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2006/10/31 第165回国会 参議院 参議院会議録情報 第165回国会 財政金融委員会 第2号
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2006/10/31 第165回国会 参議院

参議院会議録情報 第165回国会 財政金融委員会 第2号

#1
第165回国会 財政金融委員会 第2号
平成十八年十月三十一日(火曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 十月二十五日
    辞任         補欠選任
     広田  一君     榛葉賀津也君
 十月二十六日
    辞任         補欠選任
     榛葉賀津也君     広田  一君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         家西  悟君
    理 事
                沓掛 哲男君
                中川 雅治君
                野上浩太郎君
                大久保 勉君
                峰崎 直樹君
    委 員
                泉  信也君
                金田 勝年君
                椎名 一保君
                田浦  直君
                田中 直紀君
                舛添 要一君
                山下 英利君
                池口 修次君
                尾立 源幸君
                大塚 耕平君
                富岡由紀夫君
                平野 達男君
                広田  一君
                円 より子君
                西田 実仁君
                山口那津男君
                大門実紀史君
   国務大臣
       財務大臣     尾身 幸次君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        山本 有二君
   副大臣
       内閣府副大臣   渡辺 喜美君
       財務副大臣    富田 茂之君
       国土交通副大臣  望月 義夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤澤  進君
   政府参考人
       警察庁刑事局長  縄田  修君
       金融庁総務企画
       局長       三國谷勝範君
       金融庁監督局長  佐藤 隆文君
       中小企業庁事業
       環境部長     近藤 賢二君
   参考人
       株式会社東京証
       券取引所常務取
       締役       長友 英資君
       日本銀行総裁   福井 俊彦君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○財政及び金融等に関する調査
 (景気回復時の経済政策に関する件)
 (日本航空の公募増資に関する件)
 (道路特定財源に関する件)
 (新規国債発行枠に関する件)
 (消費者金融業者に関する件)
 (日本銀行法第五十四条第一項の規定に基づく
 通貨及び金融の調節に関する報告書に関する件
 )
    ─────────────
#2
○委員長(家西悟君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として金融庁総務企画局長三國谷勝範君外三名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(家西悟君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(家西悟君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、参考人として株式会社東京証券取引所常務取締役長友英資君及び日本銀行総裁福井俊彦君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(家西悟君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(家西悟君) 財政及び金融等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○沓掛哲男君 皆さんおはようございます。
 それでは始めさしていただきます。
 昔から失敗は成功のもとと言われています。失敗にくじけず、その原因を究明し、それへの対応をしっかり立てて再チャレンジすれば成功は間違いないというような教えだというふうに思っております。私たちのこの周辺におきましても成功の例、失敗の例はしばしば見られるのですが、成功した場合には、少しでもそれに関係した人は、おれがやったやったと言いますので後世にもよく伝わるのですが、失敗した事案については、みんなかかわりたくない、早く忘れてしまいたいというようなことが多く、後世に伝わりにくいです。
 今、景気もマクロ的には良くなってきているので、政府はこの機に財政再建をと力を入れておられますが、そのことは必要なことでもあり、結構なことであります。しかし、木を見て森を見ないと大変なことが起こり得るということを、平成九年秋から起こった大不況について見てみたいというふうに思います。
 バブル崩壊による不況を種々の対策により、平成七年、八年には設備投資の増加、平成七年は一〇%、八年は二〇%でしょうか、そういう設備投資の増加などにより、経済成長率も平成七年には名目で一・八%、実質で二・四%、平成八年には名目二・二%、実質二・八%の増加となり、景気は回復基調となりました。ちょうど今のような状態でした。今の状態を見てみますと、平成十六年の経済成長率は名目で〇・五、実質一・七%、また平成十七年では名目一・八、実質三・二%の増ですから、ほぼ同じような状態でした。
 そこで、平成七、八年は、当時、設備投資をリード役にしてようやく景気も立ち直り始めたのですから、そのとき経済政策はこれを側面から支援する、支える役割に徹しなければならなかったと思うのですが、しかるに橋本政権は、逆に財政赤字の削減を優先し、需要を大幅に抑制いたしました。平成九年には、消費税を三%から五%に、二兆円の特別減税を廃止し、医療保険の患者負担引上げで九兆円の国民負担増、さらに公的年金の保険料引上げや公共投資の削減など、前の分も合わせると約十五兆円の需要減を行いました。その上、民間ベースで民間の建築投資が約五兆円減となりました。二十兆円の需要減となったわけです。当時のGNPが五百兆ですから、四%ぐらい減となりました。
 しかし、さらに、この時期もう一つの需要不足要因が起こってきました。それは輸入の大幅増加でありました。プラザ合意後、日本は円高を志向せざるを得ませんでしたから、円高に持っていった。そうすることによって、今度は国内での生産がきつくなりましたので、海外への生産拠点の移転を行いました。そして、そこでいろいろなものを生産し、世界にも売りましたけれども、また日本へもたくさん輸入してまいりました。日本への輸入が増えれば、当然国内の需要減も起こってきたのです。これがまたちょうど平成九年ごろ、ピークで押し寄せてきたわけです。
 さて、もう一つ、この時期、有効需要不足だけでなく、不良債権問題を抱えた金融部門リードの景気後退が貸し渋りなどにより起こってきたんです。バブル崩壊の象徴とも言える株価や地価の暴落が始まったころ、ある大蔵省の幹部が、株価や地価が下がったからといって何が問題なのか、バブルに踊った人たちが困っているだけではないかと言っていたし、多くの人たちもその程度に思っていたんです。
 ところが、株価や地価の暴落で最も痛手を受けたのは都市銀行を始めとする銀行でした。銀行は、バブル期に不動産会社や建設会社に融資を急増させました。しかし、その貸出し先が地価の暴落で買った土地を売ることができなくなり、借入金を返却できなくなりました。いろんなことがあるんですけれども、単純に言えば。銀行は、発生した不良債権をそれまで蓄積してきた利益、すなわち自己資本を減らすことによって穴埋めしなければなりませんでした。
 国際的に仕事をしている銀行にはBIS規制が働きます。自己資本比率を八%以上に保たねばなりません。自己資本が減れば貸出金も減らさなければなりませんでした。これによって貸し渋りが起こり、それが激しくなったのが、またこれ平成九年、十年のころでございました。中小企業ばかりでなく、有力企業まで貸し渋りに苦しみました。平成九、十年の設備投資の急減に銀行による貸し渋りが大きく影響していたわけです。
 そこで、ひとつまとめてみますと、いわゆる平成十五年以降、確かに今、経済成長率は名目、実質ともにプラスとなり、現在は景気回復基調にありますが、平成七年、八年も名目、実質ともほぼ今と同レベルでありました。そして、翌九年に増税等による需要減十五兆円、さらに輸入増による需要減、不良債権処理のための都銀等の貸し渋りで経済は破綻寸前の状態となり、その対策として種々の経済対策が必要となり、そのため、多額の借金、国債発行がせざるを得なくなったわけです、小渕、森内閣等ですね、なりました。
 その轍を踏むことなく財政運営を是非していただきたい。ただ国債発行が増えた増えたと言うけれども、それには今のようなやはり政策上問題があったということをしっかりと踏まえていただきたいと思うんです。
 尾身大臣はちょうどそのころ、平成九年の秋に経済企画庁長官になられ、そして平成十年の八月ごろまで正にこの経済企画庁長官をされておられまして、この平成十年不況対策に真っ正面から取り組まれた豊富な経験をお持ちでもございます。
 私、そのとき非常に感心したのは、やっぱりこの年の、平成九年の暮れというのはもう正に大変厳しい状況でした。中小企業者はたくさんの借金を抱え、返済できない。また、取立ても厳しくなっていたんです。これは大変なことになるなと思ったとき、それを救ったのが時の経済企画庁長官尾身大臣の発言でございました。その発言は、一言、来年の桜の咲くころには景気は明るくなるだろうという言葉でした。私は、正に政治的発言であり、この一言葉であの年の暮れ、中小企業の経営者がたくさん死ななければならなかった命が救われたというふうに思っております。
 こういうことを踏まえて両大臣にお尋ねしたいんですが、まず尾身大臣には、今後の歳出歳入一体改革の進め方について所見をお伺いしたいし、また山本大臣には、これまでの不良債権問題に対する取組と今後の展望についてお伺いします。
 我が国の金融機関は、バブル崩壊後の長い間、いわゆる不良債権問題に苦しみ、この問題への取組に多大な労力を費やしてきました。不良債権問題の解決は、我が国が民需主導の持続的な経済成長を遂げる上でどうしても取り組まなければならなかった重要な課題でありましたが、必ずしも容易なことではありませんでした。
 そこで、不良債権問題の抜本的解決に向けて行ってきたこれまでの取組をどう総括されるか、またその正常化が図られた今後、このような過ちを繰り返さないためにどのような点に留意していけばよいのか、大臣の見解をお聞かせいただきたいと思います。
#8
○国務大臣(尾身幸次君) 沓掛議員の大変にこの今までの日本の、特にここ十年ばかりのバブル崩壊の時期からの政策及び経済の実態について極めて的確な御意見を賜りまして、大変高く評価しているところでございます。
 平成九年の秋に、私が、桜の咲くころは日本景気は良くなるということを経済企画庁長官のときに申し上げました。景気が正にどん底でございまして、言わば末期のがん患者が死の直前にあるというような景気の状況でございました。そのときに、更に景気の悪い状態が続くというようなことを私が責任者として申し上げたならば、いわゆるコンフィデンスといいますか、将来に対する展望が一層悪化して、それが心理的な影響を持って景気の崩壊といいますか、を加速するのではないかという実は心配がございまして、あえて向こう傷を負うのは承知の上で、いずれ良くなると言ったのでは印象が薄いものですから、桜の咲くころ良くなると申しましたら、三月になってもなかなか良くならない。
 東京の桜か北海道の桜かというようなことを国会でも聞かれましたし、そのうちに、まだまだ景気の状態が厳しかったものですから、今年の桜か来年の桜かというようなことも聞かれて大変に苦しい思いをしたのでございますが、つい一、二年前、ある銀行の幹部の方にお目に掛かったら、あのときの発言で実は日本経済が大変助かったというようなお話も伺って、感無量の思いがしております。沓掛議員におかれまして、そのことについて御理解をいただいたことに対して心から感謝を申し上げる次第でございます。
 昨今は、御存じのとおり、経済の状況も全体としては順調な回復基調にあるというわけでございますけれども、財政の状況は国、地方合わした債務の残高が七百七十五兆円、GDP対比で一五〇%を超えるというような状況でございまして、大変に厳しい状況でございます。
 そういう中で、私ども、とにかく来年度予算については厳しい歳出削減をやり抜いていく、それによってプライマリーバランスの回復を目指してやっていくという方向で頑張っているわけでございまして、ただしかし、財政再建だけを至上命令としてやるということではなしに、経済の活性化と財政の再建を両立させていきたい、成長なくして財政再建なしという考え方の下にこの二つを両立させるような方向でこれを実現をしていきたいというふうに考えておりまして、なかなかこれ厳しい道でございますけれども、我が国経済の将来を考えますと、そういう方向で財政再建を実現し、同時に経済の競争力の回復とかあるいは活力とかそういうことも十分頭に入れながらこの両者を両立させていきたいというのが私どもの考えでございます。
#9
○国務大臣(山本有二君) 経済通の沓掛委員から十年にわたる日本経済の状況を渉猟しながらの御質問でございました。特に私には不良債権問題の取組をお尋ねでございます。
 まず、金融庁では、我が国金融システムの重荷となってきた不良債権問題についてこれまで各般の取組を行ってきたところ、その結果、主要行の不良債権比率の半減目標は達成されました。平成十四年三月期には八・四%であったものが十七年三月期には二・九%ということになったわけでございます。その後も不良債権比率は引き続き低下をしておりまして、十八年三月期には主要行で一・八%まで達することができました。その意味では順調に不良債権処理が進んでいるということが言えようかと思います。
 また、地域金融機関におきましては、地域密着型金融、これの機能強化に向けた取組を進めているところでございます。これによりまして、地域の再生、活性化や中小企業金融の円滑化とともに、地域金融機関自身につきましても不良債権比率の着実な低下が見られるところでございます。このような取組によりまして不良債権処理が促進されるに伴いまして、金融機関の財務内容が改善し、日本経済全体の回復とも相まって貸出しが増加に転じる等、金融システムの機能が回復していると評価しているところでございます。
 今後、不良債権問題の再発を防ぐという観点に立って留意点を申し上げれば、各金融機関において適切なリスク管理体制が構築され、実効性あるリスク管理が実践されることが不可欠でございます。具体的に申し上げれば、与信先の業況等を的確に把握し、適切な与信管理を行うとともに、必要に応じた借り手企業の事業再生等に取り組むことが重要であります。また、不良債権の早期認知、早期対処が定着することも重要でございます。先生御指摘のとおり、バブル以前は与信についての基準が多少あいまいであったと思いますけれども、今後、平成十一年からの検査マニュアルの改訂によりまして、資産査定等が信頼を受けるそういうリスク管理体制に移ってきているというように思っております。
 以上でございます。
#10
○沓掛哲男君 両大臣から非常に適切なお答えをいただきましてありがとうございました。
 そこで、今、財務大臣がおっしゃられましたように、経済成長を図りつつ、そして財政再建を進めていく上においては民需主導型の経済運営が何よりも必要だというふうに思います。
 さて、国際化が進み、また中国等近隣諸国のすさまじい経済成長の中では、それらの国よりも常に一ランク進んだ高い技術を要するそういう製品やサービスを提供していくことが必要であり、そのためにはベンチャービジネスの育成ということが不可欠だというふうに思っております。
 今年の八月に、戦略的外交ということでマーシャル、ミクロネシア、パラオという三国へ私、総理の代理で行ってまいりました。そのとき、何かお土産が必要だと思いました。そこで、セイコー社の時計がいいと思って、いわゆる三越に買いに行きました。
 立派なセイコー社の時計があるので、これかなと思って、裏を見る、あるいは後ろを見ると、みんなメード・イン・チャイナと書いてあるんです。で、メード・イン・チャイナを持っていったんでは、ミクロネシアでは正に日本と中国が、あそこで競り合っているところですから、敵に何も利を与えることはないので、日本で作った時計はないんですかと言ったら、もう日本では時計作っていませんと言うんです。日本ではいわゆる重要な部品のところだけ作って、それを中国へ持っていって、そして中国で組み立て、周りとかそういうものは全部中国品で、日本ではもう時計は作っていませんと言うんですよ。
 いや、これには大変驚きました。やっぱり日本というのは、やっぱりそういう一ランク高い、そういうものを作っていく。そういうことがもうこれから必要だし、そのためにはベンチャー企業の育成というのは欠かせない大事なことだというふうに思いますので、これについて少しお話ししたいし、最後に質問したいと思っています。
 ベンチャー企業の育成には知恵と金が必要です。知恵を特許から、また金を証券投資の面から見てみたいと思います。
 特許庁の報告書を見ますと、日本には特許権が九十九万件ありますが、利用されているのは四十八万件、半分弱です。日本の特許の内容は、革新的な発明はほとんどありません。専ら改良型発明が中心であります。革新的な発明に対する日本での理解が非常に低いということが原因かなというふうに思っています。
 例えば、この間ノーベル賞をいただきました島津製作所の田中さんは、その発明になる特許ができたときに、社長さんから賞品として一万円のお金をいただきました。日本ではノーベル賞的な発明がまあ一万円です。
 じゃ、アメリカではどれぐらいするのかなというんですが、最近のデータを私ちょっと持ってないんですが、少し古いんですけれども、例えば、豊田佐吉が日本で織機を発明した、しかし日本では非常にただのようなものですからアメリカへ持っていって売ったら、今のお金で約一兆円になったというんです。そして、それで豊田佐吉が帰って長男の豊田喜一郎に、織機の時代ではない、自動車の時代だからこれで自動車産業を興せと言って渡した。その一兆円を元にして今のトヨタがあるというんです。
 また、私の石川県の金沢出身の高峰譲吉という方がおられます。これはアメリカでアドレナリンとかタカジアスターゼを発明するんですが、同じくアメリカで売ってほぼ一兆円のお金を得ました。そして、三共製薬、今の三共株式会社の初代社長としてその会社を起こしているんです。
 ですから、アメリカでは約、ノーベル賞的な発明は一兆円、日本では一万円では、なかなか日本では進まないのかな。じゃ、日本の改良型発明は駄目なのかというと、とんでもないことで、日本のこの改良型発明というのもすばらしい力を発揮しております。それは、いわゆる日本の技術というのは蓄積型の中で大きな力を発揮しているんです。
 例えば自動車ですと、基本技術が幾つかあります。例えばエンジンもありましょう、それから足回りのものもありましょう、まあいろいろ操作するそういう基本技術というのがあるんです。そして、その基本技術一つ一つにたくさんの改良型発明がなされて、そして全体としてすばらしい製品ができているわけですから、なかなか日本のまねはほかの国ではできない。そういう日本は蓄積型技術でいろいろなものができてきているんで、そういう点で改良型発明というのも非常にまあ重要ではあるんです。
 さて、特許の二分の一強が利用されていないのですが、まあ業種別に見て特に利用されていないのはどこかというと、教育、それから公的研究機関、それから公務に関する、こういうものは利用率二五%です。で、医薬品工業も利用率三七%、輸送機械工業でも三七%となっています。
 で、我が国の特許について、特に外国で通用する特許権を取得していないもの、かなりあります。やっぱり外国でも特許通用するにはお金が要りますから、そういう特許を外国で取ってないものがございますが、そういうものについては外国からのアクセスが多く、特に韓国からのアクセスがすごい勢いで来ております。
 さて、知的財産の形成には人材、金、時間が費やされているのですから、外国でただ使いされてはたまりません。日本で活用することが是非必要です。ベンチャーを起こすに必要な、まず知恵は我が国にはたくさんあるわけです。では何が問題なのかということ、これが次の質問なんですけれども、しかしベンチャーを起こすにはやっぱりお金が必要なんです。
 アメリカでベンチャー企業を起こそうとするとき、起業者は銀行にお願いしますと。銀行が、そんな危ないのはおれ嫌だよと言えば、いわゆる豊富な資本市場から必要なお金を調達してまいります。ところが、日本の場合は資本市場が余り育成されていませんから、専ら銀行頼りです。ところが、銀行というのは、やっぱり何といってもそういう危ない企業、事業には投資したがりません。アメリカでもベンチャー事業の成功率は五割から六割と言われています。
 アメリカでは、じゃベンチャー企業を起こすのを決定するのはだれかといえば、今申し上げたように起業家なんです。ところが、日本の場合、ベンチャー企業を起こすかどうかを決定するのは銀行家なんです。あの保守的で本当に安全第一の銀行家を頼りにしていたんではこれはなかなか大変で、銀行家に首根っこを押さえられていてはベンチャーの芽は出にくいです。まあ、もちろん自己資金をたくさん持っているとか、大企業を支援するのは別なんですが。
 そこで、お手元にお配りしてあります、どういう資本市場の育成状況かというのをお手元に配った資料で見てください。
 この左側の方の丸印で書いてある、これは我が国の個人金融資産がどのように使われているかというものを示しております。千五百五十六兆円の個人金融資産があります。投資的に使われているのは、上に太い線であるように、投資七・九、投信三・六、一一・五%、我が国の個人金融資産の一一・五%はこういう資本市場で今のようなところに動くんですね。で、真ん中がドイツです。ドイツは一八・七%が資本市場で、そしてアメリカは右のあるように二八%がございます。
 昔、三十年ほど前は日本もドイツも余り違わなかったんですけれども、ドイツはアメリカからそういう専門家を呼んで、そして一生懸命やった成果がここへ上がってきているんです。まあアメリカはこの個人金融資産のベースも広いです。合計三十九・八兆ドルは、日本円に直すと五千兆です。日本は千五百五十兆、アメリカは五千兆、その五千兆のうちの二八%、いわゆる千四百兆円が資本市場で動いているし、日本は資本市場で動いているのは百八十兆円という、大きな差があります。まあアメリカ並みとは言わなくても、せめてドイツ並みの一八%ぐらいには是非持っていってもらいたいなというふうにも思います。
 そこで、実は一昨年から昨年にかけて参議院自民党の政審で講師を呼んで、この資本市場の育成を一生懸命勉強いたしました。まあ、税制等の優遇措置を比較しても、日本は余り外国とそう遜色はないんですよ。しかし、こんな大きな差があるのはなぜなのか。私なりに言えば、銀行が余りにも強過ぎるのか、あるいは国民の意識が投機的なことに向かないのか、あるいは証券会社の投資家に対する対応がいま一つ足りないのか。よく言われているんですけれども、素人で長年株をやって、そしてもうけられるのは十人に一人だと言うんです。
 そういう中で、記憶に残っている某証券会社、有名な証券会社の社長さんの言葉がございます。それはこういうことでした。国会議員、参議院の国会議員四、五十人いたんですが、ここにおられる国会議員の皆様で株をやっておられる方はおられますかという質問に対して、この数十人の中で三、四人の人だけが株をやっているということでした。その社長は、国会議員の方が株を売買すると議長に届けなきゃならないし、公務員でも審議官以上の人が株を売買すると役所にやっぱり届けなけりゃならないという、そういうことがありますが、これを是非緩和してほしいということでした。まあ株式と特別関係のある部署なんかは別でしょうし、又は多額の取引をする人も別だとは思いますが、一律に政治家もいわゆる官庁のリーダーの人たちも非常に株が、まあ一々報告するというんじゃ、とてもなかなかそういうことはできませんですね。
 そこで、山本金融大臣にお尋ねしたいんですけれども、我が国の個人金融資産に占める株式プラス投資信託の構成比は近年少しずつ高まっているものの、諸外国と比較した場合、依然として低い水準にあります。貯蓄から投資への促進が必要と思いますが、効果的、抜本的改革についてお尋ねします。せめてドイツ並みの一八%程度を目標にお願いしたいというふうに思いますが、ちなみに大臣は株をお持ちですか。私は持っておりません。まあこの最後の質問はどちらでもいいんですけれども、私は持っていません。是非ひとつお願いいたします。
#11
○国務大臣(山本有二君) まず、株式保有はしておりません、残念でありますが。
 また、先生のベンチャー企業育成のためには単に貯蓄するのではなくて積極的な資本投資や、あるいは社債等、そういった運用が必要ではないかという観点での御質問でございます。私もそのとおりだと思っております。特に、我が国金融システムというのは間接金融に大きく依存しておりまして、結果として銀行にリスクが過度に集中するという構造になっております。その点におきましては、様々な投資家が成長力ある企業の株式、社債に投資を行ってもらって、金融システム全体で幅広くリスクテークが行われることによって一層国民経済が活性化するというような時代に入ってきているだろうというように思います。
 この観点に立って、我が国市場をより魅力的にするためには、自由な競争を通じた幅広い商品、サービスの選択を可能とするとともに、情報開示の充実等を通じて投資家から信頼される公正、透明な市場を確保することが必要であろうというように思っております。
 特に、株とかあるいはベンチャー企業とかいいますと、投機性が高くて危険だというような概念があるだろうというように思います。そこで、本年六月に成立いたしました金融商品取引法の観点から、まず投資者保護のための横断的法制を確立する、そしてまた金融イノベーション、新しい商品をつくってもらったり、そんなふうにしてより利便を国民の皆さんに享受していただくという柔構造化、さらに市場の公正性、透明性の一層の向上のための開示制度、これの見直しというようなことを通じまして、更に金融システムの実現、充実、発展を図りたいというように思っております。
 以上でございます。
#12
○沓掛哲男君 ありがとうございました。
 では、少し身近な質問をさせていただきたいと思います。
 まず、全体として景気は回復しておりますが、地域間では失業率や有効求人倍率にばらつきが見られます。また、地元の中小企業からは業況は良くないという声も聞かれますし、私の石川県でも小松製作所とか平鍛造とかいう、そういう鉄鋼関係はもう好況で好況でもう困るぐらいの好況なんです。一方、お隣はみんなもう何も仕事がないという、そういう大きな差が出てきております。こうした地域による景況、景気、景況調整の差についての認識についてお尋ねします。また、こうした地域格差、経済のためにはどのように取り組んでいただけるのかもお教えいただきたいと思います。
#13
○国務大臣(尾身幸次君) 今、沓掛委員おっしゃるとおり、全体としては景気は緩やかに回復しているというのが統計資料等から見て実態であると思いますけれども、しかし地域経済については今お話しのとおり、失業率あるいは有効求人倍率等に見られるとおり、かなりばらつきがあるというのも事実でございます。
 私どもそういう中で、地域の活性化というのは安倍政権の大きな柱だというふうに思っておりますけれども、この地域の知恵とか工夫を生かしてこの活性化の取組に取り組んでいる地方に対して後押しをしていきたいというふうに考えております。
 そういう中で、例えば構造改革特区とか地域再生あるいは都市再生、中心市街地活性化、観光立国など、各、これらの諸施策を政府として積極的に推進してまいりたいと思っております。また、それと同時に、地域独自のプロジェクトに取り組みます自治体に対して、地方交付税の支援措置を新たに講ずる頑張る地方応援プログラムを来年度からスタートさせることにしております。
 政府としては、こうした施策を体系的かつ総合的に推進することが大事であるというふうに考えておりまして、財務省としてもその方向に前向きに取り組んでまいりたいと考えているわけでございます。
#14
○沓掛哲男君 大臣は先日の所信の中で十九年度予算についてめり張りを利かせつつ、厳しい歳出削減を行うこととすると言っておられますが、どのように取り組まれようとしておられるのでしょうか。
#15
○国務大臣(尾身幸次君) 先ほど申し上げましたように、財政の状況、非常に厳しいわけでございまして、債務残高がGDP対比で国、地方合わせて一五〇%を超えるというような状況でございます。しかし、他方、国民負担率が三八%で、これはまた世界一低いという状況になっているわけでございます。そういう状況でございますけれども、来年度予算編成に当たりましては、めり張りを利かせながら厳しい歳出削減の方針を貫いて財政健全化に向かって最大限の努力をしてまいりたいと考えております。その結果として公債、新規の国債発行額につきましては、二〇〇四年で三十七兆円、二〇〇五年度で三十四兆円、二〇〇六年度で三十兆円と徐々に減額してまいりましたが、二〇〇七年度、来年度につきましてもこの三十兆円よりも更に減額をしてまいりたいというふうに考えております。
 そういう中で、同時に、先ほど申し上げましたように、国際競争力の強化や、あるいは生産性の向上という観点からの経済成長戦略も取っていかなければなりません。したがいまして、競争力、成長力を強化する取組、あるいは再チャレンジに対する支援というような観点も含めまして、安全、安心の確保と、柔軟で多様な社会の実現のための取組を推進をしてまいりたいと思っております。
 来年度予算につきましては、先ほども申し上げましたように、めり張りを付けながらも、全体としては徹底した削減を図り、そして、その中で一歩でも財政健全化を進めてまいりたいと考えている次第でございます。
#16
○沓掛哲男君 それに関連いたしまして、道路特定財源について私の方の考え方、また、余りこれはそれほどお答えいただかなくても、是非聞いていただけるだけでもいいんですが、お願いしたいと思います。
 道路特定財源について、骨太二〇〇六で年末までに結論を出すということとなっていますが、次の三点についていろいろ御理解をいただきたいというふうに思います。
 この一つは、まず道路特定財源というのは受益者負担、損傷者負担の理念の下につくられたものであるということ。二番目は、いわゆる特に暫定税率は一定の期間内、通常五か年ですけれども、その中での道路投資資金が不足するため、通常の約二倍の税率で受益者にお願いしているものであり、シーリングによって使えなくなる部分があるからといって全部を一般会計とするには無理があります。使えない場合には、まず暫定税率を変えて負担者に返すべきだというふうにも思います。無理が通れば道理が引っ込むというようなことは百害あって一利ないというふうに思っています。
 特に、これから申し上げる第三番目を御理解いただきたいんですけれども、道路特定財源は単に道路のみの、造るのに使われているのではありません。町づくりの大きな部分に充当されているのです。
 例えば、町を分断しております鉄道を連続立体交差化事業とするための事業費、大きなお金が掛かりますが、この九二%は道路資金が充てられております。都道府県の県庁所在地はほとんどこの連続立体交差化事業が終わりまして、次の都市等に移っておりますが、これができないともう町づくりはできないというような事業です。
 よく言われるんですが、九二%も道路が持つというのは、道路特定財源で金があるからじゃないんですかという方がおられます。これは決してそうではありません。これをこういうふうに決めたのは、明治の為政者が鉄道に優先権を与えたからです。いわゆる、鉄道は平面で、途中で道路と交差すれば、踏切を造れば鉄道は何の影響もありません。影響を受けるのは踏切による道路側です。
 そこで、この問題を、負担をどうするかを私たち若いとき一生懸命鉄道とやったんですけれど、鉄道側では何の影響もありません、連続立体交差化する必要ありませんと言うんです。それでいろいろ工夫した結果、連続立体交差化によってお互いにどれだけの利益が得られるか、その利益の比例分で負担を決めようということでした。鉄道の方は、踏切がなくなるだけの、それだけのもんの利益です。道路の方は渋滞とかいろいろなくなるんで、そういう大きな利益があるということの結果が、道路が九二%負担し鉄道は八%しか負担しないけど鉄道事業としてやる、そういうようなことになりました。まあ鉄道と道路の立体交差化事業などもそうですし、宅地を生み出す区画整理事業、あるいは再開発事業、あるいはモノレール事業、こういうのもみんな道路特定財源を使っております。
 また、別の視点から、自動車以外の交通機関、日本は戦後、まあ昔からたくさんの発明があったんですが、今使っている交通機関は四つなんですね。道路以外の飛行機あるいは汽車、船舶というのは自分で自己完結できませんので、端末機能はすべて道路がこれを持つことになっております。そうしなければ全体としての総合交通政策は成り立ちませんし、端末機能といってもすごいお金が掛かるんです。飛行場を造るとそこから都心まで高速道路を造るわけですから、大変なお金が掛かっております。
 このように、道路は都市全体に、また交通機関のすべてにかかわり、上下水道、電気施設、通信施設等への設置場所の提供など、ライフサイクルのいわゆる設置する場所、そういうものもずっと提供しております。正に、社会資本全体に深くかかわっております。道路特定財源は、その負担についてたくさんの人に負担してもらっていますし、また、その使途についても、今申し上げましたように、たくさんの分野や人にかかわっておりますので、その取扱いは是非慎重にお願いしたいというふうに思います。
 先日の大会では八百万人を超える人の反対署名が出されておりました。これだけ大きなたくさんの、トラックに積み上げるような、そういう反対署名というのは私も初めて見ました。そういう大きな問題があるということを踏まえて、是非この問題に当たっていただきたいというふうに思います。
 これは余り、お答えいただくというよりも、是非御理解いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
#17
○国務大臣(尾身幸次君) 道路特定財源については、もう委員よく御承知でございますし、私どもの考えもよく御理解をいただいていると思いますが、ただいま賜りました御意見、大変貴重な御意見であり、よくそういう御意見を踏まえて対応してまいりたいと考えている次第でございます。
 なお、今日は委員会の席でございますから詳細に承るわけにまいりませんが、近い将来に機会を見て直接もうちょっと詳しく伺って、参考にさせていただければ有り難いと思っております。
#18
○沓掛哲男君 最後の質問を山本大臣にお願いしたいと思います。
 貸金業制度改革についてお尋ねします。
 現在、毎年約二十万人の自己破産者が発生しており、そのおよそ十倍の約二百万人の人々が多重債務に苦しんでいるとも言われます。また、約千四百万人が消費者金融を利用しており、これらの人々も潜在的には多重債務者になるおそれがあると考えられます。
 多重債務問題の背景には、貸金業者が利息制限法の上限金利を上回る金利で貸付けを行っているだけでなく、借り手の返済能力を超えた過剰な貸付けを行っているという実態があります。また、強引な勧誘や不適切な取立て等による被害の事例も報告されています。
 私は、今こそ貸金業制度を抜本的に改革し、新たな多重債務者を発生させないしっかりとした仕組みを構築することが求められていると思います。政府として貸金業制度改革にどのように臨まれるのか、山本大臣のお考えをお伺いいたします。
#19
○国務大臣(山本有二君) 先生おっしゃられるとおりでありまして、新たな多重債務者を二度と再びこの世に発生させないという決意でこの問題に取り組まなければならないと思っております。
 今、貸し方の方を見てまいりますと、ほとんど返済してもらえないことを承知しながら貸している、非常に不自然です。また、借り手の方は、様々な動機や事情があることは分かりますけれども、これまた返済することがほとんどできないくらいの高利で借りてしまっております。
 この二つの不幸を何とかして片付けたい、何とかして改善して、健全な貸金業のマーケットを確立したいというように思っておりますが、今朝この貸金業改正が閣議決定をされました。その貸金業の改正案においては、こうした考え方を踏まえまして、第一番に貸金業者に対する参入規制、行為規制の強化をいたします。第二に、借り手ごとに信用情報機関において借入総額を把握いたしまして、過剰貸付けを禁止する仕組みの導入をいたします。第三に、上限金利の大幅な引下げをいたします。こうしたことによりまして、多重債務問題を抜本的に解決し、そして、あらゆる方策をもってこうした点に取り組める体制に持っていきたいと思っております。
 また、あわせて、今回の改正は、リスクに応じた金利が市場メカニズムを通じて決定され、適正な与信水準が実現するような信用供与体系の構築にも資するものと考えております。
 一層沓掛委員の御指導を仰ぎながら、本法案が早期に成立することをお願いをいたしたいと存じます。
 以上でございます。
#20
○沓掛哲男君 両大臣から大変有意義な御回答、御説明、ありがとうございました。両大臣のますますの御健闘を心から祈って、ちょっと時間が余裕があるんですけれども、私の質問は以上で終わります。
 ありがとうございました。
#21
○峰崎直樹君 民主党・新緑風会の峰崎でございますが、今日は両大臣、初めてこの財政金融委員会での質疑ということなので、冒頭、大前提となりますか、この間大変問題になってまいりました歴史認識等について、これは率直に言って意見交換をするつもりはありませんから、率直に両大臣の見解をお聞かせいただければなと思っております。
 両大臣に対して、靖国神社参拝問題というのがございました。まあ中国、韓国でいろいろ発言をしておりますけれども、両大臣は、小泉内閣総理大臣、前総理大臣が靖国参拝をされる、続けたと、五年間、こういったことについてどのように思っておられるのか、お聞きしたいと思います。
#22
○国務大臣(尾身幸次君) 先日も安倍総理は、靖国神社の参拝につきまして、国のために戦って尊い命を犠牲にした方々に対して手を合わせ、御冥福をお祈りし、尊崇の念を表する気持ちは持ち続けていきたいと思っている旨発言をしておられるところでございまして、この点につきまして私としても十分に理解できるところであるというふうに考えております。
 私自身につきましても総理のお考えと同じでございまして、今後参拝するかしないかはこの席で申し上げるのは適当でないと考えております。
#23
○国務大臣(山本有二君) 総理が参拝されるかどうかは総理個人の御判断だろうというように思っております。そしてまた、公式参拝につきましてでございますが、我が国国民や遺族の方々の思い、近隣諸国の国民感情など、諸般の事情を総合的に考慮して慎重かつ自主的に検討した上で判断されるべきものというように考えております。
#24
○峰崎直樹君 次に、第二次世界大戦、これをどのように表現するか、大東亜戦争と呼んだりする人もおられますが、第二次世界大戦、日本が参戦をして、この歴史的な評価、いわゆる五十年の村山談話というのがございますが、これらについて両大臣、どのようにお考えでしょうか。
#25
○国務大臣(尾身幸次君) この点につきましては、安倍総理が先日国会、予算委員会で答弁をしたとおりの考えでございます。
#26
○国務大臣(山本有二君) この第二次世界大戦は、我が国歴史、また世界史の中で大変不幸な出来事だろうというように思っております。国民の多くの皆さんが犠牲になった、そしてだれもがその犠牲者の親類縁者であるというようなことからいたしまして、二度と再びこのようなことがないように為政者としては研究、また努力していく必要があろうというように思っております。
#27
○峰崎直樹君 やや尾身大臣の答弁、何となく誠意が感じられないなという感じがしないでもないんですが。
 お隣に両方副大臣おられます。この機会ですから、もし、今私二つの質問をいたしましたけれども、これからも富田副大臣やあるいは渡辺副大臣とも率直に意見交換をしたいと思っていますので、その大前提としてもしその見解あればお聞きしたいなと、これは事前に言っておりませんでしたけれども、もしあれば、差し支えなければお答えください。
#28
○副大臣(富田茂之君) 両見解につきましては、もう尾身大臣と全く同じ考え方でございます。
#29
○副大臣(渡辺喜美君) 突然の御指名でございますが、第二次大戦の起源という本がございます。たしかテーラーという学者の書いた本であります。一方、日本の戦争については、私非常に感銘を受けた本の一つに「昭和天皇独白録」というのがございまして、昭和天皇が大東亜戦争の原因の一つとして第一次大戦の戦後処理、そしてその後の日米関係における様々な問題などを指摘しておったことがございました。私は、個人的にこの昭和天皇の思いというものをもう一度思い起こすべきではないかと考えております。
#30
○峰崎直樹君 渡辺副大臣、率直にお答えいただきまして、ありがとうございます。また、今日も両大臣等を中心に行いますけれども、できれば副大臣もどう考えているかということを私の方で聞く場合もございますので、是非緊張して参加していただければと思います。期待をしておりますので。
 そこで、私は、山本大臣に最初に金融の問題で、この間ずっとこの財政金融委員会でやり続けて、依然としてまだ議事録が未定稿になっている問題もあるわけです。それは何かといいますと、日興コーディアル証券がベル24、自分のところ、一〇〇%のインベストメント会社、投資会社を使ってベル24という、電話情報ですね、ベル24という会社が、様々な調査をやっている会社ですけれども、これ大手企業でした、一部上場メーカーだったんです。この会社を、全部株式を買っちゃって買収して非上場にしちゃったわけですね。このときに日興コーディアル証券は、このいわゆる非上場にした会社及びインベストメント会社も含めて、ともにこれを連結から外した上で、しかし、そこからEB債という一つの複雑な手続を使って実は百四十四億円の利益を付け替えて、これは飛ばしじゃないですかと。
 同じような証券会社に野村証券、大手では、あるいは大和証券というのがあるけれども、そういうところはすべてその最後の、いわゆるベル24、完全に買収した企業は別として、野村の場合はそれまで全部入れて完全にこれは連結しています。大和の場合はその一〇〇%子会社であるところまでは連結しています。ところが、日興コーディアルだけは、このいわゆるSPCと言われている、いわゆるインベストメント・ホールディングの株式会社とベル24、ともに連結から外して百四十四億円の利益だけ付け替えたと、これは飛ばしじゃないですか、ライブドアの事件よりももっと悪質じゃないですかということを私はこの間ずっと言い続けてきたんです。
 この問題ももう私の周りに新聞記者が随分来て、あれはどうなったんでしょうかねと、こうおっしゃっているんですが、金融庁はこの問題について、いつまでにこの問題についての結論を出されるんですか。どういう状況になっているのか、教えてください。
#31
○国務大臣(山本有二君) 峰崎委員がこの問題について与謝野大臣当時から大変御熱心に議論をされていることは十分承知しておるつもりでございます。ただ、与謝野大臣と同様に、個別の問題について行政当局としてコメントすることは、当該企業の正当な利益等を害するおそれがあることなどから差し控えさせていただきたいと存じます。
 あくまでも一般論として申し上げれば、会社が他の会社等の意思決定機関を支配している場合、当該他の会社は連結されることとされておりまして、当該会社等を連結対象とするか否かについては、その具体的な実態に即しつつ個別に判断されることとなろうと思っております。
 また、金融庁としましては、提出されている財務諸表について法令に照らして仮に問題があるとすれば、法令に基づき厳正に対処をしていくこととなるわけでございます。
 また、先生から御指摘のそういう時期についても、個別の問題でございますので差し控えさせていただきたいと思います。
#32
○峰崎直樹君 それで、私どもが指摘をして、昨年度の三月期決算では連結対象ではなかったんです。ところが、この三月期決算から連結対象に加えたわけですよ。なぜ今までは加えなくて今度は加えるんですかということについて、実は中央青山監査法人、旧、そこから、もちろんその説明文は当委員会でその理事長さんをお呼びしたときにその理由をきちんと文書で出してくださいねということでお願いをいたしました。それ、出てきました。ただし、出てきたんですが、中身を見ると、日付も入ってなければ、これがその資料なんでありますが、相手先もなければ日付も書いてないという、そういうたぐいの資料で、これがいわゆる国会に対して提出した資料というふうに受け止めるのかということで大変疑問に思っています。
 これは、私どもは理事会その他でまだこれについて全く議論していませんから、この中身についても、回答があった中身についてこれは相当問題だなというふうに思っているんです。ただし、今日は一般質疑の段階ですから、問題だということを指摘すると同時に、ちょっと委員長にお願いがあるんですけれども、参考人として、我々、ずっと日興コーディアル証券の有村社長さん、会長さんと言うんでしょうかね、その方と、それから中央青山監査法人、旧中央青山監査法人の前回参考人として出てきていただきました理事長さん、何という名前だったでしょうか、ちょっと今ここで名前が出てきませんが、その方に、この文書を出してこられて、この文書が正式な文書かどうかということももう一回ちょっと確かめなきゃいけませんけれども、これに対して私は重大な問題があるというふうに思っているんです。全然回答になっていないというふうに思っております。今日はその中身については十分議論をする時間ありませんから、これはあれしませんけども、お二人の参考人を当委員会にお呼びしていただきたいと思っております。
#33
○委員長(家西悟君) 理事会で協議いたします。
#34
○峰崎直樹君 実は、まだ私が質疑をした段階におけるその議事録がストップしたままになっているんです。恐らく未定稿で、ままになっているんです。それはなぜかというと、中央青山監査法人、旧中央青山の理事長さんのここにおける発言内容が、実は東京新聞の記者の皆さん方にとって事実誤認で名誉毀損をされるような中身になっているわけです。これは議事録を読んでいただければ分かるんですけども、その意味で、議事録について、間違ったことを実は中央青山の理事長さんがおっしゃったんです。そこで、間違えたから訂正してもらいたいという議事録訂正依頼がこっちへ来ているんです。私が質問したためにこの議事録訂正依頼で来たけども、これをそのまま認めるわけにいかないと。
 つまり、東京新聞の記者の皆さん方が、これではとても、その私たちが直接インタビューした記事の中身が捏造されているという事実を指摘をされて、東京新聞からも私のところに、中央青山に対して、旧中央青山に対して抗議の申入れ書が来ているんですよ。
 そういうことも含めて、この委員会、また是非参考人として先ほど申し上げた方をお呼びして委員会を開いていただきたいなということも、これもまたお願いを申し上げておきたいと思います。
#35
○委員長(家西悟君) 追って理事会で協議いたします。
#36
○峰崎直樹君 そこで、金融担当大臣、今日は別の問題をまたちょっとお聞きします。
 日本航空の問題なんです。実は、もうかなり新聞とか雑誌その他で日本航空の問題について私も様々な記事を読んでいますから、もう皆さん方の中においてもお気付きになった点があるのではないかと思っております。今日は国土交通省からも副大臣がお見えになっておりますので、よろしくお願いしたいと思いますが。
 実は、最初に日本航空がこの六月に株主総会を開いて、株主総会には全く諮らないで、その二日後に公募増資をしたわけです。当初二千億円程度の公募増資と言われていましたけども、実際上集まったのは一千四百億円程度だったというふうに聞いておりますが、この公募増資、これについてどのように金融担当大臣はお考えになっているか、お聞かせ願いたいと思います。
#37
○国務大臣(山本有二君) お尋ねの点は個別企業のすぐれて資本政策に係る事柄でございまして、企業の立場を悪くするというようなこともあり得ますので、コメントを差し控えたいと思います。
#38
○峰崎直樹君 今のような答えがずっと続くと、これ議論になっていきませんが、ずっと個別企業の問題については答えられないということで一貫して答弁されますか。そのことをまずお聞きしておきます。
#39
○国務大臣(山本有二君) 個別企業のことについては、担当大臣としては答えられません。
#40
○峰崎直樹君 そうすると、これ一般論でじゃ答えるしかないということですね。これ日本航空はずっと赤字企業で決算出てきております。公募増資というのは、本来は成長資金の調達のために、増資による新株発行数というのは将来の利益の増加の範囲内でしか行えないと、こういうのが大体証券市場の行動規範というふうに一般的に言われていますよね。
 今回のような場合に果たして使っていいんだろうか。現行法規上、こういうことをストップさせる法律上の問題はないというふうになった場合に、本当にこれで、株主に対する説明責任とかそういうものは果たしていないんじゃないんだろうかと思うんですが、そういった点についてどのようにお考えになりますか。
#41
○国務大臣(山本有二君) あくまで一般論でございますが、公募して増資をするということになりますれば、上場企業におきましては株価が下がります。その意味において、株主の利益について大変関心が深い事項だろうというように思います。
 ただ、取締役会で決定されるというようなことは法令違反ではありませんので、その点におきましては法令違反でないけれども、会社のガバナビリティーやあるいは株主利益を勘案したところ、これが万全の体制で十分なことをやったのかどうかということについては、公平の観点から疑問なしとしないという一般論は言えようかと思います。
#42
○峰崎直樹君 東京証券取引所から今日お見えになっていただいています。
 どのように判断をされましたですか。
#43
○参考人(長友英資君) お答えいたします。
 先生御指摘の増資そのものであるとか情報開示の内容にかかわらずなんですけれども、本件について、投資家に不信を与える、不信感を与えるということで批判が出てくるのは当然のことだというふうに考えております。
 特に、先生御指摘の株主総会がございまして、株主に対する説明をする機会というのが二日前にあったわけですけれども、そのことについて何ら説明を行わなかったという日本航空のスタンスというのは、あくまでも道義的な観点という意味ですけれども、非常に不適切であると、上場会社として望ましいとは言えないというふうに考えております。
#44
○峰崎直樹君 そこで、コンプライアンスということを実は大塚議員、今日もおられますけれども、コンプライアンスということはどういうことなんですかということを前の総理大臣にお聞きしたら、そんな横文字なんか分かるわけねえとか、あるいはそんなもの使うなとかということでした。だけど、みんな各省庁にコンプライアンス室ってありますよね。あるいは企業だってあるんですよ。金融庁の中にもあると思うんですよね。
 金融担当大臣、ちょっとコンプライアンスというのはどういう意味なんでしょう。
#45
○国務大臣(山本有二君) 一般的には法令遵守というように言われておりますが、法令の違法、適法云々ではなくて、その妥当性まで考えていくというのが昨今の通例ではないかというように思っております。
#46
○峰崎直樹君 だとすれば、法令遵守であれば、それは法令は違反していませんよと。今も、東京証券取引所もそうでした。しかし、その妥当性というところから見たときに、コンプライアンスにこれは違反しているんじゃないんですかということを今おっしゃられたと同じことになるんじゃないんでしょうか、そう言えば。担当大臣、どうですか。
#47
○国務大臣(山本有二君) 個別企業について想定してそう申し上げたわけではありません。
#48
○峰崎直樹君 今、東京証券取引所から、これは余りよろしくないねと、社会的に見て、証券市場のある意味では当然のルールから、ルールといいますか、おきてといいますか、そういうものからすればこれは問題ですということをおっしゃったでしょう。それは正にコンプライアンスに違反した行動を取ったということじゃないですか。私はそこまで広げてコンプライアンスというのをとらえるべきだと思うんで、この問題から更にもう一歩、じゃ進みます。
 日本航空が増資を決定する前日の後場で一千百二十万株の取引があったと。その前の三か月間の一日平均の取引高は五百九十万株と。これはインサイダー取引の疑いが非常に濃厚だと思うんですが、金融担当大臣、そこは調べていますか。
#49
○国務大臣(山本有二君) 個別事案に関する調査実施の有無につきまして、従来よりお答えすることを差し控えさせていただいております。監視委員会の活動を円滑に進めるためのものであることを御理解いただきたいと思います。
 一般論で申し上げますと、監視委員会は常日ごろから幅広く証券市場に関する様々な資料、情報を収集、分析しておりまして、そうした中で、仮に法令違反に該当する事実があると疑われる場合には、必要に応じて調査を行うこととなるものと承知しております。
 以上でございます。
#50
○峰崎直樹君 証券取引所からお見えになっておりますが、これについてはどんな調査をされているんですか。
#51
○参考人(長友英資君) あくまでも個別事案のことについてのお答えは差し控えさしていただきたいと思いますが、一般論で申し上げますと、私どもでは市場の公正性であるとか透明性を確保するために、インサイダー取引はもちろんのことながら、相場操縦等、そういったものについて不公正取引が行われていないかどうかの調査を行っております。上場会社において、重要な情報と法律上定規されております情報について、それが開示された場合にはすべて調査対象といたしておりまして、株価や売買高の動向をチェックし、必要に応じてより詳細な売買内容の調査を行い、その調査結果については証券取引等監視委員会に報告をすることとしております。
 大変申し訳ありませんが、個別の銘柄についてのお答えは差し控えさしていただきたいと思います。
#52
○峰崎直樹君 もう既にその日にちが、たしか六月の初めだったと思うんですけれども、もう四か月以上たっていますね。
 今までのところは、じゃ、証券取引等監視委員会には何の問題もなかったということで、報告はしていないということですか。
#53
○参考人(長友英資君) それも含めて、個別の銘柄のことについてのお答えは差し控えさしていただきたいと思います。
#54
○峰崎直樹君 まあこうして私が質問していますから、当然そのことは議事録にも残り、また証券取引等監視委員会にも伝わっていくものだというふうに私自身は思っておりますし、その上で厳正にやっていっていただきたいなと思います。
 さて、日本航空について実はいろんな週刊誌、雑誌、その他いろんなところで、もう実質上債務超過じゃないかと、こういうふうに言われているんですが、この点、国土交通省から副大臣お見えになっています。実態はどうなっているんでしょうか。
#55
○副大臣(望月義夫君) 峰崎先生の御地元の北海道に六十便の飛行機が毎日行っておりますけれども、そのうちの二十便という三分の一が日本航空でございまして、先生に経営状況に大変御心配を掛けての御質問だと、このように思いますけれども、先ほどからいろいろな話出ましたけれども、民間企業でございますので、基本的には財務状況についてはコメントすべきではないということでございますけれども、適正な監査を受けたJALの平成十八年度三月期の貸借対照表を見ますと千四百八十億円の資産超過となっております。また、本年夏には千五百億円近い増資を行い、自己資本の増強を図ったと承知をしております。こうした状況からは現時点でJALが債務超過であるとは認識をしておりません。
 いずれにいたしましても、国土交通省といたしましては、公共交通機関の担い手であるJALに対し、安全で利便性の高いサービスを利用者に提供する、こういうことを期待して指導してまいりたいと、このように思っております。
#56
○峰崎直樹君 今日は、財務内容の分析についてはまた後日、譲りたいと思うんです。これはリース会計とか様々なその問題を含んで、たしかその中には繰延税金資産も数百億円入っているはずですが、本当にそういうのをずっと調べていくと果たしてどうだろうと。退職金や、あるいは年金等のいわゆる不足分と、これは一体どうなっているか、非常に疑問が我々たくさん持っております。
 これまた別途やりたいと思いますが、金融庁はこのことについて、債務超過だということにも認識していないということについても個別案件だから答えられないということですか。
#57
○国務大臣(山本有二君) おっしゃるとおりでありまして、個別企業の問題についてコメントすることは差し控えさしていただきたいと思います。
 一般論で──もういいですか。それじゃ。
#58
○峰崎直樹君 これ、個別のいわゆる企業だというふうに言っていますが、これは政策投資銀行とか、あるいは何ですか、輸銀だとか、そういうところから数千億円の、あるいはもしかしたら一兆円近いお金が融資されたり出資されたり、実質上の国がかなり関与している企業であるということは間違いないんです。
 と同時に、もちろん公共交通機関ですから、しかも日本航空の場合はナショナル・フラッグ・キャリアというんですか、そういう意味では非常に国際的にも名の通った企業ですから、ここがきちんとしないと、私は大変な問題だと思っていますので、一般論で、一般論というか個別企業の問題だから答えられないというような状況は私はもう通り越しているんじゃないかなというふうに思うんです。
 また、恐らく引き続きということになるんですけれども、国土交通副大臣、マイレージというのがあるんですよ。まあ我々もマイレージが付くのか付かないのかと、札幌―東京間五百十一マイルですと、こうよく言われるんですよね。でもまあサービスでその三倍の千五百付いたり、いや、あなたは二十回続けて行ったから五千マイル付けますとかというので、まあ大体年間十万とか十五万マイルぐらい、私たちの場合は付いてくるんですよね。ちょっと航空券使っていない人は分かりにくいかもしれませんが。
 そういうマイレージというのが大変、どのぐらいまで行っているのかなと。それは何往復分、例えば札幌―東京間だったら何往復分に当たるのかねと。あるいは、海外にだって行けますからね、これ。そういうものは、これそれぞれの、ANAもJALもそうなんですけれども、開示しなさいと言っても開示しないんですね。開示する必要があるんじゃないですか。これ、債務じゃないんですか。どうですか。
#59
○副大臣(望月義夫君) 航空会社のマイレージプログラムについてでございますけれども、ある会社を頻繁に利用する利用者に対し、その利用実績に応じて無料の航空券の提供や座席のグレードアップなどの特典サービスを付与するものでございます。常連の利用者の獲得のため、これは世界の主要な航空会社では導入されている手法でございます。
 この付与や利用の実態についてこれ開示ということになりますと、他社との関係上、これ非常に営業上の不利に働く可能性があると、こういうようなことをお聞きしておりまして、まあJALはもちろん開示していないと、そういうことではないかと認識しております。
 こうした情報開示を行うか否かにつきましては、民間企業であるJALの経営判断にかかわる問題でございまして、国土交通省としては基本的にはコメントする立場にはないと、このように考えております。
 ただ、マイレージポイントについては、将来、利用者が特典サービスの提供を受けた場合、航空会社のこれ負担になります、おっしゃるとおりでございまして、先生の。このためJALは、会計処理上、過去の使用実績を踏まえて所要額を貸借対照表上負債として計上し、また損益計算書においても費用として計上していると我々の方では承知しておりまして、適切に会計処理を行っているものと考えております。
#60
○峰崎直樹君 そうすると、開示していると、こういうことでしょうか。
 要するに、掛かっている費用はこれだけですということだけは入れている、それは具体的な数字で出ているということなんですね。
#61
○副大臣(望月義夫君) はい、そのとおりでございます。
#62
○峰崎直樹君 また、これは会計の、今日は中心的にやりませんからあれなんですが、引き続き今の点もやりたいと思いますが、やはり、ANAもそうですし、JALもそうなんだと思うんですが、そういうところはやっぱり開示していくという、私は、やはり国内においては同じ競争条件ですから、そういった点をもっともっとやはり明らかにしていく必要があるのかなと。
 御存じのように、パンナムですか、アメリカで、このマイレージで倒産したんじゃないかと言われるぐらい大きな要因になった原因なんですよ。ですから、そういう点で、しっかりとこのマイレージのポイントというのはどうなっているのかと。これはやはり国土交通省自身も調査をしておく必要が私はあると思うんです。この点だけ取りあえず指摘をしておきたいと思いますが。
 もう一つ、今度は株主優待券の問題があるんです。金融担当大臣、赤字企業なんですよ。この株主優待券、大体、単元株につき大体一つの無料券が送られるんだそうであります。大体今二百万人おられるというんですね、単元株で。こういうふうに私も聞いております。
 そうすると、この優待券というのは一体どのぐらいの市場価値があるんだろうか。いろいろ、格安航空券だとか、いろんなところのそういうものを売っているところでいくと、大体平均五千円だと言われているんです。
 そうすると、二百万掛け五千円、つまり百億円です。百億円、配当していると同じことになっているんじゃないですか。そうすると、赤字企業が配当しているというのは、これタコ配と称するんじゃないですか。担当大臣、どう思われます。
#63
○国務大臣(山本有二君) 大変恐縮ですが、個別事案についてコメントは差し控えさしていただきますが、一般論として申し上げれば、会社の役員等が法令又は定款の規定に違反して剰余金の配当をすることは会社法上禁止されているものでございます。
 具体的にどのような行為が剰余金の配当に該当するのか等については会社法の解釈に係る問題でございまして、関係者において、法令に照らし、適切に判断がなされるものというように考えております。
#64
○峰崎直樹君 国土交通副大臣、どう思われますか。
#65
○副大臣(望月義夫君) 日本航空の問題でございますけれども、この株主を対象に、所有株数に応じて国内線普通運賃の五〇%の割引ということで搭乗できる株主優待券を発行しております。
 こうした株主優待制度は一般的に他の企業ももちろん実施しておりまして、これは航空会社に限らず、ディズニーランドただで行ける券だとか、まあいろんなものがございますけれども、株主へのこれは特典ということになっておりまして、として提供しているにすぎず、御指摘のような違法な配当には当たらないのではないかと、私たちはこのように考えております。
#66
○峰崎直樹君 黒字企業ならまだいざ知らず、赤字企業が出していて、なおかつその自らの、債務超過ではないかと疑われるようなところでそういう形で出していくということが本当に、これは株主にとって本当に正しいことなのか。これもやはりコンプライアンスという点から考えると問題があるんじゃないかなと思えてならないんです。
 これはこれ以上つつきませんが、そこで、日本航空の最後の質問にしますが、金融庁は、日本航空の、これは具体名挙げます、りそな銀行に、りそなは実質国有化されていますから、りそな銀行に、この日本航空の貸付けはこれは破綻懸念先に格付しなさいと、こういうふうに指摘をされたという雑誌やその他の方で報道されているんです。私も確かめていません。分からないですからね。まさかこういうことはしてないだろうなと思うし、答えは大体分かるんですが、そういうことはしておらないということなんですよね。
#67
○国務大臣(山本有二君) 金融検査におきましては、金融機関の貸出金の自己査定の正確性を検証しているところでございますが、貸出し先の債務者区分等の具体的な検査内容について言及することは従来から差し控えさせていただいております。特に、検査内容を開示することによりまして、金融機関や取引先の権利、競争上の地位、その他正当な利益を害するおそれがあること、金融機関や取引先を深刻な風評リスクにさらすおそれがあること、このような問題などの問題が生じるおそれがありますので、今回も差し控えさせていただきます。
#68
○峰崎直樹君 もう本当に、今日はいろいろ、多分日本航空の問題を聞けばこういう答えしか返ってこないだろうなと思うことしか出てきませんでしたが、私はやはり、相当、まあ次回また質疑をさせていただくときに、いわゆる会計の実態なども少し議論をしたいと思いますが、これは風評リスクを招くために言っているんじゃないんです。本当に心配で、これは我々乗っておりますから、安全の問題も非常に心配だったけれども、この企業の財務内容が非常に問題になっているんではないかというふうに思えてならないので、今日はこういう質問をさせていただきました。
 引き続きこの問題については追及していきたいなというふうに思っていますので、国土交通副大臣の方はこれで私、結構でございます。
#69
○委員長(家西悟君) では、お引き取りください。
#70
○峰崎直樹君 そこで、金融担当大臣、もう大体金融庁にお聞きすることもかなり進んでまいりましたので、二つ、金融担当大臣にお聞きします。
 一つは、貸金業規制法の改正案が今度出てくるんですね。今日閣議決定をされた。大臣は、これはあるところの記者会見で述べられているんですけれども、中間段階で二五・五%の特例金利、これを何年間にわたって設けたいと、こう言っている。特例金利を認める措置は与党案の中で最大の工夫だと思うという旨を発言されていたんですよね。今度の法案の中にはそれは入るんですか、入らないんですか。
#71
○国務大臣(山本有二君) 入りません。
#72
○峰崎直樹君 そうすると、大臣はこれは最大の工夫だ、こう言っていたんです。要するに、この法案の中の一番重要なポイントで、これがもう与党案の中の工夫の最大のものだと言っているのにそれが入らなかったということは、先ほどのこの発言というのはこれは取り消されるんですか。あるいは、この発言は正しいけれども、まあ諸般の事情で、力関係で負けたから、入らなくなったからこれは今回の法案に入れなかったのか、将来的には入れようとされているのか、どちらなんですか。
#73
○国務大臣(山本有二君) 私が発言した時期でございますが、与党の各機関で、政策審議会の中で議論の真っ最中でありました。その基本的な合意の中にこの案がございましたが、しかし全体をまだ見詰め直しているという段階でございまして、この点におきましてはその入れる、入れないを含めまして流動的であることを踏まえた発言であるというように御理解いただきたいと思います。
#74
○峰崎直樹君 いや、それは大臣、与党案の中のその最大の工夫だというふうに言っていて、これが入らなかったと。これはもう自分の、いわゆる金融担当大臣としてこれを入れなきゃいかぬと思っていることが入らなかったわけですから、それは責任問題じゃないですか、発言に対する。
#75
○国務大臣(山本有二君) 与党、政府、これは一体という議論もございますし、またその中で特にこういう政策的に多重債務者を新たにつくらないというような方法論においては、何種類もツールがございます。その意味で、どれを取るかということについての価値判断ということでございますけれども、それはやり取りをしておった最中のその時点での考え方というように御理解いただければと思います。
#76
○峰崎直樹君 まあこれは、今度法案出てきますけれども、私はその自分の言動というか発言というか、それが取り入れられなかったと、しかもそれが金融担当大臣の発言だと。
 渡辺副大臣、もし、今こうおっしゃられたんですけれども、この特例金利が入らなかったことについて渡辺副大臣の見解はございますか。
#77
○副大臣(渡辺喜美君) この特例金利の問題につきましては、今、山本大臣もお答えになられましたように、自民党内でも大変な議論がございました。九月十五日だったと記憶しておりますが、自民党内である程度の合意ができたということにはなっているんですが、最終的に党内手続というのは総務会で決定をする必要がございます。まだその時点では総務会にかけられていないような状況でございまして、まあ自民党内の当時の仕切りといたしましては、総裁選が終わった後に次の政権においてこの問題は最終的な結末を付けよう、つまり公明党との与党間協議を行って、自民党内の方もその与党協議に従って決めていこうと、そういう仕切りであったと記憶をいたしております。
#78
○峰崎直樹君 副大臣、経過を聞いているんじゃなくて、本当にそのことがこの貸金業規制法案についてどう思っていらっしゃるのかなということを聞きたかったわけですが、残念です。また先に、また法案が出てきますから、そのとき一緒にやりましょう。議論しましょう。
 そこで、金融担当大臣、最後にしますが、大手銀行が、トヨタ自動車とまでは言わないけど、それに近いような物すごい利益を上げていますよね。これはもちろん引き当てていたものが戻ってくるとかいろんな要因ももちろんあるんですけれども、大臣はかつて、これは大臣になられる前ですけれども、銀行業界についてこう発言されているんですよ。他社等に比べて賃金と退職金が大き過ぎる、こういうことをおっしゃっていました。最近、税金を払ってない、まあよく指摘されていることです。これは繰延税金資産というか、過去の損金が七年間という長い期間ずっとこう繰り越せるわけですね。それで恐らくこういう税金が払えないんだと。
 そうすると、このもうけはどこに向かうかというと、金利の方に上げていくところに向かうんじゃなくて、いわゆる今まで役員の皆さんに退職金を払ってなかったなと、慰労金とか、あるいは高いと言われていた職員の賃金、まあ大分下げていたのかもしれません。
 そうすると、こういうことに対して金融担当大臣、過去は他社等に比べて賃金と退職金が多過ぎるというふうに批判をされていましたけれども、この現状についてどう思われ、そしてこれに対してどういう、金融担当大臣として、正に国民の皆さんが相当怨嗟の的で見ていると思うんです。そういうことについての見解をお聞きしたいと思います。
#79
○国務大臣(山本有二君) 大手行におきまして法人税が支払われていないということについて、これは一般企業に共通した現行の法人税制に基づく結果でございます。その意味におきましては、これはすべての企業共通な点でありまして、税務上の特に欠損金の繰越制度、これがあることでありますから、これは会計上これは認めざるを得ないというように思います。
 また、職員等の賃金、退職金の水準をどのようにするかというのは、各行が経営判断によりこれは決定していくものと考えるのが当然でございますけれども、当時これはまだ金融検査マニュアル等々、一巡していないような段階での話でございますし、今は随分金融機関もコンプライアンス等、先生おっしゃられるように、随分充実してきたんでないかなというように思っております。
 しかしながら、金融庁としましては、金融機関が御指摘の点も含めた社会的な評価を念頭に置いて各般の経営判断を行うことが、利用者を含む多様なステークホルダーからも期待されているものというように考えております。
#80
○峰崎直樹君 もうちょっと何か、棒読みでずっと原稿を読まれないで、政治家として発言されたことと今こういう直面していることとの間のギャップが物すごく大きいんじゃないですか。
 ちょっと関連して、今ワーキングプアの問題が大問題になっています。この間、九月十日の朝日新聞の朝刊の十七面の広告欄に銀行窓口業務、三菱東京UFJ銀行でのお仕事ですということで、銀行窓口業務の募集やっていました。
 ちょっと小さい字なんであれなんですが、勤務は月十三日程度で十時から四時の間。時給幾らだと思います。時間給、まあ時間当たり賃金が千七十円から千百七十円です。勤務場所は宝町、日本橋、八丁堀の云々のそのいわゆる窓口業務です。それから、ロビー案内業務も募集していました。これ計算すると、年間もし千八百十六時間働いて、これ普通の労働者の賃金ですけれども、これで時間給掛けても百九十四万なんです。さっき言ったように、それは朝十時から四時までということですから。しかも、月間十三日程度ということなんです。そうすると、百万も行かないんじゃないですか、これ、年間。
 これは、三菱東京UFJ銀行のいわゆる宣伝なんですよ、広告なんですよ。一方で一兆数千億円もうけていて、片方は年間もう百万行くか行かないかのようなそういう労働者を雇って、これ進めているんですよね。まあ、それは民間の経営の自由だといえばそうなのかもしれませんが、再チャレンジ担当大臣でしょう。こういう事態、事実ということを見られて、もちろんこれは派遣業だとかいろんな請負だとか、今偽装請負いろんな問題になっていますから、そちらの方で議論した方がいい課題なのかもしれませんが。
 先ほど冒頭私が、過去、大臣は要するに銀行と言われている業界のそのいわゆる退職金とか賃金というのは高過ぎると言って随分怒りをされた。今これはもう、非常にこういう安い労働力を雇い入れて、一方で一兆円を超えるような利益を上げている。この事実に対して何も痛痒を感じられないですかね。
#81
○国務大臣(山本有二君) かつての発言した時期におきます銀行のビヘービアと今の銀行のありようというものは大きな差があるという認識をしておりますが、先生おっしゃるように、できるだけこの労働分配率はきちっと平等感を持ってやられた方がいいという、そういうマクロ的な観点はございます。
 その意味におきましては、今後こうしたワーキングプアの問題もより議論を深めていって、いい解決策を見いだしたいというように思っております。
#82
○峰崎直樹君 それでは、今日は初めて、金融担当大臣、率直な感想を申し上げます。やはり緊張されているせいなのかどうか、原稿をそのまま読まれるというのは非常に迫力が乏しくなりますんで、もっと自分の、自らの発言をお願いしたいなというふうに思います。
 そういえば東京証券取引所の、もう結構でございますので。
#83
○委員長(家西悟君) 長友参考人、お引き取りいただいて結構です。
#84
○峰崎直樹君 それでは、お待たせしました、尾身大臣、早速質問したいと思うんですけれども。
 私、実は先週大臣の所信を聞く機会がございませんでした。ちょっと院の用事で海外に派遣され、ストラスブールに行っておりました。そこで、発言要旨という配られた紙でどうにも分からないのが、経済財政運営に関する基本的な考え方の中で、政府としてはこうした回復の動きを持続可能なものとするためというふうに書いてあるんですが、回復の動きを持続可能なものとするというのはどういう意味なのかなというのがちょっとよく分からないんですが。財政を持続可能なものにするとかいうのは分かるんですけれども、回復の動きを持続可能にするというのはどういう意味か、ちょっと教えていただければと思います。
#85
○国務大臣(尾身幸次君) 言葉の表現の仕方が適切かどうかは別といたしまして、この景気の今全体としては好調な状況を持続するという意味であるというふうに考えております。
#86
○峰崎直樹君 持続する、持続可能なものとすると、ちょっと表現が非常に、余りこだわってはまずいので別の方に行きます。
 デフレからの脱却ということを随分大臣は、もうデフレから脱却したっていいんじゃないかと、デフレから脱却したという宣言をしていいんじゃないかということをおっしゃっていますが、大臣、これは十月十三日の記者会見ですね、そこでこういうふうにおっしゃっているんですよ。全体としては非常に良くなっているので、実態から見るとデフレというような表現を使うことはどうかなという実態じゃないかと思いますが、これはデフレ脱却宣言の要件みたいなものが前から決まっているそうで、どんな要件なのかは後で教えてほしいんですが、特に物価がどうなるかということを踏まえているわけですから、従来型の古い形のデフレというのとはちょっと内容が違うようなことになっているなと思いますけどねと。
 これは発言の言葉ですから、大臣の直接の発言と、分かりませんが、ここで、大臣はもうデフレから脱却したと、そしてデフレには従来型の古い形のデフレとそれから新しい形のデフレと二つあるように、こう認識したんですが、それでよろしいんでしょうか。
#87
○国務大臣(尾身幸次君) デフレの定義は内閣府でやっておりまして、物価が持続的に下落する状況ということだそうでございまして、大田経済財政政策担当大臣も、デフレ脱却と言うためには再びデフレ状況に後戻りする見込みがないということを確認する必要があるという立場であるというふうに聞いております。したがって、内閣、政府としてのデフレ脱却の判断は、今後の物価動向を踏まえつつ、内閣府が中心となって検討されていくものと考えております。
 私は、経済全体としては息の長い景気回復が続いておりまして、デフレという表現を使うような経済状況ではなくなってきている、これが普通の考え方ではないかということを記者会見で申し上げたわけでございます。景気がこういう状況の下で、インフレかデフレかという対比で考えますと物価だけの問題でありますが、普通、俗世間で言うデフレというのは、景気が悪いということを言っているんではないかと私は感じておりまして、そういうことを率直に申し上げたわけでございまして、景気回復が続いているということをそういう表現で申し上げたつもりであります。
#88
○峰崎直樹君 何となく古いデフレと新しいデフレがあるような印象で、どんな考えを持っておられるのかなと思ったんですけれども、余りそのことについてのお答えはなかったように思いますが、ちょっと言葉に拘泥し過ぎましたので、先に進みます。
 大臣、ちょっと離れますが、国民負担率という言葉がありますね。これは私はかねてから余りいい言葉じゃないなと、こう思っているんですが、大臣、国民負担率という言葉について、定義についてどう思っていらっしゃいますか。
#89
○国務大臣(尾身幸次君) これは私は実は、国民が、国民というか、が国及び地方公共団体に出す税金プラス医療保険とか年金とか雇用保険のためのいわゆる掛金、そういうものを合わせた、社会保障負担と税負担を両方合わせて出した額の所得に対する比率というふうに理解をしております。
 日本の場合はこれが三八%でございまして、もうちょっと具体的に言いますと、平均的な日本人の年収は四百三十七万円ということになっておりますが、分かりやすく百万円ということで説明をさせていただきますと、この百万円の所得のある人が三十八万円のそういう負担をしているのが日本の実情でございます。この比率は各国で見まして、ヨーロッパの国々でこの……
#90
○峰崎直樹君 それを聞いているんじゃないんです。
#91
○委員長(家西悟君) 簡潔にお答えください。
#92
○国務大臣(尾身幸次君) 見ますと、五〇から六〇%ぐらいの水準に上がっておりまして、そういう意味での国民の負担率の国際比較というのは非常に意味があるというふうに考えておりまして、この数字を使っているわけであります。
#93
○峰崎直樹君 お答えいただくところだけ答えてください。
 国民負担率というのは、今おっしゃられた、私は言葉が余り正確な言葉じゃないんじゃないかと思っているんです。
 それで、今おっしゃられたように、税負担と、それから社会保険料を含めたいわゆる保険料ですね、社会保障関係の。これは、いわゆる公的負担じゃないんですか。公的負担率、公的と書いて。というのは、あなたは、あなたというか大臣は、経済財政諮問会議の一回目の会合で、今おっしゃられたその三八%と、いやアメリカが三一%なんですよねと、いわゆる、いわゆる言うところの国民負担率。
 ところが、そのときにこういうあなた、あれでしょう、大臣、付加していますでしょう。ところが、アメリカというところは皆保険制度がないものだからみんな私的保険に入って、それが八%入っているんだ、だから四〇なんですと。日本は二%ぐらいそれに足す。だから、そういう意味でいうと日本とアメリカはそんなに変わらないんだというような表現を使われていましたよね。
 そういうことをおっしゃられているから、私は、これは、今おっしゃられたのは国民負担率なんですか。いわゆるアメリカの私的保険まで入れたところの数字を出されたというのは、これは国民負担率と言っていいんですか。
#94
○国務大臣(尾身幸次君) 国民負担率を国際的に比較しますときに、それの前提となっている制度のバランスということを考えなければならないと考えております。
 日本は三八%、アメリカは三二%というのが国際的に表示された国民負担率でございますが、アメリカの負担を詳細に見ますと、先ほど委員もおっしゃいましたように国民皆保険ではございません。したがって、この部分については、アメリカは私的保険に入っている、その掛金を払っているわけでございまして、その負担が大体約一〇%ある。日本はそれに対して約二%ぐらいであるということで、国民負担率の概念を国際的に比較しようと思いますと、アメリカと日本では実質八%ぐらいの差があるであろうと。したがって、この分をアメリカの三二%に足しますと、日本と比較する同じ意味での国民負担率はアメリカが四〇%程度で、日本が三八%程度になる。したがいまして、先進諸国の中で日本の国民負担率は一番低い水準にあるというのが概略の国際比較であるというふうに考えております。
#95
○峰崎直樹君 だんだんそうなってくると、要するに、そうすると日本の家計で物すごく生活で重たいウエートを占めているのは教育費ですよね。教育費が全くただの国があるんですよ。教育費が無料のところがあるんですよ。そうすると、日本のように教育費で、いや塾行った、いや大学に入っても私立大学行ったと、いろんなところの教育費が掛かったところとそうでないところの差をどうやってこれやるんですかとか、(発言する者あり)いやいやいや。
 そういう意味でいうと、私は、国民負担率じゃなくて公的負担率というふうに言葉を統一してくれないかということを私は言っているんですよ。国民負担率だったら、国民が負担しているものは私的負担も含めて全部入ってくるんですよ。そういう比較をし始めると、もうとにかくしっちゃかめっちゃかになっちゃうんですよ。アメリカのそのいわゆる民間の保険会社に払っている保険料が何%ですよと、そういうものを入れ始めたら、じゃ、あれはどうだ、これはどうだ、住宅はどうだと全部入ってくるんです。
 そういう意味で、私は、大臣のそのおっしゃっていることの意味は理解しているつもりです。だけど、国民負担率ではないですよと、公的負担率ですよと。これはずっと一貫して私自身は言い続けてきている。そうでないと実態を正確に表さないというふうに思っています。ということは、公的負担が重くても、実際上それが福祉のいわゆる分野に跳ね返ってくる、再配分されるというようなことで実は格差が補てんされたりしてきているわけですから、そこのところの議論というのはきちんと正確にやった方がいいなと思っているんです。
 そこで、先にちょっと進みます、時間も関係ありますので。
 大臣は、これは産経新聞のところでしょうか、こういうことを主張されているんですけども、インタビュー、大臣に就任されて、財務大臣になられた後のインタビューですけども、日本は中福祉低負担だと、この点を理解してもらい、国民負担をお願いしなくてはならない、こういうふうに発言されています。これは間違いございませんか。
 と同時に、そのことは、中福祉中負担の国にすると、こういう考え方を持っていらっしゃるということを理解していいですか。
#96
○国務大臣(尾身幸次君) 今のような峰崎委員の御質問、御議論を私は大変高く評価しております。こういう議論を国会ですべきだというふうに考えております。国民負担率を公的負担率という表現に直しても、考えている中身は同じでございますから、私は表現の仕方の違いであるというふうにまず考えております。
 そういう中で、例えば教育費とか老人ホームとかそういうものが、いわゆる、例えばスウェーデンであれば、国民負担率は七一%でございますが、そういうものがほとんどただで公的サービスを受けられる国であります。その反面、国民負担率が日本の三八%に対しまして七一%である。したがって、百万円の所得のある人は七十一万円は国あるいはそのパブリックセクターに納めると。しかし、その反面、いろんな福祉、年金その他が非常に充実していて老後も安心して暮らせる。しかし、可処分所得は二十九万円しかないと。こういう国でございまして、これは高福祉高負担の国と言ってもいいと思います。
 そういう中で、三八%の国民負担率は世界最低と言ってもいいわけでございまして、そして実質的負担率、つまり赤字を入れた負担率というのは、それを全部収支とんとんで、財政収支をとんとんにするような負担まで仮に負担を上げますと四五、六%に日本はなっていると思いまして、その差額がいわゆる赤字であるというわけでございます。
 これをどういうふうにして解決していくかということにつきましては、私たちは今、いわゆる無駄や非効率な歳出を放置したまま負担増を求めるということになれば国民の理解を得ることは困難である。したがって、国民負担の最小化を第一の目標に歳出の削減を徹底して行いたいというふうに考えておりまして、十九年度予算につきましては、めり張りを利かせつつ歳出削減を徹底して行うということで今進めているところでございます。
 そして、こういう歳出削減を徹底して実施した上で、それでも対応し切れないような社会保障とかあるいは少子化に伴います負担増に対しましては、安定的な財源を確保するために抜本的、一体的な税制改革を推進して、将来世代への負担を先送りしないようにしていく必要があるというふうに考えております。
 現在の状況を勘案いたしますと、十九年度の予算の歳出削減の状況、あるいは来年七月ごろに判明いたします二〇〇六年、十八年度決算の状況、それから医療制度改革を踏まえました社会保障給付の実績等を見る必要がございまして、これらを踏まえて税制改正を抜本的、本格的、具体的に議論をしていくのは来年秋以降になると考えているわけでございます。
 いずれにいたしましても、来年度予算につきましては徹底した歳出削減を図ってまいりたいと、こう考えているわけでございます。
#97
○峰崎直樹君 いや、私が聞いたのは、中福祉低負担だから、これを負担をきちんとしてもらわなきゃ困りますねっておっしゃっているのは、中福祉に対応して中負担にするという、そういう考え方を持っていらっしゃるんですかって聞いたんです。それはもう、今ずっと経済財政諮問会議で発言されたとおりのことをまたここでおっしゃっているんですが、大臣の、これは正にこれからの財政をどういう国づくりの中で描いているのかということを、そこを聞いているんですよ。
 それは、いや無駄なものは、無駄は、それは全部、それはどんな大きい政府論者でも、大きい政府論者というか、それは、どこでもやっぱり私は無駄なところはカットするというのはそれは当たり前ですよ、無駄なものは。
 しかし問題は、無駄なものと称して実は必要なものまでカットされていやしないかなと。私なんか今一番、医療の現場で起きてきていることを見て、これは大変だなと。何かもう大体OECDの中でイギリス並みのあれでしょう、そのGDP比医療費は。世界の優等生と言われて皆保険つくっているけれども、イギリスだったら何か医療で緊急で手術しなきゃいけないのに一週間待ちとかと言われて、とんでもない事態が起きているというふうに言われていました、過去。同じようなことが日本でもだんだんと起きるんじゃないかというちょっと私、不安を持っているんです。
 そういう意味で、大臣は、いや、これからますます少子高齢化になる、社会保障掛かってくるんだろうと、これはもっともっと小さくしていかなきゃいけないんだと。無駄じゃないですよ。無駄と言っているんじゃない、無駄を取るのはもちろん必要だと言っているんです。どういうふうにいくかというときに、徹底的に小さい政府にしていくという路線はあると思うんですよ、アメリカのような形に。だから、そういう形に大臣もその考え方を合わせられてこれからの財政を考えておられるのかどうかと、ここのところを聞いているんですよ。
#98
○国務大臣(尾身幸次君) この国からの国民へのサービスということの数字もございまして、負担率という表現はちょっと適当ではないと思いますが、潜在的負担率というふうに私ども呼んでおります。
 つまり、国民が保険の掛金とか税金とかでパブリックセクターに納めている率が、日本で三八%、イギリス四七%、ドイツ五三%、スウェーデンが先ほどの七一%という数字でございますが、それに対して国あるいはパブリックセクターが国民にどういうサービスをしているかと。つまり財政支出と言ってもいいと思いますが、それがどのぐらいかといいますと、日本の四四%、イギリス五一%、ドイツ五八%、スウェーデン七一%と、こういうことでございまして、例えばスウェーデンについて見ますと、国民負担率と潜在的国民負担率の数字が両方七一%でございまして赤字がないという状況でございますし、例えばドイツでございますと、潜在的国民負担率が五八%で、いわゆる国民負担率、国民がパブリックセクターに出している数字が五三%で、差引き五%の赤字があるということでございます。
 日本は、先ほど言いました潜在的国民負担率というのは、いわゆる……
#99
○峰崎直樹君 そういうことを聞いているんじゃないんです。これはどういう、聞いたことに答えていないもの。
#100
○国務大臣(尾身幸次君) これは議論でございますから、やや詳しく私の方も説明させていただかないと議論になりませんので、それはお許しいただきたいと思います。
 日本は、四四%のいわゆるサービスをしていて、他方三八%の負担であり、差引き六%分が赤字になっていると、こういうことでございまして、そういう中で少子高齢化、社会保障の負担が、自然増がかなりある。制度のサステーナビリティー、持続可能性は維持していかなければならない、そういうことを考えますときに、一体的な税制改革、抜本的な改革を進めて財源確保も図っていかなければならない、そういう時期も来るかというふうに考えております。
#101
○峰崎直樹君 質問したのは、中福祉低負担だから低福祉低負担に行くのか、中福祉低負担なんだから負担の方を上げて中福祉中負担にするのか、そこのところを聞いているんですよ、ずっと一貫して。アメリカがどうだ、いや、イギリスがどうだ、各国はどうだということは、これはもちろん重要ですよ。私、そのことを聞いているんじゃないんですよ。
 問題は、ずっとお話を聞いている限り、というよりも、経済財政諮問会議の発言だとかいろいろ聞いていると、通常、上げ潮政策と言われているんですか、経済成長を優先して経済成長がどんどん進めば財政再建もできてくるし、うまくいくんだと、改革は。こういう一貫した主張だと思うんですよ。私は、そういう、そこのところは今日もう時間も五分しかありませんのでもう議論しませんけれども。
 大臣がこれからの財政を進めるときに、かつての竹中経済財政担当大臣だとかの考え方と、ずっといつも議論していたんですけれども、こういう大きい政府とか小さい政府とかという議論というのが、ずっと議論したときに、大臣、今非常に重要なところで、本当は自分の考え方を、小さい政府にするんだったら小さい政府にするということでおっしゃってくれればいいんですよ。それでも、今の構造的な問題は、余りにも減税政策をやり過ぎて税収が足りないところにあると私は見ているんです。
 この問題は、前の財務大臣をやっておられた谷垣さんたちがもう既に総裁選挙のときに発言されているのを聞いていてそうだなと思ったんですが、大臣はその考え方と同じ考え方なのかどうかなということを、実はそこが大変重要なところで聞きたかったわけです。
 と同時に、もう一つ、今もし、うんとうなずいておられましたので答えていただきたいのと、もう一つ、経済成長にとって大きい政府とか小さい政府とかというのは、これは国と地方を合わせて結構です、一般政府レベルでいいですが、それはどのような相関関係にあるというふうに考えていらっしゃいますか。
#102
○国務大臣(尾身幸次君) 私は、実は経済成長を優先させるとは申し上げておりません。経済成長と財政再建を両立させるという考え方でやっていきたい。したがって、経済活性化は大変大事でございますし、企業の税制等につきましても、国際的なイコールフッティングの税制をしっかりと実現をしていくことが、企業が国を選ぶ時代にあっては大変大事だというふうに申し上げております。
 そういう中で、経済活性化と財政再建を両立させていきたい、そして来年度予算の編成に当たっては無駄を省く方に最重点を置いていきたい。そして、その歳出削減を徹底して実施した上でそれでも対応し切れない社会保障や少子化などに伴う負担増につきましては、これに対する安定的な財源を確保するために抜本的、一体的な税制改革を推進して、将来世代への負担の先送りをしないようにしていきたいと、こういう考え方が私どもの基本的な考え方でございます。
#103
○峰崎直樹君 依然としてまだその相関関係についてはお答えをいただいていないんですが、これは時間を掛けてやるしかないのかなというふうに思います。
 ずっと議論をこれからやっていきたいわけでありますが、ちょっと、財政に責任を持っているのが多分財務大臣だと思うんですね。本当に、私、谷垣大臣、前大臣と議論させていただきながら、谷垣大臣は、少なくともこの財政赤字、これは毎年累積していくんですよね、ずっと。一五〇%だ、一七〇パー、いや、二〇一一年でプライマリー黒字になるときに一八〇ぐらい行っちゃうんじゃないですか、流れでいけば。それが上げ潮政策の経済成長の発展だけで片付くということは、それは政府も見ていないだろうと思うんですよ。何か十一兆か十二兆ぐらいは、そのうちのプライマリー赤字は歳出削減でやると言っているけれども、それ以外のところは、二兆から五兆ぐらいは、たしか見通しでいえば税で上げなきゃいけないと、こうおっしゃっているんですよね。
 私は、非常に今の景気が上向き掛かってきていると、こう言われています、これについてまたいろいろ議論があるんだけれども。しかし、そういう、経済成長というのはいつまでも続くものではないし、構造的な、いわゆる潜在成長率を上回る景気による増収というのと、それから、これは景気は下がってくるときもあるんですよ。そうしたら減収になってくるんですよ。そういうことを考えたときに、本当に今おっしゃられたように、経済成長と財政再建を両立させるとおっしゃっているけれども、そのことに対する自信がありますか。本当に責任持てますか。
 私は、そこのところが財務大臣の一番重要なところだし、もう上げ潮政策で今皆さん方が一致されてやろうとされていることについて、これからもいろんな角度から検討していきますけれども、私は、財政に責任持っている財務大臣として、そのことについて、これ冒頭ですから、本当にそのことで責任持って、日本の国民に対して財政運営について責任持ってやれる、こういうふうに判断されているんでしょうね。
 そのことだけお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。
#104
○国務大臣(尾身幸次君) 成長なくして財政再建なしという表現も総理が使われているわけでございますが、私どもは、経済成長あるいは経済の活性化と財政の再建は両方とも大変我が国の将来にとって大事な課題であり、これを両立させることができると考えて今後対策を進めてまいりたいと思っております。
#105
○峰崎直樹君 終わります。
#106
○委員長(家西悟君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十九分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#107
○委員長(家西悟君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、財政及び金融等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#108
○池口修次君 民主党・新緑風会の池口でございます。
 本日は、私の方から道路特定財源の一般財源化という問題と、あと自動車にかかわる税金の問題について、是非大臣のお考えを聞きながら議論をさせていただきたいなというふうに思っております。これについては、既に沓掛理事の方から自動車ユーザーの立場でのお考えが述べられておりますが、私の方からも少しこの点もあえて触れさせていただきたいというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いをします。
 まず、道路特定財源の一般財源化の話ですが、総理の所信表明の中では一部、従来、政府と与党で確認された中身で所信演説の中にも入っておりました。ただ、項目が財政再建と行政改革の断行ということで、私は、何で税制改革じゃないのかなという若干疑問を持ったわけですが、ただ、尾身大臣の所信のところには、必ずしも具体的なこの道路特定財源の一般財源化については余り触れられていないのかなというふうに思っております。
 ただ、どうも最近いろいろな動きが出ているということで新聞で報道されておりまして、特に政府の中でいえば、新聞報道で見る限りは、財政審がこれについて議論をしておるのかなというふうに思っております。それでいいのかという確認と、一部、日経新聞の土曜日の新聞ですかね、暫定税率を含めて一般財源化する方向となるというふうに何か財政審が決めたような報道が、何か日経新聞の多分間違いだと思いますが、という報道になっておりますが、まず政府の中でこの問題を今検討しているのは財政審なのか、ほかにもあるのかというところをちょっと大臣にお聞きしたいと思います。
#109
○国務大臣(尾身幸次君) 先ほどの、安倍総理大臣の所信表明の中で、この点につきましては、一般財源化を図ることを前提として、税率は現行の水準を維持し、納税者の理解を得つつ、今年末までに具体案を得ると、こういうふうにしているわけでありまして、私ども、その方針に沿いまして鋭意関係方面と御相談をしているところでございます。
#110
○池口修次君 そうしますと、必ずしも財政審の議論というのが、財政審というのは財務大臣に対するある意味諮問機関みたいな形だと思いますが、そのものを踏まえて政府の中としては議論、当然自民党さんなり公明党さんは別途議論をしていると思うんですが、政府の中ではどういう理解でよろしいのかというのはちょっとお聞きしたいと思います。
#111
○国務大臣(尾身幸次君) 私どもとしては、関係省と協議をしながら今詰めているところでございます。財政審におかれましても、委員の方々がこれについて、この基本的方向についていろいろ御議論をいただいていると、こういうことでございます。
#112
○池口修次君 そうしますと、私がある意味情報として得ていないところの議論があるのかもしれませんが、財政審の議論というのをホームページで、十月の二十七日に財政制度審議会というのがあったということで、この中身、具体的なその議論がどういう発言があったかというところまではまだホームページは出ていないんですが、そこに提出された資料等がこれは見ることができて、私もチェックをさせていただきました。
 そこで、論点等というのが資料の二ページ、三ページ、ここら辺にありまして、そこで道路特定財源の見直しの論点が三点ぐらい挙がっているんですが、どうもこれを見ると、総理のところも、要するに所信演説のときにも財政再建という項目の中にくくられてこれが載っているというところと、プラスこの財政審の論点のポイントというところを見てみますと、この議論というのがどうも財政再建ということを中心にだけ進められているんじゃないかなというふうに私は思っておりまして、この道路特定財源の一般財源化というのは、ある意味使い道を変える話ですから、本当に、財政の再建だけの観点で議論をするということについては私は若干疑問を持っているんですが、若干事前の質問通告と違うかもしれませんが、尾身大臣は、この問題というのをどういう観点で議論をすべき中身なのかというのをちょっとお聞きできれば確認したいと思いますが。
#113
○国務大臣(尾身幸次君) この一般財源化の目的については、特定財源全般につきまして、これ全般でございますが、受益者や原因者に直接負担を求めることに合理性がある、負担につき国民の理解が得られやすいというような意義がある、一方におきまして、財政が硬直化するおそれがある、歳入超過の場合に資源が浪費されたり余剰が生じたりするなどの弊害があるというようなことから、その適否を常に点検をして納税者の理解を得つつ、原則として一般財源化を検討すべきであるというような指摘がなされているところでございます。
 このような中におきまして、十九年度におきましては、大幅な余剰が見込まれる道路特定財源につきましても見直しの検討が行われ、厳しい財政事情の下、環境面への影響にも配慮し、現行の税率水準は維持する、一般財源化を図ることを前提とし、納税者の理解を得つつ、具体案を得るという政府・与党の方針を決定しておりますし、また行革推進法の制定に当たりましても、その趣旨を明確にしているところでございます。
 そういう中で、我が国の財政事情が危機的な状況にあることや道路の整備水準が向上していること等を勘案すれば、重点的、効率的な道路整備を行っていく必要があり、このための道路予算につきましては、公共事業に係るシーリングの中で引き続き抑制していく必要があるというふうに考えております。
 今申し上げましたように、このような中で、特定財源制度については財政が硬直化する等のおそれがあり、十九年度には大幅な余剰が見込まれる道路特定財源につきましても、これまでの基本方針に基づき、一般財源化を図ることを前提として年内に具体案を取りまとめる必要があるというふうに考えております。
#114
○池口修次君 余剰が出ているか出ていないかというのは後ほどちょっともう一回議論をさせていただきたいんですが、私は、この道路特定財源というのは、そもそもからいえば、やっぱりメーンの目的は日本の道路整備を急がなきゃいかぬという中でできてきた税制でありますし、暫定税率も、道路の整備というのがあって、それに必要な財源を確保するために暫定税率で来たということで、余っているか余っていないかというのはちょっと後ほど議論をするんですが、このお金があるから、じゃ、こっちに使おうというのは、ちょっとそれが先行するというのは非常に私はおかしな議論だというふうに思っております。
 そういう意味で、少し確認をさせていただきたいのは、一つは、これは自動車に今掛かっているわけですが、かつては自動車というのは、それこそ相当昔だと思いますが、ある意味すべての人が買えるということじゃなくて、買える人はある程度のやっぱり収入がある人が買っていた時代はあるというふうに思います。
 ただ、今は私は必ずしも、必ずしもというか全くそうではなくて、やっぱり生活をするために自動車というのは買われているというふうに思います。
 さらに、ある意味、この自動車があるために国民の生活は豊かになるという側面があるというふうに思いますが、ただ一方で、税制等をちょっと見てみますと、いまだにぜいたく品だという名残があるんじゃないかというふうに思っているんですが、この自動車というものについて尾身大臣のお考えはどういう考え方なのかというのをちょっとお聞かせ願いたいというふうに思います。
#115
○国務大臣(尾身幸次君) 一般的に申しまして、ある物品がぜいたく品かあるいは生活必需品かということについてはそれぞれの人の価値観によりまして変わってくるんじゃないかと、またそれを定義付けることはそういう意味で困難なのではないかというふうに考えております。自動車につきましても、これがぜいたく品であるかあるいは生活必需品であるかについては一概には申し上げられないのではないかというふうに考えております。
#116
○池口修次君 まあ、それは人によって感じ方が違うんでしょうが、ある意味客観的なデータからいいましても、この今の市町村別の普及率を考えても、一番普及しているのが茨城県の千代川村ですかね、これ一世帯当たり三・九台と。尾身大臣の出身であります群馬県の小野上村ですかね、ここは一世帯当たり二・四台と。じゃ、少ないところはどこかというと、東京都の中野区がコンマ二九四台という数字を客観的に見ても、私は、もう既に自動車がぜいたく品である程度生活に余裕のある人が持っているという存在ではないし、特に公共交通システムが発達していないところが保有台数が多いという事実から見ても、私は、それは非常に、何百万とかいう車は別にして、ほとんどの車は私は既に生活必需品の時代に入っていると。やっぱりそういう認識でいろいろな問題を考えなきゃいけないというふうに私は思っているんですが、大臣はちょっと違うということなんですか。
#117
○国務大臣(尾身幸次君) これはまた、それぞれ地域によっても異なりますし、それからそれぞれの人の価値観によってもこの問題は異なるのではないかなというふうに考えておりまして、したがって一概にいずれかに決め付けるわけにもまいらないのかなと思っております。
#118
○池口修次君 ちょっと、何かもう少し大臣としての考えを聞きたいなと思っています。
 例えば、今言いましたように、群馬県の小野上村、私も場所はちょっと分かりませんので、イメージ、尾身大臣の中にはイメージわくと思うんですけど、そこは一世帯当たり二・四台持っているんですよね。中野区は公共交通システムが発達していますよね。そこがコンマ二九台というその数字だけで見ても、やっぱりこの比較でいえば明らかに、これはぜいたく品若しくはお金に余裕がある人が持つという前提でいえば、こういう逆転はあり得ないと思うんですよね。
 そういう意味でいえば、私は、もう少し踏み込んで、これから大臣が主体となってこの問題をいろいろ、財政審のある意味建議ですかね、建議を受けた中でいろいろ判断されると思うんですよね。私がなぜこういうことを言っているかというと、どうも、財政審の議論の中でこういう観点で議論がされているのかなというふうに大変疑問を持っているんですよ。財政をどうするかという、その財政のプロの学者とかいう人がいて、じゃ、ここは特定財源だから、硬直性があるから一般財源にしたらどうかとか、どうもそういう議論に陥っているんじゃないかというふうに思いまして、私は元々やっぱり、もう一回、この後もう二点聞きますが、自動車というものに対して本当に理解をしているのかなと。もう一つは、自動車ユーザーという人に対してどういう、国民の中の特別な人が自動車ユーザーだというふうに思っているのか、若しくは、道路というものについてどう考えているのかというのを余り、私は、正直言って財政審のそのテーマなり設定なりを見ている限りはどうもそう感じないんでそういう質問を、あえて質問をさせていただきました。
 これ以上やっても自動車については余り出てこないと思いますので、じゃ次の自動車ユーザーについてはある意味国民の中のどういう人だというふうに思うのか。若しくは、どうも財務省なんかのいろいろな資料を見ると、担税力という言葉があって、たしか小泉総理のときに、いや自動車ユーザーは担税力があるんだからとかいうような発言をしたとかしないとかという記憶も私はあるんですが、どうも自動車ユーザーは担税力があるというのは、私にとってみると余りふさわしい、今議論をさせていただきました必需品として買っている人イコール担税力があるというのはどうもちょっとそぐわないんですが、尾身大臣はこれはどう考えますかね。
#119
○国務大臣(尾身幸次君) 自動車に係る課税につきましては、それぞれ燃料の消費やあるいは自動車の保有等に着目して、また道路整備の要請に応じるという観点から負担を求めているものと理解をしておりまして、例えば国税で申し上げますと、揮発油税につきましては揮発油の消費に負担を求めるため、石油ガス税につきましては石油ガスを燃料とするLPG車と揮発油を燃料とするガソリン車との負担の均衡を図るため、自動車重量税につきましては自動車の走行が多くの社会的費用をもたらしていること、道路その他の社会資本の充実の要請が強いことを考慮して広く自動車の使用者に負担を求めるためそれぞれ負担をしていただくということにしているというふうに理解をしております。
#120
○池口修次君 今言った大臣のお話ですと、いろいろ自動車にかかわるところにはお金も使われているしということで、ある意味自動車ユーザーは担税力があるというような考え方で言うと、今されている議論はちょっと違うんですよね。一般財源化しようと言っているわけですから、余り自動車にかかわらないところに場合によっては使いますよという議論がされている中で、そうすると、この担税力があるというのはどう解釈すればいいのかと。
 だから、多少、やっぱり道路を整備してほしいという人から言えば、あんたが将来使って便利になるんだから、そういう意味での税金を負担する力というふうに言えば、それは分かると思います。ただ、これ一般財源化という前提に立った場合に、担税力が、自動車ユーザーは担税力があるというのはどう解釈すればいいのかというのは、ちょっと尾身大臣の考えを聞きたいと思いますが。
#121
○国務大臣(尾身幸次君) 一般財源化につきましては、これは特定財源全般につきまして、受益者やあるいは原因者に直接負担を求めることの合理性がある、負担について国民の理解が得られやすいというような意義がある一方、財政が硬直化するおそれがある、あるいは歳入超過の場合に資源が浪費されたり余剰が生じたりするというような弊害があるということから、その適否を常に点検をして、納税者の理解を得つつ、原則として一般財源化を検討すべきであるという指摘があるわけでございまして、このような中で、十九年度につきましては、大幅な余剰が見込まれる道路特定財源についても見直しの検討を行って、現在の厳しい財政事情の下で、また環境面への影響も配慮し、現行の税率水準は維持する、それから一般財源化を図ることを前提として、納税者の理解を得つつ、具体案を得るという方針を決定をいたしまして、現在この作業を進めているところでございます。
#122
○池口修次君 できればちょっと端的にお答えいただきたいんですが、今回の道路特定財源を一般財源化する、一般財源化するということはほかの何でも使うと、どういう用途にも使うということだというふうに思いますが、そうしたときに、自動車ユーザーは自動車を持ってない人よりも余分に負担をする義務があるんだというふうにそれじゃ大臣はちょっとお考えなのかどうかというのを確認したいんですが。
#123
○国務大臣(尾身幸次君) これは、自動車保有あるいはそれを使っていること等に伴いまして、道路整備のまた要請もあるということから、自動車を保有し、これを利用している方々に対して、その担税力に着目をして負担をお願いしていると、こういうことでございます。
 十九年度以降につきましては、先ほど申しましたように、財政全体としては厳しい状況の中で自動車特定財源については相当の余剰が生じているということから、先ほど申しましたような考え方を決定しているところでございます。
#124
○池口修次君 堂々巡りになりますので、もう少しじゃお聞きをしたいというふうに思います。
 この道路特定財源の一般財源化については行政改革推進法で、第二十条である程度のものが、書かれたものがあるわけですが、どうも私はこの法律を見てもよく分かんないのが何点かありまして、一つは、なぜ道路特定財源を一般財源化するのかというところで、今それに触れられたような答弁も尾身大臣からありましたが、小泉さんがよく言ってらっしゃったのは、道路特定財源というものがあるんだから無駄な道路が造られていると、だから無駄な道路を造らないようにするために一般財源化するんだというような主張をされたというふうに私は理解をしているんですが、こういう要素というのはあるんですか。
#125
○国務大臣(尾身幸次君) 十九年度につきましては、ざっと計算しまして五千億円以上の余剰が見込まれるわけでございまして、そういう中でこれについての見直し検討が行われておりまして、厳しい財政事情の下で、環境面への影響も配慮し、現行の税率水準は維持する、一般財源化を図ることを前提として、納税者の理解を得つつ、具体案を得るという政府・与党の方針を決定をいたしました。行革推進法の制定につきましても、そういう趣旨を入れて法律を決めたというところでございます。
#126
○池口修次君 どうもちょっと話が食い違っていまして、私の質問が悪いのかなと思いますが。
 端的にそれじゃ聞きますが、今、十九年度で五千億のお金が余っているという説明がありましたよね。必要な道路は、多分今三兆二千億ぐらいの国のあれですから、じゃ今、日本にとって必要な道路建設費用というのは二兆五千億ですか、しかないということで、収入が国税だけでいうと三兆二千億ぐらいあるから七千億ぐらいがこれは余剰なんだと、だからそれをほったらかしておくと無駄な道路を造るんだという論法ですか。
#127
○国務大臣(尾身幸次君) 道路整備につきましても、真に必要な道路は計画的に整備を進める、そしてその際、財源にかかわらず厳格な事業評価や徹底したコスト削減を行って重点化、効率化を図ると、こういうことでございまして、来年度予算のシーリング、今年の夏に決めましたシーリングを踏まえながら重点的、計画的に真に必要な道路を造っていくという考え方でございまして、そういう考え方に立ちますと、道路予算、来年度は相当の余剰が出る。そういう中で、それに対しましてどういうふうにするかということをいろいろ議論をした結果、先ほど申しましたような考え方が出てきたものでございます。
#128
○池口修次君 私は実は違うと思うんですよ。余剰が出たというのは、わざと余剰をつくったというのが正しくて、必要な道路の整備費用があって、それ以上の収入があるということではないというふうに私は理解をしているんですよ。
 そうすると、本来であればこの道路整備五か年計画で造ろうといったお金が使えたのに、政府の方針で造らないんだと決めたがために余剰が出たんだというふうに私は理解をしておりまして、もしそれが事実だとすれば、元々、この暫定税率を含めて、必要な道路整備に必要なものを税率を決めて造るんだということですから、私は、造らないんだという意思、もし決定したんだとしたら、この暫定税率は当然下げるべきであるというふうに思っているんですが、本当にその余剰というのは、造るべき道路がなくなったんで余剰になったということですか。
#129
○国務大臣(尾身幸次君) 財政事情が非常に危機的な状況にあり、道路の整備の水準も徐々に向上してきている。そういうことを考えますと、重点的かつ効率的な道路整備を行っていく必要がありまして、毎年度の道路予算につきましては、公共事業に係るシーリングの中で引き続き抑制していくという考え方に立っているわけでございます。
 そういう中で、特定財源制度につきましては、財政が硬直化するというようなおそれがあり、また十九年度大幅な余剰が見込まれるわけでございまして、これについて、今申しました基本方針に基づきまして、税率を現状で維持し、一般財源化を図るということを前提にし、年内に具体案を取りまとめていきたいというふうに考えているわけでございます。
#130
○池口修次君 その抑制をしていくというのは、私よく分かんないんですよ。元々道路整備について何十兆円やりたいと、五年間で。例えば三十兆円やりたいと。で、暫定税率決めたんですよね。で、自動車ユーザーはそれでよしとしたわけですよ。それは、道路を整備するということであればしようがないと、よしとしたのに何で、必要な道路なければいいんですよ、あるのに何で抑制をしなきゃいけないのかというのが私はよく分かんないんですよ。
 今、道路整備もほぼいいところに来たというような発言もあったんですが、最近、国土交通省が必要な道路整備ということでも、これから十年間、今、事業中区間の残事業費でも五十八兆円あるという資料も出ているんですよね。だから、もう道路整備が終わって余剰が出ているということではない。あえて言えば、ほかに回したいんでわざと余剰をつくったというのが正しいんじゃないですか。
#131
○国務大臣(尾身幸次君) 我が国の財政が非常に危機的な状況にあるということをまず御理解をいただきたいと思います。それから、道路の整備水準もかなり向上してきている。そういう中で、重点的、効率的な道路整備を行っていく必要がございまして、その進め方というものは、この全体の財政厳しい状況の中で公共事業に係るシーリングを設定し、そのシーリングの下で引き続き抑制していくという考え方でございます。
 それでは、その特定財源制度について十九年度は大幅な余剰が出るではないかと、これをどうするかということにつきまして、先ほど申しましたように一般財源化を図り、税率は、財政が厳しい折であり、かつ環境面等にも配慮しなければならないということで現行を維持し、そして同時に、今お話のありました、納税者の理解を得つつ結論を出したいと、こういう考え方でございます。
#132
○池口修次君 どうも議論がかみ合わないんですが、私は、この点でいえば、道路の整備の必要性はまだまだある。そのお金も、ユーザーは五年の暫定税率ということで来年度までは理解をした。ですから、本当は使い道もあるし、使うお金もあるんです。ただ、政府がやらないと言ったので、余剰、私は余剰という言い方は余りちょっと良くないとは思うんですが、わざわざ余剰をつくって、一般財源化にするような流れをつくりながらほかに使おうとしておるということだろうというふうに私は理解をしておりまして、これについては納税者の理解は決して得られるものではないというふうに思っております。
 なぜかといえば、ユーザーが理解したのは、道路の整備を早くしなきゃいけないと。道路が整備されれば使うあなた方も便利になりますよということで、大体五・八兆円ですかね、のこれは道路特定財源ですよ。それ以外の負担も自動車税とかしているんですよね、実は。だから、五・八兆円ということではないんですが、少なめに見積もっても五・八兆円を、その理解をしてやっていますから、じゃ、それがほかに使われるということになると、私は、納税者は全く理解をしないというふうに思っています。
 それで、もう一回お聞きしますが、行革推進法第二十条では、納税者の理解を得られるよう次の基本方針により見直しを行うものとするということで、一つの流れは、納税者の理解を得られるよう見直しを行うものとすると、もう一つの流れは、次の基本方針により見直しを行うものとするという流れだと思いますが、納税者の理解を得られるようにするためには今何を検討をされているのか、それをちょっとお聞きしたいと思います。
#133
○国務大臣(尾身幸次君) この特定財源制度に係る税の収入額につきましては、一般財源化を図ることを前提とし、十九年度以降の歳出歳入の在り方に関する検討と併せて、納税者の理解を得つつ、具体的な改正の案を作成すると、こういうことになっているわけでございまして、同時に、現行の税率水準は、財政事情厳しい折から、また環境等にも配慮して維持すると、こういうことになっているわけでございます。
#134
○池口修次君 私は、行政改革推進法の法律を今読んだんです。ここには特定財源制度に係る税の収入額の使途の在り方について、納税者の理解を得られるよう次の基本方針により見直しを行うものとすると。今大臣が言われたのは、次の基本方針により見直しを行うというところだけを言っただけなんですよ。納税者の理解を得られるよう見直しを行うものとするというセンテンスに対する何か考えはあるんですかというのを聞いたんです。
#135
○国務大臣(尾身幸次君) 私の読んでおりますのも同じ法律でございまして、次の方針により見直しを行うという中の第二項に、特定財源制度に係る税については、厳しい財政状況にかんがみ、及び環境への影響に配慮し、平成十七年十二月における税率の水準を維持するものとすると。三の方に、特定財源制度に係る税の収入額については、一般財源化を図ることを前提とし、十九年度以降の歳出及び歳入の在り方に関する検討と併せて、納税者の理解を得つつ、具体的な改正の案を作成するものとすると、こういうふうにこの行革推進法に書いているわけでございまして、私はその基本的な方針を申し述べているわけでございます。
#136
○池口修次君 これ解釈の問題が、ちょっと相違があるのかもしれませんが、行革推進法は、次の基本方針のとおりやりますとは書いてないんですよ。次の基本方針のとおりやりますとは書いてないんです。納税者の理解を得られるよう次の基本方針により見直しを行うなんです。だから、それは閣議かどこかで決まったかもしれませんよ。ただ、法律上からいえば、この一、二、三でやりますなんてこれ書いてないんですよね。違います。
#137
○国務大臣(尾身幸次君) いや、私は、この一、二、三を基本として見直しを行うと、こういうふうにどう読んでも読めるのではないかと思っております。
 だから、したがって、一は、その道路の整備は、これに対する需要を踏まえ、その必要性を見極めつつ、計画的に進めるものとする。この場合において、道路の整備に係る歳出については、一層の重点化及び効率化を図るものとする。二、特定財源制度に係る税については、厳しい財政状況にかんがみ、及び環境への影響に配慮し、平成十七年十二月における税率の水準を維持するものとする。三、特定財源制度に係る税の収入額については、一般財源化を図ることを前提とし、平成十九年度以降の歳出及び歳入の在り方に関する検討と併せて、納税者の理解を得つつ、具体的な改正の案を作成するものとする。
 したがいまして、この税率の水準を維持する、一般財源化を図ることを前提とするということはこの法律に基づいて決まった方針であり、政府としてはこの方向でやっていきたい。で、これについては、具体的な改正案については納税者の理解を得つつ、具体的な改正の案を作成すると、こういうふうにするというふうに考えております。
#138
○池口修次君 私は、相当無理して強引な解釈だというふうに思いますが、じゃ一点だけお聞きしますが、この中身で、この基本方針の一、二、三で納税者の理解が得られるというふうに尾身大臣はお考えなのかどうか、この点をちょっと。
#139
○国務大臣(尾身幸次君) 納税者の理解を得られるように努力してまいります。
#140
○池口修次君 私は、納税者の理解は一〇〇%得られないと思っているんですよ。なぜかと。
 これは、沓掛先生も午前中のところで言いましたが、十月の二十四日にこの集会がありました。JAFと自動車税制改革フォーラムと全国石油商業組合連合会及び石油連盟の集会がありまして、どうも新聞によりますと、自民党の議員さんも百四十四人ですか、やられて、そこで決められたのは道路特定財源の一般化絶対反対に関する決議ということで、副題として道路整備以外に使うのなら暫定税率を廃止すべきというタイトルの集会にそれだけの議員さんが参加されたと。さらに、この署名活動もやられておりまして、現時点でいえば八百八十六万六千五百八十七人、さらに、これはある意味、時限的な活動ですからこれからも活動を続けていくし、やり方によっては私はどんどん増えていくというふうに思うんですが、これをもってしても尾身大臣は、いや、今の一、二、三の基本方針のとおりでやって納税者の理解は得られるというふうにお考えなのかどうかというところを確認したいんですが。
#141
○国務大臣(尾身幸次君) この法律は、衆議院、参議院を通った法律でございまして、我々はこの法律を守る以外に選択の道はないと考えております。ですから、この法律のとおりにこれをやっていきたい、そういう中で納税者の理解を得ていかなければならないと考えております。
 これで、この法律のとおりに、どこをじゃこの法律を変えるのか、この法律のままでどうすればいいかということについての、もし委員のお考えがあればお聞かせをいただきたいと思います。
#142
○池口修次君 私は、この法律出す立場じゃないんで、私はこうだというのを今言うつもりはありませんが、ただ、これは法律を通った通ったといいますが、納税者の理解を得られるよう、そうすると、その納税者の理解を得られるようというのはどうも大臣は無視していいんだという感じが私は受けるんですよ。
 それで、さらに、次の基本方針により見直しを行うものとするということで、その見直しを行うものとすると、もうちょっとさかのぼると道路特定財源制度に係る税の収入額の使途の在り方について見直しを行うものとするなんですよ。だから、その一、二、三は基本方針なんですよ。じゃ、その道路特定財源のどの部分をいつ見直しを行うものとするかというのはここには書いてないんですよね、法律上は。
 だから、大臣はこれが通ったんだからもうこれで行くんだという主張をされていますが、少なくとも、じゃ一番ちょっと的確に答えていただきたい。その八百八十六万六千五百八十七人の署名は明らかにこの一、二、三については駄目だと言っています。どう考えても、どう読んでも一、二、三の基本方針では駄目だと言っている人をどうやって理解させるんですか。
#143
○国務大臣(尾身幸次君) この点については、この法律は国会を通ったものでございまして、その国会を通った法律の考え方で、私どももちろん政府提案でございますが、その国会を通った考え方のとおりにやるということ以外に選択はありません。
 もちろん、この法律の中に納税者の理解を得つつ、具体案を作成すると、こういうことでございますから、私はそのことを実現すべく全力を尽くしてやるというのが私の職責であるというふうに考えております。
#144
○池口修次君 そこまで言われると何を言ったらいいのか分からないんですが、私もちょっと、法律で納税者の理解を得られるようなんという文章が入ったことあるのかということをちょっと調査させてもらいました。納税者の理解を得られるようなんという文章が法律に書かれたことはないって話なんです。
 そうすると、ここに法律として納税者の理解を得られるようというのは、ちょっとどう、何をやればこの法律をクリアするのかというのが、いや、このとおりやるんだと、大臣は。そうすると、納税者の理解を得られるようというところは、大臣は、で何回も言うようにその八百八十六万、現時点ですよ、の人は駄目だと言っているんですよ。そうすると、この接点というのはあるのかなと。
 納税者の理解を得られるというのは、もう一回聞きますが、どういうことでやれば納税者の理解が得られるというふうにお考えなのか。
#145
○国務大臣(尾身幸次君) この三つの基本方針をここに書かれたとおり実現すべく全力を尽くしているということでございます。それ以外では全くありません。これは国会で決まった法律でありますから、私としては、しかも政府の方針とも合っているわけでございますから、この方針のとおり実行する、実施するということであります。
#146
○池口修次君 そうしますと、結論としては、現時点、八百八十六万六千五百八十七人の納税者の人は反対だと言っているんですが、そういう声があろうがなかろうが政府の決められたとおりやるんだというお答えだということで、それが尾身大臣の役割なんだと、納税者の立場には立たないんだということですか。
#147
○国務大臣(尾身幸次君) ちょっと見落としてもらっては困るんですが、第三項に納税者の理解を得つつと書いてありますから、これも含めてこの法律のとおりにやるということを申し上げております。
#148
○池口修次君 今ちょっと変な変化球が来ましたんで大変混乱をしているんですが、そうすると、尾身大臣は別に、納税者のことも考えているんだと、その八百八十六万六千五百八十七人プラスアルファ、これからね、の人は十分分かっていますと、そういう人たちが反対をしているというのも分かっていますと、でその上で納税者の理解を得つつということですか、得つつですから。要するに、小泉総理が言った中身では納税者の理解は得られないということを私は言っているんですよ。まあ安倍総理はまだ考えているかというのは、ちょっと具体的に私聞いてませんからあれですが、小泉総理はもう有無を言わさず一般財源化すると言ったわけですよね。それでは納税者の理解は得られないというのは分かっているわけですから。
 そうすると、今最後に変化球が来たんですが、私が言っているのは、納税者の理解も得つつ、具体的な改正の案を作成する、これからしていくんだと、十分納税者の声は踏まえた上で納税者の理解が得られるような案を作るという意見表明が、見解表明があったという理解、これ大事なところなんで、変化球じゃなくて直球でちょっとお答え願いたいんですが。
#149
○国務大臣(尾身幸次君) 十分という言葉はここに入っておりませんから十分かどうかは分かりませんが、この法律の内容のとおり基本方針の三つを、この法律は、この三つができるという前提で次の基本方針により見直しを行えということを行政府に要請しているものであるというふうに考えておりまして、私自身はこの問題に全力で取り組んで、この三つの条件、まあ短く言いますと、税率の水準を維持する、一般財源化を図ることを前提とする、そして納税者の理解を得るという三つの条件を満たすように全力を挙げていきたいと思っております。
#150
○池口修次君 それを言われると、ちょっともう一回言わなきゃいけないんですよ。
 一番の税率を維持する、で使い道を変える、これについては明らかに八百八十六万人の人は駄目だと言っているんですよ。それで、なおかつ三番目の、納税者の理解を得つつ、具体的な改正の案を作るんである程度任せろというような感じを言われた感じがするんですが、任せられないんですよ。だって、一番と二番は反対なんですよ、全く、少なくとも署名をした八百八十六万人。谷垣大臣のときの場合は、あの議論をしたときに、全国でむしろ旗が上がったらとかいうような議論がありまして、まさしくむしろ旗が上がっているんですよ。
 それに対して、いや、一番も二番も守るんだと、さらに三番で、最後のところに「納税者の理解を得つつ、具体的な改正の案を作成する」と書いてあるんだからというふうに言われると、じゃ、一番と二番の中身はこのままだというと、これには反対だという声が八百八十六万人いるというのは、これは理解はしていただいていますよね。ここはどうなんですか。
#151
○国務大臣(尾身幸次君) 議論のための議論は私もやりたくないと思っておりますが、一億二千万の人口を代表する議会においてこの文章が決まって、つまりこれは、この基本方針は実現できるという前提で法律が決まって、多数決の結果、これが通っているわけでございますから、私としては、「納税者の理解を得つつ、」も含めまして、一、二、三項を実現ができるという確信の下にこの問題の対応をしていく以外に道はないというふうに考えております。
#152
○池口修次君 今非常に大事なことを言われたんですよね。いや、幾ら署名活動で集まろうと、一億二千万の代表している議会が決めたことについてはやるんだと。そうじゃないですか。そういうふうに言ったんですよ。というふうに言ったと思います。
 一つは、いや、小泉さんは逆のことを言ったんですよね、郵政のときに、小泉さんは。郵政のときに逆のことを言ったんですよね。そう思いませんか。国会で決めても、これは国民の意見は反映してないというふうに言ったというのが一つ。それと、もしそれであれば、この二十条に納税者の理解を得られるようという文章を入れた意味は何ですかと。いや、その一億二千万人の代表の国会で決めたということであれば、それだけしかないと言うんなら、納税者の理解を得られるようなんという文章は要らないですよ、これ。格好付けだけですか。
#153
○国務大臣(尾身幸次君) この三項の「納税者の理解を得つつ、」ということについても、もちろん全体の中で私自身は極めて重く受け止めております。
 したがいまして、一般財源化を図り、税率水準を維持するという前提の下において納税者の理解を得ることができるはずであるというのがこの法律の趣旨であるというふうに理解をしておりまして、安倍総理も所信表明の演説で同じ文言で同じ趣旨のことを申し述べているわけでございまして、私は、それができるという前提で内容の具体的な詰めを全力を挙げてやっていきたいと。もとより納税者の理解が全く得られないというようなことは想定をしないで頑張っていきたいと考えておりますので、是非御理解をお願いいたします。
#154
○池口修次君 どういう方向で頑張るかというのが明らかでないので、期待をしますとはちょっと言えないです。
 納税者の声は明らかになっております。ですから、これから法律どおり納税者の理解を得られるよう見直しを行うということを、私は、やっぱり納税者の声を十分聞いた中で、変えるんであれば変える、変えないんであれば変えない、私はどっちかだと思うんですよ。だから、一応、道路特定財源として道路整備に使うということは、これは許されているわけですからね。ということで、今の大臣の中身ですと、私はとても納税者は、自動車ユーザーは理解をしないというふうに思います。
 もう一点だけちょっとお聞かせ願いたいんですが、私は自動車関係諸税の税制改革は必要だと思っているんです。これについては見直しが言われてないんですが、この大臣の中にありました、来年度以降に税制改革をどうもするような、まあこれは多分消費税を中心に言われた言葉かなというふうに思いますが、自動車にかかわる税制についても非常に分かりにくい。
 一方で、議論をすると、いや、これは地方税だから議論できないとかいろいろ非常に複雑なんで、私は非常にもう少し分かりやすく抜本的な改革をすべきだと思っていますが、この自動車関係諸税に関する抜本改革の考えはあるのかないのかお聞きして、私の質問は、時間になりましたので、本当はもっとやりたかったんですが、終わりにしたいと思います。
#155
○国務大臣(尾身幸次君) 今の特定財源制度は、自動車関係諸税と一言で言われるようないろんな税を含めた制度でございまして、現在の税体系についてはそれ相応の理由があってこういう、まあ言えば複雑なことになっているというふうに考えております。
 私どもといたしましては、今委員がおっしゃいましたことについてここで断定的なことを申し上げるわけにはまいりませんが、先ほどの基本方針に基づいて頭を柔らかくしてしっかりと対応していきたいと考えている次第でございます。
#156
○池口修次君 終わります。
#157
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。今日は、まず最初に財務大臣にお聞きして、その後金融担当大臣にお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 さきの当委員会におきます尾身大臣の発言要旨の中にもございましたけれども、最初にまず新規国債発行額三十兆円以下ということの意味について確認をさしていただきたいと思います。
 さきの委員会での発言では、新規国債発行額については、「十九年度予算においても十八年度予算の三十兆円より減額し、可能な限り縮減してまいりたい」と、こういうふうにお述べになっておられます。また、大臣御就任の記者会見でも、三十兆円というのは少なくともそれより下げる方向で考えていきたいと。こういうお話の趣旨からしますと、いわゆる小泉政権下での三十兆円枠というのを想起するわけでございますけれども、私、個人的には、小泉政権下における三十兆円という枠と安倍政権下におけるこの三十兆円というのは意味が若干異なるんではないかというふうに私自身は思っております。
 小泉政権下での三十兆円枠というのは、基本式からすれば税収と新規国債の発行額で歳出は決まってくるわけでありますけれども、税収がなかなか伸びにくいというそういう経済環境の下で、歳出全体を膨張させないためにも新規国債発行額を三十兆円と、一つの枠を設けて、それによって財政の規律をもたらすということの意味合いがこの三十兆円枠というのにあったのではないかというふうに思うわけであります。
 一方、今この安倍政権下におきましては、最大の目的は今後のプライマリーバランスをいかに黒字化していくのかということになろうかと思いますので、そこにおける基本式というのは、新規国債発行額は国債費よりも小さくすると、少なくするということをしなければ当然のことながらプライマリーバランスは黒字化しない、こういうことになるわけでございまして。
 そこで、じゃ、今後の国債費はどう推移するのかということになろうかと思いますけれども、この利払い費は大体今後の見通しを財務省さんの方の資料で見さしていただきますと、大体利払い費としては十兆円弱から十五兆円前後というふうに、平成三十一年度までの数字が手元にございますけれども、一応想定をされている。一方、この債務償還費、いわゆる現金償還に要する費用でございますけれども、この債務償還費はここ三年ぐらい、平成十六年、十七年、十八年度と大体十兆円と。こういうふうに考えますと、国債費は、単純計算で恐縮でございますけれども、二十兆から二十五兆円というふうになるわけですね。
 そうすると、この新規国債発行額を国債費よりも小さくしていくということがプライマリーバランス黒字化の必須条件、同じ意味だとすれば、この三十兆円枠というのみならず、さらにこの国債費以下と考えれば、想定されている国債費が二十から二十五ということになればそのぐらいに抑えないといけないと、こういうふうになるのではないかというふうに思うわけですけれども、まずこの新規国債発行額の枠について、この安倍政権下でどのような基本的なお考えを持っているのか、そして私が申し上げた小泉政権下での意味合いとは異なる意味合いをどこに付与しているのかということについてお聞きしたいと思います。
#158
○国務大臣(尾身幸次君) 小泉政権の下におきましても、十六年度三十七兆、十七年度三十四兆、十八年度三十兆と国債発行額を減額してきたわけでございますが、更に、これについて三十兆、十八年度よりも減額をしていきたいという考え方で、極めて厳しい歳出削減をしていかなければならないというふうに考えております。
#159
○西田実仁君 そうしますと、このプライマリーバランスを黒字化していくという基本方針があろうと思いますけれども、その場合には、私が申し上げたように国債費以下に新規国債発行額を抑えなきゃならないと、この点についてはそのように考えればよろしいんでしょうか。
#160
○国務大臣(尾身幸次君) この十九年度予算については、先ほど申しましたような厳しい歳出削減を実行していきますが、十八年度の決算の状況が来年の夏くらいには明らかになる、それから、十九年度にどのくらいの歳出削減ができるかということも明らかになる、そして同時に、医療制度改革に伴います実際の支出の実績がどのくらいになるかということも明らかになる。そういうことを踏まえまして、来年秋以降、税も含めました歳入歳出の抜本的な改革、具体的な改革を詰めていきたいというふうに考えている次第でございまして、来年度、十九年度については非常に厳しい縮減をやらしていただかなければなりませんが、それでもなおかつ、社会保障とかあるいは少子化対策等で予算増額が必要なことも予想されますので、そういうことに対する対応については、先ほど申しましたような全体の歳入歳出を総合的に考える中でどう対応していくかということを具体的に考えていきたいと考えているわけでございます。
#161
○西田実仁君 そういう意味では厳しくやっていかなきゃいけないということでございますが、ちょっと観点を変えまして、国債費というのは利払い費と債務償還費から成っているわけでありますけれども、この利払い費に関しまして、金融政策との協調ということにつきましてお聞きしたいと思います。
 四、五日前だったと思いますけれども、ウォール・ストリート・ジャーナル紙との単独会見が載っておりまして、そこにおきまして大臣は日本銀行に対して政府への協力を要請しておられました。文脈からして真意はちょっと測りかねますけれども、一般的には、国債利払い費の増大を抑制するために低金利政策を続けるということを求めているのかなというふうにもお見受けしたわけでございます。一方、大臣が就任会見におきまして、既に状況は基本的にはデフレはもう脱却しつつあるというふうに認識をしておりますと、こういうふうにも言っておられます。そういう意味では、自然な、景気回復によるデフレ脱却による自然な金利上昇ということを容認をされているのかなというふうにも思われるわけであります。
 大臣の御認識としては、どちらの方により真意があるんでしょうか。
#162
○国務大臣(尾身幸次君) 金融政策につきましては日銀の所管でございますが、インフレの懸念が見られないような現在の状況の下におきましては、景気回復を持続的なものにするために経済を金融面から引き続きしっかりと支えていただくことが重要であるというふうに考えております。
 ただ、この金融政策の具体的な内容について、政府からあれこれ申し上げるのは適当ではないというのが私どもの考えでございます。
#163
○西田実仁君 確かに大臣の御就任の会見でも、日銀の金融政策の個々についてあれこれ言うことは必ずしも良くないというふうに考えておられるというような御発言もございました。
 ただ、成長を阻害しない金融政策を求めるというのは必ずしも日銀の独立性を侵犯するものではないというふうに私自身は思いますけれども、一方で、成長に伴う自然な物価上昇に中央銀行が対処することをこれまた阻害することもできないんではないかというふうに思われますけれども、いかがでございましょう。
#164
○委員長(家西悟君) どなたが。
#165
○西田実仁君 今日銀の独立性の話をされました。成長を阻害しない金融政策を求めていくこと自体は、必ずしも日銀の独立性を侵すものではないと私も思っております。
 しかしながら、一方で、成長をすれば当然自然に物価も上昇していくわけでありまして、その物価上昇に中央銀行が対処することは、これまた邪魔もできないと、こういうふうに思われますけれども、いかがでございましょうか。
#166
○国務大臣(尾身幸次君) 具体的な金融政策の内容について申し上げるのは適当でないと考えておりますが、この今の持続的な景気回復を維持するということのために金融面から経済を支えていただきたいという私どもの考え方は今までどおりであります。
#167
○西田実仁君 そうしますと、大臣がおっしゃって、これまでのことも含めて、今の御発言も含めて私なりに理解しますと、大臣はこの金融政策の独立性確保ということと同時に、政府、日銀間の政策協調フレームワークの策定という、ある意味でこの二兎を追って二兎を得るという御方針をお持ちなのかなというふうに思われるわけですけれども、その場合には、名目成長率とか、あるいはインフレ率といった数値目標の政府、日銀による共有ということを推進していくというお考えなのかどうか、お聞かせ願いたいと思います。
#168
○国務大臣(尾身幸次君) 経済の現状に対する認識あるいは金融政策等につきましては、一般論としては随時連絡、協調を図っていきたいというふうに考えております。
#169
○西田実仁君 続きまして、プライマリーバランスのお話の続きで、プライマリーバランスの黒字化が求められているわけでありますけれども、基本的な安倍政権での考え方というのは、成長、つまり税の自然増収によるプライマリーバランスの黒字化ということが求められている方針だろうなというふうには思っているわけであります。
 そうしましたときに、増税というのは基本的には禁句であると。歳出削減と成長率のかさ上げが絶対必要条件になるんだろうなというふうに思うわけであります。成長率をかさ上げするにはどうするかというと、企業の設備投資を優遇する必要があると、そのためには法人税率そのものを引き下げたり、あるいは設備投資の償却期間、減価償却の加速化をしていくというようなことが求められるということで、それによって法人税制が日本より有利な外国との国際競争に勝とうとするという、そういう方針ではないかというふうに理解しております。
 初閣議後の大臣の記者会見におきましても、いろんな意味で経済を活性化することが企業活動を活発化して雇用を増やすと、そして税収増にもつながるんだというお話がございました。また、同じ会見では、減価償却についてもいろいろ検討して、税制面で、国際競争上、企業がハンディキャップを負うことがないよう手当てをやっていかなければならない、こんなような発言もございました。
 私は今日、ここではその法人税減税と別に決まったわけじゃありませんので、議論として、考え方として大臣とちょっと意見を交換させていただければというふうに思っておるわけですけれども。
 当たり前ですけど、法人税率を引き下げるということは、これは企業の税引き後利益を増やすわけですよね、当たり前ですけど。また、減価償却を加速化するということは、投資資金を早期回収するとともに、課税対象法人所得の減少をもたらすと、これは当たり前のことであります。
 問題は、企業が増えた税引き後利益や資金を内部留保に回した場合、これは理論的には株主資本の増加ということになりまして、それは株価に反映されると。ということは、株式の投資家は値上がり益を享受することができると、理論的にはですね。また、企業が利益を増やせば、それは配当に回すと、増配すると。そうしますと、株主はより高い投資利回りを得ることができると、こういうことになるんだろうなと思うわけです。
 そうした株価の値上がり益やあるいは増配で利益を享受する投資家につきましては、今既に優遇税制がしかれているということで、キャピタルゲイン課税あるいは配当にかかわる税金の優遇税制が行われている。一方、じゃ会社で働いている人はどうなのか。多分、企業が利益が増えますと、今の大方の企業は、ベアを上げるというよりもボーナスで調整をするというか、ボーナスに反映させるケースが多いんだろうと思うんですね。それによって勤労所得が増えるということは見込まれるものの、勤労所得が増えても累進課税で納税額は増える可能性あるし、もっと言えば、二〇〇三年に社会保険料も、これはボーナスも含めた年収に掛かるという形に変更がなっておりますので、当然社会保険料も増えてくるだろうと。
 要するに、私が申し上げたいのは、企業のいろんな法人税を優遇して競争力を増すということは大事なわけですけど、民間主導の景気回復ということで大事です。大事ですけれども、これが、ちょっと公平ということから考えますと、成長の公平なる分配ということからすると、法人あるいは株主、投資家とか、そこにかなり厚くなっていて、正直言えば、投資家あるいは株主まで優遇税制を用意するということはちょっと偏りがあるんではないかと。
 成長の果実の公平な分配ということで税制改革を行うんであれば、企業のあらゆるステークホルダーに対しまして公平に分配していく、成長の果実を分配していくという考え方を持たなければならないんではないかというふうに思うわけですけれども、ちょっと長くなりましたが、基本的な考え方でございますが、お聞きしたいと思います。
#170
○国務大臣(尾身幸次君) 成長なくして財政再建なしと申し上げておりますけれども、経済の活性化を図っていくことは極めて大事である、同時に現在の厳しい財政状況にも十分留意しなければならないと考えておりまして、私は経済の活性化と財政再建を両立させていきたいというふうに考えております。
 経済の活性化という観点から申しますと、企業が国を選ぶ時代になってまいりましたので、例えば税制などにおきましてほかの国との関係でイコールフッティングの税制をつくり上げていかなければ、企業が日本という国を生産活動の拠点あるいは企業活動の拠点として選ばない、選んでくれないということになると考えておりまして、そういう意味で、例えば減価償却における残存価値の問題等につきましてもほかの国並みの内容にしていきたい、イコールフッティングの税制をつくり上げたいというふうに考えております。
 もう一つは、これはもう数年前からやっていることでございますが、イノベーションあるいは企業の研究開発を促進するためのいわゆる投資減税という非常に大きなインセンティブをこの面で与えておりまして、そういうものについてもしっかりとこれから続けていきたいというふうに考えております。
 そういう中で、いわゆるイコールフッティングの面におきます税制をどういうふうにするかということは、経済活性化という点からこれからも考えていかなければならない課題でございまして、しかし、目先の財政も厳しい折から、これをどういうふうに整理していくかという問題についても大きな検討課題になるというふうに考えているわけでございます。
 いずれにいたしましても、企業活動の活性化、経済の活性化と財政の再建を両立させる形でどう進めていくかという課題に取り組んでいきたいというのが私どもの考えであります。
#171
○西田実仁君 私もそれは同意するわけですけれども、そうした場合にどういう結果になるのかということを私は申し上げまして、企業と投資家あるいは株主には利益はもたらすことになると思います、それ自体別に悪いと言っているわけじゃありませんが。一方で、従業員の方の税引き後あるいは社会保険料天引き後の恩恵は相対的に小さくなるんではないかと。そこで、新しいまた格差みたいな話にならないのかなという心配を申し上げているわけで、そうした成長して税の自然増収によって財政再建するということはもうもっともなことでございますが、その成長の果実の公平な分配、特に企業のステークホルダー全体に行き渡らせることが大事ではないかというふうに私は申し上げているんですけれども、いかがでございましょうか。
#172
○国務大臣(尾身幸次君) 活性化した経済の果実をどうするかということにつきましても、もちろんいろんな考え方があろうかと思いますが、公平な分配と言って一言で言えばそれで済むのかもしれませんが、その辺りについても十分考えながらやっていかなければならないと考えております。
#173
○西田実仁君 是非十分に考えていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、為替の政策につきましてお伺いしたいと思います。
   〔委員長退席、理事峰崎直樹君着席〕
 今はもう既にユーロ参加国は言うに及ばず、韓国も円安・ウォン高ということでもう悲鳴を上げている記事がよく見受けられております。実際に、実質実効為替レートを見ると、もうプラザ合意のときぐらいの水準にまで、その円安、円高というのは何がもって円安かというのはありますけれども、少なくとも一九七三年を一〇〇としたときの数値がかなりプラザ合意のときぐらいまで下がっていることは間違いないわけでございます。一方で、先日、ロシアの中央銀行が円を外貨準備として組み入れるという方針を明らかにしたときに、大臣も歓迎する姿勢を表明されておりました。
 ただ、国際通貨としての円の地位ということでいきますと、今や英ポンドまで抜かれて第四位に既に落ち込んでしまっているというところもございまして、円の国際化というのはアジア通貨構想の基本にあると思います。それには強い円というのが必要条件ではないかというふうにも思うわけでありますが、今後の為替あるいは通貨政策につきましての基本的な考え方をお聞きしたいと思います。
#174
○国務大臣(尾身幸次君) 円の国際化は、日本経済全体として為替相場の影響を受けにくくなるというメリットもありますし、またアジア地域の経済の一層の安定という観点からも好ましいと考えております。
 円の国際化が進んでいくためには、円が強いか弱いかというよりも、むしろ円の価値が安定することで円に対する信認が向上する、円を貿易とか投資といった国際的取引で使っていただきやすい環境をつくるということが大事なのではないかというふうに考えております。
#175
○西田実仁君 それでは、残りの時間は金融担当大臣にお聞きしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 中心的には、これ議員立法で成立させていただきました偽造盗難キャッシュカードの被害補償につきまして、いわゆる預金者保護法のその後の運用状況について私もフォローをさせていただいております。これは二年後の見直しというのが法律になっておりまして、その中で一番大きいのはやはり過去被害の補償ということで、まだなかなか、法施行後一年たたないということもあるんだと思いますけれども、混乱が生じている。金融機関の方も、しかしながら、先日DVDを私も見ましたけれども、マギー司郎さんが演じるマジックで、金融犯罪の被害に遭わないようにどうしたらいいかというのを非常に分かりやすく出していたり、あるいはいろんなパンフレットも出したりしていろんな努力はされているとは思いますが、現場におきましてはまだまだ混乱が多うございまして、それをちょっと幾つか御紹介しながら、これを金融当局といたしましても、是非適切なる御指導、御助言をいただきたいということで申し上げたいと思います。
 金融機関もいろんな金融機関ございますので、被害に遭われている方もばらばらなんですが、預金者保護法の七条をちょっと誤解しているようなことがございます、七条というのは適用除外でございますが。これは、通知、犯罪に遭った通知が被害から二年を経過する日は適用除外とするというふうになっているわけでありますけれども、これは二年前の過去被害しか駄目だということを言っているわけじゃないんですね。それは四年前でも五年前でも、被害に遭ったときから通知するまで二年以内のものというふうに言っているわけでありますけれども、これをもってしてなのか分かりませんが、四年前とかに起きたことなので返事ができないとか、こういうような対応を取る金融機関もいまだに結構多うございます。
 また、全く同じ被害状況で、まあ大体同時に盗難をされたりする、いろんな金融機関のカードが同時に盗まれたりすることもあるわけですけれども、そういう場合でも、金融機関によって、同じ状況で盗まれ、また預金者過失ゼロというのもはっきり認めていながら、補償額が一〇〇%のところもあれば五〇%のところもあるしというような状況もあると。そもそも五〇%の数字はないんですけどね、法律には、ないんですが、そういうところもあると。
 あるいは、捜査当局への届出が紛失届だったから扱わないというようなところもあります。これは紛失届でも、その後、盗難されて被害に遭っているというケースも多うございまして、その状況だけで、もうちょっと総合的な判断も必要ではないかと、捜査当局には感じるわけでございます。
 こうした預金者保護法の立法の意思というのを踏まえて、過去の被害につきましても最大限配慮するということである以上、きめ細かく、また金融機関によってばらつきが起きないようにできる限りの御指導をいただきたいと思っているわけでございますけれども、大臣の御認識をお聞かせいただきたいと思います。
#176
○国務大臣(山本有二君) どこまでそういうような事例をこの預金者保護法が射程距離に置き、またフォローしているかという点でありますけれども、この趣旨からすれば、できるだけ金融機関において真摯かつ適切な対応をしろという意味は十分読み込めるわけでございます。
 したがって、先生が先ほど御指摘になりました、金融機関において補償の割合も区々ばらばらというわけでございますが、今後はこうした金融機関の対応が更に充実していけば、納得がいただけるような私はこの預金者保護の制度運用ができるだろうというように思っておりますので、もう少し時間を掛けて見守る必要があろうかなというように思っております。
#177
○西田実仁君 正にそういう積み重ねということが大事になってくるんだろうというふうには思うわけでありますが、実際にカード補償情報センターのようなものを設けて、いろんな被害についての情報収集をなさって、この法の趣旨である最大の配慮、最大限の配慮という、過去被害における最大の配慮ということにつきましても、少しずつ情報が集まって整いつつあるのかもしれません。
 しかしながら、被害に遭った方からの、お金のことだけではなくて、非常に精神的なショックというのも多うございまして、私のところにも随分いろんな方が御相談に来られますけれども、かなり、盗まれたとき、そして引き出されてしまったということが分かったときには精神的にも大きな被害を受ける。そのときに、真っ先に行った金融機関の窓口でもう門前払いであったり、あるいはもう、中には大きなポスターを張って、二年以上は補償しないということが店頭に張ってあるような金融機関もあるようでありますけれども、それはちょっと法の趣旨からしておかしいと思いますが。
 そんなような対応がより被害を心身ともに大きくしてしまうと、こんなようなこともございまして、やはり金融当局として情報の収集と併せて実態をしっかりと踏まえて御指導いただきたいと思いますが、再度御決意をお願いいたします。
#178
○国務大臣(山本有二君) 預金者保護というのは、極めて我が国経済の特に家計部門に対しては重要な位置を占めるだろうというように思います。
   〔理事峰崎直樹君退席、委員長着席〕
 その意味におきまして、今後、この保護政策の延長上でしっかりと金融機関が利用者のためにという姿勢にだんだんと転換していただけるというようなことを期待しつつ、見守りたいと思っております。
#179
○西田実仁君 もう一つ、この預金者保護で、議員立法で私もかかわりましたので何か申し上げるのもなんなんですが、盗難通帳に関して補償の対象外になっておるわけなんですね。今までいろいろな法律、司法上の判断もございましたが、最近少しずつ変わってきているように見受けられまして、盗難通帳による損害を救済する判決も出てきていると思います。直近でも、昨年、平成十七年に六月三日に判決されたものも、盗難通帳につきましても、特段の事情という、法律に書かれている特段の事情ということについて慎重に検討した結果、金融機関に支払を命じる裁判例も出てきていると、こんなようなこともございまして、盗難通帳ということにつきましても、これまではいろんな、日本の古来からのいろんな商習慣とかいろんな壁があって、この間の預金者保護法にはちょっと入れることができなかったわけでありますけれども、この盗難通帳への被害補償、これについてはどんなお考えで今おられますか。
#180
○国務大臣(山本有二君) 確かに、御指摘のようにこの預金者保護法の対象の中には通帳が入っておりません。したがいまして、盗難通帳によって引き出しがされた場合、これは通帳から正規に引き出された同じような扱いになってしまうことの方が今までは多かったわけであります。その意味においては、キャッシュカードであればちゃんと補償してくれるのに通帳だったら違うと、何となく利用者からすれば判然としないという気持ちになるだろうというように思います。
 そこで、先生御指摘のように画期的な判例がございました。この判例は銀行の過失をいつもいつも認めるわけじゃないけれども、しかし、払戻しが短期で相次ぐ場合とか、あるいは不自然な対応があったとかいう場合には、これは預金者を保護しようじゃないかという判例がございます。そんな意味におきましては、やがては通帳もそのような取扱いになっていくだろうという進化の過程というような意味で、これから各金融機関において真摯、適切な対応を取っていただくと同時に、我々もこうしたことにおいて十分な保護の制度が取れないかどうか、今後検討の余地があるだろうと思っております。
#181
○西田実仁君 正に、利用者保護、利用者を保護していくという、そういう姿勢の金融行政のほどをよろしくお願いしたいと思います。
 続きまして、中小企業金融につきまして若干触れさせていただきたいと思いますけれども、金融検査マニュアルの改訂ということが今正に議論をされておられるんだと思います。このうち、いわゆる別冊版で、中小企業金融につきましてはその金融庁の指導マニュアルをもうちょっと総合的に、画一的、機械的ではなくて総合的に判断をすべきであるということが趣旨だと思います。
 今後、成長ということで財政再建を図っていこうという、この成長と財政再建の両立ということからしても、中小企業をいかに元気にしていくのかということが大事になってくるわけでありまして、そういう意味での金融検査マニュアルの改訂に臨む姿勢、特に中小企業金融ということにつきまして大臣の御所見をお聞きしたいと思います。
#182
○国務大臣(山本有二君) 中小企業融資編は金融検査マニュアルから引用される中小零細企業等の債務者区分の判定に当たってのより具体的な検証ポイントを記述したものであることから、金融検査マニュアルの改訂に伴い、形式面を含めた修正を行う必要が生じる可能性がございます。
 一方、内容につきましては、現時点において実質的な変更が及ぶようなことは想定しておりませんけれども、いずれにせよ、今後、検討会で皆様の御意見を伺ってまいりたいと考えております。特に、今週、検討会を内部で設置いたしましたので、その点をまたるる検討し、年内には御発表できるだろうというように思っております。
#183
○西田実仁君 特に中小企業の皆さんとお話ししますと、地域の金融機関が、二年連続赤字があるともう新規の融資はできないんですというふうに金融庁から指導されているんだということが、それがどこまで本当なのか、その真意は分からないんですけれども、そういうことを口実というか理由にして新規融資がなされない。そのことに対して、地元の中小企業又は零細企業がもうちょっと成長資金を供給してほしいと、こういうような話があるわけですけれども、こういう実態はどのように今大臣、考えていらっしゃいますか。
#184
○国務大臣(山本有二君) 実際、中小企業金融におきましては、保証枠を見直したり、あるいは担保制度を、流動性の担保を考えてみたり、いろんな工夫がございます。その工夫に応じた検査マニュアルというものが今後必要になってくるだろうと思っておりますので、その意味においては十分な検討がなされるというように期待しております。
#185
○西田実仁君 中小企業庁の皆さんにも今日お越しいただきましたので御答弁いただければと思いますが、中小企業融資ということでいいますと、経営者の保証不要の融資制度とか、あるいは計算書類を担保とした融資制度というのが昔からずっと重要であるということを言われて久しいわけでありますけれども、これにつきまして、再チャレンジということも含めて、単に起業、会社を起こすという人だけではなくて、今、既存の中小企業、零細企業に対する融資ということも含めてお考えを承りたいと思います。
#186
○政府参考人(近藤賢二君) お答えを申し上げます。
 今先生の御指摘のとおりだと思います。我が国が、我が国経済の活力を高めるためには、勝ち組と負け組が固定せず、だれでも再チャレンジが可能な社会を構築するということが非常に重要なわけでございます。しかしながら、現実の問題といたしましては、本人保証、連帯保証が要求されるために再挑戦が難しいという現状、また、一度失敗すると再挑戦のために資金調達ができない現状、こういった現状があるわけでございます。
 こういった現状を打破し、再チャレンジする企業家の資金調達を支援するために、個人保証に過度に依存しない融資を推進するとともに、政府系金融機関や信用保証協会による再挑戦支援のための融資、保証の枠組みの創設、拡充というものを検討しているところでございまして、その実現に全力を尽くしてまいりたいと考えておるところでございます。
#187
○西田実仁君 政府系金融機関の再編ということが今あるわけでございますけれども、こうしたお立場で財務省としてもこの中小企業融資の今後につきましてどんな基本的なお考えなのか、お考えを承りたいと思います。
#188
○委員長(家西悟君) どなたに。
#189
○副大臣(富田茂之君) 今、政策金融機関の統合再編成をやろうとしているところですけれども、その中におきまして、特に中小零細企業融資につきましては国民生活金融公庫及び中小企業金融公庫が担ってきました中小零細企業の資金調達支援の機能を新政策金融機関が担うこととなっております。
 利用者の利便性の維持向上に配慮しつつ、中小零細企業の資金調達を支援していくことは重要と考えておりますので、積極的に取り組んでいきたいと思います。
#190
○西田実仁君 ありがとうございます。
 では、最後に、先日、安倍総理が訪中されたときに日中間での戦略的な互恵協力ということについて様々な分野で今後詰めていこうと、こんなお話がありました。エネルギーとかあるいは金融とかいろいろあったわけですけれども、特にこの金融分野での互恵協力ということにつきましてお聞きしたいと思いますが、これに具体的にどう臨む、これからいろいろ検討されていくんだと思いますけれども、どんなようなことが考えられるのか、どんなようなことを課題にして中国に対して互恵協力を考えて今のところおられるのか。課題、テーマだけでももしお話しいただければと思います。
#191
○国務大臣(山本有二君) 安倍総理訪中のときの日中共同プレス発表の七番に金融が盛り込まれてございます。これにつきましては、既に中国と金融庁との間で政策対話ということがなされておられます。二〇〇四年、二〇〇五年と二か年ずっとやってまいりましたし、今年の十一月下旬にまた再度、三回目を開こうと思っております。
 国際担当の審議官が参る予定でございますが、中身につきましては、日中両国の金融セクターの状況の相互情報交換、さらに金融機関の相互進出をめぐる問題についてそれを検討する次第でございます。さらには、監督体制強化への協力、向こうからの要請でございますが、これにつきましても、実務家を派遣しまして証券市場における中国のリクエストに応じたいというように考えております。
#192
○西田実仁君 終わります。
#193
○大門実紀史君 日本共産党の大門でございます。山本大臣、渡辺副大臣、よろしくお願いをいたします。
 最初に副大臣に聞くのもなんなんですけれども、渡辺副大臣は足利銀行問題で大変御尽力されてこられました。私も破綻のときからこの委員会で何度も、最近も含めて取り上げてまいりまして、自民党の矢野先生とほぼ同じ立場で竹中さんとやり合ったりもしてきたところでございます。最近も地元の商工会議所の会頭ともお話を伺って、いろいろ要望も聞かしてもらったところでございますけれども、渡辺副大臣とはちょっと立場が違うかも分かりませんけれども、いずれにせよ、地元の中小企業あるいは地域経済のためにいい銀行になってもらいたいなと思っているところでございます。
 せっかくこうやって同じ委員会でお会いしましたので、一言その点での御決意でも聞かしてもらえればと思います。
#194
○副大臣(渡辺喜美君) 私もついこの間までの立場とかなり立場が違ってしまいまして、この前までと言っていたことが違うじゃないかと地元の皆様方からはおしかりを受けていることもございます。
 金融庁の立場としても、先生御案内のように、例の三題ばなしがございます。受皿の三条件として、金融機関として二次破綻しないようなそういう持続可能性。それから、当然これは地元の方々、栃木県を中心とした北関東の地元の中小企業の皆さん方から信頼がなければ金融ビジネスができないわけでありますから、こういう地域における金融仲介機能をきちんと発揮してもらうと。それから、やはり足利銀行の、大変な努力をしてきたわけでございますから、その企業価値をきちんと評価をしてもらって公的負担を極小化をしていくと、こういう三題ばなしがあるわけです。
 やはりその二番目に申し上げました地域の中での金融仲介機能をきちんと発揮するということは、やはりこれは非常に大事なことでございまして、その点では地元の経済界の方々そして金融庁がともに共有の認識を持っているところでございます。
#195
○大門実紀史君 ありがとうございます。
 じゃ本題に入りますけれども、私、金融担当大臣としては柳澤大臣、竹中大臣、伊藤大臣そして与謝野大臣、山本大臣ということで、五人目の大臣でございます。与謝野さんと一番気が合ったりいたしましたですけれども、山本大臣もお人柄がいいという話を金融庁から聞いておりますんで、できれば仲よくやりたいと思いますが、それは御答弁次第だということだというふうに思います。
 この数年ずっと見ていますと、当初は金融再編ということが中心でございましたけど、少なくともこの一、二年は利用者保護といいますか消費者保護にかなり金融庁がシフトしてこられているのは見ていて評価させていただいているところでございます。そういう点から見ると、今回の貸金業法の対応は残念だったなと。金融庁がもっと貫いてほしかったなといいますか、いろんなぶれがあったんではないかというふうに思っているんで、今後のことがありますんで、先にそれをひとつ聞かしてもらいたいと思いますが。
 経過は簡単でございまして、前国会では相当議論もありましたし、一月に最高裁の事実上グレーゾーンを認めないという判決が出てから世論も高まって、運動も高まって、国会でも、我が党だけでも十一回も質問をさしていただきましたし、民主党の皆さん、公明党の皆さん、みんな頑張って、金融庁の懇談会もいいまとめを出して、七月には与党の方針としても非常にすっきりとしたいい方向が出たなと思って、そのままいくのかと思っていたら、これは私が言うんじゃなくて自民党の関係者の方がおっしゃるように、非常に巻き返し、バックスピンがあって、九月の五日に金融庁がもう論外の案を出して、九年間グレーゾーンを事実上温存するようなのを出して、これが猛烈な批判を浴びて、またすったもんだして九月十五日というのか十八日というのかの案になって、これは一応最終案と言われていましたけれども、それがまた特例の温存、あるいは刻みを変えてかえって上がってしまうところ、改悪の中身もあったりしてまた批判を受けて、運動をして、私たちもいろいろ国会内でも集会をやりと。最後は、公明党の皆さんも頑張って結局今回の案になったと。
 つまり、まあいろいろありましたけど、国会の与野党問わず良識派が頑張ってこういう案になったんだというふうに評価しております。
 そういう点では、今回の案はおおむね評価さしていただいていますし、特に私自身で言えば、ずっと取り上げてきた団体信用生命ですね、命を担保に。あれ、五月、六月、二回取り上げましたけど、与謝野さんが武富士がうその報告をしたのに怒られて、それから何だということでかなり始まったことを思うと、そういうことも今回、自殺に関しては禁止と、契約禁止ということを入れてもらって大変評価をしているところです。
 そう思うと、金融庁は、やっぱりこれからのこともありますんで、最初から消費者保護で貫いてほしかったなということを強く思うわけですね。どうして途中でぶれてこうなってきたのかと。ですから、金融庁が七月のあの与党案のまますっきりとした案でいけば今回の案がそもそも出てくるはずだったと私は思うんですけれども。ですから、貫いてそういう案を出していれば、今ごろ金融庁はもう大評価ですよね。大臣も九月十八日案を予算委員会で擁護されておりましたけれども、あのときにおれも疑問があるんだとか言っていたら今ごろ物すごい株上がっているわけですね。午前中も峰崎議員にああいう詰められることもなかったんじゃないかというふうに思いますし。
 そういう点でいくと、やっぱり最初から、もうそういう時代ですから、今後のことで申し上げたいんですけど、消費者保護を徹底的に金融庁はだれに何と言われようと貫いていただきたいと。
 その点、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
#196
○国務大臣(山本有二君) 大門さんの本当に消費者の観点に立ったすばらしいお考えを聞かしていただきまして、この本日の閣議で決定した改正案がそれに沿っているという御評価いただきましてほっとしております。
 また、それに至る経過についていろいろ御指摘をちょうだいしました。
 私ども、最初からこういう結論になれば良かったということでございますが、しかし慎重審議というような意味、また多くの、この一千四百万人、二千五百社から一千四百万人借りておられる方々の、逆に利用者の方々がどういうお気持ちであるかどうかというようなことをおもんぱかるという作業も必要だろうというように思っておりましたんで、作業経過の中で利用者保護に徹するという姿勢が欠けているように思われたかもしれませんが、結論的には一致いたしましたんで、どうぞひとつこれからも見守っていただきたいというように思います。
#197
○大門実紀史君 まだ今回の法案、我が党賛成と決めたわけではございませんので、まだ、法案出てから検討いたします。
 サラ金問題というのは高金利問題だけではございませんで、まだまだただすべきことがございます。
 ちなみに、お手元にサラ金の株式保有の構成を出しましたけれども、まあ見てもらって分かるとおり、言われたとおり、外資の、投資家も含めて外資がかなり日本のサラ金にも入ってきておりますし、外資系のサラ金もあるということでございます。
 大手五社についてはもうさんざんいろんな面で取り上げてきたんで、今日は外資系のサラ金についてちょっと取り上げたいと思うんですけれども、別にあこぎなのは日本だけではありません。この外資系もかなりいろいろ問題を起こしております。十月二十日にはGEコンシューマー、これは金融庁から処分を受けました。違法な取立てですね。
 今日は、その外資系で最大のCFJの方を取り上げたいと思いますが、これはアメリカのシティグループの、まあ世界最大のグループですね、の一員でございまして、ディック、アイクなどで知られております。今、名古屋地裁に社員二百三十九人から時間外手当不払の問題で訴えられもしているというようなところでございますけれども、ひどいのは社員に対してだけじゃなくって、借り手、利用者にもひどいことをしてきたわけです。
 一つは取引履歴の問題を取り上げたいと思いますけれども、まず基本的に、先に金融庁に伺いますが、サラ金で借りた人が、自分がどういうふうに返してきたか、返済の履歴とか、そのうち利息幾ら返したとか、そういう取引履歴といいますけれども、それをサラ金会社に出してほしいと言った場合、これは当然出すのが当たり前だと思います。これもし拒むと、これは金融庁もガイドライン作られましたけれども、貸金業法十三条二項違反になって、不当に拒んだ場合は行政処分の対象になると思います。
 そこで聞きたいんですけれども、出すのは出したものの、中身が改ざんされている場合、うそを書き込んで本人に出した場合、これはどういう処分の対象になりますか。
#198
○政府参考人(佐藤隆文君) 一般論でのお答えになることをお許しいただきたいと思いますが、現行法令の下で、仮に残存債務を水増しする等のため取引履歴を改ざんしたというようなことが明らかになった場合、これは業務に当たって不正な手段の使用を禁じた貸金業規制法第十三条第二項に該当するおそれがありまして、その場合には業務停止処分の対象となり得るところでございます。
#199
○大門実紀史君 このCFJ、ディック、まあアイクの場合もありますけれども、なんですけれども、これはもう新聞でももう報道されているものもありますけど、私たちも被害者の会の方からお聞きしておりますが、改ざんした取引履歴、勝手に改ざんしたやつですね、これを御本人に送って過払いをさせたり、あるいはその過払いのために、返済額、水増し請求ですね、そのために破産まで追い込んだとかいろんな事件が起きておりますし、これはもう裁判になって、CFJは負けております。
 〇三年に社内調査をしたら、自ら社内調査をしたら、CFJは八百件を超える水増しをやって、総額二億円以上水増し請求をしていたということになっております。これについては、私は、金融庁がCFJに、社内調査したの、ああそうですかということではなくって、報告徴求などをされるべきだというふうに思いますし、実はこの後もCFJが取引履歴を改ざんしているという告発といいますか相談が参っております。
 この際、CFJをこの取引履歴改ざんの問題で検査なり調査されるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#200
○政府参考人(佐藤隆文君) CFJにつきましては、ただいま御指摘いただきましたように、平成六年から十四年までの九年間にわたりまして取引履歴を改ざんしていたという報道があったわけでございます。このことについて承知しておるわけでございますけれども、個別の事案についての対応についてはコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
 一般論として申し上げますと、これは御理解をいただきたいんでございますけれども、平成十五年の法改正、いわゆるやみ金対策でできた法律でございますけれども、これ、平成十六年の一月から施行されております。
 この法律以前におきましては、貸金業者が利用者に対し取引履歴の改ざん等を行っても当該業者を業務停止処分とするような根拠規定が整備されていなかったと、こういう状況にございました。したがいまして、そういうような事実が認められた場合におきましても業務停止といった処分は行うことができないと、こういう法的な枠組みになってございました。こういった法的枠組みの下で行政として可能な対応というのは、ヒアリングを行ったり、あるいは報告徴求を行ったり、あるいは注意喚起を行うといったことがあり得るということでございます。
 なお、このCFJにつきましては、これらを受けまして平成十五年の十二月に謝罪広告というのを出しておりまして、その中で、被害を受けた利用者の方々への払戻し手続を踏むとか、あるいは再発防止のための体制整備を行うといったことを公表しているというふうに承知をいたしております。
 いずれにいたしましても、現在の現行法の枠組みの下では、先ほど申しましたように、悪質な取引履歴の改ざん等を把握した場合には行政処分が可能な法的枠組みになってございますので、今後仮にそういった具体的な法令違反といった事実がございますれば、厳正かつ適切に対応してまいりたいというのが私どもの一般的な対応でございます。
#201
○大門実紀史君 その一般論をすぐさま適用してもらいたいということでございます。そういう事態になっているということですので、御検討いただきたいと思います。
 ただ、これだけではありませんで、もっと悪質な事例が今出てきております。不動産担保ローンというやつですね。これも社会問題にもう既になっているといいますか、なりつつあります。今後の問題として、多重債務者の、どう債務整理するかという中で、カウンセリングとか相談体制が必要なんですが、具体的にはそれまでの債務をまとめていくという方向にもなるかと思いますが、実はもう既にそういうことが行われておりまして、その中でいろんな問題が起きております。
 いわゆるおまとめローンというのが行われております。これは、サラ金数社から借りている、そういう人たちに対して、一本にまとめませんかとサラ金が言うわけですね。ほかのサラ金が言うわけですね。それに対してまとめて貸してあげて、借換えをさせるということです。何か、一本化して簡明化されて、いいように見えますけれども、そのときに不動産の担保をいただくと。本人が持っていなければ連帯保証人から取るということで。そうすると、今度は担保があるからということで、追い貸しもやっちゃうわけですね。これで根抵当まで付けて限度額一杯まで貸し込んで、結局家まで取ってしまうと。これが今大問題になっております。既にアメリカでは、これは略奪的貸付けということになっておりまして禁止をされておりますけれども、日本では今野放しの状態でございます。
 この事件では新聞にはよく出てくるのはアイフルでございまして、今、福岡、高知、京都、大阪などで裁判にもなっております。障害者の方や認知症のおじいちゃん、おばあちゃんに保証人にさせてその家を奪ってしまうということで、もう公序良俗違反と言っていいような、まあ落ちるところまで落ちているのがアイフルでございますけれども、最近表面化してきたのが、このアイフルと今申し上げたCFJが不動産担保ローンのキャッチボールをやっていると。ぐるになってやっているという事例でございます。
 幾つかの事例を申し上げますと、例えば熊本の六十八歳のおじいちゃんの場合は、別に自分はお酒もかけ事もやらない方ですけれども、友達に頼まれて、代わりにサラ金から五十万借りて渡してあげたと。その友人が蒸発しちゃったわけですけれども、しかし、返せない、自分では。それで結局、借りては返すということで、三社から百二十万円、五十万だったのが百二十万まで借金が増えてしまいました。そのときアイフルから、今より返済が楽になりますからと、自宅を担保に借金まとめませんかという勧誘を受けました。金利はそれまでよりもちょっと安い二三%にしてあげますからと。ただ、担保設定の費用とかいろいろを含めて、今度は二百万のローンを組まされたと。
 しかし、このおじいちゃん、返せません。借りては返すという悪循環になっていた。ここで急にCFJから電話が掛かってきて、現在の借入れは五社で六百万になっていますねという電話が掛かってきました。なぜ、自分のことをCFJが知っているのかと、それまで取引してないのにと。聞いてみたら、情報センターのデータで分かりましたと、こうCFJが言ったそうですね。結局、CFJは自宅を担保に更に百万上乗せして七百万のローンを借りさせたということです。
 その後、さらに今度は、そのCFJでまとめたやつを今度はまたアイフルが連絡をしてきて、CFJさんよりもちょっと金利安く貸しますよということで、また借金を膨らまして貸すと。CFJとアイフルの間で一人の債務者をキャッチボールするわけですね。これが行われておりました。
 これは、実はこれだけではなくて、仙台でも同じCFJとアイフルが一人の、これは女性の方ですけれども、不動産担保ローンでキャッチボールをして、二軒もその方が持っている家を奪い取りました。これは今裁判に持ち込まれております。
 最近の例でいきますと、これも九州ですけれども、これもCFJ、アイクとアイフルで最初六百万の借金をキャッチボールするうちに、六百万が六百五十万円になって、またキャッチボールされて七百五十万円になって、九百万と。昨日調べてもらったら、その登記簿を確認したら、アイフルとCFJ、両方とも担保に取っているのが分かったという事例が報告されています。
 私は、この三つとも、どうしてアイフルとCFJ、これは偶然なのかと、システム的にやっている確率が高いんではないかと思います。
 なぜキャッチボールをするかということ、こういう仕組みです。不動産を取っちゃうにはやっぱり数百万以上の借金しなければいけません。最初三百万、二百万ので不動産担保ローン組んでもらっても、なかなか家を競売に掛けるまで、執行するまで時間が掛かります。本人が返しちゃえば家は取れません。そこで、もう一社と結託をして、キャッチボールをやる間に増やすわけですね。借金を増やさせるわけです。で、もう競売に掛ける、根抵当目一杯。競売に掛けるぐらいのところに来て競売執行をするということですね。
 つまり、もう最初から分かってCFJとアイフルがキャッチボールやって、その方の大体住んでいる家が多いわけですけれども、取り上げるというふうなことで仕組まれているとしか考えられない。偶然で三件もアイフル、CFJが出てくるわけがないというふうに思います。
 こういう借金をわざわざ膨らませて担保不動産を取るというのは、正にもうアメリカで大問題になって禁止されたことが今、今日、今現在も行われているということでございます。これはたまたま、お年寄りが多いわけですから、家族の方が気付いたり、弁護士さんや司法書士の方が気付いたり、被害者の会に相談受けて、今分かっている部分だけです。分からないで仕方ないとあきらめた方、たくさんいるんじゃないかと私は思います。
 この問題でまず指摘しなきゃいけないのは、この全国信用情報センター連合会の個人情報が悪用されている疑いでございます。そもそもこの全情連の情報というのは、過剰貸付けをしちゃいけないと、過剰貸付けになっちゃいけないために使用されるもののはずなんですけれども、こういう不動産担保ローンという新しい貸付けの情報にそれが使われていると。これは、私は一々触れませんけれども、法令違反になるんではないかと、目的外使用になるんじゃないかと思います。
 その場合の罰則はどうなっているかということも含めて、ちょっと教えてもらえますか。
#202
○政府参考人(三國谷勝範君) 私から現行貸金業法上の仕組みについて申し上げたいと思います。
 現行の貸金業規制法でございますが、これは、貸金業協会の会員である貸金業者に対しまして、貸金業協会が指定する信用情報機関の信用情報を資金需要者の返済能力の調査以外の目的のために使用してはならないとされているところでございます。顧客開拓のために信用情報を照会することなどは禁止されておりますが、こうした禁止行為につきまして、現行の法律では行政処分や罰則の規定は設けられていないところでございます。
#203
○大門実紀史君 今、こういう信用情報ですね、目的外に使用しても罰則もない状態でございます。今回の法改正ではまだ詳細決まってないと思うんですけれども、どういうふうな方向になりそうか、教えてもらえればと思います。
#204
○政府参考人(三國谷勝範君) 今回提出を予定しております貸金業規制法等の改正法案におきましては、こういった信用情報機関につきまして、所要の整備を図ることとしているところでございます。
 その場合でございますけれども、貸金業者又はその役職員に対しまして、返済能力等の調査以外の目的で信用情報の提供を依頼すること、あるいはそういった返済能力等調査以外の目的に使用すること、あるいはこれを第三者に提供することを禁止いたしまして、違反した場合には行政処分の対象とするほか、罰則規定も設けることとしているところでございます。
#205
○大門実紀史君 今回そういう法改正で罰則付くということになったのは評価したいと思います。
 ただ、もう待っていられませんので急いで対応してもらいたいのは、なぜかといいますと、もう少し詳しく申し上げますと、これはもう故意にやっております。CFJはターゲットリストというのをわざわざ作っているんです。信用情報というのは社内のデータベースにこう入ります。それにわざわざその人が借りるときに持家か貸家かというのは必ず聞きます。持家だった場合、CFJはわざわざだれが名義人なのか、登記だれなのかと、これを自分たちで調べてそのデータベースに書き込みます。借入額が増えている人、数社から借りている人、なおかつ不動産を持っている人、これをパソコンで検索すれば一遍に不動産担保ローンの対象者、ターゲットが出てくると、こういう仕組みを作っちゃっているんです、データベースで。目的外使用のためにデータベースを作っております。これは社内ではネタという言い方をしているそうですね。そのネタにお勧めをするわけです。それで大変人を追い込んでいるわけですね。
 実はアイフルも同じあっせんリストと、アイフルはあっせんリストと名前呼ぶらしいですけれども、これも同じようにデータベース化しております。で、私思うんですけれども、アイフルとCFJがこんなにいろんなところで一緒にやっているというのは、それも更に交換されているのではないかと、アイフル、CFJの間でですね。こういう、もうほとんど間違いないと思いますけれども、こうなるともう、だって通常自分が貸しているお客さんを取られたら怒りますよね。そうじゃなくってもうツーカーでやっていると。これはもう情報交換をされていると。これはもうただの不動産担保じゃなくてシステム詐欺と言ってもいい仕組みになっていると思います。
 法改正を待たなくとも、罰則はなくとも指導はできるはずだというふうに思いますので、直ちにこれは、もちろん私の情報があったからすぐやるということじゃなくて、独自に、独自に金融庁として調べていただいてしかるべき指導、対処をしてもらいたいと思いますが、これは大きな問題ですので、できれば大臣のお考えをお聞きできればと思います。
#206
○国務大臣(山本有二君) 先ほどの先生の御説明にありましたように、略奪的貸付け、しかもそれが当初から予定されて、しかも計画的に進められるというようなことで、善良な市民に大変な重圧が掛かってくるということは、断固これは是正しなけりゃならぬというように思います。
 今後こうした問題について新しい法律で対処することは明らかでございますけれども、今現在どういうことができるか、なお十分に検討した上でまた善処したいと思っております。
#207
○大門実紀史君 ありがとうございました。いい御答弁をいただきましたので、ちょっと早いですけれども、終わります。
 ありがとうございました。
#208
○委員長(家西悟君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#209
○委員長(家西悟君) 次に、日本銀行法第五十四条第一項の規定に基づく通貨及び金融の調節に関する報告書に関する件について、日本銀行から説明を聴取いたします。福井日本銀行総裁。
#210
○参考人(福井俊彦君) 日本銀行の福井でございます。
 日本銀行は、去る六月でございますが、平成十七年度下期の「通貨及び金融の調節に関する報告書」というものを国会に提出をいたしました。本日、日本銀行の金融政策運営について詳しく御説明申し上げる機会を賜りました。厚く御礼を申し上げる次第でございます。
 最初に、最近の金融経済情勢につきまして、御説明を申し上げます。
 我が国の景気、これは緩やかに拡大しております。この点をやや詳しく御説明申し上げますと、まず輸出、日本からの輸出でありますが、海外経済の拡大を背景に増加を続けております。また、企業収益が高水準を続けておりまして、業況感も良好な水準で推移しております。その中で企業の設備投資は引き続き増加いたしております。こうした企業部門の好調の影響が家計部門にも波及しております。すなわち、企業の人手不足感が強まる下で雇用者数は着実に増加をしておりまして、また賃金も緩やかな増加を続けております。その下で個人消費は増加基調にございます。このような内外需要の増加を背景に生産は増加を続けておりまして、そして在庫もおおむね出荷とバランスの取れている状況にございます。
 先行きにつきましても、このように生産、所得、支出の前向きの好循環が作用する下で、日本の景気は息の長い拡大を続けていく可能性が高いというふうに考えております。
 もとより、景気の先行きには様々なリスク要因が存在しております。原油価格を始めとする国際商品市況は、夏場にかけて既往最高値を更新いたしました後、このところ反落いたしましたけれども、引き続き高値圏で推移をしております。こうした下で、世界経済がインフレのリスクを適切に抑制しつつ、持続的な成長を続けていくことができるかどうか、引き続き注視していきたいというふうに考えております。
 物価の面では、国内企業物価は、足下上昇しておりますが、先行きは最近の国際商品市況の反落などを背景に、当面上昇テンポが鈍化していくというふうに見られます。消費者物価指数、これは除く生鮮食品のベースでありますが、消費者物価の前年比につきましては、基準改定により遡及して下方改定がなされましたけれども、新基準で見てもプラス基調で推移しております。経済全体の需給ギャップは需要超過となっておりまして、先行き超過幅、需要超過幅を緩やかに拡大していくというふうに見られます。そうした下で、消費者物価の前年比は先行きもプラス基調を続けていくと予想されるところでございます。
 金融面では、企業金融をめぐる環境は引き続き緩和的な状況にございます。CPや社債といった資本市場を通じた資金調達環境は良好な状況にございますほか、民間銀行の貸出姿勢も引き続き積極的でございます。また、民間の資金需要は増加しておりまして、民間銀行貸出も増加を続けております。
 次に、金融政策の運営について申し述べさせていただきたいと思います。
 日本銀行は、今年三月に量的緩和政策を解除し、そして七月には、無担保コールレートのオーバーナイト物の誘導目標をおおむねゼロ%から〇・二五%前後に変更いたしました。これにより、短期金融市場はおよそ五年ぶりに金利のある世界に戻ったということになります。その意味では大きな環境変化があったわけでございますが、金融市場は安定して推移してきているというふうに思っております。このように円滑に政策変更が行われた背景の一つといたしましては、私どもが三月の量的緩和政策解除の際に導入いたしました「新たな金融政策運営の枠組み」が、市場参加者などとの対話の手段の一つとして有効に機能してきたということが挙げられると思います。
 この先の、これから先の金融政策につきましては、新たな金融政策運営の枠組みの下で、今後とも経済・物価情勢を丹念に点検しながら運営していきたいというふうに考えております。経済並びに物価情勢が展望レポートに沿って展開していくと見込まれるのであれば、政策金利水準の調整については、経済・物価情勢の変化に応じてゆっくりと行うということになると考えております。もとより、具体的な政策変更のタイミングや金利水準については、あくまで今後の経済・物価情勢次第でございます。日本銀行としては、今後とも、経済・物価情勢の変化に応じて金融政策を適切に運営し、物価安定の下での持続的成長の実現に貢献してまいる所存でございます。
 なお、本日でございますが、日本銀行は展望レポートの最新版を決定し、公表したところでございます。その中でも、ただいま申し上げました経済・物価の基調判断や金融政策運営の基本方針を改めて確認したということを付け加えさせていただきたいと思います。
 そういうことを付け加えまして、私からの御説明を終えることといたしたいと思います。
 誠にありがとうございました。
#211
○委員長(家西悟君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 本件に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五分散会
ソース: 国立国会図書館
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