問題は機会があれば質問させていただきたいと思います。談合についての率直な御見解を賜りまして、必ずしも私が同意できない部分もございますけれども、そのことも参考にさせていただきたいというふうに思います。
 それで、もう時間が余りございませんので、あと一、二、官房副長官にお尋ねをさせていただきたいんでありますが、結局、今朝からの議論踏まえても、こういうことになると思うんですが、官製談合をやはりきれいにしていくといいますか、防止していく上ではやはり、今も議論出ていましたが、早期退職慣行制度を始めとする公務員制度の改革。それから二つ目に、天下り職員が在籍している企業の入札参加資格の見直し、それから三点目は、天下り職員が様々な入札情報の提供を求める行為の規制。それから、私どもが御提案させていただきました官製談合の防止法の強化、こういう、もっとあるかもしれませんが、様々なことを総合的にやはりやっていかないと、本当の意味での防止にはつながらないというふうに思うわけであります。そうしますと、相当一つ一つの問題が難しいと思うんですけれども、こういった点について内閣としての御所見を承りたいというふうに思います。
#40
○内閣官房副長官(鈴木政二君) 今、直嶋委員からいろいろなお話出ましたけれども、私どももいわゆる天下りの問題については、御案内のとおり、中馬前の行革の担当大臣が本年の九月に取りまとめました提案を踏まえまして現在検討をしております。この提案の中で示されている行為規制の導入と監視体制の確立は、いわゆる口利きの行為の禁止もしているわけでございます。官製談合の防止の観点から、より効果的に私どもは期待をしておりますし、さらに今いろんな中でお触れいただきました公共工事の発注制度についても、本年二月に策定した公共調達の適正化に関する関係省庁連絡会議の取りまとめに従いまして、予定価格が二億円以上の工事は基本的に一般競争方式に移行等を柱とする入札契約の改善にも取り組んでおります。そして、地方公共団体に対する国の取組も踏まえた入札契約の一層の適正化も要請をしております。
 今後とも官製談合の防止に向けてこうした取組をなお進めていく所存でございます。
#41
○直嶋正行君 それで、今お触れになりましたが、いわゆる中馬プランというんですかね、天下り規制をやめて行為規制に切り替えると。これは実は先日の決算委員会でも、副長官も御出席されていたと思うんですが、いろいろやり取りがございました。
 正直言いますと、私なんかはやはり、今のこの天下りと言われている再就職が、正に省庁という組織がやはり再就職先をあっせんするという仕組みになっていますから、例えばアメリカなんかではこういう行為規制というのは厳格にやられていまして、もちろんそれ中心の運用なんですが、日本の場合には、あのときも議論ありましたけれども、行為規制をやっても実効が上がらないんじゃないかと。つまり、組織としてあっせんを頼んでいるわけだから、別に個人がいろいろ口利きなんかしなくても、個人の立場をおもんぱかって省庁の方から様々に配慮をしてくれると、これが今の日本の実態じゃないかと。
 もうちょっと申し上げますと、この天下り規制ができたそもそもの発端は、やはり公務員の在り方というのを議論する中で、むしろ今おっしゃっている行為規制のようなものは余り意味がないんで、網を掛けて二年間は規制しようじゃないかと、これがスタートだったと思うんですよね。だから、私、その経過をちょっと見てみると、行為規制が駄目なんで天下り規制にしたものを、天下り規制を外して行為規制だけにしてしまうと、これは元へ戻ってしまうんじゃないかと、意味がなくなるんじゃないかと、こんなふうに思っているんですけれども、こういう議論というのはどうなんでしょう、なかったんでしょうか。
#42
○内閣官房副長官(鈴木政二君) 確かに今いろんな議論がございます。
 当然、時代の背景の中で国際化と、世の中が非常に大変変化をして、それに対応しなきゃならないという政策決定を行わなきゃならない。その中にやっぱり、直嶋委員も民間の企業の御出身でよくお分かりだと十分承知をしておりますけれども、やっぱり官民問わず優秀な人材を登用することの枠組みも構築することが必要じゃないかというふうに政府も思っております。
 こうした中で、公務員の再就職の問題を考えるに当たりまして、やっぱり官の人材が民に出て活躍するのも大変大きな意義がありますし、また、民の経験を経た人の官の中でのその能力を発揮することも、国全体において官民の人材交流、人材活用の重要性は私は十分今あると思っております。
 そして、一方、天下りの今の問題でありますけれども、国民の厳しい目があることは当然で今あります。再就職後の公務員の不正な行為に対してはもう厳正な対処すべき必要が今与党とも、政府とも考えております。このため、先ほど言いました中馬前行革の担当大臣の提示されました案を一つの踏まえまして、先ほど直嶋委員がおっしゃいました公務員制度の改革の全体の中で総合的に検討を深くしていきたいと思っております。
 以上でございます。
#43
○直嶋正行君 またこれも、もう時間ございませんので、改めてまた議論させていただきたいと思いますが、やはりこういうものを一つ一つ解決していくことが今議論にあった官製談合の防止にもつながるというふうに思っています。
 それで、今のお話の中で、私はちょっとこの官民交流をどういう形でやるかというのをきちっとやはり整理していかないといかぬなと思います。あえて私も民間出身ですから申し上げさせていただくと、今、実は一番いい人材を採っているのが中央省庁じゃないかなと。日本の中で一番優秀でいい人材を採っているはずなんですよ。しかし、最近、総理始め皆さんが優秀な人材を民間からと、こういう言い方をされるわけですね。
 一つは、私はやはり、そうすると、採用してから今日までの、何というんですか、人材育成のやり方とか、そういうところにもやはり問題があるんじゃないかと。それから、官民交流を進めるために天下り規制を緩めていくというのもちょっと趣旨とは違うんではないかなと。むしろ、個人が移動しやすい形にどうやってつくっていくかと。組織としてはやはりなるべく関与をしないと。しかし、出ていって戻ってくることは何か仕組みとして認めてあげるとか、いろんなことを考えていく必要があるんではないかというふうに思っていまして、私もこの問題、行革以来いろいろと取り組まさせていただいていますので、今与党ではないんでそこまで心配することもないかと思うんですが、非常に関心を持っていますので、また議論させていただくということにさせていただきたいと思います。
 以上で私の質問、終わらせていただきます。
#44
○松下新平君 私は民主党・新緑風会の松下新平です。早速ですけれども、質問に移らさせていただきます。
 私は九州の宮崎の選出でありまして、今地元は揺れに揺れております。概要を申し上げますと、二つの官製談合、測量、設計の方ですけれども、それで、競売入札妨害の疑いで県の幹部職員が五名、合計で十四名の逮捕者が出ております。今週末にも、知事は辞職しておりますけれども捜査がトップにまで及ぶという状況が報道されているところであります。私は宮崎に携わる政治家として大変申し訳なく思っております。
 国会におきましては、地方分権改革推進法案の審議、こういった地方での事件が起きますと、地方は何やっているんだと、地方には任せられないと、そういった声が出てくるわけであります。それぞれ皆さん、地方選出の議員の方もいらっしゃいますけれども、私はこの官製談合、この根絶をしっかり私の政治の責任においても取り組んでまいりたいと思いますが、この地方分権の流れは逆戻りはさせていけないと、そんな思いでおるところであります。
 今地方はまだまだ厳しい経済状況であります。地方行政においてはこの財政改革、それも県民の皆様の理解をいただきながら進めておったところにこういった事件が起きまして、本当に地元の皆さんは落ち込んでおります。行政の皆さんも一緒であります。私は様々な意見をいただいておりますが、今この参議院におきまして審議いただいている議員立法の官製談合防止法案に是非この地元の声を反映していただきたい、そんな思いで今回質問に立たせていただきましたので、どうぞよろしくお願いいたします。
 議員立法でありますので、是非提出者の皆さんからその趣旨なりその思いなりを発言していただきたいと思っております。申し上げましたとおり、地方の観点からという分野になりますけれども、質問をさせていただきたいと思っております。
 衆議院での議論、そして今までの議論、与党案、そして民主党案いただきました。大きな思い、現状の認識は共有していると思いますけれども、まず民主党案の提案された藤末先生に、この与党案と民主党案の違い、そして特に民主党案が強調されたかったこと、そのことを答弁していただきたいと思います。
#45
○藤末健三君 御答弁申し上げます。
 まずその前に、初めに、松下新平先生におかれましては、地方行政の経験があられ、また地方議会時代からもうこのような官製談合の防止に非常に関与されたという御経験がありまして、この民主党法案の企画そして作成においては本当にもう多大な貢献をしていただきました。本来でしたら松下先生がこの席に座って発議者として話をしていただくところではございますが、今回はあえてこの質疑者ということで御意見をおっしゃりたいということでございましたので、その点につきましては本当に敬意を表させていただきたいと思います。
 与党案と民主党案の相違点ということでございますが、この与党案、民主党案、基本的に考えは一緒でございます。昨今起きますこの地方自治体における官製談合事件、これを何とか止めていきたい、そしてやはりきちんと納税者の方々が納められる税金を適正に使うということを図るという目的はもう全く同じだと思います。ただ、大きい点でいきますと、我々民主党案は与党案よりも対象とする範囲を広くしています。
 具体的に言いますと、大きな点は三つございます。
 一つは、刑法等を改正することによりまして公務員の談合関与に対する罰則を強化する内容となっておりますし、また現行の談合罪の規定から、公正な価格を害し不正な利益を得る目的という構成要件を外しております。したがいまして、この構成要件、立証するのは非常に難しゅうございますが、これを広くできるということ。そしてまた、新たに公務員談合関与罪ということでございまして、談合に関与した公務員を処罰の対象にするというのがございます。これが一つ目です。
 そして、二つ目にございますのが不作為行為。すなわち、入札談合等が行われる明白なおそれがあることを知りながら当該入札談合等を防止する措置を講じないこと、これについても罪の対象としていると。
 そして、三つ目にございますのが、職員の賠償責任等を厳格化するために責任追及の要件を重過失から過失に変えております。
 そのほか、裁判所、実際に裁判を行う裁判所、そしてこの法律を所管する公正取引委員会、そしてまた政府のお金の使い方をチェックします会計検査院の連携の強化というのを盛り込んでおります。ほかには、職員の損害賠償責任の厳格化という規定がございますが、基本的な姿勢は同じでございますので、この委員会で皆様議論いただき、より良い法案を作っていきたいと思っております。
 よろしくお願いします。
#46
○松下新平君 ありがとうございました。
 度重なるこの談合を根絶したいと国民の期待が寄せられているわけであります。与党案、そして民主党案、それぞれ精査させていただきましたけれども、私はより厳しい民主党案の方を是非この法案として国会の方で成立していただきたいという強い思いを持っております。
 次に、この事件における背景の話をさせていただきたいわけですけれども、いわゆる地方の首長におきましては多選の弊害とかあるいはいろいろ政官業癒着構造ということで指摘されているわけでありますけれども、この宮崎の場合は多選ではありませんでした。むしろ、今までの体制を変えたいという県民の後押しがあって誕生した知事であったわけであります。どうしてこういった事件に発展していったか。それは、大きく地元の報道では政治と金の問題、具体的に申し上げますと選挙に金が掛かったと。それを、染めてはいけないけれども、実際、知事の立場からその恩返し的なことで対応してしまったということがあるわけであります。
 政治と金、国会議員の方は今、政党助成金制度も充実してまいりましたし、あるいは選挙に対する政党からの支援も行われているわけでありますが、なかなか首長においては、献金という形になるわけですけれども、その透明性について大変疑問があるわけであります。
 そういった意味で、この首長の選挙資金制度の見直し、これをしていかない限り、この官製談合の類型の、明示的な指示、受注者に関する意向の表明は構造的になくならないのではないかと懸念しておりますけれども、このことについての御意見をお願いいたします。
#47
○藤末健三君 御指摘ありましたように、政治資金の透明性というのは非常に重要な問題だと考えております。
 一九九四年に公職選挙法そして政治資金規正法の改正が行われ、政党助成法というものができたわけでございますが、これはすべて議員立法でございます。ですから、松下議員が御指摘いただいた点につきましても是非、議員、我々の方で議論しながら進めていかなきゃいけないと思います。
 なお、民主党の官製談合の防止という意味では、これはまさしく松下新平議員がもう中心となって進めていただいたわけでございますが、百六十三回国会において政治資金法等の一部を改正する法律案というのを民主党は提出させていただいております。その一つの項目、柱としまして、地方団体と契約をし利益を得た事業者は、候補者も含み、一年間、寄附等の行為、政治活動をやってはいけないという項目の案を作っておりますので、これは残念ながら否決されましたけれど、このような法案を引き続き出していく、そして実現していきたいと思っております。
 ありがとうございます。
#48
○松下新平君 ありがとうございました。
 次に、私は以前、県職員として勤務した経験があります。地方の行政でしたけれども、やはり上司からの命令というのは絶対であります。もちろん、納税者の皆さんに不利益になることはしてはいけないという規定はありますけれども、実態は、その忠実な公務員の世界において上司の指示は絶対であります。
