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2005/06/16 第162回国会 参議院 参議院会議録情報 第162回国会 厚生労働委員会 第26号
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2005/06/16 第162回国会 参議院

参議院会議録情報 第162回国会 厚生労働委員会 第26号

#1
第162回国会 厚生労働委員会 第26号
平成十七年六月十六日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月十四日
    辞任         補欠選任
     下田 敦子君     柳田  稔君
 六月十五日
    辞任         補欠選任
     櫻井  充君     家西  悟君
     紙  智子君     小池  晃君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         岸  宏一君
    理 事
                国井 正幸君
                武見 敬三君
                辻  泰弘君
                山本 孝史君
                遠山 清彦君
    委 員
                坂本由紀子君
                清水嘉与子君
                田浦  直君
                中島 眞人君
                中原  爽君
                中村 博彦君
                西島 英利君
                藤井 基之君
                水落 敏栄君
                足立 信也君
                朝日 俊弘君
                家西  悟君
                小林 正夫君
                柳澤 光美君
                柳田  稔君
                蓮   舫君
                草川 昭三君
                小池  晃君
                福島みずほ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   尾辻 秀久君
   副大臣
       厚生労働副大臣  西  博義君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       藤井 基之君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        川邊  新君
   政府参考人
       厚生労働省老健
       局長       中村 秀一君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○介護保険法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(岸宏一君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告申し上げます。
 昨日、櫻井充君及び紙智子さんが委員を辞任され、その補欠として家西悟君及び小池晃君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(岸宏一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 介護保険法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省老健局長中村秀一君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(岸宏一君) 次に、介護保険法等の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○朝日俊弘君 おはようございます。民主党・新緑風会の朝日でございます。
 何とか三度目の質問の機会をつくっていただきまして、ありがとうございます。宿題が幾つかありましたので、まず宿題から一つ一つ解決をしていきたいと思います。また宿題に残らないように明快な御回答をいただければと思います。
 まず最初に、前回六月九日の質疑のときに宿題として残りました、いわゆる施設に関する費用の見直しの問題で、居住費あるいは食費を原則自己負担とすると、保険外にするという提案がなされているわけですが、そのときに、当然、例えば居住費については居住環境の違いをある程度反映した考え方を示す必要があるのではないかということを質問申し上げました。
 特に、前回私が指摘したのは、介護療養病床の中で、病床転換型ということで、既存の病院とかあるいは診療所から転換をした場合に、経過的な措置として、廊下の幅が狭くても仕方がない、あるいはデイルームとかそういう居住空間が多少狭くても仕方がない、それは認めましょうという病床転換型についての一定の配慮というか経過措置がされている。とすると、そもそもフルサイズで新規にオープンした療養病床と比べると居住環境はどうしたって違いがあるだろう、そこを一律に同じですよというのは無理があるんじゃないか。ただ、それぞれの費用額はそれぞれの施設がお決めになることだから、前回の局長の答弁は、それ相応の額に落ち着いてくるだろうというお答えでしたが、ただ、そうはいっても、基準費用額については全く同じというふうになっているのはどうも納得し難いなと。もちろん、基準費用額ですから、診療報酬とか介護報酬のようにそれできちっと決まるわけじゃないですけれども、一定の平均的な額はこうだよという相場を意味するような性格もあるわけですから、ここはもう少し居住環境の違いをきちっととらえた形で設定すべきではないか、こういうふうに思います。
 大臣は、宿題にさせていただきたいと存じますというふうにお答えいただきましたから、今日はそのお答えをいただきたい。あわせて、これは私は何もこういう転換型を今後も維持、存続してほしいということで言っているわけではなくて、むしろ逆でして、もっと一日も早く正規のレベルに改築してほしいというふうに思っているわけで、その方向に進めていく手だても必要だというふうに思います。
 以上、前回の宿題と今後の対応の方向について、まず大臣からのお答えをいただきたいと思います。
#7
○国務大臣(尾辻秀久君) 大きく二点の御指摘でございます。前回、私が宿題にさせていただきますと申し上げたのは、私は後半の方の御指摘について申し上げたつもりでございます。それはそれといたしまして、まず最初の方の御質問に改めてお答え申し上げたいと存じます。
 基本的に、今先生言われるように、基準の額についてのことでありますと、これはお示しをしているものを今こう両方に分けて、すなわち転換型の方の分を改めて数字を出そうというものではございませんので、改めて何かをするということではないのでありますけれども、基本的にまず申し上げたいことは、この病床転換型の介護療養病床については、その多くが多床室であるということでございます。したがいまして、これはもう何回も御説明申し上げておりますように、そうした多床室の場合は居住費として御負担いただくという部分は、家庭においても当然御負担しておられるところの光熱水費相当の一万円を標準額として設定しておるわけでございますから、これは標準額一万円ということで申し上げておるということを改めて、光熱水費ですということでございます。
 それから、数は多くありませんけれども、個室のケースも当然ないわけではありません。これの方の居住費の具体的な金額というのは、今もお話ありましたように、契約ですから、当然、環境だとか設備に劣る、そうしたものが劣る施設の居住費というのは必然的に低く設定されると考えております。以上、まず最初の御指摘については改めてのお答えを申し上げたところでございます。
 二点目の方でございますけれども、これは介護療養病床の施設設備の経過措置についてでございますが、昨年七月の介護保険部会報告においてその見直しの必要性が指摘されていることもございますので、一病室当たりの病床数を四床以下とする原則を徹底いたしますなど、療養環境の改善に向けた、介護報酬の水準を含めまして、具体的措置について平成十八年四月の介護報酬改定に向けた議論の中で検討をいたします。そういう意味で前回も宿題にさせていただきますと申し上げたところでございます。
#8
○朝日俊弘君 私は宿題の答えを今日いただけるものだと思っていたんですが、十八年の四月の介護報酬の改定で考えるということであるとすると、ちょっと期待外れというか、困りますね。
 それで、私はそんなにむちゃなことを言っているつもりはないんでして、居住費、食費についてそれぞれ自己負担を、保険外負担をお願いするとすれば、当然、きちっと保険で点数を決めるわけじゃないわけですから、ある程度の自由市場の中での価格が決まってくるということになるんだろうと思うんですけれども、それが適正にそういうふうに価格が決まってくれば余り問題ないのかもしれませんが、必ずしも地域的な供給体制などを見るとそういう価格が自由に結構動いてくるということがない場合があるんですね、地域的によっては。つまり、利用する施設がそこしかないというような地域だってあるわけですよ。そこは自由市場原理がなかなか働きにくい供給体制になっている部分もあるわけで、ここは今後の検討ということで、是非もう少し知恵の出しようがないのか考えてほしい。その方向は、ベクトルは、今ある形の存続、維持をいつまでもずるずる当分の間ということで続けるのではなくて、むしろできるだけ早くフルサイズにきちんと転換をしていただくという方向での誘導策を是非検討してほしいなと、これを改めてお願いをしておきたいというふうに思います。
 それから二つ目に、前々回の宿題でありました地域包括支援センターの設置主体について、このセンターの設置主体は保険者である市町村ですと、こういうお話でありました。
 ところで、介護保険の保険者を広域連合などで複数の市町村が共同して運営している事例がある。そういう場合の設置主体はどこになるのかという点について、改めて再確認をしておきたいと思います。その上で、その課題について更に御質問をさしていただきたいと思います。
 まず、こういう場合の設置主体についてはどうなるのかという点にだけお答えください。
#9
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 地域包括支援センターが行う包括的支援事業は、保険者が責任主体となって行うものであり、保険者が市町村であるときは市町村ということで、一般的には市町村でございますので市町村、市町村と申し上げてまいりましたが、保険者が広域連合であるときは広域連合が実施の責任主体になると、こういうことでございます。
#10
○朝日俊弘君 そうしますと、一つ問題というか課題が出てくると思うんですね、課題が。六月七日の日に参考人をお呼びしたときに、嘉手納の町長さん、宮城参考人が、かなり慎重な言葉遣いながら、広域連合をつくってそれを運営している立場からちょっと問題点を指摘されていましたね。つまり、広域連合をつくったとき、当初、それぞれの首長さんたちは連帯感を持って組織を運営していかなきゃいけないということでスタートしたと。ところが、実際問題としては、実務段階の動きを見ていくと、各市町村、かなり介護保険の運営そのものが連合任せというような空気がないわけではないと。頭ではこうしなきゃいかぬと思っているけれども、実際にはなかなかそうはいかないという点があるということを指摘されていました。
 これは正直な指摘だと思うんですね。つまり、市町村が、何か介護保険ができて、そこで広域連合で運営していただくということになると、何かある種、自分たちが本来もっともっとやらなきゃいけない、例えばいろんな地域における福祉とか健康づくりとかいう事業が何かややおろそかになってしまうとか、連合任せになってしまう。全部介護保険でやっていただけるんだというか、やってもらうんだみたいな考え方がなくはなかった。
 心配していますのは、確かに、広域連合を設置しているときは設置主体は広域連合で地域包括支援センターを設置していくんだということになるんだと思いますが、前々回御説明いただいたときに、その包括支援センターと言ったときの包括の意味は、介護保険における様々なサービス提供だけではなくて、市町村が行っている老人福祉事業とか老人保健事業と、そういう言わば周辺サービスとうまくトータルにサービスを提供していけるようなセンターにしたいんだと、こうおっしゃっていた。ややそうすると、広域連合でやっているところについては、かなりその辺きめ細かな対策というか運営の仕方をしないと、うまくかみ合ってこない心配があるという点が私の危惧するところでありますが、これはどういうふうに考えていますか、どういうふうな対策をしていこうと思っていますか。
#11
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 介護保険の広域連合は、市町村が保険者というのが原則でございますが、保険者の規模が小さいとか、あるいは共同して行った方が効率的であると、そういった観点から、広域連合がかなり介護保険でも設置されてきております。広域連合の大きさも、県ぐらいな大きなところから数市町村という様々なレベルがございます。そういった中で、きめ細かくという点になりますと、広域連合、ある意味で、各市町村ごとに行う場合と、デメリットも出る場合も考えられる、その点の対策いかんということが御質問だと思います。
 包括的支援事業の実施を保険者たる広域連合が行う場合、この事業につきまして、市町村に、まず広域連合の構成市町村に地域包括支援センターの設置を委託するということもできるような形にするというのが一つの考え方でございます。また、広域連合が地域包括支援センターを設置した場合におきましても、担当区域を設定し、それぞれの担当区域の市町村と地域包括支援センターが連携を図ると、こういうような工夫を図ることによりまして、今委員の御懸念のございました、よりきめ細かく、また市町村が介護保険外の様々な問題に対応するという機能と、介護保険の地域包括支援センター、この場合、広域連合が設置する地域包括支援センターと連携取れるというような形で対応してまいりたいと考えております。
#12
○朝日俊弘君 是非、先日の宮城参考人も、お話を聞きますと、同じ広域連合の中でも、保険料を三段階ぐらい設定してやっているんだとか、いろいろ工夫をされている。それくらい、そういう意味では、十分な対応を念頭に進めなければいけないというふうに思います。特に私は、今回の法改正の中で、様々な課題があると思いますが、地域包括支援センターがきちんと機能するかどうかは大きなキーポイントだというふうに思っていますので、是非そういう観点からお願いをしたいと思います。
 そこで、今の問題とちょっと関連して、ある意味では逆の問題と言うべきかもしれません。小規模市町村、今、平成の大合併が進められていて、総務省の方からお話を聞くと、来年の三月末には千八百くらいの自治体の数になるだろうと、こういうふうに言われています。そういう意味では、それぞれの自治体のサイズもそれ相応に大きくなってくるのかなと思うんですが、案外、聞いてみますと、人口一万人以下の市町村は市町村で結構残っていまして、三割方がそのような人口規模で残るということも言われているんですね。
 地域包括支援センターは、およそ人口二、三万人程度に考えているという前回のお答えがありました。こういう小規模市町村において地域支援事業がきちんと実施できるように、あるいは地域包括支援センターが十分に機能できるようにしていくためには、どういう支援方策を考えておられますか、あるいはどういう組立て方を想定しておられますか。
#13
○政府参考人(中村秀一君) 今の問題は、先ほどの広域連合とまた逆のベクトルの問題になるということだと存じます。
 小規模町村の問題につきましては介護保険できたときから課題になっており、そういう町村について広域連合化というのは一つの方向でございましたが、そういうこともなく単独でやっておられる町村につきまして、小規模の場合の問題でございますが、地域包括支援センターにつきましては、一つは複数市町村で共同設置することを御推奨したいというふうに考えております。
 しかし、地理的な条件で小規模な町村が離れた状態で単独であるという場合、また単独で地域包括支援センターを設置しなければならない場合ということも考えられます。そういたしますと担当する高齢者数が少ないと、そういったことを踏まえますと、様々な基準におきまして、そういう実態に着目した基準の緩和措置、そういったことについては配慮してまいりたいと考えております。
#14
○朝日俊弘君 確かに、基準を緩和するということも一方で必要なんでしょうが、センターの機能というか、を考えますと、一定のやっぱり体制というかマンパワーも要るわけですから、そこは質の担保ということも十分考えながらやっていただきたいと思うんですが。
 そこで、質の確保の問題と関連して次の質問は、地域包括支援センターは市町村、保険者である市町村が設置主体になるということですが、もちろんすべて市町村が運営するわけではなくて、場合によっては民間事業者に委託する方式もあり得るという御説明でした。例えばどういう民間事業者の参入を想定されているのかな、そしてその場合に事業の実施の責任、これは責任は当然市町村にあるんだろうと思うんですが、責任はどうなるのかな、そして事業の実施に当たってその質の確保、あるいは精度管理はどういうふうに保たれるのかな、特に、一定の技術の提供を伴う事業の場合は精度管理は必要条件だと思うんですね。こういう点についてどのようにお考えか、まとめてお答えください。
#15
○政府参考人(中村秀一君) 地域包括支援センターを委託する場合でございますが、法律でも、在宅介護支援センターを設置する社会福祉法人や医療法人などのうち適切に事業実施を行える主体を定めると、こういうふうに考えております。それが第一点でございます。
 第二点といたしまして、責任主体は市町村でございまして、市町村の事業を委託するわけでございますので、最終的なその委託している事業がきちんと実施されているかどうかということは市町村が責任を持ってその委託先の事業実施状況を把握するということになりますが、特にセンターにつきましては、事業運営が適切に行われているかどうか、市町村が主宰して地域の関係者、これは利用者も含みまして組織する地域包括支援センター運営協議会において随時チェックをしていくと、こういうことを考えております。
 また、特に、市町村の方では、委託する場合でも、市町村独自に専門職、例えば介護予防マネジメントにつきましては保健師等を自分たちでも雇用しているわけでございますので、その保健師さん等が委託先の地域包括支援センターの事業実施状況について特に専門職の立場からアドバイスをしたり、また精度の管理をしていくと、こういうことを実施する必要があると考えております。
#16
○朝日俊弘君 やはり、これからの地域包括支援センターでは、従来のケアマネジャーを中心とするケアプランの問題に加えて、新しい介護予防の観点から健康状態というかヘルスアセスメントも加味してやっていくということですから、この地域包括支援センターの言わば技術的レベルの確保というのは、これまた一つの大きな課題だということを確認しておきたいと思います。
 そこで、そのことと関連して次の質問は、衆議院で、これは前回も同僚議員からも御質問があった点なんですが、地域支援事業に権利擁護の事業を必須とするということで修正が加えられた。今まで地域包括支援センターが行う地域支援事業としては、総合相談支援部門が一つ、介護予防マネジメントが二つ、包括的、継続的マネジメントが三つと、こういうふうに三部門が考えられるということで御説明がありました。そこへ衆議院における修正で権利擁護事業が加わるというふうに考えると四項目になるということですから、とすると、それに相応する体制の強化があってしかるべきと、従来どおりでは困るんじゃないかと思うんですが、この点はどうですか。
#17
○国務大臣(尾辻秀久君) 今御指摘の話は、権利擁護事業が衆議院における修正によりまして任意の事業から必須の事業に変わったというところでございます。
 そもそも、この権利擁護事業というのは、私どもどういうふうに考えていたかといいますと、まず地域包括支援センターが中心になって実施することといたしております。それから、主担当としては社会福祉士を考えております。また、主な業務といたしましては、高齢者などからの権利擁護にかかわる相談等に対応すること、また、成年後見制度を円滑に利用できるよう情報提供を行ったり、成年後見人の受皿となる団体等の紹介を行うこと、虐待を早期に発見するため、地域の様々な関係者によるネットワークを構築する、こうしたことを主事業として、業務として考えております。
   〔委員長退席、理事国井正幸君着席〕
 この権利擁護事業は、高齢者に関する実態把握や様々な相談を受け付ける、今申し上げましたように総合相談支援事業と密接に関係するわけでありますから、これまた申し上げましたように、社会福祉士が一体的に行うことが適当であると考えておりまして、そうしたことを考えますと、これまで御説明してきた三人の専門職がこのセンターにはいるわけでございますから、この三人の専門職による体制で実施可能と考えておるところでございます。
#18
○朝日俊弘君 ちょっとここの部分は不満足ですね、今の答えは。
 それで、言い方を換えれば、地域包括支援センターを支援する仕組みも必要なんじゃないかと思うんです。つまり、支援センターのそのものの体制強化と併せて、支援センターがうまく機能するためのシステムづくりというか、これも必要になってくると思うんですね。特に、権利擁護事業になると随分広がりますから、いろんな意味では場合によっちゃ法律家の知恵もかりなきゃいけないということになってくるわけですから、社会福祉士そして保健師そしてケアマネジャーという極めて実務レベルの人員、スタッフ配置と同時に、そういう人たちを支援する仕組みをつくらないといけないんじゃないか。これはちょっと検討してください。体制の強化で、そのことだけの強化を求めているのではなくて、仕組みとしてうまく機能するような、ワークするような仕組みを考えてほしいということであります。
 最後の質問に移ります。ちょっと時間を下さい。
 三月十五日の厚生労働委員会で尾辻大臣に、これからは少産多死の時代だ、年間百万人を超える方が亡くなるという、そういう時代だ。既にもうこの二年間そうですね。そうすると、病院だけではなくて、家でもあるいは場合によっちゃグループホームでも特別養護老人ホームでも死を迎えるという方たちが増えてくるだろう。ところが、そういうところにすべて医者や看護師を全部配置しろということになると、これまた一から施設体系組み替えなきゃいけなくて大変だ。
 そこで私の提案は、それぞれの場所で、暮らしている場所で、生きている場所で、それぞれの状態に合わせたターミナルケアを受けながら死を迎えることができるように、例えば介護保険を利用して暮らしている人たちが必要なときには往診など医療保険のサービスも力をかりながらやれるという、そういう仕組みを作っていく必要があるんじゃないかと思うんですね。これ是非検討してほしいと思うんですが、いかがでしょうか。
#19
○国務大臣(尾辻秀久君) グループホームでありますとか特別養護老人ホーム等においては入所者の重度化が年々進んでおりまして、特別養護老人ホームでは死亡を理由にする退所が七割を超えるなど、ターミナルケアの充実が求められているところでございます。
 このため、昨年取りまとめられました社会保障審議会介護保険部会報告におきましては、入所者等の重度化への対応という観点から、ターミナルケアも含めた医療との連携を図っていくことが重要であるとされております。
 こうした御指摘もございますので、在宅グループホームや特別養護老人ホーム等におけるターミナルケアを充実したものとするため、平成十八年四月に予定されております指定基準でありますとか介護報酬等の見直しに関する議論の中で、今お話しのような医療と連携との在り方を含め、具体的な方策について是非検討したいと存じます。
#20
○朝日俊弘君 終わります。
#21
○足立信也君 民主党・新緑風会の足立でございます。
 参考人質疑を含めて今週三回目の質問になりました。恐らく今日が最後でしょうから、私は、一つ一つの自分の思っている疑問に対して納得をしたいと、そのように思っております。ですから、納得が得られるようにやはり簡単明瞭にお答えいただきたいと、そのように思います。
 まず最初に、二つ、参考人質疑、それから一昨日の質問に対して少し確認ができていないなという点を申し上げ、その後、五つほど今まで時間の関係上触れられなかったことについてお聞きしたいと、そのように思います。
 まず、一昨日の質疑で、局長からは、スクリーニングはポピュレーションアプローチだと、つまり高齢者全体を対象として考えている、それに私は賛同いたしますし、非常に前向きな答弁だと、そのように思いました。
 そこで問題になったのは、保健師、理学療法士、作業療法士が行う介護予防マネジメント及び介護予防事業には法的に問題があるんじゃないかということを私が指摘しました。つまり、保健師は、主治医がある場合にはその指示を受けなければならない。理学療法士、作業療法士は、理学療法、作業療法を行うには医師又は歯科医師の指示の下に行わなければならないと資格法で決められている。
 もう一つ、参考人からは、医師が関与していないケースが確かにある、現実にあるんだと。これから地域支援事業や新予防給付としてサービスを提供するときに、やはりこのサービスが医療上安全なのかという確認がどうしても必要だと。そのための鑑別が実際に必要だと、医師が関与すべきだと、そのように参考人が発言しておりました。
 私は、解決策としては、介護予防マネジメント、これは地域支援事業と新予防給付がございますが、サービスを提供する段階で最低一回はやっぱり医師との関係が設定されるべきだと、そのように思います。法的にもやっぱり誤っているんじゃないかと私は考えます。元々は医師とは関係なくても、サービスを設定するとき、予防という理念で患者さんと接点を持つ必要があると、これから医師も予防という理念で患者さんと接点を持つ必要があると、私はそう思います。医師の関与を明記すべきだということを申し上げました。
 局長は、サービスを始めるときに医師の関与、指示書が必要だと、スイッチをオンにするときにという発言がございました。ですから、政省令において、介護予防マネジメントの段階で医師の関与あるいは指示書の必要性を政省令、これは告示、通知も含むと思いますけれども、政省令に明記すべきだと改めて思います。その点に関していかがでしょうか。確認をしたいと思います。
#22
○国務大臣(尾辻秀久君) まず、私どもの考え方を明確に一点申し上げておきたいと存じます。
 それは、保健師助産師看護師法第三十五条で、先生が再三申しておられるところの規定であります。すなわち、保健師は、療法上の指導を行うに当たって主治の医師又は歯科医師があるときはその指示を受けなければならないというこの規定でございますが、私どもは、介護予防マネジメントはここで言う療法上の指導には当たらないというふうに考えておりますので、私どもはそういう理解でこのことについて対応しているということをまず申し上げておきたいと存じます。まずこれが一点申し上げておきたいことであります。
 ただ、それはそれといたしまして、先生今言っておられるように、ケアマネジメント、介護予防ケアマネジメントも同じでございますけれども、主治医との連携は、これは極めて重要なことでございますので、新予防給付についても、介護予防ケアマネジメントの過程においてサービス担当者会議を開催することを基準省令に規定し、医師の専門的な見地からの意見を求めていくことを考えているところでございます。
 地域支援事業実施に当たりましても、対象者のうち、既往歴でありますとか治療状況、検診結果等に基づき医師の専門的な見地からの御意見が必要であると判断される方について、その意見が反映されるようマニュアル等の中で定めてまいります。
#23
○足立信也君 介護予防マネジメントの中には新予防給付があって、それには医療機関に実際に掛かっている、主治医を持っている方が大多数おられるんだという事実ですね。それから、アセスメント、プランの段階ではなくて、私が言っているのは、ドゥーの段階で、実際やるときに指示が要るんだということになっているわけですから、私は必要だと思います。その点は申し上げておきます。
 次に、これも参考人質疑のところで申し上げましたが、今年の正月に広島県福山市の福山福寿園でノロウイルスの感染で七名の方が亡くなりました。これは特養ですね、特別養護老人ホームで亡くなりました。その後、厚生労働省から私ははっきりした報告書みたいなものはまだないと、そのように認識しておりますが、この冬の感染性胃腸炎を起こした方が全国二百三十六施設で七千八百二十一人、そのうちノロウイルスの検出者は五千三百七十一人、死亡者十二人というデータがございます。
 参考人からは、特別養護老人ホームでの医療提供体制の不備だと思うと、そのように発言がございましたし、私もそう思っております。集団的にそういう感染があるわけですから、そのときにどういうふうに対処するかということが特別養護老人ホームの中で決められていないということです。さらに、厚生労働省はその辺に関しては興味が薄いんじゃないかと、これは余り公言したくないというふうに参考人はおっしゃっておりましたが、そのような意見もありました。
 私は、厚生労働省に実態把握、報告書及び今後の対応について聞きました。ところが厚生労働省からは、福山市が自主的に調査をしているだけで、厚生労働省は調査の指示などは行っておらず、一切かかわっていないという返事でした。
 私は、やはり参考人の意見と同様に、これは法制上の医療提供体制の不備だと思います。これは福山市だけの問題だととらえているのかどうか、厚生労働省がですね。そして今後厚生労働省としてどのような対策を考えているのか、お聞かせください。
#24
○国務大臣(尾辻秀久君) 昨年末から年始にかけまして福山市の特別養護老人ホームで七名の方がお亡くなりになったというこのことについて、私としても重く受け止めております。
 そこで、私もすぐ現地に参りました。そして福山市からも、それから施設の方からも話を伺いました。そのときに私がまず思いましたことは、当初は、集団発生した下痢、嘔吐等の原因がはっきりしていなかった。そして、実は、この福寿園という施設は、たしか私の記憶では平均の要介護度が四・五ぐらいだったと思いますけれども、極めて重度の方がお入りになっているものですから、そうしたことで、実は、お亡くなりになっても特別な事態が発生したとどうも施設は認識できなかった、認識していなかったというのが正直なところのようであります。私が行って話を聞きまして受けた感じというのは、ああ、そういうことかなというふうに思ったわけでございます。
 そんなこともありまして、速やかに行政への報告でありますとか外部への医療機関に協力を求めるということが行われておりませんでした。これは問題だと思いましたので、私、帰りましてすぐ、まず高齢者施設等における感染性胃腸炎の発生・蔓延防止対策を徹底するよう各都道府県に通知をいたしました。その後、社会福祉施設等において感染症等の発生について報告すべき場合を明らかにした通知を出しました。これは、現場でお話聞きましたら、どういうときに報告してくれというのをもっと明確にしてほしいと、そうでないと、お亡くなりになったたびに報告を出すというようなことでもないだろうから、その辺、どういうケース、ちゃんと報告を出せということを言ってもらった方がいいというようなこともございましたので、そういうことをいたしました。すなわち、報告規定もそのときに作ったところでございます。それから、高齢者施設等における感染症対策マニュアルの策定を急ぐというような対策を講じたところではございます。
 ただ、確かに今先生おっしゃるように、医療をどうやるかというようなことでまだ不十分な点も、今の御指摘いただきまして、あるんだろうと思いますから、そのことについてはまた対策を講じたいと存じます。
#25
○足立信也君 対策を講じる。今度の冬も恐らく同じようなことが起きると思うんです。それは、対策を講じたいという気持ちは当然よく理解できますが、次の冬までにそれは何らかの形で明らかにするということでしょうか。
#26
○国務大臣(尾辻秀久君) 急ぎたいと存じます。
#27
○足立信也君 同じく医療提供体制ということで、次の質問に行きます。
 私は、今、介護の中の医療行為が医療従事者以外に少しずつシフトしていると、これは実は私は危惧しております。その意味において、厚生労働省がGDPの成長率以内に医療費の増加を抑えるという経済財政諮問会議の方針に対して反対しているということをまず私は敬意を表したいと思います。私は、本会議質問で、経済が社会保障費を規制するのではなく、社会保障の必要性に経済が合わせるのだと、そういう宇沢先生の話をしました。それでこそ経世済民だと私は思っております。陰ながら応援したいと思います。
 そこで、先ほど朝日先生からありましたように、私は、医療従事者の多くが、最期はどこで亡くなりたいかと、死にたいかということに対しては自宅だと、二番目が介護施設だと。それに対して国民の多くが、死にたい場所は病院だと、二番目が老人ホームだと。自宅は三番目なんですね。ということを考えると、これは何といっても、いざというときの医療従事者の関与が手薄であると、安心ができないんだということにほかならないと思うんですね。
 今は、在宅療養者の病状はもう明らかに重症化、複雑化しております。それから、病院での平均在院日数の短縮によって、在宅へ移行する期間も非常に早くなっております。さらに、例えば今、訪問看護ステーションというのは全国に五千五百あります。そのうち、そのうちといいますか、在宅で介護を受けている方の介護利用者の十人に一人しか訪問看護は利用していないんですね。それぐらいの値にしかすぎない。
 例えば、状態が変化した際に、ヘルパーさんがその状態の変化を的確に医師に伝えることができるかと、あるいは、その変化に応じて医師がこういうふうにしようと判断した場合に、その指示をヘルパーさんが実行できるかと、その指示すら理解できるかという問題があるわけですね。実際どうなっているかと。ヘルパーさんは、どうも自分が介護している方がふだんと違うけれども、かといって医師には相談できない。救急で他の病院へ入院してしまうわけです。その事態が、最後まで施設あるいは自宅へおられないということを助長しているわけですね。ですから、私は、医療行為を介護の方へだんだんシフトしていくのに関して非常に危ないなと、そのように思っているわけです。
 例えば、地域密着型サービスがございますけれども、夜間対応型訪問介護、これはあります。ただ、夜間対応型訪問看護はないんですね。やっぱり、夜間急変あるいは変化があった場合に、診てもらいたいのは看護師さんだと思いますよ。あるいは医師だと思いますよ。そこら辺が足りないから不安でしようがないわけですよ。ということを申し上げて、訪問看護の利用を増やすための方策を取るべきじゃないかと思います。十人に一人しか使っておりません。
 私の友人の訪問看護をしている看護師さん、彼女が言ってたのは、建物あるいは施設によって看護師の行けるところ行けないところをつくるのではなく、看護を必要とする患者さんがいるところにはどこへでも看護師が行けるようにしてほしいと、そのように言っております。どう思われますか。
#28
○副大臣(西博義君) 訪問看護に関して先生から御質問がございました。私も実は、訪問看護に執念を燃やしている医院、またそのスタッフ、身近に知っておりまして、しかし、その割には全体としてまだまだそういう体制というのはできていないなということは実感をしているところでございます。
 一方では、難病だとかそれから特にターミナルケアなど、医療と介護の間のニーズを併せ持つ重症者への対応が必要になってきていることは、これは事実でございます。特に在宅におけるターミナルケアへの対応など、これから訪問看護は大変重要なサービスの一つであるというふうに感じておるところでございます。
 しかしながら、近年の訪問看護サービスの利用状況を確認してみますと、訪問介護はもう年々伸びているにもかかわらず、看護の方は伸びがもう鈍っておると。ほぼ横ばい、若干のプラスはありますが、状態であるということで、それが医療と介護との連携にまだまだ改善の余地があるということに原因している可能性もあるということです。
 ケアマネジメントにおける介護ニーズの的確な把握、それから主治医と訪問看護ステーションとの連携、これを一層進めることによって訪問看護が必要な方に適切なサービスがあまねく届くようにこれからも努めてまいりたいと考えております。
#29
○足立信也君 まあこれから努力していくということなんですが、それだけで信じてられるかということはございます。
 在宅の患者さんあるいは高齢者の方は、やっぱりコストの意識が非常に高いんですね。五百円でも千円でも安い方を選ぶ。どうしてもそうなってしまうんですね。同じサービス、似たようなサービスでありながら訪問看護と訪問介護では若干の違いがあると。それをやっぱり考慮してしまう。あるいはケアマネジメントをする段階でそこを考慮してしまうということはどうしてもあるわけですね。
 私は、先ほど言いました、何かあったときの安心感、これが与えられれば、在宅での率が、施設に比べて在宅の率が確実に上がると思います。その安心感を与える体制をつくるべきだと、そのように思います。是非お願いしたいと思います。
 続きまして、介護予防支援事業は、これは二年間の経過措置があるわけですけれども、早ければ来年の四月からもうスタートするところが、市町村があるかもしれない。それに合わせて、要介護認定の方法は来年の四月までに確定しなければいけないわけですね。
 第一次判定、これは市町村の職員が調査員として赴いて調査項目に、七十九項目、更に十項目ですか、チェックするわけですけれども、当然のことながら、今困っているのは、昼間独居である老人、休日しか家族の人に会えなくて意見も聴き取れない、当然そういう方が多いんですね。今調査している方々は当然のことながら夜間や休日に出掛けていっているわけです。当然、手当なんかはないですね。
 これ、市町村の職員が、自治体職員が、夜間、休日、調査のために確実に出掛けていきますでしょうか。それから、四月までに研修はきちんとできるんでしょうか。
#30
○政府参考人(中村秀一君) まず、今最初の方のお話の要介護認定調査のやり方でございますが、現在、調査につきましては、できるだけ、介護者の方がいらっしゃる在宅の調査対象者の方については、その介護されている方などが不在の日は避けるようにするということでございまして、今委員御指摘のございました介護者の方が平日や昼間いらっしゃらないという場合には、夜間、休日の訪問調査ということも、不在の日は避けるようにする、御家族の方に御協力いただいて特定のアポイントメントを取ってそのときにお伺いするというようなことはしているわけでございますが、日時や場所について申請者やその家族の方々と調整した上で実施することといたしております。
 二つ目は、そういうやり方で今までやっておりますが、御指摘いただいていますように、市町村の方では認定調査について委託している場合が多かったということですが、今回は、初回、新規の申請に係る認定調査については市町村の実施を原則とするということにいたしておりますので、その実施につきましては、十八年四月からでございますが、経過措置は、若干猶予期間とか体制の整うまでの経過期間を置くというような工夫はさせていただきたいと思いますが、できるだけ早くこの原則を徹底するようにしてまいりたいと思っています。
 それから、認定調査員等の研修事業として、今年度予算におきましても都道府県に対する予算を事業費ベースで四億円補助を計上して、十分な回数の研修が実施できるようにいたしておりますので、この認定調査員研修事業ということで、市町村において混乱なく円滑に移行可能となるようにしてまいりたいと考えております。
#31
○足立信也君 大半が夜間やあるいは休日でないと意見を調査することができなくて、残業手当や休日手当で一杯になってしまって、これは市町村の財政を圧迫しているとか、あるいは労働基準法に基づいて時間外業務が多過ぎる、だからもう行けない、こんなことにならないように、結局は、市町村がやるといいながらも、そういう財政的なことも含めて民間へやはり委託するという方向性にならないように、この認定調査に関しては全国一律であるということが大原則ですから、是非ならないような措置をよろしくお願いします。
 次に、今度ケアプランです。
 私は、中立的なケアプランを選択するということが今回一つ大きなことではあるんですが、それには、ケアマネジャーを先に決めて、それからマネジメントの段階でいろいろ検討するというよりも、やはり多様なケアプランが出て、そこから選択するんだというのが正しい考え方だと私は思うんですね。そうなった場合、介護給付に至らなかったプランを作成した方、今のところはそれは報酬としてはないわけですけれども、それではかえって中立性がやっぱり保てないんじゃないかと私は思います。
 それから、ケアマネジャーがいろんな介護者の主治医、関係者を、あるいは介護事業に携わっている業者の方を一堂に集めてケアカンファレンスを開く。ケアカンは実施率が一六%ですか。やっぱりケアマネジャーにそういうことをやってもらうのは無理がありますよ。それが一日に要介護者三人やるとしたら、今挙げた方々を三倍集めなきゃいけないわけですね。そんなことはとてもできるとは思えません。
 ですから、私は、ケアカンファレンスの招集、開催、場所の提供はやはり行政担当者がやるべきだと、そのように思います。その点についていかがでしょうか。
#32
○政府参考人(中村秀一君) 今委員からお話がございましたように、いろんな意味でケアカンファレンスの開催というのは重要になっております。先ほど来御指摘のございます主治医とケアマネジャーとの連携、そういった観点からもケアカンファレンスの開催は大事になってきております。
 今、ケアマネジャーさんたちのお話を聞きますと、非常に受持ち担当件数が多いので、ここでなかなかそういうケアカンファレンスの開催ができないというお話が一つと、やはり、お声掛けしても集まっていただけない、そういうケアカンファレンスを立ち上げるための非常に御努力、苦労があるというふうに伺っております。
 最初の方の担当人数の問題は小さくする方向で見直しを考えておりますし、今委員から御指摘のございました市町村が招集すべきではないかという点は、正にそういう観点から地域包括支援センターでケアマネジャーさんを支援するための主任ケアマネを置いてやっておりますので、積極的にそちらの方がお声掛けをして、ケアカンファレンスの開催を含めたケアマネジャーの支援を行うこととさせていただきたいと思います。
#33
○足立信也君 センターを中心に、場所の提供も公的なということだと思います。そのように期待しております。
 次は、去年のように多くの災害に見舞われたとき、市町村が、この地域には要介護四ないしは五の人がいて、真っ先にそこへ駆け付けて救出しなければいけない、そのような、まあこれは個人情報公開法とどうなるかという問題なんですけれども、やはり市町村がそういった要介護者の存在をきちんと把握しているということが私は災害時の救出援助に非常に大事じゃないかと、そのように思っております。
 そして、それが狭い、例えば一つの町村でやった場合は、あのような大きな地震が起きたときにはその町村そのもののデータがなくなる可能性がございますから、少し広域でデータの共有、電子化したデータの共有が必要だと、私は災害時には特に必要だと思っておりますが、この点に関して御意見いかがでしょうか。
#34
○国務大臣(尾辻秀久君) これはもうおっしゃるとおりだと思っております。
 要介護者など、災害時に、特に援護が必要な方々について災害時の避難支援を円滑に行うためには、どうしてもまず、市町村の中にあっても、福祉担当部局と防災担当部局が要援護者に関する情報を把握、共有しておくことは重要であると考えておりますし、また、大きく市町村を含めて、市町村を含めてというのは、市町村間でもまたそうした情報を共有しておくということは大変必要なことであると認識をいたしておるところでございます。
 この点に関しましては、本年三月に、有識者や関係省庁の担当課長で構成されました集中豪雨時等における情報伝達及び高齢者の避難支援に関する検討会においてガイドラインが取りまとめられておりまして、その中では、平時から市町村の福祉関係部局等が保有する要援護者情報を防災関係部局等も共有し、要援護者を網羅的に把握しておくことが必要とされているところでございます。
