くにさくロゴ
2005/07/28 第162回国会 参議院 参議院会議録情報 第162回国会 厚生労働委員会 第33号
姉妹サイト
 
2005/07/28 第162回国会 参議院

参議院会議録情報 第162回国会 厚生労働委員会 第33号

#1
第162回国会 厚生労働委員会 第33号
平成十七年七月二十八日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 七月二十八日
    辞任         補欠選任
     中島 眞人君     野村 哲郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         岸  宏一君
    理 事
                国井 正幸君
                武見 敬三君
                辻  泰弘君
                山本 孝史君
                遠山 清彦君
    委 員
                坂本由紀子君
                清水嘉与子君
                田浦  直君
                中村 博彦君
                西島 英利君
                野村 哲郎君
                藤井 基之君
                水落 敏栄君
                足立 信也君
                朝日 俊弘君
                家西  悟君
                小林 正夫君
                柳澤 光美君
                柳田  稔君
                蓮   舫君
                草川 昭三君
                小池  晃君
                福島みずほ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   尾辻 秀久君
   副大臣
       厚生労働副大臣  西  博義君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       藤井 基之君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        川邊  新君
   政府参考人
       総務省自治行政
       局長       武智 健二君
       財務省主計局次
       長        鈴木 正規君
       国税庁課税部長  竹田 正樹君
       厚生労働省職業
       安定局高齢・障
       害者雇用対策部
       長        金子 順一君
       厚生労働省職業
       能力開発局長   上村 隆史君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       伍藤 忠春君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    塩田 幸雄君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○障害者自立支援法案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(岸宏一君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 この際、厚生労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。尾辻厚生労働大臣。
#3
○国務大臣(尾辻秀久君) 厚生労働委員会の御審議に先立ち、厚生労働省よりアスベスト問題につきまして発言させていただきます。
 現在、アスベストによる健康被害が拡大するに伴い、勤労者、国民に大きな不安を与えているところであります。七月十九日、当委員会の御質疑でも、厚生労働省のこれまでの対応の経緯と、現下の状況にかんがみ緊急に講じた対策を御説明いたしました。
 私といたしましては、事態の広がりを重大に受け止め、従来のやり方にこだわることなく、勤労者、国民の不安解消を最優先に取り組むよう強く指示しているところであります。
 この過程で、当省の幹部の国会答弁その他の発言がそごを来しているのではないかとの御指摘を当委員会理事懇談会で受けましたので、この点について御説明いたします。
 去る七月二十日、衆議院厚生労働委員会において、昭和五十一年当時、労働省が、石綿が労働者の家族や事業場の周辺住民に健康被害を及ぼす可能性を認識しながら規制を実行しなかったとして見解を問われ、西厚生労働副大臣は、当時の労働省の所掌の限界の認識に立って、当時の環境庁等に情報が届いていなかったとすれば、環境行政、厚生行政と労働行政との連携に不十分な面があったのではないかとの認識を「失敗」と表現したものと本人から聞いております。
 他方、翌七月二十一日の戸苅厚生労働事務次官の記者会見での発言は、労働者の安全衛生の確保については、対象となる業界や所管官庁とも十分協議しながら進めてきたものであることを述べ、御指摘のあった家族、工場周辺の住民については、事実関係をきちんと整理してみたいとした上で、関係省庁間あるいは企業等関係者との間の連絡に問題があったかもよく見極めなければならないと発言をしています。
 この二つの発言は相互にそごを来すというようなものではなく、現実に健康不安におびえている方々や、あるいは既に健康障害が生じている方々について、関係省庁間で連携の下、すき間なく取り組むべきとの認識で一致しており、これは私自身が常日ごろから考えていることでもあり、その旨は私から七月二十二日の記者会見でも表明いたしました。
 なお、この通達について申し上げれば、その後の調査で昭和五十一年に発出した通達の添付資料は旧環境庁が調査を委託した結果の一部であることが明らかとなり、環境庁も当然、この資料をも認識の上対策を講じてきたものと理解しております。
 厚生労働省としては、引き続き、内閣官房に設けられたアスベスト問題に関する関係省庁会議等を通じ、関係省庁との連携の確保に努めてまいります。
 なお、その後の厚生労働省の取組について申し上げれば、去る七月二十二日に、西副大臣をキャップ、藤井政務官、戸苅事務次官及び辻厚生労働審議官を副キャップとし、関係局長参加の下、アスベスト対策推進チームを立ち上げ、検討を行っているところであります。
 今後とも、関係省庁との緊密な連携の下、石綿被害に関する対策に万全を期してまいる所存でございます。
 説明は以上でございます。
#4
○委員長(岸宏一君) 以上で発言は終了いたしました。
    ─────────────
#5
○委員長(岸宏一君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 障害者自立支援法案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長塩田幸雄君外六名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(岸宏一君) 次に、障害者自立支援法案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○清水嘉与子君 おはようございます。
 本日からいよいよ障害者自立支援法の質疑に入るわけでございまして、御苦労さまでございます。
 私は、ちょっと法案の質疑に入る前に大臣に確認させていただきたい事項がございますので、そこをさせていただきます。それは中医協の問題でございます。
 歯科診療報酬の改定をめぐる事件をきっかけにいたしまして中医協の改革ということが論議され、そして私たちも大変関心を持ってこの結果を見ておりました。この七月二十日、先週ですね、中医協の新たな出発のためにという有識者会議の報告がまとまったところでございます。よく読ませていただきました。
 改革案の内容、改定率はもう内閣の権限である、そして、中医協は社会保障審議会の定める診療報酬改定に係る基本方針に従って具体的な診療報酬点数の審議を行う場とするんだということをはっきり明記してございまして、中医協のこれまでの権限を弱めるという報告でございます。それはそれなりの評価はできると私は思っております。
 また、委員構成につきましても、公益委員を増やすこと、そしてさらに、支払側、診療側と同程度にするということが書かれてございます。
 その中で、診療側の医師代表五人のうち二人をもう病院団体代表とするというふうにされているわけでございますけれども、大臣がそのときに、報告書を受けた後の記者会見におきまして、医師を代表する五人の委員については厚生労働大臣から医師の職能を代表する医師会に対して推薦の取りまとめを依頼すると、そして、病院団体の代表は二人を推薦して医師会にまず取りまとめを依頼するというふうに方針をお出しになったというふうに聞いております。
 この大臣の記者会見というのは、やっぱりちょっと考えられないことかなという感じでマスコミにも受け止められておりますし、私自身、どうしてこういうことをわざわざおっしゃらなきゃいけないのかというふうに思ったわけでございます。
 説明に来た担当者に聞きますと、それでは、病院団体から挙げてきた委員を、医師会がこれ気に食わないと差し替えることができるかと。そういうことはないという御方針だそうでございました。それならば、なぜ病院団体から挙げてきた二人をそのまま推薦させることができないのかどうか、ちょっとその辺の大臣の真意をお聞かせいただきたいと存じます。
#9
○国務大臣(尾辻秀久君) 報告書の中身についてはお読みいただいておりますから詳しく申し上げません。今お尋ねの部分についてのみお答え申し上げたいと存じます。
 お話のとおりに、報告書において、病院団体が推薦ということで二名出すべしというふうに報告をお出しいただきました。私も全くそのとおりにすべきだと思いましたから、私の発言としても、そこをきっちり私の発言として担保しておきたいというふうに思って申したことであります。したがって、病院団体から二名出してもらう、実態はもうそのとおりであります。実質、必ずそうしてもらいます。
 ただ、報告書の中で述べられているのは、推薦制はそのまま維持すべしと、こう書いてありますから、どこが推薦するかという形が残ります。そこで、医師会が、先生もお話しになりましたように、すべてのお医者さん、病院に勤めておられるお医者さんも含めて網羅して組織されている職能団体でありますから、そこを通して、形としてそこを通して出してくださいということを言っただけでございまして、そこのところの、病院団体に推薦してもらうというところが実質いささかも変化するものではないということを、逆にそこを強調したくて申し上げたつもりでもありました。
#10
○清水嘉与子君 何かよく納得できない話だと思うんですね。
 大臣のコメントの中にも、病院の意見を反映できる医師として、その選出が国民の目に見え納得できるような形で行われるようにしろと、こう書いてございますけれども、まあ今そこへいくと、推薦まではいいけれども、その後何だか納得できなくなっちゃうというような感じがいたしまして、これってやっぱり誤解を招いていると思いますよ。
 ですので、これはやはりきちんと、病院代表が選んできた人をきちんとそれを推薦して、その委員にするということをやっぱりきちんとするべきでないかと。これは、医師会経由してということになりますと、医師会の方でもかえって御迷惑なんじゃないかなという感じがしてなりません。是非、是非……(発言する者あり)いやいや、御迷惑だ、いやいや、まあそれは、私はその意見を申し上げて、次のことにもう一つ入りたいんですけれども。
 医療の場というのはチーム医療で進められているわけでございまして、その中で最も数が多くて、そして患者に最も近いところで働いている医療の担い手であります看護師、近ごろでは訪問看護ステーションなどの運営にも直接かかわっているところでございまして、看護師代表を加えてほしいという団体の要望もかねてからございまして、現在はもう専門委員として入れていただいているわけでございます。そして、この有識者会議の中でもこの問題について随分御議論があったというふうに書いてございます。その議論の結果、現段階では、専門委員としてその活動の継続を前提として今回は見送り、検討課題として残されるというふうになっているわけでございます。
 実は、専門委員として加わっても、まだそれほどに歴史があるわけじゃございません。しかし、その中で、診療報酬改定に当たって今まで看護の代表が貢献してきた実績を評価していただければ、やはり当然正規のメンバーとして入れていただいても十分私はいいんじゃないかというふうに思っているわけでございますけれども、今後どのような検討をされるのか伺いたいと思います。
#11
○国務大臣(尾辻秀久君) 最初の御質問に余りこだわってもいかがかと思いますけれども、先生のおっしゃるように言われますと、私としても率直に極めて不本意なものでありますから、改めて申し上げたいと存じます。
 厚生労働大臣が病院団体に対して直接推薦してくださいということをお願いするわけであります。推薦をお願いするわけであります。その名前を変えることなく、ただ経由してくるだけでありますから、実質、推薦をお願いして、そこが推薦しておると。そこの名前の変更はあり得ないわけですから、是非そういうふうに御理解をください。
 それで、私が更に申し上げたいのは、この報告の中でも、万が一その推薦をめぐるところでごたごたしたら厚生労働大臣が直接指名するというふうに、ところも残って、してありますので、これは、とにかくいつでも厚生労働大臣が直接指名もできるというふうになっておるわけでありまして、なぜそういうふうに言われるのか、私は本当に、私には理解できないと思っておるわけでありまして、そのことを改めて申し上げたところであります。
 ただいまの質問に対してお答えを申し上げます。
 これはもう、今先生がお話しになりましたように、平成十五年十二月から中医協におきましては看護の専門家が専門委員に任命される取扱いとしたところでございまして、看護師の意見が中医協における審議に反映される仕組みが設けられております。今度の有識者会議においても、診療側委員に看護師の代表を加えるべきではないかという御意見はございました。
 ただ、現在、診療側委員である医師、歯科医師及び薬剤師は、保険契約の当事者として現物給付のサービスを提供し、その対価として診療報酬を受け取る主体として整理されている、診療報酬を受け取る主体として、申し上げております医師、歯科医師及び薬剤師という方が中医協のメンバーになっておられる、こういう整理でございます。
 そこで、診療側委員に看護師の代表を加えることについては、診療報酬を受け取る主体だけではなくて、看護師を始めとする医療提供に従事する方の位置付けをどのようにするかについての整理が必要である、いろいろ御議論をいただいた結果、そういう整理が必要だという結論に至ったわけでございます。
 今後、この看護師を含めた医療提供に従事する者の意見をどのように中医協に反映すべきかについては、有識者会議の報告の実現に向けて関係方面に御相談を今からいたしますので、その中で更に検討してまいりたいと存じております。
#12
○清水嘉与子君 大臣のせっかくの御答弁でございますけれども、なぜ経由するのかという声もこの辺で一杯出てきておりまして、是非それはみんなに誤解を招かないように是非していただきたいと思いますし、看護の代表につきましても是非御検討を早く進めていただきたいと存じます。
 それで、今、中医協の委員というのは、医療保険福祉審議会令で公益委員だけ国会承認人事になっております。今、この人事の問題でこれほどいろいろ問題が出てきます審議会でございますので、是非、公益委員だけでなくて、この際、診療側委員もそれから支払側委員もこれは国会で責任を持って承認するという人事に、の承認をするという形に変える方がいいのではないかと思うんですが、これは当然法律改正になりますし、またこれは国会側の話だと思いますけれども、大臣の御意見をちょっとお伺いしたいと思います。
#13
○国務大臣(尾辻秀久君) これはもう、もうお話しいただいたとおりでございますけれども、中医協は支払側委員と診療側委員と保険契約の両当事者として協議し、公益委員がこの両者を調整するという三者構成になっております。そして、公益委員については両議院の同意によるということになっておりますけれども、支払側委員及び診療側委員については関係団体の推薦により任命することとされておるところでございます。
 そこで、今お話しの支払側委員及び診療側委員について国会同意人事にすべきではないかというお話でございますけれども、このことも有識者会議の報告書においては、三者構成を基本的に維持していく前提に立って支払側委員及び診療側委員の推薦制は基本的に維持すべきであるとされております。先ほど申し上げたとおりであります。
 これは、保険契約の両当事者の代表については、三者構成を維持する以上、関係する団体が代表として一番ふさわしいと認める者を推薦してもらい、これを任命することが適当であるという結論になったものでございますので、このたびの報告書における結論は申し上げたとおりでございます。
#14
○清水嘉与子君 是非、これは今後の問題として、私たちの方でも是非検討してみたいというふうに思っております。
 それでは、障害者自立支援法の審議に入りたいと思います。
 かつて私、参議院の共生社会調査会で障害者の問題の調査をしておりまして、アメリカに視察に行ったことがございます。
 障害者自立センターに行きましたときに、日本人の女性が役員でおられました。その方が、日本では障害者というとどうしても保護される対象ということで非常に平等な扱いを受けてこなかったと、アメリカに来てみたら、非常にチャンスはとにかく堂々と与えられる、チャンスをクリアすればもう平等だと、非常にアメリカに来て良かったということをおっしゃいました。
 また、リハビリテーションセンターへ行きましたら、人工呼吸器を付けた車いすに乗った方が私たちを出迎えてくださいました。当然その利用者かと思いましたら、そうじゃなくて、その理事の方でいらして、その方がいろいろ御説明くだすったんですけれども、その方はもう障害者の直接指導というんでしょうかね、相談に乗っている方だったんですね。たまたま奥様も看護師さんだということだったものですから、じゃ、いろいろなときに看護のお世話になっていいですねと。とんでもない、自分が必要なときに、看護が必要だったらば自分で決めて自分で看護婦を雇うと、こういうことをはっきりおっしゃったんですね。
 アメリカにおきましても、まだ精神障害者の問題がまだまだ手が付いておりませんし、また、ホームレスの方がいるとかいろいろ問題はありますけれども、しかし、このアメリカでできたADA法の効力というんでしょうかね、それはやっぱり実際に感じたところでございます。本当はあの方々はその法律もなくしたいんだというようなことをおっしゃっておられました。そこに意気込みというんでしょうか、そういうものを感じた次第でございます。
 翻って日本でございます。我が国でも、障害者の完全参加と平等のスローガンを掲げました国際障害者年、これを契機に、障害者も地域で普通に暮らすことができるのが当たり前の社会づくりをしようという方向に動いてきたことは事実だと思います。国会におきましても、障害者基本法の制定、八代先生、本当に努力されて、こういったものも作られまして、障害者の自立と社会参加を進めるための動きが活発化してまいりました。
 特に、平成十五年から始まりました支援費制度、これによって措置制度から支援費の制度に変わる、そして、変わってみたら大変にそのサービスを利用する方が多くなって、そして、今まで家庭に閉じこもっていた方が地域に出てこれるようになった、あるいは施設に入っていた方が地域に帰ってこれるようになった、そしてあるいは、自分たちが起業、業を起こしてそのサービスをするというふうな発展が見られてきたわけでございます。
 たった二年しかたっておりません。これを今どうして変えなきゃいけないのか、もう一度改めて御説明いただきたいと思います。
#15
○国務大臣(尾辻秀久君) 支援費制度につきましては、障害福祉サービスを実施する市町村が増えまして、それまでサービスを利用できなかった知的障害者でありますとか障害児を中心に、多くの方が新たにサービスを利用できるようになったことなど、障害者の地域生活を進める上で重要な役割を果たしているものと評価をいたしておるところでございます。しかしながら、同時に、現在の支援費制度は、支援の必要に応じた客観的な基準がないことなどのため、地域における格差が大きいということがございます。それから、そもそも福祉サービスの整備が遅れている精神障害者が対象となっていないといったようなことなど、解決すべき課題があることも事実でございます。
 このために、今般、障害者自立支援法案におきまして、支援費制度の自己決定と自己選択、それから利用者本位という、こういった理念を継承しながら、障害保健福祉施策の抜本的な見直しを行う必要があると考えておりまして、このたびの障害者自立支援法案をお出しをしたところでございます。
 具体的には、障害の種別にかかわらず一元的にサービスを提供する仕組みを創設をいたしまして、それから、様々な障害のある方が支援の必要度に応じて公平にサービスを受けられるよう、障害の程度に関する尺度の設定でありますとか、ケアマネジメントの制度化によるサービスの支給決定の客観化、透明化、さらに、障害福祉計画の策定を自治体に義務付けることや様々な規制緩和を通じて、地域の実情に応じたサービス提供体制の整備、そして、福祉サービスの利用者も含め、皆で制度を支え合う仕組みとするため、利用者負担の見直しと在宅サービスに関する国及び都道府県の負担の義務化といったようなことなど、今後の障害保健福祉施策をより推進していくため必要不可欠な見直しを御提案させていただいているところでございまして、これらにより、必要な財源を確保しながら制度をより安定的に運営することにより、支援が必要な方がきちんとサービスを御利用いただけるものと考えておるところでございます。
#16
○清水嘉与子君 このたびの改正が、身体障害者あるいは知的障害者、それから大変立ち後れておりました精神障害者を包含して、そして障害者の皆様方が自立した日常生活、社会生活を送れるようにするんだと、そうした福祉サービスを自立支援給付として用意すること、そしてそれに必要な経費を国が義務的な負担をするというふうなことで、大変これはやっぱり前向きな法律であるというふうに私も理解はいたしますけれども、まあしかし、実際に今までの仕組みが変わるということで、大変御心配をなさっている方がたくさんございます。
 そしてまた、この国会の中でも賛成、反対、いろいろ意見はあると思いますけれども、やっぱり障害者の生活に直接かかわっている法律でございますので、やっぱり早く成立させなきゃいけないのかなという気もいたしますけれども、今この審議の経過を見ておりますと、大変もう時間的にも制約がございます。関係団体の方々、障害者の方々からは、是非、自分たちの生活にかかわるんだから早くやってほしいという御要請も出てきてることも事実でございます。
 そこで、大臣も恐らく大変御心配をされていると思いますけれども、厚生大臣、仮に、仮にこの法案が成立しなかったら一体どんな支障があるのか、大臣、法律成立に向けた御決意も含めてお話しいただきたいと存じます。
#17
○国務大臣(尾辻秀久君) 今、私どもはこの法案、是非とも通していただきたいということでお願いをしておるさなかでありますし、また、今日もそのための御審議をいただいておるところでありますから、法案が成立しなければどうなるのかということについてお答えするのもいかがかと思いますけれども、それも御承知の上で、万が一通らない場合はどうなるのかというお尋ねでございますから、お答え申し上げたいと存じます。
 この今お願いを申し上げております障害者自立支援法案は、平成十七年度の予算関連法案でございます。そして、今年度はもちろんでありますけれども、来年度以降も支援費制度の抱える構造的、慢性的な予算不足を大きく改善することが可能になるものでございます。これは支援費について申し上げておりますけれども、一昨年も随分足らなくなりました。これは、厚生省の中の予算をあちこちからやりくりして、何とか一昨年はしのぐことができました。昨年は更に足らなくなったものですから、いよいよそういうもう厚生省の中でのやりくりでは足らなくなりまして、とうとう補正予算までお願いするという事態になったわけでございます。構造的、慢性的な予算不足と申し上げたのは、そういうところでございます。
 そうしたことを考えてお願いしているわけでございますけれども、万が一法案が不成立ということになりますと、まず本法案のねらいであります、先ほど御説明も申し上げましたけれども、障害者の福祉サービスの一元化、福祉側からの就労の支援、公平なサービス利用、サービス基盤の安定化等を図ることができなくなりますし、障害者の地域での自立生活支援が大きく遅れることになるというふうに考えます。
 加えて、今年度予算は、法案を一月に施行することを前提として、十か月分を補助金で、二か月分は負担金として計上しておりますので、支援費の補助金が約百七十億円と大幅に不足をいたしますので、市町村に深刻な影響を与えますほか、先ほど申し上げました構造的、慢性的問題を引き続き抱え、かつ予算と実績の乖離を大きくしながら制度を運営せざるを得なくなり、制度運営が極めて困難となる恐れがございます。
 このために、障害者福祉サービスの基盤を確固たるものとし、安定的なサービス提供を実現させるためには、是非とも、改めて申し上げますけれどもこの法案が必要でございまして、今国会における成立に御理解、御協力を賜りたいと存じます。
#18
○清水嘉与子君 いずれにしろ、その改革というのは避けられないと思いますけれども、しかし詳細については本当にまだ分かってないものがたくさんございまして、障害者の皆様方、今日もたくさん関係者の方がいらしていますけれども、非常に不安を感じていらっしゃること、事実だと思うんですね。もう先生方のところにもたくさん、陳情書や何かたくさん来ていると思います。
 私は、今日はその中から幾つかの疑問点を明らかにするための質問をたくさん用意したんですけれども、もう五分しか持ち時間がなくなってしまいましてほとんどできなくなりまして、同僚議員にお願いをしなきゃいけないと思いますが、一つ、介護保険との関係だけはっきりさせていただきたいと思います。
 今回の内容、前回審議いたしました介護保険法と本当に似通った法律の構成になっているわけでございます。市町村が福祉サービスの提供を行い、そして障害者が申請に基づいてサービスの中身を決めるというようなことなんですけれども、そしてまた一部負担というようなことが、一割負担あるいは入所者の食費とか居住費の負担というようなことも出ているわけでございますけれども、若いときに働いて、そしてある程度財をためて、それで送る高齢者の介護と、それからそうじゃなくてずっと障害を持って働くこともなかなかままならなかった方々の障害者の方と同じような一部負担するということに対して、やっぱりこれは問題があるんじゃないかということは、皆さんもそうだと思いますし、私もそう思うんですけれども、その辺について何か特別な配慮がありましたらお話をいただきたいと存じます。
#19
○副大臣(西博義君) お答え申し上げます。
 障害者に対する施策につきましては、必要な施策を、施策が必要な人にはきちっとした施策が行き届くようにということが大変大事なことだというふうに考えておりまして、今回、障害者自立支援法案という形で、先生御説明いただきましたように、三障害の種別にかかわらず一元的に自立のための支援サービスを提供する仕組みを今回構築することにいたしております。
 特にその中で、先ほども御指摘ありましたように、精神障害の皆さんの福祉が一段と進むということに考えておりまして、そういう意味では、今回のこの法律は、普遍的な仕組みへの第一歩だというふうに考えているところでございます。
 また、この法案におきまして、障害者の地域における自立生活を支援するために、それぞれの障害者の皆さんの特性を踏まえて、ホームヘルプサービスを始めとする介護のサービスだけではなくて、就労支援など多様なサービスを提供する仕組みを同時につくらせていただくということで、このうち介護保険と関係するのは、いわゆる介護の部分のサービスであるというふうに仕分けをしているところでございます。
 介護保険制度の中で、被保険者、受給者の範囲ということにつきましては、もう既にさきのこの委員会の附帯決議においても、平成十八年度末までに結論を得られるように検討を行うということにしていただきましたところでございまして、今後、この委員会での御意見も踏まえながら、障害者施策との関係も含めて、我々としても精力的に検討をしていかなければいけない課題だというふうに考えているところでございます。
#20
○清水嘉与子君 ちょっと私が御質問したこととはちょっと内容が違うような感じもいたしますけれども、介護保険法で提供されるサービス、それを今三障害の方々も共通でいいことになりましたけれども、高齢者の介護保険でのサービスと、これやっぱり相互乗り入れできるようになりますか。
#21
○政府参考人(塩田幸雄君) 現行の介護保険法でも六十五歳の身体障害者については相互乗り入れができる制度になっているということでございます。今直ちに今回の自立支援法によって介護保険との相互乗り入れができるという制度にはなっておりませんけれども、自立支援法ができることによって地域の福祉提供の基盤が整い、いずれは介護保険との連携、地域福祉という観点からの相乗りといったことも当然今後の課題としては出てくるものと思っております。
 現在、特区の中で、介護保険法と障害者施策の連携するような取組がなされているということでございまして、こういった取組についても、今後、どういう状況にあるかの評価、分析が必要だろうと思っております。
 いずれにしても、今後の方向として、地域福祉という観点からは、高齢者とか障害者とか、年齢とか障害の別ではなくて、いろんなサービスが提供できるような社会の仕組みをつくっていくということが非常に重要な視点であると考えているところでございます。
#22
○清水嘉与子君 いろいろお話伺いましたけれども、施設の点は確かにいろいろあるかもしれませんけれども、例えば働く人、働く人に、これは老人のための、あるいはこれは障害者のため、こういうふうに地域で分けることは本当はできないんじゃないかと思いますが、しかし、御説明伺いましたら、ヘルパーさんの教育が、高齢者の分と障害者の分と中身が違うんだということで、こっちは働けるか働けないかなんという説明を伺いまして、ちょっとこれは問題ではないかというふうに思いました。
 例えば、今、なかなかこの中に入れてもらってないんですけれども、訪問看護ステーション、この中でも、前回のときにも御説明申しましたけれども、通所看護の話がございました。そこに来ている人たちを見ますと、かなり障害者の方々がおられます。若い方もおられます。ALSの方々あるいは知的障害の方々、たくさんの方々が参加しているんですよね。
 働く人たちにとって、おうちの中に障害者もいればお年寄りもいる中で、障害者のサービスです、何とかのサービスですって担当を分けるなんということは、とてもこれは現実的な話ではないと思いますので、是非これをきちんと、現実問題、サービスを受ける方が困らないように、それからサービス提供する方も困らないように、是非これはきめ細かく御検討いただきたいと存じますので、もしお答えがあったらお答えいただいて、次に、同僚に引き継ぎたいと思います。
#23
○政府参考人(塩田幸雄君) 高齢者のサービス、障害者のサービス、共通化、普遍化を目指すべき部分と、共通してやる部分と、個別のニーズに即してやる部分、両面があると思います。地域福祉という観点から、御指摘のように、やはり年齢の別とか障害の別とかじゃなくて、共通の部分については同じ仕組み、同じソフト、ハードを活用できるようなものを目指すべきだろうと。御指摘に沿って検討させていただきます。
#24
○委員長(岸宏一君) よろしいですか。
#25
○坂本由紀子君 自由民主党、坂本由紀子でございます。
 私は、障害者の福祉につきましては、日本ではまだまだ予算も不十分で、施策も立ち後れているという認識を持っております。
 そこで、支援費制度でございますが、支援費制度については、精神障害者は対象になっておりませんで、身体障害者、知的障害者だけですが、その両障害者も約四百万人おられるわけです。こういう障害者に対してこの支援費制度がどの程度サービスをしっかりカバーできているのかどうかということについて、まず一点伺います。
#26
○政府参考人(塩田幸雄君) 一昨年から支援費制度が施行されておりまして、施行以降、障害者福祉サービスを実施する市町村が増えておりまして、これまでサービスを利用できなかった知的障害者、あるいは障害児を中心に多くの方が新たなサービスを利用できるようになったという点で支援費は評価してしかるべき制度だと思いますけれども、一方で、実施の状況を見ますと、まだまだ、例えばホームヘルプサービスでも実施をしていない市町村がたくさんございます。
 例えば、身体障害者につきましては、平成十六年三月で七八%の市町村が実施しておりますが、残りの二二%は実施されておりません。知的障害者については、実施している市町村が五六%、障害児につきましては四〇%ということです。実施市町村が増えておりますけれども、実施しているというだけじゃなくて、量の面、質の面、まだまだサービスが足りてないと思います。そういう意味で、まだまだ全国にはサービスを必要としているにもかかわらず利用できてない方々がいらっしゃると思います。
 また、御指摘があったように、精神障害者には支援費サービスも適用になってないということでありまして、これから全国の津々浦々にいらっしゃる障害者の方に福祉サービスを提供するためにはいろんな制度の工夫が必要だと考えております。
#27
○坂本由紀子君 障害者についていえば、身体、知的の障害者のうち支援費制度のサービスを受けている人は一割にも満たないということ、それから、今部長がおっしゃいましたが、地域間の格差が極めて大きいというのがあります。これは、支援費制度のおかげで、障害者が、こういうサービスがあって自ら利用したいという場合に手を挙げて利用できるようになったということ自体はありますので、そういう意味で潜在的なニーズの掘り起こしができたというのは確かにあります。
 ただ、それにしても余りに大きな地域の格差であります。知的障害者のホームヘルプの利用は地域間の格差が約二十四倍、障害児についていえば四十四倍ということで、このような格差は到底許される格差ではないわけであります。なぜこういう格差が生じることになったのかということについての認識はいかがでしょうか。
#28
○政府参考人(塩田幸雄君) 障害を持つ方が地域で暮らすという意味では、全国どこの市町村でも同じようなサービスが受けられるような体制を整えることが必要だと思いますが、御指摘のように、現状では地域間格差がかなりあるということでございます。
 様々な理由が考えられると思いますけれども、現行の支援費制度におきましては、一つは、支給決定に関しまして全国統一的な支援の必要性に関する基準がないこと、あるいは市町村の財政状況にかなりの差異があるということでございます。それから、元々障害者問題について、障害者問題についての市町村の取組の姿勢に現時点ではかなりの相違がある、そういったことから市町村におきます福祉サービスの提供体制にかなりな差異が出ていると、そういうふうに考えております。
#29
○坂本由紀子君 そういう状況を放置しておくことはできないのでありまして、早急に改善しなくてはいけないということで出てきたのが障害者自立支援法だと理解をしております。
 そして、私のところにも、この障害者自立支援法が成立しなかった場合には、自分たちの特に在宅福祉サービス等について大きな影響があって暮らしが困るという切実な要望が障害者団体から届けられておりまして、私はこれは正にそのとおりだと思うのであります。
 そして、この法案の持つ意味をしっかりと理解をして、本当に障害者のためになるような形で審議を詰めていって早期成立を図るということが、私は障害者の福祉、本当の福祉につながることではないかというように思うのであります。
 元々は障害者支援にかかわる予算が絶対的に少ないと。しかも、これまで裁量的経費ということで常に予算が足りなくて、その確保に厚生労働省の中は毎年翻弄されていたと。先ほど大臣が平成十六年度についてはついに補正予算で措置をしたとおっしゃいましたが、平成十六年度はたまたま大きな台風等がありまして災害復旧に多額の経費を必要とすると、だから補正予算を組まざるを得ないという状況だったので、その中にこの障害者の在宅サービスの予算も組み込むことができた。だけど、裁量的経費でありますので、自動的に足りなくなったから補正予算が組めるというものではないのでありまして、そういう意味では、この支援費制度を放置しておけば障害者の福祉が立ち行かなくなるということは目に見えているわけであります。
 そこで、この障害者自立支援法について心配だという声があることも事実でありまして、そういうことについて一つ一つ、これが障害者のためになるということを確認しながら私はこの参議院の場で審議を進め、いいものをつくっていかなくちゃいけないと思っているのであります。
 そこで、先ほど大臣は、この自立支援法は、支援費制度が理念としていたところの福祉サービスの自己選択と自己決定、これを実現して利用者本位の障害福祉サービスの考え方を踏襲するものだということをおっしゃっていただきましたので、この自立支援法によって、支援費制度でせっかく措置制度から自分たちが主体になる、そういう制度ができたのが元に戻ってしまうのではないかという心配をしていらっしゃる障害者の方には、私はこのことを強くもっと理解していただくような努力をしなくてはいけないのではないかと思います。
 それともう一点、先ほど申し上げました地域格差、この大きな地域格差をこの自立支援法によって本当に解消できるのかどうか、ここのところについてお考えを聞かせていただきたいと思います。
#30
○副大臣(西博義君) 私の方から、支援費制度から今回の制度に変わることによって、自己決定、自己選択又は利用者本位ということがどうなるのかということについてお答えを申し上げます。あとは部長からお答えいたします。
 そもそも歴史的には、この障害者福祉サービスは、従来、障害者を保護の対象としてとらえておりまして、低所得者を中心に行政が原則公費によって必要なサービスを確保すると、いわゆる措置制度ということで実施されてまいりました。それが平成十五年度から、これは障害者を保護の対象としてではなくて、自己決定、自己選択をする主体としてとらえて、そして契約により福祉サービスを利用するいわゆる支援費制度ということでスタートをしたところでございます。そのことによりまして多くの方が新たにサービスを利用していただけることになりました。
 それで、障害者の地域生活を進める上で大変重要な役割を果たしてきたというふうに評価をしておりますが、先ほども指摘がありましたように、大きな地域間格差が出てまいっております。それから、そもそも精神障害者が対象になっていないというような課題も抱えているところです。この課題を解決するために、今回障害者自立支援法を提出させていただきましたけれども、支援費制度の自己決定、自己選択、それから利用者本位、この理念は継承しつつも、新たな利用者も含めてサービスを必要とする障害者に対して、より安定的な制度の下で障害者の自立支援につながる良質な福祉サービスを提供を図っていくということをこの法律は目指すものだというふうに認識しております。
#31
○坂本由紀子君 私が伺ったのは、大きな地域格差が本当に解消できるのかということを伺ったので、そこについてお答えください。
#32
○政府参考人(塩田幸雄君) 障害を持つ方が地域で暮らすというためには、市町村の役割がもう絶対的に不可欠だと私たちは考えております。その意味で、現行の支援費制度、理念においては大変優れたものがありますけれども、市町村の支援という点では、在宅サービスについての国の財政支援が補助金である、裁量的経費であるということはかなり致命的な制度的な問題であろうと思います。その点につきまして、今回の自立支援法では、国、都道府県の介護給付、訓練給付については義務費として市町村をバックアップするということを明確にしたところでございます。
 それから、市町村がサービスを提供することの判断をするに当たっていろんな専門的な知識が要りますけれども、現在は国の方からしっかりとしたガイドライン、考え方が示されておりませんが、今後この法律に基づきまして客観的な統一的な基準を示して、どこの市町村でも適切な、ニーズに即した適切なサービスが提供できるような仕組みができると考えております。
 それから、市町村に数値目標の計画を作っていただくことにしております。その数値目標を全国的に積み上げまして、それのためのハード、ソフトの予算については、国としては最大限のその確保に向けて努力をするということでございます。
 これまで障害者の分野は客観的データが余りにもなさ過ぎるということでありまして、高齢者分野であれば、市町村のデータがあって県のデータがあって、それを積み上げて国の施策、予算の確保がなされておりますが、残念ながら障害福祉の分野はそういった基礎がなかったということでございます。今度の法案で、初めて市町村で数値目標の計画を作っていただき、県でも数値目標の計画を作っていただき、そういうものを踏まえて国としても障害者福祉対策ができる基盤ができるということでございます。
 また、今は知的障害者と身体障害者に限られておりますが、今度は精神障害者も含めて市町村で一元的にサービスが提供できる体制を目指すということでございます。さらに次のステップとして、三障害に限らず、包括的な、いろんな障害のニーズがある方すべての方にサービスが提供できるような体制を目指すと、そのための改革の第一歩だということでございます。
 いろんな取組を通じて、現在ある市町村格差については是正をしていくことが可能だと考えております。
#33
○坂本由紀子君 今おっしゃった数値目標の計画を作るということは、これは大変大事なことだと思います。地域の中の障害者にも、自分たちの地域でそういうサービスが整えられるということをはっきり示すこと。で、その目標が、逆に言えば、本当に地域の障害者のニーズを満たすものであるということも大事だろうと思いますので、市町村の数値目標を盛り込んだ計画の策定に当たっては、国が、本当に必要なものが満たされているかという観点でしっかりと市町村に働き掛け、そういうものの実現に留意をしていただきたいと思います。そしてまた、そういう計画の策定に当たっては、当然のことでありますが、障害者の意見を十分反映するということが必要だと思いますので、そういうことも併せて要請をしておきます。
 次に、障害者自立支援法については、これまで障害種類ごとに分けられたいろいろな施策を一元的に提供するようになるということ。これは、これまでもやはり身体障害、そして知的障害、精神障害というそれぞれの定義があって、それぞれの定義に当てはまる人しかそのサービスが受けられないという形であって、それが不十分だということはいろいろ指摘されてきて、このことが遅まきながら解消に向けて取り組まれるということは、私はこれは大変いいことだと思うのであります。
 ただ今回は、身体と知的と精神、この三つを一元化するということでありますので、そういう意味で、障害を持っていろいろな支援を必要とする、そういう人たちすべてがこれでカバーできるかといえば、必ずしもそうはなっていないと。衆議院の方で修正が行われて、障害者等の範囲が検討の課題になって、施行後三年を目途としてこの問題について取り組むということになったのは、これはそういう点では、この法案の欠けているところを補うという意味では適切なことだと思います。
 ただ、現状においても、発達障害者支援法が施行されて、発達障害者というのはその当該人口の数%くらいいるという話もありますので、こういう方たちについても、現状でもできるだけこの障害者自立支援法に基づくサービスが受けられるような、法の谷間に陥る障害者をできるだけ少なくするということについても十分なお取り組みをいただきたいと考えますが、この点についていかがでしょうか。
#34
○政府参考人(塩田幸雄君) これまで我が国の障害者の法制は、個別の法律があって個別の法律の障害者の認定を受けて個別の法律のサービスを受けるという仕組みでありましたが、今度の自立支援法では、それぞれ三つの法律の障害には該当する必要がありますけれども、受けるサービスは障害者自立支援法のサービスということであります。例えば、精神障害を持つ方が精神障害者保健福祉法の対象になれば、受けるサービスは自立支援法のサービスでありますので、これまで受けられなかった身体障害者向けのサービスも受けられるようになるということであります。
 例を一つ申し上げれば、例えば高次脳機能障害の方、これまでは身障手帳を申請する方と精神保健福祉手帳を申請する方がいらっしゃいましたが、これからは精神保健福祉手帳を申請するなりあるいは精神保健福祉法の対象になるということを認定していただければ、身体障害者の福祉サービスを受けられるようなメリットがございます。
 それから、御質問にありました発達障害者の問題ですけれども、これ昨年、議員立法で発達障害者支援法を作っていただきました。この発達障害者につきましても概念的には精神障害者福祉法の対象になるということでありますので、発達障害者も、概念としては今度の障害者自立支援法のサービスの対象になります。
 しかしながら、発達障害者にふさわしいサービスのメニューが児童のデイサービスを除いて現時点ではございませんので、現実には児童デイサービスあるいは相談事業の対象にはなると思いますけれども、その他の本格的な発達障害者向けのサービスについては、今後そういう方々についてどんなサービスが必要なのか、あるいは市町村でどんなサービスを提供できるのか、これは発達障害者支援法の施行を踏まえて文科省とも連携のいろいろなモデル事業をこれから市町村でやっていただくことにしておりますので、そういうモデル事業の成果も踏まえて、逐次、障害者自立支援法に基づくサービスも今後は導入することがこの法案が成立することによって可能になると考えているところでございます。
#35
○坂本由紀子君 先ほど清水議員からもお話がありましたが、障害者については、自立をして生活をできる、豊かな人生を送ることができるということはとても大事なことでありまして、日本でも遅まきながら、地域の中で自立をして普通に暮らせる社会を目指すということはとても大事なことだと考えます。
 大分県のあの中村先生が障害者にチャリティーよりチャンスをと言われたのは正にそのとおりでありまして、もちろん必要な福祉のサービスが提供されるということは大事でありますが、それだけでいいというのではなくて、今回も費用負担の話ばかりに議論が集中しておりますが、私は、障害者の所得保障ですね、障害者が充実した人生を送るにふさわしい、そういう環境を整えるということを忘れてはならないことだろうというふうに思うのであります。
 そういう意味で、この障害者の就労支援の強化が今回の法案ではそれなりに盛り込まれていて、ここはある意味では私は画期的なことでもあるだろうと思っています。
 といいますのも、これまで様々な施設類型ごとにとらえられていたのを、そういう機能に着目してサービスを大きく再編するということ。だから、障害者の自立についても、そういう機能を果たす事業をしっかりやってくれるところであれば、これまで法定外施設としてほとんど支援の対象になってこなかった作業所のようなところも、この障害者自立支援法になればきちっと位置付けられて事業が充実して行うことができるということでもありまして、そういう意味で、長年放置されてきた障害者福祉施設の体系の抜本的な見直し、就労移行支援事業の創設ということで、障害者の自立に向けて、先般成立した障害者雇用促進法も活用しながら大きな一歩を踏み出してもらいたいと思うのであります。
 そこで、具体的な中身について伺います。
 現状では、養護学校の卒業者の半数以上は福祉施設に行っています。福祉施設にいったん入った場合には、就職を理由に退所をするというのはわずか年間一%しかいないのであります。ところが、授産施設にいる人たちについての意向調査をすると、施設を出て働きたい人は四割程度、精神障害者について見れば六割の人たちがそういう希望をしている。現実にこれまで行われてきた授産施設等での事業が、なぜ、そういう希望があるにもかかわらず、あるいは事業の目的が移行支援というものも組み込まれているはずなのに、なかなかそういう意味での自立の就労の移行の支援の成果が上がらなかったのはなぜなんだろうかと。
 今回の法案では就労移行支援が事業として盛り込まれていますが、そういう反省の上に立って、これが本当に、希望する障害者が就労に移行してしっかりとした所得が確保できるというようなことについての成果が見込める事業になるのかどうかということについて、内容を伺いたいと思います。
#36
○政府参考人(塩田幸雄君) 障害を持つ方が地域で自立して暮らすという意味では、働くということは大変重要な要素だろうと思います。これまで、福祉は福祉、雇用は雇用ということで、政策のレベルでも、あるいは現場レベルでも両者の間の連携が十分でなかった、制度的にも両者の連携が不十分であったということが委員がおっしゃった背景にあると考えているところでございます。
 そういった観点から、今度の自立支援法案では、箱物、施設に着目するのではなくて、事業の機能に着目して、福祉就労から一般就労への道筋の事業を再編成をしているところでございます。
 これまで授産施設でも様々な努力をしてこられましたけれども、御指摘のように一般就労に移行できる方は年間一%程度だったということでございます。様々な理由があると思いますけれども、一つは、授産施設などでの支援が、お一人お一人の能力や適性に応じた個別の支援として十分では必ずしもなかったということがあると思います。それから、関係機関の連携、福祉サイドから雇用への働き掛けも十分でなかったと思いますし、雇用サイドから福祉サイドへの連携も、両者のネットワーク、連携がよくなかったということだろうと思います。
 また、福祉から就労に送り出せば、後は雇用主に任せきりになっていて、福祉サイドがちゃんとフォローアップしなかったり、あるいはいったん雇用に行ってうまくいかなかったとき、福祉に帰ったときに、雇用主等が福祉サイドへのフォローアップをしないと、またそれをするような仕組みがなかったと、そういったいろんな課題があったと思います。
 そういった観点から、今度の法律では、福祉サイドでは、就労支援の事業のタイプ、あるいは福祉サイドでの雇用継続のタイプ、いろんなタイプの機能を再編成するとともに、再チャレンジできるような雇用サイドとの連携の事業、様々な事業を制度化し、福祉就労から一般就労へ、あるいはまた、一般就労から福祉就労へ帰った方がまた一般就労へ行けるような、いろんな仕組みについて内容に盛り込んでいるところでございます。
#37
○坂本由紀子君 授産施設と一口に言っても様々な施設があるわけでありまして、非常に事業実施に努力をされて立派な成果を上げておられるところもありますが、必ずしも十分な成果が上がってないところもあります。そして、現行の授産施設で障害者に支払われている工賃は月に一万円ちょっとというような状況。で、授産施設に支払われている支援費の額は、一人当たり、まあ障害者によっていろいろでありますが、二百万を超えるような額が年間払われているという状況からすると、この点については、私はもう一度、費用対効果といいましょうか、本来の目的達成のための事業が着実に行われるということについての仕組みをしっかりつくっていくということが大事で、そのための就労移行支援事業であり就労継続支援事業なんだろうと思います。
 特に就労継続支援事業というのは、これは大切なことでありまして、先ほど申し上げた障害者雇用促進法というのは雇用を対象にしていますが、障害者の中で一般雇用に行ける方たちというのが必ずしも大勢ではないわけでありまして、もっと一般雇用に行けるように労働関係機関は更に最大限の努力をしなくてはいけないと思いますが、そういうことをやってもそういう場に行けない方たちについては福祉的就労というのをもっと充実させなきゃいけない。我が国では福祉工場がありますが、それ以外には見るべき施策がないというのが現状でありまして、そういう意味では、この就労継続支援事業を具体的にどう実りあるものとしてつくり上げていくかということが、障害者の自立にとってもとても大きなことだと思います。
 この点について、一般雇用が困難な障害者に就労の機会を確保するどのような事業を考え、どういう展望を持っていらっしゃるかということについて御説明いただきたいと思います。
#38
○政府参考人(塩田幸雄君) 御指摘があったように、一般就労に行ける障害者の方がおられる一方で、一般就労が難しい障害者の方も大勢いらっしゃるわけでありまして、そういった方には福祉型の就労継続支援事業ということが必要だと思っているところでございます。
 今度の法案の中でも就労継続支援事業というのを位置付けているわけでありますけれども、現段階で考え方を申し上げますと、就労継続支援事業を二つのタイプに分けたいと思っておりまして、いわゆる雇用契約に基づく雇用型と、それが難しい方を対象にして非雇用型、この二つのタイプを現在考えております。
 例えば、雇用型につきましては、障害者の方だけが働く、そこの場で働くのではなくて、営業職員などとして一般の方にも入っていただきまして、障害者と一般の方が一緒になって働くことによって、効率を上げて、収益上げて、工賃を上げていくような、そういう仕組みを導入したいと思っております。
 それから、非雇用型ですけれども、ややもすればなかなか工賃を上げていこうという工夫ができなくて現状に甘んじてしまうようなところがあるわけでありますけれども、非雇用型につきましても、工賃の目標水準を設定して、何とか一人一人の方が受け取れる工賃を増やしていけるようなインセンティブを経営をされる方あるいはスタッフの方に持っていけるような仕組みを考えていきたいと思っております。
 福祉タイプの就労継続支援事業といっても、利用される方、働かれる方ができるだけ多くの工賃を得られるような、生産活動の効率性、収益性の向上といった観点も今後は福祉タイプの事業にも必要だと考えているところでございます。そういった観点で、いろんな関係者の意見を聞きまして、就労継続支援事業の在り方について細かい点も検討していきたいと考えております。
#39
○坂本由紀子君 是非いい事業になるように今後詰めていっていただきたいと思います。
 私は、障害者が誇りある自立をするためには、このような就労による所得保障ということをもっともっと手厚くやっていくべきだと思っております。その際、特に重要なのは、これは障害者自立支援法直接ではないのでございますが、授産施設、そして作業所が強く望んでおります障害者がやる仕事が欲しいという、ここのところについてどれだけきちっとした対応を社会全体として行えるかということだと思います。
 地方自治法の施行令の中で、福祉工場や小規模作業所等の物品調達に地方公共団体が随契をすることができるというのが追加された。これはとてもいいことだと思いますが、現実にこれに基づいてどのくらいの仕事が発注されているかということを考えると、そこは必ずしも十分ではないのではないかと。そういう意味では、こういうことについての好事例をしっかり集めていただく、あるいは現実にどこまでこれが使われているかということについてちゃんと状況を把握していただく、あるいは民間企業に対してもこういうことについての働き掛けをしていただいて、社会全体で、障害者が一般雇用ではないところで働いている方たちに十分な仕事が確保できるということについて、大臣、最大限の御尽力をいただきたいと思いまして、この点についての大臣の御決意を伺いたいと思います。
#40
○国務大臣(尾辻秀久君) 働く意欲のある障害者の方々が地域で働いて、そして自立した生活を送ると、送っていただくためには、今いろいろお話しいただいておりますけれども、就労の場の拡大が極めて重要でございます。そして、先生御指摘のとおりに、就労継続支援事業においても安定的な仕事の確保が必要であるというふうに考えております。
 このため、地方自治法施行令の改正による授産施設等に対する官公需の拡大を図ることはもちろんのこと、企業に対して発注の促進を図るための働き掛けや、経営セミナーの開催等により事業従事者の資質の向上を行うなど、安定的な仕事の確保も含めた障害者の皆さんの就労支援について全力で取り組んでまいりたいと存じます。
#41
○坂本由紀子君 是非よろしくお願いをいたします。
 次に、先ほどから申し上げておりますが、障害者の保健福祉サービスについては非常にまだ立ち後れている市町村が多いと、そしてそのサービスの提供の基盤も十分整えられていないという状況があります。こういう中で、果たしてこの障害者自立支援法に基づいて必要とする障害者すべてに必要なサービスが提供されることになるだろうかというところが心配なのであります。
 この点について、こういう提供基盤の整備、市町村での積極的な取組について厚生労働省としてどのように考えていらっしゃるか、どのように進めようとしていらっしゃるかということについてのお考えを伺いたいと思います。
#42
○政府参考人(塩田幸雄君) 障害を持つ方が地域で暮らすという意味で、それぞれのすべての市町村に、そのためのハード、ソフトの社会基盤、社会資本が整備されているということが重要だろうと思います。
 高齢者福祉に比べて、そういった意味では障害者福祉のハード、ソフトの社会基盤は著しく立ち後れている現状にあると思います。そういった観点から、高齢者の施設整備費については交付金化をいたしましたけれども、障害者福祉施設整備に関しては引き続き強力に国が関与する必要があるということで、国庫補助金として残したところであります。今度の法案に基づく施設の移行もスムーズにいくようなバックアップが必要だろうと思っております。
 それから、来年度の骨太の方針の中でも、障害者の方が地域で暮らすためのハード、ソフトの整備について速やか、かつ計画的に充実強化するということを閣議決定しておりますので、来年度以降もハード、ソフトの社会基盤の整備に向けて最大限の努力をすることが必要だろうと思っております。
 これまでも議論になっておりますように、国がいろんな政策に取り組む上での基礎的なデータが、今度の法案の中では、市町村で計画を作ってもらい、県にも計画を作ってもらうということで整うということでありまして、国が市町村をバックアップするいろんな仕組みも法案の中に盛り込まれておりますので、そういう仕組みも活用して、国として、すべての市町村で障害者が地域で暮らせるハード、ソフトの整備ができるように総合的に取り組んでいく所存でございます。
#43
○坂本由紀子君 三位一体の改革が進んで一般財源化が行われているのが多いんですが、障害者については、今部長が言われたように、是非市町村の積極的な取組を促すと。ある程度の基盤が整えられるまではこの補助金を残していただいて、市町村への積極的な働き掛けをこれからもやっていっていただいて、取組体制の充実を進めていっていただきたいと思います。
 それから、小規模作業所について伺いたいと思います。
 さっきもちょっと申し上げましたが、小規模作業所についてはこれまでほとんど法定外の施設に位置付けられて、一生懸命当事者の方は取り組んでいらしているんだけれども、財政基盤が弱い等もあって必ずしも十分な成果等が上げられていなかったというような大変な思いをされてきているわけであります。
 内容を見ると、複数の障害者の方を受け止めていらっしゃる、あるいは地域での生活を支援していらっしゃる、あるいは就労を支援しているというような様々な作業所があります。そして、これは関連のところが調査された中では、小規模作業所が、新しい制度になったら就労継続の支援あるいは地域活動支援センターや就労移行支援の事業を行いたいというような積極的な意向を表明していらっしゃるところもありまして、そういう意味では私は、障害者自立支援法に基づく様々なサービスを提供するためには、このようないろいろな言ってみれば取組をしていらっしゃるところをどんどん使っていくということが大事だろうと思います。あわせて、サービス提供基盤が充実するためには、それ以外にも様々、今あるいろいろな規制といいますか、縛りを緩和していくということも大事だろうと思っておりますが、この点についてのお考えをお聞きしたいと存じます。
#44
○政府参考人(塩田幸雄君) 小規模作業所は現在大変大きな役割を果たしておられますけれども、法定外ということでございます。
 今度の新しい自立支援法に基づけば、就労移行型の事業に変わったり、あるいは継続就労型に変わったり、あるいは地域生活支援事業のタイプに変わっていくことで様々な法定の施設のタイプに移行することができるだろうと思います。
 一方で、小規模通所授産施設をこれまで社会福祉法人化しておりましたが、社会福祉法人化に当たって、新しい制度が、NPOという選択もありますけれども、社会福祉法人という選択ももちろんあっていいわけでありまして、社会福祉法人の方が経営基盤の社会的信頼度も税制上の措置もいろんな特別措置がありますのでより望ましいと思いますが、そういう意味で、資産要件の規制とかあります、この問題については従来からも指摘をされているところでありまして、社会福祉法人の規制の緩和とか、そういった問題についても引き続き検討をして、いろんな形態で小規模作業所が就労の場としての役割を果たせるように転換していくことを期待をしているところでございます。
#45
○坂本由紀子君 ありがとうございます。
 自由民主党では小規模作業所を支援する議員連盟をつくっておりまして、小規模作業所がこれから障害者自立支援のために積極的な役割を果たしていけるように、新たな制度にのっとった事業展開ができるようにバックアップをしていきたいと思っているところでありまして、是非行政においてもこの作業所のこれからの新たなサービス体系への移行について積極的な支援をしていただきたいと重ねて要請をいたします。
 次に、精神障害者について伺います。
 精神障害者については、政策が立ち後れているということは申すまでもないんですが、特に長期入院の方たちが多いと。地域社会での受入れ基盤がないために、入院している人が七万人にも上っているわけであります。就労の場でありますとかあるいは生活訓練、職業訓練の場の拡充、グループホームや住居の確保、ホームヘルプサービス等の充実が急がれるというようなことは多くの方たちがこれまでも指摘をしておりますし、私も切実にそう思っております。
 一方で、今回、基本的に自立支援サービスは市町村にやっていただくと、そして市町村への支援であるとか、いろいろな要請も厚生労働省の方できっちりやっていただくということでありますが、例えば精神障害者についてはかつて職親制度というものがあって、これが精神障害者の自立には比較的有効に機能をしていたんですが、これが補助金が一般財源化したことによって、地域によってはこういうものがなくなってしまったというようなものもありまして、そういう意味では、精神障害者については様々な手だてを通じてこの自立支援法の中でも特に手厚くお取り組みをいただく必要があるのではないかと思っておりまして、この点での取組についてのお考えを伺いたいと思います。
#46
○副大臣(西博義君) 障害者、特に精神障害者の方について、自立を図る上で、就労に対する支援、大変重要であるというふうに考えております。
 私も、精神障害者が自立のために社会に戻ってきたといいますか、社会の中で働いている皆さんともお話しいたしましたが、長年やはり病院等におりますと社会に出ることが大変不安だというお話をいただきまして、確かにいろんな意味での支援というのがきめ細かくしていかなければ簡単には実現しにくいものだなということを実感して帰ってまいりました。
 そういう意味で、福祉施設から一般施設への移行を進めるために就労移行支援事業というのを今回立ち上げたわけでございますが、福祉と雇用がネットワークを構成して、一人一人の皆さん、障害者の皆さんの適性に合った就職のあっせんをしていかなければ、大勢の、十把一からげと言ったら言い方悪いですけど、そういうことではなかなかうまくいかないのではないかというふうに思っております。
 雇用施策におきましても、先般御審議いただいた例の障害者雇用促進法の改正によりまして精神障害者の就業機会の拡大が図られるところでございますし、また在宅就業障害者への支援等も今後行っていこうということで取り組んでいるところでございます。
 なお、先ほど御指摘のありました職親制度、これ精神障害者社会適応訓練事業という事業でございますが、現在は全都道府県において実施をされておりますが、御指摘のようなこともございまして、今回改革によって見直しした後の施設、事業との連携の在り方については、これは今後関係者の意見を十分伺いながら今後のやり方については検討してまいりたいというふうに考えております。
#47
○坂本由紀子君 そういう様々な手だてを通じて本当に障害者、必要な障害者すべてにこのサービスが提供されるようになってもらいたい。当然、新たにサービスを利用する人が大幅に増加します。必要なサービス量が確保されるためにはたくさんの費用が掛かる。義務的経費にもなり、予算を大幅に拡充していただくということはもちろんですが、その大幅に掛かった経費はやっぱりみんなで負担し合うということが、これからの私たち社会はそういうことを前提にして成り立っていくんだと思います。
 今回の法案では、定率負担について、支払能力がないといいますか、所得の低い障害者については大変ではないかということ、この点に議論が集中をしてきているように思います。
 この利用者の負担についての考え方ですが、厚生労働省から示されている考え方を私なりに理解しているのは、利用したサービスの量や所得に応じた負担をしてもらうということになっていると思います。ですから、利用したサービスの量に応じて負担をしていただく、ただし、障害者の所得等の負担能力というのは十分勘案して手だてを講じますと。ですから、障害者が定率負担の一割を負担能力を大幅に超えて支払わなきゃいけなくなって生活保護に陥ってしまうとか、そういうような非情なことは厚生労働省としては考えていないというふうに理解をしております。
 そして、世帯の観点についても、基本的には税制等で扶養家族等として取り扱われている場合には世帯として所得がカウントされるけれども、そうでない場合には障害者個人の所得で判断されると、こういうようなことが衆議院の確認答弁でもきちっと行われていると思いまして、そういう意味では、負担についても、厚生労働省がこれまで示している考え方は、私はそれなりに障害者の能力を勘案したものとして示されているというふうに理解をしております。
 ただ、そうであっても、余りに急激な負担が増えた場合にはこれは大変だろうというふうに思いますので、急激な負担の緩和ということはしっかりやっていただかなきゃいけないんじゃないか。特に負担の上がり幅の大きい、自宅に住んで通所サービスを利用する場合であるとか、あるいは障害児が入所施設を利用する場合、重度の障害者が長時間のホームヘルプサービスを利用するような場合、利用者負担の上がり幅が非常に大きいという場合には激変緩和の措置が必要だろうと。
 衆議院の委員会の議論の中で、これについて、所得も預貯金等も一定以下の方について、社会福祉法人が減免の措置を行って、その費用の一定割合について公費助成を行う仕組みを設けるべきかという質問に対して、所得に応じた負担上限、生活保護への移行を防止するための特別減額制度などにより、激変緩和の観点から、低所得の方に更にきめ細かく配慮をすると。経過措置として、一定の低所得の方について、社会福祉法人による減免についての公費助成の仕組みを設けることにしたいという御答弁をいただいておるんですが、ここについて、具体的にこの社会福祉法人による減免についてどのような取組をいただけるかということについてもっと詳しくお答えいただきたいと思うのですが、御答弁をお願いいたします。
#48
○国務大臣(尾辻秀久君) 今詳しく答えろということでございましたが、丁寧にお答えすべき御質問だと思いますので、そのようにお答え申し上げたいと存じます。
 まず、通所サービス、それから二十歳未満の児童入所施設、さらに長時間サービスを利用する必要があるといったような重度障害者のホームヘルプサービスにつきましては、激変緩和の観点から、低所得の方に更にきめ細かく配慮するため、経過措置として、一定の低所得の方について、定率負担の月額上限額を実質的に半分程度にするような社会福祉法人による減免と、それへの公費助成の仕組みを設けることとしたところでございます。
 具体的な内容でございますけれども、減免は、一事業者ごとに、所得階層ごとの月額負担上限額の半額を超える部分について行うこととしておりまして、低所得一の場合には七千五百円を超える部分について減免する、低所得二の場合には一万二千三百円を超える部分について減免をいたしますけれども、通所施設及びデイサービスを利用する場合については、食費負担も勘案をいたしまして七千五百円までに減免をする、こういう方向で今検討いたしておるところでございます。
 減免対象となります低所得者につきましては、低所得一及び低所得二であって収入及び預貯金の額が一定以下の方を対象といたしますけれども、その基準額は、単身世帯では収入基準額を百五十万円以下、預貯金基準額を三百五十万円以下といたしまして、世帯員が一名増えるごとに収入基準額は五十万円、預貯金基準額は百万円増加させる方向で検討いたしておるところでございます。
 また、社会福祉法人が利用者負担の減免を行った場合の公費助成の割合につきましては、社会福祉法人が本来受領すべき利用者負担額総額の五%に達するまでは減免額の二分の一を公費により助成する、社会福祉法人が本来受領すべき利用者負担額総額の五%を超える分については、法人の負担が重くなることを考慮いたしまして、減免額の四分の三を公費により助成する、今こういう方向で関係省庁と調整をいたしておるところでございます。
#49
○坂本由紀子君 ありがとうございます。是非それが実現するように頑張っていただきたいと思います。
 そして、社会福祉法人についてなんですが、先ほどちょっと部長の方から御答弁いただきましたが、社会福祉法人の要件の緩和についてですが、今回は規制緩和が行われて、障害者自立支援法でサービスが提供されるものについて、NPO法人などでも対象になるんですが、やはり社会福祉法人については税制上の特典等もある、あるいはただいまの減免措置等のこともありますので、そういう意味では、これまで小規模通所授産でとられていた要件緩和措置について、今後も何らかの社会福祉法人についての要件緩和の継続をお願いしたいと思っております。
#50
○政府参考人(塩田幸雄君) 御質問があった点についてまずお答えをしたいと思いますが、新しい法体系では、社会福祉法人に限らず、NPOでもいろんな主体が就労に関する事業を行えるようにしたということでありますが、しかし、社会福祉法人の方が経営的にも安定しておりますし、いろんなメリットがあるということで、社会福祉法人を目指すことも当然あっていいと思っております。
 それで、社会福祉法人の資産要件の緩和という問題が従来から出されているわけでありまして、社会保障審議会福祉部会から平成十六年十二月に出された意見書がございますが、この中で、社会福祉法人の資産要件については、「安定性を大きく損なわない範囲で緩和措置を講じることが必要である。」とされているところでありまして、これに基づいた見直しについては、引き続き検討をしたいと考えているところでございます。
#51
○国務大臣(尾辻秀久君) 今、NPOについてのお話もございましたので、先ほどのお答えに追加して申し上げておいた方がいいと思う部分について更に申し上げておきたいと存じます。
 利用者負担の減免措置を行った場合に公費助成を行う法人につきましては、社会福祉法人は、社会福祉事業を任務とし、低所得者が福祉サービスを利用できるようにすることをも目的とする公共性の高い法人として税制上の優遇措置が講じられていますことから、利用者負担軽減措置については社会福祉法人のみを認めておるものでございます。
 ただし、ただし、一定地域内に特定のサービスを提供する社会福祉法人がない場合については、当該地域で障害福祉サービスを利用する利用者が軽減措置を利用することができなくなりますので、そういう場合のために、社会福祉法人以外の法人であっても利用者負担の減免を認めて公費助成を行う取扱いを、これもいたす方向で検討をいたしておるところでございます。付け加えて申し上げておきます。
#52
○坂本由紀子君 そういう弾力的なお取り扱いをいただいてありがとうございます。是非よろしくお願いします。
 もう時間が残り少なくなってきましたが、現状の障害者福祉、財政的にも支援費制度がもう破綻の危機に瀕していると、そしてもっと多くの障害者がサービスを必要としているということからすると、今般の障害者自立支援法というのはそういう意味で障害者福祉の転換を図る大きな仕組みができ上がるもので、私は一刻も早くこの法案の成立が望まれるというふうに思います。
 裁量的経費を義務的経費にすることによって、予算的にも将来の拡大の道筋が開かれたと。そして、先ほど来申し上げているように、これまで法定外として行われていたものを取り込める、あるいはサービス体系を機能に即して施設を再編するということで、障害者に必要なサービスがその効力を持って提供されるようになる。そして、これまでの市町村のばらつきを調整する仕組みも入れられている。利用者の負担についても、所得に応じた上限限度額の組合せを取り込むことによって無理のない負担が実現できるというふうに思っております。
 かつて、男女雇用機会均等法ができるときに、努力義務で、このような法律を作っても意味がないのではないかという大きな批判がある中で、当時の総評の婦人局長の山野さんという女性は、あえて、この法案でも、ないよりはるかに女性の働くことについての進歩につながるという重大な決断をして、その法案が成立したというのがございます。そして、その後の経緯は御存じのように、かつて女が働くのは日本の文化を壊すなどというようなことを言った人たちもいますが、今や女性が男性と同じように働くことは当たり前ということになってきました。それが社会の大勢になってきた。
 そういうことで、私は法律というものは着実に理想に向かって大きく仕上げていくものだと思いますので、この障害者自立支援法の中に、まだまだ足していった方がいいという部分はありますが、これまでの支援費制度に比べれば画期的な法案だと思いますので、ここはとにかく早くに成立をさせるべきだと。そして、何よりもこれに基づいた予算の確保が大事でありますので、大臣、是非、最後にこれについて、しっかりと今後予算を確保していくということについての決意を表明していただきたいと思います。
#53
○国務大臣(尾辻秀久君) 障害者自立支援法案におきましては、地域の実情に応じて柔軟に実施されることにより効果的、効率的に行われることが期待をされております移動支援やコミュニケーション支援等の事業を地域生活支援事業として法定化をし、市町村が必ず行わなければならない事業としたところでございます。
 ここの部分が裁量的経費で残っておりますから、申し上げておりますように、全体、全体といいますか、義務的経費にするためにこの法案をお願いしておるというのが強い今回法案をお願いしておる理由の一つでございますけれども、ただ、裁量的経費も残っておるということを今申し上げたわけでございます。
 地域生活支援事業について、自治体は障害福祉計画に盛り込むとともに、国は予算の範囲内でその費用の二分の一以内の補助を行い、必要なサービスを計画的に実施していくということにしております。
 御指摘のように、とにかく全体の予算、しっかり取らなきゃなりませんけれども、特に、裁量的経費として残っております地域生活支援事業の適切な実施には、これは十分な予算の確保が必要と考えておるところでございまして、現行のサービス水準が低下することのないように、平成十八年度予算編成における最重点事項の一つとして予算の確保に最大限努力をしてまいります。
#54
○坂本由紀子君 ありがとうございます。
 サービスも受けられない障害者がたくさんいるという現実を踏まえて、是非、一刻も早くこの障害者自立支援法の成立に向けて委員会の審議をしていただきたいと思います。
 以上で質問を終わります。
#55
○朝日俊弘君 民主党・新緑風会の朝日でございます。
 いよいよ障害者自立支援法の審議が始まりました。最初に、是非、まだまだ解明しなければいけない課題がたくさんありますので、十分なる審議時間を取っていただきたいということをお願いを申し上げておきます。
 さて、今日はその第一ラウンド。まず、改めて、今回提案されている障害者自立支援法と障害者基本法との関係についてお尋ねをいたします。
 私は、この法案が出てくるに当たって、当然のことながら、障害者政策の基本理念を定めている基本法、障害者基本法をきちっと踏まえて、その上にこの自立支援法も立法されているというふうに理解をしておりましたし、期待もしておりました。ところが、出てきたものを読み比べてみますと、どうも違うんじゃないかと。むしろ、ある意味では後退しているんじゃないかというふうに読めてならないんですね。
 これは私だけがそう思ったんではなくて、実は衆議院の方で与党の皆さんもそうお感じになったんですね。ですから、衆議院の方で修正をされました。この法律の目的に、この法律が障害者基本法の基本理念にのっとったものであることを明記する、わざわざ衆議院で皆さんがこのように明記をしなければいけないというふうに思ったくらい、障害者基本法の基本理念あるいは基本的考え方がこの自立支援法に生かされているのかどうか非常に疑問に感じていたわけですね。
 改めて、改めて、今回提案されている障害者自立支援法と障害者基本法との関係について、大臣はどのようにお考えになっていて、どのような形でこの法律を運用していこうとしているのか、基本的な考え方をお聞かせください。
#56
○国務大臣(尾辻秀久君) そもそも、障害者の個人の尊厳、その尊重を始めとする障害者基本法の基本的な理念といいますものは、今お願いをしておりますこの法案を始め、障害者の皆さんの自立と社会参加の支援等を定めるすべての法律の基本となるものでございます。これはもう申し上げるまでもございません。
 また、個人としての尊厳の尊重に関しましては、この法案の、私ども、政府提案の段階において既に第四十二条第三項などに反映をされておるところでございますけれども、障害者基本法の基本理念の重要性にかんがみ、衆議院において本法案の目的規定に明記する修正がされたというふうに理解をいたしております。
 今後、政省令の立案、施行につきましては、障害者基本法の基本理念、これを念頭に置くことはもう当然のことでございますから、そうして進めてまいります。
#57
○朝日俊弘君 私は、目的のところに改めて障害者基本法の基本理念にのっとったものであるということを明記するというだけでは足りないというか、不十分だと思うんです。
 幾つか指摘していきたいと思うんですけれども、まず最初に指摘しておきたいのが障害者の、あるいは障害の定義であります。
 ちょっと長い説明になりますけれども、障害者基本法ではこういうふうに書いてある。この法律で「「障害者」とは、身体障害、知的障害又は精神障害があるため、継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者をいう。」と、こういうふうに書かれています。つまり、読み方にもよるんでしょうが、私は、この障害者基本法で定めている障害者の定義の力点は、継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受けるという人たちに対してどのような支援策を講じていくのかということで、ここに強調、力点が置かれているというふうに私は思うんです。
 今回、この自立支援法を提案されるに当たって、是非この障害者基本法に定める障害概念を基礎に障害者の定義を改めて見直してほしかったなと思う。ところが、お聞きしますと、この自立支援法では改めて新たに定義を定めるということはしなくて、既存の法律、個別法の定義をそのまま引用するというか、ゆだねた形でしていますから、新たな定義はしていない。
 そこで、調べてみますと、知的障害に関して言うと、知的障害者福祉法では実は定義はないんです。何をどう知的障害というふうに定めるのかという定義は明確にはされていません。妙なことに精神保健福祉法の中に知的障害が入っている。
 一方、身体障害者福祉法、御存じだと思いますが、これは法律の本文には細かくは書いてありませんけれども、別表として、一、二、三、四、五と視覚障害から内部障害までかなり細かく障害の中身が定義付けされている。
 そして、精神保健福祉法では精神障害者をどう定義付けているか。精神分裂病、これは今回統合失調症ということで改められますが、精神分裂病、精神作用物質による急性中毒又は依存症、知的障害、精神病質その他の精神疾患を有する者と書いてある。これは明らかに病気、疾病の概念で定義付けている。
 というふうに、個別の法律では定義付けがばらばらというか、整合的でないんですね。だから、せっかくなら、今回の自立支援法を提案するに当たって、障害者基本法に定めている障害概念をベースに、改めてきちっとした定義付けをすべきではなかったのかというふうに私は思うんです。そうしないと、さっきちょっと答弁で非常に気になったんですけれども、発達障害も精神障害の中に含まれるみたいなことをおっしゃっていたんで大変気になるんですけれども、定義付けが不明確であると、えてしてそういう拡大解釈というか、いうことも便宜的にするようになってしまう。
 何でこの際そこまできちっと踏み込んだ議論をしなかったのか。もしされたんだったら聞かせてほしいんですが、されていなかったり、最初からもう避けたような気がするんですね。なぜですか。そこをちょっと聞かせてください。大臣。
#58
○国務大臣(尾辻秀久君) これはもう先生御指摘のとおり、まず、障害者基本法においては定義の仕方が、これ先生御自身お述べになりましたように、「継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者をいう。」というふうに生活能力に着目した障害概念を使用しておるところでございます。
 一方で、現行の障害に係る各法律は、これはもう御案内のとおりに、それぞれの分野ごとにずっと発展してきたといいますか、経緯をずっと重ねてきておりますために、これも先生御自身お述べになりましたように、精神保健福祉法においては医療の対象者も含めてとらえ、疾患に着目した概念としておりますし、また、知的障害者福祉法においては明確な定義は置いていないなど、法律ごとに制度が、ばらばらと言われるならばそのとおりでありまして、運用をされておる、こういうことでございます。
 そうした中で、障害者施策においては支援の必要な方が適切にサービスを利用できることがまずは、私どもはまずは重要だと、こういうふうに考えたわけでございます。したがいまして、今回お願いをしております障害者自立支援法案は、障害の定義は障害者福祉各法の定義を引用しておりますけれども、身体障害、知的障害、精神障害といった障害の種別にかかわらず、共通する自立支援のためのサービスを一元的に提供する仕組みを構築したい、ここのところに主眼を置いたわけでございます。そして、支援の必要度を総合的に表す障害程度区分等により適切にサービスを利用できるようにするとしたところでございます。
 申し上げておりますことは、サービスを一元的に提供したいということを考えましたので、今回のこういう形での御提案を申し上げておるわけでございます。
 そしてまた、これは衆議院の方におきまして、附則で、施行後三年を目途として行われる検討については障害者の範囲も含めて検討するというふうに修正がなされたところでもございますので、正に先生御指摘の定義の問題も含めて、こうした障害者の範囲の在り方について今後の検討課題とさせていただきたいと存じます。
#59
○朝日俊弘君 私は必ずしも事細かに定義付けをしろというふうに言っているつもりはなくて、むしろこの障害者自立支援法で力点を置くべきは、何らかの障害に基づいてハンディキャップを持っている、そういう人たちが社会で暮らしていけるようにどうサポートするのか、その障害に基づいて様々な不都合が生ずる、制約が生ずる、それを一つ一つ取り除いていこう、あるいは克服していこうという観点でつくられている、そこから様々なサービスが組み立てられている、とすれば、疾病概念でよしというのではなくて、疾病はあるけれども、その障害の側面にきちんとスポットを当てた定義付けをきちっとすべきだというふうに私は思うんですね。
 これはちょっと今後の課題として是非、我々の方でも検討をしなきゃいけない課題もあると思いますから、宿題としてお互いに確認しておきたいと思います。
 さて次に、今大臣の説明の中にも出てきました障害程度区分、これがどうもよく見えないというか分からない。恐らく、三障害を総合的にというか統一的に組み立てていくんだから総合的、統一的な障害程度区分というのをつくっていこうというお考えなんだろうと思う。そのためにその認定の作業は市町村が行うと、こういうふうにされている。しかし、ちょっと考えると、市町村は本当にできるんだろうかと。どこがやるんだろうか、どんなメンバーでどんなふうに実施するんだろうか、新たに人を雇おうとすると財政措置はどうなるんだろうか。
 人材確保も含めて市町村が障害程度区分の認定作業を行うというふうに決められているようだけれども、実際どんなふうに、どこで行われることを想定しておられるのか、ちょっと説明してください。
#60
○政府参考人(塩田幸雄君) 障害福祉サービスは市町村に決定していただくということでありまして、その際に障害程度区分を認定していただき、さらに、介護者がどうだとか御本人の希望がどうだとか家庭、建物の環境がどうだとか、いろんな要素を総合的に勘案して最終的に市町村が決めるという、そういう流れでございます。その中で、障害程度区分の認定というのは、専門性も要しますし、市町村にとっては大変しんどい仕事であることは間違いないと思いますので、いろんなバックアップがこれから必要だということでございます。
 どういう手順でなされるかということでございますので、簡単に御説明をしたいと思いますけれども、障害程度区分の認定に至る一連の作業を申しますと、三段階に分かれまして、まず一段階として、心身の状態などについてアセスメントをするという手順がございます。それから、これに基づきまして、二番目に、コンピューターに基づきまして一次判定を行います。三番目に、専門家が加わっております市町村審査会におきまして二次判定をする、この三つのステップがございます。それぞれに市町村がかかわっていくわけでありまして、市町村の置かれている事情それぞれで、いろんな部局が担当する、大きな都市であれば障害福祉の専門のスタッフがいて、その方々が対応するということになると思います。また、アセスメントについては専門性を要する事務でありますので、中立公正な立場で事務を担うことが可能な相談支援事業者に委託をしてもいいという制度にしているところでございます。
 また、小規模な市町村では単独で先ほど申し上げましたような事務をするのが難しい場合がありますので、共同で審査会を設けることにしたり、あるいは都道府県が市町村の委託を受けて審査会を設けるといったこともできるようにしているところでございます。
 また、今度の法案に基づきまして市町村で新たな事務が発生するわけでありますけれども、市町村審査会の設置、運営に関する費用等々について新しい市町村に対する補助制度も設けているところでございます。
 また、そういう担当の職員の水準の均一性を確保する必要がありますけれども、統一的なアセスメントの項目の設定でありますとか事務処理標準化のマニュアルの作成でありますとか認定調査に当たる方への研修など、様々な努力をして市町村のバックアップに努めてまいりたいと考えております。
#61
○朝日俊弘君 この障害程度区分の認定というのが言わばこの制度を利用する入口、スタートになりますから、ですから、果たして自分たちがどのように認定されてどのようなサービスが利用できるかという一番大事なところなんですよね。
 今の御説明ですと、ちょっと必ずしもこうだという決め決めの仕組みではなくて、基本的には市町村の責任で行うんだと、こういう御説明ですが、その説明の中にちょっとありましたけれども、そうすると、一連の障害程度区分の認定に至る作業手続の中で、これは全部市町村がやるんだということでは必ずしもないようで、一部委託することができるというふうに御説明があったような気がするんですね。そうすると、その場合に、委託した場合の質というかレベルというか、精度管理はどうするんだろうか。ある程度共通した手法である程度の水準がないと、あっちに頼んだらこうだけれどもこっちに頼んだらああだということでは話にならないわけですね。
 だから、ちょっと、一つは確認です。障害程度区分の認定に至る一連の作業手続は必ずしもすべて市町村が行うわけではなくて、一部その手続を委託することが可能かどうか。可能な場合にはどういう形でその質というかレベルを担保するのか。この点について御説明ください。
#62
○政府参考人(塩田幸雄君) 御説明しましたように、一連のアセスメント、コンピューターによる一次判定、市町村審査会による二次判定という手続があるわけでありますけれども、そのうちのアセスメントの部分については一定の専門性が必要な事務でもありますので、中立公正な立場で事務を行うことができる相談支援事業者に委託することができるという制度にしているところでございます。
 この場合、この相談支援事業者のうちアセスメントをする方は公務を代わりにすることになりますので、守秘義務というのを法制上も課しているところでございます。また、御指摘のような観点から、全国共通のアセスメントを設定することによって一定の水準が確保されるよう、地域間の格差が生じることがないような調査内容をまず統一するということが大前提になると思いますし、その際、調査とか判定をする際のマニュアルを作成して、標準的な事務処理ができるようにするということも考えております。また、様々な研修を実施しまして、従事者の資質の向上といったこと、そういう措置を講じることとしているところでございます。
#63
○朝日俊弘君 一定のマニュアルを作って、研修をして、一定の水準が保てるという御説明なんだけれども、気になりますのは、今その障害程度区分について幾つか、約六十ぐらいですか、自治体で試行事業をやっていますよね。だから、実際にそういうモデル的な事業をやって、その結果を踏まえてまた考えられるんだろうと思うんですけれども、そこに示されている判定基準というか認定基準、特に私は気になっているのは、精神障害の判定がどういうふうに適切に出るんだろうかと、正しく。すごく気になっているわけですね。
 ちょっと、現在やっておられる試行的な事業の結果がいつまとめられるのか、それを踏まえて、当然のことながら、その判定項目について適時工夫をしていくということになるんだろうと思うんですが、ちょっとそのことについて御説明ください。
#64
○政府参考人(塩田幸雄君) 現在、全国六十一の自治体におきまして、身体障害者、知的障害者、精神障害者、合計で約千八百名の方々を対象に、心身の状況などの調査、あるいは審査会におきます障害程度区分の判定を行う障害程度区分判定等試行事業を実施しているところでございます。
 今週中には試行事業に参加しております自治体で審査会が終了すると承知しております。今後、八月中旬までに自治体から報告を受けまして、八月末には全体の粗い集計が可能ではないかと考えております。
 今回の試行事業におきましては、より障害種別の特性を踏まえた基準とするよう、要介護認定基準の七十九項目に加えまして、交通手段の利用、買物、掃除や調理など日常生活に関する項目、あるいは話がまとまらない、働き掛けに応じず動かないでいるなど、御指摘のあったような精神障害者の方々の特有の項目なども追加した百六項目の調査項目としております。
 試行事業で収集しましたデータは厚生労働科学研究の研究班を設置して分析を進めることになりますけれども、有識者、障害者団体、福祉の現場で支援の必要性などについて知見を積み重ねられている方など、関係者の意見を聞く機会を設けまして、より良い判定ができるよう検討を進めてまいりたいと思っております。
 また、新制度の施行後もデータの集積を図り、必要に応じて見直すことが重要であると考えております。継続的により精度の高い指標の開発を進めてまいることが必要だと考えております。御指摘があったように、精神障害者の固有のニーズにもちゃんとこたえられるものにしていく必要があると考えております。
#65
○朝日俊弘君 昼休みですので、ここで中断します。
#66
○委員長(岸宏一君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十九分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#67
○委員長(岸宏一君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、中島眞人君が委員を辞任され、その補欠として野村哲郎君が選任されました。
    ─────────────
#68
○委員長(岸宏一君) 休憩前に引き続き、障害者自立支援法案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#69
○朝日俊弘君 民主党・新緑風会の朝日です。午前中に引き続いて質問をいたします。
 午前中の一番最後は、障害程度区分について六十一の自治体で試行事業が実施されていると、この報告がいつごろ出るのか、またその報告を踏まえて、幾つか判定項目について改善をしてほしいと、こういう話をしました。もちろん、報告を踏まえての改善はしていくというお話でしたが、ただ、一言申し上げれば、非常に多くの皆さんがどういう障害程度区分になるのか非常に関心が強い中で、試行事業の報告が八月末とか九月とか、それから検討しますという話なんですよね。本来であれば、もう少し見えている形でこの法案審議をしたかったと私は思います。そういう点では、極めてスケジュール設定が下手というか不親切だということを指摘しておかざるを得ません。
 さて、そのことを指摘した上で、次の質問に移ります。
 細かい点はよろしいんですが、この障害程度区分の認定について基本的にどういう考え方でされているのかな、されようとしているのかな。例えば何を指標に、例えばどの程度、三段階なのか五段階なのか、どんなふうに区分していくおつもりなのか。
 特に私が聞きたいのは、今回の法律の一つの特徴は、三障害を可能な限り統一、統合していこうと、こういう話でした。果たして、身体障害、知的障害、精神障害、この三障害を統一的に程度区分するような、そういう区分の仕方があるんだろうかなと、それぞれに違うんじゃないだろうかと。一体どういう考え方でこの程度区分をしていこうとするのか。やや象徴的に言えば、三障害を可能な限り統一、統合していく方向に力点を置いて考えていくのか。それとも、やっぱりさはさりながら、それぞれの障害にはそれぞれの特性というか個性がある、だからそれぞれ個別の指標を、重点を置いて、力点を置いて障害程度区分をしていこうとするのか。この基本的な考え方をお聞きしたいんです。
 なぜかというと、そういうことに従って、例えば審査会の委員の構成がどうなるのかということも関係してくると思うんですね。選出基準には「障害者等の保健又は福祉に関する学識経験を有する者」と、こうなっているわけですけれども、身体障害に詳しい方、知的障害に詳しい方、精神障害に詳しい方、それぞれあると思うんですね。そういう人たちをどういう構成でやっていくとお考えなのか、どうもそこら辺が見えてこないんですね。
 もう一遍お尋ねします。障害程度区分について基本的な考え方、何を指標に三障害をより総合的、統一的に障害程度区分をしていこうと考えられているのか、それとも、より個別の指標に着目して力点を置いて区分をしていこうとされているのか、その基本的な考え方をお聞かせください。
#70
○政府参考人(塩田幸雄君) 結論から申し上げますと、できるだけ共通なものを目指しつつ、障害固有の、特有のものについてもきちんと配慮した基準を目指すということでございます。
 それから、審査会において最終的な御判断ということになるわけでありますけれども、審査会におきましてはいろんな分野の専門家に入っていただくということでありまして、例えばサービスの現場で長年働いておられる方でありますとか障害の分野、それぞれの分野に専門知識を持つ方ということでありまして、障害種別、いろんな配慮が必要ですので、委員構成においても、身体障害、知的障害、精神障害、各分野にバランスを取れた形が望ましいということでございます。
 障害程度区分については、介護給付と訓練等給付、二つありまして、それぞれ介護給付と訓練等給付では中身、目的とか内容が異なりますので、それぞれの給付ごとに障害程度区分を設ける必要があるということでございます。かつ、共通のものはできるだけ共通にしつつ、委員が御指摘の精神障害の特有のニーズにもこたえられるものも併せて目指すということで作業を進めているところでございます。
#71
○朝日俊弘君 いや、ちょっと優等生的答弁に過ぎるんですよ。そう言われたらそうなんだろうけど、私が聞きたいのは、本当にそれどうやってやっていくんですかということを聞きたいわけですよ。
 例えば、例えば私は精神医療に経験がある、だから、まあ例えばもしかするとそういう審査会に出る資格はあるのかもしれない。ただ、率直に言って、身体障害にも随分いろんな障害があるわけですね。視力障害から聴力障害から四肢の障害から内部障害まであると。それぞれのことについて障害程度区分の役を担ってくださいと言われてもちょっとできないですよ。つまり、従来それぞれ個別の領域があって、それぞれにプロというか専門家がいて個別にやってきたわけですよ。より、ある意味では深く深く検討してきたわけですね。
 この三つの障害を、これから増えると思いますけれども、取りあえず三つの障害を統合しようと。このギャップを埋める、特に共通する部分を共有するというか、その作業はすごく大変だと思うんです。そのためには、相当その準備期間もあって、その共有する部分をお互いに共通認識し合って、その上で、より個別なサービスについてはどう検討するかという、もう少しきめ細かいプログラム、作業手順があってしかるべきだと思うんですね。だから、基本的な考え方はどうかとお聞きしたから基本的な考え方述べられた、それは分かった。
 さて、具体的にどういうふうにやっていこうとされているのか、更に問います。
#72
○政府参考人(塩田幸雄君) 御指摘がありましたように、調査項目を例えば具体的にどういう項目にするかというのがまず最初のステップとしてあると思います。
 それで、いわゆる七十九項目というのは共通の部分として項目を定めておりますけれども、それだけでは不十分であるということで、交通手段の利用の状況でありますとか、買物とか掃除の日常生活に関することでありますとか、話がまとまらないとか働き掛けに応じられないとか、精神障害特有の項目を追加して百六項目にしているわけでありまして、そういう項目だけで足りるのかどうか、もっと工夫が要るのじゃないかということを試行事業でやっているわけでありまして、それについては、試行事業の結果を見て専門家の御意見も聞くし、自治体の方も関係の方も聞いた上でつくり、かつ施行後もいろんな工夫をしていくということでありまして。
 まず、どういう項目、共通の項目とそれぞれの障害に固有の項目、どういう項目を列挙し判定するかという作業がありますし、その後に市町村の職員が個別に訪問していろんな勘案事項のヒアリングをいたしますけれども、その際に、精神障害固有の事項についてどういうことを聞いてどういう項目をチェックするんだとか、あるいは、医師の意見書を書いてもらいますが、その意見書にはどういう点に配慮した意見書を書いてもらうんだとか、そういった作業を積み重ねていくということだろうと思います。
 その上で審査会でいろいろ御議論をしていただくということですので、審査会の委員の構成、専門家、どういう専門家を入れるかということも非常に大事だと思いますが、いずれにしても時間を、せっぱ詰まってやっているということは事実だと思います。もう少し丁寧な時間が取れればそれにこしたことはなかったと思います。
 まだ試行錯誤の部分がありますので、いろんな工夫とか意見を聞きながら、改善をしながらやっていくという作業になると考えております。
#73
○朝日俊弘君 これ以上問い詰めませんけれども、何かやっぱりこれデスクワークという感じがしますね。もっと現場の人たちの意見交換の場をもっとちゃんとやってほしいなという気がします。それをしないと、最初の障害区分の認定のところで、さあ何でこんな結果が出るんだということで、入口のところでけんかが始まるということがあり得る話ですので、ここは是非、頭の中で考えるだけじゃなくて、より個別の領域の専門家も含めて十分意見交換をして改善に改善を重ねていってほしいということを強く注文しておきます。
 その上で、まだ心配な点が幾つかあるんです。
 さて、一定の障害区分の認定が行われたと。今度その認定の結果に基づいて、どういうふうにどういうサービスを提供していったらいいか、その手続はどうするか、その経過についてどういうふうにフォローするかと、こういうことが必要になってきます。
 介護保険法では、今回、地域包括支援センターというものを設置して、そこでより総合的なアセスメントとケアマネジメントを行うと、こういうことでありました。十分な形になるかどうかは別として、それなりにそういう機能を持った場所をきちっと法律の中に定めて、こういうことでやりますということで提起されてきたわけですが、さて、そのことと比べて障害福祉の場合にはどうされるんだろうか。やっぱり市町村でやれということなのか。それとも、市町村がその他の幾つかの関係する事業者の皆さんとの連携なり委託なりできるのだろうか、そういうところが今あるんだろうか。
 非常にそういう意味では、具体的に制度を動かしていくための日常的、継続的なフォローアップをどこでやるんだろうかというところが非常に見えない。要するに、言葉を換えれば、ケアマネジメントをどこでだれが行うのか。これも全部市町村でちゃんとやるのかという点についてはどうですか。
#74
○政府参考人(塩田幸雄君) 今回の障害者自立支援法案でのケアマネジメントというのは大変重要な意義のあることだと考えております。
 障害者福祉のケアマネジメントについては一部の先駆的な自治体では取組が行われておりますが、高齢者福祉の分野のケアマネジメントに比べて、まずこれから市町村にやっていただくということ、それから高齢者福祉のように民間分野でそういう専門家が必ずしも定着しているわけではないと、幾つか難しい課題があると思います。高齢者福祉に比べて格段に公的分野、市町村の責任がケアマネジメントでは大きくならざるを得ないということだろうと思います。ニーズとサービスのマッチングから評価の問題、フォローアップの問題も、全体として高齢者福祉の分野に比べて市町村に担っていただかざるを得ないと思っております。
 そういう中で、専門スタッフで可能な分野について一部指定相談支援事業者にお願いする分があるということでありますとか、複数の市町村で審査会を共同設置できるとか、都道府県が審査会の業務を受託できるとか、いろんな仕組みを導入をしているということであります。いずれにしても、かなり本腰で市町村をバックアップするということが大前提になると思います。
 それから、地域包括支援センターというもの、これは高齢者介護の分野の制度でありますけれども、将来的には、やはり市町村にとってみれば、地域福祉という観点で、障害者の分野もこういったところを活用するというのは一つの方向だろうと思います。
#75
○朝日俊弘君 いや、何か、将来的な話と当面どういう形でスタートするかという話とごっちゃにしないでほしいんですね。
 私が今心配しているのは、介護の方は曲がりなりにもと言ったら変かな、不十分であるかもしれないが、そういう地域包括支援センターという仕組みをつくって動かしていきますと、こうおっしゃっているわけですね。それに対して、今のお話ですと、市町村が行う役割、非常に重大であると。それを広域的に連合して行う場合もあるでしょうと。都道府県が支援、協力して行う場合もあるでしょう。当然あると思います。
 そしてもう一つ、指定相談事業者とおっしゃいましたけれども、これは一体どういう仕事をされる団体を想定しているのか、ちょっと追加して御説明ください。指定相談事業者あるいは相談支援事業者、今説明があったところ、市町村がその事業者に委託できるんですか。そこら辺のことをちょっと説明してください。
#76
○政府参考人(塩田幸雄君) 指定相談の事業者ですけれども、ケアマネジメントの一部のアセスメントについて市町村の受託を受けたり、あるいは相談事業についての受託を受けて仕事をしていただくということでありまして、中立性、公平性といったことが担保された機関を想定しているところでありまして、こういう民間の方がいる市町村もあると思いますが、いないところについては、やはりいろんな市町村間の協力とか県のバックアップとか、いろんな工夫が必要だと思います。
#77
○朝日俊弘君 ちょっと全然見えてこないんですよ。
 例えば、どんな事業者です、どんな例があります。じゃ、どんなスタッフがいます、そこには。その委託を受けた場合は、市町村が委託料を払ってその事業者は運営されるんですかね。ちょっとイメージが全然わかないんですけれども、もう少し説明してください。
#78
○政府参考人(塩田幸雄君) 現行の支援費でもいろんな相談事業というのがあります。一般財源化していろんな問題が起きているということもありますけれども、例えば知的障害者について、障害児の地域療育支援事業というのがあっていろんな相談事業していますが、例えば滋賀でいえば、社会福祉法人が受託して、ケアマネジメントとか相談のような受託を受けていますが、そういう受皿というか、民間の受皿というのが一つ想定されると思いますが、残念ながら高齢者福祉の分野に比べてそういう先駆的な取組をしている社会福祉法人とかNPOの数が必ずしも十分じゃないということは言えると思いますが、素地はあると思いますし、今後そういったものは伸ばしていくことは必要だと考えております。
#79
○朝日俊弘君 何か随分頼りない答弁なんだけれども、要するに、まあ、幾つかのところであるところはあるけれども、ないところはないと。ないところ、どうするんだという話になるんですよね。
 それで、これからそういう意味では育成していくということになるのかなと思うんですが、さてそれじゃ、ケアマネジメントという手法あるいは技法を導入することを前提としているということは分かりましたが、さて、ここでも私が一番関心を持っているのは、このケアマネジメントの手法を、より三障害、統合・統一的に動かしていこうとするのか、それとも、より個性を尊重して、それぞれの障害の特徴に、個別対応を中心に、合わせてやっていこうとするのか。ケアマネジメントもいろんな組立て方があるので、基本的にはケアマネジメントの手法はどう考えておられるのか、ちょっと説明をしてください、素人に分かるように。
#80
○政府参考人(塩田幸雄君) 新しい制度において相談事業、ケアマネジメントが非常に重要だということでありますけれども、ケアマネジメントについても三障害まとめてやっていこうというところと、それとは別に、障害種別ごとにやるべきだと。これ、多分、地域によって置かれている事情が違うと思いますし、法人によっても、例えば知的障害だけでやろうという社会福祉法人もあれば、精神障害も知的障害も身体障害もやろうという社会福祉法人もありますので、それぞれ地域の実情に応じて適切な対応をしていただくということだろうと思います。
#81
○朝日俊弘君 何かだんだん心配になってきたんですけれども。
 多分、すごくそれぞれの専門分野に固まったというか、特化したような形で取り組んでいるところと、少し、いや、既に現行制度でも他の障害の方たちを受け入れてやっていこうというところと、いろいろあると思うんです、あると思うんですが。
 さてそこで、それは、どうおっしゃいましたかね、今、市町村が地域ごとに適切に判断してということなんですけれども、要するに市町村で適当に考えてやってくれと、こういう程度のことなんですか。そうなると、これ、この後、総務省の方にお答えを聞こうと思っているので、隣に座っておいでですから十分意識して答えてほしいんですけれども、厚生労働省としては、このケアマネジメントの技法なり手法を使っていこうというのはそうだと。で、それをどうやって実際に動かしていくんだ、回していくんだ、運営していくんだということになると、市町村の役割が非常に大きいよと。で、市町村だけでできない場合は連合してやる場合もあるよと。都道府県が支援、協力してやる場合もあるでしょう。そして、相談支援事業者にお願いする場合もあると。しかし、その相談支援事業者というのは随分地域によってまちまち、ばらばらで、あるところもあればないところもあると。そういう説明でしょう、今の。
 さて、どうするんですかね。厚生労働省としては、どういう方向でこのケアマネジメントをできる体制づくりをしていこうと思っているんですか。市町村任せですか。
#82
○政府参考人(塩田幸雄君) 先ほど御答弁したように、それぞれ地域の実情というのは区々だと思いますので、三障害まとめてやれる体制があるところ、そういう方向が望ましいと判断される自治体、それから個別に、例えば大きな都市であれば個別にやれる体制、スタッフがいると思いますし、それは実情に応じて市町村において適切に御判断して、より良い方向で選択していただくということだろうと思っております。
#83
○朝日俊弘君 ちょっと大臣に注文しておきます。
 確かに、ワンパターンでこうしろというふうに市町村に一つのパターンを押し付けるやり方はできないと思うんだけれども、だけれども、少なくとも、こういう方向でこういうやり方とあんなやり方とあるんじゃないかというふうな一定のそのヒントとキーポイントをちゃんと示さないと、で、こういう機能は必ず担ってください、この機能の担い場所、担う場所はここの場合もあるし、あそこの場合もあるだろうと。そういうことをもう少しきちんと市町村が取り組みやすいような提示の仕方をしないと、これ困るんじゃないかと思うんですね。全部が全部市町村でやれるのかというと、多分できないんですよ。そうすると、どういう事業者との協力関係、あるいは県との協力関係をどうするのかということも含めて相当具体的に検討しないと市町村の担当者は大変困ると思うんですね。
 是非ちょっとここは、前半にちょっと質問させていただいた障害程度区分の認定の仕方、それから審査会の設置の仕方、そしてその後のケアマネジメントの在り方、市町村に課せられた課題というのは大変大きい。しかし、それにしては市町村の力量なりあるいはその他の関連する社会的資源が極めて乏しいんじゃないかというふうに思うので、ここはひとつもう少し見えるような形での提案をしていただかないと困るということを注文として大臣にお願いしておきます。
 さて、今の話をずっと聞いておられて、総務省さん、どういうふうにお感じでしょうか。私が心配しているのは、介護保険でも、保険者である市町村の保険者機能の強化ということで、かなり市町村の仕事があるいは責任が強化される。今度は障害者福祉についても市町村に一元化すると。しかも、今度の場合は基本的には国と地方との一般財源で、税で障害者福祉の仕組みを担っていくわけですから、市町村の役割が大変重要になってくる。果たしてそれだけマンパワー確保できるか、あるいは財源的に確保できるか、甚だ心配になってくる。
 よく言われるのは、市町村合併がこの間積極的に進められて、自治体の数も三千何がしから千八百ぐらいに収れんされていくだろうという話も伺う。しかし、その一方でやっぱり人口五千とか一万とかという自治体も相当数残るんですよね。そうすると、そういうところが介護保険の方も引き受けていき、さらに今度は障害者福祉について相当重い責任を担うことになる。ましてや、これまた次回に聞きますけれども、精神障害に関する人材については市町村は今までほとんど持ってないんですよ、都道府県の仕事というふうに専ら位置付けられていたわけで。
 そういう状況にあるのに、今度こういうふうに法律が改正された、さあ来年の一月からやりなさいと、こういうことについて総務省としてはどういうふうにお考えなのか、どう対応されようとしているのか。今、総務省さんの方に各自治体から、いろんな心配というか悲鳴というか要望というか、というのも上がってくるんじゃないかと思うんですが、その辺含めてちょっと御意見をいただきたいと思います。
#84
○政府参考人(武智健二君) ただいまの質問の最後に、どのような意見、要望があったのかというお尋ねがありましたので、まずそのことから御説明をさせていただきますと、例えば、自治体の創意や工夫が発揮され、自治体の裁量にゆだねられる弾力的な制度内容とすることでありますとか、障害者の自立と社会参加に向けた支援施策の充実を図るとともに、障害者福祉施設の整備等について十分な財政措置を講じることなどの要望が上げられているところでございます。
 そこで、総務省としてはいかに考えるかということでございますけれども、今回のこの法律によりまして、障害者福祉サービスの提供等が市町村に一元化されるということでありまして、介護給付等の支給に関する審査会の設置等の新しい仕組みが導入されるわけであります。そこで、具体的な市町村の体制整備について先ほどから厚生労働省の方から御説明があったところではございますけれども、総務省といたしましても、これらの個々具体的な問題についても、実際にこの制度が円滑に施行されるように、十分に地方公共団体の意見を尊重いたしまして、厚生労働省とも十分な連携を取って進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
 また、今のは個別な話でありますが、一般的に申し上げまして、福祉の問題を始め、保健、環境、都市計画など、地域住民に身近な行政というものにつきましては基礎的な自治体であります市町村ができる限り担うと、こういうことが適当であろうということを総務省としては考えておりまして、これまでも、ただいま先生が挙げられましたような市町村の合併でありますとか、そういうような手段を通じまして、市町村行財政の基盤の強化ということにも引き続き取り組んでまいりたいと、かように考えているところでございます。
#85
○朝日俊弘君 まあ、総務省さんが直接にやる仕事ということよりは、市町村の皆さんがどうやってできるように、言わば条件づくりというか、環境整備をどうしていくかということだと思います。是非、十分市町村の声というか実態を受け止めていただいて、ちゃんと厚生労働省に注文付けるところは付けてやっていただかないといけないと思います。よろしくお願いします。
 それでは、最後の質問になります。大臣に伺います。
 この間ちょっと余り十分に議論されてこなかった領域で、子供の問題をどうするのかということが残っています。障害児福祉の領域、特に障害を持った子供さんの入所施設の問題等については、実は、全体の仕組みが三年前に支援費という制度に変わったときも、実はこの分野は、より独自の課題があるというか、検討しなければいけないということで、たしか従来の措置制度を残した形で動いてきていると思うんですね。それで今日に至っていると。しかし、今後は、基本的な考え方としては、この障害児、子供の問題も含めた自立支援法という形に持っていきたいと、こういうことだと思うんですが。
 しかし、私はどう考えてみても、障害児について、成人というか、大人の障害の方たちとは違った側面があって、例えば障害の認定の在り方にしても、子供ですから、どんどん発達をして変わってくる可能性がある。さらに、子供ですから、福祉サービスだけじゃなくて教育をどうするかという面もある。さらに、子供ですから、子供さんに利用者負担しなさいというわけにはいかないと。こういう言わば幾つか事情があって、これまで支援費制度にも入らずに動いてきたという経緯があると思うんですが、これまでの、そのような形で経緯になった理由を振り返りながら、今後どういうふうにされようと考えているのか、何か三年後をめどに考えていくということのようですが、ちょっと基本的な考え方をお聞かせください。
 これで終わります。
#86
○国務大臣(尾辻秀久君) 現在、障害児の施設の利用につきましては、お話しのように措置がとられておるところでございますけれども、今回の改正においては、今お話しいただきましたように、平成十五年度に障害児の居宅サービスが契約制度、すなわち支援費制度を導入したことによりまして保護者がサービスを選択するという意識が醸成されてきたことなどを踏まえまして、契約制度を導入することを御提案をしておるところでございます。また、虐待のケースなどもございますので、障害児の保護者による適切な保護が期待できないケースに備えて措置制度も残しておるところでございます。
 委員御指摘のとおりに、障害児につきましては大人と違った側面がありますことから、障害児のサービスの見直しに当たりましては、施設利用について、都道府県等は児童についての専門的な判断が行えるよう児童相談所長の意見を聴いて支給決定を行う仕組みとすること、それからまた、障害児の在宅サービスの障害程度区分につきましては、これはお話しのとおりでございまして、障害児については、発達途上にあり成長とともに刻々と障害の状態が変化することや、現段階では直ちに使用可能な指標が存在しないということもありますことから、今回は設けないことといたしておりまして、尺度の開発は今後の検討課題としております。そういったことなど、児童という点に着目して必要な配慮を行うこととしております。
 なお、本法案の施行後三年を目途として、この法律の規定について検討を加え、現在都道府県が行っている障害児の施設への入所に係る実施主体の在り方等を勘案いたしまして、必要な見直しを行うこととしておるところでございますけれども、児童の場合には義務教育を受けるなど大人とはこれまた違った配慮が必要でありますから、今後の見直しに当たっては、これらの観点も含めて必要な検討を行いたいと存じております。
#87
○朝日俊弘君 終わります。
#88
○山本孝史君 民主党・新緑風会の山本孝史でございます。
 冒頭、大臣、この委員会の冒頭で大臣から、アスベスト問題に対しての副大臣、事務次官等々の御発言について言わば統一見解をお示しをいただきました。そのことについて大臣の御所見をお伺いをさせていただきたいと思います。
 西副大臣の御発言の、理由は何であれ行政の側に落ち度があったという認識を西副大臣はお示しになったと思います。理由は何であれ行政の側に問題があったという認識を示されたと私は思います。そのことについて事務次官は、連絡に問題があったかもよく見極めなければならないと、こう発言されておられますが、この発言は、判断を留保したとも取れるし、西副大臣の発言を否定したとも取ることができます。
 私は、今や労働省ではなく厚生労働省の事務次官なんですから、単に労働者に限らず国民の命を守れなかったことに対して、そういった立場からの御発言が欲しかったというふうに思いますし、そういった立場に立てば私はこの問題に対しての行政全体の責任は明らかだと思っておりますが、厚生労働大臣はどのような御所見をお持ちでしょうか。
#89
○国務大臣(尾辻秀久君) このことにつきましては、今、政府全体でも検証をいたしておりますし、それからまた、申し上げておりますように、西副大臣を中心にいたします厚生労働省の中にもチームをつくってしっかりと検証をしようと考えておりまして、今その作業中でございますから、検証の結果を待ちたいというふうに思っておるところでございます。
#90
○山本孝史君 連日新聞報道され、様々に事実関係が明らかになる中で、慎重な御発言で、言葉を選んでおられるのだと思いますが、西副大臣は政治家の立場として、あるいは行政におられる立場として、御自身、それまでに集められた情報に基づいて、省庁間の連絡の問題等々もあったかもしれないが、行政全体とすればやはりそこに落ち度があったという御認識に立たれて、失敗であったと、こういう御発言を私はされたと思うんですが、西副大臣、そういうことでよろしいですね。
#91
○副大臣(西博義君) 私の委員会における発言は、特に労働行政ということがテーマ、基本的なテーマでございました。労働行政の範囲というものは、当然行政の立場としてはあるということは基本でございますけれども、その労働行政を超えた、例えば御家庭だとか市民だとかの被害ということがその当時公表されたということもございまして、労働だけではなく、当時別々でしたけれども、厚生行政、それから、ちょっと環境行政がいつ発足したのかという時代的なものが私も十分確認できなかったんですが、環境行政というそれぞれの、お互いの連携のちょうど守備範囲からいたしますと、ちょうどすき間に陥った、そういう事態というものがあったんではないかという観点から私自身は申し上げたつもりでございます。
#92
○山本孝史君 西副大臣の御発言の私、趣旨はそのように受け止めておりますけれども、したがって、申し上げたように、行政全体として考えれば、やはりこの間いろいろと落ち度がありましたねと、そのことについて責任はありますね、こういうことを申し上げているわけです。大臣は今慎重に言葉を選ばれて、検討してからと、こうおっしゃいました。本委員会でも是非アスベスト問題についての集中審議をやるべきだと与党の皆様にもお願いをしております。七月一杯でその検証結果も出てくるやに聞いておりますので、その時点において大臣の御発言もいただきたいと思いますが、しっかりとした検証をしていただきたい。その後、本委員会でもアスベスト問題、八月十三日国会が閉会する前に開かせていただきたいと思っております。
 それからもう一点、テーマが変わりますが、在外被爆者に対する被爆者援護法の完全適用について各党の皆さん方にお諮りをしてまいりましたけれども、残念ながら、自民党、公明党、御賛同いただけませんでしたが、共産党、社民党の御賛同も得て、民主党三党であした本院に提出をさせていただきたいと思っております。
 あわせて、今年被爆六十年、八月六日の広島、九日の長崎、原爆記念の式典がございますけれども、大臣として、本委員会での審議もまだ進行中かもしれません、郵政法案もございますけれども、この両市での祭典に御出席をされるというお考えはございますでしょうか。是非出席をしていただきたいと思っておりますが。
#93
○国務大臣(尾辻秀久君) 八月六日は土曜日でございますから、これは国会日程まずないと思います。したがいまして、出席をさせていただきます。ただ、九日につきましては平日でございますから、委員会日程がなければ、委員会、まあ本会議も含めてでございますが、国会日程がなければ出席をさせていただきます。
#94
○山本孝史君 是非出席をしていただきたい。広島だけ行って長崎行かないというのも、ちょっと長崎の皆様にとってはと思いますし、日本国として是非その場でメッセージを発していただきたいと思いますので、心置きなく長崎にも行っていただきたいと思います。
 障害者福祉問題について、私、この間いろいろと資料を読んでおりまして、二つの課題があると思いました。一つは、精神障害者を中心とする障害者の数が大変増えてきている、その中で障害者のサービス利用の要望が大変に増えてきている、こういう状態に対して適切にサービスを提供する体制を整備するということが求められているということが一つ。もう一つは、そうした十分なサービス提供ができるような財源の裏付け、これを持続的に確保するという、このサービス提供面とそれを裏付ける財源の確保という二つの問題が今求められているのだと思います。
 そういう意味で、今朝ほどの質問の通告で、部長には申し訳ありませんが、今この支援費制度が今回大きく変わろうとしているわけですね。この支援費は平成十五年の四月からスタートしているわけですが、その法案の審議をしましたのは平成十二年の五月の国会でございました。それから五年たっているわけです。今回また、措置制度から支援費に移り、支援費から今度自立支援法に移るわけですけれども、当時のことを思い起こす意味も含めて部長にお伺いしますが、なぜ平成十二年五月の時点で措置制度から今回提案されているような自立支援法に直接移行するというような法案が提出されなかったのか、この間の事情について御説明をいただきたいと思います。
#95
○政府参考人(塩田幸雄君) 平成十二年にいわゆる社会福祉基礎構造改革というのが行われましたけれども、そのときの議論は、いわゆる行政処分、措置から契約へ、対等な立場でいろんなサービスを選択できるようなということが一つの流れだったと思います。それから、なるべく身近な自治体が、市町村が中心になってサービスを提供していこう、あるいは民間の活力をどう生かすかといった大きな議論があったと思います。
 そういう議論の中で、高齢者については介護保険という方向が示され、障害者福祉については支援費制度でいこうという流れになったんだろうと思います。その時点の考え方、いろんな議論が当時からもあったと思います。介護保険との可能性も含めての議論があったと思いますけれども、いわゆる措置制度を契約制度に持っていくことに主眼が置かれたということだろうと思います。
 その結果、今から考えれば、施設については以前から、措置費時代から義務費でしたけれども、支援費でも施設については義務費制度が維持されたと、継続されたということでありますが、在宅サービスについても、措置から契約するのに合わせて義務費を検討し、そのときに実現できておればそれにこしたことはなかったと思いますが、当時としてはそこまで省内の議論あるいは関係者との議論が煮詰まらなかった。あるいはその時点の力不足だったかもしれません。そういったいろんな背景があったと思います。
 それから、精神障害も含めて一元化するという制度を当時からも目指すべきだったと思いますが、これについても平成十二年の時点では関係者の合意を得るに至らなかったということだろうと思います。
 支援費制度を始めていろんな経験を私どもも積みましたし、市町村も積んだ、障害の関係者も積んだということで、そういう中で、支援費制度の理念をより発展するために今度の障害者自立支援法案の提案をしているということであります。
 一気に三障害を一元化し、市町村にし、義務費化というのが実現すればよかったと思いますが、残念ながらそこまで平成十二年の時点では議論として合意を得ることができなかったと、そういう経緯だろうと考えております。
#96
○山本孝史君 したがって、この五年間の間に関係者の理解がどこまで深まったのか、厚生労働省としてどこまで当時の残った言わば宿題に対する解答をしっかりつくることができたのか、こういうことだと思うんですね。そういうふうに考えますと、やっぱり支援費制度がどうなっているのかということについて、いいところもあるし、なかなか悪いところもあるという御発言をされておられるわけですけれども、そこの検証がやっぱり大変重要だろうと私は思います。
 そういう意味で、おられなくなりましたけれども、坂本由紀子さんの午前中の御質問で、支援費の費用が足りないんだと、だから毎年補正予算を組んだんだ、今年はこの法律が通らなければどうなるか分からないんだ、だから早く通せ。この議論は全く、与党というか、そのお立場として乱暴でして、そんなことは分かっているわけですよ、ここの伸びからすれば。今年だってどれだけ足りなくなるかということははなから分かっているわけです。分かっているものが足りなくなるから、この法律、無理やり審議を、短いから通せと、こういう論理立てをしておられるわけで、それは余りにも乱暴ですよ。それは与党として責任を私は放棄しておられる、回避しておられると思うわけですね。本年度だって当初予算に当然盛り込むべきなんだから、それを盛り込めなかったというところに、私は厚生労働省は努力が足りなかったということが言えると思います。
 それで、引き続いてお伺いしますが、この支援費で、措置制度の時代と同じように市町村が、とりわけ伸びているこの居宅生活支援費ですね、ホームヘルプのところの支給の要否と支給量を決定していたのは、市町村が決定していたわけです。そうしますと、支給量が膨れ上がるということは当然容易に予測ができていたわけであって、障害者の皆さん方から御要望が来る、そのことに対して市町村が予算の範囲内でできるだけ支給をしてあげようというふうに思われるということになれば、当然そこは膨れ上がっていくわけです。
 ところが、施設サービスが義務的経費である一方で、この居宅生活支援費は裁量的経費にとどまっていたんですね。ここのところで、結局お金が足りないと、こういう話になってしまうわけですが、なぜ支援費を発足させるときにこの居宅生活支援費の方も義務的経費とすることができなかったのか、このことについて御説明をいただきたいと思います。
#97
○政府参考人(塩田幸雄君) 先ほど少し御答弁したつもりだったんですけれども、社会福祉基礎構造改革の議論というのは、措置から契約へというところに議論の力点が置かれたということでありまして、その中で、従来、措置でやったものを自己決定、自己選択の支援費に移行するというところに議論の力点があったということでございます。
 費用負担の部分については、措置費時代、施設は義務費でしたけれども、在宅サービスはいわゆる補助金、裁量的経費でした。その点について、そこまで議論が及ばなかったということでありまして、当時の厚生省の福祉部局の担当者の言わばその当時の常識というのは、施設は義務費だけれども在宅サービスは裁量的補助金だと、それが当たり前のような議論として多分当時はあったんだろうと思います。当時は国の財政も自治体の財政も今ほど逼迫はしていなかったと思いますので、想定の範囲内で、許される予算の範囲内でサービスの伸びを吸収できると当時は恐らく考えたんだろうと思います。
 そういう中で、予想以上にこれは、支援費が目指した自己決定、自己選択、地域で暮らすという理念が普及したということですから評価すべきことでありますが、予想以上にサービスが広がったということ、それから予想以上に国や地方自治体の財政が逼迫して、裁量的経費という予算の分類では必要な予算を毎年毎年確保することが非常に難しくなったと、そういった事情が重なって、支援費制度、理念はすばらしかったんですけれども、抱えている矛盾点が露見をしたということだろうと思います。
 当時の担当者としては、これほど国家財政が厳しくなる、それとか、サービスが伸びるという、そこについては基礎的データをきちんと分析しなかった、読みが甘かったという点は甘んじて受けなければいけませんけれども、今回の提案は、そういった問題点、支援費の理念を実現するために問題点をどう克服するかという観点から御提案をしているつもりでございます。
#98
○山本孝史君 五年前の状況が、国家財政が逼迫していなかったなんてだれも思わない、ここにいる人たちは。経済財政諮問会議があって、バブルが崩壊した後大変な状態になってという状況の中で、それぞれの予算が大変だということはみんなが思っていた。
 だから、率直に、そこは見通しが甘かった、自分たちの判断が間違っていましたと、こうおっしゃっているのでこれ以上追及はしませんけれども、そういう状況の中で、今回こういう制度をつくらなければいけない。だから、お金が足りないんだから制度を早く通せとおっしゃるけれども、それはあの当時の見通しの甘さというものがあって、それのしわ寄せを食らっているのは障害者の皆さん方だという、このお気持ちを持ってこの法案審議に臨まなければ、そこは単なる、与党の、財源が足りないというところの責任をこの障害者の方たちに押し付けているというだけにしかすぎないというふうに私は思います。
 それで、だから何でかというと、支援費の制度の設計ってもうちょっと考えられたはずだったのになと、こう思うからです。義務的経費にするということも含めてね。
 そこで大臣にお伺いをしますが、個々人の公平な給付決定の仕組みの脆弱さが支援費制度失敗の要因と分析をされておられますけれども、支援費の支給は不公平であったところもある、このような認識でしょうか。
#99
○国務大臣(尾辻秀久君) 支援費制度におきましては、市町村が支給決定を行うに当たって、支援の必要性に応じた客観的な基準がないことから、これはもう再三申し上げておるところでございますけれども、そうしたことによりまして、市町村によってサービスの支給量に大きなばらつきがあることは事実でございます。すなわち、ばらつきがあるということを申し上げておるところでございます。
#100
○山本孝史君 そのばらつきは何で生じているのでしょうか。
#101
○国務大臣(尾辻秀久君) 今申し上げましたように、市町村によって判断がまちまちになるといいますか、申し上げておりますように、支援の必要性に応じた客観的な基準がないということが理由になっておるというふうに考えておるところであります。
#102
○山本孝史君 できるだけかみ合わせたいと思いますね。
 客観的な基準がないので地域間のばらつきが出てきたんだと。その客観的な基準がないということはちょっと横に置いておいて、サービスを必要としている方がおられる。そのところに市町村が予算の限り内においてできるだけ出そうと思われる。出さない市町村もあるのかもしれない。出そうと思われる。その出しておられるサービスの内容あるいはその必要度というものが、障害者の皆さん方の要求されている以上に出ているのか。その内容が、もう介護保険と同じ話ですけれども、その内容が適切なのか、不適切だというふうに、どちらと判断しておられるのかと聞いているんです。
#103
○国務大臣(尾辻秀久君) それぞれの市町村はそれぞれに適切だというふうに判断なさってそういうふうにしておられるんだろうというふうには思います。ただ、全体通して見ると、どうしてもその間にばらつきが生じておると、こういうことでございます。
#104
○山本孝史君 そうしますと、私、大阪ですけれども、大阪とか滋賀は大変にホームヘルプの支給量が多いですよね。大変少ないところもあって、この格差が非常に激しいんだということをおっしゃるわけですね。
 だから、たくさん出ているところが出し過ぎているということなのか、あるいは出ていないところが少ないということなのか、どちらの考え方によるかによって全然違ってくると思うんですけれども、今の御答弁ですと、市町村は適切に出していると、必要があるから出しているんだと、こういう御認識だと受け止めれば、たくさん出ているところは、決して出し過ぎているということではないという御判断でしょうか。
#105
○国務大臣(尾辻秀久君) 申し上げておりますことは、市町村がそれぞれに適切に判断をなさったということでありますから、そのことについて私どもが適切であるとかないとかということを今申し上げるものではございません。申し上げておりますように、市町村がそれぞれの御判断、適切にやっておるというふうに判断をされたものだというふうに思います。
 ただ、これは再三申し上げておる話でございますけれども、客観的な基準がない、これが定められていなかった、したがってどうしてもばらつきが生じていたということで、今回それに対する客観的な基準も定めようということを申し上げておるところでございます。
#106
○山本孝史君 客観的な基準がないんだけれども適切に支給されていたと、こういうお話になるので、だんだんこれ話がややこしくなってくるんですよね。
 私も非常に悩むんです。財源が限りがあるということも残念ながら事実ですし、たくさん皆さん方に、利用を希望しておられる方たちに行き渡らないといけないとも思います。結論から言うと、財源が余りにも少な過ぎるというところが致命的だと思いますけれども、そこは確保していかなければいけない、確保できる仕組みにしなければいけない、そのことは同意をしますが、しかし、これから先の考え方として、たくさん出しているところを減らして標準化するという考え方ですと、たくさん出しているところの方たちは大変困るわけですね。
 その出しておるところが出し過ぎておられるのか、不適切に出しておられるのかという、介護保険のときと同じで、介護保険が無理やり不適切に使っているのかというところで議論になりましたけれども、それと同じ考え方で、どう考えるかによって、私、厚生労働省の障害者福祉に懸ける理念の問題だと思うんです。
 すなわち、障害者の皆さん方が生活をする上で必要なサービスというものがある。それはやはり出してあげなければいけない、できるだけ出すべきなんだと考えますと、もっとサービス量が上がっていくはずだと思うんですね。もちろん、障害者の皆さん方にもそこは考えていただいて、できるだけ適切に使うというか、もったいないという気持ちも持っていただかなければいけないと思いますけれども。そこのところの格差というものを考えると、これから先、この法律ができるから障害者の関係福祉予算が大幅に伸びていくとは到底思えないのです。これは、障害者の数が増えることに伴って関係する予算は増えてはいきますが、サービス量が増えていくかということについては、この法律の中ではそうは思えないのですね。したがって、そこが障害者の皆さん方も大変に不安に思っておられるところではないかと私は思います。
 もう一点、塩田部長にお伺いしたいんですが、この支援費が今どういった形で使われているのか、どの程度お一人お一人の方が要求されて使っておられるのか、そしてまたその内容がどういうもので使われているのかというようなことについての、言わば実態調査というもの、支援費の利用状況調査のようなものはあるのでしょうか。
#107
○政府参考人(塩田幸雄君) 市町村において一人一人の障害者のニーズに応じたサービスが提供されているということだろうと思いますが、支援費の全体について全国的な網羅的なデータというのは実は私ども持っておりませんで、それについては現在データを集めているということでございます。
#108
○山本孝史君 ホームページでいろいろと繰っていましたら、たまさか障害者(児)地域生活支援の在り方に関する検討会というのがあって、これ厚生省の検討会だと思うんですが、そこで見ていますと、これは知的障害者の方で、その使っておられる支援費の時間が、介護受給時間数で、例えば最初に出てくる方、身体百三時間、家事二百三十七時間、移動九十五時間、したがって四百時間を超えるような形になっている。ほかの方たちでもやっぱり二百時間を超えるような形になっている方たちおられるんですね。厚生省の支援費の具体的基準の全身性障害者の場合の国庫負担の基準額、一月当たりおおむね百二十五時間ですから、この時間をはるかに超える利用をしておられる方たちがおられるのは実態だと思うんですよ。
 そういう実態がどうなっているのかということを踏まえた上で、言わば今回は支援費制度を自立支援法に変えるわけですから、この前提になる利用者の状況、生活状況における支援費の利用のされ方というものについての実態把握がないと、なかなか我々としては判断がしづらい部分がある。
 二十四時間、三百六十五日の常時介護を要しておられる方たちについてどういう形でのサービスを提供するかというときに、限定的なものになるのか、あるいはそうでないのかということについて、冒頭悩みますと申し上げましたのはここがなかなか悩みどころでして、どうするかということについての一定の回答がやっぱり要るんだと思うんですね。今はそうはいきませんけれども、しばらく待ってください、できるだけこっちの方にいきますと。所得保障の問題も同じで、今はすぐには解決しませんが、できるだけ就労と福祉を連結させながら就労支援もしますよということをおっしゃっておられる。所得保障もしていきます。それと同じで、支援費に代わる今度のサービス給付の部分も、高齢者介護と違ってできるだけ使いやすいものになるということにならないと、障害者の方たちのやっぱり日常生活が成り立たないように私もやっぱり思うんですね。これは財源に限りがある中でどうするかという問題で、これは障害者の皆さん方とそれぞれに御協議をしていく中でお互いが納得できる点を探していくしかないんだろうと思うんですよ。
 そうすると、今回かなり無理がある。時間的にも、審議の内容を皆さんに理解していただくにしても、ちょっと時間が足りないよねというのが正直な思いですよね。お互い納得ができるところは多分ないのかもしれないけれども、もう少しお互いが理解し合えるという姿勢が厚生省にも国会の側にも要るのではないかと思っております。
 そういうことを申し上げながら、この支援費のときに障害者を三区分に分けましたよね。全身性の障害者、移動のニーズを要する障害者、その他の障害者と三区分に分けて、それぞれにおおむね二十五時間、五十時間、百二十五時間というような基準を設けて国庫負担をすることにしたと。そのときに、市町村は、交付された補助金の範囲内で市町村ごとの障害者の特性に応じた運用を行うことは妨げるものではないとされておりました。
 すなわち、障害程度の、三区分されているけれども、その三区分間で補助金を流用することは認めていたので、利用を申請しない人、少ない人たちのところの言わば余ったものがたくさん使う方たちの方に回すことができて、割とこの百五十時間を超えるサービスの提供も国庫負担が付く中ですることができたというのが実態だと思うんです。
 今回、この障害程度区分が設定されて、その区分ごとに国庫負担基準が同様に設けられますけれども、今後は国庫負担について従来のような区分間を超えた流用は認めないと、こういうことになるんだそうです。そうしますと、流用が認められなくなりますと、現行のサービス水準、繰り返し申し上げますが、流用しながら百二十五時間を超える方たちにも対応していた部分が、今度はそれができなくなると、この部分のたくさん使っておられる方たちに対する国庫負担の額は決まってきますから、市町村が単費で出さなければいけなくなりますので大変に苦しくなるのではないか。また、自治体も実はこの点を非常に心配をしているわけです。
 この点について、どのように今後対処していかれるお考えなのか、お聞かせをいただきたいと思います。
#109
○政府参考人(塩田幸雄君) まず、障害者に対する福祉サービスのニーズというのは、それぞれの方の心身の状況とか介護者の状況、それから御本人の意向とかあるいは地域のサービス基盤とかいろいろありますので、個人差あるいは地域差というのは当然あるということであります。
 現行の支援費制度におきましては、そういうことを前提にしてそれぞれのサービスについては市町村が決定をしていただくということでありまして、それを前提に国と地方の財源のやり取りについて一定のルールを設けているということであります。市町村が最終的なサービスを決める、サービスの長さ、内容を決めるという点は新しい制度でも支援費と同じ考え方に立つということがまず一点、申し上げておきたいと思います。
 その上で、現行の支援費制度、国と地方の財源のやり方につきましては、御指摘がありましたように、例えばホームヘルプサービスでいえば三つの区分、全身性障害と移動ニーズを要する障害者、その他という三つの区分で、全身性障害でいえば、百二十五時間という限度額を設けて国と地方の財源のやり取りをしているということでございます。区分がかなり大まかであるということで、実際の市町村が財源を使う際には、区分間の流用を認めて全体として適切なサービスが一人一人の障害者に提供できるよう、市町村の工夫にゆだねているというのが現状の制度でございます。
 新しい制度、冒頭申し上げましたように、サービスの長さは支援費と同じように市町村が決めるという大前提の中でありますけれども、新しい国と地方自治体の財源のやり取りのルールについては、今の支援費のような三段階ではなくて、もう少しきめ細かな障害程度区分に応じて国庫負担基準というのを作りたいと思っているところでございます。現行のような大くくりではなくて、更に細かな段階を設けて国庫負担基準を作りますので、限度額百二十五時間を超えた区分を作りたいと思っているところでありまして、そういう国庫負担基準を作ることによって、新しい制度では区分間を超えた流用の必要性はないのではないか、何とか市町村で対応できるのではないかと現時点では考えているところでございます。
 しかし、いずれにしても、小さな自治体の場合にいろんなことがあった場合どうするんだとかいろんな問題があると思いますので、どんな国庫負担基準を作るかについては、地方自治体ともよく相談をした上で決めていきたいと思っているところであります。
 いずれにしても、長時間サービスを必要とされる方に対して市町村が適切なサービスが提供でき、かつそういう市町村に対して国がしっかりとした財政負担をどうするかという話でありまして、障害程度区分をどうするかという話、それから地域のサービスをどこでも同じようなサービスが提供する上で国と地方自治体のルールはどうあるべきかということでありますので、市町村を通じていろんな実態の調査、特に長時間のサービスを必要な方が、どういう状況で何ゆえに地域で差があるんだとか、どうしてこんなに掛かるケースがあったり掛からないケースがあったり、いろんなケースがあると思いますので、国としては、国と地方の関係が明確なルールを作る、それによって市町村もちゃんと障害者の方に必要なサービスが提供できるような制度にすると、そういう観点から検討をしているところでございます。
#110
○山本孝史君 先ほどの朝日先生の御質問にもあるとおりに、この障害程度区分、三障害それぞれに障害者の特性が違う中で統一した障害程度区分を設けて運用していこうと、こうおっしゃっておられるわけですよね。そこがどうなるのかというところが見えない部分と、それから今、百二十五時間を超えるような区分ができるのでそんなに御迷惑を掛けないのではないかというような、こういう御趣旨の御発言だったわけですけれども、いずれにしても、その国庫負担の基準になります標準的な費用額が決まってくると思うんですね。前回であれば、百二十五時間だとか時間数で決まっていたわけですけれども、この決まり方によって、それに対する利用者数というものがあって総枠が決まってくると、こういう考え方になるわけでしょうから、利用者が増えていく、障害者の数が増えていくことについてトータルの費用負担は増えていきますが、実態として、この基準額の決まり方、ここのところが少なくなってしまうと単費の持ち出しが大きくなってしまう。現在受けておられる方たちが、非常にサービス水準が下がってしまうのではないかという心配をされる。
 その支援費についてどう評価しておられますかと、なぜ増えてきているのですか、なぜ障害者の皆さん方が大変にいい制度だというふうに評価される方もおられるのかということの背景をしっかりつかんだ上で、しかも、申し上げたように、その支援費の利用状況をしっかり把握した上で新しい制度に切替えをしませんと、ここのところが大変大きな混乱を生じるだろうと思うんですね。私の言っている意味は多分理解していただけると思うんですが。
 したがって、現在の支援費の利用状況がどうなっているのかということの調査のデータと、それから、この障害程度区分の決め方、今決まっている三区分がどういうふうな形で決まろうとしているのか、そして、それぞれの基準額がどうなるのかということについては、どの時点で、この委員会の審議中に出てくるのでしょうか、あるいはどの時点で決まることになるのでしょうか、教えていただきたいと思います。
#111
○政府参考人(塩田幸雄君) 具体的な国庫負担基準などをどうするかということですけれども、現在の障害程度区分については自治体を通じての試行事業をやっているということでありますし、サービス利用の詳細実態把握についても現在調査をしているということでございます。障害程度区分については秋にはまとめたいと思っておりますし、その上で、その障害程度区分に応じて対象者はどのぐらいいるんだと、それから標準的な額はどうするんだ、これは年末の予算編成において、編成過程において決めるということでございます。
 以上のようなことをもって、来年度の予算編成過程の中で具体的な数値等については固めていくということになると思っております。
#112
○山本孝史君 今御答弁の中であった利用状況の実態調査をお触れになりましたけれども、その報告はいつごろ出てきますか。
#113
○政府参考人(塩田幸雄君) 利用者の実態調査の結果については、秋、九月ごろを予定しているところでございます。
#114
○山本孝史君 与党にも御提案しているんですけれども、そういう基本的なデータが出てくるのを待ってから審議をしてもいいのではないかと。
 今、六十一市町村でしたっけの障害程度区分、介護保険のときもそうでしたけれども、ここの程度区分の決め方は非常に問題で、しかもそれは市町村によってお任せしますと、こういう、さっきの、ように私は聞こえたんですが、そうしますと、市町村それぞれがどのように考えられるかによって違ってくる。今の支援費はかなり市町村、自由でしたからよかったかもしれませんけれども、そうはならないのかもしれない。審査会でどういう形で決めていくのか。予算編成で基準額が出てくるというのは、それは常ですから理解はしますけれども、しかし、大まかこのぐらいになるのではないかということが、今の予算規模と来年の予算規模の問題ですから、予算が厳しい中でそんなに増えないのかもしれません。そうすると、この基準額はどうなるのか。それによって個々サービスを受けておられる皆さん方のサービス利用量がどう変わってくるのかは大変大きいので、秋口にそれが決まってくるのであれば、秋の臨時国会で私はこの法案を審議するのが最適だと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
#115
○国務大臣(尾辻秀久君) 今、私どもとしては、検討の過程で用いましたデータ、これはお出しをいたしておるところでございます。そしてまた、これからそろうデータにつきましては、もちろんその都度御報告を申し上げることにいたしますけれども、今のお話でありますと、私どもの率直な思いを申し上げますと、午前中も申し上げましたけれども、何しろ本年度予算も十か月分、支援費としては十か月分しか組んでおりませんので、そうしたこと等を考えますと、一日も早い御審議をお願いしたいというのが私どもの思いでございます。
#116
○山本孝史君 今年は有り難いことに収入が一兆幾らかの黒字になっていまして、毎年のことですけれども、厚生省は必要な生活保護費の全額を当初予算に組み込みませんので、必ず生活保護費の足りない分の補正予算を組まなければいけないんです。したがって、補正予算を組むことはできると思いますし、当初から十か月しかないので何とかここでという話は私はなかなか理解ができないと思います。お互いが理解を深める意味でももうちょっと必要ではないか。
 それと、お考えは分かりましたけれども、今回のこの法律に基づいて作られる障害福祉計画の策定をするということですけれども、そのガイドラインをお示しになる。すなわち、こういうサービスについて組み込みなさい、それぞれについてはこういうふうに見込みなさいというようなガイドラインが出てくるのだろうと思っておりますが、この理解が正しいのかどうか、そうであればそのガイドラインはいつごろ示されることになるのか、お答えをいただきたいと思います。
#117
○政府参考人(塩田幸雄君) 障害者自立支援法案におきましては、地域におけるサービスの目標を立てていただくということで、市町村、都道府県に障害者計画を作っていただくということになっております。その際に、国の方からガイドライン、指針をお示しをしたいと思っているところでございます。
 その際には、計画策定の手続でありますとか、障害福祉サービスの見込みをどういう形で見込むのか、あるいはどういう形でそのサービスを確保するのか、あるいはほかの障害者計画との関係とかいったことについての考え方をお示しをしたいと思っているところでありまして、年内には自治体の方にお示しできるよう作業しているところでございます。
#118
○山本孝史君 以前は今年の秋ごろと聞いたような記憶がするんですが、年内というのは年末まで来るんですか。
#119
○政府参考人(塩田幸雄君) 指針については年末を考えているところでございます。年末までにはということでございます。
#120
○山本孝史君 そうしますと、その指針を受けて市町村はそれぞれ、どういうふうにしてサービスを確保するか、どのぐらいにサービス量を用意しなければいけないかということを年が明けてから考え始めると、こういうことになりますか。
#121
○政府参考人(塩田幸雄君) 法律に基づく計画自体は十八年度中にということでありますが、一方で、毎年毎年のサービスの確保も必要でありますので、長期的な目標と次の年の予算確保のための作業、これは並行してやっていくことになると思います。
#122
○山本孝史君 行政のやり方がよく分からないのでお聞きするんですが、障害福祉計画というのは確かに長期的な計画ではありますが、その最初の年は来年に来るわけでしょう。十八年を初年度とするものを組むとして、それの基準が年末に示されると、そこから決め始めて、いつ決めればいいということになるのでしょうか。
#123
○委員長(岸宏一君) どなたがお答えになりますか。
#124
○山本孝史君 ちょっと待ってやってください、考えていますから。
#125
○政府参考人(塩田幸雄君) あくまで、長期的な目標の計画の作業と、実際の法律が施行してできるサービスのために必要な作業と、これは峻別して考えていただいて、法律の施行のものについては来年一月までにちゃんとしなければいけませんし、中長期的な計画を定めるためのガイドラインは、十八年度中に市町村に定めていただくものですので、それに間に合うように国の方の指針をお示しするということでございます。
#126
○山本孝史君 そうすると、長期的なガイドラインに関するものは年末に出ますが、来年のものについてはそれまでの間にどうするかを考える。かなり急な作業を市町村にまたお願いすることになるのかなと思うんですけれども。
 そのときに、障害者基本計画に基づく障害者計画を策定するということになっていた。介護保険ができましたときの平成九年五月の衆議院の厚生委員会の附帯決議で、障害者基本計画に基づく障害者計画はすべての市町村で策定されるよう指導することということになっておりました。ところが、平成十六年の三月末で数値目標を組み込んだこの障害者計画が策定されたのは全市町村の三一%にとどまっております。
 先ほどの朝日委員への御答弁で、数値目標を入れた今度は障害福祉計画を全市町村で策定するという御答弁でした。障害者基本計画に基づくプランで、繰り返しますが、数値目標を入れて作っているのはわずか三一%にとどまっている。そういう状況の中で、すべての市町村で数値目標の入った障害福祉計画が速やかに策定されるのだろうか、大変に心配に思います。その基になるのもこのガイドラインだと思いますが、今度こそちゃんとした計画が立てられるのでしょうか。大臣、いかがでございますか。あるいは担当者でも。
#127
○政府参考人(塩田幸雄君) 障害者基本法に基づく市町村の障害者計画、先般の改正で策定が義務付けられましたが、策定状況が今の状況であるということについては委員の御指摘のとおりでございます。
 障害者基本計画は、福祉だけじゃなくて、教育、住宅とか、バリアフリーとか、全般にわたる計画を作るということでございます。今度の私たちの障害者自立支援法に基づく計画は、福祉サービスに特化した計画を作っていただくということでありまして、福祉サービスという意味では、数値目標なしの計画では絵にかいたもちですので、市町村には必ず数値目標を入れた計画を作っていただくということであります。これが中長期的に障害を持つ方の市町村のソフト、ハードの基盤を整備する上での基本でありますので、市町村には必ず作っていただくということで、そのためにはいろんな形で国の立場から市町村にはアドバイスをしたいと思っておりますし、都道府県にも協力をしていただきたいと思っております。今度は数値の計画を作っていただくということでございます。
 障害者基本法に基づく障害者計画と今度の法律に基づく福祉計画、長期計画については、整合性を持ったものにしていただくということで、実質的には両方重ね合った、重複するような形で自治体では計画を十八年度中に作るという作業に入っていただくということになるんだろうと考えているところでございます。
#128
○山本孝史君 作らなければいけないというような何かインセンティブというか、あるいは強制力というか、何かそういうものは働くんでしょうか。
#129
○政府参考人(塩田幸雄君) 支援費の最大の課題が財源の確保ということでありました。それから、そのために市町村がハード、ソフトの仕事をしやすくしていくために新しい法案を考えているということであります。
 そのための根っこの計画が市町村の計画でありますので、それなしでは国として財源の確保ができない、財務省に対して物を申すこともできないということでありますので、例外なくそれは作っていただきたいと思っておりますし、義務費については、サービスを提供すれば、当然、負担金でありますので機械的な計算で国庫負担をしなければいけませんが、裁量的経費の部分については、やはり努力をしている市町村にウエートを置いた配分、それをやると言っているつもりはございませんが、そういう気構えも持って市町村に対しては指導していきたいと思っております。
#130
○山本孝史君 国全体の予算は恐らく、障害程度区分ごとの国庫負担の基準額というものがあって、それで利用者数を全国で掛け合わせて国全体としては予算を確保すると、こういうことになるんだと思うんですね。それとは別個に障害者の福祉計画が市町村ごとに数値目標が入れて立てられる。それを積算してくるものと国全体が確保する予算とは必ずしも一致しないんだという御答弁もいただいたんですが、この理解でよろしいですね。
#131
○政府参考人(塩田幸雄君) 市町村の計画もそれぞれの事情に応じた部分があると思いますので、全部足し合わせたものがそのまま国の数値目標というものではないということは御指摘のとおりであろうと思います。
#132
○山本孝史君 それこそ絵にかいたもちに終わらないですかね、そのプランが。
 それから、ガイドラインをお作りになる。それぞれの市町村は自分たちのやっぱり中で、もちろん国庫負担とはかかわりのない、今おっしゃったように裁量的経費で自分たちの中で確保する部分もあるのかもしれません。しかし、国全体として障害者の福祉をここまでレベルアップしようというプランがあって、その中で予算が獲得されて、それぞれ市町村が、それでもやっぱり足りないよと、こんな状況があるよということで更に積み上げていくような圧力になっていくというようなことでないと、障害者プランを作っても、何ら国の方とかかわりがないのでは意味がない。市町村は余り私は意欲的に障害者プラン、この障害福祉計画を作る気にならないのではないかと私は今の御答弁を聞いていて思いました。
 それで、残りが、時間が短くなってきましたので、かなりの質問を次回に送りますけれども、基本的に考えて、障害者にかかわる予算がやっぱり少ない。障害者の数の増え方というものと障害者に関する福祉の予算とを比較してみると、ほとんどパラレルになっていますので、人数が増えた分は確かに増えているのかもしれないが、それでは今これだけ乏しい障害者の福祉サービスがレベルが上がるとは到底思えないのですね。
 大臣にお伺いをしたいのですが、なぜ障害者の福祉予算は伸びないのだろうか、素朴な疑問を私は持つのですが、大臣は、財務省との交渉あるいは政府内でのいろいろな流れ等々を踏まえられて、これから先、障害者の予算は増えていくんだろうか、なぜこんなに増えないのだろうかという素朴な疑問にお答えをいただきたいと思います。
#133
○国務大臣(尾辻秀久君) まず、数字だけはやはりお示しをしておきたいと思うものですから申し上げたいと存じます。
 福祉サービスのほか、福祉手当や医療関係経費を含めた障害保健福祉関係予算について見ますと、平成十五年度が六千六百五十九億円、それから平成十六年度が六千九百四十二億円でありますから、四・二%伸びておりますし、さらに、平成十七年度は八・五%伸ばしておるところでございまして、そういう意味では、他の予算から比べますと着実に伸びておるということは言えると思います。
 それから、特に申し上げておきたいことは、支援費制度の創設以来ニーズが顕在化しております在宅サービスについて見ますと、平成十五年度は二七・八%増になっておりますし、平成十六年度は三七・三%増、それから今年度も当初予算ベースで既に五四・五%増と、極めて大幅な増額を図ってきたということだけは是非御承知いただきたいと思いましたので、あえて申し上げたところでございます。
 ただ、そうはいいましても、大変厳しい予算の中で、決して予算が、全体の予算で見ますと、伸びてきた、十分に伸びてきたということはなかなか言えない面を持っております。それはなぜかと聞かれますと、一面言いますと、私の力不足というふうに言わなきゃならないところもあろうかと思います。このことは率直に申し上げたいと存じます。
 ただ、かねて議論をしております中で、どうしても国全体の予算が厳しいと社会保障に対する風当たり、これはもう申し上げるまでもないと思いますが、全体の予算の中で大変大きな部分占めておりますので、どうしても厳しくなる。このところの経済財政諮問会議との議論などももうお聞き及びだと思いますので、その中身などは申し上げませんが、絶えずああした議論の中でこの予算のことを議論せざるを得ない、そうした大変厳しい状況にあるということを申し上げたところでございます。
#134
○山本孝史君 ちょっと期待したような答えでなかったんですけれども。
 障害者の数の調査が数年置きにしかなされませんので、何年か前の数を足し込んで今の障害者の数はこれですということと予算の比較をしますと、予算の方が伸びているように見える。だけど、実際のところは障害者の数は、ちゃんと毎年に振り分けて推計してみると、今かなり増えてきていて、ここはもっと増え方が大きいような気がします。
 それと、顕在化してきたとおっしゃいますけれども、元々我慢しておられた部分があって、支援費ができて知的障害者の方たちが外出の介護を受けられるようになって大変生活領域が広がってということで喜んでおられるという部分もある。それぞれ支援費がどういうふうにその方たちに受け止められていて、どのような評価を受けているのかということは、きちんと踏まえた上で議論する必要性があると思います。
 しかしながら、予算はやっぱり足りないと思う。私たちはそこで、介護保険というものを、すべての方たちのリスクに対応する、障害のリスクに対応する制度として展開をしていく中で考えていったらどうだろうと、こう御提案を申し上げたわけだけれども、与党の皆さん方は残念ながら乗ってくださらなかった。
 障害者のやっぱり予算をどうやって確保していくかということについては、もう少し知恵を絞らないといけないと思います。大臣のお力がないと、こうおっしゃったわけだけど、限られている予算の中で予算の配分をもう少し変えるということももちろんありますし、しかしながら、もっともっと予算はやっぱり必要だということだと思います。
 ということを今日は申し上げて、あと扶養義務者の範囲と所得保障の問題とかいろいろありますが、全部積み残しましたので次回の質問にさしていただいて、足立さんに譲りたいと思います。よろしくお願いします。
#135
○足立信也君 民主党・新緑風会の足立でございます。
 私は、先ほど山本さんも積み残しがあるというふうにおっしゃいましたが、これはやっぱり政治とは何かという根本にかかわる問題ですし、障害者福祉の理念にかかわっておりますので、最低二回の質問機会はあるだろうという判断をいたしまして、本日は、まず子供を中心にやろうと、次回大人を中心にやらしていただこうと、そのように考えました。
 本日は三つポイントがございます。それは、児童デイサービスと、育成医療と小児慢性特定疾患事業の関係、それから、障害度が強くなるに、それに従って自己負担が増えていくんだという逆進性の問題、この三点だけはクリアしたいと思いますので、答弁をなるべく簡潔にお願いしたいと、そのように思います。
 では、ここに、「ぜんじんきょう」ですね、全国腎臓病協議会の今月の雑誌があります。この中で、要望で、この法案が成立すれば多くの患者が経済的により苦しむんだという患者さん団体の訴えに対して尾辻厚生労働大臣は、私一人の頑張りではどうにもならないほど厳しい状況、患者団体にももっと声を上げてほしいというふうに答えられたというふうに書かれております。
 そこで、まず私は、そのままうのみにできるかどうかということで、もちろん全腎協の方にも問い合わせをいたしました。この内容が、これは取りようによっては明らかに大臣の姿勢が見えるわけで、まず事実関係を確認したいと思います。この記事のやり取りは、このまま真実なんでしょうか。
#136
○国務大臣(尾辻秀久君) 今御指摘いただきました発言は、本年五月の二十六日に全国腎臓病協議会の皆さんとお会いして、その会談の場で申し上げたことであります。正確には記憶いたしておりませんけれども、その場にいた者など役所の者もおりましたので、まあ大体どういうことを申し上げたかということで申し上げますと、更生医療を含め、医療費全体の確保に努めることについては私一人の頑張りではどうにもならないほど厳しい状況にあるので、当事者の皆様にももっと声を上げていただいて、ともに必要な医療費の確保に取り組んでまいりたいと申し上げたものでございます。私の記憶いたしておりますところでも、とにかく御一緒に頑張りましょうということを申し上げた記憶がございます。そういうことであったと思います。
#137
○足立信也君 もちろんそういう大臣のお答えを参考にされて、あるいは自主的に、連日多くの障害を持った方々が行動されているというのは、もう皆さん当然のことながら御存じ。まあ車であの前を移動する方には見えないかもしれませんが、私どもはいつも歩いておりますから目にするわけでございますね。
 私の立場から言わせていただくと、この炎天下、障害を持った方は大体水分が足りない状況になっておりますから非常に危険。それから、透析をやられている方々は透析の合間であると水が余っている状況で、これもまた危険だと。ある意味、命を懸けて訴えているところがあるわけですね。
 日本の障害者の六百五十万という数をいいますと、全人口の大体五%。各国、海外では大体一〇%から一五%。WHOでは一〇%、障害者の数。という中で、認定も非常に少ない。もちろん、先ほど予算の確保も、もっと障害者福祉に掛けるべきではないかという考えがあるわけです。
 で、その認定が少ないということは、決して障害者の方々は自分のためだけに動いているんではないと。もっと多く、声を上げられない人もいるし、さらに、障害者は一定の頻度で出てくるわけでございますから、その方々のためも思って頑張っておられる。だとしたら、やはり地方へ出向いて公聴会を開いて地方の方の意見を伺うというのは絶対に必要なことだと私は思います。理事の先生方にも是非その点を考慮していただきたいと思います。
 私は、先ほどの尾辻大臣のこの答えが、私一人の頑張りではどうにもならないって、これは経済的なことを申し上げたというふうに言いましたが、私は法案そのものに多少疑問は持っているんじゃないかなというふうにとらえました。
 その点は、先ほどの御答弁、それ以上のものは出てこないと思いますので次に行かせていただきますが、衆議院の修正案では、目的に障害者基本法の理念にのっとりというふうな修正が加えられました。この参議院の厚生労働委員会で障害者基本法の附帯決議、一九九三年の附帯決議で、自閉症や難病施策をきめ細かく推進する、これが附帯決議で決められております。そして昨年、また附帯決議でこの「自閉症」という言葉が「発達障害」というふうに明記されて、この施策をきめ細かく推進しなければいけないというふうに、この委員会でそういう附帯決議がなされております。
 そこで、大臣は今年の年頭の記者会見で、制度の谷間をなくしていくんだと、それが私が一番やりたいことなんだということを話されたわけですね。先ほどの障害者基本法の附帯決議にものっとって、今回、三障害、その中にはもちろん障害児も入っておりますが、三障害を一本化するような法案を作成するに当たって、発達障害や難病患者さんも含んだ、包含したような法案を作ることは私は責務だと思ってますし、大臣もそのつもりだったと思っているんですね。この認識が、この障害者自立支援法を国会提出するに当たって、当初は発達障害や難病の方々を包含したような法案を考えてそれを作ろうと思われていたんでしょうか、それとも最初からそれはもう頭になかったということなんでしょうか、その点をお聞かせ願いたいと思います。
#138
○国務大臣(尾辻秀久君) これは、かねて申し上げておりますし、また年頭の記者会見でお聞きをいただきましたので、お答えも申し上げました。
 日本の社会保障の中で谷間が幾つかある。その谷間は是非埋めたいというふうに思っておるということを申し上げました。そして、その谷間の一つが障害者の皆さんのことだというふうにそのときも申し上げました。それからまた、その谷間の更に谷間だと思うのが精神障害の皆さんのことだというふうにも認識をいたしております。
 したがいまして、申し上げておりますように、こうした谷間をできるだけ埋めていきたい、そういうふうに考えておるところでございます。そして、そのまず申し上げた障害者の皆さんのことが谷間になっておる、そのことを埋めるために是非今回の障害者自立支援法というものも考えたい、そのための法律にしたいと強く思い、これまでの作業を進めてきたところでございます。
 そうした中で、今発達障害のお話もございましたけれども、発達障害の皆さん含めて、この障害者自立支援法の中で対応できる、このことが一番望ましいと思いまして、このことについても検討したといいますか、作業の中で考えたところでございますけれども、精神障害の中で、これは先生も御専門でいらっしゃるんで多分そう申し上げるとあるいはおしかりを受ける部分があるのかもしれませんけれども、まあ発達障害というと精神障害の中にひっくるめることもできるというような話を、私も説明を聞いてまいりましたし、そうした中でできるだけのことを考えたい。
 それからまた、特に三年を目途にしてこの障害者等の範囲を含め検討するというふうにされておりますから、そのときにはもう間違いなくこうした問題についてきっちり答えを出したいというふうに思っておるところでございます。
#139
○足立信也君 気持ちの中では発達障害者あるいは難病の方も含んでいるつもりなんだということは理解いたしました。
 そこで、昨年、この委員会で東京都の児童相談センターに視察に行きました。そこで、東京都が「児童相談所のしおり」というのを作っております。そこのセンターでの説明で、そこで私は疑問点を言ったわけですが、自閉症相談というのが知的障害相談の中の一つに入れられていると。ですね。で、これは今の発達障害というものに対する認識が足りないんじゃないかということをその場で指摘したわけです。それに対してその当事者は、これは厚生労働省の決めたことだから私には関係ないみたいな、木で鼻をくくったような答えをされて、こちらに戻ってきて確認したわけですね。
 で、厚生労働省の方からは、きちんと東京都に対して、児童相談センターに対して指導をして改訂させますという約束はしていただいたんですが、その後、これは児童相談所を、恐らく東京都はすべて言っているわけですから、その後の改訂の状況、進捗状況を教えてください。当然もう配布されているんだと思いますが。
#140
○政府参考人(塩田幸雄君) 御指摘ありましたように、東京都の児童相談センターの平成十六年度版のパンフレットにおきまして、相談の中身を紹介したパンフレットの中で、知的障害の中に自閉症が含まれるという誤解を与えるような表記になっておったところでございます。
 この件につきましては、御指摘がありまして、昨年の十一月、東京都児童相談センターに対して指導を行いました。この指導を受けまして、平成十七年度版のパンフレットにおきましては新たに発達障害相談の区分を設けております。その中で自閉症を整理するなどの改正、修正を行っておられます。ただし、パンフレットについては八月に発行という予定と承知しております。
#141
○足立信也君 十一月に問題点が見付かってまだ改訂版が配布されていないという、大変残念な状況であるということだけにとどめておきます。
   〔資料配付〕
#142
○足立信也君 今、資料が皆さんお手元に配付されたと思うんですが、これは昨年改正されました児童福祉法に基づいて、これではその前からですね、十八歳になるまで受けられることになっている児童デイサービスが小学校卒業とともに打ち切られてしまっているという現状についてです。
 二〇〇三年四月の支援費制度導入に合わせて、ホームヘルプ、デイサービス、ショートステイを柱とする居宅生活支援は、十八歳未満は児童福祉法、十八歳以上は身体障害者福祉法及び知的障害者福祉法にそれぞれ規定され、切れ目なく連続して利用できるように法制化されました。一昨年の四月です。
 ところが、一昨年の今度六月に障害保健福祉部長名で出された通知です。通知により、児童福祉法に基づく児童デイサービスは、対象が幼児及び小学生(養護学校等の小学部を含む)に限定されました。そのため、全国の市町村では、小学校卒業とともに児童デイサービスに対する支援費の支給が打ち切られるという事態に陥りました。障害児の家庭には小学校卒業とともに期間満了ですという通知が来ます。その通知を見て驚く家庭が数多くある。
 先ほども申し上げましたが、制度の谷間、この場合は年齢の谷間、十三歳から十七歳、十八歳になる前まで児童デイサービスが受けられない事態になっている。大臣はこの問題の認識はございましたか。
#143
○国務大臣(尾辻秀久君) 児童デイサービスにつきましては、心身の発達が著しく、また社会性や情緒の安定等をはぐくむ基礎的な時期である幼児期に療育を行うことが特に効果的であると考えておりますために、支援費制度以前より、積極的に取り組むことが望ましい対象児童の範囲を幼児及び小学生としていたところでございます。
 御指摘の平成十五年の通知でございますけれども、支援費制度に移行したことに伴い出したものでございますけれども、これはそれ以前の取扱いと実質的に文言を変えたものではございません。今、先生も資料としてお出しいただいておりますけれども、このお出しいただいたとおりでございまして、文言を変えるものではなかったところでございます。
 しかしながら、本通知は小学校卒業後の児童を一律に対象から除外しているものではないんでありますけれども、その取扱いがあいまいな表現であったために、そして、これはたしか先生が質問主意書で御指摘いただいたことがございまして、そのことずっと気になっておりまして、これを、御指摘のことは踏まえなきゃいかぬという思いがございましたので、そのように、御指摘いただいたように疑義が生じるおそれがあることから、今般、小学校卒業後の児童を一律に除外するものではない旨の記述の追加を行ったところでございます。これによりまして、今後は児童サービスがより適切に運用されていくものと考えております。
#144
○足立信也君 小学校卒業と同時に打ち切られるという認識がそれまであったのかと、つまり質問主意書を出すまでにそういう認識があったのかということを私はお聞きしたわけで、今の御答弁ですと、そういう問題は分かっていて、これは疑義を生じているから変えなきゃいかぬなと、まるで積極的に自分たちの行政側の方から努力してそう変えていったようなニュアンスにも取られますが、こういうことがありました。
 自治体側は、何度か十八歳未満まで支援費を支給できるように厚労省側に要請しているんですね。
 で、三重県、別に理由があって三重県選んだわけじゃないですけれども、去年の十一月に、中高生の児童デイサービスを何とか実施したい、そういう考えで構造改革特区構想として申請した。それに対して厚生労働省は、この提案は新たに中高生に対しても補助金を出してほしいという要望なので受け入れられないと回答しております。
 三重県側は、補助金を出してほしいとは言っていない、県単独事業として財源は県が持つので、中高生の児童デイサービスを実施することを認めてほしいんだ、児童福祉法に基づいてと再度要望しております。これに対して厚生労働省は、児童福祉法の枠の外で県単独事業として行ってもよいというふうに答えています。結局、三重県は児童福祉法に基づく中高生の児童デイサービスを行うことはできなかったんです。
 この件については、法律の解釈からいくと、どうして小学校卒業と同時にできなくなるのかということがどうしても理解できませんので、内閣府の構造改革特区担当者に問い合わせました。児童デイサービスは児童福祉法で十八歳未満までできることになっているので、中高生の児童デイサービスは法令上何の問題もなく、したがって特区をつくる必要がなかった、そういう趣旨なんですね。という答えが返ってきた。内閣府の担当者はそこまで認識しているわけです。ところが、児童福祉法に基づいて十三歳から十七歳までの児童デイサービスは実現できなかったわけです、今までは。それから先は私が質問主意書出したわけです。
 ポイントは、障害者福祉の観点から、一生のうち小学校卒業から十八歳になるまでの期間だけデイサービスが受けられないというのは、児童福祉法の観点から間違っているんではないかということが一点。それから、法律上の観点から、法律では年齢制限が全然ないのに、行政府の通知というその裁量で一律に年齢制限を加えるようなことが果たして可能なのかという点。そして、地方分権の観点から、中央官庁の権限が及んでいない自治事務に対して技術的助言という通知の形で年齢制限を加えてしまうことが果たして正しいのかと出したわけです、質問主意書を。私はこれは相当大きな問題だと思いましたが、速やかに、五日ほどで答弁返ってきまして、現状で特に問題はないということでした。
 で、二度目の質問主意書で、今度は、法律で定められている年齢、つまり年齢に区切りなくすべての年齢でデイサービスというものは受けられると。ところが、行政府の判断のみで年齢制限を加えることに読み替えることが違法ではないかという点に絞ってもう一度主意書を出したわけですね。その結果が、先ほど皆さん、お手元に配りましたように、小学校卒業してから十八歳になるまでも除外するものではないという通知の変更になったわけです。
 私は、ここで取り上げたのは、これで改善されたわけですからこれ以上余りこだわりたくはないですけれども、私は言いたいのは、全国に、障害のあるお子さん本人やあるいは保護者の方、デイサービスを今まで受けておられて、そこが非常に受入れがいい、あるいは非常に有用だというふうに思われた方にとっては、小学校卒業と同時に打ち切られるということはなくなったということを広く知ってもらいたい。それが第一点です。自治体の方は、別に厚労省としては年齢制限を加えているつもりはないというふうにおっしゃいますけれども、自治体は厚労省のそういう技術的助言に従って今まで切ってきたんだという、自治体の方は努力してきたんだということも併せて伝えたかったということなんですね。
 一つだけやはりどうしても確認しておきたいのは、このデイサービス、生活支援ということの考え方なわけですけれども、厚生労働省の心身障害研究の心身障害児の地域福祉に関する総合研究という結論で、その中の結論で、ホームヘルプ、デイサービス、ショートステイ、このようなサービスは、レスパイトサービスという保護者を介護から一時的に解放し休息させるという面だけではなく、あらゆる背景から必要とされるものであり、そのニーズは利用者によって様々であるだけでなく、同じ利用者でもそのときによって変わるものであると。大切なことは、サービスの利用者、障害を持つ本人を含めた家族が必要とする一時的な介護サービスを利用者中心に提供することであるという結論になっております。そこで、このサービスの名前を生活支援というふうに付けたわけです。
 確認しておきたいのは、先ほど、基本的に、あるいは有効なのは、児童デイサービスは早期療育だけだというような発言も少しありましたが、やはり根本は早期療育だけなんだというような発言、あるいは小学校卒業から十八歳になるまでは例外的に行うんだというような表現は是非取りやめていただきたいと。やはりすべての年齢にわたってデイサービスは一生を通して続けられるサービスですから、これは是非守っていただきたいと。そのように通知も変わりましたし、それをまた一部変更することのないように、この通知は、障害者自立支援法が成立するかあるいは成立しないにもかかわらずそのまま続くわけですから、是非とも大臣に、その年齢に区切りを設けないんだという趣旨は是非とも確認しておきたいと、そのように思います。答弁をお願いします。
#145
○国務大臣(尾辻秀久君) 基本的な考え方は先ほどお答え申し上げたとおりでございますけれども、改めて専門でいらっしゃいます先生からのいろんな御指摘もいただいております。そして、その御指摘いただいたことで一部の記述を変えたということは、今先生御自身にもお話しいただきましたし、また申し上げたところでもございます。さらにまた、今日、先生からのいろんなお話ございましたし、御指摘もございましたので、よくこれまた今日のお話を研究をさせていただきたいというふうに存じます。
#146
○足立信也君 いや、確認しておきたいのは、法の精神にのっとって、年齢制限を加えないということ、これは守っていきたいと、少なくともそれぐらいの発言はしていただきたいなと、そのように思います。
 そこで私は、その児童デイサービス、提案したいんですね。
 発達障害、非常な数で増えております。これに一番大事なことは、その子供の状態を理解してあげることなんですね。社会的に不適応になっているその子供に対して、周囲にいる人たちがまず把握してあげる、発達障害児に長時間接してあげること、理解してあげること、第三者がその子供たちの成長とともに変化を見続けることが非常に大事だと思うんです。決してそれは医療従事者だけがやることでもないし、学校のように単年度、あるいは複数年度であったにしても、短い期間、担当が替わっていくようなものではないんですね。長時間、成長とともに見ていく、見守っていくということが非常に大事だと私は思っております。
 そこで、私の地元のデイサービスの事業をやっている方に聞きました。実際上、発達障害者の方がかなり多くデイサービスを利用されている、私たちはその子たちの変化が非常によく分かるということを言っております。
 学校教育の中で特別支援教育コーディネーターというシステムができまして、小中学校のもう五〇%が指名を済んでいるという事態がありますけれども、本当にその当事者に聞きました。余り意味がないことをやっているという気がすると、そういうふうに言うんですね。
 私の提案としては、今、全国で二万五千人近い方が児童デイサービス利用されていると。一人、一人といいますか、その一人の発達障害を持った方を多くの人が長年にわたって見ていると。これが、実は発達障害の支援の起点になるのはこのデイサービスというものじゃないかなと私は思うんです。提案としては、その発達障害に対して、発達障害児に対して児童デイサービスを更に有効に利用できるような施策を講じていただきたいと、このように私は提案いたしたいと、そのように思っております。これは私の意見ですので、次の質問に移ります。
 先ほどから、同僚の朝日議員、それから山本理事から、障害認定ですね、障害程度区分判定試行事業やられております、この問題点が上がっておりますが、中に百六項目ございますね。介護給付と訓練等給付に分けられて、それぞれ障害程度区分が必要だと。介護給付に関する障害程度区分の一次判定には百六項目中七十九項目しか反映されないですね。残りの二十七項目、行動関連、精神症状関連、生活関連の二十七項目になるわけですけれども、この二十七項目をどのように扱って、どのように程度区分に反映させるつもりなんでしょうか。
#147
○政府参考人(塩田幸雄君) 障害程度区分は、個々の障害者の福祉サービスの必要度に応じて心身の状態を総合的にアナウンスしようということでありまして、市町村がサービスを決める際には重要な勘案事項の一つということであります。
 御指摘がありましたように、介護給付と訓練等給付のそれぞれに障害程度区分を設ける必要があると考えているところでございます。要介護認定基準調査項目七十九項目のほかに、コミュニケーションなどの行動上の問題に関する項目とか、話がまとまらないとか働き掛けに応じることができないとか精神障害特有の項目、あるいは交通手段の利用とか買物とか掃除とか日常生活に関する項目の二十七項目を追加しているわけでありまして、この二十七項目の調査結果をどう生かすかということでありますけれども、これにつきましても、スコア化しまして、この試行事業の状況の分析が必要だと思いますが、何らかの形でスコア化し、二次判定の判断材料にこの二十七項目についてもするという方向で検討しているところでございます。
#148
○足立信也君 二次判定の段階、つまり市町村審査会の段階で、そのチェックされている二十七項目を程度区分の判定に利用しようということなわけですよね。
 となりますと、先ほど大臣の方から、発達障害を当然含んだ、概念的に含んだ法案であるということがありました。この百六項目、特に追加された二十七項目を見ますと、その発達障害を、まあ発達障害に気付くといいますか、見付けるという表現はちょっと良くないかもしれませんが、発達障害あるんではないかと気付かせるような項目が、私の判断ではないんですね。これから程度区分を分析してまとめて報告されるわけですけれども、一次判定に利用されない項目であるならば、なぜここに発達障害を発見あるいは指摘できるような項目を追加しなかったのかという疑問が私はあるんです。
 例えば、その一つの例として、自閉症協会が出されているPARS、例えばこれなんかは、子供、幼児期あるいは児童期、そして成人に、年齢を問わず、項目のチェックで、発達障害があると思われる方とそうではない方がかなり区分よく見分けられることがあるわけですね。幼児期のデータで目立つものとしては、視線が合わないとか、言葉の遅れだとか、会話が続かない、自分の言いたいことだけ言う、友達とごっこ遊びをしない、オウム返しの返答が目立つというような項目に近いものがないんですね、二十七項目の中に。どうしてそこに入れられなかったのかなというのが、ある意味、せっかくこういう事業をやったのに残念でならない。
 また、これから発達障害を、三年を目途に障害者の範囲を検討するということであれば、また同じような事業を恐らくやるんでしょう。だとしたら、やはりどうしてここで加えなかったのかなと、それからその分析にきちんと基づいて法案作成に臨まなかったのかなというのが思われてならないんですね。
 ということで、まず一点だけ、なぜ、発達障害と気付かせる、気付くことができるような項目をなぜ入れられなかったのかなという点に関してお答えください。
#149
○政府参考人(塩田幸雄君) 御指摘があった発達障害への取組が今後の重要課題であるという点については、厚生労働省も同じ思いでございますが、今回の障害程度区分について発達障害を設けていない、取り込んでいないわけですけれども、それについては、発達途上にあって時間の経過とともに刻々と障害の状態が変化することとか、乳幼児についての育児上のケアとの区別が難しいこととか、現段階では直ちに可能な指標がなかったとか、いろんな事情があって設けていないわけでありますが、御指摘のあった問題点、そういうものを評価項目に組み入れるべきだという問題提起は大変重要な問題提起でありますし、その必要性は私自身も強く認識をしているところでございます。
 昨年の二月から、先生がおっしゃった指標を開発された先生方と厚生労働省、これは文科省も含めていろんな勉強会をしておりまして、そういう議論の中から議員立法で発達障害者支援法を作っていただいたという経緯もありますので、専門の先生の御意見も聞いて、どういう対応ができるかについては検討させていただきたいと思います。
#150
○足立信也君 検討すると言われたら、いつまでにどういう項目についてちゃんとその結論を出してくれるのかということを必ず聞くようにはとは思うんですが、恐らく三年を目途にとかいう話になるんではないかと思って、ちょっとそれは聞かないでおきます。
 二点目のポイントで、公費負担医療です。育成医療と小児慢性特定疾患について伺います。
 昨年、児童福祉法が改正されまして、小児慢性特定疾患に五百十四疾患になりました。法制化されるけれども医療費の自己負担が生じてきたわけですけれども、その最高額は入院で一万一千五百円、最高額というのは収入が多い場合になるわけですけれども、外来が五千七百五十円、これ月々ですね。
 その中で、先ほどの障害程度区分の問題と絡んでくるわけですけれども、今までの小児慢性特定疾患の概念の中には、例えば慢性心疾患、慢性心疾患に関しては内科的治療のみという規定があったわけですね。実際には、私も患者さんの御両親にお聞きしました、実際に医療費はどういう区分で払われているんですかと。それは病院の判断で、この部分は小児慢性特定疾患、この部分は育成医療ということで、極力負担が掛からないように病院側が配慮してくれていると。
 今までは慢性心疾患に関しては、内科的治療は小児慢性、小慢と略させていただきますけれども、外科的治療に関しては育成医療と、そういうふうになっていたわけですね。ところが、今回、育成医療に関しては、原則一割負担の導入と負担上限額の設定と、それから一定所得以上、これは所得税で三十万以上になるわけです。これはもう全く普通の、重度かつ継続以外は普通の医療保険と同じ扱いになるわけですね。
 ということで、非常に問題になってきたわけですけれども、今年の二月十日、厚生労働大臣の告示によって慢性疾患、小児慢性特定疾患の慢性疾患名と疾患の状態の程度が定められました。大臣告示で出ました。さらに、二月二十一日、雇用均等・児童家庭局長の通知でそれまでの通知が廃止されました。これによって、その大臣告示及び家庭局長の通知では治療法の制限がなくなったんですね。今まで慢性心疾患に関しては内科的治療のみという文言があったわけですけれども、今回の告示と局長通知からは治療法の制限は、そういう文言はございません。
 私はいろんな患者さんあるいは保護者の方から聞かれるわけですね。今までは内科的治療は小慢、外科的治療は育成医療というふうになっていましたが、今回、治療法によって制限がなくなったので、小児慢性特定疾患事業で、慢性心疾患の子供たちは手術をしようが、その手術の必要がない方であろうが、すべて小慢でいけるんじゃないのと、そういうふうに法的には解釈して間違いないんじゃないかというふうに、私は現在もそう答えています。
 当然、五百十四疾患になって、その程度が小児慢性特定疾患に該当するというふうになれば、その児童福祉法に基づいてあらゆる治療が受けられるということで間違いないと私は思うんですが、この解釈でよろしいでしょうか。
#151
○副大臣(西博義君) お答え申し上げます。
 育成医療と小児慢性特定疾患治療研究事業につきましては、従来から、御指摘のように、外科的な治療を育成医療、それから内科的治療を小児慢性特定疾患治療研究事業というふうに整理して対応してまいりました。今回の小児慢性特定疾患治療研究事業の制度改正に伴いまして、それまでの関係通知を廃止、簡素化し、本年二月二十一日に現行の通知を発出いたしました。
 その際に、先生御指摘のとおり、この通知には両事業間のこうした整理について記載はいたしておりませんが、同日付けで発出いたしましたQアンドAにおきまして両事業にかかわる取扱いについては従来どおりであるという旨を示しまして、自治体の方に通知をいたしたところでございます。
 したがいまして、育成医療と小児慢性特定疾患治療研究事業につきましては、制度改正前後において従来の取扱いを変更するものではないということでございますので、御理解を賜りたいと存じます。
#152
○足立信也君 大臣告示があって、局長通知で、今までは治療法の制限があったけれども、この新しい通知で治療法の制限の文言がなくなった、そういう法が出たわけですね。それに対してQアンドAで答えているってどういう意味ですか。QアンドAというのは何ですか。
#153
○政府参考人(伍藤忠春君) いろいろな正式の通知のほかに、いろんな疑義解釈でありますとかいろんな事務の執行上留意すべき点をQアンドAといったような形で示す場合がございますが、今回の私どもが示した通知もそういう形で、正式通知と同日付けで事務連絡と、正式のは、正式といいますか、表題は事務連絡となっておりますが、そういう形で、一問一答方式で今言ったそういう取扱いについて示したものでございます。
#154
○足立信也君 一問一答形式かどうかは別として、そのQアンドAなるものが、大臣告示あるいは通知で今までの治療法、制限があったものを廃止したという通知に勝るものなんですか。
#155
○政府参考人(伍藤忠春君) 形式的には通知、正式の通知に比べればそれに勝るとは言えないと思いますが、従来からそういう取扱いをしていたものを確認的にお示しをするということで、こういう事務連絡という形で、いろいろ今回、疾病の見直し等いろいろ作業ございましたので、そういったものも含めて、いろんな自治体からの問い合わせ、その時点でたくさんございましたので、そういったものを一括をして、できるだけ事務が混乱を来さないようにということで、この点については従来からの取扱いは何ら変更するものではありませんが、あくまでこれも含めて事務連絡という形でお示しをしたものでございます。
#156
○足立信也君 従来からの取扱い、それは従来からの通知に基づいてやってきたことを廃止したんじゃないですか、この通知で。大臣告示で疾患名とその程度が指定されて、それに該当する方々は小児慢性特定疾患事業で治療費を公費で見ていただける、重症の方であれば自己負担はなしです、そういう法律ができている。それに対して、電話に対する応答で答えているんですか。今までどおりやってくれって言っているんですか。今まで通知に基づいてやられてきたことは廃止したんじゃないんですか。どういう法的な根拠がそこにあるんですか。
 電話応対をするのが、恐らくこういう問い合わせがきっと一杯あったんでしょう。それが余りに多いからQアンドA、QアンドAというのが私はどれだけの効力があるか分かりませんが、それで答えたから今までどおりやってくれというのは、大臣告示それから今までの通知を変えて今度新しく出したと。一体、それよりも応答が、電話応答に代わるようなものがそれに勝ると言えるんですか。私の解釈が間違っているとは思いませんが。
#157
○政府参考人(伍藤忠春君) 正式通知で出すべきであったと、ではないかと言われれば、そういった面もあったかと思いますが、現場においてその後、四月以降、この点についての特別の混乱が生じておるといったようなことは聞いておりませんが、さらに自治体に対してこの取扱いを明確にすべきだという趣旨ではないかと思いますので、そういった点で、事務連絡以上の、従来型、従来のような通知レベルでこういうことをお示しをするという必要があるかどうかについては、関係部局ともよく相談をして検討していきたいと思います。
#158
○足立信也君 私は新しい通知を出し直すべきだったとは全然言ってませんよ。これはある意味、一つの事業、小児の難病に対する事業として、一つの制度で全部見ていけるんだという判断が十分加わった、その概念を生かした通知あるいは大臣告示であろうと、私はそう思ってるんです。だからこそ、患者さんにも、患者さんの御両親にも、こういうふうに法律は変わったんじゃないですかと、これは使えることなんじゃないですかというふうに私は説明してきてるんですよ。それが、通知は変わったけれども電話応対に該当するようなQアンドAで言っているから今までどおりやってくれと。しかも、その今までどおりという育成医療にはこれから自己負担が加わって、限度額まで払う人が多分多いでしょう。現場としては、同じ治療を受けられるのであれば、やはり費用負担は少ない方に流れていくのは当たり前じゃないですか。私は、その救済の意味もあるんじゃないかと実は善意に解釈してたんです。通知を出し直すべきだなんて私は一言も言っていません。
 今の大臣告示、それから通知で疾患名が付いた、そしてその程度が該当すると認められた小児慢性特定疾患の難病の患者さん方はこの制度の中で医療が受けられると、それで正しいんじゃないですか。なぜ今までどおりやってくれという簡単な、そんな言葉で済まされるんですか。大臣、どうですか。
#159
○国務大臣(尾辻秀久君) 今、私もどういう事情であったのかということを聞いておるところでございますけれども、私は、今聞いておりますところでは、新しい通知に大きく変えた、新しい通知に大きく変えたので従来のものを廃止した形になったと、こういうことで、その後の措置をどうするかという、あとは事務的な話で、確かにQアンドAみたいな形でいいのかどうかというのはあろうかと思いますが、経緯はそういうことであったというふうに今承知をいたしております。
 その上で申し上げますと、では通知を変えたねらいが何であったのか、今先生がおっしゃるようなことを意図したのかどうかということがあろうかと思いますので、そのことについては改めて事務的に答えさせます。
#160
○足立信也君 ちょっと待ってください。
#161
○委員長(岸宏一君) ちょっと待ってください。何か、足立信也君。
#162
○足立信也君 ねらいは何であったのかということを事務的に答えるんですか。それは考え方じゃないですか。よく注意して答えてください。
#163
○国務大臣(尾辻秀久君) 言葉が不適切であれば、そのように変えさせていただきます。
#164
○委員長(岸宏一君) それでいいですか。伍藤局長に答弁を求めていいですか。
#165
○政府参考人(伍藤忠春君) この点は少し、正式通知でもう少し明確に、従来どおりのような形で示すべきであったのかもしれませんが、従来の経緯を申し上げますと、この小児慢性疾患の見直しの議論、ずっと専門家あるいは患者団体の皆さんと一緒に議論をしてまいりまして、今回疾患群を一つ追加し、それからそのほかの疾病も、削除するものと新たに追加するものといろいろ議論を長い間積み重ねてきたわけでありますが、その中で今回新しい形でスタートをするということになったわけでありますが、今御指摘のありますこの新疾患、こういったものについて、外科的な対応の部分と内科的な部分について従来適用する制度が異なっておったということでありますが、これを、今回の見直しを機にこれを一方の制度に統一をしようというような議論は全くなかったわけでありまして、これは従来どおりこれからも小慢の中で実施をしていくと。
 それから、外科的な部分については育成医療と。これは、そういう従来からのその経緯がありまして、主として外形的なものについては育成医療ということで対応してきてるものでありますからそういう取扱いになっておりますし、今後もそういうことでいくということで関係者は認識をしておったものでございますが、それを明確な、同じレベルの明確な形で自治体に通知をするということにおいては、事務連絡というような形で少し格落ちのあれで、何というんですか、その明示したのがまずかったんではないかという指摘はそのとおりかと思いますが、実態を変えるという議論はなかったわけでございますから、私どもは今そういうふうに取扱いをお願いをしておるし、現場でもそのように取り扱っていただいておるというふうに考えております。
#166
○足立信也君 現場では混乱はなかった、今までと余り変わっていないということですが、私は、まずこの問題の前に、四月から改正された児童福祉法が施行される。で、四月から三か月少したって、現場では自己負担が導入されたことによって受診抑制は起きていないのか、あるいは、今まで外科的治療で育成医療として使われていた方々が小児慢性特定疾患の事業の方でやられているという実態はないんでしょうかと、三か月だけでもいいですから、調査した結果がありましたら教えてほしいということを厚生労働省に頼んだんですね。調べておりませんということでした。現場では何も混乱は起きていないとおっしゃったわけですけれども、私には調べておりませんということでした。
 私は、大臣告示と通知は非常に重いんだと、法的な効力がしっかりしたものだということの認識は私は変わりません。これからどのような対応をされるか見守っていきたいと思っています。
 私が本来ここで言いたかったことは別のことにあります。ポイントの二点目なんですが。
 小児慢性特定疾患、昨年改正するに当たって、これは伍藤局長に答えていただこうと思ったんですけれども、自己負担の額を決めるに当たって、収入とそれからその病気の重症度に応じて三通りに決めたはずです。決して収入だけではなかった。重症度に応じて、小慢事業に該当しない方、あるいは自己負担を導入された小慢事業に該当する方、あるいは最も重症の部類に属して自己負担なしの方、こういう重症度に応じた区分ができたんですね。その重症の判定の中には、障害者が必要とする福祉サービスあるいは必要とする医療についてこれから先何が必要になってくるか、治療の治癒の見通し、症状の重さ、費用の面を考慮して重症度を判定して、先ほど言った三通りに分けたんです。
 で、私が今回の障害者自立支援法の中でやっぱり気になるのは、収入に応じた負担を決めていくわけですけれども、なぜ障害者が対象でありながら障害者のその障害の重さ、そこに着目した負担の在り方というものの概念がなかったのかと。それが一番気になるところなんですね。
 例えば、私が厚生労働省に要求した資料で、一人の障害者あるいは障害児の方がいると、その人は、その原因となった疾患だけではなくて、そのほか医療費が、多くの医療費が掛かるんですね。結局は、負担の上限があっても医療費としての上限額まで払わざるを得ないというケースが多いわけです。元々、医療機関を受診する、そういうリスクを負っている方が多い。それは、障害の程度が強ければ強いほどやはりそういう傾向にあるんです。
 障害を持った方とそうではない方が一年間に利用する医療費、これの比較はできないだろうかという、資料があれば出してほしいということを言いました。昨日の通告ではそういう資料はありませんと言われたんですが、私が調べた範囲では、障害を持った方の医療費の、その他の医療ですよ、その他の医療の自己負担分、大体十万円前後。図書館で調べました。国民一人当たりの自己負担の医療費は約三万七千円。三倍違うんです。ところが、所得税三十万以上の方では全く同じ三割負担になるわけですね。医療と同じですよ。元々リスクが三倍のリスクがある、医療を必要とするそのリスクが三倍あるのに、なぜ同じ負担割合なんだと。そこに、障害者が負っている現状の把握が足りないんじゃないかと私は思っております。
 その障害の障害名だけではないんですね。それに付随する事柄が多く生じてきて、私どもは、心臓に障害があれば当然、風邪は引いたら普通の方よりもケアを十分しなきゃいけないし、肺炎にもなりやすいし、そういうことで医療費も掛かっていく。その積み重ねが普通の方よりも高いリスクとなって表れているんです。そのことをなぜ、健常な方と同じ負担割合からスタートして、それを三割という設定で、そこからスタートして、原則一割、更に減免という考えが生じたわけでしょうけれども、元々のスタートとなる三割という、収入がある程度以上ある人は三割という負担の設定そのものが、リスクを負っている方々にとってこれは平等ではないというふうに考えております。
 今日は子供に限定してやるつもりでしたので、まだそれでも一項目残っておりますし、この負担に関しては次回に回して私の質問を続けたいと思います。
 今日はここで私の質問を終わります。
#167
○草川昭三君 公明党の草川でございます。
 最初に、今回の障害者自立支援法案を足掛かりにして、今後の障害者施策をどのように展開をして充実をしていくのかという基本的な方針を大臣にお伺いしたいと思うんですが、なぜ最初にこの質問をするかといいますと、私は、前回も前々回も申し上げたと思うんですが、いわゆる社会保障の今後の在り方というものが財政というものとの関連で非常に厳しい状況に落ち込んでいるということを前々から言っておるわけであります。
 その財政上の立場からいきますと、もう御存じのとおり、いわゆる経済財政諮問会議というところで民間の有力者の方々が集まって大きな方向が決められる、そしてまた、有識者の方々が集まりまして骨太政策というもので大綱が決まっていくわけであります。ですから、過日も骨太政策の中で社会保障の在り方についてはかなりの具体的な問題点が提示をされたわけであります。もちろん、我々国会という場での議論ではないわけですね。
 それで、私どもは、これは自民党の先生方ともいろいろと話合いをいたしまして、いわゆる分かりやすい言葉で言えば厚生労働族の方々と私どもがいわゆる財政当局を相手に内閣府に対していろいろと注文を付けまして、取りあえず、マクロ経済方向、マクロ経済というものを前提にした、その中に社会保障費を組み入れるということは取りあえず棚上げにして議論をしようということになった経緯があるわけであります。ですから、これは厚生労働省に限らないんですね。今、文教政策においてもほぼ同じことなんです、義務教育の国庫負担の問題について。
 それで、非常にややこしいのは、補助金を削るという方向が出たら、分かりましたと。じゃ、どういうように削りますかということになれば、自治体の方々に相談をしようじゃないかと。じゃ、自治体の方々は、取りあえず六団体というのがあるわけですが、知事会というのが出てくる。あるいは、知事会の意見が一つの方向を決めるのかと思うと、いや、町村会の方々の意見、あるいは議長会の意見ということで、六団体がそれぞれ補助金の在り方について提言をしたのが一昨年から昨年にあったわけですね。それで、じゃ、六団体の方々のある程度の言うことを、意見を聞きながら、じゃ今後の社会保障の問題なり、あるいは、何というんですか、生活保護の在り方について議論をしようじゃないかということになったら、結局、六団体側の要望ではなくて、逆な、六団体が期待をしない補助金の削減というものになり、使いやすい交付金というものが提示をされて今日に来ておる。
 非常に中途半端な形で、従来は国対、まあ国というのの中でも厚生労働省対財務省、昔の大蔵省の綱引きだったんですが、いつの間にかそれがすり替わってまいりまして、国の考え方と知事の綱引きになる。やがて、知事にある程度の使いやすいという予算が付くと、知事と地方自治体との綱引きが始まっていっておるような気がして私はならぬわけですよ。
 そういう段階の中で、よほどこの際、社会福祉の今後の在り方というものについては長期展望を立てて厚生労働省は財政当局と話合いをするなり有識者の方々と事前に話合いをするなり、有識者の方々は、内閣府に所属をする経済財政諮問会議、あるいはまたもろもろの規制改革というところに所属をしてみえるわけですから、行政の基本的な考え方を思い切ってロングランに展望を掛けながら私はやっていかないとなかなか充実をした行政というのはできないのではないか。
 こんなことがありまして、今申し上げましたように、この障害者の自立支援法案というものを足掛かりにして、今後障害者施策というものをどういうように展開するか。特に、これは地方自治体に大変な協力を得なければいけないわけですし、地方自治体も理解をしやすい政治が必要ではないだろうかと、こう思いますんで、まず最初に今申し上げた質問をさしていただきたいわけであります。
#168
○国務大臣(尾辻秀久君) 先ほど来このことについてはお触れいただいておりますけれども、今財政が非常に厳しい、もうこれは申し上げるまでもないところであります。そうした中で、社会保障費をどういうふうにするか、社会保障をどうするのか、このことについての各方面での御議論がございます。そして、今お話しいただきましたように、経済財政諮問会議などの大変社会保障費に対する厳しい御指摘もございます。
 そういう中で、私どもが社会保障の予算を確保していく、どういうふうに頑張っていくかということについてのお話でございます。そういいますと、一番大きな課題となっておりますのは医療でございますから、そしてこの障害者自立支援法案の中でも医療というのは当然絡んでくるわけでございますが、大きく、医療ということを今後どういうふうにまず提供するのか、そしてまた医療費をどうするのかということがこの議論の中でのポイントの一つになるというふうに思っております。
 そうした今後の議論は、特にまた、かねて申し上げておりますように、医療提供体制、それから医療保険をどうするかということの見直しは来年の通常国会に御提案を申し上げようというふうに言っておりますから、今後のいろんな議論が始まると思いますし、また私どもも準備も整えなきゃならぬというふうに思っておるところでございますけれども、そうした中で、今先生に言っていただきましたように、私どもがどうして、どういう形で私どもの主張をしていくか、きっちりと主張していくことが必要であろうというふうに思っておりまして、この主張の仕方についても更に内部でもよく検討したいと今考えておるところでございます。
 一番大きく申し上げますとそういうことになりますけれども、そうした中で、では障害者の皆さんのことについてこの障害者自立支援法を足掛かりにどうやっていくかということになるわけでございますけれども、まずは、この障害者自立支援法案の中で申し上げております義務的経費にするということが大きなねらいでございますから、まずこの義務的経費にするということで今後の予算の獲得を安定させたいというふうに思っておるところでございます。財政的にいえば、まずそのことが一番大きな足掛かりにしたいというふうに考えております。
 また同時に、今、地方との関係のお話もございました。お話しいただいておりますように、三位一体の改革の中で社会保障をどうするかというのがこれまた大きな議論でございまして、このところ、率直に申し上げますと、地方との関係というのはぎくしゃくしておる面も持っております。
 しかし、いつも申し上げておることでこれもありますけれども、社会保障というのは、国と地方が一体となってそれぞれの役割を果たしながらやっていかないと、これはとてもうまくいかないものでございますから、手を携えてこのことも取り組んでいかなきゃならないということを申し上げておりますし、またそうしなきゃいかぬというふうに思っておるわけでございまして、この障害者の皆さんの施策をどうする、どう展開するかということについても、地方の皆さんとよく、こうした自立支援法案などをこれまた足掛かりにしながら、よく御相談申し上げていきたいというふうに思っておるところでございます。
 少し長くなったかもしれませんが、足掛かりにどういうことを考えるかということをお尋ねでございましたので、私の思うところを述べさせていただいたところでございます。
#169
○草川昭三君 また予算のことになって大変恐縮ですが、今年の予算に地域介護・福祉空間整備等交付金というのがありますね。それで、障害者の方々の補装具の製作施設とか、それから、私どもも昔からやっておるんですが、盲導犬の訓練施設、それから視覚障害者情報提供施設及び点字図書館の整備事業というのが今申し上げました地域介護・福祉空間整備等交付金の中の事業として位置付けられたんですが、その理由をお聞かせ願いたいと思うんです。
 また、これらの事業は、障害者地域生活支援事業にかかわる統合補助金の創設後に地域介護・福祉空間整備等交付金からこれは移行してなってくるのか、その流れをちょっとお聞かせ願いたいと思うんです。
#170
○政府参考人(塩田幸雄君) 障害者福祉に関しては、先ほど大臣から申し上げましたように、国と地方自治体との関係では引き続き国が積極的に関与することが必要な分野であると考えております。そういった観点から、本年度予算で高齢者の施設整備に関しては、児童もそうだったと思いますが、交付金化いたしましたが、障害者福祉のハード整備につきましては補助金を残したということでございます。特に、今度の障害者自立支援法案の中で施設体系を機能ごとに再編成するということにしておりますので、それを進める上でも補助金という政策手段が必要だと考えております。
 御指摘のありました盲導犬の訓練施設、点字図書館等につきましては、今回の法案による施設体系の再編の影響を直接受けないということであり、また広域的な整備をするという観点から、補助金ではなくて、新たにできました地域介護・福祉空間整備等交付金の対象に移し替えたということになっております。
 御指摘のあった地域生活支援事業に関する統合補助金は運営費の補助金ですので、点字図書館、盲導犬訓練施設等のハードの補助金ではございませんので、盲導犬訓練施設等のハード整備については引き続き地域介護・福祉空間整備等交付金で対応することとしております。
#171
○草川昭三君 今の答弁は地方自治体にとっては非常に重要な話なんですけれども、メニューによっては、補助金で残るものもあり、あるいはまた従来からのものを横滑りで丸めて町村が考えるという場面もありまして、これはよほど細かい、それこそ伝票というんですか、マニュアルというんですか、説明書きを是非地方の方に下ろしていただいて、ひとつ混乱のないように御指導を願いたいと、こういうように思います。
 三番目に、障害者の方々の中には年金のみで生活をされている方が多いわけです。それから、資産形成が、これも大変御無礼な話でありますけれども、不十分な方も多いと思います。そういうところに、今回のように定率負担の導入をするということで、大変不安を持っておみえになる方が多いわけでありますし、私どもも陳情を受けている中は大体これが一番重点ではないだろうかと、こう思うわけであります。
 なぜこの定率負担を導入するのか。分かりやすく言うならば、やっぱしその使用する金額が高くなる。本人が、負担が一定の率になりますと当然絶対金額というのは増えるわけですから、それを遠慮するということにならざるを得ない。そういうことを想定をしながらこういうものが出てきたのか、あるいは、こういう場合にどういうような低所得者対策というのを並行してやっていくのか、あるいは、当然のことながら地方自治体が障害者の方々をどういうように地方自治体の中で対応するのか。そんなことも併せてお答えを願いたいと、こう思います。
#172
○国務大臣(尾辻秀久君) 一昨年に支援費制度が施行されて以降、障害福祉サービスを実施しておりませんでした市町村が新たに事業に取り組むことなどにより、急速に給付費が増大しておるところでございます。それはまた今後とも増大するサービスになろうと存じますので、そうしたものを確保していくためには、これはもう福祉サービスの利用者の方々含め、皆で支え合っていくことが必要であるというふうに今お願いをいたしておるところでございます。
 そして、更に申し上げますと、やはり他の制度との整合性というようなこともございまして、今回、障害者自立支援法案におきましても、一定の定率負担と所得に応じた月額の負担上限を組み合わせた利用者負担をお願いいたしますとともに、また同時に、今後の安定した制度にしていくために、予算をきっちり確保できるようにするために、在宅サービスに関する国及び都道府県の負担を義務的なものにしておるところでございます。
 こうしたことによりまして、申し上げましたように、必要な財源を確保して制度をより安定的に運営しようといたしておるものでございます。
#173
○草川昭三君 定率負担をされる場合には、当然、低所得者の場合には生活保護を受けざるを得なくなってくる場合があるわけですよ。この本委員会でも生活保護の取扱いについてはもうくどいように何回か何回か具体的な事例が出て問題提起がされておりますのであえて触れませんけれども、是非きめ細かい対応をお願いをしたいと思うわけでありますし、特にこの地方自治体との関係というのも出てまいりますので、それはくどいように注文を付けておきたいと思います。
 現在、厚生労働省が障害者の所得の実態をどのように今把握をしておみえになるのか。これも衆議院の段階でもいろいろと質問が出ておりますし、参議院の場合でも過去いろいろと出ておるところでございますが、所得のみならず、障害者が置かれているところの生活状況というもの、これは単なる所得だけではなくて、住居等あるいは周辺の生活等々含めてどう把握をされておるのか、お伺いをしたいと思います。
#174
○政府参考人(塩田幸雄君) 障害者の所得などの生活状況につきましては、五年に一度、全国レベルで身体障害児・者の実態調査とか知的障害児・者の基礎調査を行っております。そのほかに、障害無年金との関係もありまして、平成十五年には国立リハセンター修了者を中心とした障害者の生活状況調査なども行ったところでございます。
 こうした一連の調査で分かりますことは、所得について言えば、例えば年金収入のある身体障害者の場合ですけれども、年収三百万円以上の方が三割いらっしゃる一方で百万円未満の方が二割強いらっしゃるということで、所得の状況は様々であります。また、四分の一を超える方が働く場がないということで不安を訴えておられたり、二割を超える方が家計は苦しいと、こう訴えておられるということであります。また、住居に関しても、施設に入っている方もいますけれども、近年は地域で暮らしたいという希望が高まっております。それから、いろんな施策の充実について言えば、周りの人の理解を求めるのが一番多いんですけれども、必要なときに必要な施設が利用したいとか、相談体制とか経済的援助とか、生活に関して様々な希望をお持ちでございます。
 このように、障害者の生活状況、多様でありまして、ニーズに応じて様々な支援策が必要であると認識をしております。
#175
○草川昭三君 今の調査のお答えの中に、百万円未満の方が二割おみえになるという非常に厳しいレポートというんですか、基礎調査の報告があるわけでありますし、独り暮らしの方が二割いらっしゃる一方で親と同居している方が四割おみえになる。親に面倒を見ていただいておるわけでございますが、そういう親御さんと私どもお話をしますと、一日でも早く、こういう言い方は非常に誤解のある言葉ですが、障害者の子供さんが亡くなって翌日私は死にたいんだよというお話を聞くと、これはもう本当に胸が詰まるわけでございますが、そういうのが私は実態だと思うんですよね。
 そういうことを我々も思いながら、利用者負担を見直す以上は、政府も積極的に障害者の実態把握に努める必要があるのではないだろうか。また、この基礎データが少ないという指摘が、これも衆議院の段階でも、またこの委員会でもよく指摘をされるわけですが、実態把握のための総合的な一回調査をやるというふうに踏み切った方が私はいいのではないだろうかと思うんですが、どうでしょうか。
#176
○国務大臣(尾辻秀久君) これも、御指摘いただいておるところでございますけれども、障害保健福祉に関する基礎的なデータについては十分でない面もあると考えております。施行後三年を目途として行う、この法律の規定についての検討などを行うに当たりましては、そうしたことが、基礎的なデータは特に必要でございますので、障害者自立支援法の施行状況の把握、それから身体障害児・者実態調査などを活用した実態の把握などに努めることといたしたいと存じます。
 そもそもデータが少ないということは、プライバシーの面に対する配慮ということも実はございますので、このプライバシーに配慮しながら、どのような方法でどのような項目について調査を行うのがよいか十分検討してまいりたいと存じます。
#177
○草川昭三君 是非、最後におっしゃいましたプライバシー保護というのは、最近非常に大切な点だと思うので、役所が来て、何かレポート出して、ぱっとまた回収するというわけにはだんだんいかなくなってきておるというので調査の方々も御苦労が大変あると思います。しかし、そういう御苦労を承知の上で、今言ったように、基礎的なしっかりとした調査をしていただきたいと思うわけであります。
 それから、利用者負担の月額の上限額という問題が出ておるわけです。それで、衆議院の厚生労働委員会においても、税制と医療保険のいずれにおいても障害者を扶養しないこととしたときには、障害者本人及び配偶者の所得に基づくことも選択できるというような答弁になっておるわけです。なぜ、障害者本人のみではなくて配偶者も入れるようになったのか。世帯の範囲の考え方について、これは我々与党からもいろいろと提案をしてなったわけでございますけれども、政府としての整理をした考え方を改めて衆議院の議論を振り返ってお答えを願いたいと思います。
#178
○政府参考人(塩田幸雄君) 従来の支援費制度におきます費用負担につきましては、障害者本人のみならず、一定の扶養義務者にも負担義務が課せられておりました。障害者自立支援法案におきましては、扶養義務者の負担は廃止しております。障害者本人のみ、障害児の場合は保護者になりますけれども、のみを法律上の負担義務者としているところでございます。
 利用者負担の上限額の設定につきましては、経済的な面におきまして世帯の構成員がお互いに支え合うという生活実態があることを踏まえまして、介護保険制度などと同様、生計を一にする世帯全体の負担能力を基準として月額負担上限額を設定することを提案しているところでございます。
 ただし、同一の世帯に属する親、兄弟、子供などがいる場合でも、その親、兄弟、子供などが医療保険制度や税制面のいずれにおいても障害者を扶養しないこととしたときは、経済実態としても生計を一にしていない者ととらえることができることから、月額負担上限額の設定に際しまして、障害者及び配偶者のみの課税状況などによることを選択できることとしたものでございます。
 配偶者につきましては、親、兄弟、子供、その他の親族とは異なり、民法上、生活保持義務が課せられております。言わば人生のパートナーとして生活が一体であるべきものでありますことから、生計を一にする者としてとらえることとしております。
#179
○草川昭三君 そのとおりの説明で衆議院の方も議論されたようでございますが、いろんな要望もありまして、選択制度というのはよほど説明をしないと、どっちがいいんですかと。もっと分かりやすく言えば、あなたにとってこちらの方が有利ですよというようなことを、教えると言うとまたこれ大変失礼な話になりますが、ある程度は明示をして、それで選択をしていただかなきゃいかぬわけでございますので、この税制の問題だとか上限の問題だとか、あるいは本人が払う、じゃ幾ら負担をするのかということ等を分かりやすく、とにかく該当者に御説明ができるように是非注文を付けておきたいというように思います。
 それから、これはどっちかといえば旧労働省的な問題点でございますが、雇用型の就労支援事業を行う事業者には障害者雇用を積極的に勧めているわけですね。これはもう今まででも過去いろんな、奨励金を出したり補助金を出したりいろんなことをやっておるわけです。ですから、事業者に負担を求めるだけではなくて、障害者雇用をこの納付金等を活用して積極的に支援をしていくべきではないだろうかと考えます。政府はどういうようなお考えか、お示し願いたいと思いますし、私ども、旧労働省の方々に障害者雇用の問題を昔から問題提起をして、雇用率を発表しろとか、ペナルティーを科したらどうだろうとか、いろんなことをやっておるんですが、現実の雇用者の立場に立つと、そうは言うけれども、安全という問題ということも考えて、安全上の配慮というのは随分考えないと大変なんですよと。もし事故でもあったらえらいことになるが、事故になったときの責任はだれがどう持つんですかと。その安全対策上は単なる機械のカバーだけじゃないんですと。そこの休憩室の問題なり、あるいは通路の問題なり、あるいはトラックなんかが荷物を上げ下ろしした場合の周辺の問題等々、山ほど問題があるんですと。
 だから、この障害者の雇用という面については、よほど幅広くやる、あるいはモデルをやる。あるいは、例えばの話ですよ、例えばの話ですが、自動車産業なら自動車産業の親会社に対して、子会社に障害者の方々をもっと採用するようにしてもらいたいというならば、やっぱり親会社を説得して、障害者の方々が作業ができるような、そういう仕事を受注させてあげなきゃいかぬわけですよね。だから、それはもう親会社もそういうことを承知の上に、じゃ、その子会社というんですか、下請というんですか、そういうところに条件付で下請作業を指示する。それにはプラスアルファの条件を付けてあげるというようなことを考えないと、単なる障害者を雇用する中小企業の社長さんに助成をするだけでは私は一向に問題は進まぬのではないかと。これは私の意見なんですが、そういうことを含めてどのようにお考えか、お聞かせ願いたいと思います。
#180
○政府参考人(金子順一君) 障害者雇用納付金制度に関連をいたしますお尋ねかと思いますが、委員御案内のように、障害者のこの納付金制度、雇用率の未達成の企業からお金を集めて、これを財源にいたしまして、雇用率の達成企業に対しまして調整金、報奨金を支払うとか、あるいは施設整備等の各種の助成金を支給するという制度でございます。そういうことで、障害者雇用対策上非常に根幹を成す制度ということになっております。
 お尋ねのございました雇用型の就労支援事業ということがこれから新しい自立支援法の枠組みの中で位置付けられるわけですが、従来の福祉工場のようなものがこの類型に該当するものでございました。この雇用型の就労支援事業というのは従業員の方と会社の間に雇用関係があるわけでございますので、これは当然のことながら障害者雇用納付金制度そのものの対象になるわけでございまして、多くのケースでは報奨金の支給対象になるということではないかというふうに考えております。こういったことでございまして、正に雇用納付金制度の主たる対象として、調整金や報奨金の支給対象になる、あるいは助成金の支給を受けることができると、こういうことでこれまで対策を講じてきているところでございます。
 ただ、議員御指摘のように、仕事の確保でありますとか、生産性の確保とか、いろんな雇用形態を取っておりますので、こういった点でのいろいろな配慮が更にできないかということではないかと思っております。
 今申し上げたようなことで、雇用納付金制度の中で対応していくということが基本かと思いますが、今般の障害者雇用促進法の改正の中で、実は、新たに事業主が自らジョブコーチを配置する場合に、このジョブコーチ支援につきまして障害者雇用納付金制度による助成金を新設をするということにしております。この助成金につきましては今申し上げました雇用型の就労支援事業者に対しても支給対象にするという方向で考えておりますので、こうした助成金の十分な活用をしていただくというようなことが一つ方法として考えられるんではないかと思っております。
 また、加えまして、今般の障害者雇用促進法の改正の中の柱の一つでもございました雇用施策と福祉施策の連携という観点から、ハローワーク、福祉施設関係者の連携を促進するための事業を予定しております。こうした中で、企業における障害者の雇用管理でありますとか、作業指導につきまして経験を持っている者を障害者就労アドバイザーとして登録いたしまして、こういった雇用型の就労事業の方にも派遣をするというようなことも考えているところでございます。
 いずれにいたしましても、仕事の確保であるとか、あるいは労働者派遣のようなものがうまく使えないかといったような御指摘も関係者の方からいただいておりますので、納付金制度の活用にも留意しつつ更に検討を加えてまいりたいと思っております。
#181
○草川昭三君 今、職業、昔でいうならば安定所ですね、ハローワークですね、今でいう。なかなかそういうところでは、どうでしょう、障害者の方々が申込みに行っても、いいところがあるという条件はほとんど私ないと思うんですね。それで、今お話がありましたように、派遣事業というのが今非常に活発なんで、個別の企業の中に入り込んでいる人が多いわけですから、その企業の中で障害者の方々でも十分対応できるような場所があるならば、元請というんですか、企業に対して、こういうところは障害者の方々の雇用に開放してもらいたいというような情報交換ができるようなのも、私は一つの方法だと思うんです。そんなことを是非参考にしていただきたいと思うんですが。
 それからもう一つは、職業能力の開発の現状。能開、能開という、旧労働省でいう能開の、能力開発。能開、能開とこう言っていますが、あれはもうできてから十五、六年になるんですか、能力開発局というのはできてから、もっと前になりますか。私は、その最初、旧労働省で能力開発局というのができたというので、何をやるんですかねと、こんなことを聞いたことがあるんですが、高度成長の時代で、非常にいわゆる新しい産業の能力を持った方がおみえにならないというようなことから、積極的に訓練校なんかを造られて、それなりに人材を提供されてきたという実績を私は評価をするものなんです。
 評価をするものなんですけれども、障害者に対する職業の能力開発というのは、一つは、障害者の方自身も様々な条件がありますから、一律にこれができるというわけにはいきませんし、ある人はIT産業なんかには非常に向くという方々も、かなり重度な方々だけれども、いわゆるシステム開発なんかにすごい能力を発揮する方がおみえになる。ただ、それがマッチしない、なかなか、求人先と提供側との。
 だから、そういうところは、私は、この能力開発局プラス、そういうミスがないようにプラスアルファの職業紹介ができるようにして、そして、この能力開発というものを、またいろんなものがあると思うんですけれども、今具体的に私は問題提起はできませんけれども、いろんな事業場を歩けばやれるであろう、適合できる能力開発というのがあるわけですから、それをやられたら非常に安定的な職場を確保することができるのではないか、こんなように思うんですが、どうでしょう。
#182
○政府参考人(上村隆史君) 障害者の職業能力開発につきましてでございますが、委員からお話がございましたように、障害者の態様も区々でございますし、また求人も当然多様でございます。職業訓練そのものは就職にいかに結び付けるかということが重要でございますので、それらを踏まえて取り組む必要があるというふうに思っております。
 そこで、障害者の職業能力開発でございますけれども、公共の能力開発施設のバリアフリー化を進めまして障害者の入校促進いたしておりますが、さらに、重度の障害者や知的障害者等につきましては、国立、県立合わせて全国に十九ございますが、障害者職業能力開発校というものを設置いたしまして、障害の態様に配慮した訓練を実施するよう努力しているところでございます。
 また、十六年度、昨年度からでございますが、障害者の能力開発校が設置されていない県につきまして、一般の能力開発校に知的障害者などを対象とした訓練コースを設けるということを進めることにしております。また、企業や社会福祉法人等に委託をいたしまして、様々な障害の態様に応じた職業訓練を推進するということにしてきているところでございます。これにつきましては、今年度も更にそれぞれ拡充をしてきているところでございます。
 今後とも、障害者それから企業双方のニーズに対応した訓練の実施に努めて、一人でも多くの方々が雇用就業に就けることができるように努力していきたいというふうに思います。
#183
○草川昭三君 旧厚生省と旧労働省が一つになってもう大分なると思うんですけれども、省庁の再編というのはなかなか難しいものがあると思うんですが、私は、厚生省と労働省の合併して厚生労働省の最もこれから実績を上げていただくのは、私が今から申し上げる質問にどう答えるかということなんですよ。
 それは、今回の障害者自立支援法を受けて、福祉政策、福祉の施策と職業能力開発の施策とをどううまく連携させるかということだと思うんです。だから、これは旧労働省的な発想の能力開発を幾らやってもやっぱり限界があるし、今日的な産業の実態から後れていく。あるいはまた、旧厚生省の立場から福祉政策、福祉政策と言っているわけですが、新しくやっぱり仕事を見付けて頑張っていただく、自立をしていただくという意味で、これは本当に、今でもやっておみえになるわけですけれども、具体的な成果を上げることが厚生労働省としての誇るべき省庁再編の私は実績になると思うんですが、その点についてお答え願いたいと思います。
#184
○政府参考人(上村隆史君) 職業訓練につきまして、障害者の方々に限った話ではございませんが、どうしても後追い的になるというジレンマが避けられないところがございます。
 ただ、いかにそのニーズを早く酌み取って訓練を進めるかということになりますんで、障害者の職業訓練につきましては、先ほど申し上げました十六年度、昨年度から開始しました委託訓練、これにつきましては、企業に限らず社会福祉法人などにもその訓練を委託いたしまして、地域の福祉関係者とも十分な連携を図りながら、個々の障害者のニーズに適合した訓練を実施するということで進めてきているところでございます。
 今後とも、福祉政策との連携を強化しながら、雇用就業を希望する個々の障害者のニーズに対応したきめ細かな職業能力開発、これを進めていきたいというふうに思っております。
#185
○草川昭三君 この質問も衆議院で大分出たと思いますけれども、市町村の審査会の委員という、どういう性格なのかということでございますが、障害保健福祉の有識者であって中立かつ公正な立場で審査を行える者であれば障害者を委員に加えることが望ましいことを市町村に助言をしていくということになっているわけであります。
 しかし一方では、こうした障害者の方が地域におられない自治体もあると思うんですが、政府は今後、障害保健福祉の有識者であって中立かつ公正な立場で審査を行う方を養成をしてでも積極的にこの審査会の委員を育てていかれるお考えかどうか、非常にこの公正中立という言葉は難しい言葉ですが、お考えをお示し願いたいと思います。
#186
○政府参考人(塩田幸雄君) 市町村の審査会の委員ですけれども、障害者の心身の状況に関し専門的な見地から客観的な判定を行うこと、それから、市町村が作成した支給決定案の合理性、公平性について意見を述べるということが業務となっております。その委員については、御指摘のように、障害者の保健福祉に関する専門的知見を有し、中立公正な立場であることが求められていると考えております。審査会の委員ですけれども、御指摘があったように、障害の実情に理解のある方が委員となることが望ましいことから、御指摘のとおり、障害保健福祉の有識者であって中立かつ公正な立場で審査が行える方であれば障害者を委員に加えることが望ましい、この点を市町村に助言してまいりたいと考えております。
 中立公正な立場で審査を行う方の養成ですけれども、一つは、国におきまして審査会委員用の審査マニュアルを作成したいと考えております。それから二番目に、都道府県におきまして審査会委員を対象とした研修会を開催することとしております。こういうことを通じまして、地域の実情に応じて、複数の市町村で市町村審査会を共同設置するよう促すことでありますとか、都道府県が市町村審査会の業務を受託することなどによりまして、市町村が適切な審査委員を確保できるよう努めてまいりたいと考えております。
#187
○草川昭三君 これも、今からの質問も市町村の窓口の立場からの質問になるわけですが、市町村が今回のことによってサービスの中身をどのように決定するか。まあ量、量になるのでしょうかね、決定する際の評価尺度あるいは基準については、障害者の方々の地域生活を可能とするような適正な基準を設定することが大切ですね。当たり前と言えば当たり前ですが、障害者の方に、どこで生活をしておみえになるについても、地域生活というのを保障してあげなきゃいかぬわけですから。
 最重度の障害者の場合を想定をすると、長時間介護サービスが確保されるような基準とすることが重要になります。その尺度の問題をどう区分を設定していくのか。また、障害当事者の意向はどの程度受け入れられるのか。これは非常に難しい話ですし、現場では、特に窓口なんかでは非常に簡単に結論が出ないようなことも多いと思うんでございますが、トラブルのないように、本当に喜んでいただけるような自治体の対応も必要でございますんで、あえて私はこの問題について御質問をするわけであります。
#188
○政府参考人(塩田幸雄君) 市町村がサービスを決定する際の評価尺度、基準でありますけれども、御指摘がありましたように、重度の障害者の方でも地域で生活が可能となるような適正な基準であることが肝要であると考えております。
 障害程度区分につきましては、現在、実証的なデータを集めるべく試行事業をやっているということでございまして、今後、その結果に基づきまして、専門家や障害者の方々等の意見も聞いて適切な基準にしていきたいと思っております。最終的には、市町村が、障害程度区分に基づきまして、障害者御本人とか家族の方とか介護者とか、いろんな方と会ってヒアリングをした上で決定するということでございます。
 いろんな形で障害者の御意見を十分市町村で反映して、聞いた上でサービスを決定していただけるような制度の運営がされるように努めてまいりたいと思っております。
#189
○草川昭三君 これもまた大変現場では難しい話になると思うんですが、精神の方々の通院公費を、医療制度の見直しに当たって厚生労働省は利用者に対しどのような配慮を行うつもりでしょうか、精神通院公費の負担ですね。
   〔委員長退席、理事国井正幸君着席〕
 また、近年、心の病を患う方が非常に増加をしておるのは、この前の委員会でも、あるいはまた例の自殺の参考人質疑の中でも随分深刻な話題が報告をされておるわけでございますが、厚生労働省として心の病対策について最近どのような取組をされておるのか、併せてお伺いをしたいと思います。
#190
○政府参考人(塩田幸雄君) 現行の精神通院公費制度につきましては、医療費の多寡にかかわらず一律五%の応益負担ということであります。その結果、所得の低い方でも高額の医療費の場合には高い負担を求められ、所得の低い方に結果的に厳しい制度になっている面がございます。
 今回の見直しでは、対象となる疾病の範囲は従来と同じですけれども、原則として一割負担をお願いしつつも、所得の低い方などにつきましては、月当たりの負担の上限額を設定しまして、きめ細かく配慮し、無理のない御負担をお願いすることとしております。
 心の病、心の健康問題については大変重要な課題でありまして、先般、この委員会でも自殺に関する決議をしていただきました。この決議におきまして、政府全体として自殺に関する総合的な戦略を取りまとめるということで、内閣官房とも相談を始めておりますし、関係省庁とも連携を取りまして、政府として何らかの戦略づくりを行いたいと思っているところでございます。
 その中で、うつの問題、大変重要ですので、今年度から戦略的研究もするということでありまして、自殺予防対策、研究面、実践面、いろんな角度で厚労省としても全力で取り組んでまいりたいと考えております。
#191
○草川昭三君 是非、上限の問題なり、負担の激変緩和というんですか、十分な対応をお願いを申し上げておきたいと思います。
   〔理事国井正幸君退席、委員長着席〕
 それから育成医療についてお伺いをしますが、もうこれも他の委員の方からも出ておったわけでございますが、障害児の障害の早期除去や軽減を図るために重要な役割をこの育成医療というのは果たしておると理解をしておりますけれども、こうした育成医療を受ける障害児の保護者は率直に言って若い方々が多いわけです。所得もそれほど多くない方が多いと思われるので、利用者負担を見直すに当たっては是非激変緩和措置を講じてやるべきではないだろうかと思いますが、見解はどうでしょうか。
#192
○国務大臣(尾辻秀久君) 育成医療は、障害のあるお子さんが健やかに育つよう、その障害の軽減等を図るために必要な医療を提供するものでございまして、他の障害に係る公費負担医療とのバランスも考えながらその維持を図ることが必要だと考えております。
 対象となる方には、この育成医療につきましては若い世帯が多いことから、高額な医療を受けた場合でも医療機関窓口での支払額が高額にならないよう激変緩和の経過措置を設けまして、健全育成の観点も踏まえて、大人を対象とした更生医療以上の工夫を盛り込んだところでございます。
 更なる負担軽減につきましては、全体のバランスもあり、厳しい面もございますけれども、御指摘も踏まえまして、激変緩和の観点から、負担の上がり幅の大きい方について例えば一定額の負担上限を設定できないかなど、更に検討してまいりたいと存じます。
#193
○草川昭三君 その次に、今度のこの障害者自立支援法案においては移動支援サービスが個別の給付ではなくて地域生活支援事業として新しく位置付けをされたわけですね。これはなかなか、この移動支援サービスというのも、簡単に言いますけれども、条件が全部違いまして、いろんな要求があるわけですが、なぜこの移動支援サービスというのは個別給付としなかったのか、これは後にもまた問題が出てくると思うんでございますが、見解をお伺いをしておきたいと思います。
#194
○政府参考人(塩田幸雄君) 外出時の支援を行う移動支援でありますけれども、障害者の社会参加を促進し、地域での自立した生活を支える上で意義のあるサービスであると認識しております。
 支援費制度におきましても移動サービスが行われておりますが、効果的、効率的なサービス提供を行う観点からは幾つか課題が指摘されておりまして、一つは、事前に支給決定が必要なため、あらかじめ予期できないニーズに臨機応変にこたえられないという面があること、二つ目に、個別給付となっているがために複数の利用者に対して一人の介護者が対応することができないといった柔軟に対応ができない問題につきまして、地方自治体や関係団体からも指摘をされているところでございます。
 こうした問題点を解決するために、新制度におきます移動支援につきましては、地域の特性や利用者の状況に応じた柔軟な形態での実施が可能になるよう、市町村の地域生活支援事業に位置付けることとしたところでございます。
 地域生活支援事業として位置付けるに当たりましては、市町村が必ず実施しなければならない義務的な事業として制度的に位置付けるとともに、その費用についても国、都道府県が補助することができる旨の規定を設けております。
 今後とも、必要なサービスが適切に受けられるよう努力をしてまいりたいと考えております。
 なお、重度の行動障害を有する方などにつきましては、移動の支援や身体の介護などをパッケージに行う個別給付のサービスメニューを新たに設けることとしております。
#195
○草川昭三君 もう時間が来ましたんで、最後の一問になります。
 今答弁がありましたその地域生活支援事業でございますが、国の予算の範囲内において市町村に対して費用を補助する裁量的経費となっているわけですね。使いやすい経費になっておるわけですが、果たして十分なサービス水準というものが確保できるのか。この地域生活支援事業に必要な予算の確保は、相当これ頑張りませんと、非常に漠とした形で要求をする事業になると思うんで、これは大変難しいことだと思いますが、そろそろ概算要求の時期にも来ましたんで、厚生省の見解を問うて私の質問を終わりたいと思います。
#196
○国務大臣(尾辻秀久君) お話しのように、地域生活支援事業の適切な実施には十分な予算の確保が必要だと考えておるところでございまして、現行のサービス水準が低下することのないよう、平成十八年度予算における予算の確保に最大限努力をしてまいります。
#197
○草川昭三君 終わります。
#198
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 障害者の皆さんの中から大きな反対の声が上がっている法案です。今日も大変たくさん傍聴の方がお見えです。
 五月に続いて七月の緊急大行動では、一万一千人の方が参加をして、このままの障害者自立支援法案では自立できないという訴えをされています。本法案は、障害者福祉制度発足以来の大原則であった所得に応じた応能負担から応益負担に転換して、ホームヘルプ利用者で平均四倍、通所施設で平均十九倍もの大幅な負担増を求めるものでありまして、見直しを求める切実な声が全国から寄せられています。
 大臣に最初にお伺いしたいんですが、五年前、二〇〇〇年度、支援費制度に移行する際に、法案審議で当時の丹羽厚生大臣がこう言っているんですね。だれもが安心してサービスが利用できるように、従来と同様、所得水準に応じた負担、いわゆる応能負担を継続すると。この答弁に照らせば、今回、応能負担から応益負担に転換する、このことによって、だれもが安心してサービス利用できなくなる、そういう事態が当然生まれるのではないかと思いますが、いかがですか。
#199
○国務大臣(尾辻秀久君) この支援費制度の利用者負担については、これまでも様々な御議論もございましたし、御意見もございました。
 例えて言いますと、平成十年六月の中央社会福祉審議会社会福祉構造改革分科会では何と言っておられるかといいますと、サービスの利用者に対しても介護保険制度における負担の考え方との整合性や低所得者に十分配慮した費用負担を求めるといった考え方が示されておりまして、本人の所得等に応じた利用者負担と、同一のサービスには原則として同一の負担とする定率の利用者負担の二つの仕組みが検討もされておるところでございます。今申し上げましたのは、過去いろんな御意見があったということでございます。
 そうした中で、この、今お話しになりましたけれども、平成十二年の支援費制度導入時においては、措置制度から契約制度である支援費制度への円滑な移行を図る観点などから、措置制度と同様の応能負担の仕組みにしたところでございます。そういう経過があって今日の支援費制度が導入されたということは今お話しのとおりでもございます。
 今私どもがお願いをいたしておりますのは、その支援費制度が、これはもう再三再四申し上げておるわけでありますけれども、どうしても財源として苦しい状況にある、こういうことで、是非そうしたことを解決するための一つの観点ということで今回の法律の改正をお願いしているわけでありますけれども、それによって制度が安定する、安定した制度の中で利用していただけるということも極めて次の大きな安心につながることだと私は考えております。
#200
○小池晃君 いや、答えていないんですがね。
 五年前は応益負担にすればだれもが安心してサービスを受けられなくなると言っていたのに、一体何が変わったのかと。五年前は激変緩和とか円滑な移行なんて、議事録調べましたけれども、一言も言っていませんよ。応益負担にしたら安心できなくなる、サービス受けられなくなる、だから応能負担でいくんだと五年前説明しているんです。
 しかも、先ほどから、その支援費の予算が増大して、これ予想以上だと言うけれども、実態見れば、ホームヘルプサービスの実施市町村、身体で八割、知的で六割、精神で五割なんですよ。二割から五割の自治体はまだサービスやっていない、そういう段階なんです。だから、予算不足予算不足と言うけれども、これはあくまで予想が不十分だったんですよ。実態のその障害者のニーズにこたえる予算を組まなかった、私は、これは政府の責任なんですよ。そのことを口実にしてこれを障害者に押し付けるなんというのはとんでもない議論だと思うんですよ。
 大臣、答えてくださいよ。五年前は、丹羽厚生大臣が、あれはたしか今井議員でしたよ、今井澄議員が聞いたときに、応益負担にしないんだと。というのは、安心してサービス受けられなくなると。それから五年間で何が変わったというんですか。所得保障は後退しているじゃないですか。何で応益負担を導入できるんですかと聞いているんです。
#201
○国務大臣(尾辻秀久君) 今お話しになりましたけれども、明らかに今後ともまだこの費用というのは増えてまいります。まだ利用しておられない方がおられる、十割には達していないということを今お述べになったとおりでありますから、十割になるということを想定しますと、またその分が増えていくというようなことが当然のこととして予想されるわけであります。
 ますます増大していくそういう費用をどうやって賄うのか、これが今日一番大きな課題になっておるわけでありますから、私どもとしては、その増大する費用を確保するために、きっちりと予算として組んでいけるように、これはもう義務的経費にするしかないと、こう考えておるわけでございまして、今回のことをお願いしておるわけでございます。
#202
○小池晃君 結局、だから、障害者が自立できるか生きていけるかということから始まった議論じゃなくて、正に、おっしゃるように、財政のことしかない議論なんですよ、これは。
 本会議で小泉首相は義務的経費にするから安定するんだと盛んに言っている。今日もそういう議論がありました。本当に義務的経費になれば安定するのか。第一に、私、部長にお聞きしますが、移動支援、手話通訳などのコミュニケーション支援、日常生活用具、地域活動支援センター、こういう大事な仕事は義務的経費の対象じゃないですよね。ということは、支援費と同様に予算不足となるおそれあるんじゃないですか。
#203
○政府参考人(塩田幸雄君) 障害者の地域生活を支援する上で、市町村の役割が国以上に私は大きいと思います。そういう市町村のどういう財政支援ができるかというところで、現在は在宅サービス全体が裁量的経費ということで、補助金ということで財政上の非常に厳しい制約があるということでございます。そういう中で、根幹となる介護的給付と訓練等給付を義務費として、国は、県も含めてしっかりと財政負担をするということをまずやるわけでございます。
 その上で、地域に応じて柔軟に対応できるサービスについては地域生活支援事業として、それも、事業実施は義務だけれども、財政支援は補助金という仕組みにしたということであります。全体の改正を通じて市町村に対する財政支援は強化されていると思います。
#204
○小池晃君 そんなことないですよ。今言ったのは、私、非常に大事な事業ばかりなんですよ。これ、裁量的経費にすれば、柔軟に柔軟にとおっしゃるけれども、柔軟に削ることが十分に可能なんですよ、これ。支援費と同様に、やっぱりこれ必要なサービス受けられなくなると。これでは不安の声上がるのは、私、当然だというふうに思いますし。
 じゃ、その義務的経費にした部分は本当に大丈夫なのか。義務的経費に転換して財政を安定させるんだと、全国どこでも必要な量を平等に利用できるようにするんだというふうにおっしゃいます。全国どこでも必要なサービスを受けられるようにすることは当然保障すべきことですが、一方で平等平等と言いながら、長時間介護を必要とする人がいる、あるいは現在平均水準超えている自治体がある、こういうところは、結局、平等にということで低い水準になれば、必要なサービス量に見合った補助額が交付をされなくなる。予算不足で結局今まで受けていたサービス受けられなくなる。支援費のときの予算不足とどこが違うんですか。全く同じ事態が起こることになるじゃないですか。ここはいかがですか。
#205
○政府参考人(塩田幸雄君) 現行の支援費制度を継続した場合と新しい法案による制度に移行した場合、どちらが市町村が障害者に対して必要なサービスを恒久的に提供できるかを比較すべきだと思います。
 現行の支援費制度は、補助金で、予算の範囲内で国は補助することができるとしか書いていない制度でございます。私たちは、そういう制度を改めて、介護については自治体に対して国と県がしっかりとした負担をするという制度に改めるということでございますので、新しい制度の方が障害者の立場からもって必要なサービスを受けられる、持続可能性という点でははるかに優れた制度だと思います。
#206
○小池晃君 それは障害者の皆さんの実態に合った議論じゃないんですよ。役所の理屈ですよ。裁量的経費であろうが義務的経費であろうが、これ、低い水準であればこれはサービス受けられないんですよ。同じことになるじゃないですか。
 結局、肝心の水準示されていないんですよ、補助基準も報酬も。義務的経費にしますと言いながら、どの水準で出すか全く説明されなければ、義務的経費になるから安心だと言われたって安心できるわけないじゃないですか。少なくとも、補助基準あるいは報酬について、検討している水準を示さなければ私は議論成り立たないと思いますが、これいまだに示されていないんですよ。これ、どうなんですか。これ示すべきじゃないですか。
#207
○政府参考人(塩田幸雄君) 現行の支援費制度は、あくまで法制度は補助金でありまして、予算の範囲内で国と都道府県は補助することができるという制度でございます。現行の制度の国と地方公共団体の助成の在り方でいいのかどうか、それよりも、負担金として、国と県、市町村の関係を負担金としてやった方がいいのかどうかという大局に立った議論が必要だと思います。
 そういう中で、実際のサービスを決めるのはあくまで市町村でありまして、市町村が必要なサービスを提供するために国の関与はいかにあるべきかという観点からいたしますと、私は負担金にして国と地方公共団体のルールをきちんとする方がはるかに優れていると思います。
#208
○小池晃君 質問に全く答えていないんですよ。そういう仕組みについては分かっているんですよ。
 しかし、義務的経費になるから安心だと言うけれども、補助基準についても報酬についても示されていないわけでしょう。その水準が低ければ、幾ら義務的経費になったって必要なサービス提供されないじゃないかと、私はそのことを言っているんです。そのことを示さなければ、議論をしろと言ったってできないじゃないですか。大臣、どうですか。こういうことを示す示すと言いながらいまだに、どういう補助基準でやるのか、報酬でやるのか、いまだに示されていないんですよ。これでどうやって議論しろというんですか。
#209
○政府参考人(塩田幸雄君) 今朝ほどからの議論でも申し上げておりますように、現在の支援費では三つの大まかな基準に基づいて国と地方公共団体で補助金のやり取りをしているということでございます。新しい制度では、障害の程度区分を更にきめ細かく設定をして、標準的な額を決めて、そのルールの下で国と自治体との、それについては実態調査をして年末の予算編成までに決めるということで申し上げているところでございます。
#210
○小池晃君 それを年末に出すというんで何で議論ができるんだと私は言っているんですよ。その水準が示されなければ議論のしようがないじゃないですか。
 だから、結局、いまだに補助基準も示されない、義務的経費にするから大丈夫だ、こう言うけれども、義務的経費であろうが裁量的経費であろうが、どういう水準で出されるのかが示されなければ、これは必要なサービス提供できないんですよ。長時間介護受けている人は生きていけないんですよ。自治体によっては大幅なサービス切下げが起こるんですよ。
 私は、安定する安定すると言うけれども、結局安定するのは国の支出だけで、障害者の皆さんの生活は今のような説明では到底安定できない、安心してこれを認めることなんて当然できないと思います。
 私は、最低限の議論をする土台が示されていない、これでは議論が本当にできないということを、この点についても申し上げたいと思います。
 それから、衆議院の確認答弁で、大臣は、激変緩和の観点から低所得者に更にきめ細かく配慮すると、こう言っている。しかし、一割負担の原則は変わっていないわけです。
 資料をお配りしておりますが、これは、厚労省が示しているいろんな例の中で、私は今日は通所施設に通いながらホームヘルプ利用する知的障害者の例を取り上げます。
 二十二日通所で十四万九千円、ホームヘルプ月三万円の利用の場合です。これ、今ほとんどの方は無料なんです。実効負担率一%といいますけれども、ほとんどの人、無料です。ところが、今度の制度によって生活保護世帯の負担は食費五千円になる。低所得一の場合は、食費と定率負担合わせて二万円になる。低所得二で二万三千円、一般世帯で三万二千三百円。繰り返しますが、現在の支援費制度では本人が非課税であれば利用料負担はありません。
 今回、負担軽減を図るために、先ほどからありますが、社会福祉法人による減免制度を設けるというふうに言いますが、例えばこのモデル試算の場合は、これやればどれだけの減額になるのか。どれだけの障害者が対象になるんですか。
#211
○政府参考人(塩田幸雄君) 衆議院におきます議論を経まして、御指摘のありましたように、在宅から、いろんなサービスを在宅で受けている場合の負担増が大き過ぎるので激変緩和が必要だという議論がございました。今朝ほども御質問に大臣からお答えしたと思いますけれども、通所サービス、二十歳未満の児童入所施設、それから長時間サービスを利用する必要がある重度障害者のホームヘルプサービスにつきましては、激変緩和の観点から、低所得者のうち、特に支援が必要となるような方を対象にいたしまして、経過措置として、社会福祉法人による減免と、それに対する公費助成の仕組みを設けたところでございます。
 今渡されたあれですけれども、一般的なケースで言えば、上限額が一万五千円である低所得者の一のグループにつきましては、七千五百円を超える部分について減免をするということで検討をしております。それから、負担上限が二万四千六百円である低所得者二のグループの方につきましては、一万二千三百円を超える部分について減免をすることにしておりますけれども、通所施設を利用する場合には、食費負担も今回負担しますので、七千五百円の減免をするということで検討しているところでございます。詳細な仕組みについて、同一法人をした場合の名寄せとかいろんな問題もありますので、細かい仕組みについて今現在詰めているところでございます。
 まずこのケース、下のケースでありますけれども、まず通所利用料につきましては、社会福祉法人の減免制度でありますので、低所得者一の場合で申し上げますけれども、七千五百円の御負担になります。それから、ホームヘルプサービスの利用料でありますけれども、三万円ということでありますので、定率負担一割で三千円の御負担になります。それから、通所施設におきます食費分ですけれども、人件費相当分が給付されるということで、原材料分ということで五千円ということでございます。
 それから、低所得者二のケースでありますと、通所施設利用料については、減免がない場合は二万四千六百円でありますけれども、減免制度、七千五百円までの減免をするということを検討しておりますので七千五百円ということになります。それから、ホームヘルプサービスの利用料については三万円ということでありますので、一割負担とすれば三千円という御負担になります。それから、通所施設の食費分について、原材料分の約五千円という御負担になるところでございます。
#212
○小池晃君 いずれにしても、今のを足し上げれば、今ほとんど費用負担なしの方が、社会福祉法人の減免を利用しても一万円以上の負担増になるわけですよ。さらに、預貯金があったり親が課税者であれば一般になりますから、これは社福減免の対象外になってくる。年金収入の半分近く、三万円を超える負担が押し付けられてくる。私、こんな社福法人の減免やったって、これが何できめの細かい減免なのかと、全く負担軽減になっていないというふうに思うんです。
 それから、今回、負担の上限が世帯の所得によって決定されて家族に負担が及ぶ仕組みが問題になっております。これについて大臣は、税制と医療保険で障害者を扶養しない場合は、障害者本人及び配偶者の所得に基づくことも選択できるというふうに言っているんですが、実態はどうだろうか。
 今のモデルケースで、障害者本人は二級年金を受給していてサラリーマンの父の扶養家族となっていると、こういう場合で言いますと、これまで費用負担ゼロです。ところが、新たな負担は月三万二千三百円になる。もし扶養家族から外れるという選択をした場合でも、利用料、食費負担は月二万円です。社福減免利用しても一万五千五百円で、今より負担は増えます。さらに問題なのは、扶養家族を外れた場合には父親の所得税や住民税の控除が減って増税になるわけです。それから、障害者本人の国民健康保険の保険料も新たに負担しなければなりません。
 国税庁に聞きますが、サラリーマンの父親と専業主婦の母、障害二級年金を受給している特別障害者の子供の三人家族の場合ということで、所得階層三百万、六百万、八百万といったところで、現行の所得税額と子供が扶養家族から外れた場合の税負担を示していただきたいと思います。
#213
○政府参考人(竹田正樹君) お答え申し上げます。
 お尋ねのそれぞれのケースにつきまして、社会保険料の額につきまして、給与の収入金額の一〇%といたしまして所得税額を計算いたしますと、まず、年収が三百万円の場合の所得税額はゼロ円でございます。子供さんが扶養親族でない場合には、これが六万八千八百円となります。年収が六百万円の場合の所得税額は十四万一千六百円、子供が扶養親族から外れますとこの所得税額は二十三万二千円となります。さらに、年収が八百万円の場合の所得税額は二十六万五千六百円、子供が扶養親族でなくなりますと四十四万六千四百円となります。
#214
○小池晃君 ありがとうございました。
 これは総務省にもお尋ねして、住民税についても試算していただいてまとめた表がお配りした二枚目の表です。これ、結局、障害者が扶養親族から外れた場合には、収入三百万円の世帯で所得税、住民税合わせて年間十万五千四百円の増税になります。六百万円の世帯では十六万三千五百円の増税になります。それから、八百万円の世帯では二十六万六千八百円の増税になるんですね。これに加えて国保料が、もし収入がなくても年間二万円から三万円の負担が掛かってくることになる。結局、本人の所得で算定したとしても利用料、食費負担は今より増えるわけです、二万円ぐらい増える。それに加えて家族が大増税、本人は国保料の負担が加わってくる。
 大臣、私、これ選択できる制度にしたんだとおっしゃいますけれども、結局、世帯の所得を選択しても本人の所得選択しても、どちらを選べと言われたって、これじゃ選択のしようがないじゃないですか。これがどうして選択できる制度だというふうにおっしゃるんですか。
#215
○国務大臣(尾辻秀久君) 細かくは申し上げませんけれども、今ここで計算しておられるようにいろんなケースが生じてくると存じます。扶養している方についての税の負担増、負担額が増えたり、障害者及びその配偶者が国民保険に加入することにより負担は増えるものと、そういうケースも出てくる。いろんなケースが出てくるというふうには承知をいたしております。
 ですから、正に選択をしていただく、いろいろ選んでいただいて選択をしていただくということを申し上げているところでございます。
#216
○小池晃君 いや、だから、選択できないって、こんなんじゃ。こんな、個人になったら大増税になるような仕組みになるわけですから、これはごまかしなんですよ。
 結局、そもそも、もう一つ聞きたいのは所得保障の問題なんです。衆議院の修正で所得確保の検討規定が盛り込まれました。これから検討するというわけですが、どれだけの所得確保をこれ目指すというふうに大臣はお考えなんですか。
#217
○国務大臣(尾辻秀久君) 障害者の所得保障についてでございますけれども、それぞれの地域における自立した生活を考える上で重要な問題だと認識をいたしております。そして、さきの衆議院での修正におきまして、就労の支援を含めた障害者等の所得の確保に係る施策の在り方について検討規定が追加されたところでもございます。
 この障害者の所得保障について申し上げますと、現在の国の財政状況などを、もう先ほど来ずっと御議論いただいておるところでございますが、その状況を勘案いたしますと、今、年金や諸手当を大きく改善することは難しいというふうに考えますけれども、障害者等の福祉に関する施策の実施状況等を踏まえまして、就労支援を含め、今後、総合的に検討してまいりたいと存じます。
#218
○小池晃君 だからね、これでは議論にならないんですよ。やっぱり所得が増えれば、順序逆なんですよ、全く、所得増えれば負担増やしていいと私言いません。しかし、所得確保するというのは、これ議論の前提があるべきで、その保障がないのに、大臣、率直におっしゃいました、年金や手当が増える見込みないと。そういうときに負担だけ増やすというようなことを提起したって納得できるわけないじゃないかという法案なんです。
 私は、今度の法案というのは、正に経済的基盤が確立されていない障害者の生活を後退させる、政府が決めた、地域で自立できる生活をするという施策の根本を掘り崩すことになる。さらに、今日何点か指摘したように、衆議院の修正によっても法案の問題点というのは何ら解決していないというのが実態だというふうに思います。
 私は、障害者の皆さん、本当にかたずをのんで見守っている重大法案。本当に今国会、残された期間は限られてまいりました。この中身に私はたとえ賛成であっても、こういう中身を拙速に審議をして無理やり押し通すようなことをやったら、私は国会が本当に障害者の皆さんの願いを裏切ることになると。これ、絶対にこの法案を強行するようなことあってはならないし、徹底的に審議をして問題点を明らかにして、本当に障害者の皆さんの暮らしにとって役立つ、そういう法律を作るのが私ども国会の責任だというふうに思います。その点で、与党の皆さんにも徹底的な審議を行っていくということを本当に強く求めていきたいというふうに思います。
 質問を終わります。
#219
○委員長(岸宏一君) 傍聴の方々に申し上げます。傍聴の方々は静粛にお願いいたします。
#220
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 今日は、障害者自立支援法案、私たちは障害者自立阻害法案だと考えますが、この議論の初日です。ですから、そもそも論、憲法論から展開をしていきたいと思います。
 尾辻大臣、七月五日、千百名の障害のある人たちなどが請願にやってきました。車いすやあるいはつえをついて皆さん来られました。どうしてこの法案に関してそのように反対が強いと思われますでしょうか。
#221
○国務大臣(尾辻秀久君) 一言で言いますと、今回私どもがこの法案を提出するに当たって、利用者の皆さんから、原則としてでありますけれども、もちろんそのことについて随分私どもなりの配慮をさせていただきながらでありまして、そのことは今日も御説明申し上げておるところでありますけれども、申し上げましたように、原則として一割の御負担をお願いする、そのことについての不安を持っておられるんだろうというふうには存じております。
#222
○福島みずほ君 当事者が当事者抜きに自分たちのことを決めないでと大きな反対があることを大臣としてどう受け止めていますか。
#223
○国務大臣(尾辻秀久君) そういう御意見をお述べになる方がおられることは承知をいたしておりますけれども、このことにつきましては、私が大臣になります前に党の方の部会長をいたしておりましたけれども、そのころから団体の皆さん方とは何回も勉強会を重ねてまいりました。そうした積み重ねの上でこの法案ができ上がっておるということも御理解いただきたいと存じます。
#224
○福島みずほ君 いや、今もって皆さん反対しているんですよ。生存権、生きる権利が奪われると反対をしています。
 今日資料をお配りしましたが、諸外国で比べて日本の障害者関連予算は極めて低いです。ILO基準によっても、OECDの基準によっても大変低い。この実態を財務省どう見ていますか。
#225
○政府参考人(鈴木正規君) まず、予算の話ですので、全体像をちょっと御説明させていただければと思いますが、我が国の社会保障関係費、約二十兆を超える歳出としておりまして、一般歳出の四三%を占めるに至っております。その中で障害者施策につきましては、十七年度予算で、厳しい財政事情ではありますけれども、全体では七千五百三十二億円、前年比で八・五%、それから特に、居住生活支援費については九百三十億円、前年比五四%という大幅な増を図っているところでございます。そういう意味で、十七年度予算におきましては、社会保障、なかんずく障害者施策については重点的に措置したところでございます。
 お配りの資料につきましては、それぞれの国におけますこの分類額について若干の定義の違いがあるんだと、必ずしもなかなか正確に比較できているものではないのではないかというふうな気もいたしておりますけれども、私どものこうした財政上の措置についても御理解いただければと思っております。
#226
○福島みずほ君 いや、決して多くないんですよ。諸外国に比べて、アメリカに比べても低い。ヨーロッパに比べても断トツに低い七千億円じゃないですか。米軍への思いやり予算は約三千億円。だれに対して、何のための思いやりを発揮すべきかというふうに思います。
 憲法二十五条との関係についてお聞きをいたします。
 どうしても障害のある人たちあるいは人権を考える人たちの賛同をこの法案が得られない最大の理由は、応益負担ということが全面に打ち出されている、一割負担があって生きていけないということにあります。これは益だから利用料を払えと言われることが極めておかしいというふうに思います。障害を持って生きる人たちは、わがままなわけでもなく、どこか行きたいと言っているわけでもなく、当たり前の、最低限度の生活を地域でやりたいというふうに考えているわけです。それに関して、支援費が増加したのは、今まで必要なのに我慢していただけであって、ようやく地域に人々が出れるようになった。それをなぜ抑制するのかというふうに思っております。
 トイレに行くこと、食事をすること、おふろに入ること、これらは益なんでしょうか。
#227
○政府参考人(塩田幸雄君) 憲法二十五条との関係でいえば、一項で、セーフティーネットというか、生活保護というか、最低限度の保障をするという趣旨の規定があって、二項は、そういうふうにならないために様々な福祉政策を講じるということだろうと思います。
 そういう意味で、現行の支援費制度も憲法の二十五条第二項の趣旨に沿ったものだと思いますし、今提案している自立支援法案もそういう趣旨に立ったものだと思います。
 障害者が生活する上でのいろんな介護の支援とか就労の支援とか、そういうものを充実するというのが正に憲法二十五条の趣旨でありまして、そういうことと今回の費用負担、いろんな配慮をしておりますので、結果的に障害者の方がそういう健康で文化的な生活ができるための施策として御提案をしておりますし、そのためのいろんな配慮もしていると、そういうつもりでございます。
#228
○福島みずほ君 健康で文化的な最低限度の生活を営めなくなるから反対をしています。
 これは衆議院の委員会で出ておりますが、いろんな方のデータが出てきています。これは参考人の尾上さんが言っていますが、例えば一級年金その他で十二万円の収入。家賃三万円、食費三万円、水光熱費二万円、その他二万円というぎりぎりの生活をしている。この人からも、障害基礎年金一級を受けているということで、二万四千六百円の負担が求められる。この生活の中でどうやって払わなければならないのか。どうですか。
#229
○政府参考人(塩田幸雄君) 一律定率負担と所得に応じた負担のミックスの負担をお願いしているということでありまして、低所得の方について限度額を設けて、更にいろんな配慮をするという大前提の中でありますけれども、いろんな障害者の生活の実態は、基礎年金だけで生活している方も当然いらっしゃると思いますが、基礎年金だけじゃなくて、仕送りであったとか預貯金であるとかあるいは就労があるとか、いろんな方がいると思います。最終的には生活保護というセーフティーネットもあるわけですけれども、そういういろんな生活ができるぎりぎりのところの御負担をお願いするという趣旨で提案しているつもりでございます。
#230
○福島みずほ君 様々な方からデータをもらいました。これでやっていけない、それがもうたくさん寄せられています。生活保護以下の暮らしですよ、皆さん。どうやってこれで食べていくのか、説明できないじゃないですか。どうして十一万円の収入で月二万四千六百円負担してやっていけるのか。
 問題なのは、減免があるとか上限設定があるということではなくて、応益負担であるということです。障害のある人たちは、例えばバリアフリーであるとかエレベーターがあるとか、そういうことで生きていけます。それは、個人で金を払えって言われるのではなくて、社会がその人たちのハンディをなくすようにしているからこそ普通に地域で生きていけるわけです。応益負担と言われたら生きていけないですよ。
 最大の問題点は、重い障害のある人は、実はたくさんの、ほかの人よりはたくさんのサービスが要る。要するにサービスの利用料が大変増えるわけです。つまり、その人が背負っているハンディをできるだけいろんな形でなくしていくことこそ政治の課題なのに、重い負担を持っている人にもっと重荷を負えって負担をするわけですから、生きていけないですよ。
#231
○副大臣(西博義君) 今回のこの改正において、この負担を義務的なことにして、そして同時に利用者の負担を見直すということにしているところが大きな特徴でございます。
 この際に、重度の方、それから所得の少ない方に配慮いたしまして、月額の負担上限、これを数段階設ける、それから個別の収入に着目して利用者負担を減免する仕組みを設ける、それから社会福祉法人が一定の低所得の方に対して軽減措置を講じて、それを公費が助成をするというようなことをしているわけでございます。
 これらの見直しによって、重度の障害者も必要なサービスを受けていただいて、社会全体として支える仕組みとなるというふうに考えております。
#232
○福島みずほ君 質問の意図を全く理解していただいていません。
 つまり、応益負担をすることが問題だと言っているんです。例外規定を設けても、上限規定を設けても、減免規定を設けても、基本的にサービスを得るんだったら金を払えと言われる。だとしたら、利用を抑制するじゃないですか。ワンランク下げますよと言われても、生活レベルがそれだけ下がるわけです。そのことについて全く答えていないですよ。そこをとらえて、最低限度の文化的生活が営めない、憲法二十五条の保障をなくしてしまうのがこの自立支援法案だと思います。
 お金のある人から金を取るのならいいですよ。でも、障害のある人、重い人からとにかく応益負担で段階的に多く金を取る、この仕組みが怒りを買わなくてどうするというふうに思います。
 大臣どうですか、私が質問している意味が分かりますか。
#233
○国務大臣(尾辻秀久君) そのことについても、申し上げておりますけれども、まず一つは、社会保障全体の制度の中での整合性ということもございます。その他の制度との整合性、そして特に私どもが気になりますのはやはり介護保険でありまして、今後、介護保険の普遍化というようなことがある、それも想定の中に入れて私どもは考えなきゃならぬと思っています。
 じゃ、介護保険の普遍化ということで、それを想定に入れますとどうしても介護保険との整合性というのは気になるところでありまして、そうした整合性の中からこの定率の負担をお願いするというのは、これは私どもとしてはお願いをせざるを得ないというふうにも考えておるところでありまして、答えの一つとしては申し上げておきたいと存じます。
#234
○福島みずほ君 いや、障害者の問題は違います。
 それから、このような考え方になっていけば、どんどんどんどん負担増というか、払えない人にも基本的には負担を設けていくということになります。多くの障害者は既に生活保護より低い所得水準にあって、応益負担が導入されれば生活水準が下がっていきます。
 では、例えば透析を受けている人、例えば六十三歳の透析患者で入院治療の場合というのでデータをもらいました。低所得層での患者負担額二千五百から五千円増、従来、更生医療で支給されていた入院時の食事代約二万四千円が負担増と。月に二万四千円負担増と言われたら払えなくなります。このような実態もどうお考えですか。
#235
○政府参考人(塩田幸雄君) 透析を受けている方々については、更生医療が適用されている一方で医療費の月額一万円の限度額は変わっているという、そういう制度の費用負担になっていると思います。
 そういう中で、どんどん負担増は、御指摘のとおり負担増はありますけれども、食費について言えば、やはり在宅でおられる方も同じように食費の負担がありますし、医療保険の中でも標準的な医療費の負担はしていただくということになっております。また、福祉サービスの方にも標準的な食事の負担をしていただくということはありますので、負担増ではありますけれども、そこは是非御理解をいただきたいと思います。
#236
○福島みずほ君 いや、負担増でみんなは生きていけないって言っているわけですよ。実際、収入、例えば年金が六万六千円、その中で一万五千円払えと言われてどうやって暮らしていくのか。局長、どうやって暮らしていくのか教えてください。六万六千円で一万五千円払う、どうやって暮らしていくんですか。
#237
○政府参考人(塩田幸雄君) 何度も申し上げますが、障害を持つ方々が地域で暮らせるためのサービスの質と量をどう高めていくかということが出発点でございまして、そのための国や自治体の負担の在り方、その中で、障害を持つ方でサービスを受ける方にもそれなりの御負担をということが出発点でありまして、単純な応益負担を求めているのではなくて、受けたサービスと所得との両方ミックスした形で、できる範囲内の御負担をお願いしたいということを申し上げているつもりでございます。
 それから、大臣が申し上げましたような、将来の地域福祉の施策である介護保険のことも今後の課題でありますが、考えていくことが障害者福祉のすそ野を広げるという意味でも避けて通れないテーマであることは間違いないことでありますし、最終的には、余り申し上げたくありませんが、生活保護という選択があるわけですが、それが推奨すべきものじゃありませんけれども、いろんな形で、負担できる範囲内で、いろんな工夫をしながら、負担の激変緩和とかしておりますので、是非御理解をいただきたいと思います。
#238
○福島みずほ君 いや、理解できません。
 この障害者自立支援法案は、障害者を本当に切り捨てる法案です。生活保護を受けろと言うけれども、受けられないですよ。いろんな資産調査や全部明らかになって、また現在、生活保護は非常に限定的になっています。障害者は全員生活保護を受けろと言うんですか。それも本当に問題です。
 次に、私は、今回の法案が憲法二十五条、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」、国は、すべての生活面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならないという憲法に違反している法律であると考えます。
 次に、憲法十三条との関係で申し上げます。すべて国民は、個人として尊重される幸福追求権、これが憲法十三条で規定がされています。
 ところで、家族の扶養義務。扶養義務を廃止するとしながら、福祉サービスの利用は生計を一にする家族の負担を勘案するというふうになっています。法案の中身でも、例えば資料の提供、十二条、市町村長は、自立支援給付に関して必要があると認めるときは、障害者等、障害児の保護者、障害者等の配偶者又は障害者等の属する世帯の世帯主などなど、資産又は収入の状況につき、資料の提供を求め、銀行、信託会社その他の機関若しくは障害者の雇用主その他の関係人に報告を求めることができるとなっています。
 つまり、個人として尊重されるということではなく、家族に負担をさせる、しかも資料を提供しなくちゃいけない。結局、家族に面倒を見てもらえと、障害のある人たちは家族が責任を持てということになり、実質的には一割負担は家族が払うことになります。これは問題だと考えますが、いかがですか。
#239
○国務大臣(尾辻秀久君) 先ほどからのまず御議論について申し上げておきたいと存じます。
 私どもは、今後、障害者の皆さんに対する施策の費用、これが大きくなるということを当然考えなきゃいけないから、その大きくなるものに対して備えようとしておるわけであります。パイを大きくしようとしておるわけでありますから、全体のパイを大きくするためにどうするかということを考えておるわけでありますし、そして、その全体のパイを大きくしたそのまたパイを確実なものにしたいということで義務的経費にするということを言っておるわけでございますから、そのことは是非御理解をいただきたいと思います。その中で個々の話が出てくる、その個々の話は丁寧に丁寧に対応していきたいということをまた繰り返し申し上げておるわけでございますので、是非そこのところは御理解をいただきたいと存じます。
#240
○福島みずほ君 全然全体のパイは大きくなっていません。
 冒頭言いましたけれども、予算としてちっとも、障害者の人に関する予算は、諸外国と比べてもそんなに大きくないわけですよ。で、個人の応益負担をやることで人が本当に生きられない。二十五条の話にまた戻って恐縮ですが、結局、かつて女の人は家にじっとして引っ込んどれと言われていた時代がありました。応益負担にすると、作業所に通うサービスを得るのだって費用を負担しなくちゃいけない、工賃が一万円のところで実際サービスを受けるのに応益負担をしなくちゃいけない。だったら、障害者はとにかく家にじっとして外に出るなと、こういう法律ですよ。それについていかがですか。
#241
○国務大臣(尾辻秀久君) 今外国との比較をまず言われましたけれども、これは比較の仕方がいろいろあろうかというふうに存じます。ただ、この予算が増えておるか増えてないかということで申し上げると、これはやはり明確にさせておいていただきたいと存じます。
 先ほどもお答え申し上げましたけれども、平成十五年度で六千六百五十九億円、平成十六年度で六千九百四十二億円、ここで四・二%伸びております。さらに、平成十七年度で七千五百三十二億円、八・五%伸びておるわけでございます。そのように毎年予算を伸ばしてきておる。しかも、先ほど来申し上げておりますが、そして先生方の御指摘にもあるわけでありますが、極めて財政的に苦しい、そしてその他の予算がほとんどゼロかマイナスになっている中で伸ばしてきておるという、このことだけは是非御理解をいただいておきたいと思います。
 そして、これが更に今後伸びるわけですから、伸びるのをどうするかというのは極めて大きな課題なんです。それを何とかしたいと思っていて今度のことも申し上げておるということだけは是非御理解いただきたいと存じます。
#242
○福島みずほ君 ちびちびと増えていることは分かっています。そんなのはもちろん分かっている。しかし、それはむしろ、今まで障害のある人たちが外に出られない、障害のある子供を抱えたら親のせいだと言われる、その中でみんな我慢していたわけですよ。それが少々増えてきた。厚生労働省はなぜ頑張って予算取ろうとしないんですか。
 ところで、今回の法案の一項の「目的」のところ、「障害者及び障害児がその有する能力及び適性に応じ、」という文言があります。これは障害者基本法の中でなくなったものです。憲法十四条との関係でいいますと、「能力及び適性に応じ、」ということは、能力と適性に応じ、例えば分離教育などに能力と適性に応じということで使われてきたという面があります。これが入った理由は何なんでしょうか。
#243
○政府参考人(塩田幸雄君) 私たちがこの法案の立案に当たって、障害者に限らずすべての人間というのは一人一人何らかの能力と適性を持っているという、そういう大前提で考えたつもりでありまして、そういう趣旨で障害者お一人お一人がお持ちの能力や適性を最大限に生かしていく、そのために、介護サービスとか就労支援とか、いろんな社会参加とか移動支援とか、そういうもののサービスのパイをどう増やすか、質をどう高めるかという観点から立案をした、そういう趣旨で盛り込んだつもりでございます。
#244
○福島みずほ君 いや、ちょっと納得がいかなくて、障害者基本法よりもこの法律がやはり後退をしている、障害者基本法よりも障害者の範囲も狭いですし、それから、基本法の旧法の六条の「障害者は、その有する能力を活用することにより、」云々、「自立への努力」などはなくなりました。ところが、今回、突然「能力及び適性に応じ、」というのが入っている。これは悪くすると、能力及び残存能力、いろんな能力を高めることはもちろん必要だけれども、これが能力及び適性に応じなさいという分離などに使われるのではないかというふうに大変不安を感じております。
 国連決議、障害者が他の同年齢の市民と同様の権利を有するというふうにしています。憲法十四条は法の下の平等、実質的平等を規定しているのですが、応益負担というふうにすることでこの平等も実現できない、遠のくと考えますが、いかがですか。
#245
○国務大臣(尾辻秀久君) 憲法十四条を引いてのお話でございました。
 先ほど来申し上げておるわけでございますが、この法案は、今後とも新たな利用者が見込まれる中で、サービスを必要とするすべての障害者の皆さんに対して、より安定的な制度の下で障害者の自立支援につながる良質な福祉サービスを公費により提供する制度づくりを目指すものでございます。
 具体的には、全国どこでも必要なサービスを公平に利用できるように、支給決定のルールを公平、透明なものとする、在宅サービスについての国等の費用負担を義務的なものとする、市町村等にサービスの種類ごとの必要な見込み量を定めた障害福祉計画の策定を義務付けるなどのことを御提案申し上げておるところでございます。また、サービスの利用者負担につきましては、重度の方に配慮した所得に応じた負担上限額や、所得の少ない方がおられることにも配慮したきめ細かな低所得者対策も提案しているところでございます。
 このように、この法案は全体として現在よりも障害者の実質的な平等の確保に資するものであると考えておるところでございます。
#246
○福島みずほ君 負担増になることがどうして実質的に平等の確保になるのか、明らかに負担増になる応益負担そのものが問題であり、幾ら減免規定や上限規定を設けても、生活保護を受ければいいというふうな形でなったとしても、それは駄目なんだということの趣旨がやっぱり分かっていただけていないと思います。
 先ほど扶養義務の、要するに世帯で扶養義務があるということが、なりかねないということについて明確な答弁をいただいておりません。家族の扶養義務の強化になって、家族に迷惑を掛けられないと抑制的になる、この点について一言答弁お願いします。
#247
○国務大臣(尾辻秀久君) 今、最初の部分についてだけは申し上げておきたいと思いますけれども、現在でも、先ほど来これまたお示しをいただいておりますように、すべての障害者の皆さんがサービスを受けておられるわけではない、まだ十割に達していないというお話もございました。ですから、これからすべての皆さんにサービスを受けていただこうとする、そういうことを考えておるわけでございますから、それは正に公平につながるんじゃないでしょうか。私はそう思っておりますということを最初のお話の部分についてはお答え申し上げたいと存じます。
 後段の部分については西副大臣よりお答えいたします。
#248
○副大臣(西博義君) 今までの支援制度は、これは一定の扶養義務者にも負担義務が課せられていたということでございますが、今回の法律は、その負担を廃止して、障害者本人のみを法律上の負担義務者としているところでございます。その上で、利用者本人の負担について、その負担能力に応じて月ごとの負担の限度額を決めると、そのときに、経済的な面において世帯の構成員がお互い支え合うという生活実態があることを踏まえて、介護保険などと同様に、生計を一にする世帯全体で負担能力を判定をさせていただくというところでございます。
 その範囲はどうかということで種々議論がございますが、今回は、そういう意味では、月ごとの負担上限を決める場合に生計を一にする世帯の所得で決定するということが原則でございますけれども、障害者と同一の世帯に属する親、兄弟、子供等がいる場合であっても、その親、兄弟、子供等が税制と医療保険のいずれにおいても障害者を扶養しないということになったときには、障害者本人及び配偶者の所得に基づくことも選択できるということにしたところでございます。
#249
○委員長(岸宏一君) 福島さん、時間でございますので、手短に。
#250
○福島みずほ君 はい。
 公平にということですが、公平に障害者の人たちが生きられない法案になるだろうというふうに思います。
 今日は初日ですが、たくさんいろいろ質問する必要があり、これについて強行に採決をしたり、ひどいことが行われないよう、命を大事にする厚生省に立ち戻っていただきたいということを申し上げ、私の本日の質問を終わります。
#251
○委員長(岸宏一君) 本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。
   午後五時十分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト