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2006/12/06 第165回国会 参議院 参議院会議録情報 第165回国会 本会議 第17号
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2006/12/06 第165回国会 参議院

参議院会議録情報 第165回国会 本会議 第17号

#1
第165回国会 本会議 第17号
平成十八年十二月六日(水曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十七号
  平成十八年十二月六日
   午前十時開議
 第一 経済上の連携に関する日本国とフィリピ
  ン共和国との間の協定の締結について承認を
  求めるの件(衆議院送付)
 第二 経済上の連携の強化に関する日本国とメ
  キシコ合衆国との間の協定第五条3及び5の
  規定に基づく市場アクセスの条件の改善に関
  する日本国とメキシコ合衆国との間の議定書
  の締結について承認を求めるの件(衆議院送
  付)
 第三 有機農業の推進に関する法律案(農林水
  産委員長提出)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、永年在職議員表彰の件
 一、防衛庁設置法等の一部を改正する法律案(
  趣旨説明)
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(扇千景君) これより会議を開きます。
 この際、永年在職議員表彰の件についてお諮りいたします。
 議員山東昭子君は、国会議員として在職すること二十五年に達せられました。
 つきましては、院議をもって同君の永年の功労を表彰することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(扇千景君) 御異議ないと認めます。
 同君に対する表彰文を朗読いたします。
   〔山東昭子君起立〕
 議員山東昭子君 君は国会議員としてその職にあること二十五年に及び常に憲政のために力を尽くされました
 参議院は君の永年の功労に対しここに院議をもって表彰します
   〔拍手〕
    ─────────────
#5
○議長(扇千景君) 青木幹雄君から発言を求められました。発言を許します。青木幹雄君。
   〔青木幹雄君登壇、拍手〕
#6
○青木幹雄君 私は、皆様のお許しをいただき、本院議員一同を代表して、ただいま永年在職のゆえをもって表彰をされました山東昭子先生に対しまして、一言お祝いの言葉を申し述べさせていただきます。
 山東先生は、昭和四十九年の第十回参議院議員通常選挙において初当選をされ、以来、五たびの当選を重ねられ、今日まで二十五年の長きにわたり本院議員として活躍をしてこられました。
 この間、山東先生は、環境特別委員長、外務委員長等の重責を担われ、また、第一次及び第二次大平内閣の環境政務次官、第二次海部改造内閣の科学技術庁長官として国政の枢機に参画をされ、その卓越した政治手腕を遺憾なく発揮してこられました。
 このように、先生は、高い見識と豊富な政治経験に基づき、我が国議会政治発展のために多大の貢献をしてこられました。
 ここに、我々議員一同は、先生の二十五年の御功績に対しまして深甚なる敬意を表しますとともに、本日、栄えある表彰を受けられましたことに心から祝意を表する次第であります。
 我が国を取り巻く内外の諸情勢は誠に厳しく、克服すべき諸課題が山積する中にあって、国民の負託を受けた国会の責務は重く、参議院が果たすべき役割に対する関心と期待は高まるばかりであります。
 山東先生におかれましては、どうか今後とも御健康に留意をされ、国民のため、参議院のため、そして我が国議会制民主主義の発展のため、なお一層の御尽力を賜りますように切にお願いを申し上げまして、お祝いの言葉とさせていただきます。
 先生、おめでとうございました。(拍手)
#7
○議長(扇千景君) 山東昭子君から発言を求められました。発言を許します。山東昭子君。
   〔山東昭子君登壇、拍手〕
#8
○山東昭子君 ただいまは、院議により表彰をいただき、また、青木幹雄議員より身に余るお褒めの言葉をちょうだいいたしまして恐縮しております。
 思えば昭和四十八年三月、時の田中総理から、どうだ山東君、政治をやってみないかと勧められ、私の家は親戚には大臣や代議士をした者もおりましたが、私自身大学で政治学を勉強したわけでもなく、とてもとてもと申しましたら、何を言うんだ君、政治家は最初からプロは一人もいないんだ、大切なことはいろんな人に会っていろんなことを吸収する能力があるかどうかだ、それに我が国は女性議員が余りにも少な過ぎる、君は若いんだから、勉強して正論を主張する政治家になってくれと激励をされ、決意いたしました。
 翌年、多くの皆様方の御支援により、百二十五万六千七百二十四票、全国第五位で当選をさせていただきましたのが、御案内のとおり、最年少の三十二歳のときでございました。
 長い間の政治生活の中で感じましたことは、時の社会情勢やいわゆる政治的な風によって、どんなに国会でまじめに仕事をしておりましても選挙民に伝わらず、議席を失った仲間がどれくらいいたことか、己を含めまして当選し続けることの難しさでございました。
 しかし、本日、この議席におられる皆さん方は、政党や信条は違っても、国民のより良い生活を追求するということと、国際社会の中で我が国がもっと誇れるような国になるように努力するという点では一致しているのではないでしょうか。
 そのためにも、これからも参議院の一員として皆様方と大いに議論することをお約束を申し上げ、また、今日までの長い間、陰になりひなたになり、本当にいろんな分野で応援をしてくださいました皆様方に心から感謝を申し上げ、御礼の言葉とさせていただきたいと存じます。
 ありがとうございました。(拍手)
     ─────・─────
#9
○議長(扇千景君) この際、日程に追加して、
 防衛庁設置法等の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○議長(扇千景君) 御異議ないと認めます。国務大臣久間防衛庁長官。
   〔国務大臣久間章生君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(久間章生君) 防衛庁設置法等の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明いたします。
 我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つという任務の重要性にかんがみ、防衛庁を防衛省とするため所要の規定を整備するほか、我が国周辺の地域における我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態に対応して行う我が国の平和及び安全の確保に資する活動等を自衛隊の任務として位置付けるとともに、安全保障会議の諮問事項を追加する必要があります。
 以上がこの法律案の提案理由であります。
 次に、この法律案の内容について、その概要を御説明いたします。
 この法律案は、防衛庁設置法、自衛隊法及び安全保障会議設置法の一部改正並びに関係法律の規定の整備を内容としております。
 まず、防衛庁設置法の一部改正につきましては、防衛庁を防衛省とするとともに、その長を防衛大臣とする等、所要の改正を行うものであります。防衛省の任務、所掌事務、組織等は、現行の防衛庁設置法に規定されているものと同様のものであります。
 次に、自衛隊法の一部改正について御説明いたします。
 第一に、防衛庁を防衛省とすることに伴い、自衛隊の最高の指揮監督権、防衛出動の命令、治安出動の命令、海上における警備行動の承認その他の内閣の首長としての内閣総理大臣の権限については変更せず、内閣府の長としての内閣総理大臣については、これを防衛大臣と改める等、所要の改正を行うものであります。
 第二に、我が国周辺の地域における我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態に対応して行う我が国の平和及び安全の確保に資する活動並びに国際連合を中心とした国際平和のための取組への寄与その他の国際協力の推進を通じて我が国を含む国際社会の平和及び安全の維持に資する活動について、別に法律で定めるところにより自衛隊が実施することとされているものを行うこと等を新たに自衛隊法第三条に規定する自衛隊の任務として位置付けるための所要の改正を行うものであります。
 最後に、安全保障会議設置法の一部改正でございます。
 これは、安全保障会議の諮問事項に、内閣総理大臣が必要と認める周辺事態への対処に関する重要事項及び内閣総理大臣が必要と認める自衛隊法第三条第二項第二号の自衛隊の活動に関する重要事項を追加するものであります。
 そのほか、関係法律の規定の整備等を行うものであります。
 以上がこの法律案の趣旨でございます。(拍手)
    ─────────────
#12
○議長(扇千景君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。愛知治郎君。
   〔愛知治郎君登壇、拍手〕
#13
○愛知治郎君 私は、自由民主党と公明党を代表して、ただいま議題となりました防衛庁設置法等一部改正案について質問をいたします。
 このたび、いわゆる防衛省移行法案が、参議院でようやく審議されることになりました。
 昭和二十九年に防衛庁が発足し、そのわずか十年後の昭和三十九年に、我が自由民主党は省移行法案を取りまとめております。
 しかしながら、党の正式な手続を経たにもかかわらず、当時の社会情勢により国会には提出されませんでした。また、友党である公明党も、冷戦構造崩壊等の国際情勢の変化を踏まえ、新たな安全保障体制の構築が必要と考えるに至りました。そして、平成九年の中央省庁再編時には政治の場で論議すべき課題と位置付けられましたが、やはり国会で議論されることはありませんでした。
 国家の根幹を成す安全保障にかかわる問題は、特にその制度面に関しては、全国民を代表する国会において可及的速やかにしっかりと議論すべきではなかったのでしょうか。
 我が党及び公明党は、これまでも国民の生命、財産を守るため有事法制や周辺事態法を整備し、国際貢献の道を開くためPKO協力法や国際緊急援助隊法を整備いたしました。また、国際テロ撲滅のためインド洋やイラクに自衛隊を派遣するなど、安全保障体制を一歩一歩整備してまいりました。正に、一国平和主義から、憲法でうたわれる平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めるべく取り組んできたのであります。
 この安全保障を語ることは国家の在り方を語ることでもあります。
 日本は戦後、非核三原則、専守防衛など独自の政策に基づいた外交を展開し、世界の信頼を得てまいりました。永世中立国であるスイスも独特な国として知られ、国際紛争を解決する手段としての国権の発動による戦争を放棄した日本とともに平和国家として語られることがよくあります。
 確かに、日本とは国情が大きく異なることは事実でありましょう。スイスは多国間で戦争が起こっても中立であることを宣言しており、また、軍事的な同盟国がないことから、他国の攻撃に遭った場合でも自国だけで解決しなければなりません。そのため強力な軍隊を組織しており、男性には兵役義務があり、各家庭の地下にシェルターがあるなど、自分で自分を守るという国民一人一人の意識が非常に高い国であります。
 しかしながら、平和とはただ待っていても黙っていても与えられるものではなく、不断の努力によって得られるものであると私は考えております。そして、この点においてはスイスも我が国も全く同じであると思います。
 日本は、今後どのような国家を目指していくのでしょうか。安倍政権はどのような国家を目指しているのか、そして、このたびの法改正は安倍政権の目指す国家においてどのような役割を果たすとお考えか、官房長官にお伺いをいたします。
 また、この点を踏まえた上で、防衛庁の省移行、自衛隊の国際平和協力活動等の本来任務化で防衛政策の基本方針に具体的な変更があるのか、それとも従来の政策を踏襲していくのかはやはり国民の関心があるところであります。加えて、省移行に伴い、いたずらに防衛予算が膨れ上がるのではないかと心配される方々もおります。
 現行の防衛大綱では、防衛力の効率化、合理化をキーワードに、規模の拡大に依存することなく、限られた資源でより多くの成果を達成することが必要と書かれております。現在の国際情勢にかんがみると、我が国の防衛力を充実させなければならないでしょうが、厳しい財政運営の折、一定の歯止めは掛けなければなりません。防衛政策の基本方針変更の有無と併せ、政府として今後大綱を改定するつもりがあるのか、また、現在において適正な防衛予算の規模をどう考えているのかについて、防衛庁長官にお伺いをいたします。
 次に、組織の運用について質問いたします。
 この省移行によってシビリアンコントロールが保たれるのかとの懸念があると聞いておりますが、この点、私は全く問題がないと考えております。防衛庁という行政組織に変更があるのは確かですが、政治と自衛隊との関係に変化が生じ、自衛隊の決定権、発言権が強化されるわけではありません。逆に、そのような懸念に配慮し、本法案では自衛隊の国際平和協力活動及び周辺事態への対処を安全保障会議の諮問事項として追加し、チェック機能を高めることにしたと理解しているからであります。
 むしろ、省移行によって、実動部隊である自衛隊の部隊運用に関し、現場の意見が政府に正しく伝わる制度がつくられるのか、問いたいと思います。
 これまでは、制服組と背広組という表現が使われ、意思の疎通に問題があるような報道もございました。シビリアンコントロールの原則から、政策や方針決定は政治が行うのが当然でありますが、その決定に資するため、部隊運用に関して現場の自衛隊の意見が防衛庁長官にしっかり届くようにしていただきたいと思いますが、この点に関して防衛庁長官にお伺いをいたします。
 また、本改正により、在外邦人等の輸送も防衛出動や治安出動と同様に本来任務化されますが、その態勢は万全なのでありましょうか。朝鮮半島で紛争が起これば、中国や韓国に被害が及び、在留邦人が危険に巻き込まれる可能性があります。また、大量の難民が発生するかもしれません。その際、日本はどのような対応をするのか、準備はできているのでしょうか。
 在外邦人の輸送については、周辺事態法が成立する際、邦人輸送のため艦船、ヘリコプターの使用が可能となりましたが、輸送の安全が確保されていなければ自衛隊を派遣することができません。つまり、緊急時に全く活用できない、活動できない可能性があるのであります。これはおかしな話ではないでしょうか。改善の余地がないのか、防衛庁長官にお伺いをいたします。
 また、このような事態に関連し、中国や韓国で難民が出た場合、日本は受入れをするのでしょうか。難民問題は法務省が所管ですが、このような有事の際の受入れに関しては内閣全体で取り組まねばならない課題であります。現在、どのような検討が行われているのか、官房長官にお伺いをいたします。
 先日、安倍総理がかねてより意欲を示しておられた日本版国家安全保障会議創設を目指す国家安全保障に関する官邸機能強化会議の初会合が開かれました。具体的な姿はこれから決まっていくと思いますが、防衛省移行と併せ、日本の安全保障においてどのような役割を担っていくのでしょうか。
 総理は、大統領直属で約二百人のスタッフを抱える米国のNSCをイメージしていると伺っておりますが、大統領制を取る米国と議院内閣制である日本はリーダーの権限や議会との関係が異なります。この点、英国は議院内閣制であり、国防及び海外政策内閣委員会という、内閣官房が機動的に関係省庁を調整する権限を持つシステムを有しております。これは日本にとって大いに参考になるのではないかと思います。
 今後、国民的議論を経て、日本の安全保障に最も役立つシステムをつくり上げなければならないと思っておりますが、防衛庁が防衛省となった後、国家安全保障会議はどのような役割を果たしていくべきだとお考えか、最後に官房長官にお伺いをして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣久間章生君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(久間章生君) 愛知議員にお答えいたします。
 まず、省移行、本来任務化と防衛政策との関係についてお尋ねがありました。
 今回の法改正に当たり、専守防衛といった我が国の防衛政策の基本について変更する考えはありません。また、特に国際平和協力活動等の本来任務化は、現在の防衛大綱で示された考え方を踏まえ行うものであり、法案の成立を機に防衛大綱を改定することは考えておりません。
 次に、適正な防衛予算の規模についてお尋ねがありました。
 防衛庁の省への移行は、国の行政組織の位置付けを変更するものであり、追加の予算措置を伴うものではなく、将来の防衛関係費の増大を招くようなものではありません。防衛庁としては、今後とも、防衛計画の大綱や中期防衛力整備計画に基づき、多機能で弾力的な実効性のある防衛力を効率的に整備するため、思い切った合理化、効率化を行いつつ、必要な予算を確保するよう努めてまいる所存であります。
 次に、現場の意見に関するお尋ねがありました。
 部隊運用に関する政策決定に当たり、実際に現場での厳しい勤務を経験した自衛官の意見を聴くことは重要であると考えており、これまでもその把握に努めてまいりました。今後も、私自身が部隊視察に出向いて意見交換を行うなど、様々な機会をとらえて、できる限り現場の生の声を聴取するよう努力する所存であります。
 次に、本来任務化される在外邦人等の輸送の態勢についてお尋ねがありました。
 在外邦人等の輸送は国民の安全確保の観点から重要な活動であることなどから、今般、本来任務化することとしています。防衛庁としては、現在もその活動に用いる航空機と船舶を保有していますが、今後とも必要な態勢構築のため、新たな輸送機、ヘリコプター搭載護衛艦などの着実な整備を続けてまいります。
 最後に、緊急時の自衛隊の在外邦人等の輸送についてお尋ねがありました。
 輸送の安全確保が在外邦人等輸送の要件とされているのは、空港等の安全が確保されない場合に、危険を冒して輸送を行えば在外邦人の安全確保という本来の目的を果たせない可能性があるからであります。仮に派遣国で紛争が生じていても、空港等を選んで輸送できる場合もあり、自衛隊として安全を確保しつつ輸送活動を行う所存であります。(拍手)
   〔国務大臣塩崎恭久君登壇、拍手〕
#15
○国務大臣(塩崎恭久君) 愛知議員にお答えいたします。
 まず、目指す国家の在り方と省移行法案の役割についてのお尋ねがございました。
 安倍内閣が目指すものは、文化、伝統などを大切にし、自由な社会を基本とする国であり、世界に信頼され、尊敬され、愛されるリーダーシップのある美しい国であります。国及び国民の更なる安全確保と、国際社会の平和と安定への積極的な貢献を果たしていくため、防衛庁の省への移行は安倍内閣が目指す国づくりにおいて極めて重要であると考えております。
 次に、有事の避難民受入れについてのお尋ねがございました。
 御質問の場合の対応はその時々の状況等に応じて異なってまいりますが、政府全体として対処する必要があるものと考えており、我が国の安全に及ぼす影響はもちろんのこと、その受入れ体制、人道的観点も考慮しつつ、適切に対処していく所存であります。かかる対応策について、政府として必要な検討を行っておりますが、その内容については検討途上にあるものであり、お答えは控えさしていただきたいと思います。
 次に、安全保障に関する官邸機能の強化についてお尋ねがございました。
 現在、国家安全保障に関する官邸機能強化会議で、外交と安全保障に関する官邸の司令塔機能を再編強化するための施策について検討を行っているところであり、どのような司令塔機能を構築するかについて現時点でお答えすることは困難でありますが、関係省庁が効果的に機能し、外交と安全保障の国家戦略を政治の強力なリーダーシップにより速やかに決定できるような仕組みを構築していくことが必要と考えております。(拍手)
    ─────────────
#16
○議長(扇千景君) 藤末健三君。
   〔藤末健三君登壇、拍手〕
#17
○藤末健三君 民主党・新緑風会を代表して、防衛庁設置法等の一部を改正する法律案に対し質問いたします。
 私は、本法案に関して明確にしたい点が二つあります。
 一つは、衆議院で活発な審議が行われましたが、まだまだ本法案に関しては多くの懸念事項がございます。特に、文民統制、シビリアンコントロールの維持について明確にする必要があります。
 そして二つ目には、長期的な防衛、安全保障政策の姿が見えないという問題があります。まるで船が海図なきまま、北朝鮮問題という突風が吹いたため、場当たり的に船の進む方向を変えたというような感じさえします。衆議院の審議を見ても、防衛庁を省にした後に、国防充実のために何を行うことが必要かということが明確にはまだ示されておられません。特に、今まで日本国憲法の下、自衛のための必要最小限の防衛力、専守防衛、非核三原則、武器輸出三原則などのある程度大きな枠組みがありましたが、この枠組みさえも崩れるのではないかと危惧されます。
 まず、文民統制、シビリアンコントロールについてお尋ねいたします。
 シビリアンコントロールといいますと、防衛庁の官僚である背広組の官僚が自衛官、制服組を管理するということと思われている方は多いと思います。しかしながら、民主主義制度における文民統制、シビリアンコントロールは、国民を代表する議会、我々が自衛隊を統制することを示します。議会による文民統制は具体的に二つの形があります。一つは、国民を代表する国会が自衛官の定数、主要組織などの法律を審議し、また防衛予算の審議を通して直接防衛組織を統制するもの、そしてもう一つは、議院内閣制を取っている国として、国会が国会議員の中から総理大臣を指名し、その管理下に防衛組織を置き、間接的に国会が統制することであります。
 しかしながら、本改正案においては、総理大臣による統制が十分確保できない可能性があります。我が国は、戦時中の軍部専横の反省から、日本国憲法六十六条に「内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない。」としています。この文民には元自衛官は含まれます。つまり、憲法解釈上、自衛官は自衛隊を辞めた途端に文民になります。そして、文民は選挙の洗礼を受けた議員でなくとも改正案にある防衛大臣に着任できます。つまり、自衛官が自衛隊を辞めてすぐに防衛大臣になる、そのことが可能となります。
 本法案で、防衛大臣は、高級幹部の人事や法律の制定について閣議を求めること、予算要求や執行を財務大臣に求めること、駐留軍用地の収用、アメリカ軍に対する物品と役務の提供などの大きな権限を持ちます。私は、自衛官の方々を否定するわけではありませんが、戦前に陸軍大臣、海軍大臣が軍人である必要があり、政治が混乱した反省により、憲法に文民条項が盛られたと理解しております。今回の法改正は、その文民条項の趣旨から外れるものではないでしょうか。
 ちなみに、同じ議院内閣制であるイギリスにおいては、内閣、国会関連法により、国防大臣は文民であり、かつ国会議員しか担当できないようになっています。イギリスにおいては国防大臣は文民であり国会議員しか担当できません。また、アメリカ合衆国においては、政府組織関係法により、過去十年以内に軍の将校として現役にあった者は国防長官に任命することはできないとあります。過去十年以内に軍の将校として現役にあった者は国防長官に任命することはできないとあります。そして、フランスでは、首相が国防に関する総合責任者であり、その下に国防事務総長がいると、これは現状の我が国と同じような組織形態になっています。
 これらの先進国と比べても、自衛官が翌日から防衛大臣になれる本法案ではシビリアンコントロールは著しく後退する可能性が指摘できますが、防衛庁長官の御意見を伺いたい。また、このような状況にかんがみ、シビリアンコントロールに関する法律を別途作る必要性を感じますが、防衛庁長官、いかがでしょうか。
 なお、昭和二十九年の衆議院答弁において、内閣法制局は、憲法六十六条に関し、制服を着た現役自衛官も文民であると、制服を着た現役自衛官も文民であると解釈していました。しかしながら、この解釈を途中で変更し、自衛官は文民でない、自衛官は文民にあらずとしています。これは、私の調べたところ、戦後における内閣法制局の憲法解釈の唯一の変更点です。
 そこで、内閣法制局長官にお聞きします。
 まず、この解釈が変わり、また制服を着た自衛官を文民とすることが可能となるかどうか、可能性があるかどうか。そして、もし、現職自衛官が文民であるとの憲法解釈が復活すれば、現役の自衛官が防衛大臣になるということも可能でございます。
 そしてまた、お聞きしたいのは、このような内閣法制局による憲法解釈の変更は今後あり得るか。例えば、防衛政策に関しては、集団的自衛権は保有するが行使しない、攻撃的兵器の保有は禁止する、海外派兵の禁止など、内閣法制局による憲法解釈がありますが、今後その変更の可能性があるかどうか、内閣法制局長官、お答えいただきたいと思います。
 また、自衛隊法改正案第八条において、「防衛大臣は、この法律の定めるところに従い、自衛隊の隊務を統括する。」とありますが、これは本法案第六章及び第七章に定められた任務のみに基づき統括するものとしていただきたい。そうしなければ、防衛大臣の権限が法律でなく裁量により拡大することが懸念されますが、防衛庁長官、いかがでしょうか。
 そして、同時に、防衛庁長官にお願いしたいことがあります。自衛隊法改正案第三条二項において、自衛隊の任務を「別に法律で定める」としています。自衛隊法は、歴史的にインデックス法、法律自体がインデックス、つまり目次のような機能を持っています。すべての任務が書かれ、項目が書かれ、すべて網羅できるようになっている法律です。今後とも、自衛隊任務を別の法律で定めた場合も自衛隊法に書き込んでいただきたいが、いかがでしょうか。
 次に、防衛庁の省昇格について御質問します。
 本法案についていろいろな方からお聞きする懸念に、防衛庁が省に昇格することが自民党の新憲法草案にある自衛隊の自衛軍への昇格につながるんではないかというものがあります。是非、防衛庁長官、そのようなことはないと否定していただきたいのですが、いかがでしょうか。
 そして、今回、防衛庁の省昇格によって、これまでの防衛政策の基本である専守防衛、自衛のための必要最小限の防衛力、防衛費のGNP一%枠、非核三原則、海外派兵の禁止、攻撃型兵器の保有禁止、シビリアンコントロール、そして集団的自衛権の禁止などの変更が行われることが懸念されますが、いかがでしょうか。防衛庁長官に防衛政策の基本の変更はあり得ないと明確にしていただきたいと思います。また、武器輸出三原則の見直しについても、なし崩し的に緩和することはないと約束していただきたいが、いかがでしょうか。
 私は、防衛省に新たな機能や組織の追加や変更もないまま防衛庁から防衛省へ格上げすることについてはやや疑問があります。新しい組織にするのであれば、新しい役割を与えるべきではないでしょうか。例えば、防衛政策や防衛戦略の企画立案、防衛情報の収集、分析、加えて防衛情報の近隣諸国との交換や軍備の削減、そしてテロ対策としての核兵器の拡散防止などの機能も新しい組織に持たせてはいかがでしょうか。
 防衛という観点からすると、自らの防衛力の強化だけではなく、近隣諸国の軍備の縮小を進めることも我が国の防衛力を相対的に高める上で必要だと考えますが、防衛庁長官、いかがでしょうか。特に、テロ対策として核拡散防止や国際的武器管理なども行う組織とした方が近隣諸国に対する我が国の軍事拡大化への懸念を払拭することができるのではないでしょうか。防衛庁長官の見解をお聞きします。
 そして、より重要なことは、防衛庁を省に昇格することが長期的な防衛、安全保障政策の取組の中でどのように位置付けられるか。是非この点について、防衛庁長官の明確なビジョンを示していただきたいと思います。
 次に、国際的な活動についてお聞きします。
 防衛庁長官、自衛隊法改正案三条二項二号において自衛隊の海外における活動を定めていますが、自衛隊の海外活動は基本的に国連を中心とした平和活動として行うべきと考えますが、いかがでしょうか。現在、国連は機能しないなどとの指摘がありますが、我が国が国連改革の主導権を取って集団安全保障の実現を目指すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 そして、自衛隊法改正案三条二項二号において、「その他の国際協力の推進」とあるのは何を指すのか。法制局には、集団的自衛権の行使を含まないということを明確にしていただきたいと思います。
 また、イラク戦争についての活動は、大量破壊兵器が発見できなかったことやアメリカの中間選挙の結果を見ても間違いだったとも考えられます。アメリカ大統領、イギリス首相もイラク政策が誤りだったというような発言をしています。また、イタリアもイラクから撤退を完了しました。日本政府も一度率直に誤りを認めるべきだと考えますが、防衛庁長官、いかがでしょうか。
 政府は、今、東アジア共同体構想を進めています。私はこの構想に大きく賛成いたします。ただ、この構想の中で、経済的な連携だけではなく、東アジアの総合的な地域安全保障なども併せて進めていただくべきだと考えますが、アジア外交を精力的に進めている安倍政権の見解を伺いたいと思います。
 最後に、参議院の皆様に申し上げたいことがございます。
 我が参議院は、良識の府としての役割を果たさなければなりません。衆議院のように民意を反映する数の論理に対し、我々参議院は、理、理屈、理をきちんと通さねばならないと考えます。本法案におけるシビリアンコントロール、私が指摘申し上げましたシビリアンコントロールが本当に理にかなっているか、きちんと審議しなければなりません。
 そしてまた、我が参議院は再考の府、再び考える、再考の府でございます。参議院には、政権より大所高所に立った長期的な審議に基づく権威が期待されます。この防衛庁の省への昇格について大所高所から、また中長期的な観点から、再考の府として基本的なところから審議をする必要があります。
 六年前に、斎藤参議院議長の私的諮問機関として設置された参議院の将来像を考える有識者懇談会の意見書には、参議院は「政党よりも個人の活動を中心とした意思形成を重視する。」、参議院は「政党よりも個人の活動を中心とした意思形成を重視する。」とあります。是非とも、参議院の先輩方、そして同僚の皆様に、良識の府、そして再考の府としての審議をお願いしたいと思います。
 特にシビリアンコントロールについては、我々が本当に議論しなければならない一番大きなポイントだと思います。是非、深い審議をお願いしまして、質問を終わらさせていただきます。
 本当にありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣久間章生君登壇、拍手〕
#18
○国務大臣(久間章生君) 藤末議員にお答えいたします。
 まず、元自衛官が防衛大臣になることの文民統制上の問題につきお尋ねがありました。
 我が国のシビリアンコントロールは、国会の指名した内閣総理大臣が自衛隊の最高の指揮監督権を有すること、その内閣総理大臣が防衛庁長官、省移行後は防衛大臣を任命すること、防衛に関する法律や予算は国会の議決を経て成立すること、国会は内閣を不信任できることなど、国会を重視したものであります。今回の法案により、このようなシビリアンコントロールの枠組みが変わることはなく、仮に自衛官であった者が防衛大臣に任命されたとしても何ら問題はないと考えます。
 次に、シビリアンコントロールに関する法律の必要性についてお尋ねがありました。
 先ほど申し上げたように、我が国には国会によるシビリアンコントロールの枠組みがあります。また、憲法においては、国務大臣は文民でなければならないとされています。したがって、シビリアンコントロールに関する法律を新しく作成することは考えておりません。
 次に、省移行後の自衛隊の指揮監督権についてお尋ねがありました。
 御指摘の改正後の自衛隊法第八条については、同法第七条の内閣総理大臣の最高の指揮監督権と、これに服すべき防衛大臣との関係を明確にするものです。また、省移行後の防衛大臣の隊務の統括の権限は、自衛隊法第六章及び第七章に規定するものに限られず、自衛隊法に規定するもの全般が対象となります。
 次に、自衛隊法の規定の在り方についてお尋ねがありました。
 これまで、国際平和協力法など、別に定める法律により自衛隊に新たな任務、権限を付与する場合には、自衛隊法についても改正を行い、その旨を規定したところであります。このような考え方は、今後とも変更することは考えておりません。
 次に、省移行と憲法との関係についてお尋ねがありました。
 省移行は、行政組織の位置付けに関するものとして長きにわたり議論されてきたもので、憲法改正の問題とは関係ありません。また、憲法上、自衛のための必要最小限度を超える実力を自衛隊が保持し得ない等の従来からの政府見解を変えるものではありません。
 次に、省移行と防衛政策の基本についてお尋ねがありました。
 防衛庁の省への移行は、専守防衛、軍事大国とならないこと、非核三原則、海外派兵の禁止といった我が国の防衛政策の基本の変更や防衛関係費の増加を招くものではありません。また、省移行は、集団的自衛権の行使の禁止など、現行の憲法解釈を変更するものではありません。
 次に、武器輸出三原則についてお尋ねがありました。
 防衛庁の省への移行によって、平和国家としての我が国の方針である武器輸出三原則等を変更することはありません。
 次に、防衛省に新たな役割を与えてはどうかとの御指摘がありました。
 防衛政策の企画立案、情報の収集、分析、交換、核拡散防止などの軍備管理、軍縮、不拡散への国際的な取組に関しては、防衛庁を含む関係省庁が適切な役割を担い、十分な連携を取って取り組んでおり、省への移行を契機に見直すことは考えておりません。
 次に、省移行の防衛、安全保障政策上の位置付けに関するお尋ねがありました。
 近年、防衛庁・自衛隊の役割は国政の中で重要性を増しており、また、何よりも国の防衛は国家の最も基本的な任務であります。このような中、防衛庁を省として政策官庁として明確に位置付け、危機管理体制を整備することは、今後の我が国の防衛や安全保障において極めて重要であると考えております。
 次に、国連と自衛隊の国際平和協力活動についてお尋ねがありました。
 新たな安全保障環境においては、国際平和協力活動の形態が多様化しており、また、国際社会の平和と安定が我が国の平和と安全に密接に結び付いているとの認識の下、御指摘のように、国連を中心とした国際平和のための取組はもとより、様々な国際平和協力活動に主体的かつ積極的に取り組んでいく必要があると考えております。
 次に、イラク戦争についてのお尋ねがありました。
 従来より総理や外務大臣から答弁しているところでありますが、政府としては、イラクが十二年間にわたり累次の国連安保理決議に違反し続け、国際社会が与えた平和的解決の機会を生かそうとせず、最後まで国際社会の真摯な努力にこたえようとしなかったことから、国連安保理決議に基づく米国、英国等の各国による武力行使を支持したものであり、現在においてもこの考えに変わりはありません。
 なお、自衛隊については、国連安保理決議の要請に基づき人道復興支援活動等を行うために派遣しているところであります。
 最後に、東アジア共同体構想についてお尋ねがありました。
 近年、東アジア地域においては、将来の共同体形成を視野に入れて、地域共通の課題に共同で対処しようという機運が高まっており、様々な枠組みにおいて対話や協力が進められております。我が国としては、こうした枠組みを活用しつつ、安全保障の分野においても東アジア諸国との対話と協力を深めていくことが重要であると考えております。(拍手)
   〔政府特別補佐人宮崎礼壹君登壇、拍手〕
#19
○政府特別補佐人(宮崎礼壹君) お答えいたします。
 まず、文民や防衛政策に関する憲法解釈についてのお尋ねがありました。
 憲法第六十六条の文民につきましては、憲法で認められる範囲内にあるものとはいえ、自衛隊も国の武力組織であります以上、自衛官がその地位を有したままで国務大臣になるというのは憲法の精神から見て好ましくないとの考え方に立って、自衛官は文民に当たらないとの解釈が現在確立しているものと考えております。
 一般に、憲法を始めとする法令の解釈は、当該法令の規定の文言、趣旨等に即しつつ、立案の背景となる社会情勢等を考慮し、また、議論の積み重ねのあるものについては全体の整合性を保つことにも留意して論理的に確定されるべきものであり、政府による憲法の解釈は、このような考え方に基づいてそれぞれ論理的な追求の結果として示されてきたものであります。
 したがいまして、このような考え方を離れて政府が自由に憲法の解釈を変更することができるという性質のものではなく、その変更については十分慎重でなければならないものと考えております。
 次に、改正後の自衛隊法第三条第二項第二号に規定する活動についてのお尋ねがありました。
 ここに言う「その他の国際協力の推進」とは、国際連合を中心とした国際平和のための取組への寄与以外の国際協力の推進を意味し、具体的には、国際緊急援助隊法に基づく国際緊急援助活動及びテロ特措法に基づく協力支援活動がこれに含まれます。
 また、改正後の自衛隊法第三条第二項第二号に規定する活動につきましては、同項の柱書きにおいて、その活動が武力による威嚇又は武力の行使に当たらない範囲において行われるものであることが明確に規定されておりまして、この活動に集団的自衛権の行使が含まれることはないものと考えております。(拍手)
#20
○議長(扇千景君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#21
○議長(扇千景君) 日程第一 経済上の連携に関する日本国とフィリピン共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件
 日程第二 経済上の連携の強化に関する日本国とメキシコ合衆国との間の協定第五条3及び5の規定に基づく市場アクセスの条件の改善に関する日本国とメキシコ合衆国との間の議定書の締結について承認を求めるの件
  (いずれも衆議院送付)
 以上両件を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。外交防衛委員長柏村武昭君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔柏村武昭君登壇、拍手〕
#22
○柏村武昭君 ただいま議題となりました条約二件につきまして、外交防衛委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、フィリピンとの経済連携協定は、両国間において、物品及びサービスの貿易の自由化及び円滑化を進め、投資の機会を増大させ、人の移動の円滑化及びビジネス環境の整備を図り、知的財産の保護を確保し、中小企業等の分野における協力を促進することについて定めております。
 次に、メキシコとの経済連携協定議定書は、協定の規定に基づき、鶏肉、牛肉及びオレンジ生果の関税割当ての枠内税率及び合計割当て数量について定めております。
 委員会におきましては、両件を一括して議題とし、経済連携協定締結の意義、フィリピンとの経済連携協定の締結と有害廃棄物の輸出規制、フィリピンからの看護師及び介護福祉士の受入れに伴う体制の整備、今後の経済連携協定締結交渉における人の移動の問題に対する基本姿勢等について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終え、採決の結果、両件はいずれも多数をもって承認すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#23
○議長(扇千景君) これより両件を一括して採決いたします。
 両件の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#24
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#25
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十一  
  賛成            二百十二  
  反対               九  
 よって、両件は承認することに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#26
○議長(扇千景君) 日程第三 有機農業の推進に関する法律案(農林水産委員長提出)を議題といたします。
 まず、提出者の趣旨説明を求めます。農林水産委員長加治屋義人君。
    ─────────────
   〔議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔加治屋義人君登壇、拍手〕
#27
○加治屋義人君 ただいま議題となりました法律案につきまして、農林水産委員会を代表して、その提案の趣旨及び主な内容を御説明申し上げます。
 本法案は、有機農業による生産を推進し、これによって生産される農産物の流通、消費を増加させるため、農業生産、流通、消費というそれぞれの側面から、有機農業を推進するために必要となる施策を総合的に講じようとするものであります。
 以下、その主な内容を御説明申し上げます。
 第一に、この法律において有機農業とは、化学的に合成された肥料及び農薬を使用しないこと並びに遺伝子組み換え技術を利用しないことを基本として、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した農業生産の方法を用いて行われる農業をいうこととしております。
 第二に、基本理念として、有機農業の推進は、農業者が容易に有機農業に従事することができるようにすることを旨として行われなければならないこと、農業者その他の関係者が積極的に有機農業により生産される農産物の生産、流通又は販売に取り組むことができるようにするとともに、消費者が容易に有機農業により生産される農産物を入手できるようにすることを旨として行われなければならないこと、有機農業者その他の関係者と消費者との連携の促進を図りながら行われなければならないこと、農業者その他の関係者の自主性を尊重しつつ行われなければならないことを定めております。
 第三に、有機農業の推進に関して、国及び地方公共団体の責務を明らかにしております。
 第四に、農林水産大臣は有機農業の推進に関する基本方針を定めることとし、この基本方針には、有機農業の推進に関する基本的な事項、有機農業の推進及び普及の目標に関する事項などを定めることとしております。
 第五に、都道府県は、基本方針に即し、有機農業の推進に関する施策についての計画を定めるよう努めなければならないこととしております。
 第六に、国及び地方公共団体は、基本的な施策として、有機農業者等の支援、有機農業に関する技術開発の促進のための研究施設の整備、研究開発の成果に関する普及指導、消費者の理解と関心の増進のための広報活動、有機農業者と消費者との交流の促進、国及び地方公共団体以外の者が行う有機農業の推進のための活動の支援などを行うこととしております。
 なお、この法律は、公布の日から施行することとしております。
 以上が本法律案の提案の趣旨及び主な内容であります。
 なお、本法律案は、農林水産委員会において全会一致をもって委員会提出の法律案とすることに決定したものであります。
 何とぞ速やかに可決いただきますようお願い申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#28
○議長(扇千景君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#29
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#30
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          二百二十  
  賛成            二百二十  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#31
○議長(扇千景君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時三分散会
ソース: 国立国会図書館
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