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2005/04/14 第162回国会 参議院 参議院会議録情報 第162回国会 経済産業委員会 第10号
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2005/04/14 第162回国会 参議院

参議院会議録情報 第162回国会 経済産業委員会 第10号

#1
第162回国会 経済産業委員会 第10号
平成十七年四月十四日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十二日
    辞任         補欠選任   
     近藤 正道君     田  英夫君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         佐藤 昭郎君
    理 事
                泉  信也君
                加納 時男君
                小林  温君
                藤原 正司君
                渡辺 秀央君
    委 員
                魚住 汎英君
                沓掛 哲男君
                倉田 寛之君
                松田 岩夫君
                松村 祥史君
                加藤 敏幸君
                木俣 佳丈君
                直嶋 正行君
                平田 健二君
                藤末 健三君
                浜田 昌良君
                松 あきら君
                鈴木 陽悦君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣官房長官) 細田 博之君
   政府特別補佐人
       公正取引委員会
       委員長      竹島 一彦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        世木 義之君
   政府参考人
       内閣法制局第四
       部長       石木 俊治君
       公正取引委員会
       事務総局官房審
       議官       高橋  毅君
       公正取引委員会
       事務総局経済取
       引局長      伊東 章二君
       公正取引委員会
       事務総局審査局
       長        楢崎 憲安君
       法務大臣官房審
       議官       河村  博君
       国土交通大臣官
       房審議官     中島 正弘君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法
 律の一部を改正する法律案(第百六十一回国会
 内閣提出、第百六十二回国会衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(佐藤昭郎君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十二日、近藤正道君が委員を辞任され、その補欠として田英夫君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(佐藤昭郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に内閣法制局第四部長石木俊治君、公正取引委員会事務総局官房審議官高橋毅君、公正取引委員会事務総局経済取引局長伊東章二君、公正取引委員会事務総局審査局長楢崎憲安君、法務大臣官房審議官河村博君及び国土交通大臣官房審議官中島正弘君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(佐藤昭郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(佐藤昭郎君) 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○沓掛哲男君 自民党の沓掛哲男です。
 皆さん、おはようございます。公取の竹島委員長始め皆さん、御苦労さまです。
 さて、近年、公取の本当に一生懸命の努力によって、その成果は着実に上がっていると思います。独禁法違反被疑事件の審査件数を見ましても、平成十二年には百六件でしたが、次第にそれが増えて、平成十五年度には百六十一件となっています。また、主要国との排除措置件数を平成十一年から十五年までの平均値で比較いたしますと、米国、これは連邦取引委員会のものですが、一年当たり四十件、EUの欧州委員会で十件、我が国、これ勧告ですけれども、年三十件となり、我が国は米国と欧州の中間ぐらいにあります。
 我が国の経済が今本当に低迷期を脱しようとして、よちよち歩きをしております。かつ、売上高営業利益率も、全産業で二・五%程度、特に悪い建設業では一・四%程度。本当に生きていくためにぎりぎりという、そういうようなこの時期に、昭和五十二年度以来の、課徴金導入以来の大改革をなさるというのはなぜなんでしょうか。
#7
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 違反する企業が置かれている業界の状況でありますとか、それからもっとマクロ的な経済状況も勘案して独禁法の内容というものは決められるべきであるという御趣旨の御意見、今回の改正法案を作成する過程でもいろいろございました。私どもは、そこは基本的に、払えるものを払っていただくという考え方ではなくて、あらかじめ、公正かつ自由な競争というのは企業活動にとっても消費者にとっても大変大事なものであるからそれを守っていただきたいというのが本旨でございまして、景気が良い悪い、払える払えないという話とは次元の違う問題でありますということを申し上げてきております。
 現実を見ますと、残念ながら、日本の場合には、入札談合、価格カルテル等の、独禁法で一番問題であると、コアカルテルと言われておりますが、その分野における違反行為もなかなかなくならない、むしろ増えるような傾向がございますので、経済の構造改革とか体質改善とか企業の再生とかという場合には、やはり独禁法というものがきちんと守られていくということが何よりも大事でございますので、違反行為に対しては厳正に制裁を科すということがなければ秩序ある公正な競争環境というのはつくれないだろうと、こういう基本的な考え方に立ちまして今回の改正案をお願い申し上げているところでございます。
#8
○沓掛哲男君 そう言われると一言言わにゃいかぬのだけど、やっぱり日本国があっての公取なんですよ。我が国の産業政策をちゃんと着実に実行していく、それをやっぱり助ける、それが競争政策で、やっぱり手段なんですよ。ですから、日本の国全体が国民の幸せのために繁栄していく、そのうちのものは何といっても産業政策ですから、そちらを重点に。そして、公取さんさえよくて、たくさんの者を捕まえれば日本の国がいい、そういうものじゃないんですよ。やっぱりどうしてもあなた方お役人は自分のところが大切ですから、自分のところさえよければそれでいいという、そういうお考えでは困るんで、やはりそうであればこそ竹島さんのようなすばらしい人が公取委員長になっているんですから、全国的に見て、そういう国民が幸せ、国家が存立していく、そういう中で競争政策をどうするかというふうに考えていただきたいというふうに思います。
 さて、次ですが、独禁法上の措置件数を行為類型別に見ますと入札談合が非常に多いです。平成十二年で全体十八件のうち入札談合が十件、平成十三年が三十八件中三十三件、飛ばして十六年が三十二件中二十二件となっています。入札談合でも建設部門が多いようですが、今少しお触れになりましたけれども、その理由をどのようにお考えでしょうか。
#9
○政府参考人(楢崎憲安君) 先ほど委員長も説明いたしましたけれども、入札談合は、入札の参加者間の自由な競争を通じて受注者や受注価格を決めようというものでございますけれども、入札談合はそういった競争の機能を直接的に侵害するものでございます。そういう意味で、独占禁止法上、入札談合は典型的なカルテル、ハードコアカルテルの一つとされているところでございますので、私どもとして、違反の端緒に接すれば、それに対して厳正に審査を行ってきているところでございます。
 また、いわゆる建設業界の入札談合だけではなくて、例えば、コンサル関係、あるいは電気設備とかあるいはタイヤとか、様々な物品の調達とか設備の調達等の分野における事件も積極的に取り上げているところでございますし、また私ども、最近の動きとして、実効性ある審査ということで、入札談合は、これに対しては厳しく厳正に対処していくと同時に、多様な行為類型、例えば新規参入を阻害するような行為等について積極的に取り上げると、そういうような努力もしているところでございます。
#10
○沓掛哲男君 次に、課徴金の算定率の引上げについてお尋ねしたいと思います。
 従来、課徴金は不当利得の回収と説明されてきましたが、今回の算定率アップに当たっては社会的制裁と説明しておられます。なぜ変わったのでしょうか。制裁ということであれば歯止めが利かなくなるのではないでしょうか。どこまででも上がっていくんではないでしょうか。
 制裁という場合、違反企業に与える打撃の程度をどう考えているんでしょうか。例えば、倒産するようにすれば、それで目的を達したというふうに考えているんでしょうか。
#11
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 今回、四つばかり大きな柱がある改正法案をお願い申し上げているわけですが、その最初が今御指摘の課徴金の引上げでございます。
 これはもう端的に申し上げまして、独禁法の持っている抑止力というものが現行では足りないと認めざるを得ない。それは、先ほど申し上げましたように、違反行為が後を絶たない、繰り返す事業者もいるということでございまして、抑止力を上げるためには課徴金を上げるということはどうしても必要なことでございます。
 それで、従来は不当利得の剥奪にとどまるという説明を申し上げてきましたけれども、基本的には、今回の改正で変わった部分と変わってない部分あるわけでございまして、変わってない部分は、あくまでも課徴金は違反行為事業者に対して金銭的不利益を課すことによって禁止規定の実効性を上げるための行政上の措置であると、こういう点は何ら変わっておりませんが、その具体的な水準をめぐっての説明ぶりが確かに従来は不当利得の剥奪にとどまると。しかも、それは具体的には何かと申しますと、個別の不当利得ではなくて、当時の売上高営業利益率というようなものを見まして、大企業の場合は六%、中小企業は三%というふうに決めたという経緯があるわけですが、そういう中身の不当利得の剥奪にとどまるという御説明を申し上げてきたわけですが、その点は今回変えさせていただいて、いわゆる不当利得相当額を上回る課徴金の水準にさしていただきたい。その意味で、行政上の制裁としての意味合いは当然この改正によって強まるという点が大きく変わってくるわけでございますが、そういった趣旨でございます。
 それで、行政上の制裁といえば、じゃ青天井なのかと。それは当然そういうことにはならないわけでございまして、私どもは、一方で刑事罰があるということも当然認識しておりますし、両々相まって実効性が上がれば目的は達せられるわけでございます。
 そういうことと、それからもう一つは、やはり現実に個別の違反事件を統計的に分析してみますと、平均で一六・五%ぐらいの不当利得があると推定されると。九割以上のものが八%以上の不当利得を上げているというような実績も、現に過去の我々の調査から出てきております。それから、外国ではこれは、この種のものは二〇%、売上高に掛けることの二〇%というのがアメリカやヨーロッパにおける考え方になっているという、そういうこと等を勘案しまして、今回せめて一〇%に引き上げさせていただきたいと、こういうことでございまして、これから先も無制限に上がっていくというものではないということはわきまえているつもりでございます。
#12
○沓掛哲男君 アメリカであれば刑事罰一本、それから欧州であれば制裁金一本。日本の場合は、今、委員長がおっしゃったように課徴金、それからまた刑事罰もありますが、そのほかにもう一つ大きな問題として違約金というのがあります。この違約金について、国土交通省来ておられますか、はい。
 政令市や県や国等の発注者の多くは、契約書の特記事項で、入札談合が行われていた場合には契約額の一〇%を違約金として回収するとしています。違約金制度の導入の目的、趣旨についてお尋ねいたします。
#13
○政府参考人(中島正弘君) 談合がありました場合には、一般的に発注者には損害が発生しているというふうに考えられるわけでありまして、その損害の賠償を請求できると思われます。その損害額の認定が可能な場合にこの請求に努めるというのが基本的な考え方であります。
 しかしながら、一般的に損害額といいますのは、談合がなかったときの価格とあったときの価格の差というふうに一般的には考えられるわけでありますが、具体的にこれは個々の事案について算定することが相当困難でございます。このため、あらかじめ損害賠償額の予定として違約金特約条項を導入して、談合があった場合には請負金額の一定割合、私ども直轄で一〇%、公共団体も一〇%という例が多いようでございますが、を払っていただくという旨の予約、定めをしておきまして、談合によって生じた損害の補てんを円滑、容易にすると、併せて談合の抑止効果も期待すると、こういう趣旨、目的の制度でございます。
#14
○沓掛哲男君 談合があった場合となかった場合の差額、そういうものはある程度国損を与えたことになるので、官庁として、発注者としてもちゃんと的確にそれを取って国庫に戻すなり、それぞれそういうものを解消していくという御趣旨だというふうに思います。
 しかし、確かに、発注者は違約金、違約金と言われますし、公取の方は課徴金だと言われます。これいずれも、剥奪や制裁を科する。根拠が違うからとか、あるいは課する官庁が違うからといっても、課せられる側は同一なんですよ。省が変わる、法律が変わると言われて理屈をさんざん付けられて、そしても取られるのは一つで一人なんですよ。
 ですから、恐らく、国土交通省としては、発注者としては、まあそれだけであっても自分は満足する、公取としても、そんな違約金なくても自分のところだけで、それなりでちゃんと目的は達せられると言われても、両方が掛かるのはその同じ業者なんですよ。余りにもこれは過酷ではないですか。
 建設事業は激減、事業量は激減しています。営業利益率も、今、建設事業では一・四三%です、平均。平均です、それも。平均一・四三%しかないんですよ。そこへ二〇%、あるいは中小でも一四%という多額のお金を発注者から、公取からと取られては、倒産しかないのではないか。少し更生の余地を残すことも考えていただきたいと思いますが。このままでは量刑不均衡、つまり行為の悪性とそれから罰の重さが余りにも不均衡となっているのではありませんか。事業者に科される制裁をトータルにとらえ、全体として適正な水準の制裁を科することにしてもらいたい、罪刑均衡の原則をきちっと、が通っていくような、そういう形でお願いしたいと思います。
 これについて、公取とそれから発注者を代表して国土交通省にお尋ねします。
#15
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 沓掛先生の御指摘は、改正作業の中でもいろいろ各方面から、特に建設業の方々からも私ども伺いました。
 私どもの立場から言わさせていただきますと、いやしくも課徴金というのは、これは独禁法に基づいて公正取引委員会という行政機関が公権力の発動として違反行為者に対して課すというものでございます。かつ、その独禁法というのはそういう経済取引の正に基本法ということでございまして、事業法とかいろいろございますが、事、公正競争に関しては独禁法をまず基本に考えていただきたいということでございます。
 一方で、今お話しのその賠償の話でございますが、これは先ほど国土交通省からも御説明ありましたように、民事上の損害賠償の予約であるという性格のものでございまして、課徴金の先ほど申し上げたものとは全く別なものであるということでございますので、課徴金の方でそれをどうこうせよと、損害賠償のことがあるんでそれを勘案してどうこうせよというのは、私どもの立場からすると、それは分かりましたと言うわけにはいかない性格のお話ではないのかというふうに思っております。
 アメリカにおいても、ほかの国もそうですが、公権力の行使としてアメリカの場合は罰金が科せられます。懲役刑もありますが、罰金が科せられるわけですが、同時に三倍額賠償責任という民事上の事件にもよくなります。そういうことで、両方でもってその企業は金銭的な不利益を被るということになっているわけでございまして、そういうふうに世の中が立てられているということで、事業者の方はしたがって独禁法の違反はやらないでいただきたいということをお願いしたいと思っております。
#16
○政府参考人(中島正弘君) 今、委員長の方からお話ございましたように、課徴金は公権力の行使でございますし、違約金は民事上の損害賠償の予定ということでございまして、性格が異なるものであります。しかし、いずれも談合等の不正行為を抑止するという機能を持っているという点では共通する面もあるというふうに私どもも承知しております。談合を防止するためには様々な施策が総合的に講じられていく必要があるんだろうと思います。
 現行制度の性格はもちろん今言ったとおりでございますが、今後、課徴金に係る制度の在り方に係る検討がなされることになっていると承知しております。その際には、違約金の状況など様々な背景も御勘案いただきまして、課徴金の性格に応じて総合的な議論がされる必要があると思っておりまして、私ども、必要がありますれば公正取引委員会とも十分に連携を取っていきたいと、こんなふうに考えております。
#17
○沓掛哲男君 まあ、そういうふうに縦割り行政でそういって、おれは公権力の行使だ、おれは民法で損害賠償金を埋め合わせるんだ。で、相手は同じなんですよ。そういう同じ相手にそういうことを課して、もたないんじゃないですか。だから、つぶす、つぶせばよいというんでは、これはここの国会で通すわけには絶対にいかないと思いますよ。
 それはそうでしょう。我々は国の繁栄のため、国民の幸せのためにやっているんでしょう。それを一たび法律で通してしまえば、公正取引委員会は内閣に独立してやれるわけですから、公取委員長始め皆様方はもう天下怖いものはない、独立してやるんですよ。ですから、そういうことであれば、ここでもう少ししっかり議論してもらわにゃならぬということですよ。
 少なくとも、この附則十三条で、いわゆる検討する中で違約金と課徴金の調整についてしっかりやってもらいたい。その意味は、課徴金に係る制度の在り方についての検討をされるということですから、それに際しては公共調達市場における種々の制度改革の状況、例えば今の違約金やあるいは総合評価落札方式など、またそのほか経済実態等の様々な背景を幅広く勘案した総合的な議論がこの条項でなされるのかどうかを公取委員長にお尋ねしたいと思います。
#18
○政府特別補佐人(竹島一彦君) お答え申し上げます。
 附則十三条の見直し規定がございまして、そのじゃ見直し対象は何かということになるわけでございますが、その中の一つとして課徴金の在り方ということが挙げられております。
 これは具体的には、正に大きな基本問題なんですが、現在、課徴金と刑事罰が両方あるわけでございますが、例えばそれを行政制裁金、裁量型の行政制裁金に一本化して、少なくとも企業に対する罰金刑はなくするべきであると、こういう御議論があるわけですが、そういったことをめぐって、それが是か非かというようなことを議論するというのがメーンだと思いますが、その際問題になってくるのは、じゃ課徴金の水準は今のでいいのかどうか、それからもろもろの、御指摘の賠償金も含めて、違約金も含めてこういうことが実態としてあるではないか、そのほかには指名競争で指名停止にもなるじゃないか、いろんなことがあるわけでございますが、それらを含めて課徴金の在り方を検討するときは、議論としてはそういう議論が展開されるということは私は予想ができると思っておりますが、違約金との調整という個別具体的なものがこの検討対象になるかどうかということは、今現在イエスともノーとも私からは申し上げられない。これは内閣府において、この検討の場で、具体的な議論の範囲、項目というのはその段階で整理されるものであろうというふうに思っております。
#19
○沓掛哲男君 このことについては附帯決議でもしっかりとうたわせていただきたいと思いますから、それを踏まえて、この場で全体として、トータルとして考えていただきたいと思います。
 各省庁ごとに頭のいい秀才が集まって、そうやって国民、本当に貧しい、やっと生きている、一生懸命仕事をしている人たちを皆さんの秀才の頭で押しつぶしていくというんだったら、これは本当に不幸なことですよ。だから、その皆さんのいい頭をみんなが幸せでやれるように、この場でひとつ是非、違約金なりトータルで考えていただきたいということを強く要望して、次の問題に移ります。
 さて、法第七条の二第五項で、課徴金の納付を命ずる場合において、当該事業者が調査開始日の一月前までに違反行為をやめ、かつ実行期間が二年未満であるときに限り、課徴金を二〇%減ずることができる規定を導入されております。この場合、また一月前までに違反行為をやめたとはどのようにして判断するんでしょうか。一つ、いわゆる調査開始日の一月前までに違反行為をやめたというんですけれども、それはどういうふうにして判断なされるんでしょうか。
 続いてですけれども、また第七条の二第六項では、過去十年以内に課徴金納付命令等を受けたことがあるときは課徴金の率を一五%アップするということですが、これについて、なぜそうなのかを御説明願います。
#20
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 課徴金の引上げの趣旨というのは、そもそも違反行為をやめていただきたいということにあるわけでございますが、それに準じて、違反行為にかかわってしまったと、入札談合の一員になってしまったけれども、コンプライアンスのこともこれあり、自分はやめたいという人も中にはいるわけでございます。そういう人たちにはやはりそれなりのインセンティブを与えるというのが、この法律は何も課徴金をたくさん取ろうということが目的じゃなくて、独禁法違反行為をやめてほしいというためにこういう措置を講じておりますので、そういう早期にやめたいという人に対してもインセンティブは与えるべきであろうと。
 この二割というのは、片方で、もう一つ御質問のありました、十年以内に度重なることをやっている場合には五割増しということ等々を考えまして二割という数字を定めさせていただいているわけでございますが、さて、じゃ一か月前というのはどうして分かるのかと。
 これは、私どもが立入調査をするわけでございますが、そのことは、情報管理はもう十分に気を付けているわけでございまして、仮にそれが漏れて、いつ公取が立入調査に来そうだということが分かって、それでもって一か月前に逆算してやめたということになりますと、これはまあとんでもない話で、それにかかわった職員の問題にも当然なりますし、今までのところ私が参ってからそういうことは起きておりませんし、これからもそういうことは十分に気を付けていかなきゃならない。
 そうすると、立入り日が分からないという前提で、自発的にやめた、それが一か月前であったかどうかというのは、立入調査をやった後それぞれ個別の事業者について、だれが、いつ、どういうかかわり方をしたかというのを本人からも聞きますし、それから相手の、一緒に、談合の場合だったら、やっていた事業者からも聞いて、確かにあの人は一か月前にやめた、いや二か月前にやめていたということが我々の調査、その後の聞き取り等々で、証言等々で立証できますので、それにのっとって一か月前であったかどうかは判定をさせていただくということでございます。
 それから、累犯について五割増しというのは、これは今回一〇%ということにさせていただきましたけれども、現行に比べると六%が一〇%、中小企業は三%が四%でございまして、それなりの大きな引上げでございますけれども、そうであっても今までの例で見ますと、中には、平均で一六・五でございますから、もっと、二割、三割不当利得が発生するということも当然あるわけでございまして、そういうことを考えてやはり繰り返すという人がいる。これはやはりそれだけやり得があると言わざるを得ない。現にデータ的にも、何回もやって公取のお世話になっている事業者というのはやはりそれだけの利益を上げているというようなことも散見できますので、こういったものについてはやはり通常の不当利得以上のものが期待できて、現にせしめていたこともあるということであるので、じゃ、これはやっぱり割増しの課徴金を取るべきであろうという考え方でございます。
 その場合に、倍にするという御意見もあるわけでございますが、私どもとしては、五割増しというのでかなりの抑止効果になるんではないかというふうに考えて五割増しにさせていただいているということでございます。
#21
○沓掛哲男君 一五%増しだと思いますけれども、これ五割なの、五割増しなの。
#22
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 一〇%という基準率に対して五割増し、したがって一五%になりますということです。
#23
○沓掛哲男君 この今の制度は私、非常に妥当だというふうに思います。本当はまずここまで来て、それから次にまた言うべきだったというふうに私は思っています。
 さて、時間もないので次、急ぎます。
 法第七条第二項の規定で、違反行為が既になくなっている場合でも、その事業者に対し排除措置命令等を出せる期間が一年から三年に延長された理由をお尋ねしたいんですが、本来、違法行為の排除は可能な限り早く行うべきものであること、また公取委が企業の事務所に調査で立ち入った事実をとらえて地方公共団体等の多くは指名回避措置を講じております。これは公取の資料でも出ています。等を考えますと、期間延長は事件解明に時間を要する国際カルテルの事案のみに適用し、その他の事件については運用上排除措置命令を発するか否かを従前どおり一年以内に判断し、その結果を当事者に通知するなど適切な措置をとってもらいたい。
 ちなみに、命令を出せる期間が一年のため、時間切れで出せなかった件数なりあるいは率なりがお分かりだったら併せて教えてください。
#24
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 現在、課徴金につきましては、違反行為が確認できてから三年以内であれば課徴金を課せるということになっておりますが、排除措置に関しましては、一年たったら排除命令がもう打てないということになっております。
 今回それを課徴金と併せて三年間にさかのぼれるようにさせていただきたいというお願いをしているわけですが、この心は、正に一年たったら排除命令が出せなくなってしまうと。しかしながら、現実には二年前、三年前にやったものであってもその影響が残っていることがあるということは間々あるわけでございまして、そういったものにもやはりきちんと再発防止でありますとか排除措置が完璧であるか、それから消費者に対してそれがきちっと、やめたということが伝わっているかというようなことについて措置をとる必要が同じようにあるというふうに思っております。
 したがって三年に延ばさせていただきたいということでございまして、これは時々一部に誤解を招いている節もあるかと思っているんですが、我々の審査期間が手間取るから、一年では事件が処理できないから三年に延ばしてほしいということを申し上げているわけじゃ毛頭ございません。これはあくまでも、三年にさかのぼって摘発できるようになっても審査期間はできるだけ短くすると、今でも九か月ぐらいをめどにやっておりますが、その精神には一切変えないでやっていきたいというふうに思っております。
#25
○沓掛哲男君 それは、国際カルテルというような大きな事件については、それは長時間掛かってもしっかり、三年掛かってもやっていただきたいけれども、今、委員長言われたように、今までも九か月を目標にやってこられたし、地方の小さな、いろいろな国内的な問題については、やはり一年をめどにひとつ是非やっていただきたい。
 その三年間のものをさかのぼってやれるから、だからこれも三年だというのはそこにちょっと問題があるんで、過去のものを、三年間においてやったものは処罰できるけれども、しかし処罰することを決定するのはできるだけ短くやってもらわないと、グレーのままでいると会社はもう指名、発注者は停止しますよ。私らもそういう立場あったけれども、ややこしいことはもう勘弁してもらいたいというのが役人の皆さん方のもう通説ですから。ですから、できるだけ国内のものについては一年を以内にめどにして、はっきりシロクロを決めてやってください。自分のことばっかり考えないで、やられる側のことも少し是非考えていただきたいと思います。
 さて次に、課徴金と罰金刑が違反事業者に併科される場合の措置についてですけれども、同一の事業者に対し同一事件について課徴金と罰金刑が併科される場合において、課徴金の額から罰金額の二分の一に相当する金額を控除する措置を新たに設けることとしておられます。その理由を説明してください。
 課徴金も率が高まり、制裁的、先ほどからの出てくる制裁的な色彩を持ってきたから、ある程度調整しようということなのか、そうでないなら、罰金額の二分の一を課徴金から差し引くことで課徴金と刑事罰の関係がなぜ調整されるんでしょうか。
#26
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 刑事罰でございますけれども、これは当然、違反行為に対して、その悪質性等にかんがみて社会的な制裁を加えるというものなわけですが、同時にこの刑事罰というものは、したがって、そういう罪を犯してはいけませんよと、やめなさいという抑止、一般予防効果というふうなことに言われておりますが、そういう効果も持っているというふうに言われているわけでございます。一方、課徴金は、これは正に抑止力でございまして、独禁法違反行為をしないようにしてほしいというための抑止効果をねらったものでございまして、課徴金はその実効性を確保するための措置であると、こういうことなんです。
 そういうふうに申し上げますと、結局は、その予防効果という刑事罰が持っている一面の効果と課徴金がねらう目的とが同旨ではないのかと、同じような部分が一部あるではないかと、こういうことがございまして、それなれば課徴金から刑事罰相当、罰金相当額をある程度調整するということがあっていいではないか、こういう政策判断をしたわけでございますが、その際に二分の一とさせていただいたのは、丸々差っ引いてしまったんでは罰金の有り難みといいますか、その効き目がなくなってしまうではないかということがございまして、二分の一という分かりやすい、半分ということにさせていただいたということでございます。
 本来であれば、刑事罰と課徴金というものは、片や正に刑法に基づく道徳性、社会性に基づいたものでございまして、片や行政上の措置でございまして、これは基本的にも目的も手続も違うわけでございまして、両方併科しても何ら憲法三十九条の二重処罰の問題にならないというその基本的な考え方は私ども持っておりますし、それは大方、司法の世界でも学会においてもそれは多数説であるというふうに私どもは勉強の結果、認識しておりますけれども、そういう意味では両方を単純に併科するという考え方もあるのかもしれませんが、今回は政策的判断として、そこは二分の一調整をするのが適当であろうと、こういうことにさせていただいているということでございます。
#27
○沓掛哲男君 いろいろ申し上げたいけれども、次、移ります。
 次は、措置減免制度の導入についてお尋ねいたします。国際カルテル事件の摘発のためにこの措置減免制度をやるというのならよく分かります。それは、対象となるのは大企業などこの制度を十分理解している限られた企業であり、ますます激しさを増す国際化時代に国益を守るための必要な措置だと思うからです。今この制度を我が国の隅々で活動している中小企業にも適用するには、多くの問題があります。
 この制度の対象になる、最初に公取に駆け込んで違法行為にかかわる事実の報告及び資料の提出をする者はどのような動機でこういう駆け込みをやるというふうに公取側ではお考えですか。
#28
○政府特別補佐人(竹島一彦君) それはやはり、自分の経営のことも考えたり、社会的な責任とかコンプライアンスというようなことにも配慮して、やはり違反行為については自首をして、その結果、課徴金も減免を受けられるならその方がいいという社長の判断が期待できるわけでございまして、それを期待してこういう制度を入れるわけでございますが、まあ中には、これをいいことに、他人を不利にさせようということで公正取引委員会にこの制度を使って情報を提供するという人たちもいるかもしれません。しかし、そういった人たちはこの課徴金減免制度の適用にはなりませんので、私どもはそこはきちんと吟味をして、悪用されることのないようにやっていきたい。
 また、それはそれぞれごとにきちんと調べますので、そういった、自分のことは棚に上げて他人のことだけ言ってくるというようなものは、それは受け付けないということできちんとさせていただきますし、そういうことは十分に、この法律が成立させていただければ、社会に対して私どもが、このリーニエンシープログラムという課徴金減免制度はどういう手続でどういう人たち対象にやるんですということを、きちんと規則を作って、それをパブリックコメントにも付して、世の中にきちっと徹底させていきたい。したがって、悪用するということは、そういう意味で当然防いでいかなきゃなりませんし、現実の執行に当たっては十分私どもとしては気を付けてまいるつもりでございます。
#29
○沓掛哲男君 委員長の言われたとおりやってもらえればいいんだけれども、委員長や公取のいる立場と、世の中の現実に取り締まられる人たちが置かれている立場というには、余りにも私、乖離というか、段差が大きいんだと思いますよ。
 そこで、今、例を一つ挙げてみたいんですけれども、例えば建設業界を例に取れば、平均の営業利益率が一・四三%と最低の状態で、今後の事業量も減少傾向にあり、生き残れるか倒産かの瀬戸際にある会社がたくさんあります。
 この密告制度、私は、リーニエンシーと言われたけれども、後ほどまたこのことは議論します。
 この密告制度が相手を倒す手段として濫用される危険性は極めて大きいと思います。密告制度には一面このような危険があるということを理解されているでしょうか。今、幾分そういうものも一つのパターンにあるというお話でしたけれども。
 また、申請事業者の報告等が虚偽であっても、マスメディア等で大々的に報じられれば名前の出た企業は指名回避等により大打撃を受け、後日報告が間違っていたと分かっても大きな傷跡あるいは倒産ともなりかねませんが、これらにどのように対応されるのか。悪用されることのこれがないように十分な措置を講じていただきたいし、とともに、また悪用した者には厳罰に処してもらいたいと思いますが、この法律ではそういう悪用者を特に罰することはできないんじゃないですか。
 今、委員長、適切な措置を講ずると言われましたけれども、具体的にどういう措置があるんでしょうか。
#30
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 確かに、悪用した者に対する罰則はこの法律には設けられておりません。そういう悪用した者にリーニエンシーが適用されないと、課徴金減免制度が適用されないというだけでございます。
 それからもう一つ、そういう間違った情報が世の中に出て迷惑をする企業が出てくるというようなお話もございましたが、そういうことはございません。これはもうリーニエンシーで申告した者について、その段階で世の中にオープンにすることはいたしません。当該事業者に、一番目から三番目の者に対して、あなたは一番目です、二番目です、いや、あなたはもう三番目にも入っていませんよということはお知らせしますけれども、どういう情報が来ているのかというようなことについて天下に公表することは考えておりませんので、不測の、何といいますか、間違った情報が流れて大変な迷惑を被るという企業は出てこないわけでございます。
 したがって、このリーニエンシーというのはあくまでも、黙って、今のような状態でありますと、国際カルテルはもちろんのことでございますが、それ以外のカルテル、談合については、結局、密室で決めて証拠も残さないと。その上に大変有能な弁護士も付いているという世の中になっておりまして、今のままではなかなか本当の意味の不正というものが暴けないという実情があるわけでございます。そこで、その若干の、若干といいますか、その者に対してはインセンティブでございますが、課徴金減免というものを与えることによってそれ以上の悪、それによる社会的な損害を被っているものを排除しようというメリットを得ようという制度でございます。的確な情報をいかに得るかというところに目的がございますので、そういう意味で、それに該当しないものは当然排除しますけれども、悪用についての罰則というところまでは手当てをしておりません。それでまた十分に動くだろうというふうに思っております。
#31
○沓掛哲男君 何も、駆け込んだ業者の情報を公取委員会がそれを外に漏らすということを言っているのじゃありません。駆け込んだという事実、恐らくそういう状態ではいろいろ情報が入るでしょうから、マスメディアやその他がその周辺をいろいろ歩いて、そしてこういう問題だ、ここだここだという、そういうことをすることを申し上げているんで、公取さんが直接そういうPRする、そういう話をするということを言っているんではありません。
 そこで、今、公取委員長はリーニエンシーという言葉を言われました。今私はここで措置減免の減の方は余り問題にしていません。免の方です。いわゆる駆け込んで、一番先に、そしてこういう人らと二年間一緒、そういうことを、談合やってきたということを伝える。そうしたら、その人は他人を罪に陥れることによって自分だけがすべてが免罪されるという、そういうことなんで、リーニエンシーというのは、これは優しい行為、寛大な措置行為なんです。私はこれは、密告制度というのは、密告というのはひそかに告発することなんです。今、この飛び込んだ人に対しては公取は確かに優しいかも、その人にとってはリーニエンシーかもしれません。しかし、一般の人を巻き込んで大混乱に陥れる、その原因をひそかに告発することの方がずっと分かりいいんじゃないですか。
 リーニエンシーとか措置減免とか言うから世の中、何にも分からないんです。非常に、頭のいい人はすぐそういうふうに、分からない、難しい言葉を使って、実態をよく教えないんですね。日本人のそういう悪い癖だと思います。やっぱり戦争中も、全滅した、そういう全滅したのにもかかわらず玉砕という言葉を使って、玉と散った、崇高な美しいことだ、みんな続けといって、そしてああいう悲惨なことになったんですよ。ですから、やっぱり事実は事実で、そういうリーニエンシーなんていう上品な言葉じゃなくて、日本人なら日本語で密告制度というふうに、そういう制度のものをきちっと国民にPRして是非いただきたいというふうに思います。
 そこで、次にお尋ねします。
 一番目の申請事業者について、一番先に駆け込んだ人について三つお尋ねしたいと思います。
 一つは、このことによって課徴金は確かに免除されますけれども、会社や個人の刑事責任はどうなるんでしょうか。
 それから、発注者の違約金について、何か発注者に対して、こういう行為をしたんだから違約金をどうしろとか、そういうことを言われることはあるんでしょうか。
 それとか、三つ目、少なくともそこで非常に、三つ目なんですけれども、少なくとも不当利得を確認、この一番先に飛び込んできた人も不当利得をしているわけですね。そういうことを確認しながらそれを回収しない。すなわち、その密告者にとってみれば正当な利益に加えて不当な利益も上積みして持っている、そういう密告者だけがぬくぬく太ったままでよいんでしょうか。国民の税金をそうやってやって、そしてそれについて取り上げない、そういうことはなぜできるのか。それは密告の謝礼金なんですか、それとももっとどんどん密告者が出てきてほしいという推奨金なんですか。お尋ねしたいと思います。
#32
○政府特別補佐人(竹島一彦君) まず、課徴金減免制度を使って申告してきた事業者、第一番目の者についてはこれは告発をしないというのが我々の方針でございまして、これは法律成立後の告発方針の、新しい告発方針を定めさせていただきますが、その中できちんとうたわせていただきたい。
 二番目、三番目については、これはケース・バイ・ケースといいますか、一概に告発しないとは言い切れません。告発するとも言い切れない。その辺はそれぞれの個別の事案に接して判断をしていくということになると思いますが、少なくとも一番目の者について刑事告発をしないという私どもの方針につきましては、これは法務省さんの方でもそのことについては、公正取引委員会が専属告発権も持った上でそういう判断をしたということについては十分尊重していただくと、いただくということに、お聞きをしておりますので、そこはスムーズにいくだろうというふうに私どもは思っております。
 それから、二番目の違約金についてどうするんだということでございますが、これについては特別の手当てをしておりません。違約金は、最初の方の御質問にもかかわりますけれども、これは発注者側が民事上の措置としてこういうことをやっておられるわけでございますので、これについて私ども、この課徴金減免制度で課徴金は減免になったけれども、違約金も減免してくださいと言う立場でもございませんし、それは発注者側でお考えいただくべき話であると思います。
 三番目の、じゃ本人はただにしてもらって、それは不当利得を懐に入れることになるではないかと、それは御指摘のとおりでございます。それをどのように、先生の言うように謝礼とあれするかどうかは、それはもう先生の御判断でございますが、いずれにしてもこのインセンティブ、そういうインセンティブを与えて、それできちんとした情報を得て、談合であれば税金の無駄遣いにもなっているわけでございますし、それからカルテルであれば、それを買う、買って加工する事業者も最終の消費者もみんな大変な経済的な損失を被っているわけでございますので、そういう損失を是正させるという大きなメリットがあるわけでございまして、その正にはかりに掛けた場合に、その本人、違反行為を犯していたんだけれども、本来は払うべき課徴金を払わないということのマイナス面を補って余りあるものがあるというふうに考えておりまして、そういうものとして御理解をいただきたいというふうに思います。
#33
○沓掛哲男君 それでは、次に移ります。
 まず、法務省にお尋ねします。
 司法取引について法務省ではどのように考えているのか、検討状況、まだ導入されておりませんけれども、その理由をお尋ねいたします。
#34
○政府参考人(河村博君) お尋ねの司法取引につきましては、一般的には被告人側と検察官側が訴因、つまり、いかなる事実、罪名で起訴するか、求刑などにつきまして交渉いたしまして、この事件処理について合意すると、取引を行うということでございまして、アメリカなどにおいてはこうした司法取引が広く活用されているものと承知いたしております。
 この司法取引につきましては、取調べにより供述を確保するという従来の捜査方法の限界を補完する面がございまして、密行性、組織性の強い犯罪等への有効な対処方策となり得るものと考えられるわけでございます。
 しかしながら、一方で、司法取引につきまして、我が国の国民の法感情、公正感に合致するかなどの観点からの検討の必要性も指摘されているところでございまして、我が国への導入の可否やその内容などを検討するに当たりましては、諸外国の制度や運用の実情の調査分析などを踏まえながら、我が国の実情に適したものとなるかどうかなどにつきまして十分検討しなければならないものと考えられます。
 したがいまして、現時点におきまして、その導入の可否等について直ちに結論を導くことは困難でございまして、今後とも引き続き多角的な見地から調査検討をしていく必要があるものと考えております。
#35
○沓掛哲男君 ただいま説明のあったように、司法取引は今のそういう状況ですが、司法取引とこの密告制度ではもちろんそのいろいろな技術的に違うところはあります。司法取引は今言ったようにもう捕まった人、それから密告制度はまだ捕まらない人、そして内容についても、今のような中でのいろんな取引をするとか、こちらは一定的にやるとかいう、そういう違いはございますけれども、それは上辺のことで、この根源というのは何か。この司法取引であり、密告制度の根源というのは、他人を罪に陥れることによって自分は罪から逃れようとする、逃れる、そういう根源がこの一番基本にあるわけです。
 このことは我が国始まって以来の大変重大な法制度となると思いますから、本当はやっぱりこの司法取引、そして密告制度、そのことはどこかで一緒になってきちっと議論してもらって、日本としてもこれからこんなふうにやるんだと、もう人を陥れても自分は助けられる、そういうようなこともやるんだと、そうしなきゃ日本はもたないんだという、そういうことでもあれば非常に分かりやすいし、是非本当は一体でやってもらいたかったんですよ。
 しかし、ここで、司法分野よりもここに先に独禁法でそういう密告制度が入るということは、司法分野よりも独禁法の経済分野への導入を急がなきゃならなかったという、どういう理由があったのかをお尋ねしたいんです。それと、司法取引と密告制度を一緒に議論する場を設けて検討する方が本当は国民に分かりやすかったんではないかなというふうな思いがするんですが、まあ何はともあれ、この現在法律にそういう制度が入ってきているわけですから、司法取引よりもこちらの方を優先して出してきたということはどういうことなのか、教えていただきたいと思います。
#36
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 司法取引については、先ほど法務省の方から御答弁がございましたように、大変大きな影響のある、正に司法の基本にかかわる話だと思います。
 この課徴金減免制度というのは、これは競争法の世界ではもう国際的に、簡単に申し上げれば、日本、大きな国で入れてないのは日本だけでございまして、これはアメリカのように司法取引のある国だけでそれが行われているわけじゃなくて、EUは司法取引はないと私は承知しておりますが、それにもかかわらず課徴金減免制度は入れておるということでございます。お隣の韓国もそうでございます。
 それは、思うに、やはり機能面に着目しているわけでございまして、競争法違反、独禁法違反というのは密室で行われる、証拠も残さないという典型的な企業犯罪であると。これを効率的、的確に摘発するにはやはりこういう制度がないと、結局は分からずじまい、疑わしきは罰せずという壁の下にそういう不正が摘発できないということで終わってしまう。それでいいのかということがそれぞれの国で問われて、やはり確かに本来課すべきものを課さないということについてその議論はあるかもしれないけれども、それによってその大変大きな損害を社会的に被るような違反行為については正にきちっと摘発をしなければいけないというやっぱり考え方が多くの国々で採択されている。
 今、先生がおっしゃっておられる物の考え方、ヨーロッパのような古い国々でもそういうことがあったそうでございますが、やはりそういう議論を経て、そのような国でも導入をしている。OECDは、そういったことがカルテルの抑止にもなるし、摘発にもなって、公正な競争秩序を回復するために有効な手段だからこれを採用すべきであるということを勧告しているわけでございますが、今申し上げたような実態にかんがみまして、日本においてもその点においては変わりがないということでございますので、司法取引という基本的な議論とは切り離して、これはお考えいただけるものというふうに思っております。
#37
○沓掛哲男君 まあまあ、今、そのアメリカや欧州とはまた日本はいろいろ違うんですが、私がここで今幾ら議論をしても、それは沓掛個人の意見だと言われるので、じゃ、私以外の方ですばらしい方がこうおっしゃっているので、それをお話ししたいと思います。
 それは、穂積陳重先生の教え、戒めです。穂積陳重先生は、公取委員長、もちろん御存じのとおりで、我が国の民法の祖と言われた方です。非常に立派な方で、この人の著書に「法窓夜話」というのがございます。そこでこういう例を挙げておられます。
 竹内郡奉行が賭博を撲滅するために取った措置、すなわち賭博に負けた者が訴え出たときには、相手方を呼び出し、対審の上、勝った金を返させることにしました。そうしたら、賭博はたちまちなくなったのですが、しかし先生は、これは根本的に誤れる悪法である、公が人民に不徳を教えるごときは賭博より善良の風俗に反する、立法者の心して避くべきところだと言われております。穂積陳重先生は、ほかもずっと読んでみると本当に立派な方で、やっぱりこの本は是非ひとつ公取の皆さんにも読んでいただいたら、私、いいなと思うすばらしい本です。その穂積陳重先生がこういうふうにおっしゃっておられます。
 そこで、私なりに申し上げたいんですが、日本人にとって全く異文化の密告制度の導入ですから、業界、国民に十分広報し、理解を得て発動してもらいたい。そういうことは、先ほど来、誤解を生ずることのないことになるんだと思います。
 そこで、現状でこのような密告制度を話しても、本当にどの人に聞いても信じ難いという人ばかりです。昨日、法務省の方がこのあれを聞き取りに来たんですけれども、その人が、いや、あれは自首でしょう、公取さんの言われるのは、要するにもうこういうことしていて悪かったと謝って出る自首なんでしょうとおっしゃっているんですよ。自首なら自首でいいですよ。自分は二年間やってきてこれだけ悪かったんですからと言って出るんならいい。そうじゃなくて、公取さんとしては、みんなやってきたのを全部一緒に抱え込んできてやらなきゃこれは発動されないんですから、えっというような顔をしておられました。
 さて、道徳、倫理はこういうことでどこへ行ったのでしょうか。この密告制度は、国際カルテル事件等への適用と国内の事業者、特に中小企業への適用とを区分して、前者の国際カルテルには大いにやってください、それは大いにやっていただければいいんだけれども、地方のちっぽけなやっと生きているようなそういう企業等については十分なアカウンタビリティーを果たしてからにして、この導入を考えてもらいたいと思います。それについていかがですか。
#38
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 制度は、大企業も中小企業も別なくこの課徴金減免制度は適用されるわけでございますが、私といたしましては、やはり国際カルテルなり大企業なり、そういう大きな社会的な影響の大変大きい違反行為を摘発するためにこれが利用されるということが望ましいというふうに思っております。地方の小さい入札談合事件を解決するためにこれが用いられるというのは、この制度を入れようとする主な趣旨ではございません。
#39
○沓掛哲男君 公取側がそう思っても、これは、こういうことが導入されれば、本当に今の企業にとっては、自分がつぶれるぐらいなら人をみんなつぶして自分だけ生き残ろうと考えるのは、これは経営者としてそんなに責められることではないんで、やはり十分の説明、こういうものだということを十分国民にも理解させ、事業者にも理解させる、そういう十分な努力をしてからこのことを是非導入していただきたいというふうに再度申し上げます。
 次に、犯則調査権限の導入についてお尋ねします。
 現行の行政調査権限に加え、刑事罰の調査を目的とする犯則調査権限を導入するとのことですが、その必要性について説明してください。現行の行政調査権限で調査ができない事例はどの程度あるんでしょうか、分かれば教えてください。
#40
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 最後にお尋ねの点は、これはどの程度あるかというのは、なかなかこれ、我々としても分かりようがないことでございますが、まず前段の方、何ゆえにこれを、犯則調査権限を導入するかということでございますが、二つばかり申し上げたいと思います。
 一つは、やはり今の行政調査権限のままでは実態を解明するにいま一度足りないところがある。当然、これは任意でございますので、分かりません、知りませんと言っていればそれで済むわけでございまして、我々の調査の、行政調査権限の限界というものも当然ございます。企業が正直に協力してくれるという企業ばかりではございませんので、そういうことがありますので、やはりこれは令状に基づく強制調査権限をもって、悪質、重大な事件と思われれば思われるほど、そういうものをきちっと使って実態の解明をするということが必要になるというのが一点でございます。
 それからもう一点は、現在、行政調査権限しか持っていない公正取引委員会が重大、悪質なものについては告発するということになっておりまして、現に、そんなに多くはございませんが、告発もしているわけでございますが、そうすると、調査権限は行政調査権限だけしか持っていないのに、それで得たその情報なり証拠なりで刑事告発をするというのは適正手続上問題があるのではないかという御議論も今回の改正の作業の中でありました。
 そういう御指摘もございましたので、なおのこと、告発する場合には犯則調査権限を用いて、強制調査権限に基づいて告発に持っていきますし、そうじゃないものは従来の行政調査権限でやるという意味で、適正手続上の要請にもかなうものであるというふうに思ってこのように提案させていただいております。
#41
○沓掛哲男君 今、委員長言われたように、重大事件で告発するような、例えば大きな国際カルテル事件や再犯とかいったようなそういうものであるというのは、ならば非常によく分かりますので、そういう形で、従来の普通のものについては行政調査権限で臨むし、そういう、今申し上げたようなものは犯則調査権限でやるという、そういうことであればそれを理解することができます。
 さて、それから、時間もそろそろあれなんで、今後の制度の一つ、先ほど見直しで一つ申し上げました。それは違約金と課徴金でしたけれども、その以外に、この附則十三条による二年以内の見直し対象について、先ほど申した違約金と課徴金の調整、そのほかに、二番目、課徴金減免制度そのものの在り方についてはここで検討するということだと理解していいんですか。それから三番目、排除措置命令前の適正手続の確保。排除措置命令に至るまでには調査に入ったりいろいろするわけですが、その排除措置命令前の適正手続の確保、これについてもここで検討するということだと理解しているんですが、それでよろしいですか。
#42
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 二年後のその附則十三条に基づく制度見直しでございますが、これは制裁の在り方、審査、審判の在り方というようなことになっているわけですが、具体的に、じゃその中に何が盛り込まれるかということでございますが、先ほどの御質問にもございましたが、違約金と課徴金の調整の話というのは、課徴金の在り方をめぐった議論の中で、国土交通省さんも先ほどおっしゃっているわけでございまして、今回の改正法の議論の中でも建設業界からもそういうお話があったわけでございまして、これはそういう議論が行われるだろうということは、私は個人的には予測できますが、違約金と課徴金を調整するというのが今回のそのテーマとして、それを必ずテーマにするということが今の、今現在私の立場から申し上げられることではないというのは是非御理解をいただきたい。これ、内閣府におかれて、そういうものでございます。
 それから、その際に、課徴金減免制度そのものも見直しの対象になるか、これは課徴金をめぐる話として対象になり得ると思いますが、二年以内にどこまでそれを検証するための実績が上がってくるかということとも関係すると思いますが、それはあり得る。
 それから、排除措置命令の事前手続についてのお話もございました。これはもう私ども、どんどん、この改正が認められましたら、もう関係方面、経済界等も関心を持っておりますので、そことはもう議論をして、できるものはどんどんやっていこうと思っております。その上で、なお検討すべきことがあるかどうか、あればそれは検討対象になるだろうというふうに思っております。
#43
○沓掛哲男君 それでは、ダンピングについてお尋ねします。
 公共工事の入札において、いわゆるダンピング受注に対して公取委として何か措置を講じられてきたのか、これからしてもらえるのか、お尋ねしたいんですが、公共事業の契約は一般の物品等の購入の場合と違いまして、その時点でいわゆる対象物が存在しておりません。発注者と受注者の信頼の下に契約で決められた形状と品質のものをこれから造る契約であります。採算を度外視した価格、いわゆるダンピング価格で受注された場合、形状は確保されてもその品質の確保には常に一抹の懸念がございます。
 この対策として、過度な競争から生ずるダンピングをなくするため、公取として、今までとられた措置あるいはこれからとられる措置など、各省とも連携しながら、是非ひとつこのダンピング問題に対応していただきたいと思います。
#44
○政府参考人(楢崎憲安君) 建設業における不当廉売につきましても、一般の不当廉売と同様に、独占禁止法上問題になるわけでございます。ただ、私ども、不当廉売と思われるような情報があれば出してくださいというふうなことを要請していたわけでございますけれども、なかなか情報が我々のところには届いてこないということもございまして、平成十五年十一月以降、国土交通省さんとか各都道府県に対して、いわゆる低価格入札制度の対象となる案件について御報告をいただいたわけでございます。
 これが七百件あるという報告が来てまいりました。私どもとしては、その七百件の中でまず、これは問題だなと思われるものについてまず調査をして、長野県の業者に対して警告をしたところでございますし、またその以外の七百件の中から百社ぐらい大規模な事業者を選定いたしまして、実行予算はどういうふうになっているのかというふうな個別調査をいたしまして、さらにその中から問題のある案件としても一件警告をしたわけでございますけれども、それと同時に、独占禁止法上の不当廉売の、建設業における不当廉売の考え方というものを公表いたしまして、先生がおっしゃったように、工事をする前の原価をどういうふうに考えるかということが大きな問題になるわけでございますけれども、入札をするときの積算価格、それからさらに、建設業界では実行予算と、落札をしてそれからどういうふうに経費を算定するかというのを、実行予算というものをつくっておられるわけでございますので、そこにおける工事原価を下回るということになると独占禁止法上の不当廉売の価格要件は満たすと、そしてまた個別に競争への影響というのを考えていきますと、そういった具体的な考え方というものを公表しているところでございますし、またそういった考え方に従って建設工事の不当廉売というものについて適切に対処していきたいと考えております。
#45
○沓掛哲男君 最後に、二つ要望して終えたいと思います。
 一つは、独禁法の競争政策は我が国の経済産業政策を効果的に実現していくための手段であります。また、公取委員会は、その職務の遂行を内閣から独立して行える優越的地位にある官庁ですから、経済産業にかかわる他省庁の政策に配慮あるいは連携を密にしてこの競争政策の実現を図っていただきたいということが一つ。
 もう一つは、近年、公取が米国、EUの競争当局との連携を密にされていることは、経済のグローバル化時代にとって、自由な貿易、投資活動を妨げるような国際的カルテルを監視、排除するために必要なことですが、歴史、伝統、文化の異なるこれらの国の規定を直ちに日本に適用するには無理なものもありますので、グローバリゼーションにウエートが行き過ぎないよう、常に我が国の伝統、文化にも配慮しつつ競争政策を遂行していただきたいと思います。
 以上で終わります。
#46
○松あきら君 公明党の松あきらでございます。
 私は、四月六日の本会議場でも質問をさせていただきました。本日は、私は少し大きな、全体的な大きな視点から、また同僚の浜田議員は不当廉売あるいは優越的地位の濫用あるいは中小企業といった問題、絞った問題ですね、をそれぞれ質問をさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
 今回の改正案は、正に課徴金制度が導入された昭和五十二年の改正以来二十八年ぶりの改正となるわけでございます。私は、もとより公取と申しましょうか日本の国は、日本の企業に対して過重な負担を与えるとか、あるいはましてや企業をつぶすとか、そのようなことは決してないというふうに思っておりますけれども、今こうしたグローバル競争時代の中におきましては、やはり不正に対しては片目をつぶるようなことがあっては決してならないということで、今回の私は改正は非常に大きな意義があるものと思っているところでございます。
 まず、大規模国際カルテル事件への対応についてお伺いをいたします。
 我が国の独占禁止法の大規模国際カルテル事件に対する取組でございますけれども、人造黒鉛丸形電極事件あるいはビタミン事件、リジン事件という日本企業を含む国際カルテル事件について、EU、米国におきましては、これは本会議場でも申しましたように、一社当たり、時には百億円を超える多額の制裁金あるいは罰金が科せられております。
 他方、我が国におきましては、人造黒鉛丸形電極事件あるいはビタミン事件では警告にとどまりまして、リジン事件については措置すらされていないわけでございます。これについてはなぜでしょうか、まずこれをお伺いいたします。
#47
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 一番大きな理由は、日本に課徴金減免制度がなかったからだというふうに私は思っております。何となれば、ほかの国は自力でこの事件を解明したんではなくて、すべてリーニエンシーを使って、申告してきた企業から情報を得て摘発をしているということでございまして、その際日本になかったものですから、申告してくるメリットがなくて日本にはその情報がもたらされなかったということでございます。
 外国においてそういう事件が調査されているということを知って時の公正取引委員会も動いたわけでございますけれども、残念ながら、証拠をきちっと得ることができなかったということで、警告ないしはそれ未満の措置にとどまらざるを得なかったということだと思っております。
#48
○松あきら君 リニエンシーがなかったからというふうにおっしゃいましたけれども、今回この改正案では、沓掛先生も御質問なさいましたこのリニエンシー制度、制裁減免制度というものが導入をされ、これがまた大きな柱の一つとなっているわけでございます。
 アメリカあるいはEUでは既にもうこのリニエンシー制度が導入されまして今のような大きな効果を上げていると、こう言われておりますけれども、我が国においてもこのリニエンシー制度の導入は違反行為の摘発あるいは事案の解明が進む有効な手段と果たしてなるのでしょうか。
 他方、我が国では課徴金の算定率については裁量の余地がありません。米国、欧米諸国とは異なり、柔軟性がないものとなっております。こうした中でリニエンシー制度を導入しても効果が上がらないのではないでしょうか。例えば、企業の法令遵守体制の整備状況なども考慮するような柔軟な制度にすべきであるという意見もあるところでございますけれども、この点についてどのようにお考えか、お尋ねをいたします。
#49
○政府特別補佐人(竹島一彦君) リーニエンシー制度は、一方で、違反行為に対するペナルティーが厳しくなければ課徴金減免制度で手を挙げる人はいなくなると、そういうことが言われておりますし、実際そうだと思います。
 違反行為で仮に摘発されても、罰金や課徴金がちっちゃければ、発見される確率との関係でわざわざ自首していく必要はないと、こういう判断になるわけでございますから、リーニエンシー制度が有効に働くためには厳しいやっぱりペナルティーが一方でなければいけませんというのは、これは東西を問わず言えることだと思います。
 それに対して、日本の場合は裁量がないからという話は、これは私は直接関係がないんじゃないかなと。向こう、欧米において有効に機能しているというのは、非常に捕まった場合のペナルティーが厳しいからということが背景にあってということは言えると思いますけれども、裁量的であるか非裁量型であるかによってその効果が違ってくるということはないだろうというふうに私は思っております。
 それから……
#50
○松あきら君 法令遵守。
#51
○政府特別補佐人(竹島一彦君) それから、法令遵守、コンプライアンスの点もお話がございましたが、私ども、これは今回この法案の作成作業でいろいろなところと御議論したわけですが、その中で、コンプライアンスをやっていれば、それをちゃんと評価して減免に結び付くようなことにならないのかという御議論もございましたが、その際、欧米においてどうなっているかということも調べました。調べましたら、結論的には、制度上はコンプライアンスを考慮するというようなことになっているアメリカであっても実際はそれは使っていないということが私ども調査で分かりました。
 それは、言ってみれば当然なんですが、コンプライアンスをやっていればそういう違反行為をしないはずなのにもかかわらず、コンプライアンスをやっていたけれどもうちの社員はやりました、コンプライアンスを前向きに評価して課徴金を減免してくださいというのはむしろ逆ではないのかということでございまして、いずれにしても、コンプライアンスプログラムを持っているから課徴金についてしんしゃくするということは取るべきではないという考え方に立ちました。
 むしろこういう制度ができますと、今まで仮に営業部門にだけ任せておいた社長さんがもっと、コンプライアンスプログラムの実効性という意味で、社会的な目もありますから、そういう情報が入ったときにきちっと自分の責任において企業として自首をしてくるということにむしろつながっていく、そのためには、社内においてコンプライアンス制度というのがきちっとしていないと、形だけ、口だけのコンプライアンスをつくっていても駄目ですということにもなってまいりますので、そういう意味で、このリーニエンシー制度というものの導入は日本のコンプライアンス制度をちゃんとしたものにするという効果を持つんではないかというふうに思っております。
#52
○松あきら君 そうしますと、このリニエンシー制度を導入すると、こうした我が国でも大規模国際カルテル事件、こういうものの対応も可能になるというふうに思ってよろしいんでしょうか。
#53
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 先ほど先生がお触れになりました国際カルテル事件、この中に日本の大企業もかかわっておったわけでございますので、日本の大企業も、今やアメリカ、ヨーロッパにおいて向こうのリーニエンシープログラムを使って、やっていましたといって自首しているわけでございまして、それで減免制度も受けているという実態がございますから、当然、日本でリーニエンシー制度が認められたらそれを使ってくる、日本では使わなくてアメリカ、ヨーロッパだけしか使わないという理由は私はないと思っております。
#54
○松あきら君 それでは、課徴金額の算定率についてお伺いをいたしますけれども、現行の独禁法においては、大企業の一社当たりの課徴金額平均見ますと、日本が、約ですけれども、三千七百九十三万円であるのに対して、EUでは制裁金額の平均は何と約二十七・八億円となっているわけであります。
 EUの行政制裁金は総売上高に対して一〇%以下を乗じた額が制裁金となりまして、日本では対象商品に対しての六%を乗じた額が課徴金となるという、こういう違いはもちろんあるんでございますけれども、七十倍以上の差があることの原因はどこにあるとお考えでしょうか。
#55
○政府特別補佐人(竹島一彦君) これは、やはり欧米の考え方というのは、競争法違反行為というのは極めて悪質な行為である、したがってこれは正に厳罰をもって対処すべきものであるという基本的な哲学、考え方があると思います。
 したがって、日本のように当該商品、サービスの売上高ではなくて、その会社が一兆円の売上げがあれば全世界の売上高の一〇%までは制裁金が科せるということになっているわけでございまして、極めて天井が高い。しかし、天井を目一杯取っているわけじゃないわけでございますが、天井がいずれにしても非常に高いということ。それから、基準額がやはり売上げにすると二〇%というところからスタートして、大企業であるか、繰り返しているか、重役がかかわっているかというようなことで、どんどんどんどん加算をするということでまた高くなっていくという仕組みにヨーロッパの場合なんかはなっているわけでございます。
 それにしても、随分金額が違うというふうに思われると思いますが、やはり大きいのは、EUは、正にEUの中の国境を越えるようなそういう取引をウオッチしているわけでございまして、ちっちゃい話は全部加盟国の競争当局が処分しているわけでございまして、日本のように全部やっているわけじゃございませんので、日本のように入札談合が多い、それも結局は八割方中小企業だと、こういうことになりますと、どうしても下がってきちゃうと。そういう、その対象範囲とそもそものペナルティーの厳しさと両方が関係してこのような乖離になっているというふうに思います。
#56
○松あきら君 今回、この六%から一〇%へ引き上げられると、単純に計算しますと日本も六千三百二十二万円になる、こういうふうになると抑止効果もあるということなんだと思います。
 他方、いろんな意見があります。今回、この売上高に乗ずる算定率、原則一〇%に引き上げることになりました。しかし、同じ独占禁止法違反行為でも、事案によってその利得の程度やあるいは悪質性の程度は千差万別なわけでございます。こうしたことから、課徴金の算定率を一律、画一的に引き上げるということは事案の内容に比べて不当に重い制裁が科されるおそれもある、これも声が出ているところであります。
 今回、公取は、この算定率の引上げに当たりまして、課徴金の法的性格を行政上の制裁と位置付けていらっしゃるわけであります。その行政上の制裁も、その賦課水準は違反行為の重さや性質に照らして妥当なものであることが必要、これはまあ当然であるわけでございます。ましてや課徴金として、例えば企業の存立自体ですね、これを危うくするようなまでの制裁を科すことは明らかに行き過ぎであるということは言うまでもないわけであります。
 課徴金を行政上の制裁処置とするのであれば、具体的な不当利益の程度に応じてペナルティーを科すべきであるのに、なぜ事件ごとに個別算定しないのかと、こういう議論もあるんであります。
 けれども、私は、先ほど委員長が、ましてその行政上の制裁も決して青天井にはなりません、そんなことはありませんということ、それからまた個別算定をすると裁量行政につながるおそれ、こういうこともあってきちんとしたことを決めたんですよということで、私どもは今の状況、世界の中の日本ということを考えますと、正に後退をしてはならないということで、私ども、一〇%というのはしかるべき数字ではないのかなと、こういうふうに党としていろいろ勉強も一杯、PTをつくってさせていただきましたけれども、そういう結果となったわけでございます。
 それでは、引き続いて質問に移らせていただきます。
 国際的な協力体制でございます。
 近年、経済のグローバル化の進展は目覚ましいものがございます。国際的な企業活動による国際カルテルを取り締まるには、各国・各地域ですね、競争当局間の連携、これが非常に重要であると考えられるわけでございます。
 我が国と米国、EUとの間におきましては独占禁止協力協定が既に締結をされておりまして、現在、カナダ、オーストラリアとの間で協定の締結に向けて交渉中とのことでございますけれども、現在締結済みの協定における活動状況、あるいは交渉中の協定の進捗状況、また今後の見通しについてお伺いをしたいと思います。また、そのほかの国との交渉、この見通しはいかがでございましょうか。
#57
○政府参考人(高橋毅君) 委員御指摘のとおり、経済のグローバル化に伴いまして国境を越えた経済活動が増大することに伴いまして、反競争的行為も多く行われるようになってきているという具合に考えております。したがいまして、適切な執行活動のために競争当局間の協力の強化の必要性が高まっているという具合に考えております。
 公正取引委員会としましては、このような状況を踏まえまして、特に経済的な結び付きの強い国あるいは地域、こういったところとの間で競争分野における当局間の協力に関する二国間協定を締結して、各競争当局との間で情報交換等の協力を行ってきております。
 委員御指摘のとおり、これまでのところ、米国それから欧州共同体との間でそれぞれ独占禁止協力協定を締結いたしまして、個別事案等の法執行に関する通報あるいは協力等を行ってきております。それから、本年の一月にはカナダとの間で独占禁止協力協定の内容について実質的な合意に達しております。それから、オーストラリアとの間でございますけれども、二国間協定の締結のための作業を現在継続して行っているところでございます。
 それから、現時点では、そのほかに独占禁止協力協定の締結を検討している相手国というのはないのでございますけれども、御案内のとおり、我が国は東アジアの地域における経済連携協定の締結交渉を進めているところでございます。公正取引委員会といたしましても、同協定の中に反競争的行為に関する適切な措置の実施、それから競争当局間の協力について規定されるように、協定締結の交渉等に引き続き積極的に参加してまいりたいという具合に考えているところでございます。
#58
○松あきら君 是非、重要でございますので、進めていただきたいというふうに思っております。
 昨年の貿易量では対中国が対米国を超える量となるなど、我が国経済にとっても、今もアジアというお話、東アジアとのFTAのお話出ましたけれども、アジアのマーケットは非常に重要なものとなっております。アジア諸国におきましては、自由で公正な経済が構築をされることは、アジア諸国にとって重要であることはもちろんでございますけれども、現地に進出をしている、また進出しようとしている日本企業にとっても大変に重要であると考えているところでございます。
 しかし、アジア諸国のその独禁法の整備については、ようやく一部の国で整備されつつある、こういう状況が現実であります。アジア諸国に進出をしている日本企業が被っている不正取引などによる不利益について、これ結構あるのではないかなと思うんですけれども、公正取引委員会、どのように把握されているんでしょうか。
#59
○政府参考人(高橋毅君) 海外で行われます不公正取引等の行為でございますけれども、これは通常、我が国の独占禁止法の対象にはなっておりませんで、したがって、その内容等について公正取引委員会が把握できるような仕組みにはなっておらないこともございまして、私ども、アジア諸国に進出している日本企業が被っている不利益について必ずしも把握しているというわけではございません。
 ただ、委員御指摘のとおり、東アジア地域におきましては競争法が整備されていない国が少なくございません。それから、競争法が整備されておりましても、法運用に当たって様々な困難に直面している競争当局も見られます。こうした国々において競争法が整備されまして適切に執行されることが、アジア諸国に進出している我が国の企業にとっても意義のあることという具合に考えております。
 したがいまして、公正取引委員会といたしましては、一つの経済圏として我が国と密接につながっておりますアジアの地域において、公正かつ自由な競争環境が確保されるように競争法の整備のための支援を積極的に行っていくこと、これが私どもの重要な役割の一つであるという具合に考えているところでございます。
#60
○松あきら君 今、アジアの国の一員として非常に大切であると、まあそのアジア各国との経済活動あるいは経済発展に果たす役割、我が国も大きいというふうに思います。
 今、公取は、そうした大事なアジア諸国に対して人材育成のための政策研修など、その技術支援を行っていると伺っているんですけれども、その活動の目的、まあ目的は今ちょっとお話しいただきましたけれども、大切であるという、その内容、相手国の反応などについてもお聞かせいただきたいと思います。
#61
○政府参考人(高橋毅君) 委員度々御指摘のとおり、東アジアの一員であります我が国にとって、東アジア地域において公正で自由な競争環境が整備されることは極めて重要であるというふうに考えております。したがいまして、そういうような考え方の下で、これまでの法運用の経験、我が国の経験を生かしまして、特に東アジア地域の競争当局等が反競争的行為に適切に対処することができるような様々な積極的な技術支援を行ってきているところでございます。
 具体的には、競争法を導入しようとする国、あるいは既存の競争法の適切な運用を図ろうとしている国に対しまして、我が国の法運用の経験やノウハウを提供することを目的としまして、例えば競争当局等の職員を我が国に招聘いたしまして競争法政策に関する研修を実施したり、あるいは逆に当委員会の職員を競争法の専門家として現地に長期間派遣いたしましたり、あるいは東アジアで実施される競争政策に関する各種のセミナー等に講師として派遣したりするというようなことを行っております。支援の対象となりました競争当局等からは、こうした支援は大変有益であるとして継続的な実施を求められているところでございます。
 公正取引委員会といたしましては、今後ともこうした技術支援を通じて東アジアにおける公正で自由な競争環境の確保に更に貢献してまいりたいと考えておるところでございます。
#62
○松あきら君 是非、大事なことでありますので、引き続きこの点よろしくお願いを申し上げます。
 次に、公共調達に関する問題についてお伺いをいたします。
 平成十五年一月に施行されましたいわゆる官製談合防止法、丸、施行から二年がたちました。これまで法律に基づいて公取が発注機関に対して行った改善措置要求、二件にとどまっているわけでございますけれども、今回のこの改正法案で課徴金の算定率、引き上げるわけでございますけれども、この官製談合問題に関しましては、事業者に対する制裁を強化することだけでなく、官製談合にかかわった発注機関の職員に対しても厳しい制裁が必要ではないかとのそうした意見もあるようでございます。
 公取としては、こうした意見があることを踏まえて、その官製談合の問題にどのように取り組んでいくおつもりなのか、お伺いをさせていただきます。
#63
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 二点ございまして、現行法、せっかく作っていただいた官製談合防止法でございますので、その現行法に基づいてきちっと個別事案を解明して、ただすべきものをただすということを、岩見沢、新潟に限らず、これからもやっていくということが一つでございます。
 もう一つは、官製談合防止法自体を改正してはどうかというお話が与野党にございまして、今具体的に検討もなされている。政府としても、単なる執行だけではなくて、必要に応じて法律を見直すことについて御協力申し上げるということを申し上げてきているわけでございまして、その中で、要するに教唆犯、唆しみたいなものも、役人が唆した場合にこれも罰にすべきではないかというふうな御議論が経済界から出ているわけです。総会屋対策で導入された商法の事例にかんがみましてそういう御意見もあるわけですが、それに対して、既に刑法でそういうことが規定されているんだからそれで十分ではないかという御議論もあって、現に新潟の場合は検察当局が動かれたわけでございますが、そういう具体的な議論が既になされております。
 私どもとしても、そういうことで、与野党の官製談合防止法の御検討には、今までもそうでございますが、これからも十分に御協力を申し上げていきたいというふうに思っております。
 それから、もう一点申し上げたいのは、先ほどの課徴金減免制度というのが導入されますと、現在はなかなか解明できない、結局は刑事告発するということになりますと、その特定の職員がどういう行為をしたのかということを特定しなきゃならぬわけで、いつ、どこで、だれが、何をやったかということを特定しなきゃならぬ。そういう情報というのを得ることは現行制度の下では非常に難しい、率直に申し上げて。新潟の場合は、そこへくると、私どもとしては、そこの調査ができましたから新潟市に対して具体的な改善措置要求をすることができましたけれども、いつもそれができるわけじゃないわけでございます。それに対して課徴金減免制度でもって情報が入ってまいりますと、そういったことについても、これは官製談合でありましたという情報が入ってくるということが期待できるわけでございまして、それに基づいて、官製談合防止法等の改正がなくても、きちんとした改善措置要求を具体的に求めることができるようになっていくんではないかというふうに思っております。
#64
○松あきら君 ありがとうございます。是非、この点もよろしくお願い申し上げます。
 それから、ちょっと質問通告してなかったんですけれども、先ほど沓掛先生の御質問を伺っていて、ああ大事な点だなと思って、ちょっと、もしお答えできたらで結構なんですけれども、今回の改正案は犯則調査権限、これを導入するわけでございますけれども、公取に強い権限を与えることになるわけですね。それは確かだと思います。しかし、その権限の行使というのは、やはり透明性を確保して、本来、米国やあるいはEUのように悪質例外的なもののみにその事業所への立入調査を認めるべきではないかなというふうに思うんですね。その際には、しかも弁護士の立会い権、これを認めるべきではないかと、こういうふうに思うんですけれども、もしこれお答えできましたら、よろしくお願いいたします。
#65
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 犯則調査権限の行使は、当然、悪質重大であるという事件に的を絞って発動するわけでございまして、それ以外、そうじゃないものについては従来どおり行政調査権限でやらせていただくということでございます。
 その際の弁護士の立会いの話につきましては政府委員の方から、政府委員というんじゃなくて、局長の方から答弁申し上げます。
#66
○政府参考人(伊東章二君) 立入検査時の弁護士の立会いの件ということでございますけれども、従来から、立入検査先の企業の顧問等になっております弁護士が立入検査の際に同席することは間々あることでございます。弁護士の立会いがなければ立入検査を行うことができないというふうには考えておりませんけれども、立入検査に弁護士が同席することを拒む考えはございません。
#67
○松あきら君 済みません。通告してなかったんですけれども、ありがとうございます。では、これは、弁護士の立会い権は認めるというふうに理解をさせていただきます。
 もう最後の質問になります。真に公正で自由な競争社会の構築には、今回の改正案のように違反行為に対する制裁を重くする、これも重要でございますけれども、本会議でも申しましたように、人材育成、教育の在り方を含めて、多方面かつ継続的な取組の努力、これが必要であるというふうに考えております。
 公取は中学生向けに副教材を作成して配付するなどの取組も行ってくださっているようでございますけれども、私は、学校教育などを通じまして、国民理解の醸成のための消費者教育を積極的に取り組む必要があるというふうに思っております。これを質問いたしまして、私の最後の質問とさせていただきます。
#68
○政府参考人(伊東章二君) 御指摘のとおり、公正で自由な競争社会の構築のためには、競争政策に対する国民の理解を十分に得ることが重要というふうに考えております。このため、公正取引委員会におきましては、従来から、違反行為の未然防止を図るとともに、競争政策の有効かつ適正な推進を図る観点から、各種の広報活動やガイドラインの設定等を通じまして、国民各層の競争政策に対する理解の増進に努めておるところでございます。
 このうち、御指摘の消費者教育に関しましては、消費者モニター制度などを通じた取組を行っておりますほか、平成十四年度からは、消費者であり、また将来経済活動に参加する中学生を対象に独占禁止法教室を開催する等いたしまして、学校教育を通じた競争政策の普及にも取り組んでおるところでございます。
 公正取引委員会といたしましては、今後とも積極的にこのような取組を進めてまいりたいと考えておるところでございます。
#69
○松あきら君 ありがとうございました。
#70
○浜田昌良君 公明党の浜田昌良でございます。
 それでは、同僚の松あきら議員に引き続きまして、独占禁止法の改正について質疑をしたいと思いますが、特に私からは中小企業の観点からの質問を幾つかさせていただきたいと思っております。それは、この独占禁止法の目的は、消費者の利益を確保するとともに、やっぱり中小企業事業者の創意工夫を十全に発揮できるような競争環境をつくるということが大きな目的であると考えているからでございます。
 それではまず、公取委員会の審査局長にお聞きしたいと思いますけれども、独禁法の運用自体の問題でございますが、過去五年間の課徴金納付命令を受けた中小企業の数、また大企業の数、それはどのようなものであったでしょうか、お聞きしたいと思います。
#71
○政府参考人(楢崎憲安君) 課徴金納付命令出しまして審判開始請求がなかった案件、納付命令が確定した事件数で申しますと、全体で過去五年間で二千二百十五社、納付命令を受けているところでございますけれども、そのうち中小企業が千八百七十三社、そして大企業が三百四十二社という形になってございます。
 ちなみに、金額で申しますと中小企業が約百十億円、大企業の方が約百九十億円と、こういう状況でございます。
#72
○浜田昌良君 ただいま御答弁ございましたように、過去五年間の課徴金納付命令を受けた企業数は全体で二千二百十五社で、うち中小企業が千八百七十三社。率で言いますと八五%ぐらいが中小企業であるということでございます。
 本来、中小企業の企業数が多いですから、企業が、比率が高いのは分かりますけれども、独占禁止法という本来大企業が問題となりやすい法律の対象企業数を見たときに、中小企業の比率が八割以上であるということをどう評価するかという問題だと思います。
 これにつきましてはいろんな意見があると思いますけれども、ある意見では、公正取引委員会は地方の、先ほども出ましたですけれども、中小企業の入札談合の事案を追い過ぎではないかと。むしろ、国際的な問題もありますが、大企業の国際カルテルを含めた事案をもっと積極的に摘発すべきではないかと、こういう意見があることにつきまして、まず御所見をお聞きしたいと思います。
#73
○政府特別補佐人(竹島一彦君) これは大企業、中小企業問わず、当然、法律でございますから、公平中立に適用されるべきだというのが筋だと思います。統計上、今御指摘のように八割強のものが中小企業になっているというのは、やはり先ほども御答弁申し上げましたが、建設談合事件にかかわっているのが中小企業が非常に多いという現状を反映しているわけでございます。
 ただ、じゃ大企業は手を付けてないのかということでございますけれども、そうじゃございませんで、最近は公益事業、例えば電信、電気通信でありますとか、そういう従来規制されてたところが自由化されてきている、そういう分野でありますとか、それから知的財産権に基づいた話で、最近もマイクロソフトとかインテルまで対象にした仕事をやっておりますけれども、それから大規模小売事業者の優越的地位の濫用というようなことで、かなり大きな規模のスーパーマーケットとかディスカウントストアとか等々についてもやっているわけでございまして、私どもとしては、バランスよくというのが意図的にできればよろしいんですけれども、これは事件のないところはしようがないわけでございますが、少なくとも、我々に入ってくる情報が偏っているがゆえにその調査、摘発が偏るということをできるだけ防ぐ必要があるだろうと。
 で、もしも御指摘なり世間様の御批判で中小企業ばっかりやっているじゃないかということが当たっているとすれば、なおのこと今回の法律改正によって、密室、情報も漏らさない、かつ証拠も残さないということが往々にして見られる大企業について、きちっとした情報が得られるような手だてが今度の法律の中に、改正の中に盛り込まれていると思っておりますので、そういうことを是非お認めいただいて、情報も偏らないで入ってくるというふうにしたいというふうに思っております。
#74
○浜田昌良君 ただいま御答弁いただきましたように、法律は平等に運用するのは当然だと思いますけれども、今までは私も情報の偏りがやっぱりあったのかなと。なかなか密室で行われるカルテルにつきましては、巧妙に行われると公取委員会の方でも情報がつかみにくいと。それが今回、措置減免制度が導入されることによって、より国際的なカルテルを含め大規模な事案が摘発されるということを期待しておきたいと思います。
 次に、課徴金の引上げについてでございますけれども、課徴金は、従来、その算定率に売上高利益率が使われていたりとか、その趣旨は不当利得の剥奪にあったわけでありますけれども、今回それを超えて引き上げるというわけであります。
 従来、今までの率ではなかなかカルテル事案が減らないという背景もあったわけでありますけれども、一方、公正取引委員会では、中小企業に対する優越的地位の濫用、また不公正な取引方法の取締りを一層強化してほしいという要望も寄せられているわけであります。したがって、限られた人員でカルテルを取り締まるためには抑止力を高めると、そういう趣旨では今回の課徴金の引上げは理解できるものだと思っております。
 そういう意味では、中小企業においてもその率を上げるべきだと私は考えておりますが、一方では、中小企業にいろいろとまつわるいろんな厳しい状況もあるわけでございまして、結果的には今回、その引上げ幅、大企業に比べて中小企業の課徴金の引上げ幅は低く抑えられるという措置になったわけでございますけれども、まず最初に、そういう措置になった背景、また考え方についてお聞きしたいと思います。
#75
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 平成三年の改正で従来の課徴金が引き上げられて、そのときに初めて大企業と中小企業が二つ、二本立ての算定率になりまして、六%、それの半分の中小企業は三%というふうになったわけです。
 それを前提に考えますと、今回、大企業は一〇%にさせていただきますので、中小企業は半分の五%というところでございますけれども、この議論の中で、公明党さんもそうでございましたけれども、あるいは自民党さんとの話も、それからそれ以前の関係各界との、商工会議所等との協議の中でも、中小企業を取り巻く厳しい状況があるんだと、したがってそこを特別の配慮をすべきであるという御議論がございました。
 そういう御議論を踏まえまして、三%が五%でなくて四%というのが、まあこれは政策的に妥当なんであろうと。中小企業であれば、先ほどほかの先生からもございましたけれども、私どもは支払能力で払えるものは払っていただくというような考え方は取るわけにまいりませんけれども、実際の収益状況等々をかんがみて、三%が五%じゃなくて四%への引上げであっても抑止力としてはそれなりのものがあるだろうというふうに思っておりまして、そういう判断で四%にさせていただいたわけでございます。
#76
○浜田昌良君 今答弁いただきましたように、中小企業には、売上高利益率を見ても大企業に比べてまだまだ低いという事情もありますし、またカルテル、談合につきましても巻き込まれてしまうという側面もありますので、そういう意味では、今回の引上げ幅を低く抑えたというのは私は妥当である、適切であると評価をしているわけでございます。
 次に、中小企業にとって特に問題な優越的地位の濫用など不公正な取引方法を中心に質問させていただきたいと思いますけれども、平成十五年の独占禁止法研究会報告書によりますと、優越的地位の濫用や不当廉売などの不公正な取引方法については、違反行為による被害が著しく、競争秩序を侵害する程度の大きいものなど一定の行為類型に限定して刑事罰を導入することを検討するということをこの十五年度の報告書には書いてあったわけでございます。
 今般の改正では課徴金なり罰則を直接導入という形になっておりませんけれども、実効性の担保としてどのような対策がこの不公正な取引に取られたのかということにつきましては、先ほど話もありましたように、同僚の松あきら議員が四月六日の代表質問で取り上げまして、細田官房長官の方から以下のような答弁があったわけでございます。
 つまり、違反行為があると認めた時点で迅速に差止め等の排除措置を命令するという、今までは排除勧告であったものが、今回、今後以降については迅速に排除措置を命令するということを、是非こういう不公正な取引については適用していきたいという明快な答弁があったわけでございます。
 そこで、この件についてお聞きしたいんですが、不当廉売や優越的地位の濫用などの不公正な取引方法については、このように違反行為があると認めた時点で迅速に排除措置を命令するという法運用、これを実績をつくることが重要と考えます。そういう意味では、公正取引委員会による不公正な取引への監視体制を今まで以上に強化していただくことが必要だと考えますが、この点いかがでしょうか。
#77
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 監視体制の強化ということでございますが、非常に厳しい行財政事情でございますが、我々の人員の増強についてはこれからも努力してまいりたいと思います。しかし、それにはおのずと限界があります。
 私どもが今、別な方向でやろうと思っていることは、例えば、大規模小売業者の優越的地位の濫用、納入業者に対する優越的地位の濫用というような問題があるわけでございまして、これらについては、今月中に新しい告示、百貨店に関する告示を改めまして新しい告示を示すと。
 そういうことになりますと、具体的に大規模小売事業者にも十分に説明をして、そういう優越的地位の濫用でかくかくしかじかのケースは全部独禁法違反になるんですよということが分かるようなものを書いてございますので、それを周知徹底させることによって未然に防止する。また同時に、物の考え方がそういうことで示されますので、納入業者の方も、団体等もあるわけで、個人としてなかなか言いにくいという事情があっても、組合等とか正に商工会議所等々でこういう話はおかしいではないかということに、言いやすくなってくるだろうというようなことも期待して新しい告示を出そうというようなことも考えておりまして、いずれにしましても、ルールをはっきりさせて分かりやすくして、それに対して、おかしいものはおかしいと言っていただくようなやっぱり環境をつくる必要があるだろうと。
 我々の役人だけ増やせば何とかなるという話でもないなと思って、いろいろ工夫をしながら進めていきたいと思っております。
#78
○浜田昌良君 別に役人を増やせと言っている趣旨ではなくて、今回せっかく法律の中で排除勧告から排除措置命令という措置に変わって、しかもそれを適用する中で、措置命令違反については罰則が掛かり、また法人重科も掛かるという体制ができているのに、その伝家の宝刀を使わないままではもったいないですよと。それが使えるような体制を是非しっかりとお願いしたいという趣旨でございます。
 また、この百貨店告示につきましては、これは重要なことだと思いますので後でまた質問したいと思いますが、それでは、具体的に、その優越的地位の濫用の話が出ましたのでそこに話を移らせていただきたいと思いますが、まず審査局長にお聞きしたいと思いますけれども、この優越的地位の濫用に関して、ここ数年の警告、勧告の件数、また対象業種についてお聞きしたいと思います。
#79
○政府参考人(楢崎憲安君) ここ数年ということですので三年間について御説明いたしますと、十四年度は勧告はなく、法的措置はなく、警告が三件でございます。それから、十五年度におきましては勧告、法的措置が二件でございます。二件でございます。それから、平成十六年度、法的措置が五件で、警告はございません。
 そして、対象業種は、これは小売業が中心ということになりますけれども、全国チェーンの大手の量販店、スーパーそれから総合ディスカウンターあるいはホームセンター等の業種にわたってございます。それから、サービス業でホテルについて措置をとっているところでございます。
#80
○浜田昌良君 ただいま御答弁いただきましたように、過去三年間では十件が、警告、勧告含めですね、うち勧告が十五年度が二件、十六年度五件という、より重いものが増えてきていると。かつ、対象業種がほとんど大規模小売店関係が多いということであったわけでございます。
 いろいろ事案も、個別事案を目を通させていただいたんですが、大手量販店の納入業者に対する優越的地位の濫用については目に余るものがあるのかなと思っております。本年三月九日に勧告されましたある量販店の事案を見ますと、中小企業などの納入業者から二か月間に、本当に事前に合意のない協賛金を三億円、二か月間で集めていると。また、一か月半の間に棚卸しなどの名目で延べ二万四千人もの派遣を強要しているというのが出ておりました。
 こういう悪質な優越的地位の濫用に関しては、実質的に、実質的に罰則を強化するべきではないかと考えています。さもなければ、この三億円もの不公正な協賛金とか二万四千人もの派遣労働というのがもらい得になってしまうんじゃないかと考えるわけでございます。しかも、立場の弱い納入業者がなかなか民事訴訟で取り返すというのも実態、今までもできていないというのが実態だと思います。
 それで、質問いたしますが、不公正な協賛金に関し、一度排除命令を受けていながら再度不公正な協賛金を取った場合など、同一事業者が優越的地位の濫用に関して再犯を行った場合は措置命令違反として刑事罰及び法人重科を科すことができると考えますが、これについて公正取引委員会のお考えをお聞きしたいと思います。
#81
○政府参考人(楢崎憲安君) 通常、勧告をして応諾をして審決を出しますと、当該行為をやめなさいということだけじゃなくて、同様の行為をしないことということを命じてございますので、同じ行為を繰り返し行ったということになりますと審決違反、今度では措置命令違反ということになりますので罰金額、審決、排除措置命令違反として、罰金額が現行法では三百万円ということになりますけれども三億円以下ということに大幅に引き上げられてございまして、そういった罰金の対象になるということでございます。
#82
○浜田昌良君 是非、今回の法律によって、そういう優越的地位の濫用について、再犯を犯せばたとえ相手が変わったとしても、それは今回の罰金が引き上げられた、法人重科で三億円という罰金になるんだということを是非積極的に普及、広報していただいて、こういう事態が未然に抑止されるようにお願いしたいと思います。
 そういう罰則をより強化していく上では、先ほどお話もありましたような、いわゆるルールをより明確にしていく、行為類型をはっきりさせていくということが重要と考えています。
 現在は、この大規模小売業者の基本ルールについては百貨店告示というのが適用されているようでありますけれども、これは昭和二十九年に適用された古いものでありますけれども、近年、この大規模小売業者としては百貨店、スーパーのほか、家電、医薬品などの専門量販店とかホームセンター、コンビニエンスストアなど業態が多様化してきています。また、その取引業者との納入形態とか関係につきましても多様な関係になっておりまして、現状の百貨店告示では必ずしも現在の流通実態にそぐわないという批判もあるわけでございますけれども。
 そこでお聞きしたいと思いますが、昨年、公正取引委員会におかれては実態調査をされたと思っております。大規模小売業者と納入業者の取引実態はどうなのかということで調査をされたと思いますけれども、そこでの調査の結果によれば、今、現百貨店告示では禁止行為となっていない行為類型でどのような関係が今問題となっているのかについてお聞きしたいと思います。
#83
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 二月の調査の結果分かりましたことは、協賛金等の負担要請、それから押売販売といいますか、相手が、納入業者が希望しない商品やサービスを買わせるといったことが、現行の百貨店規定では、百貨店業の告示では禁止行為として規定されていない。この二つのタイプのものは今回の新しい告示では盛り込もうと思っております。
#84
○浜田昌良君 今御答弁ありました協賛金の供出要請とか商品やサービスの購入要請などについては是非告示に、新しい告示に入れていただきたいと思っておりますけれども、併せて、取引形態をより広げるというだけじゃなくて、対象業種も広げていただきたいと思います。非常にこういう大規模小売店舗関係というのは多様化しておりまして、当初の百貨店、スーパーだけじゃなくて、さっき言いましたように、ホームセンター、専門量販店、またコンビニエンスストアの本部などもあるんですが、今回の告示改正においてはこういう業種の多様性についてはどのように考えられているかについてお聞きしたいと思います。
#85
○政府特別補佐人(竹島一彦君) おっしゃるとおり、多様性にかんがみて拡大しようと思っております。
 具体的には、従来は一定の売場面積以上で、百貨と言っていますから一つの単品じゃ駄目だと、複数の物を売っているというようなことで運用しておりましたけれども、そうじゃなくて、従来の売場面積に加えまして売上高百億円以上ということでございますが、単品であろうが何品であろうが、百億円以上のものが対象になると。その結果として、コンビニエンスストアその他、何かに特化したディスカウンター、これらもすべて対象になるというふうに考えております。
#86
○浜田昌良君 是非その方向で告示を改正していただきたいと思っております。
 次に、不当廉売について、質問移ります。
 事業者の効率性によって達成した低価格で提供するんではなくて、採算を度外視した低価格によって顧客を獲得することは正常な競争手段とは言えません。よって、不当廉売は不公正な取引方法の一つとして禁止されているわけでありますが、そこで、まずお聞きしますけれども、不当廉売事案については二か月以内に処理するという迅速処理というのが今取られておりますけれども、その趣旨はどういうものでしょうか。
 また、その不当廉売を取り締まる担当者は、かなり件数が多いんだと思うんですけれども、どの程度配置されているのか、その今後の取組についてお聞きしたいと思います。
#87
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 二か月以内に処理するということにいたしておりますが、これはやはり、影響を受ける、不当廉売で影響を受ける事業者が中小企業が多いというようなことにも配慮いたしまして、とにかくできるだけ早くしようという結果、まあ一か月であればなおいいんでございましょうけれども、二か月以内に処理をしようという方針でやらせていただいております。
 それから、体制でございますけれども、不当廉売の取決めのための職員としては、本局に九名、地方事務所で十一名、たった二十名といえば少ないわけでございますけれども、そのほかに、不当廉売かどうかの調査、現地調査、それから我々が警告なり注意なりした後、是正されていっているかどうかというフォローアップ調査みたいなものもございますが、これらに約三十名の非常勤職員を採用して当たっているということでございます。
 これからの体制でございますが、これはやはり実態を見なきゃいけないと思っていますが、ひところに比べると総数では減ってきているのかなと。二、三年前はお酒の不当廉売についても大変な、何千件という申告があったわけです。それからガソリンについてもあったわけですが、さすがこのところ、なくなってはおりませんが、少し、申告件数で見る限り減ってきているかなと思います。
 それから、いずれにしても、今回の法律改正もそうでございますが、不当廉売については具体的な情報がいただければきちっと厳正に対処するということを言ってございますので、とにかく事業者の姿勢が正されるということを大いに何とか期待をしたり、我々としてもお願いをしていきたいというふうに思っております。
#88
○浜田昌良君 限られた人員かもしれませんが、是非その非常勤職員の方々を使うことによって、実効的な、実効が上がるような不当廉売対策をお願いしたいと思います。
 それで、取られている対策を見ますと、処理の実態は行政指導であります注意というのがほとんどでありまして、これでは事業名を公表されていません。よって、事業者によるモグラたたき状態になっているんじゃないかなという心配もしています。特に、近年では、官公庁の情報システム等の入札に対して、大手企業による一円入札という安値入札も横行していると聞いております。また、平成十三年以降、ガソリン、酒類などについてのガイドラインが公表されて以降については、行為類型がはっきりしましたので事業者名を公表する警告というのが増えてきているのは事実だと思っております。
 ただ、これにつきましても、このような事業者名の公表もむしろ安売りの宣伝になっているんじゃないかという批判もあるわけでありますが、そこでお聞きしますけれども、不当廉売の警告の後の価格モニタリング、これ、されているとお聞きしたんですが、その調査結果によると、警告の効果はいかがなものなんでしょうか。
#89
○政府参考人(楢崎憲安君) 私ども、警告したら警告しっ放しということじゃございませんで、その後の価格動向をモニターしているわけでございますけれども、例えば平成十五年三月に警告した、四社の小売業者に対して警告したわけでございますけれども、警告後の二か月後の価格を見ますと二百円とか三百円上がっているケースもございますし、また、それがじゃまた下がったかというと必ずしもそうじゃございませんで、六か月後の状況等を見ますと引き上げた価格が続いていると、そういうふうな状況になっているわけでございまして、警告すればそれなりの効果はあるというふうに考えているところでございます。
#90
○浜田昌良君 是非、警告したら警告しっ放しではなくて、その後のフォローもしていただきたいと思います。
 ただ、行政指導という形の注意とか警告ではなくて、やはり不当廉売についても実質的には罰則の強化が私は重要ではないかなと考えています。現にドイツにおいては競争制限禁止法という、いわゆる独禁法ですね、この中で、コスト割れ販売禁止の条項が設けられています。実態、法運用としても、大手ドラッグストアチェーンに制裁金を科すという、そういう決定も行っていると聞きました。
 そこで、我が国においても、行政指導の一類型である警告にとどまらず、今次改正で盛り込まれたこの不公正取引に対する排除措置命令も視野に入れて不当廉売に厳正に対応していくことが重要だなと考えているわけでございますけれども、そこで、再度お聞きしますが、この不当廉売を抑止するためには、悪質な事案については差止め等の措置命令も行うと、そういう考えを明確にして、それを周知徹底することが重要と考えますが、この点についていかがでしょうか。
#91
○政府特別補佐人(竹島一彦君) おっしゃるとおりでございまして、社会的影響のある特に大規模事業者がかかわるようなものについては、厳正に排除措置命令という一番しっかりした対応を取っていきたいと思っております。
#92
○浜田昌良君 今回せっかく法改正でそういう措置を盛り込んだわけでございますので、是非その法運用の実態を積み重ねていっていただきたいと考えているわけでございます。
 それで、あとは、最後の質問に、もう時間になりましたので最後に質問させていただきますが、今般の法律では、附則で二年以内に見直しということになっているわけでございますが、その見直しの主な点は、先ほど既に委員長からも御答弁ありましたように、課徴金と罰則、罰金をどう考えていくのかということになるかと思っておりますけれども、もう一つの大きな要因として、この不公正な取引方法、これについては実は、今回の法改正の契機となりました公正取引委員会の組織を移すための法律のときの附帯決議においても、この不公正な取引方法については厳正な対処をするんだという附帯決議があったわけでございます。
 今回、結果としては、この不公正な取引方法には課徴金も対象になっておりませんし、一応措置命令違反という形で罰金が掛かっている形になっておりますが、直接には掛かっていないという形に落ち着いたわけでございますけれども、是非、この二年の間の検討の中では、不公正な取引方法、特に優越的地位の濫用、また不当廉売等の実態をより二年間フォローしていただいて、場合によっては罰則の強化について、また課徴金の対象について御検討いただきたいと思いますが、この点を最後にお聞きしまして、私の質問を終えたいと思います。
#93
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 優越的地位の濫用や不当廉売等の不公正な取引方法に係る課徴金とか直罰の対象にすべきだという御議論については、私ども、今回の改正でもいろいろ議論したんでございますが、残念ながら、構成要件の明確化が難しいとか、カルテル、談合と比べてそこまで本当に罰金や課徴金の対象まですべきものなのかどうかとか、そういったことについての整理が結局できませんで、今回は盛り込まさせていただけなかったんでございますが、この附則十三条の見直し規定の中では、今申し上げた問題はこれはきちんと検討するということにされておると私どもは認識しておりますし、恐らく内閣府に置かれる検討の場でもそのようになるというふうに思っております。
#94
○浜田昌良君 以上でございます。
#95
○委員長(佐藤昭郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時九分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#96
○委員長(佐藤昭郎君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#97
○直嶋正行君 民主党の直嶋でございます。
 独占禁止法の改正案について今から、今日は大変忙しい中、官房長官も御出席賜りました、官房長官含めて質疑をさせていただきたいというふうに思います。
 早速なんですが、最初に、今回の独禁法改正を含めた政府全体としてのこの競争政策の位置付けということについて官房長官の御所見をお伺いしたいというふうに思います。
 たしか、平成十三年五月に行われました小泉総理の就任後初の所信表明演説で、「市場の番人たる公正取引委員会の体制を強化し、二十一世紀にふさわしい競争政策を確立」すると、このように総理が述べられました。その後、同年六月に閣議決定されましたいわゆる骨太の方針等において競争政策の強力な実施の方針を示すとともに、規制改革推進三か年計画や規制改革・民間開放推進三か年計画等、規制改革に関する累次の閣議決定でも競争政策を一層強化すると、こういう方針が明らかにされております。したがいまして、今回のこの独占禁止法改正案も、小泉内閣におけるこうした競争政策の強化、二十一世紀にふさわしい競争政策の確立という政策方針の一環として提案されたものと考えております。
 政府全体としてこの競争政策をどのように位置付けて政策展開を目指しておられるのか、その考え方について官房長官から概括的にお話を賜りたいと思います。
#98
○国務大臣(細田博之君) 政府は、昨年六月に骨太の方針二〇〇四を決めまして、そして二十一世紀にふさわしい競争政策を確立するため、独占禁止法改正法案を国会に提出するということとされており、規制改革・民間開放推進三か年計画におきましては、独禁法の執行力、エンフォースメントと言っておりますが、の強化のための措置体系の見直しを盛り込むということにしたところでございます。
 現在、我が国においては、市場原理、自己責任原則に立脚した経済社会の実現のために構造改革を推進することが重要な政策課題であります。
 考えてみますと、このバブルが崩壊しまして産業界に大変化、当時はメガコンペティション時代の到来というような言葉もありましたし、実際に、金融といい製造業といい、一般サービス業あるいは新しいIT産業といい、大変な大競争時代が到来いたしました。競争が大いに促進されてきたという面では非常にいいわけでございますけれども、やはり旧来の様々な、困ったときにまた現れてくるようなカルテル体質、そういったものもございますし、談合体質というものもございます。根強く残っております。
 また、だんだん景気が今、回復過程にはあると思いますけれども、そういった過程でまた更に新しい問題が起こる。そしてまた、資本力の強いところが弱い産業を非常に圧迫するような商行為もたくさん出てくるというようなことがございますので、そういった中で、従来からの独禁政策をしっかりと見詰め直しながら、実態の変化に合ったような競争政策を確立していかなきゃならない、これは一貫して政府が取ってまいりましたし、今後も取ってまいらなければならない。
 今回の法改正もその一環ではございますが、更に残された課題も多いということでございますので、専門家にもお願いしながら、産業あるいは経済の実態に合った、あるいは変化に合った政策を確立していかなきゃならないと、こういう考え方で取り組んでおります。
#99
○直嶋正行君 つまり、私の理解するところによりますと、今、官房長官おっしゃったように、自己責任原則に基づく市場メカニズムといいますか、そういう経済社会をつくるための構造改革の一つの手段としてこの独占禁止法の改正を考えていると、こういうふうに理解をさせていただきます。
 それで、今回の独禁法改正について次にお伺いしたいと思うんですが、今回、昭和五十二年にこの独占禁止法に課徴金制度が導入されて以来、四半世紀ぶりの改正ということで、今日午前中もこの措置体系の見直しについて議論があったわけでありますが、当初、いわゆる公正取引委員会の諮問委員会といいますか、独占禁止法研究会でこの独占禁止法の改正の方向について議論されました。実はその研究会での議論の内容と、今回提出をされました独占禁止法あるいは平成十五年に公正取引委員会が独占禁止法改正の基本的考え方あるいは独占禁止法改正案の概要というのを発表されましたが、こういったものと比較しますと、二つ大きな点で変化があったように思います。
 一つは課徴金算定率の引上げということなんですが、独占禁止法研究会の報告では、従来の不当利得の剥奪という概念から更に発展させて社会的損失という概念を用いつつ、課徴金が行政上の制裁であるというふうには認めていなかったんです。つまり、社会的損失という言い方で課徴金の引上げを議論されていて、その方向付けが出されていたというふうに思っています。
 もう一つは、いわゆる不可欠施設と呼ばれる部分でありますが、その不可欠施設を有する事業者による新規参入阻止行為を迅速、効果的に排除する規定に改めると、こう研究会報告ではあったんですが、この部分について今回は改正の対象とされていません。
 つまり、スタートで専門家が集まって、先ほどお話あった小泉内閣の基本的な経済政策に沿って議論された結果、この方向でやるべきだと、こうおっしゃった重要な部分の二つが実は変化をしておると、途中で。一つは完全になくなっていると、こういうふうに思うわけであります。
 今回、附則で二年後の見直しということになっているわけですが、二年後の見直しにかなり本質的な内容が先送りをされてしまって、今回の改正案というのは一体どういう趣旨で、どういうことを目的にしようとしたのか、途中で非常にあいまいになってしまったんじゃないかなと、こんなふうに受け止めざるを得ないんでありますが、この検討過程について官房長官のお考え、あるいは公取委員長の方から補足があればお伺いをさせていただきたいと思います。
#100
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 御指摘のとおり、独占禁止法研究会の段階からこの改正法案に至るまで変化した点があるわけでございまして、その中の二つ御指摘がありました。
 まず、逆になりますが、不可欠施設の議論につきましては、私どもは、せっかく自由化をして、新規参入を促し、競争を促進することによってユーザーによりいいものをより安く提供するということで、例えば電気通信分野でありますとか電力、ガスの分野における自由化、規制緩和というのが行われてきているわけでございます。
 そこで、その新規参入の実を上げるためには、この不可欠施設の考え方に立って、かくかくしかじかの行為はこれは独禁法違反ですよということを明快に規定することによって、そういった分野のトラブルを未然に防止したり早急に防止できると。そうでなければ、もう個別個別に大変な手間が掛かって、ドッグイヤーと言われるITの進歩の中でもう後手に回ってしまうと。こういう問題意識の下に、不可欠施設に限定して迅速処理の規定を設けようということが盛り込まれたわけでございますが、この点につきましては、その後の各界との調整、各省庁との調整の結果、現行法でもやろうと思ったらできる話ではないかとか、それから、それぞれの産業を所管しておられる省庁が持っておられる業法との二重規制になるんではないかとか、そもそも不可欠施設という定義がなかなか、恣意的になる危険性があるんではないかとかいうような御議論がありましたので、これはなかなか成案が得られないだろうという判断をいたしまして、その部分は、今回の改正にそのテーマは入れないという決断をさせていただいた、これは大変大きな点であります。
 それから、一番目の課徴金の算定率の引上げに当たっての社会的損失云々の議論が消えたではないかという点でございますが、この点は、気持ちは、物の考え方は研究会から全く同じでございまして、現行の算定率の水準では違反行為を抑止するための措置として十分ではない、実効性を上げるためには引上げが必要だと、この問題意識は共通しておりますが、その引き上げるときの理論構成をどうするかということであったわけでございます。
 研究会では、ただ単に価格カルテルであれば、値上げをしたその部分が不当利得だと、これは確かに直接的な不当利得でございますが、それがいわゆるデッドウエートロスと言われるようなことで、社会全体として、単にその不当利得、その裏返しの同額の損失だけではなくて、それが言わば消費者の得べかりし消費をなくしてしまったとか、その他間接的な悪影響があるということで、そういうものをまとめて社会的損失と経済学の世界では言うわけですが、こういったことがあるんだから、何も狭義の不当利得に着目することはない、社会的損失というところまで含めて、したがって課徴金の率は幾らまで上げてもいいんだと、こういう理論構成ができるんではないかというのが研究会の考え方でございました。
 私どもは、それは確かに経済学の世界ではそういう社会的損失というのは常識の世界でありますし、理念としてはあるんですが、ただ法学の世界では、そういう概念というのは必ずしも、ああそうかということにはなっておらないわけでございまして、いろいろな議論の結果、要は、従来の不当利得の剥奪というものにとどまっていたと説明してきた課徴金を、不当利得以上の金銭的不利益を講ずるものにする、その結果、課徴金の性格はより行政上の制裁としての機能を増すんだと、こういう説明で、その実効性が上がると思われるだけの水準までに上げさせていただきたい、こういう説明ぶりに変えてきたということでございまして、確かに説明ぶりなりその根拠付けについては変わってきておりますが、さりとて社会的損失論というのが間違っていたということでは私はないと思っております。そういう経緯でございます。
#101
○直嶋正行君 課徴金について、引上げに当たって今お話しのように行政上の制裁という考え方を、社会的損失論じゃなくて、つまりそういうあれじゃなくて、法律的に行政上の制裁という考え方を入れたという御説明があったんですが、この部分、ちょっと後で議論したいと思いますが。
 その前に、不可欠施設について、例えば先日出されました、今年の三月二十五日に政府でお決めになった規制改革・民間開放推進三か年計画でも触れられておりますが、今、公取委員長がお答えになったように、それぞれの事業法を所管する省庁と、その事業法と政策との整合性を調整しようと、こういう結論になっているわけですね、この規制改革の中でも。
 そうすると、さっき公取委員長もおっしゃったような迅速性とか時代に後れないようにという部分はどこかへ行っちゃったような気がするんですが、この点について官房長官、どうなんでしょうか。
#102
○国務大臣(細田博之君) 私は、この不可欠施設、特に典型的な例でいえば通信のライン、光ファイバー網であるだとか、電力用の電線、これも通信にも併用して使えるわけでございますが、そういった施設とか、本来の企業の業務目的では設置されているものの、非常に公共性もあり、また新しい事業者がそれを使うということが非常に社会的な総合的なメリットを生むというものについてはできる限りオープンにして、もちろん必要な経費というものは支払うにしても、活用していくことが社会全体の効果、費用、コスト削減という面からは極めて大事なことであると思います。
 ただ、実態的には、委員長もちょっと説明の中でも言われましたように、実際の例えば光ファイバーについては、もう世論なり事業者の圧力というものがどんどん高まってきて、若干高いものは下げろという公取委員会が入っての命令というか審査も行われておりますし、電力の開放も進んでおる等々、実体経済がどんどん進んでいる面が私はあると思っております。
 したがって、もちろんそういった、政府としてはできる限りこれを幅広く活用することによって経済を活性化しなきゃならない、しかし目下のところは進んではおります。ただ、今後弊害があれば、当然そこで独禁法も一つの手段として、より、産業、社会の活性化あるいは国民生活の改善に資するような形で対応していかなきゃならないと、私はそう考えております。
 したがって、これはまだ今回はそういったものが入っておりませんが、実態が進んでいるということと、更に見極めて必要なものは検討していかなきゃならないと、そういう課題ではなかろうかと思っております。
#103
○直嶋正行君 不可欠施設の問題については、また同僚議員から議論があると思いますので、私はこれ以上触れませんが、ただ一つだけちょっと確認をさせていただきたいんですが、さっき申し上げたその二年後の見直しの議論の中にこの問題は当然入ってくるということになるのか、それとも、そこまでまだということになるのか、この辺はいかがでしょうか。
#104
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 私といたしましては、不可欠施設の話はこの二年後の検討の対象ではないと、それは別な問題であるというふうに考えております。
#105
○直嶋正行君 それはどういう理由でそういうふうにお考えになっているのか、ちょっと触れていただけますか。
#106
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 二年後の見直しの対象というのは、行政制裁金に一本化するか、刑事罰との関係どうするか、それから、今、公正取引委員会が一緒にやっております審判というものを公正取引委員会から外して独立したものにできるかできないか、それから優越的地位の濫用、不当廉売等の不公正な取引方法についても罰則なり課徴金の対象にするかどうか、こういった問題というふうに理解しておりまして、この不可欠施設というのは、私的独占の規定をどうするかと、それの特別条文を設けるかどうかという話でございますので、いわゆる抜本的なと言われております附則十三条の見直し規定が入れられた議論の過程を振り返ってみましても、それが入るというふうには私は、入っちゃいけないというところがどこかに書いてあるわけではございませんけれども、入らないというふうに私は認識をしております。
#107
○直嶋正行君 最初に官房長官がお触れになった構造改革という話でいいますと、今議論になったITというのは正にこれは構造改革の最たるものでありまして、これ同時に、構造改革と同時に技術革新といいますか、そういう非常にスピードを伴ったものでありまして、どうもそういう扱いになると、二年後にもこれが議論されないということになると、方針そのものがやや竜頭蛇尾といいますか、そういうことになることを、なるんじゃないかなという懸念を持っているということをちょっと申し添えておきます。これはまた改めて議論させていただきます。
 それで、措置体系の見直しの基本的なスタンスの話になるんですが、先日、参議院の本会議で官房長官が端的にお答えになったのは、今回の見直しはいわゆる抑止力を高めるためなんだと、こういうお話をされました。私は、今のこの課徴金といいますか、これを、先ほど公正取引委員長のおっしゃったように、行政上の制裁ということで考えて抑止力を高めるということになると、これはいわゆるEUが持っているようないわゆる行政制裁金といいますか、そういう形にしていくのが最も抑止力が高くなるんではないかなというふうに思うわけであります。
 それで、先ほどちょっと触れました、そもそもの発端になった小泉総理の演説の後、政府に二十一世紀にふさわしい競争政策を考える懇談会というのが設置をされまして、これは正に独禁法の在り方を議論されたわけですが、ちょっと少し長くなりますが、その重要な部分を読んでみます。
 その報告書の中に、こういうくだりがあります。公正取引委員会は、近年、入札談合、価格協定等のカルテルや参入制限行為等の摘発をその執行活動の最重点施策としているが、こうした競争制限行為は、一向に減ることなく、同一の事業者、同一グループの事業者により繰り返される例が後を絶たない。また、最近では、事業者間の入札談合を監視し防止すべき立場にある発注担当者が入札談合を主導していたという官民合作のいわゆる官製談合も見受けられ、そうした問題への対応が急務となっていると。こういう、これは問題意識だと思うんですが、これを受ける形で、現行課徴金制度について、例えば、EUにおける制裁金を例に挙げて、その性格を行政制裁金へと転換し、その上限額を引き上げるとともに、公正取引委員会の裁量を認める制度とすることが考えられると。これにより、独占禁止法違反行為に対する抑止力が高められ、制裁減免制度の導入により、違反行為の摘発を容易にすることも可能となると、こういうふうに指摘されているんですが、当初、この平成十三年のそもそもの発端のときにはこういう考え方が強く打ち出されていたんでありますが、一転して、先ほどお話しした独禁法研究会も含めて、考え方が変わってしまったというふうに思うんですが、その理由について公正取引委員長から御説明を賜りたいと思います。
#108
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 確かに、御指摘の二十一世紀における競争政策と公正取引委員会の在り方の懇談会の提言の中では、EU型の制裁金について今お読み上げいただきましたようなことが触れられております。ただ、その当時、政府としてこれがいいというふうに決めたわけじゃございませんで、本格的に独禁法の改正を具体的なテーマとして取り上げて取り組んできたのは独禁法研究会以来でございます。
 どうして今回のような提案になっているかということでございますが、私は、個人的には、EUの行政制裁金という、刑事罰に取って代わるような機能を持った行政制裁金というのは一つの考え方ではあると思いますが、これは現実の日本においては少し先の話、それもそうなるかどうかも分からない、ある意味じゃ理念型の話ではないかというふうに思っております。大事なことは、独禁法違反行為というものに対してきちんと厳正な処分ができて、正に抑止力として働くシステムはどういうものがいいのかということになるんだろうと思います。
 現行は、課徴金と刑事罰の両立ということでやっておりますが、これは確かにそれぞれのいい面があるわけでございまして、刑事罰というのはやはり、これは洋の東西を問わず、最後刑事罰を受けるということについては、やはり一番、やった個人なり、特に個人でございましょうけれども、企業にとっても、社会的制裁としては一番重いものであると、ということはどうも我々が考えるばかりではなくて、企業の方々もそう思っておられると。したがって、刑事告発を受けるということに対しては大変恐れていると。こういうことを見ても分かるように、その刑事罰の持っている感銘力というか、その威力というものは大変大事なものが、大きなものがある。
 しかしながら、それのデメリットとしては、それを、何といいますか、使うためには大変ハードルが高いと、立証のハードルが非常に高いという問題がある。時間も掛かる、そのエネルギーも掛かるという問題があって、すべての独禁法違反事件に刑事罰的な手続をもって臨むということが現実的かどうかという問題がございました。それほど悪質でない、しかしながら企業としては談合なりカルテルというのをやっておると。その個人個人は歴代、代々代々営業課長が引き継いでやってきましたというようなケースの場合は、全部が全部その刑事罰に持っていくのがいいのかという現実論があろうかと思います。
 そういう問題点があるからこそ、昭和五十二年に課徴金が導入されて、行政上でまずきちんとすべきことはしたらどうかと、こういうことになったわけでございまして、したがって当然課徴金のいい面がある。これは一律ということでもってあらかじめ分かっておりますから、それを、違反行為を犯す企業も分かった上でやっておるということもありますし、処理が画一的で迅速にできるというメリットもありまして、かつそれなりの負担であれば抑止力としての期待ができると。こういうことで、その課徴金の行政措置としてのいい面がある。ただ、その両方をやはり並立させてやっていくというのが、私は少なくとも現在の日本の法制度、そのまた執行体制を見たときに、現実的で有効であるというふうに思っているわけでございます。
 したがって、基本は同じでございまして、独禁法の持っている抑止力、実行力をどうやって高めるかということに尽きる、その具体的方法論において確かにEU型というものを今回は取るに至っていないと、こういうことでございます。
#109
○直嶋正行君 問題は、法人に対する刑罰なんですよ。で、ちょっとこれも後ほど議論さしていただきたいと思いますが、今、委員長がおっしゃったように、実際にはその刑事罰というのはほとんど適用されていませんよね。しかも、個人に対するものであると。大体平均すると二年に一件ぐらいという状況でしたよね。
 で、ちょっとここで二つありまして、一つは、先ほど構造改革を大胆にやっていくんだと、こういうそもそもの論点からいうと、やはり日本の仕組みも思い切って変えようということですから、いろんな考え方があっていいと思うんです。
 例えば、もう公表された雑誌に載っていますんでお名前申し上げてもいいと思いますが、一橋大学の村上先生が、先日、週刊エコノミストに寄稿されておられますが、その中で、独禁法研究者間では、EUのように、一定の上限金額を定めた上で、違反行為の重大性や違反の悪質性に応じて、十分な違反抑止力を有する行政制裁金を科す裁量型行政制裁金の導入が望ましいとの合意があると。一般の行政庁と異なり、準司法機関である公取委が、本格的な裁量型行政制裁金を科す権限を持つことに法制上問題があるとは考えられないと述べられて、その上で、しかし、このような仕組みは、的確な法運用が難しく、しかも公取委は法執行機関として、その態勢、人員構成が脆弱であると指摘されてきた。何よりも公取委自体が裁量行政制裁金の創設までは求めなかったと。
 つまり、もう研究者の間では、もう当然そうすべきだと、こういうことが言われているにもかかわらず、残念ながら公正取引委員会自らがそのようにお求めになっていないと。ですから、これはちょっと今のお話の中でもお触れになったような気もしますが、これは今後の議論の中で考え方も変えていく必要があるんじゃないかというふうに思います。
 それから、もう一つちょっと申し上げますと、これは我が参議院の調査室でまとめてもらったものなんですが、確かにEUは行政制裁金なんですが、EUは国を越えた組織です。それぞれの個別の国見ると、例えばイギリス、フランス、ドイツなんかは個人対象にした刑事罰制度を持っているわけです。つまり、今の日本と極めて似た、要は、日本は課徴金ですけれども、それと個人刑罰の二本立てになっているわけですよ。
 ですから、私は、さっき公正取引委員長おっしゃった部分は理屈としては当たらないんじゃないかと。むしろ、その気になれば、主張されれば、当然体制の整備も必要ということになってきますけれども、その方向に進めるんではないかと、このように思うんですけれども、この点はいかがでございますか。
#110
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 今御質問いただいている点は、正に施行後二年以内に検討される項目の一番大事な部分でございますので、正にその議論を待たないといけないと思っておりますが、少なくとも、今回改正をお願いしているのは、現行の日本にはそもそもそういう刑事罰の機能も兼ね備えたような行政制裁金というものは存在していないわけでございます。それをいろいろ、経済犯罪といっても証券取引法から税法からいろいろある中で、それを独禁法にだけそういう体系を持ち込むということは、これは正に大変大きな議論なものですから、二年後の検討になるというのは、そういう意味で二年間掛かるということだと思っておりますが、少なくともそういう、正に日本の刑法とか行政法とかの基本に触らない範囲での現行法の中では十分な見直しをさせていただいたと、こう思っています。
 その中で、その行政制裁金と個人罰だけでいいじゃないかという議論も日本の中にもあります。先ほど村上教授の説を御披露になりましたが、私は、そういうことでその関係の経済法学者の合意ができているとまで言うのは私は言い過ぎではないかと思いますが、いずれにしてもそういう御意見があることは間違いありませんし、それは、正にそれが日本にふさわしいかどうかということを検討していただくということについて何らアレルギーは持っておりませんが、現時点でそれをやろうと思ったら大変問題がありますと。
 今さっき申し上げたその法律体系としての問題。それから、刑事罰に代わる行政罰を行政庁がそういう、裁量性のあるものになりますから、それを行政庁の人間がやっていいのかどうか。準司法機関であるということであるから、そこは割り切って司法機関としてやりなさいということになるかもしれませんが、そうなると、手続面が裁判と同じような形により近くしなきゃいかぬとか、いろんな問題が出てきますし、そのためのエネルギー、当然、その処分をめぐって大変な議論になって長いこと掛かるだろうと、弁護士も大変な議論をするだろうと。そういうことを想像しますと、さて現実的かどうかという問題も私は率直に言ってある。
 したがって、理屈の世界と日本の現実に合って、きちんとしたワークするような仕組みが講ぜられるかどうか、そのまた陣容が用意できるかどうかということを総合的に考えなきゃいけないと思っております。
#111
○直嶋正行君 これは後でまた議論させていただければいいと思うんですが、例えば、今この国会に会社法の見直しの法案出ています。しかし、これも実はライブドアのニッポン放送株の買占め等いろいろあって、その中に項目が追加されたりします。つまり、今、公正取引委員長の言われるように、日本の法制度から見て私も難しい議論があるということは承知の上でこれあえて申し上げているんですが、しかし、その議論をしている中で、法律そのものはなかなか変えられないと。しかし一方で、どんどんどんどん実態は進んでしまうと。僕は今度の会社法なんかその典型だと思うんですけれども。そういうものに一生懸命何か後追いをしているというような気がしてしようがないものですから、あえてこの問題を申し上げたわけです。
 それで、今、公正取引委員長おっしゃったように、現行の法制度の中でこの改正を考えたということでありますから、私が今申し上げた趣旨のように、要するに、経済社会が急激に変わりつつある中でのやはり法の在り方ということからいうと、非常にそこのところ、どこまで果たして踏み込んでやれたのかなというのは非常に大きな疑問を私は持っています。
 もうちょっと今の課徴金制度の問題について議論させていただきたいんですが、今、改正案出ていますが、その今の制度、現在運用されている制度ですが、これもさっきお話あったように、刑事罰と課徴金の機能分担をしつつ、いわゆるカルテルによる利得を違反者に残さない、つまり、やり得を防ぐという意味で不当利得の剥奪と、こういう言い方をされているわけでありますけれども、今の日本の法制度上、よく指摘されますように、法人に対する課徴金と刑事罰の併科というのが、いわゆる憲法三十九条の二重処罰の禁止との関係でよく議論されるわけですが、それを避けるという意味で、さっきもちょっと課徴金という言い方されていました。御説明あったんですが、そういう制度として今できているんだと、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。つまり、二重処罰を避けるために今、不当利得の簒奪という考え方で課徴金制度を置いているんだと、そして、一方で刑事罰を置いているんだと、こういう理解でよろしいんでしょうか。
#112
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 課徴金を導入するとき、昭和五十二年でございますが、その今御指摘の二重処罰の議論というのは大変あったわけでございまして、それで、それを今から振り返ると、非常に慎重な、もう極めて保守的な考え方を取ったと私は思うんですが、不当利得の剥奪にとどまるんだと、それ以上のものではないんだということを、説明をある意味では強調したということがあると思います。
 そういうことで、現時点でも、刑事罰と課徴金、両立しているわけですから、課徴金をどんどんどんどん上げてもなお二重処罰の問題はないと言い張れるのかどうかということについては、当然それはおのずと限界のある話だと思います。したがって、両立する、併存する制度である限り、二重処罰の問題というのは絶えず頭に置いておかなきゃいけない。さりとて、現在お願いしている、一〇%に上げるというそういう課徴金で、かつやり方も非裁量型でありますと、画一的に課しますというようなものである限り、憲法三十九条の禁止する、二重処罰の禁止には触れないというのが私どもの考え方、私だけじゃなくて、政府部内、恐らく関係の法律学者の中でもそれが多数意見であるというふうに理解しておりますが、そういうものだとは思っていますが、絶えずやっぱり二重処罰の問題は頭に置いておく必要はあるだろうと思っております。
#113
○直嶋正行君 今のお答えで、ちょっと次に聞こうとしていたことにかかわってくるんですが、そういう意味でいいますと、今回の課徴金を引き上げて、そして、今おっしゃったように、非裁量型、つまり、画一的に裁量なく金額が決められると、そういう意味でこの二重処罰の規定をクリアしているんだと、いわゆる課徴金と刑事罰の違いを明らかにしているんだと、こういうふうに今おっしゃったと思うんですが、それで、じゃ、その今の議論の前提に立ってお伺いしたいんでありますが、現実に、法違反の行為というのは事案によって、議論していますこの利得の程度とかあるいは悪質性というのは変わってくると思うんでありますが、例えば、公正取引委員会でおまとめになった、この過去のいわゆる不当利得の推計値というのを見ましても、最低二%から五〇・一%まで現実あると。こういう統計数字も出ています。
 つまり、何を申し上げたいかというと、課徴金を行政上の制裁と位置付ける場合に、その制裁の水準は、対象となる、今、正におっしゃった部分、途中でお触れになったんですけれども、その制裁の水準は、対象となる違反行為の重大性や悪質性に見合ったものでなければならない。これは例えば、憲法三十一条の適正手続の保障といいますか、罪刑均衡原則の観点からもそういう問題が出てくるんじゃないかというふうに思うんでありますが、したがって、今度は別の、この一律型の課徴金、つまり機械的に引き上げて、さっき議論があった不当利得の剥奪を超える部分を一律に取るということになってくると、今度は憲法三十一条との関係で疑問が出てくるんじゃないかと、こう思うんですが、この点についてはいかがでしょうか。
#114
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 憲法三十一条は直接的には刑事罰についてのことだと私は理解しておりますが、さりとて、その物の考え方は行政課徴金にも当然援用されるということかと思います。そういう意味で、現在の引上げ一〇%というものがそれに当たるかどうかということにつきましては、私どもはそこまでの水準ではないというふうに思っています。
 その理由としまして、平均で一六・五と言っておりますけれども、ばらつきが当然あるわけでございまして、八%以上の不当利得というのが九割方あったと、九割以上が八%以上だったと。そこに着目して、それを若干上乗せして一〇%ということになっているわけです。
 これは、御案内のように、ほかの、例えば脱税の場合に重加算税というのがあるわけですが、これは脱税額の四割増しということになっていますし、それ以外のいわゆるペナルティーを科す、例えばお医者さんが診療報酬を、何というか、不当に受け取ったというような場合に、返還するときにはその分だけじゃなくてそれの四割増しとか、失業保険もそういうふうになっておりますけれども、そういう他の行政のそういうペナルティーというようなものを考えますと、今回の八%で九割以上をカバーしている、それを一〇%、四割増しに若干欠けるぐらいのところになっているということでございますので、その適正手続、三十一条の問題というのは生じておりませんし、かつその手続に関して言えば、それに不服のある場合には当然審判請求ができて審判という形で決めていかれるというようなこともございますので、その御懸念には及ばないというふうに申し上げていいのかどうか分かりませんが、私は三十一条の問題ではないというふうに思っております。
#115
○直嶋正行君 いろいろ学説もたくさんあり、いろいろありますから、考え方の違いというのはあるんでしょうが。
 ただ、私は、この一律に課徴金を、今回一〇%ですが、取るということについて申し上げますと、これはさっき、八%以上が九割だというお話もありましたが、ある程度これは現実に、今の現実の産業界なりに当てはめた場合に、どういうぐらいのことになるのかというシミュレーションはいろいろされているんですかね。というのは、実は先日、衆議院の参考人質疑の中である方がおっしゃったのが、一〇%でも、例えば昭和五十二年でしたかね、石油カルテルのカルテル事件にこれをそのまま適用すると、課徴金額が五兆四千億円になると。トップ企業でも一兆数千億円になって、業界は壊滅状態になると。
 これは極端なケースなんでしょうが、しかし理屈上こういうことも当然あり得る話になってくるんで、一律制の問題というのは私はいろいろ心配することがたくさんあるんじゃないかと。だから当然こういうシミュレーションもいろいろされて、これで抑止力から見ても大丈夫だし産業界も大丈夫だと、産業界は大丈夫といいますか、極端なことにならないと、こういうことでこの数字というのはお出しになったんでしょうか。いかがでしょうか。
#116
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 過去の事例、数十の事例を分析いたしまして、平均で一六・五、八%以上のもので九割を超えると、こういう結果が出ているということでございまして、それ以外の理論的な何かシミュレーションということをやっているわけではございません。これはもう正直申し上げてやりようがない、前提の置き方でもういかようにでもなりますので、やりようがないと思っています。
 それで、一律の話にかかわるわけでございますが、一律であるがゆえに、やはり平均値をそのまま持ってくるというのではなくて、堅めに、一六・五というのをそのまま持ってきているんではなくて一〇%にしていると。それは一律だから、場合によっては踏み越えてしまうということも確率的にはありますので、そういう保守的な考え方も取っている。一律ならばこそそういう考え方も必要だろうと。
 こういうところもございますけれども、少なくともこの一〇%では、先ほどの御質問にもございましたが、もう欧米と比べてまだまだ道半ばどころか何十分の一なんということになっているような状態でございますので、この日本において今のこの一〇%がそういう大変なダメージを与えるというようなことにはなるものではないと私は思っております。
#117
○直嶋正行君 この議論、また改めてしたいと思いますけれども。
 ただ、確かに今の、堅めに見ているんだと、こういうことは分かるんですが、やはり一律に適用することの怖さというのは、例えば今、今ガソリンが上がっていますけれども、単純に、ガソリンが値上がりする中で、今の石油業界、例えば二%価格を引き上げるようなカルテルをもしつくったとすれば、それが摘発されたとすると、それだけでもやはり実は数千億の課徴金になっちゃうわけですね、一〇%ではじくと。
 ですから、さっき欧米のお話もありましたが、であるがゆえに欧米は裁量型でいろんなことを検証した上で課徴金を準司法機関である公正取引委員会が決定できると、こういう制度にしていると思うんですよ。ですから、私は、一律の問題というのは実は結構大きな問題じゃないかなというふうに思っています。
 それから、次にお伺いしたいのは、今回の改正案で、この課徴金のこの減免制度についてでありますが、情報提供を行った三番目の事業者の方までに減免の対象を限定しています。この三番目までに公正取引委員会に情報提供を行った事業者以外の人は、仮に事件が起きて、その起きたときに調査に協力をしたとしても、一律に一〇%の課徴金を課されることになる。つまり、公取の調査に協力をする事業者としては、自分たちが何番目か分からないんですよね。何番目になるか分からないわけですよ。公正取引委員会の方から、さっきお話しあったように、いろいろ調査した中であなたはトップでしたとかそういうお話をされるというふうに午前中答弁ございましたけれども、事業者の方から見ると、三番目に入るかどうか分からない。
 そういうことを考えますと、果たしてこの情報提供を、三番目に入るかどうか分からないにもかかわらずリスクを冒して果たして調査に協力をするのかどうか。若干そこのところは疑問もあると思うんですが、この点についてはいかがですか。
#118
○政府特別補佐人(竹島一彦君) これはちょっと誤解をしておられる面があるんじゃないかと今お聞きしていて思ったんですが、順番は何か公正取引委員会が調べて付けるというんじゃございませんで、例えばファクスを用意しておきまして、そのファクスに全国どこからでも掛けてくださいと、それで順番を決めますと。だれが早いか、一番、二番、三番。それで、四番目以降の人は、来ましても、もうあなたはリーニエンシーは受け付けられませんということをお知らせするわけなんで、その企業は自分が一番か二番か三番か分かるようになるわけでございます。
 そこで、なぜ絞っているのかということでございますが、これはそもそもが、違反をした者は払わなきゃならぬと、一律一〇%なり四%払わなきゃならぬということになっているものを、特別にこういう場合には免除しましょう、減免しましょうということでございますので、カルテル、談合をやるときも一緒になってやって、減免制度を申請するときも一緒になって来るというんでは、これは何のためのそもそも課徴金制度だと、こういうことになりますので、そういうことは認められないと。で、やっぱり絞らざるを得ないと。で、絞るときに、三名、これは我々の経験則でございますが、一名では、後のことを考えました場合に、一人だけの情報でもってその客観性を云々するというのはやっぱりちょっと無理があるだろうと。我々の経験則からいうと三名、三社の情報があれば全体を解明するのに相当意味のある情報を得られるんではないかと、こういうところから三名までと、三社までと、こういうことにさしていただいているわけです。
#119
○直嶋正行君 お考えは分かるんですよ。それは、みんな救済するというわけにいかぬでしょう。ただ、ファクス入れる人は自分が三番目なのか四番目なのか分からないでしょうということなんですよ。入れてそちらへ入って、公正取引委員会の方で、ああ、あなたはトップでしたと、こういうことですよね。だから、入れるまでは分からないわけですから、返事もらうまで分からないわけですから、果たしてこれを使って調査に協力しようということになるのかどうか。かなりリスクが大きいんじゃないかということを申し上げたかったわけでありますが。
 ですから、ここは多分、さっきお話あったように、課徴金を決めているんだから、みんなはそれを免除するわけにはいかないし、幾ら言ってきたからといってもと、こういう部分と、今申し上げたようなところは、またどこかでバランスを検証せざるを得ないのかなというふうに思いますけれども、実際を見て、実態を見て。
 それでもう一つ、今回の課徴金の算定についてもう一点お伺いしたいんですが、その前に、今の課徴金は元々昭和五十二年にスタートしたときは企業の売上高経常利益率を基礎として制度ができたわけですね。これが平成三年の改正で、それを経常利益率から営業利益率に変えたということなんですが、平成三年の当時の営業利益率が三・三でした。
 この数年、ちょっと事務局の方で結構ですから、ここ三年ぐらい、ちょっと教えていただけますか、営業利益率。
#120
○政府参考人(伊東章二君) 最近の営業利益率の推移というお尋ねでございますけれども、法人企業統計によりますと、卸売業及び小売業を除外いたしました製造業等の最近三年間の企業の売上高営業利益率を見てみますと、平成十三年、十四年度におきましては、大企業は四%台、中小企業は一ないし二%ということでございましたけれども、平成十六年度に入りまして、大企業はおおむね六%前後、中小企業はおおむね三%前後で推移している状況でございます。
#121
○直嶋正行君 特に、今お話ありましたが、大企業、中小企業ということで数字挙げていただきましたけれども、今朝も議論がありましたが、中小企業を中心にやはりデフレの影響で、この平成三年というのはちょうど一九九一年ですかね、ちょうどバブルがはじけるころです。ですから、大体当時の議論は、そのバブルのころの売上高営業利益率を前提にして議論されてきたわけですね。今回は、朝も議論がありましたが、かなりデフレの影響等で利益率が悪くなっていると思うんです。
 そういう中で、今回、課徴金算定率を引き上げると、こういうことでありますので、今までに比べるとかなり高額の課徴金が、一〇%になりますから、命令が行われる可能性があると。そうしますと、課徴金が従来よりも更に、さっきちょっと議論させていただきましたが、事案の重大性とかあるいはその調査への協力というものとかかわりなく、公正取引委員会によって画一的に賦課されるということになって、実は制度自体がかなり経済の実態が動くものに対して硬直的になるんじゃないかというふうに。ですから、言葉を換えて申し上げれば、硬直的になって、いわゆる実効性というものでいうと、本当にねらったような効力が上がるのかなという疑問があるんですけれども、この点はどうでしょうか。
#122
○政府特別補佐人(竹島一彦君) そもそも、その収益、全体の営業利益がどうだとか経営、経常がどうだとかということと課徴金の水準というのは制度論としては直結しない、それは別問題だと思います。
 それから、重大悪質かとか調査に協力したかどうかとかということを勘案して課徴金の水準を決めるという正にEU型の制裁金というのは、日本の場合は正に刑事罰と同じでございますので、これは二年掛けて議論する、そもそも論にかかわる話でございまして、我々は、この現行課徴金はそういう悪質性とかということには目を向けていないわけでございまして、そういうものがあった場合はこれは刑事告発をすると、こういうことになって、そちらで裁いていただくということにしておるわけでございまして、したがって、大企業製造業等の場合に一〇%というのが本当に、何といいますか、経済の実態なり企業の言わば全体の力から見て大変法外な負担を求めているものかどうかということに尽きるんだろうと思いますが、そういう点からいいますと、まだまだそういうものじゃないと。現実に今までも三千七百万円ぐらい、大企業だけの平均でも、そのぐらいの課徴金でしかないわけでございまして、欧米と比べるともうけたが違うわけでございますから、それが一〇%になってまだ何千万円の世界でございますので、そういう議論の水準には残念ながらこの改正案でも行ってないということだと思います。
#123
○直嶋正行君 結局、今回も課徴金の減免制度を導入して、より基準を上げて減免制度を導入して抑止力高めようということなんですが、私が申し上げているのは、しかし一律に課徴金が課される、しかもそれは、さっきお話ししたように、今の経済の実態からいうと、できた、六%を決めたときよりも経済はまだ良くないわけですから、そういう中で高い課徴金が課されるものに対して本当におっしゃるように抑止力として作用することになるのかどうか。そもそもがちょっと、一律に課されるというところが、要するにさっき申し上げたような裁量型のような形でやはり動かすということでないと、本当に抑止力として機能するのかどうかというところに若干問題があるんじゃないかなというふうに思っておりまして、そういう意味で申し上げたわけですが、これについてもまた状況を見た上で議論させていただきたいというふうに思います。
 それで、もう一つ次に、企業のコンプライアンス体制ということについて官房長官にお伺いしたいんでありますが、さっきも株式市場の話をちょっとさせていただきました。つい昨日ですか、大企業の粉飾決算の事件も報道されております。最近見ますと、食品表示の問題に始まって車のリコールとか株式名義の偽装とか、企業の不祥事とか犯罪というのが非常に増加しているわけでありますが、──若干雑音が入ったようでありますが。
 この規制改革をどんどん進めていって、冒頭、官房長官おっしゃったように企業の経済活動の自由が増していくと。しかし、その反面、企業としての自律、これは自らを律するということなんですが、そういう自律とか規律とか、そういうものが今非常に問われているんじゃないかと。最近コンプライアンスということがよく言われるわけでありまして、当然企業にもそういうことが求められるわけでありますが、それと同時に、やはり自由な活動を許すということになると違法行為に対してはやはり厳しく規律を課していくと、こういうことがなされていかなければいけないと思うんですが、さっきもちょっと申し上げましたけれども、私は、自由な経済活動をどんどん、それを保障していくということの整備を進めている一方で、この法整備の面が、言ってみれば社会的公正を保つとか、そういう面での法整備が少し後れているんではないかと、こういう思いも持っておりまして、そういう意味で官房長官のこういった面での法整備についてのお考えをお伺いをしたいというふうに思います。
#124
○国務大臣(細田博之君) 先ほど来の御議論も共通の問題だと思いますけれども、私は、日本の社会の伝統的な考え方、特に企業と従業員や役員個人の考え方が、言わばよく、うちの会社と言って非常に家族的な感覚を持って会社を経営し、あるいは会社の社員としての活動をすると、そういう時代を長く続けてきて、そして企業としての責任論、それから個人としての責任論がまだはっきりしないような場面がしばしば見られる面があると思いますね。会社で、実は社員の個別の過失であったにもかかわらず、社長、会長、取締役以上が何人も並んで頭を深々下げて、申し訳ございませんと言って会社を挙げて反省をいたして、また改善いたしますと、こういう場面がもう数々見られますですね。
 そしてもう一方では、社員が自らこれはおかしいぞと感じても、それを言うと何かふたをされてしまったり、外へ言えば、何か企業においては中に社員として続けていにくいというような場面が私は見られると思います。
 原子力発電なんかの問題でも、よく内部告発をした方がいいんじゃないか、それを許した方がいいんじゃないか、そしてこういうおかしいことがあるということをむしろ世の中に知らしめて、そしてそのことは責任を問わないというような新しいタイプの企業と個人、社員との関係を樹立していかなきゃならないんじゃないかという動きが出て、現にそういうことを奨励する動きは産業内にもたくさん出てきておりますね。そうしないと、リコール問題でも何でも、表に出ることが遅くて手を打ちにくいということがございます。他方、若い層はそれをまた克服して、余り大きなことだと思わずに行動をする人も出てくると。
 したがって、私は、今の状況というのは、いろんな風土が変わりつつある、激動の中で変わりつつあるわけですから、そういった企業のコンプライアンスの体制というものは、地盤が変わりつつあるのであるから、それを制度的にもあるいは社内の感覚としても変えていく時期に来ていると思います。
 したがいまして、私どもは、もちろん法令違反行為については厳正に対処するということが一方でございますが、その違反の行為があれば、まあリーニエンシー等の制度もちょっと似たところがありますけれども、こういう問題があるというときには、できるだけ早く表に出して是正するような全体の体制を整備していくことが、全体としてはこの日本の産業社会の発展にも、あるいはあらゆる安全面その他の社会への影響面でも、私はプラスが大きいんじゃないかと思います。
 行政サイドの考え方も今そういうふうに変わりつつあるわけでございますが、どこでどういう具体的な措置をとるかということは今後個別に考えていく必要があると思っておりますが、方向は正にそういうことではなかろうかと思っております。
#125
○直嶋正行君 今のお考えを受けてもう一つお伺いしたいのは、さっきもちょっと議論さしていただいたんですが、この独禁法に関して言いますと、そういう意味では大変重要な法律だと、基本的な法律だと思うんでありますが、先ほどちょっと申し上げましたように、課徴金と刑事罰と、こう二本立てになっておるわけですが、実際にはこの刑事告発、これは公正取引委員会の方も積極化すると、こういう方針をお示ししておられるというふうに聞いていますけれども、しかし実際には非常に少ないわけですね。平均しますと二年に一回ですから、一件です。
 したがいまして、そういう意味で言うと、今の独禁法はその規律という面で言うと十分機能していないんではないかと、こういうふうに思うんですけれども、この点は、じゃ官房長官、どのように見ておられますか。
#126
○国務大臣(細田博之君) 今までの枠組みと今回御提案している中身は、やや従来型の日本企業なり社会を前提とした枠組みとして、余り過大になって角を矯めて牛を殺してもいけないし、また、大きな課徴金等の影響を恐れて企業が自律的に規制をしていくためのころ合いの内容であることは私は認識しておりますが、それだけでいいのかというと、私は、正に直嶋議員の御指摘のように、今後の検討の過程においては、またいろいろな考え方で対応することは社会の変化あるいは企業の風土の変化も含めて私は必要なことであろうと思いますから、こういった制度の問題についても、今後の内閣府に設置される予定の検討の場においても幅広く検討すべきではないかと思っております。
 ただ、先ほど公取委員長からもお話がございましたように、行政の迅速性とか合理性とか、我が国の法体系全体はそれじゃどう考えていくんだという大きな問題も横たわっているのではないかと思っております。
#127
○直嶋正行君 今、答弁の中でもお触れになりましたが、今後の課題という意味で、先ほどいわゆる制裁金の話をちょっとさしていただきましたが、今度別の角度からちょっとお話をさしていただきたいんでありますが、それは我が国のいわゆる刑事司法制度の問題であります。
 さっきも刑事罰の問題で若干、委員長と、個人と事業者というか、個人と法人という形で議論さしていただきましたけど、要するに日本の場合は法人についてと個人と両方罰するようになっているわけでありますが、法人、要するに刑法上の考え方として法人に刑罰を科すためには行為者個人の処罰を求めると、こういう考え方の上に今の罰則規定成り立っていると思うんであります。
 そうすると、実際にこの独禁法違反事件で公正取引委員会が仮に重大な、極めて悪質だという判断をされて告発をされるとしても、その行為者個人、これは企業のトップでない、従業員の方含めてですね、行為者個人が結果的にその企業の行った違反行為のために、本人は指示されて、それほど悪質じゃなくても、その企業が行った違反行為が非常に悪質なものであれば、その社長が罰せられるならまだいいんですが、担当の方が、まあ言わばやや巻き添え的に個人が罰せられると、こういう問題も出てくるんじゃないかと思うんであります。
 そういう意味で言いますと、例えば、これは是非ちょっと御紹介いただきたいんですが、アメリカなんかだと、アメリカの制度は、私聞いているのは、この独占禁止法の刑事罰について行為者個人の処罰を前提とせずに、いわゆる企業自体を直接罰則の対象にしているというふうに聞いています。こういう考え方でないと法人と個人の間でいろいろと問題が出てくるんじゃないかと思うんですけれども、この点、公正取引委員会の方でアメリカの状況等を含めて情報があれば教えていただきたいと思います。
#128
○政府参考人(伊東章二君) アメリカにおきます法人、それから個人に対する刑事罰の適用状況ということでございますけれども、アメリカでは競争法の主要なものとしましてシャーマン法というのがございまして、その一条で取引制限行為、いわゆるカルテルといいますかそういう行為、第二条で独占行為、これを規制しておるわけでございますが、それの違反行為を行った法人又は個人に対しましては刑事罰の対象ということでございます。
 直近の二〇〇三年度の刑事罰の運用状況を見てみますと、起訴件数四十一件でございます。内訳を見ますと、法人に対する罰金刑が十七法人、平均で三百七十五万ドル。個人に対する罰金刑が十六人、平均で二・四万ドル。それから、個人に対する禁錮刑が十五人、平均六百二十二日と、こういう状況でございまして、法人、個人いずれにも罰金刑あるいは禁錮刑が科されておる状況でございます。
 なお、先ほど申し上げましたシャーマン法二条の独占行為につきましての刑事罰が適用された例はございません。
 以上でございます。
#129
○直嶋正行君 今、米国の話があったんですが、ちょっと、次、法務省にお伺いしたいんですが、いらしていますかね。
 アメリカでは、この企業の犯罪について、いわゆるコンプライアンスの実施状況等を一種の、何といいますか保護観察、企業そのものを保護観察下に置いて、保護観察官にその状況を報告されるという、こういう制度があるというふうに聞いているんですけれども、例えば、ちょっと私どこかで、新聞でちょっと拝見したんですが、法務省でも、この企業犯罪に対応していくために、個人の処罰だけでは限界があるんで、このアメリカのような一種の保護観察も含めて法人処罰の在り方について検討されているというようなことを報道で見たことあるんですけれども、こういう議論は今されているんでしょうか。
#130
○政府参考人(河村博君) 法人に対する刑罰ということになりますと、主刑といたしましては、今、財産刑である罰金しかないという状況ではございます。
 これは、社会としての非難として国家権力によって一定の法的制裁を科すということではございますけれども、ただ、この独占禁止法などを含めまして、様々な刑罰法規におきまして我が国の場合には行為者を罰することができるようにするとともに、その法人は様々な社会活動を営んでいるという実態踏まえまして、両罰規定によって罰則が科し得るという形になっているわけではございます。
 ただ、今、法人に対する社会的制裁としての刑罰といったものをこれまでどおりでいいのかというための調査検討を行っているということでございまして、つまり、現在我が国が直面しております社会経済構造の変革の中で、国民が安心して暮らせる社会、ルールに従った健全な経済活動が営まれる活力ある社会を確保するために、例えば大陸法の中の一部の国には法人には罰金という刑罰というものを考えない法制の国もございますけれども、日本の場合には刑罰としての罰金もございますけれども、それ以外にいろんな在り方がないかということで調査をさせていただいておると。
 ただ、先生が具体的に御指摘になりました保護観察というふうな話になってまいりますと、それを導入するために検討しているということではございませんで、各国様々な在り方、法制、運用などについて調査検討を行っているということでございまして、今後とも引き続き、関係省庁とも協議しつつ必要な検討を行っていきたいと考えている状況でございます。
#131
○直嶋正行君 法務省も大変だと思うんですよね、ここのところ、特に先ほどお話しした会社法も含めて非常に大きな法律がどんどん今改正をされているという意味でなかなか大変だというふうに思うんであります。
 多分今の答弁は、私がちょっとはっきり保護観察なんて言っちゃったものですから、誤解を受けちゃいかぬということで、多分よく分からない答弁、お答えをされたんだと思うんでありますが、いずれにしてもあれですよね、今のままじゃどうなのかなと、ちょっとこのままじゃ駄目なんだろうなと、そういう問題意識はお持ちなんでしょうかね。
 具体的に一つ例挙げて申し上げますと、いわゆる牛肉の産地偽装事件というのが以前大きな報道されたものがありましたけれども、このケースでちょっと具体的に申し上げますと、元工場長が業務上過失致傷罪とか詐欺罪で個人は起訴されたんでありますが、企業の方は食品衛生法の業法違反ということで罰金五十万円だったと。これは当時かなり話題になったわけですけれども、こういう似たような話がたくさんあるんですよね。
 そういう意味でいうと、このままじゃやはりいろいろと問題があるんだなと、そういう合理主義といいますかあるいは問題意識を持って議論をしていると、こういう受け止め方をさせてもらってよろしいですか。
#132
○政府参考人(河村博君) 先進国の中には、基本法であります刑法典の中に法人一般の制裁というものを規定している国もございます。ところが、日本の場合、先生今御指摘になりましたような、刑法に規定されておりますような犯罪が組織的に行われた場合に、その法人を処罰するという形にはなってございませんで、それでいいのかという問題意識も含めまして様々な観点から検討しておるということでございます。
#133
○直嶋正行君 ちょっと、あと、法制局来ていらっしゃいますかね。済みません。
 ちょっと最初の方から、行政制裁金の、いわゆるEU型の行政制裁金を独禁法上考えるべきじゃないかという議論させてもらったんでありますが、いずれにしても、今、法人刑罰の在り方ということについてちょっと申し上げさせていただいたんでありますが、全体的に日本の特に法制見ると、今議論させていただいたように、いろいろと行政サイドの、行政がおやりになる部分も含めて問題があることは事実だと思うんです。
 例えば、今回の独禁法の改正なんかも含めて、これらの問題について法制局として多分、法律全般横並びというのは多分法制局の方でいろいろとお考えになると思うんで、その部分について御見解があればちょっとお伺いしておきたいと思うんですが。
#134
○政府参考人(石木俊治君) 政府の法律案にかかわる内閣法制局のかかわり方でございますけれども、一般に、政府における法律案立案の際には、担当省庁がまず案を作った上で、法制局においてその必要性、合理性、既存法制との整合性などを十分に御説明していただいた上で検討するという手順といいますかルールになっておりますので、いろいろ先生の方で課題があるという御指摘でございますけれども、法制局としましては、そういう担当の省庁、関係の省庁からの提案を受けてということになろうと思いますので、今の段階でちょっとまだお答えする用意はございません。
#135
○直嶋正行君 多分、担当省庁から法案が出たときに横並びでいろいろとチェックされるのは法制局じゃないかと。そのときに、何といいますか、私は法律というのは非常に保守的なものだというふうに思うんですね。ですから、そういう意味でちょっと今いろいろと申し上げたことについて法制局の御見解を伺ったんですが。
 最後に、この問題の最後ということで、官房長官にお伺いしたいんでありますが、先ほど行政制裁金の話させていただきました。それで、今この刑罰の話をさせてもらったんですが、いずれにしても、今日議論していますこの独禁法の実効性を高めると、こういう視点に立ったときに、法体系の問題としてたくさん議論する余地があるんじゃないかと。基本的に今の日本の法体系を変えずに考えるとすれば、やはりこの企業犯罪処罰といいますか、こういうものについてのやはり法制ということをきちっと見直していかなければいけないんじゃないかと、このように思っているわけでありますが。
 先ほど、二年後の見直しのお話もありましたけれども、そういう二年後の見直しの中でこういったことも含めて議論をしていくことになるのかどうか、あるいは、今申し上げたように、企業自体を直接処罰するようなことも議論の俎上にのせていくのかどうかということについて御見解をお伺いしたいと思うんですが。
#136
○国務大臣(細田博之君) 基本的には、二年後の議論というのは、この今の独禁法の枠の中での様々な見直すべき内容がどれかということで議論するわけでございます。したがって、新法の施行の状況とかあるいは社会経済情勢の変化等を勘案し、また、この課徴金の違反行為、こういうものを検証しながら、また、これを排除するために必要な手続をどうあるべきか、審判手続どうあるべきかというような、こういった検討になると思いますが、私は、今、直嶋議員がおっしゃることは、我が国法制度の明治以来の大きないろんな体制にかかわる問題でもあると思うんですね。したがって、これは立法府の問題でもあるんじゃないかと、失礼ながら。正にこれは、一体今後どう考えていくのかと、日本社会がどんどん変化していく、その中の経営者とか社員とか消費者とか、いろんなかかわりがあって、その中でこういった体系をどう考えていくんだろうかと、企業の責任とは何なんだろうかという大きな問題を含みますので、是非、国会の側でも是非御議論をいただきたいなと。
 単にこれは法制審議会か何かで議論しなさいといって、従来型の発想で物事に取り組む人だけでは簡単に乗り越えられないかもしれませんね。私どもはそういう問題意識はよく理解もしておりますし、世の中がだんだん変わっていきますから、変化に応じた考え方の改正をしなきゃいけない。リーニエンシーという制度だって明治以来の日本人にはもうあり得ない制度ですよ。それから内部告発、例えば原子力発電所内で検査が怠られていたのを告発しても、それでいいことにしようじゃないかというのだって新しい考え方です。どんどんどんどん実態が変わっていくわけですから。その中で、是非これは立法府の問題としてもお考えいただきたいと思いますし、政府もこういった検討の中では次第にこの実態に合ったような、あるいはより効果の大きなものに変えていくということが大事なことだと思っております。
#137
○直嶋正行君 ありがとうございました。
 私の持ち時間はもう大分なくなったんですが、ちょっと残る時間の中で、あと官製談合の問題についてお伺いをしたいと思います。
 政府の方は、昨年、さっき官房長官もお話しになりましたが、いわゆる経済財政運営と構造改革に関する基本方針、二〇〇四年の方針でありますが、この骨太の方針、この中で、「発注者側に談合への関与があった場合の制裁の厳格化を検討する。」と、こういうふうに、こういう表現で述べられております。いわゆる官製談合防止法の見直しということになろうかと思うんでありますが、この状況について、まず現状をお話しをいただきたいと。もちろん、民主党も今いろいろ議論さしていただいていますし、お聞きするところによると自民党さんの方でも議論されているというふうに聞いています。
 そういう状況下でありますが、政府として今どういう検討状況にあるのか、教えていただきたいと思います。
#138
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 正に、議員立法で制定された官製談合防止法でございます。そういう経緯もございまして、与党、野党でそれぞれ検討をされておられます。それに対して私どもは、少なくとも公正取引委員会としては、いろいろな検討材料とか御説明とか、そういう形で協力をさせていただいているという状況にございます。
#139
○国務大臣(細田博之君) 骨太方針の二〇〇四におきまして、発注者側に談合への関与があった場合の制裁の厳格化を検討することとされております。
 これを踏まえまして、政府としても、この官製談合防止法の積極的な運用に努めながら所要の検討を行ってまいりたいと思っておりますが、先ほど委員長も言われましたように、民主党においても改正案についての議論が行われていると承知しておりますし、与党においてもまた様々な議論が行われていると承知しておりまして、元がこの議員立法でもございますし、政府・与党あるいは各党との連携を深めながら検討してまいりたいと思っております。
#140
○直嶋正行君 今のお話ではちょっと僕よく分からないのは、我々も検討をもちろんしているしということなんですが、議員立法で成立した法律でありますから、基本的にはあれですかね、もう国会に任すと、こういうことなんでしょうか。そのためにいろいろネタは出すけど、公取委員長の答弁はそうですよね、ネタは出すけど議員立法なんだからそちらでやってくれと、こういう感じに聞こえたんですけど、そういうことですか。
#141
○政府特別補佐人(竹島一彦君) やはり議員立法ですから、改正なさるときも議員提案でなさるんであろうと。したがって、私どもとして、閣法として、政府として改正案を提案するというふうには思っておりません。
#142
○直嶋正行君 正直言いまして、実は我々も議論しているんですが、なかなか難しい問題があります。そういう面で是非また政府の方にいろいろと知恵もかしていただきたいと、こう思っていますので、民主党の担当としてお願いも申し上げておきたいと思います。
 それで、あと五分ばかりしかないんですが、典型的な官製談合事件といいますか、これは昨年七月の新潟市の発注の建設工事をめぐる問題であります。ちょっと時間がないんですが、委員長、この概要を簡単にこういうことあったということでここで御説明していただけますでしょうか。
#143
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 新潟市発注の土木ですが、具体的には下水道の推進工事、何かこう上を開けずにやる推進工事、それから開けてやる開削工事、それから建築の三つの分野におきまして入札談合事件があったわけでございます。
 平成十一年四月以降、百十三社が受注予定者を決定し、受注予定者が受注できるようにしていたということでございまして、私ども勧告をいたしました。その中で、新潟市の課長を含む複数の職員がこの建設工事の発注にかかわるその情報を継続的にその業者に提供していたといったようなことが分かりましたので、それの個別具体的な名前も押さえましたので、それを併せまして新潟市長に対し官製談合防止法第三条二項の規定に基づいて改善措置を求めたと、こういうものでございまして、その後新潟地検において刑法に基づく摘発があったと、こういうことでございます。
#144
○直嶋正行君 今、概要をお話しいただきました。
 それで、たしかこの新潟の事件は、今朝ほども議論ございましたが、いわゆる官製談合防止法ということでいいますと、岩見沢の事件に続いて二件目だということであります。この官製談合防止法が実施されたのは平成十五年の一月なんですが、この平成十五年、十六年の間に公正取引委員会でいわゆる入札談合で排除勧告を出された件数というのはざっと分かりますかね。どれぐらいですか。──ちょっと、昨日これ答えてくださいと頼んでおいたんですけど、大丈夫ですか、数字出ますか。
#145
○政府参考人(楢崎憲安君) 平成十三年度、三十八件勧告しております三十三件が入札談合、十四年度は三十七件中三十件、平成十五年度は二十五件中十四件、それから平成十六年度は三十五件中、たしか二十二件だったというふうに、そういう状況でございます。
#146
○直嶋正行君 そうすると、十五、十六年でいくと大体ざっと三十六、七件でしたかね。ですから、この入札談合で排除勧告を行った件数と比べますと、この官製談合防止法の適用というのはわずか二件ですから極めて少ないということなんですが、これはどうなんでしょうか。私、感覚的に言うと、実際はもっとたくさんあるんだけど、ごくわずかしかまだ表面化してないといいますか、こういう、摘発されてないと、こういうふうに言われているんですが、そういう認識でよろしいですか。
#147
○政府参考人(楢崎憲安君) 私ども、入札談合事件たくさん調べてございますけれども、実態として、民間事業者同士でチャンピオンを決めて価格連絡をして受注をするというふうなルールが、そういう談合が多くなっているわけでございます。
 また、そして実際問題、仮に、官が関与しているような疑いが仮にあるにしても、やはり民間業者、談合している人たちから官がどのようにかかわっているかどうかということを、そこから積み上げていく、証拠化していくわけでございますけれども、なかなか事情聴取しても証拠化するのが難しいと、証拠面からの難しさといったものも一方でございますけれども、実態的には、私ども実感として、民間業者主体の入札談合も、が多いなという実感でございます。
#148
○直嶋正行君 つまり、まあそれほどないんだよと、こういうことですか。
#149
○政府参考人(楢崎憲安君) いや、実態として我々解明できたのが二件ということでございます。
#150
○直嶋正行君 たしか公取委員長も、これ衆議院のちょっと議事録を拝見しますと、衆議院の委員会で、率直に言って官製談合防止法の適用には壁があると、こういうことを衆議院の委員会、これは去年の十一月の委員会だったと思うんですが、答弁されているんですけれども、実際具体的にどういう、どの辺が難しいのか、壁があるのか、その辺ちょっと御見解をお伺いしたいんですが。
#151
○政府特別補佐人(竹島一彦君) これは今審査局長が申し上げましたように、民間事業者の方も、もとより行政、発注者側の行政の方の職員も、そういうことについて正直に情報を提供してくれないと、聞いても、それは分かりませんとか、要するに、官製談合の存否そのものも含めて、だれがどういうふうにかかわってどういう指示があったんだ、どういうところから設計価格なり予定価格が漏れたんだというようなことについて全部押さえなきゃならぬわけですが、それについて協力が得られないという現状があるわけでございます。
 したがって、これはすべてがリーニエンシーで解決できる問題ではございませんけれども、リーニエンシーが導入されますと、そういうことも含めて正に誠実に公正取引委員会に情報提供をしていただくということがなければリーニエンシーの適用になりませんので、もしも御指摘のように官製談合があると、もっとあるんだということであれば、そういうものも我々に情報として上がってくるはずで、個別具体的に押さえることができるんではないかというふうに思っているわけでございます。
#152
○直嶋正行君 ちょっと時間過ぎてますが、藤末議員の御了解をいただいてちょっと延ばさしていただきます。
 あと一、二問お伺いしたいんですが、今のお答えの中でもちょっとお触れになったように思うんですが、今回の改正案でいわゆるこのリーニエンシーやあるいは犯則調査権限、導入されますね。このことによって、あれですかね、これから、そういう意味でいうと、今のおっしゃったいわゆる壁があるといいますか、この部分は少しは突破されて適用件数が増えると、こういうふうにお考えですか。
#153
○政府特別補佐人(竹島一彦君) どの程度かは分かりませんが、今よりははるかに改善されると思います。犯則調査権限でございますと、これは正に強制調査権限でございますから、もう現在の任意調査とは威力が違うわけでございますんで、証拠を得る、証言を得るに当然有効に働くだろうと期待されますし、もう一つのリーニエンシーの方も、これがあるんで真相が分かってくるということでございまして、現在のよりははるかに我々としては情報に接する密度なり精度が上がるだろうと、こういうふうに思っております。
#154
○直嶋正行君 実は私どもが今回の独禁法改正案で一番問題視したのは、官製談合の部分について改定がされてない中で、民間の方にいろいろと規制が強くなると、こういうことについて一番大きな問題点に挙げさしていただいたわけであります。衆議院の方に提出さしていただいた法案でも、私どもはこのリーニエンシーについても官製談合を一枚かました形にさしていただいています。
 そのことについてはここで答弁は求めませんが、いずれにしても、そういった問題も含めて、ちょっと今日はこれで切らしていただいて、来週もう一度機会あるようでございますんで、引き続き質問さしていただきたいということで、若干の予告を申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
 どうもありがとうございました。
#155
○藤末健三君 民主党の藤末でございます。
 まず、質問に入ります前に、直嶋議員との質疑の確認をさしていただきたいんですが、直嶋議員から、二年後の、二年以内の見直しにおいて不可欠施設の議論を行うかどうかという問いがございましたが、その問いに公正取引委員会委員長は、対応しないと、検討しないとお答えられたと記憶しておりますが、いかがでございますか。
#156
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 内閣府に置かれる附則十三条に基づく検討委員会のテーマではないんではないかということを申し上げただけでございまして、別途、この不可欠施設に対する規制が必要かどうかというのは、これからの推移、それぞれの事業官庁におかれる、何といいますか、監督の在り方、また関係業界のその動き、新規参入の度合い等々を見て、やはりもっと迅速な処理が必要であるということになれば、それはそれとして法律の改正を検討さしていただくということでございまして、内閣府の検討の場の話ではないということだけを申し上げたつもりでございます。
#157
○藤末健三君 官房長官にお聞きしたいんですが、公正取引委員会の外の内閣府にこれから検討委員会を置かれるわけですよね。委員長が今この場で検討の対象じゃないということをおっしゃる権限はあるかどうかについて、長官にお聞きしたいと思います。
#158
○国務大臣(細田博之君) 附則の十三条の規定が、「課徴金に係る制度の在り方、違反行為を排除するために必要な措置を命ずるための手続の在り方、審判手続の在り方等について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。」とあるものですから、形式的というか条文的に見てこの付託事項に入ってないということを委員長が言われたと思います。
 政府として、では今後すべて必要がそういうことはないのかといえば、いろんな産業あるいは社会の変化によって様々な事例がこれからも出てくるわけですから、もうNTTでも一件出ておりますし、今後も出てくる可能性もありますので、そういった実態も見ながら必要に応じて検討をしたいと思っておりますが、この十三条の対象に書いてないといいますか、対象でないということを委員長は答弁したと思います。
#159
○藤末健三君 そういうことでは、答えとしては、委員長のおっしゃる権限の範囲内ではないけれどということでございますよね。
 私が今回の独禁法につきまして本当に思いますのは二つございます。一つは、やはり大きな枠組みの改定じゃないと。午前中に沓掛先生、またいろいろな同僚議員から御指摘ありましたけれど、司法改革の流れがある中で、それを見ているかどうかというと、見ていないんじゃないかと。また、規制緩和が進む中で、その規制緩和を見ているかどうかというと、見ていないんじゃないかというふうに私は思います。それが一つ。そしてもう一つは、急遽議論を進めたゆえにいろんなところで妥協をして、僕ははっきり申し上げて、細かいところはひずんでいると思います、この法律は、正直申し上げて。
 それは後で御指摘しますけれど、小さなところでいろんな妥協を生み、重ねて、一貫性がないところが相当あるんじゃないかと思っていまして、この二つ、大きな流れに見ていない、本当に既存の枠組みでの議論でしかないということ、そしてまたもう一つは、様々な妥協を繰り返しまして、いろんな不整合が生じているんじゃないかということでございまして、二年後の、二年以内の見直しにおきまして大きな枠組みで議論していただきたい、いかなければならないと思います。
 私は本当に、今回の公正取引委員会の皆様が努力されたのは本当に多としますけれど、個人的には。ただ、もうこんな法律がまた出るようであれば、もう我々本当に多分、僕は超党派でもうこれ全然違う法律を参議院から出さなきゃいかない、そのぐらいのものだと私は思っています。
 それで、官房長官に御質問申し上げたいのは、先ほど申し上げましたように、やはり司法改革、あと規制緩和という大きな流れがあるわけでございますが、今回の改正におきましては、やはり既存の枠組みにとらわれ過ぎているんではないかと思っておりますが、そこにつきましてはどういうふうにお考えでしょうか。
#160
○国務大臣(細田博之君) 一般論で言いますと、先ほども直嶋議員からも御質問がありましたように、いろんな状況変化というものがこの経済界あるいはこの社会全体に生じておりますので、そういった中で、この独禁法の目的が、競争を促進して健全な経済体制を確立するとより発展していくということであろうかと思います。そのために必要なことは、絶えず状況の変化に応じながら検討しなければならないと、これは私どもの責務であると考えております。
#161
○藤末健三君 是非とも大きな枠組みからの議論をやっていただきたいと思います。
 私は、浜田委員からの御質問もありましたけれども、午前中に、やはり今のその独禁法の運用を見ていますと、もう法体系自体が問題あるかもしれませんが、やはり何か小さな魚を一生懸命すくっている感じがするんですよ。実際の案件のリストを見ますと、いろんな中小企業とかが入っていると、一方で大きな問題については余り触れられていないという状況でございますので、是非とも大きな枠組みを見直し、大きなやっぱり魚を取れるような網をつくっていただきたいと思います。そのためにも、特に不可欠施設、その通信、放送、航空と電力とかいった不可欠施設についての議論は是非やっていただきたいです。お願いします、これは。
 次にお聞きしたいのは、今回、内閣府の方で新しい委員会をつくり議論を進められるということでございますが、私は、今回の独占禁止法の議論が迷走しましたのは、やはりこの開かれていない公正取引委員会の下の勉強会の報告をベースに議論を進められたからではないかと思います。そしてまた、国会においてもこれだけ議論がいろいろ出てきたというのは、表に見えないところでいろんな妥協が生まれていること、そこに尽きると思います。
 したがいまして、今回検討の委員会をつくるときには、まずメンバーを多様なメンバーにしていただきたい、配慮をしていただきたいとともに、大事なことは、パブリックコメントを取るようにしていただきたいんですよ、是非、パブリックコメント。それにつきまして官房長官はいかがお考えでしょうか。
#162
○国務大臣(細田博之君) 今後二年以内の検討をするという段階になった場合、できるだけ速やかにこの場を設立しなきゃなりません。そして、そのメンバーにおきましては、今、藤末議員がおっしゃいましたように、できるだけ多様な角度から御判断いただけるようなメンバーにお願いをいたしたいと思っております。
 また、パブリックコメントの面でございますけれども、このまず委員会自身の議論はできるだけ透明度を上げて、世の中に広く会議録等も含めて公表してまいりたいと思います。と同時に、パブリックコメントは必ず求めるということで、中小企業等も含めた国民各層の意見を聴取してまいりたいと思います。
#163
○藤末健三君 官房長官、本当にお忙しい中、ありがとうございました。私はもう官房長官に対する質問これで終わらさせていただきますが、是非ともパブリックコメントということと、大きな流れを見て議論を進めるということをお願いしたいと思います。ありがとうございました。
 続きまして御質問申し上げたいのは、今回、いろんな妥協の下にこの独禁法の小さなところがゆがんでいるという状況がございますので、その点を指摘させていただきたいと思います。
 まず、今まで何度も議論がございましたけれども、課徴金の性質、不当利得の没収かそれとも制裁かという議論、そしてまた刑罰との関係というのがございますが、今回の法改正におきまして、刑罰と課徴金が、罰金と課徴金が科された場合に半減するという措置ございます、半減すると。この半減の理由、どういう根拠で半減するかということを御説明いただけないでしょうか。公正取引委員会の方にお願いします。
#164
○政府参考人(伊東章二君) 刑事罰と課徴金が併存といいますか併科される場合の調整の規定のことでございますけれども、私ども、基本的には刑事罰と課徴金というのは、その趣旨、性格等を異にするということから二重処罰の問題はないだろうというふうに考えておるわけでございますけれども、一方で課徴金は違反行為防止を目的とし、また刑事罰においても、事実上違反行為の抑止効果をも一つの効果として期待されるという意味で、両者に共通する部分があるということでございますので、違反行為防止という行政上の目的を踏まえ、両者を併科する場合にはこの共通する部分に係る調整を行うことが政策的に適当であると判断して、課徴金の額から罰金額の二分の一に相当する額を控除する規定を設けさせていただいているところでございます。
#165
○藤末健三君 これ、ちょっと法制局の方にお聞きしたいんですけれども、まず一つあるのが、二重処罰に当たらないという見解の下に罰金と課徴金は違う性質ですということをおっしゃっているわけですよね。ところが、両方が一緒に科される場合は、じゃ片方、課徴金は半分にしましょうということは論理的にもう完全にずれていると思うというのが一つです。これが一つ。
 それともう一つ、なぜ五〇%なのかという理由が全く説明されていないんですよ。なぜ半分かと。まともに考えれば、課徴金と罰金というのは性質を異に、異なるものであると、二重処罰には当たりませんというんであれば両方とも科さなきゃいけないはずなんです、法的には。
 このような先ほどのロジック、僕は全く違う、おかしいと思うんですが、このようなロジックは許されますでしょうか。法制局の見解を是非お聞かせください。
#166
○政府参考人(石木俊治君) まず、課徴金と刑罰との関係でございますけれども、これは委員もおっしゃったとおり、るる議論も出ておりますとおり性格が異なるということでございまして、基本的には二重処罰の問題が生ずることはないということがまず第一でございます。
 それから、では、しからばなぜ二分の一の調整規定を置くのかということでございますが、これは担当の公正取引委員会の方から御提案があったわけでございますけれども、全体として見て性格は異なると、ただ刑罰の役割といいますかその効果としまして、懲罰的といいますか非難、社会的非難とかそれに値する、それを示すという機能のほかに、刑罰にもやはり予防措置といいますかそういう機能があると、こういう両方があって、そのうち、その予防する機能の方に着目してみますと、機能の面で課徴金と似たようなところもある、したがって、科される方の人の立場にとってみて、そこに対する効果の面から、余り課徴金として余計なあれはしないということもあるんだろうと思いますけれども、それで、その部分については調整をするのが政策的に適当であると判断したという御説明をいただいたわけであります。
 その二分の一というのは、その二つの機能があるのでというような、言わば簡明を期したということだと説明を受けたわけでございます。
#167
○藤末健三君 法制局の方にまたお聞きしたいんですが、公正取引委員会から二分の一にしたいという話があったのでという御説明だと思うんですよね、それは。じゃ、三分の一でやりたいと言ったらそれはオーケーされるわけですか、公正取引委員会が。いや、法制局の方にお聞きしたいんですよ。
#168
○政府参考人(石木俊治君) ちょっと、仮定の御質問なんで答えにくいんですけれども、そういう御提案があればそれに即して検討したであろうと思います。具体的な提案は二分の一ということでございました。
#169
○藤末健三君 申し訳ないんですけれども、そういう、何というかな、根拠がない多分二分の一だと思うんですよ、私は。そういうのは許されるんですか。それがあるから、こういう妥協に妥協を重ねていくんじゃないかと思うんですよ。ある団体がこれはおかしいと言ったら、いや、じゃ二分の一にしましょうと。まただれかが言ったら三分の一にしましょうと。まただれかが言ったら四分の一になっちゃうんですよ、理屈がないから。それを許してよろしいんでしょうか、法制局が。御質問します。
#170
○政府参考人(石木俊治君) 全く根拠がないということではなくて、先ほど申し上げましたように、二つの機能を持っているということを前提にして、そのうちの片方の機能の方が似た部分があるので政策的に調整するのが適当であるという御説明をいただいたということでございます。
#171
○藤末健三君 それで二分の一になるんですか、はっきり申し上げて。余りいろいろ突っ込んでお聞きしようと思わないんですけれども、(発言する者あり)いいですか、じゃ突っ込まさせていただきます。
 いや、本当に法制局がきちんとチェックしていただかなければ困るわけですよ、これは。どんどんどんどん妥協を繰り返すわけですよ、法的なロジックもないままに。法律に妥協は必要かもしれないですけれども、説明できるものでなければ人は従わないと思います、はっきり申し上げて。そこはやっぱりきちんとやっていただきたい。この二分の一というロジックは、二つの性質があるから、じゃ二分の一にしましょうと。じゃ、もう一個性質を決めたら三分の一になるわけですか。そういう話じゃないと思いますけれどもね。
 まあちょっと次の、じゃもうせっかくなんで、ほかにもおかしいところがありますんでお聞きします。──いやもう、いいですから。──じゃお答えください。どうぞ。
#172
○政府特別補佐人(竹島一彦君) お願いした立場で御説明申し上げたいんですが、藤末委員がおっしゃる、たしか民主党さんは全額控除という対案を出されていると思うんですけれども、この話は、もう全然控除しないか、全額控除するか、半分にするか、私は三つしかない。それは、三分の一とか三分の二とかというのは何か具体的なロジックがあればそういうことでございますが、我々の理屈というのは、今るる局長が申し上げましたように、刑罰には二つの機能があるということを申し上げている。したがって、そのうちの一つが重複しているから半分という政策判断をしたということを申し上げているわけで、私は立派な論理だと思っております。(発言する者あり)
#173
○藤末健三君 重さ、もうおっしゃっるとおりなんですよ。これは簡単に言うと、選択肢は三つあるとおっしゃいましたけれども、二つしかないんですよ。ゼロか一〇〇なんですよ、必ず。その二つの性質があります。同じ重さですよということであれば分かりますよ。もしかしたら九九と一かもしれないじゃないですか。それで何で半分になるんですか。お答えください。
#174
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 確かに、全然調整をしない、全く単純に併科すると、現行はそうでございますけれども、そういう考え方もあると思いますけれども、私どもは各方面と議論した結果、政策的にここは調整規定を設けるのが妥当だろうという判断をしたと。純法律的に出てくる話ではございません。
 一方で、全額控除というと、正に行政、我々は行政制裁金というふうには銘打ってもおりませんし、刑事罰に代わるような、一〇%に上げたところで刑事罰に代わるようなものであるとは思っておりませんので、全く同質であれば当然十割の調整という問題になってくるんでございましょうが、それはそもそも基本的には違うということはもうるる御説明しているとおりでございます。さはさりながら、共通する機能に着目して、政策判断として二分の一の調整をするという判断をしているということでございまして、これの是非が問われるべきであって、数学的に答えが出てくるという話ではございません。
#175
○藤末健三君 行政サイドでやるんであれば、これは二分の一と書くべきじゃありません。よろしいですか。二分の一と書くべきじゃないんですよ。行政の判断で決めますと法律に書かなきゃまずいじゃないですか。いかがですか。
#176
○政府特別補佐人(竹島一彦君) それは正に、行政の処分の裁量性をどこまで認めるかという問題でございまして、私どもはそういう裁量をあえて自分たちからいただこうという提案をしていないわけでございまして、その代わり、きちっとこういう場合には二分の一ですよということを法律に決めていただいて、それに基づいて行政を執行しようと。ある場合は二分の一にする、ある場合は全然認めないというような、そういう裁量をこの独禁法という法律の運用に当たってできるだけ取るべきではないという考え方に立っているわけでございます。
#177
○藤末健三君 趣旨は分かりますけれども、裁量でもない、法的な枠組みでも違うという話であれば、きれいにやっぱり整理しなきゃいけないと思うんですよ。ほかにもいろいろなゆがみはあると思います、僕は、そういう妥協をしたところでおいて。私は行政サイドがやり過ぎちゃいけないとは思うんですけれども、今のこの司法改革案の流れを見ると、事前調整から事後で救済しましょうという方向じゃないですか。もっと自信持って公正取引委員会がきちんとやればいいと思うんですよ、僕は。違います。いかがですか。
#178
○政府特別補佐人(竹島一彦君) それは厳正に法律を執行するのが役目だと思っていますが、私どもの裁量をじゃ働かしてやるかどうかについて大いにそれは議論があるところでございまして、そういうことになれば、正に裁判所側の話とどこがどう違うんだと、こういう話にもなろうかと思います。私どもは、裁判所に話を持っていったときの手続と時間その他を考えたときに、先ほども別な委員に御答弁申し上げましたけれども、この行政処分が実効性を持って効率的に行われると、それによって競争秩序が一日も早く回復をするということが大事なんでございまして、そのためには多くの件数を迅速、効率的に、平等に裁かなきゃいけないと。そうなった場合に、裁量を利かせるということが自信を持つということにはならないと私は思っております。
#179
○藤末健三君 迅速性とかいう話をされていましたけれども、こういう基準が決まっていれば迅速にできるものではないと思うんですよ。先ほど直嶋委員からも話がございましたけれども、例えば私は課徴金も一〇%というものを決めるべきじゃないと思います。やっぱりケース・バイ・ケースで全然違うと思うんですよね、そういうものは。ですから、やはり私が申し上げたいのは、課徴金であっても例えば案件ごとにきちんと決めていくということをすべきじゃないかと思います。
 具体的に、アメリカ、EUなどではもうそっちの方へ進んでいるじゃないですか。アメリカの反トラスト法などの訴求の例を見るといろんな論理で計算をしているという状況にあるわけですし、EUの方もケース・バイ・ケースでいこうという方向で進んでいる状況の中において、なぜそういう、決めなきゃいけないという固執をされるのかというのは私は分からないんですけれども、なぜですか。迅速にするがゆえ、ために決めなきゃいけないんですか。それとも行政裁量を減らすために決めなきゃいけないんですか。簡単に御説明ください。
#180
○政府特別補佐人(竹島一彦君) これは企業なり個人なり人を裁くという面があるわけでございまして、それは大変重い仕事でございますから、当然、言われるまでもなく適正手続等については十分に配慮しなきゃいけないわけでございまして、行政官庁がどういう行政処分をするかについても基本的には法律で決まっていると私は認識しているわけです。その担当者の裁量でもってできるというようなことには基本的にはなっていないわけでございまして、そこは大事なところだと思っております。
 それで、特にこの準司法機関たる公正取引委員会においては当然そうなんでございまして、アメリカでやっている制度というのは全く日本と、向こうは正に日本で言えば検察庁、裁判所でやっているわけでございまして、行政委員会でやっているわけじゃないわけでございます。一方、EUの方は正にああいう連合体でございますから、加盟国には刑事罰がございますけれども、刑事罰が持ちようがないから行政制裁金でやっているということがあるわけでございます。この日本においてどういう制度がいいかということについては、確かにEU型がいいという御意見も、前からありますように、ございます。ですから、それもこれから施行後の内閣府に置かれる検討の場で大いに議論されると思います。
 で、その結果は、我々は当然それに応じて必要な措置を講じていくということでございまして、今現在、それについて答えが出るんであればもうこの改正法案において盛り込まれているはずでございます。それは大変いろいろな難しい問題があるからこそ、その抜本的な検討ということに今なっていると、こういうふうに御理解いただきたいと思います。
#181
○藤末健三君 もしかしたら聞き間違いかもしれませんが、今ちょっと委員長がおっしゃった中で、少し間違いじゃないかと思うんですけれども、一つあるのは、アメリカも審判官制度がありますよね、たしか、司法省以外に。司法省とFTC、公正取引委員会みたいなものが連携しながらやっていると。そして、刑事罰については司法省が担当し、そして行政的なものについてはFTCが審判官制度を使ってやっていると私はたしか記憶しているんですけれども、違いますか、まず。
#182
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 二つございまして、カルテル、談合のようなものは、これは基本的にDOJ、要するに司法省がやっているわけで、日本におけば検察がやっているわけでございます。FTCという連邦取引委員会がありまして、これは合併だとか消費者保護とかいうようなことを主になさっておりまして、そういうそれぞれ扱っている事件について不服があった場合にどうやって審判をするかと、不服審査をどうするかということについて日本と違うわけです。
 日本は公正取引委員会の中に審判官を持っておりまして両方やっておりますが、あちらは行政審判官というものが別途おりまして、ただ、それぞれがFTCや何かに常駐しているわけでございますが、それが独立して行政審判をやっておるということでございまして、実態はそういうふうになっていると思います。
#183
○藤末健三君 余り、ちょっと趣旨と外れましたので戻しますと、やはり僕、私がちょっとお願いしたいのは、明確に根拠がないことをやっぱり決めちゃいかぬなという話が一つ。これは法制局にもお願いしたいということです。
 ほかの事例をちょっと申し上げますと、例えば二年未満で違反をやめた場合の事業者に対して課徴金の二割軽減を導入しています、今回。まずは、なぜ二割かというのが分からないんですね、これ根拠がない、正直申し上げて。
 私が思いますに、カルテルとか談合とかいうものは刑事罰によっても禁止されている非常に重いもの、先ほどアメリカの例をおっしゃっていましたけれども。そういうカルテル、談合を例えば二年近くやっていた事業者が、たまたま調査の一か月前にやめましたという話になっちゃって、課徴金を二割軽減されるということが起き得るんではないかなと。
 また、加えて言えば、二年未満で違反をやめた事業者の算定率を二割軽減するという制度、それともう一つ、課徴金の減免制度、リーニエンシーが、両方使えますよね、たしか。今回、独占禁止法を改正する目的は、違反に対する罰則の強化による、事業者を軽減する、抑えるということとおっしゃっていましたよね、先ほど。それと全然整合性取れないんじゃないですか。いかがですか。
 まず、なぜ二割かということと、もう一つは、その整合性が取れないんじゃないかということについてお答えください。
#184
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 今回の目的は、とにかく独禁法違反行為というのをやめていただくために必要な措置を講ずるということでございます。それと同時に、密室で行われる、証拠も残さないというものをいかに摘発する情報を得るかという、この二つが大きな目的でございます。
 前者の、やめていただくためには当然制裁が厳しくならなけりゃいけないということで制裁を厳しくしますけれども、同時に、先ほど申し上げましたように、それに準じて、やっちゃったんだけれども、やはり自発的に早期に離脱するという者についてはインセンティブを与えていいだろうと。それでないと、そういう人が現在もいるわけですが、同じように、そうじゃないと言って、やっているのにやっていないと言い張って公取に手間暇掛けさせて、最後はやっぱり駄目でしたと、こういう人たちと同じ扱いになってしまうわけですね。それはやはり、せっかく途中でやめたというのは、それなりのメリットを与えるべきではないのかと、そういう考え方でこの早期離脱についてはインセンティブを与えましょうと。
 じゃ、具体的にどうするのかと。これはもうバランス論ですね。過去十年に累犯やった者は五割増しと。したがって、これは二割増しだろうと。これ、一割でどうだと言われても、私、絶対二割でなきゃならぬというふうに申し上げる自信はございませんが、まあバランス論からいって二割が妥当であろうと。そういうことで二割にさせていただいているわけでございます。
 したがって、矛盾したりなんかはしていないわけで、今申し上げたように、一貫した目標のために妥当な手段をこのように提案させていただいているということでございまして、何ら矛盾はないと思います。
#185
○藤末健三君 矛盾しているというふうに私は見えます。
 おっしゃいますように、一つはこういう違反を減らそうという動き、もう一つは情報を集めるということでおっしゃっているわけでございますが、これは私、説明をお聞きしたのは、処理を速くするためにやりたいということでお聞きしたんですけれども、違います。これは二年でやめてもらうと余りぐじゃぐじゃしたやり取りをやらなくて済むからということで見逃す。
 ついでに、またもう一つ、じゃこれに併せて質問申し上げますと、課徴金納付を命じない額を増額しています。五十万から百万にしているんですよ。倍です。これもなぜこういうことをやるのかということについては、違反を抑える、情報を集めるという観点からは全くおかしいですよね、はっきり言って。
 この二つ、どうですか。特に後者の課徴金納付を命じない額を増額したこと、五十万から百万にしましたと、これについて御説明ください。
#186
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 質問を最後一つに絞られたのかもしれませんが、とにかく、早期離脱について二割のインセンティブを与えますというのは、何ら私どもの手間暇を減じるためにやっているわけじゃなくて、先ほど申し上げたとおり、そういった自発的にやめる人に対してインセンティブを与えましょうというだけでございますので、それ以外の他意は全くございませんので、誤解のないようにしていただきたいと思います。
 それから、足切りを五十万から百万に上げるというのは、まあ現在よりも、六%を、中小企業の場合三%を四%に上げるわけですね。そうすると、今も、そのままほっておきますと、当然網に掛かってくる、まあ消費税の免税点じゃありませんけれども、網に掛かってくるのがどんどん増えるわけでございますが、さて、それはそのままでいいのかということを考えたときに、やはりそういうどちらかというと零細な人たち、今は仮に違反やっていても、これはもう足切りに掛かるからまあそれはいいと言っているものもある程度上げて、今と同じように、そういう零細な方々には課徴金が掛からないようにすることでよろしいんではないかと、こういう判断の下に足切りを上げているわけでございます。
#187
○藤末健三君 ただ、一貫性はあるというのはおっしゃるとおりかもしれませんけれども、はたから見ていますと、一方でどんどんどんどん抑えるためにやっていますといいながらも、一方で緩めている緩めているというふうに見えてしようがないです、正直申し上げて。そこら辺はまあいろんな議論の経緯があってそう調整されたとは思うんですけれども、やはりきちんと筋が通るようにしていただきたいと思います。
 また、今まで議論がございましたリーニエンシー、課徴金を減免する制度でございますが、これもまた私ちょっとおかしいと思っております。
 一社だけであれば、情報を収集するという目的、一社がまあ密告していただきましたと、情報を提供しましたというのであれば新しい情報も入るでしょうけれども、なぜ三番目までを認めるか。そして、三番目に来た人も三割削減するかということについて、ちょっと考え方をもう一度確認させてください。
#188
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 一社のみの場合は、例えば談合を例に取りますと、何十社というのがやるわけでございますが、その中の一人が言ってきたことについて、それに基づいて、それが仮に正しい話であっても、残りの四十九社についてきちっと実態を正直に陳述させるということになった場合に、一人の言っていることで本当に説得できるのかという問題が実際問題は出てくるだろうと。それが複数あれば、これはもう相当の証明力が増強されるわけでございまして、そういう意味で、多々ますます弁ずとはいきませんけれども、一人ではやっぱりちょっとこれは、実務上、せっかくリーニエンシーを入れてもその情報だけではうまく使えないんじゃないかということをいろいろ考えまして、三社までというふうにさせていただいたわけであります。
#189
○藤末健三君 リニエンシーという制度、多分外国から持ってこられたと、海外からの事例から持ってこられたと思うんですけれども、ほかの国は一社で、一番目だけじゃないですか。なぜかというと、二番目、三番目の場合には、新しい情報、付加価値情報、追加情報がない場合には、なければ認めないんですよ。一社が来て、問題がありますと情報を提供してくれた場合、それは公正取引委員会が入って捜査をすれば分かるはずですよ、はっきり言って。いかがですか。そこを、それほど御社は捜査、調査に自信がないんですか。僕は、完全にこれ制度的には僕はおかしいと思いますが、いかがですか。
#190
○政府特別補佐人(竹島一彦君) それは、こちらが仮に審判になったときにも、またその先の裁判になったときにも、きちんとした証拠を押さえるということが必要なわけでございますが、そのためには一社よりも三社の方がより証拠を押さえる確率は増すだろうと、こういうことを考えているわけでございまして、アメリカは確かに一社のみということでございますが、あちらは司法取引がその後付いている国でございますので、アメリカの例をもって日本もそうあるべきだということにはならないわけでございます。ヨーロッパにおいては複数認められているわけでございまして、別に日本において三社というのが何か国際的に見て特別何か特異な姿であるということではないと思っております。
#191
○藤末健三君 じゃ、ちょっとお聞きしたいんですけれども、これは初めから、一番当初の案から三社でしたっけ、リニエンシーは、たしか。たしか二社で、たしか一社足したはずですよ。その事実は、僕の認識は合っているかどうかをちょっとまず確認させてください。委員長、お願いします。
#192
○政府特別補佐人(竹島一彦君) これは何社にするかについては、私どもは基本的に、ある程度認められ、多々ますます弁ずと言われない範囲内で多い方がいいというのが私どもの立場ですが、しかしながら関係方面との調整の結果、いや、それはそんな多いわけにはいかないと、三社までがせいぜいであると、こういうことになって三社になっているということでございます。
#193
○藤末健三君 私の認識でいいんですよね。初め二社までだったんじゃなかったでしたっけ。それにたしか三社、僕、途中で付け足したと思いますけれども、どうですか、それは。
#194
○政府特別補佐人(竹島一彦君) それはいろんな段階がございましたけれども、我々は基本的には、許される範囲では数が多い方がいいというのが我々の考え方です。したがいまして、そういう考え方で調整をいたしましたけれども、ある時点で一回二社になったものがまた三社に増えたとか、そういうことがあったかもしれませんが、ちょっとその辺、私、記憶が定かじゃありませんが、いずれにしても、基本的な立場は、認められる範囲で数が多い方がいいというのが私どもの考え方でございます。
#195
○藤末健三君 いや、これにつきましては明確に答えていただきたいんですよ、なぜ三社になったかを。私が見ている範囲では妥協して三社になったとしか思えません、交渉の途中で。そこにはロジックもない、はっきり申し上げて。目的との整合性も私はないと思いますけれども、どうですか。
#196
○政府特別補佐人(竹島一彦君) これは議論の過程で、経済団体からは複数同時でもいいではないかと、要するに数に制限を設けるなという御意見があったわけです。そういうわけにはいかないというような議論があったことも事実でございまして、したがって、これ妥協というのか、これはどの辺に数をセットするのが正に妥当であるかということを各方面と調整をしたということでございまして、妥協妥協と言われるのはちょっといかがかと思いますが、いずれにしてもそういう経緯でございまして、必要な、必要最小限の申告者は認めていただきたいというのが我々の立場でございまして、それが調整の結果、三になったということでございます。
#197
○藤末健三君 繰り返して申し上げますけれども、やっぱり調整調整でやっているとやはり法律ずれてくると思うんですよ、正直申し上げて。僕は、委員長が本当にもう一生懸命なされたなとは思います、正直申し上げて。それでもやはりゆがんでいますよ、結論、これ。
 ヨーロッパの方では何社、複数社をやるとおっしゃっていましたけれども、たしかヨーロッパの場合には、付加的な情報を持ってこない、追加的な情報を持ってこない場合には認められないはずです、たしか、はっきり申しますと。たしかそうなっていますよ。
 なぜ日本だけこのようになっちゃったんですか、教えてください。特殊な事情があるならそれを聞きたいです、僕は。
#198
○政府特別補佐人(竹島一彦君) これは、二番目、三番目からも正に付加的な情報は来るわけでございます。それがたまたま第一番目のものと重複する部分があってもそれは当然のことであって、真実を述べているとすれば、真実は一つのはずでございますから、複数の人間が同じことをある部分言ってきているということは、正にそれが大事なことで、全然別々であれば、これはどれもこれも信用ならないということになるわけでございますので、決して二番目、三番目が付加的な情報をもたらさないということではないというふうに思っております。
#199
○藤末健三君 直嶋委員の質問のときに答えられましたですよね、たしか。リニエンシーで密告する方が何番目になるか分からないと。ですよね。そうすると、もう一般的に考えたら一社だけあればいいはずじゃないですか。一社来て、一番初めの人にはちゃんと報奨与えましょうと。みんな一番になりたがるんですよ。そして情報を持ってくると。そして、来たものを集めて調査すればいいじゃないですか。なぜ一、二、三と必要なんですか、教えてください。
#200
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 繰り返しになりますが、五十人でやっている談合事件で、一社だけの情報で全体が解明できるかというと、それは、もうずっとそれにかかわって完全にその人が牛耳っているような人が言ってくれば大体のところはカバーして情報が得られるという可能性はありますが、そうではなくて、まあその中では従属的な立場にいた入札談合の関与者であったというような場合には、全体が分からないということもあり得る。しかしながら、そういう人の情報が意味がないということではなくて、こういうことでやっていましたということは十分にリニエンシーとして資格がございます。
 したがって、実務上考えますと、一人だけの情報では必要かつ十分な情報が得られるという保証はないと。やっぱり、せめて三社の情報があれば、それを合わせて見て問題の解明なり証拠能力を更に高めるということができるでしょうと、こういうふうに考えているものですから三社というふうにさせていただいているわけなんで、そこは一社で十分だということではないということを実務上申し上げているというのは、是非御理解いただきたいと思います。
#201
○藤末健三君 私もいろいろ聞きたいんで、本当にこれにこだわるつもりはないんですけれども、納得いかないんですよ。もう一回確認させてください。
 これは、何番目に情報を提供したかというのは情報提供者には分かんないんですね。イエスかノーかでお答えください。
#202
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 分からなければ意味がないわけでございまして、分かるわけでございます。それは、一定期間のうちにきちんとマーカーという制度を作りまして、あなたは一番目です、あなたは二番目ですという、三番目ですということが分かるようにするわけでございます。
#203
○藤末健三君 質問の仕方を間違えました。
 例えば、だれかが密告したら、あっ、じゃ、もう一番目の密告者はいたんだなと、じゃ僕も密告しましょうというふうになっているんですか、制度は。言っている意味分かります。
 だれかが密告したかどうか状況が分からなくて、とにかく密告しようと思っているのか、じゃ、一社行った、二社行った、おう、じゃ三番目におれ行こうというふうに、何社入ったか分かるようになっているんですか、制度的に。言っている意味分かります、私が。
#204
○政府特別補佐人(竹島一彦君) リーニエンシーを使いたいと思った人は、とにかく言ってくる。そうすると、一定期間のうちに公取の方からあなたは何番目ですよということが分かると、そのことは第三者には分からないと、こういうことでございます。
#205
○藤末健三君 そうであれば、三社の意味がないんですよ。一社あれば、僕はリニエンシーが欲しいと思ってみんな行くんですよ。いいですか。三社という枠をつくる必要なくて、一着だけあれば、欧米と同じように一社だけありますよと言えば、みんな分かんないから疑心暗鬼になって行くんですよ。いいですか。一社あれば、三社でも五社でも来るんですよ、期間中に。三社だから三社じゃないですよ。三社にしていても一社でも変わらないはずです、効果は、論理的に全然。一社入ったときに、じゃA社が入りました。じゃ、僕、B社は次二位になりたいからもう早く急いで行こうと。じゃ、おれ三番目に入るように行こうという話になっていれば、おっしゃる意味も分かるかもしれないけれども、情報が秘匿された状況であれば、一社あれば問題ないんですよ。みんな来るんですよ。ロジック破綻していますよ、おっしゃっていること。いかがですか。反論してください。
#206
○政府特別補佐人(竹島一彦君) おっしゃっている、要するに一社しかないからやっぱり我先に行かなきゃならぬという、そういう気持ちには、一社のみの場合の方がより強く働くというのはおっしゃるとおりかと思います。
 しかしながら、三社にした途端に、これたっぷり枠があるからもう行かないということにはまたならない。日本の実態からすると、もう何十というぐらいの会社、場合によっては、新潟の場合だと百社を超える企業が関与しているわけでございまして、こういう事件を解明する場合に一社だけの情報、それがダブっていれば、さっき申し上げたようにそれぞれが別々な意図の下にリーニエンシーを申請しても、当然立場が違うわけですから情報も、取引、全部同じ仕事を取っているわけじゃもちろんありませんから、それぞれごとに情報が増えてまいりますね。三人なら三人、別々に独立に申請に来ても。そういう意味で、一人のときよりもはるかにこちらにとっては価値のある情報が得られると、こういうことを、したがってそれを目指したいということを申し上げているわけでございます。
#207
○藤末健三君 やっぱり頭がいい大先輩だから、本当にわざと私が申し上げている質問を曲解して答えていただいているんだなと思います、本当に。すばらしいと思います。
 私が申し上げているのは、リニエンシーは一社あれば、それが隠れている限りは三社も同じであるということを申し上げているわけですよ、よろしいですか。効果は変わんないんですよ。三社になったら何が問題かというと、軽減の額が大きくなり過ぎるということですよ、私が申し上げているのは。一社であって、ある期間中、情報を提供してくれと言ったとするじゃないですか。そうすると、だれも分からないですよ、どこが行ったか。そうしたら、みんな行きますよ、一斉に。僕は、三社であろうと一社であろうと一緒です、それは、必ず。ですよね。情報が隠されているわけですから、だれが行ったかということは。ですよ。
 何で三社なのかという話ですよ。答えてください、もう一回。僕は、三社が劣化するという話じゃなくて、一社であろうと三社であろうと一緒じゃないかということを申し上げているんですよ、情報が漏れないときは。いかがですか。もう絶対分かっていらっしゃいますよ。お願いします。
#208
○政府特別補佐人(竹島一彦君) いや、正確に理解しているかどうか、そうおっしゃられると自信がなくなってきましたけれども、要するに、一社であっても、それが仮に入札談合でもう五十件の物件をやっているとしても、その中の一つを知っていますよという人でもこれは当然リーニエンシーの権利があって、それがイの一番で来れば、それはイの一番の、何といいますか、リーニエンシー申請者になるわけでございます。
 しかしながら、それだけの情報でほかを、その事件全体を解明するというのは難しいと。もう少しやっぱり情報があって、全体像が浮かんで、どういう基本ルールだったのかと。で、どこでどういうふうに仕切っていたのかということが全体分かる、なるべく分かることが我々にとっては必要なんです。そのためには一社だけでは必ずしも十分ではないことがあるでしょうと、こういうことを申し上げているわけです。
#209
○藤末健三君 よろしいですか。一社にしたから一社しか来ないというわけじゃないでしょう。よろしいですか。一社を目指して何社も集まってくるわけですよ。五十社いて、僕はじゃ密告しましょうと思ったと。そうしたら、密告しようと思った人は行くわけですよ。そうしたら、その会社、もう来たところは全部情報が集まるじゃないですか。ですよね、当然。一社しかリニエンシーを認めないから一社しか密告はないということなんですか。違うでしょう、何社か集まると。
 だから、そういう意味で、インセンティブだけを考えた場合、一社と三社って何が違うんですかということを申し上げているんですよ。
#210
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 一社の場合には、あとたくさん、おっしゃるとおり、だれか分かりませんから、自分も最初の一番、一社かと思っていらっしゃるということはあると思いますが、一社の場合には、一社と決めたら、あとの人の情報を我々が得ることはできないわけでございます。
 したがって、一社にしておいて三十社来たら三十社の情報を全部公取がもらって、で、インセンティブは一社だけと、そういう都合のいい制度というわけにはいかないわけなんで、要するに、リーニエンシーを認められなかった人は情報提供をする義務がないわけでございまして、その前に当然サウンドというのがあるわけでございます。企業としては、自分の場所が何番目に入っているかということを確認するというサウンドをやって、それで、あなた入っていますよってなって初めて本当のことをしゃべるわけでございまして、ただ情報を裸で持ってくるということはあり得ないわけでございます。
#211
○藤末健三君 おっしゃっている意味も分かるんですよ。ただ、いいですか、付加的な情報が、その一社が来て二、三と来ると、本当に三社来たから情報は確定されていいんですとおっしゃるけれども、そんなに、あと二番目、三番目にもリニエンシーを与えなきゃいけないほど御社は情報を集められないんですか。一社来て、あとほかの会社が来ましたと。その会社は多分絡んでいるじゃないですか。調査すればいいじゃないですか、欧米型のように。いやいや、そう思いますよ。どうですか。
#212
○政府特別補佐人(竹島一彦君) それは、今、リーニエンシーがなくてもこれだけの仕事をさしていただいていて、先ほどは十分じゃないかというお話まであったわけで、公取の調査能力がそんなに劣っているとは思っていません。
 しかしながら、リーニエンシーを入れてもっときちんとした情報を迅速に得るためには、何も一人に絞ることはなくて、まあその三社というのがどうしてそんなにまずいのかというのはなかなか、おしかりをいただいていますけれども、理解できませんですね。
#213
○藤末健三君 三社が悪いと申し上げていません。理屈が通っていないと申し上げているんです、私は。理屈が通っていないからおかしいと申し上げているんですよ、ずっと一貫して。なぜ二分の一課徴金を軽減するか理屈がない、おかしい。今回も何で三社か分からない。経団連が言ったから三社にしたんですかという話じゃないですか、そんなの。そういう形で法律をつくっていいかということを私は申し上げているんですよ。
 委員長は否定されるかもしれませんけれども、もし談合、三社だけの談合があったら、どうします、三社だけの談合。みんなリニエンシーで許されるじゃないですか、例えば。論理的にはそうですよ。おかしくないですか、はっきり言って。談合は五十社ぐらいでやっているからそういうことはあり得ませんておっしゃるかもしれませんけれども、巨大な談合であれば三社あれば市場を八割以上押さえることは簡単ですよ、今は。どうするんですか、鉄業界。三社、上位三社が行きゃ一〇〇%行きますよ、シェアは。じゃ、みんなリニエンシーでいきましょうかという話ですか。
 どうですか、お答えください、それ。
#214
○政府特別補佐人(竹島一彦君) まあ、その例が妥当かどうかはちょっと分かりませんが、いずれにしましても、リーニエンシーというものがそんなにこちらが困るほど次から次へ門前市を成すということは私は想定していないわけでございまして、その三社までは認めるということでありますけれども、一社の情報が確実であれば、それでもって立入りに入るということも当然あるわけでございますので、その業界の態様によって、これはもう複占なり寡占の業界であるとなれば、おっしゃるようにぼやぼやしているとみんな来ちゃうということもあるかもしれませんけれども、それは正にその業態業態で適切な調査をこちらはやると、こういうことだと思います。
#215
○藤末健三君 業態業態に応じてなさるということは、行政裁量でなさるということをおっしゃっているわけじゃないですか。だったら、それを徹底された方がいいと思うんですよね、私は思うに。一貫していないんですよ、おっしゃることが、正直申し上げて。
 もう一回申し上げますよ。だから、三社で本当に市場を席巻しているような場合、三社ともリニエンシーが与えられちゃうんですよ、法律で決めるんですから。よろしいですか。どうします、そういう場合には。
#216
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 仮に三社しかない業界で、カルテル事件があるといってその一社が飛び込んできたら、それはすぐ立入調査するでしょうね。それはもう当然のことであって、三人出るまで待つ必要はないわけでございますので。それこそ、それに我々が立入調査をして、十分にその証拠を集められるなということで、そのためにリーニエンシーを入れているのであって、三人目まで来るまで待ってから調査するということじゃ全然ございませんので、そこは御心配いただく必要ないと思います。
#217
○藤末健三君 猛烈に心配します。
 先ほどおっしゃいましたね、ファクスか何かで登録して順番にやりますと。いいですか、三社が協力してファクスで一緒に送っちゃったらどうするんですか、ばらばらのところが。一枚目A社来た、B社来ました、C社来ましたっていう。そうしたら三社ともリニエンシーが働いて、そうすると課徴金は、一番目はゼロになっちゃうわけでしょう。半分になります、二番目。三番目は三〇%減額される。課徴金、半分以下じゃないですか、そうしたら、全体で見れば。
 生じますよね、そういう状況。どうですか。
#218
○政府特別補佐人(竹島一彦君) そういうケースの場合は、そもそもリーニエンシーに三人ともならないわけでございます。それを、そうであるかどうかをきちっと判断してリーニエンシーを認めるか認めないかをやるわけでございまして、三人全部あらかじめあれして、相談した上で、順位も決めて申告してきたということになりますと、それを解明するのが、そうであるかどうかも含めて解明するのが公取の仕事だと思っています。
#219
○藤末健三君 こればっかりやっているわけにもいかぬのですが、本当にきちんと考えていただきたいんですよ。この一年ぐらいの議論していただいている経緯を読まさせていただくと、正直言ってゆがんでいますよ、いろんな妥協を繰り返して。
 私が申し上げたケースは、僕は生じ得ると思います、これは、正直申し上げて。きちんとした運用のガイドラインを作っていただかなければならないです。恐らく、ちゃんとリニエンシーを使おうと計画した人たちがやる場合、そんな簡単にばれるようなことはしないはずですよ、絶対。その場合、公正取引委員会がきちんとやるから大丈夫ですとおっしゃっていただいても、やっていただけるかどうかというのは、すごく大変なことになるんじゃないかと私は思います、本当に。
 ですから、何が問題かというと、もう一回繰り返しますが、やはりきちんとした考え方、ロジックがない部分が多いということが私は非常に不満でございます。例えば、課徴金の水準についても、不当利益の単純平均すると大体一六・五%という話ですが、今回一〇%という話になったと。なぜ一〇%かというのは、午前中御説明いただきましたけど、あれも結局ロジックないじゃないですか。一〇%、計算しやすいから、二けたにしたかったからですかという話になっちゃいますよ、これは。そういうものをやはりきちんと説明することがやはり独占禁止法に対する信頼を上げることにつながると私は思います。
 独占禁止法、これだけ重要な法律でもあるにもかかわらず、文句を言えば妥協して二分の一の課徴金軽減、三社のリニエンシーが生まれる、課徴金のパーセントも落ちていくということじゃまずいですよ、はっきり申し上げて。これは申し上げますよ。ですから、もう今は一社にしろとか申し上げませんけれど、やはりきちんとロジックをつくってやっていただきたいと思います。
 そしてまた、今回、繰り返し違反の重罰化ということがございますが、これも違反が起きることを抑えるということでなされるとは思うんですけれど、私がいろいろ調べてみますと、やはりほかの委員からも指摘がありましたように、公正取引委員会の方から御指摘される方々、割と中小企業多いんですよ。何回か累犯をしている方も多い。
 私がこの累犯された方のリストを見ていて思いますのは、やはり独占禁止法に対する備えができるような立派な企業じゃないということなんですよね、簡単に言うと。正直言うとそれだけの力がない企業が多いと。そうすると、この重犯を入れると、そういう力がない企業がたまたままた捕まって捕まって捕まって捕まって罪が重くなっていくという、弱い者いじめじゃないかと、私はなるんじゃないかということを心配していますけれど、いかがですか。
 私がいただいた資料で見た限りでは、累犯を重ねる方は、悪気があったというよりも、何かちょっと遵法意識が低いとか、又は自分たちの活動が悪いということさえもうまく認識できないで累犯を重ねていると。そして、小さな企業が多い。そういう方々に繰り返し違反をすることによって重罰化するということをどう考えておられるかということをちょっとお聞かせいただきたいです。
#220
○政府特別補佐人(竹島一彦君) これは、累犯といいますか、そういう事業者は何も中小事業者だけじゃございませんで、大企業でももう現に何回かやっているところがあるわけでございます。したがいまして、そこは両方あるということをまず申し上げます。
 それから、中小企業者で度重なる者について五割増しというのは酷ではないかということかと思いますが、これはやはり我々、十分にこれは周知徹底しまして、だからこそやめてくださいということで、そのためにあえてきついかもしれない課徴金の引上げということをお願いしているわけでございますので、大変だからやめておきなさいということになると何も改正する必要はないということになるわけでございます。そこは是非改正の趣旨を御理解いただきたいと思います。
#221
○藤末健三君 いや、改正の趣旨はごもっともだと思いますので、是非私がお願いしたいのは、やっぱり周知徹底をお願いしたいと思います、本当に。知らないでやっていてどんどん捕まって五割増しということが起きないように、是非この法の趣旨、改正の趣旨を周知徹底は是非お願いしたいと思います。私は、やっぱり弱い方をいじめるようなことがあってはいけないと思うんですよ。是非それをお願いしたいと思います。
 次に、ちょっと今まではロジック破綻という話をずっと申し上げたんですけれど、もう少し前向きな議論をさせていただきたいと思います。
 今、今回の独禁法の改正におきましては、再販売価格維持、再販売価格の維持や、あと不当表示などについての不公正な取引が課徴金の対象になっていませんが、私は、再販売価格維持というのはすごく日本のこの経済の活動をゆがめていると思うんですよ、あと不当表示。この点につきまして、是非とも僕は課徴金の対象にすべきというか、規制を強化すべきだと思いますけど、その点いかがですか。
#222
○政府特別補佐人(竹島一彦君) その点はもう、もう今までもいろいろな方面から検討すべきだという御意見をいただいているわけでございまして、正に内閣府において開かれる検討の場で、今おっしゃった不公正な取引法に対する課徴金ないしは罰金の対象にすると、こういう問題は検討されるというふうに思っております。
#223
○藤末健三君 じゃ、そうしますと、不公正な取引についての規制強化が行われるということを議論されるであろうということでよろしいんですか。
#224
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 要するに不当廉売、優越的地位の濫用、その他再販売価格維持行為もそうでございますが、そういったものについて課徴金の対象にすべきかどうか、罰金の対象にすべきかどうか、これが検討課題になるというふうに思います。
 答えが、それをやるということをあらかじめ決めて掛かるわけじゃございませんが、検討課題にはなると、こういうことでございます。
#225
○藤末健三君 是非検討していかなきゃいけないと私も思います。
 また、不当廉売、あと優越的地位の濫用ということでございますが、まあ午前中にも御質問ございましたけれど、不当廉売が今いろいろ摘発して、かつやっておられますけれど、私が今思いますのは、優越的地位の濫用についてもっと取り締まっていただく必要があるんじゃないかなと。やはり、今どんどんどんどんディスカウントショップとか、先ほど、午前中も御質問ありましたけど、大型店舗が非常にその地位を利用して安くたたいて仕入れするという動きがございますが、そのような動きに対してちょっと対応が遅過ぎたのではないかと私は考えております。
 午前中の御質問の中の回答で、告示を今月行うということ、告示を行うと、百貨店かスーパーに行うということをおっしゃっていましたけど、なぜこんなに遅れたかというのをちょっと逆に伺いたいんですけど、いかがでございますか。
#226
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 私、参って間もなく三年、まあ二年弱たっておりますが、私、参りましてからは大規模小売業者の優越的地位の濫用については積極的に取り組んできているつもりです。もうその結果は出ていると思います。北は北海道から九州に至るまで、今おっしゃるような事後的な値引きであるとか決算協賛金の要求でありますとか、従業員のただ働き等々のことが見られるわけでございまして、そういったことについては厳正に法律を執行しているつもりでございます。
 なおかつ、そういう実態を踏まえて、今月中には新しい、百貨店の告示に代わる新しい大規模小売業者と納入業者との取引に係る告示を定めて、それによって世の中に警鐘を鳴らして、大規模小売業者はきちんとビヘービアを考えていただかなきゃいけませんよということを申し上げると同時に、その被害に遭った方々から公取に対して申告が出やすいようにしましょうと。それに対して取り扱っていくということでございまして、世の中全体がバブルはじけて厳しくなって、大規模小売業者の多様化とか、その規模が大きくなっていわゆるバーゲニングパワーが強くなってきたということと呼応しているつもりでございまして、決して何か手遅れになっているというふうには私は思っておりません。
#227
○藤末健三君 まあ、手遅れということはまあないんですが、少しちょっと対応が遅かったのかなというような気はしております。是非とも、優越的地位の濫用についてのケースをどんどん増やしていただいて、やはり取締りの事例が増えていけばどんどん内容は詰まっていくじゃないですか。やり方も分かってくるし、逆に事業者の方々も警戒が高まると思いますので、もっと加速して頑張っていただければと思います。
 次に、私も直嶋委員と同じように、不可欠施設に対する規制の在り方について非常に興味がございます。直嶋委員からも話がございましたが、ライブドアとフジテレビという話がございまして、これ私が見て何を感じたかと申しますと、外資、外国資本に対するこの規制が放送法、電波法という事業者法で行われていたんですよ、あれは。ところが一方で、電力会社とかガス会社は外為法という法律で規制しています、一般法で。ですから、もしその事業者法がなければ、そういう外国資本がほかの子会社を経由して入ってくるということは防げたはずですけれど、事業者法で規制していたがために、抜けてたという状況が生じています。
 私も、この独占禁止法も同様じゃないかなと、似たような状況が起きるんじゃないかなと思っておりまして、事業者法、領域を特定された規制がされている業界、放送、通信、電力、ガス、航空とかいった分野についても、私はやはり、独禁法で大枠としての規制を僕はもっと強く掛けるべきではないかと思っておりますが、いかがでございますか。
#228
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 御指摘のいわゆる公益分野その他、自由化が進んでいる分野に対して独禁法をきちっと適用するというのはもう御指摘のとおりでございまして、これは決して、それぞれの業法があって、それに基づく指導監督が行われているわけですが、それに加えて独禁法の適用があってしかるべきであると。これは決して二重の話ではないと、二階建ての構造できちっと、何といいますか、コントロールがなされるべきものであるというふうに考えています。
 独禁法は横ぐし的な法律でございますので、それはきちんと適用していくというのは我々もこれからもやっていきたいと思っております。
#229
○藤末健三君 法制局の方もう、別の議論になりますので、済みません、何か、お時間をいただきましてありがとうございました。済みません。
 それで、先ほど申し上げましたように、不可欠施設と申しますか、業法に規定されたところに対して独禁法を対応されるということなんですけれども、私がちょっとお願いしたいのは一つございますのは、今の枠組みで私的独占を使えば相当突っ込んだ規制と申しますか、規制ですよね、ができると思うんですよ。
 ところが、私的独占を見ると、年に一件あるかないかというぐらいの感じのケースしかなくて、やはり圧倒的に事例が少な過ぎる。そして、事例が少ないがゆえにうまくその規制の仕組みを使えてないと思うんですよ。
 私的独占を業法対応業種などに使っていくということについてもし考えておられたら、教えていただけませんでしょうか。
#230
○政府特別補佐人(竹島一彦君) これは光ファイバーのような、実態は相当の勢いで変わりつつあるのかもしれませんが、それをもう独占しているところが新規参入を阻害するというような行為に出た場合は正に私的独占のおそれが発生しますので、そういうケースについてはこれからもやっていきます。
 この間も外国企業に対して、ITの世界でございますが、私的独占の疑いで私どもは法的措置を講じているということでございまして、そういうケースについてはそうやりますが、日本はそれ以外に、いわゆる不公正な取引方法の中に排他条件付取引とか拘束条件付取引とかというものがございますものですから、私的独占まで至らなくてもそちらに引っ掛かると、そちらのケースじゃないかというようなケースも多々あるというのが現状であると、こういうことでございます。
#231
○藤末健三君 確かにおっしゃるとおり、今頑張っていただいて、固有名詞を挙げたらまずいと思うんですけれども、外国系のIT企業、いろいろ摘発されていただいているのは本当に頑張っておられると私も思います。もっと頑張っていただきたいと思います。
 ただ、私が申し上げたいのは、排他的取引とかいう形でケースをつくっていくよりも、やはり私的独占の方の事例をつくっていただきたいんですよ。今の形でいくと、やはり実績が積まれなければ枠組みができないじゃないですか。逆に、枠組みができないから排他的取引とか不公正な取引とか向こうの方に行っちゃっているんではないかと、別の規制を使ってやっているんではないかという、結構私はあると思いますので、是非私的独占の使い方をもっと突っ込んで研究していただきたいと思うんですけれども、いかがでございますか。
#232
○政府特別補佐人(竹島一彦君) これは不公正な取引方法は十九条違反で、私的独占は三条違反なんですが、本来十九条違反だというのを無理やり三条違反に持っていくというわけにはいかないわけでございますけれども、御趣旨は分かりますので、若干、三条は確かに私的独占を立証するというのはなかなか、排除したり支配してというところなんかをめぐって立証がなかなか難しいというような問題点もあって、少し固いではないかという御指摘もいただいています。
 これからもいろいろ勉強していきたいと思っております。
#233
○藤末健三君 是非お願いしたいと思います。
 私がやはり聞き及んでいる範囲ですと、今どんどんIT化が進むと。やっぱりITの世界と申しますのは、ネットワークの経済性と申しまして、つながればつながるほどどんどんどんどん独占していく、集中していくという性質がございますので、例えばあるインターネットの窓口、サイトというところがあれば、そこに入らなければもう暮らしていけないような状況になっています。
 実際に私が聞いている事例でいきますと、そのサイトから不自然にどんどん外されてしまってつぶれてしまった企業もあるというような状況もございますので、是非ともそういう、特にITの業界における私的独占を是非とも事例をつくっていただき、やはりきちんと、これからどんどんIT化が進むに従いましていろんな分野でネットワークの経済性が働くところが生じてくると思いますので、早い段階で私的独占を事例を構築していただければというふうに思います。
 次に、ちょっと話を移らさせていただきますと、今、いろんな企業のMアンドAが起きております。例えば最近でいいますと、JALとJASさんの合併とか、いろいろ銀行の合併などが起きてございますけれども、そういうMアンドAに対する独禁法をどう運用していくかというお考え方をちょっと是非お聞かせいただければと思いますが、いかがでございましょうか。
#234
○政府特別補佐人(竹島一彦君) これは企業結合審査でございまして、一定の資産規模以上のものについては公正取引委員会のこれは許可というんですか、承認を得なければならないということになっております。
 私どもは、これはよく経済界から耳にするのは、もうこれだけのグローバル化している時代であるから、何も国内のマーケットのシェアが多いの少ないのということだけではなくて、もっと国際的な競争というものを考えてMアンドAを含めたいわゆる企業結合審査というのをやってもらいたいというお話がございます。
 同時に、この話につきましては、特に欧米において大陸をまたがって企業結合が頻繁に行われるということもありまして、それぞれの国で、すなわちアメリカとEUで合併審査について物差しが違っては困ると。なるべく審査基準というものを同じようなものに収れんさせてほしいという話があるわけでございます。国際的にもそれはその方がグローバリゼーションの下でいいだろうというような議論になって、あちこちでそういうことが議論されている、そういう環境にあるわけです。
 私どもも、もう正に自由経済第二位国としまして、第二位の国として、そういう合併審査について国際的にも通用するような審査基準を持つべきであるという考え方は持っていまして、ごく最近もそういうことも反映したガイドラインを示しているわけでございます。
 ただ、それに関係して一点申し上げたいのは、グローバリゼーションだからといって、国内では、大事なことは、それが仮にその業界でもって合併した結果、数が少なくなっていわゆる寡占状態になった、シェアが増えて寡占状態になった、即それはいけませんということを我々は言いませんけれども、それは輸入品があるとか新規参入がしやすいとかということが担保されてなければ困るんですと。確かにその業界は国際的に非常に競争が厳しいということがあっても、国内は全部自分たちが押さえていると。例えば三社なら三社でもって国内のマーケットを押さえていて、それが商品の特性、例えば非常にバルキーであるとか重いとかいうことで入ってこれないという場合に、しかし外国では非常に厳しいんだと、競争もあるんだというようなものがあり得るわけですけれども、現にあるわけですが、そういった状態であれば、それはやっぱりそういう合併が、それが三が二になるとか、四が三になるとかいうものについては、我々はやはり問題を提起せざるを得ない。
 最近、一、二そういう事例が出てきておりますけれども、ただただグローバリゼーションという口実の下に、輸入品も入ってこないのに国際競争力だというために合併を認めてくれというわけにはいかないということは付言させていただきますけれども、基本的には国際的に恥ずかしくない基準で今やっておりますし、その結果については公表しておりますから、関係の企業については、何ゆえにこの話は駄目だったか、何ゆえにこれは同じような数だったのに認められたかというその理屈も公正取引委員会の発表文の中には入れて公表しているということでございますので、これからもそういうことでやっていきたいと思っております。
#235
○藤末健三君 本当にその考え方は正しいと思います、私も。
 ただ、一点だけ申し上げたいのは、我々日本の産業が競争している国、例えばお隣の国とか中国とかございますよね。そういう国において、他国のことをとやかく言っちゃいけないと思うんですけれども、やはり日本の運用と、我々の産業がコンペティションをやっている、競争している国との制度がやっぱり違うとまずいと思うんですよ。恐らく公正取引委員会の皆様は欧米の基準でなされていると思いますけれども、例えば韓国を見ますと、財閥が解体されて、どんどんどんどん統合されているんです。例えば自動車だったら、あるメーカーがもうほとんど市場を握っている。例えば家電の機器、AV機器だったら、あるメーカーが、もう御想像いただけると思います、ほとんど市場を握っています。半導体もそうです。
 そういう状況が生じていて、同じ日本の産業が厳しい分離を求められていますと、やっぱり戦えないと思うんですよ、正直申し上げて。その点、いかがお考えですか。
#236
○政府特別補佐人(竹島一彦君) それが今、例えば半導体がその例かどうかというのは必ずしも自信がありませんが、恐らくそうだと思いますけれども、ああいうものであれば、同質、性能が同じ、安いというものがあったら輸入がどんどん入ってくると。現にそうなっていると思います。そういう場合には正にグローバリゼーションが名実ともに進行しているわけでございますから、日本の企業の数が減るというだけで、それで、よって合併は駄目というようなことは申し上げるつもりはありません。そういう実態にあるかどうかということがポイントだと思っております。
#237
○藤末健三君 例えば、これはちょっと是非お聞きしたいんですけれども、他国が独禁法みたいな法律の運用をすごく緩くした場合、公正取引委員会はその国に対して何かクレームを付けるということはできるわけですか。
#238
○政府特別補佐人(竹島一彦君) これは、例えば日本ではそれをつくっている会社はない、全部輸入していると、そして、その会社が複数あったのが合併しちゃったと。それが、アメリカでもどこでもいいんですけれども、フランスにあったと。それで日本はそこからしか買いようがないという場合には、日本のマーケットにおける競争が阻害されるという意味で、それについて意見を言うという機会はあるのかと思いますが、そうじゃない場合にはこれはちょっといかんともし難い。もう域外適用というわけにはまいりませんので、それは難しいということになってくると思います。
#239
○藤末健三君 確かに、今の公取の枠組みだったらそうかもしれないんですけれども、二つのことを申し上げたいと思うんですよ。
 一つは、WTOの中で競争政策のチームがございますよね。だから、僕はWTOの枠を使っていただきたい。ちょっとまだ調べていないんですけれども、WTOなどに余り公正取引委員会、参加されていないんじゃないかと思うんですよ。それが一つ。
 それと、もう一つ大事なことは、今、フリー・トレード・アグリーメント又はEPA、経済連携協定と言っていますけれども、ほとんどのEPAなどの項目にやはり競争政策の連携というのが入っているじゃないですか。そういうものをもっときちんと使ってやっていただきたいと思うんですが、いかがですか。
#240
○政府特別補佐人(竹島一彦君) それは、WTOもそれからFTA、それから経済連携協定ですか、そういったものの中に競争法に関するものがあるわけでございますが、これについては、公正取引委員会も国際担当の審議官もおりますし、私自身も関係することがございますけれども、積極的に関与しています。
 ただ、そういった規定はいわゆる第一次協定、アメリカとEUとの間も第一次、いわゆる第一世代協定というものでございまして、協力をするということを約束して、現にケース・バイ・ケースで協力も情報交換もするわけでございますが、東南アジアの国々とのFTA等の中に盛り込まれている競争協定というのは正に協力しましょうということを書いてあるわけでございまして、実態も違いますし、法律も違いますし、執行体制も違うというようなことでございますので、現実の実務にそのまますぐどうこうなるというものでは、残念ながらそこまでの段階まで至っていないと。
 これからやっぱり大事になりますのは、アジアとの関係はもちろんそうで、そういうアジアのそれぞれの国の競争法というものが整備されて執行力も高まってということに我々は技術協力をしておりますが、それも大事ですが、現実に日本の企業が関係あるのはやっぱりアメリカとヨーロッパ。これとの間において、既にアメリカ、ヨーロッパの間で行われているように、日本とヨーロッパ、日本とアメリカとの間ももっと頻繁に具体的な事案についての協議なり相談というものが行われるようになってくるんじゃないかと、もうリーニエンシーが導入されればそういうこともますます増えてくるんじゃないかと。そうした点についてはきちんと対応する必要がありますし、企業結合案件についてもそういった視野でこれからやっていく事例がますます増えてくるんじゃないかなというふうに思っております。
#241
○藤末健三君 今回の独占禁止法の改正の目的の一つに、やはり産業の競争力の強化ということが挙げられておられると思うんですけれども、私はやっぱり申し上げたいのは、国内できちっとやるということもやっぱり大事だと思うんですが、日本の産業のことを考えた場合に、やはり独占禁止法、アンチトラスト法みたいなものになっている御社が、欧米とだけではなく、やはりアジアの国々にきちんとした競争政策を普及して、そしてそれを徹底するということを僕はやっていただく立場にあるんではないかと思うんですけれども、いかがでございますか。
#242
○政府特別補佐人(竹島一彦君) それは正におっしゃるとおりだと思っておりまして、現に去年、ソウルで国際会議がございまして、そのフォーラムがあったんですが、私の方からアジアの、東アジアの独禁当局のトップレベル会合を開いてはどうかという提案をいたしまして、今年の五月の連休にその一回目が開かれると。今までは実務者レベルの研修生を受け入れるとか専門家を派遣するとか、それからAPECの枠組みとかでいろいろな研修プログラムというものがありまして、日本のJICAの、何といいますか、資金も使わせていただいていろんなことをやっているんですが、トップレベルの会合というのは実はなかったわけでございます。それを今度、五月の四日、五日ですが、インドネシアが一回目のホスト国をやってくれるということでもって集まるということになっているわけでございまして、おっしゃるように、それぞれの国にいろいろ事情がございまして、シンガポールなんかも今年の一月に初めて独禁当局というのができ上がったというようなことでございます。
 それぞれ違いますが、みんなが、今や競争法の整備ということについて各国が向かっておりますし、現にそういうことで法律も新しい組織もつくったりしていますんで、是非、日本として技術的な貢献ができる分野たくさんあるんで、そういう形でこれから努力していきたいと思っております。
#243
○藤末健三君 是非、国際的な展開を進めていただきたいと思います。
 今、やはり独占禁止法のこの運用、今回、今日ちょっと御質問させていただきまして一応既存の枠組みで改正されたなというふうには思うんですが、やはりきちんとした運用をやっていただきたいと思います。特に私が思いますのは、国際的な視野からどうかということを是非いつも考えていただきたいと思います。WTO、いろんな枠組みがあるとは思うんですけれども、日本は、やはり欧米だけではなく、このアジアの中でそれぞれの国が、企業が競争力を維持し、そしてきちっとした同じ土俵で戦えるようなやっぱり視野を是非持っていただければと思っております。
 時間も来ましたんで、ここでもう質問を終わらさせていただきたいんですけれども、私が本当にお願いしたいのは、繰り返しでございますけれども、大きなやっぱり視野、司法改革といったものや規制緩和といったもの、そしてやはり国際化、この報告書も書いてございますが、国際的な視野を持っていただきたいということと、もう一つは、やはりきちんとした一貫した考え方を貫き通していただきたいなというのが私のお願いでございます。
 委員長が今まで本当に御苦労されていろいろ難関を突破されてきたとは思うんですけれども、そのゆがみが僕は必ずこの中にも今生じていると、そこを質問させていただきましたが、生じていると思いますので、是非とも施行二年以内の検討におきましてきちんとした議論をしていただきたいということをお祈り申し上げまして、質問を終わらさせていただきます。よろしくお願いします。
#244
○鈴木陽悦君 ありがとうございます。
 突っ込んだ議論、誠に御苦労さまでございました。本日、六番目でございます。午前中から各委員のやり取り伺っていまして、重複したり、また後戻りする部分も多々あると思いますけれども、せっかく質問通告をしておりますので、若干顔の皮を厚くさしていただいて質問をさしていただきます。よろしくお願いいたします。
 それでは、早速質問をさしていただきます。
 取りも直さず、公正かつ自由な競争が行われるのが我が国の経済の活性化、産業の再生、さらにはこの成長が確保されると思います。そのチェックをする法律が独禁法であるというように私は認識をしています。そうした意味では、時代の要請に基づき改正されていくべきだと考えております。
 今回の改正点などについて伺ってまいりたいと思います。
 まず、独禁法違反の企業処罰についてでございます。
 西武鉄道株事件などで法人処罰の課題がマスコミなどで取り上げられておりますけれども、企業犯罪では実際意思決定をした企業のトップまで訴追するのが難しかったり、罰金額が低くて犯罪抑止力には不十分だとする声も多く聞かれるところでございます。こうしたことから、行政制裁金に一本化すべきではないかという声もございます。
 そこで、公取委として独禁法違反の法人の刑事告発についての意義、そして役割、どのように考えていらっしゃるのか、重複すると思いますが、お願いいたします。
#245
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 端的に申し上げて、行政処分ではなかなか思い改めていただけない、かつその犯したことは極めて社会的に重大かつ深刻な影響を及ぼしているというようなものについては、やはり企業に対する刑事罰というのは企業が一番恐れていることはもうどうも間違いがないと思いますので、それは存在することに大いに私は意義があるというふうに思っております。
#246
○鈴木陽悦君 簡潔にお答えいただきまして、ありがとうございました。
 次に、課徴金制度について伺ってまいります。
 課徴金の位置付けにつきましては、これまでは不当利得の剥奪という認識で考えられまして、その結果、二重処罰を禁じている憲法三十九条には当たらないと解釈されて、そうした判例も出ております。先ほど委員長の答弁の中にもございました。
 これまでの答弁の中では、何回も出ておりますが、制裁金ではないけれども制裁措置の強いものという説明と受け取りました。改めてもう少し具体的に説明伺いたいと思いますし、また、この解釈によっては課徴金を課す対象が拡大されると思われるんですけれども、こちらの方もちょっと具体的に教えてください。
#247
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 課徴金の対象の拡大についてお答え申し上げますが、従来は、価格カルテルそれから入札談合ということが明記されておりまして、その解釈として、市場分割カルテル、顧客カルテルというようなものも同様の効果があるから、これは当然現行法でも課徴金の対象になるぞという運用をしてまいりましたんですが、今回は、その辺は解釈じゃなくてはっきりさせました。市場分割カルテルとか顧客分割カルテル等も当然課徴金の対象になりますというのが一点。
 それからもう一点は、これは全く名実ともに新しいんですが、私的独占の中に二種類あると言われておりまして、支配型というのと排除型というものでございまして、支配型というのは、具体的な事例もあったんですが、ある会社がその取引先、自分の商品を売る取引先を全部支配しまして、価格等は全部決めて、それでなければ取引に応じさせないという、そういう、複数の企業でそういう他の会社を支配してそういうことをやるというもの、これを支配型というんですが、これは従来課徴金の対象でなかったわけですが、これを課徴金の対象にしますと。
 ただし、一方の、もう一つの排除型というのは新規参入者を入ってこないように邪魔するということですが、これについては今回対象にできなかったということですが、そういったことで、一つは新しい対象を加えた、それからもう一つは解釈で泳いでいたところをはっきりとさせましたというのが課徴金の対象の見直しでございます。
#248
○鈴木陽悦君 もう一つ、課徴金のですね、制裁金ではないけれども制裁措置の強い部分、これ、もう一度確認をさせていただきたいんですが、お願いいたします。
#249
○政府特別補佐人(竹島一彦君) この点は、この改正で変わったところと変わっていないところとがありますということでございまして、変わっていないところは、課徴金というのは違反行為を抑止するために、させないために行政上の措置として金銭上の不利益を課す行政処分でございますという点は何ら、同じでございます、変わっておりません。
 変わっているのは、従来は、じゃ具体的にそういう課徴金として幾ら課していたのかと、大企業の場合六%でしたと、その考え方はどうなんだというと、それは不当利得の剥奪にとどまるものでありますと、こういう説明をしてまいったわけですが、その点に関しては変更させていただきました。いわゆる不当利得の額というものは、これは個別には把握できませんけれども、不当利得にとどめるという考え方はこの際やめましたと、不当利得以上のものを課しますというふうにさせていただきました。具体的には八%、一〇%というふうなことなんでございますが、何も一〇%以上にはできないという意味ではございませんけれども、そういう不当利得相当額以上のものに金銭上の不利益をしますと、こういうふうに変えさせていただきました。
 それはイコール、その課徴金の行政としての制裁性を強めましたということを申し上げているわけで、じゃもう一歩進めて、民主党さんのように、もう行政制裁金と言ったらいいじゃないかというお考えもあるかもしれませんが、私の感じは、行政制裁金と言う以上はやっぱりEUの行政制裁金をイメージせざるを得ないと。これは正に裁量性を持った、刑事罰にある意味、機能も代替するような制裁金として執行されている。そういうものと誤解されては困るので、今の改正法に基づく課徴金というのはそこまでの行政制裁金というものではないわけで、あくまでも課徴金というまだ名前にふさわしいものの中で行政上の制裁機能が強化されたと。それで、六%が一〇%になりますというものでございますということでございまして、変わった点と変わっていない点がございますけれども、以上でございます。
#250
○鈴木陽悦君 ありがとうございました。
 それでは、課徴金の部分についてもう一つ質問させていただきたいと思います。
 二年以内の見直しについて再三質問出ておりますけれども、二年以内見直しとしているこの課徴金の部分なんですが、今回の延長線でこの課徴金が見直しをされるのか、それとも抜本的にこの課徴金の見直しがされるのか、その辺の将来性、二年以内というのはどういう考えをお持ちでしょうか、お聞かせください。
#251
○政府特別補佐人(竹島一彦君) それは、抜本的な見直しが行われるというふうに私は理解しております。
 それは何かと申しますと、要するに、少なくとも法人に対する刑事罰は廃止して行政制裁金に一本化すべきかどうか、それが仮にできなくても、その両方を科すというのではなくて、行政課徴金でいく場合はそれで終わりと、刑事告発はなしと。刑事告発でいく場合は行政課徴金はなしという選択的適用でいくべきだと、こういう御意見があるわけでございます。
 こういった、正にそもそも論を議論する。それを議論して、それが本当に妥当であるか、日本でそういうことに変えて現実にちゃんと動くのかといったような検討がなされるんだろうと私は思っております。したがって、今回お願いしている考え方の延長線上ではないということだと思います。
#252
○鈴木陽悦君 ありがとうございました。
 次に、課徴金の減免制度の導入につきまして伺ってまいります。
 先ほどから何回も、第一、第二、第三というふうに話が出ていますが、第一申請者が課徴金の減免制度によって課徴金が免除されるとしても、その後独禁法違反による刑事告発の可能性があって事業者に申請のためらいが生じる可能性もあります。また、独禁法の刑事告発のほか、検察によるいわゆる談合罪や偽計入札妨害罪などの刑法上の罪で起訴される可能性もありまして、課徴金減免制度がうまく機能しないんではないかという考えもありますけれども、公取委と法務省に見解を伺ってまいります。
 なお、法務省には、違反企業に対する現行の訴追の在り方、それから法人処罰の意義、役割を含めて御説明をお願いします。
#253
○政府特別補佐人(竹島一彦君) これは、少なくとも第一番目の課徴金減免制度申請者、かつそれで資格を得た者に関しては刑事告発をしないというのが私どもの方針でございまして、そのことは告発方針の中にきちんと明記をして世の中にきちっと公表さしていただきたいと。それを受けまして検察当局の方でどうされるかということでございますが、私どもは、法務省さんの方から、そういう場合には専属告発権を有している公正取引委員会がそういう判断で告発しないということにしたんであればその点は十分に尊重しますと、こういう態度で処理していただけるというふうに伺っておりますので、その点で御心配はないんではないかと。
 二番目、三番目についてどうするかは、これはケース・バイ・ケースということになろうかと思います。
#254
○政府参考人(河村博君) 談合を含めまして、不当な取引制限などの独禁法違反事件はいわゆる親告罪ということでございまして、社会的事実として、一個の事件につきまして公正取引委員会からいずれかの事業者に対しても告発がなされないということになりますと法律上公訴提起できないと、刑事訴追できないということになってございます。
 ただ、その一部の事業者を被疑者とする告発がなされました場合、告発されなかった被疑者につきましても、理屈上と申しますか法律上は訴追自体は可能ということになるわけではございますけれども、これとその措置減免制度などとの関係ということでまいりますと、検察官におきまして、その訴追裁量権の行使に当たりまして、この専属告発権限を有する公正取引委員会が刑事告発を行っておられないという事実などを十分考慮することとなりますので、そういう意味でその措置減免制度は有効に機能することになるものと考えております。
#255
○鈴木陽悦君 次に、減免制度の受付なんですけれども、これはちょっと今までは話出ていませんでしたけれども、公取委の本局やその都市部八か所のみということなんですけれども、それら以外の地方企業にとって不利になってはならないと思うんですけれども、これ何か対応策がございますでしょうか。竹島委員長に伺いたいんですが。
#256
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 今考えておりますのは、本局に一つファクスを置きまして、その番号はもちろん一つ、そこに掛けてくださいということがいいんではないかと思っておりますので、八つとかそういうことではございませんで、とにかく一つで、そこに早い者勝ちで申請をしていただくと。ですから、それは東京であろうが地方であろうが、そこに置いて平等に扱われるということでございます。
#257
○鈴木陽悦君 それは、先ほどから何回もそのナンバリングの話も伺ってまいりました。是非、不公平のないような措置をとっていただきたいと思います。
 また、地方の企業の入札談合では、談合参加の企業が持ち回りで取りまとめの幹事をやっているケースがあります。今回はそちらの会社が幹事ですよというので取りまとめしています。今回の減免制度では、ほかの企業に談合を強要した企業には適用されないとしておりますけれども、こうした持ち回りの幹事企業には適用されないのかどうか、伺いたいと思います。
 さらに、横並び意識の強い業界では、違反企業みんなが共同で減免措置を受けようなどという、言わば談合の談合のような行為が起こらないとも限りません。一部お話はいただきましたけれども、こうした共同申請の整備具合についても伺いたいと思います。
#258
○政府特別補佐人(竹島一彦君) もう共同申請は認められません。それから、もう一つの当番制みたいになって仕切り屋さんが動くんだと、こういう場合にはある意味でリーニエンシーの対象になり得ると。他人を強要したり、又はやめていきたいという人を駄目だといって抑え込んだりという行為が伴っていない限り、たまたま順番で、当番制で幹事役になっていましたというのはリーニエンシーの資格があると、こういうことでございます。
#259
○鈴木陽悦君 ありがとうございました。
 次に、企業のコンプライアンスを高めていこうという中で、弁護士などいわゆる代理人の役割も重要になってくると思いますけれども、特に企業の外部にいる代理人がこの減免制度に関与できる仕組みも重要ではないかと思いますけれども、その辺はお考えいかがでしょうか。
#260
○政府特別補佐人(竹島一彦君) その点は、代理人を企業がお使いになるというのはもうもちろん考えられることでございますし、それは対応、こちらとして受け入れるということでございます。リーニエンシーの申請に当たっても、代理人たる弁護士がそれを扱うということはあり得るということでございます。
#261
○鈴木陽悦君 弁護士に限らないと思うんですが、代理人の範囲というのはどの辺まで考えられますか。行政書士、様々いると思うんですが、代理人という形でいいんですね、それは。
#262
○政府参考人(伊東章二君) 独占禁止法の手続の関係で代理人という場合には、まずは、弁護士でありますと、ある意味自動的に代理人として認められる。それ以外につきましては、個別に申請を求めて判断をさせていただくということになってございます。
#263
○鈴木陽悦君 それでは、もう一つ伺いたいと思います。
 海外の話もいろいろと出ておりましたけれども、アジア地域におきます日本の公取委の立場、役割について伺ってまいります。今、一部に反日行動が見られる中国でも独占禁止法が制定される動きがあるという報道もございます。独占禁止法の整備なんですが、その国が経済発展を遂げるためには大変に重要でございます。さらに、事業者が経済活動をする上では、競争ルールを守って独占禁止法を遵守するということは世界的な共通認識になってきていると思います。
 中国のような巨大な市場が本格的に国際市場の仲間入りをすることになりますと国際市場のルール整備が喫緊の課題となりますけれども、日本としてはこの中国の独禁法などの競争ルール整備に関して協力していく必要があるんではないでしょうか、この辺のお考えを聞かしてください。
#264
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 中国はもうかねてから一般的な競争法について検討してこられておりまして、その過程で、今は、具体的には商務部がその中国の包括的な独禁法の策定作業に当たっているんですが、その商務部の担当の方々が日本にお見えになって日本の制度を勉強されるというようなときに協力しておりますし、そういうことを各国に対して中国はやっておりまして、もう今や商務部としては成案を得ておられると。それをこれから先、国務院、全人代と、こういうプロセスを経て、いわゆる包括的な、統一的な、日本の独禁法のような独禁法が制定される運びになるというふうに聞いております。
 申し上げましたように、そういうことで、法案の作成についてもあちらからの調査団を受け入れておりますし、そのほかに具体的な、JICAのやはりお金で向こうから何人、十何人だと記憶していますけれども、毎年中国から向こうの国家公務員を呼びまして日本の独禁法の理論や実務について研修をやっております。そういう形で技術協力をさせていただいているということでございます。
#265
○鈴木陽悦君 まだまだ議論しなければならない重要な部分たくさんあるこの法案なんですけれども、本日はちょっと、若干時間を残しましたけれども、重複部分あって割愛さしていただきましたので、これで私の質問時間終わらしていただきます。ありがとうございました。
#266
○委員長(佐藤昭郎君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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