 今回の官製談合におきましても、上層部からの指示を拒否できなかったという実態がございます。報道によりますと、一度は断ったと、いさめたけれども再度指示をされて断れなかったという供述があったという報道もなされております。その点を踏まえて、地元でも本当にいろいろな心配の声があるんですけれども、この公務員の罰則の強化、適用の範囲の拡大だけでは談合の廃絶やこの抑止力にならないのではないかという意見もございます。
 民主党案では、類型に新しく不作為を入れておりますけれども、それに加えて公益通報者保護制度の更なる運用や内部通報者保護制度の確立などが必要と思われます。これらの点についてどうお考えでしょうか。
#49
○藤末健三君 民主党としましては、公益通報者保護法を改正しまして、公益通報対象事実の拡大や、あと外部要件の緩和を行うということを提案しております。具体的には、百五十九回の国会におきまして国の行政運営の適正化を図るための公益通報に関する法律案という、通称公益開示法案というものを出しておりまして、この中におきまして、実際に談合のことを知り、そしてそれを通報した方の保護をするという法案を提案を申し上げています。
 また、大事なことは何かと申しますと、先ほど不作為行為の件が御質問をいただきましたけれど、やはり不作為行為、漠然と聞いて談合されていることを知って、それを関与しなかった、否定しなかった場合に罰せられるというものではなく、きちんと明白な事実を知った上で、あくまでも黙認に等しい不作為入札談合等関与行為を認定するというものでございまして、非常にその意味では、不作為行為を警戒する余り職員の方々が萎縮するということはないように考えております。
 以上でございます。
#50
○松下新平君 ありがとうございます。
 今回の逮捕になった方の中には、もうすぐで定年という方もいらっしゃいました。長年勤められて、公務員の場合は禁錮刑以上が確定しますと退職金も含めて懲戒免職になるという規定があります。そういったのを思うと、もちろんこの法案が抑止効果を働かせれば一番いいわけですけれども、申し上げましたように、実態の組織の中では、特に上層部から、悪いことをするからやってくれという言い方はしないわけであります。その上司のいろんな価値判断の中で、立場で指示があるわけですから、そこら辺を法案の中でもしっかり考えていただきたいと思っております。
 次に参ります。
 この官製談合の問題で、そもそもこの入札制度についてお伺いしたいと思います。
 大きく、一般競争入札制度、そして指名競争入札制度がございます。それぞれのメリット、デメリット、あろうかと思います。長野県では原則一般競争入札制度を導入されています。それに秋田県とか宮城県も、一定の条件はありますけれども、基本的に一般競争入札制度、これを導入する動きがあります。私もこの問題はずっと地方に根差して活動していたときから考えておりましたけれども、この指名競争入札制度には地場産業育成、そして雇用の確保の問題もありますし、地元では昨年、一昨年と台風災害があったんですけれども、そのときに率先してこの業者の方が復旧活動にボランティアで参加していただく、そういったこともあります。
 地元では、そういった方にどう報いるかということも大きな課題であるわけであります。もちろんそれが官製談合に結び付いてはいけないわけですけれども、こういった実態があると。それを大局的な見地からどのように入札制度を考えるか、このことについてお伺いいたします。
#51
○藤末健三君 一般論としまして、競争入札制度は、公共事業や、あと官庁の物品調達において公正で、そして公平な業者を選び、そして適正に契約を結ぶというのが目的でございます。ただ、本当に松下議員の御指摘もありましたように、一律に一般競争入札にするだけでは本来の役所が果たす役割を果たせないと思います。
 御指摘の災害などの緊急時の協力、あと地場産業の育成、雇用状況の改善などのいろんな条件を満たしたもの、そのような入札制度も進めるべきだと考えております。特に今、地方におきましてはベンチャートライアル制度といいまして、地場の新しい製品やそしてサービスを優先的に調達しようという制度もございますので、そういう制度も進めるべきだと思います。
 なお、我々民主党で考えていますのは、アメリカで採用されています入札ボンド制度、あと入札の資格者について事前にチェックする制度、そして入札後に不服を申し立てる制度、そういう制度も整備するべきではないかと考えております。
#52
○松下新平君 ありがとうございました。
 最後の質問になりますけれども、地元では県庁の、行政側のOBを会社が引き受けないと仕事をもらえないということが言われて、現実そういったことも行われていると思います。この官製談合と天下りの問題で、先ほども与野党の先生方からそれぞれお話がありました。もちろん、長い間行政におられてそういったその経験をまた社会に還元していただくということでは、その場がしっかり与えられるべきだと思いますけれども、申し上げましたように、この天下りと官製談合の表裏一体の関係、この問題はずっと議論されている問題であります。この天下りについて民主党案の方はどのように考えていらっしゃるか、お伺いいたします。
#53
○藤末健三君 御指摘ありますように、恐らく与党案、そして我々の案も、構造的な官製談合を取り締まればいいというだけではなくて、やっぱり構造的な問題があるという点も考えていると思います。民主党案におきましては、今回提出しました官製談合防止法だけではなく、やはり天下りという、御指摘のように天下りという問題が大きいんではないかというふうに考えております。
 そのような観点から、松下議員も本当にイニシアティブを取っていただいたんですが、民主党におきましては天下り規制法案を提案しております。その主な内容を申しますと、ポイントは四つございます。一つは、天下り禁止期間。今、離職後二年でございますが、これを五年に延ばすこと。そして二つ目にございますのは、規制の対象とする天下り先に特殊法人、そして今どんどん増えています独立行政法人、公益法人等を追加するということがあります。そして三つ目に、本省の幹部が離職後十年間の再就職状況を報告するということを義務付けようとしております。そして四つ目に、特殊法人の役員が天下ること、これについても国家公務員と同様の規制を新設すると。この四つにつきまして新しい法案を提案しているところでございます。このように、天下りによる官と業の癒着を防止する、それが官製談合防止につながるんではないかと考えております。
 以上でございます。
#54
○松下新平君 ありがとうございました。
 全国知事会でも作業チームを結成されて、談合決別宣言というのを年明けにも発表されるという報道がなされております。やはり、今議論をさせていただきましたけれども、私は、政治と金の問題、これをまず我々政治家が襟を正すこと、それが先決であろうというふうに思っております。
 確かに政治には金が掛かる、選挙には金が掛かる、でもそういったもので解決してはなりません。国民の皆さんのこの官製談合防止法案に対する期待は大変大きいものがあるわけであります。根絶を、その願いも込めてしっかりこの委員会で議論させていただきますことを発言させていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#55
○山口那津男君 公明党の山口那津男でございます。
 私は、このたびのいわゆる官製談合防止法改正案の与党案の作成に対して責任ある立場でかかわった者の一人として御質問させていただきたいと思います。
 私はさきに、本年の三月十三日に本院の予算委員会においてこの点に関する質問をさせていただきました。本日は、それと言わば連続的、一体的な内容を持つものとして御理解をいただきたいと思います。
 その三月の質問の際に、官製談合事件における違約金支払義務と損害賠償責任との法的な関係について質問いたしましたが、明確な御答弁がありませんでしたので、政府に対して文書による回答を求め、三月二十四日付けで国土交通省より文書で回答がありました。
 まず、その内容についてお述べいただきたいと思います。
#56
○政府参考人(大森雅夫君) お答えいたします。
 一般的に、談合の関係業者と関与行為を行った政府職員の間において、共同して不法行為を行ったと認められる場合には、発注者に対して、談合の関係業者と関与行為を行った政府職員は連帯して損害賠償責任を負うことになります。これは民法七百十九条に書かれております。
 一方で、談合があった場合には、発注者としては、談合による損害額の立証等を行うまでもなく、損害賠償額の予定としてあらかじめ定められた違約金特約条項に基づきまして、請負者に対して同条項に基づき違約金を請求することになります。この場合、通常は違約金の徴収をもって事実上国の損失が補てんされているものと考えます。
 しかしながら、違約金の徴収により国損の補てんが十分でないと判断される場合には、関与職員等に対する損害賠償請求を行うこともあり得るものと考えます。このような判断に当たっては、実損額が違約金額を上回ることになるかどうか、事例に即して検討することが必要になるものと考えます。最近の裁判例では、損害額の認定は契約額の五から一〇%程度となっております。
 なお、発注者が違約金を業者から徴収し国の損失の補てんがなされた場合であっても、談合の関係業者と関与行為を行った政府職員の間の内部関係において、違約金を支払った業者が当該職員に対して民法上の求償を行うことは当然考えられます。
 さらに、官製談合に係る請負者が倒産した場合など、国損が発生したにもかかわらず違約金による補てんが十分なされない場合には、官製談合防止法及び予責法に基づき、談合に関与した職員に対し、その賠償を求めることになると考えられます。
#57
○山口那津男君 今のお答えは一般的な法律関係をお述べいただいたものでありますが、今回のこの与党案におきましては、この損害賠償の責任の有無について、また賠償額等、それらの結果についてこれを公表するという新たな制度を設けました。
 これをなぜ私たちが強調するかと申し上げますと、この官製談合防止法は、言わば一般の談合に関与するような刑法あるいは独禁法による摘発、これだけではその官製談合たる特徴を表し切れないと。そして近年、この点につきまして、かつてはこの官製談合についてかかわった公務員を処罰するという実例はそれほど多くありませんでした。しかし、最近は談合罪、あるいは場合によっては背任罪等も適用してこれを摘発すると、こういう事例が増えてきたわけであります。
 そうした経過にかんがみますと、この当初作った官製談合防止法においてはこの直罰規定というのは設けなかったわけであります。また、損害賠償責任の結果についても、これをどうなったか。例えば、一つの役所に報告をさせるとか、それを公に公表させると、そういう制度までは持っていなかったわけですね。
 ですから、この官製談合防止法をこれからいかに抑止力を強めるかという意味で、この刑事罰を強化するということと、損害賠償責任の結果を国民に知らせて、そしてその批判を仰ぐということ、この二面で抑止力を強めようと、そういう決断をしたわけであります。
 今、一般的な法律関係をお述べいただきましたけれども、国土交通省に関連する分野で申し上げますと、いわゆる旧道路公団の橋梁談合事件というのがありました。また、旧成田空港公団事件というのもありました。この二つの事件を例に取って、それぞれ、官製談合に関与した職員の損害賠償責任の有無がどうなっているか。現時点でどう判断されるのか。あるいは、結果が出るとすればそれを今後公表するのかどうか。この点についてお考えをお述べいただきたいと思います。
#58
○政府参考人(近藤善弘君) いわゆる旧道路公団橋梁談合事件の件につきましてお答えさせていただきます。
 旧道路公団橋梁談合事件の官製談合関与職員の損害賠償責任の有無については、旧道路公団の業務を承継した東日本、中日本、西日本高速道路株式会社の三社が協力して調査検討を進めておりますが、関与職員の責任を明らかにするための公判が現在係属中であり、現時点においては損害等、当該職員による関与行為の因果関係等について明確になっていないものと認識しております。三社からは、今後、公判の状況や調査検討結果を踏まえ厳正に対処する方針と聞いており、調査結果がまとまり次第、適切に公表されるものと認識しております。
#59
○山口那津男君 今の橋梁談合事件につきましては、公務員の側はまだ争いが続いているようでありますけれども、民間の業者についてはもう結論が出ているだろうと思います。
 それに対して会社側としては損害賠償請求を業者に行っているのではありませんか。それに対して業者側はどういう反応をしているんでしょうか。それについてお述べいただきたいと思います。
#60
○政府参考人(近藤善弘君) お答えいたします。
 業者側に対する損害賠償につきましては、いわゆる違約金条項が適用するものにつきましては、既に違約金という形での請求をなされているところでございます。
 そして、その他の損害賠償、違約金条項が適用になっていないものにつきましては、今後損害賠償を請求をしていくというふうに承知を、聞いているところでございます。
#61
○山口那津男君 その違約金について請求している件について、請求された側はこれを払ったんですか、払おうとしているんですか、それともどうなんですか。ここを教えてください。
#62
○政府参考人(近藤善弘君) お答えいたします。
 違約金につきましては、九月十二日に請求をしておりまして、それらにつきまして三十一件、約二十三億円の請求をしております。これらにつきましては、支払が順次なされておりますが、まだ未払のものは十社、約八億円がございます。
#63
○山口那津男君 なかなかお答えにならないので、大臣の会見で大臣がどう述べられているかということを申し上げたいと思います。
 その未払のところについては、発注者であった道路公団幹部もいわゆる官製談合として関与した事案ではないのかと、そういうものについて契約に基づく違約金を求めるのはいかがなものかということを理由に支払を拒絶している業者がいるということを大臣が記者会見で、国土交通大臣が述べられているわけですね。ですから、やっぱり業者さんの側にもこの官製談合で官がかかわったということに対しては言い分があるということであります。
 そして、官の側の刑が確定しておりませんから最終的な結論は今なかなか出せないと思いますが、やはりかかわった度合いによってこの損害賠償の責任の有無と内容というのはやっぱり違ってくるということでありますので、今後、これら刑の確定を待った上でこの損害賠償責任の結果、内容、これについては既に大臣はその結果を公表しますというふうに述べられておりますので、改めてその結論を公表することにしていただきたいと思いますが、いかがですか。
#64
○政府参考人(近藤善弘君) お答えいたします。
 今後、必要な調査検討等を行いまして、そしてとるべき措置につきましては公表をさせていただきます。
#65
○山口那津男君 なお、申し添えておきますけれども、この事件でかかわった官の側は背任罪も適用されているわけですね。で、背任罪は損害額の認定を起訴状においてはしているわけであります、判決の結論がどうなるかはまだ分かりませんけれども。そして、この損害額の認定によってはやはり民との関係でどちらがどれだけ責任が重いか、どういう責任の振り分けになるかということも明らかになってくるわけでありますから、やはりそこで結果の公表というのが実に大事な意味を持つということを申し添えておきたいと思います。
 それで、成田空港事件の方については、これ損害賠償責任の有無、内容等についてどうなっていますか。
#66
○政府参考人(前田隆平君) 新東京国際空港公団の談合事件について御説明いたします。
 新東京国際空港公団、現在、成田国際空港株式会社と名称が変更になっておりますが、現在この空港会社におきましては、本件の不正事件によりどのような損害を受けたかという点につきまして、ほかの同種の事案の損害賠償請求の事例を調査することとしておりまして、そのような観点から現在も最近のほかの機関における状況等を踏まえるべく調査を継続しているところでございます。
 調査の結果につきましては、取りまとめ次第、会社の方から国の方に報告がございますし、しかるべく公表もされるものと考えております。
 それから、損害賠償責任の有無の問題でございますが、この件につきましても空港会社において先ほど申し上げました今後の調査の結果を踏まえまして当該不正事件による損害賠償についても適切に扱われるものと考えております。
#67
○山口那津男君 この事件は既に刑が確定しているわけですね。そして、この事案の場合には違約金特約条項というのを入れてなかったんですね。それで、この契約をしたのは二〇〇三年の十一月あるいは十二月という時期なんですが、この年の六月に国土交通省はその談合防止策として契約額の一〇%を違約金として支払わせる制度をスタートさせているんですね。公団にもそのことを通知しているはずであります。にもかかわらず、その後に発注したこの工事は違約金特約条項を入れてなかったんですね。もうここにおいて既にこの談合防止策について熱心に取り組んでいないという状況が表れているわけであります。そして、刑が確定したにもかかわらず損害賠償請求をきちんとしていない、そういう現状ですね。今調査をされているというお話でありましたが、会計検査院から指摘をされていませんか、損害賠償について。金額まで指摘されているんじゃありませんか。
#68
○政府参考人(前田隆平君) お答え申し上げます。
 会計検査院の方からそういった指摘は受けておりますが、具体的な金額については明示的に会計検査院の方から指摘を受けてはございません。
#69
○山口那津男君 会計検査院は、契約総額七億六千六百万円の一〇%を目安に損害賠償請求などを検討するようにということでこの会社の方に求めたのではありませんか。どうですか。
#70
○政府参考人(前田隆平君) 先生の御指摘のような指摘を受けております。
#71
○山口那津男君 それを先にちゃんと言わなきゃ駄目ですよ。その指摘を受けてこれこれこう検討しておりますということをちゃんと言わなきゃ駄目ですよ。で、いつまでにその調査を終えて金額を確定して、それを公表するんですか。
#72
○政府参考人(前田隆平君) 今、先ほど申し上げましたとおり、現在調査中ということでございますので、その調査の結果を踏まえた上で具体的な損害賠償請求についての有無についても検討をしたいというふうに考えております。
#73
○山口那津男君 それでは、なお申し上げますが、調査して何を調べるんですか。損害の実額を出せるんですか。出せない場合があるから裁判の事例等では損害額を認定することが行われているんでしょう。で、契約総額の何%と、さっきお答えあったでしょう、最近の裁判例では五%から一〇%の例が多いと、お答えあったでしょう。だから、実額を積み上げて損害額を決定するということは通常難しいわけですよ。じゃ、何を調査して結果を出そうとしているんですか。
#74
○政府参考人(前田隆平君) 先ほど、類似の事例について調査を行っているというふうに申し上げましたが、率直に申し上げまして、本件、成田空港株式会社に係る談合事件の対象となった工事は受変電設備関係でございまして、これについての、ほぼこれに類似した受変電設備の工事の例というのがないということもございまして調査に時間が掛かっておりますが、ほかの同種の事件についてどのような扱いになっているかということを十分に検討した上で適切な対処を行っていきたいというふうに考えております。
#75
○山口那津男君 国土交通大臣は九月十二日の会見で、橋梁談合事件に関してでありますが、違約金特約条項導入以前の工事、これは特約条項を入れるべきなのに入れなかったという場合と同様に考えていいと思いますが、それについては、司法当局等により談合の認定が行われたものについて、特約条項はありませんが、当該損害賠償を行っていきたいと考えているところですと、大臣こう言っているんですよ。そして、ちなみに、損害賠償請求を行う検討対象となる工事の件数は六十一件、総請負金額は三地方整備局で二百十二億円ということになっておりますと。だから、これを目安にして損害賠償額を求めていくということを大臣は示唆しているんですよ。だから、今更時間を使って何を調査するのかというのは全く我々には説得力がありませんね。是非早急に結論を出して公表していただきたいと思いますが、どうしますか。
#76
○政府参考人(前田隆平君) 本件については、私どもも大変重要な事案ということの認識は持っているつもりでおります。したがいまして、先ほど申し上げました類似の例が少ないということでなかなか時間の方が掛かっているという現状でございますけれども、先生の御指摘も踏まえまして早急に調査結果が出るように会社の方を指導してまいりたいと思っております。
#77
○山口那津男君 その結果を早く公表していただきたいと思います。
 さて次に、防衛施設庁、こちらも談合事件があったわけでありますが、既に現職であった人の二名については刑が確定しているわけですね。OBの人についてはいまだ争われていると思いますが、現職だった人については刑が確定しているわけでありますから、防衛施設庁としてこの損害賠償責任をどう考えるか、これについて現時点でどう判断しますか。
#78
○政府参考人(北原巖男君) 山口那津男先生に御答弁申し上げます。
 その前に、我が防衛施設庁が大変な事態を生起いたしまして、おわびして許されるものではございませんが、改めておわびを申し上げます。
 それで、今の点でございますが、まず、私ども、今回、入札談合によりまして生じた損害等につきましては、先ほど御議論いただきました違約金の請求あるいは民法等に基づく損害賠償請求といったことで回復を追求する考えであります。
 そして、その中で、まず違約金の点でございますけれども、既に当庁職員それから請負者の役員等の談合罪が確定した十件、それから請負者の役員等の談合罪が確定した一件、トータル十一件の建設工事につきまして、そのうち十七年度内に工事が完了いたしました七件につきましては、違約金約十七億円の納付を既に受けております。
 それから、さらに先月一件が工事完了いたしました。これにつきまして私ども請求をしておりましたところ、請負者から違約金の請求を応じるといった回答をいただきまして、これは二億七千三百万円の違約金になります。今後、納付手続を行っていきたいと思っています。
 したがいまして、十一件のうち残る三件でございますが、三件のうち二件は今年の十二月二十五日に納期を迎えます。残り一件が来年の二月二十八日でございますので、それぞれ納期が来たところで所要の手続を取ってまいりたいと、違約金についてはですね、これがトータルいたしますと約二十四億円になるものと考えております。
 それから、先生御指摘の職員の損害等でございますけれども、私ども、損害賠償を行うということに当たりましては、責任の有無、それから損害の有無、損害額等々につきましてきちっとしたこれは調査を行わなければなりません。それで、現在、私ども、全面的に公正取引委員会の調査に協力をしているわけでございますけれども、今後、排除措置命令等が出された段階におきまして、同委員会に資料の御提供等を求めまして、こうした御協力を得ながら我々としてしっかりとした調査を行っていきたいと。
 そして、その調査の結果につきましての公表でございますが、これは去る三月十三日、当時の額賀大臣が山口那津男先生から御質問を受けまして、これについては前向きに取り組んでいくといった趣旨の答弁をされております。そのとおりでございまして、私ども、その結果が出ましたときにはきちっと対応してまいりたいと、そのように考えているところであります。
#79
○山口那津男君 では是非、きちっと対応する、つまり公表しますというふうに受け止めてよろしいですか。念のため、一言。
#80
○政府参考人(北原巖男君) 公表してまいります。
#81
○山口那津男君 この損害賠償については、先ほど一般論として、違約金特約条項があったとしても実損額がそれを上回る場合があり得ると、こういうお話でした。それから、違約金特約がない場合であっても損害賠償請求はなし得ると、こういうことでありました。これらをきちんとやっていくこと、そしてそれを公表することがいかに大切かということを今日感じていただけたと思うわけでありますが、この防衛施設庁の事件に関しまして職員三千人にアンケートを取ったんですね。ところが、官製談合防止法の内容とか職員に損害賠償責任があり得るという認識は極めて低い。四割の人が全くこれに対して認識が乏しいと、こういう結果であったわけであります。
 それで、国土交通大臣は、いろいろな質疑を経て、こういう措置を厳正にしっかりやっていくことが必要であると、今回の橋梁談合についても、談合するとこういうことになるということをしっかりと理解していただくためにも厳正に対応していきたいと、こういう趣旨のことをお述べになっているわけですね。
 ですから、やっぱりこれは、官製談合を行った場合には、そのかかわった職員個人は、もう刑事罰においてもこの損害賠償においても、言わば一生を台無しにしてしまうと。だれがどういう、唆しや示唆、圧力等があったとしても、これは断じて自分はやってはならないと、そういう意識をつくり上げない限り、今後談合を根絶することはできないと思いますので、今回の与党案の改正というものは、刑事罰が上限が重くなったこと、そして罰金も含めて、言わばぐるみでかかわった人を、その内容に応じて、罰金も含めてすべて処罰が可能になっていると、こういうことが本当の意味で抑止力を高めることになるんだと私は考えるわけですね。
 法案提出者として、大口議員、どのようにお考えになりますか。
#82
○衆議院議員(大口善徳君) 今、山口委員の方から非常に詳細なあれがございました。やはり、損害賠償請求がどう発注者がやっているかどうか、懲戒処分をどうやっているかということを公表することによって、やはり発注者がここに向かって何をどういうふうに対応しているのかということを明確にすることが非常に今大事だということ。そこで、与党案において、こういう四条あるいは五条に追加して公表義務を課したと、こういうことでございます。
 いずれにしましても、いろいろ今回、重過失を過失というような、民主党案からそういう損害賠償について出ておりますが、それよりも、むしろこうやって公表することの方が私は官製談合を防止する上において非常に抑止力があると、こう思いますし、また、今回、五年以下の懲役という形で罰則を強化し、罰金という形でも二百五十万を付けておりますが、これもやはり、じゃ罰金に相当するような場合を起訴猶予にしていいのかということは、そうじゃないだろうと。この網を大きく広げて、今回についても罰金も存続させて、そして抑止力を高めたと、こういう改正案でございます。
#83
○山口那津男君 この刑事的な面、民事的な面での抑止力を強めるということを是非現場の職員に徹底を図っていただいて、今後二度と再発をしないように努力をしていただきたいということを申し添えまして、私の質問を終わります。
#84
○鈴木陽悦君 最後の質問に立たせていただきます鈴木陽悦でございます。
   〔委員長退席、理事加納時男君着席〕
 法案の改正に携わった委員の皆さんが今日は発言者の中に加わっていただきまして、非常に中身の濃い様々な議論が行われたと思っております。
 私としては、刑法への対応、それから発注側への対応などにつきまして、幅広い対応をしている民主党案に非常に深く気持ちが動いているという形でございますけれども、ただ、最後の質問でございますので、政府の取組を中心に絞ってお話をさせていただきたいと思います。
 繰り返し議論されてまいりましたけれども、官製談合の防止を強化する取組の一つに入札契約制度の改革が挙げられまして、その一つの方策として一般競争入札の一層の拡大があるわけでございます。しかし、これが安かろう、悪かろうにつながって地域の中小事業者の機械的な排除につながりかねないというおそれもあるわけでございます。注文する側は、ひたすらその低価格を願っているわけではなくて、品質も非常に重視をしているわけでございます。ただ、価格以外の情報が乏しいと、その価値判断というのは価格に頼らざるを得なくなります。
 そこで、ちょっと前置き長くなりましたが、今日は最初に、佐藤昭郎先生からもお話出ましたこの総合評価方式について絞って伺いたいと思います。
 総合評価方式の公共工事品質確保法、いわゆる品確法ですが、これによりますと、民間事業者の能力が適切に評価され、民間事業者の積極的な技術提案、すなわち公共工事に関する技術又は工夫についての提案及び創意工夫が活用されること等により民間事業者の能力が活用されるように配慮されなければならない、このようにされております。価格のみならず、技術能力、技術提案について審査することとしております。
   〔理事加納時男君退席、委員長着席〕
 先ほどお話出ましたが、去年の四月から施行されておりまして、一年半が経過していますけれども、国及び地方公共団体の実施状況については、細かい数字が先ほど御説明されませんでしたので、国交省と総務省に、この国と地方公共団体、どういう実施状況か、初めに伺います。
#85
○政府参考人(大森雅夫君) お答えいたします。
 まず、政府においては、談合等の不正行為の排除の徹底などを図るため、本年二月に策定いたしました公共調達の適正化に関する関係省庁連絡会議による取りまとめに従いまして、手続の透明性、客観性、また競争性が高い一般競争方式の拡大を進めるとともに、価格に加え、価格以外の要素も総合的に評価して落札者を決定する総合評価方式の拡充にも取り組み、地方公共団体に対しても国の取組を踏まえた入札契約の一層の適正化を要請したところでございます。
 さて、先生の御指摘の実績、実施状況でございますが、公共工事の品質確保の促進に関する措置状況についての調査結果によりますと、平成十七年度では、国の機関十八省庁等のうち六府省庁が公共工事について総合評価により入札契約を実施しているところでございます。また、今年度でございますが、今年度は金額ベースで国土交通省は八割以上、また農林水産省は五割以上などの実施目標値を定めるなど、全体といたしましては十三府省庁等が総合評価方式の導入拡大に努めているところでございます。
#86
○政府参考人(門山泰明君) お答え申し上げます。
 地方公共団体におきます総合評価方式の実施状況でございますが、地方公共団体における公共工事の品質確保の促進に関する施策の実施状況につきまして調査いたしました結果によりますと、平成十七年度では、都道府県におきましては二十二の団体、政令指定都市におきましては一団体が公共工事につきまして総合評価方式により入札契約を実施しているところでございます。
 また、詳細は調査中でございますけれども、今年度中には都道府県の場合、すべての都道府県が総合評価方式の導入を予定しておりまして、また政令指定都市におきましても十の団体が導入を予定しているという状況でございます。
#87
○鈴木陽悦君 今の数字聞いてちょっと驚いたんですが、昨年度の数字ではこの政令指定都市一ということでございまして、数字見ても地方公共団体のこの実施状況というのは、今年は十ということが見込まれているんですが、良くないわけですが、これはどんな理由からなんでしょうか、お答えください。
#88
○政府参考人(門山泰明君) お答えいたします。
 地方公共団体の実施状況が良くないと、この理由はどういうことかというお尋ねでございます。
 総合評価方式の運用につきましては、一つは事務量がかなり増大するということ、それから契約までに長い時間が掛かるということ、さらに落札者の決定基準の作成というものが技術的に難しいと、こういったことなどが地方公共団体の声として、課題として挙げられているところでございます。
 総務省といたしましては、公共工事の品質確保の促進に関する法律、この趣旨を十分に踏まえまして、各地方公共団体にまずこの法律の趣旨を更に周知徹底いたしまして、総合評価方式の導入の拡大を図るということが重要だと思っております。
 また、一般競争入札の導入に伴いますダンピングと、こういった問題もございますので、そういったダンピングの防止というものを図るためには、入札に参加しようとする人の経営状況ですとか工事実績などの入札参加資格の審査を十分行うといったこと、低入札価格調査制度、最低制限価格制度を活用すると、こういったことも有効な方策でございますので、あわせまして、これらの活用によりますダンピングの排除、不良不適格業者の排除などについても徹底してまいりたいと考えております。
 また、品質確保法にのっとりました発注業務を実施していきますためには、特に規模の小さな市町村においてでございますけれども、専門的な知識とか技術を有します職員の確保、あるいはその都道府県などによります適切な支援というものが必要と考えられますため、この点につきましては国土交通省とも連携いたしまして、必要な助言指導を行ってまいりたいというふうに考えております。
#89
○鈴木陽悦君 周知徹底、そして連携というのはこの委員会でもいろんな形で登場しておりますので、是非その周知徹底、連携というのは強めていただきたいと思っております。
 国土交通省に伺いたいんですが、この品確法ですが、これにつきましては、国や地方自治体によります民間業者の技術能力、何回も申し上げますが、それから技術提案の審査が官製談合を招きかねないと当初から懸念されておりました。冬柴国土交通大臣も、技術的な対話が官製談合を助長する懸念があるならばどう対処するかという工夫も必要だ、このように述べられておりますけれども、この点についての認識、そして対応について伺いたいと思います。
#90
○政府参考人(大森雅夫君) お答えいたします。
 先生御指摘のように、総合評価方式は、価格に加え、価格以外の要素も総合的に評価して落札者を決定する方式であり、民間事業者の技術や品質等を重視していく中で、発注者が主体的に判断する機会が増加すると考えられます。したがいまして、国民の疑惑を招くことのないよう、評価に当たってはその中立性、公正性を確保することが非常に重要であると考えており、一層の透明性、客観性の確保などに努めていく必要があると考えております。
 このため、総合評価方式を実施する各発注者におきましては、情報の公表の徹底、また建設業者からの苦情処理制度等の活用のほか、総合評価方式の具体の実施に当たって学識経験者等の第三者の意見を聴くなどによりまして、中立かつ公正な評価の確保を図っていくことが重要であると考えているところでございます。
#91
○鈴木陽悦君 是非積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 若干時間もございますけれども、今日はいろいろとまだ伺いたいことがあったんですが、質問重複するとまずいということで、総合評価方式と品確法、これに絞ってお話をさせていただきました。
 今日の朝からの各審議を拝聴いたしまして、これまでの数々の事件というのは、コンプライアンス以前の常識がその常識として機能していないために起きたわけでございまして、常識を打ち壊してまで行われるその構造を一刻も早く排除して、うまみを生み出さない、付け入るすきを持たせない、これこそ体質改善を図っていかなければいけないというふうに痛感いたしました。
 質問を終わります。ありがとうございました。
#92
○委員長(伊達忠一君) 他に御発言もないようですから、入札談合等関与行為の排除及び防止に関する法律の一部を改正する法律案の質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 入札談合等関与行為の排除及び防止に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#93
○委員長(伊達忠一君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、藤末健三君から発言を求められておりますので、これを許します。藤末健三君。
#94
○藤末健三君 私は、ただいま可決されました入札談合等関与行為の排除及び防止に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党及び社会民主党・護憲連合の各派並びに各派に属しない議員鈴木陽悦君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    入札談合等関与行為の排除及び防止に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  公共事業の発注や物品等の調達に発注者側の関与する官製談合は平成十四年の官製談合防止法制定にもかかわらず後を絶たない。
  官製談合は官公需における公正で自由な競争を官公庁自らが阻害する不当な取引制限であり、予算の適正で効率的な執行を妨げ、納税者である国民の利益を阻害する悪質な行為である。
  政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
 一 改正法の施行状況を勘案し、必要に応じ入札談合等関与行為に当たる行為類型のさらなる範囲拡大等を検討すること。
 二 公正取引委員会は会計検査院との相互の連携協力等を通じ、入札談合等関与行為の抜本的な排除及び防止に万全を期すこと。
 三 国、地方公共団体等による公共調達については、予定価格の見直し、一般競争入札の一層の拡大、総合評価方式の拡充等一層の改革を図ること。また、公共調達の在り方について、発注機関、公正取引委員会、財政当局、捜査当局、関連業界の代表者及び有識者による幅広い見地から、入札談合が生じる制度的な要因を解明し、入札談合の抜本的な防止策を検討すること。
 四 地方公共団体の長・幹部職員の不正行為に加えて、公務員の関連業界へのいわゆる天下りが官製談合事件の温床となってきたこれまでの経緯にかんがみ、早期退職慣行の是正や退職者の再就職の適正化など公務員の人事管理の在り方について、公務員制度改革全体の中で早急に検討すること。
   なお、検討に当たっては、公共調達に従事する公務員の意欲を高め、その能力が十分に発揮されるものとなるよう配慮すること。
   右決議する。
#95
○委員長(伊達忠一君) ただいま藤末健三君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#96
○委員長(伊達忠一君) 全会一致と認めます。よって、藤末健三君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、塩崎内閣官房長官から発言を求められておりますので、この際、これを許します。塩崎内閣官房長官。
#97
○国務大臣(塩崎恭久君) ただいまの附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
#98
○委員長(伊達忠一君) なお、本案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#99
○委員長(伊達忠一君) 御異議ないと認め、さよう決定させていただきます。
    ─────────────
#100
○委員長(伊達忠一君) 外国為替及び外国貿易法第十条第二項の規定に基づき、北朝鮮からの貨物につき輸入承認義務を課する等の措置を講じたことについて承認を求めるの件を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。甘利経済産業大臣。
#101
○国務大臣(甘利明君) 外国為替及び外国貿易法第十条第二項の規定に基づき、北朝鮮からの貨物につき輸入承認義務を課する等の措置を講じたことについて承認を求めるの件につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 平成十八年十月九日、北朝鮮が核実験を実施した旨の発表を行いました。
 このような北朝鮮の行動は、我が国の平和及び安全に対する重大な脅威をもたらすものであり、断じて容認できるものではありません。政府は、北朝鮮に対し厳重に抗議し、断固として非難するとともに、諸般の情勢を総合的に勘案し、北朝鮮に対し厳格な措置をとることを決定いたしました。
 これを受け、平成十八年十月十三日の閣議において、外国為替及び外国貿易法に基づき、北朝鮮からのすべての貨物の輸入を禁止するとともに、当該措置に万全を期すため、北朝鮮から第三国へ輸出する貨物の売買に関する仲介貿易取引及び輸入承認のない北朝鮮からの輸入取引に係る代金支払を禁止する措置を講ずることといたしました。このうち、同法に基づき国会の承認が必要な措置について、承認を求めるべく、本件を提案した次第です。
 次に、本件の要旨を御説明申し上げます。
 本件は、外国為替及び外国貿易法第十条第一項の規定による平成十八年十月十三日の閣議決定に基づき、同年十月十四日より平成十九年四月十三日までの間、北朝鮮からのすべての貨物について経済産業大臣の輸入承認義務を課す措置を講じたことに加え、北朝鮮から第三国へ輸出する貨物の売買に関する仲介貿易取引について経済産業大臣の許可を受ける義務を課す措置を講じたことについて、同法第十条第二項の規定に基づいて国会の承認を求めることを内容とするものであります。
 以上が本件の提案理由及び要旨であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようよろしくお願い申し上げます。
#102
○委員長(伊達忠一君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本件に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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