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2005/03/10 第162回国会 参議院 参議院会議録情報 第162回国会 国土交通委員会 第3号
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2005/03/10 第162回国会 参議院

参議院会議録情報 第162回国会 国土交通委員会 第3号

#1
第162回国会 国土交通委員会 第3号
平成十七年三月十日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月九日
    辞任         補欠選任
     池口 修次君     尾立 源幸君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         田名部匡省君
    理 事
                田村 公平君
                脇  雅史君
                大江 康弘君
                佐藤 雄平君
                山本 香苗君
    委 員
                岩井 國臣君
                岩城 光英君
                太田 豊秋君
                岡田  広君
               北川イッセイ君
                小池 正勝君
                末松 信介君
                鈴木 政二君
                伊達 忠一君
                藤野 公孝君
                岩本  司君
                尾立 源幸君
                北澤 俊美君
                輿石  東君
                前田 武志君
                山下八洲夫君
                魚住裕一郎君
                仁比 聡平君
                渕上 貞雄君
   国務大臣
       国土交通大臣   北側 一雄君
   副大臣
       国土交通副大臣  蓮実  進君
       国土交通副大臣  岩井 國臣君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       岩崎 忠夫君
       国土交通大臣政
       務官       中野 正志君
       国土交通大臣政
       務官       伊達 忠一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        伊原江太郎君
   政府参考人
       国土交通大臣官
       房総合観光政策
       審議官      鷲頭  誠君
       国土交通省総合
       政策局長     丸山  博君
       国土交通省国土
       計画局長     尾見 博武君
       国土交通省河川
       局長       清治 真人君
       国土交通省道路
       局長       谷口 博昭君
       国土交通省住宅
       局長       山本繁太郎君
       国土交通省鉄道
       局長       梅田 春実君
       国土交通省自動
       車交通局長    金澤  悟君
       国土交通省航空
       局長       岩崎 貞二君
       国土交通省政策
       統括官      上野  宏君
       国土交通省国土
       地理院長     矢口  彰君
   参考人
       日本道路公団総
       裁        近藤  剛君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○国土の整備、交通政策の推進等に関する調査
 (国土交通行政の基本施策に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(田名部匡省君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、池口修次君が委員を辞任され、その補欠として尾立源幸君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(田名部匡省君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査のため、本日の委員会に国土交通大臣官房総合観光政策審議官鷲頭誠君、国土交通省総合政策局長丸山博君、国土交通省国土計画局長尾見博武君、国土交通省河川局長清治真人君、国土交通省道路局長谷口博昭君、国土交通省住宅局長山本繁太郎君、国土交通省鉄道局長梅田春実君、国土交通省自動車交通局長金澤悟君、国土交通省航空局長岩崎貞二君、国土交通省政策統括官上野宏君及び国土交通省国土地理院長矢口彰君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(田名部匡省君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(田名部匡省君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査のため、本日の委員会に日本道路公団総裁近藤剛君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(田名部匡省君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(田名部匡省君) 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査を議題とし、国土交通行政の基本施策に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○岡田広君 自由民主党の岡田広であります。
 大臣そして政府参考人の皆さんに質疑をさせていただきたいと思います。
 初めに、この八月に開業が予定されておりますつくばエクスプレスについてお尋ねをしたいと思います。
 国土交通省始め関係の皆さんの御尽力によりまして、いよいよ開業、開通の日も決定をしたわけであります。茨城県民の一人として大変有り難く、感謝を申し上げたいと思っているところであります。
 そこで、次の願いは、この秋葉原からつくばまで四十分で結ばれるわけですけれども、この先の延伸、もちろん北の延伸も、つくばから北への延伸もありますけれども、それは後にしまして、この秋葉原から東京駅への乗り入れという東京駅延伸につきまして、まずこれを要望したいと思うんですが、現在の考え方につきましてお尋ねをしたいと思っております。
#9
○副大臣(岩井國臣君) 御指摘のありましたつくばエクスプレスの東京駅への路線延長の問題でございますけれども、これにつきましては、沿線開発、さらに八月二十四日開業後の旅客需要をよく見極めながら、需要でありますとか、あるいは収支採算性や財源確保、事業スキームといった課題につきまして、地元関係者間などにおいて引き続き議論を深めていただきまして、地元としての合意形成を図っていただくということがまず第一に必要ではないかというふうに考えております。
 その上で、国土交通省といたしましても必要な検討を行っていくという、そういう事務方の答弁になっておるんですが、もう少しこの東京駅までの延長について、岡田先生おっしゃるように、前向きに検討が進まないか、こういう趣旨でございますが、どのようにすれば前向きに検討が進んでいくのかということについてまた私なりに考えてまいりたいと思います。その上で、またいろいろと岡田先生とも御相談できることがあるのではないかというふうに考えております。
#10
○岡田広君 岩井副大臣から前向きな御答弁をいただきましたが、正にこれは開業して、営業成績、収支がどうかということで、茨城県もつくばも全力を挙げてこの経営にも力を入れるということでありますので、その経過を見ながら、是非この東京駅の延伸を実現をしていただきたいことを要望させていただきたいと思っています。
 それからもう一つ、茨城県常磐線、これは上野からでありますが、これももう長い間、地元関係者が東京駅乗り入れということで要望をしているわけであります。鉄道については、茨城県には新幹線の駅がありません。これは東北本線で古河という駅がありますが、この駅も、古河駅ももちろん駅設置の要望をしておりますが、今日は、この常磐線の東京駅乗り入れについて現在の検討状況どうなっているのか、この点についてもお尋ねをさせていただきたいと思います。
#11
○政府参考人(梅田春実君) お答え申し上げます。
 常磐線の東京駅延伸でございます。JR東日本は、京浜東北それから山手線の上野―御徒町間の混雑の緩和、それから上野駅や東京駅で乗換えが不要になるということによる時間短縮、こういうことを目的にいたしまして、現在上野駅で折り返し運転を行っております宇都宮、高崎、常磐線の列車の一部を東京駅まで乗り入れ、東海道線と相互直通運転をするという計画を平成十四年の三月に発表しております。現在のところ詳細の調査設計を進めているところでございます。
 あわせまして、地元の説明が必要でございますので、現在、その御理解を賜るべく地元に説明をしている最中でございます。地元の御納得あるいは調査設計等が終わりましたら、その後の手続といたしましては、東京都の条例に基づくアセスメントや、あるいは事業法に基づきます施設、鉄道施設の変更の手続、こういうようなものを経て工事に着手するというような手続になろうかと思います。
#12
○岡田広君 是非、常磐線も長い間の地元の念願でありますので、この進捗をしていただきたいと思っております。
 またつくばの方に戻らせていただきたいと思います。
 国は観光立国を宣言をしております。そういう中で、観光客、外国からの五百万を一千万ということでいろんな政策に力を入れているということであろうと思いますが、地域の観光資源を生かして、また地域の方々の自主的な取組によって魅力ある観光地づくりを推進していくということは大変重要であると考えておりますが、国土交通省としてどのような施策を今後行っていくのか、大臣にお尋ねをしたいと思います。
#13
○国務大臣(北側一雄君) おかげさまで昨年、平成十六年は過去最高の、一年間で六百十四万人だったと思いますが、の海外からの訪日外国人を迎えることができました。今年は是非とも、この今月二十五日から愛知万博も開かれますので、是非ともそれも活用した上で七百万人を超える訪日外国人をお迎えしたいというふうに思って、今全力を挙げて様々な取組をしているところでございます。
 今委員の御指摘のございました、地域の観光資源を生かして魅力ある観光地づくりというものを推進していくことが重要ではないかという御指摘でございます。全くそのとおりだというふうに思っております。
 今、全国あちこちで地域の再生、地域の振興に様々な取組がなされておりますが、それの非常に有力な手段として多くの地域が観光振興ということを取り上げております。特に、市町村はもちろんなんですが、市町村だけではなくて、その地域の民間の方々が、我が地域の伝統とか文化とか歴史とかを掘り起こしまして、それを観光資源にしようということで様々積極的な取組があちこちでなされているわけでございまして、そうした取組をしっかりと国としては支援をさせていただきたいというふうに考えております。
 具体的には、これまでも様々取組をしてきたわけでございますが、平成十七年度予算では、観光ルネサンス事業という事業につきまして創設を予定をさせていただいておりまして、様々な地域の観光地づくりにかかわる取組を支援をさせていただきたいと思っているところでございます。
 また、この観光ルネサンス事業と、一方でまちづくり交付金、これにつきましても今大幅に拡充をさせていただきたいということで予算の審議をお願いしているわけでございますが、市町村の方は魅力あるまちづくりにするためにこのまちづくり交付金を活用していただくと、そして観光振興という関係でこの観光ルネサンス事業を活用していただくと、こういう形で両方使っていただいて、是非地域の観光振興に役立てていただきたいというふうに考えております。
#14
○岡田広君 大臣から地域の取組を支援をするということで、今観光ルネサンス事業、そして、まちづくり交付金のお話もありました。
 まちづくり交付金は、地方にとっては大変使い勝手のいいお金だということで大変これは好評でありますので、この拡充も更にお願いをしたいと思っております。
 地域の取組を支援する国土交通省に更にお尋ねをしたいと思いますが、つくばには宇宙センター、あるいは国土交通省の施設では国土地理院とか気象研究所、防災科学技術研究所とか、たくさんの研究所があります。
 このつくばエクスプレスが開通いたしますと、当然東京を中心にした首都圏の方々をつくばに呼び込む。私は、二十一世紀のキーワードの一つが交流であると、そう思っています。そういうことになりますと、このたくさんの方々においでをいただく、交流をしてもらう、観光してもらう。つくばサイエンスツアーだとか、あるいは水戸は徳川の歴史があります。日本で一番文化史跡の多い町はこのつくばのすぐ隣の真壁町、あるいは八郷町というのがありますが、今度合併をいたします。ここは献上柿で有名です。そして、リンゴの南限と言われている。ブドウもできる、そしてナシもできるという果樹観光で売っています。正に宇宙と果樹観光の旅とか宇宙と歴史の旅とかつくばサイエンスツアーとか、いろんな形の多様な観光の形態ができる、広域観光ができるということになるんだろうと、そう思っています。
 そういう中で、つくばにあるそれぞれの、国土交通省以外にもたくさんの研究所がありますけれども、これを多くの方々に見てもらう、そのためには当然警備上の問題もありますが、人員の配置の問題もあります。しかし、施設の開放ということ、これを進めていかなければならないと思っています。そしてさらに、来た方々に分かりやすい展示施設も充実をする、あるいはトイレを始め環境整備もしなければなりません。
 そういうことで、このサポート体制、バック体制をお願いをしたいと思っているわけでありますが、これについての政府の考え方をお尋ねをしたいと思っております。
#15
○政府参考人(鷲頭誠君) お答えいたします。
 先生今御指摘のとおり、各地域が個性を磨いて発揮します一地域一観光というような観点で、各地域にある既存の資源を生かして新しい観光の魅力を発掘していくという観点からは、特にこの地域、御指摘のように、国の研究機関を観光資源として活用するというような取組というのは極めて有効であると私どもも考えております。
 国土交通省におきましては、先生今たくさんの国の機関があると、こうおっしゃいましたが、私どもとしても、これまで所管の研究機関の一般見学者への公開に取り組んできております。
 つくばの中で私ども所管のものについて言いますと、例えば、国土地理院におきましては常設の見学施設を設けまして公開して、これはかなり好評を博しているところでございますし、このほか国土技術政策総合研究所とか独立行政法人土木研究所などでは、年数回、一般公開を行うということなどによりまして一般の見学者の皆様へ施設の公開を実施しているというところでございます。
 国交省といたしましては、こうした研究機関の一般の見学者への開放等、その観光資源としての活用について、例えば、今先生もおっしゃられましたが、地元の観光ルートの中に、その一つにそういう観光、国の機関の見学というのを盛り込むというようなやり方とか、あるいは先端科学技術を観光のテーマとして、そういうところを中心として国の施設など研究機関を巡る観光ルートを研究するというような形によってつくばのその特色を生かした観光地づくりというのをしていくというのは大変有効だと思っておりますので、地域のまず意向も踏まえながら、関係機関と連携して積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#16
○岡田広君 つくばには宇宙があり、そして工学がありバイオがあり生物があるということで、大変子供たちにとっても大きな夢を与えるんだろうと思います。
 私は、子供の視察あるいは親子の視察旅行、会社の研修とか、いろんな形でこれは多様な形態が組まれるんだろうと思いますけれども、たくさんの方々に来ていただいて、世界の頭脳であるつくばの姿を見てもらう。やはり見てもらうということが夢をはぐくむことになるんだろうと思っています。
 そういう意味で、是非このバックアップ体制、これは国土地理院が開放していることはよく存じております。しかし、すべての施設がそういう開放対応になっているわけではありません。ですから、国土交通省以外、国土交通省が観光立国を宣言している、中心でやっている担当省庁ですから、国土交通省が中心になってほかの省庁、横にも広げていただきたいと、そういうことを要望をしておきたいと思っております。
 次に、新潟、福島の災害現場を国土交通委員長の下で私も視察をさせていただきました。現地を視察して、いろんな話を聞きましたが、困ったことは仮設トイレ、そして水、食料ということが三本柱であります。そのほかにもたくさんありました。そして、災害対策の指揮命令が一本化をしていなかったという声も聞きました。どこへ行っていいか分からない、右往左往という言葉だろうと思いますけれども。そういう中で、十六年度補正予算が予算化をされまして、今対応、対策に取り組んでいるんだろうと思っています。
 今後、被災地の経済活動や被災者の生活復興支援のための対策について、国土交通省として取り組めるものには全力を挙げてもらいたいと考えていますが、これについての大臣のお考えもお聞かせをいただきたいと思います。
 そして、これからの地震対策については、地震情報の迅速化とか、あるいは議論になっております住宅・建築物の耐震化の推進とか、密集市街地対策における防災対策とか、新幹線の高架橋耐震補強あるいは脱線対策もやらなければならないと、たくさんの課題があるんであろうと思っております。そういう中で重点的にまず取り組む項目が何なのか、こういうことについても教えていただきたいと思っております。
 さらに、中央防災会議の専門調査会が首都直下型地震について被害想定を出しました。茨城でも過日、震度五の大きな地震が発生をいたしました。関東大震災以来八十二年が経過をしています。二百年にとか、あるいは文献によっては百年に一回とかいろいろ書かれていますが、これは定かでありません。
 しかし、そういう中で、正に阪神大震災、新潟中越地震を踏まえて、国交省としてどのような対策を講じていくのか、お尋ねをしたいと思っております。
#17
○国務大臣(北側一雄君) まず、新潟県の昨年の中越地震でございますが、今大変な豪雪になっております。また、これから春になってまいりますとこの雪が解けてまいります。融雪時期に入ってまいります。この豪雪、今のこの豪雪時期、そしてまたこれからの融雪時期、それぞれ災害が、二次災害がまた発生する可能性も十分あるわけでございまして、中越地震の復旧対策はまだ本当に終わったわけではなくて、まだまだしっかりと注視をしていかないといけないというふうに思っているところでございまして、全力を挙げて、この中越地震の復旧対策、そしてこれからの復興対策、様々な面がございますが、全力を挙げて国土交通省として取組をさせていただきたいと決意をしておるところでございます。
 今、特に地震対策についてのお尋ねかと思います。
 先般も首都圏での直下地震につきまして中央防災会議の方から発表をされたわけでございますけれども、その被害想定を見させていただきますと、一番の大きな被害の原因は建物の倒壊、そして火災、これが圧倒的でございます。それによる死者というのが多くを占めているのが数字に明らかになっております。これは十年前の阪神・淡路大震災のときもそうでございました。そういう意味で、住宅また建造物の耐震化というものは、これは本当に最優先の課題でございまして、しっかりとこの耐震化を進められるように取組をさせていただきたいと思っているところでございます。
 今、国土交通省の中で、住宅・建築物の地震防災推進会議というものを、専門家の方々も入っていただきまして今議論をしていただいている真っ最中でございまして、そこで今後の耐震化に向けての施策を取りまとめを今お願いをしているところでございます。ここでは、この耐震化につきましては、今住宅ではまだ耐震性が不十分なのが二五%程度ございます。その他の建造物でも三五%程度がまだ耐震性が不十分という中で、まず耐震性を進めていく、促進をしていく目標というものを、いつまで、どの程度まで持っていくのか、そこを明確に設定していただこうと。その上で、それのための有効な施策を予算面、税制面等々、様々な観点から耐震性を進めていくための施策について今御論議をいただいているところでございまして、今年の五月か六月ごろには取りまとめをお願いしたいというふうに今思っているところでございます。
 また、来年度の、平成十七年度の予算案にも、この耐震性の問題につきましては、様々な補助制度を統合して使いやすいような制度にしていただくだとか、そうした取組もさせていただいておりますが、まだまだこれは不十分でございます。しっかりこれからも取組をさせていただきたいと思っておりますし、また密集市街地の整備改善、これも大都市部におきまして、東京、大阪等の大都市部におきましては、この密集市街地の整備改善を図っていくということが非常に重要な地震対策につながってくるわけでございまして、これは都市再生本部で都市再生プロジェクトとして決定をされている事業でもございまして、これもしっかり進めさせていただきたいと思っているところでございますし、また道路や鉄道の橋梁の耐震化、これもしっかり進めさせていただきたいと思っているところでございます。
 つい先日も、新幹線や高速道路をまたぐ橋梁につきまして、必ずしもまだ耐震化が不十分、十分ではございません。これにつきましても、緊急輸送道路の橋梁とともに、平成十七年度から三か年でこの橋梁の耐震補強を実施していくべくプログラムを策定をしたところでございます。
 その他、この地震対策というのは、ハード面、ソフト面、様々やらにゃいけないことがたくさんあるわけでございますが、しっかりとこの災害の予防、減災という観点から強力に進めさせていただきたいと決意をしておるところでございます。
#18
○岡田広君 是非、たくさんの課題があると思いますが、全力で取り組んでいただきたいと思っています。
 時間がなくなりましたので、簡潔に質問します。
 国交省は十七年度予算で津波危機管理対策緊急事業を創設をして種々の整備をするということでありますが、国交省分として二十億円であります。この予算で十分な整備ができるのか、この点についてお尋ねをしたいと思います。
#19
○政府参考人(清治真人君) 今お話のございました津波危機管理対策緊急事業につきましては、内容はもう委員十分御承知だと思いますが、水門等の自動化、遠隔操作化でありますとか、それから避難路の整備ですとか、それから津波ハザードマップを作成するための浸水想定区域の調査、それから耐震、施設の耐震性の調査、こういうようなものを一体的に実施できるような施策として平成十七年度に新たに創設したものでございます。これらは人命最優先ということで取り組もうとしているものでございますが、施設整備に比較しますとソフト対策が多くなってまいりますので、これらについては、予算としては効率的な執行をすることによりまして、五年程度でかなりの効果を上げれるのではないかというふうに考えております。
 平成十七年度の予算は限られたものでございますが、今後、海岸管理者あるいは地方公共団体等の御要望に十分こたえれるような予算確保に努めてこの津波対策の万全を期したいと、このように考えております。
#20
○岡田広君 それでは、福島、新潟、福井県等の豪雨災害を契機として、目視による堤防等の河川管理施設の緊急点検行いましたけれども、結果としては、要対策箇所のうち、一月末時点では直轄管理区間においては九九%、河川改修の対策がほぼ終わっているようであります。しかし、都道府県区間の管理区間は約三割しか対策が終わっていないという状況であります。このような状況の中で、堤防の強化についての予算の確保が大丈夫なのか心配するわけでありますが、この点についても答弁をいただきたいと思います。
#21
○政府参考人(清治真人君) 昨年の水害を受けまして緊急点検を実施したわけでございますが、今数字を挙げて委員からお話がありましたが、一月末で、これは都道府県が管理している河川のその後の対策でございますが、三〇%ぐらいしか行ってないという事実がございます。これにつきましては、今年の出水期前にすべて対応するという方向で取り組んでまいる所存でございますが、なお、堤防の強化につきましては、これも平成十七年度に新たに総合流域防災事業というものを創設いたしまして、先ほどの緊急点検に伴うものは修繕的なものが多かったわけでありますが、堤防を実質的に強化させていくという事業についてもこの新たに設けました、設けたいと思っております事業のメニューの一つとして取り組んでまいるということで、来年度予算の中で重点的に取り組んでまいりたいと思います。
#22
○岡田広君 是非しっかりと取り組んでいただきたいと思っています。
 時間がありませんので、要望をさせていただきたいと思います。
 三次元の空間データを国が統一的に集めて全国レベルで整備すべきだとの提言が民間の研究会でまとめられました。これ、正に、防災はもちろんでありますが、防犯にも、あるいは広範囲な商業利用にも利用できるわけでありますから、是非これを取り込んでいただいて、この防災にも役立てていただきたいというふうに考えているところであります。
 正に、天災は忘れたころにやってくるという言葉がありますけれども、水戸の弘道館や偕楽園を造った徳川斉昭公、七百年近く続いた武家政治に最後のカーテンを引いた人は徳川慶喜公であります。その慶喜公のお父様でありますけれども、この斉昭公が最も好んで使った言葉は備えあれば憂いなしという言葉でありました。正に、今日の変化の激しい社会の中であって、この言葉こそ私はとても大切なことではないだろうかと思うわけであります。どんな状況に遭遇しても柔軟な対応ができる、そういうものを持つ、身に付ける。
 この話すると、もう時間ありませんからしませんけれども、正に備えあれば憂いなしということで、この災害対策には全力を挙げて取り組んでいただきますことを要望して、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#23
○山下八洲夫君 民主党・新緑風会の山下八洲夫でございます。
 北側大臣に質問をさせていただく機会を得まして、初めてでございますので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。
 去る二月二十六日の十八時二十五分に、種子島宇宙センターから打ち上げられましたあの衛星ですが、これについて、衛星の命名で衝突と、気象庁「ひまわり」、国交省MTSATと、こういう新聞記事が出たこともございます。
 ただ、幸いにも、HUAロケット七号機による運輸多目的衛星、今申し上げましたMTSATは新一号の打ち上げが成功して、大変喜ばしく、技術者を始め多くの関係者、また大臣も大変喜んでいらっしゃるんじゃないかなというふうに思います。また、去る三月八日には所定の静止軌道に投入され、愛称が広く国民の皆さんに定着しているひまわり六号と呼ぶことにもなったということにもなったようでございます。まあ、二重の喜び、めでたしめでたしだろうというふうに思います。私もこのロケットについては度々心配していたんですが、今回、本当に喜ばしいことだったというふうに思います。
 そういうことはさておきまして、三月の八日の国土交通大臣の所信表明、伺わさせていただきました。また同時に、改めて私も読まさせていただいたわけでございますが、厳しい言い方を申し上げれば、全体的に見まして、北側大臣のカラーが出ていないな、あるいは公明党の個性や信念もうかがうことができないなというふうに私はこの所信表明で思いました。
 あえて申し上げますと、これを引用しますと、二ページでございますが、「「民間にできることは民間に」の観点から、特殊法人改革にも積極的に取り組んでまいります。」と、小泉総理がおっしゃったことと同じようなことをおっしゃっているなというような気もいたします。
 ただ、その後の、私は後ほどの質問に、その後の四行辺りが一番大切だと思うんですが、道路関係四公団につきましては本年十月に地域分割して民営化しますよと、あるいは利用者の要望に沿ったサービスを提供しますよと、債務は四十五年以内に返済しますよ、ここまではいいわけですが、その後ですが、高速自動車道の通行料金はETCを活用した割引制度により平均一割以上の引下げを実現することにしておりますと。
 ここが大変残念なところなんですが、なぜかと申しますと、また後ほど詳しい議論はさせていただきたいと思いますが、一般ユーザー、ETCを利用していない方もやはり割引には享受できると、このような制度にすべきだと思いますが、この所信表明の中で、ここについて特に、最初に一言、大臣のこれに対する所信を伺わさせていただきたいと思います。
#24
○国務大臣(北側一雄君) 国土交通省、もう委員も御承知のように、国土交通省というのは極めて広い分野を所管をしております。旧の運輸省、旧の建設省、北海道開発庁、そして国土庁と、この四つが統合されて、それに外局としても海上保安庁や気象庁、国土地理院等を抱えているということでございまして、大体朝、朝刊を見ますと、国土交通省にかかわる事件、事故と、報道がもう毎日一杯あるという非常に幅広い分野でございます。
 そういう意味で、所信が総花になることは、限られた時間の中で所信を述べますので、これは是非御理解をお願いしたいと思うわけでございますが、その上で、やはり今限られた予算しかございません。昔のように予算がどんどん増えていけれるようなそういう時代でもございません。そういう中で、やはり貴重なこの予算を、大切なこの税金を、やはり優先順位というものを明確にして、特に公共事業につきましてはやっていかないといけないというふうに私は考えております。
 国土交通省の役割とは何なんだろうと。一番は、何といっても安全、安心を、国民の安全と安心を確保する、これがやはり国土交通省の一番の私は使命だと思います。更に言わせていただきますと、我々の経済活動や毎日毎日の生活のまさしく基盤を作っているのが私は国土交通省の大きな役割だと思っております。
 一つは安全、安心、もう一つは私どもの経済活動の基礎的な基盤を整備をしていく、これが国土交通省の大きな役割であるというふうに考えておるわけでございますが、そういう観点からいいますと、やはり先ほどの岡田委員の御質問ではございませんけれども、やはり昨年大変な災害がございました。また、我が国というのはこれはもう災害が多い国土でございます。そういう意味で、災害に強い国土づくりをしていくというのは、これは国の一義的な責任があるわけでございまして、この減災、防災というものには全力を挙げて取組をさせていただきたいと思っておりますし、優先順位は大変高いと思っておるところでございます。
 私は、年頭に国土交通省の幹部の皆さんに、今年この二〇〇五年はやはり減災という意味で大きく前進できた一年であったと言えるようにしてもらいたいということをお願いをさせていただきました。
 今、様々、この災害といっても様々な災害がございまして、様々な、地震も豪雨も、そして津波もあれば火山災害もございます。こうした様々な災害についての減災対策につきまして、今専門家の方々にも入っていただいて、いろんな部署で今議論をしていただいて取りまとめをしていただこうとしている真っ最中でございます。
 もう一点、これは私は、是非これはやらないといけないと思っていることについてお話しさせていただきますと、それは、やはりこれからの日本の社会を考えますと、これは人口減少社会でございます。また、高齢社会、成熟社会にますますなっていきます。そういう中で、経済を本当にどうしていくのかということはやはりしっかりと考えていかないといけないわけでございまして、経済がこの先どんどんどんどん人口減少に伴って経済が小さくなっていくということであってはならないわけでございまして、確実に経済というものが発展をしていくというふうな日本の姿にしていかないといけない。非常に今大きな転機にあると思っております。
 一方で、経済は、もう経済のグローバル化がますますこれからも進んでくると思う中で、やはり私は、国際競争力に資するような事業というのはやはり優先順位が高いというふうに私は考えておりまして、国際空港又は国際港湾もしかりでございますけれども、こうした社会基盤を整備することも国の大きな務めであると、役割であるというふうに考えております。
 その他、地域の再生ということも今大事だと思っておりまして、そうしたものにもしっかり取組をさせていただきたいと思っております。
#25
○山下八洲夫君 私が最後に一番申し上げました高速道路の料金問題につきましては一言も触れられませんでしたが、まあ結構でございます。後ほどまたゆっくりこのことについては質問をさせていただきたいと思いますので、結構でございますが。
 鉄道局長いらっしゃるね。昨年は、地震だ台風だ、多くの鉄道の災害等もございました。それにつきまして、災害、鉄道の災害復旧等について質問を若干させていただきたいと思います。
 それへ入る前に、大変残念なことなんですが、三月二日、二十時四十分ごろ、四国の第三セクターの土佐くろしお鉄道宿毛駅に特急列車が衝突をしまして、三十一歳の若い運転士さんが死亡し、また十人程度の負傷者も出たわけでございます。大変そういう意味では痛ましい事故でございますし、大変残念なことではあるわけですが、まだ今日現在では事故原因が十二分、十分に把握されていませんし、また同時に、この鉄道は大変経営基盤の弱い第三セクターの鉄道事業者でもあるわけですね。二度とこんな事故を起こしてはいけないということは当然でございますし、そのためには、従業員に対する安全教育はもちろんのこと、まず安全を第一に事業経営者はやっぱり運営をしないといけない。これは当然のことであります。
 その上へ立ちまして、正直申し上げまして、こういう鉄道といいますのは、どちらかといいますと高校生を中心とした交通弱者の通学あるいは通勤、そういうところに利用されている鉄道が多いわけでございます。ですから、そのようなことを考えますと、一日も早い復旧、あるいは復興をすることが大変大事だというふうに思っています。
 一つ間違って重い処分でもしますと、ああ、これをきっかけに、じゃ撤退してしまえということにもなりかねませんし、それは一番、またある意味では大変危険な状況になるわけでございますから、そういうことを考えますと、是非、鉄道局長、処分問題についてはある程度理解をして、そして早く弱者の足を確保していくと、そういう観点からこの問題について積極的に取り組んでいただきたいというふうに思いますが、いかがでございますでしょうか。
#26
○政府参考人(梅田春実君) 土佐くろしお鉄道の件でございます。
 三月の二日、二十時四十一分ごろ、土佐くろしお鉄道宿毛駅構内におきまして、岡山駅発宿毛行きの特急、三両編成でございますが、構内の車止めを越えまして脱線する事故が発生いたしました。運転士一人が死亡し、車掌を含め十人が負傷した事故でございます。
 御指摘のように、事故発生後、直ちに航空事故調査委員会が調査官を派遣して、現在、事故原因の調査を行っている最中でございます。私ども鉄道局といたしましても、直ちにすべての鉄道事業者に対しまして、ターミナルの駅におきまして、行き止まりのターミナルの駅ですね、ATCの設置状況だとか、あるいは運転マニュアル、これ減速することになっていますから、そのマニュアルの遵守状況、あるいは職員の管理などにつきまして総点検をするように指示しているところでございます。
 この事故によりまして、現在、運転を中止しております中村―宿毛間におきましては、各駅付近の国道にバス停を設置いたしまして、朝夕の通勤通学、特急列車の接続に合わせまして、一日上下合計二十九便のバスの代行輸送を行っているところでございます。
 私どもも早期に復旧をさせたいと思っておりますが、八日からこの復旧作業に着手しておりまして、車両の撤去に約一か月掛かります。それから、駅舎の修繕に五か月程度掛かる見込みと聞いております。私どもといたしましては、一日も早く復旧するように努力してまいりたいというふうに考えております。
#27
○山下八洲夫君 ただいま復旧に努力という言葉をお聞きしましたので、是非、その方向でなお一層の御尽力を心からお願い申し上げたいと思います。
 それで、昨年は地震だ台風だで大変鉄道の災害も多くございました。そういう中で、鉄道を始めとする公共施設にも甚大な被害が生じましたし、一部の地域におきましては、度重なる台風の襲来で、復旧作業が終わらないうちにまた再度被災に遭う、そしてまた復旧のめども立たないというようなところも今日まだあるわけでございます。
 特に、新潟中越地震の発生では、上越新幹線が未曾有の災害の被害を受けましたことは皆さん方も御承知のとおりです。特に、復旧費は十二月末時点で二百億円ぐらいとも言われておりますし、その間運行もできなかったと、相当乗客の減収額にもなったんではないか、そのようにも思われます。
 また、振り返ってみますと、十年前になりますが、阪神・淡路大震災では東海道新幹線のあの復旧費が約一千二十億円と言われております。また同時に、減収額も五百億円以上ではないか、このようなことも想定されたわけでございます。
 こういうものにつきましては、すべて全額それぞれの事業者負担、これで言いますとJRの負担になるわけです。今回、JR四国、何個も台風が上陸しまして被害を受けました。JR西日本は越美北線、あるいはJR東海は高山線も被災に遭っているわけでございます。これには多くの復旧をしなくてはなりません。
 そこで、昨年の主な災害によります、まだ民鉄や第三セクもあります、災害によります鉄道施設の被災状況について、大まかで結構でございますから、被害の件数、被害額、さらに復旧状態と今後の見通しについて分かる範囲で簡潔に御報告をお願いしたいと思います。
#28
○政府参考人(梅田春実君) 昨年は御指摘のように風水害、それから地震と、様々な災害が発生いたしました。
 台風などの風水害の被害でございますが、十八事業者、四十四件でございます。橋梁の流失、土砂崩壊の被害が発生いたしまして、被害総額は約百二十億円でございました。被害箇所の復旧状況につきましては、福井豪雨によって被害を受けましたJR西日本の越美北線、それから台風二十三号によって被害を受けましたJR東海の高山線が現在も運転を中止しておりまして、復旧までにはなお相当の時間を要するという見込みでございます。
 一方、新潟県の中越地震では、JR東日本あるいは北越急行、ここにおきまして高架橋、トンネルで損傷が発生いたしました。被害総額は約四百五十億円でございます。この復旧状況につきましては、JR東日本、上越線において一部単線運転を行っているところはありますけれども、ほぼ全線運転を再開しているところでございます。
#29
○山下八洲夫君 そうしますと、越美北線あるいは高山線、これについてはまだ見通しは立っていないということでよろしいですか。
#30
○政府参考人(梅田春実君) そのとおりでございます。
#31
○山下八洲夫君 実は、越美北線も高山線も全く同じだと思うんですが、特に私は岐阜県出身でございますんで、高山線を若干例に引きながらお尋ねさせていただきたいと思うわけでございますが、台風二十三号によりまして高山線は、線路わきを流れますあの宮川という観光でこそ大変きれいな、すてきな川なんですけれども、あの川が線路わきをずっと流れているわけです。その二十三号の台風によりまして、それこそ橋脚が流失したりして大変な災害に見舞われました。そういう中で、現在も猪谷―飛騨古川間においては不通が続いているわけです。
 そういう中で、今一生懸命、不便な思いをしながら代行バスその他で一生懸命取り組んではいるわけですが、とにかく住民にとっては大変な不便な状態でございます。特にあそこは大変な豪雪地帯でございまして、冬場は車はもう通行止めになる、そういう状況のところでございます。ですから、地元住民においては一日も早いやはり復旧をしてもらいたい、この気持ちが大変強いわけです。
 そういう中で、高山線で申し上げますと、地元においても昨年の十月に飛騨市という新しい市が、昨年の四月でしたかね、誕生したわけです。小さな三万人切るようなかわいらしい飛騨市なんですが、誕生したわけですが、その飛騨市がJR東海及び県に早期運行の要請をいたしました。また同時に、この高山線というのは中京圏と北陸圏を結ぶ重要な交通網でもございますし、そのことを考えますと、富山県側においても岐阜県以上に、岐阜県は余りあれなんですが、岐阜県以上に逆に富山県側の方が復旧を切望しているんじゃないかな、そのように思ったりしております。
 そのことを見ていきますと、早く復旧をさせないといけないと私は思うんですが、国土交通省はそのことについてどのような取組を今検討されているんでしょうか。
#32
○政府参考人(梅田春実君) JR東海の高山線の問題でございます。
 御指摘のように、高山線は岐阜県内の山間部に架かります橋梁九か所が被害を受けまして、うち四か所が流失してしまいました。線路の基礎部分が十三か所にわたって流失しております。極めて甚大な被害を受けておりますので、御指摘のように、飛騨古川―猪谷間におきまして運転を中止している現状でございます。この間におきましては代行バスをJR東海の方で運行しております。
 復旧に向けましては、河川と道路の関係がございますので、河川、道路の災害復旧と一体的に実施するということから、管理者でございます岐阜県側と復旧の方針、計画等につきましてJR東海が中心となりまして検討しているところでございます。したがいまして、先ほどもちょっと申しましたように、被害の規模が甚大でございますので、なかなか全面復旧に時間が掛かる、見通しが立たない状況でございます。御指摘のとおり、工事をする時期も限られてまいるわけでございます。
 私どもといたしましては、高山線全線の早期復旧をやるということで、今後ともJR東海を指導してできるだけ早く復旧できるようにしたいと、こういうふうに思っております。
#33
○山下八洲夫君 越美北線につきましては福井県とそれからJRが基本合意しまして、一定の前進を見て、ちょっと明るい材料があるわけですが、そのことは別にいたしまして、例えば高山線にいたしましても百億円以上の復旧費が必要だろうと言われております。場合によっては二百億円ぐらい掛かるんではないだろうかなということも言われているわけです。同時に、越美北線にいたしましても、五百人程度の乗客しかない。あるいは高山線も、この古川から富山へ向かっては一日六百人程度しか利用客はない。このような状況の、まあどちらかといいますとローカル線と言った方がいいわけです。
 そういうところというのは大変また険しいところを線路が引いてありまして、ちょっとした集中豪雨でまた災害に見舞われる、このような危険な箇所をたくさんレールが引かれて走っているわけですね。たまに列車の中から、乗っていきますと、ああ、きれいだな、すてきだなと思うんですが、外側から見ていると、よくこんな危険なところに昔ながらよく線路を引いたなというように思われるところに引かれているわけですね。
 そういう中で、元々運行しても赤字なんですね。赤字のところにそれこそ、民間の鉄道事業者がそれこそ百億円も二百億円も投資をして、そしてその投資をしたものが回収できないということを考えた場合、今後、民間の場合は、やはり利益も一方では確保しないといけない、もう一方では、株主のことを考えれば、無駄な投資をすればそれこそ株主から訴訟を起こされる可能性もある世の中になってきたわけです。
 そういうことを考えますと、私は、ある意味ではこういう災害に対しては、現行法で言いますと、鉄道軌道整備法に基づく災害復旧事業費補助については、こういう西とか東海とか、こういうところには適用されないんですね。ですから、そういうことを考えていきますと、こういうところに、こういう災害については適用されるようにすべきではないか、そのように考えるんですが、その辺についてはいかがでしょうか。
#34
○政府参考人(梅田春実君) 御指摘の災害の際のJR東日本、東海等に対する公的支援の問題でございます。
 災害が発生いたしました場合、この施設を原状復旧するというのは事業者の当然やらなければならない責務でございまして、建前は自力救済でございます。しかしながら、鉄道軌道整備法八条によりまして、大規模な災害を受けた鉄道であって、その鉄道事業者の資力のみでは災害復旧事業を行うことが著しく困難という場合には、その復旧費用の一部を補助することができるというふうに規定されているところでございます。
 この規定を受けまして、被災前三か年度で営業損失又は経常欠損を生じている、あるいは被災後五年度を超えて営業損失又は経常損失が見込まれるなどの要件を満たす事業者に対しまして助成を行ってきているのが現状でございます。こういう観点から、昨年もJR四国におきましては全体で約五億円の補助をしたところでございます。
 先生御指摘のJR東日本、東海等でございますが、この三社におきましては、大変あれでございますけれども、平成十五年度の経常利益を見てみますと、JR東日本は一千八百三十二億円、JR東海は一千百七十五億円等となっております。そういう経営状況から見まして、現時点ではこの要件には当たらず、助成の対象とはなりません。基本的には各事業者とも土木構造物の保険を掛けております。こういうもので、保険を活用しながら自力で復旧していくというのが現在のやり方でございます。
#35
○山下八洲夫君 本州三社につきましては利益率がいいから対象にならないと。全くそのとおりでございます。四国は余りにも貧弱なものですから補正で五億円対象になったわけでございますが、本当にあれがなかったら四国の線路はみんななくなっちゃうんじゃないかというふうな感じもいたしますから、その点については感謝もいたしております。
 そうではなく、やはり国道とか国の治山とか、そういうものが崩壊したりしますと、すべて国の税金で復旧工事を行うんです。だから、鉄道の場合も、ある意味では線路から下というのはそれに準ずる対応を考えてもいいんではないか、このような気がしてなりません。
 例えば今度、整備新幹線、整備新幹線については上下分離方式で、どこのJRが経営するか分かりませんが、上の分だけ経営しますよと、借りて経営しますよということになってくれば、線路から下は結局国が対応するということになってきますし、それから前回の、いつだったかな、第百五十一回の通常国会で、要するに、JRの完全民営化法案のときに議論をさせていただいたわけでございますが、そのときに附帯決議で、JR東日本、JR東海、西日本は、本法施行後にあっても、需要を積極的に開拓するなど、できる限り経営努力によりローカル線の維持に努めることと、この「ローカル線の維持に努めること。」ということが附帯決議でうたってあるんです。同時に、その後ろに、これはJRだけじゃないんですが、「全国の各地域における住民の足である地方鉄道について、支援方策の見直し等によりがたい場合には、いわゆる「上下分離方式」の導入も検討すること。」と、このような附帯決議をさせていただいているんです。ですから、特に赤字でどうしようもないところは、それはある程度上下分離方式的なことを考えて、国なりあるいは公の、そういうところからの、復旧というより予防的処置をした方が被害も少ないわけでございますし、そういう方向から行っていくというようなことを検討すべきではないかと思います。いかがでしょうか。
#36
○政府参考人(梅田春実君) 御指摘のように、整備新幹線につきましては、上下分離方式で建設をして、上をJRが走り、下を鉄道・運輸機構が保有するというような形を取っております。また、この前でございますが、盛岡―八戸間の開業に際しまして、青森県におきましては、第三セクターで在来線、東北本線の在来線を運用することになりましたが、その際には、青い森鉄道という第三セクターをつくっていただいて、それが運用して、下の方の財産は県が持つというようなやり方もございます。
 御指摘のように、地域によってこれから鉄道をどうしていくかという議論は経営面からもいろいろ出てくるかと思います。その際に、どういう方策でこれを維持し、それからそのサービスを確保していくか、こういう問題につきましては、地域の方々、それからJR等を含めた鉄道事業者の間でよく相談をしていただくことだろうと考えております。
 したがいまして、災害等が起きました際に、今回もそうでございますが、先ほども言いましたように、地域に果たしている鉄道の役割をいろいろ勘案していただきまして、地域の方々と一緒になって復旧をしているという現状でございますので、今後どのようなやり方で、こういう問題も含めて、地域と鉄道とが共生していく方策はどういう方策があるのか、検討していくべきテーマであろうというふうに考えております。
#37
○山下八洲夫君 鉄道問題、最後にしたいと思うんですが、大臣、ちょっと検討していただきたいなと思います。
 それは何かといいますと、例えば銀行でいえば貸倒引当金、このようなものもございます。いろんな引当金とかあるいは準備金と、このようなものも制度としてあるんですね。例えば、鉄道事業もまず一つあるんですが、これは何かといいますと、新幹線鉄道大規模改修準備金というのがございます。これは東海道のあれが古くなったら大々的に改修しますよと、五千億までいいですよと、たしか五千億円までだったと思いますが、いいですよと、こういう制度もあるんです。
 災害というのはいつ起きるか分かりません。そのことを考えますと、一気に、また必要以外の経費がどんとかさむんですよね。今回でいいますと、越美北線にしましてもあるいは高山線にいたしましても、予想外の経費だと思うんです。そのことを考えますと、一定の、何億がいいかは別にいたしまして、上限はまたいろいろと検討すればいいと思うんですが、このように例えば特別の災害復旧引当金のようなものを創設をしていく、そういうことは大変私はいいことじゃないかと思うんです。
 よくよく見ますと、引当金やら準備金っていろんなのたくさんあるんですね。特別修繕引当金というのもあれば特別修繕準備金というの、似たようなのもあるんですね。いろいろたくさんございますので、この辺は是非検討していただいて、災害に対する引当金あるいは鉄道事業者の準備金、これを確立をしていくというふうに私はしていただきたいと思います。いかがでしょうか。
#38
○国務大臣(北側一雄君) よく勉強させていただきたいと思います。今の委員の御指摘、大事な御意見だと思いますので、よく勉強させてもらいます。
 ただ、今も委員のお話の中にありましたように、今例に出されました新幹線の大規模改修引当金制度、これ今あるわけでございますが、これはもうはっきりしているんですね。新幹線の場合は、東海道新幹線は去年が四十年目だったでしょうか、おおむね五十年に一度の抜本的な大規模改修工事が必要というふうに言われておりまして、もう東海道新幹線はそういう意味では十年後、十年前後にはもう五十年経過するわけでございますから、そのときに東海道新幹線については少なくとも抜本的な大規模改修をしないといけない。これはもう想定されているのが、大規模改修に要する費用が一兆一千億円というふうな、もう時期も、ある程度の時期もそれから規模も今から予想されているという中でこのような制度がつくられたといういきさつであったというふうに記憶をしております。
 災害の場合は、非常に、いつあるか分からない、どこであるか分からない、規模も分からないという中で、こうした制度をつくるのがどうなのか。それはよく勉強させてもらいたいと思いますが、これまで、阪神のときは先ほどの例が、おっしゃった阪神・淡路大震災のときは、このときも大変な、甚大な被害を生じたわけでございますが、このときには補助事業そのものも対象事業者をもう拡大すると。いろんな要件を取っ払っちゃってJR西日本を支援できるような体制を取るだとか、それから融資についても政府系金融機関を使って極めて超低利の融資をがんとやるとか、さらには税制上の軽減措置もとるだとかというふうに、そういう甚大な災害があったときは当然このような取扱いを今後もしていくということになると思いますので、そういうことも照らし合わせながら、委員の御指摘につきましてはよく勉強させてもらいたいと思っております。
#39
○山下八洲夫君 日本列島はもうどこを見ましても、地震が起きてもおかしくない、台風にいたしましてもどんどん上陸をする、このような日本列島でございます。
 甚大な災害といいますけれども、鉄道事業者によっては一億円でも甚大な災害でございますし、それはまた別の、鉄道事業者によっては一億円や十億円は大したことはないという鉄道事業者もあるわけでございますから、いろんな鉄道事業者もあるわけですから、是非この引当金制度のようなものについては、勉強だけではなくて、勉強したら前に進んでいくということで是非要望をさせていただきたいというふうに思います。
 続きまして、鉄道はこれで終わります。道路システム高度化推進機構、いわゆるORSEについて質問をさせていただきたいと思います。鉄道局長さん、もしあれだったらよろしいですよ。
 いわゆるORSEですが、ORSEにつきまして、国土交通省とORSEの関係、あるいは道路公団とORSEの関係について、それぞれどのような関係にあるのか、是非お知らせいただきたいと思います。
#40
○政府参考人(谷口博昭君) お答えいたします。
 ORSE、正式名称は、今委員の御指摘ございましたが、財団法人道路システム高度化推進機構と称しますが、これは有料道路自動料金収受に関し、当該技術の高度化に関する調査研究等を行うとともに、統一性のある高度なETCの普及促進を目的として、平成十一年九月二日に民法第三十四条に基づき設立された国土交通省道路局所管の公共法人であります。
 その事業内容といたしましては、有料道路自動料金収受システムを使用する料金徴収事務の取扱いに関する省令でございますが、第四条一項三号に書かれているわけでございますが、主な業務が二つございます。一点は情報安全確保規格の提供を代行すること、二点目は対価を得て識別処理情報の付与を行うことということでございまして、これに基づき、こうした業務の一元的な実施を行っているところでございます。
#41
○参考人(近藤剛君) 日本道路公団とORSEとの関係についてのお尋ねでございます。二点につきましてお答えをいたします。
 日本道路公団は、ETCを設置するに当たりまして、道路整備特別措置法に基づく建設省令に従いまして、ETC情報を暗号化、複合化するためのかぎの使用料をORSEに支払っております。なお、支払金額でございますが、使用料といたしまして、平成十二年から平成十六年度にわたります累計額として約十二億円ということでございます。
 もう一点は、ETCシステムの普及促進など、ORSEの事業展開が有料道路事業と密接不可分であるということから、ORSEから、事業目的を達成するために、有料道路事業者でございます当公団に対して、自動料金収受システムなどに詳しい関係職員の派遣、出向でございますが、その要請がございました。公団としても、ETCの円滑な導入と普及促進を図る必要性から、職員の現役出向でございますその要請を受け入れて、現在のところ四名ほど出向をさせているということでございます。
#42
○山下八洲夫君 昨年の十一月だったんですが、私も半分居眠りしながらふっとテレビを見ておりましたら、あるテレビ局でこのORSEのことが一生懸命放映されていました。おっと思いながら私も見始めたんですが、それで私は、車載器というのはETCが導入の初期にすぐ車載器を付けさせていただきました。当時、トータルで四万円近くたしか経費は、車載器を含めてですね、すべてで四万円近く掛かったわけですが、今それでもある程度安くなってきておりますが、それでも大体二万五千円ぐらいの経費が掛かるという状況でございます。何か、車載器が一万五千円ぐらいとかと言われますし、あるいは取付け代が五千円だ、六千円だと言われておりますし、またセットアップ代が三千円、そういうことで大体二万四、五千円かなというようなところでないかというふうに言われています。
 だが、よくよくこれを中身を見ていきますと、要するに、ORSEがETCセットアップをする際に五百円ずつセットアップ料を徴収をしていると。だけれども、これもテレビ放送がされるということを聞いて、直前に、昨年の十一月から急遽、一応五か月間、ORSEはサービス期間だといってこの五百円の徴収をやめてしまったというようなことも言われております。また、ORSEは、セットアップする代理店への初期設定料が一万円、月々今度はレンタル料として二千円集めているんですね。これが大体年間十一億円、まあ十億円前後になるようです。
 それから、ETCのクレジットカードが要るわけでございます。このクレジットカード一枚当たり、クレジットカード会社から百円のバックマージンがORSEへ入ってくると。また、車載器メーカーから車載器一台につき、またORSEへ百円のバックマージンが入ってくると。
 それから、ETC、これはよく分からないんです、是非道路公団にお答えいただきたいなと思うんですが、ETC一レーン当たり日本道路公団から五十三万円の、これセット料と言うんですかね、管理代と言うんですかね、よく分かりませんが、五十三万円ORSEへ入ってくる、こういうシステムになっていると。ですから、年間に約五十億円ぐらい自然にORSEへ入ってくると。いろいろと経費を使いましても、まあ十億円ぐらいの余剰金、余剰資産が生まれると。
 こういうふうな大ざっぱに言いますと状況になっているんですが、そのことを考えますと、今、私が申し上げたことが大ざっぱに言って間違っているのか正しいのか、是非道路局長、御答弁いただきたいと思います。
#43
○政府参考人(谷口博昭君) お答えいたします。
 たくさんの御指摘がございましたので、十分お答えできるかどうか分かりませんが、漏れがございましたら、また御指摘をいただきたいと思います。
 まず、昨年の十一月のテレビの放送でございますが、今委員御指摘のとおりの内容でございまして、ORSEにつきましては、ETCのセキュリティーを確保し、成り済まし通行等の不正利用を防止するため、車両情報等の暗号化やその解読のために必要なかぎの発行等を行っておるということでございまして、その経費としましては四点ございます。
 一点は、車載器メーカーから車載器一台当たり百円。二つ目は、ETCカード会社からカード一枚当たり百円、今御指摘ございました。三点目は、セットアップ店から月当たり二千円。四番目は、ETCゲートの設置一台当たり五十三万円、これも御指摘ございました、を徴収しているところでございます。
 したがって、額全体は若干異なりますが、おおむねこうした考え方で報道されたということで、事実であろうかと思います。これらの収入によりましてORSEにつきましてはいろんな業務をしているというようなことでございます。
 また、車載器が非常に高いんではないかという御指摘がございました。四万円というお話でございますが……
#44
○山下八洲夫君 当初はね。
#45
○政府参考人(谷口博昭君) 当初は。当初はそういうことでございまして、三万円から五万円というような私どもの調査では価格で販売されておったということでございます。当初から現在、三分の一の方が利用率ベースで高速道路を利用されているというような形になりました。セットアップ台数は、近々の結果では五百六十九万台と多くの方々が利用していただいているというようなこともございまして、現在では一万円を切る価格の車載器が数多く販売されているというような状況になっておるわけでございます。
 そういうことでございまして、ORSEにつきましても所要の業務をしておるわけでございますが、少し利用促進、普及促進が図られたというようなことでございまして、今御指摘のとおり、昨年の十一月からETC普及の一環として、利用者の方々から、五百円掛ける消費税いただいて五百二十五円を徴収しないというようなことになりまして、今後の推移を見て適正な運営を図っていただけるんではないかと思っております。
#46
○山下八洲夫君 セットアップの五百円につきましては、どうもテレビで報道されるというのを聞いて慌てて取りやめたということですから、随分ゆとりがあるんですね。そういう批判やら指摘がされないと、取れるところからどんどん取ってしまえと。例えば、カード会社から何で百円、あるいはまた車載器のメーカーから何で車載器一台につき百円、こうやって手数料的なものを徴収しないといけないんですか。これも私にはさっぱり理解できないわけです。先ほど、かぎに経費が要るんだとかいろいろとおっしゃいますけれども、それは百円もコスト掛からないと思うんですね、正直言いまして。そのことを考えますと、私はどうもこのことは理解できません。それと同時に、大変残念なんですけれども、まだクレジットカードを維持するために、ユーザーは一年に維持手数料として五百円毎年払わないといけないんですね、支払わないと。
 こういうものあるんですから、そのことを考えますと、もう少しORSEについてはいろいろの角度から私は検討をしてもらいたいなという気持ちは強いわけです。なぜかといいますと、先ほど言いましたように、ETC車載器の設置料、日本は飛び抜けて、高速料金も世界じゅうで飛び抜けて利用料が高いわけですけれども、同じようにETCの車載器も世界で私は飛び抜けて高いというふうに思っています。
 もし、日本より高いところがあれば教えていただきたいと思いますし、あるいはアメリカやらイタリアはどの程度しているのか、参考にお聞かせいただければ有り難いと思います。
#47
○政府参考人(谷口博昭君) お答えいたします。
 手元にアメリカやらイタリアのデータがないので正確なことはお答えできませんが、アメリカにつきましては、日本の高速道路に相当するインターステートハイウエーにつきましては原則無料というようなことでございます。イタリアにつきましては有料ということでございますが、日本の場合とシステムが異なるということでございまして、我が国のように、現在高速道路では七千三百キロ供用しているわけでございますが、そのほかに首都高速、阪神高速、本四公団がございますので、この四公団、先ほどもお答えさしていただいたつもりでございますが、四公団統一という中でこうしたシステムを導入さしていっていただいているということでございます。
 御指摘のとおり、高いというようなことでございまして、一層コスト削減に努力をしていきたいと考えております。
#48
○山下八洲夫君 四公団統一ということは、ますます安価になるということじゃないでしょうかね。ばらばらでしたらコストは高くなるんですね。四公団が統一ということはますます安価にできるということでございますから、その辺、是非誤解しないでいただきたいと思います。
 ちなみに申し上げますと、アメリカにはEZパスというようなものがありますが、大体、百四円で計算しますと二千六百円ぐらいと、こういう状況でございますし、イタリアにもテレパスというのがございますが、これは十二・四〇ユーロということですから、千五百円ぐらいですかね、千五、六百円になるんじゃないかなというような、こんな安価なんですね。日本は先ほど言いましたようにセットアップ料その他含めて二万五千円ぐらいと、まあ十倍ぐらいの経費が掛かるわけですから、是非この辺についても大いにメスを入れることができるんじゃないかというふうに思いますんで、是非お願いしたいと思います。
 特に大臣、この役職なんですがね、まずこの機構のこれを見ますと、「業務及び財務等に関する資料」、一番に「寄附行為」というところがあるんです。「寄附行為」のところを読んでいきますと、特に、機構の業務及び財務に関する資料の「寄附行為」でございますが、第三章「役員、顧問及び参与」によると、第十六条に「理事十名以上十五名以内」、「監事二名又は三名」として、役員選任等の第十七条では、ORSEの「理事及び監事は、評議員会が」、国土交通大臣ですね、「国土交通大臣の承認を受けて選任する。」としているんです。
 さらに、ちょっと時間ありませんから飛ばしますけど、この間、昨年一年間に三回理事会が開かれています。委任状を含めて全会一致ということで、この三回開かれたすべてが、昨年理事会が三回開かれております、昨年度ですね、九、十、十一回ですが、これはすべて理事十三名のうち委任状による出席者を含め十三名全員が出席したと書いてありますから、欠席している方もいらっしゃると思うんですね。そして、全員異議なく議決したと。これは大体予算とか決算とかそういうことです。
 それから、同じように、同じ日にそれぞれ三回、評議員会も開催されているんですが、これも同じように委任状、二十二名が委任状を含めて全員が参加をして、今申し上げましたように全員異議なく同意をしたと。同じ日に理事会と評議員会、もう時間ずらしてセットしているんですね。
 その割には理事も随分多いな。国土交通省からも、大臣の承認を受けて三人も理事、役員がいらっしゃるんだなとか、経産省とか警察とかいらっしゃるんですが、私はこういうシステムをつくり上げているということは、もう一つ、冒頭大臣に申し上げたんですが、冒頭、今度の高速道路の利用料金を一割引き下げると、この考え方は大変すばらしいことなんです。いいことなんです。だけど、結局は、まだまだほかのことたくさんあるんですが、結局はETC利用者のみに一割の値下げをすると、料金引下げをすると、ETC利用しない一般ユーザーは引下げをしないと、こういうシステムになっているんですね。
 また、十七年度からスマートIC、これがまたどんどん普及されてくると思うんです。そうしますと、ますますこのORSEへキックバックが行くシステムになっているんだなと。どんどんどんどん、私は、一方では確かに値下げをしますよ、ETCをどんどん普及しますよ、だからETCを普及すれば一割の料金が安く利用できますよと言いながら、ORSEへキックバックをどんどんどんどんしていくと。そのORSEは国土交通省や道路公団としっかりとしがらみを持っているという状況を考えますと、どうも私は腑に落ちないんですね。
 ですから、大臣が理事を承認するんですから、その辺について大臣、このORSE問題についてできればまた研究していただいて、もう少し整理をしていただくということを是非要望したいと思いますが、いかがでしょうか。
#49
○国務大臣(北側一雄君) ETCの普及の問題と、今ずっとちょうだいしましたORSEに関する問題とは、これ、立て分けて考える必要があると思います。
 ETCは、私はやはりこれからしっかりと普及をしていく必要があると考えています。
 その上で、その上で、このORSEというのは、これ、財団法人でございます。公益法人でございます。それも唯一の、これに関する唯一の公益法人であるようでございます。そういう意味で、やはり利用者の方々にコストを今どんどん安くしていこうと努力しているわけなのに、一方でこういうことでまた負担が重くなってしまったらいけないわけでございますし、またその在り方そのものについても、当然、今特殊法人を始め様々な公益法人についても見直し作業をやっている中でございますので、今御指摘のございましたように、このORSEを今後どうしていくのかについてはしっかりこれも検討させていただきたいと思います。
#50
○山下八洲夫君 今大臣から御答弁ありましたように、確かに財団法人、非営利事業なんですね。そこが、事業収入、ほとんど、今申し上げましたそのようなもので年間五十億円ぐらい今入るシステムになっているんですね。こんないい商売ないですよね、正直言いまして。(発言する者あり)本当ですね。
 そういう状況でございますから、そして同時に、理事は大臣が承認することになっているんですから、是非この辺についてはメスを入れていただいて、できる限り、やっぱりこういうのは全部ユーザーに、究極はユーザーに負担が行っているんですね。ですから、ユーザーの負担を軽減するためにも是非メスを入れていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 時間がなくなりましたから、一つ最後にまとめとしまして、是非大臣の答弁をいただきたいと思うんですが、高速道路、高速道路につきましては、一割、それこそ利用料金を引き下げると、この努力は私は買いますし、同時に、今お話ございましたとおり、ETC普及をさしていく、このことも大変すばらしいこと、いいことです。
 確かにETCのおかげで、通勤時間帯の五割引とかあるいは夜間の三割引とか、いい面はあります。この通勤時間帯の五割にしましても夜間の三割にしましても、私から申し上げれば、特定の方は大変優遇されるんですね。その時間帯に、しょっちゅうその時間帯に当てはまるユーザーの方が利用されりゃいいんですけど、当てはまらない方はわざわざその時間帯に利用する必要はないんですから、何のメリットもないわけです。そのことを考えますと、ETCだけではなくて、まず基本は、一割利用料金を引き下げるということにまず着手することが一番私は王道だろうというふうに思うのが一つです。
 その上に立ちまして、この際思い切って恵那山トンネルについて一言触れておきたいと思います。
 恵那山トンネルは、昭和五十年の八月に開通しました。約三十年です。本来なら三十年償還なんです。本当ならもう今年の八月から無料になっていいわけですが、全国プール制でございますから、延々とまたこれから四十五年間引き継いで、恵那山トンネルの特別料金を含めて利用料を支払わなくてはいけないんです。
 だけれども、現実に恵那山トンネルは一日に二万五千台利用しているというような統計も出ているわけでございますし、もうとっくに特別料金のところは償却しているんじゃないか。あるいは、関門橋にいたしましても大変高い特別料金を付加しているんですよね。そういうところは、全国プール制ということで高速道路の利用料金を進めるんであれば、わざわざ恵那山トンネルでありますとか関門橋でありますとかなぜ高く利用料金を設定しないといけないか。それはプール制という意味がなくなってくると思いますんで、その特別料金はまず解消してもらいたいというのが二つ目でございます。
 そして、三つ目はターミナルチャージ。これが現在では、当初は百円でございましたが、途中から料金アップしまして現在百五十円なんですが、このターミナルチャージ料にいたしましてもなぜ必要なんだろうかと。
 高速道路を利用するためにはそれこそターミナルを通らないと入れないわけでございますし、あそこは特別に土地が広くて利用料金も掛かっているんだということをおっしゃるんであれば、都市部のと田舎の分ではこのターミナルチャージの経費も全然違うんですね。都市は逆に特別料金で高くするとか、そういうことをターミナルチャージではやっていないんですね。同時に、今度は、十七年度から次々と今度はETCを設置したスマートICをどんどん設置しようとしているんですね。これにも今度はターミナルチャージ料が必要なのか。
 どんどんどんどん、私はこういうようなターミナルチャージ料必要ないと思うんですが、同時に、ターミナルチャージ料だけ今度は不思議に特殊な大型の自動車であろうとあるいは軽自動車であろうと皆同じなんですね、ターミナルチャージ料。これまた大変不公平だと思います。
 そういうことを考えますと、先ほど申し上げましたとおり、一つは、まず料金を引下げをするんであれば、まず基本はユーザーの方すべてに公平になるように是非一割の利用料を引下げをする、この努力をしていただきたい。これがまず大前提。そして、今申し上げましたように、特別割増料金を廃止をしていただく。ターミナルチャージ料を廃止していく。こうすれば、ETC設置者のユーザーの皆さん方も喜ばれるし、それから同時にすべての利用されるユーザーの皆さん方も喜ばれるし、そうすると大臣の評価もぐんと高くなりますし、是非そういう方向へ向かって頑張っていただきますことを心から申し上げまして、是非大臣の決意をお伺いしまして、私の質問を終わらせていただきます。
#51
○国務大臣(北側一雄君) 一杯御質問ちょうだいしましたので、もうすべてにはお答えいたしませんが、ただ、これから道路公団始め民営化がいよいよなされていくわけでございます。民営化をするということは、これは何のために民営化するのかといえば、これは利用者の利便性を向上させていただくためにこれは民営化するわけでございまして、是非とも料金面におきましても、今も取組をさしていただいておりますが、民営化することのメリットというものをしっかりと出していただきたいというふうに思っております。
#52
○佐藤雄平君 民主党・新緑風会の佐藤雄平でございます。
 大臣所信の質疑の前に、三点ほど質疑をさしていただきたいと思います。
 昨日、日本航空の社長が国交省で記者会見をしました。私も、この一月の二十二日の新千歳空港でのこのミス、考えられないようなミスなんです。で、今日もこの質疑の中で、なぜこういうふうなミスが起きたかと、しかもその報告を一か月何で遅れたのかなと思っておりましたら、昨日の社長の記者会見でこれが解けました。
   〔委員長退席、理事大江康弘君着席〕
 社長の記者会見の中では、軽微な事案という認識があったんです。軽微な事案というのはそれほど重しに置いてない。しかし、これ冷静に考えてみると、一つ間違うと大惨事につながる事故になるわけであります。まあ、軽微な事案というと私はどうしても、どこかの総理大臣がこの程度の約束ぐらいはという話がありましたけれども、この辺が私はもう最大の原因だったのかなと、日本航空そのものが認識に対して極めて甘かったのかな、しかしまた、それを所管している国交省もこの辺は私自身、責任ないわけではないなと、そんな思いをしました。
 そういうふうな中からそれぞれ質問をさしていただきますと、まず私は、そのミスが起こったのはやっぱり日本航空の甘さ、要するに軽微な事案だと思っているという社内の精神そのものが大きく間違っているなと思いました。
 それと同時に、管制官との交信の中で、私は、機長と管制官、管制官とまた副機長、それぞれいて、管制官が待機しろと言っていたときに、それに対して機長とか副機長というのはそれに対する応答というのはないもんでしょうか、単なる一方通行なのかどうか、この辺についてお伺いしたいし、さらにまた、副機長がいるわけですから、同時にそれが聞いているわけですね。しかも、スチュワーデスが今離陸の許可が出たから離陸しますという放送を乗客にすることになっているはずです。この辺がどうしてもやっぱり不可解なところがあります。
 そのことについて、一つ所管官庁の責任、それとまた、日本航空に対してどのような厳重注意というふうなこと、改善命令をしたのか、この所見についてお伺いしたいと思います。
#53
○政府参考人(岩崎貞二君) お答えいたします。
 先生御指摘のとおり、一月の二十二日に新千歳空港で管制の指示を、承認を得ないで離陸を開始したという事案が発生したわけでございます。
 少し経過も含めてお話をさしていただきますと、当日二十一時十四分、全日空機が着陸をいたしました。JAL機は出発機でございましたので、滑走路ではなく誘導路上で待機をしておりました。全日空機が着陸をいたしましたので、管制官は、JAL機に対して離陸位置へまで進入しなさいと、そこで待機をしていましょうと、こういう指示をしたわけでございます。その指示を受けまして、JAL機の方は滑走路に進入をいたしました。ただし、まだこれは待機を指示をしておりますので離陸をしていいというわけではございません。JAL機の方は離陸前のチェック等を実施をしておりまして、そのチェックを実施した後、管制の、繰り返しになりますが、承認を得ないで離陸を開始したわけでございます。
   〔理事大江康弘君退席、委員長着席〕
 管制官は地上レーダーで、JAL機が離陸を開始した時点、そのときに全日空機がまだ滑走路上、JAL機の離陸開始地点の推定約千八百メーターから二千メートルぐらいの前方でございますけれども、まだいたにもかかわらず開始したということを地上レーダーで見ておりましたので、緊急の停止を指示をした、発信したところでございます。JAL機の機長は直ちに離陸中止操作を実施いたしまして、手前で停止をしましたので事故に至らずに済んだと、こういう事案でございます。
 原因は、繰り返しになりますけれども、管制官の指示を得ないで、許可を得ないで、許可を得たと思い込んで操縦士が離陸を開始したことがこの事案の起こった原因でございます。
 管制官と操縦士との交信はどうなっていたのかと、こういうことでございますけれども、ここの空港は管制業務、国土交通大臣の委任を受けまして航空自衛隊が実施しております。航空自衛隊の方からの、防衛庁からの報告によりますと、先ほど御説明申し上げましたように、JAL機に対して、滑走路に進入し待機するように指示もしておりますし、それから無許可で離陸滑走をJAL機がしたのを認め、速やかに離陸滑走中止の指示を発出しております。通常、操縦士は管制官との間で交信をしますと、そういう指示を受けたことについて了解といったことをちゃんと答えるのが通常でございます。
 こうした事案で、結果として事故には至りませんでしたけれども、私どももこの事案については非常に、結果として起こらなかったですけれども、安全に対して非常に大きな事案だと、このように受け止めております。
 あわせて、こうした事案について、先生御指摘のとおり、一月の二十二日に事案が発生したわけでございますけれども、二月の二十三日までJAL側からは報告がございませんでした。JAL側の方は、機長から、運航本部というのがございますけれども、そこの運航本部までは話を上げているようでございますけれども、運航本部内で、結果として事故には至りませんでしたので当局への報告はしなかったと、このようなことで報告を受けております。
 繰り返しになりますが、これはやはり重要なことでございますので、私ども航空局といたしましては、直ちに再発防止策を指示するとともに、こうしたことの情報の伝達体制等々が日本航空グループ全体で不十分ではないかということでございますので、持ち株会社であります日本航空、それから日本航空インターナショナル、それから日本航空ジャパンに対しまして安全管理体制の改善強化を指示したところでございます。
 昨日、日本航空、日本航空インターナショナル、日本航空ジャパンのそれぞれ社長が国土交通省に参りまして、再発防止策の報告を受けたところでございます。具体的には、日本航空ジャパンの方からは、管制官の……
#54
○委員長(田名部匡省君) 答弁は簡潔に願います。
#55
○政府参考人(岩崎貞二君) はい。
 日本航空ジャパンから、こうした管制の指示を受けたときの対応についてきっちりやっていくこと、それから日本航空グループ全体として情報の伝達処理体制についてきっちりやっていくと、このようなことで報告を受けたところでございます。今後とも、私どもとして的確に指導していきたいと、このように思っております。
#56
○佐藤雄平君 局長、その管制官が自衛隊の管制官であろうと運輸省の管制官であろうと、そのミスが分かった段階でその監督官庁に報告する義務はないんですか。
#57
○政府参考人(岩崎貞二君) 重大インシデントに当たりますとこれは報告しろということになっておりますが、重大インシデントにこれは該当しておりません。したがいまして、法律上の義務はございませんけれども、私ども、日ごろから安全性に影響のあるようなものについては速やかに報告するように指導しております。そうした意味で、今回直ちに報告がなかったというのは我々としても遺憾に思っておるところでございます。
#58
○佐藤雄平君 そうすると、これはあれですか、事故が起きないと報告しないということになりますか。この辺はやっぱり、日本航空の社長の昨日の記者会見が正に局長の考えと同じような、正に軽微だというような認識です。起こってからではこれは間に合わないです。大臣の御所見を。
#59
○国務大臣(北側一雄君) 私、この件に関しましては、JALグループの役員の方と二度お会いいたしました。この事案が判明した直後に来られましたので、私からは厳しく指導をさせていただきました。
 厳しくというのは二点ございまして、二つございまして、一つは、これは明確な管制指示違反でございます。こんなことがあってはならないことでございまして、こうした管制指示に違反、管制指示が出されていないにもかかわらず離陸をするなんということがあったわけでございまして、これ自体重大な違反でございます。それで一歩間違えれば、これはもう大変な重大事故につながる可能性があったわけでございまして、これはもうとんでもない事案であると、これが一点。
 もう一点は、その国土交通省の報告ということもさることながら、実を言いますと、この案件は日航の、JALの役員の方々も知らなかったんです。そこにも報告が行ってなかったわけなんです。そういう社内のグループの体制、組織というのは一体どうなっているんだと。こうした事案があったにもかかわらず、経営トップのところに、経営の執行部のところに上がってこないと、こういう事案報告が上がってこないということ自体にやはり組織に問題がありますよと。
 こういう二点を私は申し上げをさせていただきまして、やはりこの航空会社というのは多くの利用者を乗せて運航をしていただいているわけでございまして、ともかくこの安全確保、航行の安全確保ということに最優先を持ってやってもらわぬといけないわけでございまして、この事案を通してもう一度社内の安全確保体制について見直しをしっかりしてもらいたいということは強く申し上げをさせていただいたところでございます。
#60
○佐藤雄平君 これはあれですかね、航空法か航空業法か何かそういうふうなもので、どの程度まではその監督官庁に報告しなきゃいけないとか、そういうふうな形にはなっていないんですかね。
#61
○政府参考人(岩崎貞二君) 繰り返し言いますが、航空法で重大インシデントについて報告しろという規定がございます。それで、重大インシデントの範囲を決めておりますけれども、重大インシデントではなくても重大インシデントでございます、重大インシデントではなくても、私どもこういう、今大臣が答弁させていただきましたように、一歩間違えば大きな事故につながりかねないというふうなことについては日常的にきっちり報告しろと、こういうことを日ごろから指導しております。
 そういう意味で、このJALからの報告がなかったということは私どもも極めて遺憾に思っておるところでございますし、今後こういうことのないように強く指導しているところでございます。
#62
○佐藤雄平君 本当に大臣も冒頭で、災害に限らず国土交通省の役割というのは安全、安心ということを申しているわけですから、もうこれも人為的なもので事故が起こったら、これはやっぱり監督官庁の責任になると。航空局長、もう本当に心新たにというか、認識改めて、きちんとやっぱり航空行政に奔走していただかなきゃいけないかなと、そんな思いをします。
 続いて、今度、豪雪対策、これについてちょっとお伺いしたいと思います。
 中越の震災のときも私質問をさせていただきました。今は家が倒壊しないかも分からないけれども、しかし、雪が降ればこれは倒壊する危険度がうんと高くなるよと。現実問題として、雪の積雪に耐えれなくて倒壊している事例が出ております。
 雪の降らないところの地域の方には余りその認識がないかも分かりませんけれども、本当に豪雪の積雪寒冷地帯というのは大変なんです。まず家庭内でいくと、朝起きるとまずその雪片しから始まって、屋根の上の雪下ろし、それでまた自治体の最大の仕事というのは、もう朝四時、五時に起きてブルドーザーの除雪。これ福島県も会津地方、中通り、浜通りとありますけれども、会津地方、今年はまたその中通りも実は雪降っておりまして、極端な話、油代だけでも三十数億円掛かるというような状況でもあります。
 そういうふうな中で、この間内閣府が委員長の青森県に豪雪等の視察に行かれたということでございますけれども、国土交通省所管の中での豪雪対策というものは今どのようになっているか。そして先日、道路局からですかね、これは道路特定財源からお出しになるのかなと思いますけれども、除雪費に対する補助金を検討していると、そんな話も載っておりましたが、その実態についての状況をお知らせいただきたいと思います。
#63
○政府参考人(谷口博昭君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおりの状況になっておりまして、元々被災の受けました、中越地震で被災の受けました地域につきましても、委員の御地元と同じように豪雪地帯でございます。ほかに、青森県等の東北地方北部を中心にかなり豪雪というような状況になってきております。また、ライフスタイル等の状況の変化がございまして、私ども、重要な問題だというようなことで取組を強化させていただいているところでございます。
 今御指摘のございましたように、大臣の二月二十五日の指示を受けまして、また政府の調査団の、調査の一員として担当官を青森県、新潟県に派遣をして、今調査を進めさせていただいているところでございます。
 元々、国県道につきましては補助制度がございますが、市町村道につきましては基本的には交付税というようなことになっているわけでございますが、平成十二年度の、と同時に、のような豪雪の場合には特別の措置ができるということでございまして、今年度につきましても平成十二年度と同じような状況だというようなことでございまして、今調査をさせていただいているところでございますが、取りまとめを急いで、早急に措置をさせていただこうと考えているところでございます。
 また、もう一つのお尋ねの補助につきましては、基本的には補助率二分の一というようなことで、市町村道の場合でございますが、市町村道の場合でも、申し遅れました、幹線市町村道のみでございますが、補助制度があるのは。ということでございますが、二分の一ということでございます。道路特定財源の中から工面をして措置をさせていただくように、今準備を万端整えているところでございます。
#64
○佐藤雄平君 是非よろしくお願いいたします。
 次に、大臣に質問させていただきます。
 先週の参議院の予算委員会の中で小泉総理大臣が意気揚々と実は答弁している姿がどうしても私、頭の中に浮かんでいます。その答弁が、公共事業マイナスを、ずっと減らしてきた、その結果がいかにも景気が浮上していると。正に公共事業を減らしたことで景気が良くなったという極めて、誤解かも分かりませんけれども、私が聞いている限りそのような答弁をしておりまして、今後ともどんどん公共事業を減らしていくという発言をしておりました。
 公共事業の大半を所管している国土交通省として、また日本の今までの景気対策の大きな要素というのは、ある意味では財政を投入するというふうなことが景気の抑制策、イコール公共事業を発動するというのがその景気の抑制策であったのかなと思いますけれども、これはいつからその小泉さんが日本の景気対策の中での公共事業がその役に立っていないんだというふうな認識になったのか。
 そういうふうなことについて、いわゆるその景気対策について、国土交通省そのものは公共事業のその要素というのをどういうふうにお考えになっているのか、まず大臣の、先般の総理の答弁を考えながら、見てどのような感じをしているか、御所見をお伺いしたいと思います。
#65
○国務大臣(北側一雄君) 公共事業投資が景気効果がないということ、そんなことはあり得ないわけでございまして、当然これは経済効果があることは明らかでございます。
 問題は、一方で財政の健全化というものが本当に求められている中で、従来のような公共事業予算がどんどん増えてくるというふうなことはもうできないということは、私もそのとおりだと思います。財政の健全化のためにも、やっぱり公共事業予算について、やはりこれまで四年間抑制をしてきたわけでございますけれども、それは財政面を考えればそのとおりだろう。また、経済を考えましても、持続ある、また自律的な経済、民需主導の経済成長をしていく必要があるわけでございまして、そういう意味で、それは公共事業だけではなくて他の様々な対策も当然考えていかないといけないわけでございまして、そういう趣旨で私はおっしゃったんだろうというふうに理解をしております。
 もう一点付け加えさせていただきますと、この公共事業予算につきましては、これ平成十四年の一月の閣議決定なんですけれども、「「改革と展望」の対象期間を通じ、景気対策のための大幅な追加が行われていた以前の水準を目安に、その重点化・効率化を図っていく。」というふうに言っているんですね。これを基に徐々に徐々に抑制をしてきたわけですね。
 今年のというか、来年度、平成十七年度予算案につきましては、今ここの一般公共事業費につきましては七兆五千億ということで今御審議をいただいているわけでございますが、この七兆五千億というレベルがどの程度のレベルかといいますと、平成三年が七兆六千億なんです、平成三年が。平成二年が七兆三千億でございます。そういう意味では、今、私先ほど申し上げました累次の経済対策を追加する以前の水準に戻すんだという意味では、相当近い水準に持ってきているのではないのかというふうに思っているところでございます。
#66
○佐藤雄平君 前後をして、おととい、各都道府県の所得、県民所得がずっと内閣府が発表しておりました。その中でやっぱり一番顕著だったのが、所得格差がだんだん広がってきているんですね。東京が四百万、沖縄がたしか二百万だと。そして、いわゆる景気の動静の中でやっぱりその公共事業に依存しているところ、例えば鳥取県なんかべらぼうに。
 ですから、私自身、やっぱり小泉総理の答弁の中で、景気が良くなっていると。まあ確かに、これはもうリストラクチャーとか、企業がべらぼうなやっぱり努力をしている、改革が進んでいるという話になるんでしょうけれども、しかしながら、やっぱり地域間格差というのの是正というのは、やっぱり国土交通省の役割というのは相当大きな役割があるだろうと、そんな思いをしておりますんで、これはもう国交大臣、きちんとやっぱり頭の中に入れておいていただきたいと、そういう思いでございます。
 次に、さっきの景気対策の中で、私、公共事業というのはやっぱり有効需要を伸ばす、消費プラス財政投資、投入というのが有効需要になってきているわけですけれども、この辺のやっぱり財政投入の度合いというのはやっぱりその有効需要にだんだん効かなくなったのかなという疑問も持っているんです。
 それと同時に、もう一つは、私は、乗数効果というか、乗数効果というとかつて何か一・五倍、次の、次年度に現れているという、その答弁を聞いたことがあるんですけれども、乗数効果というのはどの程度になっているのか。これは事務方から答弁で結構ですが、お願いいたします。
#67
○政府参考人(丸山博君) 公共事業を一単位増やしたときGDPが幾ら増えるかというのが乗数効果でございますが、内閣府が公表しております二〇〇四年のマクロモデルでは名目ベースで一年目に一・二四というふうになっております。
 乗数が低下しているのではないかと今先生からお話がございましたが、一九八一年、安定成長期でございますが、そのときは、そのときのモデルでは一・二七、それからバブル期の一九九一年のモデルでは一・三九となっております。これで乗数が低下しているのかということでございますが、モデルの枠組みとかの違いがありますので、少なくとも低下しているという断言はできないのではないかというふうに理解いたしております。
#68
○佐藤雄平君 時間がなくなってきまして、所信の質問に戻らせていただきます。
 大臣のさっきの、安全、安心、そういうふうな中で、今度は国土政策を変えていくわけですね、国土計画。昭和三十六年から全総がずっと来て、つかさごとにその国土の対応というふうなことの政策を作ってきたわけでありますけれども、私はやっぱり、所信の中でも大臣が、自然災害、これと安全、安心ということになると、私はやっぱり国土計画の中にこれから災害の事項も入れなきゃいけないんだろう、そんな思いをしております。
 ついては、政府の中央防災会議、先ほども話が出ましたけれども、直下型の七・三マグニチュードが起きたときに百十二兆円の損失、それから一万三千人の死者が出る。さらに、私は、これ注視したのは、七百万人の避難者が出る。現実問題として、これ、東京直下型が起こった場合というのは、関東地域に私は避難場所がないと思うんです。これはどうしてもやっぱり拡大して、東北、それから長野県とか、そういうふうなところになってくる。しかし、今の現況というのは正に一極集中になっておりますから、その人たち、七百万人の人が避難する場所さえも失われつつ実はあるんです。
 そういうふうな意味合いの中で、私は、国土政策もいわゆる防災の対応、こんなことを考えた、地方を頭へ入れておかなきゃいけないかなと思いますし、また災害というのは、これ防ぎようがないわけですから、台風もそれから地震も防ぎようがない、それで被災者を少なくするということであれば、これは一極集中はどうしてもやっぱり多くするわけですから。
 この辺も、全体的な、私、国土政策、まあ国会移転まで行きたいんですけれども、時間がありませんからここは割愛させていただきますけれども、そのような中での国土政策の御所見を大臣にお伺いしたいと思います。
#69
○国務大臣(北側一雄君) 今の御指摘は、東京、首都圏にすべて一極集中していると、それで、万が一想定されているような首都圏での直下型地震、また海溝型の東海地震等で首都圏が大変な被災、被害を負ったときに大丈夫なのかと、そういうことをきちんと想定して、危機管理をやはりきちんと国土計画としてもしていくべきだというのは、私も全くそのとおりであるというふうに思っております。
 そういう意味で、やはり一極に機能が集中をするというのは、これはやはりこれからは見直していかないといけないと思いますし、バランスあるやはり発展というのが必要であるというふうに考えております。
#70
○佐藤雄平君 大臣の今のその答弁の中、もう本当にきちんと、百年後、禍根を残さないようなひとつ国土政策を進めていただくことを要望して、質問を終わらせていただきます。
#71
○委員長(田名部匡省君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時二分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#72
○委員長(田名部匡省君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、国土の整備、交通政策の推進等に関する調査を議題とし、国土交通行政の基本施策に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#73
○魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。
 若干質問をさせていただきますが、やはり国土交通政策、去年、災害多い年でございましたし、大臣もそのように、災害というものを中心に据えられているというふうにお伺いをしております。
 それで、年末にスマトラの津波というのが大きな被害をもたらしたわけでありますが、NHKでもこの間、テレビ見ておりますと、CGを使って巨大な津波が押し寄せたというような絵を見て驚いてしまいましたし、また映像を見ますと、大変な、水というよりは木材であるとか、そういう全身打撲で多くの方が亡くなっているなということが分かるわけであります。
 そういうのを見ておりますと、日本も大変な津波被害があって、私もいつも回っている千葉県でも元禄地震というのがありまして、一七〇三年に、房総半島の突端に野島というところがありますが、それが五メーターぐらい隆起したマグニチュード八・二という、今、野島崎と地続きになっておるのでございますけれども、その地震に伴って津波が起きまして、福島県から紀伊半島まで行ったと。そして、九十九里を中心に大変な津波が起きまして、九十九里のあちらの方をずっと走っていますと、要するに供養塔がもう大変数多いんですね、数十ある。鴨川には千人塚というのがありまして、もう集落全部流されてしまったというようなこともありました。
 また、歴史ひもとくと、一万二千人の被害が出た八重山諸島の津波でありますとか、大変な、スマトラじゃなくて我が日本こそ津波をしっかり対応しなきゃいけないというふうに思うわけでありますが、新聞報道などによれば、この要保全海岸ですか、一万五千キロのうち二割の海岸で津波の高さより堤防とか護岸が低いとか、あるいは河川の水門でも、全国六千五百か所中千二百か所が津波が来る前に閉鎖できないんではないか、あるいは三千か所以上が閉鎖できるかどうか分からないと。あるいは、東海地震や東南海等の想定される津波も、その海岸堤防でも六割ぐらいが耐震性の調査が未実施というようなことも報道されておりました。
 また、去年の九月ですか、紀伊半島沖地震の事例を見ても避難体制の不備というものが指摘されているところでございますが、国交省においては、この国内津波対策、現在どのような状況にあって、そしてまた、どのような課題が存在するというふうに認識しているか、お知らせください。
#74
○政府参考人(清治真人君) ただいま委員から数字も含めてお話がございましたが、我が国における津波に対する防護状況がどうなっているかということにつきましては昨年の五月に調査を行っておりまして、それによりますと、課題のところだけ申し上げますと、全国の海岸保全施設、延長一万一千キロございますが、このうちの三三%が地震が起こっても大丈夫だろうということが確認できておりますが、残りのところにつきましてはまだ調査が不十分であったりする部分がございます。この辺につきましては、更なる調査が必要かというふうに思っております。
 また、水門等の地震のときに津波に備えて閉めなければならないような開口部の対応が取れているところも、これもお話ございましたが、全国約七千か所ございますが、そのうちの二七%が確実に津波の到達までには閉まるということが確認されておりますが、残りの部分については更なる調査あるいは改善が必要になってまいります。
 また、ソフトの面でございますが、防災訓練でございますが、これ平成十五年度において何らかの津波に関する訓練がなされた市町村というのが、沿岸域の市町村九百九十一、市町村合併がありますので多少変わってきているかと思いますが、その中で六三%が何らかの訓練はしているということのようでございます。また、ハザードマップでございますが、これにつきましては、昨年の八月時点で百二十二市町村、一二%ぐらいが整備がなされているという状況にございます。
 これらの状況を踏まえまして、国土交通省、あるいは農林水産省も関係いたします。その横の連携を取りながら、耐震性がどうかということでありますとか、緊急的に施設が対応できるようになっているかと、こういうようなことにつきまして調査を進めまして、対策の緊急性の高いところから着実に対策を実施していかなければならないというふうに思っておりますし、また避難等につきましても、情報の収集、伝達でありますとか、それから海岸の利用者等にそれが十分伝わって避難しやすいようにと、こういうようなことについても今年の七月に総合的な津波の訓練を全国的に実施して、来年度以降もそのような面でも強化を図ってまいりたいと思います。
#75
○魚住裕一郎君 様々対策として課題がある中で、国土交通省は農水省とも連携して、十七年度予算で、ハード、ソフトにわたる事業を総合的に推進する津波危機管理対策緊急事業というのを創設するとのことでございますけれども、この事業の概要と見通し、期待される効果についてお知らせください。
#76
○政府参考人(清治真人君) 来年度から創設するようにしたいと思っておりますこの津波危機管理対策緊急事業でございますが、この中では、先ほど課題として掲げました水門等の確実な閉鎖のための自動化あるいは遠隔操作化、それから、ハザードマップを作成するために必要となります浸水予想区域の調査、あるいは堤防、海岸堤防等の耐震性の調査、こういうようなものを統合補助金の形で実施できるように、省庁間での連携ですとか、それからソフト、ハードにわたる対策を海岸管理者の裁量においてそのメニューの選定をしながら効果的に進めていけるような事業として創設しようとしているものでございます。
 この事業につきましては、人命最優先ということで、避難対策を促進したいという趣旨があるわけでございますが、ハードの整備と併せてこれらを総合的に進めていかなければならないと思います。
 また、これ海岸はそれぞれ特性がございますので、海岸の特性それから緊急性、こういうものを配慮しながら機動的に実施していくために極めて有効な事業になろうかと思います。海岸管理者と十分打合せをしながら、今後この事業によりまして、事業の推進を図ってまいりたいと思います。
#77
○魚住裕一郎君 津波対策、避難対策という点でいえば、このソフト対策、このハザードマップとか避難方法の整備とか、またハードとして、避難路、避難場所の安全性の確保、こういうことが大事になるわけでございます。
 ただ、津波が来るぞということで逃げても、もう裏山が崩れてしまったらまた意味のないことでございますし、また高いところがない海岸も当然一杯あるわけでございまして、津波避難ビルというんでしょうか、近くに高いマンションとかそういうのがあれば一定の高さまで逃げるということもあると思うんですね。それで参考になるのが、平成五年の奥尻島でなったところでございますが、あのところで北海道開発局が直轄事業として、青苗漁港の人工地盤というんですか、高さが六・六メーターぐらいあって、広さが五千平米ぐらいあるというようなものを造っておられて、来たらそこに逃げろと、ふだんは要するにいろんなイベント会場とかになっているようでございまして、まあなかなか海外からも最近注目されて、テレビカメラも来ているようでございまして、こんなことも大事だなというふうに思っているところでございます。
 ところで、国土交通省では、この津波対策の現状と課題の再点検を行って、基本的な方向性、また緊急のやるべきこと等の取りまとめのために津波対策検討委員会というのを先月設置したようでございますし、また今月中ごろ、もうそろそろ中ごろになりますが、取りまとめを行うというふうに報道されているところでありますが、現在の検討状況、そしてまた、今後、津波対策ロードマップをお考えのようでございますので、それらの点も含めまして、ハード、ソフト両面にわたる津波対策の強化に向けた大臣の御決意をお伺いしたいと思います。
#78
○国務大臣(北側一雄君) 昨年末のあのインド洋の大津波の本当に悲惨な被災状況を目の当たりにいたしまして、私の方から今年の年頭に、我が国国内の津波対策について、その現状、課題について総点検を是非この機会にしてもらいたいということをお願いをいたしました。今委員の方からおっしゃったように、専門家の方々、先生方に入っていただきまして、今、津波対策検討委員会で検討をしていただいているところでございます。早急にやるべきこと、少し時間が掛かること、両方あるかと思いますが、取りまとめを十六日、今月の十六日には提言をいただく予定で、今最終の御論議をいただいている最中でございます。
 これはどの災害でもそうなんですが、一つは平時の備え、これが大事だと思います。二つ目に、災害時の情報が的確に流されると。三番目に、やはり着実な社会資本整備をしていくと。この三つがどの災害においても大事なことだというふうに思うわけでございますが、特にこの津波対策といたしましては、まず平時の心構えとして、やはりこの津波ハザードマップを作成をすると、市町村に作成をお願いしていくということは大変大事なことだというふうに思っております。
 大規模地震による津波が想定される重要沿岸域というのは約一千の市町村がございまして、この一千、約一千の市町村におきましては津波ハザードマップの作成を是非お願いしたいと思っておりますし、その面での技術的また財政的な支援についてはしっかりとさせていただきたいと思っているところでございます。
 また、津波の場合は、地震があったときに事前に、津波が来るぞ、これはまあもちろんその間隔というのは違うわけです。短時間の場合もあれば、少し時間の余裕のある場合もありますけれども、この災害時情報、津波が来るぞと、津波警報が必要な地域に、必要な住民の方々にやはり的確に流されていくということが非常にこれはもう大事なことでございます。その辺の体制についてもよく検証をしなければならないというふうに思っておりますし、さらには、今委員がおっしゃったようなその避難をする場所ですね、高台に逃げないといけないわけでございますけれども、それぞれの個別の地域において、じゃその避難場所はどこなのかということをきちんと検討していただくということも、このハザードマップの作成の中で是非具体的に検討をお願いをしたいと思っているところでございます。
 いずれにしましても、ハード面、ソフト面併せた津波対策をこの機会に強力に推進をさせていただきたいと思っております。
#79
○魚住裕一郎君 本当に災害対策が大事な、津波だけではなくして、みんな議論をしているときに、先月の二十六日の新聞見てびっくりしました。首都圏直下型地震、損失が百十二兆とか、七百万人が避難生活とか、そんな記事が出ていたわけでございますけれども、首都圏直下地震というのは本当に衝撃的な内容でございますし、またショッキングな被害想定を発表していただいたわけでございますが、これは発表するだけで全然意味ないわけであって、人心を驚かすだけなんであって、国交省としてこれを受けて何をどうしようとお考えなのか、ちょっと見解をお伺いしたいと思います。
#80
○副大臣(蓮実進君) 委員御指摘のように、首都直下地震については二月の二十五日、中央防災会議の首都直下地震対策専門調査会が被害想定を公表いたしました。
 これによりますと、最悪のケースで想定される死者は一万三千人、経済被害が百十二兆円に及ぶと推計をされております。そのうち人的被害でありますが、これは建物の崩壊、倒壊ですね、それから火災による死者、これが一万三千人のうち一万二千人になるわけですね。要するに、住宅等の耐震化や不燃化を図って災害に強いまちづくりを進めることが喫緊の課題だというふうに思っております。
 住宅の耐震化につきましては、現在、全国で四千七百万戸あるわけですが、そのうちの千百五十万戸が耐震性が不十分であるというふうに推計をされております。今後十年間のうちに耐震化率の数値目標、大体九〇%ぐらい、これは家主の協力がないとできない、行政として余り言えない面もありますんで、九〇%を想定して強力に耐震改修を促進してまいりたいと思っております。また、災害に強いまちづくりを推進するために、密集市街地を解消して、燃えにくい建物への建て替えや避難地、避難路の整備なども進めてまいります。
 交通施設の被害についてでありますが、鉄道や道路での死者が合計で最大四百人、間接的な経済被害が一兆五千億円と推定されておりますので、鉄道の大地震に対する脱線対策、それから橋梁等の耐震化を推進してまいりたいと思っております。
 特に、緊急輸送道路の橋梁並びに新幹線や高速道路をまたぐ橋梁につきましては、平成十七年度から十九年度にかけまして三か年プログラムを策定をいたしまして重点的に耐震補強を実施することといたしております。地震発生時には、救助隊や物資輸送のための緊急輸送路を確保する必要がありますので、被災した道路、鉄道等の早期の復旧に全力を挙げるとともに、海上交通や河川舟運等の活用にも努めてまいりたいと思っております。
 国土交通省といたしましては、各種の施策を総合的に、また強力的に進めることによりまして、地震に強い国土づくりを推進してまいりたいと思っております。
#81
○魚住裕一郎君 時間なくなりましたので、一問だけ。
 今のお話の中で耐震化というのが言われておりますけれども、もちろん公共の建物、建造物の耐震化と一般家庭の耐震化は全然違うかもしれませんけれども、やはり減災ということを考えてみると、我々が住んでいる一般の家屋にも耐震化をしていくというのが一番大事かなと思っております。
 税制改正で、住宅ローン減税等の税制特例において、耐震性満たす中古住宅につきまして築後経過年数要件を撤廃するというふうな、取られたわけでございますけれども、この既存住宅ストックに係る耐震改修促進税制の創設、これ引き続き検討というふうに見送られたわけでございますが、これなども強力にやっていただいて、今の一千百五十万ですか、まだ足りないということでございますんで、これを早急にできる対応策を是非取っていただきたいし、また耐震改修促進法の、もう十年たちますわけでございますんで見直し等の課題もあろうかと思っておりまして、この住宅の耐震化促進対策につきまして大臣の御所見をお伺いして、終わりにしたいと思います。
#82
○国務大臣(北側一雄君) 今、蓮実副大臣の方から答弁させていただきましたように、直下型の地震であれ、また海溝型の地震であれ、住宅また建造物の損壊による被害というのが一番多いわけでございます。やはりこの住宅・建造物の耐震化、早急にこれは進めていく必要がある。十七年度予算でも予算面、税制面で、今おっしゃったように、幾つか措置はとられておりますが、まだ不十分だと考えております。更に税制のインセンティブを働かせるべきであるというふうに考えますし、また耐震改修促進法につきましてもこの際見直しをさせていただいて、耐震化が飛躍的に進めるようなそういう制度をしっかりと構築をさせていただきたいというふうに思っております。
#83
○魚住裕一郎君 終わります。
#84
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。
 大臣所信を受けて、私は整備新幹線長崎ルートの問題をお尋ねしたいと思います。
 長崎ルートの事業採択は、昨年十二月十六日の政府・与党合意に基づいて決定をされましたが、長崎、佐賀両県では大変大きな政治問題になっております。今回の北海道、北陸、そして長崎について見ますと、武雄温泉から諫早までというこのルートの採択は、小泉内閣発足以来初めてのことですし、長崎ルートでいいますと八年ぶりに突如再燃した話だというふうに言われているわけです。
 西日本新聞が、参議院選挙前の昨年の七月ですけれども、長崎県民を対象にしてアンケート調査を行ったことがございます。この結果を見ますと、推進すべきだというふうにおっしゃる方が二八・五%であるのに対して、三六・二%の方が時間短縮が少なく中止すべきだと回答をしておられて、つまり中止が十二ポイント上回っている、そういうふうに世論は大きく分かれているわけです。
 特に、長崎県知事が佐賀県の負担分を一部肩代わりすることを前向きに検討するというふうに県議会で答弁をされて、そこまでして新幹線が要るのかという批判が広がっています。佐賀県では、JR長崎本線がJRから経営分離されるということなどをめぐって、並行在来線沿線の自治体や議会、住民一体となった大きな反対運動が起こっています。
 この整備新幹線をめぐって、我が党は、旧鉄建公団からの天下り問題やゼネコンの多額の政治献金問題など、政官財の癒着問題を取り上げてきました。また、将来の新幹線譲渡収益の前倒しや根元受益といった国の財源問題、費用対効果の問題、あるいは既存第三セクターの赤字問題や新幹線騒音などの公害問題などたくさんの問題がありまして、引き続き追及をさせていただきたいと思いますけれども、今日は時間の関係で幾つかの点に絞ってお尋ねしたいと思います。
 まず、鉄道局長に、九州新幹線長崎ルートの取扱いについて二〇〇四年十二月十六日の政府・与党申合せはどんな内容になっているか、紹介をいただきたいと思います。
#85
○政府参考人(梅田春実君) お答えいたします。
 九州新幹線長崎ルートにつきましては、昨年十二月十六日の政府・与党申合せにおいて、「並行在来線区間の運営のあり方については、長崎県の協力を得ながら佐賀県において検討を行うこととし、速やかに結論を出すこととする。調整が整った場合には、着工する。」とされているところであります。
#86
○仁比聡平君 そのような考え方で予算としては十億円の頭出しをするということかと思いますけれども、つまり着工は地元の調整が付いてからだということであって、現時点では関係地元自治体の同意が得られていないということが前提になっているわけです。
 そこで、どのような同意が求められているのか、何についての、だれの、だれに対するどのような形式での同意が求められているのか、この点を明らかにしていただきたいと思います。
#87
○政府参考人(梅田春実君) 並行在来線の経営分離についての沿線地方公共団体の同意につきましては、新幹線整備の基本条件の一つとして、政府・与党検討委員会の検討の過程において県又は道から確認をしているものでありますが、建設着工に際し、前回の整備新幹線の新規着工の際には、まずJRから示された並行在来線の経営分離区間に関する経営分離の考え方について沿線の都道府県知事及び市町村長から、私でございますが、鉄道局長に対し文書で回答をいただいているところであります。基本的には今回も同様なものと考えております。
#88
○仁比聡平君 つまり、沿線自治体全部から書面による同意が必要だということかと思うんですが、現在この長崎ルートについて経営分離をされる区間を指定した上での同意確認作業が行われているのでしょうか。その区間の範囲についてお尋ねをします。
#89
○政府参考人(梅田春実君) 現在、佐賀県において行われております地元の調整等がございますが、九州新幹線長崎ルートの武雄温泉―諫早間の整備に伴う並行在来線の区間といたしまして現在の長崎本線の肥前山口―諫早間が対象ということで、その確認作業に調整が行われているというふうに聞いております。
#90
○仁比聡平君 先ほどの答弁を併せて考えますと、今の経営分離をされる肥前山口から諫早までの区間というのは、これはJR九州が決めて、で、それに基づく同意確認作業が行われているということかと思うんですね。
 これまで各地で行われてきた経営分離では、実際には需要の見込まれる区間はJRが取る、だけれども、とりわけ赤字の路線が自治体、第三セクターに渡されてきて、これが第三セクターの経営を困難にしてきた大きな原因になってきたかと思います。政府が行う同意確認の作業でありながら、なぜJRが主導して決めていくのかという点についても重大な問題があるというふうに思いますけれども、これは別の機会にお尋ねをすることにしたいと思います。
 こういう中で、大臣、御存じかと思いますけれども、鹿島市という佐賀県の長崎本線沿線の自治体の議会が十二月三日に全会一致で長崎ルートの建設計画に反対しJR長崎本線の存続を求める意見書を採択をして、大臣に届けられているのではないかと思うんですね。
 少し紹介をしますと、最近の国及びJRの動向として新幹線ありきの考え方があらわになっていることには不信感を抱かざるを得ない、またJR九州から出された最終案は、企業論理に基づく内容であり、到底、沿線地方公共団体としては受け入れられないものになっている、費用対効果についても、県民が最も知りたい佐賀県内に及ぼす効果は何も分からない内容であり、これでは我々が望んでいる広く県内で議論することさえもできない状態である、国及び地方公共団体においては非常に厳しい財政状況の下、懸命に行財政改革に取り組んでいるところであり、これら十分な議論と時間がないまま強行されるようであれば、新幹線建設そのものに反対せざるを得ないというのがその内容の一部かと思います。
 佐賀の、この鹿島の市議会ではこの決議を上げて、市議会全員の議員さんが街頭に出て署名を行ったり、あるいは住民ぐるみの集会が行われて、昨年十二月に、鹿島市は人口三万人の町なわけですけれども、ここで千五百人の人々が集まっておられるというんですね。住民の皆さんが集めていらっしゃる署名の中には、長崎本線は七十年の歴史、通勤通学の重要な足であり、有明海西岸地域を結ぶ動脈として役割を果たしていますというような趣旨が語られています。
 この署名用紙は、取扱団体、鹿島市の区長会の方々のものなんですが、私、現地にお訪ねをして、聞きましてびっくりしましたけれども、鹿島市にJR長崎本線存続運動市民会議という運動体がつくられて、そこには、市議会や今の区長会はもちろんのことですが、商工会議所や青年会議所、農協、漁協、森林組合、観光協会、体育協会、文化連盟、老人クラブ連合会、子供クラブ、PTA連合会、それから高校の教育振興会、あるいは連合青年団、労働団体としては連合佐賀の鹿島藤津地域協議会、この市内のあらゆる団体が参加をしてJR長崎本線の存続を求める署名の取組をしておられるということです。
 先ほど鉄道局長からお答えをいただいたお話を前提にしますと、このような沿線自治体のすべてから同意を求める、同意を得るということが求められていて、つまり、一つでも自治体が反対をしていれば着工しないということになるはずだと思いますけれども、そのように受け取ってよろしいでしょうか。
#91
○国務大臣(北側一雄君) これまで同様に、沿線地方公共団体全体の同意を得た上で工事実施計画の認可を行い、着工するということでございます。これが基本でございます。
#92
○仁比聡平君 基本でございますというのは、つまり、一つでも同意がなければこれは着工はできないというふうに理解してよろしいんですか。
#93
○国務大臣(北側一雄君) そのように御理解いただいて結構でございます。
#94
○仁比聡平君 百歩譲りまして、政府・与党合意の枠組みによるとしても、地元が求めるなら整備をするというところにその大きな柱の一つがあるのだろうと思います。そうなら、何が何でも沿線自治体を説得をしようとしたり、まして見切り発車をするというようなことをせずに、ですから、期限を設けずに地方公共団体の自主性を最優先するというふうに思いますので、長崎ルートについてそのように対応するよう改めて求めておきたいと思います。
 その鹿島市に私伺いまして、自治体の助役さん始めとした担当者の方々や住民の方々の思いを伺ってまいりました。その中で、新幹線建設が地域経済に役立たないのではないか、自治体負担はどうなるのか、生活の足であるJR長崎本線は存続できるかなどなど、極めて強い疑問が出されましたし、このたび合併をしました諫早市の旧高来町、小長井町、この長崎本線沿線の旧自治体でも強い疑問が出されているところです。
 これまでの経過を見る限り、沿線自治体のこのような疑問に対する正面からの回答あるいは情報が与えられているとは私は到底思えませんので、今日政府に責任のある答弁を求めたいと思うんですが、まず新規に採択をされた武雄温泉から諫早までの長崎ルート、ここの新規建設分の建設費及びその建設費について、長崎、佐賀両県及び県内の自治体の負担がどれだけになるのか、ここをお答えいただきたいと思います。
#95
○政府参考人(梅田春実君) 九州新幹線長崎ルートの武雄温泉―諫早間の建設につきましては、総額約二千七百億円とはじいて、試算しております。
 御指摘の長崎県、佐賀県両県の負担額につきましては、工事内容と併せ現在精査中でありまして、確定しておりません。これは工事実施の認可をする前に正確に精査いたします。その際に建設費の全体の額が決まってまいります。また、両県内の市町村の負担額につきましては、県が当該市町村の意見を聞いた上で、県議会の議決を経て決められるという仕組みでございます。両県の負担額も確定しておりませんので、市町村の負担額も確定しておりません。
#96
○仁比聡平君 報道やあるいは両県の議論の中で、長崎県負担分が三百十億円で佐賀県分が百八十億円だという数字が出されているんですけれども、今のお話でいいますと、その数字については国としては言わば責任が持てない、責任は持てない数字だというふうに理解してよろしいですか。
#97
○政府参考人(梅田春実君) 御指摘のような報道があるのは新聞でございますので承知しておりますけれども、その根拠については私ども承知しておりません。
#98
○仁比聡平君 もう一点、これは長崎県が県民向けに出しているパンフレットなんですけれども、これを見ますと、整備区間が武雄温泉から長崎市の場合は建設費が約三千八百億円で、長崎県負担がその場合は五百十億円になるというふうな数字が出されているわけです。そもそも長崎駅まで新幹線を整備するという計画は十二月の政府・与党合意の中にもないと思いますけれども、この数字はどのように考えたらいいんでしょうか。
#99
○政府参考人(梅田春実君) 長崎ルートにつきましては、先ほど申しましたように、武雄温泉と諫早の間が二千七百億円と試算しております。諫早と長崎の間が一千百億円というふうに試算しております。したがいまして、今回、着手といいましょうか、政府・与党申合せの中で書いておりますのは武雄温泉と諫早の間だけでございまして、これは先ほど言いましたように二千七百億円でございますので、今回の、諫早と長崎の間は今回の申合せの中では何も対象になっていないというのが事実でございます。
#100
○仁比聡平君 次に、新幹線の開業と同時に経営分離をされるということになるその第三セクター会社の出資金も自治体の負担になります。長崎ルートについてはまだ経営分離すら決定していないわけですから数字はないと思いますので、最初に整備新幹線が建設をされて初めて三セク化をした長野のしなの鉄道について伺いたいと思います。
 資本金が幾らで、長野県と沿線市町村が幾ら負担をしたのか、それからもう一点、JRから路線や駅舎、車両などの鉄道資産を受け継ぐのに幾ら掛かったのか、御答弁をお願いします。
#101
○政府参考人(梅田春実君) 御指摘の北陸新幹線、軽井沢―長野間の並行在来線でございますしなの鉄道の出資金の額でございますが、二十三億六千四百万円でございます。また、この出資の割合でございますが、民間が約一〇%ございますので、これを除きまして、公共で大体九〇%持っております。長野県が七五%、沿線の市町が一五%ということでございます。
 また、しなの鉄道の鉄道資産につきましては、JRから譲渡が行われましたが、その価格は当時百三億円であったと聞いております。
#102
○仁比聡平君 JRは一切負担しないというわけですよね。一方で沿線自治体はそのような負担があると。さらに、JRが経営を分離をするところは過去の例でも赤字路線で、その赤字の穴埋めまで税金投入をする可能性があります。その結果、三セクの経営が苦しくなって、運賃が値上げをされ、住民の犠牲になっているというのが実態だと思います。
 どれだけの値上げになったのか。JRから経営分離後、開業以来のしなの鉄道、青い森鉄道、いわて銀河鉄道、肥薩おれんじ鉄道、その四つ、どれだけの運賃値上げになったか、お答えください。
#103
○政府参考人(梅田春実君) 今御指摘の四つの線区におきまして並行在来線が第三セクターにより運行されております。具体的には、しなの鉄道、青い森鉄道、IGRいわて銀河鉄道、肥薩おれんじ鉄道の四社でございます。それぞれの線区におきまして、JR時代の運賃と比較いたしますと、幅でございますが、各社それぞればらばらでございますので、普通運賃で見ますと、一・一倍から一・五八倍ということでございます。
#104
○仁比聡平君 定期ではどうですか。
#105
○政府参考人(梅田春実君) 定期におきましては、約一・三倍から、通学の一番高いところで一・六五倍、通勤の一番高いところで二・一倍ということでございます。
#106
○仁比聡平君 つまり、利用者、住民は自治体負担あるいは運賃の値上げ、また本数が減ったり直通列車がなくなったり路線が廃止されたりと等々、重なる犠牲を押し付けられてきたわけです。そのような住民と自治体を犠牲にすることでいいはずが私はないと思います。
 大臣にお尋ねをしたいと思いますが、JRが、つまり長崎ルートでいえばJR九州がもっと役割を果たすということもできるはずではないんでしょうか。JR九州でいいますと、株式は公開をされずに、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構、ここが一〇〇%の株を持っています。さらに、毎年毎年固定資産税など約四十億円もの減免措置が行われて、分割民営化後、総額ではこれは約八百億円になると思うんですね。つまり、国が大きく関与をしている特別な会社です。なぜここで経営を分離をしなければならないのか。
 そして、JR九州については、分割民営化の議論のときにも、北海道、四国、九州のいわゆる三島会社、ここは経営が特別困難だということは分かっていました。だからこそ申し上げたような優遇措置がとられてきたわけですけれども、こういう会社から経営を分離したら第三セクターの経営が大変になるというのは火を見るよりも明らかではないんでしょうか。だからこそ、そういった事態になっている今の政府・与党の枠組みにこそ私は問題になると思いますし、あると思いますし、そこをしっかり見直すべきではないか、政府やJRが責任を果たすように見直すべきではないかと思いますが、大臣の御所見を伺いたいと思います。
#107
○国務大臣(北側一雄君) 整備新幹線のこれまでの整備につきましては、これは地元の自治体、県、市町村等々、それはもう是非この整備新幹線を整備してもらいたいと、そういう強い要請があって、そして整備をしてきたわけでございます。そして、その上でJRへの経営の過重な負担を避けるために、第二の国鉄をつくってはならないという観点から、新幹線開業時においてはJRから経営を分離をするということにしているわけでございまして、JR九州につきましても、新幹線開業時に九州新幹線長崎ルートの並行在来線をその経営から分離するということは、今申し述べました趣旨から必要なものというふうに考えているところでございます。
#108
○委員長(田名部匡省君) 時間ですので。
#109
○仁比聡平君 終わります。
#110
○渕上貞雄君 社民党の渕上でございます。附帯決議に対する認識について大臣の見解をお伺いいたします。
 私は今ここに、一九八六年、昭和六十一年十一月二十八日、本院の日本国有鉄道改革に関する特別委員会において行われました日本国有鉄道改革法案、旅客鉄道株式会社及び日本貨物株式会社に関する法律案、それから新幹線鉄道保有機構法案、日本国有鉄道清算事業団法案、日本国有鉄道退職希望職員及び日本国有鉄道清算事業団職員の再就職の促進に関する特別措置法案、鉄道事業法案、日本国有鉄道改革法案など施行法案並びに地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議、いわゆる国鉄関連、国鉄改革関連八法案に対する附帯決議を持っておりますが、まず初めに、附帯決議というものについて大臣はどのように認識されているのか、お伺いします。
#111
○副大臣(岩井國臣君) 附帯決議につきましては、法的な拘束力があるというものではないかも分かりませんが、国会の意思ということでありますので、政府としては当然これを尊重すべきものというふうに考えております。
#112
○渕上貞雄君 私どももそのように認識しておりますから、どうかひとつ尊重していただきたいと思います。
 次に、地域中小企業への配慮について今、副大臣の方から認識をお伺いいたしました。ここで、国鉄改革関連八法案附帯決議並びに二〇〇一年、平成十三年十一月七日に出されています大臣告示第千六百二十二号について触れ、その上で見解をお伺いをしたいと思います。
 附帯決議の第三項では、各旅客鉄道株式会社等の経営の安定のため、関連事業の積極的な拡大を図るとともに、当該事業分野における中小企業者への影響に配慮するため、分野調整法等の趣旨に基づき当該地域における事業団体との調整、公正な競争条件の確保に努めることが明記されております。
 また、大臣告示では、「新会社がその事業を営むに際し当分の間配慮すべき事項に関する指針」として、その第三項において、「中小企業者への配慮に関する事項」として、「新会社は、その営む事業が地域における経済活動に与える影響にかんがみ、その地域において当該新会社が営む事業と同種の事業を営む中小企業者の事業活動を不当に妨げ、又はその利益を不当に侵害することのないよう特に配慮するものとする。」とあります。告示はJR新会社発足に当たってのものですが、いずれも地域中小企業者への配慮を明記したものであります。
 そこで、お伺いをいたしますが、JR四国バスの参入をめぐって幾つかの問題が発生をしております。既に国土交通省は十分に把握されておると思いますので、内容については簡潔に述べたいと思いますが、まず第一には、徳島県における四国交通の問題です。
 四国交通は、県西部を中心とした生活路線バスと京阪神間への高速バスを運行しているバス会社であります。国、地方自治体からの助成とともに、高速バスの運行利益でもって生活路線バスの経営損失を補っています。問題は、この高速バス路線に、これまで通過していたJRバスが途中県内四か所を停留所を申請をしてきたのです。この四か所の停留所が認められてしまいますと、収入低下はもとより、四国交通としての存続すら危ぶまれる状況が生まれます。
 このため、地元八町村は、二月の二十四日に国土交通省、四国運輸局あて、JRバスの停留所については認めないよう要望書を提出し、徳島県議会においても三月四日、「地方生活バス路線の確保に関する意見書」を採択、地域住民の生活、利便性を著しく低下させるものであり、そうした事態を招いてはならないとしております。
 二つ目は、愛媛県宇和島への八幡浜、松山市からのJRの中距離高速バス延伸であります。
 現在、宇和島など南予の地域経済は、自動車や電機関連産業が相次ぐ撤退により、大変厳しい実態にあります。地域の中小バスも、その影響を受けて例外ではありません。仮に中距離バスが宇和島に延伸されることになれば、大幅減収が予想され、経営が窮地に追い込まれることになることは火を見るより明らかであります。
 この間、南予地域では、運輸局の指導もありまして、JR四国が地方バス路線から全面撤退をし、地元の民間バス会社、宇和島自動車が路線を引き継いだという経緯があります。また、これまでの共同運行会社と協力をして施設の充実を図り、サービス改善に努めているところです。申請では、延伸先である宇和島市にはJRバスは営業所を持っておらず、運行管理上、特に安全運行確保の観点から不安視する声も上がっております。不採算路線からの撤退をして、収益路線である高速バス路線への強引ともいえる参入には多くの実は反発を招いているところです。
 そこで、二〇〇二年の、平成十四年二月に道路運送法が改定をされまして、需給調整撤廃が廃止をされております。今申し上げましたようなこれらの経緯を踏まえて対応されるべき問題だと考えますが、その見解についてお伺いをいたします。
#113
○国務大臣(北側一雄君) 今の事案につきましては、今年の一月に、停留所の新設及び路線の延伸を含めた事業計画の変更申請が提出をされたところでございます。
 もう委員もよく御承知のように、停留所の新設につきましては、現行制度では基本的に事業者の自主的な判断で行うということになっております。ただ、路線の延伸については、輸送の安全確保や事業遂行能力などの認可要件を満たすものについて認められるというふうになっております。
 こういう制度の仕組みになっておるところでございますが、しかし、先ほど来委員のおっしゃっています参議院、国会での附帯決議、当該事業分野における中小企業者への影響に配慮するという趣旨に従って、この問題についてはやはりよく慎重に対処していかないといけないというふうに考えておるところでございます。
 この計画が実施された場合に、地域の中小バス事業者の運行する生活交通に重大な影響を与えるおそれがあるという、そういう声も私は直接聞いておるところでございまして、こうした地元の利用者や関係者の意見にも十分に耳を傾けながら慎重に対処してまいりたいというふうに考えております。
#114
○渕上貞雄君 今申し上げましたように、やはり地方の生活路線を担当するところは、やっぱり内部補助的な役割として、もうかる路線はきちっともうかってもらいたいと、その代わり赤字のところも運営していくということでその地域全体の生活交通の足を守っているという、どうか実情を踏まえていただいて、今答弁ありましたように、どうか慎重な対応をよろしくお願いを申し上げておく次第でございます。
 次に、タクシーの現状についてお伺いをいたします。
 タクシーの規制緩和から三年が経過をいたしまして、この間、一万四千台に上るタクシーの増加と価格競争が激化をしたことが伝えられておりますし、私は昨年の秋に質問をしたときに、値下げで利用者が増え、営業収入が増え、賃金が上がるからいいではないかというような意味の回答がございました。実態はそのとおりになっているかどうかが問題でありまして、国土交通省の現状の認識についてお伺いをいたします。
 また、過日、予算委員会において我が党の同僚議員であります質問の中で、タクシーの乗客の下げ止まるということが答弁をされておりましたけれども、輸送人員、輸送キロ、輸送回数、運送収入、実車率及び一日一車の運送収入、輸送回数についても下げ止まりと言えるかどうかというのは甚だ疑問でありまして、台数が一万四千台をも増えているにもかかわらず輸送人員が横ばいということは、運転者の実態はますます厳しくなっているのではないかと思われます。
 それは、規制緩和で良くなると言っていたこととの食い違いがあるのではないかというふうに思うんですが、輸送人員は私どもの調査でも確かに下がっておりますので、そこら辺りの認識をひとつお伺いいたします。
#115
○政府参考人(金澤悟君) 規制緩和後のタクシー事業の現状についての御質問でございます。
 ハイヤー・タクシー事業は、昭和四十年代から長い間、需要が減少傾向にございまして、規制緩和以前から事業をめぐる経営環境は大変に厳しいものであったということでございます。
 こうした中で、事業者が創意工夫を生かして利用者のニーズにこたえ、それによって事業の活性化がもたらされると、こうしたことを期待いたしまして、平成十四年二月に、改正道路運送法が施行されたという経緯でございます。
 その結果はどうだということでございますが、この結果、現在までに、全体のタクシー事業者の約六%に当たります三百八十の事業者の方々の新規の参入がございました。ほかにも、様々な運賃、新しいタイプの運賃が導入されるということもございまして、輸送人員はそれまで、規制緩和直前の平成十三年に二十三億四千万ございました総輸送人員が、十四年には二十三億七千万、十五年には二十三億五千万と、それまで以前の毎年約一億人近く減っていたのに比べますと、やや下げ止まりの傾向を見せておるというふうに私どもとしては認識をいたしております。
 しかし、一方で、渕上委員おっしゃいましたとおり、新しい、新規参入の車両が一万四千台に上っているということの中で、全体の需要はまだ上向きに転じていないという状況にはあろうかと思いますので、増加した分だけ一日一車当たりの売上げが下がっておる。したがって、それに伴ってタクシーの運転手の皆様の年収も、これは厚生労働省の調査でございますが、規制緩和前の年収三百三十四万円、これ平成十三年度でございますが、それに比べて十五年度には三百十五万円と、二年間で約六%減少しておると、このような状況にあるわけでございます。
#116
○渕上貞雄君 次に、規制緩和についてお伺いをいたしますが、先ほど少し触れましたけれども、二〇〇二年二月の道路運送法が改定をされまして需給調整が廃止をされました。その後、路線バスや高速バス、貸切りバス、さらにはタクシーにおいて様々な事態が発生をしておりますし、その一つ一つの事象が悪いとは言えませんけれども、好ましいことではない事象も多くあることと思います。
 大臣は衆議院の予算委員会の第八分科会において、規制緩和、規制改革がすべて正しいとは私は思いませんと述べております。また、経済規制というものはすべて自由化されないといけないんだ、また規制緩和というものは外していかないといけないんだ、これらが当然だ、それが善なんだというふうな考え方というのは、私はそういう、そうではないというふうに考えておりますと述べられております。
 この点については私も同感でございまして、その上で大臣にお尋ねをいたしますが、規制緩和後のバスやタクシーなどの公共交通について、再規制をやはり検討し考える時期に来ているのではないかと思うんでありますが、やはり、安全が確保されるようなルールを早急にやはり考えるべきだと思いますけれども、大臣の見解はいかがでございましょうか。
#117
○国務大臣(北側一雄君) 当然、安全、安全面での、安全面の確保というのは、特にこういう交通事業者にとっては最優先のことであると思っております。
 そういうその安全面からの社会的な規制というのは当然あってしかるべきものでございまして、それが規制緩和、規制改革という一点でそうした規制が緩くなってしまって、結局は、結果として利用者に対して大変な不利益を掛けてしまうことがないようにこれはしていかないといけないというふうに考えております。
#118
○渕上貞雄君 規制緩和実施をした後、もう三年以上たっておりますから、どうかでき得れば、これらの問題、実態を踏まえて調査なり行っていただいた上で御検討いただきたいと御要望を申し上げておきたいと思います。
 次に、安全輸送問題についてお伺いをいたします。
 何度も申し上げますけれども、交通運輸の基本は安全輸送の確保にあるわけでして、大臣はハインリッヒの法則というものは御存じだと思います。これは、一つの大事故が背後に、一つの大事故の背後には、二十九の被害の小さな事故と被害を伴わない三百件の事故、さらには潜在的な事故につながる可能性を持った無数のインシデントが存在するというものです。元々、運輸事故を対象領域としたものではありませんけれども、運輸事故の分析の場合にも援用されているようにもなっておりますし、すなわち安全には費用が掛かるということでありますが。
 このことをやはり交通運輸事業者は十分認識をすべきでありますし、そこでお伺いをしますが、客室乗務員の派遣制度を入れるという話がございます。既に現場の客室乗務員からは、導入、不安視する声が上がっておりますし、一九九四年のアルバイトスチュワーデス問題では、当時の運輸大臣は、同じ仕事をする者が労働条件が異なればチームワークや一体感に欠け、緊急時の対応など安全上問題があると発言をされておりますし、派遣労働者の場合はそれ以上に問題があると思います。
 チームワークと経験は安全の基礎とも言えますが、安全を不安視する現場の声を無視するような制度導入には疑問を感ぜざるを得ませんし、潜在的な事故につながる可能性を持った無数のインシデントではないかもしれませんが、第二次災害を防止をするというのも災害拡大をさせない方策でもあります。そのためには客室乗務員のチームワークや経験が生かされるのではないでしょうか。また、複雑な雇用関係を現場に導入して安全品質を低下させるのではなくて、安全を支える労働環境にもやはり責任を持って運航をすべきであると考えます。公共交通機関としての航空会社が果たすべき社会的責任ではないかと思いますが、その見解はいかがでございましょうか。
 また、ここにきて、千歳空港における管制無視やくろしお鉄道事故、観光バスの転落事故など発生をしておりますが、大臣の安全輸送への決意をお伺いをして、質問を終わります。
#119
○国務大臣(北側一雄君) 新千歳空港での事案につきましてJALの役員の方々が来られたときに私が申し上げましたのは、今委員がおっしゃったとおりでございまして、大事故というのは、結局軽微ないろんなミスが重なって大事故につながっているのではないかと、私は今回のこういう事案というものをもう徹底してJALは分析をしてもらいたいということを強くお願いしました。
 これは、様々なミスが、様々な気の緩みが、また組織の緩みがこうした事案につながっているわけでございまして、本当にこれが事故につながらなかったから良かったんであって、このことを是非契機にそういう見直しを、体制の見直しをしっかりとやっていただきたいということを強く言ったところでございます。
 委員のおっしゃった趣旨には、私は全く同感でございます。
#120
○政府参考人(岩崎貞二君) 派遣乗務員の件についてお尋ねがありましたので、簡潔にお答えさせていただきます。
 客室乗務員、先生御案内のとおり安全に対して重要な役割を担っております。この客室乗務員を派遣会社から受け入れるという動きがあるというのは私どもも承知をしております。
 ただ、受入先であります航空会社で派遣の客室乗務員も自社の乗務員と同様徹底的な所要の教育訓練を行うということを言っておりますので、安全上の問題は、それ自体では大きな問題はないと考えております。
#121
○委員長(田名部匡省君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後二時四分散会
ソース: 国立国会図書館
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