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2005/03/30 第162回国会 参議院 参議院会議録情報 第162回国会 厚生労働委員会 第9号
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2005/03/30 第162回国会 参議院

参議院会議録情報 第162回国会 厚生労働委員会 第9号

#1
第162回国会 厚生労働委員会 第9号
平成十七年三月三十日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         岸  宏一君
    理 事
                国井 正幸君
                武見 敬三君
                辻  泰弘君
                山本 孝史君
                遠山 清彦君
    委 員
                坂本由紀子君
                清水嘉与子君
                田浦  直君
                中島 眞人君
                中原  爽君
                中村 博彦君
                西島 英利君
                藤井 基之君
                足立 信也君
                朝日 俊弘君
                家西  悟君
                小林 正夫君
                柳澤 光美君
                柳田  稔君
                蓮   舫君
                草川 昭三君
                小池  晃君
                福島みずほ君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        川邊  新君
   参考人
       全国町村会長
       福岡県添田町長  山本 文男君
       日本経済新聞論
       説委員      渡辺 俊介君
       全国知事会社会
       文教常任委員会
       委員長
       宮城県知事    浅野 史郎君
       全国生活と健康
       を守る会連合会
       事務局長     辻  清二君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○国の補助金等の整理及び合理化等に伴う国民健
 康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
○介護保険法施行法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(岸宏一君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 国の補助金等の整理及び合理化等に伴う国民健康保険法等の一部を改正する法律案及び介護保険法施行法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 本日は、両案の審査のため、お手元に配付の参考人名簿のとおり、全国町村会長・福岡県添田町長山本文男君、日本経済新聞論説委員渡辺俊介君、全国知事会社会文教常任委員会委員長・宮城県知事浅野史郎君、全国生活と健康を守る会連合会事務局長辻清二君、以上四名の方々に御出席をいただいております。
 この際、参考人の方々に一言ごあいさつ申し上げます。
 本日は、御多忙中のところ、当委員会に御出席をいただき、誠にありがとうございます。
 参考人の皆様から忌憚のない御意見をお述べいただきまして、両案の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、よろしくお願いを申し上げます。
 次に、議事の進め方でございますが、まず参考人の皆様からお一人二十分以内で順次御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
 なお、参考人、質疑者ともに御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず山本参考人から御意見をお述べいただきます。山本参考人。
#3
○参考人(山本文男君) 全国町村会長の福岡県の添田町長の山本でございます。
 平素は町村行政につきまして格別な御高配をいただいておりますことに対し、今日お礼を申し上げさせていただきます。
 また、今日は、私どもの意見を、陳述をしていただけることになりましたことに対しお礼を申し上げておきたいと思います。
 私は、この機会に、国民健康保険を運営する市町村の立場から、医療保険制度の一本化の必要性及び都道府県財政調整交付金の創設等につきまして意見を申し上げさせていただきたいと思います。
 まず最初に、医療保険制度の現状でございますが、このことについてはもう先生方はよく御存じだと思いますけれども、あえて一言申し上げさせていただきますが、我が国の医療保険制度は国民皆保険制度を採用しておりまして、世界的に見まして非常に優れておりまして、言い換えますと世界一の制度ではないかと、そういうふうに思っているところでございます。
 国民皆保険制度を堅持することは国民の総意であるものの、制度的には、自営業者や無職者等を対象とする市町村国保と、政管健保及び組合健保等から構成される被用者保険に大きく二分化される構造となっていることは御承知のとおりです。
 このような状況の下、市町村国保には全人口のおおむね三六%が加入しております。その財政運営は危機的な様相を呈しております。さらに、リストラやフリーター及びニートの増加等に起因する無職者、低所得者の増加、毎年一兆円規模で増加している老人医療費など、多くの課題、問題点を抱えております。
 したがって、これらの各種の問題点を解決するためには医療保険制度改革が急務でありまして、医療保険制度の一本化なくして皆保険制度は維持できないものと考えておるところでございます。
 ここで国保と被用者保険とをちょっと対照してみますと、まず、先ほど申し上げましたように、市町村国保は全人口のうち四千六百十九万人が加入を被保険者としております。率で三六・一%ですが、もう一つ国民保険というのがございまして、これが約三・二%ぐらいですから、四〇%ぐらいが国保という名の下の被保険者になっております。それで、もう一つは政管健保でございますけれども、加入者は三千五百八十六万人で二八%でございます。それからもう一つは組合健保で三千五十七万人ぐらいでございまして、二三%、約二四%ぐらいになりますが、その他、少し、八%ぐらいほかの保険がございます。
 ところが、数字の上では一番たくさん国民健康保険が抱えておりますけれども、問題は中身でございまして、この一人当たりの所得というのはなかなか国保の場合は出ませんので、一世帯当たりの年間所得を見てみますと、国保では百五十三万円、それから政管健保の方は二百三十七万円、それから組合健保の方は三百八十一万円で、この加入している平均の年齢でございますけれども、国保は五十二・五歳、それから政管健保が三十七・二歳、それから組合健保が三十四歳ということになっております。少しこれはデータが古うございますけれども、余り変わらないところでございます。
 ところが、診療は一体一人当たりどれぐらい使っているかといいますと、十六万四千円、これが国保でございまして、一番高うございます。それから政管健保が十二万一千円、それから組合健保が十万三千円ぐらい使っておりまして、この年間の所得を基にした保険料率は、国保が一〇・二%、それから政管健保が六・七%で、組合健保は四・六%という状況になっておるところでございます。
 国保の財政状況を見てみますと、平成十四年度の法定分で一般会計の繰入金は六千百三十四億円と併せて、法定外負担として三千六百八十億円もの巨額が投入されているのにもかかわらず、四千百八十八億円の赤字を計上しております。毎年多額の法定外繰入れを行っていても、保険者の六割余りが、いわゆる私ども市町村でございますけれども、赤字運営となっている現状を考察いたしますと、もはや国保制度は破綻をしていると言ってもいいんじゃないかと思います。
 また、先ほど申し上げましたように、近年、失業等の増加により所得のない加入者が増加をいたしまして、保険料未納者の増加につながっておるというところでございます。収納率が低下いたしますと、制度を維持するためには、穴の空いた不足分を市町村が一般会計からより補てんせざるを得ない悪循環が生じてしまいます。一般会計から法定外の繰入金を投入することは、本来市町村が行うべき他の事業に予算が回りません。各種の福祉施策や及び行政サービス等を阻害することに直結をいたします。このことは、国保加入者のみならず、間接的には他の被用者保険加入者を含めた全住民が国保の負担をすることにもなると思います。
 次に、医療保険制度の一本化について申し上げたいと思いますが、負担と給付の公平化を図るため、我々は、市町村保険者はかねてから医療保険制度の一本化を主張してまいりました。医療保険制度を一本に統合することにより、保険運営の広域化により保険基盤の強化並びに負担と給付の統一化が図られることになると思います。現時点において黒字を維持している保険者も、多くは数年のうちに赤字に陥ってしまうと推測がされております。国民にとって安心して医療を享受できる体制を整えることが必要ではないでしょうか。
 政府は、平成十五年三月、医療保険制度の基本方針について閣議決定されました。このことはもう御承知のところだと思いますので省略をいたしますが、その中で、市町村国保については、「都道府県と市町村が連携しつつ、保険者の再編・統合を計画的に進め、広域連合等の活用により、都道府県においてより安定した保険運営を目指す。」とされております。
 最終的には医療保険制度の一本化を目的に、この段階的措置として市町村単位の国保を都道府県単位に推進すべきではないでしょうか。これはあくまで県単位という意味でございます。そして、都道府県単位の次の段階として、同じく県単位に分割し運営することになった政管健保と国保を一本化させ、更には組合健保も含め、最終的には国レベルでの一本化をすべきだと思っているところでございます。
 地方分権の時代にそれは逆行じゃないかと言われる説もございますけれども、決してそういう意味ではありません。国でやれと言っているわけではありません。国単位、いわゆる全国的なものでやったらどうかという意味でございます。
 次に、都道府県の財政調整交付金について申し上げますが、この都道府県の財政調整交付金等についてでございますが、現在の国保制度では、都道府県は市町村に対し指導、助言する立場でございますが、財政負担がほとんどないのが現状であります。先ほど国保財政が既に破綻状態にあることを説明させていただきましたが、是非この機会に都道府県にも国保財政の一翼を担っていただき、積極的に国保運営にかかわっていただきたいと思っているところでございます。また、介護保険制度同様に、広域的観点から医療費の適正化等に取り組んでいただきたいと思っております。そして、一本化の前段階でありますところの都道府県単位につなげていくべきだと考えております。
 今回の都道府県の負担の導入につきましては、私ども高く評価をしているところでございます。
 以上、いろいろ申し上げましたけれども、医療保険制度は国民生活に直結する重大な問題であります。しかしながら、国保を始め医療保険財政は各制度とも崩壊状況にあります。残念ながら、国保も既に破綻状況にあり、現状のまま持続するほどの体力は残っておりません。今日まで数度にわたり抜本改革の実行年度が示されておきながら、意見集約等に困難を来しまして実現されるには至っておりませんでした。もはや一刻の猶予もありません。早急に医療保険制度の一本化させなければならないと思います。そのためには、第一歩として今こそ決めるべきではないかというふうに思っているところでございます。
 なおまた、介護保険でございますけれども、今介護保険法施行法の一部を改正する法律案が御審議をいただいていると思いますが、介護保険法の施行日、平成十二年四月一日からでございますが、以前から市町村の措置により特別養護老人ホームに入所されている方々が平成十六年四月現在で約六万八千人と見込まれております。これらの方々に対する利用料と食費の負担軽減を更に五年間延長することにつきましては適切な処置であると思いますので、是非とも御勘考の上、延長されるよう御処置を願いたいと思っているところでございます。
 以上、極めて簡略でございましたが、一つだけ、県の調整金についてでございますが、御存じのように、今回、国保の負担について、言い換えますと、この安定化調整金とそれから医療費の一部、合計で五%、全体の五%を県へ移譲することになりました。
 これは十七年度では五千四百五十億円ぐらいになりますが、これはもう一つ保険基盤安定制度というのがございまして、国が二分の一、それから県と市町村が合わせて二分の一を負担をしているものがございます。これを合わせますと五千四百五十億円が県の言うならば支出ということになります。これ、十八年度はこれが五千八百五十億円になるわけでございますけれども、これらがうまく、うまく、ただ単に、何といいますか、言葉がちょっと私、方便でございまして申し訳ないんですが、もてあそぶんではなくて、すなわち将来のこの医療制度のことを考えて、県が先ほど申し上げましたようにこの国民健康保険の財政あるいは運営などなどについて関与していただくためにもこの調整金の扱い方が極めて大事になると、こういうふうに思っているところでございますので、併せて御検討いただければと思いますのと、これらを更に県への強化をやっぱり図っていくことが一番望ましいのではないかというふうに思っているところでございます。
 以上、極めて簡単でございますけれども、私の意見を申し上げさせていただきました。
 ありがとうございました。
#4
○委員長(岸宏一君) ありがとうございました。
 次に、渡辺参考人にお願いいたします。渡辺参考人。
#5
○参考人(渡辺俊介君) 御紹介いただきました日本経済新聞の論説委員の渡辺と申します。
 私は、新聞者として長く、三十年余り医療、年金、介護等のいわゆる社会保障行政を担当してきた立場から、本日は、今回の国民年金保険法等一部改正案の中で、いわゆる県が医療あるいは医療保険行政に関与する、その参画を求めるといった考え方に私は賛成いたしますので、その立場から意見を、短い時間でございますが申し上げたいと思っております。
 まず、なぜ賛成するかといいますと、私自身、まず基本的には地方分権は進めるべきであると考えておりまして、その際に、地方分権の際、何を一体、県あるいは市町村といった自治体に今分権するのかと。そういったことを、私自身専門じゃない部分もございますが、例えば一つの例として私が挙げたいのが北欧でございます。
 たまたま私は北欧のデンマークという国に昔住んでいたことございまして、住んでいたのは二十年ほど前でございますが、それ以来ほぼ毎年、ほぼ年間一回ぐらい、去年も行ってまいりました、取材に行っておりますけれども、北欧のシステムがすべていいとは私は言えません。それを前提としてお話を申し上げます。あれだけ高い税負担、あるいは大きな政府といった、私は賛成できない部分もございますが、あの徹底した地方分権といった点については見習うべき点が多いと思いますので、それを例にさしていただきたいと思います。
 特に、私が住んでおりましたデンマークを中心にお話し申し上げますが、デンマークの場合には、例えば現在、県が十四、そしていわゆるコミューン、日本で言うと、日本語で言うと市町村が二百七十一ございますが、徹底して医療行政はすべて県が担当していると。それから、御案内だと思いますけれども、いわゆる福祉行政、老人福祉あるいは障害者、そして児童といった福祉行政は、すべて二百七十一のコミューンといいましょうか市町村が担当していると。極めて見事に分権化されております。
 もちろん、各自治体によりまして財政問題等がございますので、そこは財政調整あるいは国からの財政負担といったこともございますけれども、徹底した地方分権がなぜ行われているか。やはり、医療とか福祉といった住民に身近なテーマは、国という言わば遠い存在ではなくて、住民に比較的身近な存在であります県や市町村が行うのが妥当であるといった考え方が一つは貫かれていると思います。
 例えば、今、福祉、特に老人福祉は市町村、コミューンの担当だと申し上げました。これは徹底しておりまして、例えば県との連絡、つまり、日本の介護保険でも見られますとおり、介護保険といっても当然医療とのかかわりはございます。
 そこで、一例を挙げますと、デンマークの場合でもいわゆる訪問看護師という方いらっしゃいます。訪問看護師は日本でもデンマークでもいわゆる老人介護の分野の範疇でとらえますが、デンマークでも訪問看護師さんは医療職でございますから、県の職員、あるいは県の担当になります。ただ、介護の仕事をやっていると。逆に言いますと、デンマークでいいますと、医療職であります訪問看護師は、医療、つまり県の職員、県の担当でありますが介護もやっているということで、言わば県と市町村、つまり医療と介護との非常に、連絡役といいましょうか調整役といいましょうか、非常にうまいパイプとしてつながっていると、有効にうまく機能しているなと思っております。
 また、別な言い方をしますと、これはあくまでもデンマークのケースで、日本にすべてが当てはまるとは言いませんけれども、逆に言いますと、県の仕事の大半は医療であると、それから市町村、コミューンの仕事の大半は介護あるいは福祉であると。
