くにさくロゴ
2005/04/07 第162回国会 参議院 参議院会議録情報 第162回国会 厚生労働委員会 第12号
姉妹サイト
 
2005/04/07 第162回国会 参議院

参議院会議録情報 第162回国会 厚生労働委員会 第12号

#1
第162回国会 厚生労働委員会 第12号
平成十七年四月七日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月五日
    辞任         補欠選任
     西島 英利君     西田 吉宏君
     蓮   舫君     岩本  司君
 四月六日
    辞任         補欠選任
     西田 吉宏君     西島 英利君
     岩本  司君     蓮   舫君
 四月七日
    辞任         補欠選任
     家西  悟君     前川 清成君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         岸  宏一君
    理 事
                国井 正幸君
                武見 敬三君
                辻  泰弘君
                山本 孝史君
                遠山 清彦君
    委 員
                坂本由紀子君
                清水嘉与子君
                田浦  直君
                中島 眞人君
                中原  爽君
                中村 博彦君
                西島 英利君
                藤井 基之君
                水落 敏栄君
                足立 信也君
                朝日 俊弘君
                小林 正夫君
                前川 清成君
                柳澤 光美君
                柳田  稔君
                蓮   舫君
                草川 昭三君
                小池  晃君
                福島みずほ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   尾辻 秀久君
   副大臣
       厚生労働副大臣  衛藤 晟一君
       厚生労働副大臣  西  博義君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       藤井 基之君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        川邊  新君
   政府参考人
       内閣官房司法制
       度改革推進室長  本田 守弘君
       法務大臣官房司
       法法制部長    倉吉  敬君
       厚生労働大臣官
       房総括審議官   福井 和夫君
       厚生労働省労働
       基準局長     青木  豊君
       厚生労働省年金
       局長       渡辺 芳樹君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○社会保険労務士法の一部を改正する法律案(内
 閣提出)
○独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構
 法案(内閣提出)
    ─────────────
#2
○委員長(岸宏一君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 社会保険労務士法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省労働基準局長青木豊君外四名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(岸宏一君) 次に、社会保険労務士法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○坂本由紀子君 自由民主党、坂本由紀子でございます。
 社会保険労務士法の一部を改正する法律案につきまして質問をいたします。
 このところの企業経営をめぐる環境の変化で就業形態の多様化が進み、また人事労務管理の個別化が進んでいる、こういうことを背景にいたしまして、個々の労働者とそれから事業主との間の紛争が増加をしてきております。平成十三年度からは個別労働関係紛争解決促進法によりまして、このような紛争解決の手続が促進されるようにということで取組が行われております。都道府県の労働局には総合労働相談コーナーが設けられまして、一般からの相談を受け付けていますが、これも年を追うごとに増えてきております。
 とりわけ、この民事上の個別労働紛争の相談件数は、平成十四年が十万三千件に対して、平成十五年は十四万件を超えるという伸びになっております。このうち紛争調整委員会のあっせん申請件数の伸びが多くて、十五年度につきましては五千三百五十二件、前年度比で九割も増えているということであります。
 先般、平成十四年に社会保険労務士法が改正されました。この改正におきまして、都道府県労働局が行うあっせんにつきまして社会保険労務士にこの代理を行うことが認められたわけですが、このように増大する個別紛争それからあっせん申請の中で、この社会保険労務士がどのような役割を果たしているかということにつきまして、あっせん代理についての実績も含め、厚生労働省の評価についてお伺いをいたします。
#6
○政府参考人(青木豊君) 社会保険労務士の行うあっせん代理、今お話ございましたように、平成十五年四月一日から行われておりますが、今年の一月末までの累計で全国において百七十三件、社会保険労務士のあっせん代理は数多くの個別労働関係紛争の解決に貢献してきたと思っております。
 今の百七十三件のうち、使用者側の代理が累計で九十七件、労働者側の代理が累計で五十八件となっております。このようにあっせん代理につきましては、使用者側の代理のみならず、労働者側の代理としても活用されるということでありまして、双方からも活用されているということでございます。今後は、紛争解決手続代理業務の拡大などによりまして、更にその役割が大きなものになるというふうに考えております。
#7
○坂本由紀子君 そういたしますと、今回、法改正の内容としては、社会保険労務士のそのような専門性あるいは能力を活用して裁判外紛争解決手続、ADRの利用の促進を図っていこうということであります。具体的な利用の、社会保険労務士の権限を拡大する、代理の業務を拡大するというものとしては、均等法に基づく調停の手続、それから都道府県労働委員会が個別労働紛争のあっせんの手続をやっていますけれども、こういうことについての拡大を規定をしております。
 ただ、こういう代理業務を行うことができる社労士が特定社会保険労務士ということに限定をされている。つまり、特定社会保険労務士というのは、業務を行うのに必要な学識と実務能力に関する研修を修了しているということと、それからその試験に合格した者、こういう人たちを特定社労士としてこういう業務を行うことができるということになっております。
 ところで、社会保険労務士について言えば、このところ社会保険労務士になりたいという受験希望者随分増えておりまして、平成十六年には六万五千人の受験者があったと聞いております。ただ、合格者は五千人弱ということで、試験自体かなりの難関、難しいものになっているので、それなりに労働関係、社会保険関係の能力を厳しく問われているものであると思います。加えて、日常の業務の中で、事業主を始めとして人事労務管理についての相談に乗る、あるいはいろいろな指導をするということで実績を積んできているかと思います。
 こういう社会保険労務士に更に加えて研修を行い、試験をして能力を担保するということになっているわけですが、具体的にどういうことについて研修をし、どういう能力を必要とするものとして厚生労働省で措置することを考えているのか、その具体的な中身を教えてください。
#8
○政府参考人(青木豊君) この紛争解決手続代理業務に必要とされる能力につきましては、その業務が依頼された方の権利業務の変動に大きな影響を及ぼすということでございますので、必要な能力ということでは、取り扱う分野である個別労働関係紛争に関する専門的知識、経験というのは当然でありますけれども、それに加えまして、法律分野についても相当程度高度な専門能力が必要であろうと思いますし、さらに、法律事件を取り扱う代理人としての職業倫理も要求されるというふうに考えております。
 したがって、御質問の具体的な研修なりの問題でありますけれども、具体的には、この社労士の資格試験の試験科目にない憲法や民法などの基本的法令の知識でありますとか法文上明らかではない労働契約の法理に関する言わば判例の知識、あるいは紛争処理のための事実の認定でありますとか法解釈の能力、あるいは最終的には紛争を解決するということで和解をしてもらうということになると思いますが、和解同意のための主張あるいは陳述の能力でありますとか、今ほど申し上げました法律事件を取り扱う代理人としての職業倫理というようなことが研修内容に含まれるというふうに思っております。こういった研修の成果を判定するために修了試験というようなことで試験を行うということとしております。
 具体的な、さらにその詳細につきましては、現在、全国社会保険労務士会連合会におきまして、学識経験者あるいは弁護士の方あるいは社会保険労務士を構成員とする検討会におきまして、そこで専門的な見地から検討が進められております。秋ごろにその報告をまとめられましたら、詳細につきましては、研修事項、試験内容についても決めていきたいというふうに思っております。
#9
○坂本由紀子君 それでは、今おっしゃった検討会での結果も踏まえて、実際に、実態に即した研修なり試験なりが構築されるようお願いをいたします。
 次に、今回、社労士法の第二十三条が削除されることになりました。開業社会保険労務士は労働争議に介入してはならないというこの規定につきましては、平成十年の社会保険労務士法の改正の際の委員会審議においても取り上げられたところであります。
 法制定当初はともかくとして、現在においては、こういう規定があることによってかえって社会保険労務士の業務を制約して、本来果たすべき、社会の中で果たすことが期待されている役割を損なっているのではないかということが言われておりました。全国社会保険労務士連合会からも強くこの点が指摘されてきていたわけです。
 現在の労働争議の状況等を考えると、今回この規定が削除されたということは非常に適切な措置だったと思いますが、これについて改めて、厚生労働省として、この規定の削除に至った経緯であるとか考え方について、確認のためにこの点についての御説明をいただきたいと思います。
#10
○政府参考人(青木豊君) 社会保険労務士法が制定されましたのは昭和四十三年でございます。当時は労働争議が多発をしておりまして、昭和四十年前から年間二千件ほどでありました。その後、ぐっと伸びていって一万件を超えるぐらいになったわけでありますけれども、そういうことで、社会保険労務士という法律により公的資格を付与されて公の信用を背景に業務を行う立場にあるという、そういう者がこういった労働争議に介入するというのは、その公正性を疑わしめて、かつ、本来労使間で自主的に解決すべき労働争議をかえって複雑化するおそれもある、そういう理由で二十三条が設けられたものでございます。
 しかしながら、法制定から四十年近くが経過いたしまして、労働争議の件数も一万件ぐらい、一万件を超えるところがピークでありましたが、今は八百七十件ぐらいということに落ち着いてまいりましたし、全国社会保険労務士会連合会の活動も充実をしまして、社会保険労務士の業務の適正性を確保する仕組みも整備されてまいりました。
 また、今回の改正で社会保険労務士に個別労働関係紛争に係る代理業務を認めて、労使いずれかの代理を行うことと、それから社会保険労務士が労働争議に介入することにより、その公正性が疑われるという趣旨が相入れないというようなことになりますものですから、この二十三条の規定を削除することとしたものであります。
#11
○坂本由紀子君 これからも個別の労働関係の紛争というのは恐らく増えていくだろうと見込まれるわけであります。こういうものが増えるということは、労働者にとってはもちろんですが、企業の経営の安定という点から考えても大変望ましいことではない。できるだけ早くに、こういう問題が当事者間が納得できるような形で解決されるということが大変大事だろうと思うのであります。
 そのために、個別紛争の解決のための労働局における総合労働相談コーナーが、冒頭申し上げましたように、それなりに機能をしておりますが、それ以外にも社会保険労務士連合会あるいは全基連等々におきまして、私的なADRでありますところの紛争解決についてそれなりの役割を果たしてきております。
 今後も、今回こういうことで社会保険労務士法が改正をされて、社労士が紛争等についての解決のための代理手続の業務を一部行うことができるようになるわけですが、この法に規定するところが本当に有効に機能するようにということが大事だろうと思います。そのためには、行政としても、この法が円滑に施行されるようにということで必要な指導なり支援なりをしっかりと果たしていっていただかなくてはいけないと思うんでありますが、これについての大臣の御決意をお伺いしたいと思います。
#12
○国務大臣(尾辻秀久君) 今回の改正によりまして、社会保険労務士の行う紛争解決手続代理業務が拡大をされまして、社会保険労務士の労働に関する事項についての専門家としての役割が一層果たされることが期待をされておるところでございます。
 これまでも、社会保険労務士は都道府県労働局の紛争調整委員会におけるあっせん代理を行うなど、事業場における紛争の防止や解決に貢献をされてきたところでありますけれども、今回の改正を機にいたしまして更に社会保険労務士の紛争解決代理業務がより一層活用されるよう、行政といたしましても、社会保険労務士会連合会と連携の上で、制度の周知並びに社会保険労務士への指導等に努めてまいりたいと考えております。
#13
○坂本由紀子君 今回のADRについての代理の拡大について、それぞれ既存の司法制度との関連の中で関係者が随分努力をし、こういう結論に至ったということは、それに携わった方々の労力は非常に多とするものであります。
 ただ、この中には、例えば紛争の規模について、今回は民間型のADRの場合には紛争価額が六十万円を超えるものについては弁護士と共同の受任をするというような形のものになっておりまして、この金額がこの紛争というものと、この紛争の代理を認めることに金額がどの程度の意味があるのかというと、私はその物差しとしてこういうものを使うのはいかがなものかなという思いがいたしておるわけであります。
 ただ、関係者が多くいる中で、ここが一つの線引きとなって合意を見たというのは、増大する個別の労働紛争の解決のための一つのステップとしてはこれはこれで意味のあることだろうと思います。
 ただ、この制度がこれから何年か掛けて関係者の努力でしっかりと運用されていく、そして司法制度改革の中でも引き続きまた更に検討するというような項目も幾つかあるわけでありますので、そういう検討が今後行われる中では、この社労士についての手続代理業務の在り方についても、今後更にそういう問題と併せて検討するという姿勢を行政としてもしっかり維持していただきたいと思う次第であります。
 基準局長からその辺についてのお考えを一言聞かせていただいて、私の質問を終わりたいと思います。
#14
○政府参考人(青木豊君) 今度のスキームの中で額を限定するというようなことも行われたのは、正に今委員が御指摘になったような経緯でございます。
 まずは、こういった代理について拡大をするということでありますので、こういったものが法改正が成りましたならば着実に、円滑に実施されるということをまず期待するところでありますし、そういったものを踏まえて、そういった実績、経験を踏まえて、また新たな問題としていろいろ検討することは検討していくということだろうというふうに思っております。
#15
○坂本由紀子君 終わります。
    ─────────────
#16
○委員長(岸宏一君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、家西悟君が委員を辞任され、その補欠として前川清成君が選任されました。
    ─────────────
#17
○辻泰弘君 民主党・新緑風会、辻泰弘でございます。
 今回の社会保険労務士法の改正は、個別労働関係紛争が急激に増加する状況の下で、裁判外紛争解決手続における隣接法律専門職種を活用しようというものでございまして、前回、平成十四年十一月の法改正案審議の際に私が指摘した点が盛り込まれておるものでもございまして、私としては基本的に評価しているところでございます。しっかりした体制の下で紛争解決に向けた新たな業務展開が図られるよう期待する見地から、政府の見解をただし、方針を確認しておきたいと思うわけでございます。
 そこでまず、今回の立法形式についてでございますけれども、昭和四十三年の当初の法制定以降、議員立法を中心にされてきた、一度だけ閣法があったわけでございますけれども、前回も議員立法でございました。今回は政府提案ということになっているわけでございますけれども、そのことについての理由と、そして、政府提案としながらも、従来型の、通常の審議会での議論を経ようとしなかった、この経緯について御説明いただきたいと思います。
#18
○国務大臣(尾辻秀久君) 二点お尋ねがございました。一つは政府提案とした理由、すなわち議員立法ではないということ、もう一つは審議会の議論を求めなかったということでございます。
 まず、政府提案にした理由から申し上げます。
 今もお話しいただきましたように、確かに、昭和四十三年にこの法律制定されておりますが、議員立法でございました。その後、四回の改正がいずれも議員立法でございます。ただ、平成十年に一回だけ政府提案にさせていただいております。この平成十年改正につきましては、政府の規制緩和推進計画に基づいて社会保険労務士試験の試験事務を外部委託にすることを主たる内容とするものであったものでございましたので、このときは政府提案であった、こういうことでございます。
 今回でございますけれども、社会保険労務士の業務拡大が中心でございまして、全国社会保険労務士会連合会の要望とも合致はいたしておりますけれども、その内容が、政府に置かれました司法制度改革推進本部が昨年十一月二十六日に決定した事項に基づくものでございます。その決定においては、「所管府省を中心に、できるだけ早期の具体化に向け、今後、関係法案の提出を含め、所要の措置を講じていく必要がある。」ということで、所管府省中心に事を進めるということが決められておりましたので、今回、政府提案としたものでございます。
 次に、労働政策審議会の議論を求めなかったということでございますが、これは一つは、社会保険労務士法には労働政策審議会に調査審議を行わせる旨の規定が存在しない、手続上そうなっておるということがございます。またさらに、内容で申し上げますと、学識経験者、裁判官や弁護士など法律の実務家、労使関係者を構成員とする司法制度改革推進本部のADR検討会における検討を基にしておる、今回の内容がそもそももうそうした皆さんの検討会における検討を基にしておりますので、労働政策審議会に対して、ここで期待される検討は既になされておると、そのように考えましたので、改めて審議会への諮問を行わなかったものでございます。
#19
○辻泰弘君 議員立法で来たことのある意味での流れもあるのかもしれませんが、いずれにいたしましても、今回の改正案の提出に当たっては関係者の意見の聴取が十分なされなかったというような指摘もございますので、今後はそういうことについて十分配慮していただくように御要請を申し上げておきたいと思います。
 それで、二つ目のポイントですけれども、この社会保険労務士法の改正の御担当、そしてまた社会保険労務士の試験の担当も労働基準局の中の労働保険徴収課がされているわけなんですね。これ率直に言いまして、ぱっと見たときに意外に思うわけでございます。社労士の皆さん方は、労働マターだけじゃなくて、いわゆる厚生マターもやっていらっしゃるわけでございます。年金、医療の保険の方もやっていらっしゃるわけでございますし、試験もかなり、国家試験としてやっていらっしゃるわけですけれども、それが労働保険徴収課がされているというのはちょっと意外に思うんですけれども、その辺の経緯はどうなっているのかということで、簡単に御説明ください。
#20
○国務大臣(尾辻秀久君) まず、社会保険労務士の行う業務が、労働基準関係法令や労働保険関係法令、また社会保険関係法令など、法令がそういったものでありますので、労働基準関係法令、諸法令を所管する労働基準局に属する、まず、その労働基準局に属するということをまず申し上げます。その後で、じゃその局の中でどうなるかということでございますけれども、労災保険と雇用保険を総称した労働保険の徴収を所管しておりますところの労働保険徴収課において社会保険労務士制度を所管をさせておるところでございます。経緯はそういうことでございます。
 今お話しのように、確かに社会保険庁との連携もございますので、実際にはこうした連携は図ってまいった、そうした対応をしてまいりましたということを申し上げておきたいと存じます。
#21
○辻泰弘君 現実に徴収課の方々が対応されているという、そのことが問題だと言っているんじゃないんですけれども、しかし、一つの組織の構えとして、今後また社労士の皆さんにいろいろと業務を広げて持っていただこうという流れがあるならば、例えば個別労働紛争であれば大臣官房の地方課が担っていらっしゃるわけですけれども、そういった両方の、まあ旧厚生、旧労働両方にまたがるようなそういうセクションをしっかり持ってやっていくべきだということを御指摘申し上げておきたいと思います。
 それから、三番目に予定しておりました、前回の改正によって定められた紛争調整委員会でのあっせん代理の実績については、先ほど御質問ございましたので、これは飛ばさせていただいて次の質問に入らせていただきますが。
 今回、社会保険労務士の業務として新たに二つの行政型ADRと民間型ADRが追加されると、こういうことになっているわけでございますけれども、そのことについての、どういう理由でなされようとしているのかについて御説明をお願いいたします。
#22
○政府参考人(青木豊君) 昨年十一月二十六日の司法制度改革推進本部の決定におきまして、今後の司法制度改革の推進についてということで、裁判外紛争解決手続、いわゆるADRでございますが、そのADRの利用を促進していくためには、手続実施者のみならず、紛争当事者の代理人についても、利用者が適切な隣接法律専門職種を選択できるよう制度整備を図っていく必要があるということで、そういう決定がなされました。
 社会保険労務士につきましては、労務管理その他労働に関する事項についての専門家として、事業場におきます個別労働関係紛争の未然防止に努めたり、あるいはまた、既に都道府県労働局の紛争調整委員会におけるあっせん代理を行っているというようなことなどから、事業場における個別労働関係紛争の防止や解決に貢献をしてきたということでございます。
 こういったことで、この司法制度改革推進本部の決定に基づきまして、個別労働関係紛争が非常に増加してまいりましたので、こういったものにつきまして迅速かつ適正に解決するということのために、そういった社会保険労務士が持っております専門性あるいは経験を活用するということといたしまして、このADRに関する代理業務の拡大を図るということにいたしたものでございます。
#23
○辻泰弘君 そこで、民間型ADRが認められる団体には、当然ながら専門的な知識、能力を持った人員の存在、それとともに業務の公正さ、適確さというものが求められると思います。
 そこで、その団体の指定に当たっては適切な審査が必要だと考えるわけでありますが、どのような方針で臨まれるのか、このことについて御説明をお願いします。
#24
○政府参考人(青木豊君) ADRは行政型と民間型ということでございますが、そのうちの、今お話のありました民間機関が行う裁判外の紛争解決手続、民間型ADRにつきましては厚生労働大臣が団体を指定して、そこでやってもらうということになるわけですが、その指定するに当たりましては、具体的には裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律、いわゆるADR法でありますが、これに基づきまして、民間紛争解決手続について法務大臣の認証というシステムがその法律の中にありますので、その法務大臣の認証を受けた者であるということを一つの要件とすると。それから、個別労働関係紛争を専門的に取り扱う機関でありまして、公正かつ適確に業務を行うことができること、この二つの要件を満たすことについて考えております。これらを省令等で明確にするということを考えております。
#25
○辻泰弘君 法律上は、法務省の認証を前提とはしていないわけですね。今の御発言は法務省の認証というものを受けたいわゆる認証紛争解決事業者であるということを前提とすると、そういう御方針であるということですね。
#26
○政府参考人(青木豊君) おっしゃるとおりでございます。
#27
○辻泰弘君 そこで、その指定の場合に、具体的にはどのような団体が対象として考えられるかということについて御見解をお示しください。
#28
○政府参考人(青木豊君) 今ほど申し上げましたように、ADRはいろんな、様々な紛争事案があるわけでありますが、ここで社労士等が代理できるということで御審議をお願いしておりますのは個別労働関係紛争ということでございますので、これを主宰する団体の指定としましても、これは現在、例えば労働問題に関する相談というものを行っている、そういう実績を積んでいるところがまず第一義的には考えられるだろうということでございます。