 なお、その際に、共有化されました情報を防災システム上どのように保有するかについては、今お話しのような点も含めまして、基本的には防災関係部局を中心に検討していただくことが適当と考えておりますけれども、厚生労働省といたしましては、ガイドラインに沿ってそれぞれの自治体の実情に応じた適切な情報の共有化が図られることが必要と考えておるところでございます。
#35
○足立信也君 保有がやっぱり一番大事ですから、是非その点よろしくお願いします。
 四回目の必要がないように急いで行きます。
 特定疾病についてです。あえてこれ、特定疾病の中に脳血管疾患とございますね。これは例えば、御存じだと思いますが、クモ膜下出血なんかは、これは加齢による変化ではなくて動脈瘤が原因ですね。特に加齢による変化とは言えないわけです。脳の障害というのは、脳の障害で介護が必要になるのは、その脳のある領域の欠損症状なわけですね。これは何も脳血管疾患だけではなくて、例えば脳腫瘍の術後でも、あるいは外傷でも感染症でも同じ結果が起きるわけですよ。同じ状態になるわけですよ。なぜ脳血管疾患だけが、しかもそれは加齢とは言えない部分も含めてですね、含まれている。
 これは私は、状態としては、脳に関しては、あえて脳だけ言いますよ、本当は一杯言いたいことがございますが、脳だけ言います。どうしてそこだけ区別する必要があるのかということが一点。そして、がんの末期ということが入ると思いますが、脳腫瘍はその多くがやっぱり良性腫瘍なんですが、術後にはやはり同じような欠損症状が起きることがある。脳腫瘍はがんだと考えているのでしょうか。まずはその点を。
#36
○政府参考人(中村秀一君) 今の脳腫瘍の点につきましては、今回末期がんの取扱いを特定疾病の観点からさせていただくときに、専門家の御意見も踏まえつつ検討させていただきたいと思いますが、現時点において、脳腫瘍の中で良性の腫瘍については介護保険の対象とはならないだろうと、こういうふうに考えております。
 そういたしますと、前の方の委員の御指摘に絡むわけですが、やはりそういった意味で、線引きをするという立場に立っておりますので、線を引きますと、線を引かれたところで、どうしてもちぐはぐ、矛盾あるいは整合性が取れない点が医学的に見ると出てくるというのは御指摘のとおりだと思いますが、それは今の制度に伴う必然的に生じてくるものであるというふうに認識いたしております。
#37
○足立信也君 いみじくも、被保険者の範囲の拡大が必要だという結論だったと思います。
 私の質問を終わります。
#38
○辻泰弘君 民主党・新緑風会、辻泰弘でございます。三十分程度と限られておりますけれども、前回の質問における確認等も含めて御質問させていただきたいと存じます。
 まず最初に、先ほど朝日委員の方の御質問で、介護保険に基づくサービスと訪問看護、往診など、医療保険によるサービスの適切な組合せという御質問の中で、来年の介護報酬の改定の中で対応するというふうな局長答弁があったかと思いますけれども、これに関しては衆議院段階でも、次期介護報酬改定は診療報酬改定と同時期に行われると、介護と医療の連携が図りやすいタイミングだと、このような趣旨での御答弁もあるわけですけれども、どのような連携を図っていかれるのか、このことについてまず御質問したいと思います。
   〔理事国井正幸君退席、理事武見敬三君着席〕
#39
○国務大臣(尾辻秀久君) 十八年度に予定をいたしております報酬改定に向けまして、それぞれの報酬に関する状況等を十分に把握いたしますとともに、必要に応じて、例えば介護保険における検討内容を中医協に情報を提供するなど、両者が連携して検討が行われるように努めてまいりたいと考えておるところでございます。
 そこで、主な課題としてどういうものがあるかといいますと、例えば地域における医療と介護の包括的、継続的なマネジメント、あるいはまた重度者に対応した医療型多機能サービス、それから施設や居住系サービスにおける医療と介護の機能分担と連携、これはターミナルケアの在り方も、今御議論ございましたけれども含んでおります。それからまた、療養病床の在り方、こうした課題があるわけでございまして、残り時間もそう多くありませんから、鋭意検討を進めてまいりたいと存じております。
#40
○辻泰弘君 そういうことであると思うんですけれども、片や中医協で検討されること、片や社会保障審議会の給付費分科会ですか、そちらで決められることでございまして、組織としては二つあるわけですね。ですから、当然ながら、大臣のリーダーシップがあってこそ連携ができるというふうに思うんですね、局をまたぐことでございますから。
 そういう意味で、是非そのことについて力強くリーダーシップを発揮して取り組んでいただくということを御要請申し上げたいと思いますけれども、その点、一言お願いします。
#41
○国務大臣(尾辻秀久君) おっしゃるとおりでありますから、私も全力を挙げてリーダーシップを発揮したいと存じます。
#42
○辻泰弘君 それで、今国会、大臣の答弁であったことで一度聞いておきたいと思ったことでお聞きしておきたいと思います。
 要は、介護とか年金、医療、生活保護などの社会保障制度の在り方についての御質問の中で、大臣が、社会保障制度の一体的な見直しを検討し推進するため、部局横断的な組織をつくるよう指示をしましたと、早急に立ち上げて作業に入りたいと、このようにおっしゃっておられました、国会答弁ですけれども。これについてどういうふうな対応をされたのか、このことについて御質問したいと思います。
#43
○国務大臣(尾辻秀久君) この社会保障制度の一体的な見直しにつきましては、現在、官房長官の下に設けられた社会保障の在り方に関する懇談会において検討が進められておりますし、また年金制度を始めとする社会保障制度改革に向けた両院合同会議も設置をされております。そうしたところでの御議論もありますので、私どもとしては、ある意味事務的な受皿としてそういうものをつくっておかなきゃいけないということで発足させたのでありますけれども、こうした動きが今ありますので、余り私どもが先走らない方がいいと、実はその後判断いたしまして、今具体的な作業をすることは控えておるところでございます。
#44
○辻泰弘君 そうすると、組織としてはあるわけですね。
#45
○国務大臣(尾辻秀久君) 開店休業中だというふうに御理解いただければと存じます。
#46
○辻泰弘君 内閣における官房長官の下における検討もこれあり、また社会保障合同会議も国会でもこれありとは思いますけれども、ここでおっしゃったのは、多分役所の中での対応をつくる、場をつくるということだったと思うんですね。ですから、それはそれとは同時並行であっていいんじゃないかと思うんですが、ただ、一つ確認しておきますけれども、そうすると、新たな一つの部局ということではないということですか、協議体的なものだということですか。
#47
○国務大臣(尾辻秀久君) よく私ども厚生労働省に対しまして、それはその他の役所に対してもそうでございますが、縦割りの弊害、そうしたことを御指摘いただいております。厚生労働省でもそうした御指摘はよくございますから、このことは排していきたい、部局横断的に仕事をしたいというふうに思っておりまして、いろんなことが出てくると、プロジェクトチームをつくって今やろうと、こういうやり方をかなりいたしております。例えばがんだとか、自殺対策だとか、そうしたものを部局横断的にチームをつくってやっておりますが、そうしたものの一つというふうにとらえていただければと思います。部局横断的にチームをつくってやろうと、こういうことでありまして、その都度チームをつくると、こういうやり方でございます。
#48
○辻泰弘君 ここは時間取ることできませんけれども、元々のこの趣旨は、多分、常時できる体制をつくるということだったと思うんですね。今のだと、何かその都度つくるんだったら、何か改めてここで新たな横断的組織をつくるよう指示いたしましたと、早急に立ち上げて作業に入りたいというのは、ちょっと大きく構えられ過ぎているような感じで、ちょっとその辺は違和感を持ちますけれども、このことだけで時間があれですが、何かありますか。
#49
○国務大臣(尾辻秀久君) 私の勘違いが一つ入っておりましたので、訂正させていただきたいと存じます。
 あのとき私はつくったというふうに思いましたが、つくるという指示のままで、まだつくらないままに、そのまま今の事態になったということでございますので、正確には開店いたしておりませんということを、訂正をさせていただきたいと思います。
 実はいろんなことありまして、事務的なところが余り先走らない方がいいという判断をいたしたということはそのとおりでございますので、改めて申し上げます。
#50
○辻泰弘君 部局横断的にやるということの趣旨はいいと思いますので、そういう意味では開店していただいていいんじゃないかと思うんですけれども、そのことについてはまた改めて御質問したいと思います。
 それで、時間も限られておりますので、次、一点。
 大臣は、これまで国会でも御答弁になっていたと思うんですけれども、あるインタビューで、この介護に関連してですけれども、具体策を先に決めてしまわず、国会の議論をいただいて、できるだけ政省令の中に生かしたいということをおっしゃっているわけですね。そのことについて確認ですけれども、当然ここの、衆参で議論をされた国会での議論、そしてまた衆議院における附帯決議、恐らくまた参議院でも付くであろう附帯決議、こういったものをしっかり踏まえて、今度十月、また来年の四月に向けてお取り組みになるというふうに理解してよろしいですね。
#51
○国務大臣(尾辻秀久君) それはもうおっしゃるとおりでございます。国会の御審議における御指摘でございますとか、またそれに対して答弁をさせていただいた内容など、十分に踏まえて検討をいたしてまいります。
#52
○辻泰弘君 そこで、前回の質問についての確認的な意味合いの質問をさせていただきますけれども、中村局長が、前回私が十六年度税制改正の関連でお聞きしましたときに、私が、坂口大臣、尾辻現大臣のそれぞれの答弁を踏まえてのことであるので、どう答えを出したかはっきりさせよと、このように申しましたら、局長から明確にその点はさせていただくということでございましたので、改めて、その十六年度税制改正についてどう対応されるのか、介護保険の部分ですね、このことについて見解を明示してください。
#53
○政府参考人(中村秀一君) 年金課税の見直しによる影響につきましては、これは平成十六年度の税制改正における年金課税の見直しでございますが、税法上特段の経過措置が行われておりません。これに対して、平成十七年度の税制改正における高齢者の非課税措置の廃止につきましては税制上激変緩和策が講じられておりますので、それに応じた介護保険の激変緩和措置をとるということで、両者の扱いがそういった意味では異なっておりますが、平成十六年度の税制改正における年金課税の見直しによる影響、こういうことも念頭におきまして、今回の制度改正におきましては、保険料の賦課の方式を見直すことで、より弾力的な保険料設定を可能とし、個々の被保険者の負担能力を適切に反映できる仕組みとしたところでございます。
 先日の議員の御指摘も踏まえ、この改正の趣旨につきまして全国介護保険担当課長会議等において十分周知徹底を図ってまいりたいと考えております。
#54
○辻泰弘君 その点についてはしっかりと対応していただくように求めておきたいと思います。
 それで、もう一つ、坂口大臣のころからのお約束といいますか、御答弁いただいていることで、あのときの十六年度改正による国保への跳ね返りのこともあったわけでございます。これについては、坂口大臣が、当時の大臣が、国保について一応考え方を示して地方と調整したいと、こういうことをおっしゃっていたわけでございます。
 この点についてどうお取り組みになるのか、関連してお伺いしたいと思います。
#55
○副大臣(西博義君) 委員から昨年、それから私どもが尾辻大臣に替わってからの秋の予算委員会でも御質問いただいている国保への関連のケースの問題でございます。
 いわゆる年金課税の強化に伴う国保保険料の取扱いということで、年金課税の見直しの考え方、それから国民健康保険におけるこの徴収の考え方などを勘案しながら検討を進めていくことが大事だというふうに考えておりまして、これ具体的にどうするかということにつきましては、負担能力に応じた適切な負担という観点から、税制改正により影響を受ける者の保険料負担への具体的な影響だけではなくて、逆に、緩和措置を講ずることによって生ずるそれ以外の、つまり若年者の皆さん等の被保険者の保険料負担が増えることについても、これバランスも考慮しながら検討するということが必要だというふうに考えております。
 なお、地方団体の意見も伺いながら今後やっていくことが大事だというふうに考えているところでございます。
#56
○辻泰弘君 この点については坂口大臣が明確におっしゃってきたということでございます。
 それと、実は、十六年度改正の影響というのは、介護の方については公的年金等控除の縮小が影響するけれども、国保の場合はそれプラス老年者控除の廃止というものも影響するわけでございまして、実質的な負担は国保が多いということになると思うんですね。ですから、そういう意味においては、あのときの趣旨というのは、そのことの軽減を段階的にするということであったと思いますので、その意味において国保の方がより意味合いを持っているということになろうかと思います。
 そういう意味において、やはり尾辻大臣にもあのときの約束を後退はさせないということを言っていただいているわけですけれども、今の副大臣のお話でも、今まで言っていただいたこと、言っていただいている部分もございますけれども、その精神をしっかりと受け止めていただいて、国保の料率のことについても、政省令でございますか、対応されるんでしょうけれども、そんなに時間があるときではない、恐らく介護と同じような流れかと思うんでございます。そういう意味において、その趣旨はしっかりと踏まえていただいて対応していただくように改めてお願いしたいと思いますが、いかがでしょう。
#57
○副大臣(西博義君) 御指摘のとおり、余り時間もないことは事実でございます。精力的に検討さしていただきたいと思っております。
#58
○辻泰弘君 その点についてもよろしくお願いを申し上げます。
 それから、前回もお聞きしたことで、第二号被保険者の負担の問題でいろいろ御質問しまして、強制的に保険料徴収をしている現役の方々の意見というものはもっと介護の制度運営に反映していくべきじゃないかと、そういう主張の中で申し上げまして、局長が運営協議会を設置するというふうな答弁もいただいているわけですけれども、この運営協議会設置の方針について改めて確認をさせていただきたいんですけど、どういう御方針でお取り組みになるでしょう。
#59
○政府参考人(中村秀一君) お答えを申し上げます。
 社会保障審議会介護保険部会の意見書におきましても、また委員からの御指摘にもございますように、二号被保険者や医療保険者の代表が制度の運営に関与していく方法を検討していくことが重要と、こう御指摘いただいているわけでございます。
 私どもとしては、保険者や第一号被保険者とともに、第二号被保険者や医療保険者などで構成する運営協議会を設置すると、そういったことに向けまして、具体的な方法につきましては今後関係者ともよく御相談してこれを立ち上げてまいりたいと考えております。
#60
○辻泰弘君 いつまでに設置に取り組まれるかですね、早急に取り組んでいただきたいと思いますが、いかがですか。
#61
○政府参考人(中村秀一君) 御案内のとおり、介護保険は三年タームで事業計画が作成され保険料も決められるということでございます。十八年四月、十八年度から第三期事業計画が始まりますので、そういう事業計画の策定の動向を見ていかなければなりません。したがいますと、やっぱり年内に設置、開催できるようにしていく必要があるんではないかと考えております。
#62
○辻泰弘君 その時期を示していただいたのは良かったと思います。やはり、当然直近の改定に意見が反映されるというのがしかるべき姿でございますから、今、年内に設置するという方針をいただきましたけれども、是非そういうことで二号被保険者の声も反映できるように積極的にお取り組みいただきますように御要請を申し上げておきたいと思います。
 あわせて、保険料の上限についても御質問をさせていただいてまいりましたけれども、必ずしも前向きな答弁をいただいてきてはおりませんけれども、この点について付言しておきますと、かつて厚生労働省、当時は厚生省かもしれませんけれども、この介護保険料率と政管健保の医療保険の料率、これを足し合わせて千分の九十一の範囲内に収まるようにということになっているという見解を示した上で、制度的には保険料の上限につきまして歯止め措置が講ぜられていると、こういうことを当時答弁をされていることがあるわけでございまして、やはり一つの厚生労働省としても上限とか歯止めということをそのときは、守られる状況のときには持っておられたということが現実としてあったわけでございまして、まあだからその考え方自体駄目だという、否定するという立場にはお立ちにならないんだろうと思いますけれども、先ほど申し上げましたその二号被保険者の方々の制度運営に向けての参画といいますか、意見反映という、そういった意味での協議会の設置というのはそれは一歩前進だと思いますけれども、同時に、そういった上限的な、急激な負担増の抑制にかかわる措置につきましても御検討いただくように御要請を申し上げておきたいと、このように思います。
 それで、時間も限られておりますので、次の点に移らせていただきますけれども、前回も食費、居住費の話で御質問をさせていただきました。それで、私としては大臣から確たる御答弁がいただけなかったのは残念だと思っております。
 というのは、すなわち私は、七月末に告示を出して十月一日から、例えば第三段階の方は一万五千円、第四段階の方は三万一千円でしたか、それはやっぱり余裕があるんだというふうなお立場であろうとは思いますが、そうであるにしても余りにも急激であるしまた性急であるじゃないかと、このことを私は申し上げまして、大臣は、急激じゃないかというふうに私が申し上げたそのことについては、必ずしもそれを真っ正面から受け止めた御答弁をいただいておりませんで、急激であるかないかといいますよりもというふうに逃げられておるんでございます。
 私は、大臣にやっぱり、これは急激だと、それから性急過ぎると、周知徹底期間が短過ぎると、このように私は思っているんですけれど、このことについて真正面から答えていただきたいと思います。
#63
○国務大臣(尾辻秀久君) まず、先日のお答えの繰り返しのようになるかとも思いますけれども、今回こうした見直しをお願いしておりますそもそもでありますけれども、これは保険給付費が伸び続けております。そして、来年度がまた保険料の改定のときになるわけでございますが、大幅な引上げが見込まれる保険者もございます。そうした中で給付の適正化というのが喫緊の課題でございますので、再三申し上げておりますように、制度の持続可能性の観点からも居住費、食費の見直しは早急に行うことが求められておると申し上げております。
 その早急に行うことが求められておりますために、十月の実施を是非お願いしたいということでございまして、性急に過ぎないかということでお尋ねになって、それに答えようといたしますと、七月告示、十月実施でございますから、決して時間が余裕があるわけではない、かなり急いでお願いをしているということは、そのとおりでございますということは申し上げざるを得ないところでございます。
 更に申し上げますと、したがって、混乱のないように私どもとしては支援体制を整えなきゃならないと考えておるところでございます。
#64
○辻泰弘君 いろいろ負担を国民に求めるということはいろんな局面であるわけですけれども、やはりこの期間でこれだけの急激な負担を求めたことはかつてなかったんじゃないかと思うんですね。
 税制においても、三月法案通って、翌年の一月からというのは、あるいは住民税の場合はその後の六月からということになるでしょうか、そんなことになっているし、健康保険の改正なども過去にさかのぼって見せていただきましたけれども、一方的といいますか、あるときはこっちは負担を求め、こっちは軽減しているというようなこともあったりしますけれども、純粋にといいますか、純増になっている部分がこれだけの期間でこれだけの額というのは、私が調べたところはないんです。あのときもお聞きしましたけれども、ありますか、それ以上のものが。
#65
○政府参考人(中村秀一君) 何といいますか、最近の例として、医療制度改革の一環として行われました平成十四年の健康保険法の改正で、七十歳以上の高齢者の一定以上の所得の方につきまして、負担限度額を三万七千二百円から七万二千三百円、プラス一定の限度額を超えた額の一%とするという改正、あるいは本人の負担割合を二割から三割にするという改正を行わさせていただきましたが、この改正の、特に高齢者の方の分については、十四年七月二十六日に法案の可決成立をしていただきまして、平成十四年十月から実施をお願いをしたという例はございます。
 余り準備期間が短いことで例があるというのを、そうお答えするのも心苦しくてあれですが、こういう例でございます。
#66
○辻泰弘君 今のは四月で十月でしたかね、五か月か六か月。
#67
○政府参考人(中村秀一君) 七月です。
#68
○辻泰弘君 七月ですか。三か月ですか、そうですか。いずれにしても、今度は二か月かもしれませんけれども、いずれにしても短期間であるということはもう間違いない。大臣もお認めになったところです。
 そこで、前回も申しましたけれども、私なりに考えて、法改正がなくても、この今度の法律の中で、その弾力的運用ということで急激な負担増がなだらかにできないかということで私なりにペーパーにしてお渡しをさせていただいております。内容は前回のことに尽きて、申し上げたとおりでありますけれども、要は、五十一条の二第一項に基づく対象者について、その法案の中に「その他の事情」というのが書いてありますから、そこにおいて、第四段階の方、第三段階の方も含めて、今は一から三が対象になっているわけですけれども、四の方も入れるということにするということで対象として、かつ、その後に出ている上限の設定のときに、その方々について段階的に負担が上がっていくような仕組みを講ずることは法律上はできるというふうに事務的には聞いておりますし、私自身そう思っておりますが、そのことで対応するということで、なだらかな負担増というのはやっぱり考えてしかるべきじゃないかということで申し上げております。
 振り返りますと、介護保険制度導入当初、結局、半年間は負担を求めず、その後の一年間は二分の一で対応したということがあって、それはあのときの三党での申入れということがあったと思うんですけれども、そのときに、制度の本格的なスタートに向けての助走期間と位置付けると、このようなフレーズがございまして、それは一つ理解できるところでございます。もっとも、あれは法改正をせずにやられたということで、あのときに法改正せずと私が言っていることとの意味合いを考えますと、前の方がよっぽどラディカルだというふうに私は思いますけれども。
 いずれにいたしましても、今回の法の下においてもこういったことで弾力的運用ができると、そういうふうに思いますので、是非、私、ペーパーにして提示しておりますので、御検討いただいて、軽減対策、なだらかな負担につながるように御検討いただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#69
○国務大臣(尾辻秀久君) 先ほどこの問題につきましては制度の持続可能性の面からも申し上げましたが、さらにもう一点、負担の公平性という観点からも今回の見直しをお願いしておるところでございます。
 したがいまして、その中での今の第四段階の方々についてのお話でございますが、私どもといたしましては、相当程度の負担能力のある方だというふうに、第四段階の方々はあるというふうに思っておりますので、そういった方々には是非改めて本年十月からの御負担をお願いしたいと申し上げたいと存じます。
 ただ、いろんなことは考えておりまして、いろんなことということは、例えば利用者負担第四段階の方々でも、高齢夫婦二人暮らしの方々で、一方が施設に入所することで残された方の生活が困難となるようなケースについてとか、それは運用面で対応を図ろうと思っておりますし、それから、負担能力がおありだというふうに考えてというふうに申し上げましたが、もし、負担能力がない方々、すなわち、所得がどうしてもそれに見合わないという方々に対しては補足的給付を創設などいたしておりますので、さらにまた、社会福祉法人による減免措置の運用も拡充しようと考えております。
 様々な方策を取るということで是非御理解いただきたいと存じております。
#70
○辻泰弘君 今の御見解は、第四段階の人をあるときには第三段階に位置付けるというふうなことでの御対処ということを言っていらっしゃるのかと思うんですが、私は、第四段階そのものをストレートに受け止めてやるべきだという主張でございまして、その点については是非意をお酌み取りいただいて御対処いただくように、御要請を申し上げておきたいと思います。
 それで、もう時間が迫っておりますので、最後の質問をさせていただきますけれども、やはり私どもとして大事だと思いますことは、被保険者、受給者の範囲の拡大ということについてでございます。
 これについてはこれまでの議論もあるわけですけれども、これまでを振り返りますと、尾辻大臣は、個人的にはやはり拡大をしていくべきだというお立場でずっと昨年秋ごろも中心におっしゃっていたと思うのでございます。衆議院の確認答弁でもおっしゃっていたわけですけれども、介護保険部会とは異なる構成となると、また、でき得る限り幅広く国民各層を代表する層の参画を求めると、こういったことでの答弁になっているわけでございますけれども、この点についての大臣の拡大に向けてのやはり信念を披瀝していただきたいということと、このことについてどういう取組をしていかれるのかについて御質問させていただきたいと思います。
#71
○国務大臣(尾辻秀久君) この問題は私どもも最大課題だというふうに思っております。そして、個人的な思いを述べろと言われましたので、私の思いは述べさせていただいたこともございます。
 そうした中で、今後これにどういうふうに対応するかということになりますと、改めて申し上げますけれども、社会保障制度全般に関する一体的な見直しと併せまして、そして、その中で幅広く国民各層を代表する方々の参画を求めた新たな検討の場も設けまして、平成十八年度末までにはきっちりとした結論を得たいと存じております。
#72
○辻泰弘君 時間が参りましたので、私の質問を終わらせていただきます。
#73
○山本孝史君 民主党・新緑風会の山本孝史です。
 我が会派の最後の質問者でございますので、これまでの審議を通じて明らかにされた重要な項目について、再度、厚生労働大臣に確認答弁を求めたいと思います。
 なお、衆議院で行われた確認答弁の事項を再度取り上げることは時間の関係から極力避けましたけれども、衆参両院での確認答弁が民主党に対する確認答弁であると御理解をいただきたいと思います。
 全部で三十三項目ございます。時間の関係もございますので、順次お尋ねをしますので、よろしくお願いを申し上げます。
 今も辻議員からの御指摘があり、厚生労働大臣は最大の課題であるという御認識を示されました被保険者、受給者の範囲の拡大でございますが、これまでの審議において、十八年度末までに結論を得るよう新たな場を設けて検討を行うことが答弁されています。結論を得るまでにどのような取組をするのか、答弁を求めます。
#74
○国務大臣(尾辻秀久君) まず、冒頭申し上げたいと存じます。本日御質問いただきますことは、これまでの御審議の中で御指摘、御質問いただいたことについての確認でございますので、正確を期して答弁をさせていただきます。
 それでは、ただいまの御質問に対してお答えを申し上げます。
 十八年度末までには結論を得られるために、法律の成立後できるだけ速やかに人選に着手し、議論を開始したいと考えております。これまでに議論を重ねてきた社会保障審議会介護保険部会とは異なる構成となると考えておりますが、その場合、できる限り幅広く国民各層を代表する者の参画を求めたいと考えております。なお、範囲の拡大が議論の課題として含まれておりますので、拡大の検討対象となる者を代表する者の参加も検討いたします。
 議論の状況次第でありますが、来年度夏までには議論の中間報告を行うよう努めたいと考えております。
#75
○山本孝史君 政府内で検討されております新たな高齢者医療制度の姿によって介護保険制度も大きな影響を受けます。今年末までには新たな高齢者医療制度の改革案を示すとの公約を守ることを明確に御答弁ください。
 また、高齢者医療制度を一体化させた高齢者医療介護保険制度を目指すのか否か、明確な答弁を求めます。
#76
○国務大臣(尾辻秀久君) 新たな高齢者医療制度の創設につきましては、現在、社会保障審議会医療保険部会において検討を進めているところでございます。今後、成案を得て、来年の通常国会に法案を提出すべく精力的に検討を進めてまいります。
 なお、高齢者医療制度と介護保険制度を一体化することは考えておりません。
#77
○山本孝史君 新予防給付の対象者と判定されると家事援助型の訪問介護が受けられないと思っている人がたくさんおられます。要支援一、要支援二であっても家事援助は受けられること、同居家族がいても家族介護が困難な場合や離島、山間地や冬季の積雪などの諸条件がある場合は家事援助を受けることができること、訪問回数が多いから不適正なケアプランと単純に考えないことについて、確認を求めます。
#78
○国務大臣(尾辻秀久君) 新予防給付は、軽度者の既存サービスのうち一部の不適正なケースの適正化を目指すものであり、家事援助を一律にカットすることはありません。適切なケアマネジメントに基づいて提供される家事援助は認められます。具体的には、自力で困難な行為、掃除、買物、調達等でございます。申し訳ございません、調理でございます。もう一度申し上げますが、掃除、買物、調理等でございますが、そうしたものでございます。さらに、それについて同居家族による支えや地域の支え合い、支援サービスや他の福祉施設などの代替サービスが利用できないケースについては、ケアマネジメントによる個別の判断を経た上でサービスが提供されます。
 したがって、新予防給付のケアマネジメントにおいて、単に訪問回数のみによってプランの適否を判断するものではありません。
#79
○山本孝史君 新しい予防給付における予防訪問介護においても見守り的な援助が行われるケースも認められることについて、確認を求めます。
 また、時間単位の報酬という考え方から点数制に変えることを検討するべきではないか。答弁を求めます。
#80
○国務大臣(尾辻秀久君) ただいまのお答えの中で、福祉施策と申し上げるべきところを福祉施設と申し上げたようでございますので、訂正をさせておいていただきたいと存じます。
 それでは、ただいまの御質問にお答えを申し上げます。
 本人の生活能力を引き出すためのサービスを適切に組み合わせて手助けをする場合も、できる限り本人の持っておられる能力を生かす工夫をしながら行うことが介護保険の基本理念であり、したがって、予防訪問介護においても見守り的な援助が行われるケースも当然に認められます。
 訪問介護の基準、報酬については、介護保険部会の報告において、身体介護型、生活援助型という区分を行為別、機能別に再編成し、機能に応じた見直しを検討する必要があるとされているところであり、新予防給付における予防訪問介護についても、こうした指摘や介護給付費分科会の御議論等を踏まえ、総合的に検討いたします。
#81
○山本孝史君 現行の要支援、要介護一の者の中には限度額を超える利用をせざるを得ない要介護状態にある者もいることを踏まえて、要支援一、要支援二の限度額を設定すること、また、新たな限度額の設定によって自己負担が増額することがないように配慮することについて、確認を求めます。
#82
○国務大臣(尾辻秀久君) 支給限度額につきましては、利用者の平均的な状態を踏まえつつ、サービス内容や想定されるサービスの標準的な組合せを勘案いたしまして検討することとなります。
 新予防給付の導入に伴い認定区分が要介護一から要支援二に変更される方につきましては、適正な介護サービスの利用が妨げられることのないよう支給限度基準額の設定について十分配慮するなど、その具体的な水準について、今後、社会保障審議会介護給付費分科会における介護報酬に関する議論を踏まえつつ検討してまいります。
#83
○山本孝史君 中重度の人が在宅で暮らし続けられるようサービスの充実を図ることについて、確認を求めます。
#84
○国務大臣(尾辻秀久君) 中重度者については、現行の支給限度額を引き下げることは考えておらず、また、小規模多機能型居宅介護や夜間対応型訪問介護などの地域密着型サービスの整備や医療との連携の強化等により、在宅サービスのより一層の充実を図ってまいります。
#85
○山本孝史君 筋力向上トレーニングを受けるよう強制されることはないことについて、確認を求めます。
#86
○国務大臣(尾辻秀久君) 新予防給付のサービスにおきましても、利用者の選択が基本であり、強制されることはありません。マシンの利用や有酸素運動等を含む筋力向上を中心とするプランを本人が望まない場合は、それらのプログラムを含まないプランが適切なケアマネジメントに基づいて提供されるものといたします。
 また、筋力向上トレーニングを受けられない、受けたくない利用者が介護予防通所介護を利用できるように、現行の通所介護と同様に、筋力向上プログラムが含まれないサービスも提供されるものといたします。
#87
○山本孝史君 筋力向上トレーニングについては、専門家の指導の下で個々人に合ったプログラムを設定して行うなど、市町村におけるモデル事業や試行の結果を踏まえ、その実施方法や結果を持続させるための方策等について慎重に検討することが求められます。答弁を求めます。
#88
○国務大臣(尾辻秀久君) 筋力向上トレーニングの実施方法や効果を持続させるための方策等につきましては、市町村におけるモデル事業や試行の結果を踏まえ、慎重に検討いたします。
 また、他のサービスと同様、筋力向上トレーニングの利用者に対しても、事前に十分な説明を行い、同意に基づくサービス提供を行ってまいります。
#89
○山本孝史君 現行の要介護一の人が新予防給付の要支援に認定された場合には、介護施設を利用できなくなります。配慮が必要と考えます。答弁を求めます。
#90
○国務大臣(尾辻秀久君) 新予防給付の施行日前に要介護一で介護保険三施設に入所していた方が施行日以降要支援一又は要支援二となり新予防給付の対象となった場合でも、平成二十年度末までの三年間は引き続き入所できることとなっております。
#91
○山本孝史君 施設入所者の居住費や食費を保険外にする場合、利用者の負担が過重なものとならないような負担上限額が設定されていますが、特に第三段階、年金八十万円超え二百六十六万円以下の方のうち所得の低い層は、負担額が重く、残された配偶者の在宅での生活が困難になることもあり得ます。さらには、個室には入れなくなるのではないか、また、税制改正による高齢者の非課税限度額の見直しに伴い、十八年度以降は従来非課税であった世帯が課税となり、保険料だけでなく利用料が急増するのではないか、こうしたケースについて施設入所が困難とならないように配慮すべきだと考えます。答弁を求めます。
#92
○国務大臣(尾辻秀久君) 低所得者、第一から第三段階でございますが、この方々については、入所者の負担が過重とならないよう、負担上限額を設定して補足給付を行うこととしております。さらには、新三段階のうち、所得の低い層や、十八年度から税制改正により利用料が急増する層については、現行の社会福祉法人による入所者負担軽減措置の運用を、収入要件を百五十万円に引き上げる方向で検討し、きめ細かな対応を行ってまいります。
 利用料のみならず、保険料についても、税制改正の趣旨を踏まえ、激変緩和措置を講じてまいります。
 保険外負担を含めて利用者負担については、改正後の実態を把握しつつ、必要があれば適切な是正を行ってまいります。
 また、本来適用されるべき食費、居住費を負担した場合に生活保護を必要とする状態となる方については、より低い利用者負担段階に引き下げ、負担の軽減を図ってまいります。
#93
○山本孝史君 保険料段階が新四段階以上であっても、高齢夫婦二人暮らしで一方が個室やユニットに入った場合には、残された配偶者が在宅で生活が困難となる場合があり得ます。こうした場合への対応をどうするのか、答弁を求めます。
#94
○国務大臣(尾辻秀久君) 御指摘のケースで、残された配偶者の収入が年額八十万円以下であり、預貯金等の資産が四百五十万円以下となるなどの一定の場合には、当該世帯は新三段階とみなして、特定入所者介護サービス費を適用する方向で、運用面での対応を図りたいと考えております。
#95
○山本孝史君 これまで厚生労働省は、介護施設の経営実態調査のデータなどを基に、補足給付の基準として、食費は四万八千円、居住費は、多床室一万円、個室はユニット型が六万円、ユニット型以外が五万円という水準を示してきました。今後、具体的な介護報酬の議論をしていく際には、より直近の施設経営実態を反映したデータを使うべきではないかと考えます。答弁を求めます。
#96
○国務大臣(尾辻秀久君) 御指摘の食費、居住費の水準につきましては、平成十四年三月の介護事業経営実態調査における介護三施設のデータなどを参考に設定したものですが、御指摘のとおり、より直近の施設の経営実態を反映したデータを用いることが必要と考えます。
 このため、現在、平成十六年九月時点での介護事業経営実態を同じ手法により調査した結果を集計しているところであり、今後、社会保障審議会介護給付費分科会において介護報酬について議論いただく際には、このデータを基に、より実態に合った水準となるよう、御議論いただけるようにいたします。
#97
○山本孝史君 平成十五年三月に閣議決定された医療保険制度改革に関する基本方針では、医療保険、老人医療及び介護保険の自己負担が著しく高額になる場合に、その軽減を図る仕組みの創設がうたわれております。必ず軽減制度を創設することについての御確認を求めます。
#98
○国務大臣(尾辻秀久君) 医療保険給付と介護保険給付の自己負担の合算額が著しく高額になる場合の負担の軽減を図る仕組みについては、医療保険、介護保険、それぞれの制度における自己負担の在り方を踏まえた上で、異なる保険者間での自己負担の合算方法、実施主体の設定や事務負担への対応、制度を通じて軽減すべき負担の水準や費用負担といった課題について、平成十四年健保法等改正法附則や医療保険制度改革に関する基本方針に沿って、次期医療保険制度改革の中で実現を図ってまいります。
#99
○山本孝史君 施設入所者の居住費、食費を本年十月から保険外とすることは、実施までの期間が余りに短く、現場での混乱は必至だと考えます。延期を含めて何らかの対策を講ずるべきではないか、また、現場に混乱を招かないよう、制度見直しの趣旨や内容の十分な周知に努めるべきだと考えますが、答弁を求めます。
#100
○国務大臣(尾辻秀久君) 保険給付費が伸び続け、来年度に大幅な保険料の引上げが見込まれる保険者もある中で、給付の適正化は喫緊の課題であり、制度の持続可能性の観点からも、居住費、食費の見直しは早急に行うことが求められております。
 このため、見直しは本年十月から実施したいと考えておりますが、施行に当たっては、全国介護保険担当課長会議や直接市町村職員を集めた会議等において必要な情報をお伝えするとともに、自治体からの照会や相談に対応すべく、各都道府県ごとの担当制を導入し、支援体制を整えたところであります。
 今後、自治体を通じて事業者や利用者に今回の制度見直しの趣旨や内容が十分理解されるよう、全面的に支援してまいります。
#101
○山本孝史君 介護付きの住宅あるいは療養病床の経過措置等いろいろございますけれども、まずは、介護サービスが行われているとの観点から、介護付き住宅の一元化を図ることによって、家賃補助制度を含む高齢者住宅政策との連携を図りつつ、だれもが安心して良質の施設介護サービスが受けられるようにすべきです。また、いわゆるケア付きマンションについてはどのような対策が講じられようとしているのか、答弁を求めます。
#102
○国務大臣(尾辻秀久君) 高齢者の住宅政策等を所管する関係省、関係機関とも連携を図りながら、高齢者向け優良賃貸住宅など専ら高齢者単身・夫婦世帯を対象とする賃貸住宅も、有料老人ホームやケアハウスとともに介護保険の特定施設の対象に追加するなど、高齢者が安心できる住まいの拡充に取り組んでまいります。また、いわゆるケア付きマンションについては、今回の改正により、有料老人ホームの対象とすることとしているところです。
 なお、有料老人ホームについては、帳簿の保存や情報の公表、一時金の保全措置の義務化等を行い、入居者保護の充実を図ることとしております。
#103
○山本孝史君 今朝の新聞見ておりましても、やっぱりこのケア付きマンションといいましょうか、有料老人ホームの広告、大きいんですよね。金額も物すごくばらつきがあります。資産を持っておられる方にとってはいいのかもしれません。しかし、よくよく読んでみると、病気をしたときには退去していただくことがありますと書いてあるんですね。その入居一時金が、入居時点で三割償却、残りを五年で償却、そのときに残っているものをお返ししますと、こうなっているんですが、病気をしたら追い出されるわ、五年の間に償却はされるわで、何も残らないんですよね。自宅を売却して入ってこられて、それであとはほうり出される。事業者だけがもうかっていく。
 何回も指摘していますように、ここのケア付きマンションの部分は、今まで皆さんが余り手を付けてこなかったというか、全くすき間に落ち込んでいる中で事業者が利権に走っているということは明らかですので、有料老人ホームの広告問題ですとかはかねてから随分議論になってやってきましたが、介護保険施設ができ上がって以降のケア付きマンションというかケア付き住宅の在り方について、何度も指摘しておりますが、是非ともにしっかりとした手だてを講じていただきたいと思います。
 それから、次の質問に参ります。
 介護保険制度ができ上がりましたときの目的の一つは社会的入院の解消でございましたが、その社会的入院の解消に向けて、達成目標を設定するなど、更に力を入れて取り組むべきだと考えております。今後どのような取組を進めるのか、答弁を求めます。
#104
○国務大臣(尾辻秀久君) いわゆる社会的入院の解消については、介護保険制度の施行後に一定の進展が見られたものと考えておりますが、今後とも、個々の患者の状態に応じた適切なサービスが提供されるよう、医療と介護の適切な役割分担と連携を促進することなどにより、社会的入院の解消に努めてまいります。
#105
○山本孝史君 ここもかなり議論がありましたところで、例の介護療養型病床について、いわゆる老人病院の経過措置については早急にそれを撤廃するということで、これ、介護保険制度ができたときのお約束の一つだったと思いますが、今回も残念ながらそこには余り進展が見られておりません。一方で、医療療養型の病床とこの介護療養型の病床と全く同じなのに、どう違うのかと。片一方の方で、居住費あるいは食費等のコストが掛かってくるじゃないか、両方の間で混乱が起きるねと。患者さんを右から左へ、左から右へということになるねというのは指摘があったとおりでして、医療保険制度のこれからの見直しの中で、介護報酬あるいは診療報酬等々含めて検討していかれるんだと思いますが、この部分もお約束だったと思いますので、進んできたということは御答弁の中で確認をしましたけれども、更に進めていただきたいと思います。
 それから、次に参ります。
 介護労働者の労働環境の改善ということについては、これもこの本委員会でかなり多くの質問が出た部分でございます。その点について御確認を求めたいと思います。
 サービスの質を確保するには、介護労働者の労働条件の改善が不可欠でございます。直行直帰型のヘルパーや、施設での夜勤、移動あるいは報告書作成時間が労働時間として算定されているかなど、介護労働の実態をより詳細に把握をし、労働基準法等関係法令の遵守の徹底を図るとともに、介護施設の人員配置基準の見直しや、移動や待機時間も考慮した介護報酬の設定など、所要の措置を講ずるべきことについて、確認を求めます。
#106
○国務大臣(尾辻秀久君) 介護労働者の法定労働条件につきましては、監督指導等を通じて実態を把握してまいります。また、今後とも、都道府県及び関係団体との連携を図り、引き続き、平成十六年八月に発出した通達、「訪問介護労働者の法定労働条件の確保について」の内容の周知徹底をするほか、労働基準法等関係法令上の問題が認められた場合には、的確な監督指導を行うとともに、介護事業場に対する指導権限を持つ都道府県への必要な情報提供を行い、連携を図った取組を行うことにより、法定労働条件の確保を図ってまいります。
 また、現行の訪問介護の介護報酬につきましては、既にヘルパーの移動時間や待機時間の給料分を含めて評価した形で介護報酬が設定されているところでありますが、次期介護報酬の見直しにおいても、サービス提供の実態や事業者の経営実態等を踏まえ、適切に設定してまいります。
 さらに、直行直帰型の勤務形態につきましては、ヘルパーの勤務形態は、基本的にはヘルパーと事業主の雇用契約によるため、一概にあるべき働き方を示すことは難しいものの、サービスの質を確保する観点から、現場のチームケアが確保されるよう、各々の事業所においてサービス提供者相互の連携がなされ、情報を共有する体制を取ることが必要であり、このような観点からは課題もあると認識しています。今後はさらに、チームケアも含めた介護職員の専門性の向上を図るため、雇用管理の問題も含め、サービス提供責任者の役割の見直し、介護職員の研修の充実等を図ってまいります。
#107
○山本孝史君 やはり、良質な介護サービスになるかどうか、ヘルパーさんの技量あるいは働き方にかなり大きく影響されております。とりわけ直行直帰型の働き方、派遣労働的なもので、やはり御本人の、何といいましょうか、モラルアップといいましょうか、あるいはスキルの向上という点からも、ここの部分は見直しがやっぱり必要だと思います。
   〔理事武見敬三君退席、理事国井正幸君着席〕
 その働き方について、今回やはり立入りの検査をする、労働法規がどのように守られているのかということについても的確にチェックをしていくことについて、もっと前向きの姿勢を示していただいていいのではないかと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 これも会派委員から指摘がございました、ホームヘルプのサービス提供責任者がもっと機能を発揮できるような環境を整備するべきではないかということについて、確認を求めたいと思います。
#108
○国務大臣(尾辻秀久君) ホームヘルプのサービス提供責任者については、サービスの質の向上、現場において人材育成等に責任を負う役職者としての役割の確立、介護職員の能力開発とキャリア開発の支援等の観点から求められる知識、技術等に応じた研修体系の見直し、充実強化に取り組んでまいります。
#109
○山本孝史君 サービス提供責任者というものを位置付けていってそれへの報酬をどうするかというときに、まあそれは事業者単位の中での問題だということもおっしゃったと思いますが、やはり私は、今のヘルパーさんたちの働き方を見ていて、若い人たちがずっとおられて、あの年齢構成であのまま上に上がっていくというような、施設なんか見ていても考えられないような、とにかく安い労働力でやって何年かたったら辞めていただくという形になっていると思うんですね。そういうところをやはり、ホームヘルパーさんとしての訪問介護の部分においてもいろいろな部分で、やはりヘルパーさんをもっともっと大切にして働きやすい状況をつくるということは大変重要だと思います。
 その点で、介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律の第六条に基づき、厚生労働大臣が作成する介護雇用管理改善等計画について一定の達成目標あるいは目安を盛り込むことが大変重要だと考えておりますが、この点についての確認を求めます。
#110
○国務大臣(尾辻秀久君) 介護雇用管理改善等計画については、介護保険制度や資格制度の見直しの結果を踏まえ、計画期間中であっても必要な見直しを行うこととしており、その際、一定の到達目標等を計画に盛り込むことについても検討してまいります。
#111
○山本孝史君 繰り返しですが、到達目標というのは数値を入れるということが極めて重要でして、これが、みんなに公表している、あるいは公約をしている、したがって外からも評価の対象になる、我々も物が言えるということですので、是非この到達目標あるいは目安を盛り込んでいただきたいと思います。
 それから、次の質問ですが、認知症やターミナルケアに対応した研修の実施など、介護従事者の質の向上に取り組むとともに、研修の受講中は賃金の対象となるなど、無理のない研修体系を考慮することについて確認を求めます。
#112
○国務大臣(尾辻秀久君) 認知症やターミナルケアに対応した研修の充実など、介護従事者の質の向上に向けた研修体系の見直しに取り組むこととしています。また、研修の内容については、現任者が受講しやすいカリキュラムや研修方法等を検討してまいります。
 介護従事者の研修機会の確保は事業者の責務であり、現行の指定基準にも定められているところであり、適切に研修機会が確保されるよう、事業者への周知を図ってまいります。
#113
○山本孝史君 技能の向上に努めるというのは、働いている者すべて自ら取り組まなきゃいけないことだと思いますが、それを事業者の方が、それはもうあなたが勝手におやりになることだということではなかなか上がっていかないでしょうし、そういう意味では、介護報酬上も含めて研修が受けれるような体制をつくるということが大変重要。とりわけ、これから認知症あるいはターミナルケアといった医療と介護との、まあ整合性ということでいろいろ質問されましたけれども、そこのやっぱり前線におられる介護労働者の皆さん方が知識を持ち、そして仕事に張り合いが持てるといいましょうか、そういう形を是非取っていくべきだと思いますので、この点もお願いをしたいと思います。
 情報開示の問題についてお尋ねをしたいと思います。第三者評価の義務付けと情報開示の標準化の取組という二つがございますが、この両者を整理をし、利用者による適正な選択を可能とするための情報開示の徹底を図るとともに、契約内容の明示を徹底するべきではないでしょうか。また、万一情報開示において虚偽の報告があった場合にはどうするのか、答弁を求めます。
#114
○国務大臣(尾辻秀久君) 介護保険制度は、利用者の選択を基本としており、利用者による選択を通じてサービスの質の向上が図られるよう、外部の評価機関が評価するのではなく、利用者の選択に資する客観的な事実に関する情報を公表する制度としたところです。
 利用者との契約内容についても、利用者の選択に資する情報については公表の徹底を図ってまいります。また、情報の公表制度における虚偽報告は、事業者指定の取消し等の処分の対象にもなり得るものであり、そうした点について周知徹底を図り、適切な情報公表を推進してまいります。
#115
○山本孝史君 いかにして閉ざされがちな施設をオープンにするか、密室で行われる介護サービスについていかに外部の目を入れ込むかということが大変重要な課題で、そのために今回の情報開示のシステムがつくられたと思いますが、両方の制度が混在しておりまして、御指摘申し上げましたように混乱をしておりますので、ここはしっかり取組をしていただきたい。
 聞いておりますと、恐らくこれは、厚生労働省としてはできる限りの情報を提供して、後は利用者がそれをどう使うかというお立場のようでございます。各自治体、私の記憶では、大津市等々はこうした情報を自ら保険者として整理をして市民に提供するという仕組みも取っておられますので、厚生労働省がやる部分と保険者である地域がやる部分とはそれぞれ役割分担があるのかもしれませんが、できるだけ住民に対して、利用者に対して有益な情報の提供に努めていただきたいと思います。
 今法案の私は最大のテーマであったと思いますのは、地域包括支援センターを設立をするということでございます。地域包括支援センターの設置を進めるに当たっては、職員体制の確保ができるように支援するとともに、他の模範となるべき事例を示すなど、保険者への強力な支援体制を整えるべきだと考えておりますが、このことについて確認を求めます。
#116
○国務大臣(尾辻秀久君) 地域包括支援センターについては、専門三職種それぞれに経過措置を設けることにより、職員体制の確保を支援しているところであります。また、今後、全国課長会議の場等を活用し、御指摘の地域包括支援センター設置に当たって範となるべき事例の提示も含め、保険者への支援を十分に行ってまいります。
 なお、地域包括支援センターの運営を在宅介護支援センターに委託する際には、市町村の責任を明らかにしつつ、公正中立を確保する観点から介護予防サービス事業からの独立性を担保するなど、運営協議会の仕組みについて指導してまいります。
#117
○山本孝史君 恐らく、この地域包括支援センターというのはかなりいろいろなものが出てくるんだろうと思います。そのときに、やはり厚生労働省がこういう姿がいいという、まあベストとは言いませんが、できるだけそういう姿を模範として示してあげることで、我々も、どういうものにならなければいけないということがやっぱりよく分かってくる。尾道のケースも何回か紹介されましたけれども、幾つかそういったケースを是非紹介をしていただきたいと思います。
 それから、二号被保険者や医療保険者が給付サービスに関与できるようにすることが大変重要でございます。地域包括支援センターの運営協議会にも利用者や被保険者の意見が反映されるよう、これらの参加を必須とすること。また、辻委員からも指摘がありましたが、二号被保険者や医療保険者の代表が全国的な場で介護保険制度の運営に関与していく、そういった仕組みを先ほど年内に設けると御答弁されたと思いますが、このことについて確認を求めます。
#118
○国務大臣(尾辻秀久君) 介護保険制度について二号被保険者や医療保険者の代表が制度運営により一層関与していく観点から、自治体における介護保険事業計画等の策定への参画を進めてまいります。
 また、地域包括支援センター運営協議会の構成団体としては、サービス利用者や被保険者、一号、二号の両方でございますが、そうした方々の代表を入れるよう自治体に周知してまいります。
 さらに、全国的な場での介護保険制度の運営に関しては、昨年七月にまとめられた社会保障審議会介護保険部会の報告においても指摘されているところであり、厚生労働省において、保険者や第一号被保険者とともに、第二号被保険者や医療保険者などで構成する協議会を設置することも視野に入れて、具体的な取組について今後関係者と検討してまいります。
#119
○山本孝史君 次に、地域支援事業におけるいわゆる対象者のスクリーニングの問題ですが、その仕組みについていろいろ議論が交わされたところですけれども、この地域支援事業の対象者を生み出すために健康診断、健診制度との連携を図るべきではないかと思います。また、この健診に要する費用は医療保険制度側で負担すべきだと思いますが、答弁を求めます。
#120
○国務大臣(尾辻秀久君) 老人保健事業において実施している健診の取扱いにつきましては、その費用の在り方も含め、平成十八年度予算編成までに、今後予定されている医療制度改革や健康フロンティア戦略との関係も含め整理することとしておりますが、その実施に当たっては、地域支援事業の介護予防スクリーニングとの密接な連携の下で、効果的、効率的な事業実施が可能となるよう工夫してまいります。
#121
○山本孝史君 足立委員からも度々ここは御指摘があったところですので、よく足立先生のアイデア等も活用していただければというふうに思います。
 地域包括支援センターにおいて行われるこの地域支援事業の財源について、税財源を充てることが妥当だという御意見もございます。保険料からも充当する場合は、地域支援事業の範囲が過度に拡大しないようにその上限及び事業内容を厳しく定めるべきではないかと思いますが、答弁を求めます。
#122
○国務大臣(尾辻秀久君) 地域包括支援センターにおいて行われる地域支援事業については、保険料を充当する事業の範囲が過度に拡大しないようにその上限及び事業内容を政令で定めるとともに、各保険者において事業実績の公表を行うことといたします。
#123
○山本孝史君 ここのところの社会保障制度改革議論の中で、社会保険制度と税財源によるところの制度、この混在といいましょうか、仕分といいましょうか、財源として社会保険料を充てるのか税を充てるのかというのは、いろんな議論で、ここはやっぱり整理が付いてないところだと思います。
 ただ、私、納税者側からしますとというか被保険者の立場からしますと、実は余り保険料か税かというのは区別がないほどに今なってきてしまっているのではないかと思うんですね。社会保険制度と言いつつも、実はほとんど税に近い形になっている。ここのところ、都合よく社会保険だあるいは税だということを使わないで、説明をするところはきっちり説明をしていくということが私は必要だと思います。
 その他いろいろございますので次に参りますが、特定疾病に末期がんを追加するということについて、小児がん以外はすべて対象に入れるべきではないか、このことについての答弁を求めたいと思います。
#124
○国務大臣(尾辻秀久君) 専門家の御意見を踏まえつつ、御指摘の方向で検討してまいります。
#125
○山本孝史君 私、医者ではございませんので、何が加齢に伴う特定疾病なのかということについての判断は分かりません。がんなのか、あるいは脳血管障害か、どこがどうなのかというのは分かりませんけれども、私の母親も乳がんで、在宅で父親がずっと介護をしまして、最後の最後は病院にお世話になりましたけれども、しかしこの介護期間が結構長うございまして、父親がホームヘルパーを受け入れたかどうかはいろいろ議論が分かれるところですが、家事援助を受けておりましたので、そういった形で、六か月かどうかという判断は当初付きにくいですけれども、しかし、そういう方がおられたら大変看護している側は非常に助かるんだと思うんです。必要だと思います。
 これをしかしやっていきますと、一体何が介護保険制度の範囲なのかというところの根本的な議論に参りますので、一番最初に御質問申し上げましたこの範囲の拡大の問題について早急に議論を重ねていただきたいと思います。
 それから次に、認知症高齢者のケアモデルの確立に努めることについて確認を求めたいと思います。
#126
○国務大臣(尾辻秀久君) 認知症ケアについては、現場での実践例の集積の中から標準化を検討していくことも今後の重要な課題と考えており、地域密着型サービスの実践も踏まえ、不断の研究を進めてまいります。
#127
○山本孝史君 大変重要なポイントだと思いますので、よろしくお願いします。
 それから、これも足立委員の御指摘でございましたけれども、言語聴覚士がその専門性から高齢者の心身の機能の維持回復に関して重要な役割を担っております。このことをかんがみ、介護保険制度の様々なサービスにおいて広く言語聴覚士の皆さん方が活躍できるように、規定の整備を含めて必要な措置を講ずるということについての確認を求めます。
#128
○国務大臣(尾辻秀久君) 御指摘のとおり、現行の介護保険制度における訪問看護、訪問リハビリテーション等の訪問系サービスでは言語聴覚士に関する規定は設けられておりません。しかしながら、在宅サービスの利用者の中には口腔機能の低下などの問題を抱える方も考えられるところであり、これらの方々がニーズに応じたサービスを選択できるよう、訪問系のサービスにおける言語聴覚士の活用について、今後、社会保障審議会介護給付費分科会における議論を踏まえ、検討してまいります。
#129
○山本孝史君 医療と介護の連携ということが議論の一つでございました。訪問看護ステーションを活用した多機能サービスについて、介護保険制度において実施をする、そういうことを通じて在宅の中重度者への支援を強化するということについても確認を求めたいと思います。
#130
○国務大臣(尾辻秀久君) 医療型多機能サービスにつきましては、社会保障審議会介護保険部会の意見書において「一つの方向性として考えられる。」とされていることもあり、今後新たなサービス形態として検討を進めてまいります。
 そして、小規模多機能サービスなどの地域密着型サービスの充実、訪問看護ステーションや地域に密着した医療機関を活用した医療と介護の連携強化を図ることにより、在宅の中重度者への支援の強化を図ることといたします。
#131
○山本孝史君 地域で診療所の先生方が診療行為を行いながら、同時に、グループホームですとかあるいはデイケアセンターとかを用いて、併設しながら活動しておられます。ほぼ労働基準法に違反しているというぐらいに働いておられるという実態もよく知ってはおりますけれども、デイケアセンターに来られる、そこで入浴される、そこのところでいろんな医療行為といいましょうか、床ずれがあったり、そういうことだとか、あるいはいろんな指導をなされるということがあって、大変に医療費という面からもそういうシステムの方がいいよといって頑張っておられる先生方もたくさんおられるんですね。
 こういった、是非、小規模多機能サービスの展開というものを、やはり先ほどの御質問あったように、医療という部分があって安心につながる部分が大変に多いと思いますので、介護保険は医療と介護がどうなってんねんという御質問もありましたけれども、そこは元々の制度の発足の経緯もありますので、医療と介護の連携、しっかり図りながら制度の整備に努めていただきたいと思います。
 それから、同様に、介護施設やグループホーム入居者の健康管理体制の強化が求められております。また、ターミナルケアを含めた医療との連携を図っていくことが大変重要だと考えておりますが、この点についての確認を求めたいと思います。
#132
○国務大臣(尾辻秀久君) 外部の訪問看護サービスの活用を含めた介護施設やグループホーム入居者に係る健康管理体制の強化や、在宅グループホーム、介護施設におけるターミナルケアの充実につきましては、今後、医療と介護の連携の在り方も含め、平成十八年四月に予定されている介護報酬等の見直しに向けての議論の中で検討してまいります。
#133
○山本孝史君 それから、家族やヘルパーが行える医療行為についてですが、ここがなかなか整理ができておりません。介護者の負担を軽減する方向で早急に見直しを行って所要の措置を講ずるべきだと考えております。この点についての答弁を求めます。
#134
○国務大臣(尾辻秀久君) 在宅での家族以外の方によるたんの吸引について、看護職員等による吸引方法の指導等の一定の条件の下で当面やむを得ないものとして容認されるとの考えを各都道府県に通知したところであり、今後はこの趣旨を機会をとらえて周知してまいりたいと考えます。
 また、医療機関以外の介護の現場等において判断に疑義の生じることの多い行為であって、原則として医行為ではないと考えられるものについては、既にその通知案を作成し、一般からの御意見を募集したところであり、今後、この通知の発出等により、できる限り疑義が生じないように対処してまいります。
#135
○山本孝史君 御指摘申し上げましたように、医療関係者から家族に対しては、何でもできるよ、これもやってみたらというのでどんどんどんどん広がっているという部分が正直あって、私も御指摘申し上げたように、たんの吸引よりは胃瘻の方がはるかに簡単なのに、そこはなかなか認められていないので、ヘルパーさん、そのためだけに一日三回来てもらわなければいけないというのもどうかなという声も御本人の側からお聞きをしたりします。
 何が医療行為なのかということについて規定はないというふうに思いますけれども、ここはやはり早急に整理をしていただいて、そしてできるものとできないもの、あるいはまた、その範囲の中においても、ヘルパーさんたちが感染症のことも心配しておられる部分もあるわけで、責任をだれが取るかということになると、だれも取らないから宙に浮いているわけですけれども、こういったところについてやはり整理をするのが厚生労働省の仕事だと私は思いますので、対応を求めたいというふうに思います。
 さて、いろいろ御答弁を聞いておりますと、これから医療制度がどうなるか、あるいは医療の診療報酬がどうなるか、介護報酬がどうなるか、それが見えてこないと制度が見えないという部分が実は幾つかあるんですよね。そういう意味で、介護報酬は今年末ぐらいまでに決まってくるのかというふうに思いますが、この介護報酬の決定次第では介護保険制度の在り方が大きく影響されてまいります。
 今後、新介護報酬の骨格が固まり次第公表して、国会での議論にも付すべきではないかというふうに考えておりますが、このことについての確認を求めたいと思います。
#136
○国務大臣(尾辻秀久君) 介護報酬につきましては、国会を始め、できる限り幅広い議論の参考となるよう、その検討作業を急ぐとともに、その骨格が固まり次第、適切な時期に公表してまいります。
#137
○山本孝史君 この委員会で私たちが求めたのは、何点になるかというのはなかなか言いにくいだろう、しかし、どちらの方向に行くのかということぐらいは言えるんじゃないか、こんなことで御答弁を求めてきたわけですが。
 事業者の皆さん方にとっては一点が上がる下がるは生き死ににかかわっているようなものですから、非常に敏感に反応してこられるので、なかなか公の場で議論するというのは難しい、そういう気持ちも私はよく分かるんですね。よく分かるんですが、我々にとってみれば、これからどっちへ行くのかということは、おおよそのところはお示しをいただきましたけれども、大変に重要なポイントでございますので、秋の臨時国会になるのでしょうか、是非こういった骨格の方向性、決まった部分から公表いただいて、また議論を重ねさせていただきたい。同時に、高齢者医療制度の骨格も年末までには固まってくるということですから、こういったものも含めて、来年の医療国会に向けてしっかりとした対応をしていかなければいけないと思っております。
 今まで御答弁いただきました点について、今後の政省令の制定に当たっては、今回確認させていただいた、これは衆議院側も含めてですが、確認答弁を踏まえることについて、再度確認をさせていただきます。
#138
○国務大臣(尾辻秀久君) 御答弁させていただきました内容を踏まえ、政省令の策定作業を進めてまいります。
#139
○山本孝史君 私、最初に質問に立たせていただきましたときに、私も前回この介護保険制度ができますときから衆議院におりまして、いろいろとかかわりをさせていただきました。
 それで、今回も御指摘申し上げましたけれども、この介護保険制度が一番新しい保険制度でございますので、この制度がある意味では切り開いてきた分野もあるし、そこがまた後退していくような感じに受け止められる部分もあったりします。ほかの制度との整合性ということが今回極めて何人かの委員から御指摘があって、端的に言えば、自己負担割合が医療制度の間では異なりますし、年齢の部分も違ってきます。そういったことの整理がやはり必要になってきているんだと思います。
 なかなか、社会保障全体に対する厚生労働省の思いと、経済財政諮問会議等々で指摘される部分との間で今綱引きがされているんだと思いますけれども、しっかりとしたビジョンというものを示していただくということが大変重要なんだろうと思っております。
 それにつけましても、やはり厚生労働省の今回の介護保険法改正案に対する説明の仕方はいかにもまずかった。答弁はいかにも反感を買う答弁であったといって皆さんから御指摘申し上げましたけれども、事業者が非常に利権というものを考えますので、この経済市場ですから。そういったことが相絡まって大変に混乱をした説明ぶりあるいは受け止めぶりだったんだと思うんですね。
 そういう意味で、参議院に来てから随分と審議深まってきたというふうに思っておりますけれども、やはり先ほど申し上げましたように、介護保険制度をどうしていくかということは非常に大きなテーマなんです。社会保障、社会保険、あるいは地方分権、あるいは住民参加、地方自治という形、どこの点を取っても、実は介護保険が非常に大きな役割を担っているのです。今や否定する人はいないと思うんですね、この制度の重要性について。
 そういったことを踏まえて、やはりより一歩先を行く、しかも分かりやすい説明を厚生労働省には求めたいと、重ねてお願いをしたいと思います。
 本当の声はどこにあるのかということが非常に重要で、利権に走っておられる事業者の気持ちといった部分、あるいは負担を嫌うという方たちの話、それぞれのお立場でそれぞれのことをおっしゃいますから、それは必ずしも一つではないわけですね。そこはやはり選別をしながらこういう一つの制度にまとめていくということは大変重要で、そこのところで御説明ぶりは大変苦しかったのかもしれませんけれども、再度、今後とも社会保障制度改革は続きますので、それぞれの中で説明を十分にしていただくことと、国民の間に無用の混乱を生じさせないような仕組みの在り方。まあ、週刊誌読む人はいるけど議事録読む人少ないんです。ここら辺私も非常に頭の痛いところですが、しっかりとした議論をするために、変な声に惑わされないようにするためにも、答弁される方がしっかりとした御説明をしていただきたいということを最後に重ねて申し上げまして、私の確認答弁の質問を終わらせていただきたいというふうに思います。
 ありがとうございました。
#140
○理事(国井正幸君) 午前中の質疑はこの程度とし、午後一時二十分まで休憩といたします。
   午後零時三十一分休憩
     ─────・─────
   午後一時二十分開会
   〔理事国井正幸君委員長席に着く〕
#141
○理事(国井正幸君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、介護保険法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#142
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 軽度の要介護者の悪化の原因ということが最初から非常に議論になってきたわけですが、この問題について新しい調査結果が出されております。
 今日、資料で配付をしておりますけれども、これ業界紙のシルバー新報という新聞でも一面トップで紹介されている調査結果です。NPO法人地域保健研究会がまとめた軽度要介護高齢者の介護度重度化要因調査研究報告書というものであります。
 この中身、若干紹介しますと、どういう方たちがこれを調査しているかといいますと、保健師さんたち、しかも介護予防事業やあるいは介護従事者の教育指導に当たっているかなりの専門家の皆さんがこれは調査分析をされている。その結果、軽度の要介護者がなぜ悪化したのか。表四というところにありますが、一番多いのは疾患なんですね、病気なんですね。脳血管障害あるいはがんなどの疾患で四十四件、次いで認知症が三十九件、加齢による脆弱化が二十三件、転倒というのは十四件にすぎないわけです。
 私、この検討結果を聞いて非常に興味を持ったのは、この研究会の皆さんは、厚生労働省は介護度の悪化の原因は介護のやり過ぎだと、家事代行などが悪化の原因だと言っているから、悪化要因として一応それもチェック項目に入れたそうなんです。介護過剰という項目を作って、過剰な家事援助やあるいは家族を含む他者への依存が重度化の要因になっていないかと検討したそうなんです。ところが、検討した結果それは一人もいなかったので、結果として、分析の段階ではこの要因の中から削除したということを聞きました。
 局長に私お聞きしたいんですが、この結果、要介護度の悪化の最大の原因は病気なんだと、過剰な介護ということは調査したけれども一件もなかったと、この結果をどう考えますか。私は、厚労省の説明をこれは否定する内容になっているのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
#143
○政府参考人(中村秀一君) 今御紹介のありました研究につきましては、平成十二年四月と平成十四年十月のケアマネジャーからの情報によって得られた百名に対しまして、重度化や死亡の要因、そういったことを担当ケアマネジャーの面接により聞き及んだ調査だというふうに聞いております。結果はここの表に出ているとおり、疾患、認知症、加齢による脆弱化が多いということが示されております。
 私ども、軽度者の要介護となった要因ということにつきましては、廃用症候群などの部分が多く、また、そのほかに脳血管疾患、認知症があるというようなことを申し上げてきましたので、そういう全国的な傾向の中でこの百名の事例が、言わば詳細にと申しますか、ケアマネジャーさんからのデータで示されたものと考えております。
 要介護度の重度化要因について、この調査結果を直ちに普遍化するのは、一定の制約、医師の診断などではなく、重度化の要因についてのケアマネジャーの聞き取り調査である点などについて制約はあると思いますけれども、報告書でも述べられておりますように、慢性退行性疾患の療養指導や廃用症候群の予防対策が重要であるということを指摘している報告の一つであると考えております。
#144
○小池晃君 直ちに普遍化できないと言うけれども、お聞きしますが、こういう軽度の要介護者の要介護度悪化要因について調査した研究というのはありますか。私はほかに見たことないんですが、どうですか。
#145
○政府参考人(中村秀一君) 私どもも、悪化要因について具体的にどういう研究があるかについては今直ちに思い浮かばないわけでございますが、そういった意味では、ある意味で貴重な研究ではないかと思っております。
#146
○小池晃君 ほかにこういう分析というのは余りないんですよ。その結果、局長は答弁していない、今答えていないんだけれども、過剰介護という項目をわざわざ作って、この研究会の皆さんはどちらかといえば介護予防を推進する積極的な立場の方たちだから、過剰介護というのはあるだろうということで項目まで作ったけれども、結局それは一例もなかったというんですよ。これは正に今までの厚労省の説明を覆すものになっているんじゃないかと、その点についてお答えいただきたいんです。
#147
○政府参考人(中村秀一君) この調査研究の詳細について今ここでコメントするあれではございませんが、やはりケアマネジャーさんからの聞き取りの調査ということもありますので、ケアマネジャーさんはケアプランを作っておられる方でございますから、そういった意味での制約もあろうかと思いますので、私は直ちにこの場でこの調査についておかしいとかそういうあれはありませんけれども、その点についてはよく検討してみる必要があるんではないかと思っております。
#148
○小池晃君 ケアマネジャーさんが一番実情をよく理解しているはずじゃないですか、把握しているはずじゃないですか。そのケアマネジャーからの聞き取りを専門的知識を持った保健師さんたちが分析し、まとめた調査なんですよ。私は、これ、注目すべき検討結果だと思うし、同時に、ここで一番その重度化の要因となっているのは病気なんですね。病気の進行というのは介護予防じゃ防げませんよ。これは医療の世界の話なんですよ。それから、認知症が二つ目の理由に挙がっていますが、認知症はそもそも新予防給付の対象外じゃないですか。私、この調査結果を見れば、軽度者の悪化の原因の多くがこれは病気や認知症だとすれば、今回の新予防給付、地域支援事業、今回の予防給付のシステムというのは介護度の維持改善に役立たないということになっちゃうんじゃないですか、どうですか。
#149
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 正に介護度の重度化の要因について、重複回答でもございますので、どういうふうに認知症のところをとらえておられるかということもあろうかと思いますので、そういった点が一点。しかし、要介護認定に該当されておられる方の半数は何らかの意味での自立度二以上ということで、認知症の症状を持たれている方もいるということもございますので、そういったことを総合的に考えていかなければならないと思っております。
#150
○小池晃君 そんな一般的なことじゃないんですよ。これは、要介護度が悪化した人だけを対象にして、なぜ悪化したのかを分析して、その悪化要因として病気、認知症と言っているわけです。だとすれば、そこに対する手だてがなければ介護予防は何の役にも立たないということになるじゃないですか。
 ちょっと説明していただきたいんですが、この報告が示しているように、一般的に認知症がある、ないの話じゃないですよ。要介護度を悪化させている要因として病気あるいは認知症ということが一番、二番占めているのであれば、今回の介護予防ではほとんど効果は期待できないということになるんじゃないですか。そうでないのであれば、今回の介護予防のシステムで、なぜ病気で悪化する人あるいは認知症で悪化する人が要介護度を維持改善することができるのか、分かりやすく説明してくださいよ。
#151
○政府参考人(中村秀一君) この研究報告書の考察においても、重度化の要因、主要因、誘因を合わせて重度化の要因は疾患が一位であり、認知症が二位で、これらの二要因が全体の四七%を占め、また加齢による脆弱化が多いという結果から、慢性退行性疾患の療養指導や廃用性症候群の予防対策が重要であると考えられたというふうに分析されておりますので、予防対策の重要性を否定している御報告というふうには考えておりません。
#152
○小池晃君 予防対策の重要性を否定している研究ではないですよ。今の新予防給付の予防の中身がこの中身に合っているのかと私は言っているんですよ。がんや脳血管障害やあるいは認知症が、なぜ慢性退行性疾患の予防ケアで維持されるんですか。そんな、関係ない話なんですよ、これ。私は、まじめに介護予防ということを本当に真剣に考えるのであれば、こういうふうに悪化要因をきちっと調査した研究というのはほかにないんだから、私はしっかり耳傾けるべき調査だと思うし、都合の悪いデータはこういうふうにいろいろとけちを付けると、そして一方で、島根県の例の調査のように都合のいいデータは、否定されたにもかかわらずしがみつくという態度は、本当にまじめに介護予防を考える態度ではないというふうに思います。
 私は、結局、介護予防ということを結局隠れみのにして、軽度者の給付のコントロールする、まじめに介護予防を考えて出てきているのではなくて、結局口実に、隠れみのにして給付を抑制するということでしかないんだというふうに私言わざるを得ないと思うんです。
 お聞きしたいのは、ちょっと確認的に聞きますが、今回の制度改定で、来年度からどれだけの給付の抑制になるのかということを数字で簡潔にお示し願いたいと思います。
#153
○政府参考人(中村秀一君) お答えを申し上げます。
 来年度の縮減でございますが、居住費、食費の見直しの影響に、新しい施設整備計画などの策定、それから予防の給付費の削減ということで、十八年度から二十年度の第三期において〇・七兆円程度の給付費の縮減を見込んでおります。
 内訳は、居住費用、食費の見直しの影響に、新しい施設整備計画の設定の影響を合わせた施設にかかわる見直しにより〇・五兆円程度、地域支援事業や新予防給付といった介護予防対策の推進により〇・二兆円程度を見込んでおります。
#154
○小池晃君 この居住費、食費の見直しは三千億円程度だというふうに説明されていたと思うんですが、ということは二千億円が施設整備の見直しで生まれるということなんですね。それと、その地域支援事業と新予防給付のそれぞれについて数字を言ってください。
#155
○政府参考人(中村秀一君) お答えを申し上げます。
 今委員から御指摘のありました三千億円というのは十七年度の数字でございます。第三期につきましては、十七年度に比べまして満年度の全体の給付費が伸びますことから、居住費用、食費に係る経費は〇・四兆円というふうになっております。したがいまして、施設整備計画の関係は〇・一兆円ということでございます。新予防給付、それから地域支援事業につきましては〇・二兆円と申し上げましたけれども、地域支援事業の導入により〇・一兆円、新予防給付の創設により〇・一兆円程度給付費が縮減するものと見込んでおります。
#156
○小池晃君 新予防給付で来年度から一千億円の削減になるということなわけです。これ、軽度者の給付の制限というのは既に現場では行われております。
 私どもの方に来た話で、東海地方のある県なんですが、事業者に対してこういう指導が、これは文書も含めて寄せられているんですが、されているんです。一つは、生活援助中心型の居宅サービス計画は要支援の利用者には不適正ですというのがありました。それから別のケースでは、要支援者に対する生活援助中心のサービスは要介護状態の悪化の防止につながらないので適切ではありません。新予防給付の話じゃなくて、現時点でこういう指導がされております。生活援助中心のサービスは要支援者には不適切なんでしょうか。そういうことを一律に指導することがこれは正しいことなのでしょうか。お答えいただきたいと思います。
#157
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 今回の法改正に先立って、生活援助中心ケアプランを一律に打ち切るよう国において指導を行うというようなことはもちろんいたしておりませんし、今回の見直しにおきましても、大臣からも再三お答え申し上げておりますように、適切なケアプランに基づくサービスについては認められると、こういう考え方で行っているところでございます。
#158
○小池晃君 だから、違うんですよ。現場では既に一律にそういうサービスカットするような指導をやっているんですよ。こういうことが正しいんですかと。私の質問に答えていただきたいんですが、生活援助中心のサービスが一律に不適切だという指導は正しいんですか。
#159
○政府参考人(中村秀一君) 私どもが申し上げておりますのは、ケアマネジャーがサービス担当者会議を開催し、利用者を含め様々な職種の担当者から意見を求めた上でケアプランを作成し、継続的に利用者の心身の状況を把握して必要に応じたケアプランを変更していくというプロセスを経るわけでございますので、一律に、画一的に、要支援であれば生活支援サービスは要らないと、そういうようなこと、もしそういうことが行われているとすれば、それは誤っていると考えております。
#160
○小池晃君 それが実際やられているんですよ。ケアカンファレンスをやりなさいとか、ケアプランのどこが問題ですというんじゃないんです。一律に要支援者には駄目ですという指導が現場では既にやられているんです。
 これは、昨年十月に皆さん方が介護給付適正化推進運動というのを始めて、介護給付費の一%の削減を目標としてこれ保険者に押し付けている。その下で、例えば京都では、京都市ではこんなこと起こっています。同居家族がいたら日中独居でも一律に家事援助は給付対象外だということで、返還を求める指導までやったんですよ。これは批判を浴びて撤回をいたしましたけれども、こんなことが実際起こっている。
 私、新予防給付になっても適切なサービスは引き続き提供されるという答弁が繰り返されておりますが、まだその新予防給付始まる前の現在の運用の段階でも、現場のケアマネジャーが適正と判断し、なおかつケアカンファレンスやって、主治医まで含めてケアプラン作っても、それに対して保険者がカットしているという実態があるわけですよ。これが実態なんですよ。
 そういう中で、単なるキャンペーンで、適正化というキャンペーンですらこういうことになっているときに、新予防給付で先ほど御答弁あったように、これ来年度から一千億円カットすると。しかも、それが単なるキャンペーンではなくて法律の裏付けまで今回の新予防給付で付けられると、給付削減が目標となると。私は、利用者やあるいは現場で頑張っている労働者の中から、今でさえこんなになっているのに、こんなことになったらもう一律のカットが押し付けられることになるんではないかと、適正なサービスが、自分たちが必要だと思っても保険者によって切られるということになる、そういう心配が広がるのは当然のことではないですか。その心配に局長はどういうふうにお答えになるんですか。
#161
○政府参考人(中村秀一君) 先ほどお答えいたしましたように、第三期におきまして新予防給付の創設により一千億円程度、〇・一兆円でございますので、給付費が縮減すると見込んでおりますが、私ども、この給付費の縮減と申しますのは、平成二十年、第三期の終わりに二百六十万程度になると見込まれる要介護二以上の中度者が二十万人程度予防給付の効果によりまして減少すると、増加が少なくなると、こういう効果として見込んでいるわけでございまして、委員のおっしゃっているような、サービス内容を不当に切り下げると、そういうようなことによって一千億円の給付費が縮減すると考えているわけではございませんので、そこのところは誤解がないように、もしそういう誤解をしている保険者がいるようでございましたら、私どもよく徹底をしてまいりたいと思います。
#162
○小池晃君 大臣ね、大臣は適正な給付はそれは提供されるんだというふうに答えているけれども、現場ではケアマネジャーが幾ら適正だと頑張っても、今どんどんどんどん切られる実態が起こっているんですよ。
 こういう中で、大臣が適正なものは提供されると言うけれども、決めるのは保険者じゃないかと、これは果たして守られるのかと。しかも、全体としては給付抑制の財政の目標がばんと出てくると。これ不安が広がるのは当然じゃないですか。そういう方たちに対して、適正に提供されると言うだけでは私は納得得られる答弁になってないと思うんですよ。そこをお答えいただきたいと思います。
#163
○国務大臣(尾辻秀久君) もうこれは繰り返し申し上げておりますように、制度として適正に提供されるということで制度をつくったわけでございますから、これは保険者においてもそのようにサービスを提供していただくということになるはずでございます。私としてはもうそうお答えするしかありません。
#164
○小池晃君 なるはずだと言っているけれども、もう実態はそうなってないんですよ。それが実態なんだと。そのことを知っているはずなのに、やはりそういう答弁では私は国民の今の本当に不安にこたえることできないということをちょっと申し上げたいと思います。
 重ねて、介護保険が施行されてから重度の要介護者の中で実は在宅の比率は減っているんではないかと。施設の入所者が増えている。施設から在宅へと言っていたけれども、逆の流れが起こっているんじゃないかという指摘がありますが、厚労省の調査では、要介護五について在宅と施設の入所者の比率、ちょっと示していただきたいと思います。
#165
○政府参考人(中村秀一君) 比較という意味で二時点を申し上げた方がよろしいかと思いますので、申し上げます。
 平成十三年五月分と平成十七年三月分を比較させていただきまして、要介護五の居宅サービスと施設サービスの受給者数について割合を申し上げますと、要介護五につきまして、十三年五月分では居宅サービスが四三%、残りが施設でございますので、施設サービスは五七%でございました。平成十七年三月は居宅サービスが三九%、施設サービスが六一%、要介護五の方は六一%が施設サービスを受けておいでになると、こういう結果でございます。
#166
○小池晃君 ですから、要介護五に限って言えば、これは在宅の比率が下がってきているという実態があるわけです。
 これ数字で見ますと、在宅サービスの利用者は要介護五で言うと三万七千人ぐらい増えているのに対して、施設利用者は八万八千人増えている。これ、要介護の軽い方はもう全く逆で、在宅の増えの方が圧倒的に多いんですが、要介護五に限って言えば施設の利用者の方が増えているわけですね。これが実態なんです。
 重度者の在宅生活を維持することがいかに困難か。介護保険になってから、実は、施設から在宅へといいながら、要介護五の人に関して言えば逆流が起こっている。逆に在宅の方が減っているという実態がある、比率として。局長、なぜこういう事態になっているというふうに考えるんですか。
#167
○政府参考人(中村秀一君) 幾つか原因があろうかと思います。
 一つは、施設に入所される方々の状態が重度化していること。また、新規に入所される方については、私どもも、施設は介護の最後のとりでと、こういうことで、重度の方、非常に困難な重度の要介護者の方は施設、施設は逆に重度の要介護者の方を重点的に受け入れていただきたいと、こういうことをお願いしている結果ではないかと思います。
#168
○小池晃君 私はそんなことではないと思うんですね。
 これは、在宅でやはり長時間の介護を要する方から聞こえてくるのは、介護保険になるまでは制限なく必要なサービスを受けることができたのが、これ高過ぎる利用料の問題もあるし、同時に、やはり利用限度額、支給限度額ができて、二十四時間のサービスはほとんど不可能になっているんだと。先日の参考人質疑でもその問題の指摘はあったわけであります。そういう制度の欠陥から、最後まで家で介護が受けられる制度になっていないんだという、そういう指摘がされているんですね。
 大臣、私、この数字を見れば、要介護五に限って言えば、本当に、在宅の比率が下がっているという、介護保険の当初の理念に反するような事態が起こっているわけですから、私は、五年後の見直しというのであれば、重度の方でも在宅で介護を受けられるように利用料の軽減を図る、あるいは支給限度額をこの重度の要介護者に関しては見直す、こういうことこそ本当に五年後の見直しでやるべき課題だったんではないかというふうに思うんですが、大臣、いかがですか。
#169
○国務大臣(尾辻秀久君) 在宅におきまして重度の要介護者を支えるということは、これは大変重要なことでございます。
 そこで、今回の見直しでも、在宅においても二十四時間安心して生活できる体制を整備するため、新たに夜間対応型訪問介護サービスを創設をいたしますとともに、また、通いを中心として随時訪問や泊まりができる小規模多機能型居宅介護サービスを創設いたしますなど、在宅サービスの充実に取り組むことといたしております。
 また、医療と介護の連携の強化に取り組むとともに、重度や認知症の要介護者を支えるための専門性の高い介護職員を確保するため、ホームヘルパーの研修体系の見直しに取り組みまして、在宅サービスの基盤の充実を図ってまいりたいと考えております。
#170
○小池晃君 いや、私が言っているのは、要介護五で二十四時間見守り必要だったら、参考人質疑でありました、実態として、そういうサービスを提供しようとすれば月六十万ないし七十万、場合によっては百万超えるようなケースもあるんだと。しかし、今、要介護五では三十五万、三十六万と。これでは、もうそこから先全部自費ということではとても見れないんだと。
 私、利用料一割の問題も含めて、そういう在宅で最後まで暮らすことができないような制度の見直しということをするべきじゃないかと言ったんですが、幾らそういう地域密着型サービスとかいろいろ言ったとしても、そういう保険制度による不当な縛りがあれば使えないじゃないですか。その点どう考えるのかということなんですよ。
#171
○国務大臣(尾辻秀久君) 言っておられることは、恐らく支給限度額をどうするかというお話だろうと思います。
 ただ、これは様々なケースがありますから一概には言えないわけでありますけれども、いつもお答え申し上げておりますように、平均で見ますと大体利用額の割合というのは限度額の五割程度でありますから、むしろ、正確に言いますと四ないし五割程度というふうな平均の数字でございますから、今支給限度額を見直すということはいかがかと考えております。
#172
○小池晃君 私、平均の話については前も議論しましたけれども、平均で見たら救われない人が出てくるんだと。平均で見たら社会保障できないんだということを何度も言っているはずです。実態としてそういう人はもう見れないんだということがあるわけですから、今の限度額では。
 私、五年目の見直しだというのに、様々な介護保険制度の問題点あると思いますが、そういう欠陥はそのまま放置されている。一方で、在宅の要介護者は予防という名の下にサービスを制限する。断じて許されないと思います。
 今日も筋トレの問題、口腔ケアの問題、ちょっと質問用意していましたが、時間なのでもうこれでやめますが、議論すべき課題はまだまだ山積をしているし、いったん決めた地方公聴会も、これやられていないというわけです。このような段階で審議を終えて採決をするということは絶対に許されないということを申し上げたいと。
 以上で質問を終わります。
#173
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 参議院でこの介護保険改悪法案が議論になり、様々な問題点が出てきました。とてもこのまま成立させるわけにはいかない悪法だと思います。
 社民党は、介護保険という制度が介護の社会化という点で必要であるということで賛成をもちろんして、制度は必要だと考えております。しかし、今回の改悪法案は、財政縮減のことだけで、現場の人たちにしわ寄せを本当にする改悪法案だと考え、賛成をするわけにはいきません。
 ホテルコストなどについて、税制の大幅な見直しについて一言お聞きをいたします。
 平成十八年度、平成十七年度分から実施される税制改正、公的年金控除額の引下げ、老齢者控除の廃止等によって住民税非課税世帯が課税対象となるケースは概算で約百万人です。これに併せて、居住費、食費の軽減を受けられる低所得者は減少をいたします。
 政府は、激変緩和措置を、利用料負担段階が二段階上昇する者は一段階にとどめる等を行うと答弁をしていますが、経過措置にすぎません。税制改正による影響は、国税、地方税のアップ、国民保険料、介護保険料のアップ、施設利用料のアップ等に連動をいたします。さらに、定率減税の縮小が追い打ちを掛けております。高齢者にとっては何重もの打撃です。法案はこの部分を無視しております。
 本日も、この問題、ホテルコストの問題などについて、保険料及び利用料についての二年間の負担軽減措置についての確認答弁がありました。しかし、私は思います。一気に殺してしまうのか、それとも二年間の猶予を与えてじわじわ殺すのかと、そういう違いになってしまうのではないでしょうか。二年間の猶予があったとしても、それはしょせん激変緩和措置にしかすぎません。最終的には負担増です。この点について、大臣、いかがでしょうか。
   〔理事国井正幸君退席、委員長着席〕
 二年前は健康保険の改悪。去年はこの委員会で年金の改悪法案。介護の保険料は引き上げる、給付は引き下げる。そして、今回、介護保険のやはりしわ寄せ、ホテルコスト、どんな人も最低三万一千円、月に負担しなくちゃいけない。もっと、おとといの答弁でも、契約で決まるので食費、光熱費は上がる可能性がある。そして、来年は医療制度の見直し、二〇〇七年は税制の見直し、税制の提言があります。骨太方針が提案をされましたけれども、構造改革の中での二極分化、その中での福祉切捨て、これは断固として許せないと思いますが、大臣、いかがですか、これで大丈夫なんでしょうか。
#174
○国務大臣(尾辻秀久君) 今回、ホテルコストなど負担をお願いするものが幾つかあります。それはそれぞれ、やはりどうしても負担をお願いしなきゃならないということがありますのでお願いするわけでございまして、そのことをお願いするということに当たって、できるだけ、当然のこと、負担の軽減措置を講ずる方がいいだろうということでいろいろなまた措置を講ずるわけでございます。したがいまして、基本的にどうしてもお願いしなきゃならない、またその方がいいと思われることをお願いしているわけでありますから、それは基本的な部分をまず御理解いただきたいと思うわけでございます。
 個々の話についていろいろまた御説明申し上げてもいいわけでありますが、基本的なところで申し上げましたので、そのように御理解いただきたいと存じます。
#175
○福島みずほ君 この委員会の中で、では事業主としてどうなるのかという質問に対して十分私は答えが出たとは思いません。実際、払えない人をじゃ追い出すのかということが現場で起きてしまいます。在宅生活を支えるショートステイ、デイサービス、デイケアにも負担増が及びます。在宅と施設の不公平を是正するという改正の理由に矛盾するものではないでしょうか。
#176
○国務大臣(尾辻秀久君) 今具体的にお述べになりましたことも、今回私どもが負担をお願いしておる部分でございます。今般の見直しにおきましては、負担の公平性という観点から、ここのことにつきましては負担の公平性ということでお願いをしているわけでございますけれども、介護保険施設等における居住費、食費について、在宅の方と同様、保険給付の対象外として、施設給付においても介護に関する部分に給付を重点化しておることといたしております。
 そこで、さらに具体的に御指摘になりましたところのショートステイでありますとか通所サービスについては、これはそもそもが居宅サービスでございます。この居宅サービス、基本的な居宅サービスであるこれらのサービスを、今度は、利用していない在宅生活者の方々もあるわけでございますから、この両方の方の公平性、負担の公平性ということを考えますと、大きくは施設に入っておられる方との公平性ということで言ったわけでございますけれども、さらにその二つの間の公平性というふうに考えますと全く同じ関係になるわけでございますから、滞在費、食費について保険給付の対象外として、介護に関する部分に給付を重点化するということにしたことでございます。そこにおいて整合性を取ったということでございます。
#177
○福島みずほ君 ショートステイやデイサービス、デイケアの段階における例えば食事が非常に本人の例えば栄養にとって重要であるということは指摘がされています。今回、保険の対象外となることによって、例えばデイサービスに行くのにお握りをコンビニで買っていくとか、極端ですけれども、非常にそういうことが起き得るのではないか。公平といいながら、結局はあらゆるところで負担増になっていくのではないか。在宅と施設の不公平を是正すると言うけれども、在宅で今度はショートステイ、デイサービスを利用する人にも負担増が及ぶという問題があります。保険制度の下でどこまで低所得者対策を行うかにとって、もっときめ細かい議論が必要です。低所得者に対する利用料の軽減措置がない中で、今回わざわざ保険の対象外とする介護保険三施設の居住費、食費について、低所得者対策を保険料で行うのはなぜですか。保険料の対象にしない、だけれども低所得者対策は保険料で行う、これは制度として矛盾していると考えますが、いかがですか。
#178
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 介護保険制度でも、利用料につきまして負担が無理なものにならないよう高額介護サービス制度というのを設けておりまして、例えば、一番低所得の方は月々の一割負担の上限を一万五千円にするとか、世帯全員が住民税非課税の方の場合二万四千六百円にするとか、そういう言わば負担の上限額を低くする配慮を行っております。こういうふうに配慮された上限額をカバーしておりますのは保険料、皆さんの保険料と税でその部分をカバーしているということでございまして、今回のいわゆる補足的給付もそういう考え方に立ちまして、介護保険制度の中で低所得者対策を行っているわけでございます。
#179
○福島みずほ君 この委員会を通じて税とそれから保険の仕分について質問をしてきました。やはりここで理解できないのは、低所得者に対する利用料の軽減措置がない、そして保険の対象外と介護保険三施設の居住費、食費はなる、にもかかわらず、低所得者対策を保険料で行うというのが理解できないんです。局長はそれに真っ正面から答えていないと思いますが、いかがですか。
#180
○政府参考人(中村秀一君) お答えを申し上げます。
 低所得者に対する利用料の軽減措置は、今御説明いたしましたようにございます。低所得者には、一般に三万七千二百円の月額上限に対して一万五千円、二万四千六百円と、こういうふうにしているということが第一点。今、食事のコストも一日七百八十円、食事療養費の中で食材費相当という設定になっておりますが、一番低所得の方は一日三百円、全世帯員が住民税非課税の場合は五百円と、こういうように利用料の軽減措置が今あるわけでございます。それが第一点です。第二点、この軽減措置は介護保険の財源で行われている。介護保険の財源は税と保険料から成っておりますので、税と保険料でやっております。今度の補足給付も同じ考え方に立って税と保険料でやるということです。
 なお、委員からの御質問は、保険料と税の関係が整理されてないのではないかということでございますが、社会保険は、民間保険と違って私は一定の所得再分配は許されると、こういうふうに考えておりまして、保険料の体系も上限があるとか様々なそういう措置が講じられ、所得再分配効果もあるわけでございまして、それが社会保険の社会保険たるゆえんだというふうに考えておりますので、税と保険料の考え方の整理する際にも、そういう社会保険というシステムのことについてやっぱり考えていただく必要があるんではないかと思っております。
#181
○福島みずほ君 いや、それは違いますよ。税金を投入するという部分があるからこそ税金の使い道について私たちは言っているわけで、介護保険の中に税金が使われていることはもちろん了解をしています。
 私の問題関心は、保険の対象外としながら、居住費、食費についての低所得者対策を介護保険という保険制度の中でやるのはどうなのかという質問です。それは、今まで一貫して地域包括支援センターの業務についても保険と税の関係について聞いてきたところです。なぜ人が介護保険の保険料を払うのか。その介護保険という制度の中において、保険料をそのために使うということが税でやるべきなのか保険でやるべきなのか、ここでもまたあいまいになってきているというふうに思います。私は、今回、どこまで低所得者対策を行うかについてもっと議論をすべきであると。このままで保険料負担者の理解が得られるとは思っていないということを申し上げます。
 本日も出ましたが、新たな負担を課すに当たって、十月実施は余りにも周知期間が短いです。保険者である自治体も次の議会は九月です。他の多くは四月施行予定であるのに、なぜホテルコストと食事の自己負担化のみ先行して十月実施なのでしょうか。
#182
○国務大臣(尾辻秀久君) これも先ほどお答えしたことでございますけれども、今回こうした見直しをお願いします大きな理由の一つでございますが、保険給付費が伸び続けておりまして、来年度はまた保険料の見直しの時期でございますが、その際には引上げが見込まれる保険者がかなりあります。そうした中で、給付の適正化というのは喫緊の課題でありまして、保険者である自治体を始めとする関係者からも、居住費、食費に関する見直しは早急に行うことが求められております。したがって、この見直し、早急に行うという意味において十月実施をお願いしておるところでございます。
#183
○福島みずほ君 大臣はそう答弁をされますが、私の一番違和感は、とにかく財政、お金の点だけで、現場の事情も説明責任も周知徹底の期間も関係なく強行がされるということです。そこに根本的な問題があります。やはり、要支援、要介護一の人たちの家事援助サービスを抑制する意味で、隠れみのとして新予防給付が使われているのではないか。それから、施設に入っている、特養などに入っている人からもしっかりお金を取ると、ホテルコストを、とにかく周知徹底の期間が不十分なまま。これから地方議会はもう大混乱ですよ、九月の段階で。十月からもうとにかくホテルコストを負担をしていただくという、本当に財政の点からだけ言われる。
 じゃ、重度の要介護四、五の人たちの施設の中での処遇、あるいは在宅の処遇がじゃ手厚くなるかというと、そうではありません。保険料のお金が地域包括センターという形で、だばっとどこかに、分からない、今まで税でやっていたようなところに流れていく。一方で、どこに行くか、保険料が、分からない、一方で物すごく縮減をしていく、こういうお金の使い道は将来に必ず禍根を残すというふうに考えています。
 大臣、お金のことだけしか言わなくて、現場の福祉をこんなに早急に激変して本当によいのでしょうか。
#184
○国務大臣(尾辻秀久君) 十月実施が余りにも急ぎ過ぎではないかというお尋ねでございましたから、早急に実施しなきゃならない理由として財政ということからの御説明を申し上げたわけでございます。
 ただ、居住費、食費をいただこうということについてのそもそもの理由は、先ほど申し上げましたように、施設にいる方とそれから自宅におられる方、居宅の方という、この両方の間の方の公平性を求めるということでお願いをするわけでございますから、基本的には、今度の居住費、食費を施設におられる方御自身でお出しくださいという、保険の外に置きますということは、これは負担の公平性という理由でもって行うということもまた御理解いただきたいと存じます。
#185
○福島みずほ君 やはり理解ができません。介護保険制度をつくったときの契約と全く違う中身が今回スタートをする。月何万もの負担は個人にとってもかなり多額です。
 今、本当に高齢者の問題は、自分自身の親の問題でもあり、本当にみんなの問題でもあります。自宅で重度の人を介護するのがやはり本当になかなか難しい。地域で見たいと思っても難しい。じゃ施設に入れるか、それだって待機をしなければなかなか入ることはできません。今回、要支援、要介護一などでは入れないことになるわけですから、なかなか入れない、待機者が多い。じゃ、施設に入ったら、今入っている人たちに関してホテルコストなど最低月三万一千円掛かると。どっちに行っても本当に大変という事態が起きます。
 私は、厚生労働省が財務省に頭を下げるのが嫌なのかどうなのかよく分かりませんが、この介護保険の制度の中で無理やり財政の面からだけで制度を切って急いでいくというのは、本当に厚生労働省としての責任を全うしていないというふうに考えます。
 次に、地域包括支援センターについてお聞きをいたします。
 現在、在宅介護支援センター、一万軒あります。この五年間、みんな頑張ってそれぞれ在宅介護支援センターができてきたわけですが、地域包括支援センターとのすみ分けは一体どうなるのでしょうか。
#186
○政府参考人(中村秀一君) お答えを申し上げます。
 在宅介護支援センターは、平成二年度に創設されまして、今日現在に至るまで八千九百二十四か所できております。在宅介護支援センターが大幅に整備されましたのは介護保険制度ができる前でございまして、市町村からの委託を受けて地域における老人福祉にかかわる総合的な相談、援助を行う機関として重要な役割を果たしてきたわけでございます。
 今回の改正におきまして在宅介護支援センターにつきましては、介護保険制度ができましてから居宅介護支援事業所を兼ねる結果になった在宅介護支援センターも数多くございます。地域型の在宅介護支援センターはほとんど、九一・三%ケアマネ事業所も兼ねておられると。また、職員配置もそれほど厚くできなかったために、いろいろな財政上の制約もあり、相談業務、介護予防、ケアマネジャーの支援の役割など十分果たせてこなかったという問題点を抱えておりました。こういう反省に立ちまして、今回、公正中立の確保、市町村の関与を強め、地域包括ケアの中核機関としての機能強化、介護予防マネジメントの本格的な取組を実現するため、地域包括支援センターを置くこととしたわけでございます。
 在宅介護支援センターにつきましては、地域包括支援センターの委託を受ける部分もあるかもしれませんけれども、地域包括支援センターの指定を受けない在宅介護支援センターについては、地域の実情に応じまして、老人福祉一般に関する相談・支援機関としての活動、居宅介護支援事業としてケアプランを作成する、包括的支援事業以外の地域支援事業の委託を市町村から受けると、こういった様々な役割が期待されるのではないかと考えております。
#187
○福島みずほ君 この委員会の質疑を通して、地域包括支援センターが一体どういうものになるのか具体的に余り見えてきていません。
 衆議院の厚生労働委員会では、例えば、質問で、東京都の説明では、この包括支援センター、給付費の三%を上限としているけれども、ある区においては、三%といえばそこは三億円、既に老人保健事業だけでもう三億円を超えている、地域包括支援センターの人件費をこの中から出すととても十分な財政はない、厚生労働省は三%を超えたものは地域で負担してくださいという話をしているけれども、現行サービスを落とすわけにはいかないと。結局、地域包括支援センターがまた成り立っていかないのではないかというようにも思っています。これまた衆議院の答弁で、人口二、三万人に一か所が一つの目安、五千か所、六千か所ぐらいではないか、町村等において三人全部そろえられるかどうか、小規模の場合などについての簡便的なやり方などについて工夫の余地があると局長は答弁しています。
 では、お聞きをいたします。この地域包括支援センター、三人必要だというふうになっております。社会福祉士、保健師、主任ケアマネジャー、三人いて何百件とここで処理していくというふうに言われているんですが、三人そろわなかったらどうなるんですか。
#188
○政府参考人(中村秀一君) お答えを申し上げます。
 今委員から御指摘のとおり、地域包括支援センターの配置の基準として、専門職、それぞれの異なる専門機能を持った専門職を配置していただきたいということで、三種類の専門職を掲げております。
 財源のお話もございましたけれども、この地域支援事業が創設されますと、従来の事業から財源的に後退することはないというふうに考えておりますので、この委員会でも御議論ございましたが、東京都の区の例も出ましたけれども、少なくとも、この地域支援事業が導入されましたら、現在も一般財源で持ち出しをしている区につきまして持ち出しがむしろ減ると、こういうことになるというふうに考えております。
 三人の専門職については、むしろ、できなかったらどうするかということではなく、配置をしていただくようお願いをしているところであり、十八年四月に間に合わない場合は、二十年度までの間、二年間で条例で定めるときをスタートにしていただく猶予期間も置かせていただいているというところでございます。
#189
○福島みずほ君 この地域包括支援センターが絵の、かいたもちになるか、うまく機能しないんではないかと心配をしています。せっかく今まで在宅介護支援センター、五年間掛けてみんなでつくってきました。このもっともらしい表に社会福祉士、保健師、主任ケアマネジャー、三人とありますが、局長は答弁で、三人全部そろえられるかどうか、工夫の余地があるのではないかと答えています。
 結局、この三人の機能分担と、どういうことを地域包括支援センターでやっていくのかよく見えません。しかも、それなりの今までのすみ分けがどうなるか、今までつくったものをつぶしてしまうかなど、本当に問題となります。
 老人健診について聞いてきました。六十五歳以上の介護予防事業に老人健診が入ってくる。健診のお金も聞きましたが、現行だと、自己負担千三百円、集団健診は四千二百四十七円。保健所は自己負担千二百円、全部で四千二十三円。医療機関は自己負担二千四百円、集団は七千九百三十三円となっています。今でも利用料という形では本人負担しているのですが、将来この地域包括支援センターの中で老人健診が行われるとなれば、被保険率も下がり、むしろ予防が阻害されるのではないでしょうか。
 結局、医療保険の中でこの利用料が決まると。とすると、自己負担千三百円というよりはるかに高くなることも考えられます。その点はまだ確定できてないのではないですか。
#190
○政府参考人(中村秀一君) お答えを申し上げます。
 老人保健事業の健診の費用負担については、今委員の方から御紹介があったところでございます。同じ言わば種類の市町村の事業という意味で、同じ形式の地域支援事業を実施いたしましたので、老人保健事業の考え方も踏まえながら、無理のない範囲で、事業に要した費用の一部について利用料として御負担をいただくことを考えております。
#191
○福島みずほ君 結局、具体的に利用料が幾らになるか分からないわけです。しかし、少なくとも今まで税でやっていたものが介護保険のシステムの中に入るわけですから、利用料が高くなる。と、健診をあきらめてしまう、やれない人たちが出てくる。このことは、結局、保険財政が悪化すれば必要な事業の縮小などが出てくるのではないか。悪化になる、老人健診が落ちるということを申し上げます。
 重度要介護者を自宅で受けられるよう介護保険を充実させることが先決です。現行の介護保険サービスでは、利用者負担上限額まで使っても重度の要介護者を支えることは困難です。在宅と施設のバランスを図るのであれば、重度要介護者に対する在宅サービスを充実すべきです。
 また、平成十六年度から特養ホーム建設費の補助金が三分の二に縮減され、自治体は整備計画のめどが立っておりません。特養待機者が全国で三十四万人を超えるという現実を見据えるべきで、そのことに対する回答が今回の介護保険改悪法案にはない。よって、賛成できないということを申し上げ、私の質問を終わります。
#192
○委員長(岸宏一君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#193
○小池晃君 日本共産党を代表して、介護保険法等の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 反対の理由の第一は、新予防給付の導入により、軽度者のサービス利用が今まで以上に制限されることです。新予防給付をめぐる厚生労働省の説明はことごとく破綻しています。軽度者のサービス利用が要介護度を悪化させると説明していましたが、むしろ正反対の結果を示すデータも明らかになりました。軽度者の要介護度悪化の最大の要因は病気であるという最近の調査結果も示されました。新たに導入される筋力トレーニングなどの介護予防効果の科学的根拠も極めて不確かなものです。
 介護予防をめぐる厚労省の説明が迷走を続けたのは、結局、新予防給付導入が、真剣に予防を考えたものではなく、その目的が、介護保険発足後利用が広がった軽介護者に対する給付を削減することにあるからにほかなりません。国民の厳しい批判の前に、厚労省は、適正なサービスは今までどおり利用できると弁明せざるを得なくなりましたが、新予防給付が来年度から一千億円もの給付削減を目的としている以上、既に各地で先行的に始まっているようなサービス切捨てが更に加速されることは明白であります。
 反対理由の第二は、十月から施設入所者の居住費や食費の徴収を口実として一人当たり四十万円もの大幅な利用者負担増を強行することです。施設入所者の標準的な負担額は、相部屋で月八万七千円、個室で十三万四千円にも上ります。多くの高齢者が年金収入の大半を施設に払うことになり、年金収入を超える負担になる人もあります。どうしてこのような負担に耐えられるのでしょうか。厚生労働省は、社会福祉法人の減免制度があると言いますが、法人任せで、しかも対象となるサービス及び事業主体は限定されています。国の責任で負担軽減を図る対策とは到底言えません。
 このような負担増を、利用者や施設、自治体に対してまともな説明を行えないまま十月から強行しようとしていますが、現場は大混乱になると参考人からも指摘がありました。断固撤回を求めます。
 反対理由の第三は、地域支援事業の創設に伴い、これまで全額公費負担で行ってきた高齢者の保健福祉事業などの国庫負担を減らし、介護保険料の負担を増やすことです。これでは地方自治体が行ってきた老人保健事業などが後退し、介護予防に逆行する結果にもなりかねません。
 反対理由の第四は、三十四万人の特別養護老人ホーム待機者を解消する計画を立てるどころか、今後、介護三施設の整備を抑制し、入所対象者を基本的に要介護二以上とする方向を打ち出していることです。さらに、個室化の推進や負担増と相まって、負担能力のない低所得者は施設に入所できない事態がつくり出されます。施設整備予算を削減し、交付金化で国の責任を後退させる政府の姿勢を改め、地域密着型サービスなどの基盤整備を進めるために必要な財政保障こそ行うべきです。
 反対理由の第五は、老人福祉施設職員の退職金手当制度を改悪し、公的支援を打ち切ることです。掛金の事業者負担を三倍に増やし、労働者が受け取る退職金を一割減らす重大な中身であるにもかかわらず、その影響についてまともな検討がされず、将来推計もずさんなものでした。
 反対理由の第六は、附則で、被保険者、受給者の拡大について検討課題とし、二〇〇九年度を目途として所要の措置を講ずるとされていることです。若年者からの介護保険料徴収については、今の経済情勢からも、負担増の対象となる若い世代の雇用と収入が不安定になっていることからも、滞納や制度の空洞化を招きかねません。また、若年障害者への介護保険制度の拡大は、障害者にサービス水準の低下や負担増を押し付けることになり、いずれの面からも賛成できません。
 介護保険制度は老後の安心を支える制度です。今回、国として初めての制度見直しを行うに当たっては、高過ぎる保険料や利用料の問題、特養ホームの待機者が増え続け、保険あって介護なしという事態が広がっていること、介護の質の向上に欠かせないホームヘルパーを始めとする介護労働者の労働条件の改善など、実施以来五年間で明らかになった問題点を改善することこそ求められています。
 こうした課題にまともに向き合おうともせず、国庫の支出削減を目的に給付の削減と国民負担増ばかりを押し付ける本法案は、改革の名に値するものではありません。こうしたやり方は、介護保険制度に対する国民の信頼を失わせ、老後の不安を一層かき立てるもので、断じて認めることはできません。
 日本共産党は、希望ある老後のため、真の介護保障制度の確立のために全力を尽くす決意を表明して、反対討論を終わります。
#194
○山本孝史君 民主党・新緑風会の山本孝史です。介護保険法改正案に賛成する立場から討論を行います。
 介護保険は施行から五年が経過し、高齢者の介護を支える制度として国民の多くが支持するものとなりました。負担増や利用状況の見直しに対する利用者の心情は理解できますが、介護保険をてこに地方主権と地域づくりを目指す民主党は、本改正案で示された高齢者介護の将来像は支持できる内容だと考えます。
 以下、賛成する主な理由を述べます。
 第一に、介護保険制度発足とともに老人福祉の表舞台から退いた市町村に、保険者として再度高齢者介護の中心的役割を果たすよう求めることは妥当な措置です。市町村の責任の下、地域包括支援センターを核に、多職種協働や地域の介護資源の最大限活用によって、健康長寿を実現し、尊厳を持って終末期を過ごせる体制の構築を目指すべきです。
 民主党の求めによる法案修正によって、予防給付や地域支援事業は三年後に検証が加えられ、財源面でも一定の歯止めが掛かっていること、権利擁護が市町村の必須事業に改められたことも評価をします。
 第二に、軽度者を対象とした新予防給付制度の創設は、介護保険制度本来の姿に戻ろうとするものであり、理解できるものです。必要な家事援助をカットするものではなく、筋トレが強要されることもないとの確約もなされました。また、専門家の指導の下、個々に作成されたプログラムに基づく筋力向上トレーニングの有効性は認識されるところになったと受け止めております。
 第三に、特養を中重度者向けの施設とすることや、中重度者の介護施設確保の方針が示されるとともに、大規模介護施設よりも民家や既存の施設を活用しながら特養や診療所と連携した小規模多機能施設を展開しようとすることは、より自宅に近い環境での介護サービスの提供を目指すとの観点から支持できるものです。施設環境の一層の改善が望まれます。
 このほか、介護労働者の労働環境の改善、専門性を重視しての人材育成と資質の確保、サービスの質の向上に向けての情報開示の強化、制度運営への保険者や被保険者の参画の拡充などについても、我が党の確認答弁を通じて一定の前進が見られました。
 なお、今後の六十五歳以上人口の急増を見定めつつ、在宅と施設の利用者負担の公平化のために居住費負担を求めることはやむを得ないと受け止めます。低所得者であっても介護施設に入所できるよう、また、保険料や自己負担費用の急激な増額を避けるように各般の措置が講じられるとの確認答弁がなされました。きめ細やかな対応を再度求めます。
 介護保険制度は、医療保険制度から分立したことの残滓を引きずり、厚生労働省において年金や医療を含めた社会保障制度改革への腰が定まらないことや、経済財政諮問会議に代表される財政優先論への有効な反撃がなされていないこともあって、多くの課題を内在させています。介護保険制度はいまだ発展途上にあると言えます。
 民主党は、そのような介護保険制度を不断に改善しながら、すべての要介護状態にある者に良質の介護サービスを提供する制度へと発展させる決意であることを申し上げ、賛成討論といたします。
#195
○福島みずほ君 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、介護保険法等の一部を改正する法律案について反対討論をいたします。
 第一の理由は、新予防給付の導入によって、要支援一、二に振り分けられる軽度の要介護者、百五十万人から百六十万人のサービスが抑制されることです。サービスが予防目的に限定され、利用限度額も低く抑えられれば、利用者が在宅の生活を継続することが困難になります。政府は、適切なケアマネジメントに基づいて提供される家事援助は認められると答弁をしていますが、法案の細部は政省令によって定められるため、利用者の不安は払拭できません。
 また、新たな介護予防メニューの切り札として出された筋力向上トレーニングは、市町村モデル事業中間報告からも、効果の明らかなサービスであるという結果は得られませんでした。高価なマシンと専門家を必要とする筋力向上トレーニングの費用対効果が全く検証されていないことも非常に問題です。
 第二の理由は、介護保険三施設における居住費、食費を保険から外して自己負担化することによる利用者への負担増です。同負担は、在宅の生活を支えるかなめであるショートステイ、デイサービスなどにも及び、在宅と施設の不公平感を是正するという改正理由にも矛盾しています。
 また、低所得者への配慮も不十分で、年金収入を上回る負担を余儀なくされる利用者が出てきます。十七年度税制改正により、来年度から住民税課税ラインが変わり、居住費、食費の軽減対象から外れる層が増え、事実上、低所得者は介護保険三施設の利用を制限されることになりかねません。税、保険料、居住費、食費、重複する負担増についても考慮がなされていません。
 一方、在宅や他の施設の低所得者について利用料の軽減がない中で、今回、保険外とする居住費、食費についてのみ保険料で軽減を行うことも安易なやり方です。
 施設と居住の違い、施設が食事の提供に責任を持つことの意義、食事の持つ介護予防効果、施設建設における公費補助の大きさなどを考慮し、居住費、食費は引き続き保険給付内にとどめるべきです。同負担の施行予定を本年十月としていることについては、余りに周知期間が短く、乱暴です。
 第三の理由は、地域支援事業への介護保険料の投入が保険財政を悪化しかねないという点です。地域支援事業の介護予防対象者は、認定で自立とされた非該当者で、本来、給付の対象ではありません。また、老人保健事業、介護予防・地域支え合い事業などを地域支援事業に再編することは、公費支出を保険料に肩代わりさせ、国の責任を弱めることにつながります。介護保険制度が国民の信頼を得ていくためには、保険料の使途を厳格にすべきです。
 本法案は、在宅で暮らす重度の高齢者とその家族の困難、地域間格差の是正、そして介護労働者の労働条件等について何ら改善策を示していないばかりか、介護予防を隠れみのに国庫負担の抑制のみを優先させ、利用者、保険料負担者に過重な負担を強いるものにほかなりません。
 本委員会において公聴会、中央公聴会をやろうということがある程度提案をされ、一時期、地方公聴会の日程も決まりました。しかし、それが中止あるいは延期と残念ながらなり、今日に至るも地方公聴会、中央公聴会は実現をしておりません。介護保険といった国民の生活に密着した制度こそ地方公聴会、中央公聴会がなされるべきです。
 様々な問題点が出てきている今、会期の本当に終了が間近に迫った本当に切迫した今に、なぜ、課題山積の今、疑問点が出てきている今、地方公聴会、中央公聴会もやらないまま採決に至ったのか、怒りに堪えません。
 以上をもって私の反対討論といたします。
#196
○委員長(岸宏一君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 介護保険法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#197
○委員長(岸宏一君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、山本君から発言を求められておりますので、これを許します。山本孝史君。
#198
○山本孝史君 私は、ただいま可決されました介護保険法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会及び公明党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    介護保険法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
 一、附則第二条第一項に規定する検討は、平成十八年度末までに結果が得られるよう新たな場を設けて行うこと。また、その場においては介護保険制度の被保険者及び保険給付を受けられる者の範囲の拡大も含めて検討を行うこと。
 二、介護保険施設等における食費及び居住費を保険給付の対象外とするに当たっては、利用者の負担が過重なものとならないような負担上限額を設定し、低所得者への配慮と激変緩和に努めること。併せて、社会福祉法人による利用者負担減免制度の運用改善等のきめ細かな低所得者対策を講ずること。この場合においては、社会福祉法人に過剰な負担とならないように適正な措置を検討すること。
 三、介護保険施設等の給付の見直しに関しては、施行に向け周知に万全を期すとともに、施行後においては、利用者負担の実態の把握に努めること。なお、介護保険三施設における食費及び居住費の徴収に関しては、これらの施設における居住環境の整備を図るとともに、入所者の所得、施設の居住環境等の実情に応じて、適切に対処すること。また、高齢者の非課税限度額の見直しに関する影響については、税制改正の趣旨を踏まえた激変緩和措置を講ずること。
 四、平成十六年度税制改正における年金課税の強化(公的年金等控除の縮小)に伴う第一号被保険者の保険料負担の増加に対しては、激変緩和を図るため、課税層に対する保険料賦課において、多段階で弾力的な段階設定が可能となるよう措置すること。また、上記措置には、平成十六年度税制改正の激変緩和の意義があることについて、全国の担当部長会議等において十分な説明を行い、市町村への周知徹底を図ること。
 五、介護保険制度を費用負担の面で支える現役世代の意見を制度運営に十分反映させるため、厚生労働省に保険者や第一号被保険者とともに、第二号被保険者や医療保険者などで構成する運営協議会を設置すること。また、第二号被保険者の介護保険料の料率については、上限の設定など、その急激な増加を抑える方策について検討を行うこと。
 六、小規模多機能型居宅介護等の地域密着型サービスの基盤整備及び介護施設の個室・ユニットケア化を推進すること。また、介護予防サービス及び地域密着型サービスを提供する事業所については、既存施設を活用するなど効率的な整備の推進に努めること。さらに、介護施設、グループホーム等の居住系サービス及び介護サービス付きの「住まい」の整備の在り方について、住宅政策との連携を図りつつ検討を行うこと。さらに、介護者の急病など緊急・突発的なニーズに対応できるよう、ショートステイを利用しやすいものに見直すこと。
 七、新予防給付の導入に伴い、認定区分が要介護一から要支援二に変更される者について、これらの者が現に受けているサービスを引き続き受けられるよう、十分配慮すること。また、新予防給付に係る介護報酬の設定に当たっては、自立支援の観点から、時間単位だけではなく、例えば、月単位やプログラム単位の包括的な設定を導入するなど、柔軟性のある仕組みを検討すること。
 八、要介護認定の有効期間の設定については、保険者である市町村の意向に配慮しつつ、利用者の要介護度の改善が見られた場合、要介護区分を速やかに変更するよう努めること。
 九、要支援・要介護になるおそれのある高齢者への適切な介護予防サービス提供に向けて、地域包括支援センターの保健師等が要介護認定非該当者や未申請者の実態把握を行うことができるよう努めるものとすること。また、新予防給付及び地域支援事業の効果に関して信頼性の高い研究成果を蓄積し、市町村に対して情報提供に努めること。
 十、新予防給付・地域支援事業の実施状況をみながら、平成二十年度末までに予防効果の評価検討と同時に、保険料、サービスの水準、要介護認定審査等における地域格差の縮小を図り、全国平等のサービスとなるように必要な財政措置等を講じること。また、地域支援事業における介護予防サービスの対象者選定に係る「介護予防のスクリーニング」においては、全国共通の客観的基準に基づいた判定が行われるように努めること。
 十一、介護予防プランにおいて口腔機能向上のための口腔ケアプランを策定する際には、歯科医師、歯科衛生士等の専門家の意見を聴くこととすること。
 十二、地域包括支援センターの運営については、公正・中立を確保する観点から、市町村の責任を明確化した上で、地域に根ざした活動を行っている在宅介護支援センターの活用も含め、地域の実情に応じた弾力的な設置形態を認めること。また、専門職の配置については、その資格について経過措置を設けるなど、地域の実情を踏まえた人材の確保ができるように十分配慮するとともに、主任ケアマネジャー(仮称)については、介護現場での経験を重視し、適切なケアマネジメントを行える人材を登用すること。
 十三、介護保険事業及び介護予防事業の実施に関しては、生涯を通じた健康づくり支援という観点から、生活習慣病予防等その他の健康づくり関連事業との連携性、整合性を有するよう努めること。
 十四、ケアマネジャーについては、資質の向上を図るとともに、中立性・独立性を重視する観点から、基準及び介護報酬について所要の見直しを行うこと。
 十五、ケアマネジメントについては、包括的なケアマネジメントの実施、多職種協働の強化、サービス担当者会議の積極的な開催や自立した生活の実現を目指したケアプランの作成など、介護保険制度の特色であるケアマネジメントの真価が発揮できるように十分な指導や支援に努めること。
 十六、介護需要が増大する中で、介護労働の魅力を高め、優秀な人材を介護の職場に確保していくため、介護労働者の雇用管理や労働条件の改善、研修体系や資格の在り方の見直しに取り組むこと。また、労働条件の改善及びサービスの質の確保・向上の観点から、介護施設の施設基準を見直すとともに、直行直帰型のホームヘルパー及びグループホームの夜勤についてその労働実態を把握し、所要の改善を図ること。
 十七、介護サービス事業者の指定及び取消の要件に、労働関係及び社会保険関係法規の遵守状況を含めることを検討するとともに、介護サービス情報の公表に当たり、短時間勤務も含めた従業員の健康診断及び感染症予防に関する研修の実施の有無を対象項目に含めること。
 十八、難病など医療ニーズと介護ニーズを併せ持つ在宅の中重度者への対応や、在宅におけるターミナルケアへの対応などの観点から、訪問看護ステーションや地域に密着した医療機関を活用して医療と介護の連携を図ることにより、在宅療養をより一層支援していくために必要な措置を講じること。
 十九、介護現場における医療行為の在り方について、介護職員、介護を受ける当事者、家族及び医師、看護師等の医療関係者等の意見が反映されるような検討の場を設けること。
 二十、在宅療養者における介護保険及び医療保険の自己負担の上限額の在り方については、次期医療制度改革の際に結論を得ること。また、この法律の施行後三年を目途として行われる新予防給付及び地域支援事業等に係る検討を行うに際しては、新予防給付の対象者やそのプログラムの内容についても必要な検討を行うこと。
 二十一、認知症予防の研究の推進や対策の確立、認知症に関する国民に対する正しい知識の普及、関連領域としての高齢者のうつ対策の推進など、総合的な認知症対策を講ずること。また、認知症高齢者が、悪質な事業者等に利用されることなく、安心して介護サービスを受け、地域で暮らせるように、さらに、高齢者の虐待防止の観点からも、市町村の必須事業となった権利擁護事業の充実や、成年後見制度の活用促進が図られるように措置すること。
 二十二、介護サービス事業所における施設長・管理者について、就任前の研修と修了試験、就任後の定期的な研修を義務づけ、事業者指定・更新の際の要件とするよう検討すること。また、サービス提供責任者の業務内容を明確化し、必要な職業能力開発の仕組みを整備すること。
 二十三、市町村の保険者機能の強化及び介護給付費の適正化を一層推進するため、居宅サービスの実施状況を、保険者において国民健康保険団体連合会と連携し、より正確に把握・管理するシステムの確立を早急に図るとともに、介護費用通知の実施拡大、不正請求の防止を徹底すること。
 二十四、介護保険事業に従事する人材を適切に確保する観点から、社会福祉施設職員等退職手当共済制度への加入継続の努力を促すとともに、今回の改正により公的助成が廃止される施設等の制度改正後の新規採用職員について、中小企業退職金共済制度に加入する選択も可能となるよう必要な措置を講ずること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#199
○委員長(岸宏一君) ただいま山本君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#200
○委員長(岸宏一君) 多数と認めます。よって、山本君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、尾辻厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。尾辻厚生労働大臣。
#201
○国務大臣(尾辻秀久君) ただいま御決議のありました本法案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重し、努力してまいる所存でございます。
#202
○委員長(岸宏一君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#203
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時三十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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