 例えば、県の予算、デンマークの十四ある県の平均的な予算の割合で見ますと、予算のうちの七五%、平均の値でございますが、が医療予算である。この数字から見ますと、つまり県の仕事の大半は医療であると言っても過言ではないと思います。あるいはコミューン、二百七十四のコミューン、市町村の予算のうちのやはり大体、二百七十一もございますので市町村によっては差異はございますが、おおむねやはり予算のうちの七〇%から八〇%はいわゆる福祉予算であると。あと、ごみの問題、あるいは初等教育、義務教育といった問題もございますが、逆に言いますと、市町村の仕事の言わば予算面から見た場合でも大半は福祉が仕事であるといった意味で考えますと、先ほど申し上げたように、日本の場合すべてそれが当てはまり、あるいはすべてそれがベストだからそうしろという意味じゃございませんが、何か地方分権を具体的に進めていく上で、考える上で大きな示唆を持つことではないであろうかと思っております。
 そういった意味で、じゃなぜ県が医療をやって市町村が福祉をやるか、この疑問にも、当然私も取材いたしましたが、やはり医療といった部分は、福祉と違って、県が全体の市町村をにらみながら、日本でも話題になっております健康づくり、言わば予防等の問題もあります。あるいはデンマークの政府あるいはデンマークの取材に行きますとよく言われることが、やはり医療資源の効率化、効率的な使用あるいは効率的な配分が進められると。これがそういった意味では、県というサイズが、医療あるいは日本でいう医療保険行政を進める上で一番いいサイズではないかと。何度も繰り返すようですが、もちろん単位も違うし、デンマークの場合は人口わずか五百五十万足らずといったいろんな違いがございますが、先ほど来申し上げてますとおり、一つの大きな参考になるのではないかと私は考えております。
 そして、日本の場合、今度当てはめてみますと、やはり今も山本参考人の方からお話ございましたが、やはり国保は市町村がずっと運営してきたと。財政面でもそうでありますが、保健事業、つまり健康づくり等を見ましても、今三千二百、もう大分減っていましてもうすぐ二千ぐらいになるという予定でございますが、市町村の間で相当格差がある、これは否めない事実でございます。やはり健康づくり、いわゆるその予防といったものを進める上でも、やはりこれは県といったものが主導権を持って自らの県内の市町村の在り方を見ながらやっていくのがいいのではないかと。
 例えば、よく言われますとおり、長野県の医療費が安いとよく言われます。特に老人一人当たり医療費は全国一番低いと。全国平均の三分の二程度と、トップの北海道や福岡の三分の二程度という非常に低いのが行われております。この健康づくりが非常にうまくいっている、もちろんマイナス面もございますが、うまくいっているのではないか。例えば、徹底した在宅医療あるいは保健師活動あるいは栄養改善等々、言わば食事の問題等、そういった問題で予防活動が非常にうまくいっていると。
 もちろんマイナス面もございますので、すべてが長野県みたいにはなろうと、あるいはしようとする場合マイナス面も当然ございます。長野県の場合には、また御承知と思いますが、いわゆる持家比率といったものは日本で県別で見ますとトップクラス、あるいは離婚率は最低に近い部類である。つまり、家族がいて持家があると。つまり、入院よりも退院を求め、在宅での医療、もちろん医療職の活躍あるいは保健師の活躍もございますが、そういった点もございますが、裏返して言いますと、家族がそういったことに縛られるといったような問題も当然惹起されているわけでございまして、すべてがいきなり長野県のようになって、そして医療費が安くなるといったことは、理想的にはすぐいかないかもしれませんが、やはりプラス面を見ますと、在宅医療の推進といったことを中心に、そして予防活動、保健師さんを中心とする、あるいは保健補導員と長野県では呼んでおりますが、そういった活躍による予防活動が非常に効果を現しているのではないかと思っております。
 それも含めて、やはり医療費を適正化する。今、一部政府部内でも出ておりますが、非常に私に言わせますと乱暴な医療費抑制政策といったものが一方で打ち出されようとしております。私はあれについても反対でございますが、やはり医療費は、もちろんただ増やしゃいいというものじゃないでしょうけれども、必要なところにはちゃんと付ける、そして無駄は排除する。そういった意味での医療費適正化は当然必要なわけでありまして、医療費適正化を進めていくためにも、やはり県が医療あるいは医療保険行政に積極的に関与することは私は大いに効果があると、期待できるのではないかと思っております。
 また、例えば、今申し上げた長野県は医療費が低いことで有名でありますが、長野県内の市町村を見ますと、やはり当然そこに高低はございます。同じ長野県の中でも高いところもあります。あるいは老人医療費一人当たりが、全国トップを常に入れ替わっておりますが、福岡県と北海道を見ましても、やはり北海道の中でも非常に医療費が低い町村がある。あるいはまた福岡県でも同じことが言えます。
 そういった意味でいいますと、医療費の言わば都道府県内格差、一体どこに原因があるのかと。言わば隣村、隣町で同じような気候条件、あるいは同じように例えば海辺に面しているといった同じような地理条件であっても医療費の違いがある。そういったことの分析も当然していかなければ言わば医療費の適正化につながっていかない。そういったことからも、ちょっと国じゃ遠過ぎるのかなと。やはり県といったものがそこで主導的な役割を果たすことによって医療費適正化の効果が現れるのではないかと思っております。
 そういった意味で、国民健康保険を現在の市町村から県が今度関与すると。十七年度はいわゆる五%、そして十八年度以降は七%の言わば財政調整の言わば権限を県知事が持つといったことによって、先ほど申し上げた、もちろんマイナス面といいましょうか気を付けなきゃならない点もございますけれども、県の力を大いに発揮して、それが実りあるものになっていくのではないかと私は期待しております。
 また、政管健保につきましても、幸か不幸かと申すべきか、たまたま社会保険庁の解体論等出ておりまして、私も解体的出直しというと大賛成でございまして、そういったこと新聞にも書いておりますが、政管健保も、国が一本、社会保険庁が一本でやるんではなくて、できるならば都道府県に分割すると。国民健康保険といきなり一緒にするといったことについては私はやや疑問を持っておりますけれども、政管健保もむしろ分割して都道府県が責任あるいは参加していくといったことが望ましいのではないかと考えております。
 最後に、そこで、じゃ県がやる場合にどういう問題点があるかと私なりに考えております。これからやっていく上においていろんな問題点が出てくることも当然予想されます。
 例えば、今、一つ医療の適正化と私申し上げましたけれども、ほんの私のある意味じゃささやかな知識で申し上げますと、今、県庁、私も仕事柄いろんなところ回っておりますけれども、余りにも医療情報あるいは医療保険情報というんでしょうか、これは県が本当に持っておりません。もちろんこれは、先ほど来お話があったように、県が医療あるいは医療保険行政に余り関与してこなかったといったことが一つの原因かもしれませんが。
 例えば一例を挙げますと、医療費適正化あるいは予防の上で重要な点は、例えば一例挙げますと糖尿病対策。糖尿病の患者さんあるいは潜在患者さんは大変な、予備軍は大変な数でございますけれども、例えば境界値に近い人は少し運動すれば元気、何といいましょうか、健全になるといったことが言われております。あるいは合併症を予防することによって相当な医療費の適正化につながっていく。ところが、今、例えばどこの県でも同じかもしれませんけれども、その境界域、境界値に近い人もある病院に、例えば渡辺病院に通っていると。合併症寸前の人も通っていると。また別なB病院には同じように通っていると。言わばばらばらな状況が現状としてあると思います。
 やはり効率化していくためには、予防なら予防、あるいは合併症寸前なら合併症寸前と、そういった情報、つまり県は医療機関情報とか患者情報は持っておりますが、その患者の行動といった情報は当然ない。まあ国も持っておりませんけれども。より県が住民に身近な存在として、そういった医療といったものに、あるいは医療行政に参画していく上においては、やはりそういった情報も是非持っていただきたいし、そういったシステムといいましょうか、患者の実際の動きといったものを考えなければならない。といって、ただ患者を言わばこっちに集めるといったことをやりますと、当然患者の利便性を考えてマイナス面も出てくると。そういったことを十分に考えなければ、ただ県に医療行政の責任の一端を言わば持たせる、取っていただくといったことをやっても効果が上がらないことが十分考えられます。
 それからもう一つ。先ほどデンマークの例を申し上げました。そこでは医療資源の効率的な配分、あるいは効率化といったことが、デンマーク人といいましょうか、デンマークを取材しますとよく口に出てくる言葉で、私も何度も耳にいたしましたけれども、私自身逆にこれはマイナス面があるんだと思ったのは、デンマークの病院数を調べてみますと相当減っております。
 例えば、デンマーク全土でありますが、まあデンマーク全土といったって、グリーンランドを除きますとその面積は九州と同じぐらいでございますけれども、一九八〇年、デンマーク全土の病院数は百十六ございました。ところが、二十年後の二〇〇〇年、最新データといってもちょっと古いんですが、二〇〇〇年のデンマーク全土の病院数は六十四と、二十年間で半数近くになってしまっているということでございまして、これは良く言えば医療資源の効率的配分ということになるかもしれませんが、余りにも効率化といったものを考え過ぎた余りの一つの結果ではなかろうかと。
 さらに、現在、デンマークでは更に地方分権を徹底し効率的にするために、現在十四の県といったものを、もう近く、あと二、三年後と聞いておりますが、わずか五つのリージョンという、まあ県よりもうちょっと大きいみたい、まあ日本で言うと道州制的な発想かもしれませんが、リージョンという五つにしてしまおうと。そこで当然医療もやっていただくという発想で、今その改革はもう既に始まっておりますし、実施も決まっておりますが、そうなりますと、今デンマークの中でも一部には、もっと病院数が減ってしまうんではないかと。
 そういうことで、もちろん、何度も言うように、医療のあるいは医療資源の効率的な配分といったことは非常に重要なことでありますけれども、ただ病院の数を減らすあるいは医療資源をまとめていけばいいものではないと。そういったことを日本でも、もちろん、まだ四十七都道府県、いろんな人口の問題あるいは面積の問題、いろんな格差もございます。あるいは、いわゆる北海道の一部に見られるような標欠病院、標準人員、つまりお医者さんが集まらない、看護師さんが集まらないといった病院もございます。文字どおり人的資源、そして物的資源をどう文字どおり効率的に、そして患者本位のように配置するかといったことも併せて考えなきゃいけないと、そういった点が都道府県が医療行政に参画していただく上で十分考えなきゃいけない点ではないのかなと、そのように考えております。
 短い時間でございますが、以上、取りあえず意見を申し上げました。
#6
○委員長(岸宏一君) ありがとうございました。
 次に、浅野参考人にお願いいたします。浅野参考人。
#7
○参考人(浅野史郎君) 全国知事会社会文教常任委員会委員長の宮城県知事浅野史郎でございます。
 参議院厚生労働委員会の委員の皆様、去年の今ごろ、こういうような場が開かれるとよもや思った人は多分いないんだと思うんですね。つまり、今年この段階に国民健康保険法の改正案というのが参議院に提出されるというふうに夢想だにした方、いらっしゃったでしょうか。それは、多くの方は二年後ぐらいというのを考えていました。また、政府自体も、この医療保険については平成二十年度に改革の実施をする、で、平成十八年度の制度改正を目指しと言っていたわけです。それが、今ここでこういう審議が行われているわけです。これは極めてまず、まあ奇異というか、なぜこういうことになったのかということの原点から考えていく必要があると思って私はここに来ております。
 私自身は、今回のこういう改正が出されたこと、内容も含め、極めて不幸なものと受け取っております。こういうふうにされた、押し切られたという感じがしますので、敗北感を負いながらこの場に立っております。その意味で、ちょっとお二人のようにこれをこのまま礼賛することができないということなんです。内容についてもありますけども、やはりこれ、手順の問題というのもあると思うんですね。
 この法案は、単なる国民健康保険等の一部を改正する法律案じゃございません。前に頭が付いています。「国の補助金等の整理及び合理化等に伴う」という関係代名詞が付いているわけですね。これはいわゆる三位一体改革なんですよ、この経過は。三位一体改革という、やるっていう中で国民健康保険についてはこういうふうにしようということで出てきたので、これは医療保険改革というちゃんと筋道立って経過をたどってやっていくという文脈から外れて出てきたものなんですね、いい悪いは別として。そういうことだということをまず押さえる必要があると思います。
 で、大変不幸だと言ったことについてちょっと幾つか申しますと、これは我々、我々と言っているのは地方六団体と思っていただきたいと思いますけども、主にそれは私の立場でいえば都道府県です、知事会だと思いますけども。我々が言っていた、三位一体改革をこういうことでやれと言った内容に反しています。むしろ、昨年の八月、地方六団体がまとめた案の中では、こういったことだけはやらないでくださいと言ってます。こういったことというのはどういうことかというと、単なる国庫補助率の削減というようなことはやめてくださいと。
 何で三位一体改革やるかというと、地方に権限と裁量の余地を広げるというためのこれ改革ですから、単に国の補助率を下げた、その分が都道府県が持つというのは我々が言う三位一体改革のゆえんではありませんから、これはもう明示的にこういうことだけはやめてくださいと言ったものです。それをやられてしまったということです。
 それと、実は今回、三位一体改革の中でこの国民健康保険のこういう改正がされたということで、六千億、七千億のお金が浮きました。つまり、三兆円という税源移譲の目標を出したときに六千億ここで稼いだわけですよ、六千億、七千億。稼いだという内実を見ますと、厚生労働省関係の四十五の施策がこれで助かったんですよ。四十五の施策が、この六千億、七千億国民健康保険が一手に引き受けてもらったおかげで、我々地方案にあった、厚生労働省の挙げるこういう補助金付きの施策はやめましょうと、これはもう廃止して税源移譲して地方に任せましょうってやつ四十五件並べたんです。で、それが全部救われました、これ一本で。そういう意味でも、これは国民健康保険の問題というよりは、実はこれを三位一体改革の政府側の答えとしてやられたことによって四十五がすぽんと飛んでしまったわけです。これは、我々真摯に三位一体改革を進めてきた立場からいえば極めて不幸なことであり、もっと言えば理不尽なことだというふうに思っています。これは三位一体改革に関してのことなんですが。
 もう一つ、やっぱり僕は、これ、今回のこういったやり方というのは、国民健康保険制度の改正を考える上でも良くないことではないか、不幸なことではないかというふうに思います。
 まず言えば、順番が違います。今、デンマークの例なんか挙げられて、デンマークでは県が医療をやっている、コミューンで福祉をやっている。これ結構な議論ですよ。だったら、そういう議論をしっかりやって、関係者がみんなそうだということを思ってやるべきなんですよ。順番が完全に違っています。
 まず、金を持たせようと、財政調整交付金ということで県に一部持たせようと、それから保険料軽減の分で持たせようというのを、これ、今回の内容ですよね。それをやっていて、本来国民健康保険ということの実施主体の制度設計をどういうふうにしていくんですかという基本中の基本の議論という全体構想がない中で、言わば金の部分だけこれ先行してやっているわけです。
 で、我々からすると非常に愉快でない言われ方が、県にこれ負担させれば関心が出るだろうというような言われ方をしています。それは、どうも県は国民健康保険について、医療制度について無関心で寝ぼけている、だから金を出させれば嫌でも目覚めるだろうと。それはないでしょうと。それは単に子供っぽく言っているわけじゃないですよ。制度のこういうことを考えるときには、やはり全体として、国民健康保険を医療保険制度全体の中でどうやっていくか、そういう中で国の役割はどうか、道府県の役割はどうか、市町村の役割はどうかということをしっかり押さえて、よし、県もこういう役割をすべきだと。だったらこういう財政調整交付金、だけでないもっと大掛かりなものやるかもしれませんね、そういうものをやるべきなんですよ。そこのところの議論をすぽんと抜いておいて、これはないでしょうと。それは、私は怒っているんではなくて、まあ怒ってもいるんですけども、国民健康保険制度の今後の在り方についても大変不幸なこれは一歩ではないかと。曲がりなりにも一歩と言われますけど、私は曲がりなりの一歩だと思っているんです。方向が違っていると思います。
 で、これは医療保険制度全体の問題、なかんずく国民健康保険制度にとってとっても大きいのは、高齢者医療をどうするかなんですよ、高齢者医療制度を。それがもう今回の、まあ一本化という話もありますよ、それは医療保険制度全体の一本化という話もありますけども、これはもう少し先にならざるを得ないと思います。その前に、のっぴきならない問題として、我が国の高齢者医療をどうするかということは、もうこれはこのところ一年、二年の課題です。これをやらないでおいてこっちが先に出るというのは、これもやっぱり順番からいって極めて理解不能という問題だということで、その意味で不幸だというふうに申し上げました。
 実は、こういった議論の中で、お二人から、また市町村からはそれなりに評価するというのがあるんです。これは気持ちは分かります。それは、国民健康保険の保険者としてこの制度をこれから将来、まあ現在も含めどうやって担っていくんだと、もうパンクですと、一つの町でこれを担っていくことできませんと。それは県も御出馬願いたいという気持ちは痛いほど分かるんです、それは。であるからといって、しかし今回の制度にこれは一歩前進だと言うのは、私はちょっと、制度全体を考えても極めて問題ありということでちょっと考えています。
 今日、たまたま今日付けで間に合ったんです。お手元に資料をお配りしていると思いますけども、「国民健康保険制度における都道府県負担導入に向けた基本的考え方」、本日付けで、クレジットは全国知事会です。これは地方六団体ではなくて全国知事会で、市町村とはちょっと違っているかもしれませんけども、知事会としてまとめました。これ今日付けです。
 この内容についてちょっと触れさせていただきますけども、その内容について入る前に、今申し上げた前提からいくと、私は今回の改正案と言われるものは極めて問題が多いというふうに思っています。したがって、ただ、そう言いながら、今回の改正案を前提に考えなければならないと思いますので、そうしますと、私から言わせると、これによってもたらされる被害を最小限にとどめるということです。それから二番目に、少しでもやっぱり、これは三位一体改革の趣旨から出てきている改革ですから、我々の自負としても、これの内容及び運用は、三位一体改革、つまり地方が権限を持って裁量の余地を広げるという観点から、その趣旨に沿う運用をできる限りしたいということです。三つ目には、できるならば、その次の、確かに医療保険、国民健康保険制度の改革の流れに乗せていきたいという思いはあります。重要度はその今の順番になろうかと思います。
 内容をちょっと触れさせていただきたいと思いますけれども、一ページ目の上の方にはさっき言った恨みつらみのがもうちょっと上品に書いてあるというふうにお受け止めいただきたいと思いますけれども、しかし趣旨は同じです。やはりこれは唐突である、おかしいということを一応書いております。
 この「基本的考え方」は、実は浅野私案というのを出しまして、この問題を考える際に、都道府県としての考え方をまとめるためにやっぱり私案がなくちゃいけないということで、私が私の案として出しました。シ案のシは試みだったか私だったか忘れましたけれども、私だったような気がします。それを四十七都道府県にお配りをして、それに対する反応、御回答をいただいたのを基にして今日まとめたのが目の前にあるものです。ですから、内容によっては賛否分かれたものもありますけれども、一応最大公約数的にまとめました。
 まず、一ページ目の下の方の「(2)「基本的考え方」の三つの視点」ですけれども、一つ目は、やはり現状の問題として市町村国民健康保険財政は厳しいんだと、これに対する配慮というのがあります。これは、ここに書いていませんけれども、具体的に言うと、この今回の問題の中で、国庫定率負担、これは現在四〇%のものが三四%になるという案になっています。今年度は、来年度ですね、三六%ですけれども、でき上がりは三四%になると。このこと自体をはたから見ると、厳しい市町村保険財政から見ると極めて大きな脅威です、これは。とんでもないというふうに受け止める市町村がほとんどだろうと思います。したがって、保険運営の安定的な運営の確保という観点からいうと、この定率負担の、国の定率負担の激減というのは、これは抑えなければならないということが答えとして出てくるわけです。
 二番目に「三位一体の改革の趣旨に沿った裁量の確保」、二ページになりますけれども。さっきもちょっと言いましたように唐突に出てきましたけれども、これの運用に当たっては、やはり三位一体改革の趣旨である地方の自己決定・責任を深めるという視点での運用、これは自らに言い聞かせている部分も含めて、こういったようなことを基本に考えています。
 三番目は「医療保険制度の将来像確立までの暫定的な措置」。キーワードはこの暫定的ということです。我々は、今回のこと、ずっと申し上げていますように唐突であるというようなことで受け止めておりまして、本来の将来像確立までの重要な一歩とも実は考えておりません。やはり曲がりなりの改革であって、その意味では、三位一体改革というのを、政府全体として三兆円の税源移譲というのを実現しないとしようがないよねと、そういう中で非常に大きな財源として国民健康保険というのがあって目を付けられて、そしてこうやって召し出したと、これしようがないよねということで受け止めれば、これは国保改革の中においても暫定的な措置と受け止めざるを得ないと。
 現在、国の社会保障審議会の医療保険部会で、私もメンバーですけれども、精力的に審議が行われているということですけれども、その中でこの話は全く出てこなかったんですね、今回のような改正のことは。
 ということであって、また元に戻りますけれども、全体像をちゃんと確定してそこから議論を進めていくべきだということを申し上げております。
 二ページの下の方の大きな二番、これは、今回の改正案をそれはそれとして受け止めてどういうふうにやっていくかということで、ちょっと簡単に解説をさしていただきます。
 都道府県財政調整交付金の配分基準について、今度、七%という財政調整交付金の配分権限を県はいただきました。いただくことになります。十七年度は五%ですけれども、七%。これをどう配分するかということなんですが、先ほどの一番目で、「基本的な考え方」の一番目で言ったように、やはり激変緩和というか、定率国庫負担をこれだけ激減されるということが市町村にとって大変な脅威と受け止められているんだったらば、それに真摯に対応していくべきだということで、これは本当にちょっと苦しい言い方なんですが、せっかくいただいた七%の自由に使えるお金を我々は自由に使わない決断をしましたということなんです、ここは。その七%、五%のうち自由に使うのは当面は一%だけと。だから、残りの六%、来年度の四%分というのは定率国庫負担の配分方式と全く同じにしましょうと。結果としては定率国庫負担が四〇%のままということになります。
 ただ、これはアンケート調査の中では、いやもう少し裁量でやりたいという県も少数ではありましたがございました。それはそれであると思いますが、多くの県においては、実際に自分のところの市町村の状況を見ると定率国庫負担を激減させるという決断を取りにくいということで、財政調整交付金の配分基準についてもこのように考えているということです。それが(1)です。
 (2)ですけども、この(2)はちょっと難しい部分なんですけども、実は別なところでも出てきますけれども、県が県がというふうに言われる中に実は二つの考え方があるんですね。その一つの広がりとしての県という、県の、何というんですかね、広がりという、例えば広域性、市町村が一緒になって広域的にやっていくというやつの一番大きな形というのは、これ県単位で一つの保険者になるってありますけれども、これはいわゆる為政者としての知事に代表される県とはちょっと違う概念ですね。ここで言っているのはちょっとそれとは違いますけれども、為政者としての県というのがこの財政調整交付金を配るということになると、実はこれは単なる国民健康保険財政だけを頭に置いて運用されるべきかどうかということで、例えば福祉の観点というようなこともあっていいじゃないか。
 ちょっと具体的にちょこっとだけ言いますと、これは、例えば乳幼児医療における現物支給の問題です。乳幼児医療についての自己負担分をほとんどすべての県において単独で援助しています。その際に国民健康保険制度においてテクニックを使って現物給付をするようにしているんですね、償還払いじゃなくて。厚生労働省がおっしゃる、見るには、償還払いになると医療費が上がりますと。つまり、使いやすくなるために乳幼児医療の無料化制度を使う対象が増える、したがって国民健康保険の医療費が上がる、それは良くないと。で、我々から言うと、ペナルティーという言い方していますけれども、財政調整交付金がその分切られるんですよ。
 それは、国民健康保険の財政の健全化という観点からいえば是とされますけれども、別な宮城県知事の立場からいえば、乳幼児医療の無料化制度を円滑に使ってもらうというのはそれはそれで一つの政策目標ですから、そういうふうにやっているところにはペナルティーの逆にお土産付けましょうと。財政調整交付金は切るのではなくて上乗せをするということになって、これ完全に今の国の交付金、調整交付金の配り方と相反するということになるんです。しかし、それも裁量ということではありですよというようなことをちょっと言っています。
 (3)は、ずっと暫定暫定だと言っているところから、これは暫定的な措置ですということです。
 それから(4)、三ページのところ行っていますけれども、配置基準の決定については市町村の意見も十分聞きますと。当たり前のことです。
 最後に、今まで申し上げたのは、今のこの目の前にしている国民健康保険法の改正によってもたらされることについてどうするかということですけれども、三番目の「今後の課題について」は正に今後の課題です。
 これを一体どういうふうに次の改正というのがあるとしたときに考えていくかというと、さっき言ったように私は、最小限度の被害にしたいということからいったときに、財政調整交付金というのをどうするかということなんですが、実は浅野私案というのでは明確にもう国の財政調整交付金は要らないというふうに言いました。全部これ都道府県で一本化しますと。これは極めて評判が悪かったんです、四十七都道府県では。やっぱり国の財政調整交付金を残すべきだというのが三十都道府県、都道府県かどうか、三十主体がありました。県の一本化でもいいよというのが九ですから、圧倒的に、国の財政調整交付金も残す、県の財政調整交付金も残すということで考えるべきだというのが将来にわたってもありました。
 それから、四ページの(2)、保険基盤安定制度、これは極めて評判が悪かった。今のこの法案に盛られています。保険基盤安定制度については、現在国が二分の一持って市町村四分の一、県四分の一というのを、国の二分の一分は引っ込んでその分を県が持つという、県が結局四分の三持つという仕組みにするというのが今回の改正案の内容ですが、それは、単なるそれは国庫負担を県に転嫁するだけじゃないかと、何らこれによって権限強化につながりませんとここに書いてあるところで、これは元に戻すべきだというのが全員です。基本的に全員です。答えがあった中では全員がそういうような答えでした。
 ということで、時間になりましたので、いろいろ申し上げましたけれども、極めて今回の制度には問題があるということでございます。
#8
○委員長(岸宏一君) ありがとうございました。
 次に、辻参考人にお願いいたします。辻参考人。
#9
○参考人(辻清二君) 皆さん、こんにちは。今日は、参考人質疑にお呼びいただきまして、ありがとうございます。
 私は、全国生活と健康を守る会連合会の事務局長をしております辻清二と申します。
 私たちの会は、低所得者を中心に地域住民で組織をしている全国組織でありまして、結成してから五十年、憲法二十五条などに示された、だれもが人間らしい暮らしと権利の確立を求めて運動をしている団体です。全国で申し上げますと、約七万世帯の会員の方と週刊で「守る新聞」という新聞を九万部発行していまして、全国の自治体で申し上げますと、約一割強の市区町村で生活と健康を守る会をつくって活動をしております。
 そういう立場でありますので、三人の方のような大きな高尚な話はできませんけれども、主に国民健康保険の加入者、被保険者の立場から、今回の二つの法案について意見を述べさせていただきます。
 まず最初に、国の補助金等の整理合理化に伴う国民健康保険法等の一部を改正する法律案についてです。
 御承知のとおり、国民健康保険制度は国民の四割が加入する制度で、憲法二十五条一項、二項に基づいて、すべての国民に無差別平等に医療を受ける権利を保障する国民皆保険制度を支える重要な柱になっています。
 それが今危機的な状況になっています。その最大の問題は、加入者が納めたくても納め切れないほど高額な保険料・税となっていることであります。先ほどもお話がありましたように、他の保険の加入者に比べて所得に対する保険料負担は一番重くなっており、圧倒的に加入者は低所得者であります。そのために、加入者の二割近い方が保険料・税を滞納せざるを得ない状況になっています。
 自治体では今どういうことが起きているかと申し上げますと、保険料の値上げ等、収納対策の名による全額十割の医療費負担となる資格証明書発行などの、必要な医療が制限される、私たちは制裁措置と呼んでいますけれども、それが強まっています。制裁措置は国民皆保険の原理に反して国民の医療を受ける権利そのものを奪うものであります。
 皆さんのお手元に私の資料を出させていただいていますので、それを見ながらお聞きいただきたいと思います。
 まず最初に、この法案が審議されている、来月から全国の自治体で国民健康保険料や税の値上げが始まっています。
 一つは京都市です。京都市は、この四月から負担のフラット化、フラットというのは平らにするという意味だと思うんですけれども、の理由で保険料の算定方式を変えて、住民税が掛からない人たちの大幅引上げになる値上げを実施することを決めました。
 資料の一にあるように、Hさんの例を言いますと、この方は十九歳と十七歳の子供と三人家族ですけれども、本人は足や手に障害を持っている障害者であります。電気の検針員の仕事をしているわけですけれども、所得は年間二百四十七万円、昨年の保険料は、住民税非課税で所得割は掛からずに十万四千円でしたが、今回の値上げにより、所得は変わらないのに四十二万五千百六十六円になり、京都市は二年間の激変緩和措置をとるとしていますけれども、それでも三十四万になります。住民税非課税の人でも三倍近くの値上げがこの四月から襲い掛かってきます。
 もう一つは徳島市であります。ここもこの四月から国保料を引き上げるということにしています。理由は、国保の財政調整基金、これが底をついたという理由で、保険料の七%の値上げをされ、市の当局は、来年、その次の年、平成十八年度も値上げせざるを得ないと市当局の担当者は意向を示しています。その上、滞納者全員に対して、四か月の期限を切った短期の保険証を滞納者全員に発行するとしています。
 資料にあるように、徳島市は県庁所在地となる都市では保険料が一番高く、滞納世帯のほとんどが低所得者です。
 ある方は、障害者の方ですけれども、夫六十三歳、娘さん二人、二十八歳と二十二歳の四人家族で、国保には下の娘さんと三人で加入していますけれども、御主人が五年前に脳梗塞で倒れ、以来入院中で、おしめ代や尿パッドなどの入院費が掛かり、去年だけでも年間医療費が四十四万円の自己負担になっています。奥さんは看病の傍らパート収入月十五万で、娘さんは月五万円のパートで、家賃五万五千円を払うと生活費に事欠く状態であります。月一万円の保険料を支払うのが精一杯であります。
 こうした人たちにとって七%の値上げは耐えられず、滞納すれば短期保険証の発行が待っています。
 次に、札幌市の黒田さんという方です。この方は、平成十三年の所得が三百四十八万円で、計算をしますと、生活保護基準以下の生活をしています。黒田さんの場合は平成十三年度分で二割以上納付していますけれども、それ以上納付できないために資格証明書が発行されました。二人の子供さんが風邪をこじらせて医者に掛かりましたが、十割負担ということで、手持ち現金がなくて全額払えず、医者に掛かるのを我慢している状態であります。
 子供の医療費も満足に払えない世帯、こういう世帯に対して、国民健康保険法第九条の資格証明書発行の対象外となる特別の事情と判断して正規の保険証を発行すべきです。
 このように、今日の自治体での国保財政は、一つは、納めたくても納め切れない保険料の値上げがされて、そしてそのことが収納率の低下を招いています。そして、収納率の低下が今度は資格証明書などの発行によるいわゆる制裁措置の強化の悪循環を繰り返していると言って過言でないと思います。
 私は、保険料の引上げの大本の原因になったのは、一九八四年の医療費部分の国庫負担を四五%から三八・五%に引き下げたことであります。この悪循環を断ち切るためには、元の四五%に戻すことが最も必要であります。
 今回の法改正案は、最も必要な国庫負担の増額ではなくて、逆にそれを都道府県に肩代わりさせるもので、今日の国保財政を国民皆保険の制度として再生させるものにはならず、逆に後退させるものだと言わざるを得ないと思います。
 また、国保と併せて、母子保健法による一歳六か月児、三歳児などの健診に対する経費も国庫負担の対象外とすることにしています。今、少子化対策が国、自治体挙げて取り組むべきときに、身体や精神の発達にとって欠かせない、かつ仕事に追われる大変な暮らしの中で、九割以上の児童が受けているこの健診の制度を後退させてはならないと考えます。
 厚生労働省は、税源移譲するから問題はないとするかもしれませんけれども、憲法二十五条第二項は、「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」とし、わざわざ国の努力義務を規定しています。そういう立場から私は今回の法改正案には反対です。
 同時に、国民健康保険などの緊急を要する三つの問題で意見を述べさせていただきます。
 一つは、高齢者への課税の強化に伴う国民健康保険料や介護保険料の値上げの緩和策を国として急いで取ることであります。
 平成十六年の申告から始まった配偶者特別控除の縮小、平成十七年から実施される老年者控除の廃止と公的年金等控除の削減、さらに定率減税の段階的廃止や住民税の高齢者非課税措置の廃止によって多くの人たちが新たに課税され、増税になります。国民の税法上の所得と税額が増えることによって、国保税・料と介護保険料も引き上がることが予想されます。資料三のように、札幌市の六十五歳以上の年金者夫婦の場合、平成十三年度には所得税、住民税で新たに六万五千円以上課税され、定率減税が廃止されれば一層負担が増えます。その上、国保料、介護料の負担が連動して大幅に引き上げられます。
 次に、第二に、国保料・税の収納対策として、保険料の減免を位置付け、国の財政支援を強めることであります。
 資料四のように、厚生労働省は今年二月、収納対策緊急プランの策定等についての国保課長名の通知を出し、各自治体で収納対策緊急プランを作成することを求めました。別紙で厚生労働省は、「収納対策緊急プラン(例示)」も示しています。その中で、一で、滞納状況の解消として、国保への加入と資格喪失の勧奨、生活保護の申請、不納欠損処理をするようにと例示していますが、保険税・料の減免が挙げられていないことです。
 減免は収納対策としても有効な対策であり、国民健康保険法や地方税法に根拠を置くものであります。減額免除は、国が補助する法定減額制度と自治体が条例を定めて行う申請減額免除の制度があります。法定減額では所得の把握ができないために適用漏れになっている世帯がおり、すべての対象者が減額されるようにすることです。
 例えば一例を申し上げますと、横浜市の平成十五年度分の調査によると、所得の不明世帯は全体の一五%に達し、所得不明の世帯のうち二二%の世帯が滞納をしています。これらの世帯は本来法定減額の対象になる世帯がいるはずであり、私自身は申告義務のない人への課税調査は賛成できませんが、本人に申告を求めることなどして減額漏れがないようにすべきであります。申請減額制度については、厚生労働省も失業者への減免を奨励していますが、自治体が積極的に実施するよう、国として自治体への申請減免に対して補助を行うべきであります。
 第三に、高齢者の孤独死をなくすためにも緊急通報体制事業の中の緊急通報システムの改善などの対策を強めることであります。
 緊急通報システムというのは、お年寄りなどがペンダントでボタンを押せば近くの知り合いや消防署などに通報されて、場合によっては救急車が来る、そういうシステムであります。今回の国民健康保険等の法案との関連で、法律の改定事項にはなっていませんが、介護予防・地域支え合い事業の中の緊急通報体制整備事業を国庫負担の対象外にするとしていますが、この制度を後退させてはならないと考えています。
 資料の五に新聞記事を載せていただきました。新潟の中越地震で初めての仮設住宅での孤独死が報道されています。小千谷市の仮設住宅で五十四歳の男性が浴室で亡くなったのが死後二日後に発見されたとなっています。このことについて私自身も電話させていただいたんですけれども、小千谷市は保健師の訪問指導などの対策を取ってきておられますけれども、新聞記事にあるように、行政の対策に決め手なしと報道されています。
 資料六のように、読売新聞が自治体関係者へ介護保険のアンケートを行った中で、介護保険を利用していない独居、独り暮らしの高齢者や高齢者世帯の事件、事故を防ぐための対応では、緊急連絡システムの導入を一番多くの自治体関係者が挙げています。
 孤独死をなくしていくためには、現行で原則六十五歳以上になっている緊急通報システムの対象者を、小千谷市の仮設住宅の孤独死のように、五十四歳の方でありますけれども、対象年齢を引き下げることが必要です。また、浴室で死亡したことからも、防水型、水を防ぐシステムに改善することが求められています。
 次に、介護保険法施行法の一部を改正する法案について意見を述べます。
 端的に言いますと、この法案の前提となる特別養護老人ホームの待機者を解消し、利用料負担を軽減することが必要なことであります。
 昨年末に私自身聞かせていただいたわけですけれども、青森県弘前市の原さんという方、五十七歳の方ですけれども、リンゴ農家で、四年前から非課税で、年間所得は五十万円であります。同居している八十四歳の母は年金が年三十一万円程度で、痴呆、今度名前は変わるようですけれども、痴呆で、一昨年夏ごろから徘回をし、家に置いておけないので昼は畑に連れていって仕事をしています。かわいそうですが、危険なのでリンゴの木にひもでくくり付けて仕事をせざるを得ない状況であります。お母さんは介護度二ですが、利用料の負担ができないため施設にも預かることができません。原さん自身は、わずかな年金から保険料を取られるだけ取られ、サービスを利用することができない、高齢の母に穏やかな生活を送らせてあげたい、自分も安心してリンゴを作りたいと願っています。
 特別養護老人ホームの待機者は、厚生労働省の調査でも全国で三十四万人に達していると言われています。国がまずやるべきことは、施設入所者の費用負担の引上げではなくて、待機者を解消することであります。
 また、厚生労働省の資料にもあるように、今年四月からのホームヘルプサービスの低所得者に対する利用料の軽減措置が打ち切られます。打切りではなくて、今回の法案と同じように、継続をすることを求めるものであります。
 以上で私の意見陳述を終わります。
 ありがとうございました。
#10
○委員長(岸宏一君) ありがとうございました。
 以上で参考人の方々からの御意見の聴取は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 なお、質疑の時間が限られておりますので、参考人の方々には簡潔な御答弁をお願い申し上げます。
 また、委員長の指名を受けてから御発言いただくようお願いいたします。
 それでは、質疑のある方は順次御発言願います。
#11
○中村博彦君 四人の参考人の皆さん、大変ありがとうございました。
 今、四人の皆さんが発表していただきましたように、市町村の国保財政は大変厳しいものがございます。しかしながら、この市町村国保、国民の四千六百十九万人、三六・一%の方が対象者でございます。それにもかかわらず、現在は、一般会計等の繰入金を見ましても、六千百三十四億円、三千六百八十億円、平成十四年度で。一兆円近いものを繰り入れております。そして、なお四千百八十八億円赤字でございます。そして、市町村の六〇%が赤字であるという運営を示しておるわけでございます。
 そして、この対象者は、今、辻参考人も大きくおっしゃっていただきましたように、平均月額収入が大変低い人、そして有職者は正に一〇%以下、そして低所得者層が大変多いわけでございます。それにもかかわらず負担増、何か悪循環を生んでおるというように感ずるわけでございますが、しかしながら、この制度をどうしても抜本改革をしていかなくちゃいけない。しかし、先ほど申した十四年の数値ですらすごい赤字財政になっておるわけでございまして、これから加入者の高齢化、低所得者層増、医療費の増大ということになると、一番日本の社会保障制度で誇り得る国民皆保険制度まで危うくなるのでないかと、このように思っておるわけでございます。
 そこで、お聞かせ願いたいのは、まず、一生懸命市町村、努力されています、国保、介護保険料。そして、収納率九〇%。その流れの中で、やはり市町村では限界があるということを山本参考人も考えられておると思いますけれども、都道府県単位にすべきかどうか、介護保険制度も含めて、市町村単位がいいのか、都道府県単位がいいのか、お答えをいただきたい。
#12
○参考人(山本文男君) 先ほども申し上げましたように、国保も破綻状態でございますから、できれば、給付が一緒になれるような地域ができるだけ一緒になった方がいいとは思いますね、保険者は。そういうことを考えて、私どもは県単位で一つになった方がいいと。全国ベースでいきますと東側が安くて西側が高いとか、そういう弊害が出てまいりますから、できれば県単位ぐらいならば、医療圏もそう多くはできておりませんから統一をすることができるんじゃないかと、給付とそれから負担というもののバランスも取りやすいんじゃないかと、そういうように考えておりまして、できれば県単位での国民健康保険の一元化を行った方がいいだろうと。
 その場合によく誤解をされるんですけれども、県単位というもんですから県が保険者になってやるのだろうと、こういうふうに取られがちなんですが、そうでなくて、もっと違った方法で、例えば、今よくはやっております公法人などをつくってそこでこの国保の事務を行うということにすればいいと。
 そうすると、じゃ徴収をどうするかということでございますが、これはもう年金で経験済みでございますから、徴収の仕事は、これは保険料の徴収ですが、徴収の仕事は市町村がそのまま、加入しておる市町村が担当すると。この役割分担をきちんとしてやれば、より良い私は保険者団体が生まれると、こういうふうに思います。
 介護保険も、私は今、福岡県で七十二の市町村で広域連合で実施をしました。ところが、最近、市町村合併でだんだん合併をしていくもんですから数が減少してまいりました。それでも今まだ六十ぐらいの、六十ちょっと超えておるぐらい、そのぐらいしかなりませんが、それぐらいの市町村で広域連合で介護保険も運営をしております。
 ただ、ここで注意をしておかなければならないことは、私ども広域連合は国民健康保険料に併せて介護保険料を徴収しているんです。ですから、この国民健康保険料はそれぞれ市町村が徴収しておりますんで、介護保険料は広域連合で一本で徴収をしておりますけれども、この国保の保険料に併せて徴収をさしていただくような仕組みにしておりますから、保険料は、国保の保険料が九〇%維持できれば介護も九〇%になるということでございます。
 ですから、私は、単独でこの介護保険制度を保険者になって実施をするということは、国保でよく分かっているわけですから、できるだけ連合でやった方がいいという考えで現在実施をしているところで、先生のおっしゃるように、私は、そういう広い範囲で、やり方、役割分担をきちんと決めてやればうまくいくだろうと、そういうふうに思っています。
#13
○中村博彦君 渡辺さん、北欧のお話がございましたけれども、ただいま山本参考人にもお話をいただきました、市町村単位がいいのか、都道府県、日本の場合。先ほども申したように、介護保険も含めてちょっとお話をいただけたら。
#14
○参考人(渡辺俊介君) 私が先ほど申し上げたのは、今、山本参考人からもお話ありましたが、いきなり市町村国保がすべて都道府県でやれという趣旨で申し上げませんでした。私の言いたいことは、県が医療、医療保険行政といったものに関与する、参画することが望ましいという立場から発言したわけであります。
 そこで、今、中村委員からお話あったように、具体的にどうするかといえば、確かに今お話あったように、介護保険料は市町村、あるいは広域市町村が徴収している、そして国保料と一緒に徴収しているという現実は確かにございます。そういった意味からしますと、国保がすべて県にやって介護はあくまでも市町村ということになりますと現実問題として徴収の問題が出てくるということでございますので、そこは当然考えなきゃいけないというふうに思っております。
 あくまでも、国保については今、都道府県単位、あるいは公法人、例えば例として出された都道府県の国民保険団体連合会といった案もございますが、それはまだ私の中にはこれだという案は別に特に今ございません。広域化なり、とにかく都道府県が関与する、参画することが望ましい、そういう趣旨で申し上げました。
#15
○中村博彦君 ありがとうございました。
 先ほど浅野参考人にもお話をいただいたわけでございますけれども、今回の財政負担の問題につきましては、やはり定率国庫負担を現行の四〇%から、今回の改革案では三四%、平成十七年度は一六%と。そして、御存じのとおり、国の財政調整交付金を少なくすると、そして都道府県の財政調整交付金を七%にするという案が出ておるわけでございますけれども、先ほども反対、賛成の県をおっしゃっていただきましたが、やはり財政の少ない県ですね、乏しい県、これは窮余の一策としてはどうしたらよろしゅうございますでしょうか。何か一策はございませんでしょうか。浅野さん、ひとつ。
#16
○参考人(浅野史郎君) 窮余の一策ということではなくて、今回アンケート調査をしたときに、国の財政調整交付金どうするかという聞き方をしたときに、多くのところが残すべきだというのがありました。その理由の一つが、やはり財政力の弱いというところについてはやはり都道府県間の財政調整という形で国の財政調整交付金が機能しますので、それを残してほしいというのと、あとは、理論的に、例えばどこかで伝染病がばんとはやった年、病気がはやったとか災害を生じたといったような場合について、これを調整するのは国だということなので、理論的にそういう国の財政調整をする余地は残るだろうと。その両様で、さっき言った数字で、結構、国の財政調整交付金やめて全部都道府県にしちゃえというのは暴論だという、私の私案に対する反応をいただきました。ですから、今お尋ねの財政力の弱いというところについてやはり国の財政調整交付金残すべきだという議論はございました。
#17
○中村博彦君 ありがとうございました。
 先ほどもございましたが、このやはり収納率九〇%というのはどうしてもやはり最低限度だと思うんですが、その中でやはり基本的に、辻委員が申されたように、やはり低所得者対応といいますか、もう払えることができないというような実態を話されましたけれども、もう一度そういう実態を、特に制度の中へ取り入れていくべきものがあれば、ちょっと簡単にお話し願えますか。
#18
○参考人(辻清二君) 私は、先ほど申し上げましたように、収納率の、今聞いてみますと全国でどうも九〇%を割るんではないかということで、大都市中心にもう八〇%台というのが多いという現状であります。
 それで、今の国の法定減額制度、これは基準自身は所得三十三万で一人の場合、それを超えると二十万弱が加算されるという、そういう意味では極めて低い減免の基準、減額の基準額なわけでありますね。それでも、聞いてみますと、京都市の場合、そういう低い所得の基準の人でも、そういう基準でも五〇、全加入世帯の五〇%を超える方が法定減額を受けておられると、こういう現状にあるわけなんですね。そういう意味では大いに、この減免制度というのは法律に基づいて決められた制度ですから、自治体が積極的に取り組む。
 例えば、名古屋市なんかでは、国保の保険料を徴収される嘱託の職員の方がおられるわけですけれども、そういう人たちが保険料を滞納しておられる方を訪問した場合、まず最初に必ず言うことは、あなたはこの名古屋市の減額の制度に合致していますかどうかということで、その説明をするというんですね。そのことを通して収納率自身も上がっていくと、こういうことになっているわけでして、御承知のとおり、国民健康保険料とか税というのは前年の所得に対して今年掛かってくるわけですから、そういう意味では、必ず収入が減るということがあり得る、そういう意味では減免も前提にしている制度なんですね。そういう意味で、収納対策の私は大きな一番効果をもたらす取組だというふうに思いますので、是非国としての財政支援も、積極的に自治体の財政支援を行うということが大事かなというふうに思っています。
 以上です。
#19
○中村博彦君 分かりました。
 三位一体改革の一般財源化の中で、御存じのとおり施設整備費の制度が、補助金制度がなくなりました。そして地域介護・福祉空間整備等交付金が創設されました。そして、御存じのとおり、都道府県交付金、地域密着型の整備費は市町村交付金という形で姿を変えたわけでございます。そして小規模多機能型居宅介護や認知症のデイサービス、グループホームが対象になって、この事業主体がNPOでも民間企業でも市町村の判断で補助できるということになりましたですよね、浅野参考人さん。これは浅野知事さんは脱施設、在宅化のチャンピオンでございますが、その辺の御意見を簡単にお聞かせ願いたいと思います。
#20
○参考人(浅野史郎君) 簡単にってなかなか難しいんでございます、一時間ぐらい話したくなるんです。
 それと別に、今委員、三位一体改革の文脈でお尋ねになりましたので、ちょっとそれについてコメントすれば、交付金化いいじゃねえかと、今まで厚生労働省はこういうのにしか出せない、こういうのにしか出せないと言ったのが、自由になるからいいじゃないかということなんですが、私は、三位一体改革という文脈からいったら、それに惑わされてはいけないと思っています。我々が三位一体改革として補助金を廃止せよと、税源移譲せよと言ったのは、補助金の使い勝手を良くしてほしいと言ったのでは断固としてないんですよ。そこのところがちょっと誤解があるようです。補助金の使い勝手の問題ではないんです。補助金というのはどういうふうに切ったとしたって縦割りなんですね。その縦割りをなくそうということですと、交付金化というのは縦割りのちっちゃなあれが少し大きくなったというだけの話なので、それは程度問題です。それが簡単な一つ。
 終わります。
#21
○中村博彦君 その今の交付金の整備制度でございますが、山本参考人、御意見ございますでしょうか。
#22
○参考人(山本文男君) 交付金化というのは今度改めて出てきたものでございまして、使い勝手がいいというお話のようですけれども、まだ使っていないから全然分かりませんわね。だから、本当にそれでやれるかということは、やっぱり疑問は残ると思いますよ、先生。
 ですから、こういうふうにぽんと投げ出すからいいように選んで持っていけと、こういうのならいいんですけれども、やり方としては従来と変わりませんから、ただ名称が変わるだけのような気がいたしますね。ですから、もう少しそこら辺りは突っ込んだ考え方を持った方がいいのではないかと思います。
#23
○委員長(岸宏一君) ちょっと山本参考人、委員長の許可を得てから発言してください。
#24
○参考人(山本文男君) ああ、済みません、どうも。
#25
○中村博彦君 それじゃ、その補助金で施設が、小さい施設が、地域密着型施設が多くできると思いますが、渡辺参考人、一つ最後の締めをお願いしたいと思います。
#26
○参考人(渡辺俊介君) これまた短い時間で言うのは難しいんですが、私自身は、近来、特に介護保険三施設の中でも特別養護老人ホームにつきましては、いわゆるイコールフッティング論から、御案内のとおり、ケアハウスあるいはグループホーム等、あるいは今おっしゃった今度の介護保険法の改革の中に盛り込まれる小規模多機能拠点といったもので明らかに在宅中心に進めようとする考え方、それから特養、介護、老健施設から療養型に言わば代わる、新しい中間的な施設といいましょうか在宅的な施設といいましょうか、それへのシフトということが私は見えるわけでありまして、それ以上言うと時間が長くなりますが、私はやはり、ただ在宅に進めようというのはなかなか現状では無理があると私は考えておりますので、これ言い出すと切りがないのでちょっとこの辺で止めておきますが、そこはもうちょっとよく考えてもらいたいなという部分は、私はこう思っております。
 以上です。
#27
○中村博彦君 最後に、時間ございますので、申し訳ないです、辻参考人、ひとつ今のことについて、一分ぐらいございますから、どうぞひとつ。
#28
○参考人(辻清二君) いわゆる施設なんかの交付金化の問題ですよね。
 先ほど私申し上げましたように、今現状で、現状でそういう施設に入れない、特別養護老人ホームに入れない方が三十四万人、契約を結んで、入れますという契約を結びながら三十四万人の方が入れないというこういう現状の問題をまず解決するということが一つあると思うんです。
 それと、率直に申し上げまして、いろんなものが交付金化とか税源移譲とか言われるんですけれども、感じているのは、大体国の責任がどんどん後退をしていって、自治体はお金がないから施策をいろいろやりたくないということで、いろいろな制度が悪くなっちゃうという、こういう状況があるという、そこが問題だと思うんですね。
#29
○中村博彦君 どうもありがとうございました。
#30
○朝日俊弘君 民主党・新緑風会の朝日でございます。
 今日は、四人の参考人の皆さん、大変年度末でお忙しいところ御協力をいただきましてありがとうございました。
 まず冒頭に、私自身も今回の法案の審議の仕方について随分心配をしておりまして、この法案の審議は、私は、どう考えても国民健康保険法の審議なのではなくて、国の補助金等の整理合理化に関する法案の審議なんだというふうに私は思っているわけです。そういう意味では、ちょっと、確かに国の法律の提案の仕方がいささかごまかしというか不親切というか、という感じがしますし、それを受け止めた国会の方の審議の仕方も、自分たちで言うのもなんですが、ちょっとちゃんとやっていないなという感じが正直します。
 その上に、参考人の皆さんに御案内差し上げた事務局の方がどんなオリエンテーションをされたのか、ちょっと心配になって先ほど聞きました。そしたら、ちゃんと今日は全体の法案の審議についての御意見をというふうにお願いをしているので国民健康保険の話だけではございませんという話でしたので、そのことを前提に、主として浅野参考人と山本参考人に御質問することになることをお許しください。また来年の国会では、今日おいでになった皆さんにもきっとまたお願いをする機会があると思いますので、今回はそういうことでお許しをいただきたいと思います。
 それで、まず最初に、今回、いわゆる三位一体改革、国と地方の間の税財政改革ということでこの法案が一括して提案をされた。昨日いろいろやり取りをしましたけれども、十本まとめて出されていると。中にはちょっと変なのが入っているんですけれども、年金法の改正などはちょっと国の補助金等の整理合理化の話とは違う話だなと思って聞いていたんですが、いずれにしても十本の法律がまとめて提案されている。それぞれの制度についてきちんと検討されて出てきた改正案なのではなくて、むしろ国の補助金等整理合理化を図るためにたまたま幾つか関係するところの法律を並べたと。だから、本来すべき法改正の議論がちゃんと行われていないということが率直に言ってあると思うんです。
 ですから、今日は、あえて国民健康保険制度そのものの在り方がどうなのかということについては問いません。ただ、一つ心配していますのは、同じやり方で、今度、来年生活保護法の改正なんというのが出てくるんじゃないかという心配をしていまして、そういう意味では、昨日同僚の山本委員からも、いや、そういうことはしないと大臣はおっしゃったように聞こえたんですけれども、どうもいま一つはっきりしないお答えぶりでした。もしかすると、来年の通常国会にいわゆる三位一体改革絡みの最後の年度として生活保護制度の改正が出てくるというようなことがあれば、これまた困ったことだなというふうに思っています。
 そういうことを頭に置きながら、是非この点は、まず浅野参考人から、どのような情勢の認識をされているのか、どんなお考えでいられるのか、お聞きしたいと思いますが、いかがでしょうか。
#31
○参考人(浅野史郎君) 今、朝日委員がおっしゃったのが今日私が出てきたときの最初からの私の心構えでございました。
 国民健康保険の改正の、まあ内容にももちろんかかわりますけれども、やはりその前提、どういう文脈で出てきたのかということを決して横に置くわけにいかないということで、先ほどの二十分の中でも十分以上それを長々と申し上げました。正に外せないということです。
 それで、ちょっと今の御質問に合うかどうか分かりませんけれども、分かりやすいところからいって、ちょっと用語の問題で申し上げたいと思います。
 三位一体改革という言葉は極めてミスリーディングだというふうに今や思っております。あれは単に、補助金、負担金、税源、税財源、そして交付税という三つのものを一遍でやるという単に方法論を言っているだけであって、何のためにという目標が掲げられていない、その意味では極めてミスリーディングなものになった。その心配が正に現実のものとなって、そこに財政再建という違うものが乗せられてきたと。これも三位一体改革の中でやるんですよというふうに言われてきたというのは、我々地方団体とすると痛恨の極みだったというふうに思っています。
 その一つにやはりこの用語の問題があります。私は、つとにこれは地方財政自立改革と呼ぶべきだということで言っていましたが、なかなか市民権得られずにここまで来ましたが、この我々が目指している内容というのは、正にこれは地方財政自立改革です。
 もう一つ、各論に入っていったときに、補助金削減、補助金削減、三兆円の税源移譲と言われました。三兆円の税源移譲はともかく、補助金削減という言われ方をしたのもこれまた極めてミスリーディングです。補助金削減ではないんですよ。補助金付きでやられている施策の廃止なんですね。ここを間違いますと、今、朝日委員がおっしゃった生活保護の問題も三位一体改革という中に乗せられてしまうんです。生活保護の問題で今政府がひそかに又は大胆にやろうとしていることは、国庫負担率四分の三というのを三分の二にするとか二分の一にするとか、これ正に補助金の削減なんです。
 で、我々は、その補助金の削減を求めているんではないんですね。補助金付きでやられている施策ごと、それは全部地方として実施主体が丸ごと自前財源でやるという仕組みにしようという話なんですね。これはシステム変革を言っているんです。ということが、我々のちょっと力足らずして十分に浸透できなかったと。政府はこれ知っているはずだと思いながら、いまだに生活保護ということを言ってきているというのは、私は極めて問題だというふうに思っていますけれども、今の御質問の一部だと思いますけれども、そういう文脈の中でやはり考えていく。
 三位一体改革というふうに出されたとすれば、曲がりなりにもそれに効果があるような内容でなければ本来提出すらできないはずだというふうに思っていますが、国民健康保険においてそれが一体何なのか、ましてや生活保護において何なのか。決して我々は、生活保護制度の今運用されていることの改革を全く拒むというものではありません。三位一体改革という文脈の中で出されているからそれは違うんじゃないですかということなんで、正に今冒頭に委員がおっしゃったように、どういう文脈での議論かということを外したのではこれ議論にならないというふうに今も強く思っております。
#32
○朝日俊弘君 ありがとうございました。
 そういう意味では、ちょっと私たちも含めて、これから来年に向けて十分注意をしておかなければいけないと思っているんですが。
 さて、ややお怒りの部分はちょっと収めていただいて、せっかくお持ちいただいた全国知事会の基本的考え方の御説明が三番までで終わっていましたので、四番のところを四項目ほど、ちょっと大事な項目がありますので、若干時間を使って結構ですので、御説明いただけますか、知事会の基本的考え方の四番。
#33
○参考人(浅野史郎君) ありがとうございました。先ほどはストップウオッチできっちり二十分になったのでやめたんでございますけれども、助け船を出していただきました。
 恐れ入ります。お手元のお配りした資料、基本的考え方ということの四ページ、四番、「国への要請」というのを先ほど時間足らずで申し上げませんでした。これは簡単なことでございます。
 (1)の「医療保険制度改革について」は、正にこれは今回は暫定的な改革、今回今出されているものはですね、ということに我々こだわっておりますので、やはり医療保険制度全般の改革についても早くこれは基本的な道筋を提示してほしいと、これは国の役割ですということで、それを申し上げているというのが(1)です。
 (2)はですね、今回のその改正というのを前提として、都道府県負担が新たに入ってきます。その分について、税源移譲というのは当然前提ですけれども、これしっかりやってほしいと。ここであえて書いていますのは、実は医療費の伸びとともにこの部分も当然ながら増えていくわけですから、これどこかの時点でぴしんと切られてしまうというか、ということになると当然足らず前が出てくるということなんで、確実な財源措置を求めるというのが(2)の趣旨です。
 (3)の「都道府県調整交付金の配分基準について」は、若干技術的なことですけれども、法律にはこれは政令で定めるところにより条例で定めると書いてあります。
 これがちょっと我々気になるところで、その政令で一体どこまで定めるんだろうかと。事細かに定められれば、五ページの上の方になりますけれども、三位一体改革の趣旨ということに合わなくなりますねと。都道府県が最大限裁量を発揮するためには、政令で定める部分というのは軽やかに穏やかに、大枠で決めてもらいたいというのがこの趣旨です。
 (4)も似たようなものですけれども、そもそも都道府県の財政調整交付金の配分方法について三省でガイドラインを作るというのは論理矛盾みたいなものでございまして、そのガイドラインというのがどの程度事細かになるかということでもありますけれども、本当は「地方の意見を十分尊重するとともに、」ということ以上なんですが、正に都道府県の財政調整交付金ですから、これについては基本的には、もらったからにはその裁量というものを十分に生かして我々も運用しなければならないと、それを仮にも阻害するような形でのガイドラインというのは趣旨に当たらないだろうと、こういう趣旨でございます。
#34
○朝日俊弘君 ありがとうございました。
 今の最後のところの政令なりガイドラインの部分については、昨日も大分大臣とやり取りをしました。結局のところ、まだこれから都道府県あるいは市町村の皆さんの御意見をよく聞いてという答え以上には出ませんでしたので、少なくともよく聞くとは答弁をされましたから、是非物申していただければと思います。今後の協議の中で十分な意見反映を図っていただくように、これは山本参考人にもお願いをしたいというふうに思います。
 そこで、あと、最後の課題に入ります。
 先ほど中村委員からも御指摘があった補助金の交付金化の話であります。山本参考人は、使ってみにゃ分からぬと、実に明快なお答えをいただいたんですが、そうあっさり言われてもちょっと議論がしにくいので、もうちょっと御協力いただきたいんですが、一つの例として、だからこれは、地域介護・福祉空間整備等交付金というのは、それがすべてではなくて、一つの交付金化の例だと思うんですが、幾つかの個別事業に対する補助金という制度をやめて、関連する幾つかの施設整備関連事業を一まとめにして交付金にすると。その中でそれぞれ市町村が計画を作っていただいて、使い勝手のいいように、自分たちの思いも入るように、そしてさらに、国が示したメニュー以外のものでも独自にお考えになるものがあればそれも計画に入れて使ってくださいと、こういう御説明でありました。ですから、それはそれで結構面白い使い方ができるのかなという期待が半分あります。
 しかし同時に、中身を見てみますと、結構メニューはきちっと書いてあるわ、単価も結構書いてあるわ、最後の最後のところで自主的に考える部分をほんのちょっぴり入れるみたいな感じで、何かこれだったらあんまり補助金のときの考え方と変わらないなというふうに読めたりしていまして、ちょっと評価を迷っているんですけれども、本当の評価は使ってみてからということになるとは思いますけれども、少なくとも今出されている、示されている中身で、知事さんの立場ではどうお考えか、それから町長さんの立場ではどうお考えか、それぞれ御意見をいただければと思います。
 最初に知事さんの方からお願いできますか。
#35
○参考人(浅野史郎君) 私は、先ほどもちょっと言いましたけれども、これは評価しません。
 どうしてかというと、今ずっと朝日委員おっしゃっている三位一体改革の中でということでのお尋ねだというふうに理解しているからです。
 三位一体改革の中でということであるとすれば、これは二重の意味で評価できないんですね。一つは、三位一体改革って何だったのか。また繰り返しませんけれども、これは地方財政自立改革で、そもそもそういった事業について自前の財源で自由に使うということなんです。自由に使うということは、実は辻参考人が御心配されていたということが常に国の側から反論で来るということも含めて自由に使うということなんです。
 つまり、ある県において、またある市町村においてこういう福祉について金使わないという判断もあり得るんですね。そこも含めた自由なんですよ。それをチェックするのはだれかといったときに、ここでやっぱり初めてタックスペイヤー又は有権者というのが出てくるわけです。
 少し理屈っぽいようですけれども、正に今回の三位一体改革というのを別な点から見ると、こういうような水準を国、霞が関にこういった形で下支えをしてもらうという制度を堅持するんですか、それとも、こういうことでもし問題のある判断をある県なりある自治体、又は知事なり市長、町長がやった場合に、住民としてイエローカードを出しますよというシステムにするかということが正に今回のシステム改革の根本なんですね。
 そこから言うと、交付金化というのは少なくともその枠の中であって、これは明らかに霞が関は相変わらず、はっきり言えば自治体を、はっきり言いましょう、子供扱いしているわけです。つまり、これがなければ手を抜くだろうと。これ、空間整備等交付金にも書いてありますけれども、県が施設環境改善計画なるものを出すんですよ。それを国が定める基本方針に照らして適当なときは都道府県に対して交付金を交付するという、そこは外してないんですね。どうしてその基本計画を作って、これでようござんすかといって見せてやんなくちゃいけないのかということで、相変わらず、その基本計画をチェックされるだけじゃなくて、ニンジンなんですね。ニンジンということをもらうからこの事業をやるんだというふうに見られているということのやはり問題点ということをきちっとここで指摘しておかなければならないというふうに思っています。
 だからこそ、その使い勝手を良くしろという運動ではないですよと、三位一体改革は。使い勝手を良くするということでいうと、これは一歩二歩前進であることは間違いないんですよ。そうすると、まあ一歩二歩前進したんだから、県さんよ、これでいいでしょうと、ベター・ザン・ナッシングだからということでこれが固定化されて、後これから、我々の言っている本来の三位一体改革に一歩も動かないというふうになってしまうと、この交付金化というのはそれだけ罪深いということの問題があります。
 やはりここで、目の前のその使い勝手とかなんとか、少し前進しただろうということに目くらましを受けずに、元に戻って、三位一体改革ということをまだやっているんですから、今幕合いですけれども、第二幕、これから開けるんですから、ここで観客席で居眠りしているわけにはいかないというふうに思います。
#36
○参考人(山本文男君) 交付金化制度というのは、ある意味では、私どもから言わせると、逃げていったんじゃないかなと、そう思っています。ですから、私どもが三兆二千二百億円の改革案を提出したんです。ところが、ほとんどが交付金化ということで逃げられたと私は今でも思っていますが、じゃ、残ったものが税源移譲するのは三兆二千二百億円のうちの一兆一千億なんですね。だから、三分の一しか正確に言うとこの税源移譲は行われないだろうと、こういうふうに思いますね。
 じゃ、その交付金化をやれば、メニューが全然なくて、私どもでこういう計画を立てましたからお願いしますで、それでオーケーと言うかというと、そうじゃないんですよ。やはり今までと同じような検討をして、そしてこの結果はこれでいいですよと、こういうふうになるんですから、今までの補助金制度で補助金を交付しているのと同じなんですね。
 だから、大まかな例えば大きな項目でぽんと出したらそれでいいというわけにはいかないんですね。本当は交付金というのは使い勝手がいいわけですから、大きな項目でぽんと出します。例えば道路を造りますと、それは私どもですから町道を造りますと、その町道の中にも農道あり林道があるわけですね。だから、その三つ、町でさえ三つの道があるわけですが、道路を造りたいというふうに出したらオーケーしてくれるかということですよ。省庁が違うでしょう、ですからこの部分は何省、この部分は何省ということになるわけですから、交付金化されてみても、結局は従来と変わらないということになるわけです。
 ですから、今言うように、道路を造りたい、いいですよと。では、幾らか、五億、それでは五億出しますと。それでは後、町道にするか林道にするか農道にするかはその町で自由に考えて道路を造ってくださいというのならば本当の意味での交付金化だと私は思いますけれども、そうじゃないんですね。そんなことはとてもできるわけありませんし、また、交付金化になったからといってメニューが大ざっぱでいいということにはならないんです。
 だから、今財源が極めて厳しいときですから、より厳しい審査が行われるようになっていくだろうと、そういうふうに私は思っておりますので、今度の三位一体の財政改革というのは、私に言わせると、言うならば三分の一しか成功しなかったわけですから、これはもうこれで終わりなのかなというような気持ちさえ今持っておりますので、まだたくさん大きなものが残っております。例えば義務教育費だとか、今の生活保護費が、これは国側から出されたものであって、地方から出したものではありませんけれども、しかしそれが一つの課題になっていることだけは確かなんですね。
 だから、これは当然、我々が改革案を出したのは頼まれたから出したわけですね。地方側が勝手に作って勝手に出したものではなくて、地方側にひとつ作ってほしいと、計画案を出してほしいと、こういうふうに言われましたから計画案を作って出したんです。ところが、もう一つは、じゃ政府側には、国側には代替案を作りますよということを言われておりましたから、これは代替案が出てきても、それは何でそんなもの出すんだとは言えませんけれども、我々地方の方にとっては、我々に作れと言われたんですから代替案が出てくること自体が間違っているんじゃないかと、そういうふうに思っているんです。今でもそう思っています。
 ですから、本当の意味での三位一体の財政改革をやろうとしたのかどうかというのは、今になると私は疑問に思いますし、もしやるとするならば続けてやるべきではないでしょうか。そういうふうに今では思っております。
#37
○朝日俊弘君 どうも、率直な御意見をありがとうございました。また、お二人は大変失礼いたしました。またの機会にということで今日は失礼いたします。
 ありがとうございました。
#38
○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。今日は、四参考人、大変参考になりました。ありがとうございます。
 まず、ずっとしばらく黙っておられた渡辺参考人にお聞きをしたいと思いますけれども、先ほど渡辺参考人の話の中でも言及されておりましたが、現在、政府の中で社会保障制度の一体的見直しの議論が本格的に始まってきております。
 参考人、御存じだと思いますけれども、経済財政諮問会議の民間議員からは、今後社会保障費の総額が伸びていくわけでありますけれども、特に医療と介護、この二つの分野が一番の伸び率であろうと言われておるわけでございます。とりわけ医療費は元々の規模が大きいわけでございますので、最もその伸び率が懸念をされているわけでございますが、この医療費の伸び率の管理、抑制をするために管理をしなければいけないという議論が経済財政諮問会議民間議員から出ておりまして、さらにその具体的な手法として、名目GDPの成長率でキャップをはめて、その名目GDPの成長率の中に医療費の伸び率を収めてしまうと、これ人為的にやるわけでございますが、こういう方法はどうかという提案が先月正式に出されております。これを、経済財政諮問会議、これは民間議員ですけれども、側の表現を使えば、経済規模に見合った社会保障にするべきだということを言っております。それからもう一つ、現在の小泉政権もコミットしているわけですけれども、二〇一〇年代初頭のプライマリーバランスの均衡化、これを実現するためにもこういった政策が必要だということを言っておるわけでございます。
 他方、厚生労働省の方は、ありていに申し上げれば真っ向から反対をしておるわけでございまして、この医療費の抑制は大事だけれども、この名目GDPの成長率でキャップをはめるというのは暴論であると、使うべきところには使わなきゃいけないということを言っているわけでございますが、先ほど参考人も言及されていたわけでありますけれども、もう少し詳しく参考人のお立場をこの問題についてお聞かせ願えればと思います。
#39
○参考人(渡辺俊介君) 確かに今お話しのように、経済財政諮問会議を中心としまして、社会保障の総枠管理あるいは医療費の伸び率管理といったことが打ち出されております。
 結論を先に申し上げますと、私はこの案に反対でございます。特に年金、介護含めて言うと時間なくなってしまうので、特に医療費に限らしていただきますけれども、医療費に伸び率管理、総枠抑制、キャップ制という、今御指摘なさったようにGDPの伸び率に合わせるといいますと、今、日本の国民医療費三十一兆円、GDPの約七・五%前後と言われておりますが、OECDの中で大体十八番目程度と言われておりますが、計算の仕方、多少あって、ヨーロッパ諸国等は例えば分娩費等も医療費の中に入れておりますので、そういった計算いたしますと、日本の医療費は、大ざっぱですが八%程度と考えることができます。つまり、経済財政諮問会議の考え方は、この八%を今後とも絶対伸ばさないぞということを意味するわけですね、GDPの伸び率にしか合わせないということは。
 そうしますと、今先進ヨーロッパ、まあアメリカの場合はちょっとある意味じゃ別格でありますが、見ましても、やはりこれはイギリスと並んで極めて低い水準であると私は思います。それを八%程度あるいは八%未満程度で据え置くということは、私は、これまでの諸外国の例、経験を踏まえると、決していい結果にならないと。
 例えばイギリスも、サッチャー政権のときに、一九八〇年代半ばにいわゆるNHS予算を徹底的に抑制して、今ややはり日本とほぼ同じ水準になっていると。その結果として、非常に医療が、私に言わせれば貧困になって、今トニー・ブレアは逆に医療費予算を増やして、何とか他のヨーロッパ諸国並み、つまり一〇%近くまで増やそうとしていると。あるいは、フランスにしてもまた、総枠抑制的な予算主義を持っていますので、非常にまた医療現場が混乱しているということも私自身の取材では見ております。
 そういった意味からしますと、私は、八%にとどめると結局同じことを言っているわけでありまして、経済財政諮問会議は。やはりせめて、それが九か一〇か、米国並みの一四とか一五までは行かないにしましても、やはり医療費としては一〇%程度あってもいいのかなと、それは私の個人的な考えでありますが、せめてそういった議論からしてほしいと。いきなりキャップをはめて、つまり事実上八%弱でとどめるんだよといったことはちょっと乱暴過ぎる議論だと私は考えております。
 取りあえず以上です。
#40
○遠山清彦君 ありがとうございます。
 この件について、私も今年の予算委員会で厚生労働大臣と財務大臣と一度議論をしたんですけれども、また今日の御意見も参考にしながら議論を進めていきたいと思っております。
 次に、山本参考人にお伺いをいたします。ちょっと顔が見えにくい対角線ですが。
 私も、ちょっと議会の調査室からいただいた参考人の資料を読んでおりまして、お聞きしたい点が一つございました。それは、市町村合併の国保財政に与える影響についてどのようにお考えかということなんですね。特に、市町村合併と一口に申し上げてもいろいろな形態があることは参考人よく御存じだと思いますが、市町村合併によって財政能力が高まるところであればこれは改善しますよということを言えるんだと思いますが、なかなかそういう側面だけで合併が決まっておらないというふうに私は思いますので、合併しても財政能力が改善できない場合も念頭に置いて、是非参考人の御意見を伺いたいと思います。
#41
○参考人(山本文男君) 市町村合併は御承知のとおりだと思いますけれども、合併がどんどん進んでいるところは合併しやすい環境下にあるんですね。ですから、合併のしやすくない環境にある市町村というのはなかなか合併が進捗しません。これはもう事実です。ですから、そういうような市町村には、やっぱり国保は先ほど申し上げたような状況を背負ったままでございますから、それらを合わせて見ても、財政が好転したり、そういうような制度の運営がうまくいくということにはならないと思いますね。
 ですから、私はむしろ、合併をしていくための障害にならなければいいがなと、そういうように思っているところですから、そういうように、合併の障害になるような市町村が合併をしようとするときに援助をしてやるということも考えることが必要じゃないでしょうか。そうすることによって、国保が少しでも向上していけばいいなと、そういうふうに現在では思っているところです。
 以上です。
#42
○遠山清彦君 ありがとうございます。
 山本参考人、続けて御質問をさせていただきますが、そうすると、先ほど参考人の陳述の中では、都道府県がより今まで以上に積極的にこの医療行政、負担の部分も含めて、これは後で浅野知事の方にもお伺いしたいと思いますけれども、裁量の方も含めてかかわるべきだというのは、市町村合併が仮に進んでいったとしても、国保財政面における地域間格差というのは解消できないわけですから、そこの財政調整等も含めた機能は都道府県がもうちょっと積極的にかかわることで今よりも改善できる、そういうお考えでしょうか。
#43
○参考人(山本文男君) 私どもが言っているのは、今先生のおっしゃるように、確かに合併をしたからといって地域間格差が解消するものではないことは事実です。だから、地域間格差を解消するためには県単位で一つになることの方が望ましいと、こういうように思っていますね。だから私は、今回のこの調整金を、五%、七%を、本年度と来年度で国保の財源の一部を地方へ移すということになっておりますが、これはやり方そのものが唐突とか、あるいは無計画でやったんじゃないかといういろいろな批判はあるかもしれませんけれども、私はいいことだと思うのは一つあるんです。それは、県が今までは国保に対しては指導したり助言したりすることだけであって、言葉が悪うございますけれども、口は出すけれども金は出さなかったんですね、県は。これはもう御承知のとおりです。ですから、今回は口も出す代わりにお金も出しますよということになるから、本当の意味での地方地方言っているわけですから、地方団体には県であろうと市町村であろうと変わりはないわけなんですね。だから、同じ共通の立場に私は立つべきだと思っていますから、これから、さっき申し上げたように、県単位で一本化をしていくという意味での大きな切り口を今回は私は作ったものだと、そういう評価をしているんです。
 ですから、この県単位でやっていくことによって地域間格差をなくし、しかも被保険者の皆さんたちに安心、安堵を与えることにも私はなると、そういうふうに思っておりますので、今回のこの措置については、私は決して、やり方がいいとか悪いのは別です。やったこの結果については、私は大きな切り口を作ったということで高く評価をしたいと、そういうふうに思っています。
#44
○遠山清彦君 ありがとうございます。
 続けて浅野参考人にお伺いをしたいと思います。
 私の質疑で都道府県と町村の争いをあおるわけではございませんので、その点、御了解いただきたいんですが、私も、先ほどの浅野参考人の陳述を聞いておりまして、お怒りの趣旨はごもっともであるというように理解をしております。つまり、医療保険制度の抜本改革の文脈の中で今回の都道府県の負担の話が出てきたんではなくて、三位一体の改革の中で出てきたというところの手続論として非常な怒りを感じているという趣旨は、今回直接お話を伺ってよく理解をいたしました。
 ただ、その部分をちょっと離れて、手続論を離れまして、いわゆる政策論として、今後この都道府県が、負担とあえて申し上げますけれども、負担と裁量権のバランスが取れた形でより積極的に医療行政にかかわることについて、浅野参考人としてはこれを支持する立場でしょうか、それとも反対なのか、あるいは条件付支持、反対、どれなのか、お聞かせ願えればと思います。
#45
○参考人(浅野史郎君) 私は、さっき申し上げましたように、社会保障審議会の医療保険部会の都道府県代表の委員としても出ています。そこで今のような議論はされているわけですね。その場がされる場所なんですね。まだ実はそこまで佳境に入っていないんですよ。佳境に入っていけば今のような問題提起が私の前にされるわけです。
 そうすると、お答えするなら、何というんですか、条件付というか、県のこの医療保険、医療行政における役割というのは今以上に増やすべきかどうかと言われたら、これはイエスですね。増やすべきだろうと。それがどういうふうにかかわっていくかということについては、ある程度というか緻密にやっていかなくちゃいけないと。緻密にというのは、方法論とともに、それから皆さんようござんすかというふうに同意も取りながら、同意も取りながら押さえてやっていくというのが、制度改革ですから、その制度改革が成功するかどうかということのこれはかぎなんですね。
 ですから、ちょっと経過はさておいてもというんだけれども、さておけないといえばその部分はあるんです。怒るか怒らないかじゃなくて、怒るといかにも個人的なあれのようですけれども、私は、むしろこれは、今回こんなようになっているのは不幸な事態ではないかということで言っているんで、ちょっと怒りと別なことで言っています。
 今の御質問について言えば、我々はと言っていいと思いますけれども、複数形で、そういう用意はありますと、その議論をしっかりやっていきましょう、方法論についてしっかりと詰めていきましょうということで待ち構えているところにぽんと来たということです。
#46
○遠山清彦君 率直な御意見ありがとうございます。
 続けて浅野参考人にお伺いしたいと思うんですが、この地方分権、三位一体の改革の議論の中で、国会の審議なんかで必ず、これは厚生労働の行政の分野に限りませんけれども、必ず出てくるのは、政策によるんでしょうけれども、分野によっては、あるいは政策項目によっては、分権が行き過ぎるとナショナルミニマムの確保、これがしっかりとできなくなるんではないかという意見が必ずどこからか出てまいります。
 これ、もう知事御承知のとおり、憲法二十五条で、ちょっと読みますけれども、国は、すべての生活部門について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならないという義務規定が、国に課されている義務規定が憲法二十五条にございます。厚生労働省も国の中央省庁としてこの義務の下にあるわけでございまして、そうすると、これは教育行政、義務教育の国庫負担問題で話題になりましたけれども、教育行政でも国はこういう、文科省もこういう義務の下にあるわけでございます。
 そうすると、先ほど参考人もおっしゃっていましたが、都道府県間の財政調整は国がやる、都道府県内の市町村の格差については都道府県がやるというような形なんですが、私が懸念するのは、懸念というか疑問に思っているのは、都道府県の中の、都道府県の裁量を拡大していったときにこういう調整が本当にできるのか、つまりナショナルミニマムを担保するというスタンダードを守った調整というのが都道府県レベルでちゃんとできるのかどうか、この点について、今医療の話していますから医療に限っていただいて結構なんですが、私は教育とかいろんな分野に行くと思いますけれども、簡潔にお答えいただければと思います。
#47
○参考人(浅野史郎君) これは、医療に限ってというのとほかのところでちょっと違うんじゃないかという気がしています。
 今、国民健康保険の議論をしています。医療保険全般ですけれども。だから、社会保険の診療報酬の点数というのは全部全国一緒ですよね。それ、どれが認められているのかどうかというのは、宮城県だけで認められている施設というのがあったり、保険が適用されるというのがあるということでもないし、料金表みんな同じでやっています。そういうことからいうと、医療の分野というのは、物事の性格上、その均一性、公平性というのが多分求められる非常に高い分野だろうというふうに思います。
 というのは、ちょっと、その分野でいうと、逆に今国民健康保険で議論しているのは、そこにこういう形で都道府県の財政調整交付金というのは余り議論もされずにぽんと入るというのは、我々の望んでいる正に裁量というのとちょっと違う形じゃないですかという、本来の三位一体改革について我々が不徹底と言っているのと反対の方向でちょっとこれ議論が行われているということなんで、これは特異分野だと思います。
 ちょっと別なところでいいますと、これもキーワードは、例えば福祉の分野についてでもいいです。先ほどの交付金についてどうのこうのとありましたけれども、これも、どうして交付金というのを霞が関は、これ厚生労働省は手放そうとしないのかという議論ですね。これは権限に執着しているとは思いたくありません。そんなものじゃないと思うんですよ。それは、マジックワードは格差なんですよ。霞が関の志を立てて役人になった者は、この日本の国土において格差があることは絶対許せないということが仕事のモチベーションじゃないかと思えるぐらいなんですね。そこはまあいいです。
 そのときに、その次の思い込みがあって、それを是正する、唯一とは言わないけれども、非常に大きなツールが補助金だと思い込んでいるんです。後ろから行ってとんとんと肩たたいてあげたいんですね。そうじゃないでしょうと、もしそうだったら、補助金というのは別に昨日今日始まったのでなく、ずうっといったら格差なんかなくなっているはずでしょうと、どうしていつまでもないんですかということなんです。で、さっきに戻していけば、その格差にしても、辻さんのおっしゃるような、例えば一定程度のレベルの行政水準というのがどうやって担保されるのかという議論なんですよ。それを霞が関のあれはかたくなにそれは補助金だと信じ込んでいます。
 我々為政者というか、立場から言うと、非常に分かりやすく言うと、格差を埋めなくちゃいけない、下に行くときに。というのは、朝日新聞における四十七都道府県のランキング調査です。これである分野において宮城県が堂々の第四十七位となったらまずいと、これが実は知事たるもののモチベーション、インセンティブというんですかね、それのかなり大きな部分なんですよ。それは、そこで別に朝日新聞に言われるからでなくて、まあどこの新聞でもいいですけれども、それを見た読者である宮城県住民がそれを引用します。浅野さんひどいじゃないのと、うちの県最下位だっていうじゃないのといったときに、為政者は、霞が関の補助金をもらうもらわないでなくて、その住民の目が怖いんです、有権者の目が。というシステムにしましょうと。繰り返しになりますけれども。
 ということの議論をしているので、そのためにどういう合目的的なシステムがいいかという議論が三位一体改革の議論だというふうに理解しています。
#48
○遠山清彦君 ありがとうございます。
 最後に、渡辺参考人、一問だけ。
 私も、医療費の適正化で予防医療の推進、非常に重要だと思っております。私の友人でオーストラリアの方は、オーストラリアの州政府が音頭を取って、医療と教育がかなり連動していると。例えば塩を取り過ぎないようにとか、たばこを吸わないようにとか、あるいは運動をしっかりするように等々、あるいは紫外線に当たっちゃいけないとか、こういったことはオーストラリアにおいては相当教育の現場で浸透していて、小学生、中学生のころにかなり教えられるということで、実際に二十代、三十代で実践している方、今非常に増えておるというふうに聞いておりますし、私も現場見ております。
 そういった観点から、日本でそういった医療と教育の連動みたいなもっと進めることによって予防医療を推進するというようなアイデアについてどういうお考えか、お聞きしたいと思います。
#49
○参考人(渡辺俊介君) 今の遠山委員がおっしゃったとおり、私、予防を進める上で教育といったものは非常に重要だということは論をまたないと思っています。その場合の、ただ、教育というのはいかにも、例えば子供に対する教育、これももちろん重要なんですが、これは当然成人に対する教育も必要だなと私は思っております。それは別に子供のときから学校教育だけという意味じゃなくて。
 そして、その際に私がもう一点だけ申し上げたいのは、今正に塩、たばこといった、あるいは紫外線等オーストラリアの状況おっしゃいましたが、例えば日本で健康増進法ができました。これはなかなか立派な法律だと私は思っておりますが、どうも何といいましょうか、やはり塩分は取り過ぎるな、たばこはやめろと、あるいはアルコールは控えろと、それはそれで重要な、生活習慣病対策で重要なんでしょうが、どうも私自身いろいろ地域回ってみて住民の方々の意見を聞きますと、言わばネガティブリストといいましょうか、これも駄目あれは駄目と、なかなか付いていけないと。むしろ逆に、これは体にいいよと、こういったことがいいんじゃないかといえば、まあある意味ではポジティブリストと申しましょうか、ちょっと言い方がおかしいかもしれません、そういった住民が喜んで予防活動に取り組める、それは保健師さんの役割も大きい、あるいは医師の役割も大きいと思いますが、むしろそういった意味も含めた教育といったことを大いに進めていただきたいと思っています。
 以上です。
#50
○遠山清彦君 以上で終わります。
#51
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 今日は、四名の参考人の皆さんありがとうございました。
 最初は浅野参考人にお伺いをしたいんですけれども、今回のこのやり方ですね、都道府県の調整交付金の創設と。国はその一〇%の国の調整交付金を九%にしたから関与が弱まったと言いたいのかもしれませんけれども、一%で弱まったというふうにはちょっと言えないだろうと。
 一方で都道府県の調整交付金をつくって、これは同じ方向で調整すれば激変するし、正反対の方向で調整すれば調整しなくなる交付金になるわけで、こういう矛盾したやり方はどうなのかというのはもうおっしゃるとおりだというふうに思うし、百歩譲ってやっぱり都道府県の調整機能が必要だということになれば、定率国庫負担を削るのではなくて、国の財政調整交付金を都道府県に切り替える、あるいはその範囲内で都道府県の調整交付金にするということなのかなというふうに思うんですが、御意見お聞かせ願えればと思うんですけれども。
#52
○参考人(浅野史郎君) これは百歩譲ってという議論でいかないといかぬと思いますので、その元々に戻ったんじゃなくて、百歩譲ってということでいったときに、これについては浅野私案というのを出したときにいろいろ反応があったということをちょっと申しましたけれども、都道府県の調整交付金に一本化というのは余り賛同を得られませんでした。さっき言ったように、国の段階での財政調整というのも必要だと。しかしそれは、今九%で残っていますけれども、そんなに要るのかというのはちょっと議論の必要があって、それをゼロにはできないにしても、都道府県の財政調整交付金の率との見合いでもっとぐっと下げられるだろうと。今回、一〇%だったものが私、九%にしたというのは思わずちょっと苦笑いというか、一%分だけ引っ込んだよということで見事に一%なんですけれども、その一%という根拠はない。都道府県の調整交付金を入れるんだとすれば、これ今までの経緯を抜きにして百歩譲った議論にしても、九%対七%というのは、ちょっと国の財政調整交付金に偏っているんではないかなという感じがします。ただ、これは私のまだ直観レベルでありまして、各都道府県にその辺どのぐらいがいいですかということはまだ投げ掛けておりません。
#53
○小池晃君 ありがとうございました。
 あわせて、先ほど乳幼児医療費の問題お話あったんですけれども、確かに国の調整交付金がペナルティー的に使われている面が、これは乳幼児だけじゃなくて障害者医療などでもある。本来、こういうペナルティー的な調整交付金の使い方というのはどうなのかと。もうプラスでポジティブなところを応援する調整交付金というのは私はあっていいと思うんですが、地方分権という中で、こう実際にその住民と向き合う自治体がやったことに対して、国がこの調整交付金をそもそもペナルティーとして用いるということそのものが私は非常に問題ではないかというふうに考えているんですが、そこについてのお考えはどうですか。
#54
○参考人(浅野史郎君) この問題が起きたときに、本県においても県内の市町村の重立ったところの意見を聴きました。これも財政調整、国の財政調整交付金ですね、今動いている、これについての評価はどうかといったときに、異口同音にあったのが今の問題だったということなんですね。正にペナルティーという言い方を各保険者、市町村はそういう受け止め方をしています。今おっしゃったようにどうしてペナルティーなんだと。それは理解すると、ある意味では納得というか、できるのは、国民健康保険の財政ということからいうと、それは正に合目的的な動き方なのかもしれません。つまり、償還払いした方が医療費が少なくなると。それはいいことなんですね、その国民健康保険の財政を健全にしようということだけで見ていけば。
 で、さっきちょっと言ったのは、県が財政調整交付金を持たされるようになったときに、その財政調整交付金をどういう物差しに当てて使っていくかというのは、悪いけどもらっちゃったんだからこっちでやらせてもらいますよという、若干捨てぜりふ的に申し上げたんです。
 で、そうだとすれば、これは単に国民健康保険の財政ということだけで考えてその調整するんだろうかとなれば、これは知事が配るわけですから、知事というのは国民健康保険だけじゃなくていろんなものを持っています。となると、今御指摘になったような、むしろ乳幼児医療の実を上げるということについてもそのメリットを感じている存在ですから、そうなったらむしろそうやって現物給付にやったところは偉いよといって出すというのも、今度は別の光を当てているわけですから、納得されると。それは、このことだけの是非ということでなくて、正にそういうような問題を抱えている二元的財政調整交付金の出し方であるということがやっぱり一つの問題点だということを際立たせるためにも言ったということなんですね。
 実際にそれをどうするかというのは、これは極めて難しい問題です。
#55
○小池晃君 ありがとうございました。
 引き続いて辻参考人にお伺いしたいんですけれども、先ほどもちょっと議論ありましたけれども、生活保護の問題で、辻さんの団体はこの生活保護世帯の方々の本当よりどころとなっていると思うんですが、今も既に制度改悪進んでいますし、これを国庫負担削減するという動きが出ている。そういう中で、やっぱり憲法二十五条との関係で、この生活保護制度に対する国の責任を後退させることというのは、これは決して許されないことだというふうに考えているんですが、その点についてお聞かせ願いたいと思います。
#56
○参考人(辻清二君) 一昨年八月から厚生労働省の中に専門委員会ができて生活保護の見直しの論議がされてきて、昨年末に専門委員会のまとめが出たわけですけれども、私たちは、今のこの不況の中で、いわゆる国民の暮らしの最後のとりでというべき生活保護の役割というのは本当に大きくなっていまして、大都市のみならず町村、そういうところも含めて生活保護制度、生活保護を受けられる方が急増して、戦後最高ですかね、百万世帯を超えたというのは。そういう状況なんですね。
 一つだけちょっと紹介しますと、厚生労働省の資料で、今生活保護を受けられる方の開始の理由というのが、全体としては病気とか高齢とかが多いんですけれども、最近の顕著な例は、一つは景気の影響で増えているのと、それともう一つは、今回の議論とも関連すると思うんですけれども、いわゆる社会保障給付金の減少、喪失による生活保護を受けたいということで来られる方が増えているんですよね。それは何かといいますと、これは厚生労働省の資料ですから、それだけ大きな数ではないですけれども、顕著に増えています、それは。だから、恐らく医療費の負担とか介護の負担、それといろんな、先ほど言いましたような国保とか介護の料金が払えない、こういった関連の社会保障の給付の低下が生活保護に行かざるを得ないという、こういう状況があるんではないかというふうに考えています。
 それで、今の、率直に申し上げて今の生活保護、私たちから見れば、憲法二十五条の健康で文化的な生活とはいかにあるべきかという、そういう議論だけではなくて、もう何せ財政の都合から減らす、生活保護を受けておる人の保護費を減らす、自治体でやりなさいということで国の補助金も減らす、そのことが、国の財政を減らすということが最大の目標になってやられているなというふうに思っていますし、そういう意味では、本来、安心して、やっぱり最後のとりでとしての機能を今生活保護というのは果たさなきゃならないんだけれども、それに逆行するような動きとして今の生活保護の見直しの問題を私たちは見ています。
#57
○小池晃君 生活保護もそうなんですが、いろいろと、母子家庭に対するいろんな施策も含めて、何というか、憲法二十五条というのは生存権ということをきっちり保障しているわけで、今やられていることというのは、本当に国として最低限やらなければいけないような部分に次々と切り込んでいる。例えば、国民年金基礎年金までマクロ経済スライドということで削減していく、生活保護の問題あるいは母子家庭に対する児童扶養手当の問題も含めて、そういう今の、こういう一番基礎的な生活の部分にまで切り込もうというような小泉政治の今の現状についてどういうお考えをお持ちか、ちょっとお聞かせ願いたいと思うんですが。
#58
○参考人(辻清二君) 今、私率直に申し上げまして、この間のいろいろな一連の法案なんか見ると、自立という言葉がやけにはやっているんですよね。もう自立というのは国に頼るなという考え方が基本だと思うんですけれども、それと、何というんですか、持続可能なという、可能な制度をつくるという、それとやっぱり憲法というのが、その三つぐらいがキーワードになっているかというふうに思うんですけれども。
 全体としては、言葉は悪いですけれども、例えば生活保護の問題でいえば、生活保護の今回幾つか基準の切下げがやられたわけですけれども、年金の受けておる人よりも生活保護の方が高いじゃないかとか、母子家庭であれば、生活保護を受けておられる方と生活保護を受けていない方の比較でそういう議論がされているわけですね。そして、お互いに何か反目させるような状況が生まれてきて、そして生活そのものも大変になってくると。
 そういう中で、そういう生活保護を受けられる方もおられれば自殺なんかされる方もおられる。かつ、そういう状況の中で、今の小泉さんがおっしゃっているような、何かよく言う、言われているかどうか知りませんけれども、勝ち組、負け組みたいな競争社会的な風潮の中で、国民が何か寒々とした雰囲気のような状況が今生まれてきていまして、その一つの大きなやっぱり原因は、どういうときでもやっぱり最低ここまでの水準の生活が保障される、そこにやっぱり国と自治体の責任が、保障する責任があるわけですから、やっぱりそこにもう一回ちょっと立ち返った政治、行政がやられる必要があるというふうに考えています。
 以上です。
#59
○小池晃君 山本参考人にちょっとお伺いしたいんですけれども、国保を市町村単位から広域化する、県単位という話があるんですが、単純に見ますと、小規模な自治体ほど収納率もいいし、国保の財政いいと思うんですね。一番悪いのはやっぱり政令指定都市。規模が大きくなればなるほど運営困難になっているわけで、保険者として大きくなることのメリットというのはもちろんあるかもしれませんが、やっぱり保険者機能というような点で見れば、むしろ小規模なままの方がいろいろときめ細かい対応ができる、保険としての運営もうまくいくという面はないんでしょうか。その点はどういうふうに今回の、今の方向をお考えなのか、お聞かせ願いたいと思うんですが。
#60
○参考人(山本文男君) 小規模がいいのか大規模がいいのかということは、やり方じゃないでしょうか。だから、やっぱり運営の仕方、これ仕組みは決まっているわけですから、これは議論するところはないと思いますけれども、運営の仕方、やり方がそれを支配するんじゃないでしょうかね。小がいいか大がいいかということになるわけですね。
 だから、小が必ずしもいいとは言えないと私は思いますね。大で、何かやっぱりそれが悪いというのは欠陥があると私は思いますね。そういう欠陥を早く見付けて是正していけば、大でうまくいくんじゃないでしょうかね。それから、小は幾らやったって小以上のものは出てこないんですよ。だから、やはりこの小さいところは連合して、ある程度の規模、能力を持つようにすることこそ大事じゃないでしょうか。
 そういう意味で、私は県単位でということをずっと以前から主張してまいりました。
#61
○小池晃君 山口県の柳井市長の河内山さん、衆議院では参考人で来られているようですけれども、国保新聞なんかのインタビュー見ますと、やっぱり小規模自治体では収納対策はかなり徹底してやっていると、そういう中で、払うべき人にはほとんど払っていただいているという現状があるんだという、そんなお話されていて、なるほどそうなのかなと。幾ら収納対策ということで民間委託とか、あれこれ手の問題考えてもどうしようもないんだというふうにおっしゃっていまして、現場はそんな感じなのかなというふうに思っているんですね。
 やっぱり、この滞納の問題を解決していく上でも、やはり先ほど辻参考人からもお話ありましたけれども、やっぱり高過ぎる保険料ということについて、何らかのやっぱり財政的な手当てをする、あるいは減免制度ということを本当に進めていくということなしにこの滞納の問題解決することというのは難しいんではないか、これが現場の実態ではないかというふうに思うんですが、その点はいかがお考えですか。
#62
○参考人(山本文男君) 人口構成が違うんですよ、大きいところと小さいところは。やはり私の町でも、昔から住んでいる人たちのところは収納率が非常に高いんですよ。ところが、私のところでも中心部になるところはいろいろな人が住んでいるわけですね。例えば低所得者もおりますし、失業している人もおります。ところが、昔からそういうところのない地域だってあるわけですね。だから、そういうところは収納率が高くて、私が今申し上げたようなところは低いわけです。
 だから、大きくなればなるほど人口構成というのが随分変わってきますから、失業者もおれば、何といいますか、低所得者もたくさんいる、あるいは老人が多いとか、こういうようなことなどがあって収納率が落ちるんです。
 だから、そこら辺りをどう考えていけばいいのかということを考えることが大事じゃないでしょうかね。だから、小だからいい、大だから悪いという意味じゃなくて、人口構成がそういうふうになっているわけですから、それにどう対応していくかということを大きいところは考えていけばうまくいくんじゃないかと、そういうように思いますがね。
#63
○小池晃君 最後に渡辺参考人に。
 先ほど渡辺参考人のお話の中で、乱暴な医療費の抑制のやり方というお話あって、これは正に経済財政諮問会議の民間議員が言っているようなことを指しておられるんだと思うんですが、先ほども同様の質問あったわけですが、そもそもこの考え方の枠組みとして、GDPという問題と医療費、社会保障給付費というのを結び付けることというのは私はナンセンスではないかというふうに考えているんですけれども、その点について考え方、どういうふうに見ておられるか、最後にちょっとお伺いをしたいと思うんですが。
#64
○参考人(渡辺俊介君) 私自身は、先ほど申し上げたように、今の医療費をGDPとパラレルな考え方というのは反対だということははっきり申し上げました。
 ただ、やはり経済とのバランスという問題がありますから、私、先ほど九とか一〇とかという例えばの数字を出したわけでありまして、幾ら、とにかく医療費が必要だ、年金が必要だ、介護必要だから青天井でいいとは私は考えておりません。やはり何らかの経済とのバランスというのを考える必要があると。その場合の一つの指標として、GDPとの関係といった考え方は私は決して排除してはならないと、そのように私は思っております。
 そんなことでよろしゅうございますか。
#65
○小池晃君 終わります。
 ありがとうございました。
#66
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 今日は、四人の参考人の皆さん、本当にありがとうございます。大分クリアカットにいろいろ分かってきたので、どうもありがとうございます。
 今まで議論が出てきましたが、ナショナルミニマムについてちょっと議論がありました。児童虐待やドメスティック・バイオレンスに関して、一般財源化しないでほしいと実はこの厚生労働委員会で論陣を張り、一般財源化ならなくて、ある知事さんからは霞が関よりも知事を信用してくれよと冗談で言われたこともあるんですが、ナショナルミニマムをどう保障していくか。今までも議論出ていますが、憲法二十五条に生存権があるので、どうやって保障していくかというのがあると思うんです。
 浅野参考人にお聞きをいたします。
 どの分野に関してナショナルミニマムをやるのか。あるいは、ナショナルミニマムでなく地方自治に振った場合にどう水準を保つのか。例えば児童扶養手当や生活保護などはナショナルミニマムとしてやるべきではないかと私自身は今は思っているんですが、この点についての考えをお聞かせください。
#67
○参考人(浅野史郎君) ナショナルミニマムという議論と、それから格差ないという議論とあって、例えば格差ないというのは、さっきちょっとやゆ的に言いましたけれども、義務教育なんかについて言われているわけですね。これは教育の機会均等という非常に人口に膾炙した言い方で、教育の機会均等、北海道から沖縄まで、大都市でも過疎地でもみんな義務教育は同じレベルでと。できっこないと言いながらそれを言っています。
 ただ、そのときに、教員の配置基準とかなんとか、これはもう法律で決まっているという部分でそれは保障されています。そういう分野、生活保護もそうですけれども、これは格差ないというのと、それから、ナショナルミニマムというのはちょっと私ぴんとこないんですけれども、全国どこでも同じという、最低限それだけはというのは、分かりやすいのは生活保護、あとは扶助費ですね、金額が決まっているようなもの、児童扶養手当など、こういったものは正に、どこかが高いとか低いということでないということは、限られた分野ではあるということです。
#68
○福島みずほ君 知事会の基本的考え方が出ていますが、この中に、今までも出てきておりますが、保険基盤安定制度についての言及があります。これについてちょっとお聞かせください。
#69
○参考人(浅野史郎君) これは現行制度とこの改正案で盛られている制度との、何を実現しようとしているのかということを特に言っています。
 つまり、これで、今回の改正案でこの保険基盤の部分で起きているのは何かというと、国が二分の一負担したものをやめますと、その分は都道府県で負担してくださいということなので、それだけ見ていけばすぐ分かりますように、単なるこれは国の負担のすげ替えであると。これで何か、三位一体改革ということで持ち出したときに、県が裁量の余地が広がることになるんでしょうかと、権限強化になるんでしょうかといったら、確実にそれだけのツケが回ってくるというだけのことで、これがハッピーかハッピーでないかというのは別にして、三位一体改革ということの中で出てきたとすれば、これは意味がありませんねということを強調しております。
#70
○福島みずほ君 今までも議論出ておりますが、財政調整交付金の配分主体が国と都道府県の二重構造になると、市町村は国にも言わなくちゃいけない。陳情合戦がどういう形であるか私は分かりませんが、国に対してと都道府県に対してと、二重に交渉しなくちゃいけない。これは面倒くさいという感じもしますが、市町村、いかがでしょうか。
#71
○参考人(山本文男君) そういう制度になるかどうかが問題じゃないでしょうかね。だから、どこかで一本化するか、あるいはそれがうまく、県なら県に申請すれば、国と協議をして決めると、こういうことになるのか。そういう、まだそこら辺りのガイドラインができていないので何とも私も言えませんけれども、ややこしいことは簡略することですよ、今は。だから、おっしゃるようなことは、私は恐らく日本国の政府ですからやらないと思いますがね。
#72
○福島みずほ君 浅野参考人、この点についていかがでしょうか。
#73
○参考人(浅野史郎君) 冒頭にも言いましたように、この都道府県の財政調整交付金は、我々地方から是非是非こういうのを入れてくれと言った覚えは全くないんです。こういうのはやめましょうと言ったやつが入ってきたので、望まずして入れられました。ただ、それを子供っぽく、じゃお返ししますというわけにもいかないので悩んでいるというところなんですね。事務的なことでいっても、今、山本町長さんはやり方次第だとおっしゃっていますけれども、それはやっぱり、やり方次第と言いながら、あっちからこっちからというのは、一本よりは絶対面倒です。
 それと、先ほども御指摘がありましたように、そのスタンダード、基準ですね、その調整交付金を配る基準が同じだったら無意味、違っていたら何か変なふうになると。今、だから国の調整交付金は、災害とか、それから都道府県ごとの人口比なり年齢比の凸凹というのを調整するというような、そういう形でやると、県の方はもうちょっと細かにということで、ちょっと役割分担変えないと、当然論理的にも方法論的にも変だと。それをどういうふうにガイドライン作っていこうかという議論はあります。
 だから、今の御指摘からいうと、どうしてわざわざ面倒にするんだろうというのは、県が望みもしないのにという部分の率直なところに帰ってしまうところもあります。
#74
○福島みずほ君 今御両人からシンプルにしてほしいという御指摘はあったわけですが、これは、もし、国もやる県もやる、手続は一本化でなく別々にそれぞれ来るということになれば、それぞれ陳情しなくちゃいけないということになるんでしょうか、浅野参考人。
#75
○参考人(浅野史郎君) いや、私、陳情する側ではないんで、どうしましょうか。
#76
○福島みずほ君 済みません。はい、分かりました。
 知事会のこの「基本的考え方」のところに、「今回の三位一体の改革により、財政調整交付金の割合が増加した一方、定率国庫負担の割合が減少したことから、市町村国保の安定的な財源確保に努め、その不安を解消する必要がある。」という文章があります。これは、私は本当にそのとおりだとは思うんですが、その不安の解消というのはちょっとされていないんじゃないかと思いますが、この文章についてもう少し説明をしていただけますか。
#77
○参考人(浅野史郎君) それで知恵を絞ったと言うほどの知恵じゃないんですけれども、ある意味ではこそくなことをしています。
 つまり、今度でき上がりの形で三四%になるわけですね、定率国庫負担が、四〇%から。三四%。六%減る分、これは県の財政調整交付金七%になっていますから、そのうちの六%で埋めちゃいましょうということにして、自由に調整として使う分はごくごく遠慮して一%分だけにしましょうと。
 これは考えてみるとやっぱり変な話ではあるんです。ある意味で言えば、せっかく県の裁量というのをもらったのに、七%もらったのに一%で遠慮するというのは、何かあなた方言っているのと違うんじゃないのと言われるリスクは冒しながらも、実は、実際に市町村が今目の前でこの問題を投げ掛けられて心配をしているのは、この定率国庫負担が現実に四〇%から減るということに対する恐怖感です。この恐怖、まあ恐怖感というんですかね、やっぱり。その恐怖感というのをそのままにしておくわけにいかないということなので、これが物すごくすばらしいというふうには思いませんけれども、やはりその市町村の現実のニーズにはこたえてやらなくちゃいけないという、そういうやり方として、まあ苦肉の策というんですかね、当面はそこが激変しないようにしましょうということで扱おうと思っているのが原案です。
 ただ、実際は、これはアンケートでも返ってきていますけれども、そうはいいながらも、都道府県によっては、いや、もうちょっと裁量の余地を広げてやろうというのも、もちろんこれありなんですけれども、大多数は今言ったようなやり方に賛同しているというお答えでした。
#78
○福島みずほ君 政管健保とのことを、ちょっと趣旨が違うかもしれませんが、もし御意見があったら是非教えていただきたいんですが、社会保険庁そのものが改革の必要があるということは確かにそのとおりです。ただ、社会保険庁の解体あるいは改革の議論の中で、政管健保を取り出してほかと一体化するなどの議論があると、社会保険庁自身があの膨大なるコンピューターシステムの中でいろんなことをやっているので、政管健保だけをピックアップするというと、逆に物すごくコストが掛かったり余計おかしくなるんじゃないかと私自身は考えております。
 浅野参考人、今日の議論の中とはちょっと違うかもしれませんが、社会保険庁改革の中における政管健保を取り出す、あるいは今日の議論の中でも政管健保と国民健康保険の一体化の議論も出ましたので、こういう議論についてどうお考えか、教えてください。
#79
○参考人(浅野史郎君) 私からは、できたら後半の部分だけちょっとだけコメントさせていただいて、メーンは隣の方の方がいいのではないかと勝手に思いながら。
 実は、医療保険制度全般の見直しの中で、一つ、これが最後のでき上がりの形かどうか分かりませんけれども、政管健保も、それから今お話しになりませんでしたけれども組合健保も、それから国民健康保険も、県というレベルでやったらいいんじゃないかというのが言われています、一つの案として。
 もっともらしく聞こえるんですが、ただ、それぞれ一つ一つ、今国民健康保険の問題でもこうやって問題になっていますけれども、一つ一つ取り上げていけば、そうはなかなかいかないよという部分が実務的な部分も含めて大変大きいと思います。したがって、何か全部県にまとめればというのが美しいように見えますけれども、そうはいかないと。
 ただ、これは我々の名誉のために言っておきますけれども、面倒くさいものをもらいたくないという意味じゃないんですね。これがちゃんとワークするんであればいいんですけれども、そう単純ではないんではないかということだけ申し上げておきたいと思います。
#80
○福島みずほ君 そう単純ではないというのはどういうことでしょうか。
#81
○参考人(浅野史郎君) そう簡単ではないということなんですが、実務的な部分です。実務的な部分です。
 これは国民健康保険もそうなんですけれども、今、来年新しく制度をつくろうという議論をしているわけじゃないんですよ。今は市町村単位が保険者になってやっている、政管健保は国全体で一つでやっている、組合健保は組合ごとにやっているということが既にあってわあっと動いているわけですね。それを、ああ、みんな県でやったらいいというふうに、何か見た目では非常にばんときれいになりますけれども、それぞれの制度が抱えてきている今までの積み上げというのがあるわけですし、逆に、そういう制度として発足したというのはそれなりの理由があります。それをこのときにがらがらっとしてやるというのは、全然話にならないとは言いませんけれども、もうちょっと緻密な議論が必要だということです。
#82
○福島みずほ君 渡辺参考人、いかがでしょうか。
#83
○参考人(渡辺俊介君) 私、先ほど申し上げましたとおり、まず、たまたまと言うべきか、この社会保険庁のいわゆる保険料、これは主に年金の保険料の無駄遣いが発覚いたしまして、社会保険庁の運営、国一本で、年金もそうだし政管健保もそうでありますが、いかに非効率かということはもう国民の前に明らかになったと私は考えております。
 そういった意味で、今の社会保険庁の解体論、実際に解体するかどうかは別として、言わば解体的出直しというのは私は賛成でありますので、そういう言わば、たまたまと言っちゃあれかもしれませんが、そういう時期に、年金をどうするかということはまた別な議論として、まず政管健保というものはこの機会に、先ほど来私が申し上げましたとおり、医療は県の参加が望ましいという観点からいいますと、やはり社会保険庁に任せておくのは、国民も納得しないし、私は非合理的と思っております。
 ただ、今委員がおっしゃったように、コンピューターシステムでお金がどれぐらい掛かる、かえって事務費の無駄遣いになるんじゃないかといったことについて、私は数字はもちろん把握しておりませんから分かりませんが、それは今後の数字を出してみないと何とも言えません。
 ただ、そしてもう一点だけ付け加えますと、じゃ、あと組合健保及び共済組合はどうなるんだと。これも、共済の短期は健保でございますので、これについても、ただ職域として残すだけじゃなくて、やはり都道府県あるいは地域といったものに持っていく検討もなされてしかるべきだと、私はそのように考えております。
#84
○福島みずほ君 今回の問題については、全体の医療保険制度の将来の在り方と絡めて、その中に位置付けて議論をすべきだと先ほど浅野参考人はおっしゃって、その一端を話してくださいましたが、医療保険制度は将来どうあるべきとお考えなのか、御意見をお聞かせください。
#85
○参考人(浅野史郎君) それが分かれば苦労はないというような議論をみんなしてやっているんだと思うんですね。私に聞かれても困るんですが、どうしたらいいでしょうか。
 さっきもちょっと言いましたけれども、今日は余り議論出ていませんでしたが、高齢者医療をどうするかというのが絶対外せない議論だと思います。一本化ということを言われますけれども、一本化より高齢者医療の方がのっぴきならないだろうと思っています。高齢者医療の、これは新しい制度に本当にするのがいいのかどうかというのもちょっと私まだ疑問なんですが、そこを構築していった後に一本化という議論が、おのずからとは言いませんけれども、一つの姿が見えてくるんではないかということです。
 もちろん、答え用意していません。ただ、答えじゃないんですけれども、高齢者医療制度ということを今ここで真剣に考えなければ、医療保険制度それぞれ全体としてやっぱり、下手すると、音を立てて崩れるとまで言いませんけれども、立ち行かなくなるということは多分多くの方の共通認識じゃないでしょうか。
#86
○福島みずほ君 辻参考人の方から、今日、ナショナルミニマムや、それからそれぞれの世帯というか個人がどういうふうに問題を抱えているのかという切実なる御報告が現場からあったというふうに思っております。
 ナショナルミニマムのことに関して、どの分野をナショナルミニマムとし、どういう部分をある程度地方分権化したらよいのか、そういうことについての御意見を是非お聞かせください。
#87
○参考人(辻清二君) ナショナルミニマムの問題で、今、これとこれはナショナルミニマムとかいう、そういう提案は今の段階では私たち持っていません。ただ、少なくともやっぱり、先ほど浅野さんからもあった、やっぱり憲法二十五条の最低の限度の生活の部分ですね、ここはきちっとやっぱり保障をされる必要があるということが一つ。それはやっぱり国の責任ですよね。
 それと、やっぱりミニマムという場合、単に基準、いわゆる年金額とかだけじゃなくて、実際に制度に行き着くときのいろんな窓口なんかに、例えば生活保護を受けたいというふうに言っても追い返されるような、いわゆる憲法十三条が保障している人間の尊厳が、何というか、侵害されるような状況というのはたくさんあるんですね。そういう意味では、やっぱり人間の尊厳がきちっと保障される行政的なナショナルミニマム、これが必要だと思うんです。
 と同時に、やっぱり私は、地方自治体というのはそれを上乗せをする役目を持っているというふうに思いますから、やっぱり基本は、地方自治法で住民の福祉を基本に据えるということが自治体の目的になっているわけですし、かつ、先ほど私、行政上のミニマムというふうに、行政のミニマムと言いましたけれども、今そういうことで国からの締め付けが強いんですよね、さっきの乳幼児の国保のペナルティーじゃないですけれども。そういうのをやっぱりやめて、自治体自身が自らの判断と責任で行政がやっぱり行えるように、そしてさらにやっぱり地方色豊かな行政が国のミニマムの上積み的な部分でちゃんとできるような、そういうことが求められているなというふうに思っています。
 以上です。
#88
○福島みずほ君 私の時間、四十九分までなので、浅野参考人、言いたいこと、お時間使ってください。言いたいことを言ってください。
#89
○参考人(浅野史郎君) 言いたいことはおおむね全部申し上げさせることができました。
 ありがとうございます。
#90
○福島みずほ君 はい、じゃ、終わります。
#91
○委員長(岸宏一君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の方々には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、本当にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚くお礼を申し上げます。(拍手)
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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