 そういった相談を行っているものとしましては、例えば社団法人全国労働基準関係団体連合会が労働条件相談センターというようなものを設置しておりますし、あるいは各都道府県の社会保険労務士会においても総合労働相談所なども設置をしておりますので、こういったようなものの中から個別労働関係紛争の民間紛争解決手続の業務を公正適確に行うことができるというものを判断しまして指定することになるというふうに考えております。
#29
○辻泰弘君 次に、労働争議不介入規定、第二十三条の削除についてお聞きしておきたいと思います。
 基本的なことは先ほど御質問ございましたんですけれども、言及もありましたように、平成十年の四月の段階で、できれば次期の法改正時にもその実現が図られるよう努力したいという当時の労働省官房長の御発言があったわけですけれども、その間に一度改正挟みながらも、結局七年ほど掛かっているわけでございますが、これぐらい時期を経たということについて、何ゆえそれだけ時間が掛かったのか、その件についての御見解をお示しください。
#30
○政府参考人(青木豊君) これについては、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、当時の状況がどのぐらい変わっているかというようなことでありますとか、あるいはそれに見合う懸念を払拭するようないろいろなシステムというようなものとの兼ね合いというようなこともございますし、そういったことを心配する方々もおられましたので、そういった検討に時間を費やしたということだろうというふうに思っております。
#31
○辻泰弘君 そこで、今回の規定の削除になるわけですけれども、現時点でこの措置が実際に機能する状況は多いというふうに考えておられるかどうか、御見解をお示しください。
#32
○政府参考人(青木豊君) 先ほど申し上げましたように、これで、労働争議は、そもそも現行規定が社会保険労務士であるがゆえに介入できないという規定であるわけでありますが、この規定が削除されれば社会保険労務士であるがゆえの禁止ということはなくなるわけであります。したがって、そういったことに関与できるということになってくるわけでありますけれども、しかし、先ほど申し上げましたように、労働争議の件数というのはかつてに比べてかなり減少していると。しかし、そうは言いましても、少なくなったとはいえ、まだまだ現実には労働争議も発生しているということでございます。したがって、こういったことはできれば労務管理の専門家として事業場の内外において労働関係紛争の防止、解決に尽力している社会保険労務士が、こういった少なくなったとはいえ発生している労働争議に関与して、その解決に尽力するということも十分に予想されるというふうに思っております。
#33
○辻泰弘君 そこで、今回のADR代理の範囲の拡大、また、今の二十三条の削除に際しましては、やはりほとんどの社労士の方が職業倫理を兼ね備えた善良な方だと思うわけでございますけれども、しかしやはり悪質な者が発生するということも、やはり万一に備えておかなければならないということもあるわけでございます。
 そういった意味で、やはり綱紀の確立、あるいは懲戒のルールとか苦情処理の対処とか、こういったことが求められると思うんですけれども、そういうことに向けての御方針をお示しいただきたいと思います。
#34
○国務大臣(尾辻秀久君) このたびの社会保険労務士の行う業務を拡大することに伴いまして、社会保険労務士が不適切な業務を行うのではないかという御懸念でございます。
 そもそも社会保険労務士は、社会保険労務士法第一条の二にございますとおりに、常に品位を保持し、公正な立場で、誠実にその業務を行うものとされておりまして、改めてしっかりとこのことを守っていただかなければなりませんということをまず申し上げたいと存じます。もちろん、違反すれば懲戒処分の対象にもなります。
 しかしながら、今お話もございましたとおりに、二十三条を削除することについて一部から御懸念も示されたところでございますので、都道府県の社会保険労務士会及び全国社会保険労務士会連合会にまず苦情処理相談窓口を設けます。さらに、この連合会の会則に、適正な労使関係を損なう行為の禁止ということを盛り込みますし、またさらに、同連合会に綱紀委員会を設けまして、社会保険労務士以外の第三者を構成員として、懲戒処分に至らないような事例についても適切な対応をし、また懲戒処分の実効性を高めていくことなどについて、申し上げました全国社会保険労務士連合会を指導をしてまいりたいと考えております。
#35
○辻泰弘君 今のお話しの委員の構成に関してですけれども、やはり労働者の立場にも立った方も入っていただくべきじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#36
○政府参考人(青木豊君) 具体的にはこれからということでありますけれども、そういったことも踏まえて選任がされていくというふうに思っております。
#37
○辻泰弘君 そのような御対応をお願いしておきたいと思います。
 それで、今回、社労士の方に特定社労士の業務という部分が拡大されるということになるわけですけれども、やはり一般の国民に対してその業務がどういうふうに拡大されるのかというようなことについても広報、情報提供というものが必要だと思いますし、紛争の渦中にある個々の当事者についても特定社労士さんの業務範囲といいますか、その領域についての周知がなされるべきだと思うんですけれども、そのことについてどうお取り組みになるか、そのことについて御見解をお示しください。
#38
○政府参考人(青木豊君) 特定社会保険労務士の代理業務の範囲等については、その業務を実際に行う社会保険労務士とか、あるいはそのサービスを利用する側の国民との間に誤解が生ずるということは大変なことでありますので、新しい制度の周知を図って、紛争当事者が不利益を被らないように情報提供が確実に行われる必要があると考えております。
 したがって、法改正、法案が成立いたしましたならば、全国社会保険労務士会連合会やあるいは都道府県の社会保険労務士会を通じまして、その利用者に対する情報提供とか周知、そういったことが十分に行われますように指導をしていきたいというふうに思っております。
#39
○辻泰弘君 非常に大事なポイントだと思いますので、そのことについても十分御配慮いただくように申し上げておきたいと思います。
 それから次に、現実に社労士の方々は日常的に人事労務管理に携わっておられるわけで、そういった意味での専門性は持っておられるわけでございますけれども、今回の新たな特定社労士の資格取得ということについては、やはりより一層の知識、実務能力の修得といいますか、付与が必要だというふうに思うわけでございます。
 そこで、研修・試験制度についてでございますけれども、基本的な内容については先ほど御質問があったわけでございますけれども、それを踏まえつつ、その研修の在り方といいますか、例えば具体的には研修の時間だとか、そういうものをどう考えていらっしゃるのか。それから、試験、研修の制度の決定、どういう形で決定して例えば省令なり政令なりに落とされていくというか、そのことについて見解をお示しください。
#40
○政府参考人(青木豊君) 研修につきましては、先ほども申し上げましたように、現在、全国社会保険労務士連合会の方で、学識経験者とか弁護士、あるいは社会保険労務士を構成員とする検討会で検討を既に始めておるところでございます。私どもとしては、こういった検討を踏まえながら具体的な中身を決めていくというふうに考えております。これについては省令等において明らかにしたいというふうに思っております。
 御指摘の時間等でございますが、これは今どうというのはなかなか言えないわけでありますが、先ほど申し上げましたように、必要な能力に応じて研修内容というのが決まってまいりますので、先ほど申し上げましたように、憲法だとか民法だとか基本的法令の知識だとか、あるいは判例の知識でありますとか、あるいは事実認定だとか法解釈の力、あるいは職業倫理といった、そういった項目について研修をしていくということになろうかと思っております。
 同じように、司法書士でありますとか弁理士におきましても、そういった隣接法律専門職種として訴訟代理なりをするということで、その際にもやはり同じように研修をしたり試験をしたりするということでありますので、そういったものが参考になろうかと思っておりますけれども、それは研修の内容によって異なっておりまして、例えば司法書士であれば研修時間百時間以上になっていますし、弁理士であれば四十五時間以上というようなことでありますが、その内容に応じて、そういったものがこれから決めていきたいというふうに思っております。
#41
○辻泰弘君 そこで、研修・試験制度を御検討していかれるわけですけれども、私はやはり、労働関係法制というものについてもやはりひとつしっかりと組み込んでいただきたいと。とりわけ、労働組合法とか派遣法とか、今日的な非常に意義がある、また今回業務を拡大していかれることにかかわってくる領域だと思いますので、そのことについてウエートをしっかりと持っていただくということで申し上げておきたいと思います。
 それと、研修、試験をいつから開始されるのかということについて方針をお示しください。
#42
○委員長(岸宏一君) どなたが答えますか。
#43
○政府参考人(青木豊君) 秋ごろに、先ほど申し上げましたように、検討会での検討をいただいてから私どもが検討して決めて、実際の実施は結局十八年度ということになろうかというふうに思います。
#44
○辻泰弘君 普通の社労士さんの試験は夏だと聞いておりますけれども、そうすると、十八年のそのころにやられることになるということですか。
#45
○政府参考人(青木豊君) 年一回試験をやれというふうに法律でなっているかと思いますが、最初の年でありますので、年二回ぐらいやってニーズに対応しなくちゃいけないだろうというふうに思っておりますので、春と秋ぐらいにできればというふうに思っております。
#46
○辻泰弘君 それで、施行後の試験というのを毎年作っていかれることになると思うんですけれども、その作成機関の構成というのはどういうふうに考えておられるのかについてお聞かせください。
#47
○政府参考人(青木豊君) 試験の作成機関については、紛争解決手続代理業務について学識経験を有する者から試験委員を選任して作成をするということでありますけれども、一般的には大学教授でありますとか弁護士等の実務家から選任することとなるというふうに考えております。
#48
○辻泰弘君 そこで、裁判外紛争解決手続の代理業務のこれからの運用に際して、いろいろその関係者が、関係機関があるわけでございます。当然、厚生労働省もございますし、先ほどの認証機関という意味合いでの法務省ということもありましょうし、あるいは弁護士会、社労士会、労使団体と、こういった関係機関があると思うんですけれども、そういった関係機関の連携協力体制をどのように図っていかれるかと、このことについて御方針をお示しいただきたいと思います。
#49
○政府参考人(青木豊君) 社会保険労務士のこの代理業務を円滑適正に実施していくためには、おっしゃったように関係機関との連携協力が必要であるというふうに思っております。全国社会保険労務士会連合会につきましては、代理業務の能力担保措置として実施する試験事務、これも委託することとしておりますし、またその研修も行ってもらいたいというふうに思っております。また、この研修における講師については日弁連からの紹介を受けるというようなことも考えていまして、そういった様々のところと連携を行うということを考えております。
 それから、全国社会保険労務士会連合会が綱紀委員会を設けて、適正なこういった業務を行っていく言わば担保をしようとしているわけでありますけれども、この綱紀委員会につきましても、弁護士とか、あるいは先ほどお話がありましたように、労使の代表、そういった方々も構成員として、日弁連でありますとか労使団体との連携を図るというふうに考えております。
#50
○辻泰弘君 そこで、社会保険労務士の試験の状況についてお伺いしておきたいと思うんですけれども、近年の受験者数、合格者数、合格率の近況についてお示しください。
#51
○政府参考人(青木豊君) 社会保険労務士試験は毎年一回実施をしておりますけれども、受験者数と合格者数はそれぞれ平成七年から十六年までの十年間増加をずっとしてまいりました。合格率については七%から九%台で推移をいたしております。最新、一番最近の数字で申し上げますと、十六年の合格者数は四千八百五十人ということでございます。合格率は九・四%ということでございます。
#52
○辻泰弘君 その合格者数、合格率の決め方というのは何か持っていらっしゃるでしょうか。
#53
○政府参考人(青木豊君) 合格者の決め方は、社会保険労務士となる者は労働社会保険諸法令等について一定の知識及び能力を有するという必要がございますので、原則として、このいろんな試験科目についての総合点数、それから各試験科目の点数が一定水準を上回ることを基準といたしております。しかしながら、試験問題については年により難易度にも差が生じるので、その基準点数というのは若干年によって変動は出てまいりますけれども、いずれにしても、総合点数、各種目の点数、これに水準を設けて基準としております。
#54
○辻泰弘君 そこで、今回追加される特定社会保険労務士についてですけれども、その合格者数とか合格率についての考え方についてはどのようにお考えでしょうか。
#55
○政府参考人(青木豊君) この特定社会保険労務士の試験ですけれども、そもそもこれは社労士の中でも受験をすることは任意ということでありますので、私どもの方から具体的にどうだというのはなかなか難しい、お示しするのは難しいというふうに思いますけれども、例えば、登録者数が開業社会保険労務士とほぼ同数、一万七、八千人だったと思いますが、司法書士におきましては、初年度である十六年度においては六千人以上が合格したというようなことでありますし、司法書士の認定率、過去三回、大体七五%ぐらい、また、先ほど申し上げましたように、弁理士にも同様にありますが、弁理士についても六五%ぐらいということであります。
 これは一つの参考ではありますけれども、いずれにしても、合格率については、やはり試験がその能力担保措置としての研修内容を十分に理解をしているかどうか、そういうことを判定するために行う言わば修了試験みたいなものでありますので、あらかじめどうだと、数字がどうだというのはなかなか予測するのは難しいというふうに思っております。
#56
○辻泰弘君 それで、個別労働紛争が非常に増えているという状況にあるわけですけれども、直近における個別労働紛争の件数、相談内容の内訳について御説明ください。
#57
○政府参考人(青木豊君) 個別労働関係紛争については、大変企業経営や労働環境が変化をするという中で、就業形態多様化、あるいは人事労務管理が個別化をしているということで増加をしております。
 都道府県労働局における個別労働紛争の相談件数というのは、直近では十四万件を超えております。それは前年の平成十四年度に比べますと、平成十四年度は十万件ということでございますので、四割の増加ということになっております。
 それから、紛争の内容別に見ますと、解雇に関するものが二九・八%、労働条件の引下げに関するものが一五・八%、退職勧奨に関するものが六・八%ということで、大きなウエートを占めているということでございます。
 それで、これを紛争調整委員会へのあっせんを更に申請をしたというもので見ますと、十五年度では五千三百五十二件ということで、前の年に比べて八七・七%の増ということになっております。
 ということで、非常に増えているという状況でございます。
#58
○辻泰弘君 そういった個別労働紛争の解決の制度づくりということも大事だと思うんですけれども、そもそも個別労働紛争自体を発生しないように努力するということが根本にあるべきだと思うんですが。
 今おっしゃったように、相談の内訳をお示しいただいたわけですけれども、そういった問題についてどのように取り組んでいかれるのか、どういった政策努力をなさるかについて御見解をお示しいただきたいと思います。
#59
○政府参考人(青木豊君) 今申し上げましたように、個別労働関係紛争は、例えば解雇の問題が一番大きかったりします。いろいろ私どもとしては、紛争をできれば未然に防止をすると、そしてまた、万一そういう紛争になった場合には速やかに解決をしていこうということで考えております。
 そういう意味で、平成十五年に労働基準法改正をお願いいたしまして、そこでは労働時間とか労働契約についてのルールの整備を行いましたけれども、特に労働契約をめぐるトラブルを防止するという観点から解雇権濫用法理を法律上明記をいたしまして、事前のトラブルというものをできるだけ少なくしていきたいということを考えたわけであります。
 また、その際にも、有期労働契約に関しまして有期労働契約の締結、更新、特に雇止めですが、雇止めに関する基準を定めまして、使用者に対しまして必要な助言、指導を行うというようなことをいたしております。
 紛争が生じた後につきましては、相談をしっかりやろうということで、都道府県労働局における総合労働相談コーナーとか、あるいは労働条件相談コーナーなどで個別労働関係紛争に関する相談を行っているということでございます。
 私どもとしては、こうしたものを更に一層努力をして、いろんな意味で個別労働関係紛争をもたらす要因の解消に取り組んでいきたいというふうに思っております。
#60
○辻泰弘君 そういった個別労働紛争の発生防止に向けての御努力をお願いしておきたいと思いますが。
 最後に、今お話しのように、個別労働紛争が急増しているということがあるわけですが、そのような状況下におけるこれからの社会保険労務士の、あるいは特定社会保険労務士の役割、任務と使命、こういったものについて御見解をお示しいただきたいと思います。
 以上、お伺いして、私の質問を終わります。
#61
○政府参考人(青木豊君) 社会保険労務士は、労務管理その他労働に関する事項についての専門家として、事業場におきます個別労働関係紛争の未然防止に努めたり、あるいは、都道府県労働局の紛争調整委員会におけるあっせん代理をもう既に行っておりますけれども、そういうことで、その事業場における個別労働関係紛争の防止でありますとか、解決に貢献をしてきたというふうに思っております。
 したがって、今回の改正によって個別労働関係紛争についての社会保険労務士の代理業務が拡大されるということは、そういう意味での専門家の活躍の場を広げるというものでありますし、私どもとしては、一層こういった社会保険労務士の持っております専門性というのが活用されて個別労働関係紛争の防止や解決に貢献することとなるというふうに思っておりますし、また、そういうことを社労士あるいは社労士会連合会にも期待をしたいというふうに思っております。
#62
○辻泰弘君 以上で終わります。
#63
○小林正夫君 民主党・新緑風会の小林正夫です。
 まず、隣接法律専門職種にADR代理権を付与する考え方、先ほど同僚の辻委員の方から社会保険労務士にADR代理権を付与する考え方についてはお聞きをしましたが、今回、司法書士、弁理士あるいは土地家屋調査士、こういう方たちに特定の法律分野において専門知識を有する職種、今言ったようなところにこのADR代理権を付与する、こういうことになったわけですけれども、その背景についてお伺いしたいと思います。
#64
○政府参考人(本田守弘君) お答えいたします。
 お尋ねの件につきましては、昨年十一月二十六日、司法制度改革推進本部におきまして、裁判外紛争解決手続、いわゆるADRの利用を促進していくためには、利用者がその手続の代理人として適切な隣接法律専門職種を選択できるよう制度整備を図っていく必要があるとした上で、隣接法律専門職種のうち、社会保険労務士、司法書士、弁理士及び土地家屋調査士については、裁判外紛争解決手続における代理権を付与するため、所管府省を中心に関係法案の提出等、所要の措置を講じていく必要がある旨の決定がなされたものであります。
 司法制度改革推進本部がこれらの職種に代理権を付与するのが適当と判断いたしましたのは、その職種の資格要件、業務内容、実績等を踏まえまして、ある特定の分野、規模の紛争を公正適切に解決していく上で、その職種、例えば社会保険労務士でありますとか司法書士等が当該代理業務を行うことがその職種の備えている専門的知識、経験の有効な活用となり、弁護士以外の代理人を必要とする社会的ニーズにこたえ得るものであるかどうか、また、その職種の業務として紛争解決に関与してきた実績等を通じて、代理業務を公正適切に遂行するに足りる法律的能力や倫理規定を備えているかどうかと、こういった点を検討した結果であると聞いております。
#65
○小林正夫君 今回の判断が、正に世の中の人が、多くの方が理解をして、適切に運用されることを望んでおきたいというふうに思います。
 以降、少し具体的な質問に入りますので、是非よろしくお願いしたいというふうに思います。
 まず、社会保険労務士の中立性と公平性に関するという点についてお聞きをしたいというふうに思います。
 社会保険労務士の業務は、社会保険あるいは雇用保険の手続を代行するほか、人事・労務管理に関する相談、指導を行うということが主な業務で、これらは基本的には使用者の依頼によって行われるもの、このように私は理解をしております。したがって、中立、公平性の確保という点から、会社が顧問契約をしている特定社会保険労務士が労働者の代理人になることは問題ではないかと私は考えますけれども、いかがでしょうか。
 そのほか、中立、公平性を確保するために何か考えている施策があればお聞きをしたいと思います。
#66
○政府参考人(青木豊君) お尋ねのような場合は、その相手方である事業主の顧問をしている社会保険労務士に労働者が代理人として依頼をするというのはちょっと考えにくいとは思いますけれども、仮に依頼したとしても、その当の社会保険労務士自身が労働者の代理人としても適切な主張、立証を行えるというふうにはちょっと、委員御指摘のように思えませんので、社会保険労務士は、一方で、法律の一条の二の規定に基づいて誠実に業務を行う義務を負っておりますので、そういったことから考えますと、その当の社会保険労務士はそのような場合には労働者からの依頼は受諾しないというふうに考えております。
 社会保険労務士の行う業務の公正性を確保するために、現在でも、社会保険労務士法二十二条において、双方からの依頼でありますとか協議事案というのは業務として行うことができないというふうになっておりますけれども、改正後の、今度の法案でお出しをしておりますが、その改正後の社会保険労務士法二十二条二項二号を設けまして、これでは、紛争当事者の代理人となることも禁止するという条項も設けることといたしました。
 また、この業務、紛争解決手続代理業務を行うことができる社会保険労務士には、先ほど来申し上げておりますように、一定の学識あるいは実務能力に関する研修というものをやって、それを修了して試験を合格した者に限るというふうになっているわけでありますが、この研修におきましても、そういったその代理人が果たすべき中立性、公正性についても十分な、その研修の中で十分な理解が得られるように対応していきたいというふうに思っております。
#67
○小林正夫君 次の質問に移ります。
 報酬についてお聞きをしたいと思います。
 現在は、弁護士さんなどの報酬に関する基準が廃止をされております。あっせん代理並びに調停代理に関しては、依頼者への影響も大きいことから、不当に高い、あるいは不当に低い金額での受任は正に慎むべきであると、このように私は考えます。厚生労働省はある程度の適正水準を示すべきと考えますけれども、この辺についてどうお考えなのか、お聞きをしたいと思います。
 特に、私の、自分自身の私生活で言いますと、おすし屋さんに行くときに、値段がない、値段が張っていないおすし屋さんに入るのは非常に勇気があって、私どもの生活ではなかなかそういうお店には飛び込めないと。幾らですと書いてあるところ、そこに安心して私たちは店を利用するということは多いと思うんですね。
 そういう意味で、その意味から、どういうふうに考えているのかということをお聞きをしたい、まず、是非よろしくお願いしたいと思います。
#68
○政府参考人(青木豊君) 社会保険労務士の報酬につきましては、平成十四年三月二十九日の閣議決定、規制改革推進三か年計画で、資格者間の競争を活性化するという観点から、そういった団体の会則において報酬規定を設けることを廃止することが盛り込まれました。平成十四年六月に、これを受けて全国社会保険労務士会連合会の会則から報酬規定が削除されたという経緯がございます。
 そういったことを考えますと、御指摘ではありますけれども、なかなか、報酬規定とか報酬の基準を何かあらかじめ定めると、示すというのはなかなか難しいのじゃないかというふうに思っております。紛争解決手続代理業務の報酬額についても、そもそも紛争の内容でありますとか紛争の目的の価額に応じてやっぱり変動してまいるでしょうし、あるいは顧客となります労働者あるいは使用者、こういった方々の満足度にも影響されるということで、一概にこれが高いんだ低いんだというのもなかなかこれも難しいと思っております。
 しかし、おすし屋さんの例を出されましたけれども、正におっしゃるとおりだと思います。やはり報酬額については、そういった依頼人の納得のいくもの、安心して納得いくものということがやっぱり必要だというふうに思います。したがって、そういった依頼をする、依頼を受ける、受任前に報酬額の提示がこの依頼者になされるように全国社会保険労務士会連合会を通じまして周知していきたいというふうに思っております。
#69
○小林正夫君 是非、いい制度をつくっていくと、こういう意味合いで私たちも法律論議をしていますから、真に困った人が利用しやすい、こういう環境づくりが必要だと思いますので、是非、今答弁の方向に従って利用しやすい、そういう環境づくりをお願いしておきたいというふうに思います。
