くにさくロゴ
2006/10/26 第165回国会 参議院 参議院会議録情報 第165回国会 厚生労働委員会 第2号
姉妹サイト
 
2006/10/26 第165回国会 参議院

参議院会議録情報 第165回国会 厚生労働委員会 第2号

#1
第165回国会 厚生労働委員会 第2号
平成十八年十月二十六日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         鶴保 庸介君
    理 事
                阿部 正俊君
                中村 博彦君
                櫻井  充君
                津田弥太郎君
                浮島とも子君
    委 員
                岸  宏一君
                坂本由紀子君
                清水嘉与子君
                武見 敬三君
                中島 眞人君
                中原  爽君
                西島 英利君
                南野知惠子君
                藤井 基之君
                足立 信也君
                島田智哉子君
                下田 敦子君
                辻  泰弘君
                森 ゆうこ君
                柳澤 光美君
                山本 孝史君
                山本  保君
                小池  晃君
                福島みずほ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   柳澤 伯夫君
   副大臣
       厚生労働副大臣  石田 祝稔君
       厚生労働副大臣  武見 敬三君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       松野 博一君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      齋藤  潤君
       内閣府規制改革
       ・民間開放推進
       室長       田中 孝文君
       警察庁交通局長  矢代 隆義君
       金融庁総務企画
       局参事官     知原 信良君
       金融庁総務企画
       局参事官     山崎 穰一君
       財務大臣官房審
       議官       佐々木豊成君
       文部科学省スポ
       ーツ・青少年局
       スポーツ・青少
       年総括官     西阪  昇君
       厚生労働大臣官
       房総括審議官   宮島 俊彦君
       厚生労働省医政
       局長       松谷有希雄君
       厚生労働省健康
       局長       外口  崇君
       厚生労働省労働
       基準局長     青木  豊君
       厚生労働省職業
       安定局長     高橋  満君
       厚生労働省職業
       安定局高齢・障
       害者雇用対策部
       長        岡崎 淳一君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       大谷 泰夫君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    中村 秀一君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    中谷比呂樹君
       厚生労働省老健
       局長       阿曽沼慎司君
       厚生労働省保険
       局長       水田 邦雄君
       厚生労働省年金
       局長       渡邉 芳樹君
       厚生労働省政策
       統括官      金子 順一君
       社会保険庁運営
       部長       青柳 親房君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○社会保障及び労働問題等に関する調査
 (周産期医療の課題と助産師の活用に関する件
 )
 (医師の確保対策に関する件)
 (公的医療保険制度の意義と役割に関する件)
 (保険免責制の導入の是非に関する件)
 (児童虐待防止対策の強化に関する件)
 (少子化対策に係る諸施策の推進に関する件)
 (障害者の就労支援等の在り方に関する件)
 (偽装請負及び賃金未払に対する取組に関する
 件)
 (パートタイム労働者の均衡処遇を確保するた
 めの法整備に関する件)
 (臓器移植に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(鶴保庸介君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省医政局長松谷有希雄君外二十名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(鶴保庸介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(鶴保庸介君) 社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○南野知惠子君 ありがとうございます。自由民主党の南野でございます。
 このたび、安倍新内閣におきまして厚生労働大臣としての御就任、おめでとうございます。柳澤大臣には、今日は腕をおかりして御指導いただきたいというふうに思っております。
 少子高齢社会の今日、少子対策も高齢対策も全く待ったなしの課題であると思います。国民の心身の健康、安心、安全な暮らしに対しまして、大いなる関心が今寄せられております。百歳を超える方々が二万人に達しております長寿国となりました。その陰には、介護保険対策のありように注目されております。少子の対策は、産科医療、助産の在り方と、さらには生殖医療や臓器移植等にも大きな関心が寄せられており、生き方、家族の在り方、倫理の問題等についても検討が必要であります。人口動態の一つに、合計特殊出生率が一・二五、年間百万人余の誕生を迎えておりますが、お亡くなりになる方の数が更に二万人を超えているということに本当に今の世相が表れているのではないかなと思っております。
 生まれてきて、生活してきてよかった日本、美しい人々の住む、美しいというのは顔が美しいだけではございません、心が美しいというところが大きなポイントでございまして、美しい日本国として構築していきたいものだと思っております。
 このたびの大臣の御就任は、それらの課題が全部双肩に集まってきている、そのような大切なポストであろうと思っておりますので、どうぞこれからの質問、よろしくお願いしたいと思っております。
 少子高齢化の進行と人口減少の到来では、社会保障制度を取り巻く状況は一層厳しいものになっております。柳澤大臣の専門の分野であろうというふうに思っておりますが、社会保障制度の基本的な考え方について御示唆いただきたいと思っております。
 そこで、四つのポイントを申し上げたいと思っております。
 社会保障制度の役割とは何なんでしょうか。社会保障における自己責任と社会連帯の在り方をどう考えるのか。自助、共助、公助といった考え方についてどのような考え方を採用していかれるおつもりなのか。これらを適切に組み合わせた社会保障制度というものはどのような姿なのか。さらに、最後でございますが、社会保障の財源について、税と社会保険料をどのように組み合わせていこうとお考えになっているのか。この四点について、よろしくお願いします。
#6
○国務大臣(柳澤伯夫君) 社会保障の役割というのは、最近安倍総理御自身がお述べになっておられますが、人生のいろいろなリスクに対するセーフティーネット、こういう新しい言葉で定義がなされておりますが、私もそのようなものであると、このように考えております。簡潔な答弁を心掛けさせていただきますので、敷衍することは短めに、短めというかもうほとんどしないように努めますが、それから、そういう社会保障制度でございますので、国民からの期待はトッププライオリティー、つまり最優先の期待が掛けられていると、こういう分野であると思います。
 そういうことで、非常に大事なんですけれども、これが先生が最後にお触れになった財源ということに関連して、財政的にこれを見ますと大変今大きな問題を抱えているということでございます。特に、社会保障に対する公費負担の部分は財政に直結しているわけですけれども、他方、この財政は、特に長期債務残高の面で見たりいたしますと先進国最悪の状況になっている、こういうことでございます。
 端的に言えばと申しますと、我々の社会保障制度の大きな部分が現在の財政赤字によって支えられているというわけでありますから、これが到底国民の安心の基礎になるというような事態ではないわけで、国民は、こういう状況だといずれまた何か社会保障の現在の給付のレベルが削られてしまうんではないかというようなことで不安が広がっているというか、不安が持たれているというのが現況かと思うわけでございます。私どもは、この現況を改善して、本当に国民から安心して信頼されるような、そういう社会保障制度を確立する必要があるということでございます。
 そのときに、今先生が言った自助、それから共助、それから公助、こういうものをどうやって一番うまく組み合わせていくかということが課題だと。したがって、社会保障制度を安定したものとして、また国民から信頼されるものとして確立するためにこの三つをどのように組み合わせていくかということはこれから一つ一つ解いていかなければならない課題だと、このように考えている次第です。
#7
○南野知惠子君 ありがとうございました。
 先生の御説のとおりでございまして、少子化によりまして社会保障制度の担い手が減少している、そのために現役世代の負担が重たくなってくる、そういうバランスがあるのだろうと思っております。
 上がり続ける保険料など、先が見えない社会保障制度に対する不安というものが国民の中に広がってきており、様々な現象が見られているわけでございますが、その不安を解消するため、小泉内閣におきましては、医療、年金、介護、社会福祉、障害者福祉といった社会保障制度の抜本改革が行われてきたと思います。
 そこで、これまでの社会保障制度の改革につきまして、その意義と期待される効果、その評価につきまして厚生労働大臣に総括していただきたいと思っております。
 また、次期の通常会におきましては、被用者年金一元化又は雇用保険制度改正などが準備中であると聞いております。そのほか、介護保険の被保険者、受給者の範囲の検討や終末期医療の問題、平均在院日数短縮に伴う在宅医療、とりわけ訪問看護ステーションの充実、さらには基礎年金国庫負担割合の引上げの財源や少子化対策の具体化など、喫緊に解決されるべき課題は多いものであろうと思います。
 今後の社会保障制度について、柳澤厚生労働大臣の御方針をお伺いしたいと思います。
#8
○国務大臣(柳澤伯夫君) 大変広範な問題を提起をされましたので、そのすべてにわたってお答えするということはできかねるのではないかと恐れるわけですけれども、できる限り短く私の考え方を申し述べさせていただきたいと、このように思います。
 社会保障制度につきましては、ただいま私申し上げましたような置かれている状況、これを改善すべく、一昨年から大変大きな改革が言わばスケジュール的に進められてきたというふうに理解をいたしております。年金、介護、医療ということで年を追って改革が進められてまいりました。
 そういう中で、年金につきましては、私は大変立派な改革ができ上がったと、このように考えております。特に、マクロ経済スライドというものをビルトインして、そして基本的に、これから若干引き上げてはいきますけれども、その保険料を固定することによりまして両方が安定するというような制度が打ち立てられたというように理解をいたしております。
 そして、それに引き続きます介護あるいは医療といったようなものについては、それぞれ固有の問題点を改善したということがございますけれども、基本のところにおいて従来どちらかというと、この三本立ての社会保障の柱について相互不可侵というか、どうもそれぞれの制度の中でいろんな問題を解決していこうというような傾向が強く見られたのでございますけれども、そうではなくて、やっぱり全体として本当に国民の安心を求める社会保障制度であれば足りるというか、そういう方向を目指して、言わば相互が入り組んだ形で無駄な重複なぞは極力排除していくというようなことの改革が行われた点を私は非常に評価されるべき点として考えているわけでございます。
 今後でございますけれども、それでは、もうこの三年度間にわたるこの改革でもってすべて済んだのかといえば、やっぱりそうではなくて、我々はこの経済社会の情勢の変化に応じて不断の改革を求められていると、このように思います。
 そういう中で、喫緊の課題とされますのは、被用者年金の一元化であるとか、あるいは在宅医療というようなものを充実していこうというようなことの中で、これから改善点がいろいろ論議をされていくということになるであろうと思います。私ども被用者年金の一元化については、これはもう非常に我々の大きな課題だということで、今いろいろと検討を進めているところでございますけれども、できるだけ早期に成案を得まして、法案化をいたしまして、また先生方の国会の御審議をお願いいたしたいと、このように考えております。
 また、後にいろいろ個別の問題については補足をしてまいりたいと、このように思います。
#9
○南野知惠子君 ありがとうございました。
 多くの問題を適切にお示し、御回答いただきまして、更に突っ込んだ意見がこれからも続いていくことというふうに思っております。
 次は、パートタイムの労働者や派遣労働など、雇用形態が多様化してきております。その一方で、社会保障制度は従来の正社員を基本としたモデルから抜け出せていないのではないか、多様化する働き方に対応し切れていないのではないかというふうにも思えます。
 例えば、パートタイム労働者の厚生年金加入につきましては、労働時間が正社員の四分の三以上かどうか、適用基準となっております。調査によりますと、パートタイム労働者のうち厚生年金に加入している者は四割程度にすぎないとか、このまま放置すればやがて低額の年金しか受給できない高齢者が増加するのではないかとか、そのようなことが思われているところでございますが、パートタイム労働者への厚生年金適用拡大は前回の年金制度改正の際の宿題にもなっているのかなと思っております。時限を切って早急に解決すべき課題と考えますが、大臣の見通しをお示しいただきたいと思います。
#10
○国務大臣(柳澤伯夫君) 前回の年金改正法におきまして、その問題は言わば、法律的に言わば我々の課題として提示をいただいたわけでございます。
 実態的にも、私は、パートの労働者への厚生年金の適用拡大という問題はこれは真剣に取り組まなければならない課題であると、このように考えますが、基本的な方向としては、これは安倍総理御自身もかなりクリアカットに拡大するんだという決意を表明されているわけですけれども、ただ、具体の問題としてはそこにいろいろな問題がないわけではないと、このように考えております。事業主に対しては負担増になる、あるいはこの拡大の仕方によっては短時間労働者にも負担増になるという面があるわけでございまして、こういうものがひいては雇用や経済に影響を与えるということもあろうかと思います。
 また、現実に拡大される人たちの中には、大いにこれを望むという人たちと、例えばパートの女性の方々の中には、御主人の給与とかその他の負担というようなものを勘案して、必ずしもこれを望まないといったようなところもあるようでございまして、これらの問題をこれからしっかり検討して、早急に結論を出して、拡大という基本方向に沿った具体案で実現をいたしたいと、このように考えております。
#11
○南野知惠子君 ありがとうございました。
 しっかりこれからの検討が課題となってくるというふうに思います。
 次は、労働関係のことでお伺いしたいと思っておりますが、安倍内閣におきましては再チャレンジが一つのキーワードになっていると思います。敗者を排除するのではなく、敗者が復活可能な社会、再チャレンジが可能な社会の構築を目指すとしております。
 この再チャレンジ支援施策の理念とか意義についてお伺いいたしたいと思いますが、厚生労働省におきましても、平成十九年度予算の概算要求におきまして、若年、女性、障害者といった方々の新しいチャレンジを応援するための支援のための予算を盛り込んでおられます。厚生労働省として具体的にどのような再チャレンジ策を打ち出しておられるのか、あわせて、それに対してどのような姿勢で臨まれるのか、お示しいただきたいと思います。
#12
○国務大臣(柳澤伯夫君) 我々の国の経済の運営あるいは社会の形づくり方というのは、個々人の自由意思に基づいて自由の中でこれを構築をしていこうということでございます。そういう中で、別の言葉で言えば、競争ということが行われる中で社会経済を構築していこうということでございますから、結果としてそこに格差が生じてくるということは、これはもう避けられないということでございます。
 しかし、安倍内閣で言っていることは、この格差、生まれた格差、いったん生まれた格差が固定してしまうということは、これはもう絶対に避けなければならないと。言わば勝ち組、負け組というものが生じたときに、それが将来にわたって固定してしまうということは、これは絶対に避けなければならない。そのためには、いったんちょっと厳しい状況に置かれた方々ももう一回再チャレンジをすることができると、そういう社会経済のシステムでなければならない、こういう考え方が強調されて取られようとしているということでございます。
 そういう基本的な考え方の下で、今先生がおっしゃるように、若者であるとか高齢者であるとか女性であるとか、あるいは場合によっては障害者の方々、こういうような方々に広く目配りをしまして、それぞれに対して再チャレンジという機会というか、そういうものをできるだけ幅広く提供をしていこうと、こういう考え方をいたしているわけでございます。
 厚生労働省といたしましては、まずフリーター二十五万人常用雇用化プランというものを策定いたしまして、これらによって今、非常用雇用、非正規雇用をされている方々をできるだけ正規の雇用というところに誘い入れていきたいということでございます。
 それから第二番目は、特に企業の採用というものが日本では新規雇用あるいは新卒雇用というところに非常に偏りが見られるわけでございまして、そういうことではなくて、卒業して幾ばくかたった若者についても是非雇用をしてもらいたい、採用をしてもらいたい、そういうことを考えていきたいということが第二点でございます。
 殊に、就職氷河期と言われる日本経済が長く低迷した十年、十五年の間、まあ日本経済は低迷を余儀なくされたわけですが、そういうときにたまたま自分が学校を卒業する時期に当たったというような方々については、これは特段の配慮をして新しい正規雇用労働者として採用してもらう道を何とか広げてまいりたいと、このように考えているわけです。
 それから、高齢者につきましても、高齢者だからといって、この労働力化と申しますか、雇用をシャットアウトしてしまうというのは、これは日本経済にとっても損失だというふうに考えるわけでございまして、これは六十五歳のところまで定年を延長してもらうということを今義務付けて、これを徐々にその方向に向けて誘導しているわけでございますけれども、それを、まあこれは法の上とは申しませんけれども、できるだけ七十歳まで働けるという、働くというような企業をこれからできるだけ多くしてまいりたい、このように考えております。
 また、正規、非正規の労働者間の間にある処遇につきまして、その均衡化を図ってまいりたいということを考えておりまして、これらについては法整備を行ってその実現を期してまいりたい、こういうことを考えまして、このように広く、勝ち組、負け組の固定化をしない、再チャレンジのチャンスをたくさん与える、こういう方向で我々は努力したいと、このように考えている次第でございます。
#13
○南野知惠子君 大変過大な問題点につきましても、ニートとかフリーター、さらに高齢者、国民すべてがいい働き口が見付かるようにというような分野までお考えになっていただいていることもうれしく思います。
 勝ち組、負け組という言葉は嫌でございますけれども、今受刑しておられる方々、今刑務所の中からリボーンという形で誕生してこようとしておられる方々に対する雇用という問題も、法務省も一緒に一生懸命考えておられるようでございますが、厚生労働省の大臣始め皆様方にお力をいただかなければ、リボーンという意味が達成できないんじゃないかなと思っております。そこら辺も含めてよろしくお願いしたいと思っております。
 次には、このような労働施策の大きな課題として、パートタイム労働者の処遇が挙げられております。
 多様な働き方の拡大を受けまして、パートタイム労働者は近年増加しつつあります。これも大臣の施策の下において行われていることだと思いますが、正社員とほぼ同様の内容の働きをしている場合でも、賃金が低いとかまた抑えられている実態があるなど、その処遇についての問題も指摘されております。
 パート労働者と正社員の均衡処遇につきまして、法改正を含めて検討されるというお話が今ございましたが、検討状況と今後の取組の方向性についてもお願いしたいところでございますが、あわせて、私が一番念願しておりますのが、女性の労働という観点から、短時間正社員制度、これの推進について大臣も所信表明でお述べになっておられます。働く女性を増やしながら、更にキャリアアップをし、そして将来は社会保障ともつなげていけると大きな大義を持っている短時間正社員制度でございますので、その問題についても御示唆いただければと思います。
#14
○国務大臣(柳澤伯夫君) パートタイム労働者というものが非常に多くなりまして、言わば、特に女性が中心でしょうけれども、できるだけ労働力化を図っていくという経済運営あるいは社会の成り立ちの点からもこれは非常に望ましい方向ということでこれまでそれが拡大してきたわけでございます。
 そういう中で、最近、それは同じような仕事をしていながら正社員との間に処遇上余りにも懸隔ができ過ぎてはいないか、こういうような問題提起がなされているわけでございます。
 この問題につきまして、先ほど来申し上げておりますように、パートタイム労働法の改正ということで、現在、労働政策審議会の雇用均等分科会において審議をさせていただいているわけでございます。これ、どういうふうにこの均衡処遇というものを確保していくかということでございますが、もとより、私は何でもかんでも均衡処遇ということにしろというわけにはまいらないというように思います。要は勤務者の仕事ぶり、それから内面的な責任の問題、それは同時にいろいろな行動にも表れるわけですけれども、そういったようなことについて何ら遜色のないようなそういう立場にいらっしゃる方を処遇において不均衡の扱いをしている、これはもう我々としては認めるわけにはいかない。これをできるだけ均衡待遇に持っていきたいということでございます。
 審議会の議論の状況を踏まえながらでございますけれども、私どもはこの均衡処遇のことにつきましては法案化をいたしまして、次期通常国会にこれを提出すべく検討していきたいと、このように考えております。
#15
○南野知惠子君 ありがとうございます。次期通常国会で審議されることを切に望んでおります。
 次は、助産師の積極的な活用ということについて御見解をいただきたい、政府の御見解でいいわけでございますが。
 周産期医療におけます助産師の役割というところが今、最近集めてみましたところ、これくらいの大きな束になるくらいの新聞情報、またその他の情報がございます。それほど関心が高い。特に、少子社会の中においてどのように安心、安全な医療が提供されるかというところにあるのだろうと思っております。
 一番最初に、というと幾つかの課題がございますが、神奈川県の事例という問題を、今更ほじくり出すつもりはございませんけれども、あそこの働かせ方、助産職に働かせ方というのが、助産師というライセンスを持ちながらそうでない分野、関連する分野でありますが、直接取り上げるという助産業務というその中心となるものにはなかなかさせてもらえなかったという課題も一つ我々仄聞いたしております。そこに今助産師の方々が提携しながら、応援体制を取りながら駆け付けております。いろいろな状態をここで細かく申し上げることは差し控えますが、三人ほどお手伝いに行った。そういう段階の中で、そこの当直しておられた産科のドクターは、助産師のライセンスを持っている者が行ったものですから、こんなに安心して医療ができた日はなかったと漏らされたということが、これも仄聞として伝わってきております。
 我々、産科のドクターとは本当にチームワークよろしくお仕事をしたい。産科の学生たちは産科のドクターたちから教えてもらっているわけでございます。そういう観点の中から、我々は遵法、法に従いながら業務をしていくというところに大きなポイントがあるだろうと思っております。
 こういった事件を踏まえますと、助産師が更に活躍する機会が与えられてしかるべきだ、ライセンスに従って、教育を受けた内容に従って一〇〇%の業務が展開させてもらいたいというふうに思うわけであります。そうすると、ドクターも疲労から回復されるでしょうし、そういう分担のやり方というものが一つ大きな効果を生み出すのではないかなと思っております。
 助産師の活用は産科医の偏在とか不足、これを単に穴埋めしているものではないわけでありますが、周産期医療の提供体制の崩壊を防ぐことができるというふうにも考えておりますので、そこら辺をどうやっていくかということだと思います。
 産科の医師を増やすということも、これも大切なことではございますけれども、今さっき申し上げました助産師の能力を十分に活用していただきたい。それで、助産師の多くは病院に勤めているとされておりますけれども、例えば助産師の外来というものがもうぼちぼち手を付けられているところもあります。ドクターの指示の下に展開させて、業務能力を発揮しているところもございます。そういう助産外来、又は院内におけます助産院というものが設置されるということが必要ではないか。正常産は助産師でできるわけです。その正常産をさせていただく間に、お忙しいドクターは仮眠でもお取りになれるというふうに思います。異常はドクターでございます。異常分娩はドクターが専念することができるというふうにも思い、産科医の負担を軽減することも我々考えないといけないと思っております。
 潜在助産師に職業能力を発揮する場を提供するということ、また能力を生かされていない助産師を積極的に活用すること、これも両者の信頼関係が大切であると思いますので、お願いしたいと思います。
 そこで、助産師外来、また院内助産所を積極的に広めていくべきであると私は考えておりますが、そういう有資格者を集めた、今潜在の能力でうずまっている人たちもいると思いますが、助産師登録バンクのような取組を含めて潜在助産師の活用を促進すべきだというふうにも考えております。大臣の御意見をいただきたいと思います。
#16
○国務大臣(柳澤伯夫君) 地域におきまして安心、安全なお産ができる体制を確保する上で、産科のお医者さんと適切な役割分担、あるいは連携の下で助産師さんが活躍していただくそういう体制を整備することは、極めて重要なことだと私は思うわけでございます。
 そういう考え方の下で、今厚生労働省といたしましては、中核的な病院におきましてオープンシステムというものを採用する。外にいらっしゃる助産師さんにもそのオープンシステムの拠点病院に来ていただいて、いろんなことの能力の発揮をお願いしたい、こういうようなことがあり得るわけでございまして、今そういうオープンシステムを構築するためのモデル事業を進めているところでございます。
 その他、今先生がお触れになりました助産師で外来の産婦に対して対応していくというようなことも当然必要でありましょうし、さらに、もうもっと進んで、病院内で正常のお産をもう助産師さんだけで院内で対応していただく、こういうようなことも新たな助産師の活用策として大いに普及をさせたい、こういう考え方で現在検討を進めておるわけでございます。先生御指摘のとおりでございます。
 さらにまた、いったん業務を離れた助産師さんにつきまして、こういう方々を助産師登録バンクというようなことで登録をして、新たな就業のあっせんを申し上げる、そしてまた、そういう方々が新たな活動をするための必要な研修も施させていただくと、こういうようなスキームを実施しようということで、いずれにしても、産科医師の不足という事態にも対応するという意味もありますけれども、助産師さんの活用と言っては恐縮ですけれども、それをもっともっと考えていく余地があるのではないか、このように考えている次第でございます。
#17
○南野知惠子君 大変心強い御答弁ありがとうございました。
 助産師たちが展開させていただきたい外来には乳房外来というものもございます。それは、産褥期に入った方々の対応でもありますし、いつ断乳するか、お乳が足りているか、そういった、また乳腺炎を起こしている、またお乳が張っている自然の現象というのもそこの中にありますので、そういう幅広い活動をさせていただきたいと思っております。
 大臣がお示しになられましたオープンシステム、これは私も賛成でございます。
 ある病院を見せていただきましたら、その病院のオープンシステムを使っておられる方はという形で、いろいろな科のドクターのお名前がもう列記されております。そういうふうにオープンマインドの病院もこれから増えてきてほしいと思っております。
 いっときは、病院の玄関に我々の役割、看護の役割をする看護部長の名前さえ見れないところがほとんどでございましたが、今それをいろいろお願いすることによって、病院の玄関に看護部長の名前が出ています。この看護部長の下でどういう看護が展開されるかということが住民の方々に理解されることが必要でないかなと思っております。
 さらにまた、病棟に行きましても、だれがどういう役割を果たしているのか全然分からない、ユーザーには見えないところがございます。そういう人たちに対しても、どのような体制が必要なのか。私が申し上げたのは、詰所の入口のところに、夜勤などを特に心配される入院の方々ですが、今日はだれとだれが準夜勤ですよ、だれとだれが深夜勤ですよという形の中に顔写真まで出していただけると、ああ、この人が今日夜勤だったら、ちょっと家庭のことでも聞いてみようかな、いや、今日この人が夜勤だったら、消灯をさっとしないと怒られるから、今日は時間早く消灯しようかなと、いろいろな場面でコミュニケーションができる病棟というところにつくり上げていきたいと思っておりますが、いろいろな形で助産師の配置が分かる形を取っていきたいというふうに思っております。
 働く者、ともに専門職者であろうというふうに思っております。診療所又は病院が積極的に助産師を活用するという気運が高まっていく、そのことが好循環を生んでくるというふうにも思っております。そして、今回の医療法改正で導入されました医療機能情報公表制度でございますか、それにおきまして病院、診療所の医師、助産師の数を始め、産科において妊産婦の選択に資する情報を盛り込むべきであると考えるのであります。
 あわせて、先ほどのこととも関連するんですけれども、ナースもミッドワイフも同じような服装をしていると。昔はキャップをかぶって線を入れておりましたので、だれがどういうグレードの人なのかという、役割をする人かということが分かるようになっていますが、今それもうありません。そういうようないろいろな観点から、ユニホームをしっかり対象者に識別してもらえるようにするということも私はサービスの一つではないかと。または、名札を付けるということもいいですけど、その名札が患者様方に対して、また傷を付けるようなことになってはいけないのではないかな、そのように思います。
 病院内のユニホーム等を含めた識別が、これがサービスの一つであると私は考えておりますが、いかがでございましょうか。
#18
○政府参考人(松谷有希雄君) 医療機能情報について、これを公表をしていく、あるいは医療機関と患者さんとのコミュニケーションをより良くしていくという上では非常に大事なことでございまして、今回の医療法改正でも医療機能情報の公表制度が導入されたところでございまして、患者さんや住民に公表される一定の情報の範囲を現在、有識者による検討会において検討しているところでございます。
 また、先生御指摘の、例えばユニホームをそれぞれ看護師さんと助産師さんと分けてみるとか、いろいろなやり方があろうかと思っておりますけれども、患者さんの視点に立った安全、安心な医療を提供するという観点から、その方策として御指摘のやり方も有用なものであるというふうに考えております。
 資格の識別ができるようなユニホームを変えるなど、有用な取組事例につきまして把握、周知することで医療の安全対策に引き続き一層取り組んでいきたいと思っております。
#19
○南野知惠子君 ありがとうございました。
 次の件でございますが、これは八月に起こった件ですが、今大きな話題を呼んでおる奈良県の問題でございます。これには幾つか申し上げたいことありますが、それも省略いたしますけれども、ポイントは、十九もの病院をたらい回しされた事件でございます。
 総合周産期母子センターが設置されていなかったというところに大きなポイントがあろうかと思っております。総合周産期母子センターは三次医療圏、これ都道府県ごとに一か所整備する方針とされていると仄聞しております。地域の周産期医療のNICU等の空きベッド状況等を把握し、もうリアルタイムで情報提供するための情報ネットワークシステムを整備するなど、周産期医療提供体制の中で重要な役割を担うことが期待されております。周産期医療が崩壊しつつあると言う人もおりますが、そういう中で周産期母子医療センターの存在意義というものは本当に大きなものがございます。
 奈良県以外にも未整備の県が八県あると、計画すらない県が四県あるということも聞きます。その私がここで県名を言ってしまうと、県に住んでおられる方はパニックになってしまうのじゃないかと思うくらいでございますが、全県配置を一刻も早く実現されるべきで、たらい回しは発生してはならないと思いますが、政府のお考えをお聞かせください。
#20
○国務大臣(柳澤伯夫君) 母体が危険な妊産婦なぞによる、いろんな段階の医療を適切に提供するために、今先生御指摘のように、一般の産科病院と高次の医療機関を連携させる体制を我々は周産期医療ネットワークという形で全都道府県に整備をさせたいということで進めているわけでございますが、御指摘のように、いまだにまだ八県について整備がなされていないという状況にあるというふうに聞いているわけでございます。
 こうしたことから、未整備の県について状況を把握するとともに、整備に向けてのこれからいろんな助言をして、一刻も早くこれが整備されるということに向けて支援をしてその実現に努めてまいりたいと、このように考えております。
#21
○南野知惠子君 ありがとうございます。
 もうこれは一刻も争えない、猶予がない問題でございますので、早急にお取り計らい、よろしくお願いしたいと思っております。
 四月の診療報酬改定におきまして、入院基本料の看護師の配置基準、これがいわゆる七対一基準が導入されたことでございますが、多くの病院で看護師を多量に募集すると、そういった事態が今発生しております。ヘッドハンティング、これはドクターにも大きな形でのヘッドハンティングが行われているということもお聞きいたしておりますが、看護の問題の七対一基準、これは看護界からの要望を踏まえていただいたもので、これは患者様方には優しい看護を提供したい、必要な看護を提供したいというぎりぎりの線であろうかなというふうにも思っておりますが、そういう役割を適切に評価したものと思っており、それ自体評価させていただけるものだと感謝いたしております。
 一方において、特に精神科病棟、精神病院や訪問看護ステーションといったところからも、今採用がなかなかうまくいかない、看護師が集まらない、あるいは引き抜かれた、しかも一人引き抜くんじゃなくて束で引き抜かれていくという現象もございます。そういった声も聞くこのごろでございますが、こういった地域で重要な役割を果たすところが看護師が確保できないという問題点でございますので、安心、安全な地域医療もおぼつかないと思うということでございます。
 また、妊産婦さんに優しい環境を整備するためには、助産師の、これは病棟等における、又は病院等における産科を標榜するというところの配置基準、そういったことも必要数の配置の義務付けなども適切な問題点ではないかなと思います。働く場の環境整備、又はそれぞれの医療従事者の能力発揮をする上でも大切だと思っておりますが、今後、一層看護師の確保対策に力を入れていくべきだと考えておりますけれども、どのように取り組んでいかれるのか、局長の御答弁をお願いいたします。
#22
○政府参考人(松谷有希雄君) 看護職員の確保対策につきましては、従来から養成力の確保、離職の防止、再就業などの総合的な支援を行ってきたところでございます。特に各都道府県のナースセンターにおきましては、未就業のいわゆる潜在看護職員への就業あっせんに加えまして、これらの看護職員に対して再就業を後押しするための看護力再開発講習会等を実施しているところでございます。また、本年十月六日には、今般の看護配置に関する診療報酬改定の運用に当たり、医療関係団体に対して、看護職員の確保に関し、都道府県ナースセンターの積極的な活用等について改めて周知をしたところでございます。
 さらに、今年度より、看護職員の確保が困難な地域や医療機関のために研修体制等が充実した病院の臨床現場において研修を行うモデル事業等に取り組んでおり、引き続き看護職員確保対策を推進していきたいと考えておる次第でございます。
#23
○南野知惠子君 ありがとうございました。
 数の問題が大切でございますが、次には質の問題についてお尋ねしたいと思っております。
 看護師の数はここ数年の間にもかなり伸びてきているのかなという反面、今申し上げたような状況が発生しているということも事実でございますが、平成十五年には看護師、准看護師合わせて百二十万人となっております。しかし、病院勤務を始めてから一年以内に新人看護師の九・六%が離職する、そういう調査も出ております。その背景には、基礎教育修了時点で備わっている能力と現場で求められる能力、そのギャップが大きいのではないかなと我々も苦慮しているところでございます。そういう観点から、卒業後の臨床研修と併せまして、卒業時点での能力アップのための基礎看護教育の充実が必要とされておるわけでございます。
 今、一般的に考えられる看護の基礎教育というのは三年というような形の中で検討されております。医師、歯科医師、薬剤師の方々はその倍以上の年限を費やして教育しておられるのが現状だと思いますが、我々はその半分の中の三年ということは余りにも短いのではないかと。今、カリキュラムの中身も変更しております。現場もうんと変化しております。我々が、私が教育を受けた時代とは雲泥の差の教育の中身であり、教育の場であるわけであります。臨床の場でもあるわけであります。そういった観点から、せめて四年に、もっと先生方のお声によっては六年にせよとおっしゃっていただける方もおられるかも分かりませんが、せめてそういうような形での年期を積み上げないと離職が防げないポイントに立ってしまうということもございます。その件についてお伺いしたいと思います。
#24
○政府参考人(松谷有希雄君) 医療の高度化等、近年の医療を取り巻く環境の変化に伴いまして医療従事者の資質の向上が強く求められているところでございます。一方、看護師につきましては、今先生御指摘のように、看護学校、養成所修了時点の能力と看護現場で求められている能力の間に乖離があり、必要な能力が必ずしも身に付いていないのではないかというような指摘がされているところでございまして、その資質の向上を図っていくということは重要なことであると認識しているところでございます。
 看護師さんの離職率は必ずしも一般全体の離職率より高いというわけではございませんけれども、国民のニーズに的確に応じられるよう看護の基礎教育の更なる充実を図るということは重要でございまして、それを目的として、本年三月から、看護基礎教育の充実に関する検討会を開催し、検討しているところでございます。
 今後、検討会での検討結果も踏まえまして、医療安全を確保し、良質な医療を提供するため、看護師の資質の向上に引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
#25
○南野知惠子君 ありがとうございます。
 大臣、一言、やるぞとおっしゃっていただきたいと思います。
#26
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私は、就任もう本当に直後に看護師さんの御陳情をいただきました。今、南野先生の御指摘のような状況というものを御陳情いただいたわけでございます。
 他方、いろいろながん対策なぞでチーム医療というものが非常に大事だということが最近クローズアップされておるわけですが、そういうチーム医療の中に看護師さんも加わっている、しかも重要ないろんな御発言とかされまして、チーム医療の効果を上げるために非常に大きな貢献をされている、そういう姿も見ているわけでございます。
 そういうことを併せ考えますと、やはりこの方向での事態の進展をどうしても実現していくのが一番よろしいんじゃないかと私も考えております。具体的にはいろんな問題をこれから検討して、その実現に向けて努力をしていきたいと、このように考えております。
#27
○南野知惠子君 ありがとうございました。
 隣で武見先生もほほ笑んでくださっておりますので、これ医師会も挙げてしていただける、御賛同いただけるものというふうに思っております。
 それから、我々としては、我々といつも言ってしまうんですが、看護職としては今副院長制度というものを大きく展開していこうとしております。これは、赤字の病院を黒字に変えた実績がございます。看護職の中身をごらんになっていただければうなずける副院長制度でございますので、そこら辺も御指導いただきたいと思っております。これは何も偉くなるとかなんとかという問題じゃなく、その役職、職能を発揮するための役付けでございますので、誤解のないようにしたいと思います。武見先生の誤解のないようにしていただきたいと思っております。
 次は石田副大臣にお尋ねしたいんですが、小中学校の学生の自殺、これはもういろいろ取りざたされております。そのニュースが続いております。またさらに、日本の自殺者は年間三万人を超えて、そのうち小中学生の自殺者につきましては、平成十六年で八十人になっている。これは痛ましいことであり、このような中におきまして、先国会でも自殺対策基本法が施行されました。これによりまして、自殺対策の基本理念が明確にされ、国会と政府が一丸となって総合的かつ効果的な対策の推進が進められる、図られるということになったわけでございます。
 この自殺対策基本法は十月二十八日にも施行されるというふうにお聞きいたしておりますが、厚生労働省の施行後の対応についてお伺いいたします。
#28
○副大臣(石田祝稔君) 今、南野先生のおっしゃるとおり、この自殺対策基本法につきましては明後日に施行されると、こういうことになっております。そして、大変悲しいことでありますけれども、お若い方またお年を召した方も含めて年間三万人の方が自ら命を絶っていると。この状況が依然として続いているということは事実でございます。これは諸外国と比べましても大変高い数字にもなっておりますし、これにはやはり政府を挙げて取り組んでいかなきゃいけないと。そういう中で、国会でも法律をお通しをいただきましたので、その施行に当たって、やはりこれは政府全体として総合的な取組もしなきゃいけない。そういう中で、昨年十二月には関係省庁の連絡会議を開きまして、政府の総合的な対策について取りまとめをいたしました。
 しからば、厚生労働省としては、じゃ、どうするかと、こういうことでございますけれども、この十月には国立精神・神経センターに自殺予防総合対策センター、こういうものを設けました。民間との連携を強化をいたしまして、情報の集積、また自殺の防止、また心のケアと、こういうものに取り組んでいきたいというふうに思っております。そしてまた、自殺の実態の解明、また自殺予防に関する正しい理解の普及啓発、相談体制の充実、自殺未遂者のまた自殺遺族等のケア、こういうことにも厚生労働省としては取り組んでいきたいと、こう考えております。
 そして、最初にも申し上げましたけれども、これは政府全体で取り組むべき課題でもございますので、よく連携を取りまして、一体となって取り組んでいきたいと、こういうふうに思っております。
#29
○南野知惠子君 ありがとうございました。
 自殺を防ぐというのはやはり労働界においても大変な課題であり、心と体の問題というものもクローズアップされてくるわけでございますが、労働界の中には産業医という方がおられます。看護職の中にも産業保健師という立場の者がおりますので、是非活用のほどをお願いしたいというふうに、これはお願いでございます。
 次に、養護教諭の課題に移らせていただきたいと思います。
 自殺防止という子供たちの問題も大きな課題でありますが、いじめ対策におきましては、いじめられた子供の行き場を確保することが重要であると。外部のカウンセラーなどではなく、学内にいる養護教諭や司書教諭などがいじめられた子供のオアシスとしてあるべきだということで、私は司書教諭の議員立法も作らせていただきました。
 そういう中で、平成七年のいじめ対策緊急会議の報告でも、いじめ対策における養護教諭の役割を重視すべきとの指摘がなされておりますが、いろいろいじめの場面がテレビその他で出る中で、養護教諭の文言が見当たらないというところに、私は学校の運営システムの中で現場を知っている人たちの声を参加させるべきだというふうに思います。
 養護教諭は日本特有のシステムであります。私は、外国回りながらこの特有のシステムを輸出している立場でございますので、こういうすばらしいシステムをつくることがよその国にも必要だというふうに私は思っております。
 いじめられた子供のサポートに回る第三者的な存在としてその意義は大きいというふうに思っております。いじめ対策としてこの第三者機関としての機能を高めることが求められているのではないか、今こそ出番ですよというのが養教の立場であろうというふうに思います。
 そのためにクリアしなければならない問題として、以下大きく三点ございますので、文部省の方に御答弁を後いただきたいと思っております。
 学校における養護教諭の役割については、まだ社会の理解、認知度が低いわけであります。例えば、養護教諭の名称を言った場合、養護が必要な障害者の方々に対する人物だろうという誤解をみんなして、ああ、養護知っているよと、こういう言葉で終わってしまいます。それではなく、小中学校にもうちゃんと固定されております。高校にはないんです。これは是非また復活していただきたい養教のシステムでもございます。
 ですから、養護教諭というよりも、まあ保健教諭とか、何かスマートな名前があれば是非スマートな名前に変えて、学校の子供たちの心身の教育を図る、命の大切さも彼女らが教えることができる立場に今あります。複数化もちゃんと担保されております。そういうときには、複数化の二人のうちの一人は看護師の資格を持った者がいれば、その人の簡単な医療関係のことにはアドバイスができる。子供にアドバイスするだけじゃなく、家族と連携を取ることができる。さらに、担任の教師と連携が取れる三角関係をきれいに結べるのが養護教諭だと思います。新しいすてきなネームにしていただきたいというふうに思います。
 それと、二番目なんですけれども、養護教諭の学校内における地位、これもまた問題なんで、実際の教育現場では他の教諭と同等に高められているとは必ずしも言えないのではないかと。養護教諭の地位を高めていくためには、養護教諭に教職免許の取得、これを義務付けるということが必要ではないだろうかと。質の向上を図る必要があると思います。
 そのためには、教職免許の取得義務を義務付けて、例えば他の教諭と同等に研修の機会を与えることが必要だと思います。今は養護教諭という立場から他の教官と違う研修システムになっていますというのは、研修させてもらえないということのいい表現なんですが、そういうことでございます。
 三番目に、養護教諭連絡協議会などの組織がございますが、いじめに関する情報などを全国の養護教諭で共有し、交換することも有用であると思います。それらのネットワークが全都道府県に広がっている現状には至っていない、これは先ほどのたらい回しと同じようなことになっております。
 こうした全国のレベルの情報交換を進めるためには、連絡協議会への参加を義務付けていただいたらいかがでしょうか。義務付けておられない、その協議会に参加していない県においていじめの問題が発生し、今テレビでにぎやかなところは協議会に参加していない県であります。そこら辺もしっかり御認識いただいて、その対応の難しい県があるかも分かりませんが、それは文部省が子供を守っていただかないといけないというふうに思いますので、子供を守る一つの便法として養護教諭の活性化と活用をお願いしたいと思います。
#30
○政府参考人(西阪昇君) お答えいたします。
 学校におきます養護教諭の重要性につきましては、先生ただいま大変御熱心に御指摘いただきましたし、またこれまでも度々御指摘をいただいているとおりでございまして、その重要性につきましては私どもも同じ認識でございます。子供たち、いろんな面を持っておりますので、担任の教師あるいは教科指導の教師以外の心と体の専門的な存在として子供に接するということで、学校の中で大変大きな役割を果たしているというふうに認識しております。
 そのような機能を充実していくという中で、名称につきまして御指摘をいただきましたが、養護教諭の名称は、戦後、学校教育法制定以来今日までずっと用いられておりまして、教育現場において定着している名称でございます。法律事項でもございますので、慎重に検討しないといけないというふうに思いますが、養護教諭の機能を充実させていくというような観点からの貴重な御提案ということで受け止めさせていただきたいというふうに存じます。
 また、資質の向上ということは、これはもう大変重要なことだというふうに私どもも認識しておりまして、研修あるいは情報交換の機会の充実ということに努めてきております。具体的には、独立行政法人教員研修センターの養護教諭向けの研修会、あるいは各都道府県教育委員会が行う新規採用の養護教諭の方々あるいは経験者の方々の研修、あるいは私ども文部科学省が主催しております全国養護教諭研究大会などを通じまして資質の向上ということを図っているわけでございます。今後とも充実していきたいというふうに思っております。
 また、先生御承知のとおり、養護教諭の方々は、近年、教科の免許をお持ちにならなくても、一定年限の勤務実績がございましたら保健の授業で授業を受け持って生徒に直接教科学習の指導もできるということになって、そのような方々もいるわけでございます。そういう面の充実ということも図っていく必要があるというふうに考えております。
 養護教諭連絡協議会につきましては、任意の団体でございますので、国の立場から参加を強制的にというのはなかなか難しゅうございますけれども、これまでも連絡協議会の皆様方とは養護教諭の発展ということにつきまして私どももいろんな形で連携をいたしまして、その活動には支援をしてきているところでございます。
 今後とも、養護教諭の機能が十二分に果たせるよう、学校の中で他の教員とも連携を深めて、学校の中での存在意義を増して養護教諭が様々な形で活躍できるように、協議会の皆様ともより連携を深めて施策を推進していきたいというふうに考えております。
#31
○南野知惠子君 もう是非いろいろなネットワーキングをよろしくお願いしたいというふうに思っております。
 養護教諭の方々に対しては学校の先生方の方がより便利に使っておられるんじゃないかなという側面もございますが、養護教諭、大切な職種でございますので、その充実を文部省の方にお願いしたいというふうに思っております。
 次は、坂本先生のお時間を少しいただいておりますので、続けさせていただきます。
 待機児童の状況と、それから発生の要因ということでございますが、待機児童がなぜゼロにならないのか、政府はどのように分析しておられるのかということとも関連するわけでございますが、働いている親にとっては子供の急な病気への対応、これが難しい。熱が出たらすぐ迎えにおいでと言われる。仕事と子育ての両立の観点からも病児・病後児保育の推進が重要であると考えております。現在の病児・病後児保育の状況、これはどのようになっているのか、また今後の見通しについて伺わせていただきたい。
 あわせまして、保育所ごとに嘱託医の連携性を構築するということで保育所と親の双方にとってより安心できる環境になる、こういった制度を導入することによる政府の御見解をお示しいただきたい。
 また、雇用の側から、子育て支援として子の看護休暇が創設されております。昨年四月から施行されている職場における理解を促進し、取得しやすい弾力的な運用ができるよう、政府に主導していただきたいと考えておりますが、いかがでございましょうか。
#32
○政府参考人(大谷泰夫君) 今四点承りました。
 まず一つ目の保育所の待機児童数につきましてでございますが、平成十四年度からの待機児童ゼロ作戦によりまして、三年連続でその数は減少しておりまして、平成十八年四月には初めて二万人を下回ったところでございます。
 しかしながら、女性の社会進出などを背景に保育需要は依然として増大しておりまして、都市部を中心に多くの待機児童がまだ存在しております。引き続き、平成十六年末に策定いたしました子ども・子育て応援プランに基づきまして、平成二十一年度までに集中的に受入れ児童数の拡大を図ってまいりたいと思います。
 二つ目の病児・病後児の保育でありますけれども、乳幼児健康支援一時預かり事業といたしまして、平成十七年度末時点におきましては全国で約六百か所で実施しておりますが、子ども・子育て応援プランに基づきまして、いろいろと工夫を加えながら、平成二十一年度までに千五百か所を目標に拡充してまいりたいと考えております。
 三点目の保育所の嘱託医でございますけれども、これは児童福祉施設最低基準によりましてその配置が義務付けられております。引き続き保育所と嘱託医との連携を進めることによりまして、より安心できる保育環境づくりに努めてまいりたいと思います。
 最後、子の看護休暇でございます。育児・介護休業法の改正によりまして、平成十七年四月から新たに労働者の権利として位置付けられ、一年に五日まで取得することができることとなりました。このため、厚生労働省におきましては、子の看護休暇制度の取得促進のために、子の看護休暇制度の周知徹底や事業主に対する指導を行うとともに、次世代法に基づく企業の行動計画策定あるいは実施の促進、またファミリー・フレンドリー企業の一層の普及促進等に取り組んでいるところでありまして、今後とも子育てをしながら安心して働くことができる環境が整備されるよう努めてまいりたいと考えております。
#33
○南野知惠子君 ありがとうございます。是非お願いしたいと思っております。
 産褥期の全家庭訪問ということでございますが、これは武見副大臣の大いなるお力をいただきたいと思っております。家族だけに子育ての責任を負わせるのではなく、国、自治体、企業、地域といった社会全体で子育てを支援するという考え方は、少子社会全体の問題としてとらえることから、これはあるべき姿であるというふうに思っております。
 今年六月の新しい少子化対策につきましても盛り込まれておりますが、先ほど御説明いただきました子ども・子育て応援プランにもいろいろなカテゴリーが網羅されております。産褥期の全家庭訪問は、少子化対策としてだけではなく、児童虐待ゼロ作戦というふうに私は思っておりますが、是非ともこれを進めていっていただきたい施策の一つでございます。
 政府には取組を後押ししていただいていると思いますが、その御所見と、あわせて、各地域におきまして妊婦から義務教育前までの子供を把握し、それぞれの段階に応じたサポートサービスをマネジメントするチャイルドケアマネジャー、そういう制度を創設することも考えられるわけでございますが、これまで地域の母子保健の担い手は助産師が中心だったことを考えますと、チャイルドケアマネジャーの担い手も、いろいろな方が展開することも必要でありますが、母子の一体感を感じる助産師もその中心の役割を果たさせていただける方がいいのではないかなと思っております。
 こういう観点について武見副大臣の御意見をいただきたいと思います。
#34
○副大臣(武見敬三君) 生後間もない新生児とかそれから乳児のいる家庭で若いお母さん方が大変地域社会の中でも孤立をして、そしてまた三世代同居も少なくなりましたから、おばあちゃんからお話を聞くというようなこともできずに実は孤立して大変悩まれるケースが多くなってきた、それがまた、極端なケースがこうした幼児虐待につながるという、そういう認識は私も非常に強く持っております。実際にこの幼児虐待を見てみると、虐待による死亡の約四割がこのゼロ歳児だというのは極めて深刻な事態だと思います。
 こうした観点を踏まえまして、育児の孤立化を防ぐとともに子供の健康の確保を図るために、これまで保健師、助産師らによる新生児訪問指導、それから保健師、助産師らに加えて子育て経験者らによる育児支援家庭訪問事業を実施してきたところでございます。今後とも、こうした訪問事業などの充実を図ることを通じて、出産後間もない時期に乳児のいる御家庭と地域社会の接点を確保するというところに力を尽くしていきたいというふうに考えております。
#35
○政府参考人(大谷泰夫君) チャイルドケアマネジャー制度という御提案をいただいておりますが、これにつきましても、ただいま副大臣から御答弁申し上げた延長になりますが、従前より新生児の訪問や養育が困難な家庭を支援する育児支援家庭訪問事業におきまして助産師などの御活躍をいただいてきたところでございます。今後とも、御提案の趣旨を踏まえまして、助産師さんを始めとした専門家を適切に参加していただきまして、子供が健やかに育つための環境づくりを図ってまいりたいと考えます。
#36
○南野知惠子君 ありがとうございます。
 そういうことによってマターナルブルーを早期に発見することもでき、親子のきずなを早く結び付けることもできることだと思いますので、副大臣の御答弁と併せて是非よろしくお願いしたいと思っております。
 次は、母子保健については現在ほとんど市町村で、これはもう皆様御存じだと思いますが、産前二回の妊産婦健診が行われております。これは無料券があるわけでございますが、産前だけでなく、今のお話をいただきますならば、産後についても産褥一年間程度、それを目安として母乳育児支援無料券を配布するなどの取組をしていただけたらいいなというふうに思っております。
 妊娠、出産に関しては、妊娠中絶患者さん、これは妊娠十二週以降であれば保険者から出産育児一時金が支給される、そのためにニーズのある人も十二週まで待ってから中絶しようと、そういったこともよく聞くことでございます。
 このような問題を解決することで、母体保護はもちろんのこと、出産育児一時金の支給が減っていくような体制、保険者の財政にも余裕が出てくるのではないだろうかなと。医師会の調査によりますと、十二週以降の人工妊娠中絶数の今ありますその半分だけでも支給が不要となれば、保険者の財政に約二十八億円の余裕ができるのではないか、これ医師会が試算しておられます。この財源を元に、産後の母乳育児支援を保険者による保健指導など位置付けまして保険財源から費用を支出してはいかがなものかなと。
 この問題については、どこからお金を出すかといろいろな切り口がございますが、私よりも先生方の方でそこら辺を御調整いただきたいと思っておりますけれども、産後の母乳育児支援は、母乳育児がうまくいかず悩む母親を始め、育児に行き詰まる母を救うことができる、児童虐待の予防にもつながる、少子社会といいながら子供を殺している現状を児童虐待ゼロに持っていかなければ、日本は恥ずかしい国になると思っております。こうした案につきまして政府の御感想をいただきたいと思います。
#37
○政府参考人(大谷泰夫君) 出生後の様々な対策につきまして、現在、子育て育成支援プランでも検討しているところでありまして、そういった中で今御提案の趣旨がどのような形で生かされるか検討していきたいと考えております。
#38
○南野知惠子君 ありがとうございます。
 最後に申し上げたいことは援護行政についてでございます。
 戦没者の遺骨収集事業や中国残留邦人に対する支援について一層の充実をお願いしたいと思います。私の気持ちをここで述べるとまた時間オーバーいたしますので、御要望申し上げたいと思っております。
 次は坂本議員に替わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#39
○坂本由紀子君 自由民主党、坂本由紀子でございます。
 まず初めに、高齢化社会を迎えている中で、全国で質の高い医療が提供されることが大変大事だと思っておりますが、昨今、産婦人科、小児科はもとより、各地で病院の医師不足が指摘される等、この問題が大きな社会問題となっていると考えます。また、都道府県におきまして大変人口比での医師の数に格差があり、この点が一向に改善されないというような状況がございますが、この点についてどう認識していらっしゃるのか、そしてどのような対策を講じる御所見なのか、伺いたいと存じます。
#40
○政府参考人(松谷有希雄君) 今御指摘の、地域あるいは診療科における医師の偏在問題が大きな課題となっているわけでございます。特に産科の医療あるいは小児救急医療などの特定の診療科で医師が不足している、あるいはそういうふうに受け止められるということは大変深刻な課題だと私どもも考えております。
 こうした問題の背景といたしましては、一つには、平成十六年度から新たに実施いたしました臨床研修制度あるいは国立大学の法人化などによりまして、大学の医局が従来担っておりました地域の医療機関に対する医師紹介機能が弱くなっているという事情、また、休日、夜間を中心とした小児患者の病院への集中や病院勤務医の厳しい勤務条件等を背景といたしました開業医への転向、さらには医療紛争の多い診療科を回避する傾向など、複合的な要因によるということが指摘をされておるわけでございます。
 こうした問題に対応するため、医局に代わりまして地域医療の確保に責任を有する都道府県を中心とした医師派遣機能の再確立、また、病院と開業医との連携、あるいは休日、夜間の医療ニーズに対する開業医の積極的な貢献、また、リスクの高い医療を担う医師も安心して医療に取り組めるような環境整備などを中心とした取組を進めることとしているところでございます。
 まだまだ実際の現状を把握した上でやらなければならないことがあろうかと思いますけれども、引き続き進めていきたいと思っております。
#41
○坂本由紀子君 そもそも、我が国は人口千人当たりの医師数で見てみましても、日本が二・〇に対してドイツ、フランスは三・四など、先進国の中では医師の数が非常に少ない状況にあると思います。そういう状況の中で、厚生労働省は、医師の数はやがて十分需給の均衡に達するのでこれ以上増やすことはないというような姿勢であると思われますが、そもそも、そういう先進国に比べて少ない医師であるにもかかわらず、これで十分だとお考えになっている根拠は一体何なんでしょうか。
#42
○政府参考人(松谷有希雄君) 十分であるというふうに認識しているわけではございませんけれども、御指摘のとおり、現時点での臨床医の数を比較した場合、我が国の人口当たりの医師数はアメリカあるいはイギリスなどを若干下回っているという状況でございます。国土の規模や医療提供の仕組みが異なっていることなどを踏まえますと、単純に医師数のみを比較して論じることは必ずしも適切ではないと思いますけれども、これは一つの大きな課題だと思っています。
 また、その一方で、我が国の乳幼児死亡率は国際的にも低く、また平均寿命も御存じのとおり国際的にも男女とも長いということで、医療としては大変効率的な医療が提供されているというふうに考えております。OECD諸国全体で見ますと我が国は低い方でございますけれども、一位がギリシャ、二位がイタリーということでございますが、その医療内容と医師数とがパラレルというわけでは必ずしもないというふうに認識しております。
 医師数は近年、毎年三千五百人から四千人程度増加しております。新卒の方が七千五百人前後出ているわけでございまして、平成十六年末現在で約二十七万人、人口十万対で二百十七人となっているところでございまして、抑制をして減らしているということではなくて、毎年増やしてはおるわけでございます。しかしながら、診療所の勤務医に比べまして相対的に病院の勤務医に負荷が掛かっているという現状についても認識をしているところでございます。
 私どもといたしましても、医師不足の改善のため、地域や診療科における医師の偏在、今申し上げました病院、診療所間における医師の偏在の解消を早急に図ることが重要であると考えておりまして、本年八月には関係の省庁とともに新医師確保総合対策を取りまとめたところでございまして、今後とも現状を踏まえながら医師の確保に努めていきたいと考えております。
#43
○坂本由紀子君 今局長から病院における医師の不足についてもメンションされましたが、現在の医療、特に医師の病院における勤務状況を見ると、先ほど御指摘があったように、休日、夜間に病院に来る患者さんが非常に多くなっている等々、国民の医療を受けるニーズが変質していることもあって、大変病院の医師の勤務条件は過酷なものになっていると思います。そういう中で、適切な医療提供体制を確保しようということで、随分医師にしわ寄せが来ている。そのことが結局医師の、病院勤務医の退職を招いているということで、残った医師がまた更に過酷な条件になるということで、今の日本のこの医師の勤務状況については抜本的な対策を取らなければ、先ほど来おっしゃっているような、様々な取組をこれからやっていきますということではなかなかその改善がおぼつかないのではないかというふうに思うのであります。
 その点で、去る七月に出された医師の需給に関する検討会報告書というのがありますが、これもかなり現在の実態を考えるとこの認識ではとても足りないのではないかというふうに思うのであります。二〇二二年に均衡というような結論になっているわけですが、その前提となっているのは医師の週四十八時間の勤務と、しかもその勤務の内容が、休憩時間だとか自己研修だとか、そのような当然必要とされているものは含まずに週四十八時間、しかも平均でありますから、そういう意味で患者の集中しがちな病院等では非常に長時間労働が当たり前に予定されてしまっている。このことは労働基準法違反の実態が多発するということにもなりかねませんし、先進的な日本の医療の崩壊を招くおそれもあるのではないか。現在でも、週四十八時間勤務を前提として休憩時間等をその中に算入をして医師の不足を勘案すると六万人から足りないという状況になっているかと思いまして、こういう認識をもっと深刻に受け止めて、私は医師不足について抜本的な手を打たないと日本の医療の崩壊を招きかねないということを心配をするわけでございます。そういう意味では、かつて大学の医学部の定員についてはもうこれ以上増やさないというようなるる政府としての方針が出されておりますが、そういうことについても見直さざるを得ない状況になっているのではないかと思います。
 柳澤大臣は、私は郷土の先輩としても大変尊敬をいたしますし、是非大臣、この点は時代の変化をにらんで、時代の状況に即した対策を新たにお考えいただく時期に来ているのではないかと思いますが、大臣のお考えをお伺いしたいと存じます。
#44
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今、坂本先生から現在我々が直面している医師不足という実感ですね、そういうものと、それが、もしその実感が客観的にも存在しているならばそれは日本の医療そのものに大きな影響を、悪い影響を与えるんではないかと、こういう御指摘をいただきました。私も、地元の病院がいろんな科目が閉鎖をされているというようなことも報告を受けておりまして、肌感覚としては医師不足ということが深刻だということをよく承知をいたしているわけです。
 そこで、一体これをどうするかということでございますけれども、一つは、我々としても局所的には打つべき手を打とうということで、非常に医師数の今不足している十県ですか、これについて補完的な言わば医師の卒業生の定員を増やしてこれに対応していこうということを一つやっております。それからまた、研修医の言わばたまりが二年の研修期間が終わりまして来年度からこれが実際に働き出すと、こういう状況の変化も一つ当面予想されるところでございます。それだけ見てというわけにもまいりませんでしょうけれども、それに加えて、今医政局長から言いましたように、日本の医師数も医学校の卒業生ベースで見ますと三千五百名から四千名、一年間に増加していくということもあるわけでございまして、これらを勘案して、今我々が肌身で直面しているような医師不足の実態とそれがどう一体うまく調整を取れていくのかいかないのかと、これが問題だというふうに思うわけでございます。
 いろいろ考えさせられているわけですけれども、今言ったような我々の方がいろいろ展望できる現状改善の一つのベクトルというものを前提にして、もうちょっとこの偏在ということについて、例えば診療所と病院のお医者さんの勤労時間、こういうようなものが明らかにへんぱになっているわけですけれども、こういうものをもう少し均衡の取れたものにすることができないか、あるいは地域の偏在と、地域的な偏在というようなものについてももう少し何らかの手だてでこれを是正していくことができないのかということを私は今考えているわけでございます。これは本当にお医者さんにとっては大変、何というか、厳しいことになるわけですが、要は、今日本の国として養成しているお医者さんがより効率的に、偏在しないようにというのはより効率的にということにつながると私は思っているわけですが、そういう働き方というものが実現できてこの局面を何とか乗り切ることができないのか、そして今私が言ったような偏在を是正するというような言わば手だてというのは一体何なのかということを今私自身は頭の中でいろいろ考えていると、それからまた医政局長などとも議論をしているという状況でございます。
#45
○坂本由紀子君 確かに毎年医者の数は増えています。ただ、増えている人たちがそういう地域格差の解消につながっているかといったら、東京にばかり働くことを選んだりとかいうことで、地域格差は一向に解消していないというのがあるわけでありまして、かつ病院の勤務実態が変わらなければ、なかなか若い人たちに病院に行ってくださいと言っても、すぐに辞めてしまうという今の状況は改善しないだろうと。
 そして、今大臣から十の県では医学部の定員を特に増やしてという御指摘もございました。これ自体は今まで増やさないと言っていたことからすると確かにいい対策なんですが、ただ、本当にこの十の県で足りるのかといえば、各地域の中で医師の養成数が一番低いのは千葉、埼玉、静岡です。こういう養成数が少なくてしかも人口当たりの医師の数が少ないところについては今回の十県の中には入っていないんです。そういうふうに、本当に必要なところにきちっとした対応が打たれているかというと、私はそこはまだ不十分な嫌いがあるのではないかと思いますので、そういう点では、今やっている対策についても更に見直しをしていただいて、本当に全国どこの地域にも必要な医師が確保されて、余りに過酷な勤務形態で、医師が使命感はあっても続けられないなんという状況がなくなるようなことで是非お取り組みをいただきたいというふうに思うのであります。
 そこはお願いにとどめまして、次に、医療費の問題については、高齢化が進むので医療費の抑制というのが大きな課題になっていることは分かりますが、やはりそうはいっても一番大事なのは医療の質の確保だろうと思います。
 その点で、医療について、歯科医療との連携で非常に患者のQOLが向上したというような事例が実は静岡県の県立がんセンターでございました。ここでは、多分全国で極めてまれな例だと思いますが、のど周りのがんの手術に当たって口腔ケアをしっかりやった。その結果、合併症の発症が著しく抑えられ、入院日数も減ったと。このことはがんに限らずほかの疾病についても言えるのではないかと。
 そういう意味で、医療費の問題を考えるときに、ただ単に医師の数を抑えるとか、あるいは、何というか、医療の必要な部分をカットするというようなことではなくて、むしろ組合せによって医療の効果を高めていくというようなお取り組みをいただくことが有効ではないかと思いますが、この点についての御認識はいかがでしょうか。
#46
○政府参考人(松谷有希雄君) 今御指摘の静岡県立がんセンターの事例は、進行した頭頸部がんの再建手術、再び建てるといいますか、再建手術の術後合併症に対する口腔ケア介入プログラムによりまして術後合併症の発生頻度の低下あるいは在院日数の短縮等に寄与したという内容であるというふうに聞いておるところでございます。
 また、この関連で、歯科医療費と医科医療費の関連につきましては、兵庫県歯科医師会などの調査結果によりますと、一定の前提の下ではございますけれども、残存歯が少ない方の方が多い方に比べまして医科の医療費が高い傾向が見られたという報告がございます。
 厚生労働省といたしましては、平成十六年度から十八年度にかけまして、厚生労働科学研究の地域住民の口腔保健と全身的な健康状態の関係についての総合研究におきまして研究を進めているところでございます。現在までにこの研究から、誤嚥性肺炎等の予防に口腔ケアが有効であること、歯科医療によりまして、歯科治療によりまして、ADL、QOL、食事機能等の改善が図られること、かみ合わせの力が強いと日常生活活動能力、運動機能等が優れていることなどが報告されているところでございます。
 今般の医療制度改革におきましては、医療費の適正化を推進する観点から疾病予防を重視した保健医療体制への転換ということが柱の一つとされてございますけれども、さきの研究結果等も参考にしながら今後とも歯科保健医療の充実に努めていきたいと考えております。
#47
○坂本由紀子君 次に、医療事故等の紛争解決のための中立的な第三者機関の整備についてのお考えを伺います。
 医療事故が発生した場合に警察が介入して、あるいは裁判によって解決が図られているという現在の状況は、医療に従事している方々を萎縮させて、そしてひいては高度先進医療に取り組もうという意欲を医師から失わせることになる懸念が大でありまして、これらのことは、またその裁判に訴える際には、患者の側にとっても大きな負担になっているわけでございまして、こういう点での取組の必要性が強く叫ばれているところでございます。
 厚生労働省としてこの点について早期に必要な取組をしていただきたいと考えますが、お取組について伺います。
#48
○副大臣(石田祝稔君) この医療事故につきましては、医療関係者も御努力をいただいていると思いますけれども、残念ながら医療事故はどうしても起きてしまう、こういう事例もあるわけでございます。そういう中で、この医療紛争は、患者と医療従事者との意思疎通が不十分であったり、また医療の中身がなかなか患者さんとか御家族にとって分かりにくいと、こういう場合もあって不信感がお互いに出てくると、こういうことも私はあろうかと思います。
 そういうことで、やはりこれは死因究明については、事故の原因究明については第三者が客観的に行うと、こういう制度は、どうしてもこれは透明性を増していくという観点からも必要だろうと思いますし、第三者機関でやっていただくということによって、患者にとっても、また医療従事者にとっても、事故の発生予防、再発防止の観点と、こういう観点から私は大変有用であると、こういうふうに思っております。
 そういう意味で、厚生労働省としましては、こういう医療事故の原因究明、これにつきましては、本年度内を目途に厚生労働省で試みの案を、試案を提示いたしまして、来年度に有識者による検討会を開催をして、その議論を踏まえて必要な措置を講じてまいりたい、このように考えております。
#49
○坂本由紀子君 モデル事業等もやっていただいていたわけですので、そういう意味ではこの問題は急ぎますので、できるだけスピーディーにやっていただきたいというふうに重ねてお願いをいたします。
 それと、自由民主党では今、分娩に係る医療事故に関して無過失補償制度のようなものを構築して、産科医不足の原因の一つにもなっているこの医療事故に伴う医師のリスクを軽減しようという取組をバックアップしようとしているところでございます。厚生労働省におきましても同様にお取り組みをいただく方向になっているかと思いますが、この点についてはできるだけ早いお取組を重ねて要請をいたしまして、ちょっと時間もございませんので、障害者自立支援法の方に移らせていただきます。
 次に、障害者自立支援法、法律は、様々な障害者の課題を解決するためにこの法律が必要なんだということで成立し、施行されておるわけでございますが、法の目的に照らしてしっかりとした施行状況になっているかどうかということについて、まず状況をお伺いいたします。
#50
○政府参考人(中村秀一君) 障害者自立支援法につきましては、本年四月に一部施行され、さらに十月一日から残余の部分、例えば新しいサービス体系への移行などについて施行したということで、完全実施になっているところでございます。
 法の施行に当たりましては、関係者の方々からの様々な御意見も踏まえ、例えば十月からの施行部分については、障害児施設の利用を措置から契約に改めるとともに、利用者の御負担も原則一割ということを十月から障害児施設についてはお願いをするということもございまして、本年八月に関係者の方からの御意見を踏まえまして、この障害児施設の利用者負担を軽減するなど五つの対策なども改めて取ることとし、完全実施いたしたところでございます。円滑な施行のために地方自治体の方々にも御尽力いただきながら、制度の周知徹底を図っております。
 実施状況につきましては、都道府県を中心に関係者の御協力を得ながら実態の把握に努めておりますが、現時点で把握している点について御報告いたしますと、利用者の実態につきまして、十四府県の調査結果の単純平均では、利用者の御負担を理由とした退所者は〇・三九%という水準でございました。
 また、給付費に関しましては、定期的に実績を把握していただいております定点市町村の集計調査によれば、本年六月時の前年同月比二・五%の伸びを示していると。定点市町村というのは百四の市町村でございます。
 今後とも、関係者の方々の御意見を伺いながら、制度の周知、定着に全力を尽くしてまいりたいと考えております。
#51
○坂本由紀子君 今回、原則として一割の負担ということが導入されたわけですが、負担能力を超えて負担することがないように様々上限が設定されていて、負担が可能な範囲に収まるという制度を取ったというふうには聞いておりますが、ただ、制度ができる前と制度ができた後で障害者の所得が目に見えて増えているわけではありませんので、そういう意味で、その負担増がそのまま負担増として跳ね返ってきているので、障害者の方たちからすれば大変負担を感じているというのがこの自立支援法についてやや批判的な意見が最近多く出ていることの原因ではないかというふうに思います。そういう意味では、この自立支援法を契機に、本来、法が目的としていたことがきちっと達成できるようなことを格段に意識してやっていかなくてはいけないのではないかと思うのであります。
 たまたま当事者の方でこの自立支援法がいいんだということをおっしゃっている方がおりまして、ちょっと申し上げますと、例えば日割り。日割りは、経営している主体から見ると、日割りによって来ないときの収入が減るので困るということを言われるんですが、来てもらえるようにその経営体がサービスを良くした、例えば自宅まで送迎サービスを始めた事業所がたくさんあるので、そういう意味では日割りによって利用者にとってはサービスが良くなった部分がある。
 あるいは、障害程度区分によってその給付の額が違ってきますので、今までは、同じ施設の中であれば、大してもらえる額が変わらなければ、軽い人たちの方が良かったと。だけど、これからは程度区分によって違うので、重度の人たちが入ってもらった方が経営状態が良くなるということで、むしろ施設の中で重度障害者の方が人気が出てきたと。こういうことはこれまでにはなかったことなので、いいことではないかというようなことを述べておられる方がおられます。
 確かにそういう面があって、そういう方向でこの障害者自立支援法が運営されて、すべての障害者に適切なサービスが提供されるようになるということが望ましいことだと思います。
 そう考えましたときに、法ができる前は地域格差が非常に大きいと、それを解消するんだということが理由としてありましたが、この法の施行以後、確かにそういう意味での地域格差が解消されているのかどうかということをお伺いしたいと思います。
#52
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 障害者自立支援法を導入する際の御議論といたしまして、ホームヘルプサービスなどにつきまして、例えば十六年三月末の実施市町村で見ますと、身体障害者のホームヘルプサービスは八割程度の市町村で実施されておりますけれども、知的障害については五六%にとどまっていると、こういうようなこともございますし、サービスの程度につきましても、例えば介護保険に比べまして、介護保険が都道府県間の格差が一・七倍であるのに、障害者施策では七・八倍であるというような大きな格差があるということが、障害者自立支援法を入れて市町村に障害福祉計画を作っていただきましてサービスを均てんさせていくんだと、こういうことであったわけでございます。
 法を施行してから拡大しているかという点については、何しろ新サービス体系への移行が今月からでございますので、確たる数字まだ持ち合わせていなくて恐縮でございますが、あわせて、十月から国が策定する基本指針の下で市町村及び都道府県に対し地域の実情や障害者のニーズなどを踏まえました計画をするということで、国といたしましては、平成二十三年度までに、これは三年ごとの障害福祉計画の二期目の終わりでございますが、例えば通所サービスにつきましては、現在三十万人の方が利用されておりますが、四十七万人、一・六倍に増やす、地域で生活していたグループホームにつきましては、現在三万人でございますが、二十三年度末には九万人、三倍に増やすというようなことの整備指針をお示しし、市町村に整備をしていただくようお願いしているところでございます。
#53
○坂本由紀子君 今おっしゃった、中期でそのような目標を持つということはもちろん必要なんですが、その時々にきちっと拡大しているかどうかということをしっかり検証なさっていただかないと現実に障害者がサービスを受けられるということになりませんので、その点は、法施行後間もないとはいえ、しっかりと地域格差が解消しているかということについてのフォローはしていただきたいと思います。全国の市町村にそういうサービスが行われているかどうかということを調査していただくということはそう大して手間の掛かることではないだろうと思いますので、その点はきちっとやっていただきたいと思います。
 それから、先ほど申し上げた、障害者の所得が増えてない、だからその負担増を障害者が感じているということを申し上げましたが、そういう意味で、障害者の所得が増えるように就労支援をしっかりやっていくということが私はとりわけ大事だろうと思います。その点で、就労支援の取組、どのように行われているかということをお伺いいたします。
#54
○政府参考人(高橋満君) お答え申し上げます。
 障害者の方々のその職業的自立、これを進めていくという観点から、私どもハローワークにおきましては、一つは、企業に対します障害者雇用率、これの達成に向けた指導、これとともに、障害者お一人お一人の障害の態様あるいは適性に応じたきめ細かな就職支援というものを一体的に実施いたすことによりまして、雇用機会の拡大また就職の促進ということに取り組んでおるわけでございます。
 特に、障害者の雇用率の達成指導にかかわりましては、現在、実雇用率が低い企業に対しまして雇入れ計画の作成命令というものを発出いたしまして、この計画に基づいて適正に実施をしていただくということを進めておるわけでございますが、最近におきます雇用状況ということを踏まえますと、中小企業での雇用率が一貫して低下をしている。ただ、大企業の中でもなお取組の後れている企業が多いと、こういうことも踏まえまして、雇入れ計画の作成命令の対象範囲を拡大をいたしまして、指導の強化徹底を図っておるところでございます。
 また、いわゆる福祉から一般雇用への移行を強力に進めていくということでございますが、これにつきましては、現在、これまで就業面と生活面の一体的な支援を行います障害者就業・生活支援センター事業、これを行ってきたわけでございますが、障害者自立支援法が施行をされたということを踏まえまして、地域におきまして福祉施設と一層幅広い就労支援のための連携体制を構築していこうと、こういう観点から、一つはやはり福祉施設の側でこの一般雇用あるいは雇用支援策といったものを十分理解していただく、そのための取組。また、具体的に福祉施設と連携をいたしまして、ハローワークが中心となりまして就労支援チームというものをつくりまして、こうしたこのチームにおきまして就職を希望される施設利用者お一人お一人の状況に応じました一貫した就職支援を行う取組を現在実施をいたしているところでございまして、このような取組を通じまして障害者の方の就労支援策の強化を積極的に行ってまいりたいと考えております。
#55
○坂本由紀子君 今おっしゃったメニューは大変結構なんですが、それが何人の人に行われているかということが大事だろうと思います。そういう意味で、必要な障害者についてはすべて今おっしゃったようなサービスが提供されるという気概を持ってお取り組みをいただきたいと思います。
 ただ、障害者の自立といったときに、雇用だけですべての障害者の方の自立ですとか、あるいは所得が取り得るということでもございませんで、そういう意味では様々な就労の形態というのが大事であろうと思います。
 例えば、知的障害者の方の場合には、ともすれば単純作業というような思い込みがあるんですが、知的障害者の方の中には優れた芸術的な才能を持っているというような方もいらっしゃいます。そういう方は、企業に雇用されるというよりは、むしろ自営の世界で才能を生かして働いていくということがいいわけでありますが、ただ、自営ということになると、ほとんど就労支援の対策のメニューが使えないというのが今の現状だろうと思います。より質の高い自立を障害者の方が果たすという意味では、雇用に限定するとか、一つの枠にはまった働き方をこちらから指定して、これであれば支援しますよということではなくて、どんな形でも支援をするというその柔軟な姿勢が大切ではないかと思います。
 その点について、是非厚生労働省としてこれから幅広いお取り組みをしていただきたく、お考えを伺いたいと存じます。
#56
○副大臣(武見敬三君) 雇用形態以外の様々な働き方についても支援の輪を広げていくという考え方については、私も全く同感でございます。
 厚生労働省としても、こうしたその障害者の様々な働き方を支援するために、本年四月に全面施行されました改正障害者雇用促進法におきまして在宅就業障害者支援制度を創設しております。具体的には、在宅で就業する障害者に対し企業が仕事を発注することを奨励し、障害者の雇用形態によらない就業についても支援を行うということにしております。
 こうした取組、今後とも障害者御本人の希望や適性に応じて様々な働き方を選択できるように、生き生きとした職業生活を送ることができる社会の実現に努めてまいりたいと思っております。
#57
○坂本由紀子君 ちょっと遠いので見えないかもしれませんが、大臣、このバッジをごらんになったことがあるでしょうか。これは、来年静岡で行われるユニバーサル技能五輪のバッジなんでございます。世界で初めて障害者と、それから若者の技能五輪が同時に日本で開催されるというものであります。
 技能についての社会的評価というのは必ずしも高くありませんので、そういう意味で技能者となる若者が非常に少ない。後継者不足いうのが今言われておりますし、あるいは障害者についていえば、様々な形で働けるんだけれどもそれが十二分に知られていない。ちょうどパラリンピックが障害者のスポーツに対する理解を深め、また障害者の能力に対する社会の認識を非常に深めたと同じように、この来年行われるユニバーサル技能五輪というのは、若者に対して技能の大切さを伝えると同時に、障害者に対して自立の道筋を示すという意味では大変意義のあるものではないかと思います。ところが、いま一つ知られていない、盛り上がらないというのでありまして、せっかくやるのであればその点で十分な効果を上げていただきたいと思うのでございます。
 この点について、大臣の御決意を伺いたいと思います。
#58
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今、坂本委員から技能に対する世間の評価というものが高くないんじゃないかというようなお話がありましたが、私はちょっと違う受け止め方を率直に言ってしております。
 私は、中小企業、これ坂本委員も同じ地域を地元にお持ちなんでよく御存じなんですけれども、浜松地域には非常に中小企業が多い。この中小企業の経営者が何を売り物にして堂々と独立して事業を展開できているかといえば、大体、社長の技能ですね。これはもう本当にすごい技能でして、例えば技術とどう違うかと。社長に聞けば、おれは真球のベアリングを作るということについては東大工学部の教授と論争したけれども、絶対自分の方の言い分に理があるんだというくらいの自分の技能に対する自信というものがやっぱりその企業を堂々たる存在に、独立した存在にしているということがございます。
 私は、そういうことからいって、世間の技能に対する評価、もう本当に、しかも、手先が器用というんじゃないんだよと、目が器用なんだというくらいにもう実はそういうことに対して的確な認識を持っているし、誇りにしていると、こういうことです。ですから、今度、技能オリンピックが行われるということの中で、私どもはそうしたことに若者が更に目を向けていくきっかけになる、これはすばらしいことだと、こういうように思って注目しています。
 それからもう一つは、今言った、身体障害の方々が同じようなレベルの方々と技能のレベルを競い合うということ、これも今、坂本委員が言うように、パラリンピックの競技の状況がどのぐらい人々に感動を与え、そしてそれが身体障害を持つ方々の力というものに対する再認識の機会になったか、私も全く同感でございます。
 したがいまして、この方々がまた技能のレベルで技を競い合うということは非常にまた別の面の認識を人々に再確認するという、再認識させるということになることは私は必至だと思いますので、要は世間の関心のレベルを上げていくことだろうと、こう思います。
 私自身が、坂本委員が佩用しているバッジを佩用していないというのはちょっと恥ずかしい思いをしていますけれども、我々これから厚労省としても大いに協力して、静岡市と沼津市、お地元でございますが、このオリンピックを大いに盛り上げていきたいと、このように考えております。
#59
○坂本由紀子君 ありがとうございます。
 今日は警察の方にもおいでいただいて、パーキングパーミット制度の導入についてお願いをしようかと思いました。ただ、時間がなくなりましたので、誠に恐縮でございます。要請だけさせていただきまして、私の質問をこれで終わりたいと思います。
#60
○委員長(鶴保庸介君) 午後二時から再開することとし、休憩をいたします。
   午前十一時五十九分休憩
     ─────・─────
   午後一時五十九分開会
#61
○委員長(鶴保庸介君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#62
○櫻井充君 民主党・新緑風会の櫻井充でございます。
 久しぶりに厚生労働委員会に戻ってまいりまして、今回、私の危機感は国民皆保険制度が本当に守られるのかどうか、この一点で、何とか国民皆保険制度を守りたいという思いでこの委員会に所属をさせていただきました。今日は、その観点から大きな話を何点かさせていただきたいと思っています。
 私は、最近の政治の在り方を見ていて極めておかしいと思うことがありまして、それは何かというと、責任のない方々がある種集まって、民間委員の方々が集まってこの国の方向性を決めてしまっている、そしてそれがトップダウンで下りてくる、これが本来の政治の在り方なんだろうかと。つまり、国民の代表者である国会議員が本来は決めるべきこと、それから、その任を担っている官僚の方々が運用していくようなこと、そういうものに関して、ある種ねじ曲げられてこの国の政策が決められてしまっているがゆえに様々な不幸な点が行われている、散見されるんではないのかなと、そういうふうに思っています。
 まず、そこで冒頭、経済財政諮問会議についてお伺いしたいと思いますが、経済財政諮問会議は何らかの法的根拠に基づいてつくられている組織なんでしょうか。
#63
○政府参考人(齋藤潤君) お答え申し上げます。
 経済財政諮問会議は、内閣総理大臣のリーダーシップを十全に発揮して経済財政政策を形成するために設置された会議でございまして、重要事項等について調査審議を行うことを目的として内閣府設置法に基づき設置されております。内閣府設置法で重要政策会議が幾つか規定されておりますが、その一つとして位置付けられておりまして、合議制の機関でございます。
#64
○櫻井充君 それでは、そこの決定事項がどれだけ法的拘束力を持つんでしょうか。
#65
○政府参考人(齋藤潤君) お答え申し上げます。
 今申しましたように、諮問会議自身は調査審議を目的としております。その調査審議に際しましては、有識者議員の御意見を活用しながら、総理、関係大臣を含めて議員間の合議で議論を進めております。そして、政府としての最終的な政策決定、意思決定は、これは諮問会議の答申なども受けながら閣議決定等を通じて内閣の責任で行われております。
#66
○櫻井充君 その有識者と言われる方々が選ばれるわけですが、これは国民の代表者として選ばれているということが担保される事項は何かございますでしょうか。
#67
○政府参考人(齋藤潤君) 有識者議員につきましては、内閣総理大臣が任命するというふうにされております。
#68
○櫻井充君 それが国民の代表者としてふさわしいということが担保される根拠は、内閣総理大臣が指名するからということだけですか。
#69
○政府参考人(齋藤潤君) 経済財政諮問会議の所掌につきましては、先ほど申しましたように内閣府設置法で決められておりまして、そしてその議員につきましては内閣総理大臣が任命するということになっております。
#70
○櫻井充君 答えになっていないよ、答えになっていないよ。もう一回。なっていないよ。
#71
○政府参考人(齋藤潤君) 内閣総理大臣が任命しているということによります。
#72
○櫻井充君 それでは、規制改革会議は一体どういうことになるんでしょうか。規制改革会議も同じですか。
#73
○政府参考人(田中孝文君) まず、規制改革・民間開放推進会議の設立根拠でございますが、これは内閣府本府組織令、政令でございます、の四十条の二に規定された審議会でございます。いわゆる国家行政組織法八条に言う意味での審議会でございます。そして、これは総理の任命による委員が各府省や関係者の意見等を聴取しつつ、合議制の下で審議を行って答申を取りまとめているところでございます。
 したがいまして、その答申自体は審議会の答申でございまして、それを政府決定するに当たりましては、その答申をいただいた後、政府として作業を行い、閣議決定を経て、いわゆる具体的には規制改革・民間開放三か年計画の改定ということの閣議決定として行われているものでありまして、その計画事項の措置に当たり必要な法律改正があるものについては立法府における御審議をいただいているものと了解してございます。
 以上でございます。
#74
○櫻井充君 規制改革を行うと、ある方々は有利になられ、そしてある方々は、既得権を奪われるような方は多分不利益を被るような形になる。とにかく、ある一つの規制を変えることによって利害関係が当然生まれてくるんだろうと思います。
 そうしてくると、その規制改革会議の中に民間の方々がいらっしゃって、民間の企業の経営者の方がいらっしゃれば、当然その方々がやられている分野が有利に働く部分もあれば不利に働く部分もあるのはこれ私は当然のことだろうと思いますが、その点についてはいかがですか。
#75
○政府参考人(田中孝文君) 規制改革・民間開放推進会議の委員に関しましては、これは総理が各分野における識見を持った方々として任命されているところでございまして、また会議に当たりましては合議制の下において結論を得ていると、多数決によって結論を得ているということであって、特定の方の利益に資するような決定がなされているものではないというふうに了解してございます。
#76
○櫻井充君 合議制で結論が出ようが何しようが、私が申し上げているのは、ある個人にとってその決定が、ある個人にとってはその決定が有利になるものもあれば不利になるものもありますねということをお伺いしているんですよ。
#77
○政府参考人(田中孝文君) 規制改革の結果開かれるビジネスチャンスについては、すべての方々に広く開かれているものと了解しておりますが、結果としてそうしたビジネスチャンスに利用が、道が開かれる方が出てくるということは、おっしゃるとおりでございます。
#78
○櫻井充君 例えば、いつも申し上げていることですが、タクシーが規制緩和されました。仙台では八百台ほど台数が増えました。ビジネスチャンスが生まれたといえばそこまでですが、タクシーの運転手さんたちの給料は今どうかというと、もう十五万円を切っているような状況になっております。
 ここに大きく不利益を被っている方々がいらっしゃる一方で、規制改革会議の中の議長はタクシーのレンタルリースを行っている。タクシーの、タクシーメーターを作っている方も実は規制改革会議のメンバーでいらっしゃると。タクシーの台数が増えれば、これらの方々は当然のことながら利益を得ることになります。こういう人たちが話合いの中に参加することそのもの自体が問題ではないですか。
#79
○政府参考人(田中孝文君) 繰り返しになりますが、委員に関しましては、各分野で規制改革の推進に関して知見を有されるという方の中から適当と思われる方を総理が任命されているところでございます。
#80
○櫻井充君 答弁になっておりません。
 いいですか。もう一度言っておきますが、私が申し上げているのは、ある特定の問題に関して、その人たちが話合いに参加することはおかしくないですかと。つまりは、利害の抵触に当たるんじゃないでしょうか。ですから、そういう方々が参加されるのは、その分野その分野ごとに、それはいろんな問題を議論されるんですから、メンバーはそこに相当の方々がいらっしゃっても結構ですよ。
 ところが、例えば今のような形で利害関係者が入ってきて規制改革のことの議論をされることは利害の抵触に当たって、例えばこれはアメリカなんかの場合にはこういう人たちは当然のことながら外されて議論されておりますが、我が国はそういう人たちが入ってきて、しかも、自分たちの企業にとって有利な決定をされているような印象を私は受けます。つまりは、そういう印象を受けることそのもの自体が問題であって、こういう人たちを本来は外して議論するべきではないんですか。
#81
○政府参考人(田中孝文君) 規制改革・民間開放推進会議の委員は、身分上は非常勤の公務員という扱いになってございます。したがいまして、もちろん非常勤でございまして兼業の禁止等は外されてございますが、守秘義務を始め公務員法上の規定も掛かってございます。そうした中で、公正に御審議をいただいていることだというふうに考えております。
 また、再度になりますが、規制改革・民間開放推進会議の答申は直ちに政府の決定となるものではなく、それに関しましては閣議決定を経た計画の改定によって政策が実現されるものだと考えてございます。
#82
○櫻井充君 そうすると、見解の相違ということになるんでしょうか。私はおかしいと思いますが、おかしくないということなんですね。
#83
○政府参考人(田中孝文君) そういう実情を知っておられる方が入っておられるということで、規制改革において知見が得られるということは一つのメリットであると。ただ、それをどのようにその審議の結果を踏まえて政府で決定するかは、あくまでも政府で公正に決定しているということであると考えてございます。
#84
○櫻井充君 そこの場に参加できない方々も一杯いらっしゃるわけですよ。それはその時の総理がお選びになるわけですからね。ですから、私はそういうところからもう明らかに格差が付くんだろうと思っているんですよ。勝ち組が勝ち組のためにルールを作ったら勝ち組は一生勝ち組なんですね。そういう社会を変えていくのが実は安倍内閣の目的なんではないんですか。ですから何回も申し上げているんです。
 これは利害の抵触ですよ、はっきり言っておきますが。そういうようなことを指摘されるような会議を持つことそのもの自体、私は問題だと思います。これは危機管理の問題ですよ。そう思いませんか。
#85
○政府参考人(田中孝文君) 利害の抵触にならないよう、最終的な政治的な政策の決定ということは政府においてなされているというふうに考えてございます。
#86
○櫻井充君 私は、利害の抵触になっていると思っているから、今質問をさせていただいております。
 さて、この二点を踏まえてですが、大臣にお伺いしたいと思います。
 今の政治の決定のシステムは本当にいいんでしょうか。そして、今のような方々、民間委員という方々が、実は何か問題があったときには責任を取るかというと、決して責任は取りません。そういう方々が御議論されていることが国民のすべての利益につながることになっていくんでしょうか。大臣はいかがお考えですか。
#87
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今、櫻井委員が御指摘になられた最近の我が国政治の運営上活用されているこの審議会あるいは会議というものの在り方についてお話をされ、また一つの角度からの問題提起をされたということと受け止めております。
 これはどういうことでこういうふうになったかといいますと、経済財政諮問会議と規制改革会議は、やはり私は違った経緯で生まれているというふうに認識をいたしております。
 経済財政諮問会議の方から申し上げますと、これはもう明らかに、私どもの政治の体制というものが一九九〇年代の世界の非常に大きな変化の中で必ずしも十分な対応ができなかったという反省から行政改革が叫ばれ、その中で内閣機能の強化、あるいはなかんずく内閣総理大臣のリーダーシップの強化ということがうたわれるようになったというふうに私は承知をいたしております。要は、例えば不良債権処理にしてもそうだし金融ビッグバンにしてもそうだったんですけれども、明らかに旧来の体制というものがスピードに欠けていたのではないかと、こういう非常に深刻な反省があったわけでございます。
 そういう意味で、どちらかというと従来ボトムアップ、それで各省大臣が権限を持って、各省大臣のイニシアチブの下で政策を積み上げていくというような方式ではやはりいろいろな面で間に合わないというような深刻な反省があって、むしろトップダウン型の内閣あるいは内閣総理大臣の機能をより拡大、より強化してこれを活用しようと、こういうような行政改革が行われました。その結果、総理大臣あるいは総理大臣の諮問機関としての、総理大臣御自身が議長なんですけれども、経済財政諮問会議というのが非常に重みを増して、そこでのイニシアチブということでもって現在のこの非常に変転窮まりない、また非常にそれが迅速である、こういう情勢に対応していこうということになったものだと私は解しております。
 規制改革会議は、これはもう細川内閣のときに非常に大きくスタートを切りまして、これからの日本経済の活力を生み出すためにはむしろ規制を緩和する、当時は規制緩和だったんですが、その後いろいろ規制撤廃とかあるいは規制改革という言葉の変遷をたどりましたが、いずれにせよ、そこに日本経済の活力の源を見いだしていこうということから始められたものであると。その規制改革会議についてはそれぞれ人事が行われているということだと思うわけでございます。
 これが適切か適切でないかということを今先生おっしゃられたわけですけれども、私どもは適切な人事がこれまで行われてきて一定の成果が上がったというふうに評価をしているわけであります。
#88
○櫻井充君 大臣は、金融担当大臣の時代は直接償却論者ではなくて間接償却論者だったと私は思っております。私は元々直接償却論者で、大臣と何回か議論させていただきましたが、私は、その後様々なことを勉強した結果、間接償却論者に変わりました。一度委員会で大臣に僕は申し上げたことがあったかと思いますが。
 アメリカで不良債権処理の場合に本当に全部直接償却するかというと、そうはしておりません。間接償却で、しかも繰延税金資産などがありませんから損切りできますので、バランスシート上、引当金さえ積めばもう処理できてしまうと。そういうことですから、そうすると間接償却だけで実は十分だったのかもしれません。
 そういう点でいうと、今のお話をお伺いしていると、僕は、柳澤大臣はあの当時の説をお曲げになったのかなと。ですから、僕は、大臣のあのやり方で私は良かったと思いますが、直接償却で目標を定めてどんどんどんどん破綻させるようなやり方が本当に良かったんでしょうか。
 そしてもう一つ、引当金が足りないからといってどんどん引当金を積まされて、その結果どうなったかというと、銀行の自己資本不足が叫ばれ、そして実際直接償却が終わってみたら多額の引当金が余ったと。そして、その多額の引当金が余ったから、今度はリスクアセットの分を大きくすることができるから、例えば東京三菱でいうと七兆五千億円程度の融資ができるような枠ができ上がったということになってくると、スピードは確かに増したかもしれないけれども、そのやった方向性というのは僕は実は正しくなかったんじゃないだろうか、私はそう感じているんですね。ですから、スピードさえ増せば本当にいいのかどうか、ここが一点だろうと、そういうふうに思います。
 それから、規制改革会議のことに関して言えば、医療保険に関しての民間保険の導入が検討されておりますが、結局は、オリックス保険という保険会社を持っている方が座長を務めてやられれば、これは利害の抵触に当たるんじゃないですかと言われるのは、これは至極当然のことだと思うんですよ。
 ですから、そういう観点から考えても、今大臣がお話しになられた点は確かにいい点もあるかもしれないけれども、もっともっとそれよりも大きな問題点をはらんでいるんじゃないんですか。
#89
○国務大臣(柳澤伯夫君) 民間委員を登用するということでございますと、それはもちろん人選によるとも言える面もありますが、特に現役あるいは現役を退いて近い元気のある経済界の人なぞを登用するときには、どうしても全くどの分野にも利害が、全く持たないあるいは持たないと推定されるという人を選ぶということはやっぱり現実困難であろうと思うわけであります。
 したがって、今政府委員の方が答えましたように、それがそのまま最終の政府の決定になるわけではなくて、その後幾重にもスクリーニングを経て公正妥当な、客観的な立場での決定がなされるという仕組みになっておりますので、その諮問会議の構成メンバー自体が何か最終決定権者であるというような見方に立った御指摘というのは必ずしも当を得ていないんじゃないかと私は考えております。
#90
○櫻井充君 そうでしょうか。大臣、本当にそうお考えでしょうか。本音がそうだとは私はとても思えませんが。つまり、骨太の方針だと決められて、これに対して異を唱える人たちは抵抗勢力というふうにレッテルを張られた。そうすると、本当にまともな議論ができるんだろうかというと、僕はそうでないと思っているんですね。
 ここはお互いの認識が違うのかもしれませんから、この問題はこのぐらいにしておきますが、もう一つ今の政治の在り方で問題があると思っているのは、私は、アメリカからの要求に対してかなり日本の国益を損ねるようなことに関しても甘んじて受け入れなければいけないことなんじゃないのかなと、そう思っています。
 対日要望書で様々な点に対して、郵政民営化も含め、それから司法制度改革、大店法から大店立地法に変わるときも含めて、商法の改正もそうですね。これはみんな対日要望書で、こういうような内容にしなきゃいけないと、法律はこうすべきだと、相当な要求が来ております。もちろん日本政府も対米要望書というのを出しておりますが、それについての内容というのは我々からすると、ただ単純に陳情して、何とかお上よろしくお願いします程度の内容であって、とても対等な関係で話合いをしているとは思えません。
 例えば、保険業法一つにしても、このいわゆる第三分野に関して、保険業法の見直しが行われたときに一体どうなるかと。これ皆さんのお手元に資料がございますが、一九九四年にワシントンで栗山大使とそれから向こうのマイケル・カンターさんと話合いがなされました。第一分野と第二分野、いわゆる生保と損保の相互乗り入れがされる際に、ここで規制緩和をしようといったときに待ったを掛けたのが実はアメリカ政府で、そのアメリカ政府がなぜ待ったを掛けたのかというと、第三分野が実はアメリカでは主力であって、まだあの当時ニッチであったアメリカにしてみれば、ここで大手の生保、損保が参入してくることはアメリカの生命保険会社にとって極めて不利益だったと。そういうことから、何とか解禁を待ってくれといって五年間、五年間たしか猶予期間があってというようなことになっていたんだろうと思います。
 このときに議論の中でもう一つ言われたのは、これは日米包括協議、国際金融年報の中に書いてあるわけですが、アメリカの生命保険会社が第三分野に対する依存度が高くて、そしてもう一つは、我が国の中でお互いに十分に対等な関係で競争できるまではそこのところを保護してくれというような内容になって、了解させられているわけですね。じゃ、日本の生命保険会社はどうかというと、実は対米要望書の中に、もう少し規制を緩和して、我々も仕事ができるようにしてくれと。ところが、連邦政府の規制と州ごとに全然規制が違うものですから、日本の生命保険会社はほとんど参入できないような形になってきています。
 こういうような不平等なやり方をもってして、なぜ我が国はこのようなことを甘んじて受けなければいけないんでしょうか。この当時の、なぜこういうような約束事をさせられたのか、金融庁、御説明いただけますか。
#91
○政府参考人(知原信良君) 委員御指摘のように、傷害、疾病、介護分野のいわゆる第三分野におけます生保の相互乗り入れにつきましては、平成六年十月に日米両国政府におきまして、中小企業者及び外国保険事業者の中に第三分野への依存度が高い会社が存在すること等を踏まえて所要の激変緩和措置をとることが適当であるとされたわけでございます。この激変緩和措置でございますが、同月の武村大蔵大臣、米国のカンターUSTR代表の間の会談におきまして大筋合意されたものの一部でございました。
 そもそもこの第三分野の問題につきましては、生命保険会社、損害保険会社それぞれが取り扱える保険の範囲が法令上明確でなかったということ、それから他方で、既に第三分野の依存度が高い会社が存在していると、こういう中で、どのような規制の枠組みを設けるのが適当かという難しい選択が求められた中で決着をしたという経緯があったと承知しております。
 日米交渉に当たりましては、当時の大蔵省の国際金融局、銀行局が中心になって当たっておったと承知しております。保険分野の交渉は当時の日米フレームワーク協議の優先三分野という位置付けになっておりまして、その決着も両国首脳レベル、官邸とホワイトハウスの最重要事項であったと承知しております。
#92
○櫻井充君 アメリカとしてはここの分野からまず穴を空けたいと。そしてもう一つは、あの当時、ソルベンシーマージン比率なるものを持ってまいりまして、中小の生命、中堅ぐらいのでしょうか、生命保険会社を破綻させ、そしてのれん分けという形でそこの加入者をそのまんま総取りしていくと。そういうやり方をして、今どうなっているかというと、この第三分野のことに関して言うと、とてもじゃないけど日本とアメリカの企業と真っ当に競争しているかというと、そういう状況にないんだろうと思うんですね。私はそういう認識ですが、その点についてはいかがですか。
#93
○政府参考人(山崎穰一君) 現在の状況を申しますと、日本のいわゆる保険会社におきましても第三分野の保険というものを取り扱ってございまして、その競争が、適切な競争が行われているというふうな認識でございます。
#94
○櫻井充君 シェアは、じゃ、ちなみにどの程度なんでしょうか。
#95
○政府参考人(山崎穰一君) 例えば医療保険というものを取り上げて具体的に計数で申し上げますと、件数で申し上げますが、医療保険で、これは平成十七年度決算における数字でございますが、約三百二万件の件数がございますが、このうち、いわゆる外国保険会社の扱っておりますのは百三十四万件ということになってございます。
#96
○櫻井充君 まあ、ほぼ対等か、少し少なく見積もって四分六ぐらいということですが、この急激な伸びというのは、そこまで保護されたからこういう形になってきているわけですね。
 しかし、今の例えば貸金業規制法の今度の改正を見ても、じゃ、中小の貸金業者に本当に、何というんでしょうか、手当てして、激変緩和で本当にこの方々が経営できるようになるような状況かというと、決してそうではありませんよね。例えばノンバンク社債法みたいな法律を作って出資法に穴を空けて、大手は優遇されているけど、中小はそこのところで調達コストが高く付くようなそういうシステムを作られたまんま、結果的にはああいう形で金利が下げられていくという格好になっています。
 何を申し上げたいのかというと、金利を下げることの是非ではございませんで、要するに、アメリカ企業の場合には大手と中小との、まあ入った当時力がなかったから保護されて、日本の企業の中小の場合には決して保護されることがないというようなやり方をしていることが本当の日本の国益につながるかどうかです。
 今、医療保険というお話がありましたが、この国の医療保険は公的皆保険だけであって、民間保険は私は医療保険と呼ぶべきでないと思いますが、この点について厚生労働大臣、いかがでございましょう。大臣です。
#97
○国務大臣(柳澤伯夫君) アメリカの民間会社による保険は公的保険では当然ないと、そのように認識しています。
#98
○櫻井充君 そうではありません。医療保険という名称を本当に使っていいんでしょうか。
 大臣、今若い人たちの間ではそういう外資系のものに入る、外資系だけではなくてもいいです、民間保険に入ると、入院すると一日一万円給付されると。ところが、公的皆保険に入っても給付されないから、だったら公的皆保険に入らないで民間保険に入った方が有利じゃないかといって民間保険だけに入っている人たちが増えてきているんですよ。公的皆保険制度が維持できるかどうか、極めて大事な状況になってきているんですね。
 そういう点で、今のような形で民間保険も含めて全部医療保険と言っていいんでしょうか。
#99
○国務大臣(柳澤伯夫君) 民間、アメリカ系の民間保険会社が自分の商品を医療保険というふうに名のっているということでございますけれども、保険事故をどういうふうにとらえるかということですけれども、病気になったとき、病気になったことを広く保険事故ととらえているという商品を売っているという限りではそれほどの、何というか、僣称というか偽称というか、そういうものではない。辛うじて医療保険と言っても、そのこと自体が非常に大きな問題になるというふうには私は考えないのでございます。
#100
○櫻井充君 大臣ね、この国では公的皆保険制度にまず加入していると、恐らく民間のいわゆる医療保険制度に入る必要性、僕ないんだろうと思っているんですよ。アメリカの場合には民間保険会社がもちろん主体ですから、そういう国と我が国とは全然違いますよね。公的保険制度で例えば百万円掛かろうが二百万円掛かろうが、実は所得が五十六万円以下の人であればせいぜい月々八万円程度しか掛からないということになってくれば、公的保険にさえきちんと入ってくれていて、公的保険そのもの自体がきちんと運用されれば、問題ないはずなんですよ。
 そして、なぜ国民がそういうものに入らなきゃいけないのか。そして、しかも今のコマーシャルを見ていると、いつでもどこでもだれでも入れるようなお話になっていますし、どういう病気の人でも大丈夫で、何とかで受け取れますと言っていますが、公的保険はまさしくそこの部分全部満たしているわけであって、そのことを本当に知っているんだろうか、そこのところが僕は最大の問題だと思うんですね。国民の皆さんは、自分が例えばがんになったとすると、幾ら支払わなきゃいけないか分かんないという話をされるわけですよ。だから、不安だから、どうなるかよく分かんないんで、取りあえず保険に入っておこうみたいな感じになっているんですね。
 別に僕は民間の企業を何とかしたいという思いでなくて、言っているのは、公的保険制度そのもの自体は世界の中でナンバーワンの制度なわけですよ。今これが崩壊させられようとしている。それは、例えば経済財政諮問会議から医療費が大幅に抑制されて、これだけの額にならなきゃいけないといったら、公的保険制度で維持できないんですよ、はっきり申し上げれば。そこのところを民間で補完できるのかどうかということになると、実は民間でやった方が国民負担率は上がることはこれ確かなことです。
 なぜならば、アメリカの場合に、民間保険会社のメディカルロスといって、保険料を集めて、そしてそれを給付するのは幾らかというと、八五%以下なんです。そうでなければウォールストリートでトリプルAが取れないからです。そして、公的な保険のメディカルロスは幾らかというと、九八%です。つまり、ほとんど集めたものがみんな医療に使われているということは、効率性から考えてみても公的保険の方がはるかにいいということなんですね。
 そして、そういう点でいえば、今、保険料を引き上げなきゃいけないとか、相当様々な問題が起こりますが、であれば、民間保険に国民の皆さんが知らないで何となく入っているぐらいであれば、ちゃんとそのお金が公的保険に回ってくるようなシステムをつくった方が私は国民の皆さんにとっていいんじゃないだろうかと、そういうふうに考えているんですね。
 ですから、国民の皆さんにまず正しい情報をきちんと伝えていくこと。郵政民営化のときにしようもないようなビラ一杯作りましたが、あんなしようもないビラ作らないで、公的皆保険がいかにすばらしいのか。そして、しかも所得保障までされるんだということをきちんと伝えていって、今のような国民の皆さんの保険に対する流れというんでしょうか、それを食い止めるべきではないかと思いますが、大臣、いかがですか。
#101
○国務大臣(柳澤伯夫君) 我々の国は自由企業体制でやっておりますので、民間の企業の活動というのは、公序良俗とかその他の規制に反しない限り自由だということでございます。そういう中で、彼らは彼らなりの広告宣伝、PR等をしているということだというふうに私は認識しております。
 他方、我が国のこの公的医療保険、これが非常に世界的にも優れたものであるということは、これはもう紛れもない事実だと私は思っております。
 櫻井委員の指摘、つまり日本国民が自分たちが持っている制度の良さというものを十分知っているのかという点は御指摘のとおりだと私も思います。何がゆえにそれ以上に民間の保険会社の保険料を払って何を補完しようとしているのか。それは人それぞれだと思いますけれども、一般の人からすれば、公的な医療保険の保険料をきちっと払っていただくという方がはるかに自分のためにもその方が有利であるということは、これは紛れもない事実でありまして、こういった面について我々のPR、国民に対する周知徹底ぶりが不足であるということであれば、これはいろんな手だてを講じて是正していくべきものだと、このように考えております。
#102
○櫻井充君 民間でできることは民間で、これはこれで結構です。ただし、問題は、民間でやるべきものと公的な部分でやるべきものとのちゃんと区別が必要だと思っています。
 私は、医療のことに関して言えば、少なくともアメリカの制度より日本の制度の方がはるかにすばらしいです。無保険者が四千百万人もいて、医療費が払えなくて破綻する人たちの数がクレジットカード破産に次いで二番目の国よりは日本の方がはるかにいいわけであって、それは公的な部分できちんと担保していくというまず大前提を作っていかないと、この制度そのもの自体が守られていかないんじゃないかと思っています。
 そういう意味で、じゃこの税制は一体どうなっているのかというと、優遇税制が掛けられているわけですね。これは国を挙げてこの保険に加入しろと言っているわけであって、まずそのもの自体が私は今の答弁とちょっと違っているところがあるんじゃないか。元々、昭和二十六年当時、長期の貯蓄を目的として生命保険に入ると所得控除が受けられるということでした。しかし、本来の保険というのは金融を扱うべきものではなくて、この時点から優遇税制を掛けたところが私は本質的に間違っていると思っています。ですから、予定利率の引下げであるとか、今、年金の変額制になって様々な問題が起こっていますが、本来の保険というのは金融と切り離していくべきものであって、そこをごっちゃにしてしまったというところに僕は一つ大きな問題があると思っています。
 いずれにしても、昭和二十六年に作ったこの優遇税制をいまだにまだこのまま継続してきている、そして、ましてや本来生命保険に掛けられる、つまり長期の貯蓄を目的のために所得税控除が受けられたものが第三分野に加入した場合でも所得税控除が受けられるというのは、物の本質から外れているんだろうと思います。
 そして、ここの分野の優遇税制をやめただけで二千六百億円の実は税収増になります。障害者自立支援法で、わずか数百億円のお金がなくて障害者の方々にあれだけの負担を強いるようなことがあれば、むしろもうこういった優遇税制をやめることによって税金をそちらに投入するなりする方が私はいいと思いますが、財務省としていかがお考えでしょう。
#103
○政府参考人(佐々木豊成君) 税制のお尋ねでございます。
 生命保険料控除につきまして、廃止をすべきではないかという御質問でございますけれども、生命保険料控除、先ほど御指摘ございましたように、昭和二十六年に長期貯蓄を奨励するための誘因的な措置ということで設けられております。
 これにつきまして、最近の議論を御紹介いたしますと、御指摘のように、制度創設後長期間が経過し、保険加入率も相当水準に達し、変化も見られず、制度創設の目的は既に達成されているという指摘がございます。また、一方におきましては、年金、医療、介護などの分野における今後の社会保障制度の見直しやそれを受けた新たな商品開発の状況を踏まえ、少子長寿化社会における保険契約者の自助努力を支援すべきという御指摘もなされております。
 いずれにしましても、生命保険料控除の在り方につきましては、そうした状況を踏まえつつ、制度そのものの在り方の根本にさかのぼった見直しを今後とも検討していく必要があると考えております。
#104
○櫻井充君 是非検討していただきたいと思います。
 本当はもう少しこの分野について質問したかったんですが、もう時間がないので、次に医師不足について質問させていただきたいと思います。
 今日、皆さんに平成十六年度の医師の充足状況という資料を配らせていただきました。これは厚生労働省で作っていただいたものですが、これを見ていただくとお分かりのとおり、全国で、適合率というのは常勤で充足しているところ、これが何%あるかというと、わずか三五・五%しかない。そして、非常勤も合わせてどうかというと、八三・五%しかないと。つまり、医師がこれまで足りている足りているというような話を厚生労働省してまいりましたが、決してそうではないということなんだろうと思いますし、昨日のですか、これは地元の新聞によると、東北六県で、東北大学で調査したところ、医師の六四%が不足を実感しているということでございます。
 そういう点から考えて、私は、要するに厚生労働省が考えていることと、それから現場での医療従事者の考え、感覚というのは全く違うんじゃないのかなと、そう思います。
 元々、この医師定数を充足しているといっても、入院患者十六人に医者一人、それから外来四十人に医者一人という設定がされていますが、この医師の定足数の設定そのものが適切であるという、まず根拠を教えていただけますでしょうか。
#105
○政府参考人(松谷有希雄君) 医療法に定めております医師等の配置標準でございますけれども、これは適正な医療を実施するために病院等が有するべき人員の標準として定められておるものでございまして、配置標準を満たさない場合であっても、望ましい一定の医療水準を確保することが十分可能な場合もあるため、最低基準ではなく標準とされているものでございます。
 現在、医師の配置標準は提供する医療内容に……
#106
○櫻井充君 適正な理由だよ、適正な理由だけ言ってよ。時間ないんだから。
#107
○政府参考人(松谷有希雄君) 提供する医療内容にかかわりなく一律に定められているわけでございますけれども、今後、疾患別、機能別に医療計画を作成し、病院ごとに異なる機能を持たせていくこととの整合性を図るための議論が必要でございまして、今後、医療施設体系のあり方に関する検討会において検討を行うことといたしておるところでございます。
 この基準そのものは医療法が制定されたその当時の基準が踏襲されているということでございまして、今申し上げましたように、私どもとしても問題意識を持ってこれを検討したいというふうに考えております。
#108
○櫻井充君 今まで、だってこの医師定数で足りてる足りてるってずっと言ってきたじゃないですか。今になって、今度はやっと問題意識持ち始めたんですか。
 前々から私は申し上げているとおり、ここには検査する医者の数もなければ、当直する医者の数もなけりゃ、手術をする医者の数も入ってないんですよ。元々の医師定数が低過ぎるんです。そして、その低過ぎる中でも常勤の割合は三五%しかないんですよ。我々東北の人間からすると、特に青森なんかひどいんですが、その非常勤医師を合わせてもわずか四三・四%でしかないと。ここで医療を受けられている方、患者さんたち、大変なことになると思いませんか。
 私は常勤も非常勤も経験してまいりましたが、正直申し上げて、非常勤のときは朝九時ぐらいに行って夕方五時には帰ってきて、仕事も常勤の医者の何分の一しかやりませんでしたよ。それが許されるわけですよ。
 つまり、非常勤の数を入れて適正数だ適正数だというのは、これは根本的な間違いで、常勤の数そのものでちゃんと満たせているかどうかということが、私は一番重要な点だろうと思うんですね。その点で、医者の数は絶対的に少ないし、医者の数が足りなくて、これは診療科でいえば、産科、特に小児科がひどくって、そのために過疎で出産もできなくなってくる、子育てもできなくなってくる。そうなれば少子化になるでしょうし、それから過疎の町はますます過疎になるはずなんですね。それなのに、ずっと厚生労働省は医者は足りている足りていると、偏在だ偏在だと言っていましたが、これ見てくださいよ。どこが偏在ですか。どこが全部きちんと満たしていますか。常勤医でどこの県が適合率一〇〇%ですか。こういう状況で、なぜ今までそういう答弁されたんでしょうか。
 柳澤大臣、医療従事者の数が十分でなければ患者さんが不利益を受けるということは、これは当然のことなんですね。我々の労働環境を良くしてくれということを僕は申し上げているわけではありません。私がおりました国立病院も、実は相当医師定数をごまかしておりまして、私はそのおかげで、実は入院患者七十人ぐらい持った時期もあります。そして外来も一日五十、六十やった時期もあります。そういうことをやっていて、医療事故を起こすなと言われても無理なんですよ。診断ミスを起こすなと言われたって無理ですよ。そういう実態を本当に御存じでしょうか。そのことをやることは一体だれの不利益ですか。すべては患者さんの不利益ですよ。
 国民の安全、安心を守っていくとすれば、まず最初にやるべきことは、医療従事者、これは医者だけではありません。看護師もです。理学療法士もです。そういったような人たち、介護の分野も全部そうですが、まずその人たちがきちんと働けるような状況をつくることが大事なんじゃないですか、違いますか。大臣です。
#109
○国務大臣(柳澤伯夫君) 医療の現場については櫻井委員の方がはるかに私なぞよりもよく御存じだということで申し上げますが、確かに医療事故も起こってはいますけれども、この比率がどういうものなんでしょうか。私は、やはりみんな日本の国民は患者としてお医者様のお世話になって、そして病気を治していただいて、結果的には世界一の長寿を享受していると、こういうことであるというふうに思っておりまして、私はそういうことで今の、これまでの厚生省の主張というか考え方というものは基本的に大間違いであるというふうには、私ども患者の立場からいって、あるいは結果から見て思っていないわけでございます。
 もちろん、これからいろんな御議論を聞いて、私どもも今のこの不足感というものについてはこれからどうしていくかということを考えなければならないとは思っております。
#110
○櫻井充君 柳澤大臣は患者さんとおっしゃいましたが、多分大臣は患者さんの中の特別特別特別待遇を受けているから何も分かりませんよ。はっきり申し上げておきますが。
 皆さん、待ち時間というか、本当に僕らだっていろいろ説明したいですよ。インフォームド・コンセントだ何だと言われて、ちゃんとやりたいですよ。OECDの外来の平均の数と比べれば僕ら四倍やっているんですよ。だから三分診療と言われているんですよ。もし、これがOECD並みになったら、十二分間できますから、もうちょっとちゃんと患者さんに説明できますよ。
 それから、我々の労働条件、どうなんですか。本当に労働条件、今の中で基準法をちゃんと守られているんですか。昔の当直と今の当直、違いますよ。全く夜一睡もできない当直もあります。いまだにこれは夜間の労働とは認めていただいておりません。そうすると、三十六時間ぐらい継続して働かなきゃいけないこともあるわけですよ。そういう実態、御存じですか。
 そういうことを知らないで、なぜ医療費だけがどんどんどんどん抑制されるんですか。そうではなくて、その分野に対して医療費を増やしたとしても、雇用さえ確保すればそれでいいはずですよ。我々医者の給料上げてくれなんて思っていませんよ。人手さえ増やしてもらえればいいんです。ところが、人手が増やせないのは何でかというと、必要な医療費をどんどんどんどん抑制するからです。公共事業費を削減して、公共事業で食べている人たちを医療の分野で雇用を吸収すればいいだけの話ですよ。
 大体、大学病院で私が医者をやっていた当時、医者がやらなきゃいけないようなことなんかせいぜい三割程度ですよ。あとの七割程度は本当に、医者が一番何かというと、研修医がなぜ今大学病院から離れているかといったら、雑用ばっかりだから。ほかの民間病院に行った方がきちんとした研修ができるからそうやって離れているじゃないですか。我々は、僕は無給の時代が五年半ありました。無給ですよ。一円も大学からもらっていませんよ。そういう時代があるから、彼らからしてみればていのいい労働者ですよ。だから、地域の医師不足だってそこのところから起こってきているんですね。
 いずれにしてもですよ、いずれにしても、ここのところをはっきりしていただかないと、今みたいな答弁ではなくて、ちゃんとした実態を認識していただかないと、日本の医療制度は私は守れないと思っています。
 その意味で、もう一つ、今回、ここにありますが、これ三万人の署名があります。それは何かというと、今日お配りしたかもしれません、お配りしていますね、歯科のことに関してこの四月の改定でどういうことが起こったかというと、文書すべて全部一律に提供しろと、そういうような内容のことでした。
 私は、この四月―五月にかけてアンケートを実施した結果、患者さんの、まあこれは九百弱の声ですけれども、その中の六〇%の方は文書は要らないと。そして、それよりも診療時間もうちょっと長くしてくれ、待ち時間短くしてくれと。文書が欲しいという方もいらっしゃいました。文書が欲しいという方は一〇%もいなかった。
 この制度の改正は本来は患者さんのためであったはずです。ここにあるのは歯医者の署名ではありません。患者さんの署名です。後で十万超えたら大臣のところにお持ちしようと思っていますが、今、毎日すごい勢いで増えてきております。今日はある分だけ持ってまいりました。
 大臣、こんな無駄なこと何でやらせるんですか。医者と患者の関係は文書一枚書けばそれでつくれると思っているんですか。そういうもんじゃないですよ。現場でみんな苦労してやっているのは何かと。ちゃんと分かりやすくやるためにちゃんと口頭でも説明していますよ。我々は文書が必要だという人たちに対しては文書書いていますよ。何で要らないとまで言う人にそうやってやらせるんですか。そしてその無駄な時間をなぜ強いるんですか。私の調査では、一日歯医者九十五分ですよ、九十五分文書に書くのに充てています。日本歯科医師会の調査だと六十五分だったかと思いますが。
 八時間の診療のうちの一時間以上を文書に充てることが本当に患者さんのためになりますか。私は、まず少なくともこの制度、書くなとは言いません、必要な方だけに変えた方がいいんじゃないかと思いますが、大臣、いかがですか。
#111
○国務大臣(柳澤伯夫君) この書面の作成というのは、必要なときに患者さんとの同意の下で発給しているということでございまして、先生が……
#112
○櫻井充君 違うよ。
#113
○国務大臣(柳澤伯夫君) いや、先生が必要でないというふうになれば、患者さんの方が要求しない限りそれは必要ないということで治療に御専念いただくことも可能だと、こういう制度であるというふうに承知をしております。
#114
○櫻井充君 大臣、違いますよ。これ、ちゃんと文書書かないと点数取れないんです。点数請求できないんですよ。だから問題なんですよ。
 そして、もう一つ言っておきますけれども、これ各々の県の技官によって全然違うんですよ。静岡なんか一番ひどいですね、今。静岡県の技官は、こういうペーパー作って、ここの国会の中でじゃその歯医者さんたちの書く時間を短縮するためにみんなで努力してください、工夫しましょうと。例えば、重症、中等症、軽症とありますよね。丸付けていった方が早いわけですよ。それすら駄目と言っているんですよ。こんな技官っていますかね。つまり、本当の意味で、いい医療を提供しようとかなんとかじゃなくて、我々からすると、これは歯医者をただ単純にいじめているんじゃないかと思うような内容なんですよ。(発言する者あり)ああ、そうですか。
 それで、もう一度申し上げますが、一律全部文書を書けです。文書を書かなかったら保険点数は請求できないんですよ。だから、皆さんは保険点数を請求するためにそうやって文書を書いております。ですから問題だというふうに私は申し上げているんですね。大臣、いかがですか。
#115
○政府参考人(水田邦雄君) まず、事実関係を申し上げますと、この文書による情報提供は指導管理料の算定要件ということでございまして、本当にこの指導管理が必要のない方であれば、当然これは文書も必要ありませんし指導管理料もないということになるわけでございまして、それは大臣申し上げたと思います。この文書提供そのものにつきましては、このメリットといたしましては、歯科診療では特に家庭での自分自身による管理というものが不可欠であるという特性がございますので、特に重要なものであると考えてございますし、また治療計画を示すことによって患者による医療の選択ということに寄与するものと考えてございます。
 先生御指摘の、文書提供不要と考えている患者についても出す必要があるのかどうかということでございますけれども、一般的にはこういったメリットがあるわけでありますし、またこの文書提供が必要かどうかをどのように見分けるかと、こういった問題もありまして、今回の改定におきましては指導管理料等の算定要件としたところでございます。今後の在り方につきましては、これは結果検証ということで、患者の意向、患者の満足度、こういったことから、私どもも中央社会保険医療協議会の診療報酬改定結果検証部会において調査を開始したところでございます。
 それからもう一点。これが各県において様々、区々になっているんじゃないかということでございますけれども、基本的にはこれは統一ルールの下で行われているものでございまして、またさらにそれに加えまして、現在、日本歯科医師会におきまして提供文書のひな形というものを作成中でございます。私どもも協議をしているところでございまして、このひな形ができますと、患者さんに対しまして過不足なく情報提供を行うスタンダードができると考えておりまして、こういった努力によりまして効率的な情報提供ということが可能になると、このように考えてございます。
#116
○櫻井充君 文書書かなくてもいいというのは、それはそのとおりかもしれませんが、その上の、要するに保険点数が付かないということは収入大幅減になるということですよ。結局、そこが一番問題なんですよ。技術料とかそういうもの、本来上げてもらいたいものがほとんど上がらずに、こういう文書を書いたらおまけで点数が付くようなシステムにしているから問題なんですよ。
 何で医者や歯医者やそういういろんな人たちの技術料そのもの自体が評価されないんでしょうか。もっと技術料が評価されたらいいんですよ。そして、そういうことであったら技工料そのものだって上がってくるから、技工士さんだってあんなに苦しい生活にならないはずですよ。今の日本の技工料で技工士さんたち今どのぐらい働いているか御存じですか。一日十六時間ぐらい働いていますよ、しかも休みなくね。そういうことを強いていいのかどうかということですよ。あなた方が考えた制度だから、見えかプライドか何か知らないけど、そんなつまらないことでどうしてこんなことをずっと継続するんですか。
 私が問題提起したのはこの四月ですよ。五月だったか。五月にやって、六月には問題提起したはずですよ。じゃ何が進んだんですか。どういうふうに声を集めたんですか。調査は本当にしましたか。調査もしないで、何もしないような格好で一般論を言わないでくださいよ。あなたのおっしゃっていることはあなたなりの正論かもしれないけど、現実とは全く違うということですね。
 大臣、この点を本当に変えていただかないと患者さんが気の毒です。患者さんが、本来だったら、例えば二十分なら二十分の診療時間があった、そしてもうちょっと説明時間があったと。そのものを削って文書に書いて、待ち時間も長くなっているということになるとしたら患者さんのためにならないんですよ。
 ですから、患者さんが要求した場合、その場合にだけ文書は提供することにする、そして元々の、文書提供によって保険点数を上乗せするようなそういうシステムそのもの自体をやめるべきではないんですか。
#117
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは、いろんな御審議、診療報酬等の審議の中からこういう結論を出したと、こういうふうに私は承知をいたしております。
 私、就任するなり同僚の議員から、神奈川県の例ですけれども、こんなにすごい書式でもって出さされるんだよという話を聞きまして、それを直ちに部内にも伝えましたところ、いや、こういうことではなくて、もっともっと簡便に様式化して、患者の情報としては十分だけれども先生には余り負担が掛からないようなことで今工夫している途上にあると、こういう報告を受けまして、しばらくそれじゃ様子を見ようということで私としてはこの問題に対処しているということで、今も保険局長が言うように、更にこれについては検証をするという、機会を設けて検証する、そしてもっといいものにしていくということでありますので、余り現状ですべてを否定し去るようなことではなくて、建設的に是非お願いしたいと、このように申し上げたいと思います。
#118
○櫻井充君 建設的に言っているじゃないですか。建設的に何もしてくれないのが厚生労働省じゃないですか。
 それから、神奈川の技官の話がありましたが、あれは私が厚生労働省に申し上げたから厚生省が動いたことですよ。あれは私と同僚の浅尾議員が、問題があるんじゃないかといって厚生省に話をして、それから厚生省が調べ始めたことですよ、言っておきますけど。そういう問題提起もちゃんとしておりますよ、こちら側で。そして、問題提起をした上でやっとやっと動くような体質じゃないですか。
 この間来られた官僚の方は、もっと詳しいことを僕に調べてこいと言うんですから。何で私がそれ以上調べなきゃいけないんでしょうか。こちら側がいろんな方からお伺いして、おかしいと言って、そういうことを厚生省に行って調査してくれと言ったら、もっとあなた方は調べてきなさいと、そういう感じで私は言われました。だから、それはおかしいですねという話をして、結果的に厚生省が調べて、独自で調べて、それで神奈川の方に通知が行っているはずですから。
 いずれにしても、もう時間になりましたが、大臣、医療提供体制の在り方全般を考えてください。そうしないと、これは、医療従事者が今まで本当に体壊しながらみんなやってきたからもっているだけの話で、一生懸命やっていれば、やっている人たちがみんな勤務医を辞めているんですよ。ですから、そういうことをしないと患者さんたちにこれからまた御迷惑を掛けるということを是非念頭に置いていただいて厚生労働行政を進めていただきたいということをお願い申し上げまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#119
○辻泰弘君 民主党・新緑風会、辻泰弘でございます。
 今日は柳澤厚生労働大臣に初めての質問になるわけですけれども、大臣としての柳澤さんには、実は金融担当大臣のときにさせていただいたことがございます。四年前になりますけれども、ペイオフの解禁のときに、決済性預金の保護の方針というのを出されましたときに骨なしではないというふうにおっしゃいまして、骨抜きだけど骨なしではないということかというふうなことを聞いたわけでございますが、それが四年ほど前でございまして、ちょうどこの委員会のこの場所でございましたけれども、それ以来四年ぶりに御質問させていただくわけでございます。
 四十分でございまして、限られた時間でございますけれども、厚生労働行政がかかわっております年金、医療、介護、福祉、雇用、労働、それぞれ重要な課題が直面しておるわけでございますので、総論的になるかもしれませんけれども、できるだけひとわたり聞かしていただきたいと、このように思っているところでございます。
 特に、大臣におかれましては、御自身のインタビューでも改革推進側にいたと、小泉改革推進側にいたということであると思いますが、まあ言い方を変えれば、財政の論理を中心にお考えになってきたというところでもあったかもしれませんが、そういうお立場から今のお立場になられて、その辺いかが変貌を遂げておられるのかということも含めてお聞きしておきたいと思っておるわけでございます。
 まず、前回の通常国会のときからの引継ぎになりますけれども、坂口さん、尾辻さん、川崎さんと、それぞれの三代の方々にそれぞれ聞いてきたポイントでございます。
 まずお聞きしたいと思うんですが、医療費の問題でございますけれども、いわゆる医療費の伸び率管理の問題で、経済成長率との連動ということがいろいろ経済財政諮問会議等でも議論になってまいりました。最終的にはそのことがストレートに反映されたわけではございませんけれども、これまで厚生労働省が尾辻さんのときには文書で財政諮問会議にも出されたりしておりますし、さきの国会でも私が質問しましたところ、川崎大臣はGDPなりGNPの伸び率に合わせながら医療費を管理していくことは不可能であるというふうにおっしゃいましたし、経済が悪くなったから医療費を下げろという議論もおかしな議論だと、初めから総額管理的なものについては反対だというふうなことをおっしゃっておられますが、このお考えを柳澤大臣としても踏襲されるといいますか、その立場に立つという理解でよろしいでしょうか、いかがでしょう。
#120
○国務大臣(柳澤伯夫君) 非常に難しい複雑な要因が絡んでいる問題だと思います。
 私は、基本的に医療費について上限を画する、あるいは伸び率について頭から何か何パーセントというようにするということはやっぱりふさわしくないと、こういうように思っております。
 ただ、また他面、身の丈、よく言われた言葉で言わせていただくと身の丈に合ったことしかやっぱり医療費といえどもできないんじゃないかということがありまして、これは非常にいろいろ恐らく身の丈とは何かとか、合ったとか何かとかっていろいろな分析が必要だと思うんですけれども、もとよりどんな制度もそれぞれの国民は自らの国力とか、あるいはそうした民力というか、そういうようなものに合ったものしかこれは持続可能でないということもまた他面、確かだろうというふうに思います。
 そういうことでありますけれども、私としてはやはり医療のような問題については、いろんな制度的な改善というものが国民が納得できる、そういう形で進むということで、その結果がどうであるかということであろうと、つまりやっぱり積み上げで、その積み上げの過程で一つ一つが国民の納得が得られるようなものでなければならない、これは確かなことであろうと、このように考えております。
#121
○辻泰弘君 端的にお答えいただきたいと思います。
 尾辻さんが大臣のときに、「社会保障給付費の「伸び率管理」について」ということでペーパーを出されて、平成十七年二月十五日ですけれども、一言で言いますと、「医療費の伸び率をGDPの伸び率に連動させるといった機械的な「伸び率管理」を行うことは不適切。」ということを文書で出されています。このことについては、その立場に立たれるかどうか、そのことだけお答えください。
#122
○国務大臣(柳澤伯夫君) といったことは不適切であるということは、私もそのとおりだということを前の答弁で申し上げたところでございます。
#123
○辻泰弘君 この文書が適切であるということですね。今の、不適切。
#124
○国務大臣(柳澤伯夫君) これ、先ほども申したように、GDPといったそうした頭から決め込んだメルクマールで律していくということは不適当であるということはそのとおりだということを申し上げているわけです。
#125
○辻泰弘君 GDP以外の何かの形であればあり得るということですか。要は、その総額管理的な発想になるかどうかということです。
#126
○国務大臣(柳澤伯夫君) それは、私が言ったように、この医療費についてはやっぱりそれぞれの制度について改革をし、その改革の一つ一つについて国民が理解と納得をしてくれるというものの積み上げの結果出てくるものであろうというふうに申し上げているわけです。
#127
○辻泰弘君 もちろん国民の理解も納得も大事なんですけれども、まずこの政治のレベルで政策を厚生労働省が中心になって考えることになるわけですよね。そのときに、その主体の中心がどのように物事を最初にとらえるかというところですね。そのことである中で理解を求めていくわけで、ですからその部分をちょっと逃げておられるように思うんですね。だから、この考え方に実は少し立場を変えようとされているなら、それはそれをはっきり言っていただきたいんですね。今まではこれでずっと来ているわけです、歴代ですね。その部分、どうなのかということ。
#128
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私は私の考えの道筋に従ってこれからの厚生労働行政をやらせていただこうと、このように思っておりまして、だれかが決められた枠の中でいろいろ考えて、必ずしもそのとおりにはならないというのは人間である限りこれはやむを得ないことではないかと、このように思います。
#129
○辻泰弘君 人間柳澤大臣でいていただいていいと思いますが、一言だけ、さっき言いましたように、その尾辻大臣が大臣として、これは厚生労働省の見解として正規に出していらっしゃるわけですから、医療費の伸び率をGDPの伸び率に連動させるといった機械的な伸び率管理を行うことは不適切とおっしゃっている、この立場に立たれるのかどうか、そこをはっきりしてください。
#130
○国務大臣(柳澤伯夫君) 機械的な伸び率管理を行うことは不適切というのは、私も先ほど来申し上げているように、そのとおりだと思います。
#131
○辻泰弘君 ちょっと最初からそう言っていただいたらよかったように思いますけれども。
 それでは、もう一つの点ですね、前の国会のときからの引き続きといいますか、改めて新大臣の御見解をお聞きしておきたいと思っていますけれども、いわゆる保険免責の問題ですね。これは、経済財政諮問会議も議論をしてきたところでございます。私どもとしては、そもそも低所得者に負担が重いし、受診抑制になる、受療抑制になる、結果として重症、症状が悪化するというふうなことも言いましたし、ひいては、皆保険の形骸化になるんではないかと、こういう見地から保険免責については問題あり、導入すべからずと、こういうふうな立場で私も申し上げてまいりました。
 それで、さきの国会での健康保険法の改正の中で、川崎大臣が、私がお聞きしましたところ、保険免責制度の議論が出てくれば、私の立場としては反対と申し上げますと、こういうのが一つの結論になっております。
 このことは新大臣も同じでしょうか。
#132
○国務大臣(柳澤伯夫君) 川崎大臣のお立場というもの、あるいはおっしゃられたことということに私は限りなく共感を覚えますけれども、今ここで、まだ就任してほぼ一か月でございましょうか、ほとんど連日国会ありまして、私の頭も十分、正直言って整理されていないということもありますので、ここはそう今申した程度にとどめさせていただきたい、共感を覚えるということでとどめさせていただければと思います。
#133
○辻泰弘君 ちょっと、だけど、これは通告をしているわけですからね、保険免責の導入に対する見解ということで。これは当然大臣ということで言っているわけだから、委員長、これはやっぱり、でも大臣に答えていただかないとやっぱりおかしいですよ。
#134
○委員長(鶴保庸介君) 大臣、少し。大臣、柳澤大臣。
#135
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私は、川崎前大臣の表明されたこのお話ということに限りなく共感をいたしておりますけれども、今ここで明確に申し上げるだけの自分に準備がないということを是非御理解お願いしたいと思います。
#136
○辻泰弘君 しかし、共感を覚えるだけで済む話でしょうかね。今までこのことを健康保険法の改正の中で一つの大きなポイントとして議論をしてきて、やはりこれから正にそれこそ財政の論理の立場からかなりぎゅうぎゅうやってくる一つのプロセスとしてあり得る問題について、厚生労働大臣がこのことについてここで明確な答えが出ないというのは、変えられるなら変えられるで一つの見識だと思いますが、そうでないとすれば、共感しますだけで済む話ですか。継続するかどうかじゃない、新しい大臣になったんじゃないですか。共感だけでやっていくんですか。
#137
○国務大臣(柳澤伯夫君) 共感の下でいろいろ考えていきたいということです。
#138
○委員長(鶴保庸介君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#139
○委員長(鶴保庸介君) 速記を起こしてください。
#140
○辻泰弘君 重ねてお聞きしますが、そうすると、共感するということですけれども、共感をしない部分はどこですか。共感をしないという部分がどこなんですか。
#141
○国務大臣(柳澤伯夫君) 共感はしているんです。共感をしていますということですけれども、なお今ここで私のこれだけの蓄積でもって明確に申し上げることは私としてちゅうちょを感じているだけだと、こういうことです。
#142
○辻泰弘君 蓄積があるから答えられるんじゃないかと思うんですけれどもね、今までのいろんなあれですね。だから、蓄積があるから答えられないんじゃないかという気もしますけれどもね。
 しかしやっぱり非常に問題、でも何か月かたっているわけですから、その分はやっぱりこなしておくべきですよ。一か月であろうと何だろうと、大事な問題なんだから。どうですか、それは。それだったら、こなしていただいて、やっぱり一か月たっているんだから。それは、記者会見の冒頭で、前もそういう財政の論理の立場で来られた方がその論理で記者会見されたことありましたよ。それでも記者会見ぐらいまでですよ。一か月ぐらいたって、予算委員会も経ていたら、それはやっぱりちゃんと答えてもらわなきゃ駄目ですよ、そんなのは。やっぱりちょっと、今答えられませんか。
 要は、要は川崎大臣がおっしゃったわけです。健康保険法という重要な審議の中の非常に大きな問題として保険免責の議論が出てくる、私の立場として反対申し上げますと言っているわけですよ。六月の八日ですからね。まだ三か月、四か月のことじゃないですか。その間で、変わるんだったらどう変えるのかをはっきり言うべきだし、変わらない、踏襲するのが私は普通は当然だと思いますけれども、一つの組織体である限り、大臣が。だけど、大臣のカラーはそれは人間だからとおっしゃるんでいいんだけれども、人間なら人間らしくその部分を言ってくださいよ。
#143
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは、川崎大臣は医療法の改正の中で申されているわけです。医療法の改正の中身についていろんな議論をした上で、大臣としてこれぞということで決定した案を国会に提出してその御審議をいただいた。そのときに排除したその点について大臣は答えられているというのが私のとらえ方でございます。私もその点は、もう本当に共感はしますということは申し上げているわけでございます。
#144
○辻泰弘君 そうすると、あのときも実は川崎さんとそれをやったんですよ。この健康保険法の改正の過程ではやらないけれども、その後どうするんだという意味で言ったときに、私の立場としては反対だと。すなわち、私の在任中は反対だと、こういう意味だったんです。在任がちょっと短くなっちゃったということはあるわけですけれどもね。
 要は、だからその点については大事なところなんだから、私はやっぱりはっきりと言っていただかないと。だから、今のだったら、健康保険法の改正まではそうだけど、それが終わった今の時点ではまた白紙ですよということになるんですか。
#145
○国務大臣(柳澤伯夫君) もう全く白紙とは言っていないんですね。要するに、そういうことに共感を覚えていますけれども、これからまた更にいろんなことを検討していかなければならないというのが私の立場ではないかということを申し上げているわけです。
#146
○辻泰弘君 そうすると、財務省から、御出身の財務省のサイドからそういった見地からする、医療費抑制の見地からする保険免責制度の提案なりがあったら、それなりに受ける気持ちがあるよと、こういうことですね。
#147
○国務大臣(柳澤伯夫君) 要は、検討するということです。
#148
○辻泰弘君 検討するということは、それはやはり今までとは違って反対するんじゃなくて受けることもあり得ると、そういうふうに理解せざるを得ないですね。では、そういうことで理解していいですね。
#149
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私は、共感をしているという立場はもう皆さんに申し上げたとおりであります。そういう立場で私としてまたその検討に参画すると、こういうことです。我が省の検討に参画すると、こういうことです。
#150
○辻泰弘君 何というか、お気持ちといいますか、お考えの一番根源のところは分かったというか、一応何があるのかというのは分かったというか、見えたというふうに思いますけれども。
 しかし、やはりしっかりとその点は答弁していただかないと、やはり私は大臣の職責を全うすることにならないと思います。一か月で今は答えられないというんだったら、もう少ししたらはっきりしたことを言ってくださるというふうに理解しますから、次、医療の集中審議というのがあるようですから、そのときには冒頭にでもはっきり言ってくださいよ。それでなかったら信用できませんよ。
#151
○国務大臣(柳澤伯夫君) 同じですよ。
#152
○辻泰弘君 それじゃ、もう一点……
#153
○国務大臣(柳澤伯夫君) 具体の問題として俎上に上がらない限りは……
#154
○辻泰弘君 どうぞ答弁してください。
#155
○国務大臣(柳澤伯夫君) 具体の問題として俎上に上がらない限り、私は一貫して共感をして、何か問題が出てきたとしたら、そういう共感の下で検討をすると、こういうことです。
#156
○辻泰弘君 しかし、これはもうずっと問題としてきて、医療をどう考えるかという基本の哲学にかかわることですからね。だから、それが具体的に何か言われたときに考えるんだと、常日ごろは別に考えておかないんだという、これもやはりちょっと私はよく分からないですけれどもね。
 一応ここはこれで終わらせていただいて、次回やりたいけど私には番がないかもしれませんが、同僚議員から質問するということで、次に行きたいと思います。
 もう一つのポイントは、混合診療のことについてでございます。
 これも前国会、健康保険法等の改正で今年の十月から保険外併用療養費という形に変わったということでございました。出発点は規制改革会議から出発し、総理自身が混合診療全面解禁と言われたところから出発したといいますか、そういう流れをくんでいるわけですが、これが一応新たな制度ということになったと。ただ、中身は今までの選定療養十六種類と高度先進医療とに分かれていたものを編成をして、評価療養を六種類、選定療養を十種類に分けたと、こういうことで、迅速化とか弾力化とか、そういう改善点はあるわけですし、それが悪いというわけじゃないんですが、いずれにいたしましても、尾辻大臣のときにこのことを規制改革担当大臣との合意で決めてこられたんだったと思いますけど、その折に、今からいえばさきの国会で、法律改正が済めば、私と規制改革担当大臣との間で合意した事項はすべて対応済みになると、こういうことだったわけでございます。
 そして、さきの国会でも私はお聞きして、大体それと近い御答弁だったと思っておりますが、いずれにいたしましても、混合診療にかかわる議論というのは一つこれで区切りになったという理解でよろしいでしょうか。
#157
○国務大臣(柳澤伯夫君) ここで尾辻大臣が当時の規制改革大臣と合意した事項はすべて対応済みというのは、尾辻大臣のその当時の立場というものを御答弁になっているんだろうと、このように考えるわけでございます。私も、この解決というのは一つの解決だったということは、そういうふうに受け止めているということでございます。
#158
○辻泰弘君 要は、混合診療を求めるということでいろんな論者がいるわけですけれども、もっともっとこの分野で混合診療を拡大していけというふうな論者がいるわけですけれども、私は今までの政府の取組の流れというのは、いろんなことありましたけれども、結論として、さきの国会で一つの保険外併用療養費制度をつくったことで政府におけるいわゆる混合診療の議論といいますか、対応というものは区切りが付いたというふうに理解していて、それはその中で新しい類型をつくっていくとか、そういうことについては中医協の中で議論をしていくと、一つ一つ検証しながらと、こういうことだったと思うんですね。そういう理解でいいかということです。大きなところはこれで終わったということかどうか。
#159
○国務大臣(柳澤伯夫君) 大きな枠組みとしては非常にうまい案ができ上がったというふうに、成案が得られたというふうに思っております。
#160
○辻泰弘君 私は、基本的に原則規制、例外自由という立場でございましたので、うまくでき上がったというか、そういうところでは原則自由にならなかったという意味においては、私はそれも一つの結論だと思っています。
 さて、次のポイントに行きます。
 リハビリのことをちょっとお聞きしておきたいと思います。多くをお聞きする時間がございませんけれども、やはり国会でも今までも国会で議論になってきたようですけれども、さきの改正診療報酬等を通じて、発症早期のリハビリテーションを強化し身体機能等の早期改善を目指すと同時に、介護保険との役割分担の明確化と、こういうことをおっしゃって、プラス除外疾患も制度化するという形の中でやられたと、上限設定を設定されたと、こういうことがあったんですが、それでまた六月に私が聞いたときも、医師の判断があれば、状態の改善が期待できるという医師の判断があれば上限日数にはかかわらないと、こういった議論もあったわけでございます。
 ただ、今日的に、もう一度やっぱり振り返りますと、あのときの決定でやっぱり最も深刻なことは、維持期のリハビリテーションが続けられなくなると、この部分がやはり大きな問題だと思うわけです。
 やはりリハビリテーションというのは、回復が望めない時期にも継続することによって機能低下を起こさないということもあるというふうに、まあ私は専門ではございませんけどお聞きするところでございますし、日数制限を設けるということがやはり維持期のリハビリテーションの医学的な必要性をやっぱり否定するものじゃないかと。結果として、続けていれば機能が維持できるのを結局、寝たきりとかいわゆる廃用とか、そういったことに追い込む面があると、こういうふうな状況も言われているわけですが、そのことについてどうとらえておられて、私はやはりこの点、見直しがあるべきだと思っていますけれども。
 中医協では検証の会議もあるわけですけれども、是非そこでしっかりととらえていただいて、二年に一回とは言わずに、来年の診療報酬改定でもこのことについて、やはり状況に応じた見直しもあってしかるべきと、このように思っておりますが、いかがでしょうか。
#161
○副大臣(石田祝稔君) 今リハビリテーションの算定日数のことでお聞きをいただきましたけれども、今回の診療報酬改定においてリハビリテーションの体系を疾患別に再編成すると。そういう中で、特に一日当たりの算定単位数を上限を緩和して、まず早期に集中的にリハビリを行っていくと、こういうことを考えたわけです。そしてもう一つは、いろいろな調査から効果が余り明らかでないリハビリテーションが行われていると、こういう調査の結果もございまして、標準的な治療期間を踏まえて疾患ごとに算定日数の上限を決めたと、こういうことであります。
 しかし、この算定日数の上限を決めて、じゃ全部そうかと。そういうことではなくて、やはりこれは失語症、高次脳機能障害と、こういう疾患を、約五十程度疾病をとらえて、こういうものについては、やはり先ほど先生もおっしゃったように、医者の判断によって改善が期待できると、こういう御判断がいただければ日数制限はこれは外すと、こういうことになっているわけです。
 そして、そうはいいながら、これについてはいろいろと現場でも御意見もあろうかと思いますし、中医協の中で診療報酬改定結果検証部会と、こういうものでいろいろと厚生労働省がやった施策についてしっかりこれから検証していこうと。こういう流れの中で、今回もこのリハビリについても改定後の状況については検証していくと。そして、今の段階では平成二十年の診療報酬の改定について、その時期に検討していこうと、こういうことになっております。
#162
○辻泰弘君 それ、いつの中医協でとおっしゃいました。何年度。
#163
○副大臣(石田祝稔君) これは、次回の診療報酬に当然間に合うように検討していくと、こういうことであります。
#164
○辻泰弘君 これだけで時間取ることができませんけれども、私が言いましたのは、来年、二年に一回とすればじゃないんですけれども、しかし検証は年内に出るんでしたかね、たしか十二月が目標だということで。あ、来年の二月が調査結果報告になっていますね。そういう意味では、それを踏まえて是非、急になるでしょうけれども、二月、三月で御検討いただくということを含めてお取り組みいただきたい。同時に、改善か維持かの判断の基準というのが明確じゃないというふうなことで、不安といいますか、その辺に少し混乱もあるやに聞きますので、その点についても明確にしていただくということを申し上げておきたいと思います。
 もう一つ、今のはいわゆるリハビリ難民ということですが、今度は、よく言われる介護難民についてということになるわけです。
 これは、昨日も日本医師会が発表されているもので、四万人の介護難民のおそれというのを資料も出されているわけですけれども、これは前回の国会のときから、介護療養病床の廃止、六年後と、こういうことの議論の中でしっかりした受皿をつくるべきということを申し上げてきたわけでありますけれども、川崎大臣も、追い出しにつながるようなことがあってはならない、また、今現在療養病床に入っておられる方々に不安を招くことがあってはならないと、そして、大きな改修をすることなく受皿となることが可能だと、こういうふうにおっしゃっておられたわけですけれども、本当に受皿が可能で、追い出しなく不安なくとうまくいっているのか、いきつつあるのかと。このことについては非常にお寒いといいますか、非常に受皿ができていないというふうに率直に言って思わざるを得ないわけでございます。
 大臣は、長時間を掛けて計画的にという答弁をされているんですけれども、どうもこの問題についても拙速で計画性に欠けると、診療報酬改定も七月以降、療養病棟入院基本料ですか、これを下げられているところがあるわけですけれども、拙速で計画性に欠けるというふうに思わざるを得ないわけでございます。
 この点についても、さきの国会のときに議論したように、受皿をしっかりした上で対応していくと、追い出しにならないように、不安与えないようにと、この点についてしっかりとお取り組みいただきたい、このことを申し上げておきたいと思いますけど、見解を求めます。
#165
○副大臣(石田祝稔君) 先生おっしゃるとおり、これが追い出しにつながるとか、そういうことはこれはあってはならないと、私も全くそのとおりに思います。
 現実問題として三十八万床の療養病床があると。そういう中で、必ずしも医師の治療が必要でない方も入っていらっしゃると、こういうことは調査としても出ているわけです。
 それで、じゃそういう方はどうするのかと。たちまち外に出ていただくのか、それとも療養病床を老健施設に転換をしていただいて、そこに受皿になっていただくと。これは六年間掛けてやるわけでございますので、そういう中で、老健施設での基準八平米を一時期緩和をして六・四平米、そのまま移動できるような形も経過措置としてこれは考えているわけですので、そして、今年度中には地域ケア整備指針、そして地域ケア整備構想、こういうものを作って是非御不安のないようにこれはしっかりと取り組んでいきたいと、こう思っております。
#166
○辻泰弘君 この点についてはしっかり御対応いただくように求めておきたいと思います。
 それから次に、難病対策についてかねがね私が申し上げていることで、ちょっと改めて新しい大臣の下での対応を確認しておきたいと思います。
 実は、尾辻大臣のころに、谷間を埋めていく作業をしたいというふうなことをおっしゃっていたんですけれども、これは一つが難病対策だったんですが、その谷間を埋めることができなかったというふうな御答弁を最後にされて離れられたところがあるんですけれども、私が申し上げておりましたのは、公費負担医療の中で特定疾患だけが、厳密に言うと、毒ガスの、特定疾病医療ですか、この二つだけなんですけれども、大きく言えば特定疾患治療研究事業、これだけが公費負担医療の中で法的背景を持たないということになっているわけなんですね。治療の研究事業ということになっている。そういう意味では、いろいろ御議論もあったりいろいろなお取組も聞きはしますけれども、やはり基本的に法制化というものは、法的背景を持つべきだということが一つ。
 それから、それとも連動いたしますけれども、現実に超過負担が発生していて、元々半分国が持つといったら予算補助だということで、全部出さないということで、結果として全国で二百億とかの負担超過になっている。私どもの地元の兵庫県では七、八億になっていると。こういうことで知事会の要望にもあるわけですが、この超過負担の解消について、それから、そもそも谷間と言われる障害認定と介護の間にどちらも入らない、すなわち難病の方々には、症状が固定しない、永続性がないと駄目だと、こういうことで障害認定が出ないという状況があるわけですが、これはやはり機動的に弾力的にやっていくべきじゃないかということをかねてから申し上げております。
 もう一つは、対象疾患の指定が、年一回の会議しか開かれないというような中でなかなか追加が果たされてきていないと、こういうことがあるわけです。それらはある意味ではセットになった話ですけど、それぞれについてどういうお取り組みをしていただけるのか、政府の考え方を聞いておきたいと思います。
#167
○政府参考人(外口崇君) 四点御質問いただきました。
 まず、法制化についての考え方でございますけれども、御指摘の難病対策の法制化につきましては、難病対策が明確な根拠に基づき安定的に実施できるといった観点から御提案いただいていると思います。他方、法制化によって対象疾患や施策の固定化が生じ、柔軟な制度の運用ができなくなる可能性があるという面もございます。このため、これまでの関係審議会や患者団体の意見におきましても、法制化については賛否両論があるところであります。
 厚生労働省といたしましては、難病対策を着実に推進するとともに、この法制化の問題につきましては、様々な意見がございますことから、今後とも患者団体を含め、関係者の御意見を伺いつつ検討してまいりたいと思います。
 次に、超過負担の御質問でございます。
 超過負担の問題でございますけれども、特定疾患治療研究事業は、御案内のように難病患者の医療費の自己負担軽減を図るために、事業の実施主体である都道府県に対し、国は予算の範囲内で事業費の二分の一を上限として補助するものであります。
 平成十七年度の交付決定の状況では、約三百八十五億円の申請に対して、約二百三十億円を配分したところであります。本事業につきましては、平成十五年度以降増額を図ってきたところでありまして、平成十八年度においても増額を行ったところであり、引き続き努力してまいりたいと考えております。
 次に、尾辻元大臣が述べられました難病対策と福祉の谷間の解消についての御質問でございます。
 特定疾患対策は、原因が不明で治療方法が確立していない難治性疾患の治療法を確立するための研究事業として発足し、その中で医療費の自己負担の軽減等の施策を講じてきたところであります。これに加えて、平成八年度からのホームヘルパーの派遣や平成十五年度からの難病相談・支援センターの整備など福祉の観点に立った施策も併せて総合的な対策に向けて取り組んでいるところであり、次年度の概算要求におきましても就労支援モデル事業を盛り込んでいるところであります。今後とも、難病患者の方々の生活支援策等の推進についても地方自治体の御理解、御協力を得ながら努力してまいりたいと思います。
 最後に、対象疾患の拡大についての御質問でございます。
 対象疾患の扱いにつきましては、特定疾患対策懇談会において専門的見地から御議論をいただいております。本年度の特定疾患懇談会の議論の中では、希少性の要件を大幅に上回る疾患の見直しを行った後に新規疾患の追加を行う必要があるとの意見もあったところであります。今後とも、患者団体との意見交換等を行いながら、懇談会における御議論の結果を踏まえて、対象疾患の問題につきましても適切に対応してまいりたいと考えております。
#168
○辻泰弘君 これで時間をこれ以上取りませんけれども、是非、率直に言って遅々として進んでいないと思いますので、是非しっかりと取り組んでいただきたいと、このことを申し上げておきたいと思います。
 それで、医療に関して一つ、医療費の不正請求問題についてお聞きしておきたいと思います。
 通告しておりますので端的にお答えいただきたいと思うんですけれども、テレビや週刊誌等で疑惑が報ぜられている神奈川県のクリニックがあるんですけれども、それについての監査をしておられるのかどうか、そのことについて状況だけ簡単にお示しください。
#169
○政府参考人(水田邦雄君) ただいま委員御指摘のような報道があったこと自体は承知はしてございますけれども、個別事案につきまして、個別具体的な対応状況につきましては事実確認ができるまで申し上げられないわけでございます。仮に今後不正不当の事実が確認されれば、厳正に対処してまいりたいと考えております。
#170
○辻泰弘君 これは当該中心人物が厚生労働省にかつておられた方だと、そしてそれを監督する立場におられたところに、おられたということでございますので、そのことからも一般の関係者の中で疑念を呈せられているところもございますので、是非しっかりとお取り組みいただくように申し上げておきたいと思います。
 それから、時間がなくなってまいりましたけれども、一つ雇用労働マターについてお聞きしておきたいと思います。
 社会保険労務士法が昨年四月、ここで議論をした改正があったわけです。具体的には、二十三条、労働争議不介入の部分を削除するということがございました。その中で、悪質な方が万一出た場合に備えるということで苦情処理委員会をつくる、また綱紀委員会をつくると、連合会の中につくる、また苦情処理窓口は都道府県にもつくると、こういうことの整理になっていたわけです。
 実際、それが三月からでございますか、出発しておるわけですけれども、お聞きしますと、いささか混乱といいますか、現場でのぎくしゃくがあるようでございます。すなわち、社会保険労務士の方々が本来の適正な労使関係を損ねるかのように、少なくとも労働側からすればそう思わざるを得ないような行為があるということで、いろいろな各地区でも問題になっているところがございます。
 そういった意味で、あのときの実は附帯決議も、「労働争議への介入を禁止する規定の削除が、正常な労使関係を損なうことがないよう、社会保険労務士会及び全国社会保険労務士会連合会を通じて指導すること。」ということで、この場で確認をしていただいた附帯決議、そして大臣は尊重すると、こういうふうにおっしゃったわけでございます。
 そういった意味で、是非、この削除に伴う苦情処理のシステムがしっかり機能しているかどうか、監督官庁としてやっぱりチェックする責務がある。司法制度改革のいわゆる一環として裁判外紛争解決手続、ADRの流れの中でやってきたことで、政府提案としてやったわけです。ですから、それは一つ理屈があったと思いますけれども、しかしそれは大きな二十三条削除ということであったわけですから、そのことについて本当にしっかり機能しているかどうか、そして社労士のお一人お一人にやっぱりその適正な労使関係を損なうことがあってはならぬと、このことについて周知徹底が図られてしかるべきだと私は思っております。
 その点について、今後の決意をお聞かせいただきたい。
#171
○副大臣(武見敬三君) 御指摘のこの二十三条の削除にかかわることに伴いまして、この社労士が適正な労使関係を損なうことがないよう、全国社労士会連合会及び都道府県社労士会におきましては、会則に適正な労使関係を損なう行為の禁止を規定をし、そして苦情処理相談窓口を設置するとともに、学識経験者や労使の委員が参加した綱紀委員会を全国社労士会連合会に設置したところでございます。
 そして、こうした措置が適正に実施されるよう、全国社労士会連合会を通じまして引き続き指導するとともに、綱紀委員会を通じて厚生労働大臣へ懲戒事由の通知がなされた場合には、厚生労働省としても厳正に対処していくというつもりでございます。また、社労士が適正な労使関係を損なうことがないよう、全国社労士会連合会を通じ都道府県社労士会の会員に対し周知を徹底してまいりたいと思います。
#172
○辻泰弘君 今周知徹底をしていきたいとおっしゃっていただきました。私が知るところ、お一人お一人にそのことについて言っているというふうには理解しておりません。一般論としてはそれは当然のことなんですけれども、そういう意味で、二十三条削除によってやはりより自覚が求められるという領域でございますから、そのことについてやはり適正な労使関係を損なってはならないというその基本の部分をしっかりとやっていただいて、我々も賛成して前に進めたことですから、そういった意味でいい方向になっていただくように、当初の若干の混乱だというふうになればと思いますので、そういった意味でお取組を是非お願い申し上げておきたいと、このように思います。
 それから、大臣に最後にお聞きしておきたいと思いますけれども、障害者自立支援法のことについてでございます。
 これは大分議論もしてきておられると思いますけれども、いろんなケースがあり得るでしょうけれども、やはり授産施設などでいわゆる工賃三千円から五千円程度、片や四月から二万円近い利用料が、こういうような局面があるというふうなことも現実に上がってきているわけです。
 こういった中で、さきにおっしゃったように、〇・三九%、一年では〇・一三%しか減ってないんだというふうな分析がございますけれども、しかしやはり大事なところであって、そして大臣は、十月ですから予算委員会ですか、この中で、普通の社会から隔離されてしまって一ところにずっといなければならないと、そういうところをもっとこの実際の普通の社会の中に戻したい、こういうことの中でこの自立の支援をしていこうという制度の改善を志しているわけでありまして、これが改悪になって不幸な人を再生産してしまう、こういうことは、断固こんなことはあってはならない、こういう考え方で取り組んでまいりますと、こういうふうに、このことは非常にすばらしくおっしゃっているわけでございますけれども。
 是非、今後はやはりしっかりと現状を見据えていただいて、この不幸な人を再生産してしまわないようにというこの精神で、やはり変えるべきところは変えるということで、来年の予算への取組ということもあるんでしょうから、これは一つと、そういう法律を作ったことは作ったわけですが、しかしそれですべて終わりなわけじゃないわけですから。ですから、是非、我々は一割負担凍結ということを言っているわけですし、与党の中にもそういった御議論もあるわけですから、そういったことでしっかりとその部分を見据えて、直接的には来年度予算編成に掛かってくることが第一段階かと思いますが、そのことを含めてお取り組みいただくように申し上げておきたいんですが、御見解を求めたいと思います。
#173
○国務大臣(柳澤伯夫君) 障害者自立支援法につきましてはいろんな声が寄せられておりますし、また同僚議員の間にもいろんな御議論があるということをよく承知いたしております。私どもも今、現状を更に的確に、また広範にその情報を集めたいということで今努力をしているところでございます。
 今後の取組についても今委員が御指摘になった方向で対処していきたいと、このように考えております。
#174
○辻泰弘君 時間が参りましたのでもう終わらなければなりませんけれども、労働法制についてもお聞きしようと思いました。次回聞きたいと思いますが、やはり人を人と扱わないような、人を物として扱うような労働環境が現在あり、かつ労働法制がそれを加速するような側面がなきにしもあらずといいますか、私どもからすると、そういう側面を、機能を果たしてきたというふうに思っております。
 そういった意味で、やはり厚生労働大臣としては、一番国民の生活、暮らしに密着したところをつかさどられるお立場でございますので、インタビューで思いをある程度感じてはおりますけれども、どうぞそういった意味で、単純な規制緩和論で人間が幸せになるわけではないと、こういった立場から、労働法制のある意味では規制緩和万能的な労働法制の対応というものについては慎重に対処していっていただきたいと。後日また御質問したいと思いますけれども、そのことだけ申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#175
○森ゆうこ君 民主党・新緑風会の森ゆうこでございます。柳澤大臣に対して質問をさせていただきたいと思います。
 私が柳澤大臣に質問させていただきましたのは、辻さんと同じ四年前ですね、予算委員会で、いわゆる北朝鮮拉致問題に関しまして、朝銀、朝鮮系の銀行に対する政府の公的資金の投入、総額一兆円以上に上ると、これはいいのかどうかというような質問をさせていただいたことがございます。本日は厚生労働委員会ということで、本日は、まず児童虐待について質問をさせていただきたいと思います。
 一昨年、児童虐待防止法、改正をされました。その改正におきましては、児童の安全の確認及び安全の確保に万全を期する観点から、児童相談所の所長又は都道府県知事に対しまして、必要に応じ適切に警察署長に対して援助を求めなければならないとの規定が盛り込まれました。しかし、依然として児童虐待によって幼い命が犠牲になるケースが後を絶ちません。
 昨年一年間でいえば、児童相談所に寄せられた相談件数、通報ですね、三万四千四百七十二件。そして、これは事件となりました、虐待事件としてなりましたものが二百二十二件。そして、死亡、残念ながら、子供さんたち、虐待の犠牲になった子供さんたちが三十八人にも上っております。そして、今般、今話題となっておりますが、京都府で起きました三歳の男の子が餓死をするという、本当に痛ましいという、もうそういう表現を通り越しているそういう事件が発生をいたしております。
 そういう中で、ちょうど先月、九月二十六日に警察庁の方で、これはもう児相任せにしてはおけないという、児童相談所任せにはしてはいられないということで、早期に関与していれば命を救えたケースもあるということで、警察官職務執行法に基づく積極的な立入りを行う方針を打ち出し、そして通達がなされたところでございます。
 現状のこの児童虐待防止体制、そしてまたこの強化について大臣はどのような見識を持たれているのか、まず伺いたいと思います。
#176
○国務大臣(柳澤伯夫君) 全くもって痛ましい事件が次々起こることについては、もう私も本当に心を痛めているということでございます。
 今御質問をいただいた制度的な側面については、今お触れになったような一昨年の改正がありまして、警察官により、懇ろなと申しますか、そういう内輪に入った協力を求めるということで改正が行われておりまして、これはこれで良かったというふうに思っております。
 それでまた、今お触れになった九月二十六日のことは私は承知をいたしておりませんでしたけれども、警察の方でも、そういうような消極的というか受け身の態度ではなくて、情報等をキャッチしたらむしろ積極的に関与していこうというような姿勢を取られるということは、現在の世情にかんがみればむしろ適切なことだというふうにして歓迎したいと、このように思っております。
 今回の事件については、私ども、とにかく児童相談所がいったん関係していたにもかかわらず、兄弟のうちの弟さんの方についての事態の把握ということに抜かりがあったと言わざるを得ないというふうに考えておりまして、私どもこれからいろいろ検証作業をした上で、必要とあればマニュアルを改正して、とにかくこうしたことが二度と起こらないように努めていかなければならないと、このように考えております。
#177
○森ゆうこ君 今回の件に関しまして、報道によりますと、その男の子は平均の三歳の男の子の半分以下の体重であったというふうに報じられておりまして、仮に、警察官であれ、それから児童相談所の職員であれ、その子を見ていたならば容易に判断できたものと思っております。
 それで、児童相談所の事例への対応につきましても、児童相談所の運営指針の中でこの調査につきましては、調査の方法という中で、「子どもを直接目視することを基本とする。」、きちんと目で見て、会って確認をするということ、これが大原則であるというふうに打ち出しております。そしてまた一方、先ほど申し上げました、先月、九月二十六日に出されました警察庁の通達に関しましても、「児童の安全を警察職員が直接確認することが重要である。」と、このように出されておりまして、私はやはりこの目視を行うということがキーワードになるかというふうに思っております。
 それで、今調査中だということだと思うんですけれども、今回の京都府の事件について目視ができなかった理由というものをきちんと検証しなければならないと思うんですけれども、今回の件に関しましてどのような状況が想定できるのかについて御見解を伺いたいと思います。
#178
○政府参考人(大谷泰夫君) 御指摘のように、今回、児童相談所がかかわっていたにもかかわりませず、虐待を防止できなかったということを非常に残念に考えております。
 私どもも京都府を通じていろいろ事情を聴取しているところでありますけれども、確かに、二人のお子さんがおられて、上のお子さんの処遇にかなり意識が取られて、下のお子さんに対する十分なケアが取られていなかったということは現時点でも聞いておるところでございます。
 こういった意味で、体制の問題あるいは個人の問題含めまして、今回の事件の問題点は、本当の問題点はどこにあったかということにつきましては、京都府においても今検証作業を行っておられますが、私ども厚生労働省におきましても、担当官あるいは専門家を現地に派遣して調査を行いまして、そういった要素が今後起こらないように、またマニュアルの改正等に結び付けるよう努力してまいりたいと考えております。
#179
○森ゆうこ君 私も地元の児童相談所に行って今の現状を聞いてまいりました。
 考えられる問題点としては、きちんと所内でチームとして対応できるような体制があるかどうか。一人で判断するのではなくて、様々な専門家たちがチームを作って対処できる、様々なケースにおいてチームとして判断できる体制ができているのかどうかということがまず一点。その次に、虐待防止ネットワークを各地域で設置するようにということになっているわけですけれども、そういう防止のネットワークがきちんと構成されているのかどうかという点もきちんと検証しなければならない。そしてまた、市町村における夜間、休日の相談体制というものが整備されているのか。様々なその対策、既に厚生労働省としては方針を打ち出しているわけですが、現場でその体制が整っているのかどうかということを検証されなければならないと思います。
 厚生労働省からいただいた資料によりますと、昨年度でいえば、先ほどの地域における虐待防止ネットワークの設置の割合は約半数になっていますね。五一%です。そして、市町村の夜間、休日の相談体制の割合も四八・六%。まだまだなんですね。こういう体制が遅れている地域もあるわけですから、ここのところを近隣の市町村で補うとか、様々な支援をしていくことが考えられると思うんですけれども、今後どのようにされていくおつもりなのか、お答えいただきたいと思います。
#180
○政府参考人(大谷泰夫君) ただいま御指摘がありましたような問題が含まれていたというふうに聞いておりますが、本件につきましても、担当の上司とは相談をしておられた形跡があるということは聞いております。
 また、この地域におきまして、必要な要保護児童対策地域協議会が設置されていたという地域ではあったということではございまして、そういう意味で、近隣からの通報等は確かにあった体制が取られていた。ただ、最後の児童相談所のところの詰めがうまくいかなかったことについて原因は究明しなければならないと考えておりますが、いずれにせよ、この地域のみならず全国でこういった体制を取り、なおかつ最終的に結果が出なければまたこういう痛ましい事故が起こりますので、その推進に努力してまいりたいと考えております。
#181
○森ゆうこ君 昨今は非常に対応が困難なケースが増えているというふうに伺いました。特に、今回のケースでもそうですけれども、しつけの一環であるというふうに親が主張して譲らないというケースが非常に増えている、そのために職員が夜間の対応、休日の対応等、非常にその対応に苦慮をしているというふうに伺っております。きちんとした体制が取れるよう更に強化をしていただきたいと思いますが、一昨年の改正の効果、そして今後の児童虐待防止法の再改正についてここでもう一度大臣の見解を伺っておきたいと思いますが。
 一昨年改正をさせていただきました。これは議員立法でございます。しかし、現に状況が好転していない以上、私はもう一歩踏み込んだ制度改正が必要ではないかと思っております。その点に関して大臣の御所見をいただきたいと思います。
#182
○国務大臣(柳澤伯夫君) 先般の改正のときには、やはり家庭に入ると、介入していくということで、児童相談所としてはそこに介入していくんだけれども、物理的な抵抗なぞをされた場合に、これもうどうしようもないじゃないかという問題点が浮上しまして、やはり警察の助力を求めようと、こういうことになったというふうに私はいきさつを承知、理解しているんですけれども。
 もちろん、犯罪の情報というか、そういったことの懸念がある場合にはもう警察の方も放置しないということを先ほど、九月二十六日の会議でそういうことがあったようだということを森委員からお知らせいただいたわけですけれども、これから我々が取り組むべきことは一体どういうことであろうかというふうに考えますと、国民と政府との間、あるいは当局との間で何かまだ更に不足なところがあるのか、むしろ当局というか児童相談所以上の政府組織、地方団体を含める政府組織ですけれども、むしろそういうところできちっとした対応をする、また対応をするだけの陣容を整えるということが今求められていることではないのか。何か、国民との間で制度的に何か不足することがあるというふうに今の事態をとらえるべきかということであれば、私は前者の方のような気がします。
 今の法制の中でこれをきちっとやるだけの陣立てがあるのか、あるいはそれをきちっとこなすだけの内部手続の規定というか、そういうものが十分整っているかという問題ではないかと、このように考えております。
#183
○森ゆうこ君 そのような認識に立たれるということであれば、今の状況をきちんと検証していただいて、じゃ、体制を整える、この体制を強化するということで対応していただけるということでよろしいでしょうか。
#184
○国務大臣(柳澤伯夫君) そういうことでありまして、そういう方向で努力をしていきたいということでございます。
#185
○森ゆうこ君 私は、前回の改正のときにも申し上げたんですが、もちろん今大臣がおっしゃったことについてきちんとこの体制を強化していただくということは是非お願いしたいと思いますし、また、最悪の場合、児童を保護するという立場からその立入りを強制的に行うということを確保するためのいま一歩踏み込んだ法改正も必要であるというふうに思っている立場でございます。この件に関しましては、議員立法ですので、我々の立場でも検証、検討をしていかなければいけないと思っておりますし、また、厚生労働省の方でもこの点に関しましても検討をお願いいたしたいと思っております。
 続きまして、次の質問に移らせていただきたいと思います。
 介護保険制度について質問をさせていただきますが、四月改正の影響ということが様々言われておりますけれども、少し具体的な例に関しての御回答をいただきたいと思います。
 まず、軽度の方に対する介護ベッド、この貸しはがしという問題。
 私、国会が休みの間に地元を回りまして、介護ベッドの貸しはがしについて何とかしてもらえないかという様々な陳情をいただきました。要介護者が介護ベッドをレンタルする場合は、今までは九割介護保険から給付されたわけですけれども、制度改正によって要支援者及び要介護者の、要介護一の者に対する福祉用具の貸与が原則保険給付の対象外となりました。今月から、十月から本格的に全額自費でのレンタルか、又は購入しない限り介護ベッドが使えないという、こういう状況が発生しているわけです。
 様々な軽減措置を講じているというふうに厚生労働省はおっしゃいますが、現実問題、そのレンタルができなくなった。お金が、現金がある、蓄えがある方はそのベッドを業者から買い取るという形で引き続いて使うという方も結構いらっしゃいます。しかし、やはり低所得の中で買取りもできない、そして、これからのレンタルの負担が非常に重いという中で、何とかしてもらえないかという声が利用者、またそれを支援する人たちから多数寄せられているところでございますが、厚生労働省としてはこうした、言わば貸しはがしというふうに言われているんですけれども、こういうことが起きないように柔軟な対応をされるべく方針を示していただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#186
○政府参考人(阿曽沼慎司君) 今年の四月から介護保険の改正を行いまして、いわゆる福祉用具につきましても改正をいたしました。御指摘のように、軽度者に対する福祉用具につきましては原則として保険給付の対象にしないということにいたしておりますが、ただ、一定の条件に該当する方につきましては例外的に給付の対象にするということにいたしております。
 御指摘の特殊ベッドの場合でございますけれども、日常的に起き上がりが困難な方であるとか寝返りが困難な方については引き続き保険給付をするということでございますので、その辺の例外的な保険給付を行う場合などにつきまして十分周知徹底を図って円滑な施行を実施したいというふうに思っております。
#187
○森ゆうこ君 それがなかなか現場に伝わっていないと思います。きちんとした通達で、この件に関しましては激変緩和措置という観点からもきちんとした通達を出していただきたいと思います。いかがでしょうか。
#188
○政府参考人(阿曽沼慎司君) 私どもとしては周知徹底を図っているつもりでございますけれども、あらゆる機会を通じ、また必要があれば通知をするなどいたしまして十分な周知徹底を図っていきたいというふうに思います。
#189
○森ゆうこ君 大臣、いかがですか。このベッドの貸出しに関しては財政的にいいましてもそれほどの負担、厚生労働省の予算の中で大きく占めるものではありませんので、予防給付に重点化と言いますけれども、こういう特殊ベッド等を取り上げてしまうことによってだんだん症状が重くなっていくということも考えられるわけですので、もっと柔軟な対応が必要だと思います。
 今ほどの答弁では周知徹底を図るということでしたけれども、現場からは、きちんとした通達をこの際出していただきたいと、そうすると解消できるのではないかという声がありますので、通達を出すという御答弁をここでいただければ有り難いんですけど、いかがでしょうか。
#190
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今も局長の方から申したように、必要とあらばそういう文書による周知徹底も図っていきたいということでございますので、御趣旨に沿ったことが行われるということだろうと思います。
#191
○森ゆうこ君 ありがとうございました。そのようにお願いをしたいと思います。
 続きまして、介護保険関連なんですが、いわゆるケアマネ難民の発生について質問をさせていただきたいと思います。
 今回の介護保険の改正につきまして、介護予防のケアプランは原則地域包括支援センターで作成をすることになりました。しかし、ケアマネジャーに委託をすることは可能なんですが、結局この委託件数についてのケアマネ一人当たり八人、換算で四件分ということなんですけれども、これを限度とすることが基準上明確化されたために、多くを外部のケアマネジャーに委託しようとしていた地域包括支援センターでは体制が整わず対応できない状況が生まれております。そのため、ケアプランを作成してもらえないケアマネ難民が発生をしておりますが、このようなケアマネ難民の解消のために具体的な改善策をお示しいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#192
○政府参考人(阿曽沼慎司君) 今回の介護保険制度の改正におきまして、ケアマネジメントにつきましては介護予防を重視をするという観点がございます。したがいまして、要支援者に対するいわゆる予防のケアのプランにつきましては、御指摘ありましたように、新しく創設されます地域包括支援センターの方で作成をすると。それから、要介護者に対するケアプランにつきましては、従来どおりケアマネジメント機関が対応するということで、いわゆる分野調整をしているわけでございます。
 原則としては、一人当たり八件の上限まで委託をできるというのが原則でございますが、まだ御指摘のように地域包括支援センターが全国的に全部がフル稼働しているという状況ではございませんので、私どもとしても、そこにつきましてはより円滑な実施をすると、あるいは移行をするという観点から、その上限の規制の適用につきましては来年の三月まで適用しないという形で、外部のケアマネジャーが対応できるという形の経過措置を設けておりまして、今全国の市町村に対しまして地域包括支援センターをできるだけフル稼働できるような体制を整備してくださいということで一生懸命やっております。
 したがいまして、そういう具体的な対応をもしながら、今後、また全国会議なども通じてフォローアップしながら、引き続き地域包括支援センターの体制整備の促進を図ってまいりたいというふうに考えております。
#193
○森ゆうこ君 この基準上一人のケアマネジャーが担当できる件数が規定されたということは非常に大きな影響を与えているわけでして、今の御答弁ですと、一応激変緩和措置といいますか、そういうことを講じられているということですけれども、もう少し現場の声をしっかりと聞いていただいて、現実的な対応を是非お願いしたいと思うんですけれども、今後そういうふうに対応していただけるということでよろしゅうございますか。
#194
○政府参考人(阿曽沼慎司君) 私ども、先日、市町村とかあるいは都道府県の担当者とも会議をいたしまして意見交換をしておりまして、地域包括支援センターが全国で本当に稼働できるようにいろんな対策を考えていきたいと思っておりますので、そういう趣旨を踏まえて今後対応していきたいと思っております。
#195
○森ゆうこ君 そうしますと、その基準上明確化されたこの人数に関しては、当面の間こだわらないということでよろしゅうございますね。
 三月以後間に合わないところについてはどうされるおつもりでしょうか。
#196
○政府参考人(阿曽沼慎司君) 私どもは、今各市町村から情報収集しておりますけれども、とにかく来年の三月まで頑張っていただいて、何とか地域包括支援センターが動くようにしたいと思っております。
 今つかんでいる感触からしますと、何とかいけるんではないかというふうに思っておりますので、全力を挙げて支援をしていきたいというふうに思っております。
#197
○森ゆうこ君 先ほどの櫻井委員の指摘もありましたけれども、現実をもっと見てくださいというお話をしているんですね。
 医療制度改革、介護保険制度改革それから障害者自立支援法、無理やり、我々の立場としてはですよ、それから多くの国民の皆さんの立場からすると無理やり通した、成立したという感覚があります。我々が指摘していた問題点が次々と現実のものとなって出てきているということですので、これはきちんとした現実的な対応を是非ともお願いしたいと思いますが、大臣この件に関して一言だけお願いします。
#198
○国務大臣(柳澤伯夫君) 地域包括支援センターの体制が整っていないということはこちら側のフォールトだろうと思うんですね。そういうことでありながら計画ができないということであれば、これはもう本当に我々の方の責任でありますので、期限を延長して、そして体制の整備を急ぐというのは当然のことだと、このように考えます。
#199
○森ゆうこ君 ありがとうございます。
 次に、障害者自立支援法について伺いたいと思います。今日は一点だけ確認をさせていただきたいと思います。様々な調査の結果等については議論をいたしません、何か水掛け論になりそうなので。
 それで、私どもはこの定率一割負担、当面凍結をすべしというふうに申し上げております。仮にこの一割負担を凍結した場合、その予算措置はどの程度になるというふうにお考えでしょうか。御答弁をいただきたいと思います。
#200
○政府参考人(中村秀一君) お答えを申し上げます。
 端的にということでございますので、障害者自立支援法による利用者負担見直し、これ平成十八年度、満年度ベースでございますが、利用者負担増分、障害者で三百十一億円、障害児で八十二億円でございますので、三百九十三億円、これ国費分でございますので、それの倍が事業費になっておりますので、約七百八十億程度ではないかと思います。
#201
○森ゆうこ君 ずっとこの障害者自立支援法の定率一割負担ということが議論されてまいりまして、これは障害者切り捨てだ、自立阻害だというふうに言われておりますし、厚生労働省は違う違うというふうに言っておりますけれども、現実にはそういうふうなことで、事実、サービスの利用をやめてしまった方がいらっしゃるわけですね。そして、非常に大きな不安が広がっている。そういう中で、今の御答弁ですと、はっきり言ってそんなに大きな額ではないと思うんですが、大臣、この程度の予算であれば十分予算措置可能なんじゃないですか。
#202
○国務大臣(柳澤伯夫君) これはやっぱり考え方の問題でして、そういう御負担をいただくことによってある意味権利者としての目を備えていただく、そしてサービスに対して訴求力を持つ、十分なサービスの実現に対して訴求力を持つと、こういうことも期待されているわけです。ですから、そういう考え方が基本にあるんだということで、我々も今実情の調査の手を広げておりますので、実態に応じた対応をするという考え方でその前提としての調査をしているわけですが、基本のところは今言ったようなことの点について是非御理解を賜りたいと思います。
#203
○森ゆうこ君 現実に一割を負担することで権利者となる。それは理念はいいんですよね。理念はいいんですが、現実、作業所へ行って、工賃ね、本当に二百円、三百円、そういう方たちが、それはもちろん権利者として負担をするというのはいいんですけれども、所得保障があってしっかりとした所得が確保できるということがあって初めてそういう話になると思うんですね。だから、理念はいいですよ。理念はいいですけれども、現実実際に工賃、そんな程度じゃないですか。そちらを先に改善してから一割の負担を求めるのであればいいわけですけれども、事実はそうなっていないわけですから、これはしばらくの間私は凍結すべきだと思いますし、今ほど御答弁いただきましたように、何千億も掛かるわけではないわけですよね。なぜこの程度のことができないのか。
 私は、むしろ財政に明るい大臣が厚生労働大臣になりましたので、是非しっかりとした財政措置を工夫をされてとられるべきと思いますが、もう一度御答弁をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#204
○国務大臣(柳澤伯夫君) 両方側面があるわけで、財政的な側面もあるし、また考え方の基本の問題もあるということで、私は先ほど申したように、是非その点は御理解を賜りたいと思っております。
#205
○森ゆうこ君 御理解いただきたいというふうに大臣はおっしゃいますけど、やはり御理解できないですね。本当に、一番社会の中で弱い立場の人たちから先に切り捨てていくというふうにしか私にはどうしても考えられませんし、今地元を回っていますと、本当に、駆け寄ってきて、障害者を支援しているボランティアの皆さんとか施設の職員の皆さんとか、様々な方がこれを何とかしてもらいたいという痛切な訴えがあるんですよね。その辺のところしっかりと受け止めていただきたい。もう無駄な税金あちこちで使っているんですから、何とかなると思います。
 とにかく、時間が来てしまいましたので、これで質問は終わらせていただきたいと思います。
#206
○浮島とも子君 公明党の浮島とも子です。厚生労働委員会では初めて質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 本日は、少子化対策について御質問をさせていただきたいと思いますけれども、まず質問に入らせていただく前に、冒頭、午前中の方も南野委員の方からもございましたけれども、奈良県の病院で、意識不明になられた妊婦さんが搬送された病院で亡くなったという問題についてでございますけれども、二度と起こってはならないことだと思います。どうか厚生労働省として早急にしっかりとした取組、そして対策を講じていただきたいと心からお願いを申し上げさせていただきたいと思います。
 少子化対策につきましては、我が党は、昨年にはチャイルドファースト社会に向けた緊急の提言を発表させていただき、また、本年四月には少子社会トータルプランを発表させていただきました。この内容は政府の「新しい少子化対策について」ということにも盛り込まれているところでございます。
 その中でも要望が高いのが、子育て家庭に対する経済的な支援でございます。子育てをされているお父さんやお母さんにお話をお伺いいたしますと、まず本当に経済的な負担が大変だというお答えが多くございます。お子さんを産む産まないということはあくまでも個人の自由でございますけれども、経済的理由から産めないということに関しましてはどうおこたえができるのか、何をさせていただけるのか、子育てをしやすい社会に向けて、子育てにお金が掛かる現状を踏まえて、公明党はこれまでも児童手当の拡充に全力で積極的に取り組んでまいったところでございます。また、出産の経済的負担についても出産育児一時金の増額を主張してまいりました。この十月から従来の三十万円から三十五万に増額が実現したところでございます。
 しかし、このような経済的支援の拡充について、子育て家庭のお父さん、お母さん方から、歓迎する声とともに、同時に、現状ではまだまだ足りないというお声が多く聞かれます。一方で、財政の厳しい中で財源をどう捻出するかなど、困難なこともあるのもまた事実でございますけれども、少子化対策は時間との闘いであることも踏まえて、今後とも知恵を絞って経済的支援の拡充に向けた財源の確保をしっかりと図っていきたい、そう私たちは考えているところでございます。
 この経済的な問題と同時に、少子社会対策を考えるためには働き方の見直しが大切であると考えているところでございますけれども、大臣のごあいさつにもございました、「国民一人一人が人生の様々な段階に応じて多様な働き方ができ、仕事と子育てが両立しやすい社会の構築など諸課題の解決に取り組んでまいる決意であります。」と述べられておりましたが、我が党の少子社会トータルプランでは、仕事と家庭の両立をするためには働き方の見直し、いわゆるワーク・ライフ・バランスの回復が必要であると提言をさせていただいているところでございます。このワーク・ライフ・バランスの回復のための長時間労働の是正は喫緊の課題となっておりますけれども、この長時間労働の是正、仕事と家庭の両立、ワーク・ライフ・バランスの回復についてどのような対策を取っていくのか、大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。
#207
○国務大臣(柳澤伯夫君) 確かに、少子化対策として最も基本なのはやっぱり経済的な支援をするということであるわけですけれども、同時に今御指摘のように、働き方の問題ということが非常に大きなかぎを握っているというふうに我々思っております。長時間労働の是正ということが非常に望まれているわけでございますけれども、この面につきましては、法律としては労働時間等設定改善法という法律がございまして、これに基づいて労使の自主的な取組を通じて超過勤務というか所定外労働の削減をしたり、年次有給休暇の取得を促進したりするというふうな取組をしているところでございます。
 また、長時間労働の抑制などを図るために、現在省内に審議会がございまして、その審議会において労働時間法制の見直しを行っているところでございまして、その検討の結果を見て、また新しい必要とあらば労働基準法の改正に取り組みたいと、このように思っております。
 また、仕事と家庭の両立が可能な職場環境の整備を図るために、育児休業制度や勤務時間短縮等の措置がございます。その普及、定着を図ったり、あるいは次世代法という法律がございますが、これで企業の行動計画策定を促進し、また実施を求めるなど、いわゆるファミリー・フレンドリーな企業がたくさん出ていただくように我々として取り組んでいるところでございます。
#208
○浮島とも子君 ありがとうございます。
 この働き方の見直しは、子育ての環境整備を図っていく上で避けて通れない課題だと思いますので、難しい、大変いろんな問題があって難しい課題だと思いますけれども、どうか厚生労働省としてしっかりとした取組をしていただきたいとお願いを申し上げたいと思います。
 次に、子育て環境の整備という観点から、仕事と家庭が両立しやすい職場環境づくりについてお伺いをさせていただきたいと思います。
 長時間労働是正ということで今お伺いをさせていただきましたけれども、仕事と家庭の両立のためには子育てがしやすい職場環境の整備が必要不可欠であると考えます。厚生労働省としては、この仕事と家庭の両立支援のためにはどのような対策を講じておられるのか、お伺いをさせていただきたいと思います。
#209
○政府参考人(大谷泰夫君) 男性も女性も希望どおり仕事と家庭を両立できる社会を実現することは重要な課題でございます。厚生労働省といたしまして、このための取組を大きく四点ほど行っております。
 一つ目といたしましては、育児休業制度や勤務時間短縮等の措置の普及促進を図っております。
 二点目といたしましては、次世代法に基づきまして、企業の行動計画の策定あるいは実施を促進しております。この次世代法は、企業自らに子育てを行う労働者等の仕事と家庭の両立を支援するための雇用環境の整備や働き方の見直しなどに関する目標を立てていただきまして、この目標達成のために努力をしていただく仕組みとなっております。来年度からは、目標を達成した一定の基準を満たした企業に対しまして認定を行うこととしております。この認定を受けた企業につきましては、次世代認定マークというものを商品や求人広告等に使用することができるようになるわけでございます。
 それから、三点目といたしまして、仕事と家庭のバランスに配慮した柔軟な働き方ができるファミリー・フレンドリー企業というものの一層の普及促進に努めております。厚生労働省では毎年十月にこのファミリー・フレンドリー企業表彰を行っておりまして、平成十一年度から今年度までで厚生労働大臣賞で二十八企業、また都道府県労働局長賞二百七十六企業、計三百四企業を表彰してきたところでございます。このような仕組みによりまして、認定を受けたりあるいは表彰された企業にとりましては、企業イメージが向上するであるとか、従業員の労働意欲が高まる、また優秀な人材確保に資する等のメリットがあると考えております。厚生労働省といたしましても、こうした取組を鋭意アピールしていきたいと考えております。
 また、四点目になります。長くなりますが、労働時間等設定改善法に基づきまして、労使の自主的な取組を通じ、所定外労働の削減や年次有給休暇の取得促進を進めることによりまして、長時間労働の是正に取り組んでいるところでございます。
 こうした取組によりまして、今後とも労働者一人一人が仕事も家庭も大切にしながら働き続けることのできる環境整備に努めてまいります。
#210
○浮島とも子君 ありがとうございます。
 今御答弁いただきましたように、次世代法に基づき企業の行動計画策定を促進しているということでございましたけれども、問題は中小企業の取組が進んでいないところだと私は思っております。次世代法に基づく企業の行動計画ですが、三百人以下の中小企業では今年九月末現在で二千七百五十四社が現在は策定をしていると伺っておりますけれども、日本の中小企業は四百三十万社であり、なかなか中小企業の取組が進んでいないのが現状でございます。
 日本の労働者の約七割は中小企業で働いていると言われておりますけれども、このような中小企業に対しての支援をしていくのが今現在問われていることと考えておりますけれども、厚生労働省としてはこの中小企業での仕事と家庭の両立支援についてどのような対策を取っているのか、お伺いをさせていただきたいと思います。
#211
○政府参考人(大谷泰夫君) 御指摘のとおり、中小企業における行動計画の策定や実施に向けた取組を促進することが重要な課題であると考えております。このため、厚生労働省としまして、一つは、各都道府県の労働局におきまして、地域の実情に応じて三百人以下の企業に対する重点的かつ計画的な個別訪問や説明会を実施するものであります。
 また、二つ目として、全国九十二か所に指定しました次世代育成支援対策推進センター、これを活用いたしましたモデル計画の提供や好事例、いわゆる好ましい事例の収集、提供などに取り組んでおるところでございます。
 また、地方公共団体等との共同で説明会の開催やまたその連携しての個別訪問など、今後ともできるだけ多くの企業において行動計画の策定、実施が行われるよう積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
#212
○浮島とも子君 中小企業においてなかなか取組が進まないというところの私の一つ大きな原因と思われるのが、それぞれの職場の事情にあると思うんですけれども、会社での、何よりも会社での理解が不可欠であると考えております。
 今でも個別訪問をされているという御答弁がございましたけれども、子育てはキャリアアップにつながるとの考え方や、また子育てに力を入れている会社は業績も上がっているというお話も実際聞いたこともございます。子育てはマイナスではなくてプラスになるんだということをより一層いろんな知恵を、今この認定マークのお話もございましたけれども、一層より効果的に両立支援の取組が進むよう、中小企業に対しての知恵を働かせていろいろPRもしていただきたいと考えております。
 次に、育児休業制度についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 育児休業制度については、子ども・子育て応援プランの取得率の目標を女性八〇%、男性一〇%と定めておりますが、平成十七年の現在で女性七二・三%、男性〇・五%の取得率となっております。この男性の育児休業取得率を向上していくための取組が必要と考えますが、具体的にどのような取組をされているのか、お伺いをさせていただきたいと思います。
#213
○政府参考人(大谷泰夫君) 平成十七年度の男性の育児休業取得率は残念ながら〇・五%でございました。これは子ども・子育て応援プランにおいて目指すべき社会の姿として掲げられている一〇%を御指摘のように大きく下回っておりまして、男性の育児休業の取得促進は重要な課題と認識しております。
 この男性の育児休業の取得が進んでいないというのは、一つは、職場の理解不足あるいは法制度に関する理解不足が原因であると考えておりまして、このため、厚生労働省におきまして、一つ、全国の労働局におきまして男性も育児休業を取得できることを周知徹底する。また二つ目として、次世代法に基づきます企業の認定基準に男性の育児休業取得実績を盛り込みまして、男性の育児休業取得を促進する。また、男性の育児参加促進のためのモデル的な取組を行っている企業二百社に対する支援、またこういった事例の普及等の施策に取り組んでいるところでございます。
 また、これと併せまして、実は去る十月の十三日でありますが、男性が育児参加できるワーク・ライフ・バランス推進協議会というところにおきまして企業経営向けの提言を取りまとめていただいたところでございます。この提言には、男性が育児参加できるような柔軟な働き方や短くて効率的な働き方は、優秀な人材の確保、定着等、企業経営にメリットがあると、こういうことが盛り込まれておりまして、今後、企業に対し、この提言の普及も併せて図ってまいりたいと考えております。
 以上のような取組で、何とかその実現に努めたいと考えているところでございます。
#214
○浮島とも子君 様々な取組を行っているというお話でございますけれども、男性の育児休業取得がこのまま低水準で推移をされていくということであれば、私は、主に北欧諸国で導入をされているいわゆるパパクオータ制度の導入についても検討していくべきではないかと考えておりますけれども、これについてはいかがお考えでしょうか。
#215
○政府参考人(大谷泰夫君) スウェーデンとかノルウェーにおきまして、一定期間の休業を父親に割り当てると、こういうパパクオータ制というものがございまして、男性の育児休業取得が促進されているということについては私どもも承知しているところでございます。
 一方、今申し上げましたように、我が国におきまして、男性の育児休業につきましては、そもそも職場の理解不足や法制度に関する理解不足等を背景に取得が進んでいないという現状にございまして、このパパクオータ制度について論じる前段として、まずは現行の法制度の周知や社会全体の機運の醸成から取り組むことが重要ではないかというふうに考えております。
 そういったことで、先ほど申しましたような施策を推進して、男性が安心して育児休業を取得できるような環境づくりに努めたいということでございます。
#216
○浮島とも子君 私も本当に、先ほども述べさせていただいたように現場の職場の理解が一番大切だと思います。
 今御答弁いただいたように、何かまずはととても強い口調でおっしゃっていただいたんですけれども、本当に今まずあることを実践していただくのもとても重要だと思いますけれども、これからいろんなあらゆる視点から物事を見て、そしてまたこのパパクオータ制度というのも新しい視点の取組から検討の一つとしてまた検討していただければと思います。
 次に、中小企業の育児休業制度についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 女性について申しますと、育休取得率は事業所の規模が小さいほど低くなっておりまして、五百人以上では八七・三%、百人から四百九十九人では七九%、三十人から九十九人では七六・九%、また五人から二十九人のところでは五八・五%となっております。ちなみに男性で申しますと、〇・一三%、〇・一四、〇・八四、〇・六六と、本当に低い水準でございますけれども、このように、中小企業では育児休業取得がしにくいという現場の声がございます。
 厚生労働省としてはどのような対策を取っておられるのか、それからまた、これからどのような対策を取っていかれるのか、お伺いをさせていただきたいと思います。
#217
○国務大臣(柳澤伯夫君) 育児休業制度があって育児休業をするということが女性の方が多いというのは、もうこれは背に腹が代えられなくて、恐らくそういうことになるだろうと思います。男性の方は、このごろは男女共同での子育てということですから、取って今度は奥さんが働くというようなことも考えなきゃいけないということだろうと思うんですけれども、中小企業ということでどういう人たちを、あるいは企業をイメージするか、これは非常に難しい問題だろうと思うんです。
 そういう難しい問題だけに、厚生労働省としては中小企業子育て支援助成金というかなり思い切った予算制度を持っておりまして、今年度からでございますけれども、従業員百人以下の中小企業において育児休業取得者が初めて現れた場合には、一人目について百万円、二人目について六十万円その企業に差し上げるというようなかなり思い切った制度を助成しているわけでございます。このような助成金を活用しながら、これからともに重点的に中小企業における育児休業等の定着、浸透を図ってまいりたいと、このように考えております。
#218
○浮島とも子君 今おっしゃった、一人目が取ったら百万円、二人目が取ったら六十万円、これは二〇一〇年まで実施ということと思いますけれども、中小企業に対してこの対策を進めていくためには、職場の先ほどから申し上げているように環境に、職場の理解がとても必要だと思うんです。なので、職場で成功した事例や、あるいは職場の細やかな知恵をいろんな職場で共有をしていくということが大切だと思うんですけれども、この点についても、職場の意識向上のためという観点から、作った制度が作っただけで終わるのではなくて幅広く広がるためにも、中小企業に対してのPRをしっかりと細やかな工夫でしていっていただきたいとお願いを申し上げさせていただきたいと思います。
 次に、放課後子どもプランについてお伺いをさせていただきたいと思います。
 放課後子どもプランは、従来から厚労省が行ってきた放課後児童健全育成事業、放課後児童クラブを文部科学省の地域子ども教室推進事業と連携させて一体的に取り組んで、その整備をスピードアップさせるものと伺っております。そこで、この放課後子どもプランの概要についてお伺いをさせていただきたいと思います。
#219
○政府参考人(大谷泰夫君) 放課後の子供の安全な居場所の確保を求める声が強まる中で、厚生労働省では、共働き家庭など留守家庭のおおむね十歳未満の児童に対して、適切な遊びや生活の場を与えるという放課後児童クラブをこれまで推進してきたところでございます。また、文部科学省におきまして、すべての子供を対象として、安全、安心な子供の活動拠点を設け、勉強やスポーツなどの取組を推進すると、こういう趣旨の放課後子ども教室というものが平成十九年度に創設するということにされているところであります。
 この放課後子どもプランと申しますのは、こうした放課後対策事業について、各市町村において教育委員会が主導しまして、福祉部局とも連携を図るということで、原則としてすべての小学校区で実施を目指すものでございます。このプランは平成十九年度より実施することにしておりまして、文部科学省、厚生労働省、両省で現在必要な経費を要求しているところでございます。
#220
○浮島とも子君 厚生労働省と文部科学省、両省で一緒にやっていく事業ということでございますから、両省できちんと、しっかりとした連携を取りながら、今以上に、一体化になって使いやすくなったというふうになっていただけるよう、利用しやすいというお声が聞かれるよう、逆に不便になったという声が聞かれないように全力で取り組んでいただきたいと思います。
 さて、この放課後児童クラブのことでございますけれども、クラブに入りたくても入れないという待機児童がいると伺っておりますが、この放課後子どもプランとして事業を展開することによって、この待機児童の解消は図られていくのでしょうか。現在の待機児童の人数と今後の解消の見込みについてお伺いをさせていただきます。
#221
○政府参考人(大谷泰夫君) 近年、働く女性の増加などによりまして、放課後児童クラブへのニーズが高まっております。希望してもクラブを利用できない児童、いわゆる待機児童は、平成十八年五月現在で前年よりも増加して一万二千人というふうになっております。
 厚生労働省といたしまして、こうしたニーズにこたえるため、これまでも子ども・子育て応援プランにおきまして放課後児童クラブの推進を図ってきたところでありますが、さらにこの平成十九年度からは、先ほど申しました文部科学省との連携による放課後子どもプランを創設としておりまして、この中で余裕教室を始めとする学校諸施設の積極的な活用などによりまして、原則としてすべての小学校区でと、そういう事業の実施をするということにしておるところでありますが、この放課後子どもプランの実施によりまして相当数のいわゆる待機児童が減少するものと期待しておりますが、今後とも、必要な地域に早期にこうした対策が設置されますように、推進に努めてまいりたいと考えております。
#222
○浮島とも子君 今、利用できないお子様の数が前年より増加して一万二千人とおっしゃっておりましたけれども、今回のこの放課後子どもプランの創設を期に、この待機児童を着実に解決していけるよう、一層の取組をお願いさせていただきたいと思います。
 最後に、少子社会に向かっての諸課題の解決に対して、大臣の御決意をお伺いさせていただきたいと思います。
#223
○国務大臣(柳澤伯夫君) もう少子化を克服しないと、いろんなところにきしみが生じてくるということが見通されると思います。
 少し、最近、出生数が上がっているというようなことがあります。これは一体背景は何なんだろうかということです。一つには、こういう政治や行政の方から子育て支援とか少子化対策とかということでいろんな意見が上がっているということも、ひょっとして若い人たちを勇気付けているかもしれない。そういうことがありますが、より現実的に考えますと、景気が良くなっているということが結婚の数を上げ、それから出生数を上げているということではないかと。それは、だれもこの立証はまだできていないわけですけれども、そういう見方も耳にするわけであります。
 しかし、私は、だから、とにかく経済成長を何とか高めに持っていきたい、景気が良く実感されるようなそういう状況に持っていきたいということを基本に考えているわけですけれども、もう一方、一番最初に言った、とにかく少子化対策としてできることはもう何でもやっていくと、こういう姿勢も必要であろうと、このように考えております。
 たまたま十六年に子ども・子育て応援プランというものができているわけですが、さらに今年の六月に、新しい少子化対策ということでさらにこの前の計画、プランが補強されております。
 こういうようなことで、一つは、各種の先ほど先生がおっしゃったような経済的な支援策、それからまた働き方の見直し。さらには、みんなが、若い人たちも子供を育てるということがどんなにすばらしいことかということを自覚していただいて、意識が変わってくる、自己実現もいいんですけれども、同時に、子育ての喜びというものを感じることもまた自己実現の一つであると、そういうような意識改革が進むように総合的な取組を講じてまいりたいと、このように考えております。
#224
○浮島とも子君 ありがとうございました。
 様々な問題はあると思いますけれども、今大臣の御答弁にございました、何でもやっていくという力強い御答弁でございましたけれども、本当に全力で取り組んでいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
#225
○山本保君 公明党の山本保です。
 三十分時間をいただきましたので手短にやりますが、最初に、今回は主に障害者のことを中心にお聞きしようと思っておりましたけれども、今私どもの浮島委員から、また先ほど森ゆうこ先生からも子供のことについてお話がありましたので、ちょっと私ふだん考えていますことをひとつ大臣に聞いていただきたいと思いまして、いろいろあるんですが一つだけに絞ります。今日、児童の虐待などがございまして、私前から申し上げていますのは、一つ、専門性ということと仕事の量であります。
 各県の児童相談所には児童福祉司という、司という専門家がいることになっております。しかし、これは前から申し上げていますが、実は、法律を読んでいただきますと、この福祉司になるための第一号要件というのは、大臣が指定した課程をきちんと卒業した者と書いてあるんです。ところが、その指定した施設、その課程を持っている施設は、大臣、どれだけ全国にあると、お分かりないと思うんです。実は、民間で正式にそれをやっておりますのはたった一つだけなんです。あと、国立の施設が附属の養成所でその資格を与えておりますけれども、実際には上智大学にあります。たしか、大谷局長、それでいいと思うんですが、私のときにそれだけしかないんです。実は認めていないんです、大臣が。
 数年前に問題になりましたときに、これではいかぬというので後の方に、四号、五号のところに、今やっている方を急遽研修しましょうと。それで、その研修のプログラムは作ったんでございます。しかし、肝心の本の方の認可したものがありません。
 これは、私はもっと、もちろん増えているかもしれませんが、きちんと示されて、各県に大学院レベルのきちんとしたそういう専門家をつくるようなことをしなければならないということを実は役所におるときから言っていたんでございますが、そのベースとしては、保育関係の学校、保育の養成施設がございますので、それを四年制から六年制という形に積み上げる形できちんと専門家養成をすべきじゃないかというのが第一点と。
 もう一つは、児童福祉司さんの数が大変足らないというのは今日もたしか出ていたんですが、それも確かなんですけれども、実は県の仕事としている児童福祉司の中の半分近い仕事は障害者の調査、判定、認定という仕事なんでございます。これはもう、今大人の方でいえば市町村の仕事になっておる仕事を子供に関しては県がやっておる、これで、そのことで非常に時間が取っておるんです。児童相談所が、やはり法律上きちんとやらなくちゃいけない家庭裁判所などと関連するのは三つです。非行問題、そして今の虐待問題、これに絡むような養子縁組の問題でございます。これが正に、児童相談所という、市にある施設や機関とは別の特有の権限なんです。ですから、ここに私はきちんと特化をさせまして、その仕事をきちんとやっていただくということをすべきだということを申し上げておるんですけれども。
 突然だったので、もし何かお考え、感想がございましたら、お願いいたします。
#226
○国務大臣(柳澤伯夫君) いやもう本当に先生が御指摘のとおりで、恐らくこの仕事を万全の体制でもってやるという場合には、臨床心理学であるとか、そういうかなり高度な学問を身に付けていただいた方ということになるんだろうと思います。このごろ、昔、保育士の養成という課程を短大で従来はこなしてきておりますけれども、それに対して、より専門的な知識というものを身に付けていただくということで、最近これを四年制にするという動きがございます。ですから、もう一歩行って、それを大学院課程を設けるというようなことで今先生がおっしゃったようなニーズにこたえていく、そういう人たちを十分な体制で備えられるように持っていくということが必要なのかしらと、こういうふうに今お聞きしながら思った次第です。
#227
○山本保君 ありがとうございます。
 局長、もう結構でございます。
 それでは、今日、通告しておりましたお話をちょっとお願いしたいと思っておりますが、まず最初に、今もう御答弁いただきまして、積極的な答弁いただいた柳澤大臣、本当にありがとうございます。財政金融の専門家として厚生省に乗り込んでこられて一月、どういう考えでおられるのかお聞きしたいところですが、これはまたどこか別の夜の時間でもいただきましてじっくりお聞きするとしまして、私は大変期待しております。
 私もそうですが、どうしても現場とかそういうものを見ておりますと、全体のところに目が行かないというところがあります。これはもうお互い、もう両方の特徴を生かして仕事を深めていくということが必要ですから、是非、大臣はそういう点でいえば福祉については素人であると、レーマンだというところで、しかし専門家を動かすというのがこれが近代行政でございますので、是非頑張っていただきたいということを最初にちょっとエールを申し上げまして、実は、障害者の就労についてでございます。今日はちょっとお聞きしたいと思っております。
 まず、今日もそんなお話もありましたけれども、現在、就労についてどのような状況にあるのか、そしてこれについて現在どういう対応を考えているのかについて、包括的ですが御説明をお願いいたします。
#228
○政府参考人(岡崎淳一君) 障害者の雇用状況でございますけれども、実雇用率で見ますと、今一・四九%でございます。前年度に比べますと〇・〇三%、わずかではございますが上昇しているということで、少しずつ進んできているというふうには認識しております。
 しかしながら、法定雇用率がございますけれども、法定雇用率を達成している企業の割合、これで見ますといまだ四二・一%ということでまだまだ低いと、こういうふうに認識しております。したがいまして、やはり各企業にもう少し障害者を雇用するということについて認識を深めていただくと、これが非常に重要であろうというふうに考えているところでございます。
 最近の状況の中で、幾つか課題として考えていることがございます。
 一つは、働き方の多様化が進んでいるという中で、パートタイムの労働者でありますとか派遣労働者とか増えてきているわけでございます。しかしながら、パートタイム労働者や派遣労働者の中で障害者の方というのが実は余り多くないという状況でございます。こういうふうに就業の多様化が進んでいる中で、パートタイム労働者や派遣労働者、この辺におきます障害者の雇用ということが大きな課題の一つかなと、こういうふうに思っております。これは昨年、障害者雇用促進法の改正の際の本委員会でも、附帯決議の中でもその辺をもう少し検討すべきだと、こういうふうな御指摘もいただいたというふうなところでございます。
 もう一つ、企業の規模で見た状況でございます。
 かつてはどちらかというと大企業の方が実雇用率が低いと、こういう状況でありましたけれども、大きな企業の方は比較的最近実雇用率が上がってきております。そういう中で中小企業の方が低下傾向にあるというのが問題かなと、こういうふうに思っています。例えば、百人から二百九十九人の規模の中小企業、これで見ますと実雇用率が今一・二四ということで、規模全体から見ましても大分低いと、こういう状況でございます。今後、その中小企業における障害者の雇用促進ということについても、もう少し考えていかなければいけない状況かなと、こういうふうに考えているということでございます。
#229
○山本保君 ありがとうございます。
 それではちょっとその辺はもう少し後でまたお聞きしますが、その前に、いわゆる授産施設でありますとか福祉の方でいろんな形でその応援をしていると思うんですが、そちらの方についても私は非常に重要な今転機だと思っておるんです。
 後で言いますが、この自立支援法ができまして、まあいろいろな御批判もあると思いますが、私は、はっきりここで、障害者が生きていくためにはどういう環境づくり、制度づくりが必要なのかということが初めて政策の課題になったんではないかと。本来これを先にやるべきだとは思いますが、なかなか人間のやることです。同時に進めなくちゃいけないと思っています。
 授産施設などへ行きまして、これは本当かどうかは私はあれですが、留保した上で紹介しますと、例えば、施設で一日何も仕事をしなかった日があると、音楽聴いたりビデオを見たりしていると。なぜかと。私にお話しした人は、実は施設がたくさん仕事を持ってきてやりますと、その分結局職員の仕事が忙しくなるだけなんだと。職員の方の給料は固定しております。だから、仕事を持ってくるといっても、持ってきたからといって障害者の方にどんどん働かせるって、もうそんなことはできません、結局職員が全部抱え込む、だから持ってこないんだと。
 それから、もっと言えば、職員の方が実は仕事ということを本格的にやったことがない、福祉系の学校を出ただけだ。ですから、その方ができる仕事しか持ってきませんから、何か電子器具の何とかかんとかなんて持ってこないわけです。箱へ詰めたりなんかする仕事しか持ってこない。
 もっと言えば、確かに仕事ができるできないは大変なことですが、家に閉じこもっているよりはそこへ出てくるだけでも私確かに意味があると思うんです。ですから、来た人に何かみんな仕事させる、そんな必要はないです。しかし、今の施設はみんな同じです。行かれるとお分かりのように、一生懸命仕事をやっている人がいるかと思えば、その横で何もしない人がいれば逆に動き回ってやっている人もいる。これでは一体やる気のある人が伸ばすこともできませんし、またそれでつまらなくなっている人のニーズにも全然こたえてないじゃないかという気がするんですけれども、こういう施設の側の問題点について、どういう対応を今考えていますか。
#230
○政府参考人(中谷比呂樹君) ただいま御指摘いただいたとおりの問題点が私たちあると思っています。
 現実に申し上げますと、授産施設、自分で能力を付けて社会に出ていただいていくと、こういう施設でもやはり毎年実際の就労に結び付く方一%でございますし、今御指摘いただいたように、授産施設におきます工賃というのは非常に低い状況にあるわけでございます。やはり障害者の方々が地域で住んでいくというためには、本格的な就労支援というのは是非必要でございます。
 そこで、やはり就労に結び付くようなことは正に集中的にそのような御指導を申し上げ、しかしながら、障害者の方におきましては就労ができ難いという方も実際おられます。そういう方につきましては、やはりそれなりの作業あるいは処遇の場というのを確保しなければなりません。
 そこで、就労支援ということにつきましては、例えて言えば、本格的な就労支援を目指しましては福祉と雇用、これが地域でネットワークを組んだようなことをやるとか、あるいは既存の授産施設につきましては、就労に必要な知識とか技能、これを集中的にトレーニングしていただくような就労移行支援、あるいは一般の事業で雇用されることが困難な障害者の方に対しては就労の機会などを提供する就労継続支援と、このように少し施設の性格付けを分けましてそれなりの対応をしていきたいと思います。また、それも具体的に市町村ごとに計画を立てまして、実際の就労に移る方の数を二十三年度までに現在の四倍にすると、こういうことをしながら努力をしてまいりたいと思っております。
#231
○山本保君 そのやり方を是非徹底していきたいなと思っております。
 今までは施設があってそこに合う人が来なさい。そうじゃなくて、その方のニーズや能力、関心、やる気のあるもの、こういうものに合わせたいろんなプログラムなり応援をしていくというのが当然のことなんでありますが、残念ながら今まではそうではなかったということに立たれて、是非ここは抜本的な改正といいますか、変えていきたいなと思っておりますので、よろしくお願いします。
 それで、先ほど岡崎部長の方からもお話ありましたけれども、私、三月の予算委員会で総理、また前の厚生労働大臣に障害者の就労支援で、今のようになってきますと、仕事型というか会社型できちんやることも大事じゃないかと。それで、先ほどパート、また派遣労働と、これも非常に重要なものだと思います。もちろん、労働政策として派遣がいいかどうかという大問題は一つあると思いますが、それとは別に、障害を持っている方がフルタイムで最初から働くということについてはなかなか厳しい、また受け入れる企業も、経験のないような企業は大変その辺しり込みをされる。そうなりますと、その後ろ盾にきちんとした専門家を置いたような派遣の会社、これはただ単なる派遣でなくて、やはりジョブコーチなどをきちんと置いてやれるような会社、これが後押ししてあげればいいのに、なぜ伸びないか。簡単でして、その会社の人を雇いましてもさっきの雇用率にカウントしないわけです。なぜならば、その社員、向こうの会社の社員だから、あんたのところの社員じゃないんだと。お金を払っているのに駄目だって言うんです。これじゃ駄目でしょうということを申し上げて、検討してくださいと言いました。
 それからもう一つは、大企業はまあまあだが、中小企業がない。大企業は自分の子会社で障害者を雇う会社をつくりまして、そこでたくさんの障害者、たくさんやっぱりいた方がいろんな仕事できるわけです。百人の中に三人しかいなけりゃ、それはもう片手間仕事になるのは当然です。ですから、大きな会社つくって仕事をした場合、これは大会社は特例で、全部それは本社が雇ったことにしますと、こういう制度なんです。ところが、中小企業が例えば何人かの社長さんで、じゃやりましょうと。それ、認められていないんです。
 そこで、私は、これはおかしいでしょうと。地域の若しくは系列のいろんな会社が障害者をしっかり雇えるようなものにお金を出す、その場合のお金も優遇してあげる、及びそれは当然その各会社が雇ったということで雇用率算定すべきだと、こういうふうに申し上げたんですが、この前聞きましたら、確認ですが、それに関する法律改正のための研究会ができたと聞いておりますので、少し御報告をお願いいたします。
#232
○政府参考人(岡崎淳一君) 今先生からいただきました二つの課題を含めまして、先ほど私が申し上げましたような派遣あるいは中小企業の問題、これを検討する必要があるだろうと、こういうふうに考えておりまして、本年の七月から有識者の方によります研究会を始めております。
 一つは、多様な雇用形態等に対応する障害者雇用率制度の在り方に関する研究会ということで、これはパートタイム労働者とか派遣労働者の関係、今先生が御指摘いただきました点も含めまして検討するということにしております。
 それからもう一つは、中小企業における障害者の雇用の促進に関する研究会でございまして、今御指摘がありました中小企業の共同による特例子会社を含めましてここで検討していくということです。
 なお、そのほかにも福祉、教育等との連携による障害者の就労の支援の促進に関する研究会、この三つをやっておりまして、研究会の先生方には来年の夏ごろまでに一定の報告を取りまとめていただきたいと、こういうふうにお願いしているところでございます。
#233
○山本保君 そんなもの私はもう役所がやればすぐできると言ってちょっと脅かしたんですが、まああの研究会できちんと酌んでいただければ結構だと思いますが、急いでやっていただきたいと思っております。
 それで、次に、大臣には先ほどもお答えいただきましたんで、今度は副大臣にお聞きしますが、もう一つの問題は正に所得保障としての年金制度であります。これは大変難しいものだということは分かった上でお聞きするんですが、障害者の年金というのは、言うならば老齢年金ですか、の基礎年金の満額ということになっております。年金制度というのは当然二つの面があり、一つは、拠出した人の、そしてそのお金で決まってくるとありますが、もう一つ大きな原理は、生活の実態に合わせた年金でなくちゃいけないということを当初から言っておりますね。
 ところが、障害者に関しては、私思いますに、もちろん満額ですから、拠出部分についてはこれ以上は出せませんというのはまあ分からないでもない。しかし、障害者の生活実態というものに即した年金になっておりますか。なっているはずがない。なぜなら、調査もしたことないんですから。調査してないんですから、障害者が今までどういう生活実態なのか。それは調査しなくてもよかったんです、ただの体制ですからね、すべてただですから。ただですからなんです。今度から皆さんで、みんなでやりましょうになったから初めてこれが課題になってくるんです。私は、だから後ろ向きにただにすることは反対です。そうではなくて、これを基にしてもっとしっかり障害者の生活をかさ上げするように応援をそれはしなくちゃいかぬのです。
 そこで、年金はお年寄りの生活に合わせたものなんですよ、老齢年金は、当然ですけれども。障害者の年金は障害者の生活に合わすべきじゃないでしょうか。そのためにも、まず実態調査というのをきちんとすべきじゃないでしょうか。今までいろんな反対運動もあり難しかったかもしれませんが、今ほとんどの方が障害認定を全部受けられると、一人一人の人に専門家が今会う体制ができました。これだったら、ここできちんと障害者の生活実態というものをきちんと見て、たくさん、大体今いろんな形で調査があります。知的障害とかあります。私ずっと見ます。そうすると、やはり非常に差がありますね。もう身体の方の方で内部、内臓関係なんかの方は、別に仕事はもうばりばりやっておられる方もおられる、そうでない方もおられる。この辺はなかなか既得権というものがありますので大変かもしれませんけれども、これは国民に全部示して、そして本来の本当に困っている方にきちんと応援をする体制をつくるべきではないかと思いますけれども、まあ問題提起ですが、どうお考えでしょうか。
#234
○副大臣(石田祝稔君) 今も山本委員がおっしゃったように、現在の年金制度は社会保険方式で来ていると、そして、リタイアした後に、基本的にはリタイアした後に老齢年金として受け取ると。もう一つの側面として、先ほどからおっしゃっているような障害年金と。こういう二つの側面があるわけでして、今までから、従来と同じと言われればそれまでですけれども、やはり老齢基礎年金との整合性、バランスの上で今までも障害基礎年金の金額を決めてきていると。さらに、一級、二級とあって、そして特に重篤な方に関しては特別障害者手当と、こういうこともやっているわけです。
 ですから、私はそういうものを踏まえて、今までの委員の御質問を聞いておりましたら、更に地域で自立をしていくということには、その障害基礎年金、障害年金の上に御自分で働いてどれだけある意味では稼いでいけるかと、そういうことをこれは考えていくことが私は大事ではないのかと。ですから、これは自立支援法の附則においても、就労支援を含めた所得保障と、これについてもっともっと充実をさせていこうと、こういう方向も打ち出されておりますので、三年後の見直しに向けて、私は、その障害基礎年金ということの上に自分で稼ぐと、こういうところをどれだけ応援ができるかということの方がこれはより大事な点ではないかと、こういうふうに思いますので、そういう方向で努力をしてみたいと思っております。
#235
○山本保君 たしか今回の改正で、そのように働いている方がお払い、拠出いただければプラスになるという制度はたしかつくったはずなんですね。ですから、先ほど言いましたように、月に何十万といただいているという方、統計がございます。そういう方については、もうそれほど、確かに今の既成の年金制度で十分だと思っておるんですが、私は、そうでない方がおる。例えで言えば、老齢年金は御夫婦二人ということを基準にして考えていますよ。障害者でもう一生涯残念ながら結婚できなかったという方、たくさんおられますよ。これは、そうじゃない方でしなかったというのはちょっとまた違うと思うんですよね。そうなりますと、少しここはやっぱり実態というものをしっかりもう一度見て、検討というものを開始すると。だから、調査を始めるとか、だからそういう方向を決めた方が、私は今やらなければいけない。
 こういう障害者自立支援法というのができて、あとこの評価について少し申し上げますけれども、私がずっと県内回っています限り、二月、三月のときの心配は相当解消されております、お金の負担に関しては。それよりはもう少し、施設が今までと同じことをやっておったんでは金が入らないのでどうしたらいいかとか、もう少し細かなところにいろんな問題が出ております。私はそう思っておりますから、これはその辺を直していただくということ。また、我々もいろいろまた意見を言いながら検討していきたいと思っておりますけれども、年金については、これは大変な問題ですので、三年後ということで、それまでに是非私は検討すべきだということを申し上げまして、時間もありませんので、次の、最後の問題にじゃ掛かります。
 今度は介護保険の中のうちの細かな話でございますが、リハビリテーションのことでございます。それも訪問リハビリのことについて。
 実は四月、じゃない、三月ですかね、二月ですか、課長会議がありましたときに、リハビリ、突然示された資料で全国五千幾つあります訪問看護ステーションから行っているリハビリに関しては、これは本来業務とは言えないので、その利用はそのステーションで行うサービスの半額、半分以下にすべきであるということが突然書いてありました。
 それで、これは団体の方がびっくりされまして私のところに相談来られましたので、私も担当を呼んで、これはどういう考え方ですかと。そうしましたら、やはり今回ありますように、短期集中とか、より専門的なものに持っていきたいんだと。そこで、そうでないようなところに関してはなるべくそれを制限していくような形で逆に、例えば今も認められておりますのは、医療機関でありますとか老健施設からきちんとやるものを増やしていきたいんだと、こうおっしゃるんです。私は、その考え方は私、賛成ですけれども、だったら通知にちゃんと書くべきでしょうと。そういうことを書かずに、お金のことだけ削りますなんていう通知はちょっと失礼じゃないですかと申し上げましたら、担当者が即答でありまして、いやおっしゃるとおりということで、実は三月二十二日付けでその修正のものが出されたというふうに思っております。
 それを見ますと、結局、今申し上げたことが書いてありまして、丁寧に、本来、より専門的なところできちんとやるべきであると。であるが、実際にはそれができないような段階にある場合には、もちろんできるようにきちんと行政の方で応援すべきだけれども、実際に看護ステーションの方が数が多いんですからね。リハビリの事業者の方は千七百ぐらいですか、全然足りないし。もちろんリハビリというのは病院にしても老健にしても、これ県レベルでつくっているものですから、その地域地域のフリーアクセスで医療を受けている方が行く体制にないことは明らかなわけですよ。入院はしやすくても訪問や外来というのはできないのがいて当たり前なんで、だったら看護ステーションを使うのは当然になってくるということで申し上げたら、その看護ステーションを使ってもよろしいという通知が出たというふうに私は思っておるんですが。
 ただ、実は県内、またよその県などを見まして、いろんな資料を見せてもらいますと、市町村といいますか市によって対応がまちまちなんでございます。名前は申し上げませんけれども、最初に出ましたものに非常に準拠しまして、もうこれはある時期を切ってやめさせますと、下にしますということを前提として仕事をしますという通知を出しているところがあるかと思いますと、後に出た通知のように、現在のところこれは続けて今までどおり使っていいという通知が出ているところもあると。少し徹底をしていただきたいという話もありますし、私が今申し上げましたけれども、その理解自体が間違っているのかもしれません。是非、担当の方に委員会の場で御説明いただきたいと思いましてお願いいたしました。
#236
○政府参考人(阿曽沼慎司君) 基本的に委員の認識に間違いはないと思っておりますが、ちょっと御説明いたしますと、介護保険の在宅のリハビリテーションにつきましては、私どもの考え方は通所によるリハビリテーションを基本としたいというふうに考えておりますが、ただ通所が困難な利用者の方々に対しましては訪問によるリハビリテーションを提供するというスタンスで臨んでおります。
 訪問によるリハビリテーションでございますけれども、これにつきましても、訪問看護ステーションから行く場合と、いわゆる医療機関等からの訪問リハビリテーションと二つあるわけでございますけれども、訪問看護ステーションから理学療法士等が訪問する形態につきましては、訪問看護ステーションというのは一義的には看護師さんあるいは保健師さんが提供される看護がメーンでございますので、専門性の観点からすれば、訪問によるリハビリテーション、いわゆる医療機関とか老健施設等から行くリハビリテーションの方が望ましいんではないかというふうに私どもは考えています。
 そういう趣旨から、先ほど御指摘ございましたように、今年の四月からの制度改正で、訪問看護につきましては、理学療法士等の訪問が看護師等の訪問の数を上回る設定がされることは適当ではないという通知を出したわけでございますが、一方で、こうした取扱いにつきまして、先生御指摘のように、地域によっては対応が困難な場合があるということは当然でございますので、私どもといたしましても、利用者の方々の生活の支障に来すことがないように一定の例外的な措置を設けまして、例えば、サービス提供体制が見直されるまでの間の一定期間、例えば六か月程度でございますけれども、従前どおり報酬は算定できる、あるいはさらに、今御指摘いただいた件でございますけれども、地域の資源として訪問リハビリテーションを行うような資源がない場合、やむを得ない場合には、訪問看護の場合であっても、一定期間経過後であっても報酬を算定できるという趣旨の通知を出しております。
 したがいまして、今後ともリハビリテーションを必要とされる方々が適切なサービスを受けられるように、今回の制度改正の趣旨と、それからそういう例外的な措置の運用について自治体等を通じて十分周知徹底を図ってまいりたいというふうに思っております。
#237
○山本保君 あと一分だけですから。
 分かりました。是非、今のお考え方を私も団体の方にまた伝えたいと思います。
 もう一つだけ。
 そうなりますと、やはりより専門性が高いといいますか、本来あるべき事業所の、医療機関なり老健からのリハビリの事業所をもっとしっかりつくるような応援をしなくちゃいけないんじゃないかと思うんですよ。それをせずに、やっている方を削る方だけじゃこれはおかしいんじゃないかと思いますので、是非つくる側に対する、なぜ千七百しかないのかとか、もっとこの辺のところの検討をしていただいて、きちんとしたリハビリが受けられるようにしていただきたいと思いますが、もう時間が来ましたので、御返事はまた次の機会にしたいと思います。
 ありがとうございました。終わります。
#238
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 最初に、リハビリの算定日数の上限問題について大臣にお聞きをしたいと思います。
 今日、全国保険医団体連合会がリハビリ打切りの状況についての中間集計結果を発表しました。これによれば、脳血管リハTを行っている施設二百八十八か所からの回答で、六千八百七十三人の患者さんがリハビリを打ち切られたということであります。一施設当たり二十四人です。これは脳血管Uとか運動器リハも加えればもっと多くなるはずで、東京保険医協会の調査ではこれ全体を調べて東京だけで六千二百八十二名ですから、恐らく全国では非常に多くなるんだろうと思うんです。
 大臣も、除外規定などあって一刀両断にはしないんだと。しかし、現場の実態聞くと、やはり長期にわたって改善が期待されるというのはなかなか証明が難しいと、やっぱり泣く泣く打ち切らざるを得ないんだという声が多いんですね。
 高名な免疫学者である多田富雄さん始め多くの方が立ち上がって四十四万人の署名、これ厚生労働大臣あてに出されました。多田さんは、今の制度は障害者の尊厳を認めず死ねと言うようなもので、白紙撤回を決めるまで私は闘うとおっしゃっています。
 そもそも安倍政権というのは、再チャレンジ可能な社会をつくるということであります。正にリハビリテーションというのは、私は命と体の再チャレンジだと思うんです。こういうものを不可能にするやり方というのが許されるのだろうかと。
 大臣、四十四万人の署名の重みをどう受け止めておられるのか。やはり直ちにこれ撤回すべきじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
#239
○国務大臣(柳澤伯夫君) リハビリテーションにつきまして、このリハビリという言葉が意味するところの機能の回復ということがもう全く期待されないという方々にはまた別途の介護をしていただくということで、医療によるリハビリについてはこれを打ち切らせていただく、そしていろいろな、症状によってですけれども、一定の期限で打ち切らせていただくという制度を採用させていただくということになったわけですけれども、かねて申し上げておりますとおり、症状というのは恐らくいろいろの、何というか形がありまして、それについて前にも大変失礼な言い方をしたかもしれませんけれども、一律的にこれを打ち切るということではなくて、一つ一つのケースについてお医者さんの判断を求めて、なお改善をするというような方々については引き続きのリハビリを医療保険の下で行うと、こういうことでありまして、いろいろ御署名をいただいたり、あるいは高名な先生が御意見を表明されたりということについては、これはもう本当に重く受け止めますけれども、私たちのこのスキームについても御理解をいただきたいと、このように思っているということでございます。
#240
○小池晃君 介護で見るからというお話は出るんです。これはできないんだということを、これはちょっと次回またやりたいと思います。実態として非常に厳しいということ。
 それから、先ほど、前の委員の質問で実態調査をやっているんだっておっしゃいましたね。私、順番が逆だと思うんですよ。やっぱりしっかりどういう影響があるのか調査した上で大丈夫だというんだったらこういう改定すべきであって、やってから実態調査すると。その間にその病状が固定化してしまった人は一体どうなるのかということになると思うんです。
 私は、その点では大臣、やっぱり実態調査やるということは、問題があるからこそやるんだろうと思うんですね、問題が生じ得るだろうからこそ。だとすれば、緊急停止スイッチを押して、やっぱり今後どうするかどうかはともかく結論は後回しにして、とにかくいったん止めるということぐらいはできないんですか。どうですか。
#241
○国務大臣(柳澤伯夫君) 元々こういうスキームをつくるに当たっては、いろんな先生方の意見を聞いて結論を得ているわけでございます。
 この実態調査をするということは、別に何かやったことに自信がないから実態調査をするということではなくて、こういう改定をさせていただいたときには常に検証していくという、そういう基本に立ってのことだということで御理解を賜りたいと思います。
#242
○小池晃君 私は、こういう事態であれば、せめて結果が出るまで緊急に止めるべきだと。やはり順番が間違っているというふうに思います。保団連の調査結果、是非、厚労省としても検討していただきたいと思いますし、この問題、引き続き取り上げたいと思います。
 資料ちょっと配付をお願いします。
   〔資料配付〕
#243
○小池晃君 引き続いて、大きな社会問題になっている偽装請負のことをお聞きしたいんですが、青色発光ダイオードの開発で有名になった徳島県の日亜化学工業というところでは、五千人の労働者のうち千六百人が請負で働いています。この請負会社の一つがシーツービーテック、CTBという会社なんです。ここの労働者は、日亜化学の労働者と正に一体混然となって働いて、時給千百円余り、年収二百万円余りで、賃金は同世代の正社員の半分以下だと聞きます。組合を結成して派遣法違反だということで直接雇用を求めているんですが、今お配りした文書は徳島労働局に提出した証拠でありますが、これは昨年九月に労働局の臨検の際にCTBが、間違っても日亜、まあ要するにその派遣先というか、そこの工場の人から指示を受けている、一緒に作業をしていると言わないようにと、こういう文書を配っているんですよ。私、この対応の練習までやって偽証を徹底させていたというんですね。
 大臣、私は、こういう極めて悪質な偽装請負が広がっているという実態がある。予算委員会でもこの問題取り上げましたが、基本的な認識として偽装請負は法律違反であると、これは根絶すべきものだと思いますが、大臣はどのように立ち向かうおつもりなのか、お聞かせください。
#244
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私もその点については全く小池委員と同じです。
 こういう偽装請負というようなことはもう明らかなる法律違反ですから、これはもう根絶をしなければいけないと、こういう考え方でございます。したがいまして、これから個別の事業所に対する監督指導というものを強化していきまして、その事実を発見した場合には法律に基づいてしっかりした処分をしていきたいと、このように思っております。
#245
○小池晃君 その点で、日本経団連の御手洗会長が経済財政諮問会議で、請負法制に無理があり過ぎると、これを是非見直してほしいと述べたと言われています。自らの企業でもこの問題が出てきているときにその企業のトップが言うべきことかと。しかも、日本経団連の会長であります。
 経団連の企業行動憲章には企業の社会的責任を果たすことが重要だというふうにしておりまして、その責任を果たすに当たっては法令遵守が社会的責任の基本であることを再認識する必要があると明確に言っているわけですね。
 私、大臣は、やはり日本経団連に対して法律を守って偽装請負を根絶するということをやはり物申すべきではないかと思うんですが、いかがですか。
#246
○国務大臣(柳澤伯夫君) 御手洗経団連会長の、これは経済財政諮問会議における御発言について御指摘があったわけですけれども、我々が知るところでは、同じ発言の中で御手洗議員は、同時に、法律を遵守するのは当然ということを発言なさっておりまして、十分、人から言われるまでもなくその点は分かっている、理解をされているというふうに受け止めているわけです。
#247
○小池晃君 いや、分かってないから法律に無理があるんだなんていう発言が出てくるんじゃないですか、やっぱり。それは法制遵守するって当然ですよ。でも、こういう発言がやっぱり経団連トップから出てくるということに、私は、厚生労働省ですから、そういうことはいかぬと物申すというのは当然じゃないかと思いますが、いかがですか。
#248
○国務大臣(柳澤伯夫君) その指摘というのが、仕事を教えるということでそれに言及してなさったというふうに私ども理解をしておりますけれども、仕事を教えるというのは非常に意味内容は多様でありまして、私どもはいろんな態様があると思うんですけれども、そのすべてがこの法律に、労働者派遣法ですけれども、抵触するということには直ちにはならなくて、何というか、一つの理は、理屈があるというふうにも受け止められると。
 同時に、御手洗議員は、コンプライアンスのことについては重々承知をして、法律を遵守するのは当然ということを発言されているわけですから、我々はこの発言全体について理解ができないわけではない。むしろ、何というか、いろいろ検討する余地もあるだろうと、このように思っておりまして、それこそ、これをもう断固糾弾すべき発言だというふうには必ずしも思わないということであります。
#249
○小池晃君 法令遵守すると言いながら、自分たちのキヤノンで遵守していないわけですからね。腰引けていますよ、やっぱり。根絶するという先ほどの御発言と比べて私は非常に疑問だと。
 もう一つ、違法行為としてはサービス残業の問題があります。
 これは、労基署が昨年是正指導して解決した金額は二百三十三億円で過去最高なんです。これは労働者からの申告数も年々増加して、十年間で約二倍になっています。今年の友愛ゼンセンの調査では、正社員の五八%が月平均二十六時間、独身の女性パートの四割が月平均十時間のサービス残業をしているということであります。
 大臣に、この問題でも、これも法律違反。このサービス残業の実態をどう認識しておられるのか、これをなくすために一体何が必要だとお考えなのか、ちょっと最初にお聞きしたい。
#250
○国務大臣(柳澤伯夫君) これ本当に、今御指摘になられたとおり、現状は賃金不払残業というのが大変高水準で推移しております。
 これについては、こういうことが事実として把握できているのも、労働基準監督署が監督官を現地に派遣をして巡回をしているということの結果と申しますか、その結果、こういう数字も把握できている、あるいは是正の支払額、先ほど小池委員指摘されたように、二百三十三億円に上るわけですけれども、そういったようなことも行政として行い得ていると、こういうことでございます。
 したがいまして、私どもとしては、重点的な監督指導を実施することによってこうした違法な賃金不払残業が解消されるということに向けて積極的に取組を進めてまいりたいと、このように思っております。
#251
○小池晃君 巡回して減っているんだったらそういう御答弁でもいいかもしれませんが、増えているんですよね。それはなぜかというふうにお聞きしたんですが、お答えがない。
 我々には本当に告発が連日のように寄せられています。ちょっと紹介したいですが、ある一部上場の宅配便大手の運送会社です。本日の残業予定時間が来たから、仕事をするならタイムカードをいったん打ってください、退勤したことにしてから仕事してくださいと、こういう指令が上層部から出ている。朝三十分以上前に出勤しても、始業開始十五分前に構内放送掛かって、今からタイムカードを押してくださいと、こんなことをやられている。ここでは一日平均二時間以上ただ働き強いられていますが、臨検監督に入っても証拠がないようにということが徹底されている。これは、もう私どもから当該労基署には告発を既にしております。
 それからもう一つ、これは中央三井信託銀行の労働者からの手紙です。毎日遅くまで働いても時間外賃金は全くと言っていいほどいただけません、課長に意見すると、おまえたちは捨てごまだなどと取り合わず、パソコンの終了時間や時間外勤務管理費の退社時間の捏造まで、次長から事細かく指示されます、どこの支店も同じです、労基署に対しては改善指導してほしい、私は死にたくない、このままでは殺されると。これも私どもの方から東京労働局には伝えてございます。
 基準局長にお聞きしたいんですが、こうしたやり方が許されるのか。直ちに是正が求められると思いますが、いかがでしょう。
#252
○政府参考人(青木豊君) 個別の事案についてはなかなかつまびらかに申し上げにくいわけですが、一般的に申し上げますと、労働基準監督機関におきまして監督指導を実施し、そうした際には、お話にありましたようなタイムカードはもちろんでございますけれども、それだけではなくて、様々な客観的な資料を精査しまして、必要に応じ、あるいは関係者から聴取をするというような方法を取りまして、総合的に事実関係を確認するということをやっております。
 一般論で、今お話ありましたような、言わばそういった資料を偽装したり、あるいは隠したり、そういったことはあっちゃならぬというふうに思っております。
 私どもとしては、今申し上げましたような様々な手法、資料、そういったもので事実確認をきちんとして、そうして確認ができたものにつきましては、労働基準法上の問題があれば、それはもう必要な指導を行って是正をさせるということで臨んでいるところでございます。
#253
○小池晃君 そうはおっしゃるんですが、これは実はいずれも以前に労基署の指導監督が入っているところなんです。そのときにも一応監督指導をやって一部の労働者に支払ったり、一支店だけの是正なんかは行われているんですが、結局、監督後また元の状態に戻っているんですね。しかも、全国に支店を持つ大企業で、特定の事業場じゃなくて全国どこでも同じ状況だという報告、告発です。
 元々、先ほどからお話あるように、未払賃金というのは企業犯罪であるわけですが、現行の法制でいえば、刑事告発に至れば別ですがそれは非常に少なくて、基本的には故意に支払っていなくても未払分だけ払えばそれで済んじゃうと。これでなくなるんだろうかというふうに思うんですよ。
 大臣、私ども日本共産党は、これは使用者側に労働時間の管理台帳を義務付けるということと同時に、やっぱりもしサービス残業が発覚したらば倍返しにするとか、割増賃金をもちろん払わせなきゃいけませんが、それに課徴金を、制裁金を労働者に支払わなければいけない、こういうことをやっぱりしないとなくならないのではないかと。私どもこの間そういう内容でサービス残業根絶法案の提案をしてきておりますが、やはり大臣、これは企業犯罪なんですから、根絶するための実効ある措置が必要なんじゃないですか。
#254
○国務大臣(柳澤伯夫君) 実は私は、経済犯罪についてはむしろ課徴金の方がいいんじゃないかということをしばしば考え、また発言もしております。ただ、これなかなか日本の法制には刑罰法規の体系というのがありまして、課徴金で経済事犯というものを整序していくということが難しいという状況があるわけでございます。
 なかなか共産党の意見を自民党・政府が受け入れるというか、なかなかそういうわけにもいきませんけれども、正直言って、いや、根本の思想が違うという立場に立つからそういうことなんですが、私は、小池さんに言われるまでもなく、実は機動的に、また実際にもっと、何というんですか、経済的な違反事件には経済的なダメージでもって懲罰をしていくということの方がいいんではないかと、こういうようなことで考えているわけですが、今後とも、そうしたことについては自分たちの考え方の視野において、国法全体の体系の問題ですから、私がここで労基法違反だけを言うわけにもいきませんけれども、そういったことを考えていかなきゃならないとは思っているわけです。
#255
○小池晃君 是非やっぱり、そうやって考え方が違うじゃない、実態の問題なんですから、これイデオロギーの問題じゃないんで、前向きに検討していただきたい。
 それから、実態としてこんなことも起こっているんです。サービス残業の労働者の相談窓口である総合労働相談コーナー、これ今年の七月に愛知県の豊田労基署で労働相談員がその労働相談の内容を出身企業に漏えいしていたという事件が起こっています。
 結局、労働者がサービス残業の申告、告発したくても会社に筒抜けになるんだったら、とても相談できないという不安が広がっているわけですね。しかも、お聞きをすると、この相談員の三分の一というのは企業の労務担当者のOBがやっているという実態もあるというんですね。これでは情報提供者が不利益被るのではないかと心配するのも当然だと。
 担当の方にお聞きしたいんですが、この豊田の監督署の対応、これについて再発防止策、全国の監督署に対して、こういう事案に対してどういう対応をするように指示しているんですか。
#256
○政府参考人(宮島俊彦君) 御指摘の事件につきましては、事件報道を踏まえまして、先月、全国労働局企画室長会議におきまして総合労働相談員に対する指導の徹底を指示しました。
 具体的には、国家公務員であることを改めて自覚して国家公務員法上の義務を遵守すること、それから相談等の対応について守秘義務を堅持し、公平中立な立場で行うこと、そして三つ目でございますが、出身企業等に関する相談につきましては、相談者の誤解を招くことがないよう他の相談員等と交代することという三点でございます。
 今後とも、相談者が安心して相談できるような運営に努めてまいりたいと思います。
#257
○小池晃君 絶対にあってはいけないことだと私は思います。厳格な対応が必要だと思います。
 それからもう一つは、労働者が申告してもなかなかその対応が時間が掛かり過ぎるんだという話があります。日本航空、JALの客室乗務員がフライト前に打合せをやるそうなんですが、そのときにリーダー役の先任客室乗務員という方がこれ早出を行っていると。これ早出時間は平均三十八分だということなんですが、これは賃金未払になっております。年間にすると一億を超えるということで、組合が労基署に、監督署に申告をして、監督署の方も三年前に調査をして限りなく黒に近いというふうに労働組合側には回答しています。ところが、いまだに未解決のままなんですね。
 基準局長、何でこんなことが放置されているんでしょう。通告してあるよ。
#258
○政府参考人(青木豊君) また個別の事案についてのお答えは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、一般論として申し上げれば、申告事案につきましては、これはもちろん労働基準法に基づく労働者の権利として確保されているわけでありますし、そういう事案につきましては、きちんと監督指導を実施いたしまして事実関係の把握に努めまして、そういった事実を踏まえて適切な処理が行われているものというふうに考えております。
 そういうことで、労働者の権利に従って、きちんと事実を判断してやっているということでございます。
#259
○小池晃君 私、実態を見ると、こういうことがいろいろ出てくるんですよね。やっぱり、新しい法律じゃなくて今ある法律を守るだけでかなりのことができるはずなんですよ。それがしっかりやられれば、雇用だって生まれるはずなんですよ。不安定雇用の人を正規雇用にしたり、あるいは未払賃金を払うということで経済効果だって出てくるわけで、私は、職場から、日本の労働現場からサービス残業という、それから偽装請負という二つの違法行為を本当になくすんだと。これ本気になって厚生労働省は取り組むべきだというふうに思います。
 最後に一言、アスベストの問題についてちょっとお聞きをしたいんですが、この離職者に対する特別健診事業というのが始まると。これはいいことだと思うんです。しかし、これが十月の六日に発表されて、申請期間が十一月一日から十七日までだということで非常に短い。これまだまだ知られていません。しかも、離職者対象ですから、なかなか情報に触れる機会も少ないわけですね。私、せっかくこういうことをやるんであれば、もっときちっと周知期間取って、それで受付期間だって長くして、もっと多くの人がちゃんと無料の健診を受けられるようにすべきじゃないかと思うんですが、局長、いかがですか。
#260
○政府参考人(青木豊君) 今お話しになりましたアスベストについての健康診断でございますけれども、お話がありましたように十一月から健康診断事業を実施するということであります。これはもちろん周知大切でございますので、多くの対象者に受診して、実質的に受診していただくということができるように、今年の九月から都道府県、市町村広報紙への掲載だとか、あるいはポスター、リーフレットの配布、そういったものを通じて積極的に広報を行ってまいりました。また、十月を周知期間として、例えばホームページへの掲載なども行ったりして周知活動を行っております。
 お話がありました受付期間でございますが、これについては、健診機関、これ実際そういう制度を設けまして健診機関でやってもらうということになっておりますけれども、そういった健診機関の体制でありますとか、あるいはこれが単年度事業であるというようなことも勘案しましてこの受付期間というのを設定しているわけでありますけれども、まあ今年初めて取り組むということでありますし、受診者数の動向なども見極めながら、必要に応じて期間延長なども含めまして弾力的な運用に努めていきたいというふうに思っております。
#261
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 まず、森林産業における労働と雇用の確保についてお聞きをいたします。
 国土保全、災害防止、地球温暖化防止など重要な機能と価値を有する森林産業を民有林、国有林の区別なく一元的に管理運営する必要があります。百年単位の長期的な視野に立った政策が必要です。
 しかし、木材自給率は二〇%まで落ち込み、採算は悪化しつつあり、労働力も流出しています。森林産業の発展のためには、労働力の流入を図るためにどのような対策を実施しているのか、そして同時に、運営実態並びに実効性があるように指導しているのか、答えてください。
#262
○政府参考人(高橋満君) お答え申し上げます。
 森林の整備を図っていく上で、御指摘のとおり、それを担います林業労働力の確保、育成ということが大変重要な課題であるわけでございますが、現状、一方で現に働いておられる森林労働者は大変高齢化が進んでいるということで林業労働者の減少が続いておるわけでございますが、私ども、この林業に新たに就業したいと、こういう御希望を持っておられる方も大変多いわけでございます。ただ、林業労働、屋外労働であると、したがって、季節でありますとか天候に左右されやすい、非常に就業環境としては特殊な面を有しておるわけでございます。
 それに対して、そうした林業に就業を新たに希望する方々というのは、何分、イメージが先行いたしまして、林業労働に対する十分な知識、情報というものを持ち合わせておられない方も相当おられると、こういうことでございまして、私どもとしては、こうした実態を踏まえまして、昨年度から、新たに就業を希望される求職者に対しまして、基本的な知識を習得していただく、あるいは実際に施設を見学していただく、あるいは実地に体験していただくといったような講習を始めといたしまして、個別に相談、あるいは生活相談、職業相談を行います林業就業支援事業というものを開始し、実施をしてきておるところでございます。
 この事業自体の大きな目的は、林業就業に対する意識の明確化を図っていただく、そしてより積極的に林業への就業を選択して、ひいては定着をしていただこうということでございまして、あわせまして、林野庁の方で実施をいたしております緑の雇用担い手対策事業という本格的な就業者として育成すべき事業とも連携いたしまして、円滑な労働力の確保に努めてきておるところでございます。
 実績ということで若干御指摘ございましたが、平成十七年度におきましては、講習等を受講いたしました方が千八百三人、このうち実際に就職をされました方、林業に就職されました方が六三%ということでございますので、今後とも林野庁とも連携を図りながら積極的に労働力の確保に努めてまいりたいと考えております。
#263
○福島みずほ君 雇用の確保や就業の拡大について是非ともよろしくお願いします。
 森林産業の現場における労働災害は他の産業と比較しても突出をしています。安全面へのコストを削減するなど問題が生じていることも労働力の流出に拍車を掛けていると言われています。この労働安全の確保についてどのような対策を検討し、実効性を生み出すよう指導しているのでしょうか。
#264
○政府参考人(青木豊君) 林業に関する労働災害、今お触れになりましたように、大変災害発生数が高いということで、私どもとしても労働災害防止対策を講ずる重点業種、重要な業種だというふうにとらえております。特に、林業における死亡災害については、今年は昨年に比べて増加傾向にありまして、九月末までの段階で四十三人死亡されているということであります。
 これまで林業の事業者等に対しまして、都道府県労働局あるいは労働基準監督署を通じまして労働安全衛生法令の遵守など必要な監督指導を行っております。また、林業・木材製造業労働災害防止協会という事業主の災害防止に対する取組を共同してやろうという団体がございますが、そういった協会の行う現場パトロールなど、そういった自主的な労働災害防止活動について、私どもとしても監督署などを中心に指導、援助に努めてまいりました。
 これから冬季を控えまして災害が増加するということも危惧されますので、去る十月十七日に都道府県労働局に対しまして、まず第一に事業者等に対して労働安全衛生法令の遵守を徹底させると、それから今申し上げました林災防、それの各支部、あるいは林野行政機関等との連携を図る、それからとりわけ非常に危険な作業、林業のうちの危険な作業であります掛かり木の処理作業、そういった作業における安全を確保するため、このガイドラインを作っておりますので、そのガイドラインの周知徹底を図ることなど、そういったことによって労働災害、林業における労働災害防止対策の一層の徹底を図るよう指示したところでございます。
 今後とも、関係機関との連携を強化しつつ推進をしていきたいというふうに思っております。
#265
○福島みずほ君 林野庁とも共同しながら是非よろしくお願いします。
 次に、均等待遇を確保する法律の整備についてお聞きをいたします。
 先日、予算委員会で質問をしました。心強いことに、柳澤大臣が微力ですけれども全力を挙げてやらせていただきますと答弁をいただき、全力を挙げてということで、もう大変期待をしております。来年、真っ当な法案が出てくるかどうか、是非、中身についてどのような内容か、全力を尽くす回答をよろしくお願いします。
#266
○国務大臣(柳澤伯夫君) パートタイム労働法の改正につきましては、もう既に厚生労働省として検討を開始する体制を整えております。労働政策審議会雇用均等分科会で審議が始まりまして、十月十日に開催された分科会では論点整理が行われたということでございます。
 主な項目を申し上げますと、仕事と責任に応じて均等待遇の確保を図るということ、待遇の透明性、納得性の向上を図ること、正社員への転換の促進を図ること、それからまた苦情処理や紛争解決援助等、包括的な論点が提示されまして、議論が進められているところでございます。
 いずれにしましても、審議会の議論の結果を踏まえまして、次期通常国会へパートタイム労働法案、仮称ですけれども、こういう形で提出を検討していきたいと、このように考えております。
#267
○福島みずほ君 諸外国は、均等待遇の立法をヨーロッパなど作っております。丸子警報器事件、正社員とパートタイマーが同じ仕事をしている場合に、時間給に直して八割以下であれば公序良俗違反であると裁判所は判決を出していますし、高裁はもっと良い条件で和解が成立をしています。厚生労働省はずっと均衡処遇の推進と言ってきながら実は全然差が縮まらなかった。来年出てくる立法は均衡待遇の推進にかなり踏み込んでやっていただくということでよろしいですか。
 丸子警報器事件以上にいくようによろしくお願いします。まあ、できれば同一価値労働同一賃金に限りなく近づくようにと思いますが、いかがですか。中途半端なものを出されても困るので、全力で尽くすという大臣、お願いします。
#268
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私は元々、何というか、厳しいことをつい口にするような、そういう局面でもあるんですけれども、そういうことを言いがちな人間で、できるだけそういうことのないように気を付けながら、自戒しながら御答弁申し上げますが、要はこの均衡処遇というものをどういうふうに図っていくかですけれども、福島委員はつとに法哲学等に通暁されていらっしゃるわけですけれども、均衡というものが一番正義ではあるんですけれども、難しいと、具体的には難しいということだろうと私は思っております。
 そこで、しかしオール・オア・ナッシングというか、ここはもう均等待遇をする場面、これはもうそうではないというようなことではなくて、一種のグラデュエーションの中でできるだけ均等な仕事と責任に応じた処遇を図っていくというようなことを考えていきたいというふうに思っております。
#269
○福島みずほ君 今、パートタイム労働法がありますけれども、それで結局役に立たなかったわけですね、正直言って。全然格差は縮まらなかった。だからこそこういう質問をしているわけですし、柳澤さんが厚生労働大臣になられて、微力だが全力を尽くすとおっしゃったわけですから、来年出てくる法案が生っちょろいものではこれは駄目だというふうに思っています。ですから、これははっきり一歩踏み込んで、今までと違う法案作るんだと、均衡待遇の処遇で同一価値労働同一賃金に限りなく近づけると、そういう答弁お願いします。いかがですか。
#270
○国務大臣(柳澤伯夫君) まあ限りなく近づけるということになっちゃうと正社員になっちゃうということの方がむしろ選択されるべきだというようなことでもあろうと私はこれは論理的に思うわけです。ですから、ひとつ私が努力をさせていただきますので、是非またその結果については御理解をいただきたいと、このように思います。
#271
○福島みずほ君 いや、誤解されていますよ。正社員になればいいというのではなく、八時間働いてもらう賃金、七時間働いてもらう賃金、例えば女性や男性で、子育て中はちょっと七時間労働でやりたい、だから給料がその分安くなるのは構わないけれども、パートで働くけれども労働時間単位の給料が正社員と格差があるのはおかしい、これが均等待遇の考え方なんです。
 ですから、正社員になる道ももちろん確保される必要がある、しかし、パートだから安くて当たり前と、これを直すべきだと、これはいかがですか。
#272
○国務大臣(柳澤伯夫君) それが、仕事というのもいろんな多面的な面があるわけでございまして、何と申しますか、責任ということを一つ取ってみても、全体の目配りの中でやる人なのか、マニュアルどおり自分の流れてきた仕事だけを処理するところかというようなところでは、おのずといろいろなバラエティーがあるんだろうと思いますね。そういうものを反映するということは、私は賃金としてもやむを得ない面があると、そういうこと。同一労働同一賃金ということの同一労働というものの中身は何ぞやということが、これ、この問題の非常に微妙で難しいところだと私は思っているということです。
 これは前向きにしないということではないんですね。ただ、そういうところは留意して、是非結果についても御理解をいただきたいということをお願い申し上げている次第でございます。
#273
○福島みずほ君 今は、スーパーの店長さん、パート、パートだけれども店長と、もうこういうのをほとんど、もう本当に増えています。責任があるけれどもパートで労働条件が悪い。これを一体どうするのかということが今課題なわけですから、せっかく柳澤さんが厚生労働大臣になられ、全力を尽くすと予算委員会でおっしゃってくだすったわけですから、来年出てくるパートタイマーの法律は、やっぱり今までの生ぬるい厚生労働省から一歩踏み出して、きちっとした、このやっぱり問題に解決できる法案を準備していただきたいと強く思いますが、御決意をお願いいたします。
#274
○国務大臣(柳澤伯夫君) とにかく私としては、予算委員会でも申し上げましたように、大変微力な者でございますけれども、全力を挙げる決意でございます。
#275
○福島みずほ君 きちっとした法案、ヨーロッパやILOに出しても恥ずかしくない法案が出てくることを大いに期待し、私どもも提案をしていきたいと思っております。柳澤大臣、首を懸けて是非よろしくお願いいたします。
 では次に、出産の問題について質問いたします。
 今日も質問が相次ぎました、奈良県で起きた女性の死亡事件は本当に痛ましい。こういうことをなくすことこそこの厚生労働委員会の責任だというふうに思っております。
 なぜあの事故が起きたのか、どうすれば防げたか。いかがですか。
#276
○政府参考人(大谷泰夫君) 奈良県の大淀病院で起きました件でありますけれども、厚生労働省におきまして奈良県から事実関係について聞き取りを行ったところでありますが、一つは、大淀病院で行われた医療行為が不適切であったかどうか、これについては現時点で調査中で、まだ確定しておりません。もう一点、母体搬送が必要な患者が適切に救急搬送されなかったと、こういうことについては認めておられるということであります。
 厚生労働省といたしまして、一般の産科病院等とそれから高次、高いレベルの医療機関との連携体制を確保する周産期医療ネットワークというものの整備を進めているところでありますが、残念ながら、この事件の起きた奈良県を含めた未整備の八県、こういうものがございまして、現在、こういった県と連携を取りつつ、早急にそういった整備を進めていただくように支援していきたいと、こういうふうに考えております。
#277
○福島みずほ君 周産期医療の提供だけで完結するのではなく、これは脳外科がなければ対応できなかった事案ですから、ネットワーク総体の医療水準のレベルアップが不可欠だと考えますが、いかがですか。
#278
○政府参考人(松谷有希雄君) 今回の事案については、今のように、現時点ではまだその原因等については不明でございますけれども、今先生御指摘のとおり、総体としての、結果として脳出血だったということでございますので、救急医療体制全体について、母子の周産期の医療ネットワークとそれを支える全体の地域の救急の体制と両面から対応していく必要があるという認識でおります。
#279
○福島みずほ君 厚生省が八月三十一日に出した新医師確保総合対策において、小児科、産科を始めとした急性期の医療をチームで担う拠点病院づくりを掲げています。
 今回の奈良の事件のような痛ましいケースに関してどのような効果があるのでしょうか。
#280
○政府参考人(松谷有希雄君) 新医師確保総合対策におきましてチームで行う拠点病院づくりということを掲げているわけでございますが、これによりまして、医師単独で判断をしたりということではなくて、チームとして適切な医療がより適切な医療が対応できるということで、単独医療からチーム医療という点でより安全性が高まるものというふうに考えております。
#281
○福島みずほ君 医療救急体制の補助金に関して平成十八年度予算案では八十四億円が計上されています。どうしてこう予算は付けられているのにうまく機能してないんでしょうか。
#282
○政府参考人(松谷有希雄君) 救急の予算につきましてはその確保に努めておるところでございます。実は、十八年度には三位一体改革に伴う国庫補助負担金の改革といたしまして、これまで国がそれぞれ個々に箇所付けしていたものを改めまして、各都道府県が地域の実情を踏まえながら主体的に医療提供体制を整備できる仕組みに改めたところでございます。
 国としては、しかしながら、救急医療体制の整備ということは重要だということから、先般の医療法改正におきまして都道府県が策定する医療計画に救急医療を重点的に位置付けることとしたほか、今申し上げました医療提供体制施設整備交付金の交付に当たりましても、医師数が全国平均を下回る都道府県が計画する救急医療体制等の整備などにつきましては、その整備が促進されるよう重点的な配分を行う仕組みといたしております。
 救急医療体制の取組につきましては、補助金の面も含めまして更に進めていきたいと思っております。
#283
○福島みずほ君 厚生労働省は出産場所の集約化を推し進めようとしています。これを推し進める科学的根拠は何でしょうか。
 実際、各地から、四時間掛かって病院に行かなくちゃいけない、あるいは本当に車の中で子供を産んでしまったとか、たくさんそういう声を聞きます。むしろ近くでというか、例えばいわゆる産気付いたら近くの病院に行けて安心してという方が絶対にこれは安心なはずだと思い、この集約化は大変疑問だと思いますが、いかがですか。
#284
○政府参考人(松谷有希雄君) ここは両面あろうかと思います。確かに、戦後すぐのころは自宅で出産、あるいはその後の、施設分娩の中でも助産所での出産等もあったわけでございますが、現在は多くの方が病院での出産を、病院あるいは診療所での出産を望まれるという状況にございます。
 病院、診療所での出産ということになりますと、それなりの水準ということを維持する。今、出産数そのものが減ってきているというような状況を踏まえる、それから医療の安全が極めて厳しく問われているというようなことを踏まえますと、利便性については若干減少するわけでございますけれども、安全性確保の観点から集約化ということは避けられないのではないかと考えております。
#285
○福島みずほ君 今二つおっしゃいました。安全面と、それから出産が減っているから集約化とおっしゃいました。でも、逆でしょう。
 一つは、お産が、出産が減っているから集約化になったら、近くにお産する場所がないと。各地で聞くのは、病院に行くのに物すごく時間が掛かって、本当にその間に生まれてしまうとか悲惨な例ばっかりですよ。これ少子化っていいながら、自分の近くにそういう病院がないということだったら、これはうまくいかない。しかも、いわゆる産気付かないと入院させてくれませんから、病院の近くのホテルに泊まっているなんということもできないわけですから、むしろお産が減っているから集約化とか、この論理は全く間違っているというふうに思っています。
 実際、集約化を進める際に住民に何の説明もなくて、一方的に分娩取扱いを中止する病院が相次いでおいて、地方においては妊産婦が出産場所を生活圏の中で見付けられないお産難民ということになって、地域の子育て力が非常に低下をしていると。きめ細かな地域における育児サポートということと正に逆行しているわけです。
 この集約化については根拠がない。外国の例からも、むしろ集約化には否定的な意見が出ておりますが、いかがですか。
#286
○政府参考人(松谷有希雄君) ここは、地域の例えば助産所で産みたいという方ももちろんいらっしゃいますけれども、より安全なお産という観点から、総体、マクロで見ますと、先ほど申し上げたようなことになるのではないかと思っております。外国の状況をつぶさに調査したわけではございませんけれども、大変面積の大きい例えば米国、オーストラリア等では相当の距離を移動してお産をするというような場合もあるというふうには伺っております。
 それが別にいい例というふうには私は思いませんけれども、しかしながら、今申し上げましたように、集約することによる安全度が高まるというような面もございますけれども、一方で利便性はおっしゃるとおりに非常に低下をすることがございますので、これに対する対応、搬送の体制、あるいはその場に、産み月になるまでの健診については近くでできるようにする体制、あるいはそれを助産師さんなり応援の体制でできるような体制をつくるということ、それから実際に生まれる前に必要に応じて行かなければならないそのときの生活の拠点等をどうするかというようなこと、そういうことをきめ細かく対応しながら、しかしながら大きな方向としてはある程度の集約化は避けられない、こういう認識でおります。
#287
○福島みずほ君 集約化の方向を見直してほしいというのが質問の中身です。
 普通、健診やっていて、だけど健診やっている病院で出産をできない。アメリカの例でそんな移動するという、距離がありましたが、今から生まれるというときに車で移動するのはすごく不安だし危険だし、車の中で産んじゃうような極端な場合もあるわけですし、自分の生活圏内で出産できる場所がないなんていうのは本当に女性は不安ですよ。それを今厚生労働省が推し進めてあちこち行かなくちゃいけないという、これは間違っていると、明確に。外国では集約化は安全の保障とならないという結果が出ています。
 ですから、選べればいいと思うんですね。例えば、大病院で産みたい人は産めばいいけれども、あるいは普通の正常分娩だったら近くで助産所やいろんなところで産むと、近くの病院で産むと。もしハイリスクだと思えばそういう病院を選択すればいいわけですが、今起きている問題はその選択の余地もなくなる集約化を厚生労働省が進める。だから、健診に行っている病院、あるいは不妊治療でどの病院も例えば満員だったり、お産が、具体的に分娩ができない。だから大きいところに行かなくちゃいけない。でも、実家に帰るなり地方都市で、今からもうお産が始まるというときに、じゃどうするのかということが非常にあります。
 この点については、また今後この集約化という厚生労働省の方向は、生活圏内で出産場所を見付けることができなくなる事態を防ぎ、遠因では例えば奈良のようなケース。本当は、だから長時間車に乗って揺られて搬送されて子供を産みに行かなくちゃいけないことそのものも大変問題があるというふうに思います。
 ですから、今日の私の質問は、この集約化は……
#288
○委員長(鶴保庸介君) 時間ですので、質疑をおまとめください。
#289
○福島みずほ君 分かりました。
 集約化は逆行しており、見直してほしいということを強く申し上げ、私の質問を終わります。
#290
○委員長(鶴保庸介君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#291
○委員長(鶴保庸介君) この際、臓器移植に関する件につきまして、柳澤厚生労働大臣から報告を聴取いたします。柳澤厚生労働大臣。
#292
○国務大臣(柳澤伯夫君) 臓器の移植に関する法律に係る附帯決議に基づき、臓器移植の実施状況等について御報告いたします。
 まず、移植希望登録者数は、本年九月末現在、心臓は八十六名、肺は百二十一名、心肺同時は四名、肝臓は百二十三名、腎臓は一万千五百二十七名、膵臓は二十五名、膵腎同時は百二十二名、小腸は二名となっており、角膜は、本年八月末現在、三千六百四十九名となっております。
 また、平成十七年度の移植実施数は、脳死下及び心臓停止下における提供を合わせて、心臓は六名の提供者から六件の移植が、肺は五名の提供者から五件の移植が、肝臓は三名の提供者から三件の移植が、腎臓は九十九名の提供者から百七十五件の移植が、膵臓は六名の提供者から六件の移植が、角膜は九百十七名の提供者から千四百四件の移植が行われております。
 なお、法施行から本年九月末までの間に、法に基づき四十八名の方が脳死と判定されております。
 次に、臓器移植の推進は重要な課題であることから、厚生労働省では、社団法人日本臓器移植ネットワークとともに臓器提供意思表示カード等の普及を図っており、本年九月末までに、臓器提供意思表示カードは約一億七百八十三万枚、臓器提供意思表示シールは約二千八百二十九万枚を配布しております。さらに、教育用普及啓発パンフレットを作成し、全国の中学校等に送付するなど、臓器移植の普及啓発に努めております。
 そして、脳死下での臓器提供事例に係る検証会議におきまして、本年九月末までに、五例目から三十七例目までの事例及び平成十一年九月の脳死判定中止事例の検証が行われております。
 なお、今月、臓器売買等の禁止を規定する臓器移植法第十一条違反により、被疑者が逮捕・起訴されるという事件が発生いたしました。これを受け、都道府県及び関係医療機関に対し、臓器売買の防止に向けた取組を求める通知を発出いたしました。今後、再発防止に向け、臓器移植法の運用に関する指針の改正などに取り組んでまいります。
 また、今月十三日には、移植のために腎臓を摘出した病院において、これを誤って汚染させ、移植に使用できなくなるという事故が発生いたしました。これについては、再発防止のための点検を求める通知を発出しており、今後、原因の究明、再発防止対策の徹底を図るなど、必要な対策を講じてまいります。
 以上、御報告申し上げますとともに、厚生労働省としては今後とも移植医療の推進に努めてまいる所存でありますので、委員の皆様におかれましては御理解を賜りますようお願い申し上げます。
#293
○委員長(鶴保庸介君) 以上で報告の聴取は終わりました。
 なお、本日、厚生労働省から提出されております報告書につきましては、これを会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#294
○委員長(鶴保庸介君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後六時二分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト