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2005/04/12 第162回国会 参議院 参議院会議録情報 第162回国会 環境委員会 第7号
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2005/04/12 第162回国会 参議院

参議院会議録情報 第162回国会 環境委員会 第7号

#1
第162回国会 環境委員会 第7号
平成十七年四月十二日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         郡司  彰君
    理 事
                大野つや子君
                真鍋 賢二君
                谷  博之君
                加藤 修一君
    委 員
                阿部 正俊君
                狩野  安君
                関口 昌一君
                中川 雅治君
                矢野 哲朗君
                大石 正光君
                芝  博一君
                島田智哉子君
                林 久美子君
                福山 哲郎君
                高野 博師君
                鰐淵 洋子君
                市田 忠義君
   国務大臣
       環境大臣     小池百合子君
   副大臣
       環境副大臣    高野 博師君
   大臣政務官
       環境大臣政務官  能勢 和子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        渋川 文隆君
   政府参考人
       文部科学省研究
       振興局長     清水  潔君
       厚生労働大臣官
       房審議官     黒川 達夫君
       厚生労働省健康
       局長       田中 慶司君
       農林水産大臣官
       房審議官     高橋 直人君
       農林水産大臣官
       房審議官     染  英昭君
       林野庁森林整備
       部長       梶谷 辰哉君
       国土交通大臣官
       房技術審議官   冨士原康一君
       国土交通省都市
       ・地域整備局下
       水道部長     谷戸 善彦君
       国土交通省河川
       局長       清治 真人君
       環境大臣官房廃
       棄物・リサイク
       ル対策部長    南川 秀樹君
       環境省総合環境
       政策局環境保健
       部長       滝澤秀次郎君
       環境省環境管理
       局長       小林  光君
       環境省環境管理
       局水環境部長   甲村 謙友君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○湖沼水質保全特別措置法の一部を改正する法律
 案(内閣提出)
    ─────────────
#2
○委員長(郡司彰君) ただいまから環境委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 湖沼水質保全特別措置法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、文部科学省研究振興局長清水潔君外十二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(郡司彰君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(郡司彰君) 湖沼水質保全特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○狩野安君 おはようございます。自由民主党の狩野でございます。今日はよろしくお願いいたします。
 湖沼法は昭和六十年に施行されて、制定から二十年を経過しております。この間、指定された湖沼は霞ケ浦、琵琶湖など十湖沼となっており、指定湖沼には湖沼水質保全計画が策定され、各種の施策や事業が実施されておりますが、水質環境基準の達成状況は湖沼全体では依然として低いのが現状であります。ほとんどの湖沼においていまだ環境基準は達成されていない状況です。
 今回の法改正は二十年ぶりの大きな見直しとなっておりますが、私の地元の代表する霞ケ浦におきましても、湖をきれいにするための数々の施策が実施されておりまして、CODの数値が昭和五十四年をピークにどんどん下がり始め、平成三年までは下がり続けておりました。それからは上昇に、また上ってきておりまして、その対策に大変頭を痛めているところであります。このことは、取りも直さず、現在施行されております法律がその使命を果たせなくなってきているということにほかなりません。こうした実態を見ておりますと、湖沼法に対するもっと早い時期での取組がなされるべきであったと思いますが、大臣いかがでしょうか。
 そしてまた、今回の湖沼法の改正によってどの程度湖沼の水質改善が図られるのかが一番問題かと思います。この法改正によって、具体的にはどのような結果を期待しているのかを大臣にお聞きしたいと思います。
#6
○国務大臣(小池百合子君) 湖沼法の制定から二十年以上が経過をしているということでございます。しかしながら、湖沼の水質の改善は足踏み状態である、停滞しているということにつきましては御指摘のとおりでございます。
 また、昨年、総務省の方からも政策評価ということで、一定の効果は認められるが、期待される効果が発現しているとは認められないということで、評価をいただいたところでございます。評価というか、おしかりをいただいたものと、このように思っております。
 環境省としても、以前からこの湖沼の水質保全対策、施策としてフォローアップを行ってまいりましたけれども、しかしながら、湖沼水質保全の施策全体については、その施策の効果を把握したり評価するということについては一定の期間が、時間が必要であるということであったり、また、湖沼の汚濁原因の一つであります農地とか市街地などからの流出水への対策については技術的な検討にも時間が掛かるといったようなことで、これまで大きな見直しをするには至らなかったということでございます。
 しかしながら、今申し上げましたように、湖沼の水質の保全というのは大変必要でございますし、また、国民の生活にとりましても何よりも重要という観点から、今回、二十年ぶりでございますけれども、湖沼法の改正を含めて行いたいということでございます。
 そしてまた、具体的にどういったところを目指しているのかという、二番目の御質問だったかと思いますけれども、これまで水という観点からは、下水道の整備ということ、それから下水道の整備によって生活排水対策を行ってきた、それから新増設の工場、事業場の汚濁負荷量の規制を行ってきた、それから湖沼内でのしゅんせつということを行ってきたわけですけれども、この法改正で流出水対策地区制度を新設いたしますけれども、これによって指定地区内での流出水対策が重点的、集中的に行われるということで、農地、市街地などからの流出水の汚濁の削減が進むことがまず期待されます。そしてまた、湖辺の環境保護地区制度を新設させていただきますが、これによってヨシ原などの水質改善に適した湖辺の環境の保護が図られる。そしてまた、三つ目といたしまして、指定地域内のこれまでにももう既にある工場であるとか事業場、これに対して負荷量の規制ということを行うわけでございますけれども、これらから排出されます汚濁の削減ということも期待されるところでございます。
 これらの施策、適切に実施されまして、それによって湖沼の水質の一層の改善を図る、これを目標としているところでございます。
#7
○狩野安君 私は大変残念だと思いますのは、今までにも、世界湖沼会議が一九九五年茨城県、そして二〇〇一年には滋賀県で開催されておりまして、日本の湖沼が世界にクローズアップされる機会があったわけです。二回もありました。その間何もしなかったということは大変残念だというふうに思いますし、また環境省は二〇〇一年の省庁の再編に伴って環境の保全の観点から国の形を考える政策官庁として省に昇格したわけです。それから、時代のニーズにこたえ、他省庁のかじ取りを行うような環境施策を率先的に行っていくべき立場というふうに考えております。
 それが私は大変残念なのは、総務省がいろんな面でチェックする立場だとは思いますけれども、特に自然環境においてほかの省とは立場は違って、環境省が環境問題に関してのその指摘を受けたということは私はとっても残念でならないわけです。せっかく庁から省に昇格したわけですから、もっともっとリーダーシップを発揮していただくことが大事だなというふうに考えておりますし、やっぱり自然環境というものはみんな国民の一人一人が関心を持っている大事なことでありますので、その自然環境に関してチェックを受けたということが私は大変ショックでございますので、これからまた大いに環境省としても力を発揮して頑張って、大臣の頑張りをいただきたいというふうに考えております。
 また、総務省の政策評価に関してでございますけれども、水質汚濁機構の解明及び云々とございますけれども、湖沼の水質汚濁機構の解明についてですけれども、湖沼の複雑なメカニズムが分からないと効果的な対策を講じることができないではなかろうかと思います。確かに湖沼ごとに特性が違いますけれども、共通することが多いわけで、これは高度な科学的知見を必要といたしますので、国が責任を持って取り組むべきだと思います。国立環境研究所、大学などの知識を結集して、幾つかの湖沼を選んで集中的に調査研究を実施してはどうでしょうか。そこで得られた結果は、汚濁機構の解明ばかりでなく、浄化技術の開発へとつながっていくものと思います。
 今回の湖沼法の改正を補強する意味からも、原点に戻った汚濁機構の調査研究を是非実施すべきと考えます。今後どのように行おうとしているのか、お伺いしたいと思います。
#8
○政府参考人(甲村謙友君) 御指摘のとおり、湖沼の水質改善施策を推進するためには、湖沼の複雑な汚濁メカニズムの解明が不可欠であると認識しております。このため、環境省が中心となりまして、都道府県等との連携の下、汚濁負荷量の実態調査、それから汚濁負荷発生のメカニズムの解明等を進めてきたところでございます。また、平成十七年度予算におきましても、湖沼水質保全計画策定支援調査等を計上しておりまして、湖沼内での汚濁負荷発生メカニズムの解明等に取り組んでいるところでございます。
 今後とも、このような調査等を通じまして、湖沼の汚濁負荷メカニズムを定量的に解明し、より効果的な水質改善施策を実施してまいりたいと考えておりますし、またそこで得られた成果につきましては、湖沼だけに限らず、河川や海の水質浄化技術の開発などに有効に活用してまいりたいと考えております。
#9
○狩野安君 先ほど私がお話ししましたように、国立環境研究所とか大学などを利用していろいろと研究していかれるといいんじゃないかというふうに思います。
 また、経済的な手法の導入についてですけれども、これはいろいろな方法があるだろうと思いますが、新たな政策手段として今後どのように検討を進めていくおつもりか、お聞かせをいただきたいと思います。
#10
○政府参考人(甲村謙友君) 経済的手法の導入についてでございます。
 これにつきましては、今国会に提出されております下水道法改正法案におきまして、下水道の高度処理を効率的に推進するために、異なる下水処理場間の間でその処理の度合いとそれに要する費用の負担の調整につきましての措置が講じられることとなっております。
 それ以外の水質保全対策における経済的手法の導入につきましては、引き続き海外の導入事例等を調査し、日本における適応性等につきまして調査、検討してまいりたいと考えております。
#11
○狩野安君 いろいろと問題もあると思いますけれども、是非よろしくお願いいたします。
 また、次に、流出水対策地区の新設について質問をさしていただきます。
 農地や市街地からの流出するいわゆる特定汚染源対策についてですが、琵琶湖も霞ケ浦も御存じのように湖の周辺には広大な農地が広がっております。そのような中で指定する範囲についてどういうお考えなのでしょうか。
 例えば、かなり広い範囲を指定することになれば、そもそも発生源を特定するのが難しい、また実効性という点でも実際に機能させるのが難しいのではないかと思います。また一方、余りにも小さい範囲であるならば汚濁負荷削減という点で効果が少ないのではないかと思うわけでありまして、そこで、環境省はこの地区指定の面積規模はどのくらいと考えておられるのか、教えていただきたいと思います。
#12
○政府参考人(甲村謙友君) 非特定汚染源の対策として流出水対策地区を指定することとしておりますが、この指定につきましては、地域の実態を踏まえて都道府県知事が行うこととしております。
 このため、地域の実態によりましてその面積は必ずしも一定ではないと考えておりますが、この流出水対策地区は、単に地区を指定して対策を行うということだけじゃなくて、その対策の結果をモニタリングをして更に効果的な対策として進めていくということでございますので、そういうモニタリングを行うということ、あるいはその施策を集中的に実施していくということを考えますと、余りに広い地域を地域として指定するということは適当ではないと考えております。最大でも湖沼に流入する各々の個々の河川の流域単位が適当ではないかと考えておりますが、これにつきましては、湖沼環境基本方針におきまして具体的な内容を記載したいと考えております。
#13
○狩野安君 この範囲を決めるというのは大変難しい、自然の流れの中で決めるわけですから大変難しいと思いますけれども、できるだけ効果のあるようなことをしていただきたいというふうにお願いをいたします。
 また、汚濁原因の著しい発生源者に対して指導、助言、勧告を行うということですけれども、発生源の特定が難しい非特定汚染源を相手にするわけですので、どのようにして汚濁原因の著しい発生源者を特定するのか、また指定の要件や基準をどのように考えているのか。この規定の実効性を担保する上で大変重要であると思われますので、これをお伺いしておきます。
#14
○政府参考人(甲村謙友君) まず、農地や市街地から流出してくる流出水と申しますのは、多くの場合、個々の土地の所有者の方々にとりましてはそれが汚濁の原因となっているものを発生しているという認識をお持ちでないというふうにまず思います。そのため、まず、この流出水対策地区におきましては、まず、地区の中の住民の理解と協力の下、流出水の水質改善に対する施策が促進されるよう、普及啓発等の誘導的な措置を講ずることとしております。
 また、これらの措置を実施いたしまして、その対策の実施状況や効果をモニタリングいたしまして、その結果、土地の利用形態等を勘案いたしまして、同じような土地の状況に比べて特に大きな汚濁原因物が発生していると判断した場合には指導、助言、勧告等を行うということとしております。
#15
○狩野安君 また、今の中で負荷量規制を既設している事業所にも適用するということですか。──はい。
 負荷量規制の強化によって事業者に過大な負担が掛かるということも私は心配をしております。
 さらに、農地からの肥料対策については、都道府県ではもう既に策定している施肥基準等に基づいた適正施肥の実施とエコファーマーの制度により施策が進められておりますけれども、流出水対策地区に指定された場合、農地に対してはどのような対策が実施されるのでしょうか。対策の実施により農家等の関係者にも過大な負担が掛かるようになるのではないでしょうか。その点をお聞きしたいと思います。
#16
○政府参考人(甲村謙友君) まず、既設の事業場に対する負荷量規制でございます。
 これは、現在の法律では新増設の事業場に対する負荷量規制のみが規定されておりまして、既設の事業場に対する負荷量規制は規定されておりません。それを今回の法改正で既設の事業場も負荷量規制の対象とするものでございますが、その負荷量の規制の中身といたしましては、各事業場が大きな経済的な負担をしない範囲で、つまりは水の排出量を適正に管理することによって、水の濃度掛ける量、これが負荷量となるわけですが、その負荷量が適切な範囲に収まるようにするということで、事業者に対しまして過大な負担を掛けるようなことは考えておりません。
 次に、農地等に対します流出水の対策地区に指定された場合の対策でございますけれども、農地における流出水対策の具体的内容といたしましては、過剰な肥料の使用の抑制などのいわゆる適正施肥の実施、あるいは持続性の高い農業生産方式を導入するエコファーマーの育成のほか、水田を代かきいたしますときの水の排水の水管理の改善等を想定しております。
 これらの対策につきましては、規制によるものではございませんで、誘導的な手法によりまして農家等の理解と協力の下に行われるものでございまして、また農水省さんの方でもいろいろな支援策を講じておられるところでございます。農家等の関係者に過大な負担が掛かることのないように努めてまいりたいと考えております。
#17
○狩野安君 できるだけ農家の関係者にも負担が掛からないようにいい方法を是非検討していっていただきたいというふうに思います。
 また、本制度は農地や市街地の住民の理解や協力が大前提になると思いますが、施策についての普及啓発を進める一方で、施策の効果も情報を提供していくことが重要と考えます。今回の施策を効果的に活用するために普及啓発や情報提供をどのように行っていくのでしょうか、是非お聞かせいただきたいと思います。
#18
○大臣政務官(能勢和子君) 流出水の対策地区制度というのは、工場とか事業所等の規制的な手法と異なりまして、先生も御案内のとおり、普及啓発等誘導的手法によります汚濁負荷の軽減を、削減を進めていくことでありますから、対策の推進に当たりましては本当に関係者の理解を得ることが大変重要であるというふうに考えております。
 このため、今回の改正法案におきまして、都道府県が流出水対策地区を指定する際には、その対策推進計画の意義について十分その地区内の住民の皆様に御理解を得るように努めなければならないということを法の中にはめ込んで、はめ込んでというか、入れ込んでおります。
 具体的には、流出水の対策の内容やその効果とか、あるいは分かりやすい解説記事を広報紙に載せるとか、あるいはホームページに載せるとか、又はそうしたことの説明会とかシンポジウムとか、様々な方法で市民の、市民といいますか、住民の御理解を得る努力をしなきゃいけないというふうに考えております。
 このため、このような施策を、取組につきましては、何といっても住民の理解が大事ということで、私ども環境省といたしましても、効果的に進められるように今後も取り組んでいきたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。
#19
○狩野安君 一番難しいのはやっぱり情報提供だというふうに思いますので、是非、一応みんなは環境問題に大変関心を持っておりますけれども、やっぱり情報提供がとても大事じゃないかというふうに思いますので、是非よろしくお願いいたします。いずれにいたしましても、今までは、非特定汚染源対策は難しいということで、どのようにすればよいか、なかなか対策が取れなかったわけです。
 今回、このような形で対策を講じるようになることは大変評価をしております。しかし、実際には各都道府県知事が定める流出水対策推進計画の中で具体的方策を定めて行うということで、難しいと言われてきた肝心な方策が法律上から分からないわけです。きっと規制的な手法とは別の施策を講じることになると思いますので、そうなりますとやはり対策事業を中心に行うことになると思いますが、これですと財政的な裏付けが大変重要になってくるのではないかと思います。
 国の責任としては、具体的な方策を示して、財源も含めて実施できる計画を策定するようにすべきではないでしょうか。これに対する環境省のお考えをお聞かせください。
#20
○政府参考人(甲村謙友君) 流出水対策推進計画の中身でございますけれども、先ほど、農地につきましては、過剰な肥料の使用の抑制だとか、あるいはエコファーマー、水田の代かき等申し上げましたし、市街地からの排水につきましては、雨水の貯留浸透あるいは道路側溝の清掃等、こういうことでもちまして流出水の対策を行うということでございます。
 具体的には、流出水対策推進計画というのを作りまして、これは湖沼水質保全計画の中に位置付けられるわけでございますけれども、環境大臣が湖沼水質保全計画の同意を行う際には国の公害対策の議を経ることとなっておりまして、この過程におきまして、各事業等を所管する国土交通省や農林水産省等の合意を得る仕組みとなっております。このため、流出水対策推進計画の実施に当たりましては、これら関係省庁の協力の下に円滑に実施されると期待しているところでございます。
 環境省といたしましても、流出水対策推進計画の実施について関係省庁の理解と協力を得られるよう最大限努力してまいりたいと考えております。
#21
○狩野安君 国の責任ということでもありますけれども、環境省の責任として関係省庁とよく連携を取り合って、本当に環境省がリーダーシップを取れるような形で連携をしていっていただきたいというふうに考えております。
 次に、水質浄化機能を確保するための湖辺の環境の適正な保護について質問をさせていただきます。
 まず、基本的な質問なんですが、植生の水質への影響については科学的にどう評価しているのでしょうか、お尋ねをいたします。
#22
○政府参考人(甲村謙友君) 湖沼の水辺あるいはこれに隣接するいわゆる湖沼の水の中に生育するヨシとかガマ等の水生植物につきましては、近年、その水質浄化能力に関する研究が非常に盛んになっておりまして、これらの水生植物が水質浄化能力を有することが科学的に明らかになっているところでございます。
 どういうふうなメカニズムでそういう水質浄化能力を持つかということでございますけれども、これはヨシやガマといったような水生植物が、湖の富栄養化の原因となる栄養塩類、具体的には窒素だとか燐でございまして、そういうものを吸収することを通じまして湖の中の植物プランクトンの増殖を抑えると、いわゆるアオコの発生等を抑えていくというようなこと、またそういう植物が生えていることによりまして水の流れが抵抗を受けまして、湖の水の中に浮かんでいる汚濁物質が底のところで沈殿しやすくなるということ、こういうことでもって浄化メカニズムが働いているものと考えられております。
#23
○狩野安君 確かに、水生植物が水質に影響を与えるということは分かりますけれども、どう影響しているのか、また定量的に分かっているんでしょうか。
#24
○政府参考人(甲村謙友君) 幾つかの調査データがございまして、それを平均いたしますと、例えば有機汚濁の代表的指標でございます化学的酸素要求量、CODでございますが、これにつきましては平均二割程度の除去、それから窒素につきましても二割程度の除去、それから燐につきましては約四割程度がそういう水生植物によって除去されるというような研究データがございます。
#25
○狩野安君 特にこういう問題は地権者とか関係者の理解の協力を得なければならないわけですから、やっぱりそうするには客観的かつ科学的な根拠が必要ではないかというふうに思います。それが分かれば保護すべき植生の規模なども判断できるんではないかと思いますし、私の地元霞ケ浦におきましても、既に国土交通省による水生植物を利用した浄化施設が整備されております。
 しかし、湖沼の水質改善に資するには極めて規模の小さいものでありまして、植生の規模を維持拡大していくためには自然環境保全への取組や自然再生事業を進めていくことが重要と考えていますが、環境省はこうした施策との連帯をどのように進めていくのでしょうか、お聞きしたいと思います。
#26
○副大臣(高野博師君) 委員が御指摘のように、湖沼の水質保全とそれから自然環境の保全、あるいは自然再生促進という、この事業との連携というのは極めて重要だというふうに認識をしております。環境省といたしましては、平成十五年一月からこの自然再生推進法が施行されておりますので、議員の地元の霞ケ浦の湖岸植生再生等も協議会をつくって進められております。
 ちなみに、この自然再生推進法によって今全国では十二か所協議会ができておりまして、私の地元のくぬぎ山等も進められておりますし、釧路湿原等の再生事業も進められているところであります。
 それで、今回の湖沼法の改正の中で最も重要な点は、湖辺の環境保護地区を指定できるということになっておりますので、自然再生事業をされているところ、あるいは自然環境保全の取組をされているところについて保護地区を新設すると、保護地区に指定するということによって湖沼の水質改善がもっと効果的になるということが期待できると思います。特に、植生の伐採等は届出をしなくてはいけないということになりますので、それが適正でない場合には都道府県の方からそれは改善というような指示も出すことができます。
 そういうことも含めまして、今後とも、関係省庁とも連携を取りながら自然環境保全と自然再生、こういうものとの事業を連携させながら湖沼の水質保全を図っていきたいというふうに考えております。
#27
○狩野安君 よろしくお願いいたします。
 先ほどもお話ありましたけれども、ヨシそれからガマの話もありましたが、このガマ、ヨシ以外に具体的にどのようなもの、その植生、ものを想定して、いわゆる保護すべき植物の種類ということで環境省令で決めるとなっておりますけれども、在来種とか外来種とかも含めて、ヨシ、ガマ以外に具体的にどのようなものを想定しているんでしょうか。さらに、現在の指定湖沼において浄化機能を維持できる植物群落を有している湖沼はどれほどあるのでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
#28
○政府参考人(甲村謙友君) 湖辺保護地区におきます保護すべき対象植物でございます。
 委員御指摘のとおり環境省令で法施行までに定めることとなっておりますが、現時点では、先ほど申しましたヨシ、ガマ等のほかに、例えばマコモ、セキショウモ、ショウブ等が想定されておりますが、今後、植物の水質浄化能力の調査研究事例等を調査いたしまして、環境省令で定める水生植物の種類を具体的に検討し、定めてまいりたいというふうに考えております。
 また、現在の指定湖沼におきまして浄化機能を活用できる植物群落を有している湖沼はどれくらいあるかというような御質問でございます。
 浄化機能を活用できる植物群落につきましては、湖沼の各々の立地条件によって異なると考えられておりまして、現時点では必ずしも全体的に把握できている状況ではございません。しかしながら、ヨシ原等の水質浄化機能に着目した取組といたしましては、例えば琵琶湖や議員御地元の霞ケ浦、あるいは諏訪湖等におきまして水生植物群落の保護、修復や復元等の取組がなされているところでございます。先ほどの対象植物の省令指定の検討の際にも、このような事例を参考にしつつ検討してまいりたいというふうに考えております。
#29
○狩野安君 いろいろと湖沼によって違うと思いますね。護岸がコンクリートで固められていたり、それから田んぼがあったりとかハス田があったりとか、そしてそれによって水生植物が成長できるものとかできないものとかっていろいろ対応があると思います。そういう、これから水生植物を指定していく場合には、もっともっとその研究を深めて、もっと新しい植物があるかもしれないということで、適応できる水生植物と適応できないのとか、いろんなその条件によって、各湖沼によって違うと思いますので、その辺もよくこれからも研究を重ねていっていただきたいというふうにお願いを申し上げます。
 さらに、実際の指定に当たりましては、河川管理者との協議が必要になると思います。それも結構難しいと予想されますが、こうした場合、環境省がどうかかわっていくのでしょうか。また、関係省庁との連携についてお伺いいたします。
#30
○大臣政務官(能勢和子君) 湖沼の水質の保全を図る上で、湖沼を管理いたします河川管理者との連携が大変重要であるため、今御指摘いただきましたとおり、今回の改正法案におきましては、都道府県知事が湖辺の環境保護地区を指定するときには指定湖沼を管理する河川管理者と十分協議しなければいけないというふうにしているところであります。これが第二十九条の第三項に掲げているところであります。
 今御指摘いただきました、環境省といたしましては、その都道府県知事と河川管理者との協議が円滑に進むように、関係省庁と連携の下に、地区指定の基本的な考え方につきましては国が定める基本方針ということを盛り込むというふうにしているところであります。
 また、指定されました地区におきましても、湖沼の水質の保全の効果的な対策が重点的、集中的に実施されますように、関係省庁と連携、そして協力体制を更に構築していきたいというふうに考えておるところであります。よろしくお願いいたします。
#31
○狩野安君 関係省庁との連携についてはもう本当によくお願いをしたいと思いますが、特に国土交通省、そして農林水産省、独自で環境問題に真剣に取り組んでいるわけですが、私は、その上に立って環境省というのはリーダーシップを取って、本当は環境省がいろいろと指示をして、それこそ総務省のあれじゃありませんけれども、意見じゃありませんけれども、環境省の意見が十分に取り入れられるようなそういう省になってほしいというふうに心から願っておりますし、そういう意味でもいろいろと難しいことも予想されますけれども、環境省も自信を持って国土交通省、それから農林水産省、特にこの二省とはよく連携を深めていっていただきたいと。これが連携を深めることによって湖沼が良くなるわけですので、ひとつよろしくお願いをいたします。
 それから、今回の法改正には生活排水対策が含まれておりませんけれども、これも湖沼の浄化に関してはとても大きな問題だというふうに思っておりますので、今後の生活排水対策について、大臣のお考えがあればお聞かせをいただきたいと思います。
#32
○国務大臣(小池百合子君) 生活排水対策、これは湖沼全体の水質改善を図る上でも不可欠のポイントであろうかと思います。オリジンがどこであれ、流れ込む湖沼の水質が改善されないというのは大きな問題であるがゆえに、この生活排水対策というのは極めて重要だと思います。
 環境省ではこれまでも、湖沼の水質保全計画の中で、生活排水処理施設の整備は計画的に進めてまいりました。今後更に、この湖沼計画に基づいての合併処理浄化槽の整備の推進、それと、今御指摘ありましたように、関係省庁との連携をしっかり取っていくということで生活排水処理施設の整備も進めてまいりたいと考えます。
 また、地域再生のための基本方針ということで、環境省、国土交通省、農林水産省所管の汚水処理施設の整備をもっと効率的に行わなければならないという観点から、それぞれの事業間での融通を利かせたり、それから年度間での事業量の変更が可能となるように、ある意味で使い勝手の良い、そしてまた効率の良い制度として汚水処理施設整備交付金という制度をこの平成十七年度から創設したところでございます。地域の実情に応じたこの汚水処理施設の整備が推進されていくものと、このように期待をいたしているところでございます。
 また、生活排水対策といいますと、その出どころはそれぞれの家庭ということになるわけでございますので、この面でも、水は流したら後は知らないというのではなくて、自分の出している水がどのような影響を与えていくのかということにも思いを致していただけるような、そういう啓発などもしっかりとしてまいりたいと、このように考えております。
#33
○狩野安君 私の質問はこれで終わりますけれども、法の改正を中心に質問いたしました。法律でできることには限界があるだろうと思います。湖沼の水質改善のためには、今後ともその他の方策を講じ対応していかなければ、いずれの湖沼の改善も達成されないだろうと考えます。環境省の取組については国民の期待も大きいものでありますので、今回の法改正を湖沼対策再出発の第一弾として位置付けて、更に積極的に進めていただきたいと思います。
 そして、最後ですけれども、環境大臣が私の地元にいらしていただいたときのごあいさつ。
 私は、やっぱり環境問題というのは、国民の本当に一人一人というか、小さな子供から大人まで、そして大きな会社、いろいろと言われてもう皆さん御存じだと思いますけれども、やっぱり平易な言葉で話をするということがとても大事だと思うんです。
 あるとき、私、大臣がいらした、ごあいさつをなされた後、それから一か月ぐらいたってからですか、ある中年の男性が私と話をしていましたときに、いや、大変この席で言うのはあれですけれども、大臣のお話ですから、トイレの話を大臣はごあいさつなさったんですね。それで、環境大臣の、小池大臣の話を聞いてからおれは水洗トイレへ入ってもふたを閉めるようにしているんだ、それがもう環境にすごくいいんだという話を聞いたからおれはそれを実行しているんだよという話をされました。
 私は、それを聞いて、やっぱり環境問題というのは難しい問題だけれども、そしてまた易しいというか、だれにも理解できる問題であると思いますので、いろいろ難しい言葉で言うことも大事ですが、本当に大臣が日ごろお話しなさっておられるように、平易な言葉でもういろんな形でいろんなところでお話しされていることがもう少しずついろんなことで影響を与えているということなので、これからもますます大臣の御活躍を心から期待して、そしてまた環境省の本当に、せっかく庁から省になったということで、自信を持って頑張っていきたいと思っておりますので、一言大臣の抱負だけお聞かせいただいて、終わらせていただきます。
#34
○国務大臣(小池百合子君) 是非ともお地元の方に、これからもふたを閉めるようにお伝えをいただければと思います。
 やはり環境問題は、地球温暖化にしてもそうですけれども、結局は私たち人間の生活に一番原因があるわけでございますので、できるだけ分かりやすく、例えば水の問題でも、シャンプーを一回するとどれぐらいそれを、水をきれいにするためにはふろおけ何杯要るんだといったような、そういった分かりやすいお話をさせていただこうと常に心掛けてまいりたいと思います。
 ちなみに、私は湖沼ならぬ小池でございますので、やはり水問題にはしっかり取り組む必要もあろうかというふうに思っております。これからも心してより分かりやすい皆さんへの情報提供に努めてまいりたいと考えております。
#35
○狩野安君 ありがとうございました。
#36
○島田智哉子君 民主党・新緑風会の島田智哉子でございます。
 人々の生活にとっての湖沼の必要性、日本の国のみならず世界的に見ても危機的な状況にあって、世界湖沼ビジョンでもうたわれている現在と未来の世代のために湖沼生態系の保全と持続可能な利用を続ける必要性として未来へのビジョンが示されておりますけれども、その未来に向けて我々世代がいかにして湖を改善しあるいは保全していくのか、大きな責任があると思います。
 今回、この審議を前に少しでも湖の状況を肌で感じたいというその思いで霞ケ浦に出向いてまいりました。ほぼ一日掛けまして、半日は船の上から、そして残り半日を湖、車で湖の周辺を視察したわけですけれども、湖の中心辺りから周りを見渡しますと、改めてその雄大さを実感すると同時に、人一人の小ささ、しかしその人一人一人がこの大きな湖をも危機的な状況に陥らせている、その責任についても実感してまいりました。
 さて、この法律が成立したのが昭和五十九年七月でございましたが、その成立に至るまでの過程についていろいろと当時の資料や会議録を拝見いたしますと、当時の環境庁の御苦労も相当なものであったようでございます。
 昭和五十三年に淡水赤潮、アオコなどにより水産業が受ける被害や臭い水の問題への対応といった共通の行政課題を抱える滋賀県、長野県、茨城県の三県が湖沼水質保全対策会議を発足させているわけですけれども、こうした自治体の動きが当時の環境庁をして法制化に向かわせた大きな要因であったと言われております。
 また、昭和五十五年十月、当時の鯨岡兵輔環境庁長官は、中央公害対策審議会に湖沼環境保全のための制度の在り方を諮問し、翌年一月に湖沼環境保全のための法制化を促す答申を出されたわけですけれども、それから法律として成立するまでの約三年半の間に排水規制、土地利用規制について当時の通産省、建設省とのすさまじい攻防というのでしょうか、意見調整が行われております。
 当時の会議録を見ましても、環境庁と各省庁との折衝に対してかなり厳しい指摘も多々ございます。それに対して当時の上田環境庁長官の御答弁では、その後状況が変わったときには、そのときはいろいろと検討していく云々と答弁を繰り返されておりますけれども、その当時からすれば、開発促進や経済が優先された時代でありますから、環境政策を担う立場も相当な御苦労があったことでしょうし、とにかく法律を作ることを最優先されたのではないかと思っております。その当時の状況等々からしてみれば、それはそれでやむを得なかったのかなと理解をしております。その意味でも、問題はその後の今日までの対応の在り方ではないかと思います。
 法制定後から今日まで湖沼を取り巻く環境はどのように変化をし、そしてそれに対してどのような対策が取られてきたのか、大臣にお伺いいたします。
#37
○国務大臣(小池百合子君) 今、湖沼法を制定するまでの一連の社会的、また行政的な流れについても御説明をいただきました。
 湖沼法制定のそれ以降でありますけれども、社会も大きく変化もいたしました。例えば湖沼の流域での開発が行われたこと、それから人口の増加、今は逆かもしれませんけれども、人口が増加したという、そういった社会的、経済的な構造変化もありました。それに伴って汚濁の負荷も増加をしてしまったということであります。
 こういった状況において、湖沼法に基づいてこれまでも関係省庁との連携の中で下水道の整備をやったり、そしてまた浄化槽の設置を推進したり、工場、事業所からの排水の規制を行ったりというような各種の施策を実施してまいったわけで、指定湖沼に入り込む汚濁の負荷というその量の面では着実に削減はされてきたものと思います。
 ですから、これらの結果として、一部の指定湖沼では水質の改善も見られているところであります。逆に言えば、湖沼法なかりせば湖沼の水質は現状よりも更に悪化していたということでありまして、そういった面もありますけれども、しかしながら、指定湖沼全体で見ますと、環境の基準の達成率は依然として芳しくない状況ということであります。
 また、例えば水フォーラムが、あれ、何年でしたかね、開かれました滋賀県などもそうでございますけれども、湖沼の水環境に対しての国民の意識は大変な高まりを見せてきている、そしてまた環境教育の場としても活用されるといったような点からも、様々なそういった観点からの重要性が指摘をされていたわけでございます。
 ですから、そういった社会的、経済的、更には教育的、そういった面からも湖沼水質保全対策の更なる強化が必要だということを認識をいたし、そして今回このように湖沼法の改正ということに取り組ませていただいているところでございます。
#38
○島田智哉子君 ありがとうございます。
 大臣が先ほどおっしゃったように、シャンプーを一回すればどのくらいの水が必要かというようなことも、霞ケ浦に行って、この水を、どれくらい力を注ぎ込めばきれいになっていくのか、また、それを飲んでまた排水をして生活をして、その水の循環というものが本当に生活とは切っても切れないものであるということを非常に認識した次第でございます。
 そこで、少し基本的なことをお聞きいたしますけれども、湖沼法第三条にございます要件を満たしている湖沼について、昭和五十九年当時の説明では、環境基準が定められている湖沼は百三、その中で環境基準が達成されているものが四十三、達成されていないものが六十ということでした。そして、その六十のうちその他の要件についても満たす、つまりは湖沼法の対象となり得る湖沼の数は二十程度という御説明をされておられました。この数については現状までどのように推移してきたのでしょうか。
#39
○政府参考人(甲村謙友君) 平成十五年度の状況を申しますと、湖沼としての環境基準を当てはめられている湖沼でございます、ダムとかが新しくできるだとか、あるいは従来は河川として扱っていたけれども湖沼としての水質保全を行う必要があるということで、そういう湖沼としての環境基準を定める水域を順次増やしておりまして、平成十五年度では、先ほど委員がおっしゃいました、環境基準が定められている湖沼、五十九年当時百三に対しまして百六十五でございます。そのうち環境基準を達成している水域というのは九十一水域ございます。
 現在の湖沼法の指定要件につきましては二つ条件がございまして、一つ目の条件は、水質環境基準が現に確保されておらず、又は確保されないことのおそれが著しい湖沼ということと、二番目の条件といたしまして、当該湖沼の水の利用状況、水質の汚濁の推移等から見て特に水質の保全に関する施策を総合的に講ずる必要があると認められるものという、この二つの条件がございます。
 それで、現在、先ほど百六十五のうち九十一の水域が環境基準を達成していると申し上げました。残りのいわゆる七十四という水域は、先ほど申しました一番目の条件の前段、水質環境基準が現に確保されていないという、そういう条件は満たしているわけでございます。ということで、その中で、じゃ、この二番目の条件、当該湖沼の水の利用状況あるいは水質汚濁の推移等から見て水質の保全に関する施策を総合的に講ずる必要があると認められるというそういう二番目の条件を満たしている湖沼はどれぐらいあるかということにつきましては、まだ現在具体的に把握をいたしておりません。
 いずれにいたしましても、この指定湖沼の指定と申しますのは都道府県知事の申出が前提となっておりまして、今回の法律を改正いたしました際には、この法律の趣旨等をよく関係都道府県にも周知いたしまして、こういう指定湖沼の申請に係る都道府県からの申請がスムーズになされるように努めてまいりたいというふうに考えております。
#40
○島田智哉子君 ありがとうございます。
 この当時、環境庁の御答弁の中で具体的に都道府県との間で協議を進めている湖沼として十挙げられております。琵琶湖、霞ケ浦、諏訪湖、宍道湖、中海、印旛沼、手賀沼、児島湖、相模湖、釜房ダム。このうち相模湖以外の九つと、そして野尻湖の十の湖沼が現在の指定湖沼とあるわけですけれども、当時の御答弁では、対象となり得る湖沼は十から二十という数字を繰り返し言われております。しかし、この二十年間に指定されたのは十です。
 そこで、実はこの指定された十と指定されなかった十のそれぞれの湖沼の水質の推移でありますとか実際の具体的な取組、予算面での配分状況、そうした点について、私どもの方から聞き取りをいたしたいし、取材をいたしたいので、環境省さんに対して当時の指定されなかった十の湖沼は具体的にどこだったのでしょうかという問い合わせをさせていただきました。
 ところが、その回答として、既に古い話なので記録がなく、それはどこか分かりませんと、非常に誠意のない回答をいただいたわけですけれども、二十年前とはいえ、これだけはっきりと何度も国会答弁されていて、しかも当時の基準の数値はなくなりようがないわけですから、それを見ればすぐ分かることなのではないでしょうか。
 御回答いただけないでしょうか。
#41
○政府参考人(甲村謙友君) 委員御指摘のとおり、湖沼法、昭和五十九年の湖沼法の制定当時、国会審議の際に、指定湖沼につきまして、当面十ないし二十程度の湖沼についてその指定の対象に考えていきたいという旨の答弁を行っているところでございます。また、その際、具体的な湖沼の名称といたしましては、委員がおっしゃったように、琵琶湖、霞ケ浦、諏訪湖、印旛沼、手賀沼、相模湖、児島湖、宍道湖、中海、釜房ダムの十湖沼を指定対象として考えている旨の答弁を行っているところでございます。実際には、その中で相模湖がまだ未指定でございまして、その代わり野尻湖が入って十湖沼ということでございます。
 それで、委員が厳しく御指摘の、湖沼法制定時に十から二十と言っていた、今具体名を挙げました十以外のその指定湖沼の具体名でございますけれども、私ども一生懸命資料を探したんですけれども、残念ながら現時点ではちょっとその資料が見付かっておりません。更に今後資料等をよく調査いたしまして、もし見付かりましたらまた御説明に伺いたいというふうに考えております。
#42
○島田智哉子君 あきれたといいますか、そういう言葉が合うのかもしれません。この種の政策というのはやはり一年一年の積み重ねがとても重要であって、中期、長期にわたる視点が必要だと私は思います。
 それでは、もう一点お聞きいたします。
 まず、湖沼法による湖沼の指定と、その湖沼の水質基準の類型、河川であるのか湖沼であるのか、このことの関係について御説明ください。
#43
○政府参考人(甲村謙友君) まず、河川か湖沼かという類型の当てはめの考え方でございますけれども、湖沼につきましては、河川に比べましていわゆる流れが緩いということで、汚濁物質が蓄積しやすいということから、富栄養化等によりまして水の利用の障害も想定されるために、水質の基準の項目といたしまして、河川とは異なりまして、有機汚濁の代表的指標で申しますと、河川は、生物化学的酸素要求量、いわゆるBOD、温度二十度で五日間で微生物が消費する酸素の量を指標としておりますが、湖沼におきましては非常に滞留が長いということで、化学的酸素要求量、COD、いわゆる非常に長い、長期間にわたって酸素を消費するということの指標を選んでおりますし、また先ほど申しましたように湖沼につきましては富栄養化するということで、富栄養化の指標といたしまして窒素、燐、これは河川については定めておりません。そういう指標を定めまして、いわゆる湖沼とすべきところにつきましてはそういう類型当てはめを行っていくということでございます。
 そこで、御質問の湖沼法での指定との関係でございますけれども、当然、湖沼法の指定に向けていろいろその地域の方々が協議されて、皆さんでいわゆる湖沼を良くしようというようになっているにもかかわらず、その当該の湖沼が河川の類型の当てはめのままになっていると。これは本来早く直すべきなんですが、そういう河川の当てはめのままになっていると。そういうような場合につきましては、湖沼としての類型当てはめを早急にやるべきというふうに考えております。
 ただし、じゃ逆に言いますと、じゃ、湖沼の類型の当てはめがされていないから都道府県知事から指定湖沼の申出ができないのかということになりますと、それはそうではございませんで、都道府県知事からの指定湖沼の指定の申出は、現時点が河川でありましても申出はできるという仕組みになっておりまして、ただし、事業等を実施する場合には、流域の皆様方のその湖沼の環境基準を守るということに対しまして、いろいろ負荷量の規制だとか、今回ですと流出水対策だとか、いろいろ御努力を願うわけでございますから、その対象となる湖沼につきましては、事業を実施する際には湖沼としての類型の指定が行われているのが望ましいというふうに考えております。
#44
○島田智哉子君 当時、具体的に名前が出されていた湖沼の中で、相模湖については、当時説明にあった類型は河川となっておりました。御説明で河川は湖沼法の指定は受けられないということですけれども、この点について当時の委員会の中である委員から、類型が河川となっている相模湖をどうやって湖沼にするのかという質問がされ、環境庁はその質問に対して次のような答弁をされています。
 一部読み上げさせていただきますけれども、相模湖は二県以上にまたがるわけでございますので、環境庁自身が環境基準の当てはめをやることになるわけでございますが、ただいま御指摘がございましたように、現在河川当てはめでございます。今後、窒素、燐の規制等が行われるようなことになりますと、湖沼当てはめか河川当てはめか、非常に重要な違いがございますが、両県から湖沼当てはめの作業を進めてほしいという申入れが出ております。したがいまして、現在私ども五十八年度で相模湖について神奈川県を主体に調査を行いまして、従来環境基準はBODで測定されておりますので、そのBODとCODの関係を求めまして、それを素材といたしまして、CODとしてどの程度の過去の水質汚濁の程度であるかということを判断いたしました上で湖沼としての当てはめ、つまりCOD値での当てはめを行いたいというふうに考えております。相模湖は横浜市、川崎市等の水道水源として非常に重要な役割を果たしておりますので、そのことを十分念頭に置きまして当てはめを行いたい、かように考えているわけでございます。
 これは二十年前の答弁。ところが、相模湖については現在も河川のまま。これは一体どういうことなんでしょうか。
#45
○政府参考人(甲村謙友君) 昭和五十九年の国会答弁で、当時の政府委員が今委員がおっしゃったような答弁をしております。
 そういうことで、当時、その相模湖について湖沼の類型の当てはめ、いわゆる河川としての類型にするのか、湖沼としての類型にするか、そのまず一つの判断がございまして、湖沼としての類型の当てはめをすると。そうしますと、では具体的にはその湖沼の中で、河川でも同じでございますが、水質のランクがございます。湖沼で申しますとAAランク、Aランク、Bランク、Cランクというランクがございます。そうしますと、その具体的なランクを当てはめるに際しましては、その湖沼の利用目的とともに、それからそのランクを達成するための手段、汚濁負荷削減のための手段が必要でございます。そういう関係を当時検討しておりました。しかしながら、結果的に、二県にもまたがるというようなこともございまして、結果的にその対策がちょっと、明確な対策が打ち出せませんで、結果的にどの類型にするかというのが決まりませんで、現在に至っているところでございます。
 しかしながら、我々それでいいとは考えておりませんで、平成十五年二月にも環境省の陸域環境基準専門委員会におきまして検討を行いまして、相模湖については、関係者との調整を行い、適切な時期に水域類型の見直しを検討する、いわゆる河川から湖沼に早くするというようなこととされておりますので、環境省といたしましても、これを踏まえまして、平成十六年度には湖沼としての類型指定の検討に必要な基礎情報の提供を流域の自治体に依頼したところでございます。
 今後、必要な情報をそろえまして、水域類型指定のための具体的な検討を早急に行ってまいりたいと考えております。
#46
○島田智哉子君 先ほどの書類の件もそうですけれども、二十年昔のものであるから書類がないだとか、二十年前に答弁されている、そのような河川から湖沼に変えるというような答弁、二十年前にされていて、二十年たってもそのままという、こういうずさんな環境省さんの対応は余りよろしくないんではないでしょうか。
 御説明ございましたけれども、事前に何度もお聞きしましたのは、湖沼法の指定について関係都道府県との調整が付かなかったからと、湖沼法との関係の説明がございました。今回の審議に当たりまして私なりにいろいろと法律や資料を読ませていただきましたけれども、法律上、湖沼の指定につきましてはあくまでも知事の申出によりますとなっています。類型が河川であるか湖沼であるかということと湖沼法の指定を申し出る申し出ないというのは別の話で、何度説明を聞いてもつじつまが合わないといいますか、そういう気がしてなりません。
 それで、もしリンクされるのであれば、地方に裁量権を与えている法の趣旨から反するのではないでしょうか。大臣、いかがでしょうか。
#47
○国務大臣(小池百合子君) 今るる御指摘がございました。類型当てはめによる環境基準の達成を目指して適切な計画が策定されるということで、関係者の理解と協力を得た湖沼の水質改善が促進されるものとして、今回二十年ぶりに湖沼法の改正ということに当たっているわけでございます。
 御指摘の相模湖、これはダム湖でございます。かなり古いものだということで、そういったことからも河川の当てはめということがまず優先もされてきたんだろうと思います。それから、河川からのダム湖ということでございますので、往々にして湖沼の場合はそうであり、湖などの場合もそうでありますけれども、関係の都道府県が数県にまたがってきて、そこの皆さんの、何というんでしょうか、御理解というか協力関係というのも、水でございますので特に必要になってまいります。まあ、話は違いますけれども、例えばメソポタミア湿原をどうするのかにしましても、ずっと流れの中でどう判断していかなければならないかというのは連携を持って決めていかなければならないということでございます。適切な類型指定が行われますように、関係者の合意を得ながら鋭意検討を行ってまいりたい。
 また、先ほどから御指摘ありますけれども、都道府県知事によります指定湖沼の指定の申出については、その時点の環境基準の類型当てはめに対しまして制約を受けるものではないと、このようにもう一度改めて申し上げておきたいと思います。
#48
○島田智哉子君 ありがとうございます。二十年前でさえ二十程度と想定されていたんですけれども、十のままというのはやはり不自然かなと。今後も指定の申出もない、湖沼の水質も改善されないとなると、法律の存在意義そのものが懸念されるのではないかと思っております。
 この点、ある都道府県の担当者に直接聞きましたけれども、やはり真っ先に口に出されたのは財政上のメリットがないということで、環境省の認識と地方の認識は相当違いがあるのではないでしょうか。環境省からすれば、浄化槽の整備事業であったり、下水道事業について優先的に採択しているということになるんだと思います。ところが、これはある指定湖沼の対策協議会の会議録なんですけれども、例えばこんなやり取りがありまして、湖沼法の指定を受けたばっかりに、基準は強化され、補助率はそのまま。原発立地地域では補助率が法律で決まり、離島振興地域では補助率が上がった。指定湖沼地域では補助率のアップはないと。
 補助金云々ということは別といたしても、環境省と地方のボタンの掛け違いがあると。やはり、この国と地方の関係において共通の認識を持つということが大変必要ではないかなと思うのですが、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
#49
○政府参考人(甲村謙友君) まず、指定湖沼に指定されるメリットについての実態でございます。
 指定湖沼と指定湖沼以外の湖沼を比較いたしますと、例えば下水道等への接続率、指定湖沼におきましては平成十三年度末で八四%であるに対しまして、非指定湖沼におきましては七三・七%と、約一〇%近くの差がございます。
 実際、水質につきまして指定湖沼と非指定湖沼の水質の過去からの推移がどうであったかと申しますと、昭和五十八年時点の指定湖沼のCOD、六・六でございました。これ平均でございます。それが平成十四年には五・六、約一ミリグラム・パー・リットルの改善となっております。それに対しまして、一方、非指定湖沼につきましては、昭和五十八年当時四・七であったのが平成十四年には四・九というようなことで、若干の悪化ということでございます。当然、指定湖沼につきまして、今申しましたように、非指定湖沼に比べて水質の改善はいいわけでございますけれども、ただし、まだ環境基準の達成までには至っていないということでございます。
 そういう中で、今回もそうでございますけれども、指定湖沼に指定されることによりまして、いわゆるこういう各種事業だけじゃなくて、地域住民の湖沼の水質に対する関心や理解が深まり、湖沼の水質改善に向けた各々の個々の小さな取組あるいは合意形成が促進されるということ。それから、先ほどの下水道の接続率にも関係いたしますけれども、この湖沼水質保全計画を公害対策会議でもって了するということで、その間におきまして関係省庁間の合意が得られますので、下水道の整備等に対する優先採択が行われるということで、先ほど申しましたような、結果的に下水道への接続率の差、あるいはその結果としての水質の改善の差が出てきているのではないかと思っております。
 環境省といたしましては、指定湖沼を中心に、汚濁負荷量の把握や汚濁メカニズムの解明等の調査研究を実施し、指定湖沼におきます様々な水質保全活動が促進されるよう地域住民に対する普及啓発に努めているところでございますけれども、環境省だけじゃなくて、いわゆる各種、国土交通省だとかあるいは農林水産省、そういう関係省庁とも連携いたしまして、また都道府県とも連携を密にいたしまして、指定湖沼に指定されることにつきますメリットにつきまして共通認識を持ちまして、みんなで一体となって指定湖沼の水質改善に努めてまいりたいというふうに考えております。
#50
○島田智哉子君 是非そのようにお願いいたします。
 昨年八月の総務省の政策評価において環境省などに、先ほど狩野先生もおっしゃいましたけれども、大変厳しい指摘がされたことは度々お話がございますけれども、今回のような総務省からの指摘は初めてではございません。実は平成二年の十一月に当時の総務庁が湖沼の保全に関する調査を行い、その結果として環境庁などに勧告も出されております。その勧告を受けた環境庁では、平成三年の六月に指定湖沼水質保全対策検討会を設置し、七月には報告書をまとめております。この平成三年当時の検討会の委員であられた、当時、環境庁国立環境研究所総合研究官、現在島根大学の教授の相崎守弘さんは次のように御指摘なさっております。
 環境省では昨年三月から湖沼検討対策会議を設置し、湖沼環境保全施策の基本的在り方について報告書をまとめた。このような検討会は第一期の水質保全計画が終了した平成三年にも設置された。その中で、当面の課題と中長期的検討課題が取り上げられており、当面の課題としては点源負荷対策、面源負荷対策、湖沼等の浄化対策が挙げられている。また、中長期的検討課題として各種施策の推進などがありますけれども、以上のような報告書が作られて十三年経過したことになる。平成十六年に行われた検討会での報告書を読むと、中長期的検討課題で取り上げたことが再び取り上げられており、この間報告書で指摘されたことがほとんど検討されてこなかったことが分かると、非常に厳しい指摘があります。
 もうこの当時より面源負荷対策であるとか湖沼等の浄化対策が指摘されているわけであるんですけれども、この報告書で指摘されている対策については具体的にどのような対策が取られ、どのような結果であったのか、今後このような指摘を受けないためにもこれまでの反省を踏まえた上での取組が必要であると思いますが、この点についてはいかがでしょうか。
#51
○政府参考人(甲村謙友君) 環境省の水質保全局長の私的諮問機関といたしまして、指定湖沼水質保全対策検討会、これが平成三年七月に報告書を取りまとめております。
 この報告書の要約を申しますと、一点目としましては、湖沼水質保全計画におきまして、窒素、燐の水質目標値を明らかにして、従来からのCOD対策に加え、窒素や燐の削減対策を明確にする必要があるというのが一点目。二点目といたしまして、湖沼の水質保全対策として、今委員御指摘の点源負荷対策、面源負荷対策、湖沼等の浄化対策など、総合的な対策の実施を図ることが重要であるという点。三点目といたしまして、COD、窒素、燐の削減手法といたしまして、既存技術を積極的に活用するとともに、新たな技術開発に向けて一層の努力を傾けることというような、大きく言いますと三つの要点の検討会報告書が出されております。
 これを受けまして、環境省の取組としてでございますけれども、まず一点目のCOD対策に加えて、窒素、燐の削減対策を明確にすることということで、当初、昭和五十八年に湖沼法が始まったときは主にCOD、いわゆる化学的酸素要求量の対策を主眼としておったわけでございますけれども、湖沼の富栄養化につきましては窒素、燐の影響が非常に大きいということが分かってきましたので、平成三年以降、そういう窒素、燐の削減目標も掲げて、富栄養化の防止の観点も入れて湖沼水質保全計画を策定するようにしております。
 また、二点目の面源負荷対策でございます。面源負荷対策も、昔からかなり分量は少なくかつ定性的な形で、農地の施肥量の適正化だとか、あるいは市街地の雨水の浸透等が湖沼計画に順次盛り込まれて、その数も順次増えてきたところでございます。しかしながら、そういう面源対策につきまして、正確な汚濁負荷量の把握が不十分だったというようなことから、そういう面源対策でどれだけ効果があるかという定量的な施策としてつかまえることが難しゅうございまして、ごく一部の湖沼計画につきましては数値目標を掲げておりますけれども、ほとんどの湖沼につきましてはそういう面源対策について数値目標が今までできてこなかった、施策の定性的な記述は徐々に増えてきているわけですけれども、定量的な記述がなかなか増えなかったということでございます。
 そこで、今回、湖沼法の改正におきまして、流出水対策地区制度におきましてそういう対策と、その対策の効果をモニタリングいたしまして、それを、施策効果を定量的に把握していこうということで、面源負荷の発生源に対して重点的、集中的に投資を行っていきたいというふうに考えております。
 また、さらに、COD、窒素、燐の削減の技術の開発でございますけれども、これは環境省だけじゃなくて、民間の技術研究開発も広く取り集めまして、技術開発制度ということで、民間からの提案も受けながら現在も行っているところでございます。
 いずれにいたしましても、そういう湖沼をめぐる水質の改善の施策につきまして、常に反省を加えながら、新たな手法、あるいは改善すべき点は改善して進めてまいりたいというふうに考えております。
#52
○島田智哉子君 是非そのようにお願いいたします。
 十三年経過したのにまだ同じことを言っているじゃないかと言われているわけですから、もっと力を入れて頑張って取り組んでいただきたいと思います。
 次に、指定湖沼以外の湖沼についてお聞きいたします。
 この法律の場合、既に汚濁が進行した湖沼が対象であり、未然防止の観点がございません。しかし、湖沼は水質の汚濁が進みやすい上に、いったん水質が汚濁すると改善が容易でないという性格を有しております、言うまでもございませんけれども。
 そうした中で、例えば、水のきれいさは全国一と言われている猪苗代湖のある福島県ですけれども、その水質の保全に対して実に熱心に取り組まれております。担当者のお話をお聞きしましても、むしろ危機感をお持ちになっているようにさえ感じました。
 そして、福島県では、平成十二年、十三年度に環境省に対して、湖沼の全体を対象にした総合的な水環境保全のための新法の制定について要望をされておりますけれども、環境省の対応についてお聞かせください。
#53
○政府参考人(甲村謙友君) 福島県から、平成十二年、それから十三年度にわたりまして、閉鎖性水域(湖沼)全体を対象とした総合的な水環境保全対策について、あるいは新法の制定についてというような要望が出されております。
 猪苗代湖は、委員御指摘どおり、平成十二、十三年も非常に良好な水質でございまして、平成十五年につきましては全国で水質ベストワンというようなことで、非常に良好な水質を維持しております。このようなことから、当時、平成十二、十三年度、要望を受けた際には、この指定湖沼としての要件を満たしているとは判断しなかったものでございます。しかしながら、委員御指摘のように、既に水質が悪化してしまった湖沼の水質改善を図るだけじゃなくて、水質の良好な湖沼の水質を維持するという未然防止の観点も非常に重要だと考えております。
 このため、この十二、十三年度、先ほどの要望を受けまして、猪苗代湖につきましては、環境省におきまして今後の水環境保全対策に資するための汚濁負荷量の算定や水質予測モデルの策定等に対する調査を実施するなど、地元が主体的に各種施策に取り組むことができるように支援を行ったところでございます。
 なお、水質汚濁防止法に基づく排水規制等の水質保全対策を実施いたしましても、その水質環境基準が確保されないこととなるおそれが著しくなった場合につきましては、指定湖沼として指定し、総合的な対策を講ずるということとしております。
 一つの研究によりますと、なぜ猪苗代湖が全国ベストワンなのかということでございます。いわゆる酸性の河川でございまして、酸性という状況の中で、湖沼の富栄養化の原因となります燐が鉄と結合いたしまして、水の中に溶け出さない形になって湖の底に沈んでいると、そういうことで猪苗代湖は水質ベストワンになっているわけですが、最近のある研究によりますと、だんだんその猪苗代湖の酸性度が中性に向かって上昇してきているというような調査もございます。そうなりますと、今まで湖の底に沈んでいた燐が再び溶け出してくるおそれがあるというような研究もございますので、そういう研究も鋭意調査しながら、いわゆる環境基準、水質環境基準が確保されないこととなるおそれが著しくなった場合につきましては指定湖沼としての対策を取っていきたいというふうに考えております。
#54
○島田智哉子君 指定湖沼以外の湖沼の問題についても是非とも検討を重ねていただきたいと思います。
 以上で質問を終わらせていただきます。
#55
○林久美子君 民主党・新緑風会の林久美子でございます。
 私は滋賀県から選出をいただいておりますけれども、滋賀県はもちろん琵琶湖がございます。この琵琶湖というところには滋賀県内を流れる河川百十九本が流れ込んでおりまして、逆に琵琶湖から出ていくものは一本ということでございます。そういう中で、本当に私たちの毎日の生活、あるいは農業活動、事業活動、すべての水という水が何らかの経過をたどりながら琵琶湖へと注がれると。琵琶湖と私たちの生活は正に一体であるという状況の中で、これまで滋賀県は様々な環境問題に取り組んでまいりました。
 先ほど狩野委員からも少しお話ございましたが、世界湖沼会議、あの会議は滋賀県が世界に呼び掛けて滋賀県で産声を上げた、そういう会議でもございます。そうした中で、滋賀県では、これまで湖沼水質保全特別法に基づきまして四期にわたって計画を策定し、下水道の整備や工場、事業場の排水規制などの負荷削減対策を実施してまいりました。
 まず冒頭、この滋賀県のこれまでのこうした積極的な取組をどのように評価していらっしゃるのか、大臣、よろしくお願いいたします。
#56
○国務大臣(小池百合子君) 私も琵琶湖の水の恩恵を受けて育っているわけでございますけれども、その意味では、琵琶湖がいかに水質を保全するのか、改善するのかというのはもう近畿地区全体の問題になってくると思います。
 そういった中で、滋賀県が琵琶湖の富栄養化を防止するために早くから窒素、燐の除去を目的とした高度処理に取り組んでおられたことには敬意を表したいと思いますし、またそれは数字の上でも、高度処理人口普及率というのを見ますと断トツの全国第一位となっているわけであります。また、滋賀県は、今お話ありましたように、工場、そして事業所の対策でも、昭和五十四年から窒素、燐の排水規制を主な内容にされた条例を全国に先駆けて制定されるということで様々な先進的な取組を実施しているところであります。また、先ほど来御審議いただいておりますけれども、その中でも、先進的な面源対策として市街地排水浄化対策を実施されていること、そして琵琶湖の水質保全対策行動計画に基づいて汚濁負荷削減の集中的実施などに取り組んでいるということを伺っております。
 これら滋賀県の先進的な取組については環境省としても情報収集に努めまして、また知事とも時折意見交換などもさせていただいております。必要に応じまして全国への普及に努めてまいると、このように考えております。
#57
○林久美子君 どうもありがとうございます。
 しかし、こうして積極的に取り組んでいる滋賀県の琵琶湖においてもなお、御承知のとおりなかなか水質目標というのは窒素を除いては達成されていないという状況にございます。また、水質環境基準の達成状況は、琵琶湖の北側にある湖、北湖と私たち申し上げますが、この北湖の全燐が既に基準を達成しているものの、一方の南側の湖、南湖におきましては全燐、そして北湖、南湖ともCOD、全窒素は基準を達成するに至っていないということでございます。湖沼法の施行から二十年という年月がたつ中で、これは琵琶湖に限ったことではなくて、指定湖沼の十すべてを見渡してみましても、その環境基準を達成するということは非常に難しいということを感じるわけでございます。
 じゃ、どうやって本当の意味でこの湖沼の水質を改善していけばいいのだろうかと考えたときに、それは、やはり大前提となるのは、湖に流入をしてくる流入負荷量をきちっと把握をすることがまずスタートラインであるかと思いますけれども、まず環境省さんにお伺いをしたいんですけれども、この指定湖沼にかかわる部分で、河川の流入量、流入の総量ですね、総量を把握しないと負荷の総量も見えてこないわけですので、流入の、流量の総量はどのように把握していらっしゃるのか、お聞かせください。
#58
○政府参考人(甲村謙友君) まず、個別の事業場からの排出でございますけれども、これにつきましては、湖沼法に基づきまして各事業場から排出水量、それから排出負荷量の報告があるということでございます。あと、そういう個別以外のいわゆる面源からの負荷につきましては、河川だとか水路を流れてくるわけでございますけれども、その河川につきましては、すべての地点でその流量、水位観測を行っているわけではございませんので、代表的な地点でいろいろ流量観測等を行っておりますので、それらを基に流域面積の比率でもちまして別の河川の流量を推定するなどして湖沼に流入してくる水量を把握しているというところでございます。
#59
○林久美子君 事業場ということではなくて、河川全体のことを申し上げたわけですけれども、今代表的なところで観測していらっしゃるということをおっしゃっておりました。
 少し御紹介をしたいんですけれども、これ琵琶湖に注ぎ込まれている河川のデータなんですけれども、かなり月によって、そしてそのときの気象条件によって流量は異なるんですね。やっぱり連続観測をするということがなければ、流量と負荷量、その関連性というのが非常に密接にあるわけですから、連続観測をするということが必要かと思いますけれども、その点はいかがお考えでしょうか。
#60
○政府参考人(甲村謙友君) 委員おっしゃるとおり、河川の流量と申しますのは雨が降ったり降らなかったりで非常に激しく、特に滋賀県のような急流な河川が多いところでは変動が大きいというふうに承知しております。
 一般的に、河川の流量の観測と申しますのは、一番進んだ方法といたしましては、水位の自動観測機、いわゆる河川の水位に応じて上下するフロート、浮きみたいなものを入れまして、それでもちまして水位を連続して観測すると。水位から流量への観測は、定期的にその水位と流量の関係を具体的に、人が川の中に入ってこのときの水位の流量は幾らかというのを細かく調べまして、それとの関係から連続して観測された水位から流量を換算していると。これが一番進んだ方法でございます。
 しかし、残念ながら、すべての流入河川につきましてそういう水位の連続観測ができるような設備が設けられているとは限りません。一日に一回だとか、あるいはもっと頻度が少ないような観測を行っている河川もあるのが実態でございます。ただし、ある程度雨は一まとまりに降りますので、そういう近傍の類似の河川の流量から当該河川の流量を流域の面積の比率でもって換算するだとか、そういうことで推測しているのが実態でございます。
#61
○委員長(郡司彰君) 答弁されますか。
#62
○政府参考人(清治真人君) 琵琶湖の場合を例に取りましてお話しいたしますと、流入河川たくさんございますが、出口は瀬田の洗堰の一か所でございます。ここでの連続観測はしっかりと行われているわけでございますし、また琵琶湖の水位の観測も連続で観測されておりますので、琵琶湖の面積と水位の関係でボリュームが分かります。
 そうしますと、あと、今水環境部長から話ありました、その流入河川での流量観測あるいは水位の観測でかなりの部分は入ってくる方も押さえられるわけでございますが、川から入ってこない、若しくは観測していない川から入ってくる分につきましては推測というか推算して求めていくということになります。
 それから、湖沼の面積が大きくなってきますと、蒸発量というのが無視できないぐらい非常に大きいわけでございます。こういうものも全体をとらえながら、その中で汚濁負荷がどのように湖面に作用しているか、また、ちょっと余計な話でございますが、湖沼の中で汚濁負荷がどう循環しているかというようなことをいろいろな調査を通じて分析をしようということで臨んでいるわけでございます。
#63
○林久美子君 今私が申し上げましたその流量の総量を把握すべきだという話は、琵琶湖で長くずっと研究に携わっている研究者の間から強く出ている声でもございます。もちろん最終的には、瀬田の洗堰という話ございましたけれども、それぞれの河川でどういう状況が行われているのか、どういう状況が今この気象状況と併せて生まれてきているのかというのを連続して把握をするという視点は非常に重要であるということをお訴えをさせていただきたいというふうに思います。
 では、次に参ります。
 湖沼をめぐりましては、先ほど来議論がございますけれども、これまでそれぞれの湖沼において点源対策に比べて面源対策というものの取組が非常に遅れてきたということから、面源からの汚濁負荷の割合が高くなってきているという問題が出てきております。先ほど小池大臣がお話しされましたけれども、滋賀県は本当に、こういうパンフレットもございますけれども、熱心に取組を進めております。
 このたび、改正の中で流出水の対策地区を指定されるということでございますけれども、滋賀県というのはある意味これに先んじた取組をしておりまして、この中で、農水省、国交省、そして県、市町村が連携を取って農業排水や市街地排水の一部に対する面源対策ということで行っております。具体的には例えばどういうことかと少し御紹介をさせていただきますと、例えば雨が降ったときに、最初の五ミリとか六ミリが非常に濃度が高いということで、これを門を造ってせき止めて、沈殿池を造ってそこに雨水を引き込んで、土壌処理であるとか植生浄化を行って琵琶湖へと放流をしているというような取組をしております。
 こういう流出水対策みたいなものを滋賀県でもしておるわけですけれども、じゃ、今回の法改正で流出水対策をしましょうと、知事が指定をしてくださいと、計画を作ってくださいということになっておりますけれども、じゃ、具体的にどういうものを描いていらっしゃるのかというのが非常に見えにくいなというのが率直な感想としてございます。
 そもそもなんですけれども、じゃ、この流出水の対策地区というものについては、どこでも希望があれば指定をするというたぐいのものなのか、それともある一定の何か基準を設けて指定をされるのかという点についてお伺いをしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
#64
○政府参考人(甲村謙友君) まず、流出水対策地区をどのような手続で指定するかというような御質問でございます。
 今回の改正案におきまして、まず都道府県知事が、湖沼に対する汚濁負荷の寄与度が大きい、あるいは具体的な対策の実効性があるなど、流出水にかかわる汚濁負荷の状況が特徴的な地区につきまして、地域の合意を得て対策地区を指定するということとしております。その後は具体的に、その対策地区で具体的にどういうことをやるかということは都道府県知事が湖沼水質保全計画において定めるということになっております。
 この湖沼水質保全計画を定めるに当たりましては、従来からまず現地でもって事業実施者の意見を聴くこと、それから国レベルにおきまして公害対策の議を経ることということとしておりましたが、今回の新たな法改正におきまして、公聴会の開催などにより地域住民の意見を聴くという手続を追加するということにしております。
#65
○林久美子君 今、私は手続については伺っていないんですけれども。
 今回、この流出水対策地区を指定をされると、知事の申出があったところはすべてされるという理解でよろしいんですね。
#66
○政府参考人(甲村謙友君) 当然、知事が申し出られる際には、地域の合意を経るということと、それから現地レベルで公聴会の開催など等があるわけでございまして、国レベルにおきましては、いわゆる流出水対策地区だけじゃなくて、湖沼水質保全計画全体につきまして公害対策会議の議を経るということとなっておりますので、関係省庁の合意も環境省が中心となって取れるようにしてまいりたいというふうに思っております。
#67
○林久美子君 本当に国としてのリーダーシップが見えないと、具体像が見えないと申し上げたいというふうに思います。
 具体的に、この流出水対策地区に指定をされますと対策計画を作ることになるというふうに承知をしておりますけれども、この中では定量的な数値目標を設定されるというふうに伺っております。具体的にどういう指標を設けられるのか、そして何をもってこの実効性を担保されるおつもりなのか、小池環境大臣にお伺いしたいんですけれども。
#68
○政府参考人(甲村謙友君) ちょっと技術的な話でございますので私の方からまずお答えさせていただきます。
 まず、どういう指標でもって評価するのかということでございます。単に対策をやるだけじゃなくて、その対策した効果を把握するということは非常に重要でございます。
 効果を把握するための指標といたしましては、一つは、有機汚濁に関しましてはCOD、化学的酸素要求量、あと、富栄養化に関しましては窒素、燐、あとそのほか、地域の実情に応じまして必要な、例えば懸濁物質、SSと言っているようなものでございますけれども、そういう調査をいたしまして、いわゆる対策を行っているところと行っていないところの差がどの程度あるのかと、対策に係る費用とその効果がどうなのかと、そういうことを常に検証いたしまして、そのモニタリングの結果をフィードバックしてより良い施策につなげていくとともに、そのより良い施策につきましては更に普及を図っていきたいというふうに考えております。
#69
○林久美子君 じゃ、その指標を設けるということは、それはフィードバックをするために使っていくということでよろしいわけですね。ということかと思います。──あっ、結構です、済みません。
 ちょっと時間もございませんので次へ移らせていただきたいんですが、今回の湖沼法の改正についていろいろと現場の方にお話を伺ってみました。すると、やっぱり皆さん口をそろえておっしゃるのは、国の思いが見えてこない、国の役割が見えてこないということでございます。法律を作って、あとは県や市町村がやってくれればいいと、法律を作ることだけが役目だというふうに思っていらっしゃるのではないかと。でも、こういう問題はそうではなくて、国と県と市町村と、そして先ほど来お話ございますように地域住民が一体となって初めて湖沼環境の保全というのは図られるものであるというふうに考えております。
 ここでちょっと整理をさせていただきたいと思うんですけれども、今回の湖沼法改正されて、いざ施行されたという段になって、国の役割、そして県、市町村の役割というのはどういうふうなそれぞれ役割分担を担うと考えればよろしいんでしょうか。
#70
○政府参考人(甲村謙友君) まず実際、現地、まあ環境法の体系自体が全般的にそうなっておるわけですが、主に都道府県知事さんあるいは政令で定められた市が水質汚濁対策につきまして実際の業務をやる、国はそれに対しまして技術的な支援あるいは財政的な支援を行っていくというのが環境関係全般の法律のスキームでございます。
 具体的に今回の湖沼について申しますと、国におきましては、関係省庁との調整、あるいは元々ございます指定湖沼の指定、あるいは湖沼水質保全計画の公害対策の議を経ることの関係省庁との調整、あるいは技術開発でもって各自治体との連携等の調査研究面を環境省としては主体としてやっていきますし、また環境省以外の各国土交通省さんあるいは農林水産省さんにおきましても、各々の施策の中で湖沼の水質の改善に資するものにつきまして御協力を環境省としても取るように努めてまいりたいというふうに考えております。
#71
○林久美子君 本当に主体性というかやる気が見られない。
 大臣はかねてから、お名前の、小池大臣ということもあって湖沼の問題には真剣に取り組んでまいりたいというお話、先ほどございましたけれども、そういう環境大臣のリーダーシップで環境省がこの問題に取り組んでいらっしゃるとすれば、もっとやっぱり積極的な取組というのが本当に現場の方の思いであるというふうに思います。
 先ほど支援のスキームのお話、ちらっとございましたけれども、環境行政全般にわたってそうでございますというお話でしたけれども、今回、残念ながら予算措置がないということでございます。もちろん補助金があればいいというものではないかもしれませんけれども、本当に流出水対策地区に指定をされる側も指定をする側もメリットというのが正直言って見えにくいと。そういうものを、住民がきちっと一体となって更にこういう取組を推進していこうと思ったときに、技術的な支援とか、ある意味では何らかの事業を実施する際に補助率をアップするであるとか、本当に環境省がリーダーシップを取って他省庁とも調整をしながら、やはり本気でこれをやるんだという姿勢を見せるためにもそういう取組を進めていく必要性というのも私はあると考えます。
 是非とも小池大臣の強いリーダーシップで、その思いをお聞かせいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#72
○国務大臣(小池百合子君) 私は小池でございますけれども、内閣は小泉でございますけれども、水の問題は非常に重要な問題でございます。
 今回、リーダーシップを示せということでございますけれども、まず第一に、二十年ぶりにこの湖沼法を改正させていただくということがまず入口にございます。そしてまた、先ほど来御答弁させていただいておりますように、様々な今回の新設などを経まして、そしてより効果のある方法を取っていきたい。そしてまた、都道府県知事、自治体関係者との連携の中において環境省としての役割は大きなものがあると、このように考えております。
 また、湖沼法のみならずでございますけれども、やっぱり環境問題というのは、よりその地域地域で様々な様相を呈しているということからも、今回、環境省の設置法を変えさせていただくことによってそれぞれ地域に担当官を置くというような、そういった面でのバックアップもさせていただきたいと、このように総合的に進めていくということについてはしっかりとリーダーシップを払ってまいりたいと考えております。
#73
○林久美子君 リーダーシップをというお話ございましたけれども、それでは具体的にお伺いをしたいんですが、じゃ、その流出水対策地区に指定をされたところで何か積極的な取組をやるよということになった場合には、一定の、費用の面でも、補助なり支援なりを受けられるように取り組んでいこうというお考えはおありでしょうか。
#74
○国務大臣(小池百合子君) まず、流出水対策の指定がされたというところでは、例えば、今後そういった施策については、それぞれ環境省の取組であるとか、それから関係省庁が様々にわたっております例えばエコファーマーの育成などの分野、これはまた各省庁との連携という観点から、こういった育成についてのバックアップをしていくという形で、それぞれの連携を図ると同時にそれぞれでやっていただくことが多々の分野にわたっているわけでございます。
 そういったことから、それぞれの分野で、そして総合的にはそこに流れ込みます湖沼の水質を改善するというその大きな目的に向かいましての連携、調整などもしっかり働き掛けを行ってまいりたいと考えております。
#75
○林久美子君 今大臣触れられましたように、本当にこうした環境対策は省庁を横断して取り組むべきところは多いかと思います。
 今お話ございましたように、エコファーマー等々のお話がございました。滋賀県が今、琵琶湖につきましては単独事業で、水質の改善に協力する農家に対して直接支払を行って環境に優しい農業を推進をしているところでございます。もちろん大臣よく御存じかと思いますけれども、例えば化学肥料の使用量を減らすであるとかそういうことをした、そして農業に携わっている方たちと、知事と農業者が協定を結んで、生産計画に定める方法で栽培を行うと認証を受けられて、そして直接支払交付金を受けられるという制度になっております。
 これは、ひいては安全で安心である農産物ができるということと、それと併せて、本当に環境に優しい、湖沼にも優しい農業が図られると負荷が削減されるということでございますけれども、環境省と農水省が連携をいたしまして、こういう直接支払の仕組みを導入するというお考えはございますでしょうか。
#76
○国務大臣(小池百合子君) 今御紹介なさいました滋賀県の条例については承知をいたしております。また一方、農林省の方でこういった取組の、環境負荷の低減効果に対しての評価・検証手法なども確立するための調査を行われるというふうにも聞いております。
 環境省といたしましては、この環境への負荷の低減を通じて湖沼の水質保全ができるといったような取組が全国的に普及されることは重要かと考えております。農水省とも連携いたしまして、まずその効果についての状況、そしてまた様々な関連する情報の収集などを行いまして、そして検討してまいりたいと考えております。
#77
○委員長(郡司彰君) どうしますか。いいですか。
#78
○林久美子君 じゃ、お願いします。
#79
○政府参考人(染英昭君) 委員御指摘のとおり、滋賀県におきましては、県農業の健全な発展と琵琶湖などの環境保全のために、平成十五年三月から条例を制定いたしまして、環境こだわり農業に対する支援ということで、いわゆる環境農業直接支払を行っているところでございます。
 一方、農林水産省におきましても、平成四年から、環境保全型農業を全国的に推進するために、推進体制の整備やあるいは技術指針の策定、さらには技術実証などを進めてきたところでございます。また、平成十一年からは、持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律に基づきまして、堆肥などによる土作りと化学肥料、化学合成農薬の使用低減に一体的に取り組む農業者、これいわゆるエコファーマーでございますが、これに対しまして金融・税制上の特例措置を実施しているところでございます。
 さらに、今後におきましては、この三月末に新しい食料・農業・農村基本計画ができたところでございますので、これに基づきまして、環境問題に対する国民の関心が高まる中で我が国農業生産全体の在り方を環境保全を重視したものに転換していくというふうなことでやりたいと考えております。具体的には、農業者が環境保全に向けて最低限取り組むべき規範の普及、定着を促進いたしますとともに、環境保全が特に必要な地域におきまして農業生産活動に伴う環境への負荷の大幅な低減を図るために先進的な取組に対する支援を導入することとしております。
 この先進的な取組に対する支援につきましては、平成十九年度からの導入に向けまして、環境負荷の低減効果に対する評価や検証手法などを確立するための調査について本年度、平成十七年度から調査を実施することとしているところでございます。
#80
○林久美子君 それでは、平成十七年度から調査を実施して平成十九年度から導入をする予定であるという理解でよろしいでしょうか。──ですね。はい、分かりました。ありがとうございました。
 では、もう時間もございませんので、最後に一点だけお伺いいたします。
 工場・事業場対策についてなんですけれども、このたび、これまで網の掛かっていなかった既設の事業場に対しても規制を掛けていくと。総量を減らすという意味では一定評価ができるかと思いますが、一方、小規模事業場という問題もございます。
 現在、こういう生活環境項目に係る排水規制が適用されていない小規模事業場が数多くございまして、こうした事業場からの排水対策、こうしたところからの負荷量の割合が多い湖沼というのもございまして、こういうところにどうやって、じゃ負荷量を削減してもらうのかというのも重要な視点であるというふうに考えます。
 これらの小規模事業場について規制あるいは何らかの取組を要請するお考えはあるのかどうか、そして汚濁負荷量などについての実態をどのように把握していらっしゃるのか、お伺いいたします。
#81
○政府参考人(甲村謙友君) 小規模事業場についてでございます。
 現在、排水量が一日五十立方メートル未満の小規模事業場につきましては、湖沼法に基づく負荷量規制の対象とはなっていない状況でございます。
 しかしながら、委員御指摘のように、湖沼によってはこういう未規制の小規模事業場からの汚濁負荷が非常に多くて削減することが必要というようなところもございます。ただし、所有者が非常に小規模な方でございますので、いわゆる余り価格の高い負担を掛けるわけにはいかないという状況もございます。
 一方、各家庭におきましては、いわゆる合併処理浄化槽で、現在におきましてはかなり技術開発が進んでおりまして、BOD、CODだけじゃなくて窒素、燐も除去する高度処理型の合併処理浄化槽も普及しつつありますし、また我々もそういう経済的な負担に、余り大きな負担にならないような技術開発を進めまして、こういう未規制の小規模事業場の対策につきまして必要なところにつきましては進めてまいりたいと考えております。
#82
○委員長(郡司彰君) 林久美子さん、時間が来ていますから。
#83
○林久美子君 はい。
 最後に、価格の負担とか合併浄化槽の問題もありましたけれども、そういう環境に配慮した取組をするところを支えていくという国も姿勢をしっかりと示していただきたいということをお願い申し上げまして、質問とさせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#84
○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。
 湖沼水質保全特別措置法の一部を改正する法律案について質疑をいたします。
 最初に、直接関係する話じゃございませんが、一つは、やはり湖沼の周辺に森林もございますし、あるいは様々な植物が繁茂しているわけでありますけれども、花粉、飛散する花粉の問題が最近ございます。カモガヤとかオオアワガエリ、ブタクサ、ヨモギ、セイタカアキノキリンソウ、そういったものも加えてまいりますとやはり十一月ぐらいまでは飛び続けるというふうに言われているわけでありまして、杉花粉症がない北海道におきましてもシラカバ花粉症の患者が多いとされておるわけでありまして、実は先日、長野県でも、テレビでこれ放映されておりましたが、火事がございました。あるいは、群馬県の桐生でも火事がありました。火事と思っていたが、実はそうじゃなくて、花粉の飛散している状況が白煙が出ているような状態であったということでありますから、相当の花粉が飛んでいるというふうになるわけでございますし、三月の十九、二十日、私、群馬県の大泉町に行ってまいりましたけれども、そのときも、風が強いときには物すごく花粉が飛んでいるような感じがいたしました。自動車のフロントも横から見ますと黄色っぽいような状況でございますので、そういった意味では、風が強いときには相当飛んでいるなという、そういう感じがいたすわけでありますけれども、そういった意味では非常にこれは大きな問題になっているんじゃないかなと。私は、あちこちあいさつをさせていただいた中で、もうほとんどの方がマスクしているとか、会った途端に目が潤んだような状態になってしまうとか、それは元々潤んでいた状態の中に私が飛び込んだというような状態でありますから、私に会ったからどうこうという話じゃないわけですね。
 そういったことで、少ないと、そういうふうになってない方が少ないというような状況で、問題は、十五歳未満の子供の患者さんが大人の二倍はいるという、そういう調査もございますし、あるいは従来アレルギーマーチの最後に花粉症になると、そういうふうに言われてきたところもございますし、あるいは母親の胎内で既に患者になっているという、そういう学会での報告もございます。さらに、国立の成育医療センター研究所によりますと、二十歳代前半で九割近くが患者若しくは予備軍であるというふうに予測されているわけでありますから、将来的には九割近くの国民の方々が花粉症患者になりかねないと。そういうことでありますから、これは十分対応しなければいけない。自然環境との共生もそれはそれで大切でありますけれども、森林における人工林の関係につきましてもどういうふうに対応していくかというのは極めて重要でないかなと、そんなふうに思ってございます。
 今日、手元に様々な種類のこれ、マスクを持ってまいりました。九九%、〇・一ミクロン以上の粒子を九九%カットするとか、口元の乾燥を防ぐシルクプロテイン加工不織布ですか、セリシンを使用とか、あるいは、表面で菌を不活性化、光触媒加工をしている、息苦しくなく眼鏡が曇らないとか、せきなどのウイルスを九九%以上、花粉を九九・九%カットするというふうに書いてありまして、これはコンビニで購入してまいりました。相当、横並びにしてありまして、売行き筋ということなんでしょう。これは、簡単に計算しますと年間恐らく数百億円にはなるんじゃないか。あるいは、その重量を考えてまいりますと、一つのマスクで七グラム前後ありますから、これを掛け算してまいりますと大体一千トン以上にはなるんでないかなと、数千トンぐらいになると。それをそのまま燃やせばCO2が出るという、ちょっと別の観点の問題もあるように私は思っておりますが。
 それで、質問でありますけれども、花粉症の患者はどのぐらいいるかということと、経済的な損失ですね、これはどのぐらいに見積もっているか。これ、民間のあるレポートによりますと、民間消費押し上げ、押し下げですね、押し上げじゃなくて押し下げ、家の中に閉じこもることが多くなってしまいますので消費行動がそれだけ減退するのではなかろうかという、これは平年で五千三百三十九億円マイナスになると。あるいは、今年は非常に昨年の影響もありまして七千五百四十九億円という、そういう想定もされているわけでありますけれども、要は、患者がどのぐらいになるのか、あるいはその経済的な損失をどういうふうに考えているか、担当の省、よろしくお願いいたします。
#85
○政府参考人(田中慶司君) 杉花粉症の有病率でございますけれども、平成十三年に実施されました財団法人日本アレルギー協会の全国調査によりますと、杉花粉症の有病率は、地域によって多少凸凹しますけれども、全国平均ということでは、杉花粉症でございますけれども、一二%というふうにデータが出されているところでございます。
#86
○政府参考人(清水潔君) 花粉症がもたらす経済損失の全体につきまして私どもとして把握しているわけではございませんが、花粉症の医療費等への影響については、平成九年度から平成十四年度に実施された科学技術振興調整費による杉花粉症克服に向けた総合研究の一部としてアンケートなどに基づく調査が行われておるところでございます。
 十二年八月にまとめられた報告書におきまして、杉花粉症に係る年間医療費は二千八百六十億円と推定されております。ただし、ここはマスク等の関連経費は含みますし、また休業等の労働損益も含んでおりますが、委員御指摘の個人消費等に対する動向については見積もっておりません。
#87
○加藤修一君 二千八百数十億円ということで、平成十二年のケースでございますけれども、それから考えていきますと相当の、三千億を超えるぐらいの状況になっているというふうに考えざるを得ないわけでありますけれども、これはやはりどういうふうに対応するかというのは極めて重要でありますので、この花粉症に対するアレルギーワクチンの有効性と実用化についてどういう状況でしょうか。
#88
○政府参考人(清水潔君) お答え申し上げます。
 杉花粉症は、委員御指摘のように、多くの国民が苦しみ、医療費にも影響を与えており、その克服に向けた疾患の仕組みの解明、あるいは根本的な治療のための研究が重要である、こういう認識の下に、私どもとしては平成十三年に理化学研究所免疫・アレルギー科学総合研究センターを設立いたしました。花粉症を含めたアレルギー疾患の原因の究明、解明、根本的な治療に向けた研究を総合的に進めているところでございます。同センターにおきまして杉花粉症に対するアレルギーワクチンの研究開発を進めておりますが、既に動物実験では有効性が示唆されているところでございます。
 今後の実用化ということに向けてでございますが、一つは実際に人へ投与することを想定した薬剤サンプル等を製造し、第二番目にはそれを用いた動物実験により安全性、有効性を確認し、そしてその後に臨床試験を行い、人での安全性、有効性を確認していくことが必要でございます。
 そういう意味での研究開発を着実に、しかし速やかに進めていきたいというふうに考えておるところでございます。
#89
○加藤修一君 是非しっかりと、更に強力な推進をよろしくお願いしたいと思います。
 次に、農水省にお聞きしたいわけでありますけれども、杉花粉症の関係で、杉人工林のことについても極めて重要な課題というふうに聞いておりますけれども、雄花の多い木の抜取りの関係とか間伐の推進、こういった短期的な対応、それからさらに、杉品種ですね、それの開発普及という観点、いわゆる長期的な対応でありますけれども、この両者についてどのような状況で対応されているか、お聞きしたいと思います。
#90
○政府参考人(梶谷辰哉君) 先生御指摘のとおり、林野庁といたしましては、花粉の発生源対策といたしまして、花粉の少ない杉の品種の開発普及、それから花粉、雄花ですね、雄花の多い杉の抜き切りなどの対策を進めてきているところでありますけれども、その中で、花粉の少ない杉の品種につきましては平成八年度からその開発を推進してきているところでありますけれども、これまでに花粉の量が普通より一%以下である百十二品種が開発されております。これらの苗木につきましては、平成十一年度から供給を始めまして、平成十五年度までに約二十四万本を供給したところであります。今後五年間に約六十万本を超える苗木の供給を見込んでいるというところであります。また、本年一月には独立行政法人林木育種センターにおきまして花粉ができない品種の開発が行われたところでありまして、花粉の少ない杉、それからこういう花粉のできない品種、これらの普及に更に努めてまいりたいというふうに考えております。
 それから雄花の多い杉の抜き切りの点でありますけれども、これは平成十四年度から都市近郊におきまして実証事業に取り組んでいるところであります。この実証事業におきましては、データ的には二〇から三〇%抜き切ることによって花粉量を五〇%に抑えるというようなことも出てきております。こういう取組に加えまして、さらに、雄花の多い杉林分全体に重点を置いた間伐を進めるといった取組も始めておりまして、こうした取組の強化を図ってまいりたいというふうに考えておるところであります。
#91
○加藤修一君 そういった短期的、長期的な強化拡充の施策を更に進めていただきたいと思います。
 農水省にその関連で、自治体との連携はどういう形で、あるいは森林組合との関係にもつながってくる話でありますけれども、この辺についても教えていただきたいと思います。
#92
○政府参考人(梶谷辰哉君) 今申し上げました対策の推進におきましては、都道府県あるいは市町村との連携協力というのは不可欠だという認識でおります。
 実際、例えば花粉の少ない品種につきましては、独立行政法人林木育種センターが都道府県に原種を供給いたしまして、都道府県がそれを基に国の助成を受けて採穂園、採種園を整備いたしまして苗木生産業者に供給するというような取組を行っておりますし、雄花の量の多い杉の抜き切りにつきましても、都道府県又は市町村が実施主体となりまして、国の助成を受けて効果の検証を含めた実証事業を実施しているというところでありまして、いずれにしましても、地方自治体と緊密な連携を図って取り組んでいるところであります。
 さらに、連携の強化を図るという観点から、本年二月には新たに開発された無花粉杉の普及及び都市周辺における雄花の着花量の多い杉の林分の重点的な間伐を推進するということについて都道府県に通知しているところでありまして、今後とも、関係府省それから地方自治体と十分連携を図りながら対策の推進に努めてまいりたいというふうに考えております。
#93
○加藤修一君 是非積極的にやっていただきたいと思います。
 次に、厚生労働省にお聞きしたいわけでありますけれども、花粉症やアトピー性皮膚炎などを含めたいわゆるアレルギー対策の関係でありますけれども、先月のある新聞の記事によれば、全国の十八道県において対策事業が行われていないと、そういう報道があったわけでありますけれども、こういった面について、やはり私は積極的に対策の実施を強化していくべきだと考えておりますけれども、この辺の状況というのはどうでしょうか。
#94
○政府参考人(田中慶司君) お答え申し上げます。
 今春は全国的に観測史上一、二位を争う杉花粉が非常に散乱、飛散すると予測されていましたので、花粉の飛散が本格化する前から、緊急対策として正しい情報に基づく花粉症の予防あるいは早期治療の更なる周知徹底を都道府県等を通じて進めてきたところでございます。
 先生御指摘の数字はちょっと以前の数字でございまして、本年四月七日時点での都道府県におきます花粉対策の実施状況につきましては、すべての都道府県におきまして花粉症に対します正しい情報の普及啓発及び相談体制の確保が図られているところでございます。また、杉の植生が見られません沖縄、これは別なんですが、そのほかの都道府県におきましては診療ガイドラインの周知等適切な医療の確保も図られているというふうに承知をしているところでございます。
 厚生労働省といたしましては、今後とも、必要な情報を確実に提供していくなど、各都道府県等各地方自治体と連携しながら、適切な花粉対策の実施に努めてまいりたいというふうに考えております。
#95
○加藤修一君 次に、十七年度予算と、これから十八年度予算組み立てていくわけでありますけれども、十八年度予算については決意ということでお伺いしたいわけでありますけれども、文科省、厚生労働省、農水省、環境省、端的に数字だけでよろしいですので、お願いいたします。
#96
○政府参考人(清水潔君) 私どもの関係におきました平成十七年度予算では、先ほど申し上げましたセンター予算として約三・四億円増の四十二億円を措置しております。また、私どもが所管しております競争的資金により、大学等における様々な花粉症の様々なアプローチからの免疫・アレルギー研究を推進しております。これが十六年度の数字で申し上げますと百三十六課題、三・二億円ということになります。
 平成十八年度でございますけれども、更に抜本的な対応に向け、研究開発を積極的に推進してまいりたいと思っておりますし、必要な予算の確保に努めてまいりたいと考えております。
#97
○政府参考人(田中慶司君) 厚生労働省は、花粉症対策、平成四年から始めております。平成十七年度予算の数字を申し上げますと、花粉症を含みます免疫・アレルギー疾患に関しまして、予算の内数のために把握できない部分を除きまして、総額で十一億二千百万円を計上しているところでございます。
 今後とも、花粉症対策の重要性にかんがみまして、特に十八年度に関しましては必要な予算の確保に努めてまいりたいと考えております。
#98
○政府参考人(梶谷辰哉君) 林野庁の予算の関係でありますけれども、十七年度予算につきましては、先ほど申し上げました対策の推進に必要な予算を確保しているところでありますが、全体事業の中の内数ということになりましてはっきりした数字は出てきておりません。
 ただ、全体的に見ますと、例えば花粉の少ない品種の関係、それから雄花の量の多い杉の抜き切りと、こういうようなものに対しまして四十四億円のうちの内数、さらには間伐対策、これは三か年対策を進めることにしておりますけれども、そういう中で四百五億円の内数、さらには花粉生産量の予測手法の確立のための調査ということで三千九百万円の内数、このような予算の確保を図ってきて、これらについて取り組んでいきたいというふうに思っているところであります。
 また、十八年度につきましても、有効な花粉対策ということが推進できるよう最大限の努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#99
○政府参考人(滝澤秀次郎君) 環境省の関係の花粉症の予算でございます。
 十七年度で申し上げますと、花粉症保健指導マニュアルあるいは調査研究等の関係で二千三百万円、それから愛称「はなこさん」と名付けておりますが、観測体制の整備ということで一億一千万円計上しております。
 来年度に向けてもしかるべき予算要求をしてまいりたいと考えております。
#100
○加藤修一君 是非、十八年度予算についてもしっかりと対応をお願いしたいと思います。
 湖沼の関係でありますけれども、水質汚濁のメカニズムというのはなかなか私は難しいと思っています。より少しでも浄化に向けて進めていく上では、様々な要因と思われるものについて消去法的にそぎ落としていくという、そういったアプローチも大事でないかなと、そう思います。
 それで、プレジャーボートあるいは漁船の関係でありますけれども、これ排気ガス、空中に出すケースもありますけれども、水中に排出するそういうプレジャーボートあるいは漁船も当然ございます。あるいは二サイクルエンジンの関係もありまして、それが潤滑油等々含めて、二サイクルですから、そのまま水中に排出されると、そういうことも懸念されているわけでありまして、それがやはり水質の汚濁につながっていく、汚染につながっていくということにもなりかねないわけでありますけれども。
 国交省と農水省にお聞きしたいわけでありますけれども、これ、プレジャーボートとか漁船などの、いわゆる内水面というふうに限定するのはなかなか難しいかもしれませんが、大体これは何隻ぐらい全国であるのか、あるいはその指定されております十の湖沼について限定した場合は大体どのぐらいになるのか、その辺についてお伺いいたしたいと思います。
#101
○政府参考人(冨士原康一君) 小型船舶等の在籍隻数でございますが、まず、漁船を除きました総トン数二十トン未満の船舶検査対象小型船舶について申し上げますと、全国に約四十五万二千隻が在籍しております。このうち、湖沼水質保全特別措置法に基づきます十か所の指定湖沼に隣接いたします自治体につきましては、合計で約二万四千隻が在籍しておるということでございます。
 また、漁船につきましてもまとめてお答えを申し上げますと、都道府県からの報告に基づきます水産庁の集計データによりますと、全国に約三十二万九千隻が在籍しております。このうち、十か所の指定湖沼に隣接する自治体を漁船法に基づきます主たる根拠地としている漁船は合計で約四千隻ということになっております。
#102
○委員長(郡司彰君) 農水省はどなた。
#103
○加藤修一君 一括で。
#104
○委員長(郡司彰君) 農林水産省、どなた。──もう一回。
#105
○政府参考人(冨士原康一君) 国土交通省でございますが、水産庁、漁船の分もまとめて御答弁させていただきました。
#106
○加藤修一君 それで、大阪府の淀川取水口など、取水現場では水上バイクの登録制などを、規制を強化していると。また、滋賀県の条例におきましても、こういう水上バイクなどの航行規制水域の指定とか、あるいは二サイクルエンジンの使用禁止、あるいは水上バイクなど、そういったものについての操船者、船を操る人、操舵者ですね、遵守事項などが極めて厳しく規制措置をされているわけでありますけれども、こういった面について、国の対応はどのようにこういった面について考えていらっしゃるのか、その辺についてお答えをいただきたいと思います。
#107
○政府参考人(冨士原康一君) 水上オートバイの排出ガスによります水質汚染でございますが、平成十一年に、私ども、琵琶湖、淀川など水上オートバイの利用が盛んな水域で水質調査を実施しております。この際には、排出ガスに起因する有機化合物はすべて環境基準値以下であるということが確認されております。
 しかしながら、これらの水中排出ガスが一定の環境負荷を与えるというのは間違いございませんので、更にこれを低減させていくという観点から、水上オートバイの製造メーカーに対しまして環境負荷の低いエンジンを搭載した水上オートバイの開発を指導する、あるいは水口付近での走行禁止などの走行ルールの導入を働き掛けるというような努力をしてまいったところでございます。
 国土交通省といたしましては、今後とも水上オートバイの製造メーカーへの指導などに取り組んでまいりますとともに、水上オートバイの環境への影響あるいは製造メーカーの自主的な取組の状況などを踏まえながら、排出ガス規制も含めた更なる対策の必要性について検討してまいりたいというふうに考えてございます。
#108
○加藤修一君 水中排出、排気のマリンエンジンのそういうガス規制について自主規制という話ですけれども、その辺について業界はどういう形で積極的に展開しているか、ちょっとお示ししていただきたいと思いますけれども。
#109
○政府参考人(冨士原康一君) 近年の環境問題を踏まえつつ、マリンレジャー部門におきましてもやはり環境負荷の低減を図らなければならないということで、製造者団体に社団法人舟艇工業会というのがございまして、ここが中心になって、現在、自主規制を実施しているところでございます。より環境に優しいエンジンへの移行を順次進めるということであります。
 具体的に申し上げますと、マリン用のエンジンから排出されます炭化水素あるいは窒素酸化物につきまして、二〇〇〇年から段階的に削減を進めております。最終的には目標年を二〇〇六年に据えてございまして、二〇〇〇年に比べて七〇%を超える削減を目指すということでございます。この自主規制は内容的には世界でもトップレベルの環境負荷の低減措置でございまして、私どもとしてもこれが着実に実施されますように支援をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#110
○加藤修一君 そういう形で一つ一つ、消去法というか、懸念のある要因については取り除いていくという、そういったアプローチも極めて私は重要だと思っております。
 また、もう一つはFRPでありますけれども、これは廃棄処理がなかなか難しいということで廃船化しているという状況に、それも放置されていると、湖沼に、放置されているというわけでありますから、大きな問題になっている、あるいは粗大ごみ化しているということであるわけでありますけれども、この対策についてはどのような対応を考えておりますか。これは廃掃法ともかかわってくる話だと思っておりますので、どうか適正な処理が的確に、機敏に進むように対応を取っていただきたいと思いますが、どうでしょう。
#111
○政府参考人(冨士原康一君) 先生御指摘のとおり、FRP船の材料となっておりますFRPは非常に強度が高いと、また大型であるということで廃船処理が非常に難しかったわけでございますが、そのような状況を踏まえまして、私ども、平成十二年から平成十五年度にかけまして廃船処理のための研究開発を実施をいたしました。この結果、リサイクル技術とリユース技術は確立されたという状況でございます。
 これらの成果を踏まえまして、平成十六年度に具体的なリサイクルシステムの在り方につきまして私ども国土交通省と業界とで鋭意検討を進めてまいったところでございます。その結果といたしまして、現在、日本舟艇工業会が主体となりまして、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の下で本年度中にリサイクルを開始するということで準備を進めているという状況にございます。
 国土交通省といたしましても、環境省を始めとする関係省庁と密接に協力しながら、円滑にFRP廃船のリサイクルが進むように努めてまいる所存でございます。
#112
○政府参考人(南川秀樹君) FRP船のリサイクル、なおかつ円滑な処理につきまして国交省とは連絡を密にしております。
 今ございましたように、私ども、このFRP船を造っている業者さんの集まり、そういった方が中心になって回収してリサイクルできるようにということで、廃掃法の円滑な活用ができるように、現在、その調整を行っているところでございます。
#113
○加藤修一君 よろしくお願いしたいと思います。
 それでは次に、難分解性の溶存有機物の変動ということで、これは、先ほど霞ケ浦を取り上げた委員がおりますけれども、私も霞ケ浦のなかなか水質汚濁が変化ないと、そういうことに非常に心配しているわけでありまして、霞ケ浦に流入する河川水は水量もいわゆる溶存有機物の量も秋から冬にかけては極端に少なくなると、こういうふうに言われておりまして、このため、冬から春先にかけて河川由来の溶存有機物の負荷は年間を通して最も低くなると。
 それはどういうことかといいますと、冬には難分解性の溶存有機物が増えたのは河川由来のものではないということになると。それで注目されているのはやはり下水処理水であると。霞ケ浦には下水処理水が直接流れ込んでいるわけでありますけれども、そのデータを見てまいりますと、冬季には、河川から流入する水量を百とした場合、下水処理水分は十から二十に相当すると。その難分解性の溶存有機物の濃度は下水処理水の方が河川より高いと。量と質の両面から見ても、これは、下水処理水についても、これは非常に高いということになりますので無視はできないということだと思うんですね。しかも、これが増えるということは極めて重要な話で、例えば霞ケ浦からはそれは取水して上水に使っているわけでありますけれども、この難分解性有機物は上水処理過程で生成されるいわゆる発がん性の物質でありますトリハロメタンなどの原因物質になっているわけでありますから、湖沼で水道水源になっている場合はやはりその水道水についても健康上のリスクが増大していると、そういうふうに考えることができるんではないかなと、そう思います。
 ですから、こういった面についても、やはり私は環境省は独自の研究機関、独立行政法人でありますけれども国環研を持っているわけでありますので、そういうところでそういった研究が行われていると思うんですけれども、さらにこういった面についていかに湖沼の汚染のメカニズム、そういった面について、こういった難分解性の溶存有機物、こういった面についても更に私は研究を深めていくべきではないかなと、そう思います。そういったことが最終的には霞ケ浦のなかなか浄化されないという原因を大きくつかむことにもなるんではないかなと、そんなふうに思いますので、強く要望をしておきたいと思います。
 それから、霞ケ浦全域でトレンドモニタリングをやっているわけでありますけれども、陸域から湖、その推移帯、これはエコトーンというふうに、湖岸帯というふうに言われておりますけれども、エコトーン、これはトレンドモニタリングの中には対象になっていないというふうに私は聞いております。私は対象に入れるべきだと思っておりますけれども、この湖岸帯といいますかエコトーンの関係については最近の学術的な知見では極めて重要であると。
 何が重要かというと、やはり生物活動と物質循環のかなめであると、かつ人間活動の影響を受けやすい場であるとみなされているわけでありますけれども、湖全体の生物群集の変化や物質循環の把握のためにはこのエコトーンについてやはりモニタリングをしていく必要があるんではないかと。その辺のところが非常に浄化に対して大きな影響を与えると、プラスの効果になるということでありますから、そこをいかに保全するかということが極めて重要である。そのためにもやはりモニタリングをやっていくことが極めて重要でないかなと、そう思います。
 そういった研究成果を生かして、最終的に法律の見直しの関係におきましてもその知見を十分生かせるような形で将来的には法改正をしていくべきでなかろうかな、そんなふうに思いますので、是非よろしく、そういった面についてもお願いを申し上げたいと思います。
 それで、今エコトーンの話をしたわけでありますけれども、ファイトテクノロジー、今回の法律の中でもいわゆる植生、植物をいかに効果的に使うかということで、ヨシ林というか、ヨシとかアシとかと言われるやつですね、そういったものを積極的に使っていこうという話になっておりますけれども、ファイトレメディエーションあるいはファイトテクノロジーを使ったそういう環境の修復、植物を利用したという意味でありますけれども、甲子園のツタ、それも大気の浄化に貢献しているとか、あるいは琵琶湖の水もそういったもので浄化に貢献しているというふうに言われているわけで、従来、アメリカなんかでも土壌汚染の関係で全国的には二十一万七千か所の汚染サイトがあると言われておりまして、それを従来の物理化学的な方法で仮に処理したとすると二十二兆円を超えると。膨大な金額が、資金が必要であるというふうに言われているわけでありますけれども、こういうファイトテクノロジーを使うことによってそれほど多くの費用が掛からないというふうに、そういった経済効率性の面からも言われておりますし、あるいは生態系をいかに活用するか、すなわち自然の持っている仕組みを最大限に引っ張り出すような形で環境保全に貢献させ得るかという極めて私は重要なテクノロジーではないかなと、そんなふうに考えておりますけれども、質問が飛んでしまいましたけれども、この辺について環境大臣の御見解をお願いしたいと思います。
#114
○国務大臣(小池百合子君) ファイトテクノロジー、すなわち植物の働きでもって様々な問題を解決したり、そして新しい生産手段などに役立てる工学技術ということでございまして、正に植物が有する機能に関しての新しい科学的知見を活用するということで、今回、湖沼の水質浄化の観点からも、ある意味で先生のおっしゃる点にも着目をしているわけでございます。
 具体的に、今回の改正案で、湖辺のヨシ原などの植生が有します水質の浄化機能を活用するということはまさしくファイトテクノロジーそのものではないかと思いますし、また、そういった形でそれをベースにいたしまして湖辺環境保護地区制度を導入するということでございます。
 よって、この水質保全などに関しての植物の浄化機能ということについては、更に一層、更に知見を集積していかなければなりませんし、また積極的にその活用も図ってまいりたいと、このように考えております。
#115
○加藤修一君 ちょっと質問をスキップいたします。
 最後に、有機燐系の関係でありますけれども、これは面源の関係にもつながってくる話でありますけれども、これは厚生労働省と農水省にお聞きしたいわけでございます。
 時間がございませんので、この有機燐系の殺虫剤の関係でありますけれども、これは家や病院など人の出入りの多い部屋や病室、食べ物があるところは、できるだけ殺虫剤に頼らないようなそういった方式を考えていかなければいけない。逆に言いますと、まだそういった面では使われているということでありますから、これは吸った場合にはそれなりの悪い影響が出てくる、あるいは水田に空中散布をされた農薬の有機燐系殺虫剤が周辺の住宅に与える影響ということも言われておりますし、東京都ではこういった面については人間のリスク評価を行い使用法を見直すべきであると、そういうふうに厚生労働省に要望したと新聞記事には載っております。
 厚生労働省としては、使用法の表示などに問題があれば対策を検討したいというふうに言っておりますし、さらに都は、東京都は、製品によっては二、三か月の効果をうたっているものもあり、長く使うと抑うつあるいは食欲不振などの症状が出るおそれもあるということで、家庭内で使われる有機燐系あるいは農薬関係を含めて極めて重要な悪影響を及ぼすというふうな形で、最近の学術論文の知見も極めて脳に対する影響、小児環境保健の点からも重大視されるようになってきておりますので、この辺の実態的な対応ですね、その辺について両省にお伺いしたいと思います。
 時間がございませんので、短くお願いできればと思っていますが。
#116
○政府参考人(黒川達夫君) 御説明申し上げます。
 まず、家庭や病院で用いられている有機燐系殺虫剤の人に対する安全性についてでございますけれども、薬事法で規制されている有機燐系殺虫剤の人に対する安全性については、薬事法に基づきまして種々の毒性データを含む承認申請資料を慎重に審査いたしまして、用法、用量について安全性確保のために必要な種々の使用上の注意などを付しまして薬事・食品衛生審議会の専門家の意見を聞いた上で承認しておるところでございます。承認後、販売されることになるわけでありますけれども、市販後の段階においても安全性に関する情報を引き続き収集し、その評価、検討を行って必要な安全対策を講じておるところでございます。
 それから、先生御指摘の東京都の試験研究結果でございますけれども、平成十六年十月十三日に提出されました要望を受けまして、厚生労働省としては十一月一日に専門家による検討会を開催いたしまして、ジクロルボスを薬事法に基づく殺虫剤として使用した場合の人体への影響などについて評価、検討いたしました。この結果を踏まえまして、十一月二日、使用場所を人が長時間とどまらない区域に限定し、居室、飲食する場所等、これは病室も含むわけでございますけれども、使用を禁止する添付文書の改訂等を製造業者に指示したところでございます。
#117
○政府参考人(高橋直人君) お答え申し上げます。
 農林水産省では、農薬の空中散布の適正な実施を期すということから、従来からガイドライン定めまして、空中散布の実施予定日の周辺住民への周知、それから強風下での空中散布の場合にはこれ中止すること、こういったことを徹底しております。それから、こうした指導が農薬の空中散布を行う現場で的確に履行されますように、そのガイドラインを、内容を具体的な作業手順として盛り込んだ散布実施者向けの手引書などを作成して、これ現場に徹底しております。
 あと、現場におきましては、毎年、事業実施主体から指導の遵守状況について報告を求めているところでありまして、万一、住民の健康に影響を与えるような事故があった場合には、直ちにその再発防止の徹底を指導しているというところでございます。
 なお、空中散布ですから、農薬の場合にはこれは毒性は弱いものということでございまして、例えば家庭用で問題になっていますジクロルホスのようなもの、これにつきましては有人あるいは無人ヘリコプター用での農薬の登録はされておりませんので、これは実際に使っておらないというところでございます。
#118
○市田忠義君 日本共産党の市田です。
 私は実は小学校から高校まで滋賀県の琵琶湖の近くで育ちました。今日は琵琶湖問題に絞って幾つかのことをお聞きしたいと思います。
 今回の湖沼法の改正案で、これまでの点源対策から面源対策に広げられたこと、それから湖辺の環境保護対策を打ち出した、これは大変私は意義のあることだと思っています。
 問題は、滋賀県の、琵琶湖の現状と課題並びに今後の湖沼環境保全制度の在り方に関する滋賀県の考え方という文書の中で、面源対策などの実施については、その汚濁のメカニズムの解明も含めた実態の把握、関係者の理解、協力、適用可能な効果的対策技術の開発、費用負担の在り方などの課題が残っており、さらにこれらの解決に向けた具体的な取組方策や関係省庁の協力体制の構築、これが必要だという指摘がされています。
 私はこれは当然の指摘だと思いますが、大臣の基本的な認識をお伺いしたいと思います。
#119
○国務大臣(小池百合子君) 滋賀県からの御指摘でございますけれども、今回、一月に取りまとめられた中環審の湖沼環境保全制度の在り方ということについて、滋賀県の方から面源対策の課題として幾つかの点を指摘されているというふうに聞いております。三点あります。省庁間十分に調整しろと、それから汚濁負荷のメカニズムを解明せよと、さらには住民の参画をといったことで、確かにそのとおりであろうかと思っております。
 そういった観点から、環境省として、今回、湖沼法の改正案で新設いたします流出水の対策地区制度を設けるというのは、まさしく、農地そして市街地から流れ出ます汚濁負荷への対策が必要な地区をまず指定いたしまして、そして重点的、集中的にまさしく面源対策を実施していこうというものでございます。また、その点での滋賀県からの御指摘でありますけれども、この対策地区制度を適切に運用してその効果を把握する、そして検証を行う、それを踏まえてより効果的な施策の実施をしてまいりたいと思っております。
 滋賀県は、琵琶湖の周りは特に最近人口が増えてきて、私の友人なども随分滋賀県に引っ越す人がいたりとかということで、そういった面でも、琵琶湖の水質の改善というのは、そういった地域が新たな開発などによってまた変わってまいると思っております。現場である滋賀県からのそういった御指摘については受け止めていきたいと思っております。
#120
○市田忠義君 湖沼の水質保全対策という場合、琵琶湖に関して言いますと、これまで国と県が一九七二年から進めてきた琵琶湖総合開発事業、この総括、教訓をはっきりさせることを抜きにして私はあり得ないというふうに思っています。
 いわゆる琵琶総というのは、道路建設、下水道建設、農地改良等々、十七の地域開発事業、一兆九千億円を費やして進められた、二十五年間にわたる滋賀県最大の公共事業であり、日本で最大の水資源開発プロジェクトでした。この琵琶総は、開発水利権毎秒四十トン、水位低下最高一・五メートルまで認めると、これが基盤となっていました。このためにヨシ原など湖辺の自然環境が壊されて、湖岸堤、湖岸道路を造る、人工島を建設して終末下水処理場などを造ったと。この計画が琵琶湖の水質、周辺の自然環境を激変させました。ヨシ帯などの自然の浄化作用だとか、あるいは生物学的循環のバランスを破壊して、ニゴロブナ、これはフナずしはこれで作るわけですが、滋賀県の名物と言われていますが、これが激減すると、琵琶湖の漁業にも甚大な被害を与えていると。ビワマスというのもありますが、この刺身は大変おいしいんですが、これ北湖しか取れなくなっています。
 こういう琵琶総で行ってきた利水だとか水位低下のための事業や、これと引換えに行った事業や事業手法、これを抜本的に見直さなかったら、幾ら巨大な公共事業による面源対策あるいは湖辺環境対策取っても水質の改善進まないし、これイタチごっこをするだけじゃないかというふうに私は思うんですが、その辺についての基本的な認識を伺いたいと思います。
#121
○国務大臣(小池百合子君) おっしゃる琵琶総、琵琶湖総合開発事業、昭和四十七年から平成八年度まで実施されたものでございます。琵琶湖の自然環境の保全と水質の回復、下流地域の水資源開発、そして琵琶湖周辺の洪水、渇水被害の軽減といったことを目的として、これまでこの事業の一環として下水道も整備されてまいりましたし、それから瀬田川のしゅんせつといった、文字どおりその目的にかなった水質保全に資する事業も実施をされてまいりました。
 こういった事業の実施については、その結果としての琵琶湖の汚濁負荷の削減という部分にも寄与しているものと考えておりますが、ところが実際、琵琶湖の水質の改善については依然としてはかばかしくないということで、今回この湖沼法も改正をいたしまして、またしっかり取り組んでいこうということでございます。
 この改正湖沼法に基づいて各種施策、琵琶湖に対しての施策を行ってまいりますが、一方で、都市再生プロジェクト、稚内から石垣までとよく小泉総理がおっしゃっていることでございますけれども、その中の一つで、琵琶湖と淀川流域圏を一くくりにした形でその再生といった施策を実施することで、また琵琶湖の水質の改善に取り組んでまいっていきたいと思っております。
 いずれにいたしましても、いわゆる琵琶総でございますけれども、そういった水質保全に対しての事業も行われてきたことは事実であるということをお伝えしたいと思います。
#122
○市田忠義君 琵琶総がもたらした重大な問題点についての認識が、環境大臣、いかに弱いかということがよく分かりました。それを論争する今日時間ありませんから、また別の機会にしたいと思いますが。
 琵琶湖研究所の中村正久さんという所長がこういうことを言っておられます。琵琶湖集水域ではここ三十年ほどの間に都市域が急速に拡大し、その結果、不浸透面積が著しく増加したと、また、大規模土地改良事業に伴うかんがい水路網の建造や河川改修などによって流水の域内滞留時間が著しく短くなったと、こういう指摘をしておられます。そのために滋賀県では赤野井湾市街地排水浄化事業、これは二十億円です。山寺川市街地排水浄化対策事業、これは十億円、いずれも国交省の補助ですが、で行われています。さらに、水田反復利用施設事業、これは水田からの農業排水を反復利用する、いわゆるみずすまし事業と言われているものです。
 私は、これらの事業は、それはそれとして必要だと思うんですけれども、これまでの琵琶総の事業を前提にして、対症療法的な事業ではないかと。しかも、莫大なお金が掛かると疑問視する声もありますが、これについてはどう受け止めておられますか。
#123
○政府参考人(甲村謙友君) 委員御指摘のとおり、滋賀県でいわゆる市街地から流出してくる汚濁負荷量の面源対策といたしまして、雨水の貯留浸透だとか、あるいはもっと細かい話でいうと、市街地の道路の側溝の清掃、あるいはちょっと大きい話でいうと、市街地から出てくる初期の雨をためて浄化するといったような施設整備の面等をやっておられますし、また湖の周辺、いわゆる水辺では、先ほど琵琶総で、湖岸堤でヨシ原等が失われたと、でもまだ残っているところがあるということで、そういうヨシ原の保全あるいは再生といったようなことも行っておられます。
 また、農業について申し上げますと、先ほどもございましたけれども、環境こだわり農業ということで、できるだけ化学肥料とか化学農薬を使わないと。あるいは、農業の排水を適正に管理するといったようなことをいろいろやってこられておりまして、そのような面は湖沼の環境にも資するものということで、そういう先進的な滋賀県の取組も参考にさせていただきまして、今回の面源対策ということで新たに流出水対策地区並びに湖辺環境保護地区というようなことを湖沼法改正で挙げさせていただいたわけでございます。
 琵琶総の反省がないんではないかということでございますけれども、大臣申しましたように、琵琶総、目的といたしまして、琵琶湖の自然環境の保全と水質の回復、それから下流域の水資源開発、それから琵琶湖周辺の洪水、渇水被害の軽減ということで、いわゆるそこで、通常、いわゆる水資源開発とか洪水調節はダム等で行いますけれども、こういう琵琶総の場合はどうしても、従来は、ダム等を造るとダムが造られる地域が疲弊して、その下流の受益者ばっかりが水の利益あるいは洪水被害の軽減の利益を受けるということだったわけですが、琵琶総ではそういう元々の琵琶湖の地域の水質あるいは地域振興とセットでもって下流の水資源開発あるいはその洪水の被害の軽減の緩和を行ったということでございます。
 しかしながら、一定の効果はあるわけでございますけれども、まだ水質も良くなっていないということと、委員おっしゃったように、いわゆる水辺のアシ、ヨシ等が減ってきて、ニゴロブナの産卵場所がなくなっているというようなこともございますので、大臣申しましたように、琵琶湖・淀川流域圏の再生というようなことで、歴史、文化を生かした自然との共生を目指す流域全体での一体的な取組ということにつきまして、滋賀県を始めとして現地の近畿の地方でもって検討しておりまして、環境省もそのメンバーに入っているところでございます。
#124
○市田忠義君 琵琶総についてまた言われましたので、やっぱりどうしても一言言っておきたいんですが、当時のやっぱり新全国総合開発計画の一環として阪神の大企業群に水を供給すると。そのために近畿淀川水系の一千万の住民の環境や命や水がどうなるかと。それを犠牲にして行われたわけで、やっぱりそういう問題を抜きにして、非常に役立っているんだという評価は全く同意できないということを一言言っておきたいと思います。
 先ほど挙げた琵琶湖研究所の中村所長は、こういうこともおっしゃっています。
 湖岸堤の建造などによる湖辺の人工化は、生態系機能の低下や多様な植物連鎖構造の単純化に拍車を掛けていると。また、湖岸堤の上の周遊道路からは合成タイヤ微粉末に含まれる可塑剤などが側溝を通して琵琶湖に流出すると。こういうふうに指摘しておられますし、滋賀県の調査によりますと、琵琶湖のヨシ群落というのは、一九五三年に二百六十・八ヘクタールあったものが、湖岸堤や開発、埋立てで一九九二年には百七十二・九ヘクタール。激減していると。これらについて滋賀県は、この湖岸堤利用の見直しや開発による埋立て規制を厳しくするんじゃなくて、湖岸堤建造で破壊されたヨシ原を再生するための試みをいろいろ進めています。
 それで、お聞きしたいんですが、守山木浜地区自然再生事業、これはヨシ植栽面積が一ヘクタール、五億円です。一方、漁場環境保全総合事業、これは十五・六四ヘクタールで三十億円、一ヘクタール当たりにすると二億円であります。その元々ヨシ原のあったところに植栽する、そういう農水サイドの事業費、これは埋立て岸壁地先に植栽した国交省サイドの事業費の四割程度で済んでいると。同じヨシ原の復元でも技術、費用にも大変なばらつきがあると。いずれも人工的という点では人工的ですけれども、可能な限り自然の復元機能を生かすと、そうすればコストも少なくなるし、ヨシ原の再現にも役立つというふうに思うんですが、その辺についての考え方をお聞きしたいと思います。
#125
○政府参考人(甲村謙友君) いわゆるヨシ原の再生のためのいわゆる経済的あるいは費用対効果のある技術開発について御質問でございますけれども、私どももその湖沼環境の、湖辺環境保護地区、これは既にある、あるいはこれからできたヨシ原を守るという制度でございますけれども、先ほども他の議員の質問に対しましてお答えしましたように、自然再生推進という観点からもヨシ原の再生に取り組んでまいりたいと思っておりますし、その際に、そういう費用をできるだけ安く、あるいは自然の力を利用しつつヨシ原を復活するというようなことも検討してまいりたいと思っております。
#126
○市田忠義君 先ほど林委員も質問されて、同じになるんですが、別に示し合わしたわけじゃないんですけれども、同じ滋賀県出身ということでたまたま一致したわけですけれども、汚濁負荷を削減するというなら、今滋賀県が進めている環境こだわり農業推進条例、これ制定して化学合成農薬及び化学肥料、この使用量がこれまでの使用量の五割以下にする、農業排水の適正管理その他環境との調和に配慮した措置を実施する、そういう農業者又は農協と協定を結んで、より安全な農産物を消費者に提供すると。私は、こういう事業が大変大事で、二〇〇五年度の予算で三千戸数の四千二十六ヘクタールに二億円の環境農業直接交付金、これが手渡されることになっています。滋賀県の全部の農耕地にこの制度がもし実施されれば二十億円程度の予算で琵琶湖への農業系の負荷を半分に減らすことができます。
 改めて、念押しのために聞きたいんですが、この事業は現在県の単独事業で行われている。こういう事業にこそ、これは水質の改善にも役立つし、農業者や消費者にとっても大変喜ばれる事業だと思うんですが、こういう事業こそ国が支援すべき対象だと思うんですが、念のためにもう一度確認しておきたいと思います。いかがでしょうか。
#127
○政府参考人(甲村謙友君) これは先ほども農水省の方からお答えいたしましたように、農水省の方では新たな食料・農業・農村基本計画に基づきまして、農業者が環境保全に向けて最低限取り組むべき規範の普及、定着を促進するほか、環境保全が特に必要な地域において、農業生産活動に伴う環境への負荷の大幅な低減を図る先進的な取組に対して支援を導入することとしておって、そのための調査を十七年度からやると、十九年度からの導入に向けて十七年度から調査をやるということでございます。
 環境省としても、そういう事業につきまして、当然湖沼の水質についても非常にいい事業でもございますし、またいわゆる食品の安全、安心という面からもいいものと思っておりますので、農水省とも連携しながら、情報の収集並びに提供等に協力してまいりたいと考えております。
#128
○市田忠義君 もう時間がなくなりましたので終わりますが、滋賀県が琵琶湖総合保全整備計画という、マザーレイク二十一計画というのを出しています。これの元になっているのが、一九九九年三月の六省庁が共同で実施した琵琶湖の総合的な保全のための計画調査であります。その調査報告書を見てみますと、こういう文言があります。琵琶湖の水質保全は、水質保全事業の推進によって、増加する集水域の人口にかかわらず汚濁負荷量が大きく軽減され、流入河川の水質、特に南湖に流入する河川の水質改善が図られたと。正に琵琶総を天まで押し上げている。これは、滋賀県の文書を読むと一定の反省があるんです。時間がないから省略しますけれども。
 私は、国と滋賀県が行った琵琶湖総合開発計画の各種事業がやっぱり琵琶湖の周辺自然環境を破壊していると。その汚染源というか発生源にメスを入れることが大事で、例えば水位低下の見直し、一・五メートルも下げてもいいということになればもう琵琶湖の魚もなかなか育たないというのは明らかです。あるいは、埋立て観光開発の規制、土地改良事業に伴うかんがい水路網の検討、排水の総量規制、そういうことをやらない、琵琶総に対する反省も教訓もないまま、新たな保全整備計画で巨大な公共事業、それを投入しても、結局琵琶総の二の舞になるんではないかと。私は、琵琶湖で新たな保全整備を進めるというのなら、まず琵琶総で行われてきた各種の事業の抜本的な見直しが図られるべきで、それは琵琶総を推進してきた国の責任でもあるということを指摘して、時間が来ましたので答弁は要りません。
 終わります。
#129
○委員長(郡司彰君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 湖沼水質保全特別措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#130
○委員長(郡司彰君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 谷君から発言を求められておりますので、これを許します。谷博之君。
#131
○谷博之君 私は、ただいま可決されました湖沼水質保全特別措置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党及び日本共産党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    湖沼水質保全特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  本法制定後二十年が経過し、その間、指定湖沼についてさまざまな施策が講じられてきたにもかかわらず、その水質状況に顕著な改善が見られていないことから、政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
 一、水環境保全施策の実施においては、地域住民をはじめ地域関係者の役割が重要であることから、湖沼水質保全計画の策定に当たっては、地域住民・地域関係者の意見が最大限尊重されるとともに、定量的な目標や補助指標の設定等により、地域住民・地域関係者の理解が得られるようなものとなるよう、都道府県と十分な連携を図ること。
 二、流出水対策の実施に当たっては、その実効性を確保するため、地域住民・地域関係者の理解と協力を得るとともに、対策の効果を把握するため、汚濁負荷の調査の実施及びモニタリング体制の構築・強化について、都道府県と十分な連携を図ること。
 三、負荷量規制が新たに適用される既設の事業場については、経済的な負担に配慮しつつ、その規制の在り方について適宜見直すこと。また、未規制の小規模事業場については、排出実態調査を実施するとともに、都道府県における排水規制の状況も踏まえ、その対策について検討を行うこと。
 四、湖辺環境の保護に当たっては、土地の所有者等の協力を得られるよう十分配慮するとともに、植生規模の維持・拡大を図るため、自然再生等の施策と十分連携を図ること。
 五、現行の指定湖沼以外の湖沼についても、未然防止の視点も踏まえ、本法に基づく水質保全対策が実施できるよう、指定湖沼の指定の在り方等について検討を行うこと。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#132
○委員長(郡司彰君) ただいま谷君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#133
○委員長(郡司彰君) 全会一致と認めます。よって、谷君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、小池環境大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。小池環境大臣。
#134
○国務大臣(小池百合子君) ただいま御決議のございました附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重いたしまして努力してまいります。
#135
○委員長(郡司彰君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#136
○委員長(郡司彰君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時五十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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