 次に、弁護士法第七十二条との関係についてお尋ねいたします。
 弁護士法第七十二条については、弁護士でない者が報酬を得る目的を持って法律事件に関する法律事務を行うことを禁止している、こういう内容だと思います。
 そこで、社会保険労務士が使用者の代理人として団体交渉を行うことはこの弁護士法第七十二条との関係でできないものと私は考えておりますけれども、この判断についてお聞きをしたい。それと、弁護士法第七十二条に違反になる場合は具体的にはどのような場面なのか、教えていただきたいと思います。
#70
○政府参考人(青木豊君) 社会保険労務士が使用者の代理人として団体交渉を行うことにつきましては、社会保険労務士の業務に含まれないということであります。そういうことから、このような行為を業務として行うことはできないというふうに考えております。
 また、その弁護士法七十二条違反となるか否かについては、その事案が法律事件である場合であって、業として報酬を受けて、一つは当事者の代理人となること、もう一つは適正な手続や弁護士との協力体制を整えない状況で当事者の間に立って交渉の妥結のためにあっせん等の関与をするということ、そういったことについては行うことができないというふうに考えております。
#71
○小林正夫君 次の質問に移ります。法律扶助の適用についてお聞きをしたいと思います。
 憲法第三十二条には、困難に直面した人がだれでも資金の有無にかかわらず裁判を受ける権利を定めた、こういう法律であります。この裁判外紛争解決手続、ADRにもこの法律の三十二条の精神は適用されていくべきだと、私はこのように思います。そこで、貧困など特殊事情のある場合について、裁判外紛争解決手続において国による扶助の対象とする考え方はないのかどうかお聞きをします。
 具体的に、現在、民事法律扶助法によって弁護士の代理費用の一部を立て替える制度が導入されております。この法律扶助の目的は、当事者間の経済力の差が権利の差とならないように公的な資金で援助を行うということであります。したがって、弁護士に限らず、今回のADR代理権を付与された社会保険労務士にも拡大されるべきじゃないかと私は思いますけれども、この件についていかがでしょうか。
#72
○政府参考人(倉吉敬君) ただいまの委員の御指摘のありました民事法律扶助制度でございますが、まず現行の制度でございますが、これは御承知かもしれませんが、資力の乏しい者に対する訴訟の援助を中核とするものでございまして、民事訴訟等の裁判手続のための代理人費用を立て替えると、こういった事業を行っております。したがって、現行制度の下では、社会保険労務士がADR手続の代理人となる場合の代理人費用について援助の対象とするということはできません。
 恐らく御指摘の趣旨は、これを加えられないかと、こういうことであろうかと思いますが、この点についてはいろんな考え方あると思うんですが、私ども、今のところ三つほど問題があるかなと思っております。
 それを御紹介することで御容赦いただきたいと思いますが、まず、各種の行政分野において様々なADRがございます。そのADRの中の一部を扶助の対象として取り込むとすると、それをどういう基準でどのような範囲で取り込むのかと、そのことがまず検討しなければならない問題であろうと思います。
 それから第二に、問題の観点が若干異なりますが、ADRにおける費用負担の在り方そのものの問題でございます。それぞれのADRは、それぞれその特殊性、それから専門分野、専門性というのを持っております。そういうことを踏まえまして、むしろ当該ADR自体あるいはこれを所管している省庁等において別途検討していくべき問題ではなかろうかと、これが第二の問題かなと思っております。
 それから三番目に、これはADRの特質ということなんですが、そもそも費用を掛けずに簡易迅速な紛争解決を図るというのがADRの目的でございます。そこに代理人の費用を支出する具体的な必要性、これをきちっと説明できる理屈があるだろうかということ。
 三番目はやや付随的かなと思いますが、そういったことを検討していかなければならないと思いますので、今後のADRの運用実態等も踏まえながら見ていかなければならないなと、このように思っておる次第でございます。
#73
○小林正夫君 法務省の見解としては今のような見解だということを承知はしておきます。それでいいのかどうかというのは、また今後いろいろ検討をしていきたいと思います。
 そこで、厚生労働省にお聞きをしたいと思うんですけれども、個別労働紛争について都道府県社会保険労務士会における総合労働相談所がADRとしてあっせんを行う場合には、利用者の事情にかんがみ、その費用をできるだけ安くしていくべきだと、このように考えます。裁判のときは裁判所にお金を払う必要はないと、このようになっておりますので、ここの費用補助について行う考え方があるかどうか、厚生労働省の考え方をお聞きをしたいと思います。
#74
○政府参考人(青木豊君) 個別労働関係紛争においての当事者、特に労働者側の当事者におきましては、事案も、先ほど申し上げましたように、解雇でありますとかが多いわけですし、賃金未払などもあります。経済的に困窮している場合が多いということがあります。あるいは社会保険労務士に依頼する多くの人たちが中小零細企業の事業主であるということを考えますと、やはりその総合労働相談所のあっせん手続、それらの者にとって利用されやすいものになるように、額がやっぱり不当に高額なものではなくて適正なものであることが望ましいというふうに思っております。
 ADRの実施機関として仮にこの総合労働相談所がなって運営をされた場合に、財政的な援助ということにつきましては、ほかにも出てきますでしょうし、公平性の面からいかがかという気もいたしますし、そういう意味では、まずは、こういったものができ上がったときにその利用状況をまず見て、いろいろな社会的なニーズ、そういったものを見ながら考えていくということだろうというふうに思っております。その際には、いろんな助言等は行ってまいりたいとは思いますけれども、財政援助についてはそういうことで少し状況を見ていくのかなというふうに思っております。
#75
○小林正夫君 持ち時間の関係もありますので、簡単に質問をいたします。
 紛争解決手続業務に含まれる事務の範囲について二つお聞きをいたします。
 一つは、代理権が与えられるのはいつからなのか。言い換えれば、相手方と代理権を背景に交渉できるのはいつからなのかということが一つです。二つ目は、社会保険労務士が依頼者からあっせんないし調停の代理を依頼された場合に、ADR機関の申立てを行わずに相手方と交渉するいわゆる相対交渉は禁止をされているのか否か。
 この二点についてお聞きをいたします。
#76
○政府参考人(青木豊君) まず一つ目の紛争解決手続代理業務で代理権を与えられるのはいつということでありますが、これは、代理業務は紛争解決手続の開始時から行うことができるということでございます。手続の開始ということについては、いろいろな裁判外紛争解決手続がありますけれども、その手続ごとにその時点は異なり得るというふうに思っておりますけれども、一般的にはそういった手続の申立てが受理された時点がそういった開始時になるというふうに思っております。
 二つ目の申立て、ADR機関への申立てをしないで行ういわゆる相対交渉、これはどうなのかということでありますけれども、手続の開始というのは、今申し上げましたように、ADR機関への申立てがなされてこれが受理された時点以降というふうに思いますので、その申立てをそもそもしないで行う相対交渉というのはこれはできないというふうに思っております。
#77
○小林正夫君 最後の質問です。大臣にお聞きをしたいと思います。
 紛争解決手続代理の適切な監督権の行使についてお尋ねいたします。
 いろいろ今までのお話の中で、この運用が順調にいくように、こういうふうに望んでいるわけですけれども、ややもすると、先ほど言ったように、この今まで仕事やってきた人たちは会社の依頼を受けてやってきた、こういう仕事が非常に多かった、このように思いますので、先ほどの中立性だとか公平性が損なわれてはいけないというふうに思います。したがって、今後もそういうことがないように、厚生労働省並びに社会保険労務士会連合会は十分な対策を講じていく必要があると、私はこのように思います。
 そこで、厚生労働省による適切な監督権の行使について大臣の御所見をお伺いして、質問を終わりたいと思います。
#78
○国務大臣(尾辻秀久君) 先ほども一部触れて申し上げましたけれども、今回の法改正に当たりまして、各都道府県社会保険労務士会及び全国社会保険労務士会連合会は苦情処理相談窓口を設けます。そして、不適切な紛争解決手続代理業務を行った社会保険労務士に指導を行うことといたしておるところでございます。さらにまた、全国社会保険労務士会連合会に、労使を代表する者や弁護士等を構成員とする綱紀委員会を設ける予定であると聞いております。この綱紀委員会を通じまして厚生労働大臣に懲戒事由の通知がなされた場合には、厚生労働大臣として厳正に対応いたしまして、必要な場合は懲戒処分を行ってまいります。
#79
○小林正夫君 どうもありがとうございました。
#80
○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。
 今回の改正につきましては、公明党も強く推進をしてまいりました司法制度の改革の一環でございまして、いわゆる裁判外紛争解決手続の利用促進に資するために社会保険労務士の紛争解決手続における代理業務を拡大をするということでございまして、その意味では改正には賛成の立場でございます。
 ただ、確認をしておきたい点が幾つかございますので、伺ってまいりたいと思います。
 まず、改正案における第二条第一項第一号に新たに加えられる一の六に関連をして伺います。
 解雇、退職、また雇い止め等の効力を争う事案については、すべて紛争の価額が民事訴訟法第三百六十八条第一項に定める額、すなわち六十万円を超えるものとして弁護士との共同受任が条件となるというふうに解釈をしておりますけれども、厚生労働省、それで間違いないでしょうか。
#81
○副大臣(衛藤晟一君) はい、間違いございません。
 六十万円を超えるかどうかは、民事訴訟の目的の価額に倣って算定すべきものという具合に考えており、民事訴訟法第八条一項の訴えで主張する利益と同様、当該紛争において主張する利益によって算定すると。したがいまして、この利益の価額が算定できないとき、極めて困難なときは民事訴訟法第八条第二項に倣って紛争の価額は百四十万円を超えるものとみなすことになりまして、解雇、退職、雇い止め等が対象の紛争はこれに当たるので、紛争の価額が百四十万円を超えるものとして取り扱うことになりまして、御指摘のとおり弁護士と共同受任することとなります。
#82
○遠山清彦君 ありがとうございます。
 続きまして、厚生労働省にお伺いしますが、第二条第三項第二号に定められております手続の開始というものが具体的にどの時点を指すかということでございまして、先ほど小林委員の御質問に対する御答弁でもあったんですが、ちょっと質問を変えたいと思いますけれども、私は、先ほど、一般論として申立てが受理された時点であるというお答えだったというふうに思いますが、他方で、私が想定いたしますに他の時点、例えば申立ての通知が相手方に到達をして相手方がこれを了知し得た時点、あるいは相手方が当該紛争解決手続に応ずる旨の意思表示をした時点、あるいは第一回目の期日が開催された時点、こういった時点を手続の開始と見る可能性はあるのかないのか、その点についてちょっとお伺いをしたいと思います。
#83
○政府参考人(青木豊君) 先ほど申し上げましたように、一般的には申立て、手続の申立てをして、それが受理された時点が手続の開始時というふうになると思います。そういう意味では、今おっしゃったそれぞれのところは議論としてはあり得るとは思いますけれども、手続の開始時とはならないのではないかというふうに思います。そういう意味で、手続の開始は申立て受理ということで、そういうことによって基準が客観的になるということもございますので、そういうことで考えております。
#84
○遠山清彦君 ただ、先ほど局長御答弁で、各種のADRの手続によっては違う場合もあり得るということをおっしゃっていたような気しますが、その点は今の御答弁ちょっと違うような気するんですけれども、どうですか。
#85
○政府参考人(倉吉敬君) 先ほど御答弁申し上げましたのは、ADRの手続の代理人となる場合の代理人の費用について民事法律扶助の援助対象にすべきかどうかと、その観点で申し上げたことでございます。
#86
○遠山清彦君 ありがとうございます。
 それから、先ほどもちょっと相対交渉の件が出ておりましたけれども、私も一問質問させていただきたいんですが、申立てが受理された後に直ちに相手方と相対交渉を進めて和解を成立させてから申立てを取り下げるという、これは脱法行為になると思いますけれども、こういう行為が行われる懸念はないんでしょうか。
#87
○政府参考人(青木豊君) 今の御質問は、すぐ取下げをするというようなことであります。実際に期日にならずにそういうことでやっていくということだと思いますが、これについてはやはり申立てを受理をして、それで代理ができるようになるということでありますので、範囲を超えるというふうに思っております。
#88
○遠山清彦君 ちょっと歯切れの悪い御答弁ですが、私が申し上げたいのは、これは理論的には可能だと思うんですね。申立てを受理して、そして相対交渉を進めて和解を成立させてすぐ取り下げるということは行われ得ると私、考えておりますので、研修等でそういうことが行われないように適切に厚生労働省には対応していただきたいと要望をいたします。
 それから、次の御質問ですが、第二条第三項第二号及び第三号に反する代理行為が行われた場合、これは法務省にお伺いしますけれども、これは弁護士法七十二条に抵触すると考えていいのかどうか。また、その場合に、これらの違反する代理行為によって締結された和解契約の効力はどうなるのか、お答えいただきたいと思います。
#89
○政府参考人(倉吉敬君) ただいまの御指摘の行為が弁護士法七十二条に違反するかどうかということでございますが、御承知のとおり、弁護士法七十二条は刑罰の構成要件を定めた規定でございまして、裁判所が事案ごとに、そこの構成要件で定められております報酬を得る目的、それから法律事件に当たるか、それから法律事務と言えるかといった、こういう構成要件に該当するかどうか、さらには違法性阻却事由があるかどうかといったことを個別に判断して認定するものでございまして、法務省が一義的にこれが違反するんだということは申し上げられませんので、その点は御承知いただきたいと思いますが。
 ただ、一般論として申し上げますと、具体的な紛争の解決のために当事者を代理して交渉や和解契約の締結を行うということは、弁護士法の七十二条に言う法律事件に関する法律事務に当たると解されます。このような行為を報酬を得る目的で業として行えば、この同条違反になると考えられるわけでございます。
 続きまして、その七十二条に違反する場合に、その代理行為によって締結された和解契約等々が無効となるかどうかという問題でございますが、この七十二条違反の私法行為の効力につきましては、公序良俗違反だということでその効力を否定する判例はございます。
 ただその一方で、その行為を信頼した和解契約の相手方ですね、相手方がこれは有効だと主張するような場合、そのような場合には、こちらから無効を主張するのが制限されるという場合もあり得るかなと。これも幾多の判例の傾向で考えられるところでございますので、結局は、申し訳ありませんが、個別の事案ごとに判断するしかないというふうに考えております。
#90
○遠山清彦君 個別の事案ごとに法文に照らして御判断するということなんですけれども、ただ、今御答弁の中で、その要件に合致する場合には、この第二条第三項第二号及び第三号の業務の範囲を超える代理行為が行われる可能性はあると。
 そこで、厚生労働省に再びお伺いしますけれども、このような第二号、第三号に反する代理行為を行った社会保険労務士に対しては、どのような監視措置あるいは制裁措置というものが考えられているのでしょうか。
#91
○副大臣(衛藤晟一君) 各都道府県社会保険労務士事務所、労務士会及び全国社会保険労務士会連合会に苦情処理相談窓口を設けまして、不適切な紛争解決手続代理業務を行った社会保険労務士に指導を行うということにいたしております。
 また、全国社会保険労務士会連合会に労使を代表する者や弁護士等によって構成された綱紀委員会を設ける予定でありまして、この綱紀委員会を通じて厚生労働大臣に懲戒事由の通知がなされた場合には、厳正に懲戒処分を行うことという具合にする予定でございます。
#92
○遠山清彦君 分かりました。ありがとうございます。
 次の質問行かせていただきます。
 ちょっとややこしい質問になるかもしれませんけれども、この後に私が述べるような場合においては、当該社会保険労務士の行為が今回の改正法案に照らして脱法行為と判断し得るかどうか、その点についてお伺いをしたいというふうに思います。
 四つのケースを申し上げますので、ちょっとお書き留めいただきたいと思いますが、まず一番最初に、受任をして直ちに相手方と交渉しほぼ合意ができたので、行政型又は民間紛争解決手続を申し立ててその第一回の期日で和解した場合、これが一番目です。二番目の場合が、申立て書を提出して受理された後に相手方と交渉して、第一回の期日前に手続外で和解をし、手続を取り下げた場合。三番目が、第一回期日の後に、次回期日の前に相手方と交渉して和解をし、手続を取り下げた場合。そして四番目が、この二番目と三番目の場合に、合意が調った時点で、本人の名前、すなわち自分の代理人の名前を出さずに和解書を作った場合。
 これ、それぞれのこの四つのケースについてこれらの行為が行われた場合、脱法行為と判断し得るかどうか厚生労働省の見解を伺いたいと思います。
#93
○政府参考人(青木豊君) まず一つ目の、受任して相手方とすぐ交渉して合意ができたということで、第一回期日で和解をするというものについては、その合意というのが申立て受理前の交渉によるものでありますので、これは二条三項二号、三号の範囲を超えるというものになると思います。
 それから、御指摘の二番目と三番目、申立て書が受理された後に、第一回の期日前に手続外で和解をするという場合と、それから、次回期日の前に、一回期日の後、次回期日の前に相手方と交渉して和解して手続を取り下げるというような場合。これにつきましては、手続外で合意が成ったと、そういう合意に基づく和解契約を締結するということについての代理ということになりますので、これはもう二条三項三号の事務には含まれないというふうに思います。
 それから四つ目の、合意が調った時点で本人の名で、自分は代理人として名前を出さずに本人の名でやるという場合でありますが、形式的にはこれは本人ということで代理ということではないわけでありますけれども、本人の名で和解契約を締結したとしても、実質的には手続外で調った合意に基づく和解契約の締結の代理ということでありますので、やはり二条三項三号の事務には含まれないというふうに思います。
#94
○遠山清彦君 それで法務省に伺います。
 今、この御答弁いただいたようなケースで成立をしたというか締結をされた和解の効力はどうなるのか、お答えいただきたいと思います。
#95
○政府参考人(倉吉敬君) まず弁護士法七十二条に違反するのかということ問題になるわけですが、先ほど申し上げましたとおり、法務省において一義的にただいまの行為が同条に違反するのかということを申し上げることはできません。
 ただ、お含み願いたいと思いますが、一般論として申し上げれば、ただいま先生の方から御指摘のありました社会保険労務士の行為は、いずれも具体的な紛争の解決のために当事者を代理して交渉や和解契約の締結を行ったもののようでございます。そうであるとすれば、弁護士法七十二条に言う法律事件に関する法律事務に当たると解される可能性は大きいのかなと、そのような行為を報酬を得る目的で業として行えば同条違反になり得る可能性は強いと、そういうふうに考えております。
 この社会保険労務士の代理行為が弁護士法七十二条違反となる場合に、当該行為により締結された和解契約が無効となるかどうかにつきましては、これも先ほど申し上げましたとおり、この同条に違反する私法行為の効力を公序良俗違反ということで無効とした判例がある一方で、その行為を信頼した相手方が登場している場合、その相手方の信頼を裏切ることはできないんではないかということを考えなければいけないと。こういうケースでは無効の主張が制限されるといった、そういう場面もあり得るのかなと考えられますので、結局、個別の事案ごとに判断されるものと思われます。
#96
○遠山清彦君 最後の質問になりますけれども、尾辻大臣にお伺いをいたします。
 先ほども出ておりましたけれども、今回の改正で社会保険労務士の労働争議への介入を禁止する規定が削除されることになっております。これに関連して伺います。
 労働争議において社会保険労務士が一方の当事者の代理人として他方と交渉するということは、今回の改正でも社労士の業務ではないと解釈をされますけれども、これで間違いないでしょうか。また、この点については世間で若干誤解があるようでありますけれども、この正しい趣旨を周知徹底をする必要があると思いますけれども、それはどのように行っていくのか、お伺いをいたします。
#97
○国務大臣(尾辻秀久君) 労働争議不介入規定の削除をいたしました。その結果、社会保険労務士は、争議行為が発生いたしまして、あるいはまた発生するおそれがある状態におきまして、当事者の一方の行う争議行為の対策の検討、決定等に参与するような相談・指導業務を行うことが、これはできることになりますけれども、労働争議の団体交渉において一方当事者の代理人となることについては、この相談・援助業務に含まれませんから、含まれませんから、社会保険労務士の業務として行うことはできないものでございます。
 そして、お話しのように、このことについて誤解もあるようでございますから、通達において明確にいたしまして、全国社会保険労務士連合会に対して適切に指導をしてまいりたいと考えております。
#98
○遠山清彦君 以上です。
#99
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 個別労働紛争についてお伺いしますが、〇三年度の相談件数は十四万、そのうち紛争調整委員会のあっせん受理件数が五千三百五十二、労働局長の助言・指導申出受付件数が四千三百七十七と。先ほども議論ありましたけれども、両者合わせて六・九%で、相談件数に対して解決手続に入っているのが増えてきてはいますが、いまだまだ少ないと思うんですね。この評価と、どういう課題があるというふうにお考えか、最初にお聞きします。
#100
○政府参考人(青木豊君) 個別労働関係紛争についての相談については、紛争調整委員会によるあっせんということももちろん説明を実際にはしているわけですが、申出申請に至らないというケースも多くあります。それはやはり、こういった相談に際して、既存の判例を説明することによりましてある程度納得していただけるということもありますし、それから、正に相談でありますので、相談員に話を聞いてもらったということで、そこで区切りを付ける、気持ちに区切りを付けられるということもあります。それから、その相談の過程でいろいろ示された判例などを踏まえまして、直接事業主との話合いをその相談者の方が希望するというようなケースもございます。そういうことで、そのことから多くの相談である程度目的を達しているということもあろうかと思っております。
 それから、今回の改正によりまして、社労士について紛争解決代理業務の拡充がなされるということでありますので、紛争調整委員会のあっせんの申請をする人についても代理人の選択の幅が広がって、これについても利用がしやすくなるんではないかというふうに思っております。
#101
○小池晃君 相談だけで解決する人もそれはいるでしょうが、実態、相談内容を見ると、解雇にかかわるものが約三〇%と最も多くて、次が労働条件の引下げで一五・八%。雇用情勢の今の悪化の下でこういうトラブル多いわけですから、今お話あったように、やはり解決のための窓口を広げるということが非常に大事だということだと思うんです。
 関連してちょっとお聞きしたいんですが、紛争調整委員会の委員、これ高度の専門性が求められると思うんですが、社労士、弁護士や大学教授、行政経験者、人事労務実務経験者などだそうですが、これは事例、判例の研修なんというのはどんな制度になっているのか、相談件数に対応できる実態なのか、お答えいただきたいと思います。
#102
○政府参考人(福井和夫君) お答え申し上げます。
 都道府県労働局に置かれております紛争調整委員会の委員の研修についてのお尋ねでございます。
 紛争調整委員会の委員につきましては、弁護士、大学教授等の労働問題の専門家にお願いをしているところでございますが、法施行後間もない時期におきましては実際の解決事例が蓄積をされていなかったこともございまして、あっせんの適確かつ効率的な実施を図るために、全国の委員に御参加をいただきましてこの全国ベースの会議を開催すると、事例発表あるいは個別のケースについての意見交換などを行ったところでございます。
 その後につきましては、各々、各都道府県のこの委員会の中におきまして解決事例の蓄積が進んできたことなどから、都道府県レベルでのその実情に応じまして、例えばでございますけれども、委員就任時における制度の説明あるいは個別のあっせん事例等につきまして、情報提供、意見交換会の開催等を適宜行うところにより対応してきているところでございます。
 今後とも、ただいま申し上げましたような取組が適切に実施されますよう、必要な情報提供など、私どもといたしましてもバックアップに努めまして、紛争調整委員会が一層有効に機能するようにしてまいりたいという具合に考えております。
#103
○小池晃君 委員の中には労働法に余り詳しくない人も含まれていると聞いておりますので、やはり個別労働紛争の解決のために国が責任持って研修や体制の強化というのは今後も必要だというふうに考えます。求めたいと思います。
 社労士の役割について大臣にここでちょっとお聞きをしたいんですが、今、裁判所の民事調停委員の中でも、あるいは全国の都道府県労働局に設置された紛争調整委員会の中でも社労士の皆さんの活躍がある。労働相談、年金相談増えていますが、こうした分野で社労士が総合労働相談所とか社労士一一〇番をつくるとか、あるいはその相談会を開くとか、未加入の事業所を回っていろんな申告の手伝いをするとか相談に乗る。
 お聞きすると、例えば離職に関するトラブルなんかが非常に多くて、社労士が離職票を作るんですけれども、自己都合と書くか会社都合と書くかでトラブルになる。そういうときにお互いの話をよく聞いて、納得した形で書く努力をしているんだとか、そういう方の話を私いろいろお聞きしまして、そういういろんなレベルのトラブルがあると思うんですが、ささいなものも含めて、コミュニケーションを取るような働き掛けも含めて、非常に大きな役割があるのではないか。
 大臣に、その社会保険労務士が今こうした役割を果たしていることについてどう評価されているか、お聞きしたいというふうに思います。
#104
○国務大臣(尾辻秀久君) いろいろ具体的にもお話しいただきましたけれども、企業経営をめぐる環境変化がいたしております。そうした中で、就業形態の多様化でありますとか、あるいはまた人事労務管理の個別化が進展をいたしております。こうした中で、お話しいただきましたように、社会保険労務士はこれまで培ってこられた労務管理分野における専門性を生かしていただいて、事業主及び労働者に対してきめ細かなサービスを行うことができます。したがって、その役割は極めて高まっていると私どもも考えておるところでございます。
 そして、今般の改正によりまして、社会保険労務士の紛争解決手続代理業務を拡大して個別労働関係紛争の解決を促進するということになりましたので、社会保険労務士の皆さんの活躍の場というのは更に拡大されると考えております。そこで、私どももそうした皆さんの一層の活用に努めてまいりたいと考えておるところであります。
#105
○小池晃君 次に、労働争議不介入規定にかかわってお聞きしますが、二十三条規定で言う介入とはどういうケースなのか説明してください。
#106
○政府参考人(青木豊君) 二十三条のケースというのはどういうケースかということでありますが、これは、どういう場合がその労働争議への介入に当たるかというのは具体的事情に即して個別的に判断せざるを得ないわけでありますけれども、例えば、一つには当事者の一方の行う争議行為の対策の検討、決定等に参与すると。あるいは、当事者の一方を代表して相手方との折衝に当たると。あるいは、当事者の間に立って交渉の妥結のためにあっせん等の関与をするというようなことが考えられます。
#107
○小池晃君 まあ三つの類型というかケースがあると。この中で、今回の改正で社労士がかかわることができるのはどのケースで、かかわれないのはどのケースか、理由も含めてお話しいただきたい。
#108
○政府参考人(青木豊君) 今回の改正で労働争議不介入規定を削除することによりまして、これまでかかわることができなかった三つの今申し上げたケースのうち、最初の、当事者の一方の行う争議行為の対策の検討、決定等に参与することはできることとなります。これは一つのパターンということです。
 あとの二つのパターン、当事者の一方を代表して相手方との折衝に当たること、あるいは当事者の間に立って交渉の妥結のためにあっせん等の関与をなすことについては、今までと同じように行うことはできないというふうに考えております。これは、この二つのケースについては、これを業として報酬を受けて行うということについては弁護士法の七十二条に抵触するというふうに考えられますので、行うことができないということでございます。
#109
○小池晃君 あと、試験や資格、研修のことをお聞きしようと思っていたんですが、ほとんど議論がされましたので、質問の方は省略します。
 最後、残る時間、ちょっと先日質問した問題について年金局長にお聞きしたいんですが、西武鉄道株で年金資金が大きな損失を生んだ問題で、前回、年金資金運用基金の損失について損害賠償請求についてお尋ねしたところ、慎重に検討していると。慎重な検討の結果どうなったのか、お答えいただきたいと思います。
#110
○政府参考人(渡辺芳樹君) 西武鉄道株の売却損の取扱いについて、年金資金運用基金における御質問を先日いただきました。現時点におきましては、まだ法律の専門家の意見等も聞きながらという慎重な検討が続いておりまして、結論を得るところまでには至っていないと承知しております。
#111
○小池晃君 いや、もう質問してから一か月ぐらいたっているわけで、慎重に検討って何をもたもたしているのかなというふうに思うんですよ。
 年金資金運用基金に聞いたんですね。そうしたら何て言っているかというと、株価下落と西武の虚偽記載との因果関係がどれだけ証明できるか分からないって、こんなふざけた話は、だれがどう見たってこれ明らかなんですよね。それなのにこんなこと言っていて、いまだにこの結論が出ない。厚生年金基金連合会の方は賠償請求するという報道もされています。
 これは、何でこの年金資金運用基金の側に損害賠償請求踏み切らないのか。何か損害賠償請求できない弱みでもあるんですか。
#112
○政府参考人(渡辺芳樹君) 一部に報道はございますが、厚生年金基金連合会におきましてもまだ結論を得ていないというふうに承知しております。
 もとより、こうした訴訟はあらかじめ様々な論点を整理する必要があると。それから、公的年金ということに関して、それぞれ厚生年金基金連合会もあり、他の団体もあり、またこうした基金もございますが、よく検討をしていただいて間違いのないような対応をしっかりしていただきたいと考えております。
#113
○小池晃君 いや、納得できないんですよ、私。株式運用をやって、国がそういう責任を持つんだったら、当然株主としての責任はあるんですから、そういうときに何かもたもたして、本来こういう事態が起こったときに運用機関はどういう対応すべきなのか、国はどうすべきなのかということを、その指導というのを厚生労働省ちゃんと考えておくべきだったんじゃないですか。こういう事態が起こっていまだにこんなていたらくだったら、私、そもそも株式運用をするような資格と能力に欠けているというふうにしか言えないと思うんですが。
 いかがですか大臣、ちょっと、この問題では質問するというのは、聞いていませんけれども、こういうことで、こういう大事な問題で、いまだに検討しているで結論が出ないと、こんなことでいいんですか。
#114
○政府参考人(渡辺芳樹君) 何か後ろ向きの検討をしているかのような誤解があるとすれば、その点については少し御認識を改めていただきたいと考えております。
 もとより、こういう訴訟問題でございますので、十分に法理を尽くしてよく検討していただきたいということでございます。
#115
○小池晃君 後ろ向きだか前向きだか知りませんけれども、慎重に検討すると言って、また聞いても慎重に検討すると。これで責任果たせるんですかと。私、やっぱりこういう国民の大事な保険料を預かっているんだという認識に欠けているんじゃないかというふうに思いますよ、こういう対応では。
 大臣、やはりこれでは国民から見て、これだけ大きな損を出してもいまだにぼうっとしていると。普通の株主だったらこれはきちっと対応を取っていますよ。こんなことで株式運用する資格があるんですかと聞かれたら、私は説明付かないと思いますが、大臣、いかがですか。
#116
○国務大臣(尾辻秀久君) 今お話しいただきましたように、まず、私どもは国民の皆さんの年金をお預かりしておる、それを極めて大事に扱わなきゃいけない、そのことはもうそのとおりでございます。
 そうした中で、まず大きくは株式運用がいいのかどうかという御議論があろうかと思いますが、これについては、私どもが今出しております結論は、大きくリスクを分散しながら運用するということで、株式運用も含めて考えておるところでございます。
 そうした中で、個別に今御指摘の話が出てまいりました。これに対する対応は局長がお答え申し上げておるとおりでございますが、確かに訴訟でありますから十分な準備が必要なんだろうと。そういう意味で慎重に検討しておるところだろうと思いますけれども、とはいえ、そういつまでも検討しておりますということを申し上げるわけにもいきませんので、私も状況はすぐ調べて、また改めての御報告をさせていただきたいと存じます。
#117
○小池晃君 終わります。
#118
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 質問に入る前に一言いわゆる感謝と、質問をいたします。
 監修料の問題に関して、先日火曜日、再度監修料の調査を、再調査をするということを厚生労働省として発表されました。十月の報告書、一月の社会保険庁の報告書、今回、社会保険庁以外の厚生労働省における監修料の再調査をするということで、改めて再調査をしてくださることには感謝をいたします。
 大臣、監修料こそ最大の問題であるというふうには私は位置付けておりませんが、提起された問題にきちっとけじめを付けることが重要であると、再調査をするに当たって大臣の決意をお聞かせください。
#119
○国務大臣(尾辻秀久君) これまで私は、出すべきうみはすべて出す、こう申し上げてまいりました。そしてまた、もし御指摘のことがあれば、今まで報告を出させていただくたびに、今後更に御指摘いただくようなことがあれば十分調査を続けてまいりますということも申し上げました。そうした中で、今回、いま一度調査をいたすということをお約束をしたところでございます。
 確かに、二回調査をし、その結果を公表しながら、三回目の調査をしなきゃならないということは大変残念なことだとは思っておりますけれども、これは冒頭申し上げましたように、出すべきうみはすべて出すという方針をしっかり守って三回目の調査を、今度こそこれ以上御指摘いただくことのないような調査をさせていただきたいと存じます。
#120
○福島みずほ君 感謝を申し上げるとともに、是非よろしくお願いいたします。
 では、今日の法律案の問題点についてお聞きをいたします。
 社民党は、ADR、迅速かつ適確なる紛争解決が拡大をされ、充実させることには大歓迎、やられるべきだというふうに考えております。その観点から、今回の改正法案には賛成の立場を取ります。ただ、やはり何点か確認をさせていただきたいというふうに思っております。
 まず、特定社会保険労務士制度を新たに創設する必要性です。つまり、今までいらした社会保険労務士さんの中に、紛争解決代理業務を行う人と行えない人が存在することになりますけれども、依頼者に混乱が生じないか、その点についていかがでしょうか。
#121
○政府参考人(青木豊君) 新しく設けます特定社会保険労務士ということにつきましては、その地位を明らかにするため、特定社会保険労務士証票を交付することといたしております。また、紛争解決手続代理業務というのは、この特定社会保険労務士のみが行うことができるということを全国社会保険労務士会連合会あるいは都道府県社会保険労務士会を通じまして周知徹底を図ることにしたいというふうに思っております。
 御指摘のありましたように、利用者の混乱を招かないよう、こういった措置も確実に講じていきたいというふうに思っております。
#122
○福島みずほ君 是非よろしくお願いします。
 というのは、一般の方は、この人は証票を持っているか持っていないか、あるいはそういうことを聞くのも何か失礼ではないかとか思って、なかなか確認ができないということもあると思いますが、その点、もう一度どうでしょうか。
#123
○政府参考人(青木豊君) 御指摘の点、よく止めて、先ほど申し上げましたように、連合会あるいは都道府県会を通じまして、私どもとしてもできる限り周知徹底を図っていきたいというふうに思っております。
#124
○福島みずほ君 代理業務に対する社会的ニーズについて、厚生労働省はどうお考えでしょうか。
#125
○政府参考人(青木豊君) 個別労働関係紛争につきましては、大変、先ほど来申し上げていますように、増加をしてまいりました。
 先ほども申し上げましたように、個別労働紛争の相談件数というのは、都道府県労働局で処理をいたしましたのは十四万件を超えております。都道府県労働局の紛争調整委員会へのあっせん申請も相当の増加ということで、年間五千件を超える受理ということになっております。
 こういった状況を考えますと、やはり労働関係の個別紛争について迅速適確に処理をするということは、そういう対応をしていくということは当然必要なことだというふうに思っておりますし、そういう意味では、社会保険労務士が当事者の代理人として活躍すべき社会的ニーズは十分にあるんだというふうに思っております。
#126
○福島みずほ君 紛争価額六十万円についてですが、六十万円という数字が実はよく分かりません。何を基準にしているのか、妥当なのか、教えてください。
#127
○政府参考人(青木豊君) ただいまの御指摘は六十万円以下の案件ということでありますが、個々の個別労働関係紛争どういうものかというのはなかなか具体的には分かりませんけれども、現在、社会保険労務士は既に、先ほど申し上げましたように、行政型ADRである都道府県労働局の紛争調整委員会におけるあっせん代理を行って実績を積んできているところであります。この実績を踏まえまして、民間機関が行うADR、民間ADRについても拡大をしていこうということで、まずは相当程度に軽微な事件について単独受任で代理を行うということにしようじゃないかということで関係者間のコンセンサスが得られたということで、と考えております。
 六十万円の基準というのは、直接的な理屈ということはなかなか見いだし難いわけでありますけれども、そういう意味では、少額訴訟手続が六十万円以下ということでありましたので、まず単独受任で代理を行うものを相当程度軽微な事件でやろうということについては、ここを一つの目安としてやろうということで六十万円以下ということにしたものでございます。
#128
○福島みずほ君 三項第二号の手続開始について、小林議員、遠山議員から質問が出ました。手続開始とは具体的にどの時点をいうのか、申立てが受理された時点というのが答弁でした。しかし、申立てが受理された時点と解すると、相手方は公正かつ適正に実施され得る機関による民間紛争解決手続が開始されたことを知らず、また代理人の代理権の有無を確認できないまま応対せざるを得ないという問題が生じます。この手続開始時点というのは、両者が合意をした時点とすべきではないですか。
#129
○政府参考人(青木豊君) 先ほど来申し上げていますように、この手続開始時点というのは、申立てが片一方からなされまして、そしてそれが当該機関において受理されたときというのが一般的ということで、そういうことによって客観的な事実関係というものも確定できますので、そこを基準として考えるということだろうというふうに思っております。
#130
○福島みずほ君 しかし、申立ての段階では相手は応じていないわけですから、その時点では実は始まっておりません。相手が応じないかもしれませんし、取り下げるかもしれません。その時点はやはりちょっと違うんではないかということを申し上げ、是非、これは法律の解釈になりますので、再考をお願いしたいと思いますが、どうですか。
#131
○政府参考人(青木豊君) お話でございますので、更に研究、検討いたしますけれども、先ほど申し上げましたように、現在のところ、私どもとしては、申立てを受理した時点が適当ではないかなというふうに思っているところでございます。
#132
○福島みずほ君 個別労働関係紛争と争議行為は全く別の概念ですが、実際上は、個別の労働紛争を抱え、労働組合に加入し、団体交渉しというふうに連動しているという面があります。その両方をどう今回の法律は仕分をしているのかというように思いますが、それはどう考えていらっしゃるんでしょうか。ちょっと抽象的で、済みません。
#133
○政府参考人(青木豊君) ちょっとにわかにあれでございますけれども、今でも個別労働関係紛争につきましては紛争処理法という法律がございますし、先ほど来申し上げておりますような都道府県労働局における事務処理というのがなされております。そういうことで、これも相当の数、実績も踏まえてきておりますので、相当程度その仕切りというものはおのずとできているのではないかなというふうに思っているところでございます。
 個々の具体的な相談をするに当たって、また相談をしながら、これはやはり争議関係なんだというようなこともあるいは出てくるかもしれませんけれども、具体的な案件に応じて十分相談をしながらやっていくということだろうというふうに思っております。
#134
○福島みずほ君 遠山議員の質問でもありましたけれども、裁判外紛争手続の申立てが同手続外での和解交渉を行うことの手段として濫用されない必要があるのではないか。これは小林議員の方からもありましたけれども、この点について厚生労働省はどう配慮、どう指導、どうお考えでしょうか。
#135
○政府参考人(青木豊君) 先ほどもお話しいたしましたように、確かに脱法行為といいますか、そういった例も具体的にお挙げになってありましたので、そういったことについてはきちんとそういった業務、今度新しく拡充をされた代理業務の範囲についてはきちんと周知啓発をしたり、あるいは都道府県の社労士会あるいは全国の社労士会連合会を通じまして、十分に周知をするということをしたいと思っております。
#136
○福島みずほ君 この法案そのものはこれでいいんですが、ちょっと初歩的に素朴に考えて、個別労働関係紛争ということを扱うのであれば、労働争議不介入規定の削除がなぜ必要なのかという素朴な疑問が生ずるんですが、いかがですか。
#137
○政府参考人(青木豊君) ちょっと御質問の淵源が分かりかねますけれども、先ほど来申し上げておりますように、この二十三条の規定ができた当時と今の状況は相当異なっておると。一つには労働争議も少なくなりましたし、あるいはそういったことに対するいろんな懸念があることに対しましての保障措置といいますか担保措置といいますか、都道府県の連合会ができたり、あるいはその連合会がいろんな研修をしたり、あるいはいろんな規律を設けたりというようなことでなってまいりましたし、今般もそういうことを考えているということでありますので、これは今回それを削ろうということは適当なのではないかというふうに思っております。
 ただ、個別労働関係紛争の代理業務というのは、言わば社労士会、社労士に対する信頼関係が相当ないとやはり広げることはできないではないかということで能力担保措置なども設けたわけでありますから、言ってみれば、そういった社労士に対する信頼が進んだということだとも言えるかと思います。そういう意味では、介入規定が、非常に懸念を、社労士の活動に対する懸念を反映した規定だということとは相入れないのではないかなと、こういう意味で先ほど申し上げたところでございます。
#138
○福島みずほ君 利益相反行為についてお聞きをいたします。
 法案には、特定の事件についての業務の制限等の規定がありますが、例えば弁護士だと利益相反行為はもちろん固く禁じられているわけです。ちょっと余り例がないかもしれませんが、年金や様々な点で社会保険労務士さんはプロです。会社の相談、会社の顧問としてやっていらっしゃる。そこの従業員がその社会保険労務士さんに頼むとか、こういうのは余りないかもしれませんが、利益相反行為という形での規定にはなっていませんし、その点についてはどうなんでしょうか。今回、利益相反行為という形では条文がなっておりませんので。
#139
○政府参考人(青木豊君) 今、正に委員御質問の中でおっしゃったように、なかなか労使が争っているときにその相手方の事業主の顧問をしている社会保険労務士に労働者のサイドから代理をお願いする、事務の代理お願いするというのはなかなか考えにくいとは思いますけれども、先ほど申し上げましたように、そういった場合、仮にあった場合であっても、社会保険労務士は自分の業務を誠実に行わなければいけないという義務も掛かっているわけでありまして、言わばどっちを向いて仕事をしていいのかしらと、こういうことになるわけでありますので、社会保険労務士の方としてもそういった依頼は受けないのではないかなというふうに思っております。
 利益相反行為ということではありませんけれども、例えば若干協議を受けたり、あるいは賛助したり依頼を承諾したということで、利益相反行為になるかならないかは別としても、そういった場合には一定の制限をするということでこの条文が成り立っているというふうに理解をしております。
#140
○福島みずほ君 以上です。
#141
○委員長(岸宏一君) ほかに御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 社会保険労務士法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#142
○委員長(岸宏一君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、辻君から発言を求められておりますので、これを許します。辻泰弘君。
#143
○辻泰弘君 私は、ただいま可決されました社会保険労務士法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    社会保険労務士法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
 一、個別労働関係紛争の件数が急激に増加している現状にかんがみ、紛争をもたらしている諸要因の解消を図るべく、あらゆる政策努力を尽くすこと。
 二、個別労働関係紛争に関する民間紛争解決手続を行うものを指定するに当たっては、適切な審査を行うとともに、指定後も公正かつ適正な業務が行われるよう配慮すること。
 三、特定社会保険労務士が人事労務管理に係る専門的知見・能力を活用しつつ、個別労働関係紛争における代理人として紛争解決手続を担うことができるよう、紛争解決手続代理業務に係る研修及び試験については、必要な知識、実務能力、職業倫理が担保されるものとすること。
 四、特定社会保険労務士の業務内容及び代理可能な範囲については、広報等その周知徹底に努め、国民に誤解を与えたり、混乱、不利益をもたらすことのないよう万全を期すこと。
 五、労働争議への介入を禁止する規定の削除が、正常な労使関係を損なうことがないよう、社会保険労務士会及び全国社会保険労務士会連合会を通じて指導すること。
 六、社会保険労務士の業務範囲の拡大に伴い、全国社会保険労務士会連合会において、綱紀委員会や苦情処理相談窓口の設置など、国民からの信頼に十分応え得る体制整備が図られるよう指導すること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#144
○委員長(岸宏一君) ただいま辻君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#145
○委員長(岸宏一君) 全会一致と認めます。よって、辻君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、尾辻厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。尾辻厚生労働大臣。
#146
○国務大臣(尾辻秀久君) ただいま御決議のありました本法案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重し、努力してまいる所存であります。
#147
○委員長(岸宏一君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#148
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#149
○委員長(岸宏一君) 次に、独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構法案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。尾辻厚生労働大臣。
#150
○国務大臣(尾辻秀久君) ただいま議題となりました独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構法案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 国においては、これまで、厚生年金保険法、国民年金法等に基づき、年金福祉施設等を設置してまいりましたが、厳しい年金財政の状況及び社会経済状況の変化等を踏まえ、その整理合理化を進めることとしております。
 このため、五年間に限って年金福祉施設等の譲渡等の業務を行う非公務員型の独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構を設置するため、この法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構は、年金福祉施設等の譲渡又は廃止の業務を行うことにより、年金福祉施設等の整理を図り、もって厚生年金保険事業等の適切な財政運営に資することを目的としております。
 第二に、法人の資本金は全額政府出資とし、その額は法人が国から承継する財産の額としております。
 第三に、役員として理事長、監事及び理事を置き、その定数等を定めることとしております。
 なお、法人は、成立の日から起算して五年を経過した日に解散することとしております。
 最後に、法人の設立については平成十七年十月一日を予定しておりますが、その準備に要する期間を考慮して、この法律の施行期日は一部の事項を除き公布の日としております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#151
○委員長(岸宏一君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十七分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト