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2006/12/12 第165回国会 参議院 参議院会議録情報 第165回国会 財政金融委員会 第9号
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2006/12/12 第165回国会 参議院

参議院会議録情報 第165回国会 財政金融委員会 第9号

#1
第165回国会 財政金融委員会 第9号
平成十八年十二月十二日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十二月七日
    辞任         補欠選任
 ツルネン マルテイ君     平野 達男君
 十二月十二日
    辞任         補欠選任
     池口 修次君     前川 清成君
     大塚 耕平君     岡崎トミ子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         家西  悟君
    理 事
                沓掛 哲男君
                中川 雅治君
                野上浩太郎君
                大久保 勉君
                峰崎 直樹君
    委 員
                泉  信也君
                金田 勝年君
                椎名 一保君
                田浦  直君
                田中 直紀君
                舛添 要一君
                山下 英利君
                池口 修次君
                尾立 源幸君
                大塚 耕平君
                岡崎トミ子君
                富岡由紀夫君
                平野 達男君
                広田  一君
                前川 清成君
                円 より子君
                西田 実仁君
                山口那津男君
                大門実紀史君
   国務大臣
       財務大臣     尾身 幸次君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        山本 有二君
   副大臣
       内閣府副大臣   渡辺 喜美君
       法務副大臣    水野 賢一君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        田村耕太郎君
       厚生労働大臣政
       務官       菅原 一秀君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤澤  進君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      堀田  繁君
       警察庁生活安全
       局長       竹花  豊君
       金融庁総務企画
       局長       三國谷勝範君
       金融庁総務企画
       局総括審議官   中江 公人君
       金融庁検査局長  西原 政雄君
       金融庁監督局長  佐藤 隆文君
       総務大臣官房総
       括審議官     久保 信保君
       総務大臣官房審
       議官       中田  睦君
       法務大臣官房審
       議官       深山 卓也君
       法務大臣官房審
       議官       三浦  守君
       財務大臣官房長  杉本 和行君
       文部科学大臣官
       房審議官     中田  徹君
       厚生労働大臣官
       房審議官     御園慎一郎君
       経済産業省商務
       情報政策局消費
       経済部長     谷 みどり君
   参考人
       日本銀行調査統
       計局長      早川 英男君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(家西悟君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る七日、ツルネンマルテイ君が委員を辞任され、その補欠として平野達男君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(家西悟君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として金融庁総務企画局長三國谷勝範君外十三名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(家西悟君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(家西悟君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行調査統計局長早川英男君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(家西悟君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(家西悟君) 貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 去る八日、当委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員から報告を聴取いたします。峰崎直樹君。
#8
○峰崎直樹君 委員派遣について御報告申し上げます。
 去る八日、貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案の審査のため、委員派遣を行い、さいたま市において地方公聴会を開催いたしました。
 派遣委員は、家西委員長、沓掛理事、中川理事、野上理事、大久保理事、田中委員、富岡委員、広田委員、西田委員、大門委員及び私、峰崎の十一名で、六名の公述人から意見を聴取した後、委員からの質疑が行われました。
 まず、公述の要旨について報告いたします。
 最初に、夜明けの会事務局長の井口鈴子公述人からは、埼玉県ヤミ金融対策協議会及び被害者の会である夜明けの会の活動状況、被害者の会における相談活動、カウンセリング活動の重要性、カウンセリング窓口を中立の第三者が設ける必要性などについて意見が述べられました。
 次に、ヤミ金融被害対策埼玉弁護団事務局次長猪股正公述人からは、埼玉におけるやみ金融対策の取組と連携の拡大状況、多重債務者対策本部を都道府県ごとに設置する必要性、多重債務者対策のための生活困窮者への支援策などについて意見が述べられました。
 次に、埼玉司法書士会消費者問題委員会委員長の長田悦子公述人からは、埼玉司法書士会におけるクレサラ相談の取組状況、司法書士が若年者層への消費者教育を行うことの重要性、平成十年から行っている高等学校での出前教室の実施による成果などについて意見が述べられました。
 次に、埼玉県産業労働部金融課副課長の金子豊光公述人からは、比較的小規模な事業者が九割以上を占める県内の知事登録貸金業者の状況、自己点検チェックリストの送付などにより比較的軽微な違反は減少しつつあるという県内の傾向、県内における苦情相談体制の整備状況などについて意見が述べられました。
 次に、埼玉県警察本部生活安全部生活環境第二課長の遠藤昭二公述人からは、無店舗型や架空口座の利用など、やみ金融業者の手口の分析とその巧妙化の傾向、ここ三年で二千件台と高水準、増加傾向にある貸金業に関する警察安全相談に関する分析、貸金業規制法、出資法違反その他刑法犯などを含めた貸金業者の検挙状況などについて意見が述べられました。
 最後に、社団法人埼玉県貸金業協会会長の内田勇蔵公述人からは、今回の法改正、特に純資産要件の引上げが中小貸金業者を廃業に追い込む懸念、貸金業者に対する研修の実施などにより貸金業協会が果たした役割、金利の引下げと過払い金返還による影響、問題を是正する必要性などについて意見が述べられました。
 公述人の意見に対し、各委員より、多重債務問題の被害者が実際にどのような貸金業者を利用しているかの確認、やみ金融等の検挙が減少傾向にある要因の分析、現状でカウンセリングを受けられない多くの多重債務者等に対してカウンセリングを普及させていくための具体的方策、おおむね三年という期間で貸し渋りといったような業界の問題が解消できるかの確認、生活福祉資金の運用実態を踏まえた課題、多重債務問題の相談窓口を一元化する上での被害者の会と県との連携に関する課題等について質疑が行われました。
 会議の内容は速記により記録をいたしましたので、詳細はこれにより御承知願いたいと存じます。
 最後に、今回の地方公聴会の開催に当たりまして、公述人及び関係者の方々に多大な御協力をいただきました。ここに深く感謝の意を表する次第であります。
 以上で報告を終わります。
#9
○委員長(家西悟君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。
 なお、地方公聴会の速記録につきましては、これを本日の会議録の末尾に掲載することといたします。
    ─────────────
#10
○委員長(家西悟君) 貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案について、前回に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#11
○平野達男君 民主党・新緑風会の平野達男でございます。
 今日は、貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案等々についての審議でございますけれども、まあ重立った大きな基本的な考え方についての質疑というのは大体出ているんじゃないかなというふうに思いまして、今日私は、かなり各論に入りまして、かなり技術的な、あるいは数字的な話を中心にその考え方をちょっといろいろお伺いしたいと思います。
 その話に入っていく前に、今回の改正については、グレーゾーンは廃止しますよと、そして、新たに総量規制を入れたり、あるいはいろいろと指定情報機関の整備をするとか、いろんな新しい取組が入っていまして、形としては非常にいいんじゃないかなと思います。
 ただ、正直申し上げまして、この貸金業法の検討をしているときには、私も少額融資については特例の利息があってもいいんじゃないかという考え方を持っていた一人です。というのは、地元の小さな貸金業界の方々といろいろな話をしている中で、いろんな事例を聞きまして、資金調達コストが結構高いんだということが、それが本当だとすれば、結構今回の改正は小さな業者についてはきつい改正になるのかなという感じもするということを、冒頭ちょっと感想として申し上げておきたいと思います。
 そこで、まず一番最初に質問ですけれども、多重債務、多重債務というふうに言われていまして、今回は多重債務者の発生を防止するんだということがまた大きな主眼に置かれていますが、まずこの多重債務の定義と、そしてこれから、今回いろんな数値の規制の、今度は法律事項として入れていますけれども、この多重債務と例えば年収所得との関係、あるいは借入額との関係、そういったものについて定量的に、実証的に分析したことがあるのか、これらを併せてちょっとお伺いしたいと思います。
#12
○国務大臣(山本有二君) 定義の方から申し上げます。
 多重債務問題とは、貸金業者からの複数又は多額の借入れにより借り手の生活に著しい支障が生じていることをめぐる、国民生活上及び国民経済の運営上の諸問題であると認識しております。
 次の問題につきましては、調査分析は政府参考人から答えます。
#13
○政府参考人(三國谷勝範君) お答え申し上げます。
 今回の改正案の策定過程におきましては、貸金業制度等に関する懇談会などの場において、多重債務問題の発生要因などについても議論を行ってきたところでございます。
 具体的には、全情連などのデータをベースにいたしますと、無担保無保証の消費者金融利用者は今一千四百万人であり、そのうち借入件数五件以上の債務者が二百三十万人となっていること。それらの五件以上の債務者一人当たりの借入総額は二百三十万円であること。一方で、多くの消費者金融利用者の年収は六百万以下であること。多重債務者の多くが基本的に返済が困難になっていること。それから、返済が困難になった者につきましては、当初の借入れはいろいろございますが、だんだんだんだん最終的には返済のために借入れを行うといったことなどの指摘等がございました。
 こういった点を踏まえまして、今回上限金利の引下げのほか、総量規制の導入などの各般の措置を講じているところでございます。
#14
○平野達男君 今の最後の答弁のところがちょっと重要だと思うんですけど、この規制の中では、例えば一件当たり五十万以上の借入れがあるときには源泉徴収票を提出しなさい、合計額百万以上になったら源泉徴収票を義務付けますと、それから借入総額については三分の一以上は駄目です、原則駄目ですよというような、かなり具体的な数値が入っているんですけれども、その数値がこういう今言った多重債務の発生要因に関しての分析に基づいて、かくかくしかじかで百万になりました、かくかくしかじかで三分の一になりました。しかもその三分の一については住宅ローンを除くとか何か、後でまたいろいろ議論していきますけど、そういうのが入っているわけですが、そういう結果になったという、そういう理解でよろしいんですか。
#15
○政府参考人(三國谷勝範君) それぞれの数値の基本的な考え方でございますけれども、御指摘のその三分の一ということにつきましては、平均的な利用者が無理のないペースで返済、まあ大体、おおむね三年程度で返せるといったことを基準に考えているところでございます。
 百万円という基準につきましては、これは言わばどこで決めるかという、その決めというか、その判断の問題でございますけれども、これは一般的に百万円を境にいたしまして、ややその債務の返済が困難になっている者が増えるといった状況等を勘案しているものでございます。
 五十万円という基準につきましては、現在の事務ガイドライン等におきまして五十万円以下は簡易審査ということが認められていると、そういったことを基準にいたしまして設定しているものでございます。
#16
○平野達男君 いや、だから、そうすると、調査結果に基づいてそういうデータを決めたわけではないと、こういうことですね。だから、基準は要するに調査に基づいてじゃなくて、いろんな考え方、別途の考え方によって今回は決めていると、そういうことですね。
#17
○政府参考人(三國谷勝範君) 御指摘のとおり、個々のケース、つぶさに統計化ができる部分とできない部分がありますが、今回は今申し上げたような考え方に従って策定しているものでございます。
#18
○平野達男君 私は、これは以下、これから後いろいろ議論していきますけれども、例えば年収の程度によって多重債務がどれだけ発生しているかとか、借入額によってどれだけ多重債務が発生しているか等々については、これは是非、これから時間が若干ありますから、政府の責任においてやっぱり実証的に分析してみる必要があると思います。
 今まで、全情連じゃなくて何でしたっけ、まあいろんなデータを民間の会社の方々の調査に基づいて、それで議論をしたということですけれども、ニュートラルな立場に立ってこの多重債務の発生要因についてはまずしっかり分析をすること、それ以前にまず二百万人とか二百四十万人とかっていろいろ多重債務者の数、数字が出ていますが、その数字自体がまだ政府としてはっきり把握しているわけじゃないですよね。
 そういうことについては、ちょっと金掛けても何でもいいですから、しっかりとした基準としっかりとした考え方で目的を持ってこれやっぱり調査をすべきではないかと思いますが、どうでしょうか。
#19
○政府参考人(三國谷勝範君) 一千四百万人という数値は全情連のデータを基にしております。それからTAPALS、消費者金融白書のデータでございますとか、そういったものを基に私ども数値はできる限りフォローしてきたところでございます。そういったことを基に今回いろんなお示ししているような対策を御提案さしていただいているところでございます。
#20
○平野達男君 私が言いたいのは、表紙に金融庁等が付いて、多重債務者発生要因分析という、そういう調査報告書みたいなのがあればいいんじゃないですか、なければならないんではないですかということを申し上げているんです。本当は、そういう分析に基づいて今回の貸金業の方のいろんなその規制とか何かを掛けるというのが本来であれば考え方としての筋ですね。
 だけれども、そういうのは、いろんなあるデータに基づいて今回出したということなんですが、先ほど言いましたように、多重債務者は大体どれだけいるかということに対して政府としてもまだ把握していないということ自体もやっぱりこれは私は問題だと思いますよ。これはやっぱり調査をするということでやった方がいいと思いますが、もう一度ちょっと大臣、答弁をお願いします。
#21
○国務大臣(山本有二君) この問題は、様々な苦情やあるいは貸金業者の実態、さらには経過的には貸金業の業務停止やそういう不正行為に対する情報等、こういったことの総合的な政策判断というものも大事でございました。その意味におきまして、平野委員のおっしゃるように、より正確な、より精緻な政策立案過程というのがなお私も望ましいところであろうと思っております。
 今後そうした観点からこの法案成立後、恐らく早急につくられるであろう内閣の多重債務者対策本部、正に対策ということになりますれば、なお一層その分析が必要になってくるだろうというように思いますので、その場で何らかの御提案をさしていただきたいと思っております。
#22
○平野達男君 是非そのようにやられた方がいいと思います。
 そこで、次の質問に移りますけれども、今回の法案の中に見直し条項というのが、見直し条項と言っていいかどうかは分かりませんが、ちょっと付いていまして、これについては提案理由説明のところの言い方をちょっとここで繰り返しますと、なお、貸金業制度の在り方や出資法及び利息制限法に基づく金利の規制の在り方について、この法律の施行後二年六か月以内に、次が大事なんですが、過剰貸付けに係る規定等や出資法及び利息制限法の云々と書いて、必要性の有無について検討を加え、その検討の結果に応じて必要な見直しを行うこととしておりますという、そういう提案の趣旨の説明がございました。
 過剰貸付けに係る規定等というふうに、これ特出ししてあるんですね。これは、私先ほど言ったように、今回の規定の考え方というのはいろんなデータに基づいてやったということではなくて、一つの想定に基づいてやったんだというようなことで、若干検討不足があるのかなということを素直に認めているんではないかというふうに取りましたけれども、ここはどういうふうに取ったらよろしいんでしょうか。
#23
○国務大臣(山本有二君) 今回の改正案におきましては、施行後二年六月以内に所要の見直しを行う旨規定しております。この規定は、施行後の資金需要の状況その他の経済金融情勢や貸金業者の業務実態などを勘案して、貸金業制度の在り方、出資法及び利息制限法に基づく金利規制の在り方につきまして所要の見直しを行う趣旨で設けたものでございますが、法文上は、改正法附則六十七条におきまして、「第四条の規定による改正後の規定を円滑に実施するために」としておりまして、提案理由説明におきましても、改正法第四条の規定のうち総量規制等の過剰貸付けに係る規定が今般の改正の大きな柱の一つであることを踏まえ、これを明記さしていただいたところでございます。
 なお、提案理由説明中の過剰貸付けに係る規定等の「等」とは、改正法第四条の規定のうち、例えば財産的基礎要件としての純資産額を五千万円に引き上げることやみなし弁済制度の廃止等が含まれております。
 したがって、この過剰貸付けに係る規定等という言葉で、おおよそ、平野委員の御指摘のように、アバウトな網掛け的なというような認識ではなくて、より貸手の側の規律をお願いしたいというような、そんな趣旨で設けさしていただいた規定というように認識しております。
#24
○平野達男君 分かりました。
 じゃ、次のちょっと質問に行きますけれども、顧客の返済能力を超える貸付けについてはこれは締結してはならないという規定がございまして、これは前の貸金業法の規定にもありますし、また今回の改正案にも当然入っています。今回改正案は、それを担保、担保というか、更に具体化するために調査義務、それからあるいは総量規制等の規定を入れたという、こういう形になっておるんですが、顧客の返済能力を超える貸付けというのはこれは具体的にどうやって測っていくのかという一般的な考え方を、これは政府委員の答弁で結構ですから、ちょっと御説明していただけるでしょうか。
#25
○政府参考人(三國谷勝範君) 返済能力を超える貸付けでございますが、一般的には、借り手の収入それから自社及び他社からの借入状況、借入目的及び貸付条件などに照らしまして借り手が返済期間内に完済することが合理的に見込まれない貸付けをいうものと考えられます。具体的には、借り手の収入によりまして生活に支障を来すことなく毎回の返済を行うことができない場合を想定しているところでございます。
#26
○平野達男君 その判断は貸金業界が、貸手側が判断をするという、こういう仕組みですね。
#27
○政府参考人(三國谷勝範君) 基本的には貸手の判断ということもございますでしょうし、それが客観的に見て過剰貸付けということであれば、これまでは行政処分の規定等はございませんでしたが、今後はそういった規定も整備いたしますので、必要に応じまして適切な対応を行っていくと、こういうことになろうかと思います。
#28
○平野達男君 いや、ですから一義的には貸手が要するに判断をすると、こういうことですね、法律上は。体系がそうなっているわけですから、素直にそうだというふうに言っていただければそれで結構なんですが。
#29
○政府参考人(三國谷勝範君) 実質的に、一義的な判断は貸手の方で責任を持って行うということになろうかと思います。
#30
○平野達男君 その貸手が判断するときに、例えば、今回出た三分の一、年収の三分の一以上貸付けは駄目ですよというような指標というのは非常に分かりやすいんですが、それ以外のいろんな、例えば例外規定とか、いろんな条件を付けるとだんだんだんだん訳が分かんなくなってくるということなんで、貸手側にそもそもこういう顧客の返済能力を超える貸付けは契約してはいけないということを遵守する経済的動機といいますか、まあ倫理的動機というのはおかしいですね、本当に動機というのが、普通の銀行その他のいろんな取引との比較において本当にあるのかどうかということについての認識を大臣にちょっとお伺いしておきます。
#31
○副大臣(渡辺喜美君) 経営者側にこういった規定を遵守する動機があるかと、こういうお尋ねでございますが、まず過剰貸付けを行いますと貸倒れのリスクが高まるわけですね。当然貸倒れコストは収益に反映いたしますから、こういったことは避けようという動機は当然あるかと思います。
 ただ、現状においては、他社から借り入れて返済をさせるとか、あるいは親族の立替払によって返済をさせるとか、そういった例がございますので、そういった点は逆の誘因として働いているわけであります。
 したがって、今回の改正ではこうしたところを考えまして総量規制を導入をし、他社からの借入れによって返済をさせるということを禁止をいたしております。また、これらに違反をした場合には、業務改善命令、業務停止、登録取消しといった行政処分の対象としておるわけでありますから、当然こういったエンフォースメントは経営者側にとっては経営上の動機になると考えております。
#32
○平野達男君 過剰貸付けすれば貸倒れがあるというのはもちろんそのとおりでありますし、これが要するに正常に市場の原理に基づいて動いていれば、多分それは、全くそれが素直にフィットすると思うんですが、この世界というのは、貸せば貸して、法律ぎりぎりの世界でとにかく取立てをするという意味において、貸せば貸すほどある意味ではもうかる仕組みになっているという面もあるんだろうと思うんです。つまり、これが貸せば貸すほどもうかるという面があるとすれば、先ほど言った顧客の返済能力を超える貸付けを云々という規定は、貸手側については本来動機としてはないんだということにも取れてしまうわけですね。
 そこで、何を言いたいかということなんですが、そういう前提を踏まえますと、これから議論する総量規制の規定の考え方、これは理論的にやっぱりきっちり整理しておかなくちゃならない。それからもう一つは、検査をしっかりするということなんだろうと思います。
 しかし、検査をしっかりするには検査の考え方をしっかりしなくちゃならない。検査の考え方をしっかりするためには、また元に戻りますけれども、どういう考え方で検査をしていくか、その基準の仕方ですね、これしっかりしていなくちゃならないと思うんです。
 そういう考え方から、ちょっと以下、総量規制、そういうことについてちょっと何点か聞いておきますが、その前に、これからその検査ということに対して、これで、基準を今度は作りましたからね、ちょっとこれ予告していませんが、通告してなくてあれですが、検査体制というのはこれからどういうふうに変わっていくんでしょうか。これをちょっと通告していませんから、いきなりで申し訳ないんですが。
#33
○政府参考人(三國谷勝範君) 金融庁の行政におきまして検査監督というのは非常に大事なことでございまして、私ども、この貸金業法に限りませず金融商品取引法を含めまして、我々の方として対象とすべき分野というのは増大する傾向にございます。
 大変厳しい定員事情ではございますが、私どもとしては、その体制の整備充実、それから検査監督に当たりましての知識の向上、こういったことを通じまして一生懸命この検査監督に取り組んでまいると、これが基本的な考え方と思います。
#34
○平野達男君 それじゃ総量規制の考え方に入っていきますけれども、これは年収の三分の一以上の貸付けは原則禁止という規定が入っていますが、これは年収が三百万円以下の場合にも適用されるんでしょうか。
#35
○政府参考人(三國谷勝範君) この三分の一規制という考え方は、借り手の年収等の額にかかわらず適用されることとなっております。
#36
○平野達男君 じゃ、それは三百万以下の場合は実効をじゃどうやって担保しますか、それは。
#37
○政府参考人(三國谷勝範君) 御指摘は返済能力の調査義務の話かと存じますが、まず基本的に、その金額の多寡にかかわりませず、一般的な返済能力調査義務というのは掛かっているわけでございます。ただし、その中で、先ほど来御指摘がありましたように、借り手ベースで百万円、あるいはそれを超したごとに五十万円ということを超える場合であれば、その場合には借り手の側から源泉徴収票等の年収の証明書を求めるというのが考え方でございます。
 なお、そういった返済能力の調査等に当たりましては、今回お願いしております指定信用情報機関等も有効に活用さしていただくと、こういうことでございます。
#38
○平野達男君 いや、つまり、三百万以下に適用するためにはいかなる場合でも年収が把握されていなければできないんですよね。だから、どうやって担保するんですか、そこは。
#39
○政府参考人(三國谷勝範君) これにつきましては、申込者の年収等の申立て、こういったことによりまして一般的な返済能力を調査していくということになろうかと思います。
#40
○平野達男君 だから、それは任意になりますから、先ほど言ったように、貸手側はそういう手続を嫌だと思ったらやらなくていいわけですよ。だから担保できないでしょう、それは。
 貸手は、要するに今回の中で、五十万、百万なら源泉徴収票義務付けられていますけれども、それは一社に掛かって、後でちょっといろいろ出てきますけれどもね。年収二百十万の人がいますと。この人は、三分の一規定を入れると七十万しか借りられないんですよ。七十万ですから、七十万借りたいって一社へ持っていったら源泉徴収票義務付けられますね。だから、二百十万ですから、あなたは七十万しか借りれません、だから二十万借りれませんとなるわけです。ところが、この方がその手で別な金融会社に行って、二十万借ります、貸してくださいと。その人は、信用情報機関に一応七十万というあれは来るかもしれませんが、二十万という貸付けである限りは源泉徴収票の義務付け、義務付けられていませんから、貸手側の方が貸したいと思ったらどんどん貸してしまいますよ。だから三百万以下については担保できていないでしょうという話なんですよ。
 何でこんな規定になったんですか、これ。
#41
○政府参考人(三國谷勝範君) 源泉徴収票等によります証明書によります確認義務、これは一定の金額以上に適用されるものでございます。それ以外につきましては一般的な返済能力調査義務、これが掛かっているところでございます。
#42
○平野達男君 一般的な能力で掛かったら、五十万も百万も要らないですよ、そんなのは。何でじゃ五十万、百万入れたんですか。今、三國谷さんの言われたのは、一般的な調査で掛かるというなら何にも、規定なんか要らないんですよ。要するに、調査をやって、あなたの年収はどうですか、あるいはいろんな要するにキャッシュフローとか云々なんか調べながら、それで決めればいいわけだから。
 極端な話を言ったら、百二十万の人は五十万までフリーで借りられちゃうんですよ。年収三百万までの人は、百万の借入れを一社じゃなくて二社に分散すれば自由に借りられちゃうんです、百万まで。だから、そういう仕組みになっちゃっているんですよ、これは。そういう仕組みになっているでしょう。そこだけちょっと聞きますよ、確認だけ。
#43
○政府参考人(三國谷勝範君) 自由にと申しますか、やはり基本的に、貸付けに当たりましては貸手の側におきまして借入人の返済能力を調査すると、これは当然のことかと考えております。そういった中で、いろいろな借り手の返済能力等に不審があれば更に確認をしていくと、こういうことになろうかと思います。
#44
○平野達男君 それじゃ、なぜ一社のとき五十万という源泉徴収票義務付けたんですか。足したときには何で百万って源泉徴収票義務付けたんですか。すべてにおいて源泉徴収票義務付けたらいいじゃないですか。
#45
○政府参考人(三國谷勝範君) 御指摘のとおり、百万円というのは借り手に着眼した金額の基準でございます。これに対しまして、五十万円というのは一社ごとの貸手の側の基準でございます。こちらの方につきましては、現行、ガイドライン等におきまして五十万円以下は簡易の審査が認められているということで、五十万円以上につきましては従来どおり、よりきちんとした審査をお願いしているものでございます。
#46
○平野達男君 だから、全然質問に答えてないんですよ。
 大臣、言っていること分かりますよね。年収百二十万の人が仮にいたとします。百二十万かどうかというのは、これチェックしようがない。その人が五十万借りたいというときは、もうチェックのしようがないんですよね。そうでしょう。だけど、法律の中で、いや、一般規定があるから調査するんだというんだったら、それで信用するというならば、規定自体が全部意味なくなってくるんですよ。三分の一規定も何も、全部意味なくなってくる。
 で、先ほど冒頭言ったように、顧客の返済能力を超える貸付けの場合はこれは契約してはいけないよという規定の中で、これはなかなか判断難しいと。だから、私の理解では、極めて分かりやすい客観的な指標として三分の一を入れて、それから五十万、百万という源泉徴収票を入れたと。しかし、その三分の一規定と入れながら、現実問題とすれば、年収三百万以下の人は百万まではいかようにでも借りられるという仕組み、百万まではいかようにでも借りられるという仕組みになっちゃっているんです。
 いや、そうじゃないそうじゃないと言いますけれども、そうじゃないと言うなら、それをあくまで言うんであれば、規定は全部要らないですよ。だって、個々の一般的な調査でやると言っているんだから。それが信用できるというなら、三分の一とか五十万とか百万なんか全部外したらいいですよ。で、正に自由市場のあれに全部ゆだねて、それから貸手のその調査能力と借り手の要するにその判断力にゆだねてやるという、それを言っているだけの話ですから。それでできないから、繰り返しますけれども、こういう規定を入れているわけでしょう。そうすると、この入れている規定についての実効性の担保と各基準の考え方というのは整合性が取れていなくちゃならないという、そんなぐだぐだぐだぐだ言わなくたって全部局長も大臣も分かっていると思いますが、そういうことなんですよ。
 さて、そこで、これどうやって整理するかですよ。このまま行きますか、これ。
#47
○委員長(家西悟君) どなたが答えますか。三國谷総務企画局長。
#48
○政府参考人(三國谷勝範君) これまでの貸金業規制法におきましては、これまでは一般的な返済能力調査義務だけでございました。今回の貸金業法改正に当たりましては、一定の金額を超えるものにつきましては更に強い調査義務、これは本人の源泉徴収票等の徴収を義務付けるという形でこの過剰貸付規制のより実効性を高めるための措置を講じているものでございます。
#49
○委員長(家西悟君) ちょっと速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#50
○委員長(家西悟君) じゃ、速記を起こしてください。
#51
○平野達男君 ちょっと、じゃ補足的に、今、せっかく私、図を用意しましたから、これをちょっと見て考えていただければもっと分かりやすいと思います。
 一枚目、見ていただきたいと思いますが、これは参議院の財政金融調査室がいい表、いい図、実に分かりやすい図を作ってくれました。それをちょっと加工したものでございます。
 これは、縦軸に借入金額、横軸に年収を入れたんですが、今回、年収の三分の一規定がこれ掛かってきます。これがすべてに掛かるということになりますと、ここから以上は原則とにかく全部アウトよという話になるんです。
 ところが、今度はこれを担保ならしめるためにどうするかというと、一社のときには、一社五十万超のときは源泉徴収票の提出義務付けますから、これで年収が分かるんですね。そうですね。それが百万円、情報機関に問い合わせたら、合わせて百万以上になっていましたといったときには、さらにまた、これはどこかの社が、別なある一社が年収の源泉徴収票を取ってみたら実は三百万以下でしたということで、それは三分の一規定が入って、百万以上のものについてはこれは貸付けができませんという話になるはずなんです。
 ところが、繰り返しになりますが、一社五十万超の場合には源泉徴収票義務付けられます。先ほど言ったように二百十万の人がいたとして、この人は限度額七十万です。八十万借りたい、いや百万借りたいとしましょう。そうすると、これ一社のところに行っても、源泉徴収票を持っていきますからこれは借りられないんです、一社から借りようと思ったら。だけど、二社目にもう一回行って五十万貸してくれと言うと、貸しますよ、これは。だれも、この人が三分の一の年収を超えているにもかかわらず、過剰貸付けになっていることチェックしないんですよ。逆に、そうしたら金融庁さんはそういう実態を放置しておいて、先ほどの検査に戻りますが、すべてにおいての貸付けについて源泉徴収票でチェックしますか。だれもチェックする人やらなかったら、だれもチェックしませんよ、これは。そういう体系になっちゃってるんです。
 だから、この図でいいますと、この斜線をやっている部分は、これは、一応これを厳密にやりますと、多分担保され得るんです。もちろん後で、これは住宅ローンを除くとか例外規定があるから、これはまた後でやりますけれども、これも大変な問題だと思っていますけれどもね。この年収の三分の一と三百万未満の三角形、小三角形ができますね。これが一種のグレーゾーンになっちゃうんですよ。というよりも、事実上放置ですよ、これは。しかも、これ法律で書かれちゃっているんですね、五十万、百万が。これを承知の上で書いているわけです。多分書いたと思うんです。それに対して局長は、政府委員は、いや、ここは一般条項が適用されますからチェックしますと言っているわけです。
 それでは、本当に厳密にチェックされるというならすべて、繰り返しになりますけれども、三分の一の規定も何も要らないということと同じことなんですよ。それができないから今回三分の一を入れて五十万、百万という具体的な指標を入れたという、私はそういうふうに理解していますよ。
 ところが、その具体の指標がこういう矛盾が出ているということに対しての問題の指摘で、さあ、これこのまま行くんですかということなんですよ。
#52
○国務大臣(山本有二君) 平野委員のおっしゃる意味はよく理解ができているつもりでございます。
 この制度設計上、多重債務者の借入れについての悲惨な状況を脱するためには、やはりそこに多額になる借入れを抑止するという観点がまず第一番に来ました。そこにおきまして、先ほどの年収三分の一また百万という一つのバーが出てきたわけでございますが、百万以下で多重債務者が発生しないというような考え方ではないものの、やはり少額の借入れにつきましては、そこに源泉徴収票という厳格な証拠書類を提出を義務付けることによる借り手の負担ということも多少念頭に置いたわけでありまして、それと、じゃどう整合性を付けるかという問題につきましては、そこはしり抜けになったり、あるいは脱法が容易になったりということは確かにそれも言えるかもしれませんが、その自主規制団体、新しい貸金業協会で業規制ということも加えまして、その自主的なモラルの維持ということを考えていただき、もしそういうような面で事後的なチェックで発覚ということがありますれば、我々としましては業務改善命令等で対応をさしていただくことになろうかと思いますし、さらにはその借入額につきましては、名寄せ、そしてオンラインによる情報管理がしっかりしているならば二社目の貸付けについては抑止できるであろうというように思っておりますが、これもまた実務的なその実行を経験しながら、推移を見ながら改善をできるだけ早い段階でさせていただきたいと思いますけれども、要はこのようなスキームで我々としましては必ずいい結果が迎えられるのではないかというように思っております。
#53
○平野達男君 いや、だから、そういう希望的観測が通用しない世界だからこういう規定作っているわけでしょう、何回も申し上げますけど。これだと事実上もう筒抜けになりますよ。
 しかも、もう一つ問題があるのは、さっき言ったように、九十万借りたいという人がいますね。一社から借りたら九十万で、今、今回二〇%、一八%ですから、最初の十万までは二〇%、あとは一八%の利息ですよ。借りられないから二社目に行ってもう一回残りの分借りたら、十万に対して二〇%の利息掛かっちゃうんですよ。借り手側にしたら、一社分散していくことによって利息が二〇%分十万分について払わなくちゃならないという余計な規定も出ちゃうんですよ。
 だから、私なんか非常に人が悪いものだから、これは要するに業者に配慮したのかなと、分散してやりなさいというふうに取っちゃうんですよ、私なんかね。多分そうではないと思いますよ。だけど、いろいろ考えて、要するに、今回金利下げるのきついから、そうやって分散すれば業界全体としては十万分については二〇%の利息が余計に入りますよと、こういう話になっちゃうんです。
 繰り返しますけど、さっきの大臣のような答弁だったら私は納得しませんよ。これは性善説、性悪説取るわけじゃないですけれども、業界は常に貸したいというふうに思っていると。思っていたらこれを悪用しますよ。大臣に。
#54
○国務大臣(山本有二君) 残り十万、それを二〇%という、そういうこともあるでしょうけれども、もし名寄せで必ず三百万以下ということが申告されており、そして百万がこの三分の一を総量規制に掛かるというようにコンピューターでヒットされるならば、恐らくこの十万の貸付け、二〇%金利での貸付けというのは抑止できるというように思っておりますが。
#55
○平野達男君 できないでしょう。全然答弁になってないですよ、そんなの。年収が分かりようがないんだから、それ、できないでしょう、それは。
#56
○委員長(家西悟君) 速記止めてください。
   〔速記中止〕
#57
○委員長(家西悟君) 速記を起こしてください。
#58
○政府参考人(三國谷勝範君) 御指摘の部分の規制を実効あらしめる方策につきましては、今後私どもとしても十二分に検討してまいりたいと考えております。
#59
○国務大臣(山本有二君) 平野委員からの御指摘の低所得者、特に年収三百万以下の方についての貸付けにつきましてのいわゆる新しい総量規制におけるグレーゾーン、そこにつきましての配慮ということに対しましては、特に年収要件の確認、これにつきましては、自主規制段階におけるガイドライン等でしっかりした取組を促すよう検討をさせていただきたいと思います。
#60
○平野達男君 私は、一つの考え方として、例えば、こういうふうに年収の三分の一を一律にこうやるということに対しても個人的には若干の問題があると思っているんです。
 だから、例えば五十万まではフリーアクセス認めますよと。で、そこへ三分の一規制を掛けないとかですね、五十万を限度にして。そうすると、曲線がこういう曲線じゃなくてこういう曲線になるんですよとか、例えばそういう考え方もあるのかなと。ただ、それをやるためにはそこの範囲の中で多重債務は出ていませんという証拠が欲しいんですよ。だから、一番最初の、冒頭に戻りますけれども、実証的な調査が必要だというのはそのことを言っているんです。
 だから、例えば、これでしたら、百万までだったら、百万というのはちょっと数、額が多いと思いますけどね、まあやっぱりこれは一社で、この案だったら、何回も繰り返しますけれども、二社にやろうと思ったら、もう幾らでも、百万までは自由に借りられますから、私に言わせれば。しかも金利を余計に払わなくちゃならない。これは私最大の問題だと思っています、矛盾だと思っています。百万までがいいというふうに言うんだったら、それが証明できるんであれば、この上限のラインを百万までに上げるという考え方もあるんですよ、考え方としてね。
 まあいろんなやり方あると思いますよ。だけど、三分の一をずっとこう引いたら、これは借りる側も大変だし検査する方も大変だし、それからそれを確かめる側という云々というのもやっぱり大変だと思います。そういったこともありまして、そういったことも含めて総合的に考えたらいいと思うんですよ。
 さっきのお話しの、私の質問に戻りますけれども、規制等についての見直し、二年六か月掛けて見直すと言っているから、そのために二年六か月もこれ置いたのかなという、だからこれ法律の見直しだって可能だと思いますよ、規制を掛けるというんじゃなくて。
 ただ、このままだと、本当に幾ら規制掛けたとしても必ずしり抜けになる、これは私は断言しますよ。法律上そうなってないんだから、法律上は五十万、百万の源泉徴収票しか出てこないから。あとガイドラインでどうのこうのでやったとしても、それは規制の、規制というか、強制効果も何も持ちませんから。だったら、私は、この法律の条文を根本に立ち返ってやっぱり見直した方がいいと思う。
 ちょっと感想だけ言って、あと、大臣の方から取りあえず。
#61
○国務大臣(山本有二君) 先ほどの平野委員の御質問の御趣旨を踏まえて、なおしっかり施行に向けてこの低所得者における少額貸付けの部分についてはしっかり検討してまいりたいと思っております。
#62
○平野達男君 まあ、今回は、いずれ、グレーゾーンの廃止等、いろんな規定で積極的に評価すべきところがありますから、そこでまずそっちを優先させるということだと思いますが、繰り返しになりますけれども、こういう問題があるということはよく認識をしておいていただきたいと思います。
 次の質問に移りますが、今度は三分の一規定なんです。三分の一規定というのは、これは償還能力から判断をされたという先ほどの答弁でございました。これをちょっと具体的に、政府委員の答弁で結構ですから、その背景をちょっと、根拠を言っていただけますか。
#63
○政府参考人(三國谷勝範君) 総量規制の三分の一につきましては、大体三年間を掛けて返済できる借入額を想定いたしますと年収の三分の一程度ということになるわけでございます。
 具体的には、年収の一五%程度、これが元利の返済に充てられると大体三年程度で返済できると、こういうことでございます。
#64
○平野達男君 年収の、何%って言いましたっけ、一五%ですね、そうですね。
 そうすると、これは住宅ローンを除いているわけですが、常識的に考えますと、ある家庭があって、住宅ローン一千五百万抱えていますという方と全く住宅ローンを抱えてないという方と返済能力が当然違ってくると思うんですが、これに対してはどうでしょうか。
#65
○政府参考人(三國谷勝範君) まず、今回の規制でございますけれども、これは平均的利用者層の一般的な返済能力を踏まえまして設定したものでございます。今回の三分の一規制というのは一律の規制でございまして、そのメルクマールといたしましては、年収ということに着眼いたしまして、先ほど申し上げました理由で三分の一としたものでございます。
#66
○平野達男君 いや、だから、私の質問に答えてください、ちゃんと。
 二人がいまして、片っ方は一千五百万の住宅ローンを持っていると、毎年返済してますと、年収は全く同じ、五百万、五百万としても、幾らでもいいですよ、片っ方は住宅ローン全く抱えてない、その両者を比較した場合に当然償還能力には差がありますねということを聞いているだけですよ。
#67
○政府参考人(三國谷勝範君) 個別にはいろいろなケースがあろうかと思います。
 今回の基準につきましては、収入をベースに規定しておりますが、例えばこれを可処分所得で考えてはどうかと、あるいは実質ベースで考えてはどうかということでございますけれども、今回は、全体の平均的な利用者像と、そういうことに着眼いたしまして、年収とその三分の一と、その年収の証明書と、こういう形でこの規制を導入しているものでございます。
 なお、住宅でございますけれども、住宅につきましては、一般的に低金利で返済期間が長期にわたるということでございまして、この住宅ローンのみによって多重債務者が発生する可能性は低いと考えているところでございます。
#68
○平野達男君 もう一回だけ言います。
 差があるかないかだけ、それだけ答えてください。ちゃんと差があるかないかだけ答えてください。それ、ちゃんと答えなかったら、これ止めちゃうよ、本当に。こんな答弁なんかそんな聞いたってしようがないよ、それ。
#69
○政府参考人(三國谷勝範君) 貸金業者でございますが、これは住宅ローンを含めたすべての貸金業者の借入れを把握した上で、その個別ケースごとに過剰な貸付けが行われないよう判断するということでございます。したがって、個別ケースにおきましていろいろな差は出てまいります。
#70
○平野達男君 だから、そうしたら、これは住宅ローンそのものについては、あるかどうかというのは、これはチェックするということですか。これは担保するということですか。
#71
○政府参考人(三國谷勝範君) 住宅ローンにつきまして、これが貸金業者からの貸付であれば、それは指定信用情報機関に入りまして、そういった情報は入るわけでございます。三分の一の規制のほかに一般的な借入返済能力調査義務もございますので、そういったものにつきましてはさらに個別に判断されるということになろうかと思います。
#72
○平野達男君 住宅ローンを除くって言ってるんだから、調査する理由、インセンティブなんか何もないじゃないですか、何言ってるんですか、その答弁は。住宅ローンを除くって言ってるんだから、これは。
 それから、私の言っていることは単純ですよ。住宅ローンを持っている人と持っていない人では、年の、要するに借金については、それ先取りになっちゃうんだから。要するにこれ、住宅ローン全額引くんじゃなくて、何で年収から住宅ローンの年償還額、平均的な年償還額を引いて掛ける三分の一にしなかったのかという、そういうことですよ。
 ところが、これ本当に考え方として大きいんですよ。三分の一、三分の一として、さっきの一五%といいながら、その一五%のことが、考え方が住宅ローンを外したことによって完全に崩れているんですよ。そういう私に言わしたら訳の分からぬ説明なんです、これ本当に、これは。だから、この三分の一の根拠自体が一体何だという話になってきますよ、これは。
 大臣、どうですか、これ。
#73
○国務大臣(山本有二君) 平野議員がおっしゃるように、住宅ローンがある場合に、いわゆる年収から住宅ローンを引いて考えるという考え方の方が家計管理という視点からすれば、より理想的な私は考え方であろうというようには思います。
 しかし、現実論、その貸金業者のみを業とする者の自主規制ルールについては、これは金融庁としましてもやりようがあるわけでありますが、またこれを住宅ローン、銀行等についての貸手まで名寄せのシステムというものをつくるということにつきましては、いまだ更なる障害が幾つかありまして、直近で直ちに手当てができるということでもございません。したがいまして、こういう点を考慮しなければならないという問題はなおあるだろうというように思います。
 しかしながら、もう一つ言えることでございますけれども、住宅ローンというものが、もし多重債務者に陥った場合、多分、私の考えでは、恐らく資産としての価値が住宅ローンの場合は残っておりますので、その資産的な部分における生活の安定感というのは、全く住宅ローンがない方よりも、むしろ多少私はそこに資産があるだけ返済はなお容易に、逆に最後の段階、自己破産の段階ではなり得る可能性も残っておるというようなことも考えましたときに、今回、この年収から住宅ローンを含むすべての債務の年間償還計画というような考え方につきましては、将来の理想として位置付けるということにとどめ置いた次第でございます。
#74
○平野達男君 いや、だから、そういう住宅を売らなくちゃならないような状況を回避するために今回の法律を作っているわけでしょう。だから、そういう答弁は今回の法案の趣旨に全くそぐいませんよ。
 これはあくまでも、借りる側の債務、返済の能力というのはどれだけあるかということをまずきちんと把握しましょうという趣旨で作っているはずなんですよ、という私は理解です。だとすれば、これはやっぱり三年間かで返済するというさっきの話ありましたけれども、住宅ローンを抱えていたら、その年償還額を要するに一回引くという、そういう考え方はあると思います。
 しかも、これ、法律の中に住宅資金貸付契約を除くと書いてあるんです、わざわざ特出しで書いているんですよ。これは内閣府令で除くとも書いてないんですよ、法律で特出しですよ、これ。これは物すごい大きいんですよ、これは。何でこんな条文のところに住宅貸付を除くみたいなことを書いたのかというのは、私は不思議でしようがない。普通だったらこれは、百歩譲って内閣府令ですよ、こんなのは。だから、これよっぽど何か意味があったんでしょう、意味があったんでしょうが、多重債務者の防止の観点からいえば逆効果ですよ、これは。
 繰り返しますけれども、同じことを繰り返しますが、これを外したことによって三分の一の根拠が私、根底から崩れていると思います。技術的にどうのこうのという話じゃなくて、技術的にどうのこうのというのは、私はそれは理由にならないと思う。少なくとも、さっき言ったように、百万以上を超える部分については、例えば部分については住宅ローンをちゃんとチェックしなさいとか、やろうと思ったらできますよ。そういう考え方でやっぱりやるべきではないかと思いますが、もう一度答弁をちょっとお願いいたします。
#75
○国務大臣(山本有二君) これまた平野議員の精緻な対応を求めておられる姿からすると、若干、私の方としましては答えづらい面があるわけでございますが。
 やはり家計管理という視点からは、そういったすべての債務についての返済というものを洗い出して、なお正確に計画をさせていただければ有り難いわけでございますが、やはり、そこもある程度、我々としましても妥協の産物かもしれませんが、貸金業というものの特性、さらに、これまた平野議員から御指摘のとおり、多重債務における、起因する分析の精緻なものでいきますと、恐らく金利の安い住宅ローンをしっかりして借りる方が多重債務に陥るかどうか、そういった点も分析しながら考えていく必要があろうというように思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。
#76
○平野達男君 だから、最後のような、例えば、そういうことで判断したというのは分かるんです。ところが、その実証の分析もしていない。それからもう一つ、三分の一の根拠については年一五%という何か話がありましたけど、それに戻ればやっぱり住宅ローンは入れざるを得ないという論理的な帰結が出てくると。
 中で、私が言いたいのは、しっかりとした説明ができていないんですよ。だから、できていないがために、これ規制を掛けてこれから運用をしていくときにいろんな問題が出てくるんじゃないかと。
 今、私も多分住宅ローンを組んでいる方は、やっぱり結構しっかりしているんじゃないかと私も実は個人的には思っているんです。思っているんですが、それを確かめるデータがない。データがない以上は、これはやっぱり借り手側の保護という観点からすれば、やっぱり規制は厳しめにいくべきであると。その上で、その上でですよ、やっぱりこれは大丈夫だよということで、あと段々の規制の緩和をする方向があるかもしれない。
 ところが、最初から法律でぼかんと、ぼかんと言うとあれですけれども、住宅ローンを除いて、法律の本文ですよ、しかも、今言ったように、その説明ができないというのは、これはおかしいですよ、これは、ここの部分は。そういう意味では二年六か月ありますから、まあこれも見直した方がいいんじゃないですか、これ。
#77
○国務大臣(山本有二君) その御指摘も含めてしっかり検討をしてまいりたいと思います。
#78
○平野達男君 もう一つ質問があります。
 これは大門委員がかなり言っていた話なんですが、かなり質問していた話でありますけれども、三分の一規定に係りまして、当該個人顧客の利益の保護に支障が生じることがない契約として内閣府令で定めるもの、これは除くと書いてありまして、いろんな答弁を聞きますと、有価証券とか、今既に売り出されている不動産物件がある場合にはこの三分の一規定にこだわらなくてもいいですよという、こういう規定になっていますね。そういう理解でよろしいでしょうか。
#79
○政府参考人(三國谷勝範君) 基本的にそういったものを想定しております。
 さらに、借入れの実態等を十分に踏まえながら、多重債務発生の防止の趣旨を没却しないよう、その類型化につきましては慎重に検討してまいりたいと考えております。
#80
○平野達男君 それは担保とどう違うんでしょうか。
#81
○政府参考人(三國谷勝範君) 住宅等の場合かと存じますが、基本的な考え方といたしまして、担保としては住宅、これは担保として取ったものの住宅、この売却によって返済をさせると、そういったことを目的としているものは想定はしていないところでございます。
#82
○平野達男君 手続的に聞きますけれども、例えば、三分の一強を超えるときには、どうしても借りたければ、あなたの資産はどういうものがありますかというのは、これ要求するわけですね。で、それを出させるんですね。
#83
○政府参考人(三國谷勝範君) いずれにしても、三分の一を超える場合には、貸手側においてそれがきちんとした返済能力があるということの調査が必要でございまして、そういったものにつきましては、いろんな書類等もきちんと整備していただくということになろうかと思います。
#84
○平野達男君 さっきの大臣の発言じゃないですけれども、究極的には住宅を売ればいいじゃないかという話がありましたけどね。多分その発想と同じことだと思うんです。これ、実質担保になっちゃうんですよね。
 こういうことをやったら、例のあの違法年金担保融資対策法というのが平成十六年に出まして、金を返せないやつは要するに口座をよこせというようなことが一時横行しましたけどね。これと同じようなことがやっぱり起こる可能性をここにつくっていますよね。しかも、これはもっと悪いことに、調査を命じて、資産のやつを調査を出させていますから、あなたこれ出したじゃないですかと、債務の取立てやるときに使われてしまいますよ。
 今までは多分そんなことをやらなくてもよかったんです、逆に。ところが、有価証券これだけあります。例えば、その人が数千万、数百万の単位持っていました、千万単位持っていました。じゃ、一千万お貸ししますか、しましょうということで、そのシーリングの部分も青天井とは言えませんけど、かなり高いものになる可能性もあるんですよ。
 それで、この場合に、借り手というのはそういうきちっとした判断ができる人かどうかというと、私はできない人だと考える必要があると思う。その人が金を欲しい、お金を欲しいままに、言われるままにとにかく自分の資産のやつを持っていって貸金業界に渡しましたと。これを勧めている法律ですよ、これは。これを問題視しないという法は私はおかしいと思う、これは。
 今回の法律の趣旨にも私これ一番最も反するところだと思いますよ、ここは。これは悪用しようと思ったら幾らでも悪用される。だからチェックしますよと言いますけれども、悪用されないように、かつまた利用者保護にするということが今回の法律の趣旨ですから、これは私は今回のいろんな規定の中での最も大きな問題だと思っていますが、大臣どうですか、これは。
#85
○国務大臣(山本有二君) ここにおけるいわゆる売却予定の不動産があるかどうか、これにつきましては、恐らく期限までに返済資力があるかどうかということの疎明があればということで、担保要求ではないというようには思いますけれども、先ほどの御指摘のように、逆に担保を強要したり売却を強要するという事態も、これは予想されなくもない事態になる。つまり、実質的に、無担保無保証という金利を設定しながらも実質担保を取ってしまうということになりかねない非常に正にグレーゾーン的なところがございます。
 その意味におきましては、内閣府令で作るときには、そのことが排除できるような確証を得ながらこの規定を設定しなきゃならぬというようなつもりの覚悟でそれに取り組んでまいりたいというように思っております。
#86
○平野達男君 今、正に後で指摘しようとした問題を大臣がいみじくも言われましたけれども、こういうやり方を取りましたら、事実上、もう担保に近い状況だから、無担保無保証で設定されている金利そのものがまず設定できなくなるんじゃないかということもあるんですよ。だから、それが二〇%、一八%という、あるいは一五%という金利を設定しようと思えば、これは絶対担保であってはならない。しかし、担保に極めて近い性格を持つ。それがないように内閣府令で定めると言いますけど、大臣、これ定められると思います、そういう内閣府令は。
#87
○国務大臣(山本有二君) どういうケースが考えられるか、それをまた考量しながら、また、そういったときに、借り手保護の観点からどういうようなニーズがそこに発生するのか、また与信基準についてどう考えていくのか、そこもカウンセリングの充実とも相関関係にあるようにも思いますし、また、当然、自主規制ルールとも相関関係にあると思いますので、そういった点を総合的に考えながら、この規定の作成又はこの規定をどう作るかプラス作らないかも含めて検討を重ねていきたいと思っております。
#88
○平野達男君 まあ一歩踏み込んだ発言がありました。
 作らないかも含めてということだったんで、これは本当に慎重の上にも慎重にやらなくちゃならない規定だと思います。このグレーゾーンの中でも、本当に黒に近いグレーゾーンになってくるんじゃないかなというふうに思いますんで、そこはよく検討をしていただきたいと思います。
 むしろ、私は今の言葉を修正しますと、検討というよりは正に内閣府令に規定しない、空振りの規定にするということの方がまず当面のやり方としてはこれは正解じゃないかと思いますよ。その上で、実行段階でどうなるかをチェックするといったことの方が、認めてやらせるという形じゃなくて、やらせないということからスタートするということだと思いますので、そのことを強く申し上げておきます。
 それから、次の質問に移ります。
 今度は上限金利についての質問に移らせていただきますが、今利息制限法で上限金利が決まっているわけでございまして、それが二〇%、一八%、一五%という階層制になっているわけですが、この上限金利の持つ制度的意味というのはどういうものか、改めてちょっと説明していただけるでしょうか。
#89
○国務大臣(山本有二君) 利息制限法の上限金利につきましては、貸手が不当な高利で貸付けを行うことを防止し、借り手の保護を図る観点から、上限金利を超える部分を民事上無効にするというものでございます。
 今回の改正によりまして、信用情報機関を通じた総量規制の枠組みが整備されることなどから、利息制限法の上限金利の範囲内で健全な競争が促進され、借り手のリスクに応じた金利の設定につながっていくことを期待しております。
#90
○平野達男君 利息制限法の範囲内で健全な競争をするということで、本来は上限金利というのはそういうものだろうと思いますね。シーリングを設定しておいて、その中で、一方で自由競争があって市場で金利が設定される。だけれども、その金利がたまたま上限金利のところを超えるような金利に行かないように上限金利を設定するというのが本来の考え方だと思うんです。
   〔委員長退席、理事峰崎直樹君着席〕
 ところが、最近はモビットだとかなんとか、銀行系の何とかいろいろ出てきて、上限金利の範囲内で貸す金融機関も増えていますが、それ以外の、いわゆる今回の、今回のというか、いわゆる貸金業の世界では上限金利を超えた領域で事実上取引が行われてきた、貸付けが行われてきた、そういう実態があるわけですね。
 これはこの上限金利の本来の制度からいえばやっぱり本来はおかしいわけでありまして、なぜそういう上限金利の上の方でそういう取引が行われてきたのか、貸付けが行われてきたのか。これは需要があるからというのが答えになってしまうんでしょうが、そこに対しての基本的な認識をちょっとお伺いしておきたいと思います。
#91
○政府参考人(三國谷勝範君) これまで、現実の金利が利息制限法というか出資法の方にかなり近づいておったということは事実かと思います。
 これにつきましては、これまでのコストでございますとか、そういったいろんなことがあったかと思いますが、今回は、先ほど大臣が申し上げましたとおり、むしろこの金利というものを利息制限法に合わせるということで、今後更に金利の適正化を図るということで御提案申し上げているものでございます。
#92
○平野達男君 この問題についてはちょっとまた後で触れたいと思いますが、ちょっと質問を変えますが、上限金利二〇%、一八%、一五%の金融的な意味というのはどういう意味合いを持っているんでしょうか。金融的意味という質問はちょっとおかしいかもしれませんね。なぜ二〇%、一八%、一五%かという、その考え方なんですが。
#93
○政府参考人(三國谷勝範君) 上限金利でございますので、これ実際の取引がこの上限金利で行えということではございませんでして、あくまでもこれは民事上有効となる利息の上限であると考えております。
 今回の改正によりまして、今度は指定情報機関を通じました総量規制の枠組みが整備されますことなどから、この上限の範囲内で借り手のリスクに応じた金利の設定につながっていくことを期待しているところでございます。
#94
○平野達男君 これは昭和二十九年に設定されたんだそうですね。昭和二十九年といったら私の年齢と同じでありまして、私と同じだけの年を取っているということだと思います。
 もう一度お聞きしますけれども、二〇%、一八%、一五%の根拠というのは何ですか。
#95
○副大臣(水野賢一君) 今おっしゃられるように、昭和二十九年に当時の貸出利率の実情を勘案して定めたということでございまして、具体的に申し上げますと、銀行等の預金取扱金融機関における当時の一般的な貸出利率等を基礎としつつ、利息制限法が銀行等以外にも適用される民事の一般法であることを考慮いたしまして、ある程度の上乗せをして、昭和二十九年のときに一五、一八、二〇という利率を定めたというものでございます。
#96
○平野達男君 この件についてはこの委員会でも何人かが指摘されましたけれども、二十九年の状況と今の状況は全く違いますねという中で、二〇%、一八%、一五%のその根拠というのは当然やっぱり再検討してしかるべきだと思いますが、それについてはどのように思われますか。
#97
○副大臣(水野賢一君) 確かに、利率というものは昭和二十九年とは大きく変わっているわけでございますし、そうしたことを踏まえていろいろな検討というもの、二年半の見直しとかもございますので、十分検討課題ではあるかなというふうに考えております。
#98
○平野達男君 渡辺副大臣に突然ちょっとお聞きしますが、前の答弁のとき、この利息制限法の上限金利というのは非常に改正の困難な法律であると理解していますという答弁されていますね。これ、何で非常に改正が困難なんでしょうか。
#99
○副大臣(渡辺喜美君) 先ほど来お話がございますように、明治時代の初めに太政官布告でできまして、大正時代に一五%まで下がり、それが昭和二十九年にまた明治時代の二〇%に戻ったと。これだけしか改正されてないんですね。したがって、硬性といいますか、この間の御議論で、金利の憲法というお話がございましたが、不磨の大典的な、そういった改正の非常に困難な社会立法的位置付けがあろうかと思います。
#100
○平野達男君 お配りの資料二をちょっと見ていただきたいんですけれども、これは主要五社の貸付上限金利と出資法上限金利、それから下に平均貸付金利の推移をちょっと付けてありますが、何を言いたいかといいますと、今までのこれ貸付上限金利というのは、すべて上限金利を上回ったところで設定されていると。こういう消費者金融の世界はほとんど上限金利というのは関係なかったんじゃないかと。むしろ出資法しか見ていなかったんじゃないかという感じしますね。
 何が言いたいかといいますと、非常に改正が、不磨の大典とか憲法とかといいますけれども、全く上限金利というのはこの貸金業界の中で意味を持たなかった。上限金利の枠内だけでやろうとしてきたから、だれもこの上限金利なんか、出資法の金利の方ばかり見ていたから、上限金利なんかだれも議論しなかったんですよ。だから、こんな改正なんかやろうなんという機運は全く起こらなかった。だから、改正が困難じゃなくて、やる必要がなかったし、やる気もなかったと。もっと言えば、やっぱりやる必要がなかったというか、ニーズがなかったということなんでしょう。実際の貸付金利の市場のあれがずっと上限金利の上の方で行われていたから、ということだと私はこれを見て理解をいたしました。
 それで、先ほどの副大臣の答弁の中で、見直しもやむなしというふうに言われましたが、しからば、この上限金利の適正金利というか、適正な金利水準というのはどうやって決めるんでしょうか。
#101
○大臣政務官(田村耕太郎君) 適正な金利という質問なんですけれども、ちょっと哲学的な問いでございまして、一般的な経済学的な答えをさせていただきますと、金利というのは物の値段ですので、物の値段というのは市場の取引で決まるわけです。
   〔理事峰崎直樹君退席、委員長着席〕
 市場の取引が公正で自由で透明であれば市場取引に任せればいいんですけれども、政府の介入の正当性が担保される場合というのは、公正でない又は透明でない。この場合、貸手と借り手の間に情報の非対称性が生じています。また、情報の非対称性が生じていることから、どうしても貸倒れリスクを入れて高い金利を供給しがちなわけです。
 それを防ぐじゃ根拠は何かといいますと、それは、消費者金融の門戸をたたく方というのは、どうしてもお金に困窮した交渉力の弱い方であると、そういう方を保護しなきゃいけない、そういうことで民事上も刑事上も上限金利が設定されているということでございます。
#102
○平野達男君 いや、全くそのとおりだろうと思います。
 正に、今言った情報の非対称性という言葉がございまして、渡辺副大臣はこの間、市場はゆがんでいるという、消費者金融市場はゆがんでいるという言葉を使いましたけれども、それがそのことだろうと私は理解します。
 つまり、本当の市場の中では、これはもう御承知のとおり、供給側と需要側について同じ立場に立っていなくちゃならないんですけれども、今回の場合は需要側が、要するに正に今御説明の中であった情報力がまず限られている、それから弱い立場にある、だから圧倒的に供給側の方が強いんですね。こういう中で適正金利というのが本当に設定されるかというとなかなか設定されにくいんだろうと思うんです。
 そうしますと、そういう中で今回、グレーゾーンが廃止になったわけでありますが、その前に、大手貸金業界の貸出約定金利というのは二〇%台でずっと推移して、上限金利の上だったんです。何で上限金利の上でずうっと推移したというふうにお考えでしょうか。
#103
○大臣政務官(田村耕太郎君) そもそもみなし弁済規定が存在していまして、グレーゾーンで貸し出すことが事実上認められていたということが前提としてありますし、また営業費用比率ですね、営業貸付けに対する営業費用の割合というのが、資金調達、また人材コスト、貸倒れリスク、これを含めるとずっと一六%ぐらいで推移していますんで、そういうコスト的なものも背景にあったんだと思います。
#104
○平野達男君 そうしますと、そういう中で今回上限金利を設定するわけですが、これも渡辺副大臣の先般の答弁によると、そこにあった需要をぎゅっと閉じ込めると、そういうことですね。そういう中で市場競争というのは本当に起こるんでしょうか。
#105
○副大臣(渡辺喜美君) 残念ながら、今の金利体系を見ておりますと、ローン残高と金利のグラフにおいて正規分布的なグラフにはなってないわけですね。このことは、競争がちょっといびつに行われている、利息制限法を超えたところがみなし弁済規定によって認められて、この世界では若干の競争めいたものがあるかもしれませんが、しかし全体の金利体系からはゆがみが認められるわけでございまして、こういったことは、恐らく銀行法の業界が土地担保融資を行い、貸金業法の世界が無担保無保証融資を行うという二元的な体制の中で出てきたんだろうと思うんですね。
 したがって、利息制限法の議論は今回さておくとして、利息制限法の範囲内で金利競争をやってくださいと。そういった思いも込めて今回の改正を行っているわけでございます。
#106
○平野達男君 今、渡辺副大臣が答弁されたことをちょっと入れまして資料を用意したのは、四ページ目の資料です。これは正に金利と資金需要の実態をこれグラフにした表でございますが、確かに大きな山が一つあって、右側の方にまた小さな山が一つあるという、そういう状況になっているわけですね。
 これ何を言いたいかといいますと、今回、上限金利で二〇%、一八%、一五%という金利を設定します。今、これは右側の二〇%を超えた枠内にこれだけの資金があって、ここで貸付けが行われている。こういうふうにやっぱり市場にいびつな形で需要があるわけですね。これをぐっとこちらに押し込めるわけですから、この図でいきますと資金需要の圧力というのは右側に働くわけです。市場ではもっと金利高くても借りていいですよという人はたくさんいるわけですから。そうしますと、資金は二〇%、一八%、一五%で全部張っ付くんじゃないかと。だから市場競争とかなんとかというのは全く起こらない、そういう状況になるんじゃないかなと思うんです。
 ですから、渡辺副大臣も、これ、私も答弁書いろいろ見ましたけれども、適正な正常な競争が行われるのであれば金利低下は行われますという非常に慎重な、それ自体としては非常に正しい答弁をしておるんですが、問題は正常な競争なんというのはここには起こらないだろうと思います。つまり、ここに、そもそも私は二四%、二六%、二八%の金利の形成自体が正常な市場で行われてない、行われてないものをさらに二〇%、一八%、一五%という壁を設定して、それ以上は駄目ですよということになりますから、いよいよ市場という観点から見るとゆがむんですよね。
 こういう中では市場競争なんというのは起こりようがないという認識が私は必要だと思いますが、どうでしょうか。
#107
○副大臣(渡辺喜美君) 恐らく、今二〇%を超えたところで貸金業の金利体系が成り立っている背景は、スコアリングモデルがそう幾つもないんだろうと思うんですね。相当高い貸倒れコストを見込んだスコアリングモデルになっているわけでありますから、金利においてもっと安く借りられる人たちも高い金利でお金を借りていると。その人たちは逆に高い金利で借りることによってリスクをしょってしまうと、こういうこともあるんですね。したがって、もっと今回の改正を機により精緻なスコアリングモデルを作っていくならば、安い金利で借りられる人はそっちの金利で借りられる商品に移行をしていくと思うんですね。したがって、そういうことを我々は期待をしてこういう法改正を行っているわけでございます。
 一方、この前申し上げたことの一つは、銀行業界の方は、相変わらずデフレが続いているがゆえに、日銀が金利を上げても貸出金利を逆に金利競争で下げちゃうと、そういうことが行われているわけです。デフレから脱却できた後の話かもしれませんが、リスクに見合ったプレミアムを付けるという形で正常な競争が行われていくことを期待をいたしております。
#108
○平野達男君 期待は期待ですから、期待するのはいいとして、私が言いたいのは、まずこういう、この四ページの図にまたちょっと見ていただきたいんですが、こういう状況の中では二〇%、一八%、一五%というのが、ここに私は資金需要が張っ付くし、貸出しも大体ここに行われると。現に今モビットとか上限金利の範囲内でやっている会社というのは大体金利一五から一八%でやっているのが多いですね。
 そうしますと、上限金利というのは、本来この枠内でこれが上限ですよと、それ以内で自由競争が行われるということを期待するということなんですが、実際そういうことが起こらなくて、これ上限金利が法定金利の性格になってくるんですね、これが。今回はこういう認識を持つ必要があると思うんです。
 繰り返しになりますけれども、今までの上限金利というのはほとんど無視されてきたんですよ、利息制限法の。貸金業の世界の中で意味のない、関心も持たれなかった、余り。だけど、今回グレーゾーンを廃止して、ずうっと上限金利と出資法との範囲が事実上一致しましたね、若干のすきがありますが。ここで利息制限法の金利というのが俄然意味を持ってきたわけです。だから、昭和二十九年の云々という、そんなところじゃないですよ、今回のこの利息制限法の利息の持つ意味が。全然重さが違っていると思います。だから、二〇%、一八%、一五%という金利については、なぜ二〇%でいいのか、一八%でいいですか、一五%でいいのかということをぎっちり考える必要があるんじゃないかと思うんです。
 まず、これは法定金利的な性格になってきたということについての、まず一点目ちょっと、指摘に対しての御所見をちょっと法務副大臣の方に尋ねさせていただきます。
#109
○副大臣(水野賢一君) 委員おっしゃられるとおり、今までは確かに出資法とのグレーゾーン金利があった関係で、いわゆるグレーゾーン金利があった関係で出資法の方に大きい意味があったということで、利息制限法の枠の中で取引をする人というのは限られていたという面がありますでしょうけど、その点が、非常に今後はみなし弁済規定の廃止などによって利息制限法の一五、一八、二〇の持つ意味が大きくなってきたというのは、そのとおりだというふうに思います。
 法定金利のようになるかどうかということは確かなことは申し上げることはできませんけれども、いずれにしても、法務省としては、今回の改正後における貸金業者の貸付けの実情について金融庁と協力をして実態把握に努めつつ、こうした問題について引き続き検討をしていきたいというふうに考えております。
#110
○平野達男君 渡辺副大臣、どうでしょうか。
#111
○副大臣(渡辺喜美君) 今回の改正に当たりまして利息制限法の問題は、先ほど冒頭、平野委員がおっしゃられた少額特例の金利を断念をするということを決めましてから、利息制限法の刻みについて改めて議論をする余地は正直ございませんでした。したがって、利息制限法の刻みはそのままにして今回の法の設計を行ったわけでございます。
 今回の法改正で我々が正常な競争が行われていくと考えるもう一つの根拠は、やはり総量規制でございます。
 この規制をかなり強烈な強制力を持って導入をするわけでございますから、当然、貸金業者の方はより細かな審査をお客さんに対してしていかなければいけないわけであります。そういう審査が行われるようになりますと、当然それに見合ったスコアリングモデルと金利の体系ができ上がっていくようになるわけでございますから、当然金利は低下方向で競争が行われていくということが考えられるわけでございまして、そういったことを念頭に法改正に当たった次第でございます。
#112
○平野達男君 目指すべき方向としてはそのとおりだと思います。しかし、繰り返しになって恐縮ですけれども、私は、実態とすれば、二〇%、一八%、一五%が上限じゃなくて、事実上の、そこでの、その金利での営業をするという貸金業者が増えていまして、事実上の法定金利の性格みたいな性格を帯びてくると思うんです。
 ですから、そういう観点で、これは山本大臣にお伺いしますけれども、この上限金利二〇%、一八%、一五%の、金融上の政策からどういう意味合いを持つものなのか。特に、今まだ金利が、プライムレート、長期金利も非常に低い状況の中で、これから金利が上がっていったときにどういう見直しが必要かとか、いろんなことを考えなくちゃならないと思うんです。
 そういう意味で、上限金利の在り方についてしっかりとした視点で検討していくということもやっぱり大事じゃないかと思いますが、その御所見をちょっとお伺いしておきます。
#113
○国務大臣(山本有二君) 貸金業の法定金利化するという御指摘は、そのとおりだというように思います。またさらに、普通銀行もそうしたマーケットに進出していくというようなこともあり得るかもしれません。
 そういったようなことも踏まえまして、先生おっしゃるようにより健全なマーケットを希求するという観点から、努力していきたいと思っております。
#114
○平野達男君 例えば、これは懇談会の報告書の中にもありますけれども、例えば固定制にした方がいいとかフロート制にすべきだとか、そういう提言もございましたですね。そういった点も含めて、私は、この上限金利については、もう一回今の観点で、今の時代に合わせたやっぱり検討をすべきだというふうに思います。
 あと時間が五分ぐらいですが、次の質問に入るのもちょっとなんでして、私もエキサイトしていまして疲れてしまいましたんで、ここでやめたいと思いますが、いずれ、実は私、金利の恐ろしさというか、金利の問題を教えていただいたのは渡辺副大臣のお父さんの渡辺美智雄さんなんです。
 私は、四年間、那須野ケ原というところにおりまして、小さなダムを造っている現場の工事課長をしていました。そこの受益者が組織する土地改良区というのがあるんですが、その土地改良区の理事長さんが当時、渡辺美智雄さんでございまして、お父さんであります。
 それで、金利ということについて、今日はちょっと時間がありませんので詳しくは申し上げませんが、金利というのは恐ろしいものだよということで、いろいろ御教示、御教示というか教えていただきまして、あのことが随分頭に染み付きまして、今回は、貸金業については久しぶりに一生懸命になって勉強させていただきました、こんなに附せん付けましてですね。私は、来年選挙番ですから余り国会の方へ、あっ、こんなことを言っちゃ駄目ですね。今度、そうなんですが。そういうこともございまして、いろいろ勉強させていただきましたし、そういうことで、あえて後半の部分はちょっと渡辺副大臣といろいろやり取りをさせていただきました。
 そういうことで、今日指摘させていただいたことはしっかりと、これからの二年半の期間がございますけれども、見直しするものは見直しをすると、それから条文についても含めて改正する場合もひょっとしたらあるかもしれませんが、そういうことも含めてしっかりやるということを強く要望申し上げまして、私の質問を終わります。
#115
○尾立源幸君 民主党・新緑風会の尾立でございます。
 今日は、先週に引き続き二回目の質問に立たせていただきますが、貸金業法等の改正に入る前にまず尾身大臣の方に、今、十二月一日付けでございますが、本間税制会長の下、政府税調からの答申が出てまいりました。
 これを拝見いたしますと、企業に優しい減税が多く、定率減税が全廃される、来年一月でございます、この全廃は、セーフティーネットということに関して視点が欠けているんではないかと、このように私は感じるわけでございます。そしてまた、与党、自民党さんが検討されている再チャレンジ税制についても、またニート、フリーター、高齢者雇用に積極的な企業への寄附を促進する内容である。これは、企業に対して寄附をした場合には寄附金控除が受けられるということで、これまた企業にとって優しいのではないかと、このように私は思うわけでございますが、NPOなどのこの市民社会を育てるという視点が欠落しているんではないかと、このように思うわけでございます。
 そこで、尾身大臣に冒頭、一問でございますが、私たち野党におきましては、この税制の論議というのが来年の国会が開かれるまで実質できないことになっております。そういった意味で、尾身大臣に、なぜ今回の税制改正の答申の部分で企業中心の内容になっているのか、その御所見をお聞きしたいと思います。
#116
○国務大臣(尾身幸次君) 来年度の税制改正につきましては、現在、与党税制調査会でいろいろと御議論をいただいているところでございます。
 政府税制調査会の結論は既に出ているわけでございますが、私どもといたしましては、成長なくして財政再建なしという理念の下で、企業活動を活性化させて、そして雇用を増やし、賃金を上昇させていく、国民全体の収入を増やしていく、そういうことによって財政再建につなげていくべきであるというふうに考えておりまして、いわゆる企業と生活者を対立概念としてとらえるような考え方は正しくないのではないかというふうに考えているところでございます。
 もう一点は、経済がグローバル化してまいりました。したがいまして、日本の大企業といえども、また外国の企業といえども、どこの国に生産拠点を置くか、事業活動の拠点を置くかということは、いろんなことを総合的に考えて決めるという時代になりました。そういう企業が国を選ぶという時代になったときに、日本という国が企業の生産活動の拠点、事業活動の拠点として選ばれるような体制をつくるということが極めて重要であるというふうに考えております。
 そういう中で、税制につきましても、少なくともほかの国とイコールフッティングの条件を確保していくということが大事であると考えておりまして、例えば減価償却制度についても、日本は九五%までしか減価償却を認めない、残存価値を五%残すという今までルールになっておりますが、ほかの諸外国は一〇〇%減価償却を認めて、残存価値は名目値にすると、こういうことになっておりまして、こういうハンディキャップを取り除いて国際的な標準にまで合わせていくということが税制改正の一つの眼目でございまして、そういう意味で企業優遇というような批判は当たらないのではないかというふうに考えております。
 このような税制の取組を行うことによりまして企業の体質強化やあるいは競争力の強化を行い、世界全体のグローバリゼーションの経済の中で日本という国が企業によって選ばれ、経済活動が活性化する。そして、それによって労働需給も、昨今は失業率、二〇〇二年には五・四%だったのが四・一%まで下がっている。有効求人倍率も一九九九年の〇・四九という数字でございましたが、今は一%を超えて一・六%にまで、一倍を超える水準に上昇しております。
 そういう中で企業活動が活発化して、これが結果として労働需給を非常にタイトにし、それによって賃金に対してもプラスの影響があり、消費を拡大をする、そして経済全体の活性化につながっていくと、こういう方向に今なりつつあるというふうに判断をしているわけでございまして、私どもとしてはそういう方向を進めながら経済を活性化し、そしてそれを一つの軸として財政再建を進めていきたいというふうに考えているわけでございます。
 いずれにいたしましても、十九年度の税制改正は現在与党の税制調査会で議論をしているところでございまして、その議論を踏まえまして適切に対処してまいりたいと考えております。
#117
○尾立源幸君 これまでどおりの答弁で、ありがとうございます。
 私が申し上げたいのは、その二点よく分かっておりますが、個人やNPOなど特定非営利活動法人等々への視線はないのかということでございまして、今二極化が言われている中、企業が活性化すれば個人への経済波及効果があるというのは分かりますけれども、やはり期間も時間も掛かります。そういった中、目の前の困っている人たち、また格差の中で下の方へ追いやられている方々に対する視点というのが欠けているんではないですかということを申し上げているところでございます。ここは私たちの党としてもしっかり打ち出していきたいと思いますので、これはまた議論をさせていただきたいと思います。
 今日はどうもありがとうございます。
 それでは次に、金融庁にお聞きしたいと思います。
 これも直接貸金業法の改正とは関係ないことでございますが、先日、参考人の意見を聴く会がございました。大臣はその席にはいらっしゃらなかったんですけれども、六人ばかりの方から意見を聞きましたが、その中で大久保議員からも指摘がございました。金融庁の情報管理についてでございます。
 大久保委員が指摘されたことは、朝日新聞に検査情報が事前に報じられた、そういうことでございます。これに対して、金融庁の情報管理どうなっているんだということでございましたが、ほかにも情報漏えいが疑われる事例がありますので御紹介いたしますが、これは八月二十三日、本年の八月二十三日にアコムに対して再検査が行われましたが、この日のTBSの幾つかの番組で、金融庁職員がアコムのJR横浜駅前支店に立入検査に入る映像が報じられていました。これは、事前にこの支店に検査が入ることを知っていなければ、テレビカメラというのは待機できません。放送できない映像でございます。そして、当日の新聞報道でアコムに立入検査が入ることは分かったといたしましても、どの支店までかは特定できないはずでございます。にもかかわらず、こういうテレビカメラがスタンバっておったということでございます。
 これは、正に立入検査どこに入るかというのは重要な情報でございますし、これが情報が漏れたということになれば機密情報の漏えい違反ということになると思うんですけれども、この件も含めて、朝日新聞の件、そしてテレビカメラがスタンバっておった件も含めて、当時の金融庁職員を対象に再度徹底的になぜ情報が漏えいしたのか調査する必要があると思うんですね。前回は、調査したけど分かんなかったと、分かんなかったという、局長おっしゃいましたよね。こんなんでいいんですか。改めて、これ以外にも私は聞いております。そういう意味で、徹底的に情報管理をしていただかないと、皆さん、個別情報だから答えられないとかばっかりここでおっしゃっておきながら、だだ漏れだと、世間には。どうするんですか、これは。大臣、御所見をお願いします。──局長、分かんないと言ったじゃないですか。
#118
○政府参考人(西原政雄君) 状況をまず御説明させていただきます。
#119
○尾立源幸君 いえ、もう状況はいいんです。どうするんだということです。
#120
○政府参考人(西原政雄君) はい。
 私ども、やはりいずれにしましても、漏れてはならない情報がこういうような形で、どんな形であれ外部に流出するということは、これはあってはならないことだというふうに考えておりまして、この点につきまして今回も徹底した調査をさせていただきました。
 確かに、調査ポイントの一つには、どこに立ち入るかというまで知っていたかどうかという、そういうようなことも含めて、今回、網羅的にヒアリングをさせていただいた結果でございますが、前回もここで答弁させていただきましたように、報道機関に直接その情報を提供したと、こういったものは確認されておりませんし、またその情報管理上何らかの問題があって、直接渡したんではないんだけれども何らかの形で結果的にその情報が報道機関に渡ってしまったという、そういう事実がないかということも検証しましたが、その点についても確認ができなかったという状況にございます。
 しかしながら、いずれにしましても、この点については非常に大きな問題だという具合に受け止めておりまして、この点でこれまでも厳重な情報の管理というのを取扱いを徹底してきたところですが、更に加えまして、九月以降、私どもとしては三点対策を打ってございます。
 一つは、やはり検査班全体の問題でもございますので、検査班全体のマネジメントをやっております主任検査官、これに検査班内での相互牽制を利かせていただくということで、その徹底させるために定期的に情報管理状況を実態把握させると、こういうことを一つ考えております。それからもう一つは、注意喚起メールというのを、情報管理に関する注意喚起メールというのを各検査官に定期的に送るというような形で注意を喚起すると。それからもう一つは、報道機関の取材に対応する職員、これを限定する、その運用を厳格化するというような措置を講じているところでございます。
 いずれにしましても、ここの点について更に万全を期してまいりたいというふうに考えております。
#121
○尾立源幸君 局長は御自身の責任があるわけですから、そのようにお答え、何とか情報漏えいがないようにということでやっておられるでしょうし、調査してもし出てきたということになると大変なことですよね。ですから、局長に私聞いてもしようがないと思うんですね。
 局長を監督する大臣、このことに対して指示を出されたのか、それともきちっと情報管理体制を構築するよう指示をされたのか、大臣から答弁をいただきたいと思います。
#122
○国務大臣(山本有二君) 就任してから報告をもらいまして、幹部全員に来てもらいまして、この経過等を説明をもらいました。
 それにしても、ここのところ、テレビカメラまで事前に入っていくという話は噴飯物でありまして、私といたしましては、厳重に国家公務員法百条一項、「秘密を漏らしてはならない。」という、この公務員の倫理にもとるということで徹底するように再度指示をいたしました。
#123
○尾立源幸君 大臣、そのテレビカメラが入るということに対して、情報を内部の者は漏らしてないという報告に納得されたんですか。ネズミがいたんですかね。
#124
○国務大臣(山本有二君) 職員に対する言葉における信頼性であります。ここについては、私も関係の検査官やその関係者等について一々個人的に全部聴取するということはしませんでしたし、ただ、局長、審議官を通じて、皆さんからお伺いした、るるそういう報告は聞きました。職員にはそれを漏らしたというような自白めいた言葉は一切どなたからもいただけなかったわけでございます。
 したがって、それをそれで了とするというわけにも私もいきませんが、ただここは何とかしてそういう抜け穴のないように今後しなければ、恐らく国民は検査に対する信頼性が担保できないだろうというように思います。
 なお、尾立委員の御意見も踏まえまして、更に何ができるか検討をしてみたいと思っております。
#125
○尾立源幸君 こればっかりやっておりますと時間が過ぎてしまいますので、これ以上はできませんけれども、いずれにいたしましても、だれかが漏らさなきゃテレビカメラは来ないわけですから、その事実だけははっきりしているわけですよね。だれかがいるわけですよ。先ほど言ったようにネズミじゃないわけですから。
 ですから、徹底的にやってください。また報告を求めたいと思いますし、今後の情報管理については、局長がおっしゃったようなことが徹底されるように、私の方からもお願いをいたします。よろしいでしょうか。
#126
○国務大臣(山本有二君) しかと承りました。
#127
○尾立源幸君 それでは本論に入ります。
 多重債務者対策本部についての質問でございますが、今後、多重債務者対策本部を政府の方では設置をされ、カウンセリングと資金供給体制を整える予定だとお聞きしております。そこで、カウンセリングと資金供給を別々に行うと相互の連携がうまく取れない事例が出てくるのではないかと、私は危惧しております。
 そこで、お手元にお配りをいたしました、これもよく事例で出てまいります。先ほどの平野委員の出身地でございます岩手県の信用生協のように、弁護士、司法書士とのカウンセリングと資金供給を組み合わせた一体的な仕組みが私は有効だと考えております。
 大臣の御見解をまずお聞きしたいと思います。
#128
○国務大臣(山本有二君) まさしく御指摘のとおりであります。カウンセリングは、債務の返済計画あるいは今後の家計管理、そしてさらにはこれからの自立支援というような方向になっていくことは明らかでございます。その意味において、お一人だけでこのことが専門的に解決できる人というのはないわけでありましょうが、しかしそうした限界を超えて、この岩手の例では十分な対策を取っているということに対しましては、敬意を常日ごろ表させていただいているところでございます。
 こうしたことが各市町村に徹底され、また既にやっている方々もなお工夫を凝らされて、早期にこういう多重債務問題を解決するという形になればいいというように思っておりますので、なお検討させていただきたいと思っております。
#129
○尾立源幸君 よろしくお願いします。
 そこで資金需要者への資金の融通を図るための仕組みの充実というものを多重債務者対策本部の施策に掲げられております。この施策においては、公的資金の活用も行われると思われますが、具体的にどのような仕組みで資金供給を行う御予定なのか、お考えなのか、御説明ください。
#130
○国務大臣(山本有二君) 今回の改正におきましては、上限金利を引き下げるとともに、新たな過剰貸付規制を導入することに伴いまして、借り手に大きな影響が及ぶ可能性がございます。これに対し、借り手のニーズにつきまして公的セーフティーネットとも言うべき公的な融資制度等でカバーすべきとの指摘も見られるところでございまして、今後、多重債務問題への対応の中で検討すべき論点と考えております。
 いずれにせよ、こうした施策につきましては、多重債務問題の解決のために有効な施策を実施するとの観点から、今後、御指摘のとおり、内閣官房に設置される予定の多重債務者対策本部でなおもっと詳しい関係省庁等と連携しながら対応を検討してまいりたいと思っております。
 既存の消費者向けには生活保護あるいは生活福祉資金貸付制度、さらには母子寡婦福祉貸付制度、あるいは自治体提携社会福祉資金貸付制度等がございますし、また事業者向けにも、国民金融公庫の貸付けあるいは国民金融公庫の経営改善貸付等がございますので、こうした既存の貸付けのフォローアップ、あるいはさらに新規のものが必要かどうかも重点的に検討を重ねていきたいと思っております。
#131
○尾立源幸君 ありがとうございます。
 そこで、この岩手県の例を見ていただきたいんですが、うまい仕組みができておりまして、市町村が預託金の預託ということで金融機関に、右斜め下の矢印が出ていると思いますが、そこに預託をして、それを原資として四倍まで、左下ですね、信用生協、四倍協調融資ということでレバレッジを利かせて、四倍までの枠をつくっておるというような仕組みなんですね。これも一つの考え方だと思います。
 すべて、例えば公的機関で、金融機関で貸付けを行うのではなく、民間とうまく連携をしながらやるというのが税金を有効に使っていくポイントだと思いますし、また別の視点から言うと、民間金融機関と協調して、例えば利子補給とか、まあ原資の部分は民間である程度お願いすると。利子の部分は、例えば政府系金融機関が面倒を見るとか、うまくその辺の仕組みを活用して、なるべく国や自治体の負担が軽減されるように考えていただきたいんですが、大臣、どうでしょうか。
#132
○国務大臣(山本有二君) 尾立委員の、この一ページ目の資料を拝見して信用生協の枠組みが理解できたところでございます。
 先日も、全銀協には、特にこうした意味で民間金融機関からこうしたNPO団体等々のそうした小口貸付け、あるいは日本型ムハマド・ユヌスのああした試みに対することに対して、どうぞ貸付け等便宜を図っていただくように要請したところでございまして、全銀協の方も快くそれに対しましては検討をお答えいただいたわけでございまして、今後、そうした機運が盛り上がり、こうしたシステムがうまく運営できれば幸いに存じます。
#133
○尾立源幸君 よろしくお願いいたします。
 それでは、やみ金等の取締りについて質問をさせていただきたいと思います。
 先ほど平野委員からございましたように、資本市場、特に金利に関する資本市場がゆがむということが予想されるわけでございますが、過去、例を見ますと、出資法でずっと貸付けを行っていた、これが二〇%に引き下げられるということで、私はやみ金が横行するんではないかというふうに危惧をしております。また、そういう議論もあったと思います。一番いいのは二〇%の枠内ですべての取引ができるのがいいんでしょうけれども、なかなか難しい部分もあると予想されます。
 そこで、仮にやみ金がはびこるような、そういった事態が起こった場合に備えてどのような対策をお考えになっているのか、金融庁と警察庁にそれぞれお聞きしたいと思います。罰則強化の方は余り詳しくもう言っていただかなくて結構ですので、それ以外のことでお願いいたします。
#134
○政府参考人(三國谷勝範君) 御指摘のとおり、やみ金融につきましては、その撲滅のための対策は一生懸命講じてまいりたいと考えております。
 罰則につきましては割愛させていただきますが、私ども、これから内閣官房に多重債務者対策本部、これが設置される予定でございますが、そこでやはり関係省庁が連携いたしましてこの対策について検討を行ってまいりたいと考えております。
 いずれにいたしましても、今後ともやみ金融の撲滅のために政府を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
#135
○政府参考人(竹花豊君) お答え申し上げます。
 今回の法改正、出資法の上限金利の引下げを含めました今回の法改正で、貸金をめぐる違法な行為がむやみに増えるというようなことは警察としては考えてもおりませんし、またそういうことはあってはならないというふうにも思っているところでございます。
 今回の法改正を機に、業の適正な運営にかかわる金融庁を始めとして、関係行政庁もこの種の違法行為の抑止のために相当の御努力をされると承知をいたしております。警察といたしましても、こうした関係行政庁等ともよく連携をして役割を果たしてまいりたい。
 とりわけ、今回の法改正に伴って貸金業の側に様々な変化が生ずることが予想されるわけでございまして、これを的確に把握いたしますとともに、取締りの徹底を含めて状況に応じた適切な対応を進めてまいりたいと考えているところでございます。
#136
○尾立源幸君 特に警察庁の方は抽象的でよく分からないんですけれども、現にレンタル時計などで、この前お話ししましたようにもう次々と新手のものが出てきそうな気配がしておるわけでございます。そういった意味で、抽象論ではなく、何か例えば人員を確保するとか、そういう対策室をきちっとつくるとか、そういう取組というのはないんですか。
#137
○政府参考人(竹花豊君) いずれ、本法改正に伴う貸金業側の変化というものを十分踏まえた適切な対応を取ることが必要でございます。必要であれば、その対処に必要な体制を整備をして、総合力を発揮したそうした体制で臨みたいというふうに考えております。
#138
○尾立源幸君 是非、第二第三の被害者が出ないよう、よろしくお願いをいたします。金融庁にもよろしくお願いしたいと思います。
 そしてもう一点、今年の通常国会で犯罪収益剥奪法、これ仮称でございますが、成立いたしました。十二月一日にいよいよ施行されました。これは御承知のとおり、財産犯等の犯罪行為が組織的に行われた場合、犯罪被害財産の隠匿等が行われた場合などに没収、追徴した犯罪被害財産を被害者への給付金の支払に充てるという、こういう内容でございますが、やみ金の撲滅のためには、私はこの法律の積極的な適用が必要だと考えております。
 また、やみ金だけではなく、先日、広田委員や大門委員からも指摘のあった三要件を満たしていない違法な日賦貸金業者からもしっかりとこれ犯罪収益を剥奪する必要があると私は考えますが、日賦貸金業者に対しても犯罪収益剥奪法が適用される場合があるかどうか、法務省、御見解をお聞かせください。
#139
○政府参考人(三浦守君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、今年の通常国会におきまして、組織的犯罪処罰法の改正等によりましていわゆる犯罪被害財産の没収、追徴を可能とした上でそれを被害者に給付するという仕組みができ、十二月一日から施行しているところでございます。
 お尋ねのやみ金業者、さらには日賦貸金業者の要件を満たさないような場合も含めまして、いわゆる上限金利を超える貸付けを行って高金利を受領するという場合には出資法の罪が成立するわけでございますが、こういった場合に、その組織的犯罪処罰法所定の組織的な犯罪として行われたような場合でありますとか、その他犯人に対する損害賠償請求権等の行使が困難であると認められるような場合などにつきまして、その犯罪収益を没収、追徴することが可能となったところでございます。
 検察におきましては、そういった改正の趣旨を踏まえて適切な運用がなされるというふうに考えているところでございます。
#140
○尾立源幸君 是非、いいツールができ上がったわけでございますから、これを有効に活用して未然に防ぐことが大事なわけでございますので、是非この辺も周知徹底をしていただきたいと思います。抑止力として是非周知していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは次に、これもまた前回取り上げました消費者金融連絡会のビデオについてもう一度、その後の続きがございますので、質問をさせていただきたいと思います。
 このビデオをもう一度振り返りますと、カードを使うと豊かになる、金利を払わなければならないという内容が一切入っていないビデオであったということでございますが、衆議院財務金融委員会での審議では、このビデオは各分野の学識経験者、文部科学省の家庭科の教育課程の専門家によって審査されたと文科省は答弁されておりますが、これらの中に金融あるいは消費者教育の専門家が含まれているのかどうか、まずお聞かせ願いたいと思います。
#141
○政府参考人(中田徹君) お答え申し上げます。
 文部科学省の教育映像等審査規程においては学識経験者の意見を聴いて行うということになってございまして、具体的には、学校教育の教科別、社会教育、一般劇映画等の分類に分かれて審査会を設けまして、それぞれの専門家の審査委員が審査しております。
 お尋ねの選定ビデオにつきましては、家庭、技術家庭、情報という分野についての審査でございますが、小中高の家庭科の教員、教頭、校長、それから文部科学省の家庭科の調査官により審査が行われたところでございます。
 今、先生御指摘のように、直接、金融消費者教育の専門家とされる審査員は含まれておりませんが、私どもとしては、学校の家庭科の担当教員が、実際、学校において金融あるいは消費者教育の任に当たっておりますので、この分野を含む人間が映像審査を行うことは適当だというふうに考えた次第でございます。
#142
○尾立源幸君 資料の二ページ目がその審査の方々のリストでございます。ここを見る限り、家庭科、技術等々で余り金融のことが分かった方がいらっしゃらないんじゃないかなと思います。
 しかしながら、一方で教育指導要領ですか学校指導要領ですか、高等学校の家庭基礎というのがございまして、そこには消費社会を生きるという項目があって、お金をためる、増やす、借りる等々の項目の中で適切に、例えば消費者金融のことに関して申しますと、略して申し上げますが、担保を取らない貸付けは一般に金利が高いので安易な利用は禁物であるとか、消費者信用という部分では、無計画な利用は多重債務や自己破産などの問題を引き起こすことにつながりやすい等々、非常に詳しく金利の話、多重債務、自己破産、消費者金融等々の話が書いてございます。
 本来ならば、この家庭科の高等学校の先生方、二人いらっしゃいますよね、六番、七番。また八番、九番もそうでしょう。こういう方々は、当然このことに関与されているわけですから、そういう知識がおありなはずだと私は思っております。なのに、一向にその視点が今回のビデオの審査には生かされていないと。
 そもそも論として、こういう方々が自分たちのお作りになったこの指導要領をしっかりと理解してないんじゃないかと、このように思うわけでございます。それプラス、なかなか、専門家じゃないということであればそういう方をきちっと入れておかなければいけないという二つの視点があるわけですが、そもそも論、これなぜ理解してないんですか。これ理解してあれば、この方たちで十分審査ができたんじゃないんですか。
#143
○政府参考人(中田徹君) お答え申し上げます。
 消費に関する学習指導要領で家庭科につきましては、高等学校におきましては、「家庭の経済生活、社会の変化と消費生活及び消費者の権利と責任について理解させ、消費者として主体的に判断できるようにする。」というのが学習指導要領でございまして、その内容は、今先生が御指摘くださいましたように、具体的な教科書のレベルではいろいろと細かく書いているところもございます。そこは、この指導要領に基づきまして具体的ないろんな指導が行われているところでございます。
 そういう意味で、このビデオを審査するに当たりまして、金利の問題について含まれていないという先生の御指摘でございまして、それはそのとおりでございますが、それ以外、お金を借りることについての自己責任の重要性ということをこのビデオは強調をしておりまして、その意味で教育的な価値があるというふうに判断されたものでございます。
 これは不十分であるということを前回から先生に御指摘いただいておりまして、この分野についての確かに専門的な知識を持っている人間がいなかったということでございますので、ビデオというのは、いろんな分野でビデオの申請がございまして、それを専門家をあらかじめ確保しておくことは難しいわけでございますが、今回の問題を考慮いたしまして、今後適正なビデオの審査体制ということについて検討してまいりたいというふうに思っております。
#144
○尾立源幸君 よく分からないですが、自分たちで作っておいた制度が機能していないことをどう説明されるんですか。この審査会の審査員の審査をしなきゃいけないじゃないですか、そんなんだったら。何をやっているんですか。
 この学習指導要領、これすら一般の現場の先生方はなかなか難しい部分あると思います。しかしながら、審査をやる人でしょう。そのぐらいきちっと分かった上で審査してくださいよ。いいですか。二度とこのようなことがないように、きちっとやってください。
 とにかく、このビデオを見た私は、教育のためなのか将来の顧客をつくるためなのか、どっちか分からないビデオなんですよ。どっちかというと、将来のお客さんの囲い込みと、これは素直な、多分皆さんごらんになっていただけば、感想だと思います。そんなものを絶対見せないで、二回目になりますけれども、きつく言っておきます。よろしくお願いします。いいですか。
 ちょっと時間がないので、また次、行かしていただきます。
 同じくまた、しつこいんですけれども、三ページ目。大臣にもこれはお聞きしたいんですけれども、副読本がございます、ビデオのみならず、こちらに。ビデオにまた副読本がございますんですけれども、そこに、「暮らしと消費者金融」というこの本のタイトルの中に、金利についての記述がございます。つまり、金利は、全部読みませんが、出資法、上限金利二九・二というのがあるんだよということだけを教えております。ちょっと文言を訂正していただきたいんですが、下から二行目の「会わせて」というのの会うという字が間違っておりますので、これは訂正していただきたいんですけれども。一方、国民生活センターのホームページでは、ちゃんと二つの金利があるということを教えております、出資法の金利と利息制限法の金利と。
 大臣、これはもう明らかですよね。どうですか、これをごらんになって。
#145
○国務大臣(山本有二君) この副読本につきまして、ほかにどのような教材と組み合わせて使用されているか、その詳細は承知しておりません。
 したがって、立ち入ったコメントはできないんですが、一般に消費者がクレジットやローンを適切に利用するためには、出資法の上限金利だけでなくて、利息制限法の上限金利や出資法と利息制限法の関係等についても当然知っておく必要があると考えております。
 また、こうした知識につきましては学校教育段階から教えることが重要であるということはもとよりでありまして、金融庁が作成している高校三年生向けパンフレット等におきましても、出資法だけでなく利息制限法についても記述をしているところでございます。
#146
○尾立源幸君 これは、制作がまず消費者金融連絡会、例のビデオを作ったところと同じでございますし、協力は社団法人全国貸金業協会連合会、社団法人金融財政事情研究会ということになっております。
 それで、先ほど平野委員もございましたように、要は、業界は出資法しか見ていなかったんですよね。そういうのがするっと通って現場に行っているということに私は問題を感じておりますし、これは過去のことではございますが、改めて、消費者教育というか、学校教育の中で金利についてしっかり教えることを改めて求めたいと思いますが、大臣、あと文科省、よろしくお願いします。今までうそのことを教えられているわけですから。
#147
○政府参考人(中田徹君) このビデオ及びそれに伴って参考資料が用いられて出前講座等が行われている状況については、ただいま、今私ども、どういう状況、どういう教育が行われていたかどうかを調査しております。その内容を踏まえまして、今後また金融庁とも相談をして、これからあるべき金融教育について考えてまいりたいというふうに思います。
#148
○国務大臣(山本有二君) 金融経済教育という面に関しましては、まず一つは、借りた金を返さなければならないという債務者の義務や出資法上の上限金利だけでなくて、出資法と利息制限法の関係、クレジットやローンを利用する際の注意点、多重債務に陥った場合の対処方法、これらについて行う必要があると今考えております。
 金融庁といたしましては、こうした点につきまして教育が行われますように、今後内閣官房に設置される予定の多重債務者対策本部におきまして議論を行い、文部科学省を始めとする関係省庁や関係団体とも連携して取り組んでまいりたいと思います。
#149
○尾立源幸君 是非よろしくお願いをいたします。教育が大事でございます。大臣もそれはお分かりのとおりだと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 あともう一つ不思議な、これも新聞で出ていた件でございますが、御承知のとおり、「改正貸金業規制法のすべて」Q&Aというこの本が出ております。これは御承知のとおり、元金融庁の金融会社室長さんですね、が一時的に神戸大学に移られたときにお書きになった本でございますが、これを調べてみますと、初版に関しては一万六千百三十四部販売され、そのうち一万部が全国貸金業協会連合会がお買いになって、残りの二千六百六十九部を大手消費者金融がお買いになったと、この四ページ目に資料で付けてありますが。すなわち、この全金連や大手消費者金融というところが購入しなければこの二万部という発行部数はあり得ないわけでございまして、そもそも論として、この購入が前提に書かれ、また印刷が、出版がされたと、このように思うわけでございますが、事実関係をお教えください。
#150
○政府参考人(中江公人君) 済みません。御質問の趣旨は、この大量の……
#151
○尾立源幸君 そういうことでいいんですかと、事実関係が。
#152
○政府参考人(中江公人君) 事実関係でございますね。
 全国貸金業協会連合会からは、この平成十五年の貸金業規制法の改正内容の周知徹底のために会員向けの分かりやすい解説書を探していたところ、出版元からそのニーズに合致した内容の図書の購入があったため、正式な内部手続を経ましてその購入を決めたものと聞いております。
 それから、この本を執筆した元室長からは、この貸金業規制法改正の経緯と背景について資料として残したいと。それから、やみ金からの被害防止のために国民の皆さんや貸金業者の啓蒙書、手引書として活用してもらいたいとの思いで執筆した旨の報告を受けているところでございます。
#153
○尾立源幸君 国家公務員倫理法第三条のところに、前、これは大塚議員が随分やり合ったとおっしゃっていますが、厚労省の医療や介護の本を職員がお書きになって選択エージェンシーというところからバックをもらっていたりというような話や、原稿料をもらっていたりという話がありました。そのとき、逮捕者まで出ております。今回、この三条に照らして、一千五百万円ほどの出版物の購入がこういう非常に職務と密接なところからあるわけでございますが、私は、この利益というのは職務によって得た知見を私的利益のために用いたものではないかと、このように思うわけでございます。
 恐らく、たまたま神戸大学に公務員を離れて行っているということで問題ないんだとおっしゃるかもしれませんが、その後また本省にお戻りじゃないですか。連続性から考えると、これは一時的に行かれているだけで、国家公務員の身分そのもの、本質は全然変わってないと思うんですが、これはいかがとらえていらっしゃいますか。
#154
○政府参考人(中江公人君) その本人からは、金融庁を離れて国立大学の助教授に異動した後に本書籍の執筆を思い立ったものであり、全金連等からの執筆の依頼を受けたものではないということ、それからこの全金連及び貸金業者の個社に対しまして購入の依頼をしたことは一切ないといったようなことを聞いておりまして、こうしたことを見る限り、このこと自体が不適切なことというふうには受け止めておらないところでございます。
#155
○尾立源幸君 この出版社は財団法人大蔵財務協会でございますから、もちろん御本人が全金連とやり取りをして何部買うとかこういう本出してくれというような話じゃないでしょうが、要はここが中継ぎをしているわけでしょう。そうじゃないですか。
#156
○委員長(家西悟君) お二人手が挙がっていますけれども。財務大臣官房杉本官房長。
#157
○政府参考人(杉本和行君) お答えいたします。
 当該書籍の発行元でございます財団法人大蔵財務協会に確認いたしましたところ、当該出版の販売に当たりましては、他の多数の書籍と同様、一般的な販売PR、すなわち関心を持たれるであろう方面に対しまして書籍の内容紹介を行うダイレクトメールの発送、こういったことによる販売PRを行ったというふうに聞いております。
#158
○尾立源幸君 パーツパーツを取り上げれば違法性はないのかもしれません。しかしながら、大臣、前、前川議員からありました公正ということと公正らしさということ、二つ概念としてあるということで、金融庁は特に、財務省もそうですが、公正らしさというところまで倫理的にモラルとして持っていかなければならないと、こういうふうに私も思うわけなんですね。
 そういった意味で、大臣、最後に一言御所見をお聞かせいただきたい。この問題に対してよろしくお願いいたします。
#159
○国務大臣(山本有二君) 神戸大学当時の教授としての執筆であったということではありますが、個人の職務の経過からする連続性からして疑われるようなことのないような業務にするべきだと思いますし、公正と公正らしさ、ともにきちんと世間に納得いただけるような体制を今後とも取っていくように指導してまいりたいと思っております。
#160
○尾立源幸君 是非よろしくお願いします。
 これで私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。
#161
○委員長(家西悟君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時二十分まで休憩といたします。
   午後零時二十三分休憩
     ─────・─────
   午後一時二十分開会
#162
○委員長(家西悟君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、池口修次君が委員を辞任され、その補欠として前川清成君が選任されました。
    ─────────────
#163
○委員長(家西悟君) 休憩前に引き続き、貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#164
○富岡由紀夫君 民主党の富岡由紀夫と申します。よろしくお願いいたします。
 早速、質問に入らさしていただきたいと思います。
 この委員会でもいろんな参考人質疑とか地方公聴会等実施いたしまして、様々な方からいろんな御意見をちょうだいいたしまして、そういった、あとこの委員会の中で議論あったことも踏まえて質問させていただきたいと思います。
 まず、都市銀行が貸金業に参加しておりますけれども、まずその実態といたしまして、都市銀行と貸金業者との関係をお伺いしたいと思います。
 網羅的にすべてお答えいただかなくて結構でございますので、重立った都市銀行と重立った貸金業者との関係について、資本、天下りの問題とか、バックファイナンス、融資の問題とか、そういった観点で関係をちょっとお伺いしたいと思います。
#165
○政府参考人(佐藤隆文君) 一部の銀行で、御指摘のとおり、出資あるいは役員の派遣、あるいは融資というような形で貸金業者、消費者金融業者との関係がございます。
 十八年三月期における大手消費者金融各社の有価証券報告書に基づいて申し上げます。
 主なところということで、まず資本関係につきましては、十八年三月末現在で、三菱UFJフィナンシャルグループがアコムの株式を一二・九九%保有しております。また、三井住友銀行がプロミスの株式を二〇・二二%保有しております。
 次に、融資でございますが、アコムに対しまして三菱東京UFJ銀行が百十億円、プロミスに対しまして三井住友銀行が五百六十億円、三菱東京UFJ銀行が百四十九億円の融資を行っております。
 また、人的関係でございますが、アコムにおいて、三菱東京UFJ銀行の出身者が取締役となっております。また、プロミスにおきましては、三井住友銀行の出身者が取締役となっております。
#166
○富岡由紀夫君 最近はテレビのコマーシャルもかなり自粛されて、少しは目立たなくなってきているんですけれども、一時は貸金業者のテレビコマーシャルに都市銀行の名前が堂々と出ていたりしておりまして、一般の消費者が見れば都市銀行がそういう形で資本提携なりいろんな提携をしているわけですから、そこに安心感というか、ある意味信頼を置いて、より安易に借りやすくなってしまったということもあるというふうに私は思っております。
 今回、いろんな社会問題が契機となってこの法案の改正に至ったわけでございますけれども、この貸金業協会の、いろんな社会的な問題を引き起こしたわけでございますけれども、それこそ人の命を融資の返済に見込んだり違法な取立てを行ったわけで、非常に大変な問題でございますけれども、そういった業界に対して、ある意味信用第一の都市銀行がそういった業界に進出した、資本提携なりしているということ、事実に対して、山本金融担当大臣はどのようにお考えでいらっしゃいますか。お伺いいたしたいと思います。
#167
○国務大臣(山本有二君) 民間企業たる金融機関の融資、提携というのは、個々の金融機関の経営判断に属する事柄であることは申し上げるまでもありません。一方、金融機関の経営におきましては、収益性だけではなくて、金融機関としての業務の適切性や健全性、社会的責任といった観点も重要であります。特に、消費者金融につきましては、多重債務者の発生や増加といった社会問題が起きている状況等を踏まえ、各金融機関におきましては消費者へ提供されるローンのあるべき姿につきまして真摯に検討し、適切に取り組んでいただきたいと思っております。
 三メガのうち、みずほファイナンシャルグループは消費者金融業界との提携を絶っておるわけでございまして、そのことからしましても、区々ばらばらにやっている中でもその経営判断において見るべきものがあろうと思っております。
#168
○富岡由紀夫君 銀行がやっている融資と貸金業者がやっている融資というのは、かなり色合いが違うというふうに思っております。そういった意味で、銀行が貸金業業者といろんな形で関係を深めて、消費者からすると銀行がやっているのか貸金業者がやっているのかよく分からないということが、これは大きな問題点の一つだと私は思っております。
 銀行を監督している立場の金融庁として、銀行に対して何らかの指導なりいろんな助言なりしていくおつもりはあるのか、お伺いしたいと思います。
#169
○国務大臣(山本有二君) 先ほど申し上げましたように、貸金業者と提携するかどうかにつきましては経営判断に属するわけでございます。その意味で、消費者金融について融資をしてはならないとまで具体的な指導はできませんけれども、先ほどから申し上げているとおり、社会的責任、昨今の多重債務問題、消費者金融の在り方、さらにこの法改正後の多重債務対策本部として各銀行にお願いする向きというようなこともございますので、今後、各金融機関におきましても多重債務問題に真っ向から取り組んでいただけるような、そんな体制づくりもお願いしたいと思っておりますので、その意味で当然、銀行、各金融機関も、業務の適切性、健全性、社会的責任という観点からおのずから御判断いただけるだろうというように思っております。
#170
○富岡由紀夫君 山本大臣は、与謝野前大臣と違いまして、金融機関、銀行の独自の判断にゆだねるということでよろしいんですか。
#171
○国務大臣(山本有二君) 恐らく、与謝野大臣も経営の独自の判断にゆだねられていることは間違いないだろうと思いますが、こうした多重債務問題というのは、御審議いただいている貸金業法の改正並びにその後つくられるであろう多重債務対策本部、こういったことで与謝野大臣時代以上に具体的に取り組むわけでございますので、御理解をちょうだいしたいと思います。
#172
○富岡由紀夫君 この社会問題を引き起こしました貸金業協会を金融庁は監督しているわけでございますけれども、この社会問題に対して、さきのような貸金業協会が起こした社会問題に対して、金融庁は責任をお感じいただいているのかどうか、その辺をお伺いしたいと思います。
#173
○政府参考人(佐藤隆文君) これまで私ども金融庁といたしましては、法令にのっとりまして、問題のある事例、悪質な事例等を把握いたしました場合には、事実関係を確認の上、法令に基づいて厳正な処分等を行ってきたということでございます。
 また、この実態をできるだけ広く把握するために金融庁に設けられました利用者相談室に寄せられる相談、苦情等の情報、あるいは検査を通じて確認いたしました実態、さらには報告徴収によって確認されました実態、こういったものをできるだけふだんから広く確認するように努め、それに基づいて、先ほど申しましたような、必要がある場合には厳正な対応をすると、こういう取組を行ってきたところでございます。
#174
○富岡由紀夫君 今の取組のお話でございますけれども、今のお話を受けて、山本大臣、金融庁の責任を改めてどのようにお感じいただいているのか、お伺いしたいと思います。
#175
○国務大臣(山本有二君) 貸金業者としてのモラルあるいはコンプライアンス、そういったものに対して今までも十全を果たしてきたというように思っておりましたが、しかし、結果からすれば貸金業界における市場の不健全というものが結果あるわけでございまして、その意味におきましては、時代時代に応じて更に前進をしていく金融庁でなければならないということを考えるときに、今までがよかったかということを考量してまいりますと、今までももっと早めにこうした対応を取ればよかったということは言えなくもないだろうと思いますけれども、我々としましては、職員一同一丸となってこの法案の作成そして審議に邁進してきたつもりでございますので、是非御理解をちょうだいしたいというように思っております。
#176
○富岡由紀夫君 はっきり責任については、意味合いはよく理解しましたけれども、述べられなかったということで、ちょっと残念なんですけれども、次の質問に行きます。
 セーフティーネットの議論がいろいろと出ておりますけれども、ややちょっと明確になっていない部分が私なりにございまして、ちょっとお伺いしたいんですけれども、整理の意味を込めてお伺いしたいんですが、多重債務者に既になっている人に対するセーフティーネットと、まだ多重債務者にはなっていない、これからそういう予備軍みたいな人たちに対するセーフティーネット、これらにこの二つは分けて考える必要があると思うんですけれども、具体的にどのようなセーフティーネットを今考えていらっしゃるのか、お伺いできればというふうに思っております。
#177
○国務大臣(山本有二君) 既に多重債務者になっている方々につきましては、まずは心理的な強固なお考えを持っていただくためにカウンセリングしていくことが大事だろうと思いますし、そうした中で、延長で、その債務の整理、過払いがあれば返還というような法的な手段を取らなければならないと思います。そして、その後は、今後自立していただきたいと思いますので、就職支援だとか自立等々の支援が必要だろうと思っております。
 今後、多重債務になろう人である者に対しましては、多重債務者にならないように、今までの学習効果でしっかりと経験を生かした措置をとっていきたいと思っております。その方々に対しましても、陥る前の教育、陥る前の啓蒙、陥る前のこうした知識の周知を徹底してやってまいりたいというように思っております。
#178
○富岡由紀夫君 午前中の質問の中でも議論ありましたけれども、いろんなそういった方を救う融資制度みたいなのも検討されているところがあると思うんですけれども、今もう既にいろんな制度融資みたいな形で生活に困窮されている方を救う制度があると思うんですけれども、そういうのが十分に活用されていらっしゃるという御認識でおりますでしょうか。
#179
○国務大臣(山本有二君) 十分機能しているかと問われれば、むしろ、ああ、そういう制度があったのかというように思う方の方が人口的には多いだろうと認識しております。
 その意味では、既存の制度を周知徹底すること、そしてさらには、今回の内閣府にできます多重債務対策本部において、その制度を、既存制度を拡充することができないかどうか、それを検討し、なお足らざるところがあり必要と認められれば、新たな新規の施策ということも十分考えていかなければならない問題であろうというように思います。
 また、衆参で御議論いただきましたNPO法人の貸付け、小口貸付けの善良な皆さんの御協力ということも不可欠であろうと思っておりますし、そんな意味で、官民合わせてこの問題に対応する、そういうタスクフォース的なものができれば幸いだというように思っております。
#180
○富岡由紀夫君 民にもそういう協力を求めるというお話なんですけれども、具体的に金融機関にはどういった形で求めていこうというふうにお考えでしょうか。
#181
○国務大臣(山本有二君) 既に接触のある金融界の団体には、この問題につきましての私の感想なりお願いをさしていただいているところでございます。そしてまた、今後におきましては、私が単に感想を述べる、あるいは個人的にお願いするという形ではなくて、多重債務者対策本部でオーソライズされましたきちっとした施策の下に、そうした民間の御協力をお願いをしていくということになろうかと思っております。
#182
○富岡由紀夫君 民間の金融機関に協力をお願いするというお話なんですけれども、具体的に協力を求めるとなると、例えば無担保の融資とか保証人を立てない融資とか、民間の金融機関に求めていくという議論もあったかと思うんですけれども、そういったことを中心に、柱としてお願いしていくということでよろしいんでしょうか。
#183
○国務大臣(山本有二君) どういった形が好ましいのかも含めまして、多重債務対策本部で専門家の御意見も聞きながらやっていきたいと思っております。
 午前中の質疑の中で、岩手県にございましたああいう生協のいい事例もございますので、そういったいい評価のある仕組みをベースとしながら検討を重ねていく所存でございます。
#184
○富岡由紀夫君 これまでの議論の中で、今、先ほど申しました担保を取らない融資、金融機関に対してですね、あと、保証人を取らない融資を求めていくというお話ありましたけれども、それも柱の一つとしてお考えでしょうか。
#185
○国務大臣(山本有二君) 当然、多重債務者の皆さんは、恐らく担保といいましてもなかなか取れる状況にはないと思いますので、そういった制度、特にグラミン銀行の例のように、カウンセリングと一緒になりました小口貸付けというようなことも視野の中に入れているところでございます。
#186
○富岡由紀夫君 担保によらない融資とか保証人を取らない融資というのは、言うのはやすいんですけれども、貸金業者ができないそういった融資を都市銀行なりそういう民間の金融機関が本当にできるのかなというところで私は非常に疑問に思っているんですけれども、さっきの岩手県の午前中のような制度であれば、またいろんな考え方ができると思いますけれども、単純に金融機関に対して無担保無保証人の融資をやれというふうに言っても、これは非常に難しい部分があると思うんですけれども、そういう議論も確かに今まで議論あったと思うんですけれども、その点についてはどうお考えですか。
#187
○国務大臣(山本有二君) 富岡委員おっしゃるとおりで、私が感想なりお願いなりしましても、当然、各金融機関、実務経験のある方々ばかりでございまして、自分の金融機関でやろうという形を取る人はむしろ少ないのではないかというように思います。むしろ、融資のやり方、あるいはそういう設計、システム設計等についてのアドバイスやら、あるいは今後そうした融資、小口融資をしているところへの貸付けというようなことになろうかと思っております。
#188
○富岡由紀夫君 はい、分かりました。
 次に、総量規制についてお伺いしたいと思います。
 午前中、平野議員からもいろいろと、ローンの残高を除外するのはおかしいじゃないかといういろんな議論ありましたけれども、まさしく私もそのように思っておりまして、本来、総量規制の目的は、返済がちゃんとできるかどうか、これを確かめるために一つの手段として総量規制を導入しているんだと思いますけれども、返済能力を見るときに、残高というのは私は関係ないんじゃないかなというふうに思っております。ローンの残高とかほかの融資の残高を区分してあえて分ける必要はないと私は思っております。
 年収と比較するのであれば、今あるほかの、既存の借入分の年間の返済額、それとの比較すれば簡単に返済能力というのはある程度の判断はできるんだというふうに思いますけれども、その辺のやり方は、なぜそんな残高にこだわったのか。年間の返済額を、本来であれば、年収で比較するんであれば、返済能力を見る上で比較の項目とすればいいというふうに私は思っているんですけれども、なぜそうされなかったのか、ちょっとお伺いしたいと思います、改めて。
#189
○政府参考人(三國谷勝範君) 今回の改正では、借り手の返済能力を超える過剰貸付けを禁止する枠組みといたしまして、一つは指定信用情報機関の制度、それからこれを利用した情報の把握とともに、年収等を基準にその三分の一を超える貸付けを原則禁止する総量規制を導入することとしているものでございます。
 これは、平均的な利用者増を前提といたしまして、そういった方々が無理のないペースでおよそ三年程度で返済できると、こういったことで考えているわけでございまして、その平均的な利用という場合に、いろいろな考え方があろうかと思いますが、年収、そしてその三分の一ということを基準にしているものでございます。
#190
○富岡由紀夫君 大臣に是非お伺いしたいんですけれども、これからいろいろこの法案も見直しをされていくということが議論されておりますけれども、是非私は、残高で返済能力を判断するんじゃなくて、既存の借入れプラス新規に借入れしたらどのぐらいの年間の返済額になるのか、それとの比較で、年収と比較していただいて返済能力を見てもらうような、そういう内容に改めていただきたいというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
#191
○国務大臣(山本有二君) 今後、検討させていただきます。
#192
○富岡由紀夫君 よろしくお願いいたします。
 次に、参考人質疑でいろいろと議論になった件についてお伺いしたいと思います。
 貸金業協会の会長なりアコムの社長さんなり、いろいろな方が口をそろえておっしゃっていたんですけれども、金利がこういう形で上限金利が下がってくると、出資法の金利が下がってくると、信用収縮が起きるんじゃないかといった議論が参考人の方々からたくさん議論出ました。
 その中で、ちょっと質問の中で私も質問させていただいたんですけれども、要は、信用収縮で返済能力のない人に対して、低い人に対して融資ができなくなってしまう、若しくは融資額が減ってしまうというお話でございましたけれども、じゃ逆に考えると、今はそういう返済能力の低い人たちに対しても融資を行っているわけでございますよね、現状は、逆に考えると。
 しかも、そういう返済能力の低い人に対して融資を行っているだけなくて、高い金利で融資を行っているということでございますから、高い金利であるということは、余計、返済能力の低い人に対してまた強い、更に厳しい返済を求めているということになっておりまして、何か非常に論理的な矛盾が私は感じているんですけれども、この点について金融担当大臣はどういうふうにお考えでしょうか、その業者の言い分に対して。御意見をお伺いしたいと思います。
#193
○国務大臣(山本有二君) まあ何といいますか、それは今までのマーケットのゆがみという形で表現ができるかもしれませんし、今回、金利規制をすることによりましてそういったゆがみを是正することができるだろうというように思っておりまして、より健全化する方法、今まではなかなかこれ、借り手も貸手もいびつな姿、いびつな心理状態があったと思いますけれども、だからこそこういう、このドラスチックとも言える上限金利を思い切り二〇%まで下げて、しかも実効金利以下にするという考え方でございまして、言わばこの業界の再編成もにらみながら考えていくわけでございますので、その点におきましては富岡委員の御指摘になるところの影響は十分あるだろうと思いますけれども、またそれが健全化につながるというように確信をしておりますので、御理解を賜りたいと思います。
#194
○富岡由紀夫君 何を言いたいかというと、業界の人たちが信用収縮が起きるという議論をうのみになかなかできないところがあるのかなというふうに思っておりまして、そういう趣旨でお伺いいたしました。
 金利を下げたら借りられない人が一杯出てきちゃうよなんていう話ですけれども、そういう人は返済能力元々低い人ですから、そういう人たちに今は高い金利で貸しているわけですからね。これが返済ができなくなるのは、確率が高くなるのは当然だというふうに思っておりまして、そういったところを議論しないで、貸金業界なりそういったいろんな議論が進むことに対しては私はおかしいんじゃないかなというふうに思っております。
 したがって、これからまた、さらにこの出資法の金利とか利息制限法の上限金利、これの見直しなんかも、何というか、そういう観点で私は議論してもいいんではないかと、弾力性を持って議論してもいいんじゃないかなと、そういう趣旨で質問をさせていただきました。だから、業界の言いなりになって、そのとおりだということで議論は進めてほしくないなという趣旨でございます。
 あと、また業界のいろんな言い分に対して私もどうも納得いかない点がまだ幾つかあるんですけれども、なぜ貸金業者は返済能力のない人に対しても一杯貸そうとするのか。大門議員なんかもわざわざいろんな内部資料、どっかから入手されて議論されておりましたけれども、わざと個人の年収が高いような改ざんを行ったり、返済能力があるかのような内部資料を集めて過剰な融資をするということが行われているわけでございますけれども、なぜ貸金業者は一杯お金を貸そうとするのか、ちょっと私は疑問なんですけれども、その点、担当大臣はどういうふうにお考えでしょうか。
#195
○国務大臣(山本有二君) 私もその心理状態を考えたことがありますが、働いて十万円を得る、しかも実働で十万円を得るというのはかなりの年月と努力が必要でございます。しかし、無人貸出し機で簡単に十万円が手に入るというようなそういう経験を一度すると、最初は生活費に充てておっても、そうした依存性といいますか心理状態の虚をつかれたような日常がやってきて、やがて多重債務になるという、そんな一つの人間の弱さの一面でないかなというように思っております。しかし、それを弱いとして放置することが現代の社会で許されるかというと、絶対に許されない観点であろうと思います。
 そこで、貸す方はリスクがある、確かにそうでございます。リスクがあって金利が高くなければならない、それもそうでございます。しかし、それ以上に、利用者たるそうした依存性の強い方々を放置するということ自体において、保護の観点からすれば、当然、その自由の規制というものも、私はそれ以上の規制をすることが、正に営業の自由以上のものが現在生じてきているというように思っております。そのことを是正することが今日、市場の回復、健全な市場の回復につながり、また貸手と借り手の友好な、市場の当事者として運営いただける将来を考えたときに、今正にどうするかということは大変重大なことであろうと思います。
 借り手の心理状態やそうしたメカニズムにつきましては、また富岡委員から御示唆いただきまして検討したいというように思っております。
#196
○富岡由紀夫君 期待していた内容とちょっと違うんですけれども、貸金業者はどうして多く貸すのかと。しかも、返済能力の低い人に対して融資をたくさんするのかということなんですね。返済能力の低い人に融資をすれば焦げ付く確率というのは非常に高くなってきますと。貸倒れになる確率は非常に高くなってくる。これは普通の融資するサイドからの考え方でいうと、本来あり得ない話なんですね。貸金業協会の一番の問題点は、そのあり得ないことがなぜ行われているのかというところが私は一番問題だと思うんですね。
 返済能力のない、貸倒れとなる、不良債権化する可能性の高い人に対して貸していると。それをどんどんどんどん貸し込んでいくと。それで営業が成り立っているということは、貸倒れにならない何か秘密があるんじゃないのかなというように思うんですね。その秘密が何なのか、そこをつかまないと、この業界の健全性、先ほどおっしゃいました市場の健全化というのは私は実現できないんだというように思っております。
 返済能力のない人に対して過剰に貸す、それだけど、この業界やっていける秘密、そこは何なのか、山本大臣はお考えでしょうか、何なのかということをどういうふうにお考えでいらっしゃいますでしょうか。
#197
○副大臣(渡辺喜美君) 確かに、いろいろなこの業界のまずい面はあろうかと思います。例えば、午前中も議論になりましたが、A社から借りたお金をB社に肩代わりして返済をさせる、あるいは子供が借りたお金を親が借り直して返済をさせる、そういった事例が報告されているのは承知をいたしております。
 したがって、そういったインセンティブを排除するための仕掛けが必要であろうと考えまして、総量規制、それから金利の規制、そして商品設計において期間の規制というものを今回の法案で考えたところでございます。
#198
○富岡由紀夫君 まあちょっと、私の考えと半分ぐらいは合っているんですけど、ちょっと足りないところもあるのかなという感じを私は持っています。
 今言った問題を、確かに総量規制でそういう、どっちかというとばばの引き合いみたいな、ばばを最後つかんだ人が大変なことになると。ばばをつかまないように最後は、何でしたっけ、違法なやみ金ですか、に最後は引き受けてもらうような形にもなっているかもしれませんし、最後のばばを決済するために生命保険を掛けてやったりしていたというところがあると思うので、最後のそのばばのところをしっかりと押さえ込まないとこの問題は、過剰貸付けの問題はクリアできないんじゃないかなというふうに思っております。
 今回はそういう形で、金利を下げて、返済能力以上の、何というんですか、そういうことに陥る人を防ぐという意味ではかなりな一歩を、大きな一歩を踏み出したというふうに思っておるんですけども、そういったところもやっぱり引き続きやっていかないといけないと思っているんですね。
 やはり、貸金業者にしてみると、これからは健全な市場ということですから、自分がちゃんと融資した分はお客さんの返済能力に従って回収してもらうような制度にしないといけないと思うんですね。ほかの、他社の肩代わりとか、やみ金業者に肩代わってもらったりとか、生命保険でやってもらうと、そういうんじゃなくて、自分が融資した分はしっかりと融資したお客さんの返済能力によって返してもらわなくちゃいけないと。それが働けば過剰な融資は私はなくなるというふうに思っております。
 それが働かない要因の一つとして、私は違法な取立てはやっぱり注意しなきゃいけないと思っております。ある程度審査甘くて融資をしちゃっても、取立てすれば、厳しい取立てをすれば何とか回収できるやというところがあれば、私はその甘い融資判断による過剰融資というか、そういうのはなくならないというふうに思っております。そういった意味で、違法な取立てを厳しくなくすような政策をちゃんと組み入れることが、私は、融資をちゃんと健全な融資にして、過剰な融資がなくなって、この貸金業協会の健全化につながるんだろうというふうに思っております。
 そういった意味で、違法な取立て、これを私は非常に厳しく監視してチェックする必要があると思うんですけども、この違法な取立てに対するこれからのお考えについて大臣にお伺いしたいというふうに思っております。
#199
○政府参考人(佐藤隆文君) まず現状について御報告申し上げたいと思いますが、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、一般に貸金業者の監督に当たりましては、当局に寄せられた苦情相談の内容あるいは貸金業規制法に基づく立入検査及び報告徴収等で得られた情報を集約、分析をいたしまして、事実関係の正確な把握に努め、取立ての問題を含む違法な事例、行政処分を行うに足る事実関係認められた場合には、貸金業規制法に照らして厳正かつ適切に対処しているところでございます。
 最近の取立て規制にかかわる行政処分の例を二、三紹介をさせていただきたいと思いますが、本年四月にアイフルに対して処分をいたしましたときのケースはこんなものでございまして、正当な理由がなく債務者の勤務先へ架電を行い、さらに債務者から勤務先への架電をやめるよう改めて申出を受けたにもかかわらず執拗に電話を掛けたといったケース、それから本年七月のアエルという業者に対する行政処分のケースでございますが、債務者の自宅に架電した際、応対した債務者の家族が債務者は不在であると回答しているにもかかわらず、これから自宅に向かうことを強い口調で示唆したと、こんなケースがございました。
 いずれにいたしましても、引き続き当局といたしましては違法な取立てなどの情報収集・分析に努め、必要がある場合には厳正な対応をしてまいりたいというふうに思っております。
#200
○富岡由紀夫君 取立ての規制をもっと強化していただきたいという趣旨なんですけども、今回は規制の強化も確かに盛り込まれているんですけども、罰則の変更はないというふうに伺っているんですけども、是非、大臣にはこの罰則の強化も、厳罰化もこれから検討していただきたいと思うんですけども、いかがでしょうか。
#201
○国務大臣(山本有二君) 今回の改正におきましては、現行の貸金業規制法第二十一条で列挙する禁止行為には該当しないが、不適切と認められる取立て行為が発生していること等を踏まえまして、これらを禁止行為の類型として追加するとともに、必ずしも債務者の困惑がなくても二十一条違反となる等の修正を行ったところでございます。
 今後、こうした新たな禁止行為類型の追加ということも視野に入れながら頑張っていきたいと思っております。
#202
○富岡由紀夫君 是非、取立ての規制の強化とともに罰則の強化も議論していただきたいなと思っております。違法取立てがなくなれば、この業界もかなり健全化に早く到達できるんじゃないかというふうに思っておりますので、是非そういう観点で御検討をお願いしたいというふうに思っております。
 あと、次に、ちょっと時間もなくなりましたので、ちょっと飛んで違う質問させていただきたいと思います。
 この多重債務者の問題は、やはり生活に困難な人が多いというこの社会の状況が根底には原因としてあるんだというふうに思っております。生活が苦しくて、今格差が非常に拡大してきているというふうに言われておりますけども、その中で、お金がある人はちゃんと運用なり投資ができているということで、今、金融庁さんは貯蓄から投資へということで議論しておりまして、政府もそれを推進しているわけでございますけども、この貯蓄から投資へというところは、多分アメリカのいろんな部分も、実態の部分もお手本としているところがあると思います。
 金融庁さんからいただいた資料にも、アメリカの貯蓄、投資の、何というんですか、資産構成というのが比較されておりますけども、この貯蓄から投資へというお考え方のベースとなっている考え方についてお伺いできればというふうに思っております。
#203
○国務大臣(山本有二君) 日米の家計等の金融資産の内訳を比較いたしますと、二〇〇六年六月時点で、貯蓄につきましては、現金預金が日本では五一・四%と過半を占めているのに対しまして、アメリカでは一三・三%でございます。一方、投資につきましては、日本では株式が七・二%、投資信託が三・六%で、合計で一〇・八%でございますが、アメリカでは株式は一三・六%、投資信託が一三・八%の、合計で二七・四%となっております。このように、アメリカでは日本と比べ家計がより多くを直接金融に振り向けた資産運用を行っているわけでございます。
 そのときに当たって、今、日本で貯蓄から投資へという向きは、正に間接金融のみでいわゆる新しい事業、新規事業に対処しよう、あるいはこれから再チャレンジしようというような考え方になっているわけでありまして、もしこれが直接金融の世界、リスクマネーを受け入れられる社会というものを考えましたときに、よりそれぞれやる気のある人たちにおける資金調達が容易になるだろうというような活力ある社会を目指しているわけでございます。
 さらに、もう少し申し上げれば、このリスクマネーというものがもっと広く渡ることによりまして、株式市場も今の低迷の段階から更に活性化することによってそれぞれの資産価値が上がっていく、企業資産も上がっていくことによって広く多くのまた外資の投入も予測されるわけでございまして、いわゆる国際的な金融マーケットとしての位置付け、日本における金融機関のサービス業としての新しい産業への展開というようなことも広くこれから期待するところでございます。
#204
○富岡由紀夫君 今お話しいただいた、その日本とアメリカの家計のそういった資産の保有の構成が違うということも踏まえて、日本の、何というんですか、株式とか投資信託の比率が低いんでそれを増やしていこうというお話だというふうに思っているんですけれども、という説明だったんですけれども。
 このアメリカの比率が二七・四%ということで高いというお話なんですが、ちょっとその前に、このアメリカの資産の構成がどうなっているのか、私は、そこが議論されないでこの貯蓄とか投資の比率がアメリカは高いから日本も見習うべきだという話になっているんですけれども、その足下のところのアメリカの資産がどういう形で偏在しているのか、あるのかということを私はちょっと抜きにしては議論できないと思っております。
 ちょっと、今日資料として出させていただいたペーパーをごらんいただきたいんですが、これはアメリカの社会における富の分布を調査したものをグラフにまとめたものでございます。
 一番の上のグラフは、アメリカ全体の全世帯、約一億一千万世帯あるそうでございます、三億人ぐらいあるそうでございますけれども、それを資産の多く持っている人の順に並べた図です。
 一番上の@とあるのは、資産を一杯持っている人の上位から並べたときの一%の世帯の幅を示しております。Aというのは、その次に来る一%の次から来る五%までの資産を持っている上位の世帯の比率ですね。一〇%までの階層、二〇%までの階層、四〇%まで、六〇%まで、ボトムの残りの四〇%ということでこれを分類しているわけでございますけれども、それぞれこの資産構成の中でどこの部分にその富が偏っているかというのを示した図でございます。
 二番目のアメリカにおける富の所有比率というふうにございます。この富というのは、不動産とか金融資産とかすべての資産から負債を除いた純資産を言っているわけでございますけれども、これをそれぞれの階層の人がどれだけ持っているかということを表した表でございます。
 これを見ると、上位一%、@ですね、の人がアメリカ全体の富の三三・四%を持っているということでございます。要は、大金持ちの人がかなりの部分のアメリカの富を占有しているということでございます。Aのところ、一%の次から五%までのところの人たちが、その四%の階層の人たちが持っている比率が二五・八%、上位一%のよりは減っておりますけれども、全体から見るとまだかなり多いと。次の上位一〇%まで、Bまで含めますと、Bの部分が一二・三%でございますから、この上位一〇%の世帯の人たちでアメリカ全体の富の、これ足すと七一・五%です、七割以上の富をわずか一〇%の人が持っているということなんですね。それで、C、二〇%まで入れると八四・四%、上位二〇%の人がアメリカ全体の富の約八五%、八四・四%を占めているということでございます。残り八割の人が残った一五%を分かち合っているという状況でございます。これは極めて富が偏っていることを示しているんじゃないかと思っております。
 その一番下の表に行くと、更にこの状況は顕在化してきます。金融資産だけに絞って見てみた表でございます。今二番目にあった富の部分から不動産資産を除いた、同じく負債を除いた純資産でございますけれども、この金融資産のところで見ると、上位一%の人が三九・七%のアメリカ全体の金融資産を持っているということでございます。上位五%まで、Aのところまで含めると六七・五%、一〇%までにすると七九・八%、約八割、八割の金融資産を上位一〇%の人が持っているといったことでございます。
 これを見てみますと、先ほどおっしゃられたアメリカの家計の中で金融資産がどういう比率を持っていると、株式、投資信託で二七%アメリカは占めているというふうにお話ありましたけれども、これを持っているのはアメリカの本当にごくごく限られた一部の人が持っているということなんですね。
 アメリカ全体の人たちが株式投資、投資信託にそういう投資をしていれば、貯蓄から投資へということをアメリカを倣って言ってもいいと思うんですけれども、アメリカの資産構成を見ると本当に偏った人が、一部の本当にわずか一%とか一〇%ぐらいの人がほとんどの金融資産を持っていて、そのお金持ちが運用しているのがたまたま株式とか投資信託だと。その比率を見て日本の国民全体にあたかもアメリカがそうなっているから日本の国民もみんな投資、株式投資をしないといけないよと、直接投資しないといけないよというふうに働き掛けるということは、私は国民に大きなミスリードをしてしまうことになるんじゃないかなというふうに思っております。
 アメリカの一部の大金持ちの人たちの資産構成を見て日本全体の金融資産の資産構成を貯蓄から投資へすべきだという議論は、非常に私はベースのところが違うんで、誤った方向に結び付く可能性があると思うんですけれども、今のお話を聞いていただいて、山本金融担当大臣はどういうふうに御感想をお持ちでしょうか。
#205
○国務大臣(山本有二君) アメリカが、一面、格差社会であることは承知しております。また、預金のない層ができるだけ小さくなるような施策を取らなきゃならないということもそうでございます。労働分配率が高ければ高いほど、やはり中産階級が増え安定社会になるということも事実でございます。
 ただ、金融資産を持つときにおきまして、偏った構成をすることによってかえってリスクが高くなるというようなこともまた言われているところでもありますし、まさしくその意味におきましては、株式や投資信託への投資が世界的な水準、特に、アメリカではなくてドイツから見ましてもまだまだ低い、まだ半分ぐらいであるというようなことからしましても、もう少し現金預金から離れる必要があろうというように思います。
 また、現金預金をそのまま寝かすよりも、健全な投資をすることによって更に安定的な収益が得られたはずではないかという議論もございますし、また厚生年金の運用も株式市場で行われているというようなことも考えたときに、我々のこの社会が、安全、安心というものもさることながら、新しいクリエーティブな人たちへの資金調達、そのことによって社会が更に活性化するという面におきましては、直接投資、言わば銀行窓口で与信審査、これに受からなければ企業が起こせないという、こういう現実を打破する、そういうような活力ある社会というものは一つ、リスクマネーという、そういう向きで考えることができるのではないかというように思います。
 幸い、日本における個人投資家の約二五%が専業主婦でございますし、また二六%近くが高齢者でございます。年収七百万円以下の方々がほとんどこの個人金融資産の保有者であり、かつまた半分以上が高齢者の資産であるということを考えましたときに、一応の効果は得られており、貯蓄から投資への動きはございます。その意味ではいい傾向でございますが、この傾向が更に進むことによって活力が出てくるということも私は否めない事実だろうというように思っております。
#206
○富岡由紀夫君 今、主婦の方とか高齢者の方がかなりそういう動きを加速されているというお話なんですけれども、それを手放しで喜んでいいのかなと私は思っているんです。確かにそういう、企業側からすると調達のあれが広がるということはいいかもしれませんけれども、何というか、預金者というか消費者の立場からいうと、余り主婦とか高齢者のように、そういう金融知識のない方が株式投資なり投資信託なり、どんどん入っていくというのはどうなのかなと思っているんですね。
 さっき言ったアメリカなんかは非常に比率高いですけれども、比率が高いといっても、持っている人たちは、元々そういう金融知識の高い人たちがたまたまそういう成功して資産をたくさん持っていて、たまたまそういう人たちが投資をかなりしているということもこれから見ると考えられるわけでございますから、アメリカがこういうふうになっているから、ドイツがこういうふうになっているから、日本もやるべきだと、一般の庶民の人に、金融知識のない人にそういうことを働き掛けるというのはちょっと注意しないといけないのかなというふうに思っております。
 そういった意味で、調達する側からするといろんな選択肢が増えていいわけですけれども、お金を出す側からすると非常にそういったリスクが伴うということがあるものですから、その辺はちゃんとしっかりとやっていかないといけないのかなと、いただきたいなというふうに思っております。
 外国がこうなっているから日本もすべきだと、ちょっと待ってくださいよと、足下のところをよく見ないでそういう単純な議論はすべきじゃないだろうなと私は思っております。是非そういうことで、慎重に日本のそういう、何というんですか、社会の在り方も議論していただきたいなというふうに思っております。
 ちょっと、感想でもいいんですけれども、アメリカが非常に富が偏在していると、一部に富が偏在しているという状況を見てどのようにお考え、どういう感想をお持ちなのか、若しくは原因は何なのか、もしそういったところまで今お話しいただけるようであればお伺いしたいというふうに思います。
#207
○国務大臣(山本有二君) アメリカをどう評価するかは二面性あって、駄目だと言う人もおればいいと言う人もいますけれども、私はある一定の努力をしている国であろうというように思っております。
 特に、人口政策においては、およそ一%から三%の人口増というものを国家として認めて、そしてヒスパニックも入れながら、そして移民政策も取りながら頑張っているところであって、しかもその人たちに対して、ニューヨークではイエローキャブ、これのドライバーの免許は二十六か国語で受験できる、ほとんどの方がドライバーになり得る。そして、就職すれば必ずその人たちにはジニーメイという住宅金融機関が貸付けを出して持家を与えることができる。そのことによってまた子供たちを教育することができるというような、そういう一つの大きなシステムを持っております。
 そして、住宅政策においては中古住宅市場が非常に成熟しておりまして、住宅価格が下げないようにまた努力しております。そしてまた一方で、住宅を下げ止まる、あるいは住宅価格が上昇すれば、株価につきましてはある程度見放すところがありますけれども、住宅価格が落ちたときには株価維持政策というものを取っているように思っております。そのことにおいて、個人の金融資産の価値を減らさないという重要な私は政策の中で消費を喚起しているという、そういうシステムは私は見るべきものがあろうというように思います。
 日本の国内におきましても、リーディングカンパニーが国際的なものしか生み出せない今日においては、私は資産政策というものは非常にこの国でも、日本でも大事なことになってきたように思っておりまして、その意味では、株価、住宅価格、土地価格というものについて目を配っていくということは大変大事なことであろうと思っております。
 ただ、アメリカについてのこの富の偏在というものは事実でございますし、その方々もまたそのことにおいて反省あるいはその位置付けの客観性から寄附という社会的な一つの傾向も見られるわけでございまして、日本におきましては所得階層の高い人たちの寄附というのが極めて少ないというようにも言われておりまして、その意味でも私ども、日本がまたアメリカに学ぶべき点、そのいいことも学び、また悪い面につきましては反省しつつ、我が国として、また材料として肥やしとして政策に反映していく必要があろうと思いますので、その点においては富岡委員と同一に考えている次第でございます。
#208
○富岡由紀夫君 アメリカにはもちろんいいところが一杯あって、お手本とすべきところもたくさんあるんですけれども、ただお手本とすべきでない点もあるということはやっぱり我々日本人はよく考えておかないと、認識しておかないといけないのかなと思っております。
 今言った土地とか金融資産とか株とか資産価値を落とさないようにという議論は、それはそうなんですけれども、それはもう持っている人はいいですよね。だけど、アメリカで、これ見てみると、持っている人というのは本当に限られた人なんでございます。EとF、上位四〇%以下の人たち、ボトムの六〇%の人たちは金融資産で見るともうほとんどないわけですよね。EとFでいくと、一番下のところでDまで全部足すと九九%になっちゃうわけですよ。六割の家計は貯蓄がほとんどないといった社会でございます。これが本当にいいのかと。日本も貯蓄なし世帯が今二三%ぐらいですか、あると言われておりますけれども、それをはるかに超える六〇%ぐらいの家計は、アメリカの中で世帯は貯蓄がないという社会でございます。貯蓄を持っている人たちの資産価値を下げないというのは、それは確かに持っている人にとっては非常に都合がいい話ですけれども、固定化しちゃうことが私は非常に危険性があるんじゃないかと思っています。いろんな機会の平等で、だれでも能力があって努力すれば社会で成功できるという社会を目指すべきだと思うんですけれども、資産が固定化しちゃうとそれすらかなわなくなってしまうと、教育も十分受けられなくなってしまうと。
 アメリカにおいては医療制度ですね、医療保険、日本みたいな健康保険制度みたいなものないですから、高齢者とか貧困層にはありますけれども、一般の人たちは民間で医療保険に入らないと駄目だと。それで、お金がなくてそういった医療保険に入ってない、民間の保険に入ってなくて、そういった保険を掛けてない人が約五千万人、三億のうち五千万人もいるということでございます。病気になっても医者にも掛かれないし、薬も買えないという人が五千万人もいると。これはある意味、非常に私は日本はまねすべきでないというふうに思っておりますので、そのいいところと悪いところをしっかりと識別してやっていかないといけないのかなと。アメリカのいいところだけを取り上げて、日本はアメリカのとおりやっていればいいんだという議論をしていくと大きな過ちを犯してしまうんじゃないかなと思っております。
 これは財務大臣にお話しすればいいと思うんですけれども、これはやっぱり税制が大きく影響していると私は思っております。ブッシュ大統領は、二〇一〇年には相続税を廃止するということを決定しておりまして、資産の固定化というのが更に高まっていきます。ずっと、共和党のブッシュさん、レーガンさんのときから、所得税の最高税率の引下げをどんどんどんどん行っていきまして、資産の再分配機能がどんどん低下したことが原因の一つだと私は思っております。相続税のその最高税率も今度下げられてきているということで、資産が固定化しちゃって、今言ったように、下がんないのはいいんですけれども、特定の人たちにそれが固定化されてしまうということが私は大きな問題だというふうに思っております。
 これ、つい先週ぐらいの新聞にも出ていましたけれども、これは世界的にこういう傾向が起きております。上位一%の人が四〇%の世界の富を占めているというような状況でございまして、これが世界的に固定化しちゃうと、一生懸命努力したくてもチャンスがないという人が一杯出てきちゃうんだと思うんですね。
 ですから、今の富の偏りを、アメリカの中でも問題ですけれども、これを世界的に広げることは非常に私は大きな問題だというふうに思っております。先日、地方の格差のときにアフリカ化というお話ありましたけれども、本当にそういう状況が世界全体で広まることは非常に危険だと思っておりますので、早い段階で私は警鐘を鳴らすべきだというふうに思っております。
 そういった意味で、是非日本の、やっぱり何だかんだ言っても日本は世界第二の経済大国でございますから、リーダーシップを取って、世界全体の経済の在り方というか市場の在り方というところをやっぱり私は世界をリードしていく必要があるというふうに思っております。
 もう時間もなくなりましたので、最後、今ちょっと私がお話しした点について、山本大臣、何かお考えあれば御意見をお伺いしたいというふうに思います。
#209
○国務大臣(山本有二君) 好むと好まざるとにかかわらず、地球上をファンドが覆ってしまった現実がございます。ケイマンであれバミューダであれ、我々にとりましてはいかんともし難い地域があること、また、そのことによってイコールフッティングのレベルが非常に下がってきて、中国、香港、シンガポールと比べて我が国の税体系における高止まりということも逆に指摘されるわけでございます。
 それとこれとの調整というのは非常に難儀な面がございますが、富岡委員がおっしゃるように、国民が、しかも弱い者が泣かないような形で税体系、そして金融政策、つかさどってまいりたいというように思います。
#210
○富岡由紀夫君 これで質問を終わります。
#211
○峰崎直樹君 民主党・新緑風会の峰崎でございますが、この法案もいよいよ事実上今日で最終日ということで、また財政金融委員会そのものも今のところ波静かに行けば実質上の審議できるのも今日だけかなと、こういうふうに思っておりまして、その意味で、多少最初総括的に、この一年間の大きな問題も振り返りながら少し質問をさしていただきたいというふうに思います。
 まず最初に、銀行業界が政治献金をする、再開をすると、こういうことを決定したようであります。私は、この質問に立つときに、この財政金融委員会で、実は史上空前の利益を上げているのが今銀行業界だと。しかし、その銀行業界は、御存じのように、過去の損金の繰延べによって事実上これから何年間も実は税金を払わなくてもいい仕組みになっちゃっていると。このことは、公的資金を注入して銀行の救済に当たったという過程の中から、国民は、大変おかしいんではないのかと、税金を払わないことだけでもおかしいんではないかというふうに思っていらっしゃるわけです。
 ただ、銀行払わないのは、別に脱税して払わないんじゃなくて、そういうある意味では一つの仕組みがあるがゆえに払わないということで、それはそれで分かっている人は分かるんですけれども、国民の感情からすれば、大変これはよく分からない。そこへもってきて、この銀行業界が、どこの政党へとは申しませんが、いわゆる政治献金を再開をすると。これについてはもっと分かりにくくなってしまうんじゃないのかなというふうに思うんです。
 銀行業界のある意味では統括をしておられる金融担当大臣として、改めてこのことについてどのように考えておられるのか、見解を伺いたいと思います。
#212
○国務大臣(山本有二君) 個別金融機関のそれぞれの経営判断につきましては、具体的に個別的にコメントすることはできませんけれども、一般論で申し上げれば、先ほどお話にありましたように、損金の算入やあるいは財務会計と税務会計の違いが国民的にもよく理解されない、こういう面があるという御指摘、そのとおりでございまして、銀行も入院から退院されて散歩ができると、こう言われるわけでございますけれども、なおその中で利益処分につきましては、利益が現実に上がっておるわけでございまして、その利益処分につきましては、やはり利用者への還元あるいは社会的な責任の全う、こういうような視野に入れながらの話でないと、一時期公的資金を投入したという事実からすれば不公平感は否めないだろうというように思います。
 今後、銀行業界がおのずから、コンプライアンスあるいはモラル、そういった面から納得いただける行動を取っていただけると、そういうように期待しておるところでございます。
#213
○峰崎直樹君 今コンプライアンスという言葉が出てまいりまして、あるいはモラルという言葉が出てまいりました。そのときのコンプライアンスというのは、銀行業界が持ってなきゃいかぬコンプライアンスというのは一体何なんでしょうか。
#214
○国務大臣(山本有二君) 金融機関としての公的な役割の認識というように思っておりますが、最近特に私が思っておりますのは、本来業務純益が上がっておりますが、その中での役務益等があるわけでございまして、その手数料収入をいただくにも、先ほどお話がありました投資信託の売上げが随分上がっております。
 これは投資信託の業況、今上がり調子でありますけれども、下がったとき等についての窓口のそういう契約におけるコンプライアンス等について今私は注目をしておるところでございまして、そんな意味で、万般、銀行、金融機関におきましては、コンプライアンスという点におきまして全体的に覆っている非常に重要な要素でないかというように思っております。
#215
○峰崎直樹君 よく分からなかったんですが、要するに、銀行というのは社会的に非常に大きな役割を果たしてきたと。税金を投入するときも、これは信用システムを維持するためにという大きな大義名分があったわけです。そのために税金が投入されたわけです。
 さあ、そうすると、そこで上がってきた、非常に利益が上がってきたと。そうすると、それは一体、じゃ、この利益をどういうふうにこれを返していくのか。それは従業員に返す方法もあるだろう、株主にもあるだろう、あるいは利用してくださっているお客様にも返す必要があるだろうと、そういうことを全体を総合的にやっぱり判断していかなきゃいけないと思うんですね。
 私は、金融担当大臣であると同時に再チャレンジの担当もされておりますが、先週日曜日にワーキングプアということでNHKでやっておりました。私はあれを見ながら、本当に一生懸命働いている人たちの労働条件が物すごく厳しいわけですね。それで、これで再チャレンジといって、じゃ、どっか資格を取るために勉強に行こうったって、二人の子供さんを抱えている母子家庭なんかはとてもできないというような現状が切々と報告ありましたですね。
 私はあれ見ながら、もう一つ、実は、先週だったですかね、前回私こういう質問というか投げ掛けたはずなんですが、あれはたしか三菱UFJ銀行の、様々なこの近くの、麹町支店だとか虎ノ門支店だとか、そういうところの受付をやってくださる女性の時間給幾らですかということを実は問うたわけであります。あのときに、千七十円ですと、時間給がですね、そして最初の三か月間は九百九十円ですというような数字を私申し上げました。
 つまり、日本を代表するメガバンクと言われているところの第一線で働いている従業員の方々、もちろんこれは派遣社員だろうと思います、あるいは契約社員かもしれない、正規の社員じゃないと思いますけれども、こういう方々の賃金が実際上千円、時間給で千円だと。年間働ける日数をあれで計算すると、年間最大働けても千五百時間から千六百時間ですよ。そうすると、百五十万円か百六十万円ぐらいしかない人で雇いながら実はそれを、ああいうもうけを上げてきていると。
 もちろん、コストはできる限り引き下げようというグローバリズムの中における競争はあるんだろうと思いますが、しかし、余りにもそこら辺の低い労働条件というものを見るときに、本当にこれで銀行業界はいいんだろうかなという素朴な、ワーキングプアというか、本当に再チャレンジで立ち上がらなきゃいけない、その人たちに支援をしなきゃいけない担当の大臣からして、一方の銀行業界がそのような対応ということで、本当にこれで公平さというか、国民の中におけるこんな大きな格差があっていいんだろうかねと。
 特に私は、格差の問題、上の格差ももちろん問題ないとは言いませんが、一番問題なのは、平均よりも下にどんどん下がっていっていると、貧困率がどんどん向上しているというところが一番問題だというふうに思っていますので、そういう点を上げなきゃいけない大臣として見て、本当にこれでいいのかなというふうにお思いになりませんでしょうかね。
#216
○国務大臣(山本有二君) 銀行業界に限らず、やはり労働市場における多様化という名前で起こった今の現象は少し分配率が悪い方向におのずから進んでいるように思っております。特に、製造業主体の日本の産業構造の中から考えますと、国際競争力という名の下にロボット化と、あるいは海外現地法人の生産というものとの対比で、ロボットよりも、に近い給与、そして海外における生産の給与に近づきつつあるように強いられることは、これはもう当然でございます。したがいまして、我が国としても、これからは労働ビッグバン、そしてさらに、人が人に対してしっかり生産性を上げるサービス業等についてシフトする必要があるだろうと、産業構造上も、というようにも思います。
 いずれにしましても、今後こうしたワーキングプアというものを排除するためにも、さらに、成長を確保しながらも労働分配率を上げていく工夫を政府として一丸となってやっていく必要があろうというように思っております。
#217
○峰崎直樹君 そこで、大臣の、あるいは副大臣ももし後よければ、事前に質問していませんから、この継続上の質問になりますけれども。
 大臣、株式会社というのは、あるいは資本主義社会とこういうふうに言い換えてもいいのかもしれませんが、ステークホルダーの資本主義なのかストックホルダーの資本主義なのか、これが会社法のときにも問われたと思うんです。問題は、私は、ステークホルダー、すなわち株式会社というものにある、経営者はもちろんそうですが、その後ろにいる株主や、あるいは販売をお互いに、仕入れたり仕入れられたりするそういう業者、それからそれを利用しているお客さん、それからそこで働く従業員、そういうステークホルダーのための会社でなければ、資本主義でなければいけないんじゃないかというふうに私自身は考えているんですよ。
 大臣は、いや、やっぱり株式会社というのはこれは経営者の、株主のものだよと、要するにストックホルダーだと、これはどちらの考え方に立っておられるのか、端的にお聞きしたいと思います。
#218
○国務大臣(山本有二君) 過去、ストックホルダーに重きを置いた会社法であったことはもう間違いありません。しかし、今日はステークホルダーの色の方が、ウエートの方が高いと、こういう認識をしております。
#219
○副大臣(渡辺喜美君) 企業価値をあくまでも追求するという意味においては、会社はシェアホルダーのものであろうかと思います。しかしながら、今大臣が御答弁されましたように、企業価値を高める中でステークホルダーを大事にしないと社会的な評価も得られないということもあろうかと思います。消費者その他社会的な評価が得られなければ企業価値も高まらないという点では、ステークホルダーも大事にするところが増えてきているのではないでしょうか。
#220
○峰崎直樹君 何だか渡辺副大臣のお話ちょっと私もよく分からなかったんですが、要するに、基本的にはストックホルダー、シェアホルダーというところであって、じゃそれだけじゃなくて実際上はステークホルダーにも気を遣いなさいと、主と従の関係みたいな感じでお話をなさったような感じがするんですが。
 私は何でこれを言っているかというと、今年、実は大きな問題が非常に起きてきた。例えばホリエモンの事件だとか、あるいは村上ファンドの問題にしたって、どうも考え方のこの人たちの基本にあるのは、やはり会社は株主のものだ、だから、そこで物が、すべてを決めていっていいんだというね。これはこの間の会社法の改正問題とずっと連なっているんじゃないかと。
 ということは、山本大臣がおっしゃったように、これまではストックホルダーでこれからはステークホルダーにしなきゃいけないんじゃなくて、日本の株式会社というのは、長い間従業員だとか、あるいは周りの利害関係者のことを非常に大切にしてきた資本主義なんだと。そういう株式会社経営をやってきたんだと。それが実は一九九〇年代に入って、ストックホルダーの立場に立ってやっぱり株主のものだという考え方に立ってこれが変えられてきた歴史であって、私はそういう意味で、ホリエモンが出てきたり、あるいは村上ファンドがああいう問題を起こしてきた背景というのはそういうこの間の改正がある意味ではもたらしたんじゃないんですかと、そのことを実は問いたかったわけであります。
 その意味で、今おっしゃられたように、これからはそれであっちゃいけないとおっしゃったんですよね。だとすると、これまでのいわゆる会社法の改正だとか、先日もあった信託法の改正なんかもそうだと思うんですが、改正の方向は逆行してやしないかと、そういうふうに今の発言から受け取れるんですけれども、そういうふうに受け取ってよろしいですか。
#221
○国務大臣(山本有二君) 信託法の改正、信託業法の改正、これにおきましてそういうような印象を受ける向きがあるかもしれませんが、私は、新しいその証券化という一つの金融商品のエクイティーの部分というのは、私はこれ社会をむしろ発展させる方向にあるという認識をしております。ですから、峰崎委員のおっしゃるそういう世界を重視することによってホリエモンあるいは村上ファンドのような傾向を助長するのではないかという半面もあるかもしれません。しかし、そこはマーケットの健全性、透明性、公平性、そういったものをしっかりやることによってむしろビジネス的に再生、不良債権の多い会社がやがて再生をするというようなことのきっかけに証券化というのは必ずなり得るものであろうというように思っておりますので、そこの点は少し違うのかもしれません。
#222
○峰崎直樹君 決してその証券化を私は否定しているわけではないんです。様々な商品を証券化商品にして、そしてそれが小口にわたって、それが市場を流通すると、それは一つの大きな改革であるし、それはそれで一つの利点、メリットがあるんだろうと思うんですよ。
 しかし、私はそう言っているんじゃなくて、そういう証券市場が、流通するところの市場の中で、果たして本当に今の会社法の改正その他に伴って市場の公正なルールというものがきちんとしているんだろうかと、それを問題にしているわけです。この間はずっと日本版SECとかイギリスのFSAとか、そういうものにきちんとやっぱり対処して、金融庁から証券取引等監視委員会を分離独立させるべきだというような議論も随分してまいりました。
 そういうことも含めて、本当にここでしっかりしないと、片方は自由になるわ、そして規制の方は非常に緩やかだと、非常に不十分だと。これだったら日本の証券市場というものは国民の信頼が得られないですよ。先ほど貯蓄から投資へというふうにおっしゃっているけれども、危なっかしくてこの証券市場というのは、とてもホリエモンさんのもう百倍、あるいは分割、分割で一万分の一になったと。みんな持っている。私の親戚なんかも随分持っている人います。一瞬にしてそれがパアになっていくというその現実を見たときに、こんな証券市場はやっぱりおっかなくて手出せないねと、こういう人たち出ると思うんですよね。そういう意味で非常に問題だというふうに思っているんです。
 そこで、金融担当大臣、今日も日本経済新聞に、特別編集委員の末村篤さんという方がおられます。これは私非常に尊敬している日経新聞の記者だったんですけれども、この方が「「株式通貨」の品質を問う」と出ているんですよ。何かというと、三角合併できる。
 そのときですよ、証券、いわゆる株式で会社が買えるんですよ。つまりMアンドAができるわけですね。ということは株式が通貨になるんだと。そうすると、この株式というのは本当に品質はどうなんだと、マザーズに上場している株と東証一部上場している会社の品質は本当にきちんと同じような品質を持っているんだろうかねとかね。そういう実は、その株式市場、つまり株式市場を相手にして、世界を相手にしているわけですよ、上場しているということは。その上場している株式会社のその品質が本当に正しいかどうかということを、これからMアンドAが、三角合併というものが解禁されるような状態になったときには、とてもそういうものが、三角合併であるとき自分の会社がアメリカのGEの子会社に持たれちゃったというような話が起きるわけですよ。そのときに、さあ、そのもらった株が本当にそれだけの値打ちがするものなのかどうかということを本当に保証しないと大変なことになるんじゃないかと。
 そこで、公開株式会社、すなわち市場を、世界に開いている市場の中に上場している会社というのは、その意味では相当これはしっかりとしたルールがなきゃいけないんじゃないかということで、公開株式会社法を提案されているんですよ。この点について、私どもも来年にはそういう公開株式会社についてどうあるべきかという議論をしなきゃいけないと思っていますが、担当大臣として、その点についての御見解をお聞きしたいと思います。
#223
○国務大臣(山本有二君) 上場企業に対して、投資家保護等の観点から、会社法制に加えましてより高次の規律が求められるべきとの御意見があることは承知しております。
 こうした点に関し、現行の証券取引法では情報開示等について会社法よりも詳細な開示が求められているほか、新しい金融商品取引法でも、コーポレートガバナンスの充実を図る観点から上場会社に対する財務報告に係る内部統制の強化策等の措置が講じられているところでございます。また、証券取引所規則におきましても、市場開設者の立場から適時開示による開示の充実が図られているほか、厳格な上場審査基準や上場廃止基準が設けられております。こうしたことに加え、新たに公開会社法を制定することにつきましては、法制面を含め、幅広い観点からなお慎重に検討する必要があるものと考えております。
 金融庁といたしましては、引き続き、会社法制を所管する法務省とも連携しつつ、投資家保護等の充実に努めてまいりたいと思います。また、峰崎委員の御指摘の新しい公開会社法、こういったものの案文等もまた見せていただきながら、研究したいと思っております。
#224
○峰崎直樹君 これは今お話しなさったことの中身についてもいろいろ質問したいことがございますが、またこれは引き続きこれから進めるということで、本題の方に入らないともう時間もなくなってまいりましたので、本題に入らせていただきたいと思います。
 先日、参考人の方々に来ていただいたときに、この法案が作られる過程で空気が作用したようなところがあると。つまり、これは山本七平さんという方で、日本の研究というんですか、あれ何の研究だったかちょっと私も正確な名前を忘れましたが、日本の社会というのは一たび空気が、ある方向性というか、潮の流れみたいなものができ上がると、一気にその空気が作用してしまうと。
 実は、今日質疑に立たれた平野さんだとかあるいは大久保さんだとか、私たちも含めてみんな、いわゆる、言ってみればこの問題というのは、多重債務が起きて、そして自殺をしたりあるいは夜逃げをしたり、もう様々な問題があると。これは確かに一面、金利が高いということに大きな要因があることは間違いないわけでありますが、しかしもう一方で、本当にこの金利とリスクとの関係を考えて、ある意味では十分な経済学的な検討もやるべきじゃないかという考え方を私自身も、実は今もそういう点が必要だというふうに思っている一人なんです。
 ただ、今回はもう時間もありませんし、今の二九・二%、グレーゾーン金利の問題も、余りにもこの問題が世間的にも大問題になっていますし、最高裁がこれをなくすべきだと。そのときにどのぐらいの金利ならば本当にいいのかということについて、前回、私も実は提起したはずなんです。日本の社会のいわゆる平均的なサラリーマンの上下の格差というのは大体十五倍ぐらいだろうと。社長さんに、サラリーマン社長になる人とサラリーマンで初任給との平均でいけば大体十五倍ぐらいだろうと。その十五倍を四十年間で複利で計算すると大体七%だと、一年当たり。
 そういうような話をしながら、実は十五倍というのを一つ基準にしたわけでありますが、そういう意味でそういう一つの基準を置いてみて、一体今の社会ではインフレ率やそういう賃金の上昇率や、そういうことの将来見通しを立ててみて、どのぐらいの金利が平均的ならばこれは対応し得るのかということは、これは私は金融庁の優秀な役人の方がおられるわけですから、それは計算を前提条件を置けばできると思うんです。そういうことのしっかりとした議論というものがないままに、何となくやっぱり金利が高いのはけしからぬじゃないかと、あんな悪徳業者はやっぱり懲らしめなきゃいけないと、こういう感じの議論というものがやや強かったのかなというふうに思ったりしているんです。
 そういう意味で、山本金融担当大臣、私は本会議の場でやゆいたしました、批判しましたけれども、あの特例金利二五・五ですか、これを何年間か置くというのを、いや、これは今度の改正案のこの一番の目玉なんだよと、こうおっしゃったというのは私質問しましたことがありますが、私はそれはどうかなというふうに思ってはいる一人ですが。
 そういう意味での、私はこの一年半、我が党でいえば一年後に見直そうと言ったんですが、そういった点も含めて、やはり改めてこの二年半ですか、この法案でいけば。本当はもっとしっかりと時間を早めてもらいたいんですが、そういう気分が支配をしたということは、我々財政金融委員会にとってみると、この法案が実はそういう気分で左右されて我々が判断をしたと言われるのは、一番やはり、まあ言ってみればこけんにかかわるといいますか、我が財政金融委員会の名誉にもかかわってくる問題なんで、そういった点も含めて、我々はやはり冷静にこの間議論してきたつもりなんで、改めて山本大臣の、こういう気分が支配したというふうに言われることに対する御見解をお聞きしたいと思います。
#225
○副大臣(渡辺喜美君) 空気が作用したと、参考人の津田さんでしょうか、おっしゃられたそうでございますが、この方かどうかは私定かではないんですが、私のところにも空気の研究なるアナリストの論文を送ってきた方がいらっしゃいました。全部読んだわけではございませんけれども、山本七平さんの空気の研究から、そのアナロジーでおっしゃっているんだなということは理解をいたしました。
 では、今回、空気に作用されてこの法改正を決めたのかと言われると、我々としてはそんなことはありませんよと言わなければなりません。リスクプレミアムの上限をどうするかというのは、もうこの委員会でもさんざん議論がなされてきたところでございます。恐らく、ミクロの家計レベルのリスクプレミアムというのは恐らく無限大なんだろうと思います。一人一人、家庭家庭によって、会社ごとにもう全く違うんだと思うんですね。一方、利息制限法が規定してまいりましたような社会的に上限金利を設定する必要があるではないかと、そういう観点も我々は十分に考慮をしてきたつもりでございます。峰崎先生が今御指摘になられましたようなマクロの観点からのリスクプレミアムの上限、こういったことについて、残念ながら議論の時間がなかったということは私も反省をしております。
 いずれにいたしましても、この新しい改正法がスタートをし、いろいろな検討をしていかなければならないと考えております。ただ、二年半後の見直しにおいて、金利の問題について、上限金利の問題について上げるとか下げるとか、そういった一方付いた方向性は持ち合わせてないことも改めて述べさせていただきたいと思います。
#226
○国務大臣(山本有二君) 峰崎委員御指摘のように、決して情緒的に流れたものでもなければ、概念的にアバウトに考えたものでもなくて、科学的合理性を持っていると思います。そして、この貸金業制度等に関する懇談会の資料、吉野座長のまとめられた議論の整理、あるいは与党における二十回にわたる様々な資料等からしましても、科学性は十分あって、冷静に判断された法案であるというように確信いたしております。
#227
○峰崎直樹君 その中身、まだ議論すればまた切りがなくなりますので次に行きたいと思いますが、午前中の議論で、三國谷局長の方から多重債務者の数の問題で、五か所以上借り入れている人が百三十万人と言ったんですが、これ二百三十万人の誤りですね。
#228
○政府参考人(三國谷勝範君) 済みません。発音がちょっとあれで申し訳ありません。二百三十万人でございました。失礼いたしました。
#229
○峰崎直樹君 単純な数字のミスだろうと思ったんで訂正していただきたいと思いますが。
 そこで、この多重債務者が二百三十万人にも及んだということの基本的な原因というのは一体どこにあるというふうに金融庁としては総括的にとらえておられるのか。いろいろもう議論あったので何か話は分かったような気がするんですが、金利が高かったのか、それとも貸手側のいわゆる、何といいましょうか、過剰貸付けの行為なのか、それともその借りる側の方の心の問題なのか。いろいろ何か議論があったようなんですが、この多重債務者が増えた基本的な原因というのはどういうふうに把握しておられるのか、お尋ねしたいと思います。
#230
○政府参考人(三國谷勝範君) 様々な要因が考えられるかと思いますが、一つは高金利による金利負担、それから一つは借り手が自らの返済能力以上の額を借りてしまうこと、また貸手もその際審査等におきまして貸し込むという傾向も否定できないこと、それから一つはリボルビング等借入期間が中期にわたりまして、したがってその返済負担が麻痺いたしまして結局金利をまた払うと、こういったようなことが背景にあるのではないかと考えております。
#231
○峰崎直樹君 確かに、今指摘されたことは全部当たっているんだろうと思うんですが、基本的なところがもう一つ何かあるような気がしているんです。
 と申しますのは、一つは、やはり日本の経済社会そのものの大きな変化みたいなものが一つ私はあるような気がするんです。そうした中で、ワーキングプアってさっき申し上げました。要するに、働いても年間百三十万とか百五十万とか、こういう収入しかないいわゆるフリーターとかそういうものが出ていると。これは将来的に私は、今そのフリーターというのは、多分親元から通いながら、親元で生活をしているがゆえに百五十万や二百万程度でも生活できているんだろうというふうに思ったりもしているんです。でも、だんだんこれが御両親も高齢化をして亡くなられると。そうすると、こういう人たちは一体どうなるのかなと。
 先ほど、上限三分の一しか貸せないといったときも、実は百五十万しか収入なくても、親元から通っているまあワーキングプアの人たちは、これ百五十万円全部自分で小遣いで使えるのかもしれない。こういう人たちと、まるっきり母子家庭になって、百五十万しか収入なくて子供さん一人、二人を抱えて頑張っている、全然これは違うんですね、同じ百五十万でも。
 そういう意味で、私は、一つは家族制度の崩壊の問題というものが非常に大きい社会的な要因になってきている背景にはあると思うんですが、もう一つはこのワーキングプアというか、非常に低い労働条件の人たちを、この数年間というふうに申し上げていいんでしょうか、一九九八年ごろを境にして急速にそれが増え始めてきた。
 そのときに、先ほどちょっと私、株式会社という話を申し上げたんですが、どうもその辺りから経営者の皆さん方は、従業員のことを考えるのでなくて、株主のことを考えると同時に、自分がストックオプションをもらう、このケースが非常に増えてきているんです。そうすると、何のために、株価を上げるというのは自分の所得を上げていく。かつての経営者なら、同じ一生懸命働いてきた従業員との間の差をできる限り少なくしようというふうに、ある意味では企業内における共同体的な意識というのは非常に強かったと思う。だんだんそれが崩れて、経営者はもうとにかくそれは株式、ストックオプションを持って、そして株価を上げることについては全然問題ない。一方では、ワーキングプアと何と言われようと、非常に低賃金の労働者を事実上こき使うと。
 このいわゆる格差というものの社会がこれは私は非常に大きな要因になっているというふうに考えているんですが、改めて、山本大臣に、そういう認識に立っておられるのかどうか、その辺りお聞きしたいと思うんですが。
#232
○国務大臣(山本有二君) 基本的には私も同感をしております。特に、貧困の研究をものされている論者からすれば、高齢化が進み、かつまた単身世帯の数が四割になんなんとする日本の社会で、なおかつ年間七十五万人の婚姻に対して二十五万組の離婚というような、家族のありようが十年、二十年前と大幅に違う今日におけるその家族制度、さらに働き方の多様化という名におけるワーキングプアの存在、そしてさらに、ここ十年で非常に数の増えました生活保護世帯は平成十六年で百四十二万人、百万世帯を超えました。そういうような新たな貧困層の内実というものがこうしたものに影を落としているということは間違いないだろうと思っています。
#233
○峰崎直樹君 共通の認識は、やっぱりそこを前提にしながら、これからどう、それこそ再チャレンジ担当大臣でございますので、是非、新しい予算やそういったものも考えられているんでしょうから、翌年の通常国会等ではしっかりまたその点議論させていただきたいと思いますが。
 ちょっと細かい問題で気になっているところございました。一つは広告の問題なんです。
 テレビコマーシャルが非常に、最近は多少自粛され始めたんですが、かつては非常に時間帯にもかなり大々的な宣伝をする。まああれだけの宣伝するというのは相当もうかっているんだろうなと、こういう話なんですが。
 実は、私まだ十分調べてないんで、これ質問にさせていただきたいんですけども、広告宣伝費用というのはたしか損益計算書の中で全部、その全額これは損金になっていますね。そんな全額損金になっている、落とせるという国はやはり世界的に共通しているんでしょうかね。それとも、やはり売上高の何%とか資本金の何%とか、そういった、ある意味ではもうかればどんどんその広告が打てるということ。
 そして、私は率直に申し上げて、これはまだ十分調べてないからよく分からないんですが、仄聞するところによると、例えばテレビ会社、コマーシャルを放映しているテレビ会社の従業員の賃金というのは相当高いというふうにうわさでは聞くわけです。なかなかその方々の給料というのは、マスコミの方々の給料というのは、我々ディスクローズされたものを見たことないものですからなかなか分からないんですけども、そういう意味で、どうもこの世界は、本当に適正な料金というか、片方はワーキングプアのことを指摘しながら、片方は本当に、こんな広告料収入がそんなにどんどん入って給料がどんどん上がっていくという世界が一方で出ているとすれば、これはなかなか、ゆゆしいと言ったら変でありますが、ちょっと見逃すことができないようなやはり不公平さみたいなのがそこに内包しているんじゃないかなというふうに思ったりするんですが。
 そのいわゆる広告料というのは、広告宣伝費用というものはそういう全額損金に算入ということは本当にそうであっていいのかどうなのか、また現実に世界はどんなふうになっているのか。もし、これは企業の会計の基準を決めるときに最低限決まっているでしょうから、教えていただければなと思いますが。
#234
○政府参考人(三國谷勝範君) 税金の話でございまして、ちょっと諸外国の制度もここで責任を持ってお答えする、そういう知識は持ち合わせておりませんが、まあ日本の場合には基本的には損金であるという具合に認識しております。
#235
○峰崎直樹君 いやいや、その損金算入が進んでいるんですが、ある意味ではそこら辺は、これはいろんな税法の中では、例えば中小企業と大企業に分けて、我々が、食料費といいますか、ちょっとど忘れしましたね、何費と言うんでしたっけ、交際費、交際費課税なんかも、実は全額否認するときと、これは損金はどのぐらい認めてもいいよという話になっていますよね。
 ですから、私は余りにも、日本のテレビ見ながら、どうしてこんなに広告が長いんだろうなとか思ったりする一人なんで、その辺り、世界的にどうなっているのかなというのは、今日は主税局呼んでいませんでしたので、三國谷さん結構でございますので、山本大臣、そういったところも少し、これは金融庁の会計基準のところ辺りだと思いますが、まず税の問題でいえば主税局とも絡むのかもしれませんが、何かそういう見解はお持ちになりませんか。
#236
○国務大臣(山本有二君) この広告費の損金算入についてどこまで認めるかについては、私も具体的な見地があるわけではありません。しかし、この貸金業における広告については、これは規制対象とすべきであることは間違いないというように思います。
 私の知る限りでは、広告宣伝費というのは各会社、営業経費の中の一部分であって、しかもある程度そこに自主規制や予算組みという枠があることは間違いないわけでありますが、貸金業における働き手は金利だけでありますから、その金利を、更に違法金利を助長するような広告においては、絶対にこれを今のままに放置するということは私はあり得ない話だろうというように思っております。
#237
○峰崎直樹君 本当は規制が非常に必要だということなんで、恐らく回数規制とか、今私の言ったような量的な規制をどうするかとか、いろいろあるんだろうと思うんです。これはまたいつか聞かせていただきたいと思いますが、非常に貸金業に対してやっぱり社会的な規制を加えなきゃいけないということで、私自身もそこはやはりそういう方向にある程度行かざるを得ない領域ではないかと思っておりますが、是非こういった広告宣伝のところについても調べて、これ事前に質問しておりましたので、調べておいていただければなというふうに思います。
 もう最後になりますが、これ総体的に、今回の貸金業規制法、ずっと私どもは質問させていただいたり、あるいは午前中の質疑聞いていて、非常に不十分な法案になっているんじゃないのかなと。恐らく時間的に相当大変な中で進められたというのは、この質疑の中で私どもお聞きいたしました。
 後で出てまいりますが、これ附帯決議が、十七項目にわたって附帯決議が付くという予定になっています。ということは、十項目を超えると大体その法案というのは相当問題があるから出るんだというふうに私自身も過去の体験上そういうふうに見ておりますので、この法案はやはり相当問題があるなと。
 午前中の総量規制、私ももちろん質問しましたけれども、平野委員が質問して、本来ならばあの答弁では認められないと。ただし、今大臣はこの二年半以内の見直しのところで全部それをすくっていただいたんです。それはそれで非常に問題の指摘を前向きに受け止めて、そしてそれを二年半の見直しの中でしっかりやると。ところが、本当は法律ですから、法律を、しかも三分の一とか、五十万、百万とか、それに金利がぶら下がっているわけですから、これは本当は我々、法案に本当に反対するときにはとてもあれでは認められないということで、我々としてはそこで止まったはずなんですけれども、我々としては、前向きに受け止めていただいた今回の大臣の姿勢に私たちは取りあえず託しながら、この法案の不十分性というものをある意味ではある程度附帯決議その他で補強していったという経過がございます。
 その点を含めて、後で恐らく附帯決議が出れば、大臣のそれに対する答弁というのは出るんですけれども、改めてこれまでの質疑の中で出された不十分性について、それらの問題について、今後、今私が申し上げましたけれども、改めて大臣のその扱いについての決意を聞いて、私の質問を終わりたいと思います。
#238
○国務大臣(山本有二君) この多重債務問題は日本社会の喫緊の課題でありまして、最優先順位であったわけでございます。それにつきましての認識は、与野党問わず大変熱心にかつまた真剣な御議論がございました。
 そういう中で、最初のスキームからすればおよそ考えられなかった内閣提出の法案での施行前の見直し、こういったところも恐らく私は与党だけが考えた話ではなくて、与野党の所産だろうというように思っております。そして、それの見直し条項に対しまして、新たな追加的なまた発想もあったというように認識しております。
 今後、そういった改善策、あるいはさらに、これから出てくるであろう問題点、そういったものを含みながらも、私はこの法案についての見直し等、不十分な点は改善しつつ、また御相談しつつやってまいりたいというように思っております。
#239
○峰崎直樹君 終わります。
#240
○山口那津男君 公明党の山口那津男でございます。
 私は元々弁護士をやっておりました。昭和五十七年の登録でありますが、当時からこのサラ金の問題等、いや応なく事件処理に携わらざるを得なかったという経験を持っているわけでありますが、今回、この法案を審議するに当たって、いわゆる多重債務者、これが先ほどの答弁にもありましたように二百三十万人ぐらいいらっしゃると、こういう数字であります。業界の側から言わせますと、この数字というのはいわゆる利用者全体から見ればごく一部の数字であって、これに対して業界に対する強い規制が今回行われることについては釈然としないと、こういう主張もあったわけであります。
 この二百三十万人という数字をどう見るかということでありますけれども、私は、自らの経験から見ますと、このデータで表れている二百三十万以外にも潜在的な多重債務者というのはまず一ついるのではないかと、こう思います。
 それと、貸金業協会連合会のホームページによりますと、いわゆる自然人の自己破産の件数の推移というものが出ておりますけれども、私が登録したころは年間三千三百件程度、これが年々増えていくわけでありますけれども、昭和六十年代までは多くても一万件から二万件程度であったわけであります。しかし、平成十年を超えてからはこれが一挙に十倍、二十倍、つまり十万件、二十万件に及ぶという大きな数字になっているわけであります。この自然人の自己破産でさえこの数字でありますから、そのほかの調停やらあるいは任意整理やら、この多重債務の様々な処理も含めますと、もっともっと大きな数字が実は隠れているんだろうと思います。
 そして、いったんこの事件処理をすれば、それは多重債務者の資料からは消えていく、つまり退場していくわけであります。そして、新たな多重債務者が登場するわけでありますが、この出入りということも換算すれば、二百三十という数字以上に非常に大きなものが私は背景にあるだろうと、こう思います。この点、大臣も弁護士の御出身であられまして、登録も私とそれほど違わないわけでありますから、同時代的な実感というものをお持ちだろうと思うんですね。
 さて、そこで今回の法改正は、その問題に大きな一つの決断というものをしたものだと、こう理解しております。
 先般、参考人の様々な意見陳述がありました。その中で、業界の側の参考人の意見によりますと、本法改正案施行によって貸金業界は壊滅的打撃を受けると、業者の九割以上が廃業するであろうと、そして三万人もの従業員が失業するであろうと、こうお述べになっていらっしゃいました。この廃業と失業の見通しについて金融庁としてはどう認識をされているか、これらに対して何か対応策のようなものを考えていらっしゃるかどうか、この点について御意見を賜りたいと思います。
#241
○国務大臣(山本有二君) 今回の改正は、近年深刻さを増している多重債務問題の解決のためでございますが、上限金利の引下げ、総量規制、さらに貸金業者に財産的基礎要件として求める純資産額を現行の個人三百万、法人五百万以上から五千万円以上に引き上げる参入要件を厳格化いたしました。
 こうしたことで廃業せざるを得ない、失業を生じるというようなことは何らか起こり得ることではありますけれども、この数字についてきちっとした根拠があるわけではございません。
 ただ、平成十八年三月末で一万四千の登録業者がございます。そのうち、純資産額が五千万円以上のものは推計で約三千七百業者でございます。それを参考として、今回の改正では、貸金業者の金利を現在の実勢金利を下回る水準に引き下げること等により現在の借り手に大きな影響を与える可能性があることを踏まえ、上限金利引下げや総量規制の導入までおおむね三年間の準備期間を設けさせていただきました。貸金業者は、この準備期間において利息制限法以下の金利でのビジネスモデルの構築を図っていくことに期待をしております一方、総量規制の導入によりまして貸倒れコストの縮減が期待されるところでございます。
 以上です。
#242
○山口那津男君 続いて参考人は、この貸金業界による資金供給というのは激減をすることになると、資金需要に対応する銀行等の適切な資金供給は期待し得ないんだと、そう述べていらっしゃるわけですね。
 今、そもそもの貸金業界のこの改正案の影響について認識が違うわけでありますから、この主張に対しては違った認識ということになるんだろうと思いますが、この点を金融庁としてどう認識されているか、お述べいただきたいと思います。
#243
○国務大臣(山本有二君) 今回の改正では、貸金業者の上限金利を現在の実勢金利を下回る水準に引き下げることにしております。急激な貸し渋り等により現在の借り手に大きな影響を与える可能性は、したがって否定できないものでございます。このため、急激な貸し渋り等による家計や企業へのダメージを防ぎ、借り手が無理のないペースで返済できるようにするための時間を確保する観点から、出資法の上限金利の引下げまで、おおむね三年間の準備期間を設けさせていただきました。
 また、今般の改正によりまして、消費者金融市場におきまして、健全な競争の促進を通じてリスクに応じた金利が設定され、健全なニーズに対して、貸金業者のみならず銀行等からも適切な資金供給が行われることが期待されておりまして、こうしたことに対しまして、また全銀協と金融機関にもお願いしていきたいと存じております。
#244
○山口那津男君 健全な資金供給の期待はもちろんでありますが、期待どおりいくかどうかというところが懸念でありまして、参考人は、この資金需要が現実にある限り、それに応じる適切な供給がなされなければ、不適切な供給、すなわちやみ金融がはびこるであろうと、こういう懸念も示しているわけですね。今でさえ、このやみ金融の実態というのは私はあるんだろうと思っておるわけでありますが、この法改正によってやみ金がはびこるのではないかという懸念に対して、どのような御認識をお持ちでしょうか。
#245
○国務大臣(山本有二君) 政府といたしましては、借り手保護のために、やみ金融の撲滅に向けてあらゆる対策を講じるべきであると考えております。
 今回の改正におきましては、無登録営業や超高金利、一〇九・五%を超える分ですが、に対する罰則を大幅に引き上げることとしたところでございます。五年から十年の懲役刑、一千万から三千万の罰金でございます。
 また、多重債務問題の解決に向けまして内閣官房に設置される予定の多重債務者対策本部におきましても、やみ金融の取締りを総合的、効果的に推進することとしておりまして、今後ともやみ金融の撲滅に対しましては政府を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
#246
○山口那津男君 金融庁はやみ金融の実態をどのようにつかんでいらっしゃるか。まあ、やみだから、なかなか実態を正確につかむということは難しい面があろうかと思いますけれども、その実態、具体的にどう掌握されているか。参考人の意見の中には、東京の神田駅周辺にはその種の業者、あるいは正規の登録業者でない者が半ば公然と営業をしていると、そういう実態を語ってもいたわけでありますが、その具体的な実態認識について伺いたいと思います。
#247
○政府参考人(佐藤隆文君) 御指摘いただきました神田駅の周辺でございますが、業界団体でCLA、日本消費者金融協議会というところがございますが、ここの五月の調査によりますと、店舗を構える業者の大半は東京都貸金業協会の会員ではなく、いわゆるトイチ業者であって、東京都の登録はあるものの、違法な高金利での貸付け等の悪質な営業を繰り返す業者が多数含まれているおそれがあるということでございました。
 このような悪質登録業者につきましては、東京都としても立入検査を積極的に実施して登録取消処分を行うなど御努力いただいているというふうに承知をいたしておりますが、現行の制度の下では登録が容易であるためにイタチごっことなっているとの指摘もあるということでございまして、今般の法改正におきまして、貸金業取扱主任者制度の強化、あるいは純資産基準の引上げといったことで参入条件の厳格化が図られたということでございます。
 また、いわゆる無登録業者につきましては、例えば転送電話を利用して店舗を構えない者も増えているといったことで、実態把握が困難であることは事実でございます。
 当局といたしましては、これまで無登録業者に関する苦情や相談等を受けた場合には警察への情報提供を行ってきたところでございますが、今後さらに、実際の被害の申立てがあれば、無登録業者に対しても当局から事実確認を行ったり、あるいは警告を発したりということで対応するということ、それからさらには、もちろん警察当局との連携を更に強化していくと、こういったことで対応をしてまいりたいと思っております。
#248
○山口那津男君 このやみ金対策については法改正が先般行われまして平成十五年から施行されていると承知しておりますが、この施行後、取締りの成果というものがどのように上がってきているのか、また、この取締りに対して何らかの限界があるとか、そういう実感をお持ちなのかどうか、この辺についての御認識をまず伺いたいと思います。
#249
○政府参考人(竹花豊君) お答え申し上げます。
 平成十五年七月の法改正に合わせまして、警察におきましては強力な取締りを推進をいたしまして、その結果、十五年中の検挙事件が五百五十六に達しました。また、検挙人員も千二百四十六人に相なりまして、やみ金融事犯として統計を取り始めました平成十年以降最多となった状況にございます。
 その後、十六年、十七年と検挙事件数等について若干減少はいたしておりますけれども、警察としては依然としてこの問題を重要な課題として取締りを推進をしているところでありまして、警察といたしましては、こうしたやみ金問題に対して一定の取締りの成果を上げてきたのではないかというふうにも思っているところではございます。
 ただ、最近、今、金融監督庁の方の御紹介にもございましたけれども、私どもの取締りを逃れるために巧妙なやり方をやはり取ってきております。とりわけ検挙に難しさを加えておりますのは、店を構えないでどこにいるか分からない、携帯電話一台を持ってあちこち車に乗って業をしているといったような、そうした業も増えてきておりまして、こうしたところについては検挙活動にも大きな障害となっている状況にございます。
#250
○山口那津男君 一定の成果を上げているというのは事実だろうと思いますけれども、警察庁からいただいた資料によれば、この検挙事案というものを大分類しますと、無登録、高金利、いずれもかぶるもの、あるいは無登録事犯、あるいは高金利だけの事犯、その他と分類しているわけですね。ですから、無登録事犯だけでも取締りはやっているはずなわけであります。事態が巧妙化しているとはいえ、お客の方がたどり着いて営業しているわけですから、警察がたどり着けないというのは一般の人にはなかなか理解しにくいところなんですね。
 今、金融庁の方からも神田駅周辺の実情についても御認識が示されました。ですから、それが一般の目から見て堂々と駅前で店を張って続いていると、このこと自体が、警察は何をやっているんだろうかと、そう思われても仕方がない。で、検挙人員がだんだん減っていることは、やみ金がそれに応じて減っていっているからこうなったというならば、それは成果に比例しているということになるんでしょうけれども、さあ、必ずしもそうも言えないのではないかという点もあります。
 それらを踏まえて、今後この法改正をしてどう臨んでいかれるか、お答えいただきたいと思います。
#251
○政府参考人(竹花豊君) お答え申し上げます。
 警察といたしましては、今回の法改正がなされましたのを機にいたしまして、この法改正の趣旨、背景といったものについて警察組織全体としてしっかりとした認識を共有することにまず努めたいと存じます。その上で、被害者からの相談に適切に対応し、関係機関との連携を密にするなどして違反情報の収集に一層努めるとともに、幅広く罰則規定を適用し、暴力団が関与する事案を始めといたしまして、悪質な違反を摘発するため、更に組織の総合力を発揮をいたしまして取締りを行いたいと考えております。
#252
○山口那津男君 私は、この今回の法改正の言わば効果の成否というものは、様々な規制を加えたことと相まって、このやみ金を抑え切れるかどうかというところに懸かっていると思います。
 私が弁護士登録して間もないころ、出資法等の改正が行われまして、事件がいっとき激減したということがありました。これは民事、刑事ともにその法律の意図した効果が現れたと、こう思っておりましたけれども、やっぱり年次が経過しますと、また新手がどんどん出てきまして拡大すると、こういうことを繰り返してきたわけですね。警察のマンパワーの限界というものもあるでしょうから、その組織力をどこにどう集中させてやるかという、言わば政策的な配慮というものも課題だろうと思いますけれども、是非とも、この法改正によって懸念されること、それに対する世の中の期待、これを真剣に受け止めていただいて、この取締りの成果を上げていただくように是非お願いをしたいと思います。その決意をもう一度お聞かせいただきたいと思います。
#253
○政府参考人(竹花豊君) お答え申し上げます。
 今回の法改正を機にやみ金の状況はどう変化するのかということについては、これは先行きやってみないと分からないという側面もあろうかと思いますけれども、私どもといたしましては、今回の法改正そのものを全体として見るならば、やみ金問題を解決する方向が示されているものとして、この法律ができたことでもうやみ金がむやみやたらと増えてしまうという、そういうものではなかろうというふうに考えております。
 もちろん、この法律の成立の後、彼らがどういうふうに動いていくのか、新しい状況が出てくるだろうと思います。そうした問題についてしっかりと、関係省庁からの情報もいただきながらしっかり把握をして、とんでもない状況にならないように、状況に適切に対応してしっかりとした取締りを行っていくというのが私どもの考え方でございます。
#254
○山口那津男君 業界の参考人から、その点明確な懸念というものが示されているわけでありますから、楽観は許されないと私も思います。是非しっかりやっていただきたいと思います。
 次に、サラ金問題、貸金の問題と並んで社会問題化している分野にクレジット契約の分野がございます。これは割賦販売法等で規制されている分野でありますから、金融庁の所管ではないわけでありますが、こちらも大きな意味では過剰与信とそして多重債務者が生じるということ、そしてまた、クレジット契約がもとで生じた多重債務者がこの貸金業の方に資金供給を仰ぐと、こういう非常に密接な関係もあるわけでありまして、このクレジット契約も、同時に私はこのたびの貸金業の規制と並んで国の政策的な配慮というのが必要だろうと、取組が必要だろうと、こう思っております。
 そこで伺いますが、一つには、このクレジット契約において購入者の支払能力をきちんと調査をしているのかどうか、この点の対応策が検討されているのかどうか、ここが実質的にはおろそかになっているために過剰な与信が与えられている、そういう実態が指摘をされております。また、それらにまつわる事件というものも報道されているわけでありますが、経済産業省としてこの辺をどう認識していらっしゃいますでしょうか。
#255
○政府参考人(谷みどり君) お答え申し上げます。
 割賦販売法におきまして、信販会社はクレジット契約締結の際に、信用情報機関を利用すること等により、購入者の支払能力を調査し、過剰な与信を行わないよう努めることが定められております。
   〔委員長退席、理事峰崎直樹君着席〕
 しかしながら、例えば、高齢者等をねらった悪質な住宅リフォーム訪問販売などに見られますように、悪質販売業者により勧誘されたクレジット契約について、支払能力の調査が十分に行われず、その結果、購入者の支払能力を超える与信が行われている事例があることも事実と認識しております。
 このため、経済産業省といたしましては、高齢者等をねらった悪質な販売勧誘行為を行う業者に対して特定商取引法に基づく処分を行っておりますほか、信販会社に対して与信審査の厳格化等の指導を行っておりまして、その結果、信販業界では加盟店審査基準の厳格化が行われ、本年三月末までに約七百店舗の悪質販売店との加盟店契約が解除されております。
 経済産業省といたしましては、引き続きその効果と更なる消費者トラブルの実態把握に努めるとともに、悪質業者に対する厳格な法の執行や信販会社に対する指導等を通じて適切な消費者保護対策を講じてまいる所存でございます。
#256
○山口那津男君 今私がお聞きしたのは、販売業者が購入者の支払能力をきちんとチェックしていないということをクレジット会社が見逃していると、こういう問題でありました。また一方では、販売業者が悪質な販売活動をしていると、そういうことに対してクレジット会社が信用を与えてしまっていると、こういう不適切な与信の状況ということも指摘されるべきであろうと思います。
 今、お答えは、その両方をお答えなられたようにも思えるわけでありますが、それらの実態を踏まえた場合には、私は割賦販売法、これを早期に見直して対応策を打ち立てる必要があると、こう思いますが、経済産業省としてこの点をどうお考えになっていらっしゃいますでしょうか。
#257
○政府参考人(谷みどり君) 御質問の割賦販売法の改正につきましては、対策上の可能なオプションの一つとして検討の視野には入れておりますが、まずは、本年六月の産業構造審議会基本問題小委員会報告書を受け、トラブル実態や業界の自主的取組状況、さらには海外の諸制度等の把握と分析に努めているところでございます。
 本件につきましては、できるだけ早急に小委員会に対しその結果を御報告いたしまして、更なる対策の必要性等について御審議いただくべく準備を進めてまいりたいと考えております。
 いずれにいたしましても、御指摘の過剰与信、不適正与信の問題につきましては、実態の把握と指導及び行政処分の強化など、既存の対策に力を注いでまいりたいと思います。
#258
○山口那津男君 私の経験からして、そのサラ金問題と並んで、もう昭和五十年代からこのクレジットの問題というのは今と同じような問題が生じておりました。そして、件数はいたずらに増えていると、対応策、適切な対応策が取られないまんまに来ていると。一体何を検討しているんですかと言いたいくらいでありまして、この時代的な背景とタイミングというのは重要でありますから、貸金業の方が規制されてそれなりの効果があったとして、クレジットの方が野放しであったならば、これはやっぱり多重債務者問題というのはクレジットの方に集中していく可能性がなきにしもあらずでありますから、ここはやはり平仄を合わせて、この積極的な法改正へ向けての取組を期待したいと、こう思います。
 さて、それで、アメリカの例をとらえますと、カウンセリングの重要性ということを指摘したいと思います。これは参考人あるいは公聴会等でも何度もこの点は指摘されているところでありますが、アメリカの場合、ノースカロライナ州の例を挙げますと、一定の水準にある公認のカウンセラーによるカウンセリングの受講証明書、これを持ってこないとローンは組まないと、そういう仕組みを取っているわけであります。事実上カウンセリングをやろうということではなくて、こうやって制度としてローンの提供の前提要件にしているわけでありまして、ここが日本の取組よりも一歩進んでいると私は思うわけですね。こうやって制度化されたカウンセリングというものは、与信を規制すると同時に、受信の能力を補完するという言わば両面を併せ持っているわけでありまして、こうした仕組みを日本でも検討すべきであると思いますが、この点について所見を伺いたいと思います。
#259
○政府参考人(三國谷勝範君) 御指摘のように、与信サイドだけではなくて受信側の対策というのも重要な課題として認識しておりまして、私どもといたしましても、今後、カウンセリングとそれから金融経済教育等については力を注いでまいりたいと考えているところでございます。
 債務整理と家計管理指導、こういったものを全部組み合わせたカウンセリングを提供できる機関、こういうのが多ければ望ましいのでございますが、現状、それはわずかしかないという現状を踏まえまして、今回、貸金業者にカウンセリング機関を紹介する努力義務を課したところでございます。引き続き今後、借り手に対するカウンセリングを有効なものとしていくためには、既存のカウンセリング機関の拡充とそういった関係機関の間のネットワークの構築が重要な課題と考えております。
 御指摘のアメリカの例なども参考にしながら、今後、多重債務者対策本部におきまして議論を行いまして、関係省庁としっかり連携をしながら具体的な方策を検討、実施してまいりたいと考えております。
#260
○山口那津男君 我が国ではこのカウンセリングの分野というのはまだ十分に発達をしていない面もあろうかと思いますので、その運用を通じて経験を重ねた上で、是非制度化の道も検討していただきたいと思います。
 最後になりますが、内閣府に、消費者教育というのが極めて重要だと私は思うわけであります。消費者基本法においてもこの点が認識をされておりまして、平成十七年四月八日の閣議においても消費者基本計画を作りまして、その中で、「広く関係機関の協力を得て、消費者教育の体系化を図り、これに基づく消費者教育の推進方法について検討する。」と、こう決められたところでありますが、特にこの貸金業をめぐる問題を見たときには、社会に出る前の世代、高校生等の世代、それと、第一線を退いて高齢化していく、つまり、能力がだんだんだんだん衰えていく、そういう世代に対する消費者教育というのが実に重要だと私は思っております。
 この閣議決定に基づくこれからの消費者教育の在り方の結論をどういうふうに打ち出していくか、この方向性について承りたいと、こう思います。
#261
○政府参考人(堀田繁君) 一昨年改正されました消費者基本法におきましては、消費者政策の基本理念の一つとして消費者の自立支援が規定されておりまして、学校、地域、家庭等、様々な場を通じた消費者の生涯にわたった消費者教育の重要性というのが一層高まっているというふうに認識しております。
 これを踏まえまして、昨年閣議決定されました消費者基本計画におきましても、学校や社会教育施設における消費者教育の推進を消費者政策の重点として盛り込みまして、現在、その推進に努めているところでございます。
 また、先生御指摘のように、近年の消費者トラブルの現状を見ますと、高齢者や若者を中心とします被害が広がっておりまして、こうした人々への消費者教育を一層強化していく必要があると考えております。
 このため、消費者教育の必要性の高い高齢者に対しましては、身近な場で幅広く消費者教育を実施いたします消費者問題出前講座というものを実施しております。さらに、悪質情報についてのメールマガジンを送付いたします見守り新鮮情報といったものも提供している状況にございます。また、若い人たちに対しましては、内閣府それから文部科学省、連携を強めまして連絡協議会というものも開催しておりまして、地方においてもそういった消費者教育の推進をお願いしているという状況にございます。
 さらに、消費者教育を幅広くかつ効率的に推進していくためには消費者教育の体系化といったことも重要でございますから、十七年度におきましては、ライフステージに応じた消費者教育の目標をまず取りまとめたところでございます。本年度におきましては、この目標に基づいて消費者教育の内容を更に検討しているところでございまして、来年度、夏ごろまでにそういった結論を得たいというふうに考えております。
 以上でございます。
#262
○山口那津男君 今お答えもありました。そして、公聴会等でもその具体的な実践が紹介されるということもありました。そのいろんな現場で取り組んでいるということを、今内閣府で検討されている体系化の作業でしっかりと位置付けた上で、それぞれの担当するものを言わば有機的に、ネットワーク的に結び付けた上で国民全般にその教育を推進していくと。こういう計画そして位置付け、そしてまた実施の体制と、いずれもが整っていく必要があると思いますので、是非有意義な結果を出していただきまして、積極的に取り組んでいただきたいということを申し添えまして、私の質問を終わります。
   〔理事峰崎直樹君退席、委員長着席〕
#263
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
 今の山口議員に続きまして質問をさせていただきたいと思います。
 まず始めに、先週の質疑の中でも大臣にお聞きしまして、大臣に御答弁いただければと思いますが、先週私がこの多重債務対策本部についてお聞きしたときに、先週ですけれども、今週官房長官としっかり協議させていただきたいと、こんなようなお話を御答弁なさっておられました。
 そこで、可能な限りで結構でございますけれども、この多重債務対策本部につきまして、いつごろ設置するとか、大体どんなようなことを検討するのかとか、あるいは体制とか、お答えいただける範囲で結構でございますので、御答弁いただければと思います。
#264
○国務大臣(山本有二君) 現在御審議いただいております改正法案の審議状況も踏まえつつ、年内に設置できるように、内閣官房及び関係省庁となお協議を尽くしてまいりたいと思います。
 また、多重債務者対策本部におきましては、改正法の円滑な施行のほか、カウンセリング体制の充実、セーフティーネットの整備、金融経済教育の強化、やみ金融の取締り強化など、多重債務問題の解決に向けた諸課題について議論してまいりたいと思っております。
#265
○西田実仁君 その際に、参考人やまた公述人の方からも様々御指摘いただきましたけれども、現場の声をできる限りやはり反映をしていただいて対策を打ち立てていくことが適切な対策になるんではないか、こういう御指摘がありました。もっともでございます。
 そういう意味では、今、カウンセリングあるいはセーフティーネット、やみ金対策等と、金融教育等々のお話がございましたけれども、その際には、どういう形かはともかくとして、そうしたことに現場で取り組んでおられる多くの方々がしっかりと意見を言える場、またその意見が反映される、そういう仕組みを是非ともつくっていただきたいというふうに思いますが、この点、いかがでございましょうか。
#266
○国務大臣(山本有二君) 多重債務者対策本部におきましては、国会における御審議での様々な御意見も踏まえまして、さらに、実際に多重債務問題の解決に貢献している現場の方々の御意見にも十分耳を傾けつつ議論を進めてまいる所存でございます。
#267
○西田実仁君 過去五年ほどを見まして、内閣に、政府につくられた対策本部というのは非常に増えていますね。五年前の平成十四年を例えば見ますと、法律に基づくものは一つ、閣議決定に基づくものが二十だったものが、この十八年の直近まで行きますと、法律に基づくものが九、また閣議決定に基づくものは二十三ございまして、それだけいろんな対策というものが今政府一丸となって省庁横断的に取り組んでいる、こういうことの証左であろうというふうに思います。
 しかしながら、対策本部をつくって、その成果がきちっと見える形にやはりしていかなきゃいけない。とりわけ今回の多重債務対策本部につきましては、現状問題があるからもちろんつくる対策本部でございましょうから、その成果についても、まずその成果を上げるまでの工程表もそれなりに示さなきゃいけない。また、その成果の結果についてもでき得るものは数値で示す必要もあるでしょうし、そうでないものもあろうとは思いますけれども、いずれにしても、その成果がきちっと見える形にしていく目標を立てた上で工程表も組んでいかなきゃいけない、このように考えておりますが、この点、いかがでございましょうか。
#268
○国務大臣(山本有二君) 多重債務者対策本部におきましては、改正法の円滑な施行のほか、カウンセリング体制の充実やセーフティーネットの整備、金融経済教育の強化、やみ金融の取締り強化、こういったものに取り組んでまいりたいと思っておりますが、具体的にこのスケジュールをどういう形で決めていくのか、またその議論を進めていくのかも含めまして、法案成立後に対策本部を早急に立ち上げた上でその俎上に上らせていただきたい、上らすつもりでございます。
 迅速に実施してまいりたいと思いますが、形骸化や、またトップダウンを余りにすることによる弊害や、さらに成果の検証というものを忘れることなく頑張っていきたいと思っております。
#269
○西田実仁君 先日の地方公聴会、埼玉県でございました。その埼玉県におきましても、やみ金対策協議会の多くの方にお越しいただいて公述をお願いしたわけでございます。
 その際に、やはりこの多重債務対策につきましては、中央はもちろんでございますけれども、都道府県との連携ということも大変に重要であると、こういう御指摘もありましたし、お話をお聞きしていてつくづくそうだなというふうに私自身も思ったわけでございます。
 そういう点では、各都道府県でどういった機関なりがその受皿というか推進をしていくのかというのはこれからいろいろと議論をしていくんだろうとは思いますけれども、先ほどの現場の声をいかに反映させるかというところの中にはこの都道府県との連携ということも是非とも必要ではないかということも先日実感したものですから、この点についても一応御認識をお聞きしておきたいと思います。
#270
○政府参考人(三國谷勝範君) 御指摘のとおり、多重債務問題に関しましては地方自治体の果たす役割というのは大変重要であると考えております。私ども、今後、対策本部等におきまして、都道府県などにおける取組、これが有効に機能するよう実情把握あるいは実態把握等しながら、有効な方策を立てるべく一生懸命取り組んでまいりたいと考えております。
#271
○西田実仁君 是非ともよろしくお願いしたいと思います。
 次に、多重債務に陥って様々な被害に遭われている方を支援している方からも先日お伺いしたわけですが、今多重債務の方もそうですし、そこからいかに抜け出すかということも含めて、いずれにしても生活をいかに再建していくのかというところが大変重要であるという御指摘が多くの方からなされていました。
 そこで、様々多重債務対策本部でこれから検討していかれるんだと思いますけれども、いずれにしてもこの生活再建ということをどう図っていくのか、またそれをどう支援していくのかという視点は欠かせないと思います。
 その際に、今すぐできることということと、それから中期的にいろいろ考えていかなきゃいけないことと、それぞれあろうかと思うんですね。今すぐできるというか、今すぐ検討すべきことという意味では、今ある制度をいかに活用していくのか、あるいは活用していけないのかということも含めて検討をしなきゃいけないと思っております。
 今日、また再び菅原政務官に、お忙しいところお呼び立てをしまして申し訳ございませんが、是非この生活福祉資金について若干、前回とは重ならないように御質問をさせていただきたいと思っております。
 実際に、この生活福祉資金全体の枠組みで申しますと、都道府県の社会福祉協議会がいろんな決定をしていくわけですけれども、実務というか、実際に相談に行くのはやっぱり市町村でございまして、市町村の社協の役割というものは大変大きいわけでございます。その際に、実際に相談に乗ったり、あるいは支給をするかどうかを意見を添えたり、そうした機能が市町村にあるわけですけれども、それに携わる方々、またそれに携わる費用、いわゆる貸付事務費ということになるんだと思いますけれども、こうしたことについて十分なのかどうかという指摘が前からなされていました。
 すなわち、市町村におきまして貸付けの相談業務に大変追われて、なかなか本来業務にも時間が取れないという声もあったりする。また、この制度自体が償還金を原資として貸し付けるという仕組みになっている以上、厚労省からも適正な債権の管理に努められるよう指導願いたいという、こういうようなお触れも出ております。そういうこともあって、償還業務自体を、すなわち債権回収と言ったらちょっと表現が適切かどうか分かりませんが、中身としてはそういうことですが、それを民生委員に託しているわけですけれども、そこに過度な負担も掛かっているんではないか、こういうような指摘もなされています。
 なぜそうなっていくのかというところを見ていきますと、貸付事務費自体は貸付金利子の、例えば三%で貸し付けている場合、そのうちの二%はこの貸付事務費に充てることができるというできる規定になっているわけですね。それだけでは足りなくて、補助金も国庫負担で八億、自治体も含めれば十六億という額が出ております。これが各市町村に割り当てられたらどのぐらいの貸付事務費が年間で割り当てられるのかということは、単純な計算を私自身がしてみますと、恐らく八万とか十万とかその程度だというふうに思うんです。この貸付金利子三%のうち二%分というものを計算し、全部が三%で有利子で貸しているわけじゃありませんけれども、ざっと計算しますと、加えて今十六億の補助金による貸付事務費への負担ということも足し合わせますと、恐らく年間で八万から十万ぐらいだろうなと。厚労省の皆さんにお聞きしましたけれども、なかなか今すぐに出てこないということで、私の方で単純に計算をさせていただきました。
 これで十分かどうかという問題は別途あろうかと思いますが、今私が申し上げたように、実際に貸付業務に当たっている方々が十分に相談に乗ったり、ある意味で多重債務をいかにしてそこから脱していくのか、生活再建をしていくのかというところに一番近いところにいらっしゃる方々の業務が大変に、十分にはなかなかできない状況にあるんではないかというふうにも推測をしておるところでございます。
 この貸付事務費につきまして、現状でどのような御認識をお持ちなのか、お答えいただければと思います。
#272
○大臣政務官(菅原一秀君) 西田先生の取り組まれておりますこの多重債務問題に関しまして、お話ございました生活福祉資金、これを扱っているのが各都道府県の社会福祉協議会、そこにおいてこの事務費、御指摘ありましたように、貸付金の三%のうち二%分を充てているわけでございまして、この点、お話ございましたように、その多重債務又はその資金を必要とする方々の最も身近なところにあるこの協議会、この事務費がなかなか豊潤ではない、足りていないんではないかという御指摘でございます。
 実際に厚生労働省の制度として生活福祉資金制度を創設をし、長い歴史を持つわけでございますけれども、都道府県から実際にその事務費が足りないという、そういう報告は実のところ届いておりませんで、もしそのようなことがあるとすれば、しっかりその不足に対して適切な対応を図ってまいりたいと、このように考えております。
#273
○西田実仁君 この貸付金利子三%のうち二%は今申し上げたように貸付事務費に回すことができるというような規定になっているわけですね。残り一%はいわゆる欠損補てん積立金に充てると、こういうような規定になっていますよね。
 実際に、でも欠損補てん積立金自体が不足しているということがよく指摘されております。なぜならば、この積立金から貸付けに回すということになっている。なぜ回さなければいけないかというと、償還免除額が増えているということがあるわけですね、いろんな後で付け加えたことがございましたので。
 そこで、この二%分はできるという規定になっているけれども、できるですから、しなきゃいけないということではありませんので、足りない欠損補てん積立金に回っているんじゃないかと、お金に色は付いていませんけれども、そんなようなことも考えられる。
 今、都道府県からそういう声なかったというお話ございました。しかし、私が聞いたのは市町村のところです。市町村がそのまま上に上げればいいのかもしれませんが、そういうような構造的な、仕組みとしてできる規定ということが逆にそこの貸付事務費のところを削ってしまっているんではないかという懸念がございまして、一案としては貸付事務費を独立化させるということも必要ではないかと、こんなようなことも思ったりするわけでございますけれども、ちょっとこの辺につきましてお聞きしたいと思います。
#274
○大臣政務官(菅原一秀君) 御指摘の二%分、そして一%分が実は貸倒引当金の部分に充当させていただいているということでございますが、この二%分、一%分については、各々分けて会計をしているところでございます。そして、お話ございました事務費の補助金につきましては、御案内のとおり、国、都道府県が二分の一ずつ補助をしているわけでございまして、この実際の補助額については都道府県が独自で判断をして、そしてまた国においては都道府県の申請額に対して補助をしているという、こういう構図になっているわけでございます。
 この事務費に不足が生じているという点、都道府県から報告は受けてないというふうに申し上げさせていただいたところでございますが、実際にはこの都道府県の言わば予算措置が困難な状況があって、この社会福祉協議会の事務費に不足が生じる場合においては、厚生労働省としてもイニシアチブを持ってこうした都道府県に対して予算措置を施すように働き掛けをしていきたいと、こう思っております。
#275
○西田実仁君 ありがとうございます。
 その生活福祉資金の中での緊急小口資金については前回もお聞きしました。これについては創設していない府県が全国で十府県ほどございます。しかし、ないからといって全く何もやっていないわけではなくて、それぞれの自治体独自に行っているところもございますので、ないことが悪いということを言うわけじゃございません。しかしながら、この多重債務ということをいかに解決していくかというときに、今ある制度の中で検討すべきこととしては、この生活福祉資金、なかんずく緊急小口資金というのは有用ではないかというふうに私自身は思っております。
 その際に、この緊急小口資金の位置付けでございますけれども、私の理解では、この緊急小口資金、もちろん文言としては多重債務を解決するためにということは書いていないことは理解しておりますけれども、導入のときのいろんな経緯は、やはり消費者金融に頼らずに当面の生活費を確保するということも意味合いとして入っているんではないかというふうに理解しておりました。そういう意味で緊急小口資金というのを前回に引き続いてまたお聞きしているわけですけれども、この緊急小口資金をどのように位置付けておられるのか、多重債務とのかかわりの中でお答えいただければと思います。
#276
○大臣政務官(菅原一秀君) 先般もお話ございました、そしてただいま重ねて御質問を賜りましたこの緊急小口資金につきましては、平成十五年の一月に創設をされた制度でございまして、低所得者世帯が例えば医療費や介護費の支払あるいは給与を紛失してしまった、なくしてしまったというような緊急的かつ一時的な資金が必要な場合に、小口の生活資金、上限五万円をもって貸付けを行っている制度でございまして、西田先生御指摘のとおり、現在も実質的には多重債務のセーフティーネットあるいは多重債務から生活再建をしていく上での大変大きな制度であると確信をいたしております。
 具体的に多重債務のためという文言はこの制度概要の中には書いておりませんけれども、今申し上げましたように、医療費の不足あるいは給与の盗難、あるいは年金、保険、公的給付の支給開始までの間の生活の援助、あるいは火事、火災等で被災を受けた場合、こういったところの対象をもって生活困難と見られる方に対して施す、そういう制度でございます。
#277
○西田実仁君 ありがとうございます。改めて位置付けをしていただきました。今後、この多重債務を解決していくときに、今あるもので検討すべきとすれば、こうしたことは大変大きい点ではないかと私は思っているものですから、是非御検討のほどをお願いをしたいと思います。
 次に、今あるものというよりも中期的に検討すべきこととして、山本大臣に是非とも御意見を賜りたいという点がございます。これは午前中もしばし大臣の口から御答弁がございました。
 もし政務官、お時間があれだったら結構でございます。
 大臣の方からもお話がございましたけれども、先日、一昨日だったでしょうか、ノーベル平和賞を取られたユヌス氏のグラミン銀行につきまして様々な御指摘がございました。このユヌス氏自体は、やはり銀行業なりあるいは金融業の常識をある意味で覆すイノベーターであるというふうに私自身は思っているわけでございまして、貧しい人々や担保のない人々に融資をしていくという、普通であればなかなかこういうことはできないというところを、あえてその仕組みをいろんな形でつくり上げた。
 安倍政権におきましてはイノベーションというのを掲げているわけでございまして、正にそういう意味では、この多重債務問題、もちろん政府だけでなくて、先ほど来から申し上げているとおり、様々な現場の方の声も聞きながらイノベートしていかなきゃいけない問題、乗り越えていかなきゃいけない問題だというふうには思っておりますけれども、格差の固定化を避けていくためにということでいえば、金融の機会をいかに提供していくのかということは大変大事であると、これは言うまでもないことであります。倒産した企業家とかあるいは低所得者に対しまして、適切な条件で資金を融通していけば再挑戦もできる。
 そういう意味で、このグラミン銀行の取組、また今申し上げた金融の機会の提供ということについて、大臣の御所見を賜りたいと思います。
#278
○国務大臣(山本有二君) ムハマド・ユヌスの偉業というのは、やはり貧困層にはこうした金融システムが導入できないという先入観が先進国諸国全部覆われておった中で、アメリカ留学からバングラデシュに帰られて、大学の教鞭を執る傍ら、貧困層に自らのポケットマネーを貸すことによって、実は貧困層でも金融システムがうまくワークするんだということを実証した点においては、私は正にノーベル賞に値するというように思っております。
 特に私が注目すべきは、貸倒れ率が一・二%、貧困層で借りた者が正確に返していっている実績について驚嘆するわけでございます。そのノウハウにつきましては、いわゆる少額無担保、連帯責任の中で五人のグループを構成することによって、連帯保証ではなくて、もし破綻をした場合、だれかが返さなかった場合には、他のグループ構成員の融資も打ち切られるというような意味での連帯責任が課せられていることとともに、順調に完済を繰り返しますと融資枠が拡大して融資額が増加されるというような点、そして銀行員が定期的に、その事業等、返済についてのアドバイスを家計管理から事業指導までやっていっているという、そういうようなノウハウがあるのではないかというように思っております。
 こうした他国の例を取りましても、また国内的にも非常にいい実績のある機関が各市町村にございますので、そういった点も総合判断して、今後新しいスキームができ上がればと期待するところでございます。
#279
○西田実仁君 これバングラデシュですけれども、御存じのとおり、必ずしも発展途上国のみならず先進国でも広まっている一つの方式ですね。これ、でも日本ではまだ、まあ形は変わっているのかもしれませんが、取りあえずアメリカとかカナダとかイギリスとかではこの方式、グラミン銀行方式は広まっているけれども、日本ではまだないわけですね。これは、大臣はなぜそうだというふうに思われるでしょう。
#280
○国務大臣(山本有二君) 始まっていないと位置付けるか始まっていると位置付けるかは非常に難しい点ではありますが、先ほどの緊急小口貸付け、こういったことも、考えてみれば千五百件の新規実績があると言われております。そうした点からすれば、こういった既存の拡充と併せてこうしたグラミン銀行的な注目を浴びるような試みを促すこと、そういったことによって私は十分日本における貧困層も立ち直りができるだろうというように思っております。
 また、日本でこうした展開が少ないか多いかということに関しましては、むしろ私は、バングラデシュよりもなお基本的な教育、知識の高い人たちが多い日本というように考えておりますので、むしろ日本の方が位置付けは、また社会への根付きという意味では、よりマイクロクレジットの成長力を期待をしているところでございます。
#281
○西田実仁君 先日の埼玉での公聴会でも夜明けの会の方々が言われておりましたけれども、壊れた金銭感覚を元に戻していくには一定の時間がやっぱり掛かると。仲間とのいろんな触れ合いの中でそうした金銭感覚も徐々に取り戻して生活再建も図られていく、そこのお手伝いをまた会の皆様が非常に熱心に取り組んでおられるという御様子をお聞きしました。
 やはり、返済をしていくのは、金利はもちろん重要なファクターだと思いますが、金利だけではなくて、いかに返そうとするかという意欲という面も大変に重要なファクターなんだなということを改めて学んだわけでございまして、今後様々なセーフティーネットを考えていく際に、こうした、まあ心の問題といったらちょっと適切じゃないかもしれませんが、その金利のみならず、生活再建ということで考えますと、カウンセリングとか、こうした民間でいろいろな御支援をずっとされておられる方の、先ほど連帯責任という言葉もこのグラミン銀行の中で御指摘いただきましたけれども、それにある意味で一脈通ずるものがこういう会にもあるんだろうなというふうなことを感じたわけでございまして、かつて日本にあった生活改善運動というのがございましたけれども、現代において様々な共同体が壊れていっているとか、非常にきずなが弱まっているとかいう問題はありますけれども、新たにそういう形でのその意欲をお互いに触発していけるような場、あるいはそういう機能、あるいはそういう会というんでしょうか、そういうものが重要ではないか、この多重債務の問題を解決していくためには重要ではないかというふうに私自身は思っておりますけれども、いかがでございましょうか。
#282
○国務大臣(山本有二君) そのとおりでございまして、まずその意欲を喚起するようなシステムというのはなかなか公ではつくりづろうございます。
 その点、私も先日鳥取県に参りまして、鳥取知事さんがやっておいでるDVにおける被害者の会のシェルターを見さしていただきました。そこは、逆に公しかできない、つまり個人の情報管理について民間に任せることが非常に困難なものですから、およそ県や市町村が主体となって頑張っていただいているわけでございますが、その方々もほとんどが貧困層でございます。そういったことに対しましては、一人一人の生活ぶり、過去の人生、そして今の悩み、将来への希望、そういったことを全部傍らでお聞きしていただく大変有能なカウンセラーが存在するかどうかというところが自立の道の最も最初の時点で必要だということが私も認識さしていただきました。
 ほとんどの方々がボランティアでございまして、地域のそうした大変能力のある、教養の高い、しかも愛にあふれた人たちをどう養成していくかということが社会が問われていることでもありますけれども、そういった人々のなさっておられることに対して我々がもう一回目を見開いて、さらに我々もそこに学びながら考えていくということが何より必要だろうというように思っております。
#283
○西田実仁君 今、大変に重要なお話いただきました。また、私どもも公聴会でお聴きしたことは正にそのことでございまして、今後総合的にいろいろ対策を練っていく際に、是非ともそういう方々の御意見もまた反映していっていただきたいと思います。
 残った時間ですが、広告規制につきましてちょっと最後二つほど確認をしておきたいと思います。
 このやみ金融の問題ですけれども、顧客を勧誘する有力な手段としては、やはり新聞、雑誌等の広告であることは間違いないと思います。民間のシンクタンクの調査によれば、貸金業者の広告について全体の七割がいわゆる消費者金融、普通の会社とやみ金融の広告との区別が付かないと。多くの人がどっちがどっちだか分からないと、やみなのか表なのか分からないと。実際に前の御質疑でもあったかもしれませんが、スポーツ紙とかを見ると、登録番号の表示は確認できても住所がないような広告もあったりすると。
 これは、神奈川県のヤミ金対策連絡会議におきましては、貸金業者の広告掲載に関する調査というのが実施されて、今年三月発表されておられました。そこでは、新聞社、出版社にアンケートを取ると、広告掲載基準を実際にちゃんと作成している、文書としてあるというのは三割ぐらいしかなかったわけですね。七割は広告掲載基準そのものがきちっと規定をされていない、こういう今現状でございます。
 今回の改正法案の中には様々な広告規制の強化ということがうたわれております。これは、自主規制規則、新たな協会ですね、新協会による自主規制規則ということによる広告規制ということだと理解しておりますけれども、新しい協会はすぐにできるわけじゃございません。しかし、一方でそういう被害に遭われる方も増えていると。こう考えますと、事実上の広告規制の強化ということをいつまでにしっかりやっていくのか、新しい協会ができるまでそれまでは待っているという状態なのか、ここについて金融庁にまずお聞きしたいと思います。
#284
○政府参考人(三國谷勝範君) 現在、既に広告につきましては、業界におきまして自主的な規制の動きもあるところでございますが、今回の法案に基づきます自主規制ルール、これは貸金業協会が定めることとなっております。新貸金業協会の設立の認可に際しまして、その規定が法令に適合しているかといったことを審査することとなっておりますが、この規定は公布後一年以内に施行されることとなっております。したがいまして、広告に関します自主規制ルールもそれまでに策定されることになるものでございます。
#285
○西田実仁君 先ほど来からテレビのことは、随分コマーシャル言われていました。最後に、総務省の方にお聞きしたいと思いますが、今回法案審議も最終局面に今来ているわけですけれども、今回は三年、おおむね三年までの間にいわゆるこのグレーゾーン金利というものが廃止されるということが盛り込まれている法案でございます。
 このテレビコマーシャルについてもそういう方向性が見えているときに、どういうふうにしていったらいいのかという視点でお聞きしたいと思いますが、もちろん民放連の放送基準によって決められていることは承知しております。しかし一方で、新聞社によっては、新聞の広告等についてグレーゾーン金利の支払は任意であることを広告に記載することを義務付けているところもありますね。
 テレビについても、テレビコマーシャルについても、そうした任意性ということをきちっとうたう必要もあるんじゃないかと、広告打つ場合には、というふうに思うわけでございますけれども、最後に総務省さんのお考え、感想でも結構ですけれども、お聞かせいただいて、終わりたいと思います。
#286
○政府参考人(中田睦君) お答え申し上げます。
 放送事業におきましては、自律を尊重する放送法の趣旨にのっとりまして、これまでもおおむね番組の適正が図られたというふうに認識をしております。今、具体的には放送事業者が番組基準を作りまして、それに従って番組を編集していくということでございます。
 今先生御指摘のように、社団法人日本民間放送連盟の放送基準にも該当するような基準が百三十七条と百三十八条と二つございまして、それぞれの中で、消費者金融のCMは安易な借入れを助長する表現であってはならない等々、特に青少年への影響を十分に考慮しなければならない等々の規定がございまして、それに沿いまして消費者金融のCMの取扱いに配慮しているというふうに考えております。
 今御指摘のございましたそのグレーゾーンの金利の説明等も含めまして、放送事業者におきましては引き続き適正に対応していくようにしていくべきものというふうに認識しております。
#287
○西田実仁君 終わります。
#288
○大門実紀史君 今日、自民党さんと特に民主党さんの御配慮をいただいて、一時間の質問時間をいただきました。お礼を申し上げたいと思います。
 今日で十二回目の質問ということになりまして、今年最後の質問でございますが、またこの私の質問の後、この歴史的な法案が可決されるであろうということで私自身も感無量でございます。与党、金融庁の皆さんの努力を多としたいと私は思っております。
 ただ、残された課題はまだまだたくさんございまして、今日は、総量規制と保証人の問題、商工ローン、日掛け、そして多重債務者対策本部について順次伺っていきたいと思います。
 最初に、過剰貸付け禁止、総量規制の問題でございますけれども、午前中も平野さんと議論がございました。年収の三分の一を超えても売却可能資産がある場合は除くと。これは詳細は内閣府令で定めるということですが、私も平野さんと同じ問題意識で、今回の法案の最大の問題点がここにあるというふうに思って、今日は二回目の質問でございますけれども、これは二年半後の見直しのことではございません、今度出てくる府令でどう書かれるかが問題を起こすかもしれないということでございます。
 前回申し上げましたけれども、下手なこと書くと、金融庁の意図とは別に、下手なことを書いてしまうと、担保取ってどんどんどんどん貸していけるような穴を空けることになるということでございますし、何度も取り上げました不動産担保ローンでいきますと、略奪的貸付けに悪用されると。あるいはこの例外規定がお墨付きを与えてしまう場合も起こり得るということで、私は、こういう重要なものが後で府令で出てくることそのものがおかしいというふうに思います。
 私はもうそもそもこの例外規定作らない方がいいと。しかも、いろいろやり取りありましたけれども、内閣府令に書きようがないんじゃないかと思います。実際には書きようがないと。書いたら書いたでおかしなことになってしまうし、そういう特殊なケースを書きようがないと思いますから、実際にはこの例外規定作りようがないんじゃないかと思っていますし、別になくても世の中困りません。この例外規定なくても、皆さん心配されているように世の中困りません。お金貸すのはサラ金だけではありませんから、何もここですべて心配をして書かないけないということではございません。
 私は、午前中の平野さんの質問に対して大臣が非常に重要な答弁をされたと思いますが、この例外規定を作らないことも初めて言われました、作らないことも含めて検討と。私は作らない方がいいと思っておりますけれども、作らないということだったら質問やめますけど、いかがでございましょうか。
#289
○政府参考人(三國谷勝範君) 年収の三分の一の規制の例外につきましては、借入れの実態等を十分に踏まえながら、潜脱が行われることがないよう、十分に検討の上、内閣府令で具体化を図ってまいりたいと考えております。
#290
○大門実紀史君 私は大臣にお聞きしたんです、大臣の答弁に対して。大臣に聞いたんです。
#291
○国務大臣(山本有二君) 午前中に申し上げましたように、この内閣府令におきまして具体化を図ることに、内閣府令において、この内閣府令の作成に当たりましては、これを作らないことも含めまして検討してまいりたいというように思っております。
#292
○大門実紀史君 念のために、作られなければいいんですけれども、もう今日の審議の後、府令を待つしかございませんので、念のために幾つか申し上げておきたいと思います。
 少なくともこれだけは確認をしたいんですが、簡潔に明確に答えてもらいたいと思いますが、再三指摘して、現場の方々も心配されておりますが、いわゆる給与、収入の範囲内では返済能力ない方々に、アイフルだとかCFJとか、おまとめローン、不動産担保ローンで貸し付けて、略奪的貸付けを今もやっているわけですね。これにはこの規定は該当しないと、それにつながらないと、禁止することを明確にここで、府令が出てくるとしてもはっきりさしてもらいたいと思いますが、その点だけはいかがですか。
#293
○政府参考人(三國谷勝範君) 居宅を担保に取るいわゆるおまとめローンのように、借り手の給与等の範囲内では返済できず、担保とした住居の売却により返済させることを目的としている貸付けについては、年収の三分の一規制の例外とはならず、禁止されることとなるものでございます。
#294
○大門実紀史君 大変重要な答弁を取りあえずいただきました。そういうものにはつながらないということが明確に書かれるということを確認いたしました。
 その上で聞きますけれども、書けるものなら書いてもらえばいいですけれども、ほとんど、ずっとこの問題は実は金融庁の事務方と出てきた最初から議論をしてまいりましたけれども、いまだ金融庁自身がお分かりになっていない、明確なことを言えないと。だから、あいまいな答弁が続いたり、大臣もひょっとしたら難しいかなというような気持ちも込めて作らないこともとおっしゃっているんだと思います。
 いずれにせよ、例外規定というのは明確に書かれないと、例外というのは具体的に書かれないと例外でなくなります。例外が抽象的で書かれたら例外じゃなくなって、解釈が広がって穴が広がります。したがって、内閣府令をどうしても書くということでしたら、具体的な事例で書いていただくしかないと思いますが、それがこういうものの性格だと思いますが、その点いかがですか。
#295
○政府参考人(三國谷勝範君) 年収の三分の一規制の例外につきましては、借入れの実態等を十分に踏まえながら、潜脱が行われることがないよう、内閣府令で具体化を図ってまいりたいと考えております。
#296
○大門実紀史君 それ、さっき言われたことですよね。もうちょっと三國谷さん、もう最後だから、私の質問最後だから、答弁書を読まないで、聞いたことを、聞いていることをちゃんと聞いて、で、思ったことをちゃんと答えてくださいよ。そんなにあちこち引っ張り出すから、違う答弁しているんですよ。だから、聞いたことにちゃんと答えてもらいたいんですね。
 例外で書くときは、例外規定ですから具体的に書かなきゃいけないと。具体化しますじゃないんですよ。具体的な書き方、書きぶりでやるべきだと申し上げているんですが、それだけ一言で。
#297
○政府参考人(三國谷勝範君) 潜脱が行われることがないよう、具体的に書いてまいりたいと考えております。
#298
○大門実紀史君 じゃ、参考までに私提案したいと思います、書き方ですね。というのは、内閣府令そのものが、国会審議を踏まえて皆さんが書かれるということでございますから提案をしたいんですけれども。
 まず、原則として居住用財産は除くと、まず明確に書いた方がいいと思います。ただし、どうしてもそういう事例があるならば、ただしこれこれの場合はこの限りではないと、これを明確に書かない限り、さっき言ったおまとめローンとかほかのものに悪用される可能性がございますんで、これは提案をしておきたいと思います。できれば、もうやめた方がいいと思います。作らない方がいいということは再度申し上げておきます。
 もう一つ問題になっているのが、その関係でいきますと保証人の問題です。
 前も取り上げましたけれども、アイフルは、実際には、この不動産担保ローン、おまとめをするときに、もう借り手は多重債務者に陥っています。おまとめしてもなかなか返せないと。これ分かってるんです、分かっててやってるんです。そのときに、保証人を取ります、引っ張り込みます。それがこの間、この前も取り上げましたけれども、高齢者とか、おじいちゃん、おばあちゃんとか、障害者の方々、高知でもございましたですね、聴力障害者、視覚障害者の方が引っ張り込まれました。そういうことをやっているわけですね。
 私はこういう方々を、こういう保証人が引っ張り込まれるのを、そして自宅まで取られてしまうと、これをどう防ぐのかというのを思いますけれども、今回の法改正では、本人の返済能力はチェックされますけれども、今言ったように、収入がないんですよね、おじいちゃん、おばあちゃんとか、年金収入、あるいは障害者の方の年金と。収入がなくても家だけ持っていると、だから保証人にさせられているわけですね、されちゃったわけですね。そういう返済能力のない保証人、これはどう守られるのかということをずっと気になっておりますけれども。
 私は、まず聞きたいんですけれども、貸金業十三条二項、改正案の@の貸金業者に対し、顧客等の、などの返済能力を超える貸付けの契約を禁止というふうに書いてありますけれども、「顧客等」の「等」には保証人も含むということでよろしいでしょうか。
#299
○政府参考人(三國谷勝範君) 第十三条の二第一項で過剰貸付規制の保護対象となる顧客等には保証人が含まれております。
#300
○大門実紀史君 含まれているということでしたら、当然保証人の返済能力もきちんと、それを超える貸付けを禁止というふうに読めるわけですから、これを活用していただいてそういうものを取り締まってほしいというふうに思います。
 具体的には、これは要望ですけれども、ガイドライン等にそういうことができないようなガイドラインをきちっと入れてもらいたいし、現行でも十三条の二項は行政処分もできますから、次の法改正でなくて、今回の法改正の施行じゃなくて、今でもやろうと思えばできますから、その辺を活用して、いずれにしてもガイドラインとかそういう中でこういう被害者が出ないように手当てをしてほしいと思いますが、これは大きな方向ですから、大臣、できれば答えてもらいたいと思います。
#301
○国務大臣(山本有二君) 返済能力を超えると認められる保証契約の締結は禁止しております。したがって、保証能力を超えると認められる保証契約の締結をした場合は行政処分の対象とするというように考えております。
#302
○大門実紀史君 ありがとうございます。
 もう一つは、資料をお配りいたしましたけれども、めくってもらった一枚目、二枚目ですけれども、今の関連でいくとおまとめローンでございます。
 今いろんなメガバンクも含めてこの多重債務者問題が焦点になるだろうということで、そういう人たちのおまとめローンを商品化して、どんどん自分たちのところに引き込もうということでやっております。今日はオリックスと東京スター銀行の資料をお配りいたしましたけれども、東京スター銀行はもう先駆的にやっているわけですが、オリックスも、これはもうインターネットのメールで大量宣伝をオリックスなんかやっております。
 この問題点ですが、御本人にとっては、今までサラ金で借りていたものをオリックスなりスター銀行でまとめてもらえれば、月々の返済額といいますか、利息が安くなって返済額も減ると助かるなと思って入るわけですね。これに借換えをするわけですけれども、この点で問題のあるのは、サラ金から引き継ぐ借金にいわゆるみなし弁済にかかわる過払い金が入っていると、そのまま引き継いじゃうという問題点でございます。
 仮に、サラ金、五社でも六社でもいいんですけれども、サラ金に三百万円の借金があると。これを過払いで、過払いの計算をして清算すると、実は仮に百五十万だったと。過払いでですね、利息制限法で計算し直すと。にもかかわらず、三百万のままこういう銀行はおまとめローンで引き受けちゃうわけですね。引き受けちゃうわけですね、本人が知らないことをいいことに。これが続きますとどうなっていくのかというふうに思っています。今現状を聞いてみたら、そういう利息制限法で過払いを清算して、残ったもので借換えをやるというふうな体制を取っている銀行はないようでございます。つまり、いわれのない、払わなくていい金額のまま銀行に引き継がれていると。
 これは私、銀行として、やっぱり社会的責任として、利息制限法でちゃんと計算されましたかと、過払い清算されましたかと、これは当然言うべきだと。なぜならば、その大きな金額で銀行が貸すわけですね、今度は。その利息は銀行に入るわけです。分かりますよね。銀行はもうかっちゃうわけですね、大きな金額の方がですね。当然、銀行として、そういうもう事実上過払い、利息制限法以上は否定されているわけですから、そういうものを丸ごと引き受けて銀行ももうけてしまうと、利息稼いでいると、これはおかしな話だというふうに思います。
 当然、自分たちももうけるわけですから、きちっと御本人にサラ金からの引き継いだおまとめの場合はそういう過払いの清算をされましたかどうかということと、こういう利息制限法を知らない方はまだまだ一杯いらっしゃいますから、そういうことを御本人に説明すべきだと、金融機関の社会的責任として説明すべきだというふうに思います。
 これも基本的な話だと、これから具体的化してもらう話なので、大臣に考えをお聞かせいただきたいと思います。
#303
○国務大臣(山本有二君) いわゆる御指摘のおまとめローンにつきましては、消費者の利益に資する面もございまして、当局といたしましてはこの商品の商品性自体に問題があるとは認識してはおりません。しかしながら、金融機関は与信取引に当たって十分な説明体制を整備するよう求められております。お尋ねのようなケースでは、例えば一般的に過払い返還請求の可能性に言及する、又は別途相談窓口を紹介するなど丁寧な対応が望まれるところでございます。
 当局といたしましても、金融団体との意見交換会等の場を通じて、こうした対応を含め、与信取引時の説明について適切に対応するよう各金融機関に要請しているところでございます。このような注意喚起を通して、各金融機関がより適切な販売体制を確立していくことを期待しております。
#304
○大門実紀史君 ありがとうございます。そういう要請なり通達なり、いろんな手続でそれを徹底してもらいたいというふうに思います。
 もう一つは、次の問題ですが、商工ローンの問題を取り上げたいというふうに思います。
 この問題はなかなか委員会でも取り上げてこられませんでした。今回の法改正の議論でも、この商工ローンの問題、なかなか取り上げ切れなかった。私も取り上げ切れてこなかったので、最後ですので取り上げたいと思います。
 商工ローンは九九年に、腎臓売れとか目ん玉売れとか、社会問題になりました。日栄とか商工ファンドとかですね。その後、じゃおとなしく適正にやっているのかというと、全然そうではございません。旧商工ファンド、今名前をSFCGに変えておりますけれども、このSFCGが去年関東財務局から行政処分を受けました。内容を簡潔に分かりやすく教えてもらえますか。
#305
○政府参考人(佐藤隆文君) ただいま御指摘いただきました平成十七年十一月二十五日のSFCGに対する行政処分でございます。内容といたしましては、全店十二日間及び二店舗、これは東京支店と大宮支店でございますが、この二店舗につきましては二十二日間の業務停止を命じました。
 その理由でございますけれども、一つには保証極度額の記載のない強制執行認諾文言付きの公正証書作成委任状を保証人から取得し、さらにこれを用いて約定の保証限度額を超える金額で公正証書を作成して、差押えの申立てあるいは強制執行ということに至ったわけでございます。貸金業規制法第二十条、白紙委任状の取得の制限違反ということでございます。また、同法の十七条、書面交付義務違反ということも認められたということでございます。
#306
○大門実紀史君 ありがとうございます。
 このSFCGの手口なんですけれども、そもそも返済能力のない人に貸し付けて保証人からいろいろ差押えして取るという手口でございます。その手段として用いられてきたのが私製手形とか公正証書ということで、それも含めて処分があったということですね。公正証書を使うわけですから、裁判制度まで利用しているということになります。
 公正証書、御存じのように、公証人が作成をして、これは大変効力、法的な効力がある書類でございまして、債権者の都合のいいときに差押えができるわけですね、公正証書を使うとですね。
 本来、その公正証書というのは、債務者と債権者と保証人の合意の上に作るべきものですけれども、ところがSFCGの場合は、大量の公正証書を契約者の了解を取らないで作成する、あるいは公正証書の意味をほとんど保証人とかに説明しないで、債務者に説明をしないで作成の委任状に印鑑を押させる、あるいは契約書類の下にカーボン紙を敷いて、委任状を見せずに作成していたと、こういういろんなケースがあって、これは当時、毎日新聞がかなり孤軍奮闘でキャンペーンをやりました。公正証書無断作成キャンペーンということで毎日新聞頑張りました。そういうこともあり、訴訟もたくさん起こされて、金融庁もとうとう行政処分という流れだったと思います。
 大宮支店、東京支店が二十二日の業務停止命令で、大変悪質な例でございますけれども、分かりやすく言えば、大宮支店では、二百万円しか保証してない連帯保証人に、残債務の全額五百九十四万円を保証したとする虚偽の強制執行付きの公正証書を作成したと、連帯保証人の預金と生命保険を差し押さえようとしたわけですね。東京支店では、不動産に、債務者の不動産に担保を設定したのに書面を交付しなかったわけですね。自分の知らないうちに不動産に担保設定されていたと、こういう点がございます。もうとにかくひどい手口ばかりなんですけれども。
 これは行政処分の後、じゃ、懲りておとなしくしているかというとそうではありませんで、その後も、現在も同様のことが続いております。特に悪質なのは、保証人にそもそも保証債務がないのにあると思わせてお金を取ろうというような、私はもう詐欺じゃないかと思いますが、そういう事案も出ております。
 一つ申し上げますと、福島県のいわき市在住の方は、保証債務がもう存在しないし、その債権についてもうSFCGは全額弁済を受けているにもかかわらず、公正証書に基づいてその方の、保証人の給与を現在まで、今現在まで六年間も差し押さえていたと。これは債務が存在しないのに差押命令取り下げないで、しかも債務がなくなっていることを隠して不当利得を得ていた事例でございます。
 これは、先々月の十月十九日に関東財務局に対して埼玉の弁護士さんが行政処分の申立てをされております。この申立てに、金融庁、関東財務局、どういうふうにお答えになるつもりでしょうか。
#307
○政府参考人(佐藤隆文君) 行政処分を行っていない個々の事案、これにはいまだ行っていない事案というのも含まれますけれども、こういった事案の対応につきましてはコメントを差し控えさせていただきたいと思います。
 一般的に貸金業者の監督に当たりましては、当局に寄せられた苦情相談の内容、貸金業規制法に基づく立入検査及び報告徴収の内容等で得られた情報等を集約、分析すること等により事実関係の把握に努め、行政処分を行うに足る事実関係が認められると判断した場合には貸金業規制法にのっとり厳正に対処しているところでございます。
#308
○大門実紀史君 こちらに届いている話はこれだけではございません。
 島根県の例でございますけれども、SFCGから借金千三百六十二万円あった方で、生命保険に担保設定がされておりました。この方、ちょうどサラ金問題が今年話題になりました、マスコミ、新聞かテレビを見て自分も過払いじゃないかということに気が付かれて、六月三日に債務整理を弁護士さんに相談されて、六月の五日にSFCGは弁護士さんから受任通知を受けております。その四日後、六月七日にSFCGはすかさず、すかさず連帯保証人四人に対して内容証明を送り付けて、Aさんの借金を払えとやっているわけですね。弁護士さんが取引履歴の開示を求めて、やっと七月四日に開示されましたけれども、既にもう五百四十七万円の過払いになっていたというわけですね。
 そういうことも、もう利息制限法で過払いが清算されると、そういうものが分かったわけですね。それで、慌てて保証人から取ろうと思ってそういう請求を出したという、大変これも悪質な例でございます。
 私は、SFCGに関しては行政処分がこの間何件も出ていると思いますけれども、今何件、この金融庁、関東財務局が処分された後、特に今年ですね、今現在で何件行政処分の申立てが出ているか、教えられるものなら教えてもらえますか。
#309
○政府参考人(佐藤隆文君) 個別業者にかかわる非公表のデータについては御勘弁いただきたいと思いますけれども、一般的に、いわゆる商工ローン業者、債務者や保証人からあらかじめ取得した公正証書により強制執行を行うといったケースの場合、訴訟となる事例も多いということで、これに伴って関与されている弁護士から行政処分を求めるとの苦情の申立てが当局に寄せられることがございます。このような申立ては弁護士が自ら公表している例がございまして、SFCGにつきましては本年十月にそのような公表を受けて報道がなされているということは承知をいたしております。ただ、このことを超えて更に全体の申立て件数等をお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。
 一般論として、私ども監督を行っていく際に、利用者等からの苦情が非常に多い業者、あるいは行政処分を打った後も継続的な監視が必要と認められるような業者、こういう業者につきましては必要に応じ発生原因の分析を求めたり、あるいは改善策の報告を求めたりといったことをいたしておるところでございます。また、個々に苦情や行政処分の申立てを受けた場合にも、業者からの事情聴取や報告徴収等によって事実関係の把握に努めておりまして、その結果、行政処分に足る事実関係を把握した場合には法令にのっとって厳正に対応していきたいと思っております。
#310
○大門実紀史君 件数は、別に個別の案件の中身ではありませんから、どうして言えないんでしょうか。内容を教えてくれと言うと、またいろいろ個別の中身あると思いますが、どうして件数は教えられないんでしょうか、国会の質問に対して。
#311
○政府参考人(佐藤隆文君) 件数、申立ての件数あるいは苦情の件数が多い少ないということにつきましても、当該業者の一つの競争的な地位にかかわる情報であろうかと思います。したがいまして、その特定の業者、金融機関に対する苦情の件数を公にするということは当該業者等の権利又は競争上の地位を害するおそれがあるということで、答弁を差し控えさせていただきたいということでございます。(発言する者あり)
 そして、これらの苦情の件数が多い場合に、これらも含めまして、私どもとしては、先ほども申しましたように、事情の聴取あるいは報告徴収をするといったことで実態の把握に努め、その結果として悪質な事例がある、あるいは法令違反に該当すると、こういった場合には厳正に処分等を行うということでございます。
#312
○大門実紀史君 私の代わりに前川さんがいろいろ言ってくれていますけれども、申し上げたいのは、今言われましたよね、途中でそういう件数を言うと企業の何か営業とかに影響すると。そうじゃないんですよ。被害が広がっているんです、今。やっぱり何件ぐらいは言えば、それで気を付ける方々、SFCGからどんどん借りているわけです、今日だって。気を付ける方々に対する、そういう人たちを守るためにも、私は中身まで言っているわけじゃないから、件数ぐらいどうして言えないのかと。
 いずれにしても私、そちらが言わなくたって、私がつかんでいるだけで今年に入って七件あります。もう先週、今週だって出ているかもしれません。恐らく十件は下らないと思います。これは行政処分の申立てとしては、一つの会社に対しては異常な数だと思います。
 金融庁はこの間頑張って、一件の申立てでも調べて行政処分やられたことありますよね。そういう点でいくと、もう十件、二けたになっているかもしれないこのSFCGの行政処分、申立てというのはもう異常な数になっていると。十件超えているかも分かりません、私も全部把握し切れておりませんが。だから、そういうことを私が言っちゃいますよ、こうやってね、もう十件ぐらい超えていますよと。言わなくたってそういう話になっているんですよ。ここで、質問で取り上げたことそのものもやっぱり注意を喚起したいからです、SFCGに引っ掛からないようにね。そういう点はあるんで、会社を守ることよりも、そういう被害者を生まないという点でいろいろちゃんと答えてほしいと思います。
 いずれにしても、私はもう早く、行政処分を打ってもこんなことが続いているわけですから、SFCGに対して報告徴求、検査、とにかく厳正な対応をしないと、これ金融庁なめられていますよね。関東財務局で出した処分をなめていますよ、完全に。そういう点も含めて要望しておきたいと、早急に対応すべきだと思います。
 法務省にちょっとお聞きをしたいんですけれども、一般論で結構ですけれども、これはSFCGをちょっと頭から置いといてもらって、一般論で結構です。もしも貸金業者が、その債務者の債務が既に全額返済されているのに、それを債務者に隠して、保証人に隠して請求をする、二重取りをすると。主債務者のもう借金がなくなっているのに、それを隠して保証人から二重取りをしようとするこの行為は、私はもう貸金業云々というよりも、一般的で結構なんですけれども、詐欺罪にも該当するんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
#313
○政府参考人(三浦守君) お答えいたします。
 犯罪の成否につきましては、収集された証拠に基づいて判断されるべき事柄でございまして一概に申し上げることはできませんが、詐欺罪は、人を欺いて財物を交付させた場合に成立するというものでございます。
 お尋ねの事例につきまして、人を欺いたと言えるかどうかということでございますが、これに関しましては、例えば、主たる手形債務が支払を受け消滅したにもかかわらず、その債務の保証のために受け取っていた約束手形を裁判所に提出して支払命令の申請をするなどした行為が人を欺いたと言えるとした裁判例があるというふうに承知しております。
#314
○大門実紀史君 私、昨日、レクで検事さん来られたけれども、もっと明確におっしゃっていましたけど、手形の例なんかではぐらかさないでほしいんです。要するに、手形を使う場合もあるんですけど、SFCGは。
 私が言っているのは、もう一遍聞きますよ、はっきり答えなさいよ、本当に。貸金業者が既に主債務者の債務が全額返還されているのを承知しながら、それを隠して保証人から債務を、保証債務を二重取りを目的として請求をした場合、受け取った場合、未遂か成立かはありますけれども、これは詐欺罪に該当するんじゃないですかと。昨日、うちの部屋に来られた検事さんは、該当いたしますということなんで来てもらったわけですが、明確に答えてください。
#315
○政府参考人(三浦守君) いずれにいたしましても、犯罪の成否ということでございますので、正に事実関係いかんということで、収集された証拠に基づいて判断されるということでございます。
 先ほども申し上げましたとおり、詐欺罪というのは、人を欺いて財物を交付させたという場合に成立するものでございますので、今のお尋ねの事例ということにつきましても、それが正に人を欺いたということで財物を交付させたのかどうかということに掛かるわけでございます。先ほど申し上げました手形債務の裁判例というものも、正に手形債務とそれから保証という関係で、実際の事例につきまして裁判例がそのように判断したものがあると、そういうことでございます。
#316
○大門実紀史君 今日、私時間ありますからね、何度でも聞きますよ。私が聞いたことに、それ読まないで、もう二回も同じこと言っているんだから、読まないで答えなさいよ。詐欺かどうかははっきりしているんじゃない、こんなもん。書いてあるじゃないか、その詐欺罪の成立要件に。手形とかぐだぐだほかのこと言うんじゃないよ。ちゃんと答えなさいよ、こんなもの。後ろに座っている検事さん、これじゃ、訳分かんないこと言っているじゃないか。ちゃんと答えなさいよ、これ。それじゃ読みましょうか、詐欺罪の成立要件。こっちで読んだっていいんですよ。それを、関係ないこと答弁書に書かないで、ちゃんと答えなさいよ、何言っているんだ。詐欺罪じゃないか、そんなもん明らかに。一般論で聞いているんだ、一般論で。
#317
○委員長(家西悟君) 端的にお答えください。三浦審議官。
#318
○政府参考人(三浦守君) 先ほど申し上げましたとおり、詐欺罪は、正に先生の御指摘のとおり、人を欺いて財物を交付させた場合に成立するということでございますので、御指摘の事例につきましても、正にその収集された証拠に基づいて今の構成要件に該当するという事案におきまして詐欺罪が成立するということになろうかと思います。
#319
○大門実紀史君 最初から言いなさいよ、そういうことも。本当にくだらないな、本当に。
 それで、お手元に資料を配った、三ページといいますか、三という数字が入っているやつですけれども、これがその実例でございます。
 これはSFCGの盛岡支店で行われた事例でございますけれども、これも今年の十月十一日の話でございます。十月十一日、SFCGの盛岡支店から、ある商店の、名前消してありますけれども、ある商店の連帯保証人になった方に督促状が参りました。これがその督促状でございます。しかし、この商店の、お店の債務は別の連帯保証人の方が今年の十月十一日に既に払っております。しかも宮古の簡易裁判所で確定した金額を全額払って済んでいます。にもかかわらず、このお手元にあるのは、十一月十六日付けで残高の照会、いろいろ書いています。要するに、あなたは五十六万六千六百六十三円のうち、あんた幾ら返せるのと、こういう照会を出しているわけです。一か月もありますからね、事務ミスでは済みません。明らかに債権の二重取りをねらった詐欺行為だと指摘しておきたいと思います。
 今日は、ちょうど後の質問で警察庁来られておりますので、突然の質問ですけれども。それと前回の質問で警察の窓口対応をお願いしたら、すぐ改善された警察署が出てきております。早い指導を感謝したいと思います。何か入口で前は門前払いに遭った人が、今度は奥まで入れられてお茶を出してもらったと。えらい態度が変わりようですから、やればできると思いますので、引き続き努力をお願いしたいと思いますけれども。
 こういう詐欺罪の場合は、私は、検察も含めてですけれども、警察がもう刑法違反ということで、刑事告発もあるかも分かりませんけど、捜査できるんじゃないかと思います。こういうことを今警察も頑張ってやるという姿勢を示してほしいと思うんですけれども、是非SFCG、捜査に入ってほしいと思いますが、突然の質問で申し訳ございませんが、どうでしょう。
#320
○政府参考人(竹花豊君) 突然のお尋ねですので。警察におきましては、犯罪と疑われるような事案があって、証拠が収集でき、法律の評価上、刑法を含めて犯罪に当たるということであれば、どんなものであれ適切に捜査をして対処してまいることといたしております。
#321
○大門実紀史君 よろしくお願いしたいと思います。
 もう一つは、この会社、本当に問題あるなと思うんですけれども、資料の四枚目以降に会社の資料、一つはこのSFCGが出していますアニュアルレポートというやつですけれども、あとは投資家の皆さんへという文書、大島社長が出したやつですけれども。
 要するに、まあ先に一般論で結構なんですが、金融庁の証券の方に聞きたいんですけど、会社の経営内容などを事実と異なることを投資家に説明をすると、もう一般論で結構なんですけどね、その場合あるいは株式市場に対してそういう説明をした場合、私は証券取引法違反、これはもう村上ファンドから何からこの間ずっと問題になっておりますけれども、に該当すると思うんですが、何条にそういう場合は該当するのか、一般論で結構ですが、教えてもらえますか。
#322
○政府参考人(三國谷勝範君) 一般論として申し上げますと、一つは開示規制の方におきまして、その会社が公開会社であるとすれば有価証券報告書に各種の記載事項があるわけでございまして、これは適正に報告する必要があるわけでございます。
 それから、一般的な行為規制の問題といたしましては、それぞれ証券取引法に、例えば百五十八条ですとか百五十九条ですとか、そういった行為の問題として規制がございます。
#323
○大門実紀史君 ありがとうございます。
 それで、まず指摘をしていきたいんですけれども、四ページ目は先ほど言いましたアニュアルレポート、年次報告書でございます。下の方に米印付けてありますけれども。
 話せば長くなりますけれども、要するに、SFCGは毎日新聞を訴えたわけです。毎日新聞が言っていることは違うということですね。その結果なんですけれども、ここには毎日新聞側と円満和解して解決済みでありますと、だからうちの株価は大丈夫ですと、そんなマスコミの問題になっていませんということが言いたいようですが、これはまずうそでございます。和解はしておりません。SFCGが訴訟を取り下げたわけです。円満和解なんて全くのうそでございまして、毎日新聞を訴えたわけですけれども、サラ金がよくやる手ですね。裁判でマスコミの足を止めるとか書かせないとか、それでやったわけですけれども、結局、分が悪くなって、自ら訴訟を取り下げたわけです。こういうこと一つも非常に投資家に対して、大きな違いですよね、裁判で円満和解と訴訟を取り下げるというのは、自分たちが分がなかったということでございますからね。
 こういうことに始まって、次の五枚目なんか、驚くべきことでございますけれども、上の方の三の貸金業法、米印のところの下に、SFCGでは、いわゆるみなし弁済の三つの要件を満たしておりますと、こんなことが書かれております。どうしてこんなことが言えるのかと。〇四年の二月二十日の最高裁判決では、みなし弁済を受けたらちゃんと書面を交付しなさいと、四十三条一項のみなし弁済の関係ですけれども、これを厳格に解釈しなさいというふうにSFCGは最高裁に言われているわけですね。どうして、満たしておりますと、こんなことが宣伝できるのかということと、その下も同じようなことでございますけれども、二〇〇四年二月最高裁判決では云々とあって、とにかくうちの会社の書面は貸金業法四十三条の十七条、十八条を満たすことが実質的に最高裁判決で確認されたわけですと。こんなこと確認しておりません。どうしてこんなうそが書けるのかと。これは、判決読むと大変なので、要するに、逆に言えば、SFCGの契約書面が問題だと逆に指摘されているわけですよ。むしろきちっとしろと言われているわけですね。それをこんなふうに書いていると。
 さらに言えば、一番直近の話で言えば、六枚目、今年の九月に出しております、投資家の皆さんへと。これは何かといいますと、今年は高金利の見直し、貸金業法の議論がずっと続きました。過払い金がどうなるのかと。サラ金はみんな今引き当て積んだり株価が下がるということを心配しているところでございますけれども、そういうときに、金融庁の法案の中身も出ているときにこういう文書を出しているわけです。簡単に言いますと、ほかのサラ金は過払い金返還が急増しています、これに対して当社は、SFCGは四十三条による抗弁ができるので過払い金返還訴訟については心配ありませんと、これを投資家に言っているわけですね。これも何の根拠もございません。
 そもそも、SFCGは、裁判のたびに契約書面を手直ししているんだと言っておりますけれども、手直しが問題になっているわけではありません。そもそも、みなし弁済について言えば、書面で幾ら示しても、本人の自由な意思で契約していなければ駄目だということを最高裁は言っているわけですね。書面をこちょこちょ直したからうちは大丈夫だと。
 あるいはこれひどい話で、ほかの業界怒っています。元々このみなし弁済を駄目だと最高裁に言わしたのは商工ファンドですね。だから、そのとばっちりを食って今のサラ金は大変になっているのに、ほかのサラ金は大変ですがうちは大丈夫ですと。これは業界ではもうむちゃくちゃみんな怒っている話でございます。こんなことを平気でやっているわけでございます。
 私は、先ほどおられましたけれども、こういうことは何のためにやっているかというと、SFCGの株が下がらないようにということでやっているわけですけれども、これは相場の操作を規定した証券取引法、先ほど三國谷さんからありました百五十九条二項三号違反に当たるんじゃないかと思います。あるいは百五十八条の風説の流布にも当たるんじゃないかというふうに思います。
 株価の安定ということでいいますと、SFCGは外国の株主、投資家が物すごく多いんですよね。外人の人にはみなし弁済なんて訳分かんないと思いますよね。だから、なかなか説明できない世界を適当にこういうことを言って投資家の皆さんに、これ全部英訳して出すわけですね。安心さしているというようなこともやられているという点で、私は証券取引法違反にも当たると思いますが、いかがでしょうか。
#324
○政府参考人(三國谷勝範君) 個別案件でございますので、具体的に言及することは差し控えさしていただきたいと思います。
#325
○大門実紀史君 まあ、ここまで言えばいろいろやっていただけるというふうに思います。証券監視委員会でも注視をしていっていただきたいと思います。いろんな被害が広がる前に、もう広がっておりますけれども、更に広がる前に手を打ってほしいと思います。
 最後に、多重債務対策本部について、残された時間、御質問したいと思います。
 もうずっと議論がございました、この内閣官房にできる多重債務者対策本部が重要だと。みんな何でもそこでやるみたいな話になっていて、私、大丈夫かなと思っていますけれども、もうそういう感じですけれども、取りあえず、今日もございました、都道府県、地域レベルでの対応がかぎとなってくると思います。先ほどあったように、対策本部との連携も必要だと思いますけれども。
 まずお聞きしたいんですけれども、今現在、幾つかの県で、県の主催で、被害者の会とか弁護士会とか地元警察などが参加されて、やみ金対策会議とかやみ金対策連絡会というのがつくられております。現在、全国幾つの都道府県でこのやみ金対策会議がつくられているのか。これはそれぞれ県が主催しているわけですから、総務省に調べてほしいと言っておりますけれども、分かったでしょうか。
#326
○政府参考人(久保信保君) 私、昨日、先生の方からそういった御指摘があるとお伺いをいたしました。ただ、恐縮でございますけれども、私どもといたしましては、そういった数値については把握をしてございません。
 もとより、政府として今後体制整備等を検討していくといったことになるというふうにもお伺いしておりますけれども、個別専門的な分野である金融行政にかかわる事柄でございますと、それは第一義的には金融庁において対処をしていただきたいと考えておりますけれども、また、私どもといたしましても、これは地方公共団体の一般的な制度を所管するという立場、これは総務省にございますので、そういった立場から必要な協力、これができるものであれば、そういった観点から努力をしてまいりたいと考えております。
#327
○大門実紀史君 これからじゃないんですね。私は今日の質問のためにどこに調べてもらったらいいかなと思ったんですが。これは貸金業法に基づいてそれぞれ県が主催してつくっているわけではございません。それぞれ自覚的、自主的に取り組んでおられるわけですね、県が、自治体が。だったらば総務省が調べてくるのが当たり前じゃないかと。
 調べられない、所管が違うということですけれども、そういう姿勢だと、私、これからその多重債務者対策本部も非常に心配になるわけでございます。総務省は、今言ったように、所管ではないと、貸金業法はうちの所管じゃないと、こんなことを言い出せば、何もやることありませんよ、本部に入ったって。それぞれ自治体レベルの役割、県登録の業者もいるわけです、都道府県登録の業者もいるわけです。そういう何か省庁の縦割りで、うちの所管じゃないなんて言い出したら、もう多重対策本部、何のためにつくられたのかというふうに思います。私、大変残念でございますね。調べようと思えば調べられるのに、調べて、国会に対して調べられなかったと。私はもう多重債務者対策本部は本当に強力な指導でちゃんとやっていってほしいと思うからこそ申し上げるんですけれども、こういうことが総務省の今のレベルじゃないかと思います。
 もう一つ資料を、最後にお配りした部分でございますけれども、沖縄の日掛け業者、これは、日掛け業者は民主党の広田さんがずっと取り上げてくれましたんで、細かく申し上げません。
 これは沖縄の例でございますけれども、結論だけ言います。要するに、三要件を満たさなきゃいけないんですけれども、@、A、B見てもらって分かるとおり、@の自営業以外に貸しているのが半分以上いると。百日に切替えというのに違反しているのは七割いると。返済方法、本来店の人が集金に来なきゃいけませんけれども、四分の一が違法状態と。これ低く見てもですね、低く見ても、沖縄の五百業者のうち、もう借換えだけで、切替えだけで七割違反しているわけですから、低く見てまあ七割としましょう、それだって三百五十業者が違反をしていると。本当はこれダブりますから、どれか一つとなりますから、八割、九割じゃないかと思いますが、低く見ても三百五十業者以上は違反をしているはずなんですね。
 ところが、下に見てもらったとおり沖縄県の行政処分件数というのは四十一件。しかも、中身を見ると、業務停止は七件、登録取消し四件、実は所在不明で登録取消しというのは三十件です。ほとんど立入検査で処分をしたという内容ではございません。私はこれは、沖縄県の問題、改めてやりたいと思いますが、いずれにしても、例えばこれから都道府県によって取組が違うと、あの県は取組が後れていると、これを多重債務者対策本部でそういうことも把握して指導をしていくと、イニシアを取っていくという場合、これはどこの省がそういう都道府県ごとの取組を掌握して推進していくことになるんでしょう。大臣、いかがでしょうか。
#328
○国務大臣(山本有二君) 都道府県における検査監督の実施体制を含めた総合的な取組につきましては、今後、内閣官房に設置される多重対策本部でやりますが、そこは、総務省を始めとする関係省庁と連携が不可欠になろうと思います。そんな意味で、金融庁、多重対策本部また総務省一丸となってこうした関係に取り組んでまいりたいというように思っております。
#329
○大門実紀史君 具体的なところでその点では一つ提案をしておきたいと思いますけれども、多重債務者対策本部でやりますということなんですけれども、やっぱり強力な本部体制をしかないとできないと思いますが、少なくとも全体の方針として、各都道府県レベルに多重債務者対策、やみ金対策連絡会、今幾つかできておりますね、これを全都道府県に設置してもらいたいと、こういう方針を必ず出してほしいと思います。もう一つは、市町村には少なくとも相談窓口を全市町村に、これは渡辺副大臣はそういうことをおっしゃっていただきましたけれども、そういうものを設置すると。
 この二つは、絶対そういう方向は最低限必要なものとして方針として入れていただきたいと、これ、要望でございますけれども、いかがでしょうか。
#330
○国務大臣(山本有二君) そのようにするべく、対策本部設置後、しっかりと各省と連携し、検討をしてまいりたいと思います。
#331
○大門実紀史君 ありがとうございます。
 そうやっていくためにも、本部自身がよほど強力な指導力を持たなきゃいけないと思っているところです。下手するとやっぱり金融庁の何か独り相撲になりかねないし、ほかの、厚生労働省が入るとか法務省とかいろんな話がありますけれども、ほかの省庁も、結局、それは所管は金融庁であると、うちは知らないとなって、特に総務省は危ないなと私思っておりますけれども、そうなりかねないと思いますので、その点で私、気になっているのは、この本部の本部長は一体どなたがやられるのかと。当然、私は、そういう場合だと総理大臣がやられるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#332
○国務大臣(山本有二君) 先週、官房長官とも、その向きで、私の方も総理又は官房長官がやられるべきではないかというように御進言申し上げました。しかし、まだ確定ではないようであります。
#333
○大門実紀史君 是非そういう努力をしていただきたいと思います。
 あと、先ほど西田さんからもございましたけれど、ずばり要望しておきたいと思います。有識者会議を設けるということですが、これが形だけのものになってはいけないと、二、三回開いて何かまとめを出してじゃいけないというふうに思います。やっぱりしばらく多重債務対策続くと思いますので、有識者の意見をちゃんと聞くことが必要だと思いますけれども、この参加メンバーなんですけれども、日弁連は入るという話を聞いたことございますが、是非とも司法書士会、特に私なんか思うのは、青年司法書士会がこの問題では物すごく頑張ってまいりましたし、あと、被害者連絡会のメンバーもこの国レベルの有識者会議に入ってもらって力をかりたらどうかというふうに思いますが、大臣のお考えを聞きたいと思います。
#334
○国務大臣(山本有二君) 有識者会議でそのメンバーにお願いするかどうかは別といたしまして、大事な団体だと思っておりますので、対策本部でしっかりと御協力をお願いしたいと思っております。
#335
○大門実紀史君 もうそろっておられますか。もうちょっとだけありますので。
 この多重債務者対策本部がどうなるかがかぎでございます。警察庁が参加されると思います。国家公安委員長が大臣として参加されると思いますが、警察庁に、この本部に参加してどうやっていくかという決意を伺いたいと思います。
#336
○政府参考人(竹花豊君) 警察庁といたしましては、この多重債務者対策本部におきまして、この法の施行に伴って生じてまいります貸金業の様々な動き等について、私ども御説明を受けて状況を把握することが可能になるだろうというふうに考えております。そうした情報につきまして、都道府県警察にこれを提供し、取締りの参考として生かすように指導してまいりたい。
 また、あわせて、都道府県警察においてしっかりとした取締りを行うこととなるわけでございますけれども、その中で得た、取締りを含めた、この貸金業問題についての取締りから得られた様々な情報もまたこの本部に持ち寄ることでこの問題について警察としての役割を果たしてまいりたいというふうに考えております。
 なお、付言させていただきますが、私の先ほどの答弁はあくまでも一般論としての答弁であることを念のため確認させていただきたいと存じます。
#337
○大門実紀史君 総務省はちょっといろいろ考え直していただきたいと。この本部で、総務省といいますか、都道府県が果たす役割がいかに大事かと。自ら乗り出して総務省がやってもらいたいということを申し上げたいというふうに思います。
 様々な点でまだまだ課題が残されておりますけれども、とにかく国民世論で作られた法改正だと私思っておりますし、あとは行政と国会がこれを実のあるものにするということが私たちのみんなで努力していくべきものだというふうに思います。
 最初の予定時間になりましたので、これで私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#338
○委員長(家西悟君) 他に御発言もないようですので、本案に対する質疑は終局したものと認めます。
    ─────────────
#339
○委員長(家西悟君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、大塚耕平君が委員を辞任され、その補欠として岡崎トミ子君が選任されました。
    ─────────────
#340
○委員長(家西悟君) これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#341
○委員長(家西悟君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、大久保君から発言を求められておりますので、これを許します。大久保勉君。
#342
○大久保勉君 私は、ただいま可決されました貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党及び日本共産党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。
 一 上限金利引下げを始めとする改正法の可及的速やかな施行に努めるとともに、カウンセリング体制やセーフティネット貸付の充実、ヤミ金融への取締強化、登録業者への監督強化、金融経済教育の充実など、多重債務問題の解決に向けた対策に政府を挙げて取り組むため、内閣官房に多重債務者対策本部を早期に設置し、関係省庁が連携して、官民一体となった取組を推進すること。
 一 多重債務者に対する相談窓口を設置して適切な助言を行い、また、カウンセリング機関とのネットワークを構築して、必要な紹介を行うなど、多重債務を抱える住民に対する支援体制を整備するよう、各地方自治体に対し、要請を行うこと。また、事前予防型カウンセリングと債務整理型事後カウンセリングを共に強化し、資金需要者が適切なタイミングでカウンセリングを速やかに受けられるよう体制の充実と周知を図ること。そのため、日本司法支援センター(法テラス)、財団法人日本クレジットカウンセリング協会等について、弁護士会・司法書士会に必要な協力を要請しつつ、体制及び相互連携の強化を図ること。
 一 利息制限法の上限金利を超える金利に関する過払い金の返還が多重債務問題の解決に果たす役割にかんがみ、過払い金の返還が適切に債務者に行われるようにし、また、過払い金の支払総額を適切に債務者に通知するなどして、債務者の生活再建に資するよう、取組を進めること。
 一 利息制限法を超過した金銭の貸付けにおける、担保としての手形・小切手の取得に関する実態把握に努め、適切な対応策を検討すること。
 一 無登録・高金利等のヤミ金融被害が増えることのないよう、違法業者の摘発のための体制を整備・拡充し、関係法令に基づく徹底した取締りを行うこと。また、違法業者に関する情報を広く一般から効果的に収集するための手法や、貸金業者・貸金業協会が行政当局に協力する仕組みの導入に努めること。さらに将来的には、法令違反によって得た利益を剥奪できる制度等について検討を進めること。
 一 登録業者の監督について、より効果的に行うための方策を検討しつつ強化を図ること。また、貸金業者の海外進出状況や進出先での活動状況については、海外の関係当局とも情報交換しつつ、その実態把握に努めること。さらに、日賦貸金業者の特例金利が廃止されるまでの間、制度の潜脱を防ぐために、監督上特段の注意を払うこと。
 一 若年者による健全な実需に基づかない不要不急の借入れなど、無人契約機の安易な利用が多重債務問題の一因となっているとの指摘も踏まえ、十分な実態調査の上、安易な借入れを抑制する仕組みを検討すること。また、郊外における遊技施設等に隣接し、各社が集積させている設置方法などについて、貸金業協会による適切な自主規制が行われるよう配慮すること。
 一 指定信用情報機関への情報提供やその信用情報の管理・利用に際しては、個人情報保護法の遵守等により、債務者のプライバシー保護に欠けることのないよう努めること。
 一 安易な借入れを抑制するため、テレビ・コマーシャルの放映時間帯や放映回数、誇大な看板など広告の方法・内容や頻度について、貸金業協会による適切な自主規制が行われるよう配慮すること。
 一 多重債務者の増加を極力抑制するため、可及的速やかに金融経済教育を学校教育のカリキュラムなどに組み込むこと。その際、弁護士会や司法書士会に必要な協力を要請し、学校段階から家計管理や債務管理についての啓発活動を実施すること。なお、教材等の適切さについては、十分な注意を払うこと。
 一 上限金利引下げや総量規制等の今回の措置及び貸金業者の多額の過払い金の発生が、経済社会に与える影響を注視し、適切に対処すること。
 一 いわゆる商工ローン業者については、主債務者が無資力にもかかわらず、保証人からの回収を前提とするような過剰な貸付けが行われないよう、貸金業協会による適切な自主規制への取組に配慮すること。また、保証料等の対価を得ることのない保証人に関しては、無償であり危険のみ負担するというその性格にかんがみれば、合理性を欠くものと考える余地もあることも含めて、個人保証の合理性などについても検討すること。
 一 資金需要者に対する公的支援制度等のセーフティネットの拡充・強化については、貸し渋り等による影響を緩和し、ヤミ金融への流出を防止する観点から、地方自治体や関係団体とも協力しつつ、特段の努力を払うこと。
 一 総量規制など、今回導入する新たな規制の実効性を確保するため、資金需要者の所得確認、借入状況確認、本人確認等の適切な与信審査が行われるよう、指導監督を徹底すること。
 一 市民活動を支える新たな金融システムを構築する観点から、法施行後二年六月以内に行われる見直しに当たり、非営利で低利の貸付けを行う法人の参入と存続が可能となるよう、法律本則に明記することなど、必要な見直しを行うこと。
 一 今回の改正後の多重債務問題の状況も見極めつつ、全ての消費者信用の利用者の保護を徹底するため、貸金業者以外の信販や銀行等も含めた消費者信用全体の体制の在り方等について、検討を進めること。
 一 金融庁による検査・監督の実施に関する情報が社会及び金融資本市場に与える影響にかんがみ、立入検査の実施時期、行政処分の内容等に関して、その情報管理を徹底すること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#343
○委員長(家西悟君) ただいま大久保君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#344
○委員長(家西悟君) 全会一致と認めます。よって、大久保君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、山本内閣府特命担当大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。山本内閣府特命担当大臣。
#345
○国務大臣(山本有二君) ただいま御決議にありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨を踏まえまして配意してまいりたいと存じます。
#346
○委員長(家西悟君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#347
○委員長(家西悟君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時十五分散会
     ─────・─────
   〔参照〕
   さいたま地方公聴会速記録
 期日 平成十八年十二月八日(金曜日)
 場所 さいたま市 パレスホテル大宮
   派遣委員
    団長 委員長      家西  悟君
       理 事      沓掛 哲男君
       理 事      中川 雅治君
       理 事      野上浩太郎君
       理 事      大久保 勉君
       理 事      峰崎 直樹君
                田中 直紀君
                富岡由紀夫君
                広田  一君
                西田 実仁君
                大門実紀史君
   公述人
       夜明けの会事務
       局長       井口 鈴子君
       ヤミ金融被害対
       策埼玉弁護団事
       務局次長     猪股  正君
       埼玉司法書士会
       消費者問題委員
       会委員長     長田 悦子君
       埼玉県産業労働
       部金融課副課長  金子 豊光君
       埼玉県警察本部
       生活安全部生活
       環境第二課長   遠藤 昭二君
       社団法人埼玉県
       貸金業協会会長  内田 勇蔵君
    ─────────────
   〔午後一時開会〕
#348
○団長(家西悟君) ただいまから参議院財政金融委員会さいたま地方公聴会を開会いたします。
 私は、本日の会議を主宰いたします財政金融委員長の家西悟でございます。よろしくお願い申し上げます。
 まず、私どもの委員を紹介いたします。
 自由民主党所属の沓掛哲男理事でございます。
 同じく、自由民主党所属の野上浩太郎理事でございます。
 同じく、自由民主党所属の中川雅治理事でございます。
 民主党・新緑風会所属の峰崎直樹理事でございます。
 同じく、民主党・新緑風会所属の大久保勉理事でございます。
 自由民主党所属の田中直紀委員でございます。
 民主党・新緑風会所属の富岡由紀夫委員でございます。
 同じく、民主党・新緑風会所属の広田一委員でございます。
 公明党所属の西田実仁委員でございます。
 日本共産党所属の大門実紀史委員でございます。
 以上十一名でございます。よろしくお願い申し上げます。
 参議院財政金融委員会におきましては、目下、貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案について審査を行っておりますが、本日は、本案について関心の深い関係各界の皆様方から貴重な御意見を承るため、当地において地方公聴会を開会することにいたしました。何とぞ特段の御協力をお願い申し上げます。
 次に、公述人の方々を御紹介申し上げます。
 夜明けの会事務局長井口鈴子公述人でございます。
 ヤミ金融被害対策埼玉弁護団事務局次長猪股正公述人でございます。
 埼玉司法書士会消費者問題委員会委員長長田悦子公述人でございます。
 埼玉県産業労働部金融課副課長金子豊光公述人でございます。
 埼玉県警察本部生活安全部生活環境第二課長遠藤昭二公述人でございます。
 社団法人埼玉県貸金業協会会長内田勇蔵公述人でございます。
 以上六名の方々でございます。
 この際、公述人の方々に一言ごあいさつ申し上げます。
 皆様には、御多忙中のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。
 本案につきましては皆様方から忌憚のない御意見を拝聴し、今後の委員会審査の参考にさせていただきたいと存じます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 次に、議事の進め方について申し上げます。
 まず、公述人の方々からお一人十分以内で順次御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、公述人の方々から順次御意見をお述べ願います。
 まず、井口公述人にお願い申し上げます。井口公述人。
#349
○公述人(井口鈴子君) 夜明けの会の事務局長をやっております司法書士の井口と申します。
 本日、このような場所で発言させていただくことに非常に感謝します。
 初めに、本日の地方公聴会の公述人は全員が県のヤミ金対策協議会の構成メンバーだと最初お聞きしていたんですけれども、今日見ましたら、貸金業協会さんも今日来ていらっしゃるということで、ちょっと戸惑いがあるんですけど。
 そこで、冒頭に発言の機会をいただいた私から、少しこの協議会、県のヤミ金対策協議会がどういうものかということを少し話させていただきます。
 この協議会は、やみ金融が激増して被害が続出した際に、埼玉の弁護士の有志でヤミ金融被害対策埼玉弁護団というのを立ち上げたわけなんです。やみ金融ですから、犯罪者ですから、やっぱり撲滅には行政に協力を求めなければいけないということで、県とか県警に呼び掛けて、平成十四年の四月だったと思います、設立しています。
 現在の正式の構成メンバーは、埼玉弁護士会、先ほどのヤミ金融被害対策埼玉弁護団、埼玉司法書士会、私たちの夜明けの会、あと、関東財務局、さいたま市、埼玉県、埼玉県警ということになっております。ホームページも出ていますので、またごらんになっていただきたいんですけど。
 それで、途中、貸金業協会を構成メンバーに入れるかどうかの議論をしました。協議した結果、そもそもやみ金の問題は高利で貸している貸金業者にあるということで、自由な議論ができないのではとか、いや、やっぱり姿勢を正してもらうためには参加してもらう方がいいんじゃないかとかいうようないろいろな議論がありました。で、オブザーバー参加ということになりました。
 そして、何回か出席されていたんですけれども、やみ金被害の相談にどのような対応をしているかというような意見交換をした中で、貸金業者の協会の方は、元金は返すのが当たり前じゃないかというような発言とか、その他金利の問題で、いろいろグレーゾーンの問題とかいう話で、やはり弁護士、司法書士、被害者の会との議論がかみ合わなくなったんです。で、いづらくなったなというような言葉を残されて、その後、今は出席されていません。
 この協議会の内容としまして、二か月に一回の会議をやっています。これは、各団体の現状報告とか情報交換、年に一回の合同相談会、講演会、一緒に、まあ同日に並行して行っています。この講演会には、平成十五年第一回のときとか今年の四回目には衆議院の財務金融委員会で参考人で発言された宇都宮健児弁護士をお願いして講演していただきました。
 最初はやみ金被害対策というようなことで始まった協議会なんですけれども、最近では、やみ金被害の根っこにあるのはやはりサラ金だということが協議会のメンバーの共通認識になっておりまして、これからは多重債務問題全般を考えようという会になっております。
 私の言ったことがちょっと間違っていたり補足することがあれば、後で発言される方、よろしくお願いいたします。
 そこで、夜明けの会の概要なんですけれども、夜明けの会の概要で、一応、今日資料をお配りしています。このちょっと色の付いた、折ったのですね、それとか会則とかお配りしていますので、後で見ていただきたいんですけれども、平成九年六月に司法書士十人ほどが世話人となって発足しました被害者の会です。クレジット・サラ金被害の撲滅と被害者の生活の更生を図ることを目的としております。
 名称は、当時、車の中で生活をしていた被害者が、きっと自分たちにも夜明けが来るというような思いで、必死な思いだったと思うんですけれども、そういうことで名付けました。
 現在、会員としては、パンフレットにはこれ七百名というようなことで書いているんですけれども、今いろいろと整理を、会費の納入がなくなったり連絡が取れなくなったりしているのもありますので、まあ大体二百五十人ぐらいかなと、名簿上二百五十人ぐらいかなと思います。実質、例会等参加して活動しているのは二十人から三十人ぐらいです。
 賛助会員として、司法書士、弁護士、それに最近では大学の教授の方もなっていただいて、賛助会員ですからお金をいただくということなんですけれども、そういう形で資金の援助をしていただいております。大体人数は百人ぐらいです。
 行事としまして、二か月に一回のニュースの発行をしておりまして、今日は近々の十一月、十二月号のニュース、夜明けの会ニュースですけれども、お配りしております。毎月一回の定例会、ほかにフリーマーケットとか卓球とか、いろいろレクリエーションもやっております。そして、毎週水曜日には役員会という形で打合せやったり懇親会というような形でやっております。
 夜明けの会の、次、相談活動なんですけれども、新たな相談者は毎週月水金に予約していただきます。午後三時ごろ担当の司法書士が来ますので、その前に元被害者の相談員が調査票を書くのを指導したり、全部相談員は元被害者なものですから、自分たちの体験を話したりして相談者の気持ちを和らげます。そして、司法書士と面談して、法律的な処理をしなければならない場合は担当司法書士が受託したり、相談者の住所地の近くの司法書士を紹介したりします。司法書士は御存じのように簡裁代理権しかありませんので、百四十万以上とか事業者とかそういうようなことになると弁護士さんを紹介したりしてやっております。
 相談件数なんですけれども、相談件数も今日ちょっとお手元に集計表という形でやっておりますので、この辺を見ていただければ、今年大体五百五十、昨日までになるのかな、近々の集計で年間、この一番上を見ていただくと五百五十二件ぐらいあります。
 やみ金については、担当司法書士の指導の下に夜明けの会の相談員が被害者自身と一緒に闘います。電話も、被害者が電話を取ります。相手と電話します。警察の対応が必要な場合とかは、被害届を持って所轄の警察へ行ってもらいます。夜明けの会の相談員は全部元やみ金被害者です。だから、やみ金の手口をよく知っていまして、その経験を生かして相談者の気持ちになって、もう私たち司法書士よりもよっぽどいいアドバイスをしています。
 やみ金相談はまた、この表のところに今年の表がありますけど、二千七百九十六という形で件数出ていますけれども、結局、やみ金の撲滅のため、全国で一斉やみ金告発を一生懸命やっているわけなんですね。一番最後の表ですか、見ていただくと、全国の数字と夜明けの会のその数字を見ていただくと、ほとんど半分、二〇〇三年十一月のときにはもう三分の二が夜明けの会の数字ということで、かなりやみ金の告発には貢献しているということです。今年も十二月十三日に弁護団と一緒にやみ金告発をする予定になっております。
 あと、カウンセリングの機能という形でやっていますけれども、時間も余りないようなので、ちょっと簡単に説明します。
 法律家、弁護士とか司法書士とか付いていますので、必ず借金の解決はします。法律的な解決はします。しかし、解決したからといって、すぐ次の日から普通の生活に戻れるわけじゃないわけですね。
 結局、過剰融資によりとか、自分のせいでもあるかもしれませんけれども、借金漬けになっていて、本当に金銭感覚をなくしているという方は多いです、確かに。だから、これをやっぱり金銭感覚を普通に取り戻すというのは大変なことなんですね。また、夜明けの会に来てからもまた借りる人というのも実際います。
 だけど、私たちは、そういう人たちを絶対追い返しません。やはり金銭感覚を持てるようになるまで何回も何回もともに相談し合います。とにかく会員同士で話し合って、原因がどこにあるのかということを話し合います。本当に、実際に金銭感覚をなくす、なくしているということは、徐々に徐々に何か毒を盛られているような金銭感覚のなくし方なんですね。だから、それを洗浄をするためにはやはり時間が掛かります。だから、経験者同士でそれを意見し合ったり、そういう形で直していこうという形でやっております。
 例会の後に懇親会を設けたり、先ほど毎週水曜日に懇親会と役員の打合せ会とか、そういう形のときに、忌憚ない意見を、自分の借金のことは家でも分からない、迷惑掛けた、おまえ迷惑掛けたんだろうという、やっぱり家からも冷たくあしらわれている人が多いです。それを、夜明けの会に来れば、借金を笑ってこう話せるというようなことで、そういうような機能を果たしています。やっぱり時間がたってくると、すぐには直らないにしても、時間がたってくると直ってきます。実際、今日随行員として来ていただいている人たちも、もう三年ぐらいになるんですけど、やっと少し抜けてきたかなと、そういうような形で頑張っています。だから、今カウンセリングというようなことが議論になっていますけれども、そういうようなことの一端を担えるんじゃないのかなという気がしております。
 最後になりますけど、今月中にも多重債務者対策本部というのが内閣官房にできるということで山本担当大臣が答えていらっしゃいましたけれども、そしてまた、全市町村にもつくるというような新聞の記事がありました。被害者のことはやっぱり被害者が一番よく分かるといった面で、被害者の会も事後のカウンセリングの役割を担えると思います。
 多重債務者がどこへ最初相談に行くというのが本当に大事だと思うんですね。今、貸金業協会さんがお金を出しているカウンセリング協会というようなところが名前挙がっているようなんですけれども、自分たちが苦しめた債務者に自分たちが損をするような解決方法は絶対提示できないと私は思います。完全な第三者機関が窓口を持つべきじゃないでしょうか。
 先ほどちょっと協議会の結成を十四年四月、冒頭ですね、冒頭のところで言ったのが、十五年の四月の間違いでした。済みません。
 全国の被害者連絡協議会というのがあるんですけれども、その会長を夜明けの会の澤口宣男さん、今、後ろに随行員として来ていますけれども、がやっております。いろいろ被害者の会がカウンセリングを担えるというようなことで、意見を述べさせていただきました。
 ありがとうございました。
 以上です。
#350
○団長(家西悟君) ありがとうございました。
 次に、猪股公述人、お願いいたします。
#351
○公述人(猪股正君) 埼玉のヤミ金融被害対策弁護団の事務局を務めます弁護士の猪股です。よろしくお願いいたします。
 最初に、簡単に弁護団の活動状況について御紹介をさせていただきます。
 弁護団は、やみ金の被害の急増に対応して、二〇〇二年の十二月、ちょうど四年前になりますが、弁護士の有志により結成されました。現在、弁護士五十二名で構成されておりまして、この四年間に約四千人の被害者の方の依頼を受け、延べ二万のやみ金業者に対応をしてまいりました。この点については、弁護団のこれまでの受任件数などをまとめました資料を資料一として配付させていただきました。資料としては、あわせて、埼玉弁護士会の相談体制に関する資料を資料三として提出させていただいております。
 今回の法律案について若干意見を述べたいと思いますが、やみ金融に対する罰則の強化や行政処分の強化など監督の強化が図られており、何よりも、やみ金問題の根源にある多重債務問題について、みなし弁済規定の撤廃、出資法の上限金利の利息制限法の二〇%水準への引下げ等、多重債務問題の解決に大きな第一歩を踏み出したものということで高く評価しております。また、この法律案の提出に至るまで精力を注がれてきた様々な方々の努力や熱意に対して深く感動を覚えております。
 以下、この法律案のうち、内閣官房に設置が予定されております多重債務者対策本部について、埼玉県内のこれまでの取組を踏まえまして、期待と要望を述べさせていただきたいと思います。
 これまでの県内の取組を見てきますと、埼玉県、それから法律家、民間支援団体などの連携が次第に強化されています。それとともに、取組の課題も、当初のやみ金問題に限定されたところから、それが多重債務問題に広がり、更に生活困窮者支援の問題へと取組の幅を広げてきています。特に、ヤミ金対策協議会の設置は、各機関、各団体の連携を強化する大きなきっかけとなったと思います。やみ金対策、さらに多重債務対策を進める上で大きな意義があったと考えております。
 また、連携はこのヤミ金対策協議会の外においても広がっておりまして、先ほど井口先生がお話をされましたが、夜明けの会それから弁護団共同のやみ金に対する一斉告発、生活保護に関する研修会などの実施、さらに、生活困窮者支援ネットの立ち上げといったところまでつながっていきました。この生活困窮者支援ネットというのは、夜明けの会、弁護団、司法書士のほか、社会福祉士や生活困窮者支援に取り組む民間支援団体、学者の方々を参加メンバーとしています。
 支援ネットを立ち上げたのは、やみ金や多重債務問題の背景には、結局、生活困窮者の問題があると。一度生活困窮状態に陥った人はそこからはい上がることは相当困難であり、生活再建のためには生活保護など社会福祉の問題に取り組む民間支援団体との共同が不可欠であると、そういう問題意識に立って生活支援ネットを構築いたしました。
 以上のような取組を踏まえまして、内閣官房に設置が予定されている多重債務者対策本部について意見を述べさせていただきます。
 まず第一点目として、多重債務者対策本部は、内閣官房にだけではなく、全国の都道府県単位で設置されるべきであると考えます。
 これまでに、埼玉だけでなく多くの都県でヤミ金融対策協議会が設置されてきています。埼玉の対策協議会では、やみ金問題の根底にはサラ金などからの借入れをきっかけとする多重債務問題がある、多重債務問題の解決なくしてやみ金問題の解決はない、そういう問題意識から、これまで、やみ金問題だけでなく、広く多重債務の解決を視野に入れて取組が進められてきました。これまで、協議会として多重債務問題を対象とした相談会、それから講演会などを実施してきております。また、長野県においても、対策協議会で、埼玉県より更に進んで、その対策協議会の一組織として数年前から多重債務問題研究会が設置され、最近では更にその取組を深められているというふうにお聞きしております。
 このように、各地にヤミ金対策協議会が既に設置されており、長野や埼玉のように多重債務問題への取組へと広がりを持ちつつある都県もあることから、各都道府県に多重債務者対策本部を設置する素地が既にできているというふうに考えております。
 また、各地に対策本部を設置することによって、各地の情報を集約し、都県の壁を越えた対策の実施が可能となり、各地の取組の成果をお互いに交換し、対策をより実効性のあるものにしていくことが可能になると考えます。
 例えば、これまで夜明けの会は延べ約一万三千、弁護団としては延べ三千業者のやみ金を過去三年ぐらいで告発をしてまいりました。ヤミ金対策協議会での連携が進んだことや、それから県警さんの御努力によって、やみ金の摘発件数は増加してきましたが、ただ、その摘発される対象となる業者はほとんどは埼玉県内の業者にとどまっているという状況です。しかし、実際には、このやみ金の被害を生じさせている業者の多くは県内の業者ではなくて東京都を中心とする県外の業者です。各地に対策本部が設置されて、そこでの被害が中央の対策本部に集約されることなどによって、都県の壁を越えて摘発が進んでいくことも期待できるのではないかと思います。
 二番目に、多重債務者の支援体制を整える際には、生活困窮者支援ないし生活再建の視点が不可欠だと考えます。
 埼玉でのやみ金問題への取組を進める中で痛感したことの一つは、一度やみ金を解決しても、また再びやみ金に手を出してしまう人が少なくないと。やみ金を解決するだけでは真の問題解決にはならないということであります。もう一度やみ金から助けてくださいという弁護団への申込みは後を絶ちません。これは夜明けの会のある時期のデータですが、支援を受けた人の三割がやみ金から再度の借入れをしてしまったという人でした。やみ金被害者の生活状況を知る資料としては、アンケート集計結果として資料二を提出させていただいておりますが、やみ金から借入れをする人は低所得者が多く、結局、やみ金を解決しても、元々の生活困窮状態が解決されないためにまた再びやみ金のターゲットになってしまうと、そういう状況があると思います。
 そこで、埼玉のヤミ金対策協議会においては、債務者の生活再建を一つの課題とし、社会福祉協議会を招いて生活福祉資金の貸付制度について研修を行ったり、多重債務相談会に社会福祉士の方やそれから生活保護の専門家の方を招いて、生活保護などのセーフティーネットへの橋渡しですとか生活再建のアドバイスができるようにし、さらに、福祉とのより広い連携を目指しまして、県の社会福祉課の協議会への参加を得るに至りました。さらに、対策協議会とは別に、その外の組織として、法律家に民間支援団体、それから学者の方が参加する生活困窮者支援ネットを立ち上げて、活動を開始しております。
 生活困窮者は多重債務の予備軍であると言えます。特に、やみ金のターゲットとなる存在です。やみ金対策としては、警察による徹底した取締りのほかに、ターゲットとなる生活困窮者の生活の底上げが非常に重要であると考えます。
 そこで、多重債務者対策本部においては、生活困窮者支援ないし生活再建に向けた施策にも是非力を注いでいただきたいと思います。
 具体的には、生活保護を始めとする社会保障制度の充実強化、特に生活保護制度への積極的な誘導が必要だと思います。また、一時的な生活資金の不足ですとか事業資金の不足に対応できるように、公的融資制度を整備充実することも重要であると考えます。現在、生活福祉資金貸付制度がありますが、そもそもその存在自体広く市民に広報、周知されておらず、また、その要件面や手続面などで使いづらいものになっていると思います。
 三点目としまして、相談窓口の整備充実が必要です。
 特に、多重債務問題だけではなく、生活保護など社会保障の問題にまで踏み込んだアドバイスを行える相談窓口が必要です。多重債務、社会保障などの相談を一元的に扱ってですね、生活困窮者が利用しやすい相談窓口の設置が、これが理想的だと思いますけれども、少なくとも、多重債務や社会福祉などを相談対象とする各個別の相談窓口の連携を進めて相互に相談者を適切に相談窓口に迅速確実に誘導できる、そういった体制が最低限必要ではないかと考えます。
 四点目としまして、行政においては各関係部局の枠を越えた横断的な連携体制が必要であり、また、法律家のほか民間支援団体も加えた支援体制の確立が必要であると考えます。
 例えば、釧路市においては、多重債務問題を抱えていることの多い生活保護受給者の自立支援プログラムの一環として、生活保護のケースワーカーが保護受給者と一緒に多重債務の相談窓口に同席をして、問題の解決にその後も継続的にかかわるという取組が始まっていると聞いておりますが、これなどは社会福祉行政の多重債務問題へのかかわり方として大いに参考になる取組だと思います。
 また、多重債務者など生活に困窮する人々の中には、そもそも法律家へのアクセスが可能であることや、あるいはその方法を知らない人も多く、また、人間関係の構築ですとか自立に向けた継続的な援助が必要な方も少なくないということなどから、生活困窮者と法律家をつないで、また、法的問題以外のバックアップを行う民間支援組織との連携も重要であると考えております。
 以上、多重債務者対策本部が真に実効性のあるものになることを大いに期待いたしまして、陳述を終えたいと思います。
 ありがとうございました。
#352
○団長(家西悟君) ありがとうございました。
 次に、長田公述人にお願い申し上げます。長田公述人。
#353
○公述人(長田悦子君) 埼玉司法書士会消費者問題委員会委員長の長田悦子と申します。よろしくお願いいたします。
 私の話の中は、まず埼玉司法書士会の相談事業のことに触れまして、次に消費者教育の点に触れたいと思います。
 まず先に、私ども埼玉司法書士会が今までどのような相談事業を展開してきたかという一端をお話しさせていただきたいと存じます。
 埼玉司法書士会が、市民に対する法的サービスを提供するという目的を持ちまして、地域に根差した活動の一つとして平成七年から電話による法律相談を開始いたしました。開始当初からクレサラに関する相談はかなり多くありましたけれども、どういう解決方法があるとか、どういうところへ相談をしたらいいとか、そういった仕分を、区分けというんですか、仕分をする程度の回答しかできないということで、電話相談では不十分ではないかという考えが出てまいりました。
 その後、七、八年前からは、クレサラ電話相談ということで、特別に月曜日をその名の相談に設けまして、具体的な手続を取る必要がある相談者に対してはクレサラを受託できる司法書士を紹介するというシステムに変えてまいりました。
 四年前、ようやく受託体制が整いまして、予約制ではありますけれども、面接型の相談窓口を二か所新設しまして、相談即受任のできる状態となっております。
 司法書士会がこのように独自に相談窓口を設けることと同時に、市町村でも司法書士に対する法律相談の要請が増えてまいりました。私どもの方が、司法書士は登記相談が専門であるので法律相談といっても依頼はないんではないかということを心配しておりましたが、全く杞憂に終わっております。社会的、経済的な情勢が私たち司法書士を育ててきているという面も十分あるかと思われます。
 さて、本年十月には法テラスがスタートいたしまして、こちらにも相談員を派遣しております。やはりクレサラ、多重債務の相談が持ち込まれておりますので、まだ十月からですので実績はわずかではありますが、具体的に受託しております。
 また、同じ時期に埼玉県内四か所に当会が相談センターを設置あるいはリニューアルいたしまして、電話で予約をして相談を受ける、あるいは直接受託する司法書士を紹介するというような相談所を設けました。これは、依頼者にとって相談しやすい柔軟に対応できる相談所として現在機能しております。
 資料の方ですが、ブルーのチラシがこの相談所の四か所、埼玉県内四か所に設けましたチラシです。
 今の資料とちょっと前後しましたけれども、司法書士会がクレサラ相談ということで相談を受けたという件数を意見要旨のところに資料一として挙げさせていただきました。これは、十五年、十六年、十七年度のクレサラに特化した相談だけを抜粋したものですので、実際は支部では更に相談を受けているものもありますので、件数はこれがすべての件数というわけではありません。一応参考までに、電話相談、面接相談、法の日相談ということでクレサラ事件を扱ったものだけを挙げさせていただきました。
 しかしながら、司法書士全員がクレサラ事件を受託できるというような点はそこまでは行っておりませんので、一方で相談員を養成しながらこういった受託体制を整えているというのが現状ではあります。また、法的債務処理をした後も、やはり先ほど来出ておりますけれども、また借入れをしてしまうんではないかというおそれのあるそういった判断ができない相談者に関しましては、司法書士が債務処理をした後に被害者の会である夜明けの会に紹介することもケースとしてはたくさんあります。
 なお、今回の法律改正によりまして多重債務の相談が増えるということが予想されましたので、十九年の一月より、新たに多重債務者の窓口を月一回ではありますが設けることを予定しております。
 これが現状の埼玉司法書士会のクレサラ相談の実情と御理解していただいて結構だと思います。
 次に、消費者教育、金銭教育の取組ということを御紹介したいと思います。
 司法書士が多重債務者から相談を受けて法的救済をその職務範囲の中で処理していることは社会的にも周知されてきているところでありますが、その一方で、予防司法の担い手を標榜する法律家として、特に若者を対象とした消費者教育に取り組んでいることを御存じでしょうか。全国各地の司法書士会では、消費者教育を事業計画の中に盛り込みまして、各地の学校へ出向いて講座等を行っております。この事業は、平成十一年から日本司法書士会連合会でも積極的な取組を行っておりまして、かなりの司法書士会、全国の司法書士会で事業として展開されてきております。
 日常業務として多重債務者からの相談を、特に若年世代、二十代からの相談を受けておりますと、借金に対する余りにも安易な感覚、契約等に関する法的知識の乏しさをつくづく感じます。法律家として法的救済の手を差し伸べることは当たり前のことと思いますが、激増する多重債務者を根本的に減らすためにはやはり教育が必要ではないかと思います。
 そこで、これから社会に巣立っていこうとする若者たち、特に高校生にターゲットを絞って、少しでも役立つ法的な知識を知ってもらおうということで、埼玉司法書士会では出前講座を始めました。社会で待ち受けている悪の手から自分を、自分で身を守る方法を是非知ってもらおうという、そういう機会にしてもらうように積極的に展開しております。
 思い付いたら即実行というのが埼玉司法書士会の特徴でして、県内の学校、県立、市立、私立、全部に対してこういう出前講座を行いますという案内状を発送したところ、すぐに幾つか問い合わせもありました。実は思っていたより反応が芳しくはなかったんですが、最初のころはですね、ただし、問い合わせがあったところにはすぐ赴きまして、その進路指導の先生と十分な打合せをした上、こちらが考えているテーマをお話しして、受け入れてもらったところについては日にちを決めて、特に就職を控えている学校が多かったと思いますが、出前講座が始まりました。
 ただ、問題は、先生からも言われたんですけれども、単調な講義では三十分ともたないよと、今の高校生はみんな寝てしまいますよということを言われまして、私どもは九十分の出前講座を考えていましたのでかなりプレッシャーがありましたけれど、当初は気持ち良く寝ている生徒さんを前に一方的に話していたという経験もありました。しかし、それだけではこちらもせっかく仕事を休んで行っているかいがありませんので、それなりの成果を得ようと工夫をいたしました。DVDを使うとか、映像を用いたり音楽を用いたりして、いかに自分にとって法律知識が必要なのか、最低限のところで理解してもらう、関心を持ってもらうように出前講座を工夫してまいりました。
 一つ特徴的であったものをお話しいたしますと、シナリオはキャッチセールスのことを題材にしたものでしたが、事前にシナリオを学校に渡しておきまして、生徒さんの方に配役を決めてもらい、当日演じてもらうという手法を取りました。このときは生徒の非常な演技力に驚きまして、アドリブを利かせた面白いものになっておりました。やはり、自分たちの仲間が演じるということで、その内容にも関心を持ちまして、そのときは質問も多かったような記憶があります。
 この学校は実は芸術高校でして、演技部の生徒だったということが裏の話なんですけれども、こういった思い切った手法を用いても、高校生に必要な法的知識に関心を持ってもらうこと、最低限の関心だけでもまずここで持ってもらうという効果は上がってきているのではないかと思っております。
 こういうことを繰り返しているうちに、高校の方でカリキュラムに入れてくださった高校もありました。ただ、同じところが毎年私どもを受け入れているというわけではなく、また進学校については全くそういった余裕はありませんので、単位も取れない事情があるかもしれませんけれども、一切呼ばれることはありません。
 また、司法書士会というやっぱり民間団体に対する安心した信用というものを与えていないせいかもしれませんけれども、これは今後、制度として消費者教育に取り組む、外部の人間が入って一緒になって取組を展開するということの有効な方法を考えていくとしたらば、一団体がやっていたのではもちろんもったいない、それでは効果が上がらないだろうと思っております。
 なお、今まで私どもが実施いたしましたものについては資料三に、平成十年から十七年度、昨年までの、どういったテーマでもって何校、延べ何人聞いてくださったかということを挙げております。
#354
○団長(家西悟君) 長田公述人に申し上げます。時間が来ておりますので、おまとめいただければ有り難いんですけれども。
#355
○公述人(長田悦子君) はい。ああ、そうですか、はい。
 じゃ、一応、この相談内容に、出前相談につきましては、十二月五日のNHKラジオ放送の「ビジネス展望」というところで経済学者の内橋克人氏が取り上げてくださいまして、十年来取り組んでいるボランティアの出前教室の活動について、生きた経済教育であるという高い評価をいただきまして、非常にうれしく思っています。そしてまた、今後も続けていきたいと思いますし、さらに、先ほど来申し上げておりますとおり、埼玉ではヤミ金融対策協議会というのがございますので、そこでも高校、中学への講師派遣を検討しているところでございます。
 大変失礼いたしました。以上で終わります。
#356
○団長(家西悟君) ありがとうございました。
 次に、金子公述人にお願い申し上げます。
#357
○公述人(金子豊光君) 埼玉県産業労働部金融課の金子と申します。よろしくお願いいたします。
 本日は、本来であれば産業労働部長が出席しなければいけないということでございますけれども、たまたま県議会本会議開会中でございますので、やむを得ず私が出席させていただきました。御了承を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
 さて、私どもの金融課でございますけれども、貸金業の規制等に関する法律、現在の貸金業規制法でございますが、の規定に基づきまして、埼玉県の区域内にのみ営業所や事務所を有する貸金業者の登録及び登録業者に対する指導監督等、そういった事務を担当しております。本日は、貸金業規制法に基づく事務が本県においてどのように行われているか、簡単でございますけれども御報告申し上げまして、意見陳述に代えさせていただきたいと存じます。
 恐縮ですが、資料を一枚用意させていただきました。「埼玉県における貸金業規制法に基づく事務について」という資料でございますが、ごらんいただきながらお聞きいただければ幸いに存じます。
 まず、貸金業者の登録についてでございます。
 県内に本店を有する貸金業者は、平成十八年十月末現在、二百二十三業者あります。そのうち知事登録の業者が二百十九業者でございます。過去三年の知事登録業者の推移でございますが、平成十五年度末が四百三十一業者、十六年度末が三百二業者、さらに昨年度、十七年度末は二百三十三業者となっておりまして、毎年減少をしてきております。この二百三十三業者のうち、法人が百二十一業者、残る百十二業者が個人登録となってございます。また、営業所が一か所しかない業者、知事登録業者のうち営業所が一か所しかない業者、支店を持たない業者でございますが、全体の九八・五%でございます。さらには、貸金業務に従事している役職員の数が五人以下の小規模零細業者が全体の九五・一%を占めてございます。
 次に、知事登録業者に対する立入検査についてでございますが、県では三年に一回は必ず立入検査を実施することを基本にしておりまして、さらに過去の検査における違反状況によりまして、二年に一回実施する業者、また毎年実施する業者を選定をして立入検査を行っております。
 立入検査は、対象業者に通告した上で二人以上の職員で実施しております。主に、貸金業規制法に定められている登録標識の有無、貸付条件表の掲示、契約書、受取証書等の交付、金利等貸付条件が守られているかなど、法三十六条の業務停止処分に該当する条項の遵守状況、これを確認することを中心に立入検査を行っております。
 平成十七年度は、資料の二にございますとおり、立入検査を百二十一業者に対して実施いたしました。このうち百二業者、全体の八四・三%に当たりますが、に何らかの違反事項がございました。違反事項の主なものといたしましては、契約書面の記載事項の不備、貸付条件表の掲載事項の不備、従業者証明書の不携帯、こういったものが多くございました。これらの違反業者に対しましては、まずその場で指導して改善させるということをしております。そのほか、口頭又は文書で指導を行った上で、後日、改善状況を報告をさせております。
 資料には盛り込みませんでしたけれども、平成十八、今年度の状況でございますが、まず一つは、立入検査の対象業者数を増やして、若干ですが増やしております。また、業者自らが自己点検を行うようなチェックリストを送付いたしまして、事前に法令遵守状況の自己点検を行うように指導をするようにしております。そうした結果、従業者証明書の不携帯等あるいは登録標識の掲示の不備、そういった比較的簡単に是正できるものについてはかなり違反が減りまして、違反業者の割合が昨年度は八四・三%でございましたが、今年度は、十月末現在でございますけれども、六二・一%というふうに違反業者率といいますか、減少をしてきております。
 次に、貸金業者に対する苦情相談の状況についてでございます。資料の三でございます。
 平成十七年度の金融課への相談件数、百二件でございました。そのうち、融資保証金詐欺等のやみ金業者に関するものが八十六件、全体の八四・三%を占めております。残る十六件は登録業者に関する業務運営上の事項に関する苦情相談でございます。
 無登録のやみ金業者に係る相談苦情につきましては、県警察本部に情報提供をいたしますとともに、相談者に対しまして地元の警察署に相談をされるように助言をしております。一方、知事登録業者の業務運営に係る苦情相談につきましては、当該業者に対しまして、通告なしの立入検査、また呼出し指導を行うとともに、悪質の法令違反を行っていることが判明した場合には業務停止処分等の行政処分を行っております。
 なお、これも、平成十八年度の相談件数については資料にできませんでしたが、十月末で三十九件となっておりまして、昨年度同期の八十一件に比べて四十二件の減少となっております。
 また、多重債務者等からの債務整理に関する相談、こちらにつきましては、埼玉県では県庁内に県民相談総合センターというのがございまして、そことそれから地方機関、出先機関として地域創造センターというのが八か所あるうちの七か所、その合計八か所で県民相談を行っておりまして、これらの機関で民事、家庭問題に関する県民からの幅広い相談に対応しておりまして、その一環として債務整理等に関するアドバイスを行っております。
 この県民相談総合センターあるいは県内七か所の地域創造センターでは弁護士による法律相談も実施しておりまして、県庁内の総合センターでは毎週二回、地方機関では月二、三回程度でございますが、法律相談を実施しておりまして、多重債務者等の生活再建に向けた法的な手段などについて助言をしております。
 これらのセンター等における平成十七年度の債務整理相談件数は、そこにございますが、四千四百四十件ということでございます。
 次に、貸金業者に対する行政処分についてでございますが、平成十七年度に業務停止を四件、登録取消しを十四件、合計十八件の行政処分を行いました。このうち業務停止は、貸付けに当たり著しく不当な行為を行ったものが一件、貸金業務取扱主任者、これが未選任であったというもの等が三件でございました。また、登録の取消しでございますが、十四件のうち所在不明が十一件、先ほどの貸金業務取扱主任者の未選任が二件、それから登録拒否事由該当が一件でございました。なお、平成十八年度は、十月末でございますけれども、高金利違反による業務停止が一件、登録拒否事由該当による登録の取消しが一件行っております。
 以上で御報告を終わりにさせていただきますが、今後とも貸金業者の業務の適正化、それと資金需要者の利益の保護のため、関係機関と連携いたしまして積極的に取り組んでいく所存でございます。よろしくお願いいたします。
#358
○団長(家西悟君) ありがとうございました。
 次に、遠藤公述人にお願いいたします。遠藤公述人。
#359
○公述人(遠藤昭二君) 埼玉県警察本部生活環境第二課の遠藤でございます。よろしくお願いします。
 それでは、本県警察のやみ金融事犯の取組、検挙状況についてレジュメに基づいて御説明をさせていただきます。
 まず、一点目の取組の姿勢でありますが、やみ金融事犯につきましては、平成十五年のいわゆるやみ金融対策法により、埼玉県警察では県民の生活の安全を脅かす重要な問題ととらえて、平成十五年四月からやみ金融合同捜査班を設置して、生活安全相談や関係行政機関、団体等からの情報を基に取締りを強力に推進してきたところであります。
 次に、二点目の現状について申し上げますると、やみ金融業者は当初、ダイレクトメールやビラ等により顧客を勧誘し、高金利で貸し付け、お悔やみ電報や電話などによる厳しい取立てによる事犯が主流でありましたが、新しく法規制に追加されました無登録業者による広告の規制や高金利に要求罪などを適用しての全国の警察による取締りにより多くの事件を検挙したところでありますが、最近では、勧誘の方法は変わらないものの、無店舗型で匿名ツールである多重債務者名義や架空名義の携帯電話や銀行口座を利用して厳しい取立てを行う業者が増加し、やみ金融業者の実態把握が難しくなるなど、手口が悪質、巧妙化し、依然として深刻な被害が発生している現状であります。
 続きまして、三点目の金融事犯の相談受理状況を説明いたします。
 やみ金融事犯を含めた金融事犯に関しまして、警察安全相談として警察本部、各警察署において相談を受理した状況でありますが、過去三年で見ますると、平成十六年中は二千五百六十四件で、前年、十五年に比べまして四百四件減少をしております。内訳としましては、高金利に関するものが百七件で十六件減少、取立てに関するものが五百八十六件で五百三十四件減少でありました。
 次に、平成十七年でありますが、二千八百五十件の相談がありまして、十六年に比べまして二百八十六件増加し、内訳としましては、高金利に関するものが百七十三件で六十六件の増加、取立てに関するものは七百七十四件で百八十八件の増加でありました。
 次に、本年の十月末現在でございますが、二千百四十四件の相談を受けております。前年同期と比べまして二百三十六件の減少です。また、高金利に関するものは百六十二件で二十三件の増加、取立てに関するものは八百五件で百七十一件の増加となっております。
 これらの相談は、すべてが取締り要望といったものではなく、債務整理や私人間の貸借のものも含まれておりますが、平成十六年は減少したものの、平成十七年、平成十八年でやみ金融に係る相談は増加傾向にありまして、相談数も高水準で推移しておるところであります。
 続きまして、検挙状況について御説明いたします。
 検挙状況を過去三年で見てみますと、貸金業規制法、出資法の法令のほか、刑法犯の詐欺、強要、恐喝、暴行、脅迫などで二十六業者四十三人を検挙しております。これを、平成十六年は十四業者二十五人です。平成十七年は五業者八人で、前年、十六年と比べますと七業者十五人の減少となっております。本年十月末現在でございますが、七業者十人を検挙しておりまして、昨年同期と比較しますと二業者二名の増加となっております。
 この検挙実態を業態別に見ますると、無登録業者が十八業者二十七人、登録業者、八業者十六人となっております。これを手口別に分類しますると、無登録、短期小口、高金利で貸付けを行っていた業者が六業者、悪質な取立てを行っていた業者が四業者、登録業者でありながら高金利で貸し付けていた業者が三業者、チケット販売名下の業者が三業者、車金融業者が二業者、〇九〇金融業者が二業者、貴金属販売名下の業者が二業者、書面を交付しなかった登録業者が一業者、融資保証金詐欺業者が一業者、無登録で広告を掲載した業者が一業者、無登録営業を行っていた業者が一業者等であります。
 また、同じく過去三年で、暴力団員等については、幹部を含む組員らがかかわった事件で三業者五人を検挙しております。
 過去の主な検挙事例としましては、平成十五年には警視庁など八都県合同捜査による五代目山口組五菱会による組織的な出資法違反事件や、平成十八年には大阪府警など六府県合同捜査による広域グループによる〇九〇金融事件などを検挙しておるところであります。
 続きまして、検挙以外の取組について御報告申し上げます。
 県警のホームページや各種広報紙等にやみ金融被害防止のための広報啓発活動を実施しているほか、関東財務局金融監督第五課や埼玉県金融課などと連携し、悪質業者の把握と指導等に対する助言等の情報交換をしているほか、埼玉県の県民・消費生活課が事務局となっております、埼玉県弁護士会、司法書士会、被害者支援団体であります夜明けの会などとともにヤミ金融対策協議会を結成し、やみ金融業者の撲滅のための活動を行っているところであります。
 次、最後でありますが、貸金業規制法等の改正法に対する対応について申し上げます。
 今回の貸金業規制法等の改正法が成立した場合には、まず本県警察職員に対してその趣旨、背景、改正された罰則を伴う規定の内容について周知徹底を図った上で、被害者からの相談に適切に対応し、関係機関との連携を密にするなどして違反情報の収集にこれまで以上に努め、幅広く罰則規定を適用し、また暴力団が関与する事案を始めとした悪質な違反を摘発するなどして取締りを強化してまいります。
 以上、埼玉県警察のやみ金に対する取組と検挙状況でございます。
 以上でございます。
#360
○団長(家西悟君) ありがとうございました。
 次に、内田公述人にお願い申し上げます。内田公述人。
#361
○公述人(内田勇蔵君) 私は、ただいま御紹介をいただきました社団法人埼玉県貸金業協会会長の内田勇蔵であります。
 本日は、参議院財政金融委員会の公聴会におきまして委員の皆様の御配慮で貸金業協会の意見を述べる機会を与えていただきましたことに、誠に深く感謝申し上げる次第でございます。
 私は、四十年以上にわたって地域に根差した小回りの利く貸金業者として営業してきました。この間、多数の資金需要者の方々にお役に立つことができたと自負しております。これは多くの貸金業者に通ずる思いであります。せっかくの機会でありますので、私ども中小の貸金業者の立場から、今回の法改正の問題について何点か申し上げさせていただきます。
 初めに、今回の法改正が及ぼす中小の貸金業者への影響についてでございますが、今回の改正案で財産的基礎要件を五千万に引き上げることを盛り込んでおります。これは、多くの中小の貸金業者に対し廃業を迫るものであります。
 私たち、規制法になってから三年ごとの更新を既に八回行い、二十四年を超えて法令に違反することなく、資金需要者の方々と何のトラブルもなく、かえって資金需要者の方々に喜ばれて営業を続けてきました。長年営業してきた中小貸金業者を壊滅の危機に追い込むのが今回の法改正であり、私は中小の貸金業者にとって貸金業禁止法案であると思っております。
 次に、貸金業協会の果たしてきた役割についてでございます。
 貸金業協会は、広告指導委員会、苦情処理委員会、業務研修委員会など五つの委員会を設け、不正金融の防止、貸金業の適正化に努めてまいりました。
 広告指導委員会では、貸金業の送付したチラシやDM、週刊誌やスポーツ紙に載った広告、町に立てられた立て看板などを自主規制基準に基づき審査を実施し、不適切な内容を修正するよう勧告したり、無登録業者については警察に情報を提供することによって広告の適正化に努めてきました。
 また、苦情処理委員会では、貸金業者に対する資金需要者からの苦情について、苦情の内容を調査し、業者に問題がある場合は業者に対し勧告指導を行うほか、やみ金融が激増した当時は、やみ金融によって脅迫的な取立てに遭っている方々の救済に当たり、またやみ金融の撲滅に取り組みました。
 さらに、業務研修委員会では、貸金業者やその従業員に対し規制法その他貸金業にかかわる法令についての研修会を開催するなど、法令の遵守を目的に業務研修、業務指導に努めてきました。
 こうした協会の活動の中心が、長年営業してきた中小の貸金業者であります。七回、八回と登録の更新を続けてきた中小の貸金業者が協会の役員、委員となって協会の活動を支えてきたわけであります。
 今回の改正では、都道府県単位の協会から全国レベルの協会とし、都道府県には支部を置き、協会による自主規制の強化を図るとのことでありますが、これまで協会の活動を実質的に補ってきた中小の貸金業者のほとんどが廃業してしまうとき、新しい協会は、その業務運営を担う者がいないとともに、貸金業者数の激減を見込まれる中で、その運営費は確保できるのでしょうか。
 次に、多重債務者の問題についてでございますが、多重債務者の問題は、失業や病気によって生じた返済困難あるいは買物依存症、ギャンブル依存症などの問題など、多様な問題がその原因となっております。金利の引下げはかえって信用収縮を起こし、資金供給をストップし、多重債務者がより金銭的に困窮する状況に陥ってしまうおそれがあります。
 また、多重債務者とならないよう貸さないのも親切と言われますが、中小の貸金業者にとっては貸せないのが真実であります。個人経営で経営者の判断が直接経営に影響する中小では、貸付けに慎重にならざるを得ません。返済困難となってしまった場合は、自分の判断ミスとあきらめざるを得ないのが中小であります。
 次に、金利引下げ問題でありますが、金利引下げについて、改正の焦点となりながら議論を十分に行うことなく、利息制限法の定める上限金利に一律引き下げられることになってしまいました。
 金利規制については、事業者向け金融と消費者向け金融、また全国展開している業者と一店舗だけの中小業者など、その業態、規模等によって要する経費も異なり、また資金需要者の貸倒れリスクによってその在り方が違ってくるものであります。十分な調査研究を実施し、その結果を基に広く議論を行い、適正な金利水準を定めることが必要であると考えております。
 次に、過払い金返還の問題についてでございますが、マスメディアの報道の中でグレーゾーン金利あるいは違法金利と貸金業者が法に違反した高金利で貸しているかのような表現がされております。貸金業者に対しては、利息制限法に定める上限金利を超え、出資法に定める金利を上限とし受け取ることを、規制法の第四十三条、いわゆるみなし弁済規定によって認めております。
 本年一月に最高裁から出された判決は、このみなし弁済規定を全く空文化してしまい、この判決によって法令をきちっと遵守してきた貸金業者まで過払い金返還請求の対象となり、特に長年営業を続けてきた者ほど返還請求のターゲットとされてしまっております。金利が利息制限法の上限金利に引き下げられても、過払い金の返還請求はなくなるわけではありません。貸金業者にとっては、金利引下げと過払い金返還請求のダブルパンチとなります。
 過払い金問題は、金融庁の監修を受けて全金連が定め、協会の指導の下に使用してきた業務書式、すなわち規制法の定めに対し行政が適法であると認めた書式を裁判所が完全に否定したことによって生じたものであります。
 先生方には、今回の法改正に合わせて、規制法の不備あるいは司法の越権から生じた過払い金問題につきまして是非審議いただき、過払い金問題の是正を図っていただけますようよろしくお願い申し上げます。
 最後に、規制法改正案の御審議に当たりまして、参議院財政金融委員会の委員の皆様方は、今回の法改正によって、三十年、四十年と法令を遵守し、顧客とのトラブルもなく、かえって顧客のお役に立ってきた中小の貸金業者の多くが廃業せざるを得ない事態となることを御賢察くださいますようお願い申し上げまして、私からの発言を終わらせていただきます。
 どうも御清聴ありがとうございました。
#362
○団長(家西悟君) ありがとうございました。
 以上で公述人の方々の御意見の陳述は終わりました。
 それでは、これより公述人に対する質疑を行います。
 なお、委員の質疑時間が限られておりますので、公述人の方々には御答弁を簡潔にお願い申し上げたいと思います。
 また、御発言は、挙手の上、私の指名を待ってからお願い申し上げます。
 それでは、質疑のある方は順次御発言を願います。
#363
○中川雅治君 自由民主党の中川雅治でございます。
 本日は、公述人の皆様方から大変貴重な審議の参考になる御意見を承りまして、まず厚く御礼を申し上げます。
 お話を伺っていまして、私なりに問題を整理していきますと、夜明けの会の方あるいは弁護士、そして司法書士の先生方のお話伺って、この被害者というのはやみ金融が中心だと。つまり、やみ金融によって被害を受けている方の救済ということがどうも中心になっているようにお話を伺いました。
 井口さんからも、やみ金の被害の根っこはサラ金であると、こういうふうに言われたわけですから、もちろん根っこには、いわゆる多重債務という形で大変な被害を受けた、取立ても暴力的あるいはとんでもない高金利で被害を受けているというような方の根っこは、いきなりやみ金に行くのではなくて、その前に正規の貸金業者からの借入れというものがあるということだと思いますけれども、結局、相談に来られたりあるいは被害を訴える方というのは、正規の貸金業者を超えて、いわゆるやみ金の借入れを受けて被害に遭うと、こういうことだろうと思うんですね。
 それで、今お話伺っていまして、埼玉県の産業労働部金融課の方はやみ金は当然対象にしていないわけですね。いわゆる登録業者の監督をされているわけでありまして、いろいろ業務停止とか登録の抹消というような処分をされたというわけですけれども、所定の金利以上のものを取っているとかそういうのは当然対象になるんでしょうけれども、記載事項の不備とかそういうような形の指導も非常に件数としては多いわけですね。
 今度は、じゃ、警察の方はどうかというと、やみ金の取締り、これが当然対象になるわけでありますが、最近ではいわゆる十件に満たない検挙というような数字でありまして、やみ金が非常に、やはりたくさん周辺にあるわけですけれども、県庁も警察もそこのところはなかなか十分に取締りというところに至っていないという問題が浮かび上がってきているんではないかというふうに思います。
 それで、今回の法改正というのは、金利の引下げ、あるいは登録の要件であります純資産基準とかあるいは総量規制といったような形で、今、協会の内田さんからもお話がありましたが、中小の業者が廃業に追い込まれるというお話がありました。
 この業者の方というのは言わばやみ金ではなくて、当然、登録をされている業者がその協会の会員になっておられるわけですから、もちろん金利の規制を違反したりして指導を受けたり取締りの対象になることも、当然、協会の会員の中にはそういう人もいるんでしょうけれども、しかし、一応正規の登録業者というのがこの協会のメンバーだとしますと、そこが今度は廃業に追い込まれるということになりますと、これは既に委員会の審議でも、また自民党の中でこの問題についてずっと議論を重ねてきたんですけれども、その過程でも、やみ金が増えるんじゃないかと、かえってですね、そういう指摘が非常に多かったわけであります。そうすると、更にそういった被害者が増えていくんではないかという指摘がありました。
 そこで、いろいろお聞きしたいことがあるんですが、最初に井口さんにお聞きしたいんですが、被害者というのはやっぱりやみ金の被害者が多いんですか。数は圧倒的にそうなんでしょうけれども、いわゆる正規の業者の段階でとどまっている方は、いわゆる被害者という形で相談なりあるいは駆け込んでくる方は余りいなくて、やっぱりやみ金に行って初めて被害者という形になるんでしょうか。
#364
○公述人(井口鈴子君) 夜明けの会が活発化し出したのがやみ金が横行したときなのでやみ金の元被害者が多いって、相談員に多いと申し上げましたけれども、そうではなくて、結局、普通のサラ金の方でもう目一杯、目一杯になってきたときに、それこそタイミング良くダイレクトメールが来たり、どこで情報漏れるか知りませんけれども、ダイレクトメールが来たり、ついついそこで現金が欲しいという、いろいろ取立てされているんですよ、サラ金、毎日毎日電話が掛かってくる。そういうところでぽんとやみ金のダイレクトメールが来ると、ついつい電話をしてしまうというような形で、もうほとんど全部と言っていいですね、九九%、まあ一人ぐらいやみ金だけというのはいらっしゃるかもしれませんけれども、ほとんどサラ金と一緒です。
 それで、さっき相談体制をつくっているというのが、そういうようなサラ金の方で法律的な解決、それこそグレーゾーンの問題とかいろいろあります、任意整理、破産とかあります。そういう法律的な問題は法律家が対応して、やみ金に対しては相談員とその相談者が一緒になって電話をしたりしてやると。そういうような形ですから、そして最近では、またいろいろ過払い一斉訴訟とか、そういう形で新聞等で書いていただいたので、自分も過払いになっているんじゃないかとか、そういう割と認識が多重債務者の中に出てきまして、やみ金がなくてそれだけというのももういらっしゃいます。かなりいらっしゃいます。
 だから、やみ金だけの相談というわけではないです。ほとんどもう根っこ、さっきから言っているように、根っこはサラ金にあって、それでやみ金が、まあタイミング良くダイレクトメール、電話も掛かってくるんですね、ちょうど、貸すよというような、審査済みですよというような。どこで情報漏れるか分からないんですけれども、そこを私本当に聞きたいと思うぐらいに情報が漏れている。サラ金から漏れているとしか言いようがないような、そういうタイミングなんですよね。だから、やみ金だけではないです。全体です。
#365
○中川雅治君 分かりました。
 やみ金に走る方は根っこにサラ金が、やみ金でない登録業者からまず借りて、それが膨らんでいって、最後はやみ金に行かざるを得ない。そして、そういう状態ですから、いきなり最初にやみ金に行くということではないということだろうと思いますが、やはりこの今回の改正で、結果としてやみ金が増えてしまう、更に今被害者が増えるということであれば、これはもう本当に改正の趣旨が没却されるわけでありますので、一つは、今回の改正で内田会長の協会の皆さんも廃業に追い込まれるということばかりではなくて、やはりきちんと利息制限法の金利の中で貸して、健全な経営をしていくようにまず自己努力をして生き残りを図っていただきたいと思いますし、またいわゆるほかの金融機関も、健全な消費者金融の分野に積極的に出ていってもらいたいというふうに思います。
 それから、何としても、やはりこのやみ金が増えたということで終わっては困るわけなんで、警察にしっかりとそのやみ金の取締りをしてもらいたいということ、それからやはりセーフティーネットをしっかりつくっていかなければならないというふうに思います。もちろん、その根っこにはこうした借金に頼る、そういう生活態度を改めるための、今、長田さんからもお話がありましたように、学校でのその教育というものが非常に大きな意味を持ってくるというふうに思います。ですから、総合的な対策が必要になってくるというふうに思います。
 せっかくの機会なので、県警の遠藤課長にお聞きしたいと思いますが、やみ金の摘発、検挙がここのところ減ってきているということでございますが、実際問題として、警察としては、やみ金の摘発は本当はもっとやろうと思えばやれる、しかし人手がない。私は、警察もいろんな仕事の優先順位があると思います。限られたマンパワーの中で優先順位があると思いますので、やみ金の摘発ばかりに力を注ぐわけにはいかないんじゃないかという事情も分かるわけですが、本当は、本音をなかなかおっしゃりにくいかもしれませんが、もっとマンパワーも確保できればもっと本当は摘発できるんだということなのかですね。
 それから、これからこの法改正の後、やみ金が増えるようなことがないように、もっと摘発体制をしっかりしていかなきゃいけないという、そういった、何といいますか、準備といいますか、体制の整備を図っていくおつもりなのか、その辺、お伺いしたいと思います。
#366
○公述人(遠藤昭二君) 最近のやみ金といいますると、多重債務者の口座の振り込みを使いましたり、あるいは多重債務者名義の携帯を、あるいは偽造口座、偽造名義の口座等々で、それで事務所そのものを設けていないで、いわゆるプリペイドカードを利用した貸金の方法ですので、いわゆる実態がなかなか把握し難いというのが実態でございますので、何らかの形で、いろいろな形でやっておりますが、従前より若干そういう取締りが減少しているのは、そういう外部的要因があるのが実態でございます。
 私どもとしましては、いろいろな形で情報を取りながら、あるいは他の官庁との情報を共用しながら精一杯努めていく所存であります。
 以上でございます。
#367
○中川雅治君 ありがとうございます。
 じゃ、最後に、結局この問題は、やみ金の取締り、それからやはり健全な消費者金融の市場が育成されていくということが大事だと思いますが、それでもやはり本当に多重債務に走ってしまうような気の毒な方につきましては、生活保護制度への積極的な誘導なりあるいは公的融資制度というものを充実させる必要があるという御指摘もあったわけでございますが、これは最後は結局税金で面倒を見るということにつながるわけですから、ここのところはもちろん国としてセーフティーネットをしっかり張っていかなければならないと思いますが、最後の最後だというふうに思うわけですね。
 やはり相談、カウンセリングの充実、学校での教育の充実というものが必要だと思いますが、その辺の兼ね合いですね、非常に難しいと思いますけれども、猪股公述人に、どういう場合に、本当にやむを得ない場合はこうだと、こういう場合はこうだというふうな何か御意見があったらお伺いしたいと思います。
#368
○公述人(猪股正君) なかなか難しい御質問だと思うんですが、私は個人的には、確かにこのセーフティーネットの充実、生活保護の問題、これはお金の掛かる話ではありますが、ただ、日本の社会保障費は特にヨーロッパ諸国に比べると財政の中で占める割合は小さいという状況にありますので、やはりこれは税金が掛かっても国民の理解を広げて、今、格差社会とか貧困の拡大の問題が新聞やいろんなところで指摘されていて、実際、私も多重債務問題に取り組む中で貧困の拡大というのを実感しています。ですから、この多重債務問題も大きな貧困や格差の枠組みの中でとらえて、国民の理解を得ながら税金をこの問題へ投入していくということが必要なのではないかと思います。
#369
○中川雅治君 ありがとうございました。
 以上でございます。
#370
○広田一君 民主党・新緑風会の広田一でございます。
 本日は、公述人の皆さん、本当にありがとうございます。
 それではまず、井口、猪股そして長田、三公述人に御質問をさせてもらいたいと思います。カウンセリング、相談に関連してです。
 現在、いわゆる多重債務者というのは二百万人以上いるというふうに言われております。そのうち、実際に相談なりカウンセリングというものが受けることができるのが、先ほど井口公述人さんが御紹介いただきました宇都宮弁護士さんのお話によりますと、大体三十万人ぐらいだと。百七十万人の方がまだどこにも相談できずに多重債務に悩んでいる、こういった現状があるわけでございます。
 私自身も多重債務の皆さんの生の声を聞きますと、どこに相談していいのか最初分からなかった、もっと早く相談していればこういうことにならなかった、こういうふうな声を聞くたびに、実際、今でも相談やカウンセリングに来れない、来ることができない多重債務者であるとか多重債務者予備軍、こういう方をどうやって見付け出していけばいいのか、どのように対応すればいいのか、何か妙案があれば教えていただきたいと思います。
#371
○公述人(井口鈴子君) なかなか宣伝するというのもお金が掛かるわけですし、夜明けの会に多く相談に見えるというのは、ここのところで大分テレビとか取材を受けまして、今、先ほど、被連協の会長になっている澤口さんなんかTBSの報道特集に特集で取り上げられたりして、それでメディアに取り上げてもらったので夜明けの会を知ったということで相談に見えるということが多いわけですね。だから、みんな若者の方たちはテレビの方はよく見ていますので、やっぱりテレビとかそういうメディアを使って、多重債務者はここへ相談に行きなさいというような、そういうようなものができるといいのかなと思うんです。
#372
○広田一君 続けて猪股さん。
#373
○団長(家西悟君) 猪股公述人にお願い申し上げます。
#374
○公述人(猪股正君) 一つには、やはり相談機関を設置している側あるいは行政による相談体制についての市民向けの広報ということが重要であると思います。それから、ただ、生活に困窮している方々は例えば新聞を取っていないとか、あるいはテレビも見ていないとか、そういう方々も少なくないので、広報の仕方も工夫しなきゃいけないと思います。例えば市が配布する市民報とか、だれもが見るような媒体に相談情報を載せるということが一つ重要ではないかと思います。
 それから、例えば生活困窮者の支援に携わる民間支援団体の方々や、それから社会福祉士などの方々とのネットワーク、連携を構築して、そういう方々を通じて生活に困っている人にこういう相談窓口があるんだよということを知らせてもらうというようなことも必要ではないかと思います。
 それから、多重債務の相談窓口のほかにいろんな、例えば社会福祉とかあるいは母子の問題等にかかわる相談窓口があったりするわけですけれども、そういったところから、そこからうまく多重債務の相談窓口へつなげる、誘導すると、そういった工夫もできていったらいいのではないかというふうに思います。
 以上です。
#375
○団長(家西悟君) では長田公述人、お願い申し上げます。
#376
○公述人(長田悦子君) やはり今のお二方がおっしゃったことも私も同感でして、あと、やはり法律家としてこちらから相談を必要としている人のところにアプローチするということも、確かに数はわずかしか対応はできないことは承知ですけれども、実際、埼玉弁護士会さんもそうですし、私たちもホームレス相談のことも実際実施しておりまして、こちらから行ってそういう住居を失っている方に対して相談を受けますと、その六割が実は多重債務のことがもとで家を失ったということを選択している方が多いわけですね。そういうことを考えても、やはりただこまねいて待っているだけではなくて、こちらからも積極的にアプローチする方法を考えていこうというふうに思っております。
#377
○広田一君 どうもありがとうございました。
 この件に関連しまして、内田公述人さんにお伺いをしたいというふうに思います。
 実際、多重債務者であるとか多重債務者予備軍の情報をやはり一番持っているのは貸金業者の皆さんではないかなというふうに思うわけでございます。これに関連して、今回法改正がなされるわけでございますけれども、法第十二条八の規定で、カウンセリング機関の紹介というものがございます。少し御紹介しますと、貸金業者は、資金需要者等の利益の保護のために必要と認められる場合には、資金需要者等に関してカウンセリング機関を紹介するよう努めなければならない、このような規定があるわけでございます。
 内田公述人さんのお話聞きますと、現在のこの世間の貸金業に対するイメージというものに対して本当に反論をされているお気持ちは十分分かるわけでございますけれども、私自身これからの貸金業の新しいイメージをつくっていくためにも、このカウンセリング機関への紹介というものが努力規定でありますけれども、まさしく業界挙げて取り組むことが一つ重要ではないかな、このように思うわけでございます。
 一方で、そういうカウンセリングをする前に業界自体が壊滅的な影響を受けるというふうな御指摘もあったわけでございますけれども、この問題についての御所見をお伺いしたいと思います。
#378
○公述人(内田勇蔵君) 私は、先ほどの中で、四十数年の営業をしておるわけなんですが、私は多重債務者になってからのカウンセリングじゃなくて、今言われている、対面貸付けが大事だと言われていますね。その対面貸付けの時点で、私たちは、私自身は事業者金融が主体なんですが、やはり借りに来るときにいろいろアドバイスしながら、これだけの大金を使ってこれでどうなんですかとかいろいろ言いますね。それで駄目な人はもう駄目だと言って断ります。まあこれは私の事業の問題なんですが。
 協会では、資金需要者の、消費者からの貸金業者に対しての苦情があった場合、ただいま先生がおっしゃるように、多重債務者の最後の返済に係る問題については財団法人日本クレジットカウンセリング協会を紹介しております。それから、やみ金の対策被害についてはヤミ金対策弁護団を紹介しております。まあ、そのほかとてつもないやみ金がいた場合には県警の方に連絡を取って対処しております。
 以上です。
#379
○広田一君 ちょっと確認なんですけれども、現在行っているということで、この今回の法改正の事柄についてはきっちりと実効性があるように取り組んでいく、こういう理解でよろしいんでしょうか。
#380
○公述人(内田勇蔵君) 私どもが考えているのは、先ほど、中川先生のお話の中にありました、要するに利限法の範囲内で営業できるように努力しなさいと言われましたね。ちょっと質問の趣旨に反しますか。いいですか、それで。違いますか。
#381
○広田一君 先ほど内田公述人の方から現在も取り組んでいるということの御紹介があったわけでございますけれども、まあ私としてはそれ以上に、今回の法改正を受けてより一層実効性を高めるような取組をしていただけないでしょうかと、このことについての御質問でございます。
#382
○公述人(内田勇蔵君) もちろんそれについては、我々現在まあ四面楚歌と申しますか、我々業者以外の者はもうすべて何か敵に回っちゃったという感じでおりますので、その失墜を挽回するために、今後ますますそういったことについて取り組んでいきたいというふうにかように考えております。
#383
○広田一君 引き続き内田公述人に御質問をさせていただきたいと思います。
 先日の参議院財政金融委員会の参考人質疑でも、全国貸金業協会会長の石井会長さんの方が来ていただきまして、内田公述人と同様に、今回、価格規制、金利規制によって業界は壊滅的な影響を受けるんだ、こういうふうなお話がございました。
 それを踏まえた上で、現在、金融庁の方はこの法の施行については三年の据置きをするんだと。そして、することによって貸し渋りが発生しないようにやるんだと、こういうふうにおっしゃっているんですけれども、この三年間を置くことによって本当に、いわゆるこの貸し渋りの中身なんですけど、これまで貸すことができてきた方、逆に言えば借り入れられてた人が借り入れられなくなるような、そういうふうな状況というものは解消できるんでしょうか。
#384
○公述人(内田勇蔵君) その問題については法案の中にいわゆる総量規制というものが入ってきていますね。それが三年後に実施されるということになれば、現在大手の消費者金融については平均の個人の貸付け単価においては五十万以下、いわゆる三十数万円だという数字は出ていますね。そうすると、それが五社、六社という数字になりますと、当然、三百万の所得者で百万円の融資を受けられるということになると、各社が調整しながら要するにその三年の期間に正常に持っていくということは、一債務者に対して百万まで落とすと。これは、業者間はこれはもう経理が別々ですから、その辺の話合いができるかできないかはこれは問題があるし、もちろんそれは情報機関から情報を取り入れても、今は三つある情報機関が一つにならなければ、確かな所得証明というものは得られないわけですね。そうすると、貸し渋りとか貸しはがしじゃなくて、必然的にそういうふうになっていっちゃうんじゃないかというような気持ちは持っています。
 しかしながら、貸し渋りとか貸しはがしとかということは、厳しくそれは総量規制で百万だと抑えられれば、業者が競って早くもう百万なら先取りしちゃって、あとの人はいろいろデータを調べたらもうそれ以上だからもう駄目ですよといったら、やっぱり回収せざるを得ない。例えば、じゃそれがオーバーしちゃっていると、だけれどもオーバーしている業者はそれで放棄しなさいというならこれ話は別ですね。しかしながら、それを回収するということになって、要するに今言われる三年の期間があると、三年の期間には法的にはそうなるんだと言った場合には、当然結局貸しはがしとはいかなくても長期間にわたって返済だけをしてもらう、新たな融資はしませんと。これは融資規制になるのか、回収しているものは貸しはがしになるのか、それはちょっと定かでありませんが、要するにある程度の期限を切られれば当然の結局回収に回ると、そして回収に回るものに対してはもう貸付けはできないということになるわけですね。
 以上です。
#385
○広田一君 そうしますと、今、政府が説明しているように、この猶予期間を設けることによって貸し渋りが起きないということは言えないというふうな理解でよろしいんでしょうか。
#386
○公述人(内田勇蔵君) それは時間的な問題、三年あるということを先生今言っているわけなんですが。はっきりした日にち、何年の何月にこうなりますと言われた場合と、今はもう想定で結局みんないろいろもう試行錯誤しているわけですよ、我々業界は。
 例えば、新しい新法によって新しい協会がどうなるんだとか、皆目見当が付かないわけですね。だから、そういう中で模索している状態でいろんな情報ばっかしが錯綜しちゃっているということになると、私の判断としては、じゃこれがこうなるああなるということは私判断付きません、正直言って。
#387
○広田一君 どうもありがとうございました。
 私の持ち時間もあとわずかになってしまったんですけれども、ここで県の金子公述人にお伺いをしたいというふうに思います。
 まず、これ要望なんですけれども、先ほど猪股公述人さんの方から御提案がございましたように、是非、今のこの県のヤミ金対策協議会、こういったものを発展させて、是非とも県版の多重債務者対策本部、このことを一日も早く立ち上げるように上田知事に御要望をしていただきたいというふうに思います。私自身もこの問題について私の地元にも今御提案もさせてもらっているところでございますので、よろしくお願いをいたします。
 この件についての確認をさせていただいて、ちょうど時間になりましたので、私の質問を終わりたいと思います。
 どうもありがとうございました。
#388
○公述人(金子豊光君) ただいまお話ございましたように、多重債務者の防止、そして解消という問題につきましては、総合的な対策が必要でございますので、たまたま本県におきましてはヤミ金融対策協議会というものが前回の法改正、やみ金対策法の時期にできておりまして続いておりますので、これを母体にしてこれを発展的に効果のあるものにしていくように持ち帰った上で検討をさせていただきたいと思います。
#389
○団長(家西悟君) よろしゅうございますか。
#390
○広田一君 ありがとうございました。
#391
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
 本日は六人の皆様方、大変にお忙しいところを大変貴重なお話を承りまして、誠にありがとうございました。私の方からも順次お聞きしたいと思います。
 今、広田議員からもお話ございましたが、まず初めに、多重債務者対策本部というのが今回政府の中につくられるということで、その具体的な内容がまだ余り見えてこないところの問題はあると思いますけれども、いずれにしても、全国の都道府県でそれぞれ、今日お見えになっていらっしゃるヤミ金対策協議会の皆様方などを中心としたこうした各都道府県での設置というのはやっぱり欠かせないだろうと私自身も思っているわけでございます。
 そこで、まず井口公述人にお聞きしたいと思いますが、埼玉県ではこのヤミ金対策協議会が大変に活発に活動されているということで、また夜明けの会でも大変な御尽力をいただいているわけでございますけれども、全国見渡しますと、こうしたヤミ金対策協議会、県とか場所によっては余り活発に活動されていないところも正直言ってあるやに聞いておりまして、こうしたヤミ金対策協議会の機能をより活性化していくためにはどんなような今御苦労をされているのかということがお聞きしたいのが一つと、あわせて、今回法改正、今審議をしておりますけれども、この法律改正が成立した暁には会としての活動で新しく付け加えるものとかを、お考えの来年の方針とかということがもしございましたら、御紹介いただければと思います。
#392
○公述人(井口鈴子君) そうですね、今、県の方でヤミ金対策協議会ができているのが幾つあるかと言われると、ちょっとぱっと浮かんでこないんですけれども、一番活発にやられているのは、御存じのように、長野県だろうと思うんです。あと熊本とかそういうところもあります。あと静岡とか、そういうところで多重債務者対策協議会、県もあれ入っているのかな、ちょっと余り全体的なことがよく分からないんですけれども。
 今、被害者連絡協議会って全国組織で、こういう夜明けの会みたいなのが七十九団体あります。今日、事務局長も随行員に、本多さんですけれども、来てもらっていますので、これから全国へ呼び掛けて、そういう形で、せっかく多重債務対策本部を国の方でつくっていただくということで、また県の方にもつくるということで、やはりそのものが実効性あるものにしていかなきゃいけないと思いますので、これから呼び掛けていきます。
 もう一つは何でしたっけ。
#393
○西田実仁君 法改正をもし受けて、新しく活動として付け加えるようなことがもしお考えのことがあれば。
#394
○公述人(井口鈴子君) 法改正をされる中で、被害者の会の位置付けというのが今のところないように思うんですね。冒頭に申しましたように、カウンセリング的な存在は十分担えるのかな、結局事後的なことなんですけれどもね。
 それから、こちらの方も組織が、組織固めというんですか、今七十九団体があったとしても、本当にすぐぱっとできるのかというと、これからというところもありますので、実際にやれと言われればそれはもうやらざるを得ないということで、ちょっと真摯にいろいろ受け止めてやっていく所存です。
#395
○西田実仁君 続いて、県の金子公述人にお聞きしたいと思いますが、先ほどのお話では、内容ではなかったんですが、生活福祉資金につきましてお聞きしたいと思います。
 この詳しい仕組み等は省きまして、いずれにしても、この多重債務者の問題を解決していくために、こうした生活福祉的な施策というものもどうしても欠かせないと私も強く思っております。今後、この多重債務の解決をしていく対策本部においても、金融に加えてこうした福祉の面での施策がいろいろと検討されていくことになろうと思いますけれども、その中でこの生活福祉資金はそれぞれの都道府県の社会福祉協議会を中心に行われていますね。埼玉県におきましてももちろん活発に行われているわけでありますけれども。
 そこで、この生活福祉資金で県の方でいろいろと御苦労もされているということもお聞きをしておりまして、今この資金の持っている課題ですね、そもそものこの資金の性格からあるいは目的からして、その目的がなかなか達成できない面も、あるいは実際に現場で御苦労されていることもおありかと思いますので、その辺をちょっとお話しいただければと思います。
#396
○公述人(金子豊光君) ただいま御質問の生活福祉資金につきましては、県の社会福祉協議会、そして市町村の社会福祉協議会という組織を窓口にして生活の困窮者等々に対して必要な資金を貸し付ける制度でございまして、本県では福祉部の社会福祉課という組織が担当をしております。平成十七年度の貸付けの実績が二百三十五件で約四億円というふうに伺っております。
 この制度の課題といいますか、現在直面している課題といたしましては、若干、様々な経済情勢等々から計画どおりの償還が進まないというのが一点あるようでございます。それと、その制度について若干周知が不足している面があるということで、一層この活用を図るためにはPR等に努めていく必要があると、この二点について認識をしているというふうに伺っております。
#397
○西田実仁君 この生活福祉資金は、償還金を元にして貸付け原資というのがつくられているわけですね。そうしますと、今の償還がうまく進まないということになりますと、貸し付けることに対しましてもやや消極的になっていくというようなことにはなりませんか。
#398
○公述人(金子豊光君) 決してそのようには伺っておりません。
#399
○西田実仁君 そうしますと、PRをきちっとしていけば、周知徹底していけばもっと活用されると、それ以外には特に必要はないということになるんでしょうか。
#400
○公述人(金子豊光君) 実際の運用、制度の運用につきましては、大変申し訳ありませんが、直接担当しておりませんで細かな部分は分からない面が多々あるわけですけれども、一つはPRが必要ではあるということと、償還が進まないということについても資金の性質上、若干やむを得ない面もあるのかなというようなことがございまして、この辺については担当セクションの方で検討をされているというふうに思っております。
#401
○西田実仁君 大変な御苦労もいろいろとおありになろうと思いますけれども、私自身はこの貸付原資そのものをやっぱりもうちょっと増やしていかないと、特に緊急小口資金といったような、そもそも多重債務問題を解決するために創設された小口の資金ということもありますので、モラルハザードということはもちろんよく考えなきゃいけませんけれども、一つの社会福祉政策として必要ではないかという私の意見をちょっと最後述べさせていただきたいと思います。
 続きまして、内田公述人にお聞きしたいと思いますけれども、今回の法改正によって中小の貸金業者が壊滅の危機になってしまうというお話でございました。そういう意味では、既に次の登録はもうしないとか、あるいは大手に吸収なりあるいは合併等をされるというような、そうした兆しはもう既に出てきているのでありましょうか。もしお話しできる範囲でございましたらお願いします。
#402
○公述人(内田勇蔵君) 現実にもう出ております。
 三役の中にももう既に、前回、株式会社は財産的基礎五百万、個人が三百万という時点で、もう二年ちょっと前になりますが、その時点で要するに資本金を千八百万にしたわけですね。それも非常に、兄弟から金借りたりなんかしてやってきました。そうして、三年もたたないうちに二千万ということになったら、もうどうにもならないのが一つですね。
 じゃ、その原因は何であるかという、まあ、その方も私と同じもう(八)で、規制法が五十八年に改正されてから、もう(八)ですから二十四年たっているわけですね。そういう方が非常に過払い請求が多いわけですね。で、その方も立て続けに三件出まして、それで今、年は六十六歳なんですが、つい最近、心筋梗塞で倒れまして大宮の日赤病院に入院して、そして一応手術しまして現在は普通に仕事ができる段階だと。だけれども、これではもうとてもやっていけないということで、三月、総会まで待って退会をしますという話とか、もう既にみんな七とか八、先ほど私言いました七、八というものはほとんどそれがターゲットになって、今言われるMアンドAですか、我々中小零細については、債権を売却するといってもほとんど、当時、都市銀行で瑕疵担保とかっていろいろありましたけれども、結局、長いことやっていますと過払い請求とか何かいろいろありますね。だから、そういうものを値踏みされてほとんどもうゼロに等しいということですね。
 だから、私は、そういう方は継続するも地獄、じゃ売れないから仕事をして回収していくのも地獄だと。もう年じゅう亡霊に襲われているみたいな環境で、非常に我々の業者の中で七、八の人、健康を害してやめていく人もたくさんいます。与野の人なんかはもうこの二月で退会したんですが、自宅三階建て、区画整理の中で建てまして、そしてそれを全部売却して、私も親しい人ですから連絡取っても連絡を取れない状態でいます。
 そのような状況を、私は団体長として何とかこの中小零細が生き残れるような方法はないのかということは、先ほどの話で利限法の範囲内でそれは営業できるでしょう。しかしながら、財産的基礎二千万、やがて五千万だということになると、これは何のためにやるのかなと。新規参入を抑えるためだったら新規に加入する人だけにやればいいし、既存の業者についてはそれがなければ何とか営業が継続できるんです。だから、そのようなことを特に今訴えておきたいところなんです。確かに退会者は非常に、七、八の古い人ほど増えております。これは事実です。
 以上です。
#403
○西田実仁君 終わります。
#404
○大門実紀史君 今日はお忙しい中、ありがとうございます。
 最初に、今のお話の続きで内田公述人に聞きたいんですけれども、今回の法改正が中小の方、貸金業者に大変になるというのは私も事実だというふうに思います。
 私は貸金業全体を全面否定すべきじゃないと。健全にやっておられるところは、長い歴史もありますから、健全な業者と健全な市場は発展していってほしいというふうに思いますし、内田さんも地元では温かい業者だというふうにお聞きしていることもございます。
 ただ、こういう主張といいますか、全面的にもう司法の判断が違う、あるいは政府が提案している法案も違う、国会も間違った議論をしていると、こういうふうな主張ではなくて、やはりいろいろ問題があったわけですから、三割近い金利がやはりどうなのかとか、多重債務者をつくる要因としてどうだったのかとか、お互い、お互いといいますか、業界の方も正すべきところは正して、その上で、先ほどの財産的基礎も含めて、中小貸金業はこうやっていけばやっていけるんだと、あるいはそういうことで支援をしてほしいというふうな御主張をなさった方が、全面的にもうおまえら間違っているというやつでいくとちょっと違うんじゃないかなと思っているんですね。
 そういう点でいくと、昨日も全国の代表の石井さんが来られて、もうつぶれるつぶれると、もうそればっかりおっしゃるわけですけれども、私はあの人の会社はつぶれないと思っておりますし、内田さんのところも本当に、内田さんの会社そのものがつぶれるのかどうか私には分かりません。
 そういうことよりも、やはり業界側としては、これを踏まえて健全な中小の貸金業の発展戦略といいますか、三年間経過あるわけですから、その中でやっていくためのむしろ積極的な前向きな提案を私はなさるべきだと思っております。
 そういう点でお聞きする御要望があれば伺いたいと思います。
#405
○公述人(内田勇蔵君) 私は長年、業務研修委員長を務めていまして、会員さんの業務指導について徹底的に教育してまいりました。その中で我々、十七条、十八条、いわゆる借用書、領収書の交付、その辺のところを今は法律では、法律というか裁判では寸分たがわずと、もうすべて落としたら駄目なんだということを言われていますが、それをきちっとすれば四十三条のみなし弁済の規定の適用は受けられるんだというような教育をしてまいりました。
 それが、この一月十三日の判例でもう全面的に否定されたと。私は、だから人の集まるたびに私の話が間違っていたのかと。とにかく皆さんの前で腹切らなくちゃならないような状況だというようなことでこれは言っておるんですが、今先生のおっしゃるように、私は単なる、法が決まればそれに従うんだということ以外にないわけですね。だから、じゃ、私、個社についてはもう何ら問題なく、今だってそれは六パー、七パー、高くたって一四パーの利限法の範囲内、非常に中小零細業者には喜ばれて、まあここで笑い話ですが、先生の社長ごまかすとおまえら罰当たるぞなんていうぐらい、うちの方の、隣近所の市町村でも利用した人はもう有名になっております。
 そのようなことで、やっぱり企業を育てると。お互いが要するに、だから私さっき言ったように、入口はカウンセリングだと。とにかく借りに来て、例えば今日来て、ここでもって二千万欲しいと。じゃ、その人に、いや、あんたはちょっと仕事の内容からいって無理じゃないかと言ったら、いや社長、五百万でもいいよと言うから、あんた元々二千万欲しくて来たのに何で五百万になっている、そういう人には貸せないというような、これは余談ですが。
 そういう話と同時に、当然、これだけ下げられたら、極端にもう全員が廃業だとかなんとかじゃなくて、やっぱり仕事をやめていく人はもう自然に黙って去っていくんですね。だからそれは、じゃ、我々は立法府、行政府に言われたとおりに仕事をやっているんだと。それが何で司法で負けるんだということを訴えたかったということですね。だから、それには要するに内容的な不備があるということは、それは否めません、当然。だから、それは非があることも間違いないんです。
 ただ、それで今後の、まあやめていく人はやめていくんでいいんですが、それでもさっき私が言ったように、もう亡霊が付いて回るということは、やめてからでも要するに過払い請求は付いてくると。これじゃもう、とてもじゃないけれども業者として、やめるも地獄、じゃ債権が売れないんだから継続するも地獄だということになるわけですね。まあ、そういうことです。
 以上です。
#406
○大門実紀史君 その点は意見が違いますけれども、頑張っていただきたいと思います。
 私、やみ金問題ずっと追い掛けてまいりまして、県警の方ですけれども、一つ最初に申し上げておきたいんですが、先ほど公述の中でいろいろ数字を述べられました。民間の方々でさえ資料をきちっと用意されているわけですから、県警として事前に、私ちょっと言ってやっと後でコピー来ましたけれども、これぐらいの用意すべきは当たり前ですからね。こういう不親切さが窓口にも表れているのではないかと私、本当に思います。この前国会で、埼玉県警、もちろん頑張ってもらっている警察署もあるわけですけれども、窓口対応が非常に悪いということで具体的に警察庁に指摘をさせていただきましたんで、県警にも間もなく連絡あると思うんで、それはそれで改善を図ってもらいたいと思います。
 それと、先ほどの話で聞かなければいけないと思ったんですけれども、具体的に、県警としてやみ金に対しては口座の凍結を金融機関に依頼することができます。あるいは携帯電話、転送電話だと事業者に本人確認をすることができます。これ、今まで何件そういうことをやられたことがあるかと。あと、先ほどもありましたけれども、埼玉のやみ金といっても結局東京の神田辺りに登録していたり、あの辺の業者だったりしたりするわけですが、埼玉県警と例えば警察庁で情報の交換、やり取りがあるのかどうか。
 口座の問題、携帯、電話の問題ですね、それと警察間の連携の問題、教えてもらえますか。
#407
○公述人(遠藤昭二君) まず一点目の口座の凍結依頼の関係でございますが、十七年が九口座、十八年が十五口座の凍結依頼をしております。ただ、これについては非常に、おれおれ詐欺とかそういうはっきりする、口座そのものが犯罪と特定できるのと、またこの金融の場合は、いわゆるある程度やらなくてはそれがやみ金に使われている口座というのは非常に難しい面がありますものですから、ですから若干時間が掛かる面が多いのが実態でございます。
 それから携帯の不正利用防止法の関係でございますが、これは現在のところ、本県においては今のところ実施しておりません。ただ、言えることは、今年の二月に全署にこの件について共用資料を配付しまして、その要領を解説し、いわゆるやみ金融事犯に悪用される相当な理由がある場合には積極的な運用について指導しているところであります。
 続いて三点目の情報の共用でございますが、共用の情報については、場面場面によって必要等においてはそれぞれ電話等で連絡を取っております。その結果が、先ほども御報告申し上げました警視庁等との合同による山口組の五菱会の事件、それに大阪府警と過日合同を組みました〇九〇金融の事件でございます。
 以上でございます。
#408
○大門実紀史君 ありがとうございました。
 あと残った時間、井口さん始め埼玉県にも聞きたいと思いますけれども、今回の法改正、とにかく被害者の会の方々、弁護士会の方々、司法書士会の方々、みんなで頑張ってここまでいい法改正になったという点では埼玉の皆さんの頑張りにも敬意を表したいとまず申し上げておきたいと思います。
 その上で、具体的に先ほども話題になりました都道府県レベルでどう窓口相談をつくっていくかということですが、そのときに、例えば埼玉の場合ですと夜明けの会という被害者の会があり、埼玉県があると。で、きちっと各都道府県でそういうもの、一つの形で窓口をつくっていく、やみ金も含めて、多重債務も含めてですね。そういう形を想定した場合、これ井口さんにお伺いしたいんですけれども、埼玉県とのタイアップ、あるいは各自治体、まずその前に埼玉県とどういう形で一つの窓口をつくっていったらいいか、井口さんの御意見と同時に埼玉県の金子さんの御意見、お二人の御意見、聞きたいと思います。
#409
○公述人(井口鈴子君) そうすると、埼玉県にできた場合には、やはり構成メンバーに入れていただいて、それでやっていきたいと思います。それはできると思います。今の埼玉県のヤミ金対策協議会が発展的にいった場合には今のことをやっていけばいいというような、そういう感じで思っていますけど。
#410
○公述人(金子豊光君) 現在、県で窓口相談といいますか、相談業務につきましては、先ほど御報告の中にもあれいたしましたように、県民相談という形で幅広い相談を受け付けておりまして、その中で債務整理に関する相談という形になっております。行政として行う相談はやはりそういう形で今後も行くだろうと。また、一つの課題としては、市町村の相談機能を強化していくことに対して県がどのように支援できるかということが一つあろうかと思います。
 また、このやみ金の被害者の方々に対するその相談を受ける体制につきましては、先ほど来ヤミ金融対策協議会という協議組織が出ておりますけれども、こういった中で、県民相談を通じてそういうやみ金被害の方々の債務整理等の相談につきましてはヤミ金弁護団に所属している弁護士の先生方に相談をお願いするとかということは現在もやっておりますが、それをどのように組織といいますか窓口を一元化あるいはもっとその機能を強化してやれるかどうかについては、今後取り組んでいく、検討をしていく課題だと。今日、ヤミ金融対策協議会のそれぞれのメンバー、出席させていただいておりますので、今後検討をしていきたいと存じます。
#411
○大門実紀史君 是非、一丸となって、一つの形でつくっていってもらいたいと思います。
 もう一つ、埼玉県としてお伺いしたいんですけれども、さっきもありましたけど、東京都の登録業者、埼玉の業者じゃなくてですね、そういうケースが多々ありますですよね。そうすると、今度、埼玉県と東京都の間の業者、どうなっていると、これは登録業者かどうかと。その都道府県の間の連携、ネットワークが必要になると思いますが、その点では今後どういうふうにしていったらいいか、御意見があれば伺いたいと思います。
#412
○公述人(金子豊光君) 現在でも、近県の私どもと同じように貸金業規制法を所管する担当者の連絡組織はといいますか、会合を持っておりまして、いろんな意味での情報交換をしているわけでございます。また、登録に際しては全国ネットで登録業者のその検索ができるようにもなっております。そういう意味で、もう既にそういう連携を取りながら業務を行っております。
#413
○大門実紀史君 終わります。
 ありがとうございました。
#414
○団長(家西悟君) 以上で公述人に対する質疑は終了いたしました。
 この際、公述人の方々に一言御礼を申し上げます。
 皆様には、長時間にわたり有益な御意見をお述べいただき、誠にありがとうございました。拝聴いたしました御意見は本委員会の審査に十分反映させてまいりたいと存じます。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。
 以上をもちまして参議院財政金融委員会さいたま地方公聴会を閉会いたします。
   〔午後三時八分閉会〕
ソース: 国立国会図書館
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