くにさくロゴ
2005/07/19 第162回国会 参議院 参議院会議録情報 第162回国会 厚生労働委員会 第31号
姉妹サイト
 
2005/07/19 第162回国会 参議院

参議院会議録情報 第162回国会 厚生労働委員会 第31号

#1
第162回国会 厚生労働委員会 第31号
平成十七年七月十九日(火曜日)
   午前十時二分開会
    ─────────────
   委員の異動
 七月八日
    辞任         補欠選任
     野上浩太郎君     坂本由紀子君
 七月十九日
    辞任         補欠選任
     中村 博彦君     鶴保 庸介君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         岸  宏一君
    理 事
                国井 正幸君
                武見 敬三君
                辻  泰弘君
                山本 孝史君
                遠山 清彦君
    委 員
                清水嘉与子君
                田浦  直君
                鶴保 庸介君
                中島 眞人君
                中原  爽君
                中村 博彦君
                西島 英利君
                藤井 基之君
                水落 敏栄君
                足立 信也君
                朝日 俊弘君
                家西  悟君
                小林 正夫君
                柳澤 光美君
                柳田  稔君
                蓮   舫君
                草川 昭三君
                小池  晃君
                福島みずほ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   尾辻 秀久君
   副大臣
       厚生労働副大臣  西  博義君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       藤井 基之君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        川邊  新君
   政府参考人
       内閣官房内閣参
       事官       猪俣 弘司君
       内閣官房内閣参
       事官       福本 浩樹君
       法務省刑事局長  大林  宏君
       外務大臣官房審
       議官       西宮 伸一君
       外務大臣官房国
       際社会協力部長  神余 隆博君
       外務省経済局長  石川  薫君
       外務省経済協力
       局長       佐藤 重和君
       財務大臣官房審
       議官       佐々木豊成君
       厚生労働大臣官
       房長       鈴木 直和君
       厚生労働省医政
       局長       岩尾總一郎君
       厚生労働省健康
       局長       田中 慶司君
       厚生労働省医薬
       食品局長     阿曽沼慎司君
       厚生労働省労働
       基準局長     青木  豊君
       厚生労働省労働
       基準局安全衛生
       部長       小田 清一君
       厚生労働省労働
       基準局労災補償
       部長       森山  寛君
       厚生労働省職業
       安定局長     青木  功君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    塩田 幸雄君
       厚生労働省保険
       局長       水田 邦雄君
       環境大臣官房廃
       棄物・リサイク
       ル対策部長    南川 秀樹君
       環境省総合環境
       政策局環境保健
       部長       滝澤秀次郎君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第二局長   増田 峯明君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○社会保障及び労働問題等に関する調査
 (社会保険庁以外の部局における監修料問題に
 関する件)
 (兵庫労働局における不正経理問題に関する件
 )
 (都道府県労働局に対する会計検査の状況に関
 する件)
 (エイズ等感染症対策に関する件)
 (心神喪失者等医療観察法の施行に伴う体制整
 備に関する件)
 (アスベスト問題に関する件)
 (朝鮮人徴用問題に関する件)
 (自殺に関する総合対策の緊急かつ効果的な推
 進を求める決議の件)
    ─────────────
#2
○委員長(岸宏一君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る八日、野上浩太郎君が委員を辞任され、その補欠として坂本由紀子さんが選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(岸宏一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省健康局長田中慶司君外十九名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(岸宏一君) 次に、社会保障及び労働問題等に関する調査を議題といたします。
 まず、社会保険庁以外の部局における監修料問題及び兵庫労働局における不正経理問題につきまして、政府から報告を聴取いたします。尾辻厚生労働大臣。
#6
○国務大臣(尾辻秀久君) 厚生労働委員会の御審議に先立ち、厚生労働省より監修料関係及び兵庫労働局関係の二点の資料を提出させていただきましたので、発言させていただきます。
 まず、社会保険庁以外の部局における監修料に関する調査結果について御報告申し上げます。
 去る四月五日に当委員会に御報告申し上げましたとおり、厚生労働省では、本年四月から、国庫補助金関連、大量購入関連等の出版物等に係る監修料の実態についてのこれまでの調査結果を更に精査するため、社会保険庁以外の部局における監修料に係る確定申告の状況並びに監修料の使途及び管理・使用の実態について改めて調査を行ってまいりました。
 その結果、第一に、監修料に係る確定申告の状況については、監修料受領者全員について確定申告書の控え又は市町村民税課税証明書を確認したところ、長期病気休暇により例外的に対応できなかった者一名を除き、確定申告が行われたものと考えられることが確認されました。
 第二に、監修料の使途及び管理・使用の実態については、監修料の受領が判明している者全員について改めて面談による聞き取りを行い、監修料の使い方については、監修料をすべて自分で管理・使用した者と、監修料を自分で管理・使用するとともに一部を所属課庶務係に預けた者とがあり、金額的には前者が全体の五割強となっており、一律の取扱いとはなっていなかったこと。監修料の使途については、タクシー代に六割強、懇親会費に一割程度、夜食代、参考書籍代及びその他がそれぞれ若干ずつ、このほかに税金分が二割程度となっていたことなどが確認されました。
 なお、今回の調査に当たっては、可能な限り文書確認を行うなど、最大限の事実確認を行ったところであります。
 厚生労働省としては、従来の監修料の受取や管理・使用の実態については、国民から見て公費の還流との批判を招く構図となっていたものと受け止め、監修料という作業量との関連が明確でない報酬の受取を職員に禁ずるなどの措置を講じたところであり、二度とこのような問題で国民の信頼を損なうことのないよう自らを厳しく律してまいりたいと考えております。
 次に、兵庫労働局の不正経理事案に関する調査結果について御報告申し上げます。
 兵庫労働局においては、昨年四月以降、当省が行った特定監査の結果、総額三千六十一万円の不正経理が判明したため、昨年八月に関係者の処分を行い、不正金の国庫への返還がなされたところでありますが、遺憾ながら、その後の兵庫県警の捜査の結果、職員二名、業者三名が逮捕されるに至りました。
 このため、更なる不正経理を解明するために昨年十月に本省に兵庫労働局不正問題調査班を設置し、徹底的な調査を実施した結果、物品購入及び施設整備、旅費並びに相談員等謝金に係る不正経理により、昨年八月に判明した三千六十一万円のほかに総額五億三千八百七十三万円の不正経理が行われていたことが確認されました。
 不正金の使途については、職員に個人的に着服されたものが二億一千万円強、不正経理に関与した業者に着服されたものが一億五千万円弱、上司等に渡され、プール金として使用されていたものが二億二千万円程度であると考えられます。
 調査結果を受け、去る七月八日に、懲戒免職七名を含め、合計二百十四名の職員について厳正な処分を行ったところであります。
 不正経理が行われていたことは極めて遺憾な事態であり、労働行政に対する国民の信頼を損ねたことについて深くおわび申し上げます。
 不正金について今後速やかに返還するとともに、兵庫労働局を挙げて、信頼回復のため公務員倫理の徹底を図るほか、ハローワークの利用者のサービス向上等に全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
 七月十五日、緊急に全国の労働局長を招集し、綱紀粛正の徹底や不正経理を防止、チェックするための方策を講じ、今後このような不正経理事案が再発することのないよう指示したところであります。
 報告は以上でございます。
#7
○委員長(岸宏一君) 次に、都道府県労働局に対する会計検査の状況につきまして、会計検査院から報告を聴取いたします。増田会計検査院事務総局第二局長。
#8
○説明員(増田峯明君) それでは、昨年十一月の当委員会における委員長の私ども会計検査院に対する御発言を受けて、昨年十二月から実施してきております労働局における不正経理の有無を念頭に置いた検査のこれまでの実施状況について御説明いたします。
 配付させていただきました資料一ページの冒頭にありますように、本年六月末までに二十一の労働局について実地検査を行っております。これに要した検査人日数は、第二パラグラフにありますように四百十八人日となっておりまして、一労働局を三名から五名程度で検査しております。
 検査の対象としておりますのは、表にありますとおり、物品の購入などに充てられた庁費等、相談員など非常勤職員の人件費に当たる謝金や職員の旅費など、それから、これは昨年問題となった広島労働局の事例を念頭に置いているわけですが、各都道府県の雇用安定・創出対策協議会等に対する委託費であります。
 二ページをお願いいたします。
 これらの支出項目について検査をする際、どういった点に注意をしているかということでございます。物品の購入等につきましては、アにありますように、契約等の会計処理が法令等に基づいて適正に行われているか、架空や水増しの購入はないか。また、謝金、旅費等については、イにありますように、空雇用や空出張といったものがないか。そして、委託費につきましては、ウにありますように、事務費が委託事業の目的外に使われているものはないかといった点に注意をして検査を行っているところでございます。
 三ページをお願いいたします。
 今後の検査予定と検査結果の処理方針ですが、これまでに実地検査を実施いたしました労働局につきましては、その後も資料の追加収集をするなど、引き続き検査を実施しております。また、残りの労働局につきましては、昨年の委員長の御発言に対してお答えいたしましたように、来年三月末までにはすべての労働局について実地検査を終えたいと考えております。
 検査の結果、不適切な経理が判明した場合には、手法、組織的関与の有無、別途に経理された資金の有無、その資金の使途などの把握に努めることとしております。
 以上で御説明を終わります。
#9
○委員長(岸宏一君) 以上で報告の聴取は終わりました。
 引き続き、社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○家西悟君 おはようございます。民主党・新緑風会の家西悟でございます。
 私は、尾辻大臣に対しまして、さきの七月一日から神戸で行われました第七回アジア・太平洋地域エイズ国際会議の成果を踏まえ、今後の日本政府の取組について質問いたします。また、血液供給事業関係の問題についても大臣にお伺いしたいと思っております。
 私は、この第七回太平洋地域エイズ国際会議、ICAAP、通称ICAAPと言われていますけれども、について何度か本委員会でも取り上げ、日本政府の積極的な取組や協力についてお伺いしてきました。尾辻大臣を始め関係する政府委員からは、この会議の趣旨を踏まえ、是非積極的な協力、取組をしていきたいと御答弁を再三いただいていました。
 この会議は何よりも、エイズを始め感染症問題を、国境を越えた政治のリーダーシップが問われた会議でした。しかし、小泉総理を始め尾辻大臣が御出席いただけなかった。国会日程等々あって御出席いただけなかったということは非常に残念でなりません。一九九四年の同横浜会議、これは太平洋ではありません、世界会議ですけれども、横浜会議と言われるもののときには村山当時総理がビデオメッセージを届けられたわけですけれども、今回はそれがありませんでした。そして、参加されたアジアの地域の政治家やNGOのリーダーから、日本政府のかかわりや小泉総理、尾辻大臣のリーダーシップを疑う声が寄せられました。
 そして、まず大臣、この会議の意義や政府の取組の姿勢などがどのようなものであったのか、教えていただければと思います。
#11
○政府参考人(田中慶司君) まず、ICAAPの意義でございますけれども、この国際会議でございますけれども、エイズ学会を中心とします日本の組織委員会が、国連合同エイズ計画、UNAIDSです。あるいはアジア・太平洋エイズ学会、アジアAIDS関連NGO連合、これらの依頼を受けて開催した国際会議でございます。
 私どもとしましては、これらに対しまして非常に意味のある会議であるというふうに考えまして、本年四月に厚生労働省内にICAAPの支援対策本部を設置しまして、国際会議が成功裏に終わるように各般の支援活動、これを行ったところでございます。
 幾つか具体的に申し上げますと、まずは、会議参加者が円滑に入国できるための法務省、外務省、財務省との、関係省庁との定期的な打合せ、あるいは地元の兵庫県、神戸市との頻繁なる打合せ等を開催いたしましたし、開催期間中は厚生省からかなり大量の職員を現地に派遣いたしまして裏方から会議の円滑な運営を支えたということでございます。また、この開催に当たりましては、都道府県等地方自治体の行政官、さらには国内の研究者に広く参加を呼び掛けたところでございます。
#12
○家西悟君 大臣、ひとつ大臣の方からもお願い申し上げたいと思います。私、会場を回っていまして、NGOの方々やそういうアジアの地域の政治家の方々からちょっとそういうお話も伺っていますんで、その点について、本当に国会日程の状況というのは私は分かるんですけれども、是非とも大臣の方から一言、その辺について自分の思いを伝えていただければと思います。
#13
○国務大臣(尾辻秀久君) このことに対します政府の思い、これは今局長からお答え申し上げたところでございます。
 私自身も、エイズ対策の重要性というのはこれは十分に認識をいたしておりますし、今回のICAAPがどんなに有意義なものかということもこれまたよく理解をいたしておりまして、したがいまして、必ず出席をさせていただく予定にしておったのでありますけれども、今お話しいただきましたように、直前に国会日程変わりまして、委員会が開かれましたのでどうしても行けなかったということでございまして、大変残念に存じますし、是非そこのところは御理解いただきたいと存じます。
 あえてでありますけれども、このことが話題になりましたので、是非この機会に先生方にも御検討いただきたく、お願いをしたいと思います。
 今回に限らず、よく日本の大臣というのは国際会議に出てこないといって随分御批判をいただきます。行きたいのはやまやまなんですが、国会日程をどうしても優先せざるを得なくなって行けないわけでありまして、そうしたときにどうするか。例えてといいますと、どうしても大臣が出た方がいいというような国際会議の場合は副大臣対応でもお許しいただくとか、そうしたことを考えていただくと大変有り難いとかねて思っておるもんですから、率直にそのことを申し上げて、この機会に今後のいろんな場面での御検討をお願いできたら有り難いと思いまして、あえて申し上げ、お願いをいたすところでございます。
 今回の場合は、そういうことで出席できませんでしたことを申し訳なくも存じますけれども、私自身も大変残念に思っております。ビデオメッセージのお話もありましたけれども、事前にもしもうどうしても無理だというのが早めに分かっておればビデオメッセージも考えたんですけれども、今回の場合はもう是非行こうと思っていたもんですから、逆にそのことも間に合わなかったということも是非御理解いただきたいと存じます。
#14
○家西悟君 ありがとうございます。
 本当にお忙しい日程で、国会日程の方を優先というのは、これは内政事情というか、ですので私自身はやむを得ないという判断をしていますけれども、会場ではそのように御批判を賜りまして、私も日本の政治家だったらどうしてというような言葉をいただきましたので、これはちょっと伝えておいた方がいいのかなというふうに思いました。
 そして、四月から準備をされてきたということは、本当に御苦労さまでしたというか、感謝申し上げたいと思います。厚労省の方々、またかかわられた各省庁の方々には御礼申し上げたいと思いますけれども、あわせて、本会議で何を学ばれたんだろうかと、どういうことを学ばれた会議だったのかということがありましたら、是非ともお伺わせいただければと思います。
#15
○政府参考人(田中慶司君) この会議でございますけれども、非常に多岐にわたるテーマに対して非常に密度の高い議論がされたところでございます。
 一つと言われてもなかなか具体的には申し上げられないんですけれども、例えばアジア太平洋地域におきますHIVの感染あるいはエイズの患者さんの動向でございますけれども、これは国際的に見ますと、サハラ以南アフリカ、南アフリカでございますけれども、に比べますと感染率は低い、しかし急速に感染者数が増加していると、そういう特徴ございまして、このままでいくと二〇一〇年までに新たに一千二百万人が感染する可能性があると、こんなような報告もされたところでございます。
 それから、この地域、アジア太平洋地域におきましては、様々な感染経路ごとに克服に成功した事例、こういうものも一方ございます。一面的に非常に悲観的になるという必要は必ずしもないと、むしろそれを活用して対策を強化することで、今申し上げました新規の感染者数、これを半分ぐらいまで抑制することも可能じゃないかというようなお話もあったところでございます。
 こういうようなことを踏まえまして、今、アジア太平洋地域におきますHIV、エイズ対策というのは分岐点にあるというふうに考えておりまして、対策を強化する必要があるという共通認識が得られたというふうに考えております。また、そのために必要な各種の施策につきましても、各国の様々な立場の参加者から多様な取組が報告されたところでございます。こういう経験を今後のエイズ対策に生かしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#16
○家西悟君 是非ともそのようにお取組をいただきたいと思いますけれども、併せて申し上げるとするならば、人権に配慮して是非とも今後の施策に反映していただきたいと、過去のような過ちを繰り返すようなことのないように取組を是非ともお願いしたいと思います。
 それと同時に、外務省の方にもおいでいただいているわけですけれども、さきのスコットランドで行われましたグレンイーグルズG8サミットですか、ではアフリカの貧困撲滅とエイズを始め感染症対策の支援が議論されたと思います。しかし、この問題は、悲しむべきというか、痛ましいというか、ロンドンで起きましたテロによって、日本でほとんど報道がそちらの方、テロの方の報道が中心となりまして、このG8でのこういう貧困の撲滅や感染症対策に取り組むということがほとんど残念ながら大きく伝わることはありませんでした。
 そこで、サミットでどのような、日本政府としてどのようなことを取り組んでいったのか、そういったことについてもお聞かせいただきたいのと、エイズを始め感染症の支援策についてどのようなことをされているのか、あわせて、三大感染症と言われるグローバルファンドの支援についてもお聞かせいただければと思います。
#17
○政府参考人(石川薫君) お答えを申し上げます。
 家西委員御指摘のとおり、グレンイーグルズ・サミットでは主要議題の一つとしてアフリカについて議論が行われました。ブレア首相はかねてより、このスコットランドでのサミットはアフリカ問題と気候変動問題を二本柱とするんだと、このようにおっしゃっていまして、実際の議事進行もそのようになされたわけでございます。
 御指摘のテロ事件、大変痛ましいものが起きましたけれども、ブレア議長、一日目の午後、七日の午後、ロンドンに飛んでいかれて陣頭指揮されましたが、サミットにつきましては当初予定されました議題に沿って各国首脳が熱心な討論を行ったということを御報告さしていただきたく存じます。
 その中で、各国首脳からエイズ対策やマラリア対策の重要性について指摘がございました。小泉総理は、日本がエイズ、マラリア、結核という三大感染症対策でリーダーシップを取ってきた、そのことを指摘の上、アフリカが自分で立ち上がるために保健や教育は極めて重要である旨発言されました。
 この首脳間での議論の結果発出されましたアフリカに関するサミット文書には、「人々への投資」と題されまして、エイズ感染の大幅減少、エイズによって孤児となった子供たちへの支援、それから資金源として非常に重要な世界エイズ・結核・マラリア対策基金への本年の資金補充等が盛り込まれました。
 長くなって恐縮ですが、二、三、その具体的な文書を読み上げさしていただきますと、HIV感染を大幅に減少させ、また、二〇一〇年までに必要とする者すべてに治療への可能な限り普遍的なアクセスを与えることに向けて、HIV予防・治療・介護のための措置を開発、実施するためにWHO、世界保健機関、国連合同エイズ計画その他の国際機関とともに取り組むと。さらに、この基金につきましては、我々はまた、世界エイズ・結核・マラリア対策基金への本年の資金補充等を通じてHIVエイズの資金的要請を満たすように取り組むと。このような文書が発出されました。
 なお、この感染症、なかんずくHIVを始めとする感染症対策につきましては、小泉総理はもとより、シラク大統領、ブッシュ大統領、シュレーダー首相、プーチン・ロシア大統領等も重要性を強く指摘され、来年のG8議長国となる予定のロシアの関係者は引き続き討議課題にすることを前向きに検討中と、かように承知しております。
 なお、委員長のお許しをいただきまして、日本の経済協力関係につきましては経済協力局長の方からお答えを申し上げたく存じます。
#18
○政府参考人(佐藤重和君) エイズ等の感染症に対する支援策ということでお答えをさせていただきます。
 エイズを中心といたします感染症対策につきましては、御承知のとおり、我が国、二〇〇〇年に沖縄サミットを開催をいたしましたときに、沖縄感染症対策イニシアティブということで、国際的にもこの感染症対策について重要性を率先して訴えてきたわけでございますが、そうした感染症対策というイニシアティブの下でエイズ対策ということで、ODAを活用をいたしまして専門家を派遣をしたり器材を供与したりということで各国の医療体制の強化ということに取り組んできたわけでございます。
 この沖縄イニシアティブにつきましては、ちょうどその五年がたちましたということでございまして、今年は引き続きましてそれを継ぐイニシアティブということで、保健と開発に関するイニシアティブということで、今後五年間で五十億ドルを拠出するという取組を最近発表いたしましたところでございますが、私どもとしては引き続きこうしたイニシアティブの下に、このエイズを中心とする感染症対策をODAを中心に活用をいたしまして取り組んでいきたいというふうに考えております。
#19
○家西悟君 是非ともそのような取組をお願い申し上げたいと思います。
 そして、そのG8サミットの前ですけれども、神戸で行われるICAAPのその前日ですか、六月三十日に、世界の三大感染症に対する東アジアの地域対応と題する国際シンポジウムが行われました。そして、そこには小泉総理も参加し、国際会議は、沖縄サミットの、先ほど言われました世界基金の五周年を記念してということでシンポジウムが開かれ、そこに私も参加さしていただいて、HIV感染をしている当事者であり政治家であるということで発言もさしていただいた中で、小泉総理自身が五億ドルの拠出をするというような表明をされ、本当に会場からは鳴りやまぬ拍手、そしてスタンディングオベーションで総理を見送るというような状況があったわけですけれども、当面の間という言い方でしかなかったように思うんですよね。
 当面の間五億ドルの拠出をするという言い方で、来年度の予算ではなくて当面という言い方をされたように私は記憶をしているわけですけれども、この当面の間というのは、外務省としてどのようにお考えになっているのか。また、厚生労働省としてその当面の間というのはどういうふうにとらえて、まあこれ外務省の方が本来なんでしょうけれども、三大感染症のグローバルファンドですので、外務省の方にお伺いしたいと思いますけれども、どのような年数をとらえておいでなんでしょうか。当面という言い方がどうしても漠然としまして、当面というのは二年なのか三年なのか五年なのかというふうな疑問が持たれて仕方ありません。この辺はいかようにお考えなのか、ちょっとお尋ね申し上げます。
#20
○政府参考人(神余隆博君) お答え申し上げます。
 先生御指摘ございましたように、このシンポジウム、六月三十日に開催されまして、先生にもお越しいただきまして、大変ありがとうございました。
 日本としましては、そういうシンポジウムの中において、小泉総理から当面五億ドルの貢献を行うという表明を行ったところでございます。今後の具体的な予算面での対応につきましては、日本の財政事情といったものも踏まえまして、世界基金の具体的な資金需要の動向あるいは各国の貢献状況といったものを検討いたしまして、そういったものもまた勘案しつつ、今後の予算編成において財務省と協議をしながら検討していく考えでございます。
 当面とは具体的に何年なのかという御質問でございますけれども、この基金の資金状況、これから精査していく必要がございます。また、今年の十一月にはいわゆるリプレニッシュメント会合というのがございますので、そういうことを念頭に置きながら検討してまいりたいというふうに思っておりますけれども、この当面五億ドルということにつきまして、具体的に何年ということにつきましては現時点では確たることを申し上げることはできませんが、今後数年間ということを念頭に置いておりますことを御了解いただきたいというふうに思います。
#21
○家西悟君 今後数年間ということは、いろいろなとらえ方、先ほど言いましたように、二年なのか三年なのか五年なのかという話があろうかと思いますけれども、私はそれほど長時間、時間を掛ける問題だろうかというふうには思っています。せめて二年とか三年以内に五億ドルを拠出をするという方向でなければ、今言われているようなグローバルファンドというのは非常に意義ある私は活動をされているんだろうと思っています。マラリア対策として蚊帳を送るとか、当事者の方々にですね、それとか治療薬を配付するとか、そういうようなことを取組をされているということは聞いています。
 具体的な、箱物のODAではなくて、当事者の方々に直接かかわるような問題ですので、これはもう是非とも早急にそのようにしていただければ有り難いなという思いがあるわけですけれども、その辺について、支援策の内容、もし御説明いただけるんでしたら、ちょっとこういうものだということをお話しいただければ有り難いなと思っていますけれども、いかがでしょうか。
#22
○政府参考人(神余隆博君) 先生おっしゃったとおり、世界エイズ・結核・マラリア、三大感染症、これは喫緊の課題でございます。年間の死者数も三百万人になんなんとしている。先ほど厚労省の方からも御答弁ございましたけれども、アジアにおける蔓延の危険性もあるということでございますので、緊急の課題だというふうに考えております。
 具体的には、当面ということにつきましては、現時点では先ほど御答弁申し上げたような次第でございますけれども、できるだけ急いで対応したいというふうに考えております。
 中身につきましては、これは資金を供給いたしまして、そしてその基金に基づいて、マラリアの患者に対する様々な治療費あるいはそれに伴う様々な経費ございますけれども、薬の購入あるいは看護、介護をする方に要する費用等、そういったものに役立てていただくということも考えておりますし、またマラリアにつきましては、御承知のとおり、マラリア耐性、マラリアに対して効果のある、例えば蚊帳などの調達といったものも考えております。
 先ほど私、世界基金のこの資金補充会合、リプレニッシュメント会合、十一月と申しましたけれども、九月でございます。御訂正申し上げます。
#23
○家西悟君 皆さん、なぜこういうことを私が言っているのかということを少しお考えいただきたいと思いますけれども、御承知をいただければと思います。
 神戸で行われました国際会議の場で、国連合同エイズ計画、UNAIDSと言いますけれども、そこから最近のHIV、エイズの状況についての報告がありました。このアジア太平洋地域で今後五年間で新たなHIV感染者は一千二百万人に達すると報告があります。また、政治の強力なリーダーシップを強調し、国連合同エイズ計画、UNAIDSのピーター・ピオットという事務局長は指摘をされています。そして、そのピーター・ピオットという事務局長が日本人の関心の低さも併せて指摘をされました。
 是非とも大臣、このようなことがあるということ、いま一度御認識をいただきたいということをお願い申し上げたいと思いますけれども、大臣、この間の取組等々は今までお聞きしてきたわけですけれども、UNAIDSからもそのようなこと、強力なリーダーシップが必要である、日本には是非ともアジア地域でのリーダーシップを発揮してほしいというような旨も伝わってきているわけですけれども、その辺について大臣の御決意等をお聞かせいただければと思います。
#24
○国務大臣(尾辻秀久君) HIV、エイズ問題というのは、先ほど来申し上げておりますように私も喫緊の課題と考えております。したがいまして、私自身が厚生労働省のエイズ関係部局長等から成るエイズストップ作戦本部の本部長も務めておるところでございます。政府といたしましても、担当部局において関係省庁連絡会議を設けまして、総合的なエイズ対策の実施が可能となるように努力もいたしておるところでございます。
 また、今いろいろお話しいただいておりますけれども、世界におけるエイズの予防及び蔓延防止のために、WHOでありますとかUNAIDSを通じた国際貢献にも努めてまいりました。しかしながら、日本におけるHIV及びエイズの蔓延防止に当たっては、国民一人一人がエイズ問題の重要性をよく認識していただく必要がございますので、今もそういった面についての御指摘があったというお話もございましたけれども、私どもが、国民が一体となって取り組まなきゃいけない、普及啓発をより一層推進していくことが重要だと考えておりまして、私も積極的に機会あるごとに取り組んでまいりたいと考えておりますので、是非今後ともの御指導、御協力をよろしくお願いを申し上げます。
#25
○家西悟君 是非ともよろしくお願いしたいと思いますし、私自身もこの問題、真剣に取組をさせていく決意でございます。
 それと併せて、十一日ですか、HIV陽性者の方々と大臣は懇談をされたという報道がありました。そして、大臣も意義があったというような御発言があったようにお伺いをしているわけですけれども、大臣、こういう血液製剤による被害者ではなくて、薬害エイズの被害者ではありませんけれども、一般というか、性行為感染等々の人たちと懇談をされた御感想、率直な御感想をお聞かせいただければと思います。
#26
○国務大臣(尾辻秀久君) これまでHIV訴訟の原告団の皆さんだとか弁護団の方々からお話をお伺いする機会というのはございましたけれども、今お話しのように、広くこの感染者の方々のお話を伺うということはございませんでしたので、是非そうした皆さんのお話も伺いたいなと思って機会をつくらせていただいたところでございます。
 初めてお会いしてのお話でありましたから、まだ十分とはとても言い難かったわけでございますけれども、皆様方の率直な御意見もお伺いしたところでございまして、今後、NPOでありますとかNGOの皆さん方と連携してエイズ対策を進めていくことが極めて必要だなということを改めて認識をいたしたところでございます。
#27
○家西悟君 是非とも真剣にこの問題に取り組んでいただきたいと思います。それは感染予防であり、蔓延防止のためにこういう人たちの知恵というものは非常に私は有意義であるということを申し上げたいと思います。
 これは継続で考えていただけますでしょうか、今後もやっていくということで。
#28
○国務大臣(尾辻秀久君) そのとき私もそう思いましたし、今もちょっとそういうことを申し上げたつもりでありますけれども、何しろ初めてお会いして、初めましてというごあいさつからの話というのは、そう率直な話までは行きませんで、やっぱりやや堅い話でございましたし、何回かお会いしてもっと率直な話ができるような雰囲気になった中でいろんなお話伺えるといいですねと。そして、そういう中から、より具体的にこうしたらどうだというようなお話伺えると大変有り難いということを感じもいたしましたし、皆さんにも申し上げましたので、是非また次の機会をということでお別れをいたしておりますので、今後、機会を重ねていって、そしてそういう皆さんのいろんな御指導もいただきながら今後の対策考えていきたいというふうに存じております。
#29
○家西悟君 是非ともそのようにお願いしたいわけですけれども、いかんせん、内閣が替わったりすると、省としては取り上げていただけないということが間々見られます。これは省として是非とも取り上げるんだということをここでお誓いいただければ非常に有り難いなと思いますけれども、いかがでしょうか。
#30
○国務大臣(尾辻秀久君) しっかりと次の大臣にもお願いをしたいと思いますし、省にも申し伝えてまいりたいというふうに思っておりますし、また、一議員になりましてもこの問題を大臣を辞めたから忘れましたなんということを言うつもりはありませんので、先生の御指導もいただきながら、私自身も今後とも御一緒に頑張ってまいりたいというふうに存じます。
#31
○家西悟君 周りからもいろいろ言われています。政権はいずれ我々が取るんだと。これは我々が取れば当然そのように私はするつもりでおりますけれども、今の段階で是非ともそのように、省としては取り上げるんだということをお誓いいただけたというふうに認識をさせていただきます。
 それでは次に、血液事業法についてお伺いしたいと思いますけれども、最近の血液状況を教えていただきたいと思いますけれども、皆さんの方に、お手元にお配りしています一枚物のこのようなカーブを描いているものがあると思いますけれども、三月十八日と同月の三十一日、委員会で献血の大切さ、深刻な血液不足を指摘し、大臣は早々、日赤を始め各都道府県知事や関係機関に呼び掛け、そして献血推進キャンペーンを行いました。私も大臣とともに都内の献血推進キャンペーンに立ち、都民の皆さんに献血を呼び掛けたということがありました。
 この状況、現在の状況について少し教えていただければと思います。
#32
○政府参考人(阿曽沼慎司君) 御指摘のように、三月に血液の不足がございまして、お配りいただきました表にございますように、その線を下回ったわけでございますけれども、お話もございましたように、四月一日に厚生労働大臣を本部長とする献血推進本部を立ち上げました。それから、九日には大臣が家西議員とともに新宿で街頭で献血を呼び掛けるといったようなキャンペーンも実施をいたしました。
 その結果、大変幸いなことに、四月の下旬以降、そのグラフにもございますように、赤血球製剤の適正在庫が大体一〇〇%といたしますと、現在一六〇%程度ということでございます。適正在庫をかなりオーバーする水準で推移いたしております。
 そういう意味では、皆様方の御理解と御協力の下に、献血の血液の今のところは十分な確保がされているものだというふうに認識をいたしております。
#33
○家西悟君 ありがとうございます。この水準が維持されることを本当に切に願いたいと思います。
 せんだって、十七日ですか、新聞報道にもありました。社説で「献血離れに歯止めを」というようなことで、これは朝日新聞の十七日に書かれているわけですけれども、これ本当に私は、この記事を見て逆にびっくりした次第です。正直言って、先週こういうような質問をするということを言っていて、これが十七日に出てきたと。えっと思って、逆に、何でこういうことが出てくるんだろうなというふうに思うような次第でしたけれども、本当に二十代、三十代の方々の献血離れ、そして五十代以上の方が、輸血を受けられる方が非常に困る、高齢少子化においては非常に困るんだということを言われている、そのとおりだと私も思っていました。
 そして、さきの四月二十五日に起きました、JR西日本福知山線での脱線転覆事故があったわけですけれども、百七名の尊い命が奪われ、多くの方々がけがをされたわけですけれども、あのときに、特に大阪、関西を中心とした献血不足状態が、その前段ですね、事故が起きる前に、非常に深刻であると、そして献血推進キャンペーンをおやりになっていて対応はできたのかなというふうに率直に思うわけですけれども、この件について、どうだったのかということも併せて御報告いただければと思います。
#34
○政府参考人(阿曽沼慎司君) これ、細かい数字は手元に持っておりませんけれども、四月の時点で関西地域におきましてもキャンペーンを実施をいたしました。
 特に、地方公共団体と連携をしたキャンペーンを実施いたしましたので、何とか一定の成果が上がりまして、例のJRの事故等についても十分対応できたというふうに報告を受けているところでございます。
#35
○家西悟君 もし不足していれば本当にもっと被害は大きくなったんではないかというふうに予想できるわけですけれども、本当にタイムリーであったのかなというふうには思います。残念ながら事故は起きてしまいましたけれども、そういう治療に関しての血液不足による混乱ということもなく、うまくいけたんではないかなというふうには思います。
 そして、この中でもう一つお尋ねしたい点があるわけですけれども、それは一つに、もう一枚ペーパーをお配りをしているわけですけれども、このペーパーを皆さんよく見ていただければ分かりますけれども、カラーのやつがあると思いますけれども、これは分画製剤、血液製剤と言われるやつの実物大のパッケージです。
 この中に、献血、採血国の表示がされているわけですけれども、この一社だけ、これは外資系の会社ですけれども、この中に同じようなことが書かれているわけですけれども、非常に分かりにくい表示の仕方。例えば、日赤とか、もう一つここに書かれている下の段のところは、これは社名も出ていますけれども、多いところでは六面体、六面すべてに献血、採血国を表示をされています、分かりやすく。しかし、この外資系の会社の、書かれている中段の部分ですけれども、よく見ないと採血国や献血か否かの表示がほとんど分からない。これは血液事業法を始め血液部門の会議やいろんな場でも再三にわたって議論されて、分かりやすい表示というふうに言われてきたわけですけれども、今日に至ってもこのような表示の仕方というものはどうなのかと。しかも、これ一面にしかありません、この面にしか。ほかには一切表示をしていません。これでいいんだろうかということを私自身非常に思います。
 この血液製剤を輸注される方々、また医療機関で使われる方々に是非とも、献血なのか非献血なのか、売血国は日本なのか、そうじゃないのかをはっきり分かった上で選択をしてくださいという意味合いでつくられていったはずなのに、こういうやり方、確かに違法ではありません、表示のサイズやそういったものを欠いているわけではないわけですけれども、これでいいんだろうかということを併せてお尋ね申し上げたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
#36
○国務大臣(尾辻秀久君) 医薬品の表示につきましては、これはもう今お話しのとおりに、すべての医薬品について、分かりやすく、そしてまた明確に伝わることが求められておるわけでございまして、そのように指導をいたしてまいっております。今の血液製剤の献血、非献血の表示についても、全くそのとおりに、同様に見やすく、かつ明瞭に表示するというふうにいたしておりまして、指導もしてまいったところでございます。今お話しのとおりに、医薬品の表示につきましては、見やすい表示となりますように、引き続き製造販売業者に対して指導を徹底してまいりたいと考えております。
#37
○家西悟君 是非ともそのようにお願いしたいと思います。
 私、ここにたばこを持っているわけですけれども、このたばこを吸うことによってという注意書きですね、昔はこの側面というか、横に小さく書いていたわけです。しかし、今現在はパッケージの三分の一ぐらいの面積を取って、このたばこを吸うことによって、「あなたにとって肺がんの原因の一つとなります。」とか、そのようなことを大きく今表示するような時代です。
 これがどうしてこういうものに関しては、どうなのかな。市場原理に任せる云々ということで言われているのかもしれませんけれども、私自身は、これはちょっと違うんじゃないか。先ほど大臣、今言われましたけれども、これだけの大きな余白がありながら、その余白をフルに使わない。そして、ここに書いてあるとおり、採血国は米国、そして非献血。申し訳ない程度の大きさ。しかも、ぱっと見た瞬間、私もう老眼の域に達していますんで最初分からなかったです。クイズかというぐらいに、これ見た瞬間に、うっと、気付かない。これでは見落としてしまう。
 それと、添付書。ラベルですね、瓶、製剤が入っている、そういったところにもきっちりとこのような表示をしていただかないと困るなと。しかも、分かりやすい色を使う、配色を使う、それが原則であると。そして、大きさにおいても、申し訳ない程度で書くんではなく、これは何を言わんとするかということが明らかじゃないでしょうか。
 日本は世界一厳しい献血の水準があります。しかし、血液製剤の原料となる血漿においては輸入がいまだに続いている。基本方針としては、この平成二十年までに国内献血で血液製剤も含めて全部を賄うんだという方針が出されているわけですけれども、いまだに海外に依存するというやり方が続いているんではないでしょうか。
 やはりこの部分についてはきっちりと書いて、国民の皆さん、また医療機関の皆さんについても御認識いただきやすい表示というものを絶対に守らなければいけない。ある意味、これ皮肉って取れば、何かあるから小さく書いているのと。他のメーカーは大きく書いているけれども、ここのメーカーは小さく書くということは、危険性を示唆しているんではないかというふうに取れてしまう。これでは良くないと思います。
 是非ともそのような取り組みをいただけますでしょうか。改めて大臣、御発言いただきますようお願い申し上げます。
#38
○国務大臣(尾辻秀久君) 今朝、実はこの資料を先生から今日お出しいただくということで事前に見ました。そのときも、私も率直に、それはまあほかの字と同じ大きさだと言い訳するのかもしれぬけれども、いかにも小さい。これはもうまずいということを言いました。そこで、改めて今朝、強力に指導しろと、これ、もっと大きく書けということをまず指示をいたしております。強力の指導をいたします。もしその指導に従わなければ、また我々は何か方法も考えなきゃいかぬとも思いますけれども、まずきっちりやるように、指導するように指示をいたしました。
#39
○家西悟君 ありがとうございます。是非ともそのように指導をお願い申し上げます。
 これが市場の原理ということでの一つだと思います。公平、公正、透明性ということを言われるんであれば、同じように表示をするのは当たり前であると。しかも、場合によったら箱の、六面あるわけですけれども、六面すべてに表示している、献血であればですね、赤い文字で。しかも、少ないところでも五面書いているんです。ここだけです。これは何を言わんかということを改めて御指導いただきますようよろしく申し上げたいと思いますし、先ほども触れました、国内の献血推進等を決めてから十五年ということで、平成二十年までには国内献血で賄うということを基本方針出されているわけですけれども、その状況はいかになっているのか。本当にこういうようなやり方をしていて国内の献血で賄うという方針が立っていくんでしょうか。あと時間にして三年余りの時間です。その間に一〇〇%の供給体制は整うんでしょうか、いかがでしょうか。お答えいただけますでしょうか。
#40
○政府参考人(阿曽沼慎司君) 血液製剤につきましては、先生御存じのように、血液法によりまして、倫理性とかそれから安定供給の観点から、あくまでも原則として国内で行われる献血によって得られた血液を原料として国内自給すると、それを基本的に目標とするということにしております。
 それで、一応平成二十年度を目標に国内自給を達成するということになっておりますので、私どもとしてもその自給が達成されるように十分努力をしていきたいというふうに思っております。
#41
○家西悟君 時間が来ましたので終わりますけれども、本当にそのようにお願いしたいと思います。絵にかいたもちにしないでいただきたいということをお願い申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#42
○辻泰弘君 民主党・新緑風会、辻泰弘でございます。一般質問ということで、幾つかの点について大臣並びに参考人にお伺いしたいと思います。
 まず、介護保険法が、六月十六日でございましたか、本委員会で可決されたわけでございますが、その折に、私も委員会での質疑をさせていただき、それを踏まえて可決後の附帯決議において幾つかの点がございました。そのことについて関連して確認をさせていただきたいんですけれども。
 まず、その折の決議の中で、「介護保険制度を費用負担の面で支える現役世代の意見を制度運営に十分反映させるため、厚生労働省に保険者や第一号被保険者とともに、第二号被保険者や医療保険者などで構成する運営協議会を設置すること。」ということでの附帯決議がございまして、大臣もそれを尊重するという流れだったと思うんですが、このことについて私が質問したところ、局長答弁でございましたか、年内にも立ち上げたいというふうな御方針だったんですけれども、その後のお取り組みについて確認をさせていただきたいと思います。
#43
○国務大臣(尾辻秀久君) 今の御質問は、介護保険法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議の中で、五番目に、「第二号被保険者や医療保険者などで構成する運営協議会を設置すること。」、このことについての御質問でございます。そのときに、保険者や第一号被保険者とともに、第二号被保険者や医療保険者などで構成する協議会を年内に設置、開催することで準備するということを御答弁申し上げておりますけれども、そのことについて変化いたしておるわけじゃございません。今、その準備をいたしておるところでございます。
#44
○辻泰弘君 その点については、その方針で年内に立ち上げるということでお取り組みいただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 それから、あわせて、同じ五項目めにもう一点ございまして、「第二号被保険者の介護保険料の料率については、上限の設定など、その急激な増加を抑える方策について検討を行うこと。」ということでの附帯決議がございまして、これについても大臣から尊重して対応するということだったと思うんですが、その点についての今後の方針について確認をさせていただきたいと思います。
#45
○国務大臣(尾辻秀久君) 御指摘いただいております第二号の被保険者の保険料の上限設定についてでございますけれども、本委員会におきまして、「第二号被保険者の介護保険料の料率については、上限の設定など、その急激な増加を抑える方策について検討を行うこと。」という附帯決議をいただいておるところでございます。
 もとよりでございますけれども、介護保険制度は、高齢者の保険料、若年者の保険料、国、都道府県、市町村の公費により重層的に支えられる制度になっておりまして、費用負担が急激に上昇することのないようにすることは第二号被保険者のみならず費用負担者共通の課題である、これはもう申すまでもないことでございます。
 そうした中で、じゃ第二号被保険者の保険料の上限設定ということでございますけれども、これは全体の割合というのがそれぞれに設けられておる、先ほど申し上げましたように重層的に支える仕組みになっておりますので、これをどういうふうに今後、今の附帯決議なども踏まえて考えていくか、これ大変私どもとしても今後検討しなきゃならない、勉強しなきゃならない課題だというふうに考えておるところでございます。
 しかし、附帯決議の趣旨を尊重しますというふうに申し上げたわけでございますから、今の申し上げたような重層的に支える仕組みの中でこの問題にどういうふうに取り組んでまいるか、私どもも今後十分に勉強させていただきたいと存じております。
#46
○辻泰弘君 委員会の審議のときにも申し上げましたけれども、将来の見通しの中では倍増するようなそういう将来推計もあるわけでございまして、負担するのももちろん大事なことなんですけれども、やはり当事者の第二号被保険者、すなわち現役世代の方々の理解と合意と納得というものもそれなりにやはり求められる部分だと思いますので、そういった意味からの今の二点につきまして、運営協議会の設置と、また上限の設定ということについても、そのような趣旨でお取り組みいただきますように改めて申し上げておきたいと思うわけであります。
 それからもう一点、同時に附帯決議のときにございました、平成十六年度税制改正における年金課税の強化に伴う第一号被保険者の保険料負担の増加に対しての対応についてでございますけれども、附帯決議にも盛り込まれておりますし、私も委員会での質問に答弁もいただいているわけでありますけれども、この点についてどのようにその後対応していただいたかということについて、経過報告を賜りたいと思います。
#47
○国務大臣(尾辻秀久君) 年金課税の見直しによる影響につきましては、税法上特段の経過措置が行われておりませんことから、高齢者の非課税措置の廃止に関する激変緩和策のような対応は講じていないところでございますけれども、今回の制度改正におきましては、保険料の賦課の方式を見直すことで、より弾力的な保険料設定を可能とし、個々の被保険者の負担能力を適切に反映できる仕組みとしたところでございます。課税の皆さんのところの部分の刻みをより細かくするという措置でございます。そしてまた、市町村が条例によって区分数や保険料率等について弾力的に設定できるということで、この弾力化も図ったところでございます。
 そうした中で対応していただきたいというふうに市町村にも申し上げておるところでございますが、これらの趣旨につきましては、去る六月二十七日に開催されました全国介護保険担当課長会議において周知を図るべく御連絡を申し上げたところでございます。
#48
○辻泰弘君 念押しですけれども、今おっしゃっていただいた弾力的な段階設定、それを可能とする措置ということですけれども、その措置を設ける意味合いは十六年度税制改正の激変緩和の意義があるんだということを、そのことをもその担当課長会議等において説明を行うべしというのが、それで市町村への周知徹底を図るべしというのが附帯決議の趣旨だったわけですが、そのことには、要は、その措置にはそういった十六年度税制改正の激変緩和の意味も入っているんだということをお伝えいただいたということですね。
#49
○国務大臣(尾辻秀久君) 今お話しいただきましたような、御指摘いただきましたような趣旨を含めまして周知を行ったところでございます。
#50
○辻泰弘君 今後も、介護保険料の具体的な設定までまだ間があると思うんですけれども、その過程でも、やはり当然地方からのいろいろな調整といいますか、問い合わせといいますか、そういったことが具体的にあると思うんですけれども、その過程においても、その趣旨でやるんだということを基本に据えてお取り組みをいただくように申し上げておきたいと思います。
 それからもう一点、あのときも言って、そのことは、介護保険のことでございましたのでそこまで深くは聞きませんでしたが、もう一点、国保の保険料にかかわることも連動しているわけでございます。十六年度税制改正の公的年金等控除の縮小と老年者控除の廃止、この二つに伴う国保の保険料の算出について、十八年からが掛かってくる、十八年四月から掛かってくるということになるわけでございますが、そのことについてですけれども、これも尾辻大臣にも、後退をさせることはありませんと。その元たるは、坂口当時大臣において、国保については一応我々の考えをお示しをして、そして地方との調整をしたいと、こういうことだったわけでございます。
 それで、そのことを踏まえてになるわけですけれども、あの六月十六日のときは西副大臣からも答弁をいただいているわけでございますけれども、いずれにいたしましても、国保のこともこれから年末にかけて御協議をされて、省令になるんですか、政令になるんでしょうか、いずれにいたしましても一つの方針を出されて、それを踏まえて地方自治体において来年の議会で条例として決めるということによって決まって四月から具体的に動くと。まあ徴収は六月からになるのかもしれませんが。そういう流れがあるわけですけれども、そのことに向けてどのように取り組んでいかれるのか。
 すなわち、中央における方針というものがやはり秋から冬にかけて出されて動くことになろうと思うんですけれども、あの折も西副大臣からお話しのように、余り時間もないことは事実で、精力的に検討していきたいというふうにおっしゃっていただいているわけですが、具体的にこの点についてどういった形で、これまでおっしゃってきた約束といいますか、あのころからのお示しいただいた方針というものを具体化していただけるのか。そのことについてお伺いしたいと思います。
#51
○政府参考人(水田邦雄君) お尋ねの年金課税の強化に伴う国民健康保険の保険料の取扱いについてでございますけれども、基本的な考え方そのものは、かねて御答弁させていただいておりますとおり、年金課税の見直しそのものは世代間の負担の公平を図るということでございましたし、また一方で、国民健康保険におきましては、保険料の賦課総額が決まる中で被保険者間でこれを公平に持ち合うという考え方がございます。これらを勘案しながら検討することが必要と考えているところでございます。
 緩和措置を講ずるべきかどうかということ、これに即して考えてみますと、この税制改正により影響を受ける方々への具体的な影響だけでございませんで、緩和措置を講ずることによってそれ以外の被保険者の保険料負担が増えるということがございます。こういったことを考慮しながら、地方団体の意見を踏まえて検討していきたいと考えてございます。
 仮に、本件につきましては、これは税制改正を伴うものでございますので、そうした事情も念頭に置きながら対応方針の検討を進めていきたいと、このように考えてございます。
#52
○辻泰弘君 今のお話ですと、国保の保険料、その部分だけ考えるとほかに移るよと、これは理屈としては当然のことなんですけれども、しかし、その税制改正が審議されている過程で、恐らく十六年三月でしょうか、その過程においてそのことの連動が問われて、保険料の担当大臣である厚生労働大臣がそのことについては考えていくんだということをおっしゃっているわけですから、それは事後的に付加して要求していることではなくて、その年金課税の強化の中での政府の方針を問う中で、課税する際にはということで方針を示しておられるわけですから、後から付け加えてごり押しをしてそこに入っていく、他の方にしわ寄せをするというものではない、そのことははっきりしておかないといけないと思うんですね。
 ですから、今局長がおっしゃったのは一応の理屈はあるわけですけれども、政治の方針としてあの三月の段階で坂口大臣が一つの方針を示されている。三月十二日でございますから、税制改正のまだ審議途中か、そういう状況だと思うんですね。ですから、そのことをやっぱりしっかりと受け止めていただくべきだと思うんですね。
 大臣、その点は、坂口さんの答弁を後退させないとおっしゃっていますけれども、そのことはそれでいいですね。
#53
○国務大臣(尾辻秀久君) まず、最後のお話についてお答え申し上げますと、後退させない、坂口大臣の発言を後退させないということは申し上げておるところでございますので、そのようにいたします。
#54
○辻泰弘君 それで、それはある意味で当たり前かもしれませんけれども、結構なことではありますが、ただ、その突き詰めたところ、坂口大臣の御答弁は、国保につきましては、一応我々の考え方もお示しをして、そして地方との調整をしたいと。その前段として、年金の税制が変わることによりまして、そのことが国保それから介護に影響してくるということで、介護については、先ほどのこともあって、十七年度税制改正のことが抜本的な対応といいますか、三年間でなだらかにということがメーンでございますけれども、それに付加する形でさっきおっしゃったように段階的な保険料設定を行おうと、こういうことでの一つのまあそれなりの答えが出たというふうに思うわけですが、実は国保については何ら答えが出てないわけなんですね。ですから、そのことについては、これまでの経緯を踏まえたときに、やはり一つの答えを出していただかないと、やはり約束にもとることになるというふうに私は思うわけです。
 先ほどの保険局長のお話は、他にも波及することだから、結局そのバランスをというふうなことをおっしゃって、新たな視点で対応しようとおっしゃっているわけですけれども、あのときのことは、その税制改正をするという政府の方針のときに、その税制における影響は、当然それを求めるわけですからあるのは当たり前ですけれども、それに伴って、連動して発生する保険料負担については何らかの対応をしていこうということがあのときの意思だったわけですね。政府としての意思だったはずでございます。
 ですから、そういう意味においては、保険局長がおっしゃっていることは後から付けてきた理屈であって、あの時点では、やはり保険料については何らかのことを考えようということが政府の方針であったというふうに私は言わざるを得ない。
 だから、その意味において、改めて全体を考えてやっていくんだということではなくて、このことについては、それは理屈からいったら、その分を軽減するということは他に求めるということになることは、それはあり得ます。介護だってそういうことはあったわけです。ただ、介護の方も、高所得者の方が低所得者へ負担すると言うんだけれども、高所得者の中での配分もあり得るわけですから、何も低所得者にしわ寄せするということでは必ずしもないわけですけれども、いずれにいたしましても、そのことを税制改正の過程で政府の方針として示しておられたわけですから、そのことの重みというのはしっかり受け止めていただいて、やはり一つの答えを出していただきたいと思うんですね。
 だから、保険局長の御答弁というのは、結局そのことの本質というものを意識的に忘れたようにして、結局何もなしで終わらせていこうというふうにも読めなくはないんですけれども、しかし、やはりこれまでの国会での審議、政府としての、保険料をつかさどる厚生労働大臣としての責任ある御答弁の流れに沿うものではないと私は思うんですね。
 ですから、そのことについてはしっかりと答えを出していただきたい。介護は曲がりなりにも答えが出たと思っています。国保についてもしっかりと取り組んでいただきたい、そのことを申し上げたいんですけれども、いかがですか。
#55
○国務大臣(尾辻秀久君) 細かく言えば違いもありますけれども、今お話しいただいておるようなことについては、私も、介護も国保も同じだというふうに考えております。介護も、全体の仕組みがあって、そして全体の必要なものは保険料でこれだけ、国がこれだけとかっていう、さっきから申し上げているような重層的な支える仕組みになっておりますから、こっちを少なくするとその分どこかでかまた埋め合わせせざるを得ないというその仕組みについては同じわけでございます。その中で、先ほど申し上げたような方法を私どもとしては介護については考えて申し上げておって、後退させないという大臣のお答えを守らせていただきたいというふうに申し上げているところでございます。
 今の私が申し上げたいことは、介護についてもそのように同じことで、今先生がおっしゃるように、国保については後で考えたんじゃないかというふうに、無理やり後で何かをこうやろうとしているんじゃないかというふうにお話しいただいておるわけでありますけれども、介護についても私どもとしてはこういうふうに考えてやらしていただきますということを今申し上げておるわけでありますから、国保についても今改めてこういうふうに考えておるんですということを申し上げておるわけでございまして、先ほど来申し上げている坂口大臣の答弁について後退させませんということをお約束を守るべく、今国保についての、何をすべきかということも検討しておるところでございますから、先ほど局長からお答え申し上げたようなことでこの後整理をさせていただきたいと思っております。
 要するに、ちゃんと私どもの責任でやらしていただきますということを申し上げればそれで済むかと思いますが、ちょっと長々と言ってしまいましたけれども、そういうことをきっちりやらしていただきます。
#56
○辻泰弘君 その大臣の御答弁で了といたしますが、確認させてください。局長、大臣が今までずっと答えていらっしゃることにもとる結果にはならないように対処すると、このことでよろしいですね。
#57
○政府参考人(水田邦雄君) ただいまの大臣答弁に即して考えさせていただきたいと思いますけれども、なお、現在は地方団体からの意見をお伺いしていると、こういう段階であるということは申し述べたいと思います。
#58
○辻泰弘君 坂口さんの答弁は、一応我々の考えをお示しして、そして地方との調整をしたいということになっているわけです。そのことをどう思っていますか。
#59
○政府参考人(水田邦雄君) お答え申し上げます。
 対応方策をどうするかということについてでございますので、若干技術的なことになりますけれども、政令で対応すべきもの、ケースと、専ら条例で対応すべきものと、これはいろいろまた具体案に即して考えていかなきゃならないんですけれども、様々なケースがあろうかと思います。その場合に、後者の場合、すなわち専ら条例で定める場合には、その地方分権という考え方にも即して厚生労働省でどこまで踏み込んでそれをお示しするか、そういったこともございます。
 具体案を示すことの可否、あるいはどこまで具体的なものとすべきかということも含めて市町村の意見を踏まえながら検討してまいりたいと考えておりますが、いずれにせよ、大臣の答弁に即して考えていきたいと思います。
#60
○辻泰弘君 いや、地方分権は当然ですけれども、国保の保険料算出は三つの方式があるわけでしょう。それについては、政府としての政令ですか省令か分からないけれども、告示か分からないけれども、それ出すわけじゃないですか。大体それに準拠して地方はやるわけでしょう。今のだったら、全くゼロから地方がやれるというふうな言い方じゃないですか。それはおかしいじゃないですか。
 基本的に中央が示して、それに準拠してやるような、ほとんどそれでやるわけじゃないですか。その点は基本的に言い方がおかしいですよ、それ。違いますか。
#61
○政府参考人(水田邦雄君) ただいまの答弁は、何と申しますか、今の国民健康保険料あるいは保険税にかかわる様々な可能性について申し上げたものでございまして、具体的にどういう方策を取るかは、これから検討させていただきたいと思います。
#62
○辻泰弘君 だから、大臣がせっかくあそこまでおっしゃっていただいたのを局長がひっくり返そうかというふうにも聞こえるわけですよ。だから、そこの部分素直に言ってもらったらいいんだけれども、それが引っ掛かられるから、それで聞くわけですよ。
 もう一遍、大臣のとおりやるかどうか。
#63
○政府参考人(水田邦雄君) 繰り返し御答弁申し上げておりますように、大臣答弁に即して物事は考えていきたいと思っております。ただ、現段階では成案を得ているわけではありませんので、これ以上詳細な御答弁は今の段階ではできないということを申し上げているわけでございます。
#64
○辻泰弘君 前段でとどめておかれたらいいんじゃないかと思うわけですけれども。
 基本的にそういうことで、余りこれに時間取られるのは本意じゃないんですけれども、率直に言って、大臣の御意向にも反して事務方でだんだんなし崩し的に中身をなくしていくというのが多分にあると思うものですから、今までもここでいろいろ議論したこともそういうことが多うございましたし、これから聞く労働局のことは、大臣もそのときまで知らなかったと、昼聞いたと。一時からの私の質問の前に昼飯どきに聞いたというようなこともあったわけでございますので、その点についてはしっかりと局長にも申し上げておきたいと思います。
 また、この御対応については今後ともチェックさせていただきますから、それはそれでしっかりと、大臣の答弁というもの、やはりあの時点での政府としての意向というものがあったわけですから、もししないのであればそれをしっかりと説明するということになるわけですけれども、しかし大臣が後退させないとおっしゃっているわけですから、それを踏まえてしっかりと取り組んでいただきたい。介護については取り組まれたわけですから、そういうことで国保についても局長に申し上げておきたいと思います。
 それで、時間も限られているんですけれども、大きな問題がございます。一つは兵庫県労働局のことでございます。
 それで、先ほどお話ございましたように五億四千万ということだったわけであります。広島の場合は、お聞きしたところ二億二千万ということだったんでしょうか、必ずしも同じツラになっていないかもしれませんが、いずれにいたしましても大変大きな額だったわけであります。
 それで、前回お聞きしたときは官房長からお答えだったんですが、五億四千万の数字が出て処分が決定した後に大臣からはこの場での質問にはお答えはいただいていないので、まずあのことについて、結果について、総括的な感想というものをまずお話しいただきたいと思います。
#65
○国務大臣(尾辻秀久君) 先ほども御審議に先立ちということで御報告も申し上げ、おわびも申し上げましたけれども、改めて申し上げたいと存じます。
 兵庫労働局不正経理事案につきましては、私からも、まずは徹底的に調査をするように指示をしておりまして、それで、国家公務員倫理審査会との共同の調査でございまして、その結果、今日御報告を申し上げましたように、五億円を超える不正経理が行われ、うち二億円以上が職員に個人着服されるとともに、約一億五千万円が業者に着服されていたということが判明をいたしたところでございます。極めて遺憾としか申し上げようのない事態でございまして、労働行政に対する国民の皆様方の信頼を損ねたことについて、深くおわび申し上げたいと存じます。
 不正金につきましては、今後速やかに返還するということは、これはもう言うまでもないことでございますが、綱紀粛正の徹底や不正経理を防止、チェックするための方策を講じますとともに、不正経理が行われることとなった背景要因の根絶を図ることとし、二度とこのような不正経理を生じさせないよう再発防止を徹底いたしますとともに、兵庫労働局を挙げて利用者のサービスの向上に努めまして、ハローワークの信頼回復に全力を挙げてまいりたいと存じます。
#66
○辻泰弘君 まあ、これは大臣が直接かかわっておられたことではないんですけれども、このことにですね。しかし、私はやはり上司の責任というものが問われてしかるべきだと思うんですよ。すなわち、大臣なのかどなたなのか分かりませんけれども、このことについて、いろいろ処分がありましたけれども、上司という意味での、大きな意味での監督責任というものがどうも結果として出てきていないように私は思うんです。
 大臣にすぐ辞めろと言うつもりでもないんですけれども、しかしやはりこれは非常に大きな額で、これほどの不祥事というのは今まであったのかと思うほどでございますが、私はやはり、大臣に辞めろと言うつもりも必ずしもないけれども、しかし、それに値するものだと思うんですね。
 その辺はどう考えていらっしゃいますか。今回のことでそういうことは問われない、これからまたどんどん労働局もいろいろチェックしていくんでしょうけれども、そういった過程における御自身の責任問題についてどうお考えでしょうか。
#67
○国務大臣(尾辻秀久君) 極めて責任が重いというふうに考えております。
#68
○辻泰弘君 端的に言って、今回のことで別に御自身の職を辞するものではないということですね。
#69
○国務大臣(尾辻秀久君) 今回のことで私が責任を取って辞めるというふうに今私が考えているものではございません。
#70
○辻泰弘君 中央段階での上司といいますか、監督者で、どなたか責任を取ることになった方がいらっしゃるんでしょうか。
#71
○政府参考人(鈴木直和君) 今回の兵庫労働局の不正経理事案でございますが、これについて、管理監督責任という意味では、本省関係では、地方を指導する地方課というものが官房にございます。歴代の地方課長が管理監督の責任ということで処分を受けているところでございます。
#72
○辻泰弘君 しかし、そういった程度、程度と言っては悪いけれども、課長もそれは重い職責だとは思いますが、そういったことなんでしょうか。大臣、そういった程度の責任に帰して終わらせていいことなんでしょうかね。
 今後まだ、会計検査院も後で聞きたいと思いますけれども、いろんな労働局に波及してくるのかもしれませんが、そういった過程で、あらかじめどういう場合にということは言えないにしても、やはり私は、そういった課長のレベルでの責任ということで終わらせていいのかというのは非常に疑問に思うんですけれども、大臣、そうは思われませんか。
#73
○政府参考人(鈴木直和君) 管理監督責任の在り方、これはその個別の事案ごとに考えていきたいと思いますが、今回の兵庫労働局の事案につきましては、その管理監督責任として、直接地方労働局を指導すべき立場の地方課長についてその責任を問うことが適当ということに判断したものでございます。
#74
○辻泰弘君 そのことも今後ともしっかり見詰めていきたいと思いますし、また意見も申し上げておきたいと思いますけれども、時間もないんでポイントをちょっと変えますけれども、広島の労働局のときは、返納というときに、最初は坂口さんも返すと言って、結局最後は坂口さんもかまれなかったということだったと思うんです、そのこと自体がいい悪いと言っているんじゃないんですが。
 大臣自身は、このことについて、自主返納にかかわられるおつもりですか。そういう話になっているんですか。
#75
○国務大臣(尾辻秀久君) 率直に申し上げますけれども、実は私は、就任直後の監修料の問題で今、どういうふうに言えばいいんでしょうか、返納という表現がいいのかどうか分かりませんけれども、とにかく、大臣としていただいているものを全額、言葉をどういうふうに表現すればいいのか分かりませんので返納という言葉かどうか、返納でいいんだそうでありますから返納という表現にさせていただきますが、実は全額出しておりますので、これ以上私がお出しする分がないものですから、その分が、変な言い方ですが残っておりません。
 それで、実は、途中でこの問題が起きましたときに、この問題じゃありません、また別な問題が起きましたときに、私、もう少し返納といいますか出したいということを言ったんですが、これ以上私が出しますと公職選挙法違反になるわけでございまして、公職選挙法違反にならない目一杯のところを既に返納しているものですから、これ以上私にそういう分がありませんということだけを申し上げたいと存じます。
#76
○辻泰弘君 その返納は今も続いているということなんですね。だから、それに上乗せはできないと、そういうことですね。
#77
○国務大臣(尾辻秀久君) ずっと返納を続けておりますために、これ以上私が額を増やしますと公職選挙法に触れるということで、額を増やすことが不可能でございますということを申し上げます。
#78
○辻泰弘君 それで、監修料のときは旧厚生省マターでございました。それなるがゆえだったと思いますけれども、次官の自主返納ということはなかったんですね、実は。これも私もおかしいと思いますけれどもね。今回の場合は労働局マターですから当然次官が先頭を切ってやられると、こういう理解でいいでしょうね。
#79
○政府参考人(鈴木直和君) 前回の監修料の自主返納、これについては、その監修料を受領していた職場に勤務していた経験があった人について、一定のポスト以上の人間について自主返納をお願いしたということでございます。その際、記憶で、次官は一割、一か月分の返納を行ったというふうに記憶をしております。
 どちらにしても、今回の広島労働局の返納につきましては、現在、金額も多い中で具体的にどのように返還するかということを現在検討中でございまして、具体的な方針が固まり次第、早急に返還したいと考えております。
#80
○辻泰弘君 これに時間掛ける時間はないんですけれども、昨年の十月二十二日でしたか、そのときに自主返納の方針を出しておられて、そのときには次官は入っていなかったんですよ。これはもうここでも質問いたしました、それで後で一割にされたのかもしれませんが。その辺もまあ厚生省と労働省がまだそれぞれ歴史を引きずっているんだなと思うわけですけれども、いずれにいたしましても、今度の労働局の問題について、当然のことながら、次官先頭にしっかりと対応していただくということを申し上げておきたい。
 時間がないんで、会計検査院にちょっとお聞きしておきます。
 今回の兵庫の場合は刑事事件が契機となって五億四千万までたどり着いたんですけれども、やはりこれは単に兵庫だけとは思えない、広島、兵庫だけにとどまるとは思えない。やはり他の労働局においても当然あり得るというふうに一般的には考えざるを得ない、残念ながらですね。そうであるときに、会計検査院にしっかりとお取り組みいただきたいと思うわけですけれども、会計検査院の権限で、今率直に言って、要は強制力がないわけですから、そういった意味での会計検査院法の改正が必要だと思うんですけれども、今の制度の下でやっていくためにはやはり役所の協力が当然必要だと思うんですね。そういう意味でまず官房長に聞いておきますけれども、全国の労働局で、やっぱり資料提供とか要請があったときはしっかりと受け止めるということで当然対応していただきたいと思うんですが、その点どうですか。
#81
○政府参考人(鈴木直和君) 御指摘のように対応したいと考えております。
#82
○辻泰弘君 要は外部調査ということが必要だということで、兵庫の場合、実は内部調査でやったわけですよね。その後に会計検査院が入るんですよ。実はそれはどうかとも思うぐらいですが、今回の場合、他の労働局は会計検査院が入るということで内部調査はやらないということになるんでしょう。それはいいとは言いませんけれども、それが一つの方針と受け止めるときに、会計検査院の要請を受けてしっかりと資料を出すということがそれに見合う形になるということになるわけですね。
 そういった意味で、今、方針も言っていただいていますけれども、私は、ちょっと資料を見たところ、そのことについて文書での地方への指示はあったのかなというのはちょっと疑問に思います。七月十五日に会議やったとさっきおっしゃっていましたけれども、そういうときにもそのことをおっしゃっているか、それからやはり私は文書で出すべきだと思っていますけれども、その点について。
#83
○政府参考人(鈴木直和君) 常日ごろから私どもは、機会あるたびに、会計検査院の検査については全面的に協力するようにということを申し上げておりますし、今回全労働局について会計検査院の検査が行われるということでございますので、全労働局に対してそういった全面的な協力を指示したいと考えております。
#84
○辻泰弘君 今の指示は文書で出すべきだと思いますけれども、どうですか。
#85
○政府参考人(鈴木直和君) 従来、会議の場で口頭で指示しておりましたが、そういった文書で行うことも含めて検討したいと考えております。
#86
○辻泰弘君 済みません。時間がなくて会計検査院の方にお聞きします。
 兵庫の場合の幾つかの空経理の仕掛けというのがあったわけですけれども、そのことを踏まえて、やはり空経理というものを、その実態が裏があるのかどうかはやはり当然やっていかれるべきだと思うんですが、そのことについてのお取り組みの方針を一つ。
 それから、そういった今のお話の中で、役所からの協力は得られるべきだと思いますけれども、もし得られないような場合どういうふうに対応されるのか、そのことについて御方針を御説明いただきたい。
#87
○説明員(増田峯明君) お答え申し上げます。
 今回の兵庫労働局に対する厚生労働省による調査結果については、私どもも報告を受けております。したがいまして、その報告により、兵庫労働局における具体的な不正経理の方法は判明しているわけですので、こういったことを私どもとしては十分念頭に置いて今後の検査に取り組むことは当然のことだというふうに考えております。
 それから、厚生労働省からの協力ということでございますけれども、今回の私どもの検査に対しましては、厚生労働省から趣旨を理解して協力をしていただいているというふうに考えておりまして、これまでのところ、検査の遂行に支障を来しているというような事態は生じていないところでございます。
 いずれにせよ、私ども、期待にこたえられるよう、十分検査をしてまいりたいというふうに考えております。
#88
○辻泰弘君 それぞれにしっかりとお取り組みいただくように御要請を申し上げておきたいと思います。
 監修料の問題についても御質問したかったんですけれども、時間が参りましたので私の質問を終わらせていただきます。
#89
○朝日俊弘君 民主党・新緑風会の朝日でございます。
 今日は、心神喪失者等医療観察法案の施行に当たっての問題点に絞って質問をさせていただきます。
 既にこの問題についてはこの場においても、あるいは衆参の法務委員会においても、この七月十五日予定の施行に向けてどうなっているんだという質問は多くの皆さんからございました。私からも、この法案そのものの評価はともかくとして、法律の施行に当たって、準備状況がまるで整っていない、極めて不十分な状態で施行に入るのは無責任だということを申し上げてきました。むしろ、そういう意味では、一定の条件が整うまで延期すべきであるということも申し上げてきました。
 しかし、新聞などで御存じのとおり、先週の金曜日、七月十五日、ぎりぎりの段階でこの医療観察法を施行をされました。施行に当たって幾つかの新聞を見てみますと、例えば、この医療観察法に基づく入院医療機関について、病棟の開設は一か所だけだとか、あるいは専門病棟の建設大幅遅れと、極めてこの準備状況が整っていないということを見出しに掲げております。
 まず冒頭に私は、このような形で準備が必ずしも十分に一定程度整っていない段階で施行に踏み切られたことについては極めて残念であるし、極めて無責任だということを指摘しておきたいと思います。いかに無責任であるかをこれからお尋ねをしていきたいというふうに思います。
 まず第一点は、この心神喪失者等医療観察法に基づいて、裁判所の審判を受けて指定入院医療機関に強制的に入院をさせられる、この法律に基づく医療を受けるという判断が示されるわけですが、問題は、その入院が必要と判断された人を受け入れる指定入院医療機関の整備が一体今までにどこまでできているのかということであります。現在における直近の指定入院医療機関の整備状況について正確に御報告ください。
#90
○政府参考人(塩田幸雄君) 指定入院医療機関の整備状況についてお答え申し上げます。
 これまで厚生労働省におきまして、医療観察法の成立後から、指定入院医療機関の確保に向けまして、一つは国関係の病院につきまして八か所を候補として地域住民の方々に対しまして全国で延べ百回を超える説明会を行いました。また、都道府県関係の病院につきまして、各都道府県に対しまして大臣、副大臣が直接訪問して、私どもも訪問しまして整備を強くお願い申し上げてまいるなど、様々な準備に取り組んでまいりました。
 現時点の整備状況ですが、現在、国立精神・神経センター武蔵病院の専門病棟、三十床でありますけれども、これにつきましては七月十五日に指定を行いました。このほか、この法律によります医療を提供する指定入院医療機関の確保に努めているところでございます。
 まず、国関係の病院ですけれども、先ほど申し上げました武蔵病院以外、現在整備を進めております医療機関ですけれども、岩手県の花巻病院、これにつきましては平成十七年の十月の開棟を目指しております。それから、富山県の北陸病院につきましては平成十八年二月開棟を目標にそれぞれ工事中でありまして、順調に工事は進んでおります。そのほか、愛知県の東尾張病院、佐賀県の肥前病院、奈良県の松籟荘、千葉県の下総病院、それぞれの病院につきましては、設計を終えまして、地域住民の方々に対しまして説明会を行い、理解を深めていただく努力をしているところでありますけれども、いまだ地域住民の方々からの御理解は十分にいただいていない状況にございます。
 また、都道府県関係の病院につきましては、一、二の都道府県を除きまして、現時点では整備に積極的ではないという状況にございます。
 以上でございます。
#91
○朝日俊弘君 今るる御説明があったんだけれども、要点だけ言えば、七月十五日にオープンした指定入院医療機関は武蔵一か所だけ、三十床だけということですよ。その後は、いろいろと予定をしています、努力をしていますということですよね。
 ちょっと念のため申し上げておきますが、国関係とおっしゃいますけれども、正確に国立なのは武蔵、国立精神・神経センター武蔵病院、これ一か所でありまして、そのほかは独立行政法人の機構に属する病院であって、国直轄の病院でないということははっきり区別しておかなきゃいけないと私は思います。
 さて、その上で、大臣、今までぎりぎりの努力をするということをおっしゃっていました。ぎりぎり努力をしてたった一か所、三十床しかオープンしていません。なのに、七月十五日に施行されました。一体どうするんだろうというふうに私は非常に心配をしています。
 なぜ指定入院医療機関がここまで準備がうまく進まなかったのか、その原因は那辺にあるとお考えなのか。また、今後整備していくに当たってその要因をクリアしないといけませんから、問題解決をするためにどのように考えておられるのか。大臣のお考えをお聞かせください。
#92
○国務大臣(尾辻秀久君) 指定入院医療機関の確保が進みませんのは、主に、まず国関係の病院については、今言われました病院等について、国関係の病院というふうに表現させていただきますけれども、これらの病院につきましては、地域住民の方々の御理解を得るのに時間を要しておるということでございます。
 それから次に、都道府県関係の病院についてもお願いをするということにいたしておりますけれども、こちらの方について言いますと、病院全体の再編計画との整合性でありますとか、実際に動いておる医療機関がない、まあこれは当然のことなんですけれども、今度、今お話しいただいておりますように、一つの病院がまずはオープンいたしますけれども、そうした医療機関が今までないわけでございますから、どうしても都道府県の方の関係の病院についてはイメージがわかない、よく分からないというようなこともございます。そうした各都道府県が自ら指定入院医療機関を設置することについて、どうしても同意が得られないことといったような原因があるというふうに考えておるところであります。
#93
○朝日俊弘君 いや、だからどうするのかというところまで聞きたかったんだけれども、ちょっと、だから、そういうところが原因であったと、だから今後どうするか。
#94
○国務大臣(尾辻秀久君) 今申し上げたような状況でございます。再三申し上げてまいりましたように、最大限の努力を行うということを申し上げてまいりました。そのことを今後とも続けなきゃいけません。整備に向けて努力をしてまいります。
 具体的にはまず、今までもその説明を行ってまいりましたけれども、どうしても地域の皆さん方に不安があるということでございますから、引き続いて関係者への丁寧な御説明を続けなきゃいけない、まずこれが第一だというふうに思っております。このことを更にさせていただきます。
 それから、都道府県に対しましては、武蔵病院など対象者の受入れを行った医療機関の実態等について、先ほど申し上げましたように、まだ今までそうしたものがありませんので、どうしてもイメージが分からないといったようなこともございますから、今度できて実際に動き出した、そうした医療機関の実態等について積極的な情報提供をするということ、さらにまた、指定入院医療機関の運営方法等について関係団体からのヒアリングもさせていただこうと思っておりまして、そういったようなことを行いながら引き続き、申し上げておりますように、精一杯の努力をいたしたいと存じます。
#95
○朝日俊弘君 その精一杯の努力以上のお答えが出ないんでいらいらしているんですが、先に進みます。
 私は、もっと本質的なというか基本的な問題の受け止め方をしなければいけないと思っているんですが、まずは、具体的に今後想定されることについてお尋ねします。
 新聞など一部の報道機関では、確かに指定入院医療機関の確保が十分できていない、また今後も十分に早急に行われる可能性が少ない。例えば、先ほどお話があった、七月十五日にオープンできたのは武蔵病院三十床だけ。花巻の病院は今年の十月ごろだと、北陸病院は来年の二月ごろだということは、今年の末段階で、うまくいったとしても六十床しか用意できない。さて、そこで、さすがに困っておられるんですよね。奈良もまだ話進んでいませんよ。全部情報を集めていますから。で、足りなくなることは目に見えているんです。
 そこで、ちらほら聞こえてくる話が、指定入院医療機関の整備、確保の努力は、それはそれとして、特例として、現在ある国公立の病院の病床を代用病床としてそこを使わせてもらったらどうかと、こんなことをどうも考えているらしいと。しかし一向に、どんなものを考えているのか、どれくらいの数考えているのか、どれくらいの期間そういう特例を認めていこうとするのか、さらにどこに設置しようとしているのか、何も見えてこない。非常に、ある意味で疑心暗鬼というか、どうするんだろうと、どうなるんだろうという議論あるいは疑念が飛び交っています。しかも、どうも今国会中に必要な法改正をしようではないかという、また随分といけしゃあしゃあとこの国会の会期末にとんでもない法案を出そうという話も聞こえてくる。
 代用病床を確保するためには法改正が必要なのかどうかも含めて、一体何を考えているのか。この際、はっきり言ってください。
#96
○国務大臣(尾辻秀久君) まず、最終的には七百床必要だというふうに考えております。これまでは、そのうちの三分の一を国関係というふうに申してまいりましたけれども、やはりこれまでの都道府県の関係の病院とのいろんな話の中で、まずはこの国関係の三分の一というものを二分の一に大きくしようというふうに考えておりまして、まず、七百床最終的に必要でありますが、そのうちの三百五十床は国関係で整備しようというふうに考えております。
 それから、都道府県関係の病院につきましては、今申し上げた国関係の病院の計画も踏まえまして、原則として、これ原則でありますけれども、人口二百万人以上の規模の都道府県において、毎年おおむね二ないし三か所ずつ整備をしたいというふうに考えておるところでございます。
 今後の大きな整備計画についてはそのように考えておりますということを申し上げました。
 ただ、今、先生がお話しになっておられますのは、その間に、最終的な整備が進むまでに足らなくなったらどうするんだということでございますけれども、これは今国会に、この残り少ない期間でございますから、とても間に合うとも思いませんので、このことについての特別な法案をお願いするということを今考えておるものではございません。今後またいろいろ検討をしなきゃならないことは多いと思いますけれども、どうやったら医療機関の確保ができるのか、関係省庁でありますとか都道府県はもとよりでございますが、今日もこうして御指摘をいただき、御指導もいただいておるわけでございますので、そうした御指導をいただきながら幅広い検討をさせていただきたいと存じます。
#97
○朝日俊弘君 ちょっと、正式の指定入院医療機関の整備、確保の問題と、それはそれできちんとやって努力していくけれども、その特例としての代用病床の話とは全然違う話ですから、ごっちゃにしないでください。
 その指定入院医療機関の整備について、国関係の病院とおっしゃいましたが、どうも私は引っ掛かるんですが、あとは独立行政法人国立病院機構でしょう、国関係というよりは。そこをもっと多く引き受けていただけるように整備の計画を見直していくということは、それはそれで一つの考え方だと思います。ただ、もう一方で、すべて国ができるかというと、実は現実問題としてすべて国ができる条件はない。とすると、どうしても都道府県の病院の皆さんとの話合いと協力が是非とも必要だということになってくるんでしょう。
 そこでお聞きしますが、そういう意味では、厚生労働省だけでの御判断ではなくて、例えば省庁でいえば、今日来ていただいている法務省の方との相談もあるでしょうけれども、総務省ともきちんと協議をしていかないと、特に都道府県の精神病院を活用する場合にはどうしてもそういう協議が必要でしょう。あるいは知事会の皆さん、さらには県当局の担当者、そして病院の責任ある病院長、こういう方々との意見交換なり要請なり、十分理解を得て物事を進めていくということが、どう進むにつけても必要なことだというふうに思うんですね。
 ところが、何人かの関係者の皆さんから話を聞くと、どうも国は無理やり都道府県に押し付けようとしているというふうなことも聞こえてきて、それじゃたまらないねという声が聞こえてきているんですね。一体この総務省との協議や知事会など関係者との話合いというのはちゃんとやっているんですか。やった上で、その中から何か具体策を検討するという取組方をしているんですか。それとも、かなり強引に上からかぶせようとしているんですか。どうも後者じゃないかというふうに思えてならないんですが、どうですか。
#98
○政府参考人(塩田幸雄君) 本来の形の指定入院医療機関の整備と、それが足らざる場合にどう対応するかという二つの問題があることはおっしゃるとおりでございまして、まず、本来の指定入院医療機関の整備については、大臣から答弁申し上げましたように、国の関係の病院の整備目標数によりウエートを置いた上で地方自治体の負担は若干軽減して、整備期間についても若干のゆとりを持っていただくということで話を進めたいと思っております。それから、本来の医療機関が仮に整備が足りなかった場合に、それを補完するようなベッドをどういう形で確保していくかということも大変重要な課題でございます。
 本来の指定医療機関の整備の問題と、それが足らない場合の補完的なベッドの整備のこの二つの問題は大変重要な問題でありまして、厚生労働省だけで決定をし、整備ができる問題ではございません。そういう観点から、関係の方々と丁寧に説明をし、意見をいただいて、納得をしていただいた上で整備を進めるということが大変重要になると思っております。
 その観点から、総務省とはいろんなチャンネルを通じていろんな形で御相談をさせていただいております。それから、各都道府県とも課長会議とかいろんなチャンネルを通じて私どもの考え方についてはお話をしたり、意見を聞いたりしております。知事会とはまだそういうチャンネルができておりませんが、いずれにしても、厚生労働省だけで決めていい話でもありませんし、実際には国関係、国立病院機構あるいは都道府県の双方に整備をしていただくという話ですので、これからも、むしろこれからもっと丁寧な手続で理解をしていただくような意見交換を通じて、ベッドの確保、あるいは本来のベッドが足りない場合にどういう形で御協力していただくか、これもざっくばらんに御意見を伺って、丁寧に説明して、納得ずくで進めていきたいと考えております。
#99
○朝日俊弘君 是非そこは、法律の決め方がほとんど、そのすべての中身を国が直轄して行う組立てにしてあるわけで、その法律について具体的な実行場面で都道府県やそれに所属する病院の皆さんの協力をいただかなきゃいけないという話なわけですから、例えば国は、その直属の病院といえば国立武蔵しかないんですよ。あとは独立行政法人にお願いをしたり、あるいは都道府県にお願いをしたり、あるいは地方独立行政法人の方にお願いをしたりという形になっているわけですよ。
 是非ここは、余り強引なやり方をするとかえって反発を招いて、本来の指定入院医療機関の確保そのものも逆に危うくなるということになりかねないと思いますから、是非そこのところは重々ルールをわきまえてやっていただきたいと思います。
 さて、その病床の話と併せて是非検討してほしい話が人材の話であります。私は、ある意味では器よりも大事な話じゃないかというふうに思っているわけです。
 整備に関して言うと、大急ぎで造るとか、あるいは今ある病棟を一部改修するとか、いろいろ方法はありますよ、ハードについては。しかし、この指定入院医療機関を担うというか、引き受ける精神科医あるいは精神科の看護師、これをめぐる状況が今非常に厳しいんです。あちこちで話を聞きますと、現在の国公立の精神病院で定数どおり、あるいは定数以上に精神科の医師を確保しているところはほとんどない。しかも、どんどん辞めていっている。最近気になるのは、精神科の看護師の皆さんが相当多数お辞めになっているという話をあちこちで聞きます、相当有名な病院で。そういう数字調べたことありますか。私は、是非調べてほしいんですよ。
 私は、申し上げたいのは、その病床の確保と併せて、要するに指定入院医療機関、通院もありますけれども、の整備、確保と併せて、それを動かす人材確保の面で、あるいは人材養成の面で国はどういう計画を持ってやっておられるのか、お聞かせください。
#100
○政府参考人(塩田幸雄君) 指定入院医療機関の確保だけでなくて、そこで働いていただける医師とか看護婦の確保に大変苦労されているという話、私どもも承知しております。武蔵病院、既に開設できた武蔵病院だけじゃなくて、花巻にしろ北陸病院にしろ、非常な努力をして何とかスタッフが確保できたという状況だと承知をしているところでございます。
 それから、各県にお願いに行っても、各自治体から、一般に公立病院自体の医師の確保、看護婦の確保自体が難しい中で、その中でも精神科医、精神科の分野の医師や看護婦の確保が難しい、まして今度前例のない新しい分野の医師とか看護婦、その確保も大変ネックになっているという話はよく聞かされておりまして、この問題についても厚生労働省としてしっかりとした方針を持って臨む必要があると思っております。
 具体的には、いろんな関係者の研修をやりますとか、あるいはそういった分野で働いていただくことによってメリットが生じるような仕組み、例えばイギリスへの留学とか、いろんなことを今後考えていく必要があるだろうと思っているところでおります。
 どういうことをすればこの分野に医師や看護婦を確保できるかについては、これについてもいろんな関係の方の御意見をよく聞いて、対応策を検討していきたいと思っております。
#101
○朝日俊弘君 全然不十分ですよ。今どき、イギリスに留学できるようにするからなんということで、それやってみようという先生いませんよ。自分で行きますよ。
 もっと、一つは実態の把握、看護師さんの状況も含めて。それと、具体的な人材養成確保計画というのを作りなさい。それに基づいて何をどうするかという実際に見えるような形でやっていかないと、何か専らお話を聞いても、イギリスに行っていただいて勉強していただいてと、その話ばっかりで、せいぜいイギリスに行くのは一人とか二人とか三人とかの話でしょう。全然無計画もいいところ。
 是非これは大臣、今の御説明をお聞きになって不十分だというふうに思われると思いますから、是非ここは、私は、器よりも大事、こうした医療観察法に基づく医療を実際に動かしていく、引き受けていくための人材確保、特に精神科医やあるいは精神科で働く看護師の確保、養成確保計画をきちっと作ってほしいということを強くこれは要望しておきます。
 そこで次に、もう一遍、ちょっと具体的に、数の問題についてちょっとこだわって確認していきます。
 この新しい法律に基づく医療を受けるための指定入院医療機関、ほかに通院医療機関もあるんですが、今日は指定入院医療機関に絞って話を伺いますが、果たしてどの程度必要なのだろうかという一定の試算があってしかるべきだと思います。先ほど、大臣の方からは七百床程度というお話がありましたが、この法律はそもそも、ある一定の類型に当てはまる重大な犯罪を犯した人で、その人が心神喪失等の状態にあった場合にこの法律の適用対象となり得るという仕組みになっていると思います。
 そこでまず、どれくらい入院医療機関が必要なんだろうかということを考える基礎データとして、法務省の方から、どの程度の、どんな推計あるいは算定を出しているのか、まず御説明ください。
#102
○政府参考人(大林宏君) 心神喪失者等医療観察法による新しい処遇制度の対象者につきましては、この法律の第二条第三項の規定により、刑事手続において殺人、放火等の重大な他害行為を行ったことが認められ、かつこのような重大な他害行為を行った際に心神喪失又は心神耗弱の状態にあったことが認められた者とされております。
 そして、法務省における調査の結果によりますと、平成七年から平成十六年までの十年間において、殺人、放火、強盗、強姦、強制わいせつ、以上につきましては未遂を含みます、及び傷害、傷害致死に当たる行為を行った者のうち、検察庁で不起訴処分とされた被疑者であって心神喪失者又は心神耗弱者と認められた者、及び第一審裁判所で心神喪失を理由として無罪の判決を受けた者、又は心神耗弱を理由として刑を減軽され、執行猶予付きの有罪の判決を受けた者の数は平均で年間合計三百六十人であり、最も少ない年は合計三百八人、最も多い年は合計四百三十六人でした。
 したがって、この法律の対象者については、毎年三百人から四百人程度が発生するものと考えられます。
#103
○朝日俊弘君 取りあえず今年は一番少ない数を心から祈念しますけれども、要するに三百から四百という基礎資料としての数字が今法務省から示されました。
 そこで、その数字を前提として、厚生労働省としては実際に必要な病床数はどれくらいと、いつまでにどれくらいというふうに算定されているのか、その算定の数字の根拠等も含めて御説明ください。
#104
○政府参考人(塩田幸雄君) 先ほど法務省から御説明がありましたように、法務省の基礎的な数値から、この法律に基づく申立ての対象となる方につきまして毎年約四百人程度とまず見込みました。これに、厚生労働科学研究によりまして、重大な他害行為を行い検察官通報を受けた方については、そのおおむね四分の三が本人の同意によらない入院、措置入院と医療保護入院ですけれども、となっていることから、医療観察法の審判におきまして四百人中三百人程度の方がこの法律に基づく入院決定を受けるであろうと推測をまずいたしました。
 そして、指定入院医療機関におきまして医療ケアを受けるわけですけれども、対象者の標準的な入院期間を専門家の御意見を聞きまして十八か月と見込んだところでありまして、これを平年度化しますと、全国で入院対象者は六百人から七百人前後で推移するということを考えているところでございまして、以上のような推計によりまして、厚生労働省におきましては、最終的に整備すべき病床数の目標につきまして七百二十床程度となるよう推測をし、その前提で指定医療機関の整備に努めているところでございます。
#105
○朝日俊弘君 恐らく、その数字は動いてみないと分からないという要素が幾つかあるだろうと。例えば、現行の精神保健福祉法に基づく措置入院制度の結果、実績を参考にしていいのかどうかも含めて検証が必要だろうと思うんですね。だから、相当幅を持って考えておく必要があるというふうに思います。もちろん、私はどんどん多く整備をしたらいいと言うつもりはありませんが、しかし、あくまでも試算というか、仮の数字であるということは皆さんも承知だと思いますし、そこは逐次検証をしながら計画を改めていくスタンスが必要だろうと思うんですが。
 さて、非常に大ざっぱに言って年間三百とかあるいは四百近い数ではないかというふうに考えられるとすると、今国立武蔵が三十床あるから、取りあえず一か月ぐらいは何とかいけるかなと。十月にもう一つできるから六十床になる。取りあえず二か月ぐらいいくのかなと。そこでかなりパンクするんじゃないか。ある新聞も、これかなり具体的に、年末辺りにはかなりあふれるんじゃないかという予測もしているんですね。そうなった場合にはどうしますかね。今、この整備状況と、それから先ほど来のお答えを総合すると、何もできないんじゃないですか。手がないんじゃないんですか。それとも手があるんですか。
 ちょっと改めて、今までのお答えはお答えとしてお聞きしましたけれども、今までのお答えを前提として、年末までに一定の推計をし、あるいは予測をすると、年末までにかなりピンチな状態になるということが考えられませんか。どうします。
#106
○政府参考人(塩田幸雄君) 先ほど来申し上げている推測の数値を単純に申し上げますと、今年の七月で武蔵病院がオープンしますので、三十床のベッドですが、余裕を三ベッド取っておりますので三十三ベッド、それから花巻病院が今年の十月にオープンしますが、この三十三床を足して、その時点では六十六床、それから来年の二月に北陸病院がオープンしますので、この三十三床を足して九十九床というのがベッドの整備状況でございます。
 一方で、どのぐらいの方が、対象者が出現するかということですが、これは先ほど先生がおっしゃったように、なかなか推測し難い、難しい、実際にやってみないと分からない部分がありますけれども、単純に見込みますと、秋の時点で、年末にかけて七、八十人から百人辺り、単純に推計しますと、ということでありまして、単純な計算からすれば、秋には、対象者数に比べてベッドが確保できない、机上の計算ですけれども、可能性があることは事実だろうと思います。
 それに対してどう対応するかということが正に問われているわけでありまして、本来の指定入院医療機関の整備が今後進むことがベストでありますけれども、現実問題としてなかなか住民の理解を得られておりませんということでなかなかそれが期待できないとすれば、その場合にどういう対応をするかということで、総務省あるいは都道府県の方といろんな形の御相談をしているということでありまして、法律の本来の趣旨を損なわない形で、かつ緊急的な対応としてどんなことができるかということについて、冒頭御質問ありましたことについて関係の方の知恵と力、知恵とかいろんな御意見を伺いながら対応策を検討しているということでございます。
#107
○朝日俊弘君 もうお答えをお聞きになればなるほど、極めて具体的にどうしようとしているのかはっきりしなくて、改めて無責任だと言わざるを得ませんが、ちょっと話題を変えます。
 指定入院医療機関に入るかどうかを審判するために、その指定入院医療機関に入院する以前に審判のための精神鑑定を受けるという仕組みになっております。
 そこで、法務省に改めて基礎的な質問をします。
 この法律で精神鑑定、鑑定のことについてはどこでどのように定められているのか。さらに、その鑑定の必要性とか、あるいはだれに鑑定させるかとか、あるいはどこに鑑定のための入院をしていただくのかということについては何に書いてあるのか、ちょっと入口の基礎的な質問で申し訳ありませんが、御説明ください。
#108
○政府参考人(大林宏君) 検察官の申立てによって開始されます当初の審判においては、心神喪失者等医療観察法第三十七条第一項の規定により、裁判所は原則として精神保健判定医又はこれと同等以上の学識経験を有すると認める医師に鑑定を命じなければならないこととされております。また、その他の審判においても、この法律の第五十二条、第五十七条及び第六十二条第一項の規定により、裁判所は必要があると認めるときは先ほど申し上げた者に鑑定を命ずることができることとされています。
 これらの鑑定を命ずる主体につきましては、法十一条第一項の規定により、いずれも一人の裁判官と一人の精神保健審判員によって構成される地方裁判所の合議体とされております。また、これらの鑑定を実施する主体については、先ほど申し上げたとおり、この法律の第三十七条第一項等の規定により、精神保健判定医又はこれと同等以上の学識経験を有する医師とされております。
 なお、この精神保健判定医とは、精神保健審判員の職務を行うのに必要な学識経験を有する医師のことであり、厚生労働大臣が毎年作成して最高裁判所に送付することとされている名簿に登載されている者を言うことになっております。
 鑑定入院命令や鑑定入院決定を受けた者が入院することとなる医療施設につきましては、最高裁判所が定めた審判に関する規則の第五十一条第一項等の規定により、鑑定入院命令の場合は裁判官が、鑑定入院決定の場合は裁判官と精神保健審判員によって構成される合議体が個々の対象者ごとに具体的な医療施設を指定することとされております。
 そして、この医療施設につきましては、都道府県等の協力の上、その推薦を得て、依頼があった場合には原則として鑑定入院命令等を受けた者を受け入れることにつき同意していただいた医療施設のリストが作成されており、これが全国の裁判所等に送付されております。したがって、実務上はこのリストに登載された医療施設の中から適当と認める医療施設が指定されることになると考えております。
#109
○朝日俊弘君 その今の御説明の最後のところ、都道府県等から紹介というか、推薦があった医療機関ということが述べられましたけれども、これは法務省にお尋ねした方がいいのか厚生労働省にお尋ねした方がいいのか、その鑑定入院を引き受ける医療機関の基準というか、あるいはレベルというか、そういうものは何か定めたものがありますか。
#110
○政府参考人(塩田幸雄君) 鑑定入院の医療機関のリストにつきましては、鑑定入院制度への厚生労働省の協力の一環としてそのリストを作成したものでございます。
 実際には、通常の精神医療において患者の受入れ体制が適当と考えられる医療機関として、看護師の配置が三対一以上である医療機関を中心に推薦するよう各都道府県に御協力をお願いした結果、地域における精神医療の実情に応じて、裁判所から依頼があった場合には、可能であれば鑑定入院を受け入れることに同意していただいた医療機関についてリストに掲載をさせていただいたところでございます。
#111
○朝日俊弘君 その今のおっしゃった基準は何に書いてあるんですか。
#112
○政府参考人(大林宏君) 鑑定入院先の医療施設につきましては、法律及び最高裁規則上は、入院病床を有する医療施設ということで、具体的な内容は書かれておりません。
#113
○朝日俊弘君 同じ質問を厚生労働省。
#114
○政府参考人(塩田幸雄君) 法務省の御答弁と一緒でございます。
#115
○朝日俊弘君 実は、本当おかしなことなんだけれども、定めてないんですよ。それで、仕方がなくて厚生労働省が、鑑定入院を引き受けていただける医療機関を挙げてください、推薦してくださいという文書、お願いの文書を各都道府県に配付して、その言わば説明書きのところで、実はこういう基準を想定していますと書いてあるだけなんですよ。実におかしな話なんです。
 今日はこの問題ちょっと時間取れませんけど、申し上げたいことは、法律で指定入院医療機関等については相当に厳しい条件、基準などが盛り込まれていて、そこにおける医療の中身についても相当の具体的なガイドラインで示していくということになっているわけですが、実は、その本当の入院の前の段階の鑑定入院の部分については何も決まっていないという、法律の定めがすぽっと抜け落ちているという極めてアバウトな規定になっていて、それを実務的に従来裁判所が実行してきたと、今後も実行されるらしいということなんですね。大きな課題があるということを指摘しておきます。
 さて、その次に、今の話にも出てきましたけれども、鑑定のためのガイドラインを作るという話がありました。時間がありませんから一問飛ばしますが、去年の秋の段階で、鑑定ガイドライン括弧案というのを見せていただきました。この鑑定ガイドラインのその性格というのがよく分からないなというふうに思って読んでいました。読んでいましたら、その中に随分と分かりにくい表現、鑑定ガイドラインの中にリスクアセスメントという表現を盛り込んで、一体何のリスクをアセスメントするのか全然書いてない。医療事故のためのリスクなのか、自殺のためのリスクなのか、それとも再犯のおそれのリスクなのか。どうやら三番目らしいなということしか書いてない。
 これについてはどうするんだということで去年の十一月に大臣にお尋ねをし、これはきちんと書いてもらわないと法律の趣旨と違ったものになってきはしないかということで、改めて検討してくださいというふうにお願いをしました。大臣の方から、専門家ともよく議論をするように事務方に指示をしたと、こういうふうにお答えいただきました。
 検討いただいた結果、どういうふうになったか、お答えをいただいて私の質問を終わります。
#116
○国務大臣(尾辻秀久君) その後、先生の御指摘がございまして、私もお答えしたとおりでございまして、専門家との検討をいたしました。その結果、鑑定に当たり必要なのは、対象者の社会復帰を促進又は阻害する要因を評価することにある、これはもうそのときの御答弁でも申し上げたことでありますけれども、改めまして、そのことにかんがみまして、リスクアセスメントではなくて社会復帰要因の評価、社会復帰要因の評価という言葉に改めることになったという報告を今受けておるところでございます。
#117
○朝日俊弘君 そうなったものについては近々いただけるんでしょうか。
   〔委員長退席、理事武見敬三君着席〕
#118
○政府参考人(塩田幸雄君) 研究会のガイドラインについては先週、全体がまとまったということでございます。印刷物になるには若干時間が掛かりますが、ゲラの段階のやつを直ちにお届けしたいと思います。
#119
○朝日俊弘君 終わります。
#120
○理事(武見敬三君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時二十分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十分開会
#121
○委員長(岸宏一君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#122
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 最初に一問だけ介護保険のことをお聞きしたいんですが、今年十月からホテルコスト、食費が保険給付対象外になる改悪が先日行われました。大混乱しておりますので、改めて実施中止を求めたいというふうに思いますが、財務省に一言お聞きしたいことは、新たにホテルコストや食費部分について利用者負担になってくるわけですが、この部分については消費税の課税対象には私はすべきでないというふうに考えるんですが、この点、どのようにお考えでしょうか。
#123
○政府参考人(佐々木豊成君) お答え申し上げます。
 今般の介護保険法の改正によりまして、施設介護サービスのうちのいわゆるホテルコストが介護保険給付の対象外になり、利用者負担ということになりますが、その具体的な内容につきましては、現在厚生労働省におきまして省令改正等の作業が進められているものと承知いたしております。
 したがいまして、御質問の消費税の課税関係につきましては現段階において確たることを申し上げることはできないわけでございますけれども、介護保険法の規定に基づく施設介護サービスに対する消費税につきましては基本的に非課税、現在基本的に非課税、利用者の選択により提供されます特別の食事、特別な居室等を除き非課税というふうになされておりまして、今般の介護保険法の改正に伴いまして食費及び居住費が利用者負担となることを理由として、現在、現行の課税関係を変更するということは考えておりません。
#124
○小池晃君 当然そういうふうにすべきでないというふうに思いますので、そういう方向でお願いしたいと思います。
 続いて、高齢者医療制度の問題についてお聞きをしたいんですが、いろいろ報道されておりまして、被用者保険の被扶養者である前期高齢者から保険料を徴収するという案も検討されているやに聞いております。
 そこで、こういう考え方でいくとすると、一体何人の方が新たに保険料の徴収対象となるのか、お答えください。
#125
○政府参考人(水田邦雄君) 被用者保険の被扶養者のうち、六十五歳から七十四歳までの前期高齢者の数は何人かという問いであるというふうに理解をしてお答えさしていただきますと、平成十九年度におきまして約百七十万人と推定しております。
#126
○小池晃君 そこで、こういう方にその保険料をもし徴収するとすると、被用者保険というのは基本的には加入者の収入に対して保険料が定率で賦課されているわけであります。被扶養者の分も言わばそこに含まれているはずのものであって、それとは別に、その前期高齢者にだけは被扶養者分のその保険料を徴収するということになると、私は言わば二重取りということになってしまうんではないかと思うんですが、その点はいかがですか。
#127
○政府参考人(水田邦雄君) お尋ねの被扶養者からの保険料の徴収の問題につきましては、これは、広い意味で新たな高齢者医療制度をどうするか、こういう観点から現在、社会保障審議会の医療保険部会で検討されているものでございます。
 その中で、高齢者の保険料負担につきましては、個人単位の保険料負担とすることについてどう考えるかという点、それから、高齢者につきましては一般に定型的な年金収入があるということ等につきましてどう考えるか、こういった論点をお示ししながら検討が進められているわけでございます。
 したがいまして、お尋ねの被用者保険の被扶養者である前期高齢者の保険料の徴収をどうするかということにつきましても、そういう意味では正に議論の過程にあるものでございますけれども、仮にこういった方々から保険料を徴収することとした場合でありましても、一般論として申し上げますと、保険料の賦課総額そのものは一定でございますんで、当該徴収分を更に被保険者から徴収することにはならないのではないかと考えてございます。
#128
○小池晃君 私は、この前期高齢者から保険料を取るというのは、年金の削減などで非常に暮らしが悪化している層でありますし、やるべきじゃないというふうに思いますが、引き続き、七十歳以上の一定以上所得者の窓口負担を現行の二割から三割に引き上げるということも検討されているやに聞いております。
 一定以上所得者の割合は何%なのか、対象者数というのは、これは何人になっていくのか、現在のそういった層の自己負担は一体幾らなのか、お答えいただきたいと思います。
#129
○政府参考人(水田邦雄君) 老人保健制度におきまして一定以上所得者がどのくらいいるかということでございますけれども、実際の割合を見ますと、平成十四年度平均で約八%という数字でございました。
 で、この一定以上所得者の水準でございますけれども、本年八月から適用される基準で申しますと、課税所得で申し上げまして……
#130
○小池晃君 いや、それ聞いてない。人数。
#131
○政府参考人(水田邦雄君) 実数でございますね。実数はですね、──失礼いたしました。平成十五年度の老人保健の実績見込みで見ますと、一定以上所得者は約百十二万人、医療給付費で六千七百億円、自己負担額で約千二百億円となってございます。
#132
○小池晃君 老健の対象でない七十歳以上の高齢者というのがおりますから、私は更に人数が増えると思うんです。
 いずれにしても、百万人以上にこの三割負担という負担がかぶさることになるわけで、私は決して一握りの高額所得者だけの問題ではこれはないというふうに認識をしております。
 大臣にお伺いしたいんですが、私は、所得が一定以上でたとえあったとしても、高齢者としての特性、すなわち受診回数が多いという特性には変わりがないわけですから、やはり高齢者に対して、現役世代と、たとえ一定以上所得であっても、同じ比率で自己負担をかぶせるというのは、私は許されないことではないかと考えるんですが、大臣いかがですか。
#133
○国務大臣(尾辻秀久君) 現行の老人医療制度におきましては、今お話しいただいておりますように、また局長も御説明申し上げておりますように、現役世代の平均以上の所得がある方を一定以上所得者と、こういうふうに位置付けて、医療費について通常の一割より高い二割の自己負担をお願いしておる、こういうことでございます。
 この中で、一定以上所得者の自己負担の在り方については、掛かった医療費の公平な負担、それから現役世代とのバランスといった観点を含めていろいろ御議論があるところでございますけれども、これは御議論があるということを申し上げておるわけでございまして、現時点において、今お話しいただいているような負担を二割から三割に引き上げるといったことを決めておるものではございません。
 したがいまして、決めておるものでもございませんので、特に何かを申し上げるということは控えさせていただきたいと存じます。
#134
○小池晃君 決めていないと言っても、新聞報道であれだけ出てきているわけですから。
 やはり、こういう層に、先ほど若年者、現役世代とのバランスということをおっしゃいましたけど、そのバランスということを踏まえて、一定以上所得者でも二割、三割に対するバランスを付けていたはずなので、私は、高齢者に対して、たとえ所得が一定以上であったとしても、現役世代と同じ水準で賦課をするということは、制度の趣旨からいってもこれはおかしいと、こういう三割にするということはやめるべきだということを申し上げたいと思います。
 残る時間、アスベストの問題を今日はお聞きをしたいと思っておりますが、最初に大臣にお伺いしたいんですが、このアスベストに起因する肺がん、中皮腫、これはアスベストを吸引することで発症するわけであります。潜伏期が非常に長い、発症して数年で亡くなることも多い。
 これ、基本的な認識なんですが、まず、この病気というのは、ならないためにはアスベストを吸引しない、これしかその病気の予防策としてはないというふうに思うんですが、大臣、その点での認識は、簡単で結構ですが、いかがですか。
#135
○国務大臣(尾辻秀久君) 石綿が原因として起こる幾つかの病気がありますけれども、その予防は石綿を今おっしゃるように吸入しないことが一番であると考えております。
#136
○小池晃君 一番というか、それしかないわけです。
 そうすると、要するに、行政としての対策としては、吸引をどうやって根絶するかということと、過去に吸引をして病気になった人をいかに救済するか、これがやはり基本になってくるだろうということで、具体的に聞きたいんですが、経済産業省がこの間、被害の状況調査を発表しています。
 私、これ、厚生労働省としても情報公開必要だと思うんですよ。ところが、その労災認定された方が勤めていた事業所名や職種、こういった問題が厚生労働省からは明らかにされていない。私は、どこでどのように使われてきたのかを広く国民に知らせる上でも、やはりその労災認定された方が勤めていた事業所名あるいは職種、こういったものを当然明らかにすべきだというふうに思いますが、局長、いかがですか。
#137
○政府参考人(青木豊君) 労災認定の状況につきましては、業種別、年度別の状況というものをこれまでも公表をいたしてきております。
 お尋ねの事業場名でございますけれども、労災認定を通じて把握した事業所に関する情報の中には、例えば建設工事の従事者のように石綿の暴露場所が特定できない者などが多く含まれております。このため、事業場名を一律に公表することとした場合には、国民に誤解を与えたり無用の混乱や不安を生じさせるおそれがございますので、かえって問題があるものと考えております。
 周辺住民やあるいは被害者の家族あるいは同僚の方々等の御不安に対しましては、これ適切に対応するために今関係省庁と連携をしながら石綿対策を進めておりますので、そういった中でその方策の在り方についてもよく相談していきたいというふうに思っております。
#138
○小池晃君 しかし、二〇〇三年までの労災認定件数六百三十三人に対して、今月企業が発表した死亡者数は三百五十八名です。療養中の方含めて四百二十三名なんですね。経済産業省が発表した被害者数は四百六十二名なんです。既に労災認定の数に近づきつつあるわけですよ。
 企業とかあるいは経済産業省は積極的にこの企業名も含めて情報公開しているというのに、国民の命を守るべき厚生労働省が守秘義務を盾にして情報公開をしないと。これ、どう考えたって納得いかないじゃないですか。いろんな事情があったとしても、それはただし書で付けるなどして、これは国民に対してしっかり情報公開すべきじゃないですか。
#139
○政府参考人(青木豊君) 先ほども申し上げましたように、労災の認定件数につきましては、業種別でありますとか地域別、地域といいますか、都道府県別でありますとか、そういった状況は公表を都度いたしてきておるところでございますし、それにつきましては私ども従来と同じように公表をしていくつもりであります。
 しかし、先ほど申し上げましたように、建設従事者のように、転々としまして石綿の暴露がどこであったかというのがはっきりしないと、事業場には石綿はないんだけれども転々と職場をしているというような場合もございますし、それから事業場とはまた別のところで、明らかに、何といいますか、そこへ行きまして暴露をしたという場合もございます。
 そういうことでありますので、その事業場名を公表するということが直接に石綿の状況とマッチしているというわけでもありませんので、そういうことで、先ほど申し上げましたように、御不安の解消のためには関係省庁とも相談をしながら対処していきたいというふうに思っております。
#140
○小池晃君 命を守る省なんですからね。そういう意味じゃ、事業所の都合で考えるんじゃなくて、私は、これはいろんな細かいことあると思いますよ。ただし書付けるとか、いろんな手もあるかもしれない。しかし、基本的に情報公開していくということは当然じゃないですか。大臣、いかがですか。基本的な考え方で結構ですから、細かいことは結構です。
#141
○国務大臣(尾辻秀久君) 正に安全と安心を守らなきゃいけないのが私どもの立場でございます。そうした中で、安心という意味で今局長が答弁しておると思うのでありますけれども、誤解を生じさせないようにとかいろいろ配慮してやっておるわけでありまして、先生御指摘のように、それがまた逆に不安になれば、これは安心を求めてということと反対になりますので、局長も答弁しておりますようなこともありますし、これはよく考えて、国民の皆さんの安心のために何が一番いいのかということは私どもも判断させていただきたいと思います。
#142
○小池晃君 これは情報公開すべきだと思います。
 ちょっと労災認定の問題についてお聞きしたいんですが、アスベストを原因とする労災認定、二〇〇三年、合計で百二十一名にすぎないんですね。なぜこういうふうに後れているのかということをいろいろと具体例をお聞きをすると、認定の作業歴の証明に非常に手間と時間が掛かるんだというお話をお聞きしました。
 私聞いた方でいうと、東京目黒区のAさんという方、この方は二〇〇二年の十二月に肺がんが見付かって入院されています。アスベストによる可能性高いということで労災申請をした。で、二〇〇三年の四月に亡くなられたんです。ところが、認定されたのは死亡一年後の二〇〇四年の五月なんですね。何でこんな時間掛かったのかというふうに聞くと、書類提出したときに、一体どの現場でどういう種類の仕事をしたのかということを証明することを求められた、どんな材料を使っていたのかということを証明を求められたというんです。
 このAさんというのは、配水管のトミジパイプというのを使っていたそうです。これ説明したんだけど、それでは受け付けられない、トミジパイプというのはどういうものなのか証明せよと言われて、で、今使用禁止なんです、このパイプは。現物手に入らないので、本人が亡くなってから御夫人が回って、カタログを探して回って、それでたまたまそのトミジパイプのカタログを発見して、そのカタログの中に管の外側に石綿セメント管というふうに書いてあったので、それを持っていってオーケーになったと。非常にこういう手間暇掛かっている作業がやられているんですね。
 暴露歴の証明が綿密にやられなくとも、私は、アスベストによる疾病、例えば中皮腫である、あるいは胸膜肥厚斑のある肺がんであるということになれば、これはアスベストによるものの可能性、医学的に極めて高いわけですから、そういう場合は、一定期間建設事業に従事していたということが確認できさえすれば、私は柔軟に労災認定していくべきだと考えるんですが、この点いかがですか。
#143
○政府参考人(青木豊君) 確かに、石綿については、その暴露されている期間がうんと長くなきゃいかぬということでもありませんし、そういう面ではおっしゃる面もあるわけでありますが、いずれにしても非常に長時間掛かったものということであります。そういうことで、労災補償制度の前提からいきますと、業務上の疾病ということでありますので、その業務上か否かをきちんと判定せざるを得ないということでありますので、非常に長い時間掛かってはおりますけれども、その間、何とかその事実を認定して、できるだけ迅速に判定をしようということでやってきておるわけであります。
 できるだけ私どもも、その認定に当たりましては、証明ができやすいような形というものを考えてやっていきたいというふうに思っておりますけれども、あくまでも労災の業務上であるか否かという判定は必要だということで考えておるところでございます。
#144
○小池晃君 しかし、今おっしゃったように、長い時間たった後の証明になるわけですね。二十年、三十年たってからと。そうすると、その材料が実はもう使われていないとか、あるいは会社倒産しているとか、そういうケースもたくさんあるわけですよ。この方の場合も、この管使われてないという、もう既に製造中止になっていると、そういう問題だと。しかも、九割の建設現場では、実際、建材の九割ではアスベスト使われてきたという実態があるわけですよね。
 大臣、大臣にちょっと私お聞きしたいんですけれども、やっぱりこの問題については、この疾病の特殊性や、あるいは非常に二十年、三十年前の話だと、もう証明しようといったって非常に大変な作業になるわけですから、私はできる限り柔軟にこれは対応していくと。実態に合わせて、やはり建設現場で働いていたということさえはっきりすれば、そして、しかもその疾病が極めてアスベストによるものである可能性が高いということが医学的にはっきりするようなケースは、私は拾い上げていくと、できるだけ拾い上げていくという立場でこの行政臨むべきだと思いますが、大臣、いかがですか。大臣に。
#145
○国務大臣(尾辻秀久君) 今お話しいただいておりますように、このアスベストの被害というのは時間が掛かって出てまいります。大変長い時間が掛かっておりますので、その証明に困難なことが多い、そのことはよく理解できます。したがいまして、これを本人の証言のみで業務上とするということは、これは難しいとは思いますけれども、今申し上げたように、長い時間が掛かっておるからその証明に、暴露歴の証明に困難なことが多いということは十分に配慮して今後の対応はしなきゃならぬというふうには思っております。
#146
○小池晃君 是非そこのところをできるだけやはり拾い上げる方向で、これだけの大問題になってきているわけですし、臨むべきだということを重ねて強調したいと思います。
 それから、問題としては、実際に中皮腫やあるいは胸膜肥厚斑ということになかなか医者の方で気が付かない、あるいはそれがアスベスト起因だということに思いが至らないということも多いやに聞いています。
 私は、こういう職業歴をきちっと聞くことであるとか、あるいは胸膜肥厚斑をしっかり見破ると、診断を付けると。肺がんや中皮腫がアスベスト起因性というのが高いんだということをやはり医学教育の中でも大いに強調するし、現場で診療に当たっている医師に対して何らかの手段で今緊急に注意を喚起するということも必要ではないかというふうに考えているんですが、医政局長、いかがですか。
#147
○政府参考人(岩尾總一郎君) 先生も御存じの内科診断学ですとか、そういうようなところでこういう肺がんあるいは胸膜中皮腫といったような疾病の診断等々習っていると思います。私どもも医師の国家試験の出題基準にもこういうものを位置付けております。
 したがいまして、こういう病気とアスベストとの関連性などは当然医学の教育の現場でも取り上げられていると思いますが、したがいまして、通常お医者さん、こういうことを分かっていただいているとは思いますけれども、今後必要に応じて文科省、関係団体とも連携して適切に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#148
○小池晃君 いや、それは私も教科書の隅にあった記憶はあるんですけれども、ほとんどその後そういったトレーニングというのはされてないんですよね。だから、やっぱりこういう問題意識高い専門家のところに行くと診断付くんだけれども、そこに行くまでもう全然診断付かないと。そういったところに行って初めて労災認定という手があるんだよということを教えてもらうという、そういう事例たくさんあるわけですから、私はいろんな手段あると思うんですよ、今の現場の医師に対して注意喚起する手段。いろいろと検討していただきたいというふうに思っております。
 そして、この問題は単に労働者の問題ではとどまらずに、地域住民や家族にも及んできている。今日の報道では、兵庫県尼崎市のクボタの工場周辺では三十一名の住民が中皮腫で亡くなったというふうに報道されています。こうした被害の実態を見れば、今までの枠組みを超えた取組が必要であるというふうに思うんです。
 細田官房長官も、十一日の記者会見で、これまでの蓄積がたくさんあって、一種の蓄積公害みたいなものだと、こういうふうにおっしゃっているんですね。
 大臣、これは被害の特性からいっても、やはり従来の労災対策の枠を超えたこれ対策が必要になっているというふうにお考えになりませんか。
#149
○国務大臣(尾辻秀久君) 対策を考えるとすると、今おっしゃるように、従来の枠組みの中では無理だということはもう御理解の上でお聞きになっておられるものというふうに存じます。したがいまして、改めて申し上げるまでもないわけでありますが、何も先に逃げようという意図で申し上げるわけでもありませんけれども、この労災保険制度の中でやろうとするのは率直に言って無理があろうかというふうに思います。
 したがいまして、今後のことは、今ちょっと言われましたけれども、アスベスト問題に関する関係省庁会議もできておりますから、そうした中で十分協議をすべきものというふうに考えておりますし、厚生労働省としても必要な協力は行いたいというふうに考えます。
#150
○小池晃君 是非、関係省庁会議でやはりその従来の枠を超えた対策をしていく必要があると。
 その点で具体的には、アスベスト被害が出た事業所付近住民の健康診断を行うこと、無料で行うこと。それから、労災補償の対象とならないような親方の問題なども含めて救済制度をつくることも必要だろうと。労災申請の時効期間の見直しを行うことも必要ではないかというふうに思っております。
 それから、解体工事における安全対策の問題もあって、これは予防規則できました。これは関係者の要望にこたえるもので一歩前進だと思いますが、実際はこれ非常に手間とお金が掛かると言われております。隔離したり、それから湿らせて、湿潤させて飛散防止対策を取って、シートを張ってマスクをして服を着るというふうになると、最低でも一平米当たり七千円から一万円掛かると言われて、小規模事業者の負担、大変なんですね。私は、こういう解体に掛かる費用なんかについても公的な支援が必要になってきているというふうに考えるんですね。
 そういったものも含めて、これ、大臣、アスベスト問題に関する関係省庁会議でやはり検討していくことが必要ではないかというふうに思いますが、いかがですか。
#151
○国務大臣(尾辻秀久君) 今お話しいただきましたように、石綿障害予防規則は本年の四月一日より施行されておりますので、まずそのことの周知徹底を図りたいというふうに考えております。この規則に基づいていろんなことを義務付けておるわけでございますけれども、中小規模の事業者にとって十分知識を有していない場合もありますから、更に指導していかなきゃならないというふうには考えております。
 ただ、お話しのように、私どもはこれが周知徹底されるようにということで努力をしてまいりますけれども、場合によっては、これらのほかに、今おっしゃったような会議においての検討も必要になるのかなというふうには考えております。
#152
○小池晃君 最後に、この問題、ヨーロッパなどでは既に禁止されているような国もたくさんあります。日本では使用され続けたと。細田官房長官は十一日の会見で、より早く禁止措置がとられればよかったというふうにおっしゃっておりますが、大臣、日本のこの対応がやっぱり遅れたんじゃないかと、このことについてどうお考えなのか。やはりその責任等について最後に見解をお伺いしたいと思います。
#153
○国務大臣(尾辻秀久君) 私も気になりましたので、このことに関する国際的な動きについて年表も作ってみました。細かいことは申し上げませんけれども、確かに、ドイツとか、非常にこの使用禁止を、早めに手を打った。それからまた、非常にそういうふうに考えたところから比べると日本の場合は遅れもございますが、そうした国からは遅れておりますが、また一方、アメリカのようにいまだに全面禁止というふうには言っていないような国もありますし、あるいはEU辺りと比べますと日本の方が早く禁止を決めておりますし、比較の仕方で様々だというふうには思っております。
#154
○小池晃君 質問しませんけれども、アメリカはもう物すごい賠償措置をとって、物すごい企業の訴訟がこの問題で相次ぐような状況になっていますから、そういう点で、一律に時期の問題だけで比較できない。私は、世界の流れからいえば明らかに遅れていたというふうに思います。
 終わります。
#155
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 アスベスト問題に関して日本が極めて遅れてきたということをまず冒頭私は質問したいと思います。
 今までアスベスト問題に関して企業が訴えられた件数について教えてください。
#156
○政府参考人(青木豊君) 訴訟の数ですが……
#157
○福島みずほ君 済みません。質問通告しているので、早くお願いします。
#158
○政府参考人(青木豊君) 企業が訴えられた数についてはちょっとよく分かりませんが、行政訴訟については、訴訟中のものはございません。
#159
○福島みずほ君 企業がアスベスト問題で訴えられたケースについて厚生労働省は把握をしていないんでしょうか。
#160
○政府参考人(青木豊君) 把握をいたしておりません。
#161
○福島みずほ君 ひどい話で、例えば全造船機械、一九八八年七月十四日、浦賀分会退職組合員が住友重機械を被告とする横須賀アスベストじん肺訴訟、原告九名、うち遺族一名が提訴されています。今までアスベスト問題に関して民事訴訟は提起をされております。確認をしましたところ、例えば組合と行政交渉の間でこのアスベスト問題は非常に問題として取り上げてきたというふうに聞いております。
 厚生労働省は、労災で例えば企業が訴えられた場合に、やはりこれは重大な問題があると考え、対策を講ずるべきではなかったのでしょうか。訴えられた件数すら把握されていない、現時点において。極めて問題だと考えますが、いかがですか。
#162
○政府参考人(青木豊君) 訴訟は、原告と被告ということで、国は当事者でありませんので承知するすべはないわけでありますけれども、私どもとしては、そういった訴訟か否かにかかわらず、石綿の危険性、有害性を認識しまして、作業の制限、あるいは非常に危険なものについては製造等の禁止というようなことも行ってまいりまして、被害が生ずることのないようにできるだけのことをやってきたというところでございます。
#163
○福島みずほ君 しかし、企業が訴えられたケースに関して、じゃなぜそういう問題が起きたかに関して厚生労働省としては対応をしなければならなかったのでしょうか。
 例えば、ここにあるのはアスベスト読本、これは造船の現場でアスベストが物すごく使われているというものを扱った本です、パンフレットですが、一九九八年に作られているものです。例えばこの中には、アスベストを拡散させるな、これは環境省の問題ですが、工事現場でアスベストが実は飛散している、こういう写真も載っています。環境省としてはこういう問題にどう取り組んでこられたんでしょうか。
#164
○政府参考人(南川秀樹君) お答えいたします。
 私ども環境省におきましては、昭和六十二年からでございますけれども、建築物の解体あるいは改修に伴うアスベストにつきまして、大気汚染の防止の観点から、またあるいは廃棄物処理の観点から、他の物質と区別して特に厳しい規制を実施しているところでございます。
#165
○福島みずほ君 質問主意書を点検してみました。平成十五年などにも何通か質問主意書が出ております。ただ、環境省は、パンフレットを配布するとともに、環境省のホームページに掲載することにより、その周知を図っているところであるとして、もう少し踏み込んでやるべきではなかったんでしょうか。
#166
○政府参考人(南川秀樹君) 私ども、ホームページあるいはパンフレットを作ってまいりましたけれども、さらに、今般こういったアスベスト問題が大変問題になったということで、よりその周知の徹底を図っているところでございます。
#167
○福島みずほ君 この時点において、なぜパンフレットの配布やホームページの掲載などで事足りると考えたんでしょうか。
#168
○政府参考人(南川秀樹君) 今後、当然ながら、更に徹底してその広報を図ってまいりますし、私ども、例えば廃棄物について申しますと、従来からの飛散性を有するものに加えまして非飛散性の、飛びにくいものにつきまして、アスベストにつきましても具体的な技術指針を作っております。
 こういったことについて、多様な方法での周知を図ってまいりたいと考えております。
#169
○福島みずほ君 今日私がお聞きしたいのは、なぜかつてにおいて有効な方法が取れなかったかと、これは行政の責任ではないかということです。過去において、企業を相手取ったアスベストの被害者の切実な裁判が起きています。何件も起きています。その中で、行政の対応が遅過ぎるということが裁判で言われています。なぜ、それに対して、数字も把握をしていない、対応が取れていないのか。
 厚生労働大臣、厚生労働省は、HIVで常にこの委員会でも聞かれていますけれども、命を守るということに関してやはり不十分だったのではないですか。いかがですか。
#170
○政府参考人(青木豊君) 先ほど申し上げましたように、訴訟当事者となっているわけではありませんし、通知をされるわけでもございませんので、なかなか把握をし難いということであります。
 ですから、訴訟とは別に、訴訟でなっているかどうかとは別に、むしろ私どもとしては、石綿の有害性、危険性についてきちんと認識をして、作業の規制あるいは製造等の規制、そういうことによって、労働者に対する健康被害が生じないようにできるだけ努力をしてきたところでございます。そういったこと、また、万一それによって健康被害が出た場合には、迅速なる労災認定をいたしまして補償をするという、こういうことで、体制でとってきたところでございます。
#171
○福島みずほ君 今日はちょっと時間が短いですけれども、私が申し上げたいのは、実際、アスベストの問題について行政がちゃんとやってほしいと裁判も起き、質問もあり、かつ質問主意書もたくさん出ていることです。にもかかわらず、今日のような事態を招き、今後検討するというのでは手後れだと。なぜその時点においてできなかったかということです。
 例えば、質問主意書、平成十五年に出ているものでは、例えば消費者に対してもっと周知徹底すべきではないかという質問に対して、「消費者が石綿そのものに触れる可能性が少ないこと及び石綿含有製品を業務として使用する者に対しては情報提供が行われていることから、石綿含有製品の情報提供に関し、御指摘のような措置を講ずる必要はない」と。つまり、国会議員が、いろんな国会議員がこういう措置を講ずるべきではないかというふうに言っていることに対して、いや、その必要はないというふうに言っているところです。
 確かに、一時期、より危険の高い茶色のアスベストを禁止はしていらっしゃいます。しかし、全面禁止の方針を明らかにし積極的に危険の周知徹底をすべきであったと考えますが、いかがですか。
#172
○政府参考人(青木豊君) 茶石綿、青石綿については非常に危険性が高いということで、平成七年であったと思いますが、製造等の全面禁止をいたしたわけであります。それ以前にも、石綿業務については、吹き付け等、非常に危険な作業について規制をいたして、先ほど来申し上げておりますように、労働者の健康被害、ならないように努めてきたところであります。
 むしろ、石綿については、飛散をして吸い込むという非常な危険を言わばシャットアウトするということで、吹き付け作業のような危険なものを禁止し、あるいは湿潤化をして飛散を防止するとか、あるいは隔離をするとか、そういうようなことで対処をしてきたところであります。諸外国の例を見ましても、使用をしながらきちんと厳正に管理をするというやり方が取られてきたこともございます。
 そういうこともありまして、私どもとしては、そういったきちんと管理をしながら、管理をしていくということで対処をしてきたところでございます。
#173
○福島みずほ君 アスベストに関しては、吹き付けの作業の原則禁止を言っているだけで、根本的なものにはなっておりません。ですから、解体のときに飛散をしてしまう、あるいは建材として使われ続けるということがあるわけです。
 平成十四年、十五年の質問主意書によっても、例えばアスベストの代替製品の開発を促進すべきだという質問に対して、そういうことをする必要がないというのが答弁書で出ています。
 その時点において、はっきり、アスベストの代替製品の開発を促進する、段階的にすべての使用を禁止するということを取っていれば、やはりそれは変わったはずだと。徹底的な調査をする、あるいは横断的な委員会が平成十五年に開かれています、そこでもっと実質的な対応策が話されていたのであれば、今日の状況はかなり改善されていたはずだというふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか。
 私は、これから取り組んでもらいたいけれども、かつての分を調査しただけでも、かなりやっぱりもっとできたんじゃないかと。民間の企業の問題については基本的に関知しないというのはひど過ぎるというふうに思いますので、質問をしています。いかがでしょうか。──いや、大臣にお願いします。
#174
○政府参考人(青木豊君) ちょっと、事実関係だけ……。
#175
○委員長(岸宏一君) じゃ、大臣の前に局長。
#176
○政府参考人(青木豊君) ただいまお話しになりました点でございますけれども、石綿につきましては、平成十五年ごろのお話がございましたけれども、平成十五年までに様々な対策を講じてきておりますけれども、平成十五年には、安全衛生法施行令の改正によりまして、茶石綿、青石綿以外の石綿の含有製品の製造、輸入、譲渡、提供、使用の禁止を平成十五年いたしまして、これは十六年から施行になっておりますが、いたしております。
 ここに至るまでは、もちろん、お話にありましたような代替化の促進ですね、そういったこともしてまいりまして、代替化の研究もいたしました。そういうことで、おっしゃるような努力はしてまいりました。
 なお、EUがこういった石綿の使用の禁止をいたしましたのは、原則禁止にいたしましたのは平成十七年、今年でございますので、併せて申し上げたいと思います。
#177
○委員長(岸宏一君) じゃ、尾辻大臣。
#178
○国務大臣(尾辻秀久君) 先ほどできました連絡会議でそうした過去のことについても十分検討がなされるものというふうに考えます。したがいまして、そうした中でこれらについてのまた総括もなされるものというふうに存じますけれども、今先生が御指摘になりました、まずその質問主意書も私、見ておりませんので、正確に何と書いてあるか承知をいたしておりません。果たしてどういうふうに書いておるのか、これも、私なりにもまたそうしたものをもう一回よく見てみたいというふうにも思っておるところでございます。
 それから、過去のこれまでの規制とかその他につきましては、今局長からお答えを申し上げておるところでございますので、繰り返しは申しません。
 ただ、先ほどのお答えの中で申し上げましたように、各国との比較をいたしますと、早いものがあったり遅いものがあったり、物によってはこの国よりは早く規制している、また物によってはその国よりも後で規制しているとか、まあそうしたばらつきがありますけれども、我が国だけが特にこの規制について遅れていたというふうにも考えておりません。
#179
○福島みずほ君 私は、日本では、やはりこれだけ問題が指摘をされながら遅れてきた、しかも今の段階になって極めて周辺の人も含めて死亡する人が出てきている、これから十万人死亡者が出るだろうという予測される中では、厚生労働省の取組には明らかに欠点があっただろうというふうに思っています。労災にならない家族や工場周辺住民への補償問題についても新たな枠組みできちっとやる、やるべきであるということなど、またこれからも要請をしていきますが、それも改めてお願いをいたします。
 厚生労働省が、現時点でこれだけ被害が起きながら、何も遅くないというふうに居直り答弁することについては、私は、命を預かる厚生労働省としての役割をどう考えているのか、やはり根本的に問いたいというふうに思います。
 次に、民間徴用者の遺骨問題についてお聞きをいたします。
 今年は戦後六十年ですので、取り残してきた問題についてしつこくやるんですが、この問題についてもやはり政治の責任ということを問わざるを得ません。日本は朝鮮半島から何人、強制連行あるいは徴用したと把握をしていますか。
#180
○国務大臣(尾辻秀久君) いわゆる朝鮮人徴用者の総数につきましては、責任を持ってお答えできるようなデータは持ち合わせていないところでございます。
#181
○福島みずほ君 強制連行と言うか、徴用と言うかは人様々かもしれません。しかし、これは国家総動員法に基づいて、国民徴用令に基づいて、法律にのっとってやっているものです。
 これは、一九三九年に始まった朝鮮人連行の順序は、事業場の申請数決定、府県長官あて募集申請、厚生省査定、総督府の募集すべき道の割当て、厚生省、府県長官、事業場許可書受領というふうに、あと、募集員朝鮮渡航、総督府、指定された道庁、指定郡庁、指定面事務所、面事務当局、区長、警察署又は駐在所、面有力者の協力の下になされていると。
 つまり、厚生労働省が必ずかんでいるわけです。国家総動員法の国民徴用令に基づいてやっているわけで、厚生省がきちっとこの中に省としてやっている。それから、国家総動員法も、これも全部閣議決定でやっているわけですから、日本政府が責任を持ってやってきたことに関して数字を把握していないというのは極めて変だと考えますが、いかがですか。
#182
○国務大臣(尾辻秀久君) 繰り返しになりますけれども、先ほどお答え申し上げましたように、いわゆる朝鮮人徴用者の総数については、責任を持ってお答えできるデータは持ち合わしていないということで、持ち合わしておりません。あれば、隠す話でもございませんので、お出しするんですけれども、何しろその徴用という行為から相当の時間が経過した中で把握が困難な状況にあるということは御理解いただきたいと存じます。
#183
○福島みずほ君 今後の調査についても一言意見は言いたいのですが、私はそれ以前に、なぜかように長い間放置をされてきたのか、なぜ連れてきた人の人数すら、行政として連れてきたのにこれが分からないのかというのが、これはやっぱり行政の責任、政府の責任であるというふうに強く思います。分かりません、知りません、時間がたちましたでは済まされない問題であるというふうに思います。
 そして、北東アジア課、昭和三十七年二月十九日、韓国人移入労務者数についてという討議用資料がありますけれども、これは三週間前から外務省に確認を求めておりますが、この十三万人という名簿はあるのでしょうか、どうなっているんでしょうか。それから、十万人ぐらい日本政府は名簿を持っていると平成二年実施調査の結果言われておりますが、それとの整合性はどうなっているのでしょうか。
#184
○政府参考人(西宮伸一君) お答えいたします。
 外務省北東アジア課が昭和三十七年ということで作成をいたしました御指摘の資料、韓国人移入労務者数についてという資料でございますけれども、この資料というものにつきまして、我々今内容については精査をしておるところでございますが、いろんな数字が出ているというのは御指摘のとおりでございます。ただし、名簿はこの資料には付いておりませんので、その根拠となる、さらにどういう根拠であるかという点については我々分からないということでございます。
 それから、平成三年、四年に外務省を通じまして韓国政府にお渡しいたしました十一万人弱分の名簿というのは、これは平成二年五月の日韓外相会談の際に韓国側から要請がありまして、これに対して協力する形で当時の労働省が中心となってまとめた資料でございます。
#185
○福島みずほ君 日韓基本条約制定過程において、朝鮮半島からの徴用者に関する名簿、徴用者の生死の確認、給与の扱い、遺骨返還について、日本政府からどのような説明や申出がなされたんでしょうか。
#186
○政府参考人(西宮伸一君) 日韓国交正常化交渉の過程におきまして、請求権の問題をめぐりまして、韓国側からいわゆる対日請求要綱八項目というのが示され、その中には徴用者に対する未収金、補償金の弁済請求が含まれておりました。
#187
○福島みずほ君 この日韓基本条約制定過程においてどのような、例えば何人強制連行してきた、名簿がこのようにあるとか、遺骨の問題についてかなり詰められたんでしょうか。あるいはその当時、調査をちゃんとやったんでしょうか。
#188
○政府参考人(西宮伸一君) 交渉当時のことにつきましては、結局のところ、徴用が実施された時点から終戦の混乱期を経た上での時点でございまして、かなりの年数がたっておりまして、また朝鮮動乱ございまして、韓国側の資料も散逸していたということがございまして、結局、請求権問題の解決方法といたしましては、今委員の方から御指摘があったんだろうと思いますけれども、いわゆる積み上げ方式といいましょうか、そういうやり方を取ることが不可能であるということが判明いたしまして、これは、韓国への五億ドルの経済協力、これを供与いたしまして、これと並行して、財産及び請求権問題は完全かつ最終的に解決されたこととするという旨の大筋の合意を経まして、最終的に一九六五年の日韓請求権・経済協力協定の締結に至ったものでございます。
 なお、その請求権問題の交渉に際しまして、徴用者の名簿の提出であるとか個々人の生死の確認、あるいは遺骨の返還といった問題については、具体的な形では韓国政府から要請されていなかったものというふうに承知をしております。
#189
○福島みずほ君 これから朝鮮半島の旧民間徴用者の遺骨についての情報提供依頼というものを政府としてはなされるというか、その資料をいただいております。ただ、これが総務課に送られているだけ、あるいは国際交流課に送られているわけで、私自身は、自治体挙げてやる、あるいはこれは元々強制連行、徴用そのものを閣議決定で政府が戦前やっていることなので、もっと重きを置いて、各自治体にもう少しきめ細かなフォローをすべきであるというふうに考えています。いただいた資料を見ると、これで戦後六十年たってどの程度の情報が出てくるのかというふうにも思います。例えば、死亡証明書や埋葬証明書や細かい資料を精査するようにというふうなきめ細かいアドバイスをしなければ、現時点において資料は出てこないのでしょうか。
 それで、六十年前にさかのぼって申し訳ないですけれど、私の根本的な疑問は、なぜ戦後きちっとした調査がなされなかったのか、それをどう政府は把握しているのかということです。徴用については、日本政府が責任を持って閣議決定をやり、厚生労働省が関与してやってきました。新聞などをたくさん読むと、大正十一年七月二十九日付け読売新聞、「信濃川を頻々流れ下る鮮人」、朝鮮という鮮ですが、「鮮人の虐殺死体「北越の地獄谷」と呼ばれて、附近の村民恐ぢ気を顫ふ信越電力大工事中の怪聞」。たくさん見ますと、新聞などでも、多くの虐殺や死亡例や、見せしめに殺したとか、すごいものもたくさん出てきています。
 向こうから連れてきた、朝鮮半島から。で、あとは知らない、名簿もない、何人いたか分からない、死亡者も分からない、こんなひどい話はないだろうと。なぜ戦後すぐ行われなかったのでしょうか。
#190
○委員長(岸宏一君) どなたがお答えしますか。
#191
○国務大臣(尾辻秀久君) これはまあ、一言で言うと、もう戦後の大混乱の中でそのことが直ちに行われなかったんであろうというふうに申し上げるしかございません。
 そうしたことで申し上げますと、私も、よく申し上げておりますように父が戦死しておりまして、遺族の一人でございますけれども、そうした私どものこの日本人遺族に対してのこと、あるいは戦死した人のこと、このことについても、申し上げていけば切りがないほど、やはり混乱の中でもう分からなくなったことが多いということを申し上げざるを得ないわけでございますから、そうした戦後の混乱の中で生じたことであろうというふうに考えるところであります。
#192
○委員長(岸宏一君) 福島さんに申し上げます。
#193
○福島みずほ君 時間ですよね。
#194
○委員長(岸宏一君) そうです。
#195
○福島みずほ君 はい。
 私は、意見が言えない人たち、あるいはなかなか発言の機会がない人たち、あるいは韓国の人たちも、あるいは日本の遺族の人たちの人もそうかもしれません、知りたい、どうなっただろうと思っても、お父さんが死んだかどうかも分からないという状況で戦後六十年がたっています。
 私はやはり、日本国民がどうかというよりも、行政が責任を持って施策をやってきたんであれば、その責任を取れということなんです。HIVのこともそうですし、大臣がずっと取り組んでこられた移民の問題もそうです。極端に言えば、中国人残留孤児の問題もそうです。アスベストの問題もこの遺骨の問題も、強制連行、徴用というか、それは言葉の問題かもしれません。その問題についても、政府が責任を持ってある施策をやってきて重大な影響を人々に与えてきた。だとすれば、それについてはきちっと責任を取るべきだと。戦後六十年間、平成二年に調査が行われていますが、本当に手付かず、何人、人を連れてきたかも分からない、死亡者も分からない、遺骨もどこに行っているか分からない、こんなひどい状況はないだろうというふうに思っています。
 私たちにできることは、過去の責任を明確にし、どこで何ができたかという総括をすると同時に、今でもやれることを全力を挙げてやはりきちっとやっていくことだと。そういう誠実な姿勢なくして、やっぱり人々は救われないということを申し上げます。それは厚生労働省が責任を持って、これは内閣官房も含めた全省庁の問題ですが、特に二〇〇五年、戦後六十年ということできちっと全力を挙げてこれはやってくださるようお願いをいたします。
 以上で終わります。
#196
○委員長(岸宏一君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#197
○委員長(岸宏一君) 委員の異動について御報告いたします。
 本日、中村博彦君が委員を辞任され、その補欠として鶴保庸介君が選任されました。
    ─────────────
#198
○委員長(岸宏一君) この際、私から、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による自殺に関する総合対策の緊急かつ効果的な推進を求める決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    自殺に関する総合対策の緊急かつ効果的な推進を求める決議(案)
  警察庁が公表した「平成十六年中における自殺の概要」によると、我が国では昨年一年間に三万二千三百二十五人が自ら命を絶っており、七年連続で三万人を上回っている。また、人口十万人当たりの自殺死亡率は、我が国では約二十五・三人となっている。欧米の先進諸国と比較すると、我が国の自殺死亡率は突出して高い。さらに、自殺未遂は既遂の十倍以上あると言われており、年間自殺者が三万人を上回るということは、未遂者が三十万人以上いると推計される。また、自殺や自殺未遂により、遺族や友人など周囲の少なくとも数人が深刻な心理的影響を受けるとされており、全国で毎年、百数十万人の人々が自殺問題に苦しんでいることになる。
  政府は、平成十三年度から自殺防止対策費を予算化し、相談体制の整備、自殺防止のための啓発、調査研究の推進等の対策に取り組んできた。平成十四年には、自殺防止対策有識者懇談会が「自殺予防に向けての提言」を取りまとめ、包括的な自殺防止活動の必要性を訴えている。しかしながら、その施策が個人を対象とした対症療法的なものに偏っていたこともあり、その後も自殺者数は、なお高い水準にある。
  多くの自殺の背景には、過労や倒産、リストラ、社会的孤立やいじめといった社会的な要因があると言われている。我々は、世界保健機関が「自殺は、その多くが防ぐことのできる社会的な問題」であると明言していることを踏まえ、自殺を「自殺する個人」の問題だけに帰すことなく、「自殺する個人を取り巻く社会」に関わる問題として、自殺の予防その他総合的な対策に取り組む必要があると考える。
  政府においても、このような認識の下に、これまでの自殺防止関連施策が十分に効果を発揮していない現状を検証し、自殺による死亡者数の減少と自殺死亡率の引下げを図るとともに、自殺した人の遺族や自殺未遂者に対するケアの充実を図るため、次の事項について、緊急かつ積極的に施策を推進することによって、自殺問題に関する総合的な対策を講ずるべきである。
 一、政府は、自殺問題に関し、総合的な対策を推進するため、関係府省が一体となってこの問題に取り組む意志を明確にするとともに、対策の実施に当たって総合調整を進める上で必要な体制の確保を図ること。
 二、効果的な自殺予防対策を確立するため、自殺問題に関する調査研究や情報収集・発信等を行う拠点機能の強化を図るとともに、自殺の原因について、精神医学的観点のみならず、公衆衛生学的観点、社会的・文化的・経済的観点等からの多角的な検討を行い、自殺の実態の解明に努めること。
 三、自殺問題全般にわたる取組の戦略を明らかにし、個人を対象とした対策とともに社会全体を対象とした対策を重点的かつ計画的に策定し、その実施に必要な予算の確保を図ること。
 四、情報の収集・発信等を通じ、関係府省が行う対策を支援、促進し、地方公共団体や日夜相談業務等に携わっている民間団体等とも密接に連携を取りながら、総合的な対策を実施していく「自殺予防総合対策センター(仮称)」を設置すること。
 五、自殺した人の遺族や自殺リスクの高い自殺未遂者に対する支援については、プライバシーへの配慮を含め、万全を期すこと。その際、全国で百万人を超えると言われる遺族や自殺未遂者に対する心のケアが自殺の社会的・構造的要因の解明や今後の自殺予防に資することの意義についても、十分認識すること。
  右決議する。
 以上でございます。
 本決議案を本委員会の決議とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#199
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたします。
 ただいまの決議に対し、尾辻厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。尾辻厚生労働大臣。
#200
○国務大臣(尾辻秀久君) ただいまの御決議につきましては、その趣旨を十分に尊重いたしまして自殺対策の推進に努めてまいる所存であります。
#201
○委員長(岸宏一君) この際、理事会での協議に基づき、委員長から発言をいたします。
 本委員会は、去る二月二十四日、自殺予防対策に関する集中審議を行い、この問題について、防衛医科大学教授高橋祥友君、産業医科大学教授中村純君、秋田大学教授本橋豊君を参考人として招致し、意見を聴取するなど、自殺問題に関する実情の調査と必要な対策の樹立に向けて精力的に取り組んでまいりました。
 本日、理事及び委員各位の御尽力により、本委員会の思いが「自殺に関する総合対策の緊急かつ効果的な推進を求める決議」に結実いたしました。委員長として、理事及び委員各位に対し深く敬意を表しますとともに、本決議を契機とし、我が国の自殺者数が目に見えて減少することを心から願うものであります。
 そこで、本決議を実効あらしめるために、委員会を代表して、私から政府に対し、今後の取組について幾つかお尋ねをいたします。
 第一は、本決議が、「政府は、自殺問題に関し、総合的な対策を推進するため、関係府省が一体となってこの問題に取り組む意志を明確にする」こと並びに「対策の実施に当たって総合調整を進める上で必要な体制の確保を図ること。」を求めている点についてであります。
 政府のこの問題に取り組む決意及び関係府省が一体となって取り組む体制をどのようにして整備するお考えか、お尋ねいたします。
 第二は、本決議が、「自殺問題全般にわたる取組の戦略を明らかにし、個人を対象とした対策とともに社会全体を対象とした対策を重点的かつ計画的に策定し、その実施に必要な予算の確保を図ること。」を求めている点についてであります。
 自殺問題全般にわたる取組の戦略と必要な予算の確保について、政府の取組をお尋ねいたします。
 第三は、本決議が、「効果的な自殺予防対策を確立するため、自殺問題に関する調査研究や情報収集・発信等を行う拠点機能の強化を図る」こと並びに「総合的な対策を実施していく「自殺予防総合対策センター(仮称)」を設置すること。」を求めている点についてであります。
 政府は、情報収集・発信等を行う拠点機能の強化をどのように図るのか、また、総合的な対策を実施する「自殺予防総合対策センター(仮称)」の位置付けや、その業務が予防に限定されることなく、心のケア等の事後対策も含めた総合的な対策の実施機関とすることについて確認したいと思います。
 以上、政府の答弁を求めます。
#202
○政府参考人(福本浩樹君) 委員長お尋ねの第一の点でございますけれども、自殺対策を総合的に推進していくに当たりましては政府が一体となった取組が重要と考えられますことから、官房副長官の下に関係省庁連絡会議を速やかに設置いたしまして、対策の実施に当たって総合調整に努めてまいる所存でございます。
#203
○国務大臣(尾辻秀久君) ただいま委員長からお尋ねがありましたうちの第二の点につきましては、厚生労働省においては、国民の心の健康の確保の観点から、職場や地域において心の健康づくり及び自殺予防に関する施策の推進に全力で取り組んできたところであります。
 今後は、ただいま御答弁がございました官房副長官の下に設置されることとなります関係省庁連絡会議の場等において、関係府省とも十分連携を取りながら、自殺問題全般への取組の戦略を明らかにし、個人だけでなく社会全体を対象とした対策を重点的かつ計画的に策定するよう努めてまいる所存であります。
 委員長からお尋ねがありましたうちの第三の点、すなわち自殺問題に関する調査研究や情報収集・発信等を行う拠点機能の強化等につきましては、国立精神・神経センターの精神保健研究所等の組織、人材の活用を含め、その充実を図ってまいる所存であります。
 「自殺予防総合対策センター(仮称)」でございますが、これにつきましては、詳細は今後検討することとなりますけれども、自殺の予防対策や心のケア等の事後対策に取り組む地域団体や民間団体等とも連携強化を図り、総合的な自殺対策を推進、支援していくことができるものとなるよう努めてまいりたいと考えます。
#204
○委員長(岸宏一君) 以上で本日の議事は終了いたしました。
 これにて散会いたします。
   午後二時三十八分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト