くにさくロゴ
2005/05/19 第162回国会 参議院 参議院会議録情報 第162回国会 環境委員会 第15号
姉妹サイト
 
2005/05/19 第162回国会 参議院

参議院会議録情報 第162回国会 環境委員会 第15号

#1
第162回国会 環境委員会 第15号
平成十七年五月十九日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十七日
    辞任         補欠選任
     大久保 勉君     林 久美子君
     鰐淵 洋子君     浜四津敏子君
 五月十八日
    辞任         補欠選任
     浜四津敏子君     鰐淵 洋子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         郡司  彰君
    理 事
                大野つや子君
                真鍋 賢二君
                谷  博之君
                加藤 修一君
    委 員
                阿部 正俊君
                狩野  安君
                関口 昌一君
                中川 雅治君
                矢野 哲朗君
                大石 正光君
                芝  博一君
                島田智哉子君
                林 久美子君
                福山 哲郎君
                高野 博師君
                鰐淵 洋子君
                市田 忠義君
   国務大臣
       環境大臣     小池百合子君
   副大臣
       環境副大臣    高野 博師君
   大臣政務官
       環境大臣政務官  能勢 和子君
   事務局側
       事務総長     川村 良典君
       常任委員会専門
       員        渋川 文隆君
   政府参考人
       内閣官房内閣参
       事官       森本 英香君
       外務大臣官房国
       際社会協力部長  神余 隆博君
       経済産業大臣官
       房審議官     深野 弘行君
       資源エネルギー
       庁省エネルギー
       ・新エネルギー
       部長       岩井 良行君
       環境省総合環境
       政策局長     田村 義雄君
       環境省地球環境
       局長       小島 敏郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(郡司彰君) ただいまから環境委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十七日、大久保勉君が委員を辞任され、その補欠として林久美子君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(郡司彰君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣参事官森本英香君外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(郡司彰君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(郡司彰君) 地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○中川雅治君 地球温暖化問題でございますが、これは、その影響が及ぶ範囲や時間的広がりから見て、人類が直面する最大の環境問題であります。昨年、東京では真夏日が四十日間続く、あるいは日本列島に台風が十個も上陸するなど異常気象、異常な気象というものが起きておりまして、これらの事象の背景には地球温暖化があるのではないかということを多くの国民が感じているのではないかと思います。こうした国民の不安にこたえるためにも、また将来の世代に対する責任を果たすためにも地球温暖化問題を真剣に取り組んでいかなければならないと思うわけでございます。
 本年二月十六日にロシアの批准によりまして京都議定書が発効いたしました。私も環境省事務次官在任中に国連のUNEPの閣僚級会議に出席をさせていただきまして、その会議の議場でロシアの天然資源省のオソキナ次官にこの京都議定書の発効をめぐっていろいろ話合いをして、ほかの国ともいろいろ京都議定書の発効をめぐって、その方向に沿った対応を取るようにお願いをしたり、そんな経験がございましたので、京都議定書の発効には大変感慨深いものがあるわけでございます。
 ただし、我が国にとりまして、この京都議定書の目標達成、約束達成というのはもう並大抵の努力でできることではございません。もう本当に大変なことだというふうに思います。しかしながら、この六%削減という目標を達成することは、我が国の国際的な信用を守るということと、それから、我が国がこれから環境立国として国際競争力を高めて、この分野で日本が技術革新を実現をして、そしてまた更に持続的な発展を遂げていくと、そういったことを考えましても本当にこれは大事なことで、もう是非何としても実現をしなければならないことだと思います。
 そこで、今日は、ただいま提案されている地球温暖化対策推進法の改正案、それに関連して、京都議定書の発効を受けて、どのような形で我が国が地球温暖化対策を実施していくのかということについて質問をさせていただきたいと思います。
 京都議定書の発効を受けまして、政府は京都議定書目標達成計画を取りまとめ、四月二十八日に閣議決定をいたしました。これまで政府は、二〇〇二年三月に地球温暖化対策推進大綱を策定をして、この大綱に基づいていろいろ実施をしてきたわけでございますが、最初に小池大臣に、今回の計画は前の大綱と比べてどのような点が改善されたのか、ポイントだけお聞きしたいと思います。
#7
○国務大臣(小池百合子君) まず冒頭に、京都議定書発効に至るまでの経過についてのお話もございました。これまでの歴代大臣、そしてまた担当者の次官ほか職員、そして他省庁も含めてでございますけれども、日本国挙げてこれまでロシアに対して、また各国に対して様々な働き掛けを続けてきた、その結果としての議定書発効につながったものと考えるところでございます。その意味でも、中川委員にとっても感慨深い瞬間ではなかったか、二月十六日の発効の日もそういった瞬間ではなかったかと考えるところでございます。
 そこで、御質問の点でございます。どのような点が改善されたのかということでございますが、端的に三点御説明させていただきたいと思います。
 まず、京都議定書目標達成計画におきまして、第一に、これまでの実績、そして将来の見通しなどを基にいたしまして、ガスごと、分野ごとの目標を見直しをいたしました。これによりまして、温室効果ガスの〇・五%の削減の実現の可能性を高めたところでございます。
 第二に、将来の変化に対応いたしまして的確に計画を評価、見直しなどを行うということができますように、それぞれの対策ごとに対策評価指標を設定をいたしました。そしてまた、排出削減の見込み量の根拠となるデータについても、これは初めて公表をさせていただきまして、いわゆるPDCAサイクルの強化を図ることといたした点、これが第二点でございます。
 第三点は、関係府省間あるいは行政と事業者などの間での連携をすることによって温室効果ガスを削減する対策を進めるということで、それぞれの対策ごとに、製造事業者、販売事業者、運送事業者、そして一人一人の消費者など、それぞれ主体別の対策を明記をし、だれが何をすべきかということを明確にしたところでございます。
 こういった三点を挙げさせていただきましたけれども、計画は大綱と比べまして、目標の実現の可能性、対策内容の充実度、そして透明性、そして評価、見直しのプロセスの進行管理を容易にする、こういった面での改善を図ったと、このように考えているところでございます。
#8
○中川雅治君 今回の計画は大綱に比べて改善された点が多いということでございますが、温室効果ガス別の目標値について見ますと、大綱と比べてこの数値を変えているものが目立つわけでございます。特に、エネルギー起源CO2につきましては一九九〇年レベルと比べてプラス〇・六%上回ると、こういうレベルに設定しているわけでございます。これは前回の大綱では、国民各界各層の取組や革新的技術による削減分を含めるとマイナス二%のレベルを目標としていたというわけでございますので、それと比べますと大きく目標値を上方に修正したということを意味するわけでございますが、なぜこのように目標値を変更することにしたのか、伺いたいと思います。マスコミ等では目標値を緩めることにしたことに対して批判もあるようでございますが、ですからこの際、政府としての考え方を明らかにしておく必要があるのではないかと思いますので、お聞きいたします。
#9
○大臣政務官(能勢和子君) 御案内のとおり、目標達成計画の策定に当たりましては、議定書の第一約束期間、この期間の、あと三年でありますけれども、この時期におきまして、大綱に挙げております、すなわち京都議定書の六%削減約束の確実な達成をまず第一主眼に置いたところであります。
 そうしますと、二〇〇二年度の排出実績を見ますと、エネルギー起源の二酸化炭素は一九九〇年度に比べまして一〇・二%増加しておりますけれども、御案内のとおり、その他の温室効果ガスはあらゆる各種対策の効果によりましてすべて減少している状況であります。そうしますと、これらを踏まえまして、二酸化炭素以外の温室効果ガスについては目標を更に高く定めて、そして他方、増加しております二酸化炭素につきましては実現可能な数値と、そういうことでありまして、実現可能のレベルを下げたというんじゃなくて、相当な努力が要るわけですが、その目標値といたしまして〇・六%と設定したものでございます。
 しかし、この目標を達成するためには、二〇〇二年度に比べましても産業部門で三千三百万トンでありますし、それから業務その他の部門でも三千二百万トン、家庭部門でも二千九百万トン、合計で約一億トンですね、その削減をする必要がありますから、先ほど議員が御指摘されたように、その数値下げた、プラス〇・六と言っている数字が決して甘いものではなくて、相当の努力をしなければこの一億トンの削減はできない、できないんじゃなくてこれからも真剣に取り組むわけであります。
 そういう意味で、政府といたしましても、このような見直しを行うことによって六%削減のいわゆる実現性が高まったというふうに考えておりまして、決してマスコミが言っておりますように温暖化対策の後退というふうに考えておりませんことを、是非マスコミの皆さんからも国民に伝えてほしいというふうに思うわけであります。
 今後とも、プラン・ドゥー・チェック・アクションというPDCAのサイクルによりまして不断の点検を行いながらこの目標達成に向けて全力で取り組んでいく決意でございますので、議員におかれましても、そういうことについては決して政府が緩めたのではないと、この約束期限の一億トンの削減について全力で取り組んでいくという姿勢を是非議員の皆様にも御案内申し上げ、PRしていただきたいと思っておりますから、よろしくお願いいたします。
#10
○中川雅治君 ありがとうございます。
 現在のこのCO2の排出量の状況を産業、業務、家庭、運輸などのいわゆる部門別に見てみますと、産業については、これは工場が中心になるわけですけれども、大体横ばいないし減少の状況にあるわけでございます。これに対して、オフィスなどの業務あるいは家庭部門が伸びているわけでございます。なぜ、工場等の分野で排出量が横ばいないし減少しているのに、業務とか家庭の部門では相当な伸びを示しているのか、やはり環境省としてその要因をしっかりと分析をして、的確な対策を取る必要があると思います。
 まず、業務部門、家庭部門で最近排出量がずっと伸びていますね、この要因をお伺いしたいと思います。
#11
○政府参考人(小島敏郎君) まず産業の方でございますけれども、我が国の産業、これまでこの十年、十数年見ましても、製造業から第三次産業へシフトをしていると。いわゆる領域でいいますと、製造業からソフトな流通業とかそういうような方向へシフトをしている。それから製造業の中も、重厚長大と言われる産業から高付加価値の製品を重視する、そういう業態に変化をしていると。そういうことがありまして、工場を中心とした産業部門の排出は横ばいないし減少傾向と。もちろん工場の努力もございますけれども、大きなトレンドとしてはそういうトレンドにあると思います。
 そういうことで、いわゆる工場部門が横ばい、減少ということに対しまして、流通業等を含めるオフィス等を中心とする業務その他部門からの排出量が伸びるという傾向にございます。ちなみに、業務床面積ということでオフィス等を見るわけでございますけれども、一九九〇年から三四%強床面積が増加をしているという状況にございます。
 また、家庭部門でございますけれども、これは、業務その他部門におきますベースとしては世帯数というのが一番大きいわけでありまして、例えば、最近聞きますような熟年離婚なんかしますと二つのセットになるわけですから、家庭電化製品からおふろからみんなワンセット増えると、二つに増えるというようなことで世帯数が増えてしまうわけです。九〇年から見ますと、人口は三・二%ですけれども、世帯数は一九・二%というふうに、世帯数の伸びが非常に著しいということで家電あるいは給湯というようなものも増えると、こういうのが社会的な増加要因ということでございます。
 したがいまして、そういうベースとしての増加要因というものを織り込んで、それを打ち消すような更なる省エネの対策でありますとか、様々な対策をしていくということになると思っております。
#12
○中川雅治君 業務部門、家庭部門につきましても大綱と比べて目標値を変更したということでありますが、どのような値にしたのか、伺います。
 産業部門に厳しく家庭部門に緩い計画というような報道もあるいはあったわけでございますが、この目標値は現状の排出量から見てどれだけの削減を求めるものになっているのでしょうか、お伺いします。
#13
○政府参考人(小島敏郎君) 今回の計画におきまして全体の構造は、ガスでマイナス〇・五%、森林吸収源でマイナス三・九%、京都メカニズムその余の一・六%と、こういう基本構造は変わっておりませんが、ガスの中ではエネルギー起源のCO2をプラス〇・六%としております。
 基準年総排出量で全体を分母を同じにして述べますと、産業部門はマイナス三・三%、家庭部門がプラス〇・六%、業務その他部門はプラス一・七%、運輸部門がプラス二・七%と、電力・ガスで使いますエネルギー転換部門というのがマイナス一・一%と、こういう数値になっております。
 現状、二〇〇二年との比較、先ほど申し上げましたけれども、業務その他部門三千百万トン、家庭部門でも二千九百万トン、産業部門でも三千三百万トンということで、おおむねそれぞれの分野で二〇〇〇年比三千万トンずつと言うと申し訳ないですが、同じぐらいの削減の努力を今後求めていくということで、産業部門に比べて家庭部門や業務部門が緩くなって楽になったということではございませんで、その達成をベーシックなものが増えていく中で実現をしていくということになっております。
#14
○中川雅治君 例えば家庭で見ますと、二〇〇二年では一九九〇年に比べて既に二八%も伸びているわけでございます。目標を一九九〇年に比べてプラス六%の水準に設定するというふうに計画ではなっているわけでございますが、この点について一部のNGOの方などは非常に緩めたと、家庭部門に甘いんじゃないかというような批判をしているわけですけれども、現実的なものにしたということで、それは意味があるというふうに私も思います。
 しかし、それでもこの二八%伸びているわけですから、それを六%に落とすということは二二%削減しなければならない。しかも、一九九〇年に比べて今二八%伸びているわけですから、その伸びたところを一〇〇にしてそれで計算をしていきますと、つまり二〇〇二年を一〇〇として計算をすると一七%の削減をしなきゃならないと、こういう計算になるわけですね。既に今年は二〇〇五年であります。目標達成期間の中間年は二〇一〇年ということで、あと五年を残すのみなんですね。ということは、一七%削減しなきゃいけないんですが、それを五年間で割っていきますと、毎年三ないし四%削減していかなければならないと、こういう大変な計算になるわけでございます。今もうずっと伸びていて、今まで家庭部門は下がったことがないわけですから、そういう状況から今度は毎年三、四%減らしていかなけりゃならない。
 で、人口は、二〇〇六年をピークに、それ以降はずっと減少していくというふうに推定されているわけですけれども、世帯数は、先ほど小島局長答弁されましたように増えている。二〇一五年ぐらいまでは伸び続けるというような推定もあるわけでございますから、家庭の対策というのはよほどしっかりしなければ効果が出ないというふうに思います。このためには、国民運動のように意識に訴える対策に加えて、より確実な対策が必要ではないかというふうに思います。
 その点で、そうした観点からお聞きいたしますが、第一点目は、家庭の排出量と、CO2排出量といいましても、その六割は電力起源のCO2が占めているわけでありますので、まずは何といっても電力供給者側の対策が結局結果として家庭への対策に大幅に利くわけですから、電力の原単位を削減するためにどのような対策を考えているのかということが第一点。
 それから第二点目は、やはり世帯数が伸びるというわけですけれども、新たに世帯を持つときには新しい家電製品を買うことも多いわけですし、家を新築するというようなことも多いと思いますので、省エネ家電やエネルギー効率の良い製品を普及していくということや住宅の省エネ性能を向上させていくということがやっぱり一番重要なことではないかと思います。
 この点についてどのような対策を考えているのか、伺いたいと思います。
#15
○政府参考人(小島敏郎君) 日本のこの統計というのは、電力を使っているところでCO2が出ているというような統計にしております。したがいまして、今御指摘のように、家庭のCO2の排出の多く、半分以上、六割近くというのは電気を使うということになります。この電力、供給される電力というのが、CO2原単位といいますけれども、CO2の発生の程度が少ないということになると、電力供給者側の努力が家庭の方に跳ね返ってくると、こういう構造になります。
 この間、家庭のCO2の排出量が増えているという一つの一因はやはり、東京電力におきます原子力発電所が止まった、その止まった分を化石燃料の電力で賄ったということもこれはかなり大きく利いているということが一つの要因になっております。したがいまして、第一に重要なことは、原子力発電所が安全性の確保を前提として正常に機能するということがこれはまず第一でございますし、目標達成計画もそのことを一つの前提として考えております。
 次に、天然ガスというのは化石燃料の中でもCO2の排出量が少ないということでございますので、老朽化した火力発電所、石炭火力を天然ガスにシフトしていただく、あるいは新エネルギーの活用というようなことで供給側のCO2の原単位というものを減らしていくことによって、電気を使っている家庭、あるいは業務その他部門というところの排出量が結果的に減ってくるということになります。
 そういう意味で、今申し上げましたような、原子力発電所、それから天然ガスシフト、それから新エネルギーというような供給側の対策も計画に明記しているところでございます。
 それから、家庭でございますけれども、日本の家庭というのは外国に比べまして、小さな家にたくさんの家庭電化製品、それからおふろ好きの国民性からお湯の使い勝手が多いというところが特徴でございますので、家電製品の省エネ性能の向上ということはメーカー側でやっていただかなければいけませんし、これはかなりやっていただいていますが、それを実際に各家庭が購入をしていただく、使っていただかないと機能しないということなものですから、メーカー側とそれから量販店、あるいは最近ではネットで買われる方々も多いようですが、そこと消費者の間をつないでいくということで、様々な機器あるいは住宅の省エネ性能の高いものを買っていただく。そういう事柄を推進することによって、今御指摘ありました、そう簡単なことではございませんけれども、家庭部門においても着実に減少させることができるというふうに考えております。
#16
○中川雅治君 環境省には、現在、六月を中心に大規模な国民運動を展開しようとする計画があると聞いておりますが、この中でも、企業とタイアップして省エネ家電製品の普及を促進するなど具体的な削減に結び付く運動をしていくことが重要ではないかと思います。
 国民運動といっても、本当になかなか効果が上がらない。今までもいろんな形で努力をしてきたとは思いますけれども、なかなか国民の意識改革といっても本当に容易ではないと、私もつくづくそういうふうに思っておるわけですが、やっぱりそのためには企業とかNGOなどと幅広く連携しなければ効果的に実施できないと思います。
 もちろん、メーカーの努力や電力会社の努力とかいろいろ産業界の努力があるわけですが、それを今度は国民が需要者として意識改革して、それを、環境に良いものを購入していくという、そこの意識改革という点につきまして、やはり温暖化防止のメッセージが国民一人一人にどう届くのかというようなことが重要だと思いますので、大臣に是非、この国民運動、これから一生懸命やられるわけですけれども、その決意とそれから工夫についてちょっとお伺いしたいと思います。
#17
○国務大臣(小池百合子君) 国民運動は極めて重要な課題でございます。また、国民運動を推進することによって、先ほど来お話ございます我が国の温室効果ガスの削減を実現するその最大の原動力になるものだと、このように考えているところでございます。
 三月二十九日に、小泉総理を本部長といたしまして地球温暖化対策推進本部を開いたところでございます。その場で、国民運動のシンボルとしてのロゴマークを決定をさせていただきました。そして、総理からもその際、政府が率先してこの地球温暖化防止に取り組むようにという御発言もいただいたところでございます。
 ロゴマークにつきましては、私の大臣車の、エスティマ・ハイブリッド車でございますが、ぐるっと緑のラインが取り囲んで、そして地球のマークがかいてあります。これがロゴマークでございます。それから、私や環境省の職員の名刺には必ずこのロゴマークを入れるようにということで、今徹底をしているところでございます。また、ちなみに、名刺の裏には、これ表なんですけれども、名刺の裏には、じゃどうやって皆さん協力していただけますかということで、エアコンの温度設定であるとかアイドリングをなくしましょうといったような、こういうヒントも、名刺と同時にそういうヒントもお伝えするような、そんな工夫もさせていただいたところでございます。
 そしてまた、これを、このロゴマークについてはそれぞれの、政府でございますから役所、それから地方公共団体、企業、NGO、労働団体など、この地球温暖化についての情報提供であるとか普及啓発を行う際に、ポスター、パンフレット、それから企業のコマーシャルですね、そういったところにこのロゴマークを付けていただくというようなことで今呼び掛けをしているところでございますし、また、そういった今仕込みの時期でございますけれども、間もなく環境月間、六月に皆さんの目にも触れることが多くなると思いますけれども、この統一ロゴマークで地球温暖化対策みんなで一緒にやっていきましょうねということを広く呼び掛けてまいりたいと、このように考えているところでございます。
 チーム・マイナス六%という言葉をキャッチフレーズにいたしまして、正にチームでやっていくんだと。一つ一つの事業所、一つ一つの家族、そういったところがみんなでやりましょう、それぞれがチームでマイナス六%を実現していきましょうという意味を込めましてチーム・マイナス六%ということで、今そのメンバーになっていただくように、これは気持ちの上で、またホームページ、私どものホームページ、政府のホームページの方でもこのメンバーの募集ということで呼び掛けをさせていただいております。
 いずれにいたしましても、六月を中心にこの国民運動への集中キャンペーンを繰り広げてまいりたいと思っておりますし、また省エネ製品を選んでいただくことを促進するであるとか、それからこの国会でも大変ホットな議論をしていただいております。クールな服装を実行していただくということで、参議院の方でも今御議論の最中だと聞いております。衆参で今のところまだ若干温度差があるとは聞いておりますけれども、是非とも、是非ともこの国会の方から率先してということもお示しいただくように御協力いただければと思っております。
 軽装スタイル、かつての省エネルックでございますけれども、これはネクタイを取るというのは大変、私はネクタイを締めることはほぼないわけでございますので、その辺り、男性からすれば何か心もとないというか不安に思われるのかもしれませんけれども、地球温暖化の防止のためにもネクタイは外すという、そういった行動が広く行われると。また、背広とかをお選びになるのは奥様が多いというふうにも聞いておりまして、その意味では、お召しになるのは男性ですけれども、結局女性も巻き込んでいく形になっていくということで、正に国民運動とすれば非常に大きなうねりになっていくのではないかと考えております。
 六月一日から、環境省の職員もこれで徹底してやらせていただいております。別に礼を失するということではなくて、地球温暖化のために、温暖化のためじゃない、防止のために環境省率先してやっているということで御理解をいただきますように、よろしくお願いを申し上げます。
#18
○中川雅治君 ありがとうございました。
 本当に、しっかり国民運動をやっていただきたいという思いで一杯でございます。
 さて、今回提案されましたこの排出量の算定・報告・公表制度でございますが、今回の法案は、大規模な排出者に対して、自らの活動に起因して排出される温室効果ガスの量を計算して国に届けるという制度でございます。国として温暖化対策を進める上で最も基本的な制度であると思います。経済界の一部には、企業秘密との関係などで反対する声や、工場別の公表に難色を示す意見などもありましたが、経済界の理解も得られて今回の法案提出となったわけでありますが、まず大臣に、今回の法案の意義について簡潔にお答えをいただきたいと思います。
#19
○国務大臣(小池百合子君) 今回の意義でございますが、まず現状として温室効果ガス排出量が大変、減るどころか増えてしまっているという現状がございます。こういった現状を踏まえまして、国、地方公共団体、そして事業者、さらに国民、総力を挙げて地球温暖化対策を一層推進していくための基盤を整備する、そういう必要があるわけでございます。
 そのために、公的部門を含めました、排出者自らが排出量を算定をするということで、国民そして各層にわたります自主的な温暖化対策への取組の基盤をつくると。それを進めることが第一点。二点目が、排出量情報を公表するなどによりまして、国民、事業者全般の自主的な取組への促進ということに対してインセンティブ、機運を高めるための仕組みをつくるということから、今回、温室効果ガスの算定・報告・公表制度の導入をこの法案におきまして提案をさせていただいているところでございます。
#20
○中川雅治君 今回の法案は、基盤的な法制度ということで早急に整備することが必要であると私も思っております。今回対象となる大規模な排出者の中には、民間企業のみならず、例えば国の建物、県庁、病院、学校なども入るというふうに聞いているわけでございますが、やはり民間事業者に負担を掛ける以上、同じ程度の排出量がある公的施設についても対象とするのは当然のことであると思いますので、この点は特にしっかりと運用していただきたいと思います。
 その上でお聞きしたいのは、行政については更に民間から一歩進んだ率先実行を行っていただきたいということであります。今回の法律でも、政府の率先実行計画に関する条文について少々手直しが行われております。従来は地球温暖化対策に関する基本方針に基づいて政府の率先実行計画を作ることになっていたわけでございますが、今回の法案では第二十条の二という形で政府実行計画に関して新しく条文を設けていますが、なぜこのような構成としたのか、まずその理由をお伺いしたいと思います。
#21
○政府参考人(小島敏郎君) 現在の温暖化対策推進法におきましては、地方公共団体の事務事業に関する実行計画については一条起きておりまして、そういう意味では明文の規定があります。しかしながら、政府の実行計画については議定書の目標達成計画の記載事項というふうになっておりまして、地方公共団体の事務事業に関する実行計画の条文と比べますと、その実行計画を作ってやっていくということがいま一つ明確でない、あるいは読んだときにはっきりしないというようなことがございました。
 もちろん内容的には変わってはおりませんけれども、地方自治体と並びで政府もしっかりやるんだという率先の姿勢を示すためにも、地方自治体と同じように明文の規定で政府部門の取組を推進強化するというふうに明らかにしたものでございます。
#22
○中川雅治君 今回の法改正の中でも、国や地方公共団体が率先して削減に取り組むという姿勢が表れているという点は評価したいと思います。しかし、実態を見ますと、この政府の率先実行についてはまだまだ甘い状況でございます。例えば、各省から提出された資料を見ますと、両面コピーで出てくるのは環境省の資料だけですね。ほかの省は皆、片面コピーになっております。
 それから、グリーン購入という制度がありまして、だんだんこの範囲が広がってきているわけですけれども、やはり政府が物品やサービスを購入する際には、その価格という観点だけじゃなくって、やっぱりCO2の排出量というものを加味して競争させる、そういった仕組みが必要ではないかと思うんですね。
 まあ、低公害車については、価格は高いけれども政府の公用車は全部低公害車に切り替えました。例えば電力にしても、あるいはいろんなそのほかのサービスにしても、ただ価格だけで競争してしまうと結果としてCO2の排出量の多いものを購入するということにもなりかねませんので、何か、やはり競争させるときに価格以外にそういった要素を織り込んでいく、そういった仕組みが必要ではないかというふうに思うわけであります。ですから、政府全体としてまだまだできることはたくさんあるんではないかというふうに思います。
 それから、政府実行計画につきまして、省庁別に実施計画を作ることにしたというふうに聞いておりますが、これはもちろん一歩前進なんですけれども、例えばその本省とあるいは地方支分部局が各省あるわけですから、地方支分部局ごとに計画を作らせるというふうに、もっと徹底したやり方でないと、なかなか、私の行政府にいた経験からいっても役人の意識が改まらないと。部局部局できちっと計画を作らして、そして評価をしていくと、そういう仕組みを整えていくことが必要だと思います。元、行政府で仕事をしていた者として、反省を込めてこの点を主張したいと思います。これは答弁は結構でございます。
 さて、家庭やオフィスなどの民生分野の対策を、今大臣もおっしゃいましたように、国民一人一人の意識啓発によって実効あらしめる、そしてこの目標達成計画というものをきちっと実施をしていく、そしてまた政府ももちろん率先して実行していくということをいたしましても、やはり、目標達成に届かない場合というのは、これは最後のとりでとして京都メカニズムを活用しなければならないというふうに思います。
 私は、もちろん国内対策が本筋であって、京都メカニズムというのはあくまで最後のとりでですから、京都メカニズムに頼るというのは本当にある意味では情けないということなんですが、この最後のとりでといっても、やっぱり何としても六%の削減は実現しなければなりませんから、国内対策でできなかった、じゃ達成できませんでしたというわけにはいかないんで、この最後のとりでであります京都メカニズムをしっかりと検討していかなければならないと思います。
 京都メカニズムにつきましては、CDM、JI、排出量取引の三種類があるわけですけれども、日本政府としてはこれのうちどれを中心に活用するのかという問題があります。特に、排出量取引というのは最終的にはホットエアを購入するということになるわけですから、そういうことでは地球全体の温暖化防止にもなりませんし、お金を払って、多額のお金を払うことになるかもしれませんですね、そして最後この六%削減の帳じりを合わせるということでは、これは内外から批判を浴びることはもう必至であります。
 しかし、排出量取引といいましても、ちょうどあの二〇〇三年のCOP9で出てきたグリーン投資スキーム、GISと、グリーン・インベストメント・スキームという、こういう考え方が出てきたようでございまして、今、これは結局、排出量取引といってもその購入資金が実態的に削減プロジェクトの推進に結び付く、その裏に実態的な削減プロジェクトがある、そういう考え方が出てきたというふうに聞いております。
 現在のところはまだ具体化しているものはないようなんですが、こういうことであれば最後の手段として推進してもよいと、この排出量取引をですね、こういう形であれば推進してもいいと思います。そういうことで、それも含めてこの京都メカニズムについての政府の方針をお伺いしたいと思います。
#23
○政府参考人(小島敏郎君) 京都メカニズムはCDM、JI、排出量取引、三種類ありますけれども、現在政府は、CDM、JIという具体的に排出削減につながる、それによってクレジットが出てくるというものを中心に京都メカニズムを活用しております。
 今御指摘のグリーン投資スキームというのはCOP9で出てきたものでございますが、国としては旧東欧の諸国が非常に興味を持っております。これは旧東欧諸国から出てくる余剰枠といいますか、その枠を他の先進国、京都議定書の批准国との間で取引をするわけでございますが、そのお金を単に国庫の中に入れるということではなくて、それを使って温暖化対策あるいは環境対策をするということでございます。
 そういう意味では、いわゆる国連のCDM、JIというそのスキームの中、下には属しませんけれども、その外側でそのお金をそういう環境対策に充てるという意味では単なる排出量取引ではないということでございまして、日本としてもこのような提案を積極的に歓迎をして、その推進しようとしている国との政策対話を進めていこうというふうに思っております。
#24
○中川雅治君 この六%削減約束の達成のためには京都メカニズムをやはり使っていかなければならないというふうに思います。特に、オランダを始め諸外国との間でこの京都メカニズムのクレジット獲得競争になっているというようなことも聞くわけであります。
 この京都メカニズムのこのクレジット獲得というのは大変審査も厳しいというようなことだと思いますが、日本として現時点でクレジット獲得に向けてどのような手を打っておられるのか、現在の対策でどれだけクレジットの獲得の見込みがあるのか、大臣政務官にお伺いしたいと思います。
#25
○大臣政務官(能勢和子君) ただいまの御質問でございますけれども、我が国政府は、CDM、JIプロジェクトの設備整備に対しまして補助金を交付して、補助額に応じて政府がクレジットを取得する、いわゆるそのCDM、JIの設備補助事業を実施しているところでございます。この事業によりまして二〇一二年までに政府が取得することになっておりますクレジット量は約二万CO2トンでございます。
 また、本年度から当該の補助事業に、予算額、平成十六年度が二十三億円でありましたのに対して、十七年度は五十七億円の大幅に増額した予算を取っておるところでございます。この五十七億円によりまして政府がどれだけのクレジットを取得できるかということにつきましては、御案内のとおり、プロジェクトごとに補助金当たりのクレジットの移転量が異なりますから、一概に今幾らと言うことはできませんが、できるだけ多くのクレジットを取得できるように取り組むということで努力してまいりたいというふうに思っております。よろしくお願いします。
#26
○中川雅治君 京都メカニズムの獲得につきましては、EUに関しましては、本年一月から導入されました排出量取引制度とリンクしていると聞きます。EUが排出量取引制度を導入することにより、言わば京都メカニズムのクレジットがヨーロッパ市場に吸収されていってしまうのではないかということを私は危惧しているわけであります。こうしたヨーロッパの動きに対応するためにも、我が国としては排出量取引制度の検討を早急に進める必要があるのではないかと考えております。
 最近、環境省におきまして自主参加型の排出量取引事業を開始するため三十四社の参加企業を決定したという報道がなされましたけれども、この事業はどのような事業なのか。京都メカニズムのクレジットの活用との関係も含めて、大臣、御説明いただければと思いますが、よろしくお願いします。
#27
○国務大臣(小池百合子君) 御指摘ございましたように、ヨーロッパ、欧州各国、クレジット調達のための基金をオランダ、イタリア、スペインなどで設けているということで、非常に取組を精励的に始めておられるということから、我が国といたしましても、こういった諸外国の例も参考にしながら、クレジットの円滑な取得のための仕組みの具体的な在り方、早急に検討いたしまして、二〇〇六年度からの実施を目指しまして必要な措置は速やかに講じてまいりたいということをまず申し上げたいと思います。
 そこで、これからどのような形にするのかということでございますけれども、今御質問の中にもありましたように、自主参加型の国内排出量取引制度ということに対して、参加する事業者三十四社でございます。この制度を実施いたしまして、積極的に排出削減に取り組みます事業者を支援することで、費用効率的かつ確実な削減を実現をしてまいりたいと、このように考えているところでございます。
 ちなみに、この三十四社でございますけれども、二〇〇六年度の排出削減予測量、この合計が約二十七万六千CO2トンということになりまして、これは制度の対象となります工場、事業場の二〇〇二年度から二〇〇四年度にかけての平均排出量が約百三十一万一千二酸化炭素トンになるんですけれども、そのうちの二一%の大幅な削減に当たることになります。また、設備が設置されましてから、いわゆる法定耐用年数に至るまでの期間に予測されております排出削減総量については、約三百七十五万CO2トンという大きな削減量となるわけでございます。また、これに対しての補助金総額が二十五億九千六百三十四万円でございます。
 そういうことから、先ほど申し上げた予測量で、この費用対効果ということで計算をいたしますと、一CO2トン当たりの補助額が六百九十二円という額になるわけでございます。これは、いろんな数値が語られておりましたけれども、まずは非常に低い額になるのではないか、つまりコストエフェクティブにつながるのではないかと、このように考えているところでございます。
#28
○中川雅治君 我が国が主導的役割を果たして発効に至ったこの京都議定書の約束達成は、何としても実現しなければならないわけでございます。政府だけでなく、全会一致で批准の議決をした国会の責任も大きいと思います。
 今後、国を挙げて取り組んでいかなければならないということを私自身の決意も含めて申し上げ、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#29
○島田智哉子君 お願いいたします。民主党・新緑風会の島田智哉子でございます。
 本改正案につきましては、衆議院でも大変に御熱心な御議論がございました。衆議院での御議論も踏まえまして、お聞きしてまいりたいと思います。
 私は、初登院させていただいてからまだ一年もたっていない新人議員でございますので、こうした質問をさせていただく機会をいただきましたら、できるだけ関連する現場に出向いて、自分の目で耳で肌で感じて、そのことを基に質問をさせていただきたいと心掛けております。
 前回の湖沼法のときは霞ケ浦へお伺いいたしたんですけれども、今回は地元、埼玉県の小川町という町がございまして、こちらでは地域住民の方々が主体となって、地域の生ごみや家畜のふん尿を活用してメタンガスを発生させて、台所やおふろなどの燃料として使う。あるいは、野菜作りに必要な液体肥料、液肥を生み出して、そしてその液肥によって育てられた野菜を地域の住民に還元する。まさしく、その地域住民による循環型社会への取組を実践している地域でございます。
 こちらでは、月に一回程度オープンデーを開催しておりまして、実際の地域の活動の状況でありますとか、取組をされている農家の方々からのお話を聞かせていただく機会を設けていらっしゃいまして、ちょうど先週の土曜日がその開催日ということもありまして、私の事務所のスタッフとともに参加させていただきました。後ほど、同じく埼玉県選出の高野副大臣に後半質問させていただきます。
 その際に、農家の方から、二十年前に農業がしたいと思って東京から小川町に移り住んで自給自足に取り組んでいるんですけれども、食料の自給自足については、大変だったんですけれども、でも、人間が食べる量というものは昔も今もそれほど変わりがないので何とかなりましたと。しかし、エネルギーの自給自足はとてもとても大変なことで、昔と今とではエネルギーを使う量が余りにも違い過ぎて、自給自足を行うには、まずは日々の生活の中でいかにして使うエネルギー量を減らすかということが大切なんだと感じていますとおっしゃっておりました。
 まさしく、そのことこそが、人一人一人が、そして地域、国、世界規模で取り組まなくてはならないその原点であるように感じました。そうした思いで、本改正案につきましてお聞きしてまいりたいと思います。
 まず、提案理由説明にございました、国、地方公共団体、事業者及び国民が総力を挙げて地球温暖化対策を一層推進していくための基盤を整備する必要があるという点について、具体的にどういうことをおっしゃっているのか。大臣、御答弁をいただきたいと思います。
#30
○国務大臣(小池百合子君) 先月閣議決定をさせていただきました目標達成計画の基本的な考え方でも述べさせていただいておりますが、地球温暖化問題、これは経済社会活動、そして国民生活全般に深くかかわる問題でございます。ということは、すべての主体が参加、連携して取り組む、みんなでやるんだと、全員でやりましょうということが必要になるわけでございまして、その主体、すなわち国、そして地方公共団体、事業者、国民、すべてが参加、連携できる、そういった取組が必要だということを訴えているわけでございます。
 このために、事業者の温室効果ガス排出量などの情報を積極的に提供、そしてまた共有することを通じまして、先ほど申し上げたそれぞれの主体の対策、そして施策への積極的な参加をいただくこと、そしてまた、それぞれの主体間の連携の強化を促進するということも必要になってくるわけでございます。正に全員でやっていかなければならない、その認識を示させていただいたところでございます。
#31
○島田智哉子君 それでは次に、改正案にございます言葉の問題ですけれども、衆議院での御議論、参考人の方からの御指摘もされていました抑制か削減かという問題について大臣は、四月二十六日の大臣の御答弁は、「まず、事業者や国民の参加を得て地球温暖化対策を進めるわけですけれども、国、地方公共団体が率先して取り組むということが重要でありまして、そこで削減という言葉になるわけでございます。」、「ということで、この抑制か削減かという言葉遣いでございますが、なかなか法律用語として、量なのかテンデンシーなのか、その辺のところで、議論も実際の現場ではあったというふうに聞いております。」、いずれにしましても、ということでございましたが、削減にした理由はよく分かりますし、そのことに異論はございません。
 問題は、なぜ、そのほかの抑制という表現については削減ではなくて抑制のままなのか、その御説明がないものでしたので、大臣の御答弁をお願い申し上げます。
#32
○国務大臣(小池百合子君) 排出の抑制か、若しくは排出の量の削減かということでございますけれども、排出の抑制は、排出の量の削減、そして排出の量の増加を抑えるという意味での抑制、その両方を含みますコンセプトと考えているところでございます。
 工場、そして事業所によっては生産量の拡大、そしてオゾン層保護のためのフロンを代替することによって、対策を取ってもなお排出量が増大することがやむを得ない場合ということもあるわけでございまして、また、この法案におきましても、工場や事業所単位での削減を直接の義務とするものではないということから、排出の抑制という用語を用いたところでございます。
 また一方で、地球温暖化対策を進めるという、そういった流れの中で、とりわけ国であるとか地方公共団体が率先して温暖化対策に取り組んで民間に対策を広げていくことが重要だということでございますけれども、そういった考え方に立ちますと、今回の法案では温室効果ガスの排出量の削減に向けました公的部門の率先垂範の姿勢を法文上明確にしたいということで、あえて、国、地方公共団体の責務規定及び実行計画の規定に限りまして、排出の量の削減という用語を用いたものでございます。法制局とのやり取りの中でも、そういったことから整理をさせていただいて、この文言を使うことになったわけでございます。
#33
○島田智哉子君 法律の言葉ですから、その言葉一つ一つに理念が組み込まれ、それぞれ重みがあるのだと思います。
 その意味で、あえてお聞きしたいと思いますけれども、現行法の温室効果ガスの排出等のための措置のこの抑制等の部分について、改正案の二十一条では、排出量の削減並びに吸収作用の保全及び強化と改正することとなっております。
 一方、先月二十八日に閣議決定のありました京都議定書目標達成計画の中では、「都道府県及び市町村は、地球温暖化対策推進法第二十一条に基づき、当該都道府県及び市町村の事務及び事業に関し、温室効果ガスの排出の削減並びに吸収作用の保全及び強化のための措置」と、現行法の「抑制等」という言葉を一切落としています。ところが、今回の改正案に比べますと、一文字だけ「量」という言葉が落とされております。法改正の審議段階でまるっきり同じにできないということかもしれませんけれども、この現行法の「抑制」と改正案の「量の削減」と目標達成計画にある「削減」という言葉のそれぞれの意味について、どのようなお考えでしょうか。
#34
○政府参考人(小島敏郎君) 法律にある言葉は、内閣法制局と相談をしながら、いわゆる法令用語という世界で言葉を使っております。
 まず、現行の二十一条の「温室効果ガスの排出の抑制等」と、大体「等」でごまかしてけしからぬということはよく言われるんですが、この「等」は、排出の抑制と吸収作用の保全及び強化というのがこの「等」の意味であります。削減という言葉を使う場合には、その量の削減というふうに書くべきだというのが法制的な言葉の使い方だということでございまして、改正案におきますその二十一条におきましては「温室効果ガスの排出の量の削減」という言葉を使っております。
 委員よく計画をお読みいただいたと思うんですけれども、計画は、そういう意味では法律の言葉ではないものですから、内閣法制局と協議をしながら法令用語を使うという制約はございません。そういう意味では、一般の方々が分かりやすい、普通に、できるだけ普通に読んで理解していただける言葉を使うということでございます。そういう法令用語という制約がございませんので、排出の抑制、排出の削減とか、これは普通におっしゃっておられますので、あえて厳密に排出の量の削減であるとか何とかの抑制という法令用語ではなくて、政府の姿勢を示すということが伝わるように、「温室効果ガスの排出の削減」というふうに、何といいますか、素直に書き下していったということでございます。
 法律の場合には法令用語の使い方ということに強く縛られるわけですが、それを離れますと、まだまだ分かりにくい部分があるかもしれませんが、その制約のない世界ではある程度法令用語から離れて言葉を使えるということでございます。
#35
○島田智哉子君 次に、算定・報告・公表制度の対象事業所についてお聞かせくださいませ。
#36
○政府参考人(小島敏郎君) 今度の事業者の範囲ということでございますが、エネルギー起源CO2につきましては、省エネ法で燃料あるいは電気の使用量についての定期報告が義務付けられる工場、オフィスビル、それから運輸事業者まで入りますけれども、これを対象とする予定でございます。そのほかのガス、メタン等やフロンでございますが、これについては、エネルギー起源CO2の対象となる事業者とバランスを取って定める。CO2換算でいきますとおおむね三千トンということでございます。これによりまして、日本全国の排出量の五割前後がカバーをされます。
 事業者数では七千から八千社、事業所数では一万数千か所程度になります。ちなみに、私どもが入っております合同庁舎、厚生労働省が管理責任者でございますが、これも対象となりますし、衆議院、参議院、参議院も議員会館も含めて一つの単位となっておるようでございますが、これも対象となります。
#37
○島田智哉子君 それでは、国内に存在をし、しかも相当な温室効果ガスを排出していながら、この制度の対象、制度というよりも法の対象とならない施設として在日米軍基地の問題があると思います。この在日米軍基地は対象とならないとのことでよろしいでしょうか。
#38
○政府参考人(小島敏郎君) 在日米軍基地は、基本的に我が国の法令の適用を受けないということでございますので、この法律の対象にはならないということでございます。
#39
○島田智哉子君 この在日米軍基地の温暖化対策の問題ですけれども、今年三月二日の東京都議会において、横田基地の温暖化対策について、石原都知事、東京都環境局長が発言されております。
 石原知事は、これは非常に大事でいろんな可能性を含む提案だと思う、米軍基地は正にアメリカの領土だが、本国アメリカが京都議定書を批准せずに勝手に油をたいて日本の環境を汚染している行為が許されるかどうか、これはこれからの日米地位協定に関する大きな要因になってくると思う、これはアメリカに地球温暖化対策に対する覚せいを促す大きな引き金になると思うし、外務省に腰を据えてしっかりと対応するように求めたいと。
 東京都の平井環境局長は、都は米軍に対してエネルギー使用量の現状の温室効果ガスの排出抑制への対応状況について情報提供を求めてきている、その結果、横田基地では一か月に約二千七百キロリットルの軽油を消費しており、これを天然ガスに転換した場合、CO2排出量の大幅削減が見込めることが示されている、今後も東京防衛施設局などに対して、米軍との具体的な調整を進め、地球温暖化対策を進めるよう求めていくと、このような御発言があったわけですが、在日米軍基地それぞれにおける温室効果ガスの排出状況について、政府としては把握しているのでしょうか。
#40
○政府参考人(小島敏郎君) まず、仕組みのことをお話しさせていただきたいと思いますけれども、気候変動条約の締約国は、その条約事務局に報告をする自国の、日本の温室効果ガスの排出量あるいは吸収量の算定についてこれを報告をするわけですけれども、その報告の内容はIPCCの算定ガイドラインに従うということになります。このガイドラインでは、国の管轄権が及ぶ国の陸域及び海域における温室効果ガスの排出量と吸収量を算定するということでございます。
 このガイドラインに従いますと、米軍基地は、これは我が国の管轄権が及んでいない、先ほど我が国の法律が適用はないと、こういうふうに申し上げましたけれども、管轄権が及ばない地域でございます。これの排出量は我が国の温室効果ガスの排出量に含まれないということになります。これが今の算定の仕組みでございます。
 そういう意味では、いわゆる我が国の温室効果ガスの排出量ということを考える際に、米軍基地から出てくる温室効果ガスというのは日本の排出量にカウントしないということでございますので、基地から出てくる排出量については把握をしていないというのが現在の状況でございます。
#41
○島田智哉子君 小池大臣は沖縄北方担当大臣でもいらっしゃいます。改めて言うまでもなく、沖縄には在日米軍基地面積の二三・五%に当たる二万三千七百二十八ヘクタールの米軍基地がありまして、県土面積の一〇・四%も占められております。横田基地の例も見ましても、米軍基地における温室効果ガスの排出についても相当な量があるものと思われます。
 日米地位協定二十五条二項に基づく日米合同委員会環境分科会については、日本側の議長は幸いにも環境省でもありますから、その場において、改正法も含め、基地における温暖化対策について自主的な対応を求めるという、そういった取組が必要ではないかなと思います。
 この在日米軍基地の温暖化対策について、温暖化対策課としては全く考えたこともないし検討もしていない、ノーアイデアですということでありましたけれども、しかし、大臣は常にアメリカへの働き掛けについてはいつも並々ならぬ決意を述べられておりますし、ましてやこれは国内の問題でもあります。この問題を環境分科会、あるいは最初は作業部会になるかもしれませんけれども、いずれかに取り上げる必要性について大臣はいかがお考えでしょうか。
#42
○国務大臣(小池百合子君) 今御質問でも整理していただいたかと思いますが、何よりも、米軍基地というのは治外法権ということから、基本的には我が国の法令の適用を受ける存在ではございません。
 ただ、日米地位協定で我が国の法令を尊重するという義務があるわけでございまして、国内法で排出規制を行っている環境問題については国内法を尊重して自主的に取り組んでいただくように要請をする仕組みというものができております。
 今御指摘ございましたように、日米合同委員会、この下にいろんな分科委員会がございます。その中の環境分科委員会を通じまして、これまでも米軍基地におけます環境対策の在り方などについていろいろな要請を行ってまいったということもございます。ただ、温室効果ガスについては、現時点では排出規制などの国内法の制度が存在しないわけでございまして、その意味ではこの仕組みは当てはまらないということになろうかと思います。
 ただ、御指摘のように、地球規模でこの温暖化対策を進めていくということ、そしてまた、それぞれが積極的に取り組んでもらうということを申し上げているということを延長いたしますと、この環境分科委員会などを通じて国内の取組内容についての情報提供もさせていただきますし、また在日米軍においても自主的に温暖化対策を進めていただけるようにも求めてまいりたいと思っております。
 それから、国内法がまだ現時点でないと申し上げましたけれども、例えば排出量の算定・報告・公表制度、これについてこの法案で提案をさせていただいているわけでございますけれども、これが成立し、かつ施行されるということになりました場合には、米軍の方とも環境分科委員会の場を通じまして相談をしていくというような流れになっていこうかと思っております。
 米軍基地におけます地球温暖化対策というのも、我が国全体からすれば必要な事項ではないのかなと、このように考えております。
#43
○島田智哉子君 環境省の窓口は環境管理局だと思いますけれども、大臣に大変期待を申し上げておりますので、是非そういった対応をよろしくお願い申し上げます。温暖化対策課長も是非よろしくお願い申し上げます。
 次に、本改正案と地方公共団体の関係についてお聞きしてまいりたいと思います。
 先ほど、抑制か量の削減かということでお聞きしました二十一条の本論の部分でありますが、地方公共団体につきましては、書類の作成などの事務処理のほか、公営交通でありますとか廃棄物処理、上下水道などの公営事業、こうした関係事業のすべてがこの改正案で言われております地方公共団体実行計画の対象とされております。
 この実行計画の策定については法律上義務とされておりまして、都道府県についてはすべて策定済みとなっておりますが、市町村について見ますと、その策定状況がかなり後れているようでございます。現在の策定状況、どのようになっておりますでしょうか。
#44
○政府参考人(小島敏郎君) 温暖化対策推進法におきます地方団体の実行計画の策定状況でございます。
 都道府県はすべて策定されておりますが、市町村は千六十六市区町村。これは平成十六年の十月の一日の調査でございます。パーセントで申し上げますと、全市町村のうちの三五%程度ということでございます。
#45
○島田智哉子君 この計画は、法律によってその策定が義務付けられてから六年たっておりますけれども、いまだに策定済みが三割強ということで、これはかなり後れていると言わざるを得ません。
 この点、小島局長は先日の衆議院での委員会で次のような答弁をされております。
 また、地方公共団体の実行計画につきましては、現在三千ほどの地方公共団体がございます。都道府県は全部作っておりますけれども、市町村については三千のうち千ぐらいしかまだ作っておりません。これは法律上の義務でございますが、実態は、大きな市から小さな市まで、あるいは町までいろいろございます。そういうところで、これまでまだ三分の一程度にとどまっておりますが、今後、市町村合併ということで市の規模も大きくなって、その対応も可能になってくるのではないかと思います。これを機に、環境省といたしましても、再度その機をとらえまして、地方自治体におきまして実行計画を作っていただいて、これを実施していただくよう御相談していきたいと思っております。
 すべての町村が合併するわけでもございませんし、規模が大きいとか小さいとか、そんなことは分かっていて法律を作っているわけですから、そのようなお考えは非常に無責任だと思いますが、局長、いかがでしょうか。
#46
○政府参考人(小島敏郎君) 私が申し上げましたのは、まず実態的に、市町村といいましても非常に大きな市から小さな市まであります。財政力も違いますし、そのために職員が割けるところ、割けないところというのは、これが実態であります。
 そのことは、この法律を御審議いただきましたときにもそういう状況があるということでございましたけれども、それでもあえて、市町村というのはその地域において率先垂範をすべきだということで義務というふうになったわけであります。
 もちろん、法律が定まりましたわけでございますから、すべての市町村において義務は一〇〇%実行しなきゃいけないということでありますし、その法律を所管する環境省といたしまして、そのための支援をするということも必要だと思っております。そのためにいろいろなマニュアルを示したり、あるいは十五年度からは石油特別会計というものが活用できるようになりましたので、実行計画を実現するためのいろんな活動に対して、施設についても整備をすると、そういうプラスのインセンティブを与えると、付与するというようなことをしてまいりました。
 しかし、それでも三五%程度ということでございますので、まずは町村合併をしたところ、これはもう能力が高まっているわけでございますので、そういうところから、市レベルから着実に、いわゆるコンプライアンスということになるわけでございますが、市町村、自治体が法令を遵守して作っていただくような働き掛けということを続けていきたいと思っております。
#47
○島田智哉子君 この地方公共団体の実行計画について、市町村に対する都道府県の支援の在り方についてですけれども、都道府県の担当者さんにお聞きしてみましたところ、一つは、当然ながら、やる気がありながらもいろいろな事情で策定できないという場合にはできる限り支援をしたいというお気持ちでございました。それから、しかしながら、都道府県と市町村というその関係でいいますと同等の立場ですから、余りに積極的にと申しましょうか、押し付けでは困りますので、そこはかなり神経を使われているということをそのときに感じました。
 そうした中で、この市町村の実行計画策定について、今回の目標達成計画の中では都道府県による市町村の取組の支援という表現をはっきりと打ち出されました。この表現をされたのは今回が初めてではないかと思うのですが、この点について評価できる部分と、一方でやはりそれにちゅうちょされていますように、都道府県と市町村との関係について、取りようによっては非常に微妙な部分もあるのではないかと思いますけれども、この点について現状をどのようにお考えになり、どのような御判断があったのでしょうか。
#48
○政府参考人(小島敏郎君) 国も、あるいは都道府県も市町村も、それぞれ独立をした単位でございまして、それぞれが意思決定をして対策を進めていくと、こういうことでございます。環境省としては、先ほど申し上げましたが、法律を所管するということで、単にこれは義務だからやれといって、できればそれでいいわけですが、そういうわけにもいかないということで様々な支援等働き掛けをやっております。
 都道府県と市町村も、これも相互独立のものでございますから指揮命令にあるわけでも全くございません。ただ、都道府県はすべて実行計画を作っているということでそういうノウハウが蓄積をされているということでございますし、市町村が相談をするという際にも身近な存在だということもございまして、そういう都道府県が持っているノウハウというものを生かして市町村の相談に乗る、あるいはそれを支援するということを期待をしているということでございます。
#49
○島田智哉子君 こうした地方自治体に計画作りを義務付けるとした場合に、コンサルタント会社が営業に来られて、ついついそちらにお願いをしてしまったものの、隣近所の市町村がこぞって依頼したために、でき上がった計画書は隣近所ほとんど同じというお話も確かにお聞きしておりますけれども、しかし一方で、小さな町や村だからこそ住民が参加して住民の意見を反映させることができたと、そういった例もたくさんあるわけですので、是非そうした情報の提供等をしっかりとお願いしたいと思います。このことは、林議員と総務省との御議論で、総務省の方でもしっかりと取り組んでいくという、対応していくということをお聞きしましたので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 次に、今回の改正案では、第二十条の第二項になりますけれども、現行法の二十条に規定されている温室効果ガスの排出の抑制等のための総合的かつ計画的な施策を策定、いわゆる都道府県及び市町村の地域推進計画についてですけれども、こちらは法律上努力義務規定となっているために、その策定状況、特に市区町村については極めて本当に少数にとどまっています。この点について、その課題をどのように分析されているか。
 また、この条文について、「総合的かつ計画的」と極めて抽象的な表現になっているんですけれども、一方で、目標達成計画においては「地域推進計画」と言葉をはっきりと書かれております。今回の改正案においてなお抽象的な表現にとどめておくことの意義はどこにあるのか、御説明をお願い申し上げます。
#50
○政府参考人(小島敏郎君) 先ほどの事業者としての市町村あるいは都道府県の義務というのは、これは、自分が温室効果ガスを出しているということでありまして、民間の事業者との並びにおいて自治体が率先をすると、こういうことで義務にしているわけでございます。
 今度の、御指摘の都道府県のいわゆる総合的かつ計画的な施策をするというのは、これは、行政主体、いわゆる政策を推進をするという主体としての都道府県及び市町村の事柄でございます。これは元々地方自治の本旨に従って行われることということで、いわゆる義務的にそれを作るということではなくて、そういうことに努めなければならないというような規定にしていると、これがその趣旨でございます。
 現在のところ、都道府県レベルにおきましては四十四、市町村レベルは五十六ということで非常に少ない数にとどまっております。法律上は、法律におきましては、総合的かつ計画的な施策を推進するように努めると、こういうことでございますが、それをどのような形式、内容をもって講じていくかということは、地方自治の本旨に従いまして地方団体が独自に判断をするというのが一つの法律的な整理でございます。
 その上で、今御指摘の計画には、それでは総合的かつ計画的な施策ということは地域推進計画だというふうに何で書いてあるんだと、こういう御質問でございますが、これは、政府としての期待をその計画の中に書いたわけでございまして、政府としては地域推進計画というようなものを作っていただきたいという旨を明記をしたものでございます。
#51
○島田智哉子君 二〇〇三年六月、地球温暖化防止対策地域推進計画ガイドラインが改訂して、自治体における温室効果ガス排出量算定手法や自治体の対策の在り方が明示されましたけれども、このガイドラインを見ますと、都道府県、政令市に対する書きぶりとなっておりますけれども、専門家の間からも、市町村レベルの計画内容や温室効果ガス排出量算定手法の指針となるような内容になっていないと指摘がございます。また、これは実際に私も自治体の担当者さんからお聞きしたのは、市町村がそれぞれの排出量を算定するのは非常に難しいと、もっと言いますと、市町村がそれぞれに排出量の算定をすることの必要性があるのかと、そのような声も実際にございました。
 この市区町村の地域推進計画における排出量の算定・把握の必要性と、そのための技術的課題についてどのようにお考えでしょうか。
   〔委員長退席、理事谷博之君着席〕
#52
○政府参考人(小島敏郎君) 都道府県の、あるいは政令市というのは、財政的にも人的にも多くの人たちを抱えております。しっかりとした地域推進計画を作るという観点からは、環境省が出しておりますガイドラインというのは、都道府県、政令市向けということが言えると思います。
 市町村につきまして、いろんな技術的な課題があります。もちろん、市町村でも物すごく大きな地域を持っている市もございます。しかし、通常は限られた地域での計画ということになります。そうしますと、流通、トラックでありますとかバスでありますとか、そういう通過的に行くところというのは、じゃどこの行政の境でこれをとらえればいいのか、あるいはそれをとらえる必要があるのか、もう無理だというふうに言ってしまうのかと、そういう技術的な問題がございます。それから、市区町村単位では、実際のところ、エネルギー使用量の統計というのは整備をされておりません。そういうことで、一からそれを集めていくというのは市町村にとって大変な作業だろうというふうに思います。
   〔理事谷博之君退席、委員長着席〕
 もちろん、いわゆる政策を推進していく、それをチェックしていくという観点から、いわゆるPDCAというものが働くという観点からは、排出量を算定をして地域の特性に合った計画を作るというのは、これは理想型でありますけれども、それぞれの地域の特性ということで、例えば私どもの、例えばうちの市は民生に限って計画を作るでありますとか、あるいは地場産業のところに限ってやるだとか、あるいは排出量を算定するというのはやはり大変な作業だからそれぞれ頑張ってくださいという、まあちょっとあれですけれども、励ますという形に止まるかもしれませんが、そういう計画を作るとか、いろんな判断がそれぞれの市町村にあり得ることだというふうに思っております。
#53
○島田智哉子君 次に、地域における住民や民間団体の取組に対する国あるいは地方自治体の連携等の在り方についてお聞きしたいと思います。
 目標達成計画の特に市町村に期待される事項として、「地域資源をいかした新エネルギー等の導入のための調査・導入」と書かれてありますけれども、その趣旨とはどういったことなのでしょうか、御説明いただきたいと思います。お願いいたします。
#54
○副大臣(高野博師君) お答えいたします。
 太陽光とか風力、あるいはバイオマス等のいわゆる新エネルギーをどのように利用していくかということにつきましては、各地域の自然的な、あるいは社会的、経済的な条件に左右されると。気候もありますし、またそこの歴史、伝統等の文化もあると思いますが、そういうこと、それから地産地消という考え方も、こういうことも取り入れながら、新しいエネルギー導入のための調査等につきましては、その実情をよく知っている市町村が、都道府県よりもむしろ市町村がきめ細かくこういう計画を立てる上での調査をした方がいいんではないかということで市町村に期待をしているということであります。
#55
○島田智哉子君 冒頭にも少しお話しさせていただきましたけれども、まさしく住民が主体となって、そして町との共同事業によって太陽光、風力、バイオガスなど自然エネルギーを農業に、暮らしにと活用しようという非常に特色のある町づくりを展開している地域が埼玉県内にございます。人口が三万七千人、世帯数が一万二千五百世帯、行政区域面積は六十・四五平方キロメートルの小川町という町でございます。
 この町では、平成十一年度から環境基本計画の策定に取り組まれたのですけれども、その策定に当たっては、一般公募によって四十一名の町民が参加をされたそうで、その中からごみの減量化と有効利用を考える方法の輪の中で、一般家庭が排出する生ごみも、分別すればバイオガスプラントでバイオガスと液体肥料、液肥に変えられ有効活用できるのではないかということで、町民の提案として発想が生まれて、平成の十三年から具体的な取組が始められております。
 ごみを何とか減量したいとする町と、安定した有機質肥料が欲しい農家と、そして市街地の住民と農村部の住民との交流が少ない、そうしたそれぞれの課題を抱える中で、市街地の住民が台所で生ごみを分別し、そして町が回収をしプラントまで運び、運ばれた生ごみを、今度はNPOの会員が生ごみを投入して液体肥料が生まれて、その液体肥料によって育てられた野菜を住民が食べて、またその生ごみが再び資源として循環するという、正にバイオマスタウンが実践されているような感じがいたしました。
 こうした地域の取組をどのように評価をし、先ほどの目標達成計画で言われている国や都道府県、もちろん市町村との連携とは具体的にどのようなことを想定されているのか、埼玉県の高野副大臣に御見解をお聞きしたいと思います。
#56
○副大臣(高野博師君) この委員会には埼玉県出身の関口議員もいらっしゃいますんで、よく御存じかと思いますが、北本市にも同じような非常に大きなNPO法人がありまして、北本市ごみ推進協議会というのをつくって、これも自治体と一体となってやっているというところもたくさんあります。
 埼玉県はそういうNPO、環境関係のNPO、NGOがたくさんある、活発に活動しているというふうに承知をしておりますが、この小川町のNPO法人ふうどについては、このオープンデーに私参加したことはありませんが、バイオマスエネルギーについて、新しいエネルギーの一つとして、この目標達成計画に位置付けられておりますが、この小川町のように自治体とNPOとそして住民が一体となって、言わば地域密着型で取り組んでおられるということについては、ごみの削減とそれからCO2の削減という点で有効な施策の一つということで評価をしております。そして、このような地域の取組に対して、国は財政的な支援とかあるいは技術的な助言を実施することにしております。
 それから、都道府県、市町村は地域の新しいエネルギー、新エネ導入の計画作りあるいは公共施設における率先導入などに取り組んでおりますし、さらに国と自治体との連携をして行う場として、地域ブロック単位での推進会議を設けることにしております。
#57
○島田智哉子君 今回、小川町のオープンデーに参加させていただいて、地域住民の熱い情熱が伝わってきたことと、非常に心強く感じましたのは、そうした取組に強く関心をお持ちの方がとても多くいらっしゃるということでした。この小川町は都心から電車で一時間半ほど掛かるところなんですけれども、当日は六十名近い参加で、遠く北海道や名古屋から、しかも二十代のお若い方々が多くいらっしゃいまして、国民の関心の高まりについても実感してまいったのですが、その意味ではそうした先進的な地域をモデルとしてそのほかの地域にいかに波及させていくか、そうした対応策の重要性を感じます。
 この点については、環境省におかれましても、かなり以前よりそうした事業にお取り組みになっていると思います。例えば、平成十一年度にこの小川町も含めて全国十九市町村を対象として地球温暖化対策実証実験地域予備調査という事業をされたと聞きましたけれども、どういった目的の事業だったのでしょうか、お聞かせください。
#58
○政府参考人(小島敏郎君) 平成十一年度の実証実験の予備調査というのは、我が国で実用化されておりますがまだ普及されていないいろんな技術、これにはどんなようなものがあるかということを調べる、そういう意味での予備調査という事業でございます。これには小川町のようなバイオガス技術、いわゆるソフトエネルギー分野の調査でありますとか、パーク・アンド・ライドなどの交通システムでありますとか、あるいはごみの技術、そういうような技術を調査をしたということでございます。
 で、いろんな試みがございましたけれども、残念ながら、まあ私どもはこの予備調査から具体的な事業の調査へというふうに展開をしようと当時考えておったわけでございますけれども、何分、当時環境省としての予算確保というものができませんでした。そういう意味で、この事業は予備調査という段階で終了してしまったわけでございます。環境省としては非常に残念だと思っております。
 ただ、こういうような調査の成果というのはございまして、平成十一年度の補正予算、補正予算というのはそのときにアドホックにできるものですから、通常の予算の枠外で事業ができるということで、生ごみのバイオガス燃料電池の発電、あるいは木質エネルギー、いわゆる廃食油を使った実験、これは屋久島でございますけれども、そういう、まあ三か所でできたということは、この予備調査の成果を生かすことができたかなと思っております。
#59
○島田智哉子君 この小川町もそうだと思うんですけれど、住民が主体となって仕事の合間に地道に活動されている最中に御協力をお願いして、そして多大な御負担をお掛けしてまとめられた報告書だと思いますが、その後の対応をお聞きしますと、局長がおっしゃったようにその予算が付かなかったので結局事業は行われなかったと。さらに、その報告書を見せていただきたかったんですけれども、今年の三月で文書の保存規程によって処分されたという回答が担当課よりございました。
 今回の目標達成計画の中でも、情報の発信でありますとか地域活動を促進することが言われておりますけれども、私、先日の湖沼法のときにも申し上げましたけれども、やはりこの種の施策は一年一年の積み重ねと継続が大切であって、そのようなその場しのぎ的な施策の在り方は非常に強い疑念を感じざるを得ませんけれども、政府参考人よりお答えいただけますか。じゃ、副大臣、お願いいたします。
#60
○副大臣(高野博師君) こういう調査を踏まえて支援までつながるようにしていきたいと思っておりますが、なかなか予算が獲得できないという事情もありますんで、その点も是非御理解いただきたいと思います。
 先ほどのお話の調査についての書類は、五年を経過しましたので処分をさせていただきましたんで、これも御理解いただきたいと思います。
 環境省としましては、これからも地方公共団体と連携を取りながらこういう対策を進めていくという重要性については十分認識をしておりますし、平成十五年度からは石油特会の予算が付いておりますので、これからいろんなプロジェクトによりましては財政的な援助も含めまして進めていきたいと思っておりますし、具体的な強い要望が小川町の方であれば、これも前向きに検討したいと思っております。
 今後とも、この京都議定書達成のために、国、地方、それから住民、NPOと、あらゆる主体との参加、連携が必要だというふうに認識しておりますし、一生懸命これについて取り組んでいきたいと思っております。
#61
○島田智哉子君 副大臣にすばらしい御答弁をいただきました。ありがとうございます。しかしながら、書類は環境省は少し長く保存していただけると、その方が次につながっていくのではないかなというふうに思います。
 このバイオマスにつきましては、バイオマス・ニッポン総合戦略が閣議決定をされ、また京都議定書目標達成計画の中でもその推進がうたわれております。ただ、この推進に当たっては関係省庁がとても多くて、それぞれに事業が行われておりますけれども、地域の実情に即した取組が進んでいくためには関係省庁間の十分な連携が必要になるということは言うまでもございません。そうした意味において、地球温暖化対策推進本部の副本部長であられる小池大臣には、是非ともリーダーシップを発揮されますことを御要請いたしたいと思います。
#62
○国務大臣(小池百合子君) バイオマスは、脱温暖化社会を実現するという大きな目標の中で、このバイオマス資源の利用システムを確立するというのは大変重要なことだと考えております。バイオマス・ニッポン総合戦略と連携をして、また地域ブロックごとに関係省庁そして地方自治体が連携します地域エネルギー・温暖化対策推進会議の活用などによって取組を進めてまいりたいと考えております。特にスウェーデンなどの例についてはやはり私自身も興味持っておりますし、このバイオマスはもっと日本でも積極的に取り入れられる余地はたくさんあるのではないかなと思っております。
 今日の小川町の件につきましても大変参考に聞かせていただきました。ありがとうございました。
#63
○福山哲郎君 おはようございます。民主党・新緑風会の福山でございます。
 島田委員に引き続きまして質問をさせていただきたいと思います。今日はあんまり時間がありませんので、ちょっと大きな話を幾つか大臣に御見解をお伺いできればなと思います。
 京都議定書に関しては私も大変思い入れがありまして、九七年のCOP3が京都だったこともありまして、その次の年に参議院に当選をさせていただいて、ずっと環境委員会でこの問題を追っ掛けてまいりました。
 京都議定書の中身は、とうとうCOP10まで行きましてかなり詳細に国際的な議論が積み上がってきておりまして、専門的な用語が多くなってきてだんだん私も付いてこれなくなっておりまして、難しいなと思いながらですが、さはさりながら、これからもウオッチングをしていきたいと思っておりますし、二月の十六日に京都議定書が発効したことは本当に喜びでございまして、歴代の環境大臣始め環境省のそれぞれの皆さんの努力に対しては心から敬意を表したいと思いますが、勝負はこれからだということで、ようやくスタートラインに立ったなというふうに思っておりますので、是非これからもお力添えを、御尽力をいただきたいとまずは申し上げたいというふうに思います。
 実は今年は、随分、京都議定書の発効に伴って国際的な動きが多く動きました。もう委員の方は御案内だと思いますが、一月に毎年行われておりますいわゆる世界経済フォーラム、ダボス会議でございますが、今年も一月の末に行われまして、ダボス会議で約七百人の出席者の中で、世界の指導者が選ぶ、優先順位トップ六を選ぶというアンケートが行われました。
 項目は、世界経済とか貿易とか中国とか大量破壊兵器とか中東、貧困、気候変動、十四の課題から六つの項目を選ぶというアンケートだったんですが、何と一位が貧困、二位が公平なグローバル化、三位に気候変動が入っておりまして、非常に会場にいた方々も驚いたというふうに私承っておりまして、世界経済は何と九番目、中国脅威論等は十三位ということで、ダボス会議に出たリーダーがみんな実は貧困と気候変動の議論が重要だと言われたと。
 その翌月に京都議定書が発効したことも時代の流れかなと思っておりますし、三月にはEUが、温暖化ガスについては二〇二〇年までに一五%から三〇%の目標をしなければいけないと。今、京都議定書の第一約束期間における目標なんというのは実際の温暖化の流れからいうと貢献が少ないと、もっと具体的に大幅に目標を上げなければいけないんだということを、EUが一五%から三〇%というふうに決めました。
 また、去年のCOP10で決まりましたいわゆる国際セミナー、二月に発効して、今年の年末にCOPMOP1が初めて開催されるわけですが、それに先立つ国際会議のセミナーを五月の十七日、つい最近までやられてこられて、環境省も審議官等がボンに行かれて議論をされてきたというふうに思っております。つまり、国際的な動きは非常に気候変動に向けて動いていると。
 そして、更に申し上げれば、いわゆるサミットでも、イギリスがホスト国でございますが、ブレア首相が昨年の九月に気候変動についての演説をし、そしてサミットでも貧困といわゆる温暖化、気候変動がテーマになると。EUはアメリカが京都議定書から離脱したことを含めて非常にこの気候変動について主導権を取ろうという動きが私は顕著だと思っておりまして、それは国益も関係しますから、すべてがすべてEUの言っていることが地球の温暖化について寄与するだけではなく、いろんな外交的な問題があるというふうに思っておりますが、オーストラリアとアメリカが京都議定書から離脱をしています。日本は批准をして一応中に入っているわけですが、アメリカ、オーストラリアの関係の中で非常に微妙なやじろべえの状況にあります。
 更に申し上げれば、日本は、先ほどからお話がありましたように、六%の約束ができるかどうか非常に微妙な状況で、御案内のように、八%現状は増加をしておりますから、プラス一四%を削減をしなければいけないという状況になると。
 これから国際会議で、サミットの場とかでアメリカを巻き込もうというのがEUの戦略だとしたときに、我が国がどういうスタンスを取っていくのか。サミットはもうすぐ目の前でございますし、十二月にはCOPMOP1があるという状況で、今大臣はどのような認識なのかと。
 六%の削減の約束をすることは、これはもう当たり前の話でございますが、EUのように次の第二約束期間、更に言えば、二〇三〇年、二〇五〇年に向けて、日本はもう少し大きな目標を掲げてある種の国際会議に出ていくような気構えが必要なのではないか。若しくは、アメリカとの関係も後でお伺いしますが、そういった点について、EUの動きも含めて大臣がどのような御認識なのか、お伺いをしたいと思います。
#64
○国務大臣(小池百合子君) 今この時点でボンでセミナーが開かれて、そしてその後、SBSTAが開かれているという、こういう現状でございます。今回も日本から、今環境省の方から竹本審議官が行っておりますけれども、議長役が外務省の方の小西前大使、そして日本政府代表として西村大使が日本の考え方をこのセミナー、今回のボンのセミナー、やはり注目されるセミナーでございますけれども、そこで日本のこれからの対応の指針といいましょうか、それを示させていただきました。
 それは何かというと、すべての国が参加するそういった枠組みが必要であるということ、これを訴えさせていただいているわけでございます。かといって、すべてが参加できても、それが結局、地球温暖化に対してどういう効果が出てくるのかがなければ意味がないわけでございますので、ここからが、ボンのこの今回のセミナーを経まして、これからまた七月にはG8、そしてまた十一月ではモントリオールでCOP11、それが初めてのMOP1ということにつながってくるわけでございます。
 そういった中で、国際会議において我が国といたしましては、今申し上げた今回のボンのセミナーで基本的な考えについて申し上げた、それにいろいろと肉付けも、今後外交的な場において、そういった基本方針を基に、今後の気候変動、そしてまた地球温暖化対策の中で我が国としての役割をしっかり果たしてまいりたいと考えております。
 ちなみに、言うまでもなく、我が国の六%削減という第一約束期間における我が国の義務ということをしっかり果たすということは、これはもう言うまでもないわけでございますし、またそのために今回この計画を出させていただいているわけでございます。
 また、EUの流れについては、今御質問の中にもございました。ちなみに、三月二十三日にEU首脳会議が開かれた際の文言ですけれども、いわゆる工業化前と比べて二度Cを超えるべきではないと。そのために、先進国は二〇二〇年までに温室効果ガスを一九九〇年比一五から三〇%削減することが検討されるべきという文言が盛り込まれているわけでございます。どこの国でも、どういう会議でも、結構このワーディングというのはもめるところでございまして、その意味では検討されるべきという言葉が付いているということでございます。
 まだこの長期目標については国際合意はないわけでございますけれども、私どもは、これは地球温暖化対策でこの長期目標ということは重要な検討課題の一つだと考えております。そのために、中環審の下に国際戦略専門委員会がございますが、ここで今長期的な観点からの気候変動対策についての御議論をしていただいておりまして、現在取りまとめ中ですけれども、第二次中間報告案をおまとめいただくという流れとなっております。ここで、温暖化による悪影響の顕在化の未然防止という観点から、将来にわたる温度上昇を工業化前を基準に二度C以内に抑えるとの考え方は長期目標検討の出発点となり得るとの見解が盛り込まれたところでございます。
 このように、国内においての温暖化防止対策の着実な実行、そしてまた、こういった長期目標もにらみながら日本として何をすべきかということを更に細かく砕いて、そして、それをまた実効あらしめるような方策についての肉付けを今後とも重ねてまいりたいと考えている次第でございます。
#65
○福山哲郎君 御丁寧にお答えいただいてありがとうございます。
 じゃ、ちょっとだけ簡潔にお伺いします。
 日本は、じゃ今のスタンスと余り変わらないんだろうなというふうに思いますし、それでサミット行き、COPMOP1にも出ていくのかなというふうに今推察をしましたが、EUが、去年ロシアが批准をするに当たって、WTOの会議でも相当譲歩をしてロシアを京都議定書の枠組みに取り込んだと。今回、先ほどのダボス会議の話も申し上げましたし、EUの流れ、それからサミット。アメリカをどう国際的に、極端な話で言うと孤立をさせた形にするか、もっと言えば、別の枠組みでEU主導でアメリカを引き込むかというような動きだと思っているんですが、このEUの会議について大臣はどのような御認識なのか、お答えをいただけますでしょうか。
 僕は、決してEUの動きがいいとか悪いとかというふうに思っているんではありませんが、日本政府としてはどういう認識でEUの動きを受け止めているのかというのは外交上非常に重要なことですから、お聞かせをいただきたいと思っております。
#66
○国務大臣(小池百合子君) EUの動きにつきましては、先ほどの合意文書にあるように、非常に長期的に考えている、また、当然のことながら戦略的でもあるわけでございます。
 方法は幾つかあろうかと思っております。目的は、地球温暖化をすべての国が参加する形でどうやって実行していくかということでございまして、アメリカを孤立させるということがプラスなのか、若しくはそれをどうやって今後の枠組みの中で取り込んでいくのかということの考え方ではないかと思っております。
 EUでも、例えばイギリスの態度は、今回のG8のサミットにおいて気候変動をあえてテーマの中の一つに入れているといったことは、その外交上もアメリカの取り込みということも当然念頭に入れているわけでございます。ただ、アメリカの方のそれに対しての対応というのは逆に、これは私の私見でございますが、EUが突っ走るとかえってアメリカは乗ってこないというような外交的な綱引きも、これは現実として行われているわけでございます。
 この辺はいろんな、例えばロシアを今回の批准に持っていくためのWTOという一つの目標ですね、ロシアにとっての目標との駆け引き、そういったことを考えてみますと、今後、アメリカをただ除外をするという作戦が本当の意味で効果的なのかどうかというのは大いに考えなければならない点かと思っております。
 我が国はやじろべえではございませんで、私は十分懸け橋になり得るのではないかということから、日米間のワークショップなども頻繁に開催もし、そしてまたメタン、今回も温室効果ガスの中での比率の分野の考え方を明確にしたわけでございますけれども、例えばアメリカが大変注目しているメタンの部分など、そういったところで合同的にこの技術革新ということに協力もともにしていくというようなこともあろうかと思います。
 外交というのは、本当に一本の筋だけではございませんで、幾つかの方法で実行をしていくということで、結果的にゴールに到達できるというものであると、このように考えているところでございます。
#67
○福山哲郎君 私は、EUがアメリカを除外をしようと思っているとは申し上げていません。そういう可能性もあるし、逆に言うと、サミットという別の枠組みでアメリカを取り込もうとしていたときに、例えばサミットの場で日本がどういう形で対応するのかについてお伺いをしたかったわけです。
 それは外交上ですから、言えることと言えないことあると思いますが、先ほど大臣が言われたような、今までの既定の路線で六%は何とか守りたいと思いますよと、京都議定書の枠組みに日本は入っていますよと、COPMOP1以降はいろんな各国が入ってきてもらいたいですねというような、ある種の今までの延長線上の話でいいのですかと、国際社会は今年の冒頭から京都議定書発効を受けていろいろ動いているのではないですかということについてお答えをいただきたかったんで、なかなかお答えいただけないので、それは残念なんですが、副大臣、何か御意見あれば。
 副大臣、済みません。突然の御指名ですから、なければ結構です。何か御意見があれば副大臣、お答えいただければと。
#68
○副大臣(高野博師君) 今大臣がおっしゃったように、私は、EUというのは非常に長期的に物を見て対応していくという、そういう考えを持っているので、今回の京都議定書を受けて、やっぱり日本はもう少し対EUに対して、あとアメリカもそうですが、もっと戦略をもう一回練り直す必要があるのではないかなという考えを個人的には持っております。
#69
○福山哲郎君 副大臣、思い切ってお答えをいただきまして、ありがとうございました。
 小島局長、何か御意見があればいただけますか。
#70
○政府参考人(小島敏郎君) 大臣、副大臣の指示を受けてやっていきたいと思っております。
#71
○福山哲郎君 すばらしいお答えでございました。
 もう実は二分しか時間がなくなりました。また来週、いろいろ御質問をしたいと思いますが、多くの課題残っていますし、実際アメリカと、大臣がよく言われる、アメリカに積極的に働き掛けると言われておられますが、通常から、それについて一体日本はどのように働き掛けをこの半年例えばしてこられたかとか、中国との政策対話の問題で、中国は今鉄鉱石も含めて鉄鋼の生産量が多いわけですけれども、中国との対話を、政策対話を日本はどのようにやってきたかとか、少し長期的で、そして大きい面で、外務省も交えて、やっぱりこの問題は国内の達成ももちろん重要ですし、やらなければいけないんですが、少し大きな目で議論していかなきゃいけないなというふうに思っているので、是非、委員長にもお願いなんですが、法案の審議も重要でございますが、その法案にかかわる京都議定書でございますので、長時間の審議を是非理事の皆さんにもお願いをしまして、今日の私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#72
○委員長(郡司彰君) 今の提案については理事会でよく協議をいたします。
#73
○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。
 地球温暖化対策推進法の一部改正に伴う法律案について質疑をしたいと思います。
 今回の法律並びにそれに関連しております京都議定書目標達成計画、これは極めて重要だと私自身も認識しております。先ほど、貧困の問題等ありましたけれども、確かにこの地球温暖化の問題というのは、ミレニアム開発目標、これともかかわってくる話でありまして、かかわってくるというのは、やはり地球温暖化がどんどん進むことによって最貧国等々を含めて極めて大きな影響を受けるのはそういうところであろうと思うんですね。
 私は、この条約の関係で、京都議定書が正に発効したということは極めて重要で、この人類史を画すると言うとちょっと大げさな言い方でありますけれども、世界百数十か国がこれを批准したという意味において、また地球の大気にかかわる安定性をどうするかということについて一堂に会してやっていくという意味では非常に重要なものであると。
 さらに、私は、これはほんの一歩であるにすぎないと。先ほど二〇三〇年とか二〇五〇年の話がありましたように、正にこれからは、二〇五〇年近辺で考えたとしても半分以上削減しなければいけないという議論もあったりするわけでありますので、そういう長期的な視点も含めながら、今後更にやっていかなければいけないという、そういう意味もあって、そのスタートとしては非常に、スタートであるべき内容として対応していかなければいけない。
 さらに、このスタートの関係から、今度二〇〇七年にこれは見直しをするという話になっているわけでありまして、その見直しのチェックの仕方についても、これはPDCAという話が出ておりますけれども、その辺についても、やはり今の段階でどういう形でしっかりやれ得るのかということについても私は議論を深めていかなければいけないんではないかなと思います。もちろんこれは計画という形で出ておりますから、その計画の後のDはどうする、Cはどうする、あるいはAはどうするかということについて具体的には触れられていない中身だと私は認識しておりますので、そういった面も今後の審議の中でしっかりととらえることができるような答弁をいただきたいなと思います。
 それから、六%の関係でありますけれども、私は最大限国内で対応をやっていくべきだと思いますけれども、しかしながらなかなか難しいということについては先ほど議論がありました。そういった意味では、京都議定書の中の京都メカニズムをいかに使うかということも考えていかなければいけないなというふうに思いますし、そういった中でこういった面のことを更に超長期的に考えていきますと、好循環の国をどうつくっていくか、つまり環境と経済における好循環の国の姿をより明確にしていく大きなチャンスになる。
 そういった意味では、特需というと言い方がおかしいですけれども、そういう特需が超長期にわたって続いていくという話になりますから、それが終わった段階では世界にモデルを示すことができるような内容を伴っているようにしていかなければいけないと、そういうふうにもまた考えておりまして、それから二〇一三年以降の新しい枠組みをどうつくるかということもこれまた重要でございます。
 我々公明党もこういう環境問題に対しては熱心にやってきた政党の一つでありますけれども、二月の十六日には、これは大臣にも申入れをしておりますけれども、七分野二十八項目にわたって指摘してございます。様々な形の項目があるわけでありますけれども、いずれにせよ、この二〇五〇年のことも考えながら、かつまた長期的な、超長期的なことも考えながらやっていかなければいけない、非常に道のりが長い、しかしながら可及速やかにやらなければいけない対策の問題もあると。そういった意味では、環境省の役割、責務というのは非常に大きいと考えております。
 そういったことから、環境大臣としてどういう決意で、どういう姿勢でこういった問題に対して取り組んでいくか、御答弁をお願いしたいと思います。
#74
○国務大臣(小池百合子君) 今回の計画、目標達成計画を作る際もそうでございますけれども、より皆さんにかかわっていただきたいということから、だれが何をということでかなりブレークダウンしたものを今回もお示しさせていただいているわけでございます。と同時に、そういった手法、方法もさることながら、やはり大きな目標、何のためにということを忘れてはいけないと、このように思うわけでございまして、その意味では、今回、温暖化対策法で法律の目的、人類の福祉に貢献ということをうたわせていただいております。二十一世紀が環境の世紀である、そしてまた地球温暖化問題への対応というのが人類共通の重要課題であると、先ほどもダボス会議での優先順位がいかに高いかのお話もございました。
 そういった意味で、我が国はこの環境の世紀において他の国のモデルとなる環境先進国を目指していく、そしてまたその役割を果たしていくべきと考えております。そしてまた、京都議定書におきます六%削減の約束を確実に達成すること、そしてさらには、長期的、継続的な排出削減を目指すというこの流れをしっかりとしたものにしてまいりたいと考えているところでございます。
 今年の二月十六日に京都議定書が発効、そのイベントの際にも皆様方にもお越しいただきました。やはりこれは地球そしてまた自然ということに対しての地球環境の保全ということで人類が初めてこのような形で取り組むという大事業でございます。そういったことを心にいつも秘めながら一つ一つの役割を果たしていきたいと、そして目標達成計画に盛り込まれた内容をしっかりと達成をしてまいりたいと、このように考えているところでございます。
#75
○加藤修一君 超長期的な関係では、やはり二〇五〇年で、二〇五〇年問題というふうに言ってもいいと思います。その二〇五〇年からこちら、現代の方に倒しながらどういうふうに将来の環境のありようを考えていくかが極めて重要ですので、そういった二〇五〇年を起点にして物事を考えるという、そういった政策研究をしっかり環境省はやっていくべきだと思いますので、強くそこについては要請をしたいと思います。
 それから、官邸に申入れをしたときに、これは二月十六日のときでありますけれども、細田官房長官とお会いしました。こちら側は十三名の国会議員ということでございましたが、こちらの申入れの説明をし、それに対して官房長官のお答えがあったわけでありますけれども、何とかできると、これは厳しいけれどもまあ何とかできる、油断はできませんよと。私は非常に積極的な発言であったなと思って内心びっくりもし、かつまた政府の対応に対して期待をしたところでありますが、その席上、環境省の方が二、三人いたと思います。
 こういう官房長官の言葉をどういうふうにそのとき受け止めているか、その辺についての見解を示していただきたいと思います。
#76
○政府参考人(小島敏郎君) そのときにいた二、三人のうちの一人でございますけれども、京都議定書目標達成計画というのは、そういう意味では日本が六%を達成するという試験に受かるための計画でございます。勉強の計画ができたら大学を受けて受かるというわけではございませんで、勉強計画を立てたらしっかりそれに従って勉強しないと試験にも受からないということでございます。
 そういう意味では、こういう計画を立てれば、この計画に従っていけば大丈夫だよと、だけど、その書いてあることをしっかりやっていかないと、それは勉強の計画だけでは、それは大学にもどこの試験にも受からないと、こういうことでございますから、それをしっかりやらなきゃいけないんだということだろうと受け止めました。
 例えば、今回の計画では、フロンの目標値をプラス二・〇から〇・一、一・九%の深掘りをしております。その対策の中には、フロンの回収率、議員立法で作っていただきましたフロンの回収・破壊法、これも、先ほどのお話ではありませんが、法律でございますから一〇〇%実施していなければいけないわけでございますが、その成果は三〇%ということにとどまっております。これを六〇%までにはこの第一約束期間の間に引き上げていくということが書かれております。このためには、私ども、議員立法で作っていただきました法律の強化、改正が必要だというふうに事務的には思っております。議員立法でございますので、これを作っていただいた方々とこれから相談もしていきたいというふうに思っております。
 あるいは、京都メカニズムにおけるクレジットを国に移転するための仕組みを実現せよということが書いてあります。これは一・六%の部分を確実にするということでございますが、これも、それは今ないわけでございまして、二〇〇六年度から実施できるようにそれを行うということで、今後やるべきことが計画の中に多々書いてあります。環境税について真摯に総合的な検討を進めるということもそのうちの一つであると思っております。
 それから、委員御指摘の、ドゥーの後のチェックについて、その進捗状況を点検をし、評価、見直しを行うということのために、これまでどういう計算でその削減の数値を出してきたかということは前の大綱出しておりませんでしたけれども、今回、参考資料ということで公表して、その基礎を提供しているというようなことでございます。
 目標達成計画に書いてあることを着実に実行しなさいというふうに私どもは受け止めております。
#77
○加藤修一君 今般の法律の第三十一条には主務大臣等が書いてありまして、環境大臣、言うまでもない話ですけれども、もう一つ明確に書いているのは経済産業大臣になるわけで、環境行政という意味では、私は、環境省も当然環境行政やって、それが専門でやっているわけでありますけれども、経済産業省も環境行政ということについては、これ非常に強力な形で私はやっていると思っております。この経済産業省がどういうふうに出るかということが極めて重要だと思っておりますし、また大きな期待もしております。
 今回、省エネ法もかかっているわけでありますし、あるいは再生可能エネルギー、これを積極的に推進しようということで、既に日本版のRPS法が施行されているわけでありますけれども、これはもう見直しの段階に入ってきていると。積極的に私は再生可能エネルギーというのを進めていかなければいけないと。
 しかし、一部の人によりますと、これは再生可能エネルギーを進めないような法律の中身になっていると。法律、それはいいんですけれども、政省令でキャップをかぶしてしまって、それ以上伸びないような形になっている部分もなくはないな、なるほどねと。そういうふうに、私も部分的には賛同するところがあります。そういう問題があります。
 あるいは、新エネルギー産業ビジョン、二〇三〇年、これはあくまでも産業ビジョンですから、ビジョンからやはりロードマップに具体的に落としていかなければいけないということだと思います。これについてはやはり早急に私はやっていくべきだと思っておりますので、強く要望しておきたいと思います。
 それから、エネルギーの需給計画の関係で二〇三〇というのがありますけれども、先ほど来二〇五〇年の話が出てきておりますので、やはり二〇五〇年ということで、もう少し延伸させる、そういう計画の策定をやはりいち早く、私は、経済産業省としては取り組んで、やはり国際社会における共通の情報を含めて、そういった面についての対応を十分やっていく必要があるのではないかなと思っておりますので、これについても是非やっていただきたいことを要請しておきたいと思います。
 それから、水素社会の関係については、二〇二〇年に燃料電池、これは一千万キロワット発電できるようにしようと、あるいは燃料電池車、車の方でありますけれども、これは数百万台出回るようにしていきたいと、そういうロードマップを作っているわけでありますけれども、やはりこういった面についてももっと拡充していく必要があるのではないかなと思ってございます。
 それからあとは、様々な形で環境行政にかかわることを経済産業省やっているわけなんですけれども、今回のこの地球温暖化の関係の法律ということで、経済産業省がどういう姿勢で、というのは、今まで環境税の関係についても環境省と経済産業省の間でなかなか整理ができなかったということもございます。いずれにいたしましても、その環境税の話はおいておいたとしても、要するに、この問題についてどういう姿勢、どういう決意で臨もうとしているのか、それについて御答弁をお願いしたいと思います。
#78
○政府参考人(深野弘行君) 当省のこの地球温暖化問題への取組の考え方でございますけれども、今回の京都議定書目標達成計画を策定いたしました温暖化対策本部の副本部長を経済産業大臣が担当させていただいておりまして、当省もこの中には数多く、省エネルギーあるいは新エネルギー始め、関係する施策を盛り込ませていただいたところでございます。したがいまして、この京都議定書の目標達成に向けて、この中に挙げられている施策、これについて、これを確実に実施していくというのが当省に課せられた使命というふうに考えております。
 また、今排出量の現状を見ますと、なかなかこの達成のためには努力が要るわけでございまして、これまでその排出抑制を着実に進めてきております産業部門にも一層の努力を促していくと、さらに、排出増加が非常に多い民生部門などにつきましても対策強化を図っていくということで、目標達成に向けてまた取組をしていきたいということでございます。
 そういったことから、今国会にも省エネルギー法の改正、強化につきまして御提案を申し上げているところでございまして、これを始めといたしまして、省エネルギー対策、あるいは産業界が行っております自主的な取組のフォローアップ、そういった面の対策を強化していきたいと。それからさらに、今いろいろ御指摘いただきました新エネルギー対策、あるいは将来の水素社会、こういった点につきましても研究開発への取組など、更に取組を強化していきたいというふうに考えております。
 それからもう一つ、我が国の大変進んだこの環境エネルギー関係の技術を国際的に活用していくということも大変重要だと思っておりまして、今度の目標達成計画の中にも京都メカニズムの活用ということが盛り込まれておりますけれども、こういったことにつきまして途上国との間で更に協力を進めると、あるいは、案件を発掘し、これを円滑に実施していくための仕組みを整備すると、そういったことにつきましても環境省を始め関係省庁と協力をしながら進めていきたいと思っております。
 さらに、国民一人一人がこの地球環境問題に具体的に取組をしていくということが大変重要だということでございまして、経済産業省としても、例えばエネルギー消費について国民行動の目安のようなものを作りまして、国民の視点に立って、何をしたらいいかというようなヒントを提供していくと。そういった観点から、情報提供あるいは国民運動への取組、そういったことを当省としても積極的に進めていきたいと思っておりまして、そういった様々な取組によりまして、この目標達成あるいは地球温暖化問題対策につきまして当省としても最大限の努力をしていきたいというふうに考えております。
#79
○加藤修一君 先ほど小島局長の方からも少しだけ話がありました環境税ということで、それで、この計画の中には、正に先ほど言ったように、「真摯に総合的な検討を進めていくべき課題である。」と。真摯というのはまじめに熱心にということだと思うんですね。まじめに熱心に。
 今、政府税調がこういった環境税についての審議をどういうふうに進めているか、その動向と、それから環境税に対して環境省はどういうふうに現在考えているのか。つまり、昨年の出されたころに比べますと、熱が冷めたような、発信がなかなかこちらに伝わってこないような、そういう印象を受けて、さらに、何か腰砕けになったような感じとか、腰が入り切っていないんではないかと、そんな印象ですよ、これ、私の個人的な印象です。そういうふうに思っているわけなんですけれども、ここは環境省としてはどういうねらいで、姿勢で考えているのか、是非御答弁お願いしたいと思います。
#80
○政府参考人(田村義雄君) お答えを申し上げます。
 まず、政府税調の関係でございますけれども、政府税調におきましては、もう御承知のように、昨年十一月に環境省が環境税の具体案を公表しまして、その後環境税について活発に御議論をいただきました。そして、昨年十一月の政府税調の答申におきまして、環境税の果たすべき役割が具体的かつ定量的に検討されることが必要であるとか、あるいは、今後、温暖化対策全体の議論の進展を踏まえて、環境税に関する多くの論点をできる限り早急に検討せねばならないとされたところでございます。
 現在のところでございますが、政府税調におきましては、本年も、例えば個人所得課税あるいは非営利法人に係る税制、寄附金税制等の様々な課題について既に議論が開始をされているところでございますが、先ごろ、京都議定書目標達成計画における環境税の点につきましても報告が行われたところであると承知をいたしております。
 今後、環境省といたしましても、昨年の政府税調の指摘も踏まえまして検討を進めて、政府税調における議論に当たりまして、環境省における検討結果等も提供するよう努めるなど積極的に議論に協力をしてまいりたいと、そのように考えております。
 それから、環境省の現在の環境税に臨むスタンスということだと思います。
 京都議定書の約束を達成するためには、もうこれも言うまでもないことでございますけれども、この京都議定書の目標達成計画に盛り込まれた各種対策が何よりも確実に実施されるということが必要であるということは言をまたないと存じます。
 そして、環境省といたしましては、この環境税は、価格インセンティブ効果とか、あるいは財源効果とか、あるいはアナウンスメント効果によりまして様々な各種対策の実効性を確保することができる有力な追加的施策であって、六%削減約束を達成するための対策を確実に実施するために必要であるというように考えております。
 政府といたしましても、環境税につきましては、今先生からも御指摘がありましたように、目標達成計画におきまして、真摯に、正にまじめに、そして真っ正面から、議論を避けることなく、先送りすることなく、正に真摯に総合的な検討を進めていくという課題であると位置付けられているところでございまして、環境省としても、この目標達成計画を受けまして中央環境審議会に専門小委員会設置をいたしており、もう議論も開始をいたしておりますけれども、環境税の経済的効果等につきまして検討を今深めていただいているところでございます。
 何よりも、税でございますから国民や事業者に負担を求めていくわけでございますから、国民や事業者などの御理解と御協力を得るように努めながら早急に議論を進めてまいりたいと、そのように考えているところでございます。
#81
○加藤修一君 確認ですけれども、京都議定書目標達成計画、これをやり切るためにはこの環境税導入が必要であるというふうに私はとらえたんですけれども、それでよろしいですか。
#82
○政府参考人(田村義雄君) 私どもは必要であると考えております。
#83
○加藤修一君 そういうしっかりとした決意があるという中で、我々公明党の環境部会でありますけれども、しっかりとサポートをしていきたいと思います。
 それでは次に、環境省にお願いしたいんですけれども、一九七九年に、これ十二月でありますけれども、ジュネーブで第一回の世界気候会議がありました。これは政治的な意図というのはそれほど強くなかった、差し迫った背景もあったわけではない。しかし、一九八五年のオーストリアのフィラハで開催されたいわゆるフィラハ会議、これは極めて重要な視点を含んでいるということで、これが世界的には気候変動に対して積極的にかかわり合わなければいけないと、そういう決意の下に、しかも政治的な宣言ということも含めて、この会議の位置付けというのは明確に私はなっていると思うんですね。
 それ以降、一九九〇年に、これは我が国の話でありますけれども、地球温暖化防止計画ができた。ここの一九九〇年を一〇〇にいたしますと、気候変動枠組条約が署名されたのは、日本が署名したのが一九九二年、その条約が発効したのが一九九四年、九七年の京都会議を受けて旧大綱が作られたのが一九九八年、それから新大綱が作られたのが二〇〇二年という形で、防止計画、対策とか大綱とか、そういう文書というか、そういうものが一杯出てきていることは確かなんですね。しかし一方で、CO2の削減がそれに比例して、逆比例というか、要するに削減の方向になっているかというと決してそうでなくて、これは皆さん御承知のとおり、相当増えているということなんですね。
 こういう今まで懸命にやってきたというふうに皆さんがおっしゃっている政策とか大綱とかということについての、これは要するに総括というのはどういうふうにやったかどうかということなんですけれども、その総括をどういうふうに考えています、今までのこういう計画、政策に対して。まず、基本的には実効性がなかったというふうに言えなくはないと思うんですね、私は個人的に考えるに。是非、この辺についてしっかりとした見解を示していただきたいと思います。
#84
○政府参考人(小島敏郎君) 我が国におきます初めての包括的な温暖化防止の計画というのは、御指摘いただきましたが、地球温暖化防止行動計画でございます。これは第二回の世界気候会議に臨む日本のポジションを決めるということでございまして、その計画に書かれている事柄は、二〇〇〇年に九〇年に安定化をすると、これは若干の一人当たりだとかそういうバッファーはございますけれども、それは条約の交渉が始まるだろうというそのタイミングを受けて我が国の方針を決めたというものでございます。おおむね条約の中にも、先進国は二〇〇〇年に九〇年に安定化をすると、そういう目標でいろんな政策を打つんだと、そういう趣旨のことが書かれております。温暖化防止行動計画と沿った内容になっておりました。この計画は、そういう意味では目標は掲げておりますけれども、政策のリストを掲げているにとどまっておりまして、それを達成するための具体的な施策をどうするかということは書いておりませんでした。
 この温暖化防止行動計画から京都会議が終わったときの当面の対策を取りまとめた大綱、それから批准に当たっての改定された大綱、そして今回の計画というふうに、政府におきます対策の全体像を示すものが変わってきたわけでございますが、今回の計画、最初に大臣が申し上げましたけれども、第一約束期間を三年に控えまして、具体的な対策と、それでどれだけの量を削減するかということをかなり緻密に計画に書き、その参考資料にも付けております。今回の評価、見直しを契機に、この三つの計画を読み直した上でさらに今回の計画の見直し作業を行っていったわけでございますが、そういう意味では非常に、改定をされる都度、あるいは計画を作っていく都度、非常に精緻化をされ、実現可能性に沿ったものになっております。
 これは計画のことでございますけれども、実際の対策というのは六つの、六種類のガスのうち、ほかの五つのガスはそういう意味では政策の効果が出てきていると、着実に減少をしておりますし、その成果を受けて、今回の計画も目標を更に高いものにしたということであります。
 問題は大宗を占めるエネルギー起源の二酸化炭素というものが、最初の温暖化防止行動計画もそうですが、安定化をする、あるいはプラス・マイナス・ゼロに抑えるというような目標をずっとやってきたわけでございますけれども、そのことが計画に反してどんどん増えてきていると。つまり対策の効果を打ち消す活動量の増大があると、こういうことだと私ども認識しております。
 今回の認識は、計画におきましては、そのような認識に基づきまして現実的な目標を設定すると同時に、その活動量の増大というものも織り込みまして、それぞれ、先ほど申し上げましたが、産業部門も業務その他部門もあるいは家庭部門も、二〇〇二年の排出量に比べてそれぞれ三千万トンずつ減らしていただく、こういうように計画を立ててきたわけでございます。この計画を着実に実行するということが現在の課題だと思っております。
#85
○加藤修一君 今回の計画はそういった意味では実効性があるという、正に効果が出るという、そういうことを念頭に置いて作ったということですから、それは大きく期待していきたいと思いますけれども、二〇〇七年時点でやっぱり相当でき得たという実績を私は上げるために最大限このスタートの時点が一番大事でありますので、積極的な展開をしていただきたいと思います。
 丁寧な答弁がありましたので時間があっという間に過ぎておりますけれども、それでちょっとスキップいたします。
 第八条の政府実行計画の関係でありますけれども、先ほどもどなたか質問がありましたかもしれません。この実行計画、政府実行計画は行政府が当然やるんでしょうけれども、国の責務というのは第三条だったでしょうか、そこにあります。その国の責務の中には、最高裁判所を始めその司法の関係分野、それから国会もその中に入ると、そういうふうに理解していいですか。
#86
○政府参考人(小島敏郎君) 法律上の言葉として、国は国総体でございまして、行政府、立法府、司法府、すべて包含をした言葉でございます。行政府を表す場合には、政府はというような主語を用いるというのが通常の用い方でございます。
#87
○加藤修一君 今日は参議院の事務総長に来ていただいておりますので、政府実行計画ということしか言葉としてはないわけですけれども、それに準じるような形で、それは国会もしっかりと対応していかなければいけないと思っております。
 こういう面における現在の実態と、それから計画への取組の姿勢ということについては、事務総長としてはどういうふうに見解をお持ちですか。
#88
○事務総長(川村良典君) お答え申し上げます。
 参議院における温室効果ガスの排出の抑制等に関する取組といたしましては、事務レベルではございますけれども、平成十四年、プロジェクトチームを設置いたしまして、政府実行計画に盛り込まれました項目を参考に、自動車による環境汚染、調達における本院の環境対策、用紙類の使用量の削減・再生紙などの再生品の活用、廃棄物処理量の推移、エネルギー使用量の実態、その他の環境対策の六つの項目について実態調査を行い、今後進める方策を取りまとめました。
 これを受けまして、事務庁舎のグリーン診断を実施したほか、省資源・省エネ対策といたしまして雨水利用、自動水洗化、エレベーターの節電、ソーラー電源の利用、昼光の利用、環境への配慮といたしまして緑化の推進、公用車の低公害車化、そのほかグリーン購入法に基づく物品購入、施設整備における省エネルギーを意識した資材調達等に鋭意取り組んでいるところでございます。
 今後につきましても、京都議定書の発効に伴い政府実行計画が改めて策定し直されたことを受けまして、その趣旨を踏まえ、更なる推進に取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
#89
○加藤修一君 確認しますけれども、小島局長に。
 司法の関係、国会の関係、これは行政府と違って政府実行計画があるわけじゃないわけですけれども、実行計画的な責務と、そういうことについては明確に実行を行っていくという理解で私はいいと思っておりますけれども、確認したいと思います。
#90
○政府参考人(小島敏郎君) 法律におきます責務は、行政府だけではなく、立法府、司法府も含めた総体としての国に係っております。
#91
○加藤修一君 ただいま事務総長の方から、現在のいわゆるどういうふうにやっているかという話がございました。今、小島局長からそういう言い方、発言があったわけですけれども、事務総長としてはどういうふうにとらえておりますか。
#92
○事務総長(川村良典君) 国の責務としてこの温室効果ガスの排出を抑制するというのは御指摘のとおりだろうと思います。ただ、まだ具体的なそういう実行計画といった義務付けはないわけでございまして、政府の計画を踏まえながら、私どもとして計画、その削減について検討していきたいというふうに考えているところでございます。
#93
○加藤修一君 是非よろしくお願いしたいと思います。
 退室されてよろしいですので。
 もう一つ、司法の関係がありますけれども、是非おいでいただきたいということだったんですけれども、国会法七十二条の関係で本当はお呼びできると私は思っておりましたけれども。
 ただ、司法の関係についても、私は、今、国会の参議院の方の関係でありますけれども、そういう話があったと同じように、司法の分野についてもしっかりと対応していくべきでなかろうかと。ただ、私が知っている範囲では、環境の関係の担当者がおりませんとか、あるいは環境教育の研修についてはなかなか難しい段階ですとか、そういう言い方をしているというとらえ方を私はしておりまして、そういうレベルでは私は難しいんではないかなと。やはり私は、行政府が行っていると同じような形で、実行計画を司法の分野におきましてもしっかりと作り上げていくべきでないかなと、そんなふうに思っております。もちろん環境管理計画ということについてもしっかりと対応していただきたいと、そういうふうに思います。
 時間がもう数分しかなくなりましたので。
 それで、法律に地球温暖化対策推進本部、ここが総合調整をするというふうに書いてございます。総合調整というのはなかなか我々聞いても分かりづらいんですね。この計画は、先ほど局長から話がありましたように、実効性を上げるためと、正に成果をしっかりと示すべき内容になっているんだという話であります。
 総合調整は一体どこがどうやるかと。これは本部が当然やるわけでありますけれども、具体的に、そのPDCAですね、この関係の流れを明確にどういうふうにやっていく中で総合調整を図るかということなんですけれども、この辺について御答弁いただけますか。
#94
○政府参考人(森本英香君) お答え申し上げます。
 先生御承知のとおり、二〇〇七年の定量的な評価、見直しということになってございます。具体的には、計画の中で各対策ごとに定量的な対策評価指標というのを設けまして、かつあわせて、個々の対策ごとに温室効果ガスの排出削減見込み量を設定しております。先ほど小島局長の方から答弁ありましたように、計画の参考資料でそれぞれの対策につきまして排出削減見込み量の根拠というのを明らかにして、それをベースにしまして点検、評価を行っていくということになってございます。
 実際にどうやっていくかということでございますが、今回の策定作業のプロセスでも、局長レベル、それから課長レベルの会議を頻繁に開きまして、数十回開いてございます。かつ、個別の対策ごとにワーキンググループを設けまして、そこで各省がどうやって連携してできるか、具体的な仕事ができるかということを検討してまいりました。また、各省においてそれぞれ審議会を開かれまして、それぞれの所掌の対策について検討されておりますが、それを言わば統合しフィードバックするという意味で合同審議会というのを官邸で開き、そこで官房長官も御出席いただいて、それぞれの審議会の言わば情報交換、意見交換、それから連携を取っていただきまして、それをまた各審議会にフィードバックすると、そういうシステムで今回の計画の策定してございます。
 したがいまして、PDCAの際にも同じようなことをもちろんやるのでございますが、あわせて、計画に明確に書いてございますけれども、パブリックコメントの際に御意見がありましたが、評価、見直しの過程で国民の参画が実質的に確保されるような場を設けると、そういう形で更に国民の意見も踏まえましてPDCAを進めていきたいというふうに考えております。
#95
○加藤修一君 終わります。
#96
○市田忠義君 先月二十八日に閣議決定されました京都議定書目標達成計画、この問題について絞って伺いたいと思います。
 まず、事実の確認なんですが、日本の国内のCO2排出量全体の中で家庭部門はおおよそ何割を占めますか。
#97
○政府参考人(小島敏郎君) 我が国の中で排出されている全体は、八割が企業・公共部門、家庭部門は二割ということでございます。
#98
○市田忠義君 温暖化防止対策のためには総合的な対策が必要だというふうに私も考えますし、家庭での排出削減、非常に大事だと、二割という比率は低いけれども大事だと思います。
 同時に、排出量の八割を産業・公共分野が占めていると。やっぱりこの削減がある意味では決定的な課題だというふうに思いますが、大臣の認識はいかがでしょうか。
#99
○国務大臣(小池百合子君) 今のシェアでお分かりのように、この産業部門、八割を占める産業部門でのこれからの削減というのは、やはり大きな役割を果たすものだと。また、今後の大いなる削減ができるような今体制を取っていただいているわけでございますが、それを期待しているところでございます。
#100
○市田忠義君 そこでお聞きしたいんですが、今度の目標達成計画の中で、日本経団連の自主行動計画、これはどのように位置付けられているでしょうか。
#101
○政府参考人(小島敏郎君) 経団連の自主行動計画は、エネルギー起源の二酸化炭素の産業部門とエネルギー部門、ここをカバーするものでございます。
 経団連の自主行動計画は、産業・エネルギー転換部門における対策の中心的役割を果たすというふうに位置付けられております。その目標につきましては、経団連の自主的な目標というのは、全体の目標をプラス・マイナス・ゼロ以下にするということと、各個別業種が自らの目標を立てております。その両方が達成をされるということが積極的に奨励をされるということで、透明性、信頼性、目標達成の蓋然性の向上をするように関係審議会等において定期的にフォローアップを行うというふうに記述をされております。
#102
○市田忠義君 中心的役割を担うということを明確にしながら自主性にゆだねると。この自主行動計画を自主性にゆだねるというのは、これまでの推進大綱と位置付けはどう違うんでしょうか。
#103
○政府参考人(小島敏郎君) これまでの推進大綱におきましては、経団連の自主行動計画を中心的に位置付けて自主性にゆだねるということでございます。今回との違いは、個別業種の自らの自主的な目標ということについても計画に記述をしたというところが違いでございます。
#104
○市田忠義君 それをやらせるための必要な措置、具体的にはどんな措置を考えているんでしょうか。
#105
○政府参考人(小島敏郎君) 措置につきましては、基本的に、自主行動計画でございますので、自主的な取組を促すと。促す方法につきましては、投資に当たってのインセンティブの付与、補助金を出していくだとか、そのためのいろんな施策を計画に記述をしております。
#106
○市田忠義君 排出量の圧倒的な部分を占めて最も大事だと言いながら自主性にゆだねると、そして具体的な必要な措置は自主計画なんだから特にないと。これで京都議定書の六%削減やれるんですか。
#107
○政府参考人(小島敏郎君) 経団連の自主行動計画は、いろんな要因がありますが、今のところ効果を上げているということでございます。課題は、もちろん透明性あるいはその確実性を上げていくということでございます。今回の算定・報告・公表制度もその基盤ということになりますし、その自主的な取組を支援をする様々な施策も計画に盛り込んでおります。
 第二ステップにおきましては、自主的な取組を最大限発揮していただくということでございます。
#108
○市田忠義君 今、効果を上げているというふうにおっしゃいました。私、企業が一切の努力をしていないとは思いませんが、努力というよりもむしろ自然減、生産量、生産指数が減ったから若干横ばいとか、そういうことになっていると。
 なかなか自主性にゆだねているだけでは環境を守れないと、だから一定の規制がどうしても必要だと。これは今、世界の一つの流れにも私はなってきているというふうに思うんですけれども、前の一般質疑でも私取り上げましたが、ドイツなどでは政府と産業界との削減の協定締結すると。これは別にドイツだけじゃなくて、イギリスやオランダやアメリカでも行われていると。
 この削減協定を政府と産業界との間で締結することが必要だというふうに私は思いますが、大臣の基本的認識をお聞かせください。
#109
○国務大臣(小池百合子君) これまでも経団連の自主行動計画で成果が上がってきているところであります。経団連のこの自主行動計画に掲げられました、産業界全体、そしてまた個別の業種の目標の達成、そのために、それが実現するように政府としても、先ほど来局長がお答えしているような様々な手法によりましてバックアップをしてまいりたい。またそれを、確実性を、チェックと言うと言葉に語弊があるかもしれませんけれども、各審議会などを通じまして定期的なフォローアップを行って、その透明性、信頼性の向上を図っていきたいと、このように考えているところでございます。
#110
○市田忠義君 中環審の中間取りまとめでも、一層の説明責任と目標達成の見通しの確実性のために自主行動計画について政府との間での協定を結ぶことと、こういうことが明記されています。私、結局、協定を政府と結ぶ必要はないという主張に、これは経済界と呼んでもいいと思いますが、そういう主張に押し切られ、目標達成計画ではそういう問題については跡形もないと。
 私、もう一つ聞きたいんですが、今度の目標達成計画で、「あらゆる政策手段を総動員して、効果的かつ効率的な温室効果ガスの抑制等を図る」と、そう書かれていますが、環境税と国内排出量取引制度、これはどのように書かれていますか。簡潔に。
#111
○政府参考人(小島敏郎君) まず、国内排出量取引制度についてお答えをさせていただきます。
 国内排出量取引制度は、経済的手法のうちの一つ、これは環境税もそうでございますが、ポリシーミックスの一手法ということで計画に位置付けられております。第二ステップにおきましては、自主的な国内排出量取引を実施をするということでございます。
 御指摘の国内排出量取引制度、EUのような制度でございますが、これについては、他の手法との比較やその効果、産業活動や国民経済へ与える影響等の幅広い観点について総合的に検討していくべき課題であるとされておりますので、検討を進めたいと思っております。
#112
○委員長(郡司彰君) ちょっと。答弁ありますか。
#113
○市田忠義君 簡潔に。
#114
○政府参考人(田村義雄君) はい。
 環境税の方の位置付けでございますけれども、環境税につきましては、ポリシーミックスの考え方に立って活用します経済的手法の一つだとして項目が立てられておりまして、具体的には、国民に広く負担を求めることになるために、関係審議会を始め各方面における温暖化対策全体の中での位置付けとか効果とか、あるいは国際競争力に与える影響とか等々を踏まえまして、きちっと真摯に総合的な検討を進めていく課題であると、そのように記述をされているところでございます。
#115
○市田忠義君 国内排出量取引制度ですけれども、「総合的に検討していくべき課題」と、大変便利な言葉で、要するに先送りと。
 衆議院の、私、会議録を読んでおりましたら、経済活動に対する政府の介入が過度にならないかと。これは経済産業省の答弁などで、国が各主体に排出量の割当てをするから経済活動に悪影響を与えるという答弁も衆議院の会議録を読むとなっています。
 私は、自主計画にゆだねている、すなわち個々の企業の自主性にゆだねているだけでは環境を守れない、やっぱり地球や人類の存続にかかわる問題ですから一定の規制がどうしても必要だと。
 私、大臣に聞きたいんですが、アメリカが京都議定書から離脱したときに、アメリカ経済の悪化をもたらすからだといったときに、経済学者たちが、アメリカの、そうではないという声明を出したのを御存じでしょうか。事実だけで結構です、御存じかどうかだけ。
#116
○国務大臣(小池百合子君) 当時は環境大臣ではございませんけれども、そういった事実、そういう新聞記事を読んだことを覚えております。
#117
○市田忠義君 ノーベル賞受賞者八人を含む二千五百人のアメリカの経済学者が、そういう温暖化対策、環境対策を企業がやったからといってアメリカ経済にマイナスの影響を与えることはないと、こういう声明を発表しています。
 少し古い話になりますが、ソニーの以前の会長である盛田昭夫氏が文芸春秋に、これは一九九二年だったと思いますが、日本的経営が危ないという論文を書きました。これは、自らがヨーロッパに行き、調査もやり、そういう経験を基に、そういう今の国際社会の中で日本の企業が生き延びていくためには何が欠けているかと幾つかの問題を挙げました。
 もちろん、掲げたことをソニーがその後やっているかどうかは全く別問題ですけれども、一応、少なくとも企業の社会的責任の必要性について、例えば労働者の給料が安過ぎる、労働時間短縮すべきだ、それから地域経済への貢献をきちんと企業がやるべきだと。そして、私注目したのは、環境とか資源とかエネルギー問題は人類共有の財産なんだ、それをただ一企業がもうかりさえすればいい、後は野となれ山となれということになれば、企業の発展をも阻害する、社会全体の大きな否定的影響を与えると同時に、企業そのものも発展をも阻害すると。
 こう言っています。あえて言うが、一社がやろうとすればその会社が経営危機に追い込まれる。私、これも真理だと思うんです。競争社会、市場原理の下で運営されている社会ですから、一企業だけにそのことを求めたら、環境対策に莫大なお金を注ぐということになれば、その企業の利益は少なくなると。一企業単位で見ればそうだろう、だから一つの企業だけでそれをやるのは難しいと。
 で、こう言っています。一部の企業のみの対応で解決される問題ではない、日本の経済社会システム全体を変えていく必要があると。私は、私の言葉に翻訳すれば、少なくとも一定のルール、どの企業も守らなければならない社会的、法的なルールが必要じゃないかと。
 ソニーの盛田さんと日本共産党の立場とは違います。違うけれども、こういう問題では少なくとも、こういう、私はこの限りにおいては全く同感であります。こういう考え方について、大臣はどんなふうに考えておられるでしょうか。
#118
○国務大臣(小池百合子君) 盛田さんは、そういった、非常にその当時からもう先見的に物を見られておられた、そういったこと、それを背景とした発言だと思います。
 今やこのCSR、企業の社会的責任というのは、これからの日本の企業のお作法の、当然のお作法の一つということで、これはかなり広く日本の産業界で広がってきている動きではないかというふうに思っております。またそれを、そういった流れを後押ししていくのが私たちの役目であるというふうに思っております。
 投資の面でも、SRIという形で社会的責任をしっかり果たしているところについての株価がより上がるということは、これはむしろ追い風になるわけでございまして、こういったSRIについても私どもはしっかりと後押しをしていきたい、流れをつくっていきたいと考えております。
#119
○市田忠義君 ヨーロッパのある国では、企業の社会的責任を担当する省があって、特別の大臣まで置かれているという国もありますし、地域経済にどれだけ貢献しているか、雇用を守るためにその企業がどれだけの努力をしているか、環境を守るためにどういう努力をしているかという格付をやって、今大臣おっしゃったように、そういうことをきちんとやっている企業の方が言わば市民から支えられて発展するんだという点で、大臣、この積極面を述べられましたので、私はその点では同感で、そういう立場で環境省が積極的な努力を行っていただきたいというふうに思います。
 時間がなくなりましたが、目標達成計画の中にも法の改正が明記されて、今回改正案が提案されている温室効果ガスの排出量の算定・報告・公表制度ですが、この改正で日本経団連の自主行動計画の推進が図られて、産業分野の排出削減目標の達成は可能になるというお考えでしょうか。小島さんで結構です。
#120
○政府参考人(小島敏郎君) 事業者の自主行動計画というのは業界単位でやっております。今回の算定・報告・公表制度というのは事業所単位で報告を求めますけれども、事業者ごとに、企業ごとにその排出量を公表するということを考えております。経団連の傘下の企業だけでなく、更にそれよりも広がりを持ったところでの制度の導入ということでございます。
 自主的な取組の最初は、まず自分の事業所、会社からどれだけの温室効果ガスが出ているかということをしっかりと計算をして把握することから始まると思いますので、そういう意味では、そういうことを始めるこの制度は自主的な取組の前進に寄与をするというふうに思っております。
#121
○市田忠義君 報告は義務付けるそうですけれども、公表は事業所ごとにはやらないんですか。
#122
○政府参考人(小島敏郎君) この制度は、行政情報の公開、あるいは既存の前例と私どもいたしておりますPRTRというようなものを参考にいたしまして情報を扱うということでございますので、報告をしていただく情報とそれから公表をする情報、それから開示請求に基づいて開示をする情報、この間の情報の整理をいたしました。
 基本的には、PRTRに倣いまして、情報の開示請求とその開示というものが開示請求者の便宜になるように、電子情報としてこれを整理をするという仕組みをこの法律の中にビルトインしております。これはPRTRと同じような仕組みでございます。
#123
○市田忠義君 開示請求すれば、事業所ごとにも公表するわけですね。開示請求をすれば当然。
#124
○政府参考人(小島敏郎君) 秘密に係る事項を除きまして、報告をされた情報を提出をいたします。事業所ごとにも開示をいたします。
#125
○市田忠義君 じゃ、PRTR法で開示請求というのは大体どれぐらい行われているか分かりますか。──いや、分からなかったらいいです。こっちが言いましょう。
 四万一千七十九事業所に対して、年間四百二十七件なんですよね。非常に少ない。だから、わざわざ開示請求要求しなくても、やっぱり削減効果を上げるためにはきちんと報告させるということをやるべきじゃないですか。例えば、EUなんかも原則公開になっているわけで、そういう企業秘密云々じゃなくて、事業所ごとに開示請求しなくても、せっかく報告求めるんだったら、公表というか公開するのがやっぱり削減効果を上げる上で重要だと考えるんですが、いかがでしょうか。
#126
○政府参考人(小島敏郎君) 自主的な削減の取組は、企業におきましては企業の意思決定として通常行われております。もちろんそれを実行するというのは工場単位ということでの事業所ということでございますが、それぞれの企業、事業者の自主的な取組の促進をするということからすれば、公表というのは企業単位で名寄せをして政府の方で公表するということでこの法律の趣旨は達成をするというふうに思っております。
 ただ、行政情報公開法で情報公開いたしますと、コピーだとかいろいろ大変で非常に負担が掛かるということで、磁気ディスクによってその対応をするということにしているわけでございます。
#127
○市田忠義君 終わります。時間ですから。
#128
○委員長(郡司彰君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後一時一分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト