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2005/04/26 第162回国会 参議院 参議院会議録情報 第162回国会 国土交通委員会 第14号
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2005/04/26 第162回国会 参議院

参議院会議録情報 第162回国会 国土交通委員会 第14号

#1
第162回国会 国土交通委員会 第14号
平成十七年四月二十六日(火曜日)
   午前十時二分開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十二日
    辞任         補欠選任
     鰐淵 洋子君     魚住裕一郎君
 四月二十六日
    辞任         補欠選任
     輿石  東君     松下 新平君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         田名部匡省君
    理 事
                田村 公平君
                脇  雅史君
                大江 康弘君
                佐藤 雄平君
                山本 香苗君
    委 員
                岩井 國臣君
                岩城 光英君
                岡田  広君
               北川イッセイ君
                小池 正勝君
                末松 信介君
                鈴木 政二君
                伊達 忠一君
                藤野 公孝君
                池口 修次君
                岩本  司君
                北澤 俊美君
                輿石  東君
                前田 武志君
                松下 新平君
                山下八洲夫君
                魚住裕一郎君
                仁比 聡平君
                渕上 貞雄君
   国務大臣
       国土交通大臣   北側 一雄君
   副大臣
       国土交通副大臣  岩井 國臣君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       伊達 忠一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        伊原江太郎君
   政府参考人
       厚生労働省政策
       統括官      太田 俊明君
       国土交通大臣官
       房総合観光政策
       審議官      鷲頭  誠君
       国土交通省都市
       ・地域整備局長  竹歳  誠君
       国土交通省鉄道
       局長       梅田 春実君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○国土の整備、交通政策の推進等に関する調査
 (西日本旅客鉄道株式会社福知山線における列
 車脱線事故に関する件)
○政府参考人の出席要求に関する件
○都市鉄道等利便増進法案(内閣提出、衆議院送
 付)
    ─────────────
#2
○委員長(田名部匡省君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 議事に先立ち、一言申し上げます。
 昨日発生しました西日本旅客鉄道株式会社福知山線における列車脱線事故により亡くなられた方々並びに御遺族に対し謹んで哀悼の意を表しますとともに、負傷された方々に対し心よりお見舞い申し上げます。
 ここに、亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げ、謹んで黙祷をささげたいと存じます。
 御起立願います。黙祷。
   〔総員起立、黙祷〕
#3
○委員長(田名部匡省君) 黙祷を終わります。御着席願います。
    ─────────────
#4
○委員長(田名部匡省君) 委員の異動について御報告いたします。
 去る二十二日、鰐淵洋子君が委員を辞任され、その補欠として魚住裕一郎君が選任されました。
    ─────────────
#5
○委員長(田名部匡省君) 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査のうち、西日本旅客鉄道株式会社福知山線における列車脱線事故に関する件を議題といたします。
 本件につきまして政府から報告を聴取いたします。北側国土交通大臣。
#6
○国務大臣(北側一雄君) 西日本旅客鉄道株式会社福知山線における事故について御報告を申し上げます。
 昨日、四月二十五日午前九時十八分ころ、西日本旅客鉄道株式会社福知山線の尼崎駅―塚口駅間において列車が脱線し、多数の死傷者が生じる事故が発生をいたしました。
 まずは、事故に遭い、お亡くなりになられました方々の御冥福をお祈りし、御遺族の皆様に心よりお悔やみを申し上げますとともに、事故で負傷された方々の一刻も早い御回復をお祈り申し上げます。
 この事故は、宝塚駅発同志社前駅行き七両編成の快速列車のうち前の五両が脱線し、そのうち前の二両がマンションの一階部分に衝突したものでございます。約五百八十名の方が乗車をされておられましたが、これまでに判明したところ、死者は七十二名、負傷者は四百四十二名に上っております。
 かねてより、安全は運輸サービスの基本であり、安全性の確保が利用者に対する最大のサービスとの認識の下、安全対策に全力を挙げて取り組んでまいりましたが、今回のような多数の死傷者が生じたことは誠に遺憾であります。
 国土交通省の対応といたしましては、私を本部長とする福知山線事故対策本部を設置するとともに、現地でも近畿運輸局に福知山線事故対策本部を設置し、事故の対応に全力を挙げているところでございます。
 私自身も昨日、鉄道局長を伴い、事故現場に急行をいたしました。事故の実態を把握するとともに、西日本旅客鉄道株式会社の垣内社長に対し、事故の被害者に対して誠実かつ万全な対応を期すること、事故原因の究明について航空・鉄道事故調査委員会等関係機関に対し全面的に協力すること、この二点について強く要請をいたしたところでございます。また、その旨を鉄道局長名で文書にて改めて警告もさしていただきました。
 なお、現地におきましては、岩崎大臣政務官が引き続き現在も事故の対応を行っているところでございます。
 さらに、公共交通機関に係る安全対策の徹底を図る観点から、昨日、国土交通大臣名で公共交通事業者あてに文書にて、改めて安全対策の徹底を図ること、その際、本社の安全担当の責任者が直接現場に赴き確認することについて強く要請をいたしました。
 事故原因につきましては現在調査中でございますが、まずは、被害を受けられた方々の救出また救急医療等、その対応を最優先するとともに、事故原因の究明、さらには今後の事故再発の防止に全力を挙げて取り組む所存でございます。
 以上でございます。
#7
○委員長(田名部匡省君) 以上で報告の聴取は終わりました。
    ─────────────
#8
○委員長(田名部匡省君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 都市鉄道等利便増進法案の審査のため、本日の委員会に厚生労働省政策統括官太田俊明君、国土交通大臣官房総合観光政策審議官鷲頭誠君、国土交通省都市・地域整備局長竹歳誠君及び国土交通省鉄道局長梅田春実君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(田名部匡省君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#10
○委員長(田名部匡省君) 都市鉄道等利便増進法案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#11
○岡田広君 自由民主党の岡田広です。
 鉄道行政の目的は、より安全で安心で便利な輸送サービスの提供を促進するとともに、人と環境に優しく、都市と地方の再生にも資する鉄道の実現を図るということがうたわれているわけであります。
 そのような考え方の下で都市鉄道等利便増進法案が提案されたんだろうと思いますが、この審査の本当に前日であります、JR西日本の福知山線の脱線事故が起きました。
 現在のところの状況では、七十二名の方が亡くなられ、四百四十二名の方が負傷を、けがをされています。七十二名の方の御冥福を心からお祈りしますとともに、けがをされた方々の一日も早い回復を願うものであります。
 大臣におかれましては、早速現地入りをされまして適切な指示をされてこられましたことに、心から敬意を表したいと思っております。
 被害を受けられた方々の対応が最優先であることは言うまでもありません。そして、原因の究明、事故の再発防止、これが最も大事であり、現在、事故調査委員会で原因の究明がなされていると思います。この原因の解明が報告されれば、またこの委員会で審議があるんだろうと思いますが、この今回の事故は、尼崎駅で三つの線が相互乗り入れをしている、このように相互乗り入れや高速化を進める余り、安全がおろそかにならないようにしてもらいたい。今回の都市鉄道利便増進法案も、正にこの乗り入れで乗客の利便に供するということが目的の一つであるわけであります。
 今回の事故を考えますと、正に遅れないように運行することを強く会社側から求められていたということも新聞等に書かれてありますけれども、ダイヤの運行に支障がないように、時間が大事だ、そういうことだろうと思いますが、車両の高性能化だけが先行して安全設備が追い付いていかないという側面、一面があるんだろうと。車両あるいは軌道、安全教育、特に今回の事故を考えますと、ダイヤが乱れた場合の安全最優先教育というのも更に重視をして、総合的な安全総点検に取り組んでいただきたいと考えているところであります。国土交通省では、この事故を受けまして全国鉄道事業者に安全総点検を指示されたということでありますが、その内容についてもお伺いをしたいと思っております。
 今回の事故の原因究明はこれからでありますけれども、ATS、自動列車停止装置は旧式だった、六月のころこれを替えるということも書かれてありますけれども、残念な事故でありました。そしてまた、これをATSからATC、自動列車制御装置の導入も進めていかなければならないと考えるものであります。
 脱線防止装置も、過去に、二〇〇〇年ですか、日比谷線の事故がありました。そして、それをもとにこの脱線防止装置の取付けを指示をしたと思いますが、こういう状況もどうなっているのか、もしお分かりになればお答えをいただきたいと思っています。
 そして、車両強度の問題。今回、ステンレス車両ということで軽量化です。側面衝突は想定外ということも書かれてありますけれども、正面だけではなくて側面にも対応していかなきゃならないという、そういうこともあります。
 原因はスピードの超過だとか、前の駅で一分半遅れたからそれを取り戻すためのスピードアップ。速度については、全くこれ、制限速度七十キロということでありますが、それを相当超えていたんだろうと想定をされますけれども、これはこれからの調査になるんだろうと思っています。
 そしてまた、是非、この全国安全点検の中でもちろん指示をされていると思いますが、軌道の点検、そして車両の点検も十分されて、それを各鉄道会社から報告を受けることになるんだろうと思いますが、それについても是非資料等を公開をしていただきたいということを、これは要望させていただきたいと思っています。
 そして、置き石ということがありましたが、私、大変昨日のニュースを見ていて残念だったことは、JR西日本の記者会見の中で置き石ということが、粉砕痕があるんで置き石ということも考えられるというような記者会見をされているわけであります。この原因についてはもうこれから、今調査委員会が調査をしているという中でこういう発言を鉄道事業者がするということはどうなんだろうかという考え方も持たないわけではありません。置き石についても、警察の考え方では、先頭車両が石を巻き込んで後続の車両がそれを粉砕をしたんではないかという考え方もあるわけでありますから、こういう発表にはやっぱり慎重にしてもらいたいということで、そういう指導を是非徹底をしていただきたいというふうに考えております。
 運転士の問題等もありますけれども、いずれにしても、いろんな問題があると思いますが、原因を徹底的に究明をされたいというふうに考えております。
 JR、私鉄、そしてオーバーランというのありましたけれども、オーバーランについても、どのぐらいあってどう指導しているのかということもあるんだろうと思いますが、いずれにしても、大臣が現地を見てこられて、そして安全を最優先する、その鉄道行政の目的にのっとって、今後の対応についてお尋ねをしたいと思っております。
#12
○国務大臣(北側一雄君) この委員会でもこれまで何度も御議論をちょうだいをしておりましたにもかかわらず、昨日、このような甚大な被害が生じます事故が生じたこと、極めて遺憾であるというふうに思っております。私も、昨日、現場に直行させていただきまして、その大惨事について目の当たりにいたしました。
 安全の確保、安全な走行、これはもう交通事業者に課せられた最大の責務でございます、最大の役割でございます。ほかのいかなるサービスもこの安全確保というのがもう大前提でございまして、私は、交通事業者すべての方々に是非もう一度、この安全確保、安全走行というのが何にも増して一番重要なことであるということを肝に銘じて徹底してもらいたいというふうに思います。お亡くなりになられた方々、御遺族の方々、そして重傷を負われている方々もたくさん今もいらっしゃいます。その方々の無念といいますか、思いを考えますと、本当に交通事業者の方々にはそのことを本当に肝に銘じていただきたいと思っているところでございます。
 特に、JALの一連の事案がございまして、国土交通省といたしまして交通事業者の方々に安全総点検の指示を出したにもかかわらず、このような重大な事故になってしまったということに対しまして、私自身も非常に痛恨の極みでございます。
 この安全総点検の状況につきまして、私は改めまして、昨日、交通事業者に対して通達を出したわけでございますが、私自身が、交通事業者のこの安全総点検がどのようになされているのか、その御報告を私自身が受けたいというふうに思っておりまして、近々、交通事業者すべてにはもちろん行けないわけでございますが、交通事業者のところに私自身が行かせていただきまして、どのような総点検がなされたのか、どのような対策が取られているのか、私自身も直接聞かせていただき、また現場も見させていただきたいと思っているところでございます。
 いずれにいたしましても、今はこの事故を受けまして、御承知のとおり、現場では今も関係機関の方々の懸命な救急活動が続いておるところでございます。
 昨日もJR西日本の社長と会いました、現場で。また、先ほどは会長から電話もいただきました。両名に、お二人には強く申し上げてありますのは、被害者の方々への対応に万全を期してもらいたい、誠実ある対応をしてもらいたい、そのことを強く申し上げますとともに、なぜこのような事故が起こったのか、その原因究明。今事故調査委員会、昨日七名、今日から二名追加しまして九名が今現地に入っておるわけでございますが、この原因究明に、事故調査委員会並びに警察に対しまして全面的に協力をするように会長並びに社長に強く要請をしたところでございます。二度とこうした事故が起こらないように、この原因については徹底して究明しなければならないというふうに考えております。
#13
○岡田広君 関係機関の皆さんの現地での努力がまだ続いております。救出作業、本当に敬意と感謝を表したいと思います。
 正に、安全と安心最優先ということで、もう航空行政もそうですけれども、今回鉄道という、こういう痛ましい事故が起きてしまいました。さらに、国土交通省におかれましてはもう本当に安全、安心、これを最優先して指導をお願いをしたいと思っております。
 それでは、鉄道利便増進法案につきまして質疑をさせていただきたいと思っています。
 初めに、これ平成十二年の運輸政策審議会の答申の第十九号において、幹線鉄道ネットワークはほぼ概成している状況にあるとされていますが、今回のこの増進法案は、東京、大阪、名古屋、三大都市を中心に政令指定都市ということでありますけれども、地方都市を相互に連絡し、地域連携の軸となるような在来幹線鉄道についてはいまだ不十分なものがあると考えるものであります。これからの、これらの在来幹線鉄道の今後の在り方について、まずお尋ねをしたいと思っています。
#14
○政府参考人(梅田春実君) 先生御指摘の幹線鉄道ネットワークにつきましては、その形状の上では基本的にほぼ概成しつつある状況だというふうに考えております。しかしながら、幹線鉄道につきましてはその高速化、非常に時速がのろいという批判もございます。また、既に到来しつつあります高齢化社会に対する輸送サービスの質の面で少し問題が残るという面がございます。
 私どもといたしましては、こういう在来幹線鉄道の高速化につきましては、既に様々な支援措置を設けて高速化を図っているところでございます。また、バリアフリー化等につきましても力を尽くしているところでございます。
 今後とも、こういう質の面で、私どもといたしましては幹線鉄道のネットワークの充実を図っていきたいというふうに考えております。
#15
○岡田広君 是非、地方都市を相互に連絡する地域連携の軸で大変重要でありますので、この質の向上もしっかりとお願いをしたいと思っております。
 次に、新幹線について一点だけお尋ねしたいと思います。
 新幹線、もう時間ありませんから要点だけ申し上げます。既に開業している新幹線、例えば私は茨城ですが、茨城県では新幹線通過しているのは古河という駅だけであります。しかし、あの駅、停車はありません。そういう中で、この古河市周辺に協議会をつくりまして、この新駅設置を要望していますけれども、どういう要件が整えば新駅設置が実現するのか、これまずお尋ねをしたいと思います。
#16
○政府参考人(梅田春実君) 一般的に、新駅の設置につきましては基本的には事業者の経営判断の問題となります。
 一般的なルールでいいますと、一つは十分な利用者が見込まれまして収支が悪化しない、それから線形とか勾配などから見まして技術的に問題がない、それから新駅の整備につきまして地元や自治体の協力が得られる、それから設置の費用、これにつきまして具体的な負担関係が明らかになっている、それから新幹線の特徴でございます速達性、これを阻害しないというようなことが判断の要素になろうかと思います。こういう点を総合的に判断しながら決定されていくものと考えております。
#17
○岡田広君 自治体の協力は、例えば古河の駅についてはもうしっかりと協議会ができている、そしてこの設置の費用ももう事業者負担、そしてまた駅ができた後の採算ベースの問題等につきましても、これに向かっていろんな区画整理事業をし掛けているということで、本当に地元が要望をしているわけでありますので、しっかりとこれを検討をしていただきたいということを要望をさせていただきたいと思います。
 次に、平成十二年にできました交通バリアフリー法についてお尋ねをいたします。
 この基本方針では、一日当たりの平均的な利用者五千人以上の鉄道、鉄軌道駅の原則すべてについて二〇一〇年、平成二十二年までにバリアフリー化を実施をすることが目標とされています。対象となる駅が全国でどのくらいあるのか、また現在の整備率がどの程度なのかをお尋ねをいたします。
#18
○政府参考人(梅田春実君) 交通バリアフリーにつきましては、交通バリアフリー法が十二年に成立しました後で本格的な整備が進んでまいりました。国といたしましても、財政上の支援措置等によりまして取組を進めてきております。
 平成十六年三月末現在におきまして、一日当たりの利用者数が五千人以上の駅は全国で二千七百三十五ございます。そのうち、段差が解消された、つまりバリアフリーが徹底した駅は千二百駅、約四四%でございます。
#19
○岡田広君 四四%ということで、こういう状況で進んでいきますと、二〇一〇年までに原則すべてをバリアフリー化するということですが、この目標を達成できないんではないかという考え方を持つわけでありますが、この点についてはどうでしょうか。
#20
○政府参考人(梅田春実君) 法律が成立して、十二年でございますから今年で五年でございます。あと五年ございます。私どもといたしましては、このバリアフリーの目標年次に向けまして、一〇〇%できるように、地方公共団体あるいは鉄道の事業者あるいは地域の方々の御理解を得ながら、鉄道事業者の自主的な取組をも促進させながら、私どもも必要な予算の確保を図って、是非とも達成したいというふうに考えております。
#21
○岡田広君 是非、二〇一〇年に向けてこの一〇〇パー目標を達成をお願いをしたいと思っています。
 目標が達成されますと、その後今度は乗降客が五千人より少ない駅、これについての計画をやっぱり、方針を作らなければならないと思っていますが、この方針についてはどういうふうになっているか、あるいは、早めにこの方針を作られる必要があるんだろうと思いますが、この二〇一〇年以降の方針についてもお尋ねをしたいと思います。
#22
○政府参考人(梅田春実君) 二〇一〇年以降の問題でございます。
 先ほど申しましたように、交通バリアフリー法につきましては、法施行後五年を経過した時点で見直すということにされております。これは施行が平成十二年の十一月でございますので、今年がちょうど五年経過でございます。こういうタイミングが一つございます。
 それからもう一つ、最近の流れといたしまして、だれもが利用しやすいというユニバーサルデザインという観念、概念が進んできております。そういう点から見て新たな課題やニーズ等もございます。
 そういうことで、私どもの省におきましては、学識経験者あるいは身体障害者の団体の方々をメンバーといたしました懇談会を設置いたしまして、今後のバリアフリーの施策の検討を進めてきておるところでございます。二〇一〇年以降を見据えた今後の交通バリアフリーの在り方について、先生御指摘のような御意見もいただいておるところでございます。今後更に検討を進めてまいりたいと考えております。
#23
○岡田広君 是非、二〇一〇年以降の計画についても早く検討されましてお示しをいただきたいというふうに要望しておきたいと思います。
 次に、この利便増進法案でありますけれども、地方鉄道の利便性を高める方策として、駅を中心としたまちづくりを進めるべきと考えているわけでありますけれども、都市再生特別措置法も改正をされました。そういう中で、地方都市の駅だけが整備をされて、駅の例えば駅ビルにいろんな商店街、ショッピングが入りますけれども、駅だけが独り勝ちになってしまってはいけないわけでありますから、地方都市の駅周辺整備の取組についてもお尋ねをしたいと思います。
#24
○政府参考人(竹歳誠君) お答えいたします。
 交通結節点である駅周辺は昔から人の往来の中心でございまして、町のにぎわいの中心となる条件を備えているということでございますので、駅を中心としたまちづくりを進めることが非常に重要な課題であると考えております。このため、今回の都市再生特別措置法の改正で創設していただきましたまちづくり交付金と連携して実施される民間プロジェクト、これを支援する制度を大いに活用していきたいと考えております。
 既に現在相談を受けているプロジェクトの中には、地方都市で、市が駅周辺を区画整理事業で整備して、民間事業者が商業施設、交流広場、駐車場等を整備する案件というのも出てきております。また、予算の措置としても、駅と町が協働して事業を進めるという制度が創設されておりまして、駅と町を結ぶ駅前広場やペデストリアンデッキ、これらを整備して駅周辺のにぎわいの創出に資すると考えております。このような政策を適切に進めることによって、駅周辺がにぎわって、地方鉄道の利用者も増えて地方鉄道の利便性向上に資すると認識しております。
#25
○岡田広君 是非、駅周辺、そして更に周辺の商店街とも連携、地方公共団体とも十分連携を取りながらこの駅を中心としたまちづくりを進めていただきたいことを要望したいと思います。
 次に、今回のJRの事故については踏切の中での事故ではありませんでしたけれども、地方都市においても大変踏切の事故が多い。
 例えば、私鉄ですが、茨城県で下館というところ、水海道、三十キロぐらいあります常総線というのが走っていますが、その中で百五十か所踏切があります。二百メートル間隔で踏切があるんです。当然、この踏切が多過ぎる。そういう中で、踏切がそれぞれ、自動車が止まればCO2にも影響していくということで、連続立体交差事業、これ、今回の平成十七年度から県庁所在地あるいは二十万都市以上のところでもこの事業ができるということで補助が入れられましたけれども、この連続立体交差事業についての推進の考え方についてお尋ねをしたいと思います。
#26
○政府参考人(竹歳誠君) 国土交通省といたしましては、平成十五年度に閣議決定されました社会資本整備重点計画に基づきまして、全国にあるボトルネック踏切、約千か所、これを連続立体交差事業等によって平成二十二年度までに半減することを目指しております。
 ボトルネック踏切千か所のうち五百か所が開かずの踏切でございますけれども、これは鉄道運行頻度が高く、ピーク時において四十分以上閉まったままという大都市中心の問題でございます。一方、一日当たりの交通量、これが五万台時という多くの交通量が遮断される踏切を含めたボトルネック踏切は、これは地方都市でも存在する大きな問題でございます。
 したがいまして、今御指摘のように、本年度より、連続立体交差事業のスピードアップを図る観点から、今まで都道府県、政令市に限定されていた施行者に県庁所在都市及びそれに準ずる都市を追加したところでございまして、引き続き、地方都市も含めて連続立体交差事業を重点的に実施してまいりたいと考えております。
#27
○岡田広君 時間が参りましたので、最後に大臣にお尋ねをしたいと思います。
 この都市鉄道利便増進法は三大都市圏と政令指定都市であります。そういう中で、これを地方への適用範囲の拡大をしていかなきゃならないと。都市再生法でも、最初はこういう大都市でありましたが、今回の法案は地方再生ということでありますし、鉄道行政の目的も都市と地方の再生にも資する鉄道の実現を図るということでありますので、そういう観点から、この三大都市圏、政令指定都市から地方都市へという考え方について大臣にお尋ねをして、質問を終わりたいと思います。
#28
○国務大臣(北側一雄君) 今委員がおっしゃいましたように、この法案は三大都市圏及び政令指定都市を対象としているところでございますが、今委員のおっしゃいましたとおり、鉄道の役割に対する期待というのは、大都市部だけではなくて地方においても大変期待が大きいわけでございます。
 平成十七年度予算におきましては地方鉄道やLRTに対する補助制度の拡充を行ったところでございますが、本法案、成立をさせていただきましたならば、その施行状況を見ながら、地方においてどのようなニーズがあり、どのような制度的対応が可能なのか、地方公共団体や鉄道事業者の方々の関係者の御意見、御要望もお聞きした上で、今の委員の御趣旨に沿ってよく検討をさせていただきたいと思っております。
#29
○岡田広君 是非、この検討方をお願いをしたいと思います。
