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2005/04/14 第162回国会 参議院 参議院会議録情報 第162回国会 厚生労働委員会 第14号
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2005/04/14 第162回国会 参議院

参議院会議録情報 第162回国会 厚生労働委員会 第14号

#1
第162回国会 厚生労働委員会 第14号
平成十七年四月十四日(木曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十二日
    辞任         補欠選任
     小林美恵子君     小池  晃君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         岸  宏一君
    理 事
                国井 正幸君
                武見 敬三君
                辻  泰弘君
                山本 孝史君
                遠山 清彦君
    委 員
                坂本由紀子君
                清水嘉与子君
                田浦  直君
                中島 眞人君
                中原  爽君
                中村 博彦君
                西島 英利君
                藤井 基之君
                水落 敏栄君
                足立 信也君
                朝日 俊弘君
                家西  悟君
                小林 正夫君
                柳澤 光美君
                柳田  稔君
                蓮   舫君
                草川 昭三君
                小池  晃君
                福島みずほ君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        川邊  新君
   参考人
       年金の福祉還元
       事業に関する検
       証会議委員    岩渕 勝好君
       社団法人日本経
       済団体連合会常
       務理事      紀陸  孝君
       日本労働組合総
       連合会総合政策
       局生活福祉局長  小島  茂君
       星ヶ丘厚生年金
       病院院長     吉矢 生人君
       健康保険病院労
       働組合中央書記
       長        濱田  實君
       財団法人厚生年
       金事業振興団理
       事長       吉原 健二君
       社団法人全国国
       民年金福祉協会
       連合会理事長   加藤 睦美君
       社団法人全国社
       会保険協会連合
       会理事長     伊藤 雅治君
       財団法人社会保
       険健康事業財団
       理事長      金子  洋君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構
 法案(内閣提出)
    ─────────────
#2
○委員長(岸宏一君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告申し上げます。
 去る十二日、小林美恵子さんが委員を辞任され、その補欠として小池晃君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(岸宏一君) 独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構法案を議題といたします。
 本日は、参考人の方々から御意見を聴取いたします。
 まず、五名の参考人に御出席いただいております。年金の福祉還元事業に関する検証会議委員岩渕勝好君、社団法人日本経済団体連合会常務理事紀陸孝君、日本労働組合総連合会総合政策局生活福祉局長小島茂君、星ヶ丘厚生年金病院院長吉矢生人君、健康保険病院労働組合中央書記長濱田實君、以上の方々でございます。
 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、御多忙中のところ、当委員会に御出席をいただき、誠にありがとうございます。
 参考人の皆様には忌憚のない御意見をお述べいただきまして、本案の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 次に、議事の進め方でございますが、まず参考人の皆様からお一人十五分で順次御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
 なお、参考人、質疑者ともに発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず岩渕参考人から御意見をお述べいただきます。岩渕参考人。
#4
○参考人(岩渕勝好君) 岩渕でございます。
 私、年金の福祉還元事業に関する検証会議の構成員をしておりまして、最初にお断り申し上げておきたいんですが、私は検証会議全体を代表する立場にはございません。検証会議の意見もまだこれからというところでありますので、今日申し上げるのは私の個人的な意見、私見ということでお許しいただきたいと、こういうふうに思います。
 この検証会議は、グリーンピア、年金住宅融資、年金福祉施設、この三事業のこれまでの経緯を検証して今後の政策決定プロセスの見直しに役立てるという意味合いで去年の九月に設置しまして、これまで四回会議を開きまして、今年の八月に報告書をまとめる予定でございます。
 まず、私見を申し上げますけれども、私自身、十五年ほど前に年金住宅融資の拡大を求める記事を書いたことがございます。今回の検証作業は、当時の自分の判断が正しかったのかどうか、それも含めて行う検証作業でもあるというふうに自分で認識しております。更に申し上げれば、ここに御参集の先生方の中にも、かつて年金福祉施設を地元に誘致した赫々たる実績をお持ちの方もいらっしゃるのではないかと推察いたしております。過去の衆参両院における議事録をつぶさに拝見いたしましたが、当然ながら、表向き、国会で誘致運動するようなごとき発言はありませんでした。誘致運動が悪いというわけではございませんけれども、有力な議員の地元に比較的多数の施設が造られたという経緯はあるようでございます。
 次に、時代の変化についてでございますけれども、かつて年金福祉施設は、受給者が少なく、保険料を負担する若い世代に年金への理解を求める手段として、保養施設やレジャー施設の少ない時代でございましたので、安い公共の宿、公共の施設を提供いたしまして、当初はそれなりの役割を果たしたというふうに認識いたしております。しかし、時代の変化に対応できたかといいますと、甚だ疑問でございます。
 問題点としては、第一に、今この施設のリストを見ますと、えっ、こんなにあったのかというのが実感であります。種類、数とも多過ぎたということです。当時、七〇年代及び八〇年代には各省庁が競って施設を造り、霞が関総不動産屋的な傾向もございまして、それは今に至るまで民業圧迫のそしりは免れないというふうに思います。
 第二に、かつてどんどん年金資金を使えと言った幹部もいたようですけれども、高齢化に伴う財政圧迫に対して極めて鈍感であったということが言えると思います。国民にとっては、年金というのは自分の老後に使う貯蓄のようなものでございますので、少しでも無駄遣いされますと、まるでこう盗まれたような気分になるものでございます。その辺りが、取られるものという、年金とは比べものにならないほど厳しい反応が今回出てきた最大の原因ではないかというふうに思います。
 第三に、経営的に見ますと、言わば武家の商法、それから親方日の丸意識が非常に強い、しかも公共施設でございますから、収益を上げればもうけ過ぎ、安くすれば民業圧迫ということに相なりますので、まるで手足を縛って泳ぐようなものでございまして、元々この経営には非常に大きな無理があったということが言えると思います。
 次に、一体なぜこういった、昭和五十八年から指摘されながらここまでずるずると来てしまったのか、なぜ止められなかったかという点でございますけれども、私、この検証会議でも主張しているんですけれども、行政はブレーキの利かない車であるというふうに私は申し上げております。当初は時代の要請であった政策や事業でありましても、時代が変われば当然ながらリストラしなければ生き残れないものでございます。
 民間の場合でございますと、当然ながら倒産、失業、そして責任を追及され、賠償を求められ、ごまかせば逮捕もあり得る、そういう極めて厳しい責任を問われます。しかし、公務員及び行政、もちろん公務員の場合は倒産も解雇も責任追及もない世界でございます。この決定的な違いがこれまでに至った非常に、一番大きな原因ではないかと思っております。
 しかも、その上、官僚の世界の内部評価は、法律を幾つ作ったか、予算をどれだけ獲得したか、縄張りをどれだけ拡大したかがポイントになっているのが実情です。ですから、事業を停止することは自己否定であり、自殺行為であり、しかも先輩の墓を暴くことになって、これは役所のタブーと事実上されているものと認識しております。しかも、事業には天下りポストが付いてきます。その上、第一に、撤退して施設をつぶすということになれば猛烈に反発するのは政治家の皆さんであることは、これも疑いのない、疑いの余地はございません。
 そういう意味で、なぜ今まで止められなかったか、最大の障害は多分政治家の皆さんではなかったのかと私は思っております。撤退すべきだと判断しても、行政として決断して撤退させる官僚、これを個人の資質に求めても、これは無理な話でございます。つまり、行政にブレーキはないのです。その上、行政無謬主義と申しますか官僚無謬論といいますか、行政は判断を間違えてはいけないという理想論がございますが、いつの間にか行政は間違えるはずがないという傲慢な空想にすり替えられて、それに対する有効なチェックシステムが働いていません。制度としては当然ながら政治がコントロールすることになっているのですが、なぜか機能しておりません。
 これに対する解決策として、私はかねがね申し上げているんですけれども、システムをやはりつくることであるということだと思います。キーワードは、かねがね環境問題なんかで使われている時のアセスメントあるいはサンセット方式でございます。事業はもとより、法律、組織、制度、すべてのものをサンセット方式にして、必要なものはもちろん継続いたしますけれども、見直しは官僚OBが天下りなどせずにほかの役所の縄張を厳しく切り込んで査定するという、こういうことを行えば、天下り防止に役に立つし、本人も踏ん反り返って何もしないよりも生きがいを得られるし、いろんな意味で役に立つというふうに私はかねがね思っております。
 それから、若干、時間ありません、法案について申し上げます。
 今日、最も重要な課題は年金不信の解消でございます。今回の法律は、施設の売却により損失を最小化するだけでなく、国が年金福祉施設事業と決別して、本業の、本体の年金給付に専念するという明確な意思表示が込められているというふうに思います。
 これについては様々な議論があると思います。ただ、今、天下りとか無駄遣いの温床と見られている社会保険庁が引き続き運営、売却することに国民の信頼を得られるかどうかというところはかなり難しい問題でございます。元上司がたくさんいて自分も天下りしたい法人や施設の整理を進められるか、逆に、大切な国民の財産を投売りする危険もないではありません。批判を浴びた新生銀行、スパウザ小田原、さらには千五十円で売った施設もございます。でございますから、新たな施設を、新たな組織をつくることが効率的かどうかという問題は残ります。民間人の手でスリムな組織をつくり、五年という期限を切ってサンセット方式で整理するという考え方には基本的には賛同いたします。ただし、果たして効率的な組織にできるかどうかというのが最大の問題でございます。
 例えば、病院はもとより施設も経営状態、地元の要望、それに三万人近い雇用の問題を抱えております。そういったようなことも含めてどういうふうに具体的に、すべて一般競争入札で売っ払っていいのかというところの問題点はやはり残るのではないかなというふうに思います。
 効率化という点でいいますと、何人のどれぐらいの規模の組織になるのか、様々な数字も出ておりますけれども、民間からかなり入れて大きな世帯をつくりますと、またそこでかなり費用が掛かるということもございまして、売却してその損失を最小限に食い止めるという本来のねらいと外れる可能性がないわけではございません。でありますので、そこのところの仕組みをどういうふうにするかということが最も大きな課題になるのではないかなというふうに思います。
 以上です、取りあえず。
#5
○委員長(岸宏一君) ありがとうございました。
 次に、紀陸参考人にお願いいたします。紀陸参考人。
#6
○参考人(紀陸孝君) 御紹介賜りました日本経団連の紀陸と申します。
 冒頭でございますが、私どもの日本経団連の活動に参議院の厚生労働委員会の先生方に日ごろ大変お世話になっておりまして、この場をおかりしてまず御礼申し上げたいというふうに存じます。本日はまた、参考人として陳述の機会を賜りまして、重ねて御礼申し上げます。
 この福祉施設の整理機構法案に関しまして、企業、事業主さらに保険料の拠出者という立場から発言をさせていただきたいというふうに存じます。
 この年金福祉施設につきましては、既にではありますが、二〇〇三年の九月、社会保障審議会の年金部会におきまして年金制度に関する意見が取りまとめられたわけでありますけれども、その中で、厚生年金保険及び国民年金の厳しい財政状況、福祉施設を取り巻く社会環境や国民のニーズの変化等を踏まえ、その見直しを行う必要があるという意見を提起されております。この社保審の年金部会には、私ども日本経団連も委員として参画をさせていただいております。さらに、二〇〇四年の三月で、つい昨年でございますけれども、与党の年金制度改革協議会におかれまして年金福祉施設等の見直しについての合意文がまとめられましたけれども、これもこの社保審の年金部会での意見を前提に取り込んでおります。いずれも、この合意文等も含めて基本的な姿勢は私ども評価ができるというふうに考えております。
 この福祉施設、様々なものがありますけれども、従来はやはり被保険者のサービスに対して一定の役割を果たしてきたという点は評価できるかというふうに思うんでございますけれども、先般の年金法の改正の論議の過程で社会保険庁の批判が国民の中からとうとうと出てまいりまして、言うなれば、この保険料の無駄遣いということに論議が象徴されているんではないかというふうに思います。
 これから社会保障の改革、いろいろな観点で国を挙げて取り組まなければいけないというわけでありますけれども、国民の合意を得て進めなければいけない社会保障改革について、国民の感情ですとか批判を真摯に受け止める必要があるんではないかというふうに考えております。
 この社会保障、社会保険庁の改革の一環としてこの福祉施設の関連事業も一体的に見直していくべき事柄であるかというふうに存じますけれども、いわゆる行政改革の実を上げるためには、民間でできることは民間でできるだけやる、民に任せるというのが基本の方針とすべきではないかというふうに考えております。その意味で、この法案は、これまでの論議を踏まえまして、民間の識見を最大限に活用しながら、時間を区切って問題解決に取り組むという基本的な姿勢が示されておりますので、大いに評価できるものではないかというふうに考えております。
 私どもといたしまして、この法案に関して三点だけ申し上げさせていただきたいというふうに存じます。
 第一は、整理、譲渡に当たって、透明性、効率性が重要ではないかという点であります。各福祉施設の経営状況ですとか財務状況、そういうものをきちんと踏まえて情報の開示をお願いしたいという点であります。
 施設の中にも、経営状態の良いものであるとか、あるいは地元のニーズにこたえて機能しているものもあるやに聞いておりますので、そうした施設につきましては、機能の維持が可能となるような措置を、あるいは配慮をお願いいたしたいというふうに存じます。
 民間では不動産売買の過程で、いわゆるデューデリジェンス、詳細調査と申しますか、そういうような手続を踏んで、その物件が本当に投資価値があるものなのかどうか、そういう判断をきちんと行った上で、買いたたかれないような、あるいは物件が正当な価格を持っているかどうか、そういう証明の手続を踏んだ上で譲渡するというようなことになっておりますので、本件の場合についても、物件の価値をまず売手がきちんと認識する、また買手の方にもそれを伝えて、その全体を国民が知っているというような状況が必要ではないかというふうに思います。
 第二に、外部の力を活用するということであります。譲渡に当たって、外部の有識者の意見を取り入れることが重要ではないかという点であります。
 したがいまして、この整理合理化計画の中で、六番目でありますが、譲渡、廃止の進め方にありますとおり、各施設の具体的な譲渡方法、それについて、必要に応じて設置する外部の有識者から成る機関の意見を聴いて定める、そういう考え方が示されておりますけれども、この点は大事な点ではないかというふうに思います。いずれにせよ、拙速に陥ってはいけないんで、迅速は大切ですけれども、拙速に陥らないようにお願いしたいというふうに存じます。
 第三に、先例を研究しておくということでございます。
 今回と同じように、雇用・能力開発機構で雇用保険三事業の保険料を財源にしました勤労者福祉施設の譲渡の件がありましたけれども、その場合でも、いわゆる適正な価格譲渡が行われていたのかどうか、大いに疑念がある場合があります。例えば、解体費用控除方式という算定方式を取っているようでございますけれども、極端な場合に、評価額から解体費用を控除してマイナスであれば、極端な場合千五十円で売ってしまうというようなケースもあったやに聞いておりますんで、そうしたことがないようにお願いしたいというふうに存じます。
 病院につきましては、十七年度から改善を図った上で十八年度以降に譲渡するというようなことでございますけれども、これもきちんと病院の機能あるいは地元のニーズ、それを把握して御検討いただきたいというふうに存じます。
 それから、整理合理化計画の中にありますが、特に老人ホームへの入居者への配慮、さらに働いている、雇用の確保の問題、これも指摘されておりますけれども、この点も重々御留意を賜れば幸いかというふうに存じます。
 いずれにせよ、この年金制度改革につきまして、今般、両院合同会議が設置されておりますんで、私ども、この合同会議の論議をきちんと見守ってまいりたいと存じますんで、先生方にも特段の御配意をお願いしたいというふうに存じます。
 簡単ではございますが、以上でございます。ありがとうございました。
#7
○委員長(岸宏一君) ありがとうございました。
 次に、小島参考人にお願いいたします。小島参考人。
#8
○参考人(小島茂君) 御紹介いただきました連合の生活福祉局長の小島です。
 私は、厚生年金、政管健保の被保険者、保険料を拠出している立場から今回の整理機構法案に対して意見を述べたいと思います。
 初めに、施設の整理及び今回の独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構の目的について申し上げます。
 今回の法案で、機構の目的は、施設の譲渡又は廃止等の業務を行うことにより、厚生年金、国民年金、政管健保各事業の適切な財政運営に資するとされています。しかし、施設の譲渡、廃止が本当に適切な財政運営に資することになるのか、極めて疑問です。
 施設の売却価格、施設の運営費や機構の銀行借入額などはそれぞれどの程度になるのか、そしてまた、厚生保険特別会計、国民年金特別会計にそれぞれどのくらい納付されるのか、見通しが明らかにされていません。また、譲渡、廃止の期間を五年以内と決めることにより、売却側にとっては明らかに不利になると思います。期間が迫ってきて買いたたかれることが適切な財政運営に資することになるでしょうか。現在、年金積立金は約百五十兆円ほどあります。五年以内に給付がショートすることはまず考えられません。五年以内に貴重な資産を切り売りする緊急性は全くないと思います。
 昨年の年金改正法案をめぐって、公的年金や議員年金あるいは保険料未納問題、社会保険庁に対する国民の厳しい批判をかわすために、強引にこの施設を処分するだけではないかと考えざるを得ません。
 次に、法案提出の手続についての問題を指摘したいと思います。
 年金福祉施設等は法律の規定による国の事業ですが、そもそも労使が納めた保険料で建設された大切な施設です。国は、言わばこの被保険者を代行して施設事業を行っていると言えます。今回の法律案は、機構に対し保険料で建てた施設を勝手に譲渡、廃止する権限を与えるものです。政府がこのような法案を国会に提出するに当たっては、まず、保険料の拠出者である被保険者及び事業主の意向を聞くのがまず第一ではないかと考えています。
 労使代表が参加している社会保障審議会年金部会では、年金制度や保険料、積立金の運用の在り方について審議しています。私もこの年金部会のメンバーであります。今回の法案について、ましてや具体的な各施設の整理合理化の在り方についてこの年金部会に何ら説明もありませんし、意見も求められておりません。病院や厚生年金会館など、多くの被保険者、地域住民に利用されている施設の譲渡、廃止を被保険者の意見を十分に聞かずに行うのは、手続に瑕疵があると言わざるを得ないと考えています。
 次に、法案の具体的な内容について述べたいと思います。
 第一に、独立行政法人の設置について申し上げます。
 機構の予算は明らかではありませんが、人件費や財産評価、売却実務などを専門家に委託する費用などについて、五年間で約三百億円の運営費が掛かると聞いています。独立行政法人を設立してもなお専門家に専門的な業務を委託するのであれば、独立行政法人を改めて設置する必要は全くないと考えます。独立行政法人が施設等の売却で年金や政管健保の財政運営に資するとの考え方だとしても、資産の売却価格で機構の運営費を捻出するのであれば、結局は年金財源を福祉事業に充てていることになります。
 年金や政管健保の財政運営に資するためというのであれば、社会保険庁の内部部局に整理合理化のための専門部局を置き、専門家に委託するなどで整理を進めるべきではないかと考えています。
 第二に、年金福祉施設の整理の考え方について申し上げます。
 本法律で、機構は五年以内にすべての施設を民間等に譲渡又は廃止することとしています。しかし、施設の中には病院や有料老人ホームなど、施設が現在果たしている役割から見て売却又は廃止がなじまないものも少なくありません。独立行政法人の設置期間である五年以内にすべての施設を一律に廃止、売却するのは余りにも乱暴過ぎると考えています。
 厚生労働省は、去る三月三十一日に病院以外の施設に関する整理合理化計画を発表しました。この中で、宿泊施設等二百六十一施設はすべて一般競争入札の対象となっています。一律に一般入札するのではなく、それぞれの施設について、一つは現在の機能を維持継続していくべき施設、二つ目には公共施設として活用すべき施設、三つ目には用途を規制することなく売却ないし廃止する施設などに分類をして、経営が困難な施設から順次譲渡、廃止を進めるべきではないかと考えています。
 年金福祉施設等は、それぞれの地域で被保険者や地域住民の福祉や健康の増進のために役割を果たしていると思います。施設の中には地方自治体からの強い要望により設置されたものも少なくありません。厚生労働省には地域住民や利用者などから多くの署名や要望書が届いていると聞いています。さきに述べた施設の分類に当たっては、まず当該地方自治体との協議を行い、また被保険者と地域住民の意見を十分に反映することが必要ではないかと考えています。
 第三に、厚生年金病院など医療関連施設の存続について申し上げます。
 厚生年金病院については、高度な医療提供機能を持つ地域の中核的病院として今役割を果たしていると思います。もし、買手が医療を継続しない、あるいは買手が付かないために廃止をするということになれば、地域の医療提供体制に大きな影響を与えることになると思います。
 社会保険病院については、二〇〇二年の十二月に厚生労働省が示しました「医療保険制度の運営効率化について」という方針によって、経営改善を進める中で、自立した経営を行うことが困難であると認められる病院や地域医療における重要性が薄れていると判断される病院については統合や移譲等の所要の措置を講ずるとされています。すなわち、個別に各病院の役割について検討するということだと思います。
 一方、今回の厚生年金病院については、現時点では五年以内に廃止、売却だけが示され、地域の利用者に不安を招いています。これら医療関連施設の整理合理化に当たっては、まず当該自治体と協議を行い、引き続き医療が確実に提供されるようにすべきだと考えています。
 第四に、文化やスポーツなどの福利厚生施設について申し上げます。
 企業の雇用コストの圧縮により、正社員から、派遣やパートタイマーあるいは有期労働といった非正規社員に置き換えられる傾向が顕著になっています。こうした雇用形態の差が福利厚生の利用についても格差を生んでいます。
 生命保険文化センターが二〇〇四年に勤労者などに行った調査では、今後、拡充、新規導入してほしいという福利厚生制度としては自社所有の余暇施設などが挙げられております。これについては、非正規従業員について顕著にその傾向が現れております。
 企業の福利厚生費は、企業経営の悪化から一九九〇年代以降、減少傾向となっております。特に、施設関連については厳しい引締めが続いております。
 このように、非正規社員の増加や企業内福利厚生の低下といった面から、企業外の公的な福利厚生施設への期待はむしろ高まっていると言えます。また、施設を利用することにより若者が年金への関心を高める、そういう意味からも年金福祉施設等の今日的な役割はまだ残されているというふうに考えております。
 このような観点から、施設の取扱いについては一つ一つその役割を検証すべきではないかというふうに考えています。
 最後に、年金福祉施設等に働く従業員の雇用の確保について申し上げます。
 年金福祉等の事業は、法律に基づき、福祉や健康の増進のために行う政府の事業です。政府は、これらの事業を担わせるために公益法人を設立し、経営委託契約を締結し、長年にわたって運営を委託してきました。国が新たな福祉施設を設置するたびに、受託する公益法人はそのために従業員を確保してきています。
 今回の機構による整理合理化の対象となっている三百二十八施設の経営を受託している団体では、合わせて約一万一千人の従業員が働いていると聞いています。パートタイマーを含めますれば、その二倍以上の従業員を抱えていると思います。
 厚生労働省の任務の一つは雇用の確保を図ることだと思います。厚生労働省が自らの事業の見直しにより失業者を発生させ、その任務を怠ることがあってはなりません。ましてや今、目先の利益を優先して雇用を軽視するゆゆしき傾向があります。これに、厚生労働省がそれに拍車を掛けるようなことがあってはなりません。そのためにも、従業員の雇用の確保について十分に配慮することを法案に明記すべきだと考えています。そして、施設の売却の契約を締結する際には従業員の雇用を含めるよう強く求めたいと思います。
 以上のような課題について本委員会で十分に審議されることを改めて要望いたしまして、私の発言といたします。ありがとうございました。
#9
○委員長(岸宏一君) ありがとうございました。
 次に、吉矢参考人にお願いいたします。吉矢参考人。
#10
○参考人(吉矢生人君) 星ヶ丘厚生年金病院の吉矢でございます。
 陳述の機会を与えてくださいまして、どうもありがとうございます。
 私は一病院の立場でございますが、厚生年金病院は全国で十ございますので、その十の病院長が集まりまして、ともに生き残ろうではないかということで協議をいたしております。ですから、本日は、その厚生年金病院、全国の厚生年金病院の立場を主に御説明させていただきたいと思います。
 お手元に資料があると思いますが、行っていると思いますが、その一枚目が陳述の私の個人的なメモでございます。一番から八番までございます。まず一番から四番につきまして、その後の添付資料とともに御説明させていただきたいと思います。五番以降は要望という、要望の内容でございます。
 まず、その陳述メモの一、二、三、四を読ませていただきますが、厚生年金十病院は、それぞれの地域でなくてはならない医療機関として機能しております。存続を求める住民運動が非常に広がっておりまして、各地の自治体でも存続を求める決議が全党一致で超党的に行われつつあります。その資料が後ろから七枚添付させていただいております。是非、国政レベルにおきましても超党的にこの問題を国民の医療という点から御審議いただきたいと存じます。
 二番でございますが、厚生年金十病院には二種類、二つの病院群に分けられます。五百床以上の総合病院が五つとリハビリテーション専門病院が五つございます。共通点は、高度のリハビリテーション医療を展開しているということでございます。診療レベルは、その総合病院としての機能を取りましても、リハビリテーションはもちろんでございますが、全国的に高く評価されていると存じます。
 三番目に、全社連所属の三病院と厚生団所属の七病院がございまして、全社連所属の三病院は、平成十四年度から社会保険病院の見直しの話がありましたので、経営改善計画に従って平成十五年度から三年計画で経営改善を行っていたわけでございます。その時点から保険料財源による施設等の整備費は一切投入されておりません。厚生団所属の七病院につきましても平成十六年度から保険料財源による整備は一切行われておりません。
 四番目は、厚生年金十病院の経営状況でございますが、平成十五年度の経常収支、医業収入から医業費用を引いたものはいずれも黒字でございます。一億四千万から九億七千万の幅がございますが、いずれも黒字でございます。もう少し経営改善を図ることにより、自力で建物更新等を行えるレベルかと存じます。
 以上の四点につきまして、次のページから資料に従って御説明させていただきます。
 二枚目、三枚目に、先ほど申し上げました厚生年金事業振興団が経営受託をしている団体が、病院が七つと、それから全国社会保険協会連合会が経営している病院が三つございまして、私の働いております星ヶ丘はこの全社連の方の経営でございます。
 その次に、各病院の所在地と院長名等がございます。
 次をめくっていただきますと、A4判の横書きの表がございます。これに十病院の機能と申しますか、それを整理しております。一番左に米印が付いておりますのは、これは五百床以上の総合病院でございまして、あとは米印のないのが温泉地等のリハビリテーションの専門病院でございます。総合病院もいずれもリハビリテーションを非常に熱心にやっております。
 総合病院の中でも、上から四段目の東京厚生年金病院は、病院の機能評価を受けましたときに全国最高点でございまして、いろいろなランク付けが報道誌に載っておりますが、二〇〇四年は全国一位だということです。ほかの厚生年金病院、総合病院もいずれもかなり、いろいろな機能におきましてかなり上位にランクされております。
 共通点は、総合リハビリテーションをかなり高度なことをやっているということのほかに、やはりその地域で必要な小児救急医療だとか、救急医療は全部の総合病院がやっておりますが、例えば東北ですと災害拠点病院だ、そういったことで、地域リハビリテーション支援センターであったり、がん拠点病院であったり、二十四時間の小児救急医療をやっていたり、心臓リハビリテーションを二十数年前からやっているというような、それぞれに特徴のある総合病院として機能しております。温泉地等のリハビリテーション専門病院も非常にアクティビティーが高うございまして、例えば人工関節の手術件数等につきましても全国で上位に位置する病院が幾つかございます。
 以上、十病院のサマリーをこの一覧表にしております。
 その次は、ちょっとカラーでイメージ的に、これはたまたま星ヶ丘厚生年金病院が脊髄損傷を昔からやっておりますので、そういうことで、ヘリコプターで和歌山県から搬送されて松下記念球場に到着して、それから病院に来られたということでございまして、脊髄が五番目のところで完全に脱臼しております。緊急手術をしまして、運動療法、作業療法を行い、現在は職業訓練施設に通って社会復帰へ向けて努力しておられるということでございます。こういったことが各地で行われております。ちなみに、この患者様にはこの委員会にこの写真を出してよろしいかということでコンセントをいただいております。
 次に、その次のページから三枚は経営状況を示したものでございます。
 カラーの次が平成十五年度の損益をざっと抜き出したわけでございますが、その数字は次のA3の横長の表を取り出したものでございます。この小計のところが医業収入と医業費用との差額でございまして、それを、下の三つの病院はそれぞれ建物更新費につきましては十五年度から各病院で積立てを始めております。それがこのブルーの数字でございまして、上の七病院は、それが他会計への繰入金、つまり厚生団への繰入金にそれが含まれているということでございますので、小計のところが医業収入と費用との差額だということでございます。この数字を見ますと、何とかもう少しのところで各病院は建物更新が可能な数字であるということでございます。
 それから、そのA3の次でございますけれども、黄色のマークをしておりますのは、これは平成十三年度のデータで大変古くて申し訳ないんですが、この厚生団の七病院は赤字病院はゼロでございます。ほかの公的病院それから自治体病院は、すべて赤字病院をかなりのパーセンテージ有しているということでございます。全社連が経営している東北、星ヶ丘、高知リハビリの三病院も一応、先ほど申し上げたように一応の黒字でございますので、厚生年金十病院はすべて赤字ではないということでございます。
 その次は、厚生年金病院の在り方についての要望を、これは尾辻厚生労働大臣に十二月に要望書として手渡したものでございまして、何とか、こういったリハビリテーションという共通の柱を持っている十病院で特徴がございますので、何とか存続をさせていただきたいという、そういう要望でございます。これは坂口前大臣にも同様の要望書を渡しております。
 最初に戻りまして、陳述メモの五番目から少し私の希望を含めまして陳述させていただきたいと思います。
 五番目に書いてございますのは、病院というのはやはりソフトが命でございまして、幾ら立派な建物がありましても人がうまく機能していないと患者さんには来ていただけない。来られてもきちんとした医療を供給することができないということでございますので、実は病院の資産価値というのは、これは私の考えでございますけれども、やはり機能にあるということだと思います。
 六番でございますが、望ましい病院機能というのは、やはり地域のニーズに応じた良質の医療を提供することでございまして、そういった意味で私ども公的病院としてやってきておりますが、そういう立場からは、やはり必ずしも採算性が良くなくても必要な医療は提供すべきということで、現実にそれをやっております。小児医療、小児救急医療等がそうでございます。
 七番目には、先ほども触れましたが、厚生年金病院は、その成り立ちからいいまして一貫して、五十年、六十年の歴史がございますが、一貫してリハビリテーション医療を推進してまいりました。これは、リハビリテーション医療は採算性の良い時代もございましたが、最近では一人当たり、一人の技師当たりのリハビリテーションの件数というのは制限されておりますので、そこで大きな利益を上げることはできなくなっております。そういうことがございましても、必要な医療は、診療報酬が有利になっても不利になってもやはり私どもとしては続けるべきであるということでやっているわけでございます。
 先ほどもお示しいたしましたように、八番でございますが、厚生年金十病院はすべて地域医療にとって重要な公共的、公益的機能を発揮している病院でございます。また、公的あるいは公立病院の中では安定した経営状態にあると言ってもよろしいかと思います。そういうことでございまして、私は、やはり診療の現場からの声を聞いていただきたいわけでございますが、患者さん方はいつも、この病院はなくなるのかという不安を診察医あるいは看護師等に訴えられるわけでございます。そういうことで、風評被害もございまして職員の応募等にも問題が一部には生じておりますけれども、とにかく職員には病院の機能を向上させていかないと生き残れないということを繰り返し申し上げて、ともかくこういう経営改善を行ってまいっております。
 この厚生年金施設の売却、譲渡の話が出まして非常に病院も危機感が、各病院とも危機感が出ておりまして、それがやはり職員の改善努力、それを引き出しているものと、そういう意味では非常に、病院機能を上げるという意味ではいいチャンスをいただけたかなと考えております。
 しかしながら、今の医師不足、小児科、産婦人科、麻酔科、精神科等がもう深刻な医師不足でございますが、幸いにして星ヶ丘厚生年金病院の場合は何とか補充していただいていまして大きな定員割れにはなっておりませんが、こういった不安定な状況が続きますと、やはり医師、看護師が逃げていくということが一番恐ろしゅうございまして、そうなると病院機能は維持できなくなりますので、一日も早く公的機能を果たせる、果たし続けられる病院として、経営母体につきましても委員会でよろしく御審議いただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#11
○委員長(岸宏一君) ありがとうございました。
 次に、濱田参考人にお願いいたします。濱田参考人。
#12
○参考人(濱田實君) 私は、健康保険病院労働組合、略称を健保労組と申しますが、中央書記長の濱田實と申します。
 今日、意見を述べる機会を与えていただき、誠にありがとうございます。
 私たちは、社会保険病院、厚生年金病院、社会保険診療所、健康管理センター、介護老人保健施設で働く看護師などの職員でつくる労働組合です。今日、職員の皆さん、患者さんの皆さんの気持ちが少しでもお伝えできれば幸いというふうに思っております。
 私たちは、日ごろから安全、安心の医療、看護、介護、健診を提供し患者さんや地域住民から信頼される施設になろうを合い言葉にみんなで頑張っています。この考え方は、例えば二十四時間の救急体制の充実のために三交代制を行い職員も努力しよう、こういう形で現れています。
 私自身は、一九七五年から約三十年間、医療の労働組合に関係しております。また、政管健保及び厚生年金保険の被保険者という立場からも今日、意見を述べさしていただきたいと思っております。
 最初に、年金・保険福祉施設整理機構法案についての意見であります。
 現在審議されておりますこの整理機構法案は、どの施設を譲渡又は廃止するかは厚生労働大臣の考え方によることになっています。箱物を売却するのに箱物の法律をつくる。何か私は、不動産会社をつくるのかというようなイメージを持っております。民間人が売却するとの内容ですので、国有財産の扱いは法律の段階からきちんと内容が明確である必要があるのではないかと思っています。
 次に、私が関係する施設が審議の対象となっておりますので、順次意見を述べさしていただきたいと思っております。
 最初に、社会保険診療所、健康管理センターを売却せず、引き続き社会保険の施設として健診事業を行う必要性があることについて意見を述べたいと思っております。
 政管健保の生活習慣予防健診事業、これは平成十四年度ベースの実施機関は六三・九%が民間病院などで、二百六万三千人を実施しております。三六・一%が社会保険病院・診療所と社会保険健康管理センターで、百十六万八千人であります。合計三百二十三万人余りであります。政府管掌健康保険の被保険者と扶養者は三千六百七十八万人ですが、健診数はその八・八%でしかありません。政管健保の健診実施機関は、これは平成十五年度ですが、千五百十七施設で、社会保険関係は九十五施設、六・三%です。
 このように、私たちは社会保険病院・診療所、健康管理センターで政管健保の健診を独占しているというわけではないということを申し上げたいと思います。
 同時に述べたいことは、被保険者などが自分たちの保険料で設置した施設で安心して健診を受けることができる、これは言わばオーナーとして普通のことだと思います。健診はそういう意味では重要な保険給付だと思います。
 ところで、政管健保の適用事業所の規模は、平成十四年十月一日現在、従業員一人から二十九人が全体の九二・五%です。圧倒的に中小零細企業であります。労働安全衛生法は労働者五十人以上規模の一般健診を強制事項にしておりますが、中小企業の労働現場の実態では、なかなか自主的に健診は受けません。自分で仕事を休んで受診しない。病気があることが使用者に分かると首になるのではないかという不安があります。このような中でどう受診率を高めるかは大変なことなのです。
 一つの例として、先生方のところに配付しております資料一をごらんいただきたいと思います。これは東京の四つの診療所、健管センターの政管健保の実施例でありますが、従業員規模二十人前後の中小零細企業の健診であることが分かっていただけると思います。
 次に、五ページに資料二がありますので御参照ください。東京の四つの機関で政管健保健診を行っておりますが、政管健保からの補助がある健診と補助のない持ち出しで行っている、これが合わせて五二・四%、そのほか独自の健診が四七・六%です。政管健診を独占もしていないし、むしろ健保組合、地域の主婦健診など政管以外の健診にも経営努力をしているところです。
 それから、本社、営業所の企業の健診を一体で行っているので、データが一元化しているという点でも重宝がられています。さらに、これまで膨大な健診データを蓄積しており、売却でこのデータを消滅することは国民の健康増進からしても大きな損失です。また、健診は精度の高さが生命線ですが、これにも努力をしております。
 資料三を次に見ていただきたいと思います。ページ、六ページです。平成十五年度実施数は三百十三万七千人ですが、この数も少ないのですが、四十歳以上の生活習慣予防健診受診率は全国平均でわずか三〇・二%です。これは民間病院を含む全医療機関の数です。生活予防健診の予算は、平成十年五百七十一億円が、平成十七年度予算では四百二十八億円と、七年間で百四十三億円も減少しています。保険給付費約四兆円の約一・三%ぐらいでしかありません。もっと健診数を増加させなければならないときに社会保険診療所や健管センターを売却することは、更にこの健診数を減らすことになります。それは、国民の健診、予防に多大な影響があり得るというふうに思います。
 厚生労働省も、生活習慣予防対策として最近、公的医療保険を運営する保険者による健診事業を拡充する方針を明らかにしましたが、社会保険診療所、健管センターを売却することは健診の実施実態からしても逆行するものと思います。病気が重篤になる前に早期に発見することは、国民の健康を保持し、また医療費の増加を防ぐことにも貢献します。むしろ、これらの社会保険の施設を被保険者が自分たちの施設として利用して、積極的に健康管理を期待することができるようにしてほしいと思っております。
 社会保険診療所と健康管理センターは、山奥の遠い事業所、例えば老人ホーム、それから数が少ないのでそういうところでは遠距離であっても不採算で受診者の少ない事業所、これは敬遠されるケースが多いのですが、事業所や受診者のニーズにこたえるために、経営的に非効率でも社会保険の健診バスが公的医療機関の使命として出掛けていっております。例えば、東京の大島の健診は重たい健診バスを船に積み、移動費に百万円掛かりますが、それでも健診を行っています。
 次に、社会保険病院についてですが、健康保険法第一条は、この法律は労働者と被扶養者の疾病、負傷、死亡、出産に保険給付を行って国民の生活の安定と福祉の向上に寄与すると定めています。健康保険法は我が国の公的医療保険の基準の法律だと思いますが、第二次世界大戦後に我が国が、医療機関が壊滅的な打撃を被る中で、政管健保の被保険者は保健所では医療給付を受けることができなかったと言えます。そういう中で全額自己負担、自由診療であったということです。こういう状況下で、被保険者が自らの政管健康保険の医療機関を望んだことは当然のことです。
 その後、社会保険支払基金が創設されて、医師会はそれまでの自由診療の方針を変えて、健康保険の患者の歓迎を打ち出しました。今日、保険医療機関の看板がなければ医療機関の経営が成り立たないほど、政管健保が公的医療保険の中核となってきています。そのためには多くの人々の貢献があったと思っております。
 資料四を読んでいただきたいと思います。
 保険料の使い方は、私たちは十分に吟味されなければならないというふうに思っておりますが、政管健保、平成十五年度で六兆百六十七億円のうち二兆一千五百七十九億円が老人保健拠出金で拠出されている、これが政管健保の財政を圧迫している最大の要因だと私たちは思っております。私たちも長い間、健康保険組合、厚生年金基金の運営に労働者代表を半数近く出し、給付の在り方、投資先会社の在り方など吟味することで健全財政を保ってきた経験から、このことは痛感いたします。
 健康保険法第百五十条でこういう福祉施設が設置されることになっておりますが、公的医療機関としての健康保険法において、被保険者と被扶養者、先ほど三千六百万人と申しましたが、日本の人口の四分の一の人々に、第一に保険給付を行うこと、第二に政管健保の被保険者の保険料で医療機関を設置し、医師、看護師等や介護従事者による診療や介護、健診、介護を望む、これは私は言わば現物の保険給付であるというふうに思います。それは日本国憲法二十五条の求めているところの具体化だと思っております。
 社会保険病院などは、単に地域の職域の施設としてだけでなく、地域医療の重要な担い手として地域住民や自治体から高く評価をされております。社会保険病院や老人保健施設も国有として二十八施設が併設されておりまして、介護を行い、地域住民、自治体との連携が強くなっております。自治体、議会の多くの意見がそれを証明しています。また、各地の医師会、歯科医師会や自治体の首長の皆様からも、諸団体、個人の存続、充実の意見が出ております。
 次に、厚生年金病院について述べたいと思います。
 厚生年金病院は、今詳しく先生からお話がありましたので私は簡略に述べたいと思いますが、厚生年金病院は厚生年金保険法七十九条で設置されておるわけですが、年金財政を有効に使うことは当然だと、そういう意味では無駄遣いは駄目だというふうに私は思います。第一条では、「この法律は、労働者の老齢、障害又は死亡について保険給付を行い、労働者及びその遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与する」と定めています。受給権者に対する保険給付とともに、保険料を払っている現役世代にも、健康保持、回復のために病院を設置する、保養ホームと連携して現物の保険給付を行う、私はこれは無駄遣いではないと思います。正に保険料の重要な使い道だと思います。
 厚生年金病院も社会保険病院・診療所、健管センター、老人保健施設と同様に、地域住民の医療、健診、介護を担っていく、こういうふうに是非これからもさせていただきたいというふうに思います。
 時間の関係で詳しくは述べられませんが、各地から、各議会で意見書の採択がされております。一、二だけ紹介をさせていただきます。
 高知病院について高知県議会が意見書を採択いたしましたが、消防団の方から消防団と病院の連携が必要だと。防災訓練の際には医師や看護師を派遣してほしい。災害時も透析が受けられるように水、医薬品などを蓄えてほしい。災害救援病院として傷病者の治療、収容、避難所の巡回診療、被災により不足する他の医療機関への医師、看護師の派遣、こういったことをやってほしいということが自治体から期待をされております。
 大分の県議会では、国においては湯布院厚生年金病院と同保養ホームが連携して提供している医療サービスの機能が、将来にわたり継続、充実できるよう、施設の売却に当たっては特段の措置を講じられるよう強く要望するということがあります。
 先ほどお話のありました星ヶ丘病院の周りの先生たちからは、地域の医師会の先生からは、自分の病院の患者を紹介し、星ヶ丘が各種の治療を行い、また患者を地域に戻してくれるので助かっている、こういう声が上がっておりますし、患者さんからは、重い病気を診てくれる病院で安心です、長年リハビリで通っているが、病院がなくなることは生死にかかわるなど悲痛な意見も出ております。
 そういうことで、私どもは、社会保険や厚生年金の名を外さないでもらいたい、これは言わばブランド名です。このブランド名が何か悪いことをしたというわけではないというように私たちは考えておりますので、是非この辺を考えていただきながら、先生方の御審議をよろしくお願いをしたいと思っております。
 以上です。
#13
○委員長(岸宏一君) ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 なお、質疑の時間が限られておりますので、参考人の方々には簡潔な御答弁をお願い申し上げます。
 また、委員長の指名を受けてから御発言いただくようにお願いいたします。
 それでは、質疑のある方は順次御発言願います。
#14
○坂本由紀子君 自由民主党、坂本由紀子でございます。
 まず、岩渕参考人と紀陸参考人にお伺いいたします。
 この年金を利用した施設等が建設されてきたわけですけれども、これが果たしてきた役割、一定の役割があると、あったと先ほど岩渕参考人おっしゃいましたが、これをどう評価されるかということと、今日でもなお、これら施設についてはそれを維持する必要性があるとお考えかどうか。先ほど小島参考人は、今なお企業外のそのような公的施設が必要性があるという御指摘でしたが、岩渕参考人、紀陸参考人についてはいかがお考えかということを最初にお尋ねいたします。
#15
○参考人(岩渕勝好君) 過去の役割につきましては最初に私ちょっと申し上げたんですけれども、やはり戦後を含めまして、保養施設その他の施設が非常に少ない時代に、低廉な価格で保養施設とかあるいは各種施設を提供できたということは、特に年金の加入者、保険料を払っている被保険者に対する年金の信頼を高めるという意味合いもあって、それはそれなりに一定の役割を果たしてきたということは評価できるというふうに思います。
 ただ、それが一体どの時点で赤信号、注意信号が赤信号になったのかというのは、それぞれの事業によってやはり態様は違ってくるとは思います。思いますが、そこで、その最後のところの結論でいきますと、今なお残すべき事業というのは多分あります。それはあるだろうと思います。ただし、そこで難しいのは、例えば、これは必要でこれは必要でないというふうにきちんとした選別をどの程度できるかという問題もまたございます。でありますので、先ほど申し上げましたように、経営的に十分自立していける施設で、地元の要望が強い施設であれば、なお、じゃ例えば地元の自治体に譲渡して、あるいはその自治体がまたどこかに経営を委託するという、そういう経営形態も可能ではないかというふうに思われます。
 ですから、そういう意味でいいますと必ずしも、残すべき事業だから経営形態として社会保険庁に所属、あるいは所属というか委託という格好でなくてもあるいはいいのかもしれないということを感じております。
#16
○坂本由紀子君 ありがとうございます。
#17
○参考人(紀陸孝君) 坂本先生の御質問にお答えをさせていただきます。
 私ども基本的には、様々な施設がありますけれども、総じて考えるならば、これまでは一定の国民に対してサービスの価値はあったんだというふうに思います。ただし基本的に、同様の施設が民間の方でも様々な形で出てまいってきておりまして、従来の形でほとんどのものをすべて残すのが本当にいいのかどうか。特に、この法案の目的が保険料の回収をできるだけ早く期限を区切って急ごうという、そういうねらいもありますので、そのバランスとの考量というのは非常に大事だというふうに思っております。できるだけ、今の様々な施設の中で、地元のニーズあるいは機能の存続がどうしても必要なものというものはあるのかもしれませんけれども、それだからがゆえに全体がどうのという話にはちょっとならないんではないかというふうには思っております。
#18
○坂本由紀子君 私は、今の公的年金にとっては、国民の年金に対する信頼を回復するということは大変大事なことだと思っております。そういう意味で、今回のこの施設の譲渡、廃止もそういうことが一つのねらいとしてはもちろんあるわけでございます。
 そこで、再びまた岩渕参考人と紀陸参考人にお伺いいたしますが、この施設の譲渡、廃止に当たって重視すべきポイントとしていろいろなものがあると思います。
 先ほど来お話が出ていますように、地元の希望を、要望をどの程度しんしゃくするかというのもありますし、年金財政の損失を最小限に抑える等々、いろいろな要素があります。そういう要素として、今の年金の置かれている状況を考えた上で、今回のこの譲渡、廃止に当たって最も大事に考えなきゃいけないポイントとしてどういうことが大切だというふうにお考えでしょうか、お教えください。
#19
○参考人(岩渕勝好君) 先ほど来申し上げておりますが、まず投売りしないこと、それからその経費を最小限に食い止めること、それから第三にはやはり雇用問題に対する配慮が必要であろうと、そのように思っております。
#20
○坂本由紀子君 ありがとうございます。
#21
○参考人(紀陸孝君) お答えいたします。
 私、先ほど三点申し上げましたけれども、まず、様々な施設がありますんで、それぞれの経営状況、財務状況の情報の開示が必要、これが一点。二点目は、特に雇用保険の三事業の譲渡が、我々も全部じゃありませんけれども部分的に経緯を見させていただいておりますんで、そういう先例の検討が必要であろうと、それを参考にすべきであろうというふうに考えます。第三点、これも繰り返しになりますが、やはり機構の中だけで物の処理を急ぐと、やはり下手をすると拙速に陥りかねないという懸念がありますんで、外部的に有識者の方々を活用さしていただいて、きちんとしたチェックというんですか、そういうものが必要ではないかというふうに考えております。
#22
○坂本由紀子君 次に、小島参考人にお伺いいたします。
 先ほど、この機構をつくってやるよりは内部で処理するということの方がいいのではないかと。予算三百億も掛けて売るのかというような御意見ございました。雇用・能力開発機構の施設を売却したときには中でやりましたが、御承知のように、非常に安い値段で売却をして大変国民のひんしゅくを買ったように思いますが、そういう売却についての専門家等を抱えていない内部の組織で果たして適切な対応ができるとお考えでしょうか。
#23
○参考人(小島茂君) 今の先生の御指摘で、私、先ほどの意見の中で、今伺っておりますところで、五年間の新しい機構の運営費に三百億円ぐらい必要だということで、当初はそれを銀行からの借入れで賄っていくということですけれども、果たして今想定されている施設の売却あるいは廃止に伴ってそれがどれだけ回収できるかというところが、ここは先ほども言いましたように余りはっきりしないという中で、本当に新しい組織まで立ち上げる必要があるのかということなんですね。
 そういう意味では、結局この機構を立ち上げても、その機構が直接査定するとか、あるいはその売却の交渉を実際やるかどうかというのは、かなりそこは、結局専門家にまた委託するという話になっていますので、そうすると今の内部部局、同じように数名の専門家を通じて結局委託するという話になりますので、そんなに実質的な業務としては変わらないのではないかということなんで、改めてその新しい独立行政法人をつくる必要が本当にあるのかというふうに疑問を持っております。
 あるいは、もう現在幾つか同じような機構といいますか、そういうものを活用するということもできるんではないかというふうに思っております。例えば、年金運用基金が今度新しい独法になりまして、そしてそこが今行っていた融資事業などは、福祉医療機構ですか、そちらで委託して、そちらが行うというようなことを想定されておりますので、そういうことも可能ではないか、そういうことも広くやはり検討した上でこれは結論出すべきではなかったかというふうに私は思っております。
#24
○坂本由紀子君 そうすると、小島委員の御意見は、中でやれということではなくて、そういうことを専門家にやってもらうということについては御異議がないわけですから、それを別組織をつくるか、あるいは今ある組織の中にそういうものを新たに付け加えるかというだけの違いで、売却の方法においてはこの政府が提案していることと基本的には考え方に違いがないように思いました。
 それからもう一点、小島参考人に伺いたいんですが、現在の年金の財政状況をどのようにお考えでいらっしゃいますでしょうか。といいますのは、現行の施設をそのまま保持し続けるということは年金財政に対してのかなりの負担をこれからも与え続けるということになろうかと思いますので、今の年金財政が積立金があるということをおっしゃいましたが、国民の年金に対する思いを考慮してもなお年金の支給以外のことに使うことが意味がある、大切なことだというお考えなのでしょうか。
#25
○参考人(小島茂君) 御質問の件ですけれども、私は、これからも今の施設に今の年金の保険料を投入すべきというふうには思っておりません。そこはもう既に、これは厚生労働省の方でも、今の施設に対して年金あるいは政管健保の保険料を使うことはもうやめるということを言っております。それは当然の話であると思う。
 ですので、これから、今までは確かにその保険料を使って設置したり運営の方に多少回していましたけれども、これからの運営に当たっては年金の保険料あるいは政管健保の保険料を使わないということで、そこをやっぱり遮断するということは原則だと思う。そういう意味では、これからの年金財政にとって今の施設が重荷になるという話にはならないというふうに思っております。
 それと、先ほどのお話ですけれども、新しい整理合理化につきましては、いろいろなやはり見直しは必要だというふうに思っております。先ほど言ったように、幾つかの分類をして、経営的に厳しい、あるいは本当に今の状況にとって必要性がないということについてはそれはやっぱり撤退するということになりますので、そういう精査をすることが必要だと思いますので、そういう分類なりきちっとした計画を作るというようなプロセスをはっきりした上で整理をしていくということを考えておりますので、今回提案されているようなことについてはまだ問題があるというふうに思っております。
#26
○坂本由紀子君 先ほど紀陸参考人が、この問題の処理に当たっては情報開示が重要だとおっしゃいました。先ほど吉矢参考人から御説明をいただいた資料の中では、厚生年金病院については赤字ではないという御指摘でありましたが、これは民間の一般的な経営感覚からすれば減価償却等も加えて病院の経営の状況を見るということになると思いますが、こういうものを加えた場合に、考慮しても、なおかつこの厚生年金の病院は赤字ではないということなんでしょうか。
#27
○参考人(吉矢生人君) 減価償却費は計上しております。ただ、やはり国設民営ですので、土地、建物の固定資産税は免除していただいておりまして、その分を払うということになりますと経営としてはかなり苦しくなると思います。しかし、減価償却費は一応計上しております。
#28
○坂本由紀子君 私が手元に持っておりますのは平成十四年度ですのでちょっと時点が違うのですが、それでは減価償却を加えると十のうち八の病院が赤字になるという状況になっておりますので、ちょっと認識が違うかなと思いまして、この辺も、今後この施設の処理を考えるに当たってしっかりと情報を精査していかなきゃいけない点だろうというふうに思います。
 次に、ちょっと質問を変えますが、年金制度、我が国の年金制度を今後とも維持していく上で大きな問題は、少子化、非常に激しい少子化に今なお歯止めが掛からないということであろうと思います。この問題に道筋を付けませんと、年金が国民が安心したものになかなか再構築できないという問題がございます。
 この年金制度の中で、少子化問題にどのような対応をしていくか。一番手厚い対応というのでは年金の財源を少子化対策にも用いるということもありましょうが、この点についてどのようなかかわりが適当であるとお考えか、岩渕参考人から御意見をいただけますでしょうか。
#29
○委員長(岸宏一君) 岩渕参考人ですか。
#30
○坂本由紀子君 はい。
#31
○委員長(岸宏一君) 岩渕参考人。
#32
○参考人(岩渕勝好君) 私、十五、六年前から少子化対策に取り組んでまいりました。それで、事ここに至りまして、ほとんど手後れに近い状態になってやっと少し動き始めたというような状況でございまして、いつも出生率及び人口推計の予測が外れる最大の原因は年金の圧力でございます。つまり、出生率の推計が低くなりますと年金財政の再計算ができないという、そういったようなプレッシャーが常に掛かっておりまして、それが常に下振れする、外れっ放しに外れ続けた最大の原因であるということを申し上げておきたいと思います。
 でありまして、それだけ年金と少子化の問題というのは不可分の関係にあるということも事実でございまして、特に高齢者に対する最大の給付は年金でございますので、社会保障給付における家族給付とそれから高齢者の給付、高齢者七〇%以上それから家族給付四%弱ぐらいのそういう比率でございますので、これは先進諸国の中で最もアンバランスな制度でございます。でありますので、年金制度と少子化対策、次世代育成支援の財政的なバランスをもう少し是正していただきたいということをまず申し上げておきたいと思います。
 そのための具体的な方法といたしましては様々な提案がなされておりまして、例えば育児保険構想とか、それから年金の範囲内におきましては、この間年金改革で議論になりましたけれども、奨学金をどうするかというような問題もございます。ただ、年金の財政の中でいえば、年金以外のものには使わないという反対意見が強くて、その議論は立ち消えになったようでございますけれども。育児休業中の保険料免除というのは三年か何かに延びましたので、その点は評価いたしますが、何せ天井から目薬という程度でございまして、ここから一体どの程度、そういう意味でいいますと、次世代育成支援に財源、社会的な資源を含めて回せるのか、そこがやはり日本のこれから先を占う最も大きなポイントになるのではないかなと思います。
 もう既に第二次ベビーブーム世代は三十を越えています。そういうこともありますので、時間がないことは申し上げるまでもありません。でありますので、是非ここでひとつあらゆる手段に挑戦していただきたいというふうにお願い申し上げておきます。
#33
○坂本由紀子君 ありがとうございます。
 年金財政は、本当にこれからの少子高齢の中でしっかりした安定した制度に切り替えなくてはいけない。そのためには、これまでの無駄を徹底的に、しかもスムーズに排除をしていくということが大事であるかと思います。今日の参考人の御意見を基に、この施設等の売却についてはスムーズに進めつつ、少子化対策にも手を厚くしてやっていきたいと申し上げまして、私の質問を終わります。
#34
○柳田稔君 民主党の柳田でございます。今日はどうもありがとうございました。
 今、自民党の先生の質問、最後聞いていて、年金って去年やったんじゃなかったかな、百年安心と言ったんじゃなかったかな、何か不思議だなと、実は最後にそんな感じがしましたけれども。
 今回、この整理機構、私はちょっと余りにも乱暴かなという気が実はするんです。大変多くの施設がありますけれど、中を見ると玉石混交と。石についてはしようがないのかなと。ただ、玉についても石と同じような扱いをして本当にいいのかなと、余りにも乱暴過ぎないか。今の郵政の民営化のやり方見ていますと、非常に丁寧ですね、自民党さん。それに比べて、何か十把一からげとかというんですかね、まとめてほいと整理機構に渡す、そんな感じが私はするんですけれども。
 岩渕参考人と紀陸参考人に、ちょっとやっぱし乱暴かなとお思いになりませんでしょうか。
#35
○参考人(岩渕勝好君) 乱暴かなというふうな御質問ですか。
 これが、改革というのは多くは乱暴なものでございまして、慎重に審議しておりますと、医療保険改革をごらんになればお分かりのとおり、一九九七年の小泉厚生大臣以来、一歩も進んでいないと言っても過言ではないよというふうに思います。でありますから、そこで、乱暴かどうかというのは余り議論をしたくないというふうに思います。
 今回の改革案というのが妥当かどうか、様々な御意見を今参考人の皆さんがおっしゃいまして、確かに様々な問題点があるというのは、それは私も申し上げました。でありますので、多くそれに配慮しながら、ただ、一つだけ原則的にというふうに申し上げましたけれども、原則的には一つの方向性を持って、しかも期限を切って向かわなければ改革というのは多分できないであろうということを申し上げておきたいと思います。
 それは、ですから、昭和五十八年に指摘されてもう四半世紀たつんですね。それでもなおこういう議論になっている。つまり、ここまで二十五年近く掛かったというこの歴史の重みもきちんと踏まえる必要があるのではないかというふうに思います。
 拙速であるということは決していいことではないということをもう先ほどから私ども申し上げております。投売りしてもらっては困ります、国民の大切な財産でございますから。ただ、いつまでも慎重審議をしていていいものかということもまた事実であるということもお含みおきいただきたいというふうに思います。
 以上です。
#36
○参考人(紀陸孝君) 基本的には、今、岩渕さんが言われたような考え方と同じでございます。
 やはり、いろんな施設が様々ございますけれども、それを個々に区切れば区切るほどいろいろな改革がやりにくい。ですから、こういう機構の中で、それこそ様々な施設を時間を区切って大きく、できるだけ民の運営に任せようという、公設民営といいながら本当に民の形になっているかというと、そうでないものもたくさんあると思います。
 そういう意味で、名実ともに民の形に切り替えていくというような方向を目指す改革というのは、私どもは意味があると思っています。ただし、先ほど来申し上げましたように、譲渡の際にはある程度特段の御配慮も併せて賜りたいという点に尽きるのではないかというふうに考えております。
#37
○柳田稔君 国会は民主主義ですから、数が多ければこの法案も通ります。で、まあその先のことを考えながらちょっと質問をさしてもらいたいんですけれども。
 この独立行政法人、性格考えると、この法人の職員ですかね、人、この質によって大分変わってくるんだろうと実は推測します。で、四十一名、理事長を入れて四十一名の職員をこの法人は雇うと。ここが売却進めるということなんですね。先日、蓮舫さんが厚生労働省に質問したら、大体一人頭年間まあ一千万ぐらいですと、高給取りの理事長がいますから、それを差っ引きますと七百万ぐらいの年収になるかと思いますという御答弁がありました。さらに、五年たったら首ですよという話もございました。
 つまり何を、岩渕参考人と紀陸参考人にお聞きしたいんですけれども、五年しか雇えませんよと、年収は七百万前後ですよと。で、先ほど紀陸参考人がいろいろと条件出されておりましたけれども、これをやるためには相当優秀な人材が四十名集まらないとできないなと思って聞いたんですね。果たして集まるかなと。ちなみに言っておきますと、この職員は兼業ができませんからね、兼業はできませんので。さあ、いい機構ができると思いますか。人集めはどうか。
#38
○参考人(岩渕勝好君) 四十一人は、すべてこれは民間人という認識ですか。
#39
○柳田稔君 天下りはないと思っています。
#40
○参考人(岩渕勝好君) えっ。
#41
○柳田稔君 天下りはないと思っています。
#42
○参考人(岩渕勝好君) あっ、すべて民間から募集するという前提ですか。
#43
○柳田稔君 僕は、天下りはないものと思って考えております。
#44
○参考人(岩渕勝好君) 何か別のような話もちょっと耳にしたんですが、最近取材不足でありますので、その点はあえてこれ以上申し上げませんけれども。
 確かに、純粋に民間から四十人募集、採用して五年後にじゃ首ですよというのは、なかなか募集条件としては厳しいものがあるのではないかなというふうに思われます。
 ただ、物は工夫のしようがあると思うんですけれども、例えばその年齢層を、例えば民間であっても六十前後の人であれば、あと五年一働きしてお国のために役に立つということであれば、十分にそれはそれに堪え得るような人材が集まるのではないかなというふうに私自身は思います。
#45
○柳田稔君 紀陸参考人。
#46
○参考人(紀陸孝君) この新しい機構の今お金の問題ですとか人的構成の問題とか詳しく承知をしているわけではありませんけれども、いわゆる民間の企業からある特定の専門の方、そういう人を目星を付けて、例えば五年間この機構に行かれる、あるいはその場合に出向とか転籍ということもあり得るでしょうし、逆に全然民の人だけで不十分であれば官の方から出向というのもあり得るのか。そこら辺ちょっと定かではありませんけれども、少なくとも官が全然ノーであった場合に民だけというんであれば、民の世界でも出向、転籍という形はあり得ると思っております。もう一つ進めて、完全に会社を辞められて行かれるという方もなきにしもあらずだというふうに思っております。
#47
○柳田稔君 まあ大体出向なんでしょうね、想像すると。
 ところが、先ほど紀陸参考人の条件を聞いていますと、相当優秀な人を集めないといけないだろうなと。となったときに、例えばこの機構から、御社のこういう人を五年ほど貸してもらいたい、実は人件費は七百万ぐらいですけどと。会社がそんな優秀な人を五年間も出してくれるかなと。今こういう御時世ですから多分会社は、一番大切なのは自分の会社ですからね。
 ちょうど紀陸参考人が経団連の常務理事をされていますんで、関係会社に要請があったときはしっかりとすばらしい人材を五年間だけど出せと言っていただけるんでしょうかね。私は、それほどこの機構は人でもつと思っていますから、ちょっと失礼な聞き方をしますけれども、お答え願えればと思います。
#48
○参考人(紀陸孝君) 私どもも、はい、分かりましたとお答えをするわけにはまいりませんけれども、様々な企業もございますし、様々な働き方を希望される方もおられるかと思うんですね。そういう意味で、一概に収入の問題だけであるとかいうことだけで人的補充が不可だというふうにも考えませんので、こういうものはまあいろいろ選択肢を広げて、いろんな会社にお願いするというようなことにならざるを得ないんではないかというふうに存じます。
#49
○柳田稔君 まあいろいろだと、先のことまでは分からないと。ところが、この法案が通ってしまったらすぐ機構ができちゃうんですね。人集めしないといけない。どうするんだろう。まあ一番実は心配しているところなんです。
 後半は厚生年金病院についてお聞きさしてもらいたいと思うんですが、冒頭、玉石と言った。玉が私は厚生年金病院だろうと。で、この病院の扱いが余りにも乱暴だなと実は思っております。
 吉矢先生にちょっとお尋ねしたいんですけれども、先ほどの資料の中に、厚生年金病院長会議、厚生労働大臣あてという十二月八日の要望書を見ていますと、最後の方に「純粋に民間の医療の専門家からなる公益法人的な一つの運営組織に所属させていただきたく思います。」と書いていますね。これを、どういうふうなイメージを持てばいいのかなと、まずお聞かせ願えればと思います。
#50
○参考人(吉矢生人君) これは非常に分かりにくい文章でございますが、例えば新たな公益法人をお認めいただけるようでしたら、できれば十病院をお互いにリハビリテーション医学を伸ばせるような形で一会としてそこで経営をしていただきたいという意味でございます。非常に具体的にどういう公益法人的な組織かということは、もちろん私どもの立場としてはこうするという立場ではございませんので、ただ希望を述べたというだけでございます。
#51
○柳田稔君 まあ当事者が具体的にああしてほしいと言うのはいろいろと難しいかと思うんですが。
 今回の件で厚労省からいろいろ説明があったかと思うんですけれども、納得できるような説明があったのか、それともほとんど説明がなかったのか、簡単で結構ですけど、お知らせ願えますか。
#52
○参考人(吉矢生人君) この尾辻大臣に要望書を手渡したときには、ただ私どものお話を聞いていただいただけで、御説明はいただいておりません。
 これに関する説明は、私どもですと三病院は全社連理事長から、それから厚生団は恐らく厚生団から説明を受けているはずでございます。
#53
○柳田稔君 この行政法人できますよね。それとの、皆さんの病院、かかわりということについては、今後こういうことになるのかなというような何か説明はありましたですか。
#54
○参考人(吉矢生人君) 要するに、説明を受けた時点では、去年の三月以降のことでございますので、それから六月に小泉首相の参議院の答弁もございましたので、それに沿った説明を受けていたということでございます。ですから、売却、譲渡の対象になるのかということで、それでは困るということで、本日も、その売却先については十分な御配慮をいただきたいというのが本日の陳述でございます。
#55
○柳田稔君 小島参考人にも聞かないといけないかと思うんですが、今の吉矢先生の厚生病院、考え方、お聞きになりまして何か考えることありますか。
#56
○参考人(小島茂君) 今おっしゃったように、その要望書を提出したときに、具体的に厚生年金病院をどうするかということについて何ら具体的な考え方とか意見を求めるとかということはなかったというのは、これはちょっと何か、本当に厚生労働省、何を考えているのかなというふうに思っております。
 先ほど意見述べましたけれども、三月三十一日に厚生年金病院以外の整理、施設についての整理合理化計画を示しましたけれども、そして厚生年金病院については十七年度中に整理合理化計画を作るということになっているようでありますけれども、やはりそこはもう一度、具体的な関係者あるいは地域自治体なり利用されている方の意見を十分聞いて、どうするかということを一つ一つ言わば点検する必要があるんではないか。そういう丁寧な検討が必要ではないかというふうに思っております。
#57
○柳田稔君 最後に、岩渕参考人と紀陸参考人にお尋ねしたいんですが、この厚生年金病院、今後については今後考えるということになっていますけれども、こういう病院についてはこうすべきだろうと、こうあるべきだろうという何かお考えがありましたらお聞かせ願えればと思うんですが。
#58
○参考人(岩渕勝好君) 自立できる、財政、財務状態については先ほど意見の違いといいますか見解の違い、データの違いがあったようでございますけれども、自立できる状態の病院であれば、その所有者がどこであれ、これ今後も経営できていくものと思われますので、例えば先ほどから申し上げておりますように、地方自治体への譲渡、売却といったような選択肢も当然ながらあるものであろうというふうに思われます。それは、ですから地域医療をきちんと支えているという前提の上で、もちろんそういうことなんですけれども、そういったような選択肢が考えられるんではないかなと思います。
 それから、先ほどちょっと手を挙げたんですが指名がなかったので申し上げますけれども、例えばさっきの機構の採用について言いますと、一つの例でいきますと、原子力安全委員会の、役職名はちょっと忘れましたけれども、科学的な専門技術者で六十歳以上、既に退職をしたような人たちがあそこの組織の中で四十何人、四十人ぐらいたしかいたと思うんですが、これが大変な戦力になっているということも一つ参考になるのではないか。
 それは、先ほどおっしゃったように、企業が手放したがらない優秀な人材だけを四十人集める必要は必ずしもないというふうに思われます。特に、不動産業界をリストラされたような人も優秀な人材たくさんいらっしゃると思いますので、いろんなような形で考える必要があるのではないか。それが全体の費用を圧縮する最も大きな効果的な手段ではないかなというふうに私自身は思っております。
#59
○参考人(紀陸孝君) 厚生年金病院につきましては、この与党協の合意文書にもあるとおりでありまして、やはり私どもは地方自治体と協議いただくのが一番いいんではないか。できるだけその線で地域のニーズのある病院は酌み取れるんだというふうに思うんですね。そういう線で御勘案をお願いしたいというふうに考えております。
#60
○柳田稔君 人について参考になるかというお話しされましたけど、今回は売却ですからね、資産の。宇宙事業団とかなんとか、そんなのとちょっと違いまして資産の売却だから。公務員が売却にいろいろ手を染めた人ってそういないんじゃないでしょうかと思ったりもしています。
 時間が来ましたのでもうやめますけれども、お二人の御意見も、厚生年金病院については何らかの形で残した方がいいということを聞かしてもらって、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#61
○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。
 今日は五名の参考人の皆さん、お忙しいところおいでいただきまして、大変貴重な御意見ありがとうございました。
 私の方から最初に吉矢参考人の方に、今もうずっと柳田委員の後段のお話で話題になっておりました厚生年金病院の問題についてお伺いをしたいというふうに思っております。
 私、実は与党の年金協議会のメンバーでございまして、昨年、正にこの厚生年金病院の取扱いについては私ども与党の年金協議会のメンバーもかなりいろいろと議論をした経過がございます。その議論の結果、一応御存じだと思いますけれども、政府・与党で最終的に合意をさせていただいたわけでありますが、地域医療にとって重要な病院については、厚生年金病院の中で、地方公共団体等と協議の上、その機能が維持できるように十分考慮をするということを合意をさせていただいておるわけでございます。
 昨日、我が党の草川委員の方から尾辻厚生労働大臣の方にも改めて質問をさせていただいておるわけでありますけれども、それに対して大臣の方から、ちょっと議事録手元にありますので、未定稿ですが、読ませていただきますと、厚生年金病院につきましては、地域において果たしております役割を十分踏まえて取り扱うよう各方面から御要望いただいているということで、やはり後段では、地方公共団体等と協議をした上で最終的な方向性を決めていくということを現尾辻大臣も明言をされているわけでございます。
 そこで、お聞きをしたいのは、今日の参考人の陳述及びその伴う資料で非常に厚生年金病院の実態が分かったわけでございますけれども、伺いたいのは、一つは、この地域医療の拠点として厚生年金病院がどういう役割を果たしているのか。これは恐らく、十ありますから地域によって違いはあると思うので、もし、参考人が院長をされている星ヶ丘病院のこと中心でも結構でございますが。それから、それに関連して、今の合意の中にもございますけれども、地方公共団体と協議の上という文言が付いております。星ヶ丘病院は大阪の枚方市に所在をしていると理解をしておりますけれども、そういう地元の自治体との関係は現在どのようなものなのか、お答えをいただければと思います。
#62
○参考人(吉矢生人君) 第一点の地域でどういう役割を果たしているかということでございますが、これはやや、先ほど申し上げた総合病院と、五つの総合病院とリハビリテーション専門病院ではやや異なります。
 総合病院は五つともいずれも救急医療で、地域のニーズをかなり満たしているということと、それからその救急医療の中には、脳卒中がやはり非常に全国的に大きな割合を占めますので、その急性期からリハビリテーション、それから心臓に関しても、先ほど申し上げたように、九州病院は心臓のリハビリテーションを二十数年前からやっているというようなことで、そういった意味で、急性期の救急病院としてだけではなくて、その後リハビリにつなげて社会復帰に持っていっていると、そういう貢献が総合病院の共通のところだと思います。
 それから、リハビリテーション専門病院につきましてはもう少し広域的な面もございまして、例えば湯布院の、九州の大分県の湯布院のリハビリテーションセンターには大阪府からもかなり患者さんが行かれまして、そういった意味で全国的に非常に、ちょっと広域的な役割も果たしております。そういった意味で、いずれも、その地域地域でも地域のリハビリテーションの必要のある方がそこへ行けばいいというところがきちんとあるということだと思います。
 それから、地方公共団体との協議でございますが、これは各十病院それぞれに行っていると思いますが、資料にも付けましたように各地方自治体でもいろいろな議会での決議等がございまして、大阪でいいますと、大阪府の、ただいま実はこの時刻にやっているんですが、大阪府と大阪市とそれから大阪府医師会、それから大阪厚生年金病院と星ヶ丘厚生年金病院で協議を行う、意見交換を行う会をやっております。大阪府にしましても大阪市にしましても枚方市にしましても、やはり存続をさせるべきであるという御意見を持っておられますが、議会の決議にはまだ至っていない部分がございます。
 星ヶ丘厚生年金病院のことですと一番身近で分かるわけなんですが、実は枚方市とはこの問題が起こる平成十四年の後半ぐらいから話合いといいますか意見交換を行っておりまして、それはどういうことかと申しますと、地域の、北河内二次医療圏というんですが、そこの医療の供給をどうするかという話を始めていたところでございます。ですから、今後も、設置形態がどうなりましょうとも、枚方市は市民病院を持っておりますので、そちらとの協調も含めて、医療圏としてやはり公的な病院群を何とか整備しようじゃないかという、そういうことをやっております。ほかに国家公務員共済組合の病院がございますので、その三病院が、院長が定期的にそういった役割分担等を協議し始めているところでございます。
 そういった意味で、地方公共団体とは協議はしておりますが、ただ、どこの地域でも地方公共団体がすぐにこれをかなりのお金を出して購入できるかといいますと、それはやはり非常に厳しいものがあるやに伺っております。それと経営に関しましても、今までの地方自治体病院は決して経営的にいいところばかりではございませんで、むしろ経営的にいいところは非常に少ないわけでございますので、そこにというのはやはり経営の問題を解決しないといけないと考えております。
#63
○遠山清彦君 ありがとうございます。
 今の改革の議論は年金を財源に運営されている施設をどうするかという角度でございまして、実は私が先ほど御紹介した与党合意に至る経緯は、やはり地域の医療にとって非常に重要なところについては、その側面はやはり我々も重視をしていかなきゃいけないだろうという角度の話でございまして、若干議論の次元が違うわけでございますけれども、いずれにいたしましても、そういう合意ございますので、私も今日のお話もまた参考に更に議論を進めていきたいというふうに思っております。
 次に、岩渕参考人にお伺いをいたしたいというふうに思います。
 参考人の御意見は、もう乱暴であってももうここで改革するしかないというようなお話でございましたけれども、他方で、私も参考人が参加しております検証会議の議事録を若干読ませていただきました。そうしますと、そこに参加されておられる委員の皆さんの認識としては、やはり荒廃した戦後の日本の国民生活の向上に向けて年金の還元事業が政策的に貢献をしたというポジティブな評価も一方で表明されていたように印象を持っております。
 さらに、加えて申し上げれば、先ほど官僚の問題あるいは我々政治家の側の問題があってなかなかブレーキの壊れた車のように止まらなくなってしまったということがあるわけでありますが、他方で、私、いろいろ調べてみましたら、国会議員あるいは地方の自治体がそういういろいろな年金を財源とした施設の建設や運営を要望したということもございますし、労働組合も、これは今、私、手元に連合さんが出されている要望で平成二年から三年のところございますけれども、その後だんだんなくなっていくんですが、勤労国民のゆとり、豊かさに結び付くものとなるように十分留意をすることと、これは積立金の運用方法についてですね。明確に、高齢化社会に備えた福祉施設などの社会資本整備を通じてということも要望されているんです。
 ですから、私の印象は、特段、特定の職域グループが年金福祉事業を乱暴に推し進めたというよりも、やはりある時期には国民全体で賛成してやっておった。で、はっきり言うと、政治家でいうと与野党両方を通じてそうだったんだろうなと。ただ、それが本来止めなきゃいけない段階で止まらなかったと。で、そのまま改革がなおざりになって今日に至ったということが正しい見方であって、どこか特定のグループを攻撃するというのは余りよろしからないんではないかというふうに思っております。
 その上で、今まで一時期は国民生活にやっぱり年金の積立金を還元して現役世代に貢献しなきゃいけないと言っていたのをここで大転換をするということなんですが、私は他方で、先ほど岩渕参考人も正におっしゃっていたように、少子社会対策、次世代育成支援等々、まだ年金を、現在今保険料を払っている世代にやっぱり還元をするやり方という、その考え方そのものまで否定をしてしまってはいけないんではないかというような思いもあるんですけれども、今日までの経緯踏まえて御意見をまた聞かせていただければと思います。
#64
○参考人(岩渕勝好君) 連合の対応につきましては、ほかの委員の方もいらっしゃいますので、どうぞそちらにお聞きしていただきたいと思います。
 検証会議の方では、特にその連合という固有名詞が出てきたことはございません。でありますけれども、過去、私どもマスコミも含めて、先ほど最初に私が自戒を込めて申し上げましたように、当時みんなが、国民の各層がこれをおおむね支持していたであろうということは想像に難くございません。
 でありますから、その特定の人たちを批判するのはいかがかという御趣旨の発言につきましては、国権の最高機関である国会が本来、そういう意味でいいますと、最もコントロールの役割を、ブレーキの役割を果たすべき国会が、立法府がその役割を果たしてきたかという点についてはきちんとしないと、一億総ざんげみたいにほとんど無責任な話になってしまうのではないかということを私は危惧しているわけでございます。
 それから、戦後かなり大きな役割を果たしたというのは先ほど申し上げました。それがここへ来てかなり大転換を果たす。で、基本的な考え方として、現役世代への還元という役割については、原則的にはそれは今でも有効であろうと思います。
 ただ、残念ながら、今現在は年金に対する不信が非常に強いという現実がございます。それが正しい批判かどうかということはさておきまして、年金不信、特に、先ほどから申し上げておりますように、国民が自分の老後のつえとも頼む年金資金をつまみ食いされているとか、そういったような意味で現実にその社会保険庁に対する批判がかくも強い現状の中では、なかなかそういったような新たな施策を打ち出すタイミングとしては今の時期ではないというふうに思います。
 以上です。
#65
○遠山清彦君 今、岩渕参考人からもありましたけれども、ちょっと私、連合さんの名前出しましたので、是非、小島参考人からもお聞きしたいと思います。
#66
○参考人(小島茂君) 遠山先生御指摘がありましたけれども、確かに労働界も、かつては年金積立金の還元融資という形で、こういう施設も誘致あるいはそういう要望も出してきておりました。それと、連合が発足してからも、年金等積立金については還元融資という形で要望を出しており、今でも出しております。
 これは、新たに施設を造れという意味合いじゃなくて、ここを強調しているのは、年金住宅融資といったような形での還元融資の事業、さらには先ほど少子化の問題で坂本先生御指摘されましたけれども、年金部会の方でも、この前の年金改革に向けて議論の中では、私としては積極的にこの少子化対策として年金の制度の活用ということを主張しました。
 その中には、今回一部取り入れましたけれども、育児支援に対する保険料の免除の延長の問題ということが現実的に制度化されましたけれども、さらに、私としては、年金積立金を使っての奨学金とか、あるいは実際に働いている若い人たちが自分の能力を開発する、そういう自己啓発のための融資といった積極的な意味も含めて次世代支援につなげていくべきだと、それも一つの還元融資という形に、還元事業になるんではないかというふうに思っております。
 以上です。
#67
○遠山清彦君 ありがとうございます。
 還元することという考え方そのものに対しては、まあやりようによっては肯定的に見れるやり方もあるんではないかということで、私も実は賛成でございまして、実は、我が党から厚生労働大臣をやっておりました坂口前大臣の時代に、年金の積立金等を財源に基金を作りまして、若い学生の方々に貸与の奨学金制度を作ってはどうかというお話が実はございました。
 今でも、例えば、私がこの間社会保険労務士の会合に出ましたら、これが正に具体的要望として挙がっておるわけなんですが、実際これ立ち消えになった背景は、昨年のいろいろな社会状況とか年金の審議をめぐる問題等々ありまして、いろいろ複雑なんですけれども、他方で実際実現しようとしたときに難しい面もあるんですね。
 例えば、年金を未納の方のお子さんには貸さないようにするという案があったりとか、あるいは若いうちに、高校生とか大学生のうちに奨学金を借りても、後に年金保険料を納めてもその奨学金を返さなかった場合には年金の給付額を減額しますという。そうすると、今社会には存在しませんけれども、年金保険料をちゃんと払っているのに奨学金を返さなかったので年金の給付額が減額されるという新しいグループが出てきてしまうんではないかとか、こういったいろんな技術的な問題もあって、私は昨年の議論はしぼんでしまったという印象があるんです。
 ただ、私個人、これは党としてじゃなくて個人としては、やっぱり今、正に教育費が家計に対する非常に大きな負担を占めているという現状をかんがみますと、こういう制度は非常に必要ではないかと思うんですが、紀陸参考人の御感想をいただければと思います、若年支援をすべきということ。
#68
○参考人(紀陸孝君) 確かに教育費の中で、一番学費が高いのが問題になっているというのは確かに分かります。
 ただ、私どもは、奨学金だけに絞れば、どこから財源を持ってくるかという論議に併せて、例えば民間の方から、いわゆる寄附税制を少しでも改善していただくことによっていろいろな形の奨学金制度がもっと広がるんではないかというふうに思っております。個人の寄附で名前をかぶせた奨学金制度みたいなものがもっと本来ならばたくさん出てきてもいいんだろうと思っておりまして、そういう意味で寄附に関する税制の改正を御検討いただければ幸いかというふうに考えております。
#69
○遠山清彦君 ありがとうございます。
 終わります。
#70
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 年金や社会保険による施設を一からげにしてたたき売りにするというのは、正に大切な財産を損なうという点で誤りを重ねることになるのではないかと。天下りの受入先として利用をしながら、そういう問題一切責任が問われないと。地域住民や利用者あるいは職員に苦難を押し付けると。もう最悪のやり方ではないかというふうに思いますし、新たな独法をつくって新しい天下り先つくるのかと勘ぐりたくもなるわけであります。
 参考人の皆さんにお聞きをしたいんですが、最初に濱田参考人にお伺いしたいんですが、先ほど職員、労働者の立場から実態をお話しいただきましたが、先ほど御指摘もあったように、厚生年金病院、社会保険診療所の単年度収支は黒字であると。経営状況あるいはその職員の皆さんがどういう努力をされているのか、ちょっと実態も含めてお話し願えればというふうに思います。
#71
○参考人(濱田實君) 政管健保のこの社会保険病院ですが、長い間三Kと言われまして施設整備はほとんどない時代がありました。私たちはそういうときに本当に頑張ったと思います。そこでやっていけることの最大のことというのは、やはり患者さんや地域住民の皆さんから病院が信頼されるということ以外に財産はないわけです。そういう意味で、昼夜努力をするということで施設の不十分さ、こういうものを補ってやってきました。
 保険給付からは、人件費についてはこれまで戦後一円もお金は出ておりません。当然といえば当然かもしれませんが、国有施設でも一円も出ていないと。保険料収入によって支出に回してきたと、こういうことでやってきました。近年、診療報酬が引き下がり、様々厳しい状況がありますので、そういう中でも私たちは経営努力を私たちの立場でもやってきまして、今日では、単年度ではもう何年間黒字で来ております。そういう病院がもう多くなっております。
 我々労働組合といたしましても、今までは、二年前の数字でありますが、私の病院の看護師さんというのは、お医者さんは千九百九十五万、これ平均額ですが、それから社会保険病院は千三百五十六万、看護師さんは、私立の病院は六百六十六万だったわけですね、社会保険病院などは五百七十五万でやりました。今日では、賃金の一律五%カット、定期昇給停止、これ月額にしますと、約一人当たり平均三万円ぐらいになりますが、年収にしますと、五十万円以上賃金が下がっているということもあります。
 経営努力で患者さんに対する安全、安心の信頼の医療をやっていこうということを一生懸命やりながら、一方、職員の労働条件は逆に悪くなっておりますが、そういうことについても、我々は今の時代、一生懸命頑張らなくちゃいけないというふうに思っていますが、今、今日ここで議論されているような話も含めまして、この一年間で千人以上も職員が退職をされております。優秀な人材が残念ながら去っていっているという状況がありまして、私たちは、ここのところを含め、そういうことがあっても、今後、地域住民の皆さんに立派な医療を提供して頑張っていきたいと、経営にも努力していきたいというふうに組合としても思っております。
#72
○小池晃君 病院の質の問題でもいろんな評価がされていると思うんですが、その点について御紹介を若干していただけますか。
#73
○参考人(濱田實君) 私たちの病院は、例えば日本病院機能評価認定証の発行状況が一つ例として挙げられるかもしれませんが、一般的には良質な病院の指標というふうに言われておりますが、平成十五年の一月の資料では、全体の当時の医療機関九千二百三十九施設の中でこの認定を受けているのは九・一%でありますけれども、社会保険病院、厚生年金病院については施設の四五・三%取得しておりまして、この認定を受けるためには病院一丸となってすごい努力が必要なわけですね。そういう意味で、良質な病院のために努力をしていると。その他、臨床研修指定病院だとか、それからエイズ拠点病院、それから協力病院、それから災害拠点支援病院、救急告示病院、それから医師会の皆さんへの開放病棟、こういったことも含めまして地域医療に貢献してきたというところがあります。
#74
○小池晃君 そうした中で、本当に賃金が低いことを是とするわけではないし、もっと良くあるべきだと思いますが、しかし非常に過酷な中で職員の皆さん頑張ってこられて、一方で関係公益法人の歴代役員は厚生労働省出身者、言わばいわゆる天下りで占められてきていると。こういう天下り役員の下でこういう努力を強いられてきた皆さんがどのようなことをお感じなっているのか、率直にお話しいただければと思います。
#75
○参考人(濱田實君) 職員とか地域の住民の皆さんのまず最初の思いは、社会保険庁の様々な問題あるいは天下り、いわゆる天下りの皆さんの問題と、なぜ社会保険病院や厚生年金病院を同一視して売却するのかというのがもうほとんどの方の意見であります。いわゆる箱物については様々意見があろうかと思うんですけれども、私も意見持っております、一国民としては。しかし、医療機関についてやっぱりそれは問題だという意見だと思います。
 昭和三十三年九月一日から、全部の社会保険病院ではありませんが、全社連が受託をするということになりましたけれども、私は、全社連については、戦後の様々な状況の中で、医療の提供という点では一定の時期、私の感想では、昭和五十年代までは全社連は一定の役割は果たしたというふうに思いますが、その後、残念ながら、私たちの見るところ、中央集権化も含めて非常に問題が多いというふうに思っております。
 私が、三十年近くお付き合いをしておりますが、事務次官経験者の方がもう五、六人、私、ちょっと名前が分からないぐらいに事務次官経験者の方が理事長で来られていますし、副理事長も局長クラスの方、それからその下の常務理事の方は、今は三人ですけれども、かつては二人ですが、二人の方も本省の課長を経験者ということで、その下の部長もそうでありますが、ずっとこの方たちと長い間付き合ってまいりまして、例えば、私たちは三十年前から公務員準拠、人事院勧告準拠によらない賃金でやってほしいということを要望してまいりました。社会保険病院はそれぞれ独立採算制の病院でありますからそういうことを要求したけれども、答えとしては人事院勧告準拠が全社連の方針であります、こういうことで、種類の話でずっと言われてきましたし、大体勤続年数が長くて五年ぐらい、短ければ三年しかいないわけですね。
 そういう中で、病院全体の把握をしてやっていくというのはとっても厳しいという中で、労働条件もそうでありますけれども、何せ一番やっぱり医療内容にそういう意味では余りいい影響はないというふうに非常に痛感してきたところです。
#76
○小池晃君 先日ちょっと話題にもなりました新宿の東京社会保険協会会館の問題にかかわってお聞きしたいんですが、これ、この会館の建設にかかわって東京都内の三つの社会保険診療所から財政が拠出された、そういう問題があるというふうに思います。この問題についてどのようにお考えか、お聞かせください。
#77
○参考人(濱田實君) これは平成九年に、新宿の診療所、鶯谷診療所、葛飾診療所、この三つから合わせて三十九億円、東社協が召し上げたわけですね。独立採算制からするとおかしな話です。そして、会館を建てるという方針を出しました。そのときは実はそこには労働組合はありませんでした。二年たって、労働組合、平成十一年にできるわけですが、そこから私たちは、なぜだろうという情報の公開も含めて経営者に求めまして、当時の受託者は石原慎太郎知事でありました。その石原慎太郎知事にも質問状を出しました。社会保険庁長官にも質問状を出したりしました。そういう中で、解明されていく中で今のことが分かったわけです。
 三十九億円召し上げて、そのうち三十三億円を使って東京社会保険協会の会館を造ると。これは私たち組合としては、国のお金、みんなで働いたお金、これは受診者に還元しなければならないお金、そういうことで、これは会館は中止しなさいということを労働組合としては態度を出しました。しかし、会館は建ってしまったわけですね。三十三億円で建てました。しかし、これについて私たちはあきらめないで、三十三億円の中の約六五%、二十二億円ぐらいに該当しますが、これは国費として診療所の特別会計に、管理特会といいますが、管理特別会計に記載をさせて、国のお金ということで二十二億円は明確にさせたということがあります。
#78
○小池晃君 ありがとうございました。
 続いて、吉矢参考人にお伺いをしたいんですけれども、先ほど非常に現場のリアルなお話をお伺いして、やはり大切な役割を改めて感じましたが、聞くところでは、大阪の福島区の大阪厚生年金病院は二十日間で二万二千人の住民の存続署名が集まったというふうに聞いておりまして、本当に住民の信頼が厚いんだなということを感じております。
 その点で、先ほどのお話をお聞きして、非常にやっぱり重要な役割を果たしているということはよく分かりましたし、改めて厚生年金病院としてすべての病院が存在していくということの持つ意味を参考人はどのようにお考えなのかということと。それからもう一点は、参考人の皆さん、院長の連名で、機能の維持のために純粋に民間の医療の専門家から成る公益法人的な一つの運営組織に所属させていただきたいという、言わば民営化の、民営化というか、その後の次善の策としてこういう御提案もされているのかなとも読んだんですが、このことの意味について、その二つについてお聞かせ願えればというふうに思います。
#79
○参考人(吉矢生人君) 署名運動につきましては、かなり時期的にはずれておりまして、星ヶ丘の場合は今スタートし掛けているところでございますが、大阪病院は既に五万ぐらい集まっているようでございます。
 後の御質問でございますけれども、純粋に民間の法人、公益法人に委託していただきたいというのは、やはり民間の医療法人ですと今の公的な機能を維持するのが非常に難しかろうということでございます。特に、継続性といいますか、リハビリテーション医療につきましても、いろいろ紆余曲折があっても、各病院、五十年、六十年継続している。そういう継続性を保つには、やはり公益法人的なところでないと、そういったことがその時代時代に流されて継続できなくなる可能性があると。そういう思いでこういう言葉を使ったわけでございまして、具体的にどうするかというところまではもちろん煮詰まっておりませんし、先ほどもお答え申し上げたように、病院の立場として、そういう法人といいますか、次の経営母体というのを注文を付けるという立場ではございませんので、希望として公益的な機能を存続させる一つの形としてそういう文言になったということでございます。
#80
○小池晃君 ちょっと併せて聞いちゃったのがまずかったのかなとも思いますが、そもそもやっぱりこういう売却しないで現状のままでいくのが一番いいというふうに恐らくお考えだというふうに思うんですが、やっぱり厚生年金病院という形で残っていかないといろんな被害、デメリットがあり得ると思うんですが、医療上、利用者の皆さんにとって、患者さんにとって、職員の皆さんにとってどういう不利益が予想されるかということについてお聞かせ願えますか。
#81
○参考人(吉矢生人君) 地域の方々にとってのデメリットということになりますと、やはり十病院が一丸となってやるということの、あるいはやらないことのデメリットというのは、やはり一部だろうとは思います。
 例えば、救急医療だとかリハビリテーションにしましても、その地域地域で、もちろんその病院の機能が発揮されれば地域の方々はそれなりのメリットを受けられるわけですが、ただ一つの、まあ何といいますか、緩い連合体というような協調できるというグループにしたいという考え方は、例えばリハビリテーション医学というのはこういった病院群でかなりそれによって積み上げてきたわけですね。厚生団の七病院は人の交流も非常に盛んでございまして、例えばリハビリの技師もAの病院からBの病院、Cの病院へと転勤しておりますので、そこで非常にリハビリテーション医学というものを普及させて、あるいはそれを進める牽引的な役割を果たしてきたと。それが翻って各病院を受診される方に還元されているというのが今までの状況だと思います。
 ですから、そういう形をやはり今後ともやりたい。ある病院はもうリハビリテーションをやめてしまったとか、救急はもう余り採算的に悪いからやめるというような形では困るということでございます。
#82
○小池晃君 あと、先ほど同僚委員の方から減価償却費入れると大半赤字になるんじゃないかという指摘があって、ちょっと吉矢参考人が何かお答えになりたかったような御様子があったので、あの指摘に対しておっしゃりたいことあればお答え願えればというふうに思っておりますが。
#83
○参考人(吉矢生人君) 資料、お手元の資料の平成十五年度の会計決算の大きな表がございます、A3の表でございますが。実は私、こういう数字を見るのがもう非常に苦手でございまして、ただその下の方に、米印の三というところのちょうど右に減価償却費が挙がっております。これが左の三つ、東北、星ヶ丘、高知というのが五億、六億三千万、一億九千万となっておりまして、その右の東京から右はもう少し少ない状況です。これは、厚生団の七病院はいわゆる減価償却費として算定してございまして、全社連の三病院はこれに建物の更新費も入れた数字がこれでございます。
 ですから、いずれも平成十五年度に関しましては、これが適正な額かどうかは別としまして、減価償却費は一応計上した上の決算でございます。
#84
○小池晃君 ありがとうございました。
 私も先ほど吉矢参考人のお話をお聞きして思い出したのは、東京北社会保険病院、国立病院、王子病院の跡地に造られる病院が全社連委託でなくなるという経過の中で、非常に優秀なお医者さんたちが不安を感じて離れるというふうな経過があって、やっぱり医療機関というのは本当にソフトの部分、どういうやっぱり技術者がいるかということが本当に評価に深くかかわると思いますので、その点で大変な御苦労だろうというふうに思いますけれども、是非地域医療を維持、発展させるために御努力、引き続きいただきたいというふうに思います。
 ありがとうございました。すべての参考人に質問できず、大変失礼いたしました。
#85
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 今日は参考人の皆さん、本当にどうもありがとうございます。
 まず、私からお聞きをしたいのは、私自身は立法趣旨がよく分からない。年金積立金などの使い道について、百兆円近く運用することについてこそ見直すべきであって、なぜ地域で必要とされている厚生年金病院その他、売却しなければならないのかということがよく、本当にちょっとすとんと全く落ちないというふうに思っています。
 小島さんの方から社会保障審議会できちっと掛けられなかったというふうな話がありましたけれど、今日来ていただきましたお二人の方、濱田参考人と吉矢参考人にそれぞれ、厚生年金病院それから健康保険病院等に対して協議、話合い、打診等があったかどうか、お聞きをいたします。
#86
○委員長(岸宏一君) どちらからお答えしますか。
#87
○参考人(濱田實君) いや、私どもには一切話はございません。
#88
○参考人(吉矢生人君) 大変申し訳ございませんが、ちょっと質問の御趣旨をちょっと理解不十分なのでもう一度、済みません。
#89
○福島みずほ君 この法案提出が乱暴ではないか、社会保障審議会でも被保険者の意見が全く聞かれてないわけですけれども、やはりこの厚生年金病院、十ある中に対して、それぞれ経営状況はどうかとか、こういうことはどうか、打診や協議や事前の説明等はあったのでしょうかという質問です。
#90
○参考人(吉矢生人君) 私はそういったことが、私は直接その説明を聞いたことはございません。全社連の管理者会議等ではそういったことについてお話があったかと思いますけれども、各病院に対しては当然そういう御説明はございません。
#91
○福島みずほ君 自治体から多くの決議や意見書が出ているのを私は拝見させていただきました。
 参考人の中に、是非そのリハビリテーションの病院を使っている利用者の方やいろんな方も発言していただきたいやにも思ったんですが、ただ利用者全員の方に参考人に来ていただくことができないので、是非代弁をしていただきたいというか、具体的なやっぱり生の声を是非参考人の皆さんに話していただきたいというふうに思います。
 濱田参考人、吉矢参考人、小島参考人、それぞれ、利用者あるいは被保険者、あるいはどういう使われ方をしているか、生の声をもしよければお話しください。
#92
○参考人(小島茂君) 福島先生の御質問ですけれども、実際、今回想定されております各病院から始まって健康センターあるいは宿泊施設等、様々な役割を担ってきたというふうに思っております。
 それで、病院であれば、当然これは地域でけが、病気になればそれを利用するということで、先ほどから吉矢参考人からも出ておりますけれども、やはり地域での中核的な厚生年金病院であれば役割を果たしていると、あるいは社会保険病院でもそういう役割を果たしているということでありますので、当然これは地域の住民なり被保険者にとって極めて重要な役割を果たしているというふうに思っております。私自身も各いろんな施設を利用することがありまして、それなりの安い利用料で活用できるということで、それなりのメリットがあるというふうに思っております。
 被保険者の立場、冒頭お話ししましたけれども、そういう立場からしますと、正に私たちの保険料で建てた施設でありますので、当然それは被保険者の意向を十分反映した形でこの整理合理化なり見直し等を図るべきだろうというふうに思っております。今回の法案のように、一括してすべて売却、廃止という、正に乱暴なことではないんだろうというふうに思っております。
 それについても年金部会で、これは二〇〇三年当時の秋に出された年金部会としての意見書の中でも、この積立金あるいは年金保険料の活用等についての見直しということについては若干触れておりますけれども、それについては、こういう施設について新たな保険料からの投入はすべきでない、そういう趣旨では議論はしておりましたけれども、既にある施設を完全に売却とかあるいは廃止といったようなところまで含めて議論をされたという記憶がありませんので、やはりそこはもう一度そういう関係者の意向を踏まえた在り方と言える丁寧な正に説明が必要ではないかというふうに思っております。
#93
○参考人(吉矢生人君) 利用者の方々の生の声というのは、もちろん、何といいますか、投書のようなことであるとか御意見箱というのがございまして、それと退院のときのアンケートがございます。それから、自治体、自治会ですね、校区の自治会等に私どもが参りましていろいろお話しするときにいろいろ御指摘を伺うんですが、基本的には、厚生年金を払っているからこの病院に行こうということではないように思います。やはり、その病院として必要な機能を提供しているかどうかが重要なわけでございまして、例えば自治体病院に関しましても、自治体には税金を払っているわけですから、当然そこに自分たちの病院であるということがあるんですけれども、それならばどうして多くの自治体病院が余り経営が良くないのかということになりますと、やはり先ほど申しましたように、病院の機能が重要ではないかと考えております。
 ですから、厚生年金だから来ていただくということ、厚生年金病院だから来ていただくというよりは、厚生年金病院はちゃんとやっているから来ていただくという方がうれしゅうございます。
#94
○参考人(濱田實君) 私は、各地の病院を行くと、必ず私が行く病院の評判を聞くことにしております。タクシーの運転手さんとか、ホテルに行けばホテルの従業員の方とか、変な話、近くに飲みに行けばその飲み屋さんの人とか食堂の方とか、そういう方に、私ども、こういう病院だけれどもというのを、自分はどこの病院だどうだこうだ言わないで、どうなのかなとかって評判を聞きますが、多くの方が言ってくれるのは、安心して掛かれる病院だと言ってくれます。それはなぜですかと聞きますと、社会保険病院であれば社会保険、厚生年金病院であれば厚生年金病院だからというふうに言います。やはりその名前でもってまず安心感があるということがあります。
 去年から新宿の診療所ではマンモグラフィーを始めました、五月から。この間、短い期間に二千人の方が来られております。中小企業、零細の方はなかなか検診でマンモグラフィーに行こうというふうにならないわけですけれども、社会保険だから安心して行けるということで、この間、二千人の方がもう来られているということがあります。
 横浜の社会保険病院なんか行きますと、中華街の隣にあるんですね。そうすると、変な話、いろんな外国人の方が来られるし、前で、何というか、玄関のところで倒れているというか横たわっているというか、そういう方も全部診ないといけないということがあるわけです。その方たちを診ると、これははっきり言って不採算ですね。お金がもらえないということでは診ないと、お金をもらえないから診ないというわけには社会保険病院とか公的病院はいきませんので、とにかく診る。これは全部不採算にはっきり言ってなるわけですね。
 やっぱり公的病院の使命というのがあって、職員もそのように考えているし、地域の方も考えています。あるお医者さんが言っておりました。病気を治すことはできても人は治せない、私はこういう公的病院でもって人を治したいんだと、だから、そのためには社会保険なり厚生年金病院という名前が必要なんだと言っておりました。
 今、星ヶ丘の病院長の先生がおっしゃったような点、正に名前ではもちろんありませんが、私たち、職員の皆さんはいい仕事をして見てもらう。別に名前で患者さん来てくれるわけじゃないというふうに思っておりますけれども、しかしそれも大事だと。両方大事だというふうに意見を聞いておりますし、東北病院の周りの方は、アンケートを取りましたら八割の方が今のままいろんなことをやってほしいと。町会の方も今のまま厚生年金病院としてやってほしいという声をいろいろ聞いております。
#95
○福島みずほ君 心配をしているのは、例えば、五年間で売却をすると。大臣の答弁では、「地域において必要な医療を確保する観点から、地方公共団体等と協議の上、その機能が維持できるように十分配慮してまいります。」ということなんですが、地方公共団体と協議をした結果、果たして病院としてきちっと存続をできるのか、一体どうなるのか。協議というのはいろんな方向に行くわけですから、必ずしも厚生年金病院がそのまま地域に存続できるかどうか保証がないというところに私は大変不安を感じます。
 その点について、吉矢参考人、いかがでしょうか。
#96
○参考人(吉矢生人君) 協議をするということが地方自治体に買っていただくのかどうかということとは、私は一つ、同一の意味ではないのではないかと思っております。
 そういったことで、地方公共団体とはもう既に協議はしておりますけれども、受皿になっていただくのかどうかという点はもうむしろその地方自治体さんの御事情によるわけでございますので、いずれにしても、私どもの強い願望は、やはり公益的な事業が継続できるような公益的な組織にお願いしたいと。そこまでしか私どもの立場としては申し上げられないと思います。
#97
○福島みずほ君 私、駄目押し的確認で済みませんが、保険料を入れないでも例えば自力で頑張ればいろんな形でちゃんとやっていけるということは言えるのでしょうか、吉矢参考人。
#98
○参考人(吉矢生人君) これは、十年ぐらい前ですと、今の状態でもまだ建物の改築というのは、バブルの値段ですとできないかと思いますが、現在ですとこれはもう少しでそのめどが立つと思います。一番経営的に苦しいのは建物の更新でございまして、これは民間の医療法人もそれで大変苦しい状態にあるわけでございます。その分、土地建物の固定資産税が免除をしていただけるんでしたら、これは十分に経営努力でいけると考えております。
 それから、ちょっと付け加えてよろしいでしょうか。
#99
○福島みずほ君 はい。
#100
○参考人(吉矢生人君) 先ほどの利用者の方々がどう思っておられるかということでございますが、やはり私どもは社会保険病院の一員として全社連の下でやっておりまして、そういうことで、保険診療に関しましては非常にまじめにやっております。
 ですから、患者さんにとりましても必要最小限の費用で医療をやっているということは、そういう御信頼は得ていると思います。それは、医療の内容だけではなくて、そういった取り過ぎている場合があるんではないかという疑いは厚生年金病院も社会保険病院もないと思います、少ないと思います。それはやはり公的病院であるということを意味していると思います。
 以上です。
#101
○福島みずほ君 雇用の問題について小島参考人にお聞きをいたします。
 これについても、大臣は本会議で、例えば年金の福祉施設等に従事する職員の雇用問題については、「一義的に雇主である委託先法人が責任を持ち、できる限りの再就職援助を行っていただきたいと考えております。」ということで、非常に雇用についておっしゃるとおり私も不安を持っています。これは一般競争入札で一円でも安く売り飛ばすわけですから、だとしたら雇用問題が起きないわけがないと。
 この点について、小島参考人、濱田参考人、御意見をお聞かせください。
#102
○参考人(小島茂君) 今正に雇用の問題、一番私ども心配をしているところであります。
 確かに、大臣の、今御指摘のように、第一義的に公益法人、受託先が雇用の責任があるんだというふうに答えているようでありますけれども、やはりこの事業自身が、やはり厚生年金あるいは社会保険の、政管健保の保険料で運営をしているという形でありますので、これは言わば国の事業という位置付け、それを実際の運営を受託公益法人を通じて行っているということでありますが、これは国の事業であることには紛れもない事実だと思います。
 そこで、すべてその雇用の責任を受託先だけの責任だということにはならないというふうに思っております。最終的にはここは国として、政府としてきちっとやっぱり雇用の確保については一定の役割を果たすべきだというふうに思っております。ましてや、厚生労働省の事業、管轄事業として行っているわけでありますので、先ほども述べましたように、厚生労働省の責務としてやはり雇用の確保ということがありますので、そこは特段の配慮が必要である、こういうふうに思っております。
 これも先ほど述べましたけれども、最近の風潮は、どうもやっぱり雇用に対しての軽視をされていると。当面の利益先行で、雇用なり人材を全く見向きもしないというような風潮がありますので、それを歯止めを掛けるということもやっぱり厚生労働省の役割だというふうに思っておりますので、今回のこの法案の扱いについても、やはり最終的に雇用の確保に十分配慮するということについては、是非この審議を通じてはっきりさせていただければというふうに思っております。
#103
○参考人(濱田實君) まず前提なんですけれども、私はかねてから、日本の医療は、公的な医療機関がほとんどヨーロッパ型でもない、アメリカ型の公的医療機関がほとんどない、そういう形でもない。日本は民間の医療機関と公的な医療機関が協力してやっていくべきだし、今までもそうしてきたんですが、これからもしていくべきだと。そういうことで、世界にもユニークな形で明治以来ずっと発展をしてきているというふうに思います。
 そういう意味で、私たちは社会保険も厚生年金も残してほしいという立場ですので、雇用の問題についてもそれはきっちりとやってもらいたいというのはありますが、受託公益法人にすべてを任せるというのは、はっきり言ってこれは無理です。
 さきの東京北社会保険病院の問題にも多くの解雇者がというか、職場を去らなければならない人、新入職員の雇用止めがありましたけれども、はっきり言って、受託経営者に任せると、それの支援活動というのもそれはもうほとんどできないと。やっぱり国が責任を持って、元々国有民営病院でやってきた、これはこれですごくメリットのある運営だったと思うんですね。国としてきちんと責任を持つ立場でないと私はまずいんではないかというふうに考えております。
#104
○福島みずほ君 老人ホームの譲渡に当たって、これも大臣の答弁では、「代替施設のあっせんについて関係機関とも連携を図りながら適切に対応してまいります。」というのが本会議場での答弁です。しかし、だとすれば、老人ホームに入っている人が場所を移らなくちゃいけないという状態が起きて、これは、やっぱり精神的にも不安定になったり、場所がなかなか見付からない、人道上の問題も発生するのではないかと思いますが、この点について、小島参考人、いかがでしょうか。
#105
○参考人(小島茂君) これはそもそものところ、今回の整理機構設置の目的のところにかかわるんですけれども、本当に今回の法律を見ますと、五年間に各施設を売却又は廃止するということでありまして、五年間ですべて処理するんだと、これまでやってきた国の事業を一切手を引くという法律になっております。
 そうしますと、五年間の中で譲渡先が見付からないという場合にはもう廃止してしまうという話になってしまいます。そうしますと、今御指摘のように、入居者が本当にじゃどこへ行ってしまうのか、どうなるのかということは、正に極めて大きな問題になる。中には終身で契約を結んだというような施設などもありますので、そういうところは正に契約の解除といいますか、大きな変更ということになりますので、そういうようなことも十分、これは今回の中でやはり個別に対応を丁寧な、正に入居者の権利にかかわるような問題も含んでおりますので、そう単純な話ではないだろうというふうに思っております。
#106
○福島みずほ君 以上です。
 どうもありがとうございました。
#107
○委員長(岸宏一君) 以上で五名の参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の方々には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚くお礼を申し上げます。
 ありがとうございました。(拍手)
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#108
○委員長(岸宏一君) 速記を起こしてください。
 引き続き、四名の参考人の方々から御意見を聴取いたします。
 財団法人厚生年金事業振興団理事長吉原健二君、社団法人全国国民年金福祉協会連合会理事長加藤陸美君、社団法人全国社会保険協会連合会理事長伊藤雅治君、財団法人社会保険健康事業財団理事長金子洋君、以上の方々でございます。
 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、御多忙中のところ、当委員会に御出席をいただき、誠にありがとうございます。
 参考人の皆様方には忌憚のない御意見をお述べいただきまして、本案の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 次に、議事の進め方でございますが、まず参考人の皆様からお一人十分で順次御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
 なお、参考人、質疑者ともに発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず吉原参考人から御意見をお述べいただきます。吉原参考人。
#109
○参考人(吉原健二君) 厚生年金事業振興団の理事長をしております吉原でございます。
 年金・健康保険福祉施設整理機構法案の審議に当たりまして、厚生年金福祉施設の運営を預かる立場から意見を申し上げる機会をお与えいただきまして、厚く御礼を申し上げたいと思います。
 まず、当団は、厚生年金保険法に基づきまして、厚生年金の被保険者や受給者への保険料の還元、福祉の向上のために国が建てた施設の経営の委託を受け、病院、会館等、全国で現在百四の施設の経営をしている団体でございます。
 次に、当団の経営の現状について申し上げます。
 当団の経営状況は、赤字の施設もございますが、平成十一年度以降、経営改革の推進によりまして、全体として毎年二十億円程度の経常利益を出しております。被保険者、年金受給者を始めとする利用者へのサービスの向上と健全経営を旨として事業を行ってまいりました。一部の報道にありますような、毎年大きな赤字を出しているというような事実はございません。
 利用状況でございますが、病院が約二百万人、会館等の施設が約二千五百万人、合わせて年間二千七百万人もの被保険者を始め多くの方々に御利用いただき、地域の医療にも貢献するとともに、人々の憩いの場の拠点になっております。
 宿泊関係だけを見ましても約二百万人の利用があり、そのうちほぼ九割が厚生年金の被保険者、受給者の方々で、年々受給者の利用割合が高くなってきております。これらの施設では、毎年、企業等の研修が行われ、夏休みには家族で宿泊しプールで楽しんだり、年金受給者が御夫婦で年一、二回ささやかに温泉を利用されるなど、大いに被保険者、年金受給者の福祉の向上に役立っております。
 昨年の年金改革に関連をいたしまして、年金福祉施設の在り方につきましても抜本的な見直しが行われました。近年における社会経済の変化、年金財政の状況などを考えますと、福祉施設の在り方につきましても基本的な見直しの時期に来ていることは私どもも認識をしており、今後、保険料は施設整備等に投入しないという御方針はやむを得ないものと考えております。
 しかしながら、現在なお多くの人々が利用し健全な経営を維持している施設まで今直ちに譲渡、廃止をすることが本当にいいのかどうか、極めて強い疑問を抱いております。
 今回の福祉施設の売却につきまして、市町村長あるいは議会等から、また施設を利用された方々からも、この施設はどうなるのかという心配や公的施設として存続させてほしいという要望を数多くいただいております。最近では、地元で施設の存続を願う署名運動も起きております。また、施設では約四千八百人、パート、アルバイトを含めれば一万人を超える人たちが働いており、全施設を譲渡、廃止すれば、これらの人たちが一挙に働く場を失うことになり、職員及びその家族は今計り知れないほどの不安を抱えており、士気の低下を心配をしております。また、施設と取引する業者は一施設平均百社もあり、施設が譲渡、廃止されれば地域の雇用や経済に与える影響も少なくありません。
 そこで、まず第一にお願いいたしたいことは、一律に全施設を譲渡、廃止するのではなく、地域において存続の要望が強く、かつ自立経営が可能な施設については是非とも存続し得る道を残していただきたいということでございます。
 次に、整理合理化計画及び年金・健康保険福祉施設整理機構法案の主な問題と思われる点につきまして申し上げたいと存じます。
 今回出されました整理合理化計画及び整理機構法案にある福祉施設の譲渡又は廃止措置につきましては、保険料を拠出した被保険者や年金受給者、事業主あるいは地域住民の声が反映されたものなのかどうか、また、このことが本当に被保険者、年金受給者等の利益につながるのかどうか、率直に申し上げまして大いに疑問を感じております。
 まず、問題点の一つ目として、年金資産の性格と五年以内の売却についてでございます。
 当団の施設は、国が直接、土地、建物を所有している年金資産であり、必要であればいつでも譲渡して現金に換えることができるわけであります。したがいまして、老朽化して利用できなくなった施設や経営が悪化している施設につきましてはすぐに売却、譲渡するにしても、それ以外の施設は、今すぐ売るよりも引き続き有効活用を図り、最も有利な条件のときに売却をした方が年金会計への損失を少なくすることができるのではないでしょうか。
 次に、当団が運営する七つの厚生年金病院のうち、東京、大阪、九州の三つの総合病院につきましては高度医療をも提供できる地域中核病院及び臨床研修指定病院として、また、登別、湯河原、玉造、湯布院の四つの専門病院につきましては整形外科、リハビリテーションを主体とした広域な地域を診療圏とする病院として、いずれも地域医療には不可欠の存在であり、患者、地域住民、医師会等から公的医療機関として存続を強く希望されており、引き続き七つの病院を一括して公的病院として残していただきたいと思うのであります。
 四つの保養ホームにつきましても、厚生年金病院と一体的なものとして造られ運営していることから、病院と同様の取扱いとしていただきたく思います。
 千葉県にあるサンテールは、介護付きの終身利用型の老人ホームとして造られたものでありまして、生涯にわたり利用できることを条件として入居していただいているところでありますが、今回の方針により入居者は大きな不安を感じ、国は契約違反ではないか、譲渡されれば訴訟も辞さないという申入れ書をいただいております。
 問題点の二つ目として、一般競争契約についてでございます。
 まず、地方公共団体等との関係についてでございます。
 厚生年金の福祉施設は、被保険者や年金受給者等の保険料により設置された国民共有の貴重な財産であります。その施設の設置に当たっては、地元自治体等からの強い要望があり、土地の提供は市町村のみならず、公共的な施設を造る、その用途に使うという条件で一般の地権者からもかなり無理をして提供していただいたという経緯もございます。国有財産法及び土地基本法では、公共の福祉を優先させる観点から、譲渡する場合は地方公共団体等に優先して譲渡するというのが基本的な考え方になっていることは御承知のとおりであります。したがいまして、整理機構が本団の施設を譲渡、廃止するに当たりましても、いきなり一般競争契約に付することはせず、事前に施設の所在する地方公共団体並びに被保険者、年金受給者等を始め地域住民の意見を聞き、地方公共団体等に優先譲渡するのが妥当ではないかと存じます。
 次に、譲渡条件についてでございます。
 年金への損失を最小化する、すなわちなるべく高く売却するために一般競争契約に付するということでありますが、現在多くの被保険者、年金受給者等に利用され、自立して経営していける施設までもが用途の指定なく売却され、買手によっては現在の用途とは異なるものに転用されるおそれがございます。このため、整理合理化計画において一定期間、施設の中心的な機能を維持することを譲渡条件とする施設として、地域医療に貢献している施設、入居者に配慮すべき施設が規定をされておりますが、地域において存続の要望が強くかつ自立経営が可能な施設をも是非これに追加をしていただければと思います。
 問題点の三つ目として、雇用の確保についてでございます。
 先ほど申し上げましたように、今回の方針によりまして施設の職員及びその家族は大変な不安を抱いております。当団が直接的な雇用者として職員の雇用確保の責任を果たしていくことは当然のことであります。しかし、福祉施設事業は法律に基づく国の事業であり、当団は国から委託を受け、この事業の目的を達成すべく職員を雇用しております。当団は言わば国に代わって事業を行っているわけでありまして、職員の雇用については国も責任を負っているものと考えます。一般競争契約となると買手がいかなる用途に転用するか──はい、もうすぐ終わります。転用するか分からないために、売却、譲渡により職員は職を失うことになります。国鉄の民営化の際、法律に「職員の再就職の促進を図るための業務を行わせるものとする。」と記載されましたように、整理機構法案の中に雇用の確保に配慮することを明記し、雇用の確保について国及び整理機構も格別の努力をしていただきたいと思うのであります。
 以上、いろいろ申し上げましたが、最後に改めてお願いを申し上げます。
 福祉施設を見直すことについては当然のことと思いますが、地域において存続の要望が強くかつ自立経営が可能なものについては存続の余地を残していただきたい。特に病院については、七つの病院が連携を取りながら公的医療機関として地域医療における使命を果たしていることから、七病院を一括して現在と余り大きく変わらない形で存続が可能となるよう、改めて強くお願いする次第であります。
 職員の雇用についても重ねて御配慮をお願いして、終わりといたします。
 率直に意見を申し上げましたので、失礼な点がございましたらお許しをいただきたいと存じます。
 ありがとうございました。
#110
○委員長(岸宏一君) ありがとうございました。
 次に、加藤参考人にお願いいたします。加藤参考人。
#111
○参考人(加藤陸美君) 社団法人全国国民年金福祉協会連合会の理事長をいたしております加藤でございます。
 年金・健康保険福祉施設整理機構法案の審議に当たりまして、国民年金福祉施設の運営を預かる立場から意見を申し上げる機会を与えていただきましてありがとうございます。
 私どもの連合会は、財団法人都道府県国民年金福祉協会を会員といたします社団法人でございます。私どもの連合会及び県の福祉協会はともに、国民年金法に基づいて設置されました国民年金の福祉施設を国からの委託を受けまして、国民年金制度への理解を深めたり、被保険者や受給者の福祉を向上したりするなどの事業を行っております。
 平成十六年四月一日時点で、県の福祉協会が受託している国民年金健康保養センター、例えば沖縄県の北谷町にございますサンセット美浜などの施設が五十四施設ございます。当連合会が受託をしている国民年金中央会館や健康センターが五施設で、計五十九施設でございます。
 国民年金制度は、昭和三十四年に発足して以来、時代の要請に即応して数々の改善充実が図られ、被保険者、受給者も増加してまいりました。同時に、福祉の増進、充実が要請されてまいりました。
 国民年金の被保険者は、御承知のとおり農業とか漁業あるいは個人営業の方々が対象でございますので、その特性に配慮して、被保険者、受給者の健康保養及び集会、このような場として施設が設置されてまいりました。
 この国民年金制度を円滑に推進していくためには、市町村の果たされる役割が非常に大きく、また地元住民の理解と信頼が不可欠でございます。そこで、都道府県に置かれました県の福祉協会の理事長でございますとか、あるいは役員の方々を地元の市町村長さんに就任していただくなど、地元市町村との緊密な連携を図りまして、地元住民の方々を中心に広く年金制度の周知普及に努めてまいりました。あわせて、被保険者、受給者の福祉の増進を図ってきたところでございます。
 昨年来の年金制度改革の際のお話といたしまして、年金制度等を取り巻く厳しい財政状況、施設を取り巻きます社会環境及び国民のニーズも変化してきたこと、これらのことは確かだと思います。福祉施設の在り方につきましても基本的な見直しの時期に来ているということ、年金保険料の使い方に対する御指摘があったことなどについても承知をいたしております。年金保険料は年金給付の貴重な財源でございまして、今後は施設の整備費等に保険料を投入しないこと、さらには利用者が少なくて赤字の施設はその在り方を考えなくてはならないということ、このような事柄は謙虚に受け止めたいと思います。
 そこで、このたびの政府の福祉施設の整理合理化計画及びこれを行うための年金・健康保険福祉施設整理機構の設立について御意見を申し上げさせていただきます。
 国民年金の施設は、設立以来、地元住民の方々はもちろん、全国の高齢者から子供さんや体の不自由な方などに愛され、親しまれてきた施設でございます。年間の利用者数は五百万人を超え、仮に廃止された場合は、これらの方々の健康保養及び集会等の場が失われることになります。また、利用者は本当に譲渡又は廃止を望んでおられるのか、疑問はございます。これまで国民年金の福祉施設であるということで理解と協力をいただいた市町村や土地の提供をしていただいた地権者の方などに対し、納得していただかなければならないのではないかとも思います。
 また、施設を運営しております現場では、今回の整理合理化に係る報道等によりまして、営業面から見ましても多大な影響を受け、利用者の減少が目立ち、収益の確保には苦慮いたしております。現在、これらの施設に従事する職員は、パート職員を含めまして全国で千七百人余りであります。この従業員が働く場所を失うことに相なります。これらの施設で使用する食材あるいは物品等の納入業者や清掃などの業者が多数存在しており、地域経済等に悪影響が出てくると考えます。とりわけ、国民年金の施設は比較的経済圏が小さい地域に存在しておりまして、その影響力は大きいものと思わなければならないところでございます。
 御希望を申し上げたいと思いますが、平成十六年三月の与党の年金制度改革協議会の年金福祉施設等の見直しについて、その合意などは重く受け止めております。しかし、国民年金制度に加入後、年金給付が発生するまでの長期間保険料を納めていただいた被保険者などへの福祉還元ということで実施された施設の設置の経過や現状をかんがみますと、地元から存続要望の強い施設、安定経営ができる施設、これは引き続き存続の余地を残していただければと思う次第でございます。また、売却に当たってはすべてが一般競争入札と伺っておりますけれども、地方公共団体への売却を優先するなどして地元住民に役立つ施設として残していただければ、引き続き国民年金制度を側面から支援できるのではないかと思う次第でございます。
 施設の譲渡又は廃止による最大の課題は、従業員の雇用問題だと思います。従業員の雇用確保及び地域経済への影響を最小限にとどめるために、健康保養センターの温泉、体育施設などの機能を活用する方法もあるのではないでしょうか。例えば、健康増進のための事業や介護予防のための事業に施設を活用するというようなことは、時代の要請に応じることにもなるのではないかと思います。
 私どもの主たる事業内容は、健康保養及び集会などでございますから、厚生年金事業振興団の事業内容のうち、病院、老人ホーム等を除きますと同じ事業内容でございますので、先ほどの吉原理事長さんからの御意見には、私どもとしても全面的に同感であることを付け加えさせていただきます。
 最後になりますが、これまでの議論を真摯に受け止めまして精一杯努めてまいりたいと思いますので、是非ともよろしくお願い申し上げます。
#112
○委員長(岸宏一君) ありがとうございました。
 次に、伊藤参考人にお願いいたします。伊藤参考人。
#113
○参考人(伊藤雅治君) 社団法人全国社会保険協会連合会の伊藤でございます。
 本日、このような意見陳述の機会を設けていただいたことにつきまして、厚く御礼申し上げます。
 私ども社団法人全国社会保険協会連合会は、都道府県社会保険協会を会員とする社団法人でございます。都道府県社会保険協会は、健康保険、厚生年金保険等の加入者の福利を増進するとともに、社会保険制度の普及、発達、向上に資することを目的とする財団法人でございます。
 本日は、年金・健康保険福祉施設整理機構法案との関連で意見を述べさせていただきますが、第一に、厚生年金の福祉施設である厚生年金病院三か所の経営を受託している立場、第二に、政府管掌健康保険の福祉施設であります社会保険診療所、健康管理センターの経営を受託している立場、第三に、当会の会員でございます都道府県社会保険協会が社会保険センター及びヘルシーパル等の経営を受託していることから都道府県の社会保険協会を代弁する立場、以上三つの立場から意見を申し上げます。
 まず、厚生年金病院のことでございます。
 当会が経営受託しております三つの厚生年金病院は、元々は健康保険病院でございましたが、政府管掌健康保険の財政が逼迫しておりました昭和四十年代に年金財源により改築整備が行われたという歴史的経緯により、厚生年金病院となったものでございます。病院は厚生年金病院となりましたが、職員の身分は引き続き当会の職員という形で現在に至っております。
 社会保険病院につきましては、既に平成十五年度から保険料財源を投入しないことを前提に経営改善三か年計画に取り組んでおりまして、二年間の結果を見ますと、大部分の病院は保険料に依存しない経営にめどが立ちつつございます。
 私どもの経営する三か所の厚生年金病院は、いずれも地域医療で重要な役割を果たすとともに、保険料に依存しない自立した経営を目指して改革に取り組んでおります。今後、厚生年金病院にも保険料が一切投入されなくなるのでございますから、健康保険の病院と厚生年金病院とを区別する必要がないように思われますので、社会保険病院として新たな経営形態を検討していただくことを希望いたしております。
 また、当会が経営受託している四か所の社会保険診療所及び十三の健康管理センターにつきましては、政管の健診を中心として年間約三十五万件の健診を実施しており、地域住民の健康管理に大きな役割を果たしていると考えております。したがいまして、このような地域住民の生活に密着した施設につきましては、健全な経営が図れる限り、その機能の維持を前提とした取扱いを強くお願い申し上げる次第でございます。
 健康増進法の制定、健康フロンティア戦略への取組など、これから我が国は、国を挙げて生活習慣病の予防を柱とした健康づくりを推進し、医療費の増大を抑制していかなくてはなりません。社会保険センター及び健康管理センターは、地域、職域において生活習慣病一次予防を中心とした健康づくり事業に積極的に取り組んでいるところであります。現在、政管健保の在り方が議論されておりますが、政管健保の運営形態がどのような形になるにせよ、医療保険の保険者の立場からこのような施設を今後有効活用していくよう、その在り方について十分検討すべきであると考えております。
 また、厚生年金病院はもちろんのこと、社会保険診療所、健康管理センター、社会保険センター、ヘルシーパル等は、それぞれ国との委託契約を遵守して、国の施設としての使命を十分に果たし、地域住民、関係者の信頼を得てきたと自負しております。施設設置の際は、地方自治体や地権者から公益的施設の整備のためということで、用地の提供などいろいろと便宜を図っていただいたと伝え聞いております。
 そのような経緯を踏まえますと、これから施設の譲渡、廃止を地元自治体等に相談もなく一方的に打ち出すことや、一切の条件も付さないで一般競争入札で売却を行うことは、施設利用者はもとより、これまで支援していただいた地元関係者の行政に対する信頼感を損ねることになりはしないかと心配をしております。したがいまして、整理機構が譲渡、廃止を行う場合、これまで御協力いただいた地元自治体や関係者の御意向を十分尊重していただきますようお願いいたします。
 次に、現に施設を経営している立場から意見を述べさせていただきますと、このたびの五年以内に譲渡又は廃止するとの国の方針に関する各種メディアの報道による様々な風評被害が施設の運営に少なからぬ影響を生じさせております。
 例えば、今回の一連の福祉施設の廃止、売却等の報道によりまして、各施設の先行きを不安視した大学が医師派遣をちゅうちょするなど、病院によっては医師の確保が困難となっております。また、看護師につきましても、看護学校からの新卒看護師の就職あっせんがストップするなど看護師の採用に影響が出るなど、病院の診療体制の充実確保に苦慮しているところでございます。社会保険診療所、健康管理センターにつきましても、利用者が自分の健康を守ってくれる施設が数年でなくなってしまうという心配から他の施設へ移ってしまい、利用者が減少するところが多くなってきております。通常であれば経営不安がない施設であっても、風評被害の影響により経営を悪くするおそれがありますので、今後はきちっと、国の政策決定のなされない検討段階で報道が先走ることのないよう、特段の御配慮をお願いしたいと思います。
 次に、雇用の問題でございます。
 当会や都道府県社会保険協会の運営している施設は、職員の雇用の場のみならず、地域の経済振興に役立っております。万が一施設の廃止ということになれば、職員個人個人の生活保障問題が最大の課題でありますが、地域によっては地域経済にも大きな影響を及ぼすおそれがあります。当会や社会保険協会は、直接的な雇用者として職員の雇用確保の責任を果たしていくことは当然でございますが、仮に譲渡、廃止を進めざるを得ないとするならば、それは政府の方針として実施することでございますから、当然に行政当局におかれましても雇用の確保に十分な対策を講じていただくようお願いしたいと思います。
 次に、社会保険協会の積立金の取扱いについてでございます。
 社会保険協会は、社会保険センター及びヘルシーパル等の開設時はもとより、経営困難な折々に会員からの会費により運営経費を補てんし、その経営を維持してまいりました。そのような経営努力の結果、社会保険センター及びヘルシーパル等の各施設は、施設会計としては経営を償い、事業運営補てん、施設整備等の積立金を保有している施設が多いところでございます。現在の委託契約の上では独立採算制がうたわれており、委託契約を解除する際には特別会計を清算し、保有する積立金はすべて国庫に納入することになっております。都道府県社会保険協会からは、過去の歴史的経緯を勘案し、施設の譲渡、廃止に際しては、各協会が会員の会費から施設の運営経費として補てんした額につきましては清算させてほしいという強い要望が私どもに寄せられていることを付言させていただきます。
 最後に、今回の年金・健康保険福祉施設に係る政策決定に関して、国民の負担を考慮し、年金保険料財源を今後一切福祉施設へ投入しないという政府の方針につきましては十分理解をしているところでございます。
 しかしながら、その方針に基づいて今後の施設の取扱いをどうするかという検討の過程で、施設運営の直接の契約当事者である当会及び都道府県社会保険協会に対し、これまで十分な意見調整がなされなかったことにつきましては誠に遺憾に思っております。今後は、具体的な個別施設の取扱いにつきまして、契約当事者である当会や都道府県社会保険協会と十分意見調整を行っていただきたいことをお願い申し上げまして、私の意見陳述を終わります。
#114
○委員長(岸宏一君) ありがとうございました。
 次に、金子参考人にお願いいたします。金子参考人。
#115
○参考人(金子洋君) 社会保険健康事業財団の金子でございます。本日は意見陳述の機会を与えられまして、大変ありがとうございます。
 社会保険健康事業財団は、健康保険の被保険者や年金の被保険者、受給者の健康づくり事業等を専門的に実施する組織として平成二年に設立をされました。主な事業は、第一に、生活習慣病予防健診事業の実施、健診結果の記録の管理及び健診結果に基づく生活習慣の改善指導でございます。これらを健診事業と称しております。第二に、本福祉施設整理機構法案の対象となっております社会保険健康センター、健康づくりセンターの受託経営でございます。
 まず、健診事業につきましては、毎年約三百五十万人の政府管掌健康保険の被保険者が受診している健康診査の健診機関へ申込みのための事務、健診機関からの健診費用請求の確認等を行うとともに、健診受診者の五年間分の健診結果の記録を集中的に管理しております。また、健康診査の結果、軽度異常や要経過観察とされたいわゆる生活習慣病予備軍の方々に対しまして、時系列的に把握している健診結果データに基づき、生活習慣の改善指導を行っております。この生活習慣の改善指導は、全国に約七百人配置されております当財団の保健師が事業所を訪問して個々の被保険者と直接に面談することを基本として実施しております。昨年度は、約五十万人の被保険者等の生活習慣改善指導を行いました。なお、この保健師による改善指導を継続することにより、血圧、脂質、肝機能等の検査結果及び生活習慣の改善が顕著に図られることを私どもの調査研究により定量的にも証明できたところでございます。
 次に、本福祉施設整理機構法案の対象となっております社会保険健康センター、健康づくりセンターについて申し上げます。
 社会保険健康センターは、生活習慣病の増加等、疾病構造の変化等に伴い、運動プログラムに基づく運動指導など、積極的な健康増進事業を推進するため設立され、平成二年度から十年度にかけて順次その運営を当財団に委託されてきたものです。現在、当財団は全国に四十三か所の社会保険健康センター、健康づくりセンターを受託運営しております。社会保険健康センターは年間約五百三十万人の方々に利用され、被保険者や地域住民の健康づくり、生きがいづくりの場として親しまれてきました。生活習慣病予防のための健康づくりの実践の場として大切な役割を果たしてきたと考えております。
 特に、平成十五年度からは、社会保険庁から委託されて生活習慣病予備軍の方々等を対象とする一次予防を中心とした健康づくり事業を実施しています。この事業のポイントは、地域医療と連携を図りつつ、健康スポーツ医等の指導の下に保健師、運動指導士等がチームを作り、一人一人の対象者の個別の運動プログラムを作成し、毎月フォローアップを行いながら、六か月間運動プログラムに基づく健康づくりを実践するものです。この事業の対象者にとっては、頻繁に血圧、体重、体脂肪を測定するなど、手間の掛かる、内容の濃い事業にもかかわらず、約十五万人の方々がこれに参加し、健康づくりを実践しました。改めて国民の健康づくりのニーズの高さを実感したところであります。この事業は、今年度からは一定の基準を満たした運動療法施設への委託事業となりましたが、当財団としても引き続き事業を受託できるよう努力していきたいと考えています。
 この一次予防を中心とした健康づくり事業の生活習慣病の予防に果たす効果について、私どもが把握している限られたデータの中から若干御紹介させていただきたいと思います。
 十五年度に得られたデータの中で、この事業に参加する前は高血圧の範囲にある方々が七千百十八人おられましたが、事業参加後は約四五%、三千二百二十人の方々が血圧が正常範囲となりました。HDLコレステロール、いわゆる善玉コレステロールの顕著な増加など、他の項目につきましても顕著な改善が見られております。今後、十分なデータを集め、更に検証をしていきたいと考えております。
 これまで説明いたしましたように、社会保険健康センター、健康づくりセンターは、生活習慣病の予防に大きな役割を果たしていると考えております。また、今年度からは、高齢者の筋力トレーニングなど、スタッフの専門能力を生かして介護予防にも取り組んでいくことにしております。健康増進法の制定、健康日本21の実施など、現在、国を挙げて国民の健康づくりに取り組んでいる最中であります。また、特に生活習慣病の予防は、次期医療保険制度改革の重要テーマと言われております。
 このようなときに、生活習慣病の予防や介護予防にもつながる健康づくりの拠点となっている社会保険健康センター、健康づくりセンターを一般競争入札により売却することは誠に残念であります。売却が避けられないのであれば、社会保険健康センター等の健康づくりの機能は継続されるよう強く要望いたします。これらのセンターは、被保険者や地域の住民の方々にとって健康づくりや生きがいづくりに大切な施設であります。地元からも事業継続の要望が出ており、売却されるとしても、健康づくりの拠点として引き続きその機能が十分果たせますよう、特に御配慮をお願いします。
 また、社会保険健康センター、健康づくりセンターには、被保険者や地域の住民の方々の健康づくりのために、将来に希望を持って一生懸命に頑張ってきた一般職員、運動指導員等のスタッフがおります。これら職員の雇用の確保に格別の御配慮をお願いします。社会保険健康センター等の機能が売却後も維持されるのであれば、こうした職員の雇用の確保にもつながりますので、格別の御配慮を重ねてお願いします。
 社会保険健康センター等の生活習慣病の予防に果たす役割に御理解を賜りますよう、厚生労働委員会の委員の先生方に改めてお願いをして、意見陳述を終わります。
#116
○委員長(岸宏一君) ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 なお、質疑の時間が限られておりますので、参考人の方々には簡潔な御答弁をお願い申し上げます。
 また、委員長の指名を受けてから御発言いただくようお願いいたします。
 それでは、質疑のある方は順次御発言願います。
#117
○水落敏栄君 自由民主党の水落敏栄でございます。
 それぞれのお立場から、四名の参考人の方々のお話をお聞きをいたしました。社会保険庁から委託を受けている公益法人の代表の皆様を前にしてこれは大変言いにくいんでありますけれども、今までの公益法人の施設運営は国有民営化方式でございまして、高コスト構造と天下りの温床というふうに国民の皆様からも見られているんではないかなと、私はこんなふうに感じております。
 そして、年金未納の問題に発しまして、個人情報の漏えいとか監修料の問題等々、ついに社会保険庁を抜本的に改革をする、そのために独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構法案を作る、こうした経緯があるわけでありますけれども、そこで私は、今までの経営、運営についてどのような努力をされてきたのかお聞きをしたいと思っております。
 旧厚生省は、平成九年六月でありますけれども、新規の施設整備につきましては、従来の方針を転換をして、計画進行中のものを除き新たに施設設置はしないと、こういうふうに決めております。そして、施設整備費を大幅に圧縮して、平成九年度比で平成十一年度まで半減する等の基本方針を定めております。こうしたことから、施設整備費は、厚生年金においては平成九年に六百六億円計上されていたものが平成十一年には三百億円、平成十六年度は百億円に減額をされております。国民年金においては、平成九年に九十六億円計上されていたものが平成十一年には四十七億円、平成十六年度には二十二億円になっております。また、健康保険においては、平成九年に六百七十三億円計上されていたものが平成十一年には三百五十一億円、十六年度には九十三億円にまで減少いたしました。そして、平成十七年度においては、廃止施設の解体費用を除いて施設整備費は計上されておりません。
 このように、平成九年から施設整備費が漸減している、相当減っているわけでありまして、つまり、相当の経営努力がなければ福祉施設の経営が成り立たない、こうしたことが容易に予想されるところであります。
   〔委員長退席、理事武見敬三君着席〕
 本日、参考人の皆様方の意見陳述で、吉原参考人からは、赤字の施設もあるけれども、全施設は健全経営で、十一年度以降は毎年二十億円台の経常利益を出していると、こういうお話もございました。また、加藤参考人からは、五十九施設の年間利用者は五百万人だけれども、収益の確保に苦慮していると、こんなお話もございました。
 そこで、四人の参考人の皆様方に、大変聞きづらいところでもありますけれども、どのような経営努力をされてきたのか、端的にお答えいただければ有り難いと思っています。お願いします。
#118
○参考人(吉原健二君) 私どもの事業でございますけれども、今お話ございましたけれども、平成の七、八年ごろまでは比較的収益も伸びてまいりましたし、順調に推移してきたわけでありますが、やっぱりバブル経済が崩壊をいたしましてから利用者の数も減少し始めましたし、それから収益自体が全体として減少してきたわけであります。そして、それまでは黒字であった経営収支が平成八年、九年、十年と三か年ほど赤字が出てしまったわけでございます。
 それで、平成十一年からは、これではいけないということで思い切った経営改革、経営刷新を進めることにいたしまして、絶対赤字が出ないようにということで努力をしてまいりました。その一番、いろんなことをやりましたけれども、一番努力をいたしましたのは、力を入れたのは経費の削減、その経費も人件費を中心とした経費の削減ということで、大幅に職員の数を減らしました。それから、給与や賃金の水準も減らしました、下げました。そういったことによって、平成十一年度から、先ほど申し上げましたように大体二十億円程度の余剰金を生ずる、出せるような状態になったわけでございます。
   〔理事武見敬三君退席、委員長着席〕
 具体的に申し上げますと、私どもの職員の数がピーク時には、平成六年でございますけれども、六千三百二十四人いたんですけれども、現在は四千六百人程度、この四月現在では四千六百三十九人と、千六百人程度あるいは千七百人程度減らしてきております。施設も、採算の合わない施設は整理をすると、廃止をするということで、ピーク時には百十八の施設がございましたけれども、現在は百四の施設ということでございます。そういったことを中心に努力をしてきたということでございます。
#119
○参考人(加藤陸美君) 国民年金の施設は地方にございます施設が多いわけでございますが、地域地域によりまして非常にばらつきといいますか、特性がございますので、条件のいいところ悪いところ、それから経済の変動の影響を強く受けるところと比較的常に利用の度合いが低い、へき地と言うと言い過ぎかもしれませんが、にあるもの、なかなか条件の差がありまして、一概には申し上げられませんが、意見として申し上げましたとおり、経営が苦しいことは事実でございまして、特にここ数年は、経済の状況との関係もありまして特に苦しくはなっておりますが、その中でいろんな努力はいたしております。
 端的に申し上げまして、費用の削減対策、支出を抑えるという方法が最も端的、その中でも人件費の問題でございます。これは職員にとりましては厳しいわけではございますけれども、世の中全体の動きがまたそういう方向にございましたので、この努力は大いにいたしてきております。その結果でございますけれども、必ずしも好転はいたしておりませんけれども、しかし、この時期の割には精一杯やっておる施設が多いのではないかと思います。しかし、中には残念ながらどうしようもない赤字体質のところも確かにございます。ただ、今後の問題といたしましては、人件費の削減を更に厳しく進めるつもりでおります。
 したがいまして、経営形態が今後いかような変化を受けるかは、世の中全体の流れ、それから制度の仕組み等によりまして差はございますけれども、どのような形になろうとも、世の中の役に立てる限りはそれが実行できるような経営体質の強化と申しますか、強い体質に変えていこうという努力はいたしてきたつもりでございます。
 端的に申し上げまして、以上要点のみでございます。
#120
○参考人(伊藤雅治君) 私どもの団体は、主として社会保険病院と厚生年金病院三病院の経営が一番大きな課題でございますが、平成十四年度の健康保険法の改正の附則を受けまして、政管健保の保険料財源から施設整備を行わないという、そういう前提で十五、十六、十七の三か年の経営改善計画を立てるということになったわけでございます。
 したがいまして、自ら診療収入の中から施設の更新費用を賄うということになりますと国家公務員準拠の給与体系を抜本的に改めなくてはいけないということで、この四月一日から給与制度を抜本的に改めまして、国家公務員準拠ではない、いわゆる責任の大きさと病院の経営実態を反映する給与制度に変換をいたしました。
 そのほか、施設の更新費用を賄うということで、建物更新費用を積み立てることでございますとか共同購入によりコストの削減を図っていくということに取り組んでおりまして、平成十四年度、これは経営改善前でございますが、十四億の赤字でございましたが、十五年度は施設の更新費用百七億円を引き当ててなおかつ七億の黒字でございますから、百四十億からの経営改善を図っておりまして、さらに、この二年目、それから最後、十七年度一年間残っておりますが、ほぼ数字の上では社会保険料に依存しなくても施設の建て替えができるというところまで少し先が見えてきたかなというような感じでございます。
 最大の問題は人件費、給与体系にあるというふうに考えておりまして、その点を何とか、過去の労働組合との協約といいますか、八十七本の労働契約を破棄をいたしまして、そして最終的には労働組合も、各病院に給与の決定権を与えるということにつきまして三月の末ぎりぎりに妥結をしたところでございます。
 以上でございます。
#121
○参考人(金子洋君) 社会保険健康センターの事業運営につきまして申し上げます。
 まず、収入の確保の点でございますが、地域に健康づくりについての広報啓発を行い、センター事業への積極的な参加を促して利用者増への努力を行っております。また、健康をテーマに地域のニーズを把握して運動講座や文化講座の充実を図っております。さらに、施設の利用時間の拡張など利用者の利用しやすい環境づくりにも努力しております。また、市町村や国保などの保険者と連携した事業展開をすることにより収入増を図るというようなことで、収入の確保を図っているところであります。
 また、経費につきましては、必要最小限の人員体制、ぎりぎりのスタッフでセンター運営を行っておりますほか、メンテナンス等の経常費用の見直し等によりまして徹底したコストの削減を行っているところであります。
#122
○委員長(岸宏一君) 参考人の皆様に申し上げます。
 質問時間が限られておりますので、大変恐縮ですが、簡潔な御答弁で、お答えをお願いしたいと思います。
#123
○水落敏栄君 本委員会の調査室で作った参考資料によりますと、例えば社会保険病院五十二施設の中で黒字経営が三十五施設、赤字が十七、あるいは老人ホーム三十二施設で黒字が二十五、赤字が七、あるいは国民年金健康保養センター四十七施設で黒字三十三、赤字十四と、こうした例がございまして、さらに、黒字が出ておりましても、先ほどもちょっと議論ございましたが、国有財産減価償却費を計上いたしますとすべてが大きな赤字になってしまうと、こうした現実もございます。
 そこで、大変恐縮ですが、時間があと三分弱でありますけれども、経営者としての、理事長さんは経営者でございますから、経営者としての今までの自己評価と申しますか、どうだったんだろうということを一言ずつお願いします。
#124
○委員長(岸宏一君) お一人ずつですか。
#125
○水落敏栄君 いえ、一言ずつ。お一人一言ずつお願いします。
#126
○委員長(岸宏一君) 一人一言でという御注文、御注文というか御質問でございます。
 吉原参考人からお願いいたします。
#127
○参考人(吉原健二君) 私が本団に参りましてからは、先ほど申し上げましたように、それまで赤字でございましたので、これはもう絶対赤字を出しちゃいかぬということで先ほど申し上げましたような努力をしてきたと。それはかなり職員にもきつい措置だったと思いますけれども、それに耐えて、しかも一生懸命サービスの向上といいますか、被保険者や受給者のためにやっていただくということでやってまいりまして、まあそれなりと言うと、自分ではなかなか申し上げにくいんですが、それなりの成果を上げてきたのではないかというふうに思っております。
#128
○参考人(加藤陸美君) 私は比較的、当団体の経営経験としては一年余りでございますので、余り偉そうは申し上げられませんけれども、それだけに、厳しい風になってからの理事長職を務めさせていただいておりますので、幸いと申しますか、職員に対して厳しい風だよということが言えるようになっておりましたので、人件費等の削減の程度については、余り自慢にはならぬかもしれませんが、相当な切り込みをいたしております。
 したがいまして、そういう目で見れば努力の跡は一杯あったかなと思っております。ただし、厳し過ぎるという御批判があれば、それはまた甘んじて受けなければならぬと思っております。
#129
○参考人(伊藤雅治君) なかなか自分の評価というのは難しゅうございますが、何とか護送船団方式と決別すべくこれからも努力していきたいと考えております。
#130
○参考人(金子洋君) 私自身の評価は控えますが、私は、社会保険健康センター、健康づくりセンターの経営努力の一番のポイントは、健康づくり、いかに質の高い健康づくりのサービスを提供するかにあると、それが経営改善につながるんだという信念の下、頑張ってきたつもりであります。
#131
○水落敏栄君 ありがとうございました。
 終わります。
#132
○山本孝史君 民主党の山本孝史でございます。
 今回の法案が成立しますと、運営委託をされております各公益法人にも大きな影響が出てまいります。切捨て御免は駄目だよと、こう申し上げて、与党の理事の御了解もございまして本日皆様方には参考人としてお越しをいただきました。お忙しい中、大変にありがとうございました。
 最年長者でいらっしゃいますので、代表して加藤参考人にお伺いをさせていただきたいと思います。
 加藤参考人も、社会保険庁の年金保険部の業務課長、あるいは長官官房の経理課長、厚生省の大臣官房会計課長、御歴任でございます。その当時にこれらの施設が建設をされたという経緯もございます。また、今回は全国国民年金福祉協会連合会の理事長として、御自身お造りになった施設の今度はその運営の責任者として、今の与党の皆さん方からやいばを突き付けられておられる、こういうお立場でございますけれども。
 率直にお伺いをいたしますし、また、お気持ちを述べていただければと思いますが、造ってはいけない施設を造ってしまった、そういうお気持ちはございますか。
#133
○参考人(加藤陸美君) 私が直接関係を持たせていただきましたのは昭和五十年前後でございます。国民年金で申し上げますと、やっと十年年金の受給者が現れた時期でございます。それは十年の短期の方でございましたので、本格的な給付が始まる、いわゆる成熟に達したのはそれから十数年後のことでございますので大分原始時代のお話を申し上げることになりますが、御理解はその点賜りたいと思いますけれども。
 当時造りましたときの施設としては、私ども、立派な施設を、かつ地元の御要望にこたえて造ってきたと思っております。決して無駄な施設を造ったとは思っておりませんし、現時点でもそれはそう信じております。
 ただ、その後の時代の変化に応じてどうあるべきかという問題につきましては、これはまたいろいろとございますし、現在置かれておる立場はそういう時代の変化を過ごしてからの現時点でいかにすべきかということでございますので、この新しい立場で立ってみます限りは、今のままではいかぬのではないかという点は率直にそう考えております。
 したがって、いかにすべきかという点につきましては、また諸先生方の御指導、また温かいお見守りを受けながら処すべき道を考えていくべきではないかと思っておりますが。
 以上でございます。
#134
○山本孝史君 設置責任あるいは運営責任に対して真摯な反省がないままに、このままやらせてくれというのは国民は納得しないと思います。私は、そこのところは不問にすることができない。しかしながら、吉原参考人が本日もお述べになりましたように、この処分の方針ということについては私は極めて乱暴であって、参考人がお述べになったのと同じ思いを持っております。
 その中で、一点、保養ホームのことについてお伺いをしたいんですが、厚生年金病院に附属して造られております保養ホームを今回の処分計画では厚生年金病院とは切り離して処分対象にするということになっております。これは私は間違っているというふうに思っておりまして、参考人、御存じでございましたら、この保養ホームの機能が非常に発揮されている、あるいは利用価値が高いということについて御発言をいただければと思います。
#135
○参考人(吉原健二君) 保養ホームといいますのは……
#136
○山本孝史君 厚生年金病院に附属されております。
#137
○参考人(吉原健二君) はい、私どもの四つのリハビリを中心にした病院ですね。
 温泉地にございますけれども、湯河原とか湯布院とか玉造とか登別、そういった病院に附属施設として、附属的な施設として造られたわけでございますけれども、その造られた趣旨というのは、当時、病院からすぐに自宅に帰れない、そのために必ずしも病院で治療が必要でないにもかかわらず病院にいるというようなことが何とか是正できないかと、その中間的な施設というものが必要じゃないかという考え方で計画をされ、できたわけでございまして、今申し上げましたような四つの病院に、病院のすぐ近くにございますけれども、ちょっと登別だけは離れて問題があるんですけれども、非常に、病院と自宅に帰る間の中間的な施設、その中間的な施設でリハビリをやる、あるいは糖尿病の栄養指導をやるというようなことで、大変実はいい施設だというふうに評価を受けておりまして、現在でも大変利用者が多いんですね。
 そういうことで、純粋な病院ではございませんけれども、病院と一体的な施設として造られたということで、この保養ホームを考え方としては病院と一体的に処理をすると。率直に言いまして、今までの機能が継続できるような御措置を、取り計らいをお願いしたいというふうに思います。
#138
○山本孝史君 吉原参考人、重ねての御質問でございますが、財務状況を見ておりまして内部の留保金が結構多いなと思ったんですが、あわせて、これ、職員を解雇するということになりますと、そこに退職金を支給しなければいけないということになる。事業主の都合で退職していただくとなると、退職金の割増しということも出てくるのかもしれない。こんなふうに考えますと、必ずしも積立てが足りているわけではない。公益法人によっては積立金が不足しているようなところもあるというふうに私など思うんですが、この雇用という問題あるいは退職金という問題についてどんなふうにお考えでいらっしゃいましょうか。
#139
○参考人(吉原健二君) 私、退職の問題ですけれども、現在、仮に職員が退職した場合に、規程に基づいて支払うべき退職金の準備はございます。
 ただ、今回のような措置で、普通退職でなしに、何といいますか、職員の意思にかかわりなく退職を余儀なくされたという場合には言わば、民間企業でどう言っておりますか、整理退職と言うんでしょうか、そういう形になるわけでございますから、私は、普通退職金を支払っただけでそれで済むという話ではないというふうに思っております。
 したがいまして、もしこういう事態になりますと、四千数百人、五千人に近い職員に普通退職金は無論のこと、整理といいますか、言わば強制退職のような形で職を退いていただくわけですから、それなりの私は雇用者としては、何といいますか、措置を考えなければならない、それは私どもの本当に義務だというふうに思っております。それをどの程度考えるかということは、今後の問題として十分検討さしていただきたいと。
 私どもとしては、できるだけの、仮にこういう事態になった場合には、できるだけのことを考えたいというふうに思っております。
#140
○山本孝史君 伊藤参考人にお伺いをしたいと思いますが、厚生省の保健医療局長あるいは健康政策局長、お務めでございました。
 今度のこの厚生年金病院あるいは社会保険病院のこれからの在り方でございますね。地方自治体に引き受けてもらったらいいではないかという御発言もあったんですが、地方自治体そんなに財政豊かではございませんで、自治体病院が今大変な苦しい状態に置かれております。一つ考えられるのは、国立病院等々と一緒にしながらこの再編を考えていくということがあり得るのかなと思っておりますが、かつて御専門のお立場でもいらっしゃいましたこの厚生年金病院あるいは社会保険病院の今後の在り方、どういうふうにあったらいいというふうにお考えでございますか。
#141
○参考人(伊藤雅治君) 今の御質問、全社連の理事長という立場ではなくて、個人的な意見ということでよろしければ少しお話しさせていただきたいと思いますが。
 これからは、同じような機能を持った病院が北海道から九州までグループをつくるということの意味が大分薄れてきているんではないかと思います。したがいまして、今、厚生労働省の医療計画の審議会等でも御議論いただいておりますが、医療圏、生活圏の中で、異なった開設者、異なった機能の病院がいかに地域に切れ目のない医療の提供体制をつくっていくかということが重要になってきておりますから、少なくとも、私は第一弾の改革はこれでいいと思いますが、その次の改革としては、国立病院、労災病院、自治体病院それから全社連、社会保険病院、厚生年金病院も含めて、地域ごとに機能の異なる病院が経営統合していくというような方向を目指すべきではないかというふうに考えております。
 そのことが、つまり、住民、患者さんの立場に立ったときに、急性期、慢性期それから在宅医療を含めて、地域の中にいかに効率的な医療提供体制をつくっていくかという、私、この社会保険病院の在り方から今回の年金制度の在り方の見直しをずっと外から拝見させていただいておりまして、常に財源の議論だけでございまして、医療提供体制の側から、この病院を含めてどうしていくのかという議論が欠落していることにつきまして内心非常に強い不満を抱いておりましたので、今、山本先生の御発言を機に、やはりこの次の段階としては医療提供体制の在り方と絡めて是非御議論いただきたいということを申し上げたいと思います。
#142
○山本孝史君 もう一問、そういう観点で伊藤参考人にもう一問お伺いをしたいんですが、リハビリテーションを厚生年金病院、今の保養ホーム等々でもやっております。高知もそうでございますけれども、かつて星ヶ丘もそうでございました。リハビリテーションというものが政策医療として形作っていくことができるというふうにお考えでしょうか。あるいは、何か御感想があったらお聞かせください。
#143
○参考人(伊藤雅治君) 実は今、介護保険対策本部でもいろいろ議論されておりますように、厚生労働省の組織におきましてもリハビリテーションを体系的に検討する仕組みが少し弱いんではないかと思っています。したがいまして、私は、地域の中でそれぞれの病気の種類ごとに、急性期から回復期、維持期と、どういうふうにつなげていったらいいのかということが地域においてこのリハビリテーションの体制をつくっていくことにつながるわけでございまして、整形外科的な病気だけではなく、心臓疾患それから脳卒中含めて、総合的にこのリハビリテーションの体制を地域でどうつくっていくかという、地域の医療機関が集まってまず協議をする仕組みをつくるということが重要ではないかと思います。
#144
○山本孝史君 最後に金子参考人にお伺いをしたいと思いますが、健診事業をなさっておられます。国民皆健診体制にしようというふうに言っているわけですけれども、残念ながら予算の都合があって全員が受けられないという状態がございます。そういう意味で、今後のこの健診体制をどういうふうに考えていったらいいのか、そのときに皆さん方の健康センター等々がどのような役割を果たすことができるのか、お話をいただきたいと思います。
#145
○参考人(金子洋君) 今、先生御指摘のように、現在の健診の予算限られておりますので、一般健診でいきますと三〇%ちょっとの実施率でございます。これを是非大幅に増やしていただいて、十分な健診を政管の被保険者の方が受けられるような体制に持っていく必要があると考えております。
 従来ですと、昨年度の状況などを見ますと、早いところでは五月や六月にもう健診の申込み自体の受付を締め切らざるを得ないというような状況になっておりました。今年度は健診単価の改善などで相当の件数増が見込まれるので多少改善されると思いますが、更にやっぱり必要な予算を確保していただきたいと。
 先生おっしゃったように、私どもの社会保険健康センターとのかかわりでいうならば、健診があり、それで健診を受けた結果、その次に生活改善の指導、事後指導とも呼んでおりますが、があるわけですが、じゃ、それを受けて健康づくりをやろうという実践の場が確保されていなければならないと。その健康づくりの実践の場が正に社会保険健康センターであるわけなんですが、それが、先ほど申し上げましたように、一般競争入札で売却されると全くほかの施設になってしまうかもしれないと。大都会ではいろいろ、アスレチックとかいろいろあるではないかと言われても、地方にはそれ、数多くありません。また、大企業の健保組合が契約施設を持って、そこで相当の補助があって行けるというような仕組みのない、特に政府管掌健康保険の被保険者とか地域の一般住民の方々にとって、そういう意味では、健診を受けた結果、健康づくりの実践をする場として非常に大切な施設でありますので、是非その機能の継続を特にお願いしたいというところでございます。
#146
○山本孝史君 終わります。
 ありがとうございました。
#147
○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。
 まず最初に、元厚生省の事務次官も歴任されております吉原参考人の方にお伺いをしたいんですけれども、今来ていただいている参考人の皆さん、理事長で、四つの団体代表されているわけでありますが、これはもう当委員会でも、自民党の武見理事からも質疑の中で指摘があった点でございますけれども、それぞれの団体の傘下にというか運営されているセンター、施設に、健康づくりにかかわる施設がそれぞれの団体にございます。
 具体的に申し上げますと、厚生年金事業振興団の場合は、スポーツセンターは四か所、あとサンピアでも運動できますので、二十五加えまして約三十。それから、国民年金福祉協会の方は、今お話ありましたけれども、健康保養センター四十六か所、健康センター八か所、合計五十四か所ということになっております。それから、伊藤理事長のところは社会保険センターだけでありますけれども、聞くところによりますと、私も詳細知らないので後でもし間違っていれば訂正いただきたいと思いますが、健康づくりのできる施設が含まれ出しているというふうに聞いております。それで、これが四十八施設。最後に、社会保険健康事業財団の方ですけれども、正に今直前にお話ありました社会保険健康センターが四十三施設あると。
 そうしますと、私のような素人感覚で見ますと、何か、四つともある意味横並びで各財団、健康増進の施設を持っておりまして、確かに団体が違いますし、保険者も被保険者も異なるわけでありますので、それぞれの利用者向けにこういう施設を造ったんだという議論は成り立つかと思いますが、他方で、究極的には同じ年金財源を使って建てて運営をしている施設でございまして、素朴な疑問として、吉原理事長、これは全体を所管している旧厚生省あるいは現在の厚生労働省で調整をされて、このように健康センターを三十か所から五十か所、それぞれの団体の下に造るということをお決めになってやったのか、たまたまそういう結果になって同じような施設が重なったというふうに判断をしたらいいのか、お聞かせ願えればと思います。
#148
○参考人(吉原健二君) 私が厚生省におりましたときから先生方御承知のように医療費というものがどんどんどんどん増えていきまして、やはりこれだけの医療費を、将来増加していく医療費を国民全体で負担するのは大変なことになるんじゃないかという認識が、言わば危機意識がだんだん強くなってきたわけでございます。
 その医療費を減らすためには、やはり何といっても健康づくりというものが一番大事なんじゃないかと。医療費そのものの適正化ということも必要ですけれども、とにかく病気にならないようにすると、予防すると、健康づくりをする。それが言わば本人にとっても一番幸せになることですし、医療費の増加を言わば減らすと、抑制するという意味でも必要なことだということで、厚生省が全体として健康づくりとか健康増進対策に、今でもそうでございますけれども、そういうことに非常に力を入れ始めたわけであります。あらゆる、何といいますか、社会資源を活用しながらそういった施設を造り、政策を進めていこうということで、今御指摘もございましたけれども、いろんな団体でいろんな健康づくりのための事業を進めていこうということで実はこういった施設ができてきたわけでございます。
 今御指摘のございますように、よく調整してやったのかということを言われますと必ずしも、私は、率直に言って十分調整してやったんだと言うほどの自信はございませんけれども、とにかくそういう施設がもっともっと必要だという認識をみんなが持っていて、それぞれができる範囲内であらゆる資源を使いながらそういう施設を増やしていくことが大事だと、そういう認識で、意識で施設を造っていったと。
 今となってみると、いろんな団体がいろんな同じような施設を造っているじゃないかと言われますと、それはそういう面も確かにあろうかと思いますけれども、気持ちとしては、やはり今申し上げましたようなことで地域なんかの調整はいたしますけれども、いろんな団体が、あらゆる社会資源を有効に活用しながら健康増進のための施設を増やしていくということでやってきたというふうに思っております。
#149
○遠山清彦君 私も健康増進は大事だと思いますし、それから医療においての予防、それから予防といいますと、今衆議院の方で議論されておりますけれども、介護予防が今回の改正で導入をされるということになっておりまして、そうしますと、これ加藤参考人にお聞きしたいと思うんですけれども、参考人、先ほどの陳述の中で、今ある施設の一部を介護予防に使えるんではないかという御提言がありまして、これは御提言としては参考になるというふうに思っておりますけれども、ただ、昔は健康増進が大事だということで、それぞれの団体でだあっと健康増進の名の下に施設をたくさん造って、似たような施設が最後見たらたくさんあったと。
 そうすると、またこの介護予防も一種のはやりになって、何かもう介護予防という言葉を使えばまたたくさん施設を転用できる、造れる、場合によっては新規でも造れるというような話になりますと、これまた十年後、二十年後の、ちょうど健康増進でたくさん厚生省さんが施設を造っておったころ、私、幼稚園生、小学生ぐらいだったんですが、今度、今小学生ぐらいの人が政治家になるような時代に、何でこんなに介護予防センターあるんですかというような話になって、議論になってしまっては、これはやはり教訓を過去から学んでないということになると思うんですけれども、この辺の、いわゆるはやりに乗じていろいろ施設を造るというようなことはこれからやっぱりやめた方がいいんではないかと思いますけれども、どうでしょうか。
#150
○参考人(加藤陸美君) 正におっしゃった点は問題点としてよく理解できます。
 私、あえて介護予防という言葉に踏み込ませていただきましたのは、その専門ではございませんけれども、今やいかに介護の予防が重要な課題であるかということは、身の回りを見ておりましてよく分かるものですからあえて申し上げたわけでございますが、二点申し上げたいと思います、先生のお話については。
 一点は、ばらつきの問題でございまして、先ほど吉原参考人の方からも言われましたのの延長みたいなものでございますが、それは後に回しまして、介護予防の点についてでございますけれども、これは確かに、そう言えば造りやすいではないかと、あるいは存続させやすいではないかという見方ももちろん全くないとは言いませんけれども、介護予防の対象の人数といいますか、規模はべらぼうなものがございます。
 これは予測数値でも大変な数になっておりまして、しかも要介護状態に入る前から手を打つということが一番求められておりまして、その代わり、打つべき手は比較的軽くて効果があるという段階、つまり要介護一まで行く前が特に大事と。それから、一から二に進まないようにするというところ辺りまでが一番効果が多くて、それ以後になりますと、残念ながら大変厳しいというふうに教えられておりますので、ただその数がどれぐらいいるかと予測しますと、これは東京都の老人関係のところでもデータが出ておるようでございますが、もうけた違いに多いと承っております。
 したがいまして、既存の施設のうちの幾つかがそういう機能を果たすということは非常に時宜に適したものではないかと思ったものですから申し上げました。あとは専門の先生方もおられますので。
 前段、ちょっと後でと申し上げましたばらつきの問題でございますが、吉原参考人からお話がありました基本線はそのとおりでございますけれども、ちょっともう一つ特徴を付け加えさせていただきますと、国民年金と厚生年金の同じく休養の関係ではございますけれども、これは健康関係の施設としては、国民年金の施設は比較的ひなびた地域にございまして、かつ温泉がほとんどある土地にできております。したがいまして、ばらつきは先生が御心配になったほどオーバーラップしてはいない。
 これ本当に計画してそうしたかと言われますと、それほど、図面を引いたわけではありませんけれども、結果的には割合いいバランスになっておるのではないかと思いますので、ちょっと申し添えさせていただきました。
#151
○遠山清彦君 金子さん、どうぞ。
 じゃ、委員長、金子参考人。
#152
○委員長(岸宏一君) いいですか。
 金子参考人。
#153
○参考人(金子洋君) 済みません、聞かれてもいないのに。
 私も冒頭の意見陳述で介護予防に言及させていただいたんですが、私どもの社会保険健康センターには、運動指導員と保健師という介護予防に必要なスタッフがいるんですね。今既にやっている事業も介護予防につながるような事業をやっておりますが、今その介護予防のスキルも身に付けております。こうした資源、今限られた中で非常に活用しなきゃいけない、そういう貴重な資源があるので、これを大いに生かしていきたいというのが意見でございます。で、そのきちっとしたプログラムを立てて、きちっとした評価もやっていきたいというふうに考えております。
#154
○遠山清彦君 私は、介護予防には決して反対ではございませんので、公明党もかなり協力、推進して今回の改正案作りましたので、もうおっしゃる趣旨はよく分かります。
 ただ、私は、それが施設の不適切な存続の正当化の論拠で使われたら問題であるという趣旨でございますので、よろしくお願いいたします。
 最後に、伊藤参考人に、先ほどお話の中で、風評被害が既に起こっているということで、いろいろなこの社会保険庁の改革等にまつわる報道で、皆さん方の施設、特に病院を念頭に置いているんだと思いますが、まあ医系の大学が医師の派遣を渋るとか、あるいは看護師の採用ができなくなっているとか、患者さんたちがほかの施設へ移ってしまうとか、そういった事態があるということなんですが、どの程度の被害なのか、もうちょっとイメージがわくようなお話があればと思いますし、また、現状でどういうふうに対応されているのか、伺いたいと思います。
#155
○参考人(伊藤雅治君) これは、医師を引き揚げるという話につきましては、いろいろ臨床研修の必修化でございますとか、国立大学病院の独法化、いろいろな複合的な要素あろうと思いますが、一々どれどれの病院でどういうことがあったということは申し上げませんが、つまり、例えば東北厚生年金病院でありますと、厚生年金病院というもの、どこかへ売られちゃうんじゃないかと。それで、それは東北大学の中にかなり不正確な形で伝わっていくわけですね。
 そういたしますと、各臨床科の教授が、いつ売られるか分からないような病院にもううちの医局は医者出さないよという話が、これ実はあっちこっちの病院で実はそういうことが起きているわけでございます。そのたんびに、院長が出掛けたり、場合によっては私も、今年も何か所かの病院、大学に学長や医学部長に会いに行ってまいりました。それで、とにかく、例えば東北厚生年金病院でいけば、正確に決まっているところはここまでであって、そして、ここから先はこれから国や国会で議論されるんですと。そういう正確な情報を伝えながら、この医者の確保。
 それから、看護学校につきましては、看護学校の卒業生を各病院に就職あっせんをしてくれるところが、もういつどうなるか分からぬ病院にあっせんしないと言うんですね。それも、やはりこの正確な情報を一々病院の看護局長さんが出向いて、いやそんなに、うちの病院は大丈夫ですと、そういう大変な苦労を今、各病院がやっているということでございます。
#156
○遠山清彦君 終わります。
#157
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 先ほどの四人の皆さんの、地域の皆さんにとっても、あるいは職員にとっても大事な施設を乱暴になくしていくやり方に対する懸念ということには、完全に同意もし共感もいたします。
 しかし、ここにおられる四人の皆さんの責任というのは、全くそれとは別の問題として私は存在しているというふうに考えます。
 その点で、最初に四人の方に端的にお伺いしますが、最終官職を教えてください。
#158
○参考人(吉原健二君) 厚生事務次官でございます。
#159
○参考人(加藤陸美君) 環境次官でございます。
#160
○参考人(伊藤雅治君) 厚生労働省医政局長でございます。
#161
○参考人(金子洋君) 社会保険業務センターの所長です。
#162
○小池晃君 全員天下りなわけですが、厚生年金事業振興団について特にお聞きをしたいんですが、これ調べてみますと、昭和二十六年以来九名の理事長、これ全員が厚生事務次官の出身者であります。何でそのすべて、これ厚生事務次官が理事長を昭和二十六年以来務めてきたんでしょうか。厚生事務次官でないとできない仕事なのか、その点についてなぜなのか、御説明願いたい。
#163
○参考人(吉原健二君) なぜ、なぜかと、なかなか御質問、お答えしにくい御質問でございますけれども、財団法人厚生年金事業振興団は財団法人でございまして、理事長は、まあ何といいますか、理事、理事会、評議員会で、最初は、かつては評議員会というのはなかったんでございますけれども、理事会の中でこう選ばれるということになりまして、その理事会のメンバーには、公益代表でありますとか、あるいは労使の代表の方が理事に、役員になっているわけでありますけれども、そこでこう、その事業を推進するのにまあ一番ふさわしいといいますか、適任な方が選ばれるというふうに制度の上でなっております。
 そういったことで、実は、まあそれは自分で申し上げるのはなんでございますけれども、そういう手続といいますか制度の中で、微力でございますけれども私などが選任されたというふうに考えております。
#164
○小池晃君 現在の理事見ましても、常勤理事三名すべて厚生省の出身者であります。
 これを見ますと、学識経験者の枠が四名あります。学識経験者四名のうち三名が厚生省ということになっている。一名、慶応大学の方もいらっしゃいますが、学識経験者四名中三名が厚生省というのは、これは、学識経験者というのは厚生省の出身者以外にいないんでしょうか。なぜこのような構造に、構成になっているんでしょう。
#165
○委員長(岸宏一君) よろしいですか。吉原参考人。
#166
○参考人(吉原健二君) なぜと言われますと、理事会は……。
 理事は、評議員が理事を選任するということになっておりまして、また評議員は理事会ですか、そういうふうに相互、相互に相互の理事なり評議員を選ぶという、これはどの財団法人も恐らくそういうことになっていると思いますけれども、そういった中で、その事業、その団体の事業を運営するのに一番まあ適任者、適当な人が選ばれてきたということだろうと思います。
 まあでき上がった、こう選ばれている姿についていろいろ今御指摘のいただきましたような御意見はあるかと思いますけれども、そういうことで選任をされてきているというふうに思っております。
#167
○小池晃君 国民から見れば全く納得できない構造だと思うんです。
 先ほど、私、四名中三名と言いましたが間違いで、理事長一名含めて五名中四名が、学識経験者五名中四名が厚生省の出身者ということになっているというわけです。
 重ねてお尋ねしますが、吉原参考人は年金局長を二年間務めておられますが、その在任中にグリーンピア、どれだけ造られたでしょうか。
#168
○参考人(吉原健二君) ちょっと大分昔のことになりますし、事前に御質問いただいていましたら正確にお答えできるんですが、質問を伺っておりませんでしたので、ちょっと正確なお返事ができませんのでお許しをいただきたいと思います。
#169
○小池晃君 一つぐらい覚えていていただきたかったと思いますが、グリーンピア田老、グリーンピア津南、グリーンピア南紀、グリーンピア安浦、グリーンピア指宿、十三か所のグリーンピアのうち五か所が吉原年金局長の在任中に造られているんですが、これは事実ですね。間違いございませんね。
#170
○参考人(吉原健二君) その辺も、私が年金局長をしておりましたのは昭和六十年ごろでございますけれども、グリーンピアの計画は昭和四十年代の終わりごろからの計画でございまして、たまたま、あるいは六十年ごろ、五十年代の終わりから六十年ぐらいの間に施設が完成をしたと。
 あれはもう日本の各地で是非こういう施設を造ってほしいというすごい大きな要望がございましてできた施設でございまして、このでき上がりもたまたま同じ時期になったのではないかというふうに思います。
#171
○小池晃君 たまたま同じ時期じゃない。昭和五十九年六月から六十一年六月まで年金局長を務めておられて、今私が申し上げた五つのグリーンピアは昭和六十年四月から六十一年四月までの間にすべて開設をしているんです。
 重ねてお伺いしますが、二年前の当委員会で私、天下りの問題、退職金の問題取り上げて、そのときに調べさせていただいて、吉原参考人のその当時の時点でのこういう数字になっているんですね。
 厚生省の退職金は調べさせていただいて、七千五百四十四万円でした。それから退職後、二つの特殊法人を渡り歩いておられる。厚生年金基金連合会の理事長を務めて、その後、今の厚生年金事業振興団の理事長をされていますが、二年前の時点で、当時の規程で計算すると、退職金が合計で一億二千万円です。ボーナスを含めた役員報酬が二億四千万円。まあ二年前の時点ですから、今はもっとそれに上乗せされているはずで、二年前の時点で総額で三億五千九百万円、あっ失礼しました、三億八千七百万円という数字になっておりました。大方このような数字で間違いございませんか。
#172
○参考人(吉原健二君) 私の記憶では、そんな額にはならないんではないかと思います。
#173
○小池晃君 これはそれぞれの法人が報酬規程等公表しておりますので、それに基づいて計算させていただいた。
 先ほど、ちょっと私、言い間違えたかもしれませんが、退職金が総額で一億二千二百万円、それからボーナスを含めた役員報酬が二億六千五百万円、総額三億八千七百万円という計算でした。
 今までちょっと指摘してきたような問題あるわけです。それで、グリーンピアを十三か所中五か所を在任中に造るその当時の年金局長であられた、そして、これだけ膨大な退職金を受け取って天下りをして、二つの特殊法人を渡り歩いて報酬を、高額な報酬を受け取ってこられた。こうしたお金もすべて年金資金の無駄遣いということで指弾されているわけであります。
 吉原参考人は、こうした一連の経過についてどのような責任を感じていらっしゃいますか。
#174
○参考人(吉原健二君) 今御指摘のございましたような金額は私はとても理解できないような金額、そのとおり、それは間違いだろうと思います。間違いだろうと思いますし、決して年金の資金でそういったものが支払われたわけではございません。これだけはもうはっきり、そういう誤解のあるような質問はできれば避けていただきたいというふうに思います。全部がそういったことで年金の資金が原資である、あるいは年金の資金でそういう退職金をいただいたということは全く事実と違いますので、その点はそういうふうに御了解をいただきたいと思います。
#175
○小池晃君 私、聞いたのは、直接その報酬が出ているかどうかは別として、グリーンピアは正に年金資金から出ているわけです。十三か所のうち半分近くを当時年金局長在任中に開設されたんですよ。そして、こうした特殊法人からのこれだけの高額な報酬受け取ってきているわけです。これは事実です。
 そういうことについて、そういったことを放置したまま今回のやり方で非常に、こういったことに指一本触れない構造ですよ。そして、利用者や住民や職員には痛みを押し付けると。こういうやり方に納得できるかという声、私、出てくるのは当然だと思うんです、こういうやり方に対して。
 どうなんですか、ここにおられる四人の方、もうどなたでも結構ですけれども、皆さん、同じようなそういう天下りという形で、今そういう立場におられて、今こういう痛みが本当に何の関係もない利用者に押し付けられようとしているということについて、何か感じておられることないですか。何か一言あったらどなたでも結構ですけれども、是非やっぱりお答えいただきたいというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
#176
○参考人(吉原健二君) グリーンピアが幾つか、数は正確に覚えておりませんけれども、幾つかが私の年金局長在任中に完成をしたということはそのとおりかもしれませんが、私あるいは年金局、厚生省が言わば勝手に造ったという施設では決してございません。資金はもちろん年金の資金でございますけれども、国民の方々といいますか、そういった方々のそういった保養施設、大規模な保養施設を是非全国各地に造ってほしいというような強い要望がございまして、厚生省が当時の与党、また与党の先生方といろいろ御相談をさせていただいてああいった施設を造ったわけでございまして、今となればいろいろと御意見があろうかと思いますけれども、役所の立場で、役所だけの判断でそういったことをした、またできるものではございませんので、その点は誤解のないように、こういった席でそういう御質問を受けますと本当に残念でございますけれども、誤解のないようにしていただきたいと思います。
#177
○小池晃君 いや、誤解でも何でもなくて、そういうことを言い出したら、もう役所の責任なんか問われないということになりますよ。とんでもない責任のなすり付け合いみたいな議論は、国民から見れば、本当にそういったことが一切不問にされて、そして実際の利用者や住民や職員にだけ痛みが押し付けられていくと。こんなやり方は絶対許せないというふうに、私、今日のやり取りも通じて感じました。
 時間が来ましたので、終わります。
#178
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 今日は、四人の皆さん、参考人として来てくださいまして本当にありがとうございます。
 まず、独立行政法人年金・福祉施設整理機構法案の問題点なんですが、本当の改革には手を付けずに、やはり利用者や地域の声を無視して貴重なものを売り飛ばす、あるいはつぶしていくんではないかという危惧を大変持っております。そういう観点から何点かお聞きをいたします。
 ただ、冒頭、ちょっとこの点について四人の皆さん、それぞれお聞かせください。
 保険料を福祉施設へ投入してきたことの評価、やはり少し遅過ぎたんじゃないか、改革がという点については、四人の皆さん、どうお考えでしょうか。一言ずつお願いいたします。
#179
○参考人(吉原健二君) 保険料をこういった施設に投入するということは、制度が実はできたときから、厚生年金でいえば厚生年金保険法それから国民年金についていいますと国民年金法ができたときから、こういった施設も整備をして、何といいますか被保険者の方々から保険料をいただいたその還元という意味でこういったものを整備していくということでできてきたわけでございまして、しかもそれは、給付が本格的に始まる前、特にそういう、こういった施設を造ってほしいという要望が非常に強かったわけであります。
 で、給付の始まる前には、そのことによってその保険料が自分の身近で有効に使われていることを実感していただくと。それで、そのことによって、更に保険料を払って将来年金権に結び付くようにしようと、そういうことでこういった事業が進められてきたわけでございまして、私は決して、よく言われているような保険料の流用とか無駄遣いという、簡単にそう言われることについては、実はそうではないということをはっきり申し上げたいわけでありますけれども、ただ、長い何十年という年金制度の歴史の中で、少し、何といいますか、いつまでもそういう施設を漫然とたくさん造り過ぎたのではないかという御意見につきましては、あるいは今となってみればそういうことも反省すべきではないかなという気持ちは持っておりますけれども。
 とにかく、給付が本格的に始まるまでは、こういった施設で少しでも自分の保険料が身近に還元できるようなことを考えなさいということが国民全体の強い、国会を含めた、国会の先生方を含めた国民の皆さんの強い御意見、御要望だったわけであります。それを今になって、状況もかなり変わってまいりましたけれども、すべて流用だとか無駄遣いだというふうな考え方で御批判をいただくのはどうかなというふうに率直に考えております。
#180
○参考人(加藤陸美君) 基本的な点につきましては、ただいま吉原参考人の方からお話がございましたところで尽きておりますけれども、国民年金の特質的なことで一言だけ付け加えさせていただきますと、先ほどもお話し申し上げたところでございますが、国民年金の場合には特に発足が遅れておりますというのか、もう他の年金制度は相当成熟度が上がってきた段階からスタートをしておったということもありまして、給付が始まるまでの間、保険料の納付だけという方々が全国民の中に相当おられることになって、何かの、何かの還元といいますか、が欲しいという点ではちょっと特殊な面があったかなと思っております。
 しかし、しかし今の時点に至ると、その途中でいかにあるべきであったかという点につきましては、これも先ほども申し上げたところでございますが、それは考えがあってしかるべきかなとは思っております。
#181
○福島みずほ君 済みません、時間が短いのでお二人ずつ、ちょっと全員にお聞きすることができないんで、次の質問に行きます。
 病院、診療所、健康管理センター等は公的な施設としてその機能を残すべきではないかというふうに私は思っておりますが、伊藤参考人、金子参考人、いかがでしょうか。
#182
○参考人(伊藤雅治君) いずれにいたしましても、今まで果たしてきた役割、それからこれから期待される役割が果たせるような経営形態にしていくことが必要だと思います。
#183
○参考人(金子洋君) 私どもが受託経営しております社会保険健康センターは、整理合理化計画の中で機能を維持するようにというふうに言われております地域医療に貢献する施設に実は入っておりません。で、冒頭陳述を申し上げたのはそれがもとでございまして、是非とも、地域の健康づくりに貢献しているこの施設を是非とも機能を生かしていただきたいと思っております。
 それから、この健康づくりの施設に正に保険料を投下したということは積極的に評価できると思っております。
#184
○福島みずほ君 五年以内に売却するということであれば、地域の中から本当に必要な病院や診療所や様々なものが消えてしまうんではないかという危惧を実は大変持っております。
 伊藤参考人の方から労働者の雇用のこともちょっと出ましたけれども、私自身も、次の問題として雇用のことも心配をしております。非正規雇用の皆さんも多いですし、国鉄が民営化をしたときに雇用については法律がありましたけれども、現実には千四十七名の皆さんが再就職ができないという状況が今もって、十八年以上たってまだ続いております。
 対象施設に働く労働者の雇用を守り労働条件を、雇用させないということに関して、四人の皆さん、どうお考え、どういうことが、まあこの法案についての評価でも結構です、率直に教えてください。
 金子参考人からお願いいたします。
#185
○参考人(金子洋君) 私ども社会保険健康センターには、運動指導員、一般職員、それぞれの雇用の確保が、その機能が維持されて、売却先でもその機能が維持されるのであれば雇用の確保につながると思うわけです。
 特に運動指導員にとって、特に地方に多い施設ですが、地方の場合には、運動指導員がその専門能力を発揮する場所がほかには非常に限られております。そういう意味からも、雇用の確保という点で是非機能の維持を図っていただきたいと思っております。
#186
○参考人(伊藤雅治君) 廃止なり譲渡に当たっては最大限雇用に配慮していただきたいというふうに考えております。
#187
○参考人(加藤陸美君) おっしゃいましたことについての直接的なお答えというわけにはなかなかまいらぬ問題かと思いますけれども、これは、時代が変わってきておる、それにどう即していくべきか、それに対する対処の仕方として一つのお考え方ではあるというふうには受け止めておるわけでございますが、ただ、その具体的な運用の問題につきましては幾つかお願い申し上げたとおりでございます。
#188
○参考人(吉原健二君) こういう時代になりまして、こういった施設についてはもう保険料を投入しない、保険料でもって整備をしないというのは私はよく分かるんでございますけれども、今既にやっている施設、しかもこれからも健全経営が保険料を投入しなくてもできるような施設についてまで一挙に全部廃止というのは、いかにもこう、こう言ってはなんでございますけれども、本当にそこで働いている人間、まあ地域にとってもそうだと思いますけれども、ひどい措置ではないかなというふうに思うわけでございまして、やはり、こういった施設を仮に整理するにいたしましても、そこで働いている職員のことでありますとか、あるいはその地域に対する影響でありますとか、そういうことも総合的に考えた上で事柄を進めるというふうな考え方を是非取っていただけないものかというふうに、私は、それが政治というもので、おこがましい言い方でございますけれども、政治というものではないかと、もうおしかりを受けるかもしれませんが、そういうふうに思います。
#189
○福島みずほ君 伊藤参考人にお聞きをいたします。
 先ほどもおっしゃいましたけれども、自治体からたくさん決議や意見書が出ております。厚生年金病院、社会保険病院・診療所、健康管理センター、介護老人保健施設、保養ホームの存続、充実に関する地方議会、自治体、首長、医師会等の意見書などが出ておりますが、この重みをどうお考えでしょうか。
#190
○参考人(伊藤雅治君) 今後、清算法人におきましてその個別具体的な取扱いを決めていく際におきましては、やはりそれぞれの所在地の地方自治体と十分協議をして最善の選択をしていくべきだというふうに考えておりますので、地方自治体から寄せられている要望書、意見等を大変重く受け止めるべきであるというふうに考えております。
#191
○福島みずほ君 参考人の皆さんにお聞きするので、対政府質疑みたいになるとちょっとそれは違うなというふうに私自身は思いますが、ただやはり、先ほど伊藤参考人は労働条件については最大限努力するようやっていただきたいというふうにおっしゃいましたけれども、現実には、一般、要するにこれは入札になるわけで、一円でも高く入札してもらうというのが重要になるわけですし、他方、買う側はできるだけ安く買いたいと。労働条件を守るというのはどうしても矛盾をすると。
 ですから、現実にこの法律がもし成立をすれば、存続、廃止、必要なのに、必要であるにもかかわらず存続できない、あるいは病院が地域から消える、あるいは労働条件がうんと悪くなる。そのために、病院の中の人の人材が本当に手当てができなくなるんではないか。物すごく不安を感じているんですが、参考人、いかがでしょうか。
#192
○委員長(岸宏一君) どなたですか。
#193
○福島みずほ君 伊藤参考人です。
#194
○参考人(伊藤雅治君) 今回のこの法案におきましては、厚生年金病院につきましては十七年度に具体的なことを検討するというふうに聞いているわけでございます。したがいまして、私どもの関係するところでは、厚生年金三病院それから社会保険の診療所はこの機構の中で処理されることになっておりますが、しかしその前提条件として、譲渡される場合であっても機能を維持するという条件が付いているというふうに理解をしております。
 したがいまして、個別の診療所等の扱いについていろいろ検討していただく場合に、地元住民の御意向はもちろんですが、労働条件、雇用条件にも最大限の配慮を払っていただきまして、究極的には、今まで果たしてきた地域医療における役割それから今後果たすべき役割をきちっと担保できる形で決着していただきたいということを希望しているところでございます。
#195
○福島みずほ君 同じ質問を、金子参考人、いかがでしょうか。
#196
○参考人(金子洋君) 私どもの施設は、何度も申し上げましたように診療所とか健康管理センターと違いまして、機能を維持することが条件に入っていないんですね、整理合理化計画、機構に示されるものに。
 ですから、一般競争入札によって売却された後、どういう施設になるか分からない。ですから、職員の雇用についてはそこが一番私はポイントだと思っておりまして、施設の機能が維持されれば運動指導員などの雇用が確保されるという正に入口の、その入口に入れない状況で今あるので、先生方の御配慮を特別にお願いしたいというところでございます。
#197
○福島みずほ君 時間ですので終わります。
 ありがとうございました。
#198
○委員長(岸宏一君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の方々には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚くお礼を申し上げます。(拍手)
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時四十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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