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2005/04/05 第162回国会 参議院 参議院会議録情報 第162回国会 経済産業委員会 第7号
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2005/04/05 第162回国会 参議院

参議院会議録情報 第162回国会 経済産業委員会 第7号

#1
第162回国会 経済産業委員会 第7号
平成十七年四月五日(火曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         佐藤 昭郎君
    理 事
                泉  信也君
                加納 時男君
                小林  温君
                藤原 正司君
                渡辺 秀央君
    委 員
                魚住 汎英君
                沓掛 哲男君
                倉田 寛之君
                保坂 三蔵君
                松田 岩夫君
                松村 祥史君
                加藤 敏幸君
                木俣 佳丈君
                直嶋 正行君
                平田 健二君
                藤末 健三君
                浜田 昌良君
                松 あきら君
                鈴木 陽悦君
   国務大臣
       経済産業大臣   中川 昭一君
   副大臣
       経済産業副大臣  保坂 三蔵君
   大臣政務官
       経済産業大臣政
       務官       平田 耕一君
       経済産業大臣政
       務官       山本 明彦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        世木 義之君
   政府参考人
       金融庁総務企画
       局審議官     振角 秀行君
       金融庁総務企画
       局審議官     鈴木 勝康君
       総務省自治行政
       局長       武智 健二君
       外務大臣官房審
       議官       鈴木 庸一君
       財務大臣官房審
       議官       加藤 治彦君
       文部科学大臣官
       房審議官     木谷 雅人君
       厚生労働大臣官
       房審議官     岡島 敦子君
       中小企業庁長官  望月 晴文君
       国土交通大臣官
       房技術審議官   門松  武君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○中小企業経営革新支援法の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
    ─────────────
#2
○委員長(佐藤昭郎君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 中小企業経営革新支援法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に金融庁総務企画局審議官振角秀行君、金融庁総務企画局審議官鈴木勝康君、総務省自治行政局長武智健二君、外務大臣官房審議官鈴木庸一君、財務大臣官房審議官加藤治彦君、文部科学大臣官房審議官木谷雅人君、厚生労働大臣官房審議官岡島敦子君、中小企業庁長官望月晴文君及び国土交通大臣官房技術審議官門松武君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(佐藤昭郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(佐藤昭郎君) 中小企業経営革新支援法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○小林温君 おはようございます。自民党の小林温でございます。今日も質問をさせていただきます。
 また、引き続き新産業創造戦略に触れさせていただきたいというふうに思いますが、何度も申し上げておりますように、私は、これやっぱりこれから我が国の産業政策全般の太い幹としてこの戦略を位置付けていただきたい。ですから、今回の法案も含めて、これから行われる法整備においても、その関連性の中でどういった位置付けであるかということを私自身は質問させていただきたいというふうに思っているわけでございますが。
 やはり競争力というものが、今、我が国の各産業で問われているんだというふうに思います。これは言うまでもなく、将来の我が国の飯の種にも直結するわけで、そこに政策的な取組をどうやって行っていくかということだろうというふうに思うんですが、少しまた新産業創造戦略に触れさせていただくと、四つの点を踏まえて各分野を抽出しています。まず一つは戦略的であること、それから潜在需要を掘り起こせるということ、そして産業集積の強みを生かせる、官民の一体的、総合的な取組、展開が求められるということだろうというふうに思っています。
 そこで、今般のこの中小企業新事業活動促進法がこの新産業創造戦略の中でどのように対応しているか、現状も含めて大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
#6
○国務大臣(中川昭一君) おはようございます。
 今の小林委員の御指摘、正に新産業創造戦略、これは日本が技術立国として頑張っていく上での一つのこれ、こうしろということじゃなくて、こういう方法もありますよということで、是非民間の方にこれをきっかけにして知恵を絞っていただき、本当に民間の力でこれを更に頑張っていただきたいという一つの提案だというふうに位置付けております。こうしろという時代ではないと思っております。
 御指摘のように、これは八〇年代のアメリカのあのヤング・レポート、アメリカが日本あるいはNIES、こういう国々に物づくりで非常に負けてきたということに対してヒューレット・パッカードのヤングさんを中心にしてやってきたこと。それから、昨年末にアメリカでこの産業競争力委員会が産業競争力評議会という形で民間に移行しましてずうっとこれが続いておりまして、いわゆるイノベーションレポートというものを作りまして、これが正にこの新産業創造戦略に対抗するような形で出てきたと。あるいはまた、フランスでもあるいはヨーロッパでも、場合によっては中国でも、こういうものがどんどんどんどん出てきているということで、私どもは、一年前にこれを出したときに、決してこれでもってハッピー、もうおしまい、あとは民間頑張れというつもりは毛頭ございません、もっともっと第二、第三、第四、第五の産業戦略をやっていかなければならないと思っておりますが。
 いずれにしても、日本としては、強い部分、燃料電池、情報家電、ロボット、コンテンツ、あるいはまた地場産業、物づくりの基本、食品産業あるいは環境、ビジネス支援、いろいろな七本立て、あるいはまたそれをバックアップする人材投資減税等々をトータルとしてやっていくという中で、この中小企業支援というものが車の両輪として大事である。
 言うまでもなく、この委員会でも何回も先生方からも私からも申し上げましたが、日本を支えているのは中小企業である、物づくりであるというところのマッチングを是非とも融合的にやっていくことによって、目指す方向は一つだと思っておりますので、この新産業創造戦略と今回御審議いただいているこの法律とをうまく融合的にやっていくことによって、物づくり日本を更に元気付けて、そして雇用者あるいはまた消費者含めて日本の活力に実現ができるようにしていきたいというふうに思っております。
#7
○小林温君 今、このレポート自体が民間に対してこういう方向に行きなさいということを強要するものではないというお話もありましたが、私の私見を述べさせていただくと、どうも日本の産業政策というのは、かつてまあ外国からたたかれたことも含めて、少し官が民の方向性を決めることに乗り出していくことに実は臆病になっているところがあるんじゃないかというふうに思っているわけでございます。
 ですから、例えばアメリカの今お触れになりましたパルミザーノ・レポートも含めて、結果的にある方向にその産業全体、経済全体を誘導していくという戦略は私はあってしかるべきだと思いますし、方向性を提示するだけで、民間の方はまあどっち行くか、それに付いていくか付いていかないか決めてくださいというより、もっと私は踏み込んだこれから産業政策の展開というのが実は求められている時代じゃないかというふうに思います。是非またそういう取組についてもお願いをしておきたいというふうに思います。
 次に、エンジェル税制について質問させていただきます。
 幾度かの税制改正もあって、このエンジェル税制がリスクマネーをマーケットに流す仕組みとしては機能してきた、その件数もこの数年上がってきているのも事実だというふうに思っております。
 しかし、やはり現実的にこのエンジェル税制をお使いになられたり興味を持っている人たちの話を聞きますと、一つには、今の株式譲渡所得からの控除だということで、どちらかというと、例えばイギリスとかフランスなんかの制度と比べた場合にまだまだインセンティブが弱いという意見を多く聞きます。と同時に、やっぱり手続が煩雑で使い勝手が良くないという声があるのもこれは事実だというふうに思います。これ、手続を取ろうとするとかなりのボリュームの書類も作成をしなければならないということでございますので。
 もちろん、これ税制の控除でございますので、その観点からしっかりとした手続というのが必要だということは分かりますけれども、なぜエンジェル税制が必要かというその原点に立ち返った場合に、リスクマネーをしっかりと共有されて、それがまた拡大再生産でベンチャーを生むような土壌の拡大につながっていくということを考えると、先ほど申し上げた、一つは投資時点での控除を認めるべきでないか、それから手続もできる限り簡素化すべきじゃないかというふうに私は思いますが、この点について御見解をお伺いしたいと思います。
#8
○副大臣(保坂三蔵君) おはようございます。
 ベンチャー企業の育成、発展のためには個人金融資産を有効に活用することはもう今や不可欠だと存じております。平成九年にスタートいたしましたベンチャー税制に関しましては、委員も番たびいろいろな場で御発言いただきましてフォローアップしていただきましたが、今日まで本当の意味でやっと大きな力を生んできた、こういうような実績でございます。
 お話しのとおり、投資をした時点で税額控除をすべきであると、そういう制度を累次にわたりましてやはり財務省の方に要求してまいりましたが、なかなか現下の税収の現況でうまくいきませんでした。しかし、平成十五年に、投資をした時点で他の株式譲渡益から控除するという繰延べの制度が認められまして、これが非常に大きなインセンティブになったわけでございます、平成十五年。
 それから、昨年は、ベンチャー企業にベンチャーファンドが投資をする場合、これも新たな制度に組み入れました。ベンチャー企業が投資を受ける場合、一定の適格要件というのを経済産業省が確認をしていたんですね。この確認をしないで済むように、一定の認知を受けたベンチャーファンドから受ける投資はこれを認めると。それからもう一つ、東証がスタートをさせましたグリーンシート、この銘柄に入っているところから受けるベンチャーへの投資につきましてもこれを認めたと、こういうようなことを平成十六年行いました。
 今年度の税制改正におきましても、例の二分の一の控除の特例につきましても二年間の延長が認められまして、こういうことが合わせ技になりまして、実は平成九年から六年間で行われましたベンチャー投資に関しまして、エンジェル税制の投資に関しましては五億円行かないんですね、六年間で。ところが、この十五年のインセンティブ、十六年度合わせ技でもう二十億を超えるというような、非常に拡大されてまいりました。
 我々といたしましても、このベンチャー優遇税制をしっかりとPRして、お話しのとおり、使いやすく、しかも実効性が上がるようにこれからも努力をしてまいりたいと思っております。
#9
○小林温君 二十億が多いか少ないかということは、また同僚議員からも後ほど質問があるかもしれませんが、他国に比べるとちょっとけたが違うというのもまた事実だと思います。
 そういう意味で、エンジェル税制も含めて、ベンチャー企業の育成ということに対して今後経済産業省がどういうふうにかかわっていくのかということを次にお伺いしたいと思うんですが。
 私は前、昔は田舎の零細企業の経営をしておりました。商工会に加盟しておりましたのでしょっちゅう銀行へ行ったり商工会に行くと、中小企業庁とか経済産業省がこういう実は中小企業向けの施策をつくったんだよということがいつでも情報としてアクセスできる立場にいたんですね。ところが、東京でベンチャー企業を経営すると、全くと言っていいほどそういうコミュニケーションの機会がないということを私自身も実は実感をしたわけでございます。
 ですから、今のエンジェル税制も含めて数々のベンチャー企業の育成のための施策を経済産業省、中小企業庁が打ち出しても、そのメリットについてもしっかりとした認識を、例えばベンチャー企業に代表される新しい産業の方々は認識もできないし享受することもできないというところが私はやっぱり問題としてあるんじゃないかというふうに思うわけでございます。
 一つには、ベンチャー企業との積極的なコミュニケーションということについてどういうことをお考えかということと、それと、ライブドアとニッポン放送のことがマスコミをにぎわしておりますけれども、これも少し議論が錯綜しておりまして、本当に本来のベンチャー企業の役割とかこれからの日本の経済の中における位置付けとかが議論されているのかなというふうに疑問に思うところもあるわけでございます。私はやっぱり、経済産業省として、こうしたベンチャー企業の役割、それから活動への正しい認知を高めていくこともこれからの重要な仕事の一つじゃないかというふうに思うわけですが、この点についてどういう御見解をお持ちか、お伺いしたいと思います。
#10
○副大臣(保坂三蔵君) お話しのとおり、ベンチャー企業といいましたら、あるいはベンチャービジネスといいますと、何となくアドベンチャーエンタープライズで、アウトローとかそういうことはもちろんないにいたしましても、言葉からくるイメージとかそういう点では非常に認知度がまだ特に英米に比べて低いということは世論調査でも分かっております。しかし、最近やっとベンチャー企業が非常に大きく、上場したりあるいは社会的に大きな仕事を発揮してくれまして、認識されてきているところは御存じのとおりでございます。
 今まで、そういう実績等に関しましてもベンチャー企業に向けて政府は広報だとかいろいろやってまいりましたけれども、あとメルマガだとかホームページだとかで、こういう常識的な広報のみならず、元々認知度が低いというようなところ、あるいはイメージの点などにつきましても、業を起こすということに関しましての認識がどうも日本の子供たちの代から教わっていないというような、そういう感じがございます。
 そこで、中川大臣、そういう点は非常に注目をいたしまして、小中高に向けまして、そういう総合学習の時間をおかりしたりして勉強して、専門家を派遣いたしましてやってまいりました。昨年は四十自治体で実施していただきまして、その受けた学生の数は、生徒の数は二万人に及ぶというような、そういう底辺を広げ、また認識度を深めるところから、仕事の内容がこういうものがあるとか、あるいはさらにこの可能性を我々は秘めているとか、そういう子供の時代からの教育、そしてまた今やっております人材教育などで、あるいは日本大賞みたいに優れた技術や仕事を、実績を持った人のベストプラクティスもPRしながら、そういう点では認知度を上げていく、そしてベンチャービジネスの方々、ベンチャー企業の方々と常に経産省はコミュニケーションを交わしまして、足らざるところを一生懸命埋めようとしております。
 以上のような状況でございます。
#11
○小林温君 いろんな御努力をいただいているということもある程度理解しております。ただ、やっぱり食わず嫌いというのはあって、それは双方にあって、役所の方もなかなかベンチャーの方々と付き合う機会もない、ベンチャーの方も各種諸制度を利用する機会もないというところがまだまだ残っているのかなというふうに思います。
 ベンチャーの皆さんはどちらかというと横のつながりは緊密でございまして、例えばあるベンチャー企業が各種政策的な諸制度を使って、結果IPOをして、そういう成功体験が生まれると、ああ、おれもああいう役所から出ている制度を使ってみて自分の会社を大きくしてみようか、あるいは資金が足りないときにこういう利用の仕方をしてみようかということも実はすぐにネットワークの中で広まるような組織もできているんだというふうに思います。ですから、そういう成功体験をある意味でいうと経済産業省としてもモデル的に幾つも幾つもつくっていただいて、それが横のネットワークの中で大きく広がっていくという取組をまたお願いをしたいというふうに思います。
 次に、新連携についてお伺いしたいと思います。
 すり合わせというのが我が国の競争力の現在、源泉の一つだということは何度もこの委員会でも議論されてまいりましたが、今回の法整備もそういう意味でいうと既存の法制度を幾つかすり合わせをしたのかなというふうにも思うわけですが、ただ、やっぱり日本の今の経済構造の問題は、大企業と中小企業の間にギャップがあったり、それから産業分野のそれぞれの間にギャップがあったりする、そういうものをどういうふうにつなげていくかということが一つの大きな課題だろうというふうに思います。
 そういう意味において、今回の新連携の取組というのは非常に意義深いことだろうというふうに思うわけですが、この事業分野を超えて、製造業のみならずサービス業も含めた連携として具体的にどういうものを想定しているのかということをお伺いしたいのと、それから、法律で認定するだけじゃなくて、事業者の立場に立ってビジネスのそれぞれのステージできめ細やかな支援が着実に展開できるように私は支援体制というものを組むべきじゃないかというふうに思うわけですが、その点についての御見解をお伺いしたいと思います。
#12
○大臣政務官(平田耕一君) 新連携という言葉が出てまいりまして、基本的には昭和の二十四年ごろからずっと進めてまいりました中小企業対策、その重要な部分で中小企業の集合体というものが形成をされてきて、それが結果として様々な協同組合ということで三万数千、現実に存在するわけでございます。
 この新連携と申しますのは、やはりその中でもより機能を明確にし、目的も明確にして、言葉で言えばパンチのある製品を更に作っていただこうということを目してやっていただこうと、こういうことでございまして、現下では製造工程統合型、営業ノウハウ共有型、高度技術開発型と大体三分類型してございます、これはまた御説明申し上げたいと思いますが、様々に具体例を挙げてこの法律を制定しようと、こういうことでございます。
 どちらかというと、三つ申し上げました高度技術開発型というのは従来のいわゆるクラスターということで御理解をいただければ結構かと思います。例はもう既にお手元にあると思いますけれども、新しい、織物メーカーが参画をしたアンテナであるとか、ちょっと製造工程を合理化をした鍛造技術を開発したとか様々ございますので、またこれ例示を、お示しを申し上げたいというふうに思っています。
 それから、御指摘の支援ということでございますけれども、これも御案内でございますが、それぞれの地域に有力企業あるいは金融機関、大学等を含めまして、そのメンバーを含めまして新連携支援地域戦略会議というのを設置をして、正に新しい集合体の、これまではどちらかというと集合体であっても個々の中小企業の財務体質等の判断でもって融資をするということから脱却をして、その事業体の事業性そのものを評価をして様々な支援をしていただくということを目しておりますので、是非きめ細かな支援ということを、それをそういう観点で実施をしてまいりたいというふうに思っているところでございます。
#13
○小林温君 時間もなくなりましたので、少しまたその連携のことでお願いもさせていただきたいと思いますが、まず地域を超えて連携が可能になるような取組を是非行っていただきたいと思います。それぞれ、例えば地域間の景況感の格差というものもございますし、潜在的にそれぞれの地域に存在しているリソースというものもたくさんあると思いますので、そういう取組をこれからお願いをしたいと思います。
 それから、この予算措置として四十一億円、事業費補助として計上されています。一件当たり、研究開発を伴うものについては三千六百万、それから伴わないものについては二千五百万ということでございます。ここも補助金頼りにいろんな産業連携がうまくいくかというと、そうじゃないんだろうというふうにも思いますので、あくまでもこの補助金というのは呼び水として、それ以外の支援措置とのポリシーミックスでこの新連携を是非率先をしていただきたいというふうに思います。
 で、御質問は、その四十一億円の事業規模で支援されるその新連携、今のところ年間二百件程度というふうに聞いておりますが、二百件ということは、各県、都道府県で割ると一県当たり三件か四件ぐらいなんですね。ですから、この事業、新連携というのが仮に今後大きくなっていくとすると日本の産業競争力全般を引き上げるということになるだろうと思いますので、私としてはこの予算措置も、まあ一年目は是非成功体験をつくっていただいて、今後更に大きく広げていただきたいというふうにお願いをしたいと思いますが、この点について御見解をいただきたいと思います。
#14
○政府参考人(望月晴文君) 先生御指摘のとおり、四十一億円の予算額でどういうことまでできるかということは、私どもも上限三千数百万ということで、補助率三分の二とかそういうことでやるわけでございますので、これはこれから法律を成立させていただきました後にいろいろ実施をしてみて、その実績等を踏まえて考えなければいけないとは思ってございますけれども、大変幸いなことに非常に多くの案件でいい案件が出てくるというような流れになりましたときには、私どもといたしましては、今年度の実績を踏まえた上で次年度以降につながる政策の強化を考えていかなければいけないというふうに考えているところでございますので、その辺、また御相談をさせていただきたい、こういうふうに思っております。
#15
○小林温君 是非、来年以降、五倍、十倍と予算が付けれるような実績を今年度残していただけるように御努力をお願いして、質問を終わらせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#16
○松村祥史君 おはようございます。自由民主党の松村祥史でございます。
 今回、この委員会では二回目の質問に立たせていただいております。大変感謝をいたしておるところでございますが、私も今回の質問は専門分野でございまして大変感謝をいたしておるところでございます。と申しますのも、私も一年前までは中小零細の経営者をやっておりましたから、その点では待ちに待った法律だなというふうに思っております。
 我が国経済は、若干の回復の兆しが見えたというものの、地域や地方の経済はまだまだ厳しいものがございます。特に、中小零細においては、それぞれ自助努力はされておられるものの、もうこの限界点を超えているんじゃないかと、こういう厳しい現状があると思っております。
 その中で、この新法に期待する経営者の方々は大変多いと、このように思っておりますけれども、何よりこの新法が使い手にとって分かりやすく使いやすい、このことが一番であろうと思います。これは、既存の三法を利用させていただいていた本人が申し上げることでございますから間違いございません。是非このことは冒頭に申し上げて、大前提としてお願いをしたいと思います。
 私は、この委員会でも以前申し上げましたけれども、経営者をやっているときもそうでございましたが、我が国の経済政策は二つの軸が必要じゃないかと。一つは、海外に出ていく企業、国内を基盤としながらも海外で活躍する企業、日本を代表して活躍する企業、これをやはり育成支援する政策、そしてもう一つは、国内に基盤を置きながら地域経済や地方の経済をしっかりと支える中小零細、ここをしっかりと支援していくことじゃないかなと。もちろん、フィフティー・フィフティーとは申しません。トップランナーを走る大企業、そしてそれに追随する中堅・中小、これをしっかり形成していくことがいかに大事かというふうに思っております。特に、昭和三十年代から高度経済成長がございました。そして、今、バブルの崩壊を迎え、踊り場を迎えていると。人口が減る中で少子高齢化、多種多様な問題を抱えております。その中での中小零細の果たす役割というのは大変大きいと思っております。
 この点で、まず大臣に、中小企業政策について、もちろん経済産業政策と申しますのは、技術であるとかエネルギー政策、多岐にわたるものだとは十分理解した上で、中小企業政策についてどのようにお考えか、まずお伺いをしたいと。
 また、日本の全企業の九九%は中小企業と言われております。そのうちの八七%は小規模企業者と呼ばれております。この小規模企業者というのは、まさしくピラミッドの底辺を支える部分ですけれども、これについても、小規模企業政策について、大臣、どのような見解をお持ちなのか、お聞かせいただきたいと思います。
#17
○国務大臣(中川昭一君) 日本が経済でこれからも生きていくとするならば、もちろん世界に伍す世界的な大企業が、代表的な企業はありますけれども、でも、その企業も実は中小企業のある意味じゃ大変な技術を前提にしてやっているということを、私、最近つくづく感じるわけであります。
 例えば、FTAなんかで、あるいはEPAなんかで鉄鋼とか自動車とか象徴的にやっていますけれども、でも、その何とか自動車とか何とか製鉄がぼおんと行っても、実は中小企業、周辺企業が行かないと全然役に立たない、能力が発揮できないわけですね。
 そういう意味で、やっぱり日本は中小企業あっての先端大企業、また先端大企業あっての中小企業だということをつくづく、私、最近痛感をしているところでございまして、まさしく松村議員御指摘のように、事業数で九九・何%、雇用数で七〇%、こういう立派な世界に冠たる中小企業があってこそ、日本の土台といいましょうか、日本の企業が先端として世界で戦っていける、伍していけるというふうに思っております。
 そういう意味で、よく言われるのは、東京でも大阪でもあるいは全国でも、おれの中小企業の技術は世界一って、こう自慢している立派な方々、こういう方々を是非とも、先ほどお話ありましたけれども、ものづくり大賞で何とか表彰したい。表彰したいというのは、その人のために表彰するだけじゃなくて、その人を目標にしてほかの人たちが励みになってもらいたいと。あの人はちょっと別格じゃないかというんじゃなくて、おれだってあの人に目標で追い付いていきたい、追い越したいというインセンティブを是非与えたいなということで、ものづくり大賞を、今作業を各地域で、今予選会みたいなことをやっているわけでありまして、そういう意味で、もちろん先端の技術を持った大企業も大事でありますけれども、しかし大企業だけでは日本の産業構造として足腰が弱いというふうに思っておりますので、そういう意味で中小企業、そこからまた第二の世界的な企業がどんどんどんどん生まれていく。
 自動車会社もあるいは電機メーカーも元々は町工場だった、それが大いに世界的な企業になっていったと、そういうところを目指す企業もあると思いますし、おれは世界一の町工場だといって頑張っている方もいらっしゃいますんで、そういうところに対していろいろと予算面、制度面、税制面で大いに支援をしていくということが我々経済産業省、中小企業庁としてのいろんな施策の中の一つの大きなポイントだと思っておりますので、例えばいろんな制度がございますけれども、更に充実をし活用して、やる気と能力のあるところに対してバックアップをしていくようにこれからも更に一層充実をしていきたいというふうに思っております。
#18
○松村祥史君 大臣、ありがとうございます。大変中小企業に対しても深い御理解をいただいているんだなと実感をいたしております。
 その上で、中小企業庁長官にお伺いをしたいんですが、中小企業、特に小規模企業、これがやはり日本の経済を支えていると。これについて、企業数でありますとか雇用者数、どのような把握をされておられるか、お伺いをしたいと思います。
#19
○政府参考人(望月晴文君) お答えいたします。
 我が国に占める小規模の事業所数は、事業所数でいいますと四百六十九万事業所、全事業所数の約七七%、小規模企業の企業数では約四百十万で全企業数の八七%を占めております。また、小規模企業者の従業者数は一千七十九万人と全従業者の二五・三%を占めているわけでございます。
 このように、我が国経済における大変大きな部分を小規模企業者が占めているわけでございます。
#20
○松村祥史君 改めて聞くまでもなく、大変な数でございます。
 そういう中堅・中小企業者を育成するのがこの新法であろうと思いますけれども、経営というのは、それぞれに経営者の方々が経営理念や戦略・戦術を持って日々経済活動を行っていらっしゃるんですけれども、私もやっておりましたころ、戦略というのはやはり社是みたいなものでございまして、変えるべきものじゃなく、自分の自覚であったり覚悟、この部分でございます。戦術はその時代に合わせたところのいろんな施策であろうと、このように思っておりますけれども、そういう経営者を育てるわけですから、我が国の指針としても長期のマスタープランがあってもいいものではないかと、私はこのように思います。
 来年は、例えば三年後は、十年後はと、こういう中長期的な立場に立ってそういう計画、プラン、マスタープランが必要じゃないかなと。野球で例えますならば、1A、2A、3Aと、おれはいつか必ずメジャーリーグに行くんだと、先ほど大臣がおっしゃった世界一の町工場だと、こういった方々を育てていくためにはそういったある一定の希望を示せるようなマスタープランが必要だと思っておりますが、これについては長官、どのようにお考えでしょうか。
#21
○政府参考人(望月晴文君) 私どもが中小企業施策を具体的に実施してまいりますときには、やはり大きな考え方を国民とともに共有するということが大前提であろうかと思います。
 そういう意味では、まず平成十一年に中小企業基本法の改正をいたしたわけでございます。その中小企業基本法は、何十年ぶりかの改正のときに、経営の革新及び創業の促進ということ、それから中小企業の経営基盤の強化、それから経済的、社会的環境変化への適応の円滑化という、この三つの大きな柱を基本的な政策として考え方の中心に盛り込みまして、併せてその理念に従って各種中小企業の法律の改正を当時行ったわけでございます。私どもが今行っている中小企業施策の基本的な考え方の原点はここにあろうかと思っております。よく私どもがやる気と能力のある中小企業を支援するんだと、こういうことを言っておりますのも、この中小企業基本法のところから発しているわけでございます。
 それからまた、先生おっしゃいましたように、もう少し中期の戦略という面で申し上げれば、実は昨年、今大臣が御説明を申し上げましたように、昨年、大臣のリーダーシップの下に新産業創造戦略ができ上がったわけでございます。ただ、その新産業創造戦略の中に書かれていること、あるいはそれを支えているものというのは、正に創業や中小企業の新事業展開というものを前提として大変大きな部分に位置付けた産業戦略になっているわけでございます。
 私どもはそれを更に具体的に実施をしていかなきゃいけないということがございまして、今般のこの中小企業を支援する法律を一本化をし、新たな事業展開についての政策を強く打ち出し、新連携がその最大のキーワードでございますけれども、そういうものも、この新産業創造戦略において中期的にあるいは急いでその産業の基盤を強化していかなきゃいけないということの具体的な実施策というふうに位置付けているわけでございまして、これも早急に実行できることがございますれば中小企業の中で新しい動きを盛り上げることができるんではないかというふうに考えているところでございます。
#22
○松村祥史君 マスタープランについてはいろんなお考えを示していただきましたけれども、やはりそれぞれの立場の中でそれを実施していくとなると大変な尽力を要するわけですけれども、現在、小規模企業対策、これについての予算についても実はちょっと調べてまいりましたけれども、平成四年には五百二十六億、平成六年には三百七十億、昨年の平成十六年には百二十四億と、小規模企業対策費というのが減っております。非常に残念なことでございます。
 これは、国の財政が厳しい中で自助努力を促すという意味では致し方ないというところもございますけれども、先ほどからずっとお話をしているとおり、我が国経済の基盤である中小企業を育てる中で中小企業予算は軒並み同額で推移をしておりますけれども、この小規模企業予算については大変な目減りをしております。これについてもやはりマスタープランを基にいろんなものの成果を問うて、成果を問うことで、この予算は必要なのか、それとも減らすべきなのか増やすべきなのか、こういうこともやっていくべきじゃないかと思っております。
 今回、この予算についてもそうですけれども、三位一体改革でこの予算が都道府県に移行をされます。そうなりますと、その都道府県、四十七都道府県のそれぞれの行政によってばらつきが出てくるんじゃないかと、小規模企業対策について手薄になるんじゃないかというふうに心配をしております。これについてはどのようにお考えでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
#23
○政府参考人(望月晴文君) 小規模企業対策につきましては、中小企業対策全般もそうでございますけれども、国と都道府県が連携をしてやっていかなきゃいけないということが私どもの中小企業政策の一つの大きな体系でございます。その体系を実現しているのが、毎年春に国が中小企業の支援計画というのを作ることに、基本計画を作ることになってございます。これをお示しすることによって、今年でいえば十七年度の基本計画をまず作りまして、それをお示しすることによって、各都道府県がそれに基づいてそれぞれの県の計画を作り、それを私どもに届けていただくということになって国民全般が、一体国と都道府県がどういう中小企業施策、なかんずく小規模支援策をやろうとしているのかというものを知ることになるわけでございます。
 私どもはその中で、もちろんよく打合せをしながらやっていくわけでございますけれども、場合によっては、国は都道府県に対して、もっとこういう点についても十分な施策を取るべきではないかというような助言をすることもできることになっておりまして、そういう体系の中で国と都道府県が協力をしながら小規模支援策というものを充実強化をしていくということになっているわけでございます。もちろん、これも毎年毎年のレビューを前提にいたしましてそういう施策を強力にやっていくということでございます。
 そんな中での実は三位一体改革でございますので、私どもといたしましては、この三位一体改革で一部予算が地方に移管されることになったとしても、都道府県は確実にもちろんその予算に基づく施策を実施するという前提で移管されるわけでございますから、私どもといたしましては、そこに若干のそごがございましたら国としても十分に助言をし協力をしながらやっていくようにしていかなければならないというふうに思ってございます。
 三位一体改革について、この実施が実行されるのは私どもに関していえば平成十八年度からでございますけれども、そういう移管をする前提としては私どもそういうことを考えておりますので、万般遺漏なきを期していきたいというふうに思っております。
#24
○松村祥史君 今長官お話しをいただきましたけれども、国と県の連携という部分では非常に大事だと思っております。しかしながら、私が知る限りにおいては、なかなか県の理解というのが示されていない県もあるというふうに私も聞いております。ですから、この辺は大変危惧するところでございますので、是非、国の関与は一定を保ちつつも、県とのしっかりした連携を取っていただきたいと、このように思っております。
 この施策を実行、実施していく中で、現場での窓口になるのは既存の商工会や商工会議所がやってくれているわけでございますけれども、先ほども申し上げましたように、県の理解が求められないところというのはこれは手薄になっております。地域の中の中小零細、正に小規模事業者の方々はここを、ビジネスパートナー的な関係でいらっしゃるわけですね。ここがやはり手薄になったり縮小したりすることで大変な、何といいましょう、努力をしようとも努力がままならないという現状が発生をいたします。
 そういう意味では、今後、この商工会、商工会議所の活用、この点についてはどのようにお考えなのか。私はもっと、先ほど申し上げましたマスタープランを基に、もちろんこういう時代ですから、商工会、商工会議所もその実施窓口としてのマスタープランを作成し、いろんなものを変えていく必要があると思っておりますけれども、これについてはどのようにお考えでしょうか。
#25
○政府参考人(望月晴文君) 商工会、商工会議所は、長年にわたり地域の小規模事業者に対する経営相談だとか指導だとかきめ細かな支援をいたしているわけでございまして、地域の中小企業、なかんずく小規模企業にとっては非常に重要な、頼りがいのある役割を担っている組織というふうに思っております。
 このような組織は、引き続き、私どもとしては小規模施策の中心を担っていくことになると思ってございますけれども、元々法律上そういう役割も位置付けられているわけでございますが、この団体の性格そのものは、地域の自主的な民間団体であることもまた一方の性格であるわけでございます。こういった中で、私どもは、商工会にしろ商工会議所にしろ、そういう自主的な団体としての意欲に燃えて今の小規模施策をやっていただくということは非常に重要なことではないかと思ってございます。
 具体的に見ますと、例えば商工会について申し上げれば、全国商工会連合会が数年前に、商工会等変革への七つのアクションというようなことで自己変革の提案をいたしております。この自己変革の提案は、自分自身の変革であると同時に、小規模政策においても大変重要な提案を幾つかしているわけでございまして、こういった自助努力をされておられる民間の有力な組織であって、私どもの支援の施策のパートナーであるというふうに位置付けてございます。会議所におかれましてもほぼ同様のことが、努力が個々の会議所単位で行われていると認識をいたしておりますので、こういった商工会、商工会議所の自主的な努力を我々としては是非ともいろんな面でバックアップをしていきたいということでございます。
 そういった面で、経営指導員の方々というのはそれぞれの団体で小規模施策の中心を担っておられる方が配置されているわけでございますが、こういう経営指導員の皆様方の能力向上のためにいろいろやっていかなきゃいけないということについても、私どもとしては予算面あるいは政策面でいろいろ支援をしていきたいというふうに考えているところでございます。
#26
○松村祥史君 ありがとうございます。
 民間であるということでございますので、国の関与はしっかりとやっていただく中で是非啓発をしていただきたいと、このように思っております。
 中小企業の支援策は多数存在するわけでございますけれども、実は私の友人が昨年、資本金の最低規制の下に一円起業で企業を起こさせていただきました。その友人は、以前いた会社を退社しまして、自分でやろうと起業家魂に目覚められてやられたわけですけれども、おかげさまで順調に推移をしておりまして、非常に有り難いと言っておりましたので、このことは是非大臣にもお伝えくださいということでございましたのでお伝えしておきますけれども。
 こういった企業を起こすこの精神というのは、いや、今お笑いになられましたけれども、非常な覚悟が要るんですよ。既存の会社に安定を求めるか、リスクを取るか取らないか。そのときにこういう政策があるというのは非常に有り難いことです。ましてや若い経営者です。こういうベンチャー企業を目指す方々がたくさん育ってほしいと思っておりますが、こういう方々とちょっとお話をしますと、やはり手続等が大変複雑なんですね。これは事実でございます。企業におられた方々が専門職として企業家を目指される。そうなると、社長であり経理部長であり営業部長であり、すべてのことをやるわけですよ。それも一円起業でございますからたくさんの社員がいるわけじゃない。そのときに、煩雑な手続、これはもう非常に厳しいものがございます。
 ですから、このこともやはり、くどいようですが、マスタープランがありますと、それぞれのランクに合わせての融資策であるとかいろんな手続の簡素化、そしてステップアップをしながら企業を育てていく、このことが可能になるんじゃないかなと思っております。時間も余りございませんので、このことは要望にさせていただきますけれども、是非、分かりやすく使いやすい、このことを基本にやっていただきたいと。
 そして、その後のフォローなんですけれども、今二年目を迎えまして、ちょうど一年半ぐらいでございますね、企業を起こしまして。順調に推移をし、会社としての登録をきちっとやったと。今後の計画をしっかり立てて頑張っていらっしゃる企業でございますけれども、こういう企業がたくさんいらっしゃる。そのときに、やはり中長期の計画を立てるときに、金融対策であるとかこういったものが非常に煩雑で、また借りにくくなっております。是非、こういうときのやはりビジネスパートナーとして、もちろん商工会議所、商工会があるわけですけれども、なかなか専門になりますと届かない部分もございます。
 そういう意味では、是非、こういったことは考えられませんでしょうか。例えば、中企庁でも結構でございます。是非優秀なスペシャリストを集めて地域の方に派遣をしていただいて、SWATチームと称して派遣をしていただく。そして、こういうスペシャリストの育成用のプランを立てていただく。ビジネスパートナーたるもっともっと専門職を、例えば金融の専門家、銀行ではなくて、そういうものをやっていく必要があるんじゃないかなと、私はこのように考えておりますので、是非このことも実行に移していただければ有り難いなと思っております。そのことが、そのことがやはり日本経済の底辺を支える方々がどんどんどんどん伸びていく可能性になってまいりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 時間も参りましたけれども、あと二分ほどございますので、余談ではございますけれども、先般、大臣にも、若い経営者の商工会議所の青年部の全国大会においでをいただいて御激励をいただきました。保坂副大臣には、商工会青年部の全国大会においでをいただき御激励をいただきました。こういう若い経営者の方々が何とおっしゃっていたかというと、大臣、副大臣がおいでをいただいた、非常に勇気が出ると、こういうふうに言っていただいているんですね。私も含めまして若い経営者の方々は今、将来に不安を持っております、どう進んでいいのか。今考えていらっしゃることは延命策です、会社の。それほど体力が落ちているんです。
 ですから、大臣や副大臣がそういう会合に、若い経営者の方々に叱咤激励をいただくことは、これ自体で私は政策だと思っております。是非今後も若い方々に夢や希望を与えていただきたい。そして、そのための新法であり、そのための実施策がそれぞれの機関であると思っておりますので、このことをまたお願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
#27
○加藤敏幸君 おはようございます。民主党・新緑風会の加藤敏幸でございます。
 過日、本会議で代表質問をさせていただきまして、その質問に引き続き、具体的な内容等を含めながら中小企業経営革新支援法改正案についてより深めていきたいと、このように思っておりますので、よろしくお願いします。
 まず、中小企業の経営を取り巻く状況についてお伺いいたします。
 大臣は本会議の答弁で、昨今の景気の調整局面を反映し、中小製造業の景況感にも弱い動きが見られる、それから、小売業等の非製造の業況は、個人消費が横ばいに推移していること等を反映し、厳しい状況にあると、現在の中小企業が置かれている経営環境について述べられました。
 政府としてのマクロ経済の判断は、景気は回復に向けて踊り場にあるということですが、恐らく中小企業につきましては、一部小売業は厳しいが、資金繰りに失敗して倒産の危機に直面すると、そういうふうな企業がたくさん出るといういわゆる危機的状況は脱したと。そして現在、各中小企業はどうやって経営基盤を強めていくかと、これが大きな課題になりつつあると、こういうふうな認識であるのか。こういう判断でよろしいでしょうか。大臣の御見解をお伺いします。
#28
○国務大臣(中川昭一君) マクロ的に言うと非常に厳しい状況は脱したというふうに私も思っておりますけれども、経済産業省としてミクロを見る立場からは、地域、あるいは業種、業態、あるいはまた規模、それぞれが全部が全部良くなればこれにこしたことはありませんけれども、そうは言わなくても、まだまだ厳しい、大きな厳しい塊が残っているんじゃないのかと。例えば、地域でいいますと、私の北海道とか東北とか四国とか九州とか。あるいはまた、一部の大企業が全体を引っ張っていっておりますけれども、しかしそれ以外の日本の大部分を占めます企業、特に非製造業、中小企業といったところが依然として厳しい。
 もちろん、雇用情勢とか有効求人倍率とか、いいデータも出てきておりますけれども、いわゆる有効求人倍率云々という、あるいはまた失業率なんかもちょっと、これは短期的な話ではありますけれども、最近の失業率はちょっとまた芳しくないとか、いろいろございますので、今一番大事な、正に踊り場というのはうまい表現使ったもんだなと思いますけれども、私はあんまり好きな言葉じゃないんです。とあんまり言うと内閣不一致みたいになりますけれども。上に上がる踊り場なのか、下に下がる踊り場なのか、これ分からないよ。何となくイメージ的に言うと、上がっている一服感の踊り場という感じと、いや、ちょっと上がってきたけれども、何かそこで一服してまた下に下がっちゃうんじゃないかというのと。
 だから、非常に今大事な時期に来ているという意味で、経済産業省としては、それから委員の先生方の御地元、いろんな実態をきちっと我々把握をして、これから正に大事な時期の、ミクロ的な経済を一つ一つ良くしていくことが今の経済政策で一番大事な時期じゃないかなというふうに思っております。
#29
○加藤敏幸君 中小企業を担当される大臣の御認識としては、やはりそういう正にミクロなところにも十分配慮をされた景気に対する認識ということは非常に大切ではないかと、こういうふうなことだと思います。
 そこで、もう少しこの話を進めて、これから先の今年一年、これから先どうなっていくのかという見通しについて少しお伺いしたいと思うんですけれども。
 外需に支えられた景気回復であって、もちろんデジタル家電とかリストラ効果とか、これも本会議で申し上げましたけれども。しかし、リストラ効果は一回限りであるし、それからデジタル家電だとかいう、そういうふうな花形商品も今やや息切れ状態になってきたと。じゃ一体、四月以降、景気を国内で引っ張っていく産業、業種としては何が考えられるのかと、こういうふうな視点があります。
 それからまた、春の賃金交渉、私、連合でやっておりましたから賃金交渉には非常に思い入れがあるわけですけれども、今組織率が二〇%以下なんです。五人に一人しか組合員さんはいないわけです。五人に四人は労働組合がない。こういうふうな環境であって、幾ら賃上げ、賃金交渉を中央でやっても、なかなかそれが多くの、先ほどもありました小規模企業に勤める皆さん方にまで波及するという状況にはなかなか至らない。これは時間が随分掛かるでしょうと。
 そういう状況の中で、公租公課の負担が今いろんな意味で増えていくということで、私は一番大事なのは、六千万人近いサラリーマン、これ一般勤労国民の家計支出がこれからどうなっていくのか、この内需を支えるこういう家計支出、購買がどうなっていくかというところが一番大きいポイントだと思います。特に中小企業の多くの皆さん方は、消費者向けの、最終消費者向けの財あるいはサービスというふうなものを作っている、担当されているケースが多いわけですから、やっぱり個人消費が盛り上がらないと、最後、中小企業の皆さん方のところまでには及ばないというふうに思うわけで、そのことの見通しについて、なかなか私はそう楽観できないんじゃないかと、このように感じておるわけでありますので。
 そこで、内需の動向について、それを踏まえて、消費を中心とした内需動向について、あるいは消費行動の動向について経産省としてどのような分析をし、見通しを持っておられるのか、ここをお尋ねしたいと思います。
#30
○政府参考人(望月晴文君) 今先生御指摘の、民間消費支出を始めとする内需の動向というものが中小企業に与える影響、非常に重要ではないかということでございますけれども、私どもも、例えば内需の需要一単位が増加した場合にどれだけ生産が増加するかという生産誘発度というもので見ますと、民間消費支出の一単位の増加が大企業には〇・三一の生産増をもたらすのに対しまして、中小企業には〇・四九の生産増をもたらすということを見ても、民間消費支出の影響は、大企業に比べ中小企業で現れやすく、その回復が中小企業の景況感の回復にとって大変重要だということであることが分かるわけであります。
 また、民間消費支出の支出項目を少し見てまいりますと、最近の伸びている分野というのは、保健医療の関係やあるいは交通・通信、特に通信の関係の消費支出に占める割合が非常に上昇していると。これは携帯電話などの影響も随分あると思うんですけれども、その一方で、消費の主力でかなり大きなウエートを占めている被服、着る物ですね、被服や履物関係などの割合が低下傾向を示しているということでございまして、近年の消費構造というのはいわゆる中小小売業の販売に結び付きにくいというものに変化をしているということでございまして、中小非製造業の業況改善が若干の個人消費の伸びに伴って素直に上がってこないというのもまた実態でございまして、私どもは、この消費支出ですら中小企業に結び付いていくためにはもう少し力強いものになってくるということが必要ではないかと。いずれにいたしましても、最初申し上げましたように、民間消費支出の伸びが中小企業の業況改善にとってかぎであるということには変わりないわけでございます。
 それで、その民間消費支出の今後につきましては、一部に今申し上げたような動きがあるわけでございますけれども、やはり先生もおっしゃいましたように、雇用情勢の改善というものが家計の所得改善につながるということを我々としても大いに期待をしていかなきゃいけないわけでございまして、そういう経過をたどりましてこの消費支出自身が全体が増加していくということを期待するわけでございますので、中小企業を見る私どもとしては、大変この影響の大きい民間消費支出に対する内需の動向というものを注視しているということでございます。
#31
○加藤敏幸君 御指摘、御回答いただいた内容については、それはそういう形で理解ができるわけですけれども、更に一歩突っ込みますと、もうこれ大企業において正社員の数がどんどん減ってきている。代わりに派遣、パート、非正規従業員だとかいろんな表現していますけれども、その比率が随分上がっていると。恒常求職の数は変わらないけれども、正社員の数は減っていると。
 そして、何が起こっているかというと、結局働く者の所得の総額はやっぱり減っているわけです。非正規従業員ということは、ある意味で賃金格差だとかいろんな意味で格差が出てくる。それは、逆に言うと、企業としてはグローバリゼーションに対抗するためにコストを削減せにゃいけない、その方法論の一つとしてそういう方法を取ったことは、もうこれは一つの事実でありますから。
 となると、家計全体を日本列島全部で集約すると、やはり減少していると。つまり、購買力が落ちているというところにも大きな問題がありますから、御説明された、家計の中での費目構成の問題もありますけれども、このバスケット自体がやっぱりどう大きく改善していくかと、そういう意味で、内需を本格的にどうやってつくっていくかというのは、中小企業庁だけじゃなくて正に政府全体のお仕事ではないかと、こういうふうに思うわけであります。
 そこで、引き続いて、ここ数年間の私はマクロ経済運営について、やや本会議では嫌みを言ったわけでありますけれども、少しく緊縮中心、財政構造改革というふうなことに注力をしてきた、そういったようなことの中で、言ってみると、中小企業対策だとか労働政策だとか、そういうふうな部分には、まあ我慢をせよとは言いませんけれども、やや血流が少なくなった、日の当たり方が悪くなったという状況にやはりあったというふうに思います。
 もちろん、金融部門の不良債権比率が半減したという意味で、ある種の目的は、不良債権の改善は進んでいるわけでありますけれども、しかし、ここ、具体的な名前を言う必要もないんですけれども、ある意味で構造改革あるいは市場万能主義の、言ってみると新古典派、シカゴ学派的な政策展開をやる中で、スクラップ・アンド・ビルド、一回つぶれても再生すれば五百六十万人の雇用が出てくるんだから今は何とか我慢したらどうだという路線の中で、私は、中小企業政策というものは特にしわ寄せを受けてきたと、こういうふうな判断もあるのではないかと。そういうような意味で、非常に厳しい貸しはがし、貸し渋りという状況の中で、セーフティーネットとして私は、中小企業政策というふうなものはある意味で機能してきたということもこれ評価できるとは思うわけであります。
 さて、そういうふうな視点で、今後についてということでございますけれども、私はやはり、市場競争にすべてをゆだねてしまう、強い者が勝つことでそれでいいんだ、市場の見えざる神の手によってすべてうまくいくという考え方だけでは中小企業政策というのは私は機能しないと思うんですよ。やっぱり中小企業政策、労働政策というのは本質的に社会政策という側面を持っているわけですから、それはもうすべてを市場原理にゆだねるということでは、もう本来的に中小企業政策やらなくてもよかったじゃないかという議論にも極端に言えばなってくると、こういうふうなことでございます。
 戦略的社会政策としての中小企業政策という、私は、見方もあるいは位置付けも必要になってくるんではないかと。ただ、ここはやや私なりの、イデオロギーとは言いませんけれども、物の考え方が前面に出ておりますので、言葉の使い方でありますけれども、中小企業政策の本来の姿というとなんですけれども、そういうふうなやはり見直しの時期にもあるのではないかという私の思いを受け止めていただきまして、大臣の御見解をお伺いしたいと思いますけれども。
#32
○国務大臣(中川昭一君) 確かに、加藤委員が御指摘のような状況にあったと思いますが、政府なりいわゆる公的な部門が何もしなかったかというと、決してそうではないということを改めてこれは共通認識として共有できるのではないかと私は思っております。
 例えば、例の三十兆の信用保証でありますとか、あるいは二百五十兆の中小企業向け金融、融資の中での公的部門の融資あるいはまた保証の役割でありますとか、あるいは今加藤委員も御指摘になりましたが、中小企業に対してのいろんなセーフティーネットでありますとか無担保無保証制度みたいなもの。実は、私も二十数年前、銀行員で勤めておりましたけれども、えっ、担保も取らないの、保証も取らないの、そんな貸出しってあっていいのというぐらいに最近は本当に、もちろん貸す方はリスクを負うわけですから目利きであるとかプロとしての判断材料が必要になってくるわけでありますけれども、そういう新しい形の中小企業政策がどんどんどんどん今進んできているんだろうと思っております。
 そういう中で、何といってもその根っこにあるのは、日本の経済的活力を支えているのは中小企業である、ここに頑張ってもらわなければいけない、一部の強いところだけが頑張ればいいじゃないかということでは決してないんだと、やる気と能力のあるところにはワンプッシュすれば頑張っていけるんだ、そのワンプッシュを公的な部分でやっていこうよというところがここ十年の中小企業政策の一つの大きなポイントだったと思いますんで、そういう意味で、当委員会を始めとして、委員の先生方のいろいろ御指導をいただきながら、いろんな制度をつくり、そして実行をしてきたことは、やっと日本全体が良くなってきたと、でもまだまだ中小企業に満遍なくその恩恵が被っていないというところに私自身、まだ道半ばだなという気持ちはありますけれども、もうあと一押し、二押しをやって、だれでもうまくいくというふうには私は安易には申し上げませんけれども、頑張れるところには頑張っていただけるような後押しをしていく。ある意味ではかなり、八合目ぐらいまで来たのかなという感じを持っております。
#33
○加藤敏幸君 ありがとうございました。
 次に、統計の問題といいましょうか、中小企業の現況について、政府のマクロ経済統計と、私ども、中小企業のおやじさんに聞いたときの実感と、こういうことの差が懸け離れているということについて少しお伺いをしたいと思います。もちろん、中小企業の社長は発注元に行くときは年代後れのクラウンで行ってゴルフ場にはベンツで行くと、そういうふうなまあ使い分けもありますから、聞くことを全部うのみにするということでもないわけでありますけれども。
 さて、政府発表の経済指標データには、例えば四半期ごとの国民所得統計、鉱工業生産指数、企業収益の動向、さらには厚生労働省や内閣府の雇用関係統計などがありますし、日銀も短観始め独自の調査がある一方で、中小企業につきましては政府系金融機関の調査や民間調査会社の調査が多くあります。中小企業庁が実施している中小企業景況調査がその中でも一番実態を反映しているのではないかと、まあ私も少しく評価をしているところでございます。
 そこで、この中小企業景況調査を見ますと、最新データは昨年の十―十二期を対象にしていますけれども、政府の昨年の第四・四半期の国民所得統計の改定値とは全く逆で、業況判断DIは悪化超幅、悪化マイナス好転、これが前期に比べて拡大していると、こういうことを示しているということ、さらに業種的にも地域的にも格差が広がっていることが読み取れると。
 本年一―三月期を対象にした調査も恐らく前期とさほど変わらない調査が出てくると思いますが、かつては、景気回復期においては大企業、中堅企業の収益回復がこれ先行して、それが徐々に中小企業に浸透していくというタイムラグの問題としてこの格差問題がとらえておりましたけれども、最近は遅れているということだけでもないんではないか、ちょっと様子が違うじゃないか、何らかの構造的な問題があるのではないかと、こういうふうな指摘も出てきております。
 経済産業省としてこの中小企業の景況の回復が遅れているということについてどのように分析をされているのか、大臣のお考えを伺いたいと思います。
#34
○大臣政務官(山本明彦君) 加藤委員の質問にお答えさせていただきたいと思います。隣の木俣委員が笑ってみえますけれども、同じ出身でございますのでよろしくお願いいたします。
 最近の経済指標を見ておりまして何が今良くなっているかということでありますけれども、やはり輸出主導でありまして、実質GDPの項目別推移を見ますと、輸出型というのが二〇〇二年の一月を見ますともう一三四・八まで、一〇〇から一三四・八まで増えておるわけでありますが、しかし消費支出はそれに対して一〇二・一ということでありまして、輸出が景気の牽引役となっておるわけであります。
 ところが、中小企業を見ますと、中小企業は輸出型というのはやはり数少ないわけでありますし、製造業自体が少ないわけでありまして、業種からいえばやはり製造業がいいというのは御承知のとおりでありますけれども、製造業が一一・八%しか中小企業がないということでありますので、そういった意味で、非常に業態として、日本の景気が良くなってきても中小企業へなかなか及ばないというのはそこら辺にあるということであります。
 今申し上げましたように、消費自体は多少増えていますけれども横ばいでありまして、その消費の中身も、先ほど中小企業庁長官がお話ありましたように、中身が、やはりいろんな消費があるわけでありまして、中小企業が扱っております衣服関係ですね、衣服関係が大変多かったわけですけれども、これが消費が大分落ちておりまして、何が増えておるかというと、通信とか交通が増えております、医療とか保健が増えておりまして、これは余り中小企業が扱っていないわけでありまして、そういったいろんな意味で消費の方も増えていない中で中小企業は特に悪い、製造業に余り携わっていない、そんな意味で中小企業はまだまだ景気回復に至っていないと、こんなふうに判断をしておるところであります。
#35
○加藤敏幸君 この中小企業景況調査について更に質問をさせていただきたいと思います。
 この調査では、一、業種別業況判断DI、二、資金繰りDI、三、借入難易度DI、四、地域別業況判断DI、四つの主要DIで中小企業の全体像を把握されております。
 しかし、私は、中小企業の場合、従業員数や売上高による規模別の違いとか、その中小企業が独立系なのかあるいは資本系列下の下請、孫請なのか、あるいはその企業が完成品製造業なのかあるいは部品素材製造業なのか、あるいはソフトウエア系なのかサービス系なのか、さらに、独自の技術だとかノウハウ、そういうふうなものを持っているのか、あるいはフランチャイズだとか親会社の技術指導に任せているのか、そういった経営のタイプの違いだとか方式の違いによっても景況感は大きく違ってくると思います。
 この視点から最新の中小企業景況調査を見た場合、そこから何が読み取れるのか、あるいは中小企業の経営の立ち直りが遅れている構造的問題はどこにあるのか、説明できるものがあればお教えいただきたいと、このように思います。
#36
○政府参考人(望月晴文君) 御指摘のように、中小企業景況調査の業況判断DIにつきましては、様々な分析を行っているところでございます。
 例えば、企業規模別におけるDIの分析などを見ますと、製造業、建設業における従業員二十人以下の企業、卸、小売、サービスにおける従業員五人以下の企業というものを総じて小規模企業と呼んでおりますけれども、規模別の実態の把握にも努めております。これによりますと、日本経済の、先ほどもちょっと御議論ございましたけれども、景気回復が緩やかになる中で、小規模企業が特に中小企業の中で厳しい情勢にあるというのは一目瞭然になっているわけでございます。
 また、御指摘の経営タイプ別というものも業種を更に区分して分析を行っております。製造業の業況判断DIを企業の輸出割合別に見ますと、今般の景気回復が輸出主導であったということを反映いたしまして、輸出中心型の企業は、まだ現在マイナスではございますけれども、マイナス一四・二%であるのに対し、内需中心型の企業はマイナス一七・七%ということを明確に表しております。また、これは販売、主要販売先別に見ますと、メーカーを主要販売先とする企業のDIはマイナス一〇・六というのに対しまして、小売業を主要販売先とする企業は、主に最終製品を取り扱っているということもございまして内需に強く依存していると考えられることから、DIもマイナス二五・二%と大変低い水準にとどまっているということでございます。
 それから、建設業などの業況判断DIなどを見てみますと、民需中心型の建設業の業況判断DIはマイナス二〇・九%であるのに対しまして、官公需中心型の企業はマイナス四三・五%ということで、公共事業に依存する建設業が非常に低いレベルにあるということを表しております。
 このように、それぞれの業種や経営特性に応じて中小企業の実態把握に努めているところでございますけれども、まだまだ十分活用し切れていないというところもございまして、勉強を更に引き続きしていきたいというふうに思っております。
#37
○加藤敏幸君 せっかくの調査ですので、これはもう私自身にも言えるんですけれども、ややもするとステレオタイプな過去の見方に引きずられて今日を見てしまうということに、よくやるわけですけれども、私は、よりきめ細かく、やっぱりこういう調査をメッシュを細かくして、やっぱりデータに基づく政策判断なりそういうようなことを努めていきたいと思いますので、これからもよろしくお願いしたいというふうに思います。
 さて、法改正に関する質問に移らさせていただきます。
 既存三法がどれだけの成果を上げてきたのかということ、あるいは問題点はなかったのか、評価をきちんとやり、いわゆる政策評価をやっていくことが大事だということであります。
 中小企業庁で策定された資料には、それぞれの中小企業支援策の達成状況をまとめておられます。例えば、中小企業経営革新支援法の実績では経営革新目標達成企業は五二%とされているし、目標を達成したかどうかは、付加価値額の総額が、あるいは従業員一人当たりの付加価値額が年率三%以上向上したかどうかと、こういう尺度で判断をしていると。また、事業が終了した五百八十六社を対象にしたサンプル調査では付加価値を三%以上向上させた事業者は三五・七%にも、上回っていることが報告されていますし、一般の中小企業で比較しますと、付加価値を三%以上向上させたところは一八・九ですから、随分といい成績を上げていると、こういうふうなことであります。
 何もこういうふうな数字の報告にけちを付ける気は毛頭ございません。しかし、いいな、いいなでこの委員会をみんなでやってみてもしようがないので、少しく御意見を申し上げますならば、こういった政策評価でやっぱり気を付けるべきことは、一面的であってはならないということであります。
 例えば、経営革新法では事業計画そのものが付加価値を三%以上上げることにあったわけですから、これを達成できる企業が多くなるのは当然のことですし、逆に三%を達成できなかった企業も多くあるわけだと。また、圧倒的中小企業は事業計画そのものを提出できなかった、あるいは提出する意欲もなかったわけでありますから、これらのことを総合的に判断して、この経営革新法はどのように機能していったのかと。
 先ほどの数字に表れない、あるいは中小企業経営者の意識という、数では測れないそういうようなものにも効力があったという声も聞いていますけれども、では、それは具体的にどういうことなんですかということを含めて総合的評価が必要だと思いますので、この点、いかがですか。
#38
○政府参考人(望月晴文君) 今度の法律のベースになりました中小企業経営革新支援法は、法律の目的を、元々私どもとしては、中小企業による経営革新のための前向きな取組を促すという、促すことが法律上の、法律の大きな、そのこと自身が大きな目的となっているというふうに考えているわけでございます。
 平成十一年から平成十六年までに、そういった観点から申しますと、一万六千五百五十一社の企業が法律の承認を受けに役所の窓口を訪ね、それを受けたわけでございます。これらの企業が一般企業に比べて二倍の比率で年率三%以上の付加価値向上を達成するというこの事実というものは私は重いと思ってございます。このことは、新製品や新サービスの開発、なかなか中小企業ではできない部分についてそういう開発をするとか、あるいは新しい生産方法の導入など、中小企業による新たな事業活動へ挑戦をするという本法の目的に沿った計画を作り、承認を受け、実行したという企業がこれだけいるわけでございまして、私としては、こういう企業が先例となって周りにいる中小企業の皆様方にいい効果を与えるということがこの法律の一つの目的であろうかと思います。
 私どもは、すべての中小企業の方々を私どものたなごころの上に乗せて育てるというのは、これはなかなか、この今の市場の中で難しいわけでございますけれども、その中で、立派に前向きにやろう、頑張ろうておられる方を少しずつでも支援することによって、その波及効果というものを考えているわけでございまして、この経営革新法の手法というものは、これは余り自画自賛してはいけないとは自戒しつつも、諸先輩は相応のこの法律によって政策的効果を上げたというふうに認識して誤りはないのではないかというふうに感じているわけでございます。
#39
○加藤敏幸君 是非今後も、その波及効果ということについてはもっともっと広めていっていただきたいと、このようにも感じます。
 これまで経営革新法では、申請されました事業計画のほとんどを承認されたと聞いていますけれども、ここで、政策評価の問題に関連をいたしまして、中小企業への支援策全般の話をさせていただきたいと思います。
 特に、補助金支給など予算が伴う公的な支援策は対象企業を絞らざるを得ないという、これは、予算、範囲がありますから宿命にあります。しかし、このことで、当該の中小企業は、結果、採用されると天国、されないと地獄と、こんな表現もあるわけですけれども、支援するかどうかの判断というものについては慎重かつ特に公平でなければならないと、このように考えます。
 例えば、現在、中小企業・ベンチャー挑戦支援事業のうち事業化支援事業というものがありますけれども、この平成十六年度の第二回目の採択状況は、申請六百十二件、対して承認された件数は四十五件しかないと。競争率でいくと十三・六倍。しかも、この四十五件の項目を見ますと、これは見る立場によって判断は分かれますけれども、大変失礼な言い方になれば、これが本当に事業として成功するのかなという思いを持つ、そういうふうなものもなくはないと。
 そこで、私どもが危惧いたしますのは、平成十六年度の第二回目の申請で漏れた、四十五件以外の五百六十七件の中にも実は大変大きな可能性を秘めたそういう案件もあったのかもしれないなと、こういうふうな思いを持つわけでありまして、私としては、このような中小企業への個別支援施策というものは審査のプロセスが本当に大事であって、ここを大切にしなきゃならない、また、公正に行うためにはさきに実施された政策の評価がきちんとできていなきゃならない、プラン・ドゥー・チェック・アクションという、この管理のサイクルも回す必要があるんじゃないかと、こういうふうなことで私は政策評価に今こだわっているわけであります。
 そういうような意味で、この審査の在り方についてるる申し述べましたけれども、御見解をお伺いしたいと思います。
#40
○政府参考人(望月晴文君) 中小企業に対する個別支援策については、限られた財源の中で最大限の政策効果が望めるような事業について支援をするということが重要でございますので、委員御指摘のように、各種個別支援策の採択に当たっては公平公正な姿勢と個別事業に対する目利き能力が求められるということであろうかと思います。
 このような観点から、個別支援施策の実施主体であります国、都道府県など、あるいは中小企業基盤整備機構などにおいては、それぞれ複数の外部有識者から構成される審査委員会あるいは選定委員会の意見を聴いて支援先の採択決定を行うという意味では、昨今の運用、大変厳密な運用をしているわけでございます。
 こういったことが不可欠でございますので、今後とも、この個別中小企業に対する支援策の適用の範囲が公正公平になされ、政策効果の高いものが採択されるということに努めてまいるということは当然のことであろうかと思っております。
 例示に挙げられました十三倍の競争率の問題につきましては、これは私どもと考えましてもいささか競争率が高過ぎるかなというふうに思いがございます。一方で、この施策についての需要がこれほど強いものだったということは私どもとしてもよく考えなきゃいけないというふうに思っているところでございます。
 もちろん、そういう面で申し上げれば、落とされた五百何がしについてもいいものもたくさん交じっているというふうに思いますけれども、スタートいたしました予算としてはこういうことで始めましたので、その辺は現時点では致し方ないかなとは思っておりますが、各地でいろんないいプランを持っておられる中小企業の方々につきましては、今後、これをもって切り捨てることなく、十分に私どもの中で取り上げていくような機会をうかがっていきたいというふうに思ってございます。
 それから、取り上げました四十五件につきましては、私は個々、全部いろいろ勉強させていただきました。表題、タイトルが若干分かりにくいものもあろうかと思いますけれども、個々にはそれぞれ大変世間の範となるようなすばらしいプロジェクトばっかりでございますので、是非ともこれが世に出ていい成果を上げるということを私どもとしてはお手伝いをしていきたいというふうに思っております。
#41
○加藤敏幸君 それでは、次に事業者間の連携措置について質問いたします。
 質問の前に、少し確認をしたいと思いますけれども、政府の中小企業政策をフォローしてみますと、公的な中小企業支援組織は意外と多いということであります。中小企業金融公庫や今回の法改正で関連いたします投資育成株式会社などの政府系金融機関が支店、出先を含めて結構あるなと。それから地域技術移転機関、公設の試験研究所、商工会議所に、商工会にも多くの人的、資金的支援が行われています。それに、自治体が運営する地域中小企業支援センターやリテール・サポート・センター、ベンチャー財団、さらにはインキュベート、それから産学連携を図る国立大学共同研究センターと多種多様に及び、多くの中小企業支援組織がたくさんあるなと、このように思うわけであります。
 そこで、私が一つ疑問に思うのは、こういった中小企業支援組織には、実際的に的確な経営情報を与えて具体的な経営指導をしたり事業提携などをコーディネートできる専門家は一体どのくらいおられるのかということなんであります。私は、これから三年、四年が我が国の中小企業の育成にとって非常に重大な、重要な時期だという認識を持っておりますし、そして、やっぱり事業の力というのはまず第一に人の力だ、人材なんだと。したがって、四百万、五百万ある日本の中小企業全部をたなごころには乗せられないと、こう企業庁長官おっしゃられましたけれども、これらをやっぱり一歩、二歩、一段、二段強めていく、そのために今一番大事な時期なんだと。さて、そのことを、この新三法の精神を背負って、そして一つ一つの企業に対してサービスを展開していくと。まあ言わば総力戦じゃないかと。そのときの戦力は一体何なんだと。中川大臣を支えるその全兵力は何人なんだと、ついついちょっと言葉がきつくなりますけれども、そういうようなことをお聞きをしたいということなんです。
#42
○政府参考人(望月晴文君) 中小企業に直接接しまして中小企業の支援に当たるその支援人材につきましては、今委員御指摘の各機関が持っております。私どもが直接的に把握をいたしておりますのは、商工会、商工会議所の経営指導員が全国に八千六百人ございます。それから中小企業団体中央会の指導員が約九百人、それから全国九か所にございます中小企業・ベンチャー総合支援センターを始めとする中小企業の支援センターにおいてプロジェクトマネジャーとかサブマネジャーとかコーディネーターと言われるような方々が全国で七百人おります。それからそれ以外にも、御指摘の政府系金融機関やあるいは公設試などなどにもコーディネーター役として機能している支援人材がたくさんおられるわけでございます。
 私どもはこれを、この方々が十分な能力を発揮できるように、実は私どもの政策あるいは中小企業についての関連施策については、これはむしろ広報というよりは、お伝えをして役立っていただくというようなために、つとによく私どもの広報資料のことを指摘されますけれども、何十万部、何百万部という広報資料を作りまして、それを的確に配付し、御説明を申し上げる機会を持っているところでございまして、私どももそういう政府系の金融機関の方々等々と併せまして連絡会議を持ちながら、第一線のところにどうやったら工夫して情報が回るかということを努力しているところでございます。
#43
○加藤敏幸君 大体、総兵力というんでしょうか、マンパワーが数的には一万ちょっとと、こういうふうな状況だと思います。
 中小企業対策に本腰を入れて取り組む、あるいは今回の法改正のように法律を一本化して予算を増やすものであれば、こういった窓口の最前線で経営革新をリードできる人材を育成強化していくことが一番大事だと、このように思いますけれども、現在進められている人材育成策、あるいは人材確保策と言ってもいいんですけれども、この辺のところ、また私、中小企業対策でいろいろ各企業見てきましたけれども、大事なのは、物づくりだとかいろんなそんな要素よりも、経営能力という、やっぱり経営者自身の脳みそと言うとちょっと問題はありますけれども、私はその力が今一番大切なんじゃないかと。
 そこをどう補っていけるのかというところがポイントだと思いますけれども、日々敬愛しております大臣に、この辺辺り御意見をいただきたいと思います。
#44
○国務大臣(中川昭一君) 全国に四百万とも五百万とも言われております中小企業に頑張ってもらいたい、第二の世界企業、第三のナンバーワン企業に育ってもらいたいという気持ちがありますし、他方、この長官のところにありますNレポート、これは経済産業省が、多分余り今までなかったんだろうと思いますけれども、全国に出向いていって現場で頑張っている人たちの生の声を聞いて、その中から一つの方向性、先ほど申し上げましたけれども、こうしなさいじゃなくて、こういう事例がありますよ、それに対して、例えば人材投資促進税制、あるいは中小企業予算、あるいはまたこの新連携の法律等々でバックアップをさせていただきますからどうぞ頑張ってくださいという一つのプレゼンテーションといいましょうか、後押しをさせていただきたいというのがこのレポートであり、そしてまた中小企業政策であるというふうに私は考えております。
 そういう意味で、本当に、逆に言うと、おれは世界一の中小企業でいいんだと、まあ名前は挙げなくても多分御存じのように、従業員六人で売上げ六億円で痛くない注射針を作っている、おれの会社は世界一って自慢しているおじさん、おじさんって言っちゃいけないですが、経営者、立派な経営者がいらっしゃる、もうすごい人だなと、こう思うわけでありますけれども、そういう人たちは多分、応援したくても邪魔するなみたいなところもある意味ではあって、これはこれですごいなと。でも、もう一踏ん張り、政府なり自治体なりあるいは商工会、商工会議所がお手伝いをすれば頑張っていけるんだというところには我々としても、行政として、国の中小企業政策として、お手伝いを求めてこられる方には後押しをさせていただきたい。その辺のある意味ではあうんの呼吸みたいなところを我々としてはいろんなメニューをそろえてお手伝いをさせていただきたいというふうに思っておりますので、決して無理強いするつもりはございませんけれども、でもニーズがあるところについては是非ともお手伝いをさせていただきたいと思います。
 と同時に、この法律が、三法がごちゃごちゃに、今まで分かりにくかったと。せっかく制度が、いい制度があるにもかかわらず分かりにくいというところに関しては、きちっと分かりやすい形で利用していただけるようにする。これを、三つの法律をそれぞれ読んで、この法律は一体こことあっちの法律とはどう違うんだといって二時間も三時間も悩む時間の無駄を何としてもなくしたいということも含めて、こういう新事業連携も含めてこの新しい法律でもって整理合理化、簡素化をして、できるだけ早く、スピード感を持って、中小企業というのはある意味ではスピード感というのは非常に大事だと思っておりますので、そこにお役に立たせていただきたいということで、どうぞ利用してください、利用しやすいように我々努力します、そのためにお役に立たせていただきたいというのが、あえてこの法律改正の趣旨でございます。
#45
○加藤敏幸君 この趣旨をどんどん日本列島全体に広めていくためには、今のところ現有勢力は一万人。この拡大、さらに一人一人のレベルアップと、こういうふうなことを考えても、すぐに人材の育成ができるわけでもないと。そこで、私は、事業連携ということについては、これは言うのは簡単ですけれどもやるのはなかなか難しいと、このように思います。
 ところで、一番大事なのは、やはりプロジェクトマネジャーがどのぐらいの能力があるかということに尽きるわけであります。
 一言で、この前、本会議で、私は企業OBの活用について少し質問の中で御提言申し上げましたら、本会議での大臣答弁におきましても新連携支援地域戦略会議の構成や任務などについて詳しく大臣は答えていただきましたし、それから団塊の世代の企業OBの活用について御提言申し上げましたら、いわく、「企業OBにつきましても、間もなく団塊の世代の退職が始まる中、その有効活用が極めて重要であると認識しております。必要に応じて、戦略会議事務局における専門家としてOB人材を活用してまいります。」と、こう御答弁いただいたわけであります。
 私も団塊の世代で、世代を代表して言うわけじゃないんですけれども、まあいろいろおられます。すべてが役に立つということではないと思いますけれども、このやはり日本の戦後経済の一角を支えた団塊の世代というこのマンパワー、これを私はしっかり活用していくということが、この三年間大切な中小企業の育成策にとって私は天佑であると、天の配剤だと、そういうふうに思うわけでありますから、これを具体的に考えていただきたいと、こういうふうに思います。
 本会議でこのような前向きの御答弁をいただいたわけですが、この戦略会議事務局について、一つのブロックの戦略会議事務局にはどのような体制になるのか、専従者、非専従者の配置とかスタッフの身分、処遇はどうなるのか、そういったイメージがあれば教えていただきたい。特に、私は、九ブロックですと対象地域が広過ぎるので、例えば九州ブロックの福岡にある事務局が鹿児島や沖縄をどのようにフォローできるのか、これもイメージがなかなかわきづらいので、この点も御説明いただきたいと思います。
#46
○政府参考人(望月晴文君) 戦略会議の事務局におきましては、実務に精通して技術やノウハウなどの目利きができる起業経験者やあるいは金融機関、商社、メーカーの出身者、今委員御指摘のようなOBの方々などをリクルートいたしまして、プロジェクトマネジャーあるいはサブマネジャーとして各ブロックごとに数名ずつ配置をいたすことにいたしております。
 特に有望な連携事業につきましては、プロジェクトマネジャーを中核として、事業内容に応じた各分野の専門家で構成いたします支援チームというものを組成することにいたしております。事業計画の策定段階から研究開発、販路開拓などの様々なステージにおいて必要な支援を行うということでございまして、その際には各都道府県の支援機関、それから地域金融機関にも参加をしていただくなど、地域の中小企業支援機関とも十分に連携を進めることによって地域のニーズを的確に把握し、地域別の取組についてもきめ細やかに支援をしてまいります。
 今御質問の九州の県なんかでございますけれども、中心は、恐らく福岡に置かれる戦略会議を中心としてやりますけれども、申し上げたようないろんな支援チームを個々につくりますものですから、その方々が全域をカバーしてやるということでございます。ちょっと個別ではございますけれども、沖縄は若干別の要素がございますので、そこにも小規模の戦略会議を置くというようなことも考えなければいけないかなというふうに考えております。
#47
○加藤敏幸君 今回の法改正の目的の一つに、利用者にとって分かりやすい施策体系にすると、こういうふうな、利用しやすい制度を実現すると、こういう視点で、ワンストップサービスという視点から少し御質問をしたいと思います。
 中小企業の経営の方々の相談に対する窓口業務の在り方について、やはりワンストップサービスを充実させることが大切だと、こう思います。現在、独立行政法人の中小企業基盤整備機構がそのホームページで中小企業ビジネス支援ポータルサイトをつくって利用者の利便を図っておられ、各都道府県の地域中小企業支援センターなどでも同様のことが行われていると聞いています。
 そこで、アメリカの事例を申し上げますけれども、私はアメリカの事例を言うのは余り好きじゃないんですけれども、アメリカではクリントン時代に中小企業政策が推進され、その一つとしてスモールビジネス育成センターが設立されました。このセンターは開業者やスモールビジネスオーナーのための総合指導相談機関であり、ワンストップセンターとしての機能をしてきたということだそうであります。このセンターは、州政府、教育機関、民間セクターなどの共同出資によって設立され、全米に五十七か所のリードセンターを持つほか、ほとんどの大学のキャンパスにも事務所を置き、サブセンターを合わせると全米に一千か所以上の拠点を持っているということであります。開業前の個人やスモールビジネスに対して資金調達などに関する無料のアドバイスやセミナーを提供していると、こういうふうなことでございまして、特に学生をベンチャーの卵にと、こういうふうに非常にねらいを絞っていると。
 ただ、学生は勉強たくさんしたからすぐこれ起業ができるとは限りません。学生で旋盤の回し方知っておる人はほとんどおりませんし、物づくりを知っている人はいない。だけれども、商品だとか世の中が今必要としているサービス、こういうふうなところは学生の方がセンシビリティー高いと。何とかしようと、そのときに知らない部分を、それをサポートすると。じゃ、あなたは物づくりは知らなくても、物づくりについていえばこうこうこういうふうな支援組織がありますよという情報が大学の中のセンターで十分得られると。そういうことを見ておると、自分にもいつでも事業できるなと、分からないことはすべて調達できるんだと、一番大事なマーケットとの対話だけは自分がしっかりやればいいと、こういうふうな気持ちになるんじゃないかなと、こういうふうに考えます。
 トータルで中小企業をフォローする体制を整えていく必要があると考えますけれども、この政策に関しまして、我が国の現状と今後の対策について御説明をいただきたいと思います。
#48
○政府参考人(望月晴文君) 中小企業庁といたしましては、中小企業の様々な経営課題に対応することができるような必要な体制整備を講じてまいりました。
 まず、全国九か所の中小企業・ベンチャー総合支援センター及び五十九か所の都道府県中小企業支援センターにおきまして、特許権取得などを含めた経営戦略や株式公開を視野に入れた企業支援などの専門的な課題に対する支援を中心に実施をいたしております。また、創業や経営革新を目指す地域の中小企業者が経営上の様々な課題を気軽に相談できる身近な拠点といたしまして地域中小企業支援センターを全国二百五十九か所に設置をし、支援を実施しているところでございます。これらの機関の間は相互に連携し、案件ごとに適切な支援が行われるように、できるだけワンストップ機能を果たしていきたいというふうに思っているところでございます。
 今、例に挙げられました大学などとの関係で申し上げれば、実は中小企業の創業、新事業展開を促すために全国の都道府県、政令市において中核的支援機関、今申し上げた中核的支援機関などを中心とする地域プラットフォームというものが構築されておりまして、これはネットワークなんでございますけれども、大学や工業技術センター、ビジネスインキュベーション施設などの新事業支援機関とネットワークを結びまして、起業・創業者の研究開発やあるいは資金供給、マーケティング支援などに取り組んでいるわけでございます。
 こうした新事業支援機関、大学、研究所なども含めた広い意味での機関は約千二百機関存在をしているというふうでございます。こういったネットワークの中心になる地域プラットフォームというものも、考え方も併用しながら、大学なども含めた幅広い体系を構築しているわけでございます。
#49
○加藤敏幸君 もう一つ、中小企業政策に関してアメリカの参考というのか、少しお話をしたいと思いますのは、一九九八年に制定された書類撤廃法、これは日本語で訳して書類撤廃法で、これはスモールビジネスなどに義務付けられている書類作成・届出業務の負担を最小限にすることを目的とした法律で、具体的にはすべての連邦機関に対して必要な情報の提出、維持、公開を電子的に行うオプションを設けることを義務付けているものであります。
 先ほど松村議員の御質問、御指摘も、手続の簡素化というふうな内容があったと思いますけれども、こういうふうなことによる書類処理や、このことにより書類処理や郵送に掛かっていたコストが全米で年間二百二十億ドル節約できたと。これはどの程度の信頼性があるのかよく分かりませんけれども、このようにも言われています。
 我が国においても既に電子申請が拡大されつつあって、eガバメント、電子政府ということで随分私は前進はしているというふうに思いますけれども、特に中小企業に関しては、申請書類の電子化とともに、手続、申請内容を含め一段と簡素化、簡明化を進めていただきたいと思いますので、自治体の窓口も含め親切な対応ということも大事じゃないかと。これらの点に関しまして政府の御見解をお伺いしたいと思います。
#50
○政府参考人(望月晴文君) 御指摘の米国の政府文書撤廃法ではオンラインでの申請を規定しておりますけれども、政府といたしましても、これまでe―Japan戦略に基づいて、電子政府、電子自治体の推進に向けた取組を行ってまいったところでございます。特に、行政分野へのITの活用によって国民の利便性向上と行政運営の簡素化、効率化を図ることを目指しております。
 国民の利便性向上という面では、通称、行政手続オンライン化法を平成十六年三月施行をいたしておりまして、国民と行政機関の間の申請、届出などの行政手続については、書面だけではなくオンラインで行うということも可能にいたしました。これにより、中小企業経営革新支援法の承認申請を始めとした中小企業関係の申請・届出手続もオンライン申請、届出の体制を構築することができました。
 今後とも、ITの活用を通じて中小企業者を含めた事業者一般の負担の軽減に向けて取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。
#51
○加藤敏幸君 本日の質問は非常に推進する方向での質問が強いということになっておりますけれども、私といたしましては、やはり中小企業をより活性化していただく、そのことが雇用だとか日本経済だとかいろんな意味で国民全体にとっていいことなんだと、そういう視点で、言わばドライビングフォース、推進力の、そういうふうな質問をやってきたわけであります。お答えをいただきましたけれども、すべて現状がオーケーということじゃなくて、一々言いませんけれども、更により努力をいただきたいと、こういうふうな思いを込めて御質問させていただきましたので、今後の御努力を心からお願い申し上げますとともに、私と同期の藤末議員がもう準備万端整っておりますので、時間が残りましたけれども、ここで私の質問は終わります。
 ありがとうございました。
#52
○藤末健三君 民主党の藤末健三でございます。
 私、昨年まで実は大学の方で中小企業の経営などをどうするかということを研究しておりまして、恐らく三百社以上の中小企業の経営者の方とお話ししてきました。今でも中小企業の経営についての勉強会をやっていまして、本当に、今日この場を与えていただいて本当に有り難く思っております。
 私、まず一番初めに御質問申し上げたいのは、中川大臣、私、本当に敬愛申し上げまして、なぜかと申しますと、やはり、この私が愛読しています新産業創造戦略を作っていただき、そしてエネルギー分野におきましても二〇三〇年のエネルギー長期戦略を作っていただき、本当に、この戦略というものをきちんと作っていただくということについて本当に感銘いたしているんですが、一つちょっと中小企業という観点で申し上げますと、これ何回も読まさしていただいているんですが、中小企業に書かれている部分、本当に少ないんですよ、実を申し上げますと。
 中小企業はやはり産業の中の礎、本当に基盤となるものでございますので、もし可能であれば中小企業用の戦略などを作っていただければと思うんですが、その点につきまして大臣の御見解を伺いたいと思います。
#53
○国務大臣(中川昭一君) 全くそのとおりだと思っておりまして、この新産業創造戦略、前にも申し上げましたが、ヤング・レポートを出し、それからフランスでもこれを非常に勉強しているという話も聞きましたし、年末にはイノベーションレポートをアメリカでもやって、これもう常に競争、これが出たらおしまいじゃなくて、また次に、今度はアメリカが出てくるわフランスが出てくるわ、常に競争だと思っておりますので、これでもってもう憲法、バイブルでおしまいということではない、もう次の戦略を、産業戦略、経済戦略をやっていかなければいけないと思っておりますが、そういう中で、中小企業についての中長期的な戦略というものをやっていく必要があるんだということを実は内々、内々といっても国会の場ですからもう内々じゃなくなっちゃいますけれども、やっていかなければいけないというふうに考えております。
 先ほど申し上げましたように、中小企業というのは、おれは従業員数人で世界一の物づくりでいいんだと、うちの会社の職員が世界一の技能を持ってやっているんだからいいんだという中小企業もあれば、未来は世界的な自動車メーカー、世界的な電機メーカー、世界的な産業にしていきたいといういろんなタイプがあると思うんですけれども、いずれにいたしましても、そういうところに対して、中小企業が日本を支えているというところを何としてもバックアップをしたい。
 それから、私の仕事の一つでございます通商あるいは経済連携なんかをやっていると、随分と途上国の中には、何も鉄鋼とか自動車とかそういうことだけじゃなくて、日本の中小企業を勉強したい、日本の中小企業を自分の国でも立ち上げていきたいという発展途上の国々の意欲というものを非常に最近私は感じておりますので、そういう意味で、日本が正に日本の経済力が強いのは中小企業の土台がしっかりしているからだ、そこをもう一度見据えて、そして戦略をもう一度立て直して、そしてきちっとした、戦略というからには五年、十年、二十年、三十年先を見据えた中小企業戦略を作っていきたいと考えておりますので、是非またいろいろ御指導よろしくお願いします。
#54
○藤末健三君 大臣、本当にありがとうございます。是非、頑張って作っていただければと思います。
 実は、私事になりますが、パルミサーノ・レポートの翻訳権を今取ろうとしているんですよ。そして、日本語に訳して日本国内でまた普及させ、またいろんな方に戦略の重要性を分かっていただこうと思って頑張っておりますので、是非ともよろしくお願いします。
 本日、中小企業の戦略ということにつき、考えに基づきまして、私、四つのポイントから御説明申し上げたいと思います。
 一つは、中小企業の国際化という問題でございます。我が国の中小企業の国際化というのは非常に進んでいるようで実は遅れておりまして、大企業がどんどんどんどん中国やアジア地域に出る中、やはり強い中小企業は海外には進出できますけれども、なかなか、小さい資本力が弱い企業は進出できないという状況でございます。
 その国際化につきまして一つございますのは、私はいろいろな方とお話ししていまして言われますのが、やはり我が国の大使館が海外でサポートしてくれないということを非常に言う方が多い。例えば、大企業が行ったときには、大企業の方は大使館の方が一生懸命工場立地なんかをサポートするけれども、中小企業の方が行かれたときにはもうほったらかしだと。ところが、ヨーロッパの国を見ると、大使館の方が一緒に売り込みに来ていると、企業と。どうなっているんだということをちょっとよく聞くんですけれども。
 是非、これはちょっと外務省の方にお聞きしたいんですが、日本の外務省、特に大使館が中小企業の国際展開などについてどのような支援を行おうとしているか、行っているか、そしてどういうようにしようとしているかというのをお聞かせいただきたいと思います。外務省の方、お願いします。
#55
○政府参考人(鈴木庸一君) 今の委員の質問にお答えいたします。
 外務省としましては、まずは平成十一年度から、全大使館、総領事館に日本企業支援窓口というものを設けておりまして、ここで中小企業を含めた日本の企業の支援を積極的に進める体制を取っております。この窓口を認知させるために外務省ホームページにガイドラインも載せておりまして、広くこの窓口を活用していただくということで広報にも努めているところでございます。
 具体的には、各国におきまして、各国の中央政府あるいは地方政府がそれぞれ日本の企業の活動に係る規則あるいは制度を運用しているわけでございますが、そういった規則、制度の運用に当たって問題がある場合にはその改善を求めていく、あるいはその苦情を処理するということを中心にやっております。
 活動のうち全体の半分は、実際の企業からの苦情の申出、それに基づいて在外公館員が企業の方と一緒になって動いているということでございまして、一例を申し上げますと、中小企業について申し上げれば、例えばアジア地域において、ある塗装会社が現地の地方政府から立ち退きを命ぜられたということがございまして、これにつきましては、その地域を管轄しています在外公館の職員が企業の方と一緒になってその地方政府に折衝いたしまして、企業の方の満足する形で転地、移転ができたということがございますし、また中近東地域におきましては、日本のある玩具会社が売っていたおもちゃ、こまがあるわけでございますが、これが非常に現地で評判になったと。そうしたら、ほかのアジアの国から不正コピーが入ってきて市場を取られて悩まされたと。この苦情に接しまして、我が国在外公館としては、そこの国の税関に働き掛けをしまして水際で不正コピーの差押えをしました。このように活動しているところでございます。
 また、日本の中小企業の場合、特に知的財産権、これが有力な武器でございますので、外務省といたしましては、知的財産侵害対策室というのを昨年の七月につくりまして、積極的にマニュアルを在外公館に配って、これも広報しておりますが、中小企業の知的財産保護のための活動も強化していく所存でございます。
 いずれにしても、このような形で今後とも、御指摘も踏まえて、在外公館の支援を強化していきたいと思っております。
#56
○藤末健三君 是非頑張ってやっていただきたいと思います。
 これからFTAがどんどん締結される中、中小企業は進出していかなきゃいけないと思うんですよ、我が国を代表して。そのための支援を是非大使館の方にやっていただきたいし、あともう一つお願いは、苦情処理だけじゃなく、やはり売り込みみたいなものも御支援いただきたいんですよ。民間企業が営業することを国家公務員が助けるのはおかしいじゃないかということをおっしゃるかもしれないけれども、ほかの国は実際やっていますので、是非、公的身分の、それも日本の公僕である外務省の方に、頑張っている中小企業を是非支援していただきたいと思います。
 また、国際展開につきましては、FTAがこれからどんどん結ばれると。特に私が今見ていますのは、日韓のFTAの締結が議論進んでいますが、FTA締結に伴う中小企業への影響をどういうふうに考えておられるかというのを伺いたいと思います。
 例えば、私とか同僚議員であります松村議員、九州出身でございますけれども、九州の企業を見ますと、何と、日本全国で国際展開をしている企業が二万三千八百七十二社あります。そのうち九州の企業で国際展開しているのは四百八十六社。これは二〇〇三年のデータですけれども、何と全日本の二%しかないんですよ。それだけ九州の企業は国際化されていない。ところが今回、隣の国、一番近い韓国との間でFTAが結ばれるという状況にございまして、恐らく大きなインパクトが来るんではないかと私は思っております。また、別のデータを見ますと、九州の企業でFTAというものを認識している企業はほとんどないんですよ、まだ。これは何の責任か分からないですけれども、認識されていないという状況でございますので。
 大臣にお聞きしたいのは、FTAが中小企業に与える影響をどのように考え、そしてまたどのような対策を行おうとしているのかというのを教えていただきたいと思います。例えば、韓国に私は伺いましたら、韓国はやはり日韓のFTAの影響が一番大きい中小企業に対して対応をしようとしているんですよ、政策をつくって。そういうようなことを我が国がやる準備があるかどうかというのを是非お聞かせください。お願いします。
#57
○国務大臣(中川昭一君) 今、日本は韓国を始めとして幾つかの国とFTA、EPAの交渉をやっております。他方、マルチの交渉としてWTOも今やっているところでございますけれども、やっぱり韓国というのはお隣の国であり、ある意味では経済構造も非常によく似ている国でもありますし、私は是非韓国と幅広い経済連携を進めていきたいというふうに本当に思っているところでございます。
 もちろんこのFTAというのは、EPAというのは、トータルとしていわゆるウイン・ウインの関係でありますけれども、全部が全部丸取り、百対ゼロでどっちかの勝ちということにはならない、お互いに譲り合って、そしてトータルとしてお互いにプラスになっていけばいいですよねということだろうと、私もシンガポールそれからメキシコ等々経験をしてつくづくそう思っているところでございます。
 韓国につきましては、率直に申し上げて、いろいろな今政治的な状況もなかなか難しいところでありますけれども、私としては一刻も早く韓国とEPAを結びたい。それは何もお互いにプラスになるということだけではなくて、隣国同士で、しかも日本も韓国もOECDの先進国で、経済構造も非常に似ている国ですから、どうして隣国の先進国同士がEPAが結べないんだろうかというところは私にとっては非常に、経済通商担当としては申し訳ないというか、責任を感じているところでございまして、一刻も早くやっていきたいということで今私なりに努力をしているところでございます。
 そういう中で、例えば先端技術、あるいはまたよく言われている農業、水産、ぼんぼんぼんと分野別で大きな問題があるというふうに言われておりますけれども、もう一つ大事なのは、藤末委員御指摘のように、中小企業を含めた広い分野の経済的な連携というものが、これは短期的にはどっちが得したあるいはダメージ被ったということはあるのかもしれませんけれども、日本が進出をしていけば向こうの技術力のアップにもつながりますし、また、韓国の中小企業が入ってくれば、先ほど中小企業庁長官も言っておりましたけれども、あるいは鈴木審議官言っておりましたけれども、知的財産権という意味でも非常にプラスになっていくというふうに思っておりますので、中小企業振興という観点からもこれは日韓双方にとってプラスになるというふうに思っておりますので、私としては是非この日韓のEPAを早急にレベルの高いものを締結をしていきたいというふうに思っております。
#58
○藤末健三君 本当に是非お願いしたいのは、例えば今サムスンという韓国企業があるじゃないですか。サムスンという韓国の電機メーカー一社の利益は日本の電機メーカー十社の利益より大きいんですよ。それはサムソンが偉いからだけじゃなく、やはり調べるといろいろな政策、政府がやっているわけです。ですから、もしお願いができるならば、今FTAの議論を僕が韓国に行ってしてきたときに何が起きたかというと、韓国は中小企業のための補助政策をつくろうとしているんですよ。ですから、本当にやっぱりある程度土台は同じ土俵をつくってあげなければ戦えないと思います、日本の中小企業が幾ら強くても。ですから、具体的にやはりそういう中小企業を、本当に産業構造が似ている国でございますので、中小企業をどう支えるかということは是非御検討いただきたいと思います。実際に締結され、動き出して問題が起きてからでは遅いと思うんですよ。是非お願いしたいと思います。
 ちょっと今日は頑張って問題を一杯作って、質問を作ってきましたので、次の質問に移らさせていただきたいんですが。
 また、中小企業の問題につきましては税制というのが非常に大きいんじゃないかと考えております。私も、もう小林議員、そして松村議員からも御質問ございましたが、これは経済産業省に申し上げようと思って作った資料じゃございませんが、元々大学の先生をしてましたんで、ちょっとこういう資料を作っております。(資料提示)
 二枚目にございますのは、日本のエンジェル税制、これはベンチャー企業とかどんどん成長する中小企業に出資をする方が税制の優遇措置を受けるというものでございます。今まで経済産業省の方の努力によりどんどんどんどん制度は拡充しているということは本当に有り難いと思うんですが、いかんせん、やはり規模が小さいというのがございます。二ページの下にございますように、七年間の確認実績は二十億円しかないと。二十億円です、たった。ある企業の一社分の多分資本金しかない状況。
 三ページ目見ていただきますと、これはイギリスの例を調べたんですが、イギリスは二年間の投資実績を見ますと、上の方の四角い枠の下でございます、九百億円なんですよね。四十五倍です。
 何が違うかと申しますと、これは、日本のエンジェル税制は投資をしたその時点で減税できないんですよ。投資をして何年かしてIPO、株式上場したりしたときに初めて使えるような制度になっていますが、イギリス、フランスは投資した時点でその投資額の二〇%、二五%を税額控除できるという制度となっています。
 私が思いますのは、税制で何が重要かというと、今もう投資している人が税額控除されて利益が増えるんじゃなくて、今投資していない人がこれを見て、じゃこの制度があるから投資しようじゃないかと。新たに投資家を増やし、そして投資額を増やしていくということが、インセンティブが大事なんですよ。ところが、今の制度はそういうふうに設計されていないんじゃないかというふうに思っております。
 私も、これ小林議員ともかぶるんですけれども、是非とも財務省の方にお聞きしたいんですけれども、このようなエンジェル税制を変えていくかということについて見解をお聞かせいただきたいと思います。
#59
○政府参考人(加藤治彦君) 今御指摘のございましたエンジェル税制、実は平成十五年度の税制改正におきまして、投資段階での税の優遇措置を講じております。これは、その時点で、投資をされる場合に、ほかに株式の譲渡益があって所得が発生する、それを、その投資額分課税所得を減額するということで、その分の税金が、負担を軽くするという制度はできております。
 我が国の場合、金融資産性所得はそれだけを分離して課税する分離課税にしております。かつ、税率も一律の税率にしておりますので、そういう意味では、所得に比例して税額が決まってくるわけですから、他のキャピタルゲインがある方で考えていただければ、それはもう税額の控除と同じような効果があると考えております。
 むしろ私ども、十六年度改正でも議論をさせていただきましたが、やはり適用対象の範囲の拡充というのも重要だろうと思っております。したがいまして、十六年度におきましては、いわゆるグリーンシート銘柄等々、許認可と関係なくマーケットの方でその投資対象が定まっていくような制度も導入させていただいておりますので、そういう点は今後も十分議論をさせていただきたいと考えております。
#60
○藤末健三君 もう一度、ちょっと質問悪かったみたいなのでもう一度申し上げます。
 私が申し上げているのは、投資した成果が確定した段階でしか今減税できないんですよ。先ほど、税額控除をできる、十五年に新しい制度をつくったとおっしゃいましたけれども、それは過去にやった投資で損益が発生したときに初めて使える状況です。ですから、損益が確定しなければ使えない税制であることは変わらないわけですよね。
 ですから、私が申し上げているのは、投資した時点で、投資した時点で税額控除ができるようにしてほしいと。それはどういう意味かと申しますと、今投資をしていない人が新たに投資したくなるような制度じゃなければ拡大しないと思うんですよ、投資家の数も、投資の量も。もう一度お答えいただけませんか。
#61
○政府参考人(加藤治彦君) 大変恐縮でございます。
 投資した時点で税金が軽減されるという意味では、今の制度もそうなっています。
 と申しますのは、新たに投資する、例えば、具体的に例えば三百万円投資をされると。その投資に見合う所得を過去の投資によって得られたキャピタルゲインから引くことができるわけですから、結局新たな投資をした段階で、その新たな投資したものがまた将来所得が出れば、それの軽減もまたございます。
 しかし、今私が申し上げているのは、投資段階で既に過去の所得、これ税金というのは所得が発生して税金を払うということですから、これはどういう税制でも必ず投資した年に所得がなければ税金、控除する税金もないわけですから、そこはちょっと御理解をいただきたいと思います。
#62
○藤末健三君 よろしいですか。それは、所得のことをおっしゃっているのは、投資したことによって得られた所得から控除できるということじゃないんですか。違うんですか。一般所得からできるわけですか。間違っているのかな。
#63
○政府参考人(加藤治彦君) 投資した段階では所得は発生しておりませんので、その行為自体の税を云々ということはできません。やはり、あくまでも所得税は年分課税ですから、その同じ年に発生した別の所得に掛かる税金を軽減するしかできないわけですね。日本の場合は分離課税ですから、証券の金融・証券所得というのは別のほかの所得と分離していますので、一応金融のそのキャピタルゲインの部分で他のキャピタルゲインの所得と相殺するということになります。
#64
○藤末健三君 ちょっと言っていることが、まあ何となく分かるんですけれども、私が申し上げたいのは一つだけです。今の制度はインセンティブになっていません。新たに投資をしたい人を呼び寄せるような制度になっていないので、それは変えていただきたい。そして、二十億円しかないんですよ、実績が。これが本当に役立っているかということをもう一回考えていただきたい。ちゃんとした制度にしてほしいというのが、もうそれだけです。
 それと、ついでにもう一つ税の話を申し上げますと、(発言する者あり)いや、私が今、中小企業の方と付き合っていて一つよく、一つというか、もうしょっちゅう言われていますのは、すごく成長しているベンチャー企業、それは何が必要かというと、投資がすごく必要なんですよ。いろんなものに投資をしなきゃいけない。ところが、今何が起きるかと申しますと、お金がもうけて投資したいなと思っても、そのうち半分近くが税金として、それも予定納付で前もって取られちゃうんですよ。そうするとどんどんどんどんキャッシュがなくなり、結局は増資をして外部からお金をもらってやらなきゃいけないということで、大分資本構造がおかしくなりつつあるんじゃないかなと思うんですが。
 私が調べたところ、一つは中国、そして韓国などは、例えばこれはちょっと外国、外資系企業に限定しているんですけれども、五年間例えば所得税、法人税を取らないような制度がありますけれども、そのような過激な制度をつくらなくてもいいんですが、もし高度に成長する、例えば成長率が二〇%を超えているような中小企業については法人税を安くするような制度はできないかということをお聞きしたいと思います。
 これは何かと申しますと、やはりどんどん成長する中小企業というのは金の卵を産むガチョウだと思うんですよ、ダチョウ。そのダチョウを、今もう幼い段階から絞めているんじゃないかと、首を、というふうに私は思えているんですが。
 是非、成長が著しい中小企業に対する税制の支援措置について財務省の方にお答えいただきたいと思います。
#65
○政府参考人(加藤治彦君) 中小企業に対する税制面の配慮、これまで軽減税率の問題ですとか交際費とか投資、設備投資等で中小企業税制、配慮してまいりました。
 今、一定の要件を付けて更なる配慮をというお話でございますが、これ、中小企業、経産省の方ともいろいろ議論していますが、いろんな態様ございます。やっぱり、政策税制で条件を付けていろんなことをやっていくということには税制の元々の仕組みからもいろんな制約がございますので、我々も中小企業のいろんなことに配慮するという点については税制面も考慮しておりますが、余り細かいいろんな要件で議論をしていくというのは、逆に言うと、それに当てはまらない方でいろんな事情のある方等の問題もございまして、税制面ですべて対応することはなかなか難しいのではないかと考えております。
#66
○藤末健三君 もう財務省には質問いたしません、もう本当に。
 今までの所得税制であれだけ細かくいろんな例外をつくっておいて中小企業には対応できないということをおっしゃること自体が僕は分からない、はっきり言ってそのセンスが。税は政府の政策の基盤ですよ、はっきり言って。それをどう考えておられるかというのが僕は本当に疑問です。
 僕は、もう敬愛する中川大臣にお聞きしたいと思うのは、いや本当に、エンジェル税制、あと中小企業税制、今回、僕すごいなと思いましたのは、経営革新の設備投資税制があるじゃないですか。皆さんも聞いてくださいよ。経営革新税制と言いながら、設備投資の額が落ちたときしか使えないんですよ。これから成長させようとしているのに、落ちたときしか使えなかった。それがやっと、設備投資の額が落ちなきゃいけないという条件がなくなったんですよ。そんな変な税制が今まであったんですよ。やっと今回直ったんです、実は。ですから、本当に税制を、本当に中小企業ではどう考えてどうしていくかということを是非、大臣、突然振って済みませんが、お願いします。
#67
○国務大臣(中川昭一君) いや、まあ、藤末さんと財務省とのやり取りをただただ素人として聞いていただけですけれども、やっぱり税のインセンティブというのは、ただ税源を取るというだけではなくて政策的に意味があるという観点から、やっぱり税というのは非常に大事な、アクセルという面からもブレーキという面からも大事だというふうに思っております。
 そういう意味で、経済産業省といたしましては、これは別に中小企業だけとは言いませんけれども、中小企業に特に配慮をした形で、企業の元気のもとである人材のインセンティブを出すために人材投資促進税制というものを税務当局に認めていただいたわけでございまして、これからも我々としては、我々としてはですよ、税務当局どう思うか分からないですけれども、日本の企業あるいは人材あるいは技術力の活性化のために大いに税的な誘導面を活用していきたいというふうには思っております。
 多分、反論の機会を与えてあげた方がいいかもしれませんけれども。
#68
○藤末健三君 是非、大臣、中小企業の戦略の中で税制面の整備もお願いしたいと思います。
 忘れてはいけない、忘れていただきたくないことは、本当に財務省の方に申し上げたいのは、税制というのはやはり政府の制度の基盤だと思いますし、もう一つあるのは、国際的なやっぱり調和が必要だと思うんですよ。お隣の国が中小企業、税金要りませんと頑張ってもらっていて日本は税金取ると、韓国もやっていますという中で僕は戦えないと思います。やはり、その土俵をきちんと国際的に同じにしていただきたい。それだけはお願いしたいです。もう既に、イギリス、フランスの例を見ても分かるように、向こうの方がもうやっているんですよ、きちんとした制度を。これで戦わなきゃいけないわけですよ、中小企業は、日本の。是非それだけはお願いします。
 次に、私、お話しさせていただきたいのは、中小企業の資金調達についてお話しさせていただきたいと思います。
 今、中小企業の資金調達、やはり調べてみますと銀行とかいろいろな金融機関の借入れが多いんですよ。ほとんどが間接金融でございまして、お金を借りるということでございます。ただ、これからの中小企業の展開を考えた場合にはやはり直接金融、この出資、お金を出資してもらって活動するということが重要となると思うんですが。
 今、見ていますと、先ほどグリーンシートということが出ましたけれども、実は四ページ目に資料作っております。これは、もうアメリカのまねをすればええっちゅうものじゃないんですけれども、日本とアメリカの比較をちょっと作っております。
 これ何を言いたいかと申しますと、日本は逆三角形でアメリカは三角形になっていますが、これはそれぞれの、上に行くほど大企業になります、下の方が中小企業ですが、それぞれの企業の株式上場の数でございます。
 例えば、日本ですと東証、大証となると二千五百あります。アメリカを見ますと、ニューヨーク証券取引所、ナスダック等で七千銘柄と。これは大企業のところ。ところが、下の方を見ますと、アメリカではピンクシートと言います中小企業の株式の公開制度があります。それと同様な制度が日本にはグリーンシートというものがございますが、何と数を見ますと、アメリカのピンクシートは一万銘柄、日本は百社しかないんですよね。百倍違うという状況です。
 私は、これは金融庁の方にお聞きしたいんですけれども、このグリーンシート、このように、やはり私から見ますと、先ほど松村議員からありましたように、だんだんステップアップしていくこと、まずはグリーンシート、じゃ次はマザーズだ、次は東証一部だという形に目標を持ってステップアップをしていくというような仕組みを是非ともこの金融市場、証券市場でつくっていただきたいと思いますけれども、いかがでございましょうか。金融庁の方にお答えいただきたいと思います。
#69
○政府参考人(振角秀行君) お答えさせていただきたいと思います。
 先生御指摘のように、現在間接金融に大きく依存している我が国の金融システムでございますけれども、そこにおきましては、今後においては直接金融を含む資金調達手段を通じ中小企業等への円滑な資金供給を行うことは非常に重要であるというふうに我々は認識しているところでございます。
 今御指摘のありましたグリーンシートでございますけれども、これは日本証券業協会が平成九年の七月からスタートさせた制度でございまして、御指摘のように、未公開企業の資金調達、投資家の換金の場を確保する目的で運営されてきたところでございます。御指摘のように、まだ百社程度ということで企業数は限られておりますけれども、平成九年に比べると着実には増えてきておるということでございまして、金融庁としては今後もいろんな各方面から支援していきたいと思っておりまして、一つは、本年の四月一日におきましてはグリーンシート上の証券取引上の位置付けを明確にするということで証券取引法にきちっと位置付けをするとともに、信頼性のある市場にするためにインサイダー取引等の規制の適用をするということで今後とも着実にその育成に努めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#70
○藤末健三君 是非お願いいたします。金融庁がいろいろ努力されているのは存じ上げていますので。
 特に、私が今見て思いますのは、グリーンシートという名前がまだ普及していないというところがあると思うんですよ。例えばここにございます、ジャスダックございますけれども、ジャスダックも初めのうちは名前が普及しないときは小さかったんですが、名前が普及し出すと一気に市場が拡大したということもございますので、是非ともグリーンシートという名前、信頼性を上げていただくとともに、名前の普及を是非お願いしたいと思います。
 また、資本市場についてまたちょっと次のページ、五ページ目にちょっと資料作ってきたんですが、もう一つございますのは、グリーンシートもそうなんですが、今地方にあるQボード、これは福岡にございます。あとアンビシャスという札幌のベンチャー企業と申しますか、中小企業用の株式市場がございますが、実は実績を見ますと会社の数は一けたぐらいしかないんですよ、何と一けた。例えば一方でマザーズとかいう、ヘラクレスという大阪とか東京にある中小企業用、ベンチャー用の市場は百社を超えているという状況でございます。なぜそうなるかと考えましたところ、やはりQボード、アンビシャスといった地方にあるこういう成長が高い中小企業の株式市場のルールがヘラクレスとかマザーズといったところと余り変わっていないんではないかなと、細かいところは変えておられるとはおっしゃっていますけれども、私は変わっていないと思います。
 今求められていますのは、先ほどおっしゃったグリーンシート、まだ株式上場も遠く、そしてまた資金量も少ないというようなところと、マザーズとかあとヘラクレスといったある程度成長にお金が必要な、十億円を超えるような企業との間の押さえる株式市場がないんではないかと思っておりまして、是非とも、私が思いますのは、Qボードとかアンビシャスなどがこのような市場を押さえていただいたらどうかと思うんですけれども、私、ちょっと金融庁の直接の指導はできないとは思うんですが、金融庁の方々はどう考えるかというのを教えていただけませんでしょうか。
#71
○政府参考人(振角秀行君) お答えいたします。
 先ほど先生が御指摘のように、証券取引所の上場審査基準は一義的には市場が開設する各証券取引所が主体性を持って判断すべきものと考えておりますけれども、金融庁としては各証券取引所が地域企業の資金調達及び投資家の多様なニーズにこたえていくことを期待しておりまして、先生が御指摘になりましたQボードあるいは札幌のアンビシャスにおいては上場時の時価総額が東証、マザーズなんかは十億円以上でございますけれども、それぞれ三億円以上ということで、この絵で見ますと、十億円以下のところに設定するなりそれなりの工夫をしているというふうに考えているところでございまして、今後ともよく見守っていきたいというふうに思っております。
#72
○藤末健三君 私ちょっとお願いしたいのは、恐らく証取法なんかの規制を一律に掛けるということはやめていただきたいなというのは一つございます。例えば、Qボードでしたら韓国が近いということもございますので、日韓のFTAなどが結ばれましたら韓国の企業が上場しやすくしてあげる、その際には例えば報告義務を日本語じゃないといけないというようなことをやめるとか、そのようないろんなやり方があると思うんですよ、環境整備が。そういうことを是非やっていただきたいと思っています。やはり地域地域にある株式市場に一律の規制を掛けるということをちょっと少し工夫していただければまた新しい市場が生まれるんではないかと思いますので、是非とも御検討いただければと思っています。
 やはり私、Qボードの方とか、もう話をしていて思いますのは、考え方がもう東京しか見ていないんですよ。マザーズと比べてどうかというふうになっておりますので、是非とも、金融庁の御指導は難しいにしても、基盤となる制度は金融庁がつくられるわけでございますので、やはり柔軟な制度設計をお願いしたいと思います。
 次に、この資金の調達の話から、最後の話でございますが、中小企業の購買、中小企業が物を売れるような制度をつくるにはどうすればいいかという話に移らさせていただきたいと思います。
 松村議員からもお話がございましたけれども、我が国の中小企業の対策予算というのを調べますと、はっきり言って多くはないというのは御指摘のとおりだと思いますが、一応私、フランス、ドイツ、イギリス、アメリカ、日本というのを調べてみました。単純な金額ではなくGDPと比較してどの程度かということを調べますと、日本はGDP比〇・〇四三%が中小企業対策予算になっています。これを比べますと何と日本より大きいのはフランスだけでございまして、ほかの先進国は日本より低いんですよ。
 それは何を意味するかと申しますと、中小企業に対する政策を見ますと、中小企業に対する補助金を出すということよりも中小企業が作った新しい製品を買おうというような動きが非常に強い。ですから、買うことによって中小企業を支えるというような政策が割と多うございます。アメリカなんかもう典型的にそうなっています。私自身がやはり中小企業の方とお話しして感じますのは、いい製品を作っても売れないとおっしゃるんですよね。特に日本ですと実績があるかどうかとか、そういう話にすぐ行っちゃう。あと、会社がちゃんとお金があるかどうかと、そうすると売れないと。一生懸命作っても売れないんですよねということをもう聞くことが度々あります。
 これは中小企業庁の話じゃないんですが、中小企業事業団のこともお話聞きますと、中小企業事業団は偉いと。いろんな経営の相談に乗ってくれるし、あとアドバイスもくれる、融資もくれる。しかし、どこに売ればいいかというのを教えてくれないんですよねということを言っている方が何人かおりました、本当にこれは。やはり私は、中小企業が製品を開発しても売れないという、とにかく販売が難しいというところをもっと支援していただければと思うんですが、中小企業庁のお考えをちょっと、是非お聞かせください。
#73
○政府参考人(望月晴文君) 中小企業にとっての支援の最大の今強い要望は販路開拓に対する支援であるということは、これはもう議論をまたないだろうと思います。
 したがいまして、私どもの中小企業施策におきましても、昨年来開始いたしましたスタートアップ支援とかそういうことでも、最終的に、スタートアップ支援というのは研究開発の初期の段階からずっと同じプロジェクトマネジャーがやっていくようなことで支援するようにしているんですけれども、最終的にその販路開拓、マーケットに結び付くところまでを見届けないと、ここでやった政策の効果が分からないというような御指摘もございまして、私どもの政策としては、最後の販路開拓、マーケットを目指したところについての支援までを含めて一つの評価のできる政策体系になるんじゃないかということに考えております。
 今回御審議をお願いしております今度の支援法も、新連携一つ取りましても最終的に事業として成立するということは、マーケットに結び付けられるかどうかというところが最終ターゲットになっているわけでございまして、そこのところを見据えた政策でないと意味がないというのは中小企業庁としても徹底して追求している段階でございます。
#74
○藤末健三君 是非、中小企業庁が音頭を取ってやっていただきたいと思います。
 この戦略の議論に戻りますけれども、中小企業庁とか通産省自体の購買力はそんなに大きくないと思うんですよ。ですから皆様がやはり音頭を取って、中小企業のためにこの購買を進めるということを是非お願いしたいと思います。やはり中小企業の方々で一生懸命新しい製品作っても売れないとなると、やはりもうすごい意気消沈されるんですよね。ですから是非、技術力の保証をしてあげるとか、そういうことをやっていただければと思いますので、お願いします。
 次に、購買につきまして、SBIRという制度についてお話ししたいと思います。
 またこの新法についても、環境基盤整備ということで、SBIR、スモール・ビジネス・イノベーション・リサーチという制度がございますが、これはSBIR、実はアメリカの方から制度を持ってきたものでございます。この資料でいきますと六ページ目にちょっとスキームの違いというのが書いてございますが、SBIRは、これ元々アメリカにあった制度を持ってきたわけですが、やはり大きく違うところがございます。
 まず一つ違いますのは、規模が違う。一つに、アメリカのSBIRは大体円に換算しますと千五百億円程度の規模になっています。一方、日本のSBIRは平成十五年度実績が二百八十億円ということで、五分の一以下という形になっていると。
 それをなぜかと考えますと、一つは、アメリカのSBIRというのは、この表でいきますと一番下にございますけれども、政府調達までつながっているというところです。ですから、ある中小企業にこういう製品を使いたいんだけれど作ってくれと、研究してくれという話をして、研究の補助金を出し、成功したらもっと実用化のためのお金を出し、そしてできたものを自分たちが買い取るということをやっていると。例えば、宇宙開発で新しい部品を作ろうというときに、中小企業に発注して最終的には買取りまでをやるようなことを例えば宇宙開発でやったり、あと、医療、福祉の分野でやっているような状況でございます。それが非常に大きなウエートを占めていると。
 ところが、日本のSBIRを見ますと、この表にございますように、政府調達の部分がないわけでございますが、これは宇宙開発、そして医療、福祉なんかの分野の役所にお聞きしたいんですけれど、是非、SBIR、この政府調達も含めたSBIRを実施していただきたいと思うんですが、見解を是非、文部科学省と厚生労働省にお聞きしたいと思います。お願いします。
#75
○政府参考人(木谷雅人君) 宇宙開発分野における政府調達の問題につきましてお答え申し上げます。
 文部科学省における宇宙開発の取組は、独立行政法人宇宙航空研究開発機構を中心に実施しているところでございます。宇宙開発において調達されるロケット、人工衛星等は多数のサブシステム、部品等から成る大規模なシステムでございまして、それらの調達は、信頼性の確保等の観点から一社が責任を持って全体を取りまとめるプライム制を基本としておりまして、そのことによりまして高度な技術基準等を満たすことを確保する必要があるわけでございます。そういった観点から、あらかじめ調達額の一定割合を中小企業に割り当てるということは困難ではないかと考えてございます。
 しかしながら、これらのロケット、衛星等のサブシステム、部品等のレベルにおきましては、これまでも先進的なあるいは独創的な技術を有する中小企業がその開発や製造において極めて重要な役割を果たしてきているところでございます。
 JAXAにおきましては、このような中小企業を更に育成をいたしまして、宇宙開発への参画を一層促進することが我が国の宇宙開発の活性化や新産業の創出につながるというふうに期待をしておりまして、そうした観点から、中小企業との共同研究等の実施でございますとか、あるいは宇宙開発に参画しようとする中小企業等に対する技術移転でございますとか、あるいは大型試験施設設備の供用など、幅広い支援の取組を積極的に進めてございます。
 引き続き、先進的なこうした中小企業を活用することにより、我が国の宇宙開発に取り組んでまいりたいと考えてございます。
#76
○委員長(佐藤昭郎君) 厚生、厚生労働。
#77
○藤末健三君 あ、いや、もう、ちょっと今……
#78
○委員長(佐藤昭郎君) 厚生労働、いい。
#79
○藤末健三君 いや、はい、ちょっと、取りあえず質問させてください、NASAについて。
#80
○委員長(佐藤昭郎君) 藤末健三君。
#81
○藤末健三君 済みません。
 お答えをイエスかノーかで、もしいただければと思うんですが、例えばNASAのデータがここにございます、NASAの。宇宙開発においては信頼性が重要ですから、一社にプライム・プロシージャーというか、優先調達をしますという話は分かるんですけれども、実際、NASAのデータを見ますと、二・五%を中小企業に発注しているんですよね、二・五%、全体の。
 で、なぜできないかという話をしていただくんじゃなくて、SBIRに是非参加していただけませんか。もう一回お答えください。
#82
○政府参考人(木谷雅人君) NASAの方でどのような形でそうしたことを実施しているのかということについて、申し訳ございませんが、現在、ちょっと私ども承知をいたしておりませんので、今後勉強をさせていただき、先生の御指摘も踏まえまして、検討させていただきたいと思います。
#83
○藤末健三君 私、今、手元にNASAの方にヒアリングしたレポートあるんですよ、ここに。お渡ししますから、是非検討してください。私、また質問申し上げますので、よろしくお願いいたします。
 次に、厚生労働省の方にも是非同じ質問をお答えいただきたいと思います。
#84
○政府参考人(岡島敦子君) 厚生労働省におきましては、SBIR、中小企業技術革新制度に基づきまして、これまでもオーファンドラッグ、希少疾病用医薬品の試験研究への助成とか、あるいはベンチャー企業等による医療機器等の実用化段階における研究開発等を進めてきているところでございます。
 一方、政府調達ということでございますが、厚生労働省の関係でいきますと、国立高度専門医療センター、国立ハンセン病療養所といったものが対象になるかと思いますが、これらの医療機関等におきます医療機器、医薬品等の調達でございますけれども、これら医薬品、医療機器等の調達につきましては、それぞれの機関が提供しています医療の内容に沿って、つまり適切な医療を確保していくという観点から、それぞれ必要な医薬品あるいは適切な質や機能を有する機器につきまして仕様書を設定して、会計法に基づいて、基本的には一般競争入札手法によりまして調達を行っているところでございます。
 つまり、各施設の適切な医療を提供するという観点で調達を行っておりますので、必ずしも中小企業に割り当てるという仕組みが適切なのかどうかというところにつきましては、いろいろ考えなければならないところが多いのではないかと思います。
 なお、中小企業の、中小企業者の受注機会の拡大という観点につきましては、閣議決定におきまして毎年度の中小企業者向けの官公需契約目標額を定めるなど、政府全体として取り組んでいるところでございますが、医療・福祉機器等の調達につきましてもその枠組みの中で努力をしているところでございます。
#85
○藤末健三君 厚生労働省の方にお聞きしたいんですが、日本は今、非常に薬品関係のベンチャーが少ないじゃないですか。薬品関係のベンチャーを育てるというお考えはあられるかどうかをお聞きしたいと思いますし、あと、ここにも、NIH、保健局のデータもあるんですよ。やはり安全性云々も分かるんですけれど、一点だけ申し上げますよ。最先端の薬品であれば、それは実績ないわけですよ、ほかには。よろしいですか。
 SBIRは、御社がオーファンドラッグみたいな新しい薬を作っていただき、そして最終的に使えるようにするということがSBIRの目的でございますので、そのような会計手続で実績があるかどうか、信頼ができるかどうかというまた次元とちょっと違うものがあるんですよ。
 是非、SBIRの制度を理解していただきたいし、また中小企業という話じゃないかもしれませんけど、やはり薬品の産業を見ていますと、技術力を持った企業、小さい企業が僕は異常に少ないと思いますので、是非とも政策の中にそういう薬品系の技術力が高い中小企業を育てるということを考えていただきたいと思います。
 今みたいに実績がどうだこうだと言って話をされていたら、何も買えませんよ、新しい企業のものは。いや、本当ですよ、これ。何でアメリカで新しい企業がどんどん出て、薬品が出るかというと、NIHという公的機関がそれを買うわけですよ。ほかのところは買えませんから。政府がリスクを取ってまだ実績がない中小企業のものを買うから実績ができ、その企業はまた別の会社に売れるという、それがSBIRでございますので、是非とも考えていただきたいと思います。
 それは宇宙開発も同じです。実績がないからできないという話だったら、中小企業は全然入らないんですよね、大臣、本当に。それを政府がきちんとまず買って試して、保証してあげて、じゃ、頑張れと言ってあげられる制度がこのSBIRの購入制度でございますので、是非とも宇宙開発及び医療・福祉機器の調達におかれましては考えていただきたいと思います。
 いや、本当にこれはもう深くお願いします。そうしなければ新しい技術力を持った中小企業育たないですよ、この国。大臣、お願いします、本当にこれはもう。大臣、じゃもう是非、ちょっとお考えをお聞かせください。
#86
○国務大臣(中川昭一君) 医薬品ですとかに限らず、やっぱり日本は技術立国としてやっていかなければならないわけですから、そういう意味で随分と遅れている部分があるなと正直言って私思います。
 例えば、添加物の問題とかいろいろと、私も若干、こんなことでいいのかなという部分がございますので、それはそれとして、これから前向きに、これから技術立国、新産業創造をしていくということについて、もう今日も委員の皆さん方に大変励ましをいただきましたので、それは単なるこのペーパー、本を作ったとか頑張りますと言っているだけじゃ駄目なので、そのためには政府挙げて、法律、制度、予算、税制も含めて大いにやっていかなければならないと思っておりますので、非常に技術面含めてこれからも大いに努力をしていかなければいけないと思いますので、叱咤をいただいたということで頑張っていきたいと思っております。
#87
○藤末健三君 是非、大臣、頑張っていただきたいと思います。
 次に、SBIRにつきまして、非常に調達額とか、あと研究開発費が大きい国土交通省もSBIRに参加していただければと思っているんですが、国土交通省、いかがでございましょうか。
#88
○政府参考人(門松武君) お答えいたします。
 国土交通省は、SBIRの重要性は十分認識しております。
 国土交通省が所管いたします独立行政法人の鉄道建設・運輸施設整備支援機構、ここでは、独創的で革新的な基礎的研究を推進するために、大学や民間の企業などが行います運輸分野におきます基礎的な研究を支援する制度を運用しているところでございますが、この制度で中小企業者への支援が増加している状況に近年ございます。これらの状況を踏まえまして、今般の法律改正に合わせてSBIRに参加すべく準備をしているところでございます。
 今後も、国土交通省といたしましては、新規産業の創出につながる新技術の開発のための取組を更に積極的に推進してまいる所存でございます。
#89
○藤末健三君 本当にありがとうございます。是非とも、国土交通省が今回このSBIRに参加していただくというのは非常に大きな動きでございます。私の表にもございますように、やはり政府調達のところまで深く突っ込むということと、もう一つ大事なことは、対象となる制度を増やしていかなければなかなか中小企業が育っていくということはできないと思っていますので、今日こうやって御質問させていただいたんですが、文部科学省も、それと厚生労働省も、是非とも、純粋な科学の進展とか技術の進歩ということや安全性だけじゃなく、やはりこういう中小企業を、基盤となる中小企業を育てるということを忘れないでいただきたいと思います。
 今の大企業だけと付き合っていれば多分楽だと思うんですよね、皆さんも。チェックはじゃ、ある会社に任せましょう、薬品の開発はある企業に任せましょうということをやるのは、すごく安全性が高いし、問題が起きないかもしれませんけれども、やはり次の世代を担う企業を育てていかなければ続いていかないと思います、それは、我が国の技術力、科学力は。
 ですから、是非とも、次の世代を担う技術力を持った中小企業を育てるという観点で、これはもう大臣にもお願いしたいんですが、SBIRを拡充していただきたいと思いますし、あと、ほかの省庁もやはり考えていただきたいと思います。
 今回、国土交通省が新たに参画いただくということは本当に喜ばしいことだと思っていますので、このSBIRの拡充、特に中小企業ですと信頼が少ない、実績がなく、信用がなく、またお金もないという状況の中で、そういう企業から買えるのは政府しかございませんので、是非とももう一度考えていただきたいと思います。
 SBIRと申しますのは、今政府だけが実は対象になっていますが、中央政府だけが、今、私がいろいろ調べてみますと、実は地方自治体でも同じような動きがございます。例えば、鹿児島や佐賀ですと、佐賀ですとトライアル調達というのがございまして、地元の中小企業で今まで新しい製品、そういうものを率先して買おうという制度がございます。これは、先ほど申し上げましたように、やはり中小企業が新しい製品を作ると実績がないからやはり民間企業じゃなかなか買いにくい。それを地方自治体が率先して買って、試しに使って、そして実績をつくって、またほかのところに売ってくださいということを自治体でもやっているんですよ。
 ですから、佐賀県、あと鹿児島県がやっているわけでございますが、実績が非常に上がっていまして、佐賀県などは予算を二倍に増やしているという状況でございます。ただ、悲しいかな、そういう佐賀県のノウハウというものがまだ十分にほかの地方自治体に普及してないという状況でございますので、これは総務省の方にお願いしたいんですけれども、そういう佐賀県などがやっている制度のノウハウなどを是非ほかの自治体に普及していただきたいと思うんですが、いかがでございましょうか。
#90
○政府参考人(武智健二君) 地方公共団体における入札契約につきましては地方自治法に規定がございまして、基本的には競争入札ということになっております。一方、ただいま先生から御指摘のありました佐賀県のトライアル発注制度というものができておりまして、中小企業の育成支援を地方公共団体においても図っているということも承知をしております。
 また、昨年、いわゆる構造改革特区の提案ということで、随意契約要件を緩和をして、いわゆるベンチャー企業に随意契約ができるようにしてもらいたいという要請がございました。
 こういった事態なり要望を受けまして、昨年十一月に、総務省といたしましては、地方自治法施行令を改正をしていわゆる随意契約の要件を緩和をいたしました。
 具体的に申し上げますと、新商品の生産により新たな事業分野の開拓を図る者として地方公共団体の長が認定した者が生産する新商品を買い入れる場合には随意契約によることができるということといたしました。
 これによりまして、各地方公共団体においては、いわゆるベンチャー企業からの調達に当たって、この随意契約制度の活用というのを今後図っていただけるというふうに認識をしているところでございます。
#91
○藤末健三君 是非制度をそうやって整備していただきたいと思います。
 また、重要なことは、佐賀県なんかの話を調べてますと、初めて中小企業が作った、今まで前例がない製品なんですよ。そうすると何が起きるかというと、価格の設定ができないんですよね。これを幾らで買えばいいか分からない。やっぱり佐賀県などのお話を聞いていますと、すごいそれで苦労していると。
 そういうノウハウもともに、制度を整備するのみならず、そういう先例の佐賀県、鹿児島県なんかのノウハウ、やっぱり文章にならないノウハウをきちんと他の地方自治体に伝えていただきたいと思います。その価格が決めれないとかいうのも一つの例でございますが、ほかにもいろんなノウハウがあられるわけでございますので、そのノウハウも含めて是非普及していただきたいと思います。
 最後になりますけれども、私のちょっと気持ちをひっくるめて申し上げますと、やはり私は、中川大臣が今までなされたように、この戦略というものを非常に重視させていただきたいと思います。今、中小企業を取り巻く環境はどんどん変わってございます。FTAを締結したり、また国際的な展開を図らなきゃいけないという状況もありますし、また、一番大きいのはやはり新しい技術を持たない中小企業というのは生き残れないような状況になっているということがございますので、是非とも、今日私は、国際展開、税制の整備、そして資金調達の市場、最後に中小企業からの購入という話を申し上げましたけれども、やはりきちんとした体系的な中小企業用の戦略をつくっていただき、それを着実にやはりまたリバイスしながらどんどんやっていただきたいと思っています。
 私自身、今回、元々いろいろ中小企業の勉強させていただいているんですけれども、やはりこの国は中小企業が頑張らなければ本当に先がないんですよ。我が国の、自分で調べたデータを申し上げますと、今、日本で売上げの上位五百社を見ますと、ほとんどの企業が戦前、戦後に生まれているんです、五〇%が。ここ十年を見ますと、大企業はほとんど生まれていません。全部MアンドAです。一方、アメリカを見ますと、マイクロソフト、デル、インテル、シスコシステムズといった企業は八〇年代、九〇年代に生まれて、アメリカの売上げ上位五百社を見ますと、何と百社がこの十五年ぐらいに生まれている。そんなに若いんですよ。それは中小企業から育ってきたという状況でございます。
 ですから、新しい産業の芽である中小企業を通商産業省が率先して育てていっていただきたいし、また今日は宇宙、あと医療の分野で申し上げましたけれども、それぞれの所管官庁も、大企業とだけ付き合うのは本当に簡単かもしれませんけれども、やはり次の世代をどう担うか、この日本の、ということを考えた上で中小企業などの技術力をアップするようなことを是非やっていただきたいと思います。
 以上で質問を終わらさせていただきます。ありがとうございました。
#92
○委員長(佐藤昭郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後二時十分まで休憩いたします。
   午後零時五十分休憩
     ─────・─────
   午後二時十分開会
#93
○委員長(佐藤昭郎君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、中小企業経営革新支援法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#94
○浜田昌良君 公明党の浜田昌良でございます。
 それでは、午前中に引き続きまして、中小企業経営革新支援法の一部を改正する法律案について質疑をさせていただきたいと思います。
 この法律の改正の目的は、私は二つであると理解しております。一つは、今まで経営革新法など三つの法律にばらばらになっておりました支援施策を分かりやすく一つにまとめると、もう一つは、強みを持った中小企業が連携をするという新しい枠組みをつくると、この二つであると理解をしております。特に、前半の中小企業施策が分かりやすいと、これは非常に重要なことでございます。
 午前中も松村議員から指摘がありましたように、中小企業の経営者は一人何役もこなさなきゃいけないと。もう財務部長であれ、技術開発もやらなきゃいけない、営業もやらなきゃいけないと。そういう人たちにとってやっぱり分かりやすい体系になっているかどうかということが一番重要だと思っております。
 そういう点で、最初に大臣にお聞きしたいと思いますが、今回のこの法律、三法を統合するという法律によって、この中小企業の施策体系がどのように国民にとって使いやすく、分かりやすくなるのかについてお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。
#95
○国務大臣(中川昭一君) 中小企業、頑張ってもらいたいということでいろんな制度があるわけでございます。法律、あるいはまた予算、あるいはまた融資、税制、いろいろありますけれども、正に今御指摘のように、実は私も去年この説明聞いていて、何か随分ダブっているところがあるんじゃないのという素朴な疑問を感じまして、私のような立場でも非常に分かりにくいわけですから、是非、これを利用して、活用して頑張って、そして元気のいい経営をやっていただきたいと思っております中小企業の皆様方に分かりやすく、そして簡素で、そして実効性の高いものに是非整理統合できないだろうかということで、今御指摘のようにこの三つの法律、ダブっているところが多々ございましたので、整理をし、そして簡素に、利用しやすいようにしていく。
 と同時に、これからは知恵とやる気と能力のある方には大いにその力を発揮していただきたいということで、新たに新事業連携を支援をするという、御指摘のとおりの二つの側面から、抜本的にこの中小企業支援の法律を見直したということでございます。
#96
○浜田昌良君 ありがとうございました。
 正に、分かりやすく簡素で実効性のある中小企業施策の体系をつくっていただきまして、あとは、この法律上がった暁には、是非普及、広報をいろんなツール、部門を通じてお願いしたいと思います。
 次に、今までの経営革新などの施策体系がどのような部分に問題があったのか、またさらに、今回の改正でそれが十分に改善されているのかについて、何点かお伺いしたいと思います。
 経営革新支援法は、ビジネスプランの承認事業数が平成十一年七月の法施行からの五年間に一万六千件以上にも上っております。正に中小企業経営革新の中核たる法律であるわけでありますが、幾つか問題点も指摘されています。
 第一には、経営革新計画に対する法律上の承認を受けた事業に対して政策金融とか補助金という他の支援策が十分付いてきていないんじゃないかと、計画承認はされるんだけれども支援はされないというのがあったんではないかという点でございます。
 そこで、お聞きいたしますが、今回の法律改正において経営革新計画の承認と支援策が十分連動するという点についてはどのように改善されるのか、お聞きしたいと思います。
#97
○政府参考人(望月晴文君) 経営革新法につきましては、承認件数の、先ほど一万六千件強という計画承認がございましたけれども、その承認件数の実績では八割近くの融資が行われております。そういう意味では、私どもは、相当程度の実績があったと、利用がなされたというふうに考えているところでございます。
 それから、実はこのたび一緒になる中小創造法につきましても、これは、実は研究開発支援が目的でございますので、補助金に対するニーズが非常に高いわけでございます。認定事業者のうち補助金申請を行った事業者のこれは約四割に補助金を交付しているという実態でございます。
 私どもも、御指摘のように、法律上、計画認定をされてその施策支援が受けられるような資格を得られた方々には、できるだけ幅広くそういうものが適時適切に行くということが非常に重要なことではないかと思っておりまして、一部御不満の方もおられるのも事実でございますので、今回の経営革新計画の承認企業に対しては積極的に融資をするように政府系金融機関に対して引き続き奨励をいたしますと同時に、特にその新連携につきましては、各地域ブロックごとに地域戦略会議を設けるということになってございますけれども、この認定に至る初期の段階から政府系金融機関のみならず民間金融機関もこの戦略会議に参加を募ることによりまして、融資とか信用保証とかそういった支援措置を可能な限り連動して、あるいは早期に実現するように、そういう体制で臨むことを目指しているというわけでございます。
#98
○浜田昌良君 今の御答弁で、新連携につきましては民間金融機関もその戦略会議に入られるという話もございました。是非、経営革新計画の承認というその体制においても政府系金融機関だけでなくて民間の金融機関との連携も取っていただきながら、是非、せっかくの承認を受けた企業であれば、なるだけそういう融資の要望もこたえられるように、八割という数字も大きい数字だと思いますけれども、是非それがより少しでもアップするように引き続き御努力をお願いしたいと思います。
 また、この経営革新計画承認企業についてのフォローアップ調査、これによりますと、付加価値向上という目的を達成するか否かの最大の要因は何であったかというと、マーケティングであったという結果が示されています。したがって、今般の法改正を機に、販路開拓などへの人的、資金的支援措置を充実すると、そういうことが重要だと考えておりますが、そこでお聞きしたいと思いますけれども、この平成十七年度予算に計上されている販路開拓関連の事業にはどのような施策があるんでしょうか。また、このような事業を特に経営革新計画を承認を受けた企業が優先的に、せっかくの承認を受けるわけですから、そういう企業がこういう施策を優先的に受けられるということをしてはどうかと思いますが、いかがでしょうか。
#99
○政府参考人(望月晴文君) 販路開拓は、先ほども御審議もございましたけれども、経営の重要なポイントであり、中小企業にとっては大変望ましい支援の対象でございます。
 具体的には、私どもの用意しております施策は、具体的には中小企業の新商品、新技術などを展示する中小企業総合展というのを大々的にやっておりますけれども、それに優先的にブースを設けるというようなことであるとか、あるいは中小企業・ベンチャー総合支援センターなどにおける専門家の派遣制度がございますけれども、それを通じました販路開拓支援というのを行ってまいります。特に、今般の新法の経営革新計画承認企業に対しては、十七年度の新規事業といたしまして、承認企業の新商品を商社のOBなどの販路開拓の専門家を通じて商社とか企業などに売り込みを図る販路開拓コーディネート事業というものを予算計上さしていただいておりますけれども、そういう事業を実施するほか、今、先ほど申し上げました総合展への出展への優先推薦などを活用いたしまして、本法律の承認を受けた中小企業を初めとした中小企業の販路開拓を支援してまいりたいというふうに思っております。
#100
○浜田昌良君 どうもありがとうございます。
 まさしくこのマーケティング、販路開拓が成功のかぎだと思いますし、今御答弁ございましたように、中小企業総合展、そして中小・ベンチャー総合支援センターの専門家派遣、そして新規事業であります販路開拓コーディネート事業というものを是非、この承認を受けた企業が優先的に受けられるという体制を是非お願いしたいと思います。
 次に、創業支援についてでございますけれども、今般の法律で規定されております創業に関する支援策、これをよく見ますと、これは昔ございました中小企業の創造的活動の促進に関する臨時措置法、いわゆる中小創造法を引き継いだ形のものが多いんですが、大きく変わっている点は、従来の研究開発等事業計画の認定というスキームが廃止されておりまして、代わりに経営革新計画の承認という形になっているのかもしれませんが、従来のこの中小創造法というのは成果を上げている法律だと私は理解しておりまして、平成七年以降、我が国研究開発型中小企業の三割強に当たります一万件以上の認定をしてきた実績があると、そう私は評価をしております。かつ、その中身を見ましても、約半数以上の企業が売上げを伸ばしているという結果も見ておりますが。
 そこで、経済産業省にお聞きしたいと思うんですけれども、引き続きこういうこの研究開発型中小企業の育成が重要と考えますけれども、それを今回スキームを変えられてこの経営革新計画の承認という形になったとしても、従来どおりこの技術開発型中小企業の指導体制は十分なんでしょうか。つまり、委員会の構成なんかも大分変わってくるんじゃないかと思うんですけれども、その辺についてお聞きしたいと思います。
#101
○政府参考人(望月晴文君) 従来の中小創造法におきましては、御指摘のように、研究開発等の事業計画を認定し、支援措置を講ずるということで、中心は研究開発型の中小企業を支援してまいったわけでございます。
 新法においては、創業、経営革新等に対する支援の枠組みの、大きな枠組みの中で、研究開発とその成果の事業化、市場化までを一貫して支援するということにいたしておりますので、一応、中小創造法が支援対象としてまいりました研究開発型中小企業のほぼすべてがこういう新法の枠組みの中で支援することが可能であるというふうに考えているところでございます。
#102
○浜田昌良君 新法の枠組みに入っているというのは理解をしているんですが、その中で、特にやはり研究開発の分野に指導をするためには、それ相応の委員会の構成が多分あったんだと思うんですね。それが今回、経営革新計画となる中で、その辺のその委員会の十分なフォローアップ体制といいますか、人的構成についてはいかがなんでしょうか。
#103
○政府参考人(望月晴文君) 従来の経営革新計画の認定のスキームのところに研究開発型の部分を入れているわけでございますので、当然その委員の構成などもその分野に詳しい専門家というものも取り込んでいかないと適正な判断ができないんではないかというふうに考えておりますし、それから、それに基づく支援の体制の際にも、アドバイザー等々もそういう専門家を当然認定していくということになろうかと思います。
#104
○浜田昌良君 今御答弁いただきました形で、是非今まで以上の成果を出していただきますようによろしくお願いしたいと思います。
 次に、中小企業金融の在り方についての話に移りたいと思います。
 中小企業金融、午前中も審議がございましたように、近年大きく制度見直しが求められてきているわけでありますが、米国ではベンチャー経営者は失敗すればするほど経験として経験を積んでいくと。日本では創業者が一度失敗して破産しますと銀行は相手にしてくれない、もうなかなか立ち上がれない。昔は七転び八起きと言ったんですが、最近はもうそうではないと、イチコロと言うらしいですね、これでおしまいであると。
 何でこうなんだろうと思うんですが、それは、この背景としては、包括根保証を始め個人保証や不動産担保に偏り過ぎた日本の金融制度があると、そういうのがあるんじゃないかと指摘されております。事実、現状では、中小企業者が融資申込みをすると、中小企業白書のデータですが、八割以上が個人保証を求められるという実態があるわけであります。政府系金融機関でも、調べてみますと、現時点では個人保証を求める場合がまだ大半となっているということであります。
 そこで、まず大臣にお聞きしたいんですが、この個人保証を求めない融資について、中小企業金融公庫など政府系金融機関では今後率先して拡大していくべきだと考えますが、是非大臣の御見解をお聞きしたいと思います。
#105
○国務大臣(中川昭一君) お金を貸す方から見ると、リスクをできるだけヘッジしたいという立場は一つあるんだろうと思いますけれども、しかしやはり、民間であろうと、それから、特に政府系金融機関として中小企業を育成をしていく、ベンチャーを育成していく、新技術でもって産業を興していくということになりますと、やはり、リスクはあるけれども、そこは単に、かちっと担保を取って、取りっぱぐれがないようにというだけでは、やっぱりベンチャーというその言葉の本来の意味からいっても、やっぱりある程度のリスクといいましょうか、目利きといいましょうか、決断といいましょうか、そういうものが求められてきていると思います。
 日本においても、そういう有担保原則、土地担保原則から、いわゆる目利き、あるいはまた担保を取らない、保証に依存しないという形での融資あるいはまた保証といったものがこれからますます公的な分野において、一定の限界は現時点でございますけれども、そういうものがますます必要になってくると思いますし、それから民間においても、いわゆるプロの目でこれはやっていけそうだというところに対しては、積極的にそういう形での、今までの有担保あるいは保証人、有保証に依存しない形のいろんな資金援助あるいはまたアドバイスその他、積極的な協力というものがこれからますます必要になってくる時代に入ってきたんだろうというふうに思っておりますので、そういう観点から我々としても積極的に対応していかなければいけないというふうに思っております。
#106
○浜田昌良君 是非、政府系金融機関、中小公庫また商工中金等々の機関においては、個人保証を求めない融資制度は制度として持っておられますし、特別貸付けの部分についてはほとんど十七年度から始められるとも聞いておりますので、是非それを民間機関に率先して拡大をお願いしたいと思います。
 また、不動産担保からの脱却としては、売掛債権担保保証制度が平成十三年末にスタートいたしました。実は中小企業全体での売掛債権資産というのは六十二兆円あるんですね。これだけ規模あるんですが、現在担保として活用されているのは七千百億円、累計で二万五千件の規模にとどまっております。
 また、昨年の臨時国会で債権譲渡特例法が改正されまして、在庫などの動産譲渡の登記制度というのがこの本年十月を目途にスタートすると聞いております。在庫資産も中小企業全体で四十四兆円もあると聞いておりまして、米国では、売掛債権とともに、こういう動産が担保として活用されているという実態があるんですが。
 しかし、こういう新たな担保制度は、我が国にとってはなじみが非常に薄いという点でございまして、ある面では風評被害にも遭う。つまり、あの企業は在庫まで担保に出しているぞと言われてしまうと、ええっということで手を引いたりするところもあるわけでございます。そういう意味では是非、こういう制度が日本の社会になじんでいく、また、なじんでいくとともに、在庫のような担保を評価するためにはノウハウも必要ですから、一定の期間が、ある程度経験を重ねていかないと導入もしにくいということもありますんで、その役割を政府系金融機関にお願いできないかなと考えているわけでございます。
 そこで、大臣に引き続きお聞きしたいんですが、この中小企業金融の多様化、不動産担保からの脱却を図っていくために、この売掛債権担保保証制度、また登記に基づく動産担保などの新たな諸制度を今般の経営革新承認企業、法律に基づきます、への支援に使っていく、つまり政府系金融機関において積極的にそういうものを活用していくということが重要と考えますが、いかがでしょうか。
#107
○副大臣(保坂三蔵君) 全くごもっともでございまして、担保や保証に頼らない融資制度をもって中小企業を支援していかなくちゃいけない、これは経済産業省の基本方針でやっているわけでございます。
 今年、政府系の金融機関といたしましては、適切な金利を上乗せするという前提で、担保の全部又は一部を免除するという制度の導入も新年度で図ったところでございます。それから、民間が積極的に無担保で貸付けをしていく、その手助けをするために担保を、いわゆる証券化支援業務というのを実施しておりますが、これも今年から、その財務面から見た対象の中小企業の数を、今まで三分の一ぐらいしか上積みで対象になっていなかったのを今度は、あっ、四分の一ぐらいですね、それを三分の二ぐらいまで広げてしっかりと金融機関をサポートしてやると。昨年七月から始まりましたのでまだまだなじみは薄いんでございますが、このことも一生懸命やっているところでございます。
 それから、浜田先生から指摘がありました売掛債権担保保証でございますが、確かにスロースタートでございまして、風評被害とか、まさか売掛債権まで担保にするなんてというふうに、極めて日本的な土壌の中からのなじみの薄いスタートでございましたけれども、おかげさまで現在二万六千件、お話がありました七千二百億円まで伸びてまいりまして、着実に増加をしているところでございます。これも、まだいまだに自治体などでは債権譲渡の禁止特約を解除してくれないんですね。国の方はおおむね一〇〇%いきましたけれども、地方自治体の方は、県、市町村、まだまだのところがある。二〇%ぐらい駄目なところがありまして、これが悩みの種でございますが、しっかり今年も頑張ってまいりたいと思っております。
 それから、動産担保でございますが、これは登記に基づいているわけでございますが、昨年、債権譲渡等に関する法律の改正がありまして、この動産に在庫している資材だとかあるいは製品だとかこれに、今お話があった、市場では四十四兆円もあるというものですから、これを目を付けまして、これを担保にいたしまして融資をするという方法を取っております。
 問題は、今後その評価をどうするかですね。売れなくなって要らないものなのか、まだ売れるものなのかという評価もあります。それから、今度は逆に、それが担保として取った場合、その処分をする市場の整備がございません。こういう新しい制度を生かすために環境整備をしながら、担保や保証に頼らない、そういう中小企業の多様なニーズにこたえていく、このような制度を一生懸命頑張ってまいりたいと思っております。
#108
○浜田昌良君 売掛債権もそうですし動産担保もそうですが、我が国にとって新しいものでございますので、是非その環境整備をしていただいて今後の拡大に努力をお願いしたいと思います。
 関連しまして、金融庁に質問させていただきたいと思います。
 金融庁では、十七年度、十八年度にわたる金融改革プログラムの工程表を先般発表になったところと聞いております。さらには、あわせて、中小企業に関係の深い地域密着型金融機関、いわゆるリレーションシップバンキングについてのアクションプログラムも策定されました。中小企業の経営革新にとって地元のこのリレーションシップバンキングの役割は大きいと考えておりますが、そこでお聞きしますけれども、先般取りまとめられました地域密着型金融機関の機能強化の推進に関するアクションプログラムの内容と、それを実行するための体制についてお聞きしたいと思います。
#109
○政府参考人(鈴木勝康君) 今御指摘ございました地域密着型の新アクションプログラムにつきまして御説明させていただきますけれども、これは大きく三つの柱から構成されておりまして、まず第一点目は、その「基本的考え方」のところでこの新アクションプログラムが考えておりますことを明記しております。これ、地域密着型の金融の継続的な推進をしていくと。そして、この地域密着型の金融の本質を踏まえた推進をすると。そして、地域の特性や利用者のニーズを踏まえまして選択と集中による推進をすると。そして、情報開示等の推進とこれによる規律付けを提示させていただいている。
 そうした中で、具体的に、取組といたしましては、先ほど先生からもいろいろ御指摘ございましたように、事業再生・中小企業金融の円滑化を図っていく、そして経営力の強化を図っていく、地域の利用者の利便性向上のこの三つの柱に分けて整理いたしまして、特にその事業再生に向けた積極的取組ですとか、それから担保・保証に過度に依存しない融資の促進、これらにつきまして、その経営判断の下で、地域の特性ですとか各金融機関の特性、規模等を踏まえて、選択と集中によってその推進を図ることを要請したいと、するとしておるわけでございます。
 そして、さらに、御指摘ございましたように、推進体制どうするのかと、こういうことでございますけれども、各金融機関は、この新アクションプログラムに基づきまして、こうした地域密着型金融の機能強化を図るべく、確実に図るために地域密着型の金融推進計画、こういったものを策定、公表すると。そして、当局は、各金融機関に対しまして、この十七年八月末までに各金融機関が作成した計画、その報告を求めますとともに、以後、半期ごとにその進捗状況に係る報告を求めてフォローアップしていくと。さらに、財務局の機能を活用していくと、こういった点を考えております。
 いずれにいたしましても、金融庁としては、こういったプログラム、新アクションプログラムに基づきます各主体の取組によりましてこういった地域の密着型の金融の一層の推進を図るということを期待しているわけでございます。
 以上でございます。
#110
○浜田昌良君 是非、立派なプログラムですので、それを着実にフォローアップしていただいて実現していただきたいんですが、特に一点注意をしていただきたい点がありまして、それが包括根保証についてでございます。
 これは皆さん御存じのように、昨年秋の臨時国会で民法改正がされまして包括根保証が廃止されたわけであります。四月一日から施行されているわけでありますけれども、これはいわゆる無制限、無限定な根保証によって多くの経営者が破産に追い込まれたり、ある場合は自殺に追い込まれたということがあったからでありますけれども、これを今後周知徹底していく上で、一方では、金融機関の方から包括根保証がないので貸し渋るということがあってはならないことだと思っております。
 そういう意味ではきめ細かく御指導いただきたいと思いますが、そこで、金融庁の方にもう一度お聞きしたいと思いますけれども、包括根保証の廃止に伴い、民間金融機関には民法改正の趣旨を十分踏まえて個人保証に偏った従来の金融慣行の是正を指導すべきと考えますが、いかがでしょうか。
#111
○政府参考人(鈴木勝康君) ただいま御指摘ございましたように、その担保や保証に過度に依存しないと、こういった融資に対する金融機関の取組は今までもやってきたわけでございますけれども、さらに、今御指摘いただきましたように、包括根保証契約の禁止等を定めたこの民法改正法ですが、去年の暮れの、年末に成立いたしましたが、その趣旨を踏まえた適切な対応を促してまいりたい。
 そして、特に、この今御指摘いただきましたように、同法の改正を踏まえまして、従来の包括根保証契約の見直しが行われる際に不適切な説明が行われることのないように、同法の成立を受けまして、この改正した金融機関の説明体制に関する事務ガイドライン、これは三月に、この三月に改正いたしまして、四月のこの改正民法の施行に合わせて実施しておりますけれども、これに沿って適切に監督してまいる所存でございます。
#112
○浜田昌良君 ありがとうございます。
 是非、包括根保証の廃止の趣旨を踏まえて適切な指導をお願いしたいと思います。
 それでは次に、この本法律改正の二つ目の柱であります新連携についてお聞きしたいと思います。
 この新連携のまず意義についてでありますけれども、大臣は、新産業創造戦略で書かれておりますように、日本の強みというのは、いわゆるモジュラー型の組合せではなくて、いわゆる技術をすり合わせていく高度な技術連携にあるというところにあるんだと思いますけれども、そこで、今回の法律、この中でこの中小企業の新連携を位置付けられた趣旨、特に従来、いわゆる異業種連携という言葉は従来からあったわけですけれども、それを新連携という形で再度位置付けられる意義についてお聞きしたいと思います。
#113
○国務大臣(中川昭一君) 正にこの新連携というのは、何といいましょうか、自分の技術とそれから全然違うところとを足し上げるととんでもないものが出てくるのではないかという、そこに新連携という一つのチャンスをつくっていきたいということでございまして、よく、先ほども保坂副大臣が例に出しておりましたけれども、折り畳み式のアンテナでありますとか、これは伝統的な日本の織物業界とそれからアンテナという先端技術とがうまく連携ができてと、そういうものは多分山ほどこれから出てくると思いますし、また出てこなければいけないというふうに思っておりますので、そういうチャンスをいろんな機会に、そういう巡り合わせといいましょうか、そういうものをやることによって、その企業一つ一つの力が、一足す一足す一が五にも百にも千にもなっていくような形にしていくことがやっぱり日本としての今後の生きる道ではないかということで、新産業創造戦略でも一つの柱として強く強調したところでございますけれども、そういうチャンスを是非生かしてもらえるような場を与えていって、大いに活用していただきたいということがこの法律の一つの柱でございまして、そういう観点から、主役はあくまでも民でございますけれども、そういう形でやれるようにバックアップをさせていただきたいというのが、私が特に強調させていただきたい点でございます。
#114
○浜田昌良君 ありがとうございます。
 そういう中小企業のその強みを本当に、一足す一がもう何倍にもなるという形で花開いていくことを期待したいと思っております。
 先日、私、東京の墨田区の中小企業センターの方を見学させていただきまして、墨田区というのは実は一九六〇年には都内で一番工場数の多いところだったんですね、九千七百工場あったらしいですけれども、現在ではその工場が半減しているという、それを是非もう一度立ち直らせるんだと新しい連携をされているとお聞きしました。
 その連携の仕方としては、中小企業同士もそうですし、大学との連携もされておりまして、墨田区と早稲田大学が包括的な事業協定を結んで進めていると。区内の中小企業の商品開発や経営上の問題の解決を活発に行っているという例を見てまいりました。一般にこの産学連携という話を聞きますと、大学の教授クラスが技術開発の分野について行っているというのがイメージしやすいんですが、そうではなくて、もう学生のレベルで、しかも商品開発やデザイン開発という、中小企業の事業者自身が学生のアイデアを実現したいという声を持ってきて、そのレベルでやり出しているというのは、広がっているなという気がいたしました。
 今回の新連携も、是非、余り狭くとらえるのでなくて、いろんな分野の新連携を開いていくというのが重要ではないかと思っております。しかも、主体につきましても、中小企業者もあれば公的機関もあるし、NPOもあるかもしれないと。また、大企業の個人との連携もあるかもしれないと、そういうふうに幅広く考えていただいて、そういう意味では、この連携の輪を幾重にも大きくしていくということがこの法律上重要と思っております。
 そこで、この法律の条文を見ますと、条文上は、この連携の認定の条件としては、「事業の分野を異にする二以上の中小企業者を含む場合に限る。」という限定があるわけですけれども、この計画の認定に当たりましては、対象主体とか対象分野をなるべく限定せずに、幅広くかつ弾力的な運用が重要と考えますけれども、具体的な認定の仕方はどのようになるんでしょうか。
#115
○政府参考人(望月晴文君) 実態で申しましては、委員御指摘のようなNPOとか、それから大学あるいは研究機関などというのは、今回の新連携を構成していく上で大変重要な役割があると思います。研究開発はもちろんそうでございますし、例えばNPOなどは、通常の事業をやっている中小企業の方ではなかなか入り込みにくい環境であるとか介護であるとか、ああいう事業分野については大変お詳しい方がおられるわけでございますから、そういった幅広い関係者、主体が、多様な主体が参加した連携と、そういうものを、もちろん中小企業の方が入っていないと具合が悪いわけでございますけれども、中小企業の方を中心として、幅広いそういう連携を今回の支援対象としていきたいというふうに思ってございますので、そういう点から見ますと、今委員御指摘のような方々というのは、法律上も何の問題もなく私どもの新連携の対象になるというふうに思っておりますけれども。
#116
○浜田昌良君 是非、連携の対象を幅広くとらえていただいて、いろんな分野なりいろんな知恵がありますので、それを使っていただければと思っております。
 次に、その実施体制でありますけれども、今までの御説明では、この新連携の認定は全国九ブロックごとの戦略会議で行われると御説明を聞いております。そして、年間大体二、三百件行われるとお聞きいたしました。こういう体制で始めるというのはしようがないかなと思いますけれども、全国には四百六十九万の中小企業者がおるわけでございまして、そういう意味では、もう少し幅広く新連携の認定もできていかないかなという期待があるわけであります。
 そういう意味では、当初はこういう数百件程度で国が行うにしましても、今後、都道府県とか指定都市に設置されます中核的支援機関があります。そこと密接な連携を行いまして、新連携の対象掘り起こしをこういう都道府県、指定都市レベルで深く行って、その規模をもう少し拡大していくと、そういうのが重要と考えますが、いかがでしょうか。
#117
○政府参考人(望月晴文君) 新連携というのは、ある意味では今新しい中小企業を引っ張る仕組みでございますけれども、それを世の中の四百数十万の中小企業の皆様方の頭の中に、こういった解決方法もあるんだと、新しい分野への進出について、ということを広く広めていくということが非常に今度の法律にとっても重要な役割ではないかと思っております。
 そういう意味では、先駆者たる部分というのは、いきなりはそんなに数多く出てこないかもしれません。私どもは、実際は、昨年来、予算措置でいろいろ調査をし、あるいは募集を予算措置で支援もしてまいりまして、例えば昨年は九十ぐらいの案件について、これは新連携の芽になり得るぞというようなものを全国で発掘をいたしておりますけれども、そういったことが徐々に広まって、成功例も世の中に出てまいりまして、法律の対象になる成功例も出てまいりますれば、あっ、そういうことであれば我々もできるということが徐々に広まってくるんではないかと思っております。
 取りあえずはこのブロック単位でやることが効率的かと。なぜならば、ある意味では連携自身がある程度の広域でやっておられる方が多いものでございますので効率的かというふうに思いますけれども、そういう情報が広まっていくにつれまして、いろいろな方々で様々な規模の連携が行われてくるということを我々も期待しているわけでございますので、この際、都道府県の支援センターであるとか、あるいはもう少し小さい規模の支援機関などがこういったことに目覚めて案件の発掘をしていただくということは大いに有意義なことではないかというふうに思っております。
#118
○浜田昌良君 是非、最初は小さくスタートをしても、中小企業者四百六十九万ございますので、是非それへの期待が高まってくるよう、いろんな中核機関を使いながらその波を広げていっていただきたいと思います。
 SBIRについては、既に藤末議員の方から今日、質疑も午前中ございました。今後、その調達制度の拡大とか規模の拡大、これは是非お願いしたいと思います。質問は省略いたしますが、中小企業にとってこの制度は非常に重要な制度でございますので、その拡大をお願いしたいと思っております。
 最後に、もう時間も限られておりますので、大臣にお聞きしようと思いますが、景気の状況についてはまだ踊り場という言葉、余り好きではないと大臣おっしゃいましたが、そういう表現がなされている状況でございます。かつ、そうでありながら、地域においてのばらつきがまだまだ大きいと。この地域のばらつきをなくしていく方法、従来であれば公共投資という簡単な方法もあったわけですが、それが使えないという中では、やはり地域の中小企業が元気を取り戻すと、これによって地域のばらつきをなくしていくしかないんだと思っております。
 そういう意味で、今般のこの中小企業の三法統合、新たな支援法の成立によって地域経済の活性化、これをばらつきをなくしていく方向で、活性化する方向についての取組について大臣の御決意を聞いて、私の質問を終えたいと思います。
#119
○国務大臣(中川昭一君) 正に今、日本経済は地域によって、また業種によってばらつきがあるわけでございます。有効求人倍率一つ取っても、もう本当にいいところと悪いところとあるわけでございまして、そういう中で何としても、我々としては全国それぞれが頑張っていけるようにしていかなければならないというふうに思っております。
 愛・地球博が今行われておりますけれども、ああいったところで大いに頑張っていただいているところもございますし、また、私の地元のような北海道で非常に元気のないところもございますので、今、浜田委員御指摘のように、昔ですと公共事業の相乗効果なんというもので何とかなるんじゃないかという時代は、もうちょっとなかなか取りにくいという状況でございますので、とにかく地元の知恵、能力をいかにバックアップして、特区ではありませんけれども、一生懸命やっている方に対して後押しをさせていただくかということに経済産業省としても、政府としても最大の努力をしていかなければいけないというふうに考えて、どうぞ地域の皆さんの御努力、知恵を大いに発揮していただけるように、主役としての役割を我々がバックアップできるようにしていきたいというふうに改めて今、意を、決意を強くしているところでございます。
#120
○浜田昌良君 ありがとうございました。
#121
○鈴木陽悦君 本日最後の質問に立たせていただきます鈴木陽悦です。
 午前中そして午後に至って各委員の質問を拝聴してまいりました。私もいろいろな質問、準備してまいりました。かなり重複しておりますので、この重複を省くと私の質問時間全く、ほとんど要らなくなってしまいますが、あえてお許しをいただきまして質問させていただきたいと存じます。
 今回の法案が単に三法案をまとめたものではなくて、新産業創造戦略に基づいて強い中小企業を生み出して育てる、そのために、これまでにあった法が複雑で分かりにくかった中小企業支援を分かりやすくしようというねらいで提案されたものと私自身とらえておりますし、そうした意味では画期的でありますし、また中小企業政策の改革の第一歩と解釈をしております。
 と申しますのも、ちょっとベンチャーなので今回のケースとはまた別のケースと考えられますが、私も実は実際に新しい企業の立ち上げに、おととしから去年にかけてなんですが、参加した経験がございまして、厳しい審査の結果、承認を受けるハードルの高さを実感いたしました。新しい発想で前例のない取組として臨んだのでございますが、残念ながら願いはかないませんでした。そのときの仲間の言葉なんですが、我々がふるさとを盛り上げようと一大決心で事業を起こそうと決意して、失敗したときの責任も自分たちが当然負うという覚悟をしていたのに、その意図がよく理解されないまま却下されてしまった、誠に残念だと、ちょっと落胆しておりました。それでもその後、自力で起業、なりわいを起こしまして、現在は成功しております。
 確かに、認定条件が厳しければ成功率や社会的な信用も高くなると思います。しかし、厳し過ぎると、中小企業のニーズになかなかこたえられずに新しい展開が生まれにくくなるという一面も持っていると思います。
 そこで、今回の一本化、とりわけ新連携の取組には期待が持てるわけなんですが、初めに、この新連携の認定要件、ちょっと細かく教えていただければ幸いです。
#122
○政府参考人(望月晴文君) 新連携の認定要件は、法律に基づいて基本方針をこれから定めることになります。基本方針を定めるに当たりましては、法律施行後、審議会を開催いたしまして、その意見を十分に踏まえながら基本方針を定めなきゃいけないということになってございますけれども、法律をせっかく簡素で分かりやすく骨太にというふうにしたわけでございますので、その要件のところで複雑怪奇にするというのも、また私どもおしかりを受けることもあろうかと思って、今、審議会にはこれからかけるわけでございますので、私どもでこれがいいとまた先取りするわけにもまいりませんからなかなか難しいんでございますが。
 例えば、新連携の要件でございますれば、キーワードは、先ほど来ちょっと出ておりますけれども、異業種とか異分野の方々の連携であることであるとか、あるいは当然そういう何社かのつながりであるわけでございますので、どなたかがやっぱりコア企業にならないとこれもまたうまくいかないというのもまあ我々の経験でもございますので、コア企業がしっかりしていることであるとか、それから、この次が難しいんですけれども、何らかの意味で、新分野だとか新技術だとか新しいノウハウだとか、そういうものを活用したものであるということをやらざるを得ないわけでございますが、そこが正に委員御指摘のように、余りに難しい新しい技術であったりということになると、そこのハードルのところが恐らくは議論の余地のあるところだと思っております。
 私どもは、世に出して他の人がごらんになって、ああ、これをやるのは非常に新しい分野で意味があるという限りにおいては新しさは求めざるを得ないというふうには思ってございますけれども、それがこの法律の運用、施行をいたずらに規制する、で、案件を狭くしてしまうということがあってはならないというふうに思っておりますので、この辺ちょっと私どもの知恵の足りないところではございますけれども、審議会の先生の皆様方の意見も承りながらいい表現の仕方をしてまいりたいということが概略でございます。
#123
○鈴木陽悦君 お答えいただきまして、ありがとうございました。是非柔軟な体制で、また先ほど私申し上げましたけれども、前例がないとか、これは全く今まで経験がないというケースが結構ありますので、是非とも斬新な、そして大胆な展開をしていただきたいなということを要望いたします。
 新連携についてもう一つ伺いたいんですが、新連携と名が付いている以上、今は業種間の新しい発想というのがありましたが、ちょっと地域について伺いたいんです。
 現在、各地域にあります経済産業局が、管轄地域だけではなくて、これを飛び越えた日本全域を視野に入れた連携も必要ではないかと思うんです。午前中、小林委員の方からも、九州の中で例えば福岡と鹿児島の結び付き、そういうケースも出てまいりましたが、私が発想するのは、例えば大臣の北海道と九州、こうした地域の、日本全体の中で、もうとにかく遠いところ同士の結び付きとか、また北海道と東北の結び付き、それもあるでしょう。いろんなケースが考えられると思うんですが、こうしたケースに対するフォローというのは一体どうなって、どこが窓口になって対処していくのか、その辺をお聞かせください。
#124
○政府参考人(望月晴文君) 私どもも、今委員おっしゃいましたようなケースというのは具体的にもう数多くつかんでおります。
 例えば、先ほど来例示で御説明を申し上げましたアンテナの例ございますけれども、これなんかも、福井県の織物業者の方とそれから千葉県のアンテナ業者の方の連携になっているわけでございまして、これなどもある仲介になるコンサルタント会社の方々が幅広い知見でサーベイをして結び付けた連携になっているわけでございますので、そういった面では、北海道と九州の連携というのも、むしろ今の高度に進んだITの社会の中でいえば容易に連絡も付くし連携はできるというふうに思っております。
 そういった中で、今、私どもは一応ある程度の広域を頭に置いてブロックごとに戦略会議はつくりますけれども、そこを飛び越えた例というのは現に幾つもあるわけでございまして、そういった場合には、先ほどちょっと例示申し上げましたコア企業がどこにあるかということを頭に置いてプロジェクトマネジャーを選定をして、それからもう一つのその地域の戦略会議とも連絡を取りながら推進をしていきたいということになるんではないかというふうに考えております。
#125
○鈴木陽悦君 ありがとうございました。地域が離れれば離れるほど連絡をより密にしなきゃいけないと思うわけでありますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 さて、中小企業の新事業の創出・育成というのは地方経済の活性化に極めて重要と位置付けるわけなんですけれども、中でも私は産業クラスターの形成というのは地方経済大いに元気付けるものであると思いますし、数多くの実現を望むものであります。しかし、地方の中小企業がクラスターを発想して、また参加していくにはまだまだ簡単ではないと思います。
 そこで、今回のこの法律とクラスター計画、これをどのように有機的に連携させていくのか、またこの連携が地域経済にどのような効果を現していくのか、その辺のお考えを聞かせてください。
#126
○政府参考人(望月晴文君) 産業クラスター計画は、数年前から全国各地で私ども経済産業省が全力を挙げて推進している、産学連携を中心とした研究グループの組成あるいは事業化の組成でございます。これは、ある種のレベルまでの成功というのは地域の活性化のために大変役に立ってきているんではないかと思っております。
 私どもが今この新連携とクラスターとの関係で頭に置いておりますのは、実はクラスター計画、これは産学連携の常でもございますけれども、問題は、研究開発をし、いい商品を開発したりいいものをつくっていったり、研究開発するという段階は非常に効率的にうまくいく仕組みであります。問題は、そこから事業に、先ほど来マーケットというふうに申し上げましたが、事業に結び付けるというときになった瞬間に、実は大学の先生、非常に不得手なところがあるわけでございまして、産業クラスター計画、今、大分成果が上がってきたことの次なる成果は、恐らく事業化へどうやって結び付けられるかということが一方で、もちろん、うまくいっているケースもちろんあるわけですけれども、課題であろうかと思っております。
 そういった面で、昨年の中小企業白書などでも産学連携の事業化率というのは一般的な事業化率よりもちょっと低いということになっております。そこのところを、事業化へ結び付けるという課題にこたえるためにも、今度の新連携というのは正にそこを意識、マーケットを意識した連携ということになるわけでございますので、産学連携の一つの出口としては大変有効な手段として活用できるんではないかというふうに私どもは考えております。
#127
○鈴木陽悦君 ありがとうございました。
 次に、広報体制について伺いたいと思います。
 情報社会でございますので、情報の共有というのは非常に大切だと思います。中小企業支援策の広報体制についても、これまでは様々な方策が取られていると思います。
 インターネットでの双方向、また様々なパンフレット、チラシ等の作成は非常に活発であると伺っておりますが、ここで伺いたいのは放送電波によりますPR方法なんですけれども、長年続いたテレビ番組、テレビ広報番組、昨年の秋の番組改編期で終了したと伺っておりますけれども、テレビ、ラジオによる広報というのは非常に多くの皆さんの耳や目に触れる。そしてまた、電波というのは、どっちかというと空気ですね、空気から伝わってくるものですから、聞いてすぐ分かるもの、そして見てすぐ分かるもの、私も長年テレビにおりましたので、分かりやすく、早く、正確にというのが常にモットーだったのでございますが、そうした意味では放送電波の役目というのは大切だと思います。
 今後の、レギュラー放送、テレビはなくなってしまいましたが、今後のテレビ、ラジオ等を通じての広報体制というのはどうなっているのか、聞かしてください。
#128
○政府参考人(望月晴文君) 今御指摘されました、私どもが実は昨年の九月末までに「企業未来!チャレンジ21」という十五分番組を放送してまいりました。大変残念でございましたけれども、私どもの、何というか、力量では、たまたま放送時間帯が徐々に悪い時間になりまして、土曜日の朝六時台しか取れないということになりまして、その費用、費用対効果という観点からいくと、若干、もう少し効率的な費用、予算の使用方法があるんではないかということで若干見直しをいたしまして、それとほぼ並行的に実は三本のスポットCMを始めたわけでございまして、それで同じ予算の中で大変もっといい時間にいい効果が上がったというようなことで工夫はいたしておるわけでございますけれども、テレビなど電波による広報というのは大変効果的な手段だということで、私どもも引き続き更に一層の工夫をしていきたいというふうに考えております。
 また、今年度は、テレビ放送に加えまして、十月から小規模事業者を対象といたしました十五分のラジオ番組を毎週放送するなどの引き続き電波による広報を実施する予定でございます。
#129
○鈴木陽悦君 済みません。今の質問に関連して、今度はラジオ電波ということなんですが、ラジオで、例えば中小企業の皆さんの悩みとか、そういったものを受け付けて、これも電波を使っての双方向というのは非常に有効だと思うんですが、その辺ちょっとお考え、いかがでしょうか。
#130
○政府参考人(望月晴文君) 今年度の予算のことでございますので、これから関係者で知恵を出して提案をしながら、また省内でも大臣とも御相談をしながら決めていかなきゃいけないと思っているところでございますけれども、ただ、ラジオ番組というものをもう少し取り上げてみようかなと思った一つの趣旨は、御指摘ございましたような例えば中小企業者の方と双方向でやり取りができるような方策があるんじゃないかと。商店主の皆様や町工場の社長さんたちから経営や資金繰りの悩みなどの相談に直接お答えをするというような双方向のやり取りが図れるような内容というのを一つの提案としては今あるわけでございますけれども、今後検討してあれしたいと思っております。
#131
○鈴木陽悦君 ありがとうございました。
 電波になると、どうも私、自分の分野だったものですから話が長くなるかもしれません。
 是非、その双方向のいろんな情報をいろんな形で公開していただいて、インターネットにその相談の内容を載せるもよし、いろんな形でPRをしていただきたいなと思いますし、それから、テレビの番組、長年続けて、打ち切ってしまわれましたが、また別の形で復活をすればいいなという私は希望を持っております。視聴率習慣というのは、一年やそこらでチャンネル合いません。やっぱり二年、三年という地道な努力が多分その後で実を結ぶんだと思いますし、テレビのニュースも視聴率下がったからといって一年ぐらいじゃ簡単に復活はしませんので、テレビ見ている皆さんの習慣の中にいかに溶け込んでいくかという、そういう手法も必要だと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、最後に大臣に伺いたいと思います。
 先ほども申し上げましたけれども、中小の企業がクラスターを発想すること、なかなか簡単にはいかないと思いますし、ましてや長期的な発展が期待できる高度な技術分野の創造というのはかなり難しいものがあると思います。
 これまでの質疑の中で、中小企業を取り巻く情勢、国内外問わず厳しいものがあるということを、私も、今日皆さんの意見を聞いて痛感いたしました。
 そこで、最後に大臣に、中小企業対策の課題、そしてまた課題解決に向かう意気込みを伺って終わりたいと思いますので、よろしくお願いします。
#132
○国務大臣(中川昭一君) 日本の経済を支えているのは中小企業であり、やる気とまた熱意のある企業をどんどんどんどん後押しをさせていきたい。
 午前中も申し上げましたが、世界じゅうが日本に学べといっていろんな方が海外から来られますけれども、そのとき、日本の中小企業について勉強したいという方が最近とみに増えておりまして、そういう意味で、中小企業も日本のお手本なんだなと、それだけにまた更に頑張っていかなければいけないなというふうに思っておりますけれども。
 そういう意味で、予算、厳しい予算ではございますけれども、できるだけ予算を確保いたしまして、また本法律案のように、分かりやすく、そしてまた新たな新連携というような形で中小企業充実のために後押しをさせていただきたいと思います。
 あるいはまた、資金面、税制面、その他あらゆる形で中小企業を後押しをしていくことが我が国活力ある日本経済発展のために最重要な課題の一つだというふうに思っておりますので、この法案が成立した暁には大いにこれを活用してやっていく。そのためにも、政府あるいはまた全国九か所のいろんな地域、あるいはまたこれも商工会議所、商工会等々、あるいは大学、自治体、いろんな方々とともに目的達成のために協力をして、この法律の目的達成のために努力をしていきたいというふうに考えております。
#133
○鈴木陽悦君 ありがとうございました。
 今日は、中川大臣の御答弁の中に、新産業創造戦略、今、昨年発表したもののドゥーの部分に今度は移ると。そしてまた第二、第三、さらには今日は第四、第五の新産業創造戦略を展開していかなければいけないという力強いお言葉もいただきました。
 今日の質疑応答、各省庁の間に多少の認識のちょっとずれがあるような、そんな感じがいたしました。そこで、中川大臣には是非とも今後、その中小企業支援のために強いリーダーシップを持っていただいて邁進していただきたい、そんな要望を付け加えさせていただきまして、私の質問時間、終わらせていただきます。よろしくお願いします。
#134
○委員長(佐藤昭郎君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 中小企業経営革新支援法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#135
○委員長(佐藤昭郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、藤原正司君から発言を求められておりますので、これを許します。藤原正司君。
#136
○藤原正司君 私は、ただいま可決されました中小企業経営革新支援法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会及び公明党の各派並びに各派に属しない議員鈴木陽悦君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    中小企業経営革新支援法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  近年、グローバル化の進展による市場競争の激化及び企業の取引慣行の変化等により、企業の経営環境が大きく変化している現状にかんがみ、中小企業が我が国経済の活力の源泉として新たな事業活動への積極的な取組を推進することができるよう、政府は、本法施行に当たり、次の諸点に留意すべきである。
 一 中小企業施策の実施に当たっては、改正内容の趣旨にかんがみ、利用者の立場に立った分かりやすく利用しやすいものとすること。また、近時の中小企業の国際化にかんがみ、中小企業者に対する必要な情報の提供、相談・支援体制の充実に努めること。
 二 異分野連携新事業分野開拓に関する計画については、中小企業者に分かりやすい認定基準を策定するとともに、可能な限り弾力的な計画の認定を行うこと。
   また、新連携支援地域戦略会議の運営に当たっては、比較的小規模の中小企業者に広く活用されるよう適切な人材を登用する等体制の整備に努めること。
 三 我が国経済において重要な役割を担う中小企業の経営基盤を強化するため、エンジェル税制等中小企業関係税制の拡充に引き続き努めるとともに、中小企業の資金調達の円滑化を図るため、個人保証に過度に依存しない融資の拡大や証券化事業の拡充等債券市場を通じた資金調達が確保されるよう環境の整備に努めること。
 四 中小企業の技術開発を支援するSBIR制度(中小企業技術革新制度)については、より多くの中小企業者が活用できるよう同制度の対象範囲を拡大するとともに、中小企業者が活用しやすい制度に向けた改善を図ること。
 五 地方公共団体に対し、地方公共団体の契約の発注に当たっては、「中小企業者に関する国等の契約の方針」の趣旨に沿い、中小企業者の受注の増大に努めるよう要請すること。
   右決議する。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#137
○委員長(佐藤昭郎君) ただいま藤原君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#138
○委員長(佐藤昭郎君) 全会一致と認めます。よって、藤原君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、中川経済産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。中川経済産業大臣。
#139
○国務大臣(中川昭一君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、本法律案の実施に努めてまいりたいと考えております。
 ありがとうございました。
#140
○委員長(佐藤昭郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#141
○委員長(佐藤昭郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#142
○委員長(佐藤昭郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査のうち、関西電力株式会社美浜発電所三号機蒸気噴出事故に関する件の調査のため、来る十二日の委員会に参考人の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#143
○委員長(佐藤昭郎君) 御異議ないと認めます。
 なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#144
○委員長(佐藤昭郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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