 線という漢字は左側はいとへんです。縁という漢字も左側はいとへんです。縁があって出会って、いろんな話をしてきずなが深まるといいます。いとへんです。一緒になる緒、結納の結とか納とか、あるいは国土交通省の組織の組織もすべていとへん。鉄道を網の目のように、網もそうです。私は、これらの漢字の原義はすべて糸であると、そう思っています。経営という言葉がありますが、経営の経は左側はいとへんです。経営という言葉を辞書で引きますと、目標を定めてそれに向かって精進することという意味が書かれております。お経の経は、ばらばらの玉も一本の糸で結ばれるから立派な数珠になります。糸が切れたら数珠になりません。
 そういうことから考えると、やっぱり安全、安心というこの鉄道行政の目的に向かって、いろんな議論はあると思いますが、一本の縦糸で結ばれるという、こういうことが大事でありますので、正に地方の鉄道という考え方も検討していただきまして、国民の利便に供していただきたいということを要望して、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#30
○山下八洲夫君 おはようございます。民主党・新緑風会の山下八洲夫でございます。
 私も、まず冒頭、昨日、未曾有の西日本旅客鉄道福知山線におきます列車事故について、若干意見やら、またお尋ねもいたしたいというふうに思っております。
 まず最初に、今現在、私がお聞きするところによりますと、お亡くなりになられました方が七十三名、負傷者が四百四十一名というようなことにもなっているように伺っております。特に、お亡くなりになられました皆様方あるいは関係者の皆さんに心から哀悼の誠をささげたいと思いますし、同時に、負傷なさっている皆さん方は大変重傷の方もいらっしゃるようでございます。心から早く快方に向かわれますようお見舞いも申し上げたい、そのように思っている次第でございます。
 まず、そのような中で、今回のこの鉄道事故、JRになりまして未曾有の鉄道事故だろうというふうに思っております。思い返しますと、一九九一年五月だったと思いますが、信楽鉄道で大変な鉄道事故を起こし、そして四十二名、当時もお亡くなりになっているようでございます。私もこのときには現地視察もさせていただいたわけでございますが、あってはならない、そういう中で、今現在、率直に申し上げまして、大臣も早速現地へ飛ばれ、そして多くの指示等もなさり、そして対策本部も設置をされました。あるいはまた、事故調の皆さん方、先ほどもお話がございましたとおり、調査に現地へ派遣させていらっしゃる。そういうことで、大変私も、素早い取組をしていただいて大臣にも敬意を表する次第でございます。民主党も早速、昨日、菅直人さんを責任者にいたしまして対策本部も設置をさせていただいた次第でございます。今現在では、率直に申し上げまして、私もどちらかといいますとマスコミの報道範囲しか状況は承知しておりません。
 そういう中で、いろいろと最近のことを振り返ってみますと、昨今、この委員会でもかなり議論がなされたわけでございますが、日本航空グループの運航における一連のトラブルで安全確保が本当に危機的な状態になっている。そして、事業改善命令も出された。また同時に、四月二十二日にはANAがまた小松空港で管制指示違反を犯している。こういうような、どうも連鎖的な状況が起きているなというような気がします。
 鉄道事故におきましても、あの三月二日の土佐くろしお鉄道における列車脱線事故、あるいは、その後、三月十五日でございましたが、東武鉄道のあの踏切事故、あるいはまた三月十九日には東海道新幹線における速度超過、こういう問題も起きていると。また鉄道がずっと連鎖している。
 このようなことを考えておりましたら、ふと私は思い出したことがあるんです。それは何かといいますと、二〇〇三年の八月にエクソンモービルの名古屋油槽所が火災が起きまして、そうしましたら連鎖のように、九月に新日本製鉄名古屋製鉄所の火災、あるいはブリヂストン栃木工場の火災、出光興産の北海道製油所の火災と、どんどん大変大きな火災が連鎖いたしたことも私は思い出したわけでございます。
 そういうことで、今回のこのJRの事故につきましては、それこそ国土交通省といたしましても、鉄道事故レベルでいいますと五段階のうちの四のレベルに該当すると、こんなことをおっしゃっています。もう今や五に値するんじゃないかなというような気もするわけでございますが、このような大きな事故になっているわけでございます。
 このような一連のものを考えていきますと、どうも私は率直に今の段階で気持ちとして思いますのは、安全についての認識の欠落を大きく裏付けているんじゃないかな、そういうような気がしてならないんです。特に、事業者におきましてはそれこそ収益確保ばかり目が向いているんではないか、こういう気もいたします。火災でいいますと保安関係になるんでしょうけれども、あるいは今回のこの安全のための人的コストやあるいは安全のための設備投資やら、そういうことに対して本当におろそかにしているんではないか。
 また、確かにこのマスコミ報道を見ておりますと、スピードの出し過ぎじゃないか、こういう意見も言っております。遅れを取り戻すためにはスピードを出し過ぎたんじゃないかとか、あるいはATSにいたしましても速度オーバーには対応していない古いのを使っているんじゃないか、こういう報道もありますし、あるいは脱線防止ガードをあそこに付けておけば脱線しなかったとか、いろいろと言われているんですね。
 また、運転士の未熟さも言われています。技量が低いんじゃないか、まだ十一か月しかたっていないと、こういうことも言われておりますが、先ほどお話ございました置き石、粉砕痕がある。この粉砕痕につきましては私も今の段階でJR西があのような発言をすべきではないと思いますし、大臣も厳しくこれに対しては意見をされたようでございますから、私はその点については高く評価をしているわけでございます。
 また一方では、車両の軽量化、そのことによってスピードアップをしていくとかあるいは省エネに努力するとかいう、省エネで言いますと聞こえはいいわけでございますが、それ以上にやはり安全の面でおろそかになっているんじゃないかな、ですからせんべいのようにあの車両がなっている、こういう状態もあると思うんです。
 このようないろいろなことについてこれからしっかりとしたやはり検証は当然必要だと思いますし、これからまた事故調も、あるいは国土交通省としてもこのようなことに対しては検証がなされると思います。二度と再びこのようなことを起こしてはならないわけでございますし、ただスピードアップ、あるいはダイヤ主義、こういうことだけでいいのかどうかということもこれからまた検証もしないといけないと思いますから、是非そのようなことについて徹底的なまた検証もしていただきたいなということを申し上げておきたいと思いますが、それに対しまして、まず大臣の御意見等ございましたらお聞かせいただきたいというふうに思います。
#31
○国務大臣(北側一雄君) 交通事業者にとりまして、安全確保、安全な走行、利用者を目的地まで安全に送り届けると、これがもう最大の、大前提のサービスであるということを是非交通事業者の方々は改めて肝に銘じていただきたいということを今強く申し上げ、また痛感をしているところでございます。競争が激しいから他社よりも様々な利便を与えないといけない、サービスをしなければならないと、そういう要請があることも事実でしょうけれども、しかし、何よりも安全走行、安全確保というのがもう大前提の話でございます。そこのところを是非肝に銘じてもらいたいし、そのことをトップから現場の方々まで社を挙げてそうした取組をしていただきたいというふうに思っているところでございます。
 また、私は、やっぱり安全というのはそういう意味で何よりも大切な利用者、国民へのサービスであり、最も大事な要請であるわけでございますので、そういう意味では安全に関する規制というのはやはり社会的規制として大切なことでございまして、これまで様々、規制改革、規制緩和等、そういう流れがあったわけでございますけれども、もちろん経済的な規制というものは緩和されることが大事だと思いますけれども、一方で、安全面に関する社会的規制というのは、これはやはりしっかり堅持をしていかないといけないということも痛感をしているところでございます。
 この重大な事故の原因につきまして徹底して究明をしてまいりたいというふうに思っております。今様々な情報があるわけでございますけれども、今事故調も入っております。しっかりと究明をさしていただき、またこの委員会にも御報告をさしていただきたいと思っているところでございます。
#32
○山下八洲夫君 まだ本日は私もマスコミ程度しか知識がございませんので、またいろんな原因があろうと思います。今日たまたま、私は当初この利便増進法案の中で質問したいなと思っていたわけなんですが、これから少子高齢化社会になっていきます。そういう中で、JR、私鉄お客争奪と、輸送人員減り危機感と、このような記事も去る四月十九日に掲載されているわけですね。そういうことで競争激化がまた安全性無視というのにもつながってくる危険性がございますので、是非今の大臣のお言葉を実行に移すようにしていただきたいなというふうに思う次第でございます。
 同時に、委員長にもお願いをしたいわけでございますが、こんな未曾有の事故が起きました。できましたら、この委員会としてなるべく早い時期に調査をし、そしてこの委員会でも集中的な審議が必要であろうと、安全確保のためにも、そのように思いますので、また理事会等で議論をしていただきたいということを要望しておきたいと思います。
 こんな重苦しい発言を今日は当初はする予定ではなかったんです。明るい発言をしたいなというふうに思っていたわけですが、せっかくの機会ですから、大臣にちょっと冒頭質問させていただきたいというふうに思います。
 私も久しぶりに、つい数日前に二回目のあの山梨県にございます超電導リニアに試乗をさせていただきました。今日、新幹線が実用化されているわけでございますが、実用化するまでには試験走行、十六万キロメートル走ったそうです。リニアは現在もう四十三万キロメートルの試験走行を行っているようでございます。私も五百キロのスピードのところで試験走行を体験させていただいたわけでございますが、新幹線の「のぞみ」に乗っているのと同じように揺れもございませんし、大変乗り心地も良くなっております。もうそろそろこれは試験走行だけではなくて実用化しても、逆に新幹線が実用化した当時から比べればレベルはそれ以上、安全面でも乗り心地面でも優れているんではないかというふうに思いますし、せっかく行きましたから、過去、国土交通大臣、どれだけ試乗されたのかなというふうにちょっとあそこで聞いてまいりました。当時は、スタートしましたときは運輸大臣でございますから、石原慎太郎運輸大臣のときに立ち上がったようでございます。歴代の運輸大臣はそれこそ扇さんの前までは皆さん試験走行の体験をなさっているようでございます。残念ながら、扇千景国土交通大臣ですか、あるいは運輸大臣も経験なさっていますけど、そして石原伸晃国土交通大臣は試乗なさっていません。
 特に、北側大臣は大阪でもございますし、体験されますともっともっと関心が高まると思いますので、是非一度このリニアの試乗に体験試乗していただきたいなと思いますが、その辺につきましていかがでしょうか。
#33
○国務大臣(北側一雄君) 是非、機会があれば試乗さしていただきたいと思っております。
#34
○山下八洲夫君 大臣も大阪でございますので、是非試乗していただいて、関心をもっと高めていただきたいなというふうに思います。お願いしておきたいと思います。
 都市鉄道利便増進案の審議に当たりまして、まず平成十七年度の陸海空の交通関係の予算でございますけど、平成十七年度予算でございますが、事業費ベースで見てまいりますと、鉄道が四千二百六十億円、道路が、約十数倍なんですかね、六兆二千九百三十八億円、空港が四千九百五十六億円、港湾が六千八百五十一億円と、こういうようなバランスになっております。
 この予算の中身を見ますと、まあいろいろとあるんですけど、鉄道でいいますと新幹線鉄道整備費を含めて、あるいは空港でいいますと関空の第二期工事、二本目の滑走路も含めてなっているわけでございますが、そういう中で、どちらかといいますと国民が一番利用しておりますし、京都議定書等を考えますと環境にも一番優しい鉄道に対しまして、予算の面から見ますと国の取組は若干弱いんじゃないかな、あるいは若干同じ公の公共機関に対して冷たいんじゃないかな、このような気がいたしますが、大臣、この予算についてどのような感想をお持ちでしょうか。
#35
○国務大臣(北側一雄君) 確かに、予算面で見ますと、ほかのインフラ整備に比べますと少し少ないという委員の御指摘はごもっともであると思います。
 ただ、鉄道事業の場合はほかと少し違っておりますのは、民間の投資を基本としておるため、その公共投資額、額といたしましては他の交通インフラに比べますと絶対額としては多くないということであるというふうに思っております。国土交通省といたしましても、様々な補助制度がございます、そうした補助制度を創設をいたしまして、多様な鉄道に対するニーズに対応をしてきたところでございます。
 今委員がおっしゃいましたように、鉄道というのは地球環境にも大変優しい交通機関でございますし、またエネルギー効率も非常に高い優れた交通機関でございます。これからの環境、また少子高齢化ということを考えましても、鉄道への期待というのはますます高まっているわけでございまして、しっかりとこの鉄道に対しましても効率ある予算配分ができるように取組をさしていただきたいと思っております。
#36
○山下八洲夫君 確かに、他の公共機関と違いまして、鉄道についてはそれぞれの事業者がどちらかといいますと投資をして今日まで発展してきた、このように私も理解をいたしております。ただ、今回の利便増進法案では、もうそれぞれの鉄道事業者がそう簡単にもう投資しないよというようなことも一方にはあるから、このような増進法案も提案されておるんではないかなというふうに思っております。
 ですから、是非この増進法案をきっかけにしまして、先ほどもお話あったわけでございますが、もっともっと力を入れていただいて国民の足をしっかりと守っていただく。何でもかんでも競争社会にしますと、また競争社会の裏側には危険が存在するということは今回の私はこの事故でも明らかになっておるんではないかなというような気もいたしますので、是非また御検討もいただきたいと思います。
 そういう中で、若干法案からそれるわけでございますが、陸海空いずれの交通行政も、これは大臣も大臣所信表明で述べられているわけでございますが、観光政策にも大変大きくかかわってくるわけでございます。北側大臣も政府も観光産業には大変な力を注いでいらっしゃいますし、そこで観光産業はこれから、特に二十一世紀は我が国の経済あるいは人々の雇用あるいは地域の活性化に大きな影響を及ぼす、そのように思っています。また、経済効果や雇用効果も極めて大きい分野だというふうに私は推計しております。特に日本の場合は、二十一世紀はそれこそこの旅行業というのはリーディング産業であってもおかしくない、そのように思いますが、ですから北側大臣も、それこそ二〇一〇年には外国人観光客の訪日旅行者を一千万人を目指して、そしてビジット・ジャパン・キャンペーンを展開なさっている、私はこのようにも認識しているわけでございます。これは何ら間違いないと思いますし、これは正しいことだと思います。これを是非成功させたいというふうに思っております。
 そこで、旅行業が旅行業法におきまして、第二章の第三条「登録」というところで、「旅行業又は旅行業者代理業を営もうとする者は、国土交通大臣の行う登録を受けなければならない。」、このように法律で定められています。解説をいたしますと、登録を受けて初めて旅行業を営むことができるようになる、つまり登録の、営業許可の方法として使われていると、このように記されているわけでございますし、そういう意味でいいますと、この旅行業というのはいい加減にやっちゃいけませんよ、きちっとやりなさいということだろうと思います。それで私は間違いないと思いますが、そういう考え方でよろしいでしょうか。
#37
○政府参考人(鷲頭誠君) 先生御指摘のとおり、旅行業を営む場合には登録ということを法律に基づいて、旅行業法に基づいてしていただくことになっておりまして、必要な営業保証、お金を積んでいただいて、消費者に対してきっちりと何かあったときには弁済ができるという仕組みをつくった上でビジネスをしていただくということになっております。
#38
○山下八洲夫君 それだけ国としても、旅行業を営む事業者には信頼されるような事業をちゃんと行いなさいよと、そういうことを裏返すと言っているんだろうというふうに思います。
 そこで、どうも、もう聞きおいていらっしゃると思いますが、旅行業の不当労働行為の事案に当たるんではないかなというような案件があるわけでございます。日本にはたくさんの旅行業を営んでいるわけでございますが、日本の大手五社の旅行取扱状況は、私もびっくりしたんですが、二〇〇四年で二兆八千億、約三兆円近くあるんですね。大手五社と言われておりますいわゆる東急観光についてお尋ねしたいと思うんです。
 私は、この東急観光については、三月三十日の衆議院の厚生労働委員会あるいは四月十九日の参議院厚生労働委員会において、労働委員会の勧告にも応じず悪質な組合つぶしを行っているなどなどというような審議がされておりますし、この紛争の内容については当然、厚生労働省といたしましても承知だろうと思いますし、国交省の観光審議官の方も御存じだと思うわけでございます。
 どの程度御存じなのか、まず厚労省そして国交省というふうにお尋ねしたいと思いますが、私は、率直に申し上げまして、これは不当労働行為に当たるんじゃないか、このような印象を持っておりますので、是非御意見等をお聞かせいただきたいと思います。
#39
○政府参考人(太田俊明君) お答え申し上げます。
 今御指摘の東急観光の事案でございますけれども、東急観光労働組合が、昨年六月、東急観光株式会社が不当労働行為を行ったとして救済申立てを行って、現在、東京都労働委員会に係属中であるというふうに承知しているところでございます。
 本件につきましては、現在、独立行政委員会でございます東京都労働委員会が不当労働行為事件として処理しているところでございまして、その具体的なコメントは差し控えさせていただきたいと思っておりますが、私どもも東急観光の労働組合あるいは連合等からも状況等は十分お聞きしているところでございまして、係属中の案件でございますので、重大な関心を持って推移を見守っているという状況でございます。
#40
○政府参考人(鷲頭誠君) 私どもも東急観光におきまして労使間で紛争があるということは承知しております。私どもは旅行業法に基づいて旅行業を監督しているという立場にございますので、これが旅行取引の公正の確保あるいは旅行の安全の確保、旅行者の利便の増進に与える影響がないかどうかということについて注視をしているところでございます。
#41
○山下八洲夫君 また後ほど触れたいと思いますが、注視だけでは物事は解決いたしませんので、また後ほど触れたいと思います。
 厚生労働委員会の中で、国土交通省の答弁といたしまして、東急観光の株式八五%以上を取得したアクティブ・インベストメント・パートナーズ、AIP社ですね、いわゆる。この代表者は代表パートナーとおっしゃるんですが、青松英男さんが経営する投資ファンドの実態をつかめていないと、このように答弁をなさっていますが、当時、三月三十日からしますと随分時間が経過しておりますので、もうかなりこの実態をつかんでいらっしゃるんではないかなというふうに思いますので、その実態の分かる範囲、ちょっとここで御報告いただきたいというふうに思います。
#42
○政府参考人(鷲頭誠君) 私ども、東急観光から聴取したところによりますと、アクティブ・インベストメント・パートナーズ、今先生おっしゃられました会社は、東急観光の株式の八五%を所有いたしますJPEリミテッド社という会社がございまして、そこの保有する資産の運用管理会社として一九九九年十月に設立されました。現在は日本人のみによって運営をされまして、日本法人としての登記を受けているということでございます。
 JPEリミテッド社というのは、英国領ケイマン諸島にその本拠を置きます資産保有会社として、日本国内の有力機関投資家、例えば損害保険だとか大手銀行、企業年金などからの出資を得て投資ファンドを構成しておりまして、このファンドを活用して、東急観光を始めとする会社の株式を取得、保有しているというふうに聞いております。資産の保有会社が資産の運用会社であるアクティブ社と別法人になっておりますのは、アクティブ社の倒産リスクから投資家を保護するためとのことであり、この手法は一般的に企業再生ファンドとして使われる手法であるというふうに承知をしております。
 それから、アクティブ社は、このJPEリミテッド社からの委託を受けまして、その出資先である東急観光の経営改善を図ることで企業価値を高め、投資家の運用益を向上させるためにアクティブ社の代表取締役である、今お話ございました青松英男氏を含む七名が東急観光の取締役及び監査役として同社の経営に関与しているというふうに聞いております。
 なお、アクティブ社というのは、東急観光のほか、過去においては、同様の手法により、通信販売大手のニッセンだとかパソコンメーカーのソーテックといった会社の経営改善を手掛けたということでございます。
#43
○山下八洲夫君 これは、週刊ダイヤモンド社ですから立派な雑誌社ですけれども、「経営権濫用し労組つぶしに躍起」、「ファンドの運用会社が経営権を濫用し、労使関係が紛糾する事例も出始めた。ファンドはやはり単なる買収屋なのか。」、労働組合に組合の事務所の家賃を払えと露骨な嫌がらせをやったとか、いろいろとこう記事が書かれています。今おっしゃったようなことだと思うんです。
 同じダイヤモンド社ですけれども、ハゲタカは本当に悪なのか、それが執筆者の動機だった、ファンドに説明責任を問う、東急観光労使紛争の波紋と、いろいろと今のようなことも書かれているわけでございますが、これは経営改善じゃなくて、率直に申し上げまして経営をますます悪化させている、そのように思えてならないんです。それどころか、それこそ従業員のやる気をどんどんどんどん失わさせている。これが大手五社の旅行業ということを私はお聞きしまして、なおびっくりするわけですね。
 ですから、先ほど冒頭申し上げましたように、旅行業というのは登録制になっていると、そのことから見ますと、もっともっとこの東急観光に対しまして指導ができる立場にあるんではないかと思いますが、その辺についてはどのように御感想をお持ちでしょうか。
#44
○政府参考人(鷲頭誠君) 先生今お話がございましたとおり、我が国の代表的な旅行会社、東急観光は、でございまして、平成十五年度の取扱額ベースで業界八位、千七百八十七億円の地位を占めております。そういうこともございまして、その運営の在り方が我が国における旅行取引あるいは旅行者に与える影響は非常に大きいというふうに考えております。
 国土交通省では、旅行業法に基づき、旅行取引の公正の確保、旅行者の安全の確保、旅行者の利便の増進を図る観点から、先生がおっしゃられた、旅行業の登録制の下で、旅行者の適正な情報提供や旅行計画どおりの確実なサービス、手配の実施などのルールを定めて運用をしております。ということで、東急観光と取引を行います旅行者が公正の取引条件の下で快適、安全に旅行が行えるように、例えば旅行者から寄せられる苦情とかトラブルに関する情報などがあった場合には、そういうものにしっかり対応するということを通じて必要な指導監督を行ってまいりたいと考えております。
 なお、日本労働組合総連合会及びサービス・ツーリズム産業労働組合連合会から、同社の健全な労使関係の構築に向けての協力要請というのが三月二十九日に私どもなされまして、これを受けて、先般も東急観光に対して、労使関係のトラブルによって旅行者の利益を害することがないよう、労使関係のできるだけ早期の正常化に向けた誠実な話合いを強く要請をさせていただいたところでございます。
#45
○山下八洲夫君 余りこれ時間取れませんから、ちょっと先急ぎたいと思いますが、東急観光の金子社長さん、金子社長さんは国土交通省所管の社団法人日本旅行業協会の常任理事及び社会貢献委員会の委員長を務めていらっしゃいますね。社会貢献委員会の具体的な活動内容をひとつ教えていただきたい。
 それから、この社団法人日本旅行業協会、国土交通大臣指定になっているんですが、これのあらましを見ますと、旅行業の健全な発展に寄与し観光事業の発展に貢献することを目的として、まあいろいろと書いてありますが、国家試験の代行及び国家試験の一部免除のための指定研修の業務、以上国土交通大臣指定業務などを行っていますと、こんなあらましが記載されております。会員数は千二百十三社も加盟している立派な社団法人の、国土交通大臣指定の旅行業協会なんです。ここの常務理事はもちろんのこと、そして社会貢献委員会の委員長もなさっているんです。
 この社会貢献委員会はどういうことをするのか、そのことを教えていただきたいのと、同時に、こんな会社の実態を一方では起こしながら、社会貢献委員会の委員長を務めるような資格があるんだろうかなと私は疑問にも思いますので、その辺について分かる範囲で御答弁いただきたいと思います。
#46
○政府参考人(鷲頭誠君) 東急観光の金子社長という方でございますが、昨年六月二十四日、社団法人日本旅行業協会の総会の承認を得て同協会の常務理事に就任をしております。それから、同日以降、その同協会内におきまして、高齢者、身障者向けのバリアフリーツアーだとかあるいは環境保護に配慮したエコツアーといった、そういうバリアフリーツアーとかエコツアーの普及定着に向けた方策をどうしたらいいかということを議論する場が社会貢献委員会というところでございまして、そこの委員長も務められております。
 それで、私どもで日本旅行業協会から聴取したところでは、金子社長の選任に際しましては、特に平成十五年度の取扱額ベースで、先ほど申し上げました業界八位という大変重要な地位を占める総合旅行会社としての経験、ノウハウを有する東急観光のトップという地位に着目をして就任をしてもらったというふうに聞いております。
 それで、現在、私ども、東急観光というのは旅行会社としての業務は旅行業法に基づいて適切に行われていると承知しておりまして、日本旅行業界のこういう判断というのにつきましては特段の問題があるとは思えないということでございます。
#47
○山下八洲夫君 自分がトップを務めております会社の中で大変な混乱を起こしている、あるいは労使の関係もうまくいっていない、そういうところ、社会的な貢献が本当にできるんだろうかな、社会的な貢献をする前にまず社内をきちっとまとめることが第一義的に私は大事だというふうに思っております。
 そういう中で、大臣、東急観光における労使紛争につきましては、私は、企業の社会的な責任の在り方でも私は大変関心を持っておりますし、また従業員への不法行為、あるいはまた企業全体が発展するための阻害要因にも私はなるんではないかな、こう思えてなりません。それ以上に、こんな大きな旅行業界ですから、北側大臣も所信表明で述べましたように、一千万人の訪日外国人客を一生懸命呼ぼうと努力なさっているわけです。それに対しましても大変な阻害要因となると私は思います。日本の旅行業の発展、あるいはひいては観光業の発展の阻害要因になると思いますので、是非この辺については大臣の指導の下できちっと早く解決をして、旅行業がますます発展されるように導いていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 もし御意見ございましたら一言お願いします。
#48
○国務大臣(北側一雄君) 先ほど鷲頭審議官が答弁させていただきましたように、労使関係のトラブルによりまして旅行者の利益を害することがあってはならない、また旅行取引の公正はきちんと確保されないといけない、また旅行の安全も確保してもらわないといけないわけでございまして、労使関係のできるだけ早期の正常化がなされることを私も強く期待をしておるところでございます。
#49
○山下八洲夫君 厚労省、帰っていただいて結構ですから。
#50
○委員長(田名部匡省君) 太田政策統括官、どうぞ御退席いただいて結構です。
#51
○山下八洲夫君 それでは、利便推進法案の提案理由、これを簡潔に申し上げますと、三大都市圏その他政令指定都市を中心とした大都市圏の鉄道について、他の鉄道事業者の路線との接続の不備や混雑時間帯における速度の低下、あるいは駅とその周辺との一体的な整備の欠如といった課題がある一方で、近年の輸送需要の頭打ちによる投資の抑制もあると。そういう中で、市街地の熟成によりまして関係者の利害調整も大変困難化していると。そういう中で、事業者の自発的な改善事業など鉄道施設の整備が難しくなっていることを背景として私は提出されたというふうにも一方では理解をいたしております。
 だが、私は、この法案名は一つ納得がいかないんです。都市鉄道等利便増進法案となっています。私は都市鉄道ではなくて鉄道等利便推進法案とすべきだというふうに今でも思っているんです。しかも、法案では、都市鉄道とは大都市圏における旅客輸送の用に供する鉄道及び軌道をいうですか、このように示されております。我々の岐阜県はもう資格がないんだなと一方では思いながら、なぜ都市というふうに位置付けをされたのか、またその中で大都市圏に絞ったのか、是非このことについて大臣の所見をいただきたいと思います。
#52
○国務大臣(北側一雄君) この法案につきましては、まず大都市圏において鉄道ネットワークの機能の高度化を図ることによりまして、我が国の都市の活力、また我が国全体の活力を増進をさせようということでこの法案を提案をさせていただきました。まずその大都市圏、三大都市圏並びに政令指定都市を対象とさせていただきました。
 しかしながら、今委員のおっしゃいましたように、地方におきましても鉄道に対する期待というのは大変強い、高いものでございまして、そういう意味では、是非この法案を成立をさせていただきまして、その上で、その実施状況もよく見て、地方公共団体また鉄道事業者等の関係者の御意見も賜りながら、今後よく、この利便増進法案につきまして地方においても活用ができるのかどうか、そのためにはどうすればいいのか、そういうこともよく検討をさせていただきたいと思っているところでございます。
#53
○山下八洲夫君 私のひがみか分かりませんけれども、今国会に法案が幾つか国土交通省から提案されて、もう成立したものもございます。これを見ていきますと、都市再生特別措置法案あるいは国土総合開発法等改正あるいは下水道法案、こんなのはみんな都市に向いているんじゃないかなと、私のひがみか分かりません、そんなような気がしてならないものですから、ついついこの鉄道についてもこういう気持ちについなってしまうと。これは私だけじゃないと思うんですけれども、是非そういうことも認識していただきたいと思います。
 それで、どうも接続の不備とか駅とその周辺の一体的な整備がうたわれているんですね。例えば今回も、一つは相模鉄道とJR直通線の整備、あるいはもう一つは三宮駅の整備。三宮駅って私は余り、一、二度利用したことはありますが、不便かどうかということまでは私は承知しておりません。あるいはまた、この後、渋谷駅もというようなお話もちょっと聞いたりしております。
 ただ、私は、東京にいる限り、本当大変、若いころから便利なところだなと思っているんですね。どこへ行くんでも大体公共交通で行けるんですね、どこへ行くんでも。例えば、乗換えに五分掛かるとしても傘が要らない。大体もう中で、エレベーターへ乗ったり階段を下りたり上がったりしながら乗換えができる。乗換えできないのは、ちょっと耳打ちして教えていただいたんですけれども、西武鉄道は、新宿から出てるの、乗換えできぬよ、あれは西武が悪いんだよというような話を聞きましたし、あれ川越駅ですか、川越駅も西武は離れているよということをお聞きしました。それ以外、大体便利なんですね。
 岐阜県なんかは、歩いて乗換えできるような駅というのはほとんど皆無に等しいんですね。だから、目的地へ公共交通で行きたくても行けないんですよ。通勤にも、できれば電車で行きたいんですけれども、行けないから、高い車を買って、そして車で通勤してないといけない。こういう状況なんですが。
 そういうことで考えていきますと、国交省でいいんですが、なぜ、まず都市から考えるのか。発想を逆転しまして地方からまず便利にしていく。ますます人口はこれから将来どんどん減っていくのに、ますます、先ほどのあれじゃないですけれども、JRと私鉄のお客争奪だけじゃなくて、本当、電車で私鉄同士でもお客の争奪になっていくんじゃないかなというような心配をするんですが、その辺についていかがでしょうか。
#54
○政府参考人(梅田春実君) 私どもといたしましては、本法案で言っておりますように、基本的に、また怒られるかもしれませんが、都市に大勢の人間が住んでいて、その割には今整備したネットワークが非常に不便だという評価をいただいているわけでございます。
 それは、この都市に現在あります鉄道につきましては、やはり今まで大勢の地方の方々が都市に集まって、言わば我が国の経済、社会を支えてきたという時代を経てきております。そういう点で、増大する様々な輸送需要に鉄道ネットワークを一生懸命張ろうというところで各事業者が努力をしてきて、ばらばらに、ある意味ではいろんな計画は作りましたけれども、お互いの線をそれぞれ乗り継いでいくとか、あるいは相互に直通するとかいう意識が非常に希薄であったという点が非常に問題であるというふうに考えておるわけです。したがいまして、そういうところを少し直してあげれば、今あるストックが十分に活用できるのではないかというふうに考えて、そういう点で今回この法案を提出したわけでございます。
 もちろん、地方における鉄道の役割も非常に重要であるというふうに私ども考えております。そういう点から、地方におきましても、今までも近代化補助等の補助で支えてきましたし、あるいは、様々な地方鉄道につきましては税法上の特典等も努力してきたつもりでございます。しかし、残念ながら、経営がうまくいっているところもございますが、ほとんどのところが沿線の人口の減少あるいは高齢化、あるいは、言わば残された方々がマイカーを非常に、例えば一人一台あるぐらい普及しているというような状況の中で経営を維持することが非常に困難な状況に至っておるわけでございます。
 したがいまして、今回の法案は、例えば整備をする、あるいは一回整とんをしてもう一度造り直すというところに主眼のある法案でございますが、私ども、地方の鉄道におきましては、いかにして今ある地方の鉄道を地域とともに一緒になって支えて、もう少し便利にしていくにはどうしたらいいかというような点に着目があるんではないかと思っております。したがいまして、こういう点につきましても、今まで以上に我々もっと勉強いたしまして、何とか地域の要望にはこたえてまいりたいというふうに考えております。
#55
○山下八洲夫君 この相模鉄道とJR直通線の整備、概算事業費六百八十億円、これが完成しますと渋谷まで行くのが四十一分掛かったのが三十三分と、八分ぐらい早くなるんですか、八分ぐらい。六百八十億円投資して八分早くなると。それは確かに乗換え、僕は余り地理が分からないものですからよく分からないんですけれども、乗換え等が一つでも少なくなれば大変利用者には便利になると思います。ますます遠距離から都心へ通勤がしやすくなると思います。これは間違いないと思います。
 だが、この厚労省の人口等の推移の将来推計を見ても、今年は二〇〇五年ですが、二〇〇五年で一億二千七百七十一万、二〇〇六年、来年はピークで一億二千七百七十四万で、若干増えるんですね。三万増えるんです。もうそれからどんどんどんどん減っていっちゃうんですね。人口が減るということは、地価もどんどんどんどん下がるということなんです。どんどんどんどん今でも大都市圏、東京の大都市圏も都心へどんどんどんどんマンションへ回帰している。そうしますと、通勤もだんだんある意味で勝手に近くなっている要素もあるんですね。
 そういうことを見ていきますと、私は正直言って、これだけ投資をしてどれだけの利便さが国民に求められるんだろうということを考えると、ちょっと疑問に感ずるんですね。人間、三分早起きすりゃ得をするとよく言われたものですよ。そうじゃないね、早起きは三文の徳と言われたんだ、早起きは三文の徳と言われたんですね。三分早起きして行けば大体そんなに苦痛にならないですよね。そういうことを考えますと、本当に私はこのピーク時のことを考えていきますと、そうじゃなくてもこれからますますお客の争奪戦になるのに、私はもう少し考えてもいいんじゃないかというふうに思いますが、もう一度答弁してください。
#56
○政府参考人(梅田春実君) 先生御指摘のように、日本全体としては人口の減少局面に入るというのが予測でございます。しかし、減少する中でも、先ほど申しました三大都市圏には更に人口が集中するというのも現在の予測でございます。全体として、これ予測でございますのでそれが正しいかどうかは私もよく分かりませんが、一つ言えますことは、現在の大都市圏も含めまして三大都市圏の輸送需要というものは、例えば関東におきましてはピーク時からもう大体二、三%減少しています。それから、ちょっと西の方に行きますとピーク時から約一、二割減少している状況でございます。
 こうした中で、鉄道事業者、先ほど申しましたように鉄道というのは民間の活力を活用して整備してきた社会資本でございます。したがいまして、鉄道事業者がそういう投資を控えるようになるというのは、鉄道そのものが整備されなくなっていくということでございます。国もこういう厳しい財政事情の中でございますので、こうした整備のやり方で我々としては効率的に整備をしていくのが今後の社会資本の整備のやり方としてもふさわしいと考えておりますが、そういうやり方では整備できないような、まあ自発性の欠如の時代になってきていると思っておるわけでございます。
 したがいまして、その中で、自分が負担してでも整備をしようという意欲のある事業者の方々の気持ちは是非とも私どもは応援したいというふうに考えておりまして、今回の法案はそういう民間の方々の自発的な意思をこの法案、法律でもって推していこうというふうに考えているわけでございます。
 もちろん、地方におきましても意欲のある鉄道の事業者の方はおられます、個々の事業名は申し上げませんが。私どもとしては、そういう方々につきましては、もちろん地元と一緒になりながら応援してまいりたいと思っております。
#57
○山下八洲夫君 私と鉄道局長はちょっと目線が違うんですね、目線が。本当に、事業者に私は意欲が本当にあったんだろうかと疑いも持っているんですよ。鉄道局長がどうもうまく誘導しているんじゃないかなというような気もしないではないんですが、まあその辺はこれ以上追及いたしません。
 ただ、先ほども申し上げましたように、私は東京というのは本当に便利なところだと思いますよ。ここにいらっしゃる大部分の皆さんはそう思っていらっしゃると思いますよ。だから、この利便さをもっともっと高めてどういうことが必要だと、それより、もっと町並みをきれいにするとか、そういう意味の投資なら、社会資本投資なら理解ができるんですけど、余りにも人間横着しちゃ長生きもしなくなりますので、是非考えていただきたいと思います。
 時間がなくなってきましたから、もう飛び飛び質問をさしていただきたいと思います。やりたいところだけちょっとやらしてもらいます。
 交通の結節点となっている既設の駅の改良に当たって質問したいんですが、自由通路とともに橋上駅舎を整備する例が多いんですね。これにも大変な多額の費用が掛かることがネックになっていまして、それこそ地方はなかなかできないという状況になっています。
 そこで、分かる範囲で結構でございますが、一つは橋上駅舎の整備の状況はどうなっているか、また地方を含めて要求はどんな要求があるかなというのをもし分かれば教えていただきたいと思います。また、そういう中で、この法案では補助制度は駅舎の整備に対する新たな支援となるんですが、基本的に三大都市圏と政令指定都市が対象になっているんですね。地方都市は財源はまちづくり交付金に限られていると。これも置き去りにされているんです。連結が切れちゃっているんですね。
 昨年の十月十四日、扇議長さんあてにこれは岐阜県の市長会から要望書が出されているんですね。これは何かといいますと、中身ちょこっとだけ読みます。
 「交通結節点とまちづくりについて」と。現在、国は、大都市のターミナル駅で乗換えを円滑するために駅を大改造した費用の一部を負担する新しい制度、括弧、都市鉄道利便増進法案を検討中のことであるが、駅利用者の利便性を図るため、計画する橋上駅舎等も、鉄道で分断されている駅前、駅裏地域から鉄道へスムーズな乗換えに効果がある。よって、国や県は、公共交通結節点としてまちづくりの拠点の一つである駅舎等の整備を、都市の規模にかかわらず、国、県、市が一体となって行う制度へ改善してくれという要望が出ておるわけですね。
 全くそのとおりなんですね。地方は一杯、もう東西か南北かは別にして、線路でみんな遮断されているの一杯あるんですよ。そういうことを少し、こんな六百億も掛からないですよ、この一けたの、六百億も使うんだったら百か所以上造れるんじゃないですか。そういうことを考えますと、もっともっと利便性というのは国全体としては上がっていくんじゃないかと思いますので、その辺を含めて御感想をお聞かせいただきたいと思います。
#58
○政府参考人(梅田春実君) 既存駅の橋上駅舎化につきまして、私どもといたしましては様々な地区から御要請あるいは要望があるということはよく存じ上げております。それは先生御指摘の御地元だけでなく、東京あるいは大阪、名古屋、こういうところの比較的郊外の駅でございますが、そういう点のところからかなりの御要望があります。
 私ども、この既存駅の橋上駅舎化につきましては、鉄道利用者の安全性、利便性の向上を図ることを目的として、自由通路あるいは広場の整備、こういう都市側の事業と一緒に一体的に駅を改良しようという場合には鉄道駅総合改善事業費という補助制度を持っておりまして、この補助制度によりまして支援を行ってきております。もう既に具体的には、ここ数年でございますが、全部で七駅整備をしているところでございます。
 この制度につきましては、自治体とあるいは事業者との間の計画の熟度というのが大事でございます。特に負担の問題が重要でございますので、私どもこういう点につきまして御要請があれば必要な助言をし、鉄道局としてはできるだけ積極的に進めてまいりたいというふうに考えております。
#59
○山下八洲夫君 まだたくさん質問する予定だったんですが、時間がなくなりましたので、これを最後申し上げまして終わりたいと思いますが、それこそこの都市鉄道等利便増進法案、三大都市圏プラス政令指定都市という範囲でくくるんではなくて、地方都市においては首を長くしてこのような法律を待っておりますので、是非、財源があるわけでございますが、早急に検討をしていただいて地方都市へも目を向けていただきたいということを大臣にも要望しまして、終わりたいと思います。
#60
○魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。
 まず、昨日起きました福知山線の大惨事につきまして、冒頭、亡くなられた方々に対しまして御冥福をお祈り申し上げるとともに、負傷された方々に対しまして心からお見舞いを申し上げるものでございます。
 我が党といたしましても直ちにこの対策本部を設置をいたしまして、冬柴幹事長、また当委員会の山本香苗理事を昨日派遣したところでございます。
 これから原因究明を徹底をする、もちろんその前に人命救助でございますし、負傷された方々への手厚い対応というのが大事でございます。また、復旧、さらには再発防止策と、そういうような段取りといいますか、しっかりやってもらわなきゃいけないわけでありますが、原因究明が何よりも大事だと思いますが、何か今まで原因究明といいますと何となく犯人捜しをするような、要するに人的要素もあればいろんな社内の体質とか車両の不具合とかいろいろあると思いますけども、ただそれで終わっていてはいけないだろうと思うんですね。やはり、本来堅固であると思われる車両の中で人が亡くなっているわけですから、何で亡くなったのか、またどうすれば助かったのかという、そのサバイバルファクターをしっかり分析していく、そういう究明手法ということが、これはアメリカの事故調査委員会等で取っているようでございますけども、やはりそういう要素もしっかりやっていくことが安心、安全の日本の鉄道に寄与していくんではないのかというふうに思うわけでございますが、その点、大臣、御所見いかがでございましょうか。
#61
○国務大臣(北側一雄君) 昨日の事故は、皆様も御承知のとおり、マンションに列車が、カーブのところなんですけれども、衝突をすると。そして、一両目はもうマンションの一階の、駐車場なんですけれども、そこに突っ込んでしまっているわけです。二両目はマンションのへりにずっと重なるように曲がってしまっていると、こういう状況、大変悲惨な状況でございます。
 今も関係機関、利用者、このまだ一両目にいらっしゃる方々の救出に全力を挙げて今取り組んでいるところでございますが、私はあの情景を見まして、今までも脱線事故はかつてございました、しかし、このようなマンションに突っ込んでいく、このようなことはかつてなかったことだと私は思います。
 そういう意味で、原因究明につきましては徹底してやらないといけない。今委員がおっしゃったように、今事故調査委員会が入っておりますが、この事故調査委員会、九名のメンバーで今調査をしているところでございますけれども、専門家の方々が入っております。八条機関でございますけれども、客観的にこの事故原因について調査をしているところでございまして、今おっしゃったように、だれが悪いとかという前に、これはもう冷静にそこはその原因について突き止める必要があるというふうに思っているところでございます。
 原因究明には少し時間が掛かると思いますが、私は、事故調査委員会の方にも事実関係については適宜報告をしてもらうようにお願いをしているところでございまして、この委員会にも、この原因が何であったのか、また客観的な事実がどうであったのか、その点につきましては御報告をさせていただきたいと思っているところでございます。
 いずれにしましても、再発防止を図るためにも原因が何であったのかということを明らかにすることが一番大事な再発防止につながってくるわけでございまして、しっかり取組をさせていただきたいと思っております。
#62
○魚住裕一郎君 その際に、是非、再度申し上げますけれども、どうすれば助かったのかという観点を是非入れていただきたいなと。と申しますのは、昔、海外の自動車は堅牢だと、いろんな高速道路で事故った場合、すぐ、原因究明ってすぐそのメーカーにフィードバックをする、そういう中で安全性が向上してきた。我々、車に乗った場合でも、もうドアを閉めた瞬間に音が違うという、日本車と。ぺなぺなだったというようなことがありましたし、逆輸入になった車も全然違うななんて実は実感したことがございます。
 何でこんなことを言っているかというと、やはりだれしもが、あのマンションにぶつかってどうして車両がぺしゃんこになっているのと、本来堅牢じゃないのと。ぐにゅっと曲がって壁伝いに電車がくっ付いているというのはこれまた異様な光景でありまして、それは列車が転がったみたいなのだったらまだ分かるような気がしますけれども、ぺしゃんこになっているというのはやっぱし、じゃ我々国民どうすりゃいいんだと、なるべく後ろの方に乗るしかないねと、こういうふうにだれしもが思っていると思うんですね。
 この車両は軽量化というふうなことを言われておりますけれども、あの日比谷線の事故を本当に生かされているのかなという気がいたします。聞くところによれば、ボルスタレス空気ばね台車というんですか、あの日比谷線と同じような台車を使っている。一説によれば、低スピードでもカーブで脱線しやすいというような指摘もあるようでございますし、また、あのときも接触して側面がめくれたというようなことがありました。そんなに弱いものなのかなというふうに思いましたわけでありますが、今回余計に側面からの全然強度がないなというふうに実感をいたしたわけでありますが、その辺、側面の安全基準というか、その辺はどうなっているんでしょうか、局長。
#63
○政府参考人(梅田春実君) 鉄道の車両の場合、側面の基準につきましてはございますけれども、一定のもの、一定の例えば基準値以上でなければならないというような規制の仕方ではございません。言葉で言いますと、定性的に衝撃に対して耐えれるものであることというようなことでございます。それは、鉄道の車両というのは、先生御指摘されましたように、ああいうような状況を基本的に想定していないものでございます。したがいまして、今まではそういうような基準で造られてきたものでございます。
 私ども、今回いろいろ、事故の原因につきましては事故調が調査されると思いますけれども、車両の車体の強度、こういう問題についても我々なりに研究をし勉強をしていきたいと思っております。これは事故調の問題とは別にやりたいと思っております。
#64
○魚住裕一郎君 いや、想定していないと言うけれども、それは縦方向にはぶつかるなというのは分かりますけれども、昔は三河島とかありましたね、三鷹事件とか。やっぱし転がって落ちている。想定しないという方がおかしいんじゃないですか、側面の強度も。それは、ぺしゃんこになれば人間死んじゃうよ。
 はい、もう一回。
#65
○政府参考人(梅田春実君) 衝突をする際に前後というのは当然あるわけですね、それは一定の強度をきちっと保っているわけです。今回みたいにその台車の上の車体の柱の部分、これがどの程度の強度でなければならないかというのは、同じような基準ではないんですね。その部分が今回は少し弱かったというのは御指摘として私どもも理解しているわけです。
 したがって、この点については今後我々としては検討していきたいと思っております。
#66
○魚住裕一郎君 別に戦車みたいな強度なものを造れとか、そんな話じゃなくて、もう少し、あんなぺしゃんこみたいなのはやっぱし衝撃過ぎて、何をやっているのかなとしか言いようがないものですから、是非そこの部分検討をしていただきたいと思います。
 また、ATSですか、随分前ですね、旧国鉄時代のものがまだあったとか、六月に取り替えるというふうに言われているようでございますけれども、しかしもう随分時間たつなと、国鉄からJRに変わって。何でこれが新しいものに取り替えられていなかったのかなといいますか、そういう機能をアップしたですね。あるいは脱線防止ガードというんですか、があればもう少し違ったのかなと。
 日比谷線のときとカーブのRが違うのかもしれませんけれども、別にあれは制限速度七十キロといってもそんなに、乗り心地の観点からつくられた速度のようでございますけれども、やはり安全という観点からそのガードというのは必要ではないのかなと思いますけれども、その辺の基準はどういうふうになっておりますか。
   〔委員長退席、理事佐藤雄平君着席〕
#67
○政府参考人(梅田春実君) 脱線防止ガードにつきましては、日比谷線の脱線事故を教訓にいたしまして、半径が二百以内のものにつきましては基本的にそのガードを付けなさいというような指導をいたしまして、もうこれはすべて終わっております。今回はRが三百のところでございました。したがいまして、今後これも更に検討していく必要があると思います。
 ただ、今回の原因が一体何であるかというのは、例えば、どういう原因か分かりませんが、そのガードがあったら、じゃ脱線しなかったのかというのは、私ども今の段階では何とも言えないと思います。ただ、御指摘のとおり、この点についてはもう一度吟味する必要があると我々は考えております。
 それから、ATSでございますが、ATS―Pにつきましては、現在、西日本につきまして大体三百三十七キロ、全体で七%弱の装備率でございます。これは逐次事業者において整備をしてきているところでございますが、御指摘のように、やはり通勤型の電車が走るようなかなり高速の線区においては、ATS―Pという新しいタイプに早急に替えていく必要があるかと思います。今後、これにつきましても更に検討を進めていきたいと思っております。
 したがいまして、事故調の調査結果が出るのはかなり時間が掛かるかもしれませんが、私どもその間で、仮に事故原因が何であれ、被害を軽減できたんであろう、あるいはできるかもしれないというような策については、私どもなりに勉強をしていきたいというふうに考えておりまして、現在内部で課題の整理をしているところでございます。
#68
○魚住裕一郎君 もちろん、事故原因がまだ究明中でありますから軽々に言うわけにいきませんし、またその原因究明というものを否定するものではありません。ただ、例えば科学的な知見がしっかりしてから対応するというのでは余りにも遅過ぎる。例えば地球温暖化だって、一体本当に何が原因かというのがまだ学者さんの中だって、じゃそれほっておいて地球温暖化が大変なことになって、実はこうでしたと言われたってもう手後れなわけでありまして、これは人間の生命にかかわる問題ですから、今局長おっしゃったような姿勢で是非取り組んでいただきたいと思うところでございます。
 さて、法案でございますが、鉄道利便増進法ですか。本来、安全増進法にしてほしいなと思うぐらいでございますが、何点か、もう時間がございませんが、質問をさせていただきます。
 まず、利便という観点からしてみますと、やはり何といってもバリアフリーという観点を徹底する必要があるなというふうに思っておりますが、今年の二月に日本網膜色素変性症協会の要望というものを局長にお受けいただきました。これは、網膜色素変性症というのは、だんだん、簡単に言うと、視野が狭くなっていってやがて失明するというものでございますが、その前の段階でも何とか駅構内の階段とかエスカレーターも利用できるようにしていただきたいということで、これは平成十二年の三月に予算委員会でも質問させていただいたところでありますが、その当時対応していただきまして、駅の階段にコントラストがしっかりしたシールというものを張っていただいたんですが、ただ幅が十センチぐらいじゃ、これどうしようもない部分がありまして、再度今年の二月にお願いしたところでございます。
 補修工事をしてほしいということで御要望させていただいたんですが、その後のこの点に関しての進捗状況につきまして、大臣から御答弁いただきたいと思います。
#69
○国務大臣(北側一雄君) この階段の端部、端部というのは先の角のところでございますが、ここを分かりやすく表示をする方法につきまして、国といたしましては、ガイドラインを踏まえつつ、各社で、交通事業者の方で工夫を図っているところでございますけれども、駅や鉄道事業者によっては、今おっしゃいました視覚障害者の方々にとりまして分かりづらいという声がございます。そのため、一部の鉄道事業者におきまして、今、より望ましい表示方法の検討を行っているところでございます。
 例えば、JR東日本におきましては、視認性とか耐久性等の検討を行ってきた結果、技術開発のめどが立ちまして、幅五センチ、長さ五十センチメートル程度の黄色と黒色のシール材を、近々駅の優先順位を付けまして順次整備していく予定というふうに聞いておるところでございます。聞くところによりますと、このシールにつきましては、陳情をなされました当該協会の皆様からも評価をちょうだいをしておるというふうに聞いておるところでございます。
 今後とも、ほかの鉄道駅におけるより分かりやすいシールの普及にしっかり努めてまいりたいと考えております。
#70
○魚住裕一郎君 是非よろしくお願いをしたいと思います。
   〔理事佐藤雄平君退席、委員長着席〕
 だんだん時間がなくなってきました。
 この利便増進法に関連いたしまして、先ほどもございました相鉄とJR直通線の事業というのがございますけれども、地元からの要望も強く、私も早期にやっていただきたいなというふうに思うところでございますが、国土交通省として、この相鉄・JR直通線の事業の意義及び効果についてどのようにお考えなのか、お伺いをしたいと思います。
 それから、併せて、やはり大崎のところの短絡線というのが非常に大事になると思いますけれども、これはこの事業の対象外といいますか、これはJR東日本で単独でということになっているようでございますが、これがもうきっちりできないとほとんど意味がないだろうというふうに思いますが、その辺も併せて御答弁をいただきたいと思います。
#71
○政府参考人(梅田春実君) 相鉄・JR直通線でございます。現在、相模鉄道本線といいますのは、横浜市の北西部あるいは神奈川県の中央部、大和市とかあるいは海老名市等でございますが、と横浜駅とを結ぶ路線でございます。現在のところ、東京都心部にアクセスするためには一回横浜駅で乗り換えるということが必要になります。
 今般の相鉄・JR直通線の整備につきましては、相鉄本線の西谷駅とJR東海道貨物線の横浜羽沢駅、この間の短絡路線を整備するものであります。これによりまして、JR線を経由して東京都心部へのアクセス性の向上が図られます。横浜市北西部あるいは神奈川県中央部あるいは東京都心部、こういうところとのつながりが深まりまして、その活性化に資するということが期待できると思います。具体的に言いますと、相鉄の二俣川駅から渋谷駅まで現在の所要時間は四十一分でございます。この事業が完成いたしますと三十三分程度に大幅に短縮されます。私どもが一定の前提の下に行ったこの事業の費用対効果の分析によりますと、これ三十年間でございますが、三十年間で一千四百億円以上の便益があると試算しております。
 このように、今般の相鉄・JR直通線の整備につきましては、既存ストックを有効に活用しつつ、乗換えを不要にすることによりまして所要時間を短縮し、速達性を向上させるものでございます。地域の活性化にも資するというふうに考えております。
 また、大崎駅付近の短絡線でございますが、これはJRが単独で自らの負担で整備をする予定でございます。この点につきましては、既にJRとそれから相鉄との間の協議も進めております。こういう点につきましては、お互いに了解をしながら今後進んでいくものというふうに理解しております。
#72
○魚住裕一郎君 終わります。
#73
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。
 昨日発生したJR福知山線、塚口駅―尼崎駅間の脱線事故により、今朝の段階で七十三人もの方々が命を落とされ、四百四十二名もの方々がけがをされています。本当に残念なことで、私は無念の思いで胸が詰まるような気がいたします。心からお見舞いと、亡くなられた方々の御冥福をお祈りを申し上げます。
 原因究明はこれからですが、事故車両が伊丹駅でオーバーランのために一分半の遅れが出たこと、その後通過する塚口駅では一分まで遅れを短縮していたこと、乗客の方々が通常よりもかなり速いスピードで恐怖を感じていたと口をそろえておっしゃり、ある方は電車が浮き上がるような感じがして急ブレーキが掛かったと語っていること、結果何らかの事情で脱線したことなどを総合的に考えますと、遅れを取り戻そうと相当なスピードで走っていたものと推測をされます。私は、過密ダイヤの下で定時運行を優先する余り、遅れを取り戻さなければという焦りがJR西日本の各部署にあって、定時運行厳守の指示が運転士に相当のプレッシャーになったのではないか、安全性がないがしろにされ、その結果大惨事につながったのではないかと考えざるを得ません。
 また、ATSや脱線防止ガードの不十分さが明らかになる中で、現場の労働者からは、相次ぐ合理化の一方、設備面でどこまでフォローできてきたのか甚だ疑問だと、こういう強い指摘が上がっています。
 二〇〇二年十一月にJR西日本では、けが人を救助中の救急隊員二名が後続の特急にはねられ死傷するという事故が起こりました。この業務上過失致死傷事件について、大阪地裁は判決の中で、JR西日本の安全管理の在り方について、ダイヤの早期正常化に関心を傾け過ぎていたと強く指摘をしています、批判をしています。その在り方は正されていたのでしょうか。
 公共輸送機関として安全が第一であることは言うまでもありません。安全に優先するものはないという大原則が、言葉ではなくて現場で保証される運行システムとして確立をされなければ、再発防止という言葉も空虚になると思います。
 大臣、そういった観点での事故原因の、そして背景の徹底究明と再発防止の対策を強く求めたいと思います。いかがでしょうか。
#74
○国務大臣(北側一雄君) 言うまでもなく、交通事業者にとりまして、安全の確保、安全なる走行というのが最大かつ大前提の責務であると思います。そのことを社を挙げて、トップから現場の方まで改めて肝に銘じていただきたいというふうに思っているところでございますが、事故調査委員会が九名の体制で今現場に入りまして調査をさしていただいております。
 現段階におきまして、この重大事故の原因がどこにあったのか、そのことについて様々報道もされているところでございますけれども、今この段階では予断を与えるようなことがあってはならないと私は思っております。事故調査委員会が、専門家の方々でございますので、しっかりとした調査分析をしていただきたいと思っておるところでございます。私どもも、この事故調査委員会の調査に対しましてJR西日本が全面的に協力をするように昨日も強く要請をしたところでございます。
 事故調査委員会の調査は少し時間が掛かるかと思いますが、途中の段階で、私は事実関係につきましては委員の皆様にも御報告を是非さしていただきたいと思っているところでございます。
#75
○仁比聡平君 JRの現場では、分割民営化以降、JR各社の人件費コスト削減あるいはコスト抑制の経営と規制緩和政策の中で、安全・安定輸送や労働者のメンタルヘルスの危機が強く指摘をされてきました。国土交通省としてこの究明と解決も含めた対策に当たられることを強く要望をしておきたいと思います。
 また、委員長、今般の甚大な事故にかんがみ、当委員会としても現地への速やかな委員派遣とJR西日本を招致しての参考人の質疑を求めたいと思います。いかがでしょうか。
#76
○委員長(田名部匡省君) 後日、理事会で協議をさしていただきます。
#77
○仁比聡平君 交通機関の安全問題がこれほど大きく社会問題化したことはないと思います。様々な要因が考えられますが、その大きな問題として、安全にかかわる規制緩和が行われてきた、そこにあるのではないかと私は思います。航空に関しても鉄道でも、あるいは自動車運送でも、十年以上が経過をして次々と問題が発生をしています。私は偶然ではないと思います。定時運行に象徴されるような利益優先の考え方を、安全を最優先するという公共交通機関として当たり前の姿勢に真剣に考え直さなければならない、その時期が来ているということを申し上げ、法案に関しての質問に移りたいと思います。
 都市鉄道等交通利便増進法は、大都市部の巨大ターミナル周辺の大規模開発を鉄道駅の整備と一体で行う都市再生手法を新たに導入するものです。また、鉄道の施設整備を国、自治体、利用者の負担で実施する仕組みづくりを進めるものとなっています。
 そこで、政府にお伺いをしたいのですが、鉄道施設の整備は本来鉄道事業者の自己負担が原則であると思いますが、どうして今回、大都市部の巨大ターミナルに限って新しい支援策をつくるのか、この点での御見解をお伺いをいたします。
#78
○政府参考人(梅田春実君) これまでも都市鉄道の整備は、鉄道の営業主体、事業者が自らのリスクにおいて、公的支援を受けるということを含めまして、建設資金を調達しながら、自己調達しながら進めるという形を基本としてきました。しかしながら、輸送需要の頭打ちなどから、事業者におかれましては、多額の資金調達を行って膨大な資産を整備保有するという形の設備投資を抑制する傾向にございます。で、これまでと同じような方式では都市鉄道の整備が自発的に行われるということは困難となっている現状でございます。
 今回の都市鉄道利便増進事業におきましては、整備主体と営業主体とをまず分離いたしまして、営業主体は新たな施設の供用開始後に受益相当額を施設使用料として整備主体に支払う、言わば受益活用型の上下分離を導入しようとしているわけでございます。
 この都市鉄道利便増進事業につきましては、今現在、本法案とともに、十七年度の予算において創設されました補助制度によってその促進を図るということにしております。そのねらいは、私ども、増大する輸送需要への対応を主眼とした、それぞれの各社ごとの経営戦略の下にばらばらに進められてきた線路整備あるいは駅の整備、こういう面を各事業者の路線との接続や、あるいは駅その他の地区との一体的な整備ということで、利用者の目に立ってその施設を整備を図っていくということに今回、この法案でそういう方向を進めていきたいというふうにするものでございます。
 ただ、いずれにいたしましても、鉄道事業者が負担をしないというわけではございません。これは、受益活用型とはいいながら、最終的には鉄道事業者の自主的な判断によって整備がなされるという点においては、その根幹において基本的な考え方としては変わるものではありません。ただ、先ほど言いましたように、一時に多額のお金を調達するというようなことが非常に困難な時代でございますので、我々としては、この受益活用型という方法で長期にわたって事業者からその資金を回収するというやり方になろうかと思います。
#79
○仁比聡平君 私も利便性の向上それ自体に反対をするものではありませんけれども、今の局長の御答弁でも多額の設備投資が結局必要だということで、結局、都市再生の名の下に都市部への予算の集中的投下が優先をされて、第三セクターなど住民の足となっている地方鉄道に対する支援がおろそかになることが私は懸念をされると思います。
 関連して、土佐くろしお鉄道の復旧についてお尋ねをしたいと思うんですが、十六日に事故現場を視察をさせていただきました。土佐くろしお鉄道の会社の皆さんからもお話を聞きましたけれども、事故から約二か月の今日もなお復旧がかなわずに、終点の宿毛駅から一つ手前の東宿毛駅の間が未開通になっており、代替バスで運行している状況で、地域の皆さんから一日も早い復旧が求められています。
 復旧が難しい大きな要因は、高架駅の宿毛駅ですが、事故によって階段やエレベーターを含め駅舎が破壊をされ、二階に上がれないという状況になっていることにあると思うんですね。この点、先週、会社の方から四国運輸局に相談があったと伺っていますけれども、応急的な復旧についてどんな方向性なのか、また進捗状況について伺いたいと思います。
#80
○政府参考人(梅田春実君) 現在、三月二日に発生しました土佐くろしお鉄道の列車脱線事故によって損壊しました宿毛駅でございますが、この駅舎は階段とエレベーター、この撤去工事を現在行っております。
 その復旧工事につきましては、今月の末に、沿線自治体で構成いたします運営協議会というのがございます、そこで仮設、本設を含めました復旧の方法、これを検討するというふうに聞いております。
 私どもといたしましては、できるだけ早く復旧させたいと思っておりますので、事業者からの求めに応じ必要な助言をしてまいりたいというふうに考えております。
#81
○仁比聡平君 よろしくお願いしたいと思います。
 もう一点、駅舎の復旧には多額の予算が伴います。私が伺った時点で、まだ未確定でしたけれども、数億円の予算が必要となるようでした。どこの第三セクターも経営に苦労をしておられ、沿線自治体の財政難を考えますと、事業再開に向けて国としての支援を是非求めたいと思うんです。
 地元でどれだけ早期復旧が求められているか、現地に伺って改めて痛感をいたしました。ちょうど駅舎の解体撤去が終わったところに私伺ったんですけれども、元々解体撤去の費用というのは一千万円掛かるというふうに見込まれていたんだそうです。ですけれども、三セクの経営が厳しいということで地元の建設業協会が、加盟会社のそれぞれの経営は苦しいけれども、機械を持つ各社が貢献をすることで早期復旧をというふうに申し出られて、すべてをボランティアで作業をしたというんですね。数トンの廃材が出たそうですが、これは最終処分場の協同組合が無償で引き受けたということです。それだけ早期再開に地元の熱い思いがあるわけです。
 第三セクターへの現在ほぼ唯一の財政支援策かと思いますが、鉄道近代化補助金という制度がありまして、これが今年度から地方鉄道の再生に向けて充実をされたというふうに伺っています。これを活用しての財政支援が可能なのかどうか、お尋ねをしたいと思います。
#82
○政府参考人(梅田春実君) 駅舎の復旧そのものをその対象にするということはこの補助の制度になじまないものでございます。しかし、その後の土佐くろしお鉄道に対する支援につきまして、今先生御指摘がございました、十七年度から私ども新しく鉄道再生計画を作っていただくと、そういうものに従いましたものにつきましては近代化補助を活用して幅の広い厚い支援をするというような仕組みをつくりました。
 今回、この土佐くろしお鉄道が、沿線の自治体あるいは地域の関係者から成ります協議会をつくっていただいて、そこで具体的な再生計画を作っていただく、その上で、私どもの方で見させていただきますが、その上ででございますけれども、十分近代化補助を活用して土佐くろしお鉄道の今後の経営基盤を少し強くするということはできると思います。
#83
○委員長(田名部匡省君) 質疑時間が過ぎておりますので簡明に願います。
#84
○仁比聡平君 駅舎の再生なくして鉄道の再建はないわけですから、是非柔軟に活用していただきたいということを申し上げて、質問を終わります。
    ─────────────
#85
○委員長(田名部匡省君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、輿石東君が委員を辞任され、その補欠として松下新平君が選任されました。
    ─────────────
#86
○渕上貞雄君 社民党の渕上でございます。
 まずは、西日本旅客鉄道福知山線において、あの大惨事、大事故に遭われた、そしてお亡くなりになられた方、あわせて、傷を負われた方々に対して心からお悔やみを申し上げると同時に、負傷者の方、一日も早い回復を祈っているところでございます。我が党といたしましても、対策委員会を設置をしてこの事故問題の究明に当たってまいりたいと考えております。
 大臣も先ほどの報告で二つの問題について明らかにされました。一つは、被害者に対する誠意を持った態度で接してほしい、二つ目は、この事故原因の解明と事故原因に対する問題について公開をしながらこの委員会にも報告していきたい、こういう御報告でございました。この姿勢は、私は、いち早く態度表明されたことは良かったと、このように思っているところでございます。
 やはり、事故に遭われ、負傷したり亡くなられたりされた方々の御遺族というものは、やはり事故原因というものが、私、解明をして、それを公開をしていくということは、事故に遭われた方々に対する最大の心の補償になっていくのではないか、また被害者の方はそのように思っているということを考えますと、この二つの方針は大変私は良かったし、万全を期してこの事故問題について取り組んでいただきたい、このように思っているところです。
 この事故の安全に対する教訓は何かといえば、やはり安全は現場にあるということだと思いますから、やはり現場に対する教育というものをどうしていくのか、このことが最大限問われているのではないかと思うものでありますから、しっかりどうか国土交通省といたしましてもこの事故問題について取り組んでいただきたいと、このように思っているところでございます。よろしくお願いを申し上げます。
 では、法案の問題について移りますが、私はこの法案を見て、やはり国土交通省もようやくここまで来たかというふうに思っているのは、それぞれの事業者の縄張に対して、その縄張の垣根をどのようにして、外すことによって国民の鉄道に対する利用が、利用しやすく便利になるかと、ここにようやく本腰を入れて取り組み始めたなと、こういう気が実はしているところでございまして、やはり鉄道は利用者あっての鉄道でございますから、その点積極的に進めていただきたいと思います。
 そこで、受損の事業者についてお伺いをいたしますが、本法案に基づく施設の整備によって、鉄道営業主体は鉄道整備主体に対して受益の相当額を施設使用料として支払うということでございますが、必ずしも受益が発生する鉄道事業者ばかりで私はないと思います。そこで、損失を被る鉄道事業者もあるのではないかと考えますが、このような言わば受損事業者に対してどのように対応されるのか。私は、このような場合何らかの措置を講ずるべきだと考えますが、御見解をお願いいたします。
#87
○政府参考人(梅田春実君) 都市の鉄道ネットワークにつきましては、先ほど申しましたようにかなり稠密になってきております。
 したがいまして、ある路線を整備いたしますと他の路線が損をする、損失を受けるということがあり得るわけでございます。しかしながら、現在の鉄道事業法は許可制でございます。したがいまして、事業者が得ている利益につきましては法律で守っているものではございません。それぞれ利用者を獲得しながら、いいサービスを提供しながら利益を増やしていくというのが現在の仕組みでございます。
 したがいまして、今回、短絡線を例えば整備いたしますとある意味ではお客さんが減るというような事業者も出てくる可能性はあります。ただ、これは言わば相身互いでございます。もしそのお客さんが減る事業者が別のところにまた整備をするということになりますと、今度、違った方がまた受損をするというようなことも起こります。私どもこの点については、都市の場合は、お互い、ネットワークにつきましては、整備をした結果、受益を受ける人もあれば受損をする人もいるというふうにこの点では割り切って考えているところでございます。
#88
○渕上貞雄君 次に対象地域の問題について、先ほども議論あっておりましたが、本法案の対象地域は大都市圏となっていますが、地方都市までやはり広げるべきではないでしょうか。また、環境重視の時代、高齢化時代における鉄道の政策的意義を考えますと、地方鉄道の維持を国としても支援すべきではないかと考えますが、いかがでございましょう。
#89
○政府参考人(梅田春実君) 本法案の提出の過程におきまして様々な方面から御意見をいただきました。先生御指摘のとおり、三大都市圏あるいは政令指定都市だけでなくて、せめて県庁の所在都市ぐらいは対象にすべきではないかというような具体的な御意見をいただいたこともございます。
 私ども今回提案しております法案は三大都市圏と政令指定都市を対象としております。しかし、鉄道に対する地域の期待というのは非常に強い。大都市ばかりではなくて、鉄道を何とか整備改良して地域に生かそうという地域があることも存じ上げております。この法案が成立いたしましたら、その施行状況を見ながら、どういうような制度的な対応が可能なのか、自治体あるいは事業者の方々、よく意見を聞きながら検討してまいりたいというふうに考えております。
#90
○渕上貞雄君 よろしくお願いを申し上げておきます。
 次に、保安装置の改良問題についてお伺いをいたします。
 速達性の向上を図るために既存の施設の利用や短絡線整備などが計画されていますが、現実的な問題として、相互乗り入れを行う鉄道事業者間の保安装置、例えばATSが異なっているために、いずれかに保安装置を合わせなければならないと思うんであります。その費用は大変莫大なものになると思います。
 法案では、これらの費用問題についてどうなっているのか、国の負担は措置されているのかどうか。これらの保安装置の改良を行った場合の国の関与が必要だと考えますが、いかがでございましょうか。
#91
○政府参考人(梅田春実君) 都市鉄道利便増進事業におきましては、速達性向上事業というのがございます。これは、例えば短絡線、整備主体が短絡線等の整備を行いまして、営業主体が他社の路線に乗り入れるというようなケースがございます。こうした場合、当然、信号保安設備につきましては言わば同じものにしなければならないわけでございます。したがいまして、それは整備主体によって整備されるということになります。
 したがいまして、こういう速達性向上事業の実施に必要となる施設、先ほど言いましたように、信号保安施設もその一部でございますが、こういうものにつきましては整備費用の一環として算入されるというふうに考えております。したがいまして、整備主体としては、営業主体からいただく施設使用料等によってそれを償還していくというような格好になろうかと思います。もちろん全体の赤は、国と地方が三分の一ずつの補助というような仕組みでございます。
#92
○渕上貞雄君 事は安全にかかわる問題でございますので、国としてもその点十分な御配慮をよろしくお願いを申し上げておきたいと思います。
 次に、点字ブロックの問題について先ほども同僚議員から質問があっておりましたが、法案のもう一つの目的であります駅内外の一体的整備による交通結節機能の高度化では、当然バリアフリー化が一層進められて、利用しやすいターミナルができるものと期待をいたします。
 そこで、お伺いをいたしますが、視覚障害者の方たちから点字ブロックの誘導について不安の声が上がっていることを御存じでしょうか。それは、双方向式自動改札への点字ブロックの誘導は利用者間の衝突を起こすものであり、改善してほしいということなのであります。また、混雑時など、点字ブロック誘導に従いますと、人の流れとは逆になるために大変危険な歩行を強いられております。改善が求められています、その点では。このほか、ホームからの転落防止のためのさくの設置、それから有人改札口やエスカレーターへの点字ブロックの誘導を切れ目なく敷設をするよう制度化してほしいとの声があります。大変切実な問題でありまして、一日も早い改善と対応をお願いをしたいと思います。
 また、施策の検討については、それら障害者の方々の団体とも含めて十分な協議をしていかれ、御意見を聞いていただくようにお願いをしたいと思います。いかがでございましょうか。
#93
○政府参考人(梅田春実君) 交通バリアフリー法に基づく移動円滑化基準におきましては、公共用通路と車両等の乗降口との経路、あるいはエレベーターあるいはトイレ、これは身障者対応型トイレと障害者が利用する設備との経路、この間は切れ目なく点字用、視覚障害者誘導用のブロックを敷設するというふうに決められております。
 五千人以上の駅におきまして、一日の利用者がですね、十六年三月末現在でございますが、この基準に適合しているのは七五%ございます。まだあと二五%は残っておりますが、一定の成果はあると思います。できるだけこれは一〇〇に近付けていきたいと思っております。
 今御指摘のございました現在の敷設方法では、視覚障害者がラッシュ時に一般の旅客と交錯したりぶつかったりして危険だということでございます。これは、当事者でございます障害者団体あるいは学識経験者等との御議論を踏まえながら、ガイドラインの見直し等の機会をとらえて改善してまいりたいというふうに考えております。
#94
○渕上貞雄君 その点、やはり健常者と障害者の間の落差というのは大きいんで、ひとつどうか、今も御答弁いただきましたが、障害者団体との意見交換の場というものをつくっていただくというお話でございましたので、よろしくお願いを申し上げておきたいと思います。
 次に、鉄道員への第三者行為の問題についてお伺いをいたしますが、ここに関西私鉄の組合が行いました職場実態調査があります。
 何かといいますと、鉄道員に対する第三者行為についての調査でございまして、例えば、携帯電話の使用を注意しようとしたら突然殴られるとか、酔客からの暴行、それから利用者同士のトラブルの仲裁などをやっておりますと顔面を殴打されるというのが大変多いということになっておりまして、時々マスコミ等もにぎわしておりますけれども、いろいろ暴力行為を、あったものを調査したものでございます。
 職場ではその都度そういう問題について事後対処をし、話合いをし、気を付けながら、事は利用者に対するサービスの問題でございますのでいろいろ検討はしておりますが、突然行われる第三者行為でございまして、防ぎようがないわけでございます。しかし、職場ではこの問題、大変深刻な問題になっておりまして、いろいろやればすぐにこの問題なくなるということでもありませんけれども、鉄道駅員の係員の安全確保も、これ輸送、安全輸送をする上で重要な役割と任務を果たしているわけでございまして、どうかひとつ、国交省としてもこれらの問題についてどうか積極的な取組をお願いをしたいと思うんでありますが、いかがでございましょうか。
#95
○国務大臣(北側一雄君) おっしゃいますように、鉄道駅構内での旅客や駅係員に対する暴力事件というのが最近少し目立っておるというふうに思います。鉄道事業者におきましては、ガードマン等の巡回強化、また防犯カメラの設置などを図っているところでございますし、またポスターなんかも張ったりだとか車内放送による啓発活動をしたりだとか、あと警察への連絡通報体制の一層の強化を図っているところでございます。
 今後とも、こうした暴力行為に対しましては、鉄道事業者、警察庁とよく連携を取りまして、しっかり対応をさせていただきたいと思います。
#96
○渕上貞雄君 終わります。
#97
○委員長(田名部匡省君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#98
○仁比聡平君 私は、日本共産党を代表して、都市鉄道等利便増進法の反対討論を行います。
 鉄道利用者にとって、都市鉄道の乗り継ぎを便利にするため鉄道施設を整備することは必要なことであり、当然のことです。しかし、本法案の駅施設利用円滑化事業は、都市再生緊急整備地域に指定された地区などの大規模開発と鉄道整備を一体のものとして行うことを前提にしています。これでは都市再生の名の下での新たな大規模開発事業となることは明らかです。
 また、財政危機の下で地方自治体や住民負担を拡大することになり、賛成できません。
 第二に、鉄道会社の自己負担が原則である鉄道の施設整備を、国、自治体、利用者の負担で実施する新たな仕組みづくりだからです。法案では、国、地方自治体、整備主体などの三分の一ずつの負担割合になり、地方自治体にとっては鉄道整備に新たな負担が義務付けられることになります。
 第三に、国鉄の分割・民営化以降、多くの地方鉄道が三セク化され、厳しい経営状況の中でも地域の足を守るために努力をしています。地方鉄道にも国が公共交通機関としての役割にふさわしい支援をすべきであり、都市鉄道への集中的な予算の配分については疑問があります。
 そのことを強く申し上げて、反対討論を終わります。
#99
○委員長(田名部匡省君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 都市鉄道等利便増進法案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#100
○委員長(田名部匡省君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#101
○委員長(田名部匡省君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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