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2005/07/07 第162回国会 参議院 参議院会議録情報 第162回国会 厚生労働委員会 第30号
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2005/07/07 第162回国会 参議院

参議院会議録情報 第162回国会 厚生労働委員会 第30号

#1
第162回国会 厚生労働委員会 第30号
平成十七年七月七日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 七月七日
    辞任         補欠選任
     坂本由紀子君     野上浩太郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         岸  宏一君
    理 事
                国井 正幸君
                武見 敬三君
                辻  泰弘君
                山本 孝史君
                遠山 清彦君
    委 員
                清水嘉与子君
                田浦  直君
                中島 眞人君
                中原  爽君
                中村 博彦君
                西島 英利君
                野上浩太郎君
                藤井 基之君
                水落 敏栄君
                足立 信也君
                朝日 俊弘君
                家西  悟君
                小林 正夫君
                柳澤 光美君
                柳田  稔君
                蓮   舫君
                草川 昭三君
                小池  晃君
                福島みずほ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   尾辻 秀久君
   副大臣
       厚生労働副大臣  西  博義君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       藤井 基之君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        川邊  新君
   政府参考人
       厚生労働大臣官
       房長       鈴木 直和君
       厚生労働大臣官
       房審議官     大槻 勝啓君
       厚生労働省労働
       基準局安全衛生
       部長       小田 清一君
       厚生労働省労働
       基準局労災補償
       部長       森山  寛君
       厚生労働省職業
       安定局長     青木  功君
       国土交通大臣官
       房審議官     中島 正弘君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○建設労働者の雇用の改善等に関する法律の一部
 を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(岸宏一君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 この際、尾辻厚生労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。尾辻厚生労働大臣。
#3
○国務大臣(尾辻秀久君) 厚生労働委員会の御審議に先立ち、衛藤晟一厚生労働副大臣及び森岡正宏厚生労働大臣政務官の免職に関し発言をさせていただきます。
 衛藤副大臣及び森岡政務官は、去る七月五日の衆議院本会議における郵政民営化法案等に係る採決に際し、内閣の方針に反し否とする投票を行いました。これを受けて、同日の臨時閣議でこれらの者を免ずることが決定されました。
 私といたしましては、これまで厚生労働行政に真摯に取り組み、私を補佐してきた両名が職を免ぜられたことは大変残念であります。しかしながら、厚生労働行政の推進にひとときの停滞もなきよう、直ちに当面の対応として、これまで両名が担当してきた職務の範囲を含め厚生労働省の所掌分野全般を西副大臣及び藤井政務官が担当することとし、両名に緊密な連携の下に私を補佐するよう指示し、省内にも周知させたところであります。
 お願いしております法案審議への対応も含め、今後とも西副大臣及び藤井政務官とともに諸課題の解決に向けて全力を尽くし厚生労働行政の推進に邁進する所存でありますので、委員長始め皆様方の一層の御理解と御協力を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。
#4
○委員長(岸宏一君) ただいま厚生労働大臣から発言がございましたが、委員長として一言申し上げます。
 副大臣及び大臣政務官は国会において大臣を補佐する役割を有し、特に副大臣においては、大臣の命を受け、政策及び企画をつかさどり、大臣不在の場合その職務を代行する等、国政において大臣に準ずる重責を担うものであります。
 現下の厚生労働行政は、年金、介護、医療、雇用問題等、幅広い分野で様々な課題を抱えており、大変難しい状況下にあることは申すまでもありません。また、現在、衆参両院において厚生労働省所管法案の審議が行われている最中であります。
 このような状況下において副大臣、政務官が二名欠員となったことにより、本委員会の審議に支障が生ずることがあってはならないとの認識で各会派一致いたしました。
 厚生労働大臣におかれましては、本委員会の認識を重く受け止め、今後の厚生労働行政及び国会審議に際し、遺漏なく取り組んでいただくよう強く要請いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(岸宏一君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 建設労働者の雇用の改善等に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省職業安定局長青木功君外五名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(岸宏一君) 次に、建設労働者の雇用の改善等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○家西悟君 おはようございます。民主党・新緑風会の家西悟でございます。
 まず、冒頭、一言申し上げます。
 今回、衛藤副大臣が更迭されました。私は、やはりこのことは国会軽視であると、更迭されて空席のままで本委員会が開かれるということはやはりおかしいと思っています。労働部門に担当するはずの副大臣のはずであり、その方がおられない中で労働問題を議論するということ事態が基本的に甚だおかしいことだと。それは、あくまでも小泉総理の今回の、国会軽視と言わざるを得ない、断ぜざるを得ない状況だということを重く認識を再度していただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 それでは、ただいま議題となりました労働者の雇用改善に関する法律の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。
 建設労働に従事する大工さんなどからは、事業主は工事単価の圧縮などを強いられている又は工賃の引下げを強いられているという話を私はよく聞きます。
 そして、大臣のお手元にお渡ししていますけれども、私が全国事務所を置いている埼玉県にある、建設に従事する事業主や労働者で組織する建設埼玉で実施した賃金アンケート、平成十六年度の調査があります。この建設埼玉は全建総連加盟の組織で、木造住宅の生産にかかわる現場の技能労働者、例えば大工さん、左官業や電気工事業、工務店、建設業に従事する労働者の方々の集まりです。ここの団体で平成十六年調査において、アンケートでは、平均年収では埼玉県の全産業の労働者の平均年収と比べても低い、依然としてこれらの小規模な工務店、建設労働者の環境は厳しいことが分かります。
 そこで、アンケートの内容を少し御紹介申し上げると、声を申し上げると、町場大工、工務店の仕事がほとんどなくなった、値引きや見積りなどでたたかれ、工事請負単価も安い、単価が安く生活が苦しくなった、資金繰りが苦しい、最近の仕事はリフォーム中心で新築の仕事は大手住宅メーカーの独占になっている、悪質なリフォーム業者を取り締まってほしい、仕事を紹介してほしい、国が景気を良くしてほしいなど、これらは多くの事業主、一人親方、建設労働者の生の声です。
 このアンケートをまず御紹介し、質問に移りたいと思いますけれども、まず大臣、お読みになられたと思いますけれども、このアンケートの生の声を聞いて、率直に大臣の御感想をお述べいただければと思います。
#9
○国務大臣(尾辻秀久君) 全産業につきましては経済状況が改善傾向で推移いたしております中で、建設業につきましては、バブル崩壊以降の民間投資の減少と近年の公共投資の削減の動き等を背景として今なお厳しい状況にあるとまず認識をいたしておるところでございます。
 特に、建設投資が平成二年に八十五兆円でピークを迎えまして、その以降、平成十六年には五十三兆円と、ピーク時と比較して約四〇%減少しておるのに対しまして、建設業で働いておられる労働者の数は、平成九年の六百八十五万人と比較して平成十六年は五百八十四万人と約一五%の減少にとどまっております。すなわち、仕事は四〇%減っているのに働いておられる皆さんの数は一五%の減少、こういうことでございます。当然のこととして、労働者をめぐる雇用環境は依然として厳しいものがありますとともに、建設労働者の賃金水準についても低下傾向にありますなど、建設労働者をめぐる現状については極めて厳しい状況にあると、こういうふうに認識をいたしておるところでございます。
 今御紹介いただきました建設現場で働いておられる労働者の方々の生の声というものも、正にそうした背景を表しておられるものというふうに存じてお聞きをいたしていたところでございます。
#10
○家西悟君 率直な思いを伝えていただいたと思いますけれども、しっかりと読んでください、このアンケートの生の声ということを。そして、この法案が、今回提出されている法案が建設業の派遣法の解禁につながるものではないということで認識をしていいのかということを確認をさせてください。
#11
○国務大臣(尾辻秀久君) 労働者派遣事業は労働者派遣を業として行い利益を上げようとするものでありまして、労働者保護等の観点から様々な規制を行っているものでございます。一方、今回導入いたそうといたしております建設業務労働者就業機会確保事業は、現在建設業の現場で働いておられる常用労働者の雇用を維持するために実施する事業でございまして、労働者派遣事業とはその趣旨が異なり、規制の態様も異なるものでございます。
 建設業におきましては、中間搾取、強制労働等の問題が解消されておりません。また、建設労使の中には具体的な要望もないことから、現時点において労働者派遣法を改正して建設業務以外の分野と同様の取扱いをすることは考えておりません。
#12
○家西悟君 是非とも、現時点ではと言わずに今後もそのようにしていくということを言っていただきたいと思います。いかがですか、現時点という言葉を先ほど述べられましたけれども、今後もそのような考えはないということを強調していただきたいと思います。
#13
○国務大臣(尾辻秀久君) 私どもにその考えは、考え方はございません。
#14
○家西悟君 ありがとうございます。それでは大臣、本当にその辺はよろしくお願い申し上げたいと思います。
 それと、次に、建設労働者の雇用の安定のために是非労働政策を進めていただきたいと思います。今回の改正の柱である建設業労働者の、建設業有料職業紹介事業並び建設業務労働者就業機会確保事業に関する措置について、簡潔に御説明いただければと思います。
#15
○国務大臣(尾辻秀久君) 建設業務につきましては、先ほども少し述べましたけれども、悪質ブローカー等の介入による中間搾取それから強制労働の生ずるおそれが高いこと等を理由として労働者派遣法が適用除外としておる歴史的背景や趣旨等に照らしまして、建設業務有料職業紹介事業及び建設業務労働者就業機会確保事業におきましては、事業の適正な実施を確保するためには、実施計画を作成し認定を受けることができる事業主団体について、構成事業主を指導し適正に改善措置を実施できる能力がある者に限定することが必要であると考えておるところでございます。すなわち、今回私どもが行おうとする事業につきまして、まず基本的な考え方は今述べたところでございます。
 もう少し具体的な中身ということであれば局長からも答えさせますが、いかがいたしましょうか。よろしいでしょうか。
#16
○家西悟君 後でお尋ねしたいとは思います。
 それでは、そこで、実施計画の認定を受ける場合の事業主団体とはどのような団体をお考えなのでしょうか。
 例えば、都道府県、市町村にある建設業協会や全建総連の各都道府県の加盟組織などは、申請があれば認可をされるということでしょうか。これらの団体については、厚生労働省も十分お分かりになっていることと思いますが、特に全建総連の各県組織は建設国保組合の事務一つを取っても長年しっかりと取り組んでおられる。ずさんな社会保険庁の年金保険徴収事務と比べても本当によくおやりになっていると思っております。また、労働保険事務や建設退職者共済も認可事業としてしっかりと取組をされているわけです。
 尾辻大臣、これらの団体から仮に申請があれば認可されるお考えはあるのかどうか、御答弁ください。
#17
○国務大臣(尾辻秀久君) 実施計画の認定を受けることのできる事業主団体についてのお尋ねでございますけれども、建設労使の両方に参画していただいております労働政策審議会において、これまでこうしたことも御議論をいただいております。
 その御議論の中で、原則として、まず一つに社団法人であるということ、それから二番目に事業協同組合及び協同組合連合会の中で一定の規模以上の団体である等の事業実施体制の整っているものに限定するということにしてありまして、任意団体につきましては、適正な事業運営を確保するための厳格な要件を満たすものを除き認めないとすべきと、こういうことにされております。
 今申し上げましたように、事業主団体の範囲について一定の限定を掛けることはこれは必要と考えておりまして、具体的には今後省令で定めることといたしておりますけれども、今お話しいただきましたような建設業の労働者のために様々な取組を実施している、そういう実績のある事業主の団体でありますと対象の一つになり得るのではないかと考えておりまして、本法案を成立させていただきましたら、施行に向けた労働政策審議会の御議論の中で検討してまいりたいと考えております。
#18
○家西悟君 私は、どちらかというと、先ほど言いましたように、しっかりとやっていただいた中で、この法律が仮に成立した場合においての話をさしていただいています。そして、そういうような団体等々がやはりしっかりと、現場を知っておいでの人たち、そういった人たちがこういうような事業をしっかりと担っていただかないといけないんではないかという思いがあります。そして、取組をしていただきたいということを更に強調してお尋ねをしておきたいと思いますけれども、その辺は大丈夫でしょうか。要するに、歴史的な経緯、経過、そういったものも踏まえてそのようにしていくということでよろしいんでしょうか。その辺はいかがでしょう。
#19
○政府参考人(青木功君) ただいま委員からもお話がございました、そういった重みを受け止めて労働政策審議会にもお諮りしたいと存じます。
#20
○家西悟君 それでは、昨年度開始された建設雇用再生トータルプランの現状と、今回の改正でどのようなことが追加されるのか、簡潔に御説明ください。
#21
○政府参考人(青木功君) 建設雇用再生トータルプランにつきましては、既に趣旨説明等におきまして御報告しておりますように、トータルでは建設業の事業者の方、労働者の方が減っていかなければならない。ところが、個々の事業主さんのお立場に見ると必要な労働力が確保できない場面があるということで、昨年度から建設雇用再生トータルプランといたしまして、建設事業主の新分野進出の支援、それから技能労働者の育成確保の推進、建設業離職者の円滑な労働移動の推進、それから建設業における労働力需給調整システムの導入と、この四本柱で実施をしてまいりました。
 そのうち、この労働力需給調整システムにつきましては今回法律案として御審議をお願いをしておるものでございますが、その余のものにつきましては、新分野進出につきましては、それに当たって必要な能力開発を関係の労働者の方にしていただかなければなりませんが、そのための助成金等の活用促進を図るためのワンストップセンターを各県の建設業協会等にお願いして作っております。
 また、具体的な技能労働者の育成確保の促進に向けては、広域的な職業訓練を実施する職業訓練法人等への助成あるいは教育訓練の共同化、広域化に取り組む事業主団体等への支援を実施をいたしております。
 またさらに、建設業関係の離職者の労働移動の推進を図るためには、このための事業主団体による業界内外への再就職のための能力開発や人材情報の提供等を行ってまいると同時に、ハローワークも全力を挙げて支援をするというようなことでやってまいりました。
#22
○家西悟君 私は、一つは建設業に従事する方々が安心して暮らせるよう、これからもしっかりとこういった問題に見守っていきたいと思っていますけれども、そしてこの建設雇用再生トータルプランに関心を集中して見守っていきたいなと思っております。
 そして、今回この法案自体が単にゼネコンの要求するような派遣労働の解禁の先駆けとならないようにしていただきたい。そして、私が尊敬する尾辻大臣、歴史に名前が刻まれないように、その先駆けになったと、この法律がというようなことを言われないようにしていただきたい。
 私は、尾辻大臣まじめな方で、真剣に一つ一つの諸課題に取り組んでおられる大臣と信頼しております。そういう方が、こういった問題に対して、先駆けになった、あの尾辻大臣がやったんだというふうに言われるようなことのないよう、しっかりとこれは派遣労働のそういったものにはならないということをお願いしておきたいし、大臣の御決意を再度改めてお伺いして私の質問を終わりたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
#23
○国務大臣(尾辻秀久君) 本日もお答え申し上げましたし、再三にわたって申し上げてまいっておりますけれども、私どもに今御懸念のような考え方は全くないことを改めて申し上げます。
#24
○家西悟君 私の質問を終わります。ありがとうございます。
#25
○小林正夫君 おはようございます。民主党・新緑風会の小林正夫です。よろしくお願いいたします。
 今回の法律が、今まで決められている人材派遣、この法律とどこがどう違うのか、それと安全問題に関して問題がないのかどうか、こういうことを中心に質問をさせていただきたいと思います。
 まず、大臣にお伺いしますけど、労働者派遣事業が建設派遣を禁止してきた理由は何なのか、これを教えてください。
#26
○国務大臣(尾辻秀久君) 建設業務に係る労働者派遣事業は、これは労働者派遣法によって禁止されておるところでございますが、建設業が重層的な下請関係により作業が行われる実態がございます。こうした状況の下、建設業務において労働者派遣事業がもし行われたといたしますと、まず雇用関係の不明確化を招きまして、建設労働者の雇用の改善等に関する法律により行われております雇用関係の明確化や雇用管理の近代化等、雇用改善の取組を損なうということになります。それからまた、労働者に対する不当な支配や中間搾取等の弊害を生ずるおそれがございます。こうしたことで禁じておるところでございます。
#27
○小林正夫君 今大臣、答弁していただいたように、そういう理由があって派遣法は適用してこなかった、今後もしていかないと、こういう先ほど同僚の家西委員からの質問に対してお答えがありました。
 そこで、建設業務労働者就業機会確保事業と労働者派遣事業との違いについて教えていただきたいと思います。
#28
○政府参考人(青木功君) この就業機会確保事業と労働者派遣事業との基本的な違いにつきましては、先ほど家西委員の御質問に対しまして大臣の方から申し上げました基本的なものがありますが、具体的には、今回の法改正で導入をお願いをしようとしております建設業務労働者就業機会確保事業につきましては、基本的に、建設事業主が一時的に余剰となった働き手を、それも常用労働者を、同一の団体に属する、同じグループのほかのメンバーである事業主に送り出すという形でその雇用を維持し、雇用の安定を図ろうとするものでございます。その意味で労働者派遣事業とはもう基本的な理念の違いがあるわけでございます。
 実際にも、それを示す意味で、この事業を行おうとする事業主団体におきましては、実施計画を作成し厚生労働大臣の認定を受ける必要があること、それから一時的に余剰となる常用労働者の雇用の安定を図る範囲内でのみそういった送り出しを認めること、それから送り出しを専門とする事業主あるいは送り出しのみに対応する労働者というものがあってはならないという中で行うこと、それから送り出し先につきましても実施計画にあらかじめ記載された同一の事業主団体の構成事業主に限られると、こういうふうなことを法律及びこれに基づく指針等で整理をいたしましてきちっと実施をしようとするものでありますので、いわゆる労働者派遣事業とは基本的に違うというふうに御説明申し上げました。
#29
○小林正夫君 建設業界を取り巻く環境は、今日、今始まった厳しい状況じゃないんだと思うんです。日本の経済が落ち込み、まあ私は自民党の景気対策やってこなかったということが一番責任だと思いますけどね。もう長年にわたって、建設業界の方たちが置かれている状況というのは厳しい状況がずっと今日まで続いているというふうに私は思っています。
 そこで、このような状況が今に始まったことではないのに、なぜこの時期にこの法案が出されてきたのか、このことをお聞きしたいということと、今回の法案が建設労働者の雇用の安定につながると、このようにおっしゃっていますけど、これはどういう意味なのか、お聞きをしたいと思います。
#30
○国務大臣(尾辻秀久君) 今、今に始まったことではないというお話もございましたが、建設業におきまして今なお過剰供給構造にあるということはそのとおりでございますし、それから平成十六年六月に閣議決定されました経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇四、いわゆる骨太二〇〇四でございますが、これによりまして関係省庁が連携して建設業の新分野への進出を支援することとされておるところでございます。
 こうしたことがございますので、厚生労働省としては、工事の受注減により厳しい状況にある建設労働者の雇用の安定を図るという観点、これが一つでございます。それからもう一つは、建設業内における必要な技能労働者の確保を図る観点。こうした観点から、建設業務における新たな労働力需給調整システムを導入する必要性があるというふうに認識をいたしまして、これが先ほど家西先生からもお話ございました建設雇用再生トータルプランの中の柱の一つでございますけれども、そうした認識の下で新たな労働政策について労働政策審議会において議論を行っていただいたということでございます。
 で、その御議論いただいた結論が本年一月に取りまとめられたところでございますけれども、その中で、新たな労働力需給調整システムとして建設業務有料職業紹介事業及び建設業務労働者就業機会確保事業、今回お願いしておる二つの事業でございますが、その創設が提言されましたことから、これらの制度の創設を盛り込んだ本改正法案をお願いしているところでございます。
 そこで、今先生お話ございました建設業務労働者就業機会確保事業は、一時的に余剰となる常用労働者を送り出し労働者とすることでその雇用を維持しようとするものでございまして、その意味で雇用の安定に資すると考えておるところでございます。
#31
○小林正夫君 一週間前の、先月の六月の三十日に、グッドウィルに改善命令という新聞記事が出ました。これは、東京労働局は、労働者派遣法で禁じられている建設現場への人材派遣を違法に繰り返していたとして、この大手人材派遣会社のグッドウィルに対して事業改善命令を出した、こういうものです。これを読んでいくと、偽装請負を繰り返してきた、こういう報道がされていましたけれども、この現状の認識並びにこの問題に対する対応についてお聞きをします。
#32
○政府参考人(青木功君) ただいま御質問にございましたグッドウィルという会社は東京に本社を持つ会社でありまして、軽作業を中心とした請負事業さらに人材ビジネス、介護ビジネス等を事業内容とする企業であるというふうに承知をいたしておりますけれども、ただいま委員御指摘のように労働者派遣法により禁止されております建設業務への労働者派遣事業を行っておりましたところ、これにつきまして本年六月三十日付けで東京労働局長より労働者派遣法第四十九条第一項に基づく改善命令を行いました。
 その内容といたしましては、労働者派遣法で禁止されている建設業務への労働者派遣事業を即時中止すること、二つ目といたしまして、是正指導を受けたにもかかわらず違法な派遣を発生させた経過を明らかにし、その原因を究明し再発防止のための措置を講ずること、三番目といたしまして、遵法体制の整備を図ること等を求めたところでございます。
 すなわち、この企業につきましては、昨年七月にいわゆる偽装請負により事業を行っていたということで労働者派遣法に基づく是正指導を行い、改善した旨の報告を受けたにもかかわらず、更に違法な建設業務への労働者派遣事業を行っていたということでございます。
 今回の改善命令はただいまのとおりでございますが、今後更に監視をきちっといたしまして、実際に改善がなされているかどうか、東京労働局において確認を行うことといたしております。その結果、十分な改善が行われないということがございますれば、更に処分といたしまして事業停止命令あるいは労働者派遣事業許可取消し等の行政処分も辞さないということで、監視、指導といったものをきちっとやってまいりたいというふうに思います。
#33
○小林正夫君 大臣にお伺いしたいんですけど、今答弁いただきました、この今回の法案が仮に成立した後、このグッドウィルのやったことが正当化されちゃうなんていうことはないでしょうね。これを一つ聞きたいということです。
 それと、今回の記事とは別に、派遣が解禁になったと、こういう報道をしたマスコミもありました。そこで、今回の就業機会確保事業に対して誤解が生じるんじゃないかということを、私、大変危惧をしています。現在でも建設業では実質的に派遣に近い行為がされているケースがあるとも聞いておりますので、なし崩し的に建設業における派遣法の解禁につながるおそれがないのかどうか、このことについてお聞きをします。
#34
○国務大臣(尾辻秀久君) まずお答えいたしますけれども、グッドウィルが行いましたような行為がこの法律が制定されるということで正当化されるというようなことは、これは決してありません。まず明確にお答えを申し上げます。
 それから二点目でございますが、なし崩しになるのではないかというお話でございますが、再三先ほど来申し上げておりますように、私どもにそうしたなし崩しにするなどという考え方は全くございません。
#35
○小林正夫君 いずれにしても、働いている人を移動する、こういう、融通するというんですかね、こういうことには変わりないものですから、是非大臣のその言葉どおり進めていただきたいと、このように強くお願いをしておきたいと思います。
 そこで、今回の法案を見てみますと、送出労働者という余り聞き慣れない言葉が出てくるんです。私、今までの中で、いろんな話合いあるいは審議の中で出向だとか派遣だとか、こういう言葉を主に使ってきたんですが、この送出労働者というこの言葉なんですけれども、送出労働者というふうに読むのか、送り出し労働者と読むのか、まずこのことを教えてください。
#36
○政府参考人(青木功君) ただいまお尋ねがございました、この送出労働者、もう答えを言っちゃったようなものではありますが、内閣法制局等における審査過程から送出労働者というふうに読むと、こういうことになっておりまして、そういう御説明をしておるところでございますが、いかんせん、若干分かりにくい面がございます。そういう意味で、御説明等に当たりましては送り出し労働者というふうに表現させていただいております。
#37
○小林正夫君 送出労働者が本来の言い方だと、このように理解はしました。
 そこで、この送出という言葉、派遣、出向、請負、こういうことに対してきちんと整理をしたいんですが、この定義についてと、それぞれの違いについて教えてください。
#38
○政府参考人(青木功君) 少し理屈っぽくなりますが、御説明をさせていただいております。
 用語として、ただいま申し上げました送出、あるいは派遣、出向、請負と、こういった形で労働関係をめぐる用語がございます。
 その中で定義付けを行ってまいりますと、労働者派遣は、自己の雇用する労働者を他人の指揮命令を受けて当該他人のために労働に従事させると、これが労働者派遣でございます。
 それから、出向につきましては、いわゆる出向元と出向先との出向契約等に基づき、出向元との雇用契約を終了させ又は継続しながら、出向先事業主との間において新たな雇用関係を結びまして、その行った先において相当期間継続的に勤務する状態、形態を言っております。
 また、請負につきましては、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対し報酬を与えるという関係を言っております。
 これに対しまして、今回御提案申し上げております送出、送り出しにつきましては、建設業の事業主が、事業主団体の実施計画に基づき、当該団体の関与の下で、自己の常時雇用する建設現場作業に従事する労働者を、他の建設業の事業主の指揮命令を受けて当該建設業の事業主のための建設業務に従事されるものであり、実施範囲は実施計画の認定を受けた事業主団体の範囲に限られるということで今回定義付けを行ったものでございます。
 さらに、送出とその他の相違に着目して整理をいたしますと、送出と派遣については、送出というのは、先ほどから御答弁申し上げておりますが、常用労働者の雇用の安定を目的といたしております。派遣の方は労働力の需給調整を一定の営利事業の形態の中で行うものであると、こういった違いもございます。それから、送出と出向につきましては、送出は、他の事業主の下で仕事をするわけですが当該事業主との間には雇用関係は生じない、出向の場合は生ずると等々の違いがあるわけであります。
#39
○小林正夫君 青木局長が答弁していただいたことを、会議録ができると思いますから、それをよくまた見させていただきまして頭に入れたいと思いますけど、また疑問がありましたら別な機会にお聞きをしたいと思います。
 そこで、送り出される労働者の権利、それと送出事業主、受入れ事業主の義務と責任がどうなるか、こういうことについてお聞きをします。
 六月二十九日の衆議院の厚生労働委員会で、同僚の小林千代美議員がそれぞれの責任の所在についてどうなっているのかという、こういう問いをしました。さらに、山井議員が法律に明記すべきだと、こういう指摘も衆議院の厚生労働委員会では指摘がありました。
 そこで、第四十五条ですけれども、労災保険については実は明記はされているんですけれども、労働基準法、労働安全衛生法、じん肺法、作業環境測定法、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保に関する法律などの扱いについて明記がされていないんです。労働者派遣法ではこのことがしっかり明記をされた法律になっていますけれども、今回の法律ではないということです。
 衆議院の厚生労働委員会で、今言った同僚議員の質問に対して、尾辻大臣が、建設労働法第四十四条の読替え適用規定などにおいて明確にしていると、こういう答弁がありましたけれども、どのような取扱いをするのか、具体的にそれぞれの項目について示していただきたい。いかがでしょうか。
#40
○政府参考人(青木功君) ただいまお触れになりました件でありますけれども、原則論で申し上げますと、この就業機会確保事業における使用者責任につきましては原則として送り出し労働者を雇用している事業主が責任を負うものでございますけれども、実際に就業する現場で生ずる問題についての責任などにつきましては受入れ事業主に責任を負わせるという形の特例になっておりまして、いわゆる読替規定等によりましてちょっと分かりにくいようになっておりまして、恐縮でありますが。
 申し上げますと、基本的に、まず労働基準法について申し上げれば、労働時間管理につきましては、時間外・休日労働の協定の締結など労働時間の枠組みの設定に関しては送り出し側の事業主が責任を持ちます。それから、現場における法定労働時間の遵守等、その具体的な運用については受入れ事業主が責任を持ちます。また、時間外、休日、深夜の割増し賃金を含む賃金支払、年次有給休暇、産前産後の休業、就業規則の作成等につきましては送り出し側の事業主が責任を持ちます。また、強制労働の禁止あるいは申告を理由とする不利益取扱い等の禁止につきましては双方の事業主が責任を負うという仕組みになっております。
 また、労働安全衛生法につきましては、雇入れ時の安全衛生教育や一般健康診断等の雇入れに伴うこと、また、雇用期間中、継続的に行う義務事項につきましては送り出し側の事業主にございます。それから、危険有害業務就業時の安全衛生教育や有害な業務にかかわる健康診断等、業務上の具体的指揮命令等に関係することについては原則として受入れ事業主の責任となっております。また、産業医の選任、健康教育等につきましては双方の事業主にこの義務が課されることになります。
 また、じん肺法につきましては、送り出し期間中のじん肺にかかわる健康診断、予防、健康管理に関する教育等、予防措置は原則として受入れ事業主の責任でございます。
 また、作業環境測定法につきましては、作業環境測定士又は作業環境測定機関による作業環境測定の実施については受入れ事業主が責任を負います。
 また、いわゆる男女雇用機会均等法のセクシュアルハラスメントに対する雇用管理上の配慮義務や、妊娠中や出産後の健康管理に関する措置につきましては送り出し側、受入れ側の双方が責任を負うことにしております。
 さらに、災害補償責任につきましては、受入れ事業主に対しまして、又は受入れ事業主の元請事業主が責任を負担すると、こういう形になっております。
 なかなか複雑な部分もございまして、この点を分かりやすく理解をしていただく必要がございますので、法律が成立をいたしましたならば、きちっとした説明の付いたパンフレット等をきちっと作りまして、関係労使に分かっていただきたいというふうに考えております。
#41
○小林正夫君 今日の厚生労働委員会で厚生労働省の作成資料というものもいただきました。要は、ここにいろんな項目が、それぞれ送り出し事業の責任なのかあるいは受入れ側の責任なのかということが項目ごとに整理されてあるというふうに私受け止めていますけれども、このことを広く周知をしたりあるいはパンフレットの中で明らかにしていくと、こういう受け止めでいいですか。
#42
○政府参考人(青木功君) そのとおりでございます。
#43
○小林正夫君 是非、複雑になっていますから、何しろ、働く人たちあるいは出す側の企業、受け入れる側の企業がしっかり認識をしておくことが私はすべてにつながる、特に安全にもつながっていくというふうに思いますので、是非この取組はしっかりやっていただきたい、このお願いをしておきます。
 今回の法律で、送り出された労働者がずっと送り出されたままになっちゃう、こういうことが生じないのかどうか。さらに、計画の期間内としても、計画が更新された場合は送り出しがずっと続いちゃうという心配が私あるんですけれども、このことに対してどういう見解を持っていますか。
#44
○政府参考人(青木功君) この建設業にかかわる就業機会確保事業につきましては、先ほども御説明申し上げましたように、一時的に余剰となる建設業の労働者を同じ事業主団体の他の事業主の下で一時的に働いていただいて、いわゆる常用雇用を維持をしていくというのが目的でございます。したがって、ある方が送り出し労働者として継続的に送り出されたままになるということは制度の趣旨に反するものであるというふうに考えられます。
 このため、改正法に基づく指針におきまして、受入れ事業主による受入れ期間を原則として一年以内に制限をする。また、送り出し事業主において送り出しによる工事の作業量が自ら受注した建設工事の作業量の一定の範囲に収まるように明確化いたします。また、送り出し事業主に備付けを義務付けております送り出し労働者の就業記録を記載した台帳を確認し、送り出し専門の労働者となっているというふうな事態が私ども発見をいたしましたら直ちに是正するように指導するなど、実際に事業を開始した場合のチェックを怠らないようにしてまいりたいと思います。また、そういったことが、指導したにもかかわらず、ただいま申し上げたような事態が継続する場合には、この確保事業そのものの許可を取り消すことを含んだ厳正な対処も背後に置きまして指導をしてまいりたいというふうに考えております。
#45
○小林正夫君 私も長い間サラリーマンを経験してきましたけれども、仲間の人たちが出向という形で別な企業に行く、いつ戻ってこられるんだろう、このことが大変不安を持っている人たちも多いということもあるんです。出向と送り出しとの違いはあるけれども、でも、人が移動して別なところに行って働くわけですから、今の局長の答弁で、必ず戻ってくると、こういうシステムなんだということがよく分かりましたけれども、でも、このことがやはり送出されている労働者とか派遣されているあるいは出向されている労働者にとって一番不安なんですね。したがって、行きっ放しということがないように、これは強くお願いをします。
 そこで、今度は、受入れ側がこの法律ができたことによって労働者を整理解雇して、今回の法律によって別企業から人を融通してもらう、受け入れる、こういう心配ないのかどうか。要は、正規社員の首を切って人材融通をすることが可能になってしまうんじゃないか、この法律はそうじゃないか、私、思うんですけれども、この心配はどうですか。
#46
○政府参考人(青木功君) この就業機会確保推進事業、ただいま申し上げたとおりでありますが、受入れ側が御自分のところの労働者を例えば整理解雇して、そして受け入れるというようなことははっきりとこの制度の趣旨に反するものでございます。
 度々申し上げますが、こういった事業、これからスタートをするわけでございますので、この制度の趣旨をきっちりと関係の事業主団体、事業主さんにお伝えをしなければなりませんし、また、労働局を通じたこの事業の最初からの、スタートからの正しい理解、その後の指導といったものを含めて、ただいま委員御懸念のようなことが起きないようにやってまいりたいというふうに思います。
#47
○小林正夫君 次に、安全問題についてお聞きをします。大臣にお聞きをしたいと思います。
 厚生労働省の平成十六年度版の白書が出ております。非常に建設産業は労働災害が多い、このことが一目瞭然で、この百九十一ページ辺りからずっと書かれています。残念なことに、特に死亡災害、二〇〇三年のデータでは千六百二十八人の方が尊い命を失った。その中で、建設業が五百四十八人、千六百二十八名のうちの五百四十八名、全体の三三・七%の人が、建設業で働いていた労働者の方が亡くなっているという事実があります。次が製造業の二百九十三人で一八%、圧倒的に建設業で働く人たちが災害に遭ってしまっているという状況が多いんだと思います。
 そこで、私は、今まで私たちが生活をし、職場で働いてきた、どこでもそうですけれども、もう何しろ安全が最優先なんですね、命に勝るものはありませんから。そういう意味で、この取組は変わらないものだし、この安全最優先はだれに聞いても、どこでもこの気持ちは変わらないと、このように思う大変大事なところだと思います。
 そこで、今回の法律が成立、仮にしちゃった場合に、不特定な労働者を必要なときだけ活用するという、こういうシステムは安全上から見て非常に何か問題があって、安全に対する取組が十分できないんじゃないか、このように思いますけれども、このことに対して大臣どのような御見解をお持ちですか。
#48
○国務大臣(尾辻秀久君) お話しのように、安全はもう一番大事なことでございます。したがいまして、今回お願いをいたしております事業の実施に当たって、そのことが労働者の安全を損なうというようなことがあってはこれはもう決してならないというふうに考えておるところでございます。
 そこで、先ほど局長から細かくお答え申し上げましたように、原則として、機械設備等の設置、管理あるいは業務遂行上の具体的な指揮命令に関係することについては受入れ事業主に措置義務を負わせる、それからまた、一般健康診断等の実施については送り出し事業主に措置義務を負わせるという、この双方の責任をまず明確化いたしております。
 また、送出労働者につきましては、就業に当たって安全衛生に関する十分な知識を持っていなければならないことは言うまでもないことでありますので、安全衛生教育についても送り出し事業主、受入れ事業主がそれぞれ適切に行うべき旨を指針において明らかにすることを考えております、指針で明らかに出そうと考えております。
 こうした送り出し事業主、受入れ事業主双方の安全衛生に関する措置義務等について適切に周知及び指導を行いまして、送り出し労働者の安全衛生の確保を図ってまいりたいと考えております。
#49
○小林正夫君 一つお聞きをします。
 実は、アスベストの被害拡大ということの報道がここ一両日中されております。これは七月の六日の読売新聞の一面です。郵政の問題がトップですけれども、そのわきの一面ですから。ここに、アスベストの被害拡大、死者が百五十六人にも及んでいる。それと、今日の読売の朝刊ですけれども、「「労災」から「公害」へ」という、こういう見出しの記事も出ておりまして、「周辺住民 健康被害 国が緊急調査」と、こういう記事になっておりました。
 このことが事実なのか、仮に、この緊急調査やるということが決まっているならば、どういう手法で、どういうことの調査をする計画であるのか、ちょっと緊急的な質問なんですが、お聞きをしたいと思います。
#50
○政府参考人(小田清一君) 今般の石綿被害の報道を受けまして、厚生労働省としましては、石綿による労働災害の認定患者が発生している事業場へのこれまでの安全管理体制あるいは健康管理体制といったような状況につきまして全国的な調査等を行うこととしております。
 先ほど委員御質問の中にございましたアスベストの被害が拡大しているというふうな報道でございますが、これにつきましては、報道された件数等につきましては、過去に基本的に労働災害で認定された件数、平成十五年まで六百六十三件ございますが、そういった件数の各工場ごとの内訳というのは私どもは公表しておりませんが、それが、各工場が自主的に公表されてマスコミで報道されているわけでございまして、その中には労働災害以外の周辺住民の方とかあるいは御家族の方といった私どもの把握していない方もございますが、基本的に労働災害に関することにつきましては、私どもが認定した患者さんの件数が報道されたという事実でございます。
#51
○小林正夫君 これは緊急調査をやるということでいいんですか。
#52
○国務大臣(尾辻秀久君) 今お答え申し上げましたように、労災認定患者が発生している事業場へこれまでの安全管理や健康管理の状況について、これは私どもが調査をいたします。いずれにいたしても調査をいたします。
 ただ、この問題はまた各省庁にまたがる部分もございますので、これは連携して今後の対策を取っていきたいと存じますし、また、そうした中での調査も、連携しての調査もあるいは行わなければならないというふうには考えておりますが、今お答え申し上げることは、少なくとも私どもは今申し上げたような調査をいたします。
#53
○小林正夫君 先ほど説明を求めた送出事業主が負う責任あるいは受入れ事業側が負う責任、この中でもじん肺法という一つの法律もあります。是非、労働者がどんな場面でもいい環境で働けるようにしていくというのが、やはり私たちは厚生労働事業の大きなところだし、また私たち議員としてもそういう環境づくりをしていかなきゃいけないと思いますので、是非こういう不安が出てこないような取組を要望しておきたいと思います。
 幾つか、以降の質問も考えていたんですが、時間の関係でこれで終わりたいと思います。ありがとうございました。
#54
○辻泰弘君 民主党・新緑風会、辻泰弘でございます。
 今回の改正案の第四十六条には、厚生労働大臣の権限の一部を都道府県労働局長に委任することができるという規定があるわけでございます。
 そこで、まず冒頭、これに関連いたしまして、かねてよりお聞きしております労働局の問題についてお聞きしておきたいと思います。この問題につきましては、大臣の方からも昨年中に調査を終えるという話があり、三月末までという方針も伝えられたりしながら、四月二十八日に私お聞きしましたときに、一か月ぐらいで終えたいと、こういう話もありましたけれども、結果として二か月強がたっているわけでございます。
 そういった意味で、いろいろな報道もなされているところでございますけれども、兵庫労働局に対する調査の進行状況と処分の時期、方針、このことについて簡潔にお示しいただきたいと思います。
#55
○国務大臣(尾辻秀久君) お約束してまいりました時期が延び延びになりましたことは、まずおわびを申し上げたいと存じます。
 そこで、この兵庫労働局不正経理事案についてでございますが、私からも徹底的な調査を指示してまいりました。そして、本日、国家公務員倫理審査会にお諮りすることができる段階となったところでございます。そこで、今日の審査会の御判断次第でございますが、国家公務員倫理審査会の承認が得られましたら、その後直ちに所定の手続を経まして関係職員を処分をいたしますとともに、公表いたしたいと考えておるところでございます。
#56
○辻泰弘君 各紙が報じておりますのでほぼそういうことなんだと思いますが、総額で五億とか六億とかこういった被害総額だと、不正経理だというふうに言われているわけでございますけれども、その点はいかがですか。
#57
○政府参考人(鈴木直和君) 調査結果につきましては、大臣からも申し上げましたように、国家公務員倫理審査会の承認が得られた場合に詳細について公表する予定でございます。
 現在、不正額の金額がどうかというお尋ねでございますが、総額としてはおおむね五億四千万程度というふうに把握をしております。
#58
○辻泰弘君 今、五億四千万ということが言われたわけですけれども、大臣ちょっと、昨年の八月二十七日に厚生労働省が発表した調査結果を振り返りますと、兵庫労働局における不正経理については、兵庫労働局、厚生労働省本省を挙げて徹底的な調査を行ったという結果として三千六十一万円という数字が出されたわけでございます、三千六十一万円という数字が。その後、いろいろな過程を経て、一億だ、二億だと言って、結果として、今お話しのように五億四千万となったということになるわけでございまして、この落差は余りにも大きいというふうに言わざるを得ないと思うわけでございます。
 ある意味では、最初の徹底的な調査というのはいかなるものだったのかと、いい加減だったんじゃないかと言わざるを得ない。内部調査の本当に限界といいますか、お粗末さを物語ると言わざるを得ないと私は思うんですけれども、大臣、率直にどのように思われますでしょう、大臣。
#59
○国務大臣(尾辻秀久君) この間、私も申し上げましたように、徹底して調査をするように指示もいたしましたし、途中で大体どういうことなんだということも報告を受けてまいったつもりでございます。
 その間で私自身も感じましたのは、今先生がお述べになったようなことでございまして、やはりどうしても内部で調査をする、また、そういう表現を使わせていただけば、身内で調査をするということの限界はどうしてもあると。そして、先ほどお述べになりました、数字の落差をずさんであったと言われれば、それはもうそのとおりでございますというふうにお答えせざるを得ません。
#60
○辻泰弘君 今、内部調査の限界というふうにおっしゃいましたけれども、経済産業省の不正経理は外部委員会、調査会を入れてやるということになったわけですが、ある意味では、そういう意味ではいろんなことがこれからあるかもしれませんが、そういう意味では外部的なところがかかわらないと本当は調べ切れないということを物語っているんじゃないかと思うわけです。
 そういう意味では、労働局については会計検査院が入るということになったわけですから、そういう意味においては外部ということになるんでしょうから、それはそれで一つの形だとは思うわけですけれども、いずれにいたしましても、その昨年の八月の調査から見ると余りにもけたが違うということはゆゆしき問題だと思うわけでございます。
 そういう意味で、実は福島とか愛知とか、ほかの労働局のことも報ぜられていて、調べておられると、会計検査院も追っ掛けているんじゃないかと、このように言われているわけですけれども、どうか、そういったものをしっかりと調べていただいて、うみを出し切るということでやっていただきたいと思いますけれども、福島、愛知とかそういったものも今お調べになっているんですか、どうですか。
#61
○政府参考人(鈴木直和君) 愛知労働局それから福島労働局における問題としては、法定外の有給休暇それから超過勤務手当等の問題について五月から六月にかけて報道等がございました。これにつきましては、現在調査を行っている段階でございまして、できるだけ早くその実態を明らかにしたいと考えております。
#62
○辻泰弘君 それから、会計検査院が既に労働局を調べているのありますけれども、それは会計検査院はどうやってどう調べたか、内容は厚労省として事後的にチェックされているんでしょうか。
#63
○政府参考人(鈴木直和君) 現在、会計検査院が各都道府県労働局に対して検査を行っております。その検査の項目等につきましては、検査の過程の中で資料要求あるいは質問等がございますので、そういった意味で、検査の中身といいますか、検査項目については把握をしております。
#64
○辻泰弘君 先ほど尾辻大臣、内部調査の限界ということもおっしゃったと思うんですけれども、これ実は監修料にもかかわってくることかもしれませんけれども、ここ内部で調査されているわけですね。だから、そういう意味では監修料もかなりいい加減なところがありまして、またこれは日を改めてお聞きしたいと思いますが、そういった意味で、その面において、私はやっぱり外部調査といいますか、経産省は私はそこは偉いと思ったんですね。この間外部委員会を入れて、昨日発令したんでしょうか。そういった視点も必要だと思うんですけれども、その点だけ確認させてください。
#65
○政府参考人(鈴木直和君) この兵庫労働局等の問題、いろいろございましたが、先ほどもいろいろ御指摘ございました。
 例えば、兵庫労働局につきましては、当初の調査については、その具体的な調査の過程につきましては労働局自体に調査を指示し、その結果を踏まえて発表いたしました。ただ、それが不十分であったということを反省して、その後、本省で調査チームをつくり、その調査チームの構成としては、兵庫労働局の不正経理の中心が職業安定部門だったということも配慮し、調査チームの中ではそういった部門に関係をしない方、それから統合前は旧厚生省におられた方等を中心にチームを編成して、できるだけ客観的に十分に調査ができるような、そういった体制をつくってやってまいりました。
 これからもいろんな調査についてはそういった観点を踏まえて対応したいと考えております。
#66
○辻泰弘君 大臣、最後一つ。この点については、今日、国家公務員倫理審査会に諮られるというふうに聞いておりますけれども、それを踏まえてのことになるんでしょうが、いずれにいたしましても、この点についてやはり厳正な対応が必要だし、今後とも各労働局についての調査、それを踏まえての対応ということをしっかりとしていただきたい。そのことについてお願いします。
#67
○国務大臣(尾辻秀久君) まず、先ほどお答え申し上げましたとおりに、国家公務員倫理審査会の御承認をいただきましたら直ちに公表をいたします。それから、関係職員については厳正に処分をいたしますし、それと不正に支出された額について国庫に返還していくということにいたします。
 それから、今後の調査につきましては、うみを出し切れというお話がございましたが、まさしくそのとおりにしなきゃならないと考えておりまして、徹底して調査いたします。
#68
○辻泰弘君 それでは法案の中身について御質問をしていきたいと思うわけですが、それに先立ちまして、本法案に対しての私どもの対応について申し上げておきたいと思うわけでございます。
 これまで厚生労働省は、先ほど来議論もございましたけれども、建設業務については、過去からの実態において悪質ブローカーが労務供給者として介入し、強制労働、中間搾取等の弊害が生じていた分野であり、労働者派遣を導入することは労働者保護の観点からも問題が大きいことから、労働者派遣事業の適用対象業務とすることは適当でないと主張されてきたところでございます。
 しかしながら、今回の法案は、第四十四条に労働者派遣法の規定の読替え適用の条項があることなどから明らかなごとく、これまでの主張に反して建設業務分野に実質的な派遣を持ち込もうとするものであり、立法趣旨の基本の面から私どもは反対せざるを得ないわけであります。
 また、今見ましたように、不正経理、不祥事の相次ぐ都道府県労働局の現状というものは国民の信頼にこたえ得る体制にあるとは到底言えるものではなく、そこに労働者の権利にかかわる重要事項の権限をゆだねることは甚だ心もとなく、その意味からも容認できるものではないわけであります。
 また、後で申しますけれども、説明不足、資料不備、方針不明確と言うべき部分も多く、総じて本法案は労働者保護を大きく後退させるおそれが強いもので、我々は到底賛成できない。このことを明確に申し上げた上で、以下の質問に入らせていただきたいと思います。
 まず、法案作成以前の審議会の資料等では、事業主団体が改善計画を作成するということになっていたわけですが、法案では、改善計画の用語が完全に消えてしまっておるわけであります。実施計画という用語が使われているわけですけど、なぜ改善計画がなくなってしまったのかについては政府からの説明は全くない。甚だ不明朗であり、誠実な対応にはほど遠いと言わざるを得ないんですが、なぜ消えてしまったのか、まずお伺いしたいと思います。
#69
○政府参考人(青木功君) 労働政策審議会から御報告をいただいたところでありますが、そのときに、当該審議会からの御報告におきましては、事業主団体が作成する計画は、改正法案、改正後の法律第十二条第一項において改善措置を一体的に実施するための計画というふうに定義をいたしまして、その名称について、確かに今委員お触れになりましたように、検討段階において改善計画としておりました。
 しかし、その後、内閣法制局等との審査の過程におきまして、同法に基づきまして厚生労働大臣が策定する計画が建設雇用改善計画というふうな言い方をしておりまして、名称が似通っているというところから別の名称にすべきという指摘を受け、実施計画としたものでございます。
 御指摘のとおり、そういった審議会の御報告との、その後、変わったわけでございますので、今後この実施計画という名称についても、既に審議の過程で改善計画ということで議論をされた経緯もございますので、関係労使を含めこの新しい用語について御理解を賜るようにしてまいりたいと存じます。
#70
○辻泰弘君 私が問いたいのは、そのことが駄目だというんじゃなくて、そのことが、審議会の資料とこの法案との結び付きが何ら説明されないままに来ていると、だからその部分はどこかでやはり明示しておくべきだったんではないかと、そういう意味において私は説明不足と言わざるを得ないと、このように申し上げておくわけであります。
   〔資料配付〕
#71
○辻泰弘君 それからもう一つ、資料を配っていただいているかもしれませんけれども、今回の私が一番大事だ、大事なポイントだと思います建設業務労働者就業機会確保事業ですけれども、これについての説明の図がなかったものですから、ほかの雇用形態についてはあるにもかかわらず、これのはなかったものですから、出すべしと。また、労災の特例についての説明図も作れと、作るべきだし、私は実は元々あると思っていたんですけれども、それが全然ないまま、衆議院も来て、こっち来て、私が言って初めて出てきたと、こういうことになるわけですけれどもね。出していただいたことは敬意を表するとはいえども、そもそも、なぜ、何ゆえこれがなかったのかということは、私はやっぱりこれは説明不足であるし、資料不備ということを指摘せざるを得ないわけでございまして、今後このようなことがないように、この点については強く求めておきたいと、このように思うわけであります。
 それで、以下、今申しましたように、今回の法案の一番、まあいずれも重要なポイントではありますけれども、私が一番大きいポイントだと思います建設業務労働者就業機会確保事業について、この点について以下質問したいわけですが、いずれも方針があいまいで不明確だと、このように私は思うわけでありまして、その点についてお聞きしておきたいわけであります。
 まず、衆議院段階での審議において、これは局長答弁だと思いますけれども、今回の事業は、お互い分かっている中の事業主の方が、商売ではなくて、業として稼いでいくというものとは違う、本質的に異なる仕組みであると、そしてもうけることはないんだと、こういうような答弁をされているわけですね。すなわち、利益を得ようとしてやるものではないと、こういう答弁をされているわけですが、そのことをどうやって担保するのかと、その部分について御説明いただきたい。
#72
○政府参考人(青木功君) まず、先ほども御答弁申し上げましたけれども、この事業のスタートに当たって、まず制度の趣旨というものを関係の団体の方、事業主の方に分かっていただかなければなりません。それをきちっと周知することが大切だろうというふうに思います。さらに、具体的には、そういった中に、事業の実施状況を立入検査あるいは御報告をいただくという中できちっとやりながらその辺を担保をしていかなければならないと思っています。
#73
○辻泰弘君 いや、局長の答弁は、利益を得ようとしてやるものではないと、こういうことですから、今のことでは利益を得ようとしているものではないことを担保することにならないわけですね。また、そのことについては具体的なやり方を指針でまとめたいと、こうおっしゃっているわけですから、そのこと自体悪いというわけじゃない、むしろすべきだと思うんですけれども、率直に言って、このときの答弁は非常に抽象的で、何か仲間内で、その気心が知れている人たちがもうけることを考えずにやるんだと、極めて善意な形だというふうなことを言っているわけですけれども、しかし、そういうことが中心であればいいとは思いますけれども、しかし、法律を作って新しい制度を作るときに、そんな善意のことだけを考えるわけにはいかないわけですから、そういった意味では、私はこの答弁自体、非常に薄いと言っては失礼かもしれませんが、やっぱり本質を大事にしていないところがあると思うんですね。
 そういった意味で、利益を得ようとしてやるものではないと、このようにおっしゃるのであれば、そのことをはっきりと方針のどこかに書くということであるべきだと思うんですね。そのことを担保することが必要だと思うんです。そこをはっきりさしてください。
#74
○政府参考人(青木功君) 衆議院及び当委員会における審議経過を踏まえて、指針で明らかにしてまいりたいというふうに存じます。
#75
○辻泰弘君 その点はしっかりと対応していただくように申し上げておきます。
 それから、次の問題で、今回のいわゆる送り出し労働者については、常用雇用、常時雇用する労働者に限ると、こういうことになっているわけでございます。その常時雇用する労働者かどうかということについては、雇用保険、社会保険への加入状況等により判断すると、こういうような考え方も出ているわけですけれども、しかし、この辺が必ずしも明確になっていないというふうに思うわけです。
 そこで、このことについて、私はやはり具体的に定義を明示すべきだと思うんですけれども、いかがでしょう。
#76
○政府参考人(青木功君) 常時雇用する建設業務労働者の方々、通常雇用期間の定めのない労働者、又は実質的に雇用期間の定めのない労働者と同等とみなされる労働者を言うものということでございますけれども、ただいま委員御指摘にございましたように、なかなかその境界線のところで分かりにくい部分もあるかと存じます。したがって、これらについては、むしろ抽象的な定義で説明するよりも、こういった方はどうなのか、こういった方はどうなのかというふうな事例の集積等も必要かと思います。
 いずれにいたしましても、そこのところははっきりしてまいりたいというふうに思います。
#77
○辻泰弘君 答弁では、期間の定めのない労働者と、それと同等とみなされる労働者に限ると、こういう言い方で、それ以外は間違いとは言いませんが、しかし、現実にその審議会の資料なんかを見ますと、一年の雇用契約期間を反復してやっていく場合も、それは常用雇用であり得るし、例えば、二か月未満の期間の定めをして、それを反復継続している場合も常用雇用ということもあるんだと、こういうふうにおっしゃっているわけですね。それは一つの考え方としてあるのかもしれませんが、しかし、いずれにしても、そうであればやはりその辺も、今個別にとおっしゃったけれども、やっぱり例示で、こういう場合はやはりあるんだということは示していただくべきだと思うんですけれども、いかがでしょう。
#78
○政府参考人(青木功君) おっしゃられるとおりだというふうに思います。特に、この制度が常用的な方々がそうでなくなってしまうようなことをこの仕組みの中で防ごうという趣旨でありますので、そういった働く方々を守るという観点ででき上がっているということも勘案しながら、御指摘のように対応してまいりたいと思います。
#79
○辻泰弘君 そのように対応をお願いしておきます。
 それから、労働時間の管理のことでございます。
 この点についても衆議院段階でも議論があったんですけれども、これは大臣も、また局長も答弁されているわけですが、私は根本的にこれおかしいと思っていて、実質的に修正をすべきだと思っているわけであります。すなわち、労働時間管理については、枠組み設定については送り出し事業主が、そして具体的運用については受入れ事業主が責任を負うと、これはこれで理解できるわけですね。
 ただ、その後、すなわちとありまして、送り出し事業主が時間外、休日労働の協定を締結いたしまして、これを労働基準監督署に届けた場合は、受入れ事業主はその範囲内で送り出し労働者に時間外、休日労働をさせることができると、こういうふうに大臣は答弁されているわけです。
 しかし、詰めていろいろ今回の法案のことを聞きますと、結局はその受入れ事業主が送り出し労働者を働かせるといいますか、働いてもらうことの時間的な問題は、休日労働も時間外労働も含めて契約の範囲の中なんですね。あくまでも契約の中に、契約に書いてあることの中で働く労働時間があるわけですね。ですから、そういう意味においては、元々の雇用契約に書いてあることだとか、労働基準監督署に入って、もちろんその中で契約はできるわけですけれども、しかし、その直接的な、受入れ事業主と送り出し労働者の労働時間の問題の管理については契約のことがすべてなんですね。
 だから、そこの部分ははっきりさせないとおかしいと思うし、この意図が本当はちょっと的外れというか、本当は本質をついていないことで、おかしいんですね。そこ正確なところを言ってください。
#80
○政府参考人(青木功君) 御指摘のとおりでございまして、基本的にはまず送り出し側と受入れ側の契約がございます。
 ですから、そちらが優先というか、例えば基本的に残業はしてもらいませんというお約束があれば、両事業主間のお約束であって、そのフレームの中でやるわけですから、そこのところと、事業主間のお約束と、それから事業主と労働者の間の関係というものは、例えば先生おっしゃられたような関係になるんだろうというふうに思います。つまり、まず契約ありきと、その中で実は労働法等の制約が掛かるという理解がいいんではないかというふうに思います。
#81
○辻泰弘君 それ、局長がおっしゃるのはそのとおりなんですが、私が言っておりますのは、この衆議院における答弁は、要は、その受入れ事業主が送り出しサイドの契約の内容、雇用契約のですね、その内容を知っているという前提であるかのように読めるわけですね。そこはおかしい。知らないってことに、教えないことになっているわけですよね。だから、その部分がおかしいといいますか、誤解を招くということになるわけですね。そのことを私は申し上げているわけです。局長、どうですか。
#82
○政府参考人(青木功君) この場合、送り出し対象になる労働者の方には、当然でありますが、両事業主間のこういうお約束であなたは行っていただきますということは労働者には知らせなければならないことにしております。
#83
○辻泰弘君 労働者の問題じゃないんですよ。受入れ事業主がどれだけ働かせるかという話ですからね。
 私が言っているのは、この衆議院の答弁も間違いではないんですけれども、しかし間接的になっているということを申し上げているんであって、元々労働者との雇用契約がある、その中に就業条件が明記されていて、その範囲内で契約を作るわけですよね。実際に機能するところでは、その契約の中で働くんであって、元々の雇用契約というのは受入れ事業主は知らないわけですからね。だから、これだと、知っていて、その範囲だったらやっていいんだよと、こういうふうに言っていることになるんじゃないかと、このことを言っているわけですよ。
#84
○政府参考人(青木功君) ちょっと説明の上で、申し上げていただきましたようなちょっと分かりにくい面があったことをおわび申し上げます。おっしゃるとおりであります。
#85
○辻泰弘君 その点は認めていただいて、はっきりしていいんですけれども。
 それじゃもう一つ、時間外労働と休日労働に関する規定はやはり明確にしておくべきだと思うんですね。ですから、そのことについてはどこで規定されるのか。
#86
○政府参考人(青木功君) 改正法によります改正後の法第四十三条の契約におきまして、労働者の送り出しに際しまして、送り出し事業主、受入れ事業主の間で定めておくべき事項を列挙さしていただいております。
 この中で、送り出し、送出労働者の就業日、就業の開始及び終了の時刻等につきましては、「ほか、厚生労働省令で定める事項」について定めなければならないと、こういうふうにしております。その中で、御指摘の時間外労働あるいは休日労働の時間数、日数につきましては、省令におきまして送り出し事業主及び受入れ事業主の間で定めるべき事項として規定をしたいと今考えております。
#87
○辻泰弘君 その点についてもしっかり規定するように、明示できるように申し上げておきたいと思います。
 それで、以下は送り出し労働者の権利擁護という見地から御質問したいと思うんです。
 まず、答弁でも言ってはおられるんですけれども、その送り出し労働者となることについての本人の同意ということがやはり大事になるわけです。二つの意味があると思うんですね。送り出し労働者となるという包括的な合意という意味合いと、個別にそこに行くということの個別的な合意ということもあるかもしれません。そのことについて、文書で確認を取るというふうに理解をしていいのかどうか、その点、何で規定しているのか、そこをはっきりさしていただきたい。
#88
○政府参考人(青木功君) ただいま、送り出し、送出事業主が雇用する労働者を送出労働者とするためにはあらかじめ労働者の同意を得なければならない、これが御提案の内容ですが、その形式は文書によるべきということを考えております。
#89
○辻泰弘君 その文書によるのはいいんですけれども、何によってそのことが法的に、あるいは制度的に位置付けられ、担保されるかということです。
#90
○政府参考人(青木功君) 法に基づく省令で定めることと考えております。
#91
○辻泰弘君 省令でしっかりと御対応いただくということを申し上げておきたいと思います。
 それからもう一つは、送り出し労働者が実際受入先に行ってどう働くかと、そういう意味での就業条件をやはり書面で持っているということが大事だと思うわけです、自分はどういう条件で行くのかということについてですね。そういう意味で、読替規定なんかで対応されるようには聞いておりますけれども、その点について、何によってその就業条件の書面での明示というものが送り出し労働者自身が持てるか、そのことについて御説明ください。
#92
○政府参考人(青木功君) 受入れ事業主との間で定めなければならないもの、労働省令で定めることとされ、何を定めるかということでございますが、ただいま御指摘の部分につきましても、書面により送出労働者に受入れ事業主の下での就業条件について明示をいたしますが、これは厚生労働省令で定めるところにより書面の交付をすべしということで審議会に諮りたいというふうに考えております。
#93
○辻泰弘君 確認ですけれども、これは労働者派遣法の読替規定によることになりますね。
#94
○政府参考人(青木功君) そのとおりでございます。
#95
○辻泰弘君 その点もしっかり明示していただくように申し上げておきたいと思います。
 それで、次のポイントですけれども、苦情の問題でございます。
 こういったことが行われますと、やはり当然苦情というものも出てくると思うんですけれども、事業主への苦情については、その契約の条項のところにも文書があるわけですけれども、具体的にどういうふうな内容を規定するかといいますか、求めるかと、このことについて御説明ください。
#96
○政府参考人(青木功君) 送り出し労働者からの苦情の処理につきましては、改正法第四十三条によりまして、送り出し事業主及び受入れ事業主との間におきまして労働者から受けた苦情の処理に関する事項を定めなければならないというふうにしておりまして、また、その措置につきましては、改正法第四十四条により読み替えて適用する労働者派遣法の規定によるわけでございますが、その内容といたしましては、送り出し事業主及び受入れ事業主は、送出労働者からの苦情等を処理する責任者を選任しなければならないこと、これは派遣法の三十六条及び四十一条に規定されているところでございます。また、苦情の処理について、台帳に記載して三年保存をしなければならないこと、これも読替え後の規定の適用でございます。また、受入れ事業主は、送り出し事業主との密接な連携の下、誠意を持って遅滞なく苦情の適切かつ迅速な処理をしなければならない、これも読替え後の労働者派遣法第四十条第一項ということでございまして、苦情処理を行うこと、それをきちっと法律に基づいて行うことということがこれによって確保されるわけでございます。
#97
○辻泰弘君 今の点ですね、審議会に出された資料などでは、その中で、今責任者とおっしゃったけれども、その苦情処理担当者の氏名、部署、電話番号等が考えられると、こういうふうに書いてあるわけですね。私は、これは一つの大事なポイントだと思うんです。それはそれで一つの方針だと思うんですが、そこはどうなんですか。
#98
○政府参考人(青木功君) 具体的な細目につきましては、審議会における議論の経過あるいは国会における審議経過その他を踏まえて対処してまいりたいというふうに考えます。
#99
○辻泰弘君 審議会のときに出てきた資料ですし、国会でもこれ当然、私、必要だと思いますから、そういうことも入れてやるということでお願いしたいと思いますが、いかがですか。
#100
○政府参考人(青木功君) 御指摘のとおりにしてまいりたいと存じます。
#101
○辻泰弘君 もう一点、苦情についてですけれども、今度は労働局に対して申告するといいますか、苦情を申し出るというか、そのことについてになるわけです。
 これは厚生労働大臣に申告できるということに読替え後になるということでしょうかね。これもそういうことのようですけれども、ただ私は、実際問題そういった労働者が労働局に物申すというのはなかなか現実にそう簡単なことじゃないと思うんですね。
 そこで、少し素人的かもしれませんけれども、私は、今回新しい制度を作るわけですから、その送り出し労働者となる方にこの制度はこういうことなんだという分かりやすいパンフレットというか資料をお渡しできるように、このスキームだったらできるはずだと思うんですね。できなきゃうそだと思うんです。
 だから、そういう意味においては、そのパンフレットを渡すと同時に、その中に、苦情について、もしあればこのはがきで投函してくださいというふうなことで、後援会のしおりじゃありませんけれども、何かそういうものを入れて渡すということで、労働局に申告するというのも、なかなか実際そこへ行ってやるというのは現実にはできないことだと思うんで、そういった形を取るべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#102
○国務大臣(尾辻秀久君) お話しいただいておりますように、苦情のこの申告制度は送出労働者の保護を図る観点から極めて重要な制度でございます。このために、申告制度につきましては、建設業務労働者就業機会確保事業制度に係るリーフレット等に記載をし、事業主団体、送り出し事業主、労働組合等を通じて広く配布するなど、その周知に努めたいと考えております。そしてまた、内容につきましては今いろいろ御指摘もいただきました。そうしたことも踏まえながら、より効果の上がるものにしてまいりたいと存じております。
#103
○辻泰弘君 是非、私が申し上げたようなことも含めてお取り組みをいただいて、是非そういう形でやっていただきたいと、このように申し上げておきたいと思います。
 それから、同じく労働局への申出をした場合についてですけれども、その場合に不利益取扱いということがあり得るわけでございますけれども、やはりそれは当然禁止しなければならないと、このように思うわけですけれども、これも読替規定で規定されているやに聞いておりますが、そこをはっきりさせていただきたいと思います。
#104
○政府参考人(青木功君) ただいま委員の御指摘がございました申告に対する不利益取扱いの禁止でございますが、これは改正法の第四十四条により読み替えて適用する労働者派遣法第四十九条の三第二項におきましてこれが禁じられておりまして、読み替えますと、建設業務労働者の就業機会確保をする事業主及び建設業務労働者の就業機会確保の役務の提供を受ける者は、前項の申告をしたことを理由として、送出労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならないという形で読み替えられるものであります。
#105
○辻泰弘君 それからもう一つ、衆議院での審議にもございましたけれども、局長が答弁されておりますが、送り出し側から自信を持って出した労働者の方が行った先の期待にこたえないといったケースが生ずる可能性はないとは言えないだろうと。また、逆のこともあるかもしれません。そういった意味で、拒否の権利といいますか、解除の権利といいますか、そのことはやはり契約に盛り込まれているべきだと思うんですが、どうでしょうか。
#106
○政府参考人(青木功君) 受入れ事業主及び送出労働者とのかかわりでございますが、この改正法におきましては、労働者を送り出す場合にはあらかじめ送り出し事業主と受入れ事業主との間で御案内のように契約をいたします。ところが、契約の実施に当たって、契約に従っての業務内容を遂行する資格がない人あるいは能力的に問題のある方が送り出された場合には、受入れ事業主は当然当該契約に基づいてその内容、契約した業務内容を遂行できる他の労働者を送り出すことを求めることができるものであります。
#107
○辻泰弘君 その点についても契約にしっかりと明示するような形を、対処していただくように申し上げておきたいと思います。
 それから、労働局が事業主をチェックすると、この視点からなんですけれども、報告を求めることができるとか指導監督できると。これはある意味では当然のことですけれども、私は、やはり今回の法案の性格からかんがみて、現実問題、多数の中で成立するという前提に立たざるを得ないわけですから、そういった中で考えますときに、私は、やはり積極的に立入調査とかあるいは送り出し労働者に対する意見の聴取、そういったことも含めての取組というものをやはり機動的にやっていくべきだと思うんですが、その点いかがでしょうか。
#108
○国務大臣(尾辻秀久君) 今回創設をお願いをいたしております二事業につきましては、悪質なブローカーの排除というのは極めて重要であるというふうに認識をいたしております。このために、この二事業を指導監督する担当官を配置いたしまして、事業所に立ち入る、それから関係者から事情を聴取するといったような方法により指導監督を行うことといたしておるところでございます。
#109
○辻泰弘君 やはり立入調査とか本人へのアクセスということも私は大事だと思いますので、その点については遺漏なきを期していただくように申し上げておきたいと思います。
 それからもう一点、送り出し終了を理由とする解雇禁止ということでかねてより議論もありますけれども、この点について、何で規定するのかということを明示してください。
#110
○政府参考人(青木功君) 特に、送り出し就業の終了を、直後にその当該労働者の方を解雇をするという事案につきましては、元々これは他の部分がすべて満足されるという意味でありますが、経営上やむを得ない場合も考えられますけれども、例えば送出直前に採用し、そして送出終了直後に解雇を行うような場合には、この対象の労働者を常用労働者に限定してその方の雇用の安定を図るというその制度の趣旨と全く違ったやり方でありますので、これはこの仕組みの中では認められないということでありまして、こういったことが行い得ないということは指針の中で明記をしてまいりたいというふうに考えます。
 また、実際にそういった事態があるかないか、様々な、ただいま大臣からも御答弁を申し上げましたけれども、こういった事業を行う団体等への立入検査あるいは報告徴収、また労働者からの申告といったものにも適切に対処をしてまいりたいというふうに考えます。
#111
○辻泰弘君 今の点については指針で明記というふうに言っていただきましたから、その点についてはしっかりと明記されるように求めておきたいと思います。
 それで、労災のことについてお聞きしておきたいと思うんですね。
 先ほど資料を配っていただいたように、新たなスキームをつくられたわけです、特例と言われるゆえんでありますけれども。そのことで少し意外に思いますことは、厚労省は、当初は送り出し事業主を雇用事業主とする案を提示されていたと。しかし、今回のやつには特例を設けておられるわけですけれども、何ゆえ当初出されたけれどもそれがまた変わったのかと、このことについて簡潔に御説明ください。
#112
○政府参考人(青木功君) 関係審議会において議論をするときに、基本的な労災の災害補償の責任につきまして労働者派遣の派遣法のものと同じような考え方を提示をさせていただいたところでございますが、当該審議会における関係労使の議論の中で、それではきちっとした労働者保護にならないのではないかという議論が行われまして、その審議会の議論の方向に沿ってただいま御提案申し上げているような内容に改めたものでございます。
#113
○辻泰弘君 いみじくも今、派遣法と同じスキームというふうなことをおっしゃったわけですけれども、やはりそのことが事の本質を言っているような意味になるわけでありますけれども、読替規定の存在とともに今のこともやはり派遣ということに実質つなげようとしているというふうなことになるのではないかと。そういう意味からの私の最初の指摘につながるわけでありますが、私は、やはり建設業の従来からのルールである元請責任のルールを外したという意図がやっぱりよく分からないということで、結果として変わったという意味ではそれはそれで理解もできるんですが、当初の意図というのがちょっと分からないということは一つ指摘しておかなければなりません。
 それで、あと残り時間限られておりますけれども、やはりこのことの、今回の法案の元々の出発点というのは規制緩和ということだったと思うんですね。そこで大臣にちょっと、ある意味では大きな話になりますけれどもお聞きしておきたいと思うんですけれども、尾辻さんは大臣になられる前に予算委員会で総理に質問をされたときにこうおっしゃっていまして、規制緩和というのはやっぱり弱肉強食という面を持つことも否定できないと、このようにおっしゃっています。このことについて御見解をお示しください。
#114
○国務大臣(尾辻秀久君) 議事録読み直してみますと、こういう短い時間で申し上げると舌足らずになって誤解を受けるおそれがあることを承知の上であえて言いますけれども、規制緩和というのはやっぱり弱肉強食という面を持つことを否定できない、こういうふうに言っております。基本的に、私はこの考え方は今も変えておるものではございません。
 短い時間でございますから、そこまでまずお答えを申し上げます。
#115
○辻泰弘君 私も同見解でございますし、その視点は今後とも継続していただきたいと思うわけでありますし、これは事の当然だと思いますけれども。
 それでもう一点、いわゆる規制緩和という中で、私どもから見ますと、経済的規制と社会的規制がある、それをごっちゃにして緩和と言っているというふうに思うんですけれども、私の思いとしては、今回の法案にもかかわりますけれども、労働とか安全とか衛生とか環境とか生命とか医療とか、こういった人間の存在の基本にかかわるような、そういった分野の規制というものは単なる規制緩和で国民の幸せにつながるものではないと私は思うわけであります。
 そういった意味では、あるときにはもちろん規制緩和もあるかもしれませんけれども、むしろ維持し、また強化することもあるんではないかと、それが社会的規制であるということだと思うんですけれども、その点について、大臣、いかがでしょう。
#116
○国務大臣(尾辻秀久君) 私も全くそのとおりに考えておりまして、規制改革の重要性はもちろん認識はいたしておりますけれども、国民の生命でありますとか生活あるいは今話題になっておりますような労働者の労働条件などにかかわる規制については、安易に規制緩和をいたしますと国民の皆様に不便が生じないかという懸念は持っておるところでございます。
#117
○辻泰弘君 私が申し上げました政策領域といいますか課題というのはすぐれて厚生労働行政にかかわる部分が多いと思うわけでございまして、是非またそういった意味で、昨年以来の混合診療も実はその一つだと思いますけれども、そういった意味で、やはり社会的規制というものは単なる規制緩和の対象とは違うんだということで、とりわけ厚生労働大臣にはその視点を中心に持っていただきたいと、このことを申し上げておきたいと思います。(発言する者あり)武見先生に褒めていただくことはなかなかないわけでございますけれども。
 それで、最後に質問をしておきたいと思うんです。雇用形態、雇用システムについてなんですけれども、尾辻大臣は総理に対する質問の中で、実は、改革のキーワードはグローバルスタンダードだと思うと言われるけれども、現実にはアメリカンスタンダードになっているんじゃないかと、こういうふうなニュアンスでおっしゃっているわけですね。また、アメリカ型の勝ち組、負け組に二極化するような社会になっていくのかなと思ってしまうと、こういうふうなこともおっしゃっていて、その認識は私も共有するわけなんですけれども。
 それで、ちょっと昔ではあるんですけれども、厚生労働省が平成十三年に労働経済の分析、いわゆる労働白書を出されておりまして、その最後の「まとめ」のところで、「雇用のシステムまでアメリカのようにしなければならないのだろうか。雇用のシステムはそれぞれの国の歴史や社会や国民性と密接不可分である。他国のシステムを導入すれば、日本の強みさえ失われるかもしれない。むしろ日本には日本の強みをいかしたシステムを構築していく必要があるのではないだろうか。」と、このように書いてあるんですけれども、私はもっともな指摘だと思っていますが、この点についての大臣の御所見を求めたいと思います。
#118
○国務大臣(尾辻秀久君) 我が国の雇用システムは、長期的な視点から労働者を採用し、また配置をして、その継続的な能力評価と能力開発を通じて質の高い人材を育成することができる、それからまた、長期的な人間関係を基本としたきめ細やかな職場コミュニケーションを通じて労働者同士の円滑な共同作業が実現され、高い成果を上げることができるといったような長所を有していると認識をいたしております。
 今後におきましても、こうした長所を生かしながら、より多くの方々が意欲を持って働き、能力を十分に発揮することのできる雇用システムを構築していくことが重要であると考えております。
#119
○辻泰弘君 時間が参りましたので終わりますけれども、改正案に対していろいろ要請を申し上げましたけれども、その点については是非対処していただくように改めて御要請を申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
#120
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 元請責任が後退するのではないかという問題について最初にお聞きをしたいというふうに思います。
 労働者就業機会確保事業についてなんですが、この事業における労働者の権利保護について端的にお聞きをしますが、送り出し業者の方が倒産した場合に、送り出された労働者の賃金、これはどのように保障されるのか、まずお答えいただきたいと思います。
#121
○政府参考人(青木功君) 送り出し事業主の倒産により送出労働者の賃金が支払われない事態が生じた場合には、賃金の支払の確保等に関する法律に基づきまして未払賃金の立替払制度が適用されることとなります。
#122
○小池晃君 今度は受入れ業者が倒産した場合ですが、受入れ業者の方が倒産したような事態の場合、送り出された労働者の賃金あるいは労働者としての権利、これは一体だれが守るということになるんでしょうか。
#123
○政府参考人(青木功君) 労働者の賃金につきましては雇用主が支払うべきものでありまして、今回のこのスキームにおきましても、受入れ事業主が倒産をしたとしても、送り出し対象となった労働者の賃金につきましては雇用主である送り出し側の事業主に支払責任があるものであります。
#124
○小池晃君 しかし、実態として考えると、そういう事態に立ち至れば、受入れ業者倒産すれば、送り出し業者もこれ被害者なわけですよね。受入れ業者が倒産した場合には送り出し料が送り出し業者に入ってこなくなるわけでありますから、結果として受入れ業者が経営悪化、倒産すれば、送り出した業者の経営がこれは深刻な事態になるということは、これは当然考えられるわけであります。
 こうした事態になって、経営悪化によって定められた労働者の賃金が送り出し業者から支払われない、こういう事態も想定される。そのとき、だれが責任負うのか。また、その被害を受けた送り出し業者を救済するという策は今回のスキームの中にはないんじゃないですか。この点はどうなんですか。
#125
○政府参考人(青木功君) 送出労働者の賃金につきましては、ただいま御答弁申し上げましたように、送り出し事業主に支払責任があるわけでありますけれども、実際上、問題として、送り出し側から料金が支払われないとその送り出し側の経営者にとって厳しい事態になる可能性もないとは言えないわけであります。
 この事業につきましては、事業主団体の実施計画に基づき構成事業主間で実施されるものでございますし、受入れ事業主に倒産等の事態が生じた場合におきましても、事業主団体が新たな受入れ事業主をあっせんするなど、その影響を最小限にするようにやっていただくことが望ましいというふうに考えておりまして、できるだけそういった事態における影響が少なくなるように努めてまいりたいというふうに思います。
#126
○小池晃君 別の送り出し先を見付けるといったって、今月分の送り出し料は入ってこないし、すぐに見付かる保証なんか何もないんですよ。
 聞いているのは、今月、受入れ業者倒産すると、送り出し料入ってこないと、そうしたら、送り出し業者の資金繰り、大変なことになるわけですよね。その結果、定められた賃金支払われない場合、だれが責任負うのかという問題なんですよ。それが全くないわけですよ。
 ちょっと国土交通省にお聞きしますが、建設業法第四十一条の三項で、他人に損害を与えた場合に元請が損害を立替えすることになっていますが、その立法趣旨、趣旨について説明してください。
#127
○政府参考人(中島正弘君) 下請人が工事に関して他人に被害を与えた場合の立替払の措置がございます。
 その趣旨でございますが、これは下請人が施工に関して他人に被害を与えました場合において、その下請人が、もちろん下請人に責任があって、債務を履行すべき責任が下請人にあるわけでございますが、その下請人がその債務を履行しないために、その債権者である被害に遭われた方が非常に窮状に陥っていると、その救済を図る必要があるというような場合があるんではないかということを想定しまして、その場合には、やっぱりその元請人が下請人を指導する責任を負う必要がある場合もあるということから、行政庁が元請人に対して救済を優先させて必要な額を立替えするということを勧告するという規定を置いてあるというふうに考えております。
#128
○小池晃君 大臣、私、お聞きしたいんですが、今私が言ったようなケース、これは想定され得るわけですね。要するに、受入れ事業主が窮状に陥る、まあ倒産するような事態になって、送り出し事業主に対して送り出し料金を支払わない、このために送り出し事業主が窮状に陥ってしまう、ピンチになると。そういうときに、やはりその当該送り出し事業主、救済する必要があると思うんですよ。そういう場合には、送り出し料金について、建設業法第四十一条三項の元請の立替払の勧告の対象にもなり得るのではないかと。こういったことも含めて検討して、私は、労働者保護を後退させない、そういう対策がこれはどうしても必要になってくるのではないか。
 大臣は、衆議院の議論の中でも、いろんなケース考えられると。うちの山口衆議院議員も指摘したり社民党の阿部議員も指摘したりしておりますが、そういういろんなケース考えられる中で、やはり労働者保護を後退させないというためにはいろんな法律を適用していくということをこれ真剣に検討する必要があると。
 その中の一つの問題として、やはり元請責任という形でこれは検討していく必要があるのではないかというふうに思うんですが、大臣、いかがですか。
#129
○国務大臣(尾辻秀久君) これはもう改めて申し上げるまでもないことでございますけれども、あくまでも送り出したところの事業主が責任を持つ。私が今、責任持つと言うのは、賃金を払うという意味での責任を持つということは、これはもう明確になっておるわけでございますから、そのとおりにしていただくということになります。
 ただ、今先生言われるようなケースだとか、この前もいろんなケース御指摘いただきましたし、改めてお聞きをしますと、私も、ああ、なるほど、そういうケースも起こり得るなとか思うようなこともございました。
 いずれにいたしましても、今度の場合は、私どもはあくまでも労働者の皆さんの雇用を維持しようということでこの事業をやろうとしておるわけでございますから、その趣旨に沿って配慮をしなきゃならない、これもまたそのとおりでございます。
 したがいまして、そうしたことをいろいろ検討しながら、今後、事業の指導監督に努めてまいりたいと存じます。
#130
○小池晃君 今ちょっと極めてあいまいな言い方なんですが、やはり今言ったようなケースの場合に、私は、送り出し料金が支払われないような場合に、建設業法四十一条三項の元請の立替払の勧告の対象になり得るんでないかと、そういったことを検討すべきでないかと思うんですが、その点についていかがですか。
#131
○国務大臣(尾辻秀久君) 今、建設業法について言っておられますけれども、建設業法でございますので国土交通省の所管になる事柄でございます。また御相談申し上げながら検討させていただきたいと存じます。
#132
○小池晃君 私は厚生労働省としての姿勢を聞いているので、国土交通省との調整が必要であっても、やっぱりそういう立場で、これは厚生労働省というのは労働者保護することを目的とする省庁なわけですから、やはりそういう立場で法の運用をしていくべきだという立場でやはり調整していくべきじゃないかと思いますが、その点いかがですか。
#133
○国務大臣(尾辻秀久君) これも申し上げたことでございますけれども、今回の事業、二つの事業を創設しようとお願いをしておるわけでございますけれども、そもそもが雇用の維持ということでございますし、また更に申し上げますと、私ども厚生労働省は、労働者の皆さん、これを守るという立場がございますから、その立場、そしてまた、今回のお願いをしておる趣旨に沿って検討をさせていただきたいと存じます。
#134
○小池晃君 これは、私が言ったケースというのは特殊なケースじゃなくて、大いに考えられるケースだと思うんですね。そういうときに、やはりきちっとこの今の法律を元請責任という形で対応していくということは、厚生労働省としては是非やっていただかなきゃいけないと。そもそもこの法案自体、確保事業自体に元請責任が問われていないということは、建設業で常識になっている元請責任、後退させることになるというふうに思いますので、私は、この法案の重大問題だということをちょっとここでは指摘をしておきたいというふうに思います。
 その上で、偽装請負の問題についてお聞きしたいんですが、請負の名前で実際には人材派遣を行っている偽装請負、重大なこれ権利侵害なわけです。資料をお配りいただきたいと思うんですが。
   〔資料配付〕
#135
○小池晃君 お配りしている資料の一枚目に載せているのは、これは建設通信新聞という業界紙の昨年の七月十二日付けで、「注目企業」ということでマルソという会社が紹介されています。記事のタイトルは「どこでも迅速に人材派遣」と、もう「派遣」と書いてあるわけです。社長は何と言っているかというと、「人手不足に悩む現場は多く、連絡があれば、いつどこにでも人材を提供する点がわが社の強み」、こう言っています。正に派遣なんですね、これ。で、年間十万枚のダイレクトメールを建設会社に送り、社員五十人、作業員八百人、五年後の売上げは五十億円目指していると。作業員はエリアごとに点在する宿舎に分散して、仕事の依頼があれば迅速に対応できる体制を確立していると。
 厚生労働省、こういう実態、把握されてますか。
#136
○政府参考人(青木功君) 御指摘の新聞、お配りいただきました資料の件について、実態は承知しておりません。
#137
○小池晃君 これは労働者派遣法に違反するんじゃないですか。
#138
○政府参考人(青木功君) 御案内のとおり、労働者派遣法に具体的に違反するかどうかにつきましては個々の事案ごとに事実関係を判断する必要があるわけでありまして、この新聞記事だけで、のみで事実関係の判断はできないものというふうに考えておりまして、この記事の内容と、それから具体的な事実というものとのかかわり合いでありますので、これのみで労働者派遣法違反というふうに判断するのはちょっと難しいかと存じます。
#139
○小池晃君 これのみでと言うけれども、これ、業界紙に堂々と出ているんですよ。人材派遣だって大見出しになっているわけですよ。社長が派遣していると言っているじゃないですか。何でこれが労働者派遣法違反じゃないんですか。これだけで十分に派遣法違反の疑いが強いんじゃないですか。そんな腰の引けた態度で、私は、今回の法案が派遣解禁につながらないなんて言ったってだれも納得できないと思いますよ。いかがですか。
#140
○政府参考人(青木功君) 御指摘の新聞掲載の記事のみでは事実関係の判断はできないわけでありますが、一般論で申し上げますと、労働者からの申告等によって具体的な事実関係が明らかになれば、それに基づいて適切に対処をいたしたいというふうに考えております。
 ただ、それと、ただいま委員も御指摘になりましたけれども、こういったところで、派遣であるとかあるいは請負であるとか、そういった言葉が実態と懸け離れた形で飛び交っているときもあるようでありまして、むしろ、この建設業務への労働者派遣事業が禁止されているということを、例えば記事を書く側の方にも認識がないようなケースもあるのではないかというふうに思います。
 やはりこういった、ただいま先生お配りになったのは業界の新聞であるということでございますけれども、やはり制度の在り方というものをきちんと周知していく必要もあろうかと考えております。
#141
○小池晃君 いや、これ記事の書き方の問題じゃなくて、宿舎を十五か所、拠点こう持ってて、呼ばれたらすぐに行きますよと、こう言っているんですから、これは記事の問題じゃなくて、実態は派遣ですよ、これ、間違いなく。こういうことが業界紙に出てんですよ、堂々と。しかし把握してなかったと。こんなことでいいのかと。
 これ、少なくとも調査してくださいよ。これはどうですか。
#142
○政府参考人(青木功君) こういった資料でございますので、関係の労働局通じまして調査をさせたいと思います。
#143
○小池晃君 今回の労働者就業機会確保事業とのかかわりで聞きますけれども、実際には人を派遣しているだけなのに、請負業だというふうに偽って事業主団体の構成員に紛れ込むことがあるんじゃないかという懸念があるわけですが、そんなことはないっていうふうに言えるんですか。
#144
○政府参考人(青木功君) 今回御提案を申し上げております就業機会確保事業につきましては、建設事業主が現に雇用する常用労働者の方につきまして、その方々が一時的に労働力として余剰となった場合にその実施が可能となるというものでありまして、そういった、建設業を行わずに送り出し専門にするとかいうことをその対象にするものではありませんし、また、したがって、そういった労働者派遣、まあ建設の派遣は当然禁止でありますけれども、他の法的にでき得る労働者派遣事業を仮にやっている企業が建設の事業もやっているということがあってこの団体に入っていたとしても、その労働者派遣事業にかかわる部分については、元々建設労働者、建設業務に従事する常用労働者の方はそこにはあり得ないはずですから、そういったことはないというふうに考えます。
#145
○小池晃君 あり得ないとおっしゃいますけれども、先ほど話題になりましたグッドウィルの問題ですね。
 グッドウィルというのは、あの介護で有名なコムスンなんかの親会社で、建設とは何の関係もない人材派遣会社だと思いますが、二枚目の資料にあるように、先ほど御指摘あったように、建設作業に労働者を派遣したということで改善命令が出ている。しかし、三枚目を見ていただくと、グッドウィルグループのホームページを見ますと、この改善命令に対してどう対応しているかというと、グッドウィル建設というのを子会社として設立いたしますと、グッドウィル建設をつくってこれで対応しますというふうに言っているんですね。正に今言ったように、人材派遣会社が建設と名前を付けてやっているだけじゃないですか。
 私、こういうグッドウィルグループのような明白な人材派遣会社が建設会社と名前を変えてこれ参入できるということになれば、今回のスキーム、完全に事実上の派遣解禁ということになっちゃうんじゃないですか。こういうことを容認できるんですか。
#146
○政府参考人(青木功君) 今般御提案の就業機会確保事業の許可を得るためには、当該事業を実施しようとする事業主が構成員となっている事業主団体が作成する実施計画において送り出し事業主として記載されていること、また、かつ、その実施計画の認定を厚生労働大臣から得ることが必要でありますけれども、その実施計画の認定の段階におきまして、この就業機会確保事業を実施しようとする事業主が、一つは、まず建設業法に基づく建設業の許可を得ていること、それから二番目として、建設事業を実際に自ら行っており、建設事業の実績が見込まれるという場合に限って認定をすることを考えております。
 また、そういったことで、指針においては、専ら送り出し専門となるような労働者を対象とすることも禁止することにしておりますので、そういうことは制度的にあり得ないようにしてまいりたいというふうに思います。
#147
○小池晃君 制度的にあり得ないと言うけれども、派遣法違反で指導をした、そのグッドウィルが行政の指導の下、子会社に移管いたしますということで、正に建設会社という名前をつくることでこれを、法の網をかいくぐるということをやっていることを堂々とホームページで言っているわけですよ。こういうことが認められたら、どんどんどんどん事実上の派遣ということになっていくじゃないかと。
 しかも、今回のケースがなぜ発覚したかというと、労災について調査したときに、労災事件が出て発覚したということなんですね。結局、こういう事態になるのが、別のこういう労災事件なんか起きなければ発覚しないということになっているというのが実態ではないか。
 私、請負業者や人材ビジネス会社が建設業の許可を取ったり、あるいは建設会社を買収したりしてこの事業に参入してくれば、労働者の権利守られる保障なんか何もないというふうに思うんですよ。
 その点で、こうした会社をどう取り締まるのか、取り締まる職員の数を聞いたら二百七十三人だというんですね。わずか二百七十三人のこの需給調整指導官で三万を超える派遣業者、九千三百の職業紹介の許可業者、請負業者、これを指導監督しているわけですよ、これでできるのかと。
 ちょっとお聞きしますが、平成十六年、請負業者について調査を行った件数と指導した件数を示していただきたい。
#148
○政府参考人(青木功君) 平成十六年度の労働者派遣事業に係る指導監督につきましては、特に受入れ、いわゆる請負派遣のその部分でございますが、全国で千二十四件の指導監督を行いました。そのうち六百三十九件に対して文書指導を実施をいたしました。
#149
○小池晃君 調査を行った六割が指導を受けているわけで、なぜこんなことになるかというと、結局、労災が起こるとかあるいは内部情報が寄せられて調査に入って問題が発覚すると、だから調査した千件のうち六百指導するという、こういう高率の指導になっているんだろうと。しかも請負には監督官庁ないという問題があるから、事実上野放しになっているわけですね。
 この間、労働者就業機会確保事業はもう国が厳格に審査するんだ、問題があれば取り締まるんだというふうに言うけれども、私、こういう実態では本当に、既にこういう脱法行為、違法行為が公然と行われている中で幾ら言ったって、これ絵にかいたもちだと思うんですよ、大臣。
 大臣、やはり請負業に対する行政の監督の質と量、これ抜本的に強化しなければ私は労働者の権利は守れないと。具体的には、やっぱり需給調整指導官の数を増やすこと、あるいは需給調整指導官に労働基準監督官のような違法行為があれば逮捕するなどの強制権を持たせるというような、やっぱり量と質、抜本的に強化しなければ、これだけ怒濤のように派遣労働の流れが進んでいる中で、これを本当に食い止め、労働者の権利守っていくことできないんではないかというふうに思いますが、大臣、こういう違法な実態も含めて、ちょっと見解を聞かせてください。
#150
○国務大臣(尾辻秀久君) 違法が横行してはならない、これはもう当然のことでございます。したがいまして、私どもとしても、労働者派遣事業に係る指導監督体制につきましては、労働者派遣法に係る指導監督業務を都道府県労働局に集中化することにいたしました。そして、指導監督を専門に行う職員を配置をいたしました。そういうことで体制の充実強化を図ってきたところでございまして、このような体制の下で、派遣労働者からの申告、相談への適切な対応でありますとか定期的な指導監督などを行うことにより、適切な運営の確保に努めてきたところでございます。
 今後とも、こうした努力を続けながら必要な指導監督体制の確保に努めまして、違法な労働者派遣事業を行う事業主に対し適切かつ厳正な対応を図ってまいりたいと考えております。
#151
○小池晃君 私は、実態を見ると、本当にその今の答弁では心もとない実態があるというふうに思います。そこのところは本当にきちっとやっていただきたいと。
 最後、ちょっと一つだけお聞きしたいことがあるんですが、昨日大阪地裁が、中国残留孤児の皆さんに対して不当な判決が出ました。この判決自体非常に不当だと思っております。国によって終戦時捨てられ、あるいは戦後処理の中でも見捨てられ、帰国後も見捨てられて、そして四度目の棄民だと言うべき不当な判決だというふうに思っていますが、判決の中で一か所こういうことがございます。孤児の多くが生活保護等により生活している実態は看過することはできないというふうにこの判決では言っているわけで、私は、この判決は判決として、それは別として、やはりこの残留孤児の皆さんに対して厚生労働省として今のままでは決して許されない、必要なやはり自立をできる生活を支援していく施策を今回これをきっかけにしっかり取るべきだというふうに思いますが、この点大臣に最後にお伺いします。
#152
○国務大臣(尾辻秀久君) 先生も判決は判決としてというふうに言われましたが、私も判決は判決としてということをまくら言葉にして申し上げたいと存じます。
 帰国された中国残留邦人の方々につきましては、今もお話ございましたけれども、これまで苦難の道を歩まれたことや、それからまた大変高齢化しておられるわけでございまして、そうした現状に配慮いたしまして、帰国者の方々が地域社会において安心した生活を営むことができるように、今後ともきめ細やかな支援に努めてまいらなければならないと考えております。
#153
○小池晃君 終わります。
#154
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 私も、冒頭一問、残留孤児の昨日の訴え棄却の判決を前提にお聞きをいたします。
 官房長官は、きめ細かに今後も努力すると記者会見で言いました。今、尾辻大臣も、きめ細やかに対処していく、今後も努力をしていくとおっしゃいました。具体的には何ですか。
#155
○政府参考人(大槻勝啓君) 中国残留邦人の帰国者に対しましては、厚生労働省といたしましては関係省庁、地方自治体等と連携をいたしまして、これまでいわゆる帰国者支援法に基づきまして日本語教育、就労支援あるいは国民年金の特例措置等の各種の支援策を講じてきたところでございます。つい最近までは、帰国直後おおむね三年程度の対策、この期間に集中的に諸対策を講じるということを中心にやってきたわけでございますけれども、近年では、中長期的にこういった方々に対する支援を継続的に行うことが必要だという認識をいたしまして、平成十三年度から中国帰国者支援・交流センターを開設するなどいたしまして、帰国者の高齢化あるいは同行して帰国されます二世、三世という方々の就労支援の問題等々いろんな問題がございますので、こういった課題に対して着実に対応できるように、実態に応じた日本語習得支援あるいは就労に向けての支援等々強化をしておるところでございます。
 例えば、今年度におきましては、医療、介護を必要とする帰国者の方々に対しまして派遣しております自立支援通訳というのがございますけれども、こういった措置につきましても、その対象期間をこれまで四年以内というふうに制限されていたものを、期間制限を撤廃するといった形で充実を図ってきておるところでございます。
 今後とも、この支援・交流センターを核といたしまして、継続的に必要な支援策をきめ細かく丁寧に講じていきたいと考えておるところでございます。
#156
○福島みずほ君 全国で残留孤児の裁判が起きています。それぞれ孤児の皆さんと話をしますが、現状の施策について納得をしていらっしゃらないし、帰ってきてから、やはり仕事がない、生活保護受給になっている、困窮している、いろんな目に遭っているということで裁判が起きたというふうに理解をしています。
 これだけ多くの裁判が起きたことの背景には、やはり厚生労働省の残留孤児の人たちに対する施策がやはり不足している、あるいは欠点がある、欠陥があるというふうに考えますが、尾辻大臣、もう少し決意を一歩踏み込んでお願いします。
#157
○国務大臣(尾辻秀久君) 私どもは、帰ってこられた皆さんに対して私どもとしていろいろと施策をしてまいったというふうには考えておりますけれども、それぞれの皆さんにいろんな思いがおありだということもまた承知もいたしておるところでございます。
 したがいまして、今部長からもお答えいたしましたけれども、私どもとしては、更にきめ細やかな施策というもの、どういうものが具体的に考えられるか、そうしたことも検討しながら更に進めてまいりたいと存じます。
#158
○福島みずほ君 是非、置き去りにしてきた問題について、もう一歩今年施策をやってくださるよう強く求めていきます。
 ところで、本件ですが、これまで建設業法を根拠に元請責任を追及し、未払賃金の立替払や労働法令違反の是正を実行させ、実務上定着してきたということがあります。今回、例えば建設業法二十四条の六、四十一条の二などですが、建設労働者送り出し制度の下で建設業法の定めを利用できないわけではない、こういう理解でよろしいですか。
#159
○政府参考人(中島正弘君) 二十四条の六でございますが、これは、元請である特定建設業者が下請人の指導に、法令の違反がないように努める、指導に努めるという規定でございますが、この指導の対象になる法令のうち、今回の受入れ事業に関していえば、適用のあるものとないものがあるというふうに思います。
 下請人である受入れ事業者が責務を負うもの、つまり、例えば労働安全衛生法などの労働者の危害、健康の防止に関するような規定は、引き続き元請が下請を指導する責任があると思います。他方、雇用関係に基づくような規定でございますね、賃金を払う払わないというような。そういう雇用関係に基づく規定は、今回の受け入れた下請の方には雇用関係がございませんのでそういう規定は働かないと、こういうふうに理解をしています。
#160
○福島みずほ君 だからこの法案は欠陥があると思います。もう少し踏み込んでちょっと答えてください。つまり、従来は元請に対して建設業法が適用があった。それが制限されるとすれば、明らかに働く人の権利の極めて後退です、元請責任が追及できないわけですから。
 建設業法四十一条にあるような賃金の立替払などによる確保、これは確保できる、これでよろしいですか。さっき検討だったんですが、ここの委員会で検討なんかでは納得できません。一歩踏み込んで、適用できないわけではない、そこまで踏み込んでください。お願いします。
#161
○政府参考人(中島正弘君) 四十一条二項というのがございますが、これ、下請の会社が雇っている労働者の場合でございますので、今回は、受け入れた労働者は雇用関係がないので二項の場合というよりもむしろ三項の問題であるんですが、三項で、これは、賃金の不払があるなしというよりは、むしろ送り出した会社に対して下請が不払をする、料金を払わない、払うべきものを払わないという損害を与えた場合に三項が働いて、その送り出した会社に対してきちっと払いなさいというようなことを言うことはできるということでございます。
#162
○福島みずほ君 駄目ですよ、それでは。送り出しの場合は資力がないわけですよ。元請は実質的に指揮命令で使いながら、今回だって、送り出して、受入れ企業はそこで工事をやっているわけです。そこが一番あって、元請が金を持って人を使っている、だからこそみんなは必死で元請責任を追及してきたわけです。そこで請負契約がないから駄目です、送り出しの企業が持ちなさいだったら、賃金の確保はできないじゃないですか。
 大臣、どうですか。ここはやっぱり実態に即して、今まで元請を責任してきたことを弱めることはできないと考えますが、大臣、今までの権利を弱めることはできない、これはどうですか。
#163
○国務大臣(尾辻秀久君) 今までの権利を弱めることができないというのが具体的に何を指しておられるのかということもございますけれども、基本的に申し上げますと、今御議論いただいておりますことは、先ほどもお答え申し上げましたように掛かって国土交通省の所管のことでございますので、まずは国土交通省の御判断があります。
 そうした中での私どもとまた協議といいますか、検討もさせていただきたいというふうに思いますけれども、私どもの立場は、これまた先ほど来申し上げておりますように、今回の趣旨といたしますことは雇用の安定であり維持でございますから、そうした視点でもって、趣旨でもって、また御相談も申し上げたいと存じます。
#164
○福島みずほ君 賃確法では全く不十分です。これは回収額が上限八割に限定され元請責任がありませんから、これでは駄目であると。ポイントは、送り出しの事業者、事業主、あるいは受入れ事業主に倒産あるいは賃金不払があったときに、どうやって賃金の確保ができるか、元請責任はどうなるか。この場合の元請責任についてはどうですか。
#165
○政府参考人(中島正弘君) 先ほどの私のお答えがちょっと舌足らずだったようでございますが、下請企業が債務不履行といいますか、お金を払わない状態が起こって、それを受け取るべき債権者、この場合送り出し企業でありますが、が損害を被っているような場合に元請に対して立替払をするようにということを行政庁が勧告できるという規定があって、その規定は、送り出し企業が自分の派遣、派遣と言っちゃあれですが、送り出した労働者にお金を払った払っていないとか関係ないんですが、下請が送り出しの会社にお金を払っていないということで損害が出る場合に働き得ると。あくまでも払うのは、元請が損害を被った派遣会社の方に、失礼しました、送り出し会社の方にですね……
#166
○福島みずほ君 派遣じゃないんですか。
#167
○政府参考人(中島正弘君) 申し訳ございません。
 払いなさいということを行政庁が元請に勧告するという仕組みでございます。
#168
○福島みずほ君 今日委員会でとにかくお願いをしたいのは、従来の建設業法四十一条二項などが非常に後退をしていく、やっぱり一番お金持っているのは元請なわけですから、送り出し企業と受入れ企業が賃金不払、倒産した場合にどうやって確保するか。
 ちょっと混乱しているようです、混乱をしている。派遣とかおっしゃったし、混乱しているようですが、この場合に確保できる、つまり、お願いなのは、建設業法のこの趣旨を十分踏まえる。これはどうですか、大臣。
#169
○国務大臣(尾辻秀久君) 建設業法の趣旨を踏まえるということは正に国土交通省の御判断の中でなさるべきことかなと、つい思いながら今お聞きをして立ち上がったところでございますけれども、まずは、先ほど来申し上げておりますように、国土交通省との協議だけはしっかりさせていただきたいと存じます。
#170
○福島みずほ君 ただ、厚生労働省は労働者の権利を考えるところがあるわけで、ですからその点について主導権を発揮していただきたい。
 じゃ、国土交通省に改めてお聞きします。
 元請の責任、賃金支払に関して、受入れ、送り出しの企業の倒産、賃金不払の場合に、元請の責任はある、あるいは行政庁が元請の責任について勧告する場合があり得る、これでよろしいですか。
#171
○政府参考人(中島正弘君) 下請企業と雇用関係のある労働者に対しては賃金という形で払いなさいという勧告をする場合があります。送り出し企業に対しては、送り出しを受け入れた料金といいますか、それを支払わないという場合に、それを払いなさいということで勧告を、元請が払いなさいという勧告をする場合があり得るということであります。
#172
○福島みずほ君 今の答弁では、元請責任がやはり追及しにくくなる、今まで実務上やってきた元請責任の責任がやっぱり非常に追及しづらくなるという明らかな欠点があります。実際、労働者派遣法で派遣先の講ずべき措置が法及び指針で明確にされている上、最近では派遣先に損害賠償を命ずる判決も出されています。元請の責任を軽減する解釈は絶対になされるべきではないというふうに考えます。
 では、その送り出し事業主、受入れ事業主における送り出し労働者の社会保障制度の確保の役割分担はどうなるのか。受入先での労働基準法違反などがあった場合、受入れ事業主の責任、送り出し事業主の責任、それはどうなるのでしょうか。
#173
○政府参考人(青木功君) 社会保険それから労働基準法と、その両方一度にお答え申し上げてよろしゅうございますか。
#174
○福島みずほ君 はい、どうぞ。
#175
○政府参考人(青木功君) はい。
 労働保険及び社会保険の適用につきましては、雇用又は使用関係の在り方でありますので、雇用主である送り出し事業主が責任を負うことになります。また、労働者災害補償保険の適用につきましては、受入れ事業主又は受入れ事業主の元請が責任を負うという形になっております。
 また、労働基準法上の使用者責任でありますが、原則として送り出し労働者を雇用している事業主が責任を負うものでございますけれども、受入れ事業主に責任を負わせることが適当な場合については特例を設けておりまして、先ほども御答弁申し上げましたように、読替規定等を置いております。
 例えば、労働時間管理につきましては、労働時間の枠組みの設定については送り出し事業主、その具体的な運用については受入れ事業主が責任を負うというふうに形になっております。また、賃金支払については送り出し事業主が責任を持っております。また、安全衛生確保については、作業の重要な要素である具体的な設備の設置、管理、業務遂行上の具体的指揮命令に関することについては受入れ側の事業主が措置義務を負いますが、雇入れ時の安全衛生教育あるいは一般健康診断等の雇用期間中継続的に行うべき事業については送り出し側に措置義務があると、こういうふうなことになっております。
#176
○福島みずほ君 今回、派遣に道を開くものではないと言われておりますが、全く不可解なのは、緊急避難的かつ限定的といいながら三年という長期の労働者の送り出しが可能で、しかも三年ごとの更新も認めると、事実上の恒久的制度として実施される可能性があります。
 常用労働者というのがやはりよく分からないので、改めてお聞きをいたします。
 事前に厚生労働省に聞きましたら、全体的な労働者は五百八十四万人で、常用、ホワイトカラーを含む、は四百三十二万人の内訳となっているという回答をいただいております。自営が八十六万、家族自営が二十一万、日雇が二十万、臨時が二十四万、常用は四百三十二万人であると。そうしますと、今働いている人たちのほとんどが常用労働者というふうに理解をしてもよろしいということでしょうか。
#177
○政府参考人(青木功君) 平成十六年で四百三十二万人というところでございますが、その内訳として、常用労働者の方が一定割合いる。ただいまちょっと、手元に資料がちょっと……
#178
○福島みずほ君 割合は結構です。定義です。
#179
○政府参考人(青木功君) はい。
 そして、常用労働者につきましては、御案内のように、いわゆる期間の定めのない雇用の方、それから、そうでない方につきましても、事実上常用とみなされる、労働基準法等で取り扱われている方、そういう方が含まれるというふうに考えます。
#180
○福島みずほ君 ある人が、常用労働者、ある福島建設会社で勤めているその人間が、あるときB建設会社に働きに行けと私が、というかですね、じゃ、福島何とか何とかグッドウィルというのがあって、そしてあるところに働きに行けというふうに言われる。私が例えば社名変更して事業を変えてそういうふうにやる、有料職業紹介を私がやるというふうになったときに、その労働者、常用労働者は拒否ができますか。私は行きたくない、あそこに行きたくない、その拒否はできるでしょうか。
#181
○政府参考人(青木功君) 基本的に同意を得て送り出すということを指針の中で書きたいというふうに考えておりますので、そこのところは要するにお互いの、労働者と使用者とのかかわりの中でありますけれども、労働者が嫌というものを送り出すということはこの制度の運用としてはまずいと思います。
#182
○福島みずほ君 その場合、日給が例えば一万五千円だった。それが送り出しで行くときは、悪いけれども、この不況下、一万三千円にしてもらいたい、労働条件の変更があった場合、これはどうなりますか。
#183
○政府参考人(青木功君) 労働条件の変更そのものは、これは使用者と労働者が合意すればできるわけでありますけれども、今お話しのように賃金を切り下げていくというふうなことになりますと、この制度の趣旨に合致するかどうかというのは疑問であります。こういったことも含めて、これから細部、労働審議会等でも御相談をしながら定めていくわけでありますが、当然議論の対象になるかと思います。
#184
○福島みずほ君 結局、働く人は過剰労働の中で労働条件切り下げても送り出しのところに行くというところになりかねないので、その点はきっちり審議会でお願いをいたします。
 先ほど言いました、結局、私自身はこれは、先ほど国土交通省が派遣、派遣とおっしゃいましたが、これはやっぱり派遣だというふうに思っています。実質的に派遣なんですよ。なぜならば、こんな変な制度はないですよ。送り出しと受入れというのがあって、雇用契約をわざわざ作らない。これは派遣と言わずに何と言うというふうに思いますが、三年という長期の労働者の送り出しが可能で、しかも三年ごとの更新を認めると。そうしますと、六年間、あるグッドウィル、福島グッドウィルから六年間行くということもあるわけですね。これは、私のところで雇用契約があると言いながら、実際はあなたはどこに行きなさいということですよね。健康診断を福島グッドウィルでやるからと言って、本当に健康診断をやれるのかという問題などもあります。
 この六年更新ができる、これはやはり問題ではないでしょうか。いかがですか。
#185
○政府参考人(青木功君) この場合は、まず、繰り返しになりますが、元々のその事業をスタートすることについて、この有効期間がまず三年であります。ですから、その三年以内でも制度の趣旨に合わないものがあれば、それは途中で是正をしたり、場合によってはその許可を取り消していくということになるのでありますけれども、三年とか六年とか、制度的にどういうふうに働いていたかと。少なくとも三年間という中で、これも、先ほど御答弁申し上げましたが、相手の行く対象、送り出し対象になる労働者の方の意思もあるわけであります。つまり、合理的な理由でお断りをすることもできるわけでありますので、その辺の実際の運用につきましても、これから指針等を定める際の議論の中にその辺も議論の対象としていただきたいと、こんなふうに思っております。
#186
○福島みずほ君 余りにゆだねられていると思うんですね、審議会などに。結局、ある事業をやるときに、六か月であったり三年であったり、万博までの最後のときまでというふうにお聞きすると。ただしかし、更新もできるわけですから、さっきも言ったように、六年間どこかに働きに行くというのは、実際は、私の送り出しの事業との間で雇用契約があると言いながら、実際は派遣ですよ。ここの私の下の、私というか、その送り出し事業の下にはいないわけですから、六年間行ったきりになっているわけですね。これは、そこでどういう労働条件で働いているか、そういうことはなかなか目も行き届かない。その点についてはいかがですか。
#187
○政府参考人(青木功君) 度々お答えしておりますけれども、先ほど小林委員の御質問にも、ときにもお答えをしたんですが、要するに送り出し専門の労働者になってしまうということについての問題点が提起をされたわけでありますけれども、特定の労働者が言わば送り出し専門として出ていくというのはこの仕組みの意図するところではございません。そういうものができないようにしてまいりたいというふうに思います。
#188
○福島みずほ君 しかし、この法律がもしも成立をしたら、例えばAさん、あなたは、というか、どこどこに行ってください。で、三年間行きますね。で、更新されて六年行く。これを送り出しの専用の労働者と言わずに何と言うんですか。
#189
○政府参考人(青木功君) したがって、具体的な議論でありますけれども、三年、六年、十年、これはよく分かりませんが、今は何とも申し上げられませんが、送り出し対象、送り出し専用の労働者のように多分見えるんだろうというふうに思います。ですから、そういうことはあってはならないだろうと、このシステムの下で。
#190
○福島みずほ君 いや、送り出し専用の労働者に見えると局長答弁されましたよね。三年行くんですよ、六年行くんですよ、九年行くんですよ、十二年行くんですよ。これが送り出し専用の労働者に見えるし、見えるということは実際そうなんですよ。どう担保するんですか。
#191
○政府参考人(青木功君) これも先ほど御答弁させていただきましたが、同一のところに行くのはとにかく一年に限るということはまずきっちり指針の中で定めます。
 そして、繰り返しになりますけれども、そのある方を常用労働者として雇用を維持するのが目的でやっているわけなんですね。ですから、三年やって、また三年やって、また三年やってということで事実上ずっと送り出されたままということは、この制度としては、繰り返しになりますが、望ましい在り方ではないので、そういったことが行われないようにやっぱり制度設計していきます。
#192
○福島みずほ君 よく分からないんですが、あるところに一年行く、Bというところに一年行く、Cというところに一年行く。一年置きに十年間行く。これを専用の送り出し労働者と言わずに何と言うというふうに思います。これはどうですか。
#193
○政府参考人(青木功君) それは解釈論になると思いますけれども、労働者派遣法で例えば派遣期間の制限だとか様々なことを置いている趣旨その他を考えると、ただいま委員がおっしゃられたものは送り出し専用であります。ですから、それはまずいと思います。
#194
○福島みずほ君 絶対に派遣のようにならないこと、それから送り出し専用労働者というものをつくらないこと、それは極めて重要です。
 それから、私自身が分からないのは、幾ら送り出し専用の労働者をつくらないと言ったところで、例えば、福島さん、よく我が社に入ってくれました、ところで、常用労働者ですがどこかに行ってくださいと言われることもあるわけですよね。即座に言われることもあるわけですよね。ですから、そうすると、私自身はやっぱり専用の送り出し労働者になる。あるいは、有料の職業紹介所みたいなのが業界内につくられるわけで、そうしますと、それは百人中、例えば、じゃ三千人福島グッドウィルに勤めている、この三千人は全員がどこかに送り出される、こういうことはあり得るわけですか。それとも、一〇%しか送り出してはいけなくて、残りの九〇%はそこの建設会社で働く、そういうふうになるんでしょうか。
#195
○政府参考人(青木功君) おのずと、例えばそこにいる労働者の人たちが合理的な理由もないのにほとんど皆ほかのところに働きに行くというのはこの制度の趣旨ではありません。その一定の割合……
#196
○福島みずほ君 どれぐらいの割合ですか。
#197
○政府参考人(青木功君) これも指針の中で、労使の議論も聞かなければなりませんけれども、私ども今考えているのは、通常の従来のいわゆる雇用調整を必要としたときに、事業主が自分のところの労働者の雇用を守るために出向をさせたり、その他いろんなことをやってまいりましたが、そういったころのことを勘案しますと、少なくとも半分以下であろうかと思います。
#198
○福島みずほ君 さっき手を挙げないで発言して済みませんでした。
 半分以下ということなんですが、おそれているのは、やはりその人材派遣、実際は人材派遣業者というものが出て、いろんなところに送っていく。で、労働が供給過剰と言われていますから、そういうやっぱり文句言えなくて働いていく。しかも、是非今日お願いしたいのは、やっぱり元請の責任追及が弱まることがないようにということを心からお願いし、私の質問を終わります。
#199
○委員長(岸宏一君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
    ─────────────
#200
○委員長(岸宏一君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、坂本由紀子さんが委員を辞任され、その補欠として野上浩太郎君が選任されました。
    ─────────────
#201
○委員長(岸宏一君) これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#202
○小池晃君 私は、日本共産党を代表して、建設労働者の雇用の改善等に関する法律案に対する反対討論を行います。
 反対する第一の理由は、労働者就業機会確保事業が建設労働者の権利を侵害し、雇用不安を一層高める危険があるからです。
 そもそも、雇用者と使用者が分離されれば、雇用責任はあいまいになります。請負を装って人を派遣する偽装請負業者や人材派遣会社が建設業の許可を取得したり、あるいは建設会社を買収して労働者就業機会確保事業に参入することも可能になります。一方で、違法行為を行ってもまともな取締り体制はなく、これでは労働者の権利が守られる保障はありません。
 反対する第二の理由は、有料職業紹介事業が、建設業界の外部から労働者を引き込むことで、むしろ雇用の安定に逆行することです。
 反対する第三の理由は、建設業法が定める元請責任を形骸化させることです。建設業法は、下請代金の支払など元請責任を明確にするとともに、特定建設業者に未払賃金立替払勧告制度を設けています。しかし、労働者就業機会確保事業では、元請責任は不問に付されます。このような重大な後退は到底容認できません。
 そもそも建設業は、悪質ブローカー等の介入による中間搾取、強制労働が生じるおそれが高いこと等を理由に、一貫して労働者派遣の適用を除外されてきた業界です。今回の措置がたとえ限定的なものだといっても、全面解禁につながる危険は否定できません。事実、規制改革・民間推進会議やゼネコン等は派遣の全面解禁を強く求めています。
 我が党は、派遣の全面解禁に反対するとともに、建設労働者の雇用を守り、地位を向上させるために引き続き奮闘する決意を述べて、反対討論を終わります。
#203
○福島みずほ君 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、建設労働者の雇用の改善等に関する法律の一部を改正する法律案に反対する立場から討論を行います。
 まず第一に、立法趣旨が不明確です。立法趣旨は雇用の安定、改善と言われていますが、建設業で働く人たちが過剰供給であり、労働条件が悪化をしており、今回の立法はむしろ労働者の雇用や労働条件を脅かす可能性が強いものです。
 将来、労働者派遣は行わないと明確に大臣は答弁をされましたが、むしろ本法案は実質的な派遣を導入をするものです。有料職業紹介事業が、今でさえ労働者が過剰と言われる建設業界へ外部の労働者を引き込むことによって、労働力の規制緩和を生み出していきます。
 第二に、緊急避難的かつ限定的と言いながら、三年という長期の労働者の送り出しが可能で、しかも三年ごとの更新も認めるなど、事実上の恒久的制度として実施されるもので、緊急避難的かつ限定的という建前さえも放棄するものです。
 第三に、元請責任の免責であり、労働者の権利が極めて弱くなる可能性を指摘せざるを得ません。送り出された労働者に対する元請責任は労働災害のみであり、建設業法二十一条などで規定されている労働基準法など労働法令遵守などの下請に対する指導責任、建設業法四十一条の未払賃金に対する立替払などは、あえて適用外としております。この点については強く懸念を表するとともに、建設業法の適用、何らかの類推適用や何らかの適用ができないかということも是非将来考えていただきたいと考えております。
 第四に、本法案は、対象となる常用労働者の定義があいまいで、採用した労働者をいきなり送り出すことも可能であります。送り出し労働者も可能です。
 第五に、送り出し労働者になることを拒否した場合の整理解雇や不利益取扱いの規制はなく、本日、答弁で、同意がなければ送り出せないという答弁はありましたけれども、労働者の権利が立法上弱い点も指摘せざるを得ません。
 以上によって反対討論といたします。
#204
○委員長(岸宏一君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 建設労働者の雇用の改善等に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#205
○委員長(岸宏一君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、山本君から発言を求められておりますので、これを許します。山本孝史君。
#206
○山本孝史君 私は、ただいま可決されました建設労働者の雇用の改善等に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会及び公明党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    建設労働者の雇用の改善等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
 一、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律が建設業務を労働者派遣事業の適用除外としていることについては、その趣旨及び建設業の実情を踏まえ、これを堅持すること。
 二、建設業務労働者の雇用改善措置と就業機会確保事業等に関する措置を一体的に行うための実施計画の認定に当たっては、労働政策審議会の意見が反映されるような運用を行うこと。また、実施計画の認定及び就業機会確保事業の許可に当たっては、厳格な基準を設定した上でこれに基づく適切な審査を行うこと。
   なお、認定事業主団体並びに送出及び受入事業主に対しては、継続的な指導監督を行うこと。
 三、建設業務有料職業紹介事業については、求職者の個人情報が個人情報保護法等の関係法令に基づき認定事業主団体によって適正に管理されるよう指導の徹底を図ること。
 四、建設雇用改善計画の策定に当たっては、送出事業主が送出労働者の技能を適切に評価し、その能力をいかした事業運営に努めるべきことを明確にすること。
 五、建設業務労働者就業機会確保事業については、対象となる常用労働者の範囲について、不適切な運用が行われることのないよう厳正な制度運営を図ること。また、建設業法に基づき配置が義務付けられている主任技術者、監理技術者について、建設業務労働者就業機会確保事業が利用されることのないよう、認定事業主団体並びに送出及び受入事業主等に対して指導を行うこと。
 六、送出労働者に係る労働災害の発生の防止を図るため、法律に基づき安全衛生教育等が確実に行われるとともに送出事業主、受入事業主及びその元請事業主において必要な措置が講じられるよう指導を行うこと。また、送出事業主の倒産等により賃金未払が発生した場合には、賃金の支払の確保等に関する法律に基づき、引き続き迅速に未払賃金の立替払を行うこと等により、送出労働者の保護を図ること。
 七、建設技能労働者の高齢化を背景に、今後、若年者等の労働力の確保及び技能の承継が重要な課題となることを踏まえ、効果的な教育訓練の在り方について検討を行うとともに、技能の承継、向上に向けて支援の拡充を図ること。
 八、常用労働者以外の建設労働者についても、引き続き雇用の改善に努めるとともに、いわゆる一人親方については、形式的には個人事業主であっても実態が雇用労働者である場合には労働関係法令の適用があることについて、引き続き周知・啓発を図ること。また、請負等を偽装した労働者派遣事業の解消に向け、労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準等の周知徹底を図るとともに、関係者に対し厳正な指導監督を行うこと。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#207
○委員長(岸宏一君) ただいま山本君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#208
○委員長(岸宏一君) 全会一致と認めます。よって、山本君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、尾辻厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。尾辻厚生労働大臣。
#209
○国務大臣(尾辻秀久君) ただいま御決議のありました本法案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重し、努力してまいる所存でございます。
#210
○委員長(岸宏一君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#211
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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