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2005/04/20 第162回国会 参議院 参議院会議録情報 第162回国会 経済・産業・雇用に関する調査会 第6号
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2005/04/20 第162回国会 参議院

参議院会議録情報 第162回国会 経済・産業・雇用に関する調査会 第6号

#1
第162回国会 経済・産業・雇用に関する調査会 第6号
平成十七年四月二十日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         広中和歌子君
    理 事
                加納 時男君
                北岡 秀二君
                椎名 一保君
                朝日 俊弘君
                辻  泰弘君
                松 あきら君
    委 員
                小野 清子君
                大野つや子君
                岡田  広君
                小池 正勝君
                西島 英利君
                野村 哲郎君
                松村 祥史君
                小林 正夫君
                谷  博之君
                広田  一君
                和田ひろ子君
                浜田 昌良君
                井上 哲士君
                渕上 貞雄君
   事務局側
       第二特別調査室
       長        富山 哲雄君
   参考人
       特定非営利活動
       法人「育て上げ
       」ネット理事長  工藤  啓君
       東京大学社会科
       学研究所助教授  玄田 有史君
       兵庫県教育委員
       会教育次長    杉本 健三君
       千房商事株式会
       社代表取締役   中井 政嗣君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○経済・産業・雇用に関する調査
 (「成熟社会における経済活性化と多様化する
 雇用への対応」のうち、フリーター・ニート等
 若年者をめぐる雇用問題について)
    ─────────────
#2
○会長(広中和歌子君) ただいまから経済・産業・雇用に関する調査会を開会いたします。
 経済・産業・雇用に関する調査を議題とし、「成熟社会における経済活性化と多様化する雇用への対応」のうち、フリーター・ニート等若年者をめぐる雇用問題について参考人から意見を伺います。
 本日は、お手元に配付の参考人名簿のとおり、特定非営利活動法人「育て上げ」ネット理事長工藤啓さん、東京大学社会科学研究所助教授玄田有史さん、兵庫県教育委員会教育次長杉本健三さん及び千房商事株式会社代表取締役中井政嗣さんに御出席をいただいております。
 この際、参考人の方々に一言ごあいさつ申し上げます。
 本日は、御多用のところ私どもの調査会に御出席いただきまして、本当にありがとうございました。
 本日は、本調査会が現在調査を進めております「成熟社会における経済活性化と多様化する雇用への対応」のうち、フリーター・ニート等若年者をめぐる雇用問題について忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。調査の参考にさせていただきたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
 議事の進め方でございますけれども、まず工藤参考人、玄田参考人、杉本参考人、中井参考人の順にお一人十五分程度で御意見をお述べいただきました後、午後四時ごろまで各委員からの質疑にお答えいただきたく存じます。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず工藤参考人からお願い申し上げます。
#3
○参考人(工藤啓君) NPO法人「育て上げ」ネットの工藤と申します。
 三年前に、まだ中高年のリストラ問題等アウトプレースメントの問題が非常に大きくなっていたころ、私はアメリカにいまして、そこで先進国の友人から、中高年問題の後には必ず若者の問題が起こる、だからおまえは起業しろという、そういうようなアドバイスを受けまして、ちょっとイギリスとドイツに見学に行ってきたんですけれども、彼らの言うとおり、中高年問題が、実際は分かりませんけれども全体として下火になりまして、今、若者問題が非常に大きく取り上げられています。
 一つには、私も立ち上げるに当たっていろいろな行政の委員会の文書を読んだりしたんですけれども、十代、二十代の若者支援を考えるに当たって、その年齢の人間が委員会に入っていないということに物すごく違和感を覚えまして、自分が立ち上げることによってそういうところに入れたらなと、自分たちの世代として何か意見が言えたらなと思って、今こんなような仕事をしているんですけれども。
 フリーターでもニートと言われる若者でも、なかなか、いわゆる就職という形で労働市場に定着できない方々の共通点というか、よく触れ合っている中で思うのは、一つは、やりたいことというすごく格好いいテーマ、格好いい社会から発せられるメッセージを真に受けてしまい、それを探すことが目的になって動けなくなってしまう人がすごく多い。フリーターであれば、フリーターでいろんな仕事をしている間に自分のやりたいものとか適職が見付かるだろうと。ニートの若者に至っては、考えた結果動けなくなってしまう、自分に向いていることが分からないから動けなくなってしまうという現状があります。
 そこで、まあ私は何考えたかというと、日本には三万職ぐらい職種があると言われているんですけれども、やりたいことのイメージというのは大体一つぐらいで、そもそも統計的に三万分の一が見付かるわけがないと思っています。イチローとか松井とか、そういう本当に野球が好きでプロになれる人はいいんですけれども、本当に三万分の一を追い掛けて、これだと思ったところで実際の仕事をしてみたときに、全然違った場合の心の落ち込みようというのはやっぱりすごくて、もう一度初めから探すというのはすごくつらい。
 いろんな支援をする中でいろんな人の仕事の話を聞いたり、実際に仕事に触れ合うような事業をやっているんですけれども、そこで推し進めているのはやりたくないことを探すこと。朝起きられないでもいいですし、体力的な仕事は嫌でも、満員電車乗りたくないでもいいんですけれども、自分が向いていないなと思うものを、やりたくないなと思うものをしっかり体験して理解することによって三万分の一の分母をまず減らす。いろんな仕事に触れ合うことによって興味があることがいろいろ出てくれば、三万分の一の分子を増やすことによって最後約分すると、案外やってもいいことにたどり着く可能性が上がる。そういう意味で、あんまり、やりたいことというきれいな社会からのメッセージというのは、本人たち、若者を実は苦しめているんじゃないかと一つ思っています。
 もう一つ、なかなか労働市場に定着できない人たちの話を聞くと、職場の人間関係という言葉を非常によく使います。人間関係が合わなかった、雰囲気がいまいちだったとか。もちろん、本当に社内で陰湿ないじめとか無視とかに遭う人もいます、たくさん。ただ、意外と本人気付いていないのは、周りが別に無視しているわけではなくて、単純に話さなくてもいいやって思われている。何でかというと、雑談ができないから。
 職場に雑談ができなくてちょっと暗い人とかっていませんか。例えば、仕事って九時から五時で、ずっと仕事の話だけをして完結するものではなくて、社内の人間関係とか社外の人との人脈とかというのも意外と、昨日の巨人戦とか今日の天気とか花粉症の話とか、そういうところから人間関係ができるんですけど、なかなかそういうことが中学校、高校時代からも含めて、あんまりそう、いろんなクラスの、自分のクラス以外の人と話したりとか、部活で上下関係の中でそういうことを学んだりという経験が少ない場合に、そういうことができないんじゃなくて慣れていない。そのまま社会に入ったときは、それこそお父さんの世代と一緒の中で雑談を交わしたりとか、全然会ったこともないような人とたわいもない話をしなきゃいけないことに対してなかなかうまくやれない。
 そうすると、もちろん話す側としても、話し掛けても何となく話が弾まなければ、例えばアフターファイブの飲み会にまあ誘っても面白くないからと、わざわざ話し掛けなくてもいいかなってことで、まあ仕事はしっかりやってくれるのでそのままにしておく。そうすると、いわゆる社内のコミュニケーションとか人間関係というのは若者本人からするとあんまり良くなくて、ここは自分の場所じゃないんじゃないかなということで離職してしまったりとかというのが非常に目立っていると思います。
 若者支援とかニート支援とかというのは最近すごくいろいろ政府も予算を付けてやっていますけれども、非常に、ジョブカフェも含めてすごくよく動いているなというのが印象です。若者向けの雰囲気をつくって、若者向けのチラシ作って、ホームページ等、携帯電話を使った情報宣伝、テレビも使ってやっていますけれども、実際、そこに来る人というのはそれを、その情報をしっかりキャッチして自分から一歩踏み出せる人です。
 ただ、実際、そういうところになかなか一歩が踏み出せない人、特にニートと言われる若者に関して言いますと、なかなか自分から情報をキャッチするということもしませんし、ああ、いい場所ができたなと思って行ってみようといって、本当に行けるかどうかというのはなかなか難しかったりする。
 そんなとき、ニート支援、ニートという若者が自分たちの場所に来るためにはどういうふうにすればいいんですかというふうに質問されます。もっと若者向けのものをつくった方がいいのかとか、例えば広告はコンビニに張った方がいいのかとか。
 実際、自分たちの支援団体の相談の内容を見てみますと、最初の相談、八割は母親が一人で来ています。一割は母親と本人。〇・五が本人。お父さん、まあ父親が絡む可能性はほとんどないです。基本的には、母親がまず本人を心配して情報を探したりとか相談に訪れたり、その八割のうち母親が全部心配しているわけではなくて、実は八割の半分ぐらいは本人が情報をインターネットとかで見付けて、母親に頼んで見に行ってもらっていたり、やっぱり新しい場所でだれがいるか分からない中で、一人で相談に行くというのはすごくつらい。心的にも負担が掛かりますし、もし自分がそこでけしからぬとか、おまえは怠けているから頑張れと言われたら、また一歩踏み出せなくなってしまう。そういう意味で、特にニート支援に関しましては、直接的な本人たちへの情報宣伝というのは、私は現場の実感から効果は薄いと思っています。
 そういう意味で、学校の先生とか保護者、特に保護者向けに今宣伝、宣伝というか情報提供するようにしているんですけれども、保護者を通して間接的に本人に情報を伝える。保護者というのはやっぱり一番信頼されていますので、こういう場所でこういう人がいてこんな支援をやっていたよということを伝えてもらうと、案外本人は安心して、じゃちょっと行ってみようかなと思うのが実情ですので、特にニート支援に関して、どうやって本人たちが来るのかと考えたとき、本人たちに何か直接的な動きをするような宣伝とかをするよりは、僕は保護者とか、かかわっている人たちを中心に情報を提供していった方がいいのかなと思っています。
 ただ、支援をしていく中で最近課題が出てきまして、確かにアルバイトはできるようになったり、就労したり復学したりする子が最近よく出てきています。案外、結構人の、人間関係やったりとか職場研修とかやって、すぐ自信付けて労働市場に入るんですけれども、社会的な居場所であるうちの団体を卒業をしない子がすごく増えている。
 家と職場という二つの社会的居場所というのは非常に不安定で、一本折れると、机みたいに、机って二本の脚じゃなかなか立たないんですけれども、すぐ折れちゃったりとかして。うちにいると社会的な脚が、三本目ができると案外机というのは安定したりする。昔の人は、もしかしたら家庭と仕事の一本一本の脚が机支えるぐらい太かったのかもしれないですけれども、今の若者というのは案外そんなことなくて、仕事と家庭だけで、家庭で余りいいことがないと仕事に影響して全体が崩れたりとか、その逆があったりとかという、社会的なかかわれる場所というのをもっともっと増やしていかないと、自分自身が安定しないんじゃないかというようなことを思っています。
 最後ですけど、意外と、ニート支援とかフリーター支援で、フリーターがニートがと言われて気付かれていないんですけれども、全国の引きこもりとかニートとかフリーターを支援している民間団体の数は減っています。僕もたくさんの方が辞めていくのを見ていましたけれども、一つは、当然お金の問題も確かにある。ただ、もう一つ、こういう事業というのは、例えば今まで十万円もらっていたのを百万円もらったから、じゃすぐその子を社会に送り出せるというのはそうではなくて、結構長期的にかかわりながら支援をしていかなきゃいけないんですけれども、その支援をしている支援者が今すごく疲弊してきて、疲れてきている。結果は出ない、社会からは増えていると言われる。
 今、行政と民間の連携と言われても、一つ一つがそれほど大きい場所ではないですから大体企業の方と連携するんですけれども、企業の提携するサービスに本当に飛び込める人というのはやっぱり一部で、そこに来れない子が今問題になっているのに、そこに来れない子たちが集まっている支援団体と行政とがなかなか結び付けなかったりとか、支援者が疲れてしまったりとか。
 第一世代と言われるそういう支援者というのはちょうど団塊の世代に当たるんですけれども、いろんな理由で次世代を育てられなかったというもう一つの課題もあります。私は今二十七歳ですけれども、いろんな委員会とか横のつながりをつくりながらも支援者同士でいろいろ話しするんですけど、三十代と四十代に会ったことがほとんどないんです。五十代、六十代のベテランの方か、その下で一生懸命頑張っている二十代の若者。ちょうどその間の支援の段階が思いっ切り抜けてしまっていて、このまま二十代が育たないと五十、六十の方が引退したときにだれも支援ができなくなってしまうという。
 支援者の疲弊と支援者が少なくなっていることというのが現実にありまして、そこら辺を是非何とか、百人のニートを支援するよりは、十人のニートを支援する十人の支援者の方にもちょっと目を当てていただきたいなと思って今日は来ました。
 以上で報告を終わります。
#4
○会長(広中和歌子君) どうもありがとうございました。
 それでは、次に玄田参考人にお願いいたします。
#5
○参考人(玄田有史君) 東京大学の玄田と申します。
 私は、まずニートというのはどういう若者であるかということを少し改めてお話をさせていただきます。
 昨年度、内閣府で青少年の就労に関する研究会という会で私も委員長をさせていただきまして、その中で把握された事実からまずお話をさせていただきます。
 二〇〇二年、若干今よりも古くなりますが、二〇〇二年の段階で、学校には通っていない、そして独身である、そして働いていない、学校には通っていなくて独身で働いていない、そんな三十五歳未満の若者がどのぐらいいるだろうかというのを調べてみました。そうしますと、二百十三万人という数字が浮かび上がってまいりました。二百十三万人です。学卒、独身、無職の若者が二百十三万人。同じ計算を、バブル経済の崩壊の影響がまだ表れていない一九九二年、ちょうど十年前にしてみますと百三十万人というふうになります。したがって、十年間で八十万人近く、そんな学卒、独身、無職の若者が増えてまいりました。厚生労働省が試算するいわゆるフリーターの人口というのが同じ二〇〇二年で見ますと二百七万人ですから、フリーターというのは明確な定義はあってないようなものなのですが、簡単に言えば正社員以外で働いている若者たちです。パートやアルバイト、派遣、契約、請負、そんな形で働いている若者が大体フリーターと呼ばれている人たちです。これが二百七万人。ほぼ同じ規模の若者が学卒、独身、無職であると。
 じゃ、この学卒、独身、無職の二百十三万人の若者にはどういう若者が多いか。その中で、仕事はしていないんだけれども職は今一生懸命探していますと、仕事に就きたいと思って職は探しているんだという若者が百二十九万人ぐらいいました。こういう、仕事に就きたい、そのためにハローワークに通ったり、求人雑誌を見て面接に応募したり、友達に仕事に就きたいと頼んでみたり、そういう活動はしている若者たち、この百三十万人が通常、失業者、正確には完全失業者と呼ばれる若者たちです。それに対して、八十五万人の若者というのは職を探していません。
 フリーターとニートと失業者、よく若者の雇用問題で登場する言葉ですが、フリーターとニートの違いは、ニートは働いていません。フリーターは正社員ではないけれども働いています。じゃ、失業者とニートの違いは何かといいますと、失業者は仕事はしていない、けれども職に就きたいと思って一生懸命活動しているわけです。それに対して、ニートという若者たちは職を探していません。そういう若者たちが二〇〇二年の段階で八十五万人いたわけです。
 さて、こういうニートの若者たちというのが、よく新聞のインタビュー等で聞かれるのは、なぜそんなに増えたのかということです。実際、九二年からの十年間でもこのニートの若者たちが増えています。
 私は、ニートが増えた理由を聞かれますと、最初は取りあえずは分かりませんと答えます。多分、これは工藤さんの方がより実感を持って御存じだと思いますが、一人一人ニートになった理由は違います。ですので、余り一般論では言えないわけですけれども、強いて理由を挙げれば恐らく三つあるだろうと言っていました。
 一つは、やはり不況の影響です。今、大学生がリクルートスーツを着て一生懸命就職活動をしています。いっときよりは求人が増えて雇用が増え、回復したというふうに言われています。ただ、つい最近まではやはり超氷河期と呼ばれて、就職活動をしても落ちて落ちて落ちまくります。しかも、昔の大学生と違って今の大学生は結構まじめです。学校にいる間に資格を取ったり、英語を身に付けたり、結構努力をしています。そういう努力をしている若者でも、就職活動がうまくいかず落ちて落ちて落ちまくると、私は社会に必要とされていないんじゃないかって、そんな気分になったりします。もう就職活動しても自分は無理なんではないか。ニートが増えた原因の一つは、やはり不況の影響です。
 ただ、それだけではない。ニートに共通するのは、人付き合いをとっても苦手だと本人たちが思っています。コミュニケーションというものに対して非常に苦手意識が強いです。じゃ、なぜそんなに強いのかというと、非常にざっくばらんに言えば、余り大人と付き合った経験がありません。親とか先生とか呼ばれる大人以外とほとんどコミュニケーションを取ったことがない。会社に働けば、そこでは世代も価値観も違う大人たちと毎日付き合っていかなければなりません。そういうコミュニケーションをとっても苦手だと思っています。そういう地域や家庭環境の影響もあります。
 三つ目は、もしかしたら学校を含めた教育の問題があるかもしれません。今、若い人たちは、すぐ一杯一杯と言います、一杯一杯ですと言います。じゃ、何に一杯一杯かと聞くと、一つには、仕事が忙しくて一杯一杯、仕事の負担が多くて一杯一杯だと言います。もう一つは、実は人付き合いに一杯一杯だということがあるんです。
 加えて、大変苦しいのは、やりたいことが見付からないと言います、やりたいことがないんだと言います、何をすればいいか分からないと言います。じゃ、何でそんなことを言うかというと、ちょっと自分探しとか、個性的であるとか、自己実現とか、そういう言葉で少し一杯一杯になってしまっている。小さいときから学校でも家庭でも、やりたいことを見付けなさい、自分らしく生きなさいと言われて、ああ、それが大事だと思いながらも、一部の若者を除けば、自分が何がやりたいか、自分らしさとは何か、個性とは何かなんてことが見付かりません。ただ一方で、個性がなきゃ駄目、自分らしくないと駄目、そういうことを学校や家庭や、時には職場でも言われ続けると、ああ、自分らしさとかやりたいことがない自分はいい仕事なんか就けないんだなんて思ったりします。
 家庭の問題や学校の問題、不況の問題、様々な要因が絡み合って実はニートが増えていると思います。ですので、こういうニートの問題を扱うときには、多分幅広い分野からのアプローチが必要になると思います。
 もう一つ、内閣府の分析をして驚いたことがあります。一つは、ニートが増えた原因として、本人たちがなぜ働けないのかという問いに、病気だから、けがだからと答える人たちが物すごく増えています。一体どういう病気なのか分かりません。ただ、この増え方、そしてニートの中には半分ぐらいは過去に働いた経験があります。そこから想像すると、もしかしたらさっきの一杯一杯といったような、仕事がきつくてきつくて、その中で時に心身の病を抱えてもう働けなくなっている、そういう若者たちも実は増えているのかもしれません。
 家庭や学校の問題だけではなく、もしかしたら職場の働き方、以前であれば、一生懸命働きながら失敗もしたりして、そしてそれが育成につながっていた。ただ、もしかしたら今の若者の働き方というのは、仕事のきつさ、難しさだけが強調されて、その中で疲れ切ってしまってもう働けなくなっているという面もあるのかもしれません。そんな理由も含めてニートは増えています。
 こういうニートの話をすると必ず言われるのが、どうしてそんな無気力な若者、親に甘えた若者、ぜいたくな若者が増えてしまったんだと聞かれます。そんな、やりたいことが見付からないとか、すぐ働けなくなったとか、甘えているんだ、そんなふうに言われたりします。ただ、恐らくニートと呼ばれる人たちの大部分は、働かない若者ではなく働けない若者である。むしろ、働かないといけない、親に迷惑を掛けていてはいけない、そんな思いは人一倍あるような気がします。働く意味とかを実はよく考えています。しかし、実際そういう人付き合いの難しさとか、過去に働いた経験の疲れとか、そんなことから働けなくなっています。
 また、親がぜいたくをさせている、そういうふうに言われますが、どうも現実はそうではありません。この十年間の間に、どちらかというと経済的に豊かな家庭からニートが生まれるというよりも、経済的に苦しい、家計が苦しい家庭からむしろ働けない若者が増えている。お金があれば例えば学校に進学するとか、そういう専門的な能力を身に付けるような勉強もすることができるかもしれません。しかし、今の若者たち、特にニートになる若者たちは、なかなかそういうチャンスが回ってこない。特に、家計の状況とか苦しい家庭に生まれた子供ほど、やりたいことを見付けるチャンスが見付からない。そういう、言ってみれば社会全体の階層問題、場合によっては格差の問題ということもニートの背景にはあって、単に親がぜいたくをさせているから、甘やかせているからニートになるんだとか、子供が無気力で意欲が低いからニートになるんだというのは、恐らく現実の認識としては正しくないというふうに思っています。
 では、こういうニートが増えていくことに対して何ができるのか、どういうことが必要であるのか。一つは、これから杉本参考人が御説明されるような、私は子供たちの人付き合いの苦手意識というのをかなり早い段階から解消していかないと難しいと思います。親とか先生以外の大人と付き合ったことがない、コミュニケーションの問題を過剰に考える、働く意味とかも必要以上に考え過ぎる。そういうことになりがちな若者たちに対して、それはニートやフリーターに限らず多くの若者が抱えているコミュニケーションに対するプレッシャーに対して、自分もちゃんと生きていけるんだ、自分も大人と付き合っていけるんだというふうな実感を持てるような、そういう取組が是非とも必要だと思います。
 そういう意味で、今年度からスタートするキャリア・スタート・ウィークのような取組は非常に期待をしています。うまくいってほしいと思っています。ただ、こういう取組が成功するためには、なぜキャリア・スタート・ウィークのような子供たちを社会に受け入れていく、そういう大人の努力が必要かということが国民がきちんと理解していないとやはり成功はなかなかしないんではないかと思います。
 それから、先ほど工藤さんの御説明にあったような、やはりNPO、これが今のニートの支援には大変大きな役割を果たしていると思います。ジョブカフェ、ハローワーク、また自治体の若者支援の取組、随分いろいろインタビューさせていただきましたが、非常に精力的な努力をされています。ただ、難しいのは、ニートの子供たちにとっては、若者たちにとっては、その場に行くこと自体に相当難しさを感じているわけです。だから、なかなかそういう支援の場に行き着くことができません。それに対して、今若者を支援しているNPOは、その若者と同じ目線に立って、時に共同生活をしながら、若者たちが自立するのに時間を掛けてじっくりと付き合っています。そういう意味で、若者自立塾のような取組も私は是非成功してほしいと思っています。
 ただ、ほかにも必要なものはたくさんあります。一つは、先ほどの工藤さんのお話とも重なりますが、私は、これからの若者支援のキャッチフレーズをこんなふうに呼んでいます。若者を支援する若者を支援する。若者を支援する若者を支援する。さっき、百人のニートに政府が対応するよりも、百人のニートを支援する十人の若者をみんなで応援していこう。就職の問題、また学校の問題、時には心の問題、様々な問題に対してきちんと対応できる幅広い知識と経験と、また人間性を兼ね備えた若者がもっと必要です。そして、現にいると思います。
 ただ、そういう若者たちに経験やトレーニングを積ませるためには、時間とお金と国民的な理解が必要です。こういう若者の目線に立って、同じ目線で考えていける若者を積極的に支援していくのが大人の役割だと思います。ニートの問題には大人のおせっかいが必要です。大人のいい意味でのおせっかいがなければ子供たちは自分たちで動き出すことができません。
 今、私は、何げなく子供たち子供たちと言っていますが、実は本当はニートはもう一つ大きな問題があって、ニート問題は若者問題だけでは今ありません。多分これから中年ニートという言葉が頻繁にマスコミ等で登場すると思います。三十代とか四十代で働けない若者たちが物すごく増えています。そういう意味で、これから生活保護の在り方についても、国民と国との約束事としてどういうふうにしていくのか喫緊の課題になっていると思います。必要があればそういう問題についても後でできればお話をしたいと思います。
 いずれにせよ、ニートにせよフリーター対策にせよ、重要なキーワードは分かっています。三つあります。一つは、個別的であること。一人一人の子供たちに対して、時には中年も含めて、一人一人に対する目線でやっていくということ。個別的。二つ目は、持続的であるということです。半年や一年ではなかなか成果が出ません。しかし、じっくりと取組を続けていくことによって成果が現れる。それは欧米の就業対策の例を見ても、やはり持続的であること、じっくり腰を据えて取り組むこと、これが必要です。すぐに効果が出ないからといってあきらめてしまったら対策にはなりません。三つ目のキーワードは、包括的です。就業対策、教育対策、福祉対策、そういう対策をいろんな縦割りとか垣根を越えてどう融合させていくか、そのために大人がどういう形で連携していくのか、その具体的な姿を今の段階からつくり上げていくことがニート対策であれフリーター対策であれ、若者の問題を考えていくときには一番重要であると思います。
 以上です。
#6
○会長(広中和歌子君) どうもありがとうございました。
 それでは、次に杉本参考人にお願いいたします。
#7
○参考人(杉本健三君) 兵庫県教育委員会の杉本でございます。
 私の方から、本県が実施いたしております、本県のすべての中学校二年生、公立中学校にいますすべての中学校二年生の社会体験活動でありますトライやる・ウィークの取組につきまして、パワーポイントを使わせていただいて御説明を申し上げます。お手元に届いておりますカラー刷りのものとパワーポイントと同じになっておりますので、御参考にしていただけたらと思います。(資料映写)
 この事業を開始しましたのは平成十年でございまして、もう八年目になります。この事業を実施するに当たりまして二つ契機がございました。
 一つは、十年前のあの阪神・淡路大震災であります。非常に大変な大被害をもたらしたわけでありますけれども、一方では、ともに生きる心が非常に大切なんだといったふうな多くの貴重な教訓をもたらした面もございます。そのような教訓を生かすという意味で、私たちは、生きる力をはぐくむ、そういったふうな教育を一層充実するために、やはり何らかの体験活動の充実を図っていく必要があるだろうと、こういったふうに模索しておりました。ということが一つ目であります。
 もう一つは、その二年後に神戸の須磨区で連続児童殺傷事件が起こりました。事件の後、現在、文化庁の長官であられます河合隼雄先生に座長になっていただきまして、兵庫県で心の教育緊急会議を開催いたしまして、提言をいただきました。その提言の一つは、中学校で長期社会体験学習を導入すべきだということ。二つには、様々な課題に対する学校、家庭、関係機関等との連携システムの構築を進めると、こういったふうな趣旨の提言をいただきました。トライやる・ウィークは、このような二つのこと、そして先ほどの提言を具現化して、中学生の心の教育を充実させる、そして生きる力をはぐくむということを目的としまして、平成十年に始めまして、本年で八年目となっております。
 県下の全公立中学校二年生、約五万人でございますが、連続した五日間、地域の中で勤労生産活動あるいは職場体験あるいは福祉体験等の活動を行っておるものでございます。活動は、各学校ごとに六月若しくは十一月を中心として、それぞれ一週間で行っております。トライやる・ウィークというネーミングもなかなか良かったのか、手前みそでございますが、そんなことも少し思っております。
 次に、この事業の推進体制について説明を申し上げます。
 子供の教育を学校だけに任せるのではなくて、地域全体で育てる機運の下に、このトライやる・ウィークを県民運動として取り組めるようにするために、またこの五万人の中学生には一万五千ぐらいの活動場所が必要でございます。この活動場所を提供できるように、県の教育委員会だけではなくて、県下全体で取り組む推進体制を構築いたしております。
 まず、県では、兵庫県の推進協議会を設置いたしております。この協議会は、知事を代表にいたしまして、県の商店連合会とかあるいはコープこうべ等の五十一団体の代表から構成しております。そして、このような各団体を通じて、県民全体への啓発等に協力をいただいておるものでございます。さらに、円滑な実施に向けまして、この推進協議会を支援する県の検討委員会あるいは支援会議も設置をいたしておりますし、市町におきましても市町レベルでの推進協議会を設置し、さらに各中学校の校区ごとに学校長、PTA、地域団体代表等で構成いたしますトライやる・ウィークの推進委員会を設置いたしますなど、県と市町と中学校区、それぞれの段階で支援体制を整えているところでございます。
 本県では、従来から県民とともに歩む県政を推進して、教育、生涯学習、福祉、保健、環境等の各種の分野で県民運動を提唱、推進しておるところでございます。とりわけ震災の後は、県民と行政のパートナーシップ、いわゆる県民の参画と協働を基盤とした創造的な復興に向けて取り組んできたところであります。このトライやる・ウィークも、この教育の分野における県民運動として地域住民による受入れ体制の整備、あるいは事業所等による生徒の受入れ、あるいは指導に至るまで県民の参画と協働の下に実施をいたしておるものでございます。
 次に、このシステムについてでありますが、この事業は、先ほど申し上げましたように、学校と家庭と地域社会の連携を基盤として実施いたしております。地域の大人たちが中学生に本気でかかわり、交わることで、生徒が様々な人との出会いとか働くことの厳しさあるいは楽しさを実感すること、自分にでもできるという自信を付ける経験をすることなどを通しまして、自分らしい生き方とか将来について考えるなど、中学生の自分探しを支援しておるものであります。そして、県民運動としてのトライやる・ウィークを県、市の推進協議会、あるいは中学校区ごとの推進委員会が支援をいたしまして、地域の子供は地域で育てるということを合い言葉にしまして、大人たちが子供たちの成長にかかわるものとして本気で向き合い、取り組んでいただいておるものでございます。
 それでは、実際の活動の様子をごらんいただきながら、それ以外の説明を話しさせていただきます。
 そば屋さんで活動しておるところでございますが、この五日間の活動はいわゆる学校の特別活動の中の学校行事という形で行っております。ただ、事前指導、事後指導はそれぞれの学校ごとに総合的な学習の時間等に位置付けております。五日間の合計は大体三十時間で、一日七時間は超えないように配慮をしていただいております。もちろん過度の就労とならないように、また賃金を得るようなことがないように、労基法とか児童福祉法に抵触せぬような形で留意しながら進めております。
 事故等が起こることもたまにございます。年間六十件から七十件ぐらいありますが、事故等に対する総合補償制度も設けております。また、ガラスを壊すとか道具を壊すとかといったふうなこともありますので、これについての賠償についてもこの補償制度の中で行っております。賠償は大体年間十件程度でございますが、あります。保険料はちなみに五日間で一人五百七十円、ボランティアの方にも保険入っていただいております。
 また、中学校、不登校の生徒がかなりいるんですけれども、不登校の生徒もその六五%ぐらいがこの「トライやる」には参加しようということで参加いたしております。そして、この不登校ぎみの生徒で「トライやる」に参加した生徒のうちの七〇%が「トライやる」にはすべて五日間とも出席しておるというふうな実情がございますし、また、そのような子供たちが一か月後あるいは二か月後を見てみましたら、出席率を向上した生徒が大体四〇%ぐらいはいると。そういう意味で、そういうふうな心の居場所ができたとか、あるいは新しい人間関係ができたといったふうなことが不登校の改善にもつながっている面もございます。
 場面、そば屋とあるいは炭焼き等が出ましたが、この指導ボランティアの方は、やっぱり子供は素直でよく頑張りますと、大人も学ぶところが非常に多かったというふうな感想を述べていただいております。
 次、ちょっと時間が押してまいりましたので急ぎますが、七枚目のところですが、これは先ほど申し上げました本県すべての公立中学校三百七十二校で実施しておりまして、病欠等ごく一部の生徒を除く四万九千人以上の生徒が活動いたしております。そして、生徒は主として活動場所ごとに班をつくっておりまして、その班の数が大体一万六千班ぐらいになります。活動場所もしたがいまして大体一万五千か所ぐらいになります。また、生徒の世話をしていただける方、引率とかそういったふうなことをしていただく方、あるいはそれぞれの活動場所で直接指導していただく方、こういったふうなボランティアの方につきましても大体約二万人の協力を得ております。一か所当たりの受入れ生徒数が平均で約三人ぐらいでございます。
 次に、活動内容でございますけれども、商店あるいは飲食店、あるいは幼稚園、保育園等で活動するいわゆる職場体験が全体の七九・二%、そして養護老人ホームなどでの福祉体験をするのが七・九%、また人形浄瑠璃などの地域の伝統芸能を継承するような文化・芸術活動が五・七%、農業、漁業、林業などの勤労生産活動が三・五%ぐらいになっております。
 また、この活動期間中に生徒が感じたことを問うアンケートでは、記載いたしておりますように、働くことで仕事の厳しさを知ったり、仕事を仕上げたときの楽しさを通して働くことの大切さを実感したというのが九割近い生徒がこのように職業に対する意識を高めております。また、このことについて、生徒は具体的な感想といたしまして、大人が仕事に対して誇りを持ち仕事に取り組んでいる姿に毎日触れ、お金をもらうことだけが仕事ではないと感じたとか、あるいは、二日目、三日目と日を追うごとに自分から進んで働くことができるようになり、人の役に立つことでうれしさや喜びを感じ、自分自身が大きくなったと感じたなどの感想も述べております。次に、指導していただいた方との触れ合いが楽しかったとか、社会のルールやマナーの大切さが分かった、あるいはコミュニケーションの大切さを感じたがそれぞれ約七割と、社会性をはぐくむ良い機会となったのではないかなと、こういうふうにも思っております。具体的には、仕事では時間を守ることや言葉遣いなどで甘えは許されず社会の厳しい面を見たとか、あるいは、社会で生活をしていく上で大切なことは人間関係であり、それにはあいさつなど礼儀が大変重要であることが分かった、こういったふうな感想も述べております。続いて、記載のとおりの感想も述べておるところでございます。
 次、活動場所で生徒に直接指導等に携わっていただきました指導ボランティアの方々からは、このような感想があります。直接中学生にかかわり、素直な姿や可能性にあふれた姿を目にして、新聞などの情報から持つ中学生に対するイメージが変わり、地域の子供の育成に積極的にかかわっていこうという気持ちが持てたとか、緊張して何もできなかった生徒が自分たちの指導で短い期間で変わっていく様子から、自分たちが生徒の成長に役立てたという充実感があった、あるいは、中学生という新鮮な従業員ができたことで他の従業員にとっても良い刺激になって職場の活性化につながったと、こういったふうな報告も受けております。
 また、一週間同じ活動場所で行うということの効果についてであります。これは、原則同じ活動場所で五日間体験しておるんですが、この事業がスタートした当初、一部の市町では活動場所を何回か変えて実施していたというところがありましたけれども、これを比較したら次のようなことが分かったところであります。一日目、二日目はあいさつなどの職場に慣れるのに二日ぐらいかかります。三日目ぐらいから生活のリズムのようなものが出てきて、四日目、五日目で自分なりの創意工夫した活動ができるなどの成果が現れてきます。また、受入先の人々の職業に対する誇りとか苦労とか人生観などに触れる機会ともなって、やはり五日間同一体験を続けることが非常に大きな意義があると、こういうふうに言えると思います。赤い線が一週間同一体験をした方、青い線が複数体験をした生徒の状況を示しております。私にもできるんだという自己効力感は両者は余り差がありませんが、社会的な発達の領域におきましては、同一活動場所で継続体験した生徒に高い効果が見られております。
 次に、実施五年を経過いたしまして、五年目の検証委員会を十四年度に持ちました。この検証委員会の提言といたしまして、ここに記載をいたしておりますような事前指導、再点検の充実を図る必要があるとか、あるいは、一週間だけで終わるのではなくて、土日とか長期期間中なども続けて体験できるような日常化を図ってはどうか、あるいは、もっと子供の発達段階に応じた体系的な取組を展開する必要があると、こういったふうな意見もいただいております。検証をしたところでございます。
 次に、兵庫県は、この表に示しておりますように、児童生徒の発達段階に応じまして体験活動を体系化して取り組んでおります。まず、小学校では五泊六日の自然学校というのを、これは県下の全公立小学校の五年生を対象にして昭和六十三年度から実施いたしまして、本年で十八年目になっております。中学生では、先ほど申し上げましたトライやる・ウィークを実施いたしておりますが、先ほどの五年目の検証をきっかけにしまして、土曜日とか日曜日とか夏休み、何らかの形で子供たちが地域でこういったふうな活動が継続できるようないわゆる「トライやる」アクションという形で現在推進をしております。また、高校生は、このような小学校、中学校での体験を更に伸ばしていくということで、従前から実はクリエイティブ21という形でやっておったんですが、来年度から新たにこれらを拡充するということで、高校生の就業体験事業とか高校生の地域貢献事業に取り組むことといたしております。
 ちょっと時間が押しておるんですが、これにつきまして簡単に申し上げましたら、まず、高等学校での具体的な取組としまして、本年度、平成十七年度から全県立高等学校の二年生を対象にいたしまして、専門高校の場合は大体五日間程度、普通科高校の場合では大体三日間程度の高校生の就業体験事業を実施することといたしました。
 産業界などによります推進協議会を設置いたしまして、企業などでの職場実習とか、そこまではまだ実施は難しいと言われる、難しいとも思われる普通科高校では、場合によっては企業訪問あるいは私のしごと館などの職業体験施設等の活用なども含めて、何らかの形で就業体験事業という形で継続していきたいと思っております。
 またさらに、本年度から同じく全県立高等学校の一年生を主に対象としまして、年間、各学校五、六回程度、クラス単位によるボランティア活動とか、あるいは部活動等のグループ単位等による福祉活動等を行います高校生地域貢献事業を実施いたしまして、地域社会に対する参画意識など、地域を支える人材としての自覚と態度をはぐくんでいきたいと。この事業については「トライやる」ワークというふうに銘打って推進してまいりたいと考えております。
 このように、本県では子供たちの発達段階に応じまして、社会性や豊かな人間性を培うために、様々な体験活動を通して子供たちが自ら学び、考え、そして体得する教育に重点を置いてまいりました。
 今後とも、これらの体験活動の充実を図りまして、子供たちに豊かな心をはぐくむ心の教育、さらに子供たちの職業観、勤労観を培うキャリア教育を一層推進してまいりたいと思っております。
 時間がオーバーして失礼いたしました。
 以上でございます。
#8
○会長(広中和歌子君) ありがとうございました。
 それでは、次に中井参考人にお願いいたします。
#9
○参考人(中井政嗣君) お好み焼き専門店の千房の社長の中井政嗣と申します。よろしくお願いいたします。
 千房は現在全国展開しておりまして、国内が五十一か店、それから海外、ハワイですが、一か店ありまして、都合五十二か店ありますが、直営三十三店舗、従業員総数が四月一日現在六百六十六人、正社員が百五十四名、そしてアルバイト、フリーター、パートが五百十二名という、創業して丸三十一年になりました。
 私は奈良県生まれでして、貧しい農家の七人兄弟の四男に生まれました。実は、私は勉強が嫌いでした、それから当然学業成績も悪い、家が貧しいということで、中学を卒業して、そして奈良から大阪に出てまいりました。まだ十五歳なんですが、就職していくんですが、何度も何度も辞めたいという思いに駆られたことがありました。おふくろがいつも、政嗣、辛抱しなさい、今にきっと良くなるからって言うんですが、その年の十月に父が亡くなりました。本来、就職ですから、夢と希望を胸一杯描いてと思うんですが、それは学歴もなければ才能も能力もない、そんな者がどうして夢、希望を持てるわけがあるでしょうか、ありません。不安一杯だったんですが、今言いました父が亡くなったそのときに初めて自立という、そんな芽が芽生えました。
 目標、明確な独立という目標ができたわけなんですが、三十七歳、全国展開真っただ中のときに大阪府立桃谷高等学校に私は入学しました。通信制です。四年間レポートを出し、そしてまた月水金日、週四回スクーリングに通いながら無事四年目に卒業するんですけど、なぜ高校へ行ったのかと。おかげさまで私にも子供が男ばっかり三人おります。この子供が進学の時期になりました。残念ながら、失敗いたしました。そのときに担任の先生から、息子さんはお父さんの背中見て育っている、おやじ中卒でもああして元気に活躍している、学問なんて、学歴はどっちでもいいですけれども、学問は大事だって言うんですけれども、ああやっぱりおれの背中見て育ってたんか、であれば、私も高校に行こうと思いながら、無事卒業するんですが。
 いわゆる学歴は立派です、でも学力がない。あるいは、人の教育は徹底的にやられています、でも人を育てることができない。知識は確かに豊富だ、でも知恵、工夫が足らない。あるいは、体格は立派だ、でも体力がない。これ皆、何を意味するんだというのは、つまり体験、経験不足だということを改めて思います。
 今年も、新入社員二十九名、調理師専門学校に一年間、私どもでアルバイトをしながら住み込みで働く、そして学校に行く、この若者が七名、三十六名が入社しました。新入社員研修で、皆さん、入社されましたが、運が強いと思いますか、弱いと思いますかって聞いたら、九九%運が悪いと言いました。で、何でですかと。あなた方ね、就職、世界一の会社に入社できたんですよ、運が悪いんですかって言うんですが、つまり考え方が悲観的、また行動が消極的というようなことで、そうではないんだという、私の二時間の講義があります。それ終わった段階で一気に、最後にもう一回聞きますが、皆さん、運が強いと思いますか弱いと思いますかって聞いたら、これはもう一〇〇%運が強い、はい、そのつもりで頑張っていただきたいと思いますという話をするんですが、そこから約十日間ほど現場研修もあって、そしてそれぞれ全国の千房に配属されていくんですが、わずか十日間の間に若者が入ってきた当時とはもう全く様相が変わった。そういう姿を見ながら、人格が変わっていくんだな、環境によって変わっていくんだなということを思うんですが。
 全国から今年も体験学習ということで修学旅行生、中学の二年生、三年生が大半なんですが、現在、大阪は千日前道具屋筋商店街、ここで年間約二千人以上若者を、修学旅行生を体験学習として受け入れています。その中で私もお手伝いさせていただいているんですが、約二十分ぐらいそのセミナーを担当します。話が終わった途端に同行されている先生がまず感動されるんですね。子供たちが大変元気になりますし、また勇気が出てくる。その一つに、皆さん、目標を持っていますかって聞いたら、大半が別にって言うんですが、いや別にじゃないでしょうとかしつこく聞き過ぎると、超むかつくとか言ってむちゃくちゃなこと言うんですけれども。
 ともあれ、目標を持っていない。これは難しいわけでも何でもなくって、あなた、どこへ行くつもりですか、行き先なんですね。大学に行くのが、専門学校へ行くのが、こんなん目標と違います。つまり、海外旅行、国内旅行、準備が違うでしょう、パスポートの働きをしてくれるのかも分かりません。でも、要するに目標には二つ要ります。その一つは、大きな目標と小さな目標。しかも、目標がまだ見当たらない、行き先が分からないというのは、これは迷子です。迷子には三つの条件があります。一つは、行き先が分からへん、二つ目、現在地分からへん、三つ目、脱出するその方法が分からへんという。そのためには、そういった専門家の話がすごい大事なんですよ。あるいは先生の話、親の言うことを素直に聞きなさいという話をしたりするんですが。
 彼らを見ていて思うことというのは、今の若者、大変考え方が狭過ぎる。自分が見たもの、あるいは聞いた職業しか考えられない、あるいは気付かない。先ほど工藤参考人がお話しされている三万職の職種があるわけですね。けれども、中小企業なんか人材をやっぱり求めているんです。求めているんですが、でも社会保険であったり労働条件であったり週休二日制、あるいは週四十時間とか、制約されている部分がたくさんあります。だから、人件費を抑えなければという部分の中で、やっぱり欲しいんだけれどもいろいろ規制があり過ぎてなかなか採用しにくいという条件もありますが。
 ニートあるいはフリーター、何か聞いていたら、私もこの依頼があってニートと聞いたときに、えっ、ニート、何か格好いいな、瞬間に格好いいなという気になりました。いや、何の何の、実はこれは無職なんです。ですから、テレビなんか見ていたら、あなた職業何ですか、フリーター、何か自信持ってしゃべっています。おまえちゃうやんか、おまえ無職やんか。
 大阪でも、例えばホームレスというのがありますが、ホームレス、これは言ってみたら浮浪者なんですね。横文字出してくることによって何かそれが格好いいかのような、何か勘違いしているの違うのと思うんですが、何よりも大事なことは、憲法の国民の義務の一つ、労働の義務というのがあります。この労働の義務を果たさない、憲法を守らない、これの問題の方がよっぽど重要に考えてもらいたいなと。国会いろいろと忙しいことあるでしょうけれども、憲法を守らないのを放置しておくことほどばかなことはないと思います。よろしくお願いしたいと思います。
 仕事はしなくても衣食住が足りている、不自由しない。しかし、先ほどもお話出ていましたとおり、何かやらなければという意識はやっぱり持っているんです。でも、何かやりたいけれども見付からへん、あるいは相談する人がいない、人間って結構あこがれの部分から入っていることがたくさんあります。あこがれる人がそばにいない、身近にいない。先ほども言いました体験学習の中で、最後に、さて私の、社長の名刺欲しい人と言ったら、全員がちょうだいちょうだいって言うんですね。もちろん、喜んで差し上げるんですが、わずか三十分足らずの話の中で人間関係ができるんです。信頼、彼らはしてくれるんですね。
 そう思ったときに、さっきも言いました知識とかそういう専門的なこともあるんでしょうけれども、でも、今日お話ししているのは、皆さん方にお話ししているのはライブです、生です。どんな思いでしゃべっているのか、これを感じていただけただけで私は有り難いんですよって子供たちに話するんですが、それだけでも彼らの目は輝いてきます。それが私は何よりもうれしいんです。
 そんなことがあって、能力も才能も学歴も何もなかった、でもこうなっている事実があります。いろんな人にお世話になってきたな、おかげさんで社長をしています。権限持っています。であれば、そんな人たちにちょっとでも手を差し伸べてあげられたら、そんな思いで頑張っているわけなんですけれども、先生あるいは親、子供、親の言うことあるいは先生の言うことを聞かないでしょう、何でですか分かりますか。それはそうじゃないですか、言っていることとやっていることと違うからです。ですから、子供はちゃんと見ていますよ、いや、私も生身の人間だから、いやいや、生身の人間だったらこんな先生の職就いたら駄目です、普通の人ではないんですよという話をよくしたりするんですけれども、個性とか自由とか権利とか平等とか、マスコミの皆さん方何かすごい言い過ぎているような気もしますし、また嫌なことをさせることも大事です。
 私も、この道に入るまで嫌なことがたくさんありました。このお好み焼き専門店、私もコックをやっておった関係で、お好み焼き屋なんて嫌だ、食べるのは好きですけれども、嫌だ、格好悪い。でも、その格好悪い、その思いが今の千房をつくりました。つまり、私はオーナーです、社長です。ですら、お好み焼きを格好悪い、恥ずかしいと思っているから、そこに働く従業員はもっと恥ずかしい、格好悪い。であれば、格好いいお店をつくりたい、格好いい会社になりたい、それが今の千房をつくりました。
 外食産業という、学歴は問われません。学業成績も問われません。でも、人間性を問われるんですね。正に企業は人なり、人育てに始まって人育てに続いております。これは、ある意味では教育産業、しかも、ともに育つ教育産業やと私は思っています。人格を磨けば間違いなく人は伸びていきます。ですから、その基になっている部分が何よりも大事だということを思うんですが、今の若い人たちに花は何のために咲いていますかって聞いたら、十人のうち二人が勝手に咲いているって言います。それはないでしょうと思うんですが、相田みつをさんの詩にやっぱりあります。「うつくしいものを美しいと思えるあなたのこころがうつくしい」、花はただ咲いているだけ、花を見たその人の感性述べられているんですが、花は人間に感動、感激させてあげようと思って咲いているとは思いません。でも、山のてっぺんで、岩肌でぴっと隠れて咲いている一輪の草花を見たときに人間は感動、感激します。何でですか。そうです。命、一生懸命生きとるからです。人間もそうだと。だらだらだらだら生きている人間にだれが応援するんですか。能力があるなしにかかわらず、やっぱり一生懸命やっている人に人は応援すんねんなと。皆さん、昔はみんな頑張っていたんですよと。でも、今はチャンスだ。なぜならば、余りにも怠けもんが多い。だから、ちょっと頑張ったらやれるで。そんな話を子供たちに一生懸命していくんですが、子供たち目を輝かせて聞いてくれています。
 ゆとり教育ではなくて、ゆとりのある心を育てること、心が伴わない、知識だけで仕事をし、暮らしている人たちが世の中を良くすることはできません。正論でばんばんやっつけることはたやすいです。正論だからです。でも、間違うたらあかんよ、相手に感情残んで。我々リーダーたるものというのは感情のコントロールをすることが、管理をすることが何より大事だということ。
 終わります。時間になりました。ありがとうございました。
#10
○会長(広中和歌子君) どうもありがとうございました。
 以上で参考人からの意見聴取は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行いたいと思います。
 本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行いますので、質疑を希望される方は、挙手の上、会長の指名を待って着席のまま御発言くださるようお願い申し上げます。
 なお、午後四時ごろに質疑を終了する予定になっておりますので、一回当たりの質問時間は三分以内でお願いしたいと存じます。また、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますよう質疑、答弁とも簡潔に行っていただきますように、皆様方の御協力をお願い申し上げます。
 それでは、質疑のある方、挙手を願います。
 井上さん。
#11
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 各理事の御配慮で最初に質問させていただきまして、ありがとうございます。今日は四人の参考人の方、若者と接しておられる現場での本当に具体的なお話をいただきまして、ありがとうございます。
 つい数年前までフリーター、ニートという問題は、言葉自身もそうですが、専ら怠け者というような評価がされておりましたけれども、今これは社会全体の課題として取り組むべきやはり日本の未来が懸かった問題だということに急速になってきたし、そういう取組の先頭に皆さん立ってこられた、大変有意義なお話をいただいたと思います。
 厚生労働省も、この五月にいわゆる今年度中にフリーター二十万人減らすための国民会議というものも開くというようなことも報道をされていたように、教育、経済、労働、いろんな幅広い分野での取組が言われているわけですが、そこでまず工藤参考人にお聞きをするんですけれども、ニートの若者たちの生育過程のことを原因としてお話もありましたけれども、いったん職に就いてからできなくなるという若者がいることも玄田参考人からございました。この言わば雇う側の方の問題、この調査会でも、例えばここ十年ぐらいで見ますと、社内教育の費用などが非常に減らされているであるとか、いろんなことも指摘もされてきているわけですが、雇う側の問題として何が解決すべきことにあるのだろうかという点があればお願いをしたいと思います。
 それからもう一点、工藤参考人に、これも玄田参考人からも同じように出ましたけれども、若者を支援する若者への支援が非常に必要だということが言われました。そういうNPOがむしろ今減っているということも私は初めて聞いて大変驚いたんですが、じゃ、どういう支援が今皆さん方に求められているのか、具体的な点がありましたらお願いをしたいと思います。
 それから、玄田参考人にお聞きをいたします。
 いわゆる中高年ニートの問題ということをお話の中でありました。私も先日、四月の四日にUFJ総合研究所が増加する中高年フリーターという調査レポートを出したのを大変興味深く読んだんですが、十年後の二〇一一年には中高年フリーターが百三十二万人に増えると。この中にはニートという人たちも出てくるということがございました。単純に今の若者ニートが年齢が上がっていくだけの現象と見たらいいのか、この中高年ニート、フリーターという問題の原因と実態、それからその影響や対策についてどのようにお考えか、以上三点、お願いしたいと思います。
#12
○会長(広中和歌子君) それでは、まず工藤参考人、お願いいたします。
#13
○参考人(工藤啓君) 私個人としては、雇う側の企業さんも、私も一応経営者ですけれども、余り負担というのは、利益を生むのが基本的な目的なので、余りこう、もっと雇えとか、もっと給料上げろとかって言えないんですけれども、ただ、一度働いた人でそういうニート状態になってしまう方で非常に多いのはSEとプログラマーがとても多い。先ほど玄田先生からお話もありましたけれども、やっぱり体を壊す、心の問題、病にかかる方がとても多いので、そこに関してメンタルヘルスでもいいですし、何か企業の方で、雇う側の方でしていただけたらなと思いますけれども、じゃ、単純に会社内にカウンセラーを置いたときに本当に若い人が行くかといえば、その情報が人事に上がるのが怖いとか、なかなか難しい問題があって、活用してないんですね。
 先ほどもちょっと言いましたけれども、相談できる人が会社と家以外にないというのが一番の問題で、そういう人たちをどういうふうにつなげるのかが本当に大事であって、雇う側としてできることというのは彼らの心身の面を少しケアしてあげることかなと思います。
 若者を支援する若者を支援するためにどうすればいいかということはあるんですけれども、一つは、NPOで、若いと事業を起こしてもお金が借りられません。この前、お金借りるときに、僕の場合、連帯保証人を二人付けろと。本当は一人でいいんですけれども、一応二人付けてくれということで、いろいろあったりとか、実際、事業をやるのに幾ら幾ら必要なんだけれども、不安だからその八割だけ貸せますよという形で、正直、事業をやるときにお金が借りられないのが一点。
 もう一点は、政策意思決定とか、そういう少しレベルの高い話の場所、私も委員会入っても正直付いていけないときがたくさんあります。ドイツ語を片仮名で言われたりとか、中心を取るということをヘゲモニーって使われたときに、最初ヘゲモニーという言葉が分からなくてどうしたものかと思うこともありますし、視野が余りにも広くて自分が付いていけない、目線は、自分が付いていけないという思いはするんですけれども、やっぱりその先進国の状態を見ても若者支援の委員会には必ず三割ぐらい若い人が入っています。そういう意味で鍛えられたりとか、識者の方と人脈つくったりとかという、そういう出会いがどんどんどんどん支援者を育てていくと思いますので、お金の面というのもあるんですけれども、どちらかというと大人、若い支援者にしても大人と触れ合うチャンスをもっといただけたらと思います。
 以上です。
#14
○会長(広中和歌子君) それでは、玄田参考人、お願いいたします。
#15
○参考人(玄田有史君) 中高年のニートについてその実態と対策について御質問いただきました。
 中高年ニートが増えた原因は、これまたいろいろなので一概に言いにくいんですが、一つは、やはりいわゆるリストラの影響というのがあったと思います。様々な理由で前に働いていた会社を離れる、しかし年齢が四十代、場合によっては五十代近くなってきますと当然再就職は非常に難しい。先ほど、若者が新卒採用の中でも落ちて落ちて落ちまくってニートになる。同じように、場合によっては中年の方がもっと再就職が非常に難しい中で、ああもう職探しをしても駄目なんだというふうなあきらめになっているケースというのはやはり少なからずあると思います。
 そういう面では、中高年ニート対策というのはもしかしたら今回非常に話題になる二〇〇七年問題と言われるような団塊の世代の再就職も含めて、やはり実は、中高年の場合の再就職には資格とか専門性が強調されますけれども、実は先ほど中井さんがおっしゃったように、迷路に迷っているのは中高年も同じであります。今、自分が何を目指せばいいのか、自分がどこにいるのか、どうやったら抜け出せるのか、そういう情報が時にはなかったりします。そういう面では、こういう就職とか将来の進路について相談ができるような相手というのを若年のみならず中高年にも増やしていくというのは、大変大切な対策になるだろうと思っています。
 ただ、一方で、中年ニートの場合には実際にはそういうリストラの影響ではなくて、若者ニートが中年になったケースというのは少なくないと思います。もっと言えば、いわゆる社会的引きこもりと言われる方々の高齢化という現象もその中には当然あります。そうなった場合には、やはり先ほど生活保護の話を若干しましたけれども、今後数年間のうちに大変大きな問題になろうかと思っています。今はまだ親御さんが御健在で家族の経済的な支えを得ているわけですけれども、先ほどニートの家計は決して豊かな場合ばかりではないとお話ししました。今後、親と死別した場合には正に生きていくということが大変困難になる可能性が出てきます。
 そういう意味では、生活保護の在り方について、自立を支援する、就労を支援するようなタイプの生活保護とは具体的にどういう姿なのかということを、様々な方面の知恵、生活保護のエキスパート、就労支援のエキスパート、また心理面のエキスパート、それぞれがつくり上げていく、連携してつくり上げていくということがこれからは大変重要な対策になろうかと思っています。
 そういう面では、中年のニートの問題というのはまだまだ原因が分からない部分もたくさんありますけれども、心理面のケア、また、実際にもう生きていけなくなる、さっき憲法の話が出ましたけど、基本的な人権からして生存権が危ぶまれるようなケースがもうすぐそこまで来ているんだというふうな危機意識を持って、先ほどの話と共通しますが、福祉対策、就業対策をもっと連携させて具体的な支援策というのを考えていく段階に来ていると思っております。
#16
○会長(広中和歌子君) どうもありがとうございました。
 それでは、岡田広さん。
#17
○岡田広君 自民党の岡田広です。
 今、井上さんからも質問にありましたように、国民会議が設置をされまして、フリーター二十万人削減するという、そういう目標を立てて本格的に取り組むことになりまして、これはしっかりとやってもらいたいと思うんですけれども。
 先ほど中井参考人からお話がありまして、労働の義務を果たさないというお話がありましたけれども、正に中井さんはでっち奉公からスタートして今日をつくられたと。本当に夢を持って歩んできたんだろうと思います。
 これに対して、今、工藤参考人にまずお尋ねしたいんですが、この夢を持たせる、若い人たちに夢を持たせるという、やっぱり一番これ大事なことなんだろうと思うんですが、生きがい、夢、目標を持たせる、そういう中で、やっぱりコミュニケーションづくりというのが大事なことだろうと思うんですが、夢を持たせながらコミュニケーションづくりをする、そんな環境をつくるためにはどんなふうな政策がいいのか、どういうやり方がいいのか、ちょっとこれ、もし、参考までにお尋ねをしたいと思います。
 正に人間は、よく三つの錬磨と言いますけれども、人上錬磨という、人の上に、添って磨かれる、あるいは事上錬磨という、これ仕事の上で磨かれる、もう一つは書上錬磨という、物を書いたり読んだりして磨かれると、よく三つの錬磨という言葉が出ますが、正に労働義務を果たさない、仕事をしないということになったら、果たして将来に対する夢、目的、どうなんだろうか。これ、いろんなフリーター、ニートが増えるということは、もう少子化、年金あるいは経済全体にも影響をしていくと、いろんな影響があります。
 そういう中で、一方では、公共団体ですけれども、よく地方公共団体、外郭団体というのを、組織をつくりまして、そこに役職者は三年ぐらい定年になったら配置になる。しかし、新しい再任用ということで、役職に付かなくても三年間は働きたければ、再任用という制度ができました。これはこれで一つ年金対策と、いろんな高齢者対策でいいと思うんですが、そうすると、正に地方公共団体はアルバイトやパートの人たちを何人も雇っていますが、そういうところにも幾らかずつ影響してくるんだろうと、そういうふうに思うわけです。そしてまた、今市町村合併も進んでいますんで、そういう中で特に合併が進むと、今年や来年の卒業生というのは本当に一番大変だなと思うんですが、公共団体に入りたくてもなかなか採用が合併の関係でないというのも今現状であります。そういう中で、雇用環境を広げていくというのが正に一番大事なことなんですけれども。
 そこで、これは玄田参考人さんにお尋ねしたいんですが、先ほど今、中高年のニートの話出ましたけれども、この人たちにもやっぱり目標を持たせないと、やっぱり日本の今経済社会環境は自殺なんかも増えています、そういう中で生きがい対策という意味ではとてもこれ残念だなと思うんですが、この目標を持たせるという意味ではどういうことをしたらいいのか、これをお尋ねしたいと思います。
 それから、杉本参考人には、高校生の地域貢献事業の成果とか、今トライやる・ウィークというお話をいただきましたけれども、そういう中で、正に私は、小学校から、子供たちのときからボランティア活動をさせるべきだという考え方を持っているんですけれども、ボランティア活動をすることによってやっぱり地域社会に貢献する、正にこれは教育というのが一番大事なんだろうと思うんですが、そういう点からこの成果がどうなっているのか、これを一つお尋ねしたいと思いますし、ボランティア活動をこれから公共団体や企業の就職の試験の一つの、何ですか、この点数加える中に入れたら私はいいんじゃないかという考え方を持っているんですが、こういう点についても兵庫県の取組をお聞かせをいただきたいと思っています。
 中井参考人には、最後に、若い人に要求するもの、期待するもの、何かありましたら、またそれをお尋ねしたいと思います。
#18
○会長(広中和歌子君) それでは、順番に、まず工藤参考人、お願いします。
#19
○参考人(工藤啓君) まずは、義務を果たさないという言葉ですけれども、僕は義務を果たせないという言葉を使いたいと思います。思っていてもいいですけど、ここに集まっている方々が例えばテレビを通して言ってしまうと、果たせなくて苦しんでいる人が果たさない扱いをされてもっと苦しくなるので、うそでもいいですから、果たせないという言葉を使ってもらった方がうれしいかなと。
 夢を持たせながらコミュニケーションづくりって、すごく難しいんですけど、僕は人との出会いしかないと思います。ただ、市町村レベルで若い人たちに対してトライやる・ウィークみたいなのはすごくいいと思うんですけど、うちの場合、東京で事業をやっているに当たって、今数十名来ているんですけど、東京の人間がほとんどいません。というのも、自分たちがもう一度やり直すときに自分の地元でやり直すというのは物すごい心理的な負担がある。同級生に会うかもしれない、もしかしたら初恋の女性に見られるかもしれない、もしかしたら親の知り合いに見られるかもしれない。そういう意味で、地域の枠を超えて支援体制をつくらなければ、どんなに大人とのかかわり合いというものを、その場を提供しても、彼らはなかなか一歩踏み出せないんではないかと思います。
 玄田有史先生がよく本でウイークタイズという言葉を使っています。フリーターに関して言うと、フリーターの子というのはいつもフリーターで固まって、同じ洋服着て、同じ仕事して、同じテレビ見て、同じ関係で楽しくやっているんですけれども、五人のフリーターが集まる中で、五人の中で一番足の遅い子というのは彼らの世界でいうと世界で一番足の遅い子であって、もしかしたら、千人の人と触れ合ったら、千人のうち五番目に足が速いかもしれないにもかかわらず、人との出会いがないことによって絶えず劣等感を抱えてしまう。それは別に足の速さだけじゃなくてもいいんですけれども、自分の特徴が出ない環境、狭い環境にいるというのが挙げられると思います。
 あと、最後ですけど、夢を持たせるという問題ですが、僕は必ずしも仕事に夢を求めなくてもいいかと思うんですけれども、何となく社会は、仕事にやりがいとか、仕事に生きがいとか、仕事に夢というものがすごく多い。
 ただ、自分の何かしらの夢を持たせるために仕事を取りあえずするというような、そういう働き方もありだなというのが一つあった方がいいと思いますし、何となく仕事と夢がイコールじゃないといけないということによってとても心理的につらくなる子というのが増えているなというのを思いますので、そういう社会的なメッセージを出していただける方を少しピックアップして、大臣にでもしてですね、若者受けするようなコメンテーターをつくるというのもいいかなと思います。
 以上です。
#20
○会長(広中和歌子君) それでは、玄田参考人、お願いします。
#21
○参考人(玄田有史君) 目標を持つためにはどういう働き掛けが必要か、工藤さんと重複するところも多いんですが、一言で言えば、やはり体験だろうと思います。
 逆説的になりますが、余り目標がなくても、夢がなくても、ちゃんと生きていけるんだというふうなことを実感してもらうというのは、実は若者、中高年も含めて大事だろうと思っています。夢がないと駄目なんだ、目標がないと駄目なんだと思い過ぎると働けません。実際、大部分の人は毎日そんな夢とか大きな目標を持って働いているわけじゃない。
 ただ、私が若い方を対象とした講演をするときには、必ず言うのは、働ける、ちゃんとありがとうだけ言っておけばちゃんと働けると。今、日ごろ言っていることを、一・五倍ありがとうとちゃんと伝える練習ができれば必ず働けると言います。もし若者に目標を持たせるとすれば、本当のことを伝えてほしい、本当のことを伝えられる大人を、もっと社会で発言の機会ができればいいと思っています。
 先ほど工藤さんに、御質問にもありましたが、私は、ちょっと若者を、極端に言えばだましていると思います。若者は社会ですぐ通用する人材じゃなければ働けないと思っている節があります。資格を持っていたり英語力ができないとこれからは生きていけないと思っている節があります。そんなもの必要ありません。私が調べた限りでは、いい会社というのは、先ほどの中井さんのように、人を育てる会社です。それは、社会ですぐ通用する即戦力なんて言っている会社よりも、ちゃんと一人前にする、どこに出しても恥ずかしくない人間にするということを実感としてちゃんと感ずる会社がやっぱり成長しているし、人を育てていると思います。そういう発言がちゃんとみんなが聞ける場が欲しいと思います。
 場合によっては、夢とか目標とは若干違うと思いますけれども、失敗してしまった人の発言を聞く機会も大事だと思っています。これはいろいろ意見もあろうかと思いますが、例えば中学生とか、時には小学生ぐらいに、いろんな理由で刑務所に入ってしまった人がなぜそういう過ちを犯したのか、そういう本当のことを聞く機会があっても本当はいいんではないかと思います。それが実際には立ち直りのきっかけになるようなこともあるというふうな話もアメリカでは聞いたことがあります。もっと本当のことを伝える機会というのがあって初めて、ああ、自分にもこういうことができるんだと思えると思います。
 先ほどウイークタイズの話がありました。これはどういうものかともう少しだけ補足させていただくと、転職に成功する人、また独立に成功する人は決まって、たまにしか会わないぐらいなんだけれども、たまに会うと物すごく信頼して話ができる、そんな友人や知人を持っているものだと。ウイークとは弱いという意味です。弱いつながり、そういう弱いけれども信頼でつながった人間関係を持っている人は、そこから、ああ、これだったら自分でもできるかもしれないとか、ああ、これは自分でもやってみようと、そういうヒントを得るもので、いつも常に会う友達もとても大事だけれども、自分の本当の目標を持つためには自分とちょっと違う世界に生きる人間と付き合う、そんな環境をつくることが必要だと思います。
 そういう意味では、今世代対立の話題がたくさんあるんですが、実は若者と中高年、時には高齢者が、そこにいるだけでいい、いて、話が通じなくてもいい、通じない中でも、ああ、自分でもあいさつさえできれば生きていけるとか、日ごろ通じないけれども、ある一瞬だけ、ああいうことだったのかと分かる瞬間がきっとあるはずで、そういう世代や価値観や環境を超えていろんな人が出会える場をつくるというのが本当は大切だと思います。
 そういう意味では、中年ニート対策で本当に必要なのは遊びです。仕事と家庭と本気で遊べる三つ目の居場所、そこで日ごろの仕事や家庭とは違う人たちと出会う環境をつくるというのはとても大切で、そういう意味で、NPOとか地域の活動がどうして必要かというと、それは個人がいろんな目標を持つ、そんな必然的な偶然を得るチャンスというのが、日ごろ会わない人間関係と出会う場所をつくる。これをそれこそ国家戦略として本来は考える状況に来ているんではないかと、そんなことを思います。
#22
○会長(広中和歌子君) ありがとうございました。
 それでは、杉本参考人。
#23
○参考人(杉本健三君) 子供たちの地域貢献あるいはボランティアといったふうなことにつきまして、少し、取り組んだり感じておることをお話しさせていただきます。
 やはり私自身は、あの阪神・淡路の大震災のときに私も神戸にいたんですけれども、本当にたくさんの方がボランティアとして一杯来ていただいた。それを本当に毎日毎日目の当たりにする中で、私自身も個人的にはこのボランティアということの大切さといいますか、有り難さを実感して、それはきっと兵庫県だけではないと思うんですが、それを見ておられた、テレビで見ておられた全国の方も、本当にボランティアということの、本当に大事だと、有り難いといったふうなことを本当に感じられたと僕自身も思っております。
 そういう中で、例えば昨年の秋、台風二十三号が兵庫県を直撃いたしました。但馬とか北播磨、淡路島、大きな被害を受けたんですが、兵庫県の、特に高校生が非常にたくさん、グループごとに、あるいは場合によってはバスに乗ってボランティアに出掛けていく、学校の先生方もたくさんもうボランティアに出掛けていくと、こういったふうなことがありまして、やっぱり震災で大変な被害があったけれども、そういったふうな意味で兵庫県に大きな教訓を残していただいたなということは実感をいたしました。そういったふうな中で、きっと兵庫の子供たちはそういったふうなものを実感する中で地域との結び付きの大切さは感じておると思います。
 とりわけ、トライやる・ウィークの中で、先ほど申し上げましたように、地域の大人の方々と交わるといったふうなことの中で、最近は、特に昨年度から、先ほど申し上げましたように、「トライやる」アクションという形で、「トライやる」の一週間だけではなくて、何らかの形で地域とのつながりをやっていこうという形で、特に、例えば祭りとかあるいは地域のクリーン作戦とか、こういったふうな形で継続的にやっていこうというふうな機運も出てきております。さっき申し上げましたように、さらに高等学校でも何らかの形でそれを継続して、そして地域で、地域のことに積極的に参画できるような子供たちをはぐくんでいきたいなと。十分答弁になっておりませんけれども、そのように思っております。
#24
○会長(広中和歌子君) ありがとうございました。
 それでは、中井参考人、お願いいたします。
#25
○参考人(中井政嗣君) 明るい返事に暗い話は似合いません。暗い返事に暗い話がよく似合います。明るい返事をする店長と暗い返事をする店長、離職率が違うんですね。まさか辞めていく社員が店長に向かって、店長、今月一杯で辞めさせていただきます、そんな生き生きと、はつらつとした言い方はしません。ぼそぼそと言うんですが、店長、ちょっと話があるんですがと。暗い返事をする店長、察しますから、何、と受けてしまうんですね。今月一杯でと言いやすい。でも、明るい返事をする店長は違います。店長、ちょっと話がある言うたら、はい、何ですかと言ったときに、もうそういう話がしにくくなる。そのことって非常に大事。つまり、トップの、夢、ロマン、持っているか持っていないかによって部下がもう全く違いますね。
 と同時に、ちょっと余談ですけれども、私の身内にも障害者がおるんですが、一〇〇%の障害者はおりません。目が見えなくても足が動く、耳が聞こえる。あるいは反対に、一〇〇%の健常者もおりません。目が見えるのにすぐ目つむってうつむく。耳聞こえるのに耳日曜。しゃべれるのにしゃべれへん。足、手、動くのに止まると、いろいろあるんですが、つまり、社会というところは、障害者だから哀れみの目で見ることではなくて、つまり、お互いに欠けているものを補い合うのが私は社会やと思っています。
 いろんなところへ行きましたら、行政が立派な会館建ててられます。バリアフリーであったり、あるいは点字をあちこちに付けられたり、大変な金使っておられます。聞くんですね。障害者の方一人で、盲目の方一人で来られることありますか。ありません。あるいは、足の動かない方一人で来られることありませんか。ないんですね。コミュニケーションとかいうのは、つまり、そういう不便なものを、周りから手を差し伸べることが僕はコミュニケーションやと思っています。ですから、何もかも、あんた一人で何もかも行動取れますよということが何かちゃんとやっているかのように見えていますけれども、そのことは大変水臭いことをしている。不便だからこそ、その周りにいてる人が手を差し伸べてあげられる環境が僕はすごい大事やなと思っています。人に世話になってきました。世話になった有り難さよく知っています。ですから、人に世話してあげること、ああ、もっとうれしいなと今私思えるんですけれども。
 感動とか感激とか、こういう感動、感激できる人というのは基本的には素直な人です。素直だからまた感動、感激するんですが、大変、今若者は冷めています。白けています。少々のことでは感動、感激しないという。もっと汗かかさなあかんなと改めて思うんですが。
 答弁になっているかどうか分かりません。以上です。
#26
○会長(広中和歌子君) ありがとうございました。
 それでは、広田一さん。
#27
○広田一君 民主党・新緑風会の広田一でございます。どうかよろしくお願いします。
 本日は四人の参考人の方々、誠にありがとうございます。示唆に富むお話をいただきまして、大変参考になっておるところでございます。
   〔会長退席、理事辻泰弘君着席〕
 まず、工藤参考人の方にお伺いをしたいと思います。
 このニートの件に対して、冒頭のお話の中で、親、特に母親の役割が大きいということをお話の中で感じました。そういった中で、工藤さんのところでは保護者用向けの若者就労セミナーというものも何か取り組まれているというふうに聞いておるんですけれども、ここでの、このセミナーをやることによる効果と、そして課題というふうに感じられていることがあれば教えていただきたいというふうに思います。
 あわせて、行政というか、公のところとして、いろんな相談のこういった親たちの窓口づくりも重要ではないかなというふうに思うんですけれども、今現状でどういったところが足りないのかということをお示しをいただければなと思います。
 そうした中で、何か父親が全くこのニートの件では姿を見せないような感じがしましたけれども、ある意味で、逆に言えば、父親の役割というものはひょっとすればこのニートの問題では大きなものがあるかもしれないとは思うんですが、いろいろな現場で携わる中で、どうして父親が出てこないのか、そして父親に求める役割というものについて御感想があれば教えていただきたいというふうに思います。
 次に、玄田参考人の方にお伺いをしたいというふうに思いますが、なぜニートが増えると問題なのかという、その答えの一つに、そのことによって失業者とか社会保護が大量に発生して、将来の社会保障費が大きくなるんだというふうなことを指摘がございます。
 私も、確かにこれは問題かなというふうに思うんですけれども、それだけではないと。先ほどの参考人の分析、なぜこうニートが増えてきたのかということの中で、不況、教育、コミュニケーション不足というふうな三つのことを挙げられると。これ逆に言えば、だれもがニートになるかもしれないという非常に深刻な問題を抱えていますし、あわせて、家計が苦しい家庭の方がニートの割合が多いというふうなお話を聞くにつけ、この件の深刻さというものも改めて感じたわけなんですけれども、こういったことを踏まえたときに、今後のニートに対して、まあ優先順位を付けるといったらおかしいんですけれども、一方でこの失業問題というのも大変重要な問題であると思うんですが、これからの労働、雇用というものを考えたときに、このニート問題の解決策、そして失業問題、これ、どちらを今社会として優先して取り組むべき課題と思われているのか、教えていただきたいと思います。
 そして、杉本参考人の方には、「トライやる」、非常に今大変効果のある取組だということを教えていただきました。そうした中で、ちょっと私自身も聞き漏らしていたかもしれないんですけれども、特に不登校とか引きこもりの生徒さんに対してどういったアプローチをされているのか、その結果どう子供たちは変わったのか、このことについて教えていただければなと思います。
 ただ、一方で、その感想なんですけれども、お話聞いていて、何か生徒が変わるというよりか、何か生徒の良さがこのことによって引き出されているんじゃないかというものも強く感じましたんで、特にその不登校の生徒たちがそのことによってどういった彼らの良さが引き出されてきたのかという具体例がございましたら教えていただきたいなというふうに思います。
 最後に、中井参考人の方にお伺いしたいんですが、私も、個人的なことで申し訳ないんですけれども、暑い選挙中に千房のお好み焼きを食べて厳しい選挙戦を戦ってきたわけでございますけれども、どうもありがとうございました。
 それはさておいて、先ほどの工藤参考人のところでもちょっとお聞きしたんですが、中井参考人自身も、親の背中を見て育つというふうなことをおっしゃられました。そのことによって自分も三十を過ぎてから高校に通われたとか、また、お店を全国展開するときに、お母さんにこんな自分になると思っているのかというふうに聞いたら、お母さんが、いや、本当に中井参考人はこんな人物になるとは思わなかったということで、何か身近な者であっても人の成長はなかなか予測できないというふうなことも何か書かれているようなんですけれども、そういった中で、そういうお話を聞くにつけ、人づくりというのは大変奥が深いなというふうに思うわけなんですが、そういう状態の中で、中井参考人自身、トイレの掃除というものを非常に注目されているというふうに聞いているんですが、トイレを磨いて心を磨こうということであると思うんですけれども、この効果とか、これからの人づくりに対して、そして冒頭の質問に返るんですけれども、親の果たすこのニート問題における役割についてお話をいただければなと思います。
 以上です。
#28
○理事(辻泰弘君) では、まず工藤参考人からお願いいたします。
#29
○参考人(工藤啓君) 父親の方がなかなか現れないのは、参考ですけれども、労働政策研修・研究機構の小杉先生が「フリーターとニート」という本でニートの年齢別の割合を出しています。十五歳から十九歳が三〇%、二十から二十四歳が二〇%、二十五歳から二十九歳が二〇%、三十歳から三十四歳が二〇%です。ただ、相談を現場で受けるに当たって、この年齢層が、相談に来る当事者の若者に全然会わない、十五歳から十九歳は五%以下です。二十歳から二十四歳が三割ぐらい、二十五歳から二十九歳の相談が五〇%、三十歳から三十四歳が一五%、三十五歳から四十五歳までが五%ぐらい。二十五歳から二十九歳が多いという理由はあるんですけれども、単純にお父さんの年齢を考えると五十歳から五十五歳で一番忙しいんじゃないかと。来れないというのがもしかしたらあるんじゃないのかなと一つ思っていますし、世代的にまだお母さんが働いてらっしゃるというのは少ないです。男女共同参画とかあるんでしょうけれども、世代的のものだと思いますが、お母さんの方が専業というパターンが多いです。
 保護者向けの若者セミナーというのは、基本的にはニートとか引きこもりとかそういう家庭って家庭ごとニートだったりする。余り外側の付き合いがなかったりとかして、自分たちが子供のことについて相談する知り合いを持ってないという場合があります。お母さん、三百六十五日、例えば二十歳の男の子がニートで三百六十五日家にいたら外にも遊びに行けませんし、だれかに相談することもできません。すごく心理的なプレッシャーを感じて苦しい状況になっているときあるんですけれども、親向けのセミナーの一つの役割は保護者同士が仲間をつくること、そして相談できる相手をつくることが一つです。
 母親と父親の役割って、講演とかでよく出すんですけれども、父親の役割っていうのは意外と前面に出てはいけないというのがありまして、なぜかというと、不登校でもニートでも引きこもりでも兄弟でそういう状態に陥る率がとても高い。なぜかというと、本人に対して母親と父親が二人とも一生懸命になることによって、ほかの兄弟がすねる。何で、お兄さんはああなのに私は全然構ってもらえないんだ、一生懸命頑張っているのにみたいに。それで、お父さんの役割というのは、お母さんのガス抜きとほかの兄弟へのケアというのは基本的に決まっています。ただ、仕事について考え出したりとかちょっと体験で仕事をしてみたときに、お酒でも飲みながらしゃべれるのは父親で、そこで案外父親と仲良くなったりというのはあるんですけれども。
 公的な窓口というお話がありましたが、私も行政との連携でいろいろやったんですけれども、何でわざわざ民間で保護者向けの相談窓口をつくるか。公的な機関は一民間団体を紹介できません。責任の問題があるからです。そうすると、僕らとしては適材適所で、あそこの民間団体かもしれないし、あそこの行政を紹介したいと思うかもしれない。僕らが紹介するのは自由なんですけれども、行政窓口で一民間団体を責任を持って紹介するということは恐らく難しいと思います。
 そういう意味で、行政の方がやってくれれば一番お金も掛からなくていいんですけれども、行政の方が、例えば民間団体に一任しているから、あそこの紹介したところは民間団体が紹介したところというような形でお仕事を受けたりとかできた方が、本来必要な支援を求めている人に対して必要なところを紹介しやすいんじゃないかと思っています。
 以上です。
#30
○理事(辻泰弘君) では、玄田参考人、お願いします。
#31
○参考人(玄田有史君) ニートの問題と失業問題のどちらを優先的に取り組むべきかというふうな御質問いただきました。
 大変難しい御質問なんですが、あえて一言でお答えするとすればこういうことになろうかと思います。もし経済を優先するのであれば、恐らく失業対策を優先させるべきであろうと。ただ、社会問題として考えるとすればニート対策が優先されるべき。別の言い方をすれば、成長ということを考えると失業対策がまず最優先されるべきだけれども、安心ということを考えるとニート対策ではないかと。
 それはこういうことです。失業者になる人はニートと比べると比較的高等教育を受けている人が多いです。それだけ過去に教育水準を、教育投資をしっかりしています。こういう人が働かないというのは大変損失が大きいです。また、ニートに比べると失業者は過去に就業していていろんな経験を持っています。逆に言えば、ニートは時には本当に一から教えていかないといけないときがあります。こういう潜在的な成長性とか経済力、能力を持っているという面でいくと、失業者がこれだけ多いというのはやっぱり大変な社会問題だろうと。数からしてもやっぱりニートに比べれば失業者が多いものですから、そういう面では失業対策というのは、決して重要性が低下しているわけではなく、これからの経済の成長ということを考えていくと大変重要だと思うわけです。
 ただ、一方でニートの家庭は、先ほどお話ししたような比較的経済的に恵まれないケースが多い。また学歴的にも、高校卒のみならず、高校中退とか中学卒の人たちもそれはびっくりするぐらい多い。よくセーフティーネットという議論が出てきますが、もしかしたら社会のセーフティーネットというのは、ニートにいったんなってしまった人でも社会にもう一度入り直せるような環境をつくるとすると、先ほど正に広田先生おっしゃったように、だれでもニートになり得る可能性がある。ニートの話をすると、若者はみんな決まって自分と実は紙一重だって言います。みんな人付き合いが苦しくて、目標が持てずにやりたいことが見付からないって言います。こういういったんニートになった若者に対しても、またなりそうな若者に対しても、ああ、自分でも何とかなるんだ、そういう安心を与えることができるとするならば、やっぱりニート対策というのは、単に既に現状ニートになっている若者のみならず、社会全体に本当に安心を与えることになろうと思うんです。
 そういう面では、実は私は思うのは、ニート対策と言うのは良くないのかもしれないと。失業には失業対策というのは必要なんですが、ニートはニート祭りぐらいで本当にいいんじゃないかと思っています。つまり、ニートの問題を考えるときには、社会がもっと楽しいものだよって、そういう、ここに、みけんにしわ寄せるんではなくて、こっちにおいでよって、そういう大人が本当に若者たちを巻き込んでいくようなわくわくするもの。実際、ニートを支援している団体のお話を聞くと、しんどいけど、やっぱり楽しそうです。やっぱり若者たちが顔が変わっていく。トライやる・ウィークのように一週間大人と交わることによって、本当に若者は顔がびっくりするぐらい変わっていきます。小さな自信を身に付けていきます。そのために大人がちゃんと子供たちの目線で、しかるべき部分はしかる、また褒める、言葉で褒めたり目で褒めたり、そういう体験をする、そんな広いお祭りになっていけば社会は変わっていくし、本当にニートに考えなきゃいけないのはそこだと思っています。
 だから、私は、ニートに関して本当に一番必要な、そして簡単にニート対策になるものがあると思っています。それは、トライやる・ウィークのようなことを十一月の第二週、全国で一斉にやることです。全国で一斉に十一月の第二週、月曜日から金曜日まで、みんなが若者と大人が本気で向かい合う一週間にして、日ごろ街角や電車で注意できない若者たちも、今週は「トライやる」の週だろうって大人が本気で怒るような、そういうお祭りになれば必ず変わります。
 中井さんのような本当に若者たちのことを真剣に考える大人は、私は全国に少なからずいると思います。そういう人たちを一つのお祭りに巻き込んでいって、ああ、社会に出ていくというのはそんなに考え過ぎなくてもいいんだって、自分でも何とかなるんだって、そう感じられる、みんなが笑ってニート対策をできないと、おっしゃったように、社会保障制度が維持できなくなるからとか労働力不足が深刻化するから、だからニート対策をやるんだといって、そうか、労働力不足になるから僕は働こうというニートはいません。
 ニートに関しては、本当にいい意味でのおせっかいをちょっとしたお祭りとしてやるぐらいの、そんな気楽さを持ってみんなを巻き込んでいくことが一番大切で、そういう面では失業対策とニート対策というのは両方必要だけれども、やり方とか目指すものが違うんだろうと、そういうふうに思っています。
#32
○理事(辻泰弘君) では、杉本参考人、お願いします。
#33
○参考人(杉本健三君) 先ほども少し申し上げましたけれども、トライやる・ウィークをやる前にそれぞれの学校でかなり入念に事前指導をいたしております。もう中学二年生になれば、私たち「トライやる」に行くんだということはもちろん十分に知っておるわけですけれども、学校で、どんなことをやるのか、どんな意味があるんだろうな、どんなところへ行きたいといったふうな事前指導を十分にやる。そして、場合によっては企業の方に学校の方に直接来ていただいて、事前に仕事等についての話をしていただいておる学校もたくさんあります。
   〔理事辻泰弘君退席、会長着席〕
 そこで、今御質問がありました不登校の生徒でありますけれども、不登校の生徒に対しましても、それぞれ学級担任の先生が、学校へ出てこれない子には何回も家庭訪問をして「トライやる」についての話をして、どんなことしたい、どんなところへ行けそうとかいったふうな話をする中で、あの子と一緒のところへ行きたいとか、あるいは僕一人だけでやりたいとかいろんな子供がいるんですが、場合によっては、そのお子さんがやりたいこと、たった一人であっても活動場所を探し出してきて、そしてあてがうといったふうなこともある中で、先ほど申し上げましたように、不登校ぎみの生徒のうちの三分の二ぐらいは「トライやる」に参加をしておりまして、そのうちの七〇%ぐらいは五日間丸々出席しておるといったふうな状況があります。
 なぜこのようになるのか。先ほど、先生が生徒の良さが引き出されたのかといったふうなお話もございましたけれども、具体的には、子供たち、学校へは不登校なんだけれども、学校と違うところに行ったら、そこには友達もいないし先生もいないし、学校でもない、やることも違うということで、結構踏み込みやすい雰囲気があるようでございます。さっきも少し申し上げたんですけれども、そういう中で何か自分もできるということで、今までになかった自分の良さというか、自分が知らなかった新しい自分といいましょうか、自分の心の居場所を見付けたり、場合によっては職場の人と何か話ができる、新しい人間関係ができたり、こんなふうな形で、その後、よりそれが広がっていって学校へも来れるようになるような生徒がかなり出てきておることは事実でございます。
 実は、本県では、不登校生徒が何とか元気を出すための施設、やまびこの郷というのをつくっておるんですが、そこでは一週間保護者の方と一緒に泊まり込んでいろんな体験をするんですけれども、そこにおいてもやはり不登校の子供を、新しい人との出会い、自然との出会いの中で何か体験すると、そういったふうな中で新しい自分を発見するきっかけになっておりますので、「トライやる」はそういうふうな一面もあるのかなと、そういったふうな効果もあるのかなと、こういうふうに思っております。
 以上でございます。
#34
○会長(広中和歌子君) ありがとうございました。
 それでは、中井参考人、お願いいたします。
#35
○参考人(中井政嗣君) マザー・テレサさんが何か、愛の反対何ですかって言われたときに、憎しみですか、いや、もっときついです、愛の反対、つまり無関心だという。関心を持つというのは、これは愛なんですね。子供は大変愛に飢えています。これは大人が子供に無関心。あるいは大人も愛に飢えています。子供が大人に無関心。つまり関心を、お互いに関心を、興味を持たなければ何をしても面白いことも何ともありません。
 二十四時間、我々の従業員そうなんですが、二十四時間ありますが、労働時間わずか八時間。十六時間何しているの、これが分からなければ人を育てることができません。家庭環境であるとか、子供がやっぱり不登校であったり、あるいは親がサラ金地獄に陥ったりという相談を受けたりします。子供の問題、そういった親の問題に関しては、何よりも優先してそれに解決してもらいたいということで対応しておるんですけれども。
 私どもの経営理念の中にファミリーの心という、採用したら家族なんだ。ですから、店長が、この人間ができが悪いんで首にしたいというのがありました、以前にはありましたが。でも家族なんだ、できが悪いからいうて首絞めて殺すんか、であれば最初から採用するなと言うんですが、事情はよく分かった、だけど社訓の中、経営理念の中に何書いている、ファミリーの心。つまり、あれはだてや体裁で書いているのではない、あれは実行してこそ初めて光り輝くものだ。だから、君の言うことはよく分かったんで首にしてもよろしい、その代わりに、ファミリーの心、これを抹消しなさい、ありとあらゆるもの、抹消しなければなりません。もちろんできなかったんですが、その辞めにしたいというその社員は後々に幹部になって、しかも今現在独立しております。いまだに彼には、おまえは首になり掛かった男なんだということはいまだに言っておりませんけれども、人間の成長って本当に分からないものだ。
 特に、お母さんの影響というのは随分大きいと思います。中国のことわざにこんなんあるんですね、母賢なればその子賢なり、父賢なれどその子賢ならずというのがあるんですね。お父さん立派でも割とあかんそうです。お母さんの影響というのは、やっぱりすごい影響を受ける。特に、私もそうですが、父親は十六歳で亡くなっていますけれども、お母さんの影響というのは、私、おふくろ涙もろかったですから、顔見たら涙こぼしながら、お父さん生きてたら喜ぶのになとか言って泣くんですけれども、そんな姿を見ながら自分の汚れを何か流してもらってたなということを思います。言葉遣いとかあるいは身だしなみとか、そういう部分で敏感に子供は変わっていきますし、大人がそれを見ていただけで、ああ変化してきたなということも感じることやと思うんですが。
 それから、トイレ掃除の効果ということに関しては、これはその資料の中に書いてますんで、ごらんになっていただけたらと思います。
 ともあれ、こんなのは台本ありませんのでもうぶっつけ本番の中で対応していきます。ですから、やっぱり相手に通じることっていうのは、真剣にしゃべってるのかどうかということを敏感に感じるのみやと思っています。ですから、これが一番正しいやり方だというものは、これもですしあれもですし、その人それぞれによってとらえ方は、とらえ方というかやり方は違うように思います。
 ですから、私もまだまだ専門家、皆さんのような専門家ではありませんので、行き当たりばったりの中で裸でぶつかって、そしてともに悩んでともに喜びたい、そういうふうに思っています。
 以上です。
#36
○会長(広中和歌子君) ありがとうございました。
 それでは、松あきらさん。
#37
○松あきら君 本日は四人の参考人の先生方、お忙しいところお出ましをいただきまして、本当にありがとうございます。
 今、仲間の議員と話をしておりまして、本日の参考人の先生方はそれぞれ非常に熱い心をお持ちだと。何か机の上だけ、もちろん玄田先生は東大で教えていらっしゃるんですけれども、何か机の上だけで勉強したり、あるいは統計を取って出したという話ではなくて、本当に生のいろいろな実体験を込めたそれぞれの方々のお話を伺っていて、私どもも熱くなっている次第でございます。
 二〇〇二年の時点で若者の無業者は二百十三万人であると、達したということであります。それから、十年間で八十万人増加をしている、これもびっくりするような数字でございます。また、例えば職を求めているんだけれども職がない人、それから就職希望すらないという無業者ですね、このいわゆるニートという人たち、これが約八十五万人この人たちがいるという、こういう状態の中で、私は、先ほど玄田先生が大人社会はある意味だましているのかもしれない、もっと本当のことを伝えてほしいとおっしゃったことに、そうだと愕然といたしました。
 というのは、当委員会でも私は請負のことを取り上げて質問いたしました。正直言いまして、質問する前に厚労省を呼んで請負で働いている子供たち、若者は今百万人以上いるそうよと、請負業者五万社以上あるそうよと言ったら、数も全然分からない、調べてもいないし。そして、実はその今個別のアルバイターあるいは派遣ではないいわゆる請負の人たち、これはもう正に、中身は同じなんですけれども、派遣業法でもつまり守られないから本当に女工哀史みたいなひどい劣悪な環境で働く。ですから、ニートの若者がやっぱりちょっと少し働いてみようかなと思うと、簡単に請負業者とは契約できるんですね。そして行かされるところが非常に考えられないような環境で働かされる。そうすると、もちろん耐え切れなくなって七〇%は辞めていくんですけれども、それでも何とか耐えている子も二〇から三〇ぐらいはいるんですけれども、これなどももしかしたら、私はやっぱり、今これは違法な状況ですと厚労省は言うんですけれども、じゃその違法の状況をどれぐらい把握しているのかというのは、まだ何にもしていないと。
 ですから、片やニートである若者たちを支援する、あるいは対策を急がなきゃならないと言っていながら、片やもうかれば何でもいいというような状況で働かせている。これは正に大人社会がある意味だましているようなところもあるなというふうに、これはしっかりと私どもが対策を取っていかなければいけないと、こう思った次第でございます。余り話していると長くなる。
 私、伺いたいことはそれぞれの先生方お聞きになったりいたしましたので、ちょっとあれを変えて質問させていただきますけれども、工藤参考人には、ヤングジョブスポットよこはま、これは私の地元でございますけれども、これが非常に成功した一番のポイントというのはまず何か、お伺いをしたいと思います。
 それから、玄田先生は、先ほどニートが増えた理由は不況の影響、あるいは二番目は人付き合いが苦手な人たち、三番目、病気、けが、こういう人が多いと思うんですけれども、私、これ以前から、今急に不況になったわけではない、昔から不況のときもあったと。それから、人付き合いが苦手な人も子供も昔からいると。病気、けがで泣いている若者も昔からいたと。にもかかわらず、なぜここへ来てこれだけの数になったのか。なかなかその理由、分析するのは難しいと思いますけれども、そこら辺りをちょっと伺いたいなというふうに思います。
 それから、中井社長には、やはりたくさんの若い人を雇われて、そして鍛えられ、育て上げられた、正に感動的なお話を伺いました。そして、中井社長のような方がまだまだ日本にはいらっしゃると思うんですけれども、全国的に見れば。けれども、今のそうした、国にもしっかりいろんなことを教えていただきたいし、つまりそういう大人がやはりサポートをすることが大事であると思っているんですけれども、その御自身のそうした鍛えられ、育て上げられた中でどのようなことを感じられたのか、また若者を自立させるためには何が必要なのか、重要なのか、その辺もお聞かせいただけたらと思います。
 よろしくお願いいたします。
#38
○会長(広中和歌子君) それでは、まず工藤参考人。
#39
○参考人(工藤啓君) ヤングジョブスポットよこはま、成功のポイントは三つぐらいあります。
 一つは、数字を成果としてカウントする行政の人たちにこたえるべく数字として結果を出したこと。
 もう一つは、そういう人が何回も利用できるように新しい仕組みをつくった。
 フリーター支援が基本的なコンセプトだったので、フリーターがどんな支援が欲しいかというのはフリーターに聞くのが一番いいと思いましたので、当時、二十人のスタッフを雇用、雇用というか、お手伝いをいただいたんですけれども、十八歳から六十八歳までの二十人のスタッフ、八割はフリーターの子にしました。そのフリーターにも、三か月から半年の契約で、自分でやりたいこと見付けて出ていってくれと。彼らは別に能力的に問題があるわけでもないんですけれども、自信がちょっとなかったりとかもするので、ただ、履歴書にヤングジョブスポットよこはまのスタッフって書くんじゃなくて、厚生労働省設置って前に付けろと。そうすると、案外採用側も何でそんなところで働いているのとかってなって、聞かれればしゃべられる、しゃべることもたくさんある。三か月から六か月の間だらだらしない。フリーターがフリーターを支援するというコンセプトで始めましたので、彼らが抜けた後に利用者のフリーターからまたスタッフを引っ張る。
 そういう、若者の思いを持って循環をさせたというのが一点。それによってコストがはっきり言って安く済んだというのがもう一点。大人が、若者がむちゃにいろんなところに営業を掛けたり社会性なくいろんな発言をしたことに対して責任を取ってくれた。だけど、自分たちは前面に出ていかなかったという三点というのが大きく二点目として成功のポイントだと思います。
 三つ目は、マスメディアとうまく連携をして、利用者が国がつくってくれたヤングジョブスポットという場所にすごく感謝しているという言葉を全国に届けました。意外と若者支援たくさんやられていますけど、利用している人とかその情報を知っている若者は案外感謝していません。国がつくってくれてありがとうと思っている人は少ないんですけど、ということは、多分税金をたくさん払っている大人も何でそんなのつくるのということになっていると思うんですけど、やっぱり感謝している人の心をもっと届けたりとか、そういう施策を一生懸命つくってくれたことに対して、国民とか当事者であるフリーターとかニートとかがありがとうって思えるような、変な意味、メディア戦略というか情報の使い方が今すごく雑だなというふうに思ったりもしますので、そういうマスコミの方とうまく連携もして情報を届けられたというのが成功の三つ目のポイントかと思います。
 以上です。
#40
○会長(広中和歌子君) それでは、玄田参考人、お願いします。
#41
○参考人(玄田有史君) ニートのことがなぜここに来てこれだけの大きな問題になったのか。一言で言えば、今までは無視されていたからです。無視されていたんです。一つは我々にも責任、我々というのは、研究者にも責任があると思っています。
 実際には、若者の問題として失業者やフリーターが問題にされていたときにも、こういう失業者にもフリーターにすらなれない若者が、実はもう九〇年代の段階で相当な数いたにもかかわらず、だれも関心を持って考えていなかった。私も含めて関心を持って考えていなかった。関心を持っていたとしても、それはどうせぜいたくな甘えた若者なんだというふうなことで勝手に決め付けていた。無視、若しくは決め付けが大きかったんだろうと率直に反省をします。
 だから、とても怖いのは、今これだけニートが大きな問題になった分、一方で冷めるのも速いかもしれないという危機感はあります。社会はそういう意味ではとても冷たいと思います。今これだけ大きく話題になった分だけ、うまく対策がすぐには効果を持たなくなると、やっぱり駄目なんだ、結局若いやつがだらしないからなんだという意見がまた、またぞろ登場してきて社会の無関心がかえってもっと強くなるかもしれない。前に精神科医の斎藤環さんともお話をしたときにも、引きこもりという問題が大きく関心を持ってクローズアップされたり、一方で全く関心がなくなったり、ニートが引きこもり問題の二の舞にならないようにといったような個人的なアドバイスを受けたこともあります。
 だから、この問題というのは昔からあって、本当は注目をしなければならなかった。それを、本来我々の研究者の仕事というのは、もしかしたら政治家の先生方と同じなのかもしれないと思うのは、やっぱり声なき声に耳を澄ましてそこにちゃんと注目を続けていく、それがすぐに効果が出なくても見守り続けていく、そしてその中でどういう意味があるのかということをちゃんと言葉にしていく。
 実際、こういうニートの問題に携わって、実際にはこういう問題にずっと警鐘を上げている方々がたくさんいるということがよく分かりました。さっき、最近減ってきているといったような若年支援のNPOの方々もそうですし、学校関係者の方々、また企業の方々、親御さんの会の方、実際には点在をしています。それぞれ個別に、この問題は、深刻さと、ただ一方で希望を持っていて、それをつなげる人がいない。つなげて、心ある大人の人たちをつなげていく存在というのをもっとつくっていかなければならないし、それが是非政治の力に期待したいところだと思っています。
 もう一つ、この問題が深刻になってきた理由は、やはり高齢化と階層化ということだと思っています。同じ若者の中でも、実は二十代から三十代、三十代から場合によって四十代、そういうやっぱり若い方が対策が正直立てやすいです。こういうニートや引きこもりの状態が続いたまま年を取っていくと、それは大変です。
 もう一つ、階層化といったような、何度も言って恐縮ですけれども、以前であれば若干まだ経済的な余裕がある、バブルがはじけるころの前だとまだ親が食べさすことができたのが、今はそういう余裕のある家庭からニートが生まれるという現状ではなくなってきています。むしろ貧困問題が影を落としています。
 そういう意味では、数の問題だけではなくて高齢化や階層化といったような、なかなかすぐには効果を上げることが難しい、だからこそ早い段階でみんなで連携して対策を立てなければならない、そういう問題がより浮き彫りになったということが最近の関心の高まり、そして関心を続けないといけないことの最大の理由だと私は思っています。
#42
○会長(広中和歌子君) ありがとうございました。
 では、中井参考人、お願いします。
#43
○参考人(中井政嗣君) 従業員に、何のために働いていますか、あるいは何のために生きていますかって聞いたときに、自分のためだってよく言うんですけど、じゃ社長はと聞いたら、社長は従業員のために。いや、おまえら自分のためやし、おれのことだれも面倒見てくれないのかって言うんですが、いや、私は決してそうは思っていない。今日入ったアルバイトから専務に至るまで全員が私のために働いてくれてると信じている。だから、もう自分のことはいい、今日入ったアルバイトに至るまで、全従業員のために、周りのために働かなければならない義務があると思っているんだって言うんですが。
 人間は、やっぱり社会のお役に立つために生きているんですね。で、まあ言うまでもないんですが、自分のためだけにやったことっていうのは、決して生きがいにはつながりません。人様のためにやったことに関してやりがいとか生きがいとかができ上がっていくんですけれども、目標はまあやっていくうちにだんだんこう見えてくるものなんですが、目標を持って努力するのと目標を持たないで努力するのと、全然違うんですね。目標を持っている人っていうのは、必ず結果が出てきます。でも、目標を持たないのは、努力することが目標ですから延々努力していくんですね。ですから、何ていうのか、やっぱり目標を持った方がその結果が出てくるんで見やすいというふうに思います。
 それから、今、雇用問題、先ほどもちょっと触れましたが、中小企業はやっぱり人材を求めているんです。就職難とかよく言われてますけれども、いや、決して私はそうとは思いません。大学行ったんはいいですけれども、勉強もせんと遊びほうけていて、ぜいたくだけが身に付いた、そんな人間、企業は要らぬのです。やっぱり優秀な人たちに来てもらいたいなと思っています。
 ですから、ただ、そこで、我々外食産業というのは、アルバイト、フリーター、そういう従業員が半数以上を占めてきます。そこで今大きな壁になっているのが、社会保険とかそういった適用に引っ掛かることなんですね。フリーターとかアルバイトでも、今社会保険を労働時間に応じて掛けなければなりません。ですから、もう言ってみたら社員と同じような、アルバイトしながらでもフリーターしながらでも、社員と同じような感覚で勤めてるんですね。ですから、我々も企業として、アルバイトの店長あるいはフリーターの店長もそういうことであればあり得るだろうということで、アルバイトの幹部も今ぼちぼち登用させていただいている状況なんですけれども。
 若者の自立ということに関しては、昔でしたら、飲食店に来たら、十人おったら十人ともみんな独立したいということを言いました。が、今、独立望まないのも三分の一ぐらい今なってきましたし、また、幹部も目指さないというのもまた出てきました。ですから、いや、幹部を目指さないような人がうちに来てもらったら実は本当は困るんだと。でも、内心はやっぱり地道な調理場で下働きやってもらえる人もやっぱり欲しいんですね。ですから、まあだんだんだんだん難しくなってきたなということを思いますけど。
 まあ、三年前と今とはもう全然環境が変わりました。と同じように、今思っていることが三年先も通じるかどうかというのも分かりませんし、絶えずやっぱり、さっきも何遍も言っています、ぶっつけ本番でやる以外にない。ただ、社長としてしっかりと若者にサポートをしていけられたらという思いのみです。
 以上です。
#44
○会長(広中和歌子君) どうもありがとうございました。
 それでは、渕上貞雄さん。
#45
○渕上貞雄君 どうも参考人の方々、大変御苦労さんでございます。同じような質問になるかもしれませんが、お許しいただきたいと思います。
 まずは工藤参考人にお伺いをしたいんですが、私は若者から、別にと、いろいろ話をして別にと言われると頭にかっとくる年代でございまして、若者との対話をどうやっていくか大変苦労しておりましたら、今日非常に、若者が若者を育てるという発想をお聞きいたしまして、その若者の心の問題、今ニートの人たちが抱えている問題というのは心の問題であるし、同時に、相談をする、相談できる受け手の側になる人が若手を育てようと。そういうときに、その受け手となる若手をどのようにして育てているのか、そういうところを一つお伺いしたい。
 そして、若者との対話というのはどんな形で我々が接すればいいのか。大人の側にも責任があると思うし、若者にも少し責任があるんではないかと、こういうふうに思っているものですから、どうやって若者が若者を育てていくのかということについてお伺いをしたいと思います。
 それから、玄田参考人には、今社会問題として階層化という問題が出てきております。私は、あのニートの方々というのはある程度非常に裕福な方々で、食べるに困らない、そう仕事を探す必要もない、したがって今の生活は自分でできると、親も援助してくれるということもあるけれども、そういう人たちだろうと、こういうふうに思っていましたところ、非常に家計の苦しいところからかニートが生まれてきているということになれば、やっぱりこれは大きな社会問題だと思うんですね。
 したがって、そういう貧困に対してそういうニートが生まれてくるというのは一体どういうことなのか。なぜそういう貧困、なぜと言ったらいかぬですね、なぜ貧困、それから家計の苦しいところから生まれる。昔であれば、一生懸命働いて親孝行しようと、そして親を早う楽にさせたいと、こういうふうに思っていた若者が、そうではない、同じような環境に落ち込んでいくということはどういうことなのか、ちょっと教えていただきたいと思うんです。
 それから、杉本参考人には、いわゆる心の教育、生きる力というものをどう付けていくのか、それが一つの連続殺人事件から端を発している。そのときに、短い間の体験を通してそういう心の教育だとか生きる力、新しい人間関係だとか、そういうものをどうやってこの短い時間の間でつくることができるのか、なぜ子供はその短い体験を通してそう感じるのか、では長い学校の教育とは対比してどうなのか、お教え願いたいと思います。
 次に、中井参考人には、仕事を通して人を育てる、育てなければならないという意欲は十分に分かりましたが、どのようにして誇りを持たせていくのか。働くことに対して一人一人にどのような誇りを持たせていくかというところに御苦労があるのかなと思いながらお話を聞いていましたが、結局、若いときにといいましょうか、学校行っている間にアルバイトだとかパートだかやって、当座自分が必要なもの、例えばCDが欲しいと思えばそれが買えるまで働いて、それを手に入れたらもう働かないと、こういうのが学生時代の間に養われてくると。そうすると、労働に対する意欲とか就業に対する意欲だとか、自分は生涯このようにして働いていきたいというようなことをだんだん思わない環境というのが一番人生の大事なときにでき上がってきているんじゃないか、このように思うんですが、中井参考人はどのようにお考えでございましょうか。
 以上でございます。
#46
○会長(広中和歌子君) ありがとうございます。
 それでは、順番に、まず工藤参考人からお願いいたします。
#47
○参考人(工藤啓君) 僕は余り別にという言葉は使わないんですけど。
 若者が若者を育てるときにどうするかというのが一点目なんですけど、僕は、うちのスタッフは事務局長の四十を除いてみんな、二十七の僕が一番上で、あとはみんな二十四とか三なんですけど、何でも適当にやっておいてと伝えています。適当というのは別にいい加減にやれというわけでもないんですけど、まあほどほどにやってくれと。
 困ったときにうちの団体内以外の大人に相談するように言ったりとか紹介をしたりとかして、なるべく自分たちの抱えた問題を外の人に相談することによって解決法を得たりとかもしますし、あとはどんどん、先ほど第二世代が育っていませんというのはあったんですけど、案外第一世代というのは、自分たちに例えばマスメディアのインタビューが来たりとかお客さんが来たら自分たちで全部受けていた傾向があるんですけれども、やっぱり現場の人間とか若い人をどんどん出してあげるというのが大事かと思います。
 例えば、ちょっとした委員会とかに呼ばれて自分が行けないときに断るんじゃなくて、じゃ、うちのスタッフ若いですけどどうですかみたいな感じで外に出すということも大事ですし、マスメディアみたいなものなんかに映ると大体みんなうれしいですよね、自分の名前が新聞に出たりとかって。そういうところにどんどん発表させて、自信を付けさせてあげたりというのもいいかなと思います。
 もう一つは、うちのスタッフは基本的に一年契約といって、一生働かなくてもいいから自分でやりたいことが見付けたら次へ行っていいよ、ただ、三月三十一日までは働こうよというふうにして、余り縛らないようにしています。いつでもやりたいことって変わるし、自分の目標も変化すると思うんで、そういうときが来たら自由にどんどん動いてもいいし、人脈使ってもいいし、紹介先を必要とするんだったら言ってくれという話はしています。
 フリーター支援にはよく第三者の支援が必要だと言われます。キャリアカウンセラーとかという方もいるでしょうし、いろいろ親身になってくれる大人を紹介するということもあるんですけど、殊ニート支援ということに関して僕らは、まあ僕は第二・五者だなんていろんなところで言いふらしているんですけど、第三者よりも一歩当人たちに近い人たちというのが必要なんじゃないかと思っていて、最初にハローワークに行ったりすると、いきなり五十歳とか六十歳の人が待ち構えて、さあ何でも相談してみなさいと言われてもなかなか相談しづらいんですけど、僕らなんかの団体だとみんな年齢が近いので、最初話す内容が案外一緒なんです、やってきた過去とか。ビックリマンシールって知っていますか。お菓子だけ捨ててシールだけ集めるというのが事件になって大問題になったものとか。ミニ四駆って知っています、単三電池で動くんですけど。あと、今、プレイステーションって出ていますけど、僕らはちょうどファミコンの第一世代だったんですよ、ボタンがまだAとBしかなかったんですけど。
 そういう話って結構話しやすくて友達になりやすい。そんな友達とか信頼した人が第三者を紹介すると結構素直に行くんですね。紹介するときも、ハローワークに行きなとか、派遣会社行きなとか、あの企業に行きなじゃなくて、派遣会社に玄田有史という人がいるからアポ取ってあげるからそこに行きなとか、派遣会社の受付に杉本さんという人がいるからちょっと電話してあげるから会ってみなと言って、第三者の方を信頼を基に紹介してあげると案外行くんですけど、いきなりハローワークとかという箱の名前だけ言ってもなかなか行きづらいんですね。
 そういう意味では、第三者につなぐ役割というのをあえて同世代の若者がやるというのは、すごく意味のあることなんじゃないかなと思っています。
 以上です。
#48
○会長(広中和歌子君) ありがとうございました。
 参考人の方々にお願い申し上げます。
 多くの方が質問を待っていらっしゃいまして、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますように、答弁を簡潔に行っていただきますよう御協力をお願いいたします。
 それでは、玄田参考人。
#49
○参考人(玄田有史君) 貧困問題がどうしてニート、無業の問題に、引き起こすのかという御質問だと理解します。
 こういうことをイメージいただければと思います。無業の若者たちは意外と地元志向というか、地元にとどまります。といいますのも、高校を卒業して都会の大学に出すほどお金が払えない、また仕送りも出せない。結果的に地元にとどまる。そして、地元で経営者にコネか何かがあって就職させられることができればいいけれども、そんなコネもない。そして、しかも地元には正社員の仕事なんてほとんどない。それでフリーターに就こうものなら、フリーターなんかになったって未来がないと言われる。じゃ、働いてもしようがないのか。そして、子供の数が少ないものですから親も地元から出したくない。そういうジレンマの中で結果的にチャンスを失うなんというケースがたくさんあります。
 それから、こんなケースもあります、短く言いますけれども。やっぱり経済的に苦しい、貧しい家庭ほど、正直言って子供に構っていられません。高校の進路指導の先生が、息子さんのことで、娘さんのことで一緒に相談乗ってくれませんかと聞いても、いや、子供のことは子供に任せていますって言ってしまう家庭があります。現実に子供まで余裕が持てないからです。
 それからもう一つ、かつては貧しいけれども社会とつながりがあって、そのつながりの中で何とか自分でもやってやるぞと思いました。今、社会がやはり分断化されていて、そういうつながりが持てない。貧しくても社会のつながりの中でチャンスを得るというケースが今正直非常に難しくなっているんだろうと。
 そういう問題が重なって、貧困問題、階層問題が若者を結果的に無業にさせているという面が強いんだろうというふうに考えております。
#50
○会長(広中和歌子君) ありがとうございました。
 それでは、杉本参考人。
#51
○参考人(杉本健三君) たった一週間のトライやる・ウィークで、これで心の教育が充実したり、生きる力が付いたり、そんなふうなことは毛頭思っておりませんし、まだ八年目でございますので、何よりもこれからが大事だと。
 ただ、この「トライやる」をきっかけにして、何らかの兆しといいましょうか展望が見えてきたことは事実であります。したがいまして、五年目の検証を受けてのいわゆる「トライやる」の日常化、あるいは高等学校へつなげていく。そして、十年目の検証。このときにはもう子供たちは高校を出て、大学を出て、社会に出ておる子供たちになっていますので、十年目の検証もしっかりして、よりしっかりしたものにしていきたいと。
 ただ、「トライやる」をきっかけにして学校の教員が、やはり自分たちだけではなくて地域の人と一緒に子供をはぐくんでいくことが大事なんだなといったふうなことが、教師が少し分かってきたと。また、地域の方も「トライやる」の子供を受け入れていく中で、大人もやっぱり何らかの形で子供にかかわっていかなければいけないなと。こんなふうな形で変わっていくきっかけにはなっていると、そんなふうに思っております。
#52
○会長(広中和歌子君) ありがとうございました。
 それでは、中井参考人、お願いいたします。
#53
○参考人(中井政嗣君) 皆さんにお手元に配らせていただきました。これ、実は全従業員、六百六十六人の従業員の給料袋のところに一緒に付けております私からのメッセージです。これ書き続けてもう十八年と二か月になりますが。
 誇りを持たせるという部分で、例えば極端な例ですけれども、私どもでお客さんの客単価が一人千五百円。千五百円机に置いておきながら、さあそこで土下座したらこの千五百円上げる、さあどうする。私どもの店長はそれで本当にくれるんですねって土下座する人間もおるんですが、大半が、主任以下であれば、いやそんなことまでして嫌です。じゃ、お母さん病気、薬代千五百円要る、さあどうすると言ったら、それはもうすっとすると言うんですね。その場合に、土下座する場合に、お母さん病気、私はお金持っていないから薬代千五百円、そのためにやると言って、説明してしますか、しないでしょうと。と同じように、プライド持っているからそういうことをする、プライドを持っているからそういうことはできないというのは、実はプライドのない人間が言うもんだと。実際に、自分のためであればできないけれども、人のためだったらできるやんか。つまり、プライド持っているからこそ何でもできるんだということを言うんですけれども。
 人間って独りで生きてますが、お互いに影響を受け、与え合って生きてます。特に、芥川龍之介さんが言ってはりますけれども、人は、運命はその人の性格によって決まるって言ってはりますけれども、性格は環境によって変わります。環境ということに関して、お互いに影響を受け、与え合って生きてるんだと思うんですが、基本的にはもうとらえ方、考え方に尽きるなというふうに思ってます。
 仕事の選び方で何を選びますかって聞いたら、休日、お金、それから役職、この三つがありますが、これ年代によって微妙に違います。二十代の若者、一番最初に望むのはやっぱり休みです。その次にお金、その次に役職というふうになるんですが、年代とともに変わっていくんですが、また後でお話ししたいと思います。
#54
○会長(広中和歌子君) ありがとうございました。
 それでは、小池正勝さん。
#55
○小池正勝君 自由民主党の小池正勝です。
 私は、工藤先生と玄田先生に御質問をさせていただきます。もう簡単に御質問をさせていただきます。
 先ほど、先生方のお話を承っておって、ニートというのは人間関係が苦手だとかコミュニケーションが苦手だということをおっしゃっておられまして、正にそうなんだろうと思うんですね。それの特効薬には、結局持続的、継続的なことが必要なんだということを玄田先生盛んにおっしゃっておられまして、正にそれもそのとおりなんだろうと思うんです。恐らく人間関係に特効薬なんというのはないんだろうと思うんで、これはもう持続的、継続的にやっていかなければならない、それはそうだろうと思うんです。
 ところが、一方で、先ほど工藤先生のお話を承っていると、こういったことに携わる人がどんどんどんどん辞めていくというお話をおっしゃっておられました。じゃ、辞めていかれたら困るわけですから、どうしたら辞めていかないでニート対策といいますか、をできるのか。
 すぐ、行政とか政治に携わる人間というのは、じゃ税制でNPOを支援しましょうとかってなことを考えて、もちろんこれも大事な話ですから来年度の税制改正に向けてこのNPOの税制支援というのは我々は検討しなければならないと思っているんですけれども、しかし、そんな次元の話だけではないんだろうと思うんですよね。
 そこで、お二人の先生方に、じゃどうしたらやっていけるのか、つなぎ止めていけるのか。特効薬とは言わぬまでも、何か処方せんがあればお示しいただきたいと思います。
#56
○会長(広中和歌子君) それでは、まず玄田参考人から。
#57
○参考人(玄田有史君) 辞めていくのを食い止めるためには社会が応援することです。今、ずっと何十年来、十何年来、大体二十年以上若者を支援をしてきた団体またその責任者は千載一遇のチャンスだと思っています。やっと自分たちのやってきたことを社会が理解しようとし掛けていると。若者自立・挑戦プラン一つを取ってみても、みんな社会のことを理解し掛けていて、やっと目が向いてきたと思っています。
 多くの団体は、やっぱりニートの子たちを何とか働ける段階まで持っていきたいと思っています。以前であれば、そんなことを言うと、無理やり強制的に労働に持っていくなんというのはいかがなものかと言われたような時代もありました。今やっと自立するために若者一人一人が自分で食べていけるような環境をつくる、それを応援しようとどうも社会が思ってくれているらしいし、どうも政治も本気で応援してくれているような気がしてきたと思っています。
 だから、何が大事なのというのは、若者を応援していると、これからは若者に厳しく、かつ優しい社会を本気で政治も考えていく、つくっていくんだという世論をつくっていただくことが一番大事だと思っています。自分たちをちゃんと社会が本気で応援してくれているんだというメッセージを送り続けることが、今バーンアウトしそうな人たちに対しては実は一番特効薬になるんじゃないかと思っています。
 だから、若者は働かないんではなくて働けないんだって、若者は意欲がないわけではなくて、意欲を持ちたいんだけれどもきっかけがないんだ。そういうちょっとした言葉、ちょっとした理解の節々で、ああ、本気で応援してくれていると思っていると思います。ですので、応援することだと思います。
 あとは、今考えている対策を是非続けて、もっと効率的にうまくやっていくようなことを具体的に一つ一つ積み重ねていくことが一番大事だと私は思っています。
#58
○会長(広中和歌子君) ありがとうございました。
 では、工藤参考人。
#59
○参考人(工藤啓君) アメリカなんかのNPOというのは企業から寄附受けると控除されたりとかして、結構うらやましいなと思うんですけど、NPOにも二つぐらいあって、本気で経営していこうというところと、自分たちの思いを一生懸命社会に還元しようという二つがあります。
 僕は、自分のスタッフが三十ぐらいになったときに家庭が持てるぐらいの給料を与えるように経営を考えるように頑張っているんですけれども、実際、NPO法人という形だとお金をもうけるのは結構難しかったりとか、社会からの、あなたたち非営利だからお金要らないんでしょうって言われたりとかって、そういうちょっと誤解があったりするので結構つらいところあるんですけど。
 ニートの子が働けるようになるときに一番必要なのは、どちらかというとお金よりも仕事、経験積ませていただける研修内容です。実際、企業の方から寄附少し要るって言われたこともあるんですけど、欲しいって九割ぐらい言いながらも、もしうちに仕事をくれて、それをちゃんと終わらしたら対価をくれるんであれば、寄附より仕事が欲しいというふうに伝えました。正直、ニートの子は別に働く能力が全くないわけでもなく、むしろ人以上にしっかりやる子とかもたくさんいるんですけど、ただ、いつも独りでいた子なんかはチームワークとか一緒に仕事をするということに対して結構慣れてなかったりとかするので、そういうことが実際体験できるためには、実際に仕事をいただかなくてはなかなかできません。
 そういうときに、補助金をじゃ与えるっていえば、それは基本的にはうれしいですけど、じゃ三年後に補助金がなくなったら自分たちはどうするの、続けられないじゃないってことになります。そういうのが継続的にできるためには、自分たちがしっかりやることによって経営基盤とか財政基盤がうまく回るような環境があればいいなと思います。
#60
○会長(広中和歌子君) ありがとうございました。
 それでは、小林正夫さん、御質問。
#61
○小林正夫君 民主党・新緑風会の小林です。
 工藤参考人と玄田参考人にお聞きをいたします。簡単にお聞きをします。
 結論的には私はこのニートという方は甘えているんじゃないかな、こういうふうに思えてしようがないんです。ニートの一面しか見てないのかもしれませんけれども、テレビだとかニュースだとか、ニートの姿を見ていると、自分の部屋があって、お母さんから食事も与えられて、そうやって生活をしている。そう考えていくと、私は学校の教育とか家庭の教育にこのニートを生み出す原因があるんじゃないかと私は思っているんですけれども、そのことに対してどう思われているのかということが一つです。
 それと、こういう人たち、フリーターもそうですけれども、就業の支援センターを各地で今つくって、いろんな支援をしています。支援に足を運ぶ人は私はまだいいんだと思うんですよ。ところが、足を運べない人、運ばない人、育児でも何でもそうなんですけれども、支援センターはつくるんだけど、そこに相談に来る人はまだいいと思うんですよ。でも、来られない人、来ない人の対策をどうするのかということが大変私重要だと思うんですけれども、この点についてどう思われるのか。この二点について御両名からお聞きをしたいと思います。
#62
○会長(広中和歌子君) 済みません、どちらから。
#63
○小林正夫君 工藤参考人からお願いいたします。
#64
○会長(広中和歌子君) 工藤参考人。
#65
○参考人(工藤啓君) ニートの子の中で甘えている子がいないとは言いません。ただ、甘えているといって切り捨ててしまったら、彼らをずっとほうっておいて、じゃ、ホームレスにしかならなくなって、実際、親からあんたもう出ていきなさいって言われてホームレスになった子も二人います。彼らはまじめにホームレスやっていたのでよかったんですけど、まじめにホームレスやんなくなって生きていこうと思ったら、人から奪うか盗むしかありません。そうすると、新橋で酔っ払っているお父さんが襲われたりってことにきっとなるかもしれないっていう、その社会的な問題とかを考えて、甘えているって思っていても言わないようにしています。本当にそうじゃない人も当然いますし、甘えているから、じゃ何もしないということですべてが済むんであれば、まあ多分こんな問題にはなっていないんじゃないかなと。
 就業支援センターでいろいろやっているけれども、足を運ばない人、運べない人というのはいますけれども、足を運ばせるように、じゃ努力をしたのかとか、何をしているのかというのがすごく問題だと思います。
 僕は、いろんなところで聞かれて、親向けにやってくださいということを言って、実際に取り組んでくれたところというのは一つもありません。それでも、若者向けに自分たちは一生懸命確かに考えてやっているんですけど、それで効果が出ないから、彼らは来ないから支援対象に当たらないという判断をされてしまうことの方が、そういうセンターがたくさんできても怖いことなんじゃないかなと思います。
#66
○会長(広中和歌子君) それでは、玄田参考人、お願いします。
#67
○参考人(玄田有史君) まず、一つ是非知っておいていただきたいのは、テレビに登場するニートやフリーターはかなり特別なニートやフリーターだと思っていただきたいと。テレビに出る、取材の約束の時間に来られるニートやフリーターであれば、かなり卒業は間近であると思います。実際には、そこに行けないからフリーターやニートになるわけであって、テレビの状況は、それはすべて、全く例外とは言いませんけれども、現実とは若干離れていると思います。
 そして、甘えの問題については、これは定義の問題ですので、甘えているとみなす方は、それはどう説明しても甘えているということになるんでしょうけれども、問題は親との関係であります。
 極端に言えば、親との適切な距離感が持てないケース、つまりは親と余りにも過剰に近過ぎるケース、それは別の言い方をすれば、親が子離れできないという言い方もできるかと思います。これについては、もし仮に子供が親に依存しているとしても甘えという言葉ではないと思います。ただ一方で、先ほどからお話ししたように、親が非常に無関心なケースである、そういうケースもあるので、これを甘えているという表現が果たしていいかどうかというのは私は分かりません。ただ、私はそういう言葉は使わない。
 少なくとも、子供が親を選ぶことはできませんし、義務教育の段階では、多くの場合には子供が学校を選ぶこともできない場合が多々ありますので、その中で、学校教育や家庭の教育の問題で、結果的に社会に依存がちになってくる若者たちを甘えという言葉で切り捨ててしまうようなことになることはならないようにしていきたい。
 しかも、さっきのホームレスの話になりましたが、ホームレスになるのも大変だと思います。コミュニケーション能力がない人間はホームレスになるのも大変だと思います。だから、ニート問題が深刻化した場合にはホームレスが増えるかもしれませんけれども、ホームレスの問題にもならないかもしれない。そこに難しさがあります。
 その支援の足を運ばない、これは本当に難しい問題です。一部のNPOは、非常に経験を積み重ねながら、同じぐらいの年代の人たちが実際に家に何度か通いながら、子供たちを上手に家から引き出して親との引き離しをやる、そういうノウハウや経験を持っているNPOもありますが、それはもちろん一部です。しかも、NPOもただでやっているわけではありません。もうけることが目的ではないですが、そういうお金を出してNPOとか第三者に頼める親ばかりではないという事実があります。
 その足を運ばない場合に、ここは工藤さんと同じで、親が相談できる機関、しかも親のプライバシーを守りながら、親が真剣に子供のことが相談できる機関をつくっていかないと、多分、子供が直接足を運ぶというのは物すごいエネルギーを必要としますので、現状は難しいと思います。
#68
○会長(広中和歌子君) ありがとうございました。
 浜田昌良さん。
#69
○浜田昌良君 公明党の浜田昌良でございます。
 本日は、四人の参考人の方、本当にありがとうございました。一問ずつ質問させていただきたいと思います。
 まず、工藤参考人にお聞きしたいと思いますけれども、それはフリーター対策の重点の置き方についてであります。
 フリーター対策については、一つはフリーターから卒業してもらって正社員になっていただくというのを勧めるという一つの方法があります。もう一つは、そうじゃなくて、ニートという五十数万の方もおられますんで、フリーターという立場でありながらも、その処遇を上げていく。同一価値労働であれば同一賃金である、また社会保障であったりそういう面を拡充していくという、そういう対策もあります。どちらの方に重点を置いていく方がいいのかについてお聞きしたいと思います。
 次に、玄田参考人にお聞きしたいと思いましたのは、いわゆる、先ほどお話ございました、ニートがコミュニケーション力不足であるという話なんですが、昔であれば地域コミュニティーというのがありまして、そこでいろんなコミュニケーションを取る力が育ってきたわけですが、今もう一度地域の再生ということが議論されているんですけれど、地域のコミュニティーの再生を考える上で、どういう対策を取ればこういうニート対策にもなるのかについてお聞きしたいと思います。
 次に、杉本参考人にお聞きしたいと思いますのは、この兵庫県の取組はもう始められて八年目という話でございました。そうしますと、最初この体験された方がもう二十一、二歳で、そろそろ就職をされるというときになってくると思うんですけれど、その方々が、こういう経験をされていない方に比べてやっぱり就職の意識がどういうふうに変わっているのか。例えば、ニートであったりフリーターという方たちの比率が下がっているのかどうなのかについてお聞きしたいと思います。
 最後に、中井参考人にお聞きしたいと思いますのは、中井参考人、本当に持っておられる熱い気持ちが多分若い方々に伝わっていろんないい効果を生んでいるんだと思うんですけれども、そういう感動を経営者が持ち続けられるという、そういうものを広げていく、むしろ経営者の中でそういう若者を育てられる経営者の輪を広げていく仕組みについて何か考えておられればお聞きしたいと思います。
 以上でございます。
#70
○会長(広中和歌子君) それでは、今度は中井参考人の方から右の方に行っていただきますが、簡潔によろしくお願いいたします。
#71
○参考人(中井政嗣君) 経営者の熱い心ということに関しては、これは簡単に言えば、大変失礼かも分かりませんけど、私はオーナー社長なんですね。自分でつくり上げてきた人間。それから、言い方悪いですけれども、サラリーマン社長とは根本的に違います。ですから、さっきも話出ていましたように、だれもが私がこうなるなんて、私自身もそうでしたけれども、想像できなかった。でも、こうなっている事実があるという部分の中で、どんな子でもやはり最終的には目を掛けてあげたら、目を掛けてあげたら伸びるということは、これはよく分かりますね。敏感に、何度もこれも言っていますけれども、どんな思いで接しているのかというのは敏感に感じ取っています。そういう意味では、感性は豊かですから。
 ですから、大きな問題なんでしょうけれども、でも余り、先ほどもどなたか言っておられたように、余り真剣に、深刻に考えるよりも楽しみながらやっていく、こんな時代になっているなという、そういう部分から切り込んでいった方が何かいいような気もするんですけれども。
 以上です。
#72
○会長(広中和歌子君) ありがとうございました。
 それでは、杉本参考人。
#73
○参考人(杉本健三君) 「トライやる」、八年目になりまして、最初に「トライやる」を経験した生徒は、子供たちはもう二十歳を若干過ぎておる年になっております。
 ただ、先ほども申し上げましたが、私どもの検証という形では、五年目の検証を平成十四年にやりまして、このときは高校生が「トライやる」経験した生徒でしたので、高校生に対するアンケート等は実施いたしましたが、残念ながら、今御指摘ございました、実際に就職して、今働いて、振り返ってみれば「トライやる」どうだったのかと、また「トライやる」経験していない子供たちとどう違うのかといったふうなことにつきまして、現時点ではまだ検証できておりませんが、先ほども申し上げましたように、是非、十年目の検証のときにこういったふうなことも含めてやっていきたいと。
 ただ、高校生のアンケートの中では、やっぱり中学校のときにあれやってよかったと。中学生に対しては、是非、やすきに流れないで、活動場所を選ぶときに、あそこへ行ったら面白いでとか楽しいでとか、面白いおっちゃんがおってやでと、こんなことでないようにといったふうな、かなりしっかりしたアンケート調査も出てきておりますので、不安に感じながらも、何らかの形で勤労観あるいは職業観に結び付いたような結果が出てほしいなという気持ちは持っております。
 まだ、今ではできておりません。申し訳ございません。
#74
○会長(広中和歌子君) ありがとうございました。
 玄田参考人、お願いします。
#75
○参考人(玄田有史君) 若者がコミュニケーション力が不足しているというのは、私は最近若干間違いではないかなと思うようになりました。
 コミュニケーション力がないと過剰に自分がそう思っている、ないしは思い込まされていると。もしかしたら、大人が自分がコミュニケーションができないのを、若者はコミュニケーション能力がないなと言い換えている節もあります。
 ただ、もっと言えば、ああ、自分でも何とかなるんだということを実感させることです。だから、私がトライやる・ウィークを大変高い評価をさせていただいているのは、今情報はあるんですが、五感で得るような情報がありません。自分の目で見て自分が触って自分が感じる情報というのは、やっぱり正におっしゃるように地域の力しかないわけです。
 私がトライやる・ウィークである校長先生にお話聞いたときには、この理念は地域の教育力の再生だとおっしゃいました。ただ、元々は戦後の青空学級のイメージであり、昔よく言われた他人の飯を食うことであって、その中で、ああ、自分でも何とかなるんだって実感を持たせること。そう考えると、私はキャリア・スタート・ウィークを非常にすばらしいと思うんですが、金額にせよ、やり方にせよ、全く不十分だと思っています。たしか数億円という予算が今年組まれたと思いますが、兵庫県の約三百七十校だけで四億五千万のお金を掛けて県と市町村でやっていらっしゃるわけです。全然足りません。
 また、何度も言いますが、十一月の第二週、十四歳の十一月って荒れるんです。非常に子供たちの精神が不安定になるんです。そのときに、大人が本気で地域で受け入れられる、そのぐらいの一週間にする。NHKの全国ニュースになる、本当に大人が子供にまともに向かい合う一週間つくるぐらいのことを大規模な企画としてやっていかないと駄目だと思います。
 ただ、そこまでいかないまでも、例えば地域のお祭りにちょっと若いやつの手が要るんだでもいいんです。また、案外ここでは第一次産業が力を持ちます。自分探しに頭でっかちになっている子供たちに、やっぱり農業とか、結局はおてんとうさまの力が大きいんだって、いい意味で開き直らせるきっかけは農業体験というのが実はとっても意味があると思っています。
 やり方は何でもある。地域で子供たちに期待しているんだ、そういう役割を持たせる、それを上手に大人がやることだろうと思います。
#76
○会長(広中和歌子君) それでは、工藤参考人。
#77
○参考人(工藤啓君) フリーター対策ですけど、僕は絶対に正社員の方で推していった方がいいと思います。
 理由は二つありまして、特に年齢が二十代後半になったうちの六割から七割の若者が正社員を希望するという、本人たちの希望が一点です。もう一点は、契約とか派遣とか、労働形態がすごくたくさん広がってきて、大人社会も大分それを、まあしようがないのも含めて、認めていると思うんですけれども、ああ若者はいろんな働き方があっていい、でも、うちの息子だけは正社員とか、うちの娘は公務員という、そういう保護者の意識というのはまだまだ、自分の、うちの子に限ってじゃないですけど、そういう意識はまだまだありますし、パラサイトというような言葉がありますけれども、親と一緒に住んでいるフリーターの方が多いわけで、親の意向というのはやっぱり大きい。そういう意味では、正社員の方への支援を推した方がいいのかなとは思います。
 ただ、正社員のイメージってすごく単一で悪いです。何か勝ち組と負け組という言葉があって、じゃ、負け組って何というと、一生懸命働いて、最終的にリストラされちゃうとか、病気になっちゃうとか、自殺しちゃうとか、ああ正社員になって一生懸命働いた結果がそれだったらならなくていいやという。でも、本当の事実ってみんなやりがいを持ってやっていると思いますし、去年の七月に、多分日本で、全国で初めて、僕、ニート勉強会というのを去年の七月の段階でやって、第一回目が玄田先生だったんですけど、そのとき、情報って情という言葉と報という言葉からできているのに、報ばっかりが伝わって、情が伝わってないという言葉をいただきました。この情の部分を、サラリーマンの人だって一生懸命やったりとか家族のために頑張って幸せだというような、そういう情の部分をもっと伝えてあげれば案外、正社員とかサラリーマンのイメージというのももっと良くなると思います。
#78
○会長(広中和歌子君) ありがとうございました。
 それでは、松村祥史さん。
#79
○松村祥史君 自民党の松村祥史でございます。
 今日は、四名の皆様、貴重なお話を聞かしていただきまして、ありがとうございました。
 まず最初に、中井さんにお話をお伺いしたいんですけれども、私も、昨年の七月当選したばかりでございまして、それまでは経営者をやっておりました。こんな立派な文章は付けませんでしたけれども、やはり感謝の思いで、ありがとう、今月もありがとうございましたと、毎日こう付け添えておったんですけれども、正に経営をやられている方々の熱い思いが伝わってまいりました。すばらしい会社なんだろうなと思っております。
 そこで、もうずばりお尋ねいたしますけれども、二百十三万人の社員を持っていらっしゃるとして、まあその方々がニートだとします。こういう方々を社長として、経営者として意欲を持たせる、さっきのような実情からいろんな力を付けさせていく。どういった方法論を持っていらっしゃるか、ありましたらば少し聞かしていただければなと思います。ちょっと漠然とした話ですけれども。
 それから、玄田参考人にお尋ねしたいんですけれども、若者が若い方々を支援すると、非常に大事なことだと思います。
 ニートの定義についても、経済状況であるとか、人付き合いが苦手、いろんな問題がたくさんあると思うんですけれども、私が思うに、例えば先ほどおっしゃった、病気が、けがを理由に、いろんなものにもう一つ踏み込もうとすることに、それができないんだという定義がありますよね。少々、私が思うに、悪戦苦闘能力不足じゃないのかなと。例えば、景気が悪い、学校を出てない、だから正社員になれない、だから働いても一緒だと思うか、だからどうしようと思うか、ここがやはり分かれ目だと思うんですね。
 そんな中で、今日おいでの教育機関であったりNPOの皆さんがいらっしゃって、そういうところにどういった、いろんな箇所があると思うんですけれども、若者が若者を支援していく、またいろんな団体がそういう方々を支援していく方策、これ、ほかにもっとありましたらば。先ほどトライやる・ウィークの全国一斉、非常に私も、ああ、いい方法だなと思いました。こういったものを含めて、ほかにいろいろアイデアがありましたらば聞かしていただければなと思います。
 それから、最後に工藤参考人にでございますけれども、二十七歳ということで、非常に頑張っていらっしゃるなと。ただ、今日いろいろお話を聞いてて、私もニートの定義について理解しようと思って今日は楽しみに参りました。そんな中で、例えば国民の義務を果たさないんじゃなくて、果たせないんですというようなお言葉を使われております。この感覚がやはり我々、私にはなかなか理解できないものがあるんですね。
 というのは、まあここにいらっしゃるほとんどの皆さんでしょうけれども、やはり目的意識を持ってやってきたからこそ今があるという方々ばっかりであろうかと。そんな中で、そういう若者を理解しようとしたときに、やはりそういう若者ができ上がった時代背景とかいろんなものがあると思うんですね。例えば、三十五歳以下の方々という定義でございますから、まあ二十歳でお父様、お母様が産んでいただいたとしても、今五十五歳以上であったり、正に団塊の世代の方々であったりするわけですね。
 こういったときに、そういう実際、まあ自分ではニートとはおっしゃらないでしょうけれども、そういう定義の中で頑張っていらっしゃる方々の時代背景、経済背景、接していらっしゃって共通点なんかあるのかなと。そこを根本的にやはり変えていかないと、この現象というのはなかなか対応ができないのかなと。いい、何か共通点とか、そういうものがございましたら教えていただければと思います。
#80
○会長(広中和歌子君) それでは、中井参考人、お願いいたします。
#81
○参考人(中井政嗣君) 以前、大阪府の依頼でホームレスを三か月、私どもで研修した実績があります。そこで言ったのは、以前コックをやっておったり調理師をやっておったりして、で、ホームレスになって、それから、四十、五十代が中心なんですけれども、新たに仕事ができるのかどうかという、そのための場所として提供さしていただいたんですが、やっぱり、さっきも言いましたように、もう考え方だけなんですね。あんた方やる気あるんですかと、そこから入っていったんですけれども。
 先ほどの質問、二百十三万人がニートというのは、これを一つのどないしてということなんですけれども、まああり得ないんですが。それはもう組織で考える以外ないわけで、そういう二百十三万人じゃなくても、例えば二百人集めて、その中でも甲、乙、丙がおるわけですから、その中でちょっとでもやる気のある人間を柱にしながら、私だったらですね、柱にしながら、それを核にして、ほんならまたそこから五、四、三、二、一ができるわけですけれども。というような、ちょっと芽があったら、もうその子たちを核にしながら、全然別個の人間を持ってくるんじゃなくて、先ほどニートをニートが世話するみたいなね、ということがいいのかなというふうに思ったりします。
#82
○会長(広中和歌子君) では、玄田参考人。
#83
○参考人(玄田有史君) 悪戦苦闘能力不足とおっしゃられた表現、大変言い得て妙だと思います。正におっしゃるとおりで、私が訪問したNPOで、あるところでは、何をしているんですかという質問に、失敗の経験をたくさんさせると言っていました。失敗の経験が足りない。あるNPOで、別のNPOは、負ける練習をたくさんさせると言っていました。正におっしゃっている感覚と近いんだろうと思っています。
 じゃ、どうして失敗経験、負ける経験がないかというと、突き詰めると、やっぱり家庭の問題が大きいと思っています。ですので、私は、ある部分はもう対策を立てながらも難しい部分があると思っています。それは、私はあんまりインタビューとかで親のせいだって言いたくないのであんまり言わないですけれど、親の問題は大きいと思っています。親がどうやって小さいときに子供にちゃんとした失敗経験をさせるかというのは大きいんですが、これを政策的に親を変えるというのはとてつもない大きな難しい問題だと思っています。
 そうすると、もう一つの期待はやっぱり学校の先生だろうと思います。学校の先生がちゃんといい失敗経験、負けさせる練習をできるような力を持っていればいいと思うんですが、ただ、だからといって先生に過大な負担ばかりを掛けることもやっぱり現実には難しいだろうと思っています。
 ですので、実は私は、かなり小さい段階からそういう失敗経験、小さな失敗経験を過剰にとらえ過ぎないようなこと含めて、例えば進路相談士といったような国家資格でもつくって、本当に中学校の一年生のときから毎学期一回ずつ高校を卒業するまで、場合によっては大学卒業しても就職してもずっと付き合って話を聞いてくれるような、就職の問題、心の問題、福祉の問題、いろんなことを知っている、具体的に言えばスクールカウンセラー的でもありソーシャルワーカー的でもありキャリアコンサルタント的でもあるような、やっぱりそういう力を持った、資格を持った若者をつくっていくということが現在に必要なんだろうと思っています。もし、百二十万人、今中学一学年、ぐらいいますから、一万二千人ぐらいでもそういう人たちができれば年間百人ぐらい、もうこれも大変な数ですけど、対応できることになるわけで、そのぐらいの構想を立てていかないと、学校の先生とか親というのが非常に重要なんですけれども、そこばかりに期待していても現実的には難しいだろうというふうなことを考えております。
#84
○会長(広中和歌子君) ありがとうございました。
 工藤参考人。
#85
○参考人(工藤啓君) 社会的な背景としましては、昔元服というのがあって、十代ぐらいで人は成人としてみなされたと思うんですけれども、昭和二十三年に法律が発布されて成人式が二十歳になりました。そのときの平均寿命って大体六十ぐらい。それから、社会が豊かになって、平均寿命が八十になって、いまだに成人式は二十歳で、だれも大人は二十歳の若者を成人だと思って扱っていません、テレビを見れば分かるとおり。じゃ、人生が長期化して社会が豊かになると何が起こるかというと、思春期が長期化します。思春期というのは大人になるための時間です。少なくとも、二十歳が大人とみなされない以上、じゃ三十ぐらいまでは少しそういうような迷いがあっても当たり前なんだという社会的な背景というのは大事だと思います。
 もう一つは、成長における背景で、僕らは怒られない。あいさつをしなくてもそれほど怒られなかった。道路にたばこを捨てても怒ってくれる大人がいません。なぜなら大人も捨てているからです。携帯の電話、鳴っているのは案外若者だけじゃない。サラリーマンの方だって鳴っていて、出たりもする。ずっとあいさつもしなくて、携帯電話で怒られなければ、それが悪いと思うこと自体がほとんど不可能です。そういう意味では成長的背景として余り怒られてこなかったので苦労もしていない。まあ、もちろん今若い人を怒ると何されるか分からないというおそれもあると思いますけど。そういうのというのが一つあります。
 最後ですけど、目的意識を持ってという話ですが、目的意識を持ててうらやましいと思います。というのも、今ネットとかで情報が早く回ってしまいますので、中学校でセリエAの中田、俊輔になりたい人間、なりたいと思った中学生は、調べれば中田、俊輔が中学校の時点でどんな活躍したかもう分かるんです。そうすると、もう無理じゃんと分かってしまう。政治家になるのだってやっぱり大変だと思うんですけれども、その大変な部分って漫画とかネットでもう出ていて、どれぐらい大変かというのが小中学生の時点でもう分かってしまうので、そもそも目的を明確に持つこと自体が結構難しいという、そういう情報化の弊害というのが出てきていると思います。
 以上です。
#86
○会長(広中和歌子君) ありがとうございます。
 谷博之さん。
#87
○谷博之君 民主党・新緑風会の谷博之でございますが、時計の針がもう四時ごろになってまいりましたから、三点ほど先生方にお伺いしようと思っていました、時間の関係で、大変貴重なお話をいただいて大変勉強になりましたが、一点だけお伺いをしたいと思いますが。
 特に、玄田参考人の方からいろいろお話がありましたように、そういうニートの状態にある人たちのやっぱり小さいときからの子育ての問題とか家庭におけるいろんな問題、それ非常に大きいというような話も聞きましたけれども、現実にそういう状況の中でニートとして八十五万人の若者がいると。しかもそれは、両親あるいは家庭で扶養しているというか、扶養されているとかいうことだと思うんですけれども。
 いろんな原因がありますけれども、特にそういう問題で大変悩んでいる、今後どうしようかと思っている、そういうふうなお父さんやお母さん、家族の皆さん方に対して、具体的に特に両親が何をするべきか、何をしたらいいか、今後どういう対応をしていったらいいんだろうか、非常に皆さん、出先が見えなくて困っているというか大変悩んでいると思うんですけれども、何か一言そういう人たちに対するアドバイス、あるいはそういう一つの方向性を見いだすような事柄の発言があるとすれば具体的にどういうことがあるか、玄田参考人と中井参考人にお伺いしたいと思います。親に対してということです。
#88
○会長(広中和歌子君) それでは、中井参考人、お願いいたします。
#89
○参考人(中井政嗣君) 人間って、我々、従業員は特にそうなんですが、説得してもなかなか動きません、納得せんかったら。ですから、納得さすというのはこれは非常に難しいんですけれども、何て言ったらいいんですかね、ちょっともう一回、質問をもう一回ちょっと教えてください。
#90
○谷博之君 そういう悩みを持っている、やむを得ずそのニートを扶養しているというか、おかしいですが、抱えている親に対して今アドバイスできることがあるとすれば、一言で言えばどういうふうなアドバイスができるか。いろんな原因がそういうところにあるということは説明でも何回か出てきています。
#91
○参考人(中井政嗣君) ええ、ケース・バイ・ケースありますけれども、そうですね、僕は、いやまあ、いろんなケースがありますんで何とも言えないですけれども、ただ、親としてしっかりしなはれと言うことからなんですけどね。
#92
○谷博之君 会長、いいですか。
 聞き方がちょっと漠然とし過ぎたのかもしれませんけれども、例えば、小さい子供さんが学校にどうしても行けなくて不登校のような状態になっている家庭の親御さんも非常に悩み持っていますね。それに対しては、いろんなカウンセラーの人たちの話は、その子供さんたちのあくまで状況をしっかり見ながら、やっぱり子供さんが学校に行けるそういう状況をつくってやるべきだと、こういうふうなアドバイスをする人が非常に多いと思うんですけれども。
 現実にニートという状態になっている人たちをそういう状況で家庭が抱えているということになれば、それは当然御本人の問題であるわけだけれども、やっぱりそれ以上に両親が悩んでいる、何していいかということ、非常にいわゆる出先が見えないでいるという、そういう状況が多いわけですよね。そういう悩んでいる両親に対して具体的に、もう少しそれを見守っていけばいいのか、あるいは何かいい方法のアドバイスをすることはあるんだろうか、こういうところなんですけれどもね。
#93
○会長(広中和歌子君) 中井参考人。
#94
○参考人(中井政嗣君) 私、専門家ではありませんのでよく分からないんですが、いつも私、子供に言うのは、やっぱり自分が何で働いているのか、あるいは子供に対してどうなってほしいのかということをもっと的確に、正直に、誠実に伝えることやというふうに思いますけれども。
#95
○会長(広中和歌子君) それでは、玄田参考人。
#96
○参考人(玄田有史君) 私は具体的にこう言います。是非、役場でもいいし、近くにハローワークがあったら行って、こういうふうに言ってくださいと。どうも、国とか市町村か知らないですけど、最近、若い人を支援する窓口ができたそうですねと、それはどこにあるんですかって聞いてくださいと。ジョブカフェとかヤングジョブスポット、ほとんどまだ認知が進んでいません。まずは相談に行くことです。子供のせいにしたり家庭だけで抱えても問題は解決しません。専門家のところに相談に行くべきです。そういう情報がまだ伝わっていません。できれば複数の相談窓口に行ってください。それは大事です。相性があります。
 そして、できれば、もしインターネットが使えるのであれば、「育て上げ」ネットのような支援するNPOを探してください。子供が引きこもりであると思ったら、引きこもりの親の会を探してください。ただ、これ探せないときがあります。これは行政が悪いんです。さっき請負のちゃんと実態が分かっていないって松先生おっしゃいましたけど、今どういう若者を支援する、支援するNPOがあるのか、内閣府にも、多分厚生労働省にもリストは存在していません。大至急調べて、ここに相談に行けばこれぐらいのことをしてくれるんだという情報リストをだれもがただで入手できるようなものをつくるべきです。
#97
○会長(広中和歌子君) ありがとうございました。
 まだ御質問を希望している方がいらっしゃいますけれども、予定の時間が参りましたので、本日の参考人に対する質疑はこの程度にとどめます。
 工藤参考人、そして玄田参考人、杉本参考人及び中井参考人、本当にすばらしいお話を伺いまして、私ども本当に心から感謝しているところでございます。御多用の中、時間を割いてくださいましたこと、心から御礼申し上げます。
 本日お述べいただきました御意見は今後の調査の参考にさせていただきたいと存じます。本調査会を代表して厚く御礼申し上げます。
 ありがとうございました。(拍手)
 次回は来る五月十一日午後一時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時散会
ソース: 国立国会図書館
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