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2005/06/14 第162回国会 参議院 参議院会議録情報 第162回国会 厚生労働委員会 第25号
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2005/06/14 第162回国会 参議院

参議院会議録情報 第162回国会 厚生労働委員会 第25号

#1
第162回国会 厚生労働委員会 第25号
平成十七年六月十四日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月十三日
    辞任         補欠選任
     柳田  稔君     下田 敦子君
 六月十四日
    辞任         補欠選任
     小池  晃君     紙  智子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         岸  宏一君
    理 事
                国井 正幸君
                武見 敬三君
                辻  泰弘君
                山本 孝史君
                遠山 清彦君
    委 員
                坂本由紀子君
                清水嘉与子君
                田浦  直君
                中島 眞人君
                中原  爽君
                中村 博彦君
                西島 英利君
                藤井 基之君
                水落 敏栄君
                足立 信也君
                朝日 俊弘君
                小林 正夫君
                櫻井  充君
                下田 敦子君
                柳澤 光美君
                蓮   舫君
                草川 昭三君
                紙  智子君
                小池  晃君
                福島みずほ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   尾辻 秀久君
   副大臣
       厚生労働副大臣  西  博義君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       藤井 基之君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        川邊  新君
   政府参考人
       厚生労働省健康
       局長       田中 慶司君
       厚生労働省職業
       安定局長     青木  功君
       厚生労働省老健
       局長       中村 秀一君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○介護保険法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(岸宏一君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告申し上げます。
 昨日、柳田稔君が委員を辞任され、その補欠として下田敦子さんが選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(岸宏一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 介護保険法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省老健局長中村秀一君外二名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(岸宏一君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(岸宏一君) 次に、介護保険法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○中原爽君 おはようございます。自民党の中原でございます。三十分という持ち時間でございますので、できるだけ手短にまとめていきたいと思います。
 お手元に配付をいたしました資料、三枚ございます。いずれも、今回の介護保険法の改正案の中で厚生労働省がお出しになりました参考資料を適当に切り張りをいたしまして用意をしたものであります。右の上の方に数字番号が振ってございます。
 最初の、この1の数字のものですが、これは、これから改正をしようという附則の第七条、「定義」というテーマのところでございます。黒い矢印が二つございますけれども、右側の方をごらんいただきますと、この七条の二項につきましては、要支援状態という、この要支援状態の説明と、それから厚生省令で定める期間という期間、それから厚生省令で定める区分、この三つについてこの七条の二項で説明をしていると、定義をしているということであります。
 ここのところは従来の、従来というか、現在の法令とは少し異なっておりまして、現在の法令はこの要支援状態の説明がありません。ありませんというよりも、「要介護状態となるおそれがある状態」と、こういう表現になっておりまして、要支援という言葉はこの七条の二項のところでは出てまいりません。しかし、厚生省令で定める期間とそれからその状態ということについては、区分ということについては、区分そのものはここには、現在のものには書かれておりませんけれども、上の、この左側の黒い矢印のところをごらんいただきますと、七条の四項でありますが、ここで、「この法律において「要支援者」」ということで「者」が書いてございます。これは現在の条文と同じでございまして、現在の条文も「要支援者」という形になっております。
 そうしますと、現在の条文で要支援という言葉が出てくるのはこの四項だけでありまして、この改正案の四項は、要支援状態、横一、横二が要支援状態ということで説明になっておりまして、あとの、特定の疾病によって生じたものとかそういうもの、あるいは四十歳、六十五歳、これは変わりはないわけでありますけれども、要支援状態ということで、この支援という言葉がここに入ってまいりまして、要支援者の定義がまあどちらかといえば明確になったと。現在のものは、この要支援状態に係る用語としては要介護状態となるおそれがある状態と、こういうふうに書かれているわけであります。
 こんなところが違っているということですけれども、このことについて一応どういう形でこれを考えるかということでありますけれども、現在も厚生省令で定める期間というのが設定されているわけであります。ところが、今回は要支援の状況について要支援の一と二に分けて、更に要介護の一がくっ付いてくるということで三つになっているわけであります。
 そうしますと、厚生省令で各々の期間を定めるといいましても、どういう期間なのかということ。あるいは、この区分を三つに分けるという、こういう区分について厚生省令で定めると、こうなるわけでありますけれども、それでは、現在の厚生省令で定めているものとどう違うのかということについて概略お聞きをしたいというふうに思います。いかがでしょうか。
#7
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 今、改正法案につきまして委員から御説明があったとおりでございまして、七条の定義の二項のところなどは従来の定義規定からは変わっております。従来の定義規定は、「要介護状態」それから「要介護状態となるおそれがある状態」と、そういう区分でございましたが、今回の介護の法案では、言わば新しい予防給付をつくっていくという観点から、要介護状態と要支援状態と分けさせていただきまして、要支援状態の人に対して予防給付がなされる、要介護状態の人に対して介護給付がなされると、こういう規定の仕方になっております。
 厚生省令で定める期間ということでございますが、現在六か月とされておりますけれども、今後、期間定めさせていただきますが、七条の一項、二項、それぞれ六か月というようなことを想定いたしております。
 委員の方から、厚生省令で定める区分ということが二項に入ったけれどもというお話でございますが、厚生労働省令で定める区分のところでは、要支援状態につきまして、従来、要支援は要支援だけでございましたけれども、そこを二つの区分に分け、要支援一及び要支援二という区分を付けさせていただくと、そういうことを考えております。
#8
○中原爽君 ただいま御説明ありましたように、この区分については、区分の状態は増えているわけですから、法令上は、区分を決めるということで、要支援の一、二とそれから要介護の一というふうに三つの区分になったという趣旨が法令上出てきたということであろうかと思います。
 期間につきましては六か月というお話がございましたけれども、要支援の一と要支援の二の状態でその期間が違うのかという疑問がありましたのでお聞きをしたわけであります。
 そんなことで、今後の省令の在り方についてやはり目を通していく必要があろうかということで質問をさせていただいたわけであります。
 それでは、資料の二枚目でありますけれども、ごらんいただきたいと思います。
 資料の二枚目につきましては、下半分のところが保険給付と要介護状態の区分のイメージの図でありまして、ただいま法令の案で出てまいりましたとおり、従前の、現在の、現行区分の要支援と要介護の一のところが、この左側の図のように予防給付という形で要支援の一と要支援の二、仮称、ということに分かれたということの説明が先ほどの七条の二項ということになっていたわけであります。
 そういうことで、この状態をこれからどういう形で考えていくのか。いろいろ御意見ですと、この要支援の二つに分けた状態については、今すぐということではなく、少し猶予の期間を置いて、こういう形を検討しながら、いずれこの形に整えるということがあってもいいのではないかという御意見も出ているわけであります。
 このことについて、上の方の黒い矢印、一番上でありますけれども、予防給付について新たなサービスを取り入れるわけでありますから、その具体的な内容というのが書かれてありまして、筋力の向上、栄養改善、口腔機能の向上、この三つが掲げてあるわけであります。このことについて少しお尋ねしようと思いますが、筋力のことについてはさんざん御意見も質疑もされておりますので、口腔機能ということについてお尋ねをしようかというふうに思います。
 さらに、下の方にマネジメントの体制がありまして、市町村を責任主体としてこの介護予防のマネジメントの体制を整えるということであります。
 それについて、具体的な内容というのは、この地域包括の支援センターを設立すると。これは十九ページで後述と書いてありますが、後でこのことを申し上げたいと思います。保健師などが、@アセスメント、Aプラン作成、B事後評価を行うと、こうなっているわけであります。従来からこれ、この件について質問が出ておりますけれども、この保健師などという内容はどうなのかということでありまして、この要支援の一あるいは要支援の二を設定するについて保健師が関係をしておりますこの支援センターの中の運営委員会あるいは検討委員会、そういったところでどういう形でここが設定されるのかということが疑問で出てくるわけであります。
 そのこともさておいて、この介護予防のサービスにつきましては、サービスの開発小委員会がありまして、そこで中間取りまとめをしたということが衆議院の方の委員会で四月の十五日の質疑で、質疑が行われておりまして、新たに個々人に対するサービスである新予防給付への導入が適当と認められるものは、これら、文献等による検討によって、運動器の機能向上、栄養改善、口腔機能の向上であったということで局長は答弁をされておられるわけでありますし、また、この件についてモデル事業を行うということでありますが、当時は、四月十一日がこのモデルの事業の実施の締切りであったということで御答弁をされているわけですが、実際、この衆議院の厚生労働委員会は四月の十五日でございましたので、実際にモデル事業の結果がどう出たかということはこの四月の時点ではお分かりになっていなかったのかというふうに思いますので、このモデル事業関係についてコメントがございましたらお願いをいたします。
#9
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 新しいサービスの導入の経緯でございますが、元々平成十六年一月に高齢者リハビリテーション研究会という研究会で口腔ケアについての重要性が指摘されておりまして、低栄養、転倒・骨折、気道感染、閉じこもりに関する予防効果があるので、こういう口腔ケアということについて考えていく必要があるという御指摘をいただきました。その後、私どもの老人保健事業の見直しに関する検討会の中間報告が同じ年の十月、十六年の十月に出されておりますが、そこでも、生活機能低下の早期発見、早期対応の一環として、口腔機能の評価、維持向上、そういったことが指摘されているところでございます。
 それらを受けまして、今委員から御指摘がありましたサービス開発小委員会を設置いたしまして、昨年十月以降検討をいただき、国内外の文献を評価、検討した結果、運動器の機能向上、栄養改善、口腔機能向上につきましては有効性が確立しているプログラムと、こういうことで取り組みさしていただいております。
 市町村モデル事業の結果といたしましては、この口腔機能向上につきまして、要介護度の改善については全体として統計学的に有意な改善が見られた、特に身体機能等に関する項目の改善につきましては、歯肉炎の有無、口腔清掃状況、口臭において統計学的に有意な改善が見られたこと、年齢別に見ますと、七十五歳以上と七十五歳未満の改善率については大きな差は認められなかったなどの結果をいただいております。
#10
○中原爽君 ただいま御説明ございましたように、衆議院の方での局長の御答弁の中には、口腔機能の向上につきましては、口から食事を摂取する機能を維持するため、日常の口腔清掃、歯科保健指導、摂食機能訓練等のサービスが中心になり、通所サービスの中で提供していくことを想定していると、こういうふうに御説明になっておるわけであります。
 この口腔機能の向上ということと、口腔ケアという言い方があるわけでありますけれども、実質的には、口腔機能を向上させるというのはまあ通常の口腔機能を維持するということでありまして、口腔機能がめちゃくちゃに良くなるということではなくて、通常の一般的な口腔機能がずっと維持されていくと、低下しないということが一番大事なことであります。
 したがって、口腔ケアというのはその維持のためのケアでありまして、機能とケアとはまた言葉の上では違うわけであります。したがって、機能といいますと、摂食機能、物を摂取する機能、それからそれをかみ砕く、そしゃくの機能、それからそれを飲みこすということの嚥下の機能と、それから、口腔でありますから、発音、発声、それと言葉を形作るという言語中枢にかかわる構音の機能と、こういった機能があるわけであります。
 それぞれそれの障害があるわけでありまして、摂食の障害、そしゃく障害、嚥下障害、それと発音と構音の障害、これがくっ付いてくるわけである。この障害を起こさないためにケアを行うというのが口腔機能に対する口腔ケアということになるわけである。そこのところを区分をするという必要があるというふうに思います。
 それで、先ほど局長の御説明によります、いろいろな御答弁の中の問題については、二月の自民党のヒアリングがございまして、そこで日本歯科医師会から一応ペーパーが出ておりまして、口腔機能向上と介護の予防というペーパーであります。そこの中に口腔機能向上による低栄養の予防、それから口腔機能改善による転倒の、倒れるという転倒の予防、それから気道感染の予防、閉じこもりの予防という一応のデータが出ているということでございますので、こういったことを踏まえて、小委員会での検討あるいは実質的なこれの調査ということを踏まえて局長は答弁されておられるんだろうというふうに思います。
 しかし、このほかに自民党のヒアリングでは、日本言語聴覚士協会から言語聴覚療法ということについての介護予防、通所リハビリについての御要望なども出ております。これもお聞きする必要があると思うんですが、言語聴覚療法というのは現在基準が三種類ございまして大変、施設基準としては、人員の構成、それからこの療法室の設置、こういったことがきちっと決められておりまして、これをどこか介護施設へ持ち込んで行うという療法ではなさそうであります。基準の一、基準の二、基準の三というのがあります。
 そのほかに、先ほど出てまいりました摂食機能についての療法、これは施設基準はないわけでありますけれども、例えば一回三十分以上で百八十五点、一か月のうち四回が限度だということでありまして、医師、歯科医師の指示の下に言語聴覚士又は看護師等が行うものを摂食機能の療法と、こういうふうに言っているわけである、摂食機能の障害があるということに対してであります。このときに嚥下訓練も摂食療法として算定すると、こういう規定が青本の中にこれはあるわけでありますけれども、こういったことを踏まえて考えていきますと、お手元の資料の三でありますが、最後の三のところをごらんいただきたいと思います。
 こういったことを行うために、地域包括の支援センターが創設されるということでありまして、黒い丸印が三つございますけれども、それと下の方に矢印が三つで、@、A、Bとありますが、これは私が勝手に付けた印であります。
 一番上の黒い丸、運営の主体というのは、市町村から始まりまして、センターの運営主体、それとそのセンターの職員の体制につきましては保健師、経験のある看護師、主任ケアマネジャー、社会福祉士等と、こうなっております。この体制、支援センターを運営するにつきましては、三つ目の丸で、地域包括支援センター運営協議会という協議会で動かしていくということであります。
 この協議会については、一番下の図式のところの四角く囲ったところで、居宅サービス事業所、それから行政、それとNPO、それから支援の事業所、それから地域の医師会、それから介護保険の施設と、こういったことが一体になって運営協議会を形成している。この職員につきましては、右側の方の保健師等がマネジメントを行いまして、この介護予防のマネジメントを実施すると、@のところであります。Aの新予防給付と介護の予防事業がここで行われるという形になり、それについてはBの主治医が関係している。アセスメントの実施を策定しましてプランを作っていくと。それで、事業者によるこの事業実施ということを行いまして、それでまた更に再びこの再アセスメントも行うと、こういうシステムで動くわけでありますけれども、この図式からいいますと、このマネジメントを行うのは主にこの右側の保健師等が行うということでありまして、主治医がどう絡むのかという説明はこの図式からでは出てまいりません。
 この辺りの実質的にこれを運営していくのは、やはり介護の認定の審査会、これがあるわけでありまして、そうしないと再アセスメントも決まらないということでありますが、ここに書かれておりますマネジメントと、それとこの介護認定の審査会、現在あると思いますが、それとこの運営の協議会、こういったかかわりについて概略の御説明をいただきたいと思います。
#11
○政府参考人(中村秀一君) お答えを申し上げます。
 まず、要介護認定に該当された方あるいは要介護認定に申請される方は、市町村の認定審査会、お話のありました認定審査会で審査を受けるということで、先ほどお話に出ております要支援に当たるか要介護に当たるかも含めまして、そこの審査会の判断が出るということでございます。要介護認定の有効期限がございまして、有効期限が参りますとまた更新の要介護認定を受けると、こういう流れになろうかと思います。
 要介護認定につきましては、主治医の意見書、そういったこと、それから専門家による要介護認定の作業が行われるということになります。要介護認定に該当された場合、要支援なり要介護に該当された場合につきまして議論になるわけですが、地域包括支援センターのお尋ねでございますので、要支援の方々につきましては介護予防のマネジメントとして地域包括支援センターが従事することになります。
 この予防マネジメント、介護給付につきましては、ケアマネジャーが行っておりますケアプランの作成の言わば介護のマネジメントと同一でございますが、アセスメントを実施し、プランの策定をし、そこで事業者の方による事業実施になると。そこの部分で、今、先ほど委員御指摘ございました言語聴覚士さんたちの関与、あるいは歯科医師、歯科衛生士さんたちの関与するサービスが提供されるわけでありますが、そこでも評価が必要でございますので、ケア担当者の会議などを開いていただく。そういったことについて、この保健師等が中心になる地域包括支援センターでそこのところのマネジメントをしていくということで、あくまでもサービス提供なり、それから専門家の関与につきましてはケアカンファレンスでその関係の専門家の御意見を踏まえてやるという関係になると思います。
 三点目の御指摘でございます地域包括支援センター運営協議会は、地域の方々が集まっていただきまして、市町村が行っていただきます地域包括支援センターの事業、市町村が行うという意味は、直営で設置される場合もありますし委託される場合もあると思いますが、この地域包括支援センターの事業が地域において正しく運営されているかどうかということを言わば評価していただき、言わば監督していただく機関として運営協議会を設置していると、そういう関係でございます。
#12
○中原爽君 御説明いただきました。説明上はそういう形になるわけでありますけれども、結局、このセンターの機能ということでありますが、市町村でこれセンターを抱え込むということ以外に、その地域の事業所に委託をするという場合も起こり得るという説明になっているわけでございます。したがって、今後、現在の状況と違って要支援の一、要支援の二という状況に分かれて、さらに要介護の一がくっ付いてくるということになります。各々の区分について、だれがどう考えてそれを仕分けをしていくのかということになります。
 例えば、先ほど申し上げた口腔機能について言えば、摂食の障害がある、そしゃくの障害がある、嚥下の障害がある、発音の障害があるということについて、一言で口腔機能と言いましても中にいろんな障害があるわけであります。例えば、今出回っております成書というか指導書で、これが嚥下障害ナーシングという、嚥下障害の問題、これが口から食べる嚥下障害のQアンドAということで、それであと口腔ケアと、これ全部介護にかかわります施設に日々常勤で勤務をしておられる看護師さんに向けた指導書というか実質的な日々の状態のものに対するものであります。この嚥下障害一つ取ってもこれだけの成書が今出回っているという状況であります。
 こういったことを踏まえて、単に口腔機能の改善、あるいは向上、あるいは維持という問題についても非常に複雑な経過の中で検討をしなければならないということでありますので、この点のところをしっかり確認をしていかなければいけないというふうに思います。
 それでは、あと時間もございませんので、現在のホームヘルパーの養成状況について概略だけ御説明いただきたいと思います。
#13
○政府参考人(中村秀一君) お答えを申し上げます。
 ホームヘルパー、訪問介護員の養成状況につきましては、一級から三級ヘルパーの養成研修の修了者数が平成三年度から十五年度までの累計で二百三十五万人、毎年度三十三万人から三十五万人程度の方がヘルパー養成研修を修了しているところでございます。
#14
○中原爽君 ありがとうございました。
 かつてゴールドプラン21というのがございまして、二〇〇四年度の末までにヘルパーの養成三十五万人を目途ということでありました。現在、これに近い数字にはなっておるわけでありますけれども、三十四万七千九百名余ということであります。したがって、今後の介護保険の制度とこのホームヘルパーの資格等の在り方についても検討をしていただきたいと、更に続けていただきたいというお願いを申し上げて、時間になりましたので終わります。
 ありがとうございました。
#15
○草川昭三君 公明党の草川でございます。
 介護予防という問題で、市町村の役割が従来いろいろとございまして、さらにまた新しい市町村モデル事業というのがいろいろと問題提起をされているわけでございますんで、まずその市町村モデル事業の中のことについて二、三お伺いをしたいと思います。
 これは衆議院でも問題になっていますし、昨日の参考人質疑の中でもいろいろと各委員の方からも御指摘があったことでございますが、例えば筋力向上、まあ筋トレと言っておるところでございますが、約四百五十人の参加者のうち、一四%程度の方々がもう嫌だというようなことになるのでしょうか、とにかく中断をされたというデータがあるわけでございますが、そういう実態というのは一体どういうところからきておるのか、あるいはその中断をされた方々、いろんな方もお見えになると思うんでございますが、その理由をお伺いをしたいと思うんです。また、なるべく多くの方々に継続をしていただくにはどのような工夫が必要か。昨日の参考人の中でも、いろんな条件がありますよというようなお話がございましたが、どのように受け止めておられるのか、まずお伺いをしたいと思います。
#16
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 市町村モデル事業におきまして、委員御指摘ございましたように、筋力向上のプログラムにつきましては四百四十九人の方に御参加いただきましたが、約一四%に当たります六十四人が未完了といいますか、中断された方、御指摘のとおりでございます。
 市町村の方からいただいておりますデータによりますと、本人の御事情、例えば風邪をこじらせたとか、そういった方のほか、家族の事情、配偶者の方の入院、介護、死亡等によるものが多かったわけでございます。本人の事情といたしましては、先ほど申し上げました風邪、家庭内での転倒、検査入院、あるいは既往症の悪化が多く見られたところでございます。ただ、幾つか、他の参加者との関係などにより本人が御参加を拒まれているケースもあったように承知いたしております。
 どのようにしたらそういう中断が防げるのか、昨日の参考人の御意見もいろいろあったということでございますが、事業として今後実施していく場合には、サービスの必要や御利用者の御意向を踏まえたケアマネジメントの下で提供されると、していくということが必要ではないかと思いますし、よくサービスの目的や内容をお知らせし、参加される方々についても御自分で選んでいただくと、そういったことを丁寧にすることによって参加される方が、より多くの方が継続的に利用することができるようになるのではないかと考えております。
#17
○草川昭三君 昨日の参考人の問題提起の中にも様々な提言があったと思うんです。それで、要するに高齢者であるということがまず第一ですね、当たり前の話ですけれども。それで、何らかの障害も持ってみえる、あるいはそれを現在回復のために努力をしてみえる。それから、ある程度の年齢になりますと、こういう言い方が適切かどうか分かりませんけれども、頑固というんですか、わがままというんですか、そういう方々も実際お見えになるわけでありますから、施設の方々は大変御苦労をなすってみえる中での筋力トレーニングというのは予防に大変効きますよという、こういう順番になっていくわけですね。
 ですから、よほどうまく客観的な効能、効果というようなものを私は説明をされ、家族の方々も、本人が例えば嫌だと言われたときに家族の方々もこういう例があるじゃないだろうかというような説得をされるということも必要ではないだろうかというのが昨日の参考人の御発言を得た私なりの感想であったわけであります。
 それで、筋力トレーニングの、参加をされた方々の参加をされる前とその後の比較をしますと、統計学的には有意な改善が見られたというのが今の厚生労働省の方からの考えではないかと思うんですが、そういういろんな統計学的に調べてみる一つのスコアというんですか、一つの評価というものがあったというような方も無視してやるわけにはいけない、それなりの数が出ておると。こういう点についてどのような解釈をしておみえになるのか、あるいはまた、今後本格的な事業としてこれを行う場合にどういう教訓を持ってみえるのか、たくさん教訓はあると思うんですが、主な問題点を答弁していただきたいと思います。
#18
○政府参考人(中村秀一君) ただいま委員から御指摘ございましたが、今回のモデル事業の中間報告におきまして、筋力向上で約一六%の方に要介護度における悪化が見られたと、統計学的に有意な改善は見られたわけですが、そういう方もいらっしゃるということで、その点をどのように評価するかということについては私どもの検討課題ではないかと思っております。
 また、いろんなことが分かったんだろうけれどもというお話でございますが、現時点での分析によりますと、効果の点につきましても、脳血管疾患の既往がある方々は、その他の疾患の既往がある方に比べ有効性が低いことが示唆されるなど、そういった結果も出ております。
 この市町村事業によりますと、したがいまして、年齢が高い層の方、これは脳血管疾患のたまたま既往の方が少なかったということもありまして、年齢の高い方の方が効果が高かったということ出ておりますが、こういう本事業を通じて得られたデータを更に精査させていただきまして、サービスの対象者の選定手法や提供方法などについての検討を進めてまいりたいと考えております。
#19
○草川昭三君 このモデル事業でございますけれども、衆議院の質疑を議事録等で拝見をしますと、かなりこの点についての意見があったようでございます。
 そもそも予防による効果というものをどういう尺度、物差しで測定をするのかということも、これはなかなか困難なことで、結局、本人が良かった良かったという場合もありますし、ああいうことは嫌だ嫌だという方もお見えになるわけでありますから、客観的に体重のように、体重計に乗って、ああ、非常に体がやせました、あるいは増えました、良くなりましたというものでもないわけですが。非常に難しい話ですが、要するに一律に測定をするというようなこと、評価をするということはなかなか困難ではないだろうかという考えも若干昨日の参考人の中には伺うことができたわけですが、その点はどんなようなお考えかお伺いしたいと思います。
#20
○政府参考人(中村秀一君) モデル事業の点につきましては、大変多くの御議論も今御指摘ございましたように国会でもちょうだいいたしているところでございます。
 今回のモデル事業で言わばデータ取りましたのは、要介護認定の項目についての前後の測定値の比較、歩行速度や握力といった身体機能に関する項目、さらに、生活の質など総合的に評価する生活機能QOLに関する調査項目など、我が国のみならず国際的にも広く使用されている、そういう尺度を用いて評価を試みさせていただいたところでございます。
 実際に事業化される場合には、こういうモデル事業の評価ということでなく、正にお一人お一人の利用者の方々について、その方々の意向、またその方々についてのアセスメントを行い、どういう目標を立てるかというところからスタートするわけでございまして、個々の利用者さんに応じたきめ細かな対応や、それに基づく評価を行ってサービスを提供し、またそこの結果について更にレビューをして新しい、新たな目標設定という繰り返しが循環的に行われていく必要があると、こういうふうに考えております。
#21
○草川昭三君 是非、個々の方々に応じたお話というんですか、説明、あるいはそしてまた指導というようなことをきめ細かくやっていただきたいと思います。
 今回の改正の中で地域支援事業というのが新しく作られたわけであります。現在の各自治体に対する補助事業と比べてどういうような財政的な規模になるのか。これは町村段階では相当関心のあるところでございますので、この際、お伺いをしたいと思います。
#22
○政府参考人(中村秀一君) 今回、地域支援事業を創設いたしましたが、一つには、的確な介護予防事業を実施し、要支援、要介護となることを防止していくと。これは、介護保険給付費の適正化につながるばかりではなく、高齢者御本人の生活機能を維持し、生活を支えていくというために必要ではないかと、こういうことで介護保険法上、地域支援事業として位置付け、介護給付と同様に保険料と公費で賄うことといたしております。
 介護予防事業の部分、それからそのマネジメントを始めとする成年後見の支援とか総合相談、そういったことを包括的支援事業と位置付けておりますが、その二つが地域支援事業でございますが、その規模につきましては、現在行っております老人保健事業などの財政規模、そういった財政を六十五歳以上の方々に振り向けていく場合の規模、それから市町村に対して地域支え合い事業などの補助事業、そういった事業の規模なども考えまして、今申し上げました介護予防事業と介護予防マネジメント始めとする包括的支援事業の双方に要する費用が確保可能な水準として、給付費の三%ということを目安として設定したところでございます。
#23
○草川昭三君 今、給付費の大体三%を目安として補助をするという、こういうお話でございました。だから、各自治体としては、こういうのを頭に置きながらいろいろなことを計画すると思うんでございますが、地域支援事業の規模については政令か何かで限度額とかなんとかというのはあるんですか、ちょっとお伺いしておきたいと思います。
#24
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 今委員から御指摘ございましたように、全体の上限を給付費の三%程度と、こういうふうに考えておりますので、それを政令で設定したいと思います。
 そういたしますと、十七年度予算の給付費をベースといたしますと、地域支援事業の額は全体で約二千億円と、こういうふうに考えております。
#25
○草川昭三君 全体で約二千億というのは相当な金額になるんですが、これは当然のことながら、この八月の概算要求には入れるわけですね。我々も実は、今部会でいろいろとこの積算というんですか、厚生労働部会で勉強しておるところですが、もうそれが入っておるのかどうか、ちょっとお伺いしたいと思います。
#26
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 十八年四月実施でございますので十八年度でございますので、これも今、地域支援事業の規模も含めまして、私ども国費も計上しなければなりません。そういった意味では、十八年度予算編成に関係いたしますので、十八年度予算の中で位置付けないと私どもこれ執行ができませんので、十八年度予算の中で明確にしてまいりたいと考えております。
#27
○草川昭三君 はい、分かりました。
 じゃ、過日、これは第一回のこの委員会でも我が党の遠山委員の方からも問題提起があったと思うんですが、介護保険におけるレセプトのチェック体制について改めてお伺いをしたいと思うんですが、何か三千近い事業所から六十億を超す返還請求をしたというようなお話があったと思うんですが、その中身について少し詳しく御説明を願いたいと思います。
#28
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 介護保険制度、都道府県知事が事業者の指定及びその指導監督を担当しております。都道府県におきまして平成十五年度中に返還請求額が確定いたしました、言わば不正請求等について確定いたしましたのが、今委員からお話がございましたとおり、二千九百八十六事業所五十六億円が返還請求額が確定いたしました。
 この中で、この返還請求の中には介護報酬算定ミスなど過誤請求分も含まれておりますが、不正請求など悪質な事業者につきましては加算を行っておりまして、六億円、七十四事業所から加算も返還を求めており、これが六億円でございますので、合わせまして、五十六億円と六億円、加算六億円を足しまして六十二億円の返還請求を行っているところでございます。
 主な、非常に、どんな態様が多いかと申し上げますと、例えば、訪問介護事業所で無資格の方によるサービス提供など、そういった無資格者によるサービス、それから言わば架空、水増しの請求、それから基準を満たしておりませんと介護報酬上減算されることになっておりますが、その減算をせずに請求したとか、グループホームの中で運営基準違反、例えば介護計画が策定されていないとか適切な介護サービスが提供されていないような問題、それから介護療養型医療施設で医師が配置基準を下回っているにもかかわらず虚偽により指定申請をしているとか、そういったことが主な態様になっております。
#29
○草川昭三君 介護に携わる方々の御苦労というのはそれなりにあると思うんです。これはもう率直に言って頭の下がるような御努力をしていただいておることは十分分かるんですが、世の中というのは必ず相場を崩す連中というんですか、そういうやからというのがいることもまた事実なんですね。それが、一番社会の中で我々も糾弾をしなければいけないわけですし、介護という最も大切な、崇高な事業に対して架空な請求をされるとかということは全く許されることではないと思うんですね。
 しかし、それと同時に、並行して、我々もいろいろとお話を聞いてみると、実際は人件費が非常に高くなってきておるとか、あるいは訪問介護の場合でも、都会地のように非常に短い距離で次から次へ移動するということができなくて非常に長時間次の訪問場所に時間が掛かるとか、あるいは中には、もうかなり高齢者であり障害を持ってみえる方々ですから手間が掛かるというんですか、そういうような問題があって、結局事業として成り立たないという声も一部ではあるわけですよね。しかしまた逆に、非常に、言葉が悪いんですが、要領良く、テンポ良く詰めていくならば十分カバーができますよという経営者の方もおみえになると。これもまた事実なんですよ。
   〔委員長退席、理事武見敬三君着席〕
 そういうことを含めて、私は、今比較的この介護の問題については審査、支払ということは緩かったんではないかと思うんですが、この改善は急ぐことが必要だと、こう思うんでございますが、その点についての見解をお願いをしたいと思います。
#30
○国務大臣(尾辻秀久君) 私どもは、介護保険制度に対する国民の皆さんの信頼をきっちり確保していくことが大変大事なことでございます。そうした意味におきまして、不正請求につきましては、その発見、防止に最大限の努力をしていく必要があると考えております。
 そこで、不正請求の対策といたしましては、これまで、各都道府県の国民健康保険団体連合会に介護給付適正化システムを設置いたしまして都道府県による適切な監査に努めるなど、介護給付の適正化に取り組んでおるところでございます。今後、さらに、保険者における介護給付費通知の普及を図るなど、不正請求の発見、防止に取り組んでまいりたいと考えております。
#31
○草川昭三君 是非これは、今大臣の答弁にありますように、報告をしていただくとか、いわゆる政管健保の場合は政管健保で相当レセプト審査というのは厳しくやっておみえになります。あるいは、組合健保は組合健保で独自に組合で検査を、検査というんですか、点検をしていただいておるというように、様々に健康保険全体の流れというのは随分厳しくなってきておることも事実でございますので、是非この介護の問題についても取扱いを厳しくしていただきたいと思います。
 そこで、先ほど中原先生の方から、専門的な立場から口腔ケアの問題が取り上げられました。私も、そういう点では素人ではございますけれども、いろいろな要望を受けておりますので、その要望を中心にお聞きをしたいと思うんですが。
 この新たに導入検討されております口腔ケアの普及についてでございますが、今後の介護予防を進めていくに当たりまして、口腔機能の向上の充実あるいは専門的口腔ケアの提供体制の整備を図ってもらいたいという声が強いんですが、全体的にどういう見解か、お願いをしたいと思います。
#32
○政府参考人(中村秀一君) 口腔ケアの点につきましては、口腔機能向上を目的とするサービスにつきまして予防の給付の方にも入れていきたいと思っておりますし、また、重度の方々についても口腔ケアの重要性が言われておりますので、次の介護報酬の改定、そういったところで対応をしてまいりたいというふうに考えております。
 生活機能から見ました口腔機能の向上につきましては、広くこれからは介護保険の中で対応をしていくということになりますので、今御指摘ございました、様々な方々が関与されると思いますので、必要なマニュアルの策定につきまして、十八年四月実施に間に合うように準備してまいりたいと考えております。
#33
○草川昭三君 是非、食べる楽しみという言葉もあるわけでございますし、ADLというんですか、精神面を含めた日常の生活の動作というようなものの向上のためにも大変新しい導入に期待をされているところでございますので、是非お願いをしたいと思うわけであります。
 それから、今も御答弁があったわけですが、口腔機能を把握する評価項目の導入について、二点お伺いをしたいと思います。
 介護予防マネジメントにおける高齢者のアセスメントなどの評価に当たって、口腔ケアのニーズが把握されるべく、口腔機能を反映する評価項目の導入のために簡易なチェックリストの活用などがあった方がかえって関係者にとってこれはいいのではないだろうか。また、重度の要介護者も含めまして、訪問歯科診療に対するニーズにこたえることができるよう、サービス内容の見直しを考えるべきだと思うんです。特に、訪問歯科診療については、既に各地方の歯科医師団体なんかが非常に熱心な取組をしておみえになりまして、それで具体的な例もあるわけでございますが、しかし、それに見合うなかなか報酬というんですか、というものが手当てできていないというような問題もあるわけでございますが、その点についてどのようなお考えか、お伺いをしたいと思います。
   〔理事武見敬三君退席、委員長着席〕
#34
○政府参考人(中村秀一君) 最初の方の、分かりやすく簡便に評価できる、言わばアセスメントの仕方ということでございますが、ただいま申し上げました生活機能から見た口腔機能の向上のためのマニュアルを策定したいと思っておりまして、その中で、アセスメント項目として簡便な、簡易なチェックリストということを策定してまいりたいと考えております。今、専門家の御意見を聞きながら作業をしているところでございます。できましたら御報告をしたいと考えております。
 重度の要介護者の口腔機能の低下予防、これは御指摘のとおり、現在も行われておりますし、取り組んでおられる地域の歯科医師の方々の存在は承知いたしております。医療保険と介護保険の役割分担と連携が重要であると考えておりますので、この点につきましても対応してまいりたいと考えております。
#35
○草川昭三君 もう時間が迫ってきましたんで、二問、ちょっと一緒にお伺いをしたいと思うんですが、要するにお年寄りに対して紙おむつというのを使用するわけでありますけれども、寝たきりの場合が多いんですが、これは世界に比べて、どうも日本の紙おむつの使用量というのはウナギ登りに上がっているんではないだろうかというのが私の質問の前提になっておるんです。
 それから、この紙おむつの使用についても、特別養護老人ホームや老人保健施設等の介護保険施設に入所した場合にはおむつ代は保険給付の対象で、介護報酬で包括的に算定をされておると思うんです。それですから、入所者にはおむつ代にかかわる費用は徴収されません。ところが、医療保険適用の療養型病床群においては、利用者のおむつ代について取扱いが異なる、すなわち負担をするという場合があるんですが、取扱いの異なる根拠をこの際説明をしていただきたいと思います。
#36
○副大臣(西博義君) 二問ございました。
 初めは、紙おむつの利用状況に関する御質問でしたが、残念ながら、統計資料はこちらの方には持ち合わせておりません。しかし、できるだけ自立した生活を送るために、自力で又はその施設の職員の誘導なんかによってトイレで自分で排せつをするということが可能な入所者に関しては、できるだけそのようにすることが望ましいというふうに考えておりまして、現にそういうふうに取り組んでいる施設も少なくはないと思いますが、実態については、詳細はこちらの方では今のところ承知をしていないというのが実情でございます。
 それから、施設における介護保険とそれから医療保険との違いに関する御質問でございました。
 介護に関しましては、介護サービスは介護のサービスに関して保険を適用する、給付をするということでございまして、入所者のおむつ代というのはこれは介護サービスの一環であると、こういう考え方をしております。したがいまして、おむつ代を含めて介護保険の保険給付の対象として介護報酬の中に算定をされているということで、おむつ代を徴収する必要はないというふうになっております。
 一方、医療保険におきましては、これは病気だとかけが、そういうことに関して診療をすると、そしてその診療に対して保険給付を行うと、こういうことになっておりまして、おむつ代につきましては、こういう診療行為とは直接関係ないということで診療報酬の評価の対象外になっているということでございます。したがいまして、日常の生活費としてそれぞれ実費を徴収させていただいていると、こういう立て分けでございます。
#37
○草川昭三君 もう時間が来ましたんで、以上で終わります。なお、二、三点質問通告してありましたが、申し訳ございません。以上で終わります。
#38
○蓮舫君 民主党・新緑風会の蓮舫でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 今日は三十分という非常に限られた時間でございます。そこで、これまで衆議院でもここの当委員会でも余り深く議論をされてこなかった部分において、情報開示の標準化についてどのようにお考えなのかを詳しくお聞かせいただければと思っております。
 先週、私どもの山本理事の御質問に中村局長が全国で事業者数は十四万とお答えになっていて、これ通告していないからいいんですけれども、私、調べるともうちょっと数があって、それをサービス数というので調べると大体約四十万ぐらいあると理解しているんですが、この数字、正しいのかどうか、後に分かったら教えていただきたいと思いますが。
 やっぱりその四十万近くもあるサービス数、特に事業者が多数ある地域で介護を必要としていらっしゃる方にとっては、どこの事業所が自分に合ってて、あるいは家族にとってもここだったら安心してお任せすることができると御判断できるような情報をきっちり利用者に届けていく、この方向性は物すごくいいことだと思いますし、事業者と利用者をつなげていくという方向は私は賛成はしているんですが、ただ、情報というのは、ただ膨大に投げればいいものではなくて、それを生かしたものにするのにはやはりある程度の加工とか知恵とか工夫というものが必要だと思っております。その部分で、これから情報開示の標準化は政省令にゆだねられる部分がとても多くなってくると思いますので、どうぞその部分では大臣も含めて御検討をいただいて、是非、死んだ情報にならないような、せっかくやるんであれば、生きた情報をどうやって利用者が活用しやすくなるようなものになるのか、御検討、御努力をいただきたいと、まずお願いを申し上げます。
 冒頭、大臣にお伺いしたいんですが、これまで政府は、平成十五年の規制改革推進三か年計画の閣議決定並びに平成十六年の経済財政運営と構造改革に関する基本方針などでも、福祉において第三者評価へそれを推進していくという基本方針を何度も固めてこられております。にもかかわらず、今回の介護保険改正法では、第三者評価ではなくて情報開示の標準化という非常に聞き慣れない新しい定義が出てきたのは一体なぜなんだろうか。その部分、御説明いただけますでしょうか。
#39
○国務大臣(尾辻秀久君) 今御指摘いただきました介護サービス情報の公表制度について、検討を行っていただきました専門家の委員会においてもいろんな御議論がございました。
 今回の私どもの判断をいたしました大きな材料になりましたものが、その御議論の中の一つでございます、利用者による介護サービスの適切な選択に資する情報開示の標準化について、中間報告書というものが出されております。この中にどう書いてあるかといいますと、認証や格付といった評価は利用者にとっては分かりやすい情報とはなるが、認証や格付を行った評価の尺度は基本的にはそれぞれの評価主体が定めているので、開示情報の利用者が求める評価内容とは必ずしも合致するとは限らない。また、特に格付等を行うものである場合、介護サービスの内容や介護サービス事業所に関する様々な情報を、結果としての格付や評点のみで表現することは一定の限界がある。
 実は、こういう報告をいただいたものですから、こうしたことを受けて、今先生お話しいただいたような、この外部の評価機関が評価してそれを事業者が任意に活用するという仕組みではなくて、そういう仕組みではなくて、すべての事業者に利用者の選択に資する客観的な事実に関する情報を公表する、これを義務付けるという仕組みにしたものでございます。
#40
○蓮舫君 つまり大臣、それは、政府が強力に推し進めようとしてきた第三者評価という方向性は介護の分野においては適切ではないと御判断されたんでしょうか。
#41
○国務大臣(尾辻秀久君) 適切でないというふうな判断というふうに言われますと、まあそうですということでもないんですが、まあ今回の公表するという制度の方が介護制度についてはより適切であると、二つ比べて、よりこちらの方が介護制度という特性を考えたときにより適切であるという判断をしたと、こういうことでございます。
#42
○蓮舫君 情報開示の標準化では、事実情報を開示するだけで、そこは評価とか格付は行わないんだとする。そうすると、例えば事実情報で、バリアフリーになっているかとか、あるいは排せつ時にプライバシーに配慮をしているかとか、あるいはおふろの前に体温とか脈を測るとか、こういう事実情報を並べてマルかバツかというのが事実情報なんですけれども、そうするとすべての事業者が全項目クリアになってしまう、そういう事態も否定はできませんし、そうなると各事業所の区別化、差別化というのは利用者はどのように御判断されるんでしょうか。
#43
○国務大臣(尾辻秀久君) 今私どもが考えております、申し上げました客観的な事実に関する情報というのは、具体的に言いますと、基本情報ということをまず考えておりまして、この基本情報は、事業所の職員の体制でありますとか床面積、機能訓練等の設備でありますとかそうした言わば数字みたいなものでございますし、それからもう一方、調査情報というのを考えておりまして、これが介護サービスに関するマニュアルの有無だとか、あるとかないとかといったような、そういったようなことを考えておりまして、そういうイメージでとらえていただければと存じます。
#44
○蓮舫君 今大臣がおっしゃったように、つまり基本情報項目と調査情報項目と二つに分かれていると。その後、中村局長に細かい点をお伺いしたいんですが、そうすると、これ、例えば訪問介護とか訪問入浴介護、通所介護とか、そういうサービスによって項目数違うと思いますけれども、どれぐらいの量になるんでしょうか。
#45
○政府参考人(中村秀一君) お答えを申し上げます。
 まず、冒頭に委員から御質問がありました事業所の数についてお答えを申し上げます。
 介護保険では、基本的には事業所は都道府県が指定するわけでございますが、ある種の事業につきましては、例えば診療所であれば、ここはみなし指定機関として事業所としてみなされるというところがあります。委員がおっしゃった大きい方の数字はその数字だと思います。私が申し上げました十四万事業所というのは、例えば昨年十二月にサービスをして介護報酬を請求した事業所の数でございますので、言わば実際に稼働している事業所と、こういうふうに御理解いただきたいと思います。
 今、調査情報項目についてお話がございました。今私ども、検討会で検討していただいております調査情報項目を申し上げますと、訪問介護では例えば確認事項が八十七事項、確認のための材料が九十三と、こういうふうになっておりますが、通所介護では確認事項は五十四、確認のための材料は百十六と、かなりこういうふうにサービスごとに違いがございます。
 確認事項と確認のための材料ってどういう違いかと申し上げますと、例えば、これも体系的にできておりまして、訪問介護についていいますと、大項目としてサービスの内容、水準の確保というねらいがございます。その下に十二項目、中項目がございまして、中項目として、例えばサービス開始するときに何が必要かとあります。そのサービス開始のときに、小項目がありまして、サービス開始には四つ小項目があるわけですが、例えば利用開始時の説明がどうなっているか、利用者の情報把握がどうなっているかというのがその小項目になります。
 確認項目としては、利用開始のときの説明で、例えば重要事項に関して説明し書面により同意を得ているというのが確認項目でございまして、そのときに材料として、確認のための材料はそういう文書があること、しかもその文書の中に利用者又は家族の署名若しくは記名捺印があると、そこを確認、材料を確認するとその確認事項が確認されたと、こういうふうになるわけでございます。
 そんなような関係になっておりまして、八十七項目、九十三材料、通所介護については五十四項目、百十六材料と、こういうふうになります。
#46
○蓮舫君 今おっしゃったように、膨大な量なんですよね。
 例えば、今触れられませんでしたけれども、介護老人福祉施設、確認事項八十八、確認材料百九十九。例えば、家族がこの施設を探しているといったときに、二つ、三つ、四つの中からどれが自分に適しているかを探そうとしたときに、一つの施設だけで百九十九項目あると。この量を全部見て、利用者が選択に資するものなのかどうなのか私は非常に疑問を持っています。つまり、客観的事実をすべて公表しても、それは単に膨大な量の情報で、読まれない、活用されない無意味な情報になるんではないかという危惧を抱いております。
 やはりこれは、資料があるとかないとか、施設がこうなっているとかそうなっている、マル・バツではなくて、利用者が実際にここに入ってどのように思ったかとか、その利用者の声を聞いて施設がその声をこういうふうに反映してきた努力ですとか、そういう部分が更にないと、多分それは第三者評価的なものだと思うんですけれども、ないと、これは私は情報として意味を成さないように思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#47
○国務大臣(尾辻秀久君) これは冒頭申し上げましたように、それぞれの考え方あろうかというふうに思います。申し上げましたように、私どもは客観的な事実、数字を全部お出しをして、それが膨大だからという今のお話ではあるんですが、まずそういう数字をお出しして、利用者の皆さんがそれを見ていただく、それで判断をしていただく、まずはそれで判断していただく、そちらの方がいいだろうということで今回の仕組みにさせていただいたわけであります。
 そして、公表を義務付けるということでありますから、すべての事業所が全部公表しなきゃいけないというその仕組みにした方が利用者の皆さんにとってはよりいいのではないかという判断をしたところでございます。
#48
○蓮舫君 いや大臣、ちょっと想像してもらいたいんですけれども、もし大臣が仮に通所介護を必要とする。そうしたら、そこの情報開示の標準化では通所介護は確認材料百十六項目ですよ。それを、じゃ、複数確認しましょうといったらすごい量になる。これは利用者の選択に資するのかどうなのか、果たして現実的なのかどうなのかという疑念が私は持つんですけれども。
 もう一つ伺いますと、じゃ、これ中村局長、情報公開の方法は何を考えておられますか。
#49
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 まず、情報公開の主体は都道府県知事又はその都道府県が指定する指定情報公表センターと、こういうことを考えております。基本的にはインターネットによる情報開示ということが基本になると思いますが、都道府県の情報開示センターにおいて閲覧をするとか様々な工夫もできるのではないかと、こういうふうに考えております。
#50
○蓮舫君 基本的にはインターネット、介護給付を受けられる方は六十五歳以上の方たちで、この方たちはパソコンをどれぐらい使っておられると考えているのか。御家族がいて代わりにパソコンを見てホームページアクセスしてくださるんならいいけれども、じゃ独居老人はどうするのか、あるいは御高齢者の御夫婦世帯の方たちはどうするのか。独居老人世帯、今三百八十六万世帯、高齢者の夫婦のみの世帯が四百七十万世帯、合わせて六十五歳以上の世帯に占める割合は六四%、六割を超えているんですね。
 この方たちは、じゃ、インターネットを使っていればいいですけれども、使っていない人たちにどうするのか。市役所、区役所の窓口まで取りに来いと。つまり、取りに来なければ与えられない情報というのは、受け取ることができる人と受け取れない人と格差が出てしまうのは私は決してあってはいけないことだと思うんですね。特に、こういう情報を必要としていらっしゃる方たちは、介護が必要としている方はやはり移動の制限が出てくると思いますので、その部分はどうやって解決できるんでしょう。
#51
○政府参考人(中村秀一君) 委員の御指摘について、おっしゃっていることを私も理解できないわけではございませんが、私どもの考え方も少し御説明をさせて……
#52
○蓮舫君 短めにお願いしますよ。
#53
○政府参考人(中村秀一君) はい、短めにいたします。
 例えば、第三者評価ということで有名なのは病院の第三者評価、病院機能評価がございますが、日本に九千病院ありますけれども全部の病院をカバーするようにはなっておりません。相当の時間が掛かって普及はしてきておりますけれども、なかなか委員が御指摘になっているような第三者評価できちんとした評価基準を定め、しかも全国統一的に多くの数の事業所を第三者評価という形で評価するというのはかなり難しいかと思います。
 私どもは、十四万を超える事業所について、全国ですべての事業所、すべてのサービス種類について介護保険の事業者の方々に情報開示をしていただく。ただし、その情報を開示していただく際に、客観的で比較可能でなければなりませんので、そういったことで情報開示をしていただくということでございます。
 委員からは、相当膨大な情報開示になるので、言わば選択に資するのかというお話がございましたけれども、私ども、どう考えましても、きちんとしたサービスがなされているかどうか、そういったことを選ぶ際に必須の情報としてはただいま申し上げた数の情報になるのではないかというふうに考えているのが第一点でございます。
 したがって、まず全事業所について情報開示をしていただく、それも、開示された場合に相互の事業所について客観的で比較可能なベースの情報を開示していただくということを第一にしたということを御理解いただきたいと思います。
 利用者への使われ方でございますが、一義的には都道府県の情報開示センターが開示いたしますが、正に開示された場合には様々な利用形態が可能だと思いますし、利用されようとする方は、それこそケアマネジャーさんも付いておられるわけですし、これから設置される地域包括支援センターなどもあるかと思いますので、そういった方々の支援が必要だと思います。
 それから、専門家の方もこの情報でもって、使って利用者の方にアドバイスできるというようなこともあろうかと思いますし、また、この情報を基礎に様々な方々が、自分たちでその情報を基に委員の言われる第三者評価的なことに使われるということもあるのではないかと、公開情報でございますので、そのような使われ方を期待いたしております。
#54
○蓮舫君 今局長が御答弁された意味も分かるんですけれども、一つだけ、ケアマネジャーさんを使ってこの情報開示の標準化のデータを活用して普及していくというのは私は反対でございます。これまでの反省で、今回、改正法でケアマネの資質、五年の更新制というのを考えておられるのは掘り起こしをしたからということであれば、ケアマネさんが情報開示の標準化のデータを持って、うちの事業所がいいんですけれども、ほかにもここもここもここもいいですよというのは非常に、極めて非現実的だと思うので、是非そこは保健師さんとか地域支援センターだと私は考えております。御検討いただきたいと思います。
 それともう一つ、第三者評価がすべていいと私は言っておりません。ただ、これまでに既にグループホームは外部評価義務付け、これ老健局ですね。ほかに社会・援護局は福祉サービス第三者評価を進めてきた。これを受けて東京や大阪など十二都道府県、政令指定都市が既に第三者評価を始めていると。
 もう自己評価、外部評価、第三者評価あるいは情報開示の標準化、余りにもいろいろな指針があり過ぎて、なぜ一本化できなかったのか、なぜ一本化しようとしなかったのかという疑問が一点あるのと、もう一つ、政府が推し進めた第三者評価を受けて、社会・援護局の指導を受けて東京都などが第三者評価を行ってきた。でも、そんなときに、今情報開示の標準化というのを今度は義務付けるということになってくると、私は現場での事業者も、あるいは自治体も、人的なあるいは経費的な御負担が多くなるんではないかと思うんですよね。
 ただでさえ、今回の見直しが通ってしまいますと、これまで要介護一だった方が要支援二になられる。小さな事業所であればあるほど、その介護報酬制度の見直しが出た場合に経営が難しくなってくる。そんなときに、じゃ情報開示の標準化は義務付けられた、これは負担を持ってでも受けなければいけない。ただ、これまで負担を持って受けてきた第三者評価は、ここまではもう余力がないから受けるのはやめましょうと。つまり、せっかくいろいろな情報を提供していこうとするときにこの標準化の義務付けが、自治体が行ってきた、これ政府が推し進めてきたのを受けてですよ、それのブレーキにはならないんでしょうか、大臣。
#55
○国務大臣(尾辻秀久君) まず、今回のこの情報の公表義務付けでございますけれども、これは一番基礎的なデータだというふうに思うものですから、まずそれを出していただく、そしてそれを公表してもらうというところからまずやろうと、こういうふうに御理解いただければと思います。
 その後で、今先生御指摘になっておられますような第三者評価をどうするかということはあろうかと思いますけれども、今まず基礎的なデータきっちり出してもらう、すべての事業所に公表してもらうということをやることによって、それが過大な負担になってという今の御懸念のようなことになるとこれまたまずいわけでございますから、そこは過大にならないようにできるだけ私どもも工夫をしていきたいと。自治体ごとに何か工夫ができるかとか、そうしたことを是非考えてみたいと思っております。
#56
○蓮舫君 その工夫についてお伺いしたいんですけれども、恐らく、今大臣がおっしゃられたのは、情報開示の標準化のデータを基礎的に活用していく、つまりプラットホームにするというイメージをされていると思うんですね。
 これをプラットホームにするのであれば、第三者評価は今このプラットホームからもう一回、二重で調査をし直さなければいけないという部分がありますので、例えばプラットホームの基礎的部分だけは情報開示の標準化をうまく活用して、その上での評価基準に資するような調査項目は第三者評価がやっていく、上乗せしていくという、こういう一体的な方法の工夫と理解してよろしいんでしょうか。
#57
○政府参考人(中村秀一君) 基本的には、そのようなふうに整理されれば最も理想的ではないかと思っております。
 私ども、その第三者評価につきましては、これを私どもの事業と別途の観点、例えば事業所が自主的に自分たちの運営方法をチェックするために、改善のためにお受けになるということはあろうと思いますし、今の第三者評価は基本的には任意で、また事業所の方が情報を開示を拒めばその情報は開示されないケースがあるというような点が、私どもの、全事業所が対象で義務であり開示されるということとかなり違うということで、今大臣からも御答弁申し上げましたように基本的な情報でございますので、第三者評価というのは、その上に立って、さらに言わば格付なりあるいは事業所に対するアドバイス、そういった側面があるのではないかと考えております。
#58
○蓮舫君 是非、そこにおいて二度手間といいますか、二重の御負担にならないように工夫を是非していただきたいとお願いを申し上げます。
 次に、調査内容なんですが、平成十七年の三月に出されました社団法人シルバーサービス振興会の情報開示の標準化についての報告書がございます。これが情報開示標準化の法案の基礎となったと理解をしておるんですが、その中で、「基本的な考え方」、「「介護サービス情報の公表」は、公表内容が行われていないことをもって行政処分の対象となるものではなく、公表情報への評価は、利用者自身に委ねられる。」という一言があるんですけれども、これどういう意味でしょうか。
#59
○政府参考人(中村秀一君) この事業自体は、言わば、例えば事業所の指定基準に違反しているか、合致しているか合致していないかと、そういった意味での監査なり指導、監査、取締りのために行うものではないと、そういう意味でございます。
#60
○蓮舫君 つまり、その基本情報項目というのは、事業者の記入内容をそのまま開示するものでございます。
 あってはならないことなんですが、もしここで仮に、ケアマネとかあるいは連携を取っている主治医とか、そういう配置人材において虚偽の内容を事業者が書いた場合、それ調査することはできないわけなんですけれども、でも虚偽の内容、つまりやってないことをやっている、いない人をいる、数値をごまかすというのを公表した場合、それは行政処分の対象とはならないと、それは利用者があくまでも判断するものだということでしょうか。
#61
○政府参考人(中村秀一君) 虚偽の情報を開示した場合には、やはり私ども、改善命令なりそういったものの対象となりますし、それに従わないような場合には、場合によっては取消しとかそういうことも考えられると思います。
#62
○蓮舫君 いや、先ほどの御説明では、公表内容が行われていないことをもって行政処分の対象となるものではないと。だから、事実と異なることが記載されていても、中村局長が先ほどおっしゃったのは、それが処分の対象にならないんですよとおっしゃっていましたが、どちらが正しいんですか。
#63
○政府参考人(中村秀一君) 介護サービス情報の公表につきましては、介護保険法に基づく指定を受けたサービス事業者が指定基準を遵守した上で、現に行っている事実のうち、利用者の選択に資する情報を公表する仕組みでありますので、例えば配置基準が下回っているような場合にはそこを公表することになると思いますので、そういった場合は、それが端緒になってあるいは行政処分の対象になるということはあろうかと思います。虚偽の公表を、何といいますか、虚偽の記載を容認するという考え方ではございません。
#64
○蓮舫君 済みません、よく分からないんですが、どちらなんでしょう。つまり、この情報開示の標準化の概念図あるんですけれども、ここにおいて基本情報項目は事業者が記入した内容をそのまま開示すると。ここで虚偽があった場合、その場合には、虚偽が、行われていないことをもって行政処分の対象とはならないという、でもそれは処分の対象になると。整合性が合わないんですけれども、もう一度御答弁ください。
#65
○政府参考人(中村秀一君) これは犯罪捜査のために行われるわけではございませんので、例えば自白の強要がされないと、そういう意味では違反の事実を出せという強要はできないと。しかし、私ども、処分するためには、例えば配置基準が下回っていたと、そういうことをつかまえて処分する必要があるので、虚偽が発見された場合には私ども改善も掛ける。ただ、その虚偽を、この公表事項として虚偽を持っていたということで不利な記載を義務付けるわけにもいきませんので、その点については直罰にはならないと、こういう趣旨だと理解いたしております。
#66
○蓮舫君 どこで発見するんですか、その虚偽は、ならば。これとは違う考え方なんでしょうか。
#67
○政府参考人(中村秀一君) 申し上げます。
 そのために行政は監査権限なり指導権限なりありますので、そういったことを見付けるということは行政の仕事でありますので、この情報公開をもってその不正発見の端緒にすると、そういう趣旨ではございません。
#68
○蓮舫君 いや、不正発見のために使うんではなくて、不正があってはいけないような情報開示の標準化をきっちりつくらなければいけないときに、不正が行われる可能性がある部分はやはり精査されていた方がよろしいんではないでしょうか。
#69
○政府参考人(中村秀一君) したがいまして、理想から、理想というか基本的には、指定事業所というのは違反していてはいけないわけでございますので、正しい情報を開示しようとする場合に、違反がないように実態を改めて開示するということが基本になるというふうに私どもは考えております。
#70
○蓮舫君 それは事業所の善意によるものですよね、前提が。いかがでしょう。
#71
○政府参考人(中村秀一君) 善意によるというより、こういうものの組立てとしてはそれしかないんではないかと思います。そうでなければ、自分が違反しているかどうかを人に申告しろという制度になるわけでございますので、そこもなかなか難しいんではないでしょうか。だから、現実的に考えていただかなければならないと思います。我々に、例えばどういう交通違反をしているかどうか、全部ライセンスを持っている人は公表しろと、そういうようなことになってしまうんではないかと思います。
#72
○蓮舫君 つまり、今回の情報開示の標準化の枠組みの中では、確かに虚偽の内容をそのまま公表するという前提ではないですし、事業所さんも競争に勝ってサービスを上げるために、当然ここで虚偽はないという前提でお話しになられているんだと思います。
 ただ、可能性として、もし虚偽が起きてそれが利用者の不利益になった場合を考えますと、やっぱりそういう部分は考えていかなければいけませんので、今回の改正案で掲げている事業者指定更新制を導入されますので、そこでの、基本情報項目を一度そこで違う形でチェックをしていくという作業が私は必要ではないかと思いますが、そこは大臣、お考えいただけますでしょうか。
#73
○国務大臣(尾辻秀久君) 今先生のお話伺いながら、先生の言っておられることも全くそのとおりでございますし、虚偽があってはならないという、それはもうそのとおりでございます。ただ、制度の仕組みのつくり方として大変難しいという御説明を申し上げておるようでございますから、この両方をどう組み合わすことができるのか、これは私どもがまた更に検討することだと思いますので、検討させていただきたいと存じます。
#74
○蓮舫君 是非前向きな検討をしていただきたいと思います。
 以上です。ありがとうございました。
#75
○下田敦子君 下田敦子でございます。よろしくお願いいたします。
 我が国の、将来的にも考えたときに、高齢化問題の最重要課題と言われている認知症の問題が大変でありますが、今日は時間も限られておりますので、認知症に絞って質問をさせていただきたいと思います。
 厚生省は、このたび介護予防ということに大変力点を置いておられますが、給付費を一兆九千億円節約できるということでこの介護予防ということを考えておられるようでありますが、まず認知症において介護予防とは何なのか、どのように認識しておられるか、また認知症の何々を認定しておられるのか、それをお尋ねしたいと思います。
#76
○政府参考人(中村秀一君) 介護における予防ということ、あるいはその介護において認知症対策の重要性ということを私ども考え、今委員から御指摘のありました、そういう中で認知症の発症予防や進行の予防ということについていろいろ専門家からも御意見を賜ってまいりました。
 私どものメニューで、御案内のとおり、運動機能の向上ですとか、先ほど来出ております口腔機能の向上あるいは栄養改善に比べまして、認知症の発症予防や進行の予防ということにつきましてはまだまだ課題が多く、これといった決め手はまだなかなか見いだせないというのが基本的な状況であると認識しております。
 ただ、相当認知症の治療とか認知症の解明も進んできておりまして、専門家から指摘されておりますのは、できるだけ早く発見し、早期に診断し、ある意味で治るというか、根本治療があるわけではございませんが、進行をとどめるというような意味での早期治療ということは相当やることが多いというふうに言われておりますので、私ども基本的には、できるだけ早期発見、早期診断をしていただき、その後、医療なり介護、そういったことにつながることが必要ではないかと考えています。
 そのためには、地域のかかりつけのお医者さんが、できれば本人が気付かない段階から認知症が早期に発見し、必要な専門医につなげることができるような体制になることが理想ではないかと考えております。
#77
○下田敦子君 ありがとうございました。
 認定しておられる認知症の症状といいましょうか病名といいましょうか、原因と考えられるようなことはたくさんあると思うんです。それは、例えば慢性アルコール中毒から喫煙まで、これが原因になるであろうということさえ言われているわけですが、予防という意味からこれはちょっと懸け離れているとお思いかもしれませんが、アメリカにおいて、いわゆるアルツハイマーその他において、例えば卵の摂取量の多い人は非常に発症が遅かったという、ちょっと意外な話かもしれませんけれども、そういう研究すら行われているやに聞いております。
 そこで、老健局、医政局の縦割りでない、医療保険内でできること、介護保険内でできること、それらに対するその施策、いわゆるできることを具体的にお話をいただければと思いますが。
#78
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 介護保険の方におきましては、六十五歳以上の場合には、原因のいかんを問わず要介護状態におなりになった場合には介護保険の対象になるということで、認知症由来の要介護の方が非常に多いというのは御案内のとおりでありますので、そういった点がまず第一点、介護保険の役割ではないかと思っております。
 第二点、委員から先ほども御質問あったと思いますが、四十から六十四歳の場合は特定疾病ということで、初老期における認知症につきましては対象になっているということで、アルツハイマーや脳血管性痴呆改め認知症になると思いますが、脳血管性の認知症、こういったものが主力だと思いますが、ピック病やレビー小体病なども考えられ、そういった方々も認知症と診断されれば介護保険の対象にもなると。また、初期の場合については、医薬品も出てきておりますので、医薬品を服用、薬を服用されるというようなことにつきましては基本的には医療保険の対象になるということで、治療とそれから介護、両方相まって四十歳以上の認知症の方々のケアを担当しているということになろうかと思います。
 我々、垣根を越えてと申しますか、両者が役割分担と連携を図って認知症対応をしてまいりたいと考えております。
#79
○下田敦子君 ありがとうございました。
 後ほど居宅の認知症の問題で申し上げさせていただきますけれども、このたびの介護認定審査における主治医の意見書、これの特定疾病の見直し改正があるようでありますけれども、あるかかりつけ医の意見書の中で痴呆というその言葉がたまたま病名欄に書かれてなかったというふうなことが、大変いろいろなケースがあるようでございまして、非常に現場では混乱していることもあるようなんですが。
 そこで、具体的にお答えを願いたいと思いますが、いわゆる初老期と言われる四十歳から六十五歳の第二被保険者の特定疾病、これに該当する認知症はアルツハイマー病や脳血管性の痴呆症等と書いてあるんですね。それで、その等とは何々を指すのか、その点について具体的にお答えをいただきたいと思います。
#80
○政府参考人(中村秀一君) 初老期における認知症は、その診断基準で、記憶障害や言語障害、動作を遂行する能力の障害といった認知症の症状が認められ、その症状が外傷や中毒といった外因による場合や、栄養障害のように、原因疾患の治療により認知症の症状が軽快するような疾患に起因するものではないと、こういう定義になっておりますので、この定義に当たるものにつきましては、アルツハイマーや脳血管性の認知症以外のもの、例えばハンチントン舞踏病など、いろいろございますが、そういったものも初老期の認知症になり得ると、こういうふうに理解いたしております。
#81
○下田敦子君 例えば、最近増えて、非常に介護を要する方々の一つですが、介護保険適用外の例えば四十歳を超えて頭部外傷性の高次脳機能障害、非常にこの方々は介護を要する状態でありながら行き場がない。したがって、介護を受けられない。非常に困っている被保険者の方々なんですが、ただいまの御答弁では、外傷以外のというふうに私お聞きしたんですけれども、これは定義外ということで理解してよろしいんでしょうか。
#82
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 外傷性の高次脳機能障害といった外因によって生じた認知症というのは、現在の、先ほどの診断基準から申し上げまして初老期の認知症に該当しないと、こういうふうに判断されます。
#83
○下田敦子君 大変現場としては、臨床的にもこれは今増加しているということを一つ私は強く付け加えてお願いをしたい。以前にも何かこれらの問題についてお話合いになった場面があるやに伺いますけれども、是非御検討をいただきたい。
 それから、アルツハイマーもいろいろあるようでありますが、この病名に次いで多いのがいわゆるレビー小体型痴呆、済みません、認知症と言えないので病名として痴呆と呼ばせていただきますが、いわゆるDLB、ディメンチア・レビー・バディー、この取扱いですとか、最近また多くなって考えられているのがピック病ですとか、それから難病指定になっていると私は理解していたんですが、必ずしも加齢を伴わない若年性パーキンソン病、あるいは家族性のパーキン病、又はパーキン症状の変性疾患、合併症でありますが、これらの第二被保険者、これらについてどういうふうにお考えであるか、いま一度このことをお尋ねいたしたいと思います。
#84
○政府参考人(中村秀一君) 先ほども申し上げましたとおり、レビー小体病やピック病に伴う認知症、ここにつきましては初老期における認知症に該当するものというふうに考えられますが、その場合であっても、認定審査会で、認知症の症状が認められるかどうかとか、除外疾患に起因するものでないかどうかとか、認知症の症状が要介護状態の原因になっているかどうかと、そういった意味での審査判定は行われる必要があると思います。
 パーキンソン病は特定疾病に掲げられておりますので、そういった意味では、要介護状態の原因と認められれば、認知症状の有無にかかわらず介護保険の対象になると、こういうふうに考えております。
 様々な難病のお話がございました。基本的には、委員御案内のとおり、六十五歳以上は原因疾患を問いませんが、四十から六十四歳については加齢に伴うという制度になっておりますので、そういった制度で今の介護保険制度ができている以上、何らかの意味で該当しない、先ほどの外傷性の高次脳機能障害などそうでございますが、出てくるのは、今の制度を前提としている限りやむを得ないものと、こういうふうに考えております。
#85
○下田敦子君 是非、先ほども申し上げましたけれども、そういう場において御検討、御審議いただきたいと思います。
 それでは、次の質問に入らせていただきます。
 介護老人福祉施設、いわゆる特養でありますが、この特養施設において大変認知症の入所者が増加しているというのが現状であります。認知症と診断される入所者は全国平均何%ぐらいであるか、お尋ねをしたいと思います。
#86
○政府参考人(中村秀一君) 日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さが多少見られる程度、これは認知症高齢者、日常生活自立度二でございますが、こういう症状か、それ以上重い方の割合は、特別養護老人ホーム入所者のおよそ八五%の方がこの日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さが多少見られると、こういうレベルでございます。
#87
○下田敦子君 八五%、しかもその要介護度、認知症二以上というと、これはもう大変な専門病院というか専門施設じゃないと対応ができないような私は数字だと理解いたします。
 今の通達ですと、精神科医の非常勤医として登録をすれば月二回の診療でよいというふうに定められてあると思いますが、少なくとも、この施設に五〇%以上の認知症の入所者がある場合には、週一回の診療対応が必要ではないかということがその専門の業界の方からも話があります。このことについて厚労省はどういうお考えでありますか、お尋ねをしたいと思います。
#88
○政府参考人(中村秀一君) 特別養護老人ホームにおきましては、配置された医師又は看護師が常に入所者の健康の状況に注意し、必要に応じて健康保持のための措置をとらなければならないと、こういうふうになっております。また、今申し上げました、配置医師は非常勤でよいこととはされておりますけれども、看護師との連携により必要な健康管理や療養上の指導が確保されるべきものと、こういうふうに認識いたしております。
 実は、どのくらいの頻度で施設の健康管理に当たるかというようなことについて現在定められているわけではございませんが、各施設、入所者の方の健康状況の確保のために適切な診療対応をされているというふうに理解いたしております。
#89
○下田敦子君 少し実態をごらんいただければ有り難いと思います。
 それで、次の質問なんですが、現在の職員の整備基準について見ますと、看護師が三人、百人の入所者に対して三人ということになっておりますけれども、ほとんどこの施設においては看護師さんは夜はお帰りになると。そういうことで、不在の施設がほとんどだろうと思いますが、しかし、この認知症の疾病については、夜間ほどそういうリスクが高くなって看護的な医療行為が必要となるのが通例であると思います。認知症の患者さんのこういう特徴を考えたときに、この設置基準をどういうふうにお考えになりますか。大臣にこれはお伺いしたいと思います。
#90
○国務大臣(尾辻秀久君) この特別養護老人ホームの看護師の数については、入所者の数に応じた配置基準となっております。したがいまして、今百人という例でおっしゃいましたが、五十人を超えて百三十人の場合は三人でありますから、おっしゃったとおりに、百人の場合は三人ということになるわけでございます。
 この認知症の方がすべて医療ニーズを有するものでもありませんので、認知症の夜間ケアの観点から介護体制の充実ということが必要であるか、これは一概には言えないところでございますが、いずれにいたしましても、施設における医療ニーズへの対応の在り方につきましては、来年四月になりますけれども、平成十八年四月に予定をされておりますところの指定基準や介護報酬の見直しの中で検討させていただきたいと存じます。
#91
○下田敦子君 是非、介護職員の専門性も併せながらひとつ御検討、御指導をよろしくお願いします。
 次に、介護老人保健施設、いわゆる中間施設と言われておりましたその通過施設、これについてお尋ねをいたします。
 認知高齢者の方々の存在をかんがみますと、果たして老健において通過施設という役割が持てるんだろうかと。先ほど局長もおっしゃいましたけれども、治らないと、そういうことも考え合わせたときに、なかなかに今の状況では、重症化した場合に、特についの住みか化してしまっている現状があるにもかかわらず、二か月あるいは三か月での見直しを施設内ではしていかなければならないシステムがあります。この点についてどういうふうにお考えであるか、お尋ねします。
#92
○国務大臣(尾辻秀久君) 今お話しになりました老人保健施設についてでございますが、これは、お話しのとおりに、居宅における生活への復帰を目指す施設として位置付けられておるところでございます。いろいろ実態はありますけれども、平均在所ということで見ましても、約二百三十日でございますので、この二百三十日をどう評価するかはあろうかとは思いますが、特別養護老人ホームの一千四百二十九日という数字から比べるとかなり短い数字になっておる、今の位置付けの中での数字になっておるのではないかと考えております。
 いずれにいたしましても、お話しになっております認知症高齢者につきましては、老健施設からいったん居宅に復帰した後も、デイケアでありますとかショートステイなどを通じて継続的なかかわりが必要となる場合も多いと考えられますから、こうした形態も含めまして、老人保健施設については引き続き在宅支援の機能を重視すべきと、こういうふうに考えております。
#93
○下田敦子君 時間もありませんので少し先に進ませていただきますが。
 かつて、この老健という制度ができたときに、御指導の中に、夜間徘回あるいはまたその特徴としてよく歩くということを考えたときに、廊下が回遊式の廊下である、それから、それが一つではなくて、一つの回遊式の廊下があったらそれにクロスするようなもう一つの廊下を造りなさいと、そういう指導もありました。大変な設備経費が掛かっているわけでございます。
 今、これらに対してのそのエビデンスが果たしてどうであったのかということが問われているようでございますし、また前近代的であるという観点から、来年、十八年の四月にはこのことに対するその介護保険上の取扱い云々も見直すというお話を漏れ承っているわけなんですが、この点について、既存の施設等々において非常に大変な時期があったということ、ひとつこれを前提に御理解をしていただきたいと思います。
 それからもう一つなんですが、当時この老健中間施設というものがスタートしましたときに、認知症の患者さんをお扱いする場合には必ず精神科の医師でなければならないと、そういう指導がきつくあったのを聞いております。ですけれども、現実としてその特養ですら八五%、また例えばその老健のこういう中間施設であってもほとんど、認知症を主としてお扱いする場合には、まあいろいろと問題がたくさんあるわけですが、最近は皮膚科の先生、眼科、時に産婦人科という先生方も特に御退職後こういう施設の専門医に就任されている例が珍しくございません。
 この点について、かつての御指導とかなり大幅に違うということをいかがお考えでありますか。御指導をちょうだいしたいと思います。
#94
○政府参考人(中村秀一君) 今委員の方から、老健施設の例をお引きになって認知症の専門棟制度のときのお話、それから痴呆専門棟なり認知症、当時痴呆専門老健と言っておりましたが、そういったことに対する取組方などについて大分変化があるのではないかという御指摘がございました。
 御案内のとおり、痴呆の専門棟と当時言われていたものの制度をつくりましたのは平成三年でございまして、ゴールドプランの下、当時の痴呆対策としてどういうことがあるかという中で取り入れられてきたものであり、先ほどの認知症の専門体制の在り方についてもそういった流れの中で出ているのではないかと思います。
 回廊式の廊下につきましては、今日の知見からいうと、むしろその徘回されること自体が様々な問題があって、原因があって徘回しているわけであるので、むしろその原因を取り除くようなケアをしていくべきだというふうなアプローチになってきておりますので、委員御指摘のとおり、前近代的という御指摘ございましたけれども、ケアの在り方の見直しを踏まえまして、これらのかつての言わば推奨してきたこと、そういったことなどについては見直しを図っていく必要があると思います。
 入所者の方の八割が認知症の方であり、要介護認定に該当される方の半分が認知症の症状を持っておられるということでございますので、認知症に対するケアの取組につきましても、その御専門家の方と一般の、ドクターであっても専門家でない方とを組み合わせて対応していく必要があるかと思いますので、そういった意味で新しい、何といいますか取組の体制についても明らかにしてまいりたいと思います。
 これまでの取組について試行錯誤があったという点については御指摘のとおりでございます。
#95
○下田敦子君 ありがとうございました。
 前近代的というお言葉は私が申し上げたんではなくて、厚生省の方々のお話の中にあったわけでございますので、私どもは、大変立派な徘回の患者さんのための廊下を造りなさいという、かつての指導をもう本当に聖書のごとく考えてやっていた施設がたくさんあったということを今申し上げたいわけです。
 療養型病床群については、ちょっとアメニティーについてもお尋ねしたいことがあったんですが、時間がありませんので飛ばさしていただきまして、次、居宅の認知症の高齢者の介護保険におけるケアマネジメント及びケアプランについてお尋ねいたします。
 これはあるケーススタディーで出たことなんですが、ある対象者の主治医の方が意見書に診断名として痴呆として記載されておりませんでした例があります。痴呆性老人の日常生活自立度一とあるものの、ケアマネジャーの初回の訪問時に痴呆症状まで聞き取れるアセスメントツールを持っていないというケースがこれはたくさんあるんですね、最近起きているケースの中で。その対象者、家族、ケアマネジャーあるいは介護福祉士等が、共通する介護モジュールがないと、この居宅の場合には特に介護が難しいということが大事であります。
 ですから、情報源として、これらのことについてこのたびの介護保険法案見直しに当たってどう改正されていくのか。スタートの問題から医師の意見書の問題がまず第一にここで考えなければならないわけですが、いかがでしょうか、お尋ねをします。
#96
○政府参考人(中村秀一君) 冒頭にも申し上げましたとおり、早期発見、早期診断が非常に大事であると、こういうふうに考えておりますので、高齢者の方、お医者さんに掛かる機会が多いので、発見の端緒としてはやはりかかりつけ医さんが一番大事ではないかと、こういうふうに考えておりますので、私ども、それこそモデル事業的に都道府県の医師会と協力し、主治医さんと認知症サポート医、専門家等が連携して、早期発見、早期診断ができないか、認知症に対する取組の一つのかぎではないかと考えまして、今年度、そういったモデル事業を全国三か所で実施したいと考えております。
 そういったことを踏まえながら、そういうやり方が効果があるようでありましたら全国的に広げていくと、こういうことを考えておりますし、今回提案申し上げております地域支援事業の中で、かかりつけ医との連携の下で認知症予防について市町村が様々な取組を行っていただくことも期待しているところでございます。
#97
○下田敦子君 実は、グループホームについてのお尋ねがあったんですが、時間がなくなりましたので要望にとどめさせていただきます。
 このグループホームというのは、呼び慣れてきておりますが、痴呆対応型共同生活介護施設と、正式に言えばこう言うわけで、痴呆の方々が一〇〇%お入りいただくということ、実は全国でも既に六千七百六十五施設あるという大変な増え方であります。これは本当にいいことではあるわけなんですけれども、この中で、やはり医師の診断書があって皆さんお入りになっているんだろうとは思いますけれども、それぞれにおいては必ずしもそうとも言えない施設も増えてきているやに伺います。いろいろと御指導いただきたいと思います。
 それから、介護職員三人で三日に一回の夜勤現状があるんですが、夜勤専門というふうな形になりますと、一人で十八人も見ていかなければならない。こういう状況はやはりストレスも多いし、最近グループホームにおいての事故例が多いということもひとつこの辺をお考えいただいて、労働条件とかあるいは専門性のある職員の配置とか、必ずしも介護支援専門員が入って、それでということでもいかない、現実としては給料を払えるんだろうかという、そういう経営内容もあります。時間がないので詳しくは申し上げませんが、いろいろとこのグループホーム、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 以上です。どうもありがとうございました。
#98
○小林正夫君 民主党・新緑風会の小林正夫です。
 介護の質問に入る前に、緊急的に別な課題で一点お話をお聞きをしたいと思います。
 実は、日本脳炎の予防接種中止という記事が五月三十日、新聞で出されました。実はその中で、厚生労働省は今後、予防接種法が接種を推奨する対象疾病から日本脳炎を外すことも視野に、同法の改正作業に着手すると、こういう記事も載っかっているんですが、この記事は本当なんでしょうか。
#99
○政府参考人(田中慶司君) 御指摘の報道でございますけれども、まずこれは当局の記者発表の前に行われたものであるということをお断りしたいと思っております。
 日本脳炎の予防接種の在り方でございますけれども、これは昨年度設置いたしました予防接種に関する検討会におきまして専門家の間で十分に議論をしていただきまして、本年三月の中間報告におきまして、予防接種制度としては必要であるけれども、第三期の接種を廃止すべきであるというふうに意見が出されたところでございます。これを踏まえまして、現在、三期の廃止のための予防接種法の施行令の改正に向けましてパブリックコメントを行っているところでございます。
 予防接種制度全般におきます疾病ごとの接種の勧奨の在り方、これにつきましては引き続き検討会で御議論をいただく予定でございます。
#100
○小林正夫君 引き続き検討ということもあるんですけれども、実は「子どもの予防接種」という、こういう岩波ブックレットから本が出されておりまして、この内容を読んでいきますと、日本脳炎はほとんどが高齢者、発生地域も近畿以南であり、日本脳炎の予防接種には効果を示すしっかりした効果がない、アレルギー性の脳障害の危険を否定できないとありました。さらには、ほかの国ではこの日本脳炎の予防接種を中止した国もあるというふうに聞いております。
 日本脳炎のワクチンが原因で重篤な副作用を引き起こしたのであれば、国の判断として予防接種の推奨を中止するのみならず、接種自体を一時的に中止をすべきじゃないか、予防接種を受ける受けないは保護者の自己判断というのは国の責任逃れのような感じがするんですけれども、いかがでしょうか。
#101
○政府参考人(田中慶司君) 今回の日本脳炎の積極的な勧奨をしないという措置でございますけれども、これは現行の日本脳炎ワクチン接種と極めて重症の副反応との因果関係が認められたということによって、より慎重を期して総合的に積極的な勧奨をしないというような判断をしたものでございます。
 したがいまして、まず流行地へ渡航するような場合、あるいは蚊に刺されやすい環境にある場合など、日本脳炎に罹患するリスクが高い場合には主治医さんと十分相談されまして、そして効果あるいは副作用につきまして説明を受けた上で、特に希望する者に対しましては現行の日本脳炎ワクチンの接種を受けることまで中止することは適当ではないというふうに私どもとしては考えているところでございます。
#102
○小林正夫君 大臣にお聞きをしたいんですけれども、推奨はやめるが受けてもよいと、ただしワクチンの副作用で重篤な副作用が発生してもそれは保護者の責任、こういうふうに言っているんだと思うんです。このことは無責任じゃないかと私は思うんですね。
 特に、今、この新聞が出た後、各保護者に自治体あるいは幼稚園などを通じてお知らせの文書が配られているのが今の実態だと思います。こういうのを読んでいきますと、予診票とは別に、実は同意書も必要になりますと書いてあるんですね。同意書というのは、どういうことをやるかということを保護者にきちんとお知らせするという意味だというふうには聞いておりますけれども、普通、同意書と聞くと、手術をする前に、何か事故があっても後の責任は追及しませんと同意書を書く気持ちの重さというのをどうしてもこの同意書という言葉から私は感じてしまうんです。したがって、そういう文書が保護者の方には出ている。先ほど言ったように、非常に私は無責任だと思うんですけれども、そのことによって保護者の不安が広がっているという、こういう今現状にあるんだと思います。
 子育て支援をしていこうという今時代に入って、安心して子育てができる環境づくりをしていこうとみんなで話し合っているんですが、この方向とちょっと違うんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#103
○国務大臣(尾辻秀久君) 日本脳炎という病気が日本から全くなくなっておればいいのでありますが、やはりまだ残っておる、発症例が毎年あるということでございます。そうしますと、それに対する不安もあってワクチンをという方がおられる。そういう方にどうするかということが、今回重い副作用があったというふうに思わざるを得ないケースが出てきたものですから、そうしたものを踏まえてより慎重にすると、大変難しい話になってしまったわけでございます。
 そうなりますと、どうしてもやはり、冒頭申し上げたように、日本脳炎がまだ日本の場合では発症するということでワクチンを打ちたいという方がおられますと、そういう方に対しては、接種時の予診の際にそうした重い副作用について十分御説明をして、そして今お話しのように同意を得ていただいて接種を行う、やはりこういう方法しか私どもとしても取り得ないということでございます。御理解いただきたいと存じます。
#104
○小林正夫君 この質問はこれで終わりますけれども、先ほど言ったように、保護者の人たちがやっぱり不安を持っていることは確かなんですね。ですから、そういう不安を取り除くということも大変大事なことだと思いますので、是非その点についても検討してもらいたいと、このように思います。またこの問題で必要があれば別途、別な機会でいろいろ質問をさせていただきたいというふうに思います。
 それでは本題に入りますけれども、成年後見制度についてお尋ねいたします。
 この成年後見制度について本会議で質問をし、さらには五月十七日のこの当委員会でも、もっと成年後見制度が活用できるようにすべき、このように発言をさせていただきました。そこで、六月四日の日の新聞報道では、成年後見制度手続緩和という、このような見出しの新聞報道もされました。この内容を読んでいきますと、成年後見制度に基づく後見人を立てる場合の要件を、現在、四親等以内のすべての家族の存在を確認ということから、二親等までに簡略化する方針を固めた、このように書いてありました。これは事実なんでしょうか。もし事実だとすれば、その実施時期はいつを念頭に置いているのか、お聞きをいたします。
#105
○政府参考人(中村秀一君) お答えを申し上げます。
 読売新聞に記事が出ておりまして、認知症高齢者の成年後見制度利用における市町村長の審判請求申立てに関する記事でございまして、現在、私どもが、介護保険つくられましたときに、平成十二年の三月でございますが、市町村関係者や法務省とも相談しながら、市町村長が成年後見にかかわります審判請求を行う際の事務の流れを参考までにお示ししたことがございます。このときに、四親等以内の親族の有無をまず確認するというのが入っておりまして、これは市町村を強制するものでもございませんし、四親等以内の家族がおられても申立てすることはできるわけでございますが、一応四親等以内になっているということがございます。
 それから、国会の審議でも、四親等以内というのはかなり、例えばめいごさんのお子さんまで含まれるということで、市町村の方でその有無を確認するのが相当困難ではないかということで、成年後見の審判請求、これを市町村長さんにやっていただくためにはこのところを直したらいいんではないかという御指摘があったところでございます。
 読売新聞の報道は、それ見直すこと決めたと、こういうふうに報道されておりますが、私どもも、このところについては検討をするという方針は固めておりますが、具体的にそれじゃどの範囲にするかというような点につきましては、少しその実務担当していただく市町村とも御相談しなきゃならないと思っておりますので、新聞報道自体、決定したという報道になっている点はちょっとまだ早いわけでございますが、いずれにしても、この点御指摘いただいておりますので、見直す方向で検討を進めたいと思っております。
#106
○小林正夫君 この成年後見制度、なかなか、その言葉自体を知らなかった人も非常に多かったと思うんですけれども、最近の新聞報道あるいはテレビなどでもこの制度が取り上げられることが多くなって、私はよかったなと、このように思っています。
 そこで、五月十七日の質疑の中で、中村老健局長から、介護保険の立場からも成年後見制度の活用を十分に図るべきではないかとの観点から、補助事業として成年後見制度利用支援事業を平成十三年度から実施している、こういう答弁もありました。尾辻大臣からは、歴史が浅いことから制度を御存じない方が多く、利用しづらいという面がある、これらの理由から利用者が少ないのではないかという旨の答弁もありました。したがって、この成年後見制度を御存じない人が多くて利用しづらい面が多いからこそ成年後見制度利用支援事業を実施してきたんじゃないかと私は思うんですけれども。
 ところが、この成年後見制度利用支援事業の実施市町村は、平成十六年四月一日現在で六百十六の市町村、全体の一九・七%しか実施をしていないという結果なんです。この実施市町村が少ない理由を厚生労働省はどう分析しているのかということと、また、例えば都市部に多くて過疎地に少ないなど、地域の格差など、こういう特徴があるのかどうか、お聞きをしたいと思います。
#107
○政府参考人(中村秀一君) 今委員が御紹介していただいたとおり、平成十三年から成年後見制度を利用する場合の支援事業を行っております。
 具体的には、成年後見制度の申立てに要する経費、登記手数料ですとか鑑定費用など、あるいは後見人等の報酬もございますので、かなり、かなりかどうかはあれですが、成年後見制度を利用する場合にはお金も掛かるということもあり、そういった場合に利用支援のための助成をするという市町村事業でございます。
 実施率は、平成十六年四月一日現在六百十六市町村、当時の全市町村に対する割合で一九・七%でございますが、市では半分、町で一一・三%、村で六・八ということで、人口規模が小さくなると低くなっている。逆に、市で五〇%ですから、言わば人口のカバー率でいえば二割ということではなく四割とかそのくらいになっているんではないかというふうに考えられます。
 どうしてこう低いのかということですが、実施する市町村の方も含めまして、成年後見制度そのものがまだよく知られていないことと、裁判所での手続に相当の時間を要するなど御利用者の方がまだ利用しにくい面があり、その利用に対して助成する制度でございますので、なかなか増えないのかなと、こういうふうに認識しているところでございます。
#108
○小林正夫君 せっかく、先ほど言ったように、世の中全体で、この成年後見制度があるんだと、こういうことを認識し始めた、こういう状況だと思いますので、更にこれが普及されるように私たちはやっていかなきゃいけないと思うんです。
 そこで、私なりにこのように理解しているんですけれども、成年後見制度というのは、成年後見制度利用支援事業というものと成年後見制度を普及促進をしていくという、こういう取組、二つ含まれているんじゃないかと思うんですけれども、いずれについても、この二つともに被保険者の権利擁護のために必要な援助を行う事業であると私は考えておりますけれども、そういう理解でいいかどうかということと、衆議院の修正によって権利擁護事業は市町村の必須事業になった、このように確認されました。したがって、今述べたこの二つの取組は、市町村の必須事業になったと受け止めていいですね。
#109
○政府参考人(中村秀一君) お答えを申し上げます。
 今度の衆議院におきます修正で、被保険者に対する虐待の防止及びその早期発見のための事業その他の被保険者の権利擁護のために必要な援助を行う事業という点が成年後見制度の、失礼いたしました、言わば包括的支援事業の中に含まれまして、必須事業というふうになっております。
 権利擁護のために必要な援助を行う事業ということでございますが、どの点を必須と考えるかというのは市町村の御判断によるというふうに私ども考えておりますが、まず、少なくとも、成年後見制度の利用促進のために市町村がまず取組を行う、それから、虐待とかそういったことについての相談を受けるとか、そういったことについては市町村に是非やっていただかなければならないというふうに考えております。
 経費に対する助成につきましては、その地域におきます利用状況とかそういったことにもよると思いますので、その辺は、私どもとしては市町村の御判断、裁量の余地があるんではないかと、こういうふうに考えております。
#110
○小林正夫君 今の答弁の中で、衆議院で修正された中に、地域支援事業のうち、被保険者に対する虐待の防止及びその早期発見のための事業その他の被保険者の権利擁護のための必要な援助を行う事業については市町村の任意事業から必須事業に改めるものとすること、こういうことが確認されたわけですね。後半の、その他の被保険者の権利擁護のための必要な援助を行う事業、こういう中にこの成年後見制度を普及促進していくということが含まれるんですね。このことを確認したいと思います。
#111
○政府参考人(中村秀一君) 今回の法案の中で規定しております地域支援事業の一環としての権利擁護事業につきましては、地域包括支援センターが核となって高齢者やその家族から様々な相談に応じ、サービスの利用調整等を行う中で、成年後見制度についてもその内容を周知し、希望があれば関係機関につなぐことなどの業務を実施するものでありまして、成年後見制度の普及及び活用につながるというふうに考えております。
 委員御指摘の、今市町村でやっておりますその成年後見制度の利用に係る経費に対する助成につきまして、それを必須とするかどうかということにつきましては市町村の判断でよろしいのではないかと考えております。
#112
○小林正夫君 助成の関係についての検討ということがあったんですけれども、この普及促進をしていくということは市町村の必須事業として位置付けると、そういうことでいいですね。
#113
○政府参考人(中村秀一君) 結構でございます。
#114
○小林正夫君 特に、成年後見制度というのは、介護保障にとどまらず、知的障害の人たちの中でもこの制度を活用をされていくことを望んでいる人たちも多いんだと思いますね。そういう意味で、是非、今言ったように、普及していくということは市町村の必須事業として、本当に世の中の人が知ることができるように、あるいは活用できるように、このことの取組をお願いしておきたいと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
#115
○国務大臣(尾辻秀久君) 衆議院でもいろいろ御議論がありまして、今お話しいただいておりますように、また御説明申し上げておりますような修正がなされたところでございますから、この趣旨は私ども十分に尊重してといいますか、やらなきゃならないことでございますので、努力をさせていただきます。
#116
○小林正夫君 次の質問に移ります。
 参酌標準についてです。もう何度もくどいようで大変申し訳ないんですけれども、参酌標準というのは国が施設整備の補助金を出す際の目安であると、私はこのように理解しているんですが、参酌標準を超える施設要望には補助金が出ない、こういうことの理解でいいのかどうか。
#117
○政府参考人(中村秀一君) 参酌標準は、各市町村が介護保険事業計画を策定するときに各サービスの見込み量を定めるに当たり参酌していただくということで、厚生労働省からお示しをするものでございます。例えば、今年度、交付金で整備を行っておりますが、参酌標準を超える都道府県からも交付金の申請が出ておりまして、私ども、過去三年間、十三、十四、十五、三年間の平均整備量を上限に御相談に応じると、こういうことを申し上げておりますので、補助金が出ないと、交付金が出ないと、参酌標準を超えている場合は補助金が出ないというような扱いはいたしておりません。
 ただ、私ども、交付金配分するときに、参酌標準を下回っているところに対しては過去三年間の平均よりも上積みをすると、こういうことで、ならす基準としては使っていただいていますが、実際問題、参酌標準を超えているから交付金が出ないということですと、単純に、四十七都道府県があって二十三が平均を超えていると、二十三のところは国の補助金が出ていないかというと、そういうことではございませんので、そういう意味では補助金が出ないわけではないと。
 ただ、我々としては、全国的な施設整備の水準ということを考えると、余りに地域格差があるのはおかしいと思いますし、基本的に参酌標準まで整備されてないところについては整備を急ぐように、超えているところについては、いろいろ地域の実情があり、整備は必要だとは思いますけれども、少し抑制ぎみにした方がよいのではないか、そういった意味での参酌標準になっております。
#118
○小林正夫君 今の答弁を聞いていまして、私の認識を変えるようにします。参酌標準を超える施設要望には補助金が出ないことはない、出るということを前提として考えていていいと、こういうことですので、そのように受け止めさせていただきたいと思います。
 次に、この関係ですけれども、三月の二十九日と五月十七日の二回、当委員会でこの内容について質問をしました。三月の二十九日の中村老健局長の答弁は、介護保険三施設は六十五歳以上の人口の三・二%程度、グループホームや介護型の有料老人ホームなどは〇・三%、合わせて六十五歳以上の三・五%程度が整備の目安ということで参酌標準として打ち出している、こういう旨の答弁がありました。また、五月十七日の老健局長の答弁は、十年後の平成二十六年度に基準として示しているのが要介護二から五、二百九十万人を想定というふうに言っておりましたけれども、そのうちの三七%、要は百八万人の方に施設を利用していただくということであり、正に参酌標準として示している、こういう答弁がありました。
 従来の参酌標準が六十五歳以上の高齢人口を指標として介護施設のサービス量を見込んでいたのに対して、新しい参酌標準では要介護二から五の数を指標としています。また、施設ごとに参酌標準を設定していたものを、施設・居宅系サービス全体を含めて参酌標準を設定している。どのような考え方の変化があったのか、お聞きをしたいと思います。
#119
○政府参考人(中村秀一君) 参酌標準の内容につきまして今委員から御指摘ございましたとおりでございまして、これまでの参酌標準、六十五歳以上の高齢人口を指標とし、介護保険三施設を基本とし、認知症グループホームと特定施設それぞれの割合をお示ししてきたところでございます。十八年度からスタートする次期介護保険事業計画におきましては、委員から御紹介がありましたように、五つの類型の施設全体で要介護二ないし五の方に対する割合という設定をさせていただきました。
 これは、一つは地域支援事業や新予防給付の創設によりまして介護予防の実施を加味すると、そういうふうに考えますと、要介護二ないし五ということが基本的には入所の対象者になり、なおかつ、近年の状況を踏まえますと、介護三施設、特に特別養護老人ホームと介護療養型医療施設の入居者の方は重度化しておりますので、そういうことを考えますと、中重度の方々を基本として考えるべきではないかということ。それから、かなり地域におきまして介護三施設の構成、それからグループホームないし特定施設・居住系サービスの比率が異なりますので、どれに重点を置くかについては各市町村において地域の実情を踏まえて判断していただくと。こういう観点から、十八年四月につきましては要介護二ないし五に対する方の割合につきまして五つの、介護三施設と入居系サービスの割合でもって表示をさせていただくということを提案いたしております。
#120
○小林正夫君 私は、終始お聞きをしているのは、在宅介護で頑張って介護をしてきたときに、やはりその方の症状が重くなってきたり、あるいは家族の手の問題を考えていきますと、どこかに限界が来てしまう人が出てくる。そういう人たちに対して、施設を望んでいる方に施設の提供ができる世の中にしていかなきゃいけないんじゃないかという思いで質問をずっと続けてきました。そこに、この参酌標準があることが分かって、どうもこの数字の取り方で国からの交付金が縛られてしまって、地方自治体でそういう施設を造ろうと思ってもなかなか思うようにいかなくなっているんじゃないかと思って、心配して今質問をしているんです。
 それで、先ほど言ったように、新しい参酌標準によって、十年後の要介護二から五の施設、居宅サービス利用者を、現状四一%の割合で入っているというものを四%ダウンして三七%を目安とするということが言われました。私は、この四一%というのは、現実問題として、今介護の二から五までの人と実際に施設に入っている方の数字を計算をして四一%という数字ですから、これは実数だとして私は受け止めています。ところが、今までの論議の中で、特養ホームに入りたい、でも入れないという人が三十四万人いるということが明らかになってきました。ただ、この三十四万人の数字の取り方も、ダブった人がいたり、丸々三十四万人じゃないという、こういう理解はしておりますけれども、でも三十四万人の中には介護二から介護五に該当する人たちも私は一杯含まれている。仮に三十四万人のうち、その介護二から介護五まで含まれている人が仮に二十万人ぐらいいるということになったときに、現状を考えたときに、今入っている人は四一%だけれども、本来その二十万人の人も介護施設に本当は入れてあげたい人なんですよ。
 そう思うと、現状五〇%ぐらい施設に入っていなきゃいけないというどうも姿が私は頭に浮かぶんです。で、その五〇%からいきなり十年後に三七%に施設に入れる人の割合を下げてしまうという、これは激減をさせてしまうということにどうも私は理解ができないんですけれども、この辺、どういうお考えでしょうか。
#121
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 四一%から三七%ということは、施設・居住系サービスの利用者の割合を、要介護二以上の方に対する施設の割合を一割引き下げるという考え方に立っております。今、要介護四及び五の方、重度の方の施設に入っている割合は五九%でございます。要介護四の方の半分以上の方が、要介護五の六割以上の方が今施設入所でございまして、委員から御指摘ございますように、要介護四、五で在宅で暮らしておられる方は少数派という状況でございます。
 この今回の参酌標準でも、実は三七%になりますが、この要介護四、五の方の介護三施設の入居割合につきましては七〇%に引き上げていくということでございまして、これは施設入所者の中で要介護四、五の方の割合を五九%から七〇%に引き上げていくということで、これは重度の方につきましては、現在の要介護四、五に対する、何といいますか、比率と変わらないということで、重度の方については介護施設で入居できるということについては確保していく方針でございます。
 一割程度、要介護二から五の方々についての入居割合が減るということでございますけれども、一つは、ここのところにつきましては多様な住まい場所を整備するということでありまして、自宅に住み続けられなくなっても今の入居施設以外の場所で暮らせるような住まい場所ということも造っていくということを提案いたしておりますので、そういったところで吸収をしていく、あるいは地域密着型サービスの方で対応していただくと、そんなようなことを念頭に置いて考えております。
#122
○小林正夫君 従来の参酌標準は、三年ごとの介護報酬、介護事業計画の見直しに合わせて設定をしていたと思います。今回、先ほど局長おっしゃったように、前の答弁でもおっしゃった、要は今後十年間ということがありました。十年と長期の参酌標準を設定しているんだけれども、一期三年ごとに状況を踏まえた設定を私は行う必要があるんじゃないかと思いますけれども、この考え方についてお聞かせ願いたいと思います。
#123
○政府参考人(中村秀一君) 参酌標準は、一九九〇年代の前半に作られましたけれども、当時の長期計画はゴールドプランということで十年計画でございました。五年後に中間年で見直しをし、新ゴールドプランを作ったという経過がございます。それから現在、今まで生きていました参酌標準もゴールドプラン21という五年計画の中で作られ、三年のローリングで見直しをしてきたということがございます。
 私ども、平成二十六年度における中期的な目標を提示しておりますが、施設整備につきましては、やはり介護保険三年ごとにローリングする、保険料にしろ、事業計画にしろ、三年ごとに見直しをされるということでございますので、それに合わせて中期目標についても、そのローリング計画の見直しと併せて中期的な目標の是非についても検討が必要ではないかと思います。
#124
○小林正夫君 この項目の質問の最後ですけれども、大臣の方にお聞きをしたいと思います。
 これも何回も同じような言葉を使って恐縮なんですけれども、やはり先ほど言ったように在宅介護の限界がある。一家心中がある、自殺がある、もう家庭崩壊がある、世の中にこういう現実もあることも間違いないんです。私は、高齢社会だから施設の数を増やしていくということは避けて通れないんだと思うんです。これから私どもの昭和二十二年もそういう世代を迎える、あるいは団塊ジュニアの時代もこれから年を重ねていく。だから、これからの五十年の日本の人口の姿を考えると、正に高齢社会だと私は思います。
 そこで、先ほど言ったように、要介護四とか五の人の入居割合についてはできるだけ維持をしていきたいと、こういう老健局長の答弁がありましたけれども、現状の維持だけじゃ、私はなかなか、先ほど言った厳しい現実について対応できないんだと思います。必要な施設はお金が掛かっても造る、造っていかなきゃいけないというのがこの高齢社会の私は状況だと思うんですね。そういう点で、この高齢社会、施設を造る、介護認定四、五の方の状況は分かりましたけれども、更なるこれに対した充実に向けた取組について、大臣の所見をお伺いしたいと思います。
#125
○国務大臣(尾辻秀久君) 先ほど来、局長もお答え申し上げておりますけれども、要介護度が増しまして、要するに重度になるということでございますが、そうなりますと常時の介護が必要となるわけでございまして、どうしても在宅生活が困難になる、これはもう言っておられるとおりでございます。
 こうした方々のために特別養護老人ホーム等の施設サービスを整備していくということは極めて重要なことであると考えております。
#126
○小林正夫君 是非、これが日本の私は五十年間の一番大きい課題だな、このように思いますので、そう今言った、大臣の言った方向の取組をきちんとやっていただくことを要望しておきたいと思います。
 次に、介護現場で働く人たちの質の向上と雇用労働条件の改善について、こういう内容について幾つか質問をいたします。
 ちょっと通告と順番が違いますけれども、身体拘束についてお伺いをしたいと思います。
 「身体拘束ゼロへの手引き」という、こういうものが厚生労働省から出されて、介護保険法の施行と同時に、拘束をしていかないと、基本的にはこういうものが作成されて手引として配られております。
 ただ、連合の調査によりますと、約六割の職員の人が身体拘束を行った経験があると、このように答えているのが現実なんです。その内容は、ベッドにさくを付けるだとか、車いすに縛る、ベッドに腕を縛る、拘束衣を着させる、そして睡眠薬で眠らせる、残念ながらこういうふうなことを経験したという人が、正直、六割の方から経験したんだという回答があったんです。
 そこで、二〇〇一年三月に、これ厚生労働省から出されました「身体拘束ゼロへの手引き」、これが各施設でどのように活用されて実行されているのか、またその検証はされているのか、お伺いしたいと思います。
#127
○政府参考人(中村秀一君) 身体拘束ゼロに向けての取組については、委員からお話がございましたように、二〇〇一年三月に「身体拘束ゼロへの手引き」を都道府県関係団体を通じて事業所に配付し、施設全体でこの問題に取り組み、体制を整えていただいているところでございます。
 それで、平成十二年に、基本的に、例えば施設の人員、設備及び運営に関する基準で、身体拘束は原則として行ってはならないと、こういう規定をいたしました。また、二〇〇三年四月の基準の改正で、やむを得ない場合に、このやむを得ない場合というのは、入所者、他の入所者等の生命又は身体を保護するために緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束を行ってはならないとされております。こういう身体的拘束等を行う場合は、その態様及び時間、その際の入所者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由を記録しなければならないと、こういう基準改正も行われてやってきているところでございます。
 委員から御指摘ございましたように、身体拘束を行っている施設の割合、まだ低いとは言えない状況にありますけれども、減少傾向にあることは確認できておりますし、ただいま申し上げましたように、基準改正で身体拘束を行っている場合には、その状況も後できちんと把握できるようになっておりますので、例えば施設に対します立入りなり調査の際にはこの点も見せていただくと、そういうようなことを通じまして身体拘束ゼロを目指した取組を進めてまいりたいと考えております。
#128
○小林正夫君 私は、虐待的に拘束してしまったり、事業者が一杯人を受け入れて、要は金もうけのために体を縛って多くの人を受け入れちゃう、こんなことはもちろん許すことができないし、言語道断なんですけれども、負担を軽減する福祉用具だとか施設の居住環境など、ハード面での整備も問題、課題があるんじゃないかと思うんです。
 調べましたら、平成十三年八月に、身体拘束ゼロ作戦推進会議ハード改善分科会、こういうところから福祉用具や居住環境の在り方に対していろんな課題が指摘された報告書が出てきておりますけれども、私はそういう点もやはりしっかり取り組まなきゃいけないんじゃないかというふうに思うことが一つです。
 そこで、先ほど言ったように、連合の調査で、身体拘束を行った、六割の方が回答あったんですけれども、私はそのときの状況を考えると、やはり心を痛めながら身体拘束をしたというのが私は実態じゃないかというふうに思うんです。結局、忙しい中で人を扱う介護の仕事ですから、介護する側の人たちの悩みをやはり解決をして、しっかり明るく希望を持って働ける環境をつくってやるということがこれから先もより大事じゃないかというふうに思うんです。
 したがって、あわせて、介護者の心の負担を取り除く施策について、このことを含めて大臣の御所見をお伺いしたいというふうに思います。
#129
○国務大臣(尾辻秀久君) 私も、大臣になりまして幾つもの施設を見せていただきました。そして、その中で思いましたことの一つが今お話しになったようなことであります。もう、現場の御苦労というのが身にしみて分かります。その中で、今おっしゃったように、大変心を痛めながらやむを得ずということがあるだろうなというのが現場へ行くと分かるわけであります。そうした皆さんの御苦労をどうやって取り除いてさしあげられるか、我々に何ができるんだろうと思うわけでございますが、確かにハードな面でもしやれることがあれば、これはやってさしあげないと、もう本当に現場の皆さん方の御苦労というのは大変なものだと、これはもう何回も申し上げますが、私も身にしみて感じておるところでございます。
 そうした中で何ができるか考えたいと思いますが、なかなか、また私どもで思い付く範囲もまだ限界がありまして、こうした冊子を作るようなことになってしまうわけでありますが、こんな冊子を作ったからといってなかなか現場の御苦労が解決するものではないということはよく承知をしておるつもりでございます。
#130
○小林正夫君 ペーパーにするといいことがずっと書けるんですけれども、なかなかそれと実態が合わないというのが世の中じゃないかとは思います。尾辻大臣もいろんなところに出掛けていって現実の場面を見ていただける、こういう状況もつくっていただきまして、本当にそれはいいことだと思いますけれども、更にいろんな現場を見ていただいて、この介護現場で働いている人たちの悩みをやはり聞いた上でいろんな施策を立ててくれること、このことも要望しておきたいというふうに思います。
 同じように介護労働者の関係ですけれども、先ほど同僚の蓮舫委員からも質問がありましたので、ごく簡単に質問をします。
 情報開示の関係ですけれども、サービスの質に直接関係する、こういう情報開示の内容を確定するに当たって基本的な考え方が示されておりますけれども、このサービスの質に直接関係するという判断基準は何なのか、教えてください。
#131
○政府参考人(中村秀一君) 今回の介護サービス情報の公表の基本的な考え方は、介護サービスについて利用者の方の選択に資すると、こういうことで、その選択に資するために事業者の方について、普通の事業であればこういう義務がないわけでございますけれども、あえて事業者の方に都道府県知事に対して一定の項目を報告するという義務を課し、その報告された事項について都道府県が公表をすると、こういうことにさせていただきましたので、あくまでも利用者の選択に資するということで、介護サービスの内容及び介護サービスを提供する事業者の運営の状況に関する情報であって、介護サービスを利用し又は利用しようとする要介護者等が適切かつ円滑に介護サービスを利用する機会を確保するために公表することが必要なものと、これは法律上そう書いてございますので、そういう考え方に基づいているわけでございます。
#132
○小林正夫君 具体的に簡単に聞きます。
 その情報開示の中に、ヘルパーの平均勤続年数など、これを入れる必要があるんじゃないかと思うけれども、どうかということ。
 それと、介護保険制度は、介護を社会的に支えるという点から、通常の営利事業と比べ、より高い倫理観と社会貢献の意識を持っているかどうかが私は大変重要だというふうに思います。そのことが利用者に分かるようにすべきが情報開示の一番ポイントだと思うんですね。その意味から、労働法規の関係の遵守や社会保障、労働保険の加入の有無なども情報開示の項目に私は追加すべきだと思いますけれども、この点についてどうでしょうか。
#133
○政府参考人(中村秀一君) 私どもが今、訪問介護について開示する項目については、今御指摘のあったものの中では、従業員の在職年数、従業員一人当たりの担当利用者数、従業員に対する健康診断の実施、夜間を含む労働時間、勤務体制などについて情報公開の対象とする方向で検討させていただきたいと思います。
 労働関係の法規の遵守、社会保険、雇用保険の適用の確保につきましては、基本的にそれぞれの法律に基づき必要な措置が行われるべきものでありますので、この点は公表項目にはなじまないんではないかと考えております。
#134
○小林正夫君 いずれにしても、利用者が選ぶときに、しっかりした安心ができる事業者なのかどうか、こういうことが一番判断の大きなポイントだと思うんですね。ですから、いろんな法律との関係で難しいとかあると思いますけれども、現実的に先ほど私が言ったようなことをチェックできれば、より安心できるということも間違いないと思うんです。是非そのことも検討をしていただければ有り難いと、このように思います。
 次に、介護労働者の雇用保険の加入と介護保険事業者指定取消し要件の設定についてお伺いをしたいと思います。
 一部の事業者に、労働者を雇用保険に加入させると事業主負担が生じるのでできれば加入したくない、しかし介護報酬は上げろと、こういう乱暴な非常識な事業主もいるんです。介護従事者は雇用されて働いているのだから、当然雇用保険に加入すべきであり、加入促進を積極的に行うべきと考えるけれども、どうでしょうか。
 その場合に、船員保険の未加入対策と同様な対策を介護サービス利用にも行ったらどうか、このことについてどうでしょうか。あわせて、公共事業の入札を希望する建設業者の力量を審査する経営事項審査制度を参考に、都道府県や市町村の事業指定取消し要件に、労働関係法規の遵守、雇用保険や社会保険制度の適用を追加すべきと考えますが、いかがでしょうか。
#135
○政府参考人(青木功君) 雇用保険の加入の問題についてお答えを申し上げます。
 御案内のように、雇用保険につきましては、基本的に、農林水産業の一部の個人事業を除いて、労働者を雇用するところはすべて適用事業になります。そして、そこに働く通常の労働者は皆被保険者になるわけでありますし、またパートタイマーの方、もちろん訪問介護に従事する方ももちろんでありますが、一週間の所定労働時間が二十時間以上、そしてそのスタート時点において一年以上働く気持ちがあるという場合には適用対象になっております。
 そして、具体的には、実はもう随分前になるわけでありますが、平成十三年四月に、私ども職業安定局、老健局の御協力をいただきまして、全国の指定訪問介護事業所すべてについて、雇用保険の適用手続を取るようにということで通知をお出ししているところでございます。その他様々な活動をしてまいりたいと思います。
#136
○小林正夫君 時間の関係で最後一つだけ質問させてください。簡単に質問をいたします。
 被保険者、受給者の範囲についてですけれども、本会議の中でも被保険者、受給者の範囲について質問をしましたけれども、具体的に質問をさせていただきたいと思います。
 衆議院の確認答弁で、特定疾病に小児がんを除き末期がんを追加する方向で検討する旨の大臣答弁がありました。このことは現状の制度において一歩前進であると考えます。そこで質問ですけれども、難病についても追加すべきではないか。様々な難病があり、どの特定疾病を追加するかは専門家の検討が必要だと思いますけれども、介護サービスを必要とすることでは末期がんの方と同じではないか、このように思いますので、見解をお伺いします。
 あわせて、結局、制度を年齢で区切っている限り、私は、三十九歳以下の末期がんの方はどうなるかといった問題は依然として残ってしまう、根本的な問題は解決しないと思います。二〇〇六年度、平成十八年度末までに被保険者、受給者の範囲の拡大を決定し、二〇〇九年、平成二十一年度から確実に実施することを、大臣、確約できませんか。お聞きをします。
#137
○国務大臣(尾辻秀久君) 二つお尋ねでございますが、結局同じことになると思いますので、もう被保険制度のこの被保険者、受給者の範囲ということでお答え申し上げたいと思います。
 今回の介護保険制度の見直しにおいても、この問題はもう大議論になったのは御案内のとおりでございます。どうしてもまだ国民の皆さんの合意が一つにならないと判断したものですから、こうした法律で私どもはお願いをいたしておりますけれども、幅広く国民各層を代表する方々の参画を求めて新たな検討の場を設けたいと思っておりまして、早急に検討をいたします。そして、一体的な社会保障制度の見直しと併せまして、お約束しておりますように、平成十八年度末までに結論を必ず得たいと考えております。
#138
○委員長(岸宏一君) 時間です。いいですか。
#139
○小林正夫君 はい。
 ありがとうございました。
#140
○委員長(岸宏一君) 午前の質疑はこの程度とし、午後二時三十分まで休憩いたします。
   午後零時五十二分休憩
     ─────・─────
   午後二時三十四分開会
#141
○委員長(岸宏一君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、小池晃君が委員を辞任され、その補欠として紙智子さんが選任されました。
    ─────────────
#142
○委員長(岸宏一君) 休憩前に引き続き、介護保険法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#143
○櫻井充君 民主党・新緑風会の櫻井でございます。
 済みません、今、本会議が終わられて、すぐに駆け付けていただいた中で、しかも局長の答弁者の要求もしておりませんので、大臣と一対一でこれから五十分やらしていただきますので、是非よろしくお願いしたいと思います。(発言する者あり)いや、かわいそうという声が今上がりましたが、私は決してそういうことではなくて、今日は、なぜかというと、考えていただきたいことが何点かあるので、その意味で、私は前々から申し上げているんですが、大臣がどういう立場にいらっしゃるのかというのは極めて大事なことだと思っています。
 要するに、省庁を代表したその行政のトップとしておられるのか、それとも国民を代表して、大体の方は国会議員の方々がほとんどですから、代表者として選ばれた方が、選出された方が行政の長となって、その行政をいかに使うのかという立場に立たれるのかによって全然違うんだろうと、そういうふうに理解しております。
 その意味で、この間質問させていただいたときに局長から随分御答弁がございましたが、私なりにちょっと納得のできない点もございました。今回また要求いたしますと、ほとんどの質問に対して局長が御答弁なされるんだろうと思いますので、改めて大臣に質問させていただきたいことがありますので、今回はこういう形でやらせていただきたいと、そう思いますので、よろしくお願いします。
 先ほど、午前中の下田議員の、これ済みません、通告がないのでこれは後日で結構でございますが、一つ考えていただきたいことがございます。それは、確かにこの介護保険法の「目的」の第一条のところに、頭に「加齢に伴って生ずる」と、こう書いてございます。確かにそのように書かれていて、それはそのための法律であることも重々よく分かりました。
 先ほど局長から、この保険給付は加齢による疾患に、疾病に伴ってということなのだから制度上はもうやむを得ないんだというお話がございました。ただ一方で、一方で、それではその二号保険者の方々が、その幾つかの疾患がありますが、その疾患のすべてが、疾患のすべてが加齢による変化に伴うものなのかというと、私は医者から見ると違っているんじゃないのかなと思うことも随分ございます。それは、例えば糖尿病性の疾患であるとか、こういうものは若年性の糖尿病の方々もいらっしゃるわけであって、決して加齢による変化によって起こってくるものではないと。そういう方々もその中に盛り込まれているわけですね。
 ですから、ある種現場の中で、また若しくはこの方々をどこかほかの部分で担保しますということであれば結構ですけれども、そうでないとすると、そうでないとすると、ある程度の特例措置を設けてもいいのではないのかなと、そのように考えますが、大臣としてはいかがでございますか。
#144
○国務大臣(尾辻秀久君) この介護保険法の現在の考え方というのは、先ほどお答え申し上げましたし、今改めて先生御自身からもお話がございました。したがって、四十歳から六十四歳の方々のところでどういうふうに介護保険を適用するかということにつきましては、加齢に伴う疾病ということで十五の疾病を挙げて、そしてこういう疾病の方々に対しては介護保険を適用するというふうにいたしておるところでございます。これはもう申し上げたとおりでございまして、この考え方というのを今日の介護保険法の中では変えるわけにはいかないということでございます。
 この問題は、結局といいますか、とどのつまりといいますか、この問題を議論していくと、最後は介護保険の年齢引下げあるいはもっと拡大するかという話になってくるわけでございまして、その議論になると思います。そして、これはもう介護保険をつくったときからの一番大きな議論でございまして、今回の見直しでも大きな議論になったわけでありますが、これまたいつもお答えしておりますように、国民的な合意が得られず、こういう形で法案見直しをお出しをしたということであります。
 じゃ、そうした中で十五疾病の中に加えるのか加えないのか、こんな疾病はどうだという一々の話になりますと、これはそれぞれ考え方があるだろうというふうに思います。そして、たしか衆議院の御議論の中でもこういう御指摘を受けたこともあります。末期がんを今度入れるか入れないかという御議論をいただきましたときに、そもそもがんなんというのは、どんながんも加齢によるものだというようなあるお医者さんの方からのお話もございまして、まあ言われてみれば、がんというのはそもそもそんなものかなと、私、専門外なものですから、そんなことを思ったりもいたしまして、いろんな考え方が出てくる。そうすると、加齢によるというふうに表現しても、それぞれの疾病についていろんな解釈が出てくるんだろうなというふうに思うところでございます。
 ちょっと長々とお答えしたように思いますけれども、個別のケースについてはまたそれぞれの判断、専門家の方々の判断もいただきながら、私どもも今後対応してまいりたいと存じます。
#145
○櫻井充君 是非、検討していただきたいと思います。
 もう一つ、介護というのは、本来は加齢によって出てくるような症状に対してということだけではないはずですね。つまり、若い人たちでも介護の必要な人たちもいるわけです。ですから、今度はその方々を一体どうしていくのかという議論を改めてしていかないと、ここはもう医療との区別になるわけですよね。
 前回も、医療と介護とは一体法律上どうなっているんですかと言うと、そこのことについては法律上の定義はなされていないと。今回は給付法という形でここは制度されているとすると、その給付の在り方自体が、ここには確かに、目的のところに加齢に伴うとありますが、介護全体を考えてくると、必ずしもその加齢によってということではないということも御承知おき願えれば有り難いなと、そう思います。
 特に、男性の方々が、介護が必要になるという人の約半分が脳血管障害だという、そういう資料もいただきました。ですから、そのことを考えてくると、確かに脳血管障害などのリスクファクターの一つは加齢であることは間違いないと思いますけれども、全部が全部、時期的に言えば加齢でそういうことになってくるわけではないということを考えてくると、その方々に対して医療保険制度でずっとその期間見てくることになるのか、又は介護の、これは四十歳からの部分に関して言えば、これはもちろん介護保険の適用になっていることはもう重々承知しておりますが、しかし、そういうまた別の病気の成り立ち方などを考えてくると、そこら辺も含めて医療と介護の整理をしていただかないと、その整合性というのが取れてこないんじゃないのかなと、個人的にはそう思っています。
 済みません、これからちょっと本題に入りたいと思いますが、私、要介護認定が元々、前回の、五年前の議論のときから要らないんじゃないかということを主張してまいりました。あのときの議論はこういうことだったんですが、定額制にしたいと、今回の要するに介護の制度はそういうことだと思います。要介護度認定をしてしまって上限を定めてしまうということにしているわけです。私は、そうではなくて、出来高払制度でいいのではないかということをずっと主張してまいりました。出来高払制度ですと、医療保険制度と同じように、かなり給付額が高くなってしまう、そのために介護保険財政を圧迫するから、だから定額制の方がいいので要介護度認定をするんだということでございました。
 しかし、この五年間やってみると、行ってみると、結果的にはどうかというと、満額使われている方々はほとんどいないという状況でございます。私は、なぜ介護認定が必要でないのかということを申し上げているのかというと、要するに今調査員の方が、たしか七十九項目になったでしょうか、そのチェックをしに行かれるわけですが、そのチェックをしている人たちとケアマネジャーさんが行ってこの方の介護が必要かどうかということのチェックをすることは基本的に同じことなんですね。つまり、そこのところの二度手間をなぜしなきゃいけないのかどうか、ここが極めて大きな疑問なんです。その要介護度認定などなくても、実際は、現場に行けば、この方は食事が取れないんだったら食事の介助をしましょうとか、それから入浴できないのであれば入浴の介助をしましょうとか、そういうことさえケアマネジャーの方が最初に行って決めてしまえば要介護度認定など必要ないはずなんですね。
 それからもう一つは、定額制の方がいいんだという主張がありました。これは介護費用の問題でです。しかし、ここ五年間のことで明らかになったことは、満額を使われていないということであったとすると、出来高払方式にしても問題はないんじゃないのかなと、そう思います。
 もう一点、出来高払方式にした方がいい根拠を挙げておきますと、要介護度認定のために相当な費用を使っているはずなんです。これは質問通告してあります。一人当たり幾らぐらいになっていて、それから総額どのぐらい年間使われているのかということについて、これは通告しております。私は、話を聞く分には、大体一万円から一万五千円ぐらい掛かるんじゃないかということを言われているわけですが、そういう無駄なお金を全部除いてしまうと、それをあとはケアマネジャーの方々に振り分けるということにすると、ケアマネジャーの方々が独立できるんではないかということになって、今までの問題点というのが解決できるんじゃないかなと、私はそう思っているんです。
 そういう意味で、大臣として、現状の定額制、要介護度認定を行う定額制がやはりいいとお考えなのか、それとも出来高払方式では駄目なのか、その辺についての御認識をお伺いできればと思います。
#146
○国務大臣(尾辻秀久君) まず、大きくは三点お尋ねがあったというふうに今理解をいたしました。
 最初のお尋ねは、これは先生のかねての御持論でいらっしゃるというふうにはお聞きをしておりますけれども、要介護認定とケアプラン一緒にやればいいじゃないかという、このことでございます。これについてはもうお答えしなくてもよろしいでしょうか。──それではお答えをまた必要があれば申し上げたいと存じますけれども、そのお答えは今のところは避けさせていただきます。
 それで、一番のお尋ね、多分お尋ねの主たる部分だと思うんですが、定額払と出来高払の件でございますが、私はもうずばり言いまして、やはり定額払の方がいいだろうなと、いいというふうに判断をいたしておるところでございます。ただ、医療保険の定額払と出来高払と、介護保険の場合ちょっと違う面も持つかなと思ったりもいたしておりますけれども、いずれにいたしましても定額払の方がいいというふうには判断いたしておるところでございます。
 それから、ケアプラン作成についての費用については、もしお答えいたすのであれば西副大臣からお答えを申し上げます。よろしゅうございましょうか。
#147
○副大臣(西博義君) お答え申し上げます。
 要介護認定等に係る事務費につきましては、これは平成十六年度から市町村の一般財源から拠出されておりますので、一人当たり金額、また全国でどれだけ使われているかということについてはきっちり把握をしておりませんが、平成十五年度においては予算上一人当たりにいたしますと一万一千八百円ということになっております。国の総額で六百十億円ということの結果がございます。平成十五年度ですね。
#148
○櫻井充君 もう一つ、なぜ要介護認定が必要ないかと申しますと、今、要支援の方々それから要介護一の比較的軽い方々が随分増えていらっしゃって、その方々の介護保険の利用が増えているということになっていて、ここを問題視されているわけですね。そうすると、結果的には要介護認定を受けて自分が要支援だというふうになると、何と言われているかというと、せっかく認定受けたんだから使った方が得ですよと、本当にそう言われるわけですよ。せっかくあなたも保険料も払っているんでしょう、一割負担で、わずかな額で家事援助も受けられるんだから、だからそれは使わないと損ですよという話をされる方がすごく多いんですね、現場で。ですから、そのためにどんどんどんどん膨らんできているんです、ここは実際のところを申し上げると。
 そうすると、もしこの要介護認定がなかったら一体どうなるのかというと、権利が発生しませんから、その方々はそのことを本当に主張していくのかというと、僕は主張しないところってあると思うんですね。それは要介護認定を受けて初めて権利が出て、ですから自分は要支援者だから頼みますみたいなところがあるわけです、これ本当に。
 ですから、そうではなくて、そうではなくて、要介護認定などをしなければそういうことも起こらないので、今すそ野が広がってきているとおっしゃいますが、むしろその要介護認定の軽い方々は、今回の方針はですよ、今回の方針は機能訓練などをやって、機能訓練などを行って要介護者から外れてくださいということになっていくんだとすると、やはり私は要介護認定などの制度をやめてしまった方がいいんじゃないのかなと思うんですけれども、その点について、いかがですか。
#149
○国務大臣(尾辻秀久君) お話伺いながら、そういう面もあるんだろうなと思ってお聞きをいたしておりました。
 ただ、そもそも要支援という認定を受けたという方は、何かやはり介護保険のサービスを受けようと思うから要介護認定を受けようとなさったんじゃないかなとつい思ったりするものですから、どっちが先になるのかなと。要介護認定が先にあって、せっかく要支援になったんだからという今のお話ですが、そういうケースもないわけではないんでしょうが、どっちが先なのかなとつい思ったりしながら、実はお聞きをいたしておりました。
#150
○櫻井充君 実際、そういう形で掘り起こしている方々も随分いらっしゃるわけですよ。
 例えば、今、要支援で、六万円か七万、ちょっと正確な数字忘れましたが、そのぐらいの範囲でサービスができますと。しかし、それ、そのサービスを受けられるために認定費用だけで約一万二千円掛かるんですよね。これ極めて無駄だと思うんですよ。
 繰り返しになりますが、要するに介護というのは行ったら分かるんです。ケアマネジャーさんが行ったら分かることなんです。どの人にどういう介護が必要なのかということは分かるんです。要介護度認定が幾つだからこの方々にこういう介護をしなきゃいけないということではないんですよね、これは。先ほども申しましたが、この方々が食事が取れないから、じゃ食事の援助をしなきゃいけないですねとか、それから、ここの部分の少し機能訓練をしたら自立できるようになるから、じゃこの機能訓練をしましょうねということで判断されてケアプランというのはでき上がっていくわけです。そこの中で、ある範囲の、額的な範囲を決めるだけの作業でしかないわけですよ、要介護度認定というのは。
 その介護の重症度というふうになるのかもしれませんが、それが本当に必要な介護の割合というのは、その人たちその人たちによって違います。同じ要介護三の人たちであったとしても、そこのメニューは全然違ってくるわけです。ですから、元々、最初からケアプランを作っても作れるんですよ、これは。ケアプランを作って作れるんですが、財政上の問題があって、あのときは財政上の問題があって、定額制にして、この範囲内でやってくれという目安を付けるために要介護度認定が取り入れられたんだと、私はそう解釈しております。
 ですが、五年間たってみて、満額使っている人が極めて少ない状況であったとすると、最初からケアプランを立てた方がいいんじゃないだろうか。諸外国の例を調べてみても、要するに要介護度認定などしている国はありません。むしろ最初からケアマネジャーさんのような役割の方がケアプランを立てているという国もあるわけですから、改めてそういう制度にされたらいいんじゃないかと。そして、しかも要介護度認定のために六百十億円ものお金を使っているということであれば、この六百十億円のお金はもっとほかのところに使えばもっとより良い介護というのが提供できるんではないのかなと、私はそう思うんですが、大臣、いかがですか。
#151
○国務大臣(尾辻秀久君) 外国の例からお話しになりましたので、私もむしろまたよく調べてみたいと思いますが。
 この制度をつくりますときにいろいろな議論をいたしました。そして、当時、ドイツが介護保険制度を持っておりましたから、ドイツに学んだということは随分ございました。そうした中で、この要介護度認定するのにどんな方式を使うのがいいかなというときに、コンピューターに入れてコンピューターに判断させるというやり方と、基本的に一人一人人間が見て人間が判断するという二つの大きな方法があって、どっちがいいかな、ドイツはどうしているかなとか、いろんな議論をした記憶がありますので、そうした中で今の方法をつくったということになると、外国もそうしたものはやっていたのかなとつい思うものですから、また改めて外国が要介護度というのをどういうふうに扱っているかというのは勉強もさせていただきたいというふうには思うところでございます。
 ただ、先生のお話伺っておると、確かにいきなりケアプランを作るという方法、可能かなというふうに言っておられるわけでありますが、私どもが今日までやってきた方法でもうすっかり定着してしまって、その頭が自分の中にあるのかなとつい思ったりもしながら、それでもやっぱり要介護度というのは先に全国一律のやり方で決めておいて、それからケアプラン作る方がやり方としてはいいのではないかと私は率直に思うものですから、改めてそのことを申し上げるところでございます。
#152
○櫻井充君 あの当時、コンピューターを導入してというのは、いかにその公平性を担保するかという観点からコンピューターのシステムを作られたんだと思います。ただし、そのプログラムというか、まあアルゴリズムなんでしょうか、それを作っているのはあくまで人が作っていて、それの整合性が取れないからこそ認定審査会があって、その認定審査会で大体今でも二〇%ぐらいの方々の要介護度の認定が変わっているかと思いますね。つまり、機械で判断することが正しければ認定審査会は要らないはずなんです。最終的に認定審査会で五人に一人の方の認定が変わっていくことを考えてくると、コンピューターの限界なんですね、これもう。ですから、そういうことを考えてくると、コンピューターなどに認定させる必要性など全くないんです。
 これ、大臣、改めて考えていただきたいと思いますが、元々、要介護度の認定システムは、要介護度の認定システムは定額払方式を用いたいからそういう方式を作っているわけです。定額払方式にしたいのは、介護保険制度の、介護保険制度の財政上の問題点があるからそういうふうにしてきているということに、私の質問に対してはそのようにお答えになっておられました。
 ところが、今になってみると、今になってみると、結果的には、出来高払方式であったとしてもそこの満額まで達しません。それは、介護の費用の一割負担というのは極めて重いからなんですよ。医療費の場合には窓口で大体払われる平均が日本の場合には五千円ぐらいですから、そのことを考えてくると、例えば要介護度三で、三十万ぐらいまで大丈夫ですよと言われて、一人三万円支払うような額そのものを負担できるかというと、必ずしもそうでないんですね。
 ですから、そのことを考えてくると、何度も申し上げますが、これだけ無駄な金を使っていると。その無駄な金をもっと現場の人たちが使えるようにするとか、今回、その三千億円使って、地域支援センターですか、それを運営していくとか、そういうことを考えてくるんであるとすると、ここにも十分財源になり得るものがあるわけですね。
 ですから、改めて申し上げますが、むしろ要介護度認定などやめてしまって、直接ケアマネジャーさんがケアプランを作るようなシステムを考えていただきたいと。そして、その上でそれが本当にできないシステムなのかどうかを是非考えていただきたいと思うんですよ。
 元々は、五年前は、何回も言いますが、財政上の問題でそういうことがあった。だから、そこの部分は確かにそうなるのかもしれないと思っていたところもありました。しかし、この五年間経過してみて、もうそういうことはないということが分かりましたから、ですから、元々、最初からケアマネジャーさんがケアプランを立てられるような、そういうシステムじゃ無理なのかどうかの御検討をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#153
○国務大臣(尾辻秀久君) まず、限度額まで使っていないというお話でございます。これは、確かに私自身もお答えの中で申し上げておりますけれども、平均でいいますと約半分ぐらいしか使っておられないということでありますから、大きく言えば先生お話しのとおりであります。
 ただ、一方から、先日も御質問いただきましたけれども、限度額ぎりぎりに使っておられる方もあるわけでありまして、その辺で定額とか出来高払とかということについての判断もしてみなきゃならない面を持っておるというふうに思います。
 ただ、私は私の考え方で先ほど来御説明申し上げておりますし、今その考え方が特に変わってはおりませんけれども、先生が先ほど来言っておられることについては、私ももう一回、今までやってきたからこうだということではないし、五年間やってきたからこのままでいいんですということではなくて、もう一回、本当にやれるのかやれないのか、本当に無駄がない方法があるかどうかは、これは先生のお話をもう一回私も考えてみたいというふうに思います。
#154
○櫻井充君 ありがとうございます。是非考えていただきたいと思います。
 なぜかというと、もう一点、違う観点からお話しさせていただきますが、今回、筋力トレーニングなどを行うことによって要介護度を引き下げていこうと。このことに関してはもう私も大賛成です。そうすると、例えば、どこかの施設の中でそういう筋肉トレーニングを行いました。その筋肉トレーニングを行った結果、入所者の平均が要介護四だった場合に、これが要介護三まで引き下げられたということになると、これは入所者にとってはすごくいいことなわけです。しかし一方で、施設にとってはたまらないことですね。つまり、なぜかというと、施設では設備投資もやって、例えばパワーリハならパワーリハだったとします。そうだったとすると、設備投資を行って、もしかすると人員も少し増やさなきゃいけないかもしれない、そのことをやる人たちに対して。そういうサービスまで行って、結果的に要介護度も下がりました、しかし、じゃそういう施設の収入が増えるのかというと、今のような要介護四、要介護三で上限を決めてしまっているから、結果的にはその施設とすれば多大な被害、被害と言ったらおかしな話ですけれども、やってられないんじゃないかなと、そう思うわけですよ。
 ですから、そういうことも実は要介護四だとか要介護三だとか決められるところに問題が私はあるんじゃないのかなと。そうではなくて、もう最初から施設の入所者のところは平均要介護四ぐらいのところでも、一人入所すればこういう額ですという格好で設定してしまえば済むことですし、それから努力してしまって収益が下がらないとなったら、手が掛からないようにした方がいいわけですよね。ですから、そういう点から考えてみても、要介護度認定は要らないんじゃないかと。
 それともう一点お伺いしておきたいのは、こうやって今回は努力しろ努力しろということを訴えているわけですが、今回そういう形で努力した結果、施設の収入が減った場合に、これはどういう形で補てんされるか、そのことについて、まず検討されているのかいないのか、その点についてお伺いしたいと思います。
#155
○国務大臣(尾辻秀久君) まず、今のお話は時にあることでありまして、したがって、その解決の方法として、まあそういう表現がいいのかどうか分かりませんが、成功報酬的な何か考え方はないのかと、それによって施設に入るお金が小さくならないように、要介護度が下がったことをうまくいきましたねと、そこの部分を何か、今私が使った言葉で言わせていただくと、成功報酬的に評価をするという方法はないのかという御意見がありまして、私どもも実は検討をしたところでございますけれども、なかなかそこがうまく仕組みが作れない。やはりちょっと無理かなというふうに実は今思っておりまして、そこは率直に申し上げてどういうふうにするか検討させていただきたいというふうに思っておるところでございます。
 ただ、そもそも要介護度があるからそうなるんだろうという先生の御主張につきましては、確かにそう言えばそのとおりでもあるんですが、やはり私どもは再三申し上げておりますように、基本的に要介護度の認定ということが基本にしてすべてを考えておるものですから、今のところ要介護度、やはり必要なものだと考えておりますということをお答えせざるを得ません。ただ、先ほど申し上げたように、私なりにまた勉強はさせていただきたいと存じます。
#156
○櫻井充君 この介護保険法の法律の作り方が、実は施設給付のような形にたしか作られていると思います。つまり、医療保険制度の場合には資格者を決めている。例えば医療は医師でなければできないという、そして医師法の中でも医師だけが医療ができるという形に全部制度設計なされています。この介護保険制度は、じゃ、例えば介護に携われる人たちがだれじゃなければいけないのかということは、これは法律上明記されていないんですね。政省令に落とされてはいます。でも、政省令に落とされてはいますが、じゃ、その政省令の中で本当に法律上なりなんなり、例えば介護ができますとかそういうことが書かれているかというと、それは書かれていないんです。
 ですから、そこの部分でいうと私は整合性取れていないんじゃないかと思うところもある反面、その代わり、今度は何で担保しているのかというと、法律の作り方ですけれども、要するに、施設ではこういうことができますよというような形で定めておいてしまって、そして、そこでやっていることに対して適切にやられていれば介護報酬を認めましょうという、そういう作り方になっているはずなんです。
 であったとすると、どこを定額制にしなきゃいけないのかというと、むしろ私は、その施設の中での割り振りの中で定額制にしてしまった方がいいんじゃないかなと。つまり、医療と全く同じような形で、その施設に対して、例えば一人入所されたときに療養型病床群であったら一人五十万までにしますよとか、それから特養の場合であれば三十五万までにしますよと、もう最初からそういうふうに決めてしまった方がいいんじゃないかなと。そうすると、成功報酬的になるかどうかは分かりませんが、そこで努力をして軽くなっていけば軽くなっていくと、結果的にはそこの施設の私はプラスになっていくんだろうと、そういうふうに考えるんですね。ですから、むしろ定額制にしなきゃいけないという作り方は、個人の支払という形の定額制にするのではなくて、施設全体の定額制という形のことを考えていった方が極めて合理的になるのではないかなと、私はそう思うんです。
 そのことについて、すぐに御答弁をというのは無理だと思うので、是非御検討いただきたいと思いますが、その点について、いかがでございましょう。
#157
○国務大臣(尾辻秀久君) 正直に申し上げますと、今の先生のお話を伺いながら、これ医療でそのまままた持ち込んだらどうなるだろうなということも思ってお聞きをいたしておりました。
 もうこれ先生に申し上げるのは釈迦に説法もいいところでありますけれども、医療の世界で定額払ということを私どもも前から一部申し上げたりしておりまして、今、国立病院とかなんとかで少しそれをやっておるという状況でございます。
 そうした御議論の中で、いろいろ定額払、出来高払、長所、欠点というようなことの議論が行われておりますけれども、先ほど来申し上げておりますように、また先生もそのことはお認めいただいての御議論でありますけれども、そのことと申し上げていますのは、介護と医療ではかなり性格が違うということで申し上げておるつもりでありますが、そうした中での御議論ではありますけれども、この御議論というのは始めると相当難しい議論になるだろうなとつい思いながら聞いておりまして、今私にどっちがいいと思うかとお尋ねになりますと、正直に言いまして、ちょっとお答え申し上げるにはもう少し考えさせてくださいと言わざるを得ません。
#158
○櫻井充君 是非御検討いただきたいなと、そう思います。
 要するに、どういう制度がいいのかということをもう一回考えていただきたいと思うんです。財政上極めて厳しいということもありますが、一方で、どういう形で介護を提供すると利用者の方々にとっていい介護が提供できるのかということを考えていかなきゃいけないはずなんです。そうすると、無駄なお金をどう削減するかということが本当に大事なことなんですね。
 ですから、私はこの六百十億円のお金にこだわりますが、例えばの話でこれ出しているのであって、このお金が現場の方々に渡されただけでも私は随分違うと思うんですよ、意識が、皆さんの。だから、そういうことで形だけを担保するために、今度の地域支援センターがどういうふうになっていくのか分かりませんよ、これ、私は。だけれども、そういうことではなくて、本当に現場の方々が納得できるような形のお金の配分をしていただきたいと、そう思っているわけです。
 私は施設随分回りましたけれども、そのところで言われるのはもう二つしかないんですよ。とにかく給料が安いからもう何とかしてくれと、それから人手が足りないから何とかしてくれと、もうこの二つだけですね。ほかにないんですかと聞くと、ほかにございませんと言うんですよ、大体。特に、この間もちょっとだけ申し上げましたが、個室化が進んでいっているところは、個室化が進んでいるところは本当に大変です。個室化が進んでいるところの配置基準は若干上げているとか、そういうお話がありましたが、元々の配置基準が低いんですから、元々のその基準が低い中で少しぐらい上乗せされたからといって、それがやっていけるかというと、そうはならないんですね。
 それから、これは一応、この間質問のレクをするときに一応は申し上げて、数字があるのかどうか分かりませんが、要するに介護の職員というのはもう若い人たちしかいないです。それは若い人たちしかできないからと言われてみればそこまでですが、肉体労働です。もう一つは、やっぱり所得の問題です。どうしたって所得が低くて、あの給与で本当に四十歳の方々が家計を支えてやっていけるかということになってくると、かなり難しい問題があります。
 ですから、そういうことを考えてくると、介護職員の労働条件を変えるような、そういうことを考えていただかないと持続可能な制度に僕はならないと思うんですね。国が今、持続可能な制度と言っているのは、財政上の持続可能な制度のことだけです。そうではなくて、現場で働いている人たちがこうやって働けるんだと、そういうことをちゃんとしないと、介護サービスがきちんと受けられなければ、国民の皆さんから、金ばっかり払っているのに何なんだということになるわけですよ。そうすると、持続可能なサービスが提供できるためには、現場で働いている方々の労働条件をどう担保していくのかということがすごく大事なことになります。
 先ほど申し上げましたとおり、努力をした結果自分たちの収益が減るような今は制度ですから、そこをまず、まずそこから一番最初に改めていただかなきゃいけないんじゃないかと思いますが、改めて大臣、いかがでございますか。
#159
○国務大臣(尾辻秀久君) 今先生が言われました給料が安いということと人手が足りないということでありますが、これを私どもの立場から言いますと、今度は人員配置基準でありますし介護報酬だと、こう置き換わるんだというふうに思います。したがって、これをどうするかということが私どもに課せられた課題ということで、そのことは私どもも当然のこと承知はいたしておるところでございます。
 したがって、人員配置基準についてもそれぞれ配慮をいたしておるつもりではありますけれども、更なる見直しというのはまた今後ともずっと検討を続けていかなきゃならぬと思っておりますし、特に介護報酬につきましては、来年四月が介護報酬の改定でございますから、このときに今いただいておりますような御議論を踏まえて私どもも検討してまいりたいと存じます。
#160
○櫻井充君 大臣は、今の介護職員の労働条件や給与については根本的にどうお考えなんですか。
#161
○国務大臣(尾辻秀久君) 私もできるだけ現場も見せていただきたいと思って見せていただいておりますし、それからまた先日は、ヘルパーさん方にも何人か大臣室に来ていただきまして、いろんなお話を伺いました。そうしたお話伺えば、私がここの場で言えるせりふとしては、決して高いというふうには思いませんという表現でお許しをいただきたいと存じます。
#162
○櫻井充君 大臣、そこが国民の代表者として、大臣としてそこの立場にいらっしゃるのか、行政側の立場としていらっしゃるのかの僕はそこの境目なんだと思うんですよ。つまり、国民の代表者としていらっしゃるとすれば、その方からいただいた現場の声をどう反映させていくのかということが極めて大事になってくるはずなんですね。行政側には行政側の理論があるかもしれませんけれども、しかしもう一度考えていただきたいのは、この制度はだれのためにあるのかといえば、これは国民の皆さんのためになきゃいけない制度なんですから、そういう方々の声をもう少しきちんと反映できる制度にしていただきたいと思います。
 これは、もう一つ、これは税制上のことなので財務省の人にあとは話をしなきゃいけないことだと思いますが、アメリカの場合にはこういう社会福祉法人などというくくりはなくて、恐らくみんなNPO法人だろうと思います。そうすると、向こうの場合には所得の中の五〇%までが寄附することができる、所得控除の対象になります。それから法人税も、たしか利益の一〇%だったと思います、これはちょっと定かではありませんが、それが寄附できるという制度があって、大体アメリカは寄附をしていることによって、ざっくりいくと、お上に八割、二割が寄附で賄われているというふうに言われているぐらいなんですね。
 日本の場合にはどうしているかというと、全部お上がまず税金として集めておいて、保険料として徴収した上で補助金なりなんなりという形で全部分配する。これは役人にとっては最高なわけですよ。金とそれから権限を、認可というか、そういうところを持ち合わせていますからね。だけれども、そういう社会から脱却していくべきじゃないのかなと私は思っているんです。それはなぜかというと、国民の皆さんが税金の使い方がおかしいだろうと、そういう御不満を持っていらっしゃるからなんです。
 そこで私は、こういう介護施設に対して寄附をした場合に優遇税制が受けられるような制度設計をひとつ考えたらどうなのかなと、そう思うんですね。つまり、大臣は先ほど、収入を増やすためには結局は保険料収入なんだというお話をされました。しかし、保険料収入に頼るから医療も、医療も結果的には何をするかといったら過剰診療をしなきゃいけない場合も出てきている、これはもう実際のところなんですね。
 そういうことを考えてくると、もう少しそういったところ、そういうところに、そういうところに優遇税制が掛けられるようなシステム自体を構築してきたらいいんじゃないかと。そのことは何かというと、例えば自分が世話になっていると、自分の例えば祖父母が世話になっていると、ここで大変お世話になっているんであればそこのところに寄附したっていいんじゃないかと思っている方々、私は出てくると思うんですね。そういうことをやってくること自体が実はサービスの向上にもつながってくると思うので、そういうような財源の確保の仕方も御検討いただければ有り難いなと。これは厚生労働省に言って、難しいかもしれませんが、しかしこれは、そういうようなことに対して、財務省にきちんと話をしていただければ有り難いと思います。もし今こういう寄附税制があるんであれば、それは私の認識がちょっと違っているので、そこら辺も改めて御検討いただきたいと思います。
#163
○国務大臣(尾辻秀久君) 細かな部分でいうと、若干そうした税制に近いものが日本の制度の中にも全くないわけでもないと思っておりますけれども、これは私も細かく承知をいたしておりませんから、そのことを申し上げるつもりはありません。
 ただ、大きくアメリカのことをお話になりました。確かに基本的に、道路を走ると、この道路はあなたの税金でできていますという看板があるアメリカのあの納税に対する考え方、税金の使い道に対する国民の皆さんの感覚と日本の感覚というのはやはり基本的に違うところもあるというふうには思いますし、そうした中でのそれぞれの税制の違いというのもできてきておるんだというふうには思います。
 ただ、社会福祉をお預かりする立場から率直に申し上げますと、ああいうアメリカの制度というのも、うらやましいなとか、いいなと思うことは正直あります。ですから、また機会があればそういうことを、今の私の立場で財務省のそうしたことについて言うというのは、これはもう完全に所管外でありますし、ある意味越権でもありますから、そんなことを今私がこの場で厚生労働大臣として申し上げるものではありませんけれども、将来においてまた考慮されれば有り難いと、社会保障をお預かりする立場からは率直に思うところでございます。
#164
○櫻井充君 こういう制度を取り入れたいということになれば、それは越権行為かもしれませんが、こういう制度があったらいいなという希望を出すことは、これは全く問題ないことだと思うんですね。ですから、改めてそういうことも考えていただきたい。つまり、これから税金や保険料だけで賄い切れない部分というのは一杯出てくるわけですよね。ですから、そういったもののほかのその収入をどうするかということで、結果的にホテルコストだ何だということを負担していただくことになっていますが、しかしこれはかなり厳しいと思いますね。
 今日は通告していませんが、例えば八十万円の方も、年金の、年収八十万円の方も一万何がしかこれ負担することになっていますね。その八十万円を超えた、八十一万円なら八十一万円の方、今度一万五千円たしか負担することになっていて、そこの差を考えていってみると、差を考えていってみると、はっきり言うと、年金の掛金が多くて、それで例えば九十万円ぐらいもらっていましたという人の方が、実はこの介護保険を適用、お互いに同じように適用するとどっちが得かと言うと、実際は八十万円の人の方が得になるはずなんです、これ、私が計算してみてみると。そうすると、九十万円の人たちはちゃんと年金の保険料もまじめに払って、少しは多くその人たちよりも、そうでありながら最終的に受ける、何というか、恩恵というのが少なくなるような区切り方になっている。これが一千万もらっている人がどうだという議論をするんだったらいいですが、年収八十万程度の人にとってみたらめちゃくちゃ重い負担になるわけですよ。ですから、そういう方々からの負担ということを考えるんじゃなくて、もう少し別な方々からの負担をお願いするようなことを考えていただきたいと、そう思っています。
 済みません、もうこれは、ちょっとあと時間がないので一点最後に、どうしても納得できなかったので、この間。
 介護保険法二十七条の六項でその意見書を書けるのは医師だけなんです、法律上。歯科医師は書けないとなっていて、この間局長に、私は今日怒っているのは、あのとき取りあえずというお話をされたから、そこは訂正してくれないかと言ったら、それは取りあえずも訂正していただけませんでした。しかし、五年間もやって、五年間もやって、これは歯医者さんが、口腔外科のお医者さんたちが主治医の場合もあるわけですよ、今、時代は変わりましたから。ですから、そういう方々は意見書を書けるようにすべきなんです、これは。そうでないと、ほかの医者のところに行って改めて意見書を書いてもらうようなことが必要になってくるわけなんですね。ですから、これはカンファランスなどに出席できますとか、この間答弁されていますが、問題は、今議論しているのは、これは法律なんですよ。法律になぜ書き込めないのか、私は不思議でならないですね。
 ですから、改めてお伺いしたいんですが、なぜここのところに歯科医師が入らないのか。そこの点について、もう一度御説明いただけますか。
#165
○国務大臣(尾辻秀久君) 私も先日の答弁聞いておりまして、取りあえずという表現は日本語として適切でないなと思って聞いておりました。あのとき局長が言わんとしていることは、取りあえずという言葉で言おうとしたことはこういうことだろうなとは思いながら聞いておりました。
 それは、確かに、理想的に言えば、いろんなお医者さんがケアプラン作るときにいていただくというのは、これはもうそれにこしたことはないと思います。ただ、局長が答弁いたしましたように、四百万人の方々が対象になっています今の介護の制度でありますし、またケアプランでありますから、そのお一人お一人のケアプランを作るときに、主治医であるお医者さんと、また歯医者さんまでと加えると、大変そのことが、歯医者さんまでということの、何というんでしょう、大変さという表現にさせていただきますけれども、お分かりいただけるだろうと思います。そのことに堪えるだろうかということで、理想的にはそういう姿なんだけれども、まずは主治医のお医者さんでお任せをしてお願いしたい。それが現実的に制度を組み立てるときに現実可能な方法としてそういう仕組みにしましたと、そう言いたかったんだろうと思うんです。それを取りあえずという表現にしたことは適切な表現でなかったということは私も感じておりましたから、率直に申し上げます。
#166
○櫻井充君 まあ、分かりましたよ。ありがとうございます。
 私はこう思っているんです。要するに、全部の人たちを歯医者さんに意見書書いてくれとは思っていません。ただ、今だと口腔内のがんなんかの場合には、これは口腔外科でも手術をしているわけです。耳鼻科でも手術をしています。つまり、この口腔内のがんならがんが原因で介護の必要になってくる方々もいらっしゃるわけですよ。ですから、そういう方々に関して言うと、だれが主ですかといったら、ここの部分は歯医者さんだと私は思っているんです。ですから、結果的にあそこの法律上のところに意見書を書けるように、全部の意見書じゃないんです、少なくとも歯医者さんも必要な場合にはその意見書が書くことができるとか、そういうような規定を置いていただかないと、結果的には法律上は意見書は書けないんですよね。
 ここは大臣、大事なことを申し上げておきますが、結局こういうことを、後は行政側の方の政令とか省令で、じゃ歯医者さんもそういう場合には何とかできるようにしますという話になるんですけど、しかし、ここは法律上、法治国家ですから、法律できちんと担保していただきたいわけですよ。ですから、その意味で、あそこの部分の中に歯科医師と入っていないこと自体に私は問題があると、そういうふうに思います。
 ですから、改めてお願いですけれども、この部分に、この部分に全部の症例を書いてくれというわけではなくて、主で歯科医師が診療している方もいらっしゃいますから、そういう場合にはその歯科医師が意見書はちゃんと書けるように制度設計していただきたいと思いますが、いかがですか。
#167
○国務大臣(尾辻秀久君) 先生の御趣旨はよく理解をいたしましたので、検討させていただきます。
#168
○櫻井充君 ありがとうございます。
 ちょっと時間がなくなって、口腔内の話が最後できなくなってしまったんですけれども、前回も申し上げましたけれども、介護予防という点に関して言ってくると、歯のかみ合わせとか全身の関係というのは物すごく出てきていますし、それから歯周病と例えばほかの糖尿病であるとか、様々なものも出てきていますから、そういう意味で歯科がもう少し大事なんだということを是非御認識いただきたいと。
 それで、今回も介護予防の中にどのぐらい盛り込まれていくのか、残念ながらこの制度だけを読んでみると分かりません。最終的には政省令で落とされることになってきて、来年の四月の介護報酬のところなりなんなりのところで、介護報酬なんでしょうか医療か分かりませんが、そこのところで何とか担保しますというのがこの間の局長の御答弁ではございましたが、後でいろいろデータを持ってまいりますので、そういうことも含めて、実はあの筋肉トレーニングが今本当に話題になってきていますけれども、それと同じぐらいに実は医療費も削減できるとか痴呆が防げるという、そういうデータが出てきていますので、改めて検討していただきたい、そのことをお願い申し上げまして、質問を終わります。
 どうもありがとうございました。
#169
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 今日、小池議員に差し替えていただいて、私、質問いたしますので、よろしくお願いいたします。
 それで、私は出身が北海道なんです。それで、北海道でこの間、社会保障推進協議会の皆さんなどが随分実態調査をされております。それに基づきながら質問させていただきたいと思います。
 最初に、要支援、要介護一の新予防給付への移行の問題なんですが、北海道でもいろいろ訪問介護を利用している軽介護者について、この間四百八十九件の事例を調べているんですけども、まあ全部は紹介できないんで、その中から代表的な事例を幾つかお示しをして、今度のこの法案がもし成立した場合にどうなるのかということでお聞きしたいと思います。
 それで、最初に介護度が要支援の方なんです。この人たちは新予防給付になったらサービスが見直されるということなんですけれども、まず、七十一歳の札幌で独り暮らしの女性です。この方は肝硬変でがんを患っているんですね。見た目は健康そうなんですけれども、病気から来る倦怠感が強いと。日中はほとんど横になっている状態です。自宅内のおふろやトイレの掃除や布団干しができないと。ヘルパーさんを利用しているわけですね。調査に当たった人は、これサービスが制限された場合、最悪の場合は孤独死も想像されるというふうに言っておられるんです。
 それから、アパートの一階に住んでいて、二階が娘さんと。七十三歳の女性なんですけども、娘さん一緒には住んでいるんだけども、仕事が忙しくてほとんど援助が無理であると。週三回透析を行っているんですけども、腰痛があり、両下肢痛で通院していると。洗濯や掃除の援助を受けているわけです。サービスが切られれば透析もなかなか受けられなくなってしまうということがあるわけです。このような場合でもサービスは打ち切られるのでしょうか。
#170
○国務大臣(尾辻秀久君) 個々のケースについて、これがサービスが受けられる、受けられないということを今ここで私がきっちりお答えするということでもないわけでありますが、私が言っておりますことは、それぞれ現場での御判断になるということを今の表現で申し上げたつもりでございます。
 ただ、ただ申し上げておきたいことは、冒頭にまずサービスがなければ孤独死になるというようなお話がございましたけれども、私どもがかねて言っておりますことは、適切なサービスは必ず受けていただくようにいたしておりますということをもう繰り返し繰り返し申し上げておりまして、孤独死になるようなことに至る、そんなサービスのカットをするということは全く考えておりませんということだけは申し上げておきたいと存じます。
#171
○紙智子君 できるだけ個別に具体的に聞いた方がきっと答えてくれるだろうということだったものですから、具体的にお聞きしているわけですけれど。
 それで、次に要介護一の人についてなんですけど、一人の方は六十三歳、北見に住んでおられるんですけど、リューマチで家事、特に掃除をやる場合は手首に負担が掛かるということなんですね。それから、札幌に住んでいる六十六歳の方は糖尿病とか慢性膵炎で長時間立ち居をするとふらつきが出てくると。それから八十歳、札幌に住んでおられる方は痴呆の進行で糖尿病のコントロールができないということなんですね。それからもう一人、札幌で七十三歳の方は移動が困難で、ひざをついての作業というのができない、それから転倒の危険があると。
 こういうふうに、こう具体的に症状と、いろんな見た目といいますか、そういうことで明らかなように、皆さん、現在この掃除などの家事をできないから要介護一ということで認定を受けてヘルパーの支援を受けているわけです。このような場合でも制限をするということになるんでしょうか。
#172
○国務大臣(尾辻秀久君) 個別のケースでお答えするというのは、申し上げましたように、大変難しいことでございます。そのことは是非御理解いただきたいと存じます。
 したがいまして、もしお答えするとすると、まず一般論でお答えすることにどうしてもなりまして、一般論でお答えすれば、もうそんな説明何回も聞いたときっと言われるだろうと思うことになりますので、あえてお答えもいたしませんけれども、繰り返し繰り返し私どもが申し上げておりますことは、基本的に申し上げて、適切なサービスというのは必ず受けていただきますということでございますし、見たケースではお答えできるわけでございますから、先日もお答えいたしましたように、私が現場を見せていただいたところで、その見せていただいたケースについては、今までのサービスはそのままお受けいただきますと、これはもう現場見ておりますから、それでお答えできるわけでありますが、先生の今のそのお話を伺っただけで個別のケースで私が今お答えするというのは、現場のやはり御判断ですというお答えにさせていただきたいと存じます。
#173
○紙智子君 実際に見た場合はいろいろ言えるけれどもということなんですけれども、やはりこの間も何度かそういうやり取りが委員会でもされていると思いますし、実際にはやっぱりその現状に即して必要なものまでは削らないという趣旨のことも言われているかと思うんです。そうであれば、やっぱり在宅生活を続けるために必要不可欠なサービスということが切り捨てられることがないようにするということを明言すべきだというふうに思うんです。
 文章上、原則ということが書いてあるがために、これでもって非常に圧迫を受けるといいますか、サービスの制限についてやっぱり非常に不安をみんな持っていて、家事援助制限については既に始まっているわけですよ。ケアプランの時間数が減ったり、利用者が萎縮して受けないというケースもあるわけです。食事援助でいってみると、いや今日はカップラーメンで済ますからいいですというようなことまで出てきているということが報告されているわけです。それで、この法案が通ればサービス制限に一層拍車が掛かるというのは必至だというふうに思うんですね。
 私は、この北海道の調査でいいますと、やはり聞き取りの調査に当たった多くの人がやっぱり実感を持って言っておられるのは、利用者の在宅生活が困難になっているというふうに言っているんですよ。それから、あと岩手県の民医連の方が調査をしていまして、ここでも軽度者の九四%が在宅に懸念ありというふうにしているんですね。在宅生活に必要不可欠なサービスをやっぱり絶対に切るべきじゃないんだということを強く思いますし、是非その方向ではっきりと明言していただきたいというふうに思います。
 次、特養ホームなどの施設利用のホテルコストの負担についてです。
 それで、食事費とそれから居住費ですね、これが保険の適用外になると。大きな負担になるわけですけれども、その結果として年金額よりも負担が大きくなると。それから、日用品代や保険料などを入れると年金額を超えてしまうという声も寄せられています。先日、小池委員も質問いたしました。
 こういう実態については把握されているでしょうか、厚生労働省。
#174
○国務大臣(尾辻秀久君) ちょっと事務的な話ですから、お答えさせます。
#175
○政府参考人(中村秀一君) お答えを申し上げます。
 例えば、年金受給者の額の分布とかそういったことございますし、現に特別養護老人ホーム、老人保健施設、介護療養型医療施設に入っておられる方の、例えば保険料の五段階、現行なっておりますが、五段階別の分布とか、そういったデータはございます。
#176
○紙智子君 分布とかですか、この実態を具体的な掌握というのはされていないんですか。
#177
○政府参考人(中村秀一君) 例えば、生活保護の被保護者の方がどのぐらいおられるかとか、市町村民税非課税であって年金収入の額が八十万円未満の方がどのくらいおられるかとか、そういったことは承知いたしております。
#178
○紙智子君 私、よく耳にする声というのは、やっぱり平均的に物事を何でも見ないでほしいというのが出されるわけですよね。やっぱり具体的に一人一人の状況があるわけなので、やっぱりそういう血の通った関係というのを非常に望んでいるということを痛感します。
 札幌のある特養ホームで入居者ごとに試算をしているんです。ここはほとんどが多床型で負担の比較的軽いところなんですね。ここでも平均負担額でいいますと、三万三千八百十円が四万八千百十五円、プラス一万五千円ほどの負担増になるわけです。
 それで、年金額が分かっている六十七人の人の調査、一人一人見るわけですけれども、自分の年金額をオーバーしたり、年金額との差が一万円以内になると。そうすると、介護や、それから国保ですね、この保険料、そのほかに日用品代を入れるとやはり足りなくなるという人を合わせると、約二〇%の方がそういうふうに該当するという試算がされています。
 例えば、八万三千四百円の年金の方は、介護一割負担と食費で合計すると五万七百五十五円の負担を払っています。この人は、本人は非課税なんですけれどもこの世帯が課税なので、保険料の区分は四段階になると。食費は四万八千円、居住費が一万円で、合計負担額が八万五千三百五十五円になると。保険料等も入れればこれ一層の持ち出しになるということで、結局、その分残された家族の負担になるということなんですね。
 年金額だけではもう払えなくなると、そういう人について、それでも負担を我慢してほしいということになるんでしょうか。
#179
○国務大臣(尾辻秀久君) 今回、いろいろお願いもいたしております。特に、自分の家にお住まいの方と施設におられる方との公平性というようなことを考えますと、やはり施設に入っておられる方にはホテルコストもお願いしたいということを今回の見直しで言っておるところでございます。そうした様々な見直しに当たりましては、一方で、所得に応じた低い額の負担上限額を設けることなどによりまして、低所得者の負担の軽減措置を講じさせていただいております。
 私どもとしては、低所得者による過重な負担にならないように十分配慮いたしておるところでございます。そういう配慮をいたしておるということを、まずお答え申し上げたいと存じます。
#180
○紙智子君 低所得者に対する配慮をしているんだと。減免制度があるというのは私も知っています。しかし、この減免制度でいいますと、特養の法人がやろうというふうにしなければ、これはできないわけですよね。減免といっても、法人も持ち出す分というのがあると。それで、減免を強調するということでしたら、やっぱり社会福祉法人が使いやすいような制度にするつもりなのかどうか。
 法人の経営者の方にもお話を聞きました。たとえ公費の補助があっても、減免した法人に持ち出しが発生するというのは、これ経営にも大きな損失になると、介護報酬も低いのにと、今までもですね。そういう上にまた持ち出してということになると、本当によっぽどいろいろやりくりしなければというような声もあるわけです。
 利用者への制度の周知やこの申請の手続の手助けや、それから公費の請求の事務の手続や、とにかく多くの時間と労力が費やされている上に、そういう損失が生まれると。もちろん社会福祉を使命としてやっているわけですから、経営者の方たちはそこに本当に善意を持って注いでおられるわけです。しかし、この減免制度の拡大を図るというのであれば、やっぱり基本的には公的な責任で行うべきだと。そういう点でこの改善策については考えられているんでしょうか。
#181
○国務大臣(尾辻秀久君) この社会福祉法人の減免制度でございますけれども、今先生もお話しいただきましたように、そもそも社会福祉法人というのは社会福祉事業を任務といたしておりますし、慈善博愛の精神にのっとってやっていただいておるという大原則がございます。そこにかんがみますと、低所得者の負担軽減を行うというのも、そうした精神からいいますと本来の使命であると考えておるところでございます。
 また、大幅な税制上の優遇措置が講じられますと、寄附金等の収入も想定され得るところでございまして、そういったような社会福祉法人の性格に着目して設けておる制度でございます。これを、今これまたお話しになっておりますけれども、だからといって社会福祉法人だけのすべて持ち出しということは余りにも負担が大きいわけでございますから、国だとか都道府県、市町村が公費を入れまして、これを重層的に支える仕組みということでございます。
 そして、この制度につきましては、現に特養全体の六割以上で実施をされておりますし、それから、実施主体である社会福祉法人の関係者の方々からもこれを法人の義務として行うべきという御意見も出されておりますから、こうしたことを踏まえますと、円滑な実施が可能だと私どもは考えておるところではございます。
 しかし、今お話しのように、大きな負担になるということはやはり避けるべきだと思っておりますから、今後とも、申し上げたこの国、都道府県、市町村が支えておる分、公費で持っておる分、この辺を十分に支えられるようにしてまいりたいと考えておるところでございます。
#182
○紙智子君 今その負担が、重い負担があるということを認識をお話しになりましたし、今後ともそこの部分を十分にできるようにという改善を考えているというお答えだと思います。
 もう一つ、これ東京都が厚生労働省に対しても提案をしていますけど、低所得者の利用負担の軽減措置について、全サービス、全事業全体を対象とする仕組みとして制度化を図るということや、あと認知症高齢者のグループホームの居住費用、食費について負担軽減の仕組みの導入を検討することなど、こういう提案が出されていますけども、こうした提案に対しては検討をされているでしょうか。
#183
○政府参考人(中村秀一君) 東京都から御要望などをいただいていることは御指摘のとおりでございます。
 こういう社会福祉法人の減免主体を、今御指摘ありました社会福祉法人以外に拡大するということでございますが、ただいま御説明申し上げましたように、社会福祉法人の利用者負担軽減制度は、社会福祉事業、社会福祉法に基づきまして、そういう事業を行うのは本来の使命であると、こういうことが社会福祉法人でございますので、また、そういう社会福祉法人に対して税制上の優遇措置が講じられ、寄附金等の収入も想定され得ると、こういう社会福祉法人の性格に着目して今回設けさせていただいているわけでございますし、実際、介護三施設の比較をいたしてみましても、入所されている方の保険料段階別の方の中で第二段階、第三段階の占める方々の、現在の第二段階、第三段階の占める方の割合も、老健療養型では三分の一程度になっておりますし、平均入所期間も短くいらっしゃるということなど総合的に考えまして、現在、社会福祉法人以外に拡大することは考えておりません。
#184
○紙智子君 社会福祉法人以外に拡大することを考えてないということなんですけど、私はやはり、介護保険の見直しというのであれば、こういう提案にこそ耳を傾けて、検討すべきだというふうに思います。厚生労働省が決めたことを地方に押し付けるばかりじゃなくて、地方の提案をちゃんと生かすということが本当の改善する中身だというふうに思います。
 五年前に介護保険制度ができる以前に市町村の措置制度で入った人については、これは従来の措置がこの後五年間延長されるということですよね。これらの人は三万円くらいの年金で介護一割負担、これは三から五%、それで食費代も三百円、五百円という形で抑えているわけです。
 今度の改正でこの居住費が徴収されると負担増になるわけですね。このような人にも居住費は掛かるんでしょうか。
#185
○国務大臣(尾辻秀久君) 今のお話は、旧措置の入所者について、所得が低く利用料負担が困難な方が現在も多数おられるという実態を踏まえまして、施行法の趣旨も踏まえて、本年四月から五年間の延長を講じたというところでございますが、この後のことについてのお尋ねだろうと思います。
 平成十七年十月の居住費、食費の見直し後も、この措置によりまして実質的に負担軽減を受けている方については、今回の軽減措置延長の趣旨を踏まえまして、制度施行以前の費用徴収額を上回らないように負担軽減措置を講じることといたしておるところでございます。
#186
○紙智子君 それから、食事も介護の一環ということでこれまで来たと思うんです。今までそういう形で保険から月に六万四千円の基本食事サービス費が計算をされて、うち一部を本人が負担をしていたと。これを今度は材料費と調理代については全額自己負担ということですね。
 食事は介護療法の一環という考えではなくなったんでしょうか。そこはどうでしょう。
#187
○政府参考人(中村秀一君) 施設入所者の方々の施設給付の見直しの中、ここは介護保険の中で皆さんの保険料や税でともに支える部分と、負担できる方々につきまして御負担していただく部分というふうに今回見直しをさせていただいて、食費の費用につきましては保険の介護給付の対象から外れることになったわけでございますけれども、施設入所者の方が必要な栄養を取れるよう適切な食事提供が行われることは重要であると考えており、食費を保険給付の対象外とした後におきましても、栄養管理に要する費用につきましては、これを適切に評価する観点から、引き続き保険給付の対象とすることといたしております。
#188
○紙智子君 もう一回きちっと答えていただきたいんですよね。施設のお話を聞きますと、今まで、例えば月に一人六万四千円の基本サービス費が、利用者から取る四万八千円、これ第四段階以上の人ですけども、と保険から幾ら出るか未定の栄養管理費用でやりくりしなければならないと。それで、施設によっては利用者から四万八千円も取れないということで、そうしたらもうお弁当でも買わざるを得ないんじゃないかというようなことも言われているんですよね。
 介護の一環である食事の質が後退するんじゃないかと、このことについてどうなんですかね。もう一回きちっと答えてください。
#189
○政府参考人(中村秀一君) 今、施設が提供されておられます食事の提供に要する費用の中で、調理のコストそれから給食、食事材料に当たる費用、これを今調べております調査では四万八千円と申し上げているわけでございますが、その部分につきまして、私どもは、平均的に考えている費用の額はそういう額でございますが、その額につきましては低所得者の方に対する負担の上限措置は講じさせていただきますけれども、利用者の御負担に願いたいということを申し上げているわけでございます。
 栄養管理に要する費用につきましては、これを評価する観点から引き続き保険給付の対象とすると、こういうことを申し上げているわけでございまして、食事サービスの質が後退するというふうにはならないと考えております。
#190
○紙智子君 もう全然これでは納得できないと思いますね。
 栄養分については確保するとかなんとかと言っていますけれども、現場はとにかくこのままじゃもう本当に大変だと、本当でいえば、この施設の中でも作ったりしたいわけですけれども、そういうことに掛けるお金が本当になくなってしまって、そういうことでは困るということなんです。
 今、この栄養の問題も話がありましたけれども、このホテルコストの負担というのは、今年の十月から実施ということで、細かい点がどうなるのかいまだに分からないという声も多いですし、不安の声が現場で非常に強いわけです。このまま短期間で実施ということになりますと、現場はもう大混乱になるんじゃないかと。昨日、参考人質疑の中でも、参考人の方が、いや混乱するというお話されていましたけれども、本当にそういう点では見直しを求めたいというふうに思います。
 次の質問に移ります。
 次に、施設整備を行う地域介護それから福祉空間整備等交付金についてということですけれども、特養ホームの施設建設や増設それから改修の採択に当たっては、原則個室が今後の採択要件ということになるんでしょうか。
#191
○政府参考人(中村秀一君) 特別養護老人ホームの整備に当たりましては、個室・ユニット型による整備を基本とすると申しますか、そういう整備方針をお出ししておりますが、これは絶対ということではなく、地域の実情に応じて整備の在り方については検討していただくと、そういうことで、今、市町村、都道府県、特別養護老人ホームのお話ですと都道府県の交付金の話になりますが、その都道府県の方に整備計画なり交付金の申請の提出をお願いしているところでございます。
#192
○紙智子君 この問題も、個室の方が介護療養の条件がいいかもしれないんですけれども、しかしホテルコスト負担だということになりますと、国民年金だけの低所得者の人は入れなくなるんですね。北海道の国民年金の平均の支給額は幾らかといいますと、四万九千百九円ですよ、平均で。平均ですからね、もっと低い人もいるし高い人もおりますけれども、平均で四万九千、五万割っているわけです。
 個室だと、厚労省のモデル計算でいいますと、第二段階、年金八十万以下ですね、これで五万二千円です。このほかに、保険料や日用品代が掛かります。とても入れないです。国民年金の人は特養ホームに入れなくても仕方がないということなんでしょうか、いかがですか。
#193
○政府参考人(中村秀一君) 第二段階の方の御指摘がございましたけれども、多床室もそうでございますが、ユニットケアの個室につきましても、今回提案させていただいております居住費負担ということは従前よりもむしろ引き下げられる層だというふうに認識をいたしております。
 今、国民年金の平均受給額のお話もございました。確かに、北海道の場合、四万六千円程度ということでございますが、議員、その御提示いただいた数字は個人単位で支給される老齢基礎年金や旧法の国民年金の額であるということで、六十五歳以上おられる世帯の所得は、百万未満の方は高齢者のいる世帯の五%程度、単独世帯に限っても二七%でございますので、ある意味で百万円未満の方、少ないからどうこうということではございませんが、そういう低所得の方には丁寧な補足給付で負担の上限を加えるとともに、今議論になりました社会福祉法人の減免制度などを活用して個室に入れるようにしてまいりたいと、こういうふうに考えております。
#194
○紙智子君 国民年金の低い方でも入れるようにしてほしいと思うんですよ。
 厚生年金の受給者にとっても今後の特養ホームなどの施設というのは入りづらいわけです。今、北海道の厚生年金の平均は十六万五千三十五円です。この平均額でも、今後住民税の課税になりますから、見直しで個室、これ第四段階ですね、これでは十三万四千円になるんですね。このほかに税金や保険料や諸経費や合わせるとほとんど残らないんじゃないでしょうか。
 そうなると、年金ではもう特養に入居できない時代になると。国民年金ではほとんど入れないと。待機者が多い中で、やっと入れた人でもこの費用を払ったらあと残らないと。これで本当に高齢者の尊厳を守るという、そういう介護制度だというふうに言えるんでしょうか。いかがですか。
#195
○政府参考人(中村秀一君) お答えを申し上げます。
 厚生年金の例、あるいは国民の年金の例など御指摘いただきました。厚生年金につきましても、いろいろ世帯の状況によりましては運用で軽減するというようなことも、その世帯の状況でお困りになるような事態が生じないように配慮してまいりたいと、このように考えております。
 また、今回の施設給付の見直しにつきましては、一方で在宅での暮らしておられる方のバランスでございますとか、また年金給付との関係では、年金給付で在宅で暮らしておられる方は生活費に充てているのに介護保険の施設給付と年金給付とダブりがあるではないかという御指摘もあり、そういったことの中で提案をさしていただいているということでございますので、御理解を賜りたいと存じます。
#196
○紙智子君 全部がダブっているわけじゃないと思いますからね。それで、具体的に困っているという話があるわけですから、やっぱりきちっとそこは把握して、見直していただきたいというふうに思います。
 次に、介護労働者の条件の改善の問題で質問いたします。
 まず、介護に当たるヘルパーさん、職員の皆さんは、やはり本当に高齢者の生きる意欲や力を引き出す、そういう仕事にやりがいや働きがいを持って臨んでおられます。ところが、労働条件が非常に厳しくて大変苦労をされています。登録ヘルパーでは、政府関係機関の調査でも、月の平均賃金が六万四千五百円と。中央社保協が二千数百人を対象に調べた結果、十万円以下が七割と。多様なケースはあるでしょうけれども、生活できる賃金の保障ということで、六割を超える人がそれを望んでいるわけですね。一昨年の介護報酬の改定はヘルパー収入に影響を与えて、以前から見ると二万円から三万円減収になっているという実態も寄せられています。
 それから、昨年の八月の二十七日の厚生労働省の労基局の通達ですね、これですね。これが、パンフレット出ていますけれども、この中で、移動時間それから書類作成時間、待ち時間を労働時間に組み入れて適切な賃金を支払うという方針が出されました。
 ところが、この履行状況というのは非常に低い。実際現場に行くとなかなかやれていないと。で、ヘルパーさんの労働条件というのは非常に劣悪で、改善が求められているというふうに思うんですけれども、まずこの点、大臣の認識を伺いたいと思います。
#197
○国務大臣(尾辻秀久君) まず、給与につきましては、これはもう労使間で決められることでございますので、基本的にそういう性格のものですと改めて申し上げざるを得ません。
 ただ、労働条件につきましては、平成十四年度に調査を行ったところによりますと、まず法定の労働条件の明示がなされていない、それから利用者宅間の移動時間や業務報告書の作成時間が労働時間として算定されていないなど、これは労働基準法等関係法令上問題のある事業所が多数認められたところでございます。
 このために、労働基準法等の関係法令の適用について徹底を図るために、平成十六年八月に通達を出しまして、現在、通達の内容の周知徹底を図りますとともに、労働基準法等関係法令上の問題が認められる場合には、監督指導を行うことにより訪問介護労働者の法定労働条件の確保に努めているところでございます。
#198
○紙智子君 北海道では、移動では非常に苦労が付き物なんですね。利用者のお宅まで行く場合のその距離も非常に遠距離という場合も多いですし、道北地方の例でいいますと、車で一時間掛かるんですね、往復で二時間と。その間のガソリンの経費や賃金は何の保障もないというのもあります。とてもサービスの希望にこたえられないということも出てきているんです。
 それから、特に冬場ですね、どんと雪が降りますし、零下二十度とか三十度ぐらいになるときもあります。そうしますと、ふだんだったら本当に十分ぐらいで行けるところが、一時間も掛かってしまうということはざらにあるわけです。もちろん冬ですから自転車なんかは使えませんから、じゃ、バスに乗って行くかということになるわけですけれども、最寄りの駅から歩いて家まで行くと、そこから先が今度雪が積もっていて、老世帯ですと雪のけしていませんから、そこからこの雪を越えて行くと。凍っていてなかなかドアが開かないということもあるわけですよね。そういうところで行き帰りをする。
 あるいは、零下二十度というぐらいになると本当に相当しばれ付きますから、車も、行って止めてエンジンを切ってしまうとすぐもう冷え込んでしまいますから、次に出てきてなかなか掛からないというので付けっ放しにしておくわけですよ。そうすると、ガソリン代も掛かるということで余分に掛かるわけですね。
 ところが、そういう移動時間に対して、良心的なところでも一定の手当や車の借り上げや交通費の支給というのはあるけれども、全体としては本当に十分できない状況があるわけです。こういう移動時間に掛かる苦労ということでは、大臣はいろいろ、いろんなところを聞いているかもしれませんけれども、お聞きになっていますか。
#199
○国務大臣(尾辻秀久君) 移動時間について賃金の支払、このことについてのいろいろ御意見があることは当然承知をいたしております。これについて一般論でお答えしたり、例えば今のより具体的にということでお答え申し上げてもいいと思いますが、まずお尋ねが承知しているかどうかというお尋ねでございましたから、この移動時間の賃金についてのいろいろ御意見があるということは承知をいたしておりますという、まずお答えを申し上げます。
#200
○紙智子君 事業者の方に聞きますと、現在のこの介護報酬の水準ではとてもそこまで賃金を払えないということなんですね。
 ある北海道内の事業所の例ですけれども、登録ヘルパーさん、Aさんの場合は、七十時間で、三十分サービスを行って、時給千五十五円で、月七万三千八百五十円と。そのほかに、移動手当を一回百五十円、バス代で合計の支払が八万七千円。しかし、このほか移動時間十八時間、報告の作成時間四時間については賃金が付かないと。
 介護報酬がどうなっているかといいますと、生活援助の介護報酬一時間二千八十円から、本人への時給と、それからこの移動手当、バス代を引きますと四百円しか残らない。そこから、仮に三十分の移動時間や記録時間の給与を時給の半分である五百円支払いますと、これは赤字になっちゃうんですね。しかも、事業所の家賃やサービス提供責任者の人件費や、それから社会保険料、研修費用、全くの持ち出しになってしまうと。
 大臣、この現在の介護報酬の水準や仕組みでは、幾ら労基法を守りなさいと、移動や待ち時間、記録時間に賃金を支払いなさいと言っても、これ困難じゃありませんか。
#201
○国務大臣(尾辻秀久君) 今、具体的な数字をお示しになりましたけれども、その数字、もう一回検討をしてみなければ何とも言えないわけでございますけれども、私どもは、介護報酬はちゃんとこれまた皆さんで御議論いただいて、お決めいただいた上での設定をいたしておるわけでございますから、それに基づいて介護報酬を決めておる、額を決めておるということでございます。
 また一方、働いておられる方々の権利というのは当然あるわけでございまして、そうした関係法令にきっちり照らし合わせて、働く方は働いていただく、使用者側はそれでちゃんと働いてもらうということをやってもらう。これがまた当然のことでございますから、そのことを、極めて建前でありますけれども、申し上げざるを得ません。
#202
○紙智子君 やっぱり本当に現場では、それは払いたいということもあるわけですけれども、実態としてこの介護報酬が低いために苦労しているわけですよ。それで、事業者が本当に苦労して、通達を実行した場合には今の介護報酬で経営できないと。それらの実態調査を、どうなっているかということをまず実態調査を行ってほしいと。それで、来年度の介護報酬の改定の際に何らかの公的な措置によってやっぱり改善を図ることを、これ検討すべきじゃないかというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
#203
○政府参考人(中村秀一君) それぞれの事業所の経営状況に関する実態調査などは介護報酬改定の際にさせていただいておりますし、先ほど委員は十五年四月の改定でヘルパーさんの給与下がったというお話でございますが、ちょっとそこは、訪問介護につきましてはプラスの改定をしておりますので、どうしてそういう事態が起こっているのか。そういう事態であれば、そういうことがどうして起こっているかということも私ども把握させていただき、十八年四月の介護報酬の改定に向けて作業をしてまいりたいと思います。
#204
○紙智子君 今、実態調査をやっていると言ったんですけれども、こういうふうに実際、事業者の皆さんが今の介護報酬じゃできないというふうに言っていることについては調べられたんですか。
#205
○政府参考人(中村秀一君) 介護報酬、十五年四月の介護報酬の改定前にも実態調査をやっておりますし、今度もさせていただきます。
#206
○紙智子君 させていただきますですか。これから、じゃ調査をするということですか。
#207
○政府参考人(中村秀一君) そのとおりでございます。
#208
○紙智子君 じゃ、きちっとそれは実態調査をやっていただいて、それで改善を図るように検討を求めたいというふうに思います。
 あと、今後、厚生労働省は介護従事者の資格を介護福祉士一つにしようということで、関係者に非常にこれも不安が広がっているんですね。資格を取らない今のヘルパーさんには、大体四百時間から五百時間の介護職員基礎研修を受けることが義務付けられるということなんですね。
 今の二級ヘルパーの講習というのは二百三十時間で、早い人だと二か月掛かるわけです。四、五百時間というと、大体半年ぐらいの研修期間が掛かるわけです。その間、働けなくなって収入が減ると。逆に教材費などの費用も掛かると。今の七万から八万のヘルパー講習より何倍も掛かるんじゃないかというふうに不安が出されているわけです。一方、事業所の方も、有力な働き手をその間使えないという問題も発生してきます。
 そこで大臣、介護の質を高めるために必要だということであるならば、こうした研修を受ける人たちへの公的な支援措置があってもよいんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょう。
#209
○国務大臣(尾辻秀久君) 私ども、ホームヘルパーについては介護福祉士のレベルまで段階的に資質の向上を図っていきたいというふうに考えておるところでございまして、現在のヘルパーの研修を強化いたしました介護職員基礎研修を新たに設けることにいたしております。
 こうした介護従事者の研修機会の確保といいますのは事業者の責務ではございますけれども、今お話しいただきましたような研修費用の補助等の公的な支援措置については、研修の内容等見直しの状況を踏まえながら検討してまいりたいと存じます。
#210
○紙智子君 じゃ、支援措置ということでは検討していくということでよろしいんですね。
 人材育成にかかわる助成金に介護能力開発給付金というのがありますが、要件が厳しくて、予算額、二〇〇四年度で一億八百万円ということなんですけれども、これに対して実績が、この五年間を見ましても一、二割程度しか使われていないんですね。こういう制度の使い勝手の良い改善も含めて対策をお願いしたいと思いますけれども、最後それお答えいただいて、質問としたいと思います。
#211
○政府参考人(中村秀一君) 今御指摘のホームヘルパーの能力開発についての助成金制度などもございますし、私ども、いずれにしても厚生労働省になったわけでございますので、労働部局とそれからこの介護担当部局とよく協力し、介護従事者の方々の能力開発、質の向上について取り組んでまいりたいと思います。
 したがいまして、具体的には、ヘルパーの研修プロセスの見直し、制度見直しの際には、そういった能力開発関係の助成制度も活用できるように検討してまいりたいと思います。
#212
○足立信也君 民主党・新緑風会の足立信也でございます。
 恐らくお昼休みもなく、大変お疲れのところ申し訳ありません。もう少しお付き合いください。私が終わった後に、今度はこちらの方が脱力感とかあるいは無力感に襲われないように、明快な答弁をよろしくお願いします。
 私は前回、もうそういいましても一か月近くなりますが、一人の高齢者の方が保険事業を受け、要介護者となり、そして終末期を迎えると、その過程の中でこの法案の問題点を明らかにしたいということで、前回はスクリーニングの段階まで行ったわけですけれども、それを継続して今日もやるつもりなんですが、その前に、前回、厚生労働省からモデル事業のデータをいただきました。十の市町村でちゃんと対象群というものを取って検討したところがあると、そのデータをいただきましたので、それを提示したいと思います。資料が配られると思いますが。
   〔資料配付〕
#213
○足立信也君 そこで、まずその前に、モデル事業の目的に、前回これは委員会の答弁で局長からも答弁が明快にございましたし、それから印刷物にも書かれております。モデル事業の目的に、介護予防サービスを重点的に提供し、その効果測定及び評価分析を行うことにより、介護保険制度の見直しに資する、そのように書いております。
 しかしながら、五月三十日付けの毎日新聞に尾辻大臣のお話が出ているわけですけれども、モデル事業は問題点を把握することが最大の理由だった、効果を証明することが第一の目的だと誤解されて衆議院では議論がかみ合わなかったと、そのように話されております。
 これは、私の委員会での質問の後、取材がいつだったかはちょっと分かりませんが、あれほど確認して、この事業の目的はやはり効果測定と分析ということだったと、紙にも書かれてあると。その後で、実はそうじゃなかったんだと、誤解されたんだと、衆議院では、ということが出ているわけですけど、私、すべて新聞報道を信じるわけではございませんが、この点、事実関係を確認したいと思います。よろしくお願いします。
#214
○国務大臣(尾辻秀久君) 今お話しいただきましたモデル事業の目的は、これまで国会の御審議で申し上げてまいりましたように、介護予防事業の効果の測定及び評価を通じて事業実施に伴う実務上の問題点を把握するなどし、介護保険制度の見直しに資することにあるということでございまして、それはそのとおりでございます。ここでも申し上げておりますように、事業実施に伴う実務上の問題点を把握するというところを強調して表現いたしますと私の表現になるわけでございまして、そのように御理解をいただきたいというふうに存じます。
 特に、更に申し上げますと、私どもがどういうことを具体的にお願いしたかといいますと、まず、事業参加者の効果的な選定方法でありますとか、プログラム実施上工夫すべき点でありますとか、中断者の状況、その理由、スタッフ確保上の問題といったようなことを把握することにあると考えておりまして、そのことをお願いしたわけでございますので、正に実務上の問題点を把握するというところに重点があったということは改めて申し上げたいと思いますし、今までお答えしてきたこととそこにおいてそごはないというふうに理解をいたしております。
#215
○足立信也君 趣旨は私も理解しているつもりです。効果の測定もやはり非常に重要だったということは間違いないことだと思いますし、そうじゃないと市町村もモデル事業参加しませんよねということだと思います。
 そこで、資料について行きます。
 これは十の市町村のデータを、生データを私いただきましたので、自分なりに解析しました。ちょっと気になっていることは、午前中からの答弁で中村局長が、正確な分析はこれからやれるけれども、有意な効果があったというふうに再三答弁されております。前回の委員会で私言いましたように、これは有意な効果じゃなくて変化があったということしか言えないんですね。その点は今後注意していただきたいと、まずは申し上げておきます。
 この表なんですが、右端にあるPというのは危険率ということで、これが低けりゃ低いほどいいというわけでなくて、この意味は、有意な差があるかどうかを検定しているわけですから、有意な差がないという仮説を危険率五%以下で棄却する、つまり〇・〇五以下であれば有意な差がないという仮説を棄却してもいいだろうという意味なんですね、統計学的には。ですから、Pを見ていただいて〇・〇五以下であれば有意な差があると考えてもいいという意味です。
 筋力トレーニングのみ、それから栄養改善のみ、一段目、二段目ですね、そして筋力トレーニングと栄養改善を行った群、これが三番目にあります。これが、介護予防のそのサービスをやったのが四十九例、右側に対象群として三十一例ございました。ここに実は、これを私比較したのは要介護度の変化だけです。便宜上度数化しなきゃいけませんから、一番上に書いていますように、自立を1、要支援を2、要介護度一を3と、そういうふうに度数化して計算したところで、筋力トレーニングに栄養改善を加えた群だけ実はここで有意差があります。効果ありという判定です。ところが、これにさらに、筋力トレーニングと栄養改善に更に口腔ケアも併用した群では全く差がないという、これが四段目の結果です。再現性がないということなんですね。
 ちなみに申し上げておきますが、確かなエビデンスというのは、一言で言いますと再現性があるということなんですね。この点が第一点。
 なぜこんなに合わない、再現性のない結果になってしまったかというと、まず僕は理由は二つあると思います。
 一つ目は、お分かりのように、要介護認定は二次判定でやるわけですけれども、介護予防サービスの後は一次判定しかできていませんから、結局、介護サービスの前の判定は一次判定に戻っているわけですね。ですから、一次判定の結果同士を比較しているということで、櫻井議員の質問の中でもありましたが、全国的には今、一次判定から三一・五%の方が二次判定で変更されます。
 この有意差の見られた三段目のところの対象群は、三十一例中十例が一次判定と二次判定で変更されております。三二・三%です。これ、全国平均からいうとこれが普通ということです。ところが、筋力トレーニングと栄養改善を行った群では、四十九例中六例、六人しか変わっていないんです、一二・二%。これは非常にというか、まれに見るほど低いわけです。口腔ケアを更に加えた群では、両方とも二例ずつが認定が一次と二次が違っているという結果で、これは、一つ目の理由として、筋力トレーニングと栄養改善を行ったその群と対象群の設定に何らかの意図があったんじゃないかという気がいたします。それだけ認定率の変化が差があるということ、これが第一点だと思います。
 二つ目の理由は、はっきり言って一次判定が当てにならないということです、だと私は思います。この結果は、要するに対象群を置いたスタディー、症例数が非常に少なくて当てにならないとは思いますが、筋力トレーニングと栄養改善を加えた群は有意差をもって効果があった、ところが、そこに口腔ケアを加えると全く差がなくなったという、この私なりの解析なんですが、その感想といいますか、西副大臣、大変急で申し訳ないんですが、どのようにお考えになるか、お聞きいたします。
#216
○副大臣(西博義君) お答え申し上げます。
 先ほど、軽度の対象者がなかなか確定しないというのは、これは以前も、過去のデータから見ても、かなり地方別に見てもばらつきがあるということは事実でして、そこの部分はこれからの大きな課題だというふうに感想としては思っております。
 それから、今回、大変先生御熱心にこれ統計取られたんですが、私、実は余り詳しいことはよく分かりませんもので申し訳ないんですが、自立が1、要支援2と、これで、多分数字が大きくなるにつれて介護度が高くなるから、このデータの平均値が下がればそれだけ改善されているということなんでしょうけれども、度数化ということの意味もちょっと、1、2、3、4という関連がどうなのかと、私も十分理解できておりません。その前提でお答えを申し上げますので、失礼なことがあるかもしれません。
 今回、十市町村のデータを利用いただいたんですが、私どもの方は、これから実はこの内容の分析を実施して、今現在やっているというところで、今の状態では結論的な判断は難しいというふうに考えております。
 いずれの介入群においても改善傾向が見られるということですが、その比較という意味では、先ほど御指摘の筋力向上トレーニングと栄養改善、この介入群では対象群と比較して統計的に有意な改善が見られるというふうに先生のデータを拝見いたしました。
 ただ、ここの実は人数が結構、まあこれでも十分とは言えないかもしれませんが、施行群が四十九例、それから対象群が三十一例と、結構多い。ほかに比べて約二倍程度の例が載ってるんですが、それ以外のところは比較的少なくて、例えば栄養改善を加えた群が合計で三十、十七例、十三例と、こういうふうな形でかなり少ないということも統計分析の中では影響があるのかなというふうな感じもいたしております。
 今日お示しいただいたこの資料も参考にさせていただきながら、私どもとしてもこれからまた分析をさせていただきます。
#217
○足立信也君 これ以上はちょっと引きずりたくないので。私の判断としてはエビデンスにはならないということです。
 次に行きます。先ほどの流れの中でまたちょっと違う部分ですが、本法案の附則にある経過措置についてです。
 介護予防支援の見込量の確保が困難であると認められる市町村では、介護予防に関する事項は適用しないとあります。これは最長で平成二十年の四月一日までですから、今から考えると約三年近くあるということですね。ということは、これ介護予防支援のことですから、スクリーニングもそうですし、介護認定の認定度の問題もそうですし、地域包括支援センターのこともそうです。ということは、市町村によって違いがあると、端的に言うとですね。もう来年の四月一日からすぐここを、見込量の確保ができてすぐ始めるところもあれば、三年、約三年間始まらないところもあると。そういう市町村によってばらばらになってしまう、そういう解釈でよろしいんでしょうか。具体的に言いますと、要介護度一、この市町村では要介護度一、でも隣では要支援の二になったりということですね。
 何を問題にしているかというと、今の市町村合併ですね。今の町村であれば、これは三年近くの間、要介護度一であるけれども、合併した後には要支援二になって、給付の限度額が下がったということもあり得る。あるいは、介護が必要な状態になったときにお子さんが引き取りたいということで引っ越したような場合、そこで、市町村によって認定も違ってくる、限度額も違う、受けるサービスの内容も違う。
 限度額一杯、前と同じように受けたいと思ったら、自分で、自費で払わなきゃいけないということが生じるということでよろしいんでしょうか。
#218
○国務大臣(尾辻秀久君) この新予防給付でございますけれども、この法案をお認めいただきますと、平成十八年四月から原則実施をされるわけでございます。
 ただ、私どもが申し上げておりますのは、地域包括支援センターの設置など準備期間がどうしても要しますので、その準備のために、その準備が整わない市町村については市町村の判断で、今お話しいただいておりますけれども、平成二十年四月までの二年間、この間は条例で定める日から施行することができる、この日から条例で定めますというふうに言えばそういうふうにできるということでございまして、こうした経過措置を設けているところでございます。
 したがいまして、こうした経過措置によりますと、今議員お話しになりましたように、御指摘のように、同じ状態の方であっても居住地の市町村における新予防給付の実施のいかんによりまして受けられる給付の種類が異なるということも考えられます。そのことは率直に申し上げます。
 しかし、そのまま放置することは決していいことではありませんし、また、私どもがこの際申し上げております介護予防の効果を上げていただくためにも、できるだけ早期にすべての市町村において新予防給付が実施されることが極めて重要であると考えておりまして、私どもといたしましては、介護予防支援に必要な人材の確保でありますとか、地域包括支援センターの設置の推進に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
#219
○足立信也君 今日の議論でも、大体支給限度額の平均すると半分だということがございました。ところが、先日の委員会で出された、山本理事の出された資料で、限度額の一歩手前という方が実は金額別に見ると一番多かったわけですね。実際上、やはりそこを限度ぎりぎりまで利用しているという方が多いというこの認識の中で、引っ越す、あるいは子供の下に行く、あるいは合併が起きて変わる、そこで利用していたサービスが利用できなくなるんだと、これはもうあり得ることで、できるだけ早く新しい制度にできるように変えていきたいと今おっしゃったわけですけれども。となれば、その間はやはり経過措置の更に経過措置のような形で、自己負担にやむなくなってしまった人たちに対して、これは補償する、あるいは給付、手当を付ける、そういった方法もあるんではないかと私は思いますけれども、今の答弁に対してそのように率直に感じましたが、いかがでしょうか。
#220
○政府参考人(中村秀一君) お引っ越しされた場合の問題は現在の介護保険制度でもないわけではございませんで、市町村またがって転居を行った場合には転入先において新たに要介護認定を受けていただくことが、まあなるわけですが、それでは煩わしいということで、現行制度では、転入先における認定審査会の審査判定経ることなく要介護状態区分の決定が行うことができるといった手続の簡素化を図っております。
 今度の場合、AとBという市町村があって、Aの方が十八年四月から移行された市町村で、Bの方は移行しない場合の市町村、AからBにという場合と、BからAにという場合でいろんなことが起こると思いますし、また、今委員御指摘のサービスの給付の内容でも変わってくることもあり得ると思います。
 基本は、経過措置でございますので、委員からもお話しございましたように、できるだけ早くその経過措置がなくなってそろうということが基本だとは思いますが、その際の移動の伴う不便、そういったものはできるだけ解消されるように、AからBの場合とBからAの場合、技術的に違う問題が生じるかもしれませんが、基本は、今、転入先における認定審査会の審査、判定を経ることなく要介護状態の区分決定を行うという扱いをしているのと同じように、手続の簡素化なりそういったことの御不便は最小限にするということで考えてまいりたいと思います。
 したがって、今、法律レベルの経過措置がございますけれども、その転居に伴う経過措置の経過措置的なことについて必要があれば考えてまいりたいと思います。
#221
○足立信也君 じゃ、よろしくお願いします。
 次に、前回の質問の後、厚生労働省の方と、高齢者がスクリーニングあるいは要介護認定を受けていくというこのシェーマについて実は間違っているということを言いました。スクリーニングを受けて、要介護あるいは要支援と思われた人がぐるぐるぐるぐる回っちゃうんじゃないかという話、これを改善しようと思ったんですけれども、結局は、図は間違っているけれども、複雑でシェーマに表すのはちょっと無理だということになってしまいました。これは、老健局の方と相談しながらそのようになりました。なぜ難し過ぎてシェーマにできないのかということのその理由ですね。これは私は、スクリーニングということのとらえ方が我々と老健局といいますか、そこが違うんだということですね。その点について言います。
 私たちは、高齢者の医療費を抑制するためにはどうしたらいいか、医療の質を変えるんだと、その中で最も大きなものは予防医療あるいは保健事業だと、そのように考えています。介護予防という言葉は私は正しくないと思いますけれども、予防は大事だと、そのことに異論はございません。その第一歩がスクリーニングだと、これも皆さんそうだと思います。一見問題がなさそうな人でも、将来介護が必要になる可能性のある人を早く見付け出す、そして早く対処する、こう考えています、私たちは。だからこそきめ細かい検査項目が必要で、要介護認定に連動するようなその審査のシステムでなきゃいけないと、そのように思っています。
 そして、その結果、将来介護が必要にならないように地域支援事業で有効な予防サービスを受けていただく、これが成功すれば高齢者の健康観は変わっていくと思います。そのような壮大な事業だと思います。だからこそ、地域支援事業で介護給付費の三%以内に抑える、そんなことを言わないで、実はもっと大きな事業だと私たちは思うんです。
 ところが、どうも厚生労働省の中では、要介護認定で非該当になった人や市町村にいる保健師さんが虚弱な高齢者を発見するような、言葉がハイリスクアプローチというふうに言われています、そのような人たちだけを対象に、これをスクリーニングと称している。
 なお、スクリーニングのやり方で、そのハイリスクアプローチと、我々が考えるような、できるだけ多くの方をそこから拾い上げるんだと、そういうポピュレーション、ポピュレーションアプローチという二つの方法が考えられておりましたけれども、検討小委員会の途中で、どうも見ていますと、そのポピュレーションという考え方が立ち消えになっているんですね。途中から、これはもうハイリスクの人たちだけを対象にという感じで流れてきている。どうもこのスクリーニングの考え方が全く違うので、一つのこの図に表せないということに、私としては個人的に結論が行きました。
 西副大臣からは、前回、スクリーニングには、痴呆度の判定、抑うつ度の判定並びに歯科の衛生状態の把握をするためには精神科的な項目、歯科的な項目を加えてスコア化するという明快に答弁をいただきました。これは私はそのとおりだと思います。
 としたら、スクリーニングの範囲、先ほどのハイリスクかポピュレーションかということ、どの範囲を考えて最終的に三類型に分類する、責任を持って分類するのはだれなんでしょうか。
#222
○政府参考人(中村秀一君) 足立委員から今御説明いただきまして、前回も御議論になりました私どものこの出さしていただきました図、確かに、委員とやり取りがございまして、ぐるぐる回ったようなところがございます。
 その相違点を御説明していただいたわけでございますが、今の足立委員のおっしゃった意味でのスクリーニング、広く一般の住民の方を対象として実施するスクリーニング、そういったスクリーニングを私どもも実施してまいりたいと考えております。
 ですから、私どもの担当の方と委員と御議論いただいたということのようですが、私から御答弁さしていただきますのは、介護予防スクリーニングについては、高齢者が要支援・要介護状態になることを予防する観点から広く一般の住民の方を対象として実施するスクリーニングでもってやりたいと、それが一番の柱だというふうに考えています。
 具体的には、六十五歳以上のすべての高齢者の方を対象としている現行の老人保健事業の基本健康診査がございます。この基本健康診査が介護予防のスクリーニングとして適切かどうか、そういった議論もございますので、そこのところを踏まえながらこのスクリーニングを実施していくというふうに考えたいと思います。したがって、検査項目とかそういったことも考えていく。
 もちろん、これのほかに、そういうことをしなくても、今委員から御指摘ございました要介護認定に手を挙げたけれども非該当になられたというような方、あるいは日ごろの保健師さんの日常活動なりあるいは医療機関から、自分のかかりつけ医のお医者さん、主治医さんから、自分のところの患者さんが、あるいは御相談受けた方がこういう状態だからといって、言わばハイリスクアプローチの中に入るのではないかといって御紹介していただくことはあるかもしれませんけれども、先生のおっしゃる意味でのポピュレーションアプローチ的な部分は実施してまいりたいと考えております。
#223
○足立信也君 先日の委員会でもありましたように、そうなると、福島議員から発言があったように、保険、いわゆる税との考えと社会保険との考え、これが一体どう峻別していけばいいのかという問題、新たな問題また生じてまいります。
 方向性は私は正しいと思いますが、それを今の時点で解決するのはまず不可能ですし、検討を速やかに入っていただきたいのはもちろんのことですが、まだ不明なまま終わってしまうという形になってしまうと思うんですね。ただ、方向性としては、やはりこの国の高齢者の疾病構造を変えていくんだというぐらいの気持ちで取り組まないと医療費抑制には向いていかないということだけは事実だと思いますので、その点は私もできる限りの協力をしたいと思いますし、そのようにお願いしたいと思っております。
 お一つ答えが、そのスクリーニング、今ポピュレーションも考えているということになりますと、だれが責任を持って最終的に判定するのかと、このことを。
#224
○政府参考人(中村秀一君) 失礼いたしました。
 そういった意味で、地域支援事業の実施主体は市町村でございますので、市町村がこの事業を行っていくということになります。
 それから、非該当者、要支援、要介護になるおそれのある方、それから要支援、要介護の該当者、三つの分類はだれが行うのかということになりますが、要支援、要介護に該当されるかされないかはあくまでも介護保険の言わば本体給付の方のシステムでございまして、これは行政の方からあるいは勧奨するということはあるかもしれません、お勧めするということも場合によってはあるかもしれませんが、基本的には利用者の意思に基づき手を挙げて申請していただくということでございますので、申請の結果、要介護認定の審査会で該当者、非該当者が決まってくると、こういうところで、そこは介護認定審査会になるわけでございます。
 なお、地域支援事業の対象者につきましては、非該当の方が地域支援事業の対象者の受皿になる、あるいは該当された方が予防の効果があって非該当になった場合に継続的にアクティビティーをするために地域支援事業の対象になるということがあろうかと思いますが、基本的にはおそれのある方の中からスクリーニングするということでございますので、そのスクリーニングを実施するのは市町村であり、市町村が行うと。その具体的なマネジメントは地域包括支援センターが実施すると、こういうことを考えておるわけでございます。
#225
○足立信也君 分かりました。ちょっと明確にしていきますね、更に、の関係上、三つぐらい質問を飛ばします。
 ということは、地域支援事業と新予防給付というところに来たわけですけれども、この内容は、筋力向上、栄養改善指導、口腔機能向上、痴呆予防、うつ予防、閉じこもり予防、大体挙げれば六つですね。内容としては、挙げた項目は同じなんですね。
 地域支援事業と新予防給付、この両者について、どこでだれがどのように行う、その違いを教えてください。
#226
○政府参考人(中村秀一君) お答えを申し上げます。
 新予防給付は、言わばサービスを実施するという意味では、指定介護予防サービス事業者が、現行の要支援、要介護一といった軽度者の方、これが認定により新たに要支援一、要支援二になるわけですが、要介護状態の悪化の防止を目的として実施するものでございまして、介護予防マネジメント、介護予防プランに基づきまして具体的なサービス提供事業者は決まると。御利用者との話合いによって決まっていき、そういう予防プランが作られると思いますが、そういうところで定められた事業所、あるいは自宅に訪問介護のヘルパーさんが来ていただくと、そういった形で提供されることを予定しております。
 一方、地域支援事業は、先ほど申し上げましたポピュレーションアプローチなどに基づいてスクリーニングされた高齢者の方を対象となり、市町村の予防事業として実施するものでございますので、市町村保健センターや公民館あるいは市町村などの場所において直接実施する場合や民間事業者に委託して実施すると、そういったことが考えられるということでございます。
#227
○足立信也君 要約しますと、恐らく地域支援事業はマスが対象で、新予防給付はインディビジュアルといいますか、個別だということですね、だと思います。
 そこで、私は二点問題があると思うんですけれども、そこに行く前に、今挙げました筋力トレーニングを始めとする内容について、これは、今までの表現上、あるいは省令上、機能訓練ですか、それともリハビリテーション、つまり理学療法ですか、どちらなんですか。
#228
○政府参考人(中村秀一君) 基本的には、その対象者の方の状況にもよると思いますが、両方あり得るとは思いますが、機能訓練という位置付けになろうかと思います。
#229
○足立信也君 なぜそういうことを聞いたかというと、両方あり得るということでしたが、リハビリテーションあるいは理学療法というのは医療行為ですね。機能訓練というのは医療行為ではないというふうになっています。
 先ほどポピュレーションという、スクリーニングが話になりましたが、ということは主治医がいる人といない人がいるんですね。理学療法士、作業療法士の施行法では、あるいは資格法といいますか、では医師又は歯科医師の指示の下に理学療法、作業療法を行うと書いています。これは医療行為ととらえる、つまり理学療法ととらえるんであれば、医師の指示がなくて彼らが理学療法をやることは違反であると。これが一点です。
 ということは、両方あり得るということでは困るということですね。それは医療じゃないという限定の下じゃないと彼らは自分たちの判断で機能訓練を行うことができないということだと私は思います。
 もう一つあります。保健師ですね。保健師、これも問題は、主治医がいる人とスクリーニングで見付かった、いない人がいるということなんですね。保健師は保健指導に従事することを業とする者と。保健師法三十五条で、傷病者の療養上の指導を行うに当たって主治の医師又は歯科医師があるときはその指示を受けなければならないんです。
 この新予防給付になった場合、このマネジメントは地域包括支援センターで、保健師が恐らくトップだと思うんですが、そこで行う。主治の医師又は歯科医師があるときはその指示を受けなければいけないんです。保健師の主体性といいますか、地域包括支援センターの中で、医師の関与がなければ、その主治の医師を持つ患者さん、要介護者の方々は保健師の単独のマネジメントではその新予防給付は受けられないということに私はなるんだと思います。
 整理しますと、医療行為か医療行為じゃないかという判断が不明確であるということ、それから主治医の医師又は歯科医師を持つ者と持たない者が混在すること、それにおいては法の上で医師の指示がなければできないと規定されているということ、この問題点だと思います。そこをどう整理されるつもりなんですか。
#230
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 私が両方あり得ると、その方の置かれている状態によって両方あり得ると申し上げましたのは、今委員が御指摘のような問題も含むわけでございます。
 現在の介護保険制度におきましても、通所リハビリテーションなどにつきましては理学療法士によるリハビリテーションが行われておりまして、これは先日もこの委員会の場で御議論いただきましたけれども、そういった意味での医療行為は医療の分野で行われている医療行為と法的な差はないと、こういうことでございますので、正にその方の置かれている状況に応じ通所リハビリテーションの場でリハビリテーションとしての筋力向上を行う場合には、医療行為として医師の言わば指示の下に行われるという要件が入ってくると、こういうふうになるわけでございます。
 地域支援事業でも、運動器の向上といっても、内容、いろんな対象者がおられると思います。また、今委員御指摘のように、正に地域支援事業の実施の場合も、モデル事業もそうでございましたけれども、いろいろな、やってはいけない対象者の方の選別、逆選別と申しますか、こういう方はこういうプログラムは向いていないということもありますので、いずれにしてもそういう中で医師の関与ということが必要になりますので、今御指摘のございました、主治医がおられて医学的な管理が必要な対象者の方については、地域包括支援センターのマネジメントの際にやはり主治医との連携を図り、ケアプラン、予防プラン作る上でもそういったことも配慮していかなければならないというふうに思っております。
#231
○足立信也君 その規定がどこにあるのかと。地域包括支援センター、三つの職種の方々でやっていかれると。そこに医師の関与がどこにも書かれていない。マネジメントを決める段階でですよ、介護認定の段階ではございませんよ。マネジメントを決める段階で医師の関与、どこにも書かれていない。
 昨日の参考人質疑の中でも、やっぱり個別対応が必要だし、そこに、地域支援事業にも医師がかかわっていくべきだと、むしろ医師会の先生はそうおっしゃっていました。そこに医師の関与の規定がないということ。
 それから、もう一つ大事なことは、それは医療行為なのか、あるいは医療行為じゃない、だれがそれを判断するんだと。今の段階では地域包括支援センターの保健師さんにそれやってもらうんですか。だれが判断するんでしょう。
#232
○政府参考人(中村秀一君) そのような問題は、例えば現在の老人保健事業でも、予防に関する事業の中で機能訓練とか、そういったことがございます。したがいまして、話を整理させていただきますと、医療行為として行うもの、あるいは医療行為としてサービスが行われなければならないものは医師の指示の下にという、例えば訪問看護にしてもそういう規定が入っているわけでございますので、そういうサービスを使う場合につきましては、それぞれ医師の指示を受けない限りサービスがスタートしないと、こういう話になっているわけで、マネジメントする際、保健師、これはケアマネジャーが同じ問題に逢着するわけですが、それぞれサービスのボタンをプッシュする場合には、その主治医なり、そういった訪問看護であれば訪問看護の指示書をいただく必要があるわけで、そういった形でこの問題はクリアされていると考えております。
#233
○足立信也君 では、それ、条文に、やはり主治医がある場合、主治医の医師又は歯科医師がある場合はそこの関与を明確にしなければいけないと、そう思います。それを申し上げて、もう一部資料が、用意しましたので、これを使わないわけにはいかないので、資料をごらんください。
 嚥下訓練を行うと法律に明記されている職種は言語聴覚士、いわゆるSTのみです。これは午前中、中原委員がかなりの時間を割いておられました。このことを更に詳しくいきます。
 言語聴覚士が行う言語聴覚療法、介護保険制度の中でもっと活用すべきだと私は思います。局長の答弁にも、口腔ケアは低栄養、転倒、気道感染、閉じこもり、認知症の予防効果があると、口腔機能の向上には、口腔清掃、歯科保健指導、摂食機能訓練があると。さらに言えば、窒息や誤嚥性肺炎を防ぐことができる。ということは、明らかに高齢者のケアに関しては非常に重要な役割が期待されている職種なんですね。しかも、法律上、業務独占だと認められているのはこの言語聴覚士ただ一つなんですね。これを活用する手だてを講じない手はないと、むしろそうしなければいけないことだと思います。
 表をごらんいただきながら、現在の介護保険制度の中での位置付けはかなり限定的なものになっているということを理解していただきながら、言語聴覚士と同じようにリハビリテーションを専門とする理学療法士、作業療法士、この二段目のところです、その対比で見ていきたいと思います。
 まず、訪問看護です。居宅サービスの中の訪問看護では、介護保険法施行規則に、保健師、准看護師、理学療法士、作業療法士が行うと書かれております。ここに言語聴覚士を加えるべきだと。網掛けでバツを付けてあるのが、今はないけれどもやはり入れるべきではないかと私の考えを示しているところです。
 次に、訪問リハビリテーションでは、介護保険法の条文に「理学療法、作業療法その他必要なリハビリテーション」と書いてあります。これは一番下にある備考のところです。条文にそのように書かれております。ここにやはり、その他ではなくて言語聴覚療法というものを追加すべきだと私は思っております。今回の改正にそれが生かされるかどうかは別ですけれども、入れるべきだと私は思います。その人員基準では、理学療法士、作業療法士が行うとされているので、ここにもやはり言語聴覚士を入れるべきだと私は思います。
 通所リハビリテーション、通所系のところに行きます。通所系リハビリテーションでは、人員基準に、理学療法士、作業療法士と並んで言語聴覚士が定められております。しかしながら、法律にはやはり理学療法、作業療法その他の必要なリハビリテーション、その他になっております。ここはやはり言語聴覚療法ははっきりさせておいた方がよろしいんじゃないかと私は思います。
 その次の福祉用具貸与事業に関して、事業所に専門相談員を置くこととされております。その専門相談員とは、介護福祉士、義肢装具士、保健師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士となっています。貸与品の中にはトーキングエイド、介護用補聴器、電気咽頭、会話補助機器、こういったものを私は貸与品の中に加えるべきだと思っております。その方がコミュニケーションを取れるということは、高齢者にとって最も大事なことだと思いますので、加えるべきだと思います。そして、その専門相談員に言語聴覚士を加えるべきだと、そのように思います。
 施設サービスの方を見ます。
 老健施設と療養型施設、医療施設ですね、療養型施設には理学療法士、作業療法士、栄養士が必置になっております。ここにもやはり、例えば老健施設などで言語聴覚士がいて誤嚥を予防する、口腔ケアを行う、口腔機能の向上を行う、このことがやはり非常に大事なんだと私は思っておりますので、窒息やもちろん誤嚥性肺炎の予防にもなりますから、ここに必置という形にすべきだと思います。
 最後に、介護予防の目玉になっている栄養改善、口腔ケアに関連して、訪問系のサービスですね、これ居宅療養管理指導があります。歯科衛生士、管理栄養士が行うこととなっておりますが、通所系サービスにはこれに相当するものがないんですね。通所介護でこのような指導を行うこととする、歯科衛生士、管理栄養士を基準に追加する、これは別の話ですけれども、すべきだと私は思います。
 今話してきたことは新設される介護予防サービスには全く関係ない話で、もちろん介護予防サービスにおいても今提案いたしましたようなことは必置あるいは条文で入れる、基準に置く、そのようなことがされるべきだと私は思っております。
 介護保険ではないんですが、一番右の医療保険、言語聴覚士の活用という観点からもう一つだけなんですが、医療保険において訪問看護ステーションの人員基準に理学療法士、作業療法士が必置ということが定められております。ところが、先ほど申し上げましたような理由で、やはりここにも言語聴覚士が加えられるべきだと私は思います。というのは、同じような訪問リハビリテーションで医療保険と介護保険併用できませんから、どっちか一方にしかないということは使えないという状態になってきます。当然入れるべきだと思います。
 というふうに表を用いながら私の考えを述べさせていただきましたが、広く言語聴覚療法を活用すると、言語聴覚士に働いていただくということを念頭に考えたものでございます。どのようにお考えになるでしょうか。感想でも結構ですから、よろしくお願いします。
#234
○国務大臣(尾辻秀久君) 御指摘いただきましたとおりに、確かに現行の介護保険制度における訪問介護でありますとか訪問リハビリテーション等、訪問系サービスなどで言語聴覚士に関する規定は設けられていないところでございます。しかし、今日いろいろ御指摘をいただきました。そうしたことなどもまた踏まえまして、訪問系のサービスにおける言語聴覚士の活用につきましては、今後、社会保障審議会介護給付分科会における御議論などもお願いをいたしまして、検討してまいりたいと存じます。
#235
○足立信也君 どうもありがとうございました。
 もう時間がないのでまたしても積み残しが出てしまいましたが、この改正案の目玉は、振り返りますと、やはり介護予防の導入とホテルコストを保険外にすると、この二点なんですね。ところが、先ほど言いましたように、経過措置の関係で介護予防に関しては今から三年近く考える時間がある。というか、考える時間がある、これから決めていくということですから、何も決まっていない状況に等しいわけですね。ところが、ホテルコストについては割合詳細に決められていて、しかも目の前、この十月だということになってくるわけですね。
 ということは、これから三年、約三年の間に政権が替わっていたりすると介護予防の考え方も大分変わってくるかもしれませんが、取りあえずこの十月からということを考えると、この法案に賛成するということはやはりホテルコストの導入に賛成なんだという意思表示になってしまうことが強いんですね。
 衆議院の確認答弁から約二か月近くなりました。その間に減免措置、あるいは先ほどからるるお話、答弁もございましたけれども、この二か月間で、実施まで四月から数えて五か月しかなかったうちの二か月がもうたっているわけですね、どのように改善を、確認答弁に基づいて改善を考えてこられたか、説明していただきたいと思います。
#236
○政府参考人(中村秀一君) 施設給付の見直しにつきましてお尋ねでございますが、まず十月実施ということにつきましては、今、十八年四月を前にいたしまして、介護保険三年ごとでございますので、保険料の見直し、そういったことが市町村、保険者である市町村で大変大きな課題になっております。
 給付費が相当増えておりますので、このままでいきますと三割を超える保険料の引上げ、千円以上、今三千三百円ですが、四千三百円あるいはそれ以上平均で上げなければならないと、こういう状況にありますので、介護保険部会、社会保障審議会の部会でもとにかく保険料の上げ幅ができるだけ小さくなるようによろしくお願いしたいという強い意向もございまして、十月実施とさせていただいたところでございます。
 議論の中で、低所得の方々に対する補足的給付の在り方、また社会福祉法人の減免措置の問題等、審議の中でもお答えをさせていただきましたし、いたしましてきたところでございます。準備期間が少ないということは私どもも都道府県を通じて市町村の方からもそういう話が上がってきておりますので、何とぞ、御審議の上、速やかに御可決をいただきたいと考えている次第でございます。
#237
○足立信也君 明後日、同僚議員がこの件に関して更に質問すると思います。取りあえず、私は終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#238
○福島みずほ君 答弁を聞いていても全然改善が見えてこないという、そういうふうに思っています。
 私は今日何点かまとめてお聞きをいたします。
 筋力トレーニングの問題についてお聞きする前に、お聞きする中で、介護予防事業の中で、要支援、要介護になるおそれの高い者のスクリーニングに関してその基準と内容を公表すべきではないかという点はいかがですか。
#239
○政府参考人(中村秀一君) お答えを申し上げます。
 私ども、生活習慣病予防の方でも、例えば保健指導が必要な方、あるいはそういった意味で対策が必要な方々について基準を示しております。したがいまして、この介護予防事業の中で具体的な基準や方法につきましてはマニュアルとして取りまとめ、市町村の方で実施できますように対応してまいりたいと考えております。
#240
○福島みずほ君 介護予防のスクリーニングには地域支援事業の前提となりますが、その基準と内容は不明確です。現時点においてそれを明らかにすべきではないですか。
#241
○政府参考人(中村秀一君) 高齢者の介護予防を進めるに当たりましては、生活機能の低下を早期に発見し、早期に集中的な対応を行うことが必要であるというふうに考えております。
 したがって、先ほども御議論ございましたが、六十五歳以上の方を対象に、生活機能低下の対象者になるかどうか、そういった意味での健康診査的な、イメージでいえば、事業を実施したいと、こういうふうに考えております。
 今の健康診査は、現に老人保健事業で健康診査を行っております。健康診査につきましては、生活習慣病対策ということでやってきておりますので、このたびは生活機能の低下のおそれということも加えなければなりませんので、そういった意味で、スクリーニングの項目としてそういった項目を加えるということにさせていただきたいと考えております。
#242
○福島みずほ君 答弁を聞いていても、どういう中身になるかさっぱり分からないと。高齢者の分断につながらないように配慮すべきではないでしょうか。おそれの高い者と認定されなくても、希望者には一定の条件でサービスを提供する必要があるのではないでしょうか。いかがでしょうか。
#243
○政府参考人(中村秀一君) 例えば生活習慣病対策でも、糖尿病のおそれがあるとか血糖値が高いとか血圧が高いということがある方に対しては、様々な生活指導なり、いろんなことがなされると。それと同じようなことでございまして、高齢者の方を分断というようなことではないと思います。
 いろいろ御希望の、アクティビティーに対する御希望ということはあろうかと思いますが、そこは介護予防という枠組みではなく地域の様々な活動ということで、そういったニーズには市町村の方でこたえていただけるんではないかと考えております。
#244
○福島みずほ君 そうであるならば、別に新たにこの介護予防事業などをやる必要はないのではないでしょうか。現在でも栄養改善と口腔ケアは居宅療養管理に入っております。新たに筋トレを入れるために大幅改正をする必要があるとは思いません。いかがですか。
#245
○政府参考人(中村秀一君) 今の居宅療養管理と申しますのは、言わば介護保険の中の給付のメニューでございます。地域支援事業のお話でありましたら、それはそういう対象になる前の方々に対してのプログラムでございますので、そういった意味で重なりがあると、こういうことではないというのが第一点でございます。
 それから、居宅療養管理というのは、言わば在宅で療養を受けている方で通院とかそういったことが困難であるという要件がございますので、ある意味で、要支援の方とか軽度の方々が必ずしも居宅療養管理の対象にならないんじゃないかというふうに考えておりますので、予防給付として組み立てる場合に多くの方がサービスを受けやすいような形態を考えたいということを今考えているところでございます。
#246
○福島みずほ君 しかし、要支援、要介護になるおそれの高い者しか介護予防事業には入ることはできないわけです。
 また、私の率直な疑問は、介護予防は要介護二から五には要らないのでしょうか。
#247
○政府参考人(中村秀一君) お答えを申し上げます。
 言わば市町村の事業として、介護予防の事業として実施するのは、言わば市町村の方が、要支援、要介護になるおそれが高い方といって、言わばストライクゾーンを決めて実施するわけでございますが、例えば普通の状態にある方が言わば健康の保持増進に努められるというのはなお結構なことでございますので、そこはその地域支援事業という枠組みの中でなく、自主的な活動なり、あるいは市町村がそういった方々を巻き込む事業としていろんな事業が組み立てられるんではないかと、そういうことを申し上げているところでございます。
#248
○福島みずほ君 私の聞いていることに答えていません。私は、今日はスクリーニングに関して基準を明確にしてほしいということを先ほど要望いたしました。
 先ほど質問したのは、介護予防は要介護二から五には要らないのかということについて答えていません。
#249
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 要介護状態を維持する、あるいは重度化させない、重度な方に対してもできるだけ生活機能の維持を図ると、そういった意味で、生活機能の維持向上を図るためのサービスは必要であると思っております。
 それぞれの分野で、特別養護老人ホームや介護療養型医療施設の中で様々な言わばケアがなされているわけですが、そのケアというのは高齢者の方々の自立を支援するためにできるだけのサービスをしているという意味で、そういった意味では、生活機能の向上のために要介護二から五の方々に対するサービスの中でそういったことに努めていくことは必要ではないかと考えております。
#250
○福島みずほ君 そうであるならば、今回のプログラムそのものに無理があります。要支援、要介護一と分け、二から五に関してはまた別に分けていくと。要するに、介護予防する人を介護の重度によって区別をしているわけですから、今局長が二から五の人に対しても介護予防が必要だと言ったところで、現実にはそういうプログラムにはなっておりません。
 私は、そもそもこの予防介護あるいは筋力トレーニングのこのプログラムがいいのかどうかということに根本的に疑問を持っております。
 厚生労働省は、新予防給付を創設する理由として、軽度要介護者へのサービスが要介護状態の維持改善につながっていないことを挙げています。しかし、厚生労働省のデータからは、ホームヘルプサービスによって要介護一の八〇%が状態を維持改善している結果が得られています。
 家事援助による生活負担の軽減は要介護度の悪化を予防し、自立を守る有効な手段の一つです。私の周りにも家事援助によって助かっているという人もいますし、参考人の中からも、メンタルヘルスも含めて今まで貢献をしてきたという証言がありました。費用も、施設や病院で過ごすよりも安いという面があります。逆に、本人の事情が軽視されてサービスを削減すれば重度化を招き、結果的には財政的にも高くなることになります。
 他方、筋力トレーニングの方はどうでしょうか。先ほど足立委員からもエビデンスが十分でないという意見が出ました。かつて質問をしましたが、厚生労働省は国内外の論文で既に介護予防の効果が証明されていると言いますが、提出されてきたのは都合の良い部分の引用にしかすぎません。
 モデル事業の結果、筋トレを実施した人の一六・三%は要介護度が悪化をしています。筋力向上では三〇・四%、栄養改善、血清アルビミン値では四二・二%が悪化しています。介護予防を行った結果悪化したというこの事態、これについてどう考えるのか、お聞かせください。
#251
○政府参考人(中村秀一君) お答えを申し上げます。
 介護予防の市町村モデル事業についての御指摘でございます。
   〔委員長退席、理事武見敬三君着席〕
 委員御指摘のように悪化された方もございますが、全体で申し上げますと、要介護度については四四%が改善されたという結果になっておりますし、それぞれについては統計的に有意な改善、足立委員の御指摘ですと変化が見られたと、こういうことでございますので、私ども、全体としては、要介護度について有意な、言わば改善方向についての変化が見られたと、こういうふうに認識しているところでございます。
 悪化の問題はそれぞれ分析していかなければなりませんし、基本的に対象群の調査についての検証も必要だと思いますが、一般的に悪化しがちな集団の中で、その悪化をとどめるために、維持改善のために介護予防事業をしているわけでございますので、そういった意味では、要介護度についても、身体機能についても、生活機能についても、ほとんどの項目で改善したという中間報告書のポイントと、結果ということは、それなりに評価されてよいのではないかと考えております。
#252
○福島みずほ君 モデル事業で悪化した人が結構いると。しかも、先ほど述べましたが、厚生労働省は今までの事業で良くなったといってデータを示してきたわけです。なぜ今回変更するのか分かりませんし、悪化したということは看過ができません。
 ところで、そのモデル事業、これは無料だったわけですが、参加者の確保が難しかったというふうに言われています。本格実施となって、利用料を払い自主的に参加する人の数がつかめません。安全性の確保、専門スタッフの確保、研修の確保、送迎手段の確保が課題です。
 また、大きな点は、費用対効果が全く検証されていないことです。医師、理学療法士、保健師、看護師、運動関係の指導員など、専門家の配置基準が未定です。マシンなど機器の導入、人件費、事業の外部委託費などは高額になります。筋トレバブルに踊らされないことが肝要ですが、この費用対効果についてはどう計算をしていらっしゃるのでしょうか。
#253
○政府参考人(中村秀一君) 例えば、この介護予防事業、モデル事業では無料であったと、こういうことでございますが、今度、例えば新予防給付になりますと、それぞれ予防給付それから介護給付、いずれにしても一割の御負担でやっていただいているということでございます。
   〔理事武見敬三君退席、委員長着席〕
 これまでの五年間の介護保険のサービスの利用状況を見ますと、一割の御負担あっても相当そのサービス利用をしたいという方が増えてまいりますので、そういった意味で、新予防給付についてもサービスを受けたい、例えばホームヘルプサービスでありますとかデイサービスを受けたいと、そういった御希望は強いのではないかと思います。
 今回のモデル事業でいただいた御意見通じまして、事業参加者の効果的な選定方法やプログラムを実施するに当たって工夫すべき点、それから、サービスの実施は基本的に既存の事業者の設備や人員の活用で対応できることが可能であり、現行のサービスの費用対効果以上が見込まれていると。つまり、今回のモデル事業でやっていただきました筋力プログラム等の人員配置見ますと、既存のデイサービス等で実施されています設備や人員の活用で対応できることが可能だと、こういうふうに得られておりますので、そういった意味では、これまで介護保険で使われてきました費用、こういったものを活用することができるというふうに考えておりますので、費用対効果の点でも現状より悪くなるということはないんではないかと考えております。
#254
○福島みずほ君 現状よりも悪くなるのであれば改正とは言いません。
 そして、次に質問いたしますが、介護予防の地域支援事業の財源に介護保険料を投入すべきではないと考えますが、いかがでしょうか。
#255
○政府参考人(中村秀一君) この財源問題については、まず事業の性格のことについても、前も申し上げましたけれども、現在の介護保険法でも、市町村の事業として保険料財源を使って保健福祉事業ができるというふうになっております。むしろ、その事業につきましては公費が全く使えないと、こういうことでございますので、今度の地域保健事業はその保険料財源に加えまして国の税も使い、そういったことを投入して介護予防事業、それから総合相談や権利擁護、そういった事業についてもこの事業の対象にしていくと、こういうふうに考えてやっているところでございまして、私どもは、保険料と税と、そういうことを使いまして、介護保険に必要な介護予防事業、それから介護保険と密接に関連する事業、言わば介護保険のサブシステムとも言える事業の促進にも対応していくと、こういうふうに考えているわけでございます。
#256
○福島みずほ君 いや、さっぱり納得がいきません。
 NPO法人高齢社会をよくする女性の会の平成十七年介護保険法改正案に関する意見書には、次のようにあります。「介護予防の地域支援事業の財源に介護保険料を投入しないこと。財政が苦しいから改正するというのに、ここで「事業費」を保険料から計上すれば、ますます財政は逼迫し、最重度の要介護者等に向けての給付が減少する。保険料は利用者個人への還元を原則とすること。」、私はこのとおりだと思います。
 私たちはこの委員会で、厚生年金病院やいろんなところに年金保険料が使われること、それが大問題だとして私たちは反対をしましたが、法案が通りました。保険料はその払った人たちにこそ還元をすべき。
 今まで税でやっていた部分を保険料でやることになります。地域支援事業に再編される事業、老人保健事業、国庫負担三分の一、介護予防・地域支え合い事業、国庫負担二分の一、在宅介護支援センター運営事業、国庫負担二分の一、従来、公費で行われてきた上記の事業が介護保険に吸収されることになります。二〇〇六年度は、介護保険給付費の約三%、約二千億円が地域支援事業費と見積もられています。うち一千億円が保険料から調達することになります。
 年金の保険料が別のものに使われるということに関して、私たちはこの委員会で大騒ぎをしてまいりました。別のものに保険料を使うなと。なぜここでこういうことに、税でやっていたことをなぜ保険料でやるのでしょうか。
#257
○政府参考人(中村秀一君) まず、地域支援事業の規模の問題でございますが、委員から御指摘もございましたように、給付費の三%を上限とする新たな事業でございますが、一方、介護予防事業の実施により、お示しいたしておりますとおり、将来、給付費の一割程度の縮減が可能と考えておりますので、私ども、介護保険財政の適正化に寄与するものと考えており、御指摘のような財政の逼迫や最重度への方の給付減をもたらすものではないというふうに考えております。
 それから、被保険者に還元されるべきだということでございますが、正に地域支援事業はハイリスクの方々を選び六十五歳以上の被保険者の方に還元されるわけでございますし、総合相談や権利擁護事業などもその六十五歳以上の介護保険の対象となり、正にそういった方々に対するサポートとして用いられるものでございますので、私ども、介護保険給付に密接に関連するものとしてその事業費の一部に介護保険料を充てるということについては、現在の介護保険制度も保険料をそういった事業に充てることは制度としてございますし、むしろそれに対して公費も付き合うということで、こういった事業がきちんと実施されている道を開くものと考えております。
#258
○福島みずほ君 なぜ今まで税でやっていたところを保険料でやるのかという問いに全く答えていません。この介護保険の改悪法案の議論の中で、申し訳ないけれども、局長は問いに対して答えないということでやり過ごそうとしているのではないかと本当に思います。
 今まで税でやっていた場合は無料だった面があるわけです。老人保健事業や介護予防・地域支え合い事業、みんなのために税金としてやってきた。国庫負担もやってきました。
 今回、市町村は地域支援事業の利用者に利用料を請求できます。そうしますと、お金を払って、いろんな予防というものをやるわけです。これは人々にとっても負担とは考えませんか。
#259
○国務大臣(尾辻秀久君) まず、先ほど来、年金積立金の話との比較をされましたけれども、年金積立金を福祉施設などに使わないということのこの御議論をいただいたときは、とにかく無駄遣いをしちゃいかぬということで言われたというふうに理解をいたします。あのとき、無駄遣いをしちゃいけないということでのお話でありました。
 今回、それに比べて、じゃ今度のこの地域支援事業が無駄遣いであるかということで言うと、先ほど来お答え申し上げておりますように、予防に資するわけでございますから、そして局長からも、将来、給付費の一割程度の縮減が可能というふうにお答え申し上げましたけれども、そういう給付費の縮減につながるものでありますから、決して無駄遣いというものではない。したがって、二つを比較されました、この比較はまた違うものだということをまず申し上げたいというふうに思うところでございます。
 今まで税金でやってきたじゃないかというお話ではございますけれども、この介護保険そのものを持続可能なものにするために、どうしても予防ということを私どもは考えなきゃいけない。ある意味で予防ということに打って出るためにこうした事業をやろうとするわけでございまして、そこのところは、今まで税金でやってきたものを保険料を含めたこうした介護保険でやることがまずいという話ではないと思っております。
#260
○福島みずほ君 無駄遣いをしないというのは当たり前のことです。ただ、私が問題にしているのは、やはり税と保険との関係ということです。これまで公費で行われてきた老人保健事業、市町村ごとの保健福祉事業などを介護保険料を投入することは、国、地方公共団体の責任を弱めることになる。公費を保険料に肩代わせることになるということの問題点です。無駄遣いという問題ではなくて、税でやるか保険でやるか。そして、介護保険にかかる人を少なくするためには、税によって賄われていた老人保健事業や保健福祉事業を充実させればいいわけです。生まれたときから高齢者になるまでの福祉事業を充実させればいいというふうに考えます。ですから、無駄遣いということだけで言っているわけではないと。
 老人健診など、老人保健事業は高齢者保健の柱を成す事業です。法案は利用料を請求できるとしております。新たに利用料が発生すれば、健診を控える高齢者が出てくるのではないでしょうか。
#261
○国務大臣(尾辻秀久君) まず、局長からもお答え申し上げると思いますけれども、基本的に私どもが考えますことを先にお答えを申し上げておきたいと存じます。
 今、公費とそれから税と保険料というふうに言っておられますが、私どもは、税であれ保険料であれ、国民の皆様方にお出しいただいた大変貴重なお金であるというふうに思っております。それは両方とも同じように貴重なお金でありますから、そのことを無駄なく大事に使わなきゃいけないということで考えておりまして、今回も保険料を含めて税金の分も、それは申し上げましたように国民の皆様にお出しいただいた貴重な財源でございますから、大事に使わせていただきたい、また将来の介護保険の持続可能性のために使わせていただきたいというふうに思っておるところでございます。
#262
○福島みずほ君 委員長。
#263
○委員長(岸宏一君) ちょっと、いいですか、局長の答弁は。
#264
○福島みずほ君 じゃ、お願いします。
 じゃ、局長、あの……
#265
○委員長(岸宏一君) ちょっと待って、ちょっと待って。
#266
○福島みずほ君 局長、健診を控えるんじゃないかということに答えてくだされば結構です。
#267
○政府参考人(中村秀一君) 御注文が付きましたので。
 今、老人保健事業も市町村の方で費用徴収がございますので、無理のない範囲で費用負担をお願いをするということでございます。地域支援事業におきましても、こうした老人保健事業の理念を踏まえつつ費用の一部負担を考えているところでございます。
#268
○福島みずほ君 いや、答えてないですよ。私が聞いたのは、利用料取るようになったら健診を控える高齢者も出てくるのではないか、どうですか。
#269
○政府参考人(中村秀一君) 今お答えしたつもりでございますが、今の健診制度も利用料をいただいておりますので、そういうことはないということを申し上げたつもりでございます。
 それから、要支援、要介護になる前から一貫した予防が必要であると、そういったことで今度の地域支援事業を考えたわけでございまして、保険者が主体となってやった方が予防事業としても効率的だと、こういうことで今回介護保険法の中で位置付けたということでございます。
#270
○福島みずほ君 保険料滞納者は利用はできるのでしょうか。
#271
○政府参考人(中村秀一君) 私ども、市町村の事業というふうに考えておりますので、保険料滞納者について利用させないと、こういう規定にはなっておりませんので、市町村の御判断もあるかもしれませんが、今、私ども提案しているものではそういう規定はございません。
#272
○福島みずほ君 私が言いたいのは、保険料は利用者個人への還元を原則とすべきではないかということで、税でやっていたことと保険料でやるべきことをきちんとやはり分けるべきであると、今回その境目が非常になくなりつつあるというふうに思います。
 社民党は、介護予防は重要だと考えています。超高齢社会を迎える中、介護予防の導入で要介護者の状態が悪化しないようにすることは、本人にとっても介護者にとっても重要であると考えています。年老いて介護が必要な状態となることは、本人の過誤でも、ましてや社会悪でもありません。介護予防は、強制したり効果を求める余り本人を追い詰める形で実施されることがあってはなりません。
 また、介護予防は、保険の枠ではなく、地域の保健福祉施策として積極的に取り組むべき課題であると考えます。地域の予防保健は人の一生を通して見ることが大切で、高齢者の部分だけを切り離しては、子供、青年、成人との連携が取れず、効果が上がらないしコストも掛かります。介護予防はこれまでどおり市町村の事業とし、国は、市町村が創意工夫し、より効率的、効果的な事業の実施ができるよう財源を自治体に移譲し、市町村の自由裁量に任せるべきです。国が統一的な介護予防メニューで行う必要はありません。
 介護予防は身体的な面ばかりが取り上げられがちですが、地域で高齢者が役割、生きがいを持って生きていくことができる意欲こそが重大な要素であると考えています。
 次に、参考人の中からも出ましたし本日も出ました、私もかつて質問をしましたが、ヘルパーさんやケアマネジャーの労働条件の改善について厚生労働省がどういうプログラムをお持ちなのか。実は、この委員会で聞いてきましたが、ビジョンが見えません。今日こそお聞かせください。
#273
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 まずは、訪問介護事業も事業でございますので、基本的には、訪問介護事業における処遇の問題なりそういった問題は、労働条件あるいは雇用管理の問題は、事業者とそれから働いておられるホームヘルプの介護員の方々の雇用関係になると、こういうふうに考えております。
 私ども、介護保険の立場からは、個々のサービス事業所が運営が適切にできるように、私どもとしては介護報酬という形でその部分担当しているわけでございますが、介護報酬は、それぞれの事業の経営実態を見、また片方では、介護報酬はそれこそ皆様の保険料や税から成り立っているわけでございますので、そういった中で効率的な配分を考えると、そういう観点から、支払を担当しております保険者や事業主、あるいは従業員の代表の方々、あるいは費用負担者である都道府県、市町村の代表の方々も入れる中で議論をして組み立てていくと、こういう形を取っております。
 したがいまして、私ども、もちろん労働各法の違反とかそういった状況は問題でございますので、それは労働部局とも相談をし、労働部局とも協力をして、きちんとした言わば労働条件が確保されるように、そういった点で違反とかそういうことがないように、私どもも、そういった意味で、この業界を一面で所管している立場でございますので、力を合わせてやってまいりたいと考えております。
#274
○福島みずほ君 たくさん語っていただきましたが、私自身は、これで労働条件が良くなるという確信を残念ながらまだ持つことができません。
 介護保険が施行されて五年間、今日も出ましたが、本当にヘルパーさんたちの給料が八万円というような状況で、五年間掛けて改善されなかったんですね。今の介護保険料でこれから協議し何とかかんとかということを聞いても、じゃ厚生労働省が、ヘルパーさんたち、ケアマネジャーの人たちの労働条件の向上、特に賃金の向上ですが、これで取り組んでいる、これで見えてくるということが実はこの委員会を通じてありません。
 どうですか。労働の方からでももしあれば言ってください。できれば、こういうふうに取り組むというふうに言ってください。
#275
○政府参考人(青木功君) これはもう委員御案内だと思うんですけれども、賃金は労使の間で決められます。ですから、その中で、給与をだれか第三者が上げる下げるという問題ではないんだろうと思います。しかし、きちんと働く中できちんと処遇を受けるということは大事だと思います。
#276
○福島みずほ君 いや、実はこの委員会の中で政党問わずいろんな人たちから、やっぱりヘルパーさんの労働条件、特に若い人が夢を持って、あるいは本当に心優しい青年たちがおふろに入れたりとかヘルパーさんで働いているわけですよね。その人たちが一生やれる仕事でなくてバーンアウトして辞めていってしまうという、労働条件やっぱりひどいですよ。
 で、もう今の答弁はやっぱりひどいです。労使で決めるんだったら本当に厚生労働省は要りません。
#277
○委員長(岸宏一君) 質問ですか。要らないんですが、どうだということですか。
#278
○政府参考人(青木功君) ちょっと失礼いたしました。御質問とちょっと勘違いいたしました。
 それで、当然でありますけれども、そこで満足しながら働いていただくということは非常に大事だと思うんです。ですから、そのときに例えば、企業の雇用管理の中で例えば充実感が、だんだんだんだん全体の中で御自分の向上と合わせて責任も上がっていく、処遇も上がっていくとか、そういうふうな働きがいのある仕組みというものの中で労働条件が改善されていくというふうなことを期待したいと思いますし、それをまた行政としては応援をしていかなければならないと思います。
#279
○福島みずほ君 いや、今日は食い下がります。
 今まで何を質問しても、いや労使だとか中の労働条件改善と言いますが、介護保険料だって国が決めているわけじゃないですか。仕組みを決めている、介護保険の仕組みつくっているのは国じゃないですか。その答弁は無責任ですよ。そして、みんな使い捨てで使っていくことは許せないですよ。
 もう厚生労働省は厚生も労働もやめた方がいいということになりますよ。どうですか。
#280
○委員長(岸宏一君) 局長、答えられますか。
#281
○政府参考人(中村秀一君) 今、介護保険料のお話が出ましたけれども、介護保険料は国が決めるのではなく、保険者である市町村が決めます。市町村の方はどういうふうに決めるかというと、どういうサービスが地元で必要かと、そういった中で決めていくわけでございますので、ホームヘルパーのサービスがこれだけ使う人がいるとかデイサービスの人がいるだろうと、そういうことを見込んで使うわけでございます。
 このサービスが、先ほど賃金の決まり方のお話がありましたが、ほかの例えば金融機関の賃金とか交通機関の賃金とか、そういったことと違って皆様から関心があるのは、御指摘いただき、厚生労働省として何とかならないかというふうに言われるのは、片方で、支払われる言わば対価が介護報酬という形で、ある程度言わば公定価格と申しますか、人為的に決めた価格と申しますか、保険者の、支払側とそれから事業者の方々たちとの言わば疑似的な市場の中で公的に決められるというところで、皆さんこちらを向いてどうなんだというお話があろうかと思います。
 片方で、保険料であり、これは医療費も同じでございますけれども、伸びをできるだけ抑制しろとかキャップを掛けろと、片っ方でそういう議論がある中で、ここの場では大変働いている人たちのことを考えもっともっと増やすべきだという御意見があり、苦慮するわけでございますが、そういった中で私どもといたしましては、御指摘いただいている介護労働に従事しておられる方の状況、それからそういった人たちが生き生きと働かなければ介護の質が悪くなるというようなお話、これはできるだけ生涯の職場としてやっていけるような職場をつくっていくべきだというお話ありますので、私どもも、それぞれの働く人たちのキャリアアップが図られ、キャリアが上がっていくにつれて賃金が上がるような、そういう職場づくりもしていくと。
 そういった意味で、スーパーバイズの中堅の研修もし、また管理者の研修もするということで、そういう職場づくりもしていく中で改善も図ってまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りたいと思います。
#282
○福島みずほ君 私が今日お聞きしたいのは、厚生労働省がヘルパーさんやケアマネジャーの人たちの賃金の余りの低さをどう改善しようとしているかという、どんなプログラムをお持ちかということをお聞きしているわけです。
 介護保険が施行されて五年がたちました。実態がちっとも変わりません。厚生労働省ははっきりとこの現実を直視し、はっきり改善策を打ち出すべきですが、今日それはお示しできないのでしょうか。
#283
○政府参考人(中村秀一君) もう一つ申し上げたいことは、私どもが直接賃金を支払っているわけではなく、公務員の給与のように、そういうふうに決められているわけではないということも御理解いただきたいと思います。
 したがいまして、それぞれの事業所の実態、例えば設置者別でございますとか規模別、そういったことでの経営状況も見る中で、それぞれの事業が、非常に効率的にやっておられるところもありますし、非常に立地条件が悪くて苦労しておられるところもあると思いますが、大宗がきちんと成り立つような、そういった介護報酬を設定、私どもとしてはしていくということを使命としてやっているところでございますので、そういった中で、それぞれの職種の方々の賃金等も調べておりますが、私ども、この賃金でというふうに言わば指定して給付できるというわけでもございませんので、その辺につきましては、また事業所の方との御理解も必要になると思いますので、そういったことを総合的に考えて対応してまいりたいと思います。
#284
○福島みずほ君 様々な事業所があり、様々な報酬があることはもちろん分かっておりますし、公務員でないという答弁もそのとおりです。ただ、介護保険という新しい制度をつくり、その中で働く人たちがいるわけですから、どう制度設計をすれば少なくとも労働条件の改善ができるか、厚生労働省は考えてほしいと。
 今回、五年ぶりの改正ですから、それに伴って、こういうふうにする、あるいは、いわゆるマージン率が高いということも例えばどうなのか、こういう点を改善すればケアマネジャーが独立できるんではないか、こういうふうにモデルケースとして介護報酬を設定すればこうなるのではないか、そういう提案こそ厚生労働省はすべきなのですが、そのような提案が一度もされないと。これだけ聞いても、労使で決めることですというような答弁が本日出てくるということに非常に本当にがっかりしています。介護ヘルパーさんたち、こういう答弁を聞くと、本当にがっかりされるのではないでしょうか。
 介護保険の五年ぶりの改正に当たって、もう少しこういうことを厚生労働省は真剣に議論してほしいと思いますし、私たちもできれば対案も考えたいというふうに思います。
 この点については全く納得はいきませんが、次の質問に移ります。
 居住費、食費は保険給付内にとどめるべきだという主張をしたいというふうに思っております。保険外に置かれた居住費、食費の費用は、利用者と施設との契約で決まるため、負担額に上限はなく、青天井です。居住費、食費として示されている数字は、低所得者の利用者負担の上限を設けるためのものにすぎません。これが契約などによって非常に高くなる、これについてはいかがでしょうか。
#285
○政府参考人(中村秀一君) 今委員から御指摘ございましたように、今回の施設給付の見直しによりまして、居住費、食費につきましては保険給付の外という形にさせていただくことを御提案申し上げております。しかしながら、低所得層の方々に対して負担の上限を付けるために補足給付を出すということで、補足給付の基準といたしまして平均的な費用ということをお示ししていると、そういう関係になっております。
 こういう措置を講ずるということによりまして、低所得の方々が施設に入れないということがないようにという形が確保されるわけでございますので、是非今回の見直しについて、申し上げていますように、保険料の水準の問題もございますので、御理解を賜りたいと思います。
#286
○福島みずほ君 低所得者の人が入れなくなるんではないかとみんな心配しています。
 局長、私の質問に答えていないんですが、居住費、食費の費用は負担額に上限がなく青天井になってしまうんではないか、その点はいかがでしょうか。
#287
○委員長(岸宏一君) 端的にお答えください。
#288
○政府参考人(中村秀一君) 私どもは、平均的な費用の額も低所得者に対する基準としてお示しをしておりますし、利用者への御説明の問題、それから施設の方は逆に利用者との関係によって定められることになるわけでございますので、そういった中で適切な水準が定まると、こういうふうに考えております。
#289
○福島みずほ君 これこそ契約なわけですから、低所得者にとって幾らというのは分かります。ただ、私が聞いているのは、利用者と施設との契約で決まって、保険外になるために負担額に上限がなく、食費やそれから居住費が高くなってしまうことがあるんではないか、これが負担になるのではないか。いかがでしょうか。
#290
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 例えば食費にしても、この費用でもってこういう食費なのかと、正に利用者の方の逆にチェックも利くわけでございます。それから、私ども、今回の居住費、食費の考え方は、基本的な考え方、居住費につきましては言わば部屋のコスト、あるいは多床室の場合は光熱水費だと、こういった水準をお示ししているわけでございますので、言わばそういうことが公開されますし、それから事業所については料金の情報開示ということもいたすわけでございますので、非常に立派な王様の食事のような食事であるから青天井ということはあるのかもしれませんけれども、通常、介護施設でリーズナブルに経営されているところではリーズナブルな食費の御負担ということをお願いするんだと考えておりますので、委員が御指摘のような青天井というようなことはないんだと思います。
#291
○福島みずほ君 この値段でこの食費と思ったとしても、行くところがない人が多いわけですよ。だって、待機者が物すごく多いわけですから。やはり今回保険給付外に置いたことによって契約で決まる、そのことは大変問題であるというふうに思います。
 居住費、食費の自己負担化、個室化の推進で施設の利用料は高額になる中、施設が利用者を選ぶという傾向が強くなってしまうのではないか。本当に困っている高齢者が行く場がなくなる。待機者は山のようにいるわけですから、やはり施設側は選べるわけです。そうすると、高齢者、難民高齢者という人たちが、行き場がない人たちが非常に増える点で、今回の改悪はやはり命の切捨てだということを申し上げ、私の質問を終わります。
#292
○委員長(岸宏一君) 本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。
   午後五時四十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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