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2006/11/02 第165回国会 参議院 参議院会議録情報 第165回国会 厚生労働委員会 第3号
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2006/11/02 第165回国会 参議院

参議院会議録情報 第165回国会 厚生労働委員会 第3号

#1
第165回国会 厚生労働委員会 第3号
平成十八年十一月二日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十月三十日
    辞任         補欠選任
     足立 信也君     松井 孝治君
 十月三十一日
    辞任         補欠選任
     松井 孝治君     足立 信也君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         鶴保 庸介君
    理 事
                阿部 正俊君
                中村 博彦君
                櫻井  充君
                津田弥太郎君
                浮島とも子君
    委 員
                岸  宏一君
                坂本由紀子君
                清水嘉与子君
                中原  爽君
                西島 英利君
                南野知惠子君
                藤井 基之君
                足立 信也君
                島田智哉子君
                下田 敦子君
                辻  泰弘君
                森 ゆうこ君
                柳澤 光美君
                山本 孝史君
                山本  保君
                小池  晃君
                福島みずほ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   柳澤 伯夫君
   副大臣
       厚生労働副大臣  石田 祝稔君
   大臣政務官
       環境大臣政務官  北川 知克君
   政府参考人
       内閣府政策統括
       官        柴田 雅人君
       財務省主計局次
       長        真砂  靖君
       文部科学大臣官
       房審議官     布村 幸彦君
       厚生労働省医政
       局長       松谷有希雄君
       厚生労働省健康
       局長       外口  崇君
       厚生労働省医薬
       食品局長     高橋 直人君
       厚生労働省労働
       基準局長     青木  豊君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       大谷 泰夫君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    中村 秀一君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    中谷比呂樹君
       厚生労働省老健
       局長       阿曽沼慎司君
       厚生労働省保険
       局長       水田 邦雄君
       厚生労働省年金
       局長       渡邉 芳樹君
       社会保険庁総務
       部長       清水美智夫君
       社会保険庁運営
       部長       青柳 親房君
       環境省総合環境
       政策局環境保健
       部長       上田 博三君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○社会保障及び労働問題等に関する調査
 (移植、医療等に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(鶴保庸介君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省医政局長松谷有希雄君外十五名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(鶴保庸介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(鶴保庸介君) 社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、移植、医療等に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○西島英利君 自由民主党の西島でございます。
 ちょっと細かいことになるかもしれませんが、幾つか御質問をさしていただきたいと思います。
 まず、最近、中学校、高校で自殺がよく報道をされております。いじめによる自殺ということで報道はされているわけでございますが、そこの校長先生によると、いじめはあったのかなかったのかとよく分からないようなよくコメントをされているわけでございます。
 私は、精神科医でございますから、精神科医の立場でちょっとこの件について意見を述べさせていただきますと、人間だれしも集団欲という欲がございます。これはどういうことかといいますと、集団の中で尊敬され認められたいと、こういう欲があるわけでございまして、この欲は、もう小さい子供であろうと大人であろうとこれは一緒でございます。そして、これが認められなかったりまた傷付けられたりすることが実は最悪のストレスなわけでございます。よく村八分とかそれから窓際とか、こういう言葉が使われますが、まさしくこれはこの集団欲を傷付けることによって要するに追い出しに掛かるということでございまして、今回の一連の事故、事件を見てみますと、この辺りに問題があったのではないかというふうに思っております。
 そして、これはもう最悪のストレスでございますし、子供たちのそのふだんをどうだったのかというふうに調べてみますと、非常にまじめで、そして優しい子供であったという評価がされております。こういう場合に幾ら悩んでも、その悩みを人に話すということは余りないわけでございまして、サインがあったのかなかったのかという話がよくございますが、こういう子供たちはサインを示さないわけでございます。ですから、これも、そのサインを見付けなければということも余り大きな問題ではない。
 つまり、こういうふうな集団欲があって、これを傷付けられることがいかに子供にとって大きな悩みなのかという問題をやっぱり教師が認識することが大事だろうというふうに思います。そして、こういう最悪のストレスの結果どうなるかといいますと、うつ状態、うつ病になりまして、そして自殺に追い込まれるという結果でございまして、精神科医的に見ますとこういうようなことが言えるわけでございます。
 そこで、文部科学省はいじめの定義として幾つか出されております。自分より弱い者に対して一方的にとか、身体的、心理的な攻撃を加えとか、相手が深刻な苦痛を感じているもの等々がいじめということで一つの定義をされているわけでございますが、一番大事なことは、この集団欲というものをしっかりと教師が理解して対応しているかどうかという部分だろうというふうに思いますし、また、その学校の中で同じ同級生たちから無視されるということが一番のいじめなんだということだけは是非御理解をしていただきたいと思います。
 ところが、なかなかこの対応策を聞いてみますと、こういう見方は全くなされていないんですね、学校の側で。ところが、スクールカウンセラーの問題とか、そういうことは盛んに文部科学省で以前から言われているわけでございますが、そういうような視点からの検討というのがなされているのかどうか。また、学校保健の中で学校医というものがあるわけでございますけれども、この学校医も、内科、小児科、耳鼻科、眼科というふうに限られておりまして、いつも問題になります心の問題、つまり精神科というのがこれにかかわっていない、まあ必ずしも精神科医じゃなくてもいいんでしょうけれども、そういうような視点での見方が必要ではないかなというふうに思うんでございますが、文科省、いかがでございますでしょうか。
#6
○政府参考人(布村幸彦君) お答えいたします。
 今先生からいじめの対応につきまして集団欲という貴重な御提言をいただきまして、本当にありがとうございます。
 いじめの定義も先ほど御紹介いただきましたけれども、いじめているか否かの判断は、いじめられている子供の認識というのが一番大きな課題と受け止めております。そして、この定義につきましても平成六年に見直しをしたところでございまして、これまでは、学校においてその事実を確認しているものということを定義の中に加えておりましたけれども、それを外しまして、いじめの判断に当たりましては、子供の認識というものを一番大事にしようというふうに見直しを図り、そういう観点からできるだけ早くいじめの兆候を把握し、問題を隠すことなく迅速に対応するという方向で努力を重ねているところでございます。その際、先生御指摘のように、専門家の方々の助言、指導を仰ぐということも貴重な課題でございます。
 現在、中学校の段階ではほぼすべての学校でスクールカウンセラーの相談を受けられるという体制を組んでいるところでございますが、それに加えまして、精神科医の方あるいは産婦人科医の方、整形外科医の方など、地域の、いらっしゃる専門医の方々との連携が重要という観点から、学校・地域保健連携推進事業という取組を始めているところでございます。このような精神科医を始めとした地域の専門の方々に学校に来ていただきまして、児童生徒に対する個別の健康相談でございますとか、児童生徒に対するストレスの対処等の観点からの講演という活動をお願いしているところでございまして、十七年度の実績におきましては、すべての都道府県で実施をいただき、一つの県当たりで派遣学校数はおおよそ五十件という実態でございます。
 そのうち、四十四都道府県におきまして精神科医の方々が携わっていただいているという実績でございますが、これらの充実に向けまして、厚生労働省の方々ともより連携を深めて対応してまいりたいと考えております。
#7
○西島英利君 様々言われているいじめというのは、これはなくなるはずがないんですよ。これははっきり言って、そのいじめることによって要するにストレス解消している部分があるわけでございますから、これはなくならないんですね。ですから、そういう視点でやっぱり教師が子供たちを見ていくということが私は重要であろうというふうに思います。
 それで、文部科学省が作られましたチェックポイントを見ますと、教育指導のところで、お互いを思いやり、尊重し、生命や人権を大切にする指導等の充実に努めているかどうかと書いてあるんです。実はこれが、先ほど言いました集団欲というものをどう認めてあげるのかというところだろうというふうに思うんですが、要するに、学校の先生方にこの認識が全くないんだろうというふうに思います。
 で、やはり病気という視点も大事だろうというふうに思いまして、今回、前通常国会で自殺対策基本法というのが議員立法で成立をいたしました。その議論の中で、やはり一番重要なのはうつ病対策だと、これをやらなければ自殺防止にならないというような結論、これは、厚労省がやりました自殺防止有識者懇談会というところでもこのような実は報告がなされているわけでございます。
 そういう観点からいきますと、文部科学省と厚生労働省との密な連携、これをやらないことには、学校の問題としてだけでは解決しないことであろうというふうに思うんでございますけれども、まず文科省の御意見をお伺いしたいと思います。
#8
○政府参考人(布村幸彦君) 今先生御指摘いただきましたとおり、まず第一線で子供たちの相談に当たります教員のカウンセリングマインドというものをより高めていくためにも、専門家の方々の御指導をいただいたり講演をいただいて、そういった観点の資質を高めるということが重要なものと思っておりますし、また、万が一大きな事故、事件が起きた際にも、速やかに、かつ迅速に対応するためにも、専門家の方々と連携よく進めていくことが重要な課題と思っております。
 そういった観点から、厚生労働省を始めとした関係の省庁、また関係の機関の方々との連携が学校においてよりスムーズに進むように取り組んでまいりたいと考えております。
#9
○西島英利君 実は、私も学校に派遣されていたことがあるんですよ。ところが、ほとんど相談ないんですね。どうして相談ないのかと。実は、もう一杯あるんですけれども、学校の先生が相談によこさない。そして、相談があるときは、実は学校の先生の家庭の問題での相談をたくさん受けました。やっぱりここに問題があるんだろうと、そういう認識で子供たちを見ていないというところに私は問題があるんだろうというふうに思います。
 是非、厚生労働省との密な連携をやっていただきたいと思うんですが、大臣、この件について何かコメントございましたらいかがでございますでしょうか。
#10
○国務大臣(柳澤伯夫君) 専門の西島先生から大変専門的な見地からの見方、考え方について御披露をいただきまして、私どもも大変参考になるというふうに受け止めさせていただきます。
 私は、今のお話聞きながら、昔、大平元総理が青年たちとテレビで対談をしたときの光景を思い出したのです。それは、総理、生きがいは何ですかと、こういうふうに聞かれたときに、大平総理は、やっぱり周囲から問題にされることだよと、つまり、周囲から自分自身の存在が常に価値のあるものとして、いろいろ相談相手になったりするということが自分の生きがいなんだということをお答えになりまして、さすがに人生なぞについて非常に透徹した深い考え方を持つ総理の言だなと思って、感動を持って聞いた覚えがあります。
 周囲から問題にされると人間は非常な生きがいを感じる、その対極的なところで、そのことを傷付けられたときに人間は生きていかれないというようなそういう気持ちになって、うつになり、それがひいては自殺にまでつながるというのが今先生のおっしゃられたことで、私は、そのところは、今までそういう観点からのお話は聞いたことがなくて、今回が初めてでございまして、つながっているという感じがいたしたのでございます。
 特に思春期の気持ちが動揺している、あるいは自分の人生はこれからどうなるんだろうかというようなことについて思いをはせているこの若い子供たち、そういう子供たちにはその辺りのセンシティビティーというか敏感さというのは並々ならぬものがあるんだろうと、このように思います。
 今先生のおっしゃられたことをしっかり踏まえて、これから、布村審議官も非常に学校の取組方も厚労省と連携の下にということで言っておりますので、今、西島先生が指摘されたような形式的なことで終わらないで、しっかりした取組を今後していかなきゃならない、こういうことを痛感した次第でございます。
#11
○西島英利君 どうもありがとうございました。よろしくお願いいたします。
 じゃ、文科省結構でございますので、どうもありがとうございました。
 次に、余り今回は触れたくなかったんですが、保険免責制の導入についてでございます。
 十月の三十一日に財務省の財政制度等審議会が行われまして、また今回も保険の免責制が実は提案をされているということでございます。これは骨太の方針二〇〇五、それから骨太の方針二〇〇六でもこれは大きな議論になりまして、この厚生労働委員会でも議論をいたしました。そして、前川崎大臣、元尾辻大臣からも、これは問題であるという否定的な実は答弁だったというふうに思っております。
 しかし、また今回これを出す、これは私ははっきり申し上げると国会軽視じゃないかと言ってもいいのかなというふうに思うんでございますが、どうしてしつこくこんなふうに出されるのか、御見解をお伺いしたいと思います。
#12
○政府参考人(真砂靖君) 保険免責制の御質問でございます。
 保険免責制につきましては、財政制度審議会でこれまでもいろいろ議論をしてまいりました。直近では今年の六月に建議が出まして、その中でどういうくだりがあるかと申し上げますと、中期的に見れば、やはり医療に係る国民負担が上昇していくということがこれは見込まれることから、持続可能なものにしていくためには不断の改革努力が求められると。当審議会、つまり財審の場ではこれまでいろんな指摘を行ってきているので、これらを念頭にその改革努力を継続していくことが重要であるというのが今年の六月の建議でございます。ここであるこれまでの指摘という中に、いろいろな指摘がございますが、高齢者の患者負担の見直しなどのほかに、この今先生御指摘の保険免責制の導入が指摘されているところでございます。
 一昨日の財政制度審議会におきましても、この六月の建議を踏まえまして、保険免責制の導入を始めとするこれまで財政制度審議会で指摘された具体的な方策について、医療制度の現状、課題についての議論を行ったところでございます。
#13
○西島英利君 前年度、それから今年の初めにも出されたときの考え方が、軽度・低額医療費についてはということだったんですね。ところが、低額医療費であるから軽度だということでは実はないわけでありまして、風邪を引いたと思って病院に来ると実は肺がんだったとか劇症肝炎だったとか、そういうことはもう日常茶飯事なんですよ、医療の世界では。ですから、安いからということでないわけでありまして、まさしくそういうふうな状態を導入されるということは、じゃ町の薬局に行ってじゃ薬飲んでおこうかということになりますと、これはもう手後れになったり重症化した後で病院に来るということになりかねないわけなんですね。こういう議論をしてきたわけです。そして、少なくとも骨太の方針二〇〇五、二〇〇六ではこれは取り上げないということになった経緯があるわけでございます。
 もうこれ以上質問はいたしません。大臣、これについて何かコメントございましたら一言お願いできますでしょうか。
#14
○国務大臣(柳澤伯夫君) せんだって、私、多分この委員会で同じような御質問をいただいたわけでございますけれども、その際、質疑者の方から、尾辻大臣、特に川崎大臣の発言の御披露があって、新任の私がどう考えるかと、同じように考えるかというようなことの御質疑をいただいたわけでございます。私は全くそのときの気持ちを申し上げまして、川崎大臣の発言には大変共感をしますということで、まだ就任間際云々のこともつい正直過ぎちゃって本当のことを言ったわけでございますが、私は、実際そういったことが議論の俎上に上ってくるときにはそういう考え方で対処したいということを申し上げた。ちょっと表現は違うかもしれませんけれども、基本的には川崎大臣のおっしゃっていることと同じような話じゃないかと、このように思っておりまして、そういうことで今後俎上に上がってきたときには対応していきたいと、このように考えております。
#15
○西島英利君 どうぞよろしくお願いいたします。内閣は一体でございますから、財務省も是非そういう観点からの御認識をお願い申し上げたいと思います。では、財務省、結構でございますので、どうもありがとうございました。
 次に、これも簡単に大臣に御質問させていただきたいんですが、今まさしく問題になっています産婦人科医が逮捕されたとか、奈良県の問題等々もございましたけれども、医師法二十一条の話でございます。
 異状死体を診た場合は二十四時間以内に警察へ届け出ることということが言われているわけでございますが、厚生労働省の解釈としては、その趣旨は、これは殺人若しくは虐待によって死亡したというふうな状況を医師が考えたときには警察へ届け出ることという協力法として位置付けられているというふうに私どもは理解をしてきたわけでございますけれども、これがいつからか医療事故もこの中に含まれるという拡大解釈的なやり方で警察への、逮捕が行われるということがあったわけでございまして、今、全国の特に産婦人科医から、こういう状況であればもう産婦人科医としての仕事はできないという大きな悲鳴が我々のところに寄せてこられているわけでございます。
 本来、この医師法二十一条というのは医療事故を想定したものではないわけでございまして、この医療事故につきましてはまた別の考え方でやはりきちんとした対応をしていかなきゃいけないんだろうというふうに思いますが、今、自民党の中でももちろんこれについての検討を行っておりますし、学会、病院諸団体もそういうような要望がたくさん来ているわけでございます。
 まず、これ厚生労働省としては、少なくとも医事課としてはこの解釈は私変えていないというふうに思うんですが、このことだけちょっと確認させていただきたいと思います。
#16
○政府参考人(松谷有希雄君) 医師法二十一条の解釈でございますけれども、今先生御指摘のとおり、「医師は、死体又は妊娠四月以上の死産児を検案して異状があると認めたときは、二十四時間以内に所轄警察署に届け出なければならない。」とされているわけでございまして、ここで言う異状とは法医学的な異状とされておるところでございまして、この解釈については変えてございません。
#17
○西島英利君 そこで、今こういう混乱が起きているわけでございますから、大臣、是非このことについて何らかのメッセージをやはり全国の医師たちにお出しいただけないかなというふうに思うんですね。このままでは、本当に混乱が起きてしまって、萎縮診療にもつながりますし、また、もう産婦人科医はやらないというような、こういう状況にもなっていくのではないかというふうに思いますので、私は、悪いことをしたことはそれはきちんと征伐しなきゃいけないと、それはもう当然でございますけれども、そういう視点での何かメッセージがいただければと思いますが。
#18
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今局長の方からもお話をしたかと思うんですけれども、この医師法二十一条の規定の異状とは何かということにつきましては、これは病理学的の異状ではなくて法医学的なそれを意味するものという解釈が当時の厚生省の書物の中でも、これはまあどれだけ権威があるかはいろいろ議論があるところかと思うんですが、常識的に言ってもそういうものとしてこの規定が置かれていると、こういうことだろうと思います。しかし、なかなかこの異状というものについてポジティブな基準を示すと、あるいは解釈の基準を示すということも困難であるということのままで、ある意味でお医者様の個別の判断にゆだねられていると。
 そういうことで、事実問題としてはそういう両者が、つまり法医学的であるか病理学的であるかということが言わばお医者さんの現場の判断としてはやや混乱、混同したままで、とにかく警察に届け出ようという行動に結び付いていて、ややそういうものに依存した運用になっているのではないか、こういうことであろうと思うんです。
 これはやっぱり、そういうあいまいさで、お医者さんの現場の処理にゆだねてそれをよしとするということをいつまでも継続するわけには私はいかないだろうと、このように考えるわけでありまして、とにかく議論はしなければならない、こういうことだろうと思うんです。
 ただ、もう一つこちらサイドで考えておりますことは、今度、医療事故に係る死因究明の在り方というものについて検討を進めまして、そして日程的にいえば本年度内を目途に厚生労働省から試案を出して、来年度に有識者による検討会を開催する、で、そういうものを踏まえて必要な措置を講じるということになっておりますので、この中でいずれこの二十一条の問題も議論をされる、検討されるということになるだろうと、このように考えておりまして、我々としても是非そういうふうに期待をしたいと、こういうふうに考えているというところでございます。
#19
○西島英利君 この問題は、前回私がこの委員会で刑事局長に来ていただきまして御質問したときに、厚労省の考え方に従うという、要するに警察庁として独自の判断をしているわけではないということでございました。ですから、そういう意味で厚労省がしっかりとした考え方をお示しいただかないと、この混乱はいつまでも続くと、そして医師がその不安を持ち続けるということになりますので、早急な御対応をお願い申し上げたいというふうに思います。
 それからもう一つだけ、ちょっと細かい御質問をさせていただきますが、代理出産のことでございます。
 先日、お母さんがその娘さんの卵子、要するに受精卵といった方がいいんでしょうか、それで出産をされたということで大きく報道をされました。しかし、これは、代理懐胎という言葉で使われているわけでございますけれども、これに関しましては、厚生科学審議会生殖医療部会、これ二〇〇三年の四月でございますが、ここでは、代理懐胎は禁止しとはっきりと報告書としてうたっているわけでございます。また、産婦人科の学会でもやはり同様のような考え方を示しております。ただ、一部この学会の中では、将来的なことと、一定の条件下でということが付けられているんですが、今の段階ではやはりこれは禁止であるということを言っているわけですね。それにもかかわらず、先日のあの産科の先生はこういうことをやって堂々と発表されていると。法律違反ではないだろうけれども、倫理上、やはり私は大きな問題があるのではないかと。
 ですから、そういう意味で、厚生労働省として明快にやはり禁止ということを今の段階で打ち出していただいて、そしてしっかりとした法整備を含めた御検討をしていかれないと、まさしくこれ、やり得ではないかというふうに私は思うんですね。やっぱり、医師の立場としてはこういうことは許されるべきものではないというふうに思いますけれども、お考えはいかがでございますでしょうか。もしよろしければ、大臣。
#20
○国務大臣(柳澤伯夫君) 代理懐胎につきましてのこの考え方というのは、今先生御指摘の平成十五年の厚生労働省の審議会の報告、さらにはそれと関連するところの日本産科婦人科学会の会告によって、これはもう実施すべきでないということにされているところでございます。そういうことなんでございますけれども、同時に、最近における医療技術の進歩というようなものが顕著であるというようなことの中で、国民の意識の推移は一体どういうことになっているだろうかというようなことも一つ問題だというふうに私は思っているわけでございます。
 今の現状で、決してこれは実施すべきだとか実施を奨励されるべきだなどというようなことを、これを金輪際考えているわけではございません。やはり、非常に重厚な御審議をされ、いろいろな専門家が集まって多角的に検討した結果というのは尊重されるべきだと、このようなことであることは言うまでもないと思います。
 ただ、これから先の問題として、医療技術が進歩した、それに応じて安全というものがより確保される、そういうようなことの中で、国民世論の動向というものに従って、特にこういう人の生死の問題というのは、どちらかというと、行政当局がやるということではなくて、国民世論を背景として立法府の先生方の間でコンセンサスが生まれるかどうかということだろうと思いますけれども、そういうものを見守っていかなければいけないと、このように考えているということでございます。
#21
○西島英利君 とにかく速やかなその法整備を含めた御検討をしていただかないことには、こういう問題は次から次に出てきて、実は、この裏をよくよく調べていきますと、必ずしも成功した事例だけではないんですよ。そのほとんどが実はうまくいってないんです。成功した事例だけが表に出てきているという実は裏のそういう問題もあるわけでございまして、ですから、学会も含めてこういう禁止というような声明も出しているんだということを御理解していただいた上で、速やかな御対応をお願い申し上げたいというふうに思います。
 次に移らしていただきます。
 昨日も自民党の参議院で議論がされたんですが、百八十日を超えるリハビリテーションの日数制限が、今回、四月一日から改正されました診療報酬で決められてきまして、全国的にこれ混乱を起こしているところでございます。
 まず、どのような議論を中医協で行って、その根拠となるデータを示してこのことが決められたのか。私は中医協の議事録を取り寄せさせていただきました。それを読みましたけれども、その議論の経過がほとんど見られていない。わずかなんですね。そして、これは、当時の課長が、この議事録の中で書いてあることをちょっと見ますと、要は、風聞的にこういうことが言われているという、データに基づいた根拠でのお話ではない。
 さらには、高齢者リハ研究会というところが一つの考え方を打ち出しているんでございますけれども、その中ではやはり、五つ書かれているんですが、これもデータに基づいてではなくて、長期間にわたって効果が明らかでないリハビリテーション医療が行われている場合があるとか、医療から介護への連続するシステムが機能していないとか、そういうことで実はこれを参考にして決めたんだというお話を私は聞いているわけでございます。
 この実は流れは、私は悪いとは思いません。悪いとは思わないんですが、いきなりこういう形で出されたことによっての今国民が混乱を起こしていると、医者ではなく国民が混乱を起こしているということで私はこの問題を今ここで取り上げているわけでございます。
 そこで、維持期は介護保険でということなんですが、この介護保険の中にそういうふうな麻痺を回復させるような、そういうふうなメニューが、リハビリメニューがあるんでしょうか、お教えいただきたいと思います。
#22
○政府参考人(阿曽沼慎司君) 今回のリハビリの改革といいますか、でございますけれども、基本的には、医療保険のサイドでは身体機能の早期改善を目指す、急性期あるいは回復期のリハビリをやっていただくと。それを受けて介護保険のサイドでは、日常生活の中で機能を維持、更に向上させるという意味で、維持期のリハビリを行うということでございます。
 したがいまして、今回の維持期のリハビリにつきましては、その充実を図っていくという観点から、介護保険のサービスをやっていただいていますいろんな職種の方々が協働して、利用者ごとの課題の把握あるいは改善に係ります目標の設定、それから計画の作成などの一連のプロセスを継続的に実施をするという意味で、リハビリテーションマネジメントを作っていただくということにしております。
 したがいまして、そういう関係者が集まって、リハビリテーションマネジメントの計画に沿ってこれからリハビリが実施されるというふうに私どもは認識しております。
#23
○西島英利君 私が申し上げているのは、今国民が必要なリハビリが受けられないという大きな叫びを言っているわけですね。そして、その中に、維持期は介護保険へという考え方を厚生労働省が打ち出されたわけですよ。今御質問したのは、そのメニューがあるのかという御質問をしたんです。通所リハビリテーションがありますということでした。じゃ、私も老健をやっていますし、じゃ、その通所リハビリテーションでどのようなことが行われているのか、十二分に見ているつもりでございます。
 集団的にやって、個々的な機能を更に改善させるようなリハは積極的にはそこでは今のところは行われていないわけですね。ですから、そういう意味でやはりそういうものを、基盤整備をしっかりとした上でこういう流れをつくっていきませんと、こういうような混乱が起きてしまっているんだと。自分たちはもう受けられないんだと、何とかしてくれというのがメールでたくさん来るわけでございますから、今日私は質問をしているわけでございます。
 さらには、通所リハビリテーションはこれだけありますということですが、平成十三年五千四百四十一から平成十六年五千八百六十九、七%しか伸びてないわけですよ。訪問リハは千九百十から二千三十、これも七%しか伸びておりません。要は、ここにはまさしく国民が求めているリハ機能がないからだろうと私自身は思っているんですね。ですから、そういう意味での基盤整備が私は非常に重要であろうというふうに思っております。
 やはり、国民は自立したい、自分でどこかに出掛けていきたい、自分でいろんなことをしたい、それは当然の希求です。ですから、それにこたえるのがまさしくこの保険であろうというふうに私自身は思うんでございますけれども。
 ところが、今回の中医協、昨日のこの資料でもちょっと御説明がございましたけれども、今回のこの影響を調査して来年の二月に報告を出すと、そして再来年の診療報酬改定でこれを検討するということを実は昨日は局長が言われておりました。これでは遅いわけですよ、国民は今、自分のこの体をどうしてくれるのかと求めているわけでございますから、やはり早急に結果を出して、これ問題があるんであれば早急に見直すということをやらないと。国民も保険料払っておるんですよ、自己負担料払っておるんです。皆さん方が全額払っているわけじゃないわけで、やっぱりこの国民の要望に私はこたえるべきではないかなというふうに思っておりますが、いかがでございますか。
#24
○政府参考人(水田邦雄君) ただいま今回のリハビリテーションの見直しについては十分な議論、審議が行われていなかったんじゃないかというような御指摘ございました。
 ただ、これにつきましては、例えば御指摘の算定日数上限につきましては、これは中医協の医療技術評価分科会におきまして平成十六年度に実施されましたリハビリテーション・消炎鎮痛等処置に関する調査ということが行われておりまして、この調査によりますと、百日以内にリハビリテーションを終了している患者の割合というものが、脳卒中において八二%、脊髄損傷において七九%、大腿骨頸部骨折において九五%と、こういうふうな結果がございます。
 こういう結果に基づきまして、上限日数の設定、それから、これも繰り返し答弁させていただいておりますけれども、この日数を超えてなお改善が期待される疾病につきましては、除外対象疾患というものを幅広く設けているところでございまして、こういった調査のデータを参考にしまして、専門家それから関係学会にも意見を聴いた上で行ったものでございまして、医療実態に即したものであると、このように考えてございます。
 やはり、患者さんに対しての説明が必ずしも十分でなかったんじゃないかと、こういうような御指摘もされているわけでございまして、その点につきましては私どもも意を尽くしてまいりたいと思っております。
#25
○西島英利君 本当にこれは体の問題ですからね。ですから、こういう混乱が起きるんであれば早急にそういう調査をして、問題があるんであればそれ是正をしていくと、やっぱりそういう姿勢が私は必要だろうというふうに思うんですね。
 例えば点数を元へ戻すとか、そういう話を私しているわけじゃないんですよ。国民が混乱しているという視点から、やはり厚労省としてはそれに対してきっちりと対応する必要性があるのではないかなというふうに思っておりますので、是非、来年二月に結果を出してというそういうのんきな話じゃなく、速やかな調査結果を出していただいて、改善するべき部分は改善をするということが必要だろうというふうに思います。
 それから、八〇%と言われましたが、残り二〇%がどうなのかというのが実は問題なんですよ。そういう人たちが実は大きな声を上げているんであって、そういう認識も是非お持ちいただきたいというふうに思っております。
 次の質問に移らせていただきます。これも今まさしく問題になっております、今回の診療報酬改定で導入されました医療区分の問題でございます。
 先日、中医協に日本医師会から療養病床の再編に関する緊急調査報告という、出されまして、皆さん方のお手元にお示しをいたしております。これをちょっと見させていただきますと、調査の医療区分一の入院患者数、これ約三万人、すごい数なんですね。たしか厚生労働省が研究で調査でやられたときの人数の数倍、数倍どころじゃないですね。こういう数字の中で見てみますと、医療区分、患者構成比からいきますと、病院が四一%、次のページでございますけれども、有床診療所が六〇%あったということです。
 ページ数からいきますと四ページでございますが、医療区分一の患者の三〇・九%は病状不安定で退院の見込みがないと判断されていたと。で、その理由としては、ちゃんと医学的管理がもう必要だと、処置が必要だということがここで判断をされているわけでございます。
 次のページを開きますと、退院可能であっても、在宅・施設の受入れ体制が整っていない人が四割であると。ここにはやはりそういうデータがここに示されているわけでございます。
 そして、次のページを見てみますと、医療区分で処置はどういう処置なのかといいますと、喀たん吸引とかです。これは非常にやっぱり危険を伴う処置なわけですね。胃瘻の管理、これは感染を起こすおそれもございますし、そういうような処置が行われておって、これは医療区分一に分類すべきではないと考えられるという結果が出ているわけでございます。
 さらに、最後のページでございますけれども、今回の診療報酬によって大体一〇%ぐらいのマイナスになっているという、こういう結果も出ているわけでございます。
 そこで、今日の御質問でございますけれども、今回のこのそもそも基になった調査研究というのは、そもそも必要なコストを診療報酬に反映させようとしてスタートさせた調査だったわけですね。つまり、看護師の給料がとてもこの点数では出ないとか、そのような様々な課題がありまして、そういう調査研究をやって、それを診療報酬に反映させようということだったわけですが、それが全く違った、目的外利用されまして、追い出すため、療養病床の再編にこれが使われていったのではないかなという、ちょっと厳しい見方をせざるを得ないわけでございます。
 もしそうだとしても、じゃ、そういう患者さんたちをどうするのかということをきちんと環境整備をした上でやるべきではなかったのかなという気がするんですね。少なくとも、先ほどの資料によりますと、実は待機をしていてなかなか入れないとか、そういう患者さんたちがたくさんいらっしゃるわけでございます。ですから、これについても、前回の法改正の議論のときにも介護保険事業計画はやっぱり前倒しをしてやるべきじゃないかという御質問をさせていただきましたし、附帯決議にもそういうことは実は書かれているわけですね。
 やはりこういう混乱を起こしているという状況を見ながら、一つにはやはり介護保険事業計画の早期の見直しが必要ではないかなというふうに思います。
 ましてや、もう一つの問題は、十五万床にこの療養病床しますという数字も表されております。この結果によって今、都道府県はその医療計画を立ててきているわけでございますが、基本的な根拠のないまま数字だけを出してきているという、そういう実は意見が地域から私のところに寄せられております。
 まずお聞きしたいのは、まあ医療区分の問題もちょっと横に置いておきまして、この十五万床という数字を出された根拠、これをお教えいただきたいと思います。
#26
○政府参考人(水田邦雄君) 今回のその十五万床、療養病床を減少するという見通しを立てたわけでございますけれども、その基本となりましたのは、まず順序から申し上げますと、まず平成十五年三月に医療制度改革に関する基本方針というのを設けまして、そこでそれに基づきまして、中医協の下に慢性期入院医療の包括評価調査分科会というものを設けたところでございます。
 詳細は避けますけれども、ここで療養病床を有します九十の病院を対象にしまして、約七千人の慢性期入院患者の実態調査を行うと。さらに、三千五百人の患者につきましてはタイムスタディー調査も実施いたしまして、患者分類の試案を作成して、更にその試案を現場に当てはめて妥当性をテストをして、その上で患者分類を取りまとめたところでございます。それによりまして、医療区分の一、二、三というカテゴリーを作ったわけでございます。
 そこで、療養病床の再編成に当たりまして、医療の必要性の高い医療区分の二と三、それから、回復期リハ病棟の入院患者さんにつきましては医療療養病床で対応する。その一方で、医療の必要性の低い医療区分一の入院者につきましては老人保健施設等で対応することを基本としているわけでございます。
 この医療区分一に該当する方が全体の約五割おられるわけでございます。それから、老人保健施設につきましては、御存じのとおり常勤医師が配置されておりますので、医療区分二の該当者の中にも一部対応が可能な患者もおられるというふうに考えてございまして、具体的に申し上げますと、うつ状態、それから褥瘡などの状態を想定してございます。こうしたケースが全体の一割を占めておると考えてございまして、合計いたしまして六割、三十八万床のうち六割が介護保険に移行すると、このような前提を置いて試算、積算したものでございます。三十八万床から二十三万床引く十五万床が医療療養として残ると、このような前提を置いて考えているところでございます。
 先ほどうつ状態と褥瘡を例に申し上げましたけれども、医療区分二のうち、もう二つございます。創傷処置と皮膚の潰瘍のケア、この四つの疾患ないし状態というものにつきまして移行可能なケースとして推計を行っているところでございます。
#27
○西島英利君 今お示ししましたデータで、医療区分一の患者三〇・九%は病状不安定、退院の見込みがない云々と、これデータを示しているわけですよね。しかも、先ほどもう一つの資料で、この患者特性調査票というのがございます。これは今、局長がおっしゃった慢性期入院医療の包括評価調査分科会が行った実はアンケート調査でございまして、この中の基本情報で、上の方では、医療的な状態は安定しており、医師の指示はほとんど必要としない云々と、あとはもう週一回程度の指示見直しが必要とかですね。その下では、医師による直接医療提供頻度という形で、我々に示されたのはこの下の実は表なわけであります。
 前回の厚生労働委員会で、私は医政局長に医者としてこれをどう判断しますかと。つまり、医師の指示見直しというのと医療提供、要するに医師が診察をするというのが同義語なんですかということを、これは医師の立場でどう思われるか是非お話を聞かせていただきたいと思います。同じですか。
#28
○政府参考人(松谷有希雄君) 医師が患者さんを診察をして、そして医学的な判断の下に適切な指示をするということが医療行為の本質であろうというふうに思っております。
 この御指摘の患者特性調査に基づく実態調査というのは、中医協の下の専門組織が行いました慢性期入院実態調査ということで、医師の指示による見直しがどの程度の頻度で必要な状態かということを調査して集計したというものであると承知しておりまして、医師による指示の見直しというのは、患者さんの状態を把握をして、先ほど申し上げましたように医学的判断を行った上で行うということでございますので、その頻度の低い患者さんについてこの程度であるということをここで示した、あるいは多い患者さんがこのくらいいらっしゃるということをこの調査で示したということであろうかと思います。
#29
○西島英利君 この調査は、看護がどれだけ大変なのかと、それをコストとしてきちんと評価しようとしてなされた実は調査ですよね。ですから、医師の指示が変わると当然のように看護計画も変えていかなきゃいけないわけでございますから、大変度は上がるわけですよね。そういう意味でのこの調査だと私は思っているんです。
 ですから、もう一度お聞きしますが、要するに、医師の医療提供頻度とこの指示の見直しというのは同義語ですか。医師の立場で答えてください。
#30
○政府参考人(松谷有希雄君) 先ほど申しましたように、医師は患者さんを診察をして状態をきちんと把握をした上で医学的な判断をして、必要によって指示の見直しをすると、こういうことだと思っております。実際、指示の変更があった場合には、看護師さんその他医療従事者と、医師自らが行う場合ももちろんございますけれども、チーム医療によってその患者さんのケアに当たると、これが医療の中身ということでございまして、医療の提供の流れという点ではつながっておるものだというふうに思っております。
#31
○西島英利君 ですから、医療の流れとはつながっておるんですよ。だけど、指示を出すということによって実は大変度が上がっていくという話ですよね、そもそもが。
 この、でも調査結果を利用されて医療区分一、二、三にして、医療区分一の方はできればこれは介護保険へと。つまり、医療はそんなに必要ないんだという判断がそこで僕は示された結果が今回のこの混乱につながっているんだろうというふうに思うんですよ。ところが、今回のこの日医の調査によりますと、ごらんのような結果が出てきたと。ですから、こういう混乱はやはり早く速やかにきちんと調査、検証して、やはり問題があるんであれば速やかに見直すという、こういう考え方をしていただくことが必要だろうと思います。
 ただ、聞くところによりますと、この調査はやるけれども報告は来年二月で、また再来年の改定のときにという、そんな悠長なことを言っていられないんですよ。命の問題です。私は、今日は医者として実は質問をしているわけでございまして、是非こういうことで、こういうことも踏まえた上でやはり早急な対応をお願いを申し上げたいというふうに思います。
 大臣、何かコメントいただけるんでしたらば、コメントよろしくお願いいたします。
#32
○国務大臣(柳澤伯夫君) リハビリの問題もこの療養病床の問題も、厚労省が考えている方向としては理解をしていただいているということでございますが、その具体の適用について無理があるんじゃないかという観点からいろんな事実も御指摘をされたのでございますが、いずれにせよ早急に実態の調査をして、そして見直すべきは見直すべきだと、こういう御指摘でございました。
 私どもといたしましては、今月からその調査に取り掛かりまして、やはり一定の時間が掛かりますので、先生におかれては大変何というか今先回りされて、もうそれでは不満だと言われたようなところに私の答弁が行かざるを得ないんですけれども、今年度末のできるだけ早い時期にその調査結果を取りまとめて対応を考えていきたいと、このように考えているということでございます。
#33
○西島英利君 この調査準備は、もう四月の段階からこの問題が起きていますので、調査準備はされているはずなんですね。調査を掛ければすぐデータは入ってまいりますから、分析を急げば一か月ぐらいでできるはずなんですよ。何も二か月、三か月掛ける必要性は私は全くないと思いますので、是非そういう視点もお願い申し上げたいと思います。
 また、同様に、同じ混乱を起こしたのが七対一看護を導入されたという問題でございます。
 いや、これも七対一看護そのものは私は問題ではないというふうに思うんですね。ところが、この導入の仕方が早急であったということで、今どういうことが起きているのかといいますと、国公立病院が全国に実は看護の募集を掛けております。新聞によりますと、東大が三百名それから阪大が百名とか、そういうもう大変な数の今募集を掛けておりまして、地方に行きますと看護婦がどんどんどんどん引き抜かれていくというような状況もあるわけでございます。
 そして、もう一つの資料がございますけれども、病院の一人当たりの給与、これは平成十五年六月実施の医療経済実態調査で、ちょっと古いんですが、一年前に行われた実態調査とも余り変わっておりませんのでこの数字を出しましたけれども、看護職員の給与で見ますと、国公立と医療法人では七十万近い差があるんですよ、給料が。要は、国公立の給料というのはそれだけ民間医療法人よりは高い給料をセッティングしているんだと。そして、今回いろんなところに、新聞に広告を大学病院等々が出されておりますが、その数字も非常に高い数字が実は掲載をされているわけでございます。これでは民間病院太刀打ちできない。そして、今、看護師の都会への大移動が今起こり始めているということなわけでございます。
 こういうような混乱を起こす可能性は当然あったと思うんですが、しかも九月二十日に行われました中医協の議事録を取り寄せますと、病院から出ておられる中医協の委員は、病棟単位でやってくれということを依頼したんだと。これが、病院全体で七対一を掛けているということでこういう混乱が今起きているんだというふうに思うんですけれども、これもどういうシミュレーションをされて、こういう急激な変革それから混乱が起きることは当然予想されるんですが、どういうシミュレーションをされてやられたのかをお教えいただきたいと思います。
#34
○政府参考人(水田邦雄君) 今回の入院基本料の見直しに当たりまして七対一看護というものを導入したわけでございますけれども、この前提といたしましては、既に一定数の保険医療機関におきまして看護職員が手厚く配置されていたと、こういった状況を踏まえて実施したものでございます。
 その後の状況でございますけれども、五月一日時点で私ども緊急調査を行ったところでありますが、それによりますと、看護配置が最も厚いこの七対一入院基本料を届け出た施設は全国で二百八十施設である一方、従来より看護配置が手薄な保険医療機関の数も減少しているということが見られまして、現在のところ看護職員の大幅な移動あるいは引き抜きというようなものが発生しているとは考えてございません。
 ただ、委員も御指摘のとおり、来年四月の新卒者を対象といたします看護職員募集につきましては、主に大都市部の大学病院において例年より多くの求人を出していると、こういう報道もございますので、この入院基本料の届出条件につきましては、都道府県ごとの分布も含めて引き続き注意深くその推移を見守っていきたいと、このように考えてございます。
 また、中医協におきましても、この七対一を病棟単位でしてはどうかということも御議論ございましたけれども、その点につきましても引き続き検討されていくと、このように承知をしております。
#35
○西島英利君 机上論はやめましょうや。現実に地方はそれで大混乱起こしているんですよ、間違いなく。しかも、随時面接もあるんですよ。全国のこれは私、新聞広告集めたわけですから、それにちゃんと書き込まれているんですよ。
 私も病院やっています。うちの病院の職員もかなり非常に騒がしい状態になってきておるんです。特に、私の病院は精神科でございますから、精神科というのはどちらかというとやっぱり看護から敬遠される部分もあるわけでございますね。ですから、こういう状況が起きると地域医療が崩壊してしまうわけですよ。
 是非そういう視点でお考えいただかないと、調査した結果はとか、そういう机上論で話しするべきではないと私は思いますが、現状はどうなのかということをしっかりと見極めた上でどう対応すればいいのかという考え方を私は局長としてはしっかりとお示しをいただきたいというふうに思っております。
 そして、今おっしゃったように、手厚い看護、これだけの人数を置いていると言われますが、実は、全然違う意味で実は看護師の数をオーバーめに入れているわけです。それは何なのかといいますと、結婚したときとか出産とか様々な状況の中で看護婦さんの数が少なくなるんですよ。少なくなってそのときに看護婦募集したって来ないわけですから、ですから多めに入れているんですよ、どこの病院でも。これが現実なんですよ。それを調査した結果が、もう要するにオーバーめにちゃんと入れている、充足しているから、だから今回導入したという、そういう話ではないでしょう。
 ところが、そういう議論がほとんどこの中医協の議事録の中でも見られない。ですから、これについても大臣早急に、これは地域医療が崩壊する話です。是非早急にこれを御検討いただいて、何らかの対処をしていただきませんと、本当にこれは産婦人科、小児科の話ではございません、地域医療が崩壊していく話だということだけは是非御認識をいただきたいというふうに思っております。
 そして、時間が近くなりましたので、幾つかまだ質問を用意していたんですが、一つだけ質問をしたいのは、今回の法改正で保険者に特定健診が義務付けられました。そして、特定保健指導の実施も義務付けられました。平成二十年に向けて今その体制整備が進んでいるところでございますが、一つには、やっぱり医療機関との連携をどうするかというのは非常に重要な問題だろうというふうに思っております、病気の判断の話でございますから。
 そしてもう一つは、今損害保険会社がこの事業に参入しようとして保健師の募集を始めているわけです。ところが、これは損害保険会社ですから、利害関係が物すごく強いわけですよ。特に、今回、今日の新聞でも昨日のニュースでも言っていましたけれども、損害保険会社が支払わないと。支払わない理由は何なのかといいますと、病気の告知をしてないと、だから支払わないんだということなんですね。そうすると、アメリカの民間保険会社は、HMOというのが中心にあるわけでございますけれども、ここはサクランボ摘みといいまして、健康な人だけ入れるんですよ。健康な人を入れれば病気に余りなりませんから、つまり利益は物すごく高くなる。
 で、一番大事なことは、ここにまさしく生のデータが、受託した場合に、この損害保険会社の子会社といえどもそこにデータが行く。確かに、法律上は守秘義務が課せられています。しかし、最近の様々な企業の不祥事等々を見てみますと、こういうことを、こういう道徳的なことが欠けた実はトラブルが一杯起きているわけでございますね。
 ですから、利害関係のあるところに対して委託できるような、やっぱりそういうことは非常に大きな問題ではないかなと。さらには、ここがデータを集積していくわけです。そして、一部の医療機関とだけ連携をしてやろうという考え方もここに持っております。ですから、こういう問題を問題が起きた後に検討するんじゃなくて、当然これは予想される問題でございますから、最近の一連の損害保険会社の要するに払わないという、これも含めた形の中でしっかりとした御検討をしていただければというふうに思うんですけれども、どなたか答弁をどうぞ。
#36
○政府参考人(水田邦雄君) 先生御指摘のとおり、特定健診あるいは特定保健指導のデータについては、その個人情報保護の観点から大変重要なものでございます。委託する場合には、これは法律によりまして秘密保持義務を課しておりまして、また違反した場合には一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処すると、このように規定をしているところでございます。
 それからもう一つ、その委託先によるデータの目的外使用と、自社のために使うというようなことも、これも目的外使用に当たると思いますけれども、その場合につきましては個人情報保護法におきまして国が定めております健康保険組合等における個人情報の適切な取扱いのためのガイドラインというものがございます。それによりまして、委託契約を結ぶ際に、個人情報の厳重な管理あるいは目的外禁止を契約書に定めると、さらにその委託先の契約遵守状況を管理していくと、このようにされてございます。
 国としては、こういったガイドラインの遵守を徹底していきたいと、このように考えております。
#37
○西島英利君 ガイドラインの遵守を徹底というのは分かるんですが、それでもこういう問題起こしているわけでしょう。ですから、最初からそういう利害関係のあるところに委託するべきじゃないんですよ、そもそもが。それは目の前にそういうデータがあれば、それは欲しくてたまらないわけですから。これがある意味でのいわゆるビジネス的な考え方だろうというふうに私自身思いますので、これ早急に御検討いただいて、それなりの対策をお考えいただければというふうに思います。
 時間が参りましたので終わります。ありがとうございました。
#38
○山本孝史君 民主党・新緑風会、山本孝史でございます。
 今日は、櫻井、津田両理事に御配慮いただいてお時間をいただき、一時間質問をさせていただきます。せきをしておりますのは風邪を引いているわけではありませんので、どうぞ御心配なく。
 本題に入ります前に、二つほど質問させていただきたいと思います。
 一つは、先ほど西島先生お触れになりましたいじめ自殺の問題でございます。
 この自殺問題については、今日は公務で御出張中だそうでございますけれども、武見副大臣が与党の筆頭理事でおられましたときに御一緒に取組をさせていただきまして、昨年二月の衆議院の予算委員会を開いているときに、参議院がまあ開店休業中もどうかなというようなことで、極めて異例でしたけれどもこの委員会を開かせていただいて、自殺問題に取り組む専門家を招いての参考人質疑を行わせていただきました。また七月には、本委員会で、自殺に関する総合対策の緊急かつ効果的な推進を求める決議を採択をし、自殺は社会問題なんだという認識を示させていただきました。政府も関係省庁連絡会議をその後設置をしていただきました。さきの通常国会では自殺対策基本法が成立をいたしまして、これも内閣委員会で可決をしていただくという大変高いハードルを武見理事に越えていただいて、厚生労働委員会の皆さんにも大変御理解、御協力をいただきましたし、また、尾辻元厚生労働大臣にも大変大きなお力添えをいただきました。
 そういう積み重ねの中で、この十月一日に国立精神・神経センターに自殺予防総合対策センターが開設をされまして、この法律も十月二十八日に施行となりまして、内閣府の自殺対策推進準備室と言っておりましたところから準備の二文字が取れて、本格的に自殺対策推進室ということで動き始めましたと、本格的にというふうに言いたいのですが、非常に動きが残念ながら鈍いというのが私の受け止めでございます。
 連日、いじめ自殺が報道されております。命の大切さを教えて、そして生きる力をはぐくむこの学校の現場で先生や生徒の自殺が続くと。いじめ自殺というのは、子供たちを被害者にするだけでなく加害者にもしてしまうという大変に厳しい面を持っております。日本社会の縮図が学校現場にそのまま表れているというふうに私どもは受け止めておりまして、昨日のTBSのニュース23でもやっておりましたけれども、やはりこれは群発地震と同じように群発自殺なんだと。犯人捜しをしているマスコミの報道がこの自殺をずっと続けさせている、引き起こしているというふうに受け止めております。
 この点、WHO、世界保健機構が出しております自殺事例報道に関するガイドラインというのがありまして、それによれば、避けるべきこととして、一つ、写真や遺書を公表しない、二、自殺手段の詳細を報道しない、三、自殺の理由を単純化して報道しないということが挙げられております。と同時に、自殺という手段を選ぶ前に親や学校の先生以外にも相談するところがあるんだと。人権相談あるいはいのちの電話、様々なものがありますよということを子供たちに紹介することが大切なんだというふうにガイドラインでは述べております。
 今日は、内閣府から柴田政策統括官に来ていただきました。法律を作るときに、どこにヘッドを置こうかというので、厚生労働省ではこれはやはりうつ病対策に特化されてしまう。社会問題なんだから是非内閣全体で取組をしてほしいという思いで苦労して内閣府に置いていただいた。そこに室ができた。それは、省庁を挙げて、省の垣根を越えてやってくださいということを申し上げているわけですけれども、どうもそんなふうになっていないんです。
 安倍内閣として、是非マスコミ各社にWHOガイドラインに基づいて報道することを要請をしていただきたい。先ほど文科省からも来られていましたけれども、学校で子供が自殺をしたときにどういうふうに対処したらいいのかということについてのマニュアルを是非専門家を含めて作成をして、先生方によく理解をしていただくということが大変重要だというふうに思っております。
 内閣委員会で法案が成立しますときに、官房長官として安倍総理が、当時は官房長官でございました、出ていただきまして、この問題についてはしっかり取り組みますというお言葉もいただいております。今はその方が総理大臣になっているんです。是非ともに、このいじめ自殺問題のみならず、自殺問題全体に対して政府を挙げて取組をしていただきたいということで柴田さんから御答弁をいただきたいと思います。
#39
○政府参考人(柴田雅人君) ただいま山本先生からかなり詳細な御紹介がありました。若干ダブるかもしれません。
 まず、議員立法で成立いたしました自殺対策基本法でございますけれども、二十八日に施行されました。これに基づきまして政府を挙げて取り組もうということで、これからスタートをしていくところでございます。
 先生が今御指摘ございました平成十二年のWHOの自殺対策のガイドラインでございますけれども、ここでは、マスメディアの報道について、自殺予防に十分寄与する可能性があるという反面、センセーショナルな報道にいろいろ影響を受けると、若者に影響を与えると、複数の自殺を誘発する危険があるということが指摘をされているところであります。
 今、先生からも御紹介ありましたけれども、最後に、このガイドラインでは、すべきこと、それから、してはならないことというのでまとめておりまして、先生御紹介あったのは省略しますけれども、特に、してはならないところのことで申し上げますと、遺体とか遺書の写真を掲載するとか、自殺方法を詳しく報道するとか、単純化した原因を報道するとか、あるいは自殺を美化したりセンセーショナルに報道するとか、あるいは宗教的、文化的な固定観念を当てはめる、あるいは自殺を非難する、こういうのはしてはならないというようなことでガイドラインを示しておるところでございます。
 どういう報道をするかということにつきましては、これはマスコミ各社が基本的には自主的に判断するものだというふうに考えておりますけれども、そして現在、自殺の報道をされるに当たってはいろんなことを御配慮いただきながらやっているものと思いますけれども、やはりこの自殺予防対策を進める上でマスコミ各社の協力というのは不可欠だというふうに私どもも考えております。
 WHOのガイドラインにおきましては、今回、先ほど先生お話ございました国立精神衛生センターに、ある意味では実態の解明と、それから自殺予防の情報センターという意味で自殺予防総合センターというのができましたけれども、ここのホームページにも、このWHOのガイドラインにつきまして、私どもとして、このセンターとして掲載しているところでございまして、マスコミ各社におかれましては、これを、このガイドラインを見ていただきまして、これを参考に更にいろんな報道の仕方ということについて御検討をいただきたいというふうに私どもも考えているところでございます。
 それから、教育現場における子供の自殺につきましては、まずは文部科学省において現在その関係分野の専門家や教育現場の方々から成る検討会を開催しております。そこでも、自殺予防や自殺が起きた後の対応に関するマニュアルの作成など、教育現場に関する自殺防止対策について検討していると私どもも承知しております。そういう検討の結果も、私どもの自殺対策総合会議に反映させながら総合的にこの物事を進めていきたいというふうに考えております。
#40
○山本孝史君 遺書がああやって出て、ここに四人の子供の名前があるんだと。だれなんだということでマスコミが追い掛けていくようなああいう形をやると、あれ校長先生一生懸命かばっていたと思うんですよね。だけど、だれが責任者なんだという、教育委員会が悪いのか、学校の先生が悪いのかという形は何にも生み出さない。結局その死ぬという手段があるんだということを子供たちに教えてしまっているだけの話になる。それは非常にまずい。それはあの岡田有希子が飛び降り自殺をしたときにみんな後、続いた、そういう話はもう御承知のとおりですよね。
 だから、それを文部省に言わなければいけない、何省に言わなきゃいけないということが大変だから内閣全体でやってくれというので内閣府に特別に対策室を設けていただいたわけですから、是非そこを機能させてください。でないと法律を作った側としてそれは違うと私は思いますので、社会問題だという認識で是非取組をしてください。ということでよろしくお願いします。
 お忙しいでしょうから、もう七つも八つも法律抱えておられる担当官ですから、よく分かっていますので、どうぞ御退席いただいて結構ですので。よくやってください。お願いします。
#41
○政府参考人(柴田雅人君) ただいま山本先生から御指摘いただきましたことを肝に銘じまして仕事を進めてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
#42
○山本孝史君 ありがとうございました。どうぞ御退席ください。
 もう一つの問題は、石綿健康被害の救済法に関してです。今日は北川政務官にわざわざお越しをいただきました。
 法律はできたんですけれども、中皮腫の治療薬でありますアリムタの承認がまだできていないんです。使いますと混合診療になりますので全額自己負担になってしまうわけですね。せっかく石綿被害者を救済するという法律を制定したにもかかわらず、正に仏作って魂入れずの状態になっている。
 で、一つの御提案なんですけれども、その救済対象者として認定されて、このアリムタが今承認申請中なんですけれども、これが承認されて薬価に収載されるまでの間、この間是非そのアリムタの購入費を国が別途負担をして、これ承認されてその後になれば治療の中で公費負担ですから全部患者負担ではなくなるわけですね、三割の自己負担の部分だけになるわけですから。それを是非軽減するようなことができないんだろうかと。
 これは、法律上は公費優先になっていますからできないということは承知していますので、政治的判断をするしかない。
 で、法律の所管が環境大臣になっていますので、今日はそういう意味で北川政務官に来ていただきました。環境大臣の御意向も踏まえて御答弁をいただけるものと期待をしておりますけれども、是非よろしくお願いをしたいと思います。
#43
○大臣政務官(北川知克君) ただいま山本委員から御指摘がありましたこの石綿健康被害救済制度でありますけれども、御承知のように法律が制定をされました。この石綿による健康に被害を受けられた方々に対応をするということで今政府が一体となって取り組む方向でありますけれども、この問題につきましては、石綿による健康被害を受けた方々が安んじて医療を受けていただくことを基本としながら、他の公費負担医療制度の取扱いを参考に制度設計を行ったところでありました。
 こういう点も踏まえながら、このアリムタにつきましては、具体的には本制度からの給付を受けようとする者が中皮腫や石綿による肺がんにかかっていると認定された場合には、いわゆる保険診療を前提としてその自己負担分について本制度から給付を行うこととしております。認定を受けた者の実質的な負担をなくしているところでありまして、委員御指摘のように、そのはざまの中で何とかしろという話であろうかもしれませんけれども、患者の皆様方が日々の暮らしの中で中皮腫等々で大変御苦労されているのも承知をいたしております。
 しかし、その原理原則の、この薬事法上の承認を受けていないいわゆる未承認薬を例えば個人で輸入して治療に用いた場合、保険診療とならないという規定がございます。本制度による給付を受けられないことにもなっておりまして、この御指摘のアリムタの購入費を国が別途負担することは、このような制度設計並びに薬事法の基本的な立場から困難であると考えております。
 しかしながら、安倍内閣としては、やはり今効率のいい小さな政府を目指すと言っておりますけれども、国民の皆様方の声に耳を傾けながら、その声を十分に聞く温かい政府でなければならないと思っております。
 御指摘のアリムタにつきましても、患者様の皆様方の負担が軽減されるよう、現行制度の中でできる限り速やかに承認をされ保険適用となるように、厚生労働省とも十分協議をしながら、政府一体となって患者の皆様の気持ちを酌み取りながら、石綿健康被害の問題に対応していきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
#44
○山本孝史君 未承認薬問題検討会議というのが去年の一月にできて、そこでもう俎上に既にのったんですね。それからもう二年近くなるわけです。
 その間に、承認申請いろいろあることはあるわけですけれども、私が申し上げているのは、薬事法全部をひっくり返して全部の薬をこうせいと言っているわけじゃない。その間に石綿健康被害救済法という法律を作って、御本人たちが、今あなたがおっしゃったように安んじて治療が受けられるような体制にしようじゃないかというのが法律の趣旨であるならば、ここは今は未承認だけれども、もう既に治験終わって承認審査段階になっている。これが長く掛かっているんですね。製薬会社に聞いたらまだまだ掛かるだろうと言う。その間に法律があるんだから、特別法律があるんだから、この薬については何か考えることはできないんですかと。この薬と、そのほかのいろんな抗がん剤を併用して使ってしまうと、それが全部駄目になってしまうわけですね。
 だから、そういう状態があるんだから、そういう政治的判断で安倍内閣がちゃんと耳を傾ける優しい人たち、優しいというか、優しい政府になるんだ、美しい国になるんだとおっしゃるならば、それは正に政治的判断なんですよ。だから、そういうことが、大臣に御相談なさって、厚生労働大臣に早くやってくれというのではなくて、何とかならぬかというのが私の質問なんで、もし御答弁があるようでしたらもう一遍やってください。
#45
○大臣政務官(北川知克君) 今御指摘のように、この審議会の中でも検討をされております。一刻も早い承認が必要であると思っておりまして、この点については、厚生労働省にも働き掛け、また担当大臣である若林大臣にも十分意向も伝えまして、今後の検討を考えていきたいと思っております。
 どうぞよろしくお願いいたします。
#46
○山本孝史君 意向を伝えますじゃないんで、意向を聞いてからこの場に来てくれと僕は言ったんだ。これを何ぼ柳澤さんにやったって駄目なんですよ、柳澤さんが薬事法ひっくり返すわけにいかないんだから。という意味で言っているのであって、政治家として判断しろということを言っておるだけの話ね。
 まあ答弁終わったら帰っていいですかと言うから、それはいい答弁したら帰っていいよと言ったけれど、いい答弁とも悪いとも思わないけどさ。あなたおっていただいても忙しいからしゃあないと思うから、もう一遍今から環境大臣にこの話を伝えて、安倍内閣としてどうするのかということを、どこでもいいから、もう一遍閣議の後の記者会見でもいいし、あるいは環境大臣の記者会見でもいいし、どこかでもう一遍その自分たちはこう思うという姿勢を言ってください。
 そのことだけをお願いして、退席していただいて結構です。どうぞ。
#47
○大臣政務官(北川知克君) 今お話をさしていただきましたように、若林大臣とも話をさせていただいて、また安倍内閣として一体となって取り組むという方向であります。そして、何よりもやはり原理原則という点もあろうかと思いますので、この点も踏まえながら検討をしていきたいと思っております。
 よろしくお願いいたします。
#48
○山本孝史君 原理原則なんて言い始めたら、今の履修問題の未履修のやつどうするなんて、原理原則どこにもありゃせぬがな。公平公正ということを考えたらあんなことはどこにも出てこない。しかし、それは正に政治的判断しているだけの話でしょう。だから、そういう立場をよく考えてやってくださいというだけです。
 もう結構です。どうぞ、若林大臣に御相談してください。お願いします。
 本論の臓器移植の話です。
 詳しくは足立先生に譲るとして、私、平成五年に初当選したとき以来、実は臓器移植法にかかわっておりまして、初当選したときに各党協議会がありまして、その座長が今三重県知事をやっておられる野呂さんでした。野呂私案というのが出てきて、その家族の意思をそんたくするかしないかというような話をやっていたわけですけれども、最終的には中山案が出たので対案ということで、金田誠一さんなんかと一緒に対案を出させていただきました。
 移植ネットワークの報告によると、法律施行から今年の六月までに意思表示カード等を所持していたケースが千百二十一件あるんですね。そのうち脳死下での臓器提供の意思を明確に表示していた事例が七百十三件あるんです。この七百十三件あるにもかかわらず、最終的に臓器提供に結び付いたのは四十七件になるんです。なぜこういうふうに少なくなっていってしまうのかということをよく検討しないと、実は法律改正とかなんとかという議論にならないだろう、そっちが先だろうというふうに今思います。思うということを言って、後は足立先生の質問に譲りますが。
 二点だけ。健康局長にお伺いしたいんですけれども、健康保険証に臓器提供の意思表示欄が設けられるようになりました。滋賀県ですとか横浜市が先行して既に国保でやっております。いろいろ見ておりますと、命のリレーだとか臓器提供は美しいとかという説明文は入っているんですが、あるいは入ってないところもあるんですね。それぞれ保険者によってばらばらの対応をしている。
 その中で、皆さんどこも対応してないのは、臓器提供は自発的意思によるものですよということと、その意思はいつでも撤回できるんだ、撤回するためにはどうしたらいいんだということは、私が見た限りどこにもその説明は書いてない。それなのに健康保険証だけ送ってくるんです、ドナーカード付きで。これは多分、後でいろんなトラブルがまた起きますので、ガイドラインとしてやっぱりそういう説明もちゃんとするんだということを決めていただきたいというふうに思います。御答弁をいただきます。
#49
○政府参考人(外口崇君) 臓器移植法では、臓器の提供に関する本人の意思は尊重されなければならないこと、臓器提供は任意にされたものでなければならないことが基本理念とされております。したがいまして、被保険者証の意思表示欄に記載した場合でも、臓器提供意思表示カードや臓器提供意思表示シールを記載した場合でも、いつでも提供の意思を撤回できるということは、これは当然のことであります。この点につきましては、この考え方が伝わるように周知を図ってまいりたいと思います。
 なお、政府管掌健康保険の被保険者証につきましては、臓器提供の意思表示の変更の申出が被保険者からなされた場合には、被保険者証の再交付が行われることになります。
#50
○山本孝史君 そこにバッテンしてあれば、それで意思表示は消えたというふうにはならないんですか。再交付しなきゃいけないんですか。
#51
○政府参考人(外口崇君) そこのところは、いったん書いたカードにその上から書き込むことでかえって混乱を起こすことがないかどうかも含めて、具体的なことはちょっと少し検討させてください。
#52
○山本孝史君 今までの記載例の問題とかいろいろあるんで、意思はいつだって変わるんですよ。親が書くかもしれないわけで、そこはちゃんとしたものにしてほしいというふうに思います。検討してください。
 それから、宇和島での臓器売買事件の問題ですけれども、臓器移植法を作るときに臓器売買は禁止だということは明確にしました。あのときに生体間での移植を法律に書き込もうかどうかということを言ったんですけれども、なかなか書き込みにくいねというので、まあ中山案との対案ということもあったんで、書き込みを私たちは見送ったんですね。
 しかし、その後、社会的にも生体間移植についての議論がほとんどなされないままに、全く登録もないままにやられているわけです。生体間での移植をした後に、ドナーとレシピエントの間の人間関係が崩れて非常にまずい関係になっているというケースが少なくないということを聞いておりますので、したがって、事前の相談といいましょうか、カウンセリングが非常に大切なんですね。
 宇和島の徳洲会病院がなぜあんなに有名になったのかというと、すぐにやってくれるからなんですよ。何でもあのお医者さん一人に任されていて、あの人が全部決めて、だれかそれは検証をする人もいなければ、病院内に倫理委員会もないわけですね。だれにやったかという登録も結局上がってこないわけです。
 これ非常に生体間移植の場合問題なんで、今回の臓器売買という問題もありますけれども、生体間移植の問題も今、脳死下の臓器移植はネットワークでつかんでいますし、骨髄移植は骨髄バンクで全部つかんでいますので、同様にこの生体間における臓器の移植についても、登録制にするのか届出制にするのか、あるいはそれに伴って法律が必要であれば改正するのか、何らかの対応をやっぱりすべきだと私は思っておりまして、その点について御答弁をお願いをします。
#53
○政府参考人(外口崇君) 今回の事例では、提供意思について第三者による確認がなされず、倫理委員会も開催されていないことや、臓器提供者及び移植患者に対する医師からの説明が文書でなく口頭で行われたこと、あるいは親族関係が資料で確認されなかったこと等、いろいろ問題があるものと思います。
 厚生労働省では、今回の事件を受けて、愛媛県とともに実態把握に努めるとともに、十月三日付けの通知で、都道府県に対しての臓器売買が疑われる情報があれば調査、指導を行うよう要請するということと、それから医療機関に対し、生体臓器移植において、日本移植学会の倫理指針も参考にして慎重に説明及び意思確認を行うよう周知、指導を行っておりますが、引き続いて、十月十二日に開催された厚生科学審議会疾病対策部会臓器移植委員会におきまして今回の事件への対応について御議論いただき、再発防止の観点から、臓器移植法の運用に関する指針の改正に向けて委員会と日本移植学会が連携して検討を進めることとしております。
 今回の事件は、何よりも、臓器提供者と移植患者及びその仲介者との間で財産上の利益の供与を伴って臓器が提供されたということでもありますし、また臓器移植の任意性の確保を図ることと有償提供の排除に努めるということの必要性が改めて再点検が指摘されたことではないかと思います。
 こうした観点から、次の指針には第三者による意思確認の手続や移植術に関する文書による説明手続等を盛り込むことを検討して、今準備を進めているところでございます。
#54
○山本孝史君 また出てきたものでいろいろ御意見を申し上げたいと思いますけれども、是非、海外で移植をして帰ってこられる方たちも、日本国内で引き続き免疫抑制剤を飲んでおられるわけですね。どこかで治療を受けておられるわけです。
 そういうことも含めて考えると、やっぱり登録制にして、その後の治療成績を追い掛けていかないといろいろ問題があるというふうに思いますので、私は、登録制若しくは届出制をちゃんと学会ができるんだったらいいんですが、学会ができないというケースもありますので、何らかの対応をしていくべきだというふうに思うということを再度申し上げたいと思います。
 死体腎移植の三年生着率が七八・四%、五年生着率が七一・五%、この十年かなり成績は改善されてきていると思いますし、腎移植を受けた患者の多くが腎透析から解放されて日常生活に戻れるというのは大変によかったというふうに思います。しかし、その一方で四分の一の方は残念ながら数年のうちにその移植した臓器が機能をしなくなるという厳しい現実があるわけですね。心臓手術も移植でなければ助からないではなくて、いろんな手術法が今開発をされてきております。研究費をもっと投入して、臓器移植に頼らなくてもよいような治療法を開発するということがやっぱり一方で求められていると私は思います。
 先ほど西島先生もおっしゃった生殖補助医療ですとか代理出産に代表されるように、医療技術は物すごく進歩していくんだけど、社会がそれに追い付かないというのが今の現状になっていますので、脳死移植のときは脳死臨調をつくって随分議論をしてやってきましたけど、あれ以降ぴったりと生命倫理の問題は止まっているんですね。
 国会の中で是非そうした生命倫理の問題を議論する、そして、できればコンセンサスが得られるような場を、これは皆さんに言っているんじゃなくって、国会の中でそういうものを是非私はつくるべきだというふうに思っております。ということを申し上げて、時間の関係で次の質問に行きます。
 年金の問題で、言わずとももういいですね、もう。年金の二法案、社会保険庁改革二法案、国会出ていて、審議させておいてそのままで途中で止めさせられているというのは何ともひどい話だと思いますけれども、何か政局に使っておられるようで、社会保険庁改革を。それが出ないと次の一元化も進まない云々というのは、何か年金改革がどんどん遅れていって、結局年金不信だけが残っていくような気が私にはするんですね。
 そういう意味で、法律を出されて、そして国会で審議をしてくれと言って、早く上げてくれと言って、今回の大臣所信でも国会で十分議論しろと言っておいて、次の、それよりもほかの法案先にやってくれという話になっている。これちょっとやっぱり厚生労働省としては私は国会に対して礼を失しているんじゃないかと思うんですが、その点について大臣の御見解をお伺いをします。
#55
○国務大臣(柳澤伯夫君) 法案を出しておきながら……
#56
○山本孝史君 審議始まったんだから。
#57
○国務大臣(柳澤伯夫君) 成立についてどれだけ一生懸命なのかと、法案の審議の順番も、違う法案の方を優先させてんじゃないかと、それはこの議会に対して礼を失することではないかと、こういうお話がございました。しかし、客観的にはもう山本委員何もかも御存じのとおりでございまして、つまり我々が法律案を出した後、本当に残念なことながら、私どもの組織がいろいろ問題をまた露呈してしまったと。ここにすべてきっかけがあったわけでございまして、それを受けて、与党の側が中心だと言っていいと思うんですけれども、要すれば、これはもう少し自分たちで議論をさせてくれと、こういう話になっているわけでございます。
 厚生労働省として議会に対して失礼だと言われると何とも言いようがないわけですが、私どもやっぱり国会へ提出した法案については、まず与党の皆さんの賛成をいただく、そして願わくんば野党の人たちにも御理解をいただくということが前提でございまして、与党の人たちが全然こういう我々の意向を酌んでくれそうもないという状況の下では、私どもとしてはこういう形しか選択の余地はないと、これはまた御理解を願わなければならない点だと、このように思います。
#58
○山本孝史君 率直な御発言だったと思います。与党の中で総理、幹事長、総務会長、政調会長、みんな言っていること違うんだもんね。だからそれは、与党の支持を得てない法案なんだから、それはもう廃案になるというのは分かった話だと思いますけれども、しかし、こっちから見てると何やってんねんという感じはします。
 年金の話はいつも渡邉局長来ていただいて詳しくやりたいんだけどなかなか時間がありません、今日は医療の話なんで。ただ、一つだけ、年金合同会議で私の持論はもう申し上げたとおりですけれども、基礎年金国庫負担二分の一への引上げが、これは決まったことだからやるんだと、こういう話をいつもされるんですね。でも、大臣御承知のように、あれは給付時の国庫負担の投入ですから、高額の年金者にも税金で下支えする構図になってしまうわけです。福井日銀総裁にも更に税金を差し上げるというのが今の年金の給付の形なんですよね。それはやっぱり税金の使い方としておかしいだろう、延べ単で入れるのはやっぱりおかしいんじゃないかと私は思うんですが、税に詳しくて厚生大臣になられてというお立場で、この形というのはどんなふうにお考えでいらっしゃいますか、お伺いをします。
#59
○国務大臣(柳澤伯夫君) 確かに、現象的に見ますと給付時に投入されるということではないかというお話で、それがゆえに高額所得者の年金にも税金が投入されるということはおかしいんではないかということかと思うんですが、その点については私ももう一回考えてはみますが、やっぱり金に色目は付いてないもんですから、回り回ってはやっぱり再分配のことにもいい影響をもたらしているということではないかと、今日は、ちょっと大変恐縮ですが、そんなふうに今のお話をお聞きして感じたのです。感じたことをそのまま言わせていただくとそういうことではないかというふうに思います。
 それともう一つ、より真正面の議論としては、やはりこういう枠組みで行われている、基礎年金という形で、その上に報酬比例がくっ付いているという形であるということを前提にすると、やはり全体に対して三分の一から二分の一にこの国庫負担を上げることによって保険料の増嵩をあんばいしたということでございまして、その枠組みを前提にすればこういう方法が考えられるということだろうと思います。
#60
○山本孝史君 年金制度に対する御認識で間違っておられる点が幾つかあるんで、議事録もう一度読み返して、是非、渡邉局長と御相談いただきたいというふうに思います。それ以上はやっていると時間がないのでやりません。
 しかし、この間、山本保さんがおっしゃった障害年金が問題、障害基礎年金が少なくなるという話ですね。老齢年金を主体としてやっている年金制度の中で障害年金を一緒にやるかどうかというのは、これ実は年金改革の非常に大きなポイントなんですね。小泉総理が年金法案の最後のところまで御存じなかったマクロ経済スライドによって、障害年金も含めて基礎年金は減っていくんですね、これから先。だから、そういうことを考えると、やっぱり基礎年金をどうするかというのは年金改革のやっぱり根本なんですよ。それは、しかも基礎年金の負担をどうするかというのが実は一番の問題で、そこのところを是非考えていただきたいというふうに思います。
 それで、もう一点、それに関連しないんですけど、私のふだんの思いを述べて大臣のお考えをお聞きしたいんですけど。
 東京と地方との格差の問題ですね。厚生労働省が補助金二分の一でいろんな補助事業をやりますけども、それに対して地方が手を挙げられないんですよ、地方が、お金がないから。それで、人も、みんな東京とか愛知とかに吸収されて人もいなくなっているんですね、今。地方の福祉や医療とか介護とかの担い手すらいなくなってくる。一方で、財政豊かな東京だけが栄えて、何かいろんな知らない助成があって、みんな東京へ来ようかと思ってしまう、あれでは。公共事業を削るのは仕方がないとして、公共事業を削って、年金の給付総額は、米どころと言われているところでもお米の生産額よりも年金の方が多いんですよ。介護保険とか医療保険とかを通じて、地方経済を支えているのは実は社会保障なんですね。そこをどんどん削ってくると地方経済が回らなくなってくる、私はそういうふうに思うんです。人もいなくなってしまう。
 この状態何とかしなければいけないと私は思うんですけれども、大臣はどんな認識をしておられますか。
#61
○国務大臣(柳澤伯夫君) 地域間で格差があるじゃないかということは、さしずめ私の立場からいいますと、例えば有効求人倍率なぞに非常に大きな格差が表れているということからもこれは否定できないことであろうと、こういうように考えるわけです。
 しかしながら、今委員のおっしゃったように、社会保障の基幹の部分にまで地方政策を入れろ、あるいは地方への影響を考えろということはやっぱり少し無理があるんじゃないかと、いや、少しというのは遠慮して言っているんであって、本当のことを言って無理があるというふうに私は思うのでございます。
 確かに、手挙げ方式で二分の一の補助を出しているというような場合にはもう少し考える余地があるんじゃないかというふうにも御主張になって、私も、これからいろいろな制度を考えるときには少し配慮というものが考えられないかということを頭に置いて取り組みたいとは思いますけれども、基幹の部分では幾ら何でも、社会保障制度に地方政策のところまで含めて考えろと、これは少しというか無理ではないかと、このように考えます。
#62
○山本孝史君 担当者とお話しすると、国費二分の一は超えられないんですということをおっしゃるんで、今大臣は、物によってはもうちょっと考えてみる余地はあるかなとおっしゃったので、物によっては考えていただきたいと思いますけれども。
 繰り返しになりますけれども、私が申し上げているのは、やっぱり地方の高齢者の年金あるいは介護、医療、それを支える若い人たちの雇用があって、そしてまた職業転換してそういう産業の中で人が回っていく、そこで初めて地方経済はお金が回っていくんですよね。それ、一律の給付になっているので確かにできないとおっしゃるんだろうけれども、私が申し上げたかったのは、地方こそ実は社会保障で支えられているという部分があるんだということだけは是非頭の片隅に置いておいていただきたいと思います。
 国会議員、ほとんどが東京に住んでおりますと、地方の状況皆さん御存じだと思うけれども、しかしやっぱり格差があることは否定しないんだけど、しかしもう格差どころの話ではないという状態があるということだけは私たちは認識しておかなきゃいけないと思います。
 残りの時間で、済みません、がん対策について、御答弁結構ですので、よろしくお願いします。
 がん対策については、前の国会で成立して本当に良かったと思っております。いろんなものが動き始めまして、法律の施行は来年の四月一日ですけれども、前倒しで今いろいろな取組をしていただいております。
 昨日、国会がん患者と家族の会が発足をしまして、会員が九十九人、うち自分ががん患者あるいはそうであった、家族ががん患者あるいはそうであったという人たちが五十一人おられますので、やはりこの国会の中にも多くの方ががんとかかわっておられるというふうに思います。
 この十一月二十五日にも、渋谷の東京ウィメンズプラザで「最善の抗がん剤治療を受けたい」というパネルディスカッションを開いて、外口健康局長にも御参加をいただくということでやっておりますけれども、是非マスコミの皆さんにも、このパネルディスカッション、宣伝をしていただきたいというふうに思っております。御参加を歓迎します。
 今日取り上げさせていただきたいのは、ごめん、資料配付遅れてしまいまして申し訳ありません。今配らせていただきます。
   〔資料配付〕
#63
○山本孝史君 医薬品の適応拡大の問題についてでございます。
 平成十一年二月の一日に、厚生省の健康政策局研究開発振興課長と、同じく医薬安全局の審査管理課長の連名で、各都道府県の衛生主管部局長あてに、医薬品の適応外使用に係る取扱いについてという、いわゆる二課長通知というのが出ております。これは、みそは、「記」とされましたところの2以下なんですけれども、次に掲げる場合であって、臨床試験の全部又は一部を新たに実施することなく、当該資料により適応外使用に係る効能又は効果等が医学薬学上公知であると認められた場合には、それらを基に当該効能又は効果等の承認の可否の判断が可能であることがあるので、事前に相談をされたいと。すなわち、治験をやらなくても適応外で使用することができる道があるよと、こう言っております。
 ただしというのがその(1)、(2)、(3)です。外国、例えばアメリカにおいて、既に当該効能又は効果等により承認され、医療における相当の使用実績があり、その審査当局に対する承認申請に添付されている資料が入手できる場合。二は、同じく外国において、既に当該効能又は効果等により承認され、医療における相当の使用実績があり、国際的に信頼できる学術雑誌に掲載された科学的根拠となり得る論文又は国際機関で評価された総説等がある場合、これは外国です。三番目は日本の場合を言っていて、公的な研究事業の委託研究等により、すなわちがん研究助成金あるいは厚生科学研究費等によって実施されるなど、その結果、臨床試験の試験成績がある場合は、繰り返しですけれども、臨床試験の全部又は一部を新たに実施することなく承認申請をすることができますよということを各製薬会社に伝えてくださいというこの二課長通知というのが出ております。
 つらつらざっと述べましたけれども、医薬食品局長に、まずこの二課長通知が今も生きている、有効であるかどうかということだけ御答弁ください、まず。
#64
○政府参考人(高橋直人君) ただいま山本委員からお話がありましたこの二課長通知、位置付けだけちょっと簡単に申し上げますと、薬事法におきまして医薬品の新たな申請、あるいは今話題となっています新しい効能効果の追加、こういったものの場合には、いろいろなデータなり資料を添付して厚生労働省に申請をするということになっております。
 どういったものかといいますと、その医薬品の成分の起源でありますとか製造方法あるいは安定性、薬理作用、それから体内における吸収、分布、代謝、排せつ、それから毒性などの試験、それから臨床試験などのデータと、こういうものが必要になります。
 ただ、元々のルールで、そういったデータにつきましても、医学的、薬学的にもう既に公知の事実があるようなケースについては一部のその資料の省略ができると、こういうことになっております。
 今お話がありましたこの通知は、そういった要するに医学的、薬学的に公知な場合というものの一つの割と大きい部分ですけれども、例を示したものということでございまして、こういうケースであれば治験関係のデータが要らない、つまりその場合には治験しなくてもいいということになりますけれども、要するに治験を経ずして効能効果の追加ができるということでございます。この通知は現在も有効でございます。
#65
○山本孝史君 今御説明をいただきましたように、ということで、これまでにこの通知に基づいて平成十八年まで六十二の品目が対象になって、抗がん剤が延べ十七剤適用になったというふうに聞きましたけれども、今、患者さんの方たちとお話をしていると、乳がん患者さんで一番多いのは、ハーセプチンという、商品名ですけれども、トラスツズマブという薬があります。これは、効能効果はHER2の過剰発現が確認された転移性乳がんの方ということになっていて、再発をしないとこの薬は使えないという形に今なっているわけですね。だけど、手術後にこのハーセプチン使いますと再発率が非常に低く抑えられるというのが、乳がん治療に当たっておられる多くの先生方の御意見です。多分外国にもそんな文献は一杯データ出てると思うんですね。今、適用拡大の承認申請中だということも承知していますけれども、こういった薬についてきちんとした対応はできないんだろうか。
 分子標的薬のグリベックという薬があります。慢性骨髄性白血病あるいはKIT陽性の消化管間質の腫瘍というものが一応効能対象になっているんですが、かなり広い範囲でこの薬、このグリベックは抗がん剤としていろんながんに使えるのじゃないかというのがいろんな現場で聞こえてくる声なんですね。
 私が申し上げたいのは、この間初めて未承認薬使用問題検討会議に出させていただきましたけれども、あれは外国で承認された薬についていろんな文献を集めてきて、それを御紹介しながら、結論は、じゃ早く治験をやってもらいましょうというような結論に至ってしまうわけですね。そうではなくって、いろんなところでデータが集まってくる、日本でもいろいろデータが集まるシステムを作って、そしてできるだけ早く患者の手元に届くようなシステムにしてほしい、そのためにもこの二課長通知というのがもう少し活用できるのではないかというのが私の思いなんです。
 そういうふうに、今度新しい検討会もう一つでき上がったようですけれども、治験のあり方検討会も止まっていますが、とにかくそういうものじゃなくて、何か新しいシステムを考える中で、できるだけ早く患者の手元に届くように、適用外で使用するとみんなレセプト点検ではねられてしまうので、お医者さん苦労しながらレセプト書いているわけですね。そんなことしなくてもいいような仕組みを是非つくってほしい。そのためにこの二課長通知活用できるんじゃないかと、こう思いますので、御答弁もう一度お願いをします。
#66
○政府参考人(高橋直人君) 抗がん剤における効能効果の追加というのは、大体この分野では併用療法において、基本的な今までの標準治療があると、それからその別のものを使って併用した場合には、そうすると元々別のものが、元々のその効能とはまた違うものとして使われていると、そういうところへ出てくるわけでございますけれども、抗がん剤の併用療法についてのそういった効能効果の追加に関しての承認をどうするかということにつきましては、実は平成十六年一月に抗がん剤併用療法に関する検討会というものを設けまして、できるだけ承認までのプロセスが迅速になるような手だてを何とかこれまでも講じてきているところでございます。
 これは物の考え方としては、基本的には薬事法の医薬品の承認というのは、もうこれはメーカーが基本的に持ってくるもの、申請をしてくるものというものが基本原則でございますけれども、そこをがん治療の社会的な重要性を考えて、専門家それから医薬品メーカーサイド、それから行政が共同して知恵を絞ってこの検討会で有効性、安全性に関するエビデンスの収集を行ってその評価をしようと、事前評価を先にやるというのが元々の考え方でございますけれども、その検討会を設置して、関係学会から要望のあったものの中で、これまでに国内及び海外で有用性が確認されている延べ三十の抗がん剤に関する報告を取りまとめまして、その結果に基づきまして、さらに、先ほどからお話ございます二課長通知に基づくまた措置として、新たな治験措置を、治験を実施することなく効能効果の承認申請の受理をいたしております。
 これは、三十の抗がん剤をこれまでに承認をいたしております。これは、二課長通知に基づく六十三成分とはまた別に、別途三十の抗がん剤の効能効果の追加の承認をやっているということでございまして、私どもとしてもこういった措置を通じてできるだけ迅速な対処をいたしたいというふうに考えております。
#67
○山本孝史君 だから、抗がん剤併用療法に関する検討会は去年の二月にもう終わっちゃったんですね。だから検討の場はなくなっちゃっているんですよ。
 だから、今、新薬に承認される、そのたびいろんなデータを持ってくる、それを何かモグラたたきのようにやっているのではなくって、あれは新薬の話ですから。でなくって、今既に日本で承認されている、使っている薬の適用拡大という問題について、この二課長通知の中でもう少し柔軟な対応をしてくれば、学会から上がってくれば、あるいはもう既に使っていることがデータとして上がってくれば、それはもう治験を新たに会社にさせることなく適用拡大の承認をするということができるんですということを私は申し上げているので、ちょっと議論がかみ合いませんけれども、この二課長通知は生きているということなので、この二課長通知に基づいて、私は未承認薬の検討会議をやっているよりはそっちの方がもっと重要だというふうに思うものですから、是非御検討いただきたいということです。
 御検討いただけませんか。その部分だけお答えください。
#68
○政府参考人(高橋直人君) 先ほど申し上げましたが、二課長通知は元々、今も生きているものでございますので、がんの社会的な問題の重要性にかんがみまして、私どもとしてもそういった迅速な対処の仕方についてはまた知恵を絞っていきたいというふうに考えております。
#69
○山本孝史君 何でも治験に持ってきちゃうと尾辻さんも言ったんですよ。結局、やったけど全部治験で最後引っ掛かっちゃったなと、僕の思いは通じませんでしたというのを昨日おっしゃっていましたけれども。
 だから、治験に行かなくともいいようなデータで代替できるということで是非取組をしていただきたいと思います。
 大臣飛ばしてごめんなさい。石田副大臣に先に行きます。
 緩和ケア病棟に対する誤解があって、一遍入るともう出られないところだというイメージが非常に強いんですね。みとりの場所のようになってしまっている。本来は緩和ケア病棟というのは、一般病棟とか自宅におられる方がなかなか痛みとかがコントロールできないときに、そこで集中的に治療していただいて、また一般病棟とか自宅に戻るというのが緩和ケア病棟の本来の姿なんだと思うんですね。
 しかし、実際はそうなっていないんですよ、現場は。そうしていくための方策として二つ御提案申し上げたいのは、一つは緩和医療外来を設置をしてほしい。国立がんセンターの東病院も緩和ケア病棟はあるんですけど、緩和ケア外来はないんですよ。やっぱり緩和ケア外来があると、そこで患者さんがうまくコントロールされるというか、自宅でもやれる。そして、あっち行っちゃったら、この橋渡っちゃったら駄目なんだというイメージじゃなくなってくると思うんですね。この点が一点。
 それから、緩和ケア病棟の入院管理料ということで包括の診療報酬になっていますけれども、これでは本来やるべき放射線治療ですとかあるいは科学的医療法も何にもなされないままになってしまうんですね、高くなっちゃうから。というか、一遍外へ出てくださいとか、とにかくいろんなややこしいことやんなきゃいけないからやらないんですよ。病院によっては、うちの緩和ケア病棟は輸血はしません、場合によっちゃ輸液もしません、とにかく何にも治療法がないと言われてから来てくださいというような緩和ケア病棟があるんですね。
 その内容についてもうちょっと精査する必要もあると思ってまして、いずれにしても、この緩和ケア病棟というものについての副大臣の御認識をお示しいただきたいというふうに思います。
#70
○副大臣(石田祝稔君) もう山本先生もよく御存じだろうと思いますけれども、もちろん、このがん治療については、患者と家族が可能な限り質の高い療養生活、こういうものを送っていくことは私は大事だと思っておりますし、特に、終末期だけではなくて、治療の早期からやはりこのペインコントロールというんでしょうか、こういうものはどうしてもやっていかなきゃならないんじゃないかというふうに思っております。
 しかし、今お話の中でもあったように、終末期というイメージがこれはもうどうしても付いていると。ですから、そういう病棟に行ったらもうそこで終わりという印象をこれ持たれているということは私は事実だろうというふうに思います。ですから、この緩和ケアについても、山本先生からいろいろと御質問ありましたけれども、まずこの緩和ケアについてもっと理解をしていただくようなこと、これは医療従事者にもこれ是非お願いをしたいと、こういうふうに思っておりますし、また、がん患者の方々に対しても更にこの緩和ケアということの認識というか、こういうものも深めていただく必要が私はあるんじゃないかと、こう思っております。
 それで、先ほどちょっと診療報酬のお話にも触れられましたけれども、現実的にはこの緩和ケア病棟入院料というのは包括で決まっていると。そうすると、もうそれだけをやっていただいて、後はもう何も治療は余りやりませんよと、こういうこともこれは現実に私は大変どうかなと、こういうふうに率直に思っております。
 ですから、まずこの緩和ケア、これを今までの日本の医療の中ではもう最後にやると、もう何もやることがなくなったと。ですから、最後だけは、もう治療することがないから家に帰ってくださいと、こういうことではなくて、そういう緩和ということについてももっと理解を深めていただいて、ほかの治療と併用しながら初期の段階からもやっていけると、こういうことも私は大事ではないかと、こういうふうに思います。
#71
○山本孝史君 そのための手段として緩和医療外来というものを是非設置をしてほしい、チームでなくて外来を設置してほしいというふうに思いますので、是非検討していただきたいと思います。
 時間がなくなってしまいましたのであれですけど、最後に思いだけ。
 病院で、もう治療法がありませんって、こう言われる患者さんが多いんです。それは実は治療法がないわけではない。保険の範囲内で治療できるのはここまでですからうちの病院はこれ以上できませんということで、どっか行ってください、ホスピス行ってくださいと、こうなるんですね。いろんなガイドラインが作られていますけれども、病院ごとのガイドラインがあって非常にその選択肢が狭まっているんです。その上に、今包括医療になっているものですから、ますますもって抗がん剤高くなる一方の中で包括医療やっていますから、選択肢がどんどんどんどん狭まってきて、病院の中で受けられる治療法が非常に限られてきているというのが今がん医療の現場だと私は思います。
 そういう意味で、包括払いの危険性というのを是非認識をしていただきたいと思いますし、どうしていったらいいのかということを是非そこは考えていただきたい。
 今終末期とおっしゃいましたけれども、終末期というのは私はないと思っています。平均余命は幾らだと言うときは、平均というのは正に平均であって、ゼロであったり何年という人もいるんですね。お薬の効果というものが、例えばイレッサだったら三、四か月と言われております。もっと短い薬もあります。しかし、それは平均です。人によっては全く効かない人もいます。しかし、非常に効く人もいます。イレッサで二年、三年生きている人が今います。
 そういうことを考えますと、私、この間高齢者の医療費の適正化法案という何ともむごたらしい名前の法案が通ったのは残念ですけれども、高齢者の医療というものを、これから医療費を削減する中で、がんは高齢者の病気なんですね、ある意味では。慢性疾患なんですよ。長いことこれ、がんとお付き合いしなきゃいけない。大変に経済的負担も大きい。しかしその中で、延命期間が短いんで、こんなものは使ったって意味がないんだと、高い抗がん剤使うなというような流れが出てくるんじゃないかというのを私は非常に心配をしております。がん難民が生まれている原因は、保険診療の範囲が非常に限定されているということです。そこのところをやっぱりもう一遍現場で見ていただいて、ガイドラインというものも本当に生かされているのかどうか。
 東京の病院でせっかく研修して地元へ帰ってきたけれども、地元の病院では自分の技術は生かせないと嘆いている若い研修医がいます。こういうところもどう考えていくのかというのも是非御議論いただきたいし、私は今度、十一月二十五日にシンポジウムを自分で企画したのも、是非こういう患者の声に基づいた上で、先ほどの使用適用拡大の問題、未承認薬の問題、あるいは本当に標準的な治療とは何なのかということについてみんなで議論してみたいという思いがするからです。
 もう時間が来てしまいましたので御答弁いただかなくて結構ですけれども、是非、こういう現場なんだということを御理解をいただきたいということを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#72
○委員長(鶴保庸介君) 以上をもちまして午前の質疑を終えます。
 午後一時から再開することとし、休憩をいたします。
   午後零時七分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#73
○委員長(鶴保庸介君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、移植、医療等に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#74
○足立信也君 民主党の足立信也でございます。柳澤大臣、よろしくお願いします。
 昨年の四月に第一回社会保障の合同会議が開かれまして、私その現場におりまして、柳澤大臣が、ちょっと間違いのないようにそのまま読みます。
 民主党の多くの方が言ったように、雇用の形態とか生活の形態というのが全く変わってきたことに対して誠実に年金制度も対応すべきだ。改革である限り相当ドラスチックなことも避けられないと実は思っていると発言されました。
 私、そこの現場にいて、これは何か変わるかもしれないなとかなり期待感を持ったことを覚えております。その後の経過は皆さん御案内のとおりでございます。そのことだけ申し上げておきたいと思います。
 本日は、先週、日本の移植医療の実態の報告がありました。ですので、前半は移植問題、後半は今現在全国の医療機関で大変大きな問題となっている医療機関の未収金の問題について、この二点に絞って質問いたします。
 その前に、懸案事項といいますか、方針の定まっていない事項、あるいは先週の質疑で必ずしも明確に答弁されなかった点、数点だけ先にお伺いしたいと思います。
 まず初めは、厚生年金病院と保養ホームについてです。
 これは、昨年の私への答弁で、厚生年金病院の運営をどうするか、これについては十七年度中、つまり今年の三月までに方針を決めると、そのようにはっきり答弁されました。しかし、いまだに決まってはおりません。皆様御案内のとおりです。
 その後、各地から厚生年金病院及び保養ホームの公的医療機関としての存続を求める運動が大きく起きております。署名は十一万人と聞きました。地元の民間病院からも公的医療機関として存続の希望が出ております。加えて、いまだに方針が決まらないことがある意味風評を呼んで、医師や看護師の退職が続く、また悪いことにもうそろそろ来年度の内定、あるいは募集は始まっておりますから、この方針が決まらないことによって募集ももう滞っていますね。正に悪循環だと思うんです。
 最初は石田副大臣に、この現実どういうふうに打開するつもりなのか、この点をお伺いしたいと思います。
#75
○副大臣(石田祝稔君) 今、足立委員がお述べになりましたように、本年の三月、いわゆる十七年度末までに決めると、こういうことであったのはそのとおりでございます。しかし、その後、独立行政法人の年金・健康保険福祉施設整理機構法案の審議過程において、厚生年金病院の整理合理化計画については地域の医療体制を損なうことのないようにと、こういう附帯決議も付されたことは御存じのことだろうと思います。
 ですから、この整理合理化計画の策定に当たっては、やはり地域の医療体制ということもこれは附帯決議等の趣旨も踏まえて考えていかなければいけないと、こういうことで今大変苦労しているところでございますけれども、これはまあやはり本来でしたら今年の三月ということでもございましたので、鋭意努力をしてまいりたいと思っております。
 なお、私の地元の高知県も厚生年金のリハビリテーション病院というのがございまして、地元からも存続についての御要望もいただいているところでございます。
#76
○足立信也君 鋭意努力をされると、まあ恐らくそういう答弁であろうと思いました。水面下ではいろいろな動きがあるやに聞いております。公益性を損なうことのない方針を是非決めていただきたい、また議論する機会がございましたら議論したいと、そのように思っております。
 次の二問は松谷医政局長に、医師不足問題です。
 その前に、先ほどのちょっと西島委員の答弁で私気になったんですが、西島委員がおっしゃりたかったのは、指示の見直しと実際の医師の直接医療提供とは別物だということをこれ、はっきりおっしゃったわけです。現場にいて診察をして、直接医療提供をしているから見直す必要がなかった人も多いんですよ。それを全く混同してとらえているという指摘を彼はされたんだと私は解釈しています。そこが答弁と食い違っていると思います。
 医師不足問題ですけど、今年の医療制度改革の論議で、これはもう国民の皆さんも思っておられるように、政府・与党側としては医療従事者が増加すると医療費が増えてしまう。私たちは、医療従事者が増えると患者さんの満足度が上がる、国民の不安が解消されていく、そのようにとらえております。
 先週、坂本委員が、OECD諸国と比較した日本の医師数について、二〇二二年に需給が均衡するとする根拠を聞いております。それには明快な答えは私はなかったと思っています。OECDのヘルスデータでは、これは医師数を出しているのはプラクティシングフィジシャンズ、つまり医療現場で医療に従事している人の数を出しているわけです。先週の答弁は医籍登録の数ですね。ですから、そこでまたはっきりしたいんです。
 平成十六年、これは医籍登録が二十七万人ですが、医療機関への従事者は二十五万六千六百六十八、そしてこれを人口十万人対で直すと二百一ですね。全体で平成十六年では男千二百人、女二千人増えている。近年、三千五百から四千増えているといいますが、十六年は三千二百ですね。しかしながら、一番問題なのは、二十九歳以下ではこの年、男は百人減少、医師としてですね、百人減少、女性は三百五十人増えている。これは現状の医療機関へ従事するいわゆるプラクティシングですね、従事者としての統計で、これで間違いないですね。
#77
○政府参考人(松谷有希雄君) 御指摘のとおりでございまして、平成十六年末現在の医師数は二十七万三百七十一名でございますけれども、医療施設に従事する医師で見ますと、医療施設従事医師数は平成十六年末現在で二十五万六千六百六十八名、人口十万対で二百一・〇人となってございます。また、今先生平成十二年から十四年の傾向で数字をおっしゃいましたが、それはそのとおりでございますが、平成十年から十六年、直近までを全体で、多少変動がございますけれども、年平均、単純平均いたしますと、男性でいいますと千七百から千八百名程度の増、女性では千五百名程度の増、合計で三千二百から三千三百名程度の増となってございます。二十九歳以下に限って見ますと、この間、毎年ですが、男性で四百名程度の減、女性が二百から三百名程度の増ということになってございます。
#78
○足立信也君 そこで、二〇二二年に均衡すると、需給が均衡するということのその評価、その根拠の話になるわけです。
 これは今年の医療制度改革の前半部分は平成二十九年に均衡すると。それが、この前の第三回になるんですか、需給の見通しの検討会で五年遅れたわけですね。ということは、ある程度、人口とそれから医師数のもう推計が付いている。この時点で、二〇二二年の時点で人口十万人対医師数の推計は人口十万人で何人、医療従事者として何人という予定なんですか。
#79
○政府参考人(松谷有希雄君) 二〇二二年時点における人口十万対で見ました医療施設従事医師数で見ますと、一定の仮定を置いた上での粗い推計になりますけれども、約二百五十人となります。
#80
○足立信也君 そこで、OECDの平均という話になります。二十九か国がデータで出ているんだと思いますが、人口十万人当たり二百九十人ですね。今需給が均衡するとおっしゃった時点で二百五十人、つまり十万人当たり四十人日本は少なくて、そこで需給が均衡するとおっしゃっているわけですね。
 ということは、OECDの今現在の平均医師数というのは多過ぎるという判断、あるいは日本が四十人少なくても十分なんだという考えですか。
#81
○政府参考人(松谷有希雄君) OECDとの比較でございますけれども、これは各国状況が違いまして、国土の規模あるいは医療提供の仕組みが異なっているなど、その事情は様々でございますので、一概に多い少ないと言うことは困難ではないかと思っております。
 我が国の医師の状況で申しますと、近年、三千五百から四千名程度増加しているということでございまして、それなりの増加にはなってございますけれども、今先生御指摘のとおり、二〇二二年現在での従事者で約、一定の仮定を置いた上での粗い推計で二百五十名ということで、この時点での比較はどうかということでございます。
 OECDの平均につきましては、単純平均をしますと二百九十人でございますが、各国人口規模は全く違いますので、総医師数、各国の総医師数の合計を各国の総人口の合計で除して、そういった単純平均ではないきちんとした加重平均で見ますと二百六十二名と、こういうことになります。それでも我が国の二百五十というのは若干下回っておりますけれども、これは各国の状況等それぞれあるということじゃないかと承知しております。
#82
○足立信也君 今の単純平均では駄目だと、加重平均が大事だという答弁は次につながっていきますので。
 次に、今度は、やはり坂本委員の障害者自立支援法に対する中村局長の答弁についてなんですけれども、委員は、たしか法の目的に照らしてしっかりとした施行状況になっているかという質問をされたと思います。それの答弁が二十四日、十月二十四日でしたか、新聞報道に一斉に出ました。現時点で把握している点について報告があったわけですね。
 つまり、十四府県あるいは百四市町村の定点集計調査、全国へ声掛けて資料が集まっただけでそれを出したという、私はそういう印象を持っているんですが、先ほど質問の趣旨に立ち返って、これは障害者自立支援法を施行した後、この法の目的に照らして、このデータ集積あるいは解析、これが自立支援法の評価に値すると、評価に資するものとした判断なのでしょうか。判断に役立つとされたんでしょうか、調査は十分だと。
#83
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 調査が十分かと、こういうこと、それから評価、障害者自立支援法の実施状況について、法の目的に沿った状況であるかの評価に資するデータであるかと、こういう二点のお尋ねであるかと思います。
 まず、委員から御指摘がありましたし、前回の審議を踏まえてのお尋ねでございますので繰り返しませんけれども、今御指摘のとおり、十四府県の調査でございまして、この結果をもって全国的な実態把握が完了したと、こういうふうにはもちろん考えておりません。取り急ぎ入手できるデータを都道府県にお願いし、その時点で得られたデータで、議論の中に利用中止が続出しているというようなお話もございましたので、そういったことについて、また定点市町村についても、大都市から中小市町村まで約二割のものでございますが、非常にデータの収集の今のシステムの制約から、定点でしか早いデータが出ませんので、この時点で入手できるものを入手してお示しをしたということで、これらの実態をもって調査を終わりにしているとか、さらに障害者自立支援法のねらったものについてすべて諸点を網羅した調査であるというふうに考えているわけではございません。
 今後とも、調査の精度を高め、御指摘もいただいておりますので、できる限り実態把握に早急に努めてまいりたいと考えております。
#84
○足立信也君 ありがとうございます。いつもに増して簡潔で明快に答弁していただきまして、ありがとうございます。
 私たちもヒアリングしまして、これは別に評価に資するというつもりで出したものではないという厚生労働省の見解は既に得ておりまして、そういうコメントも党として出させていただいております。
 それでは、本題になります。実態報告のなされました臓器移植の問題について、これはもう皆さんデータをごらんになってもう半分嘆きのようなつもりでごらんになったと思います。極度に低迷していると、これがもう実態だと思います。更に問題なのは、やはりある意味美談として報じられる小児の移植が、いわゆる渡航移植が国際摩擦を起こしていると、この現状もやっぱり事実として挙げられます。
 先週お示しいただいた実態調査、それから過去のものも含めて、お手元に資料ありますけれども、ごらんになりながら、副大臣は日本の移植技術あるいは脳死移植技術、それは、またその成績は欧米諸国と比較してどうなんだと、どのように判断されているか、まず伺いたいと思います。
#85
○副大臣(石田祝稔君) まず、事実の数字を最初にお示しをいたしたいと思います。
 心臓移植につきましては、一年経過後及び五年経過後の生存率につきましては、日本が一年後は九七%、五年後が八九%と、米国がそれぞれ八七%、七一%、英国が八〇%、七〇%と。また、肝移植につきましても、日本が一年後の生存率が八〇%、そして五年後が七二%と、同じく米国につきましては八二%、六五%、英国が八〇%、六七%と。ですから、この数字だけを見ると、日本の移植技術は欧米と比較して遜色のないものではないかと、こういうふうに思います。
#86
○足立信也君 私もそのように思っています。
 そこで、柳澤大臣は、その報告を受けて、今後とも移植医療の推進に努めたいと、そのように述べられました。それは、生体移植のことを指しておられるのか、あるいは脳死移植のことを指しておられるのか、あるいはその両者であるのか、そこを明快にしていただきたいと思います。
#87
○国務大臣(柳澤伯夫君) 移植医療は、移植を受けなければ病気を克服できないと、そういう患者さんにとっては非常に重要な医療行為であると、このように思っております。
 そこで、それでは、それは生体移植であるべきか、あるいはそうでない脳死下あるいは心停止下の移植であるべきかということについては、やはりWHOの指針、これは移植用の臓器は望ましくは死亡者から摘出すべきということがございますし、また、日本移植学会の指針におきましても、健常であるドナーに侵襲を及ぼすような医療行為は本来望ましくないというふうにされておるところでございます。
 私どもといたしましては、そのような意味で、移植は臓器移植法に基づき、できる限り多くの方々が脳死を含む死体からの移植を受けられるように取り組んでまいるべきものだと、このように考えております。
#88
○足立信也君 お考えはよく分かりました。
 これは移植の項目の中の最後に私述べますが、私もかなり当事者として携わっておりましたので、その点のことは最後に述べさせていただきたい。大臣のお考えはよく分かりました。
 資料をごらんください。資料に沿って質問いたします。
 これは、先ほど午前中に山本委員から簡単な御紹介がありましたけれども、移植ネットワークに医療機関やあるいは遺族から連絡のあった、意思表示カードを所持していたということが判明して連絡があった人の総数ですね、すべてです、千百二十一件。その中で、脳死下での臓器提供の意思のあった方は、ここに、一番上にあります七百十三名、六三・六%ですね。
   〔委員長退席、理事阿部正俊君着席〕
 そして、この七百十三名中、臓器摘出の可能な四類型の病院、右の下の方に書き出しました四類型の病院に搬送された方が三百五十二人、半分以下なんですね。四類型の病院とそこに書いていますように、この四項目に該当するのは四百七十五施設あるんですが、実際は三百十施設が認められていると。
 そこで、まず最初なんですが、明らかに脳死下での臓器提供の意思がある人の半分以下しか臓器摘出が可能な病院に搬送されないと。ここをどうやって解決するおつもりですか。それをまず伺いたいと思います。
#89
○政府参考人(外口崇君) 臓器提供意思表示カードの所持者を臓器提供施設に、このお示しの図にありますように、どのように搬送するかということでございますけれども、ここで一つ難しいと考えている点は、まず、こういった施設に搬送するときには救命措置を中心に搬送されるわけでございますので、むしろ臓器提供意思表示カードの所持の有無というよりは、救命措置のためにどこにまず運ぶかということが多分優先されているんだと思います。それを変えるのはこれはなかなか難しいわけでございまして、意思表示カード所持者が臓器提供施設以外の施設に搬送される事例もこれあるのはやむを得ない。であるならば、じゃ臓器提供施設の方を、受皿の方をどうやって増やしていくかということになるのではないかと考えております。
#90
○足立信也君 いや、いろいろ考えられると僕は思っていまして、どういうことが考えられるかなということをお聞きしたので、これもこれも考えられるということが出てきたらうれしいなと思ったんです。
 まず考えられるのは、これ改善策いろいろ講じていられますが、保険証の問題ですね。これは搬送されるとなると、救急車を呼ぶ場合、あるいは何も知らないところで事故が起きたような場合が多いわけですね。ですから、可能性としては保険証のことですね。それから免許証のことですね。
 私は、実は余り言われていないけれども、一番大きなのは、これは病院前救護体制の指令の問題なんです。その連絡があったときに、ドナーカード、意思表示カードを持っていますかと、この一言で大分違うんですよ。状態の把握も、実は今、救急隊のどこに行きなさい、搬送しなさいと指令出している人、医療関係者じゃないですよね。救命救急士でもないですよ。順番で指令に当たっている人ですよ。だから、現場の状況が伝わらないんです、指令に。もしそこに一言、意思表示カードを持っていますかと、そうすると大分搬送先がもう限定されるんですね。やっぱりこれは私は指令のところが必要だと思いますよ。(発言する者あり)いや、違いますよ、それは。患者情報ですよ。必要なのは患者情報です。必ずそこでも名前を確認する。免許証があれば免許証を見るんですよね。その同じ作業の中で当然あるんだと僕は、出てきます、思います。だから、保険証、免許証が大事だと私は考えております。
 次の段に行きますね。ここでさらに六割ぐらいの方が、四類型の施設に運ばれたとしても、さらに六割ぐらいの方しか心停止前の連絡がないということですね。心停止後に連絡か、あるいは後ですね、亡くなったもう相当後にという話もありますね。この心停止前の連絡を増やすためにはどういう手だてがありますか。
#91
○政府参考人(外口崇君) 御指摘のとおり、脳死下での臓器提供の意思表示が確認された方であって、心停止前にネットワークに連絡することができない事例、これを少なくしていくための努力というのは、これは必要だと思っています。もちろん、病態の経過からやむを得ない場合もあるでしょうけれども、やはりせっかく表示カードを持っているという、そういう提供意思はできるだけ尊重すべきだと思います。
 その点で、臓器の移植に関する法律の運用に関する指針におきましては、主治医以外の者、これはコーディネーターのことですけれども、主治医以外の者による説明を聞くことについて家族の承諾が得られた場合には直ちに臓器移植ネットワークに連絡することとしているところでありますので、引き続き、これは医療機関に対する普及啓発、それから家族、すなわち一般の国民の方に対する普及啓発ということになると思いますけれども、そういった御理解を得ていくことが重要だと思っております。
#92
○足立信也君 私もそう思います。この点、この時点の解決策は、もう医療従事者がいかにその問題点を意識しているかに懸かっていると思います。是非これは医療機関に対してそのようなことを啓蒙をしていただきたいと、私はそう思います。
 その次の段階。心停止前連絡二百十二のうち法的に脳死判定に至ったのは四十八名だと。判定に至らずの原因は、重複回答ですけれども、以下に挙げておりますね。ここの改善策なんですが、この法的脳死判定の率を上げる手だてというのは何か、場合によっては判定基準のこともあるかもしれませんが、手だてとしては何か考えられていますか。
#93
○政府参考人(外口崇君) この法的脳死判定のこの率を上げることですけれども、まず、そのために判定に至らずの中身でございますけれども、法的脳死判定の前提条件を満たしてないというケースもかなりあります。例えば、血圧が低下したりとかいう循環動態が不安定な場合とか、脳波がフラットにならない場合とか、それから鼓膜が損傷していると前庭反射が確認できませんので、そういったこともあると思いますし、それからそもそも医学的に対応が難しいというものもあるかもしれません。
 ただ、一つ改善の余地があるんじゃないかなと思うのは、家族の承諾が得られずというその項目だと思います。もちろんこれはお一人お一人の家族の御意見も大変重要なんでございますけれども、現状をどうかと申し上げれば、平成十六年の世論調査におきますと、仮に、家族のだれかが脳死と判定され、その者が書面で意思表示を得ていた場合において、脳死判定後の家族の臓器提供の意思を尊重し提供を認めるかと、家族のだれかが脳死になったとき、カードを持っていたときに御家族としてそれを認めますかと、こういう質問ですけれども、これに対して、そのときになってみないと分からないとされた方が二四%、認めないとされた方が八・八%となっております。
   〔理事阿部正俊君退席、委員長着席〕
 こうした状況を踏まえますと、やはり臓器提供についての更なる御理解、それから、特に臓器提供の意思のカードを持っておられる方が日ごろから御家族と十分にここを話し合っていただいておくということが重要ではないかと考えられますので、こういった点も普及啓発の点では重視していきたいと思っています。
#94
○足立信也君 私もほとんど同じ意見です。
 先ほど例として少しだけ言いました判定基準の再検討、これは医学の進歩に合わせてということももちろんありますが、私は現時点では判定基準の見直しに関しては反対です。
 この表というか絵をもう一度見ていただいて、二百十二人の心停止前連絡があった方のうち四八%が脳死と判定に至ったわけですね。二二・六%です。こういう脳死下で臓器提供の意思のある人がすべて、すべてですね、これは難しいかもしれませんが、すべて臓器摘出可能な病院へ搬送され、さらに心臓が停止する前に連絡されれば、理論的には七百十三人の意思のある方の二二・六%、つまり百六十一人可能なんですね。これは四倍近い数です。これは現状の法制下で、努力すればこれに近づけることは十分可能だと私は思っているんです。まず、ここをやるべきだというふうに思っております。
 昨年の三月のやはりこの委員会で私質問したことではあるんですが、二年ごとに内閣府が脳死での臓器移植に関するアンケート、世論調査やられておりますが、その時点で私が説明したのは、脳死での臓器提供に本人の署名による意思と家族の承諾が必要なことについてどれだけ知っているかと。去年の時点では七八%が知っているんですが、これが実は前回の調査よりも五%も下がっているんです。それともう一つ、心臓停止後、家族の承諾があれば腎臓と角膜について臓器提供できる、このことを知っている人が、二年前は二七%しかいなかったんですね。これもその二年前に比べると三%も下がっているんです。
 つまり、先ほど、国民的合意というか議論といいますか、それが是非必要だとは言いながらも、世論調査では明らかに関心が下がっているということを申し上げたんですね。
 というようなことをすべて含めて、そして先ほどから段階的に私が質問しましたけれども、この段階を含めて、このテーマの終わりとして大臣に、じゃ、今何が不足しているかというふうに考えておられるのか、あるいは行政側として現行法制下で努力が十分されているのかどうか、足りない部分があるのではないか、その辺について大臣の御意見を伺いたいと思います。
#95
○国務大臣(柳澤伯夫君) 足立委員が御提示いただいたこの非常に分かりやすい図表、これを見まして、私もなるほどと、こういう状況でそれぞれに理由があって、その理由の中には我々の努力で克服できるものもあるという御指摘は、誠に有意義なものであるというふうにお受け止めさせていただきました。
 そこで、同時にまた、この臓器移植に関する認知の度合いが二年前に比べてむしろ最近下がっているという状況も御指摘いただいたわけですが、これにつきまして何が不足していると考えるか。やはり、何と申しますか、一番こういった問題についてホットな議論が行われたときにはやはり国民の関心が非常に高く、認知度も上がっていたんだろうと、このように思います。
 そういう論議の段階ではやや安定期に入っているとあえて言わせていただきますけれども、そういうことになりますと、やはりメディア等を通じたいろんな知見に接する度合いも少なくなって国民の認知度も下がってしまったのではないかと、このように考えて、これはこれで非常に重要な問題だと、こういうように思います。
 厚労省としても、中学三年生向きにパンフレットを作成して、毎年全国のすべての中学校、教育委員会に対してそのパンフレットを配付するなど、年齢的にこういった問題について理解が可能な若い頭脳に対してこのPRをしているということを行っているわけでございます。
 また、同時に、公共広告機構等を利用することによって、これは日本臓器移植ネットワークの方々とも連携しながら、各種のパンフレットを作成配付して普及啓発に取り組んできたというようなことで、私どもなりの努力をいたしてきたとあえて言わせていただきたいと思いますけれども、これからも今先生の御指摘にあるようないろんな問題をめぐってPRに努めていきたいと、このように思っております。
 どういうふうに、まあお医者さんの中でも非常にこの問題についてはいろんな御論議がありまして、なかなかこれを一つの立場から徹底的にPRするということにもやや難しさがあるのではないかと、私は個人的にそんなふうに思っております。
#96
○足立信也君 この移植に関するまとめの話になるかと思います。
 十年ちょっとぐらい前ですか、実際の法の制定は九七年ですけど、移植関係者、学会を始めとしてもろ手を挙げてこの法案に賛成したというふうに、振り返ればそういうふうになっておりますが、実は、現実は、世界の移植の先駆者たちは、私の上司も日本で初めて死体腎移植をやった人間だったですけど、亡くなった人からの善意で行われるのが移植医療だと。先ほどの大臣のお考えと同じですね。ですから、これは本道ではないという意見があったです、かなりありました。ただ、私は、それでは救えるのに救われない人がやっぱり出てくるということで、これはある意味、日本的解決といいますか、脳死を人の死とはできないけれども、臓器提供の希望があれば移植をしてもいいと、極めてあいまいな玉虫色な態度が実は日本の移植医療の進展を妨げてきたんだと私は思います。
 来年、十年迎えますね。WHOの勧告の中の一部にも、本人の意思が不明の場合は臓器摘出を拒否しているととらえる理由はないという項目もあります。私は、やっぱり十年を迎えるに当たって、これはしっかりとした議論、すぐに結論を出すというのではなく、しっかりとした議論が今正に必要になっていると、ちょうどこれから始めるのがいいタイミングではないのかと、そのように考えております。
 では、次のもう一つのテーマ、未収金問題です。
 私がこの問題を取り上げる意味は、先週のうちの櫻井筆頭理事と同じように、この国の公的医療保険の制度、国民皆保険を守りたいという観点から、是非問題として取り上げたいんです。
 その前に、これまで私、この委員会審議で何度か高額療養費の償還払い制度をすべての医療保険で受領委任払い制度に改めるべきだと主張してきました。我が党の医療制度改革案、これにも明記しました。このたび、政令案として、すべて受領委任払い制度にするという政令案をまとめたという報道が二日前ですか、なされました。このことはやはり私は未収金問題の一助になると思っていますし、このことに対しては、まあ感謝というと言い過ぎですけれども、私の同意するところでございますので、お礼申し上げたいと、是非これを速やかに施行していただきたいと、そのように思っています。
 皆さん御存じのように、全国の医療機関で相当な自己負担金の未払、いわゆる未収金がありますね。ちょっと話が長くなりますけど、やっぱり共通認識のために申し述べます。
 これは四病院団体協議会、四病協ですね、四病協のデータです。これは全国五千五百七十施設に郵送して、回収率は五八・八%、三千二百七十三病院です。その病院の総ベッド数は七十三万ですから、相当な範囲にわたってこのアンケートが取られているということをまず言っておきます。
 これは平成十六年四月から十七年三月までの一年間ですね。未収金のある施設は三千五十八施設ありまして、何と九三・五%です、九三・五%。一年間ですね。総額は二百十八億九千万円。一施設の平均は七百十六万円です。平成十四年四月からの三年間の累計では、トータル四百二十五億九千万円。一施設平均が千六百二十万円です。これ、保険別の内訳、この議論をすると、それは市町村国保の問題だろうと必ず逃げられる面がありますので、保険別の内訳です。これ、入院だけに限って言いますと、国民健康保険は、未収金のある施設は二千五百九十九施設、七九・四%、八割です。そして、社会保険ですね、健康保険では未収金のある施設は二千十五施設、六一・六%、六割を超えております。そういう現実をまず知っておいていただいて。
 これもちょっと長くなって申し訳ないんですが、実はこの問題への対応策というのは、国民皆保険を導入する際、健康保険制度が作られる中で解決しなきゃ、国民皆保険なんかできなかったんですね。それは、未収金が出たらどうするんだと、医療機関は当然疑問がありました。ですから、詳細にその検討がされて、整備されているんですね、もう既に。
 まず、国民健康保険法第四十四条及び健康保険法第七十五条の二において、保険者は支払が困難な者へ対する自己負担金の減免措置ができる旨規定されております。その場合、減免した額は保険者が肩代わりして医療機関へ支払うことになっています。
 そして、今度は自己負担金の話ですね。患者の義務である一部負担金を支払わない場合は、国民健康保険法では第四十二条第二項、健康保険法では第七十四条第二項において、医療機関が善管注意義務を果たしたにもかかわらず自己負担金の支払を受けられない場合は、その請求に基づき保険者は強制的に徴収することができる旨規定されております。
 善管注意義務というものの説明を少しだけします。当然御存じだと思いますが、善良なる管理者の注意を払う義務の略です。その意味は、その職業、その立場などにおいて一般的に要求される相当程度の注意義務というもので、この場合、医療機関が患者さんに対し、口頭での請求だけでなく、書面で督促状、催促状を送ることなどを意味しています。これが注意善管義務。
 この規定が置かれた理由ですね、今私が減免措置とそれから強制徴収に関して述べてきたこの理由を述べます。
 医療機関がどんなに努力して自己負担金を徴収しようと思っても受け取れない場合、強制徴収が必要となった場合は、これは医療機関側から見れば裁判所に申し立てるか、あるいは保険者に請求するか、二つの方法しかないんですね。ところが、医療機関が裁判所に申立てをした場合は、当然のことながら相当な労力、費用、時間を要します。保険者の場合は法によって強制徴収権限を与えられているんですね。このため、自分でその権限を行使することができる。このように、医療機関と保険者の持つ権限には決定的な違いがあるんですね。決定的な違いがあるんです。だから、医療機関に代わって保険者が徴収するものと定められているわけですね。
 これらの法律の定めを円滑に実施するために、国民健康保険に関しては、昭和三十四年三月三十日付け厚生省保険局長通知で、保険者に対し、減免措置や強制徴収について被保険者に周知徹底を図り、医療機関との連絡を保ち、適正な実施をするよう局長通知で求められております。そして、保険者は、請求を受けたときは審査をし、速やかに処分を行った上、医療機関に自己負担金を交付するものと定められています。
 さらに、昭和三十五年二月二十四日付け厚生省保険局国民保険課長通知で、保険者は被保険者に自己負担金の支払義務を履行することを徹底させ、支払が行われるよう配慮することとした上で、自己負担金の支払が困難な者の場合は保険者が肩代わりをし、支払が可能な者の場合には、医療機関が善管注意義務に努めなかった場合を除いて、強制徴収をして医療機関に交付すると定められています。
 このように、二重三重にその徹底が実は自己負担金の未払に対しては注意が払われている、つくられているんですね。
 また、今は国民健康保険を中心に言いましたけれども、組合健保や政管健保、つまり社会保険についても、昭和五十六年二月二十五日付け厚生省保険局保険課長及び社会保険庁医療保険部健康保険課長通知においてほぼ同様の内容が示されております。
 先ほど言いましたように、保険に関係なく、国民健康保険では入院患者で見た場合八割が未収金があるんですね、未払がある。社会保険でも六二%があるんですね、施設で見ますと六二%がある。ですから、これから先は保険局それから社会保険庁、政管健保の所管である社会保険庁、この両者の方々に私は質問したいと思います。
 まず最初は、国民健康保険法第四十四条によって自己負担金の減免措置を受けている人がどれぐらいいて、その金額はどれぐらいなんですか、教えてください。
#97
○政府参考人(水田邦雄君) お答えいたします。
 国民健康保険法第四十四条による一部負担金の減免措置についてのお尋ねでございますけれども、これは市町村の判断によりまして、災害あるいは失業など特別の理由により一部負担金を支払うことが困難であると認められるものに対して行われるものでございまして、厚生労働省として全体の適用人数あるいは金額というものにつきましては把握はしてございません。
#98
○足立信也君 減免措置については把握していないと。
 では、未払に対する強制徴収のことでお聞きします。
 先ほどから何度も言っておりますが、国民健康保険法第四十二条第二項、そして社会保険では健康保険法第七十四条第二項によって出された医療機関から保険者への強制徴収の請求ですね。強制徴収をやっていただきたいという請求はどれぐらい出ていて、その金額はどれぐらい、そしてまた実際に強制徴収が実施され、医療機関に支払われた金額はどれだけか、それぞれ教えてください。
#99
○政府参考人(水田邦雄君) 一部負担金の強制徴収に関するお尋ねでございますけれども、まず、これまでのところ、健康保険組合に対しまして保険医療機関から実際に請求があったという事例は承知してございません。ただ、国民健康保険につきましては、その保険者たる市町村において保険医療機関から相談、請求を受けた事例がございまして、そのうち数件については実際に徴収に至ったものもあるというふうに承知をしております。
#100
○政府参考人(青柳親房君) 私の方から政府管掌健康保険についてお答え申し上げます。
 保険者によりまして一部負担金の強制徴収を行うようなケースにつきましては、通常は社会保険事務局の方から私ども本庁の方に相談がなされるというふうに考えております。現に、少数ではあるものの、医療機関から社会保険事務所にこの件についての照会、相談といったようなものが過去にあったという事例については承っておりますが、このような場合につきまして、社会保険事務所に御相談あれば、医療機関として善良なる管理者と同一の注意をもって必要な徴収努力を果たすということが前提であるというようなことを御説明をしておるようでございます。しかしながら、それを踏まえて医療機関から法律に基づくところの正式な請求があったというようなことや、あるいはこれに引き続き処分を行ったという事例についてはこれまでのところ承知しておりません。
#101
○足立信也君 そうですね。先ほど一年だけの数を言いました。国民健康保険では二千五百九十九施設、八割が未収金があるんですね、実際。それから、社会保険では二千十五施設、六一・六%が実際に未収金があるんですね。これは過去にさかのぼると、年度でいいますと減るかもしれませんが、あることは間違いない。それに対して、国民健康保険でもゼロだと、それから強制徴収は数件あるやに聞いていると、政管健保では相談はないというか強制徴収の事実はないと。これは、これだけ多くの施設が困っているという事態の中で把握していない、あるいはないというのは一体何を意味しているのかということにならざるを得ないんですね、それでいいのかということも含めてですね。
 昭和三十四年、保険局長通知で、保険者に対し、減免措置や強制徴収について被保険者に周知徹底を図り、医療機関との連絡を保ち、適正な実施をするよう求めています。昭和五十六年の先ほど出しました保険課長通知では、強制徴収に関し周知、指導が求められている。これ、徹底やあるいは周知、そしてその指導、これが求められている。実際、今の数値を聞くと全部合わせても数件あるやなしやということだと思いますが、これ、現在、周知徹底がなされているんですか、あるいはなされているとしたらどのように行っているんですか、今。お答えをそれぞれいただきたいと思います。
#102
○政府参考人(水田邦雄君) 一部負担金の減免あるいは強制徴収の件でございますけれども、こういった仕組みが設けられているということは、これは先ほどの通知もございますし、あるいは国会での議論もございますし、正に様々な場面でこういった制度が存在するということは、これは周知をされていると思います。
 ただ、これは御説明の中でちょっと飛ばされたと思いますが、一義的にこの未収金の問題、これは法律問題は余り深く入るつもりございませんけれども、一義的にはこれは医療機関の責務とされているところでございまして、もう既に判例もできていると。ただ、それを先生御指摘のとおり放置すれば、やはり国民皆保険制度、この維持にとってそれは問題であると。こういう認識の下に、保険者としてもその持っている権限を使ってこれを病院を支援するという必要があるだろうということでこの制度が設けられているわけでありまして、ある意味で、そういう意味では保険者の立場というのは二義的なものであるという認識が背景にあったのかもしれません。
 ただ、こういう仕組みは現にあるわけでありますので、正にこういった仕組みがあるということは、これは機会あるごとに周知をしたいと、このように思います。
#103
○政府参考人(青柳親房君) 社会保険庁として、ただいまの保険局長のお答えに特段付け加えるものはないと承知しております。
#104
○足立信也君 仕組みは確かにありますという答弁ですね、周知徹底。私は今、どれだけやられているんですかということをお聞きしたんですが、やっていきたいと。
 実際、ここ最近の例といいますか、この通知が出た、少なくとも昭和五十六年の保険課長通知以降、どれぐらい周知徹底あるいは周知、指導を図ったんですか。具体的にいつごろ、繰り返して出しましたとかいうようなことがありましたら、教えてください。
#105
○政府参考人(水田邦雄君) 特に通知等、改めての通知というものは出してございません。ただ、この状況をどう見るかということはございます。これは検討させていただきたいと思います。
#106
○足立信也君 周知、指導あるいは徹底のどういうふうに具体的にやるかという問題にまたなってくるのかもしれませんが、実際上、こういうことが指導という形でされているということを私聞いたことがないんですよ、やっぱり。最低でも、一番近い過去でも五十六年以降、どうもそういうのを見たこともないということが多いんですね。
 大事なのは、法律の趣旨を実現させるためには、私が聞いたところでは、善管注意義務というのをかなりきつく言われて、その証明が医療機関側でできなくて、それ以降請求までいけないんだという話も聞いております。
 そこで、具体的にお聞きします。善管注意義務がどこまでかという、そういう話なんですね。
 昭和三十四年、保険局長通知では、三十四年ですよ、口頭での請求や催促などでは十分ではない、これはもう当然だと思いますね。昭和五十六年の保険課長通知では、内容証明付郵便により支払請求すること等が善管注意義務の確認の例として挙げられています。これは通知にはっきり書かれております。
 ということで確認なんですが、内容証明付郵便で善管注意義務は果たされている、例に挙げられているぐらいですから果たされている、それでよろしいですか。等という言葉は何を意味しているか、具体的にその等の中身、どういうことがあるか、これを教えてください。
#107
○政府参考人(水田邦雄君) ただいま先生御指摘のとおり、通知におきまして、保険医療機関の未収金の徴収の請求を受けた保険者におきましては、その受理に際しまして、保険医療機関が善良な管理者と同一の注意をもって一部負担金の支払を求めたことを確認すべきということを規定をしてございます。この確認の方法につきましては、客観的事実に基づいて行うこととされておりまして、正にその一例として、お挙げになりました内容証明付郵便により支払請求することが挙げられているところでございます。
 これに類する確認方法としてほかにどんなものがあるのかということでございますけれども、例えば患者本人が支払義務を履行する旨を約した書類の取付け、あるいはこれは少し重くなりますけれども、裁判所の請求などがあれば、これは当然ながら善管注意義務を果たしたと、このように考えております。
#108
○足立信也君 例も少し挙げていただきましたし、やはり内容証明付の郵便というのは、これは具体例として非常に大きいと思いますね。この点ははっきり議事録にも残りましたし、まあ医療機関も恐らくは検討をされることになると思うんです。
 これは、私冒頭にも申し上げましたが、この国に国民皆保険の下での医療保険制度を定着させるためには、どうしても乗り越えなければならなかった一つの懸念要因だったわけですね。ですから、ここ、二重三重にも医療提供側、医療提供機関、医療機関に対してこういうことがなされているんだと思います。当初は、それがやはり市町村国保について非常に心配であった。ですから、国民健康保険法にしっかりそういうふうに書かれていると。社会保険については、自己負担なしのときもありましたし、その後、一割、二割、三割と実際に増えてきて、これが露見してきたといいますか、これも同等の問題点として挙がってきたわけですね。
 これをそのまま周知徹底あるいは指導が今よりなされていかないような事態ですと、これはやっぱり保険そのものが当てにならないというか、医療機関そのものも不安感が募ると思うんですね。やはり、国民皆保険制度を導入する前の時点ではこれは医療機関は相当反対しましたよ。そのときに近いような事態に私はなるんではないかという不安があるんですね。ですから、先ほど、善管注意義務の内容、これもはっきりしていただいて、そして法律の趣旨を実現させるために、国それから保険者、医療機関が一体となって努力しないとやっぱり駄目だと思うんですね。
 これは、そういう保険制度、公的医療保険制度が未払の問題を何も解決できないような状況であれば、本当に保険医療機関として登録していることが自分にとっていいんだろうかという、先ほど不安と申しましたが、そういう考えも出てくる可能性だってあるわけですね。それが健康保険制度の瓦解につながってしまう。ここをやっぱりどうしても食い止めなければいけないと思うんです。そのことが国民皆保険制度をやっぱり守って、この国民皆保険制度を守るというのは、私たちもそれから厚生労働省も全く同じ方向を向いていることは間違いないわけですから、そこにこれが瓦解しないためにもそういう二重三重の手当てといいますか仕組みをつくっている、これをやっぱり利用していただくしかないんじゃないかと私は思うんですね。
 ですから、今全国で本当に多くの、先ほど例を出しました五千を超える病院が未払の問題で苦しんでいるときに、実は法的には、あるいは通知でもこういう方法があるんですよということを、まだ知らないでいる人も多い、これを何とか私は周知していただくことが一つの解決策につながっていくんではないかと、そのように思っております。
 是非とも、この今までの法の精神、今までやってきた、この国に国民皆保険制度を絶対維持するんだという強い姿勢を持って対処していただきたいと、そのように申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
#109
○島田智哉子君 民主党・新緑風会の島田智哉子でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 早速でございますが、骨髄移植対策についてお伺いいたしたいと思います。
 平成三年に発足した骨髄バンクについて、ドナー登録がおよそ二十五万人に達して、発足以来目標とされてきました三十万人に間もなく達しようとしているということで、この点につきましては、関係者の皆様の今日までのお取組に敬意を表する次第でございます。
 しかし、その一方で、国内患者がHLA型のドナーを見付けられる割合が九三・七%に対して、実際に骨髄移植を受けられた患者さんの割合が四〇・八%と。適合するドナーの方が現れたとしても移植に結び付かない患者さんが依然多くいらっしゃいます。また、採取施設、移植施設あるいは調整医師の確保が難しくなってきている問題等々、目標に達したとしても様々な課題があることも事実だと思います。
 今回、移植を受けられた患者さんの御家族のお話もお伺いすることができましたが、移植を望む方の大半は、それまで投薬治療や放射線治療をなさって、しかしそれでも再発なさったり、投薬治療でも効果が現れず、どうしても骨髄移植でしか助からない、完治しないという方々で、骨髄移植はそういった患者さん、御家族にとって正に生きる希望であるということで、その生きる希望を持っていただけるためにも、今後の課題に対して政府としてどのように取り組んでいくのか、お聞きいたしたいと思います。
 そこで、適合率と移植率についてお聞きしたいと思いますが、患者さんにとって幸いにも適合するドナーの方がいらっしゃったとしても、患者さんの御都合でコーディネートが中断する状況と、逆にドナー候補となる方の御都合で中断する状況があると思いますが、まず患者さんの御都合で中断される状況について御説明ください。
#110
○政府参考人(外口崇君) 平成十七年において、新規に骨髄バンクに登録され、HLAが一致するドナー候補者との間でコーディネートが開始された千六百四十八名の患者のうち、移植に至った方が六百十八名、コーディネートを進行中の方は三百九十九名であります。一方、患者側の理由でコーディネートが中止になった方は二百八十四名であり、その主な取消し理由は、患者の死亡、病状の悪化によるもの、血縁、自家移植や臍帯血移植など、骨髄バンクを介さないで移植を受けることとなったものが挙げられております。
#111
○島田智哉子君 患者さんの御都合で中断されるというケースというのは、病状の悪化、骨髄が間に合わないためお亡くなりになるケースが多いということでございますけれども、やはり患者さんにとっては移植までの期間ができるだけ短い方がいいので、二〇〇四年からは迅速化コースも設置をされて、財団等の御努力は十分に承知をいたしております。しかし、地域によって、特に関東地域においては全国のコーディネート件数の約三割が集中しているということで、その期間が長くなっている現状でございます。
 患者さんの立場からしますと、できる限り迅速に移植できるようにしなければならない。その意味では採取する医療機関、そして医師等に御協力をいただけるように、厚生労働省としても更にコーディネーターの増員でありますとか、医療機関への働き掛け、もちろんそれに対するしっかりとした予算措置が必要であると思いますが、この点に対する御認識と対応方針について副大臣、お答えください。
#112
○副大臣(石田祝稔君) 今、先生も御質問の中でお触れいただきましたけれども、骨髄バンクのドナー登録者につきましては、関係各位の御努力、御協力によりまして、九月末までには二十六万人に達していると。そういう中で、HLAの適合した患者さんが九三・七%おりますけれども、現実に骨髄移植を受けられる方が四〇・八%と、ある意味で半分ということになっております。
 ここで一番大事なのは、マッチングをして、その後現実に手術に至るまでに掛かる日数、これいろいろとそれぞれの段階に安全を考えてやられるわけでありますけれども、平均的に百二十日掛かっていると。ですから、ここのところをどういうふうに短くしていけるか。ここ、よく私も見てみますと、マッチングをして明確になった後、手術をする場所だとか、またドナーの方のいろんな状況だとか、そこのところの調整に七十日掛かっているという数字もございます。
 ですから、ここのところをどのように短くできるかと。そういうことも含めまして、コーディネート期間の縮減、短縮を図るためにやはりコーディネーターの方を更に確保していかなきゃいけないと、こういうふうに、私も全くそのとおりだというふうに思っております。
#113
○島田智哉子君 ありがとうございます。
 一方、ドナーの方々の善意にいかにこたえていくかという視点がとても大切であると思います。当然のことなんですが、ドナーの方にとりましては、幾ら善意のお気持ちからバンクに御登録いただいておりましても、その依頼というのは突然来るわけですから、まして迅速化ということになりますと、なかなかこの善意だけでは難しい問題もたくさんあることと思います。
 このドナーの方々の御都合により中断されたケースの状況について御説明ください。
#114
○政府参考人(外口崇君) 平成十七年度の実績でございますけれども、HLAの型が一致する患者さんとの間でコーディネートが開始されたドナー候補者一万九千三百十八人のうち再検査採血、再検査というのは、いったんマッチングをしてから改めて確認のために精密にやる検査でございますけれども、その再検査前の初期段階でコーディネートが中止になった方が八千六百七十二人でございます。
 それで、そのコーディネートが中止された主な理由としては、ドナー候補者の方の健康上の理由が三千六百六十八人、仕事などで都合の付かない者が二千九十九人などとなっております。
#115
○島田智哉子君 実は私の秘書に、たまたま今年の七月にバンクから、患者さんのHLA型が一致したのでコーディネートに応じていただけるかという通知が参りまして、本人の了承を得てその通知を見せてもらいました、ここにございますけれども。こうした善意の気持ちを持つ秘書を私は誇りに思っております。
 ここに、患者さんの移植希望の時期が病状、治療の関係で御案内から約八十日前後と計画をされておりますとありまして、迅速化コース、正に迅速化コースなんですけれども、そしてコーディネートの日程というものも入っておりまして、確認検査面談が二十五日までに、最終同意面談が四十日から五十日ごろ、採取前健康診断が四十五日から五十五日まで、そして骨髄採取が八十日前後と、このような日程が示されていて、そして、これで可能かどうか、返事を一週間以内にとあります。私の秘書の場合、登録後十年以上も経過して初めての適合ということで、正に突然の通知ではありましたが、可能であれば応じたいという申出がありましたので、正直なところ、ちょっと心配もございましたが、本人の意志を尊重して私も了承したのでありますが。
 ただ、一般的に見れば、採取前に面談と診断で三日間、そして骨髄採取に五日間前後の入院と療養ということになりますと、そう簡単に仕事を休んだり、子育てをなさっている方ですと子供の面倒をだれに見てもらうかですとか、あるいは自営業の方、契約社員であれば、その休む間の収入が減収になるわけですから、ここの負担をある程度解消していかなければ、適合率と移植率、この差を埋めることは相当難しいのではないかなと思います。
 このドナー休暇については、国家公務員や一部の企業においても導入されておりますけれども、やはりその普及に向けた取組、そして休業補償についてもしっかりと検討していかなければならない時期に来ていると思うのですが、副大臣、いかがでしょうか。
#116
○副大臣(石田祝稔君) 今、島田委員の秘書さんの例も挙げて御説明いただきましたけれども、これは島田委員が大変御理解があるということで、その方も、御本人の希望で私は是非御協力いただけるというふうに思いますが、おっしゃるように、五つの骨髄移植に対しても、大変な多くの方の御努力、また善意の積み重ねと、こういう形で私は実現をしていくと思います。
 そこで、やはりこれはドナーの方の善意だけにすべてお願いしていいだろうかと、こういうことも当然これから大事な論点だろうというふうに私は思います。
 ですから、厚生労働省も、また骨髄移植推進財団でも、これは、やはり雇われている方からしたらその使用者の方々、また団体に対して、骨髄提供を希望する方に適用できる特別休暇制度、こういうものの制定についても今までも協力依頼も行ってきたところでありますけれども、なお、これからさらに、先ほどお触れになりました休暇中の休業補償、こういう問題ももちろんあるわけであります。
 これは基本的には、民間企業になりますとそれぞれ労使の話合いの中ということが大前提に私はなろうかと思いますけれども、現実に一部の企業ではそういう制度も整備をしてきていただいていると、こういうことでありますから、なお厚生労働省としても、財団とともに引き続き努力をしてまいりたいと思っております。
#117
○島田智哉子君 ありがとうございます。
 それでは、患者さんの負担についてでありますけれども、骨髄バンクを介して移植される平均的なケースで、仮に移植が実施されたとしておよそ二十六万円、若干の引下げが行われたようでございますけれども、それでもこれだけの負担が掛かると。そして、移植が実施されない場合であってもおよそ十三万円の負担が掛かるということでありまして、患者さんの所得に応じた免除制度もあるにしましても、とてもやはり多額の負担が掛かっていまして、この問題も含めまして、ドナー登録者が間もなく三十万人に達するこの機会に、移植率を上げるための対応策を総合的に、財団はもとより政府としても支援策の検討が必要ではないかと考えますが、大臣の御所見をお聞かせください。
#118
○国務大臣(柳澤伯夫君) 骨髄移植につきましては、今ずっと質疑の中でも、また答弁者の方でも、ドナーの登録については近時その目標を達しつつあるということで、大変この点については、私はそういうドナーの皆さんに、意思表示をされた皆さんに心から敬意と感謝を申し上げたいと思います。
 それにしても、今、島田委員御指摘のように、それが本当の移植に結び付くかということにつきましては、いろんな意味の隘路が実はあるんだという御指摘、一つ一つ傾聴させていただきました。ドナー側では、先ほど挙げられた数字でも、仕事に差し障りがあって実際にはできないというようなこと、これは何とかできないかなとか、あるいは非常に、今度は患者さんの側の方では、余りにも時間が掛かり過ぎる経過の中で、そういう残念ながら必要がなくなってしまうというようなケース、それから今御指摘の、今度は経費が掛かり過ぎるというようなことですね。
 そういうようなことについていろいろ御指摘をいただきましたけれども、私どもこれから、そうした隘路の克服に向けて、厚生省の内部で、骨髄移植推進財団というところにおけるいろんな検討や御意見も踏まえまして、いろいろこれから検討をさせていただきたい、このようにお答え申し上げます。
#119
○島田智哉子君 是非、力強い御支援をお願い申し上げます。
 そして次に、周産期医療についてお聞きをいたします。
 今般、奈良県のお母さんが分娩中に意識不明となり、十九の病院から搬送を断られ、赤ちゃんを出産した後にお亡くなりになった問題について、これまで委員会の質疑においても様々な角度からの御議論がございました。報道によりますと、搬送を断った病院の多くがその理由をNICUが満床だったためとしているということでございます。先週の少子高齢社会に関する調査会の中でも現状の御認識をお聞きいたしましたが、新生児科病棟、病床においては、NICUが絶えず満床状態にあり、母体搬送を受け入れられないということが大変深刻な問題になっております。例えば、私の地元で恐縮なんですが、埼玉県の総合周産期母子医療センターのあります埼玉医科大学総合医療センターにおきましては、NICUが満床のため母体搬送依頼の五〇%以上を断らざるを得ない状況にございます。
 前国会、医療制度改革関連法案に対して本委員会で付されました附帯決議の一つに、小児科医療・産科医療両者の連携・協力の下に、地域における周産期医療体制の整備を図るとともに、NICUの確保と、その長期入院患者の後方支援施設も含めた支援体制の構築に努めることという項目がございます。前国会でも取り上げましたが、私は、NICUの整備が必要なことはもちろんでありますが、あわせて、ここに長期入院を余儀なくされている子供にとって、またお母さん、お父さんにとっての幸せを考えましたときに、できることなら子供にとっての我が家で、それが無理であるならば、せめていつでも面会ができ、親子が触れ合える中で治療が受けられることのできる環境の整備が必要だと思っております。
 しかしながら、そうした子供たちには極めて高度な医療が要求されます。そのため、従来の障害児施設や呼吸管理のできない小児科一般病棟では対応できない状況の中で、NICUに長期入院せざるを得ない状況にございます。前回の質問の際にも、また先週の調査会の中でも、御答弁にございましたのは、超重症児入院診療加算の引上げなど診療報酬上での対応が強調されました。
 改めてお聞きしたいのですが、厚生労働省は、今のNICUの長期入院をしている子供の現状をどのように認識をして、そしてそれらの引上げによってどの程度の長期入院の子供をどのような設備の施設に移せるとお考えになっているんでしょうか。
#120
○政府参考人(大谷泰夫君) NICUを始めまして、妊娠それから出産から新生児に至ります総合的な周産期医療体制を整備することは、御指摘のように、安心して子供を産み育てるということで非常に重要なことでございます。
 しかしながら、人工呼吸によります長期の管理が必要なお子さん、NICUに長期入院している患者が多くて、NICUの後方支援施設を含めましてその稼働率が低下しているという御指摘はそのとおりでございます。この問題は、母子の生命を救いたいという、これは必死の医療の、治療の結果として起きる問題という面もございまして、また医療技術の進歩や生命倫理にもかかわります難しい問題であります。
 こうしたことから、先ほどお話しいただきましたように、厚生労働省としましては、平成十八年の診療報酬改定におきましてNICUの後方支援施設の運営にも資する入院医療管理料等を引き上げたというところではございます。で、今その改定の効果を適切に見極めるということが重要ということで、これは六月六日の委員会でも前大臣がお答え申し上げ、また先週の調査会では副大臣の方から、そういうことも含めて積極的な対応を考えると申し上げたところでございます。
 今後どういった方法を取るか、小児科病棟あるいは重症心身障害児施設との整備や連携、また在宅におけるケアや、医療、福祉あるいは医療保険における多様な施策、これを総合的に組み合わせていかないとなかなか解決できない難しい問題と考えておりますが、今後、その組合せも含めて、鋭意検討していきたいと考えております。
#121
○島田智哉子君 本当に、搬送を断られて断られてという、満床で。そのお子さんが一体今どこに行っているのかという例が恐らくたくさんあるんだと思います。非常に私は心配をしております。
 私が申し上げたいのは、今すぐその対策を講じれば一気に解決できるような問題ではないということは承知の上で、であるからこそやはり、先ほど局長がいろいろとアイデアを振り絞ってくださっているように、これまでの研究結果を基に、あるいは引き続き必要な研究があれば行って、例えば人工呼吸管理ができる病院と療育の両方の機能を持った中間施設など、新しい概念の施設の検討なり研究が必要ではないかと。従来の保険制度の枠組みによる対応だけではなかなか解決できない問題だと思っております。
 ですから、診療報酬の引上げはそれで大変結構でございますけれども、もう少し実態に合った研究そして検討をお願いしたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#122
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今、雇・児局長が御答弁申し上げましたように、まず第一に、我々としてはこの診療報酬改定の効果を適切に見極めたいということでございます。しかる後に、また小児科病棟、重症心身障害児施設それから在宅でのケアなぞ、医療、福祉、保健にわたる多様な施策を総合的に検討をして、今、島田委員が非常にある意味でヒントを与えていただいたわけですが、新しいコンセプトの下での施設といったようなものも含めて、今後総合的に検討をしてまいりたいと、このように考えております。
#123
○島田智哉子君 是非よろしくお願いいたします。
 やはり、赤ちゃんでしたらお母さんの胸に抱かれたいですとか、本当に、痛いよと声も上げることできないですし寂しいよと言うこともできないので、そういった赤ちゃんの代弁をこれからも私はやっていこうと思いますので、是非大臣も力を下さい。よろしくお願いいたします。
 次に、これは大変難しい問題であるということを承知の上でお聞きしたいと思いますが、現在、厚生労働省において終末期医療に関するガイドラインについての検討が行われているということを承知いたしております。
 そうした中で、今年の七月に赤ちゃんの延命治療中止について大阪の病院の事例が大きく取り上げられました。また、大きな波紋を呼びました。報道を通じて厚生労働省においても事例の内容を把握されているものと思いますが、どういった事例であったか御説明ください。
#124
○政府参考人(大谷泰夫君) 二つの事例がございます。
 一つは、淀川キリスト病院におきまして、平成十七年までの七年間で赤ちゃん八人に対しましての例、それから近畿大病院におきまして、平成八年及び九年の二年間で赤ちゃん六人に対してそういった延命治療の中止ということがあったという報道がされたということは承知しております。
 いずれも重篤な医学的問題を有する出生児のケースと見られておりまして、厚生労働省で実地調査等をしたわけではございませんけれども、関係者から聞き取りや論文等を検討した内容によりますと、その生存や治療が見込めない非常に重篤なケースについて、医学技術、医療倫理にのっとって、家族とも十分に相談の上で慎重に対処された模様であるというふうに理解しております。
#125
○島田智哉子君 新生児医療においては赤ちゃんの意思は不明であって、予後の見通しが付かない場合も多いわけですけれども、そういう中で残念ながら死を避けられない小さな命が存在することは事実でありまして、治療により赤ちゃんに苦痛を与えている場合もあることは否定できないと思います。そして、どうしても救えないとするならば、最期は、お母さんの腕の中で安らかな最期を迎えさせてあげたいとする医師がいらっしゃることも事実です。しかし、その一方で、治療方針が医師の判断で決められがちではないかとする医療現場の問題点を指摘する意見もございます。
 昨年の厚生労働省の終末期医療に関する検討会の報告書でも小児の終末期医療の検討の必要性が指摘されておりましたが、今のガイドラインの検討の中においてこの問題についてもしっかりと御検討いただく必要があるのではないかと思いますが、柳澤大臣はこの検討の必要性についてどのようなお考えがあるか、お聞かせください。
#126
○国務大臣(柳澤伯夫君) 実は、今もお触れになられたように、九月の中旬に終末期医療に関するガイドライン、たたき台というものを国民にお示ししているところでございます。このたたき台といったものは、意思確認のできない患者を含めまして、回復の見込みのない末期状態の患者に対して、医療内容の決定の手続、実態ではなくてどういうプロセスでこれに対処するかということをお示ししているわけでございます。現在、このたたき台につきまして広く国民各層からの意見を募集しておるところでございます。今後、有識者が構成する検討会を開催しまして、最終的にこのガイドラインとして取りまとめていきたいと、このように考えているわけでございます。
 問題は、今、島田委員が主として御言及になっておられる新生児の終末期医療でございますが、これについても実は平成十六年の厚生労働省研究班によりますところの報告書というものが既に出ておりまして、その中において、重篤な疾患を持つ新生児について、その御家族と医療スタッフが話合いをするためのガイドライン、これも言わば手続の上でのガイドラインでございますが、そういったガイドラインについての研究がなされているわけでございます。
 私どもとしては、こうした研究の成果も踏まえつつこの問題に取り組んでまいりたいと、このように考えております。
#127
○島田智哉子君 非常に難しい問題だと思いますが、是非御検討をお願い申し上げます。
 また、次に、横浜、愛知で発生をいたしました保健師助産師看護師法違反容疑事件についてお聞きしてまいりたいと思います。
 まずは両事件の概要について御説明をください。
#128
○政府参考人(松谷有希雄君) 御質問の保健師助産師看護師法違反容疑の事件につきましては、捜査当局の捜査内容等を当省が把握する立場ではもちろんございませんけれども、横浜市及び愛知県庁から入手した情報によりますと、横浜市の堀病院及び豊橋市の竹内産婦人科の二施設でございますが、この両施設とも助産師資格のない看護師又は准看護師に内診をさせていたということでございます。
#129
○島田智哉子君 今回、相次いで警察の家宅捜査なり書類送検が行われたわけですけれども、なぜそうした違法行為を行わなければならなかったのか、そしてまたそのチェックができなかったのか、今のチェックシステムが機能しているかどうかという問題。それから、やはりその背景にはどういった問題があったのか、あるのか。
 厚生労働省の御説明では、平成十六年、助産師の就業者数は二万六千四十人で、全体で見れば充足している。ただし、病院に多く、診療所には少ない、いわゆる偏在をしていると、このような御説明ですけれども、しかし、全体から見れば偏在ということかもしれませんけれども、助産師を確保できない診療所や地域からすれば助産師が不足しており、悲鳴に近い声があるということも事実でございます。そうした診療所や地域における助産師不足の問題をどのように補っていくのか、その両面からの対応策が求められるのだと思います。
 そこで、なぜ違法行為がチェックできなかったのか、その点についてお聞きいたしたいと思いますが、まず今回問題となっている内診について、厚生労働省の検討会の中では、保助看法には助産の定義がなく、助産と診療の補助行為の違いが明確ではないという御意見があったようでありますけれども、保助看法第三条に規定する助産であるかという点について、厚生労働省の見解をお聞かせください。
#130
○政府参考人(松谷有希雄君) 助産の定義は法律上明確になっているわけではございませんけれども、医学的な判断によりますが、特に内診に関してで申し上げますと、産婦に対して内診を行うことによりまして、子宮口の開大、児頭の回旋等を確認すること並びに分娩進行の状況把握及び正常範囲からの逸脱の有無を判断するということは保健師助産師看護師法第三条に規定する助産であって、助産師又は医師以外の者が行ってはならないということとなっておりまして、そのようなことを看護師が行った場合には保健師助産師看護師法に違反するということになると考えております。
#131
○島田智哉子君 今回の事件は、正にそうした行為が医師、助産師以外の者が行ったという容疑であるわけですけれども、この問題は過去にも大変に大きな社会問題となり、国会でも御議論がございました。そして、その後、平成十三年に厚生労働省は、医療法第二十五条第一項の規定に基づく立入検査の実施についてという通知の中で、無資格者による助産業務の防止という内容が加えられていますが、その背景にあった事柄とその目的について御説明ください。
#132
○政府参考人(松谷有希雄君) 平成十三年度の通知でございますが、これは地方自治法第二百四十五条の四の規定に基づく技術的な助言といたしまして毎年度、前年度の立入検査結果やその時々の懸案事項を踏まえまして、立入検査の留意事項として各都道府県に通知しているものでございます。
 この背景でございますけれども、平成十二年十一月に日母産婦人科看護研修学院というものがございましたけれども、これの研修を修了した無資格の者が保健師助産師看護師法違反の疑いで書類送検されるという事実がございましたことから、医師又は助産師の資格を有していない者による助産の禁止を周知する目的のために、平成十三年度の通知から留意事項に加えるということといたしたものでございます。
#133
○島田智哉子君 実際に、その通知内容が加えられたことによって、都道府県等による指導が行われたりされたり、そのケース、どの程度あったんでしょうか。
#134
○政府参考人(松谷有希雄君) この通知によりまして、技術的な助言としていたしたわけでございますけれども、立入りに際しましてそういう点についてもチェックをするという、指導をするということといたしたわけでございます。
 これは、各都道府県が取りまとめるというか行います立入検査はこれは自治事務でございまして、すべて報告義務を課しているわけではございませんけれども、検査結果につきましては報告をいただいておりますけれども、個別の医療機関に対して行った指導の件数まではその報告に含まれてございませんので、国としては把握しておりません。
#135
○島田智哉子君 私は、今の医療法二十五条による立入検査によって、医師、助産師以外の者が行う助産行為をチェックすることは極めて難しいことだと思っております。実際に、今回の横浜市のケースにおいても現実にチェックできていませんでした。これはたまたまこれまでの横浜市の立入検査の在り方に問題があるのか、あるいは厚生労働省の立入検査要綱なり通知の内容が不十分だったのか。横浜市の肩を持つわけではありませんけれども、この検査で確認できるのは免許を持っているのかどうかということであって、それぞれの有資格者がどのような行為をしているのか、そういった検査にはなっていないんだと思います。検査をするにしても、現状のように助産師についてはその配置基準がない状況で、検査しようにも限界があるということもあるんだと思います。
 その意味では、私は、せめて産科を標榜する施設については、検査を行うに当たっての助産師の配置基準を設定する必要があるのではないかと思っているんですが、この点について大臣はいかがお考えでしょうか。
#136
○国務大臣(柳澤伯夫君) 確かに、医療法には助産師の数については看護職員のうちの適当数とすると、こういう規定になっているわけでございます。これはどうしてこのような、ある意味一義的な基準が設けられていないかということでございますが、これは当該の医療機関における産科医師の、何というか、考え方とその働き具合というようなことなどなど、産科医療の提供体制の状況が医療機関によって区々であるということが背景にあるというふうに我々理解をいたしております。そこで、助産師の配置については国が一律の標準数を定めるよりも、やはり各医療機関において具体的な状況を踏まえて適切な配置を行うことがふさわしいという考え方を取っているわけでございます。
 ただ、そうはいいましても、医療の安全をより一層確保しなければならないというのは今日の要請でございますので、今回の医療制度改革におきましては、医療機関に対して、都道府県を通じてでございますが、医療従事者の配置数などの情報を公表すると、こういうことで、言わば何というか、間接的な形で患者の皆さんあるいは国民の皆さんの批判の目というか、そういう客観的な目にさらすことを通じて自らが適切な配置数を確保していくと、こういう方法を取っているということでございます。こうした取組を通じて医療の質や安全の確保を図ってまいりたいと、このように考えております。
#137
○島田智哉子君 私は、配置基準がないということにとても驚いたのでこの質問をさせていただいたんですけれども、そうしますと、何を物差しにしてそのチェックをする、検査をするということになるんだろうかという気持ちなんですけれども、いずれにしましても、何よりもまず現状の実態を把握しなければやはり何も始まらないと思いますので、しっかりと把握していただきたいと思うんですが。
 昨年の三月の参議院内閣委員会において我が党の円より子議員がこの問題をお取り上げになりまして、当時の南野法務大臣に看護師さんが助産行為を行っていることに対して御見解を求められたところ、南野法務大臣は御答弁として、看護師が助産行為はできない行為になっておりますので、それはちょっとお考え違いをしている部分があるのではないかと思いますと述べられました。
 先ほどの御答弁で確認しましたように、当時の南野大臣の御答弁は正にそのとおりだと思いますけれども、しかし産科の医療現場ではそうでない行為が残念なことに行われていたんです。しかし、横浜市内では堀病院だけではなくて、その後の横浜市の調査では、二十五施設のうち四つの施設において看護師や准看護師が内診をしていた事実があったということが明らかにされました。全国ベースで見て横浜市がたまたまのケースだとは理解しづらいのではないでしょうか。
 大臣、御感想をお願いいたします。
#138
○政府参考人(松谷有希雄君) 横浜市からの報告の件でございますので、私から答弁申し上げます。
 横浜市の発表によりますと、今先生御指摘のとおり、横浜市内の分娩を取り扱う二十五施設の診療所のうち四施設で医師又は助産師が対応しない助産行為があったと、こういうことでございますけれども、その状況につきましては、手術中に分娩が重なったとき、あるいは当直をしていたとき、あるいは外来診療中や夜間といった医師や助産師が行うことが困難な場合があったということのようでございます。
 横浜市からは、この調査結果とともに、これら四施設に対しまして助産行為は医師又は助産師が行うものであるという指導を行ったという報告を受けたところでございまして、法の趣旨に即した適切な対応がなされたものと認識をしているところでございます。
 なお、他の自治体において現時点で違反行為が行われているという報告は受けておりません。
#139
○島田智哉子君 実際にこれだけの大きな問題となっておりまして、このままで本当に大丈夫なんだろうかという国民の大きな不安というものが感じられるわけですけれども、まずは実態を把握することが必要であることは当然でありまして、この点については、横浜の事件発生後、前川崎大臣が記者会見で次のような発言をされております。私ども、しっかりとしたまず現状を把握しなければならないだろう。まず横浜の病院、それから全国的にどういう状況にあるのかというのは、やはりもう一度厚生労働省としてしっかり見なければならないだろうと、このように述べられました。そして、この発言を受けて新聞等では、全国の実態を厚生労働省が調査へと報道がございました。
 ところが、一か月後に実態調査について私どもより担当部署に問い合わせをしましたところ、前大臣の趣旨が分からないので現在対応を検討中とのことでありました。この対応には非常にびっくりいたしました。
 その後、どのような対応を検討されたのでしょうか。
#140
○政府参考人(松谷有希雄君) 大変失礼な対応をしたようで、申し訳ございません。
 川崎前大臣の御意向は、これまで助産師は、先ほど先生御指摘のように、ほぼマクロの数字の上では充足しつつあるということでございますけれども、病院には助産師が相当数いる一方、診療所の助産師の数は相対的に少ないといった偏在の問題があると認識していたところであったわけでございますけれども、堀病院事件におきましては、ここは病院でございまして、病院において助産師が少なかったことが問題となったことから、他の病院の助産師の数がどうなっているかということを承知したいということであったと認識をしております。
 こういった認識を踏まえまして、直近のデータで全国の医師や助産師の数につきまして、分娩数との関係を把握すべく、現在引き続き集計作業は続けられております平成十七年の医療施設調査の分析を進めているところでございます。
#141
○島田智哉子君 平成十七年の医療施設調査、まあ今月出されるということでありましたけれども、その数字は別として、その医療施設調査の何のデータを基にどう解析し、どのような流れで実態調査を行うのか。取りあえずはその前回の平成十四年の調査を基に御説明いただきたいと、そのように申しましたところ、皆様のお手元にも配付されていると思いますが、資料が私の手元に届けられました。これをもってどのように実態把握をなさるのか、資料に基づいて御説明ください。
#142
○政府参考人(松谷有希雄君) 平成十七年度の医療施設調査において得られましたデータにつきまして、特別集計を行うことによりまして医師及び助産師の数並びに分娩件数ごとの施設数が分かるというところでございまして、分娩件数との見合いで極端に助産師の数が少ない施設数及びその分布が判明することとなるわけでございます。
 この数字を都道府県ごとに把握することも可能でございますので、厚生労働省といたしましては、各都道府県に対しましてこの結果を示しまして、立入検査等の実施に際しそれを活用することを助言するなどしながら、違法な行為が行われないように努めていきたいと考えておる次第でございます。
#143
○島田智哉子君 この資料で実態が把握できないと私は判断しましたので御説明いただいたんですけれども、先ほどの御説明でも私はちょっとまだ理解ができません。本当にそれで実態が把握されるんでしょうか。そういう傾向ぐらいは分かるかもしれませんけれども、それでも、川崎前大臣がおっしゃったように、まず現状を把握しなければならないと、そしてもう一度厚生労働省としてしっかり見なければならないと。御発言に沿うようなしっかりとした実態調査、これではだれが見ても思えないと思うんですね。
 全く数字を見ても見えてこないわけでして、今回、幾つかの都道府県の担当者さんにお話をお聞きしましたところ、ある都道府県では、厚生労働省から実態調査について何らかの通知が来ると思うのでその通知を待っていると。担当部署には問い合わせの連絡が入っているので御存じだと思います。また、別の都道府県の担当者さんは、厚生労働省が実態調査を中止したので対応に困っているということをおっしゃっていました。
 大臣、今後の対応、対策を検討していく上で現状をしっかりと把握することがまず先決ではないでしょうか。前大臣がおっしゃったしっかりとした実態調査を行うべきだと思いますが、大臣いかがでしょうか。
#144
○国務大臣(柳澤伯夫君) 我々も、着任するなり、助産師のこの配置状況は、診療所は手薄なんだけれどもそれは病院の方にむしろ手厚く配置が行われていることの反映かもしれませんと、そういう意味ではここにある種の偏在というものがあるということの報告を聞いたわけでございますけれども、ただいま先生が御提示いただいたこの資料は、ちょっとこれは私はもう、同じ年の医療施設調査報告、医療施設の調査、病院報告だということ、こっちは診療所とこっちが病院でございますか、なかなかこれは、分娩三十一件以上あるのが助産師が一人未満というのが十八か所とかと書いてあったり、同じく三十一件以上あるが助産師が一人未満の診療所百十七か所とか、これは先生がコメントをしていただいたものかもしれませんが、いや、これはややこの分析が必要なことだろうと、このように考えて見させていただいております。
#145
○島田智哉子君 なぜそのように実態を把握されることに消極的なのかなと私は不思議に思うんですが、その横浜市においてもこれだけ短期間の間で調査、現状が把握できたわけですから。
 また、この表なんですけれども、四角い枠でくくってあるところ、ゼロ人、助産師がほとんどゼロのところにちょっとくくってある、箱で、何というんでしょう、ただ枠でくくってあるところがあるんですけれども、前半の答弁で配置基準ができないということでしたけれども、これは何らかの基準があってくくってあるわけだと思うんですね。ただの線とか枠とかじゃないんだと思うんですね。なぜ枠、くくってあるのかとちょっと担当者の方に質問したときは、消しましょうかと言われたんですけれども、やっぱり何らかの基準があってここに枠が付けてあるんだと思うんですけれども、大臣、再度御答弁いただきたいんですが、本当にしっかりと実態調査を行っていただきたいんです。是非お願いいたします。大臣、どうぞ。
#146
○国務大臣(柳澤伯夫君) 我々は、この資料を見ましても、ちょっと今まで聞いてまいりましたこととも状況が違うんで、まずこの資料そのものについて正確な把握をいたしたいというのが先ほど来の私の答弁でございます。
#147
○島田智哉子君 本当に実態をしっかりと調査していただいて、そして一目で見て分かる、全国の状況が分かるような資料をお作りいただけるように実態調査を行っていただきたいと思います。やはり実態を把握した上で、今後どのように対応していくのか、その検討を早急に行わなければならないんだと思うんですけれども。
 それから、今回の事件で問題となりました産科における看護師等の業務についてでありますけれども、昨年、厚生労働省の検討会のまとめの中では見直し論、反対論、慎重論とあって、結論は出されなかったようでありますが、それぞれ具体的にどのような御意見があったのでしょうか、お聞かせください。
#148
○政府参考人(松谷有希雄君) 今御指摘の平成十七年四月から平成十七年十一月まで十三回にわたって開催されました医療安全の確保に向けた保健師助産師看護師法等のあり方に関する検討会におきまして、産科における看護師等の業務につきましても御議論をいただきまして、御指摘のとおり、見直し論、反対論、慎重論、三論がそれぞれ出されたところでございます。
 見直し論につきましては、分娩第一期、これは子宮口がだんだん広がって、全開大といいますけれども、もう子供が生まれる広さまで大きくなる、そこまでの時期でございますが、この分娩第一期において看護師が内診により子宮口の開大度、児頭の下降度、児頭、子供の頭ですね、児頭の下降度の計測を行うことは認めるべきであるというような見直し論。一方、見直し論に反対する反対論といたしまして、内診は分娩進行状況を判断するための全体掌握の手段であり、単に計測だけを切り離して看護師が診療の補助として行うことはできないという論。それから見直し論に対する慎重論といたしまして、従来の内診から子宮口の開大度と児頭の下降度の測定のみを切り離すことは可能なのか、また仮に可能だとしても測定したもの以外の情報が医師に伝わらない制度になってしまうのではないかなどの御意見が挙げられたところでございます。
#149
○島田智哉子君 様々な御意見があったと思うんですけれども、昨年の検討会では結論が先送りにされた中で今回の事件が起こって、そのことによって、現在妊娠している方はもちろんですが、これから妊娠、出産されようとする方々に大変な不安を抱かせているということは本当に大きな問題でありまして、厚生労働省として今後この問題をどのように対処していくのか、大臣のお考えをお聞かせください。
#150
○国務大臣(柳澤伯夫君) 医師の偏在それからまた助産師の偏在等々が指摘をされるわけですけれども、私どもの考え方として、基本はやはり日本の、非常に日本社会の高密度と申しましょうかそういうことの中で、やはりすぐに数の拡充を図るというようなことよりも、与えられた数の中でできるだけ働きの、機能の効率化を図っていくと。もちろんそれは、無理がいくようでは困るわけですけれども、そういうことを目指して患者さんを始めとする国民の皆さんに不安を与えないようにしていきたいということを旨として取り組もうというふうにしているというふうに言えるかと思うわけです。
 そういう中で、いろいろ今御指摘をいただきました検討会の報告でもいろいろな論があったわけでございますけれども、同時に、それに加えまして、潜在助産師の活用をもっとやるとか、あるいは助産師の病院への偏在を是正する等の、そういう形での助産師の確保策を進めるべきである、あるいは産婦の不安がないように専門性や役割を明らかにするなどの情報開示が必要ではないかというような御指摘も同時にいただいたわけです。
 そういった御指摘を受けまして、具体的には私どもとして、潜在助産師への研修の実施及びその充実、また産科診療所に勤務する看護師が助産師資格を取りやすくするために養成所を設けるといったこと、さらにはまた、先ほどの情報開示につきましては、例えば名札やユニホーム等によって医療従事者の資格を産婦さんからあるいはその他の関係者から識別しやすくするようにというような形で、医師と助産師との適切な役割分担、連携の下で安心、安全が確保されたお産を行っていただけるように、そういう方向で事態の改善を図ってまいりたいと、このように考えておる次第です。
#151
○島田智哉子君 現在、少子化でありまして、私は女性の立場からしまして、様々な少子化対策が行われておりますけれども、やはり安心して産み育てられる環境というものがしっかりと女性が認識できるような環境でなければ、不安な中で出産しようと思う女性というのはやはり少ないと思うんですね。
 ですから、やはり医療という部分でもそうですし、少子化対策という部分でもそうでしょうけれども、やはり安心して産み育てられるように、周産期医療の充実ですとか医療従事者の確保ですとか、本当に様々問題は山積みだと思いますが、どうぞ大臣、しっかりと今後とも行っていただきたいとお願いを申し上げまして、私の質問とさせていただきます。
 ありがとうございました。
#152
○山本保君 公明党の山本保です。
 私は、今日は、前国会で改正、成立いたしました医療法等の改正に関しまして、特にその中で新しく今までよりもはっきり義務付けられました健康診断、そして保健指導を中心にまずお聞きし、その後医薬品の安全性について少しお聞きしようと思っておりますので。
 最初に柳澤大臣、前国会のことでありますので、ちょっと思い出すといいますか確認していただくためにちょっと御質問いたしますけれども、よくメタボリックシンドロームとかいう言葉で言われます、内臓脂肪型肥満というんでしょうか、これを、この対策を国として重視すると。そのために、健康診断、保健指導を義務化するという制度改正があったわけでございます。
 このねらいといいますか、またその意義について、どのようにお考えなのかをお願いいたしまして、それと絡めましてといいますか、それまで健康日本21という形で国は施策を進めてきたわけであります。たしか再来年の四月までですか、具体的な七十項目の目標を決めて進めてきたわけでありますが、どうもなかなかこれがうまく進んでいないというような声も聞くわけであります。これとの関連といいますか、この目標をどこか置いていったわけでもないんだろうと思いますし、これとこの今回のメタボリックシンドロームということについての関係ということを考えまして、この健康日本21の目標達成というものはどのような今お気持ちでおられるのか、その辺をお聞きしたいと思います。
#153
○国務大臣(柳澤伯夫君) ただいま山本委員がお触れになりました健康日本21につきましては、現在中間評価を行っておりますけれども、確かに御指摘のように策定時よりむしろ悪化してしまった、そういう項目も見られるということでございます。これまでの進捗状況は必ずしも十分でないということでございまして、健康づくりに向けたより効果的な対策が必要だと私ども考えております。
 御指摘の前大臣の下で行われました医療制度改革でございますけれども、ここでメタボリックシンドロームの考え方を導入をいたしまして、これから生活習慣の改善によって生活習慣病を予防すると、こういうことを大きく取り上げたわけでございます。この生活習慣病対策としては、住民全体の健康づくりに向けた普及啓発という、ある意味でジェネラルアプローチというかポピュレーションアプローチというものと、それから現実にリスクの高い人を抽出して、そういう対象に向けた対策を集約的に行っていくと、こういうハイリスクアプローチというものを念頭に置きまして、このメタボリックシンドロームに着目した健診、保健指導の実施ということを考えておりまして、それはそういうことでリスクの高い者を抽出してしっかりした対策を講じていくと、こういう枠組みを取っているところでございます。
 こうした取組を積極的に推進することによって糖尿病等の疾病を予防して、健康な、健全な長寿を享受してもらうということと同時に、中長期的な医療費の適正化にも資してもらえると、こういうように考えているわけでございます。
 平成二十年度からの保険者による健診、保健指導につきまして、その準備が円滑に進みますよう国としても標準的なプログラムの策定等の必要な支援を行って、この我々の新しい医療制度改革がそういう形で実を結ぶということを考えているわけでございます。
#154
○山本保君 これは通告していなかったので、局長さん、もしお分かりならでいいです。
 今の大臣の答弁で、そうなりますと、やはりこの残念ながら健康日本21においては、もちろん初めての健康増進法、そして初めてこういう数値目標などを設けるということで、たしかあのとき我々もなかなか大変だけれども頑張れと、こう言った覚えがあるわけですが、こうなりますと、今度の新しい法律とも絡めて少し目標設定などは修正若しくは別の目標に、新しい目標を付け加えていくとか、そういうようなことは行われるんでしょうか、もしお分かりならお願いいたします。
#155
○政府参考人(外口崇君) 健康日本21については今中間評価を行っておりまして、その中間評価の中で必要なものがあれば、新たな指標でございますとか、それからもっと考え方を分かりやすく整理するとか、それは必要な対応を取ってまいりたいと考えております。
#156
○山本保君 それでは、通告してあったところに戻りますけれども、今大臣からお話がありましたように、正に今までは、早期発見、早期治療という形での健康診断というものに加えて、今おっしゃいましたような動機付けですとか、介入型ですね、正に自主的に健康を進めるような、そういう生活をつくっていこうという考え方、大変いいと思うんですけれども、これも実は、前国会の最後のときにたしか時間をいただきまして、私御質問したことでありました。
 ただ、当時は法律のまだこれから枠組みですということであったんですが、お聞きしますと、八月に標準的な健診また保健指導プログラムという暫定版というのが出されたというふうに聞きまして、ちょっとお見せいただいたんですが、このものにちょっと沿いまして少しお聞きしたいんですが、まず、この健康診断そして保健指導と、これは今までもあったということですが、これは当然、全国民といいますか、四十歳以上すべてということになりますと大変なものですし、また今のお話のように自分の生活も変えていこうというようなことですから、これはすべての方が絡むようなことです。
 そうしますと、まず、だれが、どのような専門家がどういう形で進められるのかということ、そしてそのときに、まだはっきりしないかもしれませんが、費用が幾らぐらいこれは掛かり、それはどういうふうな負担になるのであろうかということが気になるわけであります。この辺について、保険局長さんですか、お願いします。
#157
○政府参考人(水田邦雄君) まず、この生活習慣病に着目いたしました特定健診それから特定保健指導についての役割分担ということでございますけれども、先般の医療制度改革におきまして、医療保険者に対してその実施をまず義務付けたわけでございます。
 その理由は、特にこの特定健診それから保健指導を実施することによって医療費適正化が期待されているわけでありますけれども、その恩恵を直接に受けるのは医療保険者であるということ、それから対象者の把握を行いやすいと、こういったことから医療保険者に対して実施を義務付けることとしたものでございます。ただ、現実にこの医療保険者がすべてやるわけじゃありませんで、これは委託をして行うということも可能にしているわけでございます。
 それから次に、特定健診それから特定保健指導の費用負担についてでございますけれども、被用者保険の被保険者本人の場合には、基本的には労働安全衛生法に基づく事業主健診として事業主が負担することになるわけでございますが、そのほか、被扶養者の場合どうするかということが問題になるわけであります。この場合には、原則として保険料と利用者本人の負担ということになるわけでありますけれども、一部国庫による補助というものを行うことができることとなってございます。
 それからもう一つ、市町村国保の被保険者の場合には、保険料と利用者本人の負担のほか、健診費用等の一部につきまして国と都道府県が三分の一ずつ負担をすると、このような定めになってございます。
#158
○山本保君 その分担は大体分かりましたが、この考え方によりますと、健康診断のどういう項目をするかということも大体案ができているようです。これから変更があるとしても、この段階で大体これですと、一回当たり幾らぐらいそのお金が要るのかということについても、今の段階で結構ですからお答えいただけますか。
#159
○政府参考人(水田邦雄君) 健診の単価につきまして、これは個々の契約で決まるものでございますので一律にお示しするということは難しいわけでありますけれども、現行の老人保健事業における予算上の単価で申し上げますと、個別医療機関委託方式で約九千九百円、それから集団健診又は保健所でやる場合に約四千百円ということでございますので、これらを平均いたしますと、おおむね五千円程度になると、このように見込んでおります。
#160
○山本保君 そうしますと、それが、先ほどのことに戻りますと、保険者が負担をするものであると。そして、それに対して、割合がいろいろありますが、公費負担補助もあり得ると。ただ、場合によっては本人負担もあるということかなということで理解したいと思いますが、局長、それでよろしいですか。確認だけ。
#161
○政府参考人(水田邦雄君) その加入者のステータスによって違うわけでありますけれども、被扶養者になりますと、それは保険料と利用者本人の負担それから一部国庫による補助というものを考えていると。この三つの財源で行われるということでございます。
#162
○山本保君 それで、当然これはまず健康診断の方がよりお医者さんの仕事というふうに考えるわけです。先ほど委託でありますとかいうことがありまして、ちょっと地元の先生方からも、大きな会社などが自分たちでどんどんそういうセンターをつくられて進めていくんじゃないかと。しかし、やはり国民の医療ということになりますと、地域のお医者さんたちが基本的に責任を持って頑張っているわけですので、まず地域の医療機関を重視するような体制を取るべきではないかという話もあるわけですけれども、この辺、民間が新しく、お医者さんが一人いればそういうセンターをつくってもいいというようなことになるのか、何かちゃんときちんと基準を設けているというふうに思いますけれども、この辺の考え方について確認したいと思います。
#163
○政府参考人(外口崇君) 医療制度改革の関連の法律におきまして、この特定健診につきましては、「病院又は診療所その他適当と認められるものに対し、その実施を委託することができる。」とされております。したがいまして、特定健診の実施に際して医療機関の役割は大きいものと考えております。
#164
○山本保君 それで、今度は保健指導の方についてちょっと分けてお聞きしますが、これを見ますと、お医者さん以外に保健婦さんですか、それから管理栄養士さん、こういう方も人材として出ているというふうに理解しますが、当然その先生方にやっていただくんだなと思うんですが、例えばこれは、これも地元で話していまして、地域の薬局の薬剤師さんという方が、我々としてはちょっと太っちゃったんじゃないかなとか結構相談に行ったりするわけですし、また、地域性というのは、今のお医者さんは別としますと、ほかの方よりは住民にとって非常に身近な存在です。全部が全部お医者さんが同じことができるわけはもちろんありませんけれども、そのための研修なども考えられているということでありますので、なるべくここは幅広にもう少し専門家を入れた方がいいんじゃないかなという気もするんですが、いかがでしょうか。
#165
○政府参考人(外口崇君) 御指摘の保健指導についてでございますが、健診結果から本人に自分の身体の状態等を理解してもらった上で、運動や食事等における生活習慣の改善の必要性を認識し、自らの行動変容に結び付けることが重要であります。
 こうした保健指導を行うに当たりましては、医師、保健師、管理栄養士が中心となって担っていただくことを想定しておりますが、御指摘の薬剤師についてもこの分野に何らかの形で加わっていただくことはできるのではないかと思います。
#166
○山本保君 もちろんいろんなステップがありますから、中核的なところでまずお医者さんと連携してその指導計画をきちんと作りそれを評価するというような仕事のところと、それから、具体的にそれをプログラムとして実施するというところがまた分かれてくるような気もするんですね。ですから、薬剤師さんについて私はその中核の方に入ってもいいんじゃないかなと思うんですが。
 ちょっと、じゃ、まあ検討するということだろうと思いますので、もう一つ、この前の国会の最後に、大分先走りまして、つまり、これはもう大変な国民運動をつくろうと、こういうわけですから、そうなりますと、人材が、正に具体的なプログラムを進めるような人材はどういう人がいますかと、私質問したんですね。そうしましたら、あの当時はまだお医者さんと保健師さんだと、こういう答えでした。いや、それじゃ数が全然足りませんし、それから、私の経験からいっても、実際に病気じゃない方についていろんな運動をするとなってきますと、そういう方の指導を受けて、連携を取って、運動であるとか空手の先生だとかエアロビクスの方とかのいろんな方がいるじゃないかと。
 で、文科省呼びまして、大体十一万人ぐらい上級コーチ資格を持っている方がいるという答弁がありましたので、こういう方にも是非協力をしていただいたらどうだと、こう申し上げたんですが、たしか検討するというか前向きの答弁だったと私思っておるんですけれども、今回のこの暫定版のプログラムを見ますと、そういう発想が全然出てこないんでありますけれども、これはまあ暫定だということなんですが、もう少し検討していただきたいと思うんですが、いかがでございましょう。
#167
○政府参考人(外口崇君) 今、この暫定版をベースにいたしまして様々な分野からいろいろな意見をお伺いしております。それからまた、モデル事業みたいなものも行っておりますので、最終版に向けてはできるだけ具体的というか現場に合ったもの、といって実効上、効率性とか何かに、合理的なものとかいうそういったものとの兼ね合いで余り無理なこともできないと思いますので、そういったことを、様々な意見を踏まえながら最終版に向けての議論を詰めていきたいと思っております。
#168
○山本保君 よろしくお願いします。
 現場の方にいろいろそういう話をしますと、例えば空手の先生などもそういうお年寄り向けだとか、健康の、正に中国だったら太極拳でしょうけど、そんなプログラムというか、そういう技もあるんですよというふうなことも言われますし、また今回見ますとゴルフが載っているんですけれども、ゴルフ練習場の社長さんなんかは是非そういうのを使っていただければというふうな声もあります。
 もちろんこういう仕事というのは、全部公費でとか保険というその仕事じゃないと思うんですね。これは自分の健康維持のためのものですから、その導入をされればよろしいと思っておりますので、その辺まで具体的に考えていただきたいと思っております。
 一つ、昨日実は日本歯科医師会の大久保会長とちょっとお会いしましたときにこの話になりましたら、健康日本21には歯科の診断が義務といいますか入っておりまして、しかも一生懸命やってきたんだと。さっきの話でなかなか目標値達成していないが、歯科関係で見ると大体十六項目あるんだけれども、ほとんど十五項目ぐらいはうまくいっていると、こういう数値も挙げて説明を受けました。
 ところが、今回のこのメタボリック対策には入っていないと。私、素人は、いや、それはメタボリックと歯は関係ないんじゃないですかと言ったら、いやいや、そんなことないんだと、健康長寿だとかそれから糖尿病ですか、こういうものというのは、やっぱりきちんと食べるとか、それができるということと関係があるんだと、こうおっしゃるんですけれども、ちょっと置き去りにされているのではないかという気が私もするんですけれど、これはいかがでございましょう。
#169
○政府参考人(外口崇君) 医療保険者が実施する特定健康診査の内容につきましては、これは老人保健事業における基本健康診査の項目を踏まえて、メタボリックシンドローム対策として必要な項目の選定等を行っているところであります。老人保健事業のうち、歯科健診等の医療保険者が実施する特定健康診査には含まれない事項につきましては、これは健康増進法に基づき引き続き市町村において実施していただくことになると考えております。
#170
○山本保君 具体的にどういうことなのか、ちょっと今日はもう時間がありませんのでお聞きしませんけれども、またこれは改めてもう少しその具体的な中身についてお聞きしたいと思っております。
 副大臣にここで、ちょっとまとめ的なんですが、先ほど大臣の答弁にもあったんですが、この事業というのは基本的に保険者というところにデータが入ってくるわけです。もちろん今まででも保険者は当然、医療費に関しては皆持っているといえば当然なんですが、しかし今度の場合は大変、お医者、まだ病気にかかっていないような人も含めて、はっきり言えばすべての国民の健康情報みたいなのが保険者に入ってくるということになるわけで、今こういうところは情報管理について大変心配な点があるんですけれども、この辺は大丈夫でしょうか。副大臣、お願いいたします。
#171
○副大臣(石田祝稔君) 健診データについては御心配をいただいておりますけれども、個人情報保護の観点から、これはもう適切な対応を行うことはもう極めて重要なことでございます。
 先般の医療制度改革関連法においても、保険者の役職員に対して守秘義務を課すと、そして違反した場合には一年以下の懲役又は百万円以下の罰金の対象としております。また、保険者は個人情報保護法の対象にもなりますので、五千件以上のデータを保管する場合にはデータの漏えい、滅失又は毀損の防止といった処置を講じなければならないと、こういうことにもなるわけでございます。そして、不適切な場合には厚生労働大臣又は都道府県知事が勧告及び命令を行うと、こういうことになっております。
 国としては、保険者に対して個人情報保護の取扱いが適切に行われるように、その指導を徹底してまいりたいと思います。
#172
○山本保君 よろしくお願いします。
 それで、この健康関係に関しましてはまだ紙の情報でもいいのかなという気もしますし、それですぐハードどうなるという話じゃないんですが、ちょっと観点今度変えまして次の方へ移りまして、レセプト情報を平成二十三年までに全部オンラインで提出せよという制度になっていると思うんですね。これは、今どの程度進んでいるのか、これも副大臣にお願いしたいんですが。
 ついでに、一緒に、今のお話と実は絡むんですけれども、最近インターネットで情報漏えいということが大変大きな問題になっております。何か六百万人以上というようなものがあったり、またそれが損害賠償ということになって一千億円以上のものが出たというようなこともあるようでございますが、この辺は今度オンラインをするということは、こういうことは避けられないのではないかという気もするわけですが、大変なことです、もしそんなことになりますと。この辺はどういう手が打ってあるんでしょうか。
#173
○副大臣(石田祝稔君) 今のお話にありましたとおり、二十三年度までに原則すべてのレセプトのオンラインによる提出と、こういうことを予定をいたしておりますが、現状は七つの病院について実施をいたしておりまして、平成十九年度に向けてのすべての医療機関、薬局に対応するためのオンラインシステムの開発を今しているところでございます。
 なお、レセプト、電子媒体で提出するレセプト電算処理につきましても、薬局について全レセプト件数の七〇%余り、病院については三〇%、診療所については一〇%と、こういうことになっております。ですから、二十三年度まで時間があるといえばあるんですけれども、原則としてすべてのレセプトをオンラインで提出に向けて全力で進めてまいりたいと思っております。
 それから、インターネットの問題で漏えいということにも大変御心配をいただいておりますけれども、そういうことのないように、これはデータを暗号化するとか、また請求に当たっての電子証明書により医療機関が正当な請求者であることの認証、こういうことにつきましても努力をいたしまして、データの改ざん等がないようにしてまいりたいと思っております。
#174
○山本保君 次の問題に移ります。
 いわゆる後発医薬品について、現場の方でなかなかまだ態度が明確でないようであります。つまり、お医者さんが全部決めているので問題ないとか、又はテレビCMなどで非常にこれは問題、おかしいというふうなのがあるかと思えば、患者さんがそう言うならそれでいいですよというのもある、その間をいろいろ動いていると、こういうようなことを聞いておりまして、これ少しお話を聞きたいんですが。
 最初に、大臣にお聞きします。
 つい先日ですか、厚生労働省に有効で安全な医薬品を迅速に提供するための検討会というのがつくられたというふうに聞いております。このねらい、考え方をお教えください。
#175
○国務大臣(柳澤伯夫君) 医療技術、医薬品は正に日進月歩の進歩を遂げております。一方、海外の医療現場で利用されている医薬品が国内では速やかに利用できないんじゃないかという声もありまして、私どもとしては、まず、基本的に安全で有効な医薬品が迅速に国民の手元に届くということが必要だというふうに考えております。
 他方、安倍総理は、就任に当たって行いました所信表明演説でも、我が国の経済成長に貢献するイノベーションにつきまして、イノベーション二十五の一丁目一番地が医薬分野であると、こういうことを明らかにして、私は担当大臣としてこの演説を緊張して聞いたということでございます。そういう意味で、イノベーションによって創造される新薬を国民の手元にいち早く届けるということは、そういった意味でも大事だということでございます。
 もちろん、その医薬の創造ということは、基礎研究段階それから臨床研究、いわゆる治験でございますそういう段階、そしてそれらを架橋するところの臨床への懸け橋というか、そういう段階というようなことで各局面があるわけですけれども、最近はどちらかというと、もう臨床研究の方にもっと重点を置いてくれないかというような声も研究者の関係の方々から上がっていると、こういうことでございます。
 私どもは、したがいまして、この臨床研究、治験という段階を一層重視していこうというようなことで、そのための、審査を含めてでございますけれども、有効で安全な医薬品をスピーディーに提供していく、そういう枠組みの検討をしたいということで今回この検討会を発足させていただいたわけでございます。
 今後、来年の夏をめどに検討を進めて、その結果を踏まえ、所要の施策を速やかに実施してまいりたいと、このように考えているというわけでございます。
#176
○山本保君 では、局長にお聞きしたいんですが、今大臣がおっしゃった、新しいものを含んだイノベーション若しくはといいますか、新しい特効薬なども本当に日本でもっとつくられるように国としても応援していかなくちゃいけないと思っておりますが。
 今、もう一つの後発品について、国の方もこれをもっと積極的に推進しようという流れにあるようであります。ただ、これがただ単に医療費が下がるのでということだけが前面に出ているような気もしないでもない。やはり安全性とかその情報、そして今ちょっと出ましたようなその効果についてきちんとした情報提供と、そしてまた実際に提供できるような安定した供給体制があるかとか、こういう問題が非常に重要なところでありますけれども、今、国としてはこの後発医薬品使用についてはどういう態度を取っておられるのか、お願いいたします。
#177
○政府参考人(松谷有希雄君) 後発医薬品を普及させるということは、今先生御指摘の患者負担の軽減や医療保険財政の改善にも資するということから、政府としても積極的に推進する考えでおります。
 しかしながら、我が国の医薬品市場において後発医薬品のシェアというのは諸外国と比べて低くなっておりまして、その原因といたしましては、後発医薬品企業が医療関係者の信頼をいまだ獲得し得ていないということ、あるいはお医者さんが先発医薬品の商品名で処方するために患者さんが後発医薬品を選択しにくいといったようなことが指摘されておるわけでございます。
 このため、後発医薬品の安定供給の確保、それから情報提供の充実、それから医療上必要な規格の収載につきまして徹底するように後発医薬品業界に対しまして指導をいたしますとともに、お医者さんが発行する処方せんの様式を変更いたしまして、後発医薬品への変更を可とする署名欄を設けたところでございます。
 こういった取組を通じまして後発医薬品の普及を促進しているところでございますが、普及状況を踏まえまして更なる促進策について検討していきたいと考えております。
#178
○山本保君 これで最後、これで終わりますけれども、今の促進策で、私はまあそれが当然だと思うんですが、やはり医師会などの調査結果を見ましても、効果だとかまた品質、安定供給等について半分以上のお医者さんがまだまだ疑問を持っていると、こういう数字も見ております。
 ですから、処方せんなどのことを変えるということもよろしいですし、またそれに対するPRもよろしいんですが、やはりそれ以上に、今のこの中身についての安心、安全が大丈夫だということについてもっとしっかり国の方は、今日はもう細かいことは申し上げませんけれども、具体的な手を打ち、その情報公開を進めていただきたいということをお願いしたいんですが、じゃ局長、それ、その辺についてお答えいただいて、終わりたいと思いますが。
#179
○政府参考人(高橋直人君) 元々ジェネリック医薬品は、後発医薬品は、先発品と比較して有効性、安全性、これは元々、医薬品としての品質の規格でありますとか安定性でありますとか、そういったものはもうこれは同等なものでありますので、その辺は、今いろいろお話がございましたが、私ども医薬品を承認している立場からいえば、その先発品との同等性というのは十分保たれているということでひとつ御理解を願えればと思います。
 また、その辺もし医療現場で理解がまだ十分でないということであれば、私どもとしてもその辺はきちっと申し上げていきたいというふうに考えます。
#180
○山本保君 一言だけ、ちょっと。
 いや、同等であったら、同等で全く同じだったら、そんな心配なんてないわけですよね。それは化学式見て同じだというんだったら、そうです。だけれども、やはり薬として処方する以上、そのためのつくり替えがどうだったか、周りの成分はどうだとか、本当にそのものが血液の中で動いているのかとか、そういうことについて専門家が心配されているわけですから。
 同等だからって、それ、局長は今言って終わってしまったんだったら、何もその心配なんかないはずなんです。まあこれは答弁要りませんが、注意を申し上げまして、終わります。
 ありがとうございました。
#181
○浮島とも子君 山本保委員に引き続き質問さしていただきます公明党の浮島とも子です。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は、まず初めに、医師の偏在、医師の不足についてお伺いをさしていただきたいと思います。
 医療提供体制における大きな問題として今各所で言われているように、特定の地域、特定の診療科における医師不足がございます。中でも産科、小児科の医師については休日、夜間に診療を求められるといった過酷な勤務状況や、産科については診療科の中でもとりわけ高い訴訟リスクが伴うなどということから医学生からも敬遠されているようで、なかなかなり手がいない状況にあるのが現状のようでございます。
 この産科、小児科については、ほかの診療科と比べて女性の医師の割合が高くなっております。女性や子供の患者さんが多い診療科ですので、女性の優しさや細やかさを生かすには最適の職場だと思いますけれども、こうした分野への女性の医師の進出、女性の活躍の場の拡大は、患者さんにとっても歓迎すべきことではないかと私は考えております。
 しかし、女性医師が多い、割合が多いことが、一方では医師不足を招いているのではないかと言われているのも現状でございます。と申しますのは、この医療の分野に限ってのことではございませんけれども、どうしても結婚、出産を機に仕事を辞めなければならないといったケースが多くございます。妊娠や出産によって二十代、三十代の女性医師の離職率が高いことが全国的な医師不足の一因になっているとも言われております。特に病院勤務医師のような、残業があって、当直があり、夜間呼出しがありといった勤務体制では、家事、育児を担う女性は続けたくても続けられないといった状況になってしまうのが現状です。これでは医師の道を志して医師となった女性が報われないと私は考えておりますけれども、育児を終えてから、また育児をしながらでも勤務ができる、こうした勤務環境の整備、さらには育児を終えて現場に戻る医師が最新の医学的知識を身に付ける場を設けることが必要ではないかと考えております。
 先日、私は地元の独立行政法人国立病院機構大阪医療センターを視察してまいりました。女性医師は現在六十一名在籍、全医師の二七%を占めております。また、研修医に至っては五二・六%が女性と、女性医師が非常に多いことにとても驚きました。また、うれしいことだったんですけれども、それは初めから多かったわけではなくて、当院は病院を挙げてサポート体制を取っているからだということを視察をして理解を深めたことでございます。
 女性医師勤務環境改善プロジェクトというのを当病院では立ち上げられており、病院内には保育所が設けられておりました。一人の女性医師が二人、三人とお子さんを産まれるという方も多くいらっしゃるとお伺いいたしました。また、子供たちも院内の保育園で本当に生き生きと遊んでいるのがとても印象的でございましたけれども、このような環境整備をしていかなければ医師不足の解消につながらないと実感をしたところでございます。
 また、この大阪医療センターではママさんドクター復職支援コースという再就職支援の研修コースを持っておられることも、女性医師の強い味方だと思いました。
 厚生労働省では、女性医師の就業環境の整備の一環として病院内保育所の設置を進めていると伺っております。医師だけではなく、女性がその多くを占める看護職員も、こうした病院内の保育所を利用することで、結婚、出産により離職する必要がなくなると考えられております。女性医師が子育てをしながら仕事を続けることができる、こうした環境づくりは医師不足対策にもとても非常に重要であることから、今後是非とも取組を進めていっていただきたいと思います。
 そこで、お伺いいたしますけれども、現在進めておられる病院内保育所の設置について、現在どのような状況にあるのでしょうか。今後の女性医師の離職防止策や再就職支援策として設置を進めていくべきと考えますけれども、どのような方針の下に基づいて進めていこうと考えておられるのか、お考えをお伺いしたいと思います。
#182
○副大臣(石田祝稔君) 浮島委員はお地元の病院も御視察をいただいてという、その上での御質問だと思います。
 女性医師や看護職員が多く働いている医療施設において病院内保育所を設置することは、職員の離職の防止や再就業の支援に有効であると考えております。地域の実情や利用者のニーズに応じて病院内保育体制の整備充実が図られる必要があると、このように認識をいたしております。
 このため、厚生労働省としては、病院内保育所運営事業として、従来より看護職員の児童を対象として病院内の保育所の運営費の一部について補助をしてまいりました。平成十四年度からは女性医師等の看護職員以外の医療従事者の児童についても補助対象として追加をいたしまして、引き続き制度の充実を図っていきたいと思っております。
 なお、医療施設において院内保育を実施している数は、平成十四年、ちょっと古いんですけれども、二千八百八十二か所と、こういうことになっておりまして、先ほど申し上げましたとおり、引き続き制度の充実を図ってまいりたいと、このように考えております。
#183
○浮島とも子君 ありがとうございました。
 今御答弁にありましたように、平成十四年ので二千八百八十二か所というお答えでございましたけれども、同じ平成十四年で調べたところ、病院数は九千百八十七か所あると言われております。私は必要であれば全病院に設置すべきだと思っておりますので、どうかよろしくお願いいたしたいと思います。
 また、女性医師が働きやすい職場はすべての医療従事者が働きやすい環境づくりに直結して、患者さんにとっても医療サービスの向上につながると考えております。また、お医者さんは私たちの命を守ってくださる大切な方々です。減る一方では本当に困るわけでございます。国としてしっかりと支援していくよう、残業や夜勤などのことも考え、これからは二十四時間対応の保育所にするための支援も必要と考えますので、今御答弁にもございました、引き続き制度の充実を図ってまいるという御答弁でございましたけれども、是非とも一層の支援体制の拡充をお願いいたしたいと思います。
 また次に、女性医師バンクの設立状況その他の取組についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 現在、医師国家試験に合格する人のうち、三人に一人は女性であると伺っております。今後、女性医師の割合は年々増えていくと予想されますけれども、こうした状況の中、医師不足対策の一つとして、女性医師の離職防止、再就職支援をしっかりと行っていくことが必要不可欠であると考えております。
 今年、平成十八年度の予算では、女性医師の再就職支援策としての予算が幾つか盛り込まれていると思いますけれども、一つには、女性医師のライフステージに応じた就労を支援するための女性医師バンクの設立、そしてもう一つは、離職した女性医師の再就職を支援するための講習会などの実施とございます。
 こうした女性医師の再就職支援策は今後の医師確保対策にも有効であることは間違いございません。また、復職女性医師の増加により、より患者さんの後ろにある生活や人生や家庭が見えている医師の視点が持ち込まれ、医療の内容にも進歩につながるんではないかと言われているほどでございます。
 そこで、この女性医師バンクの制度の設立状況、今後の設置予定についてお伺いをさせていただきたいと思います。
#184
○副大臣(石田祝稔君) 先ほどの御質問に引き続きまして女性医師の対策と、こういうことでございますが、今お話にありましたとおり、近年、医師国家試験の合格者に占める女性の割合が約三分の一にまで達していると、だんだんと高まってきているということで、私はこれは大変有り難い、すばらしいことというふうに思っております。
 しかし、その反面、女性医師には、どうしても出産や育児により医療機関を休職、退職すると、こういう女性も多いわけでございます。ですから、このため、平成十八年度、本年度からライフステージに応じた就労を支援をすると、こういうことで女性医師のバンク、また再就業講習会の実施、これは今お触れになりましたように、平成十八年度の予算で一億二千四百万を計上いたしております。
 この女性医師バンクについては、今全国二か所の拠点を中心として、再就業を希望する女性医師に対して就業あっせんを行う予定でございます。そして、再就業講習会については、就業が決まった女性の医師の状況に応じて個別に内容を定めて実施をしたいというふうに思っております。
 なお、この委託先につきましては、現在社団法人の日本医師会を予定をいたしておりまして、現在、そのための最終的な調整に入っております。契約締結後速やかにその準備を進めていただくと、こういうふうに考えております。
#185
○浮島とも子君 ありがとうございました。
 今御答弁の中にありました、最終的な今調整に入っているところとおっしゃっておりましたけれども、是非とも本年度中の事業開始を目指すとともに、フルタイム勤務だけではなくて、働きやすい勤務条件として変則勤務、非常勤、専門職、パート勤務など、様々な視点からの取組もお願いしたいと思います。
 また、医師不足の問題への対策の一つとして、産科、小児科病院の集約化が今進められておりますけれども、産科、小児科における医師不足がすぐには解消されていかないという現状の中で、こうした医療機能の集約化は避けて通れない措置であるとは思います。しかし、その一方で、自分が住む地域の中に産科のお医者さんがいないといった状況は、妊婦さんにとってみれば本当に大変な不安を抱えることになります。
 医療機能の集約化により、こうした産科のない若しくは産科へのアクセスが難しくなっている地域が出現してしまうことで妊婦さんが不安を覚えてしまうようでは、分娩施設確保、マンパワーの確保ができたとしても、産科医療のあるべき姿とは言えないのではないでしょうか。
 唯一、入院をしておめでとうと言われるのは妊娠であり、妊娠することはすばらしいことで、女性だけにとってだけではなくて、社会全体にとってもとても喜ばしいことです。妊婦さんがしっかりと妊婦健診を受けられ、そして安心してお産ができる、そういった医療提供体制が今求められていると思います。そこで、最も大切なのは、医療提供体制とマッチをした地域での医療連携体制を構築していくことで、妊婦さんの不安をまず第一に解消していくことが大切だと思います。
 そこで、この医療機能の集約化と、地域での医療連携体制についての御見解をお伺いいたします。
#186
○副大臣(石田祝稔君) 小児科とか産科医療については、限られた人的資源を重点的にかつ効率的に配置をして、そして連携体制を構築していくということは、個々の医師の勤務状況の改善だけではなく医療の安全性の確保にも資するものであり、議員御指摘のとおり、拠点づくりは単にその人的な医療資源を一か所に集中させるということだけではなくて、地域の医療連携体制の構築もこれは同時に図っていかなきゃならない、こういうことでございます。
 例えば、産科のお医者さんを確保する対策として、ふだんの健診や検査は地元の診療所等で行うと、実際にお産をする場合には安全なお産ができる体制の整った産科の拠点病院に行くと、こういうふうなことも私は大事なことではないかと思っております。拠点病院と地域の診療所等の連携を促進していくなど、地域の住民の御理解を得ながら人的な医療資源の効率的な活用を図っていくことが重要であると思っております。こういう点を踏まえまして、都道府県において平成十八年末を目途に拠点病院づくり等の必要性の検討を行って、必要性が認められた場合にはその具体策を平成二十年度までに策定する医療計画に反映していただきたいと考えております。
 それで、厚生労働省としても、都道府県の検討状況を踏まえつつ、一つは医師の配置がなくなる地域への配慮、二つには新しいゾーン、圏域でのネットワーク化、三つ目には拠点となる病院における体制の整備、こういうものに対しても予算面も含めて効果的な支援を行ってまいりたいと思っております。
#187
○浮島とも子君 ありがとうございました。
 この連携をしっかりしていくということは医療の安全性の確保にも本当に資するものであると思いますので、医師のこの環境整備とともに、この妊婦さんが不安がなくなるよう、解消に努めるためにもしっかりとした連携体制を作って、支援策を是非ともよろしくお願いしたいと思います。
 次に、がん対策についてお伺いをさしていただきたいと思います。
 さきの第百六十四回国会において、議員立法によりがん対策基本法が成立いたしました。日本の死因の第一位であるがんでありますけれども、この法律においては、どの地域においても適切ながん医療を受けることができるようにする、いわゆるがん医療の均てん化や本人の意向を尊重した治療方法が選択できるといった適切な医療提供体制の整備が基本理念として掲げられております。
 このがん医療に関しては、今後、放射線治療の専門医などのがん医療専門スタッフの育成、人材養成そしてがん診療連携拠点病院の整備など、その治療の環境の整備をしっかりと行っていくといった様々な課題がございます。その中でも、がん治療における緩和ケアについては、患者さんのクオリティー・オブ・ライフ、このQOLの向上の観点からしても今後しっかりと行われるべき治療分野であると考えております。
 一部の病院では、緩和ケアに関する専門的知識を持ち合わせた医師の養成や緩和ケアを専門とする医療チームの編成などがしつつあると伺っております。しかし、日本の医療現場において緩和ケアに使用されているモルヒネなどの麻薬について誤解が存在しており、そのせいか欧米など先進各国に比べて医療用の麻薬の使用は極端に少なくなっております。
 一つ例で申し上げさせていただきますと、日本のモルヒネの使用量でございますけれども、カナダ、オーストラリアの七分の一、アメリカ、フランス、四分の一、またいろんな薬物を含めますと、日本人一人当たりの使用量は何とアメリカの二十分の一と言われているのが現状でございます。
 こうした中、本来の医療用の麻薬は適切な方法により使用すれば常習性などの副作用はないと言われているところでございますけれども、こうした苦痛を和らげる緩和ケアは患者さんの間でも高い関心が持たれており、早い段階ですべての医療機関で実施されることが期待されているところでございます。
 一方、在宅で緩和ケアを受けながら生活していきたいと希望される患者さんも増えているのが現状でございます。こうしたケースにおいても、自宅で緩和ケアを受けられる在宅緩和ケアを支援する体制の構築も必要とされておりますけれども、そこで緩和ケアの推進の必要性、在宅を含んだ必要性と、今後こうした緩和ケアを更に推進していくためには、緩和ケアに対して正しい知識を持った医師の養成、医療用麻薬の使用を含め、緩和ケアに対する国民の正しい理解の普及などが必要になると思われますけれども、国としてどういった支援を行っていこうとお考えなのか、お伺いをいたします。
#188
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今委員お触れになりましたがん対策基本法におきましても、確かにがん患者の療養生活の質の維持向上ということが大きな眼目としてうたわれているところでございます。その観点で、この緩和ケアというものが非常に重要だということが理解されるわけでございますけれども、中でも在宅での緩和ケアを希望する患者さんにとっては、今言った目的に照らしても大変重要なことだということでございます。
 ところが、今お触れになられたとおり、緩和ケアに対しては、医療従事者それからまた国民全般の意識が必ずしも十分ではないという指摘もございます。そういうようなことで、この患者の療養生活の質の向上を図る観点からは、是非この点についての理解を広める、また深めることが必要だと、このように私ども考えているわけでございます。
 このため具体的にどういうことをやるかということでございますが、病院等の医療関係者に対して、まずこの緩和ケアに関するマニュアルでもってこの理解を広めるということ、また研修の実施によって実践的なノウハウを習得してもらうというようなことを考えております。加えて、国民に対しては、国立がんセンターのホームページ等を活用して分かりやすい情報提供をして、こういったことを通じまして、適切な緩和ケアの普及と知識、技術の向上に取り組んでまいりたいと、このように考えております。
#189
○浮島とも子君 ありがとうございました。
 是非、在宅緩和ケアへの御支援、そして、医療麻薬についても誤解のないように国民に幅広く正しい理解を深めていっていただきたいと思います。
 そしてもう一つ、今日の午前中にもちょっと質疑があったと思うんですけれども、このがん医療において進めるべき施策として、この外来通院治療体制の拡充が挙げられております。
 がん治療については、入院して治療を受ける方が大半でございますけれども、自宅から離れて入院するということは、精神的にも患者さんそして家族にとっても大きな負担でもあり、そしてとても不安であることも言われております。このより日常的、近い環境でという観点からして、がん対策基本法においても本人の意向を尊重した治療方法が選択できるといった適切な医療提供の整備が基本理念として掲げられてありますと先ほども述べさせていただきましたけれども、病状など様々な条件はあるかと思いますけれども、患者さんのQOLの観点から、本人が望み、そしてそれが可能であるならば、入院日数を減らし、外来での、通院での治療が可能になるように体制を整備していく必要もあるのではないかと思います。
 そこで、このがんの外来通院治療体制についての今の現状と、そして今後の取組についてお伺いをさせていただきたいと思います。
#190
○副大臣(石田祝稔君) 患者のクオリティー・オブ・ライフ、QOLについては、まず患者の希望を踏まえてしっかり配慮をしていかなきゃいけないと思っております。そして、入院、通院にかかわらず様々な形態の医療が提供できる体制、この実現が必要であると考えております。
 厚生労働省としましては、平成十四年度より外来通院でのがんに対する化学療法について診療報酬上の評価を行っております。平成十七年七月におきまして、全国で九百九十か所の医療機関で実施をされております。さらに、現在、全国で整備を進めておりますがん診療連携拠点病院、現在百七十九か所でありますけれども、ここにおきまして、地域の医療機関との連携を図る、また相談支援センターを設置をする、そして患者個別の状態に適した医療機関についての情報提供を行うと、こういうことも今やっております。
 また、平成十八年度の診療報酬改定におきましては、入院から在宅療養への円滑な移行を促すと、こういう観点から、入院患者さんに対して在宅療養を担う医師と入院中の医療機関の医師とが退院後の療養生活に必要な説明や指導を行った場合の評価を診療報酬上大幅に引き上げるようにしたところでございます。
 また、国立がんセンターにおきましては通院による抗がん剤治療を実施をいたしており、その取組、成果も通院治療の普及へ生かすことといたしております。
 このような取組によりまして、入院に限らず、通院も含めがん患者の方の療養生活の質、QOLに配慮した適切な医療を提供できる体制を更に進めてまいります。
#191
○浮島とも子君 ありがとうございます。
 是非とも、患者さんにとって安心できるという観点からも全力で取り組んでいただきたいとお願いをさせていただきます。
 医師不足という観点から本日は幾つか質問をさせていただきましたけれども、企業への少子化対策や働き方の是正については様々な取組がなされているところでございますけれども、病院にはまだなかなかできていないのが現状だと思います。医師を増やすことは最も大切なことでございますけれども、増やすためには、お医者様が安心して働ける環境の整備こそが医師不足対策の大きな役割を持っていると私は考えております。
 国として、院内保育所等への支援を含め安心して働ける環境整備、そしてがん対策に対しても全力で支援をいただけるよう要望し、最後に大臣の御決意をお伺いして、私の質問を終わります。
#192
○国務大臣(柳澤伯夫君) 近年、医師国家試験の合格者に占める女性の割合が、先ほど来お触れになりますように約三分の一にまで高まっているということで、医療現場における女性の進出が進んでおります。こうした状況の下で継続して国民に医療を提供していただくためには、女性医師の方々に安心して働いていただくという環境整備が御指摘のとおり大変重要だと考えているわけでございます。
 御指摘のあった病院内の保育所に対する女性医師からのニーズは非常に高いわけでございます。病院内の保育所への支援は、これは実は浮島委員の御指摘よりも随分早く、昭和四十九年から実は始められている制度だということなのでございますけれども、平成十四年度以降、今までのは看護師さんに対する施設でございましたので、その対象に女性医師の児童も加えるということなど制度の充実を図っておりまして、こうしたことを通じて今後とも女性の先生に安心して働けるような環境づくりに努めていきたいと、このように考えております。
 最後ですが、がん対策に対しての決意いかんと、こういう御質問をいただいたわけですが、申すまでもなく、がんは日本人の死因の第一位でありまして、その対策の一層の充実が求められていると、このように考えております。
 したがいまして、私ども、先般成立いたしましたがん対策基本法を踏まえまして、全国どの地域におきましても適切ながん医療が受けられる、そういう体制の整備を目指して、今後一層施策の推進を図ってまいりたい、かように考えている次第です。
#193
○浮島とも子君 ありがとうございました。
#194
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 医師不足の問題についてお聞きをしたいと思うんですが、医師不足と一般的に言うより、これは勤務医不足だと私は思うんですけれども、病院、診療所の閉鎖あるいはストレスなどによるいろんな被害そして医療事故、非常に深刻な事態になっていると思います。
 大臣に最初に基本的な今の現状に対する認識をお伺いしたいんですが、深刻な医師不足、特に勤務医の不足という実態に対してどういうふうに受け止めていらっしゃいますか。
#195
○国務大臣(柳澤伯夫君) 何回も申し上げていることですけれども、医師の数そのものは毎年三千五百人から四千人程度増加いたしておりまして、平成十六年度末現在で約二十七万人、人口十万人当たり医師数は二百十一・七人ということになってございます。
 そういう中で、私どもとしては、非常に勤務医の先生方が大変長時間の労働をせざるを得ない状況になっておりますけれども、マクロ的なその数字自体に多大な問題があるというふうには必ずしも考えておりません。ただ、今私どもとしては、地域的な医師の偏在が起こっている、それからまた診療科による医師の偏在が起こっているというように認識をいたしておりまして、こうした問題には的確に私ども対処していかなければいけない、こういうように思っております。
 このような医師の、まあ不足感とあえて言わせていただくわけですが、改善に向けまして早急に必要な対応をしなければならない、このように考えておりまして、本年八月に関係省庁とともに新医師確保総合対策を取りまとめましたところでございまして、今後とも現状を踏まえながら医師の確保に努めてまいりたいと、このように考えております。
#196
○小池晃君 その偏在なんだと、マクロ的な問題じゃないんだっていう認識そのものが非常にやっぱり出発点として私問題だと思うんです。
 今日はそのことをやりたいと思うんですが、厚生労働省の医師需給検討会の報告でも同じような趣旨を書かれています。しかし、大変疑問を持つのは、国際比較の視点が全く欠落している点であります。人口当たりの医師数は日本はフランスやドイツの六割にすぎません。OECDの平均医師数で比較すると十二万人少ないという計算もございます。
 局長にお伺いしたいんですが、国際的に見れば日本の人口当たり医師数が少ないと、これは認められますね。
#197
○政府参考人(松谷有希雄君) 先生御指摘のとおり、現時点での臨床医師数を比較した場合、我が国の人口当たりの医師数は米国あるいは英国などを下回っているわけでございます。国土の規模あるいは医療提供の仕組みが国ごとにそれぞれ異なっているということを踏まえますと、単純に医師数のみを比較して論ずることは適切ではないと思いますけれども、数字の上ではおっしゃるとおりでございます。
#198
○小池晃君 その国土の広さとかいろいろおっしゃるけれども、私は一つの重要な指標だと思うんです。問題は、歴史的に見るとそれがどう動いてきたのかということが大事ではないかと。
 今日お配りしました資料の一枚目見ていただきたいんですが、これはOECDの医師数と日本の医師数の推移を厚生労働省からいただいた数字に基づいてグラフにいたしました。一九七〇年の段階でいわゆる一県一医大政策というのを打ち出して医学部入学定員を増やすと決めたわけです。そのときの日本の平均というのは、十万当たり百十人、OECDは百二十人でした。正確に言うと、日本は百十二名だったと。その当時、日本は十万人当たり百五十人という目標を立てたわけですね。医者を増やそうということでやっていったわけですよ。ちょうど私が医学部入学する年ぐらいまで、新設医大の建設が毎年のように続きました。最後、山梨医大でした。それが突然、一九八二年の臨調第三次答申が出て、それを受けて閣議決定が行われた。で、八六年に医学部入学定員一〇%削減という流れになったわけであります。その結果、グラフ見れば明らかなように、その当時百五十名で頑張って増やしていった、それは達成したんですが、その後伸びが抑えられて、OECDとの乖離はどんどんどんどん広がっていったんではないだろうかと思うんです。
 局長、この八六年のときの認識なんですが、このときの医師需給検討委員会の最終報告には、先進諸国は共通して一九六〇年代までは医師不足の認識を持って養成力の拡大に努めてきたが、一九八〇年代には一転して医師過剰に悩んでいると、だから日本も減らす方向でという、そういう分析されているんですが、先進諸国は今医師過剰に悩んでいるんでしょうか。
#199
○政府参考人(松谷有希雄君) 諸外国の医師需給の状況につきましては、先般の当省におきます医師の需給に関する検討会においても、その中で報告されたところでございますけれども、それによりますと、先進諸国の間では医師の配置の地域等の間の格差あるいは偏在が問題となっている国がある一方で、医師の失業が発生している国もあるなど様々な状況に置かれておりまして、各国ではそれぞれの状況に応じた対策が進められているという状況であるということでございます。
#200
○小池晃君 中にはそういう国もあるかもしれませんが、全体として医師過剰で世界が悩んでいるというような状況でないことは明らかだと私は思うんですね。
 逆に、そのOECDの水準というのはどんどんどんどん上がってきている。これは医療の質がやっぱり変わってきています。医療の内容が大きく変化してきています。そういう中で私は当然の世界の流れなのではないだろうかなというふうに思うんですね。先ほど二〇二二年には二百六十名というような話ありましたけれども、じゃ、そのときOECDは一体何人になっているかということを考えると、もっと上がっている可能性があるわけですよ。
 大臣に、この流れとして見た場合に、私は、世界各国というのはやっぱり医師数増やして医療の質を上げていくという方向で努力をしてきている、それに対して日本というのはこの流れから見るとやはり立ち後れつつあるのではないか、そういう認識をお持ちになりませんか。
#201
○国務大臣(柳澤伯夫君) このグラフを見ますと今、小池委員の指摘されるような状況というのが読み取れるわけでございますが、我々の国におきます例えば乳幼児の死亡率であるとかあるいは平均寿命であるとかということを考えると、ここが直ちに私どもが医師が不足して国民の健康あるいは寿命といったようなものにすぐ影響をしているという状況かといえば、やはりそうではないというふうに私は考えるわけでございます。
 御指摘のとおり、現時点での臨床の医師の数は、国際的な比較で見た場合に、人口当たりで見ますとアメリカやイギリスなどを下回っているわけですけれども、各国にはそれぞれ医療提供の仕組み等異なっているということもありますので、余りこれを単純に比較をして考えていくということが適切であるとは思っておりません。
 私は、こういう状況に立ち至ってなお、日本の国としては、日本の国柄、これは情報だとか交通だとかというような手段であるとかそういったものを踏まえて、余り過重な負担を先生方お一人お一人に掛けることは、これは避けなければなりませんけれども、やはりより効率のある医療の提供といったようなことを目指していくべきだと、このように考えております。
#202
○小池晃君 乳幼児死亡率が低い、あるいは日本の医療の水準高いのは、本当に現場で頑張っているからなんですよ。その結果なんですよ。しかし、だから医師数足りているんだなんという認識だったら、大間違いですよ。今、本当に現場は大変疲弊している。ぎりぎりの努力をしている。このまま行ったら本当にもうやっていけないと、みんなそう言いますよ。それは、こういう医師数の中で、医療の質は上がってきている、医療技術も高度化している、患者さんから求められる水準も高まっている。ぎりぎりの努力しているけど、もうやっていけないと、そういうふうになってきているんですよ。
 一方で、諸外国はやはり医療の内容の変化に応じて医師数増やすっていう、私は単純な議論をしているんじゃないです。流れとして日本のこの政策の流れ正しかったのかと。七〇年代に進んだ方向を八〇年代に方向転換した、このことが今深刻な矛盾になってきているんだということを、私、深刻に受け止めないと、今の医療の水準高いからこれでいいんだなんといったら現場は大変なことになると思いますよ。認識、根本的に間違っていると思います。
 しかも、個別具体的にこの報告書の中身見ていくと、医師の勤務時間を四十八時間にすれば必要医師数は満たされるんだというようなそういう設定の仕方で、今の医師数で大体九千人ぐらい増員すれば国民に必要な医療が提供され、医師の労働条件も改善できるというような、そういう結論になっております。
 局長、これ何で四十八時間という労働時間にしたんですか。
#203
○政府参考人(松谷有希雄君) 今回の医師需給の推計は、医療施設に従事するお医者さんに対して行ったアンケートの結果を踏まえて行ったものでございます。具体的には、病院に勤務しているお医者さんの平均勤務時間が週四十八時間労働であったということを基にいたしまして、平均勤務時間が週四十八時間を下回っておる方ももちろんいらっしゃいまして、中高年、年齢の高い勤務医あるいは診療所の勤務の方々は四十八時間を下回っていることが多いのですけれども、こういう方々の労働時間を変えることはなく、勤務時間が平均の四十八時間を上回っている、特に病院で若手のお医者さん、勤務医の勤務時間を週四十八時間までに短縮すると、これを前提といたしまして医師需給の推計を行ったものでございます。
#204
○小池晃君 現状追認なんですよ。これ、けしからぬ話だと私思うんですね。これで何で労働条件改善の数になるのか。
 労働基準局長来ていただいていますが、個別の問題じゃないんですよ。この医師数算定の前提として週労働時間四十八時間とすることは、労働行政から見てどういう問題あるんですか。
#205
○政府参考人(青木豊君) 個別の問題ではなく全体ということでありますが、これは推計でありますので私の方から申し上げるというのはなかなか申し上げにくいわけでありますけれども、ただ四十八時間ということについて申し上げれば、労働時間につきましては労働基準法において週四十時間を原則とする旨が規定されております。これを超えて労働をさせる場合には、時間外労働に関する協定を労使で締結してもらい、所轄の労働基準監督署長に届け出る必要があります。
 まあそこまで考えているかどうか分かりませんが、そういったことが前提となったものではないかなというふうに思っております。
#206
○小池晃君 いずれにしても、一方で労働行政四十時間という原則を置きながら、四十八時間で算定するということ自体がこれ根本的におかしいんですよ。しかも、労働時間の中身も、よく聞くと、例えば当直時間の扱いで、夜から朝まで当直していたと、その中で勤務時間というふうに扱われているのは実際に患者さん診療している時間だけなんですね。寝ている時間だって当直時間には短くたってあるわけですよ。そういうのは全部省いてあるわけです。これで勤務時間だという、そういう数字で、だから九千人増やせばいいんだという結論先にありきだと、検討委員会の委員からもそういう意見が出ているんですね。私これ本当にもう大問題だと思うんです。
 しかも、偏在だというふうにおっしゃる。六ページ目見ていただきたいんです。偏在だといういろんな中身があるんですね。病院と診療所の偏在とか診療科目の偏在、地域的な偏在もあると。
 今日、地域的な偏在だけに絞って議論したいんですが、偏在ということは一方に足りない地域があって、もう一方に十分いる、あるいは過剰にあるということだと思うんです。じゃ、この六ページの表で医師数が十分あるいは過剰だというのはどこなんですか。
#207
○政府参考人(松谷有希雄君) 医師の偏在は、おっしゃるとおり、地域的にもこの都道府県別に見ても、人口十万単位の医師数で、二百、平均を上回っているところ、それから二百に至らないところという形であるわけでございます。
 全国的に見ますと、この先生御提出の表でもお分かりいただけますように、西高東低でございまして、九州地方は比較的多いところが多く、東北地方は少ないという状況にございます。また、各都道府県内におきましても、県庁所在地など人口当たりの医師数が多い地域と、郡部など少ない地域があるというふうには承知をしておるわけでございます。また、地域の中でも、医師が多い医療機関とそうでない医療機関があるということでございます。
 どこが絶対的に多いのか少ないのかということはなかなか一概に言えないわけでございますけれども、医師の偏在につきましては、人口当たりの医師数が少なく、かつ面積当たりの医師数も少ないという地域は医師の不足が特に深刻というふうに考えられるというふうに思っています。
 医師数の多寡につきましては、地域の事情が様々でございまして、原因はなかなか特定することが難しいんですけれども、大学医学部等の地元定着率、あるいは地域の医療提供体制の状況等がこの偏在に影響を及ぼしているというふうに考えております。
#208
○小池晃君 私、多いか少ないかを聞いているんじゃないんです。多いか少ないかは数字を見れば分かるんです。
 偏在ということは、足りないところと十分なところがあるはずなんですね。じゃ、十分だというのは一体どこなのかと私は聞いているんです。例えば、最も多いのは徳島県だ、二番目は鳥取だと、三番目は東京だと。じゃ、この三つ、上から三つは、これは、ここでは医師数は十分だということですか。
#209
○政府参考人(松谷有希雄君) 十分かどうかということになりますと、考え方によってまちまちになってしまうということだと思いますけれども、日本全国を平均的に見まして、例えば今御指摘の上位三県は多いのか少ないのかという点では多いということでございまして、これが十分かどうかということになりますと、これはそれぞれのお医者さんに対するニーズをどのように価値判断するかということが入ってまいりますので簡単には申し上げられませんけれども、相対的に申しますればそういうことでございます。
#210
○小池晃君 いや、だから、それじゃ偏在の説明にならないんですよ。
 トップの徳島県ですらOECDの平均より少ないわけですね、これ。だとすれば、これは日本じゅうどこでも不足地域であって、不足地域の中に比較的多いところと少ないところがあるということなんじゃないですか。これは偏在ではなくて、絶対的医師不足の中で、その中で格差があるということなんじゃないですか。
#211
○政府参考人(松谷有希雄君) OECD諸国の数字を基に議論をいたしますと、おっしゃるとおり、単純平均でいうと、二〇〇四年で申しますと三百十一人、その前ですと二百九十人という数字がございますけれども、二〇〇四年のことについて、先ほども答弁いたしましたけれども、人口で加重平均いたしますと二百六十二人ということになりまして、OECD諸国全体の平均ということになりますとそのくらいの水準ということになりますけれども、国際水準をある意味ではワールドスタンダードとして取れば、それより多いか少ないかということで、我が国全体で少ないわけでございますので、足りているかどうかという点でいえば、徳島が若干加重平均のOECDより上回っていると、そういうような状況だと思います。
#212
○小池晃君 我が国全体で少ないと今はっきりおっしゃったんですよ。
 大臣、これ偏在じゃないんですよ。我が国全体で少ないんですよ。そういう基本的認識の下に政策を進めなければ私は誤ると。大臣、そう思いませんか。この今の実態というのは、偏在なんだということで全体のやりくりをすればいいんだというんじゃなくて、やはり全体として不足しているんだという、そういう見地で進まなければこの問題は解決できないのではありませんか。
#213
○国務大臣(柳澤伯夫君) いや、偏在は偏在なんだろうと思いますね。
 やっぱり、二百八十二というようなところがあるかと思うと百五十とか、私の選挙区の静岡も百七十四ということで大変苦戦をしておるわけでございまして、そういうへんぱな数、偏った数が見て取れるという意味では、やはり偏在だという言葉が全く当たっていないとは私は思いません。
#214
○小池晃君 ということは、大臣、じゃ厚生労働省として医師の数が過剰な県はどこなんですか、これでいうと。お答えいただきたい。
#215
○国務大臣(柳澤伯夫君) いや、過剰と言っているわけじゃないんです。平均値を置いた場合にばらけているということを言っているんですね。
#216
○小池晃君 だから、先ほども言ったように、片方に余っていて片方に足りないのであれば偏在だということで済むんですが、全体として不足して、その中でいろんな差があるということであれば絶対的不足なんだという見地で、やはり閣議決定自体も見直して事に臨むべきであるということだと思います。
 私は、この医師不足問題というのは、やはり社会保障に対する国の財政支出を抑えるという、そういう路線が本当に深刻な矛盾を来してきていることの表れだというふうに思いますし、この基本路線をやっぱり転換することなしに安全な医療を提供することはできないんだという問題としてとらえて取り組む必要があるということを申し上げたいと思います。
 それから、リハビリの問題、前回に引き続きお聞きしますが、ちょっと時間の関係で若干飛ばします。
 受皿の問題を今日はお聞きしたい。多くは介護保険になるんでしょうが、六十五歳未満などの場合で介護保険の対象にならない方というのは、これはどうするんですか。
#217
○政府参考人(水田邦雄君) 介護保険の適用とならない若年者についてでございますけれども、こうした方々が機能の維持を目的としたリハビリテーションが必要と、こういうケースもあるわけでございます。こういうケースにつきましては、難病患者でありますとか障害児者の例が考えられるわけでございますけれども、これらの方々につきましては、医療保険の中で算定日数の上限に掛かることなく必要なリハビリテーションが提供できる仕組みとなってございます。
 具体的には、難病患者につきましては難病患者リハビリテーション料、障害児者につきましては、今回の改定におきまして新たに障害児者リハビリテーション料を設けたところでございまして、いずれにつきましても、新たな疾患別リハビリテーション料の体系とは異なる別建ての体系で評価しておりまして、特に算定日数の上限を設けていないわけでございます。また、このほかに障害者自立支援法における施設訓練事業の対象となる方もいらっしゃると理解してございます。
 もう一点、脳血管疾患等につきましては、これは委員御承知のとおり、介護保険における特定疾病になってございますので、四十歳以上の第二号被保険者であれば、これに起因する必要なリハビリテーションについては介護保険の給付対象となるものでございます。
#218
○小池晃君 自立支援法で対応するというお話がありましたが、受皿になり得る施設、どのくらいあるのか、ちょっと簡潔にお答えください。
#219
○政府参考人(中谷比呂樹君) リハビリテーション医療を終了した後、継続的な障害を持たれた方への障害者自立支援法による対応でございますけれども、現在でも地域生活を目指して各種の訓練をされる場合、更生施設という施設体系がございます。身体障害者の更生施設といたしましては、障害種別に細分化されておりますけれども、平成十六年十月一日現在で計百十四施設ございまして、今般の自立支援法によりましては、現在の施設体系、施設機能と利用者の実態、この間があるんじゃないかという御指摘もあることから再編をすることとしておりまして、社会的リハビリテーションを充実して行う自立機能訓練と、こういう事業を設けまして、平成二十三年度末までに移行していただくことにしております。身体障害者の更生施設につきましては、現在の機能から一番自然に本事業への移行をしていただけるものではないかと、このように考えております。
#220
○小池晃君 百十四施設ということで、平均すれば一県に一、二か所程度ということになるので、これは受皿としては極めて私は不十分だと思うんです。
 一方で、介護保険の方はどうかということで、先ほども御質疑ありましたが、これ実態を見ますと、通所リハも訪問リハもこの間増えてないんですね。例えば、東京の品川区、人口三十万人ですが、通所リハは一か所です、訪問リハビリはありません。文京区、通所はリハは二か所です、訪問リハは一か所です。訪問リハは特に少ないのが実態なんですね。局長、これ、実態として整備遅れているんじゃないですか、やっぱり。
#221
○政府参考人(阿曽沼慎司君) 介護保険サービスの関係でございますけれども、全国的に見ますと、通所リハビリの事業者数でございますが、先生御案内かもしれませんけど、約六千弱ございます。それから、最近の傾向を見てまいりますと、利用者の数もここ三年ぐらいで三〇%ぐらい増えておりまして、そういう意味では各県あるいは市町村が作成をいたします事業計画に基づきまして計画的なサービスの確保は行われているんではないかというふうに思っております。
#222
○小池晃君 いや、標榜していてもやっていないところもあるというふうに聞いていますし、私は地域格差は非常にこの面は大きいと思いますよ。こういう準備できないうちに打切りだけ決めるというのは、本当に無責任だというふうに思うんです。
 しかも、介護報酬の問題で、今年の春の改定で訪問リハは五百五十点から五百点に引き下げたわけですよ。元々低い上に一割近くも点数引き下げて受皿やってくださいというのは、これはちょっと虫のいい話なんじゃないですか。
#223
○政府参考人(阿曽沼慎司君) 今年の四月から訪問リハビリの点数の改定をいたしましたが、全体としては訪問リハビリの点数を下げるということはいたしておりません、総体としてはですね。ただ、短期の集中的なリハビリが大事だということで、全体の点数を組み替えまして、短期間に集中してリハビリを実施すべき期間につきましては、短期集中リハビリテーション実施加算という形でそこは手厚くする。また、したがいまして、退院あるいは退所直後の三か月につきましてはそういう形の加算をいたしておりますし、それから、今回リハビリテーションマネジメント加算というのを設定いたしまして、利用者の方の状態を把握し、どういう目標でもってリハビリを遂行していくか、あるいは計画を策定してそのプロセスを継続的にマネジメントするといったような場合には加算をするというようなこともやっておりますので、全体としては問題はないんではないかというふうに思っております。
#224
○小池晃君 しかし、短期じゃないんですよ、今度の問題は。長期にわたって維持期のリハをやっていく、そこを受皿にしようと、そこを減らしているわけですからね。私、言っていることとやっていることが本当に矛盾していると思うんです、この点は。
 しかも、通所リハについては大規模減算という制度を導入をいたしました。要するに、月の利用人数がある程度超えると、翌年度の報酬が九〇%になるという制度です。あるお医者さんは、通所リハが地域に少ないんで一生懸命やっていたと。徐々に利用者が増えてきた、職員も増員してきた。ところが、一日三十五、六人、まあ九百人ですから、二十五日の開所だと、一日三十五、六人超えると自動的に一〇%収入減になると。これはあんまりじゃないかというふうに言っています。
 これ、受皿にって言いながら、その受皿に人が移ってきて利用者が増えると報酬が下がると、これもひどいんじゃないですか。
#225
○政府参考人(阿曽沼慎司君) 今御指摘いただきました、かなり大規模にやっている通所のリハビリテーションの関係でございますけれども、これは、私どもは実態調査をいたしまして、十六年の介護事業経営の概況調査で実態調査をいたしましたところ、大規模にやっていただいているところにつきましては相当の収支で状況がよろしいということがございまして、そういう意味では管理コスト等の面において、言わば規模の利益というんでしょうか、のがあることによりまして収益がかなり大きくなっているという現実がございます。
 したがいまして、今回の介護報酬の改定に当たりましては、そういう意味で利用人員のかなり多いところについて、九百人を超える事業所については少し御遠慮を願ったということでございまして、それはあくまでもかなり収益が高いということを前提にしておりますので、全体としては受皿の整備に支障を来すということはないものと考えております。
#226
○小池晃君 一般論で言っているんじゃなくて、これはリハビリを打ち切りますと、後は介護でやってくださいと。受皿ですって言いながら、その受皿に対してどういう仕打ちしているんだと。せめてもの罪滅ぼしに、そんなところはちょっと手厚く報酬付けて、もっともっと施設も増えるようにしようと。やっぱり介護報酬増えることによって、やはり基盤整備だってこれは進んでいく非常に大きな力になっていくわけですから、これは言っていることとやっていることが逆ではないかと言いたいわけですよ。
 しかも、人的体制を見れば、医療というのはこれは個別リハです、基本的な考え方として。だから、一施設、専門家が必ず一人以上必要だと。ところが、介護のリハというのは考え方としては集団リハですから、これは常勤換算で〇・二人で済むわけで、この人的体制で果たして医療保険から介護保険に移ってきている人に対して十分なリハができるのかということも、私、大問題だと思うんです。
 大臣にお聞きしたいのは、これは受皿だと、介護で見るんだと言ってきながら、体制にしても報酬にしても、こういうやり方ではその受皿としてふさわしいやり方ではないんではないだろうかというふうに思いますが、大臣、いかがですか。
#227
○国務大臣(柳澤伯夫君) これはもう、基本的に介護、受皿だということなんですが、当初のところでは集中的な介護サービスをお願いするということ等をやっておりまして、いろいろ合目的の加算も置かせていただいておるということで、私どもとしては、こういうことで介護に移行していただくということが十分可能だと、このように考えているわけであります。
#228
○小池晃君 いや、急性期、初期を厚くするというのは賛成なんですよ。これは大事なことだと思いますよ。ただ、今やろうとしていることは、維持期の、長期のリハを介護保険に持っていこうということをやりながら、一方でそっちは切っているわけでしょう。やっていることと言っていることが矛盾しているじゃないですかと。打ち切るというんだったら、せめてその受皿のところを手厚くするというのが、これはせめてものやっぱりやり方なんじゃないかと言っているんです。そういうことをやらずに、ただただ打ち切るということだけまず決めるというやり方が私おかしいと思うんですよ。やっぱりきちっと体制を整備する、報酬も手厚くする、そういう準備をした上で、医療保険のリハビリはここでもう勘弁してくださいというのであれば分かりますよ。やり方が逆じゃないかと。
 だから、大臣、やっぱりこれはいったん本当にストップをして、もう一回その受皿の体制も含めてきちっとつくり直してというふうにするべきじゃないですか、リハビリの打切りについて。
#229
○政府参考人(阿曽沼慎司君) リハビリの関係でございますけれども、介護保険では日常生活の中で機能を維持向上させるということに主眼を置いてリハビリをやっておりますので、そういう意味では、リハビリ専門職だけではなくて、あるいは看護職員の方あるいは介護職員の方も含めて配置が義務付けられているということでございます。
 そういう意味では、全体としての人員配置というのはそんなに問題ではないと思っておりますし、それから介護報酬全体としては、今回特段下げたということではなくて、その今の全体の中で一応のめり張りはそれなりに利かせておるということでございますので、その点は十分御理解をいただきたいというふうに思います。
#230
○小池晃君 いや、そんなことは分かって聞いているんです。そこのところは、だって手厚くするところを手厚くするのは評価すると言っているじゃないですか。
 この医療保険から移ってくるだろう長期の維持期のリハビリについて、やっぱりきちっと手当てをすると。いや、受皿があると言うんだったらそこをしっかりつくって、それから打ち切るというんだったら分かるんですよ、まだ。でも、今のやり方は逆なんですよ。ただただ医療保険のリハビリやめますということだけ先行させて、あとはちょっともうわたわたわたわたしているというのが実態じゃないですか。だから患者さんからだって、四十万人超える人がこれでいいのかって声が上がってきているんですよ。
 大臣、こういうやり方が厚生行政に対する、もう時間だから最後にしますが、不信を呼んでいるんじゃないですか。やっぱりこういうやり方はきっぱり改めて、ここで見直すというふうに言うべきだと思いますが、いかがですか。
#231
○委員長(鶴保庸介君) 時間ですので手短に。
#232
○国務大臣(柳澤伯夫君) 我々としては、具体の問題としていろいろ配慮をしてめり張りも利かせているということを是非御理解いただきたいんですね。百八十日で打切りというのも随分言われたわけですけれども、現実の我々想定している制度では、これはそんなに画一的な打切りをするわけじゃなくて、お医者さんの個別の判断にゆだねているところもありますよということを申し上げて、ようやくそこは、まあ御理解が行ったとまでは言いませんけれども、随分理解が進んだようにも思うわけでございまして、この受皿の問題についてもなおまた御議論いただくことは結構でございますが、是非私どもの改革の趣旨を御理解賜りたいと、このように思います。
#233
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 難病についての対策についてまずお聞きをいたします。難病の患者さんの皆さんの医療費補助制度として、特定疾患治療研究事業がありますけれども、このことが極めて問題ではないかということをまず今日冒頭質問いたします。
 潰瘍性大腸炎、パーキンソン病の人たちなどから要請を受けております希少性、数が少ないということがこの研究費補助の基準になっておりまして、五万人を超えているとの基準で研究費補助対象から除外するという議論がなされています。現在これはどうなっていますか。
#234
○政府参考人(外口崇君) 潰瘍性大腸炎とパーキンソン病の二疾患につきまして、近年、特定疾患治療研究事業の対象となる要件であります希少性、おおむね五万人の患者数を大きく上回っております。
 平成十四年八月の難病対策委員会中間報告においては、患者数が五万人を上回った疾患については、引き続き特定疾患として取り扱うかどうかを定期的に評価することとされております。
 これを踏まえまして、本年八月からの特定疾患対策懇談会の議論では、希少性の要件を大幅に上回る二疾患については特定疾患からの除外は行わないとの配慮を示す一方で、特定疾患の対象とされていない患者との公平性等から見直しは避けられないとの議論があったところであります。こうした中で、特定疾患懇談会において患者団体からヒアリングを行うとともに、厚生労働省としても患者団体との意見交換の場を設けるなど実情の把握に努めているところであります。
 今後とも、患者団体との意見交換等を行いながら、特定疾患対策懇談会における専門的見地からの御議論の結果を踏まえて適切に対応してまいりたいと考えております。
#235
○福島みずほ君 五日から、都内四か所でパーキンソン病友の会の人たちが署名集めをするということも計画をされています。実際パーキンソン病にかかっている人たちは、やはり就労が非常に困難である、あるいはやはり治療が大変である、動いたりするのも大変で、家族の負担も大変強いと、いろんな話を、現場の話を聞いてきました。
 そもそも、難病かどうかという議論のときに、五万人を超えて七万人になったら難病にしない、そういう理屈があるんでしょうか。
#236
○政府参考人(外口崇君) 特定疾患治療研究事業は、希少難治性疾患を克服するために、そのための研究を主な目的として実施されているものであり、原因が不明で、治療法が確立しておらず、患者数が少なく、生活面で長期にわたる支障を来すという四つの要件を満たして、全国規模で研究を行わなければ原因の究明や治療法の開発等が進まない疾患を対象と考えております。
 五万人の考え方でございますが、平成九年三月の特定疾患対策懇談会におきまして、患者数の少ない、いわゆる希少疾患に対して研究者の目を向けさせ、研究体制を構築することが事業の目的の一つであることから、希少疾病用医薬品の指定制度、オーファンドラッグの制度ですけれども、この対象疾患が五万人未満であること等にかんがみて、対象を患者数がおおむね五万人未満の疾患と考えたところでございます。
#237
○福島みずほ君 非常に奇妙で、難病の人たちに対して治療をきっちりやっていくのか、それとも研究対象として見ているのか、制度設計が非常に妙ちきりんな制度になっていると思います。
 希少性が要件の一つになっていますから、五万人を超えて、パーキンソン病の人が今七万人を超えると。つまり、自分がかかっている病気がパーキンソン病で、なかなか大変だと。だけど、患者が増えた途端に希少性という要件がなくなって、難病認定から外れる可能性があって、普通の病気と同じように治療費を払えと、こう言われるわけですね。この制度設計そのものが無理ではないかということを厚生労働省に考えてほしい。
   〔委員長退席、理事阿部正俊君着席〕
 要するに、研究対象というのも、難病がなかなかその数が少なくて、研究対象でちゃんとやんなくちゃいけない、これは分かります。しかし、現に難病にかかって生活と治療に困り、就労ができない人が、数が増えれば希少性がなくなる。そして難病でなくなって、そうすると、何か変な言い方ですが、数が少ない方がいいみたいな形になりかねないわけで、とても現実に困っている状況は変わらない、でも数が増えれば難病でなくなる、この制度設計そのものを見直すべきではないですか。
#238
○政府参考人(外口崇君) 特定疾患対策は、先ほど申し上げましたように、原因が不明で治療方法が確立していない難治性の疾患の研究事業として発足し、その中で、治療法の開発等を目指した調査研究と、研究に関連して医療費の自己負担の軽減等の施策を一体的に行ってきたものであります。
 研究事業の一環として医療費助成を実施することで、希少な疾患にかかわる症例数を全国的に集めることが可能となり、原因の究明と調査研究が効果的に行われるものと認識しております。
#239
○福島みずほ君 非常に変なので、是非枠組みを変えてほしいということをこの委員会で主張したいと思います。難病の研究促進と患者さんの治療費の軽減をそもそも一つの制度で対応することに問題があるのではないですか。
#240
○政府参考人(外口崇君) 難病の研究促進、そもそもの目的でありますけれども、やはり原因が不明で治療方法が確立していない難治性の疾患、こういったものは、ほかのもっと人数の多い疾患、脳血管障害とか心疾患とかがんとか、そういったものと比べてどうしても研究者からも取り残される、ましてやその医薬品の開発からも取り残されるといった状況にあると思いますので、これはやっぱり公的な支援をもってその研究を進めてやらないとやはりその治療法の確立につながらないと考えておりますので、それを第一の目的として考えた結果、こういった制度になっているわけでございます。
#241
○福島みずほ君 研究する必要があることと、それに対して公的支援をする必要があること、それは十分分かります。しかし、それと患者の治療の援助というのが込みになっているために、つまり、患者が増えて希少性の要件がなくなるとこの難病の研究事業から外れて患者さんの治療の負担が増えるということが、ちょっと繰り返しになりますが、問題だということです。
 むしろ、難病の研究は難病の研究、難病の患者さんの治療は難病の患者さんの治療というふうにして、例えば難病対策基本法のようなものをきちっと立てて、治療目的を支援とする制度をつくって予算を確保していく、こういうことが必要ではないですか。
#242
○政府参考人(外口崇君) いわゆる難病対策の法制化についての御指摘だと思います。
 この法制化についての意見も各方面からは聞いております。ただ、これは意見が分かれております。難病対策が明確な根拠に基づき安定的に実施できるから法制化すべきだという考えもあります。一方で、法制化によって対象疾患や施策の固定化が生じて、柔軟な制度の運用ができなくなる可能性があるという指摘もあります。これまでも関係審議会、患者団体の意見がありましたけれども、まだ賛否両論あるところでございます。
 厚生労働省といたしましては、この法制化の議論につきましては、今後とも患者団体を含めた関係者の御意見を伺いつつ検討してまいりたいと考えております。
#243
○福島みずほ君 今、検討している段階だという話がありました。
   〔理事阿部正俊君退席、委員長着席〕
 例えば、自分がパーキンソン病にかかっている、あるいは家族がパーキンソン病にかかっている。難病として治療の補助を受けていた。だけれども、患者さんが増えて五万人じゃなく七万人になった。難病の認定を外れて、これから通常の病気と同じように負担してくださいと言われれば、それは、ただでさえお金がない、就労していない、家族の負担が大変、本人も仕事ができないという状態になって、やはり制度の組立て方で現場にはひずみがとても起きています。ですから、こういう制度設計をしている限り、同じようなことがこれからほかの病気でも繰り返すんじゃないかというふうに思っています。
 おっしゃったとおり、難病対策基本法を作ったときのデメリットを今答弁されました。それも全く、理解できる面もありますけれども、しかし、この研究費補助という仕組みでやるという部分と難病の治療の補助としてやる面が合体をし、希少性を要件とすることそのものはもう限界に来ているというふうに思います。
 大臣、この難病対策について、今のやり取りを聞いてどう思われますか。
#244
○国務大臣(柳澤伯夫君) 希少な病気であろうと希少でない病気であろうと、いずれにしても病気にかかった場合には非常にお気の毒だということでございます。
 本当に全部、治療費も何もかも自己負担がない、そういう治療が行われれば、それはもうそれで非常に良いわけでありますけれども、やはり限られた、あえて言うと資源というものをどこに振り向けていくかという問題だろうと私は思うわけでございまして、この特定疾患治療研究事業ということで希少性というものも一つのメルクマールにしまして、これに公的な補助を行っていくということでございます。
 したがいまして、まだこれ結論が出ているわけではありませんけれども、希少性を持った難病というものがまたいろいろ生じてきている中で、一体どれをどういうふうにこの限られた資源を振り向けていくかという問題であろうと私は考えております。
#245
○福島みずほ君 この難病、パーキンソン病に関しての治療費について、新聞では四十億、五十億とかいうのが出ておりましたが、一体幾らこれで厚生労働省の負担が増えると計算をされているんでしょうか。
#246
○政府参考人(外口崇君) パーキンソン病の場合、現在、平均すると医療費が、月ですけど、四万六千百八十円、潰瘍性大腸炎の場合だと平均医療費が二万六千百三十円となります。
#247
○福島みずほ君 そうしますと、それ掛ける人数、七万人の分の十二か月分になると思いますが、それほど巨額ではないんですよね。
 難病の人たちが現に困って生活ができない。これも新聞報道ですが、パーキンソン病の家族を、難病の弟を殴り死なすなんていう記事も拝見いたしましたが、それほど多額の治療費が掛かるというわけではありません。他のいろんな無駄遣いに比べれば、難病のこの対策で削減できる費用がそんなに多額であるとは思いません。
 是非厚生労働省にお願いしたいのは、今の制度設計を是非変えてほしいと。担当局長、済みません、この点についてもう一歩踏み込んだ答弁をお願いします。
#248
○政府参考人(外口崇君) 今の制度でこのままいいのかどうかというのは、先生御指摘ありましたけれども、ほかの観点からも専門家の先生から言われております。それは、やはり今の制度のままというか、その当初に指定した難病の疾患への対応がずっとそのまま続く中で、新たに発見されるような難病の方に対しての対応が遅れてしまうのではないかと、そういったことの不公平感、これを、やはり制度全体を今のままでよいか、よく見直して考えるべきではないかという意見をいただいております。
 そういった制度の見直しについての検討をずっとやってきておりまして、その中の考え方の一つとして、今先生御指摘にありましたようなパーキンソン病あるいは潰瘍性大腸炎の方への対応についての議論が出てきているところでもあります。
#249
○福島みずほ君 新たな難病の人たちに対する対応も重要ですが、人数が増えたからという一点をもって、難病で今までやってきたのに、今度治療費を負担せよとなることの現実的な負担というのもこれも大変大きいです。
 厚生労働省が、今だれだって難病にかかる可能性があるわけですから、難病認定されている人たちを切り捨てることがないように、かつ研究対象と治療の補助を合体させる今の制度を見直すようにお願いをいたします。今日の質問も、その制度設計そのものもありますが、パーキンソン病、そして潰瘍性大腸炎、この二つに関して難病認定を外さないでほしいということを強く要望いたします。
 次に、リハビリの打切りについて質問いたします。これは予算委員会でかつて私自身が質問をしたところです。
 リハビリの打切りをやるに当たって、長期のリハビリは効果がないというデータが出たのでしょうか。長期のリハビリは効果がないなどの調査をした上で、このリハビリの打切りに踏み切られたんでしょうか。
#250
○政府参考人(水田邦雄君) 今回のリハビリの見直しにおきまして算定日数上限を設けましたのは、これは高齢者リハビリテーション研究会専門家会合におきまして、長期にわたって効果が明らかでないリハビリが行われていると、こういう御指摘があったということがまず出発点でございます。
 具体的にそのリハビリの終了した実績を見てみますと、例えば脳卒中におきましては百日で約八〇%の方が治療を終了しているということがあったということで、標準的なそういった治療期間というものを勘案してそれぞれ日数を定めたと、こういう経緯でございます。
#251
○福島みずほ君 長期のリハビリは効果がないというのは、どういうデータが出ていますか。
#252
○政府参考人(水田邦雄君) これにつきましては、正に専門家の御意見として先ほど申し上げましたようなデータもございましたし、専門家の御意見として経験的にそういうことが分かっているということで中医協にお諮りし、定めたものでございます。
#253
○福島みずほ君 八割の人が百八十日以内である程度リハビリができているということも聞いたことがありますが、それも一つの理由でしょうか。
#254
○政府参考人(水田邦雄君) それは、今ただいま私が申し上げたとおりでございます。
 それで、その残りのそれじゃ二割の方どうするかということでございますけれども、それにつきましては、これも何回か御答弁させていただいておりますけれども、除外疾病というものを設けまして、続ければ改善されるというようなことにつきましては、例えば脳卒中につきましてはそういった手だてはできるという仕掛けになってございます。
#255
○福島みずほ君 そうではなくて、二割の人たちがもう現場で切り捨てられているという実態が起きています。これは今までもほかの方の質問で出ていますが、八割の人がある程度効果が出たら、あとの二割はいいのかというふうに思います。
 実際、鶴見和子さん、もう亡くなられましたが、彼女は三月の段階で、あなたのリハビリは打ち切られます、これは小泉さんの政策ですと医者に言われて、二週間後に立ち上がれなくなって、そしてそれから数か月後に亡くなってしまいました。これは、御存じの、厚生労働省が知っているとおり、三月三十一日に打切りになるのではないかという、まあ誤ったというかそういうのがあり、四月一日でリセットし直して、どんな人も四月一日から最高限百八十日で打ち切ると、こうやったわけです。
 現場であなたはリハビリは打ち切られますと、そういうことを現場で言われている人たちが多いんですけれども、そういう実態は御存じでしょうか。
#256
○政府参考人(水田邦雄君) 事実関係は今先生が申されたとおりでございまして、三月時点で四月に打ち切るということはあり得ないことでございます。したがいまして、それは現場において医師なり医療機関と患者の間のコミュニケーションが悪かった、あるいは私どもからの情報発信力が弱かったのかもしれません。その点については今後とも取り組まなきゃいけないことだと思っておりますけれども、その意味では、正しい情報が届かなかったということが、それが定性的にはあったかと思います。
#257
○福島みずほ君 いや、現場で非常に混乱が生じていて、実際私もこの通知をいただいていますが、規定する疾患とそれ以外というものがよく実際分からないんですね。例えば、「神経疾患等が含まれる。」という場合の「等」というのに一体何が入るのか。言語障害などの発達障害は入るんだけれども、構音障害は入らないとか、現場でも、その「等」というのが一体これは入るのか入らないのか。この通知も、「等」などが入っているために、一体これは百八十日で打ち切られるものなのか打ち切られないものなのか、これをきちっと、私たちもこの通知を見ても、法文として、通知として解釈しようにも実はこれは非常に分かりづらいんです。「等」というのが一体どっちなのか。自分はどっちに入るのか。
 現場で物すごく頑張って、自分のリハビリを延長してくれと言ってかち取った人もいます。でも多くは、医者に、いや、リハビリは百八十日で打切りですと、こう言われれば、それでみんなはあきらめるか我慢しているという状況です。百八十日でリハビリを打ち切るというこのことそのものが実は間違っていると思いますが、いかがですか。
 あるいは、ちょっと二つのことを同時に質問して済みませんが、現場で頑張った人はできるかもしれない、でも、この通知をよく読んでいる医者も実は少ないでしょうし、構音障害が入るかどうか一つ取っても、入らないと言われていますが、頑張ってかち取ったという人もいて、これはもう余りに患者さんにとって負担が多過ぎるものだと思いますが、いかがですか。
#258
○政府参考人(水田邦雄君) まず、その百八十日で一律打切りということは、これは大臣からもございましたけれども、正しくないわけでありまして、その時点でその五十を超える疾患ないし症状に当たるかどうか、これは医師の判断によるわけでありますけれども、そこの判断がまずあるわけでございます。したがって、その個々に見なきゃいけないということでございまして、その点につきまして現場の方が徹底していないのであれば、まず、それは私どもの方から徹底をさせていきたいと思っております。
 それから、それじゃ、そのときの基準となるその五十の疾患ないし症状ということについて、などが入っていると、「等」が入っているということでございます。これは具体的に今ここでその「等」に何が入っているかというのを全部申し上げることは難しいわけでございますけれども、やはりこれはひとつ社会保険事務局に個別のケースに即して照会をいただくということが手順としてはあろうかと考えております。
#259
○福島みずほ君 いや、非常にやっぱり分かりづらいし、実際は打ち切られています。
 例えば、これも疾患別リハビリテーション料の算定日数上限規定の対象から除外される疾患として、失語症とかなんとかってこう幾つか、七つのものが列記をされています。でも、これを医者が見れば、これ以外は百八十日の中に入ると通常はこれは読めてしまうと。
 ですから、一律に打切り、画一的に打切り、おかしいじゃないかと私が質問をすれば、画一的でないと言うけれど、この厚生労働省の通知は一応配慮しろとは書いてありますが、こういうものは除外されるとしか書いてないので、現場では画一的、一律的に除外がされています。
 このことについての認識はいかがですか。
#260
○政府参考人(水田邦雄君) 七つというのはよく分かりません。
 この診療報酬の改定の告示におきましては五十の疾患、五十を超える疾患、それから症状というものが列挙されておりますので、現場の専門家はそれを見て判断をしているものと思います。
 ただ、現場で必ずしもそれがそのように履行されていないんじゃないかという御指摘、これは正直申し上げまして現場でどういった運用がなされているか不明なところもあるわけでございますんで、そこのところは、やはりこの規定に照らして適切に運用するように私どもの方から必要があれば繰り返し申し上げたいと思います。
#261
○福島みずほ君 今、これは別紙として厚生労働省からもらった一連の資料ですが、これがきちっと現場で運用をされていないということもあると思いますが、そもそも制度設計に無理なわけです。自分が除外規定に当たり、かつ、あるいは除外規定に当たらなくても、何とかリハビリを認めさせてくれというのであれば現場で闘うしかないわけで、実際リハビリを受けている人にはそんな余力がなかなかないわけで、現状では、あなたは百八十日で打切りですと言われて百八十日で打切りになっています。
 こういうことを診療報酬の改定で出すことそのものが間違っているというふうに思っています。このリハビリの打切りについてデータがあったというふうにおっしゃいますけれども、私の知るところでは根本的なそのデータの開示をまだいただいておりません。是非それは教えていただきたいですが、余りきちっと状況を把握せず、十分調査をせずにこのリハビリの打切りに踏み切ったんではないかと私は思っております。
 ただ、こういう質問を繰り返しているのは、是非、その現場から四十四万署名が集まって、現場で混乱し、リハビリの打切りがされていて、症状が固定したり、なかなか起き上がれなくなったり、そんな声をたくさん聞くからです。もちろん無駄なリハビリがゼロだとは言いません。しかし、百八十日ってなりますが、実際は、例えば肺炎にかかったりいろいろして、六か月の間にリハビリが十分行われなくて、その後リハビリが必要という人たちの話もたくさん聞いています。
 大臣、このリハビリの診療報酬の改定については、二月までの段階でもう一回調査をするというふうに厚生労働省は答弁をしていますが、これでは間に合わないというふうに考えています。いかがですか。
#262
○政府参考人(水田邦雄君) 事実関係だけまず私から述べたいと思いますけれども、これにつきましては、中医協の結果、診療報酬改定の結果検証部会において調査をすることにしております。その調査につきましては、既にこれは開始をしてございます。
 ただ、その結果を評価して最終的に取りまとめるのに時間を要するということでございまして、調査につきましてはもう速やかに実施をしているところでございます。その結果を踏まえまして適切な措置を講じていきたいと、このように考えております。
#263
○福島みずほ君 もう調査をしているんであれば、なぜ二月にというか、これはいつごろ調査結果が出ますか。
#264
○政府参考人(水田邦雄君) ただいま申し上げましたように、調査結果の取りまとめまでには時間を要しますので、二月に取りまとめということを申し上げているわけでございます。
#265
○福島みずほ君 そうしたら、その調査結果というのは、リハビリを百八十日で打ち切ったことの調査結果ですか。どの調査結果ですか。
#266
○政府参考人(水田邦雄君) それは、正に患者の状況でございます。この算定日数上限に掛かられた方はどのくらいおられるかということもございますし、その理由なり、そういったことを調査をするということでございます。
#267
○福島みずほ君 私たちはその調査を待って二月にということをずっとこの委員会でも聞かされていたんですが、その調査は一体いつ行われたんですか。
#268
○政府参考人(水田邦雄君) ただいま、先ほど答弁いたしましたとおり、既に調査は開始をしてございます。調査票発送時期は十月末とするということでございますので、これはもう既になされているものと思います。
 それから、十一月中に記入をしてもらって十二月中に回収を予定すると、こういうことでございます。
#269
○福島みずほ君 調査の中身については分かりましたが、是非、厚生労働省には、ペーパーだけの調査ではなくて、もっと現場で何で四十四万人の署名が集まったのかということを是非考えていただきたいというふうに思っています。でないと、全然実態が出てきません。障害者自立支援法に関しても、介護保険についても、障害者自立支援法についての調査結果についても、現場から出てきているのとは、私たちが把握しているのはちょっとずれております。
 障害者自立支援法についても一言お聞きをいたします。
 この十一月一日の衆議院厚生労働委員会でも、本日も、先日もこのことは意見が出ました。これについて大臣は、批判が出ているのは承知している、厚労省の調査結果でよいとは思っていない、しかし障害者福祉予算を一一%アップさせたことを含めて現状を見ていきたいというふうに衆議院で答弁をされています。
 今日、最後に一言質問いたします。
 私が現場に行って一番問題として出てきたのは、低所得者といいますか、控除の減免の話です。三百五十万円預金があると減免が受けられない。障害を抱えている、親御さんに聞くと、障害のある子供のために預金をしてきたと、三百五十万以上あると。そうすると減免措置が受けられない。世帯分離をすればいいんですが、なかなか世帯分離は、障害を抱えている、障害のある子供を抱えている親は非常に精神的に抵抗がある。今、預金通帳を持って現場に並んで減免措置を受けられるかどうかをやらなくちゃいけない、大変だという話も聞きます。
 最後に、もう時間ですので、低所得者について、収入の少ない人を重点的に調べるべき、あるいはこの減免について是非きちっと調べるべきだと思いますが、いかがですか。
#270
○国務大臣(柳澤伯夫君) これはもう福島委員も御存じだと思いますが、まず上限額を打って、それで実際には利用料の一〇%というのを、これをもう既に減じているわけです。そういう上に更に減免ということをやろうという場合に、今度は所得基準にプラスして資産の基準を設けたということでございまして、その資産の基準だけで何か減免の制度を仕組んでいるというわけではありません。それは、もう更に一段と減免する場合の要件として所得基準に加えてこの資産の基準を設けたということでございますので、是非御理解を賜りたいと思います。
#271
○委員長(鶴保庸介君) もう時間ですので。
 局長、一言でよろしいですか。
#272
○政府参考人(水田邦雄君) 済みません。
 先ほど答弁で一点修正をしたいと思います。
 調査票を既に送ったと言いましたけれども、実は学会等と調整中でございまして、調査票、リハビリテーションに関する調査、調査票について学会等と調整中でございます。今月中には送るということでございます。
#273
○福島みずほ君 終わります。
#274
○委員長(鶴保庸介君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時五十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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