くにさくロゴ
2005/04/19 第162回国会 参議院 参議院会議録情報 第162回国会 国土交通委員会 第12号
姉妹サイト
 
2005/04/19 第162回国会 参議院

参議院会議録情報 第162回国会 国土交通委員会 第12号

#1
第162回国会 国土交通委員会 第12号
平成十七年四月十九日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十四日
    辞任         補欠選任
     大久保 勉君     岩本  司君
 四月十八日
    辞任         補欠選任
     岩城 光英君     秋元  司君
     岩本  司君     神本美恵子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         田名部匡省君
    理 事
                田村 公平君
                脇  雅史君
                大江 康弘君
                佐藤 雄平君
                山本 香苗君
    委 員
                秋元  司君
                岩井 國臣君
                太田 豊秋君
               北川イッセイ君
                小池 正勝君
                末松 信介君
                鈴木 政二君
                伊達 忠一君
                藤野 公孝君
                池口 修次君
                神本美恵子君
                北澤 俊美君
                輿石  東君
                前田 武志君
                山下八洲夫君
                魚住裕一郎君
                仁比 聡平君
                渕上 貞雄君
   国務大臣
       国土交通大臣   北側 一雄君
   副大臣
       国土交通副大臣  蓮実  進君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        伊原江太郎君
   政府参考人
       国土交通省航空
       局長       岩崎 貞二君
   参考人
       定期航空協会会
       長        新町 敏行君
       定期航空協会理
       事長       大辻 嘉郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○国土の整備、交通政策の推進等に関する調査
 (航空機の運航における安全確保に関する件)
○水防法及び土砂災害警戒区域等における土砂災
 害防止対策の推進に関する法律の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(田名部匡省君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十四日、大久保勉君が委員を辞任され、その補欠として岩本司君が選任されました。
 また、昨日、岩城光英君及び岩本司君が委員を辞任され、その補欠として秋元司君及び神本美恵子君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(田名部匡省君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査のため、本日の委員会に国土交通省航空局長岩崎貞二君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(田名部匡省君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(田名部匡省君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査のため、本日の委員会に定期航空協会会長新町敏行君及び定期航空協会理事長大辻嘉郎君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(田名部匡省君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(田名部匡省君) 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査のうち、航空機の運航における安全確保に関する件を議題といたします。
 本件につきまして政府から報告を聴取いたします。北側国土交通大臣。
#8
○国務大臣(北側一雄君) 航空機の運航における安全確保について御報告をいたします。
 既に御報告をいたしておりますとおり、三月十七日、日本航空グループにおいて発生した一連の安全上のトラブルにかんがみ、日本航空インターナショナルに対して事業改善命令を、また日本航空ジャパン及び両社の持ち株会社である日本航空に対して警告書を発出したところでございます。
 これに対し、去る四月十四日、日本航空グループからこれらの事業改善命令及び警告書に対する改善措置の報告がなされたところであります。この報告には、三月十七日以降の一連のトラブルの原因及び再発防止策も含まれております。日本航空グループからの報告書は、一連の安全上のトラブルに共通する要因、背景についての分析が行われ、それらを踏まえた上での改善措置が取りまとめられております。
 まず、発生に至った原因についてでございますが、安全性に対する認識不足、情報の迅速かつ的確な共有の不足、定時性の確保や時間制約からのプレッシャーを挙げております。その背景として、安全が最優先であることをグループ全体に浸透させる経営の取組が不十分であり、安全と定時性を安易に両立させようとする風潮が現場に生じ、また持ち株会社と二つの事業会社という枠組みの中で、部門間の意思疎通や現場と経営トップとのコミュニケーションが不十分であったとしております。
 日本航空グループは、このような要因、背景を踏まえ、経営として反省し改善すべき点として、安全を前提としたサービス向上をグループ全体に徹底させ、すべての社員に安全意識にのっとった自律的な行動を促し、経営トップによって自らが現場に積極的に出向いて風通しの良い職場風土の醸成に努力することを挙げております。
 具体的対策といたしまして、全社一丸となった安全意識の改善を図るため、経営トップが現場に出向き継続的な安全ミーティングを開催すること、ヒューマンエラー防止のための手順、マニュアルの見直しや遵守の徹底を図ること、さらには、社長直属の安全補佐及び安全対策本部会の新設など、安全組織体制の見直しを図ることが取りまとめられております。
 私は、これらの改善措置が真に実効あるものとなるためには、今後着実に改善措置が実施され、経営トップ自らが率先して現場の声を聞きながら、全社一丸となって安全管理体制の立て直しに取り組むことが極めて重要であると考えております。
 次に、国土交通省の対応についてでございますが、報告の内容に従った安全管理体制の立て直しが的確かつ速やかに行われるよう、日本航空グループを厳しく監視、監督を行っていくこととしております。
 具体的には、本年末まで毎月定期的に実施状況の報告を日本航空グループから受けるとともに、まずは、明日、四月二十日から二十二日の三日間、本社及び羽田、成田にある運航本部、客室本部、整備本部などに対し担当課長及び検査官による立入検査を行う予定でございます。また、五月中に羽田、成田のほか、千歳、伊丹等の国内主要基地についても立入検査を実施し、その後も改善状況を勘案しつつ二、三か月ごとに立入検査を実施する予定でございます。
 以上が日本航空グループにおける航空機の運航の安全についてでありますが、ほかの航空会社についても、三月二十四日に鉄道・航空分野の輸送事業者等に対して緊急の安全総点検を指示しており、その中で、安全確保に関する現場から社内までの体制などについて点検を行うこととしております。今月中に点検を完了させ、結果について報告を求めているところでございます。
 以上の取組により、航空機の運航における一層の安全性の向上を適切に図ってまいりたいと考えております。
#9
○委員長(田名部匡省君) 以上で報告の聴取は終わりました。
 これより質疑を行います。
 本日は、理事会の合意により、まず大会派順に各会派一人一巡の質疑を行います。その後、あらかじめ質疑者を定めず、正午をめどに自由に質疑を行うことといたしております。
 それでは、質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○末松信介君 おはようございます。自由民主党の末松信介でございます。
 四月の五日、航空法の改正のこの法案の審議に先立ちまして、北側大臣から一連の日本航空のトラブルにつきましての報告がございまして、数点お尋ねをいたしたわけでございます。
 今日は、四月十四日にこの改善命令に沿いまして改善措置についての報告書が提出をされましたということで、今日わざわざ新町会長、社長にお越しをいただいております。
 まず、新町社長にお尋ねを申し上げたいんですけれども、千歳空港での管制義務違反のパイロット、またドアモードの切替えのミスを行ったCA、こうしたトラブルを起こされた社員の方々とお会いになられましたですか。
#11
○参考人(新町敏行君) 今先生からの御紹介もございましたけれども、私は、四月一日からグループの最高経営責任者かつ事業会社であります日本航空のインターナショナル、日本航空ジャパンの両方の社長に就任いたしました。そして、就任いたしましたと同時に、私は、まず生産部門の現場であります羽田と成田の運航本部、そして客室本部、整備本部に直接私自ら出掛けまして、現場を預かる社員の方々と安全運航に関して極めて緊密なる話合いをいたしました。
 そして、その中におきまして、先生も先ほど申されましたように、とにかくこの安全運航を支えている現場、現業部門と経営との距離が離れてはいけない、今回一連の安全上のトラブルを起こしました背景には、経営と現場との距離感というもの、それから部門間の意思の疎通が十分ではなかったということを、判明いたしまして、経営である、トップである私も本当に心から反省いたしておりまして、直接現場に既に何回か行きまして話合いをいたしております。
 その中で、現場の方々の、現場の人たちの、信頼を回復するには安全運航の再構築が何よりであるという熱き思いに接した次第であります。そして、その熱き思いに接して、私、トップである社長として、社会に対する責任と、そして会社に、社員に対する責任をひしひしと感じて、安全の再構築をまず何よりも図っていかなければならない、安全が最大のサービスであるということを再認識した次第でございます。
#12
○末松信介君 御決意のほどをお伺いをいたしました。
 大事なことは、やっぱりトップが現場を知るということが一番大事であります。恐らくその社員の方々、多くは深い反省とすごい落ち込みだと思うんです。やっぱり人間、機械じゃありませんので、大臣もこれはヒューマンエラーということをたくさん使われたんですけれども、やはりミスも犯す。そういう面では、社長が直接現場に出向いて現場の状況を体感するということ、事故の状況がどうであったかということを知るということが大切だと思うんです。そういう点では御評価申し上げたいということを思うわけなんですけれども、御巣鷹山のあの事故から二十年、当時の事故を知らない社員の方々もかなり増えたと思いますので、これからそういった点を十二分に留意をいただきたいということを思っております。
 実は、これだけ多くのトラブルが発生したわけなんですけれども、三月十七日に事業改善命令が発せられました。その後に八回トラブルが続いたと。最近また二つトラブルがあったということなんですよね。これは本当に偶然の積み重ねなのか、あるいはまた北側大臣がおっしゃるように日航の組織に問題がある、もっと風通しの良い組織にしないといけない。三月十一日に、新町社長の本意ではなかったかもしれませんけれども、安全体制は万全であったと。この主張に対して岩村次官が、万全であればあのようなことは起こらない、万全というのはそういうことではないという反論をなさったということを新聞で拝見をしたわけであります。
 偶然の積み重ね以外に別の理由が存在しているんじゃないかということなんですけれども、事故につながる原因因子が存在しているのかということを航空局長、大臣にお聞きをしましたところ、とにかく今は回答待ちであるという、局長なりには誠意ある御答弁を実はちょうだいしまして、そしてこの改善書、分厚い冊子、要約版等をちょうだいしたわけなんです。
 共通する要因、日航で分析された内容は、安全性に対するこれは認識不足、情報の迅速かつ的確な共有の不足、定時性の確保、時間的制約からのプレッシャーと。確かに、昔は大阪―東京一時間だったのが、今タイムテーブル一時間五分ですね。それだけRNAVとかRVSMといったシステムを使って航空の混雑を緩和しようということですから、まあ確かに定時性にとらわれるということはよく分かるんですよ。しかし、想像も付かないようなことがやっぱり起きておると。
 ボーイング747型貨物機主脚部品の誤使用についてですけれども、この原因分析。昨年十二月中旬にJA8171、ランディングの部品に誤使用の可能性があるという事実を把握し、生産技術部のチーフに、担当者はチーフに報告を行った。担当者及びチーフは、部品の適合性のみに関心を奪われ、運航中の航空機に対して迅速に対応する必要があったことに対する認識が不足したと書かれているんですよ。安全のためにやっているということを忘れて、部品の適合性のみに関心が奪われたと書かれているんですよ。何のためにやっているかという目的を忘れてしまうということ、こういうことが本当に起きるんだろうかということを我々は思うんです。素人の我々でも疑念を感じてしまうんですね。
 元々この貨物機の主脚部品の誤使用には、これ五機あったそうですけれども、他機材の部品を装着したまま飛行して、一機は八年間に七千五百回飛んでいたということであります。長く担当課長さんがこの部品でもいいと思っていたということでありますし、問題は会社が把握してから一か月使用を続けたと。貨物機は予備機も少ないわけでありまして、若干これ運航をやめて、そしてこれ飛行機を寝かさなきゃならないということもありますから、ある面では営利を優先されたんじゃないかという、そういった指摘もあるわけなんですけれども、その点はなかったのかどうかということをお聞きをしたいと思うんです。
#13
○参考人(新町敏行君) 先生が今おっしゃったことに関しましては私も心から反省し、経営としても反省しているところでありますけれども、安全が何よりも最優先されるという背景には、安全が何よりも最優先であるという強い意識の浸透が必ずしも十分ではなかったということに関して、経営は深く深く反省しているところであります。決して先生がおっしゃったように、安全をないがしろにしてまず定時性、まず飛ばすんだということではなくて、何よりもまず安全が大事であるということを社員みんなが思っていることではありますけれども、それがややもすれば薄れてしまった。弱くなってしまったんではないかというふうに分析しておるところであります。
 このようなことが絶対にあってはならないという固い信念の下に、安全の意識を再認識させて、これからも安全が第一であるということでもって安全運航の再構築を図っていかなければいけないということであります。
 ほとんどの、一連の事象が起きたことに関しましては改めまして深く深く反省し、申し訳なく思っておるところでございますが、ほとんどが、その多くがヒューマンファクター、ヒューマンエラーによるところであります。そのヒューマンエラー、ヒューマンファクターを発生させる要因、背景というものは、私どもはまず安全が先ほど申し上げましたように大前提であるというこの強い意識の浸透が、経営としてしなければいけないことが努力不足であったということの反省と、それと、社員の間でそのような安全が大前提であるという意識が薄らいでいたんではないかということを思っております。
 そのようなことが今後ないように、経営トップ自ら、先ほども申し上げましたように現場と経営とが双方の密接なるコミュニケーションを図りながらこの問題を一日も早く改善し、安全運航の再構築を図ってまいりたいというふうに思っております。
#14
○末松信介君 ドアモードのこの切替えミスも、だれかが実施してくれると思い込んだ、失念したということなんですけれども、通常やっぱりクロスチェックしますよね。こっちのドアを見て反対側を見るということで、あり得ないんですよ、こういうこと。マニュアルを変えられたということで確かにもうドアをきちっとセットしましたと、ドアモード、これを機長に報告するということ、声出しあるいはまた指さしということですから、もう二度と起こらないと思うんですけれども、今の御決意を絶対忘れないように、これお願い申し上げたいと思います。
 次の質問なんですけれどもね、一番懸念している問題なんですけれども、旧JASとの統合についてなんですよ。いろいろと世間が今論評を繰り返し行っております。旧日本航空と旧エアシステムの出身によって、賃金、マニュアル、機材、福利厚生面、例えば年金もそうですね、人事体系、すべてが違うと。対等合併ということを言われながら、実際は吸収合併ではないかというようなそういうことを言われる方もおられるわけなんですよ。現在のところ運航については混乗されていないと。今は分かりません、私は現在は分かりませんけれども。今のところ、この社内がいまだ未融和な状況が続いているんじゃないかということを心配をいたしております。ハンドリング会社だって別々に今存在しているわけなんです。これについて社内の空気はどうかということを差し支えなければ、お答えをいただきたいと思います。
 そして、もう一つ。サラリーマン、企業人というのはこれは社員の顔と組合員の顔、二つの顔を持っていると私は思っています。組合は当然職場の改善であるとかあるいはまた福利厚生のこの前進を目指していって、社の発展を願っていくものであります。それにしても十の組合があるというのは大変多いと思うんですよ。組合活動は自由でありますし、これは認められたものでありますからとやかく申し上げることないんですけれども、今年二月にもオールJALジャパン労組二百三十名で新たな組合が結成されたということを伺いました。この十組合できたという歴史的な背景とか、労使関係はうまいこといっているのかどうか、いろいろとインターネットからもいろんな組合の情報ももらえるわけなんですけれども、これをどう思っておられるか。それと、経営者から見た労労関係、これについてどうかということを、もしお差し支えがなければお答えをいただきたいということを思います。
 組合が十あるというのはそれぞれの人生観、それぞれの会社に対する思いや評価、そしてまたそれぞれの職種の在り方ということにやっぱり十通りあるということですから、風通しが良くなかったらいかぬと思うんですよね。これは公共輸送機関ということで公共性が高いということゆえに、安全性が強く求められての質問であるということ、このことを理解いただきたいと思います。御答弁をお願いします。
#15
○参考人(新町敏行君) まず、経営統合の後の社員の融和、その他はどうなんだろうかという、率直な雰囲気はどうなんだろうかということでございますけれども、経営統合の過程で、現在そのような形になっておりますけれども、持ち株会社の下に二つの事業会社という枠組みの中で、経営と現場との距離感、部門間の意思の疎通が不足していたということに関しては、率直に経営の努力が足りなかったというふうに思っているところであります。一日も早く、本当の意味で、一体となった経営統合、一社化になった経営統合に目指すべく、経営及び社員との間、すべての全社員との間でコミュニケーションを密にしながら進めてまいりたいというふうに思っているところであります。とりわけ、安全に直接かかわる部門、例えば運航部門、それから整備部門、客室部門の統合に関しては、これは安全に直接かかわるところでございますので、拙速を避け、慎重を期して、きちっとした形で統合をしていきたいというふうに思っております。
 したがって、現時点では、先生がおっしゃるように、完全な意味で、それでは社員間の融合が完全な意味でもう実現されているかといいますと、まだまだ足りないところがあるということは素直に経営としても反省しておりまして、一日も早くそれを実現していきたいというふうに、経営と社員とが一体となって実現していきたいというふうに思っております。
 それと、あと組合の問題でございますが、確かに今申し上げましたように、持ち株会社の下に事業会社が二つございまして、その旧JASの部分は、雇用契約における部分は日本航空ジャパンが継承しておりまして、そして旧日本航空の雇用契約の部分は日本航空インターナショナルが継承していると、こういう形になっております。したがいまして、今二つの事業会社の下に全部で十の、最近、先生がおっしゃったように、二つができましたけれども、トータルで、全部で十の組合がございます。組合間のコミュニケーション、そしてまた経営と組合のコミュニケーションも密にしながら、健全な労使関係を更に築いていきたいというふうに思っております。十の組合があるから組合間または経営と組合との意思の疎通が不足しているということはあってはならないことでありまして、経営である、トップである私も、十分にそこの辺を認識しながら、より良い労使の関係を築いていきたいというふうに思っております。
#16
○委員長(田名部匡省君) 時間です。
#17
○末松信介君 はい。
 とにかく、安全を一番大切にして業務に当たっていただきたいと思います。
 終わります。
#18
○佐藤雄平君 民主党・新緑風会の佐藤雄平でございます。両参考人、本当に今日は御苦労さま。
 私は、三月以来、この件について四回目の質問になります。もういい加減に今日で終わらしていただきたいなと、そんな思いをしております。
 三月の十日、新千歳空港での質疑をさせていただきました。あのとき、大臣も航空局長も、早急に改善命令について申し伝えたはずでございます。私も、その件についてはJALさんが真摯に受けて、もう二度とこういうふうなことがないのかなと思って新聞を見たら、また福島の話が出ておりました。この一か月間に都合二十回、実はインシデント事案があります。
 私も、日本航空というのは世界に冠たる安全、安心の飛行機会社であろうと、航空会社であろうと。海外に行っても、海外から日本航空に乗って日本に向かったときの一つの安堵感、さらにまた、これはもう蛇足でありますけれども、私はもう二十年間、FM東京の「ジェットストリーム」というのをずっと聞いて、あれでずっと、そのいざないで寝ておりますが、最近あの「ジェットストリーム」を聞くと目が覚めちゃうんです。本当に大丈夫だろうかと。
 今日の実は両参考人に、委員会で、新しいやっぱり日本航空になったなということを是非実現さしていただきたいなと、そういうふうな意味で、しばらく御辛抱ください、私は主に三点その質疑をさしていただきます。
 今も同僚議員からありましたけれども、基本的にはこの定時性と安全というふうなことの問題であろうかな、そんな思いをします。航空の一つは運航、整備、客室乗務員、この三点について質問をさしていただきますが、その中でもこの運航について、私も知らなかったんですけれども、運航ダイヤと乗務ダイヤがあると。これ聞いたらば、これはパイロットはもう大変な時間的なプレッシャーが掛かるんじゃないかなと。
 ちょっとこれ見さしていただきますと、皆さんに申し上げますが、その乗務ダイヤというのが要するにパイロットに与えられた時間帯、運航ダイヤというのがいわゆる世間に表している。ですから、競争関係の中でこれもうどうしてもこういうふうなことが必要なのかなと思うと、ちょっとした事例を挙げますと、まず羽田から福岡、これが乗務ダイヤでは一プラス五十五、一時間プラス五十五分になっている。それで、運航ダイヤには一プラス四十五というふうなことになっている。ですから、パイロットに運航ダイヤに合わせるためには十分間短縮しろよというふうなことになってしまうのかなと。これはもう大変な私はプレッシャーになるという、そんな思いをします。これが相当の会社全体の大きな問題になって、まず私はこの辺が原因になっているんじゃないかと。もし、これはあるというふうなことですから、できるんであれば、これはもう競争原理の中で安全性を優先するという前提からすれば、これはむしろ一元化できないんだろうか、そんな思いをしますけれども、社長の考えをお聞かせ願いたいと思います。
#19
○参考人(新町敏行君) 今先生がお話しになった件でございますが、これまで安全がすべてに優先されるものであると、安全を大前提としたサービス向上に取り組んでまいりましたけれども、定時性の向上に取り組む中で、安全が大前提となった定時性向上という認識がややもすると弱くなり、安全と定時性が安易に両立するというような風潮を現場に生じさせたことは経営として深く反省いたしております。
 しかしながら、この問題を解決するには、先ほども私の方からも冒頭に申し上げましたように、安全が何よりも第一であるということを全社員に再徹底させ、強く認識させ、安全の運航の再構築を図っていかなければいけないというふうに思っているところであります。
 確かに、定時性の確保、定時性の向上というのはサービスの面においても大変重要なサービスであります。ただし、これは安全があってのサービスであります。安全があっての事業であり企業であります。そして、社会への責任であります。このことは十二分に更に経営トップを初め全社員が再認識して安全の再構築に向かっていきたいというふうに思っているところであります。
#20
○佐藤雄平君 社長、安全が第一だから、この二つのダイヤについてはやっぱり現場サイドからすりゃもう相当プレッシャーだと思うんです。この存在そのものは御存じはないんですか。
#21
○参考人(新町敏行君) それは存じ上げております。それは存じ上げておりますけれども、安全が何よりで、それを優先させてやるべきだというふうに確信しております。
#22
○佐藤雄平君 ですから、だとすれば、安全優先だとすれば、これはもう一本化、ある意味では二重帳簿みたいな感じで、これはもう大変なやっぱり私は今度のそのインシデントの原因になっていると思うんで、もう極力一本にするように、これはもう社内の中でそれぞれ御相談いただきたい。時間ありませんから次に行きます。
 次に、これはその整備についてです。
 この整備については、これはもうある意味ではどんな立派な優れたパイロットでも整備がきちっとしてなかったら、場合によっては事故を起こしてしまうということが十分懸念されます。私は、この整備についてもいろいろ読んでみましたら、やっぱりこれは政府にも責任があるかな、規制緩和が一番やっぱり大きなこの問題を起こしているんじゃないだろうか、そんな思いをしてなりません。
 これも規制緩和の中で、もう何件かあるんですけれども、例えばその一番大事な整備における検査部門の独立を廃止して、ダブルチェックの形骸化と飛行間の点検の一名化、二名から一名にしてしまったとか、それから航空法の改定で、一定の整備の海外への委託を認めると。今、中国といろんな問題ありますけれども、中国にも相当やっぱり整備を委託している。
 こんなこともやっぱり、自社の中での責任体制というのはどうしてもやっぱり取れない大きな私は原因になっているのかなと、そんな思いをしますと、この整備体制について一つは、この幾つかある中でもまず、その経営体制の中で、財政の問題もあるでしょうけれども、自社で整備をするという体制をもう一回やっぱり考えてもらえないだろうかと。海外委託よりも自社で。さらにまた、今のそのダブルチェックというか、これはやっぱり一人の者がチェックしても気が付かないところが一杯あります。ですから、別な人が二人やっぱりチェックできるような体制、これも経営の中でやっぱり人の人事、人の採用というふうなことになって大変でしょうが、しかしながら他社も同じことでやっているわけですから、そこはやっぱりもう社長の、安全、安心を第一主義とするんであれば決断をしていただきたいと。
 この件についての御所見をお伺いしたいと思います。
#23
○参考人(新町敏行君) 先生御指摘のように、ただいま日本航空グループは全体で委託をしている割合は三〇%近くございますけれども、それは自社系の一〇〇%の整備関連会社及び海外での委託を平均しまして三〇%ぐらいでございます。
 もちろん、経営は激変する環境の中で生き延びていかなければいけないということで、全体的な経営の効率化、合理化ということは図っていかなければいけないし、柔軟性を持って対応していかなければいけませんけれども、安全にかかわることに関してはこれはまた別次元のことであります。安全に関しましては、決して経営の合理化それから効率化の対象にするということはなきように今まで取り組んでまいりましたし、これからもそこは十二分に頭に入れながら取り組んでいきたいと、これが大前提であるということをまずお誓い申し上げたいというふうに思っております。
 また、ただいま現状でございますが、委託開始に際して、海外を含めまして委託を開始するに際しましては、当社と同様の品質の確保に努めるべく、委託先の整備能力、そしてまた技術力、技術能力を十分見極めて、自社としての委託管理に必要な体制及び自社の技術力を伝承する仕組みを築いた上で委託を開始していることでございます。
 さらにまた、委託開始後も、個々の作業及びその領収する際にも、基準どおり行われているかを自社にて確実にチェックし確認した後に領収するという形で、安全に対しては委託しても万全な体制を取っている次第でございます。
 これからも、安全に対しては何よりもそれを最優先として取り組んでまいりたいというふうに思っております。
#24
○佐藤雄平君 次に、客室乗務員の件についてお伺いしたい。
 これ、三月の十六日、羽田から新千歳でドアモードの変更を忘れてしまった。私、以前、「規制緩和という悪夢」という本を実は読ましていただきました。これ、内橋克人さんが書いたやつ。ここでもう見事に予知しているんですよね。これに、そのスチュワーデスの状況というのは十分承知しますけれども、「契約スチュワーデスのその後」ということでこう一項書いてありまして、これ日本エアシステムの話でございます。
 契約スチュワーデスの導入によって雇用の質が変わってきたことをこんなふうに表現しておるということがあるんです。これは日本エアシステムのスチュワーデスの方がお話しになっていると。現在訓練中の百四十期の契約スチュワーデスの中で大学生の三年生がいると知って驚きましたと、契約スチュワーデスをしながら大学に通って卒業するつもりだということですが、スチュワーデスの仕事が本当にアルバイトになってしまったんだなとショックを受けましたと、云々と書いてあります。
 確かに、この三月の十六日の事案についても、こう見てみますと、チームはたしか六人チームで、いわゆる正社員が二人、あと四人がいわゆる契約の方です。契約の方を云々するわけじゃないけれども、それがついついチームワークに、その損ずるところがあって結果的にこのようなことがなってしまったんじゃないかなと。
 これも会社の経営にかかわることで、なかなかこれはもう厳しいと思いますけれども、その契約スチュワーデスを軽んずるわけじゃありませんけれども、どうしてもやっぱり会社に対する一つの信頼とかやっぱり、このまま私、本当に採用されるのかどうかなというような一つの不安もあると思うんです。ですから、この辺の契約社員等についてと、またその正社員との兼ね合いというのを十分やっぱり思考していかなきゃいけないんじゃないだろうかなと思っておりますけれども、御所見をお伺いしたいと思います。
#25
○参考人(新町敏行君) 契約スチュワーデスの件でございますけれども、確かに、現在契約スチュワーデスが乗務は行っております。今回のドアモードの変更の件に関しましても契約スチュワーデスが乗っていたことは事実であります。ただし、契約スチュワーデスを乗務させる場合は、十分なる訓練を得た後に乗務させているところであります。そして訓練を、十分なる訓練と同時に、かつOJTも充実させながら、保安要員としての十分なる認識と能力と資格を持って乗務させておりますので、契約スチュワーデスが乗務したから、又はその正社員との間のコミュニケーションが欠けたからいろんな問題、事象が発生したというふうには私どもは認識はしておりませんけれども、いずれにしろ、こういう事態が発生したということは事実でございますので、更にそこをもう少し、もう少し更に充実して掘り下げて、訓練の充実、それから乗務員たちのコミュニケーションを更に一層充実させて、このようなことが二度と起こらないように手順の見直しも含めて対策を立て、今実行に移しているところであります。
#26
○佐藤雄平君 もう時間ですからもう最後にしますが、大臣、これはずっと見てみますと、規制緩和が相当やっぱりいろんなところでその不慮の状況を起こしているというのがあるんです。これ見直すというふうなことになると、また逆行する話かなというふうなことにもなりかねないんですけれども、やっぱり一連の自動車の問題にしても、様々なその問題の中で規制緩和というのは、ある意味では安全に関するものというのはもう一回やっぱり内閣の中でも考える必要があるんじゃないだろうかと、そんな思いをしております。
 最後に、今のいろいろ質疑の中で、ひとつ大臣が更にまた航空業界に対してのきちんとしたその意思をここで表わしていただいて、私自身の質疑を終わらしていただきます。ありがとうございました。
#27
○国務大臣(北側一雄君) 委員おっしゃっていますように、経済規制は緩和しても、特に安全確保という面では、そうした面での社会的規制はやはり堅持を私はしていかねばならないというふうに思っております。これまで規制改革、規制緩和がずっとされているわけでございますが、そういう中で、今委員の危惧をされていらっしゃいます安全面での社会的規制が、逆にそういう流れの中で、そういうところまで緩和されていることがないのかどうか、そこは私はよく見ていく必要があるというふうに思っております。
 航空会社というのは、これはJALグループはもう我が国を代表する航空会社でございます。以前も申し上げましたが、利用者、国民にとりまして航空会社の選択の余地というのは余りないんですね。JALに乗らざるを得ないんですよ、利用者の方々は。そういう意味で、本当に私は航空会社の、これはANAの皆さんもそうでございますけれども、その公共性が極めて高いということを是非、今回の一連のトラブルを反省して、もう一度全社挙げてその公共性の大きさというものを是非認識をしていただきたい。
 私ども国土交通省もあしたから立入検査に入らせていただきますが、しっかりと監督、監視をしてまいりたいと思っております。
#28
○参考人(新町敏行君) 今、北側大臣がおっしゃったこと、公共性の大きさも含めまして、肝に銘じて、安全運航に万全を尽くしていきたいというふうに思っております。
 それと、委員長、先ほど私、末松先生に対する回答の中で、コミュニケーションの部分で、組合間のコミュニケーションというふうに申し上げましたけれども、これは社員間のコミュニケーションでありますので、訂正をさせていただきます。
#29
○佐藤雄平君 世界に冠たる日本航空に再びなってもらうように、頑張ってください。
 終わり。
#30
○魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。
 まあ私も、報道あるいはこの委員会での審議を通じて、本当にこんなにたくさん不具合というかトラブルが次から次へ出るものだろうかと思うような思いでございました。佐藤理事からもお話がありましたように、日本の安全、安心の神話の最たるものがあのツル丸だったなというふうに思っておりますが、今は大分そういう状況ではないといいますか、そんな思いがいたします。
 また、あらゆる局面にわたってトラブルが出ているようでありまして、整備あるいは運航、客室という状況でございますが、まず最初に局長にお尋ねしたいんですけれども、この整備体制、今もお話ございましたけれども、一体どうなっているのかなと。
 あれ、九九年ですか、二月。このDC10のスライド・ラフト整備不良ということで業務改善命令を出されたようでございますけれども、その後、厳重注意が四回、それから毎年、報告があるミスとか不具合というのが毎年数十件に及んでいるというふうなことを聞き及んでいるところでございまして、その上での今回の、今まで主脚部分の部品が違うものを使っていたという、そういうようなことが出てきたわけでありますけれども、こういう不具合、整備の関係、次から次へ出るというのは、一体原因は何なんですか。要するに行政当局が、今大臣言われましたように、きちっと、規制はきっちりやらなきゃいけないというふうなお話でございますけれども、要するになめられているんじゃないのというふうに思わざるを得ないんですね。
 じゃ、その間、この五年前ですか、六年前、このDC10のときに業務改善命令やっていて、じゃ一体何をやってきたのかと、行政責任はどう取るんだと、どう局として判断をしておられるのか、その辺ちょっとお教えいただけますか。
#31
○政府参考人(岩崎貞二君) 先生御指摘のとおり、私ども一生懸命安全について指導監督をしているつもりではございますけれども、こうした一連のトラブルが起こったことについては本当に残念だと思っております。私どもの方の行政の指導体制についても問題がなかったのかというのもきっちり勉強してまいりたいと思っております。
 大臣からも言われておるところでございますけれども、私どもの方も、エアラインから話を聞くだけではなくて、実際に現場に入って、そうしたトラブルの本当の原因は何だったのか、本当に指導すべきはどういうことかということもこれから考えてまいりたいと思っております。
 その意味で、今回のJALの一連のトラブルの対応といたしまして、先ほど大臣から説明させていただきましたように、私どもの担当課長等々が明日から、あるいはこの年内、JALの現場に入りながら、現場の声も聞きながら、きっちりした安全の指導監督ができるように頑張ってまいりたいと、このように思っておるところでございます。
#32
○魚住裕一郎君 やってきたつもりであるというようなあれじゃ困るわけで、今お話があったように、あしたから立入検査を行うと、主要基地も行きますよと、年末まで二、三か月ごとに立入検査しますよと。今までと違った形で是非、違った形というか、つもりでやらないで、しっかりやっていただきたいなというふうに思うわけでありますが、この立入検査の結果というものは、これは私、素人ですけれども、素人でも分かるように、つまり一般国民というかお客さんというか、ああ、こういうトラブルがあったのかと、ああ、こういうふうに改善されてきているんだと、ああ、安心を持っても大丈夫だなというふうな形でこの立入検査の結果というものは公表されるんでしょうか。
#33
○政府参考人(岩崎貞二君) 立入検査の結果、その概要がどういうものであったかということにつきましては公表することを考えていきたいと、このように思っておるところでございます。
#34
○魚住裕一郎君 それで、私もこの報告書というのを読ませていただきましたけれども、やはり一番大事な点、経営として反省し改善すべき点というところなんだろうなと思うわけでございますが、特にその二点目に、「すべての社員が、いかなる状況においても安全意識に則って自律的に行動できるようにする」ということが本当に大事だなというふうに思っております。全社員がこの安全意識をしっかり持っているということ、その上で意欲を持って自律的に取り組んでいくと、各社員がですね。まあ社員だけじゃないと思います、それは経営陣も含めてだと思うところでございますが、そう思います。
 ところで、JALには「安全に係わる行動規範」という、そういうことがカードになっているようでございますけれども、今社長もお持ちですか。──はい。
 これにはもう本当に規則を、五点ほど載っておりますけれども、規則を遵守し、基本に忠実に業務を遂行します。推測に頼らず、必ず確認します。情報は漏れなく直ちに正確に伝え、透明性を確保します。問題、課題に迅速かつ的確に対応します。常に問題意識を持ち、必要な改革に果敢に挑戦します。要するに、これをしっかりやっていれば、必ず確認しますみたいな部分をやっていけば、全社員が持っていればこんなトラブル起きないだろうなというふうに思うところでございますが、是非このカード、有効な、有効なといいますか、大事な要素だと思いますので、徹底をしていただきたいなと。
 そして、その安全意識とともに、やはり意欲というのが非常に大事になるのではなかろうか。先ほど労務関係の話も出ましたけれども、経営統合なった等を含めて、あるいは風通しが悪い、何を言っても現場からの声を聞いてくれないようなことも指摘ありますけれども、このモラル、意欲の向上、社員の一人一人の意欲の向上をどのように図っていくのか、要するに社会人あるいは職業人としての。その点についてちょっと見解をいただけますか。
#35
○参考人(新町敏行君) 先生がおっしゃったように、正に各人が安全ということを強く意識し、自律的に行動するということが大変重要であると、そしてこれの徹底を図っていかなければいけないというふうに思っております。
 そういう意味におきまして、経営自ら、私を先頭にしまして、現場、現業部門に足を運び、この五月、六月の二か月間で、今考えておりますけれども、百回、少なくとも百回以上現業部門に私を先頭に各役員が足を運び、現場の安全を支え、現場の第一線で支えている人たちとひざを交えてお互いに安全問題について語り合いながら、安全の意識の更に浸透と、先生のおっしゃった一人一人が自律的に安全の意識を強く持って行動するようにお互いに話し、努めていきたいというふうに思っているところであります。そして、この「安全に係る行動規範」、私、今持っておりまして、これは今現在あらゆる役員会、安全会議は、最初に、冒頭に全員で、出席者全員でこれを読み上げ頭の中にたたき込みながら、安全というのは一番大切なんだという意識を強めているところであります。
 それから、先ほど百回というのは、四月、五月の二か月間にわたりまして少なくとも百回は現業部門に役員が足を運び、お互いにコミュニケーションをよくしながら、社員、役員一体となって安全の再構築を図っていきたいというふうに思っております。
#36
○魚住裕一郎君 経営的には平成十七年度から中期経営計画というんですか、それがスタートをさせるということでございますが、そのスタートに当たって一番大事な時期にこういう問題が大きくクローズアップされているわけでございますけれども、もちろんその中期経営計画も運航上の安全が最優先であることはもちろん言うまでもないというふうに思うわけでありますが、ただこの経営計画、人件費削減というのも大きな柱の一つになっているんではないのかなというふうに推測するんですが、先ほど申し上げた意欲低下とか、そういう観点からした場合に、あるいはモラルの低下とかということからすると、この中期計画と意欲あるいはモラル維持といいますか、その折り合いをどういうふうに図っていこうというふうにお考えなのか、ちょっとそこを教えていただけますか。
#37
○参考人(新町敏行君) 先生がおっしゃったように、この十七年、二〇〇五年―二〇〇七年の中期計画は、私どもJALグループが生き残る最後の構造改革というつもりでぶつかっております厳しい経営環境の中で日本航空グループが生きていくには、サバイバルし、なおかつ国際競争力を付けていくには、今までにないビジネスモデル、それとパラダイムの大転換を図りながらサバイバルしていかなければいけないということで作り上げましたけれども、その中で、安全にかかわる問題に関しては合理化、コストの削減というのを対象にはしておりません。
 そして、今先生がおっしゃった、それでは社員の人たちがこれだけ厳しい中期計画、効率化、コスト削減に対して、どういうふうにモラルを高めていくのかということでございますけれども、この中期計画を実現した暁には、世界に伍していける日本を代表するグループとして、そして我々の経営ビジョンであります質、量ともに世界のトップレベルのエアラインになるということが実現できると。そうすることによって日本航空グループを取り巻くステークホルダー、利益関係者、利害関係者でございますけれども、その人たちに安定的に利益を還元できる体制にできると。その先には大きな日本航空グループの再生になった明るい世界が展望されるんだと。したがって、この中期は何としても達成し、将来のためにみんなで汗を流して経営と一体となって改善していこうということを全社員に向け発信しております。全社員も今その意欲に燃えているところであります。
#38
○魚住裕一郎君 その明るい見通しもいいんですけれども、それを、すべて安全が大前提であるということを再度肝に銘じていただきたいと思います。
 終わります。
#39
○参考人(新町敏行君) 当然でございます。安全が何よりです。安全がない経営ビジョンの達成ということはあり得ないし、企業の存立もあり得ません。安全というのは何よりも最優先課題として、今後とも、もちろん全社員、経営、全社員が一体となってぶつかって安全の再構築を図ってまいりたいというふうに思っているところであります。
#40
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。
 委員からもお話がありましたが、日航は九九年に業務改善命令を受けています。これは重大な整備事故によるという事案でした。当時、この整備本部の責務について、日航の社内でこういうふうに言われているんですね。整備士は万全の整備を行い、安全性を保証した機材を乗員に引き継ぐ任務を有する。ところが、このころから整備の現場では、その実態について三ないという言葉が語られてきました。つまり、整備に重要な三つの要素、これが欠けているんだという意味なんですけれども、これ新町参考人、御存じでしょうか。──お答えがないようです。これは交換する部品がない、人手がない、そして時間がない、この三つなんですよ。
 専門的、具体的な技術について、社長さんに知ってなきゃ駄目だとは言いません。ですけれども、現場が置かれている実情、これをつかむというのがトップの責任でしょう。今回の業務改善命令、これがどれほど深刻な事態の中で出されてきたのかということが分かっているんだったら、これに対する回答をしっかり現場の実情をつかんで行うというのがあなたの責任じゃありませんか。
 今度の回答の中に、これからの整備の現場で部品取付け時の第三者確認方法をやるというのがあります。コンピューター導入するというのがあります。これ四月八日に具体的なマニュアル出されました。ですが、現場の方に伺いますと、導入されるコンピューターで使用できるできないという、その可否が明確になる部品というのは五〇%にすぎないというんですよね。あとは技術本部に問い合わせない限り、付けていいものかいけないものかこれは分からないから、ですから整備の現場にその部材の払出しそのものができないわけですよ。その中で、わずか三十分だとかあるいは四十分だとか、そういうステイタイムでの整備を強いられるという、そういう実情になっているというのをあなた御存じですか。
 その問い合わせを受ける技術本部というところが、メンテナンスレポートというのを受けて、それに対して回答するという制度がありますよね。これはつまり、現場でマニュアルに従った整備をしたりしたときに不具合があると、これについて技術本部はどうするのかという問い合わせをしているものですから、これは迅速に対応しないと次に生かされていかないわけですよ。ところが、羽田の整備の部門で未回答率が一七%、成田に至っては二九%が未回答だと。半年たっても回答が、半年で回答が来ればいい方だというのが現場の実情だというんですね。
 私、乗務員の皆さんのこの春闘でのアンケートというのを拝見してびっくりしましたけれども、ここにはずらっと、スクワークのキャリーオーバーが多過ぎる、日常的になってしまっているという話が出ています。つまり、ステイタイムの中での点検整備がかなわずに、これが整備が持ち越されてしまっているという、そのまんまで飛行機が飛んでいるという状態なわけですよ。こういう実情にあなたの会社の整備の現場が置かれているというのを知っているんですか。
 もし四月八日に導入をされたマニュアル、これを本当に守れと言うんだったらば、つまりマニュアルに従うんだったらば、航空機の定時の出発というのは私できなくなると思います。定時出発ができないと。今日もあなたは安全が最優先という言葉を語られました。それであれば、マニュアルに従えば定時運航ができない、そのときには飛行機は飛ばさない、完全に整備をやってからしか飛ばさないということをお約束してください。
#41
○参考人(新町敏行君) 今先生のおっしゃっていることは十分に重要であるというふうに認識いたしております。理解しておりますし、それを徹底していきたいというふうに思っているところであります。
 それと、先生が先ほどおっしゃった率の件でございますが、それは提案に対する回答率ということでありまして、この提案に対する回答率は三か月以内に回答する率の件でございます。できる限り早く、専門的なこともありますのでメーカーその他にも問い合わせをしながら、できる限り早くその提案に対して回答していきたいというふうに思っております。提案に対する回答率も年々上昇しておりますし、更に回答率を上げながら整備を万全な体制に持っていきたいというふうに思っております。
#42
○仁比聡平君 結局、現場が、経営陣が定時運航を迫る、その中で不安があるのにそのまま飛ばさなきゃいけないというプレッシャーの、ストレスの下に置かれている。そこについて、マニュアルを守りなさいと、安全を最優先にしてそのときには飛ばさないでいいですよということを、あなた、約束できないわけでしょう。その中で安全第一というふうに言われれば、更に現場のストレスは強まるばっかりじゃありませんか。
 一二三号機の御巣鷹山の痛苦の教訓というのは、これは日航やあるいは国土交通省にとってはもちろんのことですが、私たち国民にとって、日本国民にとっての重大な教訓ですよ。その当時に、この国会でも、先ほど佐藤理事から御紹介ありましたけれども、できる限りの自社整備という、この点が問題になりました。ところが、これがずっとなし崩しにされてきて、規制緩和と利益第一の人件費コストの削減の中で、先ほど佐藤理事から御紹介のあった規制緩和策、リストラ策が行われてきたわけですよ。
 こんな中で、こうした声を受け止めて、現場の実情をしっかり受け止めて必要な人員の確保をちゃんとやる、そして地上のステイタイム、これをしっかり確保する、そういう柱で抜本的な対策をしなかったら今後も同じ事態が続くんじゃありませんか。どうですか。
#43
○参考人(新町敏行君) 先生おっしゃっていることを私十分に分かります。
 安全は何よりも優先されるということで更に徹底を図ってまいりたいというふうに思っておりますけれども、安全上重大な疑義があれば飛行機を止めるのは当然でございます。現場の意見を尊重し、現場の判断を私は尊重したいというふうに思っております。
#44
○仁比聡平君 安全に重大な疑義があるか否かの判断というのを一体あなたはだれに任せようとしているんですか。そんな状態で飛んでいるから、パネルが落ちるとかフラップが落ちるとか、そういう飛行機に乗っている国民、利用者の思い、自分が乗っている飛行機のフラップやパネルがもしかしたら落ちるかもしれないと、そういう命にかかわった不安を乗員と利用者にもたらしているという責任を真剣に考えるべきだと思います。
 その整備時間の確保の問題についても、それから運航乗務員の長時間過密労働と強度のストレスの問題でも、それから客室乗務員の皆さんの機内での保安体制確保やあるいは機内サービスとのかかわり、あるいは利用者のクレームの問題、そういった矛盾の中心問題だと私思うのは、定時運行の問題です。
 サンフランシスコ便で九七年の十一月と十二月にダイヤの予定の到着時刻、これを組合の皆さんが調べたものがありますね。これ、社長も御存じだと思いますけれども、JALは十時間五十分なんですが、ユナイテッド航空はこれよりも二十分長い十一時間十分というのを初めから設定しているんですね。ノースウエスト航空は十一時間三十分。ですから、JALよりも四十分ゆとりを持って初めからダイヤを設定しているわけです。その結果、実際に到着をする時刻を調査をしますと、ノースウエスト航空は八五%の便でその定時運航というのをカバーをしているわけですよ。ユナイテッド航空でも五二%カバーしている。ところが、JALはわずか二六%。この二六%の便しか定時に飛べてないと。
 これ国内線で見ると、先ほど佐藤理事から少し紹介ありましたけれども、私伺ってびっくりしましたが、この運航ダイヤというのは、過去の実績の平均値、ここで設定をされていっているというのは本当ですか。今うなずき掛けていらっしゃいますが。そうすると、だから半分の便ではこの定時のとおりに飛べないというわけですね。私も飛行機よく利用します。何でこんなにいつもいつも遅れるのかというふうに思っていましたけれども、疑問に思っていましたが、結局は初めの設定がそもそも守ることができないということが前提になっているんじゃないんですか。それは守れることがある場合もあるけれども、守れないことが多いと。そんな中で、各部門に私は強いストレスがもたらされてきている、そこで矛盾が蓄積されてくる中で今日の事態が起こっているというふうに思います。
 この点にかかわって、これまでも裁判の場で、特に乗務員の皆さんの運航時間の問題、これが裁判行われてきました。前回の委員会でも私、空の安全裁判ということで紹介をしましたけれども、日航が一方的に破棄をして押し付けた就業規則の中で、十一時間の二人乗り、交代要員なしの長時間乗務を強いるということが行われてきたわけだけれども、これが裁判上無効とされた。つまり、この就業規則に従って乗務をするその義務はないんだということが確認をされた。会社の上告は取り下げられて、控訴も取り下げられた。
 ならば、新町参考人、この判決に従って、九時間という原告の皆さんが主張していらっしゃる就業規則、これに合わせるというのはこれは当たり前のことじゃありませんか。今会社は組合に対して十時間ならどうかという提案をされているようですけれども、そんな無法なことは私はないと思います。いかがでしょうか。
#45
○参考人(新町敏行君) 先生がおっしゃった、まず定時性の問題からお答えさせていただきます。
 定時性の確保、定時性の向上というのはサービスにおいても大変重要であるということは、私は先ほども申し上げておりますように、大変重要なファクターであります。ただし、それも安全が大前提であります。
 そういうことからいたしますと、今回、事業改善命令、警告書をお受けし、その回答、改善策として盛り込んであるその背景の中に、定時性向上に取り組む中で、安全が大前提となった定時性向上という認識がややもすれば弱まり、安全と定時性を安易に両立させようとする風潮を現場に生じさせてしまったということに関しては深く経営として反省しているところでありますが、定時性も一方では大変大切なことでありますけれども、安全と定時性が当然両立していかなければいけないということも事実でございます。それによって私どもの競争力も付けていく、お客様にとって利便性、お客様にとっても非常にプラスになる、お客様にとっても利便性が向上しますということも事実でございますが、何よりもその前に安全が第一であるという、こういうことが前提になっての定時性だというふうに思っております。
 これからも定時性の向上には努めますけれども、もちろんその前には安全が大前提であるということを改めて私はお誓いしたいと。安全運航に、再構築に全力を尽くしていきたいというふうに思っているところであります。
 それから、裁判の件でございますが、前回の改定より確かに十年余りがもう経過しております。これまでの運航経験等に照らしつつ、事業計画と整合性なども踏まえて、現時点におきまして適正な労働条件としての勤務基準を取りまとめ、今般、四月十五日に就業規程を改定いたしました。これに伴って、裁判において九三年の十一月に実施した就業規程の改定の合理性を争う実質的な意味がなくなったということ、今後の一社化も踏まえた労使関係の安定、融和の観点から裁判を終結するという判断に至った次第でございます。
 以上でございます。
#46
○仁比聡平君 そういうお話では、結局現場に起こっている矛盾を解決することができないということを私は指摘をしたいと思います。
 社長もICAO条約というのは御存じだと思います。危険防止マニュアルというのがその中にありますね。その中でこういうふうに言っています。概して経営者の態度やその行動は社員に大きな影響を与えるものである。例えば、もし経営者が現状より低い安全基準に甘んじようとするならば、その低い基準が容易に標準となる。もう一点、注意しよう、ミスを犯さないようにしようなどと単に檄を飛ばすようなやり方は、個人が興味を示す実質的なものは何も提供しないので無駄に終わる。こういうふうにこの条約の危険防止マニュアルの中で厳しく指摘をされているわけですね。
 社長、安全第一だと繰り返しおっしゃって、これ現場でミーティングの際に先ほどの安全憲章を唱和をしていらっしゃるようですけれどもね。ですが、運航乗務員の皆さんも、あるいは客室乗務員の皆さんも、それからその皆さんを機体を渡して送り出す整備の皆さんも、命懸けの現場で仕事をしているわけでしょう。利用者の皆さんやあるいは乗務員自らの命が懸かっているんですよ、運航には。ですから、その社員の皆さんが安全をないがしろに自らしているなんてこと、これはあり得ないことです、自分の命が懸かってるんだから。それなのにこういう実態になっているのが一体なぜなのか。
 中期経営計画の中では、これから五千九百人もの人員を減らすということをおっしゃっていますね。先ほど汗を流して全社一丸となるというふうにおっしゃいましたけれども、私は、汗どころじゃない、血を流して身を細らせるだけだと。これ直ちに見直すべきだということを求めたいと思いますが、いかがですか。
#47
○参考人(新町敏行君) 先生がおっしゃったように、経営の合理化、コストの削減、人員の削減ということは、全体としては経営は状況に応じて競争力を付けて強靱な体質に持っていかなければいけないときにはしなければいけないところではありますが、安全に直結するところ、安全にかかわるところは対象外にしております。対象にしても、対象に入れたとしても、それは安全において全く問題ないという確認が取れた上でのことでありまして、それが取れない限りは決して安全に直接かかわるところを合理化の対象にはいたしておらないということを申し上げておきたいというふうに思っております。
 それから、安全安全と掛け声だけで上げても、現場は当然安全のことを考えているんだと。ただ経営が言葉を掛けているだけでは何も役に立たないんではないかということをおっしゃいましたが、私もそのとおりだと思っております。今回は私、改善の中にも素直に率直に認めているところでありますが、経営と現場との距離感、部門間の意思の疎通が不足があったということは経営は素直に反省し、その反省に立って経営自ら、トップ自ら現場に赴き、現場とともに話しながら、一体何が本当の問題なのか、どこに課題があって、どこに解決の糸口があるんだろうかということをともに考えながら、現場と経営が一体となって安全運航の再構築を図っていくというところであります。
 私もこの事業改善命令、警告書に対する改善諸対策が、ただこういうふうにします、こういうふうにします、ここに書かれてあるようなことだけを言っても、お客様、広く社会の皆様方からの信頼は回復し得ないということは私自身も確信しております。そういう問題は当然であるというふうに思っております。一つ一つ着実に安全運航を実現し、実績として示すことによって初めてお客様、社会から認められ、信頼を回復できるものだと思っております。
 この道はそう簡単ではないと思いますけれども、これは何が何でも経営として全社挙げて安全の再構築を図り、一日も早く、ああ、日本航空グループは変わったんだなあと、もう安心して乗れるぞというような、そういうものに持っていきたいというふうに、経営の強い意志をここで述べさせていただきたいというふうに思っております。
#48
○仁比聡平君 一言。
#49
○委員長(田名部匡省君) はい。どうぞ。
#50
○仁比聡平君 今日傍聴席に現場の労働者の皆さんたくさん傍聴においでになっています。社長がしっかりその皆さんの声を聞いていただくこと、そして私たちもしっかり今後も厳しい目で皆さんの会社を見詰めているということを申し上げて、質問を終わります。
#51
○参考人(新町敏行君) かしこまりました。十分肝に銘じて行動に移していきたいというふうに思っております。
#52
○渕上貞雄君 社民党の渕上でございます。
 この委員会で何回も大臣の方からは、安全問題に対する認識について私はお伺いをいたしました。今日も大臣の方から、経済を優先させる余り、経済的な足を優先させる余り社会的な規制をおろそかにしてはならない、この点では安全問題について大臣も私も変わりはないと思います。そして、やはり航空機事故というものが非常に社会的に極めて反響の多い事故であるだけに、国民の関心というのは一層私は高いと思います。それだけに、今日まで起きた日航の事故というのは本当に怒りを持って抗議をしたい、こういうような気持ちでおるところでございます。
 どうかこれから先も、大臣は二十四日の日に緊急な指令を発したということで、交通運輸にかかわっての安全問題についての点検を、総点検をやるようでございますので、その成功を祈っておるところでございます。
 そこで、まず大臣にお伺いをしたいんでありますけれども、四月五日の本委員会における同僚議員の質問に対して、この問題というのは構造的な課題、問題があるのではないかというふうに答弁をされておられるわけでございまして、どのような認識を持ってこのように答弁されたのか、御質問いたします。
#53
○国務大臣(北側一雄君) 率直に申し上げさしていただきたいと思いますけれども、まずこの一連のトラブルの、特に国民の皆様がどうなっているんだというふうに御関心を持たれることになった案件は、御承知のとおり、新千歳空港における管制指示違反の事案でございます。これ私ども当局の方で知りましたのは、これ三月になってから知ったわけですね。この管制指示違反、大変な、一歩間違えば大変な悲惨な事故になりかねない管制指示違反でございます。
 私が驚いたのは、そうした管制指示違反があったことにももちろん驚きましたけれども、そのことが経営の方々のところに情報が上がっていないということには唖然といたしました。このような大変な重大事犯について、経営の方に上がっていない、二か月も知られていない、我々の方から、我々の方に情報がほかから入ってきて、どうなっているんですかと確認して初めて知るようなことでございましてね。これはこの会社は、このグループは一体どうなっているんだろうというふうに私は率直に思いました。それは単なるこの一事犯だけではなくて、会社の中にやはり何か問題があるのではないかというふうにこれは当然思わざるを得ません。
 また、私は今日、新町社長と隣同士で座っておりますけれども、私の大臣室にこうした一連の事犯で来られたのは三回来られているんです、三回。最初は三月の一日に来られまして、そのときはこの新千歳の話、管制指示違反の件が判明しまして、それで来られたわけでございます。先ほど私三月と申し上げたのは二月ですね、知ったのは。それで、そのときにこうした指示違反があったことに対して大変遺憾だということでいらっしゃいました。それから、今度は三月十七日に、業務改善命令の発出のときに来られたわけですが、この三月一日に来られた後に韓国で同じような管制指示違反が起こっているわけなんですよ。そして、この事業改善命令を出してからその後もトラブルが続いていると。一体どうなっているんだというふうに私は思わざるを得ません。これは国民の方々の率直な私はJALグループに対する思いだと思います。
 私は、その一つ一つのトラブルには当然直接の原因があるでしょう。そうじゃなくて、その背景にあるものを本当に、経営の方々が現場の方々と本当に一緒になって、一体となって、私は、こうしたことがないように、安全確保を本当に文字どおり最優先にして取り組んでもらえるように、そのためにはどうしたらいいのか、どこに一体問題があったのか、言葉だけではなくて、是非社を挙げてこれは取り組んでもらいたい、そうしないと私はJALに対する国民の信頼は回復しないと思います。私は、そういう意味でこれからも厳しく、厳しくですね、このJALグループに関しましては厳しく監視、監督をさせていただきたいと思っているところでございます。
#54
○渕上貞雄君 大臣の怒りもそこまで来ている状況を生み出した日航、会社に責任がある。そこで、国土交通省も会社に対して何回も何回も何回も事故あるたびに勧告を出し、注意をし、いろんなことをやってきた。結果として、ここに来て今日議論しなきゃならないようなことになりましたが、そのもとになっているJALの報告書、今までの議論を聞いていて、そして会社の方針も聞いて、横に座っていて、大臣今言われましたように、安全という問題について本当に改善をして、報告をしただけでなく実績を上げよう、こういうことが見られるかどうか、大臣の認識と、日航の報告について大臣はどのように認識されているか、お伺いを申し上げます。
#55
○国務大臣(北側一雄君) 私はこの報告書を出してもらうときに注文をあえて出させていただきました。それは、一個一個のそういうトラブルについては、忘れていた、失念していた、誤認をした、そういう一個一個の直接の原因を書いてもらってそれで報告書、それじゃ駄目だと。その一連のこうしたトラブルが続くことにはやはり共通するそこには要因、また背景というのがあるはずでございまして、そこをしっかりと分析をして報告をしてもらいたいというふうにお願いをいたしました。そういう意味では、私はこの報告書自体は、社として経営の方々がそういう分析を、私が今申し上げたような要請に応じて分析をなされたものだというふうに一応の評価はさせていただいております。
 しかしながら、大事なことはこれからの、ここに書いてある改善措置についてきちんと実施をされるかどうかでございまして、そこのところは明日からも立入検査をさせてもらいますが、今年一杯、適宜立入検査等もさせていただいて、監視、監督をさせていただきたいと思っているところでございます。
#56
○渕上貞雄君 私は、安全対策というのは終わりがないというふうに思います。引き続き安全対策に対してしっかりやっていただきたいし、今大臣がお話しになられましたように、日航に対する一応の評価をしている、非常に微妙な言葉を使われております。私は、やはりそれほど事故というものに対して、人命、財産を預かる者の経営の姿勢が今回ほど問われていることはないというふうに思いますから、今日は心して、どうかこれから先の安全問題について頑張っていただきたいと、このように御要望を日航側に申し上げておきたいと思います。
 非常に簡単なお尋ねですけれども、航空局長、結局、現在の客室乗務員の編成の問題について、五十名に一名というのがありますね。もし、五十名に対して一名という考え方について考え直す気がありますか、ありませんか。どうですか。
#57
○政府参考人(岩崎貞二君) 安全がどういう形で担保されていくかというのは常に検証はしていきたいと思っておりますけれども、今先生のおっしゃった人数割りにつきましては現在のところ適切なものだと、こういうふうに思っておるところでございます。
#58
○渕上貞雄君 どうかひとつ、いま一度、根拠の見直しなども含めて考えていただきたいと思います。
 もう一つ簡単な質問でございますけれども、脱出に当たって、やはり今は、以前であれば飛行機、ビジネスマンの方だとか一定の乗客数でございました。大衆化してきただけに、障害者の方もおられればお年寄りの方々もおられる、同時に子供の大変多く乗っているような状況でございます。したがって、やはり脱出テストというのがありまして、恐らく九十秒脱出という問題について物を考えていく場合に、そこに出てきた根拠とか、やはり乗務員の定数という問題を考えてみると、そういう危険なときの、安全にどう守っていくかという場合の乗務員の数についてどうお考えになっているんでしょうか。
#59
○政府参考人(岩崎貞二君) 先生おっしゃられるように、そうした乗客の方が増えておられるという中で今の基準が適切かどうかというのは勉強をしてまいりたいと、このように思っております。
#60
○渕上貞雄君 なぜそんなことを言うかというと、今のドア数に対して、必ずしも一つのドアに客室乗務員がいるかというと、いない場合があるんですね。いない場合がある。そういう場合には対応ができないはずですよ。だから、私は、何とか見直してほしいと、こういうふうに言っているんでございまして、やはり安全に対する姿勢をどう考えるかという一つの指標に私はここをしていたわけです。ですから質問しているわけですが、どうかひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 それから、参考人の方にお伺いをいたしますが、先ほども同僚議員の方からダイヤ上の問題についてお話がございました。やっぱり心理的な圧力の問題として、安全が前提でなければならないと。定時運航よりも安全だというふうに何回口を酸っぱくして言われても、そこに組まれている乗務員のダイヤというものに対して規制がないわけないですよ。恐らくこれは労使間で決めたことでありましょうし、一定の運航時間というのは決まっている、その範囲でなぜやらないかというのは会社の指導としてあるはずです。ですから問題が起きてくるわけですから、ここのところを、先ほど問題になっておりましたけれども、何というんでしょうか、運航時間と乗務時間との関係について、恐らくこれは二通りの問題、協約があるとすれば、規定か何かがあるんじゃないかというふうに先ほどの質問で思ったんですが。
 やはりここは基礎となるところの運航時間をやっぱり変える、変えなければこの問題は私は解決をしないと思うのでありますが、どうでございましょうか。
#61
○参考人(新町敏行君) 先生がおっしゃったこと、もしそういう場合は当然であるというふうに思っています。安全が何よりも大前提であるということをベースにしながら定時性の確保、向上を目指していかなければいけないというふうに思っているところであります。
 ただ、私どもが素直に反省している、経営としても反省しているところは、安全が大前提での定時性の向上という意識が、そうはいいながらも、ややもすると弱くなって安全と定時性が安易に両立するという、そういう風潮を現場に生じさせたということに関しましては、経営として深く反省し、このようなことが起こらないように経営と現場が一体となって改善していきたいというふうに再構築を、安全の、安全運航の再構築を図っていきたいというふうに思っているところであります。
 それと、私も四月一日に就任して、成田と羽田の客室本部、そして実際に飛ぶ前の客室乗務員たちとのブリーフィングの中に飛び込んで入って、お互いにどういうブリーフィングをしているのかなということを確認したんですが、例えばドアモードの件に関しても、もう口が酸っぱくなるぐらい、口酸っぱく安全が第一であると、ドアモードの再確認、お互いに相互確認ということをチーフの方からブリーフィングをして、安全が何よりも大事であるということを飛ぶ前もブリーフィングの中で再確認して乗務に就いているという現実を私は実際に飛び込んで確認いたしておりますし、今までは当然それはなされていたんでありますけれども、私自身、実感いたした次第であります。
 これからも現場と一体となって安全運航、定時性よりも、定時性の向上も大切ですが、それよりもまず安全が大前提になっているということを徹底させていきたいというふうに思っております。
#62
○渕上貞雄君 やはり運航ダイヤというものが基準になっていると思うんですよ、経営はすべて。ですから、ここを見直すかどうかのお答えですからイエスかノーかで答えていただきたいんですが、あわせて、報告書の中では、だれかが実施していると、思い込みだと、こういう文言がございますけれども、同時にそのことは、思い込みがあるというふうなことになっているというのは、やはり職場環境がそういうふうに私はさせていると思うんですよ、職場環境が。ですから、これはどういうふうに、思い込みよりも、相手がミスをしていても言われないような職場の雰囲気があったのではないかというふうに、私はちょっとここを読んでみてそういうふうに思いました。実態かどうか分かりません。
 しかし、私はここで何回も質問をいたしましたけれども、そのような職場実態にあるときに、なお労働条件の違うところ、派遣労働についてそれを導入しようとする今考え方があるようでございますけれども、それはやめてもらいたい。そうしないと、やっぱり安全を確保していく一つの機内の中での運航というのは、やっぱりコミュニケーションというのは言われたように最も大事なことでありますから、そこに二つの違ったものが出てくるというのは、それは教育だけでは直らないところが私あると思います。やっぱりそこは医療チームのような、チームとして、一つのチームというものを作り上げていく場合にやはり考え直さなきゃならないというふうに思うんでありますが、やはり安全問題を語る上で最も大事なことはそういうことではないかと、このように思っているところで、私の意見としては、派遣労働の導入というのはやめてもらいたいというのが意見でございます。
 以上でございます。
#63
○参考人(新町敏行君) 先生がおっしゃったダイヤの件に関しましては、私は詳しくございませんので、持ち帰り勉強させていただきたいというふうに思っておるところであります。
 それと、ハーレクィンの問題でございますが、ハーレクィン社の社員も日本航空ジャパンによる安全基準を含めた所定の教育訓練を終了いたし、必要に応じて実乗務によるOJTを行い、見極めを行った上で客室乗務員として任用しているということであります。安全にかかわる教育訓練は当然チームワークを前提としているものでありますので、チームワーク上の問題があるとは私は今考えておりませんけれども、その辺をいま一度肝に銘じて、チームワークも含めまして、更にチームワークを高めるように経営としても指導及び実態としてそのようになるように努力、取り組んでいきたいというふうに思っております。
#64
○渕上貞雄君 終わります。
#65
○委員長(田名部匡省君) これより自由質疑に入ります。
 質疑を希望される方は、挙手の上、委員長の指名を待って御発言いただきたいと存じます。
 それでは、質疑のある方は挙手を願います。秋元委員。
#66
○秋元司君 ありがとうございます。自由民主党の秋元司でございます。
 今日、私、国土交通委員会初めてでございますから、過去いろんな質問があってダブる点があったらお許しいただきたいと思います。
 まず、質問を始める前に、今回このような大事故が起きた、大事件が起きた、大変遺憾に思う次第でございますけれども、冷静に考えてみれば、非常にこの会社そのものの、一つの組織が非常に大きくなって肥大化してきた。そうなったときに、経営者とそれぞれ現場、社員を含めて、それぞれ一人の個人個人のこの会社に対する、また安全、そういったものに対する危機意識、そういったものに対する規範意識が非常に薄れてきたんじゃないかなと思う次第であります。言ってみれば、これだけ大きい会社ですから、なかなか首になるということはないだろうし、又は倒産ということもないだろう、そういったことの気の緩みからいろんなことが出てきてしまった。又は、今私が申し上げたことは何も今回JALさん、日航さんだけに言えることじゃなくて、日本全体の大企業すべてにおいて言えることじゃないかなと思う次第であります。
 その中で、ちょっと細かく何点か質問をさせていただきたいんですけれども、今回、旧JALさんとあえて言うならば、JASさん、これ対等合併だというふうにお聞きしているんですけれども、合併する前はJALはJALなりの労働契約とまた給与体系があり、JASさんはJASさんとしてのそういったものがある。合併した場合において、そういったものはどういう形で標準化させたのか、それともそのままであるのか、この点を、一点ですね。
 なおかつ、それがもしばらばらであって、旧JALと旧JAS側の待遇のまま、そのまま合併したとしたら、それはいつごろこれを標準、お互いの会社のすり合わせをすることによって標準化して統一化しようというふうに考えていらっしゃるのか。
 この二点についてお伺いしたいと思います。
#67
○参考人(新町敏行君) 経営統合ということは、確かに同じ業界である旧JAS、旧JAL、同じ業界ではありますけれども、それぞれの会社が、歴史も風土も文化も違うのが一つになったと。しかし、その一つになった経営統合の大きな目的は、いかなる環境下においても強い事業基盤の拡充と安定性、それをもって国際競争力に堪える企業グループにしていくと。それによって、お客様、国民の信頼とそして安全を再構築することによってそれを確保し、負託におこたえしたい。したがって、その結果として日本航空グループが世界に伍していける、そういう体制にして、先ほど私も申し上げましたけれども、利害関係者、ステークホルダーに対する安定的な利益を還元していきたい、それがまた社会への責務であるというふうに思っておりますが。
 この経営統合の中で、確かに今現在ある持ち株会社の下に事業会社が二つあるという状態、これは将来的には一体となっていくと更に企業の事業基盤が強化されて強い体質のグループに変わっていくというふうに思っておりますけれども、それではすべて、今おっしゃったような賃金の条件からすべて労働条件から一緒にならなければ駄目なのかというと、当然理想は、すべてが本当の意味で一体となった一社化になるということが、これが極めて重要なことでありますが、それらはいろいろな形でもって安全にかかわることでもありますし、賃金の問題、それから運航本部、客室本部、整備本部のすべてが一緒になるということに関しては、安全に影響が出るといけないということであって、そこは慎重を期して進めていきたいというふうに思っております。
 目標としましては、二〇〇六年度中に一社化体制、経営統合を完成させたいというふうに思っておりますが、そういう意味からは、拙速を避けて慎重に進めてまいりたいというふうに思っております。
 ただし、今四月一日から私がCEO、最高経営責任者、そして各事業会社の社長に兼務して就任したということは、責任体制、運航の最終責任体制が一本化されておるということもあり、実質的には一社化になっておりますけれども、本当の意味での一社化は慎重を期しながら、できる限り早期に進めていきたいというふうに思っているところであります。
#68
○秋元司君 是非それ環境改善に向けて頑張っていただきたいと思う次第でありますが、私が社員だとすればどう思うかというと、同じ仕事内容と同じ仕事、労働時間あったときに、まあ変な話ですけれども給料が違えば、お互い社員同士でもふんまんがたまるし、なかなかコミュニケーションうまくいかない、これは恐らく現場の声だと思いますから、その点を少し考えていただきたい、そう思う次第でありまして、あと、もう一つ、ちょっと過去にさかのぼりますけれども、今回はJASとJALさん、対等合併だったわけですよね、今回。それを恐らくアレンジしたというか、こう言っちゃ失礼ですけれども、進めたのは、国交省が絡んでいたかどうか分かりませんけれども、これについて国交省、どういうふうに今思っていらっしゃるかということが一つと、もう時間がないから最後に言いますけれども、日本には航空会社、今JALさんとそしてANAさん、二社しかないわけですから、もう我々日本人として国内空港飛ぶためにはこの航空会社に頼るしかないわけなんで、是非我々の国民の安全、安心の回復のために努力していただきたいと思います。
 最後に、国交省お願いします。
#69
○政府参考人(岩崎貞二君) 経営体制がどういう形であるのがいいかということについては役所側からコメントは控えさせていただきたいと思いますけれども、いずれにしろ、繰り返し大臣、あるいは今日、新町社長申し上げておられるとおり、やはり現場と経営陣が風通しの良い一体となった会社になっていただくということが重要であろうと、このように思っております。
#70
○委員長(田名部匡省君) よろしいですか。
 北澤委員。
#71
○北澤俊美君 今、日航の社長の答弁ずっと聞いていて、私は、安全に関する改善というか、そういうものが道が遠いなというふうにしみじみ感じたんですよ。
 いま一つ、言葉じりつかむようで悪いが、冒頭の答弁のところに、あなたは、経営者として現場の方々とコミュニケーションをと、こう言っているんですよね。あなた社員でしょう。もう全然感覚が違う。乗客は国民ですよ。国民から見りゃ、社長だろうが社員だろうが一緒ですよ。何で現場の職員とと、こう言わないんですか。
 それで、前回の集中審議のときに僕は言ったんだが、あなたの会社のところに行くと、合併した後で二枚も三枚も名刺、肩書き持った名刺の人に何人にも行き会うと、こう言うんだ。そこのところをきちんとしなかったら経営の責任、部署の責任、そういうものは徹底しないですよ。これまず一つ早急にそれは改めるかどうか。あなたもこの経歴見れば、何とか兼何とかと入っていますよね。まずそこのところをきちんとしないと、私は外部から見てだれが一体責任者なんだろうということを感ずると思いますよ。
 そこのところをまず一つどうするかということと、それから、私は、この合併は経営優先でつま先立った失敗だったんじゃないかなということを言ったんですよ。今、日本じゅうで市町村合併していますよね。これ、みんな二千、三千の細かい項目を全部突き合わせて、三町あるいは五町の、五町村の合併やっているんですよ。それを甘くやったところは全部失敗していますよ。後で住民投票でひっくり返されている。成功しているところは、二千、三千の細かい項目をやって、次なるうちの町は、うちの市はどうなるかということを住民に言って成功しているんですよ。それから比べると、あなたの方の合併はどうも甘いというふうに思います。
 それから、大変個人的なことで恐縮だが、もう一つ。あなたは今日は航空協会の会長として呼ばれてきているんですね。これは、私もちょっとこの委員会の運営の仕方にはちょっと不満が残る。なぜ日本航空の最高責任者として呼ばなかったか。航空協会の会長、その甘さがこういうことを助長しているんだというふうに思います。これはまあ呼ばれたあなたに言うわけじゃなくて、この中でどういう協議が行われたか知らぬが、こういう甘いこと、だって今問題が起きているのは日本航空だけでしょう。それを社長がたまたま航空協会の会長だから航空協会の会長を呼びましょう、来た会長が日本航空の社長だったと。現にその現れとして、もう一人参考人いるのにだれも質問しないんだ、かわいそうに、ねえ。だから、日本航空の社長に聞きたいという委員会の設定なんですよ、これはね。だから、そこのところは委員会が甘かったとかいうふうに考えないでいただきたい。
 そこで、我が国の航空協会の全体の責任者にあなたがいまだにとどまっているというのはおかしいと思うんです。あなたは即刻辞任すべきだったと思う。そして、責任を明らかにして自分の会社の不始末を専一にやるべきだと思う。今からでもこの場ででもいいから、あなたはそのことを表明してくれませんか。私は、そうすることによって、国民はあなた方が一生懸命になったんだなということを実感すると思う。
 それから、これはもう一つは、先ほど来お話が出ていますが、私もあのとき言ったが、労働組合が十もあるというのは、それは会社の特殊性もあるかもしらぬが、みんなが部門部門でまとまろうというのはこれは保身なんですよ。会社のためじゃないですよ。会社が何となくまだ先行きがよく分からぬから、おれたちだけは自分の身を守ろうとするから十にもなるんですよ。本当に会社全体として国民の安全、便利のために働こうと思えばそんな後ろ向きのことはしない。そういうことに対する社内の空気というのは経営者の責任ですよ、私は。
 以上の三つのことについてちょっとお答えください。
#72
○参考人(新町敏行君) まず、定期航空協会の会長にとどまることはいかがなことかということからお答えさせていただきたいと思います。
 会員の推挙で会長職を拝命しておりまして、その負託におこたえしたいというふうに思っておりますけれども、会員の声も聞きながら私自身判断いたしたいというふうに思っております。
#73
○北澤俊美君 すると、あなたは自分の意見ないの。
#74
○参考人(新町敏行君) それと、統合のことでございますけれども、先生おっしゃるように統合は慎重を期さなければいけないということはそのとおりでありまして、したがって、私どもの統合も段階を追ってきているところであります。
 最初の統合をしたときは、持ち株会社の下に旧日本航空と旧日本エアシステムがそのまま下に付いておりました。そして、それも昨年の四月にそれをまた二つを一つにしまして、日本航空という名前に一社化にしまして日本航空インターナショナルと日本航空のジャパンという形にしてまいりました。いろんな問題で条件の問題、それからすべての面において慎重を期してこの統合を成功させていかなければいけないということで、拙速を避けて段階を追ってここまで来た次第でございます。
 先生がおっしゃったように、名刺が幾つもあってだれが一体頭であるか分からないというふうに私自身も直接間接聞いておりまして、この問題も早く解決していかなければいけないという次の段階として、まず、今回は私がグループ全体の社長であり、最高経営責任者になり、事業会社の各社長を兼務して、次の段階としてできる限り早い段階でこの事業会社の二つも一つにして、本当の意味で一社の体制に持っていきたいというふうに思っているところであります。
 それと、組合が十あるというのはいかがなものかというような先生おっしゃいましたけれども、これは日本航空、先ほども申し上げましたけれども、現在は旧JAS、日本エアシステムは日本航空ジャパンが雇用契約を継承しておりまして、旧日本航空においては日本航空インターナショナルが雇用契約を継承しているということで、それをそのまま今そういう形になっておりますので、組合が十あるということであります。経営と組合は健全なる労使関係を築くべく、最大の努力を傾注していきたいというふうに思っているところであります。
#75
○北澤俊美君 もう一つだけ。
 一回だけ質問で皆さんもまだたくさんするからやめようと思ったが、会長辞任のことは、私が今そう言った途端に隣の方がメモを書いてぱっと渡したんだ。あなた、運輸省のOBでしょう、いかにも役人的なメモを渡した。
 選ばれるときは人に選んでもらうんですよ。辞めるときは自分が決断するんですよ。どうですか。そのぐらいのことの胆力がなくてあなた、こんな重大なことを最高責任者としてやっていけますか。定期航空協会の会長に未練があるんですか。立場をはっきりしてください。
#76
○参考人(新町敏行君) 先生のおっしゃったことを肝に銘じながら、私自身、これからどういう形にしたら一番いいのか、辞めるか辞めるべきでないか、総合的に判断し、私自身判断していきたいと、結論を出していきたいというふうに思っております。
#77
○北澤俊美君 少なくとも、日本の何社かある航空協会の会長を、今一番事故を起こして問題になっている会社の社長が続けるということに何か意味があるんですか。恥ずかしくないかね。もう一度言ってくださいよ。今日のこれ、議論、何にもなくなっちゃうよ。
#78
○参考人(新町敏行君) 今先生のおっしゃったことは重大なことであるというふうに思っておりますので、私が最終的に判断いたしていきたいというふうに思っております。
#79
○委員長(田名部匡省君) 次に、藤野君。
#80
○藤野公孝君 委員長、ありがとうございます。
 先ほど来、非常に真剣な質疑の中で、私は更に別の観点から、日本航空に対しまして御忠告というか、あるいは決意のほどをお聞きいたしたいんですが、実は世界の空というのは、先ほど規制緩和の問題がございましたけれども、私自身の知る限りにおきましても、今、世界の空はどんどん規制緩和、統合が進んでおりまして、いわゆるナショナル・フラッグキャリアと言われるものがぼんぼん消滅して、吸収合併されているような中で、国際航空の意味で、国内のことではございませんが、国際航空を飛ぶエアラインがこのままでは日本の空から消えてしまうことだって、あるいは成田から消えてしまうことだって我々は想定しなきゃいけないぐらいの今厳しい状況に置かれているというふうに私は思うわけであります。
 つい数日前の新聞でございますが、アメリカのミネタ運輸長官というんですか、お見えになったときも、日米航空協定はもう見直してほしい、あれはどういう意味かと。私なりに解釈すると、アメリカのオープンスカイを押し付けようということだと私は思います。オープンスカイというのは何かというと、もう今のシカゴ条約に基づく、ああいう二か国間協定でフィフティー・フィフティーで分けるようなことは一切すっ飛ばして、力のある者がどんどん飛んでいくというシステムであります。これをもうアジア等でどんどん米国は広げておりまして、これをやられたら、今私は知りません、後でもし分かれば、日米間でかつては六対四ぐらいでございました。これ、七対三ぐらいになっているかどうか知りませんが。かつてドイツとアメリカが交渉したときに、コール首相は七対三になったら航空問題ではない、もう外交問題、国益問題だと言ってアメリカの大統領をどなったことがありますが、そのくらい航空というのは、ただお客さんを何人運んでとか安全に飛んで幾らもうけてりゃいいという部分だけじゃなくて、国益問題というものが絡むわけでございます。
 そういう意味で、日本航空に代表的な、日本の空のリーディングカンパニーである、あると期待していると言った方がいいんですかね、日本航空内部の問題、JJの問題といろいろあって、安全問題も一杯ある中で、これをただ収めていくだけの、そんなだけじゃ足りないということを言いたいんです。国際の社会の中で、今のようなアメリカのプレッシャーもあります、羽田にも入れろって来ている。そういう中で生き残っていくいうのは並大抵のことじゃないということをもう一回言いたいわけであります。
 そのときに、今の新町体制になられて先ほど来いろいろ御批判もありますけれども、私は本当に人心を一新してもらいたい。そのためにやっぱりプライドが要る、やはり世界の空で生き残っていく会社として頑張ろうという。もちろん大前提は安全でございますけれども、その辺がないと、何か社内とか国内とか全日空との関係とか、そのぐらいの意識でやってもらったんじゃとっても生き残れないと私は思っておりますので、是非その辺、現場でもいろいろ出て、その辺の意識も抱負も語られたとは思いますけれども、社長に御質問申し上げますのは、今私が申しましたようなことも踏まえまして、もう世界の空に日本のエアラインがほとんど飛んでないというような状況というのは日本国民だれも望んでいません。そういう別の、安全をベースにした別の期待もあるということを踏まえまして、是非、人身一新、誇りを持った人身一新というものを図っていただきたいという、サバイバルのための決意を改めてお伺いしたいというのが新町社長に対する御質問であります。
 あわせて、もう時間がないから続けて質問さしていただきますが、今、日本航空、日本航空、ほかは全部安全で日本航空だけが問題だみたいにもし思われているとしたら、私は、これは、航空というものはシステムでありまして、エアラインがあり管制があり空港があり、いろいろこういう装置産業といいますか、そういうものでありまして、きっと小さいことというのはあちらこちらで起こっている可能性もあります。先ほど大臣も総点検という話もございましたが、改めて日本の空の安全というものをトータルでやはり考え、一社のJALだけの問題に矮小化しないで、ひとつもう一回性根を入れて、日本の空の安全というものに対して、関係者一同に対して注意を喚起し、新たな体制整備ということでどういう今お考えがあるかということを大臣にお伺いいたします。
 二点でございます。
#81
○参考人(新町敏行君) 先生のおっしゃったことを肝に銘じ、まず、繰り返しになりますが、この一連の安全上のトラブルを起こし、国土交通大臣の方から事業改善命令、警告書を受け、極めて重大に思っておりまして、お客様、そして社会、広く皆様方に御迷惑をお掛けしたことに関しまして、経営を代表しまして改めて申し訳ないと、本当に申し訳なく思っておるところであります。そして、深く反省し、安全の再構築を一日も早く実現していきたいというふうに思っておるところであります。
 このようなまず安全の体制を再構築、再建を図った後に、おっしゃるように、本当の意味での国際競争力を付けて、国民の負託に、国民の期待に、又は国民の足として世界に伍していけるような企業グループに育て上げたいというふうに思っているところであります。新たな経営体制の下で、安全の再構築を図りながら、改めまして日本航空グループが立派に飛び立ち、そして国民の皆様方の期待に沿う企業グループに持っていきたいというふうに思っているところであります。
#82
○国務大臣(北側一雄君) 委員おっしゃっていますとおり、これはJAL一社だけの問題ではなくて、航空業界全体に与えられた警告であるというふうに是非認識をいたしまして、航空業界、またそれだけではなくて鉄道業界も含めまして、そういう交通事業に携わっている事業者の方々に対する大きな警告であるというふうにとらえて、今総点検運動をさしていただいているところでございます。しっかり、安全確保というのが最大の利用者に対するサービスでございます。そこをしっかり認識をしていっていただきたいし、そういう体制が取られているのかどうか、総点検を今さしていただいている最中でございます。
#83
○委員長(田名部匡省君) 大江君。
#84
○大江康弘君 私は、北澤先生と全く同じ意識でありました。北澤先生から先ほど言っていただきました。再度、しかし、ここで確認をさしていただきたいと思います。
 今日のこの場を日航の皆さんは何かみそぎの場みたいなふうに思われても大変困るわけであります。それだけに、紋切り刀のように見えるような答弁を聞かせていただいたわけでありますけれども、まあNHKや関西電力と同じような体質だなと。日航というのは本当に変わらない。変われないのか、変わらないのか。変われないんでしょうね、恐らく。
 先ほどからそれぞれの委員の皆さんの中で、世界に冠たるだとか日本を代表するなんていう言葉がありましたが、笑止千万ですよ。そういう空気にトップも含めて、まあ山本七平的に言えば、そういう空気を、結局トップから申し訳ないが現場までそういう空気に甘んじてきた結果が、やっぱりオール日本航空が今日の私は状態をつくったというふうに改めて感じさせていただきました。
 前回も、それに替わる、いわゆる対峙をする形として全日空を出さしていただきました。私、乗るたびにこの日航と全日空とのこの違いというものを感じておる一人です。全日空というのはスマートです。改めて言います。私は両方とも何も関係ないですよ。日航にも恨みもつらみもない。だけれども、やっぱり日本航空というのは官僚的だなということを今日改めて感じさしていただきました。
 それで、もう時間もありませんから、私はこの定期航空協会のことについて、北澤先生と同じ意識の者として最後、再度確認さしていただきます。
 これ、大辻理事長、定期航空協会というのは、これ日本航空が会長せないかぬのですか。
#85
○参考人(大辻嘉郎君) 定期航空協会の会長は会員の中から選任をするということでございまして、任期二年でございます。それは各任期ごとに選挙を行うという状況でございます。
#86
○大江康弘君 新町社長さんね、先ほど北澤先生からの質問の中でもお答えをされましたけれども、これ昔、武家社会、武士の時代というのは武士を捕らえる仕組みというのはなかったんですね。これ、町のこのおかっぴきはありましたが、これは町民やあれの悪いことをするのを捕まえた。しかし、武士を捕まえるそういう部門がなかった。それはなぜなかったか。武士は悪いことをしたら自分で責任を取ったんですね、腹をかっさばいて。だから、そういう武士を捕まえる、捕らえるそんな仕組みをつくらなくても、そういうずっと武士というものが生まれてきて、そういう一つの仕組みがあった。自分で責任を取る。
 だから私は、そういう中で、今回日本航空をこれが、これだけやっぱり、業務改善命令なんて、これ大変なことですよ、これ、言われるということは。それで、今回、その後こうやりますということを国交省に出された。しかし、これからやっぱり私はスタートだと思うときに、本当にこれ、あれもこれもと幾つもこれ、いろんな役職を持っていて、僕、やれますかということです。
 それと、現場も含めて、私は前回言いましたけれども、兼子さんという方が代表権がないけれども会長に残られた。私はこのことも、日本的でいえば非常に責任の取り方としては無責任であります。無責任この上ない。だから現場も、ああ、うちはこんなことを起こしたけれども会長は残ったし、ああ、うちの社長もまあ定期航空協会の会長もまたやっているしという、こういう空気がやっぱり私は現場までずっとまた行くと思うんですよ。
 どこかでしっかりと、だれかがどこかで分かりやすい形で責任を取るということが私は一番、心機一転、いろいろマニュアル変えたって、いろいろやり方を変えたって、やっぱり私は心機一転ということになれば、私は社長まであなたに責任を取って辞めよと言いません。それはこれからあなたの体制でしっかりやればいい。だけれども、私は、この日航の会長が定期航空協会を持ってやっぱり、このこともやっぱりやりながらというような、もうどうですか、一度ちょっと楽になって、こういうことを外されて、しっかりと日航の運営に対して、経営に対してやっぱり安全面を第一にやっていくということを考えたときに、もう答弁は要りません、今日のこの議論を聞かれた中で、一度早い時期にそういうことを、それぞれの議員の皆さんが言われたことも含めて、最後に私も申し上げさしていただいたことを含めて、一度ちょっとこのことをしっかりと考えていただいて、目に見えるような、そういう心機一転ができるような、社員の皆さんが、全部の皆さんが、ああ、うちは変わったんだなということを、こういう文書のただ一枚じゃなくて、やはり心構えとして、トップリーダーの、一つの経営者のトップリーダーの心構えとしてそういう一つの見えるひとつ形をつくっていただきたいということを申し上げて、質問とさしていただきたいと思います。
 終わります。
#87
○委員長(田名部匡省君) 答弁要るの。いいの。
#88
○大江康弘君 答弁はいいです。
#89
○委員長(田名部匡省君) はい。
 それでは、予定の時刻が参りましたので、本日の調査はこの程度にとどめます。
 本日の質疑を踏まえてしっかり対応してください。人の命を預かる仕事というものは本当に慎重でなきゃいかぬと感じました。今日の各議員の質疑は、これ国民が思っていることをはっきり言ってくれたと思う。本当にこれからも、しっかり立ち直って、国民に責任を持つ、人命を第一にしてやるということに、私からも強くお願いをしておきたいと、こう思います。
 それでは、調査はこの程度にして、もう御退席をいただいて結構です。今日はありがとうございました。
    ─────────────
#90
○委員長(田名部匡省君) 水防法及び土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。北側国土交通大臣。
#91
○国務大臣(北側一雄君) ただいま議題となりました水防法及び土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 近年、梅雨期の集中豪雨や度重なる台風の上陸により、全国各地で激甚な水災及び土砂災害が数多く発生しており、こうした一連の災害による深刻な被害の状況を踏まえ、地域の水災及び土砂災害の防止力の向上を図っていくことが緊急の課題となっております。
 この法律案は、このような近年の水災及び土砂災害の状況を踏まえ、これらの災害による被害を防止し、又は軽減するため、局所的な集中豪雨の影響を受けやすい中小河川などの水災対策や土砂災害対策を推進しようとするものでございます。
 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。
 第一に、国土交通大臣又は都道府県知事が、その指定する河川の水位情報を関係者に通知し、及び一般に周知することとするとともに、当該河川について新たに浸水想定区域を指定することとしております。
 第二に、市町村防災会議は、浸水想定区域又は土砂災害警戒区域内に主として高齢者等の特に防災上の配慮を要する者が利用する施設がある場合には、市町村地域防災計画において、洪水予報等又は土砂災害に関する情報の伝達方法を定めることとしております。
 第三に、地域の水災防止体制の確保を図るため、水防活動への協力等の業務を行う水防協力団体の制度及び非常勤の水防団員に係る退職報償金の支給規定を創設することとしております。
 その他、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上がこの法律案を提案する理由でございます。
 この法律案が速やかに成立いたしますよう、御審議をよろしくお願い申し上げます。
#92
○委員長(田名部匡省君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